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68回国会参議院1971/12/29

沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第1号

発言数
531
登壇者
43
会派数
6
開催日
1971/12/29

会議録

亀井善彰自由民主党

○亀井善彰君 ただいまから沖繩及び北方問題に関する特別委員会を開会いたします。  本院規則第八十条により、年長のゆえをもって私が委員長の選任につきその議事を主宰いたします。  これより委員長の選任を行ないます。  つきましては、選任の方法はいかがいたしましょうか、おはかりをいたします。

森中守義日本社会党

○森中守義君 委員長の選任は、主宰者の指名に一任することの動議を提出いたします。

亀井善彰自由民主党

○亀井善彰君 ただいまの森中君の動議に御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

亀井善彰自由民主党

○亀井善彰君 御異議ないものと認めます。  それでは、委員長に長谷川仁君を指名いたします。(拍手)     —————————————   〔長谷川仁君委員長席に着く〕

長谷川仁自由民主党

○委員長(長谷川仁君) ごあいさつ申し上げます。  前国会に引き続きまして、委員各位の御推挙によりまして本特別委員会の委員長に選任されました。前国会同様、皆さまの一そうの御協力を得まして、公正な運営につとめてまいる所存でございます。  どうぞよろしくお願いいたします。     —————————————

長谷川仁自由民主党

○委員長(長谷川仁君) ただいまから理事の選任を行ないます。  本委員会の理事の数は九名でございます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

長谷川仁自由民主党

○委員長(長谷川仁君) 御異議ないものと認めます。  それでは、理事に、鬼丸勝之君、楠正俊君、剱木亨弘君、丸茂重貞君、松井誠君、森中守義君、矢追秀彦君、高山恒雄君、岩間正男君を、それぞれ指名いたします。  暫時休憩いたします。    午前十時二十二分休憩      —————・—————    午前十一時三十二分開会

長谷川仁自由民主党

○委員長(長谷川仁君) ただいまから沖繩及び北方問題に関する特別委員会を再開いたします。  沖繩の復帰に伴う特別措置に関する法律案、沖繩の復帰に伴う関係法令の改廃に関する法律案、沖繩振興開発特別措置法案、沖繩における公用地等の暫定使用に関する法律案、国家公務員法第十三条第五項および地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、人事院の地方の事務所設置に関し承認を求めるの件  以上の五案件を一括して議題といたします。  以上の五案件につきましては、前国会において趣旨説明を聴取し、きのうまで、質疑を行なってまいったものでありますので、引き続き質疑を続行することといたします。  なお、本日の委員会の審議にあたって、委員長から特にお願いいたしますが、質疑者は持ち時間を厳守していただきたい。質疑者は持ち時間を厳守していただきたい。また、政府側は答弁を簡明直截に。政府側は答弁を簡明直截にしていただきたいと存じます。どうか御協力をお願いいたします。  それでは質疑に入ります。大橋和孝君。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 当委員会におきましては、公用地問題、請求権問題などずいぶん議論されておりますが、私は、きょうは、沖繩の県民の生活に直接関係をする特に社会保障関係、そういうようなところにしぼりまして質問をさしていただきたいと思います。  初めに、総理にちょっとお伺いしたいと思うわけでありますが、今度のいろいろの法案の中には、政令によってかなりいろいろな措置が行なわれておりますけれども、沖繩は、御承知のように、二十六年の間相当苦しい中にあって、いまの国民生活を考えてみますと、本土と比べまして非常に大きな格差がある、こういう現状であります。この問題に対して、私は、今度の法律をつまびらかに調べてみまして、いまのような状態で、総理がいつもおっしゃるような、ほんとうに豊かな沖繩の復帰ということになり得るかどうか、非常に疑義を感じつつあるわけでありますが、この点につきまして、総理はもっと前向きに、ただ政令によって振りかえるぐらいの程度ではなくて、たとえて申しますならば、健康を守るための健康保険を見ましても、沖繩には、本土に比較してみますと三分の一ぐらいの医者しかいない、医療機関におきましても二分の一ぐらいしかない。ことにハンセン氏病なんかに至りましては、本土の二十倍もある。こういうようないろんな問題を見まして、抽象的なこの振興開発法で、あるいはまたその他の法の振りかえでもってこれが十分になされるかどうか、非常に私は疑義に思うわけであります。こういう点については、ほんとうに責任者として総理には前向きな姿勢でやってもらわなければならぬと思うのでありますが、初めにその決意のほどを聞いておきたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) いま大橋君の言われるように、沖繩はずいぶん苦労された。しかしながら、どうも本土と離れ、アメリカの施政権下にあり、何かと不足が多い。本土との格差は非常にあります。これを克服していく、そのためにわれわれも沖繩の方々の御苦労に報いる、こういうことでなければならないと思います。  いろいろ問題がありますが、その中で、ただいま取り上げてお尋ねになりました点についてお答えをいたしますれば、これは何と申しましても医者が足らない。医療機関の医者そのものが足らない。また、島々からできております沖繩県全体を考えました際に、なかなか医療機会に恵まれぬという、そういう非常な不便があります。施設も不足、医者も足らない、これが一番の悩みであります。今度、制度として社会保障制度がここにもでき上がってまいりますから、そのほうではよろしいのでございますが、しかし、医者を何としてでもふやすという、そういう意味で医科大学を琉球大学に設置する、こういうことも方針をきめております。  また、そこらにおける特殊な病院施設、それなどもできつつありますが、そういうところをとにかくできるだけ早目に、ただいま言われるような不足分を補っていく、こういうことでなければならないと思っております。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 衆議院のほうの質問の中でも多少触れられておりますけれども、この沖繩の今度の予算、四十七年度において三千二百億、これは山中長官も御説明になっておったように思いますが、大蔵省側では二千九百十三億、これが出ておるようであります。これは沖繩県分として、政府のものから除外すれば千三百七十億円くらいだという説明を聞いておるわけでありますが、こういう観点から申しまして、この予算でいわゆる社会保障関係、これに直接関係のあるものはどういうふうになっておるか。そしてまた、これで一番疑問点と申しますのは、こういう予算がつきましても、その中にはやはり地方自治体、県として受けなければならない、出さなければならない問題もあるだろうと思います。こういうふうな問題のために、いまの沖繩が復帰された後で、これにたえ得るかどうかということも問題だと思う。これは山中長官にも御説明を願いたいし、大蔵省のほうにおきましてもどういうふうになっておるか、大蔵大臣からもお話を承りたい。同時に自治大臣からも、自治体としてそれを受けた場合に、どういうふうな受け入れの態勢になっておって、どうなるんだということも、少し見通しを含めて明確に答弁をいただかないと安心がならないと思うわけでありますから、国民の安心がいけるように、あるいはまた沖繩県民の安心するように、この場において明確にひとつお話をしていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

