沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第9号
- 発言数
- 90 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1972/05/31
会議録
○委員長(長谷川仁君) ただいまから沖縄及び北方問題に関する特別委員会を開会いたします。 この際、山中沖縄開発庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。山中沖縄開発庁長官。
○国務大臣(山中貞則君) 先日、国会、衆参両院において可決されました法律に基づき、沖縄開発庁が出発をいたしまして、その長官に私が任命をされました。今日までも、沖縄のために懸命の努力はしてきたつもりでありますが、今回の初代長官就任に当たって、厳粛に過去を振り返り、そして開発庁長官としてのあるべき姿について決意を新たにしているところであります。 沖縄国会といわれた臨時国会並びに設置法の可決に至るまでの間、国会において種々議論がかわされました問題点、また琉球政府当時の政府の主張等にありました自治の侵害になりはしないかという沖縄県側の立場からの問題提起等は十分に、出発のときのみならず、今後沖縄開発庁の運営に当たって、長官以下ひとしく全職員が心しなければならない問題として十分に踏まえた上で出発をいたしたつもりでございます。今後、沖縄県の幸福のために、沖縄県の未来のために、県民の繁栄のためにのみ設置された開発庁が、その本来の目的に対して、いやしくも批判を受けるような、すなわち県民自治あるいは地方自治体の本来の機能に対して批判をされるような行動があるようなことがあっては断じてなりませんし、そのようなことがあった場合には、政府みずからが開発庁廃止法案を提出するような決意をもって臨まなければならない問題であると私は決意をかたくいたしておる次第でございます。御承知のとおりの私の性格でございますから、皆さま方のおしかりや御指導を受けながら、沖縄県民のためになお全力をふるって努力をいたすつもりでございますので、今日までの御指導、御激励を感謝しつつ、今後とも沖縄県民のために皆さま方の御鞭撻のほどを切にお願いをする次第でございます。 なお、すでにごあいさつはいたしたということでありますが、政務次官に参議院の皆さまの御同僚である若手の玉置君を選任をいたしました。御承知のとおり、エネルギッシュな若さを持っておりますし、沖縄県民のために彼の行動力が貢献してくれれば幸いであると存じますし、初代事務次官には沖縄・北方対策庁長官でありました岡部君を昇格いたさせました。これまた皆さま御承知のとおりの人格の持ち主でありますし、必ずや沖縄県民の御期待に、信頼に、あるいはまた疑問にこたえ得るだけの人物であると存じますので、私同様皆さま方の変わらざる御支援のほどをお願い申し上げる次第でございます。 ―――――――――――――
○委員長(長谷川仁君) 沖縄及び北方問題に関しての対策樹立に関する調査を議題といたします。 これより質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言を願います。
○田英夫君 前回の委員会で、大臣がおいでになりませんでしたので、物価の急騰の問題について伺いましたけれども、あらためて、ひとつ大臣にお伺いしたいんですが、ああいう事態の中で、しかもドルショック、円の切り上げ、それから三百六十円が三百五円であるという、そうした事態の中で返還が実現をするということになれば、当然経済にかなりの混乱が起きるということは予想されたと思いますし、また三百六十円ということを三百五円にしたのも、実は政府の責任でされたことであるわけです。そういうことからすると、現在急速に物価が上昇してしまっている、沖縄県民の皆さんに、たいへん犠牲をしいているわけですけれども、沖縄の現地では、これがあたかも屋良政権といいますか、知事の責任であるというような宣伝が、知事選挙を控えてあるようですけれども、明らかにこの物価の急騰というのは、本土政府の責任であると考えなければおかしいと思いますが、この点について、政府の責任者である山中さんとして、はっきりその責任を感じておられるかどうかということをまずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(山中貞則君) 選挙論争に関係をしての答弁とはお受け取りにならないでいただきたいと思います。それはまた別の次元の議論をしておるのでありましょうが、私は、沖縄県民は、まずドルを使用するのに、みずから選択して使用したものでない。しかもドル圏に居住してドル物資で生活をしておれば、どのような円の変動があっても関係はなかったはずでありますけれども、不幸にして、ドル圏の中の円物資の生活を余儀なくされていた沖縄県民の人々にとって、変動相場制への移行、切り上げ、国際通貨調整の名のもとになされたとはいえ、沖縄の人々にとってはまさに青天のへきれきであり、結果受ける被害、困難というものは、これはやはり沖縄県民の何人にもその責任は私は存在しないと思います。したがって、通貨の問題に関して円の変動したことにより、切り上げたことにより起こった混乱、付随した問題等については、最大限の努力をしたつもりでありますけれども、沖縄県民のどなたにも責任のないことで、結果、沖縄県民の広範な人たちに、売り手、買い手の問題も含めて御迷惑をかけたということについては、これは日本政府の責任であるということを申し上げておきたいと思います。
○田英夫君 政府の責任だというお答えをいただきましたが、この点は非常に私はひとつ大切なこととして、これからもさらに政府としての手を打つことをやっていただきたい。 で、前回の委員会で早急に、緊急に物資、たとえば豚肉なりランチョンミートというようなものを送り込むことによって、買いだめとかあるいは売り惜しみというような事態をなくすと、防ぐと、こういう手が必要じゃないかということを申し上げたところが、先週二十六日の閣議でさっそくそういった内容の対策をおきめいただいたようで、この点はたいへんありがたいといいますか、けっこうなことだと思いますが、まだその決定が行なわれてから日が浅いので、とてもその実効が出てくるというようなことではないかと思いますけれども、山中長官として、この閣議決定の内容を私存じておりますけれども、これがどういう見通しなのか、これを打つとどういうことになると見通しておられるのか、その辺をちょっとお伺いしたいと思います。
○国務大臣(山中貞則君) 大体物価の異常暴騰いたします原因は、供給が不足して売り手市場になりました場合に価格が急騰するというのが通常のパターンであります。しかし今回の場合は、自分たちの手持ちのドルというものが、十月九日のチェックによる差額は全部あとでもらえるのだという一応の概念は頭にあっても、復帰当日においては三百五円の実勢レートでかえられた。しかし物価はその日から三百六十円に上がったという混乱、この問題が一番大きな原因になったであろうと考えますから、そうするとそこに、沖縄において物資が不足したために価格は高騰したという通例の因果関係は存在していない、客観的にそういう事情がございました。したがって、これはまずそのような問題について的確な答えを出すこと、そしてまた、若干心情的な不安もございます。したがって、復帰直前の買いだめ等による、不必要とは言いませんが、異常な購入に刺激されて、それならば、そんなに売れるものならばという力、需給関係の問題においての小売り価格の高騰等もございましたが、これはやはりその後一週間ほど見ますと、買い手の需要というものが鎮静、手控えられるということにおいて、価格等は正常化しつつあるように見えます。また本土の独禁法等に対して理解がなかったのは当然でありまして、いろいろ各種の料金等について申し合わせ等が公然と行なわれて、印刷物が配布されたりなどした点は、公取が動き出したことによって、これは直ちに鎮静化の方向に向かっておりますし、また輸入物資等については、上がるべき理由はなくて、むしろ三百五円あるいは実勢ならば三百三円、四円という価格の円の相場においてそれは販売されるべきものが至当であるという、いろいろの特例措置等についての理解が深まりましたし、したがって、逐次各分野において鎮静の方向に向かっておると私は見ておりますけれども、しかしながら、豚肉等についても、足らないから高くなったということにはなかなか簡単に言えませんけれども、やはりもし必要ならば本土のほうから送りますという五百トンの決定をいたしました。もうすでに第一船の七トンは那覇港に陸揚げをいたしたわけでありますが、今後向こうの流通業者の御協力を願うという困難な問題がありますけれども、それによって豚肉等の価格は非常に鎮静をしたというようなこともございますので、あらゆる努力を駆使して、物資が不足していなくても、それに対して鎮静効果があるならば、まあ小売り店といえども沖縄県民でありますから、流通段階の人々のことも考えながら、最大多数の幸福のための手段というものを逐次追求しながら手を打っていかなければならぬと思います。
○田英夫君 閣議決定のもとになりました調査が五月二十日現在の調査だそうで、その内容も開発庁でお調べのものをいただきましたけれども、要は、いま長官も言われましたように、物が足りないから高くなっているということではなくて、まあ終戦直後の本土の経済混乱とは根本的にその原因も違いますし、そういう点で非常に問題が複雑だと思います。三百六十円あるいは四百円というような換算で、もう習慣的にいまやっちゃっているという、長年にわたるそういった観念、さらにまあ商売をしている方もまさに県民であるといういまのお話のとおり、やたらに物を送り込むことだけが救済の策ではないと思いますし、その辺のところがこれから非常に問題だと思うのです。問題は、結局沖縄における低所得の皆さんが特にこの物価の値上がりで一番犠牲になるわけなんで、そこのところを、閣議決定のこの対策だけでなくて、もっともっと手を打っていただきたい。まあこの点については、あとで物価の問題についてはほかの委員からも御質問がありますので、もう一つ昨年の十月九日に沖縄県民の所持の現金、預金ですね。これは三百六十円でかえられているわけですけれども、十月九日から五月十四日までの間にふえた県民の所得、預金ですね。これについては三百六十円で交換されないのかどうか。この問題はいかがですか。
○国務大臣(山中貞則君) この点が理論的にも現実的にもやはり一番問題として残っておる点であります。すなわち昨年の十月八日閉鎖、十月九日チェックということをいたしまして、それは円が高くなればなるほどよけい差し上げることになります。三百八円で基本レートで計算をいたしておりました予算数字は二百六十億でございましたが、三百五円にいたしましたために当然に十五億交付金がふえましたし、なお預貯金等の名寄せによってその後件数がふえましたために、総計いままで三百五億ぐらいと申しておりましたが、最終的に三百九億ぐらいに交付金はなりそうに思われます。このようなことも考えますが、しかし、それはあくまでも昨年の十月九日における完全補てんでありまして、それから後、沖縄経済というものが過去の数年をとってみましても、平均成長率一八%の年もあれば、一二%の年もある。まあ平均して大体個人可処分所得等で見ますと、一一六・四ぐらいの過去五年ぐらいの平均があります。そこで、そういうものを念頭に置きながら、十月から五月の十四日までということを考えますと、おおむね七カ月ないし足かけ八カ月といいますか、そういう長期にわたる成長率がとらえられなければなりませんが、これが全部個人所得に配分、帰属したということはいえないにしても、それだけ沖縄経済が伸びていったという部面はとらえなければなりません。それを補てんしていないということは、やはり御指摘をまつまでもなく、私がいま一番腐心いたしておるところでありますが、さてしからばそれを金額的に大体どれくらいのものが必要なのであろうか、あるいはまた、補てんがなされていないと見るべきであろうかということになりますと、まあいろいろ計算方式はありますが、一応十月から五月十四日までの成長率は一〇%ぐらいとまるめてみますと、今回の交付金が大体総額で三百十億足らずになるわけでありますから、まるめてそれを三十億ないし三十二、三億というものがやはり補てんされていないし、今後何らかの形で沖縄県民の方々に補てんをしなければならない義務を政府は負っておる分野であると考えます。したがって、この問題は、その金額と同時に、どのような手段を用いて沖縄県民の方々に御納得をいただき、三百五円でかえられた、五十五円損をしたという気持ちを、先週の月曜から給付金の交付も始まっておりますから、五十五円の差をもらうことは皆さんおわかりになりましたけれども、しかしながら、それならば去年の十月からことしの復帰までの間はどうなったんだという最後的な疑問に答えなければならないと思いますので、なるべくすみやかに、これは沖縄県とも、きわめてその配分のしかたがむずかしうございますが、割り切って、どのような手段をとり得るか、これは御相談をいたしながら、大体三十億見当のものを補てんする必要があろうと考えて、いま準備をいたしております。
○田英夫君 いまの問題は、非常に県民の皆さんにとって関心の深いことであることは言うまでもありませんし、特に企業ということでなくて、個人の皆さんのそういう預金の増加という、そこのところを重点に置いてひとつ対処をしていただきたいということをお願いしておきます。 次に、軍用地の使用の問題ですが、これは県民の皆さんの気持ちからすると、まことに復帰ということの中で、最も経済問題と並んで関心が深いし、残念な問題だと思います。そこへもってきて、ベトナム戦争の激化ということのあおりでB52が飛来するというような事態が起きたり、さらには自衛隊がさみだれ式に配備されると、自衛隊に対しての沖縄県民の感情というのはいまさら言うまでもありませんけれども、たいへん本土とは違うわけで、そういう中でさらにこの軍用地が暫定使用法というものを使って契約の更改といいますか、契約が進められていると、非常に複雑な心境だと思います。そこで現在の軍用地の契約の進行状況ですが、これは施設庁の方、いかがでしょう。これはたしか三月から始められていると聞いておりますけれども、説明会が始まっていると聞いておりますけれども、現在までのところ、契約に応じた方、応じない方、これをひとつ説明をしていただきたいと思います。
○政府委員(薄田浩君) お答えいたします。 軍用地の契約でございますが、先生御指摘のとおり、三月の初めから施設庁の、当時暫定的な出先でございましたが、そこが全力をあげてやっておりまして、五月の十五日からは局も開設させていただいたわけでございまして、現在鋭意契約の同意取りつけに努力しておりますが、現在のところ――本日現在で全件数といたしましては三万二千七百八十名おいででございますが、そのうちの三万三百四十五名ぐらいの方々から御同意をいただいている。これはパーセントに直しますと約九三%ということになります。したがいまして、その他の方々に対しましても現在も、現時点でも鋭意努力しておりまして、逐次御同意を得たいと、こういうふうに考えております。
○田英夫君 いまあげられました数字は、これは個人別の、地主個人個人に対して交渉をしている結果なのか、あるいは町村単位でまとめてやっておられるということも聞いているんですけれども、この点はいかがですか。
○政府委員(薄田浩君) やり方といたしまして、内地の場合と違いましていろいろの把握のしかたにつきまして検討いたしまして、先生御指摘のように、市町村単位でとりあえず押えると、で、その市町村のまあ下部といいますか、中に組合がございます。それからまた連合会と、いろいろとございまして、一応一つの単位、単位で押えておりますが、代理の方にいろいろ同意の御契約をいただくという考え方も持っておりまして、背後にはやはりこの三万三百四十五名の方々の意思が現在のところ反映しておるものと、こういうふうに考えております。
