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68回国会参議院1972/06/12

外務委員会 第16号

発言数
107
登壇者
11
会派数
4
開催日
1972/06/12

会議録

八木一郎自由民主党

○委員長(八木一郎君) ただいまから外務委員会を開会いたします。  在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案  国際電気通信衛星機構(インテルサット)に関する協定の締結について承認を求めるの件  以上二案件を便宜一括して議題といたします。  前回に引き続き質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言願います。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 インテルサットの使用料という問題ですが、これは一体どの程度支払うものなのか。前に説明なかったようですので、この機会にあらためて伺っておきたいと思います。

影井梅夫外務省国際連合局長

○政府委員(影井梅夫君) 昭和三十九年から昭和四十六年までの合計額でございますが、日本が支払いました総額が二十億三千二百万円一減価償却費等が六億二千七百万円、純資本支出分担額が十四億五百万円、こうなっております。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 それは総計ですが、一回にどのくらいということは何か出ておるんですか、計算上必ずしも平均値は出てこないかもしれませんが、大体のことでよろしいですが。

柏木輝彦郵政大臣官房電気通信監理官

○政府委員(柏木輝彦君) ただいま一回線の使用料でございますが、これは電話を運ぶ容量のある能力、これを一回線に単位をしておりますが、これを一万三千ドル、年間一万三千ドルというのが単位になっておるわけであります。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 どういう制度になっておるのか、一回ごとに支払うのか、何かある一定期間をまとめて契約みたいにされておるのか、その辺がどうなんでしょうか。

柏木輝彦郵政大臣官房電気通信監理官

○政府委員(柏木輝彦君) この使用料を定めますのはいまICSCといっておりますが、理事会でございますが、これの定めに従いまして各使用国事業者は三カ月ごとにまとめて使用料を計算されたものを払うということになっております。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 そういう場合に、たとえばNHKとか民間放送とか、それぞれが個々に相手と折衝をするのか、何か窓口でもあるのですか、その辺はどうなんですか。

柏木輝彦郵政大臣官房電気通信監理官

○政府委員(柏木輝彦君) この使用料は、インテルサットが参加事業体、つまり日本で申しますと国際電信電話株式会社がこれを使用いたします、これに対する料金でございまして、この回線使用料をもとにいたしまして地上施設、地上国内通信回線等を合わせました全体の料金を、これを国際電電に対しましてNHKなり民放等の事業者がそのつど使用料を払うということになっておりまして、この使用料は国内的に郵政大臣の認可を得まして国際電信電話株式会社がこれを定めております。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 質問者が使ませんから一問だけ。  在外公館に関連して、在外公館、アメリカとの比較をちょっと教えてください。アメリカもやっぱり日本と同じように兼館が多いのか、全部実館で、大使館と言えば大使以下参事官その他そろっているのか。在外公館の数、——もっとも取り方によって違うかもしれぬが、およそでけっこうだが、数。それから兼館か、実館か。人数の点。人員関係の予算のおよその比率でもわかればけっこうだと思うのですが。

鹿取泰衛外務大臣官房長

○政府委員(鹿取泰衛君) アメリカの場合、兼轄が日本と比して多いかどうかという御質問と、それから全体としてアメリカの公館数は日本と比べて多いかどうかという御質問だと思いますけれども、いずれの場合も、いまここに、手元に的確な資料はないので、従来私が実務上知り得たところでお答えいたしますと、兼館の数が多いかどうかは、実のところほとんど同じであろうと思います。ただ、アメリカの場合は、総領事館、領事館の数が非常に多いので、全体の公館数は日本よりもずっと多くなっていると思います。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 で、外務省の人数は。

鹿取泰衛外務大臣官房長

○政府委員(鹿取泰衛君) 定員につきましては、アメリカの場合、純粋の外務省定員を比べましても日本よりもはるかに多いわけでございますけれども、さらにアメリカの援助の機関が外国にございます。その人数を加えますと、日本の数倍に達するという計算になると思います。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 その公使というのはだいぶ昔と比べて減っちゃって、ロンドン、パリぐらい、アメリカぐらい……。公使、小さいと言っては失礼だが、人口の少ない、面積の小さい国では、ことに後進国は大使というもの、大使館というものに抵抗を感じているようだが、そのアメリカ式というか、アメリカは総領事館が多い。それには名と実がぴったりしているから、下げて、総領事館あるいは公使館、公使の実館として任命する、そういうことはしないのですか。

鹿取泰衛外務大臣官房長

○政府委員(鹿取泰衛君) アメリカの場合と日本の場合との考え方は基本的には同じであろうと思いますけれども、ただ大使館と、大使と公使の数ということになりますと、日本の場合にもアメリカの場合にも、一つの国に対する官庁として使節を送る場合は、いまは全部大使に、日本の場合はそうでありますし、アメリカの場合もそうであろうと思いますが、次席の公使の数ということになりますと、これはアメリカのほうが多くて日本のほうが少ないということになります。さらに、先ほど私が申しましたように、大体世界の国の数が限定されておりまして、そういう意味で日本も大体の国には大使館を設置しているということで、アメリカとの間に大使館の数の差はそうないと申し上げたのでありますが、総領事館、領事館になりますと、これは一つの国にきめこまかく四館でも五館でも置く場合があるのでございます。そういう意味でアメリカのほうが日本に比して相当数が多いということをお答えした次第でございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 それでは外交官の能力ですね、みんなアメリカも試験を通ってきている人が大部分。試験問題その他は比較したことがありますか。たとえばいまの試験課目は、国際法、経済学、歴史等、簡単で五つくらいでしょう。日本の外交官の場合は、そういう試験問題の比較、おそらく日本が優秀だと思うがどうですか。

鹿取泰衛外務大臣官房長

○政府委員(鹿取泰衛君) 試験の課目についてはある程度各国の例を参照をしたことはございますけれども、試験の難易の点についてはなかなか比較がむずかしいわけでございまして。しかし最近わが国におきましては、上級試験の試験問題に国際法、国際私法、または公法としての憲法のほかに、そういう外交官として当然知っているべき法律のほかに、民法または行政法を必須として要求することにいたしまして、そういう意味で最近上級試験の課目内容もややむずかしくなってきたのではないかと思います。アメリカの場合には、国務省に入る場合の試験はそれほどむずかしいとは聞いておりませんけれども、その後の昇進の過程において試験があるというふうに聞いております。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 優劣はわかりますか。さっぱりわからないのですが。

鹿取泰衛外務大臣官房長

○政府委員(鹿取泰衛君) 外交官としての優劣ということになりますと、アメリカの場合には、私の感じたところで恐縮でございますけれども、非常に専門家として優秀な人が多いという印象でございます。日本の場合には専門家もいるわけでございますけれども、どちらかというとゼネラリストと申しますか、どの部門でも一応の見識を備え、交渉能力があるという外交官が多いわけであります。

八木一郎自由民主党

○委員長(八木一郎君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

八木一郎自由民主党

○委員長(八木一郎君) 速記を起こして。  他に御発言もなければ、二案件に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

八木一郎自由民主党

○委員長(八木一郎君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより二案件について一括して討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。  別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  まず、在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

八木一郎自由民主党

○委員長(八木一郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、国際電気通信衛星機構(インテルサット)に関する協定の締結について承認を求めるの件を問題に供します。本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

八木一郎自由民主党

○委員長(八木一郎君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  なお、二案件についての審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

