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68回国会参議院1972/05/10

沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第6号

発言数
298
登壇者
28
会派数
5
開催日
1972/05/10

会議録

長谷川仁自由民主党

○委員長(長谷川仁君) ただいまから沖繩及び北方問題に関する特別委員会を開会いたします。  地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、沖繩総合事務局の事務所の設置に関し承認を求めるの件、  地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、労働基準監督署及び公共職業安定所の設置に関し承認を求めるの件、  地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、食糧事務所の設置に関し承認を求めるの件、  地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、工業品検査所及び繊維製品検査所の出張所の設置に関し承認を求めるの件、  以上四案件を一括議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。趣旨説明の順序は総理府、労働省、農林省、通産省の順序でお願いいたします。  まず最初に、総理府お願いいたします。山中総理府総務長官。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) ただいま議題となりました地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、沖繩総合事務局の事務所の設置に関し承認を求めるの件について、その提案理由を御説明いたします。  沖繩の復帰に伴い、沖繩開発庁及びその地方支分部局としての沖繩総合事務局を設置することについては、現在国会の御審議をお願いしているところでありますが、さらに、宮古群島及び八重山群島における国有財産の管理等を円滑に遂行し、沖繩における農林漁業の振興開発に関する諸施策の円滑な推進に必要な基礎資料を確保するため統計の整備充実をはかり、また、宮古群島及び八重山群島における海運行政について県民の利便をはかるため、沖繩総合事務局にそれぞれこれらの事務を分掌する財務出張所、統計調査出張所及び海運事務所を設置する必要があります。  この案件は、これらの事務所を設置することについて、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、国会の承認を求めようとするものであります。  以上がこの案件を提案する理由であります。  何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛同あらんことをお願いいたします。

長谷川仁自由民主党

○委員長(長谷川仁君) 塚原労働大臣。

塚原俊郎自由民主党労働大臣

○国務大臣(塚原俊郎君) ただいま議題となりました地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、労働基準監督署及び公共職業安定所の設置に関し承認を求めるの件の提案理由につきまして御説明申し上げます。  労働基準行政及び職業安定行政は、全国各地にそれぞれ労働基準監督署及び公共職業安定所を設けて、行政の円滑な運営と住民の利便をはかっているところであります。このたび、沖繩の復帰に伴い、沖繩県においても各都道府県と同様の行政水準が確保されるように、那覇市、コザ市、名護市、平良市及び石垣市にそれぞれ労働基準監督署及び公共職業安定所を設置したいと存じます。  なお、これら労働基準監督署及び公共職業安定所は、現在琉球政府が設置しているものを引き継ぐものであり、これらの設置は、琉球政府の要望をそのまま実現するものであります。  以上の理由による労働基準監督署及び公共職業安定所の設置に関し、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、国会の御承認を求める次第であります。  何とぞ御承認くださるよう、よろしくお願い申し上げます。

長谷川仁自由民主党

○委員長(長谷川仁君) 赤城農林大臣。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) ただいま議題となりました地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、食糧事務所の設置に関し承認を求めるの件の提案理由につきまして御説明申し上げます。  この案件は、沖繩食糧事務所を那覇市に設置することについて国会の御承認を求めようとするものであります。  食糧庁におきましては、主要食糧の国家管理を適切に実施するため、都道府県ごとに地方支分部局として食糧事務所を設置しております。沖繩県におきましても、本土と同様に食糧事務所を設置して、本土産米及び輸入麦の受け入れ、保管及び売り渡し並びに沖繩産米を含む米麦の需給調整その他食糧管理の業務を適切に実施する必要があります。  以上の理由によりまして、沖繩県を管轄区域とする食糧事務所を那覇市に設置することにつき、国会の御承認を求める次第であります。  何とぞ慎重御審議の上、御承認くださいますようお願い申し上げます。

長谷川仁自由民主党

○委員長(長谷川仁君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

長谷川仁自由民主党

○委員長(長谷川仁君) 速記起こして。

田中角榮自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中角榮君) 工業品検査所及び繊維製品検査所の出張所の設置に関し承認を求めるの件につきまして、その提案理由を御説明申し上げます。  沖繩の復帰に伴い、沖繩総合事務局及び那覇鉱山保安監督事務所を設置することについては、別途、国会の御審議をお願いしたところでありますが、さらに、復帰後の沖繩からの繊維製品その他の工業品について輸出検査法に基づく検査等を円滑に実施するため、沖繩に工業品検査所の那覇出張所及び神戸繊維製品検査所の那覇出張所を設置する必要があります。  本件は、これらの出張所を設置することについて、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、国会の承認を求めようとするものであります。  以上、本件の提案理由を御説明申し上げた次第であります。  何とぞ慎重御審議の上、御賛同賜わりますようお願いいたします。

長谷川仁自由民主党

○委員長(長谷川仁君) 以上で政府側の趣旨説明は終わりました。  四件に対する質疑は後刻行なうこととし、ひとまずこの程度にとどめます。     —————————————

長谷川仁自由民主党

○委員長(長谷川仁君) 次に、沖繩の復帰に伴う特別措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  提出者から趣旨説明を聴取いたします。衆議院議員美濃政市君。

美濃政市日本社会党

○衆議院議員(美濃政市君) 私は提案者を代表して、ただいま議題となりました沖繩の復帰に伴う特別措置に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を御説明申し上げます。  私は、一般に、国民の権利、義務がどうあるかは、その国民の歴史に負うものであって、その歴史の重みを認識することなしには軽々しく権利、義務について論ずべきでないと考えておるのであります。このような考えに立ちまして、沖繩の歴史を振り返ってみますと、悲惨な沖繩戦の荒廃のあとに、二十有余年にわたる米軍の軍制下に置かれてきたことを忘れることはできません。  軍施政は、本来的に、軍事がすべてに優先するものでありますから、施政下の市民の権利は大きな侵害を受けるのが通例であります。沖繩におきましても、自由の騎士を自任する米軍ではありますが、県民の民主主義諸権利は至るところで踏みにじられ、侵され続けてきたのであります。私は、米軍に向って「琉球人は人間ではないと言うのか」と叫んだ幾多の県民の声を知っております。  沖繩の歴史は、米軍により圧制の歴史であったと同時に、また、県民による権利闘争の歴史でもありました。米民政府が発する布令に基づいて行なわれた軍事施政であったわけでありますけれども、県民の戦い、文字どおり血みどろの戦いによって圧政的布令は一つ一つ排除されていったのであります。このことは、沖繩の二十年を顧みるとき、だれもが等しく認めることのできる事実であります。  このような歴史を経て、今日、沖繩県民は、民主的な権利をほぼ回復するに至っております。中には、平和憲法のもとにある本土より一そう進んだ権利を持つに至っておるのであります。代表的な事例が、教育委員会の公選制、公務員労働者の労働三権の保障であることは広く知られているところであります。  公務員労働者の労働三権については、国際的にも国内的にも長年の論議の歴史があるところでありますが、今日では、公人としての公務員といえども、本来的にスト権等の労働権を剥奪することが誤りであることは、国際的にも、また、わが国における諸判例においても明らかにされてきたところであります。この意味で、国家公務員法、地方公務員法等も再検討すべき時期にきていると申せましょう。このときにあたって、沖繩県民がその歴史の中で築いてきた権利を画一的に「本土並み」化することは大きな誤りを侵すものであると同時に、沖繩県民の歴史を否定することであります。  私は、画一的に道を急ぐ結果、労働者の基本的な権利についての検討を置き忘れ、既得権を侵害することは許されてよいことではないと考えるのであります。復帰という新しい出発点に立って、沖繩県民がいかなる新しい歴史を持つか、その中で県民としての、労働者としての権利をどう考え、どう築いてゆくか、それを見守り、尊重し、援助することが本土に課せられた課題であり、それが沖繩を迎えるにあたって、最も重要な事であると信ずるのであります。  次に法案の概要について説明いたします。  第一に、沖繩県の市町村職員の労働関係その他身分取り扱いについて、三年間は、経過的に、従前の沖繩の制度を適用することといたしました。  第二に、職員にかかわる労働協約または仲裁々定等について、三年間は、地方公営企業労働関係法の規定を準用することといたしました。  以上、十分御審議の上、賛同くださいますようお願い申し上げます。

長谷川仁自由民主党

○委員長(長谷川仁君) 本案につきましては、本日はこの程度にとどめます。     —————————————

長谷川仁自由民主党

○委員長(長谷川仁君) 次に、北方領土問題対策協会法の一部を改正する法律案を議題といたします。  前回に引き続き質疑を行ないます。質疑のある方は、順次御発言を願います。   〔委員長退席、理事剱木亨弘君着席〕

川村清一日本社会党

○川村清一君 まず第一にお尋ねしますことは、沖繩開発庁が設置されます。それに伴いまして、沖繩一北方対策庁が廃止され、北方問題対策行政の担当機関として新しく総理府の中に総務長官を長とする北方対策本部が設置されることになりますが、この北方対策本部というのは、どういう機構を持ち、どれだけの人員をもって行政事務を取り扱うのか、御説明を願います。

岡部秀一沖繩・北方対策庁長官

○政府委員(岡部秀一君) 北本対策本部は、国家行政組織法の第八条の規定に基づく機関でございます。総理府に設置されまして、本部長は総理府総務長官、副本部長は内閣総理大臣が指名しますところの総理府総務副長官でございます。審議官一名、それから併任の参事官を一名、補佐二名、係長二名、係員二名、併任の参事官を含めまして八名という人員でございます。

川村清一日本社会党

○川村清一君 現在まで存在しておりますところの沖繩・北方対策庁、この中に北方担当としては北方課という機構が存在しておったわけでありますが、この機構に比べまして、今度新しくできる機構はどういうふうになるのか、これについて、比べて御説明を願いたいと思います。

岡部秀一沖繩・北方対策庁長官

○政府委員(岡部秀一君) 現在あります北方課は、課長一名、補佐一名、係長三名、係員二名、計七名となっております。人員は、現在が七名で、新しくできますところの北方対策本部八名でございますが、内容におきまして、審議官という充実した事務官を配置をしてあるという点で、前よりは強化をしておるという措置をとってございます。

川村清一日本社会党

○川村清一君 山中総務長官にお尋ねしたいのでありますが、北方問題に対する山中長官の基本的な考え、解決のための熱意、こういうものについてお伺いするわけでありますが、実は、沖繩・北方対策庁というものができるときに、政府の最初の考え方としては、沖繩対策庁というものを設置すると、こういう考え方であったようであります。一九六九年の日米の声明以来、沖繩復帰に備えての準備としてそういう機構を設けるような動きであったわけでありますが、私ども北海道選出の国会議員団としましては、ぜひこの沖繩対策庁というものに北方も含めてもらいたいということで、あなたのところに陳情に行ったわけであります。いろいろ申し入れに参りました。そのときに山中さんは、胸を張って、わしは北方の問題をぜひ解決するように全力をあげて努力するのだと、その自分の意思を表明するために、自分の車には日の丸の旗を立ててそうして行動しておるのだということを胸を張ってこう然として私らにまあそういうお話をされまして、私どもは非常に意を強うしまして、山中長官に期待することすこぶる大なるものがあったわけであります。国旗を立てる立てないは別といたしまして、たしか昭和四十五年度の予算を編成するときの問題でありますけれども、当時の考え方、その情熱というものはいまなお変わりないものかどうか、この際はっきり長官の熱意をお聞かせいただきたいと、こう思うわけであります。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) まあ事柄が外交問題で処理を要することでありますから、私自身の解決できる分野というものは、おのずから限られるわけであります。しかし、閣僚の一員として、外務省に対する私の要請という形で、そのつど反映はしてまいったつもりでありますが、客観的に解決済みであるという態度をかたくなに守ってまいりましたソ連が、米中接近等の影響かとも思われるわけでありますけれども、先般来、ことしじゅうに北方領土の問題について平和条約の締結交渉に入っていいという感触を外務大臣が直接得ました以後、その空気はやはり依然としてソ連側に、たとえば漁業交渉なんかにおけるソ連のカニがはうのか泳ぐのかという大陸だな論争なども一切しないで、ことしは数量だけきめたというような経過等もあるようであります。その雰囲気の中で、私どもはぜひこれは北方の旧居住者の悲願である本来の日本領土というものを返してもらうという、その究極の目的を達成してほしいということで、いま政府はあげてその方向を志しているところであります。また、その北方領土の問題が解決すれば、すべてが解決するとは申しましても、やはり現地に行って私の一番胸に残っておりますことは、きょうも自分の夫や子供は海に出ている。しかし、帰ってくるまでだいじょうぶだろうかという不安がつきまとう。安全操業ということをぜひとも考えてほしいという、胸打たれる発言も主婦からございました。私は、当然人間としてその御心配を解除してあげることが一番いいことだ、これは領土回復の前に実現さしてほしいということを外務大臣にもお願いをして、できれば、外務大臣も外務省の高官も現地にも行っていないようだから、一ぺん現地に行って聞いたらどうだということまでお願いした記憶がありますが、私としては、ようやくいまその曙光を見出しつつある。このことはもちろん国内の、私どもは内政問題担当でありますが、この分野で新しく総務長官が責任者となる北方対策本部が設けられることによって、積極的に北対協の具体的な事業実施を即応、対応させつつ、私どもとしては、近年、逐次盛り上がってまいりました全国の各市町村自治体等における議決、要請、こういうものを踏まえながら、沖繩が返りましたあと、全国民の要望がなおかつ返らざる領土として北方に存在するということの一点に国民の意思を凝集させる努力をしてまいりたい。情熱は依然として変わらないばかりでなくて、解決を間近に控えているという感じで張り切ってやらなければならないと考えております。

川村清一日本社会党

○川村清一君 その御熱情に対しましては敬意を持ち、また山中長官が沖繩の問題に取り組んでいらっしゃるところの旺盛な行動力は、私ども高く評価しておるわけでありますから、ぜひひとつ北方に対しましてもそういう姿勢で臨んでいただきたいことをこの際心から御要望申し上げる次第であります。  ただいま長官が御答弁されました具体的な問題等につきましては、これから質疑として展開してまいりますが、私は、この沖繩・北方対策庁法を審議する際に、ずいぶん時間をかけまして、山中長官並びに当時の山野対策庁長官と北方問題についていろいろと議論をしたわけであります。その議論の中の一つに、北方領土対策事業というものと、それを実行する予算の問題についてでありますが、当時の予算は非常に少ないということでいろいろ議論したわけであります。四十七年度予算は四十五年度や四十六年度予算に比べてどのように変わってまいったのか、四十七年度からは北方対策本部という北方専門の行政機構ができまして、そうして北方関係の行政を執行することになるのでありますから、当然四十七年度の予算というものは飛躍的にいま拡大されていく、事業内容も強化、拡大されていく、こういうように考えておるわけでありますが、この辺のところはどうなっているのか、実は四十五年度予算のときにこんなことではどうなるのか、問題にならないのじゃないかということを議論しました。長官は、これは予算編成期が八月であり、この役所ができるようにきまったのは、予算がもう編成された後であったので、そのとき自分が長官になってきたんだから、どうにもならなかったのだと。したがって、四十六年度予算は、うんとふやすのだということをおっしゃっておったわけであります。ことしは四十七年度でありますから、それよりさらにふえておらなければならないと私は考えておるわけでありますが、この辺の問題について、事務当局から御説明願いたいと思うわけであります。

岡部秀一沖繩・北方対策庁長官

○政府委員(岡部秀一君) 御質問の点で、昭和四十五年度の予算を見てみますと、四千七百五十一万八千円でございます。翌年の四十六年度の予算額は九千四万四千円でございます。そうして四十七年度の予算額は一億一千六百三十九万三千円でございますので、前年度に比しまして二千六百三十四万九千円という予算の増を見ております、内容は北方対策本部の人件費、一般事務費等で千四百八十五万三千円、それから北方領土の問題対策費といたしまして、調査、研究及び資料収集、国民世論の啓発に必要な経費として五百五十一万二千円のほかに、北方領土問題対策協会に対します補助金が九千六百二万八千円、合計一億千六百三十九万三千円で、昨年よりも二千六百三十四万九千円増を見ております次第でございます。

川村清一日本社会党

○川村清一君 実は私、四十七年度の北方関係予算の説明書というものは対策庁のほうからいただいて検討してみたわけでございますが、対策庁自身が直接施行する事業がきわめて少ないわけであります。これは法律審議のときにもいろいろ問題にしたのですが、法律の条項を読みますと、この法律の文言には、対策庁自身が事業を執行する、そういうように受け取られる書き方になっているわけであります。私どものように内容を知っておるものは別といたしまして、全然知らない国民が、この沖繩・北方対策庁法という法律を読みますと、対策庁自身が北方問題のためにこのような事業をしておるのだと、こういうようにとれるように法文はなっておるわけであります。ところが、予算を調べてみますというと、これとは違うわけであります。ほとんどが、ただいま御説明になりましたように、ほとんどの予算というものが北方領土問題対策協会の補助行政である。すなわち、対策庁が持っておる予算というものは、トンネル予算にすぎない。このことを私は議論した。この性格というものは現在も変わらないのか、そうして新しい北方対策本部にも引き継がれていくようなかっこうになるのかどうか、予算面ではそういうように受け取られますので、この点をさらに御説明願いたいと思うわけであります。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) これは私も、やはりここまで北方領土問題で客観的にも、あるいは日ソ間においても進展の空気が見られますと、いままではやはり少し北方領土問題については、日本が敗戦国家として、やや遠慮していたきらいがあったのではないか、また、打手方の話し合いに応じにくい体質もあって、それで国がやるべき仕事の大部分も北対協のほうにお願いしておる形になっているということを認めざるを得ないと思うのです。しかし、ここまで空気がよくなってまいりますと、私どもとしては、やはり北対協のほうにお願いをしてやってもらう仕事のうち、国が責任を持たなければならない分野が相当あると考えます。今回も二億の長期資金が借り入れられるように法案の改正もいたしておるのでありますが、これとても、借り入れる主体はやはり北対協が借り入れるわけでありますし、その融資の実務も北対協でやってもらっている。ここらのことを考えますと、そろそろ周囲の環境等を見ながら政府自身がどこまでやるべきか、あるいはどこまでは政府がやらなければならないものであるか、そうして民間に、たとえばいままで沖繩に対してとってまいりました政府の直接の姿勢、それの当初は大きな柱であった南方同胞援護会というものが逐次縮小されてきながら、一年後には解散をするところまでくることができた、これはきわめてうまくいった例でありますけれども、われわれはこういうことを一方において見ておりますので、北対協に御苦労をお願いしながらも、このことのパターンを繰り返すことでは済まなくなっているという気持ちは私もいたしますから、いまの予算と法律の問題の御指摘は当然のこととして、あらためて北方問題に国家として政府としてどのような取り組み方をすべきであるか、これが北対協への政府の委託という形式も含めた事業も全部点検をして、私たちとしてはよく相談していくべき時期がきておるというような気持ちでおります。

川村清一日本社会党

○川村清一君 長官の御答弁で御意思のほどはわかりましたが、まあ私このいただいた予算書を分析してみたんですが、それによりますと、北方対策本部が直接行なう事業費はわずか五百五十一億二千万円にすぎないのであります。その内訳は、一つには北方地域総合実態調査費これが百三十七万三千円、それから第二番目に北方領土問題解説資料作成頒布費三百六十九万五千円、それから北方問題説明会費四十四万四千円となっております。それで、一方北方対策本部の総予算は幾らかというと、一億千六百三十九万三千円、そのうち本部の人件費が千二百九十五万七千円、一般事務費が百八十九万六千円、計千四百八十五万三千円となっておるのであります。つまり管理費が千四百八十五万三千円に対し、事業費がわずか五百五十一万二千円といったようなことでは納得できないわけであります。で、総予算の中の残り九千六百二万八千円は、すべて特殊法人北方領土問題対策協会への補助金であると、つまり対策事業の大かたは対策協会に行なわせるということになっておるのであります。この仕組み自体に問題があるんではないか、このことを私はいろいろお伺いしているわけでありまして、それに対するただいまの長官の御答弁があったわけでありますが、このことは最初から私は議論しておった、それが何も考慮されないで今日まできておることはまことに遺憾であるわけであります。考えてみるに、トンネル予算の執行に人件費を千三百万近くもかけることは、これは一体もったいないんではないかとさえ思うわけであります。そこで、今度新しくできる北方対策本部の機構、あるいは何といいますか、そこにいらっしゃるところの仕事をなされる方の人数等聞きますというと、審議官を含めて八名ですか、そして非常に機構が強化されたというような御答弁であっわけでありますが、そういう機構を強化された、いわゆる八名もいらっしゃって、この方がわずか直接出される事業費というものは五百五十万程度であって、九千何百万というのはそっくりこれは補助でそっちのほうにやってしまう、それじゃ一体こっちのほうの人は何を仕事をするのかということも考えざるを得ないんです。いや、仕事はたくさんあると思いますけれども、そういうふうに、ひょっと見たときにそう思わざるを得ないんであります。こういう点について、まあただいま長官から御答弁がありましたので、ひとつ十分その点は今後の問題として御検討いただきたいと、こう思うわけであります。  それからこれにまあ関連してくるわけでありますが、いまのこの予算の仕組みでありますれば、その九千六百二万八千円といういわゆる総予算の大半を補助金として受け入れて、そうして北方領土問題対策事業を実際に実施していく特殊法人北方領土問題対策協会というものを今度は私は問題にしなければならないと思うわけであります。この北対協というものの機構とか人事等含めて実態はどうなのか、はたして国民の期待にこたえていろんな事業が強力に実施できるような機構、そしてまたそのスタッフでもって構成されているのかどうか、これについて私はお伺いしたいんであります。そうして特殊法人北対協というものに対して政府はどのような行政指導を行なってきておるのか、法人格は違いますけれども、国の金を使ってやっておるわけでありますから、この機構がいわゆる国民の期待にこたえて強力な仕事を実施しているのかどうか、そういう形になっているのかどうか、これについて御説明願いたいと思うわけであります。

岡部秀一沖繩・北方対策庁長官

○政府委員(岡部秀一君) 北方領土問題対策協会の定員ですが、啓蒙宣伝、調査研究それから北方地域の元居住者に対する生業の研修等援護関係の業務を主として担当する者が七名でございます。それから北方地域旧漁業権者等に対する事業、生活資金の貸し付け業務、これをおもに担当している職員十二名、計十九名となっております。予算はおっしゃいますとおりに九千六百二万八千円ですが、啓蒙宣伝や調査研究、生業研修等の援護業務の経費は、これは全額政府から補助をいたしております。それから貸し付け業務は政府から交付された十億円の基金の運用でやっておりますような状況でございます。  事業内容といたしましては、啓蒙宣伝事業が主でございまして、機関誌の発行、いろいろなパンフレット、ポスター、新聞、テレビによる広報、講演会、北方領土展、北方領土復帰促進国民大会を開催する、署名運動を実施する、キャラバン隊を各地方に派遣をする、協力団体への助成、それから全国の青年代表の現地研修をする、それから北方少年と沖繩少年の交流の実施もやっておりますし、それから主要都市へ北方領土の復帰の啓発宣伝広告塔などをつくっておるという状況です。それから調査研究の事業として、国際法学者の専門家によって北方領土問題の研究会を開催をしたり、あるいはまた、北方領土問題に対する国民意識の調査を実施をいたしたりしております。特に、国際法学者によりましてこれからいろいろ現実の交渉等始まるその前に十分に国際法的にいろいろな研究をしておく必要があるという点で、これに特に力を入れて準備をしてきておりますような状況でございます。それから援護事業として、北方地域の元居住者に対する漁船乗り組み員の資格の取得その他生業研修もやっております。それから千島会館の運営をいたしまして、関係者の宿泊の便をはかっておるということをいたしておるという状況で、鈴木会長はじめ非常な熱意を持ちまして、関係の役員の方々打って一丸となりまして強力に展開をいたしております。その点で、特に実施団体——国民を主体とする実施団体という点に力を広げて非常に手広くやっております。先ほど予算関係で北方課のほうの経費が少ないといいますのは、北方課の経費のほうはむしろ計画立案とそちらのほうに力を入れるという点にあって、むしろここで民間を主体としたところの実行団体の実をあげていくというほうがよろしいと思います。その点は従来もたとえば総務長官等また会長や私らなどがちょっとした言い方をいたしましても非常に反動的なとか、言い方をいたしまして、非常に向こうでは神経質になっております。そういう点では実行団体としては、盛り上がる国民を主体とした運動という点で、北対協が主体になって運動を展開しているという状況でございます。

川村清一日本社会党

○川村清一君 北対協がやっておる仕事の内容等は私承知しておるわけであります。そこで、まあ問題にしておりますのは、先ほど申し上げましたように、この北対協というものができておる、そしてその金はどっちからきておるかということ、それから本部はいわゆる北方課である、沖繩・北方対策庁の北方課であると、北方課はいまのお話によりますと、企画、立案程度のものであって、仕事は全部こっちにやっておることに問題があるんではないかということを問題にしてるんですよ。それじゃ法律をあんたお読みになってごらんなさい。あの法律を読んだときに、この沖繩・北方対策庁という役所がこういう仕事をするんだというふうに読み取られるように法律はなっているんですよ。私は知ってるからわかるけれども、知らない国民があの法律を読んだら、その役所はこういう仕事をしておるというふうに理解するわけですよ。ところが、何をやってるかということを調べてみたら何もやってないのと同じ。ただ企画しているようなものであって、そして人も七人も人がいるわけでしょう。それで人件費を何千万もこれ使っているわけでしょう。仕事は全部こっちにやらしてしまっているんでしょう。そういう一体仕組みでいいのかどうかということをさっきお聞きしたんですよ。それに対して長官からあのような御答弁がなされて、いままではそういう事情があったけれども、事情が変わってきたから、やはりこれは検討しなければならないということをおっしゃっておるんです。その点をまああんたはよく理解していただかなければならないことと、それから繰り返すようで恐縮なんですけれども、それだけの、九千万以上、一億近くの補助金を受けて仕事をやっております。やっておることはわかるんですよ。しかし、これを強力にやるためには、やはり国民の期待にこたえた機能というものを十分発揮するためには、そこにいらっしゃる人ですね、人が、いわゆるスタッフがしっかりしたものでなければならないんです。ただいまの御答弁によるというと、りっぱな人ばかりいらっしゃると、であれば私もけっこうなんです。どういう人がいらっしゃるか、私はわからないんですが、会長の鈴木さんは承知しておりますが、また、実際の仕事をされる職員がどういう方がいらっしゃるか、私はわからないわけですね。そこで、ここではっきりしておきたいことは、とかくこの特殊法人というものに対しては役職員にはもう政府の天下り——まあこう言っちゃ悪いですけれども、もうこの本省のほうでまあ大体一丁あがりといったような人ばかりが行くんでしょう。そういう人ばかりが行って——もしそうでなければけっこうですよ——そういう方によって特殊法人北対協というものが構成されておるとするならば、こういう仕事の内容はわかっておっても、その仕事の実施によって効果があがらぬだろうということを私は申し上げているんですよ。だから、ほんとうに効果があがるためには、その北対協を構成しておるところの人をりっぱな人を置いてもらわなければならないと、金ばかりやったって、これはもったいないですよ。そのことを申し上げているんです。大臣、何か御意見あったら承りたいんですが。

岡部秀一沖繩・北方対策庁長官

○政府委員(岡部秀一君) あるいはまた、先生方の熱意から見ますると、至らぬところはあると思いますけれども、現在の職員を見ますところ、それぞれみんな練達の者が入っておると思うんでございます。しかし、その点もし御不満な点がありましたら、なお私らのほうから指導を強くしてまいりたいと思っております。

川村清一日本社会党

○川村清一君 具体的に不満はないわけです。ですから、そういう点に十分留意をしてやっていただきたいということを申し上げているわけです。  そこで長官にお尋ねしますが、この北方領土問題について一番力を入れていらっしゃる点は何かと、逆に言えば、北方領土問題なんかを解決していく上において一番ネックになっている点はどういう点か、この点について何かお考えがあれば、ひとつそれを言っていただきたいと思うわけです。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) これは答えがあるいは違うかもしれませんが、やはり一番のネックは、ソ連が、日本固有の領土である、少なくとも得撫島以北を別として、南千島については講和条約においても日本は放棄した地域ではないんだということへの合意というものが見られれば、これは平和条約が締結される事実の前に安全操業の問題も何も全部解決をすると思うんですけれども、そこの点がネックといえばネックです。  それから内政上の問題としては、この北方領土に実は人が住んでいない。これは住んでいないじゃなくて、住むことを拒否されて追い出されたということでありますから、沖繩と基本的に違う点は、沖繩は、数は別として、日本国民が住んでいる島というものが他国に占領状態のまま今日まで施政権を持たれてやってきたという事実で、いわゆるその島の中から祖国を呼ぶ声というものが絶えず叫ばれていたわけです。しかし、北方領土の場合は、われわれ歴史上の事実を指摘をして、そしてソ連の現在の占拠というものはこれは国際法上不当なものである、本来は追い立てられた人たちのもともと住んでおる権利のある日本の島であるということを言いましても、その島から自分たちの叫びとして、居住者としての島民の声を聞く立場にない。そういうことが許されていない。したがって、一方的にその権利の行使というものは、ただ対岸からそこは自分たちの父祖の地であるという声を叫ばせざるを得ない。この点は根本的にむずかしい問題として、やはり提起されてくる具体的な問題であろうと考えますが、私の答弁がいま答えになっておりますかどうか、この点はまた御質問に答えたいと思います。