○田英夫君 そういう説明ですと、いかにも九三%ということで非常に進行しているように思えるんですけれども、いまのお話でも、町村単位でまとめてやっているということだと、必ずしも個人の地主の意思というのがしっかりと表に出てこないじゃないかという気がするんですね。ですから、新聞によっては拒否している人が三割ぐらいあると、あるいは復帰協の反対地主の会なんかでは、やはり二割、三割拒否している人があるというふうにいわれている。この辺の数字の違いというものは、そのつかみ方の違いにあるんじゃないかという気がするんですけれども、何かこう、ばかに進行しているんだということを印象づけるように言われているような気がしてしかたがないんですが、実際に市町村の単位、市町村幾つあってその中で市町村の単位でいくとどのぐらいになっているかですね、これを逆に言っていただきたいんですけれども……。
○政府委員(薄田浩君) 市町村単位で申し上げますと、施設関連市町村といたしましては三十六市町村ございます。で、現在三十二市町村がいわゆる同意をしていただいて、先ほどの不同意といいますか、未同意というのが四村、これは具体的に申し上げますと、北谷村、大里村、豊見城村、中城村、この四村でございます。
○田英夫君 どうもこの辺の数字の魔術みたいなことは好ましくないと思う。やはり契約されるのは地主個人なんですから、この個人の意思を尊重すると、個人の意思がはっきりと表に出るような形でやられないとまずいんじゃないだろうかという気がいたします。この辺のところが、非常にいま行なわれているやり方の中で問題じゃないかと思う。 もう一つ、例の三十五億円のお金をいわゆる見舞金という形で出すという、これは二十五億をいわゆる見舞金にして十億を契約に応じた人にさらに上乗せするというふうなことがいわれておりますが、そういう事実はありますか。
○政府委員(薄田浩君) 見舞金制度でございますが、これは過去においてわがほうの長官からもいろいろ御答弁になったと思いますが、長年の軍用地としての使用というものに対する協力、あるいは今後に対する御協力へ報いるという意味で、この制度を考えたわけでございまして、一応の予算上の区分けといたしまして、三十五億のうち、二十五億と十億というふうに分けております。それで二十五億につきましては、いままでに協力していただいた方々に対するあれで、今後御同意されるか否かにかかわらず出そうと、こういう考え方をとっておりますが、十億のほうにつきましては、今後同意された方についてお支払いすると、こういう一応の考え方は持っておりますが、これについても現在鋭意、先ほど申し上げました個々人の方々の意思の反映というものを現時点で努力してやっておりまして、最終的にはまだセットしておらないというふうに御理解いただきたいと思います。
○田英夫君 その点は非常に問題だと思うんですね。その金額はともかくとして、契約に応じた人にはさらに上乗せすると、で、二十七年間自分の土地を、しかもアメリカ軍が土地を取ったという取り方は、まさに戦争という事態の中とはいいながら、ほんとうに銃剣と戦車で奪い取って、個人の土地を使われてしまってそのままになっていたわけですから、これに対して日本の政府として見舞い金どころか、もっともっと地主の皆さんには補償的な意味でいろいろな手を打たなくちゃいかぬというときに、過去二十七年間の見舞い金に二十五億だと、さらに再契約をしたら十億の中から上乗せをするというやり方は、いかにも札束で横っつらをひっぱたくような、契約に応ずればもう少し出しますよという、何か悪徳商人のような感じがして、政府としてやるべき態度ではないんではないか、これは庶民の感情として非常に私は怒りを感じます。この点はぜひ、まだおきめになっていないということですから、そういうことはやめていただきたい。どうでしょう長官、国務大臣としてこの点お答えいただきたいんですが。
○政府委員(薄田浩君) 私のほうの所掌でございますので、僭越でございますがお答えいたします。 先ほどお答えしましたように、いろいろな御意見、それから借料の計算等いろいろな問題がございます。それから長年の御労苦に報いると、こういう気持ち、いろいろな要素が混在しておりまして、申し上げましたように、最終的に検討中でございますので、御意見を体しまして検討いたしたいと、こういうふうに思っております。
○田英夫君 この点はいまも私申し上げたように、現地の県民の皆さんの感情を非常に刺激をしております。これからの沖縄県民の皆さんのほんとに平和な生活ということを望むならば、政府はぜひこれは、そういうやり方は即刻やめていただきたい。山中長官も閣議なりの席でひとつ沖縄の県民の皆さんのことを考えるという開発庁長官の立場から、この点は強く主張していただきたいということをこの際お願いをしておきます。この契約のしおりという防衛施設庁でつくられた地主説明の資料の中にもこの「見舞金の支払い」の項目を読んでみますと、「当庁は、借料のほかに復帰前から引き続いて土地を駐留軍や自衛隊の施設のために提供していただく皆様方のご協力に報いる意味で見舞金を支払いたいと考えております。」と、こう書いてあるんで、これは読みようによっちゃ引き続きというところが非常に重きを置かれていて、引き続き土地を提供する人に対して見舞い金を払うんだというふうに読めないこともありません。これは引き続きなどということはむしろ必要ないんであって、二十七年間過去に提供をしてきたということに対して、非常にいろいろ迷惑をかけたという意味で見舞い金を支払うべきなんで、この点いかにも何か、重ねて申し上げますけれども、お金でつるというようなやり方は、一国の政府としておやりにならぬほうがいいんじゃないかと重ねて申し上げておきます。 それからもう一つ沖縄にありますいわゆる黙認耕作地の問題ですけれども、この制度、今年度は地代を払うけれども、来年度以降はもうこれは支払わないというようなことがいわれておりますけれども、この点はいかがでしょうか。
○政府委員(薄田浩君) 黙認耕作地と申しますのは、米軍の布令二〇号で認められた形でございまして、いわゆる借料を支払って、その上まあその地域で耕作あるいは山林の経営をやっておられると、こういうことでございまして、理論上はこれはなかなか借料計算に繰り入れるか、あるいは普通内地でございますと国有財産あるいは行政財産の一時使用と、こういうような形の法律体系になっておりますので、別にことし限りというふうな考え方は持っておりませんが、合理的な何か計算方法の中に入らないかということで現在検討中でございます。
○田英夫君 土地の提供の問題については、基地に提供するのはいやだと、しかし沖縄のまあ平和的な開発になら提供しようという人もかなり多いというふうに聞いておりますけれども、そういう気持ちをくんでいけば、どうしてもアメリカ側がそこを基地にするんだという形の中で暫定使用法によると提供せざるを得なくなってしまうと、事実上、それが現実なんで、そういう中でこれはやはり開発庁の精神からすれば、少なくともまあ核兵器、毒ガス、生物化学兵器というのは沖縄にはないんだということになっておりますけれども、こういうものはその土地に持ち込まないということを地主の人が契約書の中に入れることを要求すると、こういったことがあった場合ですね、これは地主の人の中には政府あるいはアメリカ側が、核兵器は持ち込まないとか言っても信用していない人がいることは事実です。日本国民の中にも信用してない人がたくさんいる。地主の中で信用しないからひとつ契約書の中に、自分のこの土地にはそういうものは入れないようにと契約書の中の入れてほしいという要求があった場合に、それに応じますか。
○政府委員(薄田浩君) これは政府の姿勢といたしまして、私のほうの長官も衆議院、参議院でお答えしておりますが、いわゆる基地内の点検ということは内地でも行なっておりません。それからこれは政府の方針とされまして、核の問題それからその他の問題については責任を持って返還時にないという形の政府間の高度の約束になっておりまして、個々の契約条項の中に入れるという考えは現在は施設庁では持っておりません。
○田英夫君 これは現実に地主の人からそういう要求が出てきたとき非常に大きな問題だと思います。個人のそうした要求を、政府が大きく国家間で約束をしているからその必要がないと言っても、信頼しない人はやはりそんなことでは納得できないわけでありまして、それはほかの問題についても、いわゆる土地の賃貸契約なりそういう契約書の中で一方の側が要求したものを片方が拒否すれば、それは疑うのはあたりまえですから、疑いをますます濃くするというだけのことにしかならない、国家が約束をしているから安心してくれということは言えないと思いますので、この点も、まあそういうお答えですけれども、私としては納得ができないと、こう言わざるを得ません。 最後に、最近旧日本軍の沖縄における残虐行為といいますか、同胞としてはまことに残念なことでありますけれども、そうした事実が明るみに出てきております。これからもそうしたことがさらに出てくるかもしれない。そうしたものはむしろマスコミなどの調査によって表に出てきている。あるいは返還という事態の中で、県民の皆さんの中からいままで耐えに耐えていたものを表に出されたという形で出てきておりますけれども、これについて、むしろ私は政府として積極的に調査をすべきだと思いますが、調査中ということのようですけれども、実際にどういう調査をしておられるのか、そして被害を実際に受けた人があらわれてきているわけですね、そういう場合にその被害を受けた方に対してどういう措置をとるのか、この点はいかがですか。
○国務大臣(山中貞則君) この問題は沖縄の各地でささやかれていたことであります。私も事前に知らなかったとは言えない立場にありますが、急激に表に出ましたのは、久米島事件の旧軍人の海軍兵曹長某氏が生存していることがわかり、それがマスコミやあるいはまたテレビ等にまで出演をして、反省の色が見えなかった。最近は違うようでありますが、そのことが悪夢の二十八年前を思い起こさして、また問題が新しく提起されたというきっかけがあったことはいなめないと思います。したがって、私のほうでも直ちに復帰前の沖縄事務局から法務担当の係官を中心として久米島現地に派遣をいたしました。現地警察署の協力を得て、実情の詳細なる調査、文献等の調査並びに生存者、目撃者は一部分しか存在しませんが、そのあとにおいて目撃した人とか証人等を全部当たりまして、久米島事件に関する限り、大体調査を終わったと言える段階であります。ただ、そのほかにも本部半島から本島でも糸満に至る戦場と化した各地、あるいはまた離島の、まだ真相は詳しく、集団自決が命令されたのかどうかという点について異論がありますが、離島の慶良間列島の問題あるいはまた強制移住をさせられて、マラリアのしょうけつ、瘴癘をきわめておる西表島で死んでいった人たちの問題等、これは琉球列島全般に戦争という極限の状態がもたらした非人間的な行為が明らかになりつつあります。したがって、私どもはこれらの提起される問題の一つ一つを現地、そしてまた手足がない場合は沖縄県庁の人たちの御加勢もいただきながら、十分に客観的な事実を確めた後、われわれとして総理府が中心になって、これは責任を持って調べてまいります。そして国家賠償を含む日本の立法の中で、法律の中で、どのようにそれに遇することが、それに対して措置することができるかという問題に取り組んでいきたいと思います。久米島事件だけ切り離して措置することも可能でありますが、この問題が一応典型的なケースとして、その後あちこちで加害者不明のものであっても同じ現象が起こったりしておりますから、まさに国家賠償法による故意または過失による国の権力の一部が行なった行為ということに私は解釈が当てはまると見ておりますし、これらの問題の解釈を法務省等ともよく詰めながら、最終的には沖縄県民の皆さまに対して申しわけないということは、おわびのことばに終わるわけでありますけれども、決してこのことに目をつぶりません。面をそむけません。日本民族自体が恥ずべき、そして口に出すのも忌まわしい事件であったけれども、しかしこのことは日本民族の良心において処理をいたしますということをきちんと結末をつけていきたい。そしてなくなった人はかえりませんけれども、また心の痛みもかえらないでありましょうが、しかし新生沖縄県民として、日本の他府県一億の人々と一緒になって、新しい日本の一員として努力をしていく連帯感というものが回復されるまで、努力を続ける責務があると考えます。
○田英夫君 この問題は、沖縄返還ということが実現をしたあとで、実は最も大切なことだというふうにさえ言えることだと思います。いままではアメリカ施政権下の中で、ややもすれば手がつけられなかったけれども、いまや、はっきりと日本政府の責任において沖縄の施政を行なうという中で、一番先に、しかも真剣に取り組む必要がある問題だと思います。いたずらにそうした残虐行為をやった同胞を責めるというサイドではなくて、被害を受けた人に対する対策、措置を考えるという立場からやるべきじゃないか。変な例ですけれども、日本同胞同士でなくて、中国はじめ外国に対しても旧日本軍はさまざまな残虐行為をやってきたわけですけれども、これに対して中国では、それは当時の指導者の責任であって、そういうことをやった人を含めて日本国民は被害者だ、こういう態度をとっているということは、私はきわめて大切なことじゃないだろうかと思います。この点はひとついま長官が言われましたおことばのとおり、ほんとうに最重要問題として真剣に取り組んでいただきたいということをお願いいたしまして、質問を終わります。
○村田秀三君 私は沖縄の物価の問題について質問をいたしたいと思います。少しおくれて参りまして、前の田委員の質問とあるいは重複をする部分があろうかと思うのですが、その点はひとつ御了承いただきたいと思います。 そこで、まず初めにお伺いをするわけでありますが、田委員とのやりとりの中で、沖縄の経済の混乱は政府の責任である、こういうことも述べられておったようでありますが、まず初めに、きょう沖縄の物価対策の要綱を拝見をいたしましたが、私も真剣にこの問題、昨年以降の経過があるわけでございますので、責任を感じておる者のひとりでありますが、物価が上がって生活が苦しい、経済が混乱をしておる、こういうことでありますが、その実態をどのように把握をしておるのかまずお伺いをいたします。
