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68回国会参議院1972/04/21

沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第4号

発言数
139
登壇者
13
会派数
4
開催日
1972/04/21

会議録

剱木亨弘自由民主党

○理事(剱木亨弘君) ただいまから沖繩及び北方問題に関する特別委員会を開会いたします。  北方領土問題対策協会法の一部を改正する法律案を議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取します。山中総理府総務長官。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) ただいま議題となりました北方領土問題対策協会法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び概要を御説明申し上げます。  北方地域すなわち、歯舞群島、色丹島、国後島及び択捉島は、わが国固有の領土であるにもかかわらず、第二次大戦終結後ソビエト社会主義共和国連邦に占拠されたまま現在に至っております。このため、これら北方地域の元居住者は、終戦後間もなく全員引き揚げを余儀なくされ、今日に至るまで帰島することはもちろんのこと、その周辺の漁場において漁業を営むことさえもできないという状況に置かれております。また、北方地域において旧漁業法に基づき漁業を営む権利を有していた者等については、本土において戦後とられた漁業制度改革に伴う漁業権補償の措置をとることができないため、本土側の旧漁業権者等に比し不利な地位に置かれております。  このような北方地域の施政について存する特殊事情及びこれに基因して北方地域の元居住者、同地域の旧漁業権者等の置かれている特殊な地位等にかんがみ、北方地域旧漁業権者等に対する特別措置に関する法律(昭和三十六年法律第百六十二号)に基づいて、北方領土問題対策協会にこれらの者の営む漁業その他の事業及びその生活に必要な資金を低利で融通させ、その事業の経営と生活の安定をはかるため、国から基金として十億円を同協会に交付いたしております。  しかしながら、これらの北方地域の元居住者、旧漁業権者等の最近における長期資金の需要の動向等に照らしますと、同協会の基金十億円の運用により貸し付け得る資金量のみではとうてい十分とはいいがたい状況にありますので、同協会が別途長期資金を借り入れ、これをこれらの者に対する貸し付けの資金に加える必要があるため、この法律案を提案した次第であります。  以上の理由から、この法律案においては、同協会が従来年度内償還を原則とする一時借り入れ金しか借り入れることができなかった点を、長期借り入れ金をも行なうことができるように改めることといたしております。  以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概略であります。何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御賛同あらんことをお願いいたします。  なお、本案は、衆議院において施行期日の「四月一日」を「公付の日」と修正されたものであります。