八木一郎自由民主党

○委員長(八木一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

八木一郎自由民主党

○委員長(八木一郎君) 次に、  原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とオーストラリア連邦政府との間の協定の締結について承認を求めるの件及び  原子力の平和的利用に関する協力のための日本国政府とフランス共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件(いずれも衆議院送付)  以上二件を便宜一括して議題といたします。  二件につきましては去る六日、趣旨説明及び補足説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言願います。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 この種協定はこれまでアメリカ、カナダ、イギリスとありますが、特に豪州、フランスと結んだ今度の協定の違い、まあちょっと私が読んだところの感じでは、従来日本が原子力関係でおくれていたから、アメリカ、イギリス、カナダに頼むことのみ多かったが、今度のフランスの協定なんか、あるいは豪州見ても、日本がようやく原子力について力がついてきて、平等にやっているような感じを受けるんですが、違いをおっしゃってください。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) 大体において、従来のアメリカ、カナダ、イギリスと日本が三協定結んでおりますが、保障措置の関係、それから協力の対象事項等、大体において同じでございますが、ただ、日豪等の場合は、日本が将来必要になりますところの原子力発電に必要なウラン資源の確保等に非常に重点を置いた内容になっております。したがいまして、期限等に対しても、フランスが十年に対してこちらは二十五年と、非常に将来ウラン資源の開発、日本に対する供給に重点を置いた内容になっております。まあ概略においては大体、平和利用を確保するための保障措置、あるいは技術者の交流、情報の交換、燃料等資材、設備の交流等、大体概要は似ておりますが、重点の置きどころがかなり違ったものとなっております。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 いまちょっと成田さんの答弁の中に、条約の期限の問題がお話しあったけれども、フランスは十年、片方二十五年、その後は自動的に変わっていくんだが、特に十と二十五の違いはどういう目安で置いたんですか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) フランスの場合は十年でありまして、日豪協定の期限は二十五年になっております。この違いは、日豪協定の主眼点となっておりますところの、オーストラリアは非常に世界的な天然ウラン——ウラン資源の非常に埋蔵量の多いオーストラリアについて見ますと、日本がこれからいろいろ共同開発とか、共同でウラン鉱の探鉱開発をやる契約をしましても、まあ通常探鉱、開発に七、八年を要するわけでございます。それから経済的な採取開発期間としてさらにそれを入れまして十五年等がかかりますので、そういう長期的な、ことに開発と協力ということを考えると、やはり十年では非常に短期に過ぎますので、二十五年という非常に長い期間をとりまして両者のウラン鉱の開発協力の円滑化をはかりたいというのでございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 この協定は、もちろん主としてウラン資源を多角的に日本に入れるために経済的に安定的な供給、こういうことで二つ協定を結んだと再三御説明がなされております。問題は、ウラン資源が非常に少ないというのはだれも知っている。いろいろなことを読んで見ると、あと十五年もすると、いま確認されている量などでは世界はもちろん行き詰まりがくるのじゃないかと思うので、そのおおよその数字を世界と日本に分けて、ことに電源開発調整審議会とか、あるいは原子力開発利用長期計画などを見ると昭和六十年、一九八五年という年がすべての目安になって説明がされているようです。昭和六十年、一九八五年は原子力の発電量がいわゆる六千万キロワット。いまは百三十二万キロワットで二%だが、十五年後になってみると当時の二五%に原子力発電が行なわれる、こういうことになっていますから、昭和六十年をまず目安に、そのときに日本のウランの所要量、不足量、それからそれ以後の不足量、そういうのを聞かないと、非常にあやふやに将来がなっているように見受けられるので、簡単なことですが御説明を願いたいと思います。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) 現在世界のウラン資源は、これはかなり経済性に乗る品位のいいものを対象にしまして百二十万トン、世界各国のトータル資源量が百二十万トンと言われております。日本が将来、原子力発電が今度の長期計画におきましても、昭和五十五年におきましては三千二百万キロワットになる。それから、昭和六十年におきましては六千万キロワットになる。それから昭和六十五年におきましては一億キロワットの計画になっております。この長期計画に掲げておりますところの目標の規模を達成するためにどれだけの天然ウランが必要であるかということを見ますと、昭和五十五年までに必要なのは——これは累積需要でございますが、約四万八千トンの天然ウランが必要でございます。それから、昭和六十年までは約十万トンの天然ウランが必要である。昭和六十五年までは累積で十七万トンの天然ウランが必要であるということでございまして、現在いろいろ電力会社等がカナダ等と契約をやって、将来の手当てをやっておりますが、いま大体確保されておりますのは約六万トンであります。したがいまして、昭和六十年までの所要量に対して約六割確保されておるということでありますが、昭和六十五年までを見ますと、これが三分の一ぐらいしか確保されておらないという状態でございます。  それから、世界の天然ウランの所要量を見ますと、昭和五十五年までで——これも累積でございますが、四十三万トン、それから昭和六十年まで九十六万トン、約百万トンに近いものになるのでありますが、これは、先ほど言いましたように、いま現在経済性のあるウラン資源の埋蔵量が確認されておるのは百二十万トンしかないのに、将来昭和五十五年までで四十三万トン、昭和六十年度までで百万トン、非常に将来あぶないんじゃないかという一つの形式的に並べますとそういう危惧も出てまいるんでありますが、これは石油の場合も同様でありますが、天然資源の場合は非常に需要が出てまいる。そして価格も上がったりしますと非常に探鉱開発の企業意欲が出まして、そしてそれによって相当どんどん確認埋蔵量がふえていく。それで石油の場合を例にとりますと、将来二十五年ぐらいしかもたないという計算でありますが、消費量がどんどんふえてまいっても依然としてその二十五年というのは保たれるように探鉱開発が行なわれておる。そういう意味で、天然ウランにつきましては、まだ初期的な段階でもありますし、今後探鉱活動の活発化によって、まだまだ相当経済性のある賦存地区が発見されていくんじゃないかと、そういう意味におきまして、決していま百二十万トンしか発見されておらないというのは、非常に将来天然ウランの不足になるということではなくて、今後消費量がふえ、探鉱活動が活発になるとこの確認埋蔵量もかなりふえていくんじゃないかというふうに、これは世界的に大体そう見られているところでございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 成田さんもなかなか科学者で、数字に立脚してもっともらしいことを言うんだけれども、きょうみれば全く非科学的な答弁なんですね。石油だってないと思ったがだんだんあるじゃないか、ウランだってないと思ったが、さがしてみたらあるかもしらんから心配要らないというのでは、私が言うならわかるけれども、天下の原子力局長としては私は悲しい答弁だと思う。原子力関係はいま初期的段階であるからさがせばだんだんあるだろう、形式的にはあぶないかもしらんというのでは……。わずか昭和六十年といえば十三年後ですね。十三年後で、いま累積必要量に満たない。六割ぐらいしか……。日本の場合、九万何千トンの六万、契約したものが六万トンぐらいしかないありさまでしょう。何かもう少しばしっとおっしゃってくれませんかね。それはあなたの言うのは、例のいまここで議題になっている計算の場合は一ポンド十ドル以下という標準だから、これはもっと高ければあるんだとか、それならもっともっとありそうだという、われわれに不安心をかけないで、十三年で電力産業も経済もみんなストップしちゃうんじゃ困りますから、もう少し科学技術庁のお方ですから科学技術的に御答弁願いたい。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) 具体的な例としまして、国際機関等の調査によりますと、一九七〇年四月現在でポンド十ドル以下の経済性のあるものが八十四万トンでありまして、これが一年ちょっとで百十六万トンという、これは豪州等の非常に新しい地点の発見がありましたのでございますが、最近の技術革新と、それから原子力発電に対する世界的な消費増大を反映しまして非常に最近ふえているということ、そういう傾向は、まあこれは価格いかんにもよりますが、今後アフリカあるいは豪州、新しい地域で相当期待されるということがいろんな基礎調査等の結果によりましてもいわれておるところであります。それから将来の、二十年先になりますと、いま日本で動燃事業団がやっておりますように、濃縮ウランを使わないで、さらに使用する燃料よりも結果的に出てくる燃料が大きいような高速増殖炉の開発とか、あるいはウランを使って発電して燃料使用済み燃料から採取するところのプルトニウムを使うとか、新しい原子力発電の燃料源の確保がいろいろ検討されておりますが、それまでの間といたしましても、最近の探鉱技術の発展と、それから非常にまだ世界各国ともアフリカ、豪州その他の地区で相当な埋蔵量が期待できるという、非常に簡単な基礎調査等からもそういうふうにいわれておりますので、そういう意味では将来あまり不安はないということが言えるものと考えております。