川村清一日本社会党

○川村清一君 長官のまあおっしゃるとおりだと思うんですよ、私も。沖繩の復帰運動というのは、沖繩県民の祖国復帰を念願しての米軍に対する激しい抵抗闘争、これが発展いたしまして全国民的な運動に盛り上がって、ついに祖国復帰をかちとったと、こういう運動の経過を経ておるわけであります。  これに反しまして、北方領土問題というのは、ただいま長官がおっしゃったように、敗戦後島民がすべて島から追い出されてしまった。日本人はだれ一人住んでおられない。したがって、いわゆる下からの盛り上がりの運動というものが起きてこなかったということ、そこで今日までまあいろいろ運動は展開されてきておりますが、またその運動を起こすためのいろいろな政府の施策というものが北対協を通じてなされておるわけでありますが、しかし、とかく押しつけの官制的な運動というものに堕してきたきらいがあるわけであります。この反省の上に立って、やはり国民運動として下から盛り上がる運動を主張していかなければ、この運動というものはなかなか成果を上げることができないと、私はかように考えておるわけであります。まあその点は政府も考えておるんでしょう。いろいろ手は打っていると思うんであります。啓蒙宣伝に相当の金をかけてやっております。ところが、その啓蒙宣伝をやりましても、やはりうまくいかない。これは都道府県、自治体において一番力を入れておるのは、何といったってこれは地元の北海道でありますが、北海道庁の機構の中には領土復帰北方漁業対策本部というものを設置いたしまして、相当の人員をそこに配置し、予算だけでもって六千七百四十五万円、四十七年度予算というものは——これだけの金をかけて運動を展開しておるわけであります。   〔理事剱木亨弘君退席、委員長着席〕 道庁のこの係の人にお尋ねしまして、何に一番困るんだということを聞きますというと、道庁の職員は、やはりこの運動を全国的に展開してもらわなければならないといって、やはり各県を回ってお願いして歩いておるそうでありますが、県では受け入れてくれる窓口がないというんです。いわゆる国ではこういう機構がありますね。今度北方対策本部なんとしたきちっとしたものができますね。ところが、府県にいきますというと、もちろん北海道のように、そういう本部だとか機構とかいうものができないにいたしましても、どこかの窓口、北方の問題はどの部のどの課にいけば、これは話を聞いてもらえるんだ。そこからずっと流してもらえるんだというようなものができればいいんだけれども、それはできない、できてない。これが一番困るということを言っておるわけであります。そこで国としてひとつ各都道府県に対して、もし北方問題解決のためには、こういうことが一番大事だと思うならば、これはやっぱり全国的な運動として盛り上げていかなければ、これはやっぱり解決する問題ではありませんので、ひとつ各府県においても、それ相応の、何とかこういう問題のためにいま窓口となって受け入れて、この運動展開の一翼をになっていただくような、そういう機構を持ってもらえないものかどうかという点をひとつお伺いするわけですが、大臣いかがですか、これは。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) なるほど地元北海道のそういう担当官の、各県等に出向いてのそういうとっつきようがないという、私もいま言われて、そういう実務の声というのは非常に大切だなあと考えました。各県にはおそらくいまのマスコミュニケーションの時代でありますから、県自体の広報室というものを、必ず広報課か広報室を持っておるはずです。したがって、総理府が押しつけたという形ではやはりまずうございますから、やはり自治省とも相談をいたしながら、各県で広報室等で、北方対策の問題についての啓蒙宣伝のお願いもすると同時に、北海道庁が地元の地方自治体でありますならば、それとの連絡等に当たる立場をどこかにきめておいてほしいというようなこと等について相談をしてみたいと思います。ヒントを与えられましたので、たいへん貴重な意見だと思いますから、検討いたします。

川村清一日本社会党

○川村清一君 それからもう一点、北対協や復帰期成会あたりが主催いたしまして、復帰国民大会というものを毎年開いておるわけですね。その国民大会のあり方ですが、これはだいぶ変わってきたような気もいたしますけれども、どうもいまだにこういう大会ではと思われる点が私はあると思うのであります。従前見られたような、右翼の運動のようなものでは、多くの国民はついてこないと思う。ただ北方問題といえば、すぐ反ソ宣伝、反ソ宣伝でもってこの問題が解決するようなものでは私はないと思う。ですから、そういう人たちというか、団体といいますか、こういうものはやはり締め出す。そしてほんとうに国民がそれに加わるような、そういう大会に私は持っていかなければならないんではないか。何といいましても、原則的には日ソ親善友好を進め、平和裏に一日も早く平和条約を締結する、こういう機運をつくりつつ、北方領土問題は解決しなければならない、私はそう考えております。政府の見解も同じだと思うのでありますが、この点どうですか、どうもいままでの国民大会というのは、いろんな批判がありますよ。それからこのころになりますというと、東京の永田町かいわいあたりの電柱には、右翼のポスターがばんばんはられますよ。あるいは右翼の車が必ず北方領土という看板をかけて何か叫びながら走っておりますよ。ああいう姿を見ますというと、ああ北方領土の問題というのは、そういう連中の運動かというようなことで、またそういう反ソ的な気持ちを持った人だけがそっちのほうへ集まっていく、そうすると一般大衆というのは、どっちかというとそっぽを向いてしまうというようなかっこうになれば、絶対にこの問題を解決するような運動も起きないし、機運は盛り上がってこないと私は思うんですが、この点どうですか。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) これは政府が主催をして国民大会というものをやっているわけでもありませんが、ただいまおっしゃったような現象も、付随しがちであることは認めざるを得ないと思うんです。ただ、それも国民の一つの声ではありましょうが、しかし、じゃ解決するためには、憎しみあるいは反ソ的なそういうことで問題が解決できるのかといえば、これはおそらく否定の方向に、むしろ遠ざかる方向にいくべき要素になると思うんです。幸いソ連のほうが、日本が第二次大戦で敗れたときに、言ったとか言わないとか、スターリンのことばとして、やっと日露戦争のかたきを討ったとか、言ったとか言わないとかいうことも聞いたわけでありますけれども、そういうものでは、これは日ソ両方とも、お互いの国家としての、今後国連を中心とする国際道義というものの中で、それぞれの国が所を得ていく場合に、大国には大国のやはりモラル、国際的な信義というもの、そういうものがやはりあるだろうと思うんです。エゴイズムだけでもって大国の力の論理が通用する時代というものは、局部的な現象が一部あったにしても、私はそう原爆も使えない時代がもうきておるわけでありますから、やはりそういうような対話の社会というものが国際的にもきていると思います。こういうときに、やはり幸いにして日ソ間にも、そういう空気が出てきたことを、先ほど歓迎すると申しましたけれども、お互いがお互いの言い分をよく承知しながら、そうして自分たちの立場というものも、また両方に認め合わせながら、究極的に国際社会でそれぞれの国が指導国として、大国として存在するためには、どのようなことが問題があるのかという、そういう場によって問題が解決をされていかなければならぬと思います。もちろん憎しみや武力でもって、大国ソ連に対して私たちがもう何ものもなし得ない国家になっていることは、全国民周知の事実でありますし、国際紛争解決の手段として、われわれは戦力を持たないわけでありますから、われわれとしてはあくまでも国際正義、大国の信義というものに訴えていくという道しかない。その意味において、ただいまのようなお話の点が一部また二年ほど前には新聞等でも問題にされたできごと等もありましたし、これは大会とは関係ありませんが、そういうこと等は政府がやらしておるわけではありませんが、やはり目的を達成するための道は何かということについては、十分に主催者の北対協あたりとも相談をしてまいりたいと思います。基本的にはやはり対話、そして友好、そして世界の平和ということに進んでいかなければ解決しないものだと、そう思います。

川村清一日本社会党

○川村清一君 非常にむずかしい問題でありますけれども、また時間もそれだけ長くかかると思いますけれども、どんなことがあっても、わが国の固有の領土であるところの北方地域というものは、返してもらわなければならぬ、かように考えております。しかし、時間がかかることでありますけれども、これはやむを得ないと思うんですが、そこで問題になるのは、当面の問題としては、やはり領土が返らなくても、あの島の周辺で漁業を営んでおる漁業者が、安全に漁業ができるような、いわゆる安全操業実現ということが大事な問題であり、政府もいろいろ努力していることはわかっておりますが、しかし、さらに努力をしていただいて、一日も早くこの問題を解決をしてもらわなければならないと私は考えておるわけであります。  そこで安全操業の問題解決の前に、今日まであの海域で拿捕抑留されまして、非常な苦労しておる漁民がたくさんいるわけです。私の知る範囲でも概数でいえば、大体船にして千二百隻ぐらいですか、人員にして一万三千人ぐらいの漁夫が抑留拿捕されておるのではないか、こういうふうに思っております。そこで、この拿捕抑留された漁船、漁民に対する見舞い金、その見舞い金の前提には、これを調査せねばならぬわけでありますが、この調査を水産庁は数年前から相当予算をとってやっておると私は承知しておるわけであります。今年度の予算にも、若干盛られておるようでありますが、この調査は一体どの程度進んでおるのか。  それからこの調査が終わった時点におきましては、当然韓国との問題、いわゆる李承晩ラインによって拿捕抑留された方々、これが日韓条約締結のときにいろいろ国の手当を受けたわけでありますが、こういうようなことなんかと同様な取り扱いがなされるようになるのかどうか。この点を非常に関係漁民の人は注目しているわけでありますが、この点について調査された水産庁からひとつ御答弁を願いたいと思うんです。

太田康二水産庁長官

○政府委員(太田康二君) お答え申し上げます。  四十七年五月十日現在で、私どもの調査によりますと、拿捕された漁船の総隻数が千三百七十二隻、乗り組み員は一万一千六百三十七人ということに相なっております。御指摘のとおり、私ども昭和四十五年度からこういった方々の、特に船主及び乗り組み員につきましての実態を明らかにするということで調査をいたしております。  四十五年度におきましては、四十五年六月一日現在で私どもの調査表を配りまして、これに記入をするという形で調査をお願いいたしたわけでございますけれども、拿捕されました漁船一隻ごとに、その船主及び乗り組み員全員を対象といたしまして、拿捕発生時の状況、抑留の状況等についての聞き取り調査を行なったわけでございます。拿捕漁船は、いろいろな漁業種類、あるいは地域、あるいは年次にわたっておりまして、それぞれ拿捕の影響も異なるわけでございますので、さらに引き続き昭和四十六年度に船主及び乗り組み員の拿捕ごと、最近におきます就業の実態、これを調査をいたしておりまして、その結果について現在取りまとめ中であるわけでございます。なお、昭和四十七年度、本年度でございますが、これにつきましては、拿捕時の漁業種類別の操業の実態、それから漁船の所要装備、積載資材及び漁獲物等、拿捕の漁業経営に与える影響、これの調査をいたすことにいたしております。  そこで、先生お尋ねの、一体そういった調査をやって将来どうするんだと、特に日韓方式のような補償措置を講ずるのかどうかというような御議論でございますが、御承知のとおり、まあ非常に不十分ではございますが、抑留が長期にわたる場合の見舞い金、あるいは死亡なさった場合の特別交付金の交付というようなこともやっておりますし、まあこれは制度があるわけでございますから実施いたしておるわけでございますけれども、休業保険あるいは漁船保険等の措置もあるわけでございます。まあいずれも実態的に申し上げますと、確かに御指摘のとおり不十分な点もあるわけでございます。そこで私ども調査をいたしまして、今後どうするかという問題でございます。確かに日韓等の例もあるわけでございますから、当然これらもわれわれは頭におきながら対策を考えていかなければならないというふうに考えるわけでございますけれども、いずれにいたしましても、今後の日ソ間の交渉の推移というものをやはりわれわれは見ながら、これらを総合的に勘案いたしまして慎重に今後どういう対策を講ずべきかということを検討してまいりたい、現段階におきましてはさように考えておる次第でございます。

川村清一日本社会党

○川村清一君 私の言いたいことは、日韓のときに関係漁民になされたと同じことが当然なされるべきであると、こういう立場に立って主張しておるわけですから、十分それを御認識の上に立って御検討願いたいと思うわけであります。  次に、外務省にお尋ねいたすわけでありますが、今度は安全操業の問題についてずうっと対ソ折衝がなされておることは承知しておるわけでありますが、最近の日ソ間の国際情勢によって非常にまあ好転しておるんではないかというような気もしておるわけであります。そこで、現段階においてこの問題がどのような状態にあるのかどうかですね。また、外務省は具体的に、安全操業といってもいろいろあるわけですね。かつては、赤城私案と称して、現在の赤城農林大臣が示された案もありますし、それから、この国後、択捉全部、いわゆる固有の領土と日本が主張しておるその全海域の安全操業を主張するという考え方もありましたし、それからまあ択捉は別として、あの国後の辺で拿捕されるというのが非常に多いので、あの地域といったような考え方もありますし、いろいろあるわけでありますが、外務省としてはどういう案を向こうに提示されて折衝を進められておるのか。それはまあ外交折衝の問題は説明できないということになればこれもいたし方がございませんけれども、この辺どうなんですか、ひとつ外務省の——まああまり隠さないでひとつここに報告していただきたいと思うわけです。

有田圭輔外務省欧亜局長

○政府委員(有田圭輔君) お答え申し上げます。経緯につきましてはもう先生十分御承知かと思いますが、概略申し上げますと、最近は、一昨年の万博のときにノビコフ副首相、イシコフ漁業大臣等が参りました。その際に、先方が初めて安全操業の問題について日本側と正式交渉してもよろしいということを申しました。で、それを受けまして、昨年の一月に、私も加わりましてモスクワに行きまして話し合いをいたしました。その際のわがほうの考え方は、毎年毎年、先ほども先生御指摘の、二十数件——三十件に近い拿捕抑留が行なわれ、また二百名近い漁夫の方がつかまると、それでいろいろ御苦労なさると。これは毎日毎日の事件でありまして、こういう事件が起こるということは日ソ間の摩擦の原因である。したがって、お互いに日ソ関係をよくするためには、理由のいかんを問わず、とにかくこういう拿捕事件が起こらないようにすることが必要であるという立場に立ちまして、わがほうから、実際統計上見ますと、歯舞、色丹、国後、択捉の周辺で、この過去にわたって拿捕抑留の八割以上のものが発生しておると。したがいまして、この水域においての拿捕抑留を起こさないようにしようじゃないかということがわがほうの提案の基礎であります。これは単に漁業資源がそこにあるから漁業水域を零細漁民のために拡大するという立場ではなくて、それ以外に、人道上の問題としてこれを話し合いをしようじゃないか。その場合に、もちろん日ソの間に立場の相違がございます。領土問題ということもありますし、その他の点においても立場が違います。しかし、とにかくそういう立場をたな上げにし、一時しばらく置いて、平和条約が締結されるまでの期間にこの紛争を除去しようと、こういうたてまえでございます。そういう立場で行なわれましたのが、巷間いわゆる愛知提案でございまして、赤城私案の場合には歯舞、色丹島水域だけでございましたが、それに加えて、国後、択捉のこの提案をしております。そして昨年一月に交渉をいたしましたが、やはりこの対象水域についての考え方はかなり食い違っておりまして、それ以上話し合いが進みません。その後、数回にわたりまして新関大使・イシコフ大臣の間で話し合いが持たれましたが、特に昨年十月には赤城大臣もモスクワに行かれまして、この点についても話し合われました。その後、御承知のように、最近漁業交渉が行なわれましたし、またその関係で若干この話し合いについてはとぎれておりますが、近々またイシコフ漁業大臣が訪日するという話も、まだ確定はしておりませんけれども、あるいは実現するのではないか。そういう機会がございますれば、わがほうの基本的立場を重ねて十分説明して、何とかここに突破口を設けたいと、このように考えております。  で、ソ連側の立場からいたしても、向こうは、まあこれは好意的に解釈すれば、ソ連側のほうとしても、やはり好んで漁船を拿捕するわけではないと、しかし、わがほうにはわがほうの立場があるからそうせざるを得ない。したがって、何とかここに打開策を見つけたいという基本的な気持ちはあると思います。しかし、事は事で、かなり複雑で、終戦後ずっと問題になってきた問題でございますので、必ずしも技術的にはそれほど簡単なものではないので、若干まだ時間がかかるかと存じます。日ソ関係は、最近においてはかなり前進はしておりますけれども、しかし、話がこのような基本的な問題を含む複雑な問題になりますと、やはり、先生はいろいろおそいではないかとおっしゃるかもしれませんが、やはり若干時間の余裕をいただきたいと、このように考えております。

川村清一日本社会党

○川村清一君 ぜひひとつ一日も早くこの問題が解決するように、さらに一そうの御努力を願いたいと思うわけであります。  次にお尋ねしたいことは、これは対ソ連との関係ではないわけでありますが、どうも北洋海域における漁船の海難事故というのが非常に多い。これは毎年減る様子もなく海難事故が起きておる。特にサケ・マスの時期、あるいは冬のタラ釣り漁業の時期等にこういう傾向が多いんではないかというふうに思われるわけであります。たとえば炭鉱あたりで爆発事故がありまして、二十人、三十人の方がなくなったというようなことになれば、これはたいへんな大きなものとして新聞その他マスコミに報道され、大きな世論も起こるわけでありますけれども、どうも漁業に関しては、いまなお船底一枚下は地獄といったような感覚が、漁民の中にも、一般国民の中にもあるのかわかりませんけれども、このように進んだ世の中になっても、百トンクラスの船が一隻遭難したとしますと、やはり二十人、三十人の方が犠牲になるわけであります。そういうことはどうもあまり大きな問題にならぬ。繰り返し繰り返し行なわれている。まことに残念だと思うわけであります。  そこで、行政庁としても当然海難事故防止のためには努力をされていると思うわけでありますが、一体どういうような指導をされておるのか。これは水産庁の立場あるいは海上保安庁の立場があると思いますが、そこで水産庁の立場から、海上保安庁の立場から、それぞれひとつここで努力されていることについて御報告を伺いたいと思うわけであります。

太田康二水産庁長官

○政府委員(太田康二君) お答え申し上げます。  漁船の海難の発生状況につきましては、三十六年から四十五年までの数字を持っておりますが、事故率で年々大体同じような傾向でございまして、海難事故のうちの漁船の遭難が総漁船の中に占める比率というのは、大体〇・三一%ぐらいの比率になっております。決して減っておらないというところがやはり問題だろうかと思います。  そこで、私どもといたしましては、運輸省等とも十分協力のもとに、海難防止の講習会等による海難防止思想の普及、高揚につとめておるわけでございまして、都道府県が実施いたしますところの漁船の技術訓練会への助成をいたしております。  それから漁船法に基づきまして、動力漁船の性能の基準というものをつくりまして、機関の過負荷運転を制限する装置の取りつけを強制する、あるいは漁船の安全対策の研究等の措置を講ずるということをいたしております。  特に最近におきましては、もちろん人命にもかかわる問題でございますから、漁船の大型化ということをできるだけやっております。これは同時に乗り組み員の確保にも通ずることでございまして、特に先生御指摘のとおり、板子一枚下は地獄というような環境で操業いたしておるわけでございますので、漁船の特殊な、何と申しますか、生活の場であり、生産の場であるところの漁船というものにつきましての環境をできるだけよくするということで、船員設備の改善というふうなことに重点を置いての大型化、同時にこれは安全の道にも通ずるわけでございますけれども、そういった指導をいたしております。  さらに、運輸省等とも密接な連絡をとりまして、海上保安庁の巡視船艇あるいは航空機等の救助施設、あるいは海難救助体制の整備強化というものをはかっておるのでございまして、特に北洋等につきましては、私どもももちろん取り締まり船を出すわけでございますけれども、これらも取り締まりのみならず、海難救助の点にも、保安庁と一体となりまして、その任に当たるということにいたしておるのでございます。

貞広豊海上保安庁警備救難監

○説明員(貞広豊君) お答えいたします。  北洋の海難は、先生御承知のように、昨年に例をとりますと、三百五十五隻発生いたしております。その内訳は、ほとんどが漁船でございまして、漁船が三百三十隻、一般の船が二十五隻となっております。これの海難の態様とか、それから救助状況等については割愛いたしまして、こういう海難に対してどうしておるのかという点に重点を置いてお答えいたしたいと思います。いまの水産庁長官の御答弁と一部ダブるかもしれません。  海上保安庁といたしましては、いまお話し申し上げましたように、ほとんどが漁船であるということに着目いたしまして、海難防止をするために、あそこの出先機関の第一管区海上保安本部がございますが、これが、北海道の道、それから道の指導連、道漁連、そういった関係機関と緊密な連絡をとりまして、以下具体的に御説明申し上げまするけれども、そういった具体的な海難防止活動を展開するほかに、これはどうしても漁船の船主、乗り組み員自身がやはりやるべきことはやってもらう。国がやることと、それから関係者自身にやってもらわなければいけませんので、そういった船主、漁船の乗り組み員の方の海難防止の資料——これは何か事故がありますと、直ちに原因を調査いたしまして対策を立てるのが通例でございますが、そういう内容も織り込みまして、資料をつくって、各漁船の自主的な海難防止活動の支援を強力に行なっておる。  さて、それでは海上保安庁自身はどんな活動をやっておるか。具体的に申し上げますと、まず第一に海上安全情報の放送。これは先生おくにのほうにお帰りになればお聞きのことと思いますけれども、NHKの協力を得まして、十一月から翌年六月までの間、冬期のタラ漁業と、それからいま始まっておりますサケ・マス、これの期間に、ラジオ、テレビを通じまして海難防止情報を道一円に流しております。  それから次に流氷海難がございまして、流氷海難に対処しましては、一管本部に流氷情報センターを設置いたしまして、私どもの巡視船艇、航空機はもとよりのこと、航行船舶から情報を得まして、あるいは気象官署等から情報を得まして、これを整理いたしまして、一管本部で関係船に流氷状況を流しておる。  その次に、先ほどお話がありました海難防止講習会でございますけれども、海上保安庁では、春秋二回に分けて全国的な海難防止思想の高揚を目的として活動を展開しておりまするけれども、その期間はもとより、北海道の特殊性にあわせまして、いろいろな漁業、業種ごとにそれぞれの期間に操業が展開されますので、そういう操業開始の前に船主、乗り組み員を対象に講習会を開催いたしまして、まず気象状況をよくとりなさい、着氷したときにはこういうふうにしなさい、積み過ぎることのないように、できるだけ集団操業し、船団間の通信連絡を行なうように、船団長は船団内の漁船をよくまとめて海上保安庁と緊密な連絡をとるようにと、こういった具体的な事項を示して講習会をいたしております。  それからその次に前進哨戒をいたしておりますが、たとえば十二月から三月までの間は、カムチャッカの東岸から北千島、それから南千島、サケ・マスのときはやはりサケ・マスの海域、それから冬季やはり十二月から三月の間、道北、道西、そういった方面にそれぞれSOSが出ても、そのときに船が港から出たのでは間に合いませんから、前進哨戒をさせております。この前進哨戒の巡視船に任務を与えまして、その区域の出漁船の動静を通信によって完全に掌握しておると、そして必要なときは異常気象を流すとか、それから、きのうはこういう海難が起きた、たとえば火災が起きたから火災には注意しなさい、そういったような実際的な事案を入れまして海難防止の情報を流すと、漁船の注意を喚起すると、そういうことをいたしております。  それからなお、サケ・マスのときには、特に通例海難が多うございます。サケ・マスの操業開始にあたりましては、先ほども一部触れましたけれども、船主、乗り組み員を集めまして、特にこの海難防止の具体的な事項、あるいは海難の事例等を説明して十分理解を得て、みずから海難防止に立ち上がるように講習会を行なうとともに、各漁船に対して実際必要な設備等を持っておるかどうか臨船指導をいたす、こういうようなことをいたしております。  それから、昨年のサケ・マスでしたか、あの漁船の構造上の問題と思われるような事故がかなり起こりましたので、直ちに根室の部署に命じまして、原因を探究し、道と協力いたしまして、道の条例を設置するような結論を得て、いま漁船の設備関係からは一応海難の防止対策が打たれております。以上のようなことでございます。

川村清一日本社会党

○川村清一君 まだいろいろお尋ねしたいことがございますが、時間もだいぶ過ぎましたので質問を進めてまいりたいと思います。  そこで、いま審議しております法案についてお尋ねするわけでありますが、この北方領土問題対策協会法の一部を改正すると、この御提案の趣旨は、北方海域旧漁業権者等に対する貸し付け資金の財源に充てるため北方領土問題対策協会が長期借り入れ金をすることができるように改正すると、こういうことになっておりますが、このように法律を改正することによって、四十七年度におきましては協会の運営が具体的にどういうふうに変わってくるのか、これについて事務当局でけっこうですから御説明願います。時間の関係がありますから簡単に要点だけでいいです。

岡部秀一沖繩・北方対策庁長官

○政府委員(岡部秀一君) いままで貸し付け金につきまして、昭和四十六年度は貸し付けのワクが一億七千万円でございます。ところが、その後いろいろと需要関係が多くなりまして、約四億円の資金貸し付け需要が出てきております状況でございますので、この要望に備えるために貸し付け金をさらに増すということのために、そしてこの四億の需要に応ずるということのために民間の銀行から資金を借りまして、そして貸し付けをするということになりますと、逆ざやが出ますので、それの利子を計上するということで五百万円の経費を計上いたしまして、需要に応じたいということになる次第でございます。

川村清一日本社会党

○川村清一君 昭和三十六年に北方協会が設立されまして、それに国債が十億交付されたわけであります。で、この法律に基づきまして昨年十二月に全額償還されました。そこでその国債が全部償還された、いわゆる現金にされたことによって、この協会の運営が変わってくるんじゃないかというような気が私はしておるわけなんです。と申しますのは、その十億という金が、当然これは旧漁業権者、元島民のものでありますから、したがって、金にかわったときにおいて、その金をどう取り扱うかにつきましては、当然対象者であるところの旧漁業権者、あるいは島民がこれは自分たちの配慮によってなさるべきものであろうと私は考えておったわけでありますけれども、これをあえて法律をそのまま残して、その金の運営についても従前どおり法的規制を加えていくということに  つきましては、一体これはどういうことなのかなあという一応の疑義を持つわけでありますが、これに対して政府の御見解をひとつ伺いたいと思うわけであります。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) これは国債の一挙償還ということに伴いまして、旧漁業権者、居住者の皆さんが相談をされまして、いままでどおりの運用を基金としてやっていきたい、こういう確認がなされまして、それから一挙償還の予算措置をいたしましたので、皆さんの合意によってそういう運用がなされておるということであります。これがみんなでまた分けたいとか、あるいは別な運用をしたいとかいう御意見が出てくれば、これはまた当然北対協がその十億を当然の権利として帰属せしめるべきものではありませんので、その相談には十分乗って、意見があればその意見に対して対応しなければなりませんが、いまのところは、皆さんの合意であるというふうになっておるわけであります。

川村清一日本社会党

○川村清一君 先ほど事務当局の御答弁によりますと、この法律改正によって金融機関から二億の借り入れをなすと、昨年は一億七千万円運営しておった。そうしますとことしは四億のお金がこれは資金として運用されてくるわけですね。そうなりますと、今日まで非常に困っておったことは、やはりこの資金需要に対して原資が足りないということです。それが四億ということになりますと、昨年の倍以上になったわけでありますから、これは非常にいいことだと思うわけでありますね。そこでこの四億の原資となりますれば、資金需要に対してどの程度応ずることができるのか、これどうですか。

岡部秀一沖繩・北方対策庁長官

○政府委員(岡部秀一君) 四億の需要がございまして、大体これで従来のと、それから今度の措置で四億の御要望に沿うことができると思います。

川村清一日本社会党

○川村清一君 ただいまの御答弁は、需要が四億あるということですね。そうすると四億あるから従来の要望に対しては全額こたえることができる、端的に言うと一〇〇%応ずることができるというふうに理解していいんですか。そういうような御答弁だったですよ、いまのは。

岡部秀一沖繩・北方対策庁長官

○政府委員(岡部秀一君) 協会のほうといろいろと協議をいたしました結果、本年度は四億の需要で十分であるという希望でございました。

川村清一日本社会党

○川村清一君 四十七年度のこの資金計画によりますと、この協会の一般管理費というものは人件費を含めて幾らになりますか。

岡部秀一沖繩・北方対策庁長官

○政府委員(岡部秀一君) 四十七年度管理費四千一百三十八万九千円のうち、人件費が二千八百五十一万六千円でございます。

川村清一日本社会党

○川村清一君 これもずいぶん議論したことなんですがね、長官、どうしても私は納得できないんです。それは、北方領土問題対策協会法に基づいて設置される事務所が二つあるわけです。これは法律には、事務所は東京に置く、もう一カ所従たる事務所を置くことができると書いてある。従たる事務所がいま札幌にあるわけです。ところが、一つのこの法律、この幹から出た事務所が二つあって、こちらのほうの東京事務所のほうの人件費はこれは国が出しているわけです。一番先に議論しました一千二百万というこの人件費は国が出しているわけです。事務費全部で二千八百七十八万六千円、これを国が出しておる。ところが、札幌にある従たる事務所のほうについては、いままでは十億の利子によってこの事業が運営されるわけですね。そうしてその利子の、その十億をもとにして生まれたものの半分はこれは管理費に使っておる。これはおかしいではないか。同じ法律によって生まれておる二つの事務所のうち、片方の事務所の管理費は全部国が持つ、片方の事務所はこれは自まかないだと、こういう思想はこれはおかしいではないか、このことを私は再三今日まで議論してきたんですが、いまだに変わらない。まあことしは二億借り入れすることによって、いまのお話によれば、この需要に全部応ずることができるというんだからけっこうな話ですけれども、いままでは非常に足りなかったですね、いわゆる需要にこたえるだけの原資がないわけですよ。だから、この金をこっちのほうに回したらいいんではないかということを主張しておった。いまは十分とはいいながら、この思想が私は納得いかないんです。これはどうでしょうか、長官。これ事務的な話ですかな。

岡部秀一沖繩・北方対策庁長官

○政府委員(岡部秀一君) 確かにそういう御要望がいままでございますが、従来政府のほうから資金等が出ている団体で、貸し付けする等の事業団体で、管理費を出している例がございませんので、その中でまかなう、政府からの補助なしで、管理費はなしでやっていくというのが一般でございますので、当協会においてもそのように運用している次第でございます。

川村清一日本社会党

○川村清一君 一般はわかるんですよ、一般はわかるけれども、在来あるところの一般の政府の特殊法人とはいささか意味が違うんじゃないですか、この法人は。つまりこの法人は、あとからまた議論の対象になると思いますけれども、北方地域において漁業を営んでおった旧漁業権者、元居住者、これが引き揚げてきて非常に生活に困っておる。そして、これらの人々に対しましては、旧漁業権補償もなされておらない。だから、補償金でもない、見舞い金でもない、そういう名目ではないけれども、そういう特殊な地位にかんがみて政府がこうやったんだと、そういう考えのもとに行なわれた措置によって生まれたところの法人ですね。この法人の人件費がそういうものから出てくることがおかしいし、もう一つは、何としても納得いきかねるのは、法律は一本だ、この幹から生まれてきておる、法律に基づいて事務所を二つ設けることができる、主たる事務所は東京に置く、従たる事務所をもう一つ置くことができると書いてある。で、たまたま従たる事務所は札幌に置いてある。札幌のほうの事務所の人件費は自分でやりなさい、東京のほうは国が出します、この思想がおかしいんではないか、私は納得できかねる。ですから、一般論はわかるとしても、どうもこの辺は不可解なんでありますが、これを改正することはできないんですか。

岡部秀一沖繩・北方対策庁長官

○政府委員(岡部秀一君) 北方地域旧漁業権者等に対する特別措置に関する法律の第三条によりまして、この北方協会が交付を受けた十億円をもって仕事をやるのについて「業務の遂行に必要な資金の財源に充てるための基金とする」ということでございまして、その管理費は、やっぱり「業務の遂行に必要な資金の財源」というところの中に入りまして、この第三条の制限を受けるのと、それからもう一つは、同じ法律の第七条に、「協会は、貸付業務に係る経理については、その他の業務にかかる経理と区分し、特別の勘定を設けて整理しなければならない。」ということで、区分経理をしなくてはならない、そういう法律のたてまえになっておりますような次第でございます。