剱木亨弘自由民主党

○理事(剱木亨弘君) 以上で説明は終了いたしました。  本案に対する質疑は次回に譲ることとし、本日はこの程度にとどめます。     —————————————

剱木亨弘自由民主党

○理事(剱木亨弘君) 次に、沖繩及び北方問題に関しての対策樹立に関する調査を議題といたします。  これより質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言を願います。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 大臣は、沖繩は日本のアルサス・ロレーンであるという評があるわけなんですが、御存じでしょうか。御承知のように、アルサス・ロレーンは、第一次大戦と第二次大戦後と、二回にわたって祖国フランスに復帰をしたところの歴史を持っているわけでございますが、その復帰のあり方というのは、第一回目と第二回目との非常な違いがあるわけでございますが、一体沖繩の復帰のしかたはどちらの範疇に入るだろうとお考えですか。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) 私は、第二回目の範疇に入らなければならないと考えて懸命に努力をいたしてまいりました。しかしながら、県民百万に近い方々の個々の利害関係、その他生活の実態の問題からいって、あるいは、アルサス・ローレンの第一次に、現地の事情をよく踏まえた施政を母国が行なわなかったということによる混乱が起こりましたことを、一部において指摘されている点も私は肯定いたしております。これを解消すべく、また、これは本土のほうが解消しなければならない義務を負っておるわけでありますから、なおかつ、微力でございますが、絶対にアルサス・ローレンの第一次の轍を踏むことのないように努力をしてまいるつもりであります。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 長官自体もお認めになっておりますように、心がまえとしては、第二次の復帰の方向にやりたいということで、非常な努力をされたということでございますけれども、現実は、やはり私は、第一期の復帰当時と同じような状況を描き出しておるのではないかと思うのであります。それは、復帰とは一体何でしょうねと、こうつぶやいているところの沖繩の現地の主婦のことばが、私はそのことを端的に物語っていると思うのであります。このような素朴な疑問が、これまでの本土復帰への期待に変わって、広く県民の心の中に頭をもたげ始めてきておるということは、私は否定できないところの現実であると見ておるのであります。軍用地復元補償費の本土政府による肩がわり問題、さらには、極東放送の政治的存続などへの疑惑、これは沖繩県民の心の奥底に深くよどんでおるところでございますけれども、本日は、これは長官の所管外のことでございますので、まず私は、その問題ではなくて、現在県民が最も不安に思い、不満としておるところの通貨問題について具体的にお尋ねいたしたいと思います。  この問題は、通貨闘争と呼ばれるほどに現地では大きな問題になっております。私は、この件に関しましても、二月十六日の政府の緊急措置、さらには、去る十四日の衆議院大蔵委員会におきますところの附帯決議等と、山中長官の努力はそれなりに高く評価しておるものでございますけれども、あれだけで私はこの問題が解決されたとは見ておらないのであります。一体、大臣はあれでもう精一ぱいだとお考えになっておられるのか。それともまた、今後どのような具体的な手だてをされようと考えられておるのか、そこらあたりを、まずお聞かせ願いたいと思います。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) 復帰が五月十五日に延びたことも手伝いまして、昨年の十月九日チェックいたしました後の、沖繩県民個々、もしくは、県経済全体としての成長率中、ドル受け取りの収支じりの黒になった部分、その部分についての措置が実質上なし得る余地がないかという点について、私も非常に頭を悩ましておるわけであります。これをどのようにして——県民個々に帰属する数量をも計算不可能でありますし、かと言って、その後の成長率のドルに関する分について差損を認めないということは、理論的にも、現実的にも問題が残ると思いますので、これはさらに私のほうで具体的な検討をしてみたいと考えておるところであります。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 非常に抽象的な答弁でございまして、よくわからないのです。ほかの委員会で、おそらく大臣は相当具体的に答弁しておられるから、本委員会でもその程度にしかお答えできないと思いますけれども、私は、やはり、本委員会での大臣のそれに対するところの具体的な見解を、初めてお聞きするわけでございますので、どうぞ、もう少し具体的にこうこうしておると、こういうお話しを願いたいのであります。少なくとも、いままで報ぜられているときには、公務員とか、あるいは比較的に大きな企業の労働者の、たとえば給与の切りかえの問題等は、ある程度前進をしておるということは私も承知をいたしております。しかしながら、たとえば民間の金融機関におきますところの職員の、この三百六十円への切りかえ問題は、日銀、大蔵当局が外貨預託制に対しまして難色を示しておるので、非常に困難性があるとこう言われておりますし、このことについて、一体どういう打開策をしようとされておるのかお聞きしたいし、特にまた、これらの問題を端的に、私も事例を引いて申し上げますと、その金融機関の、ある、東京の出張所の職員の給与あたりは、円の切り上げの実施された十二月一と、変動相場制に移ったところの八月以前と比べますと、最高四万四千七百五十一円から、最低八千七百三十六円までの減額があると、こう言われているくらいでございまして、この問題をそのまま、大蔵省や日銀が難色を示しておるからと言って、これに対するところの打開策がないということでは困ると思うのであります。そこらあたりをひとつお聞きしたい。  あわせて、いわゆる零細企業の労働者の救援が、はたして、先般の大蔵委員会の附帯決議で十分なのかどうか、そこらあたりについても大臣の所見を承りたいと思う。  さらにまた、実際の切りかえになりますと、実際の通貨の交換というのは、おそらく私はそのときの実勢のレートで行なわれるのじゃないだろうかと、こう見ておるのですが、そうでなければ幸いにして、もし、実勢レートでこの切りかえが行なわれるとするならば、円高の今日におきましては、それこそ一般も、三百八円どころか、ちょうど二、三週間前の三百一円、あるいは三百二、三円前後で切りかえられるという状態にもなりかねない。こうなりますと、私はやはり現地の皆さんには非常に大きな損害を与えるものだと見ておるだけに、こういう問題に対して、具体的にどういう手だてを講ぜられておるのか。そこのところを詳しくひとつお聞かせ願いたいと思います。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) わかりました。私の答弁が少し先走っていたようであります。いままでにとりました措置というものを、あらためて申し上げますと、琉球政府との間で合意いたしました措置は、まず、産業開発資金特会の融資に対して十億の追加をする。さらに、大衆金融公庫の融資について一種も対象とする七億六千万の追加をいたします。この二点で、一応現地の企業の融資面は話はついたわけであります。さらに、融資で解決できない金融機関というものについては、本土のほうは貸し倒れ準備金の繰り入れ限度が千分の十二に今日なっておりますが、琉球では現在千分の十であります。しかし、現地の積み立て実績を見ますと、課税積み立てを大体十八から十五ぐらいのところまで実際上いたしておるようでありますので、その資力は十分にある。そこで、それを千分の十五まで繰り入れ率を引き上げることによって、現地で当初百億の預託を要望しておられましたが、それの預託によるメリットは三億円余りでありましたけれども、この貸し倒れ引き当て金の繰り入れ充当率を千分の十五にすることによって、約四億のメリットが出るということで、これらの金融機関の職員等の切りかえ等については、すでに順調に進んでおるわけであります。なお、公務員あるいは電力供給公社、あるいは開金、そして琉球政府が引き継ぐ水道公社、そういうもの等についても公務員と同様の、本土の職員でありせば、学歴あるいは勤務年限等に相応する等級号俸に当てはめて、直近上位をとることによっておおむね解決をする。それに対して不足する分は差額手当を支給するということで一応現地の団交等も終わっているわけであります。  そこで、私の念頭に絶えずひっかかっておりましたのは、はたしてその措置でもってどこまで、どの程度まで現地で実際に解決を見ただろうかという点でありました。その後、調査、追跡をいたしました結果、約五〇%の企業がそれによって措置をされておる。しかも、親方日の丸は、表現はおかしいんですが、けっこうな御身分である、われわれ零細中小企業については、同じように一人雇っても二人雇っても企業主であるのに、これではやっていけないという声があることを知りまして、附帯決議の際に好機として八十億以内の金額を準備し、七年償還の二年据え置きで年利三%という条件の金融を設定したわけであります。これは現実には負債借りかえによって金利差のメリットにおいてその労賃のコストプッシュ面をカバーしていくということになると思いますが、おおむねこれにおいて一〇〇%カバーができるものということは、大体現地の事情等から見て、今回の措置によってできるものだと考えております。なお、本土のたとえば銀行の出先の職員、あるいは琉球政府の東京事務所の職員もそのようなことがいわれまして、これはやはり琉球政府の本土における円圏の生活をしておる職員の諸君は、ドル圏の円物資の生活をしておる諸君とは違うのでありますから、やはりそれを一六・八八切り下げて月給をやるということは、これは気の毒だからやめてもらえないだろうかと、これは私が琉球政府に陳情をいたしましたので、大体その後解決の方向に向かっていると思いますが、しかし、一時は理論的にそのようなこともせざるを得ない立場に追い込まれたものと私も考えておるわけであります。これは是正されると思います。なお、交換レートが実勢レートになることは、すでに決定されました復帰の日前における為替の売買相場の実勢に応じたものを閣議の承認を得て大蔵大臣が定めるレートということになりますから、実質実勢レートということになると思います。その場合において、一方においては予算化いたしてあります十月九日チェックいたしました個人の通貨もしくは通貨性資産というものに対して交付する二百六十億、これが実際上実勢レートとの差になりますので、当時計算いたしましたものは三百八円のレートとの差額でありましたから、ここにいきます金は、その幅が大きいに従ってその金額はふえますので、おおむね三百億近いものが復帰後三週間以内に各個人の手元に渡ると思います。他面、しかし、先ほど私がその点を申したのでありますが、その後の沖繩経済の実質ドル部門の成長に対応する措置がとられていない、きわめて困難だ、これはあいまいなことを申したのでなくて、主張はされておりますが、琉球政府も具体的にどういう手段ならばそれが可能であるかについては、目下検討中でありまして、これは両方知恵を持ち寄ろうということにしておるわけであります。  以上、大体御質問に対して一応のお答えといたしておきます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 いまのお話を聞きますと、いわゆる公務員とか、その他の賃金労働者の面は大体要求に近いところの線が保障できると、こういう話ですが、かりに、それをそのまま肯定をするといたしましても、いわゆる実勢レートの切りかえの場合に、あなたの発言では、去年の十月九日のレート措置の三百六十円とのいろんな貯金や、いろんなものとの関係でそう被害は受けないだろう、こういう判断のようでありますが、実際に貯金もない、その日暮らしの零細な一体市民層のことを考えてみてもらえばはっきりわかると思うのですがね。こういう人々は、ただでさえ生活が苦しい。あとからも申し上げますけれども、非常な物価高、そういう中で、いわゆる組織もない、何もないという形で、あるいはまた貯蓄するところのゆとりもない、こういうような場合になりますと、この一般の零細な市民層というのは、そのまま実勢レートのままで切り捨てられるということになれば、三百八円はおろか、三百一円、三百二円というかっこうで非常な差がつきやしませんですかね。この点は、たとえばその面で補償できないとすれば、他のいろいろな税制、いろいろな面の措置でこれについて補うとかどうとかというきめこまかいところのやはり具体的な措置というものは考えておらぬのですかどうですか、そこも少しお聞かせ願いたい。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) 個人の持っておられます金というものは、十月九日のチェックのときに、金額の多寡にかかわらず、これはコインまで含めて全部チェックしたわけでありますから、それに対する差額は組んでありますので、その一般大衆の持っておられます金というものは、預金をする能力のない人でも、現金があれば全部十月九日はチェックしてありますから、その差額については、レートが実勢レートで円高であるならば、それだけの差額を追加したものが当然義務的経費として支払われるということを申しましたので、私としては、別段それによって話が別な問題として済んじゃっているのだという意味を言っているわけじゃありません。私の言っているのは、十月九日以降における、大きくは琉球経済の成長部分というものが個々の人たちに帰属しておる分もありましょうし、企業に帰属している分もありましょうが、そういうところを具体的にどう見るかという問題がきわめてむずかしい問題である。その点でいま頭を悩まして、琉政とともに協議中であるということを申したわけであります。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 それで私の言いたいことは、それ以降の、特に一般の市民層ですね。それに対するところのやはり具体的な手だてというものを私はやはり積極的に講じない限り、この面に対するところの住民の不満というものはいつまでも消えない、こう思いますだけに、これは特段の配慮と努力を私はこの際強く大臣に要望しておきたいと思います。  なお、引き続いてお尋ねいたしますが、法人関係の問題であります。昨年十月九日に行なわれたところのいわゆる通貨確保作業というのは、これはさっきも答弁がありましたように、個人の保有するところのドル切りかえの処置であっただけに、御承知のように、法人関係は放置されたままなんだ。しかし、私は営利事業の法人は、そのままに放置されるならそれにいろいろ理由もつけられると思いますけれども、いわば個人財産の連合体とも集合体ともいうべきところの労組とか組合とか共済会という社団法人まで一緒にしてしまってそのまま放置するということはこれはおかしいんじゃないだろうか、こう思うのですよ。聞くところによりますと、大臣も三月の初めごろにこのことの重要性を初めて知って、その善後策を講じておられるということでございますが、この際その善後策を講じておるならば、その中身、あるいは具体的な今後の方向性というものをお聞かせ願いたいと思います。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) いまのお話で、まず法人を除外したのは、これは琉球政府も認めておるとおり、大体自己資本比率が二〇%でありますから、八〇%が大体ある程度の長期の借り入れであります。これを一ぺんに圧縮して相殺をしましても、よほど同族法人みたいなもので、体質のいい企業ならばあるいは差し引き黒の企業があるかもしれませんが、琉球経済全体としては、負債のほうが圧縮された上に相殺の対象となることで、かえって償還その他が三百六十円償還ということになって困難を生ずる、これは経営者あるいは従業員を含めての問題で、これは話がついてやったことでありますし、なおその際も、いま三月の初めに私が初めて人格なき社団の問題に気がついたと言われますけれども、そうじゃありませんので、これも琉球政府と事前に十分に調整した上で、琉球政府が政府立法としてどこまでの限界のものについて処理をする、対象はどこまでだというようなことを全部立法をしたわけであります。しかしながら、その後琉球政府として確認を終わった後、やはり人格なき社団の教職員共済会あるいは軍労その他の類似のものについては非常な要望が高まりまして、それを受けて折衝にこられたことは事実であります。しかし、たてまえは琉球政府立法のときに合意なしでやったものはないのでありまして、その点は、理論的に一応の配慮をいたしたつもりであります。しかし、この問題は、掛け金と給付の問題としてとらえますと、生命保険その他の問題も、また同じ理論で割り切らなければなりませんし、掛け金は同時に給付に回すものであり、したがって、理論的に詰めてまいりますと、チェックの当時、それらの人格なき社団である財団法人の手持ちの現金であって、それを銀行に預託していたりなどした金額というものをどうするかということに最終的に帰結をしてまいったのであります。これらの問題は、一応は合意した問題でありますけれども、その後、問題が引き続き提起されておりますから、一応の相談はいたしておりますけれども、その際に一応割り切らざるを得ない、対象除外せざるを得ないものであることは琉球政府も認めて、十月九日の措置は立法をもってやったものであるということだけは、やはり一応のたてまえとして、これを否定することはできないわけであります。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 相談をしたという話ですが、水かけ論になりますけれども、三月の初めに関係者があなたのところに陳情にいったときには、あなたからの話は、初めてそんな重大な問題があるということを認識したと山中大臣が言われていたと、こういう報告を私はじかに受けているんですが、それは御当人がそうじゃないと否定されればそれ以上言いませんけれども、だいぶ現地の受けとり方とはこれは大きなそごがあるということは事実ですね。したがいまして、たとえば四月十日の琉球新報は、この問題について、この問題は総理府が十月九日時点の通貨確認作業時の確認漏れとして、たとえば教職員共済会等の貯蓄性の資金については、差損補償のために調査検討云々するという方針であると琉球新報は報じておるんですが、おそらく大臣もごらんになったと思います。また、十六日のたぶん録画だと思いますけれども、あなたと屋良主席とのテレビの対談は、この問題についての差損保証については、自分は絶対がんばるんだ、こういうことをあなたはそこで言われておる。現地の諸君はこの問題について非常に前向きな解決をあなたがやってくれるというふうに期待をしておるように言っておるのでありますけれども、いまの御答弁の限りでは、何ら明確なお答えができない。私は理解できないんです。もし、もう少しこの問題について具体的に大蔵省なら大蔵省と折衝しておるなら、折衝しておるところの問題について、経過があるならお聞かせ願いたい。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) これはテレビで屋良主席が読まれたのは、確かに書いたものを読んでおられましたから、問題点を全部羅列をされたわけでありますが、私どもとしては、琉球政府のそのような立場というものも踏まえて、これに対して絶対話し合いも拒否するというような態度はとっておりません。しかし、かと言って、これはもう十分に事前に話をしてどこで線を引くかということは、きわめてむずかしい問題でありましたから、これは議論をした上に、琉球政府が立法をすべき内容等についても、こちらのほうで大蔵も交えて検討した結果、了承されたものに沿ってやられたわけであります。したがって、たとえばコインなどについても、これを金融機関が預かってくれればよかったのですが、それをそのまま、チェックのしようがないまま現金を返しましたので、大蔵としては二百六十億の予算を組むときに、コインは対象にしない持ち回りをされたというような話もありました。しかしながら、それは確認もできないことでありますし、かりに持ち回りをされたと仮定をしましても、それが不特定多数の人の間にずっとふえん的に行なわれたわけではなくて、まあコインの最高は一人あたりが五百ドルしかありませんから、そういうことで大蔵のほうにも、すべてこれは目をつぶってもらいたいということで、コインは対象にするということにしたわけでありまして、その際においては十分に意見を調整しておりますので、私としては、その問題は存在して指摘され続けているということについては、私も理解もし、了解もしておりますが、それをいま国のほうで直ちに実施する。確認漏れとしてこれをさらに追加するということについて明言をいたす段階にまだまいっていないということであります。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 どうもそうすると、いま私が手元に持っているところの新聞の記事は、だいぶこれは自分たちに都合のいいような報道をしたとしか受けとれないわけなんです。しかし、いずれにしても、その新聞報道は抜きにしても、この問題は問題点があるということだけはあなたも認められている。それならば、具体的にいつごろまでにこの問題について、できるだけのひとつ解決の方向でやるというような、日時的なめどというものはお示し願えませんか。現にもうあと二十五日足らずで復帰でしょう。それを検討します、調査しますでは、これはもうまどろこしい話なんです、現地の人にとってみれば。そこらあたりももう少しはっきりお聞かせ願いたいと思うのです。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) 沖繩の通貨の確認は、本土政府がやったわけではありません。何らかの措置をとらなければならないということで、琉球政府にお願いをして、琉球政府ももちろんそのような措置が次善の策であることを承知されてやったわけであります。でありますから、ここで最終的な返答をしろとおっしゃられるならば、それは話が違います。したがって、それはできません。こういうことしか現在の時点では答えはできませんが、しかし、その後合意された琉球政府の意向として、何とかこれに検討を加えてもらいたいという話がたびたびありますから、そのことについて御相談には乗っております。検討もしております。かと言って、ここでそれはだいじょうぶですという返事を申し上げるのには、少しく事情が入り組んでおりまして、琉球政府が知らなかったということをおっしゃるわけには、琉球政府もよもや言えないだろうという事情がございますから、これらはあまり四角四面なことではない話として、いろいろと相談を内密にしておるという点では、そこらまでの御答弁はできると思います。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 私の手元にありますところの二月二十九日現在の各共済組合の資産調べを見ましても、たとえば社団法人の沖繩教職員共済会、これの差損が五億九千四十二万円、沖繩官公庁労働組合の共済会が一億二千二百十八万円、市町村職員の共済会が五千三十七万円、琉球警察共済会が七百七十八万円と、この種団体合わせますと、実に八億六千九百三十七万円という膨大な額にのぼっています。これがまた個人に帰属するところの給付金、積み立て金等を考えますと、これまた沖繩教職員共済会の場合だけでも五億三千七百万円という相当の額にのぼっているわけです。それを、あのときの通貨確認の約束がそういう約束をしていないから私は知りません。紋切り型に言われるなら答えざるを得ません。こういう話ですが、その論法だったら、いわゆる公務員の三百六十円の切りかえの問題でも、それは私は知りません。そういう約束はありませんと、こう言える性質のものではありませんか。これはやはり問題が全然違うのですから、少なくともやれ祖国復帰という、あれだけ苦労をしてきて、これらの問題についていろいろの問題点があるというなら、担当大臣のあなたとしては、そんな開き直りの答弁ではなくて、もう少しやはり具体的なこの問題について時間をかしてくれ、あるいは、少しでも努力したいという答弁があってしかるべきではありませんか、どうなんですか。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) これは公務員給与とは少し次元、性格を異にする問題ですから、したがって、いまの問題は、読み上げられた金額は、その金額に対する基準レートでいえば一六・八八%相当部分というものが対象になる金額でありますから、教職員共済会について言えば、百五十万ドル、おおむね百五十万ドルに対するその差額でありますから、その金額全体ではないと私は承知しておりますが、これは私は開き直って言っておるわけじゃなくて、そういうことで通貨確認業務を本土政府が一方的に押しつけたわけではなくて、相談をしてやったことなんですから、したがって、そのことをなかったことにしろということになりますと、やはり生命保険ということになるし、生命保険であれば、また一般の法人の手持ちの現金も当然あるはずですし、しかし、その手持ち現金は両建てか何かで借り入れ金の担保になっているものかもしれません。しかし、現金部門だけとらえろと言われれば、やっぱり企業も銀行に対する預金なり手持ち現金はあったと思われます。これらのものは、やはり基本線をどこかでひかなければならなかったということでありにまして、まあしかし、その後、そういう御要請がありますから、そのことについては、相談のっておりますということを申し上げておるわけであって、いまここであのときの基本線はもうなかったものにするということであるならば、これはまた膨大な要求が沖繩側から出てくるであろう。