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 基礎調査よりは少ないと思った。豪州の場合でも少ないと思ったが、やってみたらばたいへん量が違ってたくさん出る。また、十年、二十年後には高速増殖炉とか、そういう新しい燃料源の研究も進むから少ない分量であとはやれるだろうというような局長の判断では、日本もやっている、外国もやっている。一体いつになったらこれが現実にしかも経済的に稼働するか、高速増殖炉なんかの場合、確信はどの辺に置いておりますか。この年度ならば世界の場合やれる、日本の場合はこれくらいならやれるのじゃないかという、実験段階とこれが本気になってやる場合の見当、見通しは。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) 高速増殖炉がいつごろ経済性を持って日本の原子力発電形態に入ってくるか。これは今度の原子力委員会における長期計画の検討においても非常に検討されたととろでありますが、いま日本では動燃事業団が実験炉をつくっている段階、そして今後原型炉をつくる。これから入るという非常にまだ初めてのころの段階でございますので、おそらく将来経済的な炉として日本の発電体系に入ってくるのは昭和六十年代の中ごろではないかというふうに見られておりまして、今度の長期計画におきましても、昭和六十五年度原子力発電の規模を先ほど言いましたように、一億キロワットという計算になっておりますが、その中で九千万が従来の軽水炉、一千万ぐらいを高速増殖炉の前の段階として新型転換炉という新しい動力炉——これは軽水炉と高速炉の中間的な形態でございますが、全体の一割ぐらいは新型転換炉が入ってくるのではないか。高速増殖炉につきましては、考え方としては昭和六十五年まで入るけれども、計数的には幾ら入るかというのは明らかにしておらないという状況でございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 なかなか期待の持てそうな持てないような不確定な要素が資源の面でも、そういう燃料源をつくり出す設備でも、前途にそういう不安定がある。不安定じゃない、たぶん期待どおりに動くだろうが、まず確たる目標は立てがたいという不安定に反して、きわめて確実なのは、日本における原子力発電所の設置、いろいろ安全性の問題、環境の問題、あっちこっち問題がございますが、電力会社あたりは夢中になって、無限に資力があり、新型転換炉、高速増殖炉も昭和六十年から六十五年、七十年にはもうできるんだといったような仮定の上に立って、それつくれという計画では少しずれていると思うのですね。安全性の問題でも問題があり、資源の問題でもそんなふう。燃料源をつくり出す設備にしてもそういうふうなのに、現在四基の発電所が日本で動いておりますが、先ほど申した昭和六十年度、一九八五年度における建設済みの発電所及びその段階でなお建設中、計画中のものはどんな数字になりますか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) 長期計画におきましては、将来のこれはマクロ的な見通し、電力需給から原子力発電が六千万キロワット必要であるという一つの目標として計上をしておるのであります。現在具体的な計画として原子力発電が考えられておりますのは、いま現在運転中のものは、先ほど御指摘のように四基ありまして、そのトータル出力は百三十二万キロワットでございます。それから政府の許可がおりまして現在建設中のものが十二基ありまして、そのトータルが八百二十万キロワットでございます。それから第三のカテゴリーとしましては、電力会社から申請がありまして、現在安全審査その他原子力委員会で審査中のものが五基ありましてその出力は五百十二万キロワットでございます。したがいまして、これを合わせますと二十一基千四百六十四万キロワットぐらいになりますが、これが現在具体的な地点、具体的な規模等のわかっておる、政府として明白につかんでおるものでございまして、これが将来昭和六十年度六千万キロワットになるために、どういう地点にどういう会社がどういう規模の発電所をつくるかというのはこれはまあ今後の問題でありまして、電力会社がいろいろいま検討中であって、政府としての具体的な計画としては二十一基、千四百六十四万キロワットだけが政府の把握しておる計画でございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 話はちょっと飛躍しますが、この電気を遠くから送るときはロスが当然これはあるんでしょうね。あっちこっちで、この狭い日本、そこへ集中的に、しかも大規模なものを、風光明媚な若狭湾にもってきたり、わが茨城県でもいろいろ問題を起こしておる。これを一まとめに、択捉、国後ですね、あそこへいって六千万キロワット、かりに島を全部つぶして、そして電力を送った場合にはどのくらいロスがあるものなんですか、東京へ送った場合。距離の何乗とかいろいろ数式があるんでしょう、飛躍する質問ですが。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) 非常にめんどうな御質問で、あるいは現在北海道と本州は送電経路がないのでありまして、将来下北半島と北海道とを結ぶ送電もいろいろいま研究されておるようでございまするが、現在のところ具体的な計画がない。したがいまして、まあ北海道の北端のところに集中的に原子力発電所をつくるという問題もわれわれ検討したことももちろんないんでありますが、将来送電線ができましても送電ロスというのは非常に距離に比例して、まだ終戦直後は二〇%もありましたのが最近いろいろ合理化をやって六%、これは全国段階でございますが減っておりますが、これはやはりいろいろ装置等いろんな合理化もなされておりますが、距離の問題もありまして、これが北海道から東京までというもしも送電経路ができましても、距離からして相当高いロスになると思います。  それからまあ発電所をつくる場合は単なる土地だけでありませんで、あるいは水の問題とか、いろんな問題もありまして、北海道の北の離島に集中的に置いて、そして本州の需要をまかなうという問題は、まあもうちょっといろいろ今後検討してみたいと思います。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 私はね、そこへ置くか  私が申し上げたのは、択捉、国後がソビエトから平和的な贈りものとして返ってきた場合、あそこに、一カ所に六千万キロワットというものを置いた場合に、それを東京に送る場合どのくらいロスがあるか。昔は、終戦後は二〇%だったのがいまは六%だと、それはどこの距離の場合が知りませんが、それの数式を知りたかったのです。どういう式が成り立つのか、これは一%くらいならばやったって、もともと安いウランの燃料ですから一%減でも火力発電の電力よりは安くいけるんじゃないかと思うんですが、どうですか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) それは一〇%とかそういう問題じゃなくて、おそらく従来の交流送電といいますか、従来の送電方式ではとてもロスが多くて実現性がないものと考えられるのであります。したがいまして、現在いわゆる直流送電というのが検討されておりまして、この直流送電方式によりますといろいろな施設費がかかるのでありますが、送電ロス自体は交流送電の二割くらいにとどまるということもいわれておりますので、この直流送電、いま検討中のそういう技術の開発が成功することがまず必要で、その直流送電の検討の結果によってはいろいろそういう検討も——これもまあケーブルをつくらぬといけませんものですから検討する必要があると思いますが、従来の常識的な送電方式ではおそらく経済的あるいは技術的にも乗らないんじゃないかというふうに考えられるのであります。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 まあ常識的というところにとどまったのではこの激しい進歩発展の社会のときにはだめで、私は一つのアイデアとして申し上げたのです。  ところで、この協定には豪州とフランスで幾ら幾らというウランを日本はどのくらい買うんだ、売りますという保証ですね、量的なそういうものはないんですか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) この協定におきましては、ウランを日本が豪州、フランス等から買うという数量的なワクはなくて、むしろこの買うこと自体は、日本の電気事業者、あるいは向こうのマイニング会社等との話によって購入計画なり共同開発計画なりが今後進められるのでありまして、この協定におきましては、そういう具体的な取引契約が進められる場合は、両政府ともその実現に大いに協力しようという政府としての考え方、協力して円滑にその経済交流を促進しようという考え方だけでおるわけでありまして、実際の取引は当事者間の具体的な契約によってきまり、また相当オーストラリア等につきましては資源的にも十五万トンという非常に大きな、現在でさえ大きな余力がありますので、価格等の条件が整うならば相当日本として将来期待できるというふうに考えております。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 関西電力では例の人種差別の南アフリカのナフコールといったかね、そういう会社から五千八百トンのウランの契約をしておるんですが、南アフリカはもうわれわれが、みんなが知っているように、去年かおととし二十三回の国連総会でそういう人種差別をやっている国との貿易を発展させることはやめようという、自粛せよといったような決議が通っております。ところが片方ではウランほしいばかりに五千八百トンくらいのウランの買い付け契約を関西電力がやっているのを見のがしておるのか、知らないで会社がやっているのか、どっちですか。

