決算委員会 第10号
- 発言数
- 211 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1972/05/12
会議録
○委員長(足鹿覺君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨十一日、塚田大願君が委員を辞任され、その補欠として渡辺武君が選任されました。 —————————————
○委員長(足鹿覺君) 昭和四十四年度決算外二件を議題とし、前回に引き続き締めくくり総括質問を行ないます。 質疑のある方は順次御発言願います。
○鶴園哲夫君 まず、米の問題につきまして若干伺いたいわけなんですが、今度の農業白書を見てみましても、まあ灰色一色というむしろたいへんな状況なんですね。そういう中で、生産者米価を引き上げるということを大臣が発言しておられるわけです。わずかに一つの光みたいな感じがするほど、いまの農業状況というのはたいへんな状況だと思うんです。私はまあ異常な状況だと思うんですけれども、そういう中で三年据え置いた生産者米価を引き上げたいという大臣の考え方については、積極的に賛成をするものでございますけれども、ただどういう意味なのかちょっとわからない点がありまして、政府が買い上げる生産者米価を、米価そのものを引き上げるという意味なのかどうかですね、そこのところを伺いたいと思っております。
○国務大臣(赤城宗徳君) 米価につきまして、生産者米価につきましては、御承知のように、生産者米価の算定方式というものがあるわけでございます。生産費とか、あるいはまた経済事情とか、こういうものをしんしゃくして米価審議会に諮問して米価を決定する、こういうことになっております。で、御承知のように、経済事情から言いましても、相当物価は上がっておる、生産費としても相当私は上がっていると見ています。でありますから、従来のように米価は抑制するのだ抑制するのだという形で押えるということは、私は賛成しかねると、こういうことを常に言っておるわけであります。でありますが、現実に米価をどう決定するかということは、いろいろ資料を全部整えて、そして米価審議会に諮問をする準備をして、そのときにどういうふうになるか、どの程度のものになるかということはきまるわけでございますから、そこまではまだいっておりません。ただ政治的に考えまして、いまのように押えるのだ押えるのだという考え方に、私は賛成しないのでございます。でありまするから、政治的に考えますると、私はこういうことを言っているのですが、いま政府全体として公共料金とかその他まあ値上げしたわけです。することになっております。これは国民のふところから取るほうばかり値上げしている。米価のようなものは、国民のふところへ出すほうなんです。農民に出すほうまで押えるという政治的な考え方は、私は賛成できないのであります。景気浮揚というような予算の仕組みもあるということであれば、農民の購買力というものを培養するという意味から言っても、米価を押えるということは、公平の意味から言っても、その考え方は私はとらない、こういうことを言っておるわけでありまして、しからばどの程度上げるのかというのは、一つの方式に従ってやっていかなくちゃなりませんから、そこまでまだ作業は進んでおりません。まだ政府部内でもそこまで相談はしておりませんが、私の考えは、いま申し上げたような考え方で進めたいと、こういう気持ちでおるわけでございます。
○鶴園哲夫君 いま大臣のおっしゃいました算定方式ですね、従来のやり方である生産費所得補償方式、この問題について、この間、閣議が終わったあと記者会見をされて、新聞等に報道されたんですけれども、まあ米審に間に合わないということもあって、今回は生産費所得補償方式をそのままやるんだというようなお話があったんですが、この方式は、この三月の末だったですか、米穀管理研究会が中間的取りまとめというやつを公表しておるわけですね。その中では、これはもういままでの生産費所得補償方式とは訣別すべきだというふうに出ているとわれわれは考えているわけですけれども、御承知のように、この方式の原型ができましたのが三十五年、ちょうど基本法のできます直前になるわけですが、それが四十四年から生産制限をやる、昭和四十四年から年々非常に変わってきまして、何かつじつまを合わしたような、あるいは巧妙な言いのがれるような運用が非常に行なわれるようになって、これが農政についての不信を買う一つの大きな原因になっていると思うんですけれども、言いのがれに使っている、あるいはつじつま合わせに使っているというような批判が行なわれてきたわけですけれども、私どもとしますと、これはやはりこの方式の原則は守っていきたい、いくべきだ、こう考えておりますけれども、大臣がこの間発言なさったことについてどういうふうに考えていらっしゃるのか伺いたいと思います。
○国務大臣(赤城宗徳君) この間の米穀管理研究会におきまして、算定方式を変えたらよかろうというまでは言ってないように私承知してます。ただ、いろいろ、世間やあるいは関係者で、方式も検討したらどうかということは言ってるようでございます。私の考え方から言うと、米価を押えよう押えようという意味で、何といいますか、算定方式を検討しようというような意見がしばらくあったと思います。この生産費所得補償方式の前にパリティ方式をとってまいりましたけれども、しかし、押えようという意味なら、いまのような物価上昇時期でパリティをやればなお上がると思うんです。そういうような意味もありまして、私は、算定方式というのは検討する必要はあると思いますけれども、いまの、押えるために、押えるに便利なような算定方式に変えようという考え方には不賛成です。ですから、検討する必要はありますが、いまの御趣旨のように、原則というものは、御承知のように、守っていったほうがいいと、私自身の考え方はそういうふうに思います。研究会では、検討をしようという程度だと思います。それを変えるというところまではいってないように私は承知しております。
○鶴園哲夫君 消費者米価の問題について伺いたいと思います。 先ほど話題にいたしました中間的取りまとめによりますと、どうも生産者米価と消費者米価との間の逆ざやはすみやかにこれを解消すべきだという点については意見が一致したというふうに聞いております。基本的な考え方で意見が一致した点が五点ほど述べられております。その一つに、この逆ざやをすみやかに解消すべきだと、こういうことを言っているわけです。大臣がおっしゃいますように、生産者米価を押えるのはよくないということ、そうしますと、この消費者米価を上げないとますますその逆ざやは大きくなっていくということになるわけですが、そういう意味からいいますと、消費者米価を上げるということになるのではないかというふうに考えるんですけれども、大臣はどういうふうにお考えですか伺いたい。
○国務大臣(赤城宗徳君) 逆ざやを少なくするということは、これを少ない方向に持っていくということは、私も当然考えるべきことだと思います。しかし、逆ざやを解消するということは、もう食糧管理法をなくしちゃって、自由にしちゃっていくということでなければ、逆ざやを解消するということはできません、実際に。減らしていくという方向を考えることは必要だと思いますが、逆ざやを全然なくするということは、米を全然自由化しちゃうということですから、そういうことは私はできないと思います。そこで、逆ざやを減らしていくためにも、消費者米価をどう扱うかということはこれからの研究問題だと私も思いますが、せっかく物価統制令の適用を廃止して、そうしていまのところは、食糧庁長官の調査によりますと、消費者米価もそう上がってはおらぬようです。そのときに、消費者米価をここで上げるということは、よほど慎重に考えなくちゃならない。特に、物統令を廃止しまして、直接に政府の買い上げた米を払い下げるときの価格をどうするかということ、それが末端で消費者米価がどうなるかということになるかと思います、いまの米の物統令適用排除の後の制度では。で、そのときの払い下げ価格につきまして、消費者米価が上がるような影響のないように考えなくちゃならぬじゃないかということは考えております。そういうことで、消費者のほうの影響がないように、どういうふうに払い下げをしたらいいか、あるいはその結果幾らかは影響があるかどうかということなども、まだ深い研究をしておりません。これから、まあ考え方として、消費者米価が上がるような影響のないように考慮しながら考えていかなきゃならぬじゃないかと、こういうふうに考えております。
○鶴園哲夫君 四月一日から物統令から消費者米価を省いた直後のことですし、大臣のお話もわかるわけですけれども、しかし、これがもう少し日にちがたちますと、物統令をはずしたということは、私は消費者米価がすぐに上がるというふうに見なきゃならぬと思いますし、上がりますれば、政府が売り渡す米、つまり卸に売る米なども上げるという余裕を持ってくる、そこに私は物統令からはずした意味があるんだと、あるいは考え方があるんだというふうに理解をしておるわけです。ですから、物統令からはずした直後の五月は別として、これが明らかになってからということになりますと、これはやはり逆ざや解消というあれは、大臣がおっしゃるように、解消じゃなくて、縮めていくということをどうしても考えざるを得ないじゃないか。そこへもってきて生産者米価の問題も考えるということになりますれば、これはやはり政府が卸に売る前の値段というものを上げると、簡単に言えば消費者米価も上げるということにならざるを得ないのではないかと、こういうふうに私は考えているわけなんです。しかし、大臣の答弁の意味はわかります。 そこでもう一つ、私はあとでもう少し米穀管理研究会の中間的取りまとめを話題にしたいと思うんですけれども。で、これを見ますというと、どうも間接統制に移行をしていくピッチは相当早まっているという感じがしてならないわけなんです。相当早まっているというふうに見なきゃならぬのではないか。そういたしますと、これは、先ほど大臣もおっしゃいましたように、間接統制へということになりますれば、最大の問題は生産者米価と消費者米価との逆ざやをどうするかという問題だと思うんです。そうしますと、やはりことしから消費者米価の問題についてこれを上げていくという方針をとらざるを得ないのじゃないかと、おとりになるんじゃないかというふうに非常に痛切に感ずるんですけれども、大臣のピッチとこの中間的取りまとめのピッチは、だいぶ差があるように思います。非常にピッチが早いと思うんですよ。どうでしょうか。
○国務大臣(赤城宗徳君) 考え方の相違ですから、間接統制のピッチが相当進んでおるという見方を鶴園さんはお話ししておられるようでございますが、あるいはそういう見方もあるかもしれません。しかし、それが逆ざやを解消するという財政面からのみそういう方向へ行っているんだということであれば、私はあまり感心しないです。米の生産が相当豊富になって、直接統制をした食糧管理法の時代のように米の不足時代、集荷も配給も非常に窮屈だった時代と、いまの状態が、米の生産過剰からいっても、配給面からいっても、違っておる。そういう意味で、たとえば物価統制令の適用を排除したということは、米の配給が相当十分になってきたから、国民に選択の自由を与えて、良質米あるいは味のいい米を選ぶ選択の自由を与えようという、こういう趣旨からの物価統制令の適用排除だというふうに私は考えて、排除のほうに踏み切ったのでございますが、そういうことで、逆ざや解消という意味で物統令の適用排除に踏み切ったということでは私としてはないわけでございます。 それと同じように、間接統制へのピッチが早まっておるんじゃないかという見方をされますが、それが逆ざやを解消するという財政的な考え方からかりにピッチが早まっているとしても、そういう見方は私はとりません。もしもそのピッチが早まっているということならば、米の生産量、したがって配給量などがふえているという点でそういうピッチが早まっているというような形があるかもしれないと思います、これは米穀管理研究会の中に。しかし、逆ざや解消と、こういう意味でそういう方向へ持っていくということであるならば、私はその考え方は違っておると思います。それならば、もう自由化するというようなことでありまするし、自由化というものには私は反対です。 米というものは、鶴園さんも御承知のように、統制というものがつきものです。大正七年の米騒動を契機として米穀の統制が、米穀法とか、とにかく米の統制の方法はいろいろあったとしても、米というものに統制はつきものでございまするから、でございまするので、自由化して野放しにするというようなことになったら、これはたいへんな社会不安を起こしますし、経済不安も起こすと思いますから、私はその方向には賛成いたしません。しかし、これは研究会の意図がどういうところにあるかということは私もまだ十分聞いておりませんが、そのピッチが早まっておるという見方も一つの見方であろうと思います。しかし、私どもはそういう意図でいまの米価問題や何か、米の問題を取り扱っておらないのでございます。現行のままで、公平の観念、あるいは消費者の立場なども考えて、物価の問題も考えながら対処していきたい。ただ財政的に逆ざや問題からばかりいろいろな考え方を進めようということはしておらぬということだけは申し上げておきます。
○鶴園哲夫君 この取りまとめによりますと、四つの案が提示されておるわけですね。四つの案が提示されているわけですが、これはいずれ一つにしぼっていくんだろうと思うのですけれども、しかしこの米穀管理研究会は、研究会という趣旨だろうと思うのですが、学識経験者だけによって構成されておる。実際これが四つを一つにしぼっていくという過程になりますと、これはどうしてもやはり利害関係人を入れなければ非常に大きな問題が出てくるのじゃないかというふうに思うわけです。生産者の代表も消費者の代表も入れたそういうものにしていかないというと、このままではたいへんだという私は気がするわけです。大臣はどういうふうに考えていらっしゃいますか。
○国務大臣(赤城宗徳君) 関係している食糧庁長官から詳しく御説明申し上げようと思いますが、この研究会を設けたときの私のあいさつといいますか——は、食糧の米が少ないときと米の多いときでは食糧管理法の運用等においていろいろの考えなくちゃならぬ面もあるんじゃないかと、そういう面で研究をお願いしたい、食糧管理法を改正するあるいは廃止するというような意図ではない、それで、運用上からいってどうしてもある程度改善しなければならぬという面があるならば、それはまた研究していただきますが、前提としては、運用の面で、食糧の豊富なときと食糧の不足のとき、それに対しての運用の方法というものについて御研究願うというあいさつをしたわけでございます。それでありますので、生産者代表とか、消費者代表とか、そういった米価審議会のようにいろいろ入れるという意図は初めなかったわけでございます。しかし、報告等に関連していろいろお尋ねがございましたから、食糧庁長官からも御説明申し上げます。
○政府委員(亀長友義君) 私が若干補足を申し上げますと、第一の御質問の点の、四案が一つになるのかどうかという問題でございますが、この研究会といたしましては、四案みずからつくったといいますよりも、議論の素材としまして、数年前にございました、俗称松村懇談会という食管制度の懇談会が過去にございまして、そのときにあらわているものを四つに整理して、それを議論の素材にしたということでございまして、この四案につきましてそれぞれ各研究会のメンバーが論評を加えたというような内容になっているわけでございます。さらにその内容につきましても、今後生産調整の進展による需給への影響、物価統制令の適用範囲に伴う流通面での新しい局面の展開等、今後の事態の推移に即して、米穀管理のあり方についてはなお引き続いて検討を要する事項もあると、こういうふうな注釈もついておりまして、研究会といたしましてはあくまで中間的なものである。さらに、現在麦の検討に入っておりますので、まだしばらくはこの研究は続くと思います。したがって、その後においてこれはまた再検討するということもあり得るわけでございます。いずれにしても、各研究会のメンバーが四つの案のそれぞれについて論評を加えたという程度の検討しかいまだ行なわれていない実情でございます。これを一つにしぼるのかどうかという問題でございまして、これはこれからの研究会における御意見の出方なり扱い方ということに相なるわけでございますが、おそらく夏ごろまで研究会は麦の問題をやることになると思いますけれども、これをなかなか一つにまとめるというようなことは、私の見込みとしては、むずかしいのではないかというふうに思います。 それから御質問の第二点の、利害関係者が入っていないという問題、これはまさに御指摘のとおりでございます。ただ、この研究会発足の経緯から申し上げますと、この研究会はあくまで研究会であって、利害関係者は除いて、いわゆる学識経験者だけでやりたい、またそういうふうにしてもらいたいという利害関係者のほうとの話し合いもございまして、実際にこれが何らかの具体的な政府の施策、具体的に取り上げるという段階にいくまでにはなお相当な段階を経なきゃならない問題でございまして、そういう段階におきましては利害関係者が入って検討を加うべき機関が当然設けらるべきであるというふうな意識を、われわれも持っておりますし、利害関係者も持っておるわけでございます。したがいまして、この中間報告はそういう性格のものであるというふうに御了承願いたいと思います。
○鶴園哲夫君 まあ食糧管理法そのものは法律の改正をしてないわけですけれども、ずっと見てみますと、次から次にどうも実際上は空洞化しつつある。配給面で言いますれば、もう実際形だけのものになってしまって、登録の卸と小売りがあるという、その小売りのところも非常に変わろうとしております。値段の問題については、これはなくなってしまったということになりますと、配給通帳とそれから登録店があるというだけのことであって、配給面においてはこれはほんとうの形になってきているんじゃないか。それから生産者側のほうから見ますと、これは政府が買い入れる米についても買い入れ制限みたいなものができておるし、それから政府が買い入れる米の中の三割以上というものは自由米になっております。価格は自由だということになるわけですね。そういたしますと、これは食管制度というものは特に空洞化してきているという感じを非常に強く持つわけです。そこへもってきて、この管理研究会が中間的な取りまとめをして、四つの意見を並べて出ている。どうも見るというと、これは方向が出てきておるのではないかという感じすら受けるわけですね。ですから、一体これはどうするのかということは、農業者はもちろん、農業関係者も非常な関心を持っているところであります。で、これを一本に詰めるということはむずかしいという、いま長官のほうからのお答えがありましたですけれども、しかしまた、どうせ利害関係者も入れたものができるような形にもなって具体的には論議をしなければならぬという答弁もあったわけなんですが、どうもやはり私は、これはことしの秋の——八月のできぐあいを見なければならぬでしょうし、佐藤内閣の退陣の条件もありましょうし、いろいろなものがありましょうけれども、どうもピッチが早まっているのではないか。それで私は、いろいろなことから考えまして、いまの生産統制といいますか、生産調整ですね、それと歩調が合っているんじゃないか。ですから、単純休作は三年ですが、それから転作等が五年ということになっているんですね。この四十七年で二年目に入るわけです。 単純休作というのは四十八年で終わるということになっております。そうしますと、どうもおそくとも来年の夏ごろになりますと、これは四つの考え方が一つにしぼられてくるという、そういうことになるのではないかという気がするわけです。そこで私はピッチが早まっているというふうに感ずるわけなんですけれども、なお、ついでだから申し上げたいんですけれども、これは少しうがった感じになるかもしれませんですが、四十六年に初めて生産調整というものをやったわけですけれども、これが九八%達成された。しかし、これはみな奇跡的だという、夢のまた夢みたいな話で、よく九八%できたと、だれもこれができようなんと思っていなかったんじゃないかと思うんですが、言うならば神風が吹いた。政府にとりましても、農林省にとりましても、神風が吹いたんだと、つまり、非常に大きな不作というものがあって、それで九八%達成できたんだろうと思うんです。しかし、やはり四十七年もたいへんだと思うんです。それで、勝負は四十八年だと思う。何としても四十八年だと思う。 〔委員長退席、理事小谷守君着席〕 で、私は、この転換といいますか、生産調整というのは、従来の農政から比べると非常に大きな特色を持っているんじゃないか。それは、千数百億という金を使って、どんぴしゃりと二百三十五万トンなら二百三十五万トン、本年で言えば二百十五万トンという数字がぴしゃっとできている政策、これほど明らかなといいますか、つじつまがきちっとしている政策というものはいままでないわけです。したがって、失敗しますと、これは明確な失敗として出てくる。で、その山は私は四十八年にくると思う。単純休作が終わる四十八年が山だと思う。そうしますと、どうしてもここで、農林省としましても、政府といたしましても、生産調整というものを推し進めていくには、これはやはり米の統制問題について一歩踏み込まざるを得ない、一歩踏み込むということになるのではないか。ですから、私は、来年のおそくとも夏ごろまでの間に間接統制の方向をはっきり出さざるを得ないのではないかという、ちょっとうがった考え方かもしれませんですけれども、そういうふうな考え方をするわけですね。大臣のひとつ御所見を承りたいと思います。
○国務大臣(赤城宗徳君) 間接統制論というものも前からあったわけでありますが、大勢としては、なかなかそこまでいくのにも容易でない。しかし、鶴園さんは、四十八年ごろにその山がくるんじゃないか、それは、米の生産調整から見てそうなるというふうな、論理的、結論的な見通しを立てているようであります。どうも生産調整についても、私の考えと政府が初め考えたその当時の立案者と違っておるかどうか知りませんが、私らの考え方は、生産調整も間接統制も回っていく、あるいは間接統制になるということで生産調整が進んでいるんじゃないかというふうには、私は見ないのでございます。というのは、やっぱり農産物も、農家の自給自足的な時代と違って、商品になっています。米の場合にも商品になっていますから、商品になっておるということから考えまするならば、やはり需要と供給とがマッチしませんと、自由化時代であれば、豊作貧乏というようなことになるわけでございます。これは統制下においても、やっぱり需要と供給とがバランスとれなければ、これは安定して、安心して農家の生産ができないと思います。そういう意味において、どうしても需要と供給とがバランスとれるように——農産物全部そうだと思うんです。そうして、自給が十分できないようなものは、自給率を維持していくというこれは方針で進めなきゃならないと思います。ところが、米については、自給度を超過している、超過している分を切っていくといいますか、調整していきませんと、やっぱり統制下であっても、自由化のときと同じように、豊作貧乏というようなことに追い込まれる。それでなくても、いまでも米がたくさんとれるんだから、そんな米の価格を高く買う必要はないんじゃないか、あるいは外国から半値ぐらいのものを買ったほうがいいんじゃないかという、財界筋や経済合理化関係筋からはそういう声も強いので、でございまするので、どうしても日本の農業政策としては、供給と需要とのバランスをとっていく、供給過剰のものは需要にマッチする程度までは少なくしていく、それから供給の足らないものは自給度を増していく、あるいは維持していく、こういうことにしませんと、自由化の関係からいっても、日本の農業というものは危殆に瀕するようなことになるんじゃないか。そういう意味において、需給のバランスをとるという意味で、米の生産調整というものもするべきだというふうに、私は認識しておるのでございます。そういう意味でございますから、この生産調整が山にきたというから間接統制に踏み切るのだ、また、鶴園さんはそういうことは賛成でないと思いますが、そういう情勢に追い込まれるのではないかという御心配をしておるように私受け取りますので、私はそこまではこちらは考えておらないのでございますが、その後いろいろの情勢の変化によってはどういうふうに追い込まれるか、まあ私一人のよくささえるところではないようなことになるかもしれませんが、そういう悲観的なことを言うわけではございません。まあいまのところは、私は、いまの食管法の運用等については、いまのお話とだいぶ変わってくると思うのです。食管法が空洞化したと言いますけれども、食管法の米の、少ないときと多いときでは、扱いが違ってくると思います。たとえば少ないときには、強権発動までして供出をさした。それが食管法では、生産者は政府に売る義務がある。政府で買う義務というよりも、売る義務という方面で強権発動をした。現在においては豊富な時代でありまするから、ある程度の、米だけを政府は買って調整をする、需給のバランスをとる役割りを演じておりますというようなことで、食管法の運用にあたりましても、ある程度の米の豊富なときと米の不足のときとの運用によって変わってきておって、別に空洞化したというわけではないと私は考えておるのでありまするが、しかし、そういうように運用の面で考えなければならぬ面はあると思いますが、そういう研究は進めておりますが、いま間接統制に踏み切る一つのステップとしてだんだん積み上げているのだ、こういうふうには、全然私自身はそういう方向にも考えませんし、そういう積み上げの方式でそこへ持っていこうという考えは全然ございません。
