決算委員会 第12号
- 発言数
- 160 件
- 登壇者
- 30 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1972/05/24
会議録
○委員長(足鹿覺君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る十八日、稲嶺一郎君が委員を辞任され、その補欠として長屋茂君が、十九日、河口陽一君及び竹内藤男君が委員を辞任され、その補欠として高橋邦雄君及び矢野登君が、また、本日、長屋茂君、沢田実君及び前田佳都男君が委員を辞任され、その補欠として河口陽一君、塩出啓典君及び竹内藤男君が、それぞれ選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(足鹿覺君) 昭和四十四年度決算外二件を議題といたします。 本日は、前回に引き続き、締めくくり総括質疑を行ないます。 佐藤総理大臣が出席されましたので、これから総理に対する質疑を行ないます。 なお、理事会におきまして、総理に対する質疑時間は答弁を含めまして百二十分ということに決定いたしておりますので、非常に窮屈ではございますが、御質疑をなされる方並びに答弁をされる総理の御協力をお願いいたします。 それでは、まず私から若干お尋ねをいたします。 昭和四十四年度決算の締めくくり総括質疑にあたり、委員長といたしまして、総理並びに大蔵大臣にお尋ねをいたします。 まずお伺いしたいのは、政府の決算に対する基本姿勢についてであります。国の財政処理は予算に始まり決算に終わるものであり、これら二つは相互に相顧みつつ関連を持って進むべきものと思います。決算の結果を見て、その現実の実績に即して、これを十分予算に反映させる態度で予算を編成すべきものであると考えます。しかるに、今日政府のやっておられますことは、この両者の間がばらばらで、予算の場はぶんどり合いに血道をあげるのに反し、決算になると、これを十分検討もせず、反省を怠る風潮があることは、遺憾に存じます。決算は、現在のところ、遺憾ながら法案の扱いをされていず、いついつまでに上げなければいけないという拘束もありませんから、自然行政庁等の扱いも、予算におけるときほど熱心さが少なく、安易に考えられやすいことは、否定できません。しかし、国民の納めた税金がどのように使われ、効果をあげたかを検討し、予算の効率化をはかるということは、まことに重要な国民全体に対する責務であります。その素材としての決算は、まことに重要であると考えます。 総理は、決算の重要性、予算と決算の関連をどのように御認識なされておられますか、伺いたいのであります。
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま私がおくれてまいりまして、ただいまのようなお尋ねを伺いますと、たいへん、一そうおくれたことをおわびせざるを得ない、その感が強いのであります。 お説にもありますように、予算に始まり決算に終わる、そういう国の財政支出でございますから、これはお説のとおり、決算の結果、次の予算編成に十分それらを参考にすると、こういうことでなければならない。また、そういう意味において、予算の審議同様、決算の審議についても、もっと積極的な協力をしなければならない、かように思う次第でございます。 私は、ただいまの委員長の御意見、これに全面的に賛成であり、本日おくれてまいりましたことを重ねておわびを申し上げまして、所見といたします。
○委員長(足鹿覺君) 決算委員会への総理の出席の問題につきましても、もし総理がただいま述べられましたような基本姿勢でございますならば、今後、単に審査の終末に一度だけ出席するというようなことではなく、必要に応じ随時決算委員会にも御出席を願いまして、国費の有効使用について関心を示されてはいかがと思います。これらの点を含めて、決算に対する総理の今後の態度について、具体的に重ねて御見解をお述べ願いたいと存じます。
○国務大臣(佐藤榮作君) 決算委員会から要望があれば、私はいつも出席をいたしまして、欠席したことはございません。どうか、皆さん方のほうで、委員会の運営について理事諸公とよくお話し合いの上、政府の必要な出席要求、これは当然私どもそれに応ずると、その態度であることを御了承願いたいと思います。
○委員長(足鹿覺君) ただいま、たいへんけっこうな御答弁がございました。今後、必ず御実行願いたいと思います。 次に、予算・決算制度の改革について伺います。 最近、予算の効率的使用ということが叫ばれまして、その対策の一つとして、予算制度の改革、すなわち事業別予算の導入の問題が問題となり、国会でもしばしば議論をされました。これは昭和三十九年の臨時行政調査会の答申でも指摘されております。また、米国で発足しましたPPBS――プランニング・プログラミング・バジェッティング・システム――制度も、その長所取り入れの問題が議論になっています。確かに、在来の明治時代からやってきた予算制度のままでは、この膨大化し、複雑化していく情報化時代の国家行政の処理方法としては不十分ではないか、また予算・決算制度は再検討の時期に来ているのではないかと考えられます。 前述の臨調の答申による事業別予算のやり方を見ましても、いままでの予算、決算が金額のみで表示されていたのを、物量によって計画と実績を対比するように組みかえるべきであると主張しておりますが、確かにこのことは予算制度全体の立て方として重要な点を差し示していると思います。 一例をあげますと、昭和四十二年度から四十六年度までの公共下水道事業について見ますと、予算金額においては一〇九%の消化率を見せており、いかにも実績があがったようなかっこうをし ておりますが、事業効果の物量的で見ますと、排水面積においてわずか予算計画の六一%しか達成されていない結果が出ております。物量による実績批判がいかに重要であるか、金額のみの決算がいかに形式的なごまかしにすぎないかは、この一事を見てもわかります。また、今後各省間で共同して一つの事業を遂行するといったことがだんだんふえてくると思いますが、いままでの各省別、組織割りの予算では円滑な仕事がしにくくなるのではないか、この点についても事業別予算のやり方を示唆するものを持っているように思います。 政府は、これらの予算制度の問題に対し、従来前向きの姿勢で検討するとしばしば言明されてきましたが、今日に至るまで的確な改善策を打ち立てるに至っておらず、せっかくのりっぱな臨調答申も活用されておりません。総理は、これらの問題について今後どのように取り組むお考えでありましょうか、お伺いをいたします。
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま言われますように、事業別審査、あるいはまたPPBS等の導入、これらについても大蔵当局でいろいろ検討しております。これらについては後ほど大蔵大臣からお答えをいたしますが、どうももっと決算がスピード化されなければならないということは、これは御指摘のとおりだと思いますし、また同時に、事情がいろいろ変わったにしろ、もっと事業量そのものは予算に対応し、本来事業量で決定さるべき予算だと、かように思いますから、その本末を誤らないように予算は計上すべきだ、土地が値上がりしたとか、あるいは工法がシールド工法で変わったとか等々の理由をあとになりまして申してもいかぬ、そういうところにこれからの予算編成上にわれわれが反省すべき点があると、かように実は思っておるわけです。ただいま仰せになりました点は、さらに大蔵大臣から補足させます。
○国務大臣(水田三喜男君) 御承知のように、四十二年度の決算に関して国会の議決がございましとでございましたので、四十二年の予算からこれに対する予算措置をとることにいたしました。科学的財務管理方法導入準備調査費というずいぶん長い名前の科目を置きまして、ここに、いままでの実績を申しますと、最初の年が一億、以後この昭和四十七年――本年まで一億三千万ずつの予算を計上して、そうして十九の省庁に担当官及び幹事を置き、また、経済企画庁、防衛庁、建設省、大蔵省、農林省、労働省、運輸省、この七省庁に担当組織を設置して、ここに企画室を設けて、定員約五十名程度置きまして、三、四年間この問題とただいま取り組んでおるところでございます。しかし、御承知のように、従来の予算方式をこれは全く変えてしまうことになることでございまして、単年度主義とか、あるいは会計年度の独立の原則というようなものを全く変えなければ、この事業別予算というものは貫けないということになりますので、これを全面的な実施に移すということについては、非常に、もう少し研究を要するということでございまして、現在、理論的な研究から、あるいは分析手法の開発、修得のための実験とか、要員養成のための研修というようなものを行なって、各省連絡してこの研究をいたしておりますが、なかなか全面的にこの制度を取り入れるというところまでまだ準備が進んでおりませんので、したがって、ただいまのところでは、この制度の長所だけ至急いまの日本の予算制度の中に取り入れるという方向に目標をきめて検討しようということで、そういう方向に向かっております。したがって、そのうちにこの長所だけ取り入れた編成方式ができるのじゃないかというふうに考えております。しかし、そこまでは待てませんので、ただいまお話がございましたような、この決算を物量で表示するというような問題については、これはどうしても必要なことでございますので、この四十四年度から、決算の説明につきまして、その点の改善を全部加えまして、予算と対比予算の説明では御承知のような項目で説明がなされておりますが、これに対応して数量的にそういうものを示すと、そうして長期計画の達成ぐあいがどうなっているかも示すということで、予算の編成に取り入れられないかわりに、全貌がわかるようなとりあえず改善策だけは決算の説明そのほかにおいて順次取り入れていこうということで、四十四年度の決算の説明からそういうふうにした次第でございますが、御承知のように、たとえば住宅政策といっても、一般会計の住宅費は千五百億円で、財政投融資が一兆円以上ということになりますと、この予算審議だけでは、予算書だけではなかなかその全貌がわかりません。民間の建設ぐあい、地方の公営事業、それから政府事業というようなものの全貌がわかりませんし、また住宅費でも補助金は別に補助金として出ておりますので、こういうものが全部一緒に全貌が説明されるということでしたら、予算編成にそういう形の取り入れ方がなくても、予算審議については全貌がわかるというようなことになりますので、そういう点についても逐次もう改善を加えながら、そうしてやはり予算制度の中へとにかく取り入れるということについて、さらに一段の研究をしたいというふうに考えております。
○委員長(足鹿覺君) 時間がありませんので、私も一項目省略をいたしますが、決算処理のスピード化の問題であります。先ほど総理の御答弁の中にも一部お触れをいただきましたが、さらにこの点について申し上げて御答弁を承りたいと思います。 最近世の中のすべてがスピーディになっているにかかわりませず、政府の決算処理のやり方を見ておりますと、戦中戦後の一時期と一つも変わらない悠長な処理のしかたをやっておられるようであり、時代の流れに即応することを欠いておるのではないかと思います。年度予算の執行が終わって、それをまとめて各省が大蔵省に決算報告書を期が十一月三十日までとなっており、国会に出してくるのが年度末の通常国会冒頭であり、いかにも時代にふさわしくないタイミングであろうと思います。これはそろばん万能の時代の実態のままで、計算機の発達した今日の情報化時代には全く即応しておりません。決算もその予算執行の段階の時期となるべく接近をさせる、これが今日的重大な課題と言わなければなりません。したがって、その取り扱い、次の予算の編成に反映せしめるための重要な裏づけとして決算を役立たせるためには、もっと手っ取り早く処理することが必要ではないか。われわれはいま四十四年度決算の審議を終えようとしておりますが、予算はすでに四十七年度に入っておるのが現状であります。政府は、この点にかんがみ、財政法並びに予算決算及び会計令等に規定された決算作成のタイミングを早めるための法改正をすみやかに検討する御意思がありますかどうか、総理並びに大蔵大臣より簡明率直に御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(水田三喜男君) 会計検査院に提出する時期が十一月の三十日ということになっておりますが、いまこれを一カ月半早めて十月に提出することにしておりますので、この点はかなり早まっておりますが、各省庁からの報告を七月の末までにとるということを早めることがいまのところ実際的にはむずかしいということで、この期日を早めることはなかなかできないのじゃないかと思います。しかしながら、いま各省で会計事務の機械化について共同でいろいろ研究をしている最中でございますので、これができましたらあるいは七月三十一日を早めることができるのじゃないかというので、とにかくいまの形じゃなくて、会計事務のもう全面的な機械化をやろうという計画を政府部内で持っておりますので、これと関連して見込みがついたときには、これを早める立法措置も可能であるというふうに考えますが、いま現在のところでは、各省のどの意見をお聞きしましても、ちょうど予算の編成から国会の審議中、いろいろの一番各省とも多忙なときに入っておりますので、これを七月末までに出すことはむずかしいというのがいまの現状でございます。
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま大蔵大臣から詳細に説明をいたしましたが、御承知のように、十月末ということで法律は一応なっております。まあ各決算委員会におきましても、たびたび、この点が少しおそいのじゃないか、かような御指摘がありました。そこで、政府もずいぶん督励をしてただいまの一カ月半ばかり繰り上げた、そうして決算の審査に役立つようにし、同時にまたそれが予算編成にも役立つように実はしておるわけであります。ただいまの状況のもとにおきまして、直ちにこれを立法化することがいいかどうかと、かように考えますが、十分皆さん方の御意見は実際の問題としてはこれは取り入れられておる。そういうことで、早くなっておりますから、その点は御了承いただきたいと思います。また、各省から大蔵省へ出てくる、これが七月、明らかに予算編成には役立っようになっておりますから、そこらも御了承いただきたいと思います。もっと定着したら、その暁で立法化することにちっともやぶさかではございません。
○委員長(足鹿覺君) まだほかにたくさん質問事項を用意しておりましたが、時間がなくなりましたので、最後に総理に伺いますが、本委員会は本日全会一致をもってこのあとで決算に関する政府への警告事項に対し警告案を議決する予定になっております。この警告事項に対しまして、すでに御承知であろうと存じますが、総括的な所信と申しますか、総理のお心組みをお伺いいたしまして、この警告事項が徹底されるように全力をあげていただきたいと思いますが、御所信を承って私の質問を終わることにいたします。
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいまの決算の結果、これは各省とも大事にしなければなりません。また、この決算で指摘される不正不当、そういうような事項について、そういうものが繰り返えされてはならない、これは当然でございます。しかし、なかなか、取り扱っている範囲も非常に広い、抜き検査にしろやはりそういう事項が数点あげられる、こういうことでいろいろ警告事項として指摘されておるのであります。私など昔の官僚、属僚から見ますと、やっぱり検査を受けることによりましてずいぶん行政事務は改善されつつある、かように考えますが、しかしその上にも、これはやはり国民の税を使っている、こういうようなことから申しまして、もっときびしい処断があってしかるべきだ、かように実は痛感するのであります。おそらくこの席にもそれぞれ昔に各省に勤務された方がいらっしゃる。それらの方々は、やはり会計検査を受けるという場合に、その心組み、これはいまもなお変わらないと、かように思います。したがって、これから後に皆さんのほうから警告事項としてそういうことが出ますから、これはただいま私がとやかく申し上げるわけのものでもございませんけれども、私は、決算の性格上、厳正に国の予算は施行されなければならない、効率的に施行されなければならない、不正不当な行為があってはいかぬ、このことは厳に強く戒めるべきことだ、かように思いますので、よく周知徹底するようにいたしたい、かように思います。
○委員長(足鹿覺君) 質問者並びに答弁をなさる総理、大蔵大臣にお願いいたしますが、質疑をなるべく簡潔にして予定時間で終わりたいと思いますので、御協力をお願いいたします。
○小谷守君 四十四年度の決算を点検したわけでありますが、まず第一に総理に申し上げたいことは、この決算を点検をしました会計検査院の報告意見にも出ておりますように、数多くの不当事項、不法事項が指摘をされております。私は、これは一ことばで言って、綱紀の乱れであると申し上げても言い過ぎでないと思います。佐藤内閣は七年七カ月の長期政権を誇っておられるのでありますが、考えてみますと、三十九年十一月九日第一次佐藤内閣の発足以来今日までの閣僚の延べ人数は百四十九人と承るのであります。私は、いま各省にあらわれておる綱紀の乱れというものは、よく考えてみますというと、総理の旗本であるところの閣僚の中に、その心がまえの中に大きな原因がひそんでおるのではなかろうか、このように思われてなりません。七年数カ月の御在任中、放言、失言、こういう不謹慎な事由によりまして職を離れた閣僚の数も数多くありました。私はいまそれらの一々をここであげつらおうとは思いませんが、最近特に苦々しく思いますることは、いわゆるポスト佐藤ということをめぐって有力な閣僚の中に暗躍が続けられておるという事実であります。夜ごと料亭にたむろして画策をする、仄聞をするところによりますると黄白も乱れ飛んでおる、このようなことを聞くのであります。苦々しい限りではございませんか。この国事多端なときに、総理の旗本であるところの閣僚の中に、国事を忘れてこのようなことに狂奔する姿について、閣僚の統率の責任ある佐藤総理はどのような御所見をお持ちでございましょうか。私は、綱紀の乱れの根源は閣僚にある、こう申し上げたいのでありますが、総理の御所見はいかがでございます
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま、私の総理在任中に、もうすでに百四十九名の大臣をつくった、こういう御指摘を伺いました。ずいぶん数多くの閣僚ができたなあと感じたのでございます。その際に、やはり閣僚になる人は、これは何と申しましても言動を慎まなければならない、これはすべての国民から監視されておる、かように実は思いますし、ただいまの、綱紀のもとは閣僚にあると、かような御指摘は、私しごくごもっともだと。そういう意味でつくづく感じますのは、いままでも放言、失言等によってその職を去った人がいる。これは私は、個人的には許されましても、どうも閣僚であるという立場においては、かような失言、放言、これは許されない。 また、ただいま、ポスト佐藤をめぐって云々だと、こういうお話がございますが、私はよもやさようなことがあろうとは思いませんけれども、私の耳にもいろいろうわさが入ってまいります。私は、そういうことで、党員を実は厳に戒めておる、そういう最中でございます。ただいまのようなお話を聞けば、なおさらそういうことのないように、国民から政治不信を招くことのないように、私ども努力をしなければならないと思います。政党の問題ではない、政治に関する問題だと、かように考えますので、事柄はまことに重大だと、かように思っておりまして、厳に戒める決意でございます。御了承願いたいと思います。
○小谷守君 総理の率直な御答弁でございますから、この問題はこれ以上追及がましいことは控えたいと思います。 会計検査院が数多くの不当指摘をいたしておりますが、私はこれに関連をして、会計検査院の検査と申しますのは、総理御承知のように、事象にいたしまして約七%でありますから、不当、不法と申しましても、その数はまさに氷山の一角でございましょう。そこで、私は一つのことを提言をいたしたいのであります。それは、行政府において今日では自主監査体制というものを急がれる必要があるのではなかろうか、こういう点でございます。特にその重点は、最近二つの点を重視しなくてはならぬと思います。その一つは、防衛庁であります。三次防から四次防へ、そしてまた、兵器の国産化、多様化、複雑化、これと防衛産業との癒着、こういう懸念が深うございます。予算の量的な増大とともに、兵器、装具、糧秣、たいへんなことだと思います。私は、この点に対して会計検査院が一件の不当指摘もしていないということは、会計検査院のたいへんな怠慢であると存じますが、この決算委員会におきましても、ずいぶん防衛庁の問題につきましては多くの疑念、疑惑が出てまいっております。その一々についてここでおさらいはいたしませんが、行政府自身において自主監査の体制を強化される必要があろうと思います。 いま一つは、公共事業であります。今日、いま議題になっております四十四年度決算はもとより、五年、六年、七年、逐年公共事業の量は増大をいたしてまいっております。とりわけ全公共事業の七割を占める建設省関係の業務執行というものはたいへんだと思います。今日大手の建設業者間においては、入札において談合はもうあたりまえのようになっておる。工事の手抜き、これも数多く出てまいっております。これらについて徹底した自主監査体制というものをぜひ確立する必要があると痛感をいたすのでありますが、総理の御所見はいかがでございますか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 自主監査を積極的にやれとおっしゃる、これは私も賛成でございます。政府自身が会計検査院という制度を持っておりますし、行管を持っておる、これでおわかりだと思います。また、各省それぞれが監察制度を持っておる。こういうことでありますから、内閣そのものといたしましても、一つの監察の制度があるし、また各省にも監察の制度がある。それがいわゆる自主監察であると、かように私考えております。これをもっと徹底しないことには、会計検査院の検査が実施される範囲は、ただいま言われるようにわずか七%でございますから、これは氷山の一角、それにもならない感じがいたしますので、もっと積極的に自主監査をする必要がある、かように思います。 ところで、ただいま防衛庁の監査という問題について、産軍癒着の心配があるように御指摘でございます。私は、ただいま日本の防衛庁が使っておる武器、これは特殊な状況のもとにおいてつくられておる、かように実は思っております。なぜそう言うかと申せば、いわゆる日本の自衛隊のみが使う。外国に輸出するとか、そういうような産業形態ではございません。むしろ非常に金目なものは外国から購入する、アメリカから飛行機は購入する、こういうような状態でございますから、ただいまの状況では――船を日本がつくる、これはまあ造船が進んでおるからでございます。そういうようなことで、私は、いわゆる他の国におけるような産軍癒着、その現象は日本の自衛隊においては起こらないものだと、本質的によほど違う、かように実は考えますが、それにいたしましても、この自衛隊の果たす任務、同時にまた国民の負担、これを考えると、もっと厳正にやって、そしてただいま言われるような産軍癒着というようなことであってはならない、その点は厳に戒めなければならぬ、かように思いますので、ただいま小谷君の御指摘のように、そういう意味においては、もっと積極的に、会計検査院にも頼んで、はっきりやっていただきたいと思います。私は、おそらくこれは、自主監査より以上に会計検査のほうで積極的に取り組まないとこういう問題は明らかにならないのではないか、信用ができない、こういうようなお気持ちも多分にありゃしないか、かように思います。会計検査そのものが根幹ではあるが、しかし、全体をやはり会計検査の示すような方向で自主監査をする、これは御指摘のとおり行なうべきことだと、かように思います。 次に、いわゆる公共事業についての御指摘がございました。確かに量は非常にふえている、こういう状態でございますから、この面でいろいろ問題が、疑念が起こる。ことに工事入札は競争入札ということがたてまえにはなっておるけれども、どうも談合が行なわれておるんじゃないか。大手業者の談合、こういうことがもしもあれば、これはもちろん、会計検査院が指摘するばかりでなくて、これは全体の信用に関する問題だし、そういうことでとうとい国民の負担が使用される、こういうことがあってはならない、かように思いますので、私の経験から申せば、いまの談合という点については、建設当局ももちろん厳重にこれを監視しているので、私はさような点はないと、かように思っておりますが、さらにそういうことがあれば、これはひとつ気をつけて、一そうそういう意味での自主監査の方向でありたいと思います。 また、工事の手抜きという御指摘がありました。私は、いままでも会計検査院がしばしば、一たん行なった工事、その手抜きがあるかどうかということで、掘り返してまで実はそれらのものを検査しておる、そういう事例に過去においてもぶつかっておりますが、そういうことがないように、最近起こる事故、そういうものが工事の手抜きの結果だと、かようにも言われておりますから、なおさら、ただいまのような工事自身が膨大化する、こういう状況のもとにおいては厳に戒むべきことは、御指摘のとおりの点だと、かように思いますので、そういう意味で、ただいま御指摘になりましたような点は、ただいまは私だけですけれども、建設当局にも十分これらの点がわかるように、徹底するように、また防衛庁に対しまする御注意もよく理解されるように、この上とも徹底さすつもりでございます。