影井梅夫外務省国際連合局長

○政府委員(影井梅夫君) ただいまの南アフリカの人種差別政策、これに対しましては日本はもう一貫して反対しております。ただ、ただいま御指摘の日本と南アフリカとの間の貿易、これにつきましては、日本といたしましては特にこれを促進しないようにということで気をつけている次第でございます。この点につきましては、いわゆるブラック・アフリカのほうでは、希望といたしましては、なるべく早く日本と南アフリカとの貿易、これは縮小してほしいということを言っております。しかしながら、日本といたしましては、促進はしないが最小限度と申しますか、必要な貿易を行なうということにつきましては、いわゆるブラック・アフリカのほうにおきましても、公式には別といたしまして、実は了解をしているものではないか、このように考えております。  なお、ただいまのウラン鉱の詳細につきましては原子力局長から……。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) 現在までのところ、日本の電力事業者が南アフリカと購入契約を結んでいる量は約一万六千ショートトンというふうに見られております。これは大体米国に送られまして、濃縮ウランの形で日本に入ってくるということで、現在まではまだそのウラン鉱は濃縮されて日本には入っておりません。昭和五十年ごろ以降に日本に濃縮した上で入ってくるというふうに考えております。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 成田さん、アメリカ回りで濃縮ウランが戻ってくるのは、これは手続であって、それは問題は保障措置の問題がからんでくるから、アメリカを経由しなければだめですから。  それはそれとして、国連局長の答弁はおかしいですよ。これはあの決議で日本は棄権しているんです。二十三回の国連総会で人種差別問題のときには反対をしていません、棄権をしているという事実が一つ。促進はしないが、必要な貿易はやるということは、黒い人たちは御了解願っているんじゃないかと言うのは、あまりにかってですよ。  一番日本が必要とするものを買っているんですから、日本にとってはウランがないんですから、全然ないんだから向こうから買うというのに、最小限とかいうカテゴリーには入らぬ。やはり貿易促進というまでもなく、大きく向こうにプラスさすということに黒い人たちは相当反感を持っているんじゃないか。いずれにしても、そういう決議のある以上、日本は棄権していますが、やはり国際的にそういう決議のある場合には、これを少なくともテークノートした外交的措置が必要だと思うんです。そうしないと、何かというときにやられますからね。もうクジラであろうと、ストックホルムの会議であろうと、日本のやることなすことみんな見ておりますから、やはり国連の決議があった場合には、まじめにテークノートしていくことが必要だと思う。それはアメリカを通ってくるんだから、アメリカで濃縮してくるんだからかまわないというのは、これは技術論であって、これは関西電力がいかにほしかろうと自粛をさせる態度が大事だと思うんです。日本の原子力はこれから長い産業ですから、そういう態度がほしいんですが、大臣いかがですか。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) わが国は多量のエネルギーを必要とします。そこで今日におきましては、これを石油に頼っているというのでありますが、原油の所要量もなかなかこれを順調に調達し得るかし得ないか、これは今後の問題になる。そういうときに、これを補充するウラン資源、これも非常に貴重なものである。そういう角度で、わが国といたしましては、わが国のウラン資源を充足するというために、わが国自身としても努力をしなければなりませんけれども、やはりウラン資源も限られたものであって、これを世界的の視野においてどういうふうに配分いたしていくか、そういう点にも心すべきであると同時に、ウラン資源が一体なくなったという場合にどうするかということも、もうそろそろ考えておかなければならない。核融合であるとか、いろいろありますが、そういう問題につきましても、国際社会の中で日本も協力し、そういうものの開発にも目を、今世紀末というか、二十世紀から二十一世紀まで転じて対処しなければならないし、その間におきまして、わが国が国際社会におけるマナー、ウラン、原子力エネルギーに対するマナー、こういう問題につきましても、よほど気をつけていかなければならぬ。公害問題に対するわが国の態度、まあストックホルムでいまいろいろ論議がありますが、それと同じような態度でこういう問題にも対処していかなければならぬだろう、かように考えております。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 政府委員いかがですか。あなたは黒いほうの人たち、南アとの貿易を日本は促進していないということは、黒いほうの人たちも理解してくれているのじゃないかという御答弁があったけれども、これは日本が非常に必要としておるものであって、少しぐらい悪く言われても南アフリカから輸入するのだというのでは、南アフリカをいやがる人々に対しては悪い印象を与えていると思うが、国連局長いかがですか。

影井梅夫外務省国際連合局長

○政府委員(影井梅夫君) 非常にむずかしい問題だと思います。わが国が資源がほとんどないという事情、これは私はいわゆるブラック。アフリカの諸国もおそらく理解してくれているものと信じます。しかしながら、もちろんたてまえといたしまして、先ほど先生御指摘のように、日本と南アフリカとの間の貿易を促進する、この態度はとっておらない。この点はブラック・アフリカのほうではよく評価してくれている、間違いないと思います。今後の方向といたしましても、決してこれを促進しない。ただいま先生御指摘のように、必要最小限のものにとどめるというこの方向、これも理解されておるものだろうと、私はこういうふうに信じております。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 大臣と原子力局長の答弁、これは大きな違いがあるが、私はウラン燃料はあと数十年でちょっとおっかない事態になるのだということに対して、石油の前例もあり、どこかもっとさがせばあるはずだという楽観的な御説明が原子力局長の答弁で、大臣のほうは、これは将来石油と同じようにどうなるかわからぬから勉強しなければならぬ。こういうふうに御意見は違っているのですね。その点はつっ突きません。  そこで先に進みますが、ただ自分がほしければ、どんなことがあっても、人に悪口を言われようと何しようと、ものをきめていく態度は、大国日本としてはとらないほうがいい。厳重に注意しながら進む。黒い人たちの理解も求めつつ進むというのが外交上大事なことだと思うのです。だから、小さいことですが、原子力局長、一ポンド十ドルという話、それは採算可能だという線だということでしょう。もっと近くであるとか、採掘が容易になれば安くなる。遠くで不便で何度も道路をつくっていくということであれば高くなるのですが、一ポンド十ドル、世界的にそういう水準でのお話し合いをしているのじゃないかと思うのですが、そのスタンダードはどういうところからとっておりますか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) 現在の国際相場は、最近かなり安く、一ポンド七ドルぐらいになっているようでありますが、大体埋蔵量において、これは国際機関等の分類におきましても十ドル以下と十ドルをこえるものというふうに分けまして、まあいまの状態でウラン鉱と石油の経済性から考えて、やはり十ドル以下でないと経済性に乗らないという考えから、十ドル以下と十ドル以上というのがIAEAの分類等においても従来からとっておるところでございまして、いまはかなり安い十ドルということですが、まあ将来を考えると、やはり十ドルをこえないものはかなり経済的に入手開発できるものと考えられるのであります。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 きょうはウラン資源だけにしぼっちゃいますが、よくよそが売り渋るという様子がないのがふしぎだと思うのですね。こんな相手の軍事的にも死命を制せられるものをさっと一ポンド十ドルなら十ドルという平均的な相場でほしいだけ売ってあげましょう、買いましょうと、これ非常に私ふしぎなんですが、どうしてよその国はおっかない軍国主義日本、何に使うかわからないものにあまりやらないほうがいいと思いますが、各国が皆せっせとくれるのですね、どういう意味ですか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) ウラン鉱につきましては、現在むしろ在庫があり過ぎるというのが各国の実情のようでございます。これはもちろん軍事利用の需要量が最近減っているということもあると思います。それから一時相当探鉱開発、鉱山会社等の開発が急に進んだということもありまして、現在は各国とも在庫がかなりあるという実情だろうと思います。それから日本に売って軍事利用等の懸念があるというお話も、これも確かにそういう心配もあるのでありますが、こういう原子力協定によって、このねらいはむしろ平和目的に限って売ると、しかもそれを自後の国際機関による査察によって、保障措置によって厳重に監視するというところに今度の協定等のねらいがあるのでありまして、そういう意味からこの協定等によると、そういう平和目的以外に利用されるというおそれもなくなって、非常に円滑に供給が確保されることはたしかだろうと思います。それから最近は、これも石油と同じようにウラン鉱の生産国が石油のOPECのような、最近パリで生産国の会議がありまして、そこにおいてウラン鉱が最近は値段がかなり買いたたかれているが、お互いに話し合いをして価格の維持をはかろうではないかというパリ会談が二回ほど行なわれておりまして、この動きが石油のOPECと同じように、あるいは将来の価格の引き下げを防ぎ、また多少つり上げるほうに働くおそれは考えられるのでありますが、需給問題としては現在はかなり供給過剰傾向にあるというのは、これは一時的な状況でございますが、現在はそういう状態になっております。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 最後の質問。その供給過剰ぎみ、在庫ありと、いま日本が外貨たまってしかたないから少し買い占めておけなんていう話も新聞にちらほら出ますが、これはまじめな話なのかどうか。将来値下がりすることはないのでしょう、長期的に見れば。もともと絶対量そうたくさん、何千万トンという話がないのだから、この際安いうちに外貨減らしのために押えておこうという話は、政府部内で論議したことあるいは商社間でそんな話を持ち込まれたことがありますか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) これはアメリカからでございますが、昨年から非公式に天然ウランを日本で将来のために買わないかという話もありました。また最近、これはウラン鉱だけじゃなくて濃縮ウラン、濃縮作業の予約といいますか、そういうものの将来に対して、日本として将来需要がふえるのだから確保しておかないかという話もあったことは確かでありますが、ただ天然ウランについて考えましても、七ドルのウランが将来十ドル等に近づくとしましても、その間の金利の問題を考えますと、これは電気事業者、日本で買うのは契約当事者は電力会社等の事業者になりますので、保管しておく間の金利と将来価格がどれだけ上がるかという見通しの計算になりまして、現在まだ具体的な話まで進んでいないようでございます。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 まず最初にお尋ねをしておきたいのは、この協定によって今後具体的にどういう話し合いとか、それから行動が予想されるのかという点からまず伺っておきたいと思います。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) 日本と豪州との関係でございますが、豪州は先ほどお話がありましたように、ウラン資源の世界でも有数の保有資源を持っている国でありまして、将来また現在でも商社が中心になって電力会社に豪州の天然ウランを買う商談を進めておりますが、豪州は輸出規制等がありまして価格が適正でないといけないと。あるいはもう一つはやはり平和目的に限る場合だけでないと出さないというような規制の方針もありまして、今後この協定ができまして平和利用に限られるということが制度的に保障されるようになりますと、いま進行中の商談は非常に拡大されて成約状態に入ると思います。  それから将来考えますと、日本のウラン資源はやはり開発、輸入の比重を高めていかなければいけないというのは原子力委員会の考え方でもありまして、そういう形で将来現地資本と日本の資本によって合弁によりまして新しい鉱区を開発していくという事態も当然考えられて、これがこの日豪協定の大きな期待される点だろうと思います。  それからフランスにつきましては、現在フランスも有数の、これは国内で五万トンくらいウラン資源の保有量があり、フランスの経済圏の中では十万トンくらいあると言われて、現在でも七千トンくらいの契約ができておりますが、この点がさらに進められると。そのほかフランスは、まあこれも去年非公式な話がありまして、フランスの濃縮技術がありますので、これで共同で濃縮工場の建設も検討しないかという提案もあって、現在いろいろ両国間で検討しておりますが、そういう濃縮の技術の関係、あるいは再処理関係の技術、これはすでに動燃とフランスの私企業が再処理技術の協力をやっておりますが、そういう形でウラン資源だけでなくて濃縮技術あるいは再処理の技術あるいはプルトニウム等のウラン以外の燃料等の供給等においても、かなり日本とフランスとの間でそういう協力関係が従来以上に拡がってまいるというふうに期待しておるところでございます。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 この協定の中で文言の上から言った場合に、特に「供給された情報、資材、設備」云々とこうあります。これから特に一番大事だと思うのは情報関係の収集、これが一番大事だと思うのですが、こうした問題がこれから具体的にどういうふうに定期的に会合を持った際に情報を収集するのか、あるいは必要に応じてそのいろいろな情報の交換をするのかということですね。この協定そのものを生かそうとすれば、ただ協定をつくった、実際行動は少しも行なわれていないということになれば、単純に考えて何のための協定をここでつくるのかということになりましょう。やはりこの裏づけとしては具体性がなければならない、こうなろうかと思うんですけれども、協定の持つ何というのか意味づけというものは、これはむしろ外務省のほうにお伺いしたほうがよろしいかと思う。協定ができても具体的ないろんな計画、そしてその実行というものが私としては必要ではないか。必要ならばこれから一体政府として具体的にこの協定の精神を生かすためにどういうことを一体考えて、そしてやろうとしているのかということです。