○国務大臣(山中貞則君) 繰り返してお答えいたしますが、まず第一は、十月九日時点における個人の現金、通貨性資産の確認に基づく三百六十円との差額は、三百五円交換であっても完全に補てんされるんだ、その行為は一週間おくれの先週の月曜から行なわれたわけでありますが、そのことは念頭にはあっても、復帰の日は三百五円という、沖縄の人から見れば、せめて最悪の場合でも三百八円なんだろうと思っていることさえ裏切られたという感じの中で、物価はその日から三百六十円、あるいはそれ以上に換算をされて、上がるはずのない輸入物質や島産品等まで上がったということに対する混乱、こういうものが一つあると思います。 第二点は、やはり販売する人々も同じ沖縄県民としてそれぞれ雇用者として労働者をかかえておられる。そうすると国家公務員あるいはまた公社、電力株式会社あるいはまた金融機関、大企業、中小企業、それぞれ融資はあったとしても、それらの賃金読みかえというものが必然的に自分たちもやはり使用人に対してそれだけの労賃を保障しなければならぬ。そうすると、それに対して収入を得なければならない。その収入は当然三百六十円相当の収入を得なければ、労働者に対する雇用者としての責任が果たせないという、いわゆる企業者という立場からの卸、小売り店の人々の問題も私はやはり大きな一つのポイントだと思います。これはいずれ復帰のその日から八十億以内の三%七年償還二年据え置きの金を受け付けてはおりますものの、それが浸透いたしまするまでやはりこれも時間がかかった。 第三点は、復帰前にいろいろな特例措置を講じて、だいじょうぶですからということで、物価に関して言うならば、輸入品はいままでどおりです、あるいはまた本土からのものはいままで物品税がありましたものもなくなりますから、安くなります。あるいは必需品等については、輸入ワクその他でいままでどおり、あるいは必要ならばそれ以上も見ましょうというような特例措置とか、あるいは内国税の特例措置等について、数多くの特例措置をとって沖縄県民の生活に激変がないよう、主食の米から始まってやったわけでありますけれども、その主食の米を含めても、なおかつ異常な、三百六十円以上の読みかえ等が行なわれたという事実を見ますときに、やはり事前もしくは復帰の時点において県民の人々全体に、自分に直接関係のあることは大体皆さん知っておられたようでありますが、不特定多数の人たちの間において、場合によって自分自身が関係が出てくるような特例措置については、残念ながら徹底していないきらいがございました。この点はやはり特例措置をつくり、それの周知を事前にはかるべきだった私たちの責任であると思いますが、一生懸命やったつもりでありますけれども、しかし現実の混乱の中でそういうことは自分は知らなかったというような人たちもだいぶおられまして復帰直前の買いだめ等が行なわれたということも、上がるはずのないものまで買いだめが行なわれたところを見ますると、そういう問題点があっただろうと、したがって、この反省の上に立った、三点を踏まえた行政というものをすみやかに、沖縄の物価を適正なる、将来長く沖縄県の物価として定着してもおかしくない価格に定着させる努力をしたいということでいまやっているわけでありますが、沖縄県側も実地調査を全部終わってもらいまして、そして沖縄県から見た適正標準小売り価格というようなものを一応策定されたようであります。まあこれを受けて国と県と、あるいは関係の大消費市町村との連絡会もつくりましたので、ここらで検討いたしまして、大体、きょうまた会合をやっているはずでありますが、そういう価格というものに沖縄の物価が誘導されていくようにという努力を急速に進めてまいりたいと考えます。
○村田秀三君 まあいまお答えになりましたのは確かに実態でございましょう。実はしかし、私はまあ復帰以降の物価の動向、そういうものについて実は資料を求めたいと思ったんです。 そこで、まあいろいろおっしゃいましたけれども、この際私は、長官が政府の責任であるという、その責任の部分というのは一体どういうことであろうかということを実は考えてみるわけであります。そこで、これは昨年の沖縄国会、当然物価の問題も言及されておるはずでありますが、その他の案件があまりにも多いので、比較的物価の問題というのは大きくは論議されなかったように感じられるわけです。しかし、当時からもすでに物価が上がっておることは間違いない事実でありました。その物価が上がっておる事実というのはいかなる原因かというと、やはりこれは円・ドルの関係に帰着する。あるいは復帰不安というものもあって、それに輪をかけたということもありましょうけれども、直接にはやはり円・ドルの関係だろうと思うんです。まあ具体的に言えば、十月の八日の時点でそれはドル確認をした。そしてそれまでのドルは三百六十円で保証されるということは明らかになったけれども、それ以降は政府も復帰時点における実勢価格で交換するというようなことも明瞭には言っておらなかったようであります。同時にまた、沖縄の人々は早く交換をしてほしいということ、あるいは復帰時には三百六十円を保証しなさいという要求というものは、これは基地の問題に次いで強かったと思うんですね。しかし、政府はあいまいにしておった。ところが、変動相場制に移り、円は高くなる。ドルは下落する。そうしてまた、三百八円という公定レートが定められた。その時点で、沖縄の人々の観念からするならば、十月九日までの分はこれは三百六十円で保証されるけれども、いま流通されておるのは幾らで交換されるのかわからないという、そういう問題つまりたとえばこの灰ざら一ドルであり三百六十円であったといままで観念をしておった。しかし、よしんば一ドルいまここで売ったとしても、その一ドルは三百二十円になるのか三百八円になるのか、あるいはそれ以下になるのかわからないという状態の中では、これを三百六十円に位置づけようとする価値観を与えて、そうして満足できるような価格に引き直そうとする観念というものが働いたのか働かないのかということになりますと、明らかにこれは働いておったと言わざるを得ない。そういうことでありますから、つまりずうっと見てまいりますると、これは円・ドル問題が経済問題の大きな部分としてわれわれの面前にあらわれてきて以降というのは、まさしくその騰貴率というのはきわめて高いわけであります。このことがやっぱり復帰時の切りかえの問題とも大きく作用をしておると考えるわけでございまして、私は資料を求めたいと、こう言いましたが、その真因がそこにあるとするならば、いわゆる長官が言うところの責任を感じますという責任の大部分というものがそこにあるとお感じになるのかどうかですね、あらためてお伺いしておきます。
○国務大臣(山中貞則君) これは沖縄県の人たちがドルを選択して使わしてくれと言ったものじゃありませんし、また、沖縄県民の人たちに相談をして日本が変動相場制に移行し、もしくは沖縄県民の希望によって円を切り上げたものでもありません。しかも、円物資によって生活の大部分を依存しておられる沖縄県民の人たちにとって、これはダブルのショックを与えたことになったわけでありますから、これはどの部分が責任ということでなくて、この円の変動相場制移行、円の切り上げ、そうして交換、一連のこのできごとに至る責任は全部本土政府にありますと、こういうことを申し上げておるわけであります。 なお、責任のある部分ない部分という言われ方をいたしますと、それを復帰の日に三百六十円以上、場合によっては四百円、四百五十円、五百円という、結果的に見て読みかえてみるとそういう比率でもって商品価値を、商品の値段つけたりなどしたという人たちの責任まで山中の責任かと言われると、これもやはり売り手買い手の問題であるとはしても、沖縄県民のすべての人が神さまのような人ばかりだとは、商売に関する限りはやはり言えないところがありますから、そこらの問題等を仕分けして、この分野は私の責任がありませんと言うつもりはありませんが、しかし、それらのことのすべても、やはり円とドルとの、沖縄地域におけるドル、本土の円の操作というものが巻き起こした結果であるというならば、その問題点も含めてやはり責任は本土にあるというふうに考えます。
○村田秀三君 どうもこの責任はとると、こう言いながら、きわめてやはりあいまいな言い方をしておると思うんですね。とにかく責任があると言う。では原因は何であるのか。非常に物価が騰貴して困っておる。なぜ物価が騰貴するのか。騰貴の原因というものは何であるか。その原因はつまりドル操作の問題であり円操作の問題であるということであるとはっきり言い切るのかどうか。だとするならば、私は、その問題はやはり政府が行なったのであるから、政府の責任である。今日の沖縄の経済の混乱は政府の責任であるということにこれは当然結びつくわけでございまして、どうも、ただしかし、いろいろと政策を行なったのは政府でございますから、何が原因か存じませんけれども政府の責任である、こういうような、たった単にそれだけの言い方では責任の所在というものは私は明確じゃないと思うんですね。原因が私先ほど申し上げたようなことであるとするならば、やはり政府は、つまり円の切り上げを行なった、あるいは前には変動相場制に移行した、そうしてドルの保証は十月八日以前は三百六十円であったけれども、それ以降は、つまり復帰時は三百五円でありますか、そういう措置をとったことに責任があるんだと、はっきりとこのところを確認しなければ、私はこれからの基本的な対策というものは、これは出ていかないと思うんですよ。
○国務大臣(山中貞則君) 私は御質問をそらした意味ではなくて、いまおっしゃるように、この点で責任を考えるか、とるかと、責任があるかとおっしゃれば、そのこともまさに政府の責任であるというふうに申し上げて正しいと思います。
○村田秀三君 まあ私はそのほかにもいろいろな理由があろうと思いますけれども、まず実はこの沖縄の物価の動向について復帰前、復帰後に分けて資料をと、こういうことで開発庁に昨日連絡をいたしました。十分なものがないんですね。でありますから、私はこの際ひとつ要望をいたしておきますが、当然皆さん方はとっておられると思います。この二十二、二十三日沖縄県が緊急に調査をして、いま整理をしておるということでありますから、これはきわめて早い機会にひとつ出してもらいたいということ。同時にいまになって振り返って見ますると、私が冒頭申し上げました、つまり円・ドルの関係における物価の騰貴、このことを証明するためには、昨年の九月以降の物価の騰貴の状態というものもやはり見てみなくてはならない、こういうことでありますから、この辺の資料もひとつとっていただきたい、かように思うわけであります。 そこで、どうも与えられました時間が三十分でございますから、多くの論議をすることはできないわけでありますが、復帰時に読みかえが行なわれました。政府は三百五円と定めたわけであります。で、消費者米価、これは政府が関与する価格でございますけれども、これが三百六十円、あるいはそれ以上にも読みかえて小売りされておったということがあるわけですね。きのう伺った限りでは、それは改まっておると、こういうようなことを言っておりますけれども、やはりこのことは、つまり一ドルは三百六十円なんだと、そして先ほどいろいろ物価騰貴の原因に、つまり三百六十円で換算をした理由の一つとして、労働者の賃金が三百六十円で換算をしたというような話、そういうような話もあるわけでありますが、この三百六十円に換算をしたということがよいのか悪いのか。あるいはやむを得ないというのか、あるいはいなというのか。このことについてひとつお伺いをいたしたいと思います。つまり、現実には三百六十円で換算をした、あるいはそれ以上に読みかえておるのも実はあるわけでありますが、それ以上の問題は円・ドルと関係ありません。これは便乗値上げであるとか、端数がめんどうであるからつい切り上げたと、こういうようなことでありましょうが、しかし三百六十円に読みかえたということは、やはり一ドル三百六十円なんだという考え方、観念、そして他にも事例があるじゃないか。十月九日までの分は三百六十円保証しておる。同じ流通しておるドルが三百五円というべらぼうなことはないじゃないか。労働者の賃金も三百六十円になったじゃないか。何で三百六十円にすることが悪いのか、こういうことがあるはずでありますから、そのことがよいのか悪いのか、やむを得ないのか、あるいは否とするのか、こういう点についてお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(山中貞則君) まず昨年の十月九日以降の成長率に見合う分、これは琉球政府をかりに国の立場でとってみますと、国民総生産、国民所得、そして可処分所得、こういうものの伸び率をとってみますと、過去、平均で大体一一六・四%ぐらいに当たります。したがって、去年の十月からことしの五月十四日まで、おおむねまるめて 八カ月と見ますと、四分の三くらいの成長率の年間の比重がかかったと考えますと、大体一〇%ぐらいというものはその後の成長で、すべてが個人の所得に帰したとは思われませんけれども、一応概念上はそう思わなければいけませんので、したがって、大体今回の三百五円に決定をし、なおかつ名寄せその他において件数が予想よりふえたこともあって、予算で二百六十億と組んでおりましたものが、大体三百九億に達するだろうという見通しがいま立っておりますが、まあ大体これの一〇%相当に当たる三十億ないし三十二億ぐらいというものが理論上も現実にも沖縄県民のその後の成長に対して差損が補てんされていないという点は、私ども政府として認めざるを得ないし、理論的にも現実的にもそのとおりだと思います。したがって、これらについては、全額のさらにこまかい詰めと、どのようにして沖縄県民に帰属せしめるかという具体的な手段等について政府部内においてもまた沖縄県ともよく相談をいたして、すみやかに結論を出したいと考えます。まあこれによって一応三百五円であっても三百三円であっても、その差額は完全に国民の、県民の一人一人の通貨、あるいは通貨性資産について見てもらったということだけは明らかになりますので、一応の心情的な安定というものには貢献ができると思います。 さらに、いま言われました問題点の、沖縄の物価を一体何円に読みかえたらばそれは正しいのか。三百六十円はやむを得ないのかどうなのかという、三百六十円以上は論外であるという御意見でありますが、これは全部三百六十円に読みかえてもらうと私は問題があると思います。ということは、輸入物資等については三百五円よりかむしろ以下の実勢レートで入るものでありますから、三百三円もしくは三百四円という適正なる輸入原価にふさわしい価格の読みかえがなされなければなりませんし、また、いままで沖縄県として琉球政府の立場において本土からの移入物資についてとっておりました物品税その他が廃止されることに伴い、当然三百六十円で読みかえるとその廃止措置の恩典が一部の業者のところで得られて、県民にはその恩典が届かないという問題もありますから、そういう物資は三百六十円にしてもらっては困るわけです。しかしながら、その他の島内産品その他については、これは売りと買い手の適正なる価格構成といえば、大体高くても三百六十円のところに落ちつくべきが趨勢ではなかろうか。したがって、一律に幾らということは言えないのではないかと思います。これは琉球政府、沖縄県がいま適正小売り価格、標準小売り価格表というものをつくりつつありますので、本日の会議等において国、県、市町村等が集まって相談をしておりますから、これによって大体正しい適正価格表示であるということになりますれば、それに従って大体落ちつくと思いまするし、なお価格協定その他がなされた疑いのあるものは公取が直ちに迅速に行動を開始しましたし、そういうものは直ちにそのチラシその他を撤収いたしまして、適正な価格に戻っているような報告を受けておるわけであります。