山中貞則自由民主党総理府総務長官・農林大臣臨時代理

○国務大臣(山中貞則君) 大蔵側の予算の二千九百億と三千二百億の違いは、沖繩に関係するものとして入りますが、例の三億二千万ドルのうちの初年度の一億ドル、すなわち三百六十億が入れば三千二百億ということになりますので、そういう意味でございます。  そこで、いま言われたように、医師の確保ということは、これは急速にできることではありませんが、今日の派遣医制度その他はそのまま存続することとして、その政策は厚生省その他から御説明願いますけれども、沖繩において、まず何よりも医療施設整備の確立ということが先決でありますので、それについては、私の手元で、まず財政上の姿勢を国が示すべきであるということにいたしまして御説明申し上げますと、五カ年間で本土並みにしたいと念願しております社会福祉施設については、保護施設は、本土・二分の一に対し、沖繩は一般を三分の二、授産所については四分の三、さらに児童福祉施設については、本土では全部二分の一でありますが、それを沖繩については保育所を四分の三、重度心身障害児の施設を十分の八、その他母子寮四分の三、授産施設を四分の三、乳児院三分の二等にかさ上げをいたし、さらにまた老人福祉施設については、養護老人ホーム等について本土・二分の一に対して四分の三、軽費老人ホーム本土・三分の一に対して二分の一、身障者更生援護施設本土・二分の一について三分の二、精薄者援護施設本土、二分の一について三分の二、婦人相談所、保護施設本土。二分の一を三分の二。保健衛生関係では、保健所創設費初度調弁本土・二分の一を沖繩四分の三、同じく保健所の設備調整費本土・三分の一を四分の三、伝染病院について本土・三分の一を沖繩は四分の三、公的医療機関の整備については、本土は三分の一、二分の一に分かれておりますが、沖繩は一律四分の三、母子健康センターについては本土・三分の一を二分の一、国保の直営診療所、これは国でありますから同じでございます。  なお、上水道その他ございますが、以上のような社会福祉施設について精一ぱいの補助率のかさ上げをいたしております。  その裏負担についての地方財政の上げ方については配慮がいたしてございますので、自治大臣からの答弁にゆだねます。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 御承知のように、沖繩の十カ年開発計画、これは来年にならないとできまん。しかし、正式に銘打ったものの二年度として四十八年度の予算できめられると思いますが、来年の四十七年度は計画はございませんが、しかし、あとからできた計画のやはり初年度に——十カ年の初年度に入るものでございますから、そういう意味で、いま査定でできるだけ内地との格差をなくするように、沖繩の問題については予算は積極的に編成したいと考えておるところでございます。  そこで、お尋ねの福祉関係を申しますと、要求額としては、生活保護が五十九億円、社会福祉費が二十一億円、社会保険費が七十八億円、保険衛生対策費が五十億円、二百億円以上の福祉関係の予算のいま請求がございますが、これは福祉関係はそうでございますが、そのほか、いま各省庁別に統一した計画がないために、官庁別にばらばらに、有機的に関連を持ったというのでない予算が要求されておりますが、これはやはり十年計画の初年度に入りますものであります以上は、計画の均衡性というものを考えなければならぬと思いますし、そういうものをいま全部統一して査定をやっておりますが、内地にあるものは内地の最高補助率、内地にないものは別途の補助率というようなことで、できるだけこの十カ年計画の初年度予算にふさわしい、そうして格差を急速になくし得るような予算、こういうたてまえから、いま査定を急いでおるところでございます。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(渡海元三郎君) 沖繩県並びにその市町村の地方財政が、本土との格差の是正あるいは積極的な振興開発のために、多額の財政需要を伴うことは当然でございます。このために、いま山中総務長官からお話しになりましたように、国庫及び国家の補助金並びに負担金において、本土と比べまして多額の補助を出していただいておりますが、それだけでは足りませんので、一般会計といたしまして、地方税と交付税によってまかなわなければなりませんが、地方税は、法案も提出いたしておりますように、特例措置で暫定的に本土の地方税より低減をいたしておりますので、その分も減ってくるわけであります。そのような事情がございますので、本土の交付税よりも手厚い沖繩の特別の交付税制度を打ち立てまして、いま計画されました予算にあわせての事業が執行できるように特例交付金を配賦いたしたいと考えております。  なお、起償措置につきましては、百五十億余りのものをお願いいたしておるような次第でございます。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 この点につきましても、いろいろと私も調べたデータも持っており、いろいろともっと詰めて——ほんとうにこれはやってみられても、なかなか地方で受け入れもできないかもしれない、あるいはまた現状においては非常に大きな格差がある。それを是正するためにはたいへんな問題が起こってくると、こう思うわけでありますが、こういう問題について一々私は担当大臣並びに総理にも伺いたいという案を立てておりましたが、時間の関係もございますから、これを一括してお尋ねをしておきますが、特に県民のためにも、ひとつここではっきりとそういう方向を出してもらいたいと思います。今後いろいろ運営されまして、格差の大きいところ、あるいはまたそれが埋められないというのは、もちろん先ほど大臣も、総理大臣もすぐにはできないとおっしゃいますが、それはわかりますにしても、これを非常にあたたかく迎えるためには、豊かにするためには、その時間を非常に切り詰める必要があると思うのです。そういう意味におきましては、今後もいろいろな問題が起こるたびごとにこれを修正しながら、そういう方向でうんとやってもらいたい。その前向きの姿勢がないといけないと思うのです。こういう点につきましては、担当大臣も、あるいはまた特に総理大臣においては、そういう姿勢でこの問題に取り組んでいただきたい。こういうことをお願いしておきたいと思います。  それでは、個々の問題にちょっと入ってお尋ねをしたいと思いますが、まず医療保険の問題についてちょっと伺いたいと思うわけであります。  沖繩におきましては、いま、昭和四十一年七月以来、被用者を対象とする医療保険法が行なわれておるわけでありまして、復帰後には、本土のほうにおきましては各種の、八つにも分かって、いまいろいろな保険があるわけでありますが、これに移行するわけでありますから、一本であるというのが非常にごちゃごちゃにまた分かれるわけでありまして、そういう点につきましては、私は、たいへんな後退になるのではないかというふうに心配をいたすわけであります。この問題についてどういうふうにされるのか、もっと詳しく御説明を願いたいと思います。  それからまた同時に、給付率が、いま沖繩におきましては、本人も家族も七割でありますが、これが本土並みになるとするならば十割、五割というふうになるわけでありますが、むしろこういう点につきましては、先に進んでおる問題をあと戻りさすのではなくて、むしろ十割、七割にするとか、そういうふうなことにするほうがよりいいわけでありますが、その間にある問題点は、私は、わからぬではありません。本土並みにしないでこの県だけを特別にするとならば、またいろいろな措置をしなければならぬ点もあると思います。そういう点もむずかしいところはありますけれども、法を改正してやるならば——政令でやるからして、そういう問題が起こってくるわけでありますが、法を改正すれば、これもまた可能だと思います、健康保険法を改正すれば。こういう点も含めて、よいほうに沖繩においてはやるべきである。特に健康保険につきましては、将来、本土におきましても、健康保険をより抜本的に改正しようとするさなかにあるわけでありますから、むしろ沖繩においては、保険というものをもっと本土の将来像を含めて改正をしていくほうに向かっていくべきではないか、こういうふうなことも考えておるわけであります。  ことにまた、診療報酬に関係いたしましては、いま総報酬制ではありますけれども、千分の三十、これを標準報酬に直しましても千分の四十でありますが、本土並みになるとこれが千分の七十になる。しかし、医療機関、その供給の方面からいえば、なかなかそれが充実をできない、医者がいないということで非常に大きな問題があるというところに、これを本土並みに合わしていいのかどうなのか、私は非常に疑問点があると思います。  この三点についてまずお伺いしておきたい。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) 大橋委員のおっしゃいますように、沖繩における被用者保険と本土の被用者保険は、全くそのやり方が違っております。見ようによっては、沖繩のやり方のほうがいいのじゃないかという御意見も、私も、わからぬわけでもございません。本土におきましては、いま抜本改正を次の国会にお願いをいたしたいと、かように考えておりますが、少なくとも家族の七割給付は実現をいたしたいと、かように考えております。  そこで、沖繩の被用者保険をいまのままで暫定的に見るということになりますと、本土に復帰いたしますると、被用者は本土との間の交流も相当多くなります。そういう点を考えますると、やはり被用者の立場に立てば、本土法をそのままにという意見のほうが強いようでありまするし、そのほうがもっともであろうと、かように考えまするので、被用者保険はとにかく復帰のときには本土並み、そして本土法を改正すべき次の国会にはできるだけ改正して、いい被用者保険でやってまいりたいと、かように考えます。  そこで、いま一本の被用者保険が、それぞれのいわゆる組合保険あるいは政管保険、あるいはまた共済組合というように分かれてまいるわけでございますが、これにつきましては、あらかじめ事前に各組合の連合会その他とも連絡をとりまして、円滑に本土並みに移行のできるように準備を進めておりますので、その点は、手続においては御安心をいただきたいと、かように思います。  本土並みになりますると、いわゆる標準報酬、また保険料という点も若干上がることになりますが、しかし、御承知のように、給付の面も本人は十割になります。家族は当分五割でありますが、これは将来七割に引き上げたいと思っておりまするし、また、現在沖繩にない給付、傷病手当その他の現物給付が本土並みになればあるわけで、給付もいままでにない給付が行なわれるということになるわけでありますから、この点は、若干の不便の点、あるいは御意見もわからぬわけではありませんが、さようにせざるを得ないと、かように考えております。  なお、現物給付に変わりますので、いまの療養費払いが現物給付に変わりますが、この点につきましても遺憾のないように事前に十分準備をいたしてまいりたいと、かように思います。御了承いただきたいと存じます。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 非常にむずかしい点はわからぬでもありませんし、一応本土並みにして変えるということもわからぬわけではありませんが、保険料率はすぐ移ってしまいますけれども、なかなかその見返りとなる医療給付ができにくい。特に沖繩におきましては、療養費払いと申しますか、慣行料金で払っておいて、そして補償してもらう——あとから金を返してもらうという方法になっておりますので、現在も、御存じのように、八十八億というような大きな黒字が出ておるわけであります。この黒字というのは、そういうふうな形で非常に医者にかかりにくい状態、あるいはまたかかっても、それをもらいに行くのがめんどうくさいから行けないという状態、いろいろな問題がこの黒字をつくってきた原因でありますが、同時にまた、出産手当もあるいは傷病手当金もないわけでありますからして、これは保障されていない。保険料率は少なかったにしても、そうした非常に大きな格差があるわけでありまして、これを考えて、いま大臣の説明のように、まず本土並みにしておいて、あとから変えるのだというと、その間には非常に大きな格差をもって不利を与えることになると思うんであります。これは命に関係する問題であります。沖繩では非常に医療費は高い。患者負担が大きいわけでありますから、そういうことで、返還に伴う非常に経済の変動がある場合に、最低の健康を守る保険、健康保険だけは何とかもう少し特別な手当てをして、そうして病気のときの安心さ、あるいはまた医者にかかりやすく、病気の手当てがしやすいという状態、こういうものをつくることがほんとうに豊かな沖繩の福祉に対して重大な問題じゃないかと思うのであります。こういう点につきまして、まだまだすべてのものを本土並みに片づけるという、ここに非常に沖繩県民に対して不安を与える一つの原因もあるのじゃないかと思うのであります。これに対して何か対処する方法、これはないものですか。

山中貞則自由民主党総理府総務長官・農林大臣臨時代理

○国務大臣(山中貞則君) 確かに、斎藤厚生大臣も言われましたように、制度がそう整いまして現物給付になりましても、これはやはり現物給付の手段の過程が非常に不足しておりますから——実際の恩典というものが、健康保険の場合に主として医師のいない地域という現象の中にございますが、しかし全般的には国民健康保険も踏まえると、そういうことはもう明瞭でございますので、したがって、八十八億という本土では考えられない余裕金、黒字というものが残った原因は明らかにこれはもう、そのような仕組みの中で掛け金をかけているけれども、いま言われたような原因でさいふと相談しなければ医者のところに行けないという結果から生まれたものでありますから、この八十八億は沖繩県にそのまま残しておくつもりでございます。それをもって、いま申しましたような欠陥を、沖繩県内において是正できる点について御使用を自由にしていただく。ただし、医療以外に使ってもらっては困るわけでありますが、そういう医療関係について自由に使ってくださいということで、八十八億は本土のほうのそれぞれの会計に持ってくるということをしないということにいたしております。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 総理大臣にちょっとお伺いしたいんでありますが、私が何かの手がないかということは、やはりこれはお金をつけることだと思うんでありますね。ですから、こういう場合に、いろんなむずかしいであろうということを克服して、こういう医療の問題に対してもう少し特別な措置として何か配慮をされる、こういうことが必要じゃないか。いまおっしゃっておりますように、現実に移行しましてしばらくの間は大きなロスになるわけでありますから、それを補う意味において、この復帰に際して特別な措置をしてやろうという、何かあたたかいものをここに出してもらうことがよりベターではないかと思うのですが、少しぐらいの何か処置はできぬものですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) ただいまの大橋君、何か具体的なものを考えていらっしゃるか、そうすると、それを聞かしていただきたいと思いますが、いまのところ、施設の不足については国立の精神病院その他のものを考えておるようですが、何かこういうものが一つのきっかけになるとか、そういうように動かしていただくと、たいへんしあわせだと思います。なお、これらの点についてはこれはやはり広くそれぞれが持ち寄って、具体的なものをやはり考えてやらないときっかけにならないんじゃないかと、かように思います。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 あまり時間がありませんので——この問題では私も私案を持っておるわけでありますが、何か答弁してくれますか。