川村清一日本社会党

○川村清一君 そこだけ言えばそうなんですよ。しかし、法律にはやっぱり歴史的な経過がありまして、いまあなたがお読みになったのは昭和三十六年に北方協会ができたときのこれは法律なんですよ。それで、その協会に十億国債を交付してそれで発足したけれども、これがさらに昭和何年ですか、いわゆるいまの北方領土問題対策協会というのができたんでしょう。その対策協会というものができたときに北方協会に承継されたわけでしょう。事務が承継されて、対策協会法に基づいていまの仕事がなされているわけでしょう。従来の北方協会の仕事は、従たる事務所である札幌事務所がこれを承継したというかっこうになっているでしょう。そこで私の言うのは、その段階からいわゆる北方領土問題対策協会法という法律ができて、この法律に基づいて二つのものができて、この一つのほうは従来の北方協会法を受け継いだわけだから、その段階において変わってしかるべきではないかというふうに私は言っておる。しかし、これを議論しておってもしようがないから、どうしても納得がいかないから、それでひとつ賢明なる山中長官、御検討の上、勇断をふるっていただきたいと私は思うわけです。これ以上は申し上げませんが、そこで長官、私はこれを高く評価するのにやぶさかでないですよ。いままで資金がなくて非常に困っておった、それが今度の法律改正によって二億借り入れができる。そうして総額四億の貸し出しがなされる。これは前年度の一億七千万円の原資に比べて二倍以上の資金ワクを持つわけでありますから、このことについては高く評価するわけであります、これは長官には厚くお礼を申し上げます。しかし、問題はここにある、この協会の業務方法書を検討すると、貸し付け限度額については問題がある。これをしさいに検討してみると、こんな貸し付け金利は現状における経済情勢に即応しておらない。このままでは本法制定の趣旨である旧漁業権者並びに元島民の健全な事業の運営と生活の安定に資することはこれは困難である、こう思うのであります。したがって、資金ワクのふえた今日の機会に、当然業務方法書の一部を変更して、貸し付け限度額の引き上げを行なわなければ何にもならないと思うのでありますが、これに対する御見解を伺いたい。

岡部秀一沖繩・北方対策庁長官

○政府委員(岡部秀一君) 御質問の点は協会のほうからも強い要望もありますし、山中大臣の御趣旨もありまして、私たちは大体次のような考え方で仕事を進めております。たとえば貸し付け限度額を引き上げるにつきまして、たとえば漁船の建造など現行百万円を改正では三百万円程度にしようとしておりますし、それから農畜産林業用の機具の購入が二十万円が百万円、商工設備資金が百万円が二百万円、修学資金が高校が年額二万四千円ですが、それを三万六千円、大学が四万八千円を十二万円、住宅の新築が五十万円が百五十万円、総体的に御要望の線に沿っておりまして、二倍ないし三倍に引き上げてまいりたいと思っております。

川村清一日本社会党

○川村清一君 それから二億円借り入れに伴う利子補給金五百万円を今年度の予算の中に組み入れられておりますが、これにつきましても私は敬意を表しております。しかし、ことしはこれが五百万円で済むけれども、年々増加していく性格を持っておるものでありますね。そこで将来の展望をどう見ておるのか、それから大蔵は一体承知しておるのか、大蔵とどんな話し合いがついているのか、その点はっきりしておいていただきたいと思います。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) ただいまの貸し出し条件の緩和にしても、あるいは今後の見通しについても、きちんと私の手元でやっておりますので、事務当局から説明させます。

岡部秀一沖繩・北方対策庁長官

○政府委員(岡部秀一君) 大体現在、今年度計上いたしますプラス二億、この線を計上していきたいと思っておりますが、なお実際の今後の資金の需要等を見ながら今後の進め方をやっていくべきだと思っております。

川村清一日本社会党

○川村清一君 大蔵と話はついているのか。

岡部秀一沖繩・北方対策庁長官

○政府委員(岡部秀一君) 今後のことはまだついておりません。本年度の問題につきましては、話がついておるという状況でございます。

川村清一日本社会党

○川村清一君 これはことしだけやって、二、三年たったら利子がそんなにふえてきたんじゃ、そんなのどうも引き受けられないなんということを大蔵に言われないように、しかとひとつ腰を据えてがんばってくださいよ。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) いままで十億の公債というものをファンドとしてやってまいりました中では需要に応ぜられないこと並びに法律上からも長期資金まで継続的にそれができるかどうか疑問であるということで、今回法改正もお願いするわけですが、大蔵との議論は、そのような利子補給、逆ざや分を一般会計が補てんする措置をとって、これは単年度で済むものでないし、いままでの約束事と違うということの点が非常に議論になったわけでありますから、私どものほうとしては、今後ずっと二億を続けていくための必要な金というものは、利子補給の金額は大した金ではありませんので、問題はその理論を大蔵が認めるか認めないかということで、今年度予算としては勝負したわけであります。したがって、この方法を単年度でやめちまうということは、新しい長期資金の法改正までやったことの裏づけが、予算上は一年で切れるということになりますから、あり得ないことであります。したがって、当方としては、ちゃんと後年度の見通しも立てた金額も持っておりますけれども、必要ならば御説明をいたします。

川村清一日本社会党

○川村清一君 いまは時間がありませんので、またいずれかの機会にいろいろお伺いすることにして、要は、いまの基本的な考え方を腰くだけにならないようにずっと持続してこういう措置をとっていただきたい、できれば二億をさらにふやしてもらいたい、こういうことを要望しておきます。  最後に、旧漁業権補償の問題についてお尋ねをしたいわけであります。この問題につきましては、今日まで本委員会において数回にわたって議論をしてきたわけであります。私としましては、何とかこれを実現したいと思ってがんばってまいりましたけれども、ついに政府の統一見解と称する厚い壁を破ることができないで今日に至っておりまして、まことに残念に思っているわけであります。法律論といたしましては、昭和二十一年一月二十九日のGHQ覚え書きによって、北方地域の行政権が分離された、それがために旧漁業権は失効した。その失効した漁業権に対する補償はあり得ないという政府の統一見解になるといたしましても、しかしながら、国後、択捉、歯舞、色丹はわが国固有の領土であると主張している政府が、昭和二十六年に全国の旧漁業権者に対して総額百八十一億円の補償をしておりながら、北方地域の漁業権は補償しない、このことはどう考えてみても、法のもとに平等であるべき国民に不利益を与えたものとして、これはもう政治的には納得できないわけであります。今回沖繩復帰に伴って、沖繩に対しては特別の措置がなされました。で、北方地域につきましても、領土返還が実現された暁には、政治的に何らか考慮が払われてしかるべきである、私はさように考えておるわけであります。昭和二十六年の補償額に相当する額が、名目は何であっても、実質的には旧漁業権者に支払われるべきものであると私は考えておるのです。法律論は、もう失効してしまったのだから補償はあり得ない、こういうならば、補償という名前は使わなくてもいい。しかし、実質的にはその時点におけるところの漁業権を評価した正当額が当然支払われなければならないと私は考えておるわけでありますが、これに対する政府の御見解を承りたいと、かように考えます。

太田康二水産庁長官

○政府委員(太田康二君) お答え申し上げます。漁業権の補償の問題についての理論につきましては、ただいま先生のおっしゃいましたとおりのことが政府の統一見解になっておるわけでございまして、おそらくこの北方協会をつくり、さらにそれが北方領土問題対策協会にかわりまして、十億円の国債を交付して、これによって生活資金等の融通をするということも、そういうことも念頭においてやった措置ではあろうと思うわけでございます。なお、今回法律改正をいたしまして、一時借り入れ金ではなくして、長期借り入れ金ができるようにして、利子補給をして、安い金利の生活資金等を貸し出す措置を講ずるための法律改正をしたということも、それのさらに前進であるわけでございます。ただ、沖繩の例が出たわけでございますけれども、沖繩の場合にも、全く四島と同じような事情にございまして、やはり漁業権が消滅したのでこの補償ができないということになったわけでございまして、こういったことを念頭に置いて、なお沖繩におきますところの沿岸漁業の近代化、あるいは漁業系統組織の育成強化というようなことを念頭に置きまして、今回総額二年間で大体十一億五千万の資金を、原資を供給する、交付金を出す、とりあえず四十七年度はそのうちの五億円というものを交付したということもあるわけでございます。まあ四島が日ソ平和条約が締結されまして戻ってくるというような段階になりますればどうするかというような問題があろうかと思います。私どもといたしましては、当然新しく漁業権の付与というのですか、免許というような問題も出てくるわけでございまして、そういった場合には、従来四島において実際にやっておられた方を優先的に取り扱うというようなことは当然であろうかと思います。なおそれ以外に、先生がおっしゃったような何らかの措置が考えられないかというような点につきましては、なお私どもの検討課題として検討さしていただきたい、かように現段階においては存じております。

川村清一日本社会党

○川村清一君 最後に、私の意見だけ述べて、答弁は要りませんので、質疑を終わりたいと思います。  ただいま水産庁長官の御答弁がございましたが、復帰されます、そうすると、日本の漁業権は当然そこに行なわれますから、その場合に元島民、元漁業権者に対して日本の漁業法に基づく漁業権が付与される、優先して付与されることは、これは当然な措置だと思うわけであります。昭和三十六年に、先ほども申し上げましたが、北方協会が設立されて、旧漁業権者、旧島民に対する特別措置として十億の国債が交付された。政府は、これが漁業権が補償されなかった漁業権者に対する補償にかわる措置であると、すなわち法的には補償できないので政治的に措置したのだというふうに腹の中では思っていらっしゃると思うわけであります。しかし、政府は国会ではたびたび十億の国債については、これは補償でもない、見舞い金でもないのだと、特別の措置なんだとこういうふうに言明しておる。ところが、また一方こういうこともおっしゃっておる。十億の中には、旧漁業権に相当するものが七億五千万円含まれているのだと、こう言っている。ですから十億でもって大体処置したのだと、しかし沖繩は十一億五千万だからこれはちょっと足りないから二億今度は借り入れして、二億これにふやしてやった、将来はこの二億は何とかしてやるという腹であるかもしれない。山中長官、そうすると沖繩とバランスがとれるんじゃないか、北方のほうの文句をひとつ押えることができるんじゃないかというような考え方を腹の中に秘めているかもしれない。しかし、北方地域に住んでおる旧漁業権者は現在でも決して十億ですべて解決したとは思っていないのです。その七億五千万がこれに相当するなんて言ったところで、これは水産庁の長官はおわかりでしょう。あの漁業の宝庫である北洋ですね、国後、択捉、歯舞、色丹に住んでおった漁業権者の漁業権がわずか七億五千万で評価されるなんてとんでもない話ですよ。これはちゃんとわかっておるから、そんなものでは承知できないと、こう言っているのです。  そこで、私はいわばここで幾ら議論しても政府の統一見解なるものを破ることはできませんから、まあ引っ込みますが、しかし、水産庁も抑留拿捕の問題については非常に実態調査をされておる、先ほどここで説明されたように。ところが旧漁業権については調査されておらないのですよ。一体幾らだったのか。昭和二十年八月十五日現在において旧漁業権を評価するというと幾らになるかということをこれは評価されていらっしゃらないのです。ですから私の強く主張することは、ぜひ政府の手によって昭和二十年八月十五日、できればもっと、まだそのときには旧漁業法は行なわれておったんですから、いわゆる昭和二十一年の一月二十九日、GHQ覚え書きによって行政権が分離された時点において旧漁業法は失効したわけですから、その時点におけるところの漁業権によるところの評価をきちっと出していただく、そしてその問題は幸いにして、いつの日かわかりませんが、できるだけ早い機会に、北方領土が復帰した時点において、現在の日本の漁業法がそこに施行せられる時点において、昭和二十一年一月二十九日、旧漁業権が失効したその時点の漁業権というものを正しい評価額によって、補償という名前は使わなくてもけっこうでございますけれども、実質的にはきちっとそれを解決すべきであると、私はそういう主張を持っております。それに対する御答弁は不用でございますから、この点十分御検討の上、ひとつこういう線でがんばっていただきたいことを御要望申し上げ、またいつかの機会に質問申し上げます。  以上で終わります。

松下正寿民社党

○松下正寿君 私が疑問に思っておりましたことのほとんど大部分は川村委員との相当詳細な質疑応答によって大体はっきりいたしましたから、私は、ごく簡単に、いままで触れられなかった問題について、二、三御質問いたしたいと思います。  結論を先に申し上げますというと、私は北方領土問題対策協会法の一部を改正する法律案、これには賛成でありまして、できるだけ早くこれが成立することを希望しておるものでございます。ただ議員といたしまして、二、三よくわからない点がございますから、その点御説明願いたいと思います。  まずこの法律によって利益を受けている人たちの出身地というか、これはむろんおったところは北方領土でありますが、現在日本の各県にどういうふうな分布に、人口といいましょうか、どういうふうな分布になっておりますか。北海道が断然多いと思いますが、北海道がどのぐらい、青森県がどのぐらいということを御説明願いたいと思います。

岡部秀一沖繩・北方対策庁長官

○政府委員(岡部秀一君) 昭和二十年の八月十五日現在で、北方地域の元居住者は三千五十九世帯、人数で一万六千七百四十五人であったのですが、その後、世帯の分離や、あるいは死亡者等がありましたので、昭和四十七年の二月現在では、六千五百五世帯、一万三千九百十三人となっております。居住地区別に見ますると、北海道が断然多くて五千五百十五世帯の一万八百四十三人でございます。その他の県では、富山県が二百九十八世帯、九百八十一人。東京都が百六十三世帯、二百五人。青森県が百六世帯、二百十一人。その他の府県を合わせまして四百二十三世帯の千六百七十三人ということで、その他の府県は相当ばらばらの人数でございます。

松下正寿民社党

○松下正寿君 大体のところでけっこうなんですが、年齢層といいましょうか、あまり若いはずはないと思いますが、大体どのぐらいな年齢になっておりますか、大ざっぱなところでけっこうです。

岡部秀一沖繩・北方対策庁長官

○政府委員(岡部秀一君) 年齢区分別調べができております。パーセンテージで申し上げますと、二十五歳から二十九歳が一三%、三十歳から三十四歳が一三・三%、三十五歳から三十九歳が一一・四%、四十歳から四十四歳が一一・五%、四十五歳から四十九歳が一〇・八%、五十歳から五十四歳が八・五%、五十五歳から五十九歳までが八・九%、六十歳から六十四歳が七・九%、六十五歳から六十九歳までが六・一%、七十歳から七十四歳までが四・一%、七十五歳から七十九歳が二・七%、八十歳以上の人が一・七%という状況になっております。なお、人数も、男女別もございますので、御必要でございますれば、別に御提出をいたします。

松下正寿民社党

○松下正寿君 大体居住者の分布のほうは、私ばく然と考えておった常識と一致するわけですが、実は年齢層のほうはちょっといま数字を伺って驚いたといいましょうか、不明を大いに自覚したわけですが、六十歳以上が相当数がおるんじゃないかと思っておったわけですが、非常にそこに私どもはいままで考えておったものと狂いが出てきているわけです。というのは、何でしょうか、ここ、昭和二十年から今日までの間、だいぶ日がたっておりますが、その間に第一線で働いた四十歳から五十歳、あるいはもっと大きく見て三十歳から五十歳ぐらいの働き盛りの人がいままで、大部分、相当数おったと思いますが、そういう人が死亡した。そういうふうに見てよろしいでしょうか。それとも、別な事情があったわけでしょうか。

岡部秀一沖繩・北方対策庁長官

○政府委員(岡部秀一君) 比率の点で若い人が多いというのは、やっぱり終戦後の出生者が多かった、こういうところだと思っております。

松下正寿民社党

○松下正寿君 若い人が比較的多いということは、非常にある意味では、希望を持てるけっこうなことだと思いますが、ただ、私のちょっと心配になりますのは、今回の法律改正でだいぶ改善されたことは確かで、非常にけっこうだと思いますが、ただこれによって、ほんとうにいままで長い問北方領土で苦労した人がすでに老人になっておる。そういう人たちが、今度幸いにして、北方領土が返還される日はいつかわかりませんが、そうなった場合に、その恩典にあずかることができないのじゃないかということが非常に気になるわけであります。そうであるとするならば、この法律改正によって非常によくなるわけでしょうが、もうちょっと生きているうちに、北方領土の返還になる前に、現在すでにある程度までの優遇をしてやる必要があるんじゃないかということを、私感ずるわけでありますが、そういう点から見まして、ごく大ざっぱに見て、今回の改正は以前から見れば飛躍的によくなっておりますが、まだ、いままで持っておった非常な利益、北方領土におった時分の利益と比べるというと、いわば老後を養う程度じゃないかと感ぜられますが、これで十分である、これ以上のことを考える必要はないというふうにお考えでしょうか、あるいは、これは改正の第一歩であって、改善の第一歩であって、もっと考えてやろうというお考えでありましょうか、その点、長官の御意見を伺いたいと思います。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) これは先ほども川村委員に答弁いたしましたように、初めてこのような手段を行使するための一般会計からの補助金を計上したということで、ある意味において、形式としては、初めて十一年目にして採用した措置であります。でありますから、この方法がしばらくは資金需要の面においては踏襲されていくことによって、大きく短期長期の資金が供給されて、少なくとも普通の中小企業金融や、農林漁業金融の対象のほかに、このような融資を受けられることによって、生活の面においても、最終的には収入に結びつくような、そういう各種の向上措置がとられるものと思います。しかし、これらの人たちは、いずれも漁業の宝庫であった、あるいはまた鉱物資源や林業資源の宝庫であった自分たちの墳墓の地というものに帰らない以上は、何をしてあげても満足を最終的に得られない環境の人たちであります。したがって、一義的には自分たちの墳墓の地に帰るということのための政治的な努力が前提になりますが、それまでの間に、不幸にして先ほどなくなった人もあるのじゃないかというお話がありました。確かに帰る日を待ち望みながら、その日に会えずに死んでいった人もおるはずであります。そういうことは今後も起こるはずでありますから、私どもとしては、なお一そう気をつけて、今回とった措置で、またいままでの御要望に具体的に何か不足している点があるのじゃないかということを絶えず謙虚に耳を傾けて、政治の場で対処していくことについては、十分努力をしていくべきであると考えます。

松下正寿民社党

○松下正寿君 今回のこの法律改正が最後の措置ではなくて、いわば第一歩である、そういうことばを山中長官お使いになりませんでしたが、大体そういった意味に理解したわけであります。非常に私それには敬意を表しておりまするが、くれぐれも今回のこの措置が、これで全部解決というのではなくて、長い間北方領土で苦労して働いた人たちに対して報いるところ、沖繩はこの十五日に返ってくるわけでありますから、これは心配ございませんが、北方領土のほうは、いまなお非常に前途遼遠であるというふうに思われるわけであります。そういうことも前提にしまして、もっと積極的な、あたたかい心で処遇していくように切に希望をしたいのでございます。  次に、いままでの貸し付けの何といいましょうか、相手方、種類、たとえば漁業あるいは農業、商業、その他中小企業、こういうものに対する貸し付けの種類、大体のところをひとつ御説明願いたいと思います。

岡部秀一沖繩・北方対策庁長官

○政府委員(岡部秀一君) 貸し付けの種類は次のようなものがございます。個人が営む漁業に必要な資金としましては、漁船の建造、あるいは取得、改造、それから漁船用の機械器具の設置、養殖処理加工施設の設置、漁具漁網の購入等でございます。それから個人が営む農畜産林業に必要な資金といたしましては、農地の取得、造成、農舎畜舎の設置、家畜の購入、農畜産林業用機械器具の購入、それから個人が営む商工業その他の事業に必要な資金といたしましては、工場用の建物とか店舗、事務所、それから機械器具の購入などです。それから法人が営む漁業、農業、商工業等に必要な資金、これの使途は、個人の営むものと同じでございます。それから、生活に必要な資金といたしまして、更生資金、生活資金、修学資金、住宅資金等がございます。それから次に市町村が行ないます住宅建設の事業に必要な資金、これは市町村が北方地域旧漁業権者等の居住の用に資しますところの住宅を建設する資金で、市町村が施工する住宅建設の事業に必要な資金、大体以上の種類です。

松下正寿民社党

○松下正寿君 大体その種類はわかりました。貸し付け資金の比率といいましょうか、まあこれも大ざっぱでけっこうですが、漁業にどのくらい、農業にはどのくらいというふうな比率はどういうようなことになっておりますか。

岡部秀一沖繩・北方対策庁長官

○政府委員(岡部秀一君) 四十六年度の貸し付け計画で見ますると、漁業資金が四千二百万円、それから農林資金が二百万円、商工資金が二千万円、経営資金が四千五百万円ということで、合わせて一億九百万円です。それから法人資金が五百万円、市町村資金が一千万円、事業資金の以上の計が一億二千四百万円でございます。それから生活に必要な資金といたしまして、更正資金が一千万円、生活資金が三百万円、修学資金が二百五十万円、住宅増改築の資金が二千五十万円、住宅新築資金が一千万円、生活資金計が四千六百万円、合わせて全部で一億七千万円と、こんな状況になっております。

松下正寿民社党

○松下正寿君 漁業、農業その他は、これは生産的な仕事でありますから、貸し付けた場合に、これはいずれ回収されると、むろん非常に金利は安いわけですから、非常に有利であるわけですが、ただ最後の生活資金といいますというと、これはまあ常識的に考えると、生活資金だから、ほかに収入がないから生活資金をもらうというふうに考えられるわけですが、これは回収されるわけでありますか。それとももらいっぱなしで、まあ何といいましょうか、焦げつきのままにほうっておくというような、こういうふうに腹がきまっておるわけでありましょうか。

岡部秀一沖繩・北方対策庁長官

○政府委員(岡部秀一君) もちろん回収いたします。

松下正寿民社党

○松下正寿君 実際回収されているわけですか。

岡部秀一沖繩・北方対策庁長官

○政府委員(岡部秀一君) 順調にいっております。

松下正寿民社党

○松下正寿君 生活資金というのは、まあ一千万円とか非常に額が少ないように思われますが、これは何ですか、むろんこれは貸し付け資金でありますから、生活保護とは違うわけでありますが、これと通常の生活保護との関係はどういうふうになっておりましょうか。ほんとうに事業をすることができない者は、この資金を借りた上にまた生活保護法の適用を受けるか、あるいは受けないかという点でありますが。

岡部秀一沖繩・北方対策庁長官

○政府委員(岡部秀一君) 生活保護を受けている者でも受けていない者でも、この資金の恩典を受けることができます。

松下正寿民社党

○松下正寿君 何ぶんにももう老人等で働けない者があるのじゃないかということが心配でありますから、その点をお聞きしたわけでありますが、いまのお答えでやや安心したわけであります。  ところで、このうちで大きな項目で、計画的に見て一番おもなものであるかと思われるこの漁業のほうでありますが、先刻もちょっとお話に出ましたが、今回総額としてはだいぶふえたわけでありますが、この貸し付けの額ですね、これは先刻ちょっと御説明もありましたが、ちょっと私記憶が悪いので、頭へはっきり入りませんでしたが、もう一度貸し付けのワクといいましょうか、どのくらいになっておりますか、もう一度ちょっとお答え願いたいんでございますが。

岡部秀一沖繩・北方対策庁長官

○政府委員(岡部秀一君) 漁船の建造は、現行の限度の百万円が、三倍の三百万円になる予定でございます。それから農畜産林業用の機具購入が、二十万円が百万円、それから商工設備資金が百万円が二百万円、それから修学資金、これはそのほかの資金を借りても重複して借りることができる修学資金ですが、これは高校が年額二万四千円が三万六千円に予定いたしております。それから大学が年額四万八千円が十二万円、住宅新築では五十万円が百五十万円というふうに予定をいたしております。

松下正寿民社党

○松下正寿君 この漁船というものは、大体どのくらいの金がかかるんでございますか、これは大きさによると思いますが、大ざっぱに見て何トンぐらいのものはどのくらいかということですが、これは私知らないからお伺いするわけでありますけれども、ちょっとお教え願いたいと思います。

岡部秀一沖繩・北方対策庁長官

○政府委員(岡部秀一君) 五トン程度で三百万円というふうなところらしいようです。私も全然知りませんが、大体そんなところだそうです。

松下正寿民社党

○松下正寿君 そうしますというと、結局五トン程度の船きり全額——ほかに財産でもあれば別ですが、そうでなければそれ以上の船はつくれないと、こういうことになるわけでございましょうか、その点ちょっと。

岡部秀一沖繩・北方対策庁長官

○政府委員(岡部秀一君) まあ五トンが三百万円というところですが、大体この制度は、大きな大企業的なものじゃなくて、そういう小さな零細的な人たちが営むのに必要な資金を供給するというところでございますので、そういうところに重点を置いております。

松下正寿民社党

○松下正寿君 大体まあそんなものでやむを得ないんじゃないかと思いますが、私は一番前の話にかえりまして、やはりいままでいわば墳墓の地として北方領土で非常な活躍をしたわけでありますから、それが北海道なりあるいはその他の地方へいわば自分の意思に反して追っ払われたわけで、しかもこの墳墓の地であるところの北方領土がいつ返るか、いまのところはちょっと見当がつかない、こういういわば悲観的な状態でありますから、まあ五トンぐらいの船を一つつくるだけの金を貸してやればこれで十分だというふうなことも一つの考え方であると思いますが、やはりもうちょっと優遇してやって、将来、いつまでも零細企業だけでなくして、もうちょっと事業を拡大していくというような、こういう希望も持たしてやるような、そういう措置も講じてやるべきじゃないかと思いますが、そういう点、先刻長官からもやや抽象的ですけれども、いろいろ考えるということをおっしゃっていただいて、非常にその点希望を持ってお伺いしたわけでありますが、もう一度そういう点についての長官の御意見を伺いたいと思います。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) もともと旧居住者、旧漁業権者の方々は沿岸漁業の方々でありますから、まあ五トンと申しましても、沿岸漁業としては近代的な船ができると思います。しかし、それよりか協業やその他統合等によって、より有利な近代的な操業をしたいという御希望等、いまのところはそういう希望をさばけないで困るということは聞いておりませんが、一般の政策金融、すなわち農林漁業資金の中の漁船建造資金等は、これは当然その条件が整っておる人は受けられるわけであります。したがって、その政策金融のワク以外に旧島民、旧漁業権者であるというだけのことで、この政策の別途の配慮の中でそういうものを見なければならない需要があるのかどうか、これらは現地の実際の需要というものをよく耳を傾けて検討しまして、必要ならば、法人資金等のワク等もございますから、場合によってはそういう方向に前進したほうがいいのかもしれないというふうに考えます。

松下正寿民社党

○松下正寿君 私の質問をこれで終わります。

長谷川仁自由民主党

○委員長(長谷川仁君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

長谷川仁自由民主党

○委員長(長谷川仁君) 御異議ないものと認めます。  それでは、これより討論に入ります。——ほかに御意見もなければ討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

長谷川仁自由民主党

○委員長(長谷川仁君) 御異議ないものと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  北方領土問題対策協会法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

長谷川仁自由民主党

○委員長(長谷川仁君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

長谷川仁自由民主党

○委員長(長谷川仁君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。     —————————————

長谷川仁自由民主党

○委員長(長谷川仁君) 次に、  地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、沖繩総合事務局の事務所の設置に関し承認を求めるの件  地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、労働基準監督署及び公共職業安定所の設置に関し承認を求めるの件  地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、食糧事務所の設置に関し承認を求めるの件  地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、工業品検査所及び繊維製品検査所の出張所の設備に関し承認を求めるの件  以上四件を再び一括議題とし、これより質疑に入ります。質疑のある方は、順次御発言を願います。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 山中長官が間もなく退席をされるようでございますので、最初に一問だけ長官にお尋ねしておきたいと思います。  暮れの二十六日の本委員会で私どもの同僚の松井議員が、いわゆる請求権の補償問題につきまして、防衛庁だけが調査をするということについては非常に問題があるので、総理府がちゃんとして責任を持ってやるべきじゃないかと、こういう質問に対しまして、佐藤総理は、政府でもいろいろこの点はずいぶん苦心をしたところであるけれども、言われておる点もわかるので、窓口とすれば総理府が適当ではないだろうか、総理府がとにかくそういう問題の全責任を持つ、そして、具体的処置については、それぞれの担当者が当たると考えていかがなものでしょうかというような答弁をしておられるわけでございますけれども、さらに、ことしの四月五日の参議院の予算委員会では、高橋福岡防衛施設局長の暴言問題と関連をいたしまして、再びこの件でただしましたところ、総理は、「沖繩だけ本土と別な機関でやる」のはどうだろうかというように、前回の答弁と若干ニュアンスの異なる答弁をしておられる。しかしながら、と言ってその場合においても、「特別な措置を講ずるようにいたしますが、」、いまだ「時日がありますから、その間において適切な処置をとることにいたしたい」、こういう答弁をされておるのでありますが、それからは時間も相当経過をしておりますし、しかも十五日というのが目前に迫っておるわけでございますので、そこでお尋ねしたいことは、その特別な措置というものはどのような措置を講ぜられようとお考えになっているのか。もし政令等を考慮しておられるとするならば、その政令等の中身について、おおよそについてまずお聞かせ願いたいと、こう思います。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) 総理の答弁が昨年とことしの予算委員会でやや変わったような感触を与えたかもしれませんが、これはやはり総理も昨年の沖繩国会の質問を受けた瞬間は、確かにそうだという気持ちで、常識的にいわゆる窓口的な立場ということを言われたと思うのですが、その後、講和前、講和後、あるいはその他もろもろの、基地公害まで含めた駐留米軍というものとの一切の関係は、法令もすべて防衛施設庁で持っていて処理をしておるという事実を知って、そのような答弁をされたことになったわけでありますけれども、しかし、その後またいろいろ相談をいたしまして、現在の防衛施設庁の所掌する法令では範疇外であると思われる問題、すなわち講和前よりもまださらに、日本が降伏いたしました八月十五日以前の沖繩においてミニッツ布告の出ました以降、まだ本土は戦っている、祖国は戦っているが、沖繩は戦闘は敗者として、敗戦の立場において終結をした。その間において、講和前人身被害等のことはその間だけなかったとは考えられない。この問題も私はこれは深刻に調査し、実態を把握し、処理しなければならぬことだと思います。これは沖繩にのみ見られる旧日本領土、純然たる日本領土の中で起こった現象として無視できませんし、さらに最近は日本民族の中で軍という立場と一般の地区住民という立場に相違があったとは言え、考えられない民族の中における殺戮の事実等も明らかになってまいりました。これらの問題は、私たち日本民族のみずからをさばく問題として面をそむけてならない問題であると考えます。したがって、その後、総理と相談をいたしまして、やはり基準法令等が防衛施設庁にあるにしても、やはり沖繩開発庁というものを国会の承認を得てつくってもらう以上は、沖繩について全部の責任をまず沖繩開発庁が果たすべきである。その意味において、ただいま申し上げましたようなことも踏まえて、政令の中にきっちり書いておこうということにいたしました。  ただいまからその政令を申し上げますが、松井君が本来は質問をする予定でございまして、その用意を、間に合わせるために進めたわけでありますけれども、時間が足りなくなって当席では宮之原委員と松井委員と両方にお答えするつもりで御説明をいたします。  幾つもありますけれども、関連のところだけ申し上げます。法附則第三条第一項の政令で定めるもので、幾つかありますが、ただいまの問題に関連をいたすものとして全部一応その条項だけ読みますと、「通貨等切替対策特別交付金の支給、戦時における公簿及び公図の焼失、地形の変容等にかかる土地の位置及び筆界に関する資料の収集その他の調査、」これはいろいろ議論のありましたいわゆる沖繩の特殊な土地の最終境界確定の問題で、やはり総理府が一義的にこれも責任を持とうということの意味であります。「小学校の用地で設置者が他からの借用により充当しているもののうち、当該借用が当該小学校に対応する国民学校の用地がアメリカ合衆国の軍隊に接収されたことに基づいて行なわれたものである場合の当該借用に係る用地の購入の促進その他」、この「その他」からがただいま申し上げましたことに対応する文章であります。「その他沖繩の復帰前にその事由が発生し、沖繩の復帰の際に未解決となっている事項であって沖繩の復帰に伴い解決を要するもの(他の行政機関の所掌に属するものを除く。)」、こうなるわけであります。もう一ぺん読みます。「その他沖繩の復帰前にその事由が発生し、沖繩の復帰の際に未解決となっている事項であって沖繩の復帰に伴い解決を要するもの」、このことの中に、今日まで議論されてまいりましたものを明確に沖繩開発庁が所管する事務として政令で決定をいたします。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 ありがとうございました。では山中長官に対する質問はこれで終わります。   〔委員長退席、理事丸茂重貞君着席〕  引き続きまして、提示されました案件を中心にいたしまして、まず労働大臣にお尋ねをいたしたいと思います。  ただいま沖繩の現地では、十五日を目の前にいたしまして、ある種の疑惑と不安の中で大きくゆれ動いておるということ、これは否定できない事実だと思います。その疑惑というのは、ベトナム戦争激化に伴うところの基地の現状、特に最近新聞等で報道されておりますところの、那覇空港におきますP3、UC45の居すわりの問題とか核の問題、さらには軍用地復元の補償の肩がわり問題等々と、返還協定そのものに対するところのやはり疑念というものがあるのであります。また、不安というのは、通貨不安、失業不安、物価高不安等が一番端的に指摘をされるわけでありますが、私がこの際お聞きいたしたいのは、この失業不安、通貨不安と関連をしてわき起こっていますところの労働行政にかかわる問題についてでございます。  まず、私がここでお聞ききいたしたいのは、政府の沖繩に対するところの労働行政と申しますか、労働政策と申しますか、その基本的な考え方を総括的にお伺いをいたしたいと思います。たとえば、やはり労働行政、労働施策の面で、沖繩に対して一番そのポイントとして考えられておるものは何なのか、一体その対策はどういうような方向で対策をされようとお考えになっておるのか、その概要をまずお尋ね申し上げたいと思います。