しかし、それはどこまでいけるかという問題で議論をして詰めた問題として無制限にできる問題ではない。まあしかし、話は承っておりますということを申し上げておるわけであります。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 私は、いまはね返って通貨確認を無効にしろと、こう言っているんじゃないですよ。そのことはいままでのやりとりであなた理解されていると思うんです。また、無制限にそれをみなかえろとも言ってない。しかしながら、私は、少なくともこれは同じ法人であっても、企業体の場合と異なると思うんですよ、実際。零細な自分たちの拠金をして月々の掛け金をして、それで自分たちの共済制度をつくっておるじゃありませんか。そういう共済制度の中におけるところの掛け金の問題、あるいはまた、還付金の問題という問題であるだけに、ほんとうに先ほど私があなたに言いましたところの、いわゆるアルサス・ローレンの二の舞いをさせないとするならば、そういう問題についても積極的な私は意欲を示してしかるべきだと思うんです。それをあたかも私が通貨の確認云々と、こう言っているみたいにすりかえられたんではこれは困りますよ。したがって、やはり私はこの問題については公務員の給与と通うならば、じゃ民間のいわゆる零細な企業に対するところのいろんな融資、いろんな問題ともあなた方、便法をはかっておるでしょう。そういうやはりいろんな問題等考慮すれば、これの問題についても私は何らかの対策、対応策というのが早急に立てられてしかるべきだと思うんです。その点を私はあなたに聞いているんですがね。その点は今後さらに努力してくれますね。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) これは個々の加入組合員の掛け金の問題としてとらえることは困難です。これはその掛け金によって同じ人がまた見返り給付という形にならないにしても、同じ加盟組合員の人たちがその給付を受けるための仕組みとして掛け金をしておるわけでありますから、したがって、人格なき社団の段階においてチェックした当時に手持ちの現金があったとするならば、その手持ち現金というものをどうするかという議論にしかなり得ないものと思います。したがって、いま相談しておりますのも、その範囲の中のこととして相談をしておるということであります。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 まあこればかりやっておりますと、時間がなくなりますから、続けます。  次に、お尋ねいたしますが、大臣は、収入は三百八円、物価は三百六十円という現地のことばを知っておられると思いますが、まあ琉球政府がこのほどまとめたところの三月の那覇市の消費者物価指数を見ましても、昨年の同期に比べて一〇・八%と、戦後の上昇を記録しておるわけですが、このたいへんな物価上昇、もちろんこれには流通機構の不備の問題、あるいはいろんな思惑、あるいはやはり適切な琉球政府の手だてが十分でなかったという点等もおありだと思いますが、いわゆる物価高、さっきから質問申し上げておりますところの賃金の実質的なダウン、あるいは失業、こういうやはり県民の不安という点から考えますと、この物価高をどのようにして押えていくかという問題についても、私はやはり本土政府は相当考えてやらなきゃならないと思うんですね。言うならば、あんた方が念願としておるところの不安のない復帰を実現するためにも、この問題についての施策というものは私はきわめて重要だと思うのですが、ひとつ説得力のあるあなたの物価高に対するところの手だてというものをお聞かせ願いたいと思う。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) その前に、まず事実関係でありますが、ただいまのパーセンテージのさらに内訳を見てみますと、費目別では食料が九・三、被服が一・九、光熱一・二、住居四・二、雑費一・二でありまして、食料をさらにこまかく分類しますと、魚介類が九・八、肉類が一六・六、鶏卵が一五・四、野菜が四三・三、こういうふうに生鮮食料の上昇がきわめて高いわけであります。これらの品物でわかりますように、沖繩の昨年不幸な事態にあいました干ばつ、台風、そういうものによる島産品というものの値上がりも時期的に反映しておるようでありますし、また、おりあしくアメリカの西海岸の港湾ストが起こりましたための輸入物資等の問題もあると思います。本土政府のほうで復帰までに五十三億の四百四十品目に対する価格差補てん金を予算化いたして、現在順調にその交付業務が進んでおりますし、復帰後も一応あと払い等になっておりますもの等についての措置をいま詰めておるわけでありますが、これらの傾向から見まして、八月に対比する各月の上昇率、八月はドルショック、それから変動相場移行の月でありますが、それを見ますと、やはり本土産品の値上がりよりも、外国産品あるいは島産品というもの等の値上がりのほうが高いようであります。これらのものは、やはり五十三億復帰まで措置することによって、琉球政府にたいへん御苦労願ったわけでありますが、この金が全く効果がなかったということではないという意味の反映が、数字を並べるのは避けますが、あらわれているものと私としては思っております。また、五十三億金出して全然物価に対してこれを入れることができなかったということであれば、これはまた国民の税金のむだ使い、一体その金はだれがふところに入れたのだと、業者であったと、笑うものは業者だったということで、不幸なものは沖繩の消費者たちである、消費者の県民の方であるということになるおそれがありますから、慎重に追跡をいたしておりますが、その限りにおいて、本土との物資についてはきわ立った値上がりが外国産品、島産品に比べてないということは数字の上でもあらわれておる次第でございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 次は開発振興問題について若干お聞きいたしたいと思いますが、大臣は、暮れの沖繩国会におきまして、もっと正確に申しますと、十二月二十八日の本委員会における私の質問に答えまして、琉球政府の長期経済開発計画は十年後には軍事基地がなくなるという前提のもとに立っておる、このことについては意見を異にするけれども、その他の面、いわゆるこの計画の大筋についてはこれは尊重し、具体的に開発を進めていきたいと、こう答弁をされておりますが、その後の開発というのは、その方向で進んでおるのかどうかですね。そこのところを大筋をちょっと聞きたいのですが。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) 沖繩を新全総の一ブロックとして定めるということで、経企庁長官が沖繩復帰後一カ月以内に発表するというようなことを言っておられましたが、これはその後私と相談の結果、やはり復帰後五十日以内に行なわれる知事選挙において選ばれた知事さんを含む沖繩現地の希望というものも聞いて最終的にきめるべきであるということで、一応この作業は沖繩側の新しい知事あるいは県議会等の選挙の終了を待つということに木村長官と意見が一致しておるわけでありますが、そのように慎重な運びをいたさなければなりません。私が十年後に軍事基地がゼロになるというような言い方はちょっと私たちとしては無理だと言ったのは、それは思想、政策の問題ではなくて、現実の長期計画を作成いたします場合は、やはり現実味のある展望をしないといけませんので、私たちもそのようになることを念願をしますが、十年後にはたして沖繩でなくなるかということについては、疑問な点がありますので、そこらは十分に相談をしてきめていばけ計画というものはできるものだと思いますし、また、私どもとして本土政府のほうで一方的にかってに沖繩県の未来図を書くことは許されません。幾ら沖繩県の計画がすでに存在するからといっても、やはり沖繩県知事の原案作成権というものを最大限に尊重いたしたいと存じますので、新しい知事の立場における沖繩側の意向を十分に踏まえた計画の策定をしたいと考えています。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 そうしますといまのお答えはあれですか、新しい、いわゆる復帰後の知事がまきらなければ開発計画の具体的な構想もできないのだと、こういうようにまあ理解してよろしゅうございますか。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) できないのではなくて、やるべきでない。そして一応四十七年度予算はすでにきまりましたから、これはその後きめられる十カ年計画の初年度とするということでは、琉政の御了承も得ておりますから、それを含む十カ年の計画については、やはり琉球政府の新しい選挙によって出された知事、県議会、そういうものの意向を受けたものとして作成さるべきが至当であろう、そういうふうに考えます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 それは特別措置法の中にも、現地の申請を待ってと書いてあるのですから、私は、それはもう形式的にはそのとおりだと思う。しかしながら、実際の開発というのはそれぞれ思惑とかいろんなものがあるし、あるいはまた、すでに発表されておるところの琉球政府の長期経済計画によって進行しておると見ておるわけなんです。したがって、私は、そういう場合に、いわゆる長期経済計画が戦略産業の開発という名のもとに重化学工業の重点方式、特には中部の東海岸は日本でも有数の石油化学コンビナートにするのだと、こういうような構想でもってあの計画書はできておる。現にまた、ガルフ、エッソあるいはカルテックスとか、あるいはアラビア石油などという、この石油資本の進出というものは、激しいのがあるというのはもう現実ですね。それでもって、一方昨年の本委員会におきますところの田中通産大臣の私の質問に答えての答弁は、いや本土の重化学工業中心の開発の反省に立って、この轍を踏むことのないように、いわゆる沖繩でいろんな地理的な諸条件を勘案し、機械工業とか二次加工業的な、いわば労働集約的な新しい二次産業の形態を考えていくのだと、これを現地にも十分調整権を発動してやりたいとまで、こうおっしゃっておったのですよ。これは当時の議事録からもうかがえますが、そういたしますと、いわゆる今後のビジョンというのは、長期経済計画の問題と田中通産大臣のものの考え方というのは、大きなそごがありますわな、率直に申し上げまして違いが、ウエートの置き方が。大臣は、一体どちらの方向にウエートを置いた今後の開発が好ましいと考えておられるのですか。そこをちょっとお聞かせ願いたい。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) 金武、中城湾、両湾を主軸とする勝連半島周辺の石油関係企業の布陣というものは、もう復帰前に全部終わってしまったという感じがあります。したがって、復帰後は沖繩にこれ以上石油産業というものを許可するということは、私としては基本的には否定すべきだと思うのです。これはやはり水産動植物なり、大気なり、あるいは美しい海なりというものに対する影響が出ないはずはありませんし、海中道路等もありますし、あるいは宮城島と平安座島との間を埋めるというような話もありますから、これらやはりこれ以上の許可は、本土に戻りましたならば、もうしないということが前提のほうがよろしいのじゃないか。ことに、海洋博等を開きます場合に、公害病でも起こっているようなところで海洋博を開くことは国際的に恥じになりますから、そういうようなことは今後相談していかなければなりません。したがって、すでに布陣も終わっておりますから、琉球政府の立てられた計画のその構想というものの基本は一応はでき上がっておる、私はそう思うわけです。したがって、そのあとの計画としては、通産大臣の答弁で御説明がありましたこと、私も基本的には認識を一にいたしております。ことに、ドルショックによって造船あるいは松下の弱電関係、こういうものが進出予定を取りやめておりますことをたいへん残念に思いますが、これは景気の立ち直りとともに、来年度あたりにおいてはその具体的な機運が出てくることを望んでおりますし、松下産業等はすでに膨大な敷地も取得を糸満町にしておるわけでありますから、これらの問題に対して、金融公庫等が四十八年度では取り上げられる情勢を期待しておるわけであります。したがって、沖繩については、今後沖繩における現地の雇用事情に貢献する、そうして関連産業が大いにそれによって振興されるというものを選ぶべきでありまして、石油産業が出ましてもやはり雇用労働の面ではあまり貢献が、率が低うございますし、まあ地元の町村は固定資産税なり特別村税なりで豊かになるかもしれませんけれども、沖繩全体としては、もうここらでという気持ちで、通産大臣の言われたような方向で琉球政府とよく相談をすべきであろうと思います。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 いまの大臣の答弁は、これは三月二十三日でしたか、あなたが第七回の沖繩経済振興懇談会で大体表明をされたところの見解を言われたと思うのですが、私は、大臣が環境庁長官以上にこの石油の問題、公害の問題について非常に考慮をして積極的な発言をされたという点は高く評価をし、また、今後の沖繩開発の問題も同感、そういう方向での第二次産業の開発ということについては賛成なんですが、そこで関連をしてお伺いをしておきたいのですが、これは所管大臣に対する質問というよりも、山中さん個人の見解ということになるかもしれませんが、御承知のように、いま鹿児島の大隅開発という問題が起きていますね。あなたの選挙区の志布志湾で、いわゆる石油コンビナートの導入という問題、非常に議論されているのですが、おそらく私はいまの御答弁から判断しますと、沖繩では好ましくないとおっしゃっているのだから、志布志湾のやはりコンビナート地帯も好ましくないのだと、こういうふうに理解したいと思うのですが、いかがですか。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) 私の地元選挙区の問題について、国務大臣として所管をいたしておりませんから、答弁は保留いたします。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 そう逃げられるのじゃないかと思ったから、それは先ほど所管大臣ではないのだから、一山中として私はお聞きしたいのだと、こう申し上げたのですけれども、答えられないというならばそれはしようがないですけれども、先ほど沖繩にあれだけ積極的にやはり石油産業の問題について、公害の問題、いろいろな問題の立場から否定をされておるのですから、あれとこれと別だということはないと、こういうふうに、私は山中さんの真意はそうだというふうに理解をいたしますから、そのようにひとつあれしてください。  なお、時間がありませんが、もう一点だけお聞きしておきましょう。ただ、あの経済計画等から見ますれば、いわゆる沖繩の今後の産業構造は、いわゆる第三次産業が非常に不当に多いといういびつな形から、第二次産業も相当重視をした形でやっていこうということが、一つの今後のビジョンなんですね。また、そういう立場からあなたいま発言をされたと思うのですけれども、そういう面で、現実に沖繩におけるところの本土企業の進出の状況を見てみますと、先ほどあなたが指摘されたように、第二次産業面では石油産業の進出以外はあまりぱっとしたものがない。足踏みをしておる。世の中の一時の沖繩ブームはしり込みのムードを来たしているというのが、端的に言って状況じゃないか。一方、観光サービス業界の意気込みは非常にすばらしい。そのために、土地買収の代理戦争が花盛りだと、現地の新聞は報じておるわけでございますね。したがいまして、そういういろいろな今日の状況から見ますと、沖繩の今後の企業進出は、まず四十八年の沖繩国体とか、五十年の海洋博へ向けての社会基盤整備関連投資の誘発効果が非常に高まってきておるので、当面の沖繩開発は第三次産業主導型で進んでおるのが私は現実じゃないだろうかと、こう見ておるのですがね。こうなりますと、先ほど私がお尋ねしましたところの今後の沖繩産業構造の変革、そういうような点とは私はそごは来たしやしないだろうかと、こういうことを非常に見ておるわけなんですけれども、一体そのことに対して所管大臣としてどう考えられておるのか。もしこれは一時的にそうであるとしても、今後は大体計画の方向に直っていくとするならば、その問題点を克服するにはどうするかというお考えがあれば、それをお聞かせ願いたい。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) かろうじて具体的な進出は沖繩アルミというものがあるわけですが、これは石油産業と似たり寄ったりの環境を持っておりますし、雇用状況についてもそうたいへんな期待はできない。むしろ電力、水等について心配ごとのほうが多いというようなこともありますが、しかし、やはり本土の企業が現地既存企業に脅威を与えないで出ていくとすれば、アルミ産業も有益なものであろうということで、一応予定いたしております。そこで、いまお話しの、国体あるいは海洋博に向けての社会資本その他を整備する先行捜査、これのほうに当分は向かっていくのではないか、この点は私もそう思います。ただ、見方は企業の進出というものはなかなか一朝一夕でできませんので、その間が沖繩において、海洋博までの間において、それがつなぎになるというふうに私は見ております。ただし、それでそれまでの間に十分に設計し、十分な具体的な計画の実現をはかりませんと、海洋博が済んだあとの沖繩は、観光は残ると思いますが、ひっそりと公共投資その他もとだえてしまうというような島になったんでは、これはたちまち人口流出、過疎県への道をたどるということを心配しておりますので、幸か不幸か、昭和五十年の海洋博までの間の受注というものは大きいと思いますから、その景気刺激のてこを入れております間に、それぞれの長期的な経済展望が達せられるような計画を実現へ目ざして進めてまいる必要がある。そういうふうに考えております。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 まあ第二次産業へ移行へのつなぎとなるのではないかという観測なんですが、私はやはり相当な積極的な行政指導と申しますか、沖繩の現地とのいろんな面での連絡を密にしてやらなければ、事志と違った形で終わりはしないかということを非常に危惧をするし、そうなりますと、せっかく皆さんがこの青写真を示して、十年後の沖繩はこうなるんだという形でやってみても、実際は逆になりかねないと、この要素があるので、この点は特に私は一番関心と、また、理解の深い山中大臣が積極的にやはり今後も努力してもらいたいと、こう思うのです。  時間もまいっておりますので、もう一つだけお聞きしたいのは、第一次産業の問題ですがね、その第一次産業の基幹作物でありますところのサトウキビの問題なんですけれども、暮れの国会で私は二次産業の今日的な問題点——いろんな問題についてはだいぶやりとりをしましたので、きょうはそれを抜きにしまして、いわゆるキビ産業の将来展望とその対応策と申しますか、それについて少なくとも私は明確にして、やはり指導性というものを与えておく必要があるんじゃないかと思うのです。なるほど、現地の実際の当事者の皆さんから見れば、当面のキビ価格をどのようにして上げるかという問題が私は一番関心事だと思いますけれども、やはり今日の国内産糖の趨勢ということを考えてみた場合に、いつまでも、沖繩の場合もそうですが、奄美の場合、種子島の場合も大体似てくると思いますけれども、キビ産業だけにたよるところの第一次産業の振興ということは非常にどうだろうかという、むしろ悲観的な見方さえするわけなんです。それだけに、やはりこれに対するところの将来展望というものを持った形でのものの指導ということも私は重要じゃないかと思いますが、その点について、もし大臣の所見があれば最後にお伺いしておきたいと思います。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) 沖繩の持っている特性に対して、有利な条件を設定するとすれば、やはりキビ、パイン、プラス畜産というところまで多角的にいきませんと、キビ一本だけではやはり問題があろうかと思います。しかし、今日までの沖繩の置かれた環境のキビ作農家の方々と比べて、復帰後は糖価安定事業団の直接買い付けになりますから、その意味において商社等の介在もありませんし、また、いままで沖繩は不幸にして台風や干ばつの常襲地帯でありますが、これらに対して農家の時点における被害補てんということは、なかなか制度上ございませんでした。したがって、復帰後は甘味資源特別措置法の指定地域に全琉球諸島を指定いたしますとともに、含みつ糖地帯も含めてそういたしますが、問題はキビ作農家の被害を受けた場合の共済制度というものをどうしても考えなくちゃならない。これは地域特産品でありますので、奄美大島と種子島、あるいは沖繩だけでもって全国の共済の中の組み込みは困難なようでありますけれども、いま一応農林省と相談いたしておりますが、県ごとの単位の共済をつくって、国がその再保険に任ずるということにするならば、これは地域作物の甘味資源としては、北海道のビート等もございますから、これらもやはり一緒に入ってこれるのではないかということを考えて、いま検討いたしております。問題は、生産農家の方々が、昨年のような干ばつや台風になると、できたキビの値段は、それはあるいは工場に持っていく価格について配慮がある程度でございますけれども、しかし、生産量そのものが五分の一、四分の一に減ったその被害についての補償がない、補てんがないという点が一番大きな不安動揺のもとだと思いますので、それらの生産者段階における国の措置というものを急いで検討したいということで、いま検討中でございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 キビ産業の将来展望と、それに伴うところの第一次産業の問題について、私、大臣からお聞きしたかったわけでございますけれども、当面の処置としての共済制度の問題についてだけ触れられましたので、若干私も不十分ですし、不満だと思いますけれども、時間もまいっておりますので、やめたいと思いますが、もう一点だけお聞きしておきたいことは、今後の沖繩の開発振興と関連をしての奄美の振興方策について大臣から私はやはりお聞かせ願いたいと思います。  もちろん、これはあなたの所管ではないでしょうけれども、かつて奄美振興法案の提案者でもありましたし、あるいはまた、沖繩と奄美というものは地理的にも歴史的にも経済的にもきわめて深い関係のあるところでございますので、この機会にぜひ積極的なあなたの所見を伺っておきたいと思うのですが、御承知のように、奄美の振興措置法案は来年で切れてしまう。四十九年以降はどうするかというのは大きな課題でございますけれども、率直に申し上げて、いわゆる過去二十年間の復興なり、あるいは振興措置法によって相当やはり私は振興に対する大きな役割りを果たしてきたということは評価いたしますけれども、現実の問題として、やはり本土との落差というものは依然として大きいんですね。なるほど、本土と鹿児島県との差は八六・九%かもしれませんけれども、全国の平均からしますと四六・九%にしかならないというのが現実なんですね。その上に沖繩が復帰する、沖繩の振興事業というものは非常に大きく取り上げられる、そういうような諸般の事情の中から奄美は沖繩と本土との谷間になってしまうのではないか、こういう不安感が今日非常に大きいんです。それだけに四十九年度以降の振興、復興計画をどうするかという問題は、単なる離島振興法への移行というだけではこれは間に合わないのじゃないか。もっと抜本的な振興策と申しますか、振興開発策を練るべきではないかという意見がほうはいとして出ているわけですけれども、そこらあたりに対するところの大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) これは初めて申し上げるのですが、沖繩が帰ることがきまりまして、沖繩振興の諸方策に取り組み始めましたときに、総理から、奄美群島も一緒に新しい振興政策の中に入れたらどうだという意見がありました。私はたいへんうれしかったのでありますが、しかし、奄美大島が帰ってまいりましたのは、昭和二十八年の十二月でありますから、本土独立後一年有半程度で帰ることが幸いにしてできました。俗に誤まった誤認占領であったということも言われておるわけでありまして、それと延々二十年以上にわたって異民族の支配下にあった沖繩と一緒にすることは、総理、やはり困難だと思いますと、沖繩の人たちの感情が許さないと思いますということを申し上げて、御厚意を感謝したわけでありますが、それを踏まえて自治大臣あるいは経企庁長官ともいま相談いたしておりますのは、先ほども申し上げました沖繩を新全総の一ブロックとして位置づける際に奄美大島について言及しよう、それはただし、奄美大島を沖繩のブロックの新しい計画の際に言及するか、あるいはまた、九州ブロックの際に沖繩の新しい一ブロックとしての方向を確定したことに伴って隣接する南西諸島である奄美大島地域について触れるか、これらの点はまだ技術的に詰めておりません。これらの問題も検討したいと思いますし、さらに、来年期限が参ります前後二十カ年の復興振興計画のこのままで離島振興法に移行さしていいかどうか、この問題は、他の離島振興法地域と奄美大島とは基本的にその出発点を異にいたしておりますから、これについても自治大臣とよくいま相談をしておるわけであります。鹿児島県等も何らかの措置を希望しておるようでありますから、これについてどのようなことが新しく奄美大島に対して見直しがきくか、その問題について今後さらに検討を進めてまいりたいと思います。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 終わります。