山中貞則自由民主党総理府総務長官・農林大臣臨時代理

○国務大臣(山中貞則君) 四十六の有人離島から成り立っておりますために、たとえ制度が整っても、施設が整っても、なおかつ問題があります。そこで、やはり沖繩の場合においては、すでにことしの予算で、巡回診療艇二隻並びに、いままで米軍に救急の場合頼んでおりました救急ヘリコプター、これは患者輸送のために特別につくられたヘリコプターで、外国製でございますが、こういうものを二機常駐いたしまして、予備エンジン等も配慮をしながら、沖繩の人たちがいまの悪い状態の中で、最悪の場合でもそういう状態から少なくとも救いの手は差し伸べることができるという状態を考えておりますけれども、しかし、なおそれでは不足いたしますので、いま総理が言われました、本土に比べて異常に高い精神病院、結核等の患者のための国立療養所をそれぞれ建てること、あるいはまた、大学の付属病院としては少し形が異例になりますが、やはり総合地域病院としての機能もあわせ持っていかなければならないであろうかと。あるいはまた、本土制度では存在し得ないはずの介輔についても診療行為を認める、あるいは本土の制度にない公看制度というものも存置して財政上のめんどうもみようというようなこと等、できるだけの努力はしておりますが、なおかつ具体的な御意見がありましたら、われわれも一緒に検討してまいりたいと存じます。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 いろいろ具体的なものを持ちながらやりたいと思いますが、これは非常に具体的になりますので、あと委員会を通じてでもやることにいたしまして、きょうは、もう時間が追われておりますから飛ばしておきます。また、これは社会労働委員会の中で、ひとつ具体的なものを持ちながらやってみたいと思います。  その次に考えられるのは国民保険のほうでございますが、これはいままでなかったわけであります。今度は本土並みにこれを起こされるわけでありますが、現在、これを県でやるか、市町村でやるかということで問題になっておるようであります。山中長官もあるサゼッションを与えておられるようでありますけれども、この問題で考えますならば、五十四の市町村の中で、実際受けられる資力のあるのがほんのわずかだと。しかも、それをやりましても、市町村で診療所を持とうということを考えるならば、おそらく医者をあれするのにたいへんだと。たとえば今度の中央病院あたりの院長あたりは、主席と給料が同じだと。あるいはまた、それに特別の手当をつけなんだら来手がないというような状態だという条件を見てみますと、私は、これはなかなか国保がスタートをいたしましてもたいへんな問題だと思います。そうなれば、本土では行なわれていないような、県でこれを引き受けるようなことにもせざるを得ぬだろうということでサゼッションをされておるようでありますが、こういう点から考えますと、この中で、これは衆議院のほうでも大原委員からの発言もありましたようでありますが、そういう点で、一体、政令でやっていいのかどうなのかという問題がかなり大きく取り上げられたようであります。これに対するあれを調べてみましても、あまり明快な結果が出てないように私は思うわけでありますが、そういう点は別問題といたしまして、この国保というものをほんとうに沖繩で十分にさすためには、いまの各市町村の実態ではたいへんではないかと思います。この点につきましての見通し、それからどういうふうにするか。そしてまた、自治大臣のほうではそれに対応することができるどういうものがあるかということをある程度明確にしていただかぬと、本土並み本土並みと言っても、本土並みにならぬわけであります。長官からも、あるいはまた厚生大臣からも、自治大臣からも、この点についてはある程度明快に、こういうふうにいたしますということをしておいていただかないと不安が去らないと思います。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) 沖繩におきまする国保の扱いは、大橋委員御承知のとおりであります。そこで、われわれといたしましては、とにかく、沖繩の実情に合った制度を考えてもらいたい。琉球政府の出しました案は、これは本土並みのような案を考えて準備をいたしておったわけでありますが、いま、大橋委員のおっしゃいますようなこともあって、これが立法院を通らなかった。立法院では、琉球政府の国保という形のものが通りました。しかし、これがどうも実行するのにそのまま実行できないというので、署名を主席が拒否をしたという状況にあります。そこで、両者——立法院と政府と話し合って実行可能な最もいい案を考えてもらったらどうであろう、こういう考え方はどうであろうかというて、私は両方にサゼストをいたしております。そういうような方向で考えて、そして復帰までにひとつ沖繩で立法化をしたい、こういう意向でございますので、復帰までにそういう立法化ができましたら、それを当分の間沖繩で特例として実施をする、こういうようにやってまいりたいと、かように考えておる次第でございます。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(渡海元三郎君) 国民健康保険の実施をいかにもっていくかということにつきましては、厚生大臣から述べたとおりでございますが、医療施設の関係等とも合わせまして実施をしていくと、こういう姿になろうと思いますが、その場合、地方自治体がその財政負担に応じられるかどうかと、これが大橋委員の御質問であろうと思います。  国民健康保険は、本来、被保険者の負担と国庫の負担によってでき上がるものでございますが、沖繩の状態に応じましてこれができ上がりますよう、国庫負担等におきましても、できるだけ関係各省と連絡をとりまして努力をしていただくと、そういうふうにもってまいりたいと、かように考えますが、もし、なお、そういったことによりまして村全体に財政的に赤字を生じると、こういうふうな姿におきましては、自治省といたしましても、できるだけの努力をして、財政需要を満たし得るように計らいたいと考えております。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 山中長官にちょっと伺ってみたいと思います。  いまの国保をやる上において、無理やりに政令でなくて、むしろ、いま受け入れ側もおっしゃっているように、自治大臣でも、赤字でなかなか受けられるかどうか心配をしておられる状態であります。ですから、おそらくそういうふうなことで押しつけてやってみましても、たいへんな問題が起こってくる。ですから、むしろ法律を改正して、将来の構想のもとにこの法律をそういうふうにしていくという、特別法か何かをこしらえてやるということのほうがよりベターじゃないかというふうに思います。ですから、これはいますぐそういうことに切りかえてもらうことはむずかしいにしても、何かそういう方向で将来やることを考えなきゃいかぬ。  それからもう一点。私は、これは大蔵大臣にも総理大臣にも聞いておいていただきたいと思うのですが、いまのようなことで赤字になることはわかっておりますし、なかなかうまく消化できないことはきまっておる。そうなってくると、それは何にしわ寄せされるかといえば、これは県民の健康ということに影響してくるわけでありますから重大な問題なんです。ですから、これに対しては、そのつど何とかするということの裏づけですね。というのは、やはり赤字が出るならば、赤字に対してここでは特別に交付しますというものがあって、地方自治体に対しても安心して受けられると、こういうようなものをある程度ここらで一ぺんはっきりしておいてもらえば、こういう問題は非常に将来はいいと思います。あとの詳しいことはまたいろいろ議論は詰めますけれども、大ワクにおいては、経済的にこれを支持するというものがなかったら——やはり経済問題が最後には焦点になってくるわけでありますから、こういうことに対してはこういうふうにするんだということぐらいはここで明示してもらいたいと思うのですが、どうですか。

山中貞則自由民主党総理府総務長官・農林大臣臨時代理

○国務大臣(山中貞則君) 第一点は、なぜ法律でやらなかったかということであります。——また政令にも書いてございません。これは、経過は御承知のように、沖繩においては、今年度予算を編成いたします際に、私と琉球政府との間において必ず実施できる、しかも四月から通年実施できるという確約がございまして、そこで国の負担分の八億九千万円を予算に計上いたしました。  しかしながら、ただいま御指摘のような沖繩の特殊事情から、市町村管掌で本土のようにやってみたところで、とても出発そのことができない市町村のほうが圧倒的に多いわけです。かといって、これを全県管掌ということになりますと、やりたい、やれるという市もまたあります。そこの板ばさみで、立法院では多数議決でもって政府管掌を原則とした考え方が打ち出されました。主席はそれに署名を拒否されて、先般も、私、副主席と相談したのですが、この問題は党派を越えた問題だから、もちろん立法院の多数の自民党議員の諸君にもよく話をいたしまして、ぜひ合意を得てもらいたい。でなければ、このままで復帰すると、原則は、本土と同様、市町村管掌になってしまう、それではあまりにも沖繩県民の多くの方々が気の毒ではないかということで、両者ともその立場、いままでの行きがかり、感情を捨ててよく話し合いますと、そしてやれる市町村はやるようにすると、しかし県の管掌としてもそれを全体にカバーできるような折衷案というもので、ほぼ歩み寄りができるような私は見込みを持っております。それができましたら、その特例を一定期間、すなわち供給面における充足が完全にできるような体制ができるまでの間、その制度で沖繩はいてもらわないと、健康保険のできない市町村が生まれることはわかり切っておりますので、その線を待っておりますから、したがって、こちらのほうで、それを善意であっても、こうしてやるぞというような書き方を法律ですると、またいわゆる自治権のなんのという話になりますので、そこのところを御遠慮申し上げているということでございますが、ほんとうに心から憂慮しております。立ち入るつもりはありませんが、いつも私としては意見交換をさしていただいておるということでございます。  それから、もちろん財政上の手当てについては、自治省の最終段階を待つまでもなく、厚生省においてそれらの調整金というものがあるわけでありますから、実績等も、離島の非常に多い奄美大島あたりは、むしろ国の調整交付金を加えたほうが比率が高いというようなことで、現実には処理できるものであろうと考えて、厚生大臣と相談をいたしておるところでございます。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 特に、私は、そこのところでお願いをしておきたいことは、そういうような状態になった場合には、よくするためには相当の思い切ったことをすると、これはおっしゃるように、出すということが先に言いにくければ、その要求があったときにはそれを満たすような最大の努力をするということだけはひとつ皆さんの前に言っておいてほしいと思うんですね。それはいいですね、そういうふうに言ってもらって。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) 山中総務長官がお答えをいたしましたから、もう余分だと思いますが、沖繩の政府と、それから立法院と、沖繩のためにこれが一番いいということであれば、あるいは財政的な面におきましても、その他の面におきましても、それをそのまま実行のできますように私は最善の努力をいたしまするし、総務長官もそう言っておられますし、大蔵省も聞いてくれることと、かように思いますから御了承いただきます。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 それから、このことに関して一番大きな問題は医者の不足、それからまた同時に看護婦、あるいはまたパラメディカルのいろんな業種の方々、これが非常に少ないわけであります。しかし、この琉球大学には、幸いに保健学部というのがあって、そうした方面の教育がされておったわけであります。今度はこれが大学になって——先ほどの話によれば、今年度は調査費であるけれども、将来医学部を置こう、こういう方向にいま総理大臣もきめておってくださるという話でありますが、私は、ここで非常にこの医学部の問題を考えまして、文部大臣にもちょっとこれはひとつお答えを願いたいと思いますが、せっかくあの十三階のりっぱな付属病院ができました。そうしてその配置を見ておりますと、教授はわずかに四名だ。それはいま大学がないからだという理由もわからぬではありませんけれども、少なくとも各診療の面はそろえておかなければ——大学にいつスタートされるにしても必要ではないか。だから、少なくとも文部省においては、大学の設置基準に合うような各教授のスタッフをいまからそろえて、そうして早くスタートする、そうしてその教授は医療の面にも研究の面にも大いに努力をする。これは衆議院のほうで大原さんからもいろいろな試案が出ております。これからやはりこの大学というものをどういうふうにしていくか、付属病院をどうするか、教育病院をどうするかという案も、ある程度具体的に出されておったようであります。私も、あれに修正をしたいろんな案を持っておるわけでありますが、そういう観点から申しましても、この医学部をこしらえ、医者を補充する、こういう点についてはもっと前向きな姿勢を持ってもらわんければならぬと思います。現在でも、私調べてみますと、給費生としてお金をもらって日本の大学へ来ておる人はたくさんございます。あるいはまた私費で来ておられる方々も数多くありますけれども、義務年限だけは何とかするけれども、あとはみな内地に戻ってしまう。これは何か、やはりそれは研究の組織がないからであります。いろんな面を申しますと、私は、ここで相当の思い切った教育の面にも、あるいはまたそういう施設の拡充の面にも、いま答弁をされておるような範囲では、とってもこれは十分なことができないと思うわけでありますから、ことにそのパラメディカルの教育まで含めて、ほんとうに研究も教育も充実したものをあすこにつくらぬ限りは、僻地の上の僻地なんでありますから、とうていこの僻地の解消はできないと、こういうふうに思います。お金を出せば集まってくるというものでは決してないと思うんでありまして、そういう点につきましての考え方、ことに琉球のこの大学に対して、あるいはまたそのほかの中央病院あたりを見ましても、いろいろこの施策は行なわれておりますけれども、もっとこれを何と申しますか、合理的な場所にこれをつくるような方法を考えてやらんければならぬと思いますので、あわせてそういう点についての決意を聞いておきたいと思います。

