決算委員会 第4号
- 発言数
- 193 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1972/03/10
会議録
○委員長(足鹿覺君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 昭和四十四年度決算外二件を議題といたします。 本日は、内閣、行政管理庁及び防衛庁を除く総理府及び外務省の決算につきまして審査を行ないます。 この際、おはかりいたします。議事の都合により、これらの決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれもこれを省略して、会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(足鹿覺君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(足鹿覺君) それでは、これより質疑に入りますが、本日は、前回質疑を留保いたしました行政管理庁の決算もあわせて質疑を行ないます。 御質疑のある方は順次御発言願います。
○大橋和孝君 本日は理化学研究所の問題についてお伺いしたいと思います。 まず、きょうは理事長の御出席をいただいておりますので、理事長に対しての質問をひとつさせていただきたいと思うわけであります。たいへんどうも……。この間、実は現地に参りまして、いろいろ調査をさせていただきました。 まず第一番目にひとつお尋ねいたしたいのは、地労委の命令に基づいて団交の再開の申し入れが組合側からあったかどうか、これについてちょっとお答え願いたい。
○参考人(星野敏雄君) 組合のほうから団交申し込みがあったかどうかというお話でしたね。実は、地労委の判決が出るころから、あのころから団交はあまり行なわれておらないんです。それですから、その申し入れが正式に団交であったかどうかということは、私記憶がないんでございますけれども……。
○大橋和孝君 私ども伺っているところでは、再三申し込んでいるという話でありますけれども、それを拒否しているんじゃないですか。それからして、その申し入れがあったかないかは記憶がないというよりは、団交の行なわれていないのは、あなたのほうが拒否しているんじゃないかと私は思うのですが、どうですか。ちょっとそのところ、明らかにしていただきたい。
○参考人(星野敏雄君) 所側が拒否している――それに関する団交を拒否しているのではなくて、何か団交が開かれないような状態になっている。それはたしか、団交ルールがいままでなかったものですから、そのルールをまずきめてということで、それがなかなかつまりきまらないんで、たしかまだ団交、そういう意味で開いていないというのです。ですから、団交をいま所側が一方的に拒否したという形とは違うのじゃないかと私は思うのでございますけれども。
○大橋和孝君 こういうふうな問題が地労委からいろいろ出されておったとしたら、理事長側としては、これに基づいてひとつ団交しようと、まあルールはいろいろあろうけれども、それを先行しようということを考えられたことはないわけですね。同時に、理事長は、地労委の命令が出てから、それを手にしてから、やはり科学技術庁に行かれましたか。相談に行かれたということを聞いているんですが、その点はどうですか。
○参考人(星野敏雄君) あれはとにかく、命令書でしたか、あれが出ましてから、所としてはあの命令に対していろいろと検討しまして、科学技術庁へは別に特別に行った――少なくとも私は行きませんでしたが、行って科学技術庁と相談したような、まだ日があまりありませんので、行ったということはないんじゃないかと思うんですがね。
○大橋和孝君 理事長、忘れたとか、思うとかでなしに、はっきり言ってくださいよ。この間私が行ったときには、これは行きましたという話を聞いてきたんです。そういうことからいったら、理事長が耳にされぬで、かってにだれかがやっておられるのかどうなのか。やはりそういうことも明らかにしたいですから、ちょっと御答弁をはっきりしていただかぬと、この前私が聞いてきたのと内容が違うておったりすると、どうもおもしろくないと思うんですがね。その点どうですか。 それから、団交というのは、やはり命令が出たんだから少しこれを先行しようじゃなしに、やはりルールにとらわれて開かせなかったというのがあなたのほうなんですね。そういうこともはっきりしておいてください。
○参考人(星野敏雄君) 実は、私のほうとしても、命令文もずいぶん研究いたしまして、その結果、直ちに団交しろという、主文にいう、それ自体に関する事実認定及び判断についても不服あり、再審を申し立てた――ちょっとはずれますけれども、中労委に再審を申し立てたわけです。そういう立場上、命令の趣旨に照らして、団交を行なうことには事実上困難があり、保留したいと思いますというふうなことに私どもはなっておりましたので、それで団交を開いていないんじゃないかと思います。どうも申しわけございませんが。
○大橋和孝君 それでは、いま理事長のほうからは、科学技術庁のほうに対してもあまり伺ったことも御存じないようですが、振興局長のほうはどうですか。私のほうは名前も聞いているし、その内容も聞いているんですが、相談受けられたことはどうだったんですか。
○政府委員(田中好雄君) お答え申し上げます。 私のほうは監督官庁でございますから、いろいろありました問題は報告を受けることは当然でございます。したがいまして、報告を受けていることは事実でございます。
○大橋和孝君 その内容はおわかりですか。どういうことを報告を受け、どういうことの相談があったのか。
○政府委員(田中好雄君) 内容につきましては、二月の十九日でしたか、この命令書が出たということでございます。すなわち、命令主文のところ、それからこの内容などを持ってきていただきまして、この内容の中身を聞いたわけでございます。
○大橋和孝君 そこのところで、この団交をしないということは、話があって、あなたのほうは了承したんですか。
○政府委員(田中好雄君) この問題についての団交につきましては、私のほうは聞いておりませんが、先ほど理事長からもお話がありました、団交ルールについての問題があんまり明確になっていないので、団交はまだ開かれてないという話はお聞きしました。これは四十六年度の給与の問題についてのお話でございまして、これについての扱いはございません。
○大橋和孝君 じゃ、また局長のほうはあとから詳しく質問いたします。 理事長さんのほうにお話を承りたいんですが、この労使間の紛争を続けたくない――そして研究所をあずかる最高責任者でいらっしゃいますね、それから、その責任者として、もっと落ちついた環境の中で所員が安定した研究に専念できるようにしてあげたい、これはおそらく所長のあれであるし、まあ、この研究所ができたことからもそうであろうし、全体としてそういう大きな使命があろうと思うんでありますが、この本件につきまして、所としましても、いろいろこれは不満があるでしょう。いままでの団交のルール云々の不満の点があるでありましょうけれども、地労委の命令に基づいて早急に解決したい、科学技術庁は何とかこれを認めてほしいと相談してみるのが、私は最高責任者としてしかるべきじゃないかと思うんですが、むしろ、こういうふうなことをあいまいな点にほうっておいて、この研究所ができたもともとの目的に対して、また最高責任者として、私は理事長さんとしてはどうもあれだという点があるわけですが、その点につきましては一体どうなんですか。なぜこの相談をされないのか、私はその点をちょっと伺いたい。
○参考人(星野敏雄君) これはただいま申し上げたのですがね。地労委の命令になかなか納得いかない、むずかしいことがありますんで、それでそういう点を踏んまえて組合と話し合っても、なかなかむずかしいんじゃないかということと、それから団交ルールの問題と両方重なっているわけなんですが、私といたしましては、やはり団交はできるだけしばしば開いて、それで話し合って、そういう――まあ、この前大橋委員が来られましたときおっしゃったように、そういうつまらぬことはどんどん片づけて、研究に邁進してくれとおっしゃったんです。私もまさにそのとおりなんです。それで、この十一日に団交を申し入れてあるんでありますが、その後続いて精力的に団交をこれからやっていこうということなんで、まあ当然そのときいまの地労委の問題ものることと思います。ですから、私としましては、団交を開いて、両方が誠意をもって話し合って、まあ何といいますか、互譲の精神ですね、やっぱりいいところへいってきめて、それで皆さんが研究に邁進できるようにと、実は団交ルールの問題も、あまり大ぜいで団交いたしますといたずらに長くなるし、やはりみんな研究者ですからね、それで団交がうまくいくぐらいの人数にしまして、大部分の人は研究に専念してもらいたいという精神で、いま団交ルールをやっておる次第でございます。
○大橋和孝君 組合のほうも、この間も私見せてもらってそう感じたんですが、結局、研究の実績の向上をはかるためにも、この際、地労委の命令も出ているんだから、こういうのに基づいて――三年間も紛争が続いているわけですね。これはもう私があんたのところに初めておじやまして調査をさしてもらってから、またいろいろ話を聞かせてもらってから、もう三年になりますわ。ですから、こういう点からいいましても、こういう紛争をもう一挙に片づけたい、解決したいというのは、これ組合側の意向なんです。私もそれをはっきり聞いてまいりました。ですからして、いま所長がそうおっしゃるように、この研究所の最高責任者であるべき理事長として、そういう組合の考え方をどう受けとめておられるのか。人数が多いとか、あるいはまた、地労委の裁定にいろいろ不満があるとかないとかということは、先ほど私が申したように、ひとつ乗り越えて、こういう大きな使命のもとに、この研究所には相当巨額の金も投ぜられて、国民も相当期待をして、そしてこの研究所に対してのいろいろな問題を見詰めているところで、つまらない、こういう紛争でもって三年間もほうっているのはおかしいじゃないですかということを、この間私は行って申し上げたとおりであります。ですから、そういう観点からいって、組合が一挙に解決したいと言っているものを、最高責任者としてのあなたとしては、これを一体どう受けとめられておるのか。そういうことをいまのような観点でしっかりと受けとめたら、もっとスムーズに、これから意欲的に理事長が、そうした団交なり、あるいはまた正常なルールを設けて、どんどんやるような積極性がなかったらいかぬと思う。私のほうはこういうふうにきまった、ああだと言って、いままでの情勢を聞いておると、非常にそういうふうな受けとめ方が私はどうかという点があるんですが、こういう組合側の考え方を、あるいはまた地労委から出た命令を、どうあなたは受けとめられて、今後――いま団交をやりますとおっしゃっていますけれども、その決意のほどをもう少しはっきりと聞いておきたいと、こう思うんですがね。
○参考人(星野敏雄君) 大橋委員のおっしゃることは、まさに私の言いたいことそっくりなんでございまして、この前おいでになったときも、まあ、そういう団交のようなくだらぬものは、研究上にとってくだらぬものはどんどん片づけて、そうして研究に邁進することが一番重要だと言われたんで、私は全く同感で、ただいま申されたこともまさにそのとおりです。私が研究所におじゃましましたのは、四十五年の四月の十五日からなんですけれどもね、あのときにもうすでに地労委に提訴してありました。で、いろいろなことがどういうふうになって、どういうふうに行なわれて、どういう結果でああいうことになったかということをいろいろ承ったんですけれども、私は、ああいう組合関係というのはそれまで経験がございませんし、実際に団交とか、そういうところに臨席いたしておりませんので、幾ら話を聞いてもよくわからなかったんです。まあ、そんなことで、ああいうことは早く片づける必要があると思いまして、去年の暮れごろから地労委の判決が下る、下るといっておりましたので、一日も早く下っていただきたいと思ったんですが、地労委のいろいろないきさつもありまして、結局、年を越えて、ついこの間出たようなことになりまして、あれが出ましたんで、私はやれやれと思ったんです。これから正常な状態に戻るんじゃないかと思いましたところが、あの判決文を見まして、やはり研究所としては納得できないところがあるということになりまして、これをやはりそのままにしておくと、これからの団交にも関係もあるし、一応出るところへ出て、それを、つまり、何といいますか、判定していただきたいというふうな、まあ、理事会の空気が――われわれもちろん一緒にやって、そういうことになったんです。ですけれども、私がいま申し上げましたように、もう十一日に団交を申し込んであるんです。で、それからは精力的にやっていこうといういま決意を持っておるんでございまして、いま大橋委員がおっしゃったとおりに、これから精力的にやっていこうと思います。そこに、当然やはり、いまの地労委の問題が出てくると思います。で、それがほんとうに大局的立場から両方歩み寄って、いい線が出てくることを、私は、何といいますか、希望しているわけであります。そういうことなんです。
○大橋和孝君 いまの理事長のお話を聞いていますとね、一方では精力的に団交を進めますと言いながら、その前提には、あれもふに落ちない、これもいけないと言う。それじゃ、いまのあなたの受けとめ方はどうかという質問は、もう少しほんとうにこの重大性を考えたら、そういうことにこだわって、また中労委に再提起をしたり、こだわっていくことのほうがよりベターだと考えておられるのか、受けとめ方は、もっと、私がいま先ほど申し上げましたようなことに対して、真剣に取り組もうと考えておられるのか、受けとめ方を聞きたいと言うんですが、それをはっきりしないで、それもやるか、これもやるか、一体何をやるのかわからぬような形になるわけですね。ですから、私はほんとうに先ほどから申し上げているんですが、この研究所でやるのは人間がやるんです。建物はこんなにりっぱになりました。あるいはまた、いろいろな機械も入れました。だからして、前の研究所から比べますと、すばらしくりっぱになりました。これは大きな前進ですね、研究所の。しかし、これが何ぼよくなっても、人間がそのようにしてからに、非常に安定性もなければ、非常にいろいろな問題でトラブルがあるような状態では、実際これは研究できないでしょうが、国民の血税をたくさんここにほうり込んで、国民がここでいろいろな研究をしてもらうと、こういうふうに期待してこの研究が成り立っておるんですが、こういう事柄で、理事長として、私はあそこを見せてもらって、ほんとうに一体何を受けとめてあそこでやっておられるのか、組合の働いている連中を弾圧して、おまえらはルールを間違えて大ぜい入ってきてはいかぬとか、あるいは何だとかというささいなことにとらわれて、そしていまの大きな目的をどうかされていると、私はこういうふうに思うわけですね。こういう点については、あなたは一体ほんとうにどう受けとめているのかということを尋ねたことに対して、ああ、これもです、あれもですという総花的なことを言って、一体何もしないことになっちゃうんじゃないですか。 国会の状態を見ましても、附帯決議がついていますね。御存じですね。そしてその中でも、そういうようなことを研究者に対して、設立の目的や、そのためにはこういうふうにしてほしいという附帯決議までついているわけなんです。こういうことに対して、あなたはあまりに無責任な態度でいままでおられるんじゃないか。三カ年間どうなんだということを、私はもう少しこの機会に最高責任者としてはっきりと認識していただきたい。こういう意味で、どうあなたは受けとめられているかということをお尋ねしたいと言っているわけでありますが、この点はひとつ明確にこの機会にあなたはこの状態をとらえて、そしてこの人事問題、いま申したように、何ぼ設備がりっぱになってもやる人が意欲がなかったらできないわけですから、そういう意欲を燃やすような方法をしていくのは、やっぱり理事者の、最高責任者の責任ですよ、だれの責任でもない。だから、私どもは国民の側から見ますと、理事長さんがりっぱな研究を、業績をお持ちになっていることは十分認識をしておりますけれども、そういう責任者の方が、もう一歩、働いている人をどう把握していくかということに乗り出してもらわなければ――何ぼいい器ができて、何ぼりっぱなことになって、また国会のほうではこうしてほしい、ああしてほしいということを附帯決議を出して、そしてその理事長さんにお願いしているのにかかわらず、こういうふうなことが三年も続いておる。しかも、地労委ですらこういう結果を出しているのに、まだ、あれだ、これだというささいなことにとらわれて理事長さんがやられること自体、非常に私は遺憾に思うわけです。したがって、ここであなたのほんとうの受けとめ方、決意、これからどうするかということをひとつはっきりと聞いといて、そしてこれからいろいろ研究のあり方につきましても、国会で私どもは議論をしたいと思うし、また応援もさしてもらいたいと思う。また、そういうことでひとつできるだけの協力はさしてもらいたいと思いますけれども、根本的なこの問題、人がやるんですから、その人をどうしてやっていくかということに対してもうちょっと理事長さんがしっかりしたことで、ただ下のほうの人事担当の事務局のほうからいろんなつまらないことを言っていることに迷わされないで、やっぱりほんとうの目的はここだということで、ぴしゃっとやってもらうようなことを理事長さんがやらなきゃ――最高の責任は理事長さんにあると思うんですよね。ですから、いままで名前は言いませんけれども、古い担当の者がおって、ああだ、これだ、こうだ、ああだと言ってむしろ働いておる組合の人たちを弾圧して、私の見たところでは、ことばがちょっと過ぎるかもしれませんけれども、押えつけて、あれがいかぬから、これやってこい、あれがいかぬ、これがいかぬということだけで押えつけていったんじゃ反発が起こってくる。あなたのところの組合の人たちはみなおのおの研究者で頭がよくて、最高の勉強をした人ばかりなんですね。普通のそこらの――そんなこと言っちゃ悪いですけれども、最高のスタッフがそろっておられる。そういう組合員に対してやはり理事者側としてもある程度理解を持って話し合いをして初めて相協調というものが出てくるわけですから、これでなきゃいかぬ、あれでなきゃいかぬ、突っ放しておいては協調が出てこないと私は思うわけですね。そういう観点で、どうぞひとつ最後に理事長さんの所信を聞いて、私は理事長さんに対しての質問をまずこれで終わらさしていただく。この意味では、ひとつ理事長さんほんとうに決意をきめて、この際考えてほしいと思います。どうぞひとつよろしくお願いします。
○参考人(星野敏雄君) 実は私、理化学研究所に四十五年に参りまして、まず第一番にどういうところに一番気を使ったかと申しますと、大体研究室が四十八あるんでございます。ですから、大学でいうと講座よりは小さいんですけれども、四十八の研究室がありますので、それが私の専門以外のものが大部分なことになるわけであります。それで、各研究室の、いま大橋委員のおっしゃったような、みんなやる気があってやっているかということが一番大切なことなんで、そういう空気というものは、私どもは研究者ですから、そこへ行けば専門が違っていてもわかるわけです。そういうことで各研究室を回りだしたのですが、これは四十八の研究室、これも実際たいへんなんです。そういうことを――私は研究方面を専心的にやっておりまして、労務担当のほうはまあそっちのほうの方にやっていただいて、そうしてその結果を聞いたり、うまくいかないことに対しては、私は一番それは、何といいますが、関心を持っておったわけなんです。ただ組合のほうがそう騒いでいるから研究は何もできないように皆さんが考えていらっしゃいますというと、これは非常に困るのでございまして、昨年の業績を見ますと、研究論文が百六十ですか、それで、それは全部集めて千六百ページぐらいのあれができるのです。ですから、一年にそれだけの業績をあげているわけです。一方では労使が紛争して何もやっていないように思いますけれども、大部分の人は、大部分の研究室は、落ちついて研究しているのでございます。そういう点で御安心願いたいと思うのでございます。 ただ、やはり私が一番関心を持ちますのは、組合のほうへ出まして積極的にやっていらっしゃる方、こういう方が、そのために研究のほうから離れるということに一番関心を持っているのです。ですから、そういう、何といいますか、状態が一時も早く正常に返ることをこれは望んでいるのです。その方向に進むために、いまいろいろ話し合っておりますので、団交は精力的にやっていくということで、今後は、いままでよりはうまくいくと私は思います。その節は大橋委員にもいろいろとお助けを願いたいと、つまり調停なり、いろいろお願いしたいと思うのですけれども、この前お見えになりまして、私すぐわきですわっていろいろのことをお聞きをして、きょう先生がおっしゃったことも、全然私はそれ以上のことを言う必要はないんです。私はその線に沿って一生懸命やっているんです。しかも業績があがっておりますので、これからはもっとあがると思います。どうぞひとつよろしくお願いいたします。
○大橋和孝君 なかなかいまの論理から申しますと、私が申し上げているのは、そうすると、あなたの話からいえば、組合やっているやつが離れてかってにやっているということになる。しかし、組合の側で調査してまいりましたら、全体の人のいろいろな決議の中で動いている、組合は意向を伝えながらやっているわけですので、理事長と組合の考えている間に、私が調査した範囲内では大きなギャップがあるわけですね。そういうような受けとめ方自体が、私はこういうようなトラブルのもとをなしていると思う。ですから、あなたはもちろん研究者であって、なかなか組合を云々するということに対してはふえてだから業務担当にまかしているとおっしゃっているけれども、最高責任者はあなたなんですね。ですから、そのやり方に対しては――相当の業績があがっている、あたりまえですよ。たくさんの費用をやって、それくらいの成績をあげてもらわなければ、国民の側からはどうなりますか。それでもってあなた方は満足だというのだったら、まだほかにそういうようなトラブルがあって、そこから出てこなければならぬ成績が出てこないという点を、私は全部決算委員会の中で調べましょうということになるわけですね。その話し合いからいけば、それだけの働いている人たちの中に、組合とのトラブルがあって、そうしていまの成績はもっともっとそれがなかったらよくなると私は考えるわけです。それが、成績はそれでいいのだ、あなたがそれで満足して、これでいいということになれば、これは大問題なんで、私はそういうことではいけないということをこの間は懇々と先生にも申し上げてまいったわけですね。ですから、そういう点からいえば、ここのところではひとつ真剣に考えてもらわなければ、いま私どもが言うたことを、あなた自身は、私がこう言っていることを口では言っておられるけれども、馬耳東風に聞き流しているのじゃないかと、こう判断管ざるを得ない。こういうことではいけないんです。 私はいろいろのことを考えております。理事長の任命だって、内閣総理大臣が任命するんですよ。あるいはまた理事、副理事長なんかも、意見を理事長から聞いて、大臣の任命なんです。こういう問題がいいかげんなことで行なわれたら、最後はそこまでいって、大いにやらなければいかぬと考えているわけです。問題はそう簡単なものではないと思うんです。非常に労務担当にまかしている。それが、こういう分が悪い、ああいう分が悪いということで、しかも、これで成績が十分あがっているという、こういう考え方でいきましたら、私は、これはもう問題がたいへんな問題だと思うのです。これはひとつ理事長十分考えを直してもらいまして、今後はひとつ一ぺんスタートを変えて、ほんとうに組合なんかとも話し合いをして、そして組合の連中もみんな喜んで研究に専念ができる、そして労使協調ができるような非常にいいムードをつくってもらうことがこれは第一に必要だろう。これは、やる最高責任者はあなただろうと思うのです。そういう意味で、激励を含めて私は今度のおいでを願っておるわけで、それをいいかげんに、成績はあがっています、それでまた、それは労務担当にまかせてありますというような形では、大問題だと思うのです。だからひとつ、しっかりあなたも責任を感じてそれをひとつやってください。現に労務担当でまずいことをやっているやつがあったら、あなたが意見を述べて、そして総理大臣がこれを任命をかえることができるのです。ですから、そこまであなたが踏み出してしっかりやってもらうことを要望するわけです。どうか決意のほどを聞かせてください。