鈴木美枝子日本社会党

○鈴木美枝子君 このごろ問題になっているマル秘のことと言論の自由ということにかかわる問題として、西山記者が起訴されたあの文書を読ましていただきました。あの文章にある心情的なことは抜いて、起訴をなさったんですから、罪としてあるんでしょうし、あの心情的なことじゃなくて、罪のあり方をお伺いしたいと思うんでございますけれども、法務省の方、それから警察庁、有機的にどうにかならないものかと私は思っているのです。まず、法務省の方からお伺いさしていただきます。

近松昌三法務省刑事局公安課長

○説明員(近松昌三君) お尋ねの西山記者につきましては、四月の六日、国家公務員法違反、百十一条違反でございますが、警察庁から送致を受けまして、東京地方検察庁で捜査をいたしました。四月十五日同人に対しまして国家公務員法百十一条違反で起訴をいたしております。

鈴木美枝子日本社会党

○鈴木美枝子君 いま私は一番最初に、マル秘の問題と言論の自由というふうなことへの聞き方をしたわけでございますけれども、言論の自由ということでございましたら、八年前にテレビの中で私が主演したドラマでございましたけれども、自衛隊に子供を入れるのがいやだ、自分は戦争の体験をしたから。こういうドラマの内容でございましたけれど、テレビに上映するその日に中止になったということがございます。これも八年前にテレビという、一つの人生を通しながら言論を押えたというふうに言えることだと思うのでございますけれども、八年前と、今日西山記者の言論の問題、そしてそのマル秘の問題、いまマル秘の問題でございましたら、もっとずっと前に久保・カーチス協定は最大なマル秘の問題だというふうに思います。自衛隊が沖繩に配備されるというような重大な問題でございます。それもたしか七一年の六月二十七日に毎日新聞のということですから、西山記者はじめ、その記者の方たちがスクープをして、そして私たち全国民に知らしめてくだすったのだというふうに思っております。そのあとで六月の二十九日の日米安保協議委で正式に政府では発表されたということがございますけれども、その二日前の二十七日に毎日がスクープしなかったならば、マル秘にしたという可能性もあると思いますのですけれども、その点について法務省の方にお伺いしたいと思います。

大西誠一郎防衛庁長官官房防衛審議官

○説明員(大西誠一郎君) お答え申し上げます。ただいまの久保・カーチス協定の発表の経緯について申し上げますと、元来自衛隊が沖繩復帰とともにわが国の防衛の一環として沖繩の防衛に当たるということは、主権の行為として当然のことでございまして、ただ、米軍が現在おりますので、その間の調整をする必要があるということで、四十五年の五月十九日の第十一回日米安全保障協議委員会でこの問題について日米の防衛当局の間で検討するということが合意をされました。それから一年にわたりまして討議をいたしまして、六月二十九日にその結果を報告をし、同時に、久保局長とカーチス中将との間で調印をいたしたわけであります。そうしてその日の安保委員会の終了後、防衛庁長官からその経緯を発表するとともに、久保・カーチス協定の写しを公表いたしたという次第でございまして、この問題については、調印後秘匿をしたというような事実は全くございません。  それからその前に御指摘ございました自衛隊に関するテレビの問題でございますが、これは八年前のことで正確には存じておりませんけれども、自衛隊のほうの側から取りやめにしたということはないのではなかろうか、むしろ放送会社のほうの事情で取りやめにしたということではないかと推察いたしております。

鈴木美枝子日本社会党

○鈴木美枝子君 テレビ会社の事情と申しますと、いま私は言論問題について言いたいのですけれども、テレビ会社の事情と申しますと、スポンサー関係になるのでしょうか。こういうことはどなたに聞いたらよろしいんでございましょうか——、たいへん不自由に思うのは、いろいろな言論問題を聞くについても有機的な関係がこう……。

大西誠一郎防衛庁長官官房防衛審議官

○説明員(大西誠一郎君) その当時の事情を正確に調べてみませんとわかりませんけれども、テレビの上映について自衛隊関係で私どもが経験をいたしておりますのは、スポンサー、最終的にはスポンサーになりますけれども、それまでの間に組合等の意見もございまして、取りやめになるということが間々あるというふうに承知しております。

鈴木美枝子日本社会党

○鈴木美枝子君 その八年以後、「ひとりっ子」という、自衛隊問題なんですけれども、自衛隊をいいとか悪いとかといったドラマじゃないのです。戦争を前に体験したから、そこへ近づかないほうがいいというテレビの内容なんです。それが中止になった以後、テレビドラマがたいへんそういうものをやれなくなった、やらなくなったのじゃなくて、やれなくなったというようなことが今日までにございます。もちろんスポンサーの意見が十分で、いまおっしゃったように組合の人との話し合いとかあるでしょうけれども、やれなくなったという事実があるということは大きな言論問題でもあるというふうに私はとらえながら、今日の西山記者の問題をお伺いしたいのでございます。で、起訴状の罪ということについては、先ほどおっしゃいましたけれども、全国民に知らせるというふうなことは、私はそのほうが国にとって有利なんではないか。まあマル秘ということは、マル秘にするほうが有利だという、日本の国のために有利だという問題があって、マル秘の問題が論争されているんでしょうけれども、また、再び繰り返しますと、久保・カーチス協定の自衛隊が沖繩に行くということは少しでも早く知ったほうが国民にとってほんとうにありがたいことだった。そのことを毎日がスクープしたことはありがたいことだというふうに国民は思っているのではないかというふうに思っております。それから久保・カーチス協定の問題の中で書かれている一番重要な問題がこのアサヒグラフにあるんですけれども、このアサヒグラフに出ていることも十月十六日から十二月三十日までやっておりました沖繩国会中の十一月十五日にこのアサヒグラフは出ておりまして、そしてそのアサヒグラフの中にある内容なんです。沖繩の米海兵隊のことなんですけれども、去年沖繩国会をやっておりますときにアサヒグラフがスクープしたという、こういうことだと私は思うのです。その中に書かれているこのことをちょっと読み上げさしていただきます。「ベトナム侵略の発進基地となった沖繩は、返還協定によっても、基地機能をなんら損うことのないよう配慮されている。チャプマン米海兵隊司令官は昨年一月、「極東の戦火に対して即応態勢をとる海兵師団の必要性は、こんごも長期間にわたって要請されよう。私は今度の沖繩返還がいかなる面においても、海兵隊の沖繩基地使用に変更をきたさないと信じている」」と、これを沖繩国会の最中に、十一月の十五日にこれがスクープされて、そして町に流れているという事実があるわけです。で、これを読んだ国民の人たちは、国会の中でやられていることよりもいち早くこの写真を通じ、そしてこの文章を通じ、内容を通じて見ているということなんです。で、私はこういうことは早く知ったほうがいいんじゃないかというふうに思います。そうしますとこれはアサヒグラフのことでございますけれども、西山記者はそのことを早く知らせようと、新聞記者の使命、そして国民のことを考えたという、そういうことについて私はより感謝したいような気持ちがあるんでございますけれども、山中長官は沖繩にかかわることですから、どうぞ御返事していただきたいと思います。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) あっしにはかかわりのねえことでござんすという立場にあるわけです。

鈴木美枝子日本社会党

○鈴木美枝子君 私はここはふしぎなとこだなと思うんです。つまり、有機的な関係の中に国民がいるんだというふうに私は思うんです。有機的なかかわり合いのその間にいるのかもしれないなあと思うんです。で、それをかかわろうとすると警察へあげちゃうと、警察へあげるということにおいて人間に屈辱を与える。屈辱を与えるというふうなやり方があの起訴状の文章だというふうに思うんです。で、その文章の一部に触れて討論する気が起きないのは、あまりにも心情的な問題、言うならばプライバシーの問題といいますか、プライバシーの問題と国家のことを全国民に知らそうという問題とはあまりにも距離があるので、あの文章については触れたくないんですけれども、文章、どなたがお書きになったのでしょうか。

近松昌三法務省刑事局公安課長

○説明員(近松昌三君) 刑事訴訟法の二百五十六条を見てまいりますと、これには公訴提起の手続に関しまして比較的詳細な規定を置いております。検察官が捜査を遂げましてある事件につきまして公訴を提起するという場合には、この刑訴法二百五十六条に従って起訴状の記載を行なうわけでございます。起訴状の記載は、訴因、これは法律的な表現でございますが、「訴因を明示してこれを記載しなければならない。」、起訴状に訴因を明示して記載しなきゃならない、こうなっております。「訴因を明示するには、できる限り日時、場所及び方法を以て罪となるべき事実を特定してこれをしなければならない。」こういうふうになっております。このような刑事訴訟法の規定に従いまして捜査をいたしました東京地方検察庁の主任検事がこの起訴状を書いたものというふうに承知いたしております。

鈴木美枝子日本社会党

○鈴木美枝子君 書いた人がここにいらっしゃらないので残念なんでございますけれども、その国家的な見地の、国民に知らせるというようなことを、たいへん心情的な、個人的な傷つけることにおいて西山記者だけの問題じゃなくて、以後のすべての記者にこういうふうにおどかされるんだぞというふうな、江戸時代みたいな方法を私は感じるのですけれども、どうぞ、起訴状を撤回するようなことはできないんでしょうか。山中長官にお伺いしたいのですけれども、できないでしょうか、どうぞお願いします。(笑声)

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) 私は、実はその外務省の機密文書のあり方も、またそれがいかなることによって国家公務員法で違法とされる形で外に出たとか、そういうことについても全然タッチいたしておりませんし、ましてや、三権の分立する立場にあります司法権の発動の内容について全然タッチする立場にありません。政府でも法務大臣あるいは責任者の総理というぐらいにしかやはり答弁あるいは御説明する立場はないんじゃないでしょうか。したがって、私がこの問題についてたまたま閣僚として一人ここにおりますが、ちょっと答弁の範囲でございませんので、お許し願いたいと思います。

鈴木美枝子日本社会党

○鈴木美枝子君 それでもここでは佐藤総理もおいでにならないのですけれども、ここを一歩引き下がったら御相談する場所がございますでしょうし、皆さん御相談し合ってやっているのだろうと思いますので、どうぞ起訴状を撤回する、やめてもらいたいということをどうぞおっしゃっていただきたいと思うのです。お願いいたします。先ほども申しましたように、個人的な心情的な文章で全国民に知らせるという、その御返事をする方がここにはいらっしゃらないとしたら、どうぞお約束することはできないでしょうか。ここにその人がいないということで私困っているのです。そうしてこれはたよっているのです。どうぞ、これは西山記者だけの問題じゃなくて、その文章ということじゃなくて、文章を手がかりにしましても、たいへん心情的なことと、国民に知らせるという、私たちも知るという、この原点においてこの起訴状を取りやめていただきたいんです。この心情で個人的に傷つけるという問題が、みんな書けばこういうこわい目にあうんだぞというようなふうに思わせるような感じもいたしますので、どうぞ取りやめていただきたい。お約束していただきたいんです。お願いしていただきたいんです。お願いします。山中長官お願いします。どうぞお立ちになってください。立場が違うと言わないでください、どうぞお願いします。立ってください。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) まあ立ちました。(笑声)これはやはり立法、司法、行政の三権の問題でありますから、起訴状を書かせるというような行為も政府はできない立場にありますし、起訴状を取り消すということも基本的にはないんじゃないかと思うんです。まあ私はその方面のことよく知りませんので、まあここにおる閣僚として何とか言えということでありますが、そういう御意見がありましたことは総理にお伝えいたします。

鈴木美枝子日本社会党

○鈴木美枝子君 どうもありがとうございます。(笑声)お伝えだけじゃなくて、そのときに御自分の意見として、この西山記者を含むすべての記者の、日本の民主主義の、ほんとうにお願いいたします。お願いいたします。(笑声)私はもう少し未来が明るくなってまいりました。(笑声)  私の仕事を含めましても、八年前に「ひとりっ子」というドラマが中止になったということは、西山記者のそういうことと関係がないわけじゃありませんというふうに私は思っておりました。ほんとうに沖繩で信頼されていらっしゃる山中長官、(笑声)ひとつ本土でも、もう一つ信頼されるという業績をお残しになっていただきたいと思います。どうもありがとうございました。あとで新聞で見せていただきますし、また個人的に部屋もおたずねいたしまして、たびたびおたずねいたしまして、その御返事も伺わさしていただきたいと思います。ああ、よかった。(笑声)  西山記者の功績について、また私は西山記者の功績ばかりじゃなくて、マル秘の問題をきょうは言おうとしたんでございますから、ずいぶん昔のこともここでもって取り出さしていただきますと、社会党の岡田春夫氏が三矢研究を取り上げた文章の一部を発表したことがございました。その文章の中に、私はこれはむずかしいんでございますけれども、核を「直接防衛のため」にというような文章がございまして、それをちょっと私ここで朗読さしていただきます。「核兵器使用について」、これは三矢研究でございますから、昭和三十八年のことでございます。だけれども今日の問題にかかわる原点を持っているので読ましていただきます。「全面戦と核兵器使用との一般的関係について」、「核使用は、全面戦への発展の危険性を潜在的に保有しており、米ソいずれの側においても、それがたとえ限定的にもせよ、核兵器が使用された場合、発展の危険性は増大するであろう。」、「しかし、核使用の目的、量、質等によって異るであろうし、核使用即全面戦とは必ずしもつながらないであろう。」「但し、可能なかぎり全面戦への発展を回避しうる限度において報復すべきであろう。」と、これは昭和三十八年に三矢研究の中で岡田春夫氏が言わない部分なんでございます。そのことが、いまたいへん沖繩の沖繩戦争ですか、毎日毎日新聞で見ているとたいへんなんでございますけれども、あれが沖繩復帰、五月十五日、来月で終わるとは限らないと思うんです。ずうっと続いていくかもしれないと、このことについて終わるとか、終わらないと言えないでしょう。ちょっとその点について長官御返事、さっき、あの、あれ果たしてくれたんで、あまりむりなこと聞きたくないんですけれども、でもちょっと聞かしていただきたいと思うんです。毎日毎日あのベトナムへあれしていく、あのことが、沖繩復帰前後どういうことになるんでしょうか。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) これは私のやはり答弁の限界をはずれていると思いますが、しかし政府全体の立場からの答弁として、一応外務大臣、防衛庁長官等の答弁を踏まえて申しますと、現在施政権下にありまして、アメリカ側の行動について日本が制肘し干渉することが不可能な環境にあります。しかしながら、復帰いたしてまいりますと、これはそれぞれの担当大臣が言っておられますように、本土並みであるということを言っておられますから、その本土並みの、あるいは事前協議なり、あるいはまた本土において米軍との間において正常な話し合いのもとで進められておるそのことが、沖繩にも適用されると私は信じておりますし、そうでないと沖繩の人たちにとってまさに本土復帰とは何ものかを、あらためて問い直す立場に置かれる。そういうことにおいてはならないと私は念じております。

鈴木美枝子日本社会党

○鈴木美枝子君 それでも久保・カーチス協定の中で、「局地防衛」というふうな言い方をしているわけでございますけれども、「日本国による沖繩局地防御責務の引受けに関する取決め」ということになっておりますので、これはもうきまったことだもんですから、五月十五日以後にあらためて話すというようなことではないような気がするんです。  そしてまた、英文で書かれた文章の一つをとらえますと、日本語に訳しますと、即時防衛、防衛というのはただ守るということじゃなくて、外へ出て行くというふうに私はこの間の第二次戦争のときも思っていたわけです。即時防衛、即時防衛というと、即時に命令されたら出て行くということが、五月十五日に自衛隊に戻りましたら、自衛隊はそうなるんでしょうか、長官にお伺いしたいです。