影井梅夫外務省国際連合局長

○政府委員(影井梅夫君) 先ほど原子力局長から説明されました趣旨、これは私ども外交的な観点から常に原子力局と協議を重ねながら、何と申しますか、この協定による日本のための利益ということを考えながら原子力局との協議を密接にして進めていくという、大体そのような方針を考えておる次第でございます。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 たいへん抽象的な言い回しでございますので、実際はどうなっているのですか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) たとえば日仏協定等が成立しまして、この情報交換が協定として協力関係が確立されますと、たとえば原子力研究所が現在フランスの原子力庁と放射線科学の分野、あるいは材料試験炉の分野において研究協力がいま行なわれておりますが、そういう形で実際研究をやるという当事者同士でいろんな分野の協力関係が確立されて進められていくと思います。それから動燃事業団もフランス原子力庁との間に高速炉に関する研究協力を行なっておりますが、この関係もいろいろ範囲が広がって、向こうの研究主体とこちらの研究主体の間で必要なものは情報交換、技術交流の話し合いが進められると思います。それから政府間でも先ほどありましたウラン濃縮のこれは技術的な単なる検討会でございますが、そういうワーキンググループ等の話し合いが持たれて、したがって、そういう交渉が行なわれておりますが、これもだんだんいろんな形で拡大されていくということになると思います。協定ができました場合には、研究主体あるいは事業主体等が中心になってフランスの同様な研究主体等と広い範囲にわたりまして研究協力が進められていくというふうになると期待しているのであります。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 つまらない質問かもしれないけれども、いまフランスにしても、オーストラリアはどうかわかりませんが、先般締結されているアメリカですね、そういう国々が情報を得るということよりも、これは主体的には日本が一番情報なり資材の供給を受けなければならないという立場に置かれているだろうと、こう思うんですけれども、そうするとむしろ日本のほうが積極的にそれらの国々に働きかけて情報を入手する、当然のことですからそういう行動というものがあってしかるべきだろう。そのとき原子力局が窓口になるんですか、そういう場合に。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) 日本がいまの段階ではもらうことも多いと思いますが、たとえば放射線科学等の問題につきましては、日本の原研というのも世界的にかなり進んでおりまして、ギブ・アンド・テークの形で行なわれる。あるいは動燃についても同様のことが言えると思います。その場合の窓口は、これは原子力協定に基づく個別的な契約でありますので、外務省等と十分連絡をとって原子力局が窓口になるたてまえでございます。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 そういう観点でそれでは原子力局のほうへ焦点をしぼって若干伺いましょう。  言わずもがな、これから原発が必要に応じてできていくであろう。ここで何といってもいままで、かねてこの委員会でもしばしば論議されてきましたように、どうしても安全性という問題が何といってもその大前提にならなければならない。もちろん原子力委員会をはじめとする各そういう機関においては、十分それらのことを踏まえて取り組んでいらっしゃる。これも十分に理解はできますけれども、はたしていま原子力委員会等で、あるいは安全審査委員会等において表明されているような、われわれからすれば絶対ということをあえて申し上げたいわけです、安全性については。しかし科学者の立場からいえば、先般も答弁があったように、絶対ということばを用いるわけにはいかないということには、若干の危険性ということはやはり予測されなければならない。裏返して見た場合に、その危険性というものが一体いつどういう形で住民生活の環境破壊するような方向に及んでいくだろうか。やはり絶えず……しろうとですからね、ほとんどの人が。専門的な知識を持たないわれわれにとってみれば、感覚的に特に原子力についてはアレルギー的なそういう体質も日本国民は持っておりますから、どうしても安全だろうか、不安だな、やはりそういうことを除去してコンセンサスを得なければならない、これも常識でございましょう、当然。しかし、実際問題としてはまだまだくふうをしなければならない、心を配らなければならない幾つかの問題があるようでございますけれども、たとえばその中で、これも確認ということで伺っておきたいと思いますけれども、特に原発が自然環境に放出する放射性物質ですか、その環境基準というものは明確にきまっておりますか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) 原子力発電所から排出されますところの放射性物質、これは液体の場合と気体の場合と二色あるわけでございますが、この基準というのは国際的な国連の専門家委員会で出たICRPの勧告といいますか、この基準を現在日本の規制法の法律的な基準としてとっておりまして、それ以上の放出水準にならないように、それ以下に押えるようにという法的規制をやっております。しかしながら、先ほど言いましたように、そういう国際的な基準以下ならば絶対だいじょうぶであるかどうかという問題につきましては、われわれは現在の国際的な基準におきましても実際上影響ないという信念でこの基準ができておりますが、ただ原子力につきましては、やはり安全には安全をとるという一つの考え方、アズ・ロー・アズ・プラクティカブルーこれはICRPの考え方でありますが、できるだけ放出水準を少なくするという考え方に基づきまして、そういう国際的な基準、規制法による基準の実際は五十分の一等の水準に押えて、実際保安規定等の運用によってそういうように出しているわけでございますが、しかもさらにこれを少なくするための研究開発を十分行なうべきであるというので、原子力委員会等においてもそういう安全性研究分科会というのを専門部会の中につくりまして、これをさらに低くするための技術開発、研究開発を重点的に進めていくべきであるということでいまやっておりまして、いまの法的基準でも安全であると一般に国際的に考えられておりますが、むしろゼロに近づけるための研究開発というのを相当な研究費を投じて研究を進めてまいっておりまして、そういう意味では原子力の安全性というのは今後最も原子力委員会の最重要事項として推進をはかる課題というふうになっております。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 それは考え方、それからこれからとろうとする方途については進める、いま述べられたとおりでいいと思うのです。実際いま必要なことは具体的にどうするかという問題ではないかと思うのです。いま言われた中で、実行可能な限り低く押える。しかしアメリカなんかではこういう抽象的なあいまいな表現ではいかぬということで、国際水準の百分の一に押えたという、こういう実例があるでしょう。そこまでアメリカ自体がやはり相当こまかい神経を払って基準を押えた。当然、日本でもあるいはアメリカ以上に世論の対象としてこの問題がいま焦点となっているさなかに、こういったことをやはり明確にしておいたほうが、やはり、この合意を得るための手段としても私は適切ではないかと思いますけれども、その辺の考え方はいま具体的にないですか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) アメリカの放出基準のお話が出ましたが、年間でございますが五百ミリレム、この国際基準に対して、アメリカでは百分の一の五ミリレムという基準を最近とっておりますが、ただアメリカの場合は、これは一つの目安としての基準であって、実際いまの時期においては、当分実際の放出量はその四倍ぐらいになって初めて法的に規制を発動するというたてまえになっているようでございます。日本におきましても、現在、最近許可しておりますのは大体五ミリレム以下でありまして、これはアメリカの四倍の猶予もなく、かなり厳密にやっておりますので、アメリカと比べまして決して日本のほうがゆるいということはない状態だと思いますが、先ほど言いましたように、アズ・ロー・アズ・プラクティカブルの原理によりまして、アメリカよりもさらに研究開発が進んだ場合にはゼロに近づける方法を十分に探求していく方針で、いま、鋭意原子力委員会等でも専門家の方々を集めて検討を進めているところでございます。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 いずれ、その問題は次の機会に譲ることにしたいと思うのですけれども、そのほかの危険と目される事故ですね、起こっているでしょう、実際。三十八年から四十六年まで、たしか二十六件ある。昨年一年間で四件ある。これにちゃんと出ている。ところが、この種の事故というものは、言うまでもなく、一件たりとも起こしてはならない。これは大原則であります。私、そう思うけれども、実際この事故が起こっている。こういうことが一体どこに原因があるのかはともかく、この中には取り扱い技術が未熟のためというのがあるんですよね。