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68回国会参議院1972/05/25

建設委員会 第16号

発言数
198
登壇者
19
会派数
3
開催日
1972/05/25

会議録

小林武日本社会党

○委員長(小林武君) ただいまから建設委員会を開会いたします。  参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。  河川法の一部を改正する法律案及び特定多目的ダム法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、水資源開発公団の役職員を、また、日本勤労者住宅協会法の一部を改正する法律案の審査のため、同じく本日の委員会に、日本勤労者住宅協会理事谷口次雄君をそれぞれ参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小林武日本社会党

○委員長(小林武君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

小林武日本社会党

○委員長(小林武君) 河川法の一部を改正する法律案、特定多目的ダム法の一部を改正する法律案、いずれも衆議院送付の両案を便宜一括して議題といたします。  前回に引き続き質疑を行ないます。  質疑のある方は順次御発言を願います。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 いままでの審議の過程におきまして、同僚の議員諸君からいろいろとお尋ねがありまして、私が質問しようと予定した件につきましても、大体前任者の質問に含まれていたことが多いわけであります。したがいまして、なるたけ重複を避けて簡潔にお尋ねをしていきたいと思っております。  最初に河川法の一部改正法の点ですが、第四条第一項について、「政令で指定したもの」が「建設大臣が指定したもの」というように変わっているのですが、特に意味がありましたら御説明願いたい。何か法律用語の訂正ですか、その点ひとつお伺いしたい。

川崎精一建設省河川局長

○政府委員(川崎精一君) 私どもの考えましたのは、河川法の今回の改正に際しまして、できれば事務簡素化、こういった目的を果たしたい、こういうようなことで、現在は河川の指定につきましては、一級水系の指定と、それからそれぞれの水系の中の河川を指定するものと二つに分かれております。で、一級水系の指定につきましては在来どおりの手続を踏むわけでございますけれども、個々の河川を指定いたします場合に、在来は政令の形式を踏んでおったわけでございますが、最近ではかなり各一級水系の河川につきましても指定がおおむね終わっておりまして、最近では地番の変更だとか、あるいはわずかな区域の延長だとか、あるいは間違いの訂正、こういったような非常に事務的なものが多いわけでございます。したがって、在来どおり知事の意見だとか、あるいは河川審議会の議、こういったものは十分審議をいただくわけでございますけれども、手続の上でこれを告示の形式をとったわけでございます。それによってやはり県なりあるいは地方建設局、そういったところの事務の手続上の非常に簡素化になるんではないか、また、告示形式によりますと、新しく変更されるものだけを見やすい様式で告示できる、そういったような一般に対する周知のしかたも非常にうまくいくんじゃないか、こういうような観点でしたものでございまして、特に河川法の本来の考え方の趣旨からはずれたものではないというようなことで、簡素化を主として変更したわけでございます。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 次に、河川法の改正の一番中心的な課題ではなかろうかと思うのですが、二以上の河川を連絡する工事というのがございますね。これについては受益者負担をさせるということでありますが、何かこの間説明によりますと、この河川が目下二つぐらいあるような説明でありましたが、その二つ以外にかなりやはり全国的に二つないし三つの河川を連絡をして流水を調整するとかあるいは補強するとか、そういった工事をする予定があるのか。たとえば二つの当面予定する連絡流水工事についてどういうものが受益をするものか、そういった予定もあろうかと思うのでありますが、そういった説明をちょっとお願いしたいと思います。

川崎精一建設省河川局長

○政府委員(川崎精一君) この前御説明をいたしましたように、当面予定いたしておりますのは、利根川水系の利根川本線とそれから江戸川を結びまして、これによって利根川本線に鬼怒川といったような非常に冬季の水量の豊富な河川が入ってきておりますので、これと、それから江戸川はさらに中川と結ばれるわけでございますが、利根川上流部でいろいろ使いました農業用水等の余剰水が中川を通じて今度は江戸川に入ってくることにになります。したがって、夏季の余剰水と、それから冬季の水と組み合わせまして、大体毎秒十トンぐらいの新しい水が生まれるんじゃないか、こういうことでございますので、こういったものをうまく管理をいたしまして、新しい水資源の開発に寄与したいということでございます。  なお、そのほかには、中部地方の木曽川と庄内川を結ぶ河川を現在調査を始めたいと思っております。そのほかに予定をいたしておりますのは、近畿の大和川と淀川を結びまして、できるだけ流量調整その他を行ないたい。それから岡山には吉井川、旭川、高梁川といった大きな三川がございますが、こうしたものを結ぶことによってかなり合理的な水の利用がはかられるのではないかという期待がするわけでございます。こういったものについても現在予備調査をいたしておりますので、今後計画がまとまれば実施に移したいと考えておる次第でございます。なおそのときの、法律では特別水利使用者となっておりますが、私どもの考えておりますのは、主としてやはり上水道、それから工業用水、したがって、主として公共団体がこの対象になろうかと思いますが、そういった一般の公共用水のための水資源の利用の合理化をはかりたいということを考えておるわけでございます。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 その場合、上水道の場合には受益者負担は別に考えていないのですか、上水道に利用する水については。

川崎精一建設省河川局長

○政府委員(川崎精一君) 上水道、工業用水、それぞれ同じような扱いで適当な費用の分担を特別水利使用者に課するという考えでおります。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 当面、江戸川と利根川の場合に受益する地域は、東京都に限定されるのか、あるいはその他の地域もその計画によって受益する地域があるのか、いかがですか。

川崎精一建設省河川局長

○政府委員(川崎精一君) 千葉県と東京都を予定いたしております。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 次に、準用河川の拡大ということも、今度の改正でかなり重要な位置を占めているようでありますが、どうも準用河川の指定が拡大される。これはいままで一級河川、二級河川として指定された河川以外のものを市町村長が指定することになっておりましたが、今度はまあ一級、二級河川の上流、支流をも準用河川にするということになるようでありますね、これは一級河川、二級河川の地域の指定がありますから、いわゆる全域が一級、二級でないという点はわかっていますけれども、どうも私割り切れないのは、一級、二級河川を指定したらかなりのところまで指定をして、当然国や県が責任を負うべきではなかろうかと思うわけです。一級、二級河川に指定されない以外の河川はこれはまた別として、今度この法律で改正する面は、いま言ったように一級、二級河川の支流あるいは源流と申しますか、もちろん、それには限度もありましょうけれども、何か国や県の責任を河川管理あるいはそれに要する管理費などの面も国や県が市町村に転嫁するような感じがしてならないのです。私に言わせれば、準用河川に指定させるならむしろその上まで一級、二級河川として国や県が責任を負ったらいいじゃないか、いまさら市町村に財政的な、特に町村に至っては御承知のように、非常に財政的には弱小であります。そういうところに何もよけいな負担をかけることはないんじゃないか、こういう私としては気がするのですが、これいかがですか。

川崎精一建設省河川局長

○政府委員(川崎精一君) ただいまお話しのとおり、河川法のたてまえからいきまして、やはり水系全体についてそれぞれ河川管理者が一貫した工事の計画を立てまして改修工事を行ない、管理をするということが原則でございます。しかし、中には非常に流域が小さくて、ほとんどその影響が一地域に限られておるというような小河川がずいぶん多いわけでございます。また、河川の上流部は主として砂防指定地等の指定をすることによって、渓流その他の問題についてはこれを管理をし、あるいは改修をしておるわけでございます。したがって、河川の水系全体を見て必要なところというものについては、これは今後ともどんどん河川指定をいたしまして、本来の河川法を適用をした河川ということで、国なりあるいは県が管理をしていくということは、今後とも当然われわれも進めていくべきであると考えておる次第でございます。ただ、非常に末端の小河川、農業水路的なような河川がずいぶんたくさん全国にはございます。そういったものについては、むしろその地域の生活環境に非常に密接な関係がございます。で、これが必ずしも本来の河川の幹線に直接影響するというような規模でないものが無数にあるわけでございます。その中で、改修工事その他を必要とするものは、もちろん、これは河川に指定をしますけれども、それ以外の、いわゆる小さい河川で、まあ通常の管理をして不法占用を取り締まるとか、あるいは不法投棄を取り締まるとか、そういったような、河川法を準用して監督をむしろ地域できめこまかくやってもらったほうが、その地域の住民の方にとってもプラスじゃないかと思われるような河川については、これを今回市町村の管理という道を統一的な方向で開いていこうと、こういう趣旨でございます。したがって、特に、通常の管理につきましては大した経費も私ども要らないんじゃないかと考えておるわけでございまして、災害その他の都合で大改修をしなくちゃいけない、こういった場合には積極的に今後とも河川に取り組んでいきたいと考えております。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 この準用河川の拡大、特にいま言った一級、二級河川の支流や上流、いわゆる指定されていない部分に対する準用河川への拡大の法案をお出しになる前に、いわゆる関係地方公共団体の意見をお聞きになったことがあるかどうか。市町村長はこの法案の改正に対してどういう態度をとっているか。反対ではないのか。あるいはいま局長が答弁をされたように、いろんな工事、その他は別として、河川への投棄物の取り締まりとか、そういった、いわゆる河川法の立場、これは金のかからぬ面で運営されるわけですが、そういったことで賛成しているのか。それに対する世論というか、地方公共団体の関係者の意見を徴したことがあるかどうか。あるならばどういう態度をとっているか。ちょっとその辺を伺います。

川崎精一建設省河川局長

○政府委員(川崎精一君) 全国の府県、あるいは市町村に対しまして、正式の手順を踏んで意見を照会したことはございません。しかし私どもの接する機会をつかまえまして、かなりの方の御意見を伺いました。大体要約いたしまして、現在市町村では農業水路、その他いろいろ小河川がございますけれども、かなり水質その他の面で悪化してきておる。したがって、これを現在は財産管理は府県がやり、そして行政的なものは条例で市町村がやっておるのがたてまえになっておりますけれども、なかなか条例等もこれを制定することには、やはりいろいろ手順を踏まなくちゃいけない。なかなか内容等についてもいろいろ問題があるので、むしろ河川法を準用して統一的な方向でやらしてもらえば非常にうまくいくんじゃないか。そして、この指定は市町村長が行なわれることになりますから、各地元の市町村の自主性で準用河川を指定し、あるいはこういったものがすでに公共下水道、こういったものの整理統合によって不要になれば廃川処分もできる。それから、先ほど申し上げましたような行為の規制だとか、そういったものも行われるわけでございますので、まあ市町村とすれば非常にいい方向ではないか。ただし、そのために財政を圧迫するような改修工事等については、これはやはり準用河川で市町村が負担するということは非常に困るので、その辺は十分考えてもらいたいといったようなことが大体一致した意見でございました。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 大臣にお伺いしますが、いまお聞きのとおりでございますが、私やはり国や県の責任転嫁ではないかというまだその疑念が完全には払えません、まあこれは運用によってどうにもなることでありますから。そうでなくても、地方公共団体の財政の非常に苦しいことは大臣もよく御承知であります。この準用河川の拡大が、いわゆる河川の汚濁やあるいは廃棄物等の投棄等による自然の破壊等を防止するという面は、これは末端の行政機関でありますから、その河川の流域であるわけですから、一番目が届くわけです。そういった面では、これはたいへん期待できることもあろうと思うのであります。しかしいま局長の御説明ですと、工事その他特別な場合には、一級河川は国が、二級河川は県が財政的なめんどうを見ようではないかといったような趣旨のことがございました。ぜひそうあってほしいと思うのです。そうでないと、せっかく準用河川に指定してよかれと思ったことが、結果的に地方公共団体の財政負担あるいはその他のことでまいりますと、これはたいへんなことになりますから、こういう点に対する行政的な指導を大臣にはぜひやっていただきたいと、こう思うわけです。まあそうでないと、いわゆる親心の法律の改正が非常に別な悪い面に出てくる、そういうことだと思うのですが、ひとつ大臣御所見を最後に伺います。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(西村英一君) 御承知のように、どんな大河でも、いわゆる小さな川やはり細流から成り立っておるわけでございますから、そこで大河の根幹のほうは、やはり一級水系ですと、それは建設大臣が仕事を見ると。しかしどんな大きな川も、もとをただせばあらゆる毛細管から成り立っておるのでございまして、その毛細管はそれぞれの市町村を通ってそして大河に流れ込んでおるのでありますから、やはり直轄である区間だけをやったんではだめだ。やっぱりもとを、その細流を直さなければならぬということでございますが、いままでの河川行政のまあ一つの欠陥でございますのは、もとのほうがなかなか、市町村それぞれ部落を通っておっても、どちらかというと等閑に付せられたというようなきらいがある。それというのも、ただ単に管理は市町村だというだけであって、いわゆる河川法の適用も受けていないというようなことですから、今回の準用河川という制度を活用して、やはり区間をきめて、これはぜひ市町村の方が、地方公共団体が守ってください、そのかわりに国としてもいろいろな面においてこれは援助しなければならぬだろうというのが、今回の改正の趣旨でございまするから、その辺は十分、私たちはこういう義務を仰せつけるわけでございまするから、財政の面でも何らかの方法でそれができるようにしたいと思うわけでございます。  実は、私もこの河川法のおい立ちはよく知りませんが、一級水系一級河川、二級水系二級河川、それで準用河川という、こういう準用河川ということばは三級河川かと、まあこういうことをいろいろ聞いてみるのですが、私はいまのところ準用河川というのは、もう河川といってもいろいろ小さな渓流から成り立っているんですが、そのうちで全部を見られるわけじゃないんだから、やはりそのうちでもっていままでないがしろにしておいたが、それを手をつけなければならぬその渓流を河川に準じてひとつ管理すべきだという精神で、準用河川とこう言うんだろうと解釈いたしておるんでございます。したがいまして、この準用河川の制度を生かして、そうして、なお財政的にもわれわれはいろいろめんどうを見なければ、川のもとを正さなければ、やっぱり一つ根幹はよくならぬというような制度でやっているわけでございますから、あなたの御心配のようなことは十分われわれとして注意をいたしたいと、かように考えておる次第でございます。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 ぜひひとつそういうふうな点に心して運用をお願いしたいと思います。  次いで、多目的ダムに関して若干のお尋ねをしたいと思います。  日本で一番古いダムは何というものでどこにありますか。これはダムにもいろいろありますが、何千万トンか貯水しているというダムで、かなり大きなダムで一番古いダムはどこにある何というダムか御承知ありませんかな。

川崎精一建設省河川局長

○政府委員(川崎精一君) 日本で一番古いダムはやはり農業水利からスタートしておりますので、一番古いダムはすでに弘法大師の時代にかなりのダムができておりまして、歴史的には、ちょっと年代は忘れましたが、奈良県の大和川水系の上流にありますが、菅原にあるダムが一番古いようでございます。しかし、これは土堰堤のダムでございます。コンクリート堰堤として一番古いのは、兵庫県に水道用のダムとして布引堰堤というのがございますが、これが一番古いんじゃないかと記憶いたしております。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 いつごろできたのかわからぬですか。

川崎精一建設省河川局長

○政府委員(川崎精一君) ちょっと……。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 これはちょっと先に調べておいてもらえばよかったのですが、うっかりしたのですが、私が聞きたいのは、ダムがずいぶん今後できるわけですね。いまもつくっているダムの大体寿命がどのくらいあるのかということなんですね。問題はそれからさらに決壊という、ダムの決壊の惨事はこれはまた非常に大きいわけですね。幸い日本ではあまり大きなダムの決壊を聞いていませんが、世界ではかなりありますね。最近、建築にしても、道路にしても、日本の土建技術もかなり進歩発達はしているようでありますが、ややもすると不心得なものがありまして、工事の手抜きその他があることは現実なんです。建築も小さいものであればたいしたこともありませんけれども、この間のベランダの欠陥等もありますし、さらに道路等においても中央自動車高速道路のああいう点もありますし、これは工事自体というよりも、やっぱりその工事、道路の上の決壊というのは、これは法律と一体であるから、これも問題である。これもしかしそのときに車の通行がなければ危験はなかったのだが、ダムの決壊なんというものは、これはもしあったとすると非常な大きな災害を伴う。  そこでいま一番古いダムということでお尋ねしたのは、日本のダムがかなりできておるけれども、決壊するような危験は絶対ないかどうかということなんです。と同時に、日本ではいま言ったように、あまりダムの決壊で大きな惨事を引き起こしたことは幸いなかったと思うのですが、それでも絶無ではないと思うのです。そんな関係で、日本でダムの決壊という具体的な事実があったかどうか。私は寡聞にしてあまり知らないんですが、皆さん方これは仕事上御承知でありましょうが、もしありましたら、どこのダムがいつごろ決壊してどういう被害があったかということもわかっていますか。いまわかっていたら教えていただきたいし、わからなかったら調べていただいて、あとで御報告いただきたい。日本で一番——これはもちろんコンクリートのダムですよ、古いダムというものもあわせてお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

