建設委員会 第11号
- 発言数
- 144 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1972/05/09
会議録
○委員長(小林武君) ただいまから建設委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 昨八日、喜屋武眞榮君が委員を辞任され、その補欠として野末和彦君が選任されました。またきょう九日、春日正一君が委員を辞任され、その補欠として星野力君が選任されました。 —————————————
○委員長(小林武君) 住宅金融公庫法の一部を改正する法律案(衆議院送付)を議題といたします。 前回に引き続き質疑を行ないます。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○茜ケ久保重光君 いろいろいままで質問がございまして、大体当局の御意向がわかったわけです。しかし、公庫の運営その他についてはいろいろな問題があろうかと思うのです。前回に引き続いて田中委員がいろいろ質疑をされますので、大かたの問題点を田中委員におまかせして、私は二、三公庫総裁にお尋ねをしておきたいと思います。 その第一点は、公庫当局の説明や資料等によりますと、今回、住宅金融公庫から資金の借り入れを希望する者と、実際に公庫が貸しつけをする件数についてほとんど差がないと申しましょうか、大体今日、公庫の住宅資金を借りたいという希望者には一〇〇%までいきませんけれども、これに近い貸し出しがなされているということでございます。これはまことにけっこうなことだと思うのでありますけれども、これは私は数字の上で見ると、借り入れ希望者と実際に貸し付けをしたものとの間にほとんどいわゆる何と申しますか、借りることができなかった人はない、ほとんど一〇〇%に近い貸し出しがなされておる。こういうことは数字の上で見ますとたいへんけっこうのように見えますけれども、これまた裏から見ますと借りたい人はかなりの数にのぼっている。おそらく具体的に公庫に借り入れをお願いをする、希望する件数よりもはるかに多いんじゃないか。しかし実際は、諸般の事情で公庫に対して借り入れの手続はできない、こういうものは私はかなりな数にのぼるんじゃないか、こう思うのであります。そういう点についていわゆる公度当局はそういった実態があるかどうかについて何か調査でもしたり、いわゆるまだまだいま申しますように金は借りたいけれども、借りることができないいわゆる低所得者と申しますか、そういった人たちが実在するかどうかという点について関心を持たれたことがあるかどうか、関心を持ったら、何かそれに対する調査なり、処置をお考えになったことがあるかどうか、この点を総裁にお伺いしたいと思います。
○参考人(浅村廉君) 住宅金融公庫はただいまお話がございましたように、相当の財政投融資からのワクをちょうだいしておりますので、まず御希望の向きには大体応じておるようなわけでございます。ただいろんな条件がございますので、その条件にかなわないという場合にはお断わりいたしますけれども、まず一番私どもで貸しつけ種目のうちの代表的なものは個人住宅の建設資金の貸しつけでございます。これが私どものワクのおおむね半分とはまいりませんけれども、半分近いところを占めております。これが非常に皆さんの御希望の種目でございますけれども、その他の種目は、それほどの御希望というわけではございません。一番希望の多いのが個人住宅貸付資金でございます。これはいろいろ実態調査その他を続けてまいりまして、三年ほど前は予算できめられたワクしかない。いかに希望がありましてもこれを抽選で操作さしていただきまして、抽選で当たった方だけお貸しをするということをしておりました。しかし、それではほんとの貸し付けにならぬのではないかという御批判もございましたので、三年前から御希望のある方にはとにかくお貸しをいたします。そういうふうな態度に思い切って切りかえたわけでございます。そうして私どもでやってまいりますと、大体十三万かそこらの申し込みがずっとございまして、そこらで一つの姿というものがきまってまいりました。 制度をそういうふうにいたしましたので、皆さん一応公庫に申し込めば貸し付けを受けることができるんだ、こういうふうなお考えにだんだんなりましたので、申し込みの数は従来よりも減ってまいりました。抽選当時は一応申し込んでおけというようなのがございましたのですが、その後は一応落ちついた数字を示しております。でございますから、私どもは、私どもに申し込まれる方が必要な方である、それ以外には全然ないとは申しませんけれども、公庫の金を借りなくてもいいという方ではない、私どもはそういうことでただいま個人住宅の申し込みを受け付けさしていただいております。希望者は大体その程度の数というふうに考えておりますけれども、しかし決して私どもそういうことだけでいいとは思っておりません。私どもには住宅相談室を設けておりまして、特に東京とか大阪とか大きいところには相当の陣容の相談所を設けております。本年度はさらにその機構を全国的に拡大いたしまして、住宅の相談を丁寧にお受けするこういうふうにさしていただこうと思っております。 そういうところでいろいろな状況を伺いましたり、また、調査をいたしましたりいたしまして、できるだけ実情に沿っていくように、この上とも運用いたしてまいりたいと考えます。
○茜ケ久保重光君 貸し出しが希望者の一〇〇%近いということと同時に、貸し金の徴収と申しましょうか、借りたものの支払い、これも非常に順調にいっているようでございますね。これは一〇〇%まではいきませんけれども、一〇〇%に近い回収率を持っているわけです。この点と、いまいわゆる貸し出しが一〇〇%に近いということでありますが、いま申しますように、数字的にはたいへんすばらしい成績をあげているわけですね。しかし私はこれは大臣にも一つお伺いしたいのでありますが、金を借りて期限内にどんどん何の支障もなく返していけるというような階層はもちろんこれはけっこうでありますけれども、家を持たないで非常に悪い条件の中にいるけれども、公庫の金を借りて建築をしようとしても、これは借りる前に調査がありましょうから調査の線に入り得ないようなボーダーラインの諸君もあると思うんだが、そういった、私に言わせれば、公庫なんというものは、これは完全に償還できるという太鼓判の押せる者だけに貸しておれば済むのか。むしろ、ある程度の償還に対しての不安はあるけれども、ほんとうに住宅を必要とし、しかも民間資金でなくって、公庫のようないわゆる公共性を持った、利息の安い資金を借りて住宅を建てる、こういう人たちのところに、低所得者と申しましょうか、そういったところにこそ、公庫の資金が流れていく必要があるんじゃないか。それでこそ、私は公庫の存在の意義があるのじゃなかろうかと、こう私自身は考えるわけです。しかし、貸すほうにしてみれば、これは、やはり貸す前にやっぱり償還のことを考えるから、どうしてもいろんな実態調査をすると、そういったやっぱり危険なものに対してはなるたけ貸さないようにするのがこれは当然でありましょう。市中銀行はもちろんそうであります。しかし、民間のそういった資金を借り得ない人たちに対してこそ、公庫がやはり貸していくということになれば、ある程度の危険は、これは付随しても、やはり公庫としてはどんどん貸し出しをしていくべき性質のものではないか。そして、低所得者に対しても自分の家をどんどん持たしていくという方向へ、私は、ひとつ前進すべきじゃないか。先ほど総裁のお話しを聞いていると、抽せん時代にはかなり問題はあったが、しかしほとんど希望者には貸し出すようにした結果は、大体コンスタントにきたと。これは何を意味するかという点になると、いろいろ問題があると思うんでありますが、ひやかしで申し込んだ者が——しかし、私はめんどうくさい手続をひやかしでする人はなかろうと思うんであります。まあ、その辺にいろいろと問題があろうかと思うのでありますが、公庫に、私はいますぐにこの法案が通ったら、そういったことを実行しなさいと言うだけのあれはありませんけれども、しかし、そういった方向へ進んでいくべきものではなかろうかと思うわけです。それが、やはり公庫の持つほんとうの意義ではなかろうかと思うのでありますが、大臣としてはどういうお考えでありますか、ひとつ御所見を承りたい。
○国務大臣(西村英一君) 御質問の、言わんとする趣旨は十分わかりますけれども、いまの住宅政策から申しますれば、やはりこの公庫の役目は、あなたがお考えになっておるようないわゆる低所得者のためには、これは、あまり役に立っていないと私は思います。自分が若干の金を借りて、そうして自分の持ち家をつくろうという方ですから、いまの一般大衆の姿から考えますると、やはりそれはなかなかできない相談じゃないか。そのためにこそ、政府といたしましては、公営住宅という、自分が家を持たなくってもしかたがないから、やはり賃貸でいくというような政策があるわけでございまして、希望としてはまさにいまあなたがおっしゃるようなことでございます。しかし、なおこの貸し付けの率を高くする、これは、一番初めは平均にして八十万円か九十万円であったものが、だんだん上がって、今日、百五十万円に個人はなったのですが、これをもっとたくさん貸してやるんだ、たとえば個人住宅で五百万円かかれば、もうそれは八割も、それ以上も貸してやるんだということになれば、それはかなりな人がそれを利用することになりまするけれども、いまの貸し付けのこの範囲では、とても低所得者の方々でなく、ようやく中産階級の方々が手が届くか届かぬか、こういうようなことではないかと思います。したがって公庫としての向かい方も、あなたがおっしゃるような方向に向かうことはけっこうです。貸し付け率をますます高くする。高くしたからこそ今日も、需要供給がバランスしてきた。おそらくこれが少なかったら、申し込みは多いけれどもなかなかたまってくるというような状況になるわけでございます。方針としては先生のおっしゃるとおりに向かいたいと思いますけれども、現在の住宅政策全般から考えますると、なかなかそれには到達しない。それであればこそ公営住宅の制度もあるし、これもますますひとつ拡充していかなければならぬというふうな、現状をつかまえてそういうように私は考えるわけでございまして、御趣旨のほどは十分わかるわけでございます。
○茜ケ久保重光君 わかりました。 大臣のおっしゃるのもわからないわけではございません。しかし少なくとも、全国民に住宅を持たせるという意味においては、あるいは私はそういった方向へ今後進まなければ、政策の発表倒れに終わるのじゃなかろうかと思うのであります。と同時に、いま大臣のおっしゃったように、公庫資金を借りて住宅を建てる人は中産階級ということでありましたが、それでは、いわゆる自分の持ち家を持ち得ない低所得者たちに対して公営住宅その他の住宅とおっしゃいましたが、これまた遅々として進んでおりません。特にまた公団住宅等は、きょうの新聞等によりますと、川口に何か本年度二十五階のものをお建てになるようでありますが、二DKで二万何千円という相当に高い家賃になってまいっております。これもだんだん毎年毎年上がるようでありますが、あとでまた指摘しますけれども、いま大臣のおっしゃる公庫からの借り入れ金をもって建てる者は中産階級以上、低所得者は自分の持ち家はなくても、公営住宅等の低家賃の住宅に安住の地を求めるということですが、実際は、そうおっしゃるけれども、当面公営住宅の建設戸数は非常に少なうございます。また、大量に建てていらっしゃる公団住宅になりますと、家賃がまた高い、こうなってまいりますと、いわゆる政府が住宅対策として数字をあげて、毎年毎年宣伝されますけれども、実際一番住宅を必要とする低所得者、しかも、昔から低所得者の子だくさんという話もございますが、最近はそうでもないようでありますけれども、かなり困っている人たちがいるわけであります。こういった人たちに対する行き届いたきめこまかい施策がなされなければ、幾ら数字の上でことしは幾ら建った、来年は幾ら建てるとおっしゃっていただいても、末端においては、そういう実態が全然解消できない、こういうことがあるわけです。ここで大臣にこれに対する御所見をとお伺いしても、返ってくる答弁は大体わかっておりますが、しかし少なくとも、そういうことはもっとこまかい心づかいが政治の中にあってほしいと、こう思うわけです。そこで、私は大臣といろいろなやりとりをしますけれども、少なくとも西村建設大臣は、そういった面では現在の閣僚の中で一番そういう繊細なセンスをお持ちだと思うのです。農林大臣の赤城君とともに、私としてはいま申しますようないわゆるあたたかい心の行き届いた政治をおやりになる双壁だろうと思われます。したがって、これは返ってくる答弁は大体わかりますけれども、そういったことは大臣がやはりそういう気持ちを持って、いま具体的な、いろんな制約を受けてできないけれども、そういったいわゆるほんとうに長い下積みの生活に呻吟するそういった人たちの、やがて自分の家が狭いながらも持てるという希望の持てる具体的な行政が生まれてくることを期待するわけです。そういうところに対するひとつ大臣の思いやりのある、そこは私は具体的にいつからできるとは決して聞いておりませんが、少なくとも、そういう気持ちで建設行政、特に住宅行政に向かって力をいたしていただきたいという気持ちの上で、そういう点に対してあなたのいまあたたかい答弁を伺いたいと思う。
○国務大臣(西村英一君) 私は、低所得者のためには公営住宅をもって対処をしておるじゃないかと言いましたが、それはいまも対処しておるのではございまするけれども、あるいはまた公団住宅の賃貸住宅でと、こう言いまするけれども、御案内のように、公営住宅等もなかなかそう簡単にはこれからいきそうにないわけです。したがって、皆さんがやっぱりいま好むことは、何と申しましても、やはり持ち家政策、一生の間に自分の家を持ちたいという、これはもう当然なみんなのこれは願望でございまするから、やはり私は、むしろ公営住宅等もうまくいかないようになれば、好むと好まざるにかかわらず、金融で対処するというふうに、これはなっていくんじゃないか。また、そうしなければならぬだろうと、かように私は考えておるのでございます。したがって、そのためには貸し付けの額を高くするということに進まざるを得ない、住宅政策のためには。現在も個人では百五十万が限度でございますが、これはさらに二百万に上げ、三百万に上げてということになれば、この持ち家政策は進むというふうになりまするから、今後は、私は端的に申しまして、公営、公団住宅は非常に曲がりかどにきておると思います。したがいまして、住宅政策といたしましても、この住宅持ち家政策、これを進める、こういうことは一つのこれからの住宅政策の主眼になっていくんじゃないか、かように思っておる。そのためには、いまの貸し付け率を相当に上げていかなければならぬ、これは十分考えられることでございますので、今後ともひとつそういうふうな方向に向かって、持ち家住宅を進めていくべきじゃないか、こう私は考えておる次第でございます。せっかくのお話でございまするから、十分この点については私も細心の注意を払っていきたいと、かように考えておる次第でございます。 —————————————
○委員長(小林武君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、二宮文造君が委員を辞任され、その補欠として藤原房雄君が選任されました。 —————————————
○茜ケ久保重光君 総裁にお尋ねしますが、いま大臣からお述べのように、貸し出し率の増大、貸し金の増額でありますか、というお話もございましたし、それから私は貸し出しの額の増大とともに金利は、一般の市中銀行等、あるいは民間資金に比しては低いんでございますが、もう少し公庫の貸し付け金の利率を下げる努力をしてもいいんじゃないかと思うんです。利息がどれくらいか正確に私は計算しておりませんが、やはり何といっても、公庫の魅力は償還期間が長いことと利息の安いこと、それをさらに安くする、利息を下げる努力ができないものかどうか。と同時に、もう一つはやはり標準単価の問題です。今日木造建築にしても、耐火建築にしても、かなり坪当たりの単価は高くなっております。しかし、公庫の標準単価は実際の時価よりもかなり開きがあるわけです。これをやはりある程度上げて、住宅建設者の負担をやはり軽くするという方向への私は努力が非常に望ましいと思うのであります。これもいますぐといっても、いろいろな制約がありますからできませんけれども、そういった努力をやっぱりして、利用者の期待にこたえるべきものではなかろうか、こう思うわけです。いわゆる貸し出し額はいま百五十万円でございますが、これをさらに大臣がおっしゃった一挙に三百万円とか五百万円とかにはいかないでしょうが、やっぱり上げる努力、それから利息の低下、もう一つ標準価格の引き上げ、この三点について私はやはり努力をしてもらう必要があると思うのでありますが、総裁のこれに対するお考えをお伺いします。