○参考人(星野敏雄君) 口を返すようでございますけれども、私の先ほど申し上げましたのは、つまり、労務関係がうまくいっていないという一方においては、大部分の研究者は、それはやっぱり組合の問題をそちらにまかして研究に専念して、それでりっぱな成績をあげているわけです。しかし、その労務のほうを引き受けてやっていらっしゃる方にも非常に頭のいいりっぱな研究者がおるのです。こういう人たちがやはり研究に専念すればもっともっと成績があがるはずなんです。それはおっしゃるとおりなんです。ですから、そういうふうに、私はあそこに赴任したときから一番そういうところに気をつかっておるわけなんです。ただ、やはり、前からのいろいろないきさつでなかなかそう理想的にはいっていないのです。しかも、研究者はたくさんいますから、その中にはそういっていないものがあるものですから、とにかくおっしゃるとおりに一生懸命やりますが、初めからそういうつもりではおるのですが、なかなか、私もあそこへ行きましていろいろなことを考えているのですよ、考えているのですけれども、それを実行するということは非常にむずかしい。しかも、自分の考えを実行することが最もむずかしいというのは昔ゲーテも言っておるのですが、まさに私もいままでそうしておりましたけれども、もうそういう時代ではなくて、自分の考えというものをここでもってやらなければならぬ。私の任期ももう先は短いので、このままで次の理事長にバトンタッチをすることはできないと思うのです。理研の状態がこういう状態だというようなことでもって受ける人はないと思うのです。ですから、私は、ここ一年か二年かの任期の間に、私の考えていることをこれから、それこそ精力的にやっていこうと思っております。
○委員長(足鹿覺君) 十分間休憩いたします。 午前十時四十三分休憩 ―――――・――――― 午前十時五十分開会
○委員長(足鹿覺君) 委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き質疑を行ないます。
○大橋和孝君 それじゃ、先ほど理事長に質問さしてもらったんですが、今度は組合の側から一応お尋ねをしたいと思います。時間がちょっと十二時までということになっていますから、どうぞひとつ簡潔に要領よく内容を説明していただきたい。私のほうもできるだけ簡潔にさしていただきたいと思います。 埼玉地労委で争われました事件は、一体具体的にどんなふうになっているのですか、要領よくひとつ説明してください。
○参考人(石塚皓造君) 私は理化学研究所の労働組合の執行委員長でありますが、その理化学研究所の労働組合は、管理職を除くほとんど全員の組織率をもって組織されております。その理化学研究所の労働組合と理化学研究所側との給与改定交渉が毎年行なわれるのですが、その給与改定交渉において、実は昭和四十三年度の給与改定交渉において、所側が第二次回答というものをいたしましたが、その第二次回答が、一たん監督官庁の指定した七・九五%の引き上げ率というものから、わずかに〇・〇五%、原資にいたしますと、一人当たり三十円アップにしか相当しない額がこえているということで、監督官庁の承認が得られないという理由で一方的に拒否をしておりました。そのことで、私たちは、万やむを得ず埼玉地労委へ救済申請をいたしました事件でございます。 で、所側がとっておりますことは、そういうふうに監督官庁の内示というような問題に関して、きびしく規制されているということを理由に給与の交渉を一方的に拒絶いたしまして、その賃金交渉に自主的な誠意ある態度をとらないということで、私ども非常に困難を来たしております。先般、地労委の命令文によって、私たちが主張しておりましたとおりに、監督官庁の態度について、これは理研設立の目的、趣旨及び衆議院でなされた理化学研究所法案に対する附帯決議に著しく反していると、おろそかにしているということを地労委命令で指摘しておりますし、また同じ地労委命令において、理化学研究所の所側が誠意ある態度をとって団交に臨んでいないということは、これは不当労働行為であるというふうにはっきりきめつけております。その点は、私ども組合側がずっと従来訴え続けてきた趣旨と全く同一の事柄だというふうに考えております。
○大橋和孝君 そうすると、四十三年度の給与の改定交渉の中では、やはりいまおっしゃったような内示が出ている。それは大体七・九五%ですか、こういうふうなものが示されているわけでありますが、それにわずかに〇・〇五%ぐらいの問題があるわけなんで、それが、結局解決をしない、何だといって、このようなトラブルになったもとなんですね。
○参考人(石塚皓造君) はい、そうです。
○大橋和孝君 そうすると、わずか〇・〇五%をこえたと、これは一体どれくらいの程度になるのか、この問題が起こったところは、一体どれくらいの金額で争われておったのか、こういう問題、私はちょっとはっきり金額を聞いておきたいと思うのです。
○参考人(石塚皓造君) これは、原資に換算いたしまして、理化学研究所の所員一人当たりにいたしますと、三十円アップの問題になります。それで総額におきましては二十万円足らずの金額で、このような非常に小さな額でもかたくなな態度の原因としております。
○大橋和孝君 そうすると、四十三年度からのあのような三年間のトラブルのもとは、原資でいえば、二十方、そうして一人当たり上げてもらうのは三十円、このようなことがこのような問題になっておったわけですか。
○参考人(石塚皓造君) はい。
○大橋和孝君 こんなことだというのは、私もこの間の調査でほぼわかってまいったんですが、あまりにこの科学技術庁としても、あるいはまたいま理事長に聞いたら、前向きだ何だ言うておったけれども、こんなばかりの金額、二十万だったら、そう言っちゃすみませんけれども、われわれでも二十万ぐらいのことは少々できるわけですね。しかしこれはあまり筋にとらわれたことだと私は思うのですが、組合側は一体これをどういうように受けとめておられるのですか。
○参考人(石塚皓造君) 私たちは終始柔軟な態度で給与改定交渉に臨んでおりますし、こういう所側が監督官庁の承認を理由にしてかたくなな態度をとり続けるということをやめてもらいたいと。ちょうど地労委の命令も、こういう私どもの趣旨に沿った形で出されておりますので、いち早く地労委の命令どおりに所側及び監督官庁が協力してくださいまして、こういう労使紛争が長引かないようにしていただきたい、そしてその結果、私たちによい研究環境をつくってもらいたいというふうに考えております。
○大橋和孝君 じゃ四十四年度のこの給与改定の問題はどういうふうになっておりますか。それから四十五年度はどうですか。時間がありませんから続けてどうぞ答えてください。
○参考人(石塚皓造君) 昭和四十四年度の給与改定でも、昭和四十三年度において見せました所側の態度と全く変わりませず、同様の団体交渉その他の経過をたどりましたが、組合側は終始柔軟な姿勢で交渉に臨みましたが、最終的には、大蔵省の指定した引き上げ率とそれから科学技術庁の指示した配分、給与体系の中での配分をこえると給与改定はできないということの一点ばりで所側は主張し続けました。 特に四十四年度の場合には、研究者のうちの一部に支給されている研究手当の中のわずか四十円分を本給に積みかえるという交渉にまで組合側が柔軟な姿勢で煮詰めたんですが、所側はその監督官庁の承認権を理由としてかたくなに拒否するだけで、一発回答に固執して一方的に支給をいたしました。したがって四十四年度も、現在に至るまで未妥結、未協定のままになっております。 ところが、さらに昭和四十五年度の給与交渉では、組合側は、このような長い労使紛争をするということは絶対避けなければいけないという努力の結果として、労使関係の正常化をはかろうと、そして試験研究に励みたいという希望から、最大限の努力をいたしました。当時、地方労働委員会の結審がまだ出ておりません段階でしたので、四十三年度以来の地労委係争中の問題については、地労委命令を待って解決するということを双方団交の席上で確認をし合って、条件つきの協定を締結いたしました。これは組合側の最大限の譲歩の結果生まれてきたものというふうに考えております。
○大橋和孝君 そうすると、四十三、四十四年度は、もう未解決のまま一方的に理事者側から押し切ってやってきた。それから地労委の係争中でもあるし、四十五年度は、非常にこれは組合のほうが譲歩をして、その問題はあとからやることにしてやったというわけですね。これは先ほどちょっと理事長から聞いておったところから考えますと、理事者のほうは、組合のほうがなかなかきついからというような口調なんですが、実際にはかなり譲歩しておったということは認められるわけですね。やっておられるわけですね。 それから、昭和四十六年度はどうなっているか、ひとつ続けてください。
○参考人(石塚皓造君) 四十六年度におきましては、こういった四十五年度において組合側が最大限に事態の収拾をはかろうとした努力が実るものと、私ども組合は期待しておりました。ところが、それが全く裏切られまして、現在に至るまで四十六年度の交渉に関しては、全く実質的なものは持っておりません。所側は、従来、四十三、四十四、四十五年度において示し続けたかたくなな態度をさらに輪をかけたような形で今日に至るまで臨んできております。所側は、四十六年度の交渉においては、間欠的にときどき種々の理由をあげて団交を拒否しております。特に本年一月二十一日より、組合側の幾度にもわたる要求にかかわらず、所側が団交を拒否しております。したがって、私どもとしましては、ぜひこの問題を三月一ぱいまでには解決したいということで、現在鋭意努力しておりますが、所側は地労委の命令すらも履行せず、四十六年度賃金交渉においては団交の席上に出てまいりません。その点非常に私たちは困難を感じております。
○大橋和孝君 そうすると、結局四十五年度にはかなり譲歩をして、そして組合との団交がうまくいけるようなことを想定をした上で、組合としてはかなり配慮したわけですね。そして、四十六年度になれば、まあ理事者側も少しはうまく話に乗ってくれるという形でやったわけですが、いまお話しのように、私もこの間見せてもらって話を聞いてきたように、もうそれから以後百何十日間というものは団交らしいものも行なわれていない。またルール、ルールを言うて、そして、昔紛争のときに人数が多かったことをいま取り上げて、何人じゃなければ団交しないとかなんとかいう、そういうふうなルールも私この間聞いてまいったわけですが、やはりそういうことをたてにして、第一次の回答以後組合と交渉をほとんどしていないと、こういうような段階なんですね。で、いま理事長に聞いたら、少し、これから団交をやりますと言ったけれども、その内容ではまだひとつ不十分な点はありますけれども、やはり組合側としても、団交に対しては思い切りひとつやってみようと、こういう決意を持ってやっていただきたいというふうに思いたいわけですね。 そこで、また私、話をちょっと変えまして、埼玉地労委の救済命令が出たわけですが、この問題をちょっと具体的に要点をひとつ示していただきたい、そういうふうに思います。
○参考人(石塚皓造君) 埼玉地労委の問題は、先ほど申し上げましたような経過で私どもが救済申請をいたしましたのですが、それが本年二月十九日に命令が埼玉地労委から出されました。その内容は、一つは、監督官庁が、理研設立の際の国会の附帯決議、それから理研設立の目的、趣旨をおろそかにするがごとき態度をとっているということを指摘しております。第二は、所側はこの監督官庁の態度におもねって――二水会という科学技術関係特殊法人の労務担当理事をもって構成している会がございますが、そういう二水会の中で監督官庁の意向を先取りするということに主導的な役割りを果たして、みずからの規制を行なっておりますが、その点を地労委の命令ではきびしく批判し、理研の理事者が自主性を失って誠意と情熱を持って団交するというような態度が見られないのは、これは明らかに不当労働行為であるというふうにはっきりと明言しております。 で、その命令の主文では、理研の理事者はすみやかにみずから提起した第二次回答に基づいて昭和四十三年度の給与改定を行なうよう団交を開きなさいという命令が主文となっております。で、この命令に関しましては、私どもは二、三の事実認定その他に関する不満はありますが、趣旨及びその内容において非常に高く評価すべきであるというふうに考えておりますし、このように長く続いた労使紛争を、先ほど申し上げましたようにいち早く解決して試験研究の実績をあげたいという希望から、この地労委命令に関しましては、三月一日臨時の組合員大会を開きまして、満場一致でこの地労委命令に基づいて団交を開くよう決定をいたしております。
○大橋和孝君 この地労委の救済命令に対して組合が考えておられることは、監時大会まで開いて、これはもうその意図を十分に体して、組合員全体がこれでよろしいということになっておると、あるいはまた研究実績やなんかいろいろなことを考えて、この地労委の命令に対してはできるだけ組合としても積極的にやろうとしておるわけですね。それはよくわかりましたが、では、これは所側は一体どう受けとめていると組合はお思いになりますか、その点ちょっと。
○参考人(石塚皓造君) 所側は、この命令を受けました二月十九日以降、何ら団交を自主的に命令どおりに開こうともせず、また私どものほうから団交を開いてもらいたいという要求を幾度にもわたっていたしておりますが、その地労委命令をつまびらかにするまで具体的な行動はできないという形で団交を拒否し続けております。このことは、地労委命令の履行を全くしていないという事実を示すものだというふうに私どもは考えております。所側は従来のかたくなな態度をさらに強めて、この地労委命令を不服として、中労委へ提訴を三月の四日にいたしております。このことは、いたずらに、先ほど御質問があった、たかだか三十円とか四十円の問題で長い紛争をしていこうという一つの態度のあらわれとして、私ども組合員は全員怒りを持って対処しております。この中労委への提訴の際には、新聞その他の報道によって、所側は科学技術庁と相談をして申し立てを行なったというふうに聞いております。私たちは、そういう意味では、いち早く中労委の提訴を取り下げるよう期待しておりますが、所側は依然としてその態度を維持し続けております。
○大橋和孝君 そうなると、やはりこの地労委の命令というものは完全に無視されているというふうに見えるわけですが、やはりそうなんですか。その辺のところをもう少し具体的に示してもらいたいんですね。
○参考人(石塚皓造君) いま御質問のありましたとおりに、私どもは、地労委の命令が完全に無視されているというふうに判断しております。 この地労委の命令の中では、ここの国会にも関係があるんですが、昭和三十三年の国会でなされた附帯決議と地労委の命令というのは趣旨の上では全く同一の趣旨をうたっておりまして、その国会の附帯決議それ自体もおろそかにされているというようなことでありますので、所側がいち早く地労委の命令に従うよう、たびたび私たちは、文書及び、昨日は一時間の時限ストライキをもって要求しておりますのですが、依然としてかたくなにそれを拒否し続けておりますので、私たちは地労委の命令が全く不履行になっているというふうに判断しております。
○大橋和孝君 そうすると、掲示なんかをして、むしろ組合が第二次回答に対しても何か拒否をしているようなうそをついたり、あるいはまた、いままで四十三、四十四年のその交渉に対しても無視をしたままであって、また四十五年には組合がかなり譲歩して前向きな姿勢を示したにかかわらず、四十六年以後こういうような状態である、何かこういうことを考えてみまして、再度この中労委に提訴するなんという考え方は、これはもう私もいま聞いた範囲で実に驚くほどかたくななわけですね。それの中の問題の紛争点は何ぼかといえば、三十円ばかりの問題だ、トータルの原資に考えてみても二十万そこそこだと。こういうような問題で、こういうようなことにまで発展させていくというのは、むしろ譲歩なんか考えてみると、石塚委員長がいまおっしゃっているような形から申して、かなり遠慮をしながら円満な解決に持っていこうという意欲に対して、逆に所側は、この労使間を正常化したり、安定化さしたり、あるいは研究所の成績をあげようという、そういう前向きの姿勢からいえば、熱意というか、あるいは大事なものがもう所側に欠けているということじゃないかと、こういうふうに思うわけですが、この点は組合の側でもそのように解釈しておられるんですか。これは非常にけしからぬことじゃないかと、私はそういうふうに思いますが、どうですか。
○参考人(石塚皓造君) いまの御質問のとおりに私どもは考えておりまして、この委員会の席上で、委員の方がこういう取りまとめをしていただいたことに、私どもは非常に感激しております。私たちも、このような三十円、四十円の問題でどうしてこんなに苦しむのかということに関しましては、やはりそれなりの背景がございまして、理研設立のことを国会で審議されましたおりには、少なくとも優秀な人材を集めるために、人的な組織と待遇及びその運用に関して十分考慮を払うようにという国会決議があって、その設立当初は、やはり地労委の命令でもそれを認めておりますが、それなりの配慮をしていたのであります。たとえば大学卒初任給を公務員と理化学研究所との間で比較をいたしますと、当時、原子力研究所が二五%ほど多いと、少なくとも理研をその状態にまでするということを政府側委員の方がお約束している時代でありましたのが、このような監督官庁の賃金規制、あらかじめの指定ということが行なわれるようになりましてから、それが年々下がる一方で、問題の起こりました昭和四十三年度では、それが実に四・七%の開きというところまで下がっております。それから理化学研究所におきましては、総定員が六百名余のうち約二百名近くが博士号取得者でありますが、博士号取得者の給与を公務員と比較いたしますと、もうすでに二千円の額だけ理研のほうがかえって低いというような実情がございます。当然、民間の同種企業と比較いたしますと低いというデータははっきりいたしておりますので、こういう一つの大きな背景の中で、私たちは、監督官庁の承認権というものをたてにとって、たったの〇・〇五%ですらきびしく規制してくるというような態度に対して非常な困惑と怒りを持っております。
○大橋和孝君 それも私ちょっと調べてみて存じているところです。ことに、こういうふうな人材を集めるためには、給与は二五プロぐらいは上回っていくということを約束されていたわけですから、そういう点は、非常に怠っていることは非常によくわかるわけです。 なお最後に、私一つだけお尋ねしておきたいのは、いま政府関係の特殊法人がたくさんございますね、そこの中でうまくいっているところはどんなふうであって、組合側から見て、一体その辺の、ほかの政府法人のあり方はどんなふうになっているか。いま少し、給料の点もありましたけれども、もっといろいろなことで特殊法人を見ていただいて、組合ではそれをどう把握していらっしゃるかという点をちょっと聞かせていただきたい。
○参考人(石塚皓造君) 政府関係特殊法人といたしましては七十八現在ございますが、そのうち昭和四十六年度の給与改定が行なわれておりません、つまり未妥結のところは科学技術庁関係のたった三ヵ所でございます。情報センター、原子力研究所及び私ども理化学研究所でございます。そのうち情報センター及び原子力研究所におきましては曲がりなりにも団体交渉が行なわれておりますが、私ども理化学研究所ではその団体交渉すら行なわれておりません。このような事態は、先ほど来申し上げております所側のかたくなな態度ということに起因するというふうに考えております。それはひとり給与の面にとどまらず、やはり国会の附帯決議でも言及されておられますような人的な組織にまでその精神が及んで、私どもの研究体制の中では研究を遂行しようというための組織づくりであったはずの主任研究員制度という研究体制が、これは人事管理上の研究体制ということにもうすでに変容しておりまして、一般の優秀な三十代、四十代に至るまでの研究者は、単なる人事の管理上の締めつけということで研究が非常にやりにくくなっております。そういう事実が山積しているということは、一に、給与の面であらわれました監督官庁及び所の理事者たちのこういう基本的な姿勢が研究所に横溢しているのだというふうに私どもは判断しております。
○大橋和孝君 大体、組合側に私がお尋ねしたいという点はそれくらいでありますが、 これから私、政府のほうにも御意見を伺おうと思いますが、最後に、委員長として、先ほどから質疑の中で、これから研究所にいい所員に集ってもらって、まだおる所員の皆さん方にほんとうに働きやすい環境をつくりながらやっていこうと、そうするためには、かなりへりくだった、また柔軟な態度でいままでやってきたということを聞いているのですが、それはほかのどこの組合でもそのようにして委員長は配慮されていると思うのですが、そういうことに対して私は、あまりにも、いまの話を聞きますと所側があるいはまた監督官庁がかたくななように思います。ですから、いままでの私の調べた資料に基づきながら、また、いま参考人から聞きました、理事長並びに委員長のお話を聞いて、これから一ぺん監督官庁とよく話を詰めてみたいと思いますが、特に私はここで委員長に質問者としてお願いをしておきたいのは、また何かそういうようにいろんなことでそれがあれば、われわれにもひとつ聞かしてもらうとともに、前向きに団交を進めてもらって、そしてほんとうにこの場が、国会の中で真剣に考えられているような、りっぱな人を集めて、りっぱな成績をあげて、そしてやっていくと、こういうようなことが――大体私も見せてもらってきたが、このごろはなかなか建物はよくなっているのですね。だからして、そういう中で、この人たちがわずか四十円や三十円のことでトラブルを起こしているということは、ほんとうに私はけしからぬことだと思います。こんなことを国民が聞いたら国民はがっかりするだろうと思うんですね。最高技術の研究所で、わずか三十円や四十円の争いで、それでこういうことになっていると。筋がどっちにあろうがあるまいが、国民の受ける感じは私はそうじゃないと思うんですね。そういう点を非常に私は遺憾に思いますので、これからちょっと話はしますけれども、ひとつ委員長のほうも、組合のほうに対しては、そういう意思を十分に徹して、そして研究所がうまくいくように努力をしてもらいたいということを私は申し上げて、委員長への質問を終わります。
○委員長(足鹿覺君) じゃ、石塚君、御苦労さんでした。
○大橋和孝君 ただいまいろいろ振興局長のほうは、組合側の話も、あるいはまた理事長の話も聞かしてもらったし、私の意見もそこに交えて申し上げましたので、御理解をいただいていると思うんでありますが、初めにちょっとお伺いしていきたいと思いますが、科学技術庁の吉澤調査官が、地労委の命令に対しまして、二月二十日付の毎日新聞で、科学技術庁が中労委へ再審査の申し立てをするように指導されたというようなふうに聞いているんですが、やはりこれは、科学技術庁は、この地労委のあっせんはけしからぬ、だからして中労委に再審査を申請せいという命令を出したんですか。
○政府委員(田中好雄君) 科学技術庁といたしましては、特殊法人の労使関係につきましては非常に意を用いているところでありまして、その安定と健全な発展をいつも念願しているところでございます。しかしながら、元来労使関係といいますものは、自主的な努力によって安定をはかるものであるというふうなたてまえを考えておりまして、労使の問題が生じましたような場合は、監督官庁といたしましては、労使双方の自主性を重んじて、干渉にわたらないようにしているところでございます。したがいまして、お話の点につきましては、私の聴取している限りにおきましては、そういう事実はございません。
○大橋和孝君 そうすれば、振興局長としては、それは中労委には提訴をすることを早くやめさせて、そして先ほどぼくが申しているように、こんなわずかなことでごちゃごちゃしないで、そして組合と団体交渉を持ってやれということを、むしろ組合側あるいはまた所側に――まあ組合側は別として、所側に、あなたのほうはそういう命令を出す気持ちはあるんですか。