○鶴園哲夫君 大臣のおっしゃるように、生産調整で需給関係を均衡とれるようにしようということで、生産調整が始っているのだというお話、そのとおりだと思います。四十六年には、第一年、初年度が非常に成功したけれども、完全と言っていいほど成功したけれども、しかし、これはどうも神風が吹いたのではないかというふうに言われるわけです。つまり、大きな不作があったということによってたいへん助けられた。さて四十七年度はどうかというと、これはなかなかたいへんじゃないかということですし、そうなりますと、まあ四十八年にはどうしても決定的な勝負をせざるを得ないのじゃないかというふうに思うわけですが、どうも四十七年度は、普通で言えば、失敗は目に見えているのじゃないかというふうに思います。そうしますと、四十八年には、これは単純休作が終るわけですから、それが大部分ですから、ここで目鼻をつけざるを得ないということになりますと、やはりここで米を突き放すと——いまや米を突き放しているわけですから、私はそう思うんですよ。米を突き放すという形をとらざるを得なくなるのではないかということを心配しているわけです。ですから、大臣の答弁はわかりました。いまの問題はこれだけにいたしまして、あと林野庁長官お見えになっておりますか——それじゃ、これは大臣がいらっしゃるときに一ぺんやっておく必要があると思いますので、林野庁、私はきょう決算委員会で農林省の関係をやることになっておったのですが、まあきのうあたり、一昨日と、非常に大きく林野庁の問題が新聞に報道されるということになりまして、一つは秩父の営林署の問題ですね。これは一昨日の新聞だったのですが、非常に大きな見出しで報道されまして、ある新聞の見出しは秩父営林署の「歴代三署長を取調べ」というような大きな見出しですし、ある新聞は「三代の署長取調べ、業者メモにワイロ額」という見出しで報道されているわけです。しかも、この報道は、その前も、四月の初めにも報道されまして、また四月の二十六日にも報道されまして、この一カ月続いておるわけですね、二カ月にわたりましてですね。それで、私は簡単に言いまして、この報道を見ましてまず第一に直感をいたしますことは、どうもこれが非常に長期にわたっているということ、四十一年から四十六年にわたっているということですね。そうして歴代の署長だという。Aという署長は悪かったが、Bという署長はよかったということは、もうこれはあたりまえの話なんですけれども、そうではなくて、Aも悪かった、Bも悪かった、Cも悪かったという、その三代の署長が続いて悪いということですね。そうして非常にその範囲が広い。これはえらいことじゃないかということをまず非常に直感をしたわけですね。ですから、何かこういうようなことが常識化していると言うとまずいかもしれませんですが、あるいは一般化していると言うとまずいかもしれぬが、何かそういう空気が一部に立ち込めているというのが第一の直感なんですよ。Aの署長は悪かったが、次はよかったとか、次はよかったというんならいいが、みな悪いと、こういうわけでしょう。次から次に悪いという、これはどうもえらい話だと、そういう空気が立ち込めているのじゃないかという、その点が一点です。 それからもう一つは、これは新聞にもあるのですけれども、新聞の解説によりますと、この山林の汚職というのは、なかなか捜査がむずかしいのだと、ちょっと捜査の手が伸びるというと、非常に狭い封鎖社会だから、すぐ情報が筒抜けで、なかなかむずかしいのだということがあって、そうして今度出たんだというふうな言い方をしているわけですね。ですから、私は第二番目の直感として、非常に問題だと感じましたのは、これはひとつ全国的に見た場合はどうなっているんだろうというのが第二の感じなんですね。その二つを非常に感じておるわけですけれども、この二つについて林野庁のほうから説明をいただきたいと思います。
○国務大臣(赤城宗徳君) 私も、報告を聞いたり、新聞見たときに、単に秩父だけじゃなく、一般的にそういうことがやはりあるんじゃないかという実は懸念をして、林野当局にもよくそういう点を注意して調べるように言っておるのです。というのは、私新聞だけ見たんですが、とにかく業者が国有林の払い下げについて談合する。大体、森林の業者ばかりでなく、請負業者なんというのは談合が常識のようになっています。しかし、これは、刑法上談合というのは刑罰の対象になっているわけで、ほんとうは談合できないわけですが、実際には談合でやるらしい。そうして、談合をするときに金を出し合って談合するわけですけれども、それを貯蓄しておって、それでせんべつやなんかにその財源から拠出したというふうに新聞では報じておるわけです。こういうことは、これは土木の請負やその他においてもあり得ることでございまするから、この木材の関係でも、あるいはこの秩父ばかりじゃなく、そういうことが普遍的にあるのじゃないか。そういうことがあるということならば、これは容易なことじゃない。でございますから、この秩父の問題は、いま調べ中ですから、当然結果によって厳正な処置をとる考えでは私はおりますが、しかし、こういうことが普遍的だと、どこの営林署でもそういうことであるということでは、これは容易なことじゃないと思って、私は、林野庁長官にも、ほかのほうもそういうことはないんだろうなと、そういうことがあっては困る、これを契機としてよく厳正に綱紀を粛正するというか、そういうことをしなくちゃならぬぞというふうに言っているわけでございます。
○説明員(池田正範君) ただいま農林大臣からお答え申し上げましたとおりでございますが、特にただいま先生から御指摘ありましたように、秩父の地域というのは非常に閉鎖的な社会である。また、御承知のように、秩父の営林署の業務取り扱い量というものは、全国の平均的なベースからいいますと、かなり小さいほうに属しております。そこへかなり多数の業者が乱立しておるというふうな条件の重なりによりまして、あるいはそういうふうな雰囲気が出てきたのではなかろうかというふうに考えられるわけでございますが、で、入札に際しましては、御承知のように、予決令等の厳重な処分もございまして、一たんこれに違反をいたしますというと、二カ年間入札に参加させないといったような、非常に厳重な処分をいたすことにいたしておりますので、業者といたしましても、そういうことをあまり軽々しく簡単にやることは、みずからの首を絞めることにもつながるわけでございます。したがって、一般的に申しますというと、この問題については、私ども起こり得るチャンスというのは非常に少ないことであるというふうに考えておったのでございますが、いま司直の手で調査中でございますので、明確なことはそれを待って処断するということになろうかと思いますけれども、職員の綱紀の粛正、それからさらに入札事務につきましてこれを厳正に実施をするという二点につきましては、先般の上松運輸営林署の事件以来、特に担当者を全国から集めまして特別の研修を実施する等の措置を講じまして、また常時営林局長会議等を通じまして、それぞれの担当の現場の管理者にその旨を厳達できますようにあらゆる手段を尽くしてまいっておったのでございますが、どうもこういうことで問題が表に出てきたということは、これはまことに遺憾にたえないというふうに考えておる次第でございます。
○鶴園哲夫君 もう一つ、きのうの新聞、これは毎日新聞だけですが、非常に大きく報道されまして、これは「緑の山むしばむ黒い霧」というたいへん大きな見出し。そして「保安林を違法伐採」した、これが見出しになっておるのです。そして、材木の搬出の前に植林してしまって、それが踏みつぶされる、こういうような記事が載っているわけなんですね。これもとてつもない話だと思うのですけれども、いま林野庁は、大臣も御承知のように、たいへんな状態であって、四十四年を境にいたしまして特別会計は急速に赤字になってしまった、そして四十七年の特別会計も当初予算から百億円の赤字予算が組まれておるし、前年よりも縮小した予算が組まれておるというような異常な状態にきているわけですけれども、そこへもってきて、木を切るなという環境庁からの激しい切り込みがありますし、あるいは建設省からは、都市公園だということで、都市の計画の中に山を入れるのだというまた切り込みがある。運輸省からは、いや観光がどうだこうだと切り込まれる。あるいは、林野の開放という問題というようなことで出てくる。まあ林野庁としては、全く二刀流みたいなものでもって、受け太刀に一生懸命になっておる。結局、受け太刀に一生懸命になってやっておるうちに、何か山の上に登っちゃったというような感じがするほど、異常な状態に来ておるわけですね。そういう中で、こんな問題がこういうふうに続けて大きく報道されるということは、これはたいへんなことじゃないか。非常なこれまたえらいことになっちまっているという感じを強く持つわけです。それで、林野特別会計が急速に非常に大きな赤字になってぎりぎり一ぱいのところにきているということで、これをどうしようということで盛んに論議が行なわれたり、あるいは答申が六月の初めに出るとかいう話もありますけれども、その前に林野庁としてやらなきゃならないことがあるんじゃないか。一体、こういういま秩父の営林署に出たような問題、あるいはいまの、きのうの毎日新聞に出たような、たいへんむちゃな払い下げ、それから談合契約ですね、こんなものをまず整理する、それすらできなくてはどうにもならぬじゃないか、そういう意見が非常に強いですね。で、これは特別捜査本部が言っているんですが、これは新聞に載ったんですけれども、特捜本部の言としまして、一つの払い下げで談合があるたびに国は数百万の損をする勘定になると、許せないと、こういう言い方を特捜本部はしているわけですね。で、私の直感として、これが全国的な風潮じゃないかという感じがもしあるとすれば、これはたいへんなことじゃないか。だから、まずそのことを直さなきゃどうにもならぬじゃないかという言い方すら行なわれているわけですね。ですから、これは大臣、まず私は、この点はやはりはっきりさしていく必要がある、そうでなければ信用しないですね、信用しなくなるんじゃないかと思いますね。まあ新聞報道を見ますと、何かこう、何となくふわっとした広い感じを受けますものね、あれは。ですから、その点を私は大臣にひとつ強く要望しておきたいと思いますが、それすらできないようじゃどうにもならぬじゃないかという気が非常にするものですから申し上げたいと思いますが、大臣のひとつ考えを聞かしてください。
○国務大臣(赤城宗徳君) 国有林の問題につきましては、いまのお話のように、非常に危機といいますか、八方ふさがりといいますか、そういう状況で苦労しておるときにこういう事件が出てきましたことは、非常に遺憾でございます。私は、森林というのは、一つは、国有林であろうと、私有林であろうと、公益的機能というものが非常にあるものだと思うんです、ほんとうは。ですから、森林というものは国有林にするべきものだと思うんです、ほんとうは。しかし、何も私有林まで国有林に編入する——私権も尊重しなければなりませんから、そこまでやれということじゃありませんが、国有というものは本来そういうことだと思います。それは森林の公益機能、あるいはダムであったり、貯水池であったり、あるいは気候風土を調整するような、あるいは衣食住の住の材料を供給している、公益的な非常に機能がほんとうは多いと思うんです。ですから、これを独立採算みたいな独立会計にして、ここで利益をあげて、そこで職員から何からすべての経費を支払って、そしてもうけていくような仕組みというのに対して、私は非常に疑問を持っているのでございます。公益的機能であるならば、独立会計なんということでなくて、ほんとうは国全体が赤字になろうと国全体がその赤字を埋めていくという制度でなければならないのじゃないかと、こういう根本的な考えを持っています。しかし、それまで政府も踏み切らぬようですから、少なくとも一般会計から、その赤字分といいますか、そういうものは相当繰り入れるべきだと思うのです。そういうような独立採算みたいな、山でもうける、山で黒字を出すというふうな指導といいますか、仕向けをしておりますというと、どうしても伐採などをしたり、乱伐というような空気が、何といいますか、森林会計の利益、独立会計の利益という点であせる、こういうようなことになって、その間、全く残念でございますが、こういうような違反事件といいますか、司直の手を借りるような事件を起こして、また国民全体に迷惑をかけるようなやり方なども出てくるというようなこと、ほんとうに私は残念に思っております。それはそれとして、制度はいまの制度として大いにこれは是正していかなくちゃならぬと思います。鶴園さんの件でございます仙台の営林署の乱伐は、普通の乱伐でも、これは私は、山というものはやっぱり切って植えて初めてよくなるものですから、環境庁が言われるように、ただ全面伐採しないでおくのだというようなことじゃ、その環境の保全にはほんとうはならない。やっぱり切って、いいものを植えて、そしてこれをいい環境にしていくということが、森林の持つ公益的な一つの機能であると思います。でございますが、せっかくこの戦争中に強制的に伐採して植えた木がストック的にまだ樹齢がこないのにどんどん伐採するというようなことは、これは慎むべきであると思います。まして保安林は、これは伐採しないことが原則でございます。その原則を破って、保安林を許可なしに伐採するというようなことは、これは全く言語道断の仕打ちだと思います。そういうように、一面においては森林の持つ公益的機能をはき違えたり、あるいはまたそれと逆行していくようなことで犯罪を犯すような事実などをしでかしたというようなことは、私はほんとうに遺憾に存じますから、それはそれとして、綱紀を粛正していかなくちゃならぬし、森林の持つ本来の機能を十分生かすように森林行政というものをやっていかなくちゃならぬ、こういうことを痛切に考えておる次第でございます。
○鶴園哲夫君 いまの仙台営林署の問題は、何か農水でもきょうやることになっているらしいですね、あの新聞の報道を見てみますと。ですから、以上でこの問題を終わりまして、大臣の時間がございますので、農産物の自由化の問題についてお伺いをしたいと思います。これは一、二点です。 まあ私ども、いままで農産物の自由化というのは、まことに予想に反して、急激に大きな力で吹きまくった。その間にありまして、いま赤城農林大臣はじめといたしまして農林省が自由化については反対の立場で努力してこられたという点については、理解をしているつもりでおります。しかしながら、何かその自由化の問題について急速に積極化したという感じを抱かされつつあるわけなんです。それで、まあことし一ぱいに残ったそれぞれの品目について具体的に自由化の方針、それに対応する対策といったようなものをつくるのだということが報道されたりしているわけですね。何かことしになりまして急に積極化したという印象を強く受けるようになっているわけなんです。それで、私は、この自由化の問題について、これは対応策も含めて、農林が積極的になってきたということは、どうもやはり米の生産調整とうらはらの関係で進められておるのではないかという印象を強く持っているわけなんです。つまり、来年単純休作が終わるというところ、あるいはもっとあとまで考えてもいいですが、五年間ということでいいですけれども、そこらあたりと歩調を合わした形でこの自由化という問題についての積極化がどうも積極的な態勢になってきたのではないかという印象を受けているわけです。農業の立場から言いますれば、米は決定的な大幅な減反政策、縮小生産が行なわれている。しかも、一方においては、私の感じとしては、やはり来年あたりに米を突き放すという事態になるんではないかという心配もせざるを得ない。そこへもってきて、自由化についても、どうやら自由化について、対応策も含めて積極化してくる。それがやはりその問題とからんで出てくるということになりますと、どうやら生産調整、そして米を突き放していくということ、あるいは自由化の積極化というものによって、農業生産の構造変化というものを積極的に意図してくるんじゃないかという心配も懸念もあるわけなんですね。ですから、この自由化の問題について、大臣、どういうふうにお考えになっておられるか。どうも積極化してきているんじゃないか、対応策も含めて積極化しているんじゃないか。いまや農基法の中では自由化には対応できないというところから、そういう考え方が急速に出てきているんじゃないかという心配をするわけです。その点について大臣のお考え方をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(赤城宗徳君) この自由化の問題につきましては、いまの御指摘のように、ある新聞などでは、農産物の自由化のスケジュールを研究しているとか、あるいはまた最近の記者会見などでも、そういうところに追い込まれるんじゃないかというように質問なども受けております。この問題が出るというのは、こういうところにあると思うんです。国際収支で日本の黒字が、まあそのうち二百億ドルぐらいになるんじゃないかというようなことが問題になって、その黒字を、ドルをどういうふうに処分するか、援助に処分するか、そういうようなことが経済全体として国際収支の関係で問題になっております。そこで、やはり日本の黒字を少なくするというようなことで、アメリカとの関係で輸出を少なくするとか、輸入を多くするとか、こういうようなことも一つの手じゃないかということで、まあ通産関係の物資などについては、その自由化、これは一つは自由化をもっと進めなくちゃならぬのじゃないかというような考え方がその方面にあるようです。それと一緒にして、農産物までも自由化を迫られるのじゃないかというような、懸念といいますか、あるいはすべきだと言う人もあるかもしれません。そういうようなことで、農産物の自由化という問題が、また何かもたもたするというか、浮かび上がってきているようなことに私は見ております。しかし、鶴園さんにも前にこの委員会で御答弁申し上げましたように、日本の農業というのは自給農業で、輸出すると、こういうような農業になっておらない。アメリカのように、農産物そのものが輸出産業になって、それで生産過剰みたいな、輸出がなければアメリカの農業も困るというようなことで、輸出産業的農業をやっているようなところと、日本のように自給農業というものと一緒にして自由化されるということでは、日本農業というのは困ってしまう。こういうことだから、日本では農産物の自由化というものは極力押え、自由化しないようにしなくちゃならぬということで、去年一ぱい骨折ったわけでございますが、そして、現在残っている残存品目も国際水準並みで、決して日本だけが国際的に農産物の自由化を拒否するということではないところにいまきております。しかし、アメリカばかりでなくて、いまUNCTADの会議もありますが、開発国等などについても自由化の要請がある程度強く出ておると思います。しかし、いまの生産調整との関係で、米の自由化にもなり、貿易の自由化も、農産物が追い込まれるのじゃないかというふうな、御指摘のような見方もないわけではないと思います。しかし、生産調整は、米を自由化するための生産調整ではなくて、生産調整によって、果樹とか、野菜とか、畜産とか、そういう方面に日本農業を転換して、米の需給の調整をし、そのほかの畜産物とかあるいは果樹、こういうものはなかなか自給できるようなところまでいっていないんで、せっかく生産調整をしているときで、自給度を維持しようとか、増そうというときだから、こういうものについての自由化は全然できないという理由にしているくらいでございますので、米を生産調整によって自由化に持っていくためであるというふうには私はとっておりませんし、そういう考えでございます。でございますので、現在農産物につきましては、日本の貿易の黒字の問題で、通産物資といいますか、そういうものは、あるいは自由化をしなくちゃならぬというような方向にいかざるを得ないとしても、いまの自由化しない農産物の品目等につきましては、国内の農業政策を、団地的にして生産性を上げていくとか、いま国際競争力が完全にできるなどというようなことはできませんけれども、その方向に持っていこうというように努力しているときでございますから、私は、残存の重要な農産物の品目につきましては、自由化をどの方面で言われても、この自由化には応じないというふうな心がまえでいまおるわけでございます。そういうようなことでございますので、どうぞ私の方針にもひとつ御協力をいただきたいと、このように思っております。
○鶴園哲夫君 大臣のお話、よくわかりました。私が、自由化の問題について、あるいは米の生産調整、あるいは米の間接統制との関係をいろいろちょっと考えてみて、心配なときにきているんじゃないかと、来年あたりはどうもその時期じゃないかという心配があるものですから、いろいろ伺っておるわけですが、もう一つ農業基本法について伺いたいわけなんです。これはいままでも農業基本法ができてからちょうど十一年になるわけですね。まあ四、五年前ごろになりますか、たいへん悲鳴をあげ始めたわけですよね。いや農地価格がこんなに上がろうとは想像もしなかった、経済成長がこんなに高まろうと思いもしなかったというような悲鳴があがって、毎年その悲鳴が高くなってあちこちから出てきたわけです。私は口が悪いのですけれども、どうもだんだんどろ吐いてきたということを言っておるわけなんですよ、だんだんどろ吐いてきた。初めはどうもいいことばっかり言っておったけれども、四、五年前からだんだんどろ吐き始めて、今度の農業白書を見ますというと、もう完全にどろ吐き過ぎて吐き終わったんじゃないかというような感じがします。これ一体これからどうするんだろうと、農業基本法はという印象をまず第一にあれ受けますね。これがまず第一だと思うんですよ。まあたとえて言いますと、農基法の中軸をなしておったのは、自立経営農家を基軸にして考えておった。それが出発当時農家に占めておる割合は八・五%ぐらいだった。それが十一年たって六・六%と、微増するというのじゃなくて、逆に減ってくるという、あるいはそういう自立経営農家が五〇%程度にはなりたいという考えがあったわけなんですが、そんなものはとても考えられもしないというような状況ですし、あるいは兼業農家というのをきらっておったわけですけれども、しかしいまや兼業農家は八五%になってしまった。むしろ兼業農家を奨励するというような事態になってきた。あるいは、ことしになりますともう農業所得も前年よりも四%減ると、それはたいへんな、農業所得そのものが年々四%減ると、あるいはパリティ指数の上がりぐあいよりも農産物の上がりぐあいのほうが小さいと、経営がとことんまで追い込められているというような状況にきておるわけですね。ですから、どうもそういう経過を見ますというと、一体ここらあたりで農業基本法というものは清算をする必要があるんじゃないだろうかという気がするわけなんです。一方においては、農業基本法からはみ出たものがうんと出てきているわけですね。農業基本法が考えておったものからはみ出たものが非常に大きく出てきている。それは、先ほど問題にいたしました農産物の自由化の問題にいたしましても、これはもうたいへんな想像以上の、これは想像できなかったような事態にきているわけです。しかも、いまやこれはいまのままでは何とも手の打ちようがないというようなところまで追い込まれているんじゃないでしょうか。少なくとも農業基本法の範囲内ではこれは対処できないというようなところまできているでしょうし、あるいは公害の問題にいたしましても、まあまあ想像もつかなかったような事態になってきている。あるいは自然と農業との関係につきましても、これも想像できなかったような状態になってきているというようなことから見ますというと、どうも農業基本法というものはここらあたりでやはり全面的に、根本的に再検討しつつあるのではないかと、農林省としては、政府としては、しつつあるのではないかというふうに感ずるわけです。どういうふうに考えていらっしゃいますか。
○国務大臣(赤城宗徳君) いまの御指摘のような情勢が出ておると思います。しかし、これ、農業基本法がどろ吐いたんじゃなくて、日本の農政や政治がどろ吐いているようなかっこうで、農業基本法そのものがどろ吐いているわけではないと思います。ですから、農業基本法の目標としたところへなかなかいかないで、あるいは逆の方向にいっているという事実は、御指摘のとおりだと思います。しかし、農業基本法にいっていることは、悪いことをいっていることじゃなくて、みんないいことで、そうありたいことであります。たとえば自立農家の育成というようなことも、まあ農業としては、農家が農業収入で生活でき、そうして生産したものを消費者のほうにも売り渡せるような、供給できるような形が農業の本来の姿であろうと思いますから、それにはやはり、自立農家というような形は、経営規模も大きくして自立できるようにしていくという方向は決して悪い方向じゃないと思います。むしろいい方向だと思います。しかし、実際、経済成長が変なひずみを持って、地価なども高くなっていく。経営規模を大きくするというようなことも、これは不可能に近くなっておる。したがって、兼業農家が八五%というようなこと、農外収入のほうが多くなっているというような状況、こういうひずみが出てきておることも事実でございます。しかし、経営規模を大きくして生産性を上げていくという根本方針はこれいいと思いますので、私は、この土地の問題なども、所有権を持って経営を大きくするというようなことはなかなかこれはむずかしいですから、利用権を広め合って、そうして経営規模を、個人じゃなくて、団体的に経営規模の単位なら単位が広くなるということは非常に希望することでありまするから、そういう意味で、団地的な経営ということを、これは米ばかりじゃなくて、畜産でも、あるいは果樹でも、野菜でも、そういう方向へ持っていって、農業基本法の考えている専業農家というような、あるいは経営規模の拡大というものをやめるのじゃなくて、これをまあ、きざなことばでありますが、アウフヘーベンしていって団地的な経営というようなことにすれば、農業基本法の考えているようなところへ持っていけるのじゃないかというようなことで、団地的な経営というようなことも考えておるわけであります。また、工業の地方への導入というような問題もございまするから、団地と農業とを結びつけて公害のないような工業、それから土地改良のいま改善をやっておりますが、農地でない非農用地なども一カ所にまとめていって、そこへ工業なども分散してくるならば入れて、そして雇用の機会を農業者も、兼業農家を観迎するわけじゃありませんが、兼業農家がたくさん出ているということは事実でございまするから、それが東京あるいは大阪まで出かせぎに出なければならぬということじゃなくて、近くで農外収入が得られるような機会をやはりつくっていくというような意味で工業の分散というものを生かしていくと、それを団地的な農業の経営と結びつけていくというような形に持っていきたい、こういうふうに考えておるわけであります。 そういう意味におきまして、私は、農業基本法の目標としていることが決して悪いことじゃなくて、やはり目標そのものにはそう間違いはないと思います。でございますが、この時代の変わり、あるいは農業の変わり、社会的な関係、そういうものから考えまして、これを前向きに進めていくいろいろな政策があるのじゃないか。ですから、いまの御指摘のように、検討をする必要に迫られているのじゃないかということでございまするから、検討は大いに進めて、その検討の上に立って、農業基本法の目標としているようなことをその手段として、政策として、これを前向きで進めていく政策を考えていかなくちゃならないというふうに考えている次第でございます。