川崎精一建設省河川局長

○政府委員(川崎精一君) 日本でダムの決壊のケースは非常に少ないと記憶いたしております。たしか北海道でそういった例が一カ所私の記憶ではあったように思います。それから、そのほかに多少ゲートの事故等によりまして筑後川の有明だとか、それから関西の由良川の関西電力のダム等ではゲートによる事故がございました。しかし、いわゆる決壊の事故というのは私の記憶の範囲では一カ所程度じゃなかったかと思います。外国ではフランスとかあるいはイタリア等におきまして地質の問題、それから流域のやはり大崩壊等に伴いまして決壊をした例がございます。内地の例につきましては、後ほど資料等でまた御説明をいたしたいと思います。  それからダムの寿命の問題でございますが、われわれ機能といたしましては、主としてこれは堆砂のために非常に機能が減殺されるわけですが、そういうことを考えまして、最近のダムでは大体流域の広さ、それから地質の状況、こういったものを考慮いたしまして、まあ百年間分ぐらいの土砂量を推定してそれを余裕として持った上に、それぞれのダムの機能に必要な貯水量を上乗せする、こういうような計画をさせておるわけでございます。したがって、コンクリートそのものはかなりまだ長期の寿命があろうかと思いますけれども、機能的には大体百年ぐらいが一つの目標になっております。  しかし、それじゃ百年たてば全然だめになるかというようなことにつきましては、やはり堆砂をどういうように防止するか、あるいはたまった土砂をどう排除するかというようなことにつきまして、現在私どものほうでも流域の砂防事業の促進とあわせて今後重要な問題として検討をしていきたいと考えております。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 いまどんどんつくっているこれは利水治水のために必要なことは当然でありますが、いまのお話を聞いていると百年ぐらいの寿命といいますと、やがて私どもの次の世代ないしはその次の世代ごろになりますと、各地のダムがそれぞれ寿命がくるということになりますね。そうなりますと、これはかなりの徹底した対策を講じておきませんと、いわゆる子孫のためにつくったダムによって子孫がえらい災害をこうむるということは絶無とはいえぬと思う。これは私たちの責任であります。したがって、こういったことをやるためには、そのくらいの見通しというものを持っておりませんと、ただ、いま水が足らぬからダムをつくるんだ、あるいは工業用水が不足するからダムをつくるんだというだけでは、私はやっぱり相ならぬと思うんです。そういった一つの長期の見通しとダムの寿命というものを計算しながらいかなくちゃならぬと思うのですが、大体ダムなんというのは途中でこれは修理工事ができるのですか。この辺もやっぱり問題だと思うのです。あれ、だけの大きなものをつくってどこかに欠陥が起きたという場合には修理はきくのかどうか。修理をした実績があるかどうか、この点いかがですか。

川崎精一建設省河川局長

○政府委員(川崎精一君) 非常に危険なダムがもし発見されるということでございますれば、これはやはり何らかの処置をとりまして、たとえば、貯水池の水を別の方法で排除して水位を低下させてしかるべく修理をするというようなことも考えられますが、先般、地震問題その他のときにいろいろ重要な構造物の総点検を行ないました。で、そのときに、もちろん全国のダムも悉皆の調査をしたわけでございますが、少なくとも、コンクリート堰堤でしかるべきダムについては、そういった心配はまずないという報告でございますので、いまおっしゃるような事態は当面はないんじゃないかと思います。ただ長期に見ますと、ダムそのものは破壊されませんが、やはり堆砂等によって機能は減殺していくことは確かでございます。全国の私どもの実施しております多目的ダムにつきましては、当初計画時点で想定しておった堆砂よりも早く砂がたまっていくというような傾向のダムも幾つか現実にございます。まだ予定をしておりますものには十分余裕はございますけれども、そういったものにつきましては、地域の利用状況にもよりますが、砂利採取業者等を利用して、むしろ積極的に上流部で堆砂の排除をさせるとか、そういったような管理の方法も考えておるわけでございますが、いまお話しの抜本的な問題といたしましては、少し時間をかけまして十分検討をしていくつもりでおります。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 大臣にこれはお願いするんですが、いまお聞きのとおり、私、ダムにも寿命があると思うんです。先ほどから質問していますように、ずいぶんダムができるわけですし、この多目的ダム法の今度の改正もどんどんダムをつくるためのこれは改正だと思うんですが、これはしかし水というものが人間の生活にもう不可欠の問題でありますから、これは人間が生きていくためにも、また今後日本が大いにいろんな意味で発展するためにもこれは要求されることであります。しかしそれはそれとして、やはりかなりの慎重さと、やはりかなり長期にわたる見通しをやっぱり確立した上で仕事をしてもらいませんと、先ほども言ったように、よかれと思ってやったことがかえって災害を起こすということも、これはないとは言えません。したがって、これは土木建築に、特に四十七年度景気浮揚のために過大な投資をするわけでありますが、建築や道路工事等においても、もちろんこれは手抜きや不正工事はあってはなりませんけれども、特にダム工事においては、これは私はよほど慎重にも慎重を期していただかぬとならぬと思うんです。ひとつ大臣にそれぞれの責任者に厳重なやっぱり注意と指示をいただいて、将来ダムによる災害が絶対起こらぬという確信を持った指導行政をしてもらいたいと思うんですが、ひとつ大臣の決意をお伺いしたい。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(西村英一君) ダムの寿命とは一体何かと、こういうことですが、いま河川局長が言われるのは、いわゆるダムそれ自身の、堤防それ自身の、堰堤それ自身の寿命、これが百年ぐらいもつだろうというんですが、これはいま技術が進んでおりますから、百年もその上も永久的だろうと思います。しかしそのダムの寿命というのは、ダムの目的は貯水の問題ですから、その貯水が初めの能力より減退すると、これがダムの寿命とも考えられます。そういう意味の、ダムの機能からいった寿命というものが、いまでも相当に古くなったものは、私はいわゆる寿命が相当に縮まっておると。たとえば二千万トンの貯水の能力を持っておったものが千万トンになった。泰阜のダム等は、私は最近は知りませんが、相当に減退をしておる。三分の一ぐらいじゃないかと思うが、泰阜のダム、それはいわゆるダムの寿命です。寿命がきたとこういうのです。目的がなくなるのです。だから、コンクリートの堰堤それ自身の寿命ということは、いまはなかなか技術が進んでおりますから、まあ百年とちょっと言いましたが、それはコンクリートの寿命からきておるでしょうが、半永久的と考えてもいいほど技術が進んでおって、心配はないと思います。いままでのダムの決壊はどうだ。これは昔は技術が進んでおりませんから、大被害を及ぼしたことはないけれども、小被害を及ぼしたダムの決壊は私はたくさんあると思います。現に私の県あたりも、これはやはり桂川という中小河川がございますが、その上にはかつてダムがあった。それが決壊した。それですから、いま桂川のダムをつくってくれというてもなかなか心配で、昔はこうだったと、昔は小さなダムでございましたから被害も大してなかったと思いますが、中小河川のダムを考えりゃ崩壊はたくさんあったと思いますが、大崩壊というようなものは、それはあまりなかったと思います。いずれにいたしましても十分、後世に残る事業でございますから、いろいろな面について十分ひとつ気をつけなければならぬ。したがって、ある時期がきたらやっぱりダムの点検、清掃、砂利等の堆積物の採取というようなことをやってその寿命を保たせるように、また、ダムの目的の機能を保持するようにしていかなければならぬ、かように考えておる次第でございます。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 ひとつぜひ間違いのない行政的な指導をお願いしたいと思います。  次に、今度の多目的ダム法の改正は、いままではまあアロケーションがきまってから工事に着手したわけですが、これはなかなかだんだんいろいろと水の需要が多くなる、水の供給が追いつかぬということになりますと、アロケーションもなかなかそう簡単にいかぬようになるだろうと思います。それを待っておったんではなかなか工事が進まぬと見て、いわゆるアロケーションの決定を待たずに工事をするのだと、こういうことでございますが、これは一面当然のような気もしますし、また、そうすることがあるいはその水供給の面からいいようにも思われるような反面、何と申しますか、強権発動的なまた感じがするのですよ。もうその需要者への配分もまだ何もきまらぬのにやるのだと、こうなってまいりますと、どうも私、この改正の底に強権発動的な危惧があるのでございますが、聞けば、そんなことはないとおっしゃるに相違ないけれども、そういったやっぱりものを感じるのですが、大臣いかがですか。そういう点は絶対、アロケーションきまらぬうちにダムをどんどんつくっていくことになるのか。何かこうダムをしゃにむにつくる、まあ土地収用法のようなにおいがしてならぬのですよ。これをまず解明してもらいたいと思うのですが、まあ答えはここで言えばそんなことは絶対ないとおっしゃると思うけれども、しかし、同じそういうことをおっしゃるにしても私どものそういった危惧を払拭するようなひとつ言い方があると思うのですが、どんなものでしょうか。

川崎精一建設省河川局長

○政府委員(川崎精一君) まあ今回の多目的ダム法の改正を企図いたしましたのは、先生のおっしゃるような、そんな大改正ではございませんで、在来どおりやはり基本計画を立てまして、それによってまあ洪水の調節量、それから都市用水に対する要量、あるいは発電あるいはかんがい、こういったものにつきましてのそれぞれの必要容量というものは、基本計画でやはりはっきりときめるわけでございます。ただ、都市用水について、若干、水量の配分等で調整がつかないといったような場合に、しかし、それぞれ地域としては当然水需要が逼迫しておるわけでございますから、ダムについては異論はないと、こういったようなケースの場合に、今回の財投の投入によってダムの促進をはかりたいということでございまして、需要地域等につきましても、特定の市、それに供給します水量を、はっきりは書きませんが、何々地方に対して幾らというように、需要地域も一応明らかにするわけでございますので、当然工事の基本計画を立てます場合に、関係府県の知事の意向等は十分反映するわけでございますから、何でも強引に先行してやるのだという趣旨ではございませんので、ひとつよろしく御了承いただきたいと思います。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 何か私まだひっかかったものがありますけれども、それは水かけ論になりましょうから、これ以上やりません。こういうことはありませんか。いま言ったように、配分がきまらぬでもやるということもあれですが、配分がきまって、ダムをつくった。つくった結果、それじゃ配分を受ける人たちの間に、なかなかきまらない。かえって、水ができたためにアロケーションの決定がこじれてくるという可能性もあるのではないかという心配もある。ダムをつくったけれども、それのいわゆる配分についてえらいお互いがなわ張り争いというか、それは少しでもよけいほしいですが、水の出る前ならば、かえってその配分の、何といいますか、あれはスムーズにいったものが、なまはんか早く水が、ダムができたために、分け前に対する欲望が多くなって、かえってダムの水の配分が困難になって、ダムの効用をおくらせるというようなことは起こり得るのじゃないかと思うのですが、こういう心配もあるのですが、この点いかがですか。

川崎精一建設省河川局長

○政府委員(川崎精一君) いろいろなことが考えられるわけでございますが、むしろ私どもは建設を促進することによって、したがって、タイムリミットというようなものもできるわけでございますから、やはり積極的に相互間に話し合いが持たれて、私どものほうでも十分調整の努力をいたしまして、大体三年程度を予定いたしておるわけでございます。そういった期間に先生のおっしゃったことのないように、できるだけ努力をするつもりでおるわけでございます。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 これ以上ひっかかっても——私が心配をするのは、これはずいぶん前から問題になっています沼田ダム、こういったものが——私はこれはそう心配なかろうとは思うんですけれども、沼田ダムあたりも、こういうことからひっかかってきて、いわゆる、あれは八億トンというのですから、たいへんな貯水量があるわけですが、これはずっと、私は最近、河川法から、いろんな法律の審議をしながら、当局から出ることばは水が足らぬ、水が足らぬと、昭和五十年にはどうだ、六十年にはどうだということをずっと聞いていると、どうもこれはその結論が、沼田ダムの建設につながってこなくちゃならぬような状態を感じるんです。これはまた別な機会にいろいろと討議されると思うのでありますが、ここで、ちょっと私が特にひっかかったのは、このいわゆる多目的ダム法の一部改正、いわゆるアロケーションの決定を見ないでもダムの建設をするということは、私は何か沼田ダムの建設の一つの遠因になるんではなかろうかというような、また一つの心配を持つわけです。こう言えば、答弁は、あるいはそんなことはありませんという答弁で返ってくるかもわかりませんけれども、しかし、これは私が感じるだけでなくて、すでにそういった心配を現地の諸君はしているわけなんであります。沼田の場合には、何か自民党あたりでは特別法を制定するといったようなこともささやかれているようでありますけれども、それはそれとして、そういう特別法の前に、今度のこの多目的ダム法の一部改正というものが、沼田ダム建設の伏線になるのじゃないかと、こういったようなことを心配するわけでありますが、建設大臣、そういう心配は絶対ございませんか、いかがでしょうか。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(西村英一君) もう先生の言われるのと全くその反対なんです。これはその金を借りてやろうというのは親心なんですよ。もともと、ダムをつくる場合に、ダム自身が反対だというようなところにその金を持っていって強引にやるというようなことは、できるもんじゃございません。この場合は、むしろ、やってくれ、やってくれという、ずいぶん希望があって、やることはいいんだが、いろいろな目的で、電気のほうが、水の使う量が上がったから、金の分け前が出た。しかし、一部分で特定のものが分け前ができない。そういう場合に、それでは分け前が、負担のあれができないけれども、早く着手しなければ損だよ、こういうことでやるんであって、ダム自身を反対しているようなところに、それを持っていってやろうなんということは、全然できないので、むしろ、やってくれ、やってくれというところに、それじゃ早くやるけれども、全部、末端まで負担がきまらぬじゃないかと。それじゃ金を立てかえて、ひとつやりましょうと。かえって親心でこっちはやるつもりです。希望したところには親心で、早く完成してやりたいということのためですから、いま、先生の言われるのと、全く反対でございます。具体例として、沼田のダムをあげましたが、沼田のダム等は、こういうことでやるものじゃ絶対ございません。どうか安心するように、お帰りになりましたら地域住民に言っていただきたいのであります。それは別個の問題であります。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 大臣のおっしゃることで、一応まともにお聞きしておきますが、いまもおっしゃるように、これは確かに金を借りて先行投資するわけですから、いわゆる始めたけれども、五年も六年もかかるようじゃ、これはもう全然話にならぬので、その点で、大臣のお気持ちをすなおに受け取っておきます。しかし、これはぜひ運用にあたって、ひとつ適正な処置をお願いします。  続いて、少し具体的な問題についてお伺いします。これはもうたびたびこの委員会でも問題にしております。いま、いろいろとひっかかった案件があります。八ツ場ダムの件でございますが、河川局長、最近、長野原町議会が、以前決議したいわゆる絶対反対の町会の決議を、賛成ではないけれども、絶対反対という決議が、何か変わった決議に変えたようであります。何か、これはまあ具体的には、生活再建等に対して、建設省の説明を聞くとか、ということのようでありますが、どうもこれもいつかの委員会で、町議会の選挙についてお尋ねをし、いろいろと聞いたことがあるのでありますが、そういった一連の流れと無関係でないような気がしてならないのであります。現地の諸君も、これは建設省の出先きの諸君も、もちろんかなり努力をしていることは承知しておりますが、今回のああいう決議がなされたことに対して、建設省当局はどういうふうに理解をされておるか、ひとつ率直に御表明を願いたいと思います。

川崎精一建設省河川局長

○政府委員(川崎精一君) ただいまお話しのように、先般の長野原の町議会で、いわゆる賛成といった趣旨ではございませんけれども、一応多数の方が議会で条件つきでダムと取り組もうというような議決がなされたわけでございます。その後、地元の町長さん、それから議長さん等が見えましたので、大体の趣旨は私もお伺いしたわけでございますが、また一方では、やはり依然として反対の方もおられるわけでございます。なお、町長さんなり議長さんから話を聞きますと、これは、決してダムに全面賛成とかという趣旨じゃありません。しかし、やはり真剣にダムの問題と取り組んで今後の地域開発なり、あるいは生活再建、こういったものについて十分建設省と話し合って、建設省もまた地元の要望を十分聞いてもらいたい、こういったような趣旨でございまして、私どもとすれば、一応町長なり議会の議決がそういった空気でございますので、今後話し合うパイプが通じるんじゃないかということを期待をいたしておるわけでございます。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 これは、建設省としては、町長の行政責任者としての意向とか、一応町民の意思を代表するという議会とかいうものが意思表示をされ、さらに御意見等を多くお持ちだと思うのでありますが、しかし実際には、水没予定地に居住する町民ないしはその水没予定地に田地田畑を所有する農民の皆さんとか、いわゆるそういった人たちの実態は、これが満場一致で八ツ場ダム建設反対の町議会の決議がなされたときと今日とでは変わっていないわけです。いわゆる反対を主張しておられる大部分の町民の意向は変わっていない。ただ、議会という一つの町民の意思を代表する、これは民主的な一つの組織でありますが、形の上では議会がそういうことになった。町長さんももちろん最初から大体個人的には賛成の人でありますから、これはもう別でありますが、議会の状態がそう変わったことと、いわゆる実際の関係する町民の反対の状態は——何ら反対の状態は変わっていないということになりますと、もちろん、一応表面的には議会の同意が得られたので、生活再建その他の状態についての話し合いをするということでありますが、その場合、おそらく反対の諸君はそういったことに応じていかないと思う。いわゆるほとんど水没と直接関係する諸君はそれに応じないであろうと思うんでありますが、そういった場合でも、町議会の決定があるからいわゆるダムとは直接関係のない諸君とそういった話し合いを進めていくということがあり得るのかどうか。あくまでも当局は、いわゆる直接水没し、直接ダムによって被害をこうむる諸君とそういったいわゆる話し合いをひとつしていく気なのか、この辺はいかがですか。

川崎精一建設省河川局長

○政府委員(川崎精一君) やはり八ツ場ダムの問題は、もちろん直接水没をされる方の生活再建なり、今後の問題、それからやはりかなり長野原町を中心にしました地域のいろいろな諸条件に影響を与えるわけでございますから、そういった意味では、今後の地域開発をどういうように取り上げていくかということになりますれば、直接のそういったもろもろの問題を取り扱うのは町であり、意見としますれば、地方議会の意見、こういったものがやはり中心になってこようかと思います。したがって、町だけと接触をするとか、あるいは水没者の方だけと接触をするとか、そういったことじゃなくて、群馬県当局も含めまして関係者とは十分それぞれの問題につきまして話し合っていく必要があろうと考えておる次第でございます。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 こういうふうに理解していいですか。町議会の決定は決定として、いわゆる町長や町議会とだけ話し合いをするのでなくて、やはり水没される人たち、あるいは水没地に土地を持っておる人たち、そういったやっぱり直接関係者と——やはり当然その人たちのための生活再建になるし、また補償でありますから、これは当然だと思うのですが、いわゆる形だけの話し合いということも存在し得ます。あるいは町議会の賛成する議員とか町長とかいうことになりますと、これは問題が大きく残るわけでありますが、いま冒頭言ったように、いわゆる当然話し合いというものは、その水没する住民諸君ともこれは当然話し合いをすべきであるという前提で、今後ものごとを進めていかれる所存である、こういうように理解していいですね。