これは言語道断だと思う。監督の上からいっても、これはまことに無責任きわまるあり方ではないだろうかと思う。これは技術が未熟なために起こした事故なんということで片づけられて、その受ける被害のほうがその何十倍、何百倍というふうなことになったら、これは取り返しがつかないということになるわけでしょう。そういった事故防止ということについても、これはもちろん、いままで申し上げたとおり、全然考えていないなんということは言いません。しかし、起こっていることは事実だ。今後、原子力発電等がますますその要求に応じてつくられなければならないといった場合に、こういう事実関係を一体どう説得力をもって地域住民を納得せしむるかということになるんじゃございませんか。そこらあたりは十分考えておるだろうと思うけれども、どんな考え方を持っておりますか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) 御指摘のとおり、原子力発電所、原子力施設の事故でございますが、昭和三十八年度以降二十六件起きております。これは世界的に見ましても、軍事利用時代には大衆に障害を及ぼすような事故はありましたが、平和利用につきましては、環境とか大衆に影響を及ぼすような事故は世界的に出ておりませんし、また日本においても、特に先ほど言いましたように、平常運転の場合はもちろん、事故時においても十分安全なような審査基準で許可をしておりまして、環境あるいは一般大衆に障害を及ぼすような事故は一件も起きておらないのでありますが、また、それは起きたらたいへんなことで、これは厳に絶対起こさないようにつとめておるところであります。  で、この二十六件の事故は、考えてみますと、機械とか装置の故障による事故、それからもう一つは従業員の不注意からくる事故、この二つが非常に多いケースでありまして、機械、部品等の故障につきましては、いろんな使用前あるいは運転時の点検等を厳重にやって、そういうことがないように非常に注意させておるところでありますし、また最近はそういうものもかなり減ってきておると思われるのであります。それから従業員のミステークによる事故、これは遺憾ながら最近かなりケースが多い。それでこれは結局非常に実用化が広がりまして、仕事のなれからくる不注意といいますか、そういうのが一つの大きな原因になっておるのではないかというふうに考えられまして、われわれも昨年の事故以来、機械あるいは運転等の原子力施設の総占検を事業者に命じ、また従業員の保安教育、あるいは保安規定の順守等のいろんな保安教育の徹底を要請して、通産省と毎月定期的に各社の保安責任者を呼んで、その徹底をはかってきておりますが、まだ非常に遺憾ながら若干の事故も起きておりまして、この点はさらに徹底をはかっていきたい。そしてこのやり方はやはり仕事が非常になれてまいると、実際の作業員の不注意からいろんなミスをおかすので、やはりその作業のつど、その仕事の安全性、問題点を十分頭に入れさせて、そして必ずその作業をやるたびに、自分のやっておることがマニュアル等に合っているかどうかということを確認させ、そしてそれを上司が十分見るというような、非常に末端まで保安教育を徹底させるということに尽きると思いますので、この点は厳重に、さらに徹底を期して、末端までそういう保安作業の徹底をはかるように、極力注意しておるところでございます。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 いま言われた、残念ながら最近非常に作業員の不注意による事故が多い。これはやはり考えなければいけないと思うのですね。厳重に監督すればそれは解消できるか、これはできない。むしろその背景として生活環境がどうなっておるか、こうしたところまでやはり心を用いて未然に事故防止をやらなければならない。これは当然のことでしょう。あるいは賃金はどうなっているか、住宅はどうなっているのか、保安を最大の課題にして取り組まなければならない仕事の場合は、より以上そうしたことに意を用いなければならないのじゃないかと思う。厳重に監督すればそれでいいなんというもので済むものではないと思うのです。総点検やった。総点検やったあとに必ず事故が起こる、そういう例だって過去になかったわけではない。そういうことを十分考慮していただきたい。これは過去にこういう例があったのです。これは私から何も言わなくても局長は百も承知の話なんですが、核燃料が破損してヨードが漏れたという事件があるでしょう。あるいはコバルトが検出されたという事実もあるでしょう。これはたいへんな問題ですよ。ただ被害が多くの人にほとんど及ばなかったというからいいというものではないでしょう。実際コバルトが漏れたり、あるいはヨードが漏洩したということはたいへんな問題ですよ。これからそういう仕組みがどんどん全国的に広がりを見せる場合に、こういう問題が今後絶対起きないということは考えられません。私はしろうとですからわかりませんけれども、こうしたものは防ごうと思えば防げるはずじゃないかと思うのです。あるいはすでに使用済みの核燃料からも、多量のクリプトンだとか、トリウムですか、そういうものが検出されている。しかも、それに対する再処理が全然行なわれていない。できているのですか、その処理方法について。そういうことを総合的に整理して考えてみた場合に、はたしてこれから、原子力の平和利用——表現はなかなかいいと私は思うのですよ。ぱあっと、平和利用と言えばだれでも理解を深めていただけるだろうと思うけれども、こうした問題が起こっているときに、やはり一方においては、こういう問題に一体どういうふうに具体的スケジュールを組んで、事故防止のための最善の努力をするかということにも、われわれなりに考えられます。だから、事故が少なかったと、その影響が他に及ぼす範囲が狭かったというから、どうということはないみたいな、そういうことを言ったんじゃないだろうと思うけれども、それはやっぱり考えてもらわなくちゃいけない。いかがですか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) 決して、原子力事故が一般大衆に障害がないからいいということではなくて、これは従業員といえども、一件の事故もないのが非常に望ましいのでありまして、そのためには、先ほど御指摘のように、生活環境の非常に改善といいますか、そういう精神状態も、非常に実際の作業には大きく影響すると思いますので、それらの点も十分配慮もしなければいかぬと思いますし、それから、下請の問題等もだいぶそういうケースがあるようでありますので、下請企業に対しては十分徹底をはかると、そういうことが痛感されるのであります。そういう意味から、これは総点検、保安教育の徹底だけでなくて、やはりそういう環境の問題もいろいろ考えて、そして一件の事故もないようにしないと、これは原子力発電に対する国民の信頼というものを失っては、非常に将来の日本のエネルギーの重大な役割りを果たすところの原子力に対して、国民の不安が重なるというのでは非常に問題でありますので、その点は十分配慮して、具体的にどういう形でやっていくかというのは、さらに十分検討して、事故のないように徹底をはかるように今後さらにつとめていきたいというふうに考えております。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 とにかく具体的にやってくださいよ。検討、努力じゃ間に合わないのだ、ほんとうは。こういう協定が結ばれていくでしょう。どんどんいろんな情報の交換が始まるでしょう。ウラン資源をまた日本として買い取る、あるいはまたいろんな濃縮ウランを買い取るという事実関係が起こっていくでしょう。受け入れ体制が万全でなかったら、せっかくこういう協定を結んだって、はたしてほんとうに意味があるのかという疑問が出てきますね。だから、その点は、いま申し上げたことを申し上げなくとも、十分それは承知はされているとは思うけれども、この機会に、十分その点を確認をしていただいてやってもらいたい、こう思います。  それからもう一つ、多目的の利用について、日本ではいまどういうふうに作業が進められていますか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) 原子炉の多目的利用につきましては、これは世界各国ともいろいろ検討しておりまして、将来、日本のエネルギー問題のために非常に必要であるという、委員会の長期計画でもうたっておりますが、ただ、たとえば製鉄用に使う場合は、出口温度が千度以上でないといけないとか、非常に厳重な要件が必要でありますので、この千度の温度をとるためには、材料の問題とか、燃料の問題とか、当然、安全性の問題、非常に進めるべき問題多々あるのであります。そういう意味から、従来から、原子力研究所に予算をつけまして、燃料、材料等の、現在基礎研究段階でありまするが、現在のところは原研の予算として、多目的利用の関係はわずか二億程度でございますが、そういう燃料、材料等の基礎研究の段階を現在やっておりますが、これをさらにいろんな研究計画をつくって、将来実験炉の——これを建設するということはもちろんまだきまっておりませんが、これは世界的な研究の過程もよく考えて、そういう必要な実験炉の建設問題についても検討する。そのための研究を今後原子力研究所において、基礎研究から関連の研究を進ませるということが、今度の長期計画でもうたっておりまして、今後の非常に重要な研究テーマとして、多目的利用の推進をはかっていきたいというふうに考えております。