高見三郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(高見三郎君) 大橋先生の御質問に全く同感でございます。実は、昭和二十八年から国費留学生の制度を設けまして、昭和四十年度から実は国費の医学部の留学生だけを五十人毎年とっております。まだこれは卒業しておりません。が、昭和四十六年度はその五十人をさらに六十人に増加いたしました。これは国費でまかなっておるわけでありますけれども、昭和二十八年、最初に採用いたしました学生八人、これは三十八人のうちの八人でありますが、その定着率を調べてみますというと、大体七割は定着をいたしております。七割は定着をいたしておりますけれども、実は御指摘のように、若い医学に熱意を持っておるお医者さんにとって一番大事な問題は、近くに医療水準を高めるだけの研究施設がないということが、実は沖繩にお医者さんが定着しない最大の原因になっておると思っておるのであります。そういう意味から申しまするというと、たとえば医師の教官の確保をどうするか、定着の方策をどうするかというような問題は非常に重要な問題でありますだけに、この問題については十分な検討を続けていきたいと思いますが、とりあえず新しくつくります新那覇病院を琉球大学の付属病院、政府立の病院でありましたものを付属病院という位置づけをいたしまして、いま新しい病院を建設中でございます。これが昭和四十七年の四月には開院する予定になっておるのでありますが、議論の焦点は、何としても研究意欲の非常に高いお医者さんに、教育施設というものをつけなければその土地に定着はしない、だから医学部を設置するということは、昭和四十年、佐藤総理が訪米されたときに御要望があり、とりあえず保健学部でということで昭和四十四年に出発をいたしましたけれども、やっぱり医学部はどうしてもつくらなければならないと、こういう考え方で私は進んでおるわけであります。  それから教官の問題でございますが、実は付属病院の教官の採用計画を申し上げますと、来年度九十人、このうち教授が四人でありますが、九十人のお医者さんを持ちたい、そのうち本土から派遣いたしますものを三十七名。本土から派遣いたしますお医者さんについては、特別の手当てあるいは宿泊の施設等を考えなければとても行ってくれません。で、医師会長の武見太郎先生に国公私立大学にいろいろお働きかけをいただきまして、現にやっております。それから保健学部の教官の採用計画、このほうは——もうよろしゅうございますか——そういうつもりでやっております。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 時間がなくて、聞きたいことは一ぱいで、どうもうまくいかないのですが、まだ各施設の不足の分につきましても、いろいろデータを持ちながらもっと詳しいところを詰めたいと思いますが、これも詰まりません。ことにハンセン氏病だとか、あるいはまた身体障害者の問題あるいは精神障害者、こういうようなものなんかをいろいろ詰めてみればたいへんなことが残っておりますし、そういうことを明らかにしておかないといけない点がたくさんありますけれども、もう十分その意味のことについては御存じでありますから、結局、やるかやらぬかが問題であります。ですから、このロスを埋めることに対して最大の努力をするということだけは、先ほどからも答弁をいただいておりますが、特にお願いをしておきたいと思います。  一言、私が最後に触れたいことは、年金の問題であります。この年金も同じようにたくさん黒字があるわけでありまして、財投にも入っております。この財投に入って実際は金がないという状態にもなっているわけでありますが、こういうことなんかも、やはりいままでの審議の中では、本土に移して、そしてまたあとからそれを出されるような形になるというふうなことも言われておりますし、いろいろあるわけでありますが、この中で二点だけ私は伺っておきたい。  これは第一番目に、年金の問題については非常に発足がおくれております。去年ごろからであります。ですから、もう本土では十年、こちらでは一年しかないわけでありますから、その差が非常に大きい。しかし、いままで苦しい状態に沖繩があったからには、やはり同じような年齢の人に対しては何らかの処置をして、この年金が交付されるような処置を私はどうしてもしなきゃいかぬのじゃないか、こういうふうに私は思います。それに対してやってもらえるかどうか、どういうふうにする考えであるかということが一点と、それからもう一点は、ブランクになっている人がある。前、入っておってから、ブランクになっている人がある。こういうものの措置なんかもやらなきゃいけない、こういうふうになっておりますから、これをひとつ、どういうふうにやるかというふうなことを具体的に話していただいて——もう二分しかありませんから、二分の中で簡単に説明をひとつしていただきたいと思います。明確に言ってください。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) 国民年金は、本土復帰と同時に、同年齢同給付というこの原則でまいりたいと考えております。ことに国民年金は、まだ発足してから間もございません。したがって、年金の掛け金をしていない者もございますが、これはその分を追納すれば本土並み、それから追納しなくても、国費の面だけは、いままで入っていなかったものも年数に入れて、不利のないようにしていきたい。本土並みを中心にしてまいりたいと、かように思っております。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 それじゃ、もう時間がいよいよ切れてまいりました。たくさん言いたいことがありますし、また、もっと具体的な話を進めないと話が詰まらぬと思います。ですから、私は、きょう質問を申し上げても抽象的になって非常に残念に思っています。どうぞ、ひとつ総理大臣におかれましても、その意味をくんで、今度はこの社会保障の面、医療保障の面については徹底的にやることを、ひとつ沖繩県民の前に明言をしていただいて、私は質問を終わりたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 時間が足らなくて、大橋君はたいへん不十分だったと、かようにお考えだと思います。しかし、ただいまの大事な社会保障制度についての幕あけとでも申しますか、それぞれの面についてそれぞれ御指摘がございましたので、あとのアフターケアがこれは大事だと思いますし、これは必ずそういうことを皆さん方もあとをトレースされることだと、かように思いますので、政府といたしましても、それらについて十分の用意をしなければならない。ここで申し上げたことについては実行をもってこたえる、こういうことにしたいと思います。

長谷川仁自由民主党

○委員長(長谷川仁君) 午前の質疑はこの程度にいたします。  午後は、一時十五分から再開することとし、暫時休憩いたします。    午後零時二十五分休憩      —————・—————    午後一時二十分開会

長谷川仁自由民主党

○委員長(長谷川仁君) ただいまから委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き質疑を行ないます。今泉正二君。

今泉正二自由民主党

○今泉正二君 私は、なかなか質問をする機会がまいりませんので、二院クラブからも誘いがありまして、自民党をやめればすぐ質問ができると、こういうことを数日前に言われて、たいへん内心動揺しておりましたやさき、質問のチャンスを賜わりましたので、翻然としてもとの姿勢のままで、総理大臣をはじめ、あこがれの各大臣の方々に御質問をさしていただきます。  数日前、私は、ちょっと休憩の時間を縫いまして公園の前を通りかかりますと、シーソーというぎったんばっこんに子供さんが乗っておられました。何気なく通りかかってそれを見て、私は、このぎったんばっこんと動いているあの子供の遊園地で遊んでいる姿を見て、沖繩を思い出しました。干ばつと水害がかわりばんこに上になり下になり毎年繰り返しにやってまいります。前からそういうことはわかっておりますのに、なかなかの御苦労もされてはおりますけれども解決がつかず、山中総務長官の御心労も私ども察しておりますが、その問題あるいは道路の問題を建設大臣にも伺いたい。短い時間でございますが、わりと要領よく質問いたしますから、要領よくお答えを賜わりたいと思います。  私は、まず最初に道路の問題を建設大臣にお伺いをいたしたいと思います。名政治家といわれた人は、古今東西全部道路を完成いたしております。最近私どものやっておりました商売のほうから見ましても、十六世紀の英雄でございました織田信長という人は、知らない方はただホトトギスを締め殺した人だと思っておりますけれども、あの方は、いまいれば建設大臣かあるいは総理大臣になられた方でございます。十六世紀、元亀、天正の年間に織田信長が四十九歳で京都西洞院本能寺で安田作兵衛という人に殺されなかったら、日本の近代の歴史は変わっております。あの人は、橋のないところに橋をかけ、悪い道をよくして海外の文化を取り入れました、近代政治家の原型でございます。それを、秀吉と家康の代になって、橋は取っ払い、大井川は輦台渡しで渡るようなことになりましたために、たいへんに文化がおくれました。私は、そういう意味で建設大臣に一言、国道をうんとつくっていただく、まあ予算、大蔵省等もありましょうが、その問題と、基地がじゃまをしております沖繩ですから、区画整理あるいは測量でまっすぐ行ったほうがいいなと思ったら、基地の下を羽田空港のところで自動車が通るように、上が気に入らなければ下を掘らしていただいて向こう側へ出るくらいのひとつお力を持っていただいて、少しでもお金のかからなくて人間はまっすぐな道を進めるような、道徳教育を併合できるような直線道路を沖繩に何本もおつくりいただけるかどうか、その辺のあたりから伺いたいと思います。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(西村英一君) 昔は、道路は軍事のためにつくったのでございます。織田信長は一里塚をつくった人でございます。イギリスのマイルストーンよりは早いのでございます。今泉議員、非常によく調べております。したがいまして、私も、それにこたえるために、沖繩につきましても道路に身を入れたいと思います。国道にいたしましても、復帰とともに返る軍道及び軍営繕道が二百三十キロございますが、そのうちで百五十キロは国道にいたします。また政府道が——内地で言う県道でございますが、九百五十七キロほどありますが、それが百二十六キロぐらい、合計二百六、七十キロ国道にしたいと思っております。その後、また交通の事情によりましては、徐々に国道に変更してまいりたい。いずれにいたしましても、道路については非常に私も関心を持っています。これが生活のもと、産業のもとでございます。——それからいま山中長官から注意がございましたが、これもあらためて御質問ございませんでしたが、中部の縦貫道路をつくってもらいたいという計画がございました。これは那覇から名護まで六十七キロございます。そのうち那覇から石川インターまでは、これは基本計画もできますし、整備計画も簡単にできるのですが、石川から名護に行く三十四キロの地点は、これは基地がございますので、その基地を突っ切らなければならない、あるいは東海岸を回って何とかできないかと、東海岸のほうに基地のないととろがございますが、しかし、いずれにしても基地を横断しなければならないということでございます。したがいまして、いま隧道等をもってやったらどうか、こういうようなお話もございますが、これはもう少し現地をよく調べないと、すぐ隧道で何十キロというわけに自動車道路はいきません。三キロぐらいまでが限度でございますから、いずれにいたしましても、そういう中部の縦貫高速道路をつくりたい。なお、那覇から石川までは四百億ぐらいかかります。これは何と申しますか、ペイラインにも乗る道路でございます。さように考えております。

今泉正二自由民主党

○今泉正二君 ありがとうございました。道路のお話がスムーズにまいりまして、その実現が早く私たち待たれるわけでございます。  それから、先ほどの災害のことと関連いたしまして、それと観光政策について山中総務長官にお伺いをいたしたいと思います。  私は、九月、十月、十一月と沖繩へ議員にならしていただきましてから伺っております。延べにして二十日近くまいりました。そうしていろいろ見てまいりました、しろうとの目で。沖繩がやはりこれからいろいろな支援はもちろん賜わるべきでありますけれども、自立していくための一つの行政の中に、私は、観光というものを見過ごすことはできません。自分の土地を生かし、自分のところでさいはいをふるってお金がもうかる。そうして、それがほかのものにつながるというようなことは理想でございます。そして宣伝担当者というようなもの、あるいは観光大臣——環境はいらっしゃいますが、観光大臣というようなものを兼ねるような形で観光局というようなものを——一つのポストでなく、日本全土の観光というものを——そういうことで外国人のお金をもらう、あるいは国内の人のお金をもらうという形ではハワイが非常に似ております。そう言っても、内容はパイナップルでも型も小そうございますが、沖繩空港は、いま那覇でも宣伝がへたでございます。ただいらっしゃいませだけで、自動車でずうっと、ちょうど焼けあとみたいになった飛行場の前でございますが、私、人形を持ってまいりましたから、こういう人形の型でも将来建てまして、ウエルカム沖繩というような、ハワイみたいな形にして、何しろ金がなくちゃ口がきけない世の中ですから——こういう人形で、これは二ドル五十セントでございますが、こういうものが沖繩の飛行場や何かで外国人を迎えるというような形というのは、ハワイはアロハのかっこうで迎えておりますし、レイを首にかけたりいろいろしますので、私は、こういう民俗、沖繩独得の文化をああいうところで利用して、観光客に対して呼びかけたり、あるいはハイビスカスという花がございますが、万年花で、ばか花といって、一年じゅう、ほっとけば咲いている花でございますが、あれをきれいに飾ったり、そしていまの道路と、それから中部、北部のあまり荒れておりませんほうの海岸線を生かしておやりいただき、そしてまたパイナップル工場の見学、紅型工場の見学、そうして沖繩舞踊、そうして長官はお飲みになるかどうかわかりませんが、私の大好きな泡盛もございますので、そういうものを一つのパッケージにいたしますと、相当いい写真家にポスターでもつくらせますと、おもしろいものが私はできるのじゃないかと思います。そうして現実にはこれは名古屋の公聴会でも申し上げましたので、野党の先生方にはちょっと耳にたこで恐縮でございますが、ハワイでさえも収入五億ドルかせぐのには二十年かかりました。いま長官御承知のように、沖繩は、三千万ドル程度でございますが、これを十年を目標にしても一億二千万ドルにするのはたいへんだというのが一応経済評論家などの意見でございますけれども、それはそのままではあっても、少しでも短い期間にそういうものが達成するような御意見、また抱負というものがありましたら、長官からひとつ、私のようななりたてのものにわかるような御意見を賜わりたいと思います。