川崎精一建設省河川局長

○政府委員(川崎精一君) ただいま先生のお話しのとおりでございます。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 それから、これも先般のこの委員会で指摘しました護岸工事の件、ちょっと私、新聞で拝見したのですが、何か護岸工事をするための測量を開始するということでありますが、これはいろいろ——もちろん護岸工事についてはこれは反対ではありません。ぜひやってもらいたいというこれは要望ですが、ただ、護岸工事とダム建設とがからんでくると問題であるということであったわけですが、何か最近の新聞報道によると、いよいよ護岸工事をするための測量を開始するということが出ておりましたが、これは事実かどうか。さらに事実とすれば、どういう根拠で護岸工事をお進めになるのかお尋ねします。

川崎精一建設省河川局長

○政府委員(川崎精一君) この前御説明申し上げましたように、本来護岸工事とその上流部につきましては、これはがけくずれの防止の工事が必要になってくるわけでございますが、これとダム事業そのものとは直接の関係はないわけでございます。しかし、がけくずれの調査をやはりいたしませんと、その防止工事に対するやはり設計その他もできないわけでございますし、県のほうにおきましてもその余力がないようでございますので、当面私どもの八ツ場の事務所が一番近所にございますし、地域の開発の今後の計画の問題とか、あるいはやはり下流の河床部は、これは護岸が現在も一部はございますけれども、将来貯水いたしますれば、やはり何らかの関係もあるというようなことで、全然がけくずれとダムが無関係かというと、やはり地域の公共施設の一般の考え方からすれば関係があるわけでございますので、少なくとも、調査はひとつお手伝いをうちのほうもして、どういう対策、工事をやれば皆さんが安心できるかといったようなことをわれわれも協力して調べましょうというような姿勢で、現在、事務所が調査に入ったというように聞いておる次第でございます。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 先ほども申しますように、護岸工事をやっていただくことはけっこうなことでありまして、ぜひそうありたいと思うのですが、ただ問題は、現地でも御承知のような時期でありますから、何かダム建設と裏取引でもあるんじゃないかといったような疑心暗鬼もあるようであります。したがって、私はここでお尋ねするのは、それでは困るので、すっきりした形でなさいませんと、かえって護岸工事を親切にしてやったためにさらにダムの関係をこじらせるということもこれはないとは言えません。ダム推進のために言うのではありませんが、そういったものもありますので、これはひとつ慎重かつ関係者にあまり疑心暗鬼を与えないような措置を現地でもとってもらいたい、こう思うわけです。  それから八ツ場ダムのアロケーションは決定しているのですか、決定しましたらひとつその関係をちょっと御説明願いたいと思います。

川崎精一建設省河川局長

○政府委員(川崎精一君) まだ決定をいたしておりません。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 そうなりますと、この八ツ場ダムの工事も、この法案の改正された法律によって施行するということになるんですか。

川崎精一建設省河川局長

○政府委員(川崎精一君) すでに実施されておるダムは、今回の法改正による工事の対象にはなっていないわけでございます。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 草木ダムのアロケーションはきまっておりませんか。

川崎精一建設省河川局長

○政府委員(川崎精一君) 草木ダムは、水資源開発公団が実施いたしておりますが、この実施に当たりましての基本計画というのはできておりますから、それぞれの洪水調節、それからかんがい用水、都市用水こういったもののアロケーションはもちろんきまっております。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 資料として出していただけませんか。  次に、きょうは文化庁と環境庁から出席をしていただいているのですが、それは八ツ場ダムと自然保護、特に文化財等の関係についてお尋ねをしたいと思うのであります。大臣は八ツ場ダムのダムサイトが日本でも珍しい天然記念物であり名勝指定の土地であるということを御承知になっておりますかどうか。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(西村英一君) あまり私は存じません。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 それは困ったものです。実は大臣、あの八ツ場ダムサイトには川原湯岩脈、これは臥竜岩及び昇竜岩となっておりますが、まことに珍しい天然記念物があるわけですね。さらに吾妻峡といって名勝に指定されておるところがあるわけです。この点、文化庁の次長にお尋ねするんですが、川原湯の岩脈並びに吾妻峡というものはかなり全国的にも珍しい、そしてすばらしいものと私聞き及んでおりますが、ひとつ文化庁の御説明をお願いいたしたい。

安達健二文化庁次長

○政府委員(安達健二君) 現在、峡谷で国指定の名勝といたしまして文化財保護の適用を受けているものが黒部峡谷等でございまして、名勝吾妻峡を含めまして三十四件あるわけでございます。吾妻峡は吾妻川の中流域にありまして深い渓谷を形成している名勝であるということでございます。また、御指摘のとおり、その吾妻峡の上流約二キロメートルのところに天然記念物の川原湯岩脈がございまして、これは現在岩脈として指定されておるのは二十二件ございますが、その一つでございます。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 建設省はダム建設について、こういった関係から文部省と協議あるいは相談したことがありますか。

川崎精一建設省河川局長

○政府委員(川崎精一君) そのつどいろいろ担当のところで協議をいたしております。  なお、やはり天然記念物になっておりますので、工事その他につきましては当然これは環境庁と相談をいたしまして、その上で実施することにいたしております。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 文化庁にお尋ねしますが、これはもう完全にダムサイトでありますから、こういったものはこれは全然無価値になっていく危険があるわけです。こういった場合、文化庁としてはいわゆるダムをつくるためにはやむを得ぬという態度か、あるいはいわゆるこういった特殊な天然記念物、文化財、これはあくまでも保護すべきであるというお立場をおとりになるかどうか、いかがですか。

安達健二文化庁次長

○政府委員(安達健二君) 私どもは、この八ツ場ダムの多目的ダムが非常に重要なものであるということも認識しておるわけでございますから、同時に、文化財保護の立場で、これらの名勝等の保存に力をいたさなければならない、こういう考えで臨んでおるわけでございます。  具体的に申し上げますると、この吾妻峡の名勝の本質と申しますか、本質を害しないような方法でダムサイトの建設等ができないか、さらに、具体的に申しますれば、上流地点でダムサイトを建設する方法はできないかどうか、こういうことにつきまして詳細な調査方を建設省に要請をいたしておるところでございます。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 環境庁見えておりますね、環境庁の立場をちょっと伺いたい。

首尾木一環境庁自然保護局長

○政府委員(首尾木一君) 八ツ場ダムは、ただいまのところ自然公園法による国立公園あるいは国定公園あるいはまた県立公園の指定をされておりませんので、この点につきましては具体的にこの問題について調査をいたしたこともございません。具体的にどうこうということは差し控えたいと思うわけでございますが、一般的に申し上げまして、ダム建設につきましては、これは御案内のように、自然公園法におきましてやはりこの工事をします際には、国がやる場合には協議、その他の場合には許可ということが必要になってまいるわけでございます。そういう際には一般的な問題といたしまして、やはり先ほど文化庁からもお話がございましたが、その自然の景観の保全という観点から事前に慎重な調査をやっていただく。そうして、また設計といたしましてもできるだけこういったような景観といったような観点からいって、これを阻害しないような方法でもって考えていただく。場所を変えていただくとか、あるいはまたそれについていろいろ工事上の方法についても考えてまいるとか、そういう技術的な面でいろいろ条件をつけてやっていただくようなことで、一般的には許可をいたしておるわけでございます。しかし、たとえば、公園地区等におきましても重点となるような地域につきましては、このダムの建設によって決定的な弊害になるといったような問題につきましては、これはやはり自然景観の保全ということを特に力を入れて私どもとしては考えてまいるという一般的な考え方で臨んでおるわけでございます。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 大臣ね、ちょっと聞いていただきたいのですが、少し時間がかかりますが、この吾妻渓谷には一つの戦争中重大な経緯があるのです。  私、昭和十四、五年ころ、群馬県の鉱業会の理事長をしておりましたが、当時、いわゆる鉱山の資材とか、労働者の食糧、あるいは作業用品等、群馬県全部をまとめて共同購入をするような仕事の理事をしておったわけであります。戦争がだいぶ進みまして、たしか昭和十七年ころだと思います。大東亜戦争になって、だいぶ物資が不足してまいりました。お寺の梵鐘を供出したり、いろいろ家庭における金属類を全部徴発したり、しまいには橋の欄干まで全部はずしていってしまったことは、大臣御存じのとおりです。そういう際に、吾妻郡草津の隣の六合村に白鉄鉱の存在が発見されまして、これは、当時、日本鋼管がその鉱業権を獲得して、あそこに群馬鉄山というものをつくったわけでございます。ところが、当時、輸送能力がないので、これは陸軍省・海軍省が主体になって、その鉄山の鉱石を一日も早く日本鋼管の川崎製鉄所に送るために鉄道を敷いたのがいまの吾妻線、昔の長野原線でございます。これは、私、最後のその路線の決定と工事着手の時期をきめる会議が、当時の陸軍省、海軍省、軍需省、あるいは内務省、文部省、農林省、それにたしか商工省軍需部ですか、八つぐらいの関係省の次官、局長諸君が集まって会議をしたことがあるのです。私は、その群馬鉄山のいわゆる従業員や鉱山の物資の補給をする任務を持っておりましたので、当時としては、民間人として私一人その会議に出席したのです。あとは全部そういった関係各省の次官、局長の諸君でございました。これは、えんえん何か七時間ぐらい激論があったのです。私はもちろん発言はしませんが、当時、たしか陸軍の軍務局長はあの有名な武藤とかいう人だったと思いますが、もうそれはえらいけんまくでまくし立てて、鉄道建設に全力を集中する、この鉄道が一年か一年半でできるかできないかが大東亜戦争勝敗のかぎだというようなことを言って、できた。そのときに、これはあらゆるものを犠牲にして、群馬鉄山の鉱石を川崎に送るために全力を傾注したわけです。そのときに、私は、文部省の局長だったか、次官だったか記憶しませんが、そういう戦争に勝つか負けるかという非常に必死なときに、この吾妻渓谷を絶対に守るんだということで一歩も引かなかった、その会議の中で。ところが、いま、あなたは吾妻線に乗ったかどうか知りませんが、あの吾妻渓谷のところはほとんどトンネルになっております。陸軍省や海軍省は、トンネルなんかつくったのじゃ時間がかかるからみんな切りくずせ、あの道路のそばのところを切りくずして一日も早く鉄道を敷け。そうなりますと、その切りくずしたあとの排滓や何かを全部川に流す。川も一部分こわす。それでは、いま指定されている天然記念物なり、名勝は、完全にこれはこわされる。そういうことは絶対にしてはいかぬということで、文部省ががんばった。このことで、あとのことは大体きまりましたが、いわゆる吾妻渓谷を守る守らぬで、このことで三、四時間当時議論した。いま言ったように、武藤軍務局長などは、文部省の次官か局長だったのですが、この人を頭ごなしにこきおろしておる。しまいには国破れて山河あり、そんなことでいいかという、そんなことまで言ってやったのですが、私は当時の文部省の係官の名前を覚えておりませんが、がんとして聞かない。これは何といっても国の宝であるから守るべきだ。最初は、みんなほかの諸君も、軍部の威圧に押されておりましたけれども、あまり文部省が頑強に抵抗するので、だんだんほかの関係の諸君も、文部省の主張に同調し出して、さすがの陸軍省の武藤軍務局長も、最後には、この吾妻渓谷を守るためにおりて、じゃトンネルにしよう、トンネルにして出たズリは全部下に落さないで遠方に運んで、できれば高く土盛りをするところに使おう。これは時間的にはかなり長くなるけれども、やむを得ぬといって、あの戦争に勝つか負けるかのあのせとぎわに、そういったときにすら、いわゆる吾妻の渓谷は守ってきたわけであります。これを私、当時のその会議に出た人が何人残っておるか知りませんが、当時民間人といった、いわゆるそういった官庁に関係のなかった者としては、私一人しか出席しておりませんでしたので、あるいはもう今日この実態を知っておるのは私だけかもしれないが、まあ調べればまだ残っておるかもしれない。そういうあのいわゆる大東亜戦争の、だんだん日本が敗色濃くて、全国のお寺の梵鐘や、橋の欄干の鉄も、個人の家庭のあらゆる金物も引き上げる、そういった中であったときにも、あの吾妻渓谷は守ってきた。時のいわゆる軍部ですら、あの大事な国民の文化的な資産である吾妻渓谷として、この岩脈は守り続けた。そういう一つのいわくつきな場所なんです。それをいま建設省は、これはもちろん水が足らぬということもわかりますけれども、そういった日本民族の興亡をかけたあの大東亜戦争の末期ですら守り抜いてきた大事な国民的な資産である文化財、天然記念物を、いまあなた方はダムという、まあ治水という面もありますけれども、工場用水や、その他いわゆるこれは一部資本家の金もうけの手助けをするために、それをこわそうとしておられる。私は、ほかにもいろんな反対の理由がありますけれども、この一事をもってしても、あの吾妻渓谷岩脈が大事なものであるということを思うときに、私はこれをいわゆる破壊させ、破滅させることには、何としても日本人の民族的な良心なり、血潮がこれを容認できない。これはほんとうに七、八時間論議した。いまこうほうふつとそのときの情景が目のあたりに浮かびますけれども、私、いま端的に指摘したのですが、こういうものはやはり守っていくべきじゃないか。守るのが私どもの責任じゃないか、こう思うのです。もう多くは申しませんが、こういう状態でもあなたは——もう一ぺん申しましょう。かつて戦争の勝つか負けるか、まあ負けることがわかっていた時代ですが、いわゆる国破れて山河ありということばまで飛び出した中で、なお文部省の係官が、おそらくそのときは、私は文部省の役人は、あるいは軍務局長の軍刀の一閃のもとに死を覚悟しておられたかもしれないと思うんです。それをあえて守りぬいた。いま文部省の当時の係官にこよない愛敬と尊敬を持つわけですが、よくぞがんばってくださったと思うんですが、そういうことを考えながら、建設大臣としてやはり八ツ場ダムを強行して、そういったものをあえて破壊しても辞さぬというお気持ちが続いておられるか、ひとつ私はもう一ぺんあなたの率直な御見解をお聞きしたいと思う。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(西村英一君) 正直なところ、私はダムのその付近の土地感がございませんので、名前はよく聞いておりますけれども、どういうふうなことになって、どういう文化財がそのために失なわれるというようなことはあまりよく知りません。現地も通ったことはあるかもしれませんけれども、ずいぶん前の話で、おそらく近ごろ行ったことはありません。あまりそういう詳しい現地の模様はわかりません。しかし、あなたが言うがごとく、この文化財を保護しなければならぬということであれば、これは話は別になるわけであります。しかし、そのダムサイトの状況によっては、それがまた助かるのか、またそういうようなのは、全く技術的な問題でございます。何でもかんでも強行してやるんだというようなことは、建設省としてはそんなことはみんな考えておらないと思います。したがいまして、そういうようなことを含んで、これは検討しなければならぬと、かように思っております。地元の方々の反対するのもそういうことが主であるのか、あるいは他に方法があるのか、また、条件つきならば賛成するという方もあると、こういうのですが、いろいろな問題があろうと思われます。したがいまして、これは何でもかんでも強行するといったって、できるものじゃごいませんから、建設省では計画としていま掲げておるのでございまするから、地域住民の了解なしに、ことに、またそういうものの重要性等も勘案しなければ、これは強行、強行たって強行されるものじゃございませんから、私自身は現場の事情がよくわかりませんが、今後とも十分検討をしたい、かように思う次第でございます。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 文化庁にお尋ねしますが、いまお聞きのとおりの状態で、あなたの先輩ですね、自分の一身をおそらくなげうつような気持ちで、この史跡と文化財を守ってきたわけです。私はいまでも記憶しているんです。あすこを通るたび思うんですが、文化庁はそういった先輩のいわゆる決意と非常に覚悟をきめた態度について、今後建設がおそらく具体化してまいりますと、協議なりいろいろなことがあるでしょう。文化庁としては今長官もこの点については、私も尊敬する先輩でありますが、文化庁のこれに対する決意のほどをひとつお伺いしたいと思います。

安達健二文化庁次長

○政府委員(安達健二君) ただいま先生のお話伺いまして、たいへん感銘を受けた次第でございます。文化庁といたしましては、文化財保護法によって文化財を保存すべき重要な責務を負うわけでございますので、全力を尽くしまして、その名勝の本質というものを害しないようなことを、ぜひ実現してまいりたい。そうしてこれを祖先にこたえ、そして子孫に伝えてまいりたい、かように考えておるところでございます。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保重光君 環境庁には直接の関係はそういう意味ではありません。しかし、環境庁は自然保護という重大な責任を持っておるし、したがって、国立公園とか、そういうものではないけれども、やはりこういったもろもろのものは、いわゆるあなた方の法的な所管外だといっても、日本の自然を守るためには大きな責任がある。したがって、いま私の指摘した点を、ぜひ局長から大臣にもお伝え願って、ひとつ大臣としても解決をしてもらいたい。広くこういったことは、吾妻渓谷だけでなくて、ほんとうに今後いろいろと起こってくると思う。そういったことにやはり厳然たる態度でやってもらいたい、こういうことを要望しておきます。

小林武日本社会党

○委員長(小林武君) 午前中の質疑は、この程度にとどめ、午後一時十五分まで休憩いたします。    午後零時十六分休憩      —————・—————    午後一時二十二分開会

小林武日本社会党

○委員長(小林武君) ただいまから建設委員会を再開いたします。  この際、委員の異動について御報告いたします。  昨二十四日、藤原房雄君が委員を辞任され、その補欠として二宮文造君が選任されました。  また今二十五日、吉武恵市君及び二宮文造君が委員を辞任され、その補欠として中村禎二君及び藤原房雄君が選任されました。     —————————————

小林武日本社会党

○委員長(小林武君) 休憩前に引き続き、河川法の一部を改正する法律案及び特定多目的ダム法の一部を改正する法律案の質疑を行ないます。  質疑のある方は順次御発言を願います。