○村田秀三君 確かにまあ外国輸入産品、これが三百六十円などというのはこれはけしからぬ話でありますから、そうしてまた先ほども沖縄の価格は需給関係に関係ないというような話、これは将来も私はそうだろうと思うのですね。市場がないわけですから、大体。そういうことでありますから、まあつまり輸入業者、生産者そうして卸業者、小売り業者、つまり流通機構はきわめて簡単でありまして、そうだとしますと、これはその値段というのは卸業者がきめるなり輸入業者がきめる、こういうことに実はなるわけでありますから、この輸入価格を厳正なものにするというのは私は全く異議がないし、それを厳重にやるべきだと思う。ただしかし、その他は、適正小売りというものがどう出てくるかということは存じませんが、私がきのういただきましたこれは、復帰直後の物価、つまり換算をどうやっているかということでありますけれども、大体やはり三百六十円というのが多いわけですね。これはまあ外国産品でもチーズであるとかチョコレート、紅茶、バナナ、ケチャップ、コーヒー、ガム、ソーセージなどというのが三百六十円で換算をされておる。県産品で三百五円というには砂糖とかつおぶしだけですね。その他は大体三百六十円換算である。本土産、これは復帰直後でありますから、これは復帰直前あるいは前に輸入をされておるものでありますから、その間、関係がどうなるかは別にいたしましても、三百六十円というのはたいへん多いわけであります。そうしていま長官が三百六十円が一つのめどのような印象を与えるお話でございましたが、だといたしますと、沖縄の経済というのは、三百六十円で動いておる、現実に。そしてまた今日までも動いておった、こう言わざるを得ないわけです。でありますから、つまり沖縄経済のバランスを著しく何といいますか、破壊をしたというのは、何といいましても十月九日までの分は三百六十円を信証し、それ以降は、これは結果的に残った分をどう補償するかという問題もありますけれども、しかし、三百五円でこれはみようとした。そしてまた復帰の時点では三百五円でみた。つまりアンバランスが政策的につくり上げられたというところに、私は今日沖縄の物価の問題があり、経済の問題があると思うんです。だとすれば、やはりそれに責任を感ずるとするならば、そのバランスをとる努力をすることが、これは一番の基本的な対策であろう、実はそう思うわけです。つまり、その中で先ほど成長は、ひとつ何らかの形で補償も考慮しなければならない、検討するというようないい方でありますが、まずこれを補償するのかしないのかということをひとつ明らかにしてもらいたいということと同時に、そういたしますると、またこれは本来残っておる分、もうけた分、これは生活にゆとりのある人ですよ。生活にゆとりのない人、いままでサンマを食べていたものを、今度く目刺しを食べて生活を切り詰めて、復帰時点ではドルはゼロであったという人もあるでしょう。あるいは借金をした人もあるでしょう。借金をしたという人は、どういう見方をするのかという問題も当然出てきます。混乱に輪をかけるようなことになるわけでありますけれども、しかし、やらないよりはやったほうがいいかもしれません。そこでひとつ今度は問題起きますのは、つまり復帰時点で円交換をやったわけでありますが、その手続、手法といいますか、どういうかっこうでやったのか。私の考えは、時間もありませんから申し上げてしまいますけれども、とにかく一週間交換をやった各個人が持ってくるわけでありますから。その交換をすでに終わった。終わったとすれば、外国から新たにドルが流入する、日本からドルが流入するということはないんじゃないかと思うんです。いまいわゆる復帰直後円交換いたしましたその額に対しても、つまり五十五円を補てんをするという勇断を持つとするならば、私はこれは大きく沖縄の県民に対しては心理的な好影響を与える、こういうふうに実は考えるわけでありますが、その点はいかがでしょうか。
○国務大臣(山中貞則君) これは現実論として御理解を願いたいんですが、去年の十月九日にチェックしたものが、今回の円とドルと、いわゆる現物を交換いたしまする際の大部分の沖縄流通の貨幣であります。金であります。したがって、その大部分は復帰の時点において交換されたもの、すなわち、それの大部分は十月九日においてチェックをされておりますから、これは、三百五円であればそれだけよけい、三百三円であればもっとよけい国が交付金を補てんとして支給すべき対象になっておるわけでありますので、いまおっしゃいました理論的に問題があるとすれば、十月九日から復帰の前日までの成長率の個人帰属の問題ということに尽きるだろうと思いますが、ここらのところは沖縄県民全体の方々にわかってもらうにはきわめて困難であります。私はそのような混乱が起こることをおそれて、できれば通貨の交換と同時に、それぞれ十月九日にお渡ししてあります双方控えと、手渡たししたものとを突き合わせて、交付金を支給する仕事も同時にやってもらいたい。そうするとおおむね三百六十円との差額については大部分は補てんしてもらったという実感がわくであろう、こういうことでお願いをしたのでありますが、これは金融機関の実務の問題として、通貨の交換というのは、形式的な部門も多くて、持ってきたドルを全部法人の手持ち現金であるかないかとか、あるいはアメリカ人から預かった金であるかないかとか、そういうことはもう問わないで、交換をしていけばそれでいいものである、実勢レートでありますから。しかし、それと同時に、その控えと一致している証紙であるかどうか、あるいは本人に間違いがないかどうか、あるいは相続人であることを証明する書類がそろっておるかどうか、こういうことを確認して交付をする、いわゆる確認交付業務といいますか、そういうものと一緒にしてもらうと、それはとても殺人的な行政であって、金融機関の実務者としてはそれはとうていできない、通貨交換に一週間を要した後、一週間休ませてくれ、そうして二週間日から差額交付をやらしてくれという御希望もありましたけれども、間をおくほど混乱が大きくなりますから、曲げて一日だけの余裕で、休みで月曜から引き続きやっていただくということで、先週の月曜から始めていただいたというようないきさつがございまして、そこらのところは若干意にまかせない点もございまして、混乱、不安に拍車をかけた点があったということは認めざるを得ないと思います。
○川村清一君 関連して一言お聞きしたいんですが、田委員や村田委員から物価の問題について御質問があったわけでありますが、沖縄県の当面する問題としましては物価の問題、これが緊急の問題でございます。それから基地の問題等あるわけでありますが、基地の問題は防衛庁、防衛施設庁が取り扱っておりますが、物価の問題等はやっぱり開発庁がやらなければならぬ。そこで開発庁の出先機関の総合事務局でありますが、これが行政事務として責任を持ってやっていらっしゃると思うわけでありますが、その総合事務局の組織等について、いろいろ議論をしたときに私も申し上げたのでありますが、もともと総合事務局というもの、そのものにはわれわれは基本的には反対でございますが、それを設置する以上は、これでいいかという一つの疑問を持つわけであります。 そこで総合事務局の組織機構を見まして検討しまするに、どうもいま当面緊急の問題である物価の問題など、いろいろと行政的に検討いたしまして早急に強力な手を打っていくような、そういう機能する力が、この組織の中では足りないのではないかというような感じがなされてしようがないわけであります。おそらく総務部がこういう仕事をなさっていると思うのでありますが、長官率直に言ってこの総務部というのは四課一室、庶務課、人事課、会計課、調査企画課、公正取引室というのがあるわけですが、公正取引室のほうは公正取引の問題ですから、本土からも行きまして、いろいろ独占禁止法の問題等取り扱っておると思いますが、いろいろな調査をしなければならぬと思うんですね。この政府の緊急対策を見ましても、とにかく調査をすると、そうして所要の対策の立案調整を行なう、県、関係市町村、沖縄総合事務局相互の連絡調整を緊密化するということになっておるわけでありますが、いろいろ調査する、その上に立って立案していくといいましても、村田委員がきのう開発庁のほうに対して、いろいろ物価の状態について資料要求したところが、なかなか整った資料が現在ないといったようなことは、これはできたばかりでありますから、むずかしいこともよくわかりますが、行政組織の中にそういう力が欠ける点があるのではないかというふうに考えるわけであります。私は農林水産とか通産とか運輸とか開発建設部を設置することは、これは当然であるけれども、振興開発というところにばかり力を入れて、当面のいわゆる民生上の問題、物価の問題であるとか、それからこの前の委員会で私どもの鈴木委員が売春の問題についていろいろ御質問をいたしたのでございますが、この問題に対しても適確なこういう対策をやっておるといったような御答弁も得られない。そこでやはりどうせこういう総合事務局というものを設けるならば、振興開発の面だけでなくて、民生安定という点から、労働省であるとか、あるいは厚生省であるとかいったような所管の事務を担当する部を設ける必要があるのではないか、担当者を置くべきではないかと、そういう機構を持つべきではないかということを御質問等もしておるわけでありますが、いまは物価の問題にしぼって質問をしているわけでありますが、この大事な物価の問題をほんとうに取り組んでやるというようなそういう機構になっておるのかどうか、そういう点に欠くるところがないのかどうか、あるとすればこれはまあ県民の期待にこたえられないのではないかということを考えまして、いわゆる最高責任者であるところの山中長官に率直なひとつ御意見をいただき、もし欠くるものがあるとするならば、せっかく置いたのですから、もっと充実した一つの機構を持つべきような組織の改善をはかるべきでないかということを考えて御質問しておるわけでありますが、これに対して長官のお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(山中貞則君) 何しろ世変わり同様の激しい変化の中でつくったものでありますし、十五日復帰というのに、可決されたのは十二日でございましたから、いろいろと手落ちがございましたし、また建物等も完成しないままビル建築現場の中に入っていったというようなこと等もございまして、たくさん手落ちがございました。いろいろ反省することがありましたが、ただいまの公取の問題も、やはり当初琉球政府職員であった者を引き継いだ者も含めて四名ということでありましたが、このような事態というものになってみますと、とても足りないということで三名急拠応援を派遣したくらいでありますので、財務部等も所管をしながらやっておりますから、一生懸命やりますが、さしあたりは、機構その他の膨脹ということはやはり県民の自治権という問題等の議論が半面ございましたので、やはり本省からそれぞれ応援を派遣するというようなことで、必要な場合には措置をしていきたいと考えます。
○村田秀三君 時間がだいぶオーバーしましてまことに恐縮ですが、もう質問ということはやめますが、一つ要望を申し上げたいと思います。 ただいま私の質問で、一番最後の部分でありますが、これは私は通貨交換した分を、五十五円別に補償したらいいんじゃないかということを申し上げたのでありますが、やはりどう考えてみても、いま政府が考えて検討しておるというそのことよりも、やはり現実にいわゆる交換される通貨、これは確かにアメリカ軍が現地民に対して依頼をした云々というようなこともあるいはあるのかもしれませんが、しかし実際は、考えてみると、アメリカ軍が使用しておったドルを円に切りかえるために、アメリカ軍はまとめてひとつ交換をしたんじゃないかというような感じもするわけでありますから、できればやはりまあ現実の問題として、通貨交換の際の三百六十円保証という、そういう措置をとったほうがこれは公平である、こう言えるわけでありますから、 〔委員長退席、理事剱木亨弘君着席〕 できれば、ここでこれ以上論議はいたしませんが、その方向でひとつ検討を願いたいということ、同時にまた、確かに今回の物価騰貴というのはさまざまの要素もありましょうけれども、さまざまの要素があることは間違いありませんが、これからやはり一番懸念されることは市場がないと、こういうことを言いました。沖縄百万、しかも人口の集中しておる地域というのはそうあるわけじゃありませんから、はたして市場が必要であるかどうかということは、私も明確に答えを出せないわけでありますが、ひとつ検討をして、市場の整備をするということが一つ。同時にまた、復帰以降日本政府の投下資金というのが、これはいままでよりも相当量多くなるわけですね。土地を求める、建物を建てる、そういうことで一つの需給関係よりもまた別な意味におけるインフレというものが起こる可能性がある。あるいは民間でも、いわゆる観光ブームに乗って土地の開発をする、こういうこともあるわけでありますから、そういう点は厳重にチェックしながら、政府の投下資金についても現地の実情をよく見ながら、いわゆる事政府が先行的に物価上昇の役割りを果たしたというそしりを受けることのないように、十二分に注意されるように要望いたしまして、質問を終わります。
○藤原房雄君 先週も沖縄における異常な物価高につきましていろいろ審議いたしました。きょうも同僚委員からいろんな角度からお話がございましたが、さきの沖縄国会におきましても、復帰時点における混乱ということにつきましてはいろいろ質疑がございました。また、山中長官も万全の対策を講ずるということで精力的に取り組んでいらっしゃった、このように私どもも見ておったわけでございますが、現実のこの復帰時点におきまして、新聞等で報道される範囲内で見ましても、想像以上の混乱が起きておる。沖縄の人にいろいろお話聞きましたけれども、復帰になって一体どうなるのか、この不安というものはたいへんなものでありまして、現金で持っておっても幾らに換算されるかわからないということから、現物にかえたほうがいいという、ほんとうにふろしきで時計を買い集めたという笑えないようなこと、買うものがなくてその辺にあるものを、主人も飲まないようなお酒をたくさん買ってきたとか、こういうほんとうに本土にいる私どもが想像し得ないようなこういう混乱の状態であったということを実際に耳にしまして、物価問題につきましては複雑な要素があったことと思うのでありますけれども、根本的な問題はドルと円との交換の問題がやはり基本的な問題だろうと思います。 先ほども二人の方からいろいろ御質問ございましたが、これに対応する対策といたしまして、沖縄物価安定緊急対策を閣議で決定なさったわけでございますが、これは一つ一つごもっともなことであって、このとおりきちっと実施していただきたい。これはもう私どもの心からなる要望でございますが、山中長官も復帰以前、この沖縄の問題について精力的に取り組んでまいりました。現在もまたその功績といいますか、大きな働きによりまして、初代の開発庁長官という立場にあるわけでございまして、今日までの努力、それがみごとに花を咲かせるためには、何といってもこの物価対策に真剣に取り組まなければ、いままでの努力も水泡に帰すのではないか、こう思うわけでありますが、先ほども就任のあいさつにもございましたが、この物価対策に対する取り組みの姿勢といいますか、決意のほどをお聞きしたいと思います。 さらに、閣議の決定の中で、やはり複雑な要素があるだけに各行政機関との十分な連絡調整というものが必要だろうと思いますので、これ一つ一つお聞きしたいと思いますけれども、最後の五番目の関係行政機関における連絡調整の緊密化、具体的にこれはどういうように行なわれようとしていらっしゃるのか。物価につきましては、これは県でできる範囲というのはほんとうにごく少ないのでありまして、やはり国からの大きな施策がなければならないということで、この問題についてもお聞きしたいと思います。