○小谷守君 私は、この一年間、四十四年度の会計を点検して、一つの問題に突き当たりました。きょう短い時間ですから、私は総理と基本的に見解の分かれる問題を持ち出してすれ違いを繰り返そうとは思いません。いまから申し上げる問題はすれ違いにはならぬ問題だと思いますから、総理もそのおつもりでひとつ御答弁を願いたいと思うんでありますが、ラスキという政治学者が非常に味わいの深いことばを言い残しております。「一つの国の政治のよしあしはどこを見ればわかるか、それは老いたる者を見よ、幼き者を見よ、この二つを見るならば政治のよしあしを判断できる」、こういうことを言い残しておりますが、非常に含蓄の深い見解だと思います。そこで私は、この一年間、年寄りはどうなっておるか、子供たちはどうなっておるか、こういうことを中心に点検をしてまいったつもりであります。そこで発見しました問題であります。いま全国で養護老人ホーム、その数は、施設の数で八百十カ所、収容されておる方々は六万八百十二人でございます。かって、養老院に入るような者は心がけが悪いからだ、そういう者になってはならぬというふうな発言をして、その職を追われた大臣がございましたが、これらの方々は、明治、大正、昭和を生き抜いて、今日人生の旅路の果てともいうべき終末において、身寄りたよりがなくてこの施設に身を寄せておる気の毒な方々でありますが、何とこれらの方々の一日の食費というものが、三度の食事の予算単価というものを調べてみますというと、一日わずか百九十五円六十七銭であります。これで朝昼晩三度の食事を過ごさなければなりません。私はいろんな施設の予算単価を調べてみました。くしくもこの百九十五円という数字は、警察庁のほうを調べてみますというと、警察に留置中の留置人の食費と一緒であります。総理、私は留置場の留置人の食事は安くてもかまわぬと言っておるのではありません。これも人権上の問題があります。いずれも安いのでありますが、これらの寄るべのないお年寄りを収容する養護老人ホームの食費が、警察留置中の留置人と一緒である百九十五円。いまラーメン一ぱい議員食堂で食いましても百五十円ですよ。総理、一体どういうことでございましょう。経済大国といわれながら、あなたは福祉国家ということを御提唱になっておりますけれども、これが福祉国家の老人の処遇でございましょうか。私はこの事実を見まして何とも言えぬ暗たんとした気持ちになりましたが、総理のお考えはいかがでございますか。
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま、老人並びに子供、こういう待遇、そうして政治のよしあしを見ると、かように言われる。これは私はしごくもっともだと思います。そこで、ただいまの養護老人ホームの食費がいかにも少ない、これで私も十分だと言っておるわけじゃございません。これもさらにもっと私どもは手厚い処置ができれば、それにこしたことはございません。また、もっとそういう方向でやるべきだと、かように思っております。まあことしなどは、わずかではありますが、昨年に比べてやはり引き上げる。これもまあ、物価の値上がりであまり変化がないような引き上げの状態ですから、これで楽になったとは言いません。だからまあ、ただいま御指摘になるように、この点についてもっと政府が積極的な姿勢を示せ、かような御鞭撻のことばと私は受け取りたいのであります。福祉国家建設のための施設にはいろいろな問題があります。ただいま医療制度についてもいろいろ皆さんの御審議をいただいておる最中だと思いますが、同時にただいまのような老人ホームの施設にいる人たちのためにもつと望みのあるような状態にすべきだ、私もしたいものだと、かようには思いますが、どうも十分にできなかった、かように思いますので、これはことしはことしとして、また将来の問題としてこの問題を積極的に取り組む、このことをひとつ大蔵当局にも十分考えるように、また厚生省にも考えるように、そうして御期待に沿うようにいたしたいものだと、かように思います。
○小谷守君 趣旨はわかった、これから努力するというふうな、総理、なまぬるいことじゃ困ると思うんですよ。こういう問題こそ決断をしていただかなければ困ると思います。先進国といわれる国々の中で調べてみますというと、これは最低です、比較になりません。またこれ、どれほどの金がかかりますか、いま申し上げましたように六万八百十二人、これを倍額にかりにするとしましても、私の試算では四十四、五億の財源をもって足るわけであります。まあこれから検討して何とかというふうななまぬるいことでは困ると思うんであります。総理がいつ御勇退になるか私は存じませんが、在任中にこの問題は決着をつけると、こういう確たる言明をちょうだいしたいと思いますが、いかがでございますか。
○国務大臣(佐藤榮作君) これは、いわゆる金額的な、非常にわかりいいラーメン一ぱい百五十円というようなお話をされますが、老人の摂取カロリーその他の計算を基礎にして、そしてやはり適正な金額は一応出しておる、かように思っております。しかし、もっと余裕のあるものにしろと、こういうことではないかと思いますので、そういう意味で検討すべきことだと、たいへんなまぬるいようでございますが、ただいまの段階は予算ができたばかりでありますし、この際にどうこうしろ、こういうことは、やや決算委員会にいたしましても、私に対する要望は少し強過ぎやしないかと、かように思いますけれども、それはお許しを得て、次の予算編成の際にはさらに考慮しろと、こういうように御意見を拝聴したということで御了承いただきたいと思います。
○小谷守君 私は、七年七カ月の総理の御在任中に、最後にいいことをされたという語り草を残しておやめになることがよかろう、こういうことから声を大きくして申し上げておるわけであります。ぜひひとつこれはお考え願いたいと思います。時間がまいりましたので、これで終わります。
○石本茂君 私は、いただきました非常に短い時間の中で、二つのことにつきまして総理の御所見を伺いたいと存じます。 総理は、常に福祉国家ということを強調されておりますし、特に人間の命を大切にする政治をと申されておりまして、今日諸般の政策の中でそのことを深く意図され、施策の具体的な面で徐々にその成果を見るに至っておりますけれども、まだまだ多くを満たすところにはいっておりません。 そこで、お伺い申したいと思います第一点は、社会福祉に関することでございます。たとえば例を、老人のこと、子供のこと、心身障害者のこと、病人、特に難病等に苦しむ人々への対策などにつきまして、かゆいところに手を届けるなんということは非常にほど遠うございまして、痛いところにも容易に手を届けることのできないような状態に置かれているのが今日の実態でございます。そのために、この対象になる人方はもちろんでございますが、それらの人々をお世話し、保護し、あるいは指導の任に当たっております人々並びに国民の皆さまの間にも、不信を訴える声が非常に大きく出ておるのでございます。一足飛びに事はなるとは思いませんけれども、今日のような事態に対しまして総理は一体どのようにお考えあそばされておりますか、お伺いを申し上げたいと存じます。
○国務大臣(佐藤榮作君) 人間尊重、もちろん申すまでもなく、生命を大事にすることだと思っております。どうもこれが、いわゆる社会保障の面でもいろいろ言われますが、また夏が来る、水で死ぬる人、山で死ぬる人、さらにいまのモータリゼーション、そういうことから交通禍で死ぬる人、これはたいへん多いようですね。私は、国ももちろん施設の面で十二分に努力はいたしますが、まずみずからの生命を大事にすることを考えてくれないことには、ただいまのような事故の絶滅はおろか、それを減らすことすらできないのではないかと思っております。私は、自動車事故で生命を奪われる、これを何とか減少させたいものだ、こういうことでずいぶん毎年努力してまいりました。しかし、最近ときに自動車の増加のわりには事故の件数がふえないので、やや喜んでおりますが、いま申し上げるような、水で死亡する、あるいは山で死亡する、これもずいぶん乱暴な行為から引き起こされる災害であります。なくなられた方はもちろんのことたいへんお気の毒ですが、そのために社会的にもこれはたいへんな問題を引き起こしております。私は、そういうことはお互いにやはり基本的な問題として、人命尊重にもっと徹すべきではないだろうか、かように思うのであります。また、政府自身がそういう面について施設としてなすべきこと、これは積極的な態度でこういうものに臨まなければならないと思っております。最近も、けさの新聞でしたか、死亡者に対して国家が弔慰金を出す、こういうような記事も見ますが、私は、そういうことは、取りかえしのつかない事故でありますだけに、生命を大事にするということは、政府、国ももちろんのことですが、当の本人御自身からやはりそこに気をつけていただかないことにはどうも直らないのではないか、かように思っております。また一そういう意味で、積極的に私はこれらの点についてもつとやるべきことがあるのじゃないか。ことに、政府が取り締まり得ることは、施設をどうこうする、あるいはガードレールをつくる、あるいは歩道橋をつくる、そういうことは楽です。しかしまあ、最近のように多様化してくると、麻薬の取り締まりはどうする、幻覚剤はどういうふうにするかとか、私どもがなさなければならない範囲は非常に拡大してきたと思います。その際に、やっぱり個人個人もそれに協力する、こういう態度が望ましいような気がいたします。どうも時間がないので……。
○石本茂君 それでは、たいへん時間が短こうございますが、もう一つ、これは総理のいまお答えの中にあったように思いますが、災害防止に関することでございまして、今日大都市におきましては、建物など日に日に空高くそびえ建ってまいりますし、その反面地の底を目ざしましてますます深く掘り下げられたいわゆる地階とか地下街、そういうところに拡張されていきます中で働く人々、あるいはそこを通行している人々、そういう方々の数は、東京でも、聞くところによりますと、ざっと一日に約五百万人をこえる人方だと、通行してみたり働いてみたりというのを含めましてそう聞いているところでございます。これは非常に卑近なことを言いまして、もう言うべきことじゃないかわかりませんが、先ごろ大阪の千日前ビルで起きました火災、結果が非常に思いがけないくらい大きな災害がありましたというのは、人命が多く失なわれていったわけでございますが、いまもしこういうような災害等があの地下で深夜以外の時間にあったとしたら、これはとても考えるだけでも何か想像に絶するものがあるのじゃないかというような、これは愚鈍なものの考えかわかりませんが、するのでございます。もちろん、これらの災害対策等につきましては、すぐ所管の官庁におかれましては十二分に検討もされ、対処もされていると信じているのでございますが、現在のような指導の体制あるいは管理体制などでよろしいのでございますかどうか、その近をひとつ簡単に総理のお考えを承っておきたいと思います。
○国務大臣(佐藤榮作君) 御承知のように、千日前の不幸な事故、さらにまたついせんだっては韓国のソウルにおける火災、その前には大阪のガス爆発等々、たいへんな災害を惹起しておる。いま御指摘になりました、地下街でもしも火を吹いたら一体どうなるのか、これはたいへんな事態であると、かように思います。私は、最近の発展もさることながら、そういう防災についての努力が十分払われておるかどうか、これは総点検をすべきその時期に来ているんじゃないか、かように思って、ただいまのような関係省、またお互いに連携をとりまして、これらについても対策を立てる、かようなことで洗い直すということじゃないと十分な効果があがらないのじゃないかというふうに思っております。
○石本茂君 どうもありがとうございました。 私は、最後に総理にお願いをしたいのでございますが、国民の一人一人、置かれております環境はどうありましょうとも、ひとしく生きるという喜びを持ちまして、そして明るい希望に満ちましたあすの生活が営まれますように、さらに一そうのすばらしい政策の御推進方を衷心からお願い申し上げまして、私の質問を終わります。特にお願いでございますから。弱く、そして貧しく、恵まれない人々はたくさんおりますので、この人方のための福祉の増強のほうを特に御配慮いただきたいと思います。 以上で終わります。どうもありがとうございました。
○国務大臣(佐藤榮作君) 石本さんは別に私の答弁を求められませんが、ただいま、施設の人々に対する福祉の問題、もう一つ他の表現をするならば、生きがいを感ずる、こういうあり方をぜひとも施設の人々にも与える、これをやはり政治の面から考える、こういうお話だと思います。そういうことで、われわれも微力ながらそういう方向の努力をすべきだと、かように思っております。
○中尾辰義君 総理の引退の時期もおそらくだいぶ近づいてきたような空気でありますけれども、私は、きょうは、戦時中に旧軍が瀬戸内海はじめいろいろなところに投棄いたしました毒ガスの処理の問題並びにその毒ガスによって被害を受けましたところの被害者の救済等の処置につきましてお伺いをいたしますので、どうかひとつ、最後の答弁になるかもしれませんが、温情ある答弁をお願いをしたいと、このように要望して質問に入ります。 そこで、戦時中に旧陸軍が毒ガスを製造しておりました広島県の大久野島周辺が、いまはもう島全体が国民休暇村になっておると、このように聞いております。この国民休暇村は、指定されたのが三十五年、それから三十八年から一般開放され、現在では京阪神をはじめ全国から、海水浴のシーズンになりますというと、日曜日なんかは一日に約六千名も観光客が来ておると、こういうような状態なんですね。ところが、最近、大久野島海水浴場の造成現場におきまして、びらん性のイペリットと見られる毒ガスが地中から吹き出した、そして付近におりましたところの作業員が六、七人顔などに相当激しい痛みを覚え被害を受けた、こういうような事件もあったわけですが、戦時中に大久野島の毒ガス製造工場でつくられました毒ガスのボンベあるいはドラムかん入りのイペリット、ルイサイト、こういうような毒ガスが、戦後米軍の手によって大久野島周辺からあるいは愛媛県の大三島周辺の海中に大量に投棄をされた。なお、きょうの新聞にも出ておりますけれども、これは別府湾に旧海軍の命令によって大量の毒ガスが投棄された、この事実も出ておりますけれども、こういうことで、これまでも三十数回も毒ガスの中毒事故が報道もされておるわけであります。そして多くの被害者を出しておる。ところが、今日までの政府のとってきた態度はどうか。これはもう、一部のもののほかは、ほとんど放棄されたような状態になっておるわけであります。 それで、ここに地元からの要望書もありますけれども、私はこの要望書を中心に質疑をしてまいりたいと思うのです。 それは、「広島県大久野島において戦時中毒ガスを製造していたのは、日本政府である。したがって、毒ガスの後始末は国が責任をもってやるべきである。大久野島毒ガス工場で働いていた人ですでになくなった方達の死因について調査した広島大学の西本教授等の報告によれば、呼吸器系統のガンで死亡した人が多く、その比率は一般の四十倍であることが明らかにされている。これをみても毒ガス工場で働いた人が毒ガスの被害を受けていることは明らかである。にもかかわらず今日までの国の態度は、無責任であったといわざるをえない。今回の大久野島における毒ガス事件を契機として、国は今迄の姿勢をあらため、毒ガス問題の処理に万全の措置をとるよう強く要望する。」、このように来ておりますので、最初にこのことについて総理の見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(佐藤榮作君) まあ、だいぶん戦時中からたっておりますので、ただいまの処理も、戦後の処理の状況はなかなか明確でないと思いますが、しかしわかったものはこれはもう政府の責任において処理する、これは当然だと思います。したがいまして、ただいまの大久野島の問題などは、これは国民休暇村と、こういうことで、多数の海水浴客も迎えておる。そういう場所でただいまのようなことは、たいへんなことだ、かように思います。環境庁自身を中心にいたしまして、十分対策をとりたいと思います。私も実は瀬戸内海沿岸の――まあ沿岸ではございませんけれども、たいへん近くから出ておるのでございますし、また子供の際は、ずいぶん遠方から海水浴に来ておる、こういう状況を見た。あのきれいな海が、最近はたいへんよごれております。これはまあ工場汚水、こういうようなこともありますが、よほど変わってきておりますけれども、どうしても瀬戸内海を昔のような瀬戸内海に返したい、こういう念願もございます。ただいま、それにさらに輪をかけたような、汚濁の問題ではなしに、毒ガス自身の問題が出てきておる、こういうことでありまするが、これについての取り組み方といたしましては、私、他のだれでも同じだと思いますが、ことに内海の出身者である私としては、ぜひともそういう危険が除かれるように、この上とも努力する決意でございます。
○中尾辰義君 そこで、今日まで地元の漁業協同組合等が懸命に、水産庁、あるいは防衛庁・自衛隊等にも、その毒ガスの沈んだやつ、その掃海撤去に対しまして何回となく陳情をしておるわけですけれども、全くこれが回答がなく、ほとほと往生しておるわけです。そしてたまたま漁業をやるとき網にひっかかってきて、そしてやけどしたり、いろいろと被害を受ける。そこで、国としてそういうような海底に投棄されたものを撤去する省庁というものがはっきりしておらないような気もするわけですけれども、これは一体担当省庁というのはどこになっておりますのか、その辺ひとつ明確にしてください。
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま、漁業に関することなら農林省、こういうことですが、ただいまのような問題はむしろ環境庁を中心にやるほうが本筋ではないかと私は思います。もちろん漁業の関係ですから農林省とも十分協議はしなければならないと思いますけれども、両者、さらにまた防衛庁も不発弾の処理と関係がありますから、関係省はずいぶんあるように思います。しかし、環境庁自身がやはり音頭をとることが望ましいんじゃないか、かように思います。ただいまの底びきで相当程度はきれいになろうかと思いますけれども、それも積極性を欠くと、幾ら沿岸住民がそういう要望を出しても動いてくれないと、こういうようなことがありますから、やはり責任官庁としては環境庁が責任を持ってこの問題と取り組む、関係ある農林省や防衛庁はひとつ積極的に協力してくれと、こういうように働きかけないと問題が進まないと私は思います。
○塩出啓典君 ちょっと関連で。 いま総理は、環境庁が今後中心でやっていくというお話でございますが、毒ガス処理の問題は、あと中尾委員から質問がありますように、やはり健康被害の問題もあるわけですね。そういう点で、健康被害だと厚生省と、しかもいま救済しているのは大蔵省の旧令共済と、非常にまとまってないわけですね。今後、だから、環境庁ならば環境庁のどことはっきりきめて、そこがやはり、戦後の毒ガスがどのくらい残ったか、それがどういう処理をされたと、人体にどういう影響を及ぼしているか、そういうような実態を今後ともやはり環境庁が責任を持ってやると、そのように判断をしていいわけですね。いま大久野島に環境庁が行っておりますが、これは国民体暇村だから行っておるにすぎないわけなんですよ。これがもし海だったら、私有地であれば、担当するところがないわけですよね。そういう点で、今後毒ガス問題は環境庁が担当するということならば、その体制をひとつ総理の責任でもってつくってもらいたい。
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいまのところは所管官庁がないというのが、これが正しいお答えかと思います。しかしながら、こういう問題が起これば、どこか責任を持って、中心になって処理していかなきゃいかぬ、かように思うのでございまして、私は、関係する省庁が非常に多い、やはり音頭をとるのは環境庁だと、その作業自身は環境庁はやらないにいたしましても、積極的な姿勢を示す、それで各省はこれに協力する、こういうことが望ましいのではないかと、かように思っております。実はこの場に来て私の所感をただいまぶつけておるわけでありますから、これから私が帰りまして、各省と環境庁を呼んでそういう命令を下さないと、なかなか各省の協力を得られないと、かように思いますので、その辺は誤解のないようにお願いしておきたいと思います。私は、一番好ましいのは、環境庁でやるべきだろうと、かように思います。そうしてその関係は、いまもおっしゃるように、厚生省もあるし、なかなか複雑で、あるいは子供の関係もあるから、文部省もやはり海水浴場として調べるとかなんとか、いろいろありましょう。関係各省の協力を得ないとこの問題は実をあげないと、かように思います。十分ひとつ実効のあがるような処置をとりたいと、かように思います。
○中尾辰君 大体、終戦後二十七年になっているんですね、いまごろ総理が、環境庁中心にやろうじゃないかと、こういう姿勢がどうもおかしいのであって、その点ですね、あなたは得々としてそこで答弁していらっしゃいますけれども、聞いているほうから言うと、これはおかしな感じがするんですからね。あなたに、実はおやめになる総理大臣にこういうことを言うても、あと実行性がどうだ、私も疑わざるを得ませんが、どうかひとつこの問題はぴしっと取り上げて申し送ってもらいたいと思います。お願いします。 それで、毒ガスの投棄の問題は、新聞等の報ずるところによりますと、けさも、別府湾に旧陸海軍が落としておると、あるいは銚子沖にも一部あるようなふうに聞いておりますし、そういうことで、この際に毒ガスの日本沿岸周辺の総点検というようなこともあるいは必要じゃないかと思うのですが、その点いかがですか。
○国務大臣(佐藤榮作君) やめるやめる言ってですよ、盛んに言われて、たいへんな問題を投げかけられるようで、こんなことは次の総理に聞かれたらどうかと、こう答えたいくらいな気持ちがいたしますから、そこらはひとつ、あまりそう言わないで、私がいる間は私に聞くと、責任を持ってくれと、こういうことで御鞭撻をいただきたいと・思います。 私は、必要があれば、ただいまの問題は総点検すべきだろう、かように思います。ことに海軍関係、あるいは陸軍の基地、そういうところでは特にこの危険があるだろうと思います。そういうものを、佐世保だとか、あるいは舞鶴だとか等々、あるいはまた北海道でも、そういうところについてやはり調査する必要があるだろう、かように思います。ただいまたいへん時宜を得た御指摘がございましたが、これは私はよく、引き継ぐというだけじゃなしに、ただいまから命じていくつもりでございます。