○参考人(浅村廉君) いずれもまことに大事な問題でございまして、実は金利の点につきましては、まことにお説のように、金利の引き下げが利用者の負担軽減に有効であることは当然でございます。ただ、私どもの金利は低いのは五分五厘、一番高くて七分五厘となっております。いろいろな貸し出し種目がございますが、平均いたしまして五分九厘くらいのところで貸し出しをやっております。住宅をお建てになる方は、もちろん、私どもの資金だけではなくて、民間の金融機関から相当高利の金も借りていらっしゃるようなわけで、私どもの資金が確かにそれほどたっぷり回っておるわけではございませんけれども、低金利あるいは償還期間の長いこと等によりまして、ずいぶんそういう点の負担をやわらげておると考えております。ただいま私どもは、金利はまあ最低五分五厘というところで、一応その辺で適当ではなかろうかと実は考えておりまして、むしろ考え方の重点は貸し出し金額をふやす、もう少したくさん貸してあげることが先決ではないか、十分お貸しができるようになってから、またそういう問題は考える時期もくるだろうが、とにかく当面のところは公庫の貸し出し額は少ないじゃないかというおしかりをいつも受けておりますので、貸し出し額をふやすところに重点を置きまして、予算の時期におきましても折衝をいたしております。したがいまして、先ほど大臣からもお話ございましたように、個人住宅の貸し出し額が最近相当ふえておりまして、つい一年ほど前は九十五万円であったものが、昨年の途中に百二十万になり、今年度の予算では百五十万、金額の絶対額はたいした額ではございませんけれども、上がり方の伸び率というものは、非常に飛躍的なものでございまして、そのように、たいへん私どもは政府にもお骨折りをいただきまして伸ばしておるわけでございます。さらにまた、老人向けの住宅をお建てになると、一間ふやしたいというような方には、特に二十万円を上のせするというような制度も、今年度から実施さしていただきますので、合計しますと、一番多い場合には百七十万円の資金を五分五厘で、しかも、十八年というような長期で木造の場合は金融公庫からお貸しすることができる、こういうことになりました。先ほど申しましたように、貸し付け金額をふやすということが先決問題であるという考え方から、実は問題をそのようにしぼりまして、ただいま施策を進めておるわけでございます。 それから標準単価でございます。これはまことに御説のとおり、私どもの標準単価は実際に比べましていささか低くなっております。いろいろ調べてみますと、場合場合、対象ごとにまたいろいろ違いますけれども、大体一般の値段の七割程度というところに定められておるわけでございます。これは毎年予算の折衝のときにいろいろ御説明をいたしまして少しずつ上げてもらっております。そういうことでございますが、実際と若干乖離いたしておりまして、七割ぐらいのところと、こういうふうなことになっております。しかし、七割貸すかというと、別に七割は貸していないわけでありまして、その他いろいろな条件がございまして、実際にお貸しをするのは、いまの個人住宅の場合は最高で百七十万円というような線にまだ押えておりますので、私どもとしては、実際の住宅建設に対して四割から五割程度の資金をお貸しをする力にやっとなったと考えております。何と申しましても、この貸し付け金をふやすということが先決問題で、いろいろの方面から努力をいたしまして、貸し付け額をもっと大幅にふやすように今後とも努力してまいりたいというのが、私のただいまの考え方でございます。
○茜ケ久保重光君 公庫に対する要望その他は冒頭に申し上げましたように、いろいろすでに田中議員から質問されてありますので、私はこの質問はしないことにいたしまして、次に、住宅公団に対して若干の質問をしたいと思います。 最初に、先般当委員会で多摩ニュータウンの実地調査をいたしました。いろいろと問題があるようであります。このとても短い時間で質疑やその他をすることはできないほど問題が山積しておるようでありますが、きょうはそのうちの一点だけにしぼって建設大臣並びに自治省当局に対してお尋ねをし、御検討をわずらわしたいと思うわけでございます。いろいろ問題点はございますが、私どもが現地に参りまして調査をし、関係者から意見を聴取いたしました中から一番やはり問題なのは、行政区画の問題ではなかろうかと思うわけであります。これは、もちろんいま申しましたように問題が山積しております。多摩市、町田市、稲城市、八王子市の四市にまたがったニュータウン、それぞれにいろいろと問題をかかえているようであります。当日は多摩市長から多摩市としての非常に困難な問題等も御開陳がありましたが、おそらくほかの三市当局としても同じであると思うのであります。そうして、結局こういった結果が招来する問題をまともに受けるのは、いま多摩ニュータウンという非常にすばらしい印象を持って団地に入ってきたいわゆる居住者が、そのいろんな問題のしわ寄せを受けていくことになるかと思うんであります。学校の問題にしてもちょうど多摩市と町田市の区画の境にある子供たちは、いわゆる多摩市の学校に行けないで、町田のえらい遠方の学校に行かなければならないということも起こってくるでありましょうし、すべてがそうであります。そういうことは結局行政区画の点が問題になってきているわけでありますが、これに対して建設大臣は建設の責任者として何かこれは解決の具体的な御構想なり、何かお考えをお持ちであるかどうか、ひとつあの多摩ニュータウンを今後どういうふうに行政区画としての問題点を解決、これはあなたの直接の責任じゃありません。これは自治省の関係でございますけれども、多摩ニュータウンをおつくりになる面においてはあなたが責任者であります。つくったからいいと、あすこに何十万という人が入ったからいいというもんではなかろうと思う。入った人たちが、多摩ニュータウンに入ってよかったというやはり安心した気持ちで居住できるような環境と状態をつくってやるのがあなたの責任であります。そういう点でたくさん問題点ありますけれども、私は一つ問題にしたいのは、きょうは行政区画の問題を取り上げたのでありますが、建設大臣何かお考えはございますか、ひとつお伺いしたいと思います。
○国務大臣(西村英一君) 多摩ニュータウンの問題で行政区画が違っておるので、実際の所期の目的を達するのに非常に支障になっておること、私も非常に心配をいたしておるのでございます。いま端的に、こういう方法でこうやるのだという私も考えは持ち合わしておりません。おりませんが、これは早晩ひとつ何とか考慮しなければならぬ、いま具体的にこうするのだという考えは私は持ち合わしておりません。
○茜ケ久保重光君 持ち合わせてないとあっさりおっしゃるのですが、何とか解決をしなくちゃならぬということだけはおわかりでしょう、あのままではいかぬと。まあその全体を多摩市に編入するか、町田市に編入するかは別として、ああするか何か、やはりとにかくあのニュータウンの地域を行政区画として何か処置をしなければならなというお考えはお持ちでしょう、その点はいかがですか。
○国務大臣(西村英一君) それは十分私も、最も考えなければならぬ一つの仕事でございまして、十分気持ちの上では考えておるのでございます。したがいまして、今後、私は機会があれば、機会をつかまえて自治大臣、東京都知事、そういう方々とやはりこれは懇談をして、そうして自治体に臨まなければ、いきなり私どもとして自治体に臨むわけにはいきませんので、十分いろいろな構想は考えておりまするけれども、こうするのだという考えがないわけです。で、自治大臣、東京都知事、そういう方々と懇談をして、そうして後に、この地方公共団体の長、町田市、多摩市の市長、そういう方々に臨まなければならぬ、それはやはり前提がありますので、非常に私も心配はいたしておるわけでございますけれども、いまこうするのだという具体的な案を持ち合わしておらないということを申したので、もう心にないなんということは絶対にありません。多大な関心を私も持っておるものでございまして、何とか機会を見て進めたい、かように思っておる次第でございます。
○茜ケ久保重光君 そうだろうと思います。そうでなくちゃならぬと思うのでありますが、あっさりと、ないとおっしゃるものですから、西村さんにしては、少し私たちが期待しない答弁が返ってきましたから重ねてお尋ねしたわけでございます。私は建設関係もしろうとでございますし、また、地方行政についてもしろうとでございますが、私はあすこへ行ってみまして、いろいろと見たり、いろんな話を聞きまして、しろうとなりに端的に考えましたことは、あの四つの関係している市の一市に統合するのがいいのか、むしろ私は端的にあのニュータウンを、あの区画を、さっぱりと一つの市に、市としてその何と申しますか、規定づける。全然新たな市をあそこにつくるという構想、これはもちろんいろいろな問題はこれはあろうと思います。あろうと思いますが、しろうとなりにあの多摩ニュータウンを一つの市として誕生させよう、こういったことが一番望ましいのではなかろうか。こういったような私は直感をしたのです。これはなかなか現在の日本の地方行政のいろいろな法律や、また四市のそれぞれの立場もございましょうから、具体化するためには問題はたくさんあろうと思うけれども、しかし一つの市に——市を誕生させることがいいとなれば、これは大臣もいまおっしゃったように、自治大臣や東京都知事とも、また関係の四市の市当局ともじっくりと相談をして、そういった方向にいくことが望ましいと思うが、この私の多摩ニュータウンを一つの市として誕生させるという構想には大臣はどんなお考えをお持ちですか。
○国務大臣(西村英一君) そういうことになれば、それはもっとも私も望ましい姿だと思います。思いまするが、それぞれの公共団体の長をそこまでにまとめ上げるのは、これはなかなか容易なことじゃないと思います。したがいまして、理想は理想として、私もそういうふうに考えておりまするけれども、それを実現させるのにはやはり幾つかの段階を経なければ、なかなかこれを押え込んでどうするということはできません。しかし、われわれがニュータウンをつくった目的が、その行政区画の異なるために支障になっておることは現実の問題でございまするから、私は、ひとつこの点つきましては建設省としても、建設大臣としても、何らかの手は機会を見て打ちたい、進めたい、こういう考えだけは十分持っておるものでございます。したがいまして、今後もひとつ十分に努力はしますが、理想の姿になるまでにはなかなかいろいろ困難がある、かように私も思っておる次第でございます。
○茜ケ久保重光君 大体、大臣のお考えはわかりました。そういった方向でやはり私は進めることが一番いいんではなかろうか。住民の立場として考えても、そう思うのであります。 そこで、きょう実はこれに関連して自治大臣を、と思ったのでありますが、ちょうどきょう同じ時間に地方行政委員会がありますので、大臣も担当局長もこちらに出席することができないようであります。残念でありますが、やむを得ません。そこで、だれかそういった関係の責任者の出席を要求してありますが、自治省として多摩ニュータウンのいま指摘しましたような行政区画の問題について検討したことはありますかどうか、この点を最初にちょっと伺いたい。
○説明員(砂子田隆君) ただいま建設大臣のほうから多摩ニュータウンの行政区画についてお話を申し上げたようでありますが、実は自治省といたしましても、多摩郡にございます稲城町あるいは多摩町が市制を施行いたします時期に、そういう問題が起きることを想定いたしまして、東京都に対して、行政が少なくとも一体的に執行できるように要請をいたしてございます。先ほどからお話もございますように、現在多摩のニュータウンの中には確かに住民の方があまりおりませんし、そういうトラブルがないのだと思いますが、私たちも町田と多摩あるいは八王子との境界にまたがる住区の問題がございます。また、そこの住区の人たちが、境界にまたがるということによりまして、お話にございましたように、学校その他に入るというときの手続に非常にいろいろなわずらわしい問題があるだろうと思っております。そういう意味で、少なくとも、多摩ニュータウンの関係四市の中におきましては行政が一体的にできるように、そのほうがはるかに住民に利便が与えられるという点から考えましてそういう要請をいたしてございます。ただ、先ほどからのお話がございましたように、これが単一の自治体として望ましいのか、あるいはさらに計画の区域外も含めた一体的な運用をなされることが必要なのか。この点につきましては現在東京都におきましても種々検討いたしている段階と聞いております。しかし、そういう段階の中でもございますので、この各市の関係なり東京都なりの関係というものを十分考慮しながら、自治省としては対処していきたいというふうに考えております。 なお、後段にございました、新しいニュータウンだけの町を一つの市にできないかということでございますが、これも大臣のほうからお話がございましたが、いろいろとやはり段階を踏まなければならぬ問題があろうと思います。と申しますのは、現実にその部分におけるところの廃置分合の問題が起きましたり、あるいはまだ建設途上でありますから住民があまり入っておらないという関係もありますので、住民の意向がどういう形になるかということも、意向調査も私は必要であろうと思うわけであります。そういう中のことを踏みながらやりますためには、まだ時間的な問題もありますし、この点につきましても、なお、東京都とよく相談をしながら処置をしていきたいというふうに考えております。
○茜ケ久保重光君 いままだ入っていません。しかし、あれが一応構想としては四十一万の大人口になるわけですね。四十一万の大人口になってからではおそいと思うのですよ。少なくともあれは、新市街地開発基盤整備法ですか——それがかかってまいりますが、あれに自治省は五万くらいの新しい都市を考えているようであります。いま私行きましても、別に一つの市を誕生させるということには問題があると思うのです、実際としては。市としての財政がどうなっているとか、たくさんございます。問題はありますけれども、しかしそれでも多摩市長の話を聞きますと、各四市ともあの部分だけにぼこんと大きな市街地ができて、それで公共投資をしなければならぬ。現在のそれぞれの市とは関係がないとは言えませんけれども、まるで飛び離れたところにいま自分の市の市街地があって、これはたいへんな問題だと思うのです。おそらくあの関係四市ともあれが一応あのままでき上がったとすれば、これはたいへんな荷物だと思うのですよ。市としても。現在の市も迷惑するし、居住者も迷惑する。これは明らかだと思うのです。しかもいろんな問題が、郵便、電話等もあるようであります。これはいろんな問題はまた日を改めてひとつじっくりと検討したいと思っていますけれども、少なくとも、私きょうはあのニュータウンを将来どういう方向づけに持っていくのかという方向くらいのあれをしておかぬと、私は関係四市もいろんな混乱を起こすだろうし、少なくともこれは住民も困る。私がいま言ったように、四十万という都市ができ上がった後では手がつきません。したがって、まだいまは少ないけれども、ある程度のいわゆる住民が入居した時点においては、それぞれ一つの対策を立てて、それに向かって住民の意向も結集し、関係行政の当事者とも連絡しながら、これはたいへんなことであるけれども、とにかくやらなくちゃならぬと思うのです。あのニュータウンをつくった国としても責任があると思うのです。決して逃げてはならぬと思うのですよ。時間もかかるし、いろんなめんどうもあるけれども、やはり政府は中心になって解決する努力をどうしてもしてもらわなくちゃならぬ。したがって、私はきょう一つの提案をしたことはこれはいいか悪いかは別として、またそのようになる、ならぬは別として、一つのこういう構想もあるのだ、それは現地でもそういうことを言っておりました。できるなら一つの単独市をつくるのが一番望ましいんじゃないかという感じを受けました。私も同感でありまして、したがって、自治省も、これは私がここであなたにどうするということをお聞きしても、これはあなたも答弁はできないと思う。当然だと思う。しかし、私がいま申しましたことを踏まえながら、自治省としては、やっぱり建設省なり、あるいは東京都、関係四市の当事者とひとつ息の長い折衝をして、あそこの住民が将来不便を感じたり不愉快を感じたり何か困ることのないように、りっぱな多摩ニュータウンの誕生のために努力をしてもらいたい。これは、いろいろまあやり出せばありますけれども、いまここでやるとしても切りがありませんから、一つの要望を申し上げておきます。したがって、これはまた機会があったら自治大臣も呼んでやりますけれども、あなたがかわって見えたのだから、ひとつきょうのこのことをぜひ自治大臣に報告して、自治大臣にそういった努力をするような方向でのあなたは努力をしてもらいたい。こう思うんですが、どうですか。
○説明員(砂子田隆君) ただいま、一つの市を設置することに関します御要望がございましたから、その点につきましては、帰りまして、大臣によく申し上げておきたいと思います。ただ、前に、御案内だと思いますが、八郎潟で大規模な干拓をやりましたときに、あそこに大潟村というものを設置をいたしたことがございます。これは新しい法律によってつくるわけでございますが、この手続につきましても、いろいろやはり住民関係なり、公共団体とも関係がございますから、そういうものを煮詰めなければなかなかできないと存じます。いまおっしゃられておりますような問題につきましては、常々建設省との間でよりより協議をいたしておりまして、この財政負担の問題に関しましては、大規模な住宅をつくります場合の団地関連公共施設整備のための研究会をつくりまして、現在どういう財政負担をするかということを考えておるわけでございます。ただ、財政負担の問題だけから、非常に公共団体がそれが重荷だというのであれば、若干やはり公共団体側もものの考え方を変えなければいかぬのじゃないかという感じもいたします。おっしゃいますように、郵便であるとか、電話であるとか、たいへん市内の通話にいたしましても電話料金が違っておりましたり、これは合併のときにもそういう問題が起きるわけでございますが、そういうことがないように、私たちも努力いたしたいと考えます。これは関係各省の考え方もありますから、そういう打ち合わせもいたしたいと思います。ただ、先ほど申しましたように、私たちといたしましては、結局最後に入ります住民が、少なくともいろいろな点で、各市町村にまたがっておるということからくる不利益、これは完全に排除しなければならないという考え方で、いま東京都とも折衝しているわけでございます。そういう形の中におきまして、住民に不便を感じさせないような努力は私たちいたしたいと思います。