大西誠一郎防衛庁長官官房防衛審議官

○説明員(大西誠一郎君) 沖繩の防衛に関する久保・カーチス協定の表題といたしまして、局地防衛ということばが使ってある、その意味についてのお尋ねと思いますが、これは英語でイミディエートというふうになっております。それは直接防衛というふうにわれわれは理解しておりまして、なぜこういうようなことばを使ったかと申しますと、沖繩は現在米軍が駐留いたしておりまして、西太平洋における安全のために役割りを果たしておるわけでございますが、そこへ自衛隊が部隊を配備するという場合に、自衛隊が引き受ける責任は、あくまでも沖繩の直接の防衛である。米軍が従来役割りとして果たしております全般的な防衛と区別する。その点をはっきりさせる意味において、局地防衛ということばを使ったわけでございまして、御承知のように、自衛隊はあくまでも本土防衛に徹するというものでございますから、米軍の行動とは関係はございません。

鈴木美枝子日本社会党

○鈴木美枝子君 五月十五日に沖繩が返ってまいりまして、そういうことになるとして、よく返ってさましたら本土並みということばが使われているんでございますけれども、そうしたら、埼玉県並みあるいは北海道並みと受け取ってよろしいんでしょうか、その自衛隊の問題は。

大西誠一郎防衛庁長官官房防衛審議官

○説明員(大西誠一郎君) ただいま申し上げましたように、任務については自衛隊法に定められたところに従って行動するわけでございまして、本土並みでございます。  それから埼玉県とどうかということは、おそらく自衛隊の規模についての御指摘と思いますが、一例を陸上自衛隊の部隊にとって御説明申し上げますと、現在普通科連隊は本土に四十六ございます。北海道に相当の数がございますけれども、この数字はほぼ各県に一つということになるわけであります。しかしながら、沖繩に配備する陸上自衛隊の部隊は、普通科中隊二、施設中隊一、飛行隊一ということでございまして、本土にございます普通科連隊の半分ないし三分の二程度の規模の部隊でございます。そういう意味から、沖繩について特に厚くしてあるということはございません。もちろん、沖繩は離島でございますので、そういう点を考慮いたしまして、最小限度の機能は全部そこに配置をするということがございますから、機能別に見ますと本土よりも若干厚いところもございますが、ただいま申し上げましたように、それは任務を最小限度に遂行するために必要なものを配備するという趣旨から部隊の規模がきめられたものでございます。

鈴木美枝子日本社会党

○鈴木美枝子君 それならば北海道、埼玉県並みに、本土並みに沖繩の自衛隊がなるとしたら、出動するときに、やっぱり埼玉県も北海道の自衛隊も出動するというような結果になるでしょうか。

大西誠一郎防衛庁長官官房防衛審議官

○説明員(大西誠一郎君) ちょっと御質問の意味がはっきりいたしませんが、自衛隊の部隊の出動は、自衛隊法に定められた条件において、また手続に従って行なわれるわけでございまして、その点本土における自衛隊の部隊と沖繩に配備をされる予定の部隊とは、何ら本質的に相違はございません。

鈴木美枝子日本社会党

○鈴木美枝子君 毎日いま新聞に出ておりますベトナム戦争のあの事態が、沖繩の中でたいへんな問題が起きてんだなあということを想像するわけでございますけれども、そこにいらっしゃる住民の方たち、それからこのごろ超党派の婦人の方でお願いにあがりました売春婦の方たちのこと、それから暴力団のことで山中長官にもう一つお願いしたいのでございますけれども、ちょっとお願いいたします、お立ちになっていただきたいと思います。  暴力団が二千人ぐらいいるそうでございますけれども、これはお願いにあがったときには、五月十五日の復帰後ならばできるけれども、復帰前には何ともできないというような御返事を伺っていたのでございますけれども、ちょうちん行列なんかでは、こちらの本土の行政の方とあちらの方で相談してやっているようでございますから、暴力団の方たちのことも、こちらの人と沖繩の人、早目に、五月十五日にならないうちにどうにかしていただきたい。これも山中長官を見込んで私お願いしたいんですけれども、ちょっと御返事をお願いしたいと思います。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) 警察庁のほうから……。

鈴木美枝子日本社会党

○鈴木美枝子君 私山中長官にお願いしたいんです。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) これは現在琉球警察も、やはり社会秩序の立場から取り締まりはしていることと思います。しかしながら、本土のそれらの暴力団に対する警察行政の手きびしい姿勢というようなものが、はたして沖繩の現在の琉球警察でとられておるものと一致するかどうか。これはやはり問題なしといたしませんし、また米軍基地が一ぱいありまして、そして本土に見られない形態の、後ほどお話も出るでありましょうが、売春の公娼制度もまだ残っておりますし、間々そういうものには背景に俗にひもと言われるそういう暴力団組織が巣くいがちであります。そういうことを考えますと、ようやく沖繩の売春防止法も発効するところまでまいりましたし、本土並みの取り締まりができることになるでありましょうが、それに付随して売春組織とも関連し、あるいは基地に依存するいびつな形態の都市に巣くう、そういう若干国際的な色彩と申しますか、そういうもの等も帯びているやに見られる暴力団、そういうものが本土とドッキングするとか何とかということもいろいろ言われておりますけれども、そういうものはやはり警察行政で今後本土並みのきびしい取り締まりの対象にしてもらえるであろう、またそうなければならないと思っております。

鈴木美枝子日本社会党

○鈴木美枝子君 五月十五日に祖国復帰になるということが出たら、暴力団の人がばっと出てきたということは、何か暴力団の人を使って圧力をかけているんじゃないかなあというふうな想像もちょっとしたんです。できればそのことも五月十五日になってからじゃなくて、早目にやっていただきたいというふうなことをどうぞお願いいたします。  それから、その一つの例として、私は、まあ聞いた話なんでございますけれども、婦人の超党派で売春婦の方たちの前借りのことなどなくするようにというようなことが社労や何かで言われて、できるだけ努力をしようというお答えをいただいたそうでございますけれども、たとえばこの十五日までやっている女の人たちが、前借りの金が多いから逃げ出そうと思うと暴力団の人がつかまえまして、そして暴力団の人がその女性のひざの上に乗ってからだをねじったりつねったり、そういう、まるきり殺すということはできないのですね、また売春させなければならないから。つまりなま殺しですね。そういうふうなやり方をしたり、また船へ乗せてそして深いところじゃなく、やや立てるところまで連れていって、そこへ捨てて、殺したら、またあとでそういう商売をさせるということがあるもんですから……。そしてあとおぼれて、しばらくたったらそれを引きずり回しながら連れてくるという、そういうようなことをやっているらしいんです。ただ暴力団がいてあれしているひもだというだけではなくて、もう命すれすれのところまでやるということを私聞きまして、そこでせめてそういうことのないように、つまり五月十五日まで待てないような、せっぱ詰まったものが幾つかの話の中にあるようでございますので、これも山中長官ほんとうにこの二つのこと、どうぞよろしくお願いいたします。そしてこの二つのことがせめてなくなるという——もう西山記者のことはなくしてくださるということを確約いたしましたので、ほんとうにまあありがとうございました。私もうそれを信じて山中長官の部屋へあとたびたびお伺いいたしますけれども、よろしくどうぞお願いいたします。暴力団のことと、よろしくどうぞ。どうもありがとうございました。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 沖繩復帰もいよいよ二十数日に迫ったわけであります。本日は総務長官の所信表明に対する質問ということでございますので、沖繩に関する何点かについて御質問したいと思います。  所信表明の中で長官は、「残された期間に、琉球政府をはじめ沖繩県民と力をあわせ、心おきなく復帰が迎えられるよう全力を尽す所存」であという表明をされております。今日までいろいろ御努力なさったことにつきましては、私どもも十分その点については認めるところでございますが、現在報じられるところによりますと、この県政に移行の問題とか、軍用地の契約のこととか、それから米軍基地の従業員の間接雇用移行、こういうような問題につきまして、若干その準備がおくれているというようなことも報じられております。いずれにしましても、もう一カ月ないわけでありますので、この完全な準備ができて、晴れて祝典が迎えられると、こうでなければならないと思うわけでありますが、この間の概況につきまして、総務長官からお伺いしたいと思います。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) まさにおっしゃるとおり、もう秒読み段階でございます。この間に私たちとして、県民の各界各層からの御心配、あるいは御要請というものを踏まえて、すべてが全部解決できないにしても、全部解決する心組みをもって当たりたいと思っております。先ほど例としてあげられました軍労働者の方々の復帰を目前にして、五月の十四日解雇ということまで出るような環境というものを座視できませんので、私どもとしては、引き継ぎは防衛施設庁のほうで一応やっておりましたけれども、退職をどうしてもしなければならない方々については、特別に今回は、本土からの退職金の差額の支給に加えて、アメリカが支払いますネットの退職金の分プラス本土からの差額の分、いずれも加えた総額に対して大体二〇%程度、すなわち現在の為替の交換レートもしくは実勢レートをも、いずれも上回る率の三億一千万余りの金を積みまして、そして何とかその点で復帰直後円圏に入る不幸は退職する方々に対する措置を御了解をしていただきまして、一応まだ一、二の支部で不満が残っておるようでありますが、これらの人々の問題は、あと身分引き継ぎの問題ということで、防衛施設庁もいま努力をいたしておりますので、私どもとしては、一例でありますけれども、できる限りは私たちの手によってそのような不安を除く措置を一つ一つ積み上げて復帰の日に備えなければならぬと考えております。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 ただいま米軍基地の従業員の問題につきまして、例をあげてお話がありましたが、そのほか、復帰に伴いましていろんな問題の準備しなければならないわけであります。その中の一つとして、沖繩県の知事、部局、それから各種の委員とか委員会、それから外局、こういう沖繩県の姿はどういうふうに持っていくのか。この点につきましては、沖繩国会におきましていろいろ議論のあったところでありますが、これに伴う県条例、これは特別措置法の第四条で、布告、布令も含むいわゆる沖繩法令を、三カ月経過するまでの間は、県の条例、規則と見なすとまあ定められておりますけれども、こういうものがきちっと整備されていなければたいへんなことになると思います。これらの問題につきましては、各党の方々が十分な配慮をなさっておると思いますけれども、これらの間につきまして、まあ準備おさおさ怠たりなく進められておるかどうか、この点についてお伺いしたいと思います。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) 復帰後、本土の県に当然になることに伴う県条例の問題でありますが、これは準備はすでに終わっておりますけれども、沖繩、現在の琉球政府と立法府という立場の中で、与党、野党の意見が、復帰の日に知事になる人の専決でよろしいという意見と、いわゆる知事と見なす現在の琉球政府行政主席の専決でよろしいという意見と、復帰の前に県議会と見なされる現在の立法院においてこまかく条例として制定したものを、それを議決されたものとして知事が執行すると、条例とするという意見が対立をしておるようであります。これはまあ、私どものほうでそれに対してどちらがいい悪いといって乗り出す問題ではありませんので、この問題は、いわゆる形式をどう踏むかという問題になっておるようでありますので、準備としては整っておるものと考えます。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 次は、琉球政府の職員の扱いの問題でありますが、現在まあ一万八千人いらっしゃると聞いております。これはまあ国家公務員と地方公務員と分かれるわけでありますが、現在肝心の沖繩開発庁設置法が成立しておりませんので、この法案の成立を待ってから、いろいろな問題については、職員の身分の承継という問題がはっきりするだろうと思いますけれども、まだできていない段階であります。それらのこともございますし、この一万八千人の職員の帰属先という問題は、職員の方々にとりましては非常にまあ重要な問題だろうと思います。聞くところによりますと、公務員は六千七百四十人、地方公務員が一万一千六百三十人、この残りの四百人は自発的な退職となる予定というふうにも聞いておるわけでありますけれども、現在のこの職員の方々が、本土復帰とともに、まあある程度犠牲を強いられなければならないというような、こういう立場の方々もいるということにつきましては、非常にまあ十分な配慮がなければならないと思いますし、こういう問題については、どのようにお考えになっていらっしゃるか。また、この琉球政府職員の扱いの現状といいますか、実情をちょっと詳しく御説明願いたいと思うのであります。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) まず、国家公務員にも引き継がれず、琉球政府復帰後の沖繩県あるいは関係市町村にも引き継がれない、復帰を前にやめていかれる方々、これは実は、私どもが本土で考えますと、強制的に、おまえ、はみ出すからやめろというふうに措置をするように受け取られがちでありますし、また、そう見られてもしかたがないように思いますが、実は、私も現地に行って自分自身でびっくりしたのは、私はやめたいのです、やめたいのですが、いわゆる本土に比べて二倍、勧奨退職の場合に三〇〇%の退職金ということになっております分、これについて財源がないということで、自分たちは後進に道が譲れないでいるというような話がずいぶんございまして、したがって、四十五年度予算、四十六年度予算と措置もいたしてまいりましたが、今回も、復帰を前にして、むしろ退職金を三倍もらって勧奨退職の形でやめたいという人たちがおられますので、これについて琉球政府も無理をちっともしておりませんので、これらの方々につきましては、財源を琉球政府の現在の法律、本土の二倍の退職金をもらえるように措置をいたして、そのことで円満に退職をしていかれる方々でございます。したがって、表向き出ておる数字は冷酷のようでございますが、本人も希望しておられる方々がほとんどであると、私は、そういう報告も受けておるわけでありますし、そうであると思っております。その他の残りの琉球政府復帰後の沖繩県並びに関係市町村、そして沖繩県内に置かれるであろう出先の機関に対する国家公務員への移行というものは順調に進んでおりますが、しかし、お話のありましたように、沖繩開発庁設置法が通っておりませんために、もうあとわずかの期間を残しながら、本来はもう各それぞれの人ごとに、あなたは税関、あなたは海上保安庁とかいろいろとございまして、それらの、まあ一番多いのは五百八十三名を受け取る沖繩開発庁総合事務局でありますが、これらに対して、皆さんの了解を得て、そして名簿をそろそろ琉球政府にお渡ししなければならない時期にきておりますけれども、実は、この作業が、法律が通っておりませんために、一人一人について確認された名簿を差し上げるところまでいっておりませんけれども、実質上は、人の問題でありますから、復帰したらどうなるんだという心配のままで今日までじんぜん日をむなしゅうすることはできませんので、おおよその、個々の人々については、復帰後は自分たちはどうなる、どこの職場に移るんだということ等で一応は話はついておりますものの、その方面は順調にいっておりますが、最後の作業である名簿の提示その他についてできない状態にありますので、一そう国会の審議をお願いしつつ、すみやかにそれらの作業が最終的に終わりますように努力をしたいと考えます。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 通貨の問題につきましては、同僚委員からお話もございましたのであれでありますが、ドルチェックが十月九日ですか、あの時点で行なわれた。まあその当時いろんな状態の人がいらっしゃったと思います。先ほどの長官のお話の中でもいろいろな配慮がなされておるようでありますけれども、やはり、このドルチェックが行なわれた時点で旅行をしておったとか、また、突発的な何か問題のあった人とか、また、あのドルチェックがあった後に付加価値や資産増加分を対象とすることが不可能な人、こういういろんな状況の人たちがあって、それらに対する対策といいますか、配慮というものがやはりきめこまかになされなければならない状況の方がいらっしゃるんじゃないかと思いますが、こういう方々について、いままでお考えになって措置なさることになった方々についてお伺いしたいと思います。   〔理事剱木亨弘君退席、理事楠正俊君着席〕