塚原俊郎自由民主党労働大臣

○国務大臣(塚原俊郎君) 復帰を前にいたしまして、いま宮之原委員御指摘のような不安その他があることは、私もよく存じております。しかし、私の所管事項の労働省関係で申し上げるならば、基本的には本土における労働政策と同じものが沖繩にも適用されることは、これは言うを待ちません。もちろん、その間向こうの布令等におきまして、いわゆる沖繩型というか、本土よりも有利な面が二、三——これはすでに御承知のことと思いまするが、こういうものは、一時の混乱を避けるために、約一年間はそのままにして、その後、労使間の話し合い等によって、本土と同じような措置をとるというのが基本的な考え方でありまするが、もとはやはり根本的には本土と同じ労働政策をとる考えであります。  そこで、問題となる不安の一つ、基地経済がほとんど中心をなしておった沖繩において、いよいよ本土に復帰になる、基地の縮小等によって生ずる仕事の不安、さらにはまた、沖繩の今日の現状から見て、産業構造その他から見て、失業問題に対する不安と、これは私はよく存じておるつもりであります。私も、かつて総務長官をやりまして、その実情等についてもたいへん心配しておった一人てありまするので、今後のそういう失業というような気の毒な状況にある方に対しましては、これは万全の措置をとらなければならない、これが私の基本的な考えであります。  では、これは一体どういうようにしてやるか、過般御審議を願っておりました沖繩振興開発特別措置法というものに基づきまして、まず求職手帳というものを発行いたします。発給いたします。就職促進手当、訓練手当等の各種手当を支給するなど、こういう面では特に手厚い就職援護措置を講ずる、こういう考えであります。それから、駐留軍労務者、これはまた沖繩の一つの大きな問題になっておりますし、この代表の方々とストの最中にも私はたびたびお目にかかりまして、その実情も伺っておりまするが、これらの方々に対しましても、本土の法令に基づきまして、本土と同じような不安を起こさないような万全の措置をとる考えであります。  詳しい数字等による今日の状況をもし必要であるならば、政府委員をして答弁をさせます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 具体的にさらに聞いてみたいと思いますが、私もいま労働大臣から答弁がありましたように、いわゆる沖繩の労働問題の一つの大きな問題は、基地の問題にかかわる問題と失業問題だと思うのでありますが、御承知のように、いま沖繩では復帰失業ということばに代弁をされますように、この失業の問題というものはきわめて私は大きな問題であるし、これにどう血の通った手だてをするかということはきわめて大事であると、こう思うのでありますが、いま大臣から、その中におきまして、いわゆる駐留軍労務者の問題についておおよそ触れられたわけでございますけれども、御承知のように、沖繩の米軍基地への依存者は、沖繩の全就業者の九%に当たるところの約三万七千人だと、こう言われていますし、いわゆる間接的な依存者まで含めますと、全就業者の四人に一人は軍関係への依存の者であると言われておりますだけに、単に私は駐留軍の労働者に対するという問題だけじゃなくして、今日まで基地に依存をしておったところの人々が、言うならば、この基地の縮小云々に伴うところのいろいろなもの、そういう点について、もう少し私は具体的にお聞きいたしたいのでありますが、まず一つは、この直接被害をこうむるところの基地軍労働者ですね。いわゆる従来の直接雇用から間接雇用へ移るとか、あるいは人員整理の中でやめなければならないところの数というのは一体幾らなのか。  それと同時に、それに対して本土並みにしたいという抽象的なお答えでございましたけれども、もう少しその中身をはっきりお答え願いたい。特に転職の紹介の問題とか、あるいは職業指導等の問題について具体的なお答えを願いたいと思います。

塚原俊郎自由民主党労働大臣

○国務大臣(塚原俊郎君) 数につきましては、後ほど政府委員から答弁させまするが、御承知のように、本土の駐留軍関係離職者等臨時措置法というものがございますることは御承知のとおりと思いまするが、これをまず適用いたしまして、そしてこの適用を円滑に進めることにより、その再就職に万全を期さなければならない、駐留軍の労務者に関しましては。それからその他やはり失業の不安、それから雇用関係の不安、こういう方があることは、私は当然だと思っております。こういうような雇用対策の円滑な推進をはかるためには、職業安定行政の機能の充実、これは職員の増員も行なわなければなりません。それから雇用促進事業団の支部をつくらなければなりません。それから就職援護センターというものがございまするが、これの活用によりまして、そして万全を期していきたい。  これでもなお抽象的とおっしゃられるかもしれませんが、いまのところはこういう方法で、御心配のないような万全の措置をとる考えであります。  数につきましては、私、間違うといけませんので、政府委員をして答弁させます。

中原晁労働省職業安定局審議官

○政府委員(中原晁君) 先生お尋ねの沖繩復帰に伴う失業あるいは離職の見込みその他の具体的な内容でございますが、大筋は先ほどから大臣から申し上げたようなことでございますが、まず、駐留軍関係の従業員につきましては、これは先ほど先生からも数字のお話がございましたけれども、これは駐留軍関係臨時措置法が復帰と同時に沖繩にも適用されますので、これで万全の備えがなされるわけでございまして、特に問題になりますのは、先生御指摘のように、それ以外の者というようなことになるかと思いますが、昨年の暮れに成立いたしました沖繩振興開発法によりまして、それ以外の者につきましては、先ほど大臣から御説明ありましたように求職手帳、沖繩の特別の求職手帳というものを発給いたしまして、その駐留軍の法律の適用を受ける人に劣らない手厚い援護措置を講ずるということが法律並びにそれに基づく政令で規定されたわけでございまして、具体的な内容といたしましては、特に制度的な改廃に伴うところの失業者、離職者、これがまず一番問題になるかと思うわけでございまして、先生も御指摘のように、たとえばたばこ製造あるいは製塩——塩の関係でございます、それから通関、車検というようなもの。大体たばこ、塩等の例につきましては、本土におきましては、申すまでもなく専売でございまして、いまの琉球政府では民営でやっておりますものが、これが切りかわっていく……。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 ちょっと、私が聞いておるのは、そこまでじゃなくて、駐留軍関係あるいは軍関係の、いわゆる軍と直接、間接に関係あるところの失業者の数を大体どれぐらいに押えられておるか、あるいは駐留軍関係ではどうなのか、ここをお聞きしておるのですから、あまりよそに広げないでください、それはまたおいおい聞きますから。

中原晁労働省職業安定局審議官

○政府委員(中原晁君) 軍関係の在籍者につきましては、現在約二万六千名ということでございまして、そのほかにいわゆる広義の軍関係ということで、軍人軍属等の雇用者とか軍関係の請負業従事者というものもございますけれども、そういう者を除きまして、約二万六千名が在籍でございます。このうち四十七年度についてどのぐらいの離職が出るかという点につきましては、これは必ずしも予断を許しませんけれども、私どもとしてはこの関係では約千名程度の離職者というものが考えられるのではないかと思います。そのほかに、いままでの沖繩の軍関係の法律の適用になっております方々を、引き続き復帰後もお世話しなければならぬということになりますので、こういう方方を含めますると、そういう関係で約五千名近くの離職者というものが見込まれるのではないかと思います。それからその他の点につきましては、また先ほど申しましたように、制度的改廃に伴う失業者、それから経済的な保護措置の廃止等に伴う失業者、それから基地の縮小等に伴う失業者のうち駐留軍の離職者の法律の適用を受けない者でございますが、こういう者がございまして、この数字も判明いたしておりますけれども、必要によりまして後ほど御説明いたしたいと思います。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 いまの説明によりますと、いわゆる直接軍関係者は大体四十七年度は千名程度なんだと、また間接的ないわゆる軍関係者は約四千名ぐらいだと推定をされる、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。

中原晁労働省職業安定局審議官

○政府委員(中原晁君) 駐留軍関係の離職として千名程度ということでございますが、あと四千名程度と申し上げましたのは、その他の分でございませんので、いままでの、現におられる方が、すでに復帰前に離職しておられる方が復帰後も引き続きお世話を申し上げるというような数字で、それを合わせまして約五千名弱ということでございまして、それ以外の制度的改廃その他の者は数字はいま申し上げたものとは全然別でございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 じゃあ、合わせて五千名程度の問題についてはこれは万全の措置をやっておるんだと、こういうお答えだと理解しておいてよろしゅうございますか。

中原晁労働省職業安定局審議官

○政府委員(中原晁君) 五千名のうち千名はこれから離職者として出るということを見込んでおるわけでございますが、現在はもちろん琉球政府ということで、施政権はございませんけれども、日本政府としましても、労働省としましても、いろいろ先ほど大臣が申し上げましたような、就職援護センターというものを去年の暮れに那覇につくりまして、そういう方のお世話をするというようなことも含めまして、できるだけの就職援護につきましては、ごあっせんその他お世話している、こういうことでございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 次に移りますが、またこの琉球政府の調べによりますと、復帰によってたちどころに失業するところの人々が大体千二百人から千三百人だと推定をしておりまするが、私はその実数ははるかに多いのではないかと思いますが、特にこの中で、従来民間の手で行なわれておったところの自動車車検、通関事務は、今回は国に移管をされる。また、先ほどちょっと答弁しかかっておったところのたばこ会社、製塩業者は公社になるようでございますが、それらの従来の従業員はみんな国家公務員とか、あるいは公社員に自動的になるものだと理解をしていいのか。それともその中からは相当な転廃業者が出る。したがって、そういう転廃業者に対しては適切な指導というものがなされておるかどうかですね、そこらあたりの問題を私お聞きいたしたいのでございますが、私の知る限りでは、たばこ会社の三社、約六百人だとこういわれていますね、これが公社からもすでに補償金をもらって閉鎖をしておる。そうして退職希望者は会社が平均、勤続十年で百三十万前後の退職金を支払う。残留希望者の約二百二十名はそのまま公社職員に残るというふうに聞いておるわけでございますが、いわゆるこれは事実と間違いないのかどうかですね。いま一つは、十年で百三十万円というのは、私は額はいささか少ないんじゃないだろうかと、こう思いますが、そこらあたりに対するところのまずその数字の問題と、先ほど申し上げましたところの点についてお聞かせ願いたいと思うのです。  なお、ちょっとまとめて申し上げましょう。先ほど私の指摘したところのたばこ会社のほうは、例はきわめていいほうで、通関関係の会社ですね、まあ現在三十社で三百十二人前後だとこう言われていますが、その八〇%前後は転廃業の見通しだけれども、これらの人々には全然それに対するところの当てがなくて、非常な不安におののいておるというのが私は実際じゃないだろうかと見ておるわけでありますが、一体これらに対してどのように政府としては処置をされておるのかどうか、その点をひとつ明確にお聞かせ願いたいと思います。

中原晁労働省職業安定局審議官

○政府委員(中原晁君) 駐留軍離職者以外の、いわゆる沖繩求職手帳関係の離職問題でございますが、先ほどちょっと先に申し上げてしまいましたけれども、大きく分けますと、制度的改廃に伴う失業者、これが現在約一千百名程度——数がしょっちゅう動きますが、大体千百名程度ということで、いま先生がおっしゃったような、たとえばたばこの関係が約六百名余り、それから塩の関係が約百名弱と、それから通関の関係が先生のおっしゃった数字のとおりでございます、約三百名余り、それから車検の関係が約七十名というようなことで、約千百名弱おると思いますけれども、こういうような方々につきましては、たばこの公社への切りかえにつきましては、この退職金その他の政策につきましては大蔵省所管でございますので、私のほうからその政策につきましては直接お答えする立場にはございませんけれども、いずれにしましても、公社に引き継がれる方以外の方につきましては、希望者の方は公社に引き継がれたようでございますが、それ以外の方につきましては、これが離職者として出てくるということで、こういう方につきましては沖繩の求職手帳を渡して特別な手厚い援護措置を講ずる。それから塩、通関、車検等につきましても、本土に復帰いたしますと、これが制度的にがらっと変わりますので、かなりの離職者の方が予想されるわけでございまして、これらにつきましては、現在この千百名のうち何名の方が離職者として出てくるかという点につきましては、私ども数字がないことはないわけでございますが、一応これにつきましては何名という見込みがなかなかむずかしい点もございますので、私どもとしてはここではちょっと数字を申し上げるのは差し控えたいと思いますが、いずれにしましてもこういう方は、すぐ出てくる方、あるいはおいおい出てくる方も含めまして、この千百名の方は少し長い目で見ますれば、そういう基盤がなくなってしまうわけでございますので、お世話をしなければならない。それから、これは後に出てくるのかと思いますけれども、輸入の禁止制限等がございますが、こういうものの廃止に伴いまして、王冠、製袋——袋の関係でございます、あるいは輸入制限の禁止によりまして出てくる、あるいは物品税の廃止によりまして木製家具、印刷製本というようなことで、経済的な保護措置の廃止等に伴いまして離職者の方が出てくると、こういう関係の産業には何人ぐらいいま従事しておるかと申しますると、これも取り方はなかなかむずかしいわけでございますが、おおむね私どもとしては四千名程度の方がそういう産業等に従業しておりまして、これが特別な輸入禁止制限措置等が撤廃されますと、かなり離職者としてあらわれるのではないかということで、その四千名の方のうち、すぐに何名程度あらわれるかという点につきましては、いろいろ見込みもございますので、これも何名ということはいまは差し控えさしていただきたいと思いますが、そういう関係がかなり出てくる。  それからさらに、基地の縮小等に伴いまして、これは一般の駐留軍労務者以外に、たとえば、軍人軍属等の雇っておりますところのメイド、ボーイでございますとか、あるいは軍関係の請負業者の従事者、あるいは基地の中で働いております花屋さんとか、その他の特免業の従事者等々の方、これがいま約二万六千八百名程度の方がおられますが、こういう方々も、おいおい離職者としてあらわれる面が出てくるというようなことでございまして、そういう駐留軍関係以外に、いま申し上げましたような方が、早かれおそかれ離職者としてあらわれてくる面がある。これにつきましては、先ほど申しましたとおり、万全の措置を講じて、手帳を渡して、職業のあっせん、職業の訓練その他措置をとってまいりたい、こういうことであります。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 いわゆる一般企業にかかわるところの転廃業による失業者、その数がどうかとか、それに対するところの手だての問題については、おそらくそれは今後の課題なんですね。それはいろいろ推計の余地があるし、あるいは今後こうしようという答弁で事足りると思うのですがね。ただしかし、私がお聞しておるところの通関関係者あるいは車検関係者等、明確に国の事務に移っていく、この人々は、これは離職することはもう当然明確になっておるわけなんですよ。それをただ、今後お世話しなければならないと思います、ということだけでは、私はこれは許されぬと思うのですよ。十五日までといったら、もうすぐでしょう。もう少しやはり具体的な処置をこの人々に——おそらくまあそれぞれの方々に対しては、これはたばこ関係は明確に、離職する者と切りかえられる者ときまっていますけれども、少なくともこれらの、さっき指摘したどころの人々というものは、もう行く先というものは、あるいはどうするかということはきまっておるはずなんです。それを一般の企業のいろいろな人々を込みにして、今後手帳を渡してこうしたいと思います、では私は済まされぬと思う。もう少し具体的な、はっきりしておるところの事実なんですから、これに対してはどうしておる、こういうふうな答弁を聞きたいのですが、どうなんですか。それとも、将来の問題にこの際しちゃうのですか。

中原晁労働省職業安定局審議官

○政府委員(中原晁君) その三つのうち、特に先生御指摘の、制度的改廃に伴いまして出るたばこ、製塩、通関、車検、これにつきましては、先ほど申しましたとおり、千百名ぐらいの方が従事しておられるわけでございますが、各事業主管省というのがございまして、先ほど私、説明不十分で申しわけございませんでしたけれども、たとえば、たばこ、塩等につきましては大蔵省というようなことで、その大蔵省、運輸省、その他の事業主管省がございまして、たばこの離職者の問題につきましても、退職金の問題、あるいはどうやって公社に引き継ぐかということは、第一義的には大蔵省が主体になりましてお世話をする。それにつきまして労働省のほうからも、ともかくこのような復帰の前後に、たとえ出るような場合であっても、一ぺんにどっと出ることは非常に職業安定所あるいはわれわれの職業訓練所、そういうことにおいて困るのでそういう点の万全なあれをとってくれということで、こちらのほうとしてもいろいろ申し合わせはしておりますけれども、一義的には幾ら退職金を出すか、その他のことにつきましては事業主管省の大蔵省等でやっておるわけでございまして、たばこの場合は、先ほど先生御説のようなことで進んでおるわけでございますが、その他の点につきましても、各主管省におきまして、なるべく離職の場合には万全のそういう退職金、その他の措置がとられる、あるいは出る場合にも一ぺんに出ないで、そういう職業あっせんの計画的な遂行にマッチするようにやってもらうというようなことで、こちらのほうとしては申し入れておるわけでございます。現にこういう問題につきましては、現在は琉球政府でございますが、琉球政府のほうとしましては、そういう現地の問題のあるところに職員が出向きまして、いろいろ離職相談あるいは職業訓練の相談、そういうことを行なっておりまして、そのために就職援護センターというものも昨年の暮れに雇用促進事業団の施設としてつくりまして、そういう点の計画的のお世話をするための一環としてすでに発足しておるわけでございます。そういうことでございまして、私どものほうとしましては、ほかの一般的な経済的な面における離職者もございますが、この制度的改廃に伴う、こういうことにつきましては、特に直接的な制度改廃に伴う離職でございますので、先生御指摘のような点も含めまして、万全の相談を行ないまして、一人も再就職できないようなことはないようにいたしたいと思います。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 きわめて私は不満なんですがね、もうあす、あさっての話ですよ、これは。しかもこれは通関、車検、製塩業関係者というのは、もうはっきりこれは国なり公社に移るということはわかっておる。どうなっておるか、どうするかということは、もう私はいまの時限でわかって、それに対するところの手が打たれておらなければならぬと思う。ただ、いまの御答弁では、これは事業主管省がやっておるので、労働省としては助言程度なんだと、こういうことで御答弁をされておりますけれども、これ、離職をした、どうだということになれば、いずれはこの承認案件になっているところの安定所の問題になってくるでしょう、仕事に。そうなれば私はいまの時限で大体通関関係者はどれぐらいがいわゆる転廃業になるのだとか、あるいは車検の関係はどうなんだという、したがって、こういう数の人々にはこれだけの手だてをしておるのだという答えが返ってこないことにはあまりにも私は官庁のなわ張りの中で、それは私どものあれじゃありませんという形で過ぎられたのでは、いわゆる沖繩の心を心としてあたたかく迎えようということは口頭禅になっているとしか思えぬですね。ほんとうに御苦労さんというなら、そういうところに行き届いた手だてをしてこそ私はみんなが喜ぶところの復帰というものが実現するんじゃないかと思うのですよ、一つの具体的な生活実態の面から見ても。したがって、もしお答えあれば願いたいのだけれども、答えられなければ、私はやはりこれは早急に手だてしてもらわなければ困ると思うのですが、その点大臣いかがなんですか。

塚原俊郎自由民主党労働大臣

○国務大臣(塚原俊郎君) いまの審議官の答弁がセクショナリズムととられたら私はまことに遺憾だと思います。労働省といたしましては、先ほど御説明いたしました基本的な考えを中心として、そうして、御心配になっている方々をお救いしなければならぬという立場で万全の対策を講じておるわけでありまするが、それぞれの所管省との連絡があるいは不十分であるならば、私自身いま何名がどうなって、何名がどうなるということを事実存じ上げておりません。しかし、もうすぐ目の前にあるのですから、なわ張りにとらわれることなく、もう復帰と同時にこういう方々が失職という、職を失って非常に困るという事態のないような措置は、いまからでもおそくはございませんし、関係各省との連携をさらに緊密にいたしまして、万全の処置をとることをはっきりここで申し上げます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 一般企業、民間の事例ならば、これは私は若干やむを得ない面もあると思いますけれども、いま私が指摘申し上げておる点は、これは明確にわかってもらわなきゃ困ることなんで、大臣のいまからでも早急に各省間の連携を密にする中で、十五日と同時に、これらの問題については処置ができるようにする、こういうおことばですから、それを私信頼をして、これ以上はやめますけれども、ひとつここでの答弁だけで終わらせることなく実際にやっていただきたい。このことを強く申し上げておきたいと思います。  なお、それと関連をいたしまして、この製塩業者のいわゆる補償額というのも、これは労働省の所管じゃないでしょうけれども、きわめて低いということで非常に不満があるのですよね。いわゆるトン当たり二万一千円の一年分という補償金だと、こう言われていますけれども、最近の現地におけるところの物価の値上がり、あるいは円の通貨切りかえというような問題等から非常にこの額については少ない、不満だ、こういう声が関係業者に非常に強いのです。したがって、この点も私は、単にこれは大蔵省の所管なんだからということじゃなくして、もっともっとひとつ手厚い親心と申しますか、その気持ちの通ずるようなことをやるような形での労働者側からのいろんな面での手だて、手助けを私はしていただきたいということもあわせてこの際、要望しておきたいと思います。  もう一つ、いまこのようにずっと当たってまいりますと、制度の改廃あるいは駐留軍関係での、基地関係での離職者、あるいは後ほど触れますところの一般民間企業、そういうものとも関連すると相当数の私は離職者、転廃業者というものが出てくるものだと見られるわけです。そうした場合に、ここに出されておりますところのいわゆる職業安定所の数、これだけで一体十分なんだろうかどうだろうか、特にこの職員数等を見まして、たとえば手元に参議院の社会労働委員会調査室からの参考資料といたしまして、類似県との大体比較が出ておるんです。たとえば類似県として島根、徳島、高知、佐賀、宮崎等をあげながら、沖繩の地方庁、安定所の職員の数などが出ておるし、職業安定所の数が出ておるんですけれども、私はこの類似県という関連からも、この並べ方では私は不十分になるのじゃないだろうかと思うのですよ。少なくとも、後にはそれはある程度平等化するかもしれないけれども、特にこの復帰に伴うところのいろんな事態の中では、一時的には相当数のやはり安定所の世話を願わなければならないところの人々が出てくると思う。特にこれは後ほど触れるわけでございますけれども、今後の沖繩の経済開発をどうするかという青写真の問題とも関連をしますけれども、これに対するところの十分の手だてをしなければ、いわゆる政府が考えているところの現在の九十何万の、沖繩県の人口百何十万にしてどうだという、いわゆるプランは、これは口頭禅になって、いわゆる他の県と同じような過疎現象を私は招くことにもなりかねない。いうならば、過疎現象を招かないというためにも、いわゆる転廃業者に対するところの行き届いたところの安定所の仕事ということが私は重要になってくる。そういうような面から見れば、個所は去ることながら、ここに配置するところの職員の数というものは、私は類似県とこう並べてみて、大体これでいいんだということでは、これは当座の間は非常に私は問題を起こし、混乱を起こすのじゃないか、行き届かないのじゃないだろうかという感じがするのですがね、その点はどういう手だてなりを講じようとお考えになっていますか、お聞かせ願いたいと思う。

中原晁労働省職業安定局審議官

○政府委員(中原晁君) 先生御指摘の、先ほどのような離職問題に対処すべき安定所の数あるいはその職員の規模という点でございますが、先生御指摘のように、ほかの類似県等と比べていろいろ考えておるわけでございますが、確かに安定所の五カ所ということでございまして、今回個所数はふやさなかったわけでございますが、沖繩には分室が八カ所ございまして、これは引き続きこの分室を活用してやっていくということで、ほかの県に比べると、この分室というのは非常に多いわけでございます。職員はその分室におきましてほんのわずか、一名ないし二名ということで、不十分ではございますが、ほかの県にない多数の分室を設けまして、先島等の関係もございますので、いろいろやっておるわけでございます。  それから職員の数につきましては、復帰前が全体で職業安定課、失業保険課を含めまして百六十名でございましたが、これを八名増員しまして百六十八名、特に職業安定課、失業保険課では法令事務等をやっておる職員がございまして、これが本土に返ってまいりますると、要らなくなりますので、そういう職員を第一線の職業安定課に振りかえまして、そのふやした八名のほかに十名を振りかえまして、安定所の第一線の職員は合計十八名増員していく、こういう体制になっております。これで私ども必ずしも十分とは思っておりませんが、何とかこの数でこの離職問題をやっていきたい。それからそういうことにあわせまして、そういう安定所に応援体制という意味で、先ほど申し上げましたけれども、雇用促進事業団の就職援護センター、これはほかの県にはない組織でございますが、これを昨年の暮れにつくりまして、四名の所長と相談員を置きまして、安定所に応援するような体制をつくったわけでございます。また、復帰と同時に雇用促進事業団の支部も特につくりまして、各種の住宅問題その他の手当の支給の問題等につきまして万全を期してまいりたいと、かように存じておる次第であります。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 時間がありませんのではしょりますが、次にお尋ねしたい点は、いわゆるさっき申し上げたところの失業不安ということと別に、いま通貨不安という一つの状況が生じておるわけでございまして、特にその中におきますところの中小関係の労働者、なかんずく未組織労働者が非常にやはりこの問題について不安を感じておる。組織労働者の場合は、この組織的な運動である程度この面もまた前進しておる。したがって、この通貨不安におののいているところの未組織労働者だとか、一般の労働者の賃金の切りかえの問題についてどう配慮してやるかということも、私は労働行政にとってはきわめて大事なことだと思う。この件では確かに四月十四日のこの開発金融公庫法案に伴うところの附帯決議の面である程度のめどというものを出されておるという点は若干の評価をしますけれども、実際の面ではこれは完全な保障になっておらないというところに、現地の一般未組織労働者の中にはきわめて不安があるのですね。したがって、やはりこの点について私は行き届いた手だてということを労働行政の中でもう少し積極的にやるべきでないだろうかと考えておるわけでありますが、その点について、もしやっておられることがあるならばお聞かせを願いたい。  同時に、そのことと関連をいたしまして、いま現地の経営者の中にはこういう一つの風潮があるのですよ。いわゆる附帯決議に基づくところの資金返済をしなければならぬ、今後、借りたならば。そのために何とかして早く返却をしなければならぬということ等もからんで、その上に労働基準法が不なれだということを口実に、最低保障であるべきところの労基法自体が無視をされる、踏みにじられるという傾向が現地でだいぶ出ておる。これはおそらくここに出てまいりますところの監督署が出てくれば、それは監督署の仕事になるわけなんですけれども、しかし、こういう風潮に対して監督署を設置したからこれで十分でしょうということでは、私はこれは不十分じゃないかと思う。むしろつくったからこと足りるということじゃなくて、それまでの手だてということこそ私は大事じゃないだろうかと思うんですが、そういう面に対するところの労働行政当局の面での手だてというものを具体的に講じられているならば、それをお聞かせ願いたいと思います。

塚原俊郎自由民主党労働大臣

○国務大臣(塚原俊郎君) 労働基準法になじまないというようなお話でありまするが、現在の沖繩の労働基準法と本土におけるものはほとんど同じであります。したがって、復帰いたしますれば労働基準監督署、労働基準局、それからまた労働基準監督官、こういうものも本土と同じように配置されるわけでありますが、本土においても問題になっておりまするように、一体いまの数でどれだけの事業所がどれだけ見られるのだと、極端なことを言えば何年に一回しかないじゃないかという御批判をよくちょうだいするわけであります。やはり沖繩においてもそういったことがあると思う。ことにいま御指摘のように、何かなれてない、なじんでないというようなことがもしあるとするならば、これはたいへんなことでありまするし、われわれが機動性を発揮するというか、これは増員も考えなきゃならない。場所はともかくとして、労働基準監督官は沖繩ではなじまないという面や、今後の問題等もあって、増員もこの次には考えなければならないという気持ちは持っておりますが、いずれにいたしましても、先ほどの通貨不安の問題、その他からくるいろいろな不安というものもあることは私もよくわかりまするので、労働省としてなし得ることはじゃ一体何があるかといえば、やはり労使双方の話し合いというもの、そのためのコンセンサスを得る努力、それから行政指導、これがいまのわれわれのなし得るいわゆる限度でありまするからして、その面におきましては労働基準監督署というものを中心とし、監督官を中心として、なじまない面があったらこれを是正していく。また、基準法違反のようなことで妙なことが行なわれることのないように行政指導、これは十分やってまいるつもりであります。通貨その他に関しましては山中君、総理府、それから大蔵省等でも過般の措置がとられたのでありまするが、今後民間の産業におきましても、いまのような御指摘の不安が起きないような行政指導は十分いたしてまいる考えであります。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 いままで具体的な手だての問題についていろいろお聞きをいたしたわけでありますが、まあ、こうしたい、あるいはこういう法律があるからだいじょうぶなんだと、こういう域を出ないようでございますけれども、私はもっと積極的な手だてということをこの際労働省やっていただきたいということを強く要望申し上げると同時に、いわゆる失業不安に対するところの手だての問題で、いままでは私はわりに消極的な面から申し上げたわけでありますが、一番大事なことは、手順をどうやる、こうやるということじゃなくて、いかにして沖繩の事態において雇用の増大をはかるかということだと思うんです。これがはかられさえすればそういう手だては要らないわけなんです。したがって、そうなりますと一体今後の沖繩開発計画はどうなるかという問題が出てまいりまして、これは労働省の所管でないと、こういうかっこうになって、これは労働大臣から直接お聞きすることは無理かと思いますけれども、いわゆる国務大臣としての立場から、いわゆる沖繩の現地においての雇用を拡大させるためには沖繩の経済開発という方向性についてこうなけりゃならないとか、こういう点が大事だという点があれば、私はお聞かせ願いたいと思うんです。