○田中一君 関連。 これは西村さん、いまの問題は何でもないわけなんです。むろん、自治法では住民の意思というものは尊重されております。しかし、ニュータウンというものは人がいないのが前提なんです。いわゆる都市化されておらないところに新しい町づくりをしようというのがニュータウンの構想であるわけですから、人がいないわけなんです。人がいないから、現行法での住民の意思というものを尊重するのがたてまえならば、これはできないんです。法律を改正すればいいんです。たとえば、しいて言えば、広義な解釈をしてもよろしいし、また特例を設けてもよろしいし、法律の改正で済むわけなんです。もう自治省などが、あなた方官僚の諸君が、現行法にかじりついているから何にもできない。事実、人のいないところに町づくりをして、逐次何年か後に人間が何十万人になるという前提で、こういうような環境を持つ、環境をつくるのだというのには、自治法の改正をすればいいんです。特例をつくればいいんです。一行で済むのです。現行法のもとで一行改正すればできるのです。そういう努力をちっともしない。ことに、都知事にしても、同じように、住民——人がおらないところで、その声を聞くことはできないわけです。したがって、大きな構想の中に新しい町づくりをするのだということであれば、法律の改正でできるわけなのです。あえてそれをしないところに、あなた方が法律を専断して、専有していて、国民が法律を持たないということになるわけでありますから、その点は、私は、非常に先行して、土地に対する条件、これは環境ですが、環境を整備することができるというふうに考えておりますが、建設大臣どういうふうに考えますか。
○国務大臣(西村英一君) 非常に田中さんから御意見で、そういうことができれば……。しかし、八郎潟の大潟村、これはおそらく人口わずかに五十人ぐらいでスタートしたのですから、これはきわめて簡単であったと私は思いますが、あそこを一つの市にするというのに、やはり少なくとも、人口が二万近くの人間がやはりおるわけです。その開発前から。しかしそういうものを、行政区画みな違うのですから、その公共団体の長のやはり十分な了解、あるいは東京都の十分な了解、それを積み重ねぬと、なかなか一片の法律だけですぐ簡単にできるというふうに私は思われないのですが、もしそういうようないい方法がございますれば、ひとつ後ほどそれを御教示願いたいと思います。とにかく、あれは将来あそこに大都市を期待してせっかくばく大な金を注ぎ込んでやっておることでございます。しかし、どうしてもいまのままですと、やはり行政区画が違うためにいろいろブレーキがかかりまして、各公共団体の長はそれぞれ文句を言っておるわけでございます。したがいまして、今後ひとつ十分私も努力しますが、ひとつ御教示を願っていきたいと、かように私も考えておる次第でございます。
○田中一君 もしも、先行してこの地域の行政の一本化ができない場合には、ニュータウンの着工をやめなさい。これは迷惑な話なんです。それぞれ四つの市の財政からくる格差もあるでしょう。さっき茜ケ久保君が言ったように、学校の問題が一番大きな問題です。したがって、そういう調整ができないでいくならば、そこに団地をつくる必要はないのです。それが調整ができた後に計画を発表することが先行をするわけです。だから、いま現在一万何千戸、一万四、五千戸になるでしょう、八月までには。この住民は非常に現在困っております、どうなるかということで。ニュータウンというものはそれなんです。ニュータウンという思想はそれなんです。やはりそこには点在する農家等はありましょう。部落もございましょう。しかし、それができないのに着工して、今日もう三万人でも四万人でも入居していくということになりますと、その不安というものはおおうべくもなく現実の姿なんです。法律の改正をする方法がどうこうとおっしゃるけれども、これは法律の拡大解釈でできるわけですし、人が住んでいないところから、キリギリスやネズミに聞くわけにいきません。やはり人間に聞かなければならぬけれども、人間が住むという前提で計画されておるのだから、その方法を私が教えるということよりも、自治省が検討すべきだと思う。不可能じゃないのです。私は不可能じゃないと考えておりますから、その点は可能か不可能かという点を自治大臣のほうから答弁を求めますから、次の委員会まで、これはきょう委員会再開するかどうかわかりませんけれども、とにかく答弁してください、ひとつそういう方向で。そういう方向を求める。これは建設大臣の主張が相当ウエートを占めますよ。新しい都市づくりをする、その場合には、それが先行しなければいけないのだという前提をおつくり願いたい。
○茜ケ久保重光君 次に、住宅公団関係のお尋ねをいたしますが、残念でございますが、最近、公団関係の事故あるいは不祥事件が相次いで起こっております。どこに基因するのか。いろいろありましょうが、少なくとも、国の機関としての公団が賃貸住宅を、ないしは分譲住宅を建設しているわけです。居住者は日本においてはまだまだ残念ながら官尊民卑といった思想が底流にございます。したがって、民間の業者のつくった家よりも公団ないし公営住宅のほうが健全であり安心をして居住できるという考え方が、これは否定できません。したがって、まあ公団住宅等の、あるいは公営住宅等の入居希望者は非常に多い。何十倍となく殺到する。そのほかにはある程度民間の住宅よりも家賃が安いということも、これはもちろんでありますけれども、いま指摘しますように、これは信頼感によるものがより大きいと思うのです。ところが今日続発している事故、不祥事件を見ますと、そのいわゆる国民の期待を完全に裏切っている、まことに遺憾であります。事は小さいようでありますけれども、私は事の大小ではなく、いま申し上げます居住者、あるいは一般国民の信頼感と、いわゆる安心感を根底からくつがえすようなことはこれは否定しがたいものだと思う。御承知のように、四月二十九日午後七時五十五分と、これはえらい時間にかかったのですが、千葉県我孫子市湖北台団地のベランダ崩壊事件。五月七日午前八時過ぎに起きた都内葛飾区東金町一丁目の金町駅前団地のタイル壁の落下事件。さらに同七日午前十一時ごろ発見された青戸第一団地の断水事件、これはさらに重ねてまたきのうも起こっているのであります。そして後刻触れます収賄事件に至っては、これは全く言語道断でございます。こういった一連の不祥事件、事故等に対して建設大臣は、公団の絶対的な監督責任者としてどのような気持ちをお持ちでありますか。これは全公団の居住者があなたのこれから発言されることばに対しては非常に注意をし、そして期待をしていると思うのです。ひとつこれはただ単に茜ケ久保委員の質問に答えるのじゃなくて、全国の公団住宅に居住している人たち、そして今後公団住宅に入ろうとする人たちに向かってあなたの所信をひとつ御披露願いたい、こう思います。
○国務大臣(西村英一君) いま先生から御指摘になりました湖北台団地のベランダの落下事件並びに金町駅前の団地のひさしの事件。これ御指摘になる前に、私ども当委員会を通じて国民の皆さま方に私から実はおわびすべきところでございます。しかしおくれましてまことに相すみませんが、いずれお話もあると思って差し控えたわけでございますが、これはほんとうに遺憾千万なことで、建設大臣としては皆さま方に深くおわびを申し上げたいのでございます。私、理由、事故の責任はそれぞれこの公団の総裁からお聞きしました。まあお聞きしましたが、これは非常な言いわけになるのでございまして、まあ言いわけをしたくないようなほんとうにわれわれの全責任の問題でございます。したがいまして、この原因等につきましては、公団の総裁も見えておりますからお話しをしていただくことにしまして、私としましては、これがいつ建設した工事であるか、あるいは単価の点がどうであったか、あるいは業者の選定がどうであったかといういろいろなことはありましょう。ありましょうが、とにかくこの事故を契機にいたしまして、さらに公団の監督につきまして十分な私ども注意をしなければならぬ責任がある、かように思って、これは僅小な問題ではございません。これはひいては建設省全体の信用、国民に対する信用にかかわる問題でございます。また、公団だけの問題でもございません。建設省の仕事は一体何だ、こういうような印象を国民の皆さま方に与えましたことについて深く反省をしなければならぬ、かように考えておる次第でございまして、この事件そのものについては総裁からひとつ御説明を申させます。 以上でございます。どうも相すみません。
○茜ケ久保重光君 公団総裁、ひとつあなたの御所見と、やはり同じようにあなたが直接の責任者です。ひとつ全公団住宅の居住者に対してここでこの委員会を通じてあなたの真意を披瀝され、同時にこの三つの事件のその後の調査の結果を報告をしていただきたい。
○参考人(南部哲也君) たびたび不祥事件を起こしまして私としてはまことに申しわけなく思っております。本委員会におきまして先生から御指摘をいただく前に、皆さま方におわびを申し上げたいと思っておりました。 湖北台の事件につきましては、これはまさに公団始まって以来初めてバルコニーが欠損するという状態でありまして、実は昨年の秋ぐらいにバルコニーにひびが入ったという程度の事故があったわけでございます。したがいまして、それについての対策を急ぎとりましていろいろ進めておったわけでございます。今回この事件が起きまして、いよいよわれわれとしては全部これは住宅を総点検いたしまして、いま居住者の方々にいささかの不安の念も起こさせることのないようにいたしたいということで対策を実施中でございます。大体、バルコニーの折損の原因につきましては、要するに、ベランダで配筋される鉄筋が上に入るべきものが下に踏みつけられておった。コンクリートを打設する際に、鉄筋の上にあがって生コンを流し込むわけでございますが、これらの状態は昔はなかったわけでございます。公団始まって以来十数年、十七年間建設しております。それがどうしてこういう事故が最近になって起こるのかという点につきましてはいろいろ技術的にも点検いたしまして、昨年、これはいまの設計ではだめである。したがいまして、設計を変えなければならないということで、鉄筋が下に下がらないように、下にささえを全部つけるという設計に昨年から変更したわけでございます。ただいままでに起きておりますいろいろな事件につきまして検討いたしました結果、大体四十三年、四十四年の工事が非常に多い。この時期は、実は大阪の万博と時期を同じういたしまして、関東の相当の技術者も全部関西地方に派遣されたといったような状態もございまして、われわれとしては未熟練の労務者を使って工事をしておるという現状についての認識が今日から考えますと不足しておった。したがいまして、そういうことを前提にして考えますと、設計も直さなけりゃいけないし、それからコンクリート打設の際の監督のあり方も、これも従来とは違った目で見ていかなければならぬ、その点についての配慮も足りなかったということで深く反省をいたしまして、このようなことで、二百万人の居住者の方々が不安を感ずることのないようにこれはぜひやっていかなければいけないということで、ただいま全職員あげましてこの問題に対処しておるという状態でございます。 金町の問題は、これは五年ほど前にできましたものでございまして、実は金町におきましてもモルタルの剥脱事件というのは二、三年前にございました。住宅部分のモルタル部分は全部撤去いたしまして、修理いたしたんでございます。ところが、今回事故を起こしました店舗部分につきましては、これは各オーナーに分譲したものでございまして、その後オーナーが自分でいろんな設備をし、看板を取りつける、こういうようなことでございました。私、昨日大臣に報告すると同時に、現場へ行って見てまいりましたが、看板の取りつけ方について、まあ技術的にはモルタルに支持力を求めておるということで、これではむしろ落ちる可能性があるのは当然であるということで、現在ほかの店舗の看板につきましても全部点検さしております。もしも落下の心配があるということになれば、これは全部各店舗はオーナーが持っておるわけでございますので——分譲後でございますから——そのオーナーとの話し合いで補強をするなり、あるいは撤去をするなりというような問題を詰めていかなければならないと、かように考えておる次第でございます。 それから、断水の問題でございますが、これもたいへん入居者に対して一番御迷惑をかけておるわけでございまして、原因がどこにあるかということで——二回ございますが、先のほうの原因は私のほうの守備範囲と、それから東京都の水道局の守備範囲と、こう本管がつながっておりますから、二つの問題がございます。そこで、最初の日の措置がおくれましたのは公団側の守備範囲であろうかということで、ポンプの故障であろうかということで、ポンプ関係を全部調べたわけでございます。ポンプ関係に故障がないということを発見するまでに時間をとったわけでございまして、それが東京都水道局のほうの本管の浄化装置といいますか、要するに、いろいろなものが流れ込まないようにというので網がしてございます。その網の下の浄化装置にいろいろな夾雑物その他が詰まっておったということを発見したのがおくれたわけでございます。昨日のはその浄化槽の装置の撤去を全部終わりました。終わったところが、そのためにいままで詰まっておったところが勢いよく水が流れまして、そうしてポンプの上がる前にもう一つごみよけがございます。そちらのほうに全部流れ込んで詰まっておった、これの発見がおくれたということでございまして、原因が全部究明できましたので、今後このようなことが再び起こらないということで、これは深く居住者の方々におわび申し上げたいと存ずる次第でございます。 さらにもう一件、御指摘のございました汚職の問題でございますが、この問題につきましては、かねがね私ども職員に対しまして常に相戒めてこのようなことの絶対にないようにということで、従来やってまいったわけでございますが、残念ながら電気関係の工事の専門役、電気のベテランでございまして、まあ建築部の専門役をやっておるという職員が現在取り調べ中でございます。五月一日付でこの職員の役職は免除いたしまして、ただいま調べの結果を私どものほうも待っておりますが、まあ大体のあれとしては、二、三の業者から金銭を収受しておるというような新聞報道程度しかわれわれもまだ事実についての認識はございません。わかり次第、厳重にこれも処分いたしたいと存じますが、今後かかることのないようにこれは厳重に注意いたしまして、今後におきまして再び国民の信用を失墜したり、あるいは入居者の皆さま方に不安を与えるというようなことのないように十分注意してまいりたいと思っておりますので、まことに申しわけないということで、御答弁にかえさしていただきたいと思います。
○茜ケ久保重光君 この事故というのは、私は以前のことは承知しておりませんが、公団発足以来初めてのことでございますか。あるいはそれまでに幾つかこういう事故が起こったことがありますかどうか、この点いかがでございますか。
○参考人(東貞三君) このベランダが折損しまして、下にぶら下がったという事故は、これが公団始まって以来初めてのことでございまして、その以前にベランダが一ぺんに落ちるようなことはなかなかないわけでございまして、以前に少し先のほうが下がる、こういう事故は事前に気がつきまして、これは昨年の秋ごろ気がついたのがございます。これは直ちに全面的に調査して、目下補修しておるわけでございます。
○茜ケ久保重光君 私が聞いておるのは、ベランダだけじゃなくて、雨漏りとかあるいは壁のくずれとか、いろいろありますね。そういったいわゆるまあまだ公団住宅が倒壊した話は聞きませんが、いわゆる居住者、個人個人のいろいろなそういった故障があったかどうか。ベランダだけじゃなくて、全般的における故障についてのことでございます。
○参考人(東貞三君) 雨漏りは、これはずいぶん昨年も問題になりまして、台風など非常に雨風の強いとき壁からしみ通るという雨漏りの件数は相当出まして、これにつきましては、そういう事故が発生したら直ちに補修するという処置をとっております。昨年その補修の方法が少し悪かったものですから、再び漏ったということで相当問題になった事件がございまして、それにつきましては、直ちに原因を調査して徹底的に現在補修してございます。こういう状況でございます。
○茜ケ久保重光君 昨秋——昨年の秋起きたというベランダのひび割れ、このベランダは今回の脱落ベランダと同じケースの住宅ですか。
○参考人(東貞三君) 昨年起きたものは分譲住宅でございまして、これはちょっとベランダの出が一メーター五十ありまして、相当長いベランダの出のものでございまして、構造は大体今回起きたものと同じでございます。ただし、今回のものはそう長く出ておりませんで、一メーター十という、一般につけてございますベランダと同じものでございます。 ただ、建物の形式が幾ぶん違っておりまして、箱型になっておりまして、独立してベランダがぽっと飛び出ておる、こういう形式になっております。昨年事故が起きたとき、一メートル五十という長いものにつきましては、これはたいへん心配なものですから全部調査したわけでございます。短いものにつきましては、大体いままで事故がなかったものですから、それで今回調査漏れになったものが突然落ちた、こういう不祥事件が起きたということでございます。