○中尾辰義君 あまり時間がありませんので、もう一つの問題、この毒ガスの作業中あるいは引き揚げに際しいろんな被害を受けていらっしゃる、そういう人の救済の措置につきまして、一括して、私はこういう事情になっておるということを申し上げますから、それについてひとつ御答弁願いたいと思います。 一つは、現在政府による救済措置としては、大久野島毒ガス工場の元従業員で旧令の共済組合に加入をしていた人のみが、一応この措置によって、不十分ではありますけれども、救済措置がなされておるわけです。ところが、毒ガス工場で働きながら旧令の共済組合に加入していない学徒動員、あるいは女子挺身隊員、あるいは試工員――試工員というのは、工場勤務をして二カ月は試工員で正式工員ではない、そういう人たちですが、そういうような人が被害を受けながら全く放置をされておる問題。それから二番目は、戦後、毒ガスの海洋投棄作業に従事した人、大久野島における国民休暇村建設作業に従事した人、また海洋投棄された毒ガスボンベを網にひっかけた漁民等の中でも毒ガスの被害を受けておる人、こういう人がまた放置をされておるわけです。三番目は、戦時中、毒ガスを使用しての訓練に参加した元軍人の中にも被害を受け、苦しんで、そして現在まで放置をされておる。それから四番目が、現在行なわれておりまする旧令の共済による救済措置として、PR活動が全くなされておらない、そしてまたその指定病院も広島県内にしかなく、遠く広島県外に散らばっておる人は、旧令共済組合であっても全く放置されておる、まあこういうような事実ですね。ですから、旧令の共済組合によるところの救済措置以外のこの救われない人たち、こういう人たちに対するところの救済法というものを当然考えるべきじゃないか。あなたが最初おっしゃったように、この毒ガスの投棄問題、それに対するところの被害の問題等については、当然国が責任をとるとおっしゃったわけですから、当然、この元従業員だけでなしに、関係して被害を受けられたこういう人たちも非常に困っておるわけでありますから、こういう人たちに対するあたたかい手を伸ばすべきではないか。これは要望でもありますので、お答えを願いたいと思います。
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいまの諸点について、私は実情を明らかにしておりませんが、本来国、政府が責任を持って処理すべき問題だと、かように考えますし、またPRをもっと徹底さして、かような気の毒な方々に何ら救いの手を差し伸べられない、そのまま放任されないように政府は努力すべきである、かように考えますが、私からも、厚生省が所管だと思いますが、よく話をしておきます。 なお、いま文書を持っていらっしゃるようですから、それをひとつぜひ私に一部下さい。
○中尾辰義君 持っていきます。
○国務大臣(佐藤榮作君) どうぞよろしく御協力を願いたいと思います。ありがとうございます。
○萩原幽香子君 私の好きなことばに、「一期一会」というのがございます。いま会っていることが最後と心得て最善を尽くせということでございます。私は決して佐藤総理がいますぐ私たちとお別れするということを考えて申し上げているのではございません。一期一会の精神で、どうぞきょうはひとつ最善のお答えをちょうだいしたいと、こう考える次第でございます。 総理は、昭和三十九年、池田内閣のあとを受けて政権の座にお着きになりましたときの所信表明の中で、社会開発と人間尊重を政治の目標にすることを明らかにされておりますが、現在までの七年有余を顧みて、どれだけその所信を実現されたとお考えになりますか。特に人間尊重という面で、誇るべき成果があがったとお考えになるでございましょうか、まずその点についてお伺いを申し上げたいと存じます。
○国務大臣(佐藤榮作君) 私は、別に答弁を辞退するつもりはございません、どこまでも総理としてお答えいたしますので、さようにお聞き取りをいただきたいと思います。 ところで、私が申し上げます人間尊重、あるいは社会開発、これは二つとも一つの私の政治目標であります。なかなかしかし、事柄はわずか八字ですけれども、そう簡単なものではございません。私はこういう考え方が定着することが何よりも大事なことだと思います。御承知のように、物質的になり、また経済発展にばかり心が注がれる、そういう際に最も大事なことは、経済成長はそれこそ何といってもこれは手段であります。目的、これはどこまでも人間にある。そういうことを考えると、この目的と手段を誤らないようにしなければならない、こういうことで私が政治の目標を立てたわけです。それが一体どれだけ実現できたか、こういうお尋ねでございます。私は、そういうことは皆さん方が評価されるので、佐藤はあんなに言ったけれどもちっともできていないじゃないか、こう言う方もあろうと思います。あるいはある方は、佐藤があれを言った、やはりそういう面にも目を向けるようになった、これからだんだん中身が備わっていくだろう、こう言う方もあるように思います。これは御批判は皆さん方におまかせすべきことだと思います。
○萩原幽香子君 私は総理が非常に経済成長を遂げてくださったことは認めますけれども、それとはうらはらに各方面にひずみがあらわれ、ことに心の貧しい人間が育ち過ぎた、このままでいきますならば国の内外を問わず不幸な状態になるということは言を待たないと私は評価をしているところでございます。そこで、いまこの状態から抜け出て、国民一人一人が主体性を持って行動し、人間性の回復をはかるためには、まず教育に待たねばならないと考えます。特に生涯教育に大きな役割りを持つ社会教育を進めることこそ緊急のことと考えますが、総理のお考えはいかがでございましょう。
○国務大臣(佐藤榮作君) 完全に同感でございます。
○萩原幽香子君 ところで総理、その重大な使命を持つ社会教育費は、本年文部省予算の中でどれほどの比率を占めているか、御存じでございましょうか。
○政府委員(今村武俊君) 社会教育局所管の文部省予算に占める割合は、〇・六五%でございます。
○萩原幽香子君 文部省予算が、私は必ずしも十分だとは考えておりません。にもかかわらず、さらにその〇・六五%というのは、一体どういう予算でございましょうか。しかも、社会教育を進める上で一番大事な人件費が、全く措置がされていない状態でございます。義務教育の人件費は国の負担率二分の一で、その額は一兆二千億、それに対して社会教育費はわずかに一億四千四百万、いわゆる学校教育の人件費に比べて九千分の一、こういうわけでございます。これで社会教育の振興をはかれと言っても、無理だというふうにお考えにはなりませんか。総理、いかがでございましょょう。
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま、文部省に出てきた予算、それだけでごらんになっていわゆる生涯教育、これを私は、文部省にだけその生涯教育をまかせてある、かようには考えておりません。私はやはり、各省に、いわゆる生涯教育、こういう立場においてそれぞれの予算が盛られている、かように御理解をいただきたいと思います。 それではこういう予算を抽出したらどうなるか、こういうようなお話が出てくるかもわかりませんけれども、これはなかなかむずかしいことであります。私が申し上げるまでもなく、何といっても、社会保障制度のもとにおいて、やはり人間尊重、こういう関係で生涯教育は行なわれておる。また、社会教育といわれる限りにおいて、これは文部省が担当するばかりでなく、あるいは通産省の場合においても、訓練を通じてそういうような訓練もしております。そういうことを考えなければならぬ。やはり農林省にもそういう面がある。そういう見方をやはりしていただくというのが私は望ましいことではないだろうかと、あえて萩原君とこの辺の見方は違っておる、こういうことを御説明申し上げたいと思います。
○萩原幽香子君 しかし総理、そういうふうにおっしゃいましても、やはり社会教育を進展させるということは、豊かな人間性を育てる上で非常に大事なことになることは、総理も私はお認めになるだろうと思うのです。 そこで、私はたくさん言いたいのですが、時間がございませんから多くを申しません。しかしまあ、何と申しましても、社会教育に専念する人の人件費が絶無に近いということについては、総理は責任を感じていただかなければならないと私は思います。一事が万事で、わが国の社会教育費は欧米諸国に比べて非常に立ちおくれていることは事実でございます。 そこで総理にお伺いしますけれども、これ先ごろ図書館協会から出された白書でございます。ごらんになりましたでしょうか。
○国務大臣(佐藤榮作君) いや、見ておりません。
○萩原幽香子君 それは、ごらんいただかないと、大臣、いまのようなことになってしまうわけなんでございますね。 そこで、これを見ますと、昭和四十四年度決算で公立図書館の書籍購入費はわずか十五億円。ということは、一人当たり十五円でございます。それに対しまして、同年度の書籍・雑誌売り上げ高は五千三百三十億円。そうしますというと、国や地方公共団体の市民サービスはその三百五十五分の一ということになるわけでございます。これに対しまして国際比較を見ますと、これも詳しく申し上げる時間がございませんが、図書館蔵書冊数では一位のデンマークの三・四冊に比べて日本は〇・二六冊、いわゆる十三分の一。それから貸し出し冊数では、一位のイギリスに比べて、イギリスの八・五冊に対して日本では〇・一八冊でございますから、四十七分の一という低さでございます。こうしたいまの国の現状から考えますときに、非常に重要な役割りを占める社会教育費がこのような零細な予算しか組まれていないというのは、予算編成が常に前年度予算に対する伸び率をもってもっぱら評価の基準とされていることに私は問題があるのではないかと思います。国民の要望に照らして適当かいなかを考えられなければほんとうの意味の予算編成にはならないのではないか、私はこう考えるわけでございますが、総理、こういう状態で文化国家ということが言えるだろうかどうだろうか、ひとつお伺いをいたしたいと存じます。
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいまの点は、私もさように思います。伸び率だけ見たってしようがない。だから、もっと施設に――たいへんいい例を出されました、図書館、この施設を整備しろ、かようにおっしゃることは、たいへん私も賛成であります。また、そういうところに力を入れなきゃならないと思っております。 そこで私は、いま中央における、都会における図書館の整備もさることながら、やはり地方における、農山村における公民館等を中心にしての図書館の整備といいますか、図書館とまではいかなくとも、図書の整備がだんだん進んできた、そうしてずいぶんこの統計の上に出てこないような読まれ方をしておる、こういうことを実は私は指摘したいのであります。私はやはり、地方に参りましても、図書館らしいものがそれぞれだんだんできつつある。しかし、その図書館が三十万冊以上のりっぱな図書館の形をしているとは思いませんけれども、しかし小さなものでも、やはり本を通じてお互いが話し合う、あるいはグループで、相互で、これはなかなかおもしろいからというようなことで回覧している、これが必ずしもいわゆる週刊誌ばかりでもございません、ずいぶんいろいろの本が読まれてきている、こういうことは望ましいことじゃないか、かように思いますので、こういう芽ばえをわれわれは助けていく、もっと助長していく、こういうことで力をかすようにいたしたい、かように思います。これが、ただいま言われるように、どうも文部省の所管の予算がいかにも少ない、こういうことである。しかし、これも各省にやはりそれぞれまたがっておりますから、そういうものもやはり抽出すべきだと思います。
○萩原幽香子君 総理、私は六年余り社会教育という仕事についてきた人間でございますけれども、先ほどおっしゃいますように、いわゆるこの図書館にいたしましても、いろいろな苦労をしながら住民たちはやっているわけでございます。 そこで、まずその移動公民館の問題もございましょう。そのいわゆる住みついた図書館でなくても、移動公民館であれ、いろいろな形で本を読もうとしている動きというものが出てきていると思うんです。週休二日制ということになりましても、いわゆるそういったところで勉強もし、話しもするということによって、いわゆる人間性の回復ということも可能になるのではないか、私はそういうふうに考えているわけなのでございます。たまたま大蔵省がおいででございますから伺いますけれども、あなたはいま民主社会建設に果たす社会教育の役割りというものをどのようにお考えになっているでございましょうか。
○政府委員(船田譲君) 私自分も学校の教師出身でございまして、学校図書館運動は昭和二十六年からやっております。 そういった経験から感じますことは、何と申しましても戦後日本の教育はまず学校教育の復興充実から手をつけなければならなかったというような歴史的な事実がございます。しかし、最近におきまして、かなり、義務教育施設にいたしましても、あるいは後期中等教育、高等教育につきましても、整ってまいりましたので、これから先、国の文教政策に重点を置くべきものは、いま先生が御指摘になられましたように、社会教育にあろうと思います。 さて、その図書館問題でございますけれども、確かに地方の公共図書館に対しますところの国の助成の総額も少のうございますし、一件に対するところの割合も少のうございます。また、図書一冊の購入単価も、毎年多少の改定は行なわれておりますけれども、実情になかなか追いつかないということは事実でございます。今後も私どもは十分その点に留意をいたしてまいりたいと存じます。
○萩原幽香子君 大蔵省、十分聞いておいていただかなければいけないわけなんですがね。たとえば二億円もかけてつくっている「少年自然の家」の助成金が、昭和四十六年度では千五百万しか出ていないわけなんです。そして、いまの図書館の問題でございますけれども、図書館建設の補助金は、昭和四十六年度では全国の図書館に対する補助金全額が九千万しか出てないんです。こういつたような状態の中で社会教育は進められているわけなんです。こういうことについて、大蔵省としてはもう少し考えていただかなければいけないのではないかと思います。 かりにまあ、社会教育局の予算が出たときに、大蔵省が査定をなさるときに、これじゃどうも生涯教育の中核になる社会教育の予算としては少ないではないかと、ここらあたりもう少しふやしたらどうかといったようなお話を大蔵省されたことございますでしょうか。
○政府委員(船田譲君) 本年度の、昭和四十七年度の予算の編成にあたりましても、私は出身が文教関係でございますから、相当我田引水的なことも申しました。しかし、力足らずして先生の言われるような域に達しませんことは、たいへん残念に思っておりまするけれども、今後も十分心してまいりたいと、こう思っております。
○萩原幽香子君 まあ、時間がなくなりましたから、とにもかくにも社会教育というものに対して、もう少し従来の発想から発想転換をしていただかなければならない時期が来ているということをお考えいただきたいと存じます。そこで、学校教育と同程度の予算を持つようにお考えをいただきたいと考えるわけでございますが、この実現こそほんとうの意味における福祉国家建設への最短距離にもなる、私はそのように考えております。 こういうことで、総理が十分お考えをいただきまして、総理に有終の美を飾っていただきたいと考えるわけでございますが、総理の御見解はいかがでございましょう。
○国務大臣(佐藤榮作君) いろいろ、萩原君からるる御意見を述べられました。私も非常に胸を打たれたものもあります。私は毎年、総理になりましてから、沖繩のいわゆる豆記者諸君と会います。その豆記者諸君が一番先に要望したものは何か。本土の学校では図書室がそれぞれ整備されている、沖繩には図書室がない、これが一番残念です、早くつくってください。もう一つは、運動施設、運動場、そういうものの整備が非常におくれておる、これはやはりプールをぜひつくるように、こういうような要望が出て、私は意外なところに国民の要望があるんだなと。ただいま萩原君は、図書館の問題をひっさげていろいろ政府を追及されましたけれども、私はいわゆる豆記者諸君にずいぶん、もう五年ばかりになりますか、そういう意味で図書館整備の急務を実は痛感したものであります。私は、そういう意味で、文部省もいろいろ努力をし、わずかではあるがそれぞれ図書館が整備されつつある、かように実は思っておる次第でございます。しかし、もっと、最近の図書館の――都市における図書館、この利用者の程度が先ほどは非常に少ないというお話でありましたけれども、最近の図書館の利用はふえております。どうも余席がない、そういうことで読めない、こういうような苦情も出ております。それらのことも考えながら、十分図書館が利用され得るように、また蔵書等の整理等につきましても、もっと見やすい方法で引き出せるような、そういう処置もとる必要があると考えておりますが、私はくふうすべき点はずいぶんあるだろうと思いますが、大事な点でありますし、ことに生涯教育、これが最も大事なことであり、国をよくする基本だと、かように私も考えますので、その点において抜かりがないように、これは私どもの責任だと、かように思います。私は所見を簡単に申し上げました。お尋ねの諸点、これまた同感の意を表しまして、ありがとうございました。
○萩原幽香子君 ぜひお願いをいたします。ありがとうございました。終わります。
○塚田大願君 私は総理に終戦処理の問題につきまして二、三質問をしたいと思いますが、最初にごく簡単に私は、今日まで戦後二十七年たちましたが、この戦後という問題の認識について総理に伺いたいと思うのです。総理は、先般、沖繩の返還なくして戦後は終わらないんだと、こういうことをおっしゃいました。つまり、沖繩が帰れば日本の戦後は一応終わるんだという趣旨のお話だったと思うのでありますが、さて沖繩協定は五月十五日発効いたしました。しかし、この復帰した沖繩が今日どのような状態になっているのか。御承知のとおり、ベトナムの戦争の激化によりまして、沖繩にあります米軍基地は今日騒然たる状態であることはもう一般の常識であります。B52が飛んでくる、KCの空中給油が行なわれる、まことにこれは国会でも問題になっておる。また、国内の基地を見ましても、やはり横田、岩国をはじめ、広島の弾薬庫の輸送、あるいは横須賀、佐世保の軍艦入港の問題、日本の基地が米軍の自由出撃の基地になっておるではないかという疑問も今日国民の中には広がっておる。こういう状態の中で、特に沖繩は、復帰はしたけれども、いわゆる復帰インフレで物価は高騰して、たいへん沖繩の県民は苦しんでおる。こういう状態を幾つか見ましたときに、総理はなおかつこれで戦後は終わったんだというふうな御認識に立っておられるのかどうか、私はまずその認識のしかたについて一言総理にお伺いしたいと思うのであります。
○国務大臣(佐藤榮作君) 実は私も、戦後は終わったと、かように言うのは、言い過ぎだと思います。実は戦後はこれから始まったような気がしてならないのです。実は、五月十五日にはたして沖繩の返還の式典を行なうことができるかどうか、私自身非常に心配したんでございます。御承知のように、私とニクソン大統領との間には、ベトナム条項のある沖繩返還協定を結んだのでありますが、時あたかも北ベトナム、これはなかなか困難な状況になりました。私は、十五日、これが済むまではその点に触れませんでしたが、実は非常に心配をしたのであります。しかし、幸いにしてアグニュー副大統領がニクソン大統領のかわりとして出てきてくれて、そして式典を十五日に行なうことができた。ベトナムはたいへん火を吹いておるけれども、沖繩は幸いにして祖国復帰をはばまれることなしに、祖国復帰ができた、こういう状況だから、一そう沖繩の戦後、これをひとつりっぱな県づくりにもう一度私どもの考え方をふるい起こしてこれと取り組まなきゃならない、実はかように思っておる次第であります。私は、沖繩のベトナム条項が皆さんから指摘されて、ずいぶん非難も受けた。しかし、そのことを触れることなしに、十五日に祖国復帰を実現することができて、私は一安心をいたしております。しかし、祖国との隔絶、これはずいぶん長い期間でありましたので、私は、沖繩の方々を迎えるにあたりましても、積極的にわれわれが沖繩県民の、この同胞の労苦に報いるその気持ちがなければならないし、またその意味において、もっとわれわれが積極的に沖繩の経済状態にも思いをいたし、また県民の生活状態にも思いをいたして、そうしてこれをもっと引き上げることに努力しなければならない、かように考えております。この戦後が終わったという表現が、これでもうよろしいんだ、あとは自治にまかすんだ、かような無責任な考え方は私は持つことができません。私は、沖繩の方々の戦中、戦後を通じての労苦を考えるとき、さらに積極的に本土一丸となってあたたかく迎えようじゃないか、かように私は呼びかけたいのであります。どうかそういう意味で御理解いただきたいと思います。
○塚田大願君 まあ、戦後は終わったというふうに必ずしも言い切れないと総理はおっしゃるわけですが、沖繩ではとにかくこれから長い戦後が始まるんだと沖繩の人たちは言っていらっしゃるんですね。それからまた、これは沖繩だけでなくして、今度の国会でも問題になりましたが、たとえば横井庄一さんの問題、あるいは敵前逃亡罪の汚名を受けた方々の問題、やはりこういう問題が次から次に出てくる、こういうふうに考えますと、戦後処理というものがもう片づいたんだというふうにはとてもあれからいっても考えられないわけであります。 そこで、私はきょうは非常に短い時間でございますので、この戦後処理の問題がどんなふうになったかということをお聞きしたいのですが、先ほど中尾委員から例の旧陸海軍のイペリットガス弾の問題が出ましたが、私は戦時中に米軍が投下いたしました不発弾の問題を実は去る十七日のこの当委員会で質問をいたしました。江崎防衛庁長官、渡海自治大臣も出席していただきまして、この問題について御質問申し上げたのですが、そのイペリット弾の問題もさることながら、今日この不発弾も非常に深刻な問題なんです。東京都内でも数千発から数万発あるだろうと言われるぐらい問題になっている。最近もうあそこの、多摩のほうやなんかではかなり発掘されている。こういうことで、非常に地方公共団体としても深刻な問題になっている。地域住民としても重要な問題になっておりまして、いろいろこの問題についても陳情があるわけでありますけれども、ところが、先ほどもお話が出ましたが、この不発弾の場合でも、国の責任が明確でない、所管官庁も明確でない。しかし、現実に爆弾が出れば、これはほうっておけないから、地方自治体が、一発三百万円くらい、あるいは五百万円もかかると言われておりますけれども、とにかく数百万円の金をかけて発掘をしている。ところが、政府は何にもこれを見てくれないというので、各市町村あるいは区の連合体で盛んに陳情に来ております。もともとこの問題は、二十七年、三十三年に四省庁の通達が出ているわけでありますけれども、これは総理御存じかどうか知りませんが、通産省、自治省、警察、それから自衛隊――防衛庁、こういうふうに出ているのですが、とにかく全然その責任の体制がわからない。それで、この間も特別区の区長会あるいは多摩の市長会などが総理大臣あてに直訴をしてきているんですね、去年です。それでもなおかつ、今日その責任の所在がわからないというので、私この間この委員会で質問いたしました。防衛庁長官も、自治大臣も、どうもいままで、非常にその点では閣内の不統一もあって、意思の不統一があって、どこが責任とるということを明確にしていなかった、たいへん申しわけがなかった、だが、これはひとつ閣内で意思統一してやりますと、こういうお話でございました。私はその前向きの姿勢を大いに評価いたしました。しかし、ところが、先ほどの中尾委員の質問で、総理大臣の御答弁を聞きますと、どうもイペリットの場合には環境庁じゃないか、あるいは農林省じゃないかというふうにおっしゃるんですが、この通達を見ると、そんなふうにあっちこっち行かなくても、かなり明確になっておるんです。しかも、二十七年の通達では、近く立法措置もとるということをちゃんと言っておられた。ところが、いまだにやってない。二十年です、今日まで。二十七年の通達。そういう実態を見ましたときに、先ほどの総理の答弁は、たいへん私勉強不足の感を持ったんですが、しかし、それでも、いまからでもおそくないと思うんです。まあ任期のことは私申しませんよ。とにかく総理として責任を持ってこれを処理していただく。国の責任を明確にする。そしてその所管官庁を明確にする。そしてそのためには予算の裏づけをつけて――問題は予算なんですよ。予算がどこにもないから、結局みんな逃げて、たらい回しにしている、こういうことでございますが、その点について、私は再度、このイペリットの問題、不発爆弾の問題を含めまして、ひとつ総理のはっきりした御答弁をもう一度お伺いしたいと思います。