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) 一、二の例をあげますと、ちょうどドルチェックのときに手持ちの金を持った方で航海中であるという船舶の乗り組み員の漁船を含む皆さんについては、船長さんの責任でチェックしてもらいました金額を認めることにいたしましたし、なお、土地の、軍用地の借料の支払いが、これは年一括払いで行なわれておるわけでありますけれども、米軍の手から支払われておりますが、しかし、それが個人の手に十月九日以前に渡っていた人たちはもちろんチェックに持ってこられたわけでありますけれども、これが市町村の段階で金庫もしくは銀行に預けられていたという問題は、これはまさに事前にもらった町村の地主さんともらわない町村——たまたま米軍から金は出ていても手にしていなかった人たちの町村との違いでありますので、これは金額も明確でありますし、追加してチェックされたものとみなすことにいたしました。なお、先ほど来申しておりました、コイン等の確認のチェックかできないための持ち回り等が一部あったという問題も、これは善意の小額の助け合い運動というようなことで、一応大蔵に目をつぶってもらった次第であります。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 通貨交換に五百億からのお金が現金輸送される、こういうことについても、われわれは新聞報道しか知ることはできないわけであります。また秘密に属する点もございますので、——秘密といいますか、あまり公にできないこともあろうかと思いますけれども、こういう大きな現金輸送が行なわれるということには、いろんな注意、配慮がなければならぬと思います。私どもはまあ深い知識はないわけでありますけれども、八ノット程度の船で輸送するということでありますけれども、まあこういうことで、船がおそいからどうこうということじゃございませんけれども、まあ護衛艦隊、護衛隊群がこれに当たるということでありますが、護衛は総務長官の担当じゃないかもしれませんけれども、これで十分な対策と言えるかどうか。さらにまた、わずか一週間のうちに二百カ所とも言われるほどの所で、この窓口で交換するということであります。これには相当な警備体制がなければならないと思います。いずれにしても海上輸送、陸上輸送、離島間の輸送、どれ一つをとりましても、万全の対策がなければならないと思うのでありますけれども、この間につきまして、現在発表できる段階の、また、これらに対する所信といいますか、どう行なわれておるかというようなことにつきまして、あらあらお聞きしたいと思います。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) これは、日銀からコンテナがトラックに積まれて走り出すその瞬間まではオープンにできないと思います。しかし、そのあとは、これはオープンにせざるを得ない警戒体制の中で運ばなければ、またきわめて危険でありますから、これはもう明らかにだれの目にも現金輸送中であるということが映るのはいたし方のないことであります。国際通貨史上でこのような大量の現金を運ぶという例はいままでありませんので、私どもはこれに対して相当長期間の周到な検討をいたしておるわけであります。これは、本土の陸上から港まで運ぶ警備、さらに、積み込みました後のこのLSTの——第二次大戦中の上陸用舟艇しか使えないという問題は、実は積載能力という問題と、それ自体の船の防御能力と申しますか、そういうものを持っておる船がほかにございませんので、やむを得ずカタツムリのような早さのもので運ぶことになるわけでありますが、これについては、当然自衛艦隊、もしくは飛行機、その他が護衛をいたします。施政権のまだ存在しておるうちにその境界を通りますから、境界を通りましたならば、米側の善意の護衛というものが、海空にわたって援助が期待できるようになっております。また、向こうに参りまして、那覇港に着きました後、日銀の支店、さらに日銀の支店から各それぞれの離島の交換所まで運んでいく輸送についても、琉球警察を中心として十分の警戒体制をとりますので、米軍の援助等をもらうことなく、支障なく運ばれるものと考えております。しかし、最悪の場合において、何ジャックと申しましょうか、そういう海賊みたいな者が、相当な戦力を持たないと来れないと思うのですけれども、しかし、かりに来たとした場合においては、やはり国民の金でありますから、そして沖繩の県民の人たちに渡さなければならない義務のある金でありますから、保険にかけておりますし、さらに金額は大きゅうございますので、国際保険機関に再保険をいたして万全を期しておるということでございます。これ以上本日の段階では明らかにすることはできません。精一ぱいの輪郭をお話し申し上げた次第であります。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 次は、この振興開発計画のことでございますが、この沖繩振興開発計画というものは、これはどういうメンバーの人たちがどういう手順でつくられ、いつごろまでにこれが作成されるのかという、この点について伺います。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) これはもう法律の命ずるところにより、新しく選ばれた沖繩県知事がその原案を作成する権利を持っております。その原案に対して、審議会を開いて、それにかけて、最終的に総理大臣が決定をいたしますが、その審議会については、私のやや配慮に欠ける点がありました、総員二十五名、うち十三名が関係各省庁の役人の諸君であったということから、衆議院で五名増員をされて、三十名にふやしてもらいました。その三十名にふやした分も含めて過半数を沖繩県を代表する各界各層の方々に入っていただきまして、事実上沖繩県知事の原案作成、そして作業には沖繩開発庁が協力をいたして、国の案として努力をいたしますが、それの決定に当たる審議会の過半数は、沖繩県のそれぞれの代表者であるという、二重の配慮をすることによって、沖繩県民の意思に沿う、そして国家が責任を持ち得る開発計画が立てられていくものと思いますが、御承知のように、復帰の日以後五十日以内に県知事の選挙がございます。県知事、県議会議員の選挙がございますので、その新しく選ばれた県知事という者が実際上案をつくりますから、つくられて持ってこられましたものについて、最終的に案を練り上げるのには相当時間が要ります。やはり秋口をやや過ぎる感じの十月ごろにできればたいへんしあわせであると思っておりますから、それらを踏まえて、来年の予算編成等にあたっては、やはり弾力的にそれらの計画が第二年度分の予算に反映しなければなりませんので、一応の予算締め切りは八月三十日、三十一日という約束にはなっておりますけれども、それらの配慮を十分にした四十八年度予算に間に合う計画作成のための原案作成ということを考えなければならぬと思います。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 そういうことを、いま総務長官のお話から、沖繩振興開発計画というものにつきましては、いろんな選挙、知事の選挙があるとかいろんなことがございます。そういうことを考えますと、来年度の予算、各省の概算要求、夏から始まるのでございますけれども、当然タイムリミットといいますか、いま長官の言われた十月というのはぎりぎり一ぱいのところだと思います。この振興開発計画、これはこれからの沖繩の開発にとりまして基本となる最も大事な開発計画でありますから、これには相当時間もかけ、いろんな方面の方々がいろんな意見を出し合って誤りのない、沖繩に最も適した開発計画でなければならないと思います。いまくどくど私が述べるまでもなく、沖繩開発につきましては、何といいましても企業進出が第三次産業のみであってはならない。やはり労働集約型の、沖繩の労働人口が十分に吸収される産業というものが最も望ましいわけでありますが、そういう点から大企業の無秩序な進出、開発、こういうことはあってはならないと思います。こういう点いろんな角度から検討をしなければならないと思うのでありますけれども、今日までの沖繩の開発につきましては、レジャー産業とか、石油産業とか、進出が予定されておる、またきまっておる。こういうものがございますが、いずれも沖繩の労働人口を吸収するに足るものではないという、こういう点につきまして非常に憂慮しているわけでありますけれども、こういう現在の沖繩に対して本土から進出しようとする企業、この点につきましても、機会あるごとに総務長官からお話があったわけでありますけれども、最も望ましい沖繩の産業構造というものはどうなければならないか、それをどう実現していくか、そういう点も十分に念頭に置いて配慮しなければならないことだと思います。こう考えますと、振興開発計画というものは将来の沖繩のあり方というものを左右する最も大事な計画になると思うのであります。この件につきまして総務長官の所見をお伺いしたいと思います。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) 沖繩においては税制、金融等について沖繩の既存産業に脅威を与えず、そして競合せず、沖繩の既存産業にも好ましい影響を与え、あるいは関連産業が振興される、それによってまた沖繩に対して雇用労働力あるいは付加価値の上において貢献をする企業というものを選択していくための努力をしたいと思います。それらの点は、税制、金融等はすでに措置済みでございますが、これらの国の措置に対して、企業がなかなか沖繩に出ていきたがらない理由に、やはり一つには立地条件が逆にマイナスの条件になる。南方の離れた場所にあるということもありましょうし、水や電力等が現在の時点においては豊富に得られないというような点等もございますので、水等については、工業用水も含む生活用水の優先ではありますけれども、北部の福地ダムや安波川、新川、普久川等におけるすみやかな多目的ダムの完成並びに中南部へそれを導水するということを全額国庫補助でやりますので、これらの問題を解決して、さらに電力等について十分な工業用電力等の確保ができますように、こういう条件を整備して、沖繩県の新しい未来に基礎条件をつくることに努力をしたいと思います。  なお、海洋博の構想が明らかになり閣議決定等がされました後、本部半島周辺に対する非常な土地の思惑買いというようなものが殺到しているような気配がありますし、琉球政府もそのことを心配をいたしておりましたので、琉球政府に最後までその金を持たせるつもりはありませんが、いち早く会場については国にかわって琉球政府が土地を取得しておいていただくように、予算措置もいたしてありますが、これらはいずれ国が琉球政府にかわってめんどうを見ることになるであろうと思います。済んだ後の所有の問題等もありまして、そこらのところはもう少し琉球政府と詰めなければならない点が残っておりますが、いま御心配されるようなことを、私たちとしても最大限に反映させるように努力をいたします。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 最も雇用効果のある、経済効果のある、そしてまた地方財政に大きな寄与をする工業開発は、非常に困難なことであろうと思いますけれども、沖繩にはこういう条件にかなったものでなければならない、これは長官のおっしゃるとおりだと思います。  これから沖繩振興開発計画が進められていくと思うのでありますけれども、ここで問題なのは、復帰と同時に返還になるという基地が何カ所かございます。これから振興開発計画を立てるにあたりまして、返還になったあとも基地として存続する地域、この地域を開発計画の対象に含むのか含まないのかという総合的な観点から、たとえば当然沖繩全体の上から立っていかなければならないと思いますけれども、そこに基地があるということでもって、非常に開発計画上困難な問題であろうと思います。基地にもA表、B表、C表があるわけでありますけれども、この開発計画の対象地域に含むか含まないか、この問題についてはどのように考えていらっしゃるか。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) いまだ返還の見通しの立たないものを開発計画の中に組み入れていきますと、かえって間違うという結果を、蹉跌を来たすおそれもありますが、返還されていきます基地については、これは当然一義的に地主に返還をされますから、その地主の御了解、そして地主をかかえている市町村の、それぞれの自分たちの町村内における基地が返されたならば、自分たちはこのような設計、青写真を描きたいというような希望等がすでにもう出されておりますので、これは私どもとして十分に返還された地主の権利というものを了解を取ることが前提でありますけれども、当然沖繩県全体、あるいは基地のあります市町村の計画に沿った経済再建の計画の中に組み入れるべきである。個人の所有に帰していきましても、これが国の経済開発の立場が取り入れられていって、沖繩の市町村の繁栄に貢献をいたすものでありますならば、これをおそらく地主の方々も喜んで、もちろん平和利用でありますし、加勢をしていただけるものと思っておりますから、勇敢に積極的に、返されるものはどんどん計画の中に取り組んでいくという姿勢は初めから堅持してまいりたいと考えます。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 沖繩の開発、これは先ほど申しましたようにいろいろな問題をはらんでおります。さらにまた、基地依存経済といいますか、およそ総生産の四〇%に当たる二億ドルにもわたる大きな金額が基地関連収入となっておると、こういうことでございますので、非常に困難な問題が相伴うわけでありますが、開発計画の推進、これは積極的に沖繩開発のために進めていただきたいと思いますが、それに伴いまして、復帰後私どもは最も心配する問題といたしましても、この労働問題があるわけでございまするが、四月の十七日、労働省から「昭和四十七年度の雇用の見通しと職業安定行政の重点施策」が発表になりました。この「昭和四十七年度の雇用の見通しと職業安定行政の重点施策」の中に、沖繩の問題について若干触れておりますので、この問題につきまして二、三お伺いしたいと思いますが、「昭和四十七年度の雇用の見通しと職業安定行政の重点施策」の中で、沖繩に関しましては、復帰後の沖繩における職業の安定をはかるための諸対策の総合的かつ計画的推進をはかる、まあこのように抽象的に表現されておりますけれども、これは具体的にどのように進めていくお考えなのか、この点についてお伺いしておきたいと思います。

関英夫労働省職業安定局雇用政策課長

○説明員(関英夫君) お答え申し上げます。  沖繩に対します雇用政策の基本といたしましては、私ども極力離職者の発生を防止していくと、これが基本だと考えておりまして、このため沖繩の振興開発の促進といったことにより、雇用機会の確保につとめる必要があることは先生のお話しのとおりでございます。しかしながら、復帰に伴いまして、制度の変更あるいは米軍基地の縮小等によりまして、やむなく離職者の発生することも予想されるところでございます。このようなものを含めまして、沖繩におきます失業者の職業の安定をはかるために、沖繩振興開発特別措置法におきまして、いろいろ規定を設けております。すなわち、まず第一に、沖繩におきましては、職業の安定をはかるための職業紹介なり職業訓練あるいは開発就労事業、そういったことにつきましての計画をつくりまして、この計画に基づき総合的な施策の推進をはかる、こういうことにいたしたいと考えております。  次に、振興開発計画等によりまして公共事業が行なわれてまいりますが、そういった公共事業につきまして、失業者の吸収率を設定いたしまして、そういった失業者の雇用の場を確保していきたいと考えております。  それから第三番目には、復帰に伴う制度の変更や基地の縮小等によりやむなく失業する人々に対しましては、三年間有効の特別の求職手帳制度というものを設けまして手帳を発給いたしまして手帳の有効期間中いろいろな手当を支給しながら就職促進の措置をはかっていくというようなことを考えております。また、軍関係の離職者につきましては、本土にあります駐留軍関係離職者臨時措置法、これに円滑に引き継いで、やはり三年間にわたりまして、就職促進措置をはかっていきたい、かように考えております。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 いまの御答弁、まことに一つ一つが実現されればこれはよろしいのでありますけれども、雇用の場をつくるとか、こういうことは、実際に雇用を促進するといいましても、実際はなかなか困難な問題、沖繩という土地柄、立地条件からむずかしい問題があろうかと思います。そういうことでそれを具体的に、いまどのようなことをお考えになっていらっしゃるのか、当然企業が誘致されるということがなければならないと思いますけれども、その間のことについてどのようにお考えになっていらっしゃるか、具体的な案がありましたら伺いたいと思います。

関英夫労働省職業安定局雇用政策課長

○説明員(関英夫君) お答え申し上げます。  先生のお話しのとおり、具体的な雇用の場がなければ職業紹介等につきましてもうまくいかないわけでございますが、私ども企業進出までの間に、先ほど申し上げました公共事業等が相当多量に行なわれますので、そういった公共事業に失業者を何%吸収しなければならない、こういったような措置を講じまして、できる限り地元の人をそういった公共事業に吸収していただく、これを第一に考えたいと思います。  それから、そういった措置によりましてもどうにもならない場合には、私どもの手で地元の開発に役立ち、かつ失業者の吸収のための事業を特に起こしていく開発就労事業といったような形のものも考えていきたいというふうに考えております。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 次は、この全軍労の米軍の基地に働いておる方々について、これらの方々の退職なさる離職者対策という、この問題について二、三ちょっとお伺いしたいと思うのでありますけれども、米軍に働いておる方々の退職金につきましては二割増し支給と、こういわれておりますけれども、現在復帰時点におきまして、どのくらいの方々が離職なさることになっておるかという、この間につきましては、おおよそ試算があろうかと思いますけれども、お伺いしたいと思いますが、防衛庁ですね。