古賀雷四郎自由民主党

○古賀雷四郎君 前回に引き続きまして、お許しを得まして、若干質疑をさしていただきます。  特定多目的ダム法の改正と、それから河川法の一部改正における流況調整、河川の問題につきまして、最近の日本の経済の発展とかあるいは生活環境の問題、いろんな問題から、この水という問題が非常に重要になってきております。また将来の発展にも、水というものが絶対不可欠なものであることは言を待たないものでございまして、今回建設大臣の御努力によりまして、新しい政策を展開していただくということは、まことに私は時宜に適した適切な措置であると深く敬意を表する次第でございます。  この際、私は、この辺で水に対する考え方の基本的な問題をひとつお伺いしておきたいと存ずるのでございます。  昔から水を治める者は国を治めるといってます。この水を治めるということばですが、このことばは、いろんな情勢の変化に応じて相当考え方が変わってきたんじゃないかという気がいたすわけでありまして、また、水を治める者は国を治めるという、国を治めるためには、水を治めなくちゃいかぬということでしょうが、国が積極的にこの問題について取り組むという姿勢をあらわしたものだと、私は理解いたしたわけでありますが、以前はこのことばが、洪水を治めるというような理解に狭義に解されておりました。ところが、最近水を治めるということが、日常生活にまた経済活動に非常に重要な問題になってきたことは御承知のとおりでございます。そこで、これらのことばに対する大臣の御理解をひとつお聞かせ願えればありがたいと存ずるわけです。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(西村英一君) たいへんむずかしい質問ですけれども、質問の趣旨ちょっとはっきりしません。どう言えばいいんだか、やっぱり洪水を治めねばいかぬのでしょうということじゃないかかと思う。水を治める、やっぱり王が一生懸命現地を見て、水を治めましたから帝王になったんですから、その故事ができておるんですから、それはやっぱりいまも変わらぬと思うんですけれども、御質問が非常に抽象的ですから、どう言っていいかちょっとわからないんです。もう少し具体的にお話願います。

古賀雷四郎自由民主党

○古賀雷四郎君 私は治水という問題は、最近非常に広義に解釈しなくちゃいかぬような状態になってきた、それは先ほど申し上げたとおりです。従来治水ということばは、洪水対策という面が非常に強調されてきた。ところが、低水の問題をどうしても治めなくちゃならないということが、最近は非常に大きい問題になってきておるわけです。そういったことで治水ということばを、新しくこの辺で考え直す必要があるんじゃないかという気がするわけでございまして、御答弁は要りませんが、また、治水事業がそういう意味で、それらの低水の問題も含んで今後処理されなくちゃいかぬということもありますし、また従来でも治水事業は、公共事業中の公共事業といわれていまして、国が一般会計から相当部分負担してやっております。そういう意味にも、今後この問題をひとつ考えていただきたいということでございます。  これは河川局長に私は質問したいんですが、河川法の第一条に流水の正常な機能を維持するということがあります。そして公共の福祉、国土の保全開発ということで、総合的に管理すべきであるということがうたわれております。この流水の正常な機能というのはどういうことか、この辺で河川局長の御説明をお伺いしたいと思います。

川崎精一建設省河川局長

○政府委員(川崎精一君) 御質問にございますように、やはり水というものは公水、公のものでございますので、せっかく恵まれた水が特定の目的というようなものに使われず、やはり広く一般の方に有効に利用をされ、同時に水質等を考えましても、最近は環境悪化等いろいろ問題になっておりますが、やはりきれいな水質を保持するということによって、いろいろなやはり方面にこれが利用されるわけでございます。水の利用、それから生活環境、それから川にはまた水があることによって舟運その他のやはり利用もあるわけでございます。そういったいわゆる一般的な利用に対して、河川の流水が正常に働いておれば、非常に効用を果たすわけでございまして、そういった点でやはり河川管理者としては十分今後河川の水量、水質その他について、やはりその保持に努力をしていかなくちゃいけないと考えている次第でございます。

古賀雷四郎自由民主党

○古賀雷四郎君 先ほど河川局長から御答弁がありましたように、いまの意味は、河川を流れる水はもちろん私権の対象とならないということは河川法にうたっております。したがいまして、河川の流水はすべて公水であると理解しても差しつかえないのじゃないかという気がいたします。その点は河川局長から言明がございました。また、正常な機能を維持するというのは、それらを必要とする国民各層の、あるいは各位のために洪水なり低水なりを適切に管理するというようなことのようでございますので、そういう理解で今後進めていただきたいと存ずるわけでございます。  そこで私は、この水を開発するということは、やはり基本的な考え方からいけば、公水を開発するという観点に立つべきであろうという気がいたします。公水を開発するという考え方に立ちますと、いろいろ今後の問題でも水制度の問題とか、いろいろな問題がございます。  そこで私は、基本的にそれらの問題を、公水を開発するという考え方で進むのが国の政策として一番大事であろうかと思います。また、そういった問題から、公水であるならば、たとえばそれに伴うような水制度とかあるいはダム管理とか低水管理等、いろいろな問題が新しい時代に即応するように水制度を管理していかなくちゃいかぬのじゃないかと思うわけでございまして、こういうことがいま河川局長の頭の中にあるかどうか、その辺をひとつお伺いしたいと思います。

川崎精一建設省河川局長

○政府委員(川崎精一君) 先ほどお話ししましたように、やはりまあ公の水として広く河川の水が活用されるというためには、それに相当したやはり適切な管理というものが当然必要になってくるわけでございます。私どものほうで主としていわゆる狭い意味の治水というものを重点に置きまして、在来、洪水調節等につきましては相当積極的に改修をし、ダムをつくり管理をしてまいったわけでございます。やはりこの河水の流水をできるだけ多目的に使うというような観点からいきますと、今後はやはり洪水だけではなくて、通常の低水をもっと適切に把握して、これを管理していく必要が痛感されるわけでございます。そういった点では今回の法改正等で流況調整河川事業、こういったような制度も開きたいと考えておるわけでございますが、いずれにしましても、やはり一番われわれが利用する対象になるのは河川の低水でございますので、そういった低水の管理を今後広域的に、そして総合的に管理をするのにはどうすればいいかというようなことで、在来、ダム等につきましてはすでに統合管理をいたしておりますので、そういった経験を生かしまして今後とも低水管理の体制の強化につとめたいと考えておる次第でございます。

古賀雷四郎自由民主党

○古賀雷四郎君 河川局長から低水管理をしっかりやっていきたいという御答弁がございました。この水の問題は国民にとって非常に大事な問題でございますが、農業用水、工業用水あるいは上水道用水といろいろと使われておりますが、そこで私は、現在水がどのくらい利用されて、将来どのくらい要るか、あるいはそれともう一つは、農業用水にしましても、補助とか、あるいは起債とか、それらによりまして、一トン当たりの末端に渡る価格というのがある程度想定できるだろうと思います。農業用水、工業用水、上水道用水につきまして、それぞれ末端の値段がどのくらいになっておるのかお知らせ願いたいと存ずるわけでございます。簡単でけっこうです。

住吉勇三農林省農地局参事官

○説明員(住吉勇三君) 先生御案内のとおり、農業用水は自然条件とか、営農の形態とか、非常に地域性がございます。また、年々によりまして降雨の分布状態等によりまして需要量の変動も非常に激しいというような特性がございますので、その需要量を正確に把握することは非常に困難でございます。農地局で、いろいろな仮定をもとにしまして試算したところによりますと、現在の大体年間農業用の総需要水量は、大体五百億トンから六百億トンの間くらいにあるのじゃないかということを推定しております。  なお、次にお話しのございました、農業用水の開発で農民負担はどのようになっているかというような御質問の趣旨かと思いますが、この点におきましても、先生御案内のとおり、土地改良法によりまして、こういうかんがい排水事業、水源の開発というようなこともやっているわけでございますけれども、ただいま申し上げましたいろいろ農業用水の特性がございます。補助事業として実施しているというようなことで推定的な算定は非常に困難であろうかと思っております。しかしながら、ただいま先生からお話ございましたように、最近着工いたしました代表的な地区を選びまして一つの仮定をもとに試算をしてみますと、このかんがい排水事業につきましての農民の負担額ということでございますが、旧田の補水地区におきましては、大体一立方メートル当たり一円から二円くらいの負担になっているのじゃないか。それから畑地かんがい等のように、新しく水源を開発する地区におきましては、大体五円から八円程度の農民負担になっているような試算の結果でございます。

植田守昭通商産業省企業局工業用水課長

○説明員(植田守昭君) 工業用水に関しましてお尋ねの、まず使用量でございますが、昭和三十三年に日量約二千三百二十四万トンという程度でございましたが、年々ふえておりまして、四十四年には七千四百四十万トン程度、さらにわれわれの試算では、六十年あたりになりますと約二億九千万トン、四十四年の約三・八倍程度になろうかというふうに推定いたしております。  それからもう一つの料金の点でございますが、これは地盤沈下対策とかあるいは基盤整備というふうな政策的な点を勘案しまして、現在六円ないし九円五十銭程度のところできめさしていただいております。

国川建二厚生省環境衛生局水道課長

○説明員(国川建二君) 上水道関係について申し上げます。  水量の点につきましては、昭和四十四年度のこれは全国の上水道の合計でございますが、日量にいたしますと最大給水量で二千九百八十四万トン・パー・ディになっております。五十年度にはこれが約四千八百万トン・パー・デイくらいに需要が伸びるのではないかと考えております。  なお、年間水量で申しますと、四十四年度で年間九十三億トンが大体上水道に使用されております。  なお、コストの点につきましては給水原価で申し上げますと、上水道の場合、昭和四十五年度の上水道の給水原価は全国平均一立方メートル当たり三十八円七十八銭となっております。

古賀雷四郎自由民主党

○古賀雷四郎君 上水道の問題につきましてちょっとお伺いしたいんですけれども、要するに、私は各地を歩いてみますと、非常に単価がそれぞれの市町村で違うというようなことがあるわけでございますが、たとえば百円とられるところもあるし、あるいは二十一円で済んでおるところもある、同じ月給をもらっておってもそういうぐあいに同じ飲み水の値段が違う。ダムのアロケーション等を見ましても、電気のアロケーションをする場合には、電気単価は大体どの程度であるということをきめてアロケーションしている。水が生活用水として非常に必要である、そういった観点が必要ではないか、必ずしもそういくかどうかわかりませんけれども、しかし、水は生活用水としてどうしても必要であるならば、やはり国民に与える水というものは、一定限界的な考え方でやはり問題を処理するということが今後必要ではないかと思うわけであります。もちろん、財政的な問題とかいろんな問題がつきまとうからいろんなむずかしい問題はあろうかと思いますが、そういった点で、やはり今後の問題として、これらの問題をぜひ検討していただきたいと私は念願いたしておるわけでございます。まあかかっただけの金の中で必要な分だけ補助するという形じゃなくて、水の重要性、将来性、発展性の問題から考えて、どうしても水というもののこれは値段を電気と同じような形にするか、あるいはそれ以上のものにするかは別として、ある程度アロケーションの値段の考え方、アロケーションの考え方とか、いろんなものを同じ思想でやってもいいのじゃなかろうかと私は考えておりますが、建設大臣の御所見をひとつお伺いしたいと思います。河川局長でもいいです。

川崎精一建設省河川局長

○政府委員(川崎精一君) ただいま先生のお話しのように、全国一律に同じような値段で同じような量の水を飲めるというのは一番私どもから考えましても望ましい姿であろうかと思います。したがって、できるだけ私どももそういう方向でいろいろ努力はいたしておるわけでございまして、また、それぞれ厚生省、通産省、その他所管の省においてもそういう方向で努力はされておると思います。ただ、水というものは御承知のように非常に歴史的ないろいろな経緯もございますので、かなり問題が複雑になっております。したがって、なかなか解決を一気にはかるということは困難でございますけれども、そういった原水の単価の公平化といったような当面の問題につきましては私どももいろいろ努力をしておるわけでございますが、今後も御趣旨に沿いましてひとつ検討してまいりたいと考えております。

古賀雷四郎自由民主党

○古賀雷四郎君 そこで、私は先ほど河川の流水は私権の対象にならないというようなお話をしました。だから、河川を流れておる水は公水であるという考えに立つならば、たとえば、ダムに水利権を与えた水が流れてくる、あるいは特定の負担者が入れた水が流れてくるという問題は、その公水の中に入られないんじゃないかと、もちろん貯留した水ですから、これは特定の目的に使われることも考えられますが、色分けして河川の中を流すことはできないという状況でございます。先ほど水制度の問題ということで私お話を申し上げたのは、そういった意味で私は申し上げたわけでございまして、どうか将来の水制度というものがどういう形であるべきかということをいろんな点から真剣にいま検討すべき私は転換期にきておるのではないかという気がいたします。また必要な水を十分確保する、いわゆる流水の正常な機能を確保することは河川管理者の重大な責任でございますので、そういった意味でもこの水をどう確保していくかということは今後真摯な努力が要るし、それと同時に、先ほど申し上げました基本的な考え方から水制度を検討するということが今後の転換期にきた水行政のためにぜひ必要であろうと私は理解いたしております。これは答弁は要りません。  そこで簡単に、法案が提出されていますので、私法案について若干お聞きしたいと思います。流況調整河川につきましてでございますが、これで特定の流水の占用者が金を出すということになっております。そこで、水利権というのはその流況調整の河川の中で確定されるのかということと、もう一つは、流水は私権の対象になり得ないというところで、そういったものを負担さして、そこで利水権というものが生まれるのかどうかということをお聞きしたいわけです。  それからもう一つは、もしもそういった水利権が必要なところが別な場所にある場合には、たとえば財投によって将来水利権を許可したときに払っていく、払ってもらうというようなことも可能ではないか。多目的ダムにつきましてはその財投が入っておりますが、この流況調整河川につきましては財投が入っていない、そういうことはどういったことなのか、その辺もひとつ予算の関係等もありましょうから、いろいろ答弁しにくい面もありましょうけれども、ごく簡単にひとつ御説明を願いたいと思います。

川崎精一建設省河川局長

○政府委員(川崎精一君) 流況調整河川の事業を行ないまして、これをまあ広域的に河川の流水の水量調節、その他管理をすることによって初めて安定した水資源が生まれてくる、こういった場合に、この事業によって新しく生まれました水を、いわゆる特別水利使用者に費用を負担をさせて、同時に水利権を付与するわけでございますが、付与する地点は、これはその水利占用者の専用の施設をつくりまして、そこで水を取るわけでございますが、その取る河川の地点で付与することにいたしております。私どものほうで十分流況その他を勘案いたしまして、特にダム等の貯水はいたしませんけれども、年間を通じてほぼ安定した水の供給ができる、こういったところに限りましてこの制度を適用するわけでございます。  なお、財源的なお話がございましたが、私どもも今回の予算の時点でいろいろ御趣旨のような検討はしたわけでございます。当然やはりダムと同じように流況調整河川によって水の供給を受けるユーザーの中にも多少やはり要望とは違った水量等の調整が必要になってくるわけでございますので、そういったものを多少未調整でも何か資金を立てかえてでもやれないかというようなことを検討したわけでございますが、多少時間もございませんで、実現を見なかったわけでございますが、当然内容とすれば、同じような趣旨であろうかと思いますので、今後ともひとつ積極的に実現の方向に努力いたしたいと考えております。

古賀雷四郎自由民主党

○古賀雷四郎君 いろいろたいへん流況調整河川は問題が多いから、各省調整で御苦労なさったことと存じますが、非常に私はいい制度だと思います。今後問題の発展を積極的に公水を流すという基本的な考え方に立ってひとつ進めていただきたいと思います。  そこで、その流況調整河川でここでも一つ非常に私は必要なことは、たとえば用水のないところに利根川の水を持っていく場合に、低水量が確保されていなければ持っていけないと思う。たとえば、利根川に幾ら水があっても利根川から江戸川に持ってくるのに、利根川の流量が管理されていない限りには、江戸川に持ってくる水をどうするということはなかなかむずかしいわけで、非常にここで低水管理制度の重要性というのが浮かび上がってくるわけですね、ダム管理等もその中の一部に入るわけです。四十二年の大渇水のときに各ダムを放流して各河川ごとの流況を全部承知しながら渇水対策を講じた実例がございます。そういうあわてふためいてやることなく、私はこの辺で低水管理をどうするかというようなことをはっきりきめてやっていくべきじゃないかと思います。これは私の意見だけです。だから答弁要りません。  それからもう一つ、用水を他に転換する場合、これは技術的な問題ですけれども、ポンプによる転換というのも当然考えておられるだろうと思いますが、その点はいかがですか。——わからないですか、質問の意味が。じゃ具体的に説明します。たとえば利根川の水を、利根運河というものがもしもない場合、流況調整するということで持ってきた場合に、利根川からポンプアップしてもできるじゃないか、そういった機械設備的な考え方も当然入っているだろうと私は理解していますが、どうですかということです。

川崎精一建設省河川局長

○政府委員(川崎精一君) どうも失礼いたしました。やはり自然流下だけではいろいろ措置をできない問題がたくさんあるわけでございます。現状といたしまして、すでに農業用水等でも最近はずいぶん用水を取水する場合に、そういったポンプ等使っておるわけでございます。私どもも河川の機能をさらに高めたり、促進するような意味でやはりそういったものも当然考えていく必要があろうかと思います。

古賀雷四郎自由民主党

○古賀雷四郎君 そこで、これは私も実例を承知いたしておりまして、実は四十二年の渇水のときに東京に二十三万トンの水を神奈川県から送られるようになっています。ところが、東京からは送れなくなった。あの渇水対策のときに非常に困ったことがある。こういった問題がありますので、リバージブルにする、そのころはそうたくさんはないと思いますが、そういった問題もぜひ頭に入れていただきたい。流況調整河川をつくる場合、ある地点だけにいくようなものでなくて、むしろ相互に融通すべき形のものが考えられれば一番いいじゃないかという気もします。そういった点もひとつ御検討願えればありがたいと思います、もちろんたくさんはないと思いますけれども。それから流況調整河川というのは、私、内水排除とか、あるいは農業用水とか、都市用水とか、そういう目的を達する調整河川と考えても差しつかえないわけですね。