山中貞則自由民主党総理府総務長官・農林大臣臨時代理

○国務大臣(山中貞則君) 沖繩の産業構造の第三次産業へのいびつな傾斜、これは基地依存というものが大きな中心である、これが逐次やはり平和な島に返っていくに従って平和な産業へ変わっていかなければなりません。かといって、三次産業の人々が急速に一次産業に戻ったり、二次産業に戻ったりするというようなことは、なかなかむずかしい条件もあります。したがって、できるならば沖繩の持っているそのような観光資源というものが生かされていくようにくふうをこらさなければなりません。いま今泉君の言われましたそのような沖繩全体が外から見て魅力のある島であるということへあらゆるくふうを尽くすための一つの提案として、沖繩の貴重な伝統文化というものを踏まえたものを考えてみろということでありますから、その御示唆をつつしんで承りたいと思います。  私どもとしては、復帰記念道路として沖繩本島並びにその他主要五島の循環道路も、いま二年目に入って完成に近づきつつありますが、これがおそらくやはり各島の主要な島の循環道路ができますと、おそらく観光客への便宜というものには大きな貢献をすると思うのです。そうして滅びゆく伝統文化というものもまたありますので、それらの保存等にもつとめつつありますが、沖繩において海洋博を開催いたしまする際には、単にその年にお祭り行事が国際的に行なわれた、あとは公園であるというようなことにはしたくない。申しておりますように、沖繩を海洋県として、観光立県の中心にそれを据えるためには、海洋博そのものの施設にしても、関連の公共投資にしても永久にそれが沖繩に残って、あの海洋博の施設の残った沖繩、そして人類がこれからいどんでいかなければならない、ことに武力を持たず、外国と抗争のできない日本が世界の指導国になり得る道は原子力の平和利用、宇宙の神秘への挑戦、海洋の未開発への挑戦の三つであろうと思いますが、その海洋開発の拠点にも沖繩の海洋博を残していきたいと、こういう構想を持っておりますので、そのような意味から、あらゆる角度から沖繩の持っております有利な点、そして沖繩の人々が自分たちの手によって貴重な目に見えない財産から金を得るような道を探求するために、いまの御提案も含めて検討いたしてまいりたいと思います。

今泉正二自由民主党

○今泉正二君 私は、沖繩の観光のほうを担当されます方がどうぞハワイを見学なすって、似ている点をどんどん取り入れられ、そしてこれはうちのほうではだめだというものの取捨選択を早急におやりいただいて、実現可能に結びつけていただきたいと思います。  それから、放送で長いことめしを食わしてもらいました関係上、逓信委員会に籍を置きますので、郵政大臣に一つだけお伺いをいたしたいと思います。私は、放送ほど身近に、この様子も中継をされ、そしてまた一顰一笑に至るまで、国民はそういう媒体を通じて私たちを見守っております。つきましては宮古、八重山に参りましても、白黒のテレビだけはいまのところ見ることができますが、本土政府の援助によりまして放送局が宮古と石垣島に設けられておりますことは駄弁を要しませんが、しかし、飛行機でビデオテープを——前も、似た質問なすった野党の先生方もいらっしゃいましたけれども、私も同じ意見で、航空機でビデオテープを運ぶために、たいへんにおくれて参ります。本土でありました事件あるいは報道一般が、ニュース番組が朝行ったやつを夕方見るので、ニュースが「おはようございます。皆さま、けさもすがすがしい気持ちで」なんていうことを言っておりますので、全然うらはらでございます。ですから、いくら離島だとは申しましても、本土との一体化、祖国復帰ということとは、こういうものの場合、なかなかしっくりとまいりません。住民もはだで感じられません。情報化時代の今日でございますから、こういう格差はないように。ジェット機で行く、あるいは月に行くロケットを横にすると、ワシントンから東京まで三十分で来るとかいう計算をした方がありますが、そんなに早い時代に沖繩だけおくれることのないように、何か郵政大臣の御施策がありましたならば御高見を賜りたいと思います。

廣瀬正雄自由民主党郵政大臣

○国務大臣(廣瀬正雄君) 先島のテレビの問題でございますが、ただいまお話のように、本島から先島にテレビを中継いたします回線が現在ございませんので、ただいまお話のように、やむを得ずビデオテープを飛行機で送っておるというようなために、非常に時間がおくれるということで、いかにもお気の毒でございます。  そこで、ただいま日本電電公社で、深海用の海底ケーブル、これを開発いたしまして、昭和五十一年度までくらいには本島から先島にテレビが直接放送できるというような目途のもとに、ただいま研究を続けておりますわけでございます。しかしそれまでの間相当ございますわけでございますから、郵政省といたしましても、明年度の予算で、幸いにただいま本島から先島まで電話を利用いたしておりますマイクロウエーブがあるわけであります。ただ、これは見通し外と申しまして——こちらからその次のアンテナが見えないわけでございまして、そういうような見通し内でない見通し外のマイクロウエーブでございますから、電話しか利用できないということであります。しかし、これを何とか利用いたしましてテレビが送れぬかということで、ただいま明年度の予算四千二百万円程度を要求いたしまして、それの調査研究をやろうということで進んでおりますわけでございます。御指摘のことは何とか早く解決しなければならないと、このように考えております。

今泉正二自由民主党

○今泉正二君 郵政大臣にもう一言伺いたいのですが、沖繩でカラーテレビが見られるようになりますのは、おおよそでよろしゅうございますが、何年ぐらい先になりますか。近い将来でしょうけれども、大体。

廣瀬正雄自由民主党郵政大臣

○国務大臣(廣瀬正雄君) 事、カラーテレビの問題につきましては、佐藤総理が特に御心配になられまして、私どもに一日も早くカラーテレビの放送のできるような道を講じようということで、昨年から、昨年と本年度と来年度にかけまして、本島に日本本土から見通し内のマイクロウエーブの工事を進めておりますわけでございまして、大体三十二億円程度かけることになっておりますが、四回線でございますけれども、そのうち一回線だけは来年の沖繩の本土復帰に間に合うように、大体六月末には——まあ、いつ復帰になるかわかりませんけれども、間に合うように工事を急いでおる、そういうわけであります。

今泉正二自由民主党

○今泉正二君 沖繩でカラーテレビをお待ちの方は、いまのような御答弁がありましたので、そういうことでひとつ御期待のうちに一日も早く見られるようになっていただきたいと思います。  今度は、江崎防衛庁長官にお伺いいたします。自衛隊というものはどういう姿勢であるべきか。私、与党におりましてもいろいろ考えてみました。そうして私のようなまずしい頭で考えましたものは、結論として、自衛隊というのははだ着のようなものだ、身につけるはだ着だと私は思います。ぬくもりと調節と、健康管理に必要ではあるが決して目立ってはいけなく、からだを守ることを第一義に進むべきものであるから、その点では、私は、身につけるはだ着と同じだと思っております。そうして、じかに洋服を着る人はありません。はだ着にこるほど、目立たないほどおしゃれであるということは古今の通例であります。したがって、その自衛隊が六千八百将来沖繩に行きます。そのときには、特に綱紀粛正ではあります自衛隊でしょうが、優秀な方をお送り願ってトラブルを起こさないように、そうして遺骨の収集、これは二千体以上の遺骨が風雨にさらされたまま、いまだに処理されておりません。そして鉄かぶとの穴があいたところからススキの葉っぱが出ているようなのが写真にございますが、遺骨の収集と不発弾の処理というものをおやり願いたいと思いますが、その辺、いかがでしょう。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) 今泉さんは非常に沖繩に愛情を持っておられる。いま御指摘のとおりだと思います。そこで、自衛隊が参りましたらやっぱり遺骨の収集、これはもう何をおいてもまっ先に着手しなければならぬ重要な任務だと思います。それからこれは国内、特に東京周辺にも埋没された爆弾などがたくさんまだあるわけです。これの処理等につきましても、いま懸命に努力をしておるわけでありまするが、沖繩に至っては、これはもうTNT爆弾で一平米六トンというような、たいへんなものをあそこへ投じたという記録があるくらいでありまするから、きっとたくさんな埋没爆弾があると思います。そういうものもやはり琉球政府と相談をしながら、また、琉球政府ではおそらく経費の面からいって足りない点も多いと思いますから、山中総務長官、総理大臣等々の理解を得て、まずそういったことにひとつ旺盛な努力をしてみたいと思います。全く同感であります。

今泉正二自由民主党

○今泉正二君 いま、散発的に各大臣の御答弁をわずらわしましたけれども、ここで佐藤総理に、私のような焼き鳥で一ぱい飲むような世界に育ちました者こそ庶民のことがいろいろわかります。私自身もその一人でございます。ですから、そういう意味で総理をはじめ、閣僚諸先生もたまには赤いちょうちんの下がっている焼き鳥をほうばって——あんまり食うと痛風になりますけれども、一ぱい飲みながら、バッジをはずされて、いろいろ野にいて意見のある方もおりますので、その方々の御高見を耳にされて国政に参画されますと、また一そうスムーズにまいる潤滑油だと思いますが、その辺をひとつ総理いかがでございましょう。ちょっと御意見を承りたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) いまの、政治はやはり庶民とともに、そういう気持ちでなければほんとうのいい政治はできない。民主主義というのはそういうところに目をつけて、そうしてやったことだと思います。私は、ただいまたいへんわかりやすい、卑近な事例をとられてお話を出されました。私も、いまはもう年をとったから、なかなか赤いちょうちんをくぐるようなことはございませんけれども、つい最近までは、盛んに焼き鳥も食べ、またおでんも食い、いろいろ庶民的なやり方もしておりました。何と申しましても、庶民とともに、国民とともに政治をする、その心がまえがなければならない、かように思います。沖繩の問題についても、皆さんから沖繩の同胞の心を心としてと、こういうことをしばしば言われますが、真に沖繩の県民の心を心として沖繩の問題と取り組まない限り、これは十分の成果があがらない、また、あげ得ないと、そのことの御注意、私、確かにそのとおりだと思います。これからもそういう意味で心がけて庶民の心を心として、国民とともに歩む、そういう政治をしたいと、かように念願しております。

今泉正二自由民主党

○今泉正二君 下世話に、かけつけ三ばいということがございますが、私は、三度ぐらい、あと二度ぐらいの質問はこれからもいたしたいと思いますので、偉い方が一ぱいのところでございますけれども、われわれ末輩にもこのチャンスが回り来たることをお願いいたしまして、大体横綱が出てくると相撲は打ちどめでございますので、私の書いてきた資料もそこでおしまいになっておりますので、これで終わりたいと思います。どうもありがとうございました。     —————————————

長谷川仁自由民主党

○委員長(長谷川仁君) 田中一君。

田中一日本社会党

○田中一君 私、大体四時間程度の質問時間をもらっておったのでありますが、理事会で五十分ということになりましたので、ひとつ委員長、いまの今泉君の残っている十六分は私がもらいたいと思うのですが、これはひとつ理事会で相談してください。  そこで質問申し上げます。沖繩の返還後の経営というものは、現在政府において何か原案的なものができているのかどうか、これを総務長官にお伺いいたします。