○政府委員(田中好雄君) ただいま申しましたように、労使関係は双方の自主的な努力によって解決していただくようにお願いしておりますので、本件につきましてもこの考え方には変わりはないわけでございます。したがいまして、所側のほうにおきまして、どういう考え方で中労委に提訴をしたかというような事情は聴取しておりますけれども、これに対してどうこうということは一切控えている次第でございます。
○大橋和孝君 いま、聴取をしたときには、あなたのほうとしては、大体所側の考え方はこういうようにすべきではないかということは何にも指示を与えないで、おまえらは自主的に、おまえかってにやれということになってんですか。
○政府委員(田中好雄君) 所側のほうの事情を聴取しましたところによりますと、地労委の事実認定と判断が食い違いがあるということを申しておりまして、これはどうしても承服できないというような話でございました。先ほど申しましたように、当庁といたしましては、その考え方を阻止するというわけにもまいりませんし、健全な両方のお話を十分続けていただくようにお願いした次第でございます。
○大橋和孝君 いまの地労委のあっせんは、両方が団体交渉しなさいと、こう言っておるあっせんなんですよ。それが事実認定が違うというのはどこがどう違うのですか。それがそれほど大きく将来にまでいかないで交渉しなさいということを、ストップさすようなことをやらしておるわけですか――あなた自身でいえば。もう一つ言うならば、この理化学研究所の法律の制定のときに、衆議院の附帯決議では明確にされておるわけですね。こういう問題に対して一体あなたのほうとしてはおろそかにして、衆議院では附帯決議をつけておることなんかはもう問題にしないと、こういうことでいくのですか。それからして、そういう点から言えば、私は附帯決議を実現するためにはもっと積極的でなければいかぬと思うのです。その点についてはどうお思いになるか。また、いまのこうした中労委の提訴を持ってきたときに、ああおまえらかってにやれと言って一むしろそうなればとめて、そうしてその話し合いをしてよくやっていけという指導をするのが、私はこの附帯決議にも沿うということになるのじゃないかと思うのです。あなたは、そうすると、いまやっておられることは、附帯決議なんかほうっておけ、かってだ、おまえら争うなれば争えと、こういうことでもって指導的なことをあまり監督官庁としてはしてないと、こういうふうにとっていいのですか。
○政府委員(田中好雄君) 先ほど申しましたように、あくまで自主的な交渉にお願いするという態度でございますが、そのような形で指導しておるわけでございます。 地労委の事実認定の中で問題があるということにつきましては、理事団のほうからいろいろ説明がございました。何とかその辺折り合いがとれないかと思いましたけれども、やはりこれは提訴したいということでございまして、これ以上申し上げてもと思いましてそのままになっておるわけでございます。
○大橋和孝君 振興局長、この問題で、先ほどから申したように、トラブルが四十三年度から起こっておるわけだね。そうして、いまこういう状態になってもまだ――地労委のあっせんを待って、地労委ではこういうふうなことを言われてきた、だけれども、ここのところ、一部分のところが悪いからこれでもう一ぺん再提訴する――それは権利があるからやられるのはいいですよ。それをとめようとかなんとか言いません。やられるのはいいですけれども、全体から考えてごらんなさい。あなたはそういうことをやらしておいて、あなたのほうじゃ責任とれますか。私は責任問題だと思いますよ。 それならば私はあなたのほうにお尋ねしたいのだけれども、これまでに附帯決議の事項を具現するために、一体あなたのほうでは何をやってきましたか、そういう点はっきり言ってほしい。そんなことをやって、国民の血税をここに大きく入れて、国民は、先ほど言ったように、非常に大きな期待をしておるわけですよ。こういうふうなことに対して、あなたは一体それに対してどうこたえたか。私は非常に職務怠慢だと思う。そんな必要がない、こういう監督をしておったならば、ますます、国のこういうことに対しては、もうむだな消費であり、むだなことになってくるのじゃないかと思うのですね。私は、これは責任問題として大問題だと思うのですよ。私は、これは決算委員会の場において非常に大きく取り上げるべき問題だと思いますが、どうですか。何をやりましたか、具現化するために。
○政府委員(田中好雄君) 国会の附帯決議につきましては、私らのほうも十分意を尽くしたところでございますが、御承知のとおり、理化学研究所は、前身が株式会社科学研究所でございまして、これが三十三年に理化学研究所法によりまして特殊法人になったわけでございますが、この期間におきまして、研究所に――私もちょうどそのころ、二十九年ころは工技院のほうにおりました。工業技術院に。行ってみますと、亀山大先生が非常に苦慮されておりまして、研究費もなくなってしまったし、どういうふうに立て直したらいいか、非常に苦慮されておりましたけれども、当時、私のほうの院長は駒形院長でございまして、非常にこの辺気をつかいまして、三十三年に特殊法人が設立され、附帯決議がつけられたわけでございます。以来、研究所の様子を見ておりますと、あそこでは手狭でもございますので、ただいまの和光市のほうに移転を考えまして、以来十年、営々として築いてきたわけでございます。先ほど先生が、確かに施設はよくなったとおっしゃっておられますが、あそこへ持ってきますのにも非常に苦心があったように思います。諸先輩もだいぶ努力していただきまして、今日の状態を呈しているわけでございます。 そういう面と、もう一つはこの労務問題、先生おっしゃるとおりに、確かに人の問題は非常に重要でございます。中におきましては、きょうちょっと理事長御説明なかったようでございますが、いろいろな研究制度が非常にうまくできておるように私は思いますが、ほかの研究所では絶対に見られない各種の研究でございます、農業でありましょうと、核の問題、原子核の問題あるいは核融合の問題、いまちょっと問題になっておりますウラン濃縮の隔膜の研究など、われわれも非常に鋭意力を尽くしてきているわけでございます。問題は人の問題でございましょうし、先生もそこに重点をしぼってお話がきているわけでございますが、先ほど組合の委員長も、何かだいぶ大卒の間の関係が開いていると、こういうふうに申しておりますが、私のほうにおいて調べましたところでは、私のほうでは、研究者に対します研究手当のようなものを、本俸に対しまして四・五%ぐらいになっていると思いますが、そういうものの費用を見たり、十分その辺は配慮をしているつもりでございます。そういう事情でございますので、国会の附帯決議をないがしろにしているというふうには判断していないわけでございます。
○大橋和孝君 それでは、この附帯決議の中で第二項に、優秀な人材を吸収することができるように、人的組織だとか待遇その他の運用については云々とあるわけですね。この点について少ししぼっていただいて、だからこれに対してどういうことをやってきたか、いまトラブルが起きていることはどうなんだ、どう取り組むのだと、こういうようなことで、いままでおやりになった事柄、いまのその附帯決議の具現化してこられたところを、私は、あなたがさっきからおっしゃっているとおり人的問題についてしぼって質問しているのです。 それは、ほかにもいろいろなあれがありますけれども、もうひとつこの人的な問題にあなたのほうが注意されたならば、画竜点睛を欠くことがないように、もうひとつ大きな成績が上がり得ると私は思うわけです。だから、これはいま人的に、少々組合に対しては悪いことがあったって、これはできているのですよという受けとめ方であるならば、私はそれはもう、一言なかるべからざることであって、そのままには私は看過することはできないと思うのです。そういう意味から言って、優秀な人材を吸収して、そしてそういうことができるような人的な組織あるいは待遇その他の運用というものに対してはこうしなさいと言っておるのですから、この問題についてひとつしぼって、何と何と何をやって、どうなってきているのだ、いま起こっておることはこうなのだということをはっきりと言ってもらわないと、もうわずかなことにとらわれて、また中労委に提訴をして、よけいこの紛争を長引かせるようなことをやることは、私は附帯決議に対して大いに間違っているのではないかと思うのですが、この点どうですか、はっきり言ってください。
○政府委員(田中好雄君) 人のほうの問題でございますが、当初の人員に比べまして、現在では六百名近い、六百名をこえたと思いますが、そのくらいにまで定員の増をはかりました。それから主任研究員その他につきましても、大学の先生方の交流ができるようないろいろな制度、客員制度のようなものもできているわけでございます。それから研究費のほうでございますが、研究事業費のほうにつきましても、昭和四十一年に比べまして四十六年は倍になっている。このようなことで、鋭意努力してきたわけでございます。
○大橋和孝君 それでは、あなたのほうは倍になっているとか何とか言っているが、もう少し詳しく、公務員と比較してどれくらいいいのか、数字でひとつもっと詳しく説明してください。ことに、科学技術庁としてはどういうふうにこれを把握しておられるのか。一つ二つでなしに、もっと具体的に数字で説明してください。
○政府委員(田中好雄君) 研究所研究員の関係で申しますと、理研の方々の平均を申しますと三十六・九歳だと思いますが、これに対しまして八万七千円ぐらいになっております。公務員のほうは三十九歳でございますが、これに対して七万四千円ぐらいというのが手元にあるわけでございます。数字から言いますと、こんなふうになっております。それから理研の、法人間の給与を多少調べてみますと、理研の給与につきましては、たとえば例で申しますと十七年経過しました方が十万三千円、その他はだいぶ低うございまして九万から十万程度、十万が一件ある程度でございます。
○大橋和孝君 これ、もっと詳しいことを、あなたのほうでとらえられたやつを表にして、きちっと一ぺん示してください。私は、あとからこの問題についてはあなたのほうと詰めてみたいと思います。あなたのほうでとらえておられる、ほかの法人、公務員と比べてどうなっているというやつを、全部詳しくリストをあげてください。お願いいたします。 それから、もう一つここでお伺いしておきたいのは、昭和三十三年の三月の五日だったか、二十八国会の科学技術特別委員会において、そのときの国務大臣だったと思いますが、正力さんが、理化学研究所を特殊法人に改組することについて質疑を行なわれたときの答弁で、原研は公務員給与より二五%よい、そして理研もそれくらいまでにするのだ、こういうことを言っておられたわけですが、このことばの中は、先ほどちょっと委員長の話から聞いてみると、てんでもうずっと下がってしまっているという話でございますが、これはあなたのほうはどう受けとめられておりますか。
○政府委員(田中好雄君) その点につきましては、ちょっと資料が過去にさかのぼりますので、一ぺん調べてからお答えしたほうが正確ではないかと思いますが、私らの受けている印象で申しますと、そんなに差があるとは思っておらない次第でございます。
○大橋和孝君 そういうことがあってスタートしているのですよ。これはもう議事録を私も調べたりしているわけですから、根拠があるわけです。あなたもよく調べてください。そのことがよくわかっていなかったのでは、いま、ほんとうの指導ができないのですからね。事実そういうことがあったのだから。それをあなたが認識をせずに、調べてみなければわからぬということでは、トラブルのもとはここから来ているわけだから、それからしでいけないわけですね。 それがいまだんだんなしくずしになってしまって、先ほど委員長が申したように、博士号を持っている人が何千円か安いわけですよ、普通の公務員より。ところが、このスタートでは、人材を確保するためにと、そういうことであるからしてそれくらいのあれをしなさい、原研でもやります、理研でもそれをやるべきだと、こう言っておるのですから、こういう精神がもし盛られてずっと来ておるならば、トラブルは起きぬわけですよ。うそっぱちなことを言うてやっているからこそ、問題が起こってくるわけなんですから。うそを言ってはいかぬですよ、やはりこれは、あなた方がですね。そんな、うそが通るわけないじゃないですか。そういうところで、知りません、あとから調べていきますというような態度自身が私は不満ですよ。この大事な研究所を監督せんならぬ人が、そんな大事なことを、根本的な基本的なことなんだ、これは。その基本的なことを忘れているからこそできないわけで、これは一体、私がいま質問したように、この附帯決議なりこの制定のときの精神をあなたはどう受けとめているかと言ったときに、えらい受けとめていると言うけれども、中身はゼロじゃないですか。 こういう点からいったら、私は非常に遺憾に思うのですよ。それは、私も全然そういうことを知らないで言っているわけじゃありません。それは大蔵省のほうからもいろいろな予算で縛られたり、いろいろな例があったりして、そううまくはいかないということは、私はわからぬわけじゃありませんよ。わからぬじゃありませんけれども、そういう精神を持って、いかにそれを、前に申したようなことがうまくいけるかということで努力されることによって、やはりお互いに理解ができるわけじゃありませんか。あなたのほうでは知らぬが、かってにそれはそんな開くものとは違いますよという考え方でいけば、そういうことを知っている人たちは納得いかないわけですわね。ですから、むしろ監督しなければいかぬ人が火をつけているような形になるわけです。トラブルを起こすもとはあなたのほうにあると言っても過言ではないと私は思うのですが、どうですか、その点は。
○政府委員(田中好雄君) ただいまおしかりをこうむりまして、たいへん申しわけないと思いますが、よく調べまして申し上げたいと思います。いずれにしましても、現在、先生おっしゃいますように、ある程度の国家予算を使いましてやるわけでございますので、ある程度のワクぎめはやむを得ないことだと思っておる次第でございます。
○大橋和孝君 で、一度先ほどのいろんな作業をやってもらうと同時に、私はこの二五%の問題、それからいまもう三%ぐらい下がっているわけで、ときによっては博士の人たちはもう公務員の給与よりは二千何ぼか三千何ぼか下がっているという、こういうのを一ぺん私に全部データを出して示してください。私はそれをよく検討してみたいと思います。 これは、あなたいま私の誘い水のようなことによってうまいこと言って、国家予算があってなかなかうまいこといかぬという御答弁ですけれども、その予算のワクの中で、一体、そういうことの事実を受けとめて、どうそれを具現していくかという努力が見えないと、こちらのほうでは納得できぬですよ。科学技術庁ではこれこれの努力をしたけれども、しかし大蔵省の壁がこうなってきているから、その予算の関係でこうでありますよというものがほんとうに出てきて、そして組合の団交の中で、ああそうですかと、それだけ努力してもらったけれどもできなかったかと。じゃあ来年度はこういうふうにしてください。じゃあやりましょうということで、団交はうまくいくのじゃないですか。それを、もうあきませんということでほっておいたから、しかも、それがまた一体どうなっているかもわかりませんとか、調べてみなきやわからぬということではいかぬということですね。そういう点は、いまのようなさらっとした答弁ではなくて、真剣に私は考えてほしいと思うんですよ。やはり、こういうようなハイレベルな組合がもっとスムーズにいくということを示さなければ、日本の国の全体からいってもたいへんな問題になると思いますよ。 労働省、どうですか。労働省側から私きょうは労働大臣に来てもらって、よく話し合おうと思うんですけれども、労使関係がこういうような状態であって、あなたどう思いますか。たいへんじゃないですか。非常に知的水準の高い労働組合の中で、こんなようなつまらぬことで、わずか三十円、四十円で問題が、そして原資からいっても二十万から三十万の問題だ。こういうことでこれがうまくいかないので、そこのところに、何か認定のしかたがどうだとか、事実認定がどうだとかというようなことにこだわって、こういうトラブルを起こしている。これは労働界全体から見ますとたいへんな問題になるんですよ。きょうはあとから労政局長も来てくれるそうですからその点は一ぺん最後に聞きますけれども、あなた、いま聞いておって、この論議の中でどう思いますか。
○説明員(岸良明君) 私も、ただいまずっとこの両証人の御発言その他を伺っておったわけでございますが、かねがね、この理研の労使関係というものが必ずしも円滑にまいっておらぬということを、私も承知しておったわけであります。ただ基本的にやはり、先ほど来科学技術庁のほうでも申し上げておりますとおりに、労使関係の円滑なる運営というのは、労使の相互の信頼関係を高めていくということが必要なわけでございますが、むしろ、そういう観点に立って労使が誠意をもって話し合っていく、その中におのずから、いろいろな制約がございますけれども、解決の道が出てくるのではないかというふうに、かように存ずるわけでございます。
○大橋和孝君 振興局長ね、いまの二五%からだんだん下がっていることは表で示してもらいますが、この問題について、あなたはいまの御答弁では、いろいろ経済事情の圧迫もあるからやむを得ない、こういうようなお話ですけれども、真にこういうふうな状態を受けとめられて、あなた、いまの段階でこれをどういうふうにしていこうというふうに思われますか。こういうところに問題があるんだから、これを何とかひとつ壁を破るために努力しなきゃいかぬとはお思いにならぬでしょうか。そのことを、いまの時点でこれをとらえてみて、どういうふうにお思いになるか、もう一ぺん聞かせてもらいたいと思います。
○政府委員(田中好雄君) ただいまの事態は、確かにお話のとおり深刻な状況だと思いますが、私が先ほどから申し上げておりますように、中へ立ち入ってしまっては第三者介入のようなかっこうになりますし、できるだけ労使の関係で円満に解決をしていただくことをこいねがっている次第でございます。したがいまして、いろいろの御相談がある場合には、なるべく近寄れるような形でお話し合いを願うよう、しょっちゅうお願いをしておるところでございます。
○小谷守君 大橋委員の御質問に関連して科学技術庁にお尋ねをしますが、官房長に伺いますが、きょう配付された四十四年度の科学技術庁決算の概要の文書を拝見しますと、翌年度繰り越し額は五億七千八百余万円、また二千九百余万円の不用額を出しておる。先ほど来の大橋委員の御質問を承っておりますと、国会の附帯決議もありました理化学研究所の振興について、予算上の制約もあり云々というふうな振興局長のお答えでありましたが、わずか二十万やそこらの金額で、これだけ多年にわたる紛争を傍観しておるというふうなことは、私は許しがたい怠慢であると。これだけの不用額を出しておるじゃありませんか。五億をこす繰り越しを出しておるじゃありませんか。そういう中では理解のできぬことだと思う。理化学研究所に対する四十四年度の補助金は十一億六千余万円、四十五年度は十四億余万円、四十六年度が十五億をこえておりますか、というふうに承知をしておりますが、振興局長の先ほどのお答えでは、これだけの繰り越し、不用額を出しながら、なぜこの程度のことが消化できないかということについて、私どもどうしても理解できない。四十四年度の決算との関連において、もっと的確な御答弁を願いたい。
○政府委員(井上保君) 御答弁申し上げます。 予算上の繰り越し額、また不用額の問題でございますが、これは御承知のとおり、予算の使途項目がそれぞれこまかくきまっておりまして、それぞれの項目における個別の事由によりまして、それぞれ不用額もしくは繰り越し額というものが出るわけでございます。なお……。
○小谷守君 そんなことわかっておる。
○政府委員(井上保君) 御承知のとおりでございます。科学技術庁の予算と理化学研究所の予算でございますけれども、これも科学技術庁の、たとえば本庁の予算というようなものから理化学研究所の予算には持っていけないというようなこともございます。そういうようなことで、当初から予定しました金が、それぞれのところで、いろいろの事由によりまして計画と相違いたしましたものの集計でございまして、そういうものをあらかじめ予定することは非常に困難でございますので、そういう面から、研究所の予算をあらかじめふやしていくというようなことは非常にむずかしいのではないか、こういうふうに考えます。
○大橋和孝君 官房長が来たから、特に私は官房長によく聞こうと思っていたんですけれども、あなたが来てくれなかったから非常に困っておった。しかし、いまの御答弁は、官房長、それでいいのか。私は、むしろ官房長の答弁にはいま少し、労務担当が行き過ぎております、労務担当をかえてでもやらなければこれはいけませんというような答弁が出てくるくらいにならなければ、私はこの労使関係うまくいかぬというくらいに、私の腹の中を言えば、そうなんですよ。 そこへ向かって、わずか二十万や三十万の問題がそうむずかしくて――理研全体に出しておる金からみて、どれくらいのウェートになっておるか、私はほかに資料を要求しておきましたから、これからその問題についてはまた詰めますよ、次の機会に。これだけではありませんからね。しかし、科学技術庁として、この大きな科学の先端を日本がどういくかという視野に立ってやっていくときに、この附帯決議がちゃんとできていて、いま振興局長に非常に詰めて話をしているわけなんです。その附帯決議をどうすのだ、それに対してどういう具現をしようとやっているかということをいま詰めてきたわけなんです。それにもかかわらず、この予算の面から、いま小谷理事のほうからも、そういうことから、大きなスケールの中から比べて、そこら辺のことでこだわってやるのにはあまりにも問題が小さいのじゃないかということだから、われわれは理解に苦しむと。私もその意見なんですよ、さっきから進めてきているのは。何のためにこの大事な委員会の中でこういう問題を取り上げなければならぬかということで、あまりにも理解に苦しむことをやっているからだということなんです。もっと前向きのはっきりした答弁をしなさい。できないのか、このくらいのことが。
○政府委員(井上保君) 予算を計上いたします段階におきましては、これはいろいろと、さっき振興局長からも御答弁いたしましたように、いろいろな政策的な問題も考えまして、予算の、たとえば給与額のアップ率のワク等を、これは国会で承認をいただきます国家公務員の給与アップの数字等に準拠いたしまして、それぞれきめてまいります。したがいまして、きめてまいりまして、予算が決定しましたあとにおきましては、やはり予算制度の制約がございまして、その中で一定のものに従いまして、会計に従いまして払いますわけでございますので、問題は繰り越し額あるいは不用額ということとの関係ではございませんで、むしろ問題は、予算を計上いたしますときの問題ではないか。したがいまして、振興局長からも申し上げましたように、予算計上の際の努力といたしましては大いにわれわれとして努力していかなくてはいけない、こういうふうに考えます。
○大橋和孝君 今度の問題は、だいぶ食い違いがあるし、まだ官房長自身もこの問題に対してもう少し研究してもらわなければいかぬ。したがって、この次までにあなたしっかりと調べておいてください。資料も要求してあります。いろいろな意味でもう少し研究してもらって、この問題、ひとつ詰めて話しましょう。きょうは十二時までに終われということなんで、ほかのほうのスケジュールもあるわけだから、私はできるだけ委員長にも協力申さなければならぬので、この問題はこの辺でとめます。まだこれで議論すれば一時間ぐらいあるわけですが、これはこの次にやることにいたします。 それから、私は簡単に詰めてお伺いしていきますから、ひとつ聞かしてくださいませんか。三月四日の日に、所側が中労委に再審査の申し立てをしたのですね。この、対抗上やむを得ないことだ、中労委に組合も行なっているとか、何か三月六日の云々と言うておるわけでありますけれども、実際、労使間の話し合いで地労委の命令に基づいて交渉がまとまっていくように、監督官庁としては一体自主解決をする線でもっと進めていこうとするのか、あるいはまた、承認申請をしてこい、こういうふうなことを言っておるのか。私たちとしましては、中労委の再審査の申し立てなんかもするのでなくて、もう少しこういう問題が、わずかな問題であるから、組合とよく話し合いをするように指導するというふうな形にぼくは踏み切ってほしいと思うのですが、この点についてどうですか。ちょうど官房長来られたから、そういう方向でもう少し自主的に話し合いをさして、組合との団交を正常化さして、そしてこれを片づけてしまうように、一挙にずっと進めるというふうな形がとられないものか、どうですか。