川崎精一建設省河川局長

○政府委員(川崎精一君) 流況調整河川ということばそのものはこれは非常に広い意味を持っております。したがって、洪水の調節あるいは放水路、こういったものも含めまして、それらの地域の内水の排除あるいは水質汚濁を軽減するための希釈用水の補給、こういったような非常に多目的な性格を持っておる河川でございます。ただ、今回受益者負担の制度をお願いいたしておりますのは、その中で特に新しく都市用水が生まれてくるといったような場合に、特別水利使用者にその受益の範囲で負担をさせるということにいたしておるわけでございます。

古賀雷四郎自由民主党

○古賀雷四郎君 流況調整河川については、その程度で質問を終わります。  それから特定多目的ダム法の一部改正で、財投を導入して水開発をやっていこうという考え方でございます。これは冒頭に述べたように非常にけっこうな法律でありまして、ますますこの問題を広げていきたいと私は念願いたしております。財投という性格上、これは利子のつく金でございますが、さきに申し上げましたように、私は水は公水であるという考え方に立つならば、私は不特定利水という問題が相当大きくクローズアップされて、必要な個所に必要な水を出せるというような形のダムという形態も考えてもいいじゃないかという気がいたすわけでございます。そこで治水ダム等はその一つの例でございます。どうかそういった意味で、やはり目的のない水といっちゃいかぬですが、公水をたくさんつくるという考え方で、今後進めるべきじゃないかと思います。財投をたくさん入れてもらうのはけっこうですが、やはりそれには財投を入れる段階におきましては水利権の問題もございます。そういった公水を開発するということにつきましてどういうお考えかお伺いいたします。

川崎精一建設省河川局長

○政府委員(川崎精一君) やはり私どもがいろいろ日常の水利問題の処理にあたりまして一番困りますのは、その時点で河川管理者そのものが水を持ってないというのが一番の弱点じゃないかと思います。そういったときに調整をいたします余分の水がございますれば、非常にそういった水利調整等も楽にいけるわけでございます。したがって、そういった意味で、できるだけ公水を開発していくというのはやはり基本的な方向ではないかと考えております。ただまあ現時点ではいろいろ水需給の逼迫等からいきまして、とてもそこまで余裕がないというのが実態でございますけれども、できるだけやはり安定した水というような意味で、渇水に対する安全度をできるだけ高めた水の計画を立てる、こういうことになれば、それだけやはり水の余裕もできてくるわけでございますから、そういった意味では、今後ともできるだけ努力をいたしたいと考えておる次第でございます。

古賀雷四郎自由民主党

○古賀雷四郎君 どうかひとつ、公水と申しますか、不特定利水と申しますか、そういったものをたくさんつくっていただきまして、随時これからできるような水を河川管理者は持って、水不足に対処できるようにひとつ御努力をぜひお願いしたいと思うわけでございます。  最後に、水開発に伴っていろいろ今後解決すべき問題がたくさんございますが、水資源開発の水源地開発の問題ですね、これはこの前、大臣から御答弁いただきましたが、水源開発法に関する一つの問題をぜひ解決していただきたい。具体的の内容は省略、説明をいたしませんが、非常に今後の水開発のために必要なことでございます。  それから河口せき、漁業補償で非常に困っておりますが、これらの問題に対しても具体的なひとつ対策を考えていただきたいということでございます。  もう一つの問題点は、河口湖の問題が一つも進んでおりません。実は周防灘開発をやるにしましても、毎秒百トン近くの水が要るといわれております。筑後川は約二千八百平方キロで毎秒五十トンとすると、二つの筑後川を持ってこなければ水が開発できないということになろうかと思います。だから絵に書いた餅になる可能性が十分ございます。だから、どうかひとつこの河口湖の問題を具体的に進める方向で考えていただきたいということをお願いしまして、たいへん時間を食って申しわけありませんけれども、質問を終わります。どうもありがとうございました。

田中一日本社会党

○田中一君 どうも古賀委員は御自分の在任中にできなかったことを、ここで川崎君に要求しているようで非常にこれは美談でありますが、どうか後輩を十分に教育してほしいと思います。  そこで、私伺いたいのは、結論的に申しますと、新しくこれから開発しようという水資源、これに加えて農業の大きな転換から少なくとも農業用水は新規の畑地かんがい等を含めても相当余裕があるのではなかろうか。こういう点を中心に伺いたいと思うのです。むろん、私はよくわれわれの党内でも議論になっております日本は工業をもって立つべきか、農業をもって立つべきかという議論は、これは終戦後ずっと続いて論議しておりますけれども、私は農業を中心とする国づくりでなくちゃならぬという信念を持っておりますから、誤解をしないで、農業を愛するがゆえにこの質問をすることを御理解願いたいと思うのです。  たとえば、一つの例としてまず群馬用水を考えてみましょう。これはもうお始めになったのが昭和三十八年に計画され四十四年に完成したということであり、かつまた、これは榛名山ろくにおける畑地かんがいの用水である。こういうぐあいに計画されております。また、その他にも相当多くの多目的ダム、いわゆる建設大臣、厚生大臣、通産大臣、農林大臣等が共管というか、おのおのの分野からおのおのの水を配分するための多目的ダムが建設されておりますが、これらのかつての配分をされておる水等の内容というものを十分に話していただきたいのです。群馬用水の例をとると、群馬用水に対しては相当量の水がいっておりますが、これは何を目的としてでき上がっているか。これは矢木沢ダムから持ってきている水もあったと思うのですが、これはこういう多目的ダムの概要について水資源総裁、あなたのほうで担当しているものについて、計画の説明をまず願いたいと思います。

柴田達夫水資源開発公団総裁

○参考人(柴田達夫君) 水資源開発公団がやっております事業の中で、新規に水を開発してきた、またやっておる状況を申し上げたいと思います。  私どもの公団が始まりましてちょうど十年になりますが、現在までに工事が竣工したものあるいは現在着工中のものをプロジェクト数で申しますと、事業の数が二十八でございます。そのほか予算はついておるがまだ基本計画の閣議決定がないものが六つ、それから基本計画はきまっておるけれども、主務大臣の実施方針が出ないために未着手である事業が二つございますので、その六つと二つを加えた八つの事業はまだ着手しておりませんので、それを除きました現在着工中までの二十八の事業について申し上げたいと思います。  お尋ねの新規に水を開発する事業が私どもは主でございますが、その新規に開発した水を流して運ぶ導水事業とかあるいは既存の農業水利について大口事業等で合理化、近代化をはかるこういうような事業もございますが、いまお尋ねの新規に開発してまいりました、また、やっております分量を申し上げますと、二十八事業のうちで、これは農業用水の関係はかんがい期に限りますので年間の量で考えたいと思いますが、年間六十九・四億立方メートル、その内訳は農業用水が年間五・五億立方メートル、都市用水が六十三・九億立方メートルということであります。その百分比は農業用水が全体の新規開発での量の七・九%ということに相なります。  なお参考のために、予算はついているが未着手の事業、たとえば琵琶湖開発事業等を含めまして申し上げますと、これは三十六の事業に相なりますが、年間にいたしまして新規開発総量が九十二・九億立方メートル、農業用水が五・七億立方メートル、都市用水が八十七・二億立方メートル、この農業用水の割合がだんだん減ってきているのでありまして、先ほどの五・五億立方メートル、これからいえば八事業を加えましても五・七億立方メートルでございます。この百分比は農業用水が全体で占める割合は六・一%に相なるということであります。  さらに参考のために、すでに竣工して完成した事業、つまり水の供給を実施している事業についてはどうかということを申し上げますと、これは愛知用水公団が実行いたしまして管理いたしておるものは除きまして、水資源開発公団が完成しました事業が十プロジェクトがございますが、そのうちの八つが新規開発に関係する事業、それ以外は導水する事業になっております。その総量が二十四・一億立方メートル、すべて年間で申し上げます、農業用水が一・六億立方メートル、都市用水が二十二・五億立方メートル、この農業用水のすでに新規に開発をして供給をしておりますものの全体に占める割合は六・六%ということに相なっております。  それからさらにちょっと御参考までに、都市用水と一括申し上げましたが、その内訳は数字は省略さしていただきますが、現在の着工中までの分、最初申し上げました数字ではまだ上水、工水の区分が未定の、アロケーションがきまっておらない部分が二十五億立方メートルでございますので、六十三・九億立方メートルと申し上げましたうち、二十五億立方メートルのきまっておらない分を除きました三十八・九億立方メートルについて申し上げますと、上水道が工業用水の一・七倍ということになっております。  それから完成しました二十二・五億立方メートルの都市用水の分につきましては、上水が工水の二・四倍というようなことになっているわけでございます。大体そういうことで現在完成いたしましたものにつきましては十分効果があがりますように公団は管理にも当たるのでございまして、完成次第目的に沿うように鋭意これつとめておる次第でございます。

田中一日本社会党

○田中一君 私どもこれに疑問を持ったのは、利根水系の水が新規開発の用水なんですが、つまり非常に農業用に使う比重が高い。これはむろん未開発の霞ケ浦の問題も残っておりましょうが、とにかく蔬菜等にいたしましても、畑地かんがいにいたしましても、もはや茨城県の、背面ですから北ですね、北西のほうはもう公害で目ぼしい生産はできないんではないかという見方をしているんです。しかしながら相かわらずそこに相当大きなパーセンテージの水を要求しているということに疑問を持ったからこういうことを伺うわけなんですが、たとえば群馬用水にいたしましても、矢木沢から相当量の水を持っていっておりますが、どこに、どの地点にどういう畑地かんがいをやろうとするのか、そのしようとする仕事の内容です。私は、榛名、あの辺の山ろくはすべてシラス地帯、火山灰地帯であろうと思うのです。そこに畑地かんがいを行なうということになりますと、相当設備をしなければその水は全部浸透してしまいます。そういう場合における計算はどうなっていますか、その点を群馬用水だけでひとつ説明をしてほしいと思います。

柴田達夫水資源開発公団総裁

○参考人(柴田達夫君) 群馬用水事業はお尋ねのように非常に古くからあったもので、三十年に農林省が直轄調査地区に指定をいたしました。三十八年から私どもの公団が着手いたしまして、四十四年に竣工して通水をしておるということでございます。  目的につきましては、いわゆる赤城山ろく、榛名山ろくに、昔から利根川が目の前にありながら水がない。乾燥台地と申しますか、この一万ヘクタールの農地にこの水を供給するということでございまして、これは群馬県が非常に古くから調査して、それで矢木沢ダムをきめます際に、矢木沢にせっかくためるダムの水をどう使うかという問題で、群馬県はいまの赤城、榛名山ろくに水を持っていきたい。それから東京電力は、これはもう揚水発電で発電に使いたい。それから東京は将来の水飢饉を予想して水道用水として使いたい。それから三十年ごろ、ちょっと正確でございませんが、三十年前後に多目的ダムということにいたしまして、下久保ダムをあわせて水源をつくって、そうしてその三者をみんな満足させるようにしようということで、矢木沢の水は十七・六億トンのうち十三・六億トンを群馬用水に使う。東京その他埼玉等の首都圏の水には四億トンということで、そのかわり下久保ダムの十六億トンですか、十六億トンの水はすっかりこれは上水道と工業用水道、まあ一番大きなものは東京の水道に持ってくる、こういうことで、建設省が多目的ダムとして乗り出して、矢木沢、下久保、それを抱き合わせて、しかも群馬用水等もその中に繰り込むような形で解決をした。したがいまして、個々の事業は一つ一つ独立して矢木沢ダム、下久保ダム、群馬用水事業となっておりますけれども、これは一連の総合開発事業でございまして、この三つをあわせて見ていただきたいということが第一でございます。そのうちの群馬用水の事業につきましては、三市十四町村について畑地かんがいとそれから田畑輪換、それから水田補給と、この三つで、面積は田畑輪換が約四千ヘクタール、畑地かんがいが五千ヘクタール、用水補給か千三百ヘクタール、合計しまして一万ヘクタール強という計画で実施いたしました。公団が全部やったわけじゃございませんで、公団はそのうちの幹線事業を実施いたしました。それがほんとうに畑地なり水田に水が行くということまでには附帯事業がございますわけでありまして、県営の支線水路。公団は幹線水路と支線水路のごく一部を、幹線水路の総延長六十キロと支線水路の延長約三十キロ、合計九十キロというものを幹線事業として公団がやる。あと約七十キロぐらいの事業が附帯事業としてあるわけでございまして、これは農林省のほうが御監督になっておるわけでありますが、支線水路と大規模補助整備事業、それから農業構造改善事業、こういうものがあるわけでございます。これらが全部完成して初めて初期の目的を達するということに相なるわけでございます。現在、幹線事業は四十四年に竣工いたしまして、すでに公団としては管理に入っておりますが、まだ、ことに補助整備事業が完成しておらない。支線水路は大部分完成してまいりましたが、まだ少し残っておるというようなことで、通水量は現在、四十六年におきまして四十数%程度の通水をいたしております。しかし通水をしている範囲におきましては、もうすでに用水の補給にもなりますし、それからスプリンクラーが大いに働いて散水をやっておりまして、確かに地質的には火山灰地帯で条件が悪かったところでありますが、それなるがゆえに、昔から地元としてこの水のない干ばつ地帯に水を持ってきたいということが年来の悲願でございまして、それがようやく達せられつつあるということで、まあ交通も将来関越自動車道、いろいろできまして、東京から一時間ぐらいの都市近郊農村としての蔬菜あるいは果樹等の供給地帯になるという、農業経営の近代化と申しますか、営農の指導ということと相まちまして、群馬県が熱心に、私どもが送ります水についてはその効果が発生するように、農林省の指導のもとに御尽力になっておるのでございます。まだ途中でございますので、完成の時期までは、支線事業、補助整備事業を入れました全部の完成までには数年要するわけであります。群馬用水につきましては、私どものほうとしてはその程度にお答え申し上げます。あと足りない点については、営農問題等ございましたら、農林省のほうからお答えいたします。

田中一日本社会党

○田中一君 矢木沢ダムにしても十七・六億トンのうち十三・六億トンを持っていっておるわけであります。それが群馬用水という水路を経て赤城山ろくのかんがい用水になっている。それで足りないから下久保のほうは、これはもう都市水道、工業あるいは上水道の水に入るんだ。これは計画されたのが三十年ごろだと思います。三十四年に着工しています、計画かな、事業決定かな、三十四年に。そうすると、当時はなるほど言われているとおりの食糧事情でありましたから、まあ当然こういうことに重点が置かれて配分もそうなろうと思います。で、現時点における農業というものを考えると、その水が相当余るはずだというように見受けられるわけなんです。これはもっとも水資源公団は各省の共管になっている役所で、どれにもこれにもいい顔をしなければならぬから総裁困るだろうけれども、それはいいです。  専門家の農林省にその点を伺いたいと思うんです。既設と申しましても、これは新規に供給した水ということに認定して、これは群馬用水が矢木沢ダムの水十七・六のうちの十三・六というものを持っていって田畑輪換あるいは畑地かんがい、こういうものに使っておりますが、その当時の事情と今日の効果ですね、いま水資源公団の総裁が言っているように散水するなんという程度のものはもはや他に適地が現在たくさんあるわけです。散水するような適地がたくさんあるわけです。その点を詳しく、農林省住吉君、答弁してください。

住吉勇三農林省農地局参事官

○説明員(住吉勇三君) 群馬用水関係につきましては、ただいま水資源公団の総裁のほうから詳細な説明がございましたが、ただいま御説明ございましたように、この矢木沢ダムの水を受けまして群馬用水の計画が成り立っているわけでございまして、計画といたしましては一万二百五ヘクタール、約一万ヘクタールの用地に水を持っていくということになっております。水資源公団の事業は、先ほどございましたように、昭和四十四年に取水施設、幹線水路等の基幹施設を一応終わったわけでございます。先生御案内のとおり、土地改良事業は取水施設、基幹工事が終わりまして末端工事をやっていくわけでございまして、この基幹工事に続いて県営かん排事業、大規模圃場整備事業、農業構造改善事業というような末端事業があるわけでございまして、四十六年度末におきまして県営かん排事業は七九%、約八〇%の進捗度でございます。また大規模圃場整備が現在、四十六年度末で四七%、約半分近くの圃場整備事業が終わっているということでございます。したがいまして、取水施設、幹線水路はできておりますけれども、この一万ヘクタール全地域に水を利用するという段階までいっておりませんので、これらの県営かん排事業、大規模圃場整備事業の進度とあわせまして年々かんがい面積が増加しておるという状況でございまして、四十五年度におきまして、この一万ヘクタール、のうち約四千ヘクタール、それから四十六年度には四千八百ヘクタール、四十七年度の末端事業を終わりまして約五千ヘクタール、四十七年度の事業を終わりまして約半分の面積にかんがいができるという状況でございまして、お話ございましたように、現在におきましては計画の約半分のかんがい用水としての利用しかございませんけれども、おおむね順調に工事が進んでおると思いますし、現在かんがいを行なっておる約五千ヘクタールにつきましては、蔬菜とか果樹に対するかんがいが主体でございまして、蔬菜もこまかく申し上げますと、キュウリとかサトイモとか、いわゆるそういう蔬菜、果樹に対するかんがいにつきましてはそれなりに大きな効果をあげておる、こういうふうに考える次第でございます。

田中一日本社会党

○田中一君 田畑輪換の区域は四千三百ヘクタール、こうしるされてありますけれども、これは今度の米作転換でどのくらい減っておりますか。

住吉勇三農林省農地局参事官

○説明員(住吉勇三君) ただいまお話のございました田畑輪換でございますが、先ほど御説明いたしました一万ヘクタールの内訳といたしまして、田畑輪換地区が約四千ヘクタール、それから畑地かんがい地区が約五千ヘクタール、残りが用水の補給地区でございまして、先ほど申し上げました年度ごとの実績でございますが、用水補給地区は一番延びておりまして、次に畑地かんがいということで、田畑輪換地帯が現在進度といたしまして一番おくれている。これらを合わせまして計画の現在半分の地区に水を利用する段階に至っております。