○国務大臣(佐藤榮作君) さっき毒ガスについて私答えたばかりでありますが、いまそれを変えるつもりはございません。 また、いまの不発弾の処理については、これはどうしてもやっぱり処理としては自衛隊の協力を得なきやならぬ、かように思いますけれども、その負担個所といたしましては、ここに明示されておるように、それぞれきまっておる、かように理解してもいいんじゃないか。私は、自衛隊自身がやっぱりその処理に当たる、警察よりも自衛隊のほうが適当だと、かように思います。
○塚田大願君 では、時間ございませんから、次に進みます。 いまの点では、内閣総理大臣として、ぜひ責任を持って、こういう二十七年もたちましたこの戦後の、戦時中の落とし子の問題ですから、これはやっぱり早く解決していただきたい。そして人心の安定をひとつはかっていただきたいと思うんです。 次に、もう一つお伺いしたいのは、この占領下にありましたときに、アメリカに接収されました公文書その他の資料の問題でございます。 これも、私、今年の三月に当決算委員会で御質問申し上げたわけであります。とにかく、占領下においてかなり膨大な政府の公文書資料がアメリカに渡っておる。そして、その内容やその他についてはもう時間がありませんから申し上げませんが、とにかくワシントンのアメリカ議会図書館以下その他幾つかの図書館に日本の公文書あるいはマル秘文書が公開されているわけです。で、数で言いますと、官本だけで約二十八万――三十万冊ぐらい、あるいはその他の資料は何万点あるかわからない。中には、佐藤総理の実兄であられる岸信介当時の商工大臣なんかの資料まで、調査書までがそこに含まれておる、こういう問題であります。 そこで、まあ委員会で私この問題を質問いたしました。外務省は、平和条約で請求権は放棄しているから、直接これを返還しろということは無理だけれども、しかし、話し合いでこれは返してもらうことができるし、またそういう感触を持っておる、こういうお話でございました。また、国会図書館でも、大体そういうふうな話し合いで進めたい、こういうお話があったわけです。ところが、その後二カ月たちまして、この間、私、外務省と国会図書館その他に聞きましたら、こういう返事なんですね。国会図書館では、それはどうも国立公文書館の所管だから、今度そっちへ話してくれと、こういうお話。そこで国立公文書館に電話をしましたら、これは外務省の所管だから、外務省に聞いてくれと、こういうお話。外務省へ聞きましたら、この間も答弁をいたしましたけれども、とにかくその後何もやっておりません、しかし、やっぱりこれは所管は国立公文書館の所管でございますから、そっちへお話をしてくれ。結局、ぐるぐる回って、どこにも責任がやはり明確でない。この委員会でああいう答弁があったにもかかわらず、こういうふうにやっぱり責任が回避されまして、所管が明確でない。そういうことから、せっかくの大切な国の重要文書が依然としてアメリカに行ったまんまそのめどがつかないという状態では、私はやっぱり国益を守ることはできない。そういう意味で、この問題もやはり終戦処理の私は重要な一つの一環だろうと思うので、ぜひ、総理大臣として、そういう政府機関内の意思を統一していただいて、ひとつ早急に解決をしていただくようにお願いしたいと思うんです。
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいまの問題は、日本国内で所管を持ちますのが、自分がどうしようというのがどうも出てこない、とんでもないというおしかりですが、まあ大体、外国に関する事柄、外国と関係のものは、やはり外務省が積極的にやるべきが本筋であると私は理解をいたします。 そこで、外務省、いわゆる権利として云々ではなくて、ただいまのような必要のものは幾らでも、そのもの自身でなくっても、日本に必要なコピーは幾らでも取れますから、日本は日本として必要なんだからと、こういうことで、コピーを取らしてくれと、ただいま公開をしているというだけに一そうそういうことは取りやすいことだと、かように思いますし、私は、いまの塚田君の言われること、これはもっとわれわれも積極的に、さきの大戦の記録をつくる、そういう意味で資料を大事にする、当然だと思いますので、外務省にひとつ努力をするようにしてもらいます。
○野末和彦君 初めに総理にお伺いしますが、総理は、日本歌手協会というのを御存じですか。歌い手の協会です。
○国務大臣(佐藤榮作君) よく知っております。
○野末和彦君 それでは、続けて三問お聞きをします。 五月十五日に沖繩が本土に復帰しまして、まあ総理は感涙にむせばれたというようなお話を聞きましたけれども、復帰後の事情は、何か新聞で見るなり、それから私にも友だちから手紙が来たんですが、そう単純に喜んでおるような甘い状態ではないらしいですね、経済的混乱が起きていると。そこで、総理口癖の豊かな沖繩県づくり、この大事を後継者に託すためにも、私は、この際、総理が沖繩視察に行くべきではないかと、そういうふうに考えるわけですね。机にすわって一片の指示を与えるというだけでは、やはり血の通った政治にはならない。先ほども豆記者の話が出ましたけれども、やはり総理みずから、予定を変えても、沖繩に、現地に飛んで、県民のなまの訴えを聞く、実情を確める、こういう機動性のある、きめのこまかい配慮というものを県民は待っていると思うわけですね。 そこで、第一問は、総理の沖繩視察こそが県民の労苦に報いる血の通った誠意のある政治だと私は思うんですが、総理はお出かけになる意思があるかどうか、これが第一問ですね。 第二問は、先日私の予算委員会の質問に対するお答えで、総理は重税感がないようなことを言われた。総理の申告所得は千六百万そこそこです。これはいかにしても少ないと思うんですね。ある雑誌では、総理のむすこさんまでがあれは少な過ぎるというようなことをおっしゃっている。そうすると、総理を含めて、政治家のいわゆる所得というものは非常に不明朗ではないかと国民が不信と疑惑を持っていますから、国民の納税意欲というものに水をさすと、そう私は考えるんですね。そこで、総理の場合にも、申告額から税金を引きました収入でどうも伝えられるような生活はできるとは思えない。何かないしょの金があって、税務署に申告しない金がたくさんあるんじゃないかと国民が思っている。そこで、国民の不信と疑惑にこたえるために、ほかの政治家に率先して、総理みずからが、新聞またはテレビ、そういうもので家計のすべてを公開して裸になる義務があるんじゃないかと私は思う。あなたが仲のいいニクソン大統領だって公開しましたから、家計のすべてを。プライバシーはだめとおっしゃるかもしれませんが、家計の公開ぐらいはこれはプライバシーのうちに入らないし、政治家にプライバシーがあるとも思えないんですね、国民から選ばれている一国の総理ですから。そこで、物価とか地価の安定、そういうものに対する対策は、これはむずかしいし、総理は無策かもしれないけれども、裸になるくらい、これは楽にできる、こういうふうに思うわけですね。私ももちろん公開してもかまいません。そこで二問は、この際総理は家計のすべてを公開して国民の疑惑にこたえる意思があるかどうか、それをお聞かせ願いたい。 それから三つ目は、先ほど出ました日本歌手協会ですが、これは長いこと総理はここの顧問をやっておられるわけですが、この協会は歌い手の協会で、歌手の利益と権利と名誉を守ると、こういうことになっていますね。いま社団法人を申請中なんですが、こういう芸能団体の顧問になること、これは自由ですからかまわないと思いますが、しかし、どうせ名前をかすなら、もっと気のきいた社会的意義のある団体があると思うんですね。交通遺児の育英会でもけっこうですし、あるいは公害病患者の権利を守る、そういうふうな会でもけっこうです。やはり総理の名前というのはもっと重たいんで、歌い手の協会に顧問として麗麗しく名を連ねる、これは一国の総理としてみずから権威を落とす、安っぽくすると私は判断する、少なくとも国益には何のプラスもないと。そこで、こういうものは作家かあるいは社長の道楽にまかしておけばいいんですね。どうも自民党の先生方は芸能人が好きらしいですね。中曽根さんは何か音楽事業者協会の会長とかで、これはまた芸能人プロのちょうちん持ちですよね、この会は。総理もパーティーをやるたびに芸能人を呼んでニコニコしてらっしゃいますが、こういうのは老化現象ですから、引退してならやっていいと思うんです。ほんとうに引退してからやるべきことだと思うんです。そこで総理、こういう、プライバシーかもしれませんが、芸能人の団体の顧問に名を連ねるということは、決して国民に対して誇り得べきことではないので、ひとつそういうことはお粗末だからやめるべきがほんとうではないかと私は思います。これについての御意見を聞かせていただきたい。 以上三問です。
○国務大臣(佐藤榮作君) 沖繩は、私はぜひ行きたい、かように思っておりますが、ただいまのところ、私のやめる時期もきまらないし、それでいり行くと、こういうことを申せるわけではございません。また、案外早くきまると、選挙に行ったのではないかという批判もありますから、これもなかなかむずかしいのです。行きたいことはそのとおりでございますし、また、みずからこの目で見ろ、かようにおっしゃる。ことに先島は、私はぜひ見たいと、かように思っております。これは簡単ではありますけれどもお答えをしておきます。 第二点、公開の問題ですが、私の所得、これは別に事業をやっておりませんから、私の収入、これは非常にわかりいいわけであります。総理としての月給、あるいはまた議員としての給与、これはダブって取っておらぬですよ。これは、差額だけはもらいますけれども、ダブっては取らない。さらにまた、野末君みたいにときどきテレビに引っぱり出されますから、そういうような雑収入、そういうものが全部出ておりますから、これは私がやるというよりも、経理士というか、そこらでやってくれているようです。その内容は明らかになっている。別に隠してはおりません。子供が何と言おうが、私は天地に誓って決してうそは言っていない、明らかにございません。これを公表するにやぶさかではございません。これははっきりしております。でありますし、総理自身が申告の義務を怠っている、そうして事実に反することをやっている、かようなことがもしもあったら、それこそ政治がくずれます。私はさようなことはいたさない。これは私責任を持ってお答えもできるし、そのとおり御理解いただきたい、その点をはっきり申し上げておきます。 第三点は、日本歌手協会でございます。これはずいぶん昔の協会でございますから、いまのような新しい問題ではございません。これは古い昔、いま言われるように、引退してから後でもよさそうなことだが、そういうつき合いをしておる。これはたしかいま病気になっている東海林さんらとやっておる、かように御理解いただきたいし、また集まられる方も、最近のような若い人気歌手はおりません。女の方もみんな年とっている方ばかりですし、私が協会の顧問になっているということは、私も御指摘で初めて知ったのですが、別に給料は取っておらないです。その程度のものでございますから、これはあまり問題になさらないでいいのではないか。私にもやはりつき合いがありますし、昔の歌は――昔は私も歌いました、いまは歌いませんけれども。渡辺はま子君の「支那の夜」なんか、ときどきこれらの人たちが集まって歌うという程度のことであります。これらはいま問題になっているようなことではない。このごろの人気歌手の集まりでないことだけは言っておきます。
○野末和彦君 それで、三番目はとにかくとしまして、沖繩視察の実現と私生活の公表は、ぜひ期待しておきます。私も一緒に行動を共にしたいと思っております。どうもありがとうございました。
○委員長(足鹿覺君) 他に御発言がなければ、昭和四十四年度決算外二件に対する質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(足鹿覺君) 御異議ないと認めます。 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。 午後零時四十八分休憩 ―――――・――――― 午後一時三十七分開会
○委員長(足鹿覺君) 委員会を再開いたします。 昭和四十五年度一般会計国庫債務負担行為総調書(その2)、昭和四十五年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)外三件、昭和四十六年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)外二件、以上八件を一括して議題といたします。 まず、これらの概要説明を聴取いたします。船田大蔵政務次官。
○政府委員(船田譲君) ただいま議題となりました昭和四十五年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)外三件の事後承諾を求める件につきまして、その概要を御説明申し上げます。 まず、昭和四十五年度一般会計予備費につきましては、その予算額は一千億円であり、このうち、財政法第三十五条(予備費の管理及び使用)の規定により、昭和四十五年五月一日から同年十二月二十二日までの間において使用を決定いたしました金額は八百七十三億六千三百九十四万円余であり、すでに第六十五回国会にその事後承諾を求める件として提出いたしまして、御承諾を得たところでありますが、その後、昭和四十六年一月二十五日から同年三月二十七日までの間において使用を決定いたしました金額は百二十六億三千四百四十六万円余であります。 その内訳は、災害対策費として、河川等災害復旧事業等に必要な経費等の十九件、その他の経費として国民年金事業に対する国庫負担金の昭和四十四年度精算不足を補うために必要な経費等の二十四件であります。 次に、昭和四十五年度各特別会計予備費につきましては、その予算総額は五千八十六億三千五百四十七万円余であり、このうち、昭和四十五年十月二十八日から同年十二月二十二日までの間において使用を決定いたしました金額は九百七十五億四千八百三十四万円余であり、すでに第六十五回国会において御承諾を得たところでありますが、その後、昭和四十六年一月二十九日から同年三月三十一日までの間において使用を決定いたしました金額は三百七十七億七千八百七十八万円余であります。 その内訳は、厚生保険特別会計健康勘定における保険給付費の不足を補うために必要な経費、失業保険特別会計における福祉施設給付金の不足を補うために必要な経費等十六特別会計の二十五件であります。 次に、昭和四十五年度特別会計予算総則第十条(特別給与の支出)及び第十一条(歳入歳出予算の弾力条項)の規定により、昭和四十五年五月一日から同年十二月二十二日までの間において経費の増額を決定いたしました金額は百一億七千四百五十万円であり、すでに第六十五回国会において御承諾を得たところでありますが、その後、昭和四十六年一月二十九日から同年三月二十七日までの間において経費の増額を決定いたしました金額は七百二十九億三千四百七十三万円余であります。 その内訳は、郵政事業特別会計における業績賞与に必要な経費の増額及び同特別会計における仲裁裁定の実施等に必要な経費の増額等九特別会計の十四件であります。 以上が、昭和四十五年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書へその2一外三件の事後承諾を求める件の概要であります。 何とぞ、御審議の上、すみやかに御承諾くださいますようお願い申し上げます。 次に、昭和四十六年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)外二件の事後承諾を求める件につきまして、その概要を御説明申し上げます。 まず、昭和四十六年度一般会計予備費につきましては、その当初予算額は一千四百億円でありましたが、補正予算(第一号)により四百五十億円を修正減少いたしましたので、改予算額は九百五十億円となっております。 このうち、財政法第三十五条(予備費の管理及び使用)の規定により、昭和四十六年四月二十七日から同年十二月二十八日までの間において使用を決定いたしました金額は四百六十九億二百六十八万円であります。 その内訳は、災害対策費として、河川等災害復旧事業等に必要な経費等の二十八件、その他の経費として、昭和四十六年産自主流通米等にかかる良質米奨励金及び米品質改良奨励金の交付に必要な経費等の三十二件であります。 次に、昭和四十六年度各特別会計予備費につきましては、その当初予算総額は六千百四十七億一千二百二十八万円余でありましたが、補正予算(特第一号)により九十億九千八百九十九万円余を修正減少いたしましたので、改予算総額は六千五十六億一千三百二十八万円余となっております。 このうち、昭和四十六年八月六日から同年十二月二十四日までの間において使用を決定いたしました金額は二十一億八百三十四万円余であります。 その内訳は、石炭対策特別会計における炭鉱整理促進費補助金の不足を補うために必要な経費等六特別会計の六件であります。 次に、昭和四十六年度特別会計予算総則第十一条(歳入歳出予算の弾力条項)の規定により、昭和四十六年六月二十二日から同年十二月二十四日までの間において経費の増額を決定いたしました金額は五十五億三千七百三十九万円余であります。 その内訳は、道路整備特別会計における道路事業及び街路事業等の調整に必要な経費の増額、空港整備特別会計における航空事故防止緊急対策に必要な経費の増額等五特別会計の十件であります。 以上が、昭和四十六年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)外二件の事後承諾を求める件の概要であります。 何とぞ、御審議の上、すみやかに御承諾くださいますようお願い申し上げます。 次に、昭和四十五年度一般会計国庫債務負担行為総調書(その2)の報告に関する件につきまして、その概要を御説明申し上げます。 昭和四十五年度一般会計におきまして、財政法第十五条第二項の規定により、災害復旧その他緊急の必要がある場合に国が債務を負担する行為をすることができる限度額は二百億円であり、このうち、昭和四十五年六月二十六日から同年十月二十三日までの間において閣議の決定を経て債務を負担する行為をすることとした総額は九億七千三百四十四万円余であり、すでに第六十五回国会に御報告したところでありますが、その後、昭和四十六年二月二日の閣議の決定を経て、総額百四億二千八百万円の範囲内で債務を負担する行為をすることといたしました。 その内訳は、昭和四十五年発生河川等災害復旧事業費補助等の七件であります。 以上が、昭和四十五年度一般会計国庫債務負担行為総調書(その2)の報告に関する件の概要であります。
○委員長(足鹿覺君) それでは、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○小谷守君 四十六年度関係の一般会計予備費についてお伺いをいたします。 四十六年七月三十日岩手県盛岡の上空におきまして発生した全日空機B727型機と自衛隊機F86F型機との接触事故に関して、総理府所管と運輸省所管の事故原因調査費としてそれぞれ四百二十三万円及び四十九万円、防衛庁所管の賠償金及び特別見舞い金として十五億四千百八十二万円が使用されておるのであります。この点についてお伺いいたしたいと思いますが、まず本件事故原因の調査結果の概要及び防衛庁の賠償金及び特別見舞い金の支払い根拠についてお伺いをしたいと思います。
○政府委員(砂田重民君) まず、私から事故調査委員会の経過について御報告をいたします。 この事故調査に関しましては、先生も先ほど御指摘になりましたように、昨年の七月三十一日に全日空機接触事故調査委員会が設立をされまして、この委員会で今日まで事故調査が進められて、同委員会は、設立されました七月三十一日当日に第一回の委員会を開催いたしましたあと、今日までに委員会を十回、委員懇談会を九回開催をいたしまして、あわせで事故現地の調査も三回にわたって委員の皆さんがお出かけになりました。 そのほかに、自衛隊の三沢レーダー基地、同松島基地、同千歳管制隊の管制塔及びレーダー・コントロール・タワー、全日本空輸本社運行管理室、全日空の千歳運行管理室等の関係個所におもむきまして調査を行なっているわけです。 さらに、運輸省、防衛庁、全日空、気象庁等の関係機関から、委員の皆さんが御要求になりました一切の資料の提出を政府のほうからいたしまして、なお、隈、市川両事故当事者を含めます関係者からの所要の事情聴取も、当時警察等その他、政府の側も配慮をいたしまして、遺漏なく委員会として事情聴取を終わっているわけです。 また、管制交信テープを、全日空に乗っておりました乗務員が普通のことばでしゃべっておりますものをテープがとられておりますので、そういったテープの音声の分析でありますとか、フライトレコーダーの解析でありますとか、こういったことにつきましては、参考人にそれの分析依頼をし、この結論はもう委員会にもたらされております。 さらに、機体に付着をいたしておりましたペイントの分析、これも科学警察研究所に委員会から鑑定依頼をいたしまして、その結論もまた委員会に出ております。 こういうふうにいたしまして一事故の原因の解明に非常に熱心に取り組んでおられるわけでありますけれども、まだ調査結果を発表する段階には至っておりません。ただ、私ども政府も、これはもう国民の皆さんもそうでありますけれども、この委員会に期待いたしますのは、厳正に、公正に独立の機関としての真実を発表していただくことでありますから、政府の側からせかせるとか、そういうことはいたすべきではないと思います。しかしながら、委員長から承っておりますところは、もうすでに結論を取りまとめる段階にきたというふうに承っておりますので、そうもう遠くない将来に御報告がいただけるものと考えております。 以上、御報告いたします。
○小谷守君 本件の基本的な事故原因は、これは十分総理府のほうで究明をしていただくことと思いますが、国民のだれもが、この事故の原因は何かということについては、端的に、やはりこれは事故関係機の偶然の接触ではないと、航空路の過密、また自衛隊が軍事優先の空の使用を行ない、民間機を標的として訓練を実施していることにあると、こういうふうに、これが国民の端的なこの事故に対する考え方ではなかろうか、このように思われるのでありますが、特に防衛庁はどういうふうにお考えになっていますか。
○政府委員(野呂恭一君) 事故から近く一年を迎えようということでございます。その間、防衛庁といたしましても、空の問題について二度とこうした事故のないよう、いろいろの対策を講じつつ、過去の事故原因の究明の結果を実は待っておるわけでございます。私どもといたしましては、この事故責任については十二分に責任を感じ、今後の対策についても、運輸省側と協調の上、いやしくも軍事優先といったような、そういうものでないことを明らかにし、また民間機を標的とするという行為があるがごとき誤解の生じないように、今後とも注意をいたしてまいる所存でございます。
○小谷守君 本件の事故による予備費使用から数カ月もたたない本年四月に、自衛隊機がまたも民間機を標的として異常接近したという事件が宮崎空港付近上空において発生しておるのであります。防衛庁は、本件のような事故の再発防止のために一体どのような措置を講じておられるのか、具体的にひとつお答えを願いたいと思います。