渋谷邦彦公明党

○渋谷邦彦君 もうすでにアメリカあたりでは、たとえば温排水の利用方法、これについては暖房用の長期利用に活用する使用と、あるいは海水を淡水化する、こういう作業がいま進んでいるようです。むしろ、そういう問題こそ、まことにこれは平和利用のために好ましいことでありまして、そういう情報の交換こそが、むしろいま急がなければならない問題でもあろうかと、私は私なりに考えます。だから、これはもちろん安全の確認ということの情報も必要でございましょうし、今度はそういう廃棄されたものの利用というものができれば、これはだれが考えてもそれはもうたいへんな利用価値があるわけですから、むしろこういう協定が締結された機会に、積極的にそういう情報を集めて、それで将来当然起こる問題として、いまもそういう計画をもって進めているというわけですから、むしろそれは短期に、長期間かかったのでは利用価値がやはり相当落ちますし、また、それだけにいろんな問題が起こる危険性がある。できるだけ早い機会にそういう問題を整理して、そうして今後日本として、たとえば温排水の問題についてもこのような利用価値がある。それで危険は全くないというようなデータをきちんとつくって、そうして原子力発電所なんかできる場合でも、こういうふうな利用の方法もあるのですという、きちんとした言い方ができて、地域住民に対して安心感を与えるという行き方が望ましいとぼくは思うけれども、電力会社によっては非常にルーズなところがありますよ、私がいままで聞いている範囲では。地域住民のことを全然考慮しない。それでもう企業さえ何とか採算ベースがとれればいいんだみたいな考え方で先行しちゃいますから、もう必ず問題が起こります。だから、起こることを、いやというほど原子力局長も身にしみていま感じているさなかでありますから、この点、重ねてぼくはその点だけを要望だけして、私の質問終わります。答弁要らないです。

八木一郎自由民主党

○委員長(八木一郎君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

八木一郎自由民主党

○委員長(八木一郎君) 速記を始めて。

星野力日本共産党

○星野力君 先日の外務委員会・科学技術特別委員会の連合審査の席で、外務大臣が、核拡散防止条約を批准すると、平和利用の面で手をしばられるおそれがあるという意味のことを言われたと思うのですが、どのように手をしばられるのかを、もう少し具体的に御説明願いたいと思うのです。私たち、決して核拡散防止条約に賛成して早く批准してくださいという意味で申すわけじゃございませんが。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) この核防条約に批准をするということになると、その拘束を受ける、こういうことになるわけです。そうしますと、わが国の核の利用状況について査察という問題が起こってくる。この査察の態様が、他の国に対する国際原子力機構の査察と、これと不平等な立場になるというようなことになりますると、それだけわが国はわが国の原子力平和利用を制約をされる、こういうことになる、こういうことを指して私は先般申し上げたわけであります。

星野力日本共産党

○星野力君 核防条約では、核保有国と非保有国では、査察のやり方が違うのですか。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) これはたとえば、いま、ユーラトム諸国が原子力機構との間に査察についての打ち合わせをいたしておる最中でございます。ユーラトム諸国に対する原子力機構の査察、そういうことで、これがわが国に対する原子力機構の査察、こういうことと不平等になって、わが国に対して厳に、またユーラトムに対しましては寛にというようなことになりますると、その間にわが国は平和利用について制約を受ける立場になる、こういうふうに思っています。

星野力日本共産党

○星野力君 そうしますと、日本政府はどのような保障が得られた段階で核防条約を批准なさるのですか。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) この核防条約の調印のとき、わが国の態度を明らかにしておるわけです。それは声明という形でやっております。その声明の主たるねらいは、わが国が原子力平和利用、そういう面において不利益な立場に立たないと、そういうことでありまして、そういう点が確認された時点、これが私はこの条約を批准をするという時点であろうと、こういうふうに考えます。

星野力日本共産党

○星野力君 そういう保障を得るための話し合いは現に進行しておりますか。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) まだ表立った交渉はいたしておりません。まあ表立った交渉をしますと、やはりいろいろと交渉の過程において拘束を受けると、こういうような傾向になりますので、この交渉自体についても非常に慎重なかまえをとっておるわけです。いま現実の問題とすると、ユーラトムの交渉の推移を見てわれわれとしても予備交渉を始めたいと、こう言っておるわけであります。

星野力日本共産党

○星野力君 わかりました。  それでは大臣、もう一つだけ、簡単なことですが、将来ソ連との間に原子力の平和利用協定を結ぶことは考えられますか。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) ただいまソ連との間で原子力平和利用協定ということは頭にありませんけれども、いま日ソ間はきわめて友好の関係にありますので、あるいはそんな話が持ち上がってこないとも限らない。しかしただいまのところ、そのようなことは頭にもありませんし、また話し合いも現にございませんです。

星野力日本共産党

○星野力君 この二つの協定に基づいて入手した燃料その他の資材、設備、施設などの平和利用の保障、軍事目的に使用されないための保障の措置が取りきめられておるわけでありますが、どうも私にはわかりにくいので、これを簡単に説明していただきたいのですが、どうですか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) 日豪、日仏協定によって提供された核物質あるいは設備、施設等が平和目的に限る必要が当然協定上の義務として課されておりまして、その励行を保障するために、二国間でIAEAの査察を受ける協定を結びますとIAEAの査察を受けることになるわけでございます。現在も日本とアメリカ、カナダ、英国、三カ国の原子力協定がありまして、これによってIAEAの査察を原子力施設が受けております。たとえば昨年の間に、この三国間、カナダ、アメリカ、イギリスの協定によって約十回ほどIAEAの査察員が、日本の原子力発電所あるいは燃料工場あるいは研究施設等に参って、大体百三十三の施設について十回ほど査察員が参っております。これは一昨年ごろは非常にちょっときびし過ぎるという問題もありましたが、昨年以降改善されまして問題が起きておらないという状態でございます。IAEAによる査察の態様としましては、一つは核物質の移転に伴う通告をIAEAに行なう。二番目としては、原子力施設の設計、資料の提出を行なう。三番目としては運転等の記録をとっていく。四番目としては報告を定期的に出す。五番目としまして、さっき言いました査察員の実際の立ち入り検査、査察を受け入れるというやり方がIAEAによってなされておりまして、これは日米英と同じように日豪、日仏の場合も同じようなやり方となると思いますが、これは昨年十回ほど、ことしになって五回くらいまいっております。

星野力日本共産党

○星野力君 日仏条約のほうの核防条約の第三条4にいう云々とは、あれはどういうことですか。

穂崎巧外務省条約局外務参事官

○政府委員(穂崎巧君) 核防条約によりますと、非核兵器国は核防条約に入りました場合は、IAEAとの間に核防条約のもとにおける保障措置を受けるためにその交渉をすることになっております。これが核防条約の第三条4でございますが、日仏協定の第三項の意味は、フランスはまだ核防条約に入っておりません。ただフランスが核防条約に将来入るか入らないかわからないわけでありますが、日本が核防条約に入りました場合、日本は核防条約に基づいて査察を受けるわけであります。したがいまして、日本が核防条約の査察を受ける、それに反してフランスはここにあります三者間協定を受けるということで、日本とフランスの受ける査察は違ってくるわけであります。したがいまして、フランスは場合によって三者間協定ではなくて、ここに書いてありますような核防条約と同じような協定で、日本がそれによって合意できる、受け入れることができるような査察を希望することもあるわけでありまして、それによりましてフランスが大体日本と同じような査察を受けるような状態になるというようになるわけであります。これはフランスが希望いたしまして、フランスは核保有国であって核防条約による査察を受けなくていいわけでありますが、これは日本がそれでは困るということで、特に希望いたしまして入れた条項でございまして、それをフランスが受けまして、核防条約で日本が受けると同じような査察を受けてよろしいということを規定したものでございます。