安斉正邦防衛施設庁労務部長

○政府委員(安斉正邦君) お答えいたします。  軍労関係の方々でございますが、まあ昨年の、四十六年の十一月一日現在で大体二万一千五百名ばかりの方が在籍されておるわけです。これはまあ現在の沖繩におきますところの一種、二種と言われる方々でございます。直接米軍、あるいは米軍の諸機関が雇っていらっしゃると、こういう方です。その方たちが間接雇用に移行する方たちになるわけでございますが、この五月の十五日の復帰直前でかなり大量の方が離職されるということになります。大体四十六年十一月一日からずっと通算しますと、約二千名ぐらいの方になるのですが、この三月の十九日以降、大体批准日以降と申しますか、非常に復帰が直前に迫った時点で離職を余儀なくされる方という方が千六百名近くおられるわけでございます。この方たちに対しましては、従来の米軍の普通の退職金というものがもちろん支給されるわけでございますけれども、先ほど山中長官が御答弁されましたように、いわゆる本土との退職金の格差がございますので、これについての特別の措置として対策庁のほうで御措置願って、これが琉球政府のほうにいくわけでございますが、そのいきましたその残務として、復帰後この方々たちに施設庁として特別なお金を支給するという形になるわけでございます。その後、復帰が終わりましてあと、と申しますのは、全部移行が済んであと、これは大体二万人ちょっと切ることになると思いますが、そういう方たちが復帰後移行されるわけですが、その方々たちにつきましては、施設庁が雇い入れて、いわゆる間接雇用という形になります。そうして間接雇用後基地の縮小その他でもし離職を余儀なくされるという場合には、駐留軍の従業員の離職に対する特別の措置法というのがございますので、これによって処置をしていくというふうにやっておるのでございます。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 退職金のことについてはどうですか。

安斉正邦防衛施設庁労務部長

○政府委員(安斉正邦君) いま申しました退職金の問題と、先生おっしゃっていらっしゃるのは、おそらく従来、米軍がいま払っております退職金がございます。これはもちろんドルで払われるわけでありますが、ところが、復帰になりますと、これはまあ円になるということになりますと、復帰を直前に迎えながらドルでもらったのを円にかえるという問題の一つのショックといいますか、ギャップといいますか、そういうものを埋め合わせるという目的で、それの約二割増しぐらいというところ。それからもう一つは、退職金そのものが本土の退職金と少し格差がございます。その格差部分を、従来から特別な給付金という形で琉球政府を通して払っておるわけでございますが、その分についても、もちろん復帰直前の問題でございますので、これはドルで出るわけでございますから、その問題についても、やはり復帰直前にそういう措置が出るということではお気の毒だということで、この分についてもやはり二割増し見当の、差額といいますか、差損といいますか、そういうものを特別に処置するということでございます。これは、額は勤続年数その他によって各人別いろいろ変わりますので、また個別の問題になろうかと思います。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 いまのお話で、退職金はドルを円にかえる、そのために二割増しというのですね、この二割増しにしたというこの根拠といいますか、それはいまのお話ですと、ドルを円にかえる、その差損というか、そういう点を見合ってということのようですが、そういう説明でよろしいですか。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) これは私のほうでとった措置でありますから、私から御説明をいたします。  先ほどの説明と同じでありますが、まず、いままで支給いたしてまいりました本土駐留軍労務者の条件による退職金の沖繩における退職者との差額の分について、それを予算で補助をいたしますと同時に、アメリカ軍が支払いますもとの部分、いわゆる米軍の契約に従った計算方式で支給される分と、その差額を本土から積み増す分を両方含めた金額に対する二〇%増しということを計算したわけでありますが、これは基準レートは三百八円でありますし、実勢レートは三百二、三円というときでありましたけれども、それはいずれも二〇%に達しないパーセントでありますが、まあ大蔵の立場もありまして、これはいわゆる為替の差損そのものではない。したがって、二〇%というのは上回っておりますから、おおむね三百円ぐらいのものと置きかえれば開きがあるわけでありまして、その分を埋めましょうというわけでありますから、これは極端な人は復帰の前日に解雇される、そのときに受け取るドルが翌日は三百八円と一応換算される予定の、あるいは実勢レートで換算される予定の円に変わってしまう。復帰の日以降であるならば、当然価値の高い円で支払われたはずだということに着目して、批准書交換の日以降の解雇者について措置をとるということにしたわけでありますから、為替レートそのものとは関係のないパーセンテージであります。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 非常に、この為替差損という問題もございますので、その点の配慮だと思いますが、この二割増しというのは、私どもは、自分の意思で解雇されるんではなくして、こういう社会情勢の変化によって余儀なく離職しなければならないと、こういうことでございますから、これはもう本土でありますと、まあ相当な割り増しが考えられるわけであります。しかし、沖繩においては二割増しということだけでも、私どもは少し不足、本土から見ますといろんな公務員の方々の立場からしますと、もっと割り増しを考えるべきじゃないか、こう思いますし、もはや為替差損と、こういう問題がからみますと、二割では少し少ないではないか、このように私も考えたわけでありますけれども、こういう点についての配慮というものはなかったんですか。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) これはこういうふうに受け取っていただきたいんですが、本土のいわゆる金駐労といわれております間接雇用の方々が退職されたとしたならば、という計算の差額は五億ほど出すわけであります。そのほかに、復帰の直前にドルで支払われるというその特殊な環境を考えまして、米軍が支払うネットの分も含めて、総額に対して二〇%、いわゆる実勢レートをも基準レートをもいずれも上回るパーセンテージのものを特別に給付するという金額が三億、計八億になるということでございますので、これは本土の方々よりもその点は二〇%優遇されたというふうに、現在の仕組みではおとりいただいたほうがよろしいんではないかと思うんです。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 基地の従業員の解雇された方の過去の実績といいますか、いままでやめられた方の再就職というものを見ますと、再就職した方々が三分の一、本土に就職したのは一割、このような調査の結果もあるようでありますが、こういうことからいたしまして、先ほどお話しのように、千六百人からの方が職を離れるということになりますと、これは相当な対策を講じなければならぬと思います。そこで、総合職業訓練所、ここである程度職を身につけて再就職の機会を与えようじゃないかと、こういうことでございますが、実際沖繩には一カ所しかないというので、はたしてこれだけの、一時的かもしれませんけれども、多くの離職者が出るのに対しまして、一カ所で希望する方々に対して十分な措置がとられるかどうか、こういう点非常に憂慮するわけでありますが、この点についてはどうですか。

関英夫労働省職業安定局雇用政策課長

○説明員(関英夫君) お答え申し上げます。離職者に対します再就職の手段として、一番やはり有効なのは職業訓練だと私どもも考えております。そういう意味で、沖繩につきましては、復帰前から職業訓練所を雇用促進事業団の手で設置いたしましたが、確かに一カ所では十分でないということで、今度、本年度でさらに一カ所増設を考えております。なお、そういった場合でも、地理的条件あるいは訓練の職種、そういった関係で、その訓練所では訓練を受けられない方も出てくる場合もあろうかと思いますが、そういった場合には適当な施設に訓練を委託いたしましてやる方法とか、短期間に速成訓練をやるとか、いろいろな形で職業訓練に特に力を入れていきたいというふうに考えております。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 時間もありませんので、ちょっと飛ばしまして沖繩に外国人の労働者が相当数いらっしゃいます。これはまた復帰になりますと、それがどういう立場になるか、こういうこと、いろいろございますが、時間もありませんので基本的な問題だけちょっとお伺いしたいと思うのでありますけれども、いずれにしましても、外国人労働者の方々は一次産業的な職についている方が多いようであります。まあ沖繩の弱年労働者がどんどん本土へ流出するという、こういうことからいたしまして、何らかの対策というものが講じられなければならないと思いますが、この問題につきまして沖繩復帰対策要綱の第二次分に、「復帰後も一定期間、外国人労働者の季節的受入れが行なえるよう措置する。」こととしたという、このようなことが書いてありますけれども、この「一定期間」というのは一体どのくらいのことを考えていらっしゃるのか。また、現在外国人労働者はどのくらいいらっしゃるのか。復帰後これらの方々に対しては、賃金を含む労働条件の改善という、こういう大きな問題がからんでくると思いますけれども、具体的な対策はどのようにお考えになっていらっしゃるか。この点についてお伺いしたいと思います。

関英夫労働省職業安定局雇用政策課長

○説明員(関英夫君) お答え申し上げます。  外国人労働力の受け入れ問題につきましては、本土におきまして労働力不足が次第に強まってくるに従いまして、受け入れることが必要ではないかという論議もございますが、わが国の雇用情勢等から見まして、現段階では安易にまだ受け入れるべきではないと私ども考えております。しかしながら、沖繩におきましては、従来からパインとか砂糖関係の収獲作業などに外国人の季節的な労働者を受け入れております。この関係につきましては、これらの産業が沖繩における主要な産業であるというようなことにかんがみまして、復帰後直ちにこれを停止いたしますと、これらの事業に少なからぬ影響を与えるおそれがあるというふうに考えまして、一定期間暫定的に受け入れを認め、その間に、積極的にその産業の合理化を進めていただくことにいたしたいと私ども考えておるわけでございます。なお、約三千四百人ぐらいがこれらのパインや砂糖の収獲の関係に現在受け入れている数だというふうに記憶しております。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 最後になりますが、この失業対策事業のことでございますけれども、本土においては、これは事業規模の縮小の方向に向かっておりますけれども、沖繩におきましては、この復帰時点におきまして相当な失業者というものが見込まれるようでありますので、本土とは逆に、かえって失業対策事業の拡大ということを考えていかねばならないのではないかと思います。こういう観点からいたしまして、失業対策事業、これをどのようにお考えになっていらっしゃるか、先ほどちょっとお話ございましたけれども、具体的にお伺いいたします。

関英夫労働省職業安定局雇用政策課長

○説明員(関英夫君) お答え申し上げます。  失業対策事業につきましては、本土におきましては中高年齢者等雇用促進法によりまして、これから新しくは失業対策事業には入れない。で、失業者につきましては、手当を支給しながら訓練をしたり職業指導したりして再就職をはかっていく、こういうことになっております。したがいまして、復帰後の沖繩におきましても、復帰時点で失業対策事業に就労している方々につきましては、復帰後もそのまま失業対策事業に就労していただくことといたしますが、復帰後、制度の変更等に伴い出てまいります失業者に対しましては、先ほど申し上げましたように、特別の求職手帳制度で三年間手当を支給しながら職業訓練等を行なっていくとか、あるいは、どうしてもそういったことで再就職がはかられないような場合で、必要があれば特別の開発就労事業というようなものを考えていくとか、あるいは公共事業への吸収の強化とか、そういったような施策で対処してまいりたい。こういうふうに考えております。

星野力日本共産党

○星野力君 最初に山中長官に。  御承知のように、日本共産党員の沖繩渡航については、国会議員などの少数の例外を除きまして、アメリカ側は認めなかった。批准書の交換も済んで、もう二十日余りで祖国復帰が実現しようという今日の時点においても、そのような渡航の許可、不許可について、まことに不当な選別をやっておるのですが、これについてどうお考えになるか。日本共産党の中央機関紙であります「赤旗」の記者が、四月の六日でございましたか、復帰前後の沖繩の状況を取材するためということで、渡航の申請をやっておるのですが、これも認めておらない。このことは、報道の自由に対する重大な妨害だとも思うのですが、こういう問題についてどういうふうにお考えになるか、ひとつお聞きします。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) 私は、佐藤・ニクソン声明以降、その後逐次具体的になるに従って、アメリカ側もこのような入域チェックというものをやめてほしいということはたびたび言っているのでありますが、まあ努力いたしました結果、国会議員並びにその秘書、それもそのつど同一人でなくてもいいというところまで何とかいきましたけれども、その後私の努力の足らない点もございますが、しかしながら、アメリカ側においては、もう旬日に控えた今日でも、なおかつ、同じような姿勢をくずしておりません。ことに、「赤旗」の人たちは支局の開設事務等もそのほかにやはり当然の仕事として持っておられるようであります。秘書として行けば行けることも可能なわけでありますけれども、それはやはり報道人としてのプライドが許さないという御意見等もあるようであります。私もごもっともなことだと思いまして、アメリカ側に対して、この際、復帰準備のために行かれるのであるから、それらの方々について入域を認めてほしいということの連絡をいたしておりますが、遺憾ながら今日までその態度が基本的に改まって、すべてのかきねがなくなったという感触を受けていないことをはなはだ残念に思い、申しわけなく思う次第であります。

星野力日本共産党

○星野力君 これはまあ共産党なり、一「赤旗」の問題でなしに、日本国の権威の問題でもあると思うのです。で、アメリカのそういう態度をくずすためにも、私もひとつ山中長官に大いに御期待いたしておきます。よろしく。  返還される道路の問題でありますが、協定の合意議事録にあがっております路線名、ここに概算距離が出ておりますが、これ実際にもう大体煮詰まってきておると思いますけれども、帰ってくる道路というのは、たとえば一号路線なら一号の、また十三号線なら十三号線と普通言われておるものの全部が帰ってくるのでしょうか、それとも米軍基地内に取り込まれる部分というのはあるのでございましょうか。私、建設省のほうの政府委員の御出席をお願いしていなかったのですが、どなたからでもひとつ。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) 沖繩において国道として引き取ります路線は、全部結果的には国の直接の管理として返されることになると思います。問題がなお存している点があるとすれば、それは飛行場の手前の小禄の現在締めてございます、沖繩県民並びにアメリカ人以外のものが車両等も含めて立ち入りを許されない道路、これも当然国道に編入をいたしますので、これは復帰の日から本土の国道同様、基地の中でありましても通過することが可能であるような措置が絶対必要でありますので、その点いまアメリカと折衝しておりますが、その感触では、ほぼ見通しは明るいという点に立っておりますので、ほかの点は、もう大体ほかの路線は問題がないと思っております。

星野力日本共産党

○星野力君 前回、私、十六号線、嘉手納のあの北側にある路線、あの十八ゲートから道路の北側の第四百弾薬部隊の弾薬庫、あすこの間がしょっちゅうアメリカ側によって交通遮断されて、弾薬の輸送が行なわれておる問題についてお聞きしたんですが、その際に、外務省の橘参事官から、施政権返還後は管理権はわがほうにある。道路の使用状況は本土と同じになると、こういうお答えがあった。また、いま総務長官からも非常にはっきりしたお答えがあったんで、大体それでわかるんでありますが、そうしますと、弾薬輸送の際に米軍が交通遮断をやるというようなことはもうなくなるんだと、こう解釈してよろしゅうございましょうか。

橘正忠外務省アメリカ局外務参事官

○説明員(橘正忠君) ただいまの問題の道路についきまして、復帰後において、その法的な性格につきましては、先生いまおっしゃいましたとおりでございまして、管理権は当然わがほうに返ってまいります。そういう権利の関係を別にいたしまして、実際上の道路、たとえば基地の中にものを移動するとか、車両を移動するとか、そういうような事例というのは、これは必ずしもその基地のみに起こる現象ではなくして、潜在的にはどの基地にも出入と、あるいは移動ということが起こり得ると思います。そういう場合はそれに応じたやはり地位協定の関連の規定がございますので、これについても本土と同じように地位協定の関係の条項に従って処理をされるということになると思います。