○茜ケ久保重光君 その分譲住宅と今度の落ちた住宅との建設業者は同じ業者ですか、違いますか。
○参考人(東貞三君) 違っております。
○茜ケ久保重光君 建設業者が違うし、住宅も違うんですから、秋のベランダにひびのあったとき、今度の事件の起きたベランダの点検ができなかったことはそう私も深く責めようとは思いません。しかし、少なくともベランダがそういうことになったということは、ある意味でベランダの事故があり得るという一つのこれは事例でありますから、そのときそちらのほうも点検をされたならば、あるいはこういうことは起こらずに済んだかもしれませんが、これはちょっと手落ちだったと思うんです。今度落ちましたのを契機に調査したところが、二万何千戸のやはりこういうものがあるということでございましたので、これは同一形式の住宅ということか、あるいは同一建設業者の建てたものでありますのか、その辺はどうなのか。
○参考人(東貞三君) この新聞に出ました二万何がしという数字は、これは同一形式のものということであの数字をあげたわけでございますが、今回それだけではなくて、いやしくもベランダが出ていまして、何らかの下がるという危険性のあるものにつきましては、全数調査するということに対策をいたしております。
○茜ケ久保重光君 この湖北台団地の事故に対して公団はどういう処置をとられたか。落ちた本人はもちろん、下の人もたいへんなことです。同じ団地に住んでいる多くの居住者、こういった人たちに、その事件が起こって以後公団はどういう処置をとられたか。ほうっておいたのか、あるいは当事者には何らかの意思表示をされたんでしょうか、その他の居住者に対してはどういう処置をされたのか、この点のいきさつを御説明願いたい。
○参考人(東貞三君) ちょうど起きたときが二十九日のお休みの日でございまして、直ちに連絡がございましたので、ここを施工しました東京支所が、責任者として部長はじめ現地に急行しまして、落ちた家——落ちた家はちょうどお留守だったものですから、ちょっと入れなかったんですが、落ちて、下のベランダにもその落ちた——落ちたといいますか、ぶら下がった先が下のベランダにひっかかりまして、少し傷がついたわけで、下のほうも少しガラスなんか割れて被害があったものですから、直ちにそのお宅には部長が参上しまして陳謝するとともに、直ちにその上のベランダを、鉄筋を切り取りまして安全なところに移動し、下のベランダも少し傷つきましたので、落ちてはいかぬというので、直ちにその分もその日のうちにこわして、晩までかかって全部処置しました。それから、翌日また管理部その他の責任者が現地に行きまして、おわびを申し上げるとともに、その団地の全数を全部調査しておりますし、現在なお目で見ただけでは安心ならないものですから、なお同一のタイプにつきましては、電波探知機という機械を使いまして、これは台数が非常に少ないのですが、何台かございますので、鉄筋の位置を調査してやっております。現在のところまだそれほど危険なものはないという報告でございます。
○茜ケ久保重光君 同じ形式の住宅に住んでいらっしゃる方のその後の不安感というか、そういうものはおそらくあると思うのです。これに対して、いま私が指摘したのは、どういうような処置をされたか。何か各戸に回って今後どうするという説明をされたのか、あるいは何か水道の件では広報車で回って宣伝かなんかしたようでありますが、広報車を使うなら、ほかの居住者には、こういう原因で落ちたんで、非常な危険があるから今後どうしますとか、そういった行き届いた措置が必要と思います。でないと、子供もうっかりベランダに出せないということになりますから、そういったことをやったかどうか。その当事者はもちろんでありますが、その同一形式の住宅に住んでいる居住者にその措置をどうしたか、これをお伺いしたい。
○参考人(東貞三君) 五月七日の日曜日の日に第一回目の自治会の代表といろいろお打ち合わせをしまして陳謝するとともに、今後こういうことが起こらないようにという打ち合わせをしておりますし、それ以前にこういうことで調査しておりますので、ほかの住宅については現在のところだいじょうぶ、こういうふうなことを自治会と打ち合わせをしております。
○茜ケ久保重光君 そうすると、ほんとうにだいじょうぶですか。同じ形式の同じ会社がつくった住宅のベランダは絶対に安心だという確信があるんですか、どうですか。
○参考人(東貞三君) 全数一応の目で見た段階では大体安心だという確認はとれたのですが、まだそれだけでは同一形式は安心できませんので、いま申しましたような電波探知機を用いまして、これは鉄筋の位置、どこに入っているのかということを調査するものなんですが、これはなかなか時間がかかるものですから、現在まだ全部は終了しておりませんが、目下調査をずっとやっております。第一段階の目で見て亀裂が入っているか、いろいろなズレはないかという段階は、その翌日の日に直ちに全部終わりまして、その段階では大体安全だということで、さらに精査を目下続行中でございます。
○茜ケ久保重光君 せっかく広報車なんかをお持ちのようですから、そういうときに活用してもらって——自治会とお会いになるのもけっこうです。それも一つの方法でしょう。しかし、おそらく全住民には徹底しません。そこで、できれば、せっかくある広報車ですから、責任者が乗られて、じかに全住民にそういった実情を徹底させるような努力と心がけがやっぱり大事だと思う。これは今度の場合は深く責めませんが、そういったきめのこまかい処置をしていかなければなりません。あなた方はただ単につくっただけではなくて、家賃を取って貸しているのですから、あるいはまた分譲住宅を相当な価格で売っているのですから、これはどこまでも責任があるのですから、そういうことをやっぱりしなくちゃいかぬと思う。これは善処してもらわなければならぬと思うのです。
○田中一君 総裁、これは設計上のミスだということを言われましたね。これは重大な発言なわけです。そうすると、いろいろな団地等にも、民間に設計を依頼しているものもありましょうし、また公団が行なっているものもあるでしょう。そうした設計の基本的な方向というものは公団が示して、これによってまとめてくれよという、こういう依頼のしかたをしているのかどうか。少なくともベランダが落ちるなんということは建築じゃないんです。積み木細工なんです。工事上のミスでないということはいま総裁の話でわかりました。施工者、請負人が手抜きをしたんじゃないということはわかったんです、はっきりと。それならば、設計というもの、それが一体事故のあった棟々についてだれに依頼してそれをまとめたのかということを伺いたいと思うんです。たくさんあると思うんです。公団ばかりではなかなか設計部門の手がないから、基本的な設計をしてあとはみんなまかすということがいままでの慣行であったようですから、積み木のベランダを置くなんということは、それは建築じゃないです。最近、日本建築家協会というのが私のところへいろいろ言ってきています。たいへんな勢いです。建築家というものはもう建築技士じゃないんだ、建築家は単なる建築基準法の番人じゃない、おれたちはそんなものじゃないんだと言って、高度の姿勢で私に反発している人もいますけれども、かりに建築家協会の中でそれを設計したというならそれを示してもらいたいと思うんです。そんなばかな、いま五十年以上たっているという鉄筋コンクリートの構造というものが、現代において鉄筋がついてなかったとか、あるいは設計上のミスだとかいうことをのめのめと言われることはわれわれは心外です。なるほど施工上の問題はいろいろあると思います。公団の、パラペットか何かでしょうね、それでやっている、モルタルにくぎ打ちする、重量のあるものを載せる、だから落ちる、これは当然です。これも工事上の問題じゃない。しいて言うならば、管理事務所があるなら、中に入っている鉄筋まで掘って、それにぶら下がってくれよというこの親切さが足りないということだと思うんです。これは請負の罪じゃない、失敗じゃないということになると、これは管理の責任はやはり、たとえ分譲したといえども、その団地内の管理権というものは、これは公団の管理事務所が持っているはずです。したがってその管理権の責任。もう一つは、非常に恥ずかしい話であるけれども、ベランダの設計が間違っておったんだなんということになると、われわれはここでもって追及するのも恥ずかしいですよ。それは公団の職員の中にはいろいろな仕事を持っていますから、なかなか十分にいかない面もあるかもしれません。しかし、それを設計事務所に委嘱したということになると、これはたいへんなことなんです。私はこういう点でただ単にいまのような対住民の問題よりも、将来公団がまだまだたいへんな住宅供給をしなければならぬという責任がある面から見てどう対処するか、この技術的な問題ははっきりした態度をもって示していただきたいんです。電気探知器でもって見ればいいんだということでなくして、まず図面を見てください。図面の点検が先です。図面の点検をやって、そして危険だというものならば、これは施工者の責任です。そうでなく、構造上のミスだということになりますと、全部あなた方自身がいままでの仕事の面、将来の面で国民の不安を払拭しなければならぬということになると思いますから、いままでの構造がどんなものであるか、今後こういう方法でやるんだということを図面で示していただきたいと思うんです。そして、だれがそういう設計をしているか、ことに二十階、二十五階というような超高層の住宅までやろうという場合、その設計担当する民間の設計事務所等の責任が非常に重くなりますし、そういう点について明らかにわれわれが納得するような形のものを出してほしいと思う。
○茜ケ久保重光君 ちょっといまの田中委員が指摘された、先ほど総裁が設計上のミスということをおっしゃったというんですが、私がきのう公団の担当課長からお伺いしたのと違うんです。担当課長の話では、設計ミスではないというんです。これは明らかに施工上のミスである、こういう指摘があった。しかも図面を見せまして、図面によって説明をされた。これはそのときの説明では、いままでコンクリートの流し込みをいわゆる塔をつくって上からおろして手車で運んでやっておった。したがってややミスがなくて済んだ。今度はミキサー車で持ってきてポンプでくみ上げて入れたので、その際に鉄筋が下に下がってそうして事故を起こした、こういう御説明があった。そうなりますと、先ほど総裁が答弁された設計上のミスということとやや責任者である担当課長の説明と違う、いま田中委員は総裁の設計上のミスということで関連質問をした。これは公団の最高責任者である総裁と当面の責任者である担当課長の話が完全に食い違っておる、これはどういうことなのか、まずそれを解明をしてもらいたい。
○参考人(南部哲也君) 先ほど設計上のミスと申しましたことはちょっとことばが足らなかったかと思います。設計上のミスではなくて、従来設計というものは、十七年間いまの設計でやってきておるわけでございます。ただそれが施工上いろいろミスがあったということになりますと、こういうことの設計をいまのままにしておくと同じようなミスが起こるおそれがあるということで、昨年の秋に、設計にいままでは鉄筋の下にささえをしていなかったわけでございます。コンクリートブロックでささえておった、そういうものがはずれたために施工上のミスが起こる、それを防ぐためには監督も十分にやらなければならないので、より安全にしたいということで、全部鉄筋のささえを溶接して、そういうふうに設計を変更いたしましたということをことばが足らないで設計上のミスと申し上げまして、これは昨日先生に御説明いたしました担当課長の説明のとおりでございます。ただ、それをそのまま放っておけないということで、再び起きないようにするためにはより安全な設計にかえる方法はないかということで、昨年の秋から施工しておりますのは、いまのささえの分を設計変更いたしまして、これは必ず鉄筋が下がらないように、人夫の人が上に乗っても下に鉄筋が下がらないようにという措置をしたということでございます。 それから、この問題につきましては、事故を起こしました業者につきましては指名停止の措置をいたしております。昨年、同じような問題が起きたときにも指名停止の措置をとっておりますし、なお、監督上の責任等についても目下調査中でございます。このようなことのないようにということで、いろいろな点での再検討を全部やっておるということを申し上げるつもりが、設計上のミスとちょっとことば足らずの発言で誤解を招きました点を深くおわび申し上げたいと思います。
○田中一君 十七年間やったからそれでいいんだというのではなくて、公団の仕事というのは、非常に安い単価でやっておるんです。だから施工者のほうも近代的な、科学的な、合理的な施工方法をとっておる。ベランダにねこで運んで流し込むということは前時代的なものです。やはり生コンをじかにポンプで流し込むのが合理的なものです。それがいま言うずれがあるとか、何とかいうことになれば、設計そのものは、施工というものは関係しない、考慮しないですよ。東君、君が一番詳しいのだから、何もいままで自分が慣行で十七年間やったということについては不十分であったということはあるだろう。それは手ですくってじょうろでやって流してもいいかもしれない。そんなものじゃ仕事できやしませんよ。そうするとまたねこ車を持ち込んで、そこで流し込むということになるのですか。そんなばかなことは要求しないでしょう。そうなると、あなた方のほうで生コンでポンプで流し込むという方法をとっても支障のない設計をすればいいのであります。十七年前と今日とどのくらい建築技術、施工技術というものが変わっているか知っているでしょう。どう変わっているか知っているじゃありませんか。工期の短縮あらゆる面において相当施工の技術の開発はできております。だからこれは請負人の不正行為だということにはならないと思います。十七年前の設計をそのまま持ってきているということ、そしていまの茜ケ久保君の話を聞けばねこでいままでやったから事故はなかった、今度生コンをポンプで流し込んだものだから事故があった、ずれがあったんだなんていうことになると、それは設計そのもののミスなんです。たとえそういうものがあろうともずれないような形をとる設計をするのが設計の役目なんです。そんなばかな議論は私は聞きたくないんです。だから図面でお示し願いたい。これはたいへんなことです。それがいままで十七年間に何十万戸とつくっているところのものが、一つ一つが不安なんです。いつごろからねこで、どの仕事はねこでやったのだ、どの仕事は生コンをポンプで流し込んだという区別をちゃんとして持っていらっしゃい。十七年間の同じ設計でやった仕事、はたしてポンプで流し込んだものは非常に危険が多くて、ねこでやったものが危険がないということの証拠にならないです、そういうことは。そういう議論はならないのですよ。この点については非常に不満ですから、私どもの納得するような形をとっていただきたい。 それから公団のショッピングセンターか何かのモルタルが落ちたという問題は、これはもうだれでもわかるとおり、モルタルにじかに重みのものをかければはがれるのはあたりまえなんです。だからそれはあなたのほうの管理の問題ですね。管理の問題と、そのくらいの助言はすべきであります、これは相手はしろうとでありますから。おそらくそういう各団地がたくさんあるのですから、どの団地でもそういうことが起こらぬとも限らない。その点は早速自分のところの看板、自分の家だから何してもかってだというのではなくて、そうした技術的な指導をするように徹底する、これで解決すると思うのです。しかしいまのベランダの問題、これは違いますよ。これは東君、君説明してください。
○参考人(東貞三君) ただいま御指摘になりましたように、従来そういう設計でいいと思ってずっとやってきていたわけでございます。施工方法がいろいろ進歩しまして省力化と、そういうことでコンクリート・ポンプを使い出した。昔のようにねこでゆっくり押していくということがなくなりまして、非常なスピードでやっていく、そういうことによりましていま言いましたように、鉄筋を従来ブロックで下をささえていたものを、スピードがあるものですからそれをどんどん踏み倒していくというようなことで、これが下に下がるというようなことに気がついたのが非常におくれたということは明らかに私の責任のあることでございます。それについていけないで、それに気がつくのがおそかった、こういうことで、今回のような事故が起きたわけでございます。で、四十五年度の分からは全部それが下に下がらないように、少々スピードがあっても踏みつけても鉄筋が下に下がらないというふうな設計に直しまして、今後のものについては絶対そういうことがないという確信のある設計に直しましたので、その点たいへんわれわれが気がつくのがおそかったということは非常に恥ずかしいと思っておるわけでございます。こういうことで、今後はこういうことのないようにひとつ気をつけるとともに、前のものにつきましても全面的に調査して、そういう危険なものがないように十分注意いたしたいと思います。
○田中一君 総裁から答弁してください。総裁が答弁の修正をして、またそれを修正してもらわなければ私は納得できない。