塚原俊郎自由民主党労働大臣

○国務大臣(塚原俊郎君) 所管外に触れる問題も出てまいりましたが、国務大臣として私が申し上げるならば、実は四十二年でありまするか、沖繩復帰に伴いまして沖繩はどうあるべきかという、沖繩の経済発展についての塚原ビジョンというものも当時発表いたしたわけでございます。それに基づいてひとつ計画どおり進んでいただきたいという申し送りも次の所管大臣にも申し上げておいたようなことであります。  重工業をどうする、軽工業をどうする、これもどうも困難であろう。しからば畜産、観光、サトウキビとパインアップルだけではどうにもならない。こういうこまかいことを申し上げておると時間をとりますから、私としてはそれは省略いたしますが、何しろあの当時九十七万、いまは百万に近いでしょう。その方々が、基地経済というものがあるいは六〇%ともいわれ、七〇%ともいわれ、それでその基地というものが縮小をされ、それがもしなくなった場合に、基地経済に依存していた沖繩の方々がどうやって生活することができるかということは、これは重大問題であったわけであります。私も第三次産業の、たとえば観光とか、畜産だけではたしてそれがしのげるものかどうか、これにも大きな疑問を持っておる。しからば重工業、軽工業はどの程度までがやれるかというようなことも研究いたしましたけれども、その後なかなかそういう問題についても私の考えるとおりにいかないような面が多々あるようであります。私としても関係各省とも御相談いたしまするが、やはり九十七万ないし百万の方が安心して過ごせる、明るい職場で働ける沖繩というものをつくるための努力を、それこそまたしたいという希望だけだと言われるかもしれませんが、これはそういうものにタッチした一人として、より以上強い願望と、また実現というものを考えながら、今後この問題に取り組んでまいる考えでございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 国務大臣としての御答弁を聞いたわけですが、塚原さんは前は総理府総務長官もやっておられたわけですから、ひとつその経験を十二分に生かしていただきまして、側面的にやはり沖繩の皆さんの雇用をいかにして増大をするか、拡大をするかという面からも、今後の閣内におけるところの御努力をお願い申し上げたいと思うんですが、ただ私はやはりこの問題と関連をいたしまして現在不安に思っておるのは、たとえば琉球政府から発表されましたところの長期経済開発計画のビジョン、青写真を見ましたり、あるいは新全総に基づくところの開発計画だという経済企画庁のものの考え方などを見て、青写真と実際に今度は沖繩で進んでおるところの傾向というものを見ますと、相当な隔たりがあるということは、これは否定できない事実なんです。第二次産業を相当重視をするのだといいながら、現実の面としては第三次産業主導型の発展という、開発というものを進められる。一体これでどれだけの雇用の拡大になるのだろうかというような面で、私は一つの疑問を持つわけでありますが、それはさておいて、たとえば、政府自体で海洋博とか、あるいは沖繩国体といわれるところの国体関係の公共事業を計画をされている。あるいは道路、ダム、そういう面でも公共事業という面を相当積極的に興す予算措置をされておるわけでありますが、こういう面から実際的に雇用の拡大というところの面を見てみた場合に、一体これがどの程度に実際に雇用の拡大というものに役立っていくのか、私どもの推定されるものはどの程度なんだということで、大体の見通しがあればその点をまずお聞かせを願いたいと思うのですが、いかがなものですか。

塚原俊郎自由民主党労働大臣

○国務大臣(塚原俊郎君) 明年の国体、五十年の海洋博、もちろんこれは沖繩の一つの明るさを取り戻すものであることは疑いません。しかしそれはあくまでも暫定的なものでありまして、やはり基本は沖繩振興開発法、これを中心としていまいろいろ御批判はありまするが、私は雇用の面でも労働政策の面でも万全を期していかなければならない。足らざる点があれば、またそのおりに触れまして新しい立法措置が必要ならばこれもやりまするが、当分は私は振興開発法によって、それに基づいてやっていってみたい。またそれで御批判の点も少なくなるのではなかろうか、こういうふうに考えております。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 振興開発計画と、こう言いますけれども、これは予算の若干の裏づけがあっても、形式的に言えば新しい知事がきまって、それからその案が提示をされて、政府がそれによって開発庁できめていくということになるから、相当これはおくれざるを得ないのですよ。しかし、現実の問題として、海洋博とかあるいは沖繩国体とかあるいは道路、ダム云々という面では、具体的に私は十五日以降は実際の仕事がされていくと思う。そういう面から見た場合の実際の雇用の拡大ということを、一体どれくらいの規模におかれてこういう問題を期待されておるのかということを私は聞きたい、そこが。それでお尋ねしておるんですよ。

中原晁労働省職業安定局審議官

○政府委員(中原晁君) 先ほど申し上げましたように、来年度の国体、あるいは五十年度の海洋博というようなことが近くあるわけでございますが、たとえば四十七年度の沖繩公共事業につきましては約二百九十億円というものを見込みまして、これにつきまして何名ぐらいこれに吸収されるかという点につきましては、これはいろいろ推計もございますけれども、ここではちょっと人数の点までは申し上げられませんけれども、二百九十億の沖繩関係の公共事業関係費、こういうものを中心といたしまして、長期的には沖繩振興開発法に基づきまして振興開発をやっていく。しかし、それまでの間にじゃんじゃん離職者が出るのではないかと、こういう御指摘でございますが、こういう公共事業、これにつきましては振興開発法によりまして、こういう公共事業には所要数の失業者の吸収義務もあるわけでございます。そういうことで、あわせまして職業紹介、職業あっせんを総合的にやることによりまして、長期的な雇用拡大ができるまでの間、先ほど申し上げましたような離職者が出た場合に、こういう公共事業その他の事業に雇用の吸収をはかっていく。なお、本土からもこれは求人が相当あるわけでございまして、毎年一万名程度が学卒その他も含めまして本土に来ているかと思いますが、私どもとしましては、やはり長期的には沖繩の雇用開発、雇用機会の増大ということで、沖繩の雇用機会を増大すべきものと考えますけれども、過渡的には、そういう本土の求人ということもやはり本人の希望と適性という前提に基づきまして活用しまして、また、これが、沖繩のほうが長期計画でもって雇用の場がふえたという場合には、本土でもって技術を覚えていただいて帰っていただくということもあわせ行ないまして、現在の沖繩の労働力が一時的には離職いたしましても、これが長期的には円滑に吸収されて、内容のいい雇用に吸収されていくというふうに努力いたしたいと思っておるわけでございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 時間がきたようでありますから、そろそろ質問をやめますが、労働省に全般的な見通し、おおよその見通しというものを聞きたくていま質問申し上げたのですけれども、まだ明確な見通しに立ったお答えがないのは若干無理からぬ点もあると思いますが……。  それで建設省の道路局長がおいででしたらお聞きしたいのですが、先般、一般国道の路線がきまって、いわゆる道路の面について積極的な公共事業を興そうという意欲で、沖繩のほうは予算面でも相当の措置をしていると思いますが、いわゆる道路とか——あるいはダムまで聞くのは無理でありますが、道路の面から見たいわゆる公共事業の面の雇用の拡大というものについてのおおよその展望等がありましたら、まずその点をお聞かせを願っておきたいと思うのですが。

高橋国一郎労働省婦人少年局長

○政府委員(高橋国一郎君) 沖繩におきます昭和四十七年度の公共事業費のうち、建設省の所管のものは百七十九億円になっております。したがいまして、この金額は沖繩の四十六年度の予算のおよそ約倍になっておりますので、そういう面から申しまして、ただいまの雇用者は約倍の雇用者が出るんじゃないかと思われます。どの程度かわれわれは詳しく積算したわけじゃございませんが、九州におきます例をもとにいたしまして積算いたしてみますと、百万円当たり雇用者が何人かという積算があるわけでございますが、そういうふうにして積算してみますというと、約一年間に延べ百三十万人、一日にいたしますというと約五千四百人ぐらいの労務者を雇用することになるのじゃないかと思われます。

丸茂重貞自由民主党

○理事(丸茂重貞君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

丸茂重貞自由民主党

○理事(丸茂重貞君) 速記を起こして。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 まあ雇用の面で大体倍ぐらいになるのじゃないかと、こういう見通しでありますが、その点で実際にこのせっかくの公共事業、そういう面が積極的な雇用拡大の政策、事業につながっていくような形で私は今後各省ともやってもらいたいと思うのでありますが、関連して一問だけお聞きしておきたいことは、その一般国道の路線の問題と関連してでございますけれども、例の国頭村から那覇に至るところの五十八号線の問題ですね、この問題については、先般、予算委員会の分科会でもお聞きいたしましたし、また、建設大臣にも直接いろいろお会いしてお話を聞いたわけで、いわゆる道路法の五条の第一項あたりに根拠を置いてやっておるのですね。その点は私も理解するわけでありますが、それならばもう鹿児島と沖繩の問を一応道路とみなすという解釈なんですね、この解釈の基本はね。私は、沖繩の一般国道が数多くなっていくというのはけっこうなことなんです。その点だけにおいてはいいんでありますが、鹿児島——沖繩間を一般道路とみなすとするならば、その中にありますところのいわゆる奄美大島、これは御承知のように、建設省で直接所管しているところの一般主要道路もありますし、重要港湾もあるわけでありますので、これらの問題については、五十八号線と常識的に考えればその間につながっているわけなんですからね。いわゆる海上国道的なやはりものの理解というものがあってしかるべきだとさえ思うわけなんです。これは一応審議会の審議が終わったんだということになれば、今後この問題については建設省としてはどういうようなことをお考えになっておられるか、その点だけを最後にお聞かせ願いたいと思います。

高橋国一郎労働省婦人少年局長

○政府委員(高橋国一郎君) 沖繩の国道の指定が間近に迫っておりまして、すでに審議会の議を経ておるわけでございますが、これは先生御指摘のように、国道五十八号線というものが沖繩の北から南、那覇市まで、南北に縦貫するわけでございますが、この国道を指定するにあたりまして、奄美大島を通過すべきではないかというかねてからの先生の御主張でございますが、これは先般も御答弁いたしましたように、また、昨日大臣が明確に御答弁したと存じますが、今回は沖繩の国道指定のみに限りまして、その他の部分については全く触れないというのが原則になっております。したがいまして、次の国道の指定の機会がございますれば、まず第一優先に選考されるべきであろうというふうに考えております。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 私は、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、食糧事務所の設置に関し承認を求めるの件についてのみ質問をいたしたいと思います。  初めにお伺いするわけでありますが、食糧事務所を設置することについてもちろん異議があるわけでもないし、当然のことだと思うわけでありますが、ただ、今回の食糧事務所の設置については、過般の沖繩復帰に伴う特別措置法等によって、従来の事務所の設置とその態様を異にしておるわけであります。でありますから、農林省設置法に基づく食糧事務所としての所掌事務の内容等についても一部の変更があるような感じもいたします。同時にまた、食管法が求めておりますところの需給の調整、価格の調整、そういった求めておる機能によく対応し得るのかどうか、むしろそういう点について実は懸念を持つわけでありまして、そういう意味でひとつ私は問題を提起をしてみたいと思います。  初めに食糧庁長官にお伺いをするわけでありますが、沖繩の米麦を中心とする食糧の実態、これは生産あるいは需給の状況、それから流通の状態等について知り得るところをひとつお答えをいただきたいと思います。

亀長友義食糧庁長官

○政府委員(亀長友義君) 沖繩の米麦の需給事情を簡単に申し上げますと、米につきましての生産、これは約一万トンでございまして、そのうち約三割、三千トン程度が販売用に流通をする。あとは自家保有米である。全体の需要は九万トンから十万トンぐらいございまして、従来はそれを外国からの輸入にたよっておったわけでございます。もちろん近年日本が輸出もいたしておりまして、逐次日本の輸出をふやしてアメリカからの輸入は減ってきておりますが、今後はこの島産米で足りない分は全部内地から補給をする、そういう考えでございます。  なお米の統制の形態は農協、島産米につきまして、いわゆる販売に回される三、四千トンのものは従来農協が扱って販売をいたしておりまして、生産者価格と買い入れ価格との差額は沖繩政府から補給を受けておる。この沖繩政府の補給の財源は、内国米から取った課徴金によってまかなわれておりました。それが従来の実態でございまして、その点につきましては、今後は特例法にございますとおり、日本政府が沖繩の農協に不足払いをする。農協が生産者価格で買って安く市価で売る、こういうことに相なるわけでございます。なお従来の輸入米はほとんどなくなるわけでございまして、日本の米を持っていくわけでございますが、その際に日本政府が売ります価格は、大体現在の消費者価格を基準に販売マージンを引いて売るということになるわけでございますが、沖繩の販売組織は従来とも自由でございまして、卸、小売り、だれでも米が売れるというような式に相なっております。実際上卸は政府の輸入指定商というものが実際上の卸でございまして、今回もその輸入指定商が今度は日本政府から払い下げを受ける相手方というふうな形で卸になるわけでございますが、そこから先は自由取引ということになっております。ただ、日本にも先月まで物統令がございましたが、沖繩には末端価格の統制がございまして、この点につきましても従来の価格を踏襲をして、五年間だけは末端価格統制を従来の経緯を尊重してやるという特例法になっていることは御承知のとおりでございます。  なお麦につきましては、いわゆる大麦、裸麦につきましてはほとんど生産がございません。従来消費が少しございますが、これは内地からの輸出にたよっておるわけでございます。もちろん麦の管理は全くの自由でございます。  小麦につきましては、原麦で四万トン程度の消費があるようでございまして、これは従来アメリカから輸入をいたしまして、沖繩の製粉会社が粉にしておるということでございます。今後は日本政府が日本の内地の場合と同様に、外国から一元的に買い付けて、沖繩へ沖繩の分を配送をする、こういうことに相なります。現地において製粉会社に払い下げる。麦の管理は日本においても、沖繩においてももちろん自由になっておる。  これが大体需給関係と米麦管理の概況でございます。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 そこで、国内では農産物検査法という法律があるわけでありますが、今度はそれはどうなるのですか。

亀長友義食糧庁長官

○政府委員(亀長友義君) 農産物検査法は原則として適用することにいたしておりますけれども、米麦につきましては、麦はほとんど事実上生産はございませんが、米につきましては、従来農協が検査をいたしまして、農協が島産米を管理して売っておったという事実を今後も踏襲をするという法律に相なっておりますので、検査につきましても、農協の検査を受けるということがあれば、農産物検査法の検査を受けなくてもよいということにいたしております。しかし、農産物検査法で米麦以外のものがございまして、そういうものについては農産物検査法を適用することにいたしております。もちろんこれは米麦の管理の形態が農協管理という形が変わりますればまた別でございましょうが、当面、農協管理というたてまえから、これは農産物検査法からは除外をする、こういうことにいたしております。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 その問題について若干いろいろ論議してみたいと思うのですが、まず米麦以外の検査を要する農産物、これは沖繩産……流通する量、そういうものは何が予想できるわけですか。

亀長友義食糧庁長官

○政府委員(亀長友義君) 御承知のように、農産物検査法自体が米麦以外のものは任意検査、希望による検査と、そういう法律に内地ではもちろんそうなっておりますので、沖繩で生産をして農家が検査を希望するもの、自然にこれはかなり広範に市場に流通するものということに相なるわけでございますが、実際上はほとんど自家用のもので、米麦以外のもので任意検査を受けにくるようなものは、形式的には適用いたしておりますけれども、実際上はあまりあるまいという判断を持っております。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 現地で今日まで習慣とされておりましたそれをそのまま適用してもらいたいというそういう意向が強いことは私も承知はいたしております。  そこでひとつ、これはいろいろな角度でものを考えてみなくちゃならないと思うので、まあ質問といたしましても非常にむずかしいかっこうになるわけでありますが、まあこれは検査をしなさいと、法律があるんだからと、こう言いたい。それはつまり沖繩の——麦はあまり生産をされておらない。しかし、米の生産、これについては品質の改良も必要であろうし、それから品質の改良即これは原種の改良と、こういうことにも当然なるわけでありますが、その必要性がある。同時に、現在はとにかく内地米と比較するならば、非常に品質が悪いものが生産されている。であるから、これを内地の規格と同じ基準で検査をされては困るんだと、こういうような意見も出てこようと思うのですが、そういう意味で沖繩農協が検査する従来の方法によって検査されたものをそのまま認めろと、こういうような言い方であろうかと思うのでありますが、その品質を改善するということと関連をさせて、いつまでそれでは今回とられた措置というものが継続されるのかという問題なんですよ。まあ検査してもらいたくないということばかりじゃこれは実は困るんじゃないかと思うのですね。品質を向上させるという、そういう意味からするならば。同時にまた、内地産の、本土産の米穀と規格を同じくして、同じく扱い得るように将来はもっていく必要性もあるわけでありますから、そういうことを考えてみると、単にそういう措置を今回とられたからそれでよかろうということばかりは言えないような気もするわけです。その辺のところはどう考えていますか。

亀長友義食糧庁長官

○政府委員(亀長友義君) まあ私どもは現在の沖繩の現況からいたしまして、やはり農協の管理、同時に農協による自主検査、農協職員による格づけ、これも合格と不合格というような分類になっているようでありますが、そういう形での流通がやはり現在少なくとも沖繩では定着をしている。また復帰後も、先ほど申し上げましたように、管理制度についても農協の不足払いという従来の沖繩の方式を踏襲する。こういうことからいたしまして、農産物検査法で本土の規格をすぐ適用するといってもかえって流通上混乱を生ずるというふうな観点で現在のような方針をとっておるわけでございます。もちろんこれはたてまえとして当分の間ということも法律で規定をいたしておりますので、ただ当分の間がいつまでかということに結局御質問の御趣旨が相なるかと思いますけれども、私どもとしては、沖繩の品質改良、もちろんきわめて重要なことだと思いますけれども、早急になかなか実現するということもむずかしいのではないかということもございますし、農協の管理という体制が続いている間は、やはりこの自主検査ということでよいのではないかと思っております。それで農協の買い入れ自体も、これは恒久的と必ずしも考えておりませんので、沖繩のいろいろな生産事情、流通事情が内地と全く同じような程度になってくれば、もちろんそういうことは必要ないわけでございますが、当分の間、そういう沖繩の不足払いの農協管理が続いている間は、いまの検査制度のほうがかえって実態に合うのではないか、かように考えております。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 まあその問題はいいでしょう。とにかくそれでは品質の改良がいつ実現するかということを問われても、なかなか答えはでにくいと思いますので、それはその程度にしておきたいと思います。  そこで、もう一つ問題があるわけでありますが、農協に自主検査をそのまま認めたと、こういうことでありますが、実は、その政令に、この措置は政令にゆだねられてこれは実施をされるということを聞いております。その政令は実はまだよく私は見ておりません。きのう若干その原案らしきものを拝見したわけでありますけれども、まあそれはそれとして、それをずいぶんと詰めて考えてみますると、どうしてもやはり農家が自主的に直売をするという問題ですね、他人に売り渡たす前には検査をしなくてはならぬという、そういう項目があるわけでありますが、その関係とどういうこれは関係を生ずるのか、その辺のところの理解がなかなかいかないわけでありますが、御説明をいただきたいと思います。

亀長友義食糧庁長官

○政府委員(亀長友義君) ちょっと御質問の趣旨がわかりかねるのでございますが、政令で農協の検査の規格をきめるというようになっておりますが、その政令の中に、農家は売る場合には農協の検査を受けなければならないというふうな強制的な規定があるのじゃないかという御質問でしょうか。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 まあそういうことですね。つまり、農協の自主検査を政令によってこれは認めたわけでしょう。そうして農産物検査法に基づく検査を省略をしているわけです、実際はね。それはまあ農協が自主検査した分については、まあそれはよかろうけれども、しかし農家が直売をする、直接に小売り屋等に販売をする、ないし個人に販売をするという問題、まあこれは何といいますか、法律論というよりも、実態がどうであろうかということになると、なかなかそういう論議も出にくいものもあろうかと思うわけだけれども、しかしその辺のところはどうであろうと、こういう問題ですね。

亀長友義食糧庁長官

○政府委員(亀長友義君) 現在の制度は、農協が自主販売をするために農協の検査を受けると、そういう場合に農検法は適用を除外すると、こうなっておりまして、自分は農協へ出さない、自分で売るのだという場合には、本来の農検法の検査を受けなければならぬ、こういうことに法律上なるわけでございます。同時に、農協の自主検査を受けた場合に限って政府の不足払いの助成が認められる。農協の検査を受けなければならぬというのは、そういう意味で助成の条件でもある。同時に、農検法の適用除外を受ける条件でもございますので、そこへ出さなければ助成は受けられないと、しかし、農検法の本来の国営検査を受けなければならぬと、こういう構成にいたしているわけでございます。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 そうしますと、結局生産農家が直接他人に譲り渡すという場合、これはまあ農検法の適用になるのだという理解、そういうことでよろしわけですね。

亀長友義食糧庁長官

○政府委員(亀長友義君) はい。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 非常にこれは私も推測も、それから実態としてもどうであろうかということで、なかなか把握しにくい問題でありますが、資料によると、食糧事務所、これは二十名で発足をさせるということですね。そうしてそれはまあ事務所一カ所であって、支所であるとか出張所は設置しないのだと、こういうことのようです。そこで、つまりいま検査の問題、ちょっとややこしい質問をいたしましたが、食糧事務所の職員が検査をするということになるわけですね、実際は。そうしますと、それは確かにまあ不足払いという制度もあるから、生産農家が販売をする場合に、それは農協にきり売らないんだよと、こう考えられるけれども、しかしそれは固定したものではない。固定したものではないとすれば、つまり将来、まあ大体八年間くらいの間にこれは本土との価格差というものは縮小されていく。まあ本土の場合を見ると、これは直売をしている人もだいぶいるわけですね。そういうことを考えてみると、まあいまは確かに四千トンであろうかもしれないけれども、しかし品質の改良もされる、あるいは生産量も高まっていくという想定を前提として考えた場合に、実際に食糧事務所の職員が検査をするという、たとえば石垣島あるいはその他の離島に行って検査をするというような、そういう想定というものが一体できるのかどうかという問題と、この二十名ではたしてこの検査までもやるというような、つまり食糧事務所の所掌を完全に遂行することができるのかどうかという点について若干懸念をしておるわけなんですが、その点のところはどうですか。

亀長友義食糧庁長官

○政府委員(亀長友義君) いま先生の御指摘のような事態は、もちろん想定できないわけではございません。ただ現状から見ますと、ほとんどが農協の管理でございますし、農協の管理を受けて初めて不足払いがもらえるという背景もございますので、実際問題として農協へ出さないで自分で売るというのはそうないのじゃないかと、それから同時に、沖繩の米が沖繩県外で流通するとは、まずその米の内容からいいましても運賃等からいいましても考えられません。そこで私ども、二十名というと非常に少ないようでございますけれども、食糧事務所の職員に農検法の検査を求めるという事態はまずなかろうと私ども想定をいたして、いま二十名でとりあえず発足をいたしておりますので、もちろんこれは事態の変化に応じて毎年度また再検討をいたしまして、必要に応じた人員はまた条件に応じて配置をしていく。とりあえず二十名でいまの状態ならばまかなえるであろう、かような判断で二十名にいたしておるわけでございます。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 次に、この沖繩産の生産者米価、それからあと消費者米価、これは消費者ということになると、もちろん本土から移送したものについても当然とられる措置だろうと思うのでありますが、これはまあほぼ特別措置法によって定められておるように思いますが、まあだめ押しのつもりで一、二お伺いをしてみたいと思うのでありますが、まあ生産者米価は稲作振興法、沖繩立法、これの復帰時における価格が基礎になる、こう実は書いてあるわけですね。で、それからまあ、つまり内地の生産者価格の価格変動を参酌する、こういうふうに書かれておるわけだけれども、今後その参酌するということを具体的に表現をした場合はどうなるのだろう、こういう問題ですね。

亀長友義食糧庁長官

○政府委員(亀長友義君) 法律上の表現は、いま先生御指摘になりましたとおり、本土の状況をしんしゃくして決定をするということでございます。まあ、このしんしゃくのしかたにいろいろあるかと思いますけれども、私どもがいま頭に描いておりますのは、内地の米価の値上がりを率で反映をしたらどうか、そういうふうに運用をするということを頭に描いておるのでございます。もちろん参酌ということですから、必ずしもそれが唯一の方法ではないと思っておりますけれども、一応まあ同率でアップすると、そういうふうに考えております。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 この消費者価格の場合は、これはどうですか。

亀長友義食糧庁長官

○政府委員(亀長友義君) いまの参酌するという点につきましては、同じように考えております。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 ここでどうも、なかなか、まあ純粋な理論としては、私自身もはてどうかなという考えもないわけじゃございません。これを前提として申し上げるわけでありますが、その大まかなことはわかりましたが、沖繩の生産者価格、これは本土と比較するならば安いですね。それと、消費者価格も非常にこれは安い。そこで生産者からはもっと高くしなさいという意見は、これは当然出てくるし、それから消費者からはもっと安くしなさいという意見が出てくる。そこで申し上げるわけでありますが、まあ率でいろいろと、今後積み上げ積み下げされるようでありますけれども、本土は円、沖繩はドルですね。切りかえ時にはこの実勢価格でやるのか、まあどういう切りかえの方法を考えておるのかしりませんが、現在のドル価格を、それを円に換算をしてというのが常識的だろうと、こう思いますし、その場合に三百六十円でやるのか、あるいは三百八円でやるのか、三百一、二円——実勢価格でやるのか、こういう問題があります。それはどういう措置をとられるのか、ちょっとお伺いします。

亀長友義食糧庁長官

○政府委員(亀長友義君) 御承知のように、特例法で復帰時の価格ということになっておりますので、これを一ドル三百八円で換算をすることにいたしております。生産者価格につきましても消費者価格につきましても同じように一ドル三百八円という、現在の日本国の外国為替基準相場で換算をして日本円で取り扱うということに今後は相なろうかと思いますが、ただ生産者米価につきましては、三百八円の換算とはいいますものの、実は一カ月くらいになりますか、前に、沖繩は生産者米価の引き上げ告示を出しておりまして、実質的に、その引き上げによりまして復帰時の価格を三百八円で換算をいたしましても、引き上げ前の価格を三百六十円で換算したのとほぼ同じ価格になるような引き上げを、沖繩政府がすでに行なっておりますので、生産者米価につきましては、実質的には三百八円でないということがまあ経済的には言い得るような状況になっております。  以上でございます。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 これは、委員会の席上いま長官がそういうふうな答弁をなさって、あとで問題になるのかならないのか、私は存じませんが、まあ前杖つかれまして、そういう印象を与える措置を沖繩でとったということを聞いたので、私の質問も幾らかにぶるわけでありますが、しかし、私は生産者米価は、これは三百六十円で切りかえなさい、消費者米価は三百八円で切りかえなさいと、   〔理事丸茂重貞君退席、委員長着席〕 こういうような、立論としては非常に困難な問題であるけれども、しかし生産者の意見は高くしてもらいたい、消費者はできるだけ安くしてもらいたい、この意見というのは、これは内地だってあるわけでありますから、そういう措置がとられるのかどうか、そういうことで意見を一つ申し上げてみたいと思ったわけでありますが、そうすると、それは生産者も消費者も三百八円で切りかえる、こういうことですね。——わかりました。  それから、これまた前回の沖繩国会におきましても若干触れたわけでありますが、まあ沖繩の消費者米価というのは確かに非常に安い、内地と比較いたしまして。そして逆流があるのじゃないか、こういう問題を提起いたしました。まあそういうことは実際上なかろうと思うけれども、適切な措置を講ずるというのが当時山中長官の答弁でもあったわけですが、それについて適切な措置ですね、なかろうと思うけれども万が一あると困るわけでありますから、その措置についてひとつ考えがありましたならばお伺いしたい。

亀長友義食糧庁長官

○政府委員(亀長友義君) 御指摘のように、内地の消費者価格と沖繩の消費者価格、政府売却価格に非常な差がございますので、還流防止ということをぜひともやらなきゃならぬということ、御指摘のとおりでございます。私どもとしましては、食管法第十一条の規定によりまして、沖繩県の区域からその他の都道府県の区域への米麦等の輸送の制限に関する省令を制定し、近く公布することとしております。

村田秀三日本社会党

○村田秀三君 わかりました。とにかくなかろうと思うのですけれども、もしもあるとするならば、まあ聞くところによりますると、沖繩の需給関係というのは掌握できるわけでありますから、とにかく内地米を輸送する場合にも一定の数量以上は輸送しない、こういうことであります。しかし、実際いまのように何らかの目をくぐって逆流してくるということであるならば、これは供給量が少なくなって、そして末端価格に相当に変動があるというようなことも想定できなくはないわけでありますから、その辺のところはその趣旨が徹底できるように、特段の措置を今後ともなさるようお願いをしたいと思います。まあ、いずれにいたしましても、とにかく食管法があり、そしてまた農産物検査法があり、いろいろな法律が国内にはあるにもかかわらず、沖繩におきましてはその一部が機能しないという状態の中で、いろいろと予測できない問題等も出てまいろうかと思うわけでありますから、その際には逐次適切な措置が常に講じられるようにお願いをいたしまして質問を終わります。大臣にはお出ましをいただきましたが、顔を見ていればいいわけでございまして、それではどうも……。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 それでは時間も大分たちましたので、まず食糧事務所の設置について、この問題についてお聞きしたいのですけれども、大体仕事の内容は本土の場合とはいまさっき幾分か違う、いわゆる生産者の米の買い入れの検査、そういうのは今回はやらない、そういうことでございますが、まあ大体日本におけるいわゆる食糧事務所と、それと今回設置される食糧事務所の内容の違いというものはどういう点だけが少なくなるのか、その点ちょっと御説明願いたい。