山中貞則自由民主党総理府総務長官・農林大臣臨時代理

○国務大臣(山中貞則君) 一応たてまえは振興開発法の定めるところにより、沖繩の新しい知事の作成する原案をもって長期計画にいたすわけでございますが、しかしながら他方において、琉球政府は本年を初年度とする十カ年計画というものも非常な長い御苦労の末つくっておられます。こういうようなもの等を念頭に置きながら、実質上の十カ年計画の初年度にたえ得るような来年度予算でありたいということで、先ほど来、二千九百億というようなものを背景とした予算の作成並びに補助率、負担率、あるいは金融公庫の融資のあり方、対象を広げ有利な政策を展開していくというような、もろもろの出発点の第一年度にたえ得るものにしたいということを考えております。正式な計画は、やはり昭和四十八年度を第二年度とした形になるものと思われます。

田中一日本社会党

○田中一君 どうも答弁が長過ぎて困るのです。端的に御答弁願いたい。  そういたしますと、琉球政府がつくりました長期経済開発計画、これがやはり根となって、この構想を一応検討して、法律が制定されて以来の手続を踏んできめようということでございますか。

山中貞則自由民主党総理府総務長官・農林大臣臨時代理

○国務大臣(山中貞則君) 尊重いたします。

田中一日本社会党

○田中一君 私は、この長期経済開発計画の中に織り込んである十カ年後の沖繩、十カ年までの沖繩という構想の中には、すべて基地は廃止する、むろん自衛隊の進駐はないという前提で書いておりますが、この点は、十年後にそれらのものはすべてなくなるというような認め方、受け取り方をしようとするのかどうか、その点をお伺いいたします。

山中貞則自由民主党総理府総務長官・農林大臣臨時代理

○国務大臣(山中貞則君) その点は、安保条約を締結しておりますから、われわれとしては、野党と違って、沖繩にも基地が全くなくなるということは望みますけれども、現実においてはそのとおりにはなりにくいであろう。したがって、そこらのところは今後具体的な院の決議を踏まえた基地の縮小、整理ということの線に沿って計画していかなければならぬだろうと思います。

田中一日本社会党

○田中一君 この構想は、十年後には沖繩の県民は百六万というような計数で立っております。むろん今日まで四半世紀、基地経済に依存した沖繩県民のすべての、一切の生活でございますけれども、そこにあります百六万という計数、私は、こういう前提でこれから各大臣に質問いたします。それは沖繩県民のほんとうのしあわせと将来への希望というものは、六十万程度の人口にとどめなければ真の平和というもの、安定というものはないというように私自身で考えております。したがって、これを前提として各大臣に御質問いたしますから、これも端的にお答え願いたいと思うのです。  最初に伺いたいのは、食糧の問題であります。現在まで、いわゆる宣撫政策と申しますか、米軍によって一切の県民の生活を保障した関係から、安い加州米をたくさん送り込んで、基地の従業員あるいは兵隊ともども全部が安定した食糧事情にあったことは御承知のとおりであります。そこで、返還後、この食糧の問題はどこで調弁しようとするのか。私も、先般沖繩に——これは変な話でありますが、われわれ建設委員会は自費をもちまして三泊四日で沖繩の視察をしてまいりました。自費でございます。これは総理も水田さんもよくお聞き願いたいと思うのです。われわれがこれらの法案を審議するのに、国会議員が自費で、事務局員を一人、調査員を一人、これもわれわれが負担して連れていくなんということはないのであります。しかし、これをやって勉強してまいりましたが、食糧問題等は、これはたいへんなことであります。したがって、この食糧の調弁というものは、今日まで年間どのくらいの食糧、米が必要であるか。そうして、これを調弁するにはどういう形をとろうとするかということについて、農林大臣の御答弁を願いたい。

山中貞則自由民主党総理府総務長官・農林大臣臨時代理

○国務大臣(山中貞則君) 食糧は、総消費量九万トン、うち一万トンが島内産であります。この自給は、逐年、最高三万トンをピークとして低下しておりまして、それがキビ、パイン等に変わりつつあります。私は、やはり沖繩の有利な条件からみて、米の自給ということは念頭に置かなくてもいいのではないかというように考えておるわけであります。したがって、その残りについては、本土の食糧政策に従って、今後は加州米あるいはその他の米等が入らなくなりますから、日本本土が責任を持って、沖繩側に対してその所要量の不足分について送り届ける責任を負うということでございます。

田中一日本社会党

○田中一君 蔬菜はどうなりますか。

山中貞則自由民主党総理府総務長官・農林大臣臨時代理

○国務大臣(山中貞則君) 戦前は、沖繩は野菜の移出県でございましたが、現在は七六%くらいの自給率でございます。しかし、これはまあことしなどは台風、干ばつ等がございましたせいもございますが、野菜等については、島内自給は今後完全にできるばかりでなく、将来はコールド・チェーン構想等によって、すでにカーフェリー建設等が始まっておりますから、沖繩へのカーフェリーの戻り船がからである、そのからのところに、冷蔵コンテナ等による本土大消費地と直結した輸送ライン等を考えるならば、沖繩は、野菜の有力な供給市場たり得る、供給するための生産地たり得るということを考えて、設計をこれから進めてまいりたいと思います。

田中一日本社会党

○田中一君 その他の食糧で沖繩でとれない食糧についてはどういう計画がありますか。生産されないもの。

山中貞則自由民主党総理府総務長官・農林大臣臨時代理

○国務大臣(山中貞則君) そうですね、魚などは取れもするのですが、しかしながら、やはりいいものは本土に持ってまいりましたほうがよろしいものですから、島内需要をまかなうことができずに、物品税をかけられながらも輸入を——いまは輸入でありますが、本土から持ってきておるというような状態であります。これは本土に返ってまいりますと、物品税等もかからないで、正常な市場になりますし、沖繩のくり舟が非常に高い八〇%以上の比率を占めておりますから、これを金融公庫の低利融資でもって大型化することによって、島内需要はもちろん、島外へも本土市場をめざして、相当な価値ある産業を形成するだろうと思っておりますが、取れないものと言われますと——ちょっと例を示していただければ……。

田中一日本社会党

○田中一君 米は、なんですか、加州米に見合う安い米を送る、こういうわけですか。

山中貞則自由民主党総理府総務長官・農林大臣臨時代理

○国務大臣(山中貞則君) 加州米、豪州米等よりも品質のすぐれたのが本土の配給米でございます。その本土の品質のすぐれた配給米を、現在の加州米、豪州米、本土産米をまぜ合わせたものと同じ値段で、復帰後五年間は供給をしてまいりたいということでございます。

田中一日本社会党

○田中一君 五年後はどうなります。

山中貞則自由民主党総理府総務長官・農林大臣臨時代理

○国務大臣(山中貞則君) 五年後は食管法がどうなっているかも見通しがつきかねますが、一応五年後は、逐次、経過期間を設けて、さや寄せをしていかなければならないだろうと思っております。

田中一日本社会党

○田中一君 五年間は、そうすると、食管法はそのまま堅持するということでございますか。

山中貞則自由民主党総理府総務長官・農林大臣臨時代理

○国務大臣(山中貞則君) 沖繩には、食管法を適用しないということによって、現在の消費者米価を維持したいということであります。

田中一日本社会党

○田中一君 国内は、本土はどうなりますか、食管法の問題は。

山中貞則自由民主党総理府総務長官・農林大臣臨時代理

○国務大臣(山中貞則君) 沖繩のほうに送る場合でありますか。

田中一日本社会党

○田中一君 どうも来年の春あたりには、日本では自由米中心になって、食管法を廃止しようという意向があるように聞いております。その場合に、もしも本土並みになるならば、食管法で低廉な米を送るのか、あるいは自由米を主としたものか、あるいは沖繩には、いまお話のように、五カ年間は特別な安い米を送るというのですか、どっちなんです。

山中貞則自由民主党総理府総務長官・農林大臣臨時代理

○国務大臣(山中貞則君) いわゆる日本の食管法そのものについては絶えず議論がかわされていくと思いますが、もしかりに五年間の間に食管法が根本的に変わったという場合であっても、われわれは、今回の法律並びにその施策によって、沖繩には現在の消費者米価というものを守っていくのだということを約束いたしておりますから、本土の消費者米価の値上げが少しあればその分はまた別でありますけれども、しかし、それについても本土がどのような制度になりましょうと、沖繩については、たとえば砂糖については消費税を十六円免税しても、なおかつ現在の砂糖の価格に足りませんので、補助金の形式でそれを埋め合わせながら安い砂糖を確保いたしますので、そういう制度等を念頭において、やはり約束どおり五年間は現在の価格に据え置く努力をいたします。

田中一日本社会党

○田中一君 そうすると、本土の食管法はこのまま当分堅持されるというように理解してよろしゅうございますか、あなた、農林大臣のはずですから。

山中貞則自由民主党総理府総務長官・農林大臣臨時代理

○国務大臣(山中貞則君) 食管法の問題は、これからやはり需給の問題等を背景として議論をされていくでありましょう。しかしながら、五年間にもし変異があったとしても——変わったとしても、沖繩については約束どおり現在の方針をとり続けますということでございます。

田中一日本社会党

○田中一君 本土内の食管法は堅持されますか、されませんか。

山中貞則自由民主党総理府総務長官・農林大臣臨時代理

○国務大臣(山中貞則君) 代理でございますから、五年後まで……。

田中一日本社会党

○田中一君 わかりました。代理だから言えないのなら、わかりました。  そこで、いま私の前に今泉君が立って、沖繩県に対する、観光沖繩ということを考えてと申しましたが、私は、全然反対に考えております。沖繩には観光地としての性格を持たすべきでないという考え方です。そしていま申し上げたように、人口はせいぜい六十万程度にとどめる。第一次産業は、御承知のように、非常に低いです。そして第一次産業に従事しているところの人たちの収入を調べてみますと、大体、昨年あたりで年収二十五万円程度です。そこで労働大臣に伺いたいのですがね、沖繩の労働者の各産業別でありますが、労働者が得ているところの年間賃金はどのくらいになっておりますか、第一次産業、第二次産業、第三次産業。第三次産業については、たとえば職別にもしおわかりになれば、短い時間で説明していただきたい。

原健三郎自由民主党労働大臣

○国務大臣(原健三郎君) お答え申し上げます。各職別のこまかいのは事務当局から答弁させます。

石黒拓爾労働省労政局長

○政府委員(石黒拓爾君) 沖繩の雇用労働者の平均賃金は、一人以上の平均をとりますと、月百十五ドルでございます。そのうち第二次産業である製造業は百二十一ドルでございますが、サービス業は九十五ドルでございます。

田中一日本社会党

○田中一君 円にしていただきたい。

石黒拓爾労働省労政局長

○政府委員(石黒拓爾君) 円にいたしますと、全体の平均は三百六十円換算では四万一千四百円、三百八円換算では三万五千四百二十円でございます。

田中一日本社会党

○田中一君 そうすると、いま私が申し上げた第一次産業、農民等は大体年収二十五万円程度、あるいは月収二万二、三千円というふうに承知しているのですが、その点どうですか。間違いじゃございませんか。

石黒拓爾労働省労政局長

○政府委員(石黒拓爾君) おおむねお説のとおりでございます。

田中一日本社会党

○田中一君 いま山中総務長官は、印象として、生活費がこのまま伸びないのだ、いわゆる安定した水準が保てるんだというように印象づける発言をなすっておりますが、最近の例を見ましても、相当大きく物価は上がっておるんです。その一面、賃金は、いま言うとおり本土との格差は非常に高い。たとえば鉄道で陸送するわれわれが供給されている米というものと、船で相当な日数をかげていくものとが同じような価格とは思えないんです。そういたしますと、物価が相当のぼるんではないか、復帰後は高騰するんではないかという予想を持つんですが、これはあなたに伺いません。経済企画庁長官の木村さんに伺っておきます。その点はどういう見通しをつけておるか。