○参考人(南部哲也君) ただいまの東理事から技術的な問題、田中先生の御指摘のとおり、施工における日進月歩の変化というものに公団の設計が対応していなかったのではないかという御指摘、これは先ほど申しましたようにたいへん気づくのがおそくて、昨年の秋からそのような態勢に対して設計そのものも変えましたとこう申し上げたわけでございます。施工について十分に今後注意もいたしますし、このようなことのないようにということで、いろいろ御指摘いただきましてまことにありがたいと思いますが、十分注意いたしましてかかる事故の将来において発生のないとともに、現在すでにできておりますものについての総点検をやるということで、対策を至急に進めていきたいと思っております。 それから、先ほど先生御指摘の分譲店舗の問題、これはまさに管理責任者としての公団は責任がございます。十分に各現場の第一線を督励いたしまして、看板等の総点検もさせたい、かように思いますのでよろしくお願いいたします。
○茜ケ久保重光君 大体原因がわかりましたし、その責任の所在もわかりました。先ほど総裁からちょっと出ましたが、この建設業者は何という業者でどういうふうな処置を——指名停止の処置をしたとおっしゃいましたが、その業者の名前と、それからいつ処置をしたか、ひとつあらためてお伺いしたい。
○参考人(東貞三君) この建設業者は青木建設でございます。
○茜ケ久保重光君 いつ停止したか。
○参考人(東貞三君) 事実上は直ちに指名に入っていたものは全部その指名からはずしまして、正式には昨日、契約審査会というものを開きまして、八カ月間指名停止という処置をとりました。
○茜ケ久保重光君 指名停止はいいとして、この欠陥ベランダのいわゆる落ちたのと、その下の落としたのと二つの補修、それからいまいろいろな方法で欠陥ベランダを調査しておるというが、そういったものが出た場合の処置は、これは当然青木建設というのがやるべきでありましょうが、指名停止したあとでもそういったいわゆる欠陥ベランダの補修は青木建設にやらせるのか、他人がやるのかその点はどうなんですか。
○参考人(東貞三君) これは重大なる瑕疵ということで、青木建設にやらせるつもりでございます。
○茜ケ久保重光君 この点の連絡その他について青木建設の指名は取り下げられた、あとの補修もするということは青木建設もちゃんと承知をしていることですか。
○参考人(東貞三君) これは、青木建設も非常に恐縮しておりまして、たいへんそういう点については申しわけないという意思を私、聞きまして、この点につきましては、全面的に補修をいたしますということを表示しております。
○茜ケ久保重光君 設計上にもやっぱり問題がこれはあったでありましょうし、施工自体も問題があったと思うのであります。私は施工業者である青木建設が故意にやったかどうかということについては疑問がありますが、少なくとも建設途上における公団側の監督の不十分、これはもう免れませんね。ここに問題があると思うのです。設計は間違っていない、施工も新しい方法だと言っておる。それがこういう結果を起こした。結局いわゆる工事進行中の監督の問題だと思います。 そこで、私はここで青筋立てて監督不行き届きを叱責するのではありません。おそらく問題はあろうと思う。いま公団のいわゆる工事現場の監督指導の体制はどういうふうにしてやっておられるか、具体的な事実を御説明いただきたい。
○参考人(東貞三君) 現在、機構的に申し上げますと、各支所に、一部の支所で、小さい支所はございませんけれども、工事監督部と、こういう部がございまして、そこにいろんな課がございまして、これは内勤でございます。実際の現場につきましては、工事事務所というのが現地に張りつきまして、そこに公団の管理職が事務所長としております。その下に監督主任、総主任というようなのがございまして、その下に監督員、こういうのがついて実際の現場に当たっておるわけでございます。ただし、公団の職員だけではちょっと全部見切れませんので、一般に管理を専門にしている事務所に一部に、管理の監督の委託をいたしておるわけでございます。
○茜ケ久保重光君 おそらく一カ所に何百戸あるいは何千戸というのが建設されるのですから、おそらく私の想像によりますと、監督にも目が届かないことが多いと思うのです。人手不足もありましょう、あるいは定員に縛られているかもしれない。私はそう善意に解している。おそらく公団の職員がサボタージュして監督しないのじゃなくて、監督しようにもこまかい点まで目が届かぬのが実態だろうと思う。しかし、それは結果としてはいけないことだと思います。そういうところにこの問題が起こってくる。これはベランダの一部の陥落で事は済みましたからよろしいんですが、もっと重大なところに問題点が起こりますと、これはたいへんなことになる。したがって、事が起こる前に対処しなくちゃならぬ。それには工事現場における監督体制というものをもっと私は確立しておかなくちゃならない。それは公団の職員の増員も一つでありましょうし、また、設計監理業務を専業としている事務所に委託することも一つでしょう。おそらくそこに問題があると思うのですが、今後いわゆる現状の、これはまあ公団法の改正が必要ならば、これは改正に協力しましょう、そういう点でありましたら。何はともあれ、居住者に不安を与えない、居住者に迷惑かけないという前提条件を踏まえて話を進めていく、そういう意味で、おそらく現状では人手不足ないしは監督の目の届かぬところが多いと思うのです。その実態は、東理事はその責任者でございますが、あなたが当面している実態をはっきり——ただ単にこういうことをやっているじゃなくて、その結果が具体的にどういうような不便があって、どういうような欠点があるか、どういうところに足らぬところがあるか、その実態をはっきり出していただいて、もしいま言ったように、人員が不足なら人員の増加も必要でしょうし、ほかの事務所に委託してやることも必要でしょうし、そういったことは、私はどんどん解決しなくちゃいけない。いい機会ですからひとつ実態をはっきりしていただきたい。それに対する対処の方法、あなたがもし腹案があるなら、こうしたらいいと思う、こうすべきだというあなたにまた腹案があれば、あわせてその腹案も出していただきたい。
○参考人(東貞三君) 現状では確かに人員も不足しております。それをカバーする意味で、いろいろな方策を講じておるわけでございますが、まあ大体最近一人当たり百五十戸ぐらいの割りで建築現場監督をしております。これがもう少し一人当たりの戸数が少なくなってくればだいぶん違ってくると思いますけれども、まあこれも人員増ということもなかなかむずかしいことで、何とかその辺のカバーをしてやっていけるような方法をいろいろ考えていきたい。そのために工事事務所という現地における一つの責任者というものを設けたこともこれは一つの方法でございます。そして、そういう総元締めを現地に置くということでやりましたし、それから最近は非常に技術力が低下というようなこともございますので、こういう点はそういう現場の研修ということもやっておりますし、そのほかにまあ委託業者についても同じように一緒に研修をしておるわけでございますが、そのほかに重点監督要領というようなものをつくりまして、ここだけはしっかり見なさい、ほかのところに先がけてここだけはしっかり見なさいというようなことを、こういうものをつくりまして、その際は全員、その現場には何千戸という戸数をやっておりますので、全部を集めれば五十人ぐらいの人がいるわけです。だからそういう重点的なところについては人が足りなければ、ほかのところの監督業者に委託したものを区分して、ここの百五十戸のほうはおまえのところ、ここのところはおまえのところ、こういうふうに委託をしておるわけですが、そういう重大なところの監督につきましてはそういう区別なく人手をそっちのほうから応援してもらうというようなことで監督をしていきたいという重点監督ということも考え出してやっておるわけでございます。確かに昔に比べれば、一人当たりの戸数がふえておりまして、薄くなっておるということになりますのですが、この点をカバーする方法で、そういういろいろな方策をとっているわけでございます。それから人員増というのは、いろいろ毎年これは要求して、出しておるわけでございますけれども、なかなかそのとおりつきませんし、実際に技術者も非常に優秀な技術者を集めることが非常にむずかしいという点もございますので、何とかその点をカバーしていく方法をいまとってきておりますし、まあ、いままでとってきたのもいま申し上げましたような方法をとっておるわけでございます。
○茜ケ久保重光君 建設大臣、いまお聞きのように、私の善意に考えて、非常に公団もほかの事務的な要員はあるいは充足しておるでありましょう、一番大事な現場の監督や指導する人員がかなり私の想像では少ないのじゃないかと、かようにまあ答弁聞いておりまして、かなりな苦しい実態で、それがたびたび言いますように、何と言ってもこれは公団の一番大きな仕事は建設でございますから、建設の過程でですね、いろんな問題があとに残るようでは、これは非常に困るわけです。今度の事件もそうでございますが、したがいまして、まあ建設委員会は、そういう意味で、公団の増員とかあるいはいわゆる公団の運営がしやすいように法案を改正することについては、協力することにやぶさかではございません。しかし、やはりこれは建設大臣がお腹をきめていただかんとなかなかできないことで、対大蔵省との関係もありましょうけれども、しかし問題は幾ら家をつくってみましても、欠陥住宅ではこれは害あって益ないことでありますから、やはりたびたび指摘するように、安心をして喜んで住まってもらえる住宅をより多くつくってもらうことが大事だ。それについて公団の組織の改善なり、人員の増加なり、これが必要ならば、ひとつ私どもも積極的に協力したいと思うんです。その辺公団の実態をさらに検討して、ひとつ大きく前進するような方向で建設大臣の御決意が必要ではないかと、こう思うんですが、ひとつ御答弁をお願いいたします。
○国務大臣(西村英一君) いろいろお話がございましたが、まあ住宅公団の出入りの業者は、まあ大体仕事が、それ自身が非常に大きい仕事でございますから、大手業者がたいへん多いです。現在の土建業者の大手業者を、一々ついて全部監督しなければそれはやっていけないようなことになれば、これはたいへんなことでございます。したがって、監督者はまたどこを見るべきかということが十分わかったような監督者でなければ、監督者の値打ちはないわけです。方向としては、監督業者をそんなによけいつけないでも、どんどん業者がやっていけるというような方向に私は進むべきところだと思っております。しかしですね、今回の事故で、まあたいへんこれはまた考え方を変えなければならぬというような気持ちはいたしておりますが、いまの大手業者、青木建設の、これもやっぱり大手業者のうちでしょうが、まあつまりとにかく何らかの原因によってああいう事故を起こしたのでございます。いろいろな原因が私はあると思います。したがいましてこの機会を逃がさず、もし従事員が私は少ないとは思いません、いまの公団の人員は。けれども、いま理事の方がいかにも人間が少ないように申しておりましたが、もし少なければ、これはいまのような事故は、人間が少ないために監督が行き届かないためにああいう事故が起こったとすれば、これは当然増員しなければなりませんけれども、私はそうは思っておりません。しかしこういう事故がございましたので、この事故を契機といたしまして、いろいろ公団の運営等につきましても考えなければならぬ、かように思うわけでございまして、非常にこれはまあ永久建物のベランダが落ちた、こういうことはほんとうに人に聞かせる話じゃございません。したがいまして何らかそこに——ただ私はまあ感じておることは、いま東京都で公共事業に働いておる方々は、実際は全部出かせぎ人でございます。現場は。この辺にやっぱり一つのやはり問題点がある。それは請負業者が十分この出かせぎ人のために、やはり福祉の問題とか、あるいは給料の問題とか、いろいろその技術の訓練の問題とか、いろいろやっぱり教養など教えてやるというような手が行き届かないと、この働いておる人はやっぱりいなかの出かせぎ人でございます。その辺につきまして、建設業者としても、われわれとしても十分考えなければならぬのじゃないかと、こういうことは私自身も考えております。いずれにしてもまことに相すみません。これを契機にして、建設省としても十分あらゆる方向について注意をいたしたいと、かように考える次第でございます。御了承賜わりたいと思います。
○茜ケ久保重光君 もう一ぺんお聞きしなければならない、総裁。東理事は人が足らぬとおっしゃった。まあせっかくこちらも御協力しようと思ったら、大臣は、人は足らぬことはないとおっしゃる。これらのことについて総裁はどう思いますか。総裁の立場からこれははっきりしておかなければならぬと思う。片一方は足らぬとおっしゃる。しかも担当大臣である建設大臣は足らぬことはないとおっしゃる。どうですか。
○参考人(南部哲也君) 公団の工事の監督の体制でございますが、かつてはほとんど一〇〇%公団の職員で監督いたしておりました。事業量の増大に伴いまして、監督の人員のうち公団の職員の占める割合は、今日は三割でございます。あとは民間の監理、監督を業とする方々を業務委託しておるわけでございます。私どもはかつてこの公団の直接の監督が三分の一を割っては困るという主張を予算のときにいたしまして、三割を割っておったのを、いまや一生懸命毎年努力いたしまして、三割を割らないように、さらに三分の一といいますと三割三分という線にまで近づけていきたいということで、毎年努力はいたしております。したがいまして職員全体といたしましては、大臣のおっしゃいましたように、これは必ずしも足りないものではないという見方もございましょうが、それぞれの部分部分におきましては、いろいろの問題のでこぼこがある。ところがこの工事の監督をするような職員というのは、これはどんどん集めればいいということではないわけでございまして、日本全体から言って建築技術者が足りないときに、なかなかこの定員があってもそれだけ採れるかどうか。あるいはそれを毎年新規採用で大学卒業生を六十人も採っておりますが、それを一人前に仕上げることに時間がかかるというような、いろいろな問題がございまして、その対策に先ほど担当理事からも申しましたように、研修をやるとか、あるいは重点監督の要領を大いに徹底するとかというようなことで、今日を過ごしておるということでございまして、毎年秋には中途採用いたしまして、そういった特に足りない部門につきましては、中途採用の職員をさらに増加するという措置をとっております。ことしもそのような措置で、特に現場監督の面についての要員の不足はカバーしていきたい。このように考えておる次第でございます。
○茜ケ久保重光君 私は大臣とやりとりしようとは思っておりませんが、そこでいまちょっと聞いておりますと、工事現場の監督が七割がいわゆる一般業者だということになりますが、その七割を担当している一般監理業者も野放しじゃないんでしょう。当然それに対して二重監督ということになりますか、公団の責任者が一般の業者をいわゆる指導監督している。この辺の徹底はかなりいっているんですか、いかがですか。
○参考人(東貞三君) 現場は大体三割が公団の人間、あとは委託、こういうようなかっこうになっておりますが、この点につきましては各委託事務所につきまして、現場につきましては、そういう公団の職員が現場が始まるとすぐいろいろなことを打ち分わせますし、それから、こういうところはこういうふうにしなさいと、こういうふうなことを徹底的に教育はしておりますし、それからまあ長年こういうことをやっておりますので、まあすでに公団の業務に精通しておる、そういうような業者を引き続いて委託に使っているということで、大体公団業務については精通しておりますし、技術的にはまだいろんな、いいのもいますし、悪い人間も、悪いといいますか、技術的にそれほどしっかりした者でない者もおりますが、これはどこでも、公団の職員でも非常に優秀なのもいますし、また未熟なのもいますので、そういう点は優秀な人間が全体的にこれを研修したり何かして、技術の向上をはかっておりますので、大体公団の指導がうまくいっている、こういうふうに私は信じておるわけでございます。
○茜ケ久保重光君 あれですか、ベランダの落ちた建築の監督はどこがやりましたか。
○参考人(東貞三君) これは、辻という建築監理を専門にしている事務所でございます。
○茜ケ久保重光君 その辺にも問題があるんじゃないですか。いま私が言ったように、全体の建築の監督は三割しか公団がやっていない。七割は委託している。その委託している業者の監督した現場がこういうことになっている。私がさっき言ったのは、七割委託するのもけっこうだが、その委託した一般業者を野放しでやらしているのか。その監督に対してさらに公団が責任をもってやはりその業者自体を監督してやっているのかどうかと聞いた。いま聞いていると、やはりこの問題が起こったのは委託した建築業者、その辺に問題があるとすれば、その一般業者に対するこれはかなりの指導監督を徹底しないと、今後もこういうことが起こり得る可能性がある。それはどうですか。
○参考人(東貞三君) 契約上はおのおの独立してその監督を全部委託しておるかっこうになっておるわけでございますが、それでは全体の——団地もたくさんの事務所に委託しておりますものですから、全体的な統制をはかると、それから公団の仕事はこういうふうにやるのだ、こういうところは、こういうふうなんだというようなことは公団の職員が全面的に指導しているわけですから、監督の責任そのものは委託業者にあるわけですが、その上に立って全体の指導という点については公団の職員が当たっていると、公団の監督というのはこういうふうにしなさい、こういう点は処理をこういうふうにいたしなさい、技術的にはこういうことをよく見なさい、こういうことは公団の職員が指導しているというかっこうになっております。