○政府委員(井上保君) 先ほど振興局長からたびたび御答弁いたしておりますように、労使間の問題で、監督官庁がその間に立ち入ります限度と申しますか、やはり常識的な範囲があるというふうに考えておりまして、先ほどからのお話の、中労委の裁定申し立てにつきましては、これは理事者側でよく内部で意思決定をされてやったことであるというふうに考えておりまして、これを取り下げろというふうなことを、こちらから積極的に指導する意思はございません。 それから、地労委の裁定につきまして、誠意を持って話し合えということでございますが、これにつきましては、従来の理事者側の態度は、非常に話し合いも円滑に進んでないような状況であるというふうに聞いておりますが、それにつきましては、理事者側ともっとその辺の事情を、どういう事情でそうなっているか、その辺の事情をよく検討してみたいと思います。
○大橋和孝君 それから、先ほど来旨っているように、三十円か、わずかの問題ですね、そういう問題を自主的にやらして、やらせることがなぜいけないのか。そういうことが、給与の規程か何かあるからして、承認を求めなさいともしあなたのほうがおっしゃるならば、どういう法的根拠でそれを求めようとするのか。この辺のところもはっきりしておかないと、わずかこの三十円の問題を、前向きだ後向きだと言っておったって何にもならないわけだから、これに対してはどういう処置をするのか。三十円くらいだったら、もう組合にやらしたらどうですか、自主的に。金額わずか二十万だ、合わせて。
○政府委員(田中好雄君) いま二十円、三十円くらいの問題ということでございますが、私がこの命令書をよく読んでみますと、両方の論点の差がちょっとわからない点があるのでございます。といいますのは、このときの争いの原因は、大学卒初任給二百円アップというところの何か表を、給与表にあげる、あげないの問題でもめたように書いてあるわけでございます。ここのところでございまして、お金の問題でなくて、表にあげるか、あげないかという問題になっておるように思います。 こうなりますと、表にあげますということになりますと、私のほうの承認が必要になるわけでございますが、事実この問題はこのまま過ぎております。私のほうにまだこの相談は来ておらないわけです。こういう事情にございますので、その辺のところは、団交によりましてまた話が私のほうにまいりますというようなことがありますれば、その時点で考えたいと思っております。
○大橋和孝君 それが一番の視点にもなってくるだろうと思うからね。むしろ、あなたのほうの考え方を所側にもおろして、そうして、わずかのことなんだから、予備費なんかの中で出るわけでしょう、このわずかな金は。そうして運営の面からいったら、二十万円、三十万円金が動かせぬような窮屈なあればかりじゃないわけなんだから、やり方によればぼくはできると思うのですよ、運営の中で。それが、やっぱり附帯決議で盛んに要求しているところなんだから、運営とか人的なそういう問題に対しては、十分配慮しなさいと言っているわけなんですからね。それはもう二十万も三十万も動かせぬ予算でありますと言えば言えるわけですね、いろいろな理屈をつければ。しかしまた、一面から言えば、そういうことができるくらいの余裕がなかったら、事実、運営ができないでしょう。私は、そういうようなことで、ほんとうに実のあることを行なわなければならぬと思うのですね。 それから、おそらく、基本的な問題でいまあなたはそうおっしゃるけれども、一体その問題は、どうしてもこだわっていかなければならぬ問題じゃなくて、まだ向こうから来ていないわけだから、それから考えるというわけですが、こういう問題はひとつ十分に消化をしておいてもらわないと、先にいってまたごてごてと紛争が長引くばかりだから、私は特にこれを配慮してもらいたいと思います。基本的事項といういまお話で、乗せるか乗せないかの問題だとかなんとか言っていますけれども、その点もう少しあなたの見解、いま言われるような私の線からいってもう少しはっきりしておいてもらわぬといかぬから、それでよろしいですか。
○政府委員(田中好雄君) ただいまの乗せる乗せないの問題でございますが、これ自体、四十三年度の予算でございます。したがいまして、四十三年度のものを現在においてどうするかということは、非常に技術的にむずかしい点がございます。なかなか、先生おっしゃるような前向きな話をいまからするということが、ちょっと不可能なわけでございます。
○大橋和孝君 特にそれはひとつ考えておいてください。これは相当前向きに考えなきゃ私はいかぬことだと思います。 それから、給与の問題ではまだたくさんあります。十二時になったからもうやめたほうがいいと思うのですがね。給与問題なんかについて、大学卒の初任給なんかも、二年目とか六年目でどういうふうになっているとか、それについてはやはり定款があって云々とか、いろいろ私も勉強さしてもらいました。ですから、こういうふうな問題で、定款の三十五条で承認が要るとか要らないとか、いろいろなことがあるわけです。まず引き上げ率についてもいろいろあるわけですが、こういう問題を、いま言っているように、四角定木でやってはなかなかむずかしい問題になる。もう少し自主性を持たして、組合と所側の話し合いによって円満に行く範囲の最大確認をしなければ、私はこういう問題は非常にむずかしいことですね。 ですから、ここで最後に私はあなたのほうの考え方を聞きたいのは、時間がありませんからこまかいことはこの次に延ばしますが、とにかく、この中労委にもう一ぺん出してやっていることに対して、これはもう長引く一つの大きな条件になるわけです。だから、あなたはこういうふうなわずかな問題を、何かに乗っているとか乗ってないとか、中労委の裁定の中にはこれがひっかかるとかひっかからないとかいうものがあるとしまして、私は、この問題を通じて、監督官庁としてひとつこれをどう処理していくか。そのためには、まだまだ係争しているから係争をそのままやらしておけ、こういうことをやっておけば解決はなかなか延びますね、そういうふうなことが、附帯決議なんかの問題からいって、ほんとうにいいのか悪いのかという観点から、私はそういうふうな紛争を何とか解決するように、もっと自主的に、いわゆる所側と組合側が話をして、そして、そういうものももし引き下げられるなら引き下げられるようにして、そして早く円満解決をする。この原資はわずかな金だからしてできるじゃないかというふうな観点から、もう少し監督官庁としては十分な指導をしてもらいたいと思うのですよ。これがなくては、もうわれわれ、やるならやれと、もっとこれを極端に言うならば、いま労務担当をやっているのがあまり筋とか理屈をこね過ぎているから、それに対する反発があるんだ、そういうことも含めて、もう少し円満にいくような人を立てながらいくのも一つの方法じゃないかと、私は実際行って見て帰ってきました。それは、個人攻撃をするわけじゃありませんよ、ありませんけれども、もっと抜本的に、それくらいまで、考えなかったら、こういう紛争は続くのですよ。続くことはマイナスなんですよ、いま言ったような、国会の立場から言いましても、国民の立場から言いましても。ですから、私は、ここでひとつ真剣なところをもって、やはり監督官庁としてやってもらいたいと思うのですよ。そういうことに対する決意はどうでしょうか、聞かしてください。
○政府委員(井上保君) 先生いま御注意ございましたように、極力努力いたしたいと思います。
○大橋和孝君 労政局長に、私はもう早う来んかと思って待っていたけれども、なかなか来てくれぬので往生したのですが、もう十二時までで私は時間がないというようなあれがありますから、ですから要約して申しますけれども、いま、この紛争の問題は、あなたも十分御調査で御存じだろうと思うけれども、ほんのわずかな問題ですよね。そしてお互いに、何といいますか、組合を弾圧していくような、組合に無理解な態度をしていくために、こういうことが起こってきて、また今度中労委にまで発展しようとしているわけですね。こうなれば、また組合とのトラブルは続いていくわけなんですよ。だから、私はいま話したように、善処すると官房長は言ってくれたから、これに期待しますけれども、労働省としても、少なくとも私が言いたいことは、こういうレベルの高い研究所で、そして、そこの組合の人たちが言っていることも私ずっと聞いてみると、そうむちゃばかりじゃないんですよ。それにわずかな、聞いてみると三十円の上乗せ、四十円の上乗せ、原資全体から考えてみたら、わずか二十万か、二十万ちょっとこえるぐらいの問題ですよ。金の額から計算してみると、ほんとうにわずかな二十万、三十万の争いなんですよ。それから、それがちょっと乗るとか乗らないとかいうこと、あるいはまた、いままでに二回ほど大きなトラブルがあって、それで大ぜいがやってきてつるし上げられた、これはけしからぬから、今度何人に制限しなければいかぬ、そのルールができるまでは団交しない、こんなふうなことがいま議論の焦点になっているわけです。 ですから、私はいま科学技術庁の官房長にもお願いしておきました。私は、長官によく言って、やってもらいたいと思いますが、ひとつ前向きにこの問題はおさまるようにしようと言ってくれていますが、もう給与やほかのケースから、いろいろなことを考えてみますと、わずかなことなんですよ。ですから、私は、少なくとも労働省のほうにおいては、やはり労働者の味方として、どうあるべきかということを、正しい判断をしてもらうのが労働省なんですから、そういう判断のもとに、こういう問題が即刻ひとつトラブルがおさまるようにしてください。 それから、こまかいことは先ほど申し上げましたから議事録を見てもらってもわかるし、あるいは調査をしてもらったらよくわかるわけだから、実際からいえば、私は、組合の言うことをある程度吸い上げて聞いてもらうならば、この問題はすっといくわけなんです。むしろ、どこに焦点があるかといえば、労務担当の人がかたくななことを言って組合を弾圧しているからだと、私はそう断ぜざるを得ない。ですから、そこのところまで含めて、とにかく円満にいくような方法はどうあるべきかということで徹底的にやってもらうなら、私はもう少しうまくいくと思うんですね。ですから、その点について、ひとつ労働省のほうでも、労働大臣に意見具申してもらうとともに、局長自身もひとつこの問題に対しては積極的にやってもらいたいと思う。これはこの次の機会をとってもう一ぺん、あとの給与の点やらいろいろな点は、もう少し詰めて議論をしたいと思いますが、来られたばかりで議論の内容が少しおわかりでないかもしれぬけれども、かいつまんで言えばそういうことなんです。所信のほどを伺いたい。
○政府委員(石黒拓爾君) 理化学研究所の問題につきまして、私どもも非常に心配をいたしておるわけでございます。で、理研に限らず、政府関係の特殊法人につきましては、いずれも一応労働組合法の適用がありながら、同時に政府関係の特殊法人という特殊性、公共性を持っている。それに従ってまた、法律上、事実上いろいろな制約があるということで、この間の調整は非常にむずかしい問題でございます。これを解決するには、当事者が良識を持って話し合いをする、良識が何よりも必要でございます。お互いがその立場を認め合って、譲るべきところを譲るということが必要であると存じますが、同時にまた、関係官庁も十分に考えなければならない点があると思います。実はこれは数年来、各特殊法人につきまして似たような問題が非常にたくさんある問題でございます。ただいま直ちに一刀両断ということは非常にむずかしゅうございます。少しでも前進するように、私ども関係省とも御連絡して努力しているわけでございまして、さらに今後一そうの努力を続けたいと考えております。
○委員長(足鹿覺君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午後零時六分休憩 ―――――・――――― 午後一時七分開会
○委員長(足鹿覺君) 委員会を再開いたします。 昭和四十四年度決算外二件を議題とし、休憩前に引き続き質疑を続行いたします。 御質疑のある方は、順次御発言を願います。
○黒柳明君 行管長官がおくれてお見えになるらしゅうございますから、監察局長のほうから御答弁いただきたいと思いますが、昨年、行管で各省の公益法人の監査を実施し、各省に対して勧告をしたと、こう思いますが、その後各省それを受けてどのような行動をしているのか、この点からひとつ承りたいと思います。
○政府委員(小林寧君) 行政管理庁では、昨年の十二月二十一日、各省庁に対しまして公益法人の監督行政の改善について勧告いたしました。その翌日――二十二日でございますが、総理府において開催された各省庁の文書課長会議におきまして、勧告の趣旨及び監察結果の概要を説明しました。この席上で、公益法人監督事務連絡協議会を設置しまして、勧告の趣旨に沿って公益法人監督事務の改善方策を検討することになりました。なお、この協議会には二つの小委員会を設けまして、設立許可の統一基準の作成、提出書類の範囲、期限等統一的基準の作成等、関係省庁が共通的に処理すべき事項について検討をすることとなっております。本年一月以降、この小委員会におきまして検討を進めており、おおむね三月中に検討の結果を取りまとめるべく作業中でございます。行政管理庁としては、勧告に対する各省庁の回答を待つ間においても、勧告の趣旨の徹底を期するため、各省庁と接触をはかり、改善措置の促進を注目しております。 なお、今後においても、各省庁の回答を確認した上で、具体的な改善施策の浸透状況を見守っていきたいと思っております。 以上でございます。
○黒柳明君 勧告の中の一項に、現職の公務員の役職の兼務はやめるようにと、こういう一項があったと私は思うのです。当然、いままでも公私混淆の面が指摘されてきましたし、そういう方面から勧告が出されたと、こう認識していいかと思うのですが、いかがでしょうか。
○政府委員(小林寧君) 勧告の大きな柱の一つといたしまして、指導監督すべき立場にある主務官庁の現職の公務員がその監督を受けるべき法人の役職員等を兼務しているということは、これは厳に抑制すべきであるということになっております。この趣旨に従いまして、各省庁においても、こうしたような点を大いに抑制するように検討し、またそういう措置をとったところもございます。先生の御指摘のとおりでございます。
○黒柳明君 そこで、建設省のほうにお伺いしたいのですが、官房長にお伺いしたいと思いますが、四十三年から四十六年まで、公益法人から金をもらって、そして海外旅行をした人の人数、それから、外国旅費の予算で、建設省の予算で海外に行った人の人数、三、四、五、六あたり、トータルでおわかりになれば。
○政府委員(大津留温君) 昭和四十三年におきましては、国費をもって海外旅行を命じました者が十九名、外部からの依頼を受けまして出張を命じました者が十八名。四十四年度におきましては、国費による海外出張を命じました者が二十二名、外部の依頼による者が十六名。四十五年度におきましては、国費による海外出張が二十五名、外部の依頼による者が十四名。四十六年度におきましては、国費による者三十一名、外部の依頼による者が二十名でございます。
○黒柳明君 トータルは、そうすると、国費で行った者三、四、五、六の四年間で九十七名、公益法人からの者が六十八名と、そうなるかと思いますが、よろしゅうございますか。
○政府委員(大津留温君) そのとおりでございます。
○黒柳明君 私言うまでもなく、御案内のように、公務員の旅費規定の四条には、当然国庫の予算の範囲で公務として海外出張等を許すと。四十六条それを受けまして、若干の例外規定もあると、こう書いてございますが、あくまでも例外規定の場合には、建設省から行く場合に、外務省の依頼を受けて、外務省の予算の中のワクで行くと、こういうケースもあり得ると、民間の規定はない、こういうふうに私は承知しているわけでありますけれども、まあ例外も、あくまでも公務員の旅費規定の中では民間からということはこれは述べてないわけです。例外は私はあるかと思います。しかしながら、例外はあくまでも例外でありまして、この場合には、はたして九十七と六十八という数字が、その四条、さらにそれを受けての四十六条の例外に当てはまるかというと、私はちょっと、もし例外とおっしゃるにしては、あまりにも数が多いのではなかろうか。これは例外に入らないと私まこう認識したいと思うのですけれども、このような観点――まだ具体的にいろんな問題がありますけれども、まず、この数字の上、旅費規定の上からどのような判断をお持ちであるか。
○政府委員(藤尾正行君) 私が、建設省におきまして、大臣とともにその責任を負っておるものでございますから、この立場から申し上げます。 ただいま黒柳委員から御指摘のような、ただいままでのような海外出張が行なわれておったということを承りまして、私もまことにただいま驚いたようなわけでございますけれども、まことに遺憾千万でございます。いやしくも国家の公務員であるべき者が、国家の国費の支出なくして民間の委託を受けて外国に出張するというようなことは、あるべきものじゃ、ございません。したがいまして、その数が何名であれ、そういう者がいままであったということは、一にこれ建設省におきまする綱紀の乱れでございます。したがいまして、率直にここにその乱れを認めさしていただきまして、今後ともこのようなことが一件たりとも起こらないように厳重に注意をし、そのようなルーズな運営をしておるという者に対しましては、厳重に処罰をいたす覚悟でございます。そのように御承知置き願いたいと思います。
○黒柳明君 もう政務次官にそう言われますと、私はそのあとにもうすべて何にも言わないで済んじゃうような気がしますが、ただ、私の持ち時間まだ三十分ぐらいありますので、若干私、調査した内容がありますので、あくまでも、しさいにわたっては私も控えたい点もありますので、ただ、政務次官も御認識していただければ、さらにその処罰云々の問題の作業も進むんじゃなかろうか――私は別にそんな処罰なんかするケースじゃないと思いますけど。ひとつ、この綱紀の乱れということに対して、特にこの公益法人、もう何回も指摘されております。総理もこれに対して重大決意で臨んで、しかも行管長官も取り組んでいるわけでありまして、ひとつ、いまのお覚悟のほどを――私の資料をもう一回お聞きいただきまして、さらにその上に立っての実質的な作業をお進めいただければと思いますが。 私が調べた中では、いろんな公益法人があります。いまの四十三、四十四、四十五、四十六、道路協会、あるいは河川協会、国土開発協会等々から、四年間で六十八名行っているわけでありまして、政務次官、たとえ微少たりともまかりならぬと、こういう前向きの御答弁で、非常に私も確信を持てるわけでありますが、たとえば、こういうケースがあるわけであります。 これは最近の四十五年、これは建設省の土木研究所所長ですね――すみません、個人名あげますが、伊吹山四郎さん。フランス、オランダ。四十五年六月三日から六月十四日まで十二日間。六十一万九千八百円。 それから、道路局路政課長補佐末吉興一さん。米、英、オランダ、ドイツ、スイス、イタリア、フランス。四十五年九月三十日から十月二十九日まで三十日間。七十四万九千八百円。 あるいは、土木研究所の企画部企画課長さん。フランス、イタリア、ドイツ、イギリス。四十五年十月三十一日から十一月十四日まで。六十万四千八百円。 以下、四十四年、四十三年――個人の名前をあげたことは、決して私この人に恨みも何もあるわけじゃありません。問題を具体的にするために、あるいは御当人には御迷惑がかかるかと思いますが、事実なものですからひとつお名前をあげさしていただいたわけでありまして、四十四年もしかり、四十三年もしかり。こういうことで、いまおっしゃったように、民間法人から金をもらって外国出張している。 しかも、これはもう想像にかたくないと思いますが、具体的には控えさしていただきますけれども、この道路協会にしましても、あらゆる業界が、業者が、業界の代表が役員に入っております。現実にそこから特別寄付金、要するに金も入っております。それからさらに調査委託費も政府から出ている、こういうようなことであります。そうなると、どうしてもやっぱり、何も業者の金で海外出張したとは言わなくても、そういう資金が入っていることについては、非常にやっぱり疑惑を持たれざるを得ない、公務員の姿勢としまして。さらに、先ほど行管のほうの勧告、公務員と公益法人の公私混同、癒着の姿勢。この勧告が建設省としてどう受けとめているかという疑問もまだここに残っているのではなかろうか、こういうことであります。 さらに、いまの調査委託費、もうちょっと具体的に、ちょっとここで――政務次官お知りじゃないと思うんです。御存じないんじゃないかと思うんです。たとえば、こういうケースがあるんです。四十三年は調査委託費が道路協会に千二百八十二万出ているんです。ところが、使わないで、翌年度繰り越しが九百三十四万。さらに四十四年は建設省から調査委託費が千八百七十万。またこれ使わないで、四十五年繰り越しが八百六十三万。さらに、それが四十五年になりますと、これは約千六百七十万――まだ決算はいま四十四年の決算ですからね――さらにそれが五百万ぐらい繰り越しということになります。じゃあ何のために委託調査費を出しているのか。その委託調査が六割から七割全部繰り越して、しかもそれは、四十三、四十四、四十五、四十六見ただけでも、毎年毎年過半数が繰り越されている。こういう建設省が委託調査費をなぜ道路協会に出さなければならないのか。これも、河川協会も、あるいは先ほど申しました国土計画協会等々も、こういうケースが見られる。これは明らかに、委託調査という名目で、極端に言えばですよ、この金で、自分で委託調査費をつけて、自分でその金で海外出張しているのかと――まあこういうことはないとは思いますけれども、そういう疑惑もここで目を向けられてもいたしかたないようなこういう金の配分になっている、こういう面もここにはっきり出ているわけであります。これがまた四十六年にこういうことになると、それこそ行管の勧告どこ吹く風と、あるいは委員会でたびたび――これは私覚えているだけで五回目なんです。もう公益法人のことは今回でやめにしたいと、こう思いましているわけですけれども、あまりにも、やればやるほど改善されていない面が出てきていますものですから、いま取り上げているわけでありますが、さらにいまの民間法人からお金をもらって海外出張をしている。委託調査費が非常にでたらめである。さらに、まあこれはちょっと官房長のことになって、申しわけない――内規つくっていらしゃいますね、内規をつくってこれを正当化しているんではなかろうか、こういう私は疑問を持ったんです、官房長とお話ししていたときに。あくまでも法律が優先する――言うまでもありません。その法律には、ちゃんと国家公務員の規定がのっかっているわけです。もしもこの内規をルール化することかあたりまえとなっているとすると、これこそ、これもまた一つの大きな問題ではなかろうか。さらに私は、これこそ、まあ課長、係長じゃない一課員の問題ですから具体的に名前はあげませんけれでも、同じ公益法人から海外の留学奨励金というような名目でせんべつをもらっている。まあせんべつをもらっているケースも中にありますけれども、こういう、協会とやっぱりなれ合いでそういう委託調査費の水増しとか、海外の出張費とかになりますと、このせんべつ金までも何か白い目で見られる、こういうケースもここにあるんではなかろうかと、こういうような――これは私の調査であります。私の調査と同時に、官房長ともこの点いろいろ話し合いましたが、ひとつまず官房長、あるいは政務次官でもけっこうです、もう私、申しましたように、先ほどの答弁いただけば、私すべてこれは、何もこまかいこと申さなくとも――さらに言うと、政務次官、こういうことなんですよ。この目的、調査目的ということに対すれば、何を調査しに行ったのかということになりますと、これは具体的に私言いません。アメリカに行ってるんです、ある人は。ある人はアメリカに半月以上行ってます。道路事情の調査――ラスベガスに行ってマイアミに行って――これはラスベガスの道路調査あるでしょう。マイアミでも道路事情の調査をやって悪いとは私言いませんよ。ところが、ラスベガスというところはギャンブルの町でしょうね。マイアミというのは観光地、一年中避暑の地でしょうね。もしこういう個所が出ていただけでも、これは幾ら正当化しようと思ったって、おかしいなと思わないほうがこれはふしぎなんです、そうでしょう。それからもう一つありますよ。このせんべつ旅費、官房長と話したときには、公務員の旅費規定に準じて払った――確かにこれを見ますと、たとえばカナダ、アメリカ十五日、四十九万二千百五十円、確かにいいんです。妥当なんです。これだけでそれじゃ行っているのかどうか。業者からせんべつもらって――何かもらってませんか、もらってますよ。そういうことになりますと、それこそ私は、そういうこともあるいは御存じで政務次官が処分しますとこうおっしゃったんではなかろうかと、ならば私何も言う必要はないとこう思ったわけでありますけれども、こういうことまでこれに付随してくるんです。だから、何回も言うように、こういう公務員と公益法人との、しかも民間の金が入り、国民の税金が入る。そういう金の運営については、それこそ透明なほど透明じゃなきゃならない。にもかかわらず、そういう、あらゆる角度から疑惑を持たされるようなこういうものについて――まあ間もなく長官がいらっしゃいますけれども、いま政務次官、四点、五点ぐらいにつきまして、私の調査に基づいて――これは私の私見をまぜて言ったわけでありますけれども、またもう一回いまのお話をお聞きになって、どのようにお感じになるかということを、ついでかと思うんですが、いかがでしょう。