○鶴園哲夫君 私はこういう感じを持っているんですが、戦後の農政は終わったのじゃないかという感じを非常に強く持つわけですね。それで特に、今度の農業白書を見まして、現実にまた農業というものを見た場合に、たいへんなところにきているというふうに思いますから、ですから、農業基本法というのが中心になっておりましたから、したがって、これを全面的に再検討するという段階にきているのではないかという感じを非常に強く持っておるわけですが、それで私は、赤城農林大臣が大臣になられて、そして今度の予算でもはっきり出ておりますように、農業団地の構想というものは、まあ私の感じとしては、どうもこの方向というのは従来の自立経営農家育成を中心としたそういうものではなくなってきたのではないか、それよりむしろ所有と経営というものを分離した形の、そして農業団地というものをつくっていくという考え方が出ているんじゃないかというふうに思いますし、また、生産者一本の農政というものから、消費者を考えなきゃならないという、そういう農政が強く浮かび上がってきて、まあ今度食品流通局というようなものも出てくる、この問題いかんによっては農政の中に国民的農政というものが出てくるというようなことを考えていきますと、まあ農業基本法というのはすでに検討が始まっているというような私は感じを強く持っておったわけです。ですが、どうやらその方向が、私は先ほど以来申し上げておりますように、米の生産調整、そして米の突き放し、そして自由化に対する具体的な対応策を含めた積極政策というものとの関連から言いますと、これはたいへんな事態に向かいつつあるのではないかという心配をしているということを重ねて申し上げまして、最後に農協の問題について一言だけ伺いたいと思います。 これは、いま四十四年度決算をやっておるわけですが、ちょうど四十四年の七月の農林水産委員会で、農協の短期大学がございましたですね。協同組合短期大学というんですね、実際は。協同組合の短期大学。これはたいへん歴史の古い学校でありまして、たしか大正の終わりに産業組合法が発布されて、その二十五周年を記念いたしまして産業組合学校というものができて、戦後これが協同組合学校になって、そして農協の発展、さらに非常な複雑化、そういう中からもっと高度の教育をする必要があるというところで、これを学校法人によるところの短期大学というものにいたしまして、日本にただ一つしかない協同組合短期大学というものができたわけですが、たいへんりっぱなことだと、そしてこれに対しまして農林省も補助金を出して奨励をしてきた。しかるに、こういう歴史ある、しかも日本にただ一つしかない協同組合短期大学というものを、運営がまずいというような言い方をしまして、これを協同組合運動者がみずから絞め殺すという態度は、許せない。というのは、私、昭和四十四年に、そのときの長谷川農林大臣、局長はたしか池田さんだったと思いますが、論議をしたわけです。いまだに私はそういう考え方を持っている。いま農協運動というのはたいへん大きな段階にきている。これは、農協運動だけではなくて、生活協同組合運動にいたしましても、協同組合運動というのは非常に大きな役割りをになわなきゃならぬ、またになわせる必要があるという段階にきていると思うのです。そういう場合に、協同組合運動者が自分らがつくった短期大学を何か運営がどうじゃという難くせをつけて絞め殺すというやり方は、これは許すことができないと私は思うのです。これはこれからの将来に残る大きな問題だと思うんですね。しかも、そのやり方が非常に陰険ですね。確かにそれは運営のしかたに一部まずい点があるという点はあるかもしれませんが、そんなものは、協同組合運動者なんですから、克服していく力なくして、何でこの資本主義の社会の中で協同組合運動というものをつくりあげていくことができるかと私は思うんです。これは絶対に私は認めるわけにいかない。これはこれからの大きな問題だと思う。歴史に残る問題だと思うんですけれども、それで、農林省もこの問題については戦前から積極的な援助をしてきましたし、また戦後におきましても、短期大学になりましてからも、これに対しまして奨励金を出して、農協に対しては奨励金を出さぬという従来からのかたい方針があったんですが、奨励金を出して奨励をしてきた。しかるに、農林省が考えも及ばないような形で、予想もしなかった事態になったわけです。それに対する農林省の対処のしかたが、私はこれは非常に悪い。どういう考え方を一体持っているのかという点を非常に不満にその当時思っておりましたし、今日も思っております。ですから、ここで伺いたいことは、こまかい問題になりますけれども、一体、短期大学を廃止するというやり方は、いまどういうふうになっているのか。そして、その短期大学のかわり身ということになるんでしょうが、中央会の学園ができましたね。それで、あの学園は一体各種学校になっているのか。花嫁学校とか料理学校とかというものに類する、そういう各種学校になっているのかどうか。しかも、三年制だというんですね、聞いてみると。三年制の学園だ。短期大学は二年制です。しかも三年制の学園が、一体学校としての資格はどうなっているのか。どうも私には解せないんですけれども、いまどういう実情になっているのか、伺いたい。
○国務大臣(赤城宗徳君) 担当局長からいきさつや現状は申し述べさせますが、私はこれは非常にほんとうに遺憾だと思います。こういう農協でなくて、プライベートの教育機関も相当あります、農業の。こういうのには農林省も補助を出して育成していって協力しているわけなんですが、どうも農協自体がやめるということは、私はこれは非常に遺憾に思っておるのでございます。大体農業教育というものは非常に差別視されておりまして、私のほうなんかでも、農業高等学校ですね、こういうのをみな普通の高等学校に直してくれなんという陳情がたくさんくるんです。農業教育というものがいま疎外されているというか、ネグレクトされたりして、そういうものに、何というんですか、熱意を持たなくなっている傾向は、非常に遺憾だと思います。そういう意味におきまして、この農協の短大も農協中央会の学園に変わるそうですが、農林省としては遺憾に思っておるのでございますが、向こうの自主性に口を出すわけにもいきませんものですから、いままで見守ってきたわけでございますけれども、経過、現状等につきましては担当局長から申し上げさせたいと思います。
○政府委員(内村良英君) 農協短大問題の経緯について、若干その後の、四十四年以降の事態について申し上げますと、御承知のとおり、農協短大は昭和三十年に短期大学になったわけでございますが、三十五年ごろから、この学校のあり方につきまして、系統の中から批判が起こりまして、二年制の短大では学力が十分でないこと、それからまた、農協系統組織が大きな期待を持って財政のほとんどを援助しているにもかかわらず、その学校法人では、たとえば教員の採用については、一般の学歴あるいは教歴に基づくことに偏向し、農協運動の貴重な体験を持つ人を加え得ない等、結果として農協系統組織から遊離した実情になったというような批判が起こりまして、昭和四十二年度に全国農協中央会理事会において、同短大に対する交付金の打ち切りを決定すると同時に、協同組合運動者の育成に徹する中央協同組合学園を全国農協中央会の直営として設置することをきめたわけでございます。この決定に従いまして、四十四年九月に中央学園が設置されまして、昭和四十六年度以後のいわゆる短大に対する交付金の交付は打ち切られております。これに伴いまして、協同組合短大では昭和四十四年度から学生の募集を中止しております。そして、昭和四十六年十一月現在におきまして、八十五名の通信教育の学生が在籍しておりますが、この学生の教育が終わった時点において短大は解散するということになっておるようでございます。なお、現在、農協中央会の中央協同組合学園では、約二百人の学生が教育を受けておるという状況です。
○鶴園哲夫君 この中央学園というやつですか、これは各種学校になっているんですか。
○政府委員(内村良英君) この学生は大体農協の職員でございまして、いわば企業内教育というような形になっております。したがいまして、各種学校の認可を受けておりません。
○鶴園哲夫君 どうもよくわからないんですけれども、いま局長の答弁を伺って、二年の短期大学でやっておりましたし、そして通信教育部がありまして、千数百名の者が通信教育を受けておったわけです。農協に従事しながら、そういう教育を受けておった。ですから、実に私は大きな役割りを果しておったんじゃないかと思うんです。ですから、いまおっしゃるような、運営に問題があるというようなことで、そういうやり方をして、結論は何かというと、これは企業内訓練所みたいなものになってしまう。各種学校にもならない、企業内の講習所みたいなものになってしまう。短期大学であれば、これは全国に通ずる、どこにも通ずる短期大学であったんだ。こういうものにしなきゃならないというのが、どうも私にはもう全然理解がつかないわけですが、そこで、この問題は、だからまた別にもう一ぺん、これは農政の面で論議しなければならないと思いますが、ただここで伺いたいのは、その短期大学が持っておりました残余財産ですね——持っておったじゃなくて、持っておる残余財産、約五千坪、これは十数億というふうに言われておる。その財産は、結局どこに移譲をするようなことになりつつあるんですか。
○政府委員(内村良英君) ただいま先生から御指摘がございましたように、時価にすると十億近い土地、建物が、主として土地があるわけでございます。そこで、短大を解散する場合にこの残余財産についてどうなるかということでございますが、短大の寄付行為の定めるところによりまして、適正に措置されることになるのではないかというふうに考えます。したがいまして、まだ農林省には、短大の残余財産の処分についてこういうふうにしたいということについて、関係者から具体的な話は何ら聞いておりません。
○鶴園哲夫君 終わります。
○理事(小谷守君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○理事(小谷守君) 速記起こして。
○二木謙吾君 昼食時にまことに御迷惑で、午後にやってもらおうと思いましたが、質問が数項目でありますので、御迷惑とは存じますが、しばらくお願い申し上げます。 航空機の利用は、大衆の足となりまして、非常に多くなって、私どもが、たとえば大阪なり、あるいは東京なり、福岡なりのロビーの混雑ぶりを見ますと、全く隔世の感があるような気がするのであります。最近における乗客の動勢について、ひとつ簡単でよろしゅうございますから、お聞かせを願いたいと思います。
○政府委員(内村信行君) ただいま先生からお話がございましたように、最近の航空客の伸びは、非常に大きな伸びを示しております。国内の航空輸送を見ておりますと、ここ数年間、大体年率平均三〇%をこえる伸びを示しております。ただ、四十六年度になりましてからは、ドルショックその他の一般的な沈滞とか、あるいは相次ぐ事故も反映しているのかもしれませんが、若干の率は減りまして、約七%の伸びを示しております。前年度対比でございます。ただ、四十七年度に入りまして、やや持ち直して、堅調にふえているというような傾向を最近示しております。現在の利用数を申し上げますと、四十五年度が約千五百万人ぐらい、四十六年度が千六百五十万前後でございましたが、今後、もう少しマクロに言いますと、おそらく五十年度くらいにおきましては約四千万人程度には達するのではないかというふうに概算されるわけでございます。
○二木謙吾君 いまお話しのとおりに、非常な勢いをもって利用者がふえているのでございますが、いまあなたのお話のは国内、国外合わせてですか。
○政府委員(内村信行君) いま御説明申し上げましたのは国内でございます。
○二木謙吾君 国外のほうはどういうことになっておりますか。
○政府委員(内村信行君) 国外のほうも、やはり三〇%弱ぐらいの大きな伸びを示しております。
○二木謙吾君 そういうように、非常に利用者がふえた。それについて、政府、また航空局を中心として、この需要に応ずるために五千六百億をもって第二次航空整備五カ年計画を立てられたのでありますが、その計画の内容について、ことに国内ローカル空港の整備等について、具体的にひとつお話を承りたいと思います。
○政府委員(内村信行君) ただいまお話しのように、この増大する需要に備えまして、今後ふえてまいりますので、それに対応していかにするかということで、ただいま先生からお話がございましたように、第二次五カ年計画——四十六年度から五十年度まででございますが、この間五千六百億というふうな整備費を計上いたしまして、国内空港の整備をはかる所存でございます。 そこで、たとえば、先生のおっしゃいました、その混雑をどういうふうに解消していくかということでございますが、一つには、いま申し上げたような空港の整備がございます。もう一つは航空路の整備。航空路につきましても、監視レーダーをはりめぐらすとか、その他航空路の保安施設を充実いたしまして安全と能率化をはかってまいる。それから空港につきましても、これを整備してまいりまして、航空機につきましても、大型の飛行機が着けるように、あるいは航空保安施設を整備してまいるというふうなことによりまして安全かつ能率化をはかってまいる。それから航空機につきましても、やはりその空港の能力には一定限度がございますから、それに対しましても、やはり増加する需要に備えまして逐次これを大型化をはかっていかなければならぬというふうな三点から、こういった混雑に対する対策というものを考えておるわけであります。 そこで、いま先生からも御指摘のございました、主として空港についての対策はいかに、こういうことでございます。そこでまず私どもが考えますのは、やはり現在の国内航空の旅客の流れというものを見ますと、どうしても東京都及び大阪、これを中心といたしまして各地方と結ぶという流れが多うございます。おそらくこういう傾向は将来とも続くのであろうというふうに想定しておりますので、したがいまして、東京における空港の整備、それから関西地方における空港の整備、この二つが一つの大きな眼目であろうかと存じます。そこで、東京につきましては、現在羽田のほかに新東京国際空港も開設間近となっております。現在の羽田は処理能力一ぱいでございますが、新空港ができますと、ここに国際線が移りますので、そこで相当の国内線についての消化能力が出てまいるというふうに考えます。ただ、これも数年を経ずしておそらくまた再び一ぱいになるのじゃないかというふうに考えられますので、この点につきましては、さらに、これは目下調査中の段階でございますが、東京都のほうとも十分お打ち合わせをしながら、現在の羽田空港の拡張というものを考えてまいったらどうであろうかというふうに考えておるわけであります。この点は、さらに東京都のほうとよくお打ち合わせをしなくちゃいかぬと思っております。 それから関西地方でございますけれども、これは、御承知のように、伊丹空港というものが一ぱいであるのみならず、騒音という問題が非常に大きな問題になっております。私どもといたしましても、何とかしてこの問題を解決しなきゃいかぬと思っておりますが、これはやはりいろいろ騒音対策はやってまいりましたし、今後もやってまいるつもりでございますが、抜本的な解決というものは、何と申しましても、新しい空港をつくりまして、そこに相当部分を移すと、それで現在の伊丹空港というものにつきましては、あるいは時間を制限する、あるいは便数を押える、いわゆる騒音量というものを一定限度に押えて、そこでもって住民の御迷惑を少しでも少なくしていくという方向を考えるのが最もよろしいのではないかというふうに私どもは考えております。ただ、何ぶん、新しい関西空港ということを考えておりますけれども、これにつきましては、なかなか私どもの努力も不足でございまして、地元の御納得を得るに至っておりません。今後ともこれにつきましては、十分お話をいたしまして、地元の了解を得た上で新関西空港を建設いたしたい、これがやはり大阪、関西地方の航空の過密に対処する方法ではないかというふうに考えておるわけでございます。 それから、そのほかに一般の地方空港でございますけれども、これにつきましても、だんだん交通量が多くなってまいりますと、ジェット化をせざるを得ない、大型化をせざるを得ないということが見通しでございますので、それに対処しまして拡張できるところは拡張してまいる。大体できれば原則的に二千メーター・クラスの滑走路を持つ飛行場にしてまいりたい。さらに特に需要の多いようなところでは二千五百メーターくらいの場所もつくってまいりたい。ただ、そう申しましても、需要が非常に少ないところもございます。これは千五百メーター。あるいは需要が多くても場所的につくれないという場所もございます。そういったものについては千五百メーター程度を確保したらどうであろうか。 それからもう一つ、離島その他がございまして、そういうところは物理的にとてもそれだけの滑走路を取るのは無理であるという場所もございます。にもかかわらず、航空需要があるという場所につきましては、近距離離着陸機というふうなものを用いまして、七、八百メーター程度の滑走路を利用いたしまして、そういうふうなSTOLというふうなものの活用もはかっていくべきではないかというふうに考えております。 大体以上でございます。
○二木謙吾君 滑走路をいま、二千五百メートル、あるいは二千メートル、利用度の少ないところは千五百メートルというお話でございましたが、将来の乗客を見越されて、少ないところはそれは千五百メートルでもいいのですが、大体二千五百を基準にしてやられちゃどうかと私は思うのでございますがね。二千メートルよりは大体二千五百メートルを基準にして地方の空港の滑走路を整備されてはどうか、こういうふうに考えるのですが、いかがですか。
○政府委員(内村信行君) おっしゃることも、ごもっともかと存じます。ただ、将来ローカルで使われます航空機材といたしましては、現在の727あるいは737程度が大体適当ではないかというふうに考えております。そこで、そういったものにつきましては、大体二千メートルぐらいの滑走路でもって足りるだろう。しかし、エアバス・クラスになりますと、やはり二千五百メートル。したがって、ローカルにおきましても、エアバスというふうなものを使わなければならぬような需要の多いところにつきましては、二千五百メートルにしたらいかがであろうか。この点につきましては、いろいろ土地の問題もございます。わが国におきましては、特に土地の問題というのがいろいろむずかしゅうございます。そういう点もあわせ考慮いたしまして、大体以上のような考え方で進めたらどうであろうか。ただ、それぞれの具体的ケースによって、その現地の事情によってしかるべき措置を講じたいというふうに考えております。
○二木謙吾君 それから、いまの過密ダイヤの問題でございますね。私は宇部でございますがね、宇部の飛行場から東京へ乗ってきましても、指令塔から指令が出ぬからというので、東京湾の上をうろちょろすることがあるのですが、そういうことになるというと、いろいろな機械の施設ができておる飛行機ならいいが、ただ視界で、目で見てやる飛行機だというと、飛行機同士が衝突が起こると、こういうことになるとたいへんなことに私はなると思うのでございます。また、それは東京の羽田の例ですが、それから大阪に宇部からもう一便ふやしてもらいたい、こういうことを私言ったのでありますが、大阪の飛行場がもう非常につかえておるから、どうもそれはむずかしいと、こういうことでございますが、これは地元のことを例をあげてすみませんが、そういうことでございますから、これは一日も早くそういうものはひとつ解消をしてもらう。それには、大型のやはり飛行機を使用されれば、たとえば百人乗りの飛行機を二便使うよりは二百人乗りを使ったら一回でできるということになりますが、そういう点についてはどういうお考えを持っておられますか。
○政府委員(内村信行君) ただいまお話がございましたように、たいへんコントロール待ちその他で御迷惑をかけておることにつきましては、まことに申しわけなく存じております。何ぶんただ安全が第一でございますから、羽田につきましても、大阪につきましても、一定の離着陸、発着回数というものに制限を設けまして、その範囲内においてこれを処理するということによって安全性を保とうとしておるというのが実情でございます。したがいまして、たいへん御迷惑をかけておることについては申しわけなく存じますが、この辺のところをどうか御理解いただきたいと思います。 ただ、このままではいけないことは当然でございまして、そのためには、羽田におきましては、新東京国際空港ができれば、相当これが緩和されるということでございます。それから大阪につきましては、やはりどうしても基本的には関西新空港をつくらないとこの問題は解消しないというふうに考えております。さらに、それだけではなくて、そのルートにおけるいわゆる管制処理能率を向上するために、レーダー化するとか、あるいは管制の自動処理を行なうというふうなこともあわせて考えていかなければならぬ。なお、ターミナル空港でございます大阪の伊丹空港あるいは羽田空港における管制の自動処理ということを考えて能率を上げたいと考えております。 そこで、大型化の問題も、先生の御指摘のとおりでございます。ただ、大阪のほうにおきましては、地元のほうで非常に騒音問題に関係いたしまして大型化というものをきらっておるのが実情でございます。実情は、むしろジャンボなどのほうが現在のボーイング727あるいはDC8よりは騒音は低いわけでございます。ただ、今後開発が予想されておりますいわゆるエアバス・クラスの飛行機、これも騒音はもっと低いというものでございますけれども、何ぶん大型機に対する拒否反応というものも、ある意味ではこれは無理からぬことかと存じますけれども、ございますので、その点につきましても、あわせてよく現地の住民の方々の御同意を得た上で、できればこれを入れていきたいというふうに考えております。 それからさらに、大阪につきましては、先ほども申し上げましたように、騒音問題という大きな問題がございますので、飛行機の数を、ジェット機の数をどんどん無制限にふやすということは、これまたそういった意味から一つ困難な条件がございます。そういうところから申しまして、やはり基本的な何らかの解決策を考えざるを得ないのではないかというふうに考えておる次第でございます。
○二木謙吾君 いまわかりましたんですが、やはり私は、東京の羽田のほうは、いまの成田の空港ができれば幾らかこれは緩和をすると、かように考えておりますが、関西新空港は、できるだけ早う私どもはやってもらいたいということを声を大にして叫んでおるものでございますが、それらの見通しは、まあ地元のいろいろ反対のようなことも聞いておりますが、見通しはどうなっておりますか。
○政府委員(内村信行君) この問題につきましては、大阪府、あるいは兵庫県、神戸市、大阪市の御当局ともいろいろお話し合いをしておるわけでございますが、御当局とされましても、基本的には必要性はある、しかし騒音公害その他の公害のあるものであってはいけないというのが基本的なお考えのようでございます。そこで、私どもは、何とかしてその公害をなくすようなもの、騒音というものが少なくとも人家に影響を及ぼさないように最小限にとどめたいということから、いわゆる相当な大きな工事を覚悟いたしまして、海上に空港をつくったらどうであろうかということで、種々検討をしておるわけでございます。ただ、それにつきましても、現地の皆さまは、いまの伊丹の影響もございますものでございますから、なかなかそれに関しては問題が多いようでございます。それで、その点につきましては、航空審議会におきましていろいろと慎重な審議を重ねていただきまして、それによって少しでも皆さま方の御理解をいただけるように、いろんなデータを分析いたしまして、急がないで十分御納得を得るようにという方向で審議を続けているという状況でございます。
○藤田進君 関連して。私はつくづく最近感ずるのは、二木委員の説についてですがね、交通の動態の実態というものも常につかんで航空局長はやらなきゃならないが、そこには、地元なり、国会議員なり、いろんなものがぶらさがって、やりにくい点もあろうかと私は思うわけです。かりに宇部の場合を見ても、大阪空港が新しくといいましても、あなた御承知のように、とてもここ、どうでしょう、十年かけてできますか、羽田空港の拡張が何年でできますか。だから、あるときは羽田空港を拡張すれば、大阪空港が拡張されれば、すぐもうあしたから宇部から毎日何便でもやりましょうというふうに聞こえますけれども、とてもそういうことにならないですね。大阪の場合は、騒音テストをしても、かえって反発を受けておりますね。そこで、たとえば、私も隣県のことで言いにくいんですけれども、岡山から大阪を通って東京、特に新幹線がついて、とにかく経営上成り立たない。あの路線から考えれば、たくさん乗客は新幹線以来非常に変わってきていると私は思うんです。それから、もっと大きいあれは、大阪空港は制限したですね、あなた方のほうで、各三社に。特にローカルについては以後減らしたと思うんです。ところが、大阪——東京なんか、もっと間引いていいんじゃないの。新幹線があり、東名高速があり。あれは羽田へ出るまで幾らかかりますか、ここから。もう用心していけばどうしても一時間前から出ていかなきゃだめですよ、これは。それから大阪空港から——私はしょっちゅう乗っていますが、ラッシュになればむろんですけれども、この高速道路もたいへんです。ですから、案外私は最近は大阪——東京はほとんど乗らないです。もう新幹線があればいいですよね、いまのところ。そういうことなんですから、乗客、利用者の便、不便というもの、特定の少数ではなくて、大量に輸送する立場から、やはりローカルで困っているところに便をふやしてやって、あるところは間引いていく、これでも発着便は同じことなんですからね。あるいはローカルの、地方だって同じですけれども、そういうふうな大げさに何も再編成と言わなくても、常にそういう新しい交通機関が整備されるといったようなこととの関連において、当該企業会社はなかなかそう簡単にいかないと思うけれども、監督の立場にある運輸省としてはそういう点をもっとやってみたらどうなんでしょうかね。私は運輸委員会にいて何も言わないで黙っていますが、あなたの言われるのを聞いてどうも黙っている気がしないので、どうです、それは。
○政府委員(内村信行君) 私全くおっしゃるとおりだろうと思います。そこで、そのおっしゃったように、新関西空港とかというものがかりに認められるとしても、実際的には相当先になる。そこで、やはり先生がおっしゃいましたように、総合交通体系ということからものを考えて、必ずしも飛行機にたよらなくてもいいというものは飛行機にたよらないということがやはり望むべき姿だというふうに私考えます。そこで、現実に東京——大阪線などというものは、新幹線によって行けばこれは十分行けるわけでございまして、そういった意味では、現実に便数は少なくなっております。そういう点、少なくなったものをローカルのほうで食うというふうなことをやっておるわけでございます。ただ、その程度はいろいろございますけれども、必ずしも先生のおっしゃったように十分にやり切れていないかと思いますが、そういった方向でものは考えているつもりであります。さらに、山陽新幹線ができました場合には、もちろん大阪——岡山などというふうなものについては飛行機を利用することはございませんでしょうし、そういったものを十分かね合わせて考える必要があるということは、まことに先生のおっしゃるとおりでございまして、そういった方向でものを考えていきたいと思っております。