○茜ケ久保重光君 まだかなり質問点は残っておるのでありますが、時間がまいりましたので、きょうのところはこの辺で中止しますが、特に汚職問題ですね、これは係争中でございますから、いろいろとやかく申しませんが、これは不祥事といえば私は不祥事だと思う。先般道路公団にもありました。公団、公社等のあり方がいろいろ問題になっているときに、こういうことが起こったのでありますが、これについてはいろいろ聞きたいこともあるし、意見もあるし、また追及もしたいが、これは後日に譲ります。これは一つ大臣も、総裁も、これを契機にさらに引き締めていただいて、信頼され得る公団として成長してもらうような御指導と監督を御要望して、私の質問を終わります。
○委員長(小林武君) 午前中の質疑はこの程度にとどめ、午後二時三十分まで休憩いたします。 午後一時四分休憩 —————・————— 午後二時三十六分開会
○委員長(小林武君) ただいまから建設委員会を再開いたします。休憩前に引き続き、住宅金融公庫法の一部を改正する法律案の質疑を行ないます。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○田中一君 最初に、総裁に伺いますが、住宅金融公庫を原資として貸し付けをしている機関というものは、支店、出張所等を含めて何千カ所ありますか、それを知らせてください。
○参考人(浅村廉君) 私どもの業務のほとんど大部分を先生がおっしゃいましたように民間の金融機関等に委託をいたしておりますが、その機関の数は六百二十五でございまして、それらが支店をたくさん出しております。その業務取り扱い店の数を集計いたしますと三千百九十三でございます。
○田中一君 この分布図はおそらく相当こまかいものになると思うんです。これはむろん、日本の国土のうちの六十何%は山林原野とすると、まず都市ということにならざるを得ないと思います。そこで、地価抑制ということをことし、この国会でも、建設大臣からも非常に強く強調されておりますけれども、これらの窓口を通じて申し込まれる数というものは何件くらいあるか、件数もひとつ教えていただきたいと思います。申し込み件数、申し込みをする者、この機関を通じて。年間通じてどれくらいあるか。
○参考人(浅村廉君) 私ども、毎年予算で戸数をきめていただいておりまして、前年度が二十七万五千戸、それから今年度が二十八万戸ということに、一応していただいております。まあいろんな貸し付け種目、先生御存じのとおりございまして、全部が全部金融機関で扱うわけでもございませんが、四十六年度の例を申し上げますと、予算上は二十七万五千戸でございましたが、申し込みとして受け付けました件数は三十七万五百戸でございました。まあいろいろな制限がございます。資格の審査その他ございますので、あるいは辞退なさる方も出てまいりますので、ちょうどそれが、ただいま申し上げました予算上の二十七万五千戸程度の数におさまってくると、こういうことになっております。
○田中一君 ちょうど住宅金融公庫も約二十二年ぐらい、二十二、三年になりますね。そこで、十年前の数はどれくらいになりますか。供給戸数と申し込み戸数を比較して見ると。
○参考人(浅村廉君) 実はいまその資料を、用意いたしますまで、ちょっと数字が手元にございませんので。
○田中一君 二十七年度。
○参考人(浅村廉君) 二十七年度について申し上げます。 実は、たとえば申し上げたのは住宅金融公庫の全部の戸数でございましたが、この統計のここにございますのは個人住宅についての統計でございますので、ちょっとその点が全部ではございませんが、二十七年度では申し込み戸数が、個人住宅につきましては三十二万一千戸ということになっております。大体この戸数はそのときの年間の全体の戸数の半分程度ということになってきております。まあこの倍ぐらいなものを受け付けたんではないかと思います。申し上げましたのはそのうちの約半分にあたります。個人住宅の申し込みでございます。
○田中一君 そうすると、よく説明がのみ込めないんだけれども、個人住宅分として、四十七年度見た場合に供給する戸数としては三十七万五千戸、これ個人ですか、これは。あらゆるものが入っているんですか。
○参考人(浅村廉君) もう一度申し上げますと住宅金融公庫、私どもで扱いますものの件数は四十六年度で先ほど申し込みが三十七万五百戸と申しました。これは金融公庫全体の数字でございますが、そのうちの一般個人住宅は四十六年二十五万一千戸の申し込みを受け付けております。そうしますと、ただいま御説明いたしました二十七年度では一般個人住宅が申し込みが三十二万一千戸だと申し上げました。二十七年度のほうが多いんではないかという御疑問が出るかと思います。これは、実はこの当時は私どもは抽せん制度をとっておりましたので、ずいぶん多くの申し込みが出ておりましたけれども、あまり本気でないような申し込みもだいぶございました。それが約三年前から抽せん制度を改めましてまあ常時受付制と申しておりますけれども、約半年間窓を開き放っしにいたしましておいでになった方は資格に合格する限り全部お貸しするという形にいたしましたところが、そういった申し込みが、あまり本気でないような申し込みがすっかり消えまして相当落ちついたしっかりした実際の必要に基づく数が出てまいったわけでございます。そこで、二十六年度のこの一般個人住宅の申し込みの戸数が二十五万一千戸、こういうふうなことになったわけでございます。
○田中一君 聞いてから説明してください。 そうすると、二十七年度に供給し得る戸数は二十七万五千戸、これは個人住宅ですか。
○参考人(浅村廉君) 個人住宅でございます。
○田中一君 では、二十六年度には、供給し得る戸数は何戸ですか。
○参考人(浅村廉君) 申し上げます。いま二十七万五千戸というお尋ねでございましたが、二十七万五千戸と私が先ほど申し上げましたのは、四十六年度の住宅金融公庫全体の戸数でございます。個人住宅だけではございません。
○田中一君 個人住宅は幾つですかと聞いているんです。
○参考人(浅村廉君) 個人住宅は、失礼いたしました。いろいろごちゃごちゃ申し上げまして恐縮でしたけれども、ちょっと資料を持ち合わせていませんでしたので。 お答え申し上げます。四十六年度は予算上は二十七万五千戸、これは全体の数字でございますが、個人住宅は……。
○田中一君 それは四十六年度ですか。
○参考人(浅村廉君) 四十六年度の数字をもう一度正確に申し上げますと、四十六年度の予算上の数字は二十七万五千戸でございまして、そのうちの個人住宅が十二万八千戸でございます。
○田中一君 二十六年度は。
○参考人(浅村廉君) 先ほど私の申し上げましたのはちょっと間違っておりました。十二万八千戸の予算のワクに対しまして、申し込みとして受け付けましたのが、十八万四千戸でございます。四十六年度の数字でございます。それをいろいろ調査をいたしました結果、大体おさまりましたのが予算より少しワクがふえましたけれども、十四万戸程度でございます。そういうのが四十六年度の実際の姿でございます。 それから二十七年度、先ほどだいぶ前のほうばかり報告申し上げましたが、二十七年度は予算上のワクは個人住宅につきまして五万一千三百五十戸でございましたが、申し込みが三十二万一千戸もございました。こういうような状態でございます。
○田中一君 十年前と今日と比較して、むろん今日では住宅公団あるいはその他民間あらゆる面の住宅供給事業というのはふえてきておる、これはいなめませんけれども、三十二万一千戸の申し込みに対して予算上は五万一千戸、したがって六倍、七倍の申し込みがあったわけでございますね。そうすると、これをなぜそういう申し込みがあり、かつ今日では融資を受けようという人が減ってきているという現状の分析、この理由の分析というものをいたしたことがあるのです。なぜならば、いよいよなくなってくれば住宅金融公庫つぶしてしまえということになりますから、そのあとは金の貸し借りだけやらせればいいじゃないかということになりますから、どうしてこうなったか、どこに原因があるかという検討は相当いたしていると思います。私は私なりにしております。そこで、この比率が非常に減少したということはどこに原因があるかということを検討したことはあろうと思うので、その考え方、分析の結果を報告していただきたい。
○参考人(浅村廉君) 申し込みが最近一応定着いたしまして、以前よりはだいぶ減ってきているということにつきましては、まず第一の理由は、ちょっと私先ほど触れさしていただきましたけれども、抽せん制をやめたということ、それに原因があろうかと思います。それからもう一つ、これは私どもいろいろ考えまするのに、従来はもう何年か前は、土地を購入する資金もつけてお貸ししておったということでございまして、しかし常時受け付けという制度に切りかえましたために、そこまで大幅に私のほうで対策を講ずるわけにまいりませんけれども、土地の用意のある方だけに一応限りまして上物の資金をお貸しするということにいたしまして、常時受け付け制を開いたわけでございます。そこで、申し込みの件数というものが少し減っているということは、確かに私どもは認めておりますが、ただ土地を全部お貸ししないというんじゃなくて、区画整理済みの土地であるとか、まあ良好な宅地として一応認められるものにつきましては私どもも一定額をお貸しをしております。あるいはまあ公共事業で立ちのきを余儀なくされたとか、公営住宅を立ちのかなければならぬ方とか、そういう方に対しましては土地の資金の融資もいたしております。そういうことを私のほうはやってはおります。そういうようなことをいろいろ勘案いたしまして検討いたしておりますが、大体このような数字でただいま定着をいたしておるということ、その理由はまあそういうところにおおむねあるんではなかろうかというふうに考えます。
○田中一君 私はそうは思わない。抽せんをやめて書類の内容審査、あるいは実態を審査をして融資をしようということにきめたということは、申し込みが減って予算戸数が一応ふえてきたからしないんであって、これはかつて十年前の五万戸に対しては三十二万戸来た場合は選択なんかできっこないですよ、みんなもうほしいんですから。したがって、常時申し込みを受けて審査して貸すんだということは申し込み戸数が減ったから国民が魅力を失ったからですね。戸数が減ったんだということを一応考えなければならない。だから公庫としては抽せんなんかする必要はないんだと、へたしたらこれは下回ると、予算戸数より下回るんじゃないかと、それなら一々やってやろうじゃないかということで、こういう方式をとったものだと思うんです、私はそう思うんです。大体間違いなかろうと思います。そこで、あとの問題はいままで、かつて十年、十五年前に住宅金融公庫の金を借りて土地を買うなんという場合にはまあ安かったです、五百円か八百円で戦後は買えたわけなんです。これはなぜかというと、いままで借地権がある、やれ地主が税金等で物納しなきゃならぬ、財産税その他になると、五百円、八百円、千円ぐらいでもって旧借地権者に売ったものです、その時代はできた。しかしもう地価が暴騰する、そうすれば、とても貸すどころの騒ぎじゃないといって、これはあなたのほうの御都合でやめたわけなんです。そこで、たとえ十年前を考えても、五万戸の予算に対して三十二万戸の要求があった、窓口は三千百九十三ある、こうなると、こうした要求にこたえよう、そうして現在では土地を持っている者ですよと、こういう融資方式に変わると、当然金ならばあるといって土地をさがし歩く、これは仮需要です、買ったんじゃないんです、当選したらそれを買おうということになると仮需要ですね、ほんとうの需要じゃなくて仮需要。それが非常に大きく日本の、ことに既成市街地における、周辺における地価の暴騰のお手伝いをしたということはいなめないんです。これは相当の機構で、住宅金融公庫は自分の直営の窓口を持って四十六都道府県に一、二カ所持ってやればまだこれも抑制できるかもしらぬけれども、五つの家をつくるのに三十二人が同じような土地をあさって歩く、買うんじゃないんです、当たったらば買おうと、こういうことをやっているために地価を上げている。したがって、終戦直後の時期には大きな貢献をしたことは間違いありません。いままで住宅金融公庫が持っておった方式というものは今日の地価高騰の大きな役割りを果たしておるということはこれも否定できないんです。なぜ三千百九十三の窓口を持たなきゃならないか。これは全国ですから地域差が非常にあります。ありますが、全然既成市街地のない地方の僻地においても申し込み者が多くて適地が数少ない場合にはその一つをあさってくるわけなんです。私は、もうこの辺で政府がもし地価対策というものを考えるならば、住宅金融公庫が持っている今日の融資方針というものを根本的に考慮すべき時代がきている、私はこう考えるのです。住宅問題、土地の問題についてはずいぶん長い間私もいろんな面から検討をしてきておりますけれども、今日こうして抽せんでも何でもない、相手を見て買いそうな人間には貸そうじゃないかということになる。いまはとにかく住宅金融公庫は仮需要というのはごく少ないのです、土地に対する。ところがいままではたいへんなものでしたよ。だから日本の土地が他の物価に比較して非常に早いテンポで上昇してきたことはわれわれみんな御承知のとおりです。したがって住宅金融公庫の融資方針というもの、これはテクニックですが、これは相当考慮しなければならぬ段階にきているんじゃないかと、私はこう思うんです。まあいままでの宿命的な与えられた立場において、与えられた方式で住宅金融公庫は住宅の融資をやってきましたけれども、いまはこの方針を転換しなければならぬ時期がきている。かつて政府は、鳩山内閣時代でありましたけれども戸数主義をとり、ふろ場を一つつくっても、三坪の増築をしてもこれは一戸という計算でもって戸数をふやしておった、国民をだましておったのです。こういう形で、住宅金融公庫の融資というものは広く三千百九十三の窓口で大衆に宣伝してやってきたけれども——もう一ぺん申します。もうこの辺で融資の方法というものを検討すべき段階がきていると私はかたく信じております。建設大臣の答弁願います。
○国務大臣(西村英一君) 私もそれほど研究は積んでおりませんから自信を持って申し上げられませんが、それは時代とともに大いにこの事情が変わっていくことでございますから、それは検討はしますけれども、まあ私実はいまいろいろ住宅政策、公営、公団、公社、公庫等ありますが、私は持ち家政策というようなものからいきますと、比較的公団にウエートを置きたいというような気持ちがいたしておるわけでございます。と申しますのは、ほかの公営にしても、公団にしてもなかなか今後どれほど進捗するか、私それを心配しておるからでございます。一方は金融でもって住宅に対処し得るということになれば、しかもそれが全部持ち家になる、自分のマイホームになるんだということからいくと、この金でもって対処していくという方向はいい方向じゃないか、しかしその行き方につきましては、運営のしかたにつきましてはそれはいろいろ改善するところがあると私も思います。窓口が金融機関を対象にしておりまして、それがいま六百何がしと言いましたが、そういうことが適正であるのかどうかということについては私はあまり知識がございませんけれども、金融で対処し、その金融のワクをもっと上げてやるというようなことでいくのは必ずしも悪い方向じゃないという気はいたしますが、これは私も非常に自信を持って言えるわけじゃございませんが、さような気持ちがいたします。