○政府委員(野呂恭一君) いま先生御指摘になりましたのは、宮崎県の上空でのニアミスではなかろうかと、かように思うのであります。防衛庁といたしましては、数年来、飛行安全問題の一つとしてニアミスに関する事項がたいへん重要であるということを認識いたしております。このたびの航空安全緊急対策要綱の趣旨を末端に徹底させるために強力な指導をいたしておりますが、各自衛隊ごとに特定監察をいたしております。その一つはパイロットの見張り強化をやっていく、また地上レーダーによる航空機の鑑識を徹底していく、あるいは航空空域の適正使用をやっていく、早期回避動作の励行をやるなどの指導、監督をいたしまして、ニアミスの発生防止に努力をいたしておるようなわけでございます。
○小谷守君 盛岡上空の全日空機事故、これにつきましては、百六十二人の犠牲者が出ておるわけでありますが、いま伺うというと、総理府が中心になってこの事故原因の探求を熱心にやっていただいておる、まだ原因の全貌はさだかには発表されていない、こういうことであります。そういう状況の中で、予備費の中から十五億四千百八十二万円という金額が、これは防衛庁所管の賠償金及び特別見舞い金として支出されておるのであります。この事故が起こりまして、原因はどういうことかということで、世論が非常にかしましかったわけでありますが、政府においては、統一的にこの事故の解明をしようということで、総理府が中心になって御苦労になった、特に砂田副長官はその中心になって御苦労になった、このように記憶をしておるのでありますが、そのさなかに、防衛庁としては、あれはF86Fのせいではないというふうなことを、防衛庁要路の方々がしばしばそういうことの談話を発表されるというふうなことがありました。私どもは、非常に不謹慎なことであり、苦々しいことだ、このように拝見をしておったのでありますが、この事故原因の究明がまだできていないのに、十五億四千万余の賠償金、見舞い金を防衛庁所管として支払われたのは、どういう根拠によるものか、これを伺いたい。
○政府委員(砂田重民君) この補償を事故原因の究明が明確になされる前にいたしましたことにつきましては、防衛、大蔵関係各省と総理府も加わりまして意見調整をした結果やったことでございますので、細部はまた防衛庁長官から御答弁があるかと思いますが、私からも先にお答えをしておきたいと思います。 それは、事故の起こりました当日に、政府は事故対策本部を設けました。その事故対策本部がまず第一にきめましたことは、事故の直接原因、これは、事故調査委員会等をその後において設立をして、その調査結果にゆだねなければなりませんけれども、事故発生原因といいますか、事故原因責任というものはまさに政府にあり、事故発生原因の責任は政府にあり、そういう姿勢でこの事故に対処するということをまず第一にきめたわけであります。終始その姿勢をとり続けてまいりました。 そこで、遺族の方々とはマンツーマンのような形で防衛庁がお世話をしてまいったわけでありますけれども、最終的な事故責任については、先ほどから申し上げておりますように、事故調査委員会の調査結果を待って確定されるべきものでありますが、現状では、事故調査委員会の結論が出るまでは、国も全日空側も事故の無過失を立証する手だてはございません。 そこで、事故の態様から見まして、自衛隊機が因果関係を持っていたことは、冒頭私が申しましたように、明らかでございますから、少なくとも自衛隊機が因果関係があったことはもう明らかなことでありますから、御遺族の方々もいろいろな御事情等十分私どもわかりますので、また事故調査委員会の調査結果の確定によって責任関係が明確になりまして、全日空機――これは万一でございます、万一この調査委員会の結論が全日空機側にも何らかの責任があったということがもしも明らかにされた場合には、後日全日空側も賠償金を分担をする、こういうことを条件といたしまして、やはり事故発生の少なくとも責任のある政府が窓口となって、予備費から賠償金等を支出する、こういうことでございます。私ども当初、事故発生原因の責任者としての国の責任は当然果たすべきでもあるし、原因の調査委員会の結論が出るまで遺族の方をお待たせするべきではないという判断で実はとった措置でございます。
○政府委員(野呂恭一君) 先ほど小谷先生の御指摘がございましたが、防衛庁といたしましては、この事故は決して防衛庁に関係がない、あるいは責任を持つべきではないというような姿勢は持っておりません。これは全く自衛隊としての大きな責任を感じておるわけでございます。したがいまして、遺族対策につきましては、特に防衛庁がその責任を持ってこれに当たってまいったわけでございますが、事故発生後遺族のほうにはこの問題に関しての対策委員会なども設置されたようでございます。したがいまして、遺族の方々とは、そうした組織体と話し合う機会をたびたび持ったわけでございます。遺族のほうは、一日も早く防衛庁のほうにおいて賠償をすべきであると、遺族補償の要請が出てまいったわけでございます。しかしながら、具体的にその業務を展開するということになりますと、いろいろ遺族の実態等も調査しなければなりません。かなり何回もの要請がございましたが、かなりの時間をおくれて政府原案というものを発表し、その後個々に遺族の方々と話し合いを進めて、御指摘の賠償金として十五億四千百八十二万円と相なったわけでございまして、私どもといたしましては、この支払いに対しては、事故対策本部の了解も取りつけ、もちろん大蔵当局との話し合い、あるいは全日空との話し合いなども重ねまして、その結果賠償いたしたような次第でございます。
○小谷守君 砂田副長官のお答えでありますが、事故原因の調査はかなりな時日を必要とする、遺族に対してはじんぜんとしてその究明が終わるまで待たせるべきではない、早くやはり補償についでは誠意を示すべきである、こういう見地から十五億余の支出をした、この副長官のお答えは正しいと思います。私どもも、これにとやかく申し上げるものではありません。 端的に防衛庁に伺うのでありますが、この賠償金、見舞い金は、このように理解してよろしゅうございますか。事故原因の究明はいま総理府でやられておるけれども、事故原因の究明を待つまでもなく、この事故は防衛庁の責任でありましたと、さような見解に立ってこの予備費の支出をいたしました、端的にこのように理解してよろしいですか。
○政府委員(野呂恭一君) 私どもは、その因果関係を自衛隊機が持っておると、そういう観点から遺族の方々の立場も考慮いたしまして賠償をいたしたわけでございまして、すべてが防衛庁の責任であるということはまだ明らかにすべきではないと思います。したがいまして、全日空機に少しの責任があるということが明らかになった場合においては話し合いをいたしましょうということを全日空とも話し合ったようなわけでございますので、十分因果関係においての責任はあるといたしましても、この事故の最終的な責任ということは、事故調査委員会の調査結果を待たなければ、いまそれを私どもは明らかにすることはできない、かように考える次第でございます。
○小谷守君 砂田副長官の御説明を聞くと、これは非常に歯切れがいい。防衛庁の御答弁、少し歯切れが悪いんじゃないですか。これ、できたことはしかたないのですから、悪うございましたと、遺族に対してはこのような償いをいたしましたと、天下に向かって態度を明確にすべきじゃありませんか、ことばを濁さずに。どうですか。
○政府委員(野呂恭一君) 砂田副長官の御答弁と、私の先ほどの答弁とは、矛盾いたしていないと実は思っております。もちろん、御指摘のように、この事故についての責任は、防衛庁としても、自衛隊としても、十二分に感じておるわけでございます。
○小谷守君 これは運輸省にお願いするほうがいいのでございましょうか。資料の要求をひとつしておきたいと思うのです。 民間航空路と自衛隊、また米軍の訓練空域との関係位置を表示した資料及び民間機と軍用機との接触事故防止対策に関する資料を委員会に御提出を願いたい。
○政府委員(住田正二君) 後ほど資料としてお届けいたします。
○中尾辰義君 繊維織機の買い上げのことでちょっとお伺いします。 四十六年度の予備費で、織機の買い上げに対する費用は幾ら出ていますか。
○説明員(真砂博成君) それではお答え申し上げます。 繊維設備の買い上げにつきましては、対米繊維輸出の業界の自主規制の実施が決定いたしました昨年の五月の閣議におきまして、百十一億円、これを支出するということが決定いたされ、さらに日米協定が結ばれることが明らかになりました段階におきまして、昨年の十二月でございますが、日米協定の締結に伴う特別対策ということで、繊維設備の買い上げ三百七十七億円が決定されました。このうち、四十六年度の支出分といたしましては百三十億円でございます。これは織機を含めまして全繊維製品設備の買い上げの金額でございます。
○中尾辰義君 そこでお伺いしますけれども、今日までこの繊維産業に対しましては、四十二年に構造改善が実施され、その場合、織布業の今日までおよそ三万台織機が処理をされている、三万台ですね。それから過日の対米輸出の自主規制、それから今回の政府間協定の買い上げと、こうなっているわけですが、自主規制の場合は約五万台、政府間協定で約十万台になっておるわけであります。私がきょう聞きたいのは、その買い上げの値段が、自主規制の場合と政府間協定の場合この間わずか六カ月しかないですね、その間に、買い上げの価格と付属機械の取り扱い、政府負担割合などの条件が異なっておるように思いますが、これはそれぞれどういうふうに違っておるのか説明をしてください。
○説明員(真砂博成君) お答え申し上げます。 いま先生の御指摘の点は、自主規制ベースに伴う織機の買い上げとそれから日米協定ベースに伴う織機の買い上げとどこが違うか、特に金額の点にどのような開きがあるかという御質問であろうかと思いますが、まず自主規制の際とそれから日米協定の際における織機を含めました繊維設備の買い上げ制度の差は数点ございまして、第一点は、自主規制の際に買い上げの対象にならなかった設備も日米協定に基づく買い上げにおいては追加されているという点が一点ございます。 それから第二点といたしまして、自主規制の際には、買い上げ価格の、転廃業につきましては二割、一部事業縮小につきましては二五%、これを残存業者のほうで持つ。逆に申し上げますと、政府のほうで転廃業については八〇%の補助をする、一部事業縮小については七五%の政府補助をするということになっておりましたが、協定ベースの救済に関します買い上げ制度につきましては、全額国庫で買い上げるということになっております。 それから第三点、価格の問題でございますが、価格の問題につきましては、自主規制ベースのときには普通品の織機等々の単価を設定いたしたわけでございますが、日米協定ベースの救済の際には、その一般の普通クラスの設備のほかに、恒久的な設備と申しますか、付属品等々も勘案いたしまして単価設定をいたしております。この点が違うわけでございます。それで、一例で申し上げますと、いろいろ設備によって違うんでございますが、絹、人絹を織る織機、これについて簡単に御説明いたしますと、自主規制自体の単価というのは、力織機と、それから力織機以外の、足で踏む織機であるとか、手で織る織機、こういうものと大きく二つに分類いたしまして、さらに、事業廃止の場合と、それから事業規模を一部縮小する場合と、二つに分けまして、さらに力織機及び足踏み織機及び手織り織機の中を広幅のものと小幅なものと二つに分けまして算定いたしたわけでございますが、一番典型的な例である事業廃止の場合の力織機についての広幅のものにつきましては二十五万円という価格を設定いたしたわけであります。これに対しまして、日米協定に伴います救済措置につきましては、先ほど申しました典型的な例である力織機の広幅の事業廃止の場合の二十五万円に相当する部分が九つに分割されまして、たとえばジャカードつきのものであるとか、なおジャカードと申しますのは複雑な柄を出す機械でございますけれども、こういうジャカードをつけて織るものであるとか、それから綜絖と申しますか、縦糸を上げ下げするワクの数が一定以上のものであるとか、その他一般品というように分けまして、一番標準品は二十五万円、一番高いシャトルが シャトルと申しますが、抒を入れて織ります箱が四以上の一番高級のジャカードつきの、それも九百口以上の能力を備えましたジャカードつきのものは三十三万円、二十五万円から三十三万円までの間、その性能に分けまして九種類の単価に分解させております。
○中尾辰義君 そうしますと、自主規制の場合、絹人絹織機で、しかも力織機の広幅で二十五万、政府間協定の場合二十五万から三十三万程度、こういうことですね。その開きが大体七、八万、こういうことになるのですが、これはさっきの説明で説明されるのですか。つまり、自主規制の場合は、残存業者が二割は負担する、だから政府の支出しているのは八割程度である、いまこういう御説明がありましたが、それで説明がつくわけですか。私がきょう質問しているのは、一部の業者からやはりこういう批判があるわけですな。たった六カ月しか違わないのにこういうふうに値段が違うのはおかしいじゃないか、こういうことですが、その辺のところをよくひとつわかりやすいように説明してくださいよ。
○政府委員(林田悠紀夫君) 自主規制の場合と政府間協定の場合と単価に相違があるということは、先生御指摘のとおりでございます。それでこの問題は、業界のほうにおきましても、そういうことを通産省のほうへ申しておる人もございまして、確かに批判のある点でございます。ところが、自主規制をやりました場合は、実はこの自主規制でやっていけるということを政府としては考えておりまして、それで大体織機の買い上げにいたしましても標準もので考えていったらいいというようなことで、単価も標準もの一本ということにしたのでございます。したがって、広幅が二十五万円、小幅が十二万五千円というような、そういうような買い上げ価格で、標準もの一本できめるということにして買い上げまして、そして自主規制でございまするから強制的にやるのではないというようなことから、業界のほうで自主的に政府に買い上げてもらいたいという希望のある方につきまして、そういう標準ものの単価で買い上げるということにしたのでございます。ところが、次に政府間協定をやらざるを得ないということになりまして、政府間協定のときには、これはもうたいへんな問題だと、この際は高級ものについても生き残るということができないというようなことで、標準もののみならず、高級ものもこれは買い上げていかなけりゃならぬというようなことで、標準ものの単価のほかに全部を九のグレードに分けまして、そして高級ものはそういうふうな高い価格で買い上げていくというようなことにしたわけでございます。ところが、自主規制の場合に高級ものに類するような織機も買い上げてもらいたいというような希望があったものがございまして、それが標準ものの価格で買い上げられておるということで、公平を失するじゃないかという議論があるわけでございます。しかしながら、その自主規制と政府間協定によりまする規制と、そこにおのずから差異がございまして、その間に政府といたしましては、自主規制はこの程度でやっていけるだろう、しかし政府間協定になりまするととてもそれではやり切れないというような点も考え合わせて、こういうふうなグレードを設けるというようなことにした次第でございます。政府は十分その辺で意を尽くしてよく考えたというようなことでございまして、単価に開きができてきておるというように結果としてなった次第でございまして、その間の経緯をお考え願いまして、御了承を願いたいと存じます。
○中尾辰義君 政務次官の話なら、よくわかるんですがね。事情はよくわかりましたけれども、とにかく今回の場合、自主規制に比べまして、前回は一律だったと、今回は機種によって上積みがあるとか、いろんな問題が多少あるわけですがね。その辺、これはもうどうにもならぬのですか。多少何とかの特別措置をするとか、そういうお考えはありませんか。
○政府委員(林田悠紀夫君) この点は、先生もいろいろ業界のほうからも話が来ておるんじゃないかと思いまするが、私もいろいろとそういう話も聞いておるんです。私ども非常に困っておるんでございますが、しかし自主規制と政府間協定の規制というものにおのずからそこに差異がございまして、そして十分これは各省間で話し合ってきめたという経緯がございます。それでは自主規制分を政府間協定と同じようにグレードをあらためて設けるとかいうようなことも実はできないような次第でございまして、その点は公平を失するといえば公平を失するということになるんでございまするが、そういう自主規制と政府間協定のおのずからそこに差異があるということで、いまのところいかんともいたしがたいというような段階なんでございます。
○中尾辰義君 もうこれで終わりますが、ここでは結論は出ぬと思いますけれども、業者側のふんまんの声も出ておるようですから、政務次官御存じでしょうけれども、一ぺんこれを読んでみます。これは、絹人絹織物構造改善工業組合のある人がこういうことを言っているんですな。とにかくこの織機買い上げの場当たり行政に強い不満を持っておると、そこで過保護という批判もあり。最後のきめ手だから強くも言えないけれども、何とかしてもらいたいと思う、自主規制による買い上げだけがばかを見るようなことがないと私は信じておりますがと、こういうふうに私のほうにも来ておりますけれども、その点、ここでは結論は出なくても、よく御検討願いたいと思います。 終わります。
○塚田大願君 私は二点についてお伺いしたいと思うのであります。一つは予備費使用のあり方の問題、それから二番目は予備費審査のやり方、この二点についてきょうはお伺いしたいと思うんです。 第一の予備費の使用のあり方の問題でありますけれども、御承知のように、予備費というのは、憲法によりまして、予見しがたい予算の不足を補うというために設けられているわけです。したがって、政府はその責任において予備費を使用し、これを事後に国会の承諾を受けるということになっているわけであります。でありますから、これはあくまでも予算原則の例外でございます。ところが、最近、予算が不足しているというので、できるだけ補正予算にたよらずに、予備費によってこれをまかなうという予算編成の傾向が出ておると思うんです。したがって、予備費のワクが非常に急速に増大しておる、またその使用額も非常にふえている。しかも、その使用内容の推移を見ますと、かなり顕著な変化があらわれておる。予備費使用というのは、従来大体災害関係の経費でありましたが、最近では、この災害関係の経費がだんだん減ってきて、それにかわってそれ以外の政策的な経費が増加しているというふうに考えるわけであります。ここに資料がございますが、たとえば昭和四十年度の一般会計の予備費では、災害関係の経費というのは七四%あります。ところが、四十六年度になりますと四三・八九%になっている。非常に減ってきます。その逆に、いわゆる一般政策費と思われるような経費が、四十年度では一四・八五%である。ところが、四十六年度では五五・九七%にふとっておる。つまり、逆になってきておるわけです。災害関係はどんどん減っている、しかし一般政策経費がどんどんふえている、こういう数字が出ておると思うのであります。そうして、このようにふえた政策的経費が、四十六年度だけ見ましても、たとえば食管会計廃止の一環としての自主流通米関係費は八十三億六千二百万円、それからいま問題になりました弱小繊維業者を切り捨てる対米繊維自主規制関係費四十七億一千四百万円、あるいはアメリカのベトナム侵略拡大に協力するためのカンボジア難民救援費七億七千七百万円、こういうふうにこの政策費がふえておる。で、こういう重要な政策経費が、いわゆる国会の事前審議の対象にならない、そして事後承諾に回される、こういう形になっていると思うんですが、これでは財政民主主義をいわば骨抜きにしてしまうことであって、非常に私は危険だと思うんですよ。 そこでお伺いしたいのでありますけれども、政府はこの予算の不足を補うにあたって、政策的経費は補正予算に計上して事前に国会の審議にかける、予備費の使用範囲を災害復旧費などほんとうに真に緊急やむを得ないものに限定する、こういうふうにはっきりさせるべきだと思うんでありますが、その点で大臣の見解をお聞きしたいと思うのであります。
○政府委員(大倉眞隆君) 大臣にお答えいただきます前に、計数のことにつきまして若干事務当局から申し上げてみたいと思います。 ただいま先生のお示しになりました比率でございますけれども、これは災害復旧以外をすべて政策的経費というふうにお取り扱いになっての数字であろうかと思います。ただそれにいたしましても、実額で考えますと、たとえば四十六年度は、九百十五億の使用のうち、三百十七億が災害であるというようなことで、比率についてはなお若干先生がお持ちのものと後ほど突き合わせて見ていただきたい、まずそのように考えます。 それから、予備費支出の対象経費が、これはいわゆる政策的なものではないかという御指摘が第二点であろうかと思います。最近、計数的に見まして、おっしゃいましたような仕分けをいたしましても、給与改善、災害対策、食管繰り入れ、義務的経費の精算というようなもの、それからその他と、このその他というのがわりあい大きいではないかと、このその他の中に御例示がございましたが、繊維対策でございますとか、カンボジアの難民救済でございますとか、そういうものが出てき始めたではないかと、大きな金額で、これはどうなんだ、こういう御指摘であろうかと思います。ただ、まさしく先生おっしゃいますとおり、予備費は予見しがたい経費の不足をまかなうために設けられた特則でございまして、たとえば繊維対策について申しますれば、これは予算編成のときに、ことばは悪いかもしれませんが、まさか政府間協定にいかないだろうということで予算ができておったわけでございまして、政府間協定が行なわれたと、その被害救済をしなければならないということは、やはり予見しがたい事項であり、経費の不足を補わざるを得ないということであろうかと思います。実態につき幸して私以上のように考えておりますが、ものの考え方といたしまして補正予算を組む機会があるならば、当初予算編成時に予想できなかった経費の不足を補うためには補正予算で国会の審議をお願いするということを考えるべきだというのは、それは筋として私どももそうであろうと考えます。
○国務大臣(水田三喜男君) 予見しがたい経費の不足に充てるためという、その予見しがたい場合に幾通りもございますが、まず何が起こるかという項目が予見しがたいという場合と、項目は大体予見し得るがその金額が全然予見し得ないという場合と、全然金額も項目も予見し得ないと、いろいろあると思いますが、従来の例を見ますというと、大体人事院勧告というようなことは事項として予見し得るものでございますが、金額の予見はし得ないというようなことで、それも予見しがたい経費として、この経費の不足に備えるために、従来勧告があった場合には予備費から支出するということにしておりましたし、災害においても、連年災害の問題は一応災害は予見し得ないことではございませんが、どういう災害が起こるかという金額の予見はできませんので、したがって、連年災害についてはやはり予備費をこれに充てておったということでございますが、最近になりまして、とにかく事項としては予見し得るという以上は、これを全部予備費にたよることもどうかということから、人件費についても一定の金額は予算の中で準備しておいて、そうしてそれを越えるものというようなものにはこの予備費にというようなことにしますし、本年度からこの災害につきましても、あらかじめ災害復旧費の中に一定の金額をもう先に計上しておくと、そしてそれをもっても補えなかった場合に予備費を使用するというようなことを本年度からこれをやることにいたしましたが、そういう形で、でき得るだけこの予備費を少なくして、そうして必要が起こったら、いま申しましたように、これは補正予算でやるというのが筋でございますので、運営はそういうふうにしたいと思いますが、いま言ったように、予備費の運営については、私どもは年々これはいろいろ改善を考えておるわけでございます。