○藤田進君 岡山の新幹線が開通すればというのですが、これはもう開通しているのですね。ことしの三月からもうがた減りらしいですよ。私も岡山乗り継ぎで、ときにはね。それはまあ二つあるのですが、一つは、もう釈迦に説法だが、とにかくローカルでは、急ぐ、確実に到着しなければならない日程は組めないのです、飛行機では。瀬戸内海はどこでもそうです。ちょっと曇ればもう立ちませんからね。立たないだけでなく、こちらに来たのもおりてこない。もう広島にも岩国にも何べんおりたか。これは、新幹線は速い、そういう事情があるのですね。四国しかりですよ。ですから、その点において、非常な日程をこなす上において不安定であるという点。それからもう一つは、いまやはり一ぺんぐらい飛行機に乗ってみようかという乗客は非常に減ってきましたから、したがって、ビジネスですが、その点については、やはり時間的に見て飛行機もそう速くはないというメリットが新幹線に出てきたと私は思うのです。したがって、岡山は、現状私は統計を毎日とっておりませんから、あなたのほうでわかるはずですが、どんな状況なんでしょうか、実際に。間引いたほうがいいのかどうか。これは五人乗せても、五人の人が飛行機のほうがいいから乗っているのだと言えばそれまでのことですけれども、実際に大量の需要があるにもかかわらず、そこを増便しないで、ごく少数——小さいのはいいとは思いませんけれども、そういうところはもう少し間引いていくとか何かできないものですか、岡山は。まあ岡山にしかられるかもしれないけれども。
○政府委員(内村信行君) 私いま手元に具体的な数字を持っておりませんが、おっしゃる御趣旨はまことにそのとおりでございまして、そういった御意向を体して今後進めてまいりたいというふうに考えます。
○二木謙吾君 いまお話がございましたように、藤田さんのおっしゃるとおりで、私も思っておりますが、それはひとつ十分お考えをいただきたいと思うのでありますが、それから、いま藤田さんからもお話がございましたのですが、雨が降ればその飛行場の空まで行ってもおりられぬのですよ。それでまた引き返すか、たとえば私のところの例をあげて言うならば、九州に飛んでいかなきゃならぬ、こういうのでございますが、そういう地上のレーダーというか、いまの安全性のこの施設、それは五カ年計画でどういうふうになっておりますか。
○政府委員(内村信行君) 先ほど御説明申し上げるのを落としましたけれども、五カ年計画における航空保安施設の整備の問題でございます。五カ年計画におきましては大体七百億程度、沖繩を入れますと七百六十億ぐらいになります。この程度の金額を見込んで、もっぱら航空保安施設の充実をはかろうというふうに考えております。その内容を申し上げますと、航空路と空港両方に分かれますが、まず航空路につきましては、航空路監視レーダー、これをさらに六カ所つけまして、日本全土を航空路監視レーダーでもっておおえるというふうな体制をつくる、これを四十九年度中にはやり上げたいというふうに考えております。それからさらに、航空路におけるVOR、DMEといったような航行援助施設がございます。これも全部やり上げる。それからさらに、そういったものをつくりまして、航空路の複線化あるいはさらに複線化というふうなことをはかりまして、安全なる措置をはかりたいというふうに考えております。それからさらに、管制処理の能率をあげますために、管制の自動処理、電算システムによります自動化をはかってまいる、これも航空路レーダーの完成と同時に完成したいというように考えております。それから空港のほうでございますけれども、空港につきましても、おっしゃったように、現在では必ずしも十分ではございません。まず、空港のターミナルレーダー、これの整備をいたしたい。これにつきましては、大体年間の交通量が二万機以上ございまして、さらに計器飛行方式で飛びます航空機が八千機以上、こういったようなところにつきましては、空港のターミナルレーダーをつけてまいりたいというふうに考えます。それからさらに、空港におきましても、いまNDBというふうな無線方位方式がございますけれども、もう少し性能のいいVOR、DMEというふうなものを空港についてもつけたい。定期の就航する空港については、ほとんどそういったものを整備いたしたいというふうに考えております。それからさらに、ILSにつきましても、これは大体二千メータークラスの滑走路にすると、つまりジェットの就航するようなところについては全部をILSを設置してまいる。さらに、照明につきましても、進入角指示灯、あるいは滑走路の末端標示灯というふうなものについては、これは全部整備いたしたい。それから夜間の照明につきましても、一日に四機以上の飛行機が飛ぶところにつきましては、滑走路灯を整備いたしまして、夜間の航空も可能ならしめる。まあ大まかに申し上げますと、こういうふうなことによりまして空港の保安設備の整備も充実をはかってまいりたいというふうに考えております。
○二木謙吾君 お話のとおりですが、できるだけローカル線のひとつ安全ということも考えていただくし、雨が降ればもう飛行機は着かないと、飛行機は飛ばない。私らが東京へ行こうと思うておっても、飛行機の切符を買っておりましても、きょうは雨が降るから飛ばない、こういうことがないように、ローカル線のいまの安全性というものについて格段のひとつまた御配慮をいただきたいと考えているのであります。まだ申し上げたい、お尋ねしたいこともございますが、それはそのくらいにしておきたいと思うんです。 やっぱり飛行機の安全ということは、何と申しましても、優秀な飛行機でなきゃいけぬと思うんですな。やぼい飛行機を使うちゃ、これはやっぱり危険が起こりますからね。優秀な飛行機で、それから優秀なパイロット、これやっぱり必要だと思うんです。それから、この間うちから、あれは全日空でございましたか、再三飛び立っていって、間で引き返すとか、不時着陸とかいうような問題が起こっておるのでございますが、これは整備員が責任をあんまり感じてない。整備員の責任。この間うちの交通対策の委員会で問題になったんでありますが、会社の人がびょう一つぐらいは違うことはあり得るというような失礼なことを言うたということが週刊雑誌にも出ておりますが、飛行機の事故は一つ誤りゃ人命に関するものでございますから、まことに大事なもので、びょう一本でも私は大事だと思うが、そういう整備員の養成、それからパイロットの養成ということについて、またお話をちょっと聞かしてもらいたいと、かように考えておるのでありますが一航空会社をしっかりしたものにしなけりゃいけぬということは、私は委員会でも申したところへ、合併ができたんでありますが、やはりよい飛行機を備えるには、優秀な会社、力のある会社というものにしなけりゃならぬ。同時に、パイロットの問題、整備員の問題等について、簡単でいいですからお話しいただきたいと思います。
○政府委員(内村信行君) まず整備について申し上げます。整備の問題につきまして、航空の安全上絶対に重要なものであることは、先生おっしゃるとおりでございます。そこで、大体御説明申し上げますと、まず整備の体制でございますけれども、定期航空会社の行なっております整備作業は、大きく分けまして、運航整備、いわゆるラインメーンテナンスと言っております、それから定時整備——一定の時間が来れば整備する、それからオーバーホール——発動機その他を大きく取りかえてしまうと、こういうふうな三つの種類がございます。そのいずれにしましても、運輸大臣が承認いたしました整備方式によりまして、一定のきめられた時間のとおりに整備を行なうというふうなたてまえになっております。そこで、そういった整備につきましては、日本航空につきましては、全部これを自社で整備いたします。それから東亜国内航空につきましては、機体の整備は自社でやり、それから、発動機のオーバーホールだけは他社に注文しておるということでございます。それから全日空につきましては、運航整備、定時整備、これは自社で行なっておりますが、オーバーホールにつきましては、別会社の全日空整備というところで行なっております。これは自社と同じような関係でございます。その中に、運航整備をやるものの、出発前の点検を行なうために、地方の基地にそういった出発前の点検を行なうための要員というものを派遣しておるというような状況でございます。そこで、そういった整備士でございますが、現在おります数を申し上げますと、日航につきましては二千六百七十七名、それから全日空につきましては千百二十七名、それから東亜国内につきましては四百四十一名が整備士の数でございます。こういった整備士の養成がどうなっておるかということでございますが、大体整備士の養成は、それぞれ各社において自社で養成しておるというふうなことでございますが、大体におきまして、基礎訓練といたしまして六カ月から十カ月程度、それから座学の訓練を三カ月から五カ月、それから実務訓練を一年かち二年、こういったものを訓練課程としてとっております。さらに、実際の整備作業に従事いたしましてから最低六年ぐらいで航空従事者としての技能証明を取得しておるということでございます。したがいまして、それまでの間は補助として執務するということでございます。で、各社の整備要員、これは先ほど全体につきましては申し上げましたけれども、年々の採用人員は、これは年によって違いますけれども、概略申し上げますと、日本航空が大体二百五十名前後、それから全日空が二百名前後、それから東亜国内航空が百名前後というものを新たに入れまして、これを訓練課程に入れておるということが実情でございます。 そこでその次に、それでは私どもの監督体制をどうしておるかというふうなことがございましょうと思いますが、これにつきましては、先ほど申し上げましたように、すべてその整備につきましては整備規程というものをつくらせまして、それを運輸大臣が認可して行なわせておるというふうな状況でございます。さらに、その後実際の実施状況につきまして、おりに触れて、要すると思えば、臨時に立ち入り検査をいたしまして、整備の方式あるいは人員等についてチェックいたしまして、必要があれば勧告をするというふうなことを行なっております。 それから、最近引き返しの事故が多いというお話がございました。それは、私どもも非常にそのことを心配いたしまして、こういう事故は——まあ引き返しというのは本来安全のためにあるわけでございまして、少しでもふぐあいならばすぐ引き返せと、決して無理して飛んではいかぬというのがわれわれの指導方針ではございますけれども、しかし、それもあまりに数が多くなりますと、こういうものが大きな事故につながってはたいへんであるということから、私ども非常に心配していたわけでございます。したがいまして、特にこの一月、二月、三月ごろ、そういった引き返しのケースが多かったものでございますから、私どもといたしましても、実際に立ち入り検査をいたしまして、始終指導をいたしました。さらに、規程類の順守を強化させるとか、社内に特別の監査グループをつくって、そういうものがあるたびにそれの原因を究明し、さらにその結果を周知せしめるということをさせておるわけでございます。そこで、ちなみにちょっと件数を申し上げますと、一月、二月、三月、この辺は、日航につきましては、パーセンテージをとりますと、〇・〇四、〇・〇七、〇・〇六、そういった程度のものでございまして、これは世界の航空会社に比べましてむしろいいほうの数字でございます。ただ、全日空におきましてはこれが〇・一二とか〇・一一とかというふうな状態、東亜国内につきましても〇・一%をオーバーするというふうな事例がございました。そこで、私どももその点非常に心配いたしまして、先ほど申し上げたように、立ち入り検査もいたし、指導したわけでございますが、特にその際申しましたことは、責任体制をはっきりすべきだと、こういった引っ返しについては一体だれが責任を負うべきなのか、あるいは出発前点検をした人の責任なのか、あるいはその前のAチェックなりBチェックなりCチェックなりをした人の責任なのか、その責任体制をはっきりして、形式的責任体制の所在じゃなくて、ほんとうに責任あるべき人に対して、きちっとすべき責任感を持たして、それでやってほしいというようなことも重々申したわけでございます。そして、その結果かどうかわかりませんが、四月になりましてからは、日航が〇・〇四五、それから全日空が〇・〇三四、それから東亜国内が〇・〇〇九というようなパーセンテージになっております。今後とも私どもといたしましては、十分この点も配意いたしまして、間違いのないように指導いたしたいというふうに考えております。
○二木謙吾君 ひとつ十分監督をされて、そうして誤りのないようにしてもらいたいと、要望いたしておきます。 次に、騒音のことについてちょっとお尋ねをいたしますが、東京都の騒音公害について東京都の公害局が調査をしたのでありますが、羽田の騒音につきましても、北向きコースで離着する飛行機のうち、その四分の一がきめられたコースより陸地寄りを飛んでいる、そのために非常に騒音があると、きめられたコースを飛べば騒音がまだ少ないと、こういうことを聞いておるのでございますが、そうして違反をしないようにということを航空局が航空会社に対して指令を出しておられると聞いておりますが、指令が出まして状況はよくなりましたかどうですか、ちょっとひとつお尋ねいたしたい。
○政府委員(内村信行君) 羽田の空港の騒音防止につきましては、かねがねこれを指導しておるわけでございますが、時間についての規制も行なっておりますので、ただいまおっしゃいましたように、北側につきましては大体モノレールのコースがございます。それより大体海側でなければ飛んではいけませんということで指導しておるわけでございます。そこで、大体の会社はそれに従っておるわけでございますが、しかし、場合によっては風向きの問題その他がございまして、必ずしも守られていないというふうなことが先般の調査にあったと思います。そこで、私どもといたしましても、この辺はそのつど十分その実績をとりまして注意いたしておるつもりでございますけれども、これはその先般の調査があったから、なかったからといってやっているわけではございませんで、前からもやっているわけでございますが、そういうふうなこともございますので、さらにその点は入念に指導いたしておるわけでございます。その結果によって減ったかどうかの数字は、いま手元に持っておりません。
○二木謙吾君 それから成田の新空港でございますが、これは早くやってもらいたいということはわれわれの熱願でもあったわけでございますが、いろいろ反対派がありまして延び延びになっている。私が予算委員会で質問したとき、総裁が言われた答弁によると、いまごろもうできておらなければならぬような時期でありますが、なかなかまだ完成には何しろ手間がかかるようで、できておらない。しかし、あなた方の御心配で、最近第一期工事の地上問題はだんだん好転をしたとか、あるいは鉄塔の除去等についても見通しがついた、こういうお話を聞いておりますが、その辺の状況はどうでございますか。
○政府委員(内村信行君) 成田の新東京国際空港の供用開始につきましては、六月とか、いろいろと申しておったわけでございますが、残念ながら、いろんなただいまの敷地や住宅の問題その他がございまして、まだ六月の開始はいまのところ至らないということは、まことに申しわけないと存じております。 大体の経過を申し上げますと、現在空港の敷地内につきましては、滑走路はすでに完成いたしましたし、エプロン、旅客ターミナル等につきましても、六月中にはこれが完全にできると思います。ただ、その場外にパイプラインというものを敷かなければなりません。これは、かりにパイプラインが敷けない場合に、タンクローリーでもって運んでもいいではないかという議論もございますが、実際問題としては、相当な数になりますので、これはむしろタンクローリーで運ぶことはやめまして、完全にパイプラインが敷けてから供用を開始するということが望ましいことではないかというふうに私どもは考えております。 そこで、パイプラインの布設の問題でございますが、関係市町村からこれはもう全部同意書がとれております。それから道路の専用化につきましても、大体において見通しがついておるという状況でございます。それで、そのパイプラインの契約は——契約をしてやるわけでございますが、その契約期日は一応七月十五日というふうなことになっております。ただ、実際問題といたしまして、工期を見てみますと、やはり軟弱地盤があるというふうなことも、ボーリングをした結果におきましてはいろいろな問題が出ております。したがいまして、七月十五日にちょっと完成するかどうかやや疑問もございますけれども、何とかして八月中旬にはこれを完成するというふうなことを目標として進んでまいりたい。さらに、その後フラッシングという問題もございますけれども、極力これは短縮して、なるべく早期に供用を開始いたしたいということで、公団も努力しておりますし、私どももそういうことで努力していきたいと考えております。 それから土地の問題でございますけれども、先ほどお話にございましたように、いわゆる平和の塔というのがございまして、これは佐藤行通氏という方がお持ちになっていらっしゃるわけでございますが、この方とも公団のほうでいろいろ打ち合わせをいたしまして、先般この解決のめどがつきまして、お移りいただけるというような見通しがついております。それから、もう一軒個人のうちがございますけれども、これにつきましても、公団総裁非常に努力いたしまして、先般お話し合いもつきまして、またいい代替地を提供していただけるというふうなありがたい方もおいでくださいまして、そういったおかげをもちまして円満にこれも解決するだろうというふうに考えております。そういったことがございますので、なおだんだんと好転してまいっておりますけれども、現在の段階では必ずしもいついつまでにというようなことは申し上げかねますが、先ほど申し上げたような情勢で、極力これを早く開始したいというふうに考えております。
○二木謙吾君 よく経過はわかりましたが、羽田の過密を解消する上にも、一日も早く開港することが必要であろうと思っておりますが、ひとつ御苦労でしょうが公団を督励して、できるだけ早く開港ができるようにしていただきたい、かように考えるものであります。 次に、開港について、また運営等について、国際航空運送協会の事務総長のハマーショルド氏が来ておりますので、政府の要路なりまた航空の皆さん方といろいろ航空上の運営について話を進めておる。地元は深夜にやめてくれという、向こうは二十四時間使用さしてくれと、こういうことを言っておると聞いておりますが、その辺のなには、騒音の問題で地元は深夜はやめてくれとこういうことですが、その辺のいきさつはどうなっておりますか。
○政府委員(内村信行君) 実は、昨日の朝でございましたか、いまおっしゃいましたIATAの事務局長のハマーショルドという方が見えまして、大臣に会ってのお話がございました。私どもその席に陪席さしていただいたわけでございますけれども、要するに、ハマーショルドさんの希望というのは、やはり航空、特に国際航空というものは世界と全部つながりを持っているんだから、したがって一カ所でもって制限をつけると全部が狂ってしまうじゃないか、しがたってそういうふうなことはその国だけの立場でやってもらっては困るので、全体の立場を見てやってほしい、ついてはぜひ二十四時間運用してくれというようなお申し出があったわけでございます。 私ども、もちろん、航空に携わっておる者でございますから、そういった気持ちはよくわかるし、わかり過ぎるほどわかっておるわけでございますけれども、しかし、一方におきまして、現在のわが国におけるいわゆる公害に対する考え方、特に騒音に対する反応というものは非常にきびしいものがございまして、これまたわが国の内国事情としては無理からぬものであると私も存じております。したがいまして、まあ世界的な立場ということもございますけれども、わが国にはわが国のやはり事情があるんで、その辺を何とか了解してほしいというふうなことをお話しいたしまして、やはり二十四時間運用が望ましいという気持ちはわかるけれども、実際としてはそうはいかない。したがいまして、やはり何らかの制限というものはやらざるを得ないというふうなことを御答弁いたしましたような次第でございます。
○二木謙吾君 まあ羽田の騒音の防止の問題については、地元とあなた方とか、空港公団とか、大体話し合いもつきそうだ、しかし金が足らない、防音装置をする金が足らないということを聞いておるのでありますが、金をひとつ調達をされて、せっかく地元との協調がついておるということはまことにけっこうなことでありますから、ひとつぜひ協調されて、公害があまりひどくならないようにしていただきたい。それで、私考えまするに、日本の経済は今後も伸びていくと思う。そうすりゃ、飛行機の利用者はますますふえる。いまおっしゃられたとおりに、五十年には五千万にもなる。こういうことになれば、やはり飛行場の整備とか、あるいは飛行の安全に対する施設の整備、あるいは騒音防止、いろいろ施設もございます。これを五カ年計画の五千六百億では、私は金が足らぬのではないかと思うんですが、何と申しましても、これからの輸送はやはりスピードということを重んじますから、やはり鉄道でいうならば新幹線、それから道路でいうならば高速縦貫道路、こういうこと、それから航空機の輸送、こういうことが私は運輸交通の動脈になると思うんです。やはりこの航空の整備ということは緊急の問題であろうかと思うんです。それじゃ、よその道路整備五カ年計画あるいは港湾整備五カ年計画に比べると、五千六百億というふうなことでは金が少ないんですが、これはあなたにやかましく言ったってしかたがない、大臣にひとつ言わなければいかぬと思って、大臣に言おうと思っておりますから、あなたもひとつ、きょうは委員会でこういう話があった、もっと金を航空のほうに出すようにと、こういう話があったということを、大臣にあなた方もおっしゃっていただく。私も申します。そうして、ひとつ航空網の整備をしっかりやってもらいたい。そうして、安全で、安心して飛行機に乗れるような施設を一日も早く整えてもらいたいということをお願いして、質問を終わります。ありがとうございました。
○理事(小谷守君) 本会議の休憩後直ちに委員会を再開することといたしまして、休憩いたします。 午後零時四十四分休憩 —————・————— 午後三時二十五分開会 〔理事小谷守君委員長席に着く〕
○理事(小谷守君) 委員会を再開いたします。 昭和四十四年度決算外二件を議題とし、休憩前に引き続き質疑を続行いたします。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○中尾辰義君 国鉄の所有地の管理の状態につきましてお伺いします。 国鉄の所有地は今日六億五千平米、まあ簿価で一千六百億円にものぼっているように聞いているわけです。これらの用地管理の不備、不適正につきましては、各方面からとかくの批判があったわけであります。今日国鉄運賃の値上げにつきまして、ただいま国会におきましても上程をされており、しかもこれは国民注視の的になっているわけですね。そういうときに、私はこの決算委員会を通じまして、この国鉄内部における欠陥の一つであるその土地管理の状態について明らかにしておく必要があると、このように思うわけであります。そこで、きょうは時間の関係もありますので、その国鉄所有地の中で特に第三者によって不法に占有されている国鉄用地にしぼってお尋ねをしたいと思います。 最初数字的な面をお伺いしますが、いわゆる第三者による不法に占有された国鉄の全国的な件数というのはどのくらいあるのか、またその面積はどうなっているのか、その点からお伺いします。
○説明員(山田明吉君) いまお尋ねのありました、国鉄が全部使用しております全土地が御指摘のような六億七千三百万平米、坪数で二億坪でございますが、先生が御指摘になりました不法占拠の部分につきましては、これはそのとる時期によって毎年数字が若干相違がございますが、最新の四十六年の十二月末の数字で一応申し上げますと、面積では十五億八千平米でございまして、その第三者が占拠をいたしておりますのを件数で申し上げますと、二千七百五十九件という数字になっております。
○中尾辰義君 それでは、いま数字の説明がございましたが、こういったような第三者の占有した土地というものは、占有の動機といいますか、原因というものがいろいろあろうかと思います。これは明らかに当初から不法に占有したのもあるかもしれないし、あるいは最初使用計画というものがあったけれども期限が切れてそのまま居すわっておる、そういったようないろいろなことがあろうかと思いますので、そういうものを大体のグループ別に分けまして、その占有の発生原因別ですか、おたくの資料ももらってますけれども、件数、面積をひとつお伺いしたいと思います。
○説明員(山田明吉君) 御指摘のような発生原因別、これは分類のしかたによっては非常にこまかくなりますが先生が御例示になりましたような大体の考え方で申しまして、明らかに不法な意思で占有せんがために占有していると私どもが考えておりますものは大体千二百件でございます。それから、その次の分類のしかたでございますが、使用承認をいたしておりまして、その後国鉄のほうでその使用承認を取り消してその占有権を私のほうでは消滅させたいと思いましたが、依然として占有の事実があると考えられるものが大体百七十件近く、それから国鉄が工事をやっておりまして、その間に、たとえば飯場でありますとか、あるいはそれに類似する物を置く置き場でありますとかというようなもので占有をいたしておりますものが百九十件、その二つを合わせますと大体三百六十件ぐらいになるかと思います。それから、その次の分類といたしまして、正規な契約をいたさないで事実上占有されていると思われますものが大体四百五十件程度でございます。それから次に、本人にそう悪意はないであろうと認められるのでございますけれども、何かの間違いで、あるいは思い違いで占有されていると思われますものが大体八百件でございまして、この合計の数字は先ほど申しました二千七百五十九件とは若干トータルにおいて違うかと思いますが、いま申しましたような分類は、これは四十六年の六月に一応分類した数字でございますので、その点は御了承願いたいと思います。
○中尾辰義君 面積は。
○説明員(山田明吉君) 第一の分類の不法な占有と思われますものが大体六万七千六百平米、それから第二のグループで申しました三百六十件に相当するものが大体四万一千平米、それから第三のグループと申しました約四百六十件と申しましたものが三万四千平米、それから最後のグループの約八百件と申しましたものが二万三千平米でございます。