田中一日本社会党

○田中一君 私の聞いているのは、田畑の輪換用水、この用水は今度の米作を減らそうという政策についてこの田畑の減ったものがどれくらいあるかと聞いているんです。全然まだ水は減っておりません、これは将来とも減らすつもりはございませんと、こういうわけですか。現在どうなんですか。——それじゃもう一ぺん先に聞きます。水田が今度米作をやめさせようという地域が日本の田のうち——畑もあるかもしらぬが、田のうちの何%減らす計画でおるか。それは現在その計画にのっとってどれくらい減っているかということをついでに聞きましょう。

住吉勇三農林省農地局参事官

○説明員(住吉勇三君) ただいまの米の数字は、全国でございますか。

田中一日本社会党

○田中一君 あなた言えないから全国と言ったんで、この場合どう減っていますかといっているんです。

住吉勇三農林省農地局参事官

○説明員(住吉勇三君) 全国につきましてはただいま詳細な数字持っておりませんが、大体長期の需給見通しといたしまして二百万トンぐらいの余剰の米……。

田中一日本社会党

○田中一君 ヘクタールとして何ヘクタールになりますか。

小林武日本社会党

○委員長(小林武君) ちょっと速記とめて。   〔速記中止〕

小林武日本社会党

○委員長(小林武君) 速記起こして。

住吉勇三農林省農地局参事官

○説明員(住吉勇三君) 先ほどお話しいたしました点におきましては、現在水田を新しく開くことは考えておりませんで、用水補給は旧水田に対しての用水補給、田畑輪換も農業経営におきまして水田にしたり畑にしたりという輪作をやっていく、そういうようなことで水量といたしましては減っておらないと思っております。

田中一日本社会党

○田中一君 私が水資源公団からもらった資料によりますと、旧田用水の補給が千三百ヘクタールある。それから十三・六億トンの水は、田畑輪換には四千三百ヘクタール、畑地かんがいには四千六百ヘクタール、こういっているんです。補給は旧田用水補給として千三百ヘクタールには水が要るんだと、こういって計画されている。群馬用水なんです。これ、せんだって五カ年計画のときにもよく聞いているんですよ。どうも農林省は、いまの役所でもってかつて、戦後繁栄して——繁栄といっちゃおかしいけれども非常に花形の、農林省はいまはだんだんしりつぼみになって、そしてアメリカから圧迫されて、あるいは要求されて農産物を輸入しなきゃならない羽目におちいったし、ますます行政機構としての農林省の守備範囲が狭ばまってきているという現状から見て、今後何をするかという考えもなく、ただ、いままでここの水というものをおれたちは一番多く使っておったんだからその水をよこせ、ワク取りをしておこうという思想があるんではないかということを心配しているんです。これは多少ありますね、参事官。だんだん自分の守備範囲がなくなってきた。これは官僚政治の弊なんです。せんだってこれは西村建設大臣に——あなたかつて農林大臣やったことなかったかな——質問したことがあるんですがね、大きく農業は転換したという実例が、実態があるならば、当然これは農業には水が不可欠なものでありますから持っていってもよろしいけれども、ただ自分の行政範囲、農林省の行政範囲を守るために、これだけの水をよこせという要求があるんではないかということを心配しているわけなんです。それは前段にあなたに申し上げたはずだ、私はこういう考え方で質問するんですよと申し上げたとおりなんですよ。一例として群馬用水を取り上げたわけです。  もう一つの、二例として愛知用水聞きましょう。愛知用水の問題をあなたも数字を言ってましたし、総裁も言ってましたから、私は水資源公団から提出を受けたこの資料を中心に質問するわけです。これは農業用水としては七十二・八四億トンのうち三十三・二八トンは農業用水に使うんだと、農業用水これだけ使っているという……これパーセンテージね、この地点はいま計画されたところの開拓——愛知用水は知多半島の開田の場合が多いわけです。岐阜、三重、愛知と三県にわたっておりますが、この開田あるいは補給した水田が現在どうなっているのか。おそらくここにはもう相当な工業が進出して、工業用水はこのうちの二十・四三になってますがね、これはどっちがどう、水の配給の増減があったんじゃないかと思うんです。知多半島でやっぱりこの計画どおりの農業やっておりますか、どうなんです、現在。

住吉勇三農林省農地局参事官

○説明員(住吉勇三君) 先ほどの群馬用水の用水補給につきまして私の説明が足らなかったようでございますが、先生御案内のとおり……。

田中一日本社会党

○田中一君 御案内じゃない、御案内ないから聞いているんだよ。

住吉勇三農林省農地局参事官

○説明員(住吉勇三君) この用水の補給計画と申しますのは、農業が自然の降雨によるところが多いものでございまして、水の順調な年もございますが、不足する年も多い、そういう場合に……。

田中一日本社会党

○田中一君 それは御案内ですよ、そんなことはわかっている。

住吉勇三農林省農地局参事官

○説明員(住吉勇三君) そういうことで、その用水補給は干ばつ時の不足のあれに対しまして水を補給するということでございまして、よぶんの水はないという御説明をしたかったわけでございます。  それから、ただいまお話のございました愛知用水でございますが、この関係につきましては、その後の周囲の情勢の変化によりまして三十六年の基本計画地帯に三万ヘクタールの水田を対象にしておりました。したがいまして、農業用水が二十八・六トン、三十トンの水のうち二十八・六トンというのが農業用水でございますが、その後年々受益面積が減ってまいりまして、四十三年には約三万ヘクタールの基本計画から一万五千ヘクタール、約半分ぐらいに受益面積が減ってまいりまして、したがいまして、この三十トンの水のうち農業用水は二十一トンと、それ以外のものが上水道、工業用水というようなほかのものに転用されておるという実情でございます。

田中一日本社会党

○田中一君 三重用水について伺います。これが新規利用水としては七千四百ヘクタール完成している、これはどういう変化になっておりますか。

住吉勇三農林省農地局参事官

○説明員(住吉勇三君) 三重用水につきましては計画の受益面積が七千四百ヘクタールでございまして、農業用水といたしまして約四・七トン、それから都市用水といたしまして二・六トンという計画に現在なっておる次第でございます。

田中一日本社会党

○田中一君 いま、これは四十九年にできるんですからまあこの計画を変更しなきゃならぬのじゃないかと思うんですよ。御承知のように、あなたおっしゃるように、現在の計画はそうなっておるんです。計画はそうなっておるけれども、あなたのほうで持っている農業政策の面からいっても、米作を抑制しようというこの考え方からいっても、これは減るであろうということを言っているんです。ただ、水の先取りをしてこれはおれのものだということじゃならないんですよ。御承知のように、都市用水というものは、もうたいへんなことになっておるんですよ。生存の問題が先に来ているんです。したがって、こういうあなた方が一件ごとに——ほかにまだたくさん御質問することありますが時間かかってしょうがない。これだけのものをこれはもう一カ月ぐらい前に質問しておるんですよ。変化はあるんではないかと言っておるんです。これは一つの例としては、先ほど前段に、利権用水の新規の要求というものに対する配分というものが過大ではないかということの疑問から申し上げているんです。むろん、これには霞ケ浦の開発がこれからできるんだと、たとえば利根河口せきができて、ここにも水は相当あるんだというような前提から考えておるでしょうが、その用途は何かというと、これは霞ケ浦から西北の畑地かんがいに使うんですと、こう言っておるんです。どうも畑地かんがいに使うというんですけれども、あの辺は公害でたいへんなんですよ。そうすれば、畑地かんがいという蔬菜なり果樹なりをつくるとしても、大きな政策的な転換があったのか、国としての。たとえばフレームをつくって水耕蔬菜をつくる、土壌が汚染されているというところが数限りないのですよ。したがって、土を使わない蔬菜づくりをするというような方向に転換したのか、またしようとするのか、こういう点を、せんだっては西村建設大臣に、あなた閣議でそういう大きく農業政策が転換しているのを御存じですかと言ったら、知らぬと言っていました。そうでなければ、茨城県の、選挙区でいえば第三区です。その区域の霞ケ浦から西北、この辺は汚染されているのです。かつては農地と水田として良好な水田がたくさんあります。学園都市を持ち込んでいる場所ですよ。あの辺の周辺ですよ、東京都、千葉県、群馬、埼玉に接したところ一帯ですが、工場がどんどんきています。はたしてどこでどういう農業あるいは蔬菜づくりなり、あるいは果樹なりを行なっていくのかという点について聞いているわけなんですが、私はこの問題はただ単に農林省が将来の自分の守備範囲を安定さすために、広げるために水の先取りをしているということであってはならないという観点から質問しているわけなんですよ。どうも建設省がいま出している広域利水調査の第一次報告、これはなかなかおもしろいもんだ。これは第二次も第三次もどんどん出してほしいと思う。しかしこの内容というものはみんな地方の都道府県、公共団体がまとめたものじゃなかろうかと思うのですよ。これはほんとうに利水の面、おれの分野じゃないと言われても、都市用水の責任は建設大臣持っているはずですから、そうすれば、農林省のように、私が申し上げているのは——お聞きになっていますね。農林省のようにかつての夢を実現するために水の先取りは困りますよということを言っているのです。したがって、日本の産業構造全体から見て、いままであるところの水を再編成をしなきゃならない、利水の再編成をしなきゃならないということを主張しているわけです。  たとえばもう一つ伺います。  かつての慣行水利権として明治政府ができ上がって以来これは定着しています。これもかつての河川法の改正によって許可水利権と同じような効力を持っている、法的根拠ができた。これはさっき言った全国でどのくらいの水田を宅地化し、あるいは他に転用するという計画になっているか、その数字を知りたいというのが、これから申し上げることについて伺っているわけなんです。慣行水利権というもの、これはもう血みどろな竹やりでもって殺しっこするような水争いが起きたという歴史的なものなんです。ことに流域変更、分水等になりますと、さらに問題が大きくなったという歴史的なものなんです。しかし今日は、米作の政策的大きな後退から農業用水は相当他に向けてもいい余裕があるのではないか、こういうことなんです。私はもっと真剣に農林省も取り組まなければいかぬと思うのです。水の問題は日本だけではございません。世界的にこの水の問題はもう論議されていることなんです。したがって、いままでの慣行水利権として今日まで日本全国に農村に分布されている用水ですね、この用水に対して何か手当てをしておりますか、あるいはこれに対して必要ないところは他に持っていく、残ったものは、開発されるところは都市下水道にするとかなんとか、そうした形の改変が具体的に求められなければならない。あなた方、自発的にそれをしなければならないと思うのですよ。慣行水利権に対する整理、調整、これがどう行なわれているか伺います。

住吉勇三農林省農地局参事官

○説明員(住吉勇三君) ただいまお話ございましたように、都市化現象によりまして農地が転用され、壊廃しているというような地区も部分的にはございますし、そういう地帯におきましては、潜在的に水の需要は減少しておるわけでございます。しかしながら一方、近代的な農業基盤と申しますか、機械化農業を進めるために地下水を下げるとか、乾田化するとかいうような工事あるいは畑地かんがいの必要な地域等ございまして、多少こまかく申し上げますと、現在圃場整備が終わっておりますのは、全国三百四十万ヘクタールの水田のうち、二十六万ヘクタール、八%が近代的な圃場整備が終わっておるわけでございまして、大体この圃場整備をやりまして水利の整理をやりますと、水の需要がふえるという現象がございます。また一方、畑地かんがいは全国二百四十万ヘクタールの畑がございますが、畑地かんがいの施設が終わったり、現地施設をやっております地区は十二万ヘクタール、全畑地面積の五%というようなわずかでございまして、こういう面におきましても畑地かんがいを大いに進めていかなければならないというような要素もございまして、総体的には農業用水の需要は増大するものと考えております。しかしながら、先ほど申し上げましたように、都市化現象の進んでおります地点、そういう地点におきましては、水の有効利用をはかるという点におきまして、農業用水を合理化しまして、極力他用途に振り向けるための事業というのを考え、農業用水合理化対策事業というのを本年度から工事を実施する予定にして準備を進めておるというような段階でございます。

田中一日本社会党

○田中一君 貿易自由化によって海外から入ってくる蔬菜、果樹類ですね、あるいは米麦も含めます。これらの問題はどのくらいに押えているのですか。いままではまた国が買っている小麦とかあるいは加州米なんというものも政策的に買っておる、そういうものが全部きれいになくなったとして、どのくらい増大する見込みなんですか。あなた方は農民の心を忘れてかってに政策つくって進んでいるのです。ミカンがいいからミカンつくれ、ミカンつくれとすすめている。今度政策的に大国に屈服して、もうミカンはつくるのをやめてくれと、この循環が今日の農業というものから離農する人を多くしたのです。私は一番最初言っているように、農業本位の国でなくちゃならないと言っているのです。あなたに聞かそうと思った、あなたすなおに答弁すると思ったからそう言っているのです。その信念を持っているのです。しかし現在持っている農業政策というものはそうじゃない。そうしていま一番大事な水の問題を浪費しているのじゃないかというのです。これは参事官だけに言ったのじゃどうにもならぬけれども、赤城君が来れば赤城君に言いたいのです。もう今日は過去を忘れて将来の、次の時代の若者たちのためにこうあるべきだということをきめなければならぬのじゃないか。私は一面、都市の過密化というものもある、地方の過疎化という二つの現象もこれは一つのものですから、水の問題です、私は水の問題を伺っている。水がますますこれは足りなくなってくるのはもう明らかなんです。だから政治的にはあるいは社会的には家庭用水というものもかくかくになるんだから倹約なさいよということのPRも必要です、国民に対しては。これは建設大臣全くそうなんですよ。工業用水にいたしましても野方図に使っていいというものじゃないんですよ。ことに使用料の問題にいたしましても、工業用水と農業用水はほんとにゼロみたいなものです。都市用水だけが一番高いんですよ。工業用水はそれに次いでいる。そうして一番苦しむのは、かつての八、九年前の東京の水の飢饉、いま古賀君が言ったように神奈川県の水の飢饉、こうした現象があらわれて生存、生活に苦しむんですよ。だから農業用水は農林省が真剣になって点検をする、先行的な点検をする。慣行用水のむだなところはそれを廃止する。そうして必要な新しく将来の日本の民族産業としての農業、これはかくあるべしという目標をつくって、それで使う水は、これこれの水が要るんですよということならいいけれども、いま各地で要求しているあなた方の水というものは、十年、十五年、二十年前の農業の必要だという水の数字をこれをあげているにすぎないんじゃないかと思うんです、要求されている水というものは。それを心配しているわけです。もう参事官に伺いません、御答弁要りません。  そこで、建設大臣、いま申し上げているように、これから多々必要であるというこの水資源の問題を、どうも柴田総裁があそこには建設大臣直轄の命令系統がないからなかなかはいと聞かない立場にありますけれども、水のメーカーですから、使うほうの側に立ってこれは閣議ではっきりと発言なさい。国民というよりももっと産業界が、農業にいたしましても、工業にいたしましても、水のむだ使いが多いんではないかということなんです。農業については私は申し上げたように、田畑がない地域にもかつての慣行水利権という形で水が流れております。これは整理統合すべきじゃないか、調整すべきじゃないか、これが一つ。工業用水にしても、これはちょっといまドルショック以来生産が停滞していますからいまのところはいいけれども、将来の問題として、これも水を大切にしなければならないんじゃないかということの基本的な水政策というものを政府はお立てなさいということなんです。水の行政をつかさどっているのはやはり政府なんですから、水の政策をお立てなさい、基本方針を。次の五カ年計画ができた、こうして一日も早く水を円滑により多く供給しようという今度の改正であります。この改正の一連の目標は何かというと水を大切にすること、水の公平な配分をすること、かつての慣行としてとっているところの水に対する再点検と再配分の計画を立てること、こういうひとつのものが広域利水調査報告書であります。この努力は買いますけれども、この内容はやはり御注文に応じてその御注文をまとめましたものでございますというものにすぎないんですよ。大きく水利用の調査室もつくるあるいは内閣につくる、建設省につくる。そうした水利用の根本的な基本方針というのをきめなければならぬと思うんです。むろん、水をつくり出すという作業は当然それに並行する。いまこうして、ことしは、五カ年計画の中にも百七十幾つという水利権を求めながら、調査しようというこの希望に対しては大賛成なんです。一面、このつくるという操作のほかに節約する。むだな水をかってに確保しているという部局があるではないか。これに対する検討をなさいということを言ってるんですよ。これは私は終局的にこの質疑はこの辺でやめますけれども、あなたは私の申すことがおわかりになっているはずだから、それで国務大臣としてこの水の問題については各省にまたがるから厚生省もまた通産省もまたがっておりますから、それについて代表的な基本方針についての答弁を願いたい。それを伺って満足すればやめます。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(西村英一君) いろいろ所見を交えての御質問でございますが、私はこの前も申しましたように、水行政は需要と供給、したがって、建設省の役目は供給の面を主としてやはりつかさどってきたところでございます。しかし、供給するからには一体需要がどうあるのか、どういうものにどれだけ要るのかということが大事であるけれども、建設省としてはその辺はまことに弱いと、こう前から私は言っておるのでございます。  今回、建設省がやりました広域利水の調査もこれは全面的に建設省が自信を持ったということは言えませんが、私がやはり役人の方に聞いたときに、一体これはだれがつくったんだと言いましたら、河川局長は建設省みずからの責任でつくったとこう言います。言いますが、やはりこれは需要面につきましてそう簡単に建設省はわかるはずはないのですよ。だからやはり需要面はいろいろ厚生省からもらい、農林省からもらってこの数字を出してあるのでございますが、まあ、第一次報告をしたのですからこの努力は買ってください。