○国務大臣(山中貞則君) まず初めの、私自身のこの重大事態に対する責任並びに決意でありますが、沖縄問題に取り組んで幾たびか担当大臣として訪問いたしました中で、いろいろ議論があっても、五月の十五日はまあまあ復帰で、心の中の喜びはひとしおのものがあろう、これは共通のものだろうという気持ちで参りました私が感じましたものは、いままでたびたび参りました中で最も冷たい目で沖縄県民の一般大衆から見詰められていた自分というものを発見をいたしました。私は責任を感じましたし、それについて政治家としての進退もひそかに考えてみました。しかしながら、それでもって済むものならば、それで全部が解決するものならば責任のとりようもあると思いますが、やはり問題があったんだと、復帰の実感は喜びではなくて困難であり、そして本土政府に対するある意味の恨みであったんだということでありますならば、これに対して自分がなお残された全力を発揮すべきことが自分の責任ではないかと、このように考えていま努力をしておるところであります。御理解を賜われば幸いと存じます。 なお、この閣議決定をいたしました最終の項目である関係行政機関における連絡調整の緊密化、これはことばとしてはいつでも言えることばでありますが、スタートしたばかりの沖縄県、市町村としては変わらなかったにしても、日本の施政権下に戻った市町村というものと緊密な連絡をとってやりませんと、国という立場で出先機関が主になって一方的な作業をいたしますと、やはりそこに沖縄の複雑な流通機構なり特別な市場に占めるウエートなり、そういうようなもの等について無理解な結果、間違った結論を出すおそれがありますので、この場合は本省の関係各省庁は当然のこれは物価担当官が連絡を常時とることはあたりまえのこととして、ここの重点は、沖縄県並びに関係市町村というものと十分緊密な連絡をとってやるんだと、そして実情に沿った最終的な物価の安定策を講ずるんだということに重点が置いてあるわけであります。なお、閣議決定はいたしておりませんが、これらの項目のほかに、沖縄県にいまつくってもらっております適正小売り価格というものが実態に即し、なおかつまた恒久的に見て沖縄県の必要な物価体系としてふさわしいものであるというような国や県、市町村等の、あるいはまたその他の消費者団体等の意向も聞かなきゃなりませんでしょうが、そういう確認が得られますならば、それでもなおかつ四百円換算、四百五十円換算の小売り価格を固持して譲らないという人がありまする場合には、物価統制令というまことに古い占領時代の法律でありますが、これの十条、暴利をむさぼる場合において発動される条章というものも場合によっては、これは私は販売する人も沖縄県民でありますから、この物統令の発動ということはやらないつもりでありますし、やりたくない気持ちが一ぱいでありますけれども、すべての調査、実態、合意というものが得られた後、なおかつ不当な暴利をむさぼるようなことがあれば、場合によっては今回の異常事態を鎮静するために暴利取り締まりの、物統令十条の暴利取り締まりの発動ということが考えられるかもしれない。しかし、これは閣議決定ということをしておく問題ではありませんので、私はまかしていただく意味で、経企庁と相談をしてやりますけれども、閣議では了解事項といたしてある次第でございます。
○藤原房雄君 まあ復帰に対する県民のこもごもな感情があったろうと思うのでありますが、いままあ長官からもいみじくもお話ありましたように、お聞きいたしましたとおりに、このようなこの物価騰貴、基地の縮小につきましても思うにまかせないというまあいろんな状況の変化というものはもちろんあるわけでありますけれども、そこに住まう人たちにとって現実どうなったかという観点から見ますと、このような県民の不安、不満というものがまあ当然起きてくるような状況であったことはこれはいなめない事実だろうと思うのであります。まあこの物価問題につきましては、いろんな角度からお話もございました。またいま長官からも強い決意のほどをお聞きいたしましたので、どうか県民の方々が物心両面にわたってこの復帰を喜んでいただけるような対策を早急にひとつとっていただきたいことを心から要望する次第であります。 次に、この復帰の時点でいろんなことを考えられて今日まできたわけであります。時間もありませんので、一つ一つお聞きすることもできませんが、個条書きといいますか、何項目かに分けてお聞きしたいと思いますが、過日の委員会のときにも、私は、一つは物価の問題にいたしましても、人の命、生命にかかわる問題としてこの物価の騰貴、こういうことで万が一なことがあってはならない。そういうことで過日の委員会で血液の問題申し上げましたけれども、このために、物価騰貴に伴って緊急に対策を立てなければならない諸問題があろうかと思います。全般的な物価の騰貴に対する対策ということを、急を要する、こういう問題もあろうかと思います。そういう点、ひとつきめこまかに御検討いただきたいと、このように思うわけでございます。 そのことと、それからまた医療体制が非常におくれているということで、それに対する対策も十分な配慮をいただきたい。まあ一つ一つをあげますとこれは数限りない問題があるわけでありますが、問題の一つは、たばこや塩業――塩の関係、それから自動車検査、通関事務、これらがいままでも民間で行なわれておったものが国の直轄になったり公社になる。こういうことで、これらに現在まで働いておった方々がどうなるのかという、これも今日までいろいろ議論されておりまして、まあ対策を講ずるということであったわけでありますけれども、これはまた数多くの従業員をかかえておるだけにこれらの方々の、現在この職員の方々がきちっと配置転換ができたのか、また就職ができたのかどうか。この復帰後の現況について、この問題についてお伺いしたいと思いますが、これはまあ大蔵省関係の方、また長官のお答えできる範囲内でけっこうでありますけれども。
○国務大臣(山中貞則君) たばこについては、会社、従業員を含めておおむお話し合いの線の妥結した金額で御了承いただいた結果、三百人やめられる方を新しく日本専売公社に引き継ぐという予定でございましたが、三百人に満たない、いわゆる再就職希望者がむしろ不足したというぐらい大体順調にまいっておるわけであります。塩等についても、業者並びに従業員等についてそれぞれ予算の際にセットいたしました金額で御了承いただきました。別段、塩の元売り人等に指定したことにより困難等は起こっておりません。自動車の車検、検査人については、これは二年間なおかつ民間でやるということで、将来とも沖縄については民間車検というものを条件が整備されれば認めていくというようなことを措置いたしておりますので、一、二老人、老齢等に達しておられる検査人の方で、もう引き続きやる意思はない、あるいは新しくそういう企画に応ずるような態勢を整備する自分は気力はないというような御意見等があるように承っておりますが、特別の混乱というものが起こっておるようには考えません。 なお、通関等については、これは国がやるから、仕事を失うのではなくて、現在本土との間の貿易が大部分でありましたための本土貿易に従事しておりましたカスタムブローカーの諸君が実際の仕事量を失うという問題でありますので、なおかつ残る諸君もおられますが、しかし、やめていく人たちについて予算で措置をいたしました。このことによって通関業者の方々は、その自分たちがもらうべき金等を大体前提において、アメリカの某飛行場周辺に持っておりました会社の倉庫というものを、大体アメリカの航空通信関係の会社でありますが、これが引き揚げでいくということで、そういう通関業者の再建のためならばということで円滑にそれが復帰前に譲渡、買収ができたようであります。したがって、その他にも、飛行場の近くの敷地に、条件もよろしゅうございますし、レンタカー等の営業もやるというようなことを計画いたしたようでありまして、これらの仕事についてはそれぞれ、復帰後はそれぞれの転業に伴う資金については沖縄振興開発金融公庫の融資対象にもいたしておりますので、大体においてそれぞれ集団で、もしくは個別に今回の措置において転業もしくは廃業をしていったというふうに見ておる次第でございます。
○藤原房雄君 それからこの専売に関連しまして、製塩業ですね、いままで製塩業に携わっておった方々、これはまあ本土にも同じことが言えるのでありますけれども、特に沖縄で、復帰時点におきまして、いままで先祖代々ずっとやっておりました方々、この方々の補償ということがいろいろ問題にもなっておりました。現実いろんなお話を聞きますと、この製塩業に携わっている方々の転業の補償というものと、現実いろんな話し合いの中で最終的に決定した補償との間には相当な開きがあって、十分の一というふうに聞いておりますけれども、いままで家業として代々受け継いできた方々が、特に老齢の身であって転職もできない、こういう方々もいるようにも聞いております。まあいろんな根拠があって、その最終決定額がきめられたと思うのでありますけれども、あまりにも差があり過ぎるという、こういうことで、もっと要求額に見合う線にほんとうは考えてあげることはできないのかどうか。この辺の問題につきましてはいかがでしょうか。
○国務大臣(山中貞則君) これはたばこも塩も通関関係者も、一応要求としては確かに相当な金額のものをお出しになったわけです。しかし最終的にきまりました金額は、合意の上で、大体このあたりでやむを得ないと、賛成だとは――最終的にはまあ賛成と言ってもらったんですけれども、当初の要求額というものは、これはまた計算のしかたその他もちょっと大蔵省から見てすぐその積算の根拠はけっこうでございますというようなものではございませんでしたので、これは相当時間をかけ日月をかけて話を詰めたものであります。したがって、最終的には、まあことばでいうならば御迷惑をかけました、ありがとうございましたということで妥結をした金額でございますので、その後、妥結後においては復帰に伴って何も問題は起こらなかったということだけは御了承いただきたいと思います。
○藤原房雄君 時間もありませんので次に移りますが、郵政関係ですね、まあ本土並みの制度が今日までも大体行なわれておったわけでありますけれども、こまかく見ますといろんな相違点があります。一つは速達制度、それから配達面においては二度配達、それからまた郵便局の窓口の問題ですね、これも本土並みにするということで、いろいろな検討を加えられておると思うのでありますけれども、この間の状況につきましてお聞きしたいと思います。
○政府委員(溝呂木繁君) お答えいたします。 先生御指摘のとおり、郵便事業につきましては、復帰と同時に必ずしも全部本土並みになっておりません。そのうちの一つは速達制度でございます。しかしこの速達も、本土から行く分につきましては復帰と同時に行なっておりますが、問題は沖縄県相互間の速達制度につきましては、いろいろ定員の配置それから本土内の運送計画、そういった総合的な問題が必要でございますので、一応予算としては定員あるいは請負費、そういったものは取れておりますので、この秋までにはそういったものを整備して、沖縄県内における速達制度も実施したいというふうに考えております。 それから郵便機関の窓口でございますが、本土で言えばこれは特定局あるいは簡易局でございますが、これも予算処置としましては、それぞれ十局ずつ予算処置してございます。これらは先生御承知のとおり、いろいろその地域における要望、それから特定局あたりになりますと、その特定局長として要望が出てまいりますので、それらを勘案しながら逐次増備していきたいというふうに考えております。 それから配達の二度制という問題でございますが、現在でも相当七、八〇%の集配区の中については二度地ができております。したがいまして、とりあえずはそれをそのまま引き継ぎまして、ただ残りのほうは非常に、本土においても一度配達になっている部分がある、それに類しているようなところもございますので、将来もその地域の発展状況等考えまして、さらにその二度地をふくらますかどうかについて検討したい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○藤原房雄君 さらに郵便貯金それから簡易保険の関係については、復帰の時点本土並みの業務が行なわれているかどうか。これはいま問題になっております庶民金融ですね、郵便貯金の貸し付け制度が行なわれるようになろうとしている現段階におきまして、当然こういうものが本土並みにきちっと取り扱われるようになり、そういう基盤ができなければ、口では本土並みと言いましても実際には実施できない、そういうことを考えあわせますと、郵便貯金や簡易保険の現状がどうなっておるか、また今後これをどう進めるのか、また、この郵便貯金や保険についての十分な周知徹底というものがなければ、本土並みにいろんな制度が実際つくられたとしましてもそれが行なわれ得ない、利用され得ないという、こういうことになりますので、この間の問題につきまして、どのように考えているかお伺いしたいと思います。
○政府委員(森田行正君) お答え申し上げます。 復帰までは、沖縄におきましては貯金は本土におきます通常貯金と定額貯金に類するものしかやっておりませんでした。復帰後積立郵便貯金、定期郵便貯金、定額小為替、郵便振替等を実施するようになりまして、現在やっております。 それから保険年金事業につきましては全然ございませんでしたが、復帰と同時に各郵便局でやっております。 お尋ねのPRの問題でございますが、復帰までに沖縄の琉球政府から各家庭に、新しい郵便局のいろんな制度の仕組みなど、パンフレットを各家庭に配布いたしましたが、まだ十分でないと思いますので、ただいまあらゆる方法を講じまして周知徹底につとめている次第でございます。特に新しく実施いたします保険年金事業につきましては、今年度一ぱいは実績をあげるよりもむしろPRに努力するというほうに重点を置いて、ただいま実施中でございます。
○藤原房雄君 まあ物価の問題最初出ましたけれども、復帰時点における異常な混乱といいますか、ものごと一つ徹底するにしましてもたいへんなことでありまして、新しいことをそこに周知徹底するということは相当なエネルギーの要ることだと思います。本土と同じような制度が十分に生かされるように、庶民の立場に立って生かされるように、いままあいろいろお話ございましたけれども、周知徹底ということに立ちましても十分なひとつ配慮をいただきたい、こう思うわけであります。 次に電気通信関係でございますが、離島との電話ですね、夜になると電話ができないという、こういうところも何カ所かあるわけでありますけれども、本土と同様に即時通話の状態にいつなるのかということと、電話の不便がいつ解消されるか、いろいろな計画のもとに進められていると思いますが、この間の事情についてひとつ伺いたい。
○説明員(奥山雄材君) お答え申し上げます。 先生御指摘のように、離島と本島間の通信施設というものは従来非常におくれております。特に本島-宮古、石垣、こういった主要島嶼間の通話につきましては、最近ケーブルなりあるいはマイクロ施設なりがかなり完備してまいりましたので、通信の質も改善されておりますけれども、それ以外の数十の島々との間が、先ほど御指摘がありましたように、まだ通話の品質、数量ともに弱体でございます。したがいまして、これらの改善方策といたしまして、今年度すでに電電公社におきましては、今年度を初年度といたします五カ年計画を策定いたしまして、今後それらの島嶼間との間を海底ケーブルによって結ぶ、あるいは現在短波のものをVHFないしマイクロ施設によって品質向上につとめていくというようなことを考えております。 なお、離島におけるこれらの通信設備の改善につきましては、離島における電話の自動改式の問題がございますので、自動改式の時期に合わせまして、先ほど申し上げましたような海底ケーブルなり、マイクロウエーブの建設を取り運んでまいる予定でございます。 なお、今年度内における離島対策といたしましては、電電公社で目下具体的な取り運びを行なっておりますが、具体的には自動改式が七局、海底ケーブルの建設が六区間、マイクロウエーブの建設区間が一区間、四十七年度につきましては以上のような改善計画を立てております。 以上でございます。