星野力日本共産党

○星野力君 私がお聞きしておるのは、本土の道路におきましては、米軍が自分の手で交通遮断をやるというようなことはないはずだが、沖繩においても——ものの移動じゃないんですよ。交通遮断をやるのかやらないのか。やるようなことはなくなるんだろうと、こういうことをお聞きしておるんです。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) 御質問の趣旨がわかりましたから、私から答弁をいたします。  現在アメリカのつくりました軍営繕道というものは、管理も、それから道路交通取り締まりも、米側が一義的に行なっておりますから、いまおっしゃったような、道路の米側の手による締め切り、遮断等が行なわれておることはたびたび見聞するところであります。しかし、復帰いたしますと、これは国道、県道、それぞれ日本国の道路として編入されて、管理が日本側に移りますし、それに対して道路の交通取り締まりも琉球警察というものに——琉球警察というのはいまの名前でありますが、日本側の沖繩県警本部の手にゆだねられるわけでありますから、少なくとも米側が、先ほど橘君が申しましたような、正式の協議を経て、かりに遮断をするにしても、その必要がかりに起こった場合としても、管理者たる日本国あるいは沖繩県というものの事前の同意なしに米側の手によって道路が遮断されるということはあり得ない。原則的には全部、遮断をするにしても、日本の警察官というものの手によって行なわれるということは申し上げられると思います。

星野力日本共産党

○星野力君 どうも日本側の同意を得て遮断がやられる可能性があるような感触を受けるんでありますが、その点やはり問題と思いますけれども、これはもっと時間をかけて、ひとつ今後の状況を見ながら、さらにお聞きしていきたいと思います。  何ぶんにも時間が少ないものですから、次の問題に移りますが、軍用地の問題であります。返還後の軍用地の賃貸契約の交渉、これはどの程度に進捗しておるか、大ざっぱなところをひとつお答え願いたいと思います。

銅崎富司防衛施設庁総務部調停官

○政府委員(銅崎富司君) 現在、現地におきまして説明会を開いておりまして、第一回は三月の初旬から中旬にかけて行ないました。第二回目は四月のやはり初旬から中旬にかけて行なっております。現在、その第二回目の説明会におきましては、私ども手持ちの額を全部御提示申し上げまして御納得をいただくということで説明会を開いたわけですが、現在の状況では、市町村の役員会、それからその傘下の部落会で賛成していただいているところも若干出ております。で、なお引き続いて説明、交渉をやっていくという段階になっております。

星野力日本共産党

○星野力君 政府は、この問題について、しばしば土地収用にあたっては話し合いで契約をする、強制的にはやらない、できるだけそういう強制的なことは避けるのだというようなことを言ってこられたと思うのですが、その方針には変わりないわけでございますか。

銅崎富司防衛施設庁総務部調停官

○政府委員(銅崎富司君) その方針には変わりはございません。

星野力日本共産党

○星野力君 待ってください。話し合いでいくということは、個々の地主と話し合いで契約していくということでありますか。  それから一緒にお聞きしますが、契約には契約期間というものがあると思うのですが、これは一年ごとに契約を更新していくということでございますか。その二点ですね。

銅崎富司防衛施設庁総務部調停官

○政府委員(銅崎富司君) 契約は、個々の土地所有者の方々と契約するということでございます。ただ、数がたいへんに多い場合には、たとえば部落会単位で代表者をきめて、委任された代表者の方とやるというのは、これは本土の場合でも例があるわけでございます。そういう方法がとれるならば沖繩でも採用していきたいと、こう考えております。しかし、基本は個々の土地の所有者と契約するということでございます。  それから第二の点ですが、特に駐留軍関係の土地の賃貸借契約書では、形式上一年ごとの契約ということになっておりますが、その契約が一年ごとに切れるのか、続いていくのかという点でございますが、これはいろいろ問題のあるところでございますけれども、私ども従来の考え方といたしましては、不確定期限説といいますか、駐留軍が駐留している限り契約は更新さしていただくという考え方をとっております。

星野力日本共産党

○星野力君 最後のところは、一年ごとの契約じゃなしに、実際の問題としては、その土地をアメリカ軍あるいは自衛隊が使用しておる限りその契約が続いていくと、こういうことだと思いますが、それはいまそういうふうにお聞きしておきます。  こういうやり方でやっていきまして、契約できない地主も出てくると思いますが、その場合は、地主が自由に自分の所有地に立ち入りそれを使用することもできると、道理から言うとそういうことだと思いますが、そうでしょうか。

銅崎富司防衛施設庁総務部調停官

○政府委員(銅崎富司君) 契約を拒否された所有者の土地をそういうことで使えるかというお尋ねでございますけれども、私どもの考えといたしましては、そういう拒否された場合におきましては、今回の暫定使用法によりまして、やはりこれは駐留軍のために使わしていただく。したがって、使っている間は、使用者たる米軍が土地を管理いたしますので、その許可がない限りは立ち入りはできない、こう考えております。

星野力日本共産党

○星野力君 まあ、だから話し合いといいましても、要するに、話し合いに応じなければ結果はわかっているんだぞと、こういうことなんですから、まあこれは半分以上強制ですわね。まあアメリカ軍がおるから、その許可を得なければそこに立ち入ることも使用することもできないと、そういうことかもしれませんが、かりに、契約に応じない、契約を拒否する人たちが五月十五日以後自分たちの土地にすわり込むというような、あるいはすわり込もうとする、立ち入ろうとするということもこれは考えられると思うのですが、そうなると、いまのお話のように、相手が米軍でありますから不測の事態もこれは考えられるわけでありますが、そういう場合にはどういうふうに対処なさいますか。

銅崎富司防衛施設庁総務部調停官

○政府委員(銅崎富司君) ちょっと私には答弁が、荷が重いと思うんでありますけれども、そういう、許可がなくして立ち入るような事態がないようにまずいたしたいと思いますし、そういうことを、そういうまあ不測の事態をできるだけ避けるようにしたいという以外に御答弁申し上げようがないと思います。

星野力日本共産党

○星野力君 まあそういう事態が絶対にないとはあなた方考えておられないだろうと思うんですよ。その場合一体どうするのか。アメリカ軍の処理にまかせるのか、あるいは日本側として、当然日本側としてこれはまあ考えておられると思うんですが、そのことをお聞きしておるんです。まあ長官のほうがお答えできるなら長官からお答えしてもらいたいと思うんですが、そういう場合に自衛隊を使うというようなこと、排除のために自衛隊を使うというようなことは考えておられますか。長官いかがですか。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) まあこれも、私の所管でないことは重々御承知の上での御質問でありますが、自衛隊はそのようなものを主目的としたものではありませんから、国土、民族の生命財産をもっぱら守るという立場に徹すべきでありまして、そのような治安出動に似たような行動というものは、よほどの事態でない限りは考えられないことだと思います。

星野力日本共産党

○星野力君 よほどの事態でなければ考えられないと、当然そうだろうと思うのです。  防衛庁のそっちの担当の方がおいでになるなら重ねてお答え願いたいと思うのですが、私、心配いたしますのは、ことしの一月二十七日から二十九日にかけて三日間、海上自衛隊佐世保地方隊が沖繩上陸に備えた警備強化をねらった訓練をやった。そしてそのことが、NBCというのは長崎放送でありますか、また、沖繩でもテレビを通じてそれが放送されて、沖繩で相当これが問題になった。沖繩のデモ隊、まあこれは土地問題だけじゃありませんけれども、いろいろの場合に想定されるデモ隊の鎮圧を目ざすところの訓練、そういうふうにこれは伝えられておるんでありまするが、こういうことがあるから私さきのような質問をいたしたわけでありますが、この問題についてどういうふうにお考えになりますか。防衛庁の方、この問題の事実。  それからいま私が問題にしておるような、こういうことをやってもらっちゃ困ると思うのですよ。デモ鎮圧に自衛隊を出動させるなんということは。そこまで考えていま沖繩返還ということに備えておられるのかどうか、その辺のことをお聞きしたいと思うのです。

楠正俊自由民主党

○理事(楠正俊君) ちょっと速記をやめて。   〔速記中止〕

楠正俊自由民主党

○理事(楠正俊君) 速記を起こして。

星野力日本共産党

○星野力君 それじゃ、ひとつ、長官から、国務大臣としてお答え願いたい。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○国務大臣(山中貞則君) どうもはなはだ本日は汗のかきとおしでありまするが、私が国務大臣として一人しかおりませんから、答弁を逃げると思われちゃいけませんので、私の答えられる範囲で申し上げますが、自衛隊というものがいろいろ想定をした演習その他訓練等をやることはあり得ることであると思います。しかし、それが沖繩において、自衛隊の移駐もしくは軍用地の契約に伴うトラブル、そういうものを初めから想定をして、その場合において実力を行使できるような訓練をするということははなはだ穏やかならぬことである。私はそのようなことではなかったのではないかということを一応願っております。

星野力日本共産党

○星野力君 長官、現閣僚の中では沖繩の問題一番これはよく勉強もなさり、心配もしておられると思う。沖繩県民のそれこそ心情もよく御存じだと思うのです。いま私が心配するような事態が絶対に起きないようにするという決意をひとつ長官の立場で御披瀝願いたいと思うのですが、質問を続けます。  軍用地の地代、地料、これは現行の六・三倍ということでございましたですかね。あれは四十七年度の予算には沖繩関係の防衛関係費の中に入っておりますか。その金額幾らでしょうか。

銅崎富司防衛施設庁総務部調停官

○政府委員(銅崎富司君) 四十七年度の予算の中に計上してございます。それで百六十五億でございますが、この倍数というのは、単純に平均して総額同士を割り合ったという感じだけのものになりますけれども、現在米軍が支払っております年間の借料額は約二十八億でございます。で、今回の百六十五億というのは、四月一日からの計算でいきますと、百八十八億ということになるのですが、復帰が一カ月半おくれますので、百六十五億という額を計上してございます。この中身は、百三億が純粋の借料、それから二十七億が費目としては土地購入費ということで計上してございまして、これは純粋借料のほうに回せるという額でございます。そのほかに見舞い金としまして三十五億、合計百六十五億円を計上してございます。

星野力日本共産党

○星野力君 わかりました。そうしますと、この借料が何倍になるのかわかりませんが、六・三倍ということじゃないように感じますが、その中の見舞い金ですね、三十五億円、これはどういう方法で支払われるのですか。また見舞い金というのは、毎年この率の額でもって支払われるのですか。

銅崎富司防衛施設庁総務部調停官

○政府委員(銅崎富司君) 三十五億円は、一応性格的に二つございますけれども、一つは過去長いこと異民族の支配下で御苦労されてきました心理的、精神的な負担に対するお見舞いと、これが大部分でございますが、これと、まあ契約していただいた方に対する心ばかりのお礼と、この二つがございます。それでこのうちの、先に申し上げました心理的経済的負担に対するお見舞いは逓減してまいりますが、四十七年、四十八年、四十九年、三カ年お支払いするということを現在考えております。  それから契約していただいた方へのお礼は四十七年度限り、今年限りと、こういう考えでおります。

星野力日本共産党

○星野力君 ちょっとわからぬのでもう一度教えてください。契約すると四十七年度限り、一回だけこの見舞い金が出る。それから三カ年、三年間にわたって出るというのは、またことし契約しないで来年契約するということですか、契約した人に出すということですか。

銅崎富司防衛施設庁総務部調停官

○政府委員(銅崎富司君) 前段に申し上げました心理的経済的な負担に対するお見舞いは、契約したということ、それから契約に応じなかったということに関係なく出ます。したがって、四十八年度からは、協力者に対するお礼のほうは出なくなりまして、額は逓減しますが、拒否された方にもその額の範囲で、ある一定の比率ではじいたものが支給されるということになります。

星野力日本共産党

○星野力君 よくわからないんですがね。全体の地主ですね、これに一定額を土地の面積に応じて平等に見舞い金を出すと、それからもう一つの部分は、契約に応じた人に出すと、そして来年以後は契約に応じない人に出すというんですか。強制収用した人たちに来年以後出すと、こういうことですか。どうもこれは私理解力が足らないのか、よくわからぬ。

銅崎富司防衛施設庁総務部調停官

○政府委員(銅崎富司君) ちょっと説明がまずかったと思いますが、全体の契約に——契約といいますか、過去の心的、経済的負担に対するお見舞いのほうは、これは契約された方にも拒否された方にも出るわけでございますが、これは現在一応試算でございますけれども、おおむね二カ月分、この額は翌年度も逓減いたしますが、ということは、二カ月を切るわけでございますけれども、同じように全体の方に出る。三年目も逓減しますが、同じように全体に出ますと、こういうことでございます。

星野力日本共産党

○星野力君 そうすると、一口にいうと、契約に応じた人には応じない人よりたくさん出るということになりますか。

銅崎富司防衛施設庁総務部調停官

○政府委員(銅崎富司君) 初年度だけ契約に応じた方が、その契約に応じたというお礼の分だけよけい出るわけでございます。

星野力日本共産党

○星野力君 なかなか説明むずかしいんですが、要するに表現は悪いけれども、にんじんを突きつけて、応じたらこれだけ有利になるんだぞと、こういうやり方の見舞金ですね、これは。わかりました。  時間がないですから、あと一つだけ聞きますが、いろいろな形の住民の請求権の問題、これは非常に複雑だということを言っておいでになった。調査しなければなかなか具体的な数字も出てこないというお話でございましたが、具体的な状況をどの程度調査されたか、現在までの調査状況、これもごく大ざっぱでよろしゅうございますから、どなたからかひとつ。

銅崎富司防衛施設庁総務部調停官

○政府委員(銅崎富司君) 現在、施設庁としてやっておりますのは、基地提供業務に関連してやっているわけでございまして、本格的な調査は復帰後に行ないたいと思っております。それで、この請求権に関する調査につきましては、対策庁のほうとも十分連絡、調整させていただいてやりたいと思いますし、琉球政府とも密接なる連絡のもとにやりたいということを考えております。それで、ことしの一月に現地に参りまして法務局長とお話し合いを、この問題についていたしたわけですが、琉球政府のほうでもいろいろとお考えがあるようでございまして、それで私どもは四十七年度の予算として約千八百万円の調査費を組んでおりますが、この使い方等につきましても、よく相談してやってほしいという御要望がありまして、それは十分そういうふうにやりますということで、このときの会議は終わっております。それでそのあと二月に事務当局同士、琉球政府の土地業務課と現在沖繩事務局に参っております職員との間で、具体的な打ち合わせをやっております。そのほかは本格的な調査に入っておりませんけれども、一応海没地——那覇港以外の海没地の状況等につきまして、これは図面でございますけれども、一応チェックいたしております。  それから北部訓練場の現地調査に行きましたときに、入り会いの実態について大ざっぱな調査をして帰ってまいっております。  以上でございます。

星野力日本共産党

○星野力君 まあ、施政権が返っておらない時点において、いろいろ調査に思うにまかせない点もあると思うのでありますが、この請求権の調査の問題にしましても、先ほど来私以外の委員の方のいろいろな御質問についての答弁の状況を聞いておりましても、問題がなかなかはかどっておらないと思うのですよ。一番はかどっているのは自衛隊の配備の問題で、これらは非常に手回しよく、よ過ぎて失敗もしておりますが、その他の点ではあまり期待しておったほど進んでおらぬ。山中長官がんばっておられたはずなのに、こういう状態じゃちょっと心細い気がいたしますが、きょうは時間もありませんから、長官にはうんとそういう点もよく腹に入れて奮闘していただきたいと思いますし、私もきょうお聞きしたことをもとにして、このあとの委員会で質問さしていただきたいと思います。  きょうはこれで終わります。

楠正俊自由民主党

○理事(楠正俊君) 本調査に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午後六時二十七分散会      —————・—————

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