木村俊夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(木村俊夫君) 沖繩と本土はやや消費構造が違いますし、また統計のとり方が違いますが、およそ、琉球政府の試算によりますと、大体この五カ年間に年平均五・五%の上昇になっております。特にことしになりまして、八月以来の物価の上昇は六・二、三%ということになっております。

田中一日本社会党

○田中一君 建設大臣、経済企画庁長官と、両方から答弁願いたいんですが、いま総務長官は、蔬菜等はあそこで調弁できるんだ、年間消費の一割程度の米は現地でとれるんだと、こう言っておりますけれども、現在そこまで安心して考えておられないんです。ことに、先ほどの観光沖繩なんというような方針でいこうというんならば、昨年にしても、相当、五十万程度の観光客が行ったと思います、旅行者が。これらを加えるとなかなかそれが補充できない。問題は水の問題であります。水に対する水源というものはどういう形で将来の沖繩に持とうとするのか。これは経済企画庁長官と建設大臣と両方に伺います。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(西村英一君) 田中委員御承知のとおり、現在はいろいろなダムからあるいは渓流から一日三十万トン送っておるそうでございます。そこで、福地ダムを引き継ぎますと、福地ダムの有効水量が三千七百万トンほどあります。したがって、一日十万トンは送れます。十万トン送ってちょっと余りがありますから、一九七二年−明年は四十万トンほどになります。さらに、この東部の海岸に、御案内のとおり、新川、普久その他二カ所がございます。それができ上がりますと、これも同時にいま調査にかからしておりますが、一日十二、三万トンは送れると思います。これを昭和五十一年ぐらいになるか、五カ年ぐらいで何とかやってしまいたい。そうしますと、合計いたしまして五十二、三万トンの水が送水できますので、人口を考えましても、相当にほかの工業用水その他の用水に回すことができるんじゃないかと、かように考えておる次第でございます。離島は別でございます。

木村俊夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(木村俊夫君) 沖繩水資源が非常に不足しておることはよく私たちも承知しておりますが、まあ、なわ張りのことを言っちゃいけませんけれども、指定水域以外のことは経企庁でやっておりませんので、いまのところ、私のほうではまだ調べておりません。

田中一日本社会党

○田中一君 そうすると、私の想定では百万以上の人口で一応日常、人が使うという水の保有量、これを考えますと、農業用水に持っていくような水が限定されるというように考えておるんです。したがって、蔬菜あるいは米作等は困難であるという考え方を持っておるんですが、その点、山中さんどうお思いになりますか。

山中貞則自由民主党総理府総務長官・農林大臣臨時代理

○国務大臣(山中貞則君) 沖繩本島においては、米作地帯は中北部にあるだけでございます。それは現在、表流水だけでやれるわけでありますが、中南部については、都市周辺の、本土ならば当然相当な施設を要しなければならない、施設園芸的なものでなければならないものも露地栽培で大体可能でありますから、そういう意味ではいいと思うのですが、離島のほうはやはり水だと思います。それは宮古ならば伏流水、あるいは石垣ならば表流水、ない島は集水装置あるいは海底送水というような、いろんなことを考えておりますので、その面の点は配慮できると思います。

田中一日本社会党

○田中一君 これはね、そういうお考えは何年ごろに、何カ年でそれが完成するか。同時にまた、その費用というものはどのくらい投じなければならぬかということの予算、予算というか、この開発によるところの——長期経済開発計画には金がちっとも入っていないんです。そこでどのくらいをお考えになっていますか。どの程度のものを考えているか。

山中貞則自由民主党総理府総務長官・農林大臣臨時代理

○国務大臣(山中貞則君) これはもう各島の貯水池、あるいはまた本年度の予算でも、とりあえず轟川等の取水施設等を始めておりますから、このかんがい対策としての海底送水管その他も含めて大体三年以内には完成すると考えております。

田中一日本社会党

○田中一君 費用は。

岡田純夫沖繩・北方対策庁総務部長

○政府委員(岡田純夫君) 来年度要求いたしておりますのは、沖繩環境衛生施設整備費の中で、ただいま大臣の言われましたのは海底送水管等で、これは三事業ございますが、二億一千五百万円を要求いたしております。それらに簡易水道等で三億五千二百万円ばかり、二十四事業、こういうものも関係してまいると思います。

田中一日本社会党

○田中一君 どうも急行列車でもって、もう一ぺん続いて質問できる時間がないものですから非常に残念です。  琉球政府では布令をもって、異国人と申しますか、本島以外の人たちの土地の取得を禁止しているというように聞いております。ところが、現在、もう海洋博というものが明後年開かれるということについて、日本の本土からの相当の財閥等が百万坪以上のものを、その候補地と目ざすところの地域の百万坪以上を買っております。これはむろん形は現在の琉球の人たちの名前になっておりますけれども、実際は本土の各財閥等、土地会社等もこれを買っておるそうでありますが、その真相はどうですか。

山中貞則自由民主党総理府総務長官・農林大臣臨時代理

○国務大臣(山中貞則君) 海洋博については、これは琉球政府のほうで土地取得のための起債を起こしてほしい、それを将来国でめんどうを見てほしいということでありますから、そのことは別でありますが、観光のために環境破壊ということをわれわれは好まないわけですけれども、しかしながら、個人の売買について……

田中一日本社会党

○田中一君 そういう質問をしているんじゃない。本土人が海洋博の周辺の土地を買いあさっているということの真相はどうかと伺っているんです。

山中貞則自由民主党総理府総務長官・農林大臣臨時代理

○国務大臣(山中貞則君) これは本土政府のほうで、一応そういういろんな新聞報道等がありますから、調べさしたのですが、名護市の周辺で観光開発の目的で約十万坪この買収を計画して、一部買収が進められている。その他ゴルフ場の建設、拡張、ビーチ建設等で、知念、佐敷、竹富、これは万博とは関係ありませんが、こういうようなことをやっておりますが、いずれも最終的に琉球政府が許可しないと、これはだめなわけでありますから、そのようなことが行なわれないようによく琉球政府も調査をすると、こう言っております。

田中一日本社会党

○田中一君 もしも返還された暁には、現在布令で禁止している精神を生かして、沖繩県においては布令の精神を生かして——本土の大資本家等が大体六百五十万ヘクタール買い尽くしたそうでありますが、これは一切許可しないという方針をおとりになるのかどうか、たとえやみで、やみというのは、内々契約しておっても、沖繩県民の名前になっておるものがあるわけですが、これを許可しないという方針をとるか、当然これは本土においては、土地を買った、これに対する許可、不許可なんというものはございません。本土並みになりますと、それがそのままストレートに契約が効力を発して他人のものになるわけです。これはいろいろあの手この手を使って相当買いあさりが行なわれておりますけれども、この点はどうですか。その精神は生かして、沖繩県の場合には、十年なら十年、二十年なら二十年、この点は許可をしない方針であるというのか、あるいは許可をするという——本土並みならするんでありますから、するという方針なのか、その点を将来の沖繩県民のしあわせのためにも善処願いたい。これはあなたができなければ、総理にちょっと伺っておきます。

山中貞則自由民主党総理府総務長官・農林大臣臨時代理

○国務大臣(山中貞則君) 本土のほうでは、そういう相対ずくの売買について何も制約ありませんが、しかし、事、農地であれば農地法の地目変更、宅地転用その他の届け出によって許可がなされることになりますので、琉球政府の中にも当然農業委員会というものが置かれますから、沖繩の経済の発展のためにならないものであると断定をすれば、それはこの農地法の制限によってする以外にはないのではないかと思います。

田中一日本社会党

○田中一君 本土におきましても、農地法であろうと何であろうと、いま自由です。これは農業委員会がそのままストレートに許可します。なぜならば、水田をつぶせ、水田をつぶせば補助金をやる、宅地にしろというような声が昨年の国会でも通っております。したがって、いまの答弁じゃ不十分でありますから、これはだれに聞いたらいいのか、非常に政治的な大きな問題なんです。社会的な問題なんです。したがって、これに対する姿勢をどなたかはっきりしていただきたい。これは総理にひとつお願いいたします。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 物価問題は、そのうちでも土地問題は一番これからむずかしい問題であり、これの取り組み方はなかなかむずかしいと思います。ただいま布令等があってそう売買が自由でない、そういう状態で、これはたいへん土地問題と取り組むのにやさしいことであったと、かように私は思いますから、その精神は生かしていくというのが望ましいのではないかと思います。これはしかし、私は、田中君と別に議論するつもりで申し上げるわけじゃありませんが、いま百万近い沖繩県民がいる。それを六十万程度にするんだと、こう言われることがどうもはたして可能なのか、一体、過疎現象が起きてずいぶん困るんじゃないかと、そこらをどういうようにあんばいされるだろうか、むしろ、ちょっとその前提の六十万という、そのもとにおいて、いまのような土地も、そうして自然もそのまま残すんだと、こういうような観点で議論をしておられるのかなあと、こう考えざるを得ないんですがね。そこらにやや食い違いがあるんだろうと思っております。