星野力日本共産党

○星野力君 日本が核防条約を批准した場合、核防条約による査察と、国際機関の入った三者間協定による査察と、どちらがうるさいですか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) NPTに入った場合、どういう具体的な査察になるかということは、これからいろいろ詰めないとはっきりしないのでありますが、たてまえとしましては、二国間協定による現在のIAHAの査察のほうが手続きとしては煩瑣といいますか、なぜかならば、NPTの保障措置委員会というのが、数年来具体的なNPT下における査察の委員会がございまして、これは去年モデル協定案という一つの査察の基準の案が採決になっておりまして、これの内容を見ますと、たとえばいまの査察は、査察員がたてまえとしては必要なところどこにでも入れるようになっていますが、このNPT下のモデル案では、事前に当事国の、相手国の同意を要する。それからいまの協定案ではいつでもできますが、今度のモデル協定案は作業量、たとえば原子力発電所の場合は一年間に何人の人がこれだけの時間しか、上限がきまっておりまして、それ以上、時間の、作業量の、査察量の限度があるわけでございます。それからもう一つはNPTにおきましては相手国の自己査察といいますか、国内管理体制が十分信用できるものであれば、それを非常に信用してIAEAはそれを検証するというかっこうで、しかもその検証する査察の量は相手国の自己管理が信用できるものであれば減らしていく。先ほどの作業量の上限以内でうんと量を減らすというような、これはモデル協定案の文言でありますので、実際どうなるかはいろいろそのワク内で今後きめていくわけでありますが、考え方、たてまえとしてはNPT下の査察のほうが簡素化されているというふうに考えております。

星野力日本共産党

○星野力君 これらの協定に基づいて国際的な共同研究や共同開発あるいは技術協力などが行なわれる場合、日本の原子力平和利用の三原則、特に公開原則との関係はどうなりますか。この公開と秘密との限界というとむずかしいですが、われわれしろうとわかりのする程度でよろしゅうございます。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) これらの協定に入っても、原子力基本法、原子力平和利用の憲法であるところの原子力基本法の考え方あるいはその方針というのは全然変わらないむしろ平和目的に限って、民主・公開・自主という三原則は、この協定も平和目的に限ることが主眼となっておりますので、むしろ趣旨も合っているし、また公開等の原則も十分運用して、この協定が円滑に進められるように運用していきたいというふうに考えております。

星野力日本共産党

○星野力君 たとえばウランの濃縮工場をオーストラリア、フランスで共同でつくる場合、フランスとの場合はどうしますか。ノーハウなんかの問題があるでしょうし、それからオーストラリアとの共同の場合にはアメリカの技術が入ってくることが考えられますが、そうした場合に秘密の問題、これらの協定を結んで秘密保護法が必要になるという事態はこれは考えられないわけですか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) その前に、豪州に濃縦工場をつくる問題、これは豪州はアメリカのマルチナショナルのプロジェクト、アメリカの技術を使って工場をつくる、立地サイドとして考えられないかということが一つと、フランスと豪州との間でも、安い豪州の電力を使って、フランスの技術による濃縮工場をつくれないかという検討が二国間で行なわれておるようであります。必ずしもアメリカの技術だけが豪州に入るという可能性でないということを申し上げておきます。  それから濃縮技術というのは、これは技術を持っている国から見ますと非常に重要な軍事機密の技術のものでありまして、特にアメリカ等は、技術は提供してもいいが、これは相手国が機密を守るという、そのギャランティーがないとなかなか出せないようなことも当然だろうと思いますが、向こうの原子力法等によって。フランスの場合はもう同様なことをいっておりますが、アメリカより機密性の程度が多少低いのじゃないかという感じでありますが、これもやはり機密を要請してくることは考えられるわけでございます。したがって、アメリカの技術を使い、あるいはフランスの技術を使ってつくられるところの濃縮工場に日本が参加する場合は、そういう向こうの要請があるからといって、日本が原子力基本法で公開の原則によってそういう法律がつくれないことは当然であります。したがって、そういう機密の措置をとらないでそういう国際計画に参加する方法がないかと、あるいは単なる商業機密で、法律つくらないで商業機密の範囲内で参加する方法とか、あるいは非常に厳密に考えて機密の技術には日本はタッチしない。そういう機密保持の法律等の措置がつくれないから機密の部分にはタッチしないというやり方も考えられると思いますが、どういうやり方でいくかは、まだいろんな技術的、経済的な前提の検討をやっておりまして、入るという方針もまだもちろんきまっておらない状態でありますので、これから検討しないといかぬ状態でございますが、原子力基本法を守って、公開の原則はあくまでも守って、しかもそのもとで入るという方法を具体的に検討する必要があると思います。

星野力日本共産党

○星野力君 これは非常に微妙な問題だと思うんですが、結論的には原子力基本法を守る。したがって、機密保護法なんかというものは設けないで共同開発、共同事業に参加できる道を模索しておると、その具体的な方法はまだ結論に達しておらないけれども、そういう基本的な方針でいくことには間違いないと、こういうことでございますか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) まだ具体的にどこへ参加するかというのは決定はないんでありますが、そういう問題につきましては、原子力委員会等でも十分検討して、原子力基本法を守り、参加するとしてもそのワク内で入るということは政府部内でも検討した方針でございます。

星野力日本共産党

○星野力君 こういう点、協定を結びますと安価な核燃料を入手できるというふうにもうたわれておったと思いますが、どうして安くなるんですか。入手先が多角的になるからということは考えられますけれども、たとえばウランの濃縮料なんかで高いアメリカに追随して、アメリカ並みの高い水準のものになるおそれというものはないんでしょうか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) まあこれはウラン資源だけでなくて、エネルギー源につきまして共通のことでございますが、やはり入手先を多元化するというのが、これがエネルギー政策上の安定供給の問題あるいは経済性、安く手に入れるための問題としても一般的に言われることでありまして、日本がカナダとかアメリカとか、非常に限られた国からウラン資源を入れるよりも、豪州あるいはフランス等から多角的に入れるほうが一般的にいって安く入手する可能性があるということはいえると思います。それからやはり豪州の最近発見されておるウランの資源は非常に品位がいいものでありまして、おそらくコスト的にも相当低いものが期待されるんでありまして、そういう意味からも、アメリカやカナダよりもかなり安くもらえる可能性があるんではないかというふうに期待されるのであります。ただ、先ほど言いましたように、生産国間でまた話し合いもあって、一国が高くて一国が安いということ自体が、はたしてそういうことになるかどうかという問題もありますが、少なくとも多元化をはかる、あるいは品位のいい、経済性の豊かなウランの埋蔵地域が豪州等には非常に期待されるということは言えると思います。

星野力日本共産党

○星野力君 さっきソ連との間の平和利用協定の問題ですけれども、大臣からお答えございましたが、ソ連が安い値段でウランの濃縮を引き受けるという申し出については、関係当局として検討なさったか、また検討に値することかどうか、それだけ一つお聞きします。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○政府委員(成田壽治君) ソ連がアメリカより若干安い値段でウラン濃縮を供給するという提案が昨年ほどありまして、フランスとはそういう委託濃縮の協定も話し合いができていると聞いております。その他スウェーデン、ドイツ等とも話し合いがなされているというふうに聞いておりますが、ただ日本としては具体的な検討はもちろんしておらぬのでありますが、ソ連の場合は一回限りの契約が非常に多いんでありまして、当面の燃料を供給するというような話が多いんであります。したがって、日本は現在必要なウラン濃縮はアメリカの原子力協定で確保されておりますので、いま当面必要なウラン濃縮は協定で確保されている。むしろ将来の問題として、どうやって端境期等を乗り越えるかという問題がありますが、ソ連の場合は非常に当面の濃縮ウランを供給するという話し合いがヨーロッパ等にもなされているようでありますが、その面で一つ問題がある点と、補償措置の問題等も検討すべき問題がありますので、日本には具体的な話し合いとしてまだそこまで煮詰まっておらない状態でございます。

星野力日本共産党

○星野力君 終わります。

八木一郎自由民主党

○委員長(八木一郎君) 他に御発言もなければ、二件に対する質疑は、本日はこの程度といたします。  ちょっと速記とめて。   〔速記中止〕

八木一郎自由民主党

○委員長(八木一郎君) 速記始めて。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時十分散会

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