田中一日本社会党

○田中一君 大いに買っています。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(西村英一君) これは第一次報告でございます。第二次報告はやるのかと私が聞いたら、第二次報告もやりますと、こう言っている。そこでこれは、非常に各地方でもって、全体の公益ですから、やはり部分的にもう少し詰めなければ、私もあなたと同じように全面的に信用は置けません。ことに関東地方の問題につきましては、いま河川局長は一生懸命ある研究所とタイアップしてこれをもう少し詰めてみようということでございます。ただ、需要面につきましてはたくさん厚生省、農林省、通産省等ございますが、これはまとめるのが困難でございますから、そのまとめ方を経済企画庁でまとめるようないまの行政組織になっておるのでございます。これがいいか悪いかは別でございます。経済企画庁がひとまずまとめる。したがって、水資源開発公団等も経済企画庁の所管になっておるのでございます。しかし、私のところは関心がないわけではございません。いずれにいたしましても、あなたが言うように、やはりつくることはつくっても大事な水であるから、ひとつ供給も需要もそれをしっかりしろ、節約するものは節約すべきだ、こういうことは当然だと思いまするが、自信を持っていま農林の水がこれだけここに要る、工業用水はこれだけここに要るという、こういうような再利用するんだという確信を持った答弁は非常にむずかしいわけでございます。しかしいずれにしても、あなたがおっしゃいますような精神は私は十分わかっておりますから、私も建設大臣といたしましてまとめる立場にはありませんけれども、供給面を持っておる私の立場といたしましては、十分需要面をこれからひとつわれわれの立場でいろいろ考えたい、かように思っておる次第でございますが、十分ひとつあなたの御趣旨はわかりますから、どうぞよろしく御了承賜わりたいと思います。

田中一日本社会党

○田中一君 建設大臣の意気込みは了承します。  そこで、経済企画庁にちょっと言っておきますがね。あなたのところで今度は、もうことしの予算はしようがないけれども、これに取り組むのだときまれば、事業費も何も持っていないのだから困るのだ。事業費を二十億、三十億取って、当面ほんとうにまず、行政管理庁じゃないけれども、各省が握っておるところの水資源ワクですね、これをまず検討する、各省握っておるものを。それを同じ仲間だからしないのだというんじゃ困るんです。そうして農民は、いま比較的農民そのものが農業に対してゆるやかな感覚を持っているように私は見受けられるのです。そこでそういう点を実行する、あるいは補助するという金がもっとなくちゃならないんです。こういう点は今後とも、いま西村建設大臣もそう言っているのだから、木村君は全然出て来ないけれども、そういう点は伝えておいていただきたいと思うのです。それでどこかでほんとうに真剣に取り組まないとえらいことになりますよ。これだけ申し上げてやめます。

小林武日本社会党

○委員長(小林武君) どうですか、答弁ありますか。

牧野俊衛経済企画庁総合開発局参事官

○説明員(牧野俊衛君) 先生おっしゃることごもっともでございまして、言われたから申し上げるわけではございませんですけれども、私のほうで三、四年前に一応全国の状況を調べたことがあるのですけれども、しかし、それも地元の県の意向を無視した調査でございまして不十分な点があったものですから、四十八年度から調査を実施したいということで考えております。先生の御趣旨十分大臣にも伝えますし、今後努力したいと、かように思います。

小林武日本社会党

○委員長(小林武君) 両案に対する質疑は一応この程度にとどめます。     —————————————

小林武日本社会党

○委員長(小林武君) 次に、日本勤労者住宅協会法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案につきましては、一昨二十三日趣旨説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

田中一日本社会党

○田中一君 最初に伺いますが、衆議院の議員提案で出されている法律案、これに対しては、大臣はこの審議には参加しておらなかったのですね。あるいは政府委員が参加しておらなかったのか、それをまず伺いましょう。

沢田光英建設省住宅局長事務代理

○政府委員(沢田光英君) 衆議院におきましては、委員長提案でございまして、そのまま可決されまして、私ども審議には参加しておりません。

田中一日本社会党

○田中一君 そこで、お伺いするわけですが、この全文——全文というのはすべての文章です、一部改正の。これはここできまれば、当然このとおり忠実に実行するというような含みでありますか。それとも何か御意見があるなら御意見を伺います。

沢田光英建設省住宅局長事務代理

○政府委員(沢田光英君) 今回の改正につきまして、主要な点はすでに御存じと思いますが、要は、勤住協が受けております業法の規制をはずす、そのために、そのためといいますか、反面、大臣のこの法律に基づきます監督の規制を強化する、さようなことで仕事はうまくいくだろう。過去の実績等を勘案いたしまして、さようなことで私ども支障ないと思っておりますので、全面的にこの法律で実施していきたいと思っております。

田中一日本社会党

○田中一君 われわれの政党でもこれを提案した一員でありますが、あとでこの内容については伺いますが、ただ、勤住協のやっている事業並びに勤住協の一部の仕事を担当している住宅生協——住宅生活協同組合の任務の点について伺っておきたいと思うのです。  最初に伺いたいのは、勤住協は建設大臣主管の住宅供給機関です。これはかつて母体であった住宅協会というものに法的根拠を与えようということでできたものがこれでありますが、勤住協に与えられている今年度、六千戸、こういうことになっています。これが一面、そのある部分を受け持っている住宅生協、各都道府県にありますが、これらはもう一つ、これでは手薄なんだ。もっと住宅を要求する一般大衆がいるんだから、といって厚生省所管の厚生年金事業団、この機関を経て約千八百戸の融資を受けて住宅局がやっている。まず最初に伺いたいのは、住宅金融公庫が国の機関としての融資の、融資というか、これは融資といっても事業の手続、過程だけを機関でやるのでありますから、結局完成して、居住者がきまれば住宅金融公庫並びに個人ということになるわけですね。その間の手続機関、融資機関、それから手数料、金利等詳細にだれでもわかるように説明してください。それをひとつ建設省の沢田君に聞きたい。  それから厚生省のほうは、厚生年金の還元融資としてきている本年度三十四億、千八百戸というものの、いまと同じように単価も交えて二戸当たり幾らの建設費としてやっているのかという点について、融資状況、締めくくりまで、まず建設省から説明してください。

沢田光英建設省住宅局長事務代理

○政府委員(沢田光英君) 住宅金融公庫はこの住宅勤労者住宅協会に、先生おっしゃるように四十六年度にはおおむね六千戸の分譲住宅の、一般分譲住宅の融資をしてございます。

田中一日本社会党

○田中一君 四十六年度も……。

沢田光英建設省住宅局長事務代理

○政府委員(沢田光英君) はい。これの条件はすでに御存じと思いますが……。

田中一日本社会党

○田中一君 御存じではない。ちゃんと言ってください。

沢田光英建設省住宅局長事務代理

○政府委員(沢田光英君) 金利が五分五厘でございまして、年限は耐火構造であれば三十五年、木造であれば十八年、こういう償還年限は耐火構造であれば八五%、その他のものであれば八〇%、かような融資をいたしております。で、勤労者住宅協会はこれを受けまして、直営でございますれば、いわゆる公社と同じように直営で分譲住宅を建てましてこれを分譲いたします、公募の上、分譲をいたします。そのときの分譲の条件は公庫の規則にきまっておりまして、政令、省令その他できまっておりまして、たとえば譲受人のきめ方は公正にきめなきゃいけない、それがこまかくうたわれております。それから譲渡価格の方法も原価計算方式によりまして利潤はないと、かようなかっこうで、この五分五厘を中心といたしました先ほどの年限での償還、そのほかの事務費、これは三%の手数料のようなものが原価に入って、これは元金均等償還で割賦をすると、さようなことになってございます。  そこで、勤住協が、直接の場合はそうでございますが、それがまた委託によりまして、これはこの法律によりまして住生協に委託ができるということになってございます。それも委託でございますから、いま言った範囲内でその業務を単に委託するということで、金額その他の譲渡条件も勤住協が直接行ないますので、最終的には、全然同じ条件でございます。

田中一日本社会党

○田中一君 それじゃ、厚生省。

持永和見厚生省年金局資金課長

○説明員(持永和見君) お尋ねの年金福祉事業団によります住宅生協に対します貸し付けでございますが、四十六年度の実績は、住宅生協に対しまして年金福祉事業団から二千二百五十八戸の貸し付けを行なっております。それから、住宅生協に対します年金福祉事業団の融資条件でございますが、年金福祉事業団の融資条件は、御承知のように、年金福祉事業団といたしましては、厚生年金等の年金制度の被保険者の福祉のために融資を行なっているものでございまして、その融資条件も大企業、中小企業等によってそれぞれ異なっております。で、申し上げますのは、被保険者の団体の組織する住宅生協などに対します融資条件でございますが、利率は年五・五%でございます。御参考までに申し上げますと、大企業は七%、中小企業は六・五%ということになっております。融資率でございますが、融資率は九〇%でございます。住宅生協に対しますのは九〇%でございます。それから償還期限でございますが、償還期限は、耐火建築物につきましては三十五年、それから簡易耐火につきましては二十五年、木造建築につきましては十八年、こういうことになっております。償還方法は元利均等償還という方式をとっております。  以上でございます。

田中一日本社会党

○田中一君 そして、耐火建築の場合の単価は幾らに見積っておるか。これは一ぺんに質問します。両方で答えてください。

持永和見厚生省年金局資金課長

○説明員(持永和見君) 住宅関係の耐火構造の一平米当たりの単価でございますが、北海道を除きます地域におきましては、三万三千八百円ということになっております。北海道につきましては三万五千六百円でございます。

沢田光英建設省住宅局長事務代理

○政府委員(沢田光英君) これの四十六年度の実施単価でございますが、耐火構造の、これ平米により地区によって違いますけれども、耐火構造の五十八平米のもの、これが百三十万円、上物百三十万円でございます。

田中一日本社会党

○田中一君 この厚生省のもの、これも平米……。

持永和見厚生省年金局資金課長

○説明員(持永和見君) ただいま申し上げましたのは一平米でございます。

沢田光英建設省住宅局長事務代理

○政府委員(沢田光英君) 平仄を合わせますために、いま私の申しましたものを平米当たりに直しますと三万一千七百円になります、耐火構造で。

小林武日本社会党

○委員長(小林武君) 前のは坪ですか。

沢田光英建設省住宅局長事務代理

○政府委員(沢田光英君) いや、そうじゃなく、前は二戸当たり、五十八平米のものが一戸当たりでと、こういうことを申し上げました。

田中一日本社会党

○田中一君 これは、そうすると、年金住宅と公庫住宅というもので単価が違うということは、これは勤住協じゃ少なくとも、住宅金融公庫を原資とするものしか関与していないわけですね。谷口君説明してください。厚生年金の融資はこれ関係していないわけね。

谷口次雄日本勤労者住宅協会常任理事

○参考人(谷口次雄君) 勤住協になりまして、四十六年度事業としまして厚年の資金を借りることにいたしました。それまでは四十二年勤住協ができまして厚年資金は借りておりません。したがいまして、住宅金融公庫の資金のみでございました。

田中一日本社会党

○田中一君 それで、四十七年度はどのくらいのワクの内示があったか、もうきまったの。

谷口次雄日本勤労者住宅協会常任理事

○参考人(谷口次雄君) 公庫のほうは六千戸でございます。で、厚生年金のほうのは計画としては三百戸を計上しておりますが、まだほんとうに計画を練ってはおりません。

田中一日本社会党

○田中一君 西村さんに伺いますがね、いまの勤住協は住宅金融公庫の融資だけを受けて六千戸というものを担当しているわけなんです。そこで、もっと家がほしいという大衆がいるから自分のほうでよりもっと担当できますよということになって要求をしているのですね。それから一面、この厚生省の厚生年金事業団からは厚生年金の還元融資として勤住協にはきていない。じかに生活協同組合にいっているわけなんです、資金が。そこで、この場合二本なんですよ。同じように供給をしようという住宅生活協同組合なんです。二つの原資、それも異なっている原資、それから内容も違うのです。大体合わしておりますけれども単価が違う。平米当たりにすると三万三千八百円と三万一千七百円の違いもあるのです。融資の違いも。——合っておるのか。

沢田光英建設省住宅局長事務代理

○政府委員(沢田光英君) 私ちょっと手元に資料がございませんで、四十六年度で申し上げまして、四十七年度は三万三千八百円で合っております。申しわけございません。

田中一日本社会党

○田中一君 それじゃ、この厚生年金の原資、融資、利子、それから条件等は常に住宅金融公庫と話し合って、同じものを出しているということですか、両者の答弁は。

沢田光英建設省住宅局長事務代理

○政府委員(沢田光英君) お話し合いはしておるわけでございますが、しかし私どものほうのいま違っておりますのは、たとえば融資限度、これがいま伺いますと九〇%まで融資しておられる、私どものほうは法律、政令で八五%まで、かようになっておりますので、その辺は合っておりません。

田中一日本社会党

○田中一君 両者とも土地に対する融資はしておりますか、しておりませんか。

沢田光英建設省住宅局長事務代理

○政府委員(沢田光英君) 住宅金融公庫ではやっております。

持永和見厚生省年金局資金課長

○説明員(持永和見君) 年金福祉事業団のほうもやっております。

田中一日本社会党

○田中一君 それは一月当たり所要のものは何坪、何十坪、何百坪に押えている。そして、それに対して平均幾ら幾らというのが出ておりますか、それはどうなんですか。

沢田光英建設省住宅局長事務代理

○政府委員(沢田光英君) いま、まず坪数は、木造でございますと、大体いろいろございますが、百五十平米当たりが中心でございます。それから共同住宅で百平米、この辺のものを貸してございます。単価はいろいろA、B、C、D、E、Fと地域がございまして、それぞれ一平米当たりAでは七千五百円、一番安いほうのDでは千八百円、これで場所別にきめております。

持永和見厚生省年金局資金課長

○説明員(持永和見君) 年金福祉事業団の関係でございますが、土地は共同住宅と、耐震向け住宅以外の住宅、いわゆる普通の住宅につきましては一月当たり百六十五平米、北海道につきましては二百三十一平米と、こういうことになっております。それから単価でございますが、一平米当たりの標準単価、これは私どものほうは四十七年度のことを申し上げておるわけでございますが、一番高いAが一平米当たりの標準単価は八千二百円でございます。それから、共同住宅、耐震向け住宅の敷地として、いま申し上げましたのはAの八千二百円はいわゆる普通の住宅でございます。それから、共同住宅などにつきましてはこのAに相当する地域につきまして、一万百円でございます。

田中一日本社会党

○田中一君 やっぱりこれ違うんですね。厚生年金は、厚生年金の加入者だから特別に配慮しているということなの、その点どうなんですか。

持永和見厚生省年金局資金課長

○説明員(持永和見君) 冒頭に申し上げましたように、年金福祉事業団におきます融資は、保険料を拠出した被保険者のために還元をすると、こういうことでございまして、そういう趣旨からいろんな融資の面でできるだけ有利に扱うということが前提になっております。

田中一日本社会党

○田中一君 これは住宅資金についてちょっと聞いてみたい。住宅金融公庫の資金はうちを建てる金がない、金を借りようにも貸してくれない人、信用のない人、いわば金を持っていない人、これに貸すんだというのがこの性格なんです。厚生年金に入っている人は、金がないというよりも、金はあるにはあるが少ない、こういう性格を持っている。その金がない人に貸してくれる金のほうが低いなんておかしいじゃないか、沢田君どう思う。

沢田光英建設省住宅局長事務代理

○政府委員(沢田光英君) 私どものほうも公庫法の審議の際にしばしばおっしゃられたわけでございますが、十分予算をとりまして建築費についても十分個人融資をしてお貸しをしたい、さらに宅地についても十分お貸しをしたいという熱意を持っておるわけでございますが、しかし、用地につきましてそこまで手が回らないということで、一般には用地の個人融資につきましては、用地につきましては特別の場合以外には貸してないというのが実情でございます。たとえば区画整理済みの土地だとか、あるいは公団、公社が環境よくつくった土地、そういうものを買うときには特別に貸す、そのほかは土地を持っておられれば上物についてお貸ししますからというような制度にいまなっておるわけでございます。これは予算的な問題だろうと思います。ただこの公社とか、その他のこういう分譲制度、特にこういう特殊法人関係のものにつきましては、その点どうせ建て売りでございますから、土地まであるということで、これには貸すというところで努力はしておる、そういうことでございます。

田中一日本社会党

○田中一君 現在土地に対する融資はしていないくせに、貸すことができるんだと言っているんでしょう。現在はしていないんでしょう。

沢田光英建設省住宅局長事務代理

○政府委員(沢田光英君) 公社とか、この勤住協のたぐい、いわゆる特殊法人等、これにつきましては上下とも貸しておるわけでございます。

田中一日本社会党

○田中一君 いま沢田君言うけれどもね、せんだって公庫法の一部改正のときに言っているように、十四万戸のワクを持っておるが、十五万戸くらいの申し込みがある。これは書類の資格条項その他で排除をされる、申し込みすればだれでも貸しますよ、こういうたてまえなのか、申し込みすればだれでも貸しますよ、個人個人に……。だから住宅金融公庫法の全面改正しなさいということを言っておるのです。本年度の融資はどのくらい、何戸くらいさせるつもりですか、勤住協には。

沢田光英建設省住宅局長事務代理

○政府委員(沢田光英君) 四十六年度とおおむね同じ六千戸程度ということをもくろんでおります。これにつきまして上物と土地につきましてのお金を融資するという所存でございます。

田中一日本社会党

○田中一君 勤住協に聞きますが、六千戸でもう手一ぱいだという気持ちというか、実態なのか、あるいは一万戸でもできますということなのか、ちょっと伺います。

谷口次雄日本勤労者住宅協会常任理事

○参考人(谷口次雄君) お答えします。  この四十七年度事業につきまして各生協から希望をとりまして、それによりますと七千戸ちょっと上回った程度でございます。もちろん、これは勤住協自体の直轄の事業も加えてのことでございます。大体私の考えでは七千戸に対して六千戸の割り当てをいただければまずいいんではなかろうかと、こういうふうに思っております。