○塚田大願君 いまの御答弁では、非常にあいまいな点もございますけれども、とにかく予備費のやはり使用というものは筋を通していただいて、やはり原則的にやっていただかなければいけないのじゃないかと私は思っております。その点を特に要望して、次に移ります。 では、その災害の復旧費の不足を補う予備費の場合でございますが、この予備費の実際の支出というものは非常に時間がかかる、相当の時間を空費したあとでやっと実施されるという例がやはり非常に多いように思うわけであります。と申しますのは、四十六年度一般会計予備費(その1)の災害復旧費でありますけれども、これを調べてみますと、昨年末以前にその使用について閣議決定があった後、本年二月末現在かなり支出未済額があるものが、大体、文部、農林、運輸、建設各省合計で十三件あります。これは、四十六年度一般会計予備費の災害復旧費の使用が全体で二十件でありますから、そのうちの十三件というのは非常に比率が高い。特に農林、運輸両省におきましては、昨年六月に災害復旧予備費が閣議で決定しておりながら、ことしの二月末現在なおかなり支出未済額を残しておるという実態がございますけれども、こういうふうに予備費が実際に遅延している原因というのは一体那辺にあるのか。
○政府委員(大倉眞隆君) まず一般的な問題といたしましては、当然のことながら、災害というのは年度の途中で発生いたしますので、その発生いたしました報告を受けまして、できるだけ急いで被害状況を見て査定をいたしまして、非常な復旧事業についての支出権限を与え、支出を行なうために予備費使用を決定するということになります。予備費使用を決定いたしますと、直轄事業でございますれば直ちに予算範囲内において契約ができる、補助事業であればこれの補助金交付ができるということになります。ただ、契約いたしましてから工事の進捗に応じて支払うという部分もございますから、予備費使用を決定すれば同時に支出が全部出ていくということではございません。ただ、予備費を使用しております以上、その支出が後年度にまたがる場合には、その部分は別途に処理するという考え方で、できるだけ整理すべきだと私どもも思います。したがいまして、一般論といたしましては、予備費使用の決定にかかわらず、支出が翌年度以降に繰り越されていくということは、できる限り避けるべきであろうというふうに考えております。 計数的な問題といたしましては、私どももきょうそういう御指摘があるということで調べてまいりましたんですが、ただいまお話しの四十八年六月の閣議決定分は、ほぼ一〇〇%年度中に、出納整理期間を含めまして支出済みでございます。非常におそい時期の四十六年十一月に予備費使用を決定いたしました部分につきましても、総体の数字といたしましてはほぼ九九・九%出納整理期間を含めて支出済みになっているようでございます。 ただ、今後とも、運用につきましては、御指摘の点を踏まえまして、予備費使用の決定にかかわらず、いろいろな理由で支出が繰り越されていくということを極力避けるように検討したい、かように考えております。
○塚田大願君 次に、海外援助の問題ですね、名目上は難民救済ということで、非常に人道的な名目になっておりますけれども、しかし実際は、私ここに経済協力白書も持っておりますが、こまかいことは時間がございませんから言いませんが、たとえばベトナムの場合でしたら、サイゴン付近のダム建設であるとか、あるいは米軍基地に通ずる送電線の架設であるとか、あるいは軍用に転用できるようなトラックや通信機の提供と、こういうふうな形で、非常に援助費というものが悪用されているわけであります。 そこで、この問題についていまここで論議する時間もございませんから、これはひとつ資料をお願いしておきたいと思うんです。その資料は、三十九年以降四十六年度までの予備費使用にかかる海外援助費について、年度別、援助先の国別、物資内容別及び件数、数量ですね、及び金額、それから援助伝達機関名、こういったものの資料をひとつ提供していただきたいと思います。委員長、その点おはかり願いたいと思います。
○委員長(足鹿覺君) 政府に申し上げますが、従来からも委員が要求されました資料は委員会全体としての資料要求とみなし、これを全員になるべくすみやかに配付、御提出願うようになっておりますので、その点、十分御協力をお願いいたします。
○政府委員(大倉眞隆君) ただいま御要求の資料は、所管省でございます外務省にさっそく伝えまして、できるだけ早い機会に提出いたしたいと思います。
○塚田大願君 時間ございませんから、先へ。 もう一つだけお伺いしたいんですが、これは第二の問題点であります予備費審査のやり方、慣例、これを改善する必要があるという問題であります。いま申しましたように、予備費というのは緊急に対応することが必要なものでございますが、したがって、政府は、通常国会開会とともに、会計年度の完結を待たずに、予備費の使用についての事後承諾を国会に求めてくることになっておるわけであります。しかし、実際はどうなっているかといえば、予備費の委員会付託からこういう審査に入るまでの間に非常に多くの時間が空費されておる。審査に入ると、もうあっという間に趣旨説明が行なわれ、質疑が行なわれてやられる、たった一日で採決もする、こういうものが一つの慣例になっておったと思うんです。これは明らかに、参議院規則第三十九条「委員会は、議案が付託されたときは、先ず議案の趣旨について説明を聴いた後、審査に入る。」という、この条項に私は違反しているんじゃないか。ここでいう趣旨説明というのは、予備費の付託後なかなか行なわれなくて、いま申しましたように、衆議院の議を経て参議院に本付託になった後初めて実施される、これが実情だと思うんです。今度の六十八国会提出の予備費七件――先ほど説明がございましたが――についても、いわゆる予備付託から約五カ月間かかっておるんですね。そうして、きょうここで趣旨説明が行なわれて、そうしてすぐ質疑だ。こういう審査のやり方というのは、私はやはり改める必要があると思うんです。 そこでね、私は当局に提案するんですが、こういう悪い慣例を改めること、この重要性というのは、やはり軍国主義の復活に非常に私は関係があると思っているんです。と申しますのはね、太平洋戦争が始まりました昭和十六年十一月、当時の陸軍軍事費の不足を予備費でまかなったという例があるんです。十六年です。これが国民を戦争に引きずり込んでいったという形になっている。こういう歴史的な教訓から見ましてもね、いままでの悪い慣例を改めていく必要があるんじゃないかと私は考えますが、この点で、大臣の御所見をお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
○政府委員(船田譲君) ただいまの御質問の、予備費の使用に関しましては、憲法の八十七条の二項の規定によりまして、事後に国会の承諾を求めることになっております。実は、その審議がたいへんおそいではないかとおっしゃいますけれども、これは国会の予備付託、議案の審査の慣例等とも関係いたしますので、政府側がここでいまとやかく申し上げることではないかと思っております。 ただ、実例をちょっと申し上げますと、昭和四十四年の四月から十二月分までの予備費の審査につきましては、これは第六十三回国会にかかったものでございますが、衆議院への提出が昭和四十五年の三月十七日でございます。そうして衆議院が承諾を与えましたのが四十五年の四月の十日、参議院に即日送付になりまして、参議院が承諾されましたのが四十五年の四月の二十八日でございまするから、私は決して、いま申し上げました点につきまして、この予備費審査の方法というものについて、もとより、先ほど申し上げましたように、われわれが云々すべきではございませんけれども、それをうまく活用することによってやっていけるものではないかと思っております。
○塚田大願君 大臣、太平洋戦争のあれはどうですか、陸軍の予備費。知らぬければいいわ。
○国務大臣(水田三喜男君) 知りません。
○委員長(足鹿覺君) 他に御発言もなければ、昭和四十五年度一般会計国庫債務負担行為総調書(その2)、昭和四十五年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)外三件、昭和四十六年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)外二件につきましては、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(足鹿覺君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 まず、昭和四十五年度一般会計国庫債務負担行為総調書(その2)を問題に供します。 本件につきまして異議がないと議決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(足鹿覺君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって異議がないと議決されました。 次に、昭和四十五年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)、昭和四十五年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)、昭和四十五年度特別会計予算総則第十条に基づく経費増額総調書及び経費増額調書、昭和四十五年度特別会計予算総則第十一条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)、昭和四十六年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)、昭和四十六年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)、昭和四十六年度特別会計予算総則第十一条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1)、以上七件を一括して問題に供します。 これら七件について承諾を与えるべきものと議決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(足鹿覺君) 多数と認めます。よって、これら七件は多数をもって承諾を与えるべきものと議決されました。 なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべきこれら案件の報告書の作成などにつきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(足鹿覺君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(足鹿覺君) 次に、昭和四十四年度決算外二件を議題といたします。 これらの質疑は先刻終了いたしました。 それでは、これより討論に入ります。 理事会におきまして協議いたしましたところ、内閣に対する警告につきましては、お手元に配付いたしましたような案文につき意見が一致いたしました。 警告の案文を朗読いたします。 なお、議決案はお手元に配付してあるとおりございます。 討論される方は、賛否を明らかにして御意見お述べ願います。
○佐々木静子君 私は、日本社会党を代表いたしまして、昭和四十四年度決算について、これを是認しないとの意思表示を行なうとともに、内閣に対する警告には賛成するものであります。 過去約一年にわたり、四十四年度決算について、予算の執行が適法であったかどうか、またそれらの予算費目が効率をあげたかどうか等の見地から検討を加えてまいりました。その結果、財政執行上是正を要する数々の諸問題が浮かび上がってまいりました。そのうちの一部が先ほどの警告事項となって示されておりますが、そのほかにも、まだ最終の詰めがなされていませんが、多くの政府の戒慎を要する事項の指摘があったように存じます。私は、政府がこれら決算審査の過程におきまして判明した諸問題に対し真剣にかつ謙虚にすみやかに誠意ある対策を講じられんことを要望するとともに、次の諸点を指摘して本議決案を是認できないゆえんを申し述べたいと存じます。 第一は、行政庁の予算執行についての不当行為の多発であります。会計検査院の指摘に見られるごとく、件数にして百五十三件、金額にして十九億九千万円にものぼる不当行為が行なわれております。これらは、親方日の丸式のむだづかいが多く、国民の血税を使用する公務員のあるべき正しい姿ではありません。いわんや、おりおり新聞にも報道されておるような、司直の手をわずらわす破廉恥的汚職公務員の姿も数少なくなく散見されましたことは、まことに遺憾とするところでございます。 第二に、表面にあらわれた国費のむだづかいの主要な部分を占めるものとして、補助金の不当使用があり、各種建設工事の手抜きがあります。これらは、少しく行政庁において綿密な対策を立てられ、末端に浸透するような適切な指導を加えますならば、著しく減少せしめることは可能なことでありますが、政府の対策はきわめておざなりであり、怠慢のそしりを免れないのでありまして、政府当局のきびしい対処を特に要望する次第であります。 第三は、行政庁の不当行為もさることながら、そのもとをなす政府の根本的な施策に著しい停滞があり、行政庁の不当行為の背後に政策の不在がうかがわれることであり、政府の厳格な反省を求めたいところであります。物価対策はほとんどなきにひとしいありさまであり、とりわけ地価対策は野放し同様であり、あれほどやかましく言われた睡眠公益法人の整理も的確な手が打たれておりません。公害対策においても、またしかりであります。これら政策の渋滞のもとに行なわれた予算の執行に対し、われわれはとうてい是認の意を表するわけにはまいらないのでございます。 第四に、当年度決算審査の途上、防衛庁関係の兵器、艦船の調達について種々論議が重ねられましたが、その結果、兵器等の調達並びに保全について、国民の納得いかない点の多々あることを指摘せざるを得ないのであります。兵器、艦船のメーカーは自社納入の製品に対しもう少しきびしい責任体制がとられてよいのではないか、それらの点にややルーズな点がうかがわれるのは発注側と防衛産業との間に何かなれ合いといったものがあるからではないか、さらにその原因をさかのぼれば防衛庁幹部の産業陣への天下りについての問題があるのではないか等について論議が重ねられたのでありますが、いまだ納税者たる国民の不信を完全に解消せしめるに至っておりません。この問題は今後も引き続き討議されるでございましょうが、今後における当局の善処を強く要望するとともに、今日の状況においてはこれらの問題を含む決算を是認することはできないのであります。 以上の諸点を指摘し、四十四年度決算を是認しないこと、警告事項については賛成の旨の意思を表明し、討論とする次第であります。
○渡辺一太郎君 私は、自由民主党を代表いたしまして、昭和四十四年度決算外二件を是認するとともに、内閣に対する警告案に賛成するものであります。 私どもは、昭和四十四年度決算について、過去一年間、財政民主主義を実現するという決算審査の重要性にかんがみまして、積極的にかつ慎重に審議してまいったのでありますが、いまこの過程を顧みまして、政府の財政執行はおおむね所期の行政効果を達成したものと認められますので、私は本決算を是認すべきものと考えるのであります。しかしながら、個々の事項については留意すべきものも少なからずあると思うのでありまして、いまその一、二を指摘しておきたいと存じます。 その一点は、会計検査院の決算審査による指摘事項は、相も変わらず同じ態様のものが多く、その指摘金額もかなりの額にのぼっているということであります。もちろん、これらの中には、すでに是正済みのものもあり、改善対策のとられているものも多くありましょう。しかし、かくのごときむだづかいの予算財源は、申し上げるまでもなく、国民の血税によるものであります。したがって、政府が予算上どんなりっぱな財政政策を展開してまいりましょうとも、一部執行の段階で画竜点睛を欠くようなことがあっては、政府全体に対する国民の不信を招く結果となり、まことに遺憾と言わなければなりません。 各省庁は、予算規模も膨大化してきた今日、財務、経理の適正化については一段のくふうと格段の配意をこらしておられることとは存じますが、決算の結果から、諸般の行政執行面に徹底的な反省を行ない、また次の予算編成に際し根本的な考慮を加えるなど、再び同じような不当行為が繰り返されることのないよう善処されることを強く要請するものであります。 次に申し上げたいことは、先ほど委員長から提案になりました政府に対する警告事項についてであります。これらはいずれも、政府の綱紀や行政の姿勢なり予算執行にかかる各委員の指摘に基づくものでありますが、当委員会で審議の結果、超党派的な国民の声として明らかにされた事態の集約であります。 そこで、政府は謙虚に、真摯な態度をもってこれを受けとめ、是正すべきものはすぐさまこれを是正し、積極的に予算面や行政面に反映して、国民の信頼にこたえていかなければならないと思うのであります。 以上、政府に要望いたしまして討論を終わります。
○中尾辰義君 私は、公明党を代表しまして、昭和四十四年度決算外二件について、承認できないとの意思を表明するものであります。 なお、先ほどの警告につきましては賛成であります。 本件決算の審査にあたり、わが党委員は、農林、通産、運輸、郵政、建設の各省大臣認可にかかる各種の公益法人の実態を明らかにしてまいりました。そうして、あるいはカドミウム米の管理のずさんを指摘し、あるいは私学法人の不正を明るみに出すなど、具体的問題の提起によって、政府が国民のために当然あるべき姿勢は何かという一点について、政府の覚せいを強力に要求してまいりました。そして、ある事項については、直ちに改正措置をとったものもありますが、改めると答えていながら現実にはその措置がとられないものもあります。また、ある事項については、会計検査院がその後不当として指摘事項に取り入れたものもあります。また、中には、その後刑事事件として取り上げられたものもあります。こうした幾つかの問題の摘出をしていけばいくほど、それらの不正不当な事態は、政府の組織の大きなメカニズムの弛緩からきていることが判明してまいりました。その実相は、GNP拡大中心の経済の肥大化の中で、行政が正しい目的観を確立するいとまもなく、その中に埋没してしまったみじめな姿であったとも言えるのであります。それは、本委員会の質疑に答えて、総理自身が閣議等で指示して、行政全体に巣くう公益法人のあり方の是正を総理の発意で政府として開始しながら、半年間を経て出た結論はどうであったか、その関係者自身すら結局は骨抜きと自嘲せざるを得ない結果しか出なかった事実にも、その一端を示していると思うのであります。行政の組織体系そのものが、その存在の目的観に目ざめた一本の生き生きとした正しい神経に貫かれていないということであります。その点、行政各部の担当官の無自覚を強く責めなければなりません。同時に、ことばのみで現実面を放置した総理自身の基本姿勢そのものに根本原因があることも強調しなければなりません。 決算審査に取り組んでまいったこのような実感と認識に立ちまして、本件を不承認といたすものであります。 以上をもって私の討論を終わります。
○萩原幽香子君 私は、民社党を代表して、昭和四十四年度決算外二件を是認するとともに、内閣に対しての警告決議案に対し賛成するものでございます。私が政府に要望したい諸点は警告決議案にあげられたことでけっこうと存じますが、この際、これにつけ加えて所懐の一端を申し述べさせていただきます。 本委員会における決算の審査が会計検査院の決算審査と異なるところは、それが国民の真剣な声の反映であるということでございましょう。これは国会が国民代表の府である点からして当然のことでございますが、本委員会は、その運営の実際の中で、現実にこうした伝統を築き上げてまいりました。私が、昭和四十四年度決算の審査において、いわゆる妻の座を正当に評価するために民法並びに税制に関する問題を取り上げ、母と子のしあわせのために児童福祉の施設の現状の不備を追及し、女子教員の教育に果たす役割りの重大性にかんがみ、その母性保護の立場から、産前産後、育児休暇の問題を取り上げてまいりましたのも、これらがいずれも国民の真剣な声の反映であるからでございます。しかし、これらの問題につきましては、審議時間の関係などから、本委員会において十分な詰めに達することができませんでしたことは、まことに遺憾でございますが、政府は、これらの問題につき、よく民意のあるところに耳を傾け、心眼を開いて、賢明に対処されんことを心より念願するものでございます。 政府は、本昭和四十四年度決算の国会提出にあたり、本委員会における大蔵大臣の概要説明の中で、同年度のわが国経済は「引き続き好況に推移した」と述べ、「一連の金融引き締め措置を実施した」が、「結局、実質経済成長率は一二・六%となり、ここ四年間高い成長率を維持した」と続け、最後に「国際収支が黒字を持続する中で経済は拡大を続け、企業収益は九期連続の増収増益」云々と得意げに結んでおられますが、同年度の予算提出に際し、その特色ともいうべき第四点の国民福祉向上のための諸施策推進による効果については、一言も触れられておりません。これは、政府の財政金融政策に対する考え方が、相も変わらず生産第一主義の高度成長ビジョンを追い続け、国民の福祉が二の次にされていることを端的に示していると断ぜざるを得ません。 私がさきに申し述べましたように、国民の福祉にかかわる諸問題を本委員会においてきめこまかに取り上げた理由も、国民の実態を無視した政府の福祉政策に対する不安と不満にほかなりません 私は、政府が、経済成長第一主義から人間尊重、福祉優先の姿勢に切りかえ、真に公共の利益を代行するシビル・サーバントとして、国民の納得のいく政策を一歩一歩着実に力強く実施されることを強く要望しまして、討論を終わります。
○塚田大願君 私は、日本共産党を代表して、昭和四十四年度一般会計決算、特別会計決算外二件の承認について、反対であることを表明します。 その第一の理由は、この決算が、昭和四十四年度の予算にわが党が反対した内容と同じ内容であるからであります。予算審議の過程でわが党が指摘したと同様に、決算においても、アメリカに従属したもとでの軍国主義の復活と同時に、アジア反共軍事同盟の再編、強化の指導的役割りをになわされ、アメリカの侵略的な東南アジア援助の肩がわりを一そう強め、大企業には利潤確保のための手厚い対策が講じられた反面、国民生活は、過酷な重税、公共料金など諸物価の値上がり、食管制度の改悪、公害、交通事故の激増、住宅難、社会保障の立ちおくれなど一そう深刻になっています。 第二に、この予算執行の過程で、大企業、大資産家の大口脱税は見のがされ、反対に国民大衆に対する源泉所得税は予算より四十一億円も増収されています。また、特別会計の失業保険、簡易生命保険及び郵便年金、厚生年金保険、国民年金などの収入が予算を大幅に上回って増収されていることからも明らかなように、勤労市民からの収奪が一そう激しくなっています。支出面では、一般会計の児童保護費、老人福祉費、保健衛生対策費、職業転換対策費など社会保障関係費で四十八億円をはじめ、私立学校助成費、災害復旧事業費など百億円以上削られ、特別会計では農民に対する国内米麦の買い入れ予算額を五百六十九億円も削るなど、国民に対する支出の引き締め、打ち切りが強行されています。 第三に、一般会計及び特別会計の予備費の支出は非常に放漫化していることです。一般会計の予備費にふさわしい災害復旧費以外に、カンボジアのかいらい政府を助ける救援金、天皇の訪欧費や佐藤首相の訪米費など、わが党が認められないものもあります。また、それ以外にも当然補正予算などで予算化すべきものが多額にわたって支出されておりますが、これは憲法八十七条の予備費の規定を乱用し、政府みずから財政の民主的条項を踏みにじるものであります。 第四に、政府及び政府関係機関の予算執行は依然として乱脈で、会計検査院の検査報告も百五十三件の不当事項を指摘し、本委員会での審議でも明らかにされているように、国家資金の浪費、高級官僚の腐敗には著しいものがあります。 第五に、政府関係機関の決算は、大企業の東南アジアを中心とした対外進出のための日本輸出入銀行や大企業を補強する日本開発銀行への出資及び融資に集中し、中小企業に対する国民金融公庫、中小企業金融公庫などへの出資や融資を抑圧しています。また、大企業貨物の低料金輸送と公共性を無視する独立採算制を原因とした国鉄の大幅な赤字など、いずれも大企業奉仕と国民収奪の結果を示すものであります。 以上が、わが党として、この決算の承認に反対することのおもな理由であります。 次に、国有財産の増減及び現在額総計算書についてでありますが、この増減では、海外経済援助関係や大企業への融資などの政府出資、防衛庁の艦船、航空機の新造費、皇室費が約半分を占め、現在額においても同様でありますが、大企業のための出資、投資と兵器が大半を占めています。また、自衛隊の水中ソナーなど兵器調達の方法やその保管に不当不法なものが多く、国有財産の処理についても、本委員会の審議でも明らかにされたように、不当事項が存在しているので、これを承認することに反対であります。 また、国有財産無償貸付状況総計算書については、わが党は、この無償貸し付けには賛成し、今後一そうの拡充をはかるべきであるが、その実行面において不明瞭な点があって賛成しがたく、棄権の態度を表明するものであります。 最後に、警告決議案については、わが党の見解を全面的にあらわすものではありませんが、基本的には一致できますので、賛成の態度を表明するものであります。 以上で態度表明を終わります。