○政府委員(藤尾正行君) 先ほども申し上げましたとおりでございますけれども、特段と私ども建設省などというところは、御案内のとおり、道路にいたしましても、河川にいたしましても、あるいは住宅にいたしましても、その他都市関係におきましても、膨大な金を使っておるところであります。したがいまして、それだけ膨大な予算を消化をして仕事をやっておるという、その当面の衝に所属をいたしておる者が、いやしくも、いささかでもそういう疑惑を国民に感ぜしめるような行為がある、そのことだけで、これはいけません。ましてや、ただいま黒柳委員の御指摘のように、出張名目はともかくとして、アメリカに行って、ラスベガスへ道路視察に行ったり、あるいはマイアミに河川視察に行ったりというようなことがあるというようなこと自体、私は、役人といたしましての綱紀の問題に照らし合わして考えられなければならぬ非常に大切な問題だと思います。したがいまして、金を使っておればおるほど、こういったことに対しましては厳に注意に注意を重ねて、いささかでも疑点がないというところにするのがあたりまえでございまして、そういったことがいやしくもなかったということは、まことにお恥ずかしいことで、ここにも官房長以下人事関係の者おりますけれども、こういった者の責任もまたきわめて大きい、私はさように考えます。したがいまして、これは大臣ともども、私どもが責任をもちまして省内の綱紀の粛正をあらためて見直させていただいて、それについてこのような処置をしたということを当委員会に御報告をさせていただきます。確かにお約束を申し上げますから、そのようなことで御了承いただきたいと思います。
○黒柳明君 ますます、私がいままでやったこの公益法人問題に対して、非常にやっぱり前向きの結果が出るのではなかろうかと自信を持った次第であります。ひとつよろしくお願いします。 長官ですね、いまの、大体政務次官から非常に前向きな答弁いただいたんで、私の発言の余地がないぐらい私自体非常に心強く思っているわけでありますが、簡単にいままでのことを繰り返します。 これは建設省だけじゃないんですけれども、公益法人と公務員との癒着の問題、民間法人からお金をもらって海外出張している、それが毎年重なっている。しかも、建設省から公益法人に出ている委託調査費が年々度余って、毎年繰り越されている。あるいは、もう一つ政務次官に指摘するのを忘れました。実は、いまの人たちが行った報告をこれに出すんです。ここでも一人出ています。それで、行った報告をこれに出して、これから原稿料をもらっているんですよ。これも不届きだと思うんですね。これは四十六年十一月、一番最近のものです。行くでしょう、それで会議に出ますね、何とか会議に。そのリポートをこれに出すんですよ。原稿用紙で、そうですね、二十枚くらい。それで、これで原稿料をもらっている。それこそ、こんなものトンビに油あげですよ。これは何でまかなわれているかというと、ほとんどこの問題は過去に指摘しました、いわゆるあくまでも協会の純粋な金かというと、これに対してのいろんな委託助成金、補助金も出ている。こういうことは、これまた具体的に、失礼ですけれども、アルバイトに原稿料かせぎということもこの海外出張の中には含まれている。これは四人も五人もいるんですよ。そういう事実もここにありまして、これを言うのを忘れました。四十五年九月、四十五年十一月、四十六年二月、四十六年三月号、これを見ていただきますと、先ほど指摘した名前あるいはそのほかを含めて、みんな原稿を寄稿しております。その寄稿した原稿は、「HRB第五〇回年次総会に出席して」というもの、あるいは「IRM第六〇回世界道路会議出席報告」、あるいは「フランスにおける民間企業による道路建設」、「BIARC等の会議出席報告」、全部会議に出席した報告をここに寄稿して原稿料をもらっている、こういうこともこの中には含まれております。ですから、こういう癒着ぶりについて、いま建設政務次官のほうから、徹底的に改善してこの委員会に報告するという大上段の改善意思というものが指示されたわけであります。私は、今回、この公益法人、まだまだ厚生省、通産省、すべて取り上げて、それで行管長官の意見をお伺いしようと思ったのですが、時間が制約されておりますので、建設省だけと、こういうことなんですが、限られて質問するのですが、さきに総理大臣が予算委員会で、運輸省に対しまして、調査しろ――その結果がついせんだって活字になって、テレビの画面になって公表されました。非常にいいことだと思うのです。ところが、残念ながら、私、行管だけの調査、百九の抽出調査だけ、その勧告だけですと、弱いのじゃなかろうか各省庁――十二省五庁、この公益法人をみずからの手で総調査する。そうすれば、私がこう五回にわたって、あるときにはいまの公務員と公益法人とのお金の問題、あるいはあるときにはこういう出版物の問題等々部分的にやりました。とても四千四百の公益法人すべて私が足を運んで調査するわけにはいきません。ところが、それは各省各局間になると簡単な作業なんですよ。それをみずからの省で、みずからの庁で調査して、その結果を、先の運輸省みたいに、またいまやろうとする建設省みたいに、すべて公表される。それで、みずからの非はみずからで直していく、その前向きな方向に持っていってこそ、この十二省五庁にわたる四千数百という膨大な公益法人、しかもたびたび国会でその不備を指摘され、行管庁が一生懸命に摘出調査して勧告をしている、その勧告の内容も実質的に改まっていくのじゃなかろうかという私の-いままで私が足で調査して、国会で取り上げ、その感触からお聞きする問題です。本来ならば総理大臣に発言していただければいいかと思いますけれども、まあ行管庁長官としまして、この問題に全面的に取り組んでいる立場から、そのようなお考えで十二省五庁、公益法人をみずから全部総点検しなさい。その結果を国民の前に公表しなさい。それによってみずからの姿勢を正す方向に早急にいきなさい。こういうことでもやらないと、いつまでたってもこの公益法人の問題は国会であとを尽きることなく取り上げられていく可能性が非常にあると思うのですが、いかがでしょう。
○国務大臣(中村寅太君) 公益法人と、指導監督の立場にありますところの行政機関との関係というものは、きょうもおそらく黒柳委員から指摘なさったのだろうと思いますが、先般も私は黒柳委員からつぶさにお話を聞いたのでありますが、この問題に対する批判というのは、非常にきびしい批判の形で、あらゆる機会に出ていることは、私もよく承知いたしております。これは、行管といたしましては、監察等をやって努力をしておりますけれども、いま黒柳委員も申されますように、行政管理庁だけの手ではなかなか負えないだけの膨大な数になっております。私はやはり、これを方向を変えていくためには、先ほど建設政務次官からきつい処置の御意見が出たところでございますが、私はやはり、各省庁がいま藤尾政務次官が言われたような態度で対処してもらうということでなければ、行管だけで何ぼ努力をしましても、なかなか実効は完全にあがっていかない、かように考えますので、いま黒柳委員が指摘なさいますように、各省庁に私たちのほうからもそういう意図で強く要請をする。さらに私は、行管として、今後こういう公益法人を許可するときに、もっと厳密な点検といいますか、調査するというくふうが必要である。一ぺん許可しますとなかなか廃止しにくいのは、これはもう御理解していただけると思いますので、今後許可する場合に十分厳密に調査するということと、同時にやはり、いまの世論の批判を受けております点は、むずかしい面もありますけれども、そのむずかしさを乗り越えて関係各省庁が責任を持ってやはり対処すべきものだ、かように私も考えますので、各省庁の大臣にそういう意図をよく伝えまして、目的を果たすことのできるように努力をしたい、かように考えます。
○黒柳明君 時間もあれなので――結局、これが建設省の分で、まだ厚生、通産がこれだけ残っているわけです。ですから、私これもきょうはと思ったのですけれども、やはり時間の関係や各委員会とのかね合いがありますものですから私は省略する。こんなことは指摘しなくても、この次にはもうすべて改善されれば、私はもう何もこんなもの指摘したくない。総理みずからこれに対して大上段に、やはりすでに予算委員会で、調査しなさいと言っているわけであります。ですから、いまの大臣のお話、総理に報告して各省の大臣にと、こういうふうな御答弁もありましたので、ぜひとも閣議にでもこういう問題を提起しまして、それで各省の大臣みずからみずからの省の姿勢を正していけば、やはり非常にすみやかに、またたびたびこういう問題が当委員会で取り上げられなくても済むのではなかろうか、こういうふうに思うわけです。ひとついまの御答弁、すみやかに実行に移していただくよう要望いたしまして、私の質問を終わります。
○委員長(足鹿覺君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(足鹿覺君) 速記起こして。
○中尾辰義君 私は、宇宙開発事業団のロケット開発並びに宇宙衛星の打ち上げ計画につきまして若干お伺いしたいと思います。 開発事業団は、四十四年の十月発足以来、ロケット及び衛星の開発を今日まで進めてきたわけでありますが、それもようやく実験衛星打ち上げから実用衛星打ち上げへの計画が進行をしているわけであります。しかし、その開発計画は、すでに四十四年のQロケット開発計画からNロケット開発に変更になったわけでありまして、これに関して、はたしてこのような計画で気象衛星、あるいは放送衛星、通信衛星等のユーザーの要求する実用衛星が打ち上げ可能になるのかどうか、私ども非常に疑問を持っている関係で、この計画の経違、変更のいきさつ、さらに現在の衛星打ち上げ計画、そういうものにつきまして最初お伺いしたいと思います。
○政府委員(千葉博君) まず、従来のこのQロケットの開発を中止いたしまして、そうしてNロケットの開発をただいま計画が遂行されつつあるわけであります。それの改定されましたいきさつを御説明申し上げます。 前のQ計画におきましては、Q計画とそれから古いN計画と二つございまして、まずそのQ計画を遂行し、それでN計画に持っていく、こういうような開発計画でございました。その内容は、固体の燃料を中心とするQロケットの開発を進めまして、そうしてその成果をもとにいたしまして、さらにまた固体を中心にいたしましたNロケットを開発するというような計画にしていたわけでございます。それで、宇宙開発委員会は、この計画を昭和四十五年の十月に改めまして、それでQロケットの開発を中止いたしまして、液体燃料を中心とします新しいNロケットの開発に直ちに着手するということにしたわけでございます。このように計画が変更されましたのは、次のような情勢の変化によったためでございます。 その第一は、すでに開発が進められていましたこのQロケットについては、そのシステムデザインが進むに従いまして、十分な信頼性を持ってQロケットを完成するためには、その開発が当初の計画に比べまして相当おくれる。したがって、これに続くNのロケット、あるいはさらに大型のロケットヘの開発も相当おくれるということがはっきりした点でございます。 それから第二の点は、この静止気象衛星など重量が数百キログラムの大型の衛星の早期打ち上げの要望が関係利用機関からいろいろ出まして、ロケット開発にあたってはこれらの大型衛星の打ち上げに技術的につなぎ得ることを考慮する必要が出てきたという点が第二点でございます。 それから第三点が、宇宙開発に関します日米の政府間の協定に基づきまして、これは昭和四十四年の七月に協定が締結されたものでございますが、その後の具体的ないろいろな折衝の結果、いわゆるソー・デルタ・クラスの液体ロケットの技術がほぼ全面的に導入できるというような見通しがはっきりしました。こういったような情勢の変化を踏まえまして、このロケットの固体を中心としたロケットの開発計画を再検討しました結果、性能向上のために、その改良発展の可能性が比較的高い液体のロケットエンジンの開発にわが国として一刻も早く着手すべきであり、これによって将来のわが国の宇宙開発のポテンシャルを最も効果的にあげ得るというような結論に委員会で達しまして、それで計画が改定されまして、その計画に沿っていま新しくいわゆるNロケット計画が推進されているわけでございます。 それから第二点でございます。それではこのNのロケット、新しいNのロケット計画がいかに推進されていて、それが最近の需要者側の――利用者のユーザーでございますが、その側の要請に対してどうなのかというような御質問かと思いますが、その点……。
○中尾辰義君 それはまた次にお伺いします。 その前に、今回のNロケットによりますところの衛星打ち上げ計画、これは予算面におきましてどうなっておるのか。さらに、四十六年度以降の計画で単年度ごとにはどの程度に予算がなるのか、その辺のところをまずひとつ数字的に説明してください。
○政府委員(千葉博君) 過去の実績でございますが、四十五年度は百二億、それから四十六年度が百六億でございまして、四十七年度――来年度の政府の予算原案でございますと支出予算は百八十七億になっております。 以上でございます。
○中尾辰義君 ですから、このロケット計画は総額で私は大体二千億と、こういうふうに承っておるわけですが、かりに二千億と仮定して、単年度ごとにどういうように予算額は推定されるのか、その辺を私は聞いているのですよ。
○政府委員(千葉博君) 将来計画につきましては、この全体が概略二千億程度だと推定されておりますが、各単年度の予算につきましては、この内容自体がロケットの開発と技術開発という点でございますので、非常につかみにくいので、単年度こうなるというような点はまだはっきりしておりません。
○中尾辰義君 まあそれではけっこうですけれども、大体この二千意というものを今後の計画の進行に合わせて予算面等を考慮するならば、こういうような一説もあるわけですが、ただいまあなたから四十五、四十六、四十七年度は発表になりましたけれども、この説によりますと、四十六年度が百億、さらに四十七年度が百九十億、四十八年度が四百五十億、四十九年度が五百五十億、五十年度が三百億、五十一年が二百億、五十二年が百億と、まあこういうようなカーブをとっていくんじゃなかろうかと、こういうふうに出ております。私がなぜこれを――投資を聞くかと申しますと、当委員会はこれは決算委員会でありまして、国民の租税がいかに効率的に使われておるかということを検討していかなきゃなりません。あわせてそれに関連をいたしまして、今日、過去に行なわれた政策、あるいは今後行なわれるであろうところの政策等も、やはり効率的な使用という面から考慮しなければならない。ですから私は聞いておる。要するに、宇宙開発計画というものは膨大な二千億というような金を、国民の租税を使うのですから、ですからこの計画それ自体が最も効率的に慎重にいかなきゃならない、そういうことで私はお伺いしておるわけです。そこで、その計画によりまして今後、ユーザー側が要求するところのいわゆる気象衛星、あるいはまた放送衛星や通信衛星、そういうような実用の衛星打ち上げ、これは大体いつごろになるのか。また、その重量といいますか、宇宙衛星の大きさ、あるいは軌道、そういうものを、まあ要点のみでけっこうですから説明してください。
○政府委員(千葉博君) N計画をきめますとき、それからさらに現在もそうでございますが、ユーザー側の御意向は宇宙開発委員会の場におきましていろいろ伺って、それを現実に盛り込むというようなことになっております。それで、計画は、御案内のとおり、毎年毎年宇宙開発委員会の場でこれを見直しをしていくというようなシステムに相なっております。 それで、利用の計画でございますが、これにつきましては、まず通信衛星、それから放送衛星というようなものにつきましては、このN計画においてまず実験的にこの五十二年に実験用の静止通信衛星を――これは大体百キログラムでございます――これを静止軌導に打ち上げるというようなことを、これは計画なっております。それで、それ以後放送関係の小規模のものを上げていくというような御要望があるわけでございます。さらに、そのあと五十七、八年ごろには大規模な通信関係の衛星を上げてほしいという御意向もあるわけでございます。 それから、次に資源探査の衛星でございますが、こういったものにつきましては、まだ各国でいろいろ計画しているところでございます。国内のユーザー側からはまだはっきりした計画は出ておりませんでございます。これも、いわゆるN計画は五十二年まででございまして、それ以降に出てくるかというように推定をいたしております。この大きさその他については、まだどういったシステムであるかはっきりしておりませんので、明確にはなっておりません。 それから、そのほか測地の衛星でございますが、これにつきましても、測地の衛星についてのはっきりした利用計画はまだできておりません。これも本格的なものは五十二年以降において出てくるかというように推定いたしております。 それからいま一つ、最近いろいろ出てきておりますのは、気象観測に対するユーザーの計画でございます。これにつきましては、五十一年ごろに、いわゆるGARP計画と称しまして、国際的に静止衛星を四個上げまして、それでそのうちの一つを日本で受け持たぬかというような意向が、これは気象庁側のほうから出ております。非常にこれは最近突然と出てきたものでございます。従来も、Nロケット計画をつくった時点におきましてはそういった点は出ておらなかったのでございますが、これは新しいユーザーの意向としまして、昨年からこれが表に出てきたということでございます。これは静止衛星でございますから、三万六千キロくらいのところに上げるものでございます。これの重さは、アメリカでいま考えておりますのは、約二百五十キロから三百キログラムくらいの重さのものというように私どもは聞いております。これにどう対処するか、どういうふうにこれに対応するかという点につきましては、これは……。
○中尾辰義君 また順次聞きますから、一ぺんに言わなくても……。 それで大体わかりましたが、要するに、昭和五十一年ごろにおきましてあなた方のほうでやっと実験用の百キロ程度のものは打ち上げる、これも計画どおり順調にいった場合。そこで、私は本日、各関係の、気象庁、あるいはNHK、電電公社のユーザー側の方に参考に来ていただいたわけですが、ただいまお聞きのようなNロケット計画によりまして、ユーザー側の皆さん方がどういうような御意見を持っていらっしゃるのか、いろいろと御批判もあるようでありますし、まあこういうようなことではとうていわれわれの要求を満たすところまでいっていないとか聞いておるようでございますので、率直にひとつその御意見を拝聴いたしたいと思います。 一番最初に、気象庁の高橋長官にお願いしたいと思います。
○政府委員(高橋浩一郎君) ただいまの御質問に対してお答えいたしたいと思います。 先ほど千葉局長からも申されましたように、気象庁といたしましては、世界的な計画もございますけれども、日本の気象を把握いたします面から申しましても、GARP計画に合わせまして一個、東径百二十度の赤道上に上げたいと考えておるわけでございます。そういう点で現在――昨年度からでございますけれども、衛星の本体でございましょうか、そのほうの研究にかかっているわけでございます。それを上げますロケットにつきましては、これは気象庁ではできないわけでございまして、科学技術庁あるいは宇宙開発事業団にお願いするわけでございまして、その辺につきましてはいまそちらのほうの皆さんといろいろ打ち合わせて考えているわけでございます。そんなような状況でございまして、ロケットそのものにつきましては、私自身しろうとでございますし、気象庁もよくわかりませんので、そのほうと十分相談いたしましてやっていきたい、こう考えているわけでございます。
○中尾辰義君 きょうは、当委員会におきまして、ユーザー側の皆さん方のほんとうに忌憚のない率直な御意見を述べていただかないと、遠慮しながら、政府の顔を見ながらやっておられたんでは、これはなかなか正直なところ参考にならないと思いますので、お伺いしておるわけです。 そこで、私は再度お伺いしますけれども、要するに、ただいまNロケット計画の全貌が発表あったわけです。これでは、五十年から五十二年の間に百キロ程度のものは、これはしかも実験用として打ち上げは可能である、スムーズにその計画どおりいった場合ですよ。それにしても、気象衛星の場合は大きな三百キロ程度の実用衛星でないと間に合わないんでしょう。しかも、さっきも少しありましたけれども、世界気象機関といいますか、WMOとありますが、世界気象機関と国際科学連合――ICSU、この国際科学連合とが共同して行なう地球大気開発計画、これがGARP計画といわれているわけですが、それによりますと、昭和五十年から五十一年に四つの気象衛星、気象静止衛星を打ち上げる計画がある。それによりますと、米国が二つ、フランスが一個、わが国が一個打ち上げることになっているわけでしょう。そういう点考えますと、アメリカとフランスは、これは進んでおりますから、これは予定どおり打ち上げ可能じゃないかと思います。そこで、わが国のみがただいまのN計画によってずいぶんおくれた、こうした場合には、これはやはり国際間協調の時代でありますから、わが国の計画遅延によりましてこのGARP計画そのものがくずれることになる。くずれぬまでも、ずいぶん先に延ばさなきゃならない。そうしました場合に、世界の気象観測にかなりの支障を来たすという答えがあるわけですね。そうした場合に、わが国として、特に担当の気象庁として、国際間の不信を買うようなことにもなりはしないか。そういうことも私は考えながら、長官に率直な忌憚のない意見を伺っているわけでありますから、そういうNロケットの開発ではどうも間に合いそうにもない。もう少しわれわれ気象庁としては、こういうGARP計画に間に合うように、まあ時間を縮めて早く打ち上げてほしいとか、いろいろとあなた方考えていらっしゃる、そのまま御意見を聞かしていただければ、ありがたいわけであります。その点お願いします。
○政府委員(高橋浩一郎君) ただいま先生おっしゃったとおりでございますが、やはり気象庁といたしましてはユーザーでございまして、先生おっしゃいましたように一九五〇年――失礼いたしました、昭和五十年か五十一年ごろに上げていただきたいと考えているわけでございます。しかし、上げるほうにつきましてはいろいろな考え方もあるかと思いますので、そういった点につきまして、これから十分科学技術庁あるいは宇宙開発公団と相談いたしまして、どういうふうにやっていったらいいかということを今後十分相談して、ぜひ間に合わしていただく、こう考えておるわけでございます。なお、フランスにつきましては多少情勢が変わりまして、現在はフランス一国だけでなくヨーロッパにELDOというのがございます。そこでやれるようになったようでございます。ちょっとお耳に一言入れておきたいと思います。
○中尾辰義君 私は、科学技術庁と相談をして云々ではなしに、その前に、気象庁としてはこういうようにお願いしたい、要求をしたい、こういうときになるべく間に合うように打ち上げてほしいとか、こういうようなあなた気象庁としての御意見を私は聞いているんです。相談をしてきめる、これだけではせっかくお呼びした何がないんで、大体私はそういうことだろうと思いますけれども、もう一ぺんひとつ率直な意見述べてくださいよ、遠慮しないで。