○中尾辰義君 あとでまたお伺いしますけれども、こういったいまおっしゃったようなこと、この件数、面積ですね、これを年度別に分けて、比較的古いのもあれば最近のものもあるわけでありまするけれども、大体あなたのほうでできておる資料によって、このように大体五つくらいに区切ってあるようですが、一ぺん答弁してください。
○説明員(山田明吉君) その占有の事実が発生した時期、これは正確に何月何日からという調査は残念ながらできておりませんが、おおよその見当で申しますと、終戦時の昭和二十年八月以前にその占有の事実が発生したと思われますものが、件数で三百五十五件でございます。それからその以後から昭和三十年ごろまでの間にその占有の事実が発生したと思われます件数が千四百七十五件でございます。それから三十一年から三十四年の間に同じように発生したと思われますものが四百九十九件、三十五年から四十年までの間の件数が四百二十六件、それから昭和四十一年から昭和四十六年の間に発生したと思われますものが百五十三件でございまして、面積で申しますと、昭和二十年八月以前のものが二万三千五百平米、それから二十年九月から三十年までのものが八万二千六百六十五平米、三十一年から三十四年までの間のものが三万二千五百三平米、三十五年から四十年までのものが一万九千八百五十一平米、四十一年から四十六年までのものが七千九十二平米という調査になっております。
○中尾辰義君 いま大体総括的な数字の面での発表があったわけですが、そうしますと、これはもうこういったような第三者占有の件数は非常にこれは膨大なものになっております、件数にしても、広さにしても。ですから、これにはいろいろな事情もあろうかと思いますので、まあ数字の面だけでは若干わからない点もありますので、私は若干具体的な例をあげましてその間の事情がどうなっておるのかお伺いをいたしたいと思います。 資料によりますと、全国的にこれはまたがっておるようですから、一々聞くわけにまいりませんが、まず東京近郊の越中島構内に三件あります。それから新小岩駅構内に一件。この辺の事情は、これはどういうふうになっておるのか、実情を説明してください。
○説明員(長浜正雄君) 御説明申し上げます。 越中島の貨物駅並びにヤードにあります不法占拠の現状でございますが、現在国鉄が持っております総面積は十八万六千平方メートルでございます。このうち五千八百平方メートルが不法占拠されておるわけでございますけれども、この土地は、御承知のように、公有水面だったものを東京都が埋め立てを昭和十九年に完了しております。その時点に、国鉄が貨物駅あるいは線路敷に使用するということで、東京都から仮引き継ぎを受けて使っております。で、そのとき使いましたのは、当初は九万一千平方メートルを使ったわけでございます。で、終戦になりまして、昭和三十三年に秋葉原付近で非常に不法占拠がございまして、それを強制立ちのきをさせようということで、東京都と共同いたしまして強制立ちのきをさせたわけでございます。その際に、その強制立ちのきさせました人たちが、その……。 〔理事小谷守君退席、委員長着席〕
○中尾辰義君 あのね、ちょっと、時間がないので、あまりそう詳しく言う必要はございません。大体の概要だけでけっこうです。
○説明員(長浜正雄君) はい、わかりました。 その人たちがその土地に入り込みまして不法占拠したものでございます。それで、これは困るということで、それ以来土地の外へ出ていくようにということで、内容証明で各人に送ったわけでございます。記名本人不在ということで、全部送り返されてまいりました。その後いろいろ交渉しておるわけでございますが、この地区は非常に立ち入りがむずかしいとこだったわけでございます。ところが、四十五年に東京都が立ち入り調査をしてくれまして、実態が判明したわけでございます。その結果、国鉄が、先生御承知のように、約三十九件、東京都が千何百件という数字がございますが、具体的な数字が判明いたしまして、その後この人たちを何とか整理をしたいということですけれども、国鉄だけでは、いまのような状況でございますので、東京都と十分緊密な連絡をとりながらいま解決策に努力をしておるわけであります。東京都の住宅局、あるいは建設局、財務局等、いろいろ御相談申し上げまして、この解決に努力をしておる段階でございます。 それから、もう一件の先生御指摘の新小岩の場所でございますが、これは新小岩、現在二百四十一平方メートルを駅前に占拠されております。これは終戦前の十九年に、この付近に駅新設をしたいということで、地元からこの駅前広場の土地の寄付受けをしております。で、その土地にまだその人は立ちのきしないままで寄付受けをしております。家が建ったまま寄付を受けております。その後終戦になって、さら地になっておった部分にも相当の不法占拠者が入ったわけでございます。その連中とは、調停を申し立てをいたしまして、調停が成立したんでございますが、それを実行しなかったので、強制立ちのきをさせました。強制執行をしまして撤去しましたけれども、このいま残っております本人は、前の地主から三十三年ごろまで賃貸借契約中であるということで、この調停に参加せず現在に至っております。前の地主というのが、現在満州に渡って以来行くえ不明になっております。そういう状況になっております。それで、再三退去するように通告しておるんでございますが、依然としてこの二百四十一平米を占拠したままの状況になっている。 以上でございます。
○中尾辰義君 そうしますというと、越中島構内で国鉄のいわゆる所有地は、これは私聞いてるのは三件と聞いてんですが、面積はどうですか、件数と面積は。先ほどは五千平米だとかおっしゃってましたが。
○説明員(長浜正雄君) 占有件数は三十九件でございまして、先生のお手元に資料を差し上げましたのは大きい順で差し上げましたので、この越中島は先生のお手元にある件数しかいってないと、こういうことでございます。
○中尾辰義君 わかりました。 それでは次に、関西方面で片町線放出駅構内、ここでは五件と書いてありますが、これはどういう事情になっておりますか。
○説明員(長浜正雄君) これは、戦前の昭和十七年に、放出に電車基地を設置しようとして、約三万三千平方メートルの用地買収をしたわけでございますが、戦争が激化しまして工事を中止いたしました。工事を中止しまして、食糧増産ということで旧地主あるいは小作人に使用承認をしてまいり、終戦後、関西の輸送力増強ということで、電車留置線を増強しなくちゃならぬということで、昭和二十四年から二十五年にかけて、留置線をつくるからということで返還の要求をいたしました。地元は——といいますか、地主、小作人が応じませんでしたので、返還の仮処分の申請をいたしまして判決をもらったんですが、なお異議申し立てがございまして、結局高裁にまで異議申し立てをしましたけれども、最終的に取り下げて、小作人は返還に応じてくれたわけでございます。そして留置線を設置しまして、それで留置線三千二百平米くらいをつくりました。その後、昭和四十一年と四十五年に、大阪府が、ここに第二寝屋川という川がございますが、その川の河川改修をするということで、国鉄に用地を譲ってほしいということで、四十一年に約一万平米、四十五年に約四千平米の土地を大阪府に譲りまして、あと不法占拠されておりましたので、四十五年に内容証明をもちまして土地明け渡しの催告をしたわけでございますが、小作しておった占拠者は、国鉄の土地であるということは認めるけれども、いままでやっておったんだから離作補償をしてくれないと明け渡さないと、こういう意思表示がございました。現時点で、御承知のように、片町線の四条畷から長尾までの複線化工事をやると、そうなりますと、輸送力を増強しなければならぬということで、電車留置線を増設をしたいということになっておりますので、何とかこの土地を明け渡してもらいたいということで、現在われわれのほうとしては、補償を準備して解決をはかりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○中尾辰義君 次に、九州の鹿児島本線の鳥栖駅構内に一件ありますね、これはどうなっておりますか。
○説明員(長浜正雄君) 鹿児島本線の鳥栖駅の構内に、昭和十九年戦時中に、鳥栖駅の輸送力増強工事で改良工事を行ないました。その際に、飯場が国鉄の用地内に建てられまして、そのときの工事に従事した大多数の人たちは第三国人でございますけれども、この第三国人の方々が工事竣工後も立ちのかないで現在まで至っておるわけでございます。で、占有されております面積は三千七十二平米ということになっておりまして、先生のお手元には、あるいは一名か一件しか出てないかと思いますが、大きい順になっておりますので、これもそういうことになっておると思いますが、二十六名の人たちがそこに住んでおるということになっております。それで、われわれとしては、終戦後、二十六年以来、内容証明によりまして、建物を撤去してほしい、そして土地の明け渡しの請求を約七回行ないましたと同時に、その第三国人の支部の幹部の方々に強く要請しまして、何とか立ちのきを進めたいということで要請をしておるわけでございます。また、並行いたしまして、鳥栖市に対しましても立ちのき方の協力を要請しております。で、昭和四十年の六月に、強力に立ちのき排除いたしまして、そのうち四百二十七平米を返還してもらっておるわけでございます。その後、四十二年三月以来、内容証明をもちまして、今日まで約五回でございますが、繰り返し通告をし、また別途話し合いを続けておるわけでございますが、まだ解決いたしません。これにつきましては、訴訟をやるなり何なりの方法で解決したいと、こういうふうに考えておるわけでございます。
○中尾辰義君 それじゃ、もう一件お伺いしますがね。これは名古屋の関係で、新幹線高架下の一件、六百六十平米ですか、出ております。これはどういう事情ですか。
○説明員(長浜正雄君) 名古屋の、先生御指摘の件につきましては、高架下の占有でございます。東海道新幹線建設のときにその土地を所有しておられました方でございます。で、東海道新幹線建設のときに、買収をいたしましたときに、当然無償使用できるのだというふうに説明を受けたというふうに、この占拠しておる人は言っておられました。昭和四十年七月新幹線開業の翌年以来、高架下の用地——いま先生御指摘の六百六十平米を木材置き場として占有を続けている案件でございます。現在まで、何とか正規の貸し付けによって解決したいということで、再三話し合いを続けてきておるわけでございますけれども、現在までまだ解決をしておりませんが、その後積極的に鋭意交渉を進めておりまして、何とか解決をはかりたい、こういうふうに考えております。 以上です。
○中尾辰義君 いま大体代表的なケースについてはお伺いしたわけですけれども、まあいずれにいたしましても、これは第三者の占有には間違いない、事情がどうあろうと。あなたのほうでは、不法な占有を、一つのAグループとか、あるいは使用承認取りつけ等による占有をBグループ、契約外の占有をCグループ、あるいは錯誤によって占有されたものがDグループと、こういうふうなグループに出ておりますけれども、当初の管理が非常にこれはずさんであった、こう言われてもしかたがないじゃないですか。 そこで、この三番目の契約外の占有というようなこと、これは一応ほかのと異なって、正規の手続によらないでそのあと居すわったものを、占有の事実を認めておる、あるいはまた、国鉄側が土地を所有した場合に排除せなきゃならなかった、そういうものを今日まで怠ってきたと、まあそういうことになるわけですね。ですから、こういうことを、私がいまなぜこれを取り上げたかといいますと、さっきから言いますように、いま皆さん方、国鉄の運賃の値上げをしてくれと、こういうふうにおっしゃっているわけですからね。それで、一方におきましては、こういう膨大な土地というものが、事情はどうあろうと、このように占有をされておる。国民の側から言いますというと、これはどういうことだと、こういうことになるんですから、それで聞いておるわけですよ。あなた方は今日まで、こういったような結果に至ったことに対して、どのように管理の面で反省をしていらっしゃるか、まずそこからお伺いをしましょう。
○説明員(山田明吉君) 御指摘のように、十六万平米に達する土地が、原因のいかんは別といたしまして、不法な占拠のままでいままで推移しておりましたことは、まことに私どもも残念に思い、かつ先生御指摘のような国鉄財政再建の上からも申しわけないと思っておりますが、これにつきましては、過去におきましても非常な努力で、ケース・バイ・ケースで、非常に処理の困難なものもございますし、それから相手方がなかなかつかまらないと申しますか、さがし求められないようなケースもございまして、非常に苦労しているのは、これは率直に申し上げてそのとおりでございますが、いま申しましたような、一例であげましたように、あるいは訴訟を起こして裁判でこちらの主張を実現するというような方法も考えておりますし、それから裁判に至らないであくまで話し合いで、場合によりましては現在の人の占有を認めて、そしてその土地を買い取っていただくとか、あるいは買い取る意思がなければ、それを借地契約に切りかえまして借りていただくとか、そういうような方法で現在手持ちの約二千六百件の処理を早急に解決いたしていきたいと思っておりますし、またこれにつきましては、冒頭に先生から御指摘がございましたように、会計検査院からの御注意もございますし、それから部内的には監査報告書にも過去何回となく取り上げられておりますので、部内的にも、その第三者の占有についての基本的な方針をきめまして、最近特に馬力をかけてその処理に邁進している現状でございます。
○中尾辰義君 それで、先ほど時期別の発表があったわけですけれども、これを見ますと、終戦前のやつが一二%ですな。かりにあのときは戦争の最中ですからいろいろな問題もあったでしょうけれども、その後、終戦後からのやつが約八八%ですよ。そうすると、ことしは四十七年ですから、これは二十七年も経過している。そうしたら、それは半分、約大半五〇%というものは二十年から三十年の間ですな。そうすると、この人たちは、もう十五、六年から、二十五年から三十年近く占有しているわけですけれども、一体これを今後どういうふうにあなた方が解決なさるのか。一生懸命やっていらっしゃるでしょう、私はやっていないとは申しません。ですから、それが一つですよ。 今度は、これだけの土地を、帳簿原価は安いのですから、当時手に入れたときのこれは価格ですから、今日の土地価格に換算してみたら膨大なものですよ。先ほど、帳面価格で二億数千万ですか——とおっしゃったようですけれども、今日、あなた、土地価格は二百倍とも言い、三百倍とも言いますから、そうすると数百億の膨大なお金です。資産です。こういうようなことを考えてみて、あなた方は検討していらっしゃるでしょうけれども、大体これは一つずつ検討されて、その方針というものはきまっておるのですか。きまっておれば、あなたひとつ説明してください。
○説明員(長浜正雄君) いま残っております、約二千八百件ぐらいの件数が残っておりますけれども、どうにももうにっちもさっちもいかないというような件につきましては、訴訟に持ち込みたい。これを約五百四十件ぐらいは訴訟にしたい。それから、いまできるだけ話し合いをしていきたい。これは、さいぜんの説明にもありましたように、錯誤とか、あるいは気がつかないで侵しておった、たとえば物置き小屋が国鉄用地を侵しておったとかひさしが侵しておったというようなものがございますので、これらを撤去してもらいたいということで話を進めておりますが、これが約一千件ございます。それから、売却してもいいと、また買ってもいいというように思われそうな件数が約七百七十件ばかりございます。で、内容を見ましてあるいは貸し付けで解決すべきじゃないかというふうに考えておりますのが五百八十件ばかりというふうに、一応昭和四十五年につくっておりました土地の処理要綱に従いまして、こういう分け方で鋭意進めるように考えておるわけでございます。
○中尾辰義君 そうしますと、いまあなた、この撤去明け渡しを要求したい、こういうものが約千件ある、このようにおっしゃいましたが、いまあなたおっしゃった四十五年度の国鉄の「土地の第三者占有の措置要綱」、これはあなたのほうでつくられたんですね。これに基づいてやっていらっしゃるんでしょうが、それを見ますと、「土地の第三者占有が、国鉄の事業遂行上支障となる場合発生原因のいかんを問わず」、つまり占有発生原因のいかんを問わず「建物収去、土地の明渡しを求める。」、こういうふうに出ておりますね。 そこで、そうなれば、この明け渡しを要求するこの千件というものは、国鉄の事業遂行上支障となるもの、こういうふうに判断をされるわけですが、これはどうなんですか、どういう事業上の支障があるのか、その辺ひとつ明らかにしてください。
○説明員(長浜正雄君) いま占有されておりますのが、この件数に該当しますのは、主として線路に並行したところの用地の近所といいますか、線路に並行したところをずっと占有されているケースが多うございます。これらについては、やはり線路巡回あるいは材料置き場等に必要でございますので、これらを明け渡しを得たいと、あるいはさいぜん申しました小屋とかそういうものがあるものを整理していきたいと、こういうことでございまして、これらは当然国鉄の用地として確保しておかないと、いろんな作業上支障があるということでございます。
○中尾辰義君 それじゃ、明け渡しを要求するためにどういう手を打っていらっしゃいますか、その点ひとつお伺いしておきます。
○説明員(長浜正雄君) 現在土地を管理しておりますのは、現地の保線区あるいは建築区、東京あるいは大阪につきましては管財区というものを設けまして特に土地の管理の職員を張りつけておりますが、その連中が巡回をいたしまして、そしてその土地に行きましてその人たちに明け渡しの要求をする、そしてあるいは内容証明によって送るというような措置を講じています。
○中尾辰義君 いろいろあなた方も手を打っていらっしゃると思います、それは。私はほうってあるというようなことは言っていないわけですがね。しかし、この実際の現実を見てみますと、これは十年も二十年も居すわっておりますとそう簡単にはいかないですね。そうすると、裁判ざたで決着つけばいいけれども、それもずいぶん長くなる。結局は話し合いということになれば、どうしてもこれは金の問題ということが出てくるわけでしょう。やはり居住権は出てきますからね。そうしますと、そういう金の面、それを今度は予算に計上するということになりますと、これまた非常に大きな金になってくる。そうすると、これをほうっておきますと、ますますインフレのときに土地価格は上がっていく。そうすると、こういったような面に出す金のだんだん額がこれは上がっていくわけでしょうな。そういうような点をあなた方どうお考えになっていらっしゃるか。どうも私は、いまも申し上げましたように、戦後二十七年になっていますからね、これから何年続くかわからぬ。こういったような問題が解決しないと、あなた方が国会において国鉄の運賃、まあ今後三年おきにまた上がるというような、事あるごとにこれは当決算委員会においては問題にしていかなきゃならぬ。こういうことを経理の面から明らかにしていくのがこれは決算の立場ですからね、私もあまり言いたくないけれども。ですから、その点ひとつ、どういうようなお考えを持っていらっしゃるのかお伺いをしたいと思います。
○説明員(山田明吉君) おっしゃるのは、世の中のいろいろな人の考えも私ども耳にはいたしておりますけれども、国鉄の用地は国有地ではございませんけれども、政府関係機関として、やはり筋を通した方向でその権利の回復をいたすつもりでございます。
○説明員(長浜正雄君) つけ加えて申し上げますと、いままでの最近の実績を申し上げてみたいと思います。 私が申し上げました解決方法のいままでの実績を申し上げますと、たとえば撤去してもらったのが四十五年で二百六件ございます。売却しましたものが七十三件でございます。それから、これは要らないといいますか——というので売却したわけでございますが、あと貸し付けで整理をいたしましたのが四十五年で十六件、合計二百九十五件を四十五年に解決しております。四十六年には、撤去いたしましたのが四十六年十二月までに百十二件でございます。それから売却で整理いたしましたのが二百十二件、それから貸し付けで正常化いたしましたのが九十八件、訴訟で解決いたしましたのが八件というふうな実績になっております。
○中尾辰義君 私は、ああせい、こうせいとは言いませんよ、皆さん方は土地管理委員会というものがちゃんとあるのですからね、そこで最も適切なる処置をなさればけっこうだと思いますが、ただいま撤去件数が約二百件あったとこのような御答弁がありましたけれども、こういうのは、いままでの撤去二百件というものはどういう処置をなさって撤去なさったか、向こうさんのほうは何にも言わないで出ていかれたのか、何らかのあなたがたが代償を与えておやりになったのか、その辺はいかがでしょう。
○説明員(長浜正雄君) これは貸し付けをしておりません。いわゆる不法占有でございますので、無償で撤去してもらう、立ちのいてもらうと、こういうケースでございます。
○中尾辰義君 これは全部無償ですか。
○説明員(長浜正雄君) そうでございます。
○中尾辰義君 そういうふうに話がまとまればけっこうだと思いますけれども、おそらく残っておるものは、これはまあ非常にややこしいのが残っておるのじゃなかろうかと思いますがね。こういったものに対して、これは十年、二十年居すわって、そして今度はまた金の面で解決したと、こうなりますとね、国民の立場から見て、非常にこれはけげんな、納得のできないような感じがするんですな。それで、一方においては値上げをしてくれ、運賃の値上げまあよろしく頼む、サービスはこれからうんとやりますと言いながら、片一方においてはストライキをやって、お客さんが——まあ私はストライキは悪いとは言いませんが、けれども、あのラッシュのときをごらんになれば、乗客からも非常にこれは不満の声もあるので、まあ一部の話から言いますと、昔は非常にサービスがよかったけれども、近ごろの国鉄はどうも値上げばかりして、サービス、サービスって、一つもサービスよくならぬじゃないか。この前もだれか一人、満員列車に乗っていてとうとうあばら骨を折ったような事件があったようですがね。ですから、今後の問題は、一体どういうような処理方針ですか、見通しですか。
○説明員(長浜正雄君) 確かに、先生の御指摘のように、だんだんむずかしいものが残ってくることは事実だと思います。したがいまして、さいぜん私がそれぞれの解決方法で分類して申し上げましたけれども、必ずしもそのとおりにいくとはこれは絶対限らないと思います。ますますむずかしいものが残ってまいりますので、合意によって立ちのいてもらうというふうに想定しておりましても、そうならない。そうなりますと、おのずから訴訟がふえるというようなかっこうにもなりましょうし、あるいはその相互の処理の方法がお互いに入り組んでくることと思います。できるだけこれを解決するように努力をますます重ねなきゃいかぬ、こういうふうに覚悟しておる次第でございます。
○中尾辰義君 さらに、古いものはこれはまあさておいて、私がいま聞きたいのは、比較的新しい、四十一年以降今日までわずか六、七年しかたってない、この短い期間の間に不法占有されたのは六十一件ですよ。しかも、使用承認取り消し、その後さらに占有をされたものが四件、それから契約外の占有が十二件、錯誤によって占有されたのが七十六件で、合計で百五十三件。こういうのは、これは明らかにあなた方のほうがかなり管理の面においてずさんな面があった。これはどういうことでしょうか、こういうケース。
○説明員(長浜正雄君) 確かに、おっしゃいますように、最近の新しい件数の中に明らかに不法と思われるものが六十一件ございます。その他は、一番多いのが、錯誤によるものが七十六件という先生の御指摘のとおりでございます。これは実は、いままで十分この辺の管理をしてまいりましたけれども、正確を期すために、四十四年までに数年かかりまして、正確を期して新たに発見しました、四十四年時点で出てまいりましたものが、このいわゆる件数の多いといいますか、ものでございます。明らかに不法というものがわりに多いのは、そういう数字でございます。それからそれ以外に、いわゆる錯誤による不法占有、これが七十六件ということでございますが、これらは、たとえば庭先、あるいはひさしだとか、あるいはそこに物置きをつくったとか、あるいはポンプ小屋とか、わりに面積は小さいのでございますけれども、錯誤の件数が相当ございます。これらについてはわりあい話し合いで解決できるんじゃなかろうか、こういうふう考えておりますが、不法の六十一件については相当強硬な手段をとらなきゃならない、こういうふうに覚悟をきめておる次第でございます。 〔委員長退席、理事小谷守君着席〕
○中尾辰義君 私は結果論を聞いているのじゃないのですよ。古い話はさておいて、最近のあれでも、こういうようにたくさんの不法占有のケースがある。国鉄は何をやっているんだと、こういうふうに思うのですね。これはもう土地問題は、われわれの私有の土地でも、他人にそういう占有されるというようなことがあると、これはまああなた目の色を変えて手を打つんでしょうが、いろんな。そういう点から考えて、あなたがいまおっしゃった、新たに不法占有を発見したものがいま何件かおっしゃったですな。新たに発見したものというのは、それまで知らなかったということでしょう。よっぽどあなたこれ、国鉄の管理体制というものがたるんでおるという証拠ですよ。そういうところを私は言っているのですよ。その点いかがです。
○説明員(長浜正雄君) 四十四年を期しまして、正確を期するために総点検をいたしまして、その時点で発見しましたものは何件かあることは事実でございます。そのほかに、もちろん新たに占有されまして気のつかないうちに物置きをつくられたという例があることも事実でございます。その点、われわれの管理をもっと厳重にしなければいかぬというふうに考えております。
○中尾辰義君 いま国鉄の管理体制はどういうふうになっていますか。土地管理委員会というものも私は聞いておりますけれども、どういうような順序によって、どういうような構成メンバーによって、どういうような管理体制をやっておるのか、その辺ひとつお伺いしておきたい。