○委員長(足鹿覺君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(足鹿覺君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 昭和四十四年度一般会計歳入歳出決算、昭和四十四年度特別会計歳入歳出決算、昭和四十四年度国税収納金整理資金受払計算書、昭和四十四年度政府関係機関決算書を問題に供します。 第一に、本件決算は、これを是認すると議決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(足鹿覺君) 多数と認めます。 第二に、内閣に対し、先刻朗読のとおり警告することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(足鹿覺君) 全会一致と認めます。よって、昭和四十四年度決算につきましては、多数をもってこれを是認することとし、内閣に対し、先刻朗読いたしましたとおり警告すべきものと議決されました。 次に、昭和四十四年度国有財産増減及び現在額総計算書を問題に供します。 本件につきまして、異議がないと議決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(足鹿覺君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって異議がないと議決されました。 次に、昭和四十四年度国有財産無償貸付状況総計算書を問題に供します。 本件につきまして、異議がないと議決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(足鹿覺君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって異議がないと議決されました。 この際、関係大臣から発言を求められておりますので、順次これを許します。
○国務大臣(水田三喜男君) ただいまの御決議につきましては、政府といたしまして、十分これを尊重し、各省各庁と密に連絡をいたし、御趣旨に沿うよう遺憾なきを期したいと存じます。
○国務大臣(竹下登君) ただいまの御決議に対しまして、私に関する点について逐次所信を申し述べます。 官庁綱紀の粛正については、従来からも、閣議決定等により、責任体制の整備、服務規律の確保、部内監察制度の強化等により、その実効性の確保につとめてまいりましたが、要は、公務員の一人一人が全体の奉仕者としての自覚に徹し、国民の信託にこたえることにあると考えます。 政府といたしましては、今後とも、あらゆる機会を通じ、官庁綱紀の粛正について一そうの努力をいたす所存であります。 公益法人の監督に関しましては、御趣旨に沿って、一そう厳正を期するよう、今後とも十分指導してまいりたいと存じます。 国政調査のための資料提出の件につきましては、政府といたしましては、その趣旨を十分尊重し、今後、資料の早期提出について遺憾なきを期してまいりたいと存じます。
○国務大臣(赤城宗徳君) ただいま御決議のありました農林省関係の事項につきましては、御指摘の点を十分考慮し、警告の趣旨に沿うよう、指導監督にさらにつとめてまいる所存でございます。
○国務大臣(西村英一君) ただいま御決議のありました諸点につきましては、その趣旨に沿うて、急速に改善をはかってまいりたいと存じます。 特に綱紀の粛正につきましては、御指摘を受けました日本道路公団のみならず、当省及び当省所管の各公団にはその趣旨を徹底し厳正を期するとともに、公益法人の監督につきましても、御指摘の趣旨に従って、一そう厳正を期する所存でございます。
○国務大臣(中村寅太君) ただいま御決議がありました公益法人に関しましては、決議の御趣旨に沿って、各関係省庁を通じて適正な運営がなされるよう推進してまいり、決議の趣旨の実現に努力をいたしてまいる所存でございます。
○国務大臣(高見三郎君) ただいま御指摘いただきました文部省所管の事項につきましては、御決議の趣旨に沿うよう、今後一そう指導監督の徹底をはかり、遺憾なきを期してまいりたいと存じます。
○政府委員(野呂恭一君) 自衛官の募集につきましては、ただいまの御決議の御趣旨を尊重いたしまして、さらに慎重を期して実施する所存でございます。
○国務大臣(塚原俊郎君) 自衛官の募集に関する職業安定機関の協力について、一部の公共職業安定所において、御指摘のような事例がありましたのは、まことに遺憾なことであります。 このことにつきましては、昨年十二月の本委員会においても御指摘を受けたところでもありまするので、すでに地方職業安定機関に対し、自衛官募集担当者が庁舎内の待合室等に机を置いて常駐する等のことがないよう指示したところであります。今後も、ただいまの御警告の御趣旨に沿って、なお一そう徹底をはかってまいる所存であります。
○国務大臣(丹羽喬四郎君) ただいま御決議の事項につきましては、運輸省といたしましては、十分その趣旨を尊重いたしまして、遺憾なきを期してまいりたいと存じます。
○政府委員(大西正男君) ただいまの御決議中、外務省に関しまする終戦時アメリカ軍に接収された図書及び公文書につきましては、御趣旨に沿って、関係者とよく協議の上、返還が促進されるよう、しかるべき措置をとる所存でございます。
○委員長(足鹿覺君) 以上で関係大臣等の発言は終わりました。 なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべきこれら案件の報告書につきましては、ただいまの本委員会の議決内容によりこれを作成することといたしまして、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(足鹿覺君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(足鹿覺君) 速記をつけて。 ―――――――――――――
○委員長(足鹿覺君) 次に、昭和四十五年度決算外二件を議題とします。 まず、昭和四十五年度決算につきまして、その概要説明を聴取いたします。船田大蔵政務次官。
○政府委員(船田譲君) 昭和四十五年度の一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書及び政府関係機関決算書を会計検査院の検査報告とともに本国会に提出し、また、昭和四十五年度の国の債権の現在額並びに物品増減及び現在額についても本国会に報告いたしましたので、その大要を御説明申し上げます。 昭和四十五年度予算は、昭和四十五年四月十七日に成立いたしました本予算と、昭和四十六年二月十二日に成立いたしました補正予算とからなるものであります。 昭和四十五年度本予算は、わが国経済の持続的成長の確保と物価の安定を眼目として、次のような基本方針のもとに編成されたものであります。 第一は、財政面から景気を刺激することのないよう財政規模を適度のものにとどめるとともに公債発行額を縮減し、さらに、経済財政事情にかんがみ、法人税の増徴を行なったことであります。 第二は、国民の税負担の軽減をはかるため、所得税及び住民税等の減税を行なったことであります。 第三は、歳出内容について、社会経済情勢の変化に即応して、重点施策の着実な遂行をはかり、国民福祉の着実な向上につとめたことであります。 なお、補正予算は、公務員の給与改善をはじめ、本予算成立後に生じた事由に基づき、特に緊要となった事項につきまして、所要の措置を講じたものであります。 昭和四十五年度を顧みますと、わが国経済は、前年度からの金融引き締め措置の浸透等により、年度途中、夏ごろから景気後退局面へ入りました。実質経済成長率は、下期にかなり低下しましたが、上期において大幅な拡大を示しましたので年度では、一〇%をわずかに下回る程度となりました。 なお、卸売り物価は前年度比二・四パーセント、消費者物価は同比七・三パーセントの上昇となりました。 国際収支の面では、昭和四十五年度の総合収支は、前年度に引き続き、約二十億ドルの黒字となり、外貨準備高も年度末には約五十五億ドルに達しました。 このようなわが国経済の状況を背景として昭和四十五年度予算が執行されたのでありますが、以下、その決算の内容を数字をあげて御説明申し上げます。 まず、一般会計におきまして、歳入の決算額は八兆四千五百九十一億八千百三十八万円余、歳出の決算額は八兆千八百七十六億九千六百七十二万円余でありまして、差し引き二千七百十四億八千四百六十五万円余の剰余を生じました。 この剰余金は、財政法第四十一条の規定によりまして、一般会計の昭和四十六年度の歳入に繰入れ済みであります。 なお、昭和四十五年度における財政法第六条の純剰余金は七百三十二億七百九十五万円余となり、この純剰余金の二分の一を下らない金額は、財政法第六条第一項の規定によりまして、公債又は借入金の償還財源に充てることとなるわけであります。 以上の決算額を予算額と比較いたしますと、歳入につきましては、予算額八兆二千百三十億八千五百十一万円余に比べて二千四百六十億九千六百二十六万円余の増加となるのでありますが、この増加額には、前年度剰余金受入が予算額に比べて増加した額千六百七十六億六百十九万円余が含まれておりますので、これを差し引きますと、昭和四十五年度の歳入の純増加額は七百八十四億九千七万円余となるのであります。その内訳は、租税及印紙収入における増加額五百六十二億五千九百五十二万円余、専売納付金における増加額十三億五千百七十四万円余、官業益金及官業収入における増加額八億五千九百二十九万円余、政府資産整理収入における増加額百十六億六千七百五十六万円余、雑収入における増加額四百十一億八千八百七十五万円余、公債金における減少額三百二十八億三千六百八十万円となっております。 一方、歳出につきましては、予算額八兆二千百三十億八千五百十一万円余に、昭和四十四年度からの繰り越し額七百十八億六百三十一万円余を加えました歳出予算現額八兆二千八百四十八億九千百四十三万円余に対しまして、支出済み歳出額は八兆千八百七十六億九千六百七十二万円余でありまして、その差額九百七十一億九千四百七十万円余のうち、昭和四十六年度に繰り越しました額は七百六十一億六千八百三十一万円余となっており、不用となりました額は二百十億二千六百三十九万円余となっております。 次に、予備費でありますが、昭和四十五年度一般会計はおける予備費の予算額は千億円であります。その使用額は九百九十九億九千八百四十万円余でありまして、その使用につきましては、別途本国会に提出の予備費使用承諾案について御審議をいただきますので、説明を省略させていただきます。 次に、一般会計の国庫債務負担行為について申し上げます。 財政法第十五条第一項の規定に基づき国が債務を負担することができる金額は千九百九十三億二千七百二万円余でありますが、実際に負担いたしました債務額は千九百十四億千八百七十四万円余でありますので、これに既往年度からの繰り越し債務額三千八十六億二千四万円余を加え、昭和四十五年度中に支出その他の理由によって債務が消滅いたしました額千九百億七千百十七万円余を差し引きました額三千九十九億六千七百六十一万円余が、翌年度以降に繰り越された債務額になります。 財政法第十五条第二項の規定に基づき国が債務を負担することができる金額は二百億円でありますが、実際に負担いたしました債務額は百十三億四千六百三十万円余でありますので、これに既往年度からの繰り越し債務額六十四億四千六百四十六万円余を加え、昭和四十五年度中に支出その他の理由によって債務が消滅いたしました額六十六億五千二百四十七万円余を差し引きました額百十一億四千二十九万円余が、翌年度以降に繰り越された債務額になります。 次に、昭和四十五年度の特別会計の決算でありますが、同年度における特別会計の数は四十三でありまして、これらの決算の内容につきましては、特別会計歳入歳出決算によって御了承願いたいと存じます。 なお、これらの特別会計の歳入歳出の決算額を合計しますと、歳入決算において十八兆千六百四十八億千九百五十万円余、歳出決算において十六兆七十五億六千五百三十三万円余であります。 次に、昭和四十五年度における国税収納金整理資金の受入れ及び支払いでありますが、同資金への収納済み額は七兆四千五百八十七億三千七万円余でありまして、この資金からの歳入への組み入れ額等は七兆四千四百二億七千八百七十万円余でありますので、差し引き百八十四億五千百三十六万円余が、昭和四十五年度末の資金残額となります。これは、主として国税にかかる還付金として支払い決定済みのもので、年度内に支払いを終わらなかったものであります。 次に、昭和四十五年度政府関係機関の決算でありますが、日本専売公社、日本国有鉄道及び日本電信電話公社の決算の内容につきましては、別途それぞれの主務大臣からご説明申し上げる予定であります。 また、その他の政府関係機関の決算の内容につきましては、それぞれの決算書によって御了承願いたいと存じます。 次に、国の債権の現在額でありますが、昭和四十五年度末における国の債権の総額は十二兆九千七百九十二億九百四十九万円余でありまして、その内容の詳細につきましては、昭和四十五年度国の債権の現在額総報告によって御了承願いたいと存じます。 次に、物品増減及び現在額でありますが、昭和四十五年度中における純増加額は七百十六億七百二十二万円余でありますので、これに前年度末現在額五千二百九十億四千八百十四万円余を加えますと、昭和四十五年度末における物品の総額は六千六億五千五百三十六万円余となります。その内訳の詳細につきましては、昭和四十五年度物品、減及び現在額総報告によって御了承願いたいと存じます。 以上、昭和四十五年度の一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書、政府関係機関決算書等につきまして、その大要を御説明申し上げた次第であります。 なお、昭和四十五年度の予算の執行につきましては、予算の効率的な使用、経理の適正な運営に極力意を用いてまいったのでありますが、なお、会計検査院から百四十六件にのぼる不当事項について指摘を受けましたことは、まことに遺憾にたえないところであります。 これにつきましては、今後一そう経理の改善に努力を傾注いたす所存であります。 何とぞ御審議のほどお願い申し上げます。 ―――――――――――――
○委員長(足鹿覺君) 次に、昭和四十五年度国有財産増減及び現在額総計算書並びに昭和四十五年度国有財産無償貸付状況総計算書につきまして、その概要説明を聴取いたします。船田大蔵政務次官。
○政府委員(船田譲君) 昭和四十五年度国有財産増減及び現在額総計算書並びに昭和四十五年度国有財産無償貸付状況総計算書を、会計検査院の検査報告とともに本国会に報告いたしましたので、その概要を御説明申し上げます。 まず、昭和四十五年度国有財産増減及び現在額総計算書の概要について申し述べます。 昭和四十五年度中に増加しました国有財産は、行政財産一兆六千六百十一億七千三百六十二万円余、普通財産一兆二千九百四十三億五千九百六万円余、総額二兆九千五百五十五億三千二百六十九万円余であり、また同年度中に減少しました国有財産は、行政財産三千七百三十九億二千四百七十九万円余、普通財産三千九百九億千三百十九万円余、総額七千六百四十八億三千七百九十九万円余でありまして、差し引き総額において二兆千九百六億九千四百六十九万円余の増加となっております。これを昭和四十四年度末現在額六兆八千二百一億八千八百二十五万円余に加算いたしますと九兆百八億八千二百九十五万円余となり、これが昭和四十五年度末現在における国有財産の総額であります。 この総額の内訳を分類別及び種類別に申し上げますと、行政財産においては、公用財産三兆五千百九十億五千五十八万円余、公共用財産千六百三十七億九千五百三十万円余、皇室用財産千六百八十六億七千七百九十五万円余、企業用財産一兆二千五百億七千八百八十五万円余、合計五兆千十六億二百六十九万円余となっており、普通財産においては三兆九千九十二億八千二十六万円余となっております。なお、この普通財産のうち二兆九千八百六十七億六千七百九万円余は政府出資等となっております。 また、国有財産の総額の内訳を区分別に申し上げますと、土地三兆三千十三億八百二万円余、立木竹六千三百五十六億三千六百四十五万円余、建物一兆千百十六億三千六百四十五万円余、工作物七千二百六十一億三千四百十八万円余、機械器具十億二千二百七十九万円余、船舶千六百二億五千八百六十四万円余、航空機八百六十七億千三百三十一万円余、地上権等八億九千七百八十八万円余、特許権等五億八百九万円余、政府出資等二兆九千八百六十七億六千七百九万円余、合計九兆百八億八千二百九十五万円余となっております。 次に、国有財産の増減の内容について、その概要を申し上げます。 まず、昭和四十五年度中における増加額を申し上げますと、前述のとおり、その総額は二兆九千五百五十五億三千二百六十九万円余であります。この内訳を申し上げますと、 第一に、国と国以外の者との間の異動によって増加した財産は八千四百五十三億七千九百四十三万円余でありまして、このうち購入、新営工事、政府出資等歳出を伴うものは七千六百三十四億九千四百十八万円余、現物出資、交換、寄付等歳出を伴わないものは八百十八億八千五百二十四万円余となっております。 第二に、国の内部における異動によって増加した財産は二兆千百一億五千三百二十六万円余でありまして、このうち昭和四十六年三月三十一日現在において実施した国有財産の価格改定による増加は一兆五千九百七十四億二千八百六十四万円余、各省各庁または各省各庁の部局等の間における財産の移管等調整上の増加は四千六百五十七億八千八百六十五万円余、土地の実測、立木竹の実査等整理上の増加は四百六十九億三千五百九十六万円余となっております。 次に、減少額について申し上げますと、その総額は七千六百四十八億三千七百九十九万円余であります。この内訳を申し上げますと、 第一に、国と国以外の者との間の異動によって減少した財産は八百九十億四千四百八十二万円余でありまして、このうち売り払い、出資金回収等歳入を伴うものは二百八十九億五千五百二十八万円余、交換、譲与等歳入を伴わないものは六百億八千九百五十三万円余となっております。 第二に、国の内部における異動によって減少した財産は六千七百五十七億九千三百十七万円余でありまして、このうち昭和四十六年三月三十一日現在において実施した国有財産の価格改定による減少は千九百三十一億千百九十万円余、各省各庁または各省各庁の部局等の間における財産の移管等調整上の減少は四千五百五十五億三百八十七万円余、土地の実測、立木竹の実査等整理上の減少は二百七十一億七千七百三十九万円余となっております。 以上が昭和四十五年度国有財産増減及び現在額総計算書の概要であります。 次に、昭和四十五年度国有財産無償貸付状況総計算書の概要について申し述べます。 昭和四十五年度中に増加しました無償貸し付け財産の総額は九百三億五千八百八十九万円余であり、また同年度中に減少しました無償貸し付け財産の総額は六十八億二千三百二十九万円余でありまして、差し引き八百三十五億三千五百五十万円余の純増加となっております。これを昭和四十四年度末現在額八百二十六億五千二百七十五万円余に加算いたしますと千六百六十一億八千八百二十六万円余となり、これが昭和四十五年度末現在において無償貸し付けをしている国有財産の総額であります。 この増減のおもなものを申し上げますと、増加したものは、昭和四十六年三月三十一日現在において実施した国有財産の価格改定によるもの七百九十八億二千七百九十八万円余、公園の用に供するもの九十九億九千六百四万円余、墓地の用に供するもの二億九千三百三十六一万円余等であります。 次に減少したものは、昭和四十六年三月三十一日現在において実施した国有財産の価格改定によるもの二百万円余、公園の用に供するもの五十四億四千百五十一万円余、墓地の用に供するもの二億四千九百七十九万円余等であります。 以上が昭和四十五年度国有財産無償貸付状況総計算書の概要であります。 なお、これらの国有財産の各総計算書には、それぞれ説明書が添付してありますので、それによって細部を御了承願いたいと思います。何とぞ御審議のほどお願い申し上げます。 ―――――――――――――
○委員長(足鹿覺君) 次に、昭和四十五年度日本専売公社の決算につきまして、概要説明を聴取いたします。船田大蔵政務次官。
○政府委員(船田譲君) 昭和四十五年度日本専売公社収入支出決算につきまして、その概要を御説明いたします。 まず、事業の概況について申し述べます。 第一に、たばこ事業におきましては、葉たばこの購入は、十八万八千トン余、金額にして千二百七億四千二百四十九万円余であり、当初の予定に比較いたしますと、三万トン余、金額にして百五十六億三千六百七十二万円余の減少となっております。 また、たばこの製造及び輸入は、二千二百四十三億本余であり、当初の予定に比較いたしますと、二十億本余の増加となっており、その販売は二千二百四十二億本余、金額にして八千百三十億五百六十九万円余であり、当初の予定に比較いたしますと、二十七億本余、金額にして二百十二億八千六十九万円余の増加となっております。 第二に、塩事業におきましては、塩の購入は、国内塩九十五万トン余、輸入塩六百七十二万トン余、金額にして合計三百八十億三千百二十万円余であり、当初の予定に比較いたしますと、六十八万トン余、金額にして三十二億七千百九十二万円余の減少となっており、その販売は、七百六十六万トン余、金額にして四百四十九億四千五十万円余であり、当初の予定に比較いたしますと、五十八万トン余、金額にして三十億六千四百九十万円余の減少となっております。 次に、決算の内容について申し述べます。 まず、収入支出について御説明いたします。 昭和四十五年度における収入済み額は八千六百二十五億六千三百八十二万円余、支出済み額は五千七百三十九億三千百八十一万円余であり、収入が支出を超過すること二千八百八十六億三千二百万円余であります。 また、昭和四十五年度の総収益八千六百四十三億三千二百三十六万円余から総損失五千五百八十億三千百五十四万円余を控除した純利益は三千六十三億八十一万円余であります。これから日本専売公社法第四十三条の十二第三項の規定により積み立てる三百三十九億九千百九十四万円余を控除した専売納付金は二千七百二十三億八百八十七万円余であり、当初の予定額二千五百八十七億三千百四十三万円余に比較いたしますと、百三十五億七千七百四十四万円余の増加となっております。 以下、これを収入、支出の部に分けて御説明いたします。 まず、収入の部におきましては、収入済み額は八千六百二十五億六千三百八十二万円余であり、収入予算額八千四百三十七億千五百六十四万円余に比較いたしますと、百八十八億四千八百十七万円余の増加となっております。 次に、支出の部におきましては、支出予算現額は六千二百十二億七千五百五十八万円余でありまして、支出済み額は五千七百三十九億三千百八十一万円余、翌年度に繰り越した額は二百五十四億九千八百八十万円余でありまして、差し引き不用額は二百十八億四千四百九十六万円余となっております。 次に、予算総則に規定した事項にかかる予算の実施について御説明いたします。 まず、予算総則第六条により予備費を使用した額は、職員給等支払いのため二十億二千九百四十三万円余であり、同条の規定により予算を流用した額は、職員給支払いのため二十一億千七百九十一万円余であります。 次に、予算総則第七条の規定により予算を翌年度へ繰り越した額は、塩業整理交付金四十六億五千四百五十一万円であります。 また、予算総則第九条の規定による特別給与支出に充てた額は、業績賞与支払いのため十三億六千八百八十八万円余であります。 最後に、債務に関する計算について御説明いたします。 日本専売公社法第三十五条第一項の規定による債務負担行為の限度額は、塩事業費において百十八億円でありますが、実際に負担した債務額は、塩事業費において二十五億四千五百六十万円余であります。 また、日本専売公社法第三十五条第二項の規定による債務負担行為の限度額は一億円でありますが、実際に負担した債務額はございません。 さらに、日本専売公社法第四十三条の十四第二項の規定による長期借り入れ金の最高限度額は千四百六十億円でありますが、実際に借り入れた額は九百三十億円であります。 また、同じく短期借り入れ金の最高限度額は二千百億円でありますが、実際に借り入れていた最高額は千六百九十億円であり、短期借り入れ金はすべて昭和四十五年度内に償還し、翌年度へ繰り越した債務額はございません。 なお、昭和四十五年度の日本専売公社の決算につきまして、会計検査院から不当事項として指摘を受けたものが一件ありましたことは、まことに遺憾にたえないところであります。これにつきましては、今後内部監査の強化等によって事故の絶滅につとめてまいりたいと存じます。 以上が昭和四十五年度の日本専売公社の決算の概要であります。 何とぞ御審議のほどお願い申し上げます。