○政府委員(高橋浩一郎君) 気象庁といたしましては、先ほど申しましたように、それに間に合うように上げていただきたいということをお願いしているわけであります。ただ、その方法につきましては、気象庁は要するに上げればよろしいのでございまして、方法と申しましょうか、それはこちらは問わないわけでございまして、要するに上げたデータが気象庁としてはほしいわけでございます。それで、その時間に間に合わせてやってほしい、こういうことをお願いしているわけであります。
○中尾辰義君 それでは、次にNHKの松浦専務さんの御意見をひとつお願いします。
○参考人(松浦隼雄君) 御承知のとおり、NHKを含めまして、放送界では現在すでに衛星は使っております。近くでは札幌のオリンピックあるいはニクソンさんの訪中等ですでに衛星による放送をやっておりますけれども、これはいわゆる通信衛星でございます。放送衛星につきましてはいまだ確定した計画がございませんので、あるいはユーザーとしてという御指摘でありますと、いささか戸惑うところがございますが、いま申し上げました通信衛星、これはインテルサット系でございますが、いままでインテル三号系を使っておりましたが、これは重量百二十九キログラム、大体地球局――地上局でのアンテナの大きさが二十五メートルないし二十七メートルというパラボラが必要だ、つまり地球上に降ってくる電界の強さが相当小さいものでございます。インテルサット四号系になりまして、これはこの間ニクソンさんの訪中で動いたやつでございますが、これが重量四百九十キログラム、スポットビームにいたしますと七メートル程度のパラボラアンテナで実用可能である。これが北京空港で七・二メートルぐらいのアンテナが使われたわけでございます。放送衛星となりますと、大体いま世界中で議論されておりますのが大きくて二・五メートルあるいは〇・九メートルという程度のパラボラを使わないと放送衛星とは言いにくい、こういうようなものでございますが、何分にも現在わが国におきましては放送衛星計画というものが確定してございませんので、そういう具体的にはお答え申し上げかねるわけでございます。ただ、昨年の六月、七月に、世界通信連合――ITU、国連参加の専門機関である――ITUで無線主管庁会議――これは宇宙会議、わが国のSC――スペース・カンファレンスがございまして、ここで初めて放送衛星に使う周波数、これが割り当てとして確定いたしました。それでまあ、現在このことはいずれも今後の問題で、世界中どこでも放送衛星というものはございませんけれども、そういうふうなことで使うべき周波数が確定したということから、ここ数年間にその放送衛星というものの計画がかなり具体化してくるのではないかというふうに見られるわけでございます。で、そういうふうにわが国に特別の放送衛星としての確定はございませんが、今年カナダがアメリカと協力してアニーク――ANIKというカナダの通信衛星が本年終わりに上がることが確定しております。続けて、大体昭和四十九年の終わり、あるいは五十年の初めに、同じくその系統の中で放送衛星に現在最も適していると思われる十二メガヘルツの波を使って約二百ワットの出力、合計出力二百ワットの星が上がることが一応計画としては確定しております。それからNASAのATS‐F、これは来年の五月に上がることがゴーが出ている問題でございますけれども、まだ上がってないから確実に上がるかどうかわかりませんが、計画を進行せいということが確定をしているものでございますが、このATS‐F、九百五十キログラムのNASAの応用科学技術衛星を使って幾つかの国が放送衛星の実験をしようとしております。七三年の五月に上げて、七四年にはまずインドが、これはアフリカの上空にその星を持っていって、いわゆる集団の放送衛星というものをやろうという計画を立てておりますし、ブラジルにおきましても、やはりこの間同じATS‐Fを使って、その前後の時期に放送衛星の実験をやっていく。続いて本格的な衛星を上げる。これは教育に資そうということでございます。それからアメリカ自身におきましても、ロッキー山系の、現在非常にテレビの普及がおくれているロッキー山地に向けて、このATS‐Fを使って実験放送をするという計画が進められておりますので、以上のような点から考えますと、大体現在から昭和五十年ないし五十一年ぐらいまでが、大体二百キログラム程度の星を使って、先ほど申し上げた会議できまりました波の開発、それから受信装置の開発並びに経済的低廉化というような実験が大体昭和五十一年ないし五十二年まで行なわれると、それ以後において本格的なものが出てくるのであろうというふうに考えられますが、その時期における一般的な話として申しますと、使われる星の大きさは大体二百五十キロ前後というふうに考えられます。
○中尾辰義君 それじゃ、電電公社お願いします。
○説明員(小口文一君) 電電公社といたしましては、公社の事情は、御案内のように、国内の通信をやっておるわけでございまして、衛生通信に関しましても、現在国内通信に使っておりますのは、御案内のように、マイクロウェーブの地上の通信、それから同軸ケーブルの通信、それからさらにもう少したちますと、少しずついま開発をしておりますけれども、海底同軸ケーブルを沿岸に使うというような通信を現在持っておりまして、そういうものにさらに加えて、将来衛生通信というものも国内通信として使いたいという希望を持っております。したがいまして、現在は、使い方としましては、国内通信系の自由度が、衛生通信でも宇宙を使った通信ができるようになれば自由度が増してきますし、それから回線の信頼度が増してきますので、ほかの通信がだめになったときに、衛生を使って通信をすることができるというような意味で、自由度が増してくると思います。 それから、非常に遠く離れた島で、ほかの通信ではもっと金がかかるところに衛生通信を使えば安くできるであろうというような三と、それから非常災害のような場合に使えるとか、そういういろいろなねらいを持ちまして、現在私たちめところの研究所で衛生通信の開発、研究をいたしております。これは、郵政省が主管いたします宇宙通信連絡会議というものがございますが、その一員として、われわれそこに協力しながら研究開発を進めているわけでございまして、私たちが現在やっておりますのは、マイクロ波及びもう少し周波数の高い準ミリ波と言っておりますけれども、そういうもののアンテナ系、それから衛生の場合はトランスポンダーといいますけれども、衛生に載っける中継装置ですね、そういうものの研究開発をいたしておるわけでございます。それで、現在のところは、先ほど来お話がございましたように、Nロケットが、五十二年に実験用の衛生が上がるということになっておりますので、私たちその百キログラムのNロケットにいまのような装置を積んで実験をしたいという希望を持ちまして、現在研究を続けておるわけでございます。
○中尾辰義君 それで、ただいまユーザー側の御意見を拝聴したわけですけれども、科学技術庁のほうも聞いておられたわけですけれども、このNロケット計画によりますと、まあ五十一年、五十二年ごろにやっと百キロ程度の実用の衛生を打ち上げられる、試験用の衛星ですね。それから、いまユーザ側が要求しておるような大型の衛生というものは、それからずっと何年かおくれて、それも実際できるやらできないやらまだはっきりわからないわけですが、まあ五十八年か六十年近くになるんじゃなかろうかというような見通しもあるようですけれども、そこにこれは非常に大きなズレがあるのですね。ですから、私どももそこにどうも不可解なところがあるわけでして、それでずっとこれからお伺いしますけれども、四十四年度の基本計画を四十五年度の基本計画に変えた、つまりQロケットからNロケットの計画に変更したおもな理由は、先ほども少しお伺いしましたが、どこにあるのか、その一変更の要因といいますか、再度ひとつお伺いします。
○国務大臣(木内四郎君) 先ほど来いろいる御質問がありました宇宙開発が非常におくれておるじゃないかという御意見、非常に御心配の様子、まことにありがたい次第でございます。 ざっくばらんに私はこの宇宙開発の問題について一言、二言申し上げておきたいのは、第一に、わが国の宇宙開発は他の先進諸国に比べまして非常におくれておる、ことにアメリカに比べて非常におくれておることは、否定することのできない事実でありまして、そこで、そういう状態でありまするけれども、何とかしてひとつわが国の技術も進めて、わが国において打ち上げるようにしたいというので、この宇宙開発事業団の設立をお認め願って、今日まで島理事長、非常に努力をしていただいておるわけです。その点が第一点。 第二点は、それで計画を四十四年に立てましたのですが、その当時におきましてもわが国は非常におくれておるし、それからまたアメリカのほうにおきましても、技術が非常に急速に進歩しつつある。そこで、四十四年の計画を立てる際におきましては、これはやはり世界の情勢の進行状態を見て、これを見直しをして、そしてよりよい開発方法があったらそれに改めていくべきじゃないかというので、四十四年の計画には特にそういう方面をはっきり書いておるわけでございます。 ところで、それができましてから情勢がだいぶ変わってきた点が二点ばかりあるので、その点を申し上げておきたいと思うのは、四十四年七月末日にアメリカのほうと協定ができまして、アメリカは今度はひとつソー・テルタ・システム――ソー・デルタ・システムというのは、日本でオリンピックがあったときにそのシステムによって打ち上げた衛星によって宇宙中継をやったわけですが、そのシステムまではひとつ日本によこそうということになりましたので、それに基づいていま申し上げましたように四十四年の計画というものは大幅に改められて、四十五年にこれが設定されたというのがいままでの経過です。 ところで、もう一つ申し上げておきたいのは、アメリカの情勢がまた非常に変わってきたのです。いままではこのシステムをソー・デルタまでやろう、ただし大気圏から地球に帰ってくるときの、大気圏から突入する際のところの技術は日本によこすことはできないということになっておりますから、そういう状態でありましたが、今度大きく変わってきましたのは、アメリカはもう、各国で非常に金をかけてやるよりも、アメリカでやってやろう、こういう一つの考えが、簡単に申しましてですね。その言い方は、パーチェス・べ-シスでひとつ日本のものを打ち上げてやろう、こういう申し出が去年暮れにこちらに申し入れがあったわけでございます。そういうような情勢でありまして、アメリカのほうの技術のほうも非常に変わっておるし、アメリカのほうのこれに対する扱い方も一また大きく変わってきている、これが第三点です。そういうようなわけで、いま申しましたように、わが国の技術は非常におくれておるが、何とかして世界のレベルまでひとつこぎつけていこう、もちろん月まで行くアポロのところまでなんということは考えませんけれども、実用の衛星のところまでは技術を開発しみずからの力でひとつこれをやっていくようにしたいというのがいまの状態ですが、そこでいまここでお聞き願ったように、気象庁、あるいはNHKさん、あるいは電電公社さん、こういうユーザーのほうの要求というものは、こちらの技術は間に合わなくても、国際関係でやはり気象衛星はひとっこちらで、まだ打ち上げる準備も十分にないけれども、国際関系で気象観測衛星を打ち上げなきゃならぬ、こういうようなユーザーの一つの要求です。そのほか、いまNHKさん、電電公社さんからいろいろありましたが、こちらに力はないが、何とかしてより大きなたまをひとり打ち上げなきゃならぬというような情勢になってきておる。それをみなあわせて考えますというと、われわれは、技術はまあ大いに開発して、自力で相当ないま皆さん方の御要求のようなものを宇宙開発事業団で打ち上げられるようになるべく早くしたいけれども、それにはやはり時間の制限がある。そこでしからばどれを選択したらいいかそれで間に合わない際に、どうしてもこれは国際関係その他で打ち上げなきゃならぬということになれば、アメリカは二つ打ち上げるけれども、欧州で一つ打ち上げる、日本で一つ打ち上げる。しかし、こちらはまだ準備ができておらない。そして、フランスもやはりまだ準備ができておらぬから、フランスもアメリカに打ち上げてもらうというような状態です。ところが、日本に対しては、ごく最近になって、ひとつ間に合わないなら打ち上げてやろうと、こういうような売り込みの申し入れも来ている状態です。そこで、こういういま私が申しました四つの――わが国の技術は非常におくれていてまだそこまで間に合わない、がしかしこれは着々として進めておるということと、それからソー・デルタまでの技術はよこそうといったことによってこちらの開発の進め方において大きな変化を来たしている、そこへもってきてさらにアメリカは打ち上げてやろうというようなことを言ってきた一つのこともある、しかし一方においてユーザーの方々はより早くより大きなものをひとつ打ち上げてもらわなきゃ困るというような御要求もあるので、その間においてどういうふうにこの場面を選択して乗り切っていったらいいかという困難な問題に直面しているというのが実情です。これはざっくばらんに申し上げた実情であります。その状態のもとにおいて、宇宙開発事業団は非常な努力をしていただいておるし、ユーザーの方々にはあるいは御不満の点もあるかもしらぬけれども、宇宙開発事業団としてはそれに向かって努力しておるというのが実情であります。
○中尾辰義君 大体わかりましたが、結局科学技術庁は、宇宙開発のロケットの開発につきまして非常に進歩がおくれているので、まあ極端に言えばちょっと戸惑っておるというようなところ、そこまでちょっと極端な言い方かもしれませんが、しかしすでにNロケット計画で予算もついておるわけですから、その辺ははっきりしてもらわぬというと予算のむだ使いになるので私は質問をしておるわけです。ですから、再度私はこまかく聞きますけれども、当初QロケットからNロケットに変わった、これはまあ利用者の要求に応じるためにということでしょうけれども、さっき質問をいたしましたように、どこが変わったのかといいますと、大体八十五キロ程度の衛星を打ち上げる目標であったものが、今度のN計画によりまして百キロ程度のものを五十一、二年までに打ち上げると、これ変わったんでしょう。もう一ぺんこれは確認しておきます。
○政府委員(千葉博君) ほぼそのとおりでございますが、従来のQロケットでは八十五キログラムのものを千キロメートルの円軌道に打ち上げるという程度のものでございました。それを今度のは、N計画では百キログラムのものを静止軌道に打ち上げるというような高度のものでございます。
○中尾辰義君 いずれにしても実験用であって、実験用はどこまでも実験用で実用には間に合わないと、大きさという点からいっても、そういうことでユーザー側の御不満もあるようであります。それじゃ実用というのは一体いつごろできるのかとなりますと、さっきお話があったように、これは一ぺん試験をしてから、その試験の百キロ程度のものが大体打ち上がったら、それから実用と。それでは実用の衛星が上がるのはいつごろかというと、あんまり見通しがないようであるけれども、しいて言えば五十八年から六十年くらいじゃなかろうか、こういうことですね。あなた要点だけ言ってみてください。
○政府委員(千葉博君) 実用のものは打ち上がらないんじゃないかという御質問ですが、この実用の通信関係の、これは実験ですけれども、もう百キロで相当な実験ができます。これはもう実用化しようと思えば、百キロの範囲内ではできるというものでございます。これはもう五十二年に静止衛星で打ち上げようということには相なっております。したがいまして、百キログラムの範囲内でおさまる衛星につきまして、それの実用化ができるわけでございます、五十二年に。
○中尾辰義君 ですから、百キロ程度のものはできるわけだけれども、気象庁のお話によりましても、GARP計画によりましても、これは国際的義務というところまでいかないかもしれないけれども、まあ世界で四つ打ち上げようと、そのうち日本は一つ五十一年ごろまでに頼むと、こうなっているんでしょうが。それにはやはり三百キロ程度のものでなければこれは間に合わないというような要求ですからね。まあそれはそれとして、試験用がかりにできたにしても、それで終わったわけじゃありません。一体その後の実験用の衛星を打ち上げるまでの大体の計画といいますか、どういうふうにして一体いつごろになるのか、現在のまたNロケットを改良をすればさらに大型のものが打ち上げられるようになるのかどうか、その辺、技術的なことになりますけれども、ちょっとお伺いしてみたいと思います。
○政府委員(千葉博君) Nロケットを改良すれば、技術的にはさらに重いものを打ち上げる可能性はございます。たとえば二百五十キロというようなものを打ち上げるようなロケットヘの改造へ持っていくことはできると、かように考えております。
○中尾辰義君 その改造すればできると、そこのところもう少し――そういうようなあなたの答弁だけでは、私も納得するわけにいかぬし、お金がかかるのですから、何百億という金が。どういうふうに、大体のところですね、しろうとにもわかるようにするには、どういうふうにしたら大体三百キロ程度のものが打ち上げられると、どうですか、その点は。
○参考人(島秀雄君) ただいままで私どもが仰せつかっているのは、お話のように、宇宙開発委員会でお示しになりました衛星でございます。それよりももっと大きいものができるかどうかということにつきましては、これは宇宙開発委員会におきましてもとの計画を新しい計画に変えていただきますときに、私どもの見込みとして御参考までに申し上げましたことは、ただいまNロケットとして御採用になっておりますもの、これはアメリカの例によりましてもこれをさらに増強することができる、まあアメリカのことばで申しますとエキスパンダブルなロケットであるということで、それを採用するようにしていただきましたことでございまして、現にアメリカにおきましては、私どもが習うことにしておりますロケットのもう一段大きいのにそれをエキスバンドしております。私どもはそれを選定いたしましたことが、エキスパンダブルだということが如実に示されつつあることだと考えております。しかし、ただいまにおきましては、私どもは政府間協定のリミットでございます――私どもはリミットだと考えておるのでございますが、それがソー・デルタの六八年の形のものであります。六九年に協定が結ばれたのでございますが、六八年型のものであるというふうにアメリカは申しております。そういうふうに考えておりますが、それを私どもは一その中でもって最も大きなものがわれわれの手に入るようにと、いろいろくふうしまして手に入れるようにしておりますが、今度はそれを一段上のほうにやりますのには、今度はアメリカは、いまの協定の範囲よりもそれは大きいのでございますから、エキスパンダブルだと言っておりますことはよろしいのでございますが、エキスバンドしたものというのはその協定を乗り越えておりますから、それは私どもには教えてくれませんと私は思っています。いままでのいろいろの交渉の結果、そういうふうに私は踏んでおりますが、そういたしますと、それはわれわれの手でそれを増強し、大きな能力のあるものに変えなきゃなりません。われわれは、いまのものをわれわれが教わることによりまして、われわれも十分能力のある国民だと私ども思っておりますから、十分これを改良する力は身につけ得ることと思っておりますが、力は身につけましても、その力を発揮いたしましてさらに増強するということには、自前で増強するわけでございますから、いろいろくふうをし、設計をし、試作をし、そういうことを何べんも何べんも重ねていっていかなきゃならぬだろうと思いますから、それには相当の時間と、また相当のお金がかかるものだと考えております。それで、これは普通の――私もこの道に入りましてからわずか数年でございますから、大きなことは言えないわけでございますが、それまでに長い間別の工業関係の仕事をしておりましたが、そういうのに比べまして、この宇宙開発関係の品物――これはロケットでも衛星でもでございますが、これは非常にむずかしい。これはいわゆる安全率と申しますものが非常にもうほとんど、普通の考えでございますと、ないにひとしいぐらい切り詰めてあるのでございます。そういうものでございますとか、それからまた非常に高価なものでございますから、これが万一打ち上げましてから十分の効果を発揮しないようなことがあってはいけませんし、また非常に危険物でございますから、危険なことが起こってもいけませんから、非常にたいへんに信頼度の高いものにしなくちゃいけない。これはもうよくアポロの話なんかのときに、非常にこまかいことを、非常な信頼度が高いという宣伝がございますから、御承知のことと思いますが、私ども人間を飛ばすわけじゃないのでございますから、アポロほどのことまでをやらなくてもいいだろうと思うのでございますが、それにいたしましても、普通の地上にありまして、何かかりにいたみそうでございましたら、それに手を加えて直すとかなんとかいうことができるしろものと違いますものでございますから、もうけたはずれに信頼性を持たなきゃいけない。そういうことでございますから、非常にそこにお金のかかる丁寧な仕事をしなくちゃいけない。また、何べんも何べんも試験をしなくちゃいけない。たいへんなお金ががかりますし、時間がかかります。私どもはいま、N計画ということで限度を示されまして、そこまでのことを最も安いお金でどうして達成するか、最も納税者に対して御迷惑のかからないようなことで――納税者と申しますか、国民の御要望の線を達するかということに力を注いでおりますが、それで、そのN計画が達成されましても、今度はそのちょっとでも上のほうにいこうというと、またそのちょっとが非常なお金になる。また、非常な時間がかかる。ことに、いまのN計画はお師匠さんがあってやることでございますから、まだ私どもが申し上げましておりますような時間でできるものと確信しておりますが、これから先はお師匠さんなしで、われわれがつちかいました自力で、今度は自前でやらなければならないのでございますから、ちっとやそっとのことじゃないんだろうと思います。しかも、そのことは、ただいまのところでは、まだ私どものほうでは宇宙開発委員会からこれこれこれこれのことをこういうふうな時間でどうだといって公式に調べるようにお言いつけを賜わっているわけじゃないのでございます。私どもが自分でやる仕事の将来のために、自分たちとしまして、これはこうもなろうか、ああもなろうかといって、まあいろいろ推察して考えておるわけでございます。まず、そういうわけでございますから……。
○中尾辰義君 わかりました。要点だけ言ってください。 それで、要するに、いまのNロケットを大体実験用の衛星百キロ程度のものは打ち上げたと、それ以後ですね、それ以後の問題なんですよ、私聞いているのは。だから、そのロケットをさらに改造し改良を加えて実験用のでかいやつを打ち上げることができ得るのかどうか。ただいま理事長さんのお話聞くと、非常にこれはむずかしいようなお話ですが、それが一つと、それを改造するには、あなたに質問したように、大体どういうようなふうにしていくと、それと、まあ聞いていらっしゃる方もありますから、このNロケットの大体のシステムといいますか、これは一段、二段、三段のロケットになっておるんでしょう。それから、下のほうが一段、まん中が二段、一番上のほうが衛星のいわゆるたまが入っておる、衛星が。そうして、その推進燃料というものは、一段と二段は液体であって、一番上のほうの三段のほうは固体と、こういうことでしょう。それから、それをつくるのは、どこの会社がそれを開発するのか、つくるのか。あるいは技術導入してやるのか。そして今後――まあよろしいわ、一つずつ聞きましょう、長いから。それ一ぺん……。