亀長友義食糧庁長官

○政府委員(亀長友義君) 内地の場合でございますと、まず米につきまして申し上げますと、米の買い入れという事務がございます。これは御承知のように、農家が農協あるいは指定された集荷業者を通じまして食糧検査員の検査を受けて政府の倉庫に入れるという手続がございますが、沖繩につきましては、先ほど申し上げましたように、島産米は農協が管理するということでございますので、食糧事務所は、現物的な事務処理というものは食糧事務所にはございません。  それからもう一つは農産物検査法でございますが、これは農産物検査法は政府の買い入れとは直接関係がない。これはおよそ市販するものはすべて検査を受けるということでございますから、たとえば米で申しますと、自主流通米も農産物の検査を受ける、あるいは内地でございますと、麦の検査がある。さらにその他のいろいろ任意検査の、希望検査のものが数十ございますが、そういうものが全然ございません。なお米の売却の面におきましては、沖繩食糧事務所は内地とほとんど同じでございまして、卸に政府の持っているものを売る。そこから先の現物の扱いは、卸からの扱いになりますから、売る面についてはあまり内地の事務所とは変わらない。それから麦について申し上げますと、沖繩では沖繩産の麦というものはほとんどございませんので、麦の買い入れというものはないわけでございます。外国の麦は日本政府から持っていったものを現地で製粉業者に払い下げるということでございまして、外麦に関しましては、内地の事務所とほとんど同じ機能を持っているということでございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 しかし一応五年、当分の間というのは五年というお話ですけれども、五年たてば大体食糧事務所も日本と同じようになる、大体そう考えていいわけですね。

亀長友義食糧庁長官

○政府委員(亀長友義君) 五年と申しますのは、これは沖繩の生産者米価、消費者米価を大体現状のまま据え置く、内地が上がればそれに伴って上げる、そういう生産者米価、消費者米価の据え置きという観念でございますが、そういうものの期間が五年というわけでございまして、あの特例法全体が必ずしも五年だというふうに限定をされているわけではございません。むしろあるいは五年より私は全体的な、特例法の全体の空気としては五年よりもむしろ長いのじゃないかというふうに考えています。ただそのときに本土と同じような制度に変えるのかどうかという問題がございますが、これはだいぶ先のことでございますので、私もあまりいま非常に先のことを予断を持って言うわけにもまいりませんけれども、沖繩の少なくとも農協不足払いという制度が変われば、食糧事務所というのもかなり検査の分野で、わずか三千トンでございますけれども、やはり検査員の充実ということもあり得るので、農協の不足払いの管理体制というものがなくなって、内地のような政府の直接管理体制になるのかどうか、内地がまた現在のような直接管理体制をそういう時点まで続けておるのかどうかということによって、内地と同じようになるのかどうかという点が変わってくるのだろうと思います。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 私はどうしてこういう質問をしたかといいますと、二十名で、しかも那覇だけにあって、特に八重山とか石垣とか、非常に島も離れているわけで、類似県のたとえば鹿児島県等の食糧要務所を見ましても、非常にメンバーの点において雲泥の差があるわけですね。もちろんいま言ったように、米の生産はまず一万トンくらいですから少ないのですけれども、消費は十万トンですからね。だから消費という面において見るならば、これは本土とは同じ条件ですよ。ただ生産が少ないから買い入れ業務、それを農協でやっている。そういう点の違いはあると思いますけれども、それにしても二十名である。鹿児島の場合はどうなんですか。鹿児島の場合、私、ちょっと調べましたら——この支所も十二カ所もあって、メンバーは大体何名くらいですか……、だから私は決して沖繩をふやせというのではない、二十名でいいんならなおけっこうなんですから、それならば、やはり本土における食糧事務所というのが、行政管理庁あたりからいつも人数が多過ぎる、そのように言われているのが、ますます真実だなあと、そのような感じがするのですけれども、その点どうなんですかね。

亀長友義食糧庁長官

○政府委員(亀長友義君) 食糧庁の職員が全部で二万六千人全国におりますけれども、そのうち約六割は検査員でございまして、あるいはもう少し多いかもしれません。検査員が大部分でございます。したがって、検査を国がやらない場合には、非常に人員的には軽減されるということでございまして、鹿児島県に支所がございますが、これも全部ほとんど検査のために存在をしているわけでございます。  それから、沖繩のやはり米麦の集散形態を考えてみますと、沖繩のいわゆる島々でとれるのは、いわゆる島産米だけでございまして、これを農協が管理するということになれば、食糧事務所が扱っておりますのは日本から持っていく米、あるいは外国から買ってくる小麦だけでございまして、これを那覇の港に入れて、そこで製粉業者も那覇市にある、卸業者も五社ほどあるようでございますが、それも全部那覇市にあるわけでございまして、食糧事務所は那覇市で日本から送った米や小麦を受け取ってそれを一定期間管理をして、那覇市にある卸と、それから製粉会社に売れば、一応食糧事務所の現業的な仕事としてはそれで済むわけでございます。もちろん食糧庁全体としてはいろんな米全般の消費とか、行政的な面もございますけれども、食糧事務所は、いわば現物管理の事務所でございまして、そういう観点から申しますと、沖繩の場合にはほとんどが那覇で少なくとも食糧事務所の現物業務は終わってしまうという状態でございますので、私どももまあ当面二十人でやってみようと、こういうことで発足をいたしておるわけでございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 まあそういうことはわかるんですが、二万六千名おって、六割が検査としても、四割としても一万人になるわけですから、そうすると、大体沖繩は人口は日本の本土の約一%ですよ、何でも一%なんだから。そうすると、一万人の一%というと百人ですかね。それでもやっぱりこっちは二十人、そういうわけで、私は決して沖繩をふやせとか、そういうことを言ってるんじゃないですけれども、やはりそういうこまかい点はわからないから、こういう数字の面だけでやっておるわけであって、これはどうなんですか、二十名というのはこれは沖繩の人を雇うんですか。

亀長友義食糧庁長官

○政府委員(亀長友義君) 最初に訂正をさしていただきますが、二万五千人おるうちで二万人が検査員だそうでありますから、約八割が検査員ということで訂正をいたしますが、二十名のうち、沖繩の従来琉球政府にいた職員を採用するのは十四名で、残余は従来の食糧庁の勤務者から配置転換をする、こういう考えでおります。  二十名が多いか少ないかという問題は御指摘のようにございますけれども、やはりこれは事務所でございますので、その仕事の内容に応じてやはりそこは私どもは人員もはじき出したと、人口は一%ですけれども、いわゆる事務的なボリュームということで、やはりこれは役人の数を算定をしたということでございます。もちろん、これは私ども二十人で発足をいたしますけれども、もしどうしてもそれが足りないということであれば——まあそういうことはないと思いますけれども、鹿児島の事務所から長期出張で応援をするとか、あるいは来年度の場合にはさらに他の事務所から増員をはかるとか、その辺は本年実施した結果を見て、実情に応じて今後判断をして対策を講じてまいりたいと考えます。

長谷川仁自由民主党

○委員長(長谷川仁君) ちょっと速記とめて。   〔速記中止〕

長谷川仁自由民主党

○委員長(長谷川仁君) 速記つけて。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 まあこの人員の点については、ひとつ農林大臣に要望しておきたいと思うんですが、食糧事務所の人員については、まあ私もあまり詳しいことわかりませんけれども、行政管理庁あたりはもっと合理化をしていけと、そういうようなお話でございますので、やはり本土等においてそういうむだがあればどんどん減らしていく、そうして沖繩なんかもっとふやして、いまさっきも沖繩に失業者が多いというんですから、あんまりまあ、これから一年、二年、三年、五年と将来ふえるならば、その分ぐらい早く採って、そうしていまから訓練をしていくとか、まあそういう点でこの内容についてもよくひとつ検討していただきたい、そのことを大臣に要望しておきます。これはもう答弁はよろしい。  それで、今度農林省設置法改正案で食糧事務所の業務等についても従来と変わった新しい業務をつける、そういうことを聞いているわけですが、そういうような点のどういう業務をつけるように考えているのか。そういうことになると、沖繩のいわゆる食糧事務所はどうなるんですか、そういう点は。

亀長友義食糧庁長官

○政府委員(亀長友義君) 今回の設置法改正案によりますと、食糧事務所で、従来の米麦あるいは任意検査でやっておりましたなたねとか、いろいろな品物のほかに野菜の生産出荷、特に指定産地等の出荷、これは検査規格ができればまたそういうものも検査をすることに改められると思いますが、沿革的に申しますと、いまの国営検査、食糧庁の検査というものができる前には県営、各県の検査所がございまして、その検査所では、かなり戦前になりますが、白菜であるとか、かなり野菜の出荷検査を行なっておりました。そういう歴史もございますし、いわゆるいまの流通合理化というような時代から、われわれとしては野菜対策にもできるだけの貢献をするということで、設置法案を提出をいたしているわけでございます。沖繩につきましては、現在のところ、沖繩県内の消費は別としまして、そう野菜の大規模な指定生産地というような制度が現在まだとられておりませんので、これはいずれ沖繩が本土化をしてくれば、そういう施策もあるいは出てくるんじゃないかと思います。もし沖繩につきましても検査員をそういう野菜出荷等に活用するということが必要であるという事態になってまいりますれば、沖繩県庁がやるか、あるいは食糧事務所も側面的にそういうことをやる必要があるということになれば、またその時期に応じて人員増加等も検討してまいりたいと、さように考えております。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 それで、いまちょっともとへ返りますけれども、いわゆる検査を、日本の検査のやり方と、沖繩のいわゆる農協による検査ですね、違いがあるわけですけれども、日本はそれをやるために二万人も人間が要るわけで、向こうは一人も要らぬわけですね。そういう点でどうなんですか、検査というのは、やはりどちらがいいんですか。食糧庁としては、やっぱり日本のやり方がいいのか。いいほうにやっぱり改善していったほうがいいので、そのあたりはどうなんですかね。

亀長友義食糧庁長官

○政府委員(亀長友義君) 沖繩の場合に、食糧事務所の検査官は検査をいたしませんけれども、農協の中にやはり農協の職員の検査官、検査担当者がおりまして、やはりこれはかなりの人数で検査をいたしているわけでございます。おそらく御質問の趣旨は、国でそういうものを検査をしたほうがいいのか、あるいは農協がやったほうがいいのかという問題でございましょう。まあこれは米麦というようなものについて国でやるべきか、あるいは民間の輸出検査ということの妥当性につきましては、まあ戦前から数回議論をされてまいりまして、戦争中なり戦後の食糧不足の時代に現在の国営検査というものができ上がったわけでございますけれども、いまの時点でどちらがいいかということは私はなかなか、同時にこれは需給事情とも関連がある問題だろうと思います。ただ、沖繩の場合に限定をして言いますならば、沖繩の低い島産米というのは他県へ流出するということはないわけでございまして、全くの沖繩内の消費である。とすれば、あまり国営検査であるというふうな、あるいは強制検査であるという、まあ拘束的な検査は必ずしも必要ないのではないか。県外へ流出する、あるいは他県と非常に往復する、都会へ搬出をすると、こういうような米とは、そういう面の流通規制というものはあまりしかく厳重にやる必要がないのではないかと、そういう意味で私は従来の沖繩の実態等も考えまして、従来の農協検査で十分やっていけるであろうと、かように考えておるわけでございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 それでわかりました。それはひとつ御検討いただきたいと思います。  それで、まあ先ほど、やはり食糧事務所が今後どうなるかという問題は、やはり沖繩の農業がどう変わるかという、野菜等についてもいまは指定産地もないかもしれない。けれどもまあ政府の考えているビジョンを、まだこれは新聞等で拝見しますと、高級野菜を空輸して、そういうことも考えているようでございますので、まあいずれにしてもそういう沖繩の将来農業はどうあるべきかと、やはり米はどうするか、あるいは畜産はどうするか、漁業どうするか、まあこういう点でございますがね、おそらくこれは農林省としても検討していると思うのですけれどもね。まあ衆議院における山中総務長官等の答弁を見ますと、非常に畜産も有望だと、二十万頭にすると、いまの三万頭あたりをですね。それからまた漁業も非常に、漁場の中に島があるのだからね。船さえ設備がよくなれば非常に漁業有望だと、そうしてまた、パインや砂糖のように、そういう亜熱帯の特性を生かした、日本ではできないそういう作物もできるのだし、そういう点を伸ばせば非常に有望だと、そういうようなお話で、私も確かに沖繩は、そういう地理、特性を生かした、そういう沖繩の農業の将来というものは、非常に希望に満ちたものでありたいし、そう思っているわけですけれども、大体農林省としては、そういうような総理府の考えている線と大体同じように考えているのか。これはあまりこまかいことは時間かかりますから、きょうはそれはやりませんけれども、そういう計画ができているのか。牛を二十万頭とかそういうような一つの目標、それに対してはやっぱり、このように現地における加工工場をつくらなければいかぬとか、そういうような計画はもうできて、そうしてもうことしの予算から始まっているのかどうか、その点どうなんですか。

中野和仁農林大臣官房長

○政府委員(中野和仁君) ただいまのお尋ね、大体基本的には御指摘のようなふうにわれわれ考えております。四十七年度の予算におきましても、農林省関係の予算といたしまして、農林水産業合わせまして百二十八億を計上しております。具体的な進め方といたしましては、今度振興計画が全体としてつくられるわけでございます。その中の重要な一部門といたしまして、農林水産業の計画を立てたいということでございます。正式のものといたしましては、これから計画が立つわけでございます。ただいま申し上げましたように、本年度の予算でもかなりの予算を盛っておりますので、その中には単年度のものよりも、もう少し先のことまでいろいろ考えた上での初年度ということになっておりますので、御指摘のように、振興計画が動き出しますれば、当然その中に織り込んで長期の計画を立てるということになります。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 このことにつきましては、ひとつ農林大臣にほんとうに沖繩の特性を生かした、本土にはまねることのできないそういうさまざまな条件があるわけですから、ほんとうにそういう条件を生かしたビジョンをつくって、そうして実施していただきたい、そのことを要望しておきます。  それで、またもとの食管問題に返りますが、いわゆる生産者米価それから消費者米価、それからいわゆる政府から、たとえば本土から輸入しますね。その米を業者に渡しますね。そういう売り渡し価格というものは、いままでの復帰前の価格をそのまま踏襲するということでございますが、これはどこがきめるんですか。これは稲作振興審議会というのがあって、これがいままではきめていたというように私承知しているわけですが、それがずっと続くのかどうかですね。日本政府がきめるのか、沖繩県がきめるのか、どこがきめるのですか。

亀長友義食糧庁長官

○政府委員(亀長友義君) 沖繩の消費者価格、沖繩は、日本では物統令みたいなものがいままでございましたので、五年間はそれを存置することにいたしておりますので、その価格は農林大臣がきめるということに相なります。これは法律上さように相なっております。もちろんその際に、沖繩県の意見を十分聞いてきめるということでございます。実際に政府が売る価格はどうしてきめるのかと申しますと、その末端価格から中間の取り扱い業者である卸、小売りの販売手数料を算定をして、その適正マージンを差し引いたものをもって政府売り渡し価格とするわけでございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 いま消費者価格は農林大臣がきめるわけでしょう。生産者価格は。

亀長友義食糧庁長官

○政府委員(亀長友義君) 生産者価格についても同様でございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 そうするとまあもちろん復帰時点、いわゆる五月十五日に復帰になれば、一九七二年の値段はそれでいくわけですね。しかし、来年はまた上がるわけですね、結局ほかの物価が上がるわけですから、当然。消費者物価はずっとこの数年一緒でございますが、生産者米価は毎年いままで上がってきておるわけですが、これはそうするとあれですか、農林大臣がきめる、いままで稲作振興審議会というのがあって、これがかなり生産者、消費者、学識経験者の代表十五名になって、そういうのが現地にあるわけで、私は非常にこれは生産者代表も入っておるし、日本の米価審議会等は生産者が入ってないというので、いろいろ農村でも言っているわけですけれども、非常にこういう点は進んでいると思うんですよね。むしろ日本政府はそういう点見習うべきじゃないかと思うんですが、そういういいやつをはずして、農林大臣が一方的にきめるという、そういうので沖繩の人は皆納得しているのですかね。

亀長友義食糧庁長官

○政府委員(亀長友義君) 従来の沖繩の稲作振興法は復帰と同時に失効することに相なっております。しかしながら、別に稲作振興法がなくなりましても、私どもは、沖繩の生産者米価、消費者米価につきまして不安がある、あるいは生産者の意見が取り入れられないというようなことはないと思っております。と申しますのは、内地の生産者米価がきまります、あるいは消費者米価がきまります——これは当然米価審議会の議を経て農林大臣が決定をするわけでございますが、それがきまりますと、沖繩の米価は法律上、機械的と申しますとあれでございますが、機械的にきまる。と申しますのは、生産者米価で申しますと、現在の沖繩の生産者米価を基準にして内地の生産者米価の動向をしんしゃくしてきめる。その「しんしゃく」と申し上げましたのは、私どもは当面、運用は同率アップというような観念で処理をしていこうということでございますので、日本の米価がかりに一%上がれば沖繩の米価も一%上がる、こういう仕組みに相なっておるわけでございまして、いわば法律の制度上五年間は据え置きということでございますけれども、内地が上がれば同率で上がっていくということでございますので、御指摘の心配はなかろうかと思います。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 そうすると、五年後には、あれでしょう、大体日本の生産者米価と沖繩の米価は一緒にするわけでしょう。食糧庁長官言われたように、一%、一%で、これは永遠に平行線であって、だから五年後にはたとえばその差が一〇%あればその一%プラス二%ずつ上げて、そして五年後にはやっぱり本土の生産者米価に近づけるように、そういう意味の機械的にやると、そういうことでしょう、結局。

亀長友義食糧庁長官

○政府委員(亀長友義君) 五年間は同率アップでございますので、両者の開きは全然近寄らないわけでございます。両方が開いたまま、片一方が上がれば片一方も上がっていく、こういうことになるわけでございますから、開きは五年間は縮まらないわけでございます。要するに、五年間は本土と沖繩との米価の相対関係は一定比率で保つという観念でいまの法律ができ上がっておるわけでございます。ただ、御指摘のように、将来は内地と生産者米価も消費者米価も同じにするんだというたてまえで法律ができておりまして、それは五年間たったあとの話でございます。あとの話を私どもはさや寄せ期間と俗称いたしておりますが、五年たった後にさや寄せの年数というのがまたあって、その間にさや寄せをしていくということでございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 そうすると五年間はいまの差を保つ。それは消費者米価についても同じと。それで五年たったら、あと百年かあるいは二年かわからぬけれども、そのあと漸時近づけられる、そういうように判断していいわけですね。

亀長友義食糧庁長官

○政府委員(亀長友義君) はい。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 それで、生産者米価についてはいままでずっと沖繩においてはドルで値段がきまっているわけですね。その換算においては三百八円だけれども、生産者米価については三百六十円で換算したのと同じ値段になるように価格を上げると言いましたね、さっき村田委員に対する答弁で。それは一体それじゃきまったんですか。それは農林大臣がきめるんでしょうか。

亀長友義食糧庁長官

○政府委員(亀長友義君) 現在の特例法は、復帰時の生産者米価を基準とするということになっておりますから、復帰時の価格を公定レートの三百八円で私どもは換算をするということにしておるわけでございます。ただ、現実の問題といたしましては、沖繩は二期作でございます。一期作の米価と二期作の米価がございまして、二期作の米価はつい一カ月ほど前に決定をしたようであります。その二期作の米価の水準を考えてみますと、大体それは一期作の米価を三百六十円で換算をしたぐらいの額になっておる。これは私どもの権限でございませんので、復帰前でございますから、琉球政府の権限において決定をされたわけでございます。ただ、決定をされました以上、私どもは五月十五日の復帰時の米価を基準にするわけでございますから、改定された米価を基準に採用をする。これは三百八円で換算をすると、こういうことでございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 そうすると、いま生産者米価は三百八十ドルと、消費者米価は二百六十ドルと、こうなっているわけですね。ところがあれですか、最近二期作目についての生産者米価、消費者米価は一体何ぼになったわけですか。

亀長友義食糧庁長官

○政府委員(亀長友義君) 二期作米価は四百四十四ドルに改定をされたようでございます。すでに公示もされておるようであります。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 消費者米価のほうは。

亀長友義食糧庁長官

○政府委員(亀長友義君) 消費者米価のほうは従来と変えておられませんので、消費者米価につきましては変動はございません。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 それから小売りマージンの件でございますが、小売り商の数がこれも非常に多い。日本の場合に比べまして沖繩は五千五百も小売りがあるわけですね。ところが、まあ日本では結局全国で約四万軒ぐらいですかね、小売りが四万。だから四万軒で先ほどの一%でいいますと、大体四百軒ぐらいであればいいのに五千五百軒ですね。だから、まあ本土の小売り店の数よりも十倍ぐらい多いわけですね。これはどうなんですか、小売り専業じゃなくて、兼業をやっているのがいま多いということでございますが、私はそういう小売りマージンというものを一体どういうぐあいに考えているのかですね。やっぱりそういう点を考えないと、小売り店も非常にやっていけないんじゃないかと、そういうような点を心配するわけですけれどもね。このいわゆる政府の売り渡し価格というものが当然手数料との関連においてきまるわけですけれども、それはやっぱり本土の場合の手数料と比べてどういうような違いがあるわけですか。

亀長友義食糧庁長官

○政府委員(亀長友義君) 沖繩におきましては、従来とも米は自由販売、米の販売営業は自由であると、こういう観念に立っておりまして、外国から輸入する米が大部分でございましたが、輸入商というものは政府の外貨をもらう関係上、指定商社五社ということのようではありますけれども、そこから先は自由販売であるというたてまえのようでございます。したがいまして、小売り商も御指摘のように非常に多くございます。ただ、日本の本土のほうが従来どちらかといえば小売り商に対しても統制的であって、きわめて営業制限、店舗制限をしておる色彩が非常に強いわけでありますが、沖繩は従来のそういう管理のたてまえ上非常に小売り店も多いのでございます。しかし、ほとんどが兼業形態のようでございまして、他の商品とあわせて売るということでございますから、必ずしも店舗の売るべき利益を米だけに依存をしておるということではないと思います。そういうふうな形態の差異というのは、従来からの累積でございますので、一挙にこれをどうこうするということよりも、私どもはやはり現状を肯定した上でやるのがきわめて平穏な方法であろうと、かように考えておるわけでございます。  手数料の問題につきましても、簡単に申しますと、内地のものよりは平均沖繩のほうが手数料は高いようでございますが、この点につきましても、従来とも実態調査も進めてまいっておりますので、私どもと沖繩政府並びに米穀販売業者等と具体的にいま協議中でございます。私どもとしましては、やはり沖繩には沖繩の実態に合った販売手数料を認めてやらざるを得ない。しかし、できる限り合理化の努力はお願いをする、かような姿勢でこの問題を解決をいたしたいと考えております。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 それで、いわゆる沖繩については減反の割り当て等はしないと、そのように聞いているわけですけれども、しかし、この米をいわゆるパインとかキビに転換をする場合には減反のいわゆる奨励金は出すと、これは間違いないわけですね。これはこう決定しているわけですね。

内村良英農林省農政局長

○政府委員(内村良英君) お答え申し上げます。  ただいま先生から御指摘がございましたように、沖繩では本土のように目標数量を配分して生産調整を実施することは考えておりません。しかしながら、沖繩の稲作の現状を考えますと、やはり生産性その他の観点から、サトウキビとか畜産にかえていったほうがいいじゃないかということもございますので、稲から他作物に転換しようという農家に対しては、本土と比べて不利にならないような生産調整奨励金を交付することで措置したいという方針で、現在、細目について検討しております。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 いずれにしても、沖繩の農業をどうしていくかというそのビジョン、そういう方向がやはりはっきりすることが大事でございますので、そういう点で、農林省各局の御努力をひとつお願いいたします。  最後に、これは農林省とは直接関係ないわけですが、沖繩対策庁の方はいらっしゃいますか。——これは実は前もって通告はしてなかったんですけれども、沖繩に、いわゆる八重山の石垣市とか、それから西表島にあるわけなんですが、いわゆる終戦前に日本軍の飛行場をつくるために、農民がその当時非常に、ただ同様の安い値段で、大東亜戦争のさなかですから、半ば強制的にその土地を取り上げられて、その土地が結局終戦後、もとの地主に返してもらいたい、こういう強い要望にもかかわらず、いまだもとの地主には返還をされていない、そういう土地がかなりあるわけでございますが、こういう点については、農林省または北方対策庁としても、大体そういう状況はわかっているのかどうかですね。また、それに対してはどういう方向でいくのか、そのあたりわかりますか。

長谷川仁自由民主党

○委員長(長谷川仁君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

長谷川仁自由民主党

○委員長(長谷川仁君) 速記を起こして。

中野和仁農林大臣官房長

○政府委員(中野和仁君) 担当局長ちょっと参っておりませんので、しかとわかりかねますけれども、国有農地にはそういうことはございませんけれども、いまお話しのように、民有地については、確かに御指摘のとおりあると思いますので、よく関係省庁と連絡しまして、また後ほど御報告申し上げたいと思います。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 これは、実は、きょうは、そういう回答をいただけようとは思っていないわけですけれども、いずれにしても、こういう戦争前に大東亜戦争に勝つためにということで、皆喜んで——喜んでか、喜んでなかったか知りませんけれども、表面的には皆農地を出して、それが戦争が終わりまして、結局、米軍のそういう施政下において、本来ならば、もとの地主に返るべきものが、やはりそこにいろいろなそういう手違いもあって、自分の土地へ返らなかったり、また、ほかの、よその地主へ返ったり、そういうようないろいろな問題があるわけなんでございまして、こういうやはり実態を、沖繩も返ってくるわけですから、農林省としても調査をして、これは非常にむずかしい問題で、そこがあいてるならば、もとの地主へぱっと返るわけですけれども、ほかのところへいってるものもあるわけなんですよ。そういう点で、私も先般参りましたときには、そういう人たちから強い要望がありましたので、この際、こういう点において調査をし、その中には土地の代金を——これは非常に安い値段でございますが、これは坪一円とか三十銭ぐらいもらって、そのうちの、代金の八割が銀行に強制預金をされて、その証券をもらった。ところが、戦争のどさくさにまぎれて、その証券がなくなって、結局、金をもらってなかったり、あるいは証券をいまだに持って、もう古いやつですから、全然代金をもらってない、そういうような実態もございますので、こういう点については早急に調査をして、これはまた次の機会にお願いしたいと思います。そういうことでございますので、本日はこれで終わります。

森勝治日本社会党

○森勝治君 ただいまから、工業品検査所及び繊維製品検査所の出張所の設置に関する問題について、若干質疑をしてみたいと思うんでありますが、大臣がよんどころのない用事で御出席を願えませんものですから、もし私から、次官おいでになっていますが、質問の過程で納得いかない問題が出ました場合は、後日大臣に質問をさせていただくということで委員長にお願いいたしまして、質問をしたいと思うのです。  御承知のように、沖繩は戦後長期にわたって基地経済に依存をしてきたところでありますが、そういう関係もあったんでしょう、産業基盤というものがきわめて脆弱であると指摘をされておるわけであります。したがって、今後経済の自立等を進めるに当たりましては、立地条件などとも合わせますと、よほどの特効薬がない限り、どうもむずかしいような気がするわけでありますが、通産当局としては、沖繩の産業開発や振興等についてはどういう考え方をお持ちなのか、お聞かせを願います。

林田悠紀夫自由民主党通商産業政務次官

○政府委員(林田悠紀夫君) ただいま先生がおっしゃいましたとおりでございまして、いままで沖繩の経済というのは、基地に依存している経済であった次第でございまして、したがって、非常な立ちおくれを示しております。特に御承知のように、産業といたしましても、中小企業が九九・七%を占めているというような状況でございます。したがいまして、まずこの中小企業を早急に近代化していくということが必要でございまして、そのためには、復帰直後に、四十七年度の予算といたしましては、沖繩の伝統産業の育成をはかるということで、まずその記念碑的な事業といたしまして、沖繩工業研究指導所を新築する。それから施設を整備していくということを、一〇〇%国庫補助で行なうことにいたしております。それから、沖繩県の中小企業、この経営の合理化をはかってまいりまするために、指導事業を強力に進めていく、診断指導員の増員、あるいは経営改善普及事業の充実とか、あるいは組織化を進めてまいる。そういうふうにして、特に指導の方面から中小企業を強化していきたい。また、中小企業を近代化していくということが必要でありまするから、設備近代化事業、あるいは中小企業の機械類を貸与する事業の充実をはかる。それから、どうしてもやはり低利長期の金融を供給していくことが必要でございます。したがって、沖繩振興開発金融公庫の貸し付けの中で、特に八十四億円の貸し出し規模を中小企業ワクとして確保する。また、貸し付け金利を普通貸し付け七分三厘、あるいは特別貸し付けば六分五厘から七分にするというふうにしまして、一段と優遇した措置をとっております。それから沖繩信用保証協会の信用保証ワクの充実をはかるというようなこととか、あるいは施策方面の充実をはかってまいるとか、いろいろそういうふうな総合的な施策を与えまして、中小企業の近代化をはかってまいりたいというような仕事をするわけでございます。しかし、それにしましても、直ちにすぐ所得をふやすというわけにまいりません。したがって、その間は、この前も法律を通していただいたのでありまするが、海洋博覧会を昭和五十年を目途にしまして行なっていくというようなことによりまして土木事業をやりましたり、あるいは施設をつくっていくというようなことによりまして所得を当面補充していきたいというような考え方を持っておる次第でございます。

森勝治日本社会党

○森勝治君 いま大綱についてお伺いした次第でありますが、その説明の中で経営診断あるいは中小企業の近代化資金等の貸し出しなんという意味のこともおっしゃっておられましたが、それは従来本土における通産行政としておやりになっているものの域を一歩も出ておらぬわけであります。私がここでお伺いしたいのは、一体沖繩の産業振興について基本的態度はどうかということでお伺いしているのですよ。いまのお話ですと、失礼でありますが、もう一度繰り返しますが、従来本土でおやりになっているのとごうまつも隔たりはないわけでありますから、そういう点についてもう一度ひとつお聞かせ願いたい。

林田悠紀夫自由民主党通商産業政務次官

○政府委員(林田悠紀夫君) ただいまも申し上げましたように、とりあえず海洋博覧会をやってまいるということによりまして所得をふやしていきたい。それから中小企業を振興するためには、ただいまも申したとおりでございまするが、いままでなかったところの指導員を増員していくというようなことによりまして、指導事業を拡充してまいるとか、あるいは金利を本土よりも安くしていく。また、資金ワクもはっきりともうきめまして、これだけは中小企業に流していくということによりましてこの中小企業の近代化をはかりたい。それからまた、どうしても沖繩としましては観光事業が必要でございまするから、海洋博をめどにいたしまして観光事業を進めてまいる。総合的なことをやることによって沖繩の産業を発展させていきたい、かような考え方をいたしている次第でございます。

森勝治日本社会党

○森勝治君 それでは本件に関係のある繊維、それから工業関係の振興策というものはどうなのか。いま全般のをお伺いしたわけです。ですからいま申し上げた本件に関係ある部分についての振興策、これを具体的にひとつお聞かせ願いたい。