○田中一君 住宅金融公庫は主として個人を対象に考えられておったんですよ、最初。今回のこの法律の改正によって再開発にまで手を伸ばそうということをうたっております。もう一ぺん住宅金融公庫は原点に返って庶民、大衆のためにささやかながら持ち家を建てるための融資をしようじゃないかという原点に返ってみようということなんです。なぜならば、住宅供給公社も、これは原資は住宅金融公庫に求めているわけですね。全国にある住宅協同組合、まあこの間千葉何がしがたいへんな間違いを犯しましたけれども、協同組合に対してもっと融資をすべきことと、個人を対象にした住宅融資政策——住宅生協あたりは全部土地を必ず労金の金を使って融資を受けたりなんかしてまず確保していく。そして金融公庫から金を借りて建設をしてやって、あと肩がわりして本人同士の貸借関係にしているわけなんです。必ず土地がある。日本にありますところの住宅生協というものは必ず土地がある。土地がないところには貸さないわけです、あっせんしないわけです。というような方法をとるならば、何もいまさら住宅公団あるいは地方公共団体等が他に融資を受けて、縁故債でもよろしい、何でもやって建築をしているという現在の制度、こういうものに手を伸ばす必要はないんです。 もう一ぺん申します。原点に立ち返って庶民、大衆の持ち家を供給するものにお帰りなさいと言いたいわけなんです。それには土地がないんだと、土地がこう上がっちゃとても庶民は手に入らないんだと、だから住宅金融公庫の金を借りられないんだというのが今日大衆の声なんです。もっとも、そればかりじゃございません。融資を受ける一坪なら一坪の平米の単価というものはとうてい住宅金融公庫の金で建つべき融資額じゃないんですよ。私は今度の法律改正でもってよその守備範囲まで手を伸ばそうというものよりも、原点に立ち返ってどうしても住宅が必要な人たちに供給するというものこそ本来の住宅金融公庫の使命ではないかと思うわけなんです。おそらく住宅金融公庫も今日では、発足して二、三年のうちには相当な赤字もありました。金を貸したけれどもとても返ってこないものもございました。しかし建物そのもの、地上権そのものも一緒になって住宅金融公庫は担保に取っております。実害はなかろうと思うんです。私は住宅金融公庫が今日二十数年仕事をやっておって、そうして幾らの赤字が生まれたか。住宅金融公庫は生じた赤字をかぶるだけの精神がなくてはだめなんです。自分の住宅を求めている困窮者に対して融資をする、御主人がなくなった未亡人が子供二人かかえて一生懸命暮らして、なかなか住宅金融公庫の金を払えない。この赤字をしよってやるぐらいの気がなければ住宅金融公庫設立の精神にもとるわけなんです。したがって住宅金融公庫は原点に立ち返って、そうして家をどうしても必要だという庶民、大衆に対して、それも金を持たない、金融の道もない大衆に対して融資をしようと、赤字があったら赤字でもいいではないかというくらいの姿勢でいくべきが住宅金融公庫運営の根本精神じゃないですか。なぜならば、この法律の目的を読んでごらんなさい。金がない者、銀行で金を貸してくれない者に対して住宅建設融資をするんだと書いてあるんですよ。西村さん、これはあなたがいま言った、庶民に対する住宅融資機関だと、そのとおりなんですよ。なぜそれを安定したものにして、その原資をそれぞれの機関、いま言われたところの六百二十五、これに対する支店、出張所、その他入れれば三千百九十三もある。その中からこれをセレクトしているわけです。住宅生協あたりに百億、二百億という金を貸す。同時に、住宅金融公庫がそうした団体に対しては土地造成の金も、予算もあるわけなんです。出してやればいいじゃないですか。私は浅村君とは非常に長いつきあいだけれども、せめては浅村君が総裁になったならば、原点に立ち返ってほんとうに大衆のために、どういう抵抗があろうが住宅金融公庫の使命というものをいまぐらいはっきりと打ち出す時期はないのだから、実行するだろうと思ったんですけれども、これは住宅金融公庫にも何か住宅金融公庫の監理官がいるのかどうか。あるいは建設大臣あたりから強硬に押しつけられていまの方針をそのまま継続しているのか。あるいは歪曲して楽なほうにばかり持っていって、金が返ってくるところだけに貸そうという姿勢になったのか。沢田君あたりがそれに同調してそうしようという気持ちになっているのか。これは私非常に疑問に思うんです。これは西村さん、そういうことはメモに、耳打ちしてくれないでしょうから、西村さんに答弁求めちゃぐあいが悪いですがね。もう一ぺん住宅金融公庫の使命、住宅公団の使命、その他、昨年出したところの農住あるいはその他の数々の手法というものの機関、これに対して根本的な検討をすべき時期にきているということを申し上げます。 そこで、何か御意見があれば伺います。
○国務大臣(西村英一君) この公庫の使命、これは個人住宅を主眼にせよ、原点に立ち返れ、これはもうそのとおりです。私たちもそのつもりでやっています。しかし改革すべきものがあるならば十分改革することも当然でございますから、決して私はいまの制度を押しつけてはおりません。しかしまあ役所として、行政として国民の税金で金を貸す以上は、やっぱりそれが回収できないというようなこと、これも程度の問題ですけれども、そういうやっぱり審査をして貸さなきゃならぬということは行政の常道でございまするから、しかし金を借りるほうから見れば、やっぱり商業ベースでなかなか金が借りられないのだから政府のほうの金を貸してくれ、これもわかりますけれども、その辺はやっぱり行政の妙味を発揮して、なるべく困った人に金を貸すということは運営でやっていかなきゃならぬと思っております。 それから、この田中先生の持論でございましょう。私もそう思いますが、住宅につきましてはいろいろな分野がございます。で、いまこの時点においてひとつ住宅政策の全般についてひとつ振り返ってみないか。あまり住宅政策はうまくいっていないじゃないか、まあこういうおしかりは当然あろうかと思います。私自身もそう思っておりますので、これは公庫のみならず、公団、公営、あるいは他の住宅の面につきましてもここでやっぱり国民が非常に一番望んでおります住宅政策についてひとつ新しい観点からやっぱり検討しなきゃならぬ。これは建設省の義務でございますので、ひとつせっかく検討は十分にいたしたいと、かように思う次第でございまして、窓口等につきましても、まああまり混乱するような窓口等ではいけないと思います。したがいまして、しかしこれを一本に統一したから住宅がよけいできるというものでもございません。やっぱり分野、分野がそれぞれあろうかと思いますが、混乱しないように、まあ要はマイホームをみな持てるように、それから公庫の使命につきましては、原点に立ち返る、これはもう当然でございまして、いまの戸数、こなしておる戸数からいきましても、個人住宅を主眼にしておると思います。 その他のことについて、私は直接の知識があまりないほうでございますから、ひとつ担当者の総裁から答弁をさせます。
○田中一君 総裁は要らんよ。西村さんね、私が、赤字になっていいじゃないかといっているのはこういうことなんです。若い四十四、五歳の奥さんが、子供が三人おる、学校へ行っておる、ところが、おとうさんがひょこっと交通事故で死んでしまった。そのために退職金もらったけれども、これは生活に充てなきゃならぬ、住宅の月賦も払えないという場合にどうするか。私は、おそらく住宅金融公庫は一定期間がくれば、社会保障をやっているのじゃない、とにかく金貸しなんですから、社会保障なんというりっぱなものじゃなくて、これは金貸しです。金貸しはどうしたって利子を取って、返すものは返してもらわなければ困る。その場合に、この家を売れ、売って立ちのけと、こういう強硬な手段をとっているのか、あるいはいやがおうでも払えと、おそらく法律的には——法律的というか、いまの規約からすれば——規約というか、定款からすれば、請求すると思うのです。払えない場合どうするか、その場合、子供が大学を再来年出ます、給料のうちの幾らかでも入れますから、何とかひとつやってくださいと頼んだ場合に、悪金貸しであるならば、住宅金融公庫はだめだ、法律によってこうなっておるのだと、出ていけということをしているかどうか。私はしていないと思うのですよ。しているなら、もう即刻こんなものはつぶしてしまえ、こんな法律通すものじゃない。その点だけ総裁に聞きます。
○参考人(浅村廉君) 私ども二十二年ほど仕事をやってまいっておりまして、いろいろな貸し付けをやっておりますが、別にきびしい取り立てをいたしませんけれども、住宅資金の返消は非常に順調にしていただいております。ただ、万が一何か事故がありまして、お返しいただけない場合には、私どもは相当にそれに対しましてしんしゃくをいたしまして、いろいろと実情を伺い、償還条件を変えたり、延ばしたり、いろいろ実際の場合にあたりまして、適当な方法を考えて私どもはやらさせていただいております。いよいよ、事情があってどうにも取り立てられないというようなものは、私のほうでまたそういうものに対しての手当てを、大蔵省のほうで資金的には若干いただくことになっておりますので、そういうところで処理をいたします。現在までの経験から申しますと、そういういやなことをしたケースは一回もございません。非常に順調にまいっておりますし、今後何かそういった問題が起こりました場合、私ただいま申しましたような考え方で、十分御相談に乗りまして、条件の変更その他で、相手のお立場も十分考えながら措置をしてまいりたい、かように考えております。
○田中一君 それで住宅金融公庫、回収不能の金額は、いままでに累積したもの、どのくらいあります。
○参考人(浅村廉君) 創立以来現在までに回収不能になりました金額は、五千四百十二万円でございます。
○田中一君 非常に少ないですね。これは間違いないですか。
○参考人(浅村廉君) ちょっとお待ちください。 申し上げます。ただいま申し上げました金額は全額でございます。全額で五千四百十二万円。非常に少ないような感じでございますけれども、事実その金額でございます。 それから件数は、約百六十件でございます。
○田中一君 これはそうすると、その金額は、徴収不能という判決をした金額ですか。
○参考人(浅村廉君) さようでございます。
○田中一君 法律による融資方針というものから見た場合には、少な過ぎるんです。もっと赤字をつくりなさい。これは住宅金融公庫総裁というもの、住宅金融公庫そのものの機関というものは、国民にしあわせな家を、資金を供給すると同時に、これが十億でも二十億でもなくちゃならないんですよ。そうなることによって、住宅金融公庫の使命というものは完全に達せられることになる。これはむろん不良なる、悪質な、作為的に支払わないというものじゃなくて、いま申し上げたような、どうにもならない立場におる人たちもいるわけなんです。そういった方々を、社会保障とか何とかいうようなものじゃなくて、それじゃ一つの例になりますから、なかなか困難でしょうけれども、まあ長期にわたって返せるという方途というものを考えると言っておりました。同時にまた、どうにもならぬものがある。たとえば、責任者が死んでしまって、あと継承する者がない。そうして借金もあるというような場合には、なかなか払えない。しかし、追い立てて出してしまったというものはない。ならば、もっと赤字があっていいと思うのです。赤字があるほうが、浅村総裁の勲章が高くなるわけです。私はこう考えるのです。極端なことを申しますけれども、大臣、そのくらいの姿勢でもって——いま、非常に民間の木造住宅等の融資をやっています。これは完全に、二百万かかるものは二百万融資して、銀行のローンで、これは金利はちょっと高いですけれども、ローンつけて供給しています。住宅金融公庫は、二十年一日のごとく、なるほど五分五厘で安いというものの、二百万の家を建てるには、それだけよけいかかります。土地の金を貸さないということでは、民間の住宅供給事業と比較した場合には、条件が非常に悪いです。国家が、税金だから損しちゃならないなんということはあり得ないですよ。損をしないで、無理な、他の融資を、借金をしてつくるということじゃなくておやりなさい。そういう意味で、住宅金融公庫の方針というもの、運営というもの等も、原点に立ち返って再検討するということを約束してください。
○国務大臣(西村英一君) とにかく公庫は金貸しでございますけれども、高利貸しじゃないのです。
○田中一君 高利貸しだよ。
○国務大臣(西村英一君) いや、高利貸しじゃございません。やはり金利も安くして、せっかく皆さんに住宅を提供しようというのですから。そこで、田中さんがおっしゃること、赤字をつくれ、これは、その赤字をつくれという意味はよくわかります。しかし、いま、総裁のお話しにも、あまり無理をして、困った人を追い立てるようなことはないんだと、自然の間にこれだけの赤字ができておるのだと、こう言うのですから、そう無理をして追い立てておるとは思いませんが、結局、赤字をつくれというのは極端な言い方でございましょうが、私はその点から見ますと、まあまあ運営としてはうまくいっておるのじゃないかと、かように思っております。運営としてはうまくいっておるのじゃないか。しかし、全体的に考える。もちろん、これはその他の住宅機関も通じまして、ひとつ十分この時勢に合うように、また、住宅に困った方々が安易にマイホームを持てるように検討することを、お誓い申し上げる次第でございます。
○田中一君 これは浅村君に聞きますが、大体、もう、二十五年、三十年というもの貸していると、ここのところ、十年たったら地価というものは相当に高くなっている、宅地が。そうすると、それを第一担保で押えている。地価は上がってきている。売った場合はもっと高いのですよ。それに、貸したやつが土地だけでも三百万も四百万もする場合もある。それを第一権者として押えているというようなことになると、これは楽なわけなんです。これは融資方針というものを根本的に変えること。たくさんありますよ、なんだったら、一ぺんゆっくりと話していいと思うのですが、たくさん方法はあります。その一つの端的な例としては、生活協同組合等が宅地を造成し、宅地を買った者に対して住宅金融公庫の融資をつけてやる。その場合に、私が申し上げているのは、三百万かかる建築費なら、三百万貸してやりなさいと言うのです。その人は、百万円しか借りられなければ、あとの二百万というものは高利で借りるんです。そんな人には銀行は貸さないですよ。これは銀行のローンにしても、殖産住宅なら殖産住宅というものが保証するから貸してくれるのです。なかなか貸してくれない。そういうものなんです。そうすると高利なんです。一番高いのは、ただの利子のやつが一番高いのです、利子がないというやつが。そういう危険を大衆に背負わさないで、融資額等を十分に貸してやるという方法をとれば、ここに九十五億——今度の市街地再開発に対して九十五億貸そうなんということは、ほかのほうに貸してやりなさい。このほうが住宅金融公庫法の精神にのっとった、個人、大衆に対する融資になる。そうして、原資ももっとふやすことです。もうとにかくいま、御承知のように、建設省でもって、やたらにやみ建築——建蔽率も何もくそ食らえで、マッチ箱のように並んで建っている家をいけない、いけないと言う。住宅金融公庫が完全にそうした金を貸してくれないから、やむを得ずやみ建築を二百万、三百万で買って入るのです。一方行政面では、やみ建築撲滅だ、けしからぬというようなことを言っていながら、大衆に対する融資というものを中途半端にやっているようでは、やみ建築をふやす政策をやっているにすぎないのですよ。 だれでしたか、この前の大臣か、その前の大臣か忘れましたが、全国的に、京都、大阪、東京、神奈川辺のやみ建築の調査に行ったことがあります。私もそれを一緒に見に行きました。ひどいものですよ。なぜか。住宅金融公庫が庶民住宅金融というものに対する徹底的な施策をしていないということなんです。そうなると、極論すると存在の価値がない。あとは貸し金回収業になればいいんです。この点は十分にひとつ留意して検討していただきたいと思います。 次に申し上げたいのは、ここにこの法律の中の三十六条の、これは字句の、まあ当用漢字がふえたからそう直したのでしょうけれども、見出しの「土地あっせん手数料」というのがあり、これには「あっ旋」の旋がなくなったかどうか知らぬが、ひらがなの「あっせん」になっている。それが修正です。これが目につくわけです。住宅金融公庫は土地ブローカーもやっておったのですか。やっておるなら、土地ブローカーのいままでの実績、手数料の額、収入の額、それをお知らせ願いたい。
○参考人(浅村廉君) 実はこの規定ははっきりございまして、私どもが土地のあっせんをするということをやっておった時代がございます。これは私も、そういうことをやっておったということを聞いておる程度でございまして、この十年くらいそういうことはもうございませんのですが、まだ戦後間もないころに、住宅自体をどうやって建設したらいいかわからないという方が非常に多くいらっしゃったわけです。そういう方には相当こまかいお世話から始めたのが金融公庫の当初の姿であったと思います。そこで、ただ住宅を建てる資金をお貸しするだけじゃなくて、その土地についても当時どこのどういうふうな土地がどういうぐあいにして手に入れたらいいかわからないというような状態でございましたので、まあこの辺の土地ならば、信用がおけるだろうというようなことで、あっせんをして差し上げたということはあったように聞いております。現在は、もうこのような仕事は私どもは実はいたしておりません。いままで何件やり、どうであったかという実績は実はただいまここに持ち合わしておりませんから、よく調べました上で、またわかりましたらばお届けしたいと思います。
○田中一君 歴史的にそういう事実があったことを承知しております。しかし、現在やっておらない。国民はこの法律を見て、あっせんしてくれるのだなという誤認をするわけです。建設大臣、方針として土地のあっせん等はいたしませんということに現在なっているそうでありますが、この条文は空文化しているのです。やらないものだったらお消しなさい。そうせぬと、国民は土地のあっせんをしてくれるのだなという誤解をします。なぜこういう点を官僚諸君は残すのか。沢田君、なぜこういう条文を残すのかと言うのですよ、空文化しているものを。これはあえて国民に誤解を生ずるような問題を残しておくなんということは、法律をつくるもののすることじゃないです。実態に即してこれを抹消しなさい。
○政府委員(沢田光英君) ただいま公庫の総裁からお話がございましたように、実際は現在のところやってございません。ただしかし、やはり現在土地の問題は住宅問題の基本的な問題でございまして、たとえば公社がやっております土地、こういうものをあっせんするような事態が出てくれば、これはまた大量に出てくる時点では、それなりに役に立つだろうというような気がしております。したがいまして、こういうものが活用できるような事態を私どもはつくりまして需要者に奉仕をしたい、かような意味で残している次第でございます。
○田中一君 どうも一ぺん提案すると、その辺こだわってどこまでも頑強に抵抗するのがあなた方の癖なんです。それでは、土地のあっせんをしてくださいと申し込んだ場合にはしますか。あるいは四十七年度の予算の上に土地のあっせん、宅地あっせんというものは出ておりますか。
○政府委員(沢田光英君) ただいま申し上げましたように、最近あるいは四十七年度にはございません。しかし、私どもはこういう業務は非常に住宅の建設につきましては役に立つものと思いますので、こういうものを活用する方向に宅地事情を、宅地造成の動作を持っていきたい、かように考えております。