○藤原房雄君 それから放送のことでございますが、沖縄の放送は、本土に比べまして大きな格差があるわけであります。特に先島地区におきましては、朝のニュースが夜放映されるというような、こういうことになっております。現在放送がカラー化されているということ、それから同時放送、こういうことで、沖縄全体を考えますと、なさねばならないことがいろいろあろうかと思います。また、同時放送でないということから、公共料金の問題につきましても、これは多分に検討しなければならないんじゃないかという佐藤総理のお話もあったわけでありますが、現実はそういう料金については差なく徴収されるようになったように聞いておりますけれども、この先島地区の問題と、それから今後のカラー化等につきます技術的な問題につきまして、どういう計画で進めていらっしゃるのか、これをお聞きしたいと思います。 それから電話にしましても、放送にしましても、いずれも復帰時点にそういうものがちゃんとできれば最もよろしいわけでありますけれども、しかし、全部が全部そろうわけではないと思います。そのためにいろいろ年次計画をこれは立てて進めていることだと思うのでありますけれども、その年次計画も、沖縄県民の立場に立てば、一日も早くこれが計画が実施されるように、完成するように、より努力をすべきであろうかと、こう思うわけでありますが、この点要望いたしまして、前の二点お聞きしたいと思います。
○説明員(野口嘉彦君) お答え申し上げます。宮古島は那覇から二百八十キロの距離でございまして、現在の技術ではテレビジョンの画を送ることができません。そのために、現在御指摘のように航空機によって録画した番組を送っておるわけでございますが、これを本島と同じようにテレビを放映するには、海底ケーブルでつなぐのが適当だと考えております。ただし、ケーブルは現在開発中でございまして、期間がかかります。およそ昭和五十一年ごろかと存じますので、その間待っていただくことも忍びないという考えがございます。そのため、現在宮古島にいっておりますマイクロ回線、これは電話の線でございますが、それを利用してテレビジョンを送れないかということを実験いたしたいと存じております。ただし、これはカラーを送ることはかなりむずかしいのではないかと、そのように存じております。これがもし実験が成功いたしますれば、ケーブルを敷くよりは早くテレビジョンを送ることができると、そのように存じております。 それから、宮古に番組を即時送るほかに、宮古島へカラーを録画したものを送る、そういうようなことも考えて、これは今年度中にそういう設備をいたしたいと、そのように考えております。
○藤原房雄君 時間もありませんので、大づかみなところだけでほんとに申しわけないのですけれども、最後に経企庁の方にちょっとお伺いしたいのです。 沖縄をブロックにしました新全国総合開発計画の基本構想が固められたということでございます。三つの柱を立ててということで、概略それは新聞等で見ましたけれども、この基本構想につきましてこれは沖縄の位置づけ、これをどうお考えになられたのか、それから沖縄振興開発計画との関係。いずれにしましても、現時点と、暫定措置によって沖縄の開発が見守られているときと、その以後と、沖縄の将来を考えますと、現在のこの沖縄の置かれた位置というものに対してどう見るか、そうしてまた、将来に対してどういう施策を進めていくかということは非常に大事なことでございますので、時間もありませんから、基本的なことでけっこうでございます、概略お話しいただきたいと思いますが。
○政府委員(岡部保君) 概略、お答えを申し上げます。 ただいま御質問のございました沖縄の本土復帰に伴って、沖縄を一つのブロック地域として新全総計画に組み入れるということは、前々申し上げているとおりでございます。ただ、この沖縄の新全総組み入れというものをどういう姿でやるかという点についてまず申し上げますと、これは先ほど先生のお話にもございましたように、来月二十五日に行なわれます選挙によって選出される新しい知事さんがその原案をつくられる沖縄振興開発計画というもの、これは相当にきめのこまかい計画になるかと存じます。その計画とそごを来たさぬように、しかも少し長い目で基本的な沖縄の進むべき方向というものを固めまして、新全総に織り込むという考え方をとっているところでございます。 そこで、現在その作業は現実に鋭意している最中でございますけれども、やはり新しい知事さんがつくられます沖縄の振興開発計画というものとの斉合性と申しますか、そういうようなものを確保する必要がございますので、現段階でこの新全総に組み入れます計画というものを公表することも何かと存じますので、現段階では私ども事務的に作業をいたしまして、新しい知事さんがきまられ次第にこの原案についていろいろ御相談を申し上げて、そこで、われわれとして、事務当局としての原案を固めるという考え方に立っておるところでございます。こういうような仕組みにする必要があるという考え方は、山中長官にも御了解をいただいておるところでございます。 そこで、したがって、確かに新聞にも一部報道されましたが、現段階で私ども作業いたしておりますのは、その基本的方向の考え方というところの作業中でございます。 それで、これを新全総にどういう案文でどういうふうに載せていくかというところまでまだ一切作業は進めておりません。 そこで、いまお話のございましたような点で、この考え方の中心を二、三御紹介申し上げますと、先生も御存じのとおり、この沖縄というところをいわゆる国際交流の拠点として考える考え方、これが私どもの一つの基本的な考え方でございます。 それから、いわゆる開発の主軸と申しまして、新全総で北海道から本州、九州という一つの軸を考え、これを開発の軸として考えていくという考え方でございますが、これを延長いたしまして、九州から沖縄へ延ばすという考え方ではなくて、むしろ沖縄と九州が結ばり、沖縄と阪神地域が結ばり、あるいは京浜地域が結ばるというような並列的に結ばれる一つの軸、いわゆる単軸でなくて並列の軸と申しますか、そういうような開発の方向にするべきではなかろうか。 それから、何と申しましても沖縄の開発の一つの中核都市として那覇というものを十分豊かな住みやすい都市に仕上げていかなければならない。まあ大きく申しますとこういうような三点ほどが基本的な考え方で考えております。 そこで、これに伴いまして、たとえば空港の問題でございますとか、あるいは自由貿易地域の問題でございますとか、いろいろ具体的な問題はこれに付随して出てくるわけでございますが、この点先ほども申しましたように、これから新たに選挙で出てこられます知事と御相談した上でひとつ考え方を固めてまいりたい、そのような考え方でございます。
○理事(剱木亨弘君) 藤原君に申し上げます。 郵政省のほうから補足答弁がございますから許します。奥山参事官。
○説明員(奥山雄材君) 先ほど先生お尋ねの放送受信料の関係で若干補足説明をさせていただきまます。 復帰前の沖縄放送協会の放送受信料は御承知のように八十セントでございましたが、この点につきましては特別措置法の中で、当分の間日本放送協会の業務の実情及び社会的、経済的事情を考慮して復帰後の受信料を定めるということになっておりますので、その趣旨にのっとりまして、NHKでは四十七年度の受信料を国会におはかりする段階におきまして、白黒で二百五十円、カラーで四百円という形で予算書を提出いたしまして、これは三月末をもちまして国会の御承認を得たところでございます。したがいまして、現在本土におけるNHKの受信料は、白黒が三百十五円、カラーが四百六十五円でございますので、沖縄におきましては放送受信料については特例措置が行なわれているということでございます。以上補足いたします。
○高山恒雄君 山中長官、再度の沖縄開発庁長官で、御苦労さんでございます。 私は、物価の問題は先ほど長官のお話を聞いていますと、非常に手おくれしたということで、これはまあ県民に申しわけないという御答弁がなされておりますが、政府が対策を立てられました以後の状態、今日はどういう状態に物価はなっておるのか、この対策以降の問題をお聞かせ願いたいと思うんです。
○政府委員(岡田純夫君) 今後の対策といたしましては、先般二十六日にきめました閣議決定の要綱、それを実施に進めるとということでございますが、そこで、現地で二十九日とそれから本日三十一日、二回にわたりまして、総合事務局と沖縄県、それから市町村、その三者の会合、会議を持ちまして、そこで、そういう問題の取り扱いを練っております。 それでまず第一に特別調査ということで、概略把握しておること以上に掘り下げた調査をいたしまして、それに対する恒久的な対策を立てる必要があると、並行して公正取引委員会その他と連絡をとりまして、現実的な対策も並行してやってまいると、こういうふうな……失礼いたしました。 要綱が決定いたされましてから確かに効果があがってまいりました。まず公正取引室、これは沖縄総務部にございますけれども、そこから現地におきまして、いわゆる価格協定をやったと思われるものがございます、組合の中に、たとえば……。
○高山恒雄君 例でいいです、牛肉とか、コンニャクとか、べらぼうな値上がりになっておったのはどうなったのか。
○政府委員(岡田純夫君) 具体例といたしまして、南部地区の食肉販売連合会、ここら辺が小売店に対しまして、豚肉の公定価格表を配付しておったというような一種の価格協定というのがございました。 それから沖縄県のクリーニング、そういったような四組合等につきましては、とりあえず参集を求めまして、注意を促しました結果、組合のほうはなるほどわかったということで、そういう協定等を回収するなり取りやめるということから、価格等も当然鎮静してまいってきておると。その他いまの四例でございますが、そういうふうなきざしと申しましょうか、傾向性の看取されるものもあるようでございますので、逐次連絡いたしまして、そういうようなおぼしきものについては注意を促すということによって下げてまいる。したがいまして、現実といたしましては、この間の閣議決定の効果というものが逐次現実にあがりつつある、こういう状態でございます。
○高山恒雄君 これは全く、意見を申し上げますなら、開発事務局も物価の値上がりは、つまり返還以前からその傾向があり、かつまた手おくれだと、こう言っておるわけですね。したがって、いまさら言ってもどうにもならないんですけれども、物価の問題は沖縄の問題だけじゃなくて、国内にも大きな物価の値上がりというものがあってかなり問題になっておるわけであります。したがって、今度のとられた処置の、輸入業者が売り惜しみをしたり、不当な価格のつり上げをした場合は、その該当者に対しては今後そういう割り当てをしないと、この一項だけでも多くの効果が私はあったと思うんですよ。これが事前に打てなかったところに問題があるんではないかと私は思うんです。したがって、いま大体の傾向はよろしいという傾向を聞きましたが、たとえて言いますならば牛乳は二二%上がっておる。これが実際に一〇%ぐらいかあるいは五%ぐらいでおさまっておるのかどうか。コンニャクが三八%も上がっておるとか、いろいろ物品別に前回もわれわれは質問したんですが、これが実効がほんとうに出るような努力をしてもらいたい。これは私の希望意見として申し上げておきたいと思います。 なお、長官にお聞きしたいんですが、経済開発についてはどうしても地域の問題を今後基本として考えざるを得ないんじゃないか。そのためには、基地の整理と縮小が可能になるのかどうか。これはまあ長官の答弁の責任ではないかもしれませんけれども、きょうは実は外務大臣を私も呼んでおったんですけれども、見えないということで、長官はしかし開発庁長官として、現状のままの開発ではもうだめだと。だめならば、やっぱり基地の縮小というものは可能なのか、やらなくちゃいかぬとお考えになっておるのか、こういう点をまずお聞かせ願いたいと思うんです。
○国務大臣(山中貞則君) いままで、復帰まではアメリカの世界戦略並びに極東戦略の立場からのみ、沖縄の基地のアメリカ側から見た必要性というようなことで決定的になってきたと思いますが、復帰した後は、安保条約によって、これはわれわれ政府としては安保条約を結んでおりますから、それによって基地を提供いたしますけれども、しかし、今後のアメリカが、沖縄になおかつ引き続き、極東の政治情勢、すなわち、米中会談あるいは米ソ首脳会談等の実態を踏まえながら、ベトナムの鎮静化等がもし現実になってきます場合に、これが恒久的な極東地帯における平和というものが、米中、米ソ間等においてもたらされる可能性が強くなった場合に、アメリカ側の国民の、納税者の声としてのベトナム、あるいはまた、軍事出費その他の批判というものは絶えず高いものがありますから、これらを押し切ってまで、アメリカが沖縄について、どうしても従前のような規模、機能の基地を持たなければならぬだろうということは、私はこれから先は考えられないと思います。したがって、外務大臣もそういう気持ちを持ってもらっておりますので、私としては、ことに知事の作成する沖縄振興開発計画の青写真というものが、あたかも施政権下で空中写真をとって、それを焼きつけようとすると、アメリカ軍の手によって基地の所在地だけ黒く塗りつぶされていたような、その地域は開発としては触れられない、いわゆるアンタッチャブルな地域であるというようなことでは、私はやはり開発の責任が持てませんし、それぞれ基地に八割、七割という面積を取られている市町村等においても、やはりその基地がもし返ってきたならばという青写真はみんな持っておられますから、こういうものが、沖縄県全体の繁栄のために最終的には活用されなければならないことは当然のことであります。これについては、私としては、沖縄開発計画を策定する沖縄県知事を政府部内において全面的にバックアップしていく立場の担当大臣として、沖縄県の立場で今後外交折衝なり、あるいはまた極東、日米間のいろいろの情勢の変化をたくみにとらえながら、沖縄県民の全体の要望である、将来は基地のなかった戦前の沖縄という日が来るかどうかわかりませんけれども、そういうことを目標にして、なるべくすみやかな基地の縮小をまず手始めにやっていかなければならない、そういうふうに考えておる次第であります。
○高山恒雄君 この米軍の基地については、まあいろいろあります。特殊部隊の基地の返還をどうするかという問題があり、まあこれはいま直ちにいかないにしても、ゴルフコースなどの軍事基地と認めがたい用地の返還とか、あるいはまた空閑地ですね、それに準ずる用地として、返還を求める用地がたくさんあると思うんです。こうした点をぜひ私は総合計画の中で、先ほどおっしゃるように、青写真はいろいろあるでしょうけれども、まずこの問題が第一番の先決ではないかと。これなくして、沖縄の開発をどうするこうすると言っても簡単にはいかない問題だと、こう思います。せめてゴルフ場の、軍事基地でないと認めておる地域、空閑地におけるところのそれに準ずる用地、これだけはまず私は早急にやっていただきたいと思うが、大臣はどうお考えになるか。
○国務大臣(山中貞則君) もちろん、基本的には、外務大臣も答えておられるようでありますが、ゴルフ場、レジャー施設、不急不要の軍用地、そういうものを返してもらうことにまず重点が置かれると思います。今日、県庁所在地となりました那覇市、その広大な部分を占めておる牧港住宅街等については、これは、沖縄県庁所在地の都市計画はほんとうにこれから始まりであります。都市公園も乏しい那覇市、そして県庁所在地として、少なくとも都市計画らしいものが志向されなければならない焦眉の急の那覇市ということを考えますと、牧港住宅街等はB表のただし書きに出ておりますとおり、アメリカ側としても固執する気はないようでありますので、これは日本側がアメリカ側の新たなる敷地を取得することを要しない、ただし、マンション等のかわる施設を建設することによって可能であると思いますので、これらの問題は一日も早く、まず県庁所在地から、そして開発のために必要な青写真に影響のあるところは積極的な調査とそれに対する返還の姿勢を続けていくということについては私も全く同感であります。