林田悠紀夫自由民主党通商産業政務次官

○政府委員(林田悠紀夫君) それでは、予算の面から申し上げさしていただきますると、沖繩工業研究指導所の施設を新設する、これが七千万円計画をしております。それから指導事業費の補助といたしまして診断指導員の設置三百万円、それから小規模事業の対策推進費としまして千四百万円、それから設備近代化のための補助として一億円、それから中小企業の機械類を貸与する補助といたしまして三千五百万円、それから中小企業の信用保険公庫の出資のためには融資基金九十七億円の、大体九十七億円に対しまする保険公庫の出資を計上いたしております。それから、施設関係の広報費としまして一千四百万円、それから沖繩振興開発金融公庫の中で本土の中小企業金融公庫及び国民公庫に相当する分といたしまして百二十億円というものを考えております。契約ベースで百二十億円、資金ベースで八十四億円。それから一番最初に申し上げました沖繩海洋博の費用といたしましては、四十七年度の当初予算で三億二千七百万円というものを計上しております。これは前年におきまして五百万円計上したのでありまするが、また三億二千七百万円で足りないという場合には、これ以上今後考えてまいりたいというような予算を計上して、そういう経費によりまして早急に近代化をはかっていくということでございます。

森勝治日本社会党

○森勝治君 いま具体的な数字について若干お話があったわけでありますが、それではさらに具体的にお伺いしたいのでありますが、沖繩から本土以外に輸出される工業製品と繊維製品の輸出高はどの程度なのか、そのことが第一点。  それからいま具体的に数字を列挙されましたが、このいま通産省が考えておられる具体的な数字を今度は実現した場合に、これらの産業振興の中で特に輸出額等がどのくらい伸びが予想されるのか、この二点お伺いしたい。

林田悠紀夫自由民主党通商産業政務次官

○政府委員(林田悠紀夫君) まず沖繩からの輸出実績でございまするが、一九七〇年には一億四百万ドルでございます。それから七一年には一億三千九百万ドルでございます。しかし、この輸出はその九割弱が本土向けということになっております。  それで、この輸出がどれだけふえるかということでございまするが、具体的な数字はまだはっきり考えられませんけれども、今後とも沖繩の輸出というものは伸びていくというように考えております。

森勝治日本社会党

○森勝治君 工業品検査所と繊維検査所の果たしておるところの役割りというものはどういうものなのか、このことをお伺いしたい。しかもこの検査の対象はどのようなものか、この二点をお伺いしたい。

林田悠紀夫自由民主党通商産業政務次官

○政府委員(林田悠紀夫君) 工業品検査所並びに繊維製品検査所の果たしておる役割りでございまするが、国の検査所は、輸出検査法によりまして、指定検査機関に対する検査技術の指導監督とか、あるいは不正輸出防止のための取り締まりとか、あるいはまた、特に国が検査を行なう必要がある品目の輸出検査というようなものをやっております。  それで、工業品検査所は、機械金属製品とかあるいは雑貨製品、そういうものを主として検査をいたしております。  それから繊維製品検査所でありまするが、これは御承知のように、すべての繊維品をこの繊維製品検査所が行なうというのではなく、絹、人絹織物関係の検査を行なうということにいたしておるわけでございます。

森勝治日本社会党

○森勝治君 本土では、検査所のほかに民間の指定機関を設けて、そこで検査の委任、代行等をさせておるわけでありますが、この国の検査所と民間の機関との関連はどういうことですか。

林田悠紀夫自由民主党通商産業政務次官

○政府委員(林田悠紀夫君) 大体輸出品の検査につきましては、民間検査ということが主体になっておるわけでございます。しかしながら、特に民間検査でできない、これはおもに経済的な理由が主でございまするが、そういうものを国の検査所が取り扱うというような考え方で検査機構ができておる次第でございます。そして、国の検査所は民間検査機関に対する検査技術の指導、監督、そういうことを主としてやっていく、そこに国の検査機関と民間検査機関との関係が出てくるわけでございます。

森勝治日本社会党

○森勝治君 それでは、指定検査機関が行なっておる現在の検査品目、それから実績はどうなっておるか。いまのお話だと、民間が検査の中心だとおっしゃるが、現実に国の検査所でもおやりになっておるわけですから、国と民間との両方についてお答えいただきたい。

佐々木敏通商産業省繊維雑貨局長

○政府委員(佐々木敏君) 繊維関係についてお答えいたしますが、ただいま次官から申し上げましたように、国の検査機関は合繊の糸、織物を除きまして、ほとんど全繊維につきまして国の検査機関は検査ができるたてまえになっております。しかし、民間検査機関におきましては、絹と人絹織物以外につきましては全部民間に委託しておりますから、したがいまして、現在のところは、国の検査機関は絹と人絹織物だけを検査しておる次第であります。

森勝治日本社会党

○森勝治君 いま次官がおっしゃった民間検査が主であるというお話でありますが、私はそう考えてないんですよ。本来的に通産当局が主に当たるべきものだと私はこう考えておるわけです。ですからその辺が私どもの考え方と違うわけでありますが、それは間違いなくそういう方針なのか、その点をひとつ明確にしていただきたい。

林田悠紀夫自由民主党通商産業政務次官

○政府委員(林田悠紀夫君) お答え申し上げます。実は発生的に最初に民間検査で出てまいりまして、ところが民間検査ではなかなか手数料が高くて困るというような問題も出てまいります。また地域によってできないというような場合もございます。したがって、たとえば繊維製品検査所におきましては、農林省では生糸の検査を行なっておるわけですが、生糸の検査を行なっておるというような関係上、やはり絹、人繊というものは、これは国の検査で行なうべきだということで、国の検査所ができてまいりました。それから工業品検査所におきましても、そういうようなことで国の検査所でやるべきだというものについて国の検査機構ができてくる、こういうふうな形でできたわけでございます。したがって、国の検査所でやるべきものはもちろん国の検査所でやるが、しかし、民間で足りるものにつきましては民間でやっていくと、まあ相当大ぜいの人員を要するということもございまするので、そういう考え方でやってきたわけでございます。

森勝治日本社会党

○森勝治君 私の質問の趣旨と若干違ってお答えになったような気がするんです。私は、本来この種の検査というものは国が当たるべきがよかろうと申し上げているんですよ。あなたはいま実態はこうだという御説明をされたにすぎないと私は考えます。したがって、もう一度くどいようでありますが、こういう輸出品等の検査ですね、こういう、いま言った繊維もそうでありますが、工業製品も、特にこの輸出等の問題については検査、工業規格等の問題もあるわけですから、国が検査をすべきものであって、いまのあなたの説明だと、業界の自主検査があたりまえだという御説明というふうに私は考えざるを得ないんです。そうすると、私どもはこれは業界の自主規制ではなくして、県が検査にあたるべきだ、ただ県のそういう希望等に、手狭なもんだから信頼のおける民間の業界等については、国がこの検査を委任あるいは委嘱という方法を用いておるんだと、こういうことに理解しておったわけですが、私の理解と全然違うわけですが、それは私の理解が間違っておるんでしょうか。

林田悠紀夫自由民主党通商産業政務次官

○政府委員(林田悠紀夫君) 国の検査と民間の検査が発生的にそういうふうなことでできてきたということを申し上げたわけでございます。  それで、それではすべてのものを国の検査でやるべきかどうかということになってまいりまするが、これはすべてのものを国の検査でやる必要はないんじゃないかと、むしろ民間で発生的にずっと長く検査をやってきてもらっておるというようなものについては、民間にお願いしまして、そして、それを助長していくような方法を考えるほうがむしろベターじゃないだろうかというようなことでございまして、そういう国と民間とが補完し合いながら検査をやっていくというのが現在の体制でございます。

森勝治日本社会党

○森勝治君 そうすると、その思想というものは、規格というものは、民間にもうまかせっきりでよろしいと、そういう思想ですね。

伊藤二郎常任委員会専門員

○説明員(伊藤二郎君) 若干専門的なことになりますので、私のほうから補足させていただきます。  現在、民間ということでございますが、これはさきに次官からも申し上げましたように、民間業界でそういう検査機構がございまして、それでせっかくの設備なり熟練した検査能力ということを活用するために、同時に非常に多種多様の貨物でもございますし、また、全国的に受検者の便宜をはかるという点からも、現在の検査法では、たてまえとして公正な第三者機関ということで指定検査機関制度をとっているわけでございますが、もちろんこれは民法の公益法人でございますし、同時にその寄付行為でございますとか、そういったこと、あるいは事業計画、予算の収支決算等につきましては国が認可する、また、その役員についても国が認可をするということが一つございます。もう一つ、その業務内容につきましては国としても十分監査をいたします。それから検査の基準、方法等につきましては、これは検査の品目あるいは基準等につきましては通産省の中に輸出検査審議会というのがございまして、そこで十分御審議いただきまして、これを国が決定をする、その基準に従って、また国がきめた検査方法に従って検査を実施するということでございますので、民間機関にお願いをしておりますのはそういう理由でお願いをし、またその検査の方法等につきまして、あるいは基準等につきましては厳重に国が監督をしておる。こういうことでございます。

森勝治日本社会党

○森勝治君 そうしますと、やはりこの種のものは本来国が当たるのが原則だということですね、あなたの話ですとね。

伊藤二郎常任委員会専門員

○説明員(伊藤二郎君) ただいまのお話でございますけれども、これは先ほど申し上げましたように、現在の検査対象品目は四百二十六品目、内容的には雑貨でございますとか機械あるいは農林物資、運輸省関係、厚生省関係、繊維製品等多々ございまして、非常に多品目にわたっておるということと、それから強制検査でございますので、全国的にどこの受験者でも便宜が受けられるというようなたてまえが必要となりますので、先ほど次官からも申し上げましたように、非常に多数の人員を擁しなければいけない。また、機構的にもいろいろな種類の機関を各地に置く必要がある。こういうこともございまして、財政的な判断からもこれはやはり国が直接行なうべきではない。ただし、民間に委託できない面につきましては、これは国みずから、工業品検査所でございますとか、繊維製品検査所でございますとか、あるいは農林関係の輸出検査所でございますとか、そういうところで行なう、こういうたてまえになっているわけでございます。

森勝治日本社会党

○森勝治君 ですから、本来あるべき姿は、国がすべてを取り扱うのだが、いまも断片的におっしゃったあるいは財政の問題、あるいはそこに従事する職員の問題、その他検査所の規模等を勘案をして、信頼のおける民間機関で国が本来やるべき、国がきめた工業規格があるわけですから、それに準拠してこの信頼できる機関に委任をしておるということでしょう、そういう意味でしょう。

伊藤二郎常任委員会専門員

○説明員(伊藤二郎君) ただいまのお話のとおりでございます。

森勝治日本社会党

○森勝治君 そういたしますと、次官といまの課長のお話は違うのです。明らかに違いました。これは速記を見ればわかりますが、しかしこんなことを違うからといって、これをただしたら持ち時間がなくなってしまいますから、これはあとで大臣から明快にお答えをいただくことにして、私は次の問題に移りたいと思うのでありますが、いま話が出ております指定の検査機関の運営経費というものは一体どうなっておるのか。さらにまた、沖繩にもこの民間の指定機関を置かれようとするのかどうか。この二点をお伺いしたい。

伊藤二郎常任委員会専門員

○説明員(伊藤二郎君) 指定検査機関の経費でございますけれども、これは輸出検査につきましては、たてまえといたしましては、検査手数料をもって一切まかなう、こういうことで検査手数料をきめております。

森勝治日本社会党

○森勝治君 もう一つ、沖繩に置くか置かぬか、指定機関。

伊藤二郎常任委員会専門員

○説明員(伊藤二郎君) 沖繩の問題でございますが、沖繩で現在とりあえず考えられておりますのは、雑貨関係ではガラスでございますとか、陶磁器でございますとか、あるいは繊維の関係でございますが、これは財政的な事情もございまして、民間の検査機関がそこに出るというのはなかなか採算問題等もございます。同時に技術指導の問題等もございまして、沖繩については現在のところは工業品検査所、国の機関を設置するという考えでおります。なお、繊維についてもやはり繊維製品検査所を置きます。ただし、縫製品関係につきましては、便宜いろいろ手当てをいたしまして、縫製品検査協会が向こうに出かけて検査をする、こういう当面の対策でございます。

森勝治日本社会党

○森勝治君 くどいようですが、そうなりますと、指定機関は設けないということですね。

伊藤二郎常任委員会専門員

○説明員(伊藤二郎君) ただいま申し上げましたように、民間の指定検査機関といたしましては、繊維関係で縫製品の検査協会がございます。縫製品の検査協会が沖繩に支所を設ける、支所と申しますか出張所と申しますか、民間検査機関といたしましてはその一件だけでございます。

森勝治日本社会党

○森勝治君 私は、出かけていくという表現でございましたから、そのつど行かれると思ったので、常設する機関はない説明かと、こう承ったものですから、いまくどいような質問をしたんです。  次に移ります。輸出検査の不合格理由というか、検査にはずれたもの、規格外のものの率というのはどのくらいですか。

伊藤二郎常任委員会専門員

○説明員(伊藤二郎君) これは何ぶんにも四百二十六の品目がございますので、それぞれということになりますと非常に複雑になりますので、ごく大ざっぱに申し上げますと、機械金属製品、これは二百二品目ございますが、四十五年度の数字がここに出ておりますんですが、約二・六%、それから雑貨製品関係、これが百八品目ございますが、おおむね一・四%程度、農林水産物四十五品目でございますが、これが三・八%、それから繊維製品が五十三品目につきまして一・八%というのが四十五年度の数字でございます。

森勝治日本社会党

○森勝治君 他から比べれば、いわゆる合格率は非常に高いと、こう考えられるわけですが、さて、輸出検査を行なっても、従来しばしば不良品等でひんしゅくを買い、物議をかもした例が過去幾たびかありましたね。最近はそういう例はないのですか。

伊藤二郎常任委員会専門員

○説明員(伊藤二郎君) 輸出品検査法は昭和三十二年に施行されているわけでございますけれども、現在、先ほど申し上げましたように、機械でございますとか雑貨、繊維製品、農林物質等四百二十六品目について厳格な検査を実施しておりまして、検査の不合格品でございますとか、あるいは検査を受けないもの、こういうものは通関できないという措置をとっておりますので、私どもといたしましては、最近におきましては、いま御指摘のようなお話は伺っておりません。

森勝治日本社会党

○森勝治君 それでは、くどいようですが、検査の、いわゆる検定に合格したもの、これは輸出ではキャンセルは一つもないというお答えになりますね、いわゆる規格外とかいうことで。取引中止のためのキャンセルは間々あるでしょう、商行為ですから。そうでなくして、規格と中身が違うという規格は、ずれだと、ズレていると、こういう理由で、いわゆる不良品のゆえをもって返品を受けたことは一つもないと、こういうことですね。

伊藤二郎常任委員会専門員

○説明員(伊藤二郎君) ただいまのお話でございますけれども、輸出検査につきましては、全数検査ということを実施しておりません。したがいまして、統計的にいろいろ数式から判断いたしまして、ある程度の抜き取り検査方式を行なっております。したがいまして、輸出検査を厳格にやっておるからといって、検査にパスしたものが全部基準に合っているかどうかということは、必ずしもこれは言えないわけでございますが、統計的に、大体このくらいの貨物のロットがございましたら、そのうちからどのくらい抜き取るのが一番事故が少ないか、こういうところから判断いたしまして検査方法をきめている次第でございます。

森勝治日本社会党

○森勝治君 そうしますと、いまの御説明は、この輸出検査等は不完全検査であるというお話ですね。

伊藤二郎常任委員会専門員

○説明員(伊藤二郎君) 検査基準につきましては、もちろん一番適正な基準をきめているわけでございますが、問題は検査の方法でございまして、したがいまして、われわれとしては現在いろいろな統計学的な判断から、これだけの貨物についてこのくらい抜き取れば、まずおよそ心配はあるまい、事故はあるまいということで、検査方法、抜き取り数等をきめているわけでございます。したがいまして、私どもとしては、これでおおむね十分ではないかというふうに判断はしておりますが、これで万全の措置であるとは言い切れないわけでございまして、したがいまして、これは検査対象の品目でございますとか、検査基準の問題ももちろんございますが、検査方法等につきましては、常時見直しを行なっておりまして、できるだけそういった事故の起きないようにということで、努力している次第でございます。

森勝治日本社会党

○森勝治君 皆さんの御努力は、これはたいへんなことでしょう。ですから、その御努力は十分認めます。しかし、いまの御説明ですと、検査の方法に一定の基準を設けるから、四百二十六種の多岐にわたる物品一つ一つの物体に触れることは至難だという御説明でありますね、現在の検査の基準からいたしますと。したがって、抜き取り検査であるから、たまたまそれはちょうど失敬でありますが、道路工事の竣工検査のようなものでしょうから、全部はがしてみるわけにいかぬでしょう。ですから、一定の基準を設けて、ある個所を検査をするのと同じように、この繊維、それから工業製品についてはそういう検査をおやりですから、ときには、かつてひんしゅくを買ったような問題も出てくるおそれがあるわけですね。いまありませんと言って、きれいなことばを言われたものだから、私はそれでは検査の物には不良品はないのだねという質問をしてみたんです。そうしたら、あなたが正直に、いや、検査は全般にわたってではないと、基準を設けてやるから、抜き取り検査だから、あるいは指弾されるような不良品が手に触れないものについてあるかもしらぬということは、表現しないけれども言外にそういうものが認められるがごとき印象の発言をされた。私は、くどいようですが、こういうふうに理解したわけです。そういう理解でよろしいわけですね。

伊藤二郎常任委員会専門員

○説明員(伊藤二郎君) これは、たとえばトランジスター等にいたしましても、非常に多数まとまって一回に受験をするということでございますので、抜き取りということで、その抜き取りの方法をきめることも、なるべくこれくらいであればまず事故はなかろう、手数の問題、あるいは手数料等の問題ともからみ合わせてきめることでございますので、いま御指摘のように、あるいはそのために、たまたま抜き取られなかった中に不良品が混在するということもあり得るわけでございまして、ただ先ほど申し上げましたのは、先ほどの、つい最近におきましては、特に検査を通過した品物で不良品というのは、クレーム処理も私どものほうで行なっておりますが、クレームとしてあがっている例は私のほうには耳に入ってまいりませんと、こういうことを申し上げた次第でございまして、もちろんある程度の事故は防ぎ切れない面がございます。したがって、その面で、検査方法等について常時見直しの努力をしておりますと、こういうことでございます。

森勝治日本社会党

○森勝治君 抽出検査をおやりだそうでありますが、内容別検査の動向をお聞かせ願いたい。

伊藤二郎常任委員会専門員

○説明員(伊藤二郎君) 御質問の趣旨がちょっとはっきりわからない点がございますのですが、たとえば農林物資のかん詰め等につきましては、これは安全衛生という問題がございますので、非常に厳格な検査を実施しているわけでございます。それで、物によって違いますけれども、この検査——その品物についてはまずどういう点に力点を置くか、外観でございますとか、包装状態でございますとか、あるいは規格、寸法でございますとか、それから材料検査でございますとかいうような検査のどこに重点を置くかという問題が一つ。それからその品物のそれぞれの特性に応じまして、大体どのくらいの数を抜き取ればよろしいか。また、ものによりましてはその品質、材料あるいは製品管理等の面まで立ち入らないと十分保証ができないというような品物もございますので、そういったものにつきましては、製造工程の間における検査、原則は製品検査でございますけれども、途中の中間検査を実施しなければ検査が十分できないというようなものもございます。

森勝治日本社会党

○森勝治君 この両検査所の目的と申しましょうか、それは輸出振興と消費者保護という二面を備えていると思うのです。輸出の面はさておいて、現在の検査所のあり方、たとえば特に検査所等が関東以西ですから、関西のほうのが何か配置としては多いそうでありますが、そういう観点から見ましても、消費者保護という立場に若干問題があるのではないかという懸念があるわけですが、この点はどうですか。

林田悠紀夫自由民主党通商産業政務次官

○政府委員(林田悠紀夫君) 工業品検査所は、仰せのように、当初輸出品の検査を行なう目的をもって設置されました。その後の社会経済情勢の変化に伴いまして、昭和四十三年ごろから、消費者保護のために各種の商品テストを実施してまいっております。それで、そのために機構の面では昭和四十四年に商品テスト課というのを設けまして、また、設備につきましても昭和四十三年以降商品テストに必要な施設とか、あるいはテスト機器の整備につとめてまいっておりまして、そういうことで、消費者保護というような観点を加えてやってまいっております。

森勝治日本社会党

○森勝治君 これで終わります。  世をあげてアポロ時代ですから目まぐるしく世の中が変わってまいります。そうすると、あたかもそれに符節を合わすごとく、新製品が次から次へと出てまいります。ときには庶民生活に害をなすようなものもまかりこし、たまたまりっぱなものだと思えば庶民の手に届かないはるか高いところにある、いわゆるコスト高かもしれませんけれども、届かないようなものということになるわけです。しかもあるいはものによっては見ばえはよいけれども、耐久性の点についてまた欠けるというような問題があるわけです。ですから私をもって言わしむるならば、これはまあしろうと談義と、あるいはそういうそしりを受けるかもしれませんが、この検査の中身とか目的というものが、いま申し上げた輸出振興と消費者保護の二面性をかね備えておるといわれておるにもかかわらず、輸出振興のほうに、まあこれは産業振興ですからそれも通産省が意を用いるのに当然でありましょうけれども、ややもすれば、いま次官は消費者保護の問題について意を注いでおるかのごときお答えをいただきましたが、どうもその辺が欠けておるような気がしてなりませんので、むしろこの際全国の検査所の機構の整備をして、その内容を充実させ、それで国民の福祉に寄与するように前向きの態度、施策をおやりになったほうがよかろうとこう思うのです。したがって、今度このかかっております法案は、いわゆる沖繩におけるこの種の問題の処置ですから、沖繩あたりからそういう消費者行政の立場の施策も一段と強められたらどうかと思うのですが、この点ひとつお考えを聞かせていただきたい。

林田悠紀夫自由民主党通商産業政務次官

○政府委員(林田悠紀夫君) 輸出品検査につきましては、まあ輸出の重要性からやはり検査を続けていくということはもちろん必要でございまするが、社会経済情勢の変化に伴いまして、いろいろ仰せのような新しいものが出てくるとか、あるいは被害を生ずるおそれのあるものが出てくるとか、まあいろいろそういうものが出てまいります。そういうような検査につきましても、先ほど申し上げましたように、これからだんだん重点を移してやってまいりたいと思いますが、その他に、たとえば消費者センターというようなものが各県にできつつございます。そういうことで、消費者行政が重要視されるにつきまして、中央におきましても消費者センターがあるわけでございまするが、各県にもそういうものを設け、また、工業技術院にはいろいろな試験所がございます。そういう試験所におきましても、そういう新しい製品、あるいは危険な製品についての試験をやっておりまするが、総合的ないろいろな機関を動員いたしまして、消費者保護に万全を期していかなければならない。通産省としましてもできるだけそういうことで努力をさせていただきたいと思います。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 私も、工業品検査所及び繊維製品検査所の出張所の設置に関する承認の件について質問申し上げたいと思います。先ほどから、もうこまかい点まで御質問がございましたので、私はできるだけ簡素化したいと考えております。これは次官にお聞きしたいのですが、先ほどの森委員の御質問に対して基本的な方針はどうかと、沖繩産業をどうするのかという問題で、依然として大産業的な産業でいくべきではないかと、こういう考え方のように私は受け取ったんですが、通産省としてはそういう考え方でおられるんですか、この点ひとつお聞きしたいと思います。

林田悠紀夫自由民主党通商産業政務次官

○政府委員(林田悠紀夫君) これからの沖繩産業を考えた場合に、ほとんどが中小企業でございます。したがって、大産業でやっていくということは困難でございます。もちろん大産業が相当立地できるということになりましたならば、これはまあけっこうでございますけれども、しかし、九九%まで占めておりまする中小企業を振興していくということがやはり最も大事でございまして、したがって、私たちは中小企業をいかにして近代化して進めていくかということに重点を置いているわけでございます。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 それは現状から出た話でないんで、私はもっと通産省の企画的なもの、まあきょうは田中通産大臣も見えませんからくどくは聞きませんけれども、今後の沖繩に対しての青写真と申しますか、少なくとも……。  それではお聞きいたしますが、通産省はいま沖繩にこの数カ月の間に数千名の失業者が出ておる現実を御承知ですか。そういう面を考えたときに、やっぱり産業をどうするかという、これはまあ重要な問題の関連性があるわけですよ。失業問題についても、これは宮之原委員から労働大臣に御質問があったので、あとでまた私も多少補足的な質問をしようと考えておりますが、基本的な青写真、現在ある中小企業の育成強化はもうわかっています。おっしゃるとおり、日本の国内にあるあらゆる法律を適用して、それにさらに予算を多く組んで速急やると、この方針はわかりますけれども、一体沖繩の将来の状態を、将来どういう青写真でやっていくのか。たとえば一つの例ですが、二、三日前に、もうテレビで放送しましたように、財界は非常に土地を買っています。膨大な土地を買っています。けれども電気がない、あるいはまた水がないということで見送りだというようなことを言っています。それが完成するのは、やはり三、四年、場合によっては数年かかるでしょう。ところが、沖繩はどんどん失業者がいまも出ているんですよ。したがって、むしろ基本的に政府がお考えになるならば、私はさっきおっしゃるように、現状の中小企業にさらにそうした産業を育成強化すると、こういう青写真があるならば私は賛成したいのですが、その点はどうですか。

林田悠紀夫自由民主党通商産業政務次官

○政府委員(林田悠紀夫君) 現在、基地経済に依存をしておりまして、基地が減るにつれまして失業者が出てまいります。したがって、それをどこかへ吸収せにゃいかぬという問題でございまするが、直ちにそれじゃそこに産業を興せと申しましても、これはできないわけでございます。したがって、まず先ほども御答弁いたしましたように、海洋博覧会のような、何か新しいものをそこにつくりまして、そうしますると那覇から現場までの道路をつくっていくとか、あるいは港湾とか、飛行場とか、いろんなそういう土木事業をやらにゃいけません。また、施設をつくるというようなことが必要になってまいります。そういうところにできるだけ吸収していきたい。そしてその間に中小企業の団地を設けまして、新しい中小企業をそこに興していく、そしてそういう人々を固定的に吸収していく。また、大きな産業でも、現在はドルショックなんかのために沖繩に移転するということが困難になっておりますけれども、しかし、やがてこれは沖繩に移転し得るというものも出てまいります。そういうところへ吸収していきたい。同時に観光産業を発達させまして、そこにも第三次産業としての人を誘致していく、そういうふうな総合的な対策によりまして、やはり沖繩の雇用というものを吸収するという以外に方法はない、かようなことで考えておる次第でございます。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 それじゃ、検査の問題について私もちょっと、いままで質問のない点について触れておきたいと思いますが、検査協会は、何といってもこれは通産省としては検査協会は附属の検査でありまして、委嘱して初めて検査することになるんですが、そこで問題は、雑貨検査協会ですか、こういうふうにいわゆる検査品目に基づいて、それから出てくる検査料からあらゆる検査をする労働者のカバーをしていくとか、いろいろな費用の点を生み出していますね。ところが、なかなかその検査協会ではそこまでいかないというような場合は、国はこれに対して補助しておるんですか、どうですか。

佐々木敏通商産業省繊維雑貨局長

○政府委員(佐々木敏君) 現在、民間検査協会につきましては、手数料収入を主体にいたしまして、それでその経費をまかなっている次第であります。輸出検査手数料収入並びに委託検査手数料収入でございます。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 そのことは私も知っているのでございますが、手数料でやっておられるために、政府がやった場合には手数料を取らないんでしょう。そうでしょう。検査協会が検査した場合にはその手数料を取るわけでしょう。したがって、そこに格差ができるんじゃないかという点を懸念するんですが、どうですか。

佐々木敏通商産業省繊維雑貨局長

○政府委員(佐々木敏君) 政府の、国の検査機関の場合につきましても、非常に金額が低いわけでありますけれども、手数料を取っております。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 その取っておりますが、私は格差が出るということはもう御承知のとおりだと思うんですよ。で、日本の検査協会、通産省としては附属機関としてやっていますけれども、ほとんど検査料に基づく料金で労働者の一切のものをまかなっているわけですね。政府は何の補助もしてないわけです。ところが私は今度のこの案を見ますと、先ほどおっしゃったように神戸ですか、神戸の支所にしようということですね。神戸が本所ですから、そのことはよく理解ができました。神戸から行って検査をするんじゃなくて、神戸のその支所をつくるわけですね、民間の検査機構をつくるわけですね。いままで、政府からも二人の要員を出そうとするんでしょう。政府は政府で二人の要員を出す。そうして絹、人絹については神戸から検査をやる、そういうことですね。

佐々木敏通商産業省繊維雑貨局長

○政府委員(佐々木敏君) 沖繩に対しましては、ただいま先生おっしゃいましたように、国の検査機関は神戸繊維製品検査所の出張所を沖繩に置きまして、二名職員を配置する予定でございます。そのほかに、先ほど申し上げましたような縫製品につきましては、財団法人の縫製品検査協会が向こうに出張所を設けまして、二名程度置く予定になっております。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 したがって、四名になるわけですね。四名の検査員になるわけですね。それを私はこの絹、人絹の現状から考えてみて、沖繩の製品に対して普通の検査工賃をとるというようなことをしないで、暫定期間の五年や十年は当然沖繩のめんどうをみてやるべきじゃないか。したがって、政府が四人の検査員を置くべきだ、こういう主張がしたいんですよ。暫定措置としても、十年がいかなけりゃ五年でもよろしい、三年でもよろしいですが、先ほど次官がおっしゃるように、沖繩の中小企業は全く零細ですよ。縫製といってももう完全な指導はできておらないと言っても過言じゃないと思いますね。そういうときに、いわゆる検査所を目的とする、つまり沖繩に協会が検査所を設けるということになれば大きな金が要ると思いますね。したがって、高くとらざるを得ない。それで沖繩の製品としては安い工賃の上に今度は検査料が余計とられる、こういう問題が起こるのではないかという危険性を私は感ずるわけです。こういう点はひとつ考え直してもらえないか、こういう点をひとつ指摘しておきたいと思います。  もう一つは、これは非常に私は資料としての問題でずさんだと思うのです。われわれにいただきました資料から見ると、沖繩の検査対象品というのは六八年の実績の資料ですよ。六八年といったらこれは四年前ですよ。そこへもってきて輸出検査等の実績を見ると四十三年からずっと書いてあるのですよ。一体これはどうしてもっとマッチするような資料を私は提供すべきじゃないかということを感ずるわけですが、ここらはひとつずさんじゃないかという気がします。これは私が気づいた点だけ申し上げたいと思います。  さらに申し上げたいことは、この検査所の将来の問題として政府は何かの形で検査に対しての一つの助成をしてやるべきじゃないかと思いますが、こういう点でどう政府はお考えになっているのか、六十年前から始まった問題を、いまだに何の改革もなしに、そうして委嘱して検査させる、こういう行き方は改めるべきじゃないか、こういうふうに考えるわけですが、この点どうですか。