○政府委員(千葉博君) N計画が五十二年まで行なわれるわけでございますが、それ以後一体ロケットはどうなるのかという御質問でございますが、この点につきましては、まだ宇宙開発委員会のほうで計画は決定されておりません。したがいまして、オーソライズしたものはないのでございますが、いまロケットを改良してどうなるかという点でございますが、この点につきましてごく簡単な改良を申し上げますと、このロケットの一番下のすそのところに補助ロケットがございます。これを増加することによりまして、こういったことでも百キログラムのものが、アメリカの例などを見ますと二百キログラムぐらいのところまでいくというようなことがわかるわけでございます。そのほか、確かに改良する点は非常にむずかしい点もございますけれども、これを改良することによりまして、二百五十キログラムくらいのところまではいくだろうというようにこれは推測しております。こういった点につきましては、来年度、宇宙開発委員会におきまして、いわゆるN計画以後の宇宙開発計画につきまして、この審議をすることに相なっておるわけでございます。これについての予算も概算要求で出しておるわけでございます。それが第一点でございます。 それから、ロケット自体が一体どういうロケットなのかというような点でございますが、この点につきましては、先生の御説明のありましたように、Nロケットは、一段目が液体、二段目がこれも液体のロケット、三段目は固体ということになっております。従来のQロケットは、固体、固体、液体、固体という四段のロケットになっておりましたが、これとは全く変わっておるロケットでございます。 以上でございます。
○中尾辰義君 それから、その一段、二段、三段はどこのメーカーに開発させるのか、またアメリカの技術導入等はどうなっているか、その点簡単でいいですから。
○政府委員(千葉博君) メーカーにつきましては、これは開発事業団のほうにまかせておるわけでございまして、私ども事業団から聞いておりますのは、全体の取りまとめは三菱重工にお願いする。それから一段目は、これは非常にこまかく分かれておりますけれども、取りまとめは三菱でございますが、エンジンにつきましては、これは石川島播磨重工業がサプライセンスを受けて生産をするように聞いております。それから、一段目のものにつきましては、これはマクダネル・ダグラスのライセンスによりまして、三菱重工が生産をいたすということになっております。それでエンジンはノースアメリカンから、これもやはりライセンスを持ってきて、それを得て、それで生産を行なうということになっております。それから第二段目でございますが、これは液体のロケットでございまして、これは従来Qロケットの開発の際に、液体のロケットでございまして、これは三菱重工が開発をしておりまして、そういったことで自主的にこれは開発をしょう。ですが、非常に全体の取りまとめ上、技術的にむずかしいので、外国のノースアメリカンの技術援助を得まして、それでみずから開発をするのを援助してもらいながら生産をするというようになっております。ただ、ガスジェットのコントロールのところは、石川島播磨重工が行なうということでございます。三段目につきましては、これはエンジンについてはサイアコール・ケミカル社から購入をしまして、日産自動車が調整のテストを担当するというふうになっております。全体の取りまとめは、これは三菱重工が行なうというふうに私どもは聞いております。 以上でございます。
○中尾辰義君 それで、質問の要旨が少しぼやけてきておりますので、区切って申し上げますが、先ほどおっしゃったように、いまのNロケットを今後改造する。それには一段のほうに、私も絵を見て勉強しているんだが、一段のほうに補助ブースターがある、これをつければ、ばっと打ち上げることが可能じゃないか、こういうような御意見ですか。あなたは専門家でしょう。私もしろうとながら聞いているんですが、このロケットは下のほうから一段、まん中が二段、上のほうが三段、そうしますというと、一段目の推進力によって二段と三段が打ち上げられる。だから、ある一定のところまでいったならば一段目のやつは脱落しちゃって、二段目が今度推進ロケットになって三段目を飛ばす、こういうことになろうかと思いますが、そうした場合、いわゆる宇宙衛星の衛星のたまが大きくなるんでしょう。いま百キロ程度のものであればできる。それが三百キロのようなものに変わった場合に、はたしてブースターだけでいくのかどうか、非常に疑問ですよ。この辺はいかがです。もう一ぺん言いますというと、ブースターというのは二段と三段を飛ばすんでしょう。そして二段目がもう目的を達して落ちた場合は、それじゃどこが推進していくかといいますと、三段ロケットということになるわけですから、どうも三段目だけ少しブースターつけたから、それででかいやつ飛んでいくというようなことは、われわれしろうとでもちょっとこれはうなづけない点があるんですが、いかがです。
○参考人(島秀雄君) いま一等手軽に早く大きくする方法というのは三段目をいじるのがよろしい、さしあたっては。
○中尾辰義君 質問に答えてもらわぬと……。
○参考人(島秀雄君) いまの御質問のとおりです。少し大きくするのにはどうするのかと言っていらっしゃるんだと思いますが、まず第一番に手をつけるのが三段目、それから一段目のわきにくっつける方法です。その次が二段目を大きくする。それから、それで足りなければ、根本的に一段目そのものを大きなものにする、そういうことでございます。だから、どこを大きくするかというのは、これは非常にむずかしい問題で、一ぱい答えがありますうちのどれを選定するかということでございます。だから、二段目だけ大きくすればそれで済むという問題じゃなくて、ただそれだけちょっとねらいをつけてやるというんじゃなくて、一ぱいありまして、詳しくいわゆるシステム工学的に代案を一ぱい考えまして、それをトレード・オフしてきめることでございます。いまどのくらいの大きさにしたいのかということを伺いまして、それに合うようなものを、それに合わせまして選んで考える。いまさしあたって考えておりますのは高々度衛星、これがなかなか目方が初めのお話のように合わない、少しふえそうだ、どうしたらいいかということで、いま一等先にそのふえるというのに対する対策を考えておりますのは、いま三段目でどうしようかというところに手をつけております。 〔委員長退席、理事小谷守君着席〕 そういうぐあいで、あっちだのこっちだのじょうずに組み合わせませんといけませんので、一等初めはどうも一段目、三段目のようにいまのところは考えております。あっちだのこっちだのほんとうにたいへんむずかしい選択を要することでございます。
○中尾辰義君 それで、要するに、当面の目標というものは、百キロ程度の試験用の衛星を打ち上げるためのロケットをつくるんでしょう。それがまず成功して、そのロケットに今度は改造を加えると、そうすると、それがまあ実用衛星三百キロ程度のものが打ち上げ可能である。そのためには、まあブースターをつければいいんじゃなかろうか。これはまだ断定はないですね。で、私が申し上げたいことは、そういうような一番上の衛星が大きくなったからブースターをつければいくんじゃないかと、そういうような単純なものではなさそうに私は思う。いま、理事長の御答弁を聞きましても、非常に複雑な機械ですから。ですから、結局、これは百キロ程度の実験用のロケットが成功したとしても、今度実用の三百キロ程度のものを打ち上げるとなれば、これは全体的にロケットのシステムそのものを変えなきゃいかぬのじゃないか、このように思うんですがね。変えるとなれば、これはまた最初から研究もしなきゃならぬ。また、システムの開発費用というものも膨大なものになるんじゃないか。その辺、これは技術的になりますけれども、これが非常に大事な私は質問だと思う。改造できりゃ、けっこうです。
○政府委員(千葉博君) 先ほどから私申し上げておりますように、五十二年以降の問題につきましては、来年度予算を要求して、それで来年度その問題について委員会の場で検討し、これをきめようということになっております。来年度それははっきりするかと思います。それが一点です。 それから、これの改良は非常にむずかしくてたいへんではないか。したがって、これは根本的に変わってしまって、それでたいへんな費用がかかるんではなかろうかというようなお話でございますが、この点については、まあ改良にもいろいろございまして、比較的簡単な改良で、そのシステムをまとめていくということも当然可能でございます。それから、さらにうんと改良いたしまして、性能をさらにうんと向上させる。改良ということばよりも、新しいロケットをつくるというような感じのものに持っていくということもあるわけです。そういった点については、技術的にさらに検討する余地があるかと思いますけれども、私は、先ほど例としまして申し上げましたが、これはロケットの開発をする場合によくやるんでございますが、この補助ブースターのところをよけいにする、そして重いものをやる。それを基本にして小改造をやるというような点は、よくある例でございます。そうすれば安上がりで、まあこれは飛躍的な、何と申しますか、ペイロードのものを打ち上げるというような点は望めませんでございますけれども、その改造としては当然考えられると、こういうように私は申し上げたんでございます。そういった点も、当然、来年度の予算――来年度中にこの委員会がいろいろポストNの計画をいたしますときに、先生のおっしゃるような点も、つまり、システムをどう改善していって、どうやったら一番安上がりで、それで効率のいい能力の大きなロケットへ改造していかれるかは、検討されるかというように思います。
○中尾辰義君 ですから、結局、実用衛星打ち上げまでのコースというものはまだはっきりしていない。まあ、実験用まではどうにか計画が進められておりますけれども、そういうことだろうと思います。そこに予算の面も、あなたがさっきおっしゃったけれども、予算よりか技術の面において大体検討しておかなきゃならないでしょう。そうせないと、Nロケットを改造してできるものならば、かなり費用と日時が短く、また安くなる。全然システムをがらっと変えなければならぬということになりますと、非常に長い月日もかかるし、また、一からということになると費用もかかる。ここに費用のむだというものもあるわけです。その点私は強調しておる。もしそれが、Nロケット自体が、実験用まで、百かまあ百五十くらいまでしかいかぬとなれば、これはユーザーの要求は満たすことはできないのであって、別に三百キロ程度の衛生を打ち上げるロケット・システムというものをこれは考えなければならぬ。そうなれば、非常に日もかかる。むしろ、アメリカからソー・デルタ型のものが、技術を差し上げると、そういうふうに、アメリカと日本の交換公文でうたわれておるわけですからね。だから私は聞いておるわけです。それと、それに対する見解。 それから二点は、一段、二段、三段のロケット。一段と三段は、これは三菱重工がおもにアメリカのライセンスどおりの方法でやる。まん中の二段のところが三菱重工の自主開発になっている。なぜまん中の二段だけが三菱重工の自主開発にしてあるのか。開発もけっこうですけれども、なるべく早くやらなければなりませんし、その理由、その二点。ひとつお伺いします。
○政府委員(千葉博君) まず、第一点の日米交換公文の点でございますけれども、これにつきましては、もう御案内のとおり、ソー・デルタをいま導入して生産しております。あのソー・デルタのロケットまでございます。それから先のものは、現在、米国で開発中のものでございまして、これについては入れてくれることにはなっておりません。そこまでの範囲内でまず計画がなされるということでございます。 それから、二段目のなぜ自主開発をしたかという点でございますが、この二段目は、三菱重工が、Qロケットの計画でございますが、この際に、このQロケットの三段目が液体のロケットでございます。このロケットを改良していけば、いわゆる二段目に使えそうだ。それで、いわゆる宇宙開発の意義が、このわが国の産業水準を高めるという点、それから科学技術のレベルをアップするというような点をねらっておりまして、こういったような観点からいたしますると、できるだけこれを自主的に開発するという点が、最もそういった目的達成に対しまして効果があるのではないか。それは自主開発するとすれば、ただライセンス生産でもってきて、外国の技術を持ってきて開発するよりも効果がよろしい。しかしながら、ただ自主開発といっても、これはまとまらなければ困るという点で、自主開発するけれども、外国の指導を受けながらやろうということで、そういうことで、しかもQの計画の際に相当国が金を出しておりますので、こういった点から言いましても、さらにそういったような自主開発の面に持っていたほうがよろしいという点から、自主開発に踏み切ったという点でございます。
○中尾辰義君 それで、要するに、宇宙開発の目標といいますか、これは宇宙衛星を打ち上げることでしょう、宇宙衛星を一定のところへ。まあ、静止衛星なら静止衛星で打ち上げる、そのたまが必要なんです、宇宙衛星のたま自体が。ロケットというのはそれを打ち上げるための一つの手段です。それから、いまのユーザー側が言っているのは、たまが、衛星が必要である、それもこまいことをいまごろゆっくりゆっくりやってもらったんじゃ間に合いそうにもないと、そういうところですからね。だから、ロケットの開発ばかりあまり力を入れて、たまの打ち上げのほうがずいぶんずれてきた。これではあなた、ずいぶん開発の面がおくれるし、国際協調という面からも、日本何やっているんだということも言われるわけですね。自主開発、それはけっこうでしょう。全然私は頭からだめだとは言いませんけれども、確かにそれは自力で開発することはいろんな波及効果もございましょうけれども、そればかりこだわっていたんでは非常な不満が出る。大体、当初Qロケットの開発計画からNロケットの開発計画へ変更したという、その理由そのものを私は一番当初に聞いたでしょう。それが要するに、ユーザー側の実用衛星になるべく間に合わせるために変更したんでしょう、目標は。だから、やはりこれはまあ、ロケットの面にそう力を入れないで、打ち上げるということに私は意義がある、こういうように思いますから聞いているんですよ。その点いかがですか。
○政府委員(千葉博君) 先生の御説のとおりでございますが、宇宙の開発は、当然のことながら実用衛星を打ち上げることによりまして、宇宙の利用によりましてその利益を国民の皆さまに還元するという宇宙開発が目的でございます。それだけではございませんで、やはり、自分で打ち上げの技術を習得する、そして人工衛星もみずから開発する、そういうことによりまして宇宙の利用を円滑にやっていくというところの点と、それからそういった技術を習得することによっての波及効果、これが国民の生活環境の向上とか、産業の進展とかいうのに非常に役に立つという点でございます。 それで、先生のいまおっしゃられましたように、宇宙開発計画の中では、当然この利用の開発、人工衛星の開発はやっております。これの研究関係は、たとえば、気象衛星につきましては、気象庁が全面的に人工衛星利用によります気象観測、こういったものについての研究のシステムデザインというようなものは研究を進めております。これはもう当然開発計画の中に入っております。 それから放送衛星につきましても、開発計画の中では、わが国を含むアジア諸国の国別放送などを行なう放送衛星システム及び搭載機器等についての研究を行なうということで、関係方面、たとえばNHKですとか、郵政省、それから気象庁、電電というようなところで、この通信衛星についても電電が先ほど研究しておるという話でございます。そういったようなことも宇宙開発計画の中に入っておりまして、こういった研究は各方面で続けられております。 それから、それでは、こういったものについてのたまを具体的にそれじゃ開発する研究は、そんなことが抜けているんじゃないかというようなことがあるかと思います。これにつきましては、事業団法にございますように、宇宙開発事業団は、宇宙開発の人工衛星とか、たまをつくるという点につきましての開発を進めるということになっております。それで、例を先ほどから先生が引いておられました特にこの気象衛星などにつきましては、一体どうやって開発していくかという点、これは研究、開発は事業団がやろうという話し合いが内々できております。それで、これを進めるのにひとつ来年十分に打ち合わせをしてやろう、事業団も大体そういった方向でいま準備を進めているというようなことでございます。 それから、そのほかの気象以外のたまにつきましては、まだ先ほどからの関係方面の御説明のように、計画自体がまだはっきりしておりませんので、これにつきましては、逐次そういったような計画がはっきりしてまいりますと、それも委員会の宇宙開発計画の中に逐次追加されて入ってくる。それで、これが関係各省あるいは事業団の場で具体化されていくというようになるかと思います。
○参考人(松浦隼雄君) ただいまアジア放送連合の加盟の衛星のお話がございましたので、補足させていただきたいと思います。 これは、昭和四十四年に、アジア放送連合の総会において、開発途上国における衛星利用ということを検討するような決議がなされて、翌四十五年のアジア放送連合の技術委員会に、これは日本から、NHKから提案したものでございまして、社会的あるいはいろんな国際政治的な意味では未成熟ではございますけれども、内容的にはかなりはっきりさせたものでございます。重量約四百キログラム、これは実施計画に入ればまた変わるかもしれませんけれども、見当といたしまして大体そのくらいのもので、十二ギガヘルツを使い国別の放送をする。それは、アジアの地域の中においてマイクロあるいはテレビジョンの未発達な国において、今後その開発途上国の発展、教育その他その国々の方々の発展のために一番寄与するものは何かというところから提唱したものでございまして、計画がきまっていないとか、今後きまるということではございませんで、そういうことで、内容的にかなりはっきりしておりまして、目下そのアジア放送連合においても検討を進め中でございますけれども、これに対して関係の機関から特別の反対はないということでございます。 それから放送関係は、日本の国内だけを見てものを考えていくわけにはいかないので、どうしても国際的に見ていかなければならないという点から申しますと、先ほどの百キログラムのものの中に放送に割り当てられておりますのは十二ギガヘルツの二ワットでございます。これは五十二年でございますけれども、先ほど申し上げましたように、カナダにおきましては再来年、七四年に同じく十二ギガで二百フットのものが上がるということでございますので、五十二年に二ワットの十二ギガが上がっても、それは放送衛星に関する限り特段の意味は持たないということを申し上げます。
○中尾辰義君 いまNHKの松浦専務さんもおっしゃったとおりなんです。ですから、要するに、さらに、いまの松浦さんの御意見を補足をしますけれども、やはり私は、NHKの計画にしても、アジアの先進国として、後進国の指導、貢献というものが、これは義務というところまでいかなくても、やはりあるんじゃないか。こういう面においても、なるべく早く打ち上げなければならぬ、こういうふうに思うわけであります。 そこで、先ほど答弁がありましたように、とにかくまだ計画自体が、実用衛星打ち上げの計画自体がどうもまだはっきりしていない、こういうことですから、これは技術庁長官のあなたの、宇宙開発委員会委員長としてのこれは責任があると思う。実験用までは当面計画があるけれども、それ以後ははっきりせぬ。それもNロケットを改造してでっかいやつが打ち上げられるのが、その辺の技術もはっきりしない。あるいはブースターをつけたらいくかもわからぬ、こういうふうなことでは、これは間に合わない。だけれども、非常にお金が要りますよ、その間国民の税金を相当注ぎ込まなければならぬ。これについてどうお考えになるか、それが一点。 それともう一つ、第二点は、確かに自主開発というものは、これはいろいろな研究の副次的な波及効果というものはあるでしょう。産業面、科学面においてあるでしょうが、ロケットというのは、私が言うまでもないんですが、軍事、ミサイルにも使えるんじゃないですか。これは、たとえば大陸間弾道弾だってロケットによっていくわけですからね。これはどこまでも平和利用でなければならないわけです。ですから、開発の波及効果のみにあまり力点を入れておりますというと、非常に時期がおくれるということと、開発に要する費用そのものが非常にたくさん要る。こういう面から、どうも私は解し得ないところもあるわけです。その二点について、ひとつこれは長官からお答えください。
○国務大臣(木内四郎君) ただいまの御質問、まことにごもっともであります。しかし、その点につきましては、私、実は先ほどざっくばらんに申し上げたんです。わが国の宇宙開発の面は非常におくれているんです。これは否定することのできない事実なんです。にもかかわらず、わが国におきましても、宇宙開発の問題と取り組んで、何とかして追いついていきたいというので努力をしているんであります。しかし、一方において、ユーザーのほうの需要というものは非常に多い、非常に先のほうを見てやっておられる。これはまた当然のことであります。しかし、アメリカは非常に進んでいますけれども、いまカナダなどのお話がありましたけれども、カナダなどはまだ自分で打ち上げる力はないんです、フランスもないんです。みなアメリカに打ち上げてもらうというようないまのところ状態だと私は聞いております。しかし、日本でも、さっき私は三番目の項目として申しましたように、アメリカはパーチェス・ベーシスでひとつ打ち上げてやろう。そのときに何と言ったのかというと、小さいたまでも一つ二百億円、たまだけでかかる、こう言うんです。相当な金のかかることはこれはしかたがないんです。とにかくそういう問題がいろいろある。そこで、わが国として一体どうすればいいか。できるだけ開発していくが、間に合わぬときは、やはりアメリカにでも打ち上げてもらうというようなこともやむを得ないんじゃないかというような考えも――そうきめたわけではありませんけれども、そういう考えも浮かんでくるわけです。そこで私は、さっき申し上げたように、選択の問題が非常に重大な問題になってきているということを御説明申し上げたつもりなんですけれども、ことばが足りないで十分に意を尽くしておらなかったかもしれません。そこで、こちらの技術はあるんだけれども、打ち上げまではできないんだが、ひとつ何とかしていまのユーザーの方々の御要望のような要望があるんですから、これを何とかしてこれは克服していかなければならぬというのがいまわが国の宇宙開発について置かれた位置である、かように私は、ざっくばらんに申し上げておきます。だから、その点をひとつ先生方にもよくお考え願いたい。しかし、それじゃ、日本の技術というものはだめじゃないか。たまを打ち上げてもらうだけなら、これはもうたいしたあれじゃない、金さえ出せばいい。二百億、あるいは多い場合になれば五百億も一発かかるかもしれぬ。それだけじゃ私は情けない。この技術の進歩という意味、また波及効果という意味からいって、いかにも情けないと思うので、科学技術庁としては、わが国においても、やはり一定のところまでは、アポロのような月まで行くなんというようなことまでは考えないにしても、相当なところまではやはりみずからの技術を開発する。それには、おくれておるのだから、導入するものは導入して、それを理解し、消化して、さらにそれに改良を加えていくだけの技術と能力がやっぱり私は科学技術庁としてはほしいのです。そこにいま非常な悩みがあります。しかし、現実の問題としては、ユーザーの需要にも応じなければならぬ。それをどうするか、こういう大きな問題がある。その選択の重大な問題があるということをさっき申し上げたわけでありますが、その点はひとつ御了解願って、わが国の技術の進歩について、また、ユーザーの方々の当然の、またそうあるべき内外の事情に何とかして応じていかなければならぬ。それについても、先生方の格別の御支援と御協力を賜わるようにお願いいたしておきます。
○中尾辰義君 それで、いまのNロケット計画では、ちょっといまのところは実用衛星打ち上げには間に合いそうにない、相当な時期がある、こういうふうに私は思うわけであります。 そこで、政府は、ここにありますが、「宇宙開発に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協力に関する書簡の交換」という交換公文書をアメリカ側と昭和四十四年七月三十一日に東京において結んでいらっしゃる。これを見ますと、まず、日本側の要求に対して、アメリカはこういうふうに約束をしておりますよ。「アメリカ合衆国政府は、日本のQロケット及びNロケット並びに通信衛星その他の平和的応用のための衛星の開発のために、秘密でない技術及び機器でこの書簡の附属書に掲げられているものをアメリカ合衆国の企業が日本国政府又は日本国政府と契約関係にある日本国の民間の企業に提供することをアメリカ合衆国の法律及び行政手続に従って許可することを約束する。ですから、秘密であるものを除けば、現在アメリカでソー・デルタ型のロケットで実用衛星を打ち上げておるわけですから、ライセンスを導入すれば、これは当然実用衛星も打ち上げられることができるのじゃないか、私はこう思うのです。それにもかかわらず、Nロケットは、一段と上のほうの三段が三菱重工を主体にして、石播重工もエンジンのほうを若干受け持っておりますけれども、外国から技術を導入してつくる。二段のまん中は三菱重工が主体になって自主開発をする。どうもこれはちぐはぐなんだな。そうして実験用の衛星までこぎつけよう。それから先はどうもはっきりせぬ、こういうようなことでしょう。だから、この条文によって実用型の衛星打ち上げの技術導入はできるわけでしょう、その点はいかがですか。