○委員長(足鹿覺君) ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(足鹿覺君) 速記を起こして。 ―――――――――――――
○委員長(足鹿覺君) 次に、昭和四十五年度日本国有鉄道の決算につきまして、概要説明を聴取いたします。丹羽運輸大臣。
○国務大臣(丹羽喬四郎君) 昭和四十五年度日本国の大要を御説明申し上げます。 昭和四十五年度における日本国有鉄道の運輸成績は、対前年度比、旅客輸送人員は横ばい、旅客輸送人キロは四%増、貨物輸送トン数は一%増、貨物輸送トンキロは四%増となりましたため、収入においては、旅客収入において付則年度一一%、貨物収入において対前年度四%と、それぞれ増加いたしました。 以下、収入支出の内容を勘定別に御説明申し上げます。 まず、損益勘定におきましては、収入済み額は一兆一千五百五十二億二千五百六十一万円余、支出済み額は一兆一千五百三十九億八千二百二十六万円余でありまして、収入が支出を超過すること十二億四千三百三十四万円余でありますが、これは予算上の区分による収支決算の結果でありまして、いわゆる損益計算上では昭和四十五年度純損失は一千五百十七億五百五十四万円余となっております。 この決算額を予算と比較いたしますと、収入は、予算額一兆一千六百四十二億一千七百十三万円余に対しまして、八十九億九千一百五十二万円余の減収となっておりますが、その内容は、運輸収入におきまして百二十二億三百三十二万円余及び財政再建助成金一千六百五十八万円余が減少したのに対し、雑収入は三十三億二千八百三十八万円余の増収となっております。 他方、支出は、予算現額一兆一千九百四十七億九千八百六十九万円余に対しまして、支出済み額は四百八億一千六百四十三万円余下回っておりますが、そのうち、翌年度への繰り越し額は三百十億八百六十七万円余で、残額九十八億七百七十六万円余は不用額となっております。 次に、資本勘定におきましては、収入済み額は六千三百九十一億二千六百二十五万円余、支出済み額は六千三百八十六億五百四十一万円余であります。 この決算額を予算と比較いたしますと、収入は、予算額六千一百三十六億七千六百四十六万円余に対しまして、二百五十四億四千九百七十九万円余の増収となっております。これは、損益勘定からの受入れ二十八億八千九百二十六万円余及び資産充当による二百七十四億五千四百六十八万円余の増があったのに対し、鉄道債券及び借り入れ金四十八億九千四百十五万円余の減少があったことによるものであります。 他方、支出は、予算現額六千五百四十三億七千九百十一万円余に対しまして、百五十七億七千三百六十九万円余下回っておりますが、そのうち、翌年度への繰り越し額は百五十四億二千三十六万円余で、残額三億五千三百三十三万円余は不用額となっております。 工事勘定におきましては、収入済み額は四千一百七十一億五千一万円余、支出済み額は四千十四億五千二百四十六万円余であります。 この決算額を予算と比較いたしますと、収入は、資本勘定からの受入れが多かったため、予算額三千九百二十二億五千三百三十二万円余に対しまして、二百四十八億九千六百六十八万円余の増収となっております。 他方、支出は、予算現額四千六百十一億二千一百一万円余に対しまして、五百九十六億六千八百五十四万円余下回っておりますが、そのうち五百八十億三千八十五万円余は翌年度への繰り越し額であり、残額十六億三千七百六十九万円余は不用額となっております。 この工事勘定の内容に関連して主要施策の実績について申し上げますと、日本国有鉄道は、業務運営の能率化を促進し、あわせて安全の確保をはかるとともに財政の再建をはかるため、十カ年間に総額約三兆七千億円にのぼる投資を予定しておりますが、その第二年度に当たる昭和四十五年度における計画事項別決算額は、通勤輸送六百九十七億一千八百三万円余、新幹線一千二百五十億一千二百七十七万円余、幹線輸送力増強九百六億三千九百十万円余、合理化・近代化等八百三十億五百五十八万円余、合計三千六百八十三億七千五百五十万円余となっております。最後に、昭和四十五年度の予算の執行につきまして、会計検査院から不当事項として指摘を受けた点がありましたことは、まことに遺憾にたえないところでありまして、今後さらに予算の効率的運用に一段の努力をいたすよう指導監督してまいりたいと考えております。 以上、昭和四十五年度の日本国有鉄道決算につきまして、その概要を御説明申し上げましたが、詳細につきましては、さらに御質問のつど御説明申し上げたいと存じます。 何とぞ御審議のほどお願いいたします。 ―――――――――――――
○委員長(足鹿覺君) 次に、昭和四十五年度日本電信電話公社の決算につきまして、概要説明を聴取いたします。廣瀬郵政大臣。
○国務大臣(廣瀬正雄君) 昭和四十五年度日本電信電話公社の決算書類を会計検査院の検査報告とともに国会に提出いたしましたので、その概要を御説明申し上げます。 昭和四十五年度における日本電信電話公社の決算は、前年度に引き続き黒字決算となっておりますが、事業規模の拡大に伴い、給与その他諸費、利子及び債務取り扱い諸費等が増大したため、損益計算上の利益金は前年度よりも減少し、百七十九億六千六百四十万余円となっております。 また、建設計画につきましては、集団電話を含め加入電話増設約二百四十三万加入を主要工程とする建設工事を実施いたしました。 以下、決算の内容を勘定別に御説明申し上げます。 損益勘定におきましては、収入済み額は一兆八百一億五千八百九十一万余円、支出済み額は一兆七百十七億三千八百十三万余円でありまして、収入が支出を超過すること八十四億二千七十七万余円となっております。 この決算額を予算と比較いたしますと、収入済み額は、予算額一兆四百四十三億七千九百九十万素月こけし一三百五十七億七千九百万余円上回っておりますが、これは、電話収入及び専用収入で三百六十七億八千八百五十六万余円の増収があり、電信収入及び雑収入で十億九百五十五万余円の減収があったためであります。 他方、支出済み額は、支出予算現額一兆七百四十五億五千百九十四万余円に対し、二十八億一千三百八十万余円下回っておりますが、この差額は、七億五千七百四十五万余円を翌年度へ繰り越すこととし、残りの二十億五千六百三十五万余円は不用額としております。 資本勘定におきましては、収入済み額は八千七百九十四億六千六十五万余円、支出済み額は八千五百二十億八百二十二万余円でありまして、収入が支出を超過すること二百七十四億五千二百四十二万余円となっております。 この決算額を予算と比較いたしますと、収入済み額は、予算額八千二百十五億四千九百四十四万余円に対し、五百七十九億一千百二十万余円上回っておりますが、これは、損益勘定より受け入れが五十四億五千三百一万余円、資産充当が百八十三億三千八百二十八万余円、設備料が六十億四千三百七十三万余円、電信電話債券が二百八十億七千六百十六万余円、いずれも予算額に比べ増加したことによるものであります。 他方、支出済み額は、支出予算現額八千五百二十三億九千四百八十万余円に対し、三億八千六百五十八万余円下回っておりますが、この差額は、三億八千三百三万余円を翌年度へ繰り越すこととし、残りの三百五十五万余円は不用額としております。 建設勘定におきましては、収入済み額は七千二百四億四千八十六万余円、支出済み額は七千百六十六億一千四百三十七万余円でありまして、収入が支出を超過すること三十八億二千六百四十九万余円となっております。 この決算額を予算と比較いたしますと、収入済み額は、予算額六千九百億円に対し、三百四億四千八十六万余円上回っておりますが、これは資本勘定より受け入れが増加したためであります。他方、支出済み額は、支出予算現額七千五百六億二千七百十九万余円に対し、三百四十億一千二百八十二万余円下回っておりますが、この差額は全額を翌年度へ繰り越すこととしております。 なお、昭和四十五年度は日本電信電話公社の電信電話拡充第四次五カ年計画の第三年度に当たっておりますが、実施いたしました建設工程のおもな内容について申し上げますと、加入電話増設は、事業所集団電話及び地域集団電話を含め二百四十三万加入の予定に対し、二百四十万三千余加入、公衆電話増設は四万三千個の予定に対し、四万五千余個を実施し、また、市外電話回線増設、新電話局建設及びデータ通信施設等についても、それぞれ、おおむね予定どおり実施いたしております。 最後に、昭和四十五年度の予算執行につきまして、会計検査院から改善事項一件の指摘を受けましたが、これにつきましては、すみやかに改善措置を講じておりますが、なお、今後とも工事の適正な実施につとめるよう、日本電信電話公社を指導監督してまいりたいと考えております。 以上をもちまして、私の説明を終わります。 ―――――――――――――
○委員長(足鹿覺君) 次に、会計検査院より、昭和四十五年度決算検査報告並びに昭和四十五年度国有財産検査報告に関する概要説明を聴取いたします。白木会計検査院長。
○会計検査院長(白木康進君) 昭和四十五年度決算検査報告について概要を申し上げます。 昭和四十五年度歳入歳出決算は、四十六年十月十五日内閣から送付を受け、その検査を終えて、昭和四十五年度決算検査報告とともに四十六年十二月三日内閣に回付いたしました。 次に、決算額でございますが、国の会計について申し上げます。 昭和四十五年度の一般会計決算額は、歳入八兆四千五百九十一億八千百三十八万余円、歳出八兆、千八百七十六億九千六百七十二万余円でありまして、前年度に比べますと、歳入において一兆三千四百九十九億千四百八十六万余円、歳出において一兆二千六百九十八億五千八百七十三万余円の増加になっており、各特別会計の決算額の合計額は、歳入十八兆千六百四十八億千九百五十万余円、歳出十六兆七十五億六千五百三十三万余円でありまして、前年度に比べますと、歳入において二兆千三百五十六億五百五十万余円、歳出において一兆六千九百八十一億四千八百五十二万余円の増加になっております。 なお、国税収納金整理資金は、収納済み額七兆四千五百八十七億三千七万余円、歳入組み入れ額七兆三千百二十九億六千七百四十四万余円であります。 次に、政府関係機関の会計でございます。 政府関係機関の昭和四十五年度決算額の総計は、収入六兆二千五百三十億四千二百二十一万余円、支出五兆八千七百十三億三千七百二十四万余円でありまして、前年度に比べますと、収入において七千百五億四千四百五十八万余円、支出において六千五百八十四億四千百六万余円の増加になっております。 次に、検査の結果について申し上げます。 昭和四十五年度の歳入、歳出等に関し、国及び政府関係機関等から提出された計算書二十二万余冊及び証拠書類五千九百二十万余枚につきまして書面検査を行ない、また、二千七百余の局所等につきまして三万八千余人日をもって実地検査を行ないました。 このようにして検査いたしました結果につき、その概要を説明いたします。 最初に不当事項でございますが、不当事項として検査報告に掲記しましたものは合計百四十六件でありますが、これを収入、支出の別に分類し、態様別の金額を概計いたしますと、次のとおりであります。すなわち、収入に関するものとしては、租税収入や保険料収入の徴収額が不足していたものなどが九億二千八百万円、支出に関するものとしては、工事費の積算が適切でなかったため契約額が割り高になったものが六百万円、工事の監督、検査が適切でなかったため施工が設計と相違していたものが四千百万円、保険金等の支給が適正でなかったものが三千四百万円、補助事業の実施及び経理が適切でなかったものが一億六千六百万円、その他が二千七百万円であり、以上のほか、職員の不正行為による損害を生じたものが六千百万円でありまして、これらの合計額は十二億六千六百万円になっておりまして、前年度の十九億九千二百万円に比べまして七億二千六百万円減少しております。 これらの不当事項は、租税、工事、物件、保険、補助金、その他の項目に分けて検査報告に記述してありますが、特に工事及び補助金に関するものにつきまして説明いたします。 工事につきましては、不経済な結果になったと認められるなどの事例を毎年度指摘しておりますが、四十五年度におきましても、農林省、日本国有鉄道及び日本鉄道建設公団におきまして、工事の施行に際し工事費の積算が適切でなかったためひいては契約額が割り高になったと認められるもの、工事の監督及び検査が適切を欠いたため出来形が設計と相違していると認められるものが見受けられます。 補助金につきましては、その経理が当を得ないものを毎年度多数指摘して注意を促してきたところでありますが、四十五年度におきましても、農林省及び建設省の公共事業関係のものにつきまして、工事の施行が不良になっているものなどがまだ少なからず見受けられます。また、その他の補助金につきましても、補助の目的に沿わない結果になっているものなどが見受けられます。 次に、意思を表示しまたは処置を要求した事項について説明いたします。おきまして、会計検査院法第三十四条の規定により意見を表示し是正改善の処置を要求いたしましたものは十六件、また、同法第三十六条の規定により改善の意見を表示いたしましたものは一件であります。 このうち会計検査院法第三十四条の規定により意見を表示し是正改善の処置を要求いたしましたものは、文部省の研究用試薬等の購入に関するもの、農林省の水田麦作団地育成対策事業の事業効果に関するもの、押航土運船の損料の算定に関するもの、米穀の原材料用変形加工に伴う徴収金の算定に関するもの、運輸省の空港におけるアスファルト舗装工事の予定価格の積算に関するもの、建設省の建築工事における高力ボルト本締め費等の積算に関するもの、しゅんせつ工事の予定価格の積算に関するもの、基準点測量作業の予定価格の積算に関するもの、日本国有鉄道の山陽新幹線の建設に伴う用地調査測量等の施行に関するもの、車両工場における工場予備品の調達及び管理に関するもの、日本電信電話公社の市内鉛被ケーブル用配端子函の撤去に関するもの、日本住宅公団の宅地等の造成工事の予定価格の積算に関するもの、日本道路公団の高速道路等の工事費の積算に関するもの、石炭鉱害事業団の賠償義務者等から徴収する納付金等の徴収事務に関するもの、公害防止事業団の造成建設事業の敷地造成工事の施行に関するもの、日本私学振興財団の私立大学等経常費補助金の経理に関するものであります。 また、会計検査院法第三十六条の規定により改善の意見を表示いたしましたものは、日本鉄道建設公団の鉄道新線の建設に関するものであります。 以上をもって概要の説明を終わります。会計検査院といたしましては、機会あるごとに、関係各省各庁などに対して、適正な会計経理の執行について努力を求めてまいりましたが、なお、ただいま申し述べましたような事例が見受けられますので、関係各省各庁などにおいても、さらに特段の努力を払うよう望んでいる次第であります。 次に、昭和四十五年度国有財産検査報告につきまして、その概要を説明いたします。 昭和四十五年度国有財産増減及び現在額総計算書及び国有財産無償貸付状況総計算書は、四十六年十月二十九日内閣から送付を受け、その検査を終えて、十二月三日内閣に回付いたしました。 四十四年度末の国有財産現在額は六兆八千二百一億八千八百万余円でありましたが、四十五年度中の増が二兆九千五百五十五億三千二百万余円、同年度中の減が七千六百四十八億三千七百万余円ありましたので、差し引き四十五年度末の現在額は九兆百八億八千二百万余円になり、前年度末に比べますと二兆千九百六億九千四百万余円の増加になっております。 次に、国有財産の無償貸付状況について申し上げますと、四十四年度末には八百二十六億五千二百万余円でありましたが、四十五年度中の増が九百三億五千八百万余円、同年度中の減が六十八億二千三百万余円ありましたので、差し引き八百三十五億三千五百万余円の増加をみまして、四十五年度末の無償貸付財産の総額は千六百六十一億八千八百万余円になっております。 検査の結果、昭和四十五年度国有財産増減及び現在額総計算書に掲載されている国有財産に関して不当と認めた事項あるいは意見を表示しまたは処置を要求した事項はありません。 以上をもって説明を終わります。
○委員長(足鹿覺君) 以上で昭和四十五年度決算外二件に関する概要説明の聴取を終わります。 ―――――――――――――
○委員長(足鹿覺君) 次に、本委員会は、昨年、昭和四十三年度決算につきまして、内閣に対し警告の議決を行ないましたが、その警告に対し内閣のとった措置などにつきまして説明を聴取いたします。船田大蔵政務次官。
○政府委員(船田譲君) 政府は、従来から、決算に関する国会の審議議決、会計検査院の指摘等にかんがみ、国費の効率的使用、事務事業の運営の適正化、不当経理の発生の防止等につきまして、特に留意してまいったところでありますが、昭和四十三年度決算に関する参議院の審議議決にかんがみ、各省各庁におきまして講じております措置を取りまとめて、その概要をご説明申し上げます。 一、農林省所管国庫補助事業の実施につきましては、その適正な執行をはかるため、常に努力してきたところでありますが、今回の草地改良補助事業、農業構造改善補助事業及び団地造林補助事業等についての議決の御趣旨にかんがみ、これら補助事業について次のように措置いたしますとともに、今後補助事業の実施にあたりましては、一そう指導監督の徹底をはかる所存であります。 (一) 草地改良補助事業の実施により造成され た土地の一部に観光施設が設けられたものにつ いては、原状復旧をさせ、または国庫補助金を 返還させました。 (二) 農業構造改善補助事業(団体営開拓パイ ロット補助事業)の実施された土地が無断でゴ ルフ場として使用されていたものについては、 転用面積にかかわる国庫補助金を返還させまし た。 (三) 団地造林補助事業の実施地域の中に別荘 地が含まれていたものについては、別荘地の面 積にかかわる国庫補助金を返還させました。 二、富士銀行雷門支店における多額の不正融資事件をはじめとして、金融機関における不祥事件が続発しましたが、これは信用を生命とする金融機関として重大な問題であり、このような不祥事件の発生を未然に防止する必要があります。 このため、まず金融機関に対し厳重な注意を促すとともに、厳正的確な事務処理の励行、店内検査の強化等内部管理体制の確立をはかるよう指導する一方、検査にあたっても極力検査周期を短縮する等監督の強化につとめてきたところでありますが、今後一そうその体制の充実強化を期してまいる所存であります。 三、日本航空機製造株式会社と米国シャーロット社にかかわる独占販売代理店契約に関し、その内容及び解約の方法等が当を得ないものとして御指摘を受けましたが、今後このようなことがないよう日本航空機製造株式会社に対する指導を強化してまいる所存であります。 なお、同社の経営、業務の管理運営等に関しましては、昭和四十六年九月の航空機工業審議会の答申に基づいて具体的な改善策を講ずることとなり、その昭和四十七年度末までの累積欠損見込み額を国及び同社と直接取引関係のあった民間各社の応分の協力により解消することとし、昭和四十七年度予算において国の援助分として約四十九億円を計上しているところであります。 四、列車事故の未然防止につきましては、運転関係者の精神的弛緩並びに車両及び施設の欠陥に起因する重大な列車事故の絶滅を期すべく、乗務員の指導訓練の充実、徹底的な再教育の実施、踏切の立体交差化、保安設備の整備等により安全な列車運行を行なうよう、国鉄及び私鉄に対して強力に指導しているところであります。このため、昭和四十七年度には、踏切事故防止総合対策の一環として、踏切保安設備整備費補助金の補助対象の範囲を拡大することとし、また、踏切道交通量調査を充実するとともに、国鉄及び私鉄に対して指示した鉄道車両制動装置改良工事について特別監査を行なうこととしているところであります。 五、記念郵便切手発行に関する業務につきましては、郵便切手に関する業務を所掌する機構を整備し、発行計画等の適正を期するとともに、全日本郵便切手普及協会の指導を強化し、切手発行の本来の趣旨に反しないよう努力をする所存であります。 六、残留農薬の毒性が国民の健康、生命に大きな影響を及ぼす問題につきましては、国民の保健衛生上の観点からその安全対策を積極的に推進するため、農薬取締法の一部改正を行ない、残留性に問題がある農薬については、その販売及び使用の制限または禁止措置を講ずるほか、この措置により使用不能となった農薬については適正な廃棄処分を実施することとしているところであります。さらに、使用農薬の安全かつ適正な使用が行なわれるよう、農薬の安全使用基準を設定し、指導の徹底をはかっているところであります。 また、農薬の登録審査を強化するため、農薬検査所の整備拡充をはかるとともに、財団法人残留農薬研究所等における慢性毒性対策に関する試験実施体制の整備をはかっているところであります。 次に、ベンジジンの製造過程に生ずる有害物質による被害の絶滅につきましては、昭和四十六年四月ベンジジンを含め特定の有害物質の取り扱いの適正化をはかるため、特定化学物質等障害予防規則を制定したところであります。さらに、ベンジジンの生産中止が国際的趨勢であることにかんがみ、ベンジジンメーカーに対して生産中止を要請したところ、メーカー側においても自主的に生産を中止し、あるいは近く中止する意向を明らかにしているところであります。 なお、現在、国会において御審議をお願いしている労働安全衛生法案におきましては、ベンジジンの製造、輸入及び販売を禁止するとともに、その製造に従事した者が離職した後においても特殊健康診断が受けられるよう健康管理手帳制度を創設することとしており、昭和四十七年度予算において、離職した者に対する特別健康診断の実施に要する経費を計上しているところであります。 七、塩釜水産加工工場アパートの排水処理施設につきましては、その後、公害防止事業団に塩釜基本構想検討委員会を設け、処理技術の調査、研究等を行なってきたところでありますが、この結果をもとにして施設の改善につとめているところであります。 なお、昭和四十七年度におきましては、この種の新種工事の施行について、施設が実効をあげるよう調査研究費を増額することとしていますが、今後一そう同事業団に対する指導監督につとめてまいる所存であります。 八、雇用促進事業団の移転就職者用宿舎の用地買収の措置並びに同宿舎の管理運営につきましては、従来から同事業団に対して適正を期するよう指導監督を行なってきたところでありますが、今回の議決の御趣旨に沿い、なお一そう措置の適正を期するよう努力してまいる所存であります。 以上が、各省各庁におきまして講じております措置の大要であります。
○委員長(足鹿覺君) 以上で説明聴取を終わりました。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時二十分散会