○説明員(長浜正雄君) 土地の管理につきましては、先生さいぜん御指摘になりました、本社に土地管理委員会をつくりまして、そこでいろいろな方策を決定し、処置をきめていっておるわけでございますが、実際の管理の責任者は、各それぞれの地方の管理局長が管理の責任者でございます。その管理局長のもとに、東京と大阪のような大都市につきましては、特別に管財部というものをつくってございます。そこで土地の管理をさせております。それ以外のところにつきましては、施設部で管理をさせております。そこに用地担当の者がおるわけでございます。それで現地は、その現地機関といたしまして管財部のありますところには管財区というものがございます。それが現地の土地の管理をいたす。管財区のないところは、保線区がその土地の管理をすることになっております。そこにそれぞれ担当の者がおりまして、管理をしておるわけでございます。 管理のしかたとしましては、用地保守基準規程、あるいは、いま不法占拠の問題がございましたが、この不法占拠に対する処理の要綱だとか、あるいは第三者の占有の措置要綱だとか、あるいはその処理の事務規程といったようなものを、三十九年、四十年、四十五年といったふうに逐次改定をしてまいりまして、現在整備をして、この規程に従って管理をし、そして実際の現地につきましては、その現地の保線区なり管財区の連中が現地を巡回いたしまして、そうして土地の管理をする、こういうかっこうになっております。
○中尾辰義君 もう時間がまいりましたからこれで終わりますけれども、ずうっと不法占有の実態がいま明らかになったわけであります。こういうような話を国民の皆さんが聞いておって、 〔理事小谷守君退席、委員長着席〕 全く国鉄のずさんな管理体制、そうして一方におきましてはまあ運賃の値上げを出していらっしゃるわけですね。これはもう非常に国民としては納得できないような問題ですね。ですから、ほんとうは運輸大臣、国鉄総裁が出ていらっしゃれば一番いいのですけれども、おいでになりませんが、どうかひとつ、今後、この管理の体制をもう少しさらに厳重にして、そうして、あなた、こういう事態がないように、とにかくこの法治国家におきまして、不法占有した者が、居すわった者が勝ちだというようなことでは、とても私は納得できない。ですから、私はほかにもいろんな言いたいことはたくさんあるんですけれども、焦点がぼけるので、この不法占有地の問題にしぼって私はきょうは質問したわけであります。 ですから、ひとつ最後に、いままでの私の質問を通じて、大臣にかわって政務次官にひとつ、今後の国鉄の土地問題に対する管理の面から所見をお伺いいたしまして、それで終わります。
○政府委員(佐藤孝行君) 現状の国鉄の経営内容がきわめて憂慮すべき事態に至っていることは、御承知のとおりでございます。したがいまして、新しい国鉄十カ年再建対策を立て、現在国会において審議中でございます。その骨子は、一つは政府の助成をもっと大幅にすること、第二には国鉄自体がもっと合理化につとめること、第三は運賃改定、この三本の柱で国鉄を十カ年に再建する、これが新しい国鉄の財政再建計画でございます。 そのうち、いま御指摘の国鉄用地の不法占有については、この第二に申し上げました国鉄の合理化の中に私は該当するものと考えます。国鉄に対しては、いままでも、遊休資産の処分の促進、あるいは経費の節減、機構の縮小、こういうものを強く要望し、かつまた指導してまいったところでございますが、先ほど御指摘のように、いまだに問題の解決を見ない、しかも不法に占有されている土地が多くあるということは、まことに遺憾なことでございます。御指摘のように、個人の立場で考えたとき、そして公的な国鉄の立場で考えたとき、比較すると、あまりにもその解決に格差があるんじゃなかろうかと、私も同感でございます。したがいまして、今後は、このような事態が発生しないよう対策を講じさせるとともに、不法占有の早期解決に一そう指導する所存でございます。
○萩原幽香子君 教育に愛情と信頼は不可欠のものであり、それはまた実態を知ることによって生ずるものだと信じております。 現在、公立小学校の全国平均五一・七%を占め、わが初等教育に大きな役割りを果たしております婦人教師の実態、特に苦しみと悩みを十分御理解いただき、文部省と婦人教師の間に信頼と愛情を深めていただくために、きょうは質問を展開してまいりたいと思います。 そこで、まずお伺いをいたしますが、文部省はこれまでに婦人教員の二十四時間について調査をされたことがございますでしょうか。特に、乳幼児をかかえた母親教師の生活実態というものをどのように把握をしておられますか、お伺いをいたしたいと存じます。
○政府委員(岩間英太郎君) 文部省といたしまして、いままで調査をしたということはございません。しかし、都道府県の教育長の協議会で、四十五年に十八県から抽出いたしました調査がございまして、それによりますと、乳幼児を持つ教育担当者のうちで、実際にだれがめんどうを見ているかというふうなことに対しましては、家族が四六・三%、それから子守を雇うという者が一五・六%、それから保育所などを利用している者が二一・八%、その他が一六・三%というようになっておりまして、実際に乳幼児をかかえております教員の家族の負担と、あるいは家族のない場合のその家庭の負担というものはかなり大きいものじゃないかというふうなことが想像されます。
○萩原幽香子君 私がいまお尋ねをいたしましたのは、婦人教員が子供をどう預けているかということではなくて、私がお尋ねをしておりますのは、婦人教員というもの、子供のある婦人教員というものがどういうような生活をしておりますかと、二十四時間というものをどのように送っておりますかと、そういうことを知っていただくことがいわゆる文部省と婦人教師の間に愛情と信頼を深めるもとになりますと、こういうことをいま私は申し上げたわけです。 いま局長さんのほうから、そういう子供をどう預けるかということについての調査のお話があったわけでございますが、そこで、このうしろに、私は、大体二十四時間というものを婦人教員が、特に子供のない人あるいは子供のある人がどういうような暮らしをしておるかということを出してみました。で、これをひとつ十分ごらんくださいませ。 こういう中から、一体、この表をごらんいただきまして、局長さんあるいは文部大臣はどういうふうに、この表の中から何をつかみ取っていただけるか、お伺いをいたしたいと思います。
○政府委員(岩間英太郎君) この表を拝見いたしますと、勤務時間、あるいは生理的な生活時間、こういうものは変わっておらないようでございますが、一番大きく変わっておりますのは、家事的な生活の時間、これが四倍になっておるというふうなことではないか。これはまあ、育児のためにいかにそういう子供を持っておられる母親が、先生が、そういうふうなところに力を注がなければならないのかという点がわかるような気がするわけであります。
○萩原幽香子君 私は、この表をただ表面的に見ていただきますと、たとえば、先生が勉強をする時間というものが、独身の先生が六十四分持っているのに対しまして、子供を持っている先生が二十六分である、こういったようなものをごらんいただいたときには、やっぱり子供のある先生ってだめだなと、こういうような考え方におなりになるのではないか、こういう心配を私は非常にしたわけなんでございます。で、実は、私はこの表を出しましたのは、この表の裏側を見ていただきたい。この表の裏側にこそおかあさん先生の苦労となみなみならぬ努力が秘められているんだ、これを見ていただくために、私はこの表を出したわけでございます。大臣、これをごらんいただいて、どういうふうな御感想をお持ちになりましたでしょうか、承りたいと存じます。
○国務大臣(高見三郎君) 萩原先生がお出しになりましたこの表を見まして、主婦としての先生、母親としての先生、いずれにいたしましても、非常に負担が重いわけでございます。しかし、私どもから申しますと、むしろ保育の経験のある先生の一人でも多いことが望ましいし、同時にまた、これは保育の経験の有無の問題じゃございません、実は若い優秀な先生が途中でおやめになる方が非常に多いという例を見まして、これからの日本ではどうしても女教員の数がふえてくるという趨勢から見ますというと、何とか先生の処遇を改善することによってこの優秀な人たちを長く教職にとどまってもらうように努力しなければならない、かように考えておるわけであります。
○萩原幽香子君 しかし、この表を見ていただいたときにぱっとお感じになることは、やっぱり教育者という立場で、いわゆる自分の受け持っている子供というものに対してどのようにその子供の能力を全部引き出すか、こういうときに、勉強する時間を持たない、本を読む時間を持たない、あるいはまたいろいろなものを書く時間を持たない、こういう女の先生に対して、大臣としては、やはり文部大臣としては、何とかもっと勉強してもらいたいという気持ちにおなりになったのではございませんでしょうか。私自身がこの表を見ましたときに、かつての自分の姿というものをまざまざと見せつけられる思いで、私は胸が一ぱいになったわけでございます。私もかつて三人の子供を持つ母教師でございました。子供が五歳、三歳、一歳のときは、こん身の力を振りしぼって生活と戦ってきたと思います。朝は五時に起きて、家族全員の一日のすべての準備を整えておき、そのあと起き出してきた二人の子供に食事をさせて、そのあと赤ん坊に乳をふくませながら食事をしました。そして、その飯台の上に教案を広げて一日の私は準備をしたものでございます。子供たちが病気になっても、なかなか休むということができない状態でもございました。それは、私の心の中に、自分の受け持った子供たちが他の時間的にゆとりのある先生の他人の子供よりも能力を伸ばせない状態にしては申しわけないという強い気持ちで一ぱいだったわけでございます。私があえて男女差の撤廃を叫び、給与の男女差の撤廃を主張し、それをやっていただけたのも、一つは自分が母親であるということを理由に教育という大事な仕事に甘えを持ってはならないということを強く感じたからでございます。男女差撤廃を叫ぶのなら、すべてが男女差撤廃でなければならないということを、私は自分自身に言い聞かせてきたわけなのでございます。おそらく、いま私が申し述べましたような現状は、いまの女の先生方の、おかあさんの先生方の大方の人の生活であり、心情ではないだろうかと考えるわけでございます。先ほど申し上げましたような立場で、きょうは時間はございませんから、私は婦人教師の母性保護にしぼってお尋ねをいたしたいと思いますけれども、おそらく、文部大臣にいたしましても、地方の教育長さんからお聞きになることは、やはり男の先生がほしいというお話ではございませんか。私も教育委員会に籍を置きましたときに、非常に悲しく思いましたことは、そういうことばでございました。先生がほしいと言われ、所長さんがどう答えられるかと耳を澄ましておりますと、女の先生なら優秀なのがあるんだがなという返事でございます。向こうさんのおっしゃることはわかりませんけれども、おそらく向こうのおっしゃることは、次の所長さんのお返事で私は理解ができるわけでございます。それは、男の先生、いまあることはあるけれども、女の先生のほうがいいんだけどなあ、でもまあどうしてもあなたのほうでそういう希望ならそういうふうにしましょうか——そういうふうにしましょうかということは、一体どういうことなんでございましょう。私は、大臣はいま私に、女の先生に対して非常にあたたかいおことばをくださいましたけれども、おそらく、教育のその立場に、当局の立場にいらっしゃる方は、いま大臣がお話しになったようなことをほんとうにお考えになっていらっしゃるとは私は思えないんです。そのことについて、私はもっと率直な大臣の御意見が承りたいと思うのです。でない限り、私たち婦人教師と文部大臣との間にはほんとうの信頼と愛情は生まれないと思うんです。そういう点で、私は大臣のほんとうのおことばが聞きたい、こう思います。
○国務大臣(高見三郎君) 私は私の感じを率直に申し上げますと、女の先生がふえていかれることを決して悪いことだと思っておりません。むしろ母親教師がふえていくことこそ、教育の場に人間性を深めていくことであります。それはなるほどお母さんの先生方の御苦労のほどはわかりますけれども、しかし、本を読むことだけが教師にとっての仕事じゃないと思います。全生涯を通じての、あらゆる体験を通じての子供への接触というものが、私は教育にとって一番大事な問題ではないかと思っておるのであります。中途半端な学問の基準が教育では私はないと思います。人間としてのほんとうの生活体験というものが教育作用の上にあらわれてくるという意味から申しますると、私は、お母さん教師ほどとうといものはない、こう信じております。この考え方には変わりはございません。
○萩原幽香子君 そうでございますと、文部大臣、これはおそらく大臣は、教育長さん、全国の教育長会議といったようなものに対して、いろいろ婦人教師に対しての不満や、いろいろな不安や出ましたときに、いま私にお答えくださったと同じように、その教育長さん方にお答えいただけるわけでございますか。
○国務大臣(高見三郎君) 私の気持ちは、いま申し上げたとおりであります。私はこれが最も大事なことだと、だから、小学校の女教師の数が五一・八%になったと、けっこうなことだと思っております。むしろそのほうが望ましいことだという考え方をいたしております。
○萩原幽香子君 いまのお答えを聞いて、私は非常に安心をいたしました。 そこで、続いてお尋ねを申し上げます。産前産後休養について、各都道府県の実情はどうなっておりますか、承りたいと存じます。
○政府委員(岩間英太郎君) この点につきましては、御案内のとおり、労働基準法に産前産後各六週間の休業という規定があるわけでございますが、それを広げておりますのは、産前産後の休暇を各七週間から八週間としておるところが六都県ございます。それから産後休暇を八週間から十週間にしておるところが二十七道府県でございます。
○萩原幽香子君 そこでお尋ねしたいのですけれども、産前産後ということで、産前六週間、産後六週間、あるいは産前七週間、産後七週間といったように、産前産後切って考えている都道府県が非常に多いのではないかと思います。その場合に、産前産後を通してというようになっております府県はどれくらいございますか。
○政府委員(岩間英太郎君) 恐縮でございますが、ちょっとこまかい数字を持ってまいっておりませんので、その点御説明できません。
○萩原幽香子君 これは、私はやっぱり産前産後を通して考えていただくことが望ましいと思います。なぜかと申しますと、産前はもう大方ぎりぎりまで出てくる先生が非常に多いわけでございます。私も校長当時に、もういわゆる予定日がきているのにまだ学校に出てくる、非常にこわくなりまして、私は帰した場合がございます。ところが、その先生はそれから一週間ぐらいたってできたのですけれども、その場合に、やはり私はこれを通じてもらったら非常に先生としては都合がいいのではないか。産前六週間、産後六週間ですと、産前の六週間は休まなくても放棄するということになりますね。あと六週間ということになりますと、先生方のからだの回復から考えてもこれは問題ではないか、通してということにしていただきたいと思うのですが、この点はいかがでございましょう。
○政府委員(岩間英太郎君) ただいま先生の御指摘のようなことは、これは各県が実態に応じましてきめられることでございますから、私も詳細は承知しておりませんけれども、中には通して産前産後の休暇を計算するというふうなやり方を条例できめておるところもあるようでございます。
○萩原幽香子君 なお、二十年前にILOの母性保護に関する勧告では、十四週に延長すべきであるという勧告をしておりますけれども、文部省はそのときにどういうような御指導をなさいましたでしょうか。
○政府委員(岩間英太郎君) この点につきましては、文部省は特に指導するということはいたしておりませんけれども、やはり労働基準法の適用という基本的な法規がございますので、そういうものとの関連におきまして私どもも指導するということになろうかと思います。
○萩原幽香子君 これはあとで労働大臣にお聞きしたいと思っておりますけれども、いま労基法のことについていろいろ御検討中だと承っておりますが、この問題はどういうふうに御検討中でございましょうか。
○政府委員(渡邊健二君) 先生御承知のように、基準法は昭和二十二年の九月に施行になりまして以来約四分の一世紀もたっておるわけでございますが、その間労働条件の維持改善に非常に大きな効果をもたらしたと思うわけでございます。その後いろいろ産業事情あるいは社会事情等も変わってまいりまして、最近の事情から見てこのままでいいのかどうかということにつきまして、いろいろな御意見があるわけでございます。 そこで、昭和四十四年の九月に、学識経験者二十名からなります労働基準法研究会というものを御委嘱いたしまして、基準法の運用の実態とそれに伴う問題点等について調査研究をお願いいたしております。非常に基準法というのは広範多岐にわたりますので、小委員会等を設けまして問題ごとに検討をされておりまして、いままでに、安全衛生、それから労働時間、休日休暇等につきましては、去年までに御報告をいただいておりますが、その一部は、安全衛生等につきましては、それによって、今国会もそれを参考といたしまして安全衛生法案というものを提案し、御審議をいただいております。残りの問題につきましても同研究会引き続き検討いたしておりまして、その中には女子年少者の保護問題等も含まれておるわけでございまして、それらの問題につきましてただいま検討が続けられておる段階でございます。
○萩原幽香子君 またこれは後ほどお尋ねしてまいります。 母性保護について労基法以上の基準を持った都道府県がございますか、あれば承りたいと思います。
○政府委員(岩間英太郎君) 先ほども申し上げましたように、産前産後の休暇を六週間を七週間から八週間に延ばしているとろが六都県ございまして、それから産後の休暇を八週間から十週間としているところが二十七道府県あると申し上げたわけでございます。これが例外でございますが、先ほど先生から御指摘ございましたように、産後のほうにウエートを置くというふうな傾向が半数以上の県で見られるわけでございます。これは今後検討してまいらなければならないと思いますが、趨勢といたしましては、もし先生のおっしゃいましたような実情があるとすれば、そういうふうな方向に持っていく、産後のほうに重点を置いていくということは、これは好ましいことではないかというふうに考えております。
○萩原幽香子君 そのほかに通院休暇、これは御存じないようでございますから、私のほうから申し上げます。通院休暇を月一回持っております府県が四十三都道府県ございます。それからつわり休暇、これをとっておりますのが六日から二週間、これが八都道府県あるわけでございます。これは労基法以上のものでなかろうかというふうに考えるわけでございます。そういうふうに、文部省が御存じないような状態の中で各都道府県のほうが女の先生の重要性を考えているということが、私はたいへんうれしいと思うわけでございますが、この点について大臣いかがでございましょうか。
○国務大臣(高見三郎君) こういう問題について、各都道府県の教育委員会がそれぞれの事情に応じてつわり休暇だとかあるいはお乳を与える時間を持っておるということは、まことにけっこうなことだと思っております。ぜひこれは全国各府県とも実施できるように、またこの時間ができるだけ長くとれるように考えてあげたいものだと、私自身は考えておるわけであります。
○萩原幽香子君 それでは、次に育児休暇についてお尋ねをしてまいりたいと思います。いま、育児休暇につきまして私たちが全国の婦人教師とともに一生懸命になっておりますことは、大臣も御案内のとおりでございます。そこで、婦人教師が過去十年、毎年毎年教職を貫徹するために有給育児休暇制度の成立を願っておるわけでございます。また、保育所の整備を要求しているわけでございます。こういったようなことは、この婦人の教師たちの良心的な行動だというふうにはお考えになりませんか。
○政府委員(岩間英太郎君) 育児休暇の問題につきましては、これは、今国会に提出されていると聞いております勤労婦人福祉法でございますか、そういうところで原則として育児休業というものが勧労婦人に与えられるということが望ましいというふうな規定がこれは全体の問題として置かれたというふうに伺っておりますけれども、教員の問題につきましても、そういうふうな方向で、ただいま参議院で小委員会を設けられまして御審議中であるというふうに承っております。私どもも、勤労婦人の立場からということでこれを考えるか、あるいは教育の一貫性という立場でさらにこれを考えるか、いろいろな考え方はあろうと思いますけれども、方向としてはこれはきわめて望ましいことでございます。ただ、その有給、無給ということになりますと、ほかの全体の婦人労働者あるいはほかの職種との関連もございまして、これはにわかに現段階においてそれがいいとか悪いとかいうふうな結論を私どものほうで出す段階までは至っていないというの、が実情でございます。
○萩原幽香子君 局長さん、たいへんうまくお逃げになりましたけれども、先ほどまで文部大臣や局長さんのおっしゃったおことばから考えますと、女の先生がふえたことは望ましいと、非常にいいことなんだ、しかも女の先生というのは子供を持ちながら非常に努力をしているのだ、こういうことで、これからの日本の教育の前進のためにいいことなんだとおっしゃる。それならなぜ、そういったようないい先生たちを置くためにこのようなことに対してもう少しあたたかい御努力ができないものなのでございましょうか。ほかの労働者と同じように、ほかの勤労者と同じような考え方でやっていくのだとおっしゃるのだったら、教育者としての特殊性というものは一体どこにあるのでございましょう。この点もう一回局長さんのほうからひとつ承りたいと存じます。
○政府委員(岩間英太郎君) 私が申し上げましたのは、勤労婦人全般についてそういうふうな方向にただいま向かっておる、特に教諭につきましては教育の一貫性というふうな、児童生徒の教育の一貫性というふうな立場から特別な扱いがされているようである、それはまた好ましいことであるということを申し上げたわけでございます。
○萩原幽香子君 それでは伺いますけれども、お産に伴って非常に優秀な先生たちが職場はやめたくないけれどもやむを得ずやめていくといったような人が年々どれくらいあるか御存じでございましょうか。
○政府委員(岩間英太郎君) 四十五年度の間におきまして退職されました女子の教員の数は、小学校で七千二百五十名、中学校で二千五百五十四名というふうな数字になっておりますが、このうちで出産・育児のために退職いたしましたのが、小学校で九百五十五名——約千名、中学校で三百六十七名、結婚のために退職いたしました者が、小学校で千三百五十八名、中学校で五百八十七名と、そういうふうな数字が出ております。
○萩原幽香子君 これは局長さんと私の調査では非常な違いがあると思うのでございますね。少ない年で四千五百名、多い年で六千名がこの出産にからんでやめているということを私は調査をした段階で調べたわけでございますけれども、わずか一千名がやめたということは、私はちょっと受け取れないわけなんでございますが、それはどういうところの調査でございましょう。
○政府委員(岩間英太郎君) 昨年の四月に、全国の教育委員会にお願いをいたしまして悉皆調査をいたしました結果でございます。
○萩原幽香子君 じゃ、私のほうがもう一回調べ直せばよろしいのかもしれませんけれども、私たちも、女の先生を中心とし、あるいは退職いたしました私たちの仲間の校長さんたち、退職の婦人校長たちからいろいろ調べていただいた結果がそういうふうに出ているわけでございます。ですから、教育委員会でお調べになりましたのと、そういう私たちの仲間が調べましたのとでは、かなりな差があるようでございます。どちらが正しいのかはわかりませんけれども、もう一回ひとつ教育委員会のほうへも念を押していただいたらいかがなものかと思います。 それから、先ほど有給の線についてはというお話でございましたが、四月十八日の予算委員会で、私の質問に対しまして、社会保障研究所長の山田参考人は、わが国の社会保障は先進国に比べて三十年のおくれがあると述べられたわけでございます。社会保障の著しくおくれたわが国で無給であるということは、生活を圧迫するということにつながるというふうにはお考えにならないでございましょうか。先生たちを全部無給にしてしまいますならば、先生たちは休んでいても研究することはできませんでしょうし、あるいは社会保険の保険料さえもかけられないという状態にはならないでございましょうか、あるいは前年度における税の取り立てに対してはどういうふうになるのでございましょうか、そういったようなことを含めて、私たちは無給ということはどうしても承服をいたしかねると考えるわけなのでございます。この承服できないということにつきましては、わが国で、もうすでに育児休職制度を実施しております電電公社の例がございます。ここでは、出産件数七千件のうち、利用する者はわずか二〇%と聞いております。その原因は、無給であるために、先ほど申しました休み中の社会保険の保険料の問題、あるいは税金の支払いの問題などに困難を感じて、どうしても休むことができない、その次には復職後利用できるような保育所が不十分である、この二つの理由から休む人が非常に少ないということなのでございます。ということになりますと、せっかくこの法案が通ったといたしましても、無給制度であるならば、同じような結果になるおそれがあろうかと思いますけれども、その点について大臣はどのようにお考えでございましょう。
○政府委員(岩間英太郎君) 私どものほうも、別に問題がないということを申し上げているわけじゃございません。育児休暇制度、そういうものを取り出しまして考えました場合には、いろんなそういうふうな問題点があろうかと思います。しかし、そのほかの給与の体系の問題、それからほかの勤労婦人どの関係、あるいは家庭婦人との関係、そういうものを考えました場合に、やはり国民的な均衡論と申しますか、感情みたいなものもやはりあるんじゃないか。いまようやく育児休暇という制度がわが国で発足し定着しておるという際でございます。まだそこまで全般の検討というものが進んでおらない。したがいまして、いま十分検討する必要があるんじゃないかということを申し上げたわけでございます。そういうふうな問題があるということは、これは仰せのとおりでございます。
○萩原幽香子君 私は、学校というところに最もいい人を集めるための方途にも、やはり、ほかの職種が、ほかの職場がこうだから、先生もそれでよろしいということにはならない。やはり先生だからこそ、こういうことをやる。これをやったことによって、ほかのほうも、なるほどそれが正しいんじゃないかと認めさせるということにもなるのではございませんでしょうか。みんなが一律にそうなることを待っていたのでは、いつになっても有給ということは私はかちとるわけにはいかないんじゃないかという感じがいたします。特に教育界によい人を求めようとする場合にこそ、こうしたことが必要ではなかろうかと私は考えるわけでございますけれども、もう一回文部大臣、その点について大臣の御見解を承りたいと存じます。