佐々木敏通商産業省繊維雑貨局長

○政府委員(佐々木敏君) おっしゃいますように、まず一般論といたしまして、検査制度につきましては、従来から民間検査協会を主体にやっておる次第であります。いわゆる検査の受益者負担という原則で従来やっておるわけであります。さらに、輸出検査に対します国の非常な援助という形になりますと、いわゆる最近いわれております輸出補助金というような印象を与えるわけでありまして、一般論といたしましてなかなか困難な問題がございます。しかし、検査機関というものが輸出のみならず、国内の消費者行政につきましても非常に大きなウエートを占めておる現状でありますから、今後は国内消費者行政、特に繊維の安全検査というような面に重点を置きまして、できるだけの育成をしてまいりたいと、かように考えておる次第であります。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 私は、全額政府がこれを負担すべきだという考えは持っていないのです。少なくともある程度のものは補助すべきだ。政府の検査員が検査した場合は非常に安くできるのだ。検査協会がやる場合には、御承知のように労働条件その他の問題の維持がありますから、あるいは向上があります。したがって、非常に困っておる。そういう業種別の協会に対しては何か政府は考える必要があるのじゃないかということを申し上げておるわけです。これはまあ私の希望だけを一つ申し上げておきます。  そこで、先ほどから御質問がありましたから、この問題はそれでとどめておきますが、労働大臣に一つお聞きしたいのですが、大臣の基本的な考え方はわかったわけですが、いま沖繩は現実に失業者がふえておるわけですね。一説には、返還と同時にやっぱり一万数千名になるのではないかということすらいわれております。こういう事態の中で、先ほどの宮之原氏の質問に対しても、政府としては、あらゆる——基準局の設置等によって今後やっていきたいということでありますが、しかし、現実に出ておる失業者をどうするかという問題、これも一つも具体性のない答弁ではなかったかと私は思うのです。こういう点で、少なくとも、たとえば事業団の職業訓練指導をやるということになると、沖繩には産業はないのでありますから、どんな指導をやるのかわかりませんですけれども、沖繩県は指導だけして内地にどんどん出していかなければならないという問題があります。ところが、事業団がそれを指導するということになれば、事業団はやはり金を取らざるを得ないですね。沖繩は育成機関になって、結局沖繩の産業の指導につくことはできない。こういう問題があろうと思うのです。したがって、もっと高度なものを、私は労働省としては、どこよりも先に人間の生活の安定という意味から、青写真があるべきではないかという考え方を持つわけですが、大臣、この点についてはどうお考えになりますか。

塚原俊郎自由民主党労働大臣

○国務大臣(塚原俊郎君) われわれは本土におきましても、あくまでも人間尊重、福祉優先ということを労働行政の基本といたしております。沖繩におきましてももちろんそのとおりであります。したがって、いま失業者の数につきましては、先生御指摘の点と労働省で調べておる点でやや食い違いがありますが、いずれにいたしましても、これはほうっておける問題ではございません。職業紹介体制の強化、拡充、それから訓練の徹底、訓練もから振りになってはいかぬという、いま高山委員の御指摘ですが、まさにそのとおりであります。先ほどから通産省に対していろいろ御質問があったようでありまするが、われわれも決してから振りになるような訓練強化はいたそうとは考えておりません。あくまでも現地にマッチした訓練を行ないまして、現地で働きやすい職場を得られるように指導するのがわれわれの考えであります。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 時間がありませんから簡単にいきます、が、先ほど、私、一万五千と言いましたのは、新聞の記事で見たのを申し上げておるのですが、数字が確実であるかないか、ここに「民生時報」というのがあります。これを見ますと、第一種雇用、いわゆる直接アメリカに雇用されておるのが——これは昨年の二月発表です。一万七千三百十二が一万五千三百七十二に今日はなっていると思います、約七カ月の間に。それから今度は第二種雇用員ですね。これは御承知のように、食堂その他いわゆる雑役的な作業員です。これが七千三百六十四人、それが現実は六千八十二人というような現状です。それから第三種は抜きます、不明になっていますから。第四種の雇用、いわゆる下請ですね。これらを考えますと八千二百三十九。しかも、ドルショックによるつまり下請の打ち切り、これが大体八千二百三十九が二千九百十二。合計大体八千人くらいの人が、わずか七、八カ月の間にふえておるという見方をしていただきたいと思うのです。私はこの数字が誤っているなら、これは、一ぺんまた調べますけれども、私は、それを見て、非常に心配をするわけです。したがって、これは労働省と言わず、通産省と言わず、これはもう労働省と通産省は関連のある問題ばかりなんですね。沖繩の問題の対策を考える場合には、どうしても、これは切り離すことはできない。むしろ私は、通産省が青写真を持っていただいて、将来どういう産業を持っていくのか。先ほど労働大臣のお話を聞きますと、いわゆるもっと高度な重工業、化学的なものも必要じゃないかとおっしゃっていますけれども、ところがいま海洋博覧会をやろうとしておる。そして郷土をよごしたくない。そうすると観光以外にない。観光ということを考えるならば、第三種的な産業をやっぱり育成強化せざるを得ないと思うのです。この第三種的な産業を開発するということは、いわゆる労働力を必要とする産業でありますから、あるいはいまの失業者が救えるかもしれません。こういう点が労働省の考え方と通産省の考え方が今日一致してないところにも沖繩の復帰後の将来をどうするかという問題が、まだ基本原則がない。報告の実態を見せてもらうと、結局本土にある法律を沖繩に移動して、それを適用してそれから考えるのだというシステムだと私は思うのです。それでは基本的におそいではないか。現実に失業者が出る。こういう点をもっと根本的に考えてもらう必要があると思いますが、大臣どうお考え願えるか、御答弁願いたいと思います。

塚原俊郎自由民主党労働大臣

○国務大臣(塚原俊郎君) いずれにしろ沖繩は基地経済というものが半ば以上を占めておりまするから、返還による基地の縮小、まあ基地の存続についていろいろな御批判はあるにいたしましても、基地経済から脱却するために職を失う方が必ずかなり出るということもわれわれも十分予想いたし、そのための万全の措置もとっておるわけでございます。いま公害問題が非常に大きな政治問題となっておりまするが、一次産業、二次鉱業の問題、これに加えて公害がからまりまして、いろいろ問題がこじれておるということも私は聞いております。先ほど宮之原委員に対して、私のかつて抱いた構想というものも申し上げましたけれども、今日の段階では、通産省ももちろんいろいろ工業というものについて考えていると思いまするが、やはり畜産と第三次産業の観光だけでは私は完全な雇用関係というものは困難ではなかろうかと思います。明年開かれる国体、それから五十年の海洋博、確かに公共事業の拡大というものによって、先ほども建設省から百万円を単位とした失業者の数がどれだけ救えるかというお話もございましたが、これはあくまでも一時的と言っては語弊があるかもしれませんが、恒久的なものとは言えないと思うのであります。ですから、沖繩にふさわしい、沖繩の人口を流出しない、沖繩の労働力をそのままの姿が豊かな沖繩をつくるためのやっぱり産業対策というか、そういうものをいままでどうも通産省と労働省との間の食い違いがあったということがいわれておりますが、それはございません。それにマッチしたものをつくるための努力をいたしておりまするし、われわれ労働省といたしましては、繰り返すようでありまするが、雇用関係に万全を期して、そうして本土にむやみに連れてくるんじゃないかというような批判を最小限度に食いとめる努力は十分いたしております。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 これは専門家の方でもいいんですが、昨年の沖繩の学卒ですが、昨年の学卒のこの求人は非常にまあ減っておると思うんですね。大体昨年は六十九社ですか、六十九社の求人社があった。本年はわずかに三分の一の二十三社、こういう状態で、いわゆる内地就職ですら、あるいは現地就職ですらできないというのが今日の現状なんですよ。したがって、大学卒の方が、那覇市が百二十人の募集をしようとしたところが、二十三倍の志願者だった。そこに来た志願者が二十三倍というんですから。これはもうたいへんなことなんですね。ほとんど就職ができないというのが今日の現状です。内地でもできないし、現地でできない、というと、これはもうたいへんだと私は思うのです。そこに、この申し上げておる数字があまり変わりないとおっしゃるなら、私は申し上げたいのでありますが、この沖繩の今度の政策の中でやっておられます問題は、地方安定として人間をふやしておられますのは、公共職業安定所だけを大体十八名ぐらいおふやしになっております。あとは全部現状かあるいは減っております。したがって、これも本土の人員比例に基づいて、ここにそれに見合った、比例した県がありますが、宮崎県とか徳島県だとか島根、高知、佐賀とか、こうありますがね。こういう問題こそ私はもっと労働省は考えてやるべきではないか。たとえて申しますなら、これは大臣もお聞き願いたいのですが、厚生大臣も労働大臣も、かなり御質問をわれわれしたのでありますが、今日の沖繩の未成年者の麻薬被害、売春、未成年者の。これを基準法に基づいてやろうとしたら、一体どうなるんですか、これ。たいへんなことなんですよ。いま売春婦でも七千五百ともいわれておりますが、あるいは一万二千ともいわれております。確実につかんでおりません、沖繩自体でも。そこにもってきて、婦人少年室は依然として五人おるやつを五人、ここらはもっと十人でもふやして、この際未成年者の教育に当たる、一面では。父兄も教育をする。いわゆる未成年者の教育をするが、父兄も教育するというような形で、こういうところにこそ私は五人を十人、二十人にして、そして三年ぐらいで安定させるという方針をどうしてとれないのか。これは私の意見になりますけれどもね。大臣、こういう点が、いわゆる内地の法規に基づいて各県に見合った、人口に比例した沖繩の対策しかできていないというところに問題の焦点があるんではないかと思うんですよ。   〔委員長退席、理事鬼丸勝之君着席〕 大臣、この点ひとつ建設的な御答弁を願いたいと思うのですがね。

塚原俊郎自由民主党労働大臣

○国務大臣(塚原俊郎君) まあ定員の問題のお話でありまするが、まあ類似県等、たとえば島根、鹿児島というようなもの、その辺が大体類似県として考えられたと思うんですが、それに見合った数では沖繩の現状にマッチしないという御指摘、これは私もっともだと思います。しかし、スタートとしまして、これでスタートいたしまして、もちろん、先ほども私お答えしたんですが、現状に合わない点がありまするならば、いかに機動力を発揮しても、まあたとえば労働基準監督官が抜き打ち的なものをやったとしても、現状に即しない面があるならば増員をするにやぶさかではない。先ほどからの御質問で、確かに復帰時の混乱を防ぐために類似県と同じような形ではあり得ないというお話でありまするが、私はその点は同意できます。したがって、今日の段階ではこういう数ではありまするが、現状に即した今後の増員というものは十分考えております。

高山恒雄民社党

○高山恒雄君 それじゃ最後に希望意見だけ申し上げて、私、終わりたいと思います、時間がありませんから。  きょうは通産大臣見えませんで、次官の意見をお聞きしましたが、労働大臣、先ほど通産省と労働省との意見はやっぱり基本的には変わっていないと、むろんそうかもわかりません。けれども、労働大臣の個人の御意見として御発表なさった構想からいくと、これは非常に相違があるんじゃないかと私は心配をしておるんです。   〔理事鬼丸勝之君退席、委員長着席〕 したがって、いま失業者を多数かかえておる沖繩として、労働集約的な産業を移行した沖繩に最も適切な地減の産業開発をしていくのか、あるいは近代化、科学的な産業を移行するのかということは重大な問題だと思うのです。私は少なくともこれは大蔵省には、労働対策の問題と通産省の基本的な考え方の問題を一致させて、大蔵省にそういう要求をしていただくことを要望申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。

星野力日本共産党

○星野力君 あと数日で沖繩の施政権が返ってきますが、日米沖繩協定が米軍の基地機能や沖繩におけるアメリカの経済的な権益などを現状のまま保証するようなたてまえをとっておるために、施政権は返還されても、いろいろな不都合が残るわけであります。中央の行政官庁が沖繩県に、現に審議しておりますようなそれぞれの現地機関を設けられますが、それらにしましても、直接間接、いろいろな困難に当面されることと思います。そういう不都合の一つの例といたしまして、琉球水道公社がガルフ石油精製株式会社との間に結んだ給水契約について、返還後、こんなものをどういうふうに処理されるおつもりかについて質問したいと思います。この契約は、アメリカの施政権下におけるアメリカ民政府の一つの機関である琉球水道公社とガルフ社との間に結ばれて、一九七一年一月八日に発効いたしております。沖繩協定の第六条で、琉球水道公社は琉球電力公社及び琉球開発金融公社とともに、施政権返還と同時にその財産が日本国政府に移転し、その権利義務も日本政府が引き継ぐことになっておりますが、アメリカの軍事占領下に結ばれたこの給水契約というものは、内容からいってもとても引き継げるものではないと思いますが、施政権返還後、この契約をどのように処置なさる方針か、この契約を無効にして新たな契約をつくるのか、その辺の大ざっぱなところをひとつお聞かせ願いたいと思います。

田中芳秋通商産業省企業局参事官

○政府委員(田中芳秋君) 御指摘のガルフ石油精製会社と琉球水道公社との給水契約につきましては、昨年一月に結ばれました最大日量一万二千六百立米を供給すると、こういうものをさしておられるのだろうというふうに思うわけでございます。この契約を私ども見ますと、復帰に伴いまして御承知のとおり琉球水道公社の仕事は、沖繩県企業局に引き継がれる形になるわけでございまして、したがいまして、本土の工業用水道事業法がここに適用されることになるのでございます。そしてこの本土の工業用水道事業法によりますれば、第十七条によりまして、供給規程を策定し、そしてこれが供給を行なうと、この供給規程の策定は通商産業大臣に届け出をすると、こういう形になっておるわけでございます。しかしながら、この契約の内容を見ますと、本土で現在適用されております供給規程に照らしますと著しく不当と申しますか、適合しない面があるというふうに考えております。すなわち、この契約の幾つかの問題の中でおもな問題を申し上げますれば、たとえばこの契約に関して紛議を生じました場合、あるいは契約の解釈等の問題につきましては復帰後は、日米貿易調停協定でこれを行なうというような形、あるいは契約の解除につきましても、ガルフ社が一定の予告期間を置いて契約を破棄し得ると、こういうような形になっておるわけであります。したがいまして、私どもといたしましては、あくまで工業用水道事業法によります沖繩県営の事業としてこれが的確に遂行できますように、現在この契約の承継者となる沖繩県及び契約の当事者で引き続き当事者となりますガルフ石油精製株式会社、これとこの契約の今後の取り扱いにつきまして、ただいま申し上げました方針に沿うように指導をいたしておるところでございます。

星野力日本共産党

○星野力君 返還後は、工業用水道事業法に基づいて新たな契約をやると、こういうお考えだということだと思いますが、これは当然だと思います。いまあげられた二、三の問題についてもさらにお聞きいたしたいんでございますが、その前に、他の問題について、この契約の中に給水量についての項目がございます。テクニカル・プロビジョンの3、D(1)ですか、そこでは琉球水道公社が現状の原水消費見込みは月当たり七千二百万ガロンであるが、一億ガロンの供給を保証するというふうになっております。この七千二百万ガロン、一億ガロン——先ほど立米でお話しになったが、私このガロンではちょっと見当つかないんですが、月当たりこれだけの数字というのは、一日にすると何トンになるんでしょうか。おわかりになりますか。

田中芳秋通商産業省企業局参事官

○政府委員(田中芳秋君) 七千二百万ガロン、これを日量にいたしますと九千百立米ということになります。また、月当たり一億ガロンを日量に直しますと、一万二千六百立米でございます。

星野力日本共産党

○星野力君 この数字を沖繩の水道事情からすると、どういうことになりましょうか。沖繩は御承知のように、少なくとも現在のところ水の非常に乏しいところでありますが、しかもそれを米軍基地や、こういうガルフのようなところが優先的に、特権的に水を取ってしまっておる。将来の産業開発に見合ったダムづくりなんかが計画されてはおるのでありましょうが、こういう事態自身が将来の産業開発などに大きな影響、悪い影響を及ぼすのではないか、そういう悪影響なしにガルフに対してこういう給水量を保証することができるのかどうか、その辺の現状と見通しですね。

田中芳秋通商産業省企業局参事官

○政府委員(田中芳秋君) 琉球政府の資料によりますと、沖繩本島におきます都市用水の需要でございますが、一九七〇年におきましては、水道によります水の需要が約二十一万トン、工業用水需要が約七万トンという形になっております。この工業用水需要七万トンは、工業用水道として供給をされておるのではございませんで、地下水あるいは表流水等を採取して行なわれておるものでございます。しかし、いずれにいたしましても、一九七〇年では約二十八万トンの生活用水及び工業用水需要があると、こういうふうに見られるわけでございます。  一方、今後の見通しでございますが、昭和五十五年、一九八〇年の見通しでございますけれども、私どもといたしまして、通産省、厚生省、上水道は厚生省になりますので、現段階におきまして一応見通しを立てておりますのは、水道水では約四十五万トン程度、工業用水では約十八万トン程度ということに見込んでおるわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、今後増加をいたします工業用水の需要に充てますために、東海岸系列の水源を確保し、十万五千トン程度の工業用水をここから供給するようにいたしたいということで、本年度より工事に着工をすることにいたしているわけでございます。こうした数字から申しますと、ピーク時月一億ガロン、日量にいたしまして一万二千六百立米、一万二千六百トンということになりますが、この程度の数字であれば、全体の水需要にそれほどの大きな影響を与えないのではないかというふうに考えておるわけでございます。

星野力日本共産党

○星野力君 ガルフ社は、契約に基づいてこの施設の工事費などでしょうか、前渡し金七万一千五百ドルを琉球水道公社に渡しておりますが、それが料金と相殺されていってゼロになってからも十年間は那覇市が琉水から購入する原水価格をこえてはならないというような規定を設けております。料金の問題ですが、契約では七千二百万ガロンまでは一千ガロンにつき十五セント、三百八円で計算してみましたら約四十六円になりました。それをこえる部分については、一千ガロン五セント、十五円、こうなっておりますが、これはトン当たり計算ではどうなるでしょうか。

田中芳秋通商産業省企業局参事官

○政府委員(田中芳秋君) 一千ガロン当たり十五セントといたしますと、立米当たり、トン当たり十二円二十銭という形になります。

星野力日本共産党

○星野力君 まあ私よくわからぬですが、十二円二十銭、原水トン当たり十二円二十銭というのはそう安過ぎるという料金でもないようでありますが、ただこの前渡金がゼロになってからもさらに十年後のことまでこの契約は拘束しております。工業用水道事業法ですと、特定のものに対する差別的取り扱いということはできないことになっておると思いますが、こういう点も今後の新しい契約では是正されるでしょうか。

田中芳秋通商産業省企業局参事官

○政府委員(田中芳秋君) 十二円二十銭という価格は、現在琉球水道公社が那覇市に卸売りをしております原水の価格六円五十銭、あるいは名護市にございますオリオンビールに工場用水として売っております六円五十銭、これに比較しましてかなりの割り高になっているわけでございます。これはこの工事が石川と勝連半島の中間にございます天願川から主としてポンピングアップによりまして取水をするというために、特別のポンプ設備及び導管を設置したことを見ますコストを反映してのことではないかと私どもは見ておるわけでございます。しかし、いずれにいたしましても、このような原価構成は適正であるかどうかという点が第一。  それから前払い金の償却後、これはおおむね十四年ということになろうかと思いますが、そのあと十年間、また、沖繩におきますこの契約によりますれば、那覇市六円五十銭を上回らないという形になるような、こうした契約の姿は非常に好ましくないと、このように思っております。したがいまして、本土で現在行なっております例、これは実は償却が四十五年という形で本土では行なっておりますが、こうした事例をも十分考慮し、現在契約しております、あるいは今後そうした変更を考えております原価構成から見まして、それが適正な料金であるかどうかという点も十分洗ってみたいと、このように考えております。

星野力日本共産党

○星野力君 先ほど御説明の中にありました調停条項にしましても、問題が起きたり、あるいは解釈の違いが起きた場合には、合衆国ペンシルバニア州の法律に基づいてやると、返還後は日米貿易仲裁協定に基づいてやると、こういうふうになっておるんでありますが、そのことは先ほどもお話あった日米貿易仲裁協定というものは、これを見ますと、「日米両国商社間の貿易上の」云々と、こうなっておりますが、今度は日米の商社ではないと思いますから、この調停条項——これはもう日本の裁判所に持っていくことになりますか。

田中芳秋通商産業省企業局参事官

○政府委員(田中芳秋君) 御指摘のとおり、県営事業として行なわれるものでございますので、裁判上の問題があれば、日本の司法裁判所の管轄に属するということでございます。

星野力日本共産党

○星野力君 まあ通産省の御説明、御答弁、私了承します、問題の所在、よく御存じのわけでありますから。ただ相手がありまして、相手はこれは相当抵抗してくると思うんですね。こんな契約、その痕跡を新しい返還後の契約に残しましたら、沖繩県の水道事業の発展を妨害するだけじゃなしに、産業の発展そのものにも、また、日本の主権の問題でもあると思うんです。いまお話のあったようなそういう問題点について、十分しっかりした態度でひとつ今後契約に当たっていただきたい。私たちもそれを注目しておるわけでございます。で、これは一つの例でございますが、施政権が返ってくるとなりますと、沖繩のあそこここでこういうものがごろごろ出てくるんじゃないかと思いますが、各官庁ともみな関係ある事柄、出てくれば関係あるわけですが、ひとつよほどしっかりした態度で対処していただきたいというように思います。  水道のことはこれでやめますが、ついでにガルフのことについて一つ、二つ確かめておきたいんですが、ガルフは平安座島のあの土地を島の人たちとの間に六十年の賃貸契約を結んでおるということでありますが、ああいう賃貸契約はそのまま有効でございますか。

田中芳秋通商産業省企業局参事官

○政府委員(田中芳秋君) 六十年の賃貸契約の件につきましては、私申しわけないことでございますが、耳にいたしておりませんが、かりにあるとすれば契約は有効であるというふうに考えられます。

星野力日本共産党

○星野力君 ガルフは、アメリカ高等弁務官の指令によって、金武湾の海域十平方キロについて六十年の海上占有権、港湾の独占的な管理権、こういうものを持っておるそうでありますが、これは返還後は消滅しますか。

田中芳秋通商産業省企業局参事官

○政府委員(田中芳秋君) 復帰後の金武湾の管理につきましては、これをどこの、沖繩県が持つかあるいは国が持つか港湾管理組合等で行なうか等の問題は、まだ結論を得ていないようでございます。これは運輸省あるいは建設省の問題にわたりますので、通産省からはお答えできない。お許しいただきたいと思います。

星野力日本共産党

○星野力君 私は、通産省がこのアメリカ系企業なんかの肩を持って、こういうものの解決に肩を持って対処をしないということ、そういうことを期待するわけだし、希望してこの問題はこれで終わりましょう。  農林大臣お見えになっております。農林大臣でなくていいんですが、せっかくおいでになっていらっしゃいますから、農林省関係のことを一つ二つお聞きしたいと思うのです。  沖繩の官有林というのは、これは施政権が返還されますと文字どおりこれは農林省の管轄になるわけでございますか。——大臣でなくてもいいですよ、大臣には別にまた聞きますから。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) そのとおりでございます。

星野力日本共産党

○星野力君 御存じだろうと思いますが、防衛庁は自衛隊を沖繩に配備しますと、この沖繩本島北部の国頭の原生林地帯、これはほとんど官有林地帯でありますね。ここを自衛隊の百五ミリりゅう弾砲などの実弾射撃演習場にしようとしてねらっておる。その話は農林省のほうに届いておりましょうか。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) 沖繩の北部の演習地内の立ち入り禁止区域を主体として、りゅう弾砲の実弾射撃を行ないたいという米軍の申し入れがあったということを、本年四月下旬に防衛施設庁から林野庁に口頭で連絡がありました。

星野力日本共産党

○星野力君 北部の官有林地帯でも、いま防衛庁が一番ねらっておるのは、東村嵩江官有地ですか、嵩江ですか、あの辺は鳥獣保護地域もあるし、返還後特別記念物に指定されることになっておるノグチゲラ、キツツキの一種でございますか、あれの生息地だそうでありますが、私、実は行ってみました。海兵隊のゲリラ訓練場、南ベトナムの部落にまねた部落をつくって訓練をやっておりました。見てまいりましたが、ゲリラ訓練場にはなっておりますけれども、土地、地形を破壊するようなことはやられておらないようですね。そこを防衛庁が一番ねらっておる。付近の住民はもちろんそこがそういう演習場にされることには反対だ、米軍にそういう動きがあったときも反対したのでありますが、もちろん自衛隊に対しても反対しておるわけでありますが、琉球政府の農林局も反対、いま大臣のお話では防衛庁から林野庁のほうに話があったということだと思いますが、私は農林省としても反対じゃないかと思うんですが、御見解どうなんですか。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) さっきの話は、米軍が使用するという連絡がありましたから反対で、いま協議中であります、防衛庁と。

星野力日本共産党

○星野力君 米軍は反対、これはやっていただかなければいかぬですが、防衛庁だからといっていいというわけではない。防衛庁もやめさせなければならないと思いますが、防衛庁が自分で使う、これはほんとうにやるつもりなんですよ。また沖繩ではあそこが一番それにはいいかもしれないですが、防衛庁の場合はどうですか、反対してくれますか。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) いまの自衛隊、防衛庁側の実弾射撃の計画については、連絡は受けてはおりませんが、演習地として提供する国有林に、先ほどのお話のような貴重な動植物が生息しておる場合には、十分そのほうに留意しなくちゃならない、それに対処していきたい、こう思っております。

星野力日本共産党

○星野力君 次の問題、これはよく御存じの観光資本の沖繩の土地の買いあさりの問題これが非常に激しくなっております。本島だけでなしに、八重山の島々にこのごろは目をつけて、札束をちらつかせながら買いたたいておる様子でありますが、坪あたり一ドルないし二ドル、このごろは上がってきておるそうでありますが、それにしても大体四ドル、五ドルどまりのようであります。こういう島々が、本島にしても同じでありますが、沖繩への観光資本の野放しの進出を許しておったら、私は非常に大きな弊害が起きると思いますが、先ほど——通産次官いなくなってしまった——通産次官は、沖繩の開発、産業計画について海洋博の問題を言われ、海洋博に呼応して観光産業を大いに興すんだ、こういわれておる。私、沖繩の観光産業ということには反対じゃないんです。先ほどガルフの話をいたしましたが、あんな石油精製工場ほかにもたくさん進出をねらっておるようだし、一方ではその誘致を計画しておる向きもあるようでございますが、あんなものを持ってきたらどうなりますか。ことに石油精製、石油貯蔵基地というようなものを持ってきましたところで、ほとんどこれは労働力は要らないわけですね。地元の労働力を吸収する力なんかほとんどこれはないわけです。しかも公害の発生源になるわけです。あんなものを持っていくよりは、海洋博を目ざして当面は道路であるとか港湾の施設であるとか、上水道、下水道、それから都市計画——那覇市なんかはもう実にきたないですね。そういうものにうんと資本を投下していく。その一方で観光産業を興していくということは私はけっこうだと思うんですが、こんな野放しの状態ではたいへんなことになると思いますが、観光産業の問題について、これは一体こういう観光資本の土地の買いあさり、そういう状態の中で観光産業を盛んにするというか、どういう方針で——かってに観光資本にやらせるのかどうか、それともこういうのを押えていきながら観光産業を盛り立てていくという方針を持っておられるのか。——これは通産省じゃないといけないのですかね。どなたか答えていただける方……。農林省ばかりですか。それなら、ひとつ国務大臣から……。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) お話のように、私も原則として別に観光ということには反対いたしません。ただし、内地でもそうですが、農林省なんかでも自然農村の建設とか、あるいは林野におきましても休養林とか、そういうような自然を存置しての観光、そういう方向で進めてもらわなければいかぬと、こう思っております。

星野力日本共産党

○星野力君 もつとついでに赤城国務大臣にその辺確信のあるところをお聞きしたいと思うんですが、時間がありませんから略して進みます。  実際、おっしゃるようにあんな観光資本の行動を野放しにしておきましたら、自然破壊をもたらす危険はもちろん、それもそうでありますが、もう一つ農民が目前の生活の苦しさから自分たちの生活の基盤である土地をどんどん手放していく、一方では漁民が海、漁場を手放していっている現象も起きているわけであります。こうなりますと、結局は農業、漁業からそれらの人々が離脱していって人口の流出になる。先ほどから、沖繩の人たちを沖繩にとどめる産業方針ということを通産省の次官から言っておられましたけれども、そんなことできゃしないでしょう、こんな状態許しておったら。農林省としては、こうやって農民や漁民の生活基盤が失われていっておるこの状態、これを好ましいとお考えになるか困ったとお考えになるか、どうでございますか。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) 生活というか、生存の基礎を失われるような政策あるいは動向というものは好ましくない、もちろんそう考えております。私ども農林省としては、先ほども御要望があって御答弁いたしませんでしたが、農業としてのやはり存在価値といいますか、相当あるのでございますから、そういう方面で農業を振興し、そして土地を離れないでやっていけるような政策を行なうというふうに考えています。

星野力日本共産党

○星野力君 もう少し具体的な解釈というものを、せっかく大臣おいでになっておるから、基本的な点でいいですからお聞きしたいと思っておりますが、あそこで観光資本が土地を買いあさるにあたっていろいろ計画的なことをやっておる。たとえば、返還後は農地法が適用される、農地法が適当されると農家は一ヘクタール以上の土地は持てなくなる、あるいは、部落共有地、共有林というものは認められなくなる、こういう宣伝が計画的にやられている、農民に土地を手放させるために。こういうような事態をどうお思いになるか。それに対してどういう手を打ったらいいか、お考えがありましたら……。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) 復帰後は農地法が適用されることは申し上げるまでもございません。でございまするので、そういうことがあってはならないと思いましたので、農林省といたしましても、農地法が適用されるにつきましての説明会を、ずいぶんこっちからも出ていますし、向こうの農民や農業関係の人も集まってもらって、説明会を十分やったわけであります。あるいはまた、パンフレットなんかも相当部数配りました。しかし、何といってもこの法律というものはわかりにくいものです。宣伝のほうが聞かれるというようなことでございまするから、そういうことに惑わされたり、そういうのに乗るなというようなことで沖繩のほうにもそういうことを特に強く申し入れておりますが、なお復帰後もそういうことがないように、十分指導するつもりでございます。

星野力日本共産党

○星野力君 時間がないからやめますけれども、ひとつ赤城農林大臣、私にお答えくださったようなそういう方針と腹で、この事態に対処いたしていただきたいと、こう思う次第です。どうも御苦労さまでした。

長谷川仁自由民主党

○委員長(長谷川仁君) 四承認案件に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午後八時一分散会      —————・—————

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