田中一日本社会党

○田中一君 厚生年金事業団に対してはどのくらいの要求をしていますか。

持永和見厚生省年金局資金課長

○説明員(持永和見君) 事業団につきましては、四十六年度は、先ほど申し上げましたように二千二百五十八戸の住宅申し込みがございまして、そのほとんどが決定いたしておりますけれども、四十七年度の状況につきましては、現在のところ五月一日から事業団が受け付けの開始をいたしております。どのくらいの住宅生協につきまして申し込みが出てくるかということはいまのところ具体的には把握しておりませんけれども、年々の傾向からいいまして漸増いたしておりますので、そういう意味合いにおきまして四十六年度の二千二百五十八戸をかなり上回るお申し込みがいただけるんじゃないか、かように考えております。

田中一日本社会党

○田中一君 これは庶民というものは非常に現金なもんで、条件がよくて余分に貸してくれる、単価もいいところへいってくれるといえば借りるものなんですよ、低賃金だから。これは話し合って一つのものにしたらどうか。一つのものというか、一つの条件にしたらどうかと思うのですよ。その問題が一つ。  それからもう一つは、まあ何といっても住宅生協というものは厚生大臣の所管する守備範囲の行政であります。勤住協は建設大臣が単独でこれを指導する機関であります。住宅供給というのは、私はしばしば言っているように五つも六つもいまあるわけなんです。政府直接の機関が六つあるわけなんです、住宅供給の仕事を行なっているところが。それがすべてみんな条件が違うわけです。でき上がる家賃も違う、単価も違う。こういうような、しいて言えば統一のない融資条項で、特定なるものに特定なる融資をしているというのが、あるいは特定なるものに特定なる住宅をつくって、それを賃貸しているという状態が現況であるわけです。そこで、住宅生活協同組合というのは、これは法律でつくられているものであります。そこで私は、住宅生活協同組合をもっと高度に利用すべきだという考えを持っているわけです。昨年でしたか、東京住宅生協が大きな赤字を出してつぶれました。この東京住宅生協は企業として千葉君が創設して各組合に呼びかけてでき上がったものなんです。したがって、今日各地方にある住宅生協は、組合員と労金が中心になっているのです。計画立ててみな考えて労働組合等に働きかけてつくったものです。これは沢田君も知っているはずです。ところが、現在あるところの住宅生協というものは、その地域の労働者が集まってどうしても一日も早くしてくれと、住宅金融公庫に申し込んだってなかなかきやせぬ、かつては。いまは申し込めばすぐ貸すというけれども。どこかで仕事をしてもらわなければならぬ、どこかで監督してもらわなければならぬということになると、地域的な一つのグループでもって仕事をしてもらいたいということになる。かつての東京住宅生協と性格が全然違うわけなんです。これは厚生省はどういう認め方をしているか一ぺん見解を聞きたいと思うのですよ。現在の東京住宅生協以外の住宅生協は企業として行なったものでなくして、それぞれ地区の労働組合の組合員が集まって住宅生協をつくっているわけです。したがってどんな認め方をしているか。もう一つは、東京住宅生協はどこかに、あなた方のほうにたいへんな迷惑かけていると思うが、その損失の見返しのようなものをつくってやったらどうか、これ厚生省に伺います。

蝦名真一厚生省社会局生活課長

○説明員(蝦名真一君) 住宅生協の事業につきましては、ただいま先生からもお話しありましたとおり、年々着実にその事業実績をあげております。たまたま一昨年東京住宅生協の事件がございましたけれども、あれはいわば特異な事件でございまして、大かたの住宅生協は着実に事業を伸ばしておりまして、これが住宅問題の解決の一助になっておるとわれわれ考えております。そういう意味合いから住宅生協の事業のさらに堅実な発展をはかってまいりたい。特に、そのための資金の手当てを年金事業団のほうにお願いするわけですけれども、そういったものを拡大していただき、また、その他住宅生協の健全な発展をはかってまいりたいと考えておるところでございます。東京住宅生協の問題につきましては、あれは直接には知事の監督下の組合でございまして、東京都並びに勤住協のほうのお世話等にもなりながら、実際は組合員出資者にさらに拠出を増額していただきまして、大体問題が円満に解決したというふうに聞いております。

田中一日本社会党

○田中一君 宅地造成に対しては両方とも金は貸しておらないのですか。

沢田光英建設省住宅局長事務代理

○政府委員(沢田光英君) 公庫のほうからは貸してございません。

持永和見厚生省年金局資金課長

○説明員(持永和見君) 宅地造成と申しますか、土地の先行取得、そういったものに対しましては貸し付けを行なっております。土地を先行取得しまして建物を建てるという計画がはっきりします場合には、土地の先行取得に対しまして貸し付けを行なっております。

田中一日本社会党

○田中一君 昨年どのくらい出して、ことしはどのくらい出すつもりですか。

持永和見厚生省年金局資金課長

○説明員(持永和見君) 四十六年度につきまして用地だけを見ましたのが、全体として大体二十億程度、用地だけを見ておる実績がございます。四十七年度につきましては先ほど申し上げましたように、現在申し込みを受け付け中でございまして、どの程度の資金ワクを充てるか、全体の中で貸し付け申し込みの優先順位につきまして資金ワクを充てておりますから、この中で土地と建物全体を一緒にしまして、貸し付け資金ワクを充てますので、土地だけどのくらい充てるか具体的には申しかねますけれども、四十六年度実績は二十億でございますから、先ほど申し上げましたように、全体として資金ワクは伸びております。そのワクを上回る程度の貸し付けは行なえると思います。

田中一日本社会党

○田中一君 そこで建設大臣、住宅金融公庫原資として勤住協は存在しているわけであります。しかし、住宅金融公庫は住宅生協には自分の所管の範囲でないから貸してないが、勤住協を通じて貸しておる。これはある過渡的なものですからね。貸すと言っても、厚生年金のほうは住宅生協のほうにじかにやっておる。何だか一つの政府の中から出る金でもっておかしくはありませんか。それで条件も大体似ているけれども違うところもある、ということなどはちょっとどうかと思うのです。私がしばしば言っている住宅融資、住宅政策の一元化ということを言っておるのはそれなんです。原資が違うからといって同じ国が担当している、国の各省が行なっている権限で融資しているわけです。だからむろん厚生年金事業団という一つの中間的なものがありますけれども、住宅金融公庫というものがありますけれども、これらのものはやはり同じような条件で同じような方法で融資するほうが正しいのではないかと思うのです。せめて全体を手直しできない段階においても、対国民に対しては差異がないほうが望ましいと思うのです。その点はどう考えられますか。そうしてまた厚生大臣と話し合ってとまどいのない形で国民に対処するというような考え方はございませんか。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(西村英一君) たてまえ論で言っておるようでありまして、おかしいようでありますけれども、よく考えるとおかしくもない。いわゆる住宅金融公庫は一般国民を相手にしておる、年金福祉事業団は特定の人を相手にしておる、そういうことでなかろうかと思うのです。しかし、目的は勤労者に住宅を提供するということが目的でございまして、私もあまり詳しくございませんが、非常な便法があれば、これは厚生大臣と話をして検討することはやぶさかでございませんが、やはりたてまえ論で言っておるので、こういうことになったと思いますが、検討はいたしますけれども、一応それぐらいしか私いまのところ答弁はできませんが、検討はいたします。

田中一日本社会党

○田中一君 私は勤住協でも、あるいは勤住協の一部を分担しているという生活共同組合でも、それぞれ自信を持ってこれだけの融資はしてほしいという申し出があったものと思っているのですけれども、どうもいまのを聞いてみると、住宅生協のほうからの要求が少ないのだということになると、立ち上がっていろいろ要求しようとしたが、腰折れしてしまったのですけれども、私はもっとたくさん要求されていいのではないかと思うんです。まあ厚生年金のほうは十分充足いたします、予算も多うございますからやります、こういうことになると、住宅生協というものは、東京住宅生協のあの不始末から、少し勇気を持ってものが言えないのじゃないかと思う。これはたいへんに困ると思う。いま建設大臣は特定なる云々というけれども、特定なるものをやっているのは政府の政策なんですよ。公務員住宅なんというものは、高級公務員でなければ絶対に貸しませんよといっているものがある。原資が違うからといっても、これを一つにするということが望ましいことなんです、対国民に対しては。住宅金融公庫がやっているといっても、なかなか住宅金融公庫は融資ができないと局長言いましたね。住宅金融公庫は二千幾つも窓口を持っている。この二千幾つの融資の窓口、それが集まって十四万戸、細々と充足しているにすぎないから、要求があればどんどん協会のほうに融資をするという姿勢をとってほしいと思うんです。その融資をしてくれるという姿勢があればもっと申し込みいたしますよということじゃないんですか。谷口君、最後にそれだけは答えてください。正直言わぬと困るのです。正直言ってください。だましてはいけませんよ。

谷口次雄日本勤労者住宅協会常任理事

○参考人(谷口次雄君) 実は、四十六年度の希望が七千二百ちょっとございまして、それに対して建設省の割り当てが六千戸ございました。ところが、先ほど申し上げましたように、ことしの生協の希望額が七千ちょっとでございます。はっきり言いますと七千九十戸くらいであったと思います。去年より希望が少なくなっております。それで、大体六千戸、去年のまあ横すべりと申しますか、去年が六千戸でございましたので、大体六千戸でよいというように私は考えております。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 日本勤労者住宅協会法の一部を改正する法律案につきまして、いろいろお話がございましたので、基本的なことを二、三だけちょっとお伺いしたいと、こう思います。  最初に日本勤労者住宅協会が発足して五年ですか、経過いたしまして、各都道府県の労働金庫と生活共同組合とタイアップいたしまして、勤労者に住宅を供給するということで大きな実績をあげてきたと、こう思うわけでございますが、現在までの住宅供給の実績ですね、四十七年の事業については、先ほどちょっとお話があったようでございますが、今日までの実績と本年の事業計画を概略御説明いただきたいと思います。

谷口次雄日本勤労者住宅協会常任理事

○参考人(谷口次雄君) それでは、私からいままでの実績を申し上げます。  勤住協が発足しましてから、四十二年度からでございますが、四十二年度が四千四百九十五戸、総事業費が九百八十億というふうになっております。それから四十二年度が四千六百九十一戸、百二十五億ということでございます。それから四十四年度が五千二百九十三戸、これが百六十八億。それから四十五年度が五千五百戸でございまして、これが二百一億。それから四十六年度が六千戸でございまして、二百六十三億。それから四十七年度は一応六千百ということになっております。この百は沖繩でやろうと、こういうことでございます。そこで、この四十七年度の六千百戸につきましては、目下建設省に認可の申請をしております。まだ、実際確定したわけではございません。  なお、四十七年度の事業につきまして、公庫の分譲住宅が六千百戸、それから店舗の部分としまして、これは公庫から中高層の資金、店舗部分、赤字の部分を借りることにしております。これは平米で千八百八十一平方、約六百坪になります。それから一応厚生年金から三百億ばかり借りたいという計画にしております。これはまだ未確定でございます。  それから、宅地造成でございますが、取得三百六十万平米ということ、これに対して造成が九十六万七千五百平米、この総事業費が八百五十六億九千三百万ということに相なっております。このほかに、後年度の繰り越し事業がまだ済んでないのがございます。  以上が、大体四十七年度の計画の概要でございます。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 先ほど東京都の住宅生活協同組合の問題がちょっと出ましたが、業務を委託しております地方の住宅生活協同組合の中にやはり財政的基盤といいますか、非常に弱いところがあって、同じようなまあ危険といいますか、同じような事故を起こすおそれがないかどうか、こういう点非常に心配するわけでありますけれども、地方の基盤の弱い、こういう住宅生活協同組合に対する育成強化、こういうことについてどのような指導をなさっていらっしゃるか、また、これに考えがあるのかどうか、こういう点についてちょっとお伺いしたいと思うのです。

沢田光英建設省住宅局長事務代理

○政府委員(沢田光英君) 勤労者住宅協会と住生協との関係は、法律に基づきまして委託関係でございます。したがいまして、委託の業務と申しますのは、その建物を建て、これを売り、あるいは管理しということでございまして、それを売る、あるいは代金を徴収する、そういうふうな方法は、全部勤住法に基づきます諸種の業務方法書その他の規定によってやっておるわけでございまして、すなわち、住生協の本来の仕事よりも、委託を受けた仕事として、勤住協の分身としてやっておるわけでございます。  そこで、そういう住生協の中に弱いものもあって、消費者保護は十分かということでございますが、先年ああいう問題も起こったことでございますが、実は、この委託をできるという条項のほかに、勤住協が委託をする場合に、これが十分力のあるもの、信用力のあるものを委託の相手として選べということが政令で定められております。したがいまして、この点、勤住協は十分その背景を調査をいたしまして、それでやっておる。また、現実に、いままで委託をしておりましたところでは問題が起きておらないということで、実は現在までのところは、そういうことで実績を積み重ねてきた。今回、法律改正になりまして宅建業法の規制がはずれるわけでございますが、それによって消費者保護が薄れるやに感ぜられますが、いままでの実績からいって、もう非常にそういう力がついたということが一つと、あわせて、この法律に基づく規制、あるいは宅建業法による規制、あるいは公庫法による規制と、この三者の規制を受けるよりは、それは宅建業法からはそれだけ力がついたんだからはずして、むしろこの法律に基づきます大臣の指揮監督と申しますか、こういうものをはっきりして、その業務方法書なり、そのほかの問題をしっかり履行していただくという体制で、この問題をカバーするというふうなことで、私どもは、十分そういう問題が起こらないというふうに判断しておる次第でございます。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 いまのにちょっと関連するかもしれませんが、従来からも、勤住協について、宅地建物取引業法の適用を部分的に除外しておったわけでありますけれども、さらに今回の改正で全面的に適用を除外することになったわけでありますが、これで、住宅購入者たる勤労者の保護を十分にはかることができるかどうかというこのことを、指導監督の立場にある建設省としてどのようにお考えになっていらっしゃるか、その点をちょっとお伺いしたい。

沢田光英建設省住宅局長事務代理

○政府委員(沢田光英君) 従来、この協会の業務に関しまして宅建業法が全部かかっておったと。ただし、登録免許の施行だけが適用除外になっておりました。それ以外のものは、たとえば主任技術者の設置だとか、そのほか何かあったときには宅建業法に基づく処分と、いろいろかかっておったわけでございますが、それと同じようにやはり、先ほど説明いたしましたように、この法律に基づきます業務方法書、そのほかいろいろな規定類がございます。これが私どもの大臣認可になっております。そこで、ほかの住宅供給公社並みの規定が、技術的な問題から管理的な問題まで全部定められております。したがって、一応それをしっかりやればだいじょうぶだということでございますが、さらにこの際宅建業法をはずしますので、先ほど申しましたように、この際、大臣の一般的な監督規定であったものを強化をいたしまして、何か事業計画あるいはそのほかでうまくいかないときには命令を発する、命令を聞かないときには、役員の解任あるいはそのほかの処分というふうなきつい処分がかかるようなかっこうで、監督を強化しておりますし、その監督のもとになります諸種の事項は政令、省令あるいは業務方法書、そういうもので十分規定されておりますので、私どもは万全かと考えております。

小林武日本社会党

○委員長(小林武君) それでは、他に御発言がなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小林武日本社会党

○委員長(小林武君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もなければ、討論はないものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小林武日本社会党

○委員長(小林武君) 御異議ないと認めます。  これより採決に入ります。  日本勤労者住宅協会法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

小林武日本社会党

○委員長(小林武君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。     —————————————

小林武日本社会党

○委員長(小林武君) この際、再び河川法の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑のある方は御発言を願います。——別に御発言がなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小林武日本社会党

○委員長(小林武君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより河川法の一部を改正する法律案の討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もなければ、討論はないものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小林武日本社会党

○委員長(小林武君) 御異議ないものと認めます。  これより採決に入ります。  河川法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方は挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

小林武日本社会党

○委員長(小林武君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。

沢田政治日本社会党

○沢田政治君 私は、ただいま可決されました河川法の一部を改正する法律案に対し、自民、社会、公明、民社、第二院クラブの各派共同提案にかかる附帯決議案を提出いたします。  まず、案文を朗読いたします。     河川法の一部を改正する法律案に対する     附帯決議案   政府は、本法の施行にあたり、次の諸点に留  意し、その運用に遺憾なきを期すべきである。  一、都市化の進展と小河川災害等の発生に対処   し、準用河川、普通河川及び農業用排水路の   整備を図るため、これに必要な財源を充実さ   せるための措置を講ずること。  二、宅地化の進んでいる市街化区域における慣   行水利権等について、調査するとともに調整   をはかり、水利用の合理化に努めること。  三、水資源の開発を促進するため、水源地域に   おける住民の生活再建並びに公共施設の整備   等について、適切な措置を講ずること。   右決議する。  以上でございます。  何とぞ御賛同くだされるようお願いいたします。

小林武日本社会党

○委員長(小林武君) ただいま沢田君から提出されました附帯決議案を議題とし採決を行ないます。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

小林武日本社会党

○委員長(小林武君) 全会一致と認めます。よって、沢田君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、西村建設大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。西村建設大臣。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(西村英一君) 河川法の一部を改正する法律案の御審議をお願いして以来、本委員会におかれましては熱心な御討議をいただき、ただいま議決されましたことを深く感謝申し上げます。  審議中における委員各位の御高見については、今後その趣旨を生かすようにつとめるとともに、ただいま決議されました附帯決議につきましても、その趣旨を十分尊重し、今後の運用に万全を期して、各位の御期待に沿うようにする所存であります。  ここに、本法案の審議を終えるにあたり、委員長はじめ委員各位の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表し、あいさつといたします。

小林武日本社会党

○委員長(小林武君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小林武日本社会党

○委員長(小林武君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日は、これにて散会いたします。    午後四時散会      —————・—————

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