○国務大臣(高見三郎君) 萩原先生の御主張の御趣旨、私もよくわかります。よくわかりますが、これは国民一般の問題とも考えてみなければならない問題であります。私は委員の皆さんの間で有給休暇制度を真剣に御検討になっておる、この御検討に非常に敬意を表しております。実現を期待をいたしております。 問題は、他の一般職業婦人というものと——なるほどそれは、教育界に優秀な人材を得ることが必要であることは申すまでありませんが、他の産業においても女子職員の優秀な職員を得たいということになりますと、私は、社会保障全体の問題として、将来有給休暇というものが、育児休暇というものが、どの部面にも出てこなければならぬはずだと思っております。そこで、そうなりますというと、教職員だけを取り上げて最初に有給にしていくという事態がまず生まれることは、望ましいことである。望ましいことではあるが、これは、労働省あるいは厚生省の立場になりますと、いろんな問題がおありになることは、私にも理解できないわけではございません。その意味において、私は、いますぐ有給にするということが必ずしも望ましい姿であるかどうか——望ましいことには違いありませんが、それが実現の可能性があることであるかどうかというところに一点の疑念を持っておりますので、私自身の口からこれは有給にすべきだということを申し上げる段階ではないということを御理解をいただきたいと思います。
○萩原幽香子君 大臣や局長さんの非常に苦しい胸のうちを私はお察しをいたしまして、これ以上は詰めてまいりません。しかし、局長さんなり大臣のお心持ちは私には十分察しがつきます。ですから、そのお心持ちをどのように生かしてくださるかがこれからの問題にかかるところだと思います。社会保障の点ではわが国よりはるかに進んでいると思われるハンガリーでは、一九六七年から母親手当制度が実施されております。そして、出産休暇を含めて三十カ月間、これは月額給与の約三〇%に当たるものが支給されていると承知をしているわけなのでございます。こういう例もあることを、十分文部大臣とされましても承知をいただいておきたいと思います。 次いで労働省にお尋ねをいたします。 労働省は目下労基法の再検討を始めておられると聞きますが、どこをどのように検討されておりますか、そしてそれはいつごろ結論をお出しになるおつもりですか、承りたいと存じます。
○政府委員(渡邊健二君) 先ほども申し上げましたように、基準法制定以来二十数年たっておりまして、その間の労働関係事情、社会事情等々の変化から見で、現在のままでいいかどうかという点、そういう運用の実態並びにそれに伴う問題点を全体として一応調査、研究が必要だということで、いま労働基準法の研究会は進めておるわけでございます。ただ、基準法は非常に広範な問題になっておりますので、一つ一つ問題点ごとに逐次取り上げられておるわけです。したがって、特にどの点ということでこちらからお願いをしておるわけではなく、基準法全体の問題であるということです。それから、そういうことでございますので、逐次問題ごとにある程度調査、研究が進みましたものについて御報告をいただいておるわけでございますので、これはさっきも申し上げましたとおり、運用の実情とそれに伴う問題点をあげてくれということでございまして、必ずしも法律改正を前提としておるわけではございません。法律改正をするにつきましては、中央労働基準審議会という法律に基づく審議会があるわけでございまして、研究会等で問題点が指摘されますと、そういうことをまたわれわれも参考にさしていただきまして、労働省といたしまして、法律改正を要するのか、あるいはこの点は行政指導でやることなのか、そういう点を検討いたしまして、そうして法律改正を必要とするものについては、法案の改正を中央労働基準審議会にかけまして、そして御意見を聞いて国会に提案する。それから、行政措置でやることが適当と思われるものは行政措置で、たとえばいま進めております週休二日制度、そういうようなことで進めておるものもあるわけでございます。そういうことで進んでおるわけでございます。 それから、いつごろ結論が出るかという点でございますが、これにつきましても、いままで申し上げましたとおり、問題点ごとに報告が逐次出されております。いままでも、安全衛生、休日休暇、労働時間等が出ております。今後も逐次問題ごとに調査研究が進めば出てくると思いますが、いつごろ全体が終わるかということは、ちょっといまの段階で申し上げるまでに至っておりません。
○萩原幽香子君 労基法が制定されて、先ほどからたびたびおっしゃっておりますが、まあ四半世紀というものを経過しておりますね。その間に、ILO等の婦人労働者の福祉を強化する条約、あるいは勧告、そういうものが出されていると思いますけれども、どのようなものがいつ出されましたか、承りたいと存じます。
○政府委員(高橋展子君) 基準法が制定されました後ということに限りまして、ILO条約あるいは勧告の成立状況を申し上げますと、一九四八年に八九号条約が出ました。これは婦人の夜業に関する条約でございます。それから一九五一年に第一〇〇号条約、これはいわゆる同一賃金の条約でございます。それから一九五二年に母性保護に関する条約、これは一〇三号条約でございます。それから一九五八年にいわゆる雇用及び職業の差別待遇に関する条約が出ております。 また、勧告といたしましては、一九五一年に九〇号といたしまして男女の同一報酬に関する勧告が出ております。それから一九五二年に母性保護に関する勧告、九五号。それから五八年に差別待遇に関する勧告、これは一一一号でございます。それから一九六五年に一二三号といたしまして家庭責任を有する婦人の雇用に関する勧告が出ております。
○萩原幽香子君 ずいぶんたくさん出ているわけでございますね。ところが、そういうものがなぜ今日まで放置されておったんでございましょうか。
○政府委員(高橋展子君) ただいま申し上げました条約のうち、一〇〇号条約につきましては、四十二年の七月に批准を行なっているものでございます。その他の三条約につきましては、それぞれ国内法、たとえば労働基準法あるいは健康保険法等の規定と若干の相違がございますために、つまり国内法がこのILO条約の要件を満たしておりませんために今日まで批准が行なわれていないと、こういうことでございます。また勧告は、これは批准するという性格のものではございません。
○萩原幽香子君 いま国会に勤労婦人福祉法案が提出されておりますが、この前にも私は労働大臣にお尋ねをいたしましたとおり、一般的な努力規定としての性格で、どこまで実施されるかどうかが、まことにやはり私の心の中には不安な形で残っているわけでございます。特に、先ほど局長さんおっしゃいました、家庭に責任を持つ婦人が保育所の設置と並んで一番強く要望をしております育児休暇制度について、第十一条の規定ではその実現の保証が全くないわけでございますね。なぜもっとこれは明確にこの育児休暇制度というものの創設をお示しにならなかったのでございましょうか、その点についてひとつ承りたいと思います。そうして、それはいろいろ問題があるということは私も承っておりますし、なるほど実情はそのとおりであるかもしれませんけれども、やはりそういう問題を踏み越えていくところにほんとうに婦人が守られるということになるのではなかろうかというふうに考えるわけでございます。ですから、そういったむずかしさを乗り越えるために、やはり実施しない事業所については罰則規定を置くぐらいの姿勢をお示しいただくことが望ましかったのではございませんかと、そういうふうに考えるわけでございますが、大臣いかがでございましょうか。
○国務大臣(塚原俊郎君) この前、この席で、御質問に対して、私はベストではないがベターであるという御返事をいたした記憶がございます。ただいまこれは、衆議院を通過いたしまして、参議院の社会労働委員会で審議中でございます——失礼いたしました、安全衛生法と間違いましたので。ただいま衆議院の社会労働委員会で御審議を願っておるところでございます。いま先生御指摘のような問題もずいぶん鋭く追及されておりまするが、私は、これはあくまでも基本法的なものであって、いまおっしゃったような罰則規定まで盛り込む、そこまでには立法の経過において至らなかったということを承っておるわけであります。田辺繁子さんを委員長とする各界各層の方々の御意見も全部総合いたしましてこういう立法措置がとられ、衆議院でいま問題になり、やがて参議院でもおそらく問題になってくると思いまするが、この法律ではやはりそこまではやっておりません。しかし、国または地方公共団体あるいは企業主に対して、育児休業ということについても努力義務だけは与えておりまするが、何かちょっと一歩足りないようなお感じを持つことは、私は当然だと思います。だから、ベストではないがベターのものである。まずこれをやって、しかる後に次に進んでいくという形でいくのが至当ではなかろうか、こういうふうに思っております。
○萩原幽香子君 まあ、労働大臣がベストではないとおっしゃるんでございますから。ベストではなくてベターだとおっしゃいますけれども、ベターまでちょっといきかねるというふうに私は考えております。そうむずかしい顔をしないで、どうぞひとつお聞き取りをいただきたいと思うのでございますが、ほんとうに私は働く婦人というものを守ろうという気がまえがあれば、やはり前進した形のものをつくっていただかなければ、努力規定というものは、まあやってくださいよと、こう言います、そうすると向こうがはい「はい」と言ってくださっても、やる気がなければそのままに流されてしまうというおそれが非常に強いものだと考えるわけでございますね。それは私は、おそらく大臣も、いやいやとはおっしゃらないと思うんです。そのとおりだと、こうおっしゃると思うんです。だからこそ私は心配をしていると、こういうことなんでございます。 そこで、政府は一方で労基法の再検討をしぼつぼつと結論を出そうとしておられる中で、一方では努力規定に終始するような勤労婦人福祉法案を出された意図というのは、一体何でございましょうか。私はたいへん意地悪ばあさんだそうでございますけれども、この意地悪ばあさんが悪く考えますというと、婦人問題は、労基法ではそうっとしておいて、勤労婦人法案でお茶を濁そうとしていらっしゃるのではなかろうかという、そういう勘ぐりがあるわけでございますが、大臣そんなことはございませんでしょうね、いかがでございます。
○国務大臣(塚原俊郎君) 私は、先生の御意見はいつも緊張して承っております。決して顔になんか出しませんから、どうぞ何なりとおっしゃっていただきたいと思います。 それから、いま何かすりかえとかなんとかいうおことばですが、そういう考えは毛頭ございません。やはりいまの日本の現状を考えますると、雇用関係三千万のうち、約千百万が御婦人である、婦人勤労者である。そして、そのうち、この間までは五一%という数字でございましたが、五四%は既婚者でございます。そのうちの半分がお子さんを持っておられるという、これが現状。しかも、今日まで労働条件あるいは賃金の点で確かに格差はあったでしょうが、これが逐次改善されつつあり、また改善されなければならないというのは、日本の今後こういう勤労婦人の活躍に待たなければならない面が私はたくさんあると思う。そうすると、まず、家事をやらなければならぬ、育児をやらなければならない、そういう方を保護するということは、これは当然必要のことです。ですから、先生御指摘のように、一足飛びにそこまでいければいいんですよ、これは。しかし、実際問題として、私労働大臣になったのはこの一月なんですけれども、ちょうどなったときに、田辺さんの答申その他を詳しく承ったんですが——その前からなっていればいいものをつくったという意味じゃございませんよ、どうぞ誤解のないように、そこは。そこで、ベストでないベターだと言ったのは、まずこれをやっておいて、たとえば育児休業の問題にいたしましても、言うならば一般法という基本的なものをやっておいて、そして特別法という形に進んでいくというステップを踏んでいくのが、私はいまのところ、御批判はあるかもわからないが、そういう道を選ぶべきではないか、このように思っております。
○萩原幽香子君 私は、前の原労働大臣の時代に、流産の一番多いのはいつでございますかということをお尋ねいたしました。そしたら、原労働大臣は、私は子供を産んだことがございませんからその点はわかりませんと、こうおっしゃいました。そこで、私がお医者さんに聞いたところ、あるいはまた私の経験から申しましても、流産が一番多いのは二カ月の後半から三カ月の前半でございます。したがいまして、胎児と母体を守るためにも、どうしてもつわり休暇というものを労基法の中に入れるべきだという主張をいたしました。そのときに労働大臣は、それでは今度の労基法を改正する際には何とか考えましょうというお約束をしてくださったわけでございますけれども、いまあっちゃこっちゃさわっておりますからどこだということははっきり言えないということでございましたが、この問題はどういうふうになっておりますでしょうか、ちょっとお伺いしたいと思います。
○政府委員(渡邊健二君) 先ほども申し上げましたように、現在引き続き検討いたしております基準法研究会の研究問題の中には、女子の年少者の個々の問題も入っております。これらいろいろな問題につきましては、各方面から現在まで非常にたくさんの御意見、御要望等が出されておりますので、同研究会で検討するにあたりましては、それらの御意見をすべて問題研究の一つの問題点の対象といたしまして、検討事項の中に入れておりますので、先生がいま申されましたようなつわり休暇のような問題もいままで出ております。御意見としてわれわれ承知いたしておりますので、当然検討の中では対象になっていく問題であるだろうと思います。
○萩原幽香子君 これは非常に母性保護の立場から申しまして大切なことでございますし、私は胎児の人権だとも考えるわけでございますね。そういう点はぜひひとつおくみ取りをいただきたいと思います。 で、先ほど労働大臣もおっしゃいましたように、政府は四十五年に決定した新経済社会発展計画の中でも、労働力の不足を婦人労働者で補うことを期待しているということになっているわけでございますが、それにもかかわらず、本気になって勤労婦人の福祉施策が進められているとはいまのところは私は考えられないわけでございます。まあ労働大臣はまだ間がないのだしというお話でもございましたし、私は非常に現労働大臣に大きな期待をかけて、まあ非常にやってくださるというふうに私は考えているわけでございますけれども、大臣、そういうようなことについて、今後それではあの勤労婦人福祉法案についてもその裏づけとしてどういうようなことをやろうと思っていると、こういうことについてひとつその施策を伺って、大臣の御決意のほどをちょっぴりお漏らしをいただきたいと存じます。
○国務大臣(塚原俊郎君) 就任間もないから私は知らぬという逃げ方は、私は絶対いたしません。なっております以上は、一生懸命取り組んでおるつもりでございます。しかし、婦人に関する今度の勤労婦人福祉法も、繰り返すようですが、私はこれはぜひ通過さしていただきたい。もちろん、当該委員会で御審議を願っているのですが、それは御批判があることはよく存じております。この中にも、努力目標——義務規定を課しているという問題も多いかもしれないが、私はやはり数歩の前進があると思う。先ほど言ったように、一般法とそれから特別法というような関係において今後いろいろなやはり施策が生まれてくる。この法律そのものについて萩原委員は改正する意思があるかと言うから、これは基本法的なものであるからこれは改正する意思はないということを私はこの前申し上げた、それはそのとおりであります。したがって、冒頭に申しましたような今日の日本の現状から考えて、勤労婦人の重要性ということから考えまして、たとえば労働条件の問題でも、賃金の問題でも、まだまだ私は改善しなければならない点はたくさんある。もちろん性別をどうこう言うわけではございません。これはあくまでも男女平等の立場に立って私はやるつもりでありまするが、とにかく憲法の精神に従った勤労婦人の正しい、何と申しますか、明るい職場で、しかも健康で十分働け、それがまた大きな産業発展に役に立つという基盤は、あらゆる面においてこれからこれを実現するための努力をいたす決意であります。今日の段階においては、なおなまぬるいという御批判があるかもしれませんが、かすにもう少しの時日をもってしていただきたいと思います。
○萩原幽香子君 労働条件の話がいま出たわけでございますけれども、大体給与の面では、いま男女というものについての給与の差というものはどういうふうになっておりますでございましょうか。
○政府委員(高橋展子君) 給与の面につきましての男女の差でございますが、昭和四十六年におきましては、男子の給与十万飛んで六百十四円に対しまして、女子は四万九千六百二十一円、これが全国の平均でございます。これはパーセンテージにいたしますと、男子一〇〇に対しまして女子が四九・三でございます。
○萩原幽香子君 まあ給与の格差ということも非常に大きいと考えますね。それからまた、パートで働く人たちの問題にいたしましても、いろいろな問題点を私は持っておりますように聞いております。そういったようないろいろな点で、これからの働く婦人の問題はもうほんとうに問題山積と言ってよろしいのではなかろうかと思います。そういう問題にお取り組みいただきます労働大臣も、これから先なかなかたいへんでございますけれども、私は何としても、ほんとうに、先ほどおっしゃいましたように、働く婦人たちが楽しい気持ちで一生懸命に働けるような職場づくりというものに何とか力をかしていただかなければならない時代がきているのではないかというふうに考えます。まあ、その点どうぞひとつよろしくお願いをいたしたいと思います。 時間がございませんと思いまして、私は私のところに来ました手紙を一つ割愛をしておきました。それをちょっとひとつ文部大臣と岩間局長にお聞き取りをいただきたいと思います。これはここでもう質問は大体終わったわけでございますけれども、これだけは聞いていただきたいと思うのです。最近私のところには数千通の女の先生からの要望書が参っております。その中の一つでございます。まあ大事なところだけを書き抜かせましたわけでございますが、「今先生方の方で婦人教員の育児休暇法案を審議していただいております事を知り御無礼もかえりみずペンをとりました次第でございます。私たちは二年前に結婚いたしました共稼ぎ夫婦でございます。夫も教員で、現在半年になる男の子を実家の母にあずけて親子別居の生活でございます。私は妊娠を知った時、働きたい一念から思いきって婦人科医に相談しようと考えたのですが、夫はガンとして私のことばを退けました。私の意見を退けた夫によい思案があったわけではありません。″生れたら何とかなる″と思っていたのです。さて、生まれてみますと、いただいた産後休暇の六週間は、夢のように過ぎ、学校に出る日が迫ってまいりました。近くには乳児院もなく、あずかってくれる人もない山村のことで全く途方にくれました。夫婦で、あずかってくれそうな家をさがし求めて歩きながら私は泣きました。いっそこの子のためにやめよう、といくど思ったことでございましょう。しかし、夫だけの給料では仲々生活もむずかしく、それよりも、教育によろこびと生き甲斐を感じている私は、どうしてもやめる事にふみきれないまま実家の母の好意に甘えてしまったのでございました。現在、私達は土曜、日曜だけの、おじちゃん、おばちゃん的存在で、土曜に子どもをつれて帰っても、子どもはおばあちゃんを求めて泣き出すしまつです。一体、母親の私は、子どもにとって何なのでしょう。切ない気持で一ぱいでございます。私の村にも保育所はありますが、乳児はあずかってもらえません。しかも、朝九時から夕方四時までで、通園には、保護者の送迎が必要なのです。これでは、本当に働く母親のために作られたものとは云えません。私は、今、日本の母教師の多くが私と同じような悩みを感じながら、後髪をひかれる思いで学校を去っているのではないかと思うとたまらなくなります。」以下いろいろございますけれども、そういうのが寄せられております。こういうことを考えていただきながら、私が先ほど申しました育児休暇法案につきまして、有給の問題につきましても、さらにさらにあたたかい御配慮を願いたいと、こういうわけでございますので、最後になりましたけれども、御披露しながらお願いを申し上げたいと存じます。もし御感想がございましたら、最後にお聞かせを承って質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(高見三郎君) 最も切実なおかあさん教師の、涙なくしては聞けない手紙でありますが、私は世の多くの女性教師にとって一番大きな悩みはそれであろうと思っております。ただ問題は、私は先ほども申し上げましたように、ひとり教師だけの問題じゃないと、これは私は日本の社会福祉全体の問題としても考えなきゃならぬ問題である。労働省のほうで、まあ基本法的な法律は、案にしましてもすでに立法に着手せられたということは、たいへんな進歩だと私は思っております。私は、各党の皆さん方の合意の上にこの種の立法ができまして、育児休暇制度ができまするならば、少なくとも文教行政の非常な大きな進歩であると、画期的な進歩であるという評価をいたしておるものであります。ただ、先生御承知のようないろいろな事情があるということだけはひとつ御理解を願っておきたいと思いまするし、私も、皆さんの手によってできるだけ皆さんの合意の上にこの法律案が成立いたしますように、心から陰ながら祈っておる一人であるということを申し上げておきます。
○萩原幽香子君 終わります。
○渡邊健二君 私は、元軍港の町であった横須賀、佐世保、呉、舞鶴の四市における国有財産の管理、処理の問題について伺いたいと思います。 まず最初に、これら四市にある国有財産のうち、米軍用地に使われておるものの面積と、それから自衛隊用地に使われておるものの面積はどれほどか、おっしゃっていただきたいと思います。
○政府委員(小幡琢也君) お答えいたします。 横須賀、呉、佐世保、舞鶴四市のうち、現在米軍に提供しております国有地の面積でございますが、四市合計いたしまして、これは一万平方メートル以上のものだけの調査でございますが、全体で十七件、七百九十五万三千平方メートル。それからまた……。
○渡邊健二君 各市ごとに。
○政府委員(小幡琢也君) はあ。内訳を申し上げます。件数を申し上げますと、横須賀市が六件で三百六十万四千平方メートル。それから呉市が三件で三十三万一千平方メートル。佐世保市が八件で四百一万八千平方メートル。舞鶴市はございません。 それからまた、防衛庁へ所管がえいたしまして、自衛隊が使用しております分でございますが、これにつきましては、全体で、やはり一万平方メートル以上の調査でございますが、−四十九件、六百二十八万七千平方メートル。その内訳でございますが、まず横須賀市が十四件で百八十八万平方メートル。それから呉市が七件で五十六万一千平方メートル。それから佐世保市が九件で百八十三万四千平方メートル。舞鶴市が十九件で二百一万二千平方メートル。かようになっております。
○渡邊健二君 これらの四市にある国有財産ですね、これは主として元軍用財産であったものが、敗戦に伴う旧帝国軍隊の解体とともに大蔵省所管の普通財産になったものだというふうに思いますけれども、それでよろしゅうございますか。
○政府委員(小幡琢也君) そのようでございます。
○渡邊健二君 そうしますと、敗戦に伴って大蔵省所管になった国有財産全体の中で、いまおっしゃっていただいた各米軍用地及び自衛隊用地ですね、これらの占めるパーセンテージはわかりますか。
○政府委員(小幡琢也君) 昭和二十五年に旧軍港市転換法が施行されました関係上、昭和二十五年以降の資料しかございませんが、昭和二十五年十月現在の旧軍用財産で引き継ぎましたものが、この四市の合計で五千三百九十三万八千平方メートルに相なっておりますので、これに占めるただいま申し上げました数字の割合でございますならば、提供しております数量は、いま申し上げました二十五年十月現在の数量の約一五%に当たっております。それからまた、防衛庁へ所管がえいたしましたこの数量は、割合が約一二%に当たっておりまして、合計いたしまして、二六・四%ということになっております。
○渡辺武君 各市ごとのはわかりませんね——わかりますか。
○政府委員(小幡琢也君) 各市ごとの内訳もございますが……。
○渡邊健二君 それもちょっと。
○政府委員(小幡琢也君) これ、二つに分けて申し上げますか。
○渡邊健二君 はい。
○政府委員(小幡琢也君) 横須賀市が、提供が二〇・六%、それから防衛庁への所管がえが一〇・七%で、合計いたしまして三一・三%でございます。 次に呉市でございますが、これは提供しておりますものが四・二%、防衛庁へ所管がえいたしておりますものが七・一%、合計いたしまして一一・三%。 それから佐世保市は、提供が三〇・四%、防衛庁への所管がえが一三・九%でございまして、合計いたしまして四四・四%。 それからまた舞鶴でございますが、提供はゼロで、ございません。防衛庁への所管がえが一三・一%でございます。ですから、合計で一三・一%、かように相なります。 〔委員長退席、理事小谷守君着席〕
○渡辺武君 旧帝国陸軍の解体に伴って大蔵省の所管の普通財産になった、この国有財産が、平和な産業港湾都市として町を再建したいという四市の大多数の市民の希望にもかかわらず、いまおっしゃったように、米軍及び自衛隊用地として使われている。しかもその比率も、いまおっしゃったのは昭和二十五年の基準でおっしゃいました。それをとってみましても、たとえば横須賀は三一・三%、あるいは佐世保の場合だと四四・四%、これが軍用に使われている、こういうような状況ですね。つまり、事実上これはもう軍用都市としてそのまま引き続き使われているという状況だと思う。これは私、非常に重大な問題だと思うのですね。しかし、もう一つ私は非常に重大な問題だと思われる点があるのです。それは、これらの四市の国有財産のいまおっしゃった米軍や自衛隊への提供ですね、これが法に基づかないで、適法的には行なわれていないというふうに思われる。むしろ違法行為をやってきたのじゃないかというふうに思われるところであるわけです。 そこで伺いますけれども、一度大蔵省所管となった旧軍用財産及びその他の普通財産が米軍、自衛隊に提供されるに至った手続及びその根拠法、これをおっしゃっていただきたいと思います。
○政府委員(小幡琢也君) 二つございますが、一つは米軍に提供する手続でございますが、これは戦後米軍に接収されまして、平和条約の発効に伴いまして提供という手続に切りかえるわけでございますが、これは安保条約に基づく地位協定に従いまして、米軍に提供することができるわけでございますが、国有地につきましては、これは特別の法律がございまして、国有地は無償で使用させることができる、そういう法律がございます。 それからもう一つは、自衛隊へ使用させるための所管がえの手続でございますが、これは国有財産法に根拠がございまして、所管がえの場合には、国有財産法上の手続で、たとえば大蔵省へ所管がえの協議をするということにいたしまして、大蔵省のほうが、この財産をどこの省庁に所管がえを認めると、こういうようなことをするわけでございます。