○高山恒雄君 私がなぜそのことを強く要望申し上げるかと申しますと、沖縄人口九十四万五千百十一名ということが調査によって出ておるわけですが、そこで、当分の間、好むと好まざるにかかわらず失業者が出るということはもう事実だと思うんです。先ほど川村議員もお尋ねになりましたように、売春法を沖縄に適用すれば、その人だけでも数千以上の人がおる。もっと多いんじゃないかと言われておりますが。したがって、失業者はいやがおうでもこれは出ると見ざるを得ないのであります。だからといって、復帰後直ちに開発をやって就職の場を与えてやれるかというと、それも不可能だと。そうだとすれば、一体この失業者に対して、いろいろ労働省から案が出ております。職業訓練をやるとかいろいろなことが出ておりますが、私はとうていいまの労働省の今回沖縄にとられた対策の方法だけでは失業を防ぐことはできないと、こういうふうに考える。日本の本土においては、御承知のように、失業対策法をできるだけ適用しないという方向でいま進んでおります。この場合に、沖縄にはあえてやっぱり失業対策をやらざるを得ないんじゃないか。この点は、長官のほうから、やっぱり失業対策をどうするかということ、私が先ほど申しますように、単に職業訓練で転換をさせるというようなことではとうてい私はカバーすることかはできないと思うんですよ。そういう面に対する、省と省との関係における大臣の見解をお聞きしておきたいと、こういうふうに思うわけです。
○国務大臣(山中貞則君) これは仰せを待つまでもなく、沖縄県全体の問題として、私が労働省の所管である厚生省の所管であると手をこまねいておるべき問題ではありませんので、たとえば、失業者手帳の給付の点も、いろいろ大蔵省も含めた役所間の議論では問題がありましたけれども、Aサインバー等もやはり基地があって初めて、欲すると欲せざるとにかかわらず発生した沖縄独自の営業形体だと。従業員だってやはり失業手帳は給付さるべきものであるということで、最終的には役所の合意を得るために私も乗り出しまして調整をしたわけであります。したがって、いまおっしゃるように、本土でやっております各種炭鉱離職者臨時措置法とか中高年齢者のいろいろなことを駆使してやりましても、なおかつ沖縄においてはもっときめこまかく考えなければならない階層の人たち、あるいはまた特殊な沖縄における再就職のあっせんのしかた等においては問題がありますし、これは全部本土流出を奨励するようなことになっても困りますから、各奨励金のうち本土の企業者が沖縄県の失業者を雇用する場合の雇用奨励金は企業主にやらないということ等において、若干のそのようなブレーキもかけておるような次第でありますが、幸いにして昭和五十年に国際海洋博を開きます。したがって、五十年の三月までに相当巨大な国の投資、民間投資を含めて沖縄本島を中心にして投資が行なわれますから、これのやはり景気に与える効果、あるいは失業に与える貢献というものはきわめて大きいと思います。ただ問題は、海洋博が終わった沖縄はかんこ鳥が鳴いた沖縄にしたんでは、これはたいへんなことでありますから、二次産業の増大は、雇用に貢献する企業を中心にしてやっていく。臨海型でも造船とか、そういうものを考えるということをたびたび言っておりますが、そういうものをやはり税制、金融の恩典等を背景にしながら、海洋博の巨大投資が行なわれる間を奇貨として、急速な人口流出というものにならない地場における企業の育成、誘致というものに全力をあげてみたいと、このように考えております。
○高山恒雄君 そうなりますと、私も沖縄の問題では絶えずこの中小企業の問題を取り上げておるのでありますが、あまりにも内地に準じ過ぎて、特別の処置がとってないと思うんです。たとえて言うならば、この中小企業近代化資金、これらでも本土では七分二厘、七・二%ですね。沖縄では七%ですか、〇・二%安いだけですね。ところが、農業政策とか、あるいはまた生鮮食料品とかいうようなものは特別に考慮して六・五%というようなことになっておりますが、この近代化資金等の特別の処置を私はもっとやるべきだという主張を通産大臣にも何回か主張しておるわけです。ところが、これではそれはもう内地とたいした変わりはないわけですね、だから私が先ほど申しますように、これも失業者とからむんですが、結局この海洋博覧会をやるとおっしゃいますけれども、それもやる期間の間の人員は当然必要となりましょう。しかし、そこにいくまでの期間だけでも私は失業者は増大する以外にないんじゃないかと、それはどこで育成強化していくかというと、沖縄に現存しておるこの中小企業の近代化、拡大化、これを速急にやるべきだと、この指導なくして沖縄の失業者が内地に来ざるを得ないと思うんですね。沖縄の賃金は御存じのように二万数千円です。いま日本の、今回の賃上げで十五歳の女性で三万四千円ですよ、初任給が。それは内地に来ざるを得ないと思うんですね。そうすれば、そうなってしまってから沖縄の産業をいかに育成強化しようとしても、一挙に賃金が上がるわけでもございません。そうすると、労働力が今度は沖縄では老齢化していく。産業開発をしてみたけれども、結果的にはだめであったというような結論にならざるを得ないんではないかと、それがためにはもっとこの金利を私は安くすべきだ。たとえば、農地等の維持改善等においてはわずか五%しか金利はとっておりません。近代化資金だけが七・二というような状態ではこれはやっぱり高過ぎる。私はせめて四%とか三%ぐらいにして急速にこれをやるべきだと、これがまず開発の第一線だ。そうして中小企業の労働者育成強化をここではかるんだというような一つの基本がなければいかぬと思うのです、開発には。それは大きなことをお考になっておるでしょうけれども、それは一年先ですよ。いま青写真をお考えになってやろうとされることは一年半じゃないと工事にかかれないと思うんですね。現在がどこかというと、もう現在でも失業者の増大をはかりつつあるわけです。それを防止するためには既存の中小企業の育成強化をはかる、それをやるべきだ。賃金も先ほど申しましたように三百六十円レートの賃金に立て直すような方法を指導すべきだ。ところが通産省のそういう指導の要員にいたしましても、これは満足な指導人員としての配置はやっぱりないんです。青少年のたとえば売春婦の指導をするにいたしましても未成年者はかなりおります。そういう未成年者の指導をしようというこの青少年婦人局の人員はわずかにいまでも五名ですから、そのまま五名おるだけですね。したがって、今度の法律で沖縄の苦心の政策をお立てになったことは、これは大臣だけがお立てになったんじゃない、各省が立てたのですから、その各省の内容を見ますと、内地における百万県の比の準ずるような人員の配置をしただけにすぎないのです。それではだめじゃないかというのが私の理論なんです。それ以上のことを、いま沖縄に起こりつつあるその問題の解決は増員しなければいかぬ。その一つのはしりが先ほど長官もおっしゃったようにこの二十六日ですか、おきめになった物価値上がりの対策に派遣したとおっしゃるが、そういうことをしなければ沖縄の安定経済というものは確立しないのだ、こういうひとつ観点に立っていただきたいと思うんだが、大臣はどうお考えになっておるか。失業問題も含めて基本的なひとつ考え方を、長期にわたることは当然お考えになっておるでしょうけれども、いまのところどうお考えになるか、こういう点をひとつ詳しくお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(山中貞則君) まず基本的には今後沖縄に対して企業を進出させ、もしくは沖縄の誘致にこたえるという場合においても、既存企業というものを圧迫し、競合するような企業は排除します。そうしてそれに対してはもちろん許認可事業でない限り出る場合もあるかもしれませんが、そういう場合においては金融公庫の融資の対象としないというような方針は堅持いたしていくわけでありますが、そこでそのような環境であったとしても、沖縄の既存企業というものが、おおよそが御指摘のとおり中小企業のジャンルに属する資本金、人員構成が大部分でありますから、したがって、今日本土においては近代化その他は終わって、すでに指定からはずされた業種、こういうものも沖縄においては一斉にかつて指定したもの、現在指定されるものすべてをひっくるめて近代化の申請があれば適正業種と認める。そうしてまた、沖縄独自の泡盛りとか漆器とか、そういうものも、本土にはありませんけれども、近代化の対象業種にする。なお伝統工芸については沖縄県の工業試験所に新しく伝統工芸の建物をつくる補助を国がいたしました。来年からは人件費の必要な補助までしようというようなところまで進んでいるわけでありますが、金利の問題は、確かにある意味で誘導的な金利としては、若干誘導的な金利の体系にはなっていないと思いますけれども、このような施策を駆使することによって、もし金利が大きな障害であるということであれば、これは沖縄のために当然もう一ぺん考え直さなければならぬと思いますが、賃金読みかえ等についてはすでに八十億以内の三%、七年償還、二年据え置きという条件の設定されたことは御承知のとおりでありますが、復帰直前に一応の啓蒙をいたしまして、復帰の日からその資金の受け付けを開始いたしましたけれども、一応一千万円を限度といたしておりましたが、これは中小企業であってもやはり従業員三百名以下という基準で認めるならば、一千万円というのは一人平均八万から考えておかしな数字になりますので、これは一昨日大蔵省と交渉の結果、一千万円の天井、貸し出し限度ワクというものは撤廃をするということにして、実情に沿うようにいたしましたので、大体においてきめこまかく配慮はいたしておるつもりでありますが、今後もいろいろとお気づきになった点を御指導賜わりたいと存じます。
○高山恒雄君 いま金利三%で育成のための貸し出しは限度撤廃してやるとおっしゃっておるのですが、すでにこれは着手をされておると思うのです。実際はどうなっておるのか、ちょっとお聞きしたいのです。
○説明員(松岡宏君) お答えいたします。 五月十五日、復帰の当日から八十億の特別融資の受付を開始いたしまして、現在手元に届いております報告は、五月二十三日までの実績でございますが、申し込み書の交付件数が四百八十三件、金額にして七億五百万円。うち貸し付け申し込みの受付をいたしましたものが六十四件、金額にして一億七千万円。そのうち最終的に貸し付け決定をいたしましたものが八件、金額にして三百万円でございます。 なお、貸し付けの第一号は、浦添市の洋服仕立て業の方に対しまして五十六万円の現金が五月二十四日手渡されております。
○高山恒雄君 この点は私も感謝しておるわけですが、そこで、大臣がこれにひとつ、先ほど答弁の中にも多少お触れになったように思うのですけれども、中小企業労働者の、その三百六十円建て賃金というものにすることを前提にして貸すんだよということじゃなかったと思うのです、これは。したがって、まだそれになってない賃金があるわけですね。この点は、私はこの低金利における資金を今後指導されるについて、やっぱり三百六十円レートの賃金ということを頭に置きながら、私は指導してもらわにゃいかぬと、こう思うのですよ。特別のこれなんですからね。したがって、それなしでは、私はこうした低金利のその資金を政府が出してもらっても、結果的には企業だけの開発になって、労働者の安定生活にはつながらないと、こういうふうに不安を感ずるわけですが、こういう点は、ひとつ労働省の、あるいはまた通産省の仕事かもわかりませんけれども、総合対策の立場から、ひとつ長官のほうからも強く私はこの要望をしてもらいたいという気持ちでおるのですが、この点どうですかね。
○国務大臣(山中貞則君) 沖縄の勤労者二十余万中、各種特例措置をすでにとりましたことによって、ほぼ賃金読みかえが解決したと見られるものが五〇%ぐらいしかなかったわけでありまして、そのために、残り、大体十万の未組織、零細企業の従業員というものに対して、何らかの措置が必要であるという結論のもとに、衆議院大蔵委員会で同意を得て、政府の態度を決定したわけでありますが、その条件は、理論的には、賃金引き上げのための財源を融資でやるということは、返す金でありますので、やはりつながらないわけですけれども、しかし、企業の実態は、民間借り入れ金が、非常に高利なものを借りておるのが大部分でありますから、したがって、それを大体十万人の年間所要額が、差額大体八万円見当でありますから、それを借りかえることによって、おそらく金利の面等、償還の期限等において、大きく企業に貢献する。そこで三百六十円に読みかえなさいということでありまして、対象は、中小零細企業を対象とし、かつ、復帰に伴う賃金読みかえに伴う資金需要のための融資ということは明確にしてございまして、所管はこれは私で、そして沖縄振興開発金融公庫でやるわけですから、よその省のことではございません。
○高山恒雄君 終わります。 どうもありがとうございました。
○春日正一君 沖縄の物価の問題ですけれども、これは先ほどからだいぶ質問がありましたのですけれども、最近帰って来た人から聞いてみますと、ひとつの恐慌状態のようなことで物価が急騰しておるというようなふうに言われておるのですけれども、この原因について、新聞で見ますと、長官の閣議への説明として、一ドル三百五円に対する心情的不安が買いだめを招いた。そうして、それと結んで便乗値上げがあったと。それから賃金の三百六十円読みかえのために、許認可料金も三百六十円で読みかえたほか、八十億円の零細企業長期低利融資制度を設けたが、賃金の三百六十円換算が保証されないような階層が出てきた。それから政府の融資などの各種の特別措置が末端まで浸透していないというような、三つの理由をあげておいでになるのですけれども、大体そういうことですか。
○国務大臣(山中貞則君) 一点だけ、賃金の三百六十円読みかえが全部行なわれていないというのではなくて、読みかえをするために、やはり自分の生産する品物、売る品物というもので、三百六十円読みかえにふさわしい財源として、最低三百六十円の読みかえの販売価格をつけたという原因があるだろうということを言っているわけであります。 その他は、大体おっしゃるとおりです。
○春日正一君 それで、私はこういう状況になった原因、これは物価の問題ということになれば、それぞれの品物について特殊性を持っておりますし、非常に複雑な要因でああいう状態が起こっているということは、これははっきりしていますけれども、しかし、こういう恐慌状態みたいなものを起こしたということの一番大きな原因というものは、政府の円・ドル交換の不手ぎわといいますか、そういう点にあったんじゃないかというのが、まあ長官ともずいぶんここで議論もしたし、去年の八月十五日以来、とにかく早いところ三百六十円でかえちまおうということが論議されながら、いろいろな事情でそれができぬということでずっとやってきた。その不安を与えている間に、物価はぐんぐん、ぐんぐん上がっておったのですね。 私は現地のを調べてみたんですけれども、ものによると、たとえばブタ肉が、去年の六月で百二十四セント、それが八月に百二十八セント、それから九月には百五十九、それから少し下がっていって二月に百六十、三月に百六十二、それからこの五月上旬に百七十八で、それが下旬になってこう十五日以後になると、二百三十六というような形で、じりじり、じりじりと上がっておったものが、あの五月十五日を境にして、また、ぽんと上がったというような形になっておるのですね。 だから、そういうものがずっと上がってきておって、しかも、そこでもって賃金は三百六十円に読みかえる、あるいは公共料金みたいなものは、三百六十円に読みかえると言いながら、商店のほうの物については、そういうことが徹底しない状態のもとで、三百五円でかえるというようなことになれば、いやおうなしに三百六十円という形でぐっと殺到するし、そういう状況。それから買い手のほうから見れば、三百五円じゃやりきれぬから、いまのうちドルで買っておけというようなことで買い占めをやるというようなことで、一時的な、擬制的な品不足といいますか、そういうようなものも起こすというような中で、今度は四百円を四百五十円にも読みかえが始まるというようなことが起こったと思うんですね。だから、やはりそこら辺の不手ぎわといいますか、私どもがずっと言ってきたし、沖縄の立法院あるいは行政府もいろいろ要望してきた早いとこ読みかえろというやつができないで、しかも部分的な読みかえというようなことにしたものだから、そこに大混乱の原因があったのじゃないか、そう思うんですけれども、その点どうですか。