○田中一君 住宅金融公庫は宅地の買いあさりをして、そして、一般大衆にこれをあっせんするのだということになると、また地価を引き上げるということになるのです。仮需要というものは窓口がふえればふえるほど地価は上がるのです。地価の値上がりは、投機的なものと人為的なものなんです。現在のものは。需給がバランスがとれてないのです。だから自然環境をこわし、公害をまき散らし、そうしてまた高ねの花になるということになるのです。こういうものは誤解を生じますから取ってしまいなさい。取ってしまうと、衆議院でそのまま通したものをまた通さぬとごちゃごちゃして国会でもありますからいやですけれども、こういう空文を法律に掲げることは国民に誤解を与えるものです。かりに本年度四十七年度予算の中に宅地供給という、宅地造成あるいは宅地あっせんという面で予算を計上しているとしたらこれは認めましょう。数年来やっておらないというものをなぜここに載せるのか。こういう点はこれからやるのだと思って、やる必要ありませんよ、西村さん。私がこう言うと、しようがない、四十八年度に少し予算をつけようなんて思っちゃ困りますよ。そういうことをするとますます地価が上がってくるのです。この点はどうですか。答弁してください、これは大臣ですよ。
○国務大臣(西村英一君) 別に知恵をつけられたわけではございませんが、そういうあなたのおっしゃることもよくわかりますが、まあそういうこともあるかということで、この条文があるようなんでございまするから、また十分検討もいたしたい。いま直ちにこれを削除するということはどうかと思います。
○田中一君 それではこうしましょう。今回はいいです、しようがないから。しかし将来この点はやる気がないならば削除すること。やる気がないと言っているんだから。またやる気があったら困るんですよ。また地価がその分だけ上がってくるんですよ、むりやりやってくると。公団や公庫までが買い荒らされたんでは住宅公団はそれは困るわけです。大きな資本を持っているんだから、あなたたちは大きな資本を持って人に金を貸すという目的を持っているんでしょう。その目的を達している。どこまでも住宅金融公庫はかつて法律制定当時、困難な時代には土地の入手も取得もあったけれども、いまでは他の機関で宅地造成なり取得はやっているんだ。これはもう原点に立ち返るわけなんですよ。それで住宅宅地に対する融資もいまではない。私の言っているのは、宅地に対する融資制度をきめ、安い土地を取得して、それをお前にあっせんしてやるぞと、こういうことになったならばいざ知らず、そうじゃない。そうすると、これは次期のある機会にはこれを残すということは、必ず予算をつけなければいけないのですよ。残すか抹消するかの方法を考えますと、こういう答弁してもらわぬと、どうもこれではちょっと簡単には引っ込みがつかないんです。
○政府委員(沢田光英君) 田中先生おっしゃいましたように、公庫の住宅が宅地の仮需要に結びつく、こういうことが非常に途中の弊害がございまして、したがいまして、いままで途中でそういうものを切ったと、かようなかっこうでたどりついたことはお説のとおりでございます。しかし仮需要につながらないで、まあ良好な宅地が供給される。そのされるものをあっせんするという方向で、できるだけこういうものを活用したい。たとえば公的な供給公社、その他の造成地、こういうものをあっせんする、こういうものの量が出回りますれば、十分あっせんの業務も出てこようかと思います。したがいまして先生の御趣旨に従がいまして、こういうものが活用できるような方向に検討をいたしたいと思います。
○田中一君 そこで、住宅公団のほうに一つ伺っておきます。 住宅公団は土地をあっせんしてもらうことのほうが多いでしょうね。そうすると、公団はたとえば宅地業者のあっせんによる場合、どんな根拠があってあっせん料を支払っているのか、住宅金融公庫も住宅公団もおのずから宅建業法の適用から除外されていますね。だから業者に対して都知事がきめた料率がありますが、その支払いはどんな基準で行なっているのですか、説明してほしいと思います。
○参考人(島守一君) 先生すでに御承知かと思いますが、住宅公団が土地を取得しますときには、もちろん国有地、公有地の出資それから払い下げ等もございます。しかし、相当部分は一般民有地を買収しているわけでございます。この買収するときに地主さんが公団に申し出られて直接契約する場合がございます。そして、かつてはそういうものが多かったわけでございますが、だんだん建設戸数も多くなりますし、土地の取得が困難になってまいります。 以前におきましては、地主さんが宅建業者、いわゆる不動産業者に地主さんのほうから頼んで、不動産業者が宅建業者が公団に地主さんの代表として持ち込まれた例も相当あったわけでございますが、そういうケースだけでは不十分になりましたので、四十三年に公団としては土地の取得を円滑にするために、積極的に宅地建物取引業務を業としておられる業者でございますが、そういう方にもお願いしようということにしまして、そうして公団で内規をつくりまして正式にあっせん依頼契約を結ぶ。あっせん依頼契約を結んだときに、それが成功した場合には、実際にあっせんが成立した場合には、これこれの手数料をお払いいたしますという契約を結んで依頼しておりまして、これは普通、先方はそれを業としておられる宅地建物取引業者でございます。それと公団とが普通の商取引として契約を結んでいるわけでございます。この公団の取りきめの料率は、不動産取引業法に基づいて建設省で公示されております料金がございます。その料率以下で公団できめております。
○田中一君 それから土地建物、借地権などの融資かしようということになりますね。その融資は本人が申し込んだ額をそのまま容認するのか、あるいはその土地または借地権というものに対して、住宅金融公庫は独自で評価をする、そうしてこれに対して融資をするのか、その点あいまいなわけです。その融資をするという行為、価値が、ことに借地権とかというものは、それは価値があるようなないような、ずいぶんややこしいものなんです。これが申し出人の価額というものをそのまま容認するのか、あるいは一定の基準を持って、これはこれまでならば金を貸してやろうということになるのか、その点を詳細に説明してほしいと思うのです。
○参考人(浅村廉君) 私どもはいかなる場合におきましても、融資をいたしますときは、借り受けを希望される方がおっしゃるのを、ただそのまま対象にしてやるということはいたしません。やはりたとえば土地を購入する場合でも、実際に購入されました額を、その貸し付け対象にはいたさないで、私どもでやはり一つの基準を持っておりまして、その基準によってはじいて出た額を融資額とする。こういうことをすべての貸し付けについてやらせていただいておりますので、この場合についてもそのような考え方でやりたいと考えております。
○田中一君 まあ工事価格が標準になるのは、すべての法律を通じてそういう傾向をとっておりますが、借地権というのは、ことにたとえば新橋の西口のほうで今度再開発でき上がりました。これは利用して得る利益というものは想定されるわけなんですね。だから一体そういう場合には、いろいろ税務署等では価値をきめるには税務署の評定があったとか、利益の度合いとか、そういう面でもって査定しておりますけれども、借地権というものに対する評価というものはどういう方法でやっておりますか。ただ抽象的にそういうものを調べてどうこうということではなくて、組合制度なら組合制度でやっておる場合にどの辺まで加入できるのか、貸してくれなかったらどうにもならぬ。これはどうしても坪三百万なら三百万どうしても見つけてくれ。それで一〇〇のものならば新橋、銀座辺なら大体八〇%ないし八五%が地上権、一五%ないし二〇%が所有権ですというような認定が常識で行なわれておりますけれども、この場合はその点をどこでどう踏み切るのですか。
○参考人(浅村廉君) 借地権の場合の算定というものは、たいへん私はむずかしい問題であると思います。実は土地の購入費、つまり所有権の取得につきましては一平米当たりの単価というもの、価格というものを地域別に私のほうは一つの表で出しております。問題がこの借地権の場合には、ただいまお話がございました場所によっては八五%とか、場所によっては七〇%とかいろいろな見方があろうかと思いますが、そういう具体的な問題につきましては、まあこの際まだきちっとした表はつくっておりません。もちろん、つくらなきゃならないと思いますけれども、私のほうの土地の購入価格に準じまして、そういうものを地域別にはっきりさしておきたいと思っております。
○田中一君 いまのようなケースで、開銀の場合には、一括してその事業は大体見積ってこんなものだと、百五十億かかる、その場合には三十億融資しようということで三十億というワクでもってやって、あとは銀行融資とし、権利の移動についてはまかすという方法をとっているだろうと思いますが、どういうテクニックをお使いになるか、伺っておきたいと思います。
○参考人(澤雄次君) ただいま先生のおっしゃいましたとおり、デベロッパーから総工事費の申し出がございまして、それに対して四割あるいは三割というものを融資いたしておりまして、その権利の調整は権利者間で行なうところにまかせております。
○田中一君 それで住宅金融公庫にもう一点伺います。 大体、再開発をする地域というものは、地上権者、所有権者、営業権まで含むと、これが事業の骨子になる。これは営業権まで入っておりませんが、非常にばく大なものです。一つの土地にへたをすると四人、五人くらい入ってくる、また貸しまた貸しで。そうすると、そういうものに住宅金融公庫が介入してどういう方法をとるかということを考えますと、住宅金融公庫の性格からいって、こうして土地または借地権にも融資をするのだということを示しておるとなかなかむずかしい問題が起きてくるのです。おそらくどういう規定、規則、内規をつくろうとも、融資の規則をつくろうとも、いま開銀のほうで考えられている方法にまさるものはないのです。これは住宅部分に対する融資ということになってもこれは明らかになっております。一階なら地上権というものは一階、借地権というものが一階、二階、三階と見るならば、あとの空間に立体化する場合にはこれに対してはおのずから余剰の空間、建物が生まれてくるわけですから、これはわりあいに簡単にいくわけです。そういうところまで、計画の一つ一つの細部まで融資の対象として評価をしなければならぬということになると、九十五億程度の金でたいへんな人とたいへんな努力がかかる。そんなことをするならば、開銀のほうに九十五億をもっと余分に出しますといってやられたほうがいいのです。というのは、なるべくこっちのほうは安いのだ、七分五厘、こっちは八分二厘だというけれども、その差がないのです。事業を執行する側から見た場合には、その程度の差ではどうにもならないというようなぎりぎりしたところの金を借りたのでは仕事にならないということです。私はいままで全国的に再開発に対していろいろ意見を言ったり援助をしてきておりますけれども、そんな重箱のすみをつつくような金貸しというようなものの金を借りたくないというようなことです、百億か百五十億の仕事をする場合にはね。応対にいとまがないですよ。そんなことでは楽にいかないのですから、どういうことを手法として考えておられるか、いまここで答弁は、むろん法律ができなければできないでしょうけれども、私はそういう非常にやかましい会計検査——開銀だって会計検査が来るだろうと思います。これはワクで貸したんでしょうけれども、あとはその事業主体の経理の内容を調べるのはけっこうですけれども、住宅金融公庫はそうはいかない。となると、相当の手法の困難がある。同時に、事業主体というものは喜んで七分五厘でもって金を借りるかどうかということになると、これは非常に疑問です。九百五十億借りられるならいざ知らずです。九十五億の金を貸したところで、そして住宅公団が行ない得る事業にまで介入するということは、同じことを三度も言いますが、やめたほうがいいと思いますが、建設大臣どうお考えですか。私の言っておることはわかりますか。大体わかりますか。
○国務大臣(西村英一君) 大体わかります。 結局やはり再開発でそんなに柱をわずかな金で立てなくても開銀でもいいじゃないかということで、しかし、これは今度始めた制度ではございませんで、前からあった制度で、今度はやるからには少しぐらい予算をよけいにしてやろうということですけれども、趣旨といたしましては、あなたの言うことはよくわかるわけでございます。それも一本化したらいいじゃないか、そんなわずかな金で、千億や五百億というならいいけれども、九十五億くらいで再開発に何の役目をするのか、これも公庫としてはなるべくやって住宅面を助けたいというそういう気持ちがやはりあるからでございまして、この住宅政策を再検討するときは、やはり一つの問題点であろうと、私はさように考えておるわけでございます。大かたわかります。
○田中一君 いろいろな官僚組織はどうにもならないと思う。自分の守備範囲を、自分のいす、自分の将来を考えると、この自分のものだけはどうしても持っていなければならない。これは日本の政治を悪くしているのは官僚政治です。官僚の——ここにいる人たちはみんないい官僚です。官僚というものは、日本の政治の中で、社会の中で混濁さしておる、濁らして複雑な迷路をつくる。そして、その条文一つでもって人を殺したり生かしたりすることができるというような武器を持っている。行政権を行使する武器を持っている。そういうものがみんな社会を悪くしている。私はもっとすっきりとする方法をとればいいと思う。お互いに持っているところの分野を守るということ——いやこの法律は通すことにきめてあるんですから通しますけれども——次の再検討するときには、この点も十分考えてほしいのです。私が原点に返ってと主張しておるのはそれなんです。たかだか二億か三億の金を借りて酢だコンニャクだ、それが安くていけないと、そんな二百万も地上権払えるかと、これは百五十万なら貸してやる、百三十万なら貸してやるなんていったら、事業主体というものは仕事が遂行できないのですよ。それらの地域というものは、一日働けば三万円でも五万円でも入るという飲み屋もあるのです。また、一日働けば数十万の金が入るというスーパーマーケットもあるでしょうし、貴金属屋もあるでしょう。そんなものでもってごたごたしてやったんでは、事業の完成がおくれるばかりなんです。一ぺんでもそういう発言を、住宅金融公庫あたりが二億、三億貸すために寝言言ったら、もう借りる者はいませんよ。そういうものではないのですよ。削減すれば家がつくれるというものじゃないのです。その意味で、再開発に対する融資というものは住宅公団を使えばいいじゃないですか。住宅公団はそれを仕事としてやっているのだから、金を貸すのは住宅公団に、これは法律的にできるかどうかわからぬけれども、住宅公団に業務を一任しちゃって、そして九十五億は住宅公団に。あるいは開銀にやればいいけれども、一々三億、五億貸すのにどうだこうだ言ったんでは、とうてい事業の遂行はおくれるばかりです。そういう点については、次に住宅金融公庫法を全面的に調べてみようというときに考慮していただくことを、建設大臣、お約束できますか。
○国務大臣(西村英一君) 考慮いたします。
○田中一君 大臣に伺いますが、住宅金融公庫並びに住宅公団あるいは道路公団、首都高速道路公団、阪神道路公団、あるいは水資源公団はどうか知りませんけれども、これらの公団、公庫に対して、どうも労使関係に対して、政府は一々介入しているということを見、また耳に聞いているのです。住宅金融公庫並びに住宅公団、二人ここに総裁がおりますから、業務の運営、職員に対する管理等に対しては一切の権限を両総裁が持っておられるのか、あるいは建設大臣が監督官か監理官かを出して、それがこれらの問題を一々チェックするのか、あるいは給与局長か大蔵省の課長か、これまた一々圧力をかけて、そんな変な一時金を出すならば、予算を減らそうなんてどうかつされて、そのほうに屈しているのか、私はこの際、はっきりとそうしたものを自主的な考え方で解決さすという方法をとってほしいと思うのです。むろん、建設共闘というものがありますから、だからこっちが、管理者の側のほうで建設経団連ですか——経営団体でもって統一見解を持つのは自由ですけれども、ただ政府が一つの機関に対して、いたずらに介入するということはなくさなければならないと思うのです。最後にこれは申し上げるのですが、これが住宅金融公庫並びに住宅公団等々、それらの方々の一致した理解と信頼を生むもとだと私は思うのです。そういう意味でこの際、ことにいまは春闘で大騒ぎをして、住宅公団あたりはきょうやっているらしいですね。そういうことをすっかり排除するために、建設大臣の見解を聞いて、それで私の質問を終わります。
○国務大臣(西村英一君) 政府はそういう組合にみだりに介入するつもりはございません。したがいまして、実際の運営をいたしておる公団等につきましても、そういうような態度で臨んでおるので、政府はみだりに介入はいたすべきものではない、かように考えております。
○委員長(小林武君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小林武君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もなければ討論はないものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小林武君) 御異議ないと認めます。 これより採決に入ります。 住宅金融公庫法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(小林武君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小林武君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。本日はこれにて散会いたします。 午後三時五十七分散会 —————・—————