○渡辺武君 いま、二つの法律に基づいてそれぞれ、米軍に提供される、あるいは自衛隊に所管がえになったということでありますけれども、その法律は、私どもは自衛隊も米軍の駐留もこれはもう憲法上違法なものだというふうに思っておりますけれども、かりにその二つの法律に基づいて考えてみましても、私は、ほかの町ならば、その法律でやった場合、適法だというふうに言えても、いま申しました四つの旧軍港市ですね。これについては私は適法のものじゃないんじゃないかというふうに思うのですね。というのは、先ほどあなたもおっしゃいましたけれども、この四市には、昭和二十五年六月二十八日に、旧軍港市転換法という特別の法律が制定されております。で、旧軍用財産及びその他の普通財産の処理はこの法律に基づいて行なうことになっているんじゃないでしょうか。この法に基づいて処理されていないわけでしょう、どうですか。
○政府委員(船田譲君) ただいまの渡辺委員の御質問は、旧軍港市に所在する国有財産の所管がえ等の処理については、旧軍港市国有財産処理審議会に付議して、その議を経てやるべきであるというお示しかと思います。そこで、この法律は、御存じのように、昭和二十五年に議員立法で提出されまして、同年の六月二十八日に公布施行になったものでございますが、そこにいろいろと処理のことが書いてございます。そこで、これによりますと、旧軍港市所在の旧軍用財産等につきましての譲与あるいは減額譲渡等の国有財産処理の特例を定めているとともに、その処理に関しまして、大蔵大臣の諮問に応じて、旧軍港市国有財産処理審議会が調査、審議することになっております。で、同審議会におきましては、同法にいうところの旧軍港市の転換事業が旧軍用財産等の特例処理によって推進されることに重点を置いてありまして、従来はその審議対象を売り払いまたは譲与——無償の場合でございますが、譲与の事案に限って取り扱ってきたものでございます。ところが、昨年の一月と十月に、これらの軍港が、旧軍港市の四市の振興協議会、つまり市長さんたちから御陳情が再度ございましたし、最近の在日米軍施設の整備統合に伴いまして、かなりの提供財産の返還が近い将来に見込まれるというようなことも勘案いたしまして、またそれぞれの都市におきますところの土地問題、都市問題に対処することが急務であるというふうに考えまして、当該国有地の有効利用を促進するため、今後は、売り払い及び譲与事案に限らないで、所管がえ等でありましても、規模の大きいものにつきましては、旧軍港市転換計画との関連においてこれを同審議会で調査、審議していただくのが適当であると考えますので、そのように処理していきたいと考えております。 なお、この件につきましては、審議会の付議範囲の、きめる問題でございますので、同審議会で取り扱い、最終的には決定していただきたいと、こう考えております。
○渡辺武君 私は、いまの御答弁、理由にならぬと思うのですよ。と申しますのは、まず、率直に言いまして、この旧軍港市転換法の根本的な趣旨にそむいている。これは大事な問題ですよ。それは、この法の第一条にはっきりとうたわれておりますけれども、この四つの市、これを「平和産業港湾都市に転換することにより、平和日本実現の理想達成に寄与することを目的とする。」としてつくられたものということになっている。そうして、昭和二十五年の三月二十四日の参議院大蔵委員会におけるこの法案の提案理由の説明の中で、提案者の佐々木議員も次のように言っております。「今日四市の市民の間には、憲法の精神に副うて、立市以来の軍港色を市の性格から根本的に払拭し、平和産業港湾都市として新たに出発し、国の内外に対して都市として厳粛な平和宣言を したいとの願望が力強く濃っているのであります。」ということを言っている。つまり、平和産業港湾都市になりたい、そのための法律であるというのがこの法の根本趣旨ですよ。そうして、これが四市にだけ特別に適用される法律ですから、当然憲法九十五条に基づいて四市でもって住民投票をやっている。その住民投票のこの賛成率、横須賀の場合は九一%、呉の場合は九六%、佐世保の場合が九七%、舞鶴が八五%、全く圧倒的な賛成率です。ですから、いまおっしゃったような、このことを理由にして、そうして事もあろうに米軍と自衛隊に国有財産の三分の一から半分近いものを使わせる。しかも、今回はアメリカ軍が主人公なんです。そうしていま、横須賀、佐世保に典型的にあらわれておりますように、アメリカのベトナム侵略の最も有力な基地の一つとして使われている、こういう状況です。平和産業都市への転換、全くこれは夢にさせられているというのが実情です。ですから、いまおっしゃったような手続も、それは確かに問題です。私はそれも問題にしたいと思う。しかし、何よりも根本的なものは、ここに法と、法にあらわれた市民の平和的な意思、これを根本的に踏みにじるという、これは全くの違法行為が行なわれてきたんじゃないでしょうか、どうでしょうか。
○政府委員(船田譲君) この旧軍港市転換法の第一条に、「この法律は、旧軍港市を平和産業港湾都市に転換することにより、平和日本実現の理想達成に寄与する。」と規定されておりますことは、先生のおっしゃったとおりでございます。また、第四条の二項に、「国は、旧軍用財産を旧軍港市転換計画の実現に寄与するように有効適切に処理しなければならない。」と規定しております。この法律は、しかし、旧軍用財産等の譲渡等の特例を定めたものでございまして、国がみずからの必要によって国有財産を使用することを、それまでも禁じたというふうには、われわれは解釈しないわけでございます。 なお、旧軍港市所在の国有財産の処理にあたりましては、同法の一条に定める趣旨、目的を十分考えなければならないことはもちろんでございますけれども、当該財産を自衛隊に提供することが、この目的に明らかに違反するということとはわれわれは考えておりません。
○渡辺武君 その解釈が、これはもうほんとうに、何というか、口実にすぎない。そうでしょう。市民の九〇%以上の人たちが、この町は平和産業港湾都市に転換したいんだということで、賛成投票しているんです。その法の根本趣旨、これをちょっと考えてみただけでも、一度大蔵省所管になった国有財産を、これを米軍の基地に提供するとか、自衛隊の用地に所管がえするとか、こういうことが、市民の意思を踏みにじるものであり、法の根本趣旨を踏みにじるものであるということは、明らかじゃないでしょうか、そうでしょう。それはもう口実にすぎませんよ。しかも、どうですか、この手続の問題で申しますと、いま申しました国有財産法ですね、この第一条、これに「国有財産の取得、維持、保存及び運用並びに処分については、他の法律に特別の定のある場合を除く外、この法律の定めるところによる。」というふうにはっきりうたわれているわけでしょう。つまり、別のことばで言えば、他の法律で特別の定めがある場合は国有財産法ではやらないのだということをはっきり言っている。その「他の法律」が四市の場合にはちゃんとできている。しかも、それにもかかわらず、国有財産法に基づいて処理をする。これはもう国有財産法第一条違反です。そう思いませんか、どうでしょうか。
○政府委員(船田譲君) この米軍に施設を提供いたしますことにつきましては、旧行政協定、あるいは新安保条約の第六条に基づきますところの地位協定に基づく行為といたしまして提供しているわけでございまして、その問題につきまして、根本の日米安保条約、あるいは自衛隊というものの性格についての議論は、いまここで私は指摘することはいたしませんけれども、私どもは、これによって提供しているものを、必ずしもこの法律の——この法律と申しますのは旧軍港市転換法でございますが、この第一条に違反するとは考えないのでございます。
○渡辺武君 いま、自衛隊への提供の場合、この所管がえの場合を申し上げたのだが、私は米軍へのこの国有財産の提供の場合も同じことだと思いますよ。いまおっしゃった地位協定に伴う国有財産の管理に関する法律、これに基づいて提供しているというふうにおっしゃっている。これは、四市以外の場合だったら、私はこれはそのままで一応適法だというふうに考えても差しつかえないと思うのです、一応。しかし、四市の場合はどうかと。この四市の場合には、いま言ったように、国有財産の処理についての特別な法律ができてるんですよ。そいつをやらないでおいて、ほかの都市にもおしなべて適用できるような法律でやっている。この憲法九十五条はどうなりますか。ちゃんと憲法に基づいて住民投票までやって制定さしている法律です。それを踏みにじってやってきた。これは国有財産法の場合もそうです。国有財産法の場合に、当時の—— 〔理事小谷守君退席、委員長着席〕 昭和三十二年の四月十九日ですか、第二十六国会、参議院の大蔵委員会で、国有財産法の一部改正案の審議があったときに、管財局長の、これは正示さんといわれるのですか、その方がやはり答弁している。この旧軍転法、これは特殊法なんだと。そうして国有財産法というのは一般法だと。だから、この四市の場合では、この特別法、これが優先することはもとよりのことでございます、こう言っている。そうして、それにつけ加えて、「旧軍港市の財産の処理等につきましては、旧軍港市にございまする財産処理審議会、これに付議されまして、それだけは国有財産審議会の付議事項から除かれることは、明確に申し上げてよろしいわけでございます。」というふうに答えている。五月七日の衆議院大蔵委員会でも、同じ趣旨の答弁をされておられるのです。それにもかかわらず、あなた方は、まさしく国有財産の処理だと、ここに言っているように。それについて旧軍転法を適用しない。一般法である国有財産法、これで処理している。これは法に違反しているだけじゃない、国会答弁すらみずから否認しているということになるんじゃないですか、どうでしょう。
○政府委員(船田譲君) この旧軍転法にも、所管がえにつきましては旧軍転審議会の所管付議事項の範囲に明確にはうたってないわけでございますから、私は明らかに法律違反や答弁違反とは思いませんけれども、なお、法的なことでございますから、担当の者からお答えいたさせます。
○政府委員(小幡琢也君) 先生御指摘のように、国有財産法第一条というのがありまして、国有財産法は一般法でありまして、旧軍港市転換法は特別法でございますので、特別法のほうが優先するということになるわけでございますが、ただ、この旧軍港市転換法という法律は、それではいかなる意味において特別法かと申しますと、まあ一条の趣旨もございますし、それからまた特に四条、五条でございますが、これは国有財産法の一般原則に従いまして処理するものの特例といたしまして、減額譲渡とか、あるいは無償で譲与するとか、あるいは延納期間を十年にするとか、こういう特別な措置を講じているわけでございます。この限りにおいて特例である。これが第一点と、それからもう一つは、先ほど来御指摘の審議会の問題でございます。これは、六条にございますように、旧軍用財産の処理及び普通財産の譲与に関して、重要事項について、大蔵大臣の諮問に応じてこれを調査、審議すると、こういう役割りを審議会に与えているわけでございますが、問題は、この審議会の付議事項といたしまして、この重要事項について「諮問に応じて調査審議する」という、そこでございますが、これは、当時のいきさつから申し上げますと、二十五年に旧軍港市転換法が成立いたしまして、この運用につきましては、実は、審議会のメンバーが、何ぶん、この法律にもございますように、大蔵、建設の事務次官のほかに、関係府県の知事と、それから旧軍港市の市長、それぞれ四名入っております。要するに、地元の意見を十分聞くようになっているわけでございまして、その審議会におきまして、実は当時、何と言いましても、この法律に基づきまして、この旧軍港市四つを平和産業港湾都市にできるだけ早く転換しようと、こういう意図から、もっぱらこの特例処理、減額譲渡とか、無償で譲与すると、こういうことに最大の重点を置いて処理する関係におきまして、実はその付議の対象を、当時といたしまして、譲渡と売り払い、この二つにしぼりまして、その他につきましては必要に応じて新しくどう処理するかをきめるということになっております。このことは、昭和二十五年十一月二十一日の第二回のこの審議会におきまして決定事項になっておりますので、以後そういう方針で運用してまいったわけでございまして、なおそれでも、件数がなかなか多いということでございまして、昭和三十六年におきましては、さらに、従来の先例もございますし、大体の取り扱いも確立したわけでございますので、あまりこまかいものは省略しようということで、たとえば売り払いの場合には、これは一千万円以下、それから譲与の場合には百万円以下のものは、これは地方幹事会におきまして、地元の意向を聞いて、それだけで処理してよろしいと、こういうことにもいたしまして、何とかこの事務処理を促進しようと、そういうことにやってきたわけでございまして、それが昨今、先ほど政務次官から御答弁いたしましたように、情勢が変わりまして、国有地の処理ということが問題になってまいりましたので、そこで、これからは再検討いたしまして、従来のような売り払い及び譲与のほかに、また、所管がえとか、あるいは出資とか、交換とか、いろいろな処理がございますが、そういうものも大きいものは付議してまいりたいと、かように考えておるわけでございます。
○渡辺武君 だから、そういうことをおっしゃるから、私はそれは口実にすぎないというんです。それはどういうことかといいますと、なるほど旧軍転法は、いまおっしゃったように、主としては国有財産の貸し付け、譲渡、譲与ですね、こういうものについて具体的に規定しております。しかし、それだけではない。あなた自身もちょっといま御答弁の中で漏らされたけれども、それだけじゃない。それどころか、第三条には、国の義務としてこういうことを書いてある。「国及び地方公共団体の関係諸機関は、旧軍港市転換事業が第一条の目的にてらして重要な意義をもつことを考え、その事業の促進と完成とにできる限りの援助を与えなければならない。」、つまりこの四つの軍港市が平和産業港湾都市になりたい、住民の圧倒的多数の賛成で、そういう方向を打ち出している。その目的を完成するために、できる限りの援助を与えなければならぬということをはっきりそこでうたっている。しかも、いまあなたの言った第四条、これは確かに、あなたの言われるように、旧軍用財産の貸付及び譲渡の特例等に関する法律、これの適用の特例を述べている、これが中心になっている。しかし、ここでも、それだけじゃない。その第四条の第二項に「前項に定める外、」と、つまりいま言った譲与だとか、譲渡だとか、貸し付けとか、こういうことを前項にきめてあるわけだから、その「前項に定める外、国は、旧軍用財産を旧軍港市転換計画の実現に寄与するように有効適切に処理しなければならない。」というふうにはっきりとうたっている。一体、国有財産を大量に自衛隊に使わせ、アメリカ軍に提供する、これが第一条の目的に合致しますか。合致しないことは明らかです。第一条の目的に合致するために、できるだけ国は援助しなければならぬ、そうして有効適切に処理しなければならぬ、法律にはっきりとうたってある。だとすれば、譲与や譲渡の場合ではない、自衛隊への所管がえあるいは米軍への提供も、当然のことながら、この法の審議会にかけてその処理を決定すべきだと、これは当然のことじゃないですか、どうですか。
○政府委員(小幡琢也君) おっしゃいますように、この法律の運用にあたりましては、当然、第一条の目的、精神、これを尊重することは言うまでもございません。それからまた、私どもは、この四条の第二項にございます「旧軍用財産を旧軍港市転換計画の実現に寄与するように有効適切に処理しなければならない。」と、こういう規定を尊重いたしまして処理しているつもりでございますが、ただ御指摘の米軍の提供の問題は、実は昭和二十五年、できますときすでに接収されている問題でございます。それからまた、こういうものを一挙にやれと言われましてもなかなかできない事情もございますので、この第一条の目的に沿うように基地の返還を要請いたしまして、返ってきたものはこれをできるだけ有効に使いたい、かように考えておるわけでございます。一挙にはなかなかいかないわけでございます。
○渡辺武君 それはまた答弁が変わってきましたね。先ほどは、原則的には所管がえや米軍への提供は、これはこの法の適用以外のものだ、こうおっしゃっておったけれども、いまは一ぺんにはできないから漸次やるんだと、こういうことなんですか。
○政府委員(小幡琢也君) ちょっと誤解があるといけませんので申し上げますが、私は所管がえがこの法律の適用外と申しているわけではございません。四条の第二項の処理には、これは、先生のおっしゃいますように、譲渡、譲与、そのほかのいろんな貸し付けもございますし、それから交換もありますし、所管がえもあるし、使用承認もあるし、いろいろございます。これを私どもは全部読み込んでいるつもりでございますが、ただこの第六条の審議会に付議する事項といたしまして、審議会におはかりいたしまして、とりあえず売り払い、譲与だけを対象にしようと、そういうことになっているわけでございまして、所管がえがこの法律の適用外ということではございませんで、付議する取り扱いとして除いている、さようでございます。
○渡辺武君 その意見もおかしい。さっきあなたもおっしゃいましたけれども、昭和二十五年の十一月二十一日の第二回旧軍港市国有財産処理審議会、これが先ほど私が読み上げました第三条に基づいて特別の処理標準をきめておる。旧軍港市転換法に基づく国有財産処理標準というのがそれです。この処理標準は確かに国有財産の譲与、譲渡あるいはまた延納などについて定めていますけれども、そのあとで第六項に「この標準に定めていない重要事項については、審議会に諮問して別に定めること。」ということを国に義務づけている。法でも所管がえは除外できないんだとあなた自身が認めている。しかも、この審議会自身が、これは所管がえも十分含まれますよ、それからまた米軍への提供も含まれます、こういう問題について審議会に諮問して別に定めろと、こういうことをはっきり言っているじゃないですか。それをあなた方自身が踏みにじってきている。全然かけないで米軍に使わす、自衛隊に使わしている、これが実態じゃないですか。率直にお認めいただきたい。
○政府委員(船田譲君) 先ほど私も御答弁申し上げ、また小幡次長も申しましたように、この法律そのものの処理の中に所管がえが入っていないというわけではございません。もちろん入っておるわけでありますが、審議会に付議する事項として明らかに明定しておりますのは第六条の処理、要するに売り払いと譲与でございます。で、いま先生言われましたように、二十五年の第二回の審議会での六項に、この標準に定めていない重要事項については、審議会に諮問して別にこれを定めるということをきめられております。ただ、残念ながら、その諮問して別に定める定めの内容がまだできておらないということでございますが、先ほど一番最初に御答弁申し上げましたように、地元の市等からも再三の話もあり、また今後提供財産の返還が次々と出てくることもあり得るということを予想いたしまして、この審議会の付議事項にできるだけ含めていくというふうな方針でいきたいと、こういうことを御答弁申し上げたわけでございます。
○渡辺武君 それじゃ、いままでこの二十何年の間全然この審議会にかけないで一般法でもって処理してきた、自衛隊に所管がえしてきた、これはどうします。あらためて審議会にかけますか、あるいはまた全部解消しますか、この処置をこれどうしますか。
○政府委員(船田譲君) 今後の問題につきましては、かけていくようにするつもりでございます。
○渡辺武君 いままでのをどうするかと聞いているんだ。
○政府委員(小幡琢也君) いままでの分につきましては、先ほどから御答弁申し上げますように、この第六条の付議事項に所管がえをしていなかったものでございますから、そこで除かれている。それはあくまでも、第二回の審議会でそういう御決定をいただきましてそういう扱いをしてきたわけでございますので、それはこの法律違反ではないと私ども考えております。
○渡辺武君 そんなばかなことがありますか。この旧軍転法からは所管がえは除かれていないということをあなた自身がいまここで言明している。政務次官もそのとおりにおっしゃっている。二十数年の間それをやってこなかった。そうして既成事実を積み上げてきた。これは明らかに法違反じゃないですか。だとするならば、いままでやったこと——今後のことは当然のことです、これは。いままでやってきたものを、これは違法行為なんだから解消するか、あらためて審議会にかけ直すか、これやらなきゃならぬじゃないですか、どうですか。
○政府委員(船田譲君) この旧軍転法の第六条の第一項のところでございますが、その後段のところに「大蔵大臣の諮問に応じてこれを調査審議するため、」と、こう書いてございます。従来は諮問をしてまいらなかったわけでございますが、ただ、先ほど私が御答弁申し上げましたように、旧軍港処理審議会の昭和二十五年第二回の会議におきまして第六項が定められたのでありますけれども、あいにくとそれの内容をお定めいただかなかったというようないきさつもございまして、処理してまいりましたわけでございますが、いま申し上げたような理由で、先ほども御答弁いたしましたように、この件については、審議会の付議範囲の問題でございますから、審議会であらためてこの第六項の「別に定める」を定めていただきまして、それに基づいて今後は処理していきたい、こう考えておるわけでございます。
○渡辺武君 そんなばかなことありますか。いま言った第二回の、私さっき読んだこの処理標準、「審議会に諮問して別に定めること。」となっている。大蔵大臣、諮問しなさいということです、これは。それを大蔵大臣が諮問しなかった。だから、この処理標準が具体的になっていない。諮問すれば具体的になりますよ。それをやってこなかったというところに違法行為の一つのあらわれがある。当然、これはもう審議会にかけ直すべきものですよ。あるいは解消すべきものです。率直に違法行為であったということを認めるべきだと思う。 それから、時間もきたので、一つ二つまとめて伺いますけれども、今後、それじゃ審議会にかけると言うけれども、これをどうしますか。どういう手続をおとりになっているのか、それから、これは自衛隊への所管がえだけじゃなくして、ほかの官庁への所管がえも今後はこの審議会にかけますか、その辺もあわせて伺いたい。
○政府委員(小幡琢也君) 今後におきましては、所管がえ並びにその他の処理につきましては、一定の規模以上のものにつきましては、自衛隊であるとその他の官庁であるとを問わず、これを付議事項にしたい、その手続といたしましては、近く開かれます第六十回の審議会におはかりいたしまして、審議会の決定事項としてその付議範囲をきめたい、かように考えておる次第でございます。
○渡辺武君 最後に一問だけ。 時間がきたので、きょう伺いたいことたくさんあるんだけれども、これは次の機会に譲らざるを得ないんだが、重要問題なので最後に一言だけ伺いたいんです。 いまは、自衛隊への所管がえ、これを主として問題にしてきましたけれども、しかし、米軍への施設の提供、これも、先ほど申しましたように、地位協定に基づく国有財産の管理に関する法律、これは一般法だ、言ってみれば。四市の旧軍転法と比べてみれば、いわば一般法だ。四市にこれをそのままなまで適用するわけにいかぬのです。これも、自衛隊への所管がえと同じように、当然この審議会にかけなきゃならぬものだ。いまアメリカ軍に提供している施設、これを全部解消しますか。違法行為だ。これは、あなた、さっき、もうこの法律ができるときアメリカ軍が占領しておったのでどうにもできなかったんだと言うけれども、昭和二十七年にはサンフランシスコ条約が発効した。そうして占領軍というのはなくなったんだ。そうでしょう。だから、その時点で、当然のことながら、昭和二十五年にこの法律ができているんだから、だから、この四市については、旧軍港市転換法のこの審議会に当然かけて、そうして処理すべきものだったんだ。それをあなた方はやってこなかった。どうなさいます。それと、いま御答弁のなかった、いままで自衛隊に所管がえしているやつ解消するか、あらためて審議会にかけ直すか、これをやるべきだと思う。この米軍の施設に提供している分、この二つどうします。
○政府委員(小幡琢也君) 先ほどから再三お答え申し上げましているとおり、すでにこれは審議会の御了承を得ているという解釈に立っております関係上、これをやり直すということは考えておりません。
○渡辺武君 了承は得ていませんよ。旧軍港市の協議会でかってに処分しては困るということです。
○委員長(足鹿覺君) 渡辺君、若干の何は認めますが、きょうは、本会議、いろいろな都合もありまして、各委員に厳重に時間を守っていただいております。したがいまして、もう一問で打ち切っていただきたい。御協力をお願いいたします。
○渡辺武君 いいですか、「提供施設の返還に際し、地元側の関知しないままに所管換等が決められることになると、旧軍港市転換計画の実施遂行上、重大な支障をきたすのみならず、社会問題を惹起するおそれがある」、これが要望書の一番最初にうたっていることばなんです。決して納得はしてないんです。この所管がえについて、一体この審議会で納得したのか、いつ納得しました、その証拠どこにありますか、それを伺いたい。あわせて重ねて申します。違法行為に基づいてアメリカに国有財産が提供され、自衛隊に所管がえになっている。これは解消するか、あらためて審議会にかけなおすべきだ。その点、御答弁いただきたい。
○政府委員(船田譲君) 前段の部分につきましては、私もその要望書の写しを見ておりますが、その説明の中に、「提供施設の返還に際し、地元側の関知しないままに所管換等が決められることになると、」というふうに書いてございます。すでになったと書いてあるわけではございません。しかし、このことを踏まえまして、先ほど私が申しましたように、今後旧軍港市転換審議会の付議事項にしていただくように諮問をしようということでございます。 それから後段のことにつきましては、すでに先ほど小幡次長から申しましたように、この旧軍港市転換法の第四条の処理の中には所管がえも含まれるという考えでございますけれども、第六条の審議会の付議事項といたしましては、先ほどから申しておりますように、譲渡及び売り払いというふうに、その重要事項というふうにわれわれは解釈してまいりました。したがって、現在までに提供いたしておりますものにつきましては違法とは考えませんので、今後新たに所管がえなりあるいはその他の処理が生じますときには、この審議会の付議事項としていただくように、先ほど来申しておりますように、この審議会に取り扱いを決定をしていただく予定であるということでございます。
○委員長(足鹿覺君) 本日はこれにて散会いたします。 午後六時十三分散会 —————・—————