○国務大臣(山中貞則君) おおむねそういうことだと思います。施政権下において三百六十円の要望に沿う復帰前の交換ができなかった、事実上米軍の施政権下における為替管理法もない状態の中で、投機ドルを相手にして、実質三百八円を上回っている円の価値を三百六十円でかえることは実際上は不可能だったということは私は認めざるを得ません。ただ、豚肉の例でありますが、これはちょっと、島産品で自給がまかなえるところでありまして、現在の去年からの値上がりは大体ピッグサイクルの高値に差しかかる、いわゆる子豚が肉豚になって市場に出回るときに頭数が少ない時期にあたっておりまして、その点はきわめて申しわけない偶然の一致だったわけでありますが、問題は、本土から沖縄に移出する円物資というものに対して国がユーザンスも含めて最終的に六十億に達する金を投入いたしておきながら、なおかつ、そのような物資も含めてじりじり上がってきた、この点はやはり物価というものはきわめておそろしい怪物的なものであって、心情的な不安動揺というものがあれば、理論上は、あるいはそれに対して必要な金は出したといっても、それはことばやあるいは予算上のことであって、現実に売り買いする人々の心理というものからは、復帰前日、前々日のおよそ考えられなかったドルによる買いあせり等は、いまおっしゃったとおりでありますが、そういうこと等まではとても説明のつかない現象になりますので、その点はやはり私どもの読みが浅かったといいますか、そのような措置をとったことで、まあ何とか泳いでこれるだろうと思ったことが、実際には復帰の日以降心情的なものを含めて完全に読み切っていなかったという点は認めざるを得ないと考えます。
○春日正一君 そこで、この円・ドル交換の問題は物価をこういうふうな形にした一つの要因でもあるけれども、しかし物価問題ということだけで片づけるわけにもいかぬそういう要因も持っていると思うんです。現に大臣ももう御存じだと思うんですけれども、沖縄県議会になって二回目の議会で意見書を出して、「通貨切替え及び物価問題に関する意見書」ということで、具体的に金額まであげて、「昨年十月八日の通貨確認措置もれの補償」ということで、「法人の現金及び預貯金、市債及び公社債、保険契約諸準備金」、それから「公務員、教職員、市町村及び農漁業者の共済組合積立金」、それから、「昨年十月八日以降の経済成長に見合う分の追加補償」、これは先ほど来長官がいろいろ説明されましたけれども、「本土旅行者の旅費並びに各種学校の学生に対する生活費等の送金の補償、異常な物価高騰の抑制策の早急な確立とその実施、中小企業及び農林漁業に対する長期低利の融資の拡大強化」というような項目で、これはこのまますぐ私もそのとおり正確な数字でありますというわけじゃありませんけれども、まあ計算をして金額も出しながらこれを補償してほしいというようなことを意見書としても出し、議会の請願としても出してきているわけですね。これに対して政府は一体どういうふうに受けとめておいでになるのか、いままでもずっとそのことが繰り返し繰り返し陳情されてきて、そしていまの時点になって、施政権は返ってきた、政府が全面的に責任を持たなければならぬというこの時期に、いままでいわれてきてやらなんできた問題をどういうふうに処理されるのか、そこのところをお聞きしたいのですが。
○国務大臣(山中貞則君) 公的な委員会では公的な態度でしか答弁できませんが、その第一点のイロハニに掲げてある問題は、これは琉球政府、本土政府とが合意した内容を立法され、そうして当時の立法院においてこれを議決され、立法、法律となったものの内容に初めから入っていないものをこの際盛ってきておられるわけでありまして、その意味では、本土政府としては、そのことが完全であったかどうかの議論は別にして、十分に詰めて検討した結果、ここまでやりましょうということで話がついたもの以外の問題でありますから、やはり若干の議論はしなければならない点であります。 第二点は、先ほど来議論しております、去年のチェック以来の、確認以来の成長率の問題でありますからこれはお答えは省略いたしますが、それに対しては何らかの措置をとるということを申しております。 第三点のうち、旅行者の問題は、これは当時から言われておったのですけれども、つかめるものならば、あるいは仕分けできるものならば、本土の留学生、あるいはまた長期療養者、あるいは長期研修の学校の先生あたり等については措置がとられたわけでありますから、暫定予算まで、復帰まできちんと組んでやったわけでありますから、それについては旅行者の区別が、お前の旅行はぜいたくだからみないとか、あるいはこれは大体よかろうとかいう選別は琉球政府も困難だといっておられました。しかしいまは県民の声として、立法院としてもそういうものがやはり残っておるのではないか、完全に損をさせられた、本土に一ドル持ってきたら二百九十八円でかえられたことが何回かあったとか、やはりそういう体験を踏まえてのことでありますから切実な声だと思いますが、現実にはきわめて当初からむずかしい問題で、手段の施しようがなかったという点はございました。 学生の問題は、完全にこれは琉球育英会の御努力によって、予算措置で補てんはしてあると考えます。 その他の問題点については、先ほど来の質疑応答で申し上げておりますように、農業、漁業については触れておりませんでしたが、今回の農林漁業、沖縄振興開発金融公庫の中で、農業については四分、二十年、五年据え置きという条件の資金と、漁業については四分もしくは三分五厘、二十年、五年据え置きの資金がそれぞれ中小漁業と沿岸漁業でございますけれども、これらのほかに、今回の中小企業に対して主として先ほどの御質問にありました賃金読みかえのための所要資金として出しました七年償還の二年据え置き、三%の資金、これがやはり農漁民の方々は――漁民といっても半農半漁が大部分でありますから、混淆しているようなものでありますが、昨年の干ばつ、台風、こういうものの影響を受けて沖縄の農中からの借り入れ金に国が利子補給等もいたしておる現状でありますから、これはやはり放っておくわけにいきませんし、商売人にはいいことをした、自分たちには何もしてくれぬという問題になるおそれもありますから、これは実際上は二十年、五年据え置き、五%、四%とどちらが有利かはこれは選択の問題でありますけれども、道はあけておく必要があるということで、農業にも漁業にも同じく三%、二年据え置き、七年償還という資金を選択できるような措置もとった次第でございます。
○春日正一君 さっきの質問でもありましたけれども、例の三百六十円の賃金の読みかえですね、あれも最近帰ってきた人の話では、琉球大学で調べた話を聞いてみますと、三百六十円では読みかえられないけれども、話し合いで三百二十円、三百三十円あるいは三百四十円に読みかえてもらったというようなものもあるようです。全然そういう形にならない三百五円というものもあるようです。だけれども、とにかく沖縄の賃金が本土に比べて低くて、その中で中小零細企業はまた一そう低いところが一番大きな犠牲を受けておるわけですから、どうしてもこれは三百六十円に読みかえさせるということは最低やってあげなければ、これは非常に大きな犠牲が一番弱いところにかかるわけですから、その点では中小企業への融資というような形でめんどうをみながら、しかし、放っておいたのではそれがストレートに読みかえにつながらないと思うんですよ。政府として十分指導をし、読みかえが徹底するような形にやる、それでも読みかえに障害があるならそれを取り除くような努力を政府としてまた政策としてやっていただくというようなことはぜひやってほしいと思うんです。 それから農民のほうでも、やはり農産物がああいう性質上、自分のつけた値段で売れるというわけのものじゃありませんから、結局三百六十円という一般商品の読みかえにおくれていく、そういうことになるわけですから、そういうものについてはやはり政府として十分な援助を与えて、経営が成り立つようにやってもらう必要があると思うんですが、その点どうですか。
○国務大臣(山中貞則君) 大体基本的には同じでありますが、沖縄の企業に雇われておる人々で三百六十円相当の賃金読みかえができないという場合において、今回は手っとり早く本土の、あるいは隣の奄美大島に行けば、三百六十円も三百八円も三百五円もなくて、賃金はきまっておるわけでありますから、何らの変化は円切り上げ後も起こっておりませんし、人口流出、労働者の喪失ということにもなりますし、おそらく企業と雇用労働者との間で話し合いは、ただいま申しましたような融資その他において大体片づくものと見ておりますが、しかし、大工、とび、左官等の一人親方、これらの人々はやはり大体適当な金額の料金設定をして、自分で設定しておられるようですけれども、問題は、それらの今度は料金でいままでどおりの、じゃあ大工さん来てください、左官さん頼みますということになるかならぬかの問題等、少し心配しておられるようでありますが、これは今後公共事業やその他の関連投資が住宅その他いきますし、私は解決すると見ておりますけれども、農漁民等の方々についても、まあいまのところ、現象的にとらえますれば、島内の農産物等も異常な値上がりを示しておる、これなどはやっぱり妥当な価格に売るほうの立場からでもしてもらいたい。ただし、豚肉を送ります場合でも気をつけなければならないことは、沖縄においてはまだ畜産事業団の上限下限の安定帯の中で生産者が保護されるということをよく知りませんし、体験もないわけですから、これを一ぺんに送り込みますと、沖縄の生産者の人々は、いまは、かつての暴落時代の頭数が少なくなったときに養っていた人々が、けっこういい値でいま売れるようになったという時期でありますから、これを市場の暴騰を冷やすためには出しますけれども、生産者の畜産農家が意欲を失うような数量をおおいかぶせていってはならないと考えまして、五百トンも、月間食糧千五百トンの三分の一、それも一ぺんに持っていかないで、最初七トン、あるいは十トンというふうに、刻んで持っていくような配慮もこまかくしているわけでございます。
○春日正一君 そこで時間も詰まってきたんで、直接物価の問題でいろいろ分類してみて、まあ肉類の問題はいまのような話で、最近帰った人の話を聞くと、あんまり高いんで売れなくなって屠殺を手控えているというような話も聞いたんですけれども、そういう現地の問題はそれとして、たとえば医薬品、これがたとえばシロンというのが三十セントが五月の末では五十四セントですか、百六十五円になっている。あるいはサロンパスが十八セントのものが百円、三十二セント何がしになっている。それからフマキラーが二百円、八七%も上がっているというような、医薬品がガーンと上がっているんですね。これなんかはいわゆる本土並みでもって再販価格を徹底さしていったということの結果上がったようですけれども、こういうものについてはどういうように考えておいでですか。
○政府委員(岡田純夫君) 先ほども御答弁申し上げたところでございますが、沖縄総合事務局の公正取引室、そこに本土からもとりあえず二名、さらに近々一名増派いたしまして、そういうふうな医薬品のみならず、関係の組合その他でもって釣り上げておると思われるような、価格協定かと思われるようなものがございますならば、十分教えて、注意を促すというふうな体制をとって考えてまいるつもりでございます。
○春日正一君 それからこの電気製品ですね。ラジオが三〇%、それからテレビが二三%、電池が六一%というように、電気製品がぐんと上がっているんですね。電気洗濯機なんかずいぶん上がっているんです。こういうものをどういうふうにされるのか。これはおそらく、輸出品でダンピングしておったのが本土並みになったから内地価格で売るというような傾向というか、そういうものじゃないかと思うんですけれども、そこらの辺どうですか。
○国務大臣(山中貞則君) これは復帰直後の調査では、冷蔵庫などは逆に下がっておりました。したがって、これはばらばらでありますから、おそらくいまは本土からそういう輸出ダンピング的なものがなくなって、そして本土から正常な価格で輸送賃その他が上積みされて現地で高くなっているものじゃなくて、復帰前に相当価格差補給金等もらいながら入れました品物も対象に入っておりますから、在庫の扱いのしかただと思うんです。したがって、良心的なところはそういうふうに下げたところもありますし、これは今後やはり沖縄県と一緒になって、適正価格を決定する際に、そういうことはあってならない価格でありますから、そういうものは指導して適正な価格におさめていきたい、そう考えます。
○春日正一君 それから輸入品ですね、特に嗜好品、ドロップなんかは一〇五%も上がっている。それからチューインガム、ソーダ、インスタントコーヒー、こんなようなものが二五%から一〇五%まで相当大幅な値上がりをしているんですね。輸入品だったら、本来のいまの為替の関係でいえば下がるのが当然、ところがこれが上がっているというのはおかしな話なんですけれども、これは一体どういう事情でそうなっているのか、どうされるのか、聞かしてほしいんですが。
○国務大臣(山中貞則君) これは復帰直前に舶来品も、舶来品というのはおかしいんですが、いわゆる外国からのほんとうの輸入品ですね、日本本土でない、そういうものも高くなるらしいぞと、そしてわれわれの金は三百五円でしかかえてくれないということだというので、一斉に買いだめが始まりました。したがって、相当な数量がまたたく間に消えていったという事態がございました。そこで、やっぱりそれだけの買いの需要が強ければ、売り手の間で当然そこに価格を上げて売ろうかと、上げても売れるんではないかという要素が働いたのではないかと思います。おっしゃるとおり、輸入品は特別の措置がしてあるものはそれ以下に、そうでなくても現在の円とドルの、あるいはドル圏でなくても円の非常に強い実勢に応じて今後は入ってくるはずでありますから、そのようなことは当然の県民に周知徹底させるための項目の重点事項として、教えると申しますか、周知徹底をはかることにしておりますから、これは明らかにあなたの値段はおかしいということを消費者団体なり、そういうところなり県なり市町村なりが今後指摘していくことであろうと思います。今日までそれらの混乱があったことは申しわけないことだと思っております。
○春日正一君 これで私質問を終わりますけれども、やはりこの物価問題のもとになっておる円・ドル交換の不手ぎわのあと始末ですね、これはぜひきちっとやってほしいと思うんです。同時に、こういう物価の値上がりの中で、特に日常生活必需品といいますか、そういうものの値上がりを早く静めるために必要な、不足しているものなら本土から持っていくと、そして公設の市場あたりで直接、複雑な流通機構の中で元も子もなくなるようなことにならぬような形で住民に提供するというような形で、住民の生活への影響というものを早く取り除くということをぜひやっていただきたい、このことを希望して質問を終わります。
○理事(剱木亨弘君) 本調査に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時四十分散会 ―――――・―――――