○国務大臣(木内四郎君) いまの交換公文は、実は、私が前回科学技術庁長官時代にそこまでようやくこぎつけたわけですが、これはよけいなことですけれども、アメリカはそれだけのものさえヨーロッパの諸国には――ヨーロッパの諸国が希望しておるのだけれども、ヨーロッパの諸国にはそれだけのことも約束しないそうです。ですから、その交換公文は実質において非常によかったと思うのですが、それについても、アメリカが向こうから出してくる、それをそのまま導入するなら、これは簡単ですけれども、さっき局長からお話申し上げたように、第二段のほうは、Qロケットの際に三菱に頼んで相当な金を出して、開発はほとんどできていると。だから、それを使って、それにさらにアメリカのほうの指導も受けてやっていこうと。それは予算の使用上、私は、いままで、ここまで使ってきた金を全部ふいにして新しく買ってくるというよりも、予算の使用上、そのほうがいいんじゃないかと、かように考えております。そのために特におくれているということは、私はないと思うのですよ。いまの二段ロケットをこちらでやるということは、これはもうQロケットの際に相当の金を投じてやっているのですから、それを活用しようというにすぎないと私は理解しております。私は、それからしばらく離れておりましたから、こまかなことはよく存じませんけれども、私は、そういうふうに理解し得るのじゃないか、かように考えております。 いずれにしても、それをそのまま入れても、ソー・デルタのシステムだけでは、これはとてもいまこのユーザーの方々の御要望には、お聞きになったとおり、応じかねる。さらにこれを改良し、そうしてもっと大きなものを打ち上げ得るようなふうに努力をしなければならない。それがやはり進歩であり、まあ開発であると思います。そういう点もひとつ御了解願いたいと思います。
○中尾辰義君 ですから、そのまん中だけ、第二段だけ三菱重工の自主開発にするということにも若干これは問題があるわけですね。かりにそれが成功しても、そのちぐはぐなロケットが、どっちかというと和洋折衷みたいなそういうちぐはぐなロケットが成功しても、百キロまでしかいかぬというんでしょう。それでは皆さん方のユーザーが間に合わないとおっしゃっている。だから、この際、こういうような交換公文もあるのだから、ソー・デルタ型を導入してやったほうがお金も倹約できるのじゃないか。まあ日数の面から見ても、期間も短縮できるのじゃないか、そういうふうに私は言っているのですよ。あなたのほうは、自主開発に関するところの波及効果も必要であると、波及効果ばかりがんばっていたんじゃ、間に合わないですよね。
○国務大臣(木内四郎君) いまお話し申し上げたのは、技術の進歩だけじゃない、すでにそのために相当な金を二段のために、Qロケット開発の際に使っているのですから、それをなるべく生かしていきたいという気持ちから、そういうふうになっているわけですから、その点はひとつ御了解願いたいと思います。もちろん、技術のこともいろいろあるでしょう。いろいろな問題があるでしょうが、すでにそこまで開発してきているのだから、それをむだにして全部捨ててしまうということは、ちょっともったいないと私は思うのですよ。そういう意味です。
○中尾辰義君 それはまああなたの答弁をお伺いしますと、そういうような感じもせぬでもありませんけれども、それがさっき言ったように、実験用のロケットを打ち上げて後、そのNロケットでもって実用衛星が打ち上がるようになれば、それはいいでしょうけれども、試験用の衛星までで大体いまのところ終わりということでしょう。その後、三百キロ程度のユーザー側の要求に応ずるようなものは、先ほどから何回も言いますけれども、どうも技術面においてはっきりせぬと。そうすると、システムのやりかえということになる。ロケットシステムのやりかえとなりますと、相当のまた日にちもかかるし、お金もかかる。それならば、むしろこういうものを使って、ソー・デルタ型を導入してやったほうがいいじゃないかと、そう自主開発の波及効果のみにとらわれぬでも。また、そのほうが、今日まで三菱重工が開発に使ったそのお金を考え、それよりか導入をしたほうが時期的に、予算の面において安上がりで、プラス・マイナスしたらそのほうがいいんじゃないか、まあこういうような感じがするわけです。
○国務大臣(木内四郎君) いまお話しになったこと、まことにごもっともだと私は思うんですが、私どもは、予算を使うような場合に、絶えずそれの比較と選択ということは怠っておらないのです。それは、そのほうが予算は安上がりになるかどうかというようなことについては、絶えず予算を組む際にもそうでありますし、予算を使用する場合には、大蔵省はもちろんですが、各役所は細心の注意を払って、できるだけの努力をしているつもりですが、しかし、いま先生のような御意見もあることは頭に置きまして、今後は十分注意していきたいんですが、Nロケットを開発して、そのあとさらにそれに改良を加えてひとつやっていくようにしたい、こういうふうに考えておること、先ほど島理事長からもお話があったとおりです。とにかく非常におくれているんですから、そのおくれていることに対して、あらゆる努力をしてそれに追いついていくということが非常に必要なことじゃないか。また、実用の面からいっても、その点は必要なことでありまするので、今後におきましても、大いにひとつ努力をしていきたい。そのためには、相当、さっき島理事長の言われたように、金がかかることはもちろんでありますが、時間も、こういう問題は、そう簡単に金があるからすぐできるという問題でもありませんので、そういう点についても十分に注意を払って、今後宇宙開発事業団を中心に努力をしてまいりたいと思うので、この点はひとつ御了解を願いたいと思います。
○中尾辰義君 それは大臣らしい答弁だけれども、そうはいかんのですよ。ですから、いまあなたがおっしゃったように、Nロケットを一ぺんとにかく実験用までこぎつけて、その後改良していきたいと、その改良がさっきから問題になっておる。改良でいけるかいけぬか、それもはっきりわからぬというのでしょう。しかし、私は専門家に聞きますと、ブースターなんかつけたくらいで、衛星自体が変わっておるのですから、それではとうていだめだと。むしろ、ロケットシステム全体を変えないと、これはそんな大型な三百キロ、将来は五百とか六百とかでかいやつは飛ばぬじゃないか。かりに、あなた方がおっしゃるように、まあ、そういう現在のNロケットが、それを改良を加えてやってみたって、まあ百五十か、二百か、その辺が関の山じゃなかろうかというような議論もある、それから先は無理だと。そうしますと、これはやっぱりシステム全体のやりかえということになると、またおくれてくる。だから、この初で思い切ってもう一ぺんやりかえたほうがいい、計画をですね。そして、せっかくこういう交換公文もあるのだから、これは何のために、一体、科学技術庁長官、「私が長官時代」ということをさっきおっしゃったけれども、これは何のために結んだのですか。まあ、私が質問を二つ言いましたから、二つ答えてくださいよ。
○政府委員(千葉博君) いまのお話の、自主開発をしないで技術を導入したらユーザーの方々の御要望のとおりの三百キロからのものが上がるはずじゃないかというふうな御質問でございますけれども、そうじゃございませんで、二段目を、いわゆるソー・デルタを二段目に持ってきたといたしましても、このNロケットはほとんど変わりはないということでございまして、したがいまして、その二段目をそのまま導入してきても、いわゆる実験衛星程度のものしか考えられないという点でございます。その点をちょっと私申し落としましたので、追加させていただきます。 それからいま一点、交換公文があるから、どんな技術でもどんどん入ってくるのじゃなかろうか。したがって、どんどん入ってくる技術のいいやつを入れて、それで開発していったらいいじゃないかという点、まことにごもっともでございますが、そうなかなか簡単に技術が入りませんで、ヨーロッパのこのESROあたりでは、自主開発に相当な金を使っておりまして、失敗ばかりやっております。技術導入はなかなかできません。逆に米側からは打ち上げてやろうというようなアプローチを受けておるというやに私ども聞いております。いま導入しております技術につきましては、これは御案内のとおり、ソー・デルタの中の、ちょうど二年ほど前には最新のものでございます。これが技術導入されておるわけでございます。米国では、御案内のとおり、二九一四というような改良型がございまして、これは現在開発中でございます。そういったような技術もどんどん入れたらいいじゃないかというようなことでございますけれども、なかなかそういった点はむずかしいというのが現状でございます。
○中尾辰義君 どうしてむずかしいんですか、そのわけをひとつ言ってください。これを結んでいるんでしょうが。簡単に要点だけ、時間がありませんから。
○参考人(島秀雄君) 交換公文の附属文書にソー・デルタのレベルということが書いてございます。それで、その交換公文が署名されましたそのときのソー・デルタというものを、米政府におきましてはソー・デルタの68、だから六八年型のソー・デルタと規定しております。それで、ただいまの改良型と言っていらっしゃるものは、改良したものでございますから、だからソー・デルタの68のレベルを越しております。それで私どもは、ソー・デルタのレベルという中でも、できる限り将来にわたって大きくしょうと思っているのでございますから、大きくなり得るようなものを輸入したいと思っていろいろ交渉しているのでございますが、すべてOMCですか、オフィス・オブ・ミューニション・コントロールというところでございますが、そこで協定を逸脱しているという意味でみんな技術供与を断わられております。そういう例から見まして、ソー・デルタ68を越すものは、いまのところ、交換公文を変えていただかなければ輸入できないものと私は考えております。私が何べんも参りまして交渉しましたところが、そういう結果でございます。それで、ただいまのソー・デルタ68の二段目のエンジン、それと三菱重工でいまつくらしておりますエンジンと比べますと、根本的には私どもでいまつくっているもののほうがすぐれておるもの、新式なものでありますので、そっちを使っておるわけであります。
○理事(小谷守君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○理事(小谷守君) 速記を起こして。
○中尾辰義君 それで、ただいま理事長さんおっしゃいましたが、六八型を越えたソー・デルタのものは、これは交換公文外である、こういうような御答弁であったようでありますけれども、それは一体だれがいつ答弁をしたのか。いやしくもこれは日米間における交換公文ですからね、きちっと公式の場でそう言うてあるのかどうか、そこら辺ひとつお伺いをしたい、これが一つ。 それから二番目は、この取りきめは――これは附属書にも書いてありますが、この取りきめは「再突入技術及びこれに関連する技術を除き、ソー・デルタ・ロケット・システムの水準までの秘密でない技術及び機器を対象とする。」と。ですから、要するに、ロケットを打ち上げて、それがさらに大気圏に突入をする、その再突入の技術はこれは除かれておるわけですけれども、それ以外のものは、秘密でない技術及び機器をこれは対象とすると、こうなっておるんですからね。ですから、いまあなたがおっしゃった御答弁は、一体いつだれがそういうようなことを言ったのか、その点ひとつはっきりとお願いしたい。
○国務大臣(木内四郎君) いまの点につきまして私からも一言申し上げておきたいと思うんですが、一番最初、そこにソー・デルタという制限がありますね。ソー・デルタまでは出す、ただし大気圏突入の問題はよこさないというのは、これはまあ一つの例ですが、そのほか、向こうで機密に属さない事項――これはことばはちょっとはっきりしないんですけれども、機密に属さない事項だけ出す。機密に属すと認めるのはだれかというと、向こうが認めるんですから、そこで、いま島理事長の言われたように、いろいろ交渉してもなかなか困難なことがある。向こうがこれは機密だからと言われれば、それはいたしかたない。ソー・デルタに関してさえもそうでありますから、いわんや、ソー・デルタが外へ出るものについては、これは向こうはなかなかこれに応じない。ここに困難があると思うのです。
○中尾辰義君 ですから、一応、どういうときに、こういうような約束があったか、これをはっきりしてもらわないと……。
○参考人(島秀雄君) 私どもは、アメリカからの技術導入につきまして、アメリカの政府に技術導入の供与を求めます。これは科学技術庁から、このものは日本の政府の関連機関である宇宙開発事業団が使うのであるからということで許してくれというような、許可せよというような文書を向こうに出すわけです。それに対しまして向こうから返事が来る。その返事がなかなか来ない。私ども、それが早く来なけりゃ仕事になりませんから、行っていろいろ交渉します。そのときに、向こうでは、その日本に対しますそういう許可のことを、許可というか、認可と申しますか、その許してくれることをスムーズにさすために、テクニカル・アドバイザー・グループ――TAGというものを特に日本のために組織してくれまして、これは、NASAと国務省と、それから国防省の関係の方々が会いまして、そして、これがその交換公文に書いてあります条件に合っているかどうか――秘密であるかどうかということまで含めまして、調べてくれているわけです。で、そこのところで、これは六八年の型を越しているからだめなんだ、だからこれは調べを棄却して返すとかいうふうなことを言われるわけですが、そこでのやりとりでございます。
○中尾辰義君 どうもはっきりしないのですがね。ですから、こういうのは、正式の二国間における交換公文ですからね、これははっきりしておかなきゃならないと思うのですよ。一体どこまでが秘密でないのか、その点はっきりしてないのですか、その点いかがですか。
○国務大臣(木内四郎君) その文書をごらんになっていただけばわかるように、非常に向こうは解釈の余地を残した交換公文――。というのは、ソー・デルタ自体でも、さっきから申し上げている、ソー・デルタ・システムまでよこすが、ただしソー・デルタ・システムでも大気圏突入はよこさないと、こう一つ大きな例、そのほか機密に属するものはよこさないと、裏を返せば。機密に属するものはよこさない。しからば、だれが判断するかというと、向こうの人が判断して機密に属していると言われたら、それまでだと私は思うのです。そこで、いろいろ島理事長が言われていた、苦心をして交渉されるけれどもよこさないものもある。で、非常に困っているということは、いま理事長からお話しになっておるところであります。交換公文自体にそういう大きな留保がついておりますから、これは私は交換公文の違反であると言うわけにはいかないと思うのでございます。
○中尾辰義君 それは長官、そういう理屈ならば、何でもかんでも、あなた、やりたくないやつは秘密秘密でだめになっちゃうでしょう。何のためにこういうものを結んだのですか。その点は、あなた、長官としてここははっきりすべきですよ。そうでないと、これは有名無実になりますよ。これはちょっと秘密だと、そうはいかないんだと、何でもこれでやられたのでは、これを結んだ価値がない。再突入はこれはまあ除くと、そのほかソー・デルタ・ロケット・システムの水準までひたすら秘密でないものを対象とする、こううたっていますけれどもね、その点ひとつはっきりしてください。あなたの長官のときに、これを一つ要望しておきます。
○国務大臣(木内四郎君) お答えします。 それははっきりしろと言われても、その交換公文にはそういうふうに書いてあって、アメリカのほうは機密に属するものは出されない、こういうことであります。機密に属さないものは出す、ただし、ソー・デルタ・システムでもこれは機密に属していると認めるんでしょう、大気圏に突入のものは日本には渡さないというただし書きがついている。そのほかやはりアメリカとすれば、国務省もあり、NASAもあり、いろいろあるでしょう。その間において、機密に属さないといういろいろ意見の相違もあるいはあるのではないかと思いますけれども、とにかくそれは向こうが判断して機密に属すると認めるものは、向こうに出してくれと言ってもなかなか出しにくいのではないかと、かように思います。
○中尾辰義君 それでは、今度は質問を変えまして、このQロケットとNロケットですね、この発注の契約配分率ですね。これはQの場合にはどうと、Nの場合にはどうと、これをひとつ金額と、そのパーセント――全発注額のパーセントですね、金額と。パーセントをひとつお願いしたいと思います。
○政府委員(千葉博君) この点につきましては、事業団が逐次いま契約をしつつありますので、全体で今後どうなるかというような点につきましては、たとえば三菱が何ぼ、石川島が何ぼ、それから日産がどのぐらいとかいう点は、まだはっきりしておりません。
○中尾辰義君 Qの場合です。
○政府委員(千葉博君) Qの場合につきましては、まだ実態がそういった発注までずっときまるというところまでいかないうちにこの計画が変わったという点でございますので、この点につきましても、メーカー別の分担ははっきりしておりません。
○中尾辰義君 私がいろいろ調べました結果ですね、Qの場合は、三菱重工がその契約配分率が三三%、日産が一八%、石川島播磨重工が一一%、こういうようなパーセントになっておるように伺っておりますが、この点いかがですか。
○政府委員(千葉博君) 先ほど申し上げましたように、まだそういった発注行為が行なわれる前に変わりましたので、私のところには具体的な資料がございません。
○中尾辰義君 それから、このNロケットの場合ですね。いろいろ新聞等や何やかやで私が見ておりますと、Nロケットの場合は、三菱重工のほうが大体九〇%ぐらいは契約があると、このように聞いておりますが、その点いかがですか。
○政府委員(千葉博君) 確かに雑誌では、九〇%くらいになると、こうなっておりますが、私個人が推定いたしましてもそんなにはならないだろう、せいぜい六〇%くらいじゃないかというような気がしております。これは私の個人的な推定でございます。たぶんそのぐらいじゃないかと思いまして、この九〇%はあまりにも多過ぎないかと、かように思います。それで、ただ三菱が取りまとめるということは、これは事業団側からの話によりますと、三菱は取りまとめますけれども、個々のものにつきましては、石川島もつくりますし、さらに、電気関係におきましては日本電気、三菱電機とかいうようなのが入る、それから日産自動車も入るということでございます。
○中尾辰義君 新聞や雑誌ではというようなことをあなたおっしゃるけれども、これは国会の委員会において私があなたに聞いておるのです。こういうことがあなた方のほうで、技術庁も事業団もわからぬというようなことは、私は解しがたいですね。計画できているでしょう、一段はどこどこ、二段はどこどこ、三段はどこどこ、大体あなた、およそこの程度くらいなことはわからなければならぬ、わからなければしょうがないでしょう、事業団だって、技術庁だって。
○政府委員(千葉博君) わからぬのはけしからぬというお話でございますが、まだこの契約がされておりませんので、細部にわたっては何%ということは私どもはよくわからないわけでございます。先ほど申し上げましたように、事業団のほうにメーカーの分担についてはおまかせしておるわけでございます。メーカー分担は大体このくらいになるという線は、私自身がいま推定しまして、これは約六〇%ぐらいが三菱にいくんじゃなかろうか、それから石川島が全体の一〇%、日産自動車もほぼそれに近いというものくらいじゃないかというように推定はいたしております。
○中尾辰義君 エンジン部門は、総予算で、重工とか、石播、どういうふうになりますかその契約の受け高はどのくらいのパーセントになりますか。
○政府委員(千葉博君) このニンジン部分がどうかということでございますが、第一段のエンジンは、これは石川島が生産することに、担当することに相なると思います。それで、全体的にどのくらいのパーセンテージかということは、非常に細部にわたりますので、事業団のほうから……。
○中尾辰義君 概略でけっこうです。
○参考人(島秀雄君) いまエンジンが幾らになるか、ちょっと私のところに持っておりませんから調べまして申し上げます。だけど、エンジンは石播でやる、第一段のやつは全部取り仕切るわけです。一段のバーニヤエンジンでございますが。それから二段のガスジェットのようなものも石播がつくることになっております。それで、それが幾らになりますかはいま調べまして申し上げます。
○中尾辰義君 時間がありませんので。要するに、私は、いろいろ質問をいたしましたけれども、ロケットの技術開発ということは、これはまあ方向を誤りますというと、やはりさっき申し上げましたように、軍事用のミサイル等に使えるわけです。ですから、これはどこまでも平和的利用でなければならぬ。こういうようなものをやはりある一つの会社に集中的にやる、あるいは集中でなくても、かなりそこに受注額が大きくなるということは、いろんな問題点も考えられるわけですね。どこまでもこれはガラス張りで、国民に対して宇宙ロケットの開発はこういうふうになっておりますと、それで将来こういうふうに、いつごろどういうふうに打ち上げていくというようなことをはっきりと明示をして、国民の支援を得なければならない。何となく、私はさっきから質問しているのですけれども、第一点は、Nロケットの開発それ自体が、どうもユーザー側の要求に応じるような体制が整っておらないというような、そこに対するところの疑問。それから二番目は、こういう日米間の交換公文があるにもかかわらず、いたずらにこれは自主開発、それも研究の波及効果ということに力を入れて三段ロケットの自主開発をおやりになっている、そういうような点。三番目は、いま申し上げたような、予算の面におきまして、一社に対しては相当集中しているような感じがする点。 さらに言いますと。これは人事の面に少し触れますけれども、宇宙開発事業団に三菱から入っていらっしゃったですね。これはどなたがお入りになっていますか。
○政府委員(千葉博君) かつて三菱重工業におりました高田という理事が入っております。
○中尾辰義君 高田さんが事業団の理事に就任をしていらっしゃる。これも、宇宙開発事業団の規約に反しないかもしれませんけれども、反しないからいいんだというふうに簡単に考えるわけにもいきませんしね。さらに、下部の部分には、技術部門のほうにも、三菱からも入っていらっしゃるようだし、いろいろと考えてみまして、いま開発事業団が開発しておるNロケットの計画に対しては、どうもはっきりしない。大臣に聞いてもはっきりしない。今後の見通しもはっきりしないので、まあ計画を来年あたりもう一ぺん検討する、こういうようなことでありましたけれども、何回も言いますように、どうかひとつこの点はほんとうにガラス張りに、平和的に利用できるように、そうして科学産業に大きく貢献できるように、その点よく考慮をして、と同時に、これはやはり総額二千億かかるんです。ことしは所得税減税はないでしょう。ただ、研究開発という名目で使うということも考えなくちゃならない。相当これは効率的に予算を使用しなければなりませんね。当委員会、特に決算委員会ですから、その点ひとつ私は、私の意見を申し上げまして、事業団の計画の再検討を促しまして、質問を終わります。
○理事(小谷守君) 他に御発言もないようですから、内閣、防衛庁を除く総理府及び外務省の決算につきましては、この程度にいたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時五分散会 ―――――・―――――