田中一日本社会党

○田中一君 そうすると、むろん私契約で許可を受ける受けないにかかわらず、相当な土地を買い占めている、安く買い占めているという人が、返還後、本土並みになりますと、これはストレートに名義が移るわけです。これは現在の沖繩、琉球政府の布令をもとにして相当考えようと、こういう御答弁だと思います。その点、それでいいですか。——ただ、私は、いま総理から逆に質問された点について申し上げます。  私は、日本の領土を全部見渡すと、温暖で非常に海のきれいな、空気のきれいな、太陽がさんさんと降るという地点は沖繩以外にないということを考えるのです。ガルフ等があそこに石油コンビナートの基地を持っております。また、これからもふやそうとしております。これは何としても排除しなければならぬ。そうして、六十万人口というものが一番安定したしあわせな姿じゃないかということ。なるほど山中長官その他の方々が、これから幾らでも金を使う、あれもする、これもするというような形で第二次産業等を誘致するならば、これは壊滅です。これは社会主義国でも自由国家群でも、どの国にもそうしたオアシス的な存在というものはあるもんなんです。なくちゃならないもんなんです。したがって、本土一億の国民が、ことに労働者が——働いている人たちが年に一週間、二週間、三週間、四週間等の休暇をとっておるものも外国の例にございます。これらの諸君が周期的に年間二百万程度、延べ人員二百万ないし三百万程度の国民が、労働者があそこに行って生命力と精神のレクリエーションをする、完全な唯一の保養地として存在させたいというのが私の念願であります。むろんこれに要するところの施設は当然しなければなりません。ただ、あそこが観光地だといって、常にかん詰めや何か持って行ってよごす、そうして風紀を乱す。これは夏、たとえば山中湖畔へ行ってごらんなさい、ひどいものであります。これらの流れというものを沖繩において食いとめる。おそらく満ぱいの飛行機が飛び立っていくならば、往復二万円程度あるいは三万円程度でもって可能な旅費となるはずであります。その上、向こうには日本の各企業あるいは官庁、政府においても——一日千円程度の食費で一週間、二週間あそこに滞在する、そうして水泳を行なう、釣りもする、何でもいいでしょう。ただあそこにパチンコとか妙な施設は必要ございません。子供たちも行くでありましょうから、これはそうした意味の遊園地的なものもつくってもよろしゅうございます。そういう形の唯一の保養地、日本のこの人類の生命を延ばす唯一のオアシスとして存続させたいというのが私の念願なんです。これが六十万という人を想定して発言しているもとです。そうして、大体まあ一週間一人が行くとすると——いまでも年間五万人以上行っているそうでありますから、一週間行くと、五、六の三十万です。したがって、これは計画的に日本の各産業人、官公庁等、労働者を持っている会社等がそれをあそこに求める。それにはあらゆる第二次産業は排除する、こういう方向でいきたいのが私の念願であります。したがって、これは政府の姿勢というものが一番大事であります。沖繩県民をほんとうにしあわせにするにはそれ以外にはございません。ただ何千億、何兆円というような膨大な資金をかけたからといって、沖繩県民はしあわせになるものじゃないと思うのです。それには余っている人——余っている人というのは、現在ても潜在失業者が五万人からおります。この傾向はだんだんふえてまいります。昨年までは、御承知のように、若年層というものはどんどん内地に吸収されておりますけれども——若年労働者は吸収されておりますけれども、いま停滞しております。この傾向というものは来年もおそらく続くのじゃなかろうかと思うのです。そういう意味におきまして、そこにほんとうに一億のわれわれ民族の命としての地点を沖繩に求めたいというのが念願であります。これは総理ひとつ、私の構想を質問されましたからお答えいたしましたが、御答弁を願いたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 私は、たいへん構想はけっこうなことだと思います。先ほど今泉君は観光地ということを申しました。しかし、いわゆる観光地といえば俗悪な遊技場と、さように思うかもわからないが、いまのような、どちらかといえばレクリエーションの場という、そういうことも観光地というその観念に入るのじゃないか、かように思いますが、それは健全なレクリエーションの場と違うと、こう言われるかもわからないが、とにかく俗悪な観光、そういう施設は困ると、その辺では私は一致すると思います。しかし、現にいる沖繩の百万の県民、それを六十万に減らせという、これはずいぶん乱暴な話じゃないかと。これから先、これが日本国民の全体のレクリエーションの場になって、そうして働く人たちが出かけていく、それはいま言われるような観光という、そういうことじゃないのだと、健全なる保養地あるいはレクリェーションの場だと、こういうことだろうと思いますが、しかし、現地にいる沖繩県民としては、復帰した、われわれの同胞はとにかく百万は多過ぎる、六十万に減らせと、これはたいへん耐えられないことじゃないかと思うのですね。それは緑の海、これもけっこうなことだし、島々もけっこうなことだと。しかしやっぱりこの開発、保存、両者やはり調和をとって現在の県民がしあわせになるような、そういう状態にどうして考えてくれないだろうかと、こういう気持ちのほうが先になるのじゃないでしょうか。私は、これはこの場で議論するよりも、たいへん基本的な問題ですから、もっと落ちついて、ひざを交えて話をすることが必要だと、かように思いますから、あえて申し上げませんが、非常に簡単に申すと、ただいまの沖繩県民の方々、どうも君たちはそんな狭いところに百万もいるからたいへんなんだと、六十万ぐらいになればしあわせになるよと、こう言ったのじゃちょっと無理なような気がしますね。

田中一日本社会党

○田中一君 総理が真剣にこれをお考えくだすってありがとうございました。これはただ単に百六万は生きられない、六十万にどこかで吸収せよと、そういうことじゃないのです。私は、四時間ぐらい時間があれば、事こまかに、これがほんとうに沖繩県民のしあわせなんだ、同時に日本民族もそのために生きられるのだという道を質問したかったのでありますが、これは時間がありませんから、これでやめます。これはいずれ、あなた、まだこの国会中はずっと総理大臣として座におられるでしょうから、この点はゆっくりとひとつ御相談申し上げたい。  そこで申し上げますが、せんだって松本英一君の質問の際に、返還後の基地は必ず実測する、測量する、こういう答弁をしております。協定締結に努力したところの外務大臣からは、何もそういう話は協定の話し合い時分に出なかった、書類等も何も取っておらぬという御答弁がありました。同時にまた総理からは、なかなかそれは困難なことではあるけれどもそれは努力するのだということを言っておりました。この点は非常に重要な問題なんです。私は、関連質問で申し上げましたから、これはそのままとめたのでありますけれども、衆議院におきましても一防衛庁長官は、ことごとくそれはできないのだ、なかなか困難でありますと、こういう表現をしているにかかわらず、江崎さんは、これはできます、やりますと、こう言っております。その自信のほどはたいへん頼もしいのでありますけれども、これはたいへんなことです。この問題について各大臣のその統一見解、これをお示し願いたいのが一つと、もう一つは、かつて日本が占領時代にもこういうことがごさいました。飛行機もございません。そのために占領軍から空中写真を借りて——これを借りるために単行法をつくったのが二十四、五年ごろであります。そうしてそれを使っておりました。ところが今度沖繩の長期開発をするには、当然全島の空中写真をとらなければ、これは完全なものはできません。同時にまた、いま基地の問題、基地も当然その撮影の中に入らなければならぬ、その際に。沖繩では、現在聞くところによりますと、要求があった場合には、米軍が推薦するコンサルタント、いわゆる写真技術家がこれを撮影する。そうしてそのコンサルタントがネガを軍のほうに差し出して検閲を受ける。検閲を受けて差しつかえのあるものは白く戻してしまって交付するというようなことになっておるそうであります。本土並みになりますと、これは全く今日国内においては自由であります。その意味におきまして、それも返還後は国内と同じように、全島を日本の航空写真が撮影してよいのかどうか。その点と二点だけ伺います。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) 私、実は立ち入り調査の点については、過去十年前の経験でありまするが、米軍の基地内に立ち入って交渉をした経験があるのです。そこで申し上げたわけであります。それは米軍によほど何か軍事上の秘密があって、これは困るという例外は、それはありましょう。しかし、そうでない限りは、特に地主と今度は適正な価格で賃貸契約を結んでいこうという場合に、どうも地目がよくわからないというようなときには、やはり米軍に念入りに話し合いをすれば、これはあとう限り便宜供与をしてくれる、これが日米の信頼関係なわけであります。そればかりか、やはりそういう形で交渉をすれば、特に施政権がわがほうに戻りました上では容易になろう。これは、私、施設庁長官など事務当局ともよくよく実は打ち合わせをいたしました。先般、御質問がありましてから打ち合わせをして、どうだ、それはやりましょうと。また、大体従来よほど軍事機密に属する地域以外は許諾をしてくれるという方向で、好意的ですから可能でありますと、このように申しておりまするので、その点は御理解願っておきたいと思います。

田中一日本社会党

○田中一君 第二の問題、空中写真の問題はどうでございますか。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 第一の問題につきましては、江崎防衛庁長官からお答え申し上げましたが、田中さんからこの間お話がありまして、これはもう当然江崎長官のおっしゃるようなことができるはずなんです。でありまするが、念のため米軍にも、アメリカ政府にも申し入れをいたしました。快く了承をしております。できる限りの協力をいたしますと。  それから空中写真につきましては、もとよりこれは本土並みになるわけです。ただ基地が実際上沖繩では多うございますから、その基地を撮影するということにつきましては、米当局とよく話し合いをする。そしてなるべく営業の自由、また航空の自由というものが実現できるように努力したいと、こういうふうに考えております。

田中一日本社会党

○田中一君 総理、いまのこれは必ず実現するわけですね。非常にまだ危惧を持っておるのです。内地においても——本土におきましても、そういう障害が現在もたくさん行なわれておるというわけであります。その点ひとつ総理から確認していただきます。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま外務大臣並びに江崎防衛庁長官が説明いたしましたとおり、沖繩の米軍基地内には、地籍のわからない、そういう状態が沖繩では大体五〇%だといわれておる。これはどうしてもはっきりさせなければならない、こういうことでございます。それについて原形はもう変わっておるでしょう——それが米軍の基地になり、また滑走路になり、あるいは住宅地になった等で、原形はよほど変わっていると思いますが、しかし、これは旧所有者、本来の所有者たちで納得のいくような区分にどうしてもしなければならないと思います。まあ、今回公用地等暫定使用法案が通りますと、本来は所有権者と話し合うということがまず前提になっておる。それが基本になりますから、そういう意味でも、ただいまの地籍調査は必要でございます。そういう意味からも、こういうことについて米軍の協力を求める、そうして米軍も協力する、こういうことで先ほど外務大臣もお答えしたばかりであります。  また、空中撮影の問題につきましては、これは何といっても基地そのもの、これを撮影するということはいろいろ問題があるだろうと思いますので、手続上はちょっとうるさいかと思いますが、しかし、これは本土と同じように扱われるものと、さように御了承いただきます。

田中一日本社会党

○田中一君 公安委員長、来ていますね、中村さん。きのうわれわれの同僚の田中寿美子委員から売春法の問題で質問がございました。ただ、私非常に気になるのは、終戦後、これは政府が、とは申しませんが、政府の指導のもとに本土各地に売春供給業者というのが生まれました。慰安施設協会とかなんとかというのがたくさんできました。今度、数万人を数えるというこれらの不幸な女子が、本土並みになった暁に、日本には売春禁止法がございます。これは、ざる法でありますけれども、とにかくその法律がある。この場合にです、これに対する規制をどうするかという点であります。先般も、同僚の委員からの質問には、更生施設——佐々木静子委員の質疑でありましたが、更生施設にそれを収容すると言っておりますけれども、数万人を数える潜在した——これは何人いるともわかりませんけれども、潜在したところのそれらの婦人を、法の面からどう規制するかという点を伺います。

中村寅太自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○国務大臣(中村寅太君) 売春を業とする婦女子の取り締まりというようなことは、これは第二義的なことでございまして、われわれの取り締まりの対象は、婦女子を犠牲にして金もうけをするような悪徳管理業者とか、あるいは暴力団等で婦女子を犠牲にして売春業をやらせるというような者を対象として、きびしく取り締まっていきたい。売春を業として生活しておるような気の毒な婦女子の人権を保護して、そうして、この人たちを正常な職業につかせる、あるいは社会復帰をやらせるというような、これは厚生省でやる仕事でございますが、そういうものと力を合わせまして、そうして婦女子の人権を十分に保護していきたいと、こういう考え方で進んでまいりたいと、かように考えております。

田中一日本社会党

○田中一君 ただ、終戦後われわれも占領軍の支配下にありまして、相当ひどい目にあっております。ことに娘や女房は山に隠したなんということもございました。というのは、そこに相当の数の占領軍が入り込んでくることがありました。しかし、いま、そういう立場に立っている婦人のほかに、良家の子女もあるはずであります。これらに対する暴行等が沖繩県警でこれを予防することができるのかどうか、その点の自信を、ひとつお聞かせ願いたいのです。そして、それには、このような姿勢と、このような決意で行なうということを表明していただきたいと思うんです。

中村寅太自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○国務大臣(中村寅太君) 沖繩が本土に復帰しましてからは、そういう、いま御指摘なさいましたような問題の取り締まりは警察当局でやりますので、そういう不法行為をやって婦女子の人権を侵し、あるいは婦女子をお気の毒なことにおちいらせるような者は、きびしく、容赦なくこれを検挙しまして、そうして法のさばきを受けさせていく、そうして、できるだけこれはあらゆる婦女子の人権を守っていきたい。警察当局といたしましては、全力をあげて婦女子の人権を確実に守っていくという点に焦点を合わせて警察行政をやってまいりたいと思います。     —————————————

長谷川仁自由民主党

○委員長(長谷川仁君) 内田善利君。

内田善利公明党

○内田善利君 私は、沖繩の公害を予防するという立場から、いまも質疑の中にありましたような、山紫水明な沖繩を日本本土のようによごしたくないという立場から、若干質問したいと思います。  沖繩の公害問題についてお聞きする最初に、沖繩の公害について、どのような公害予防ということについてのビジョンを持っておられるか、まず、総理にお聞きしたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 公害、これはもう当然やらなきゃならないことですが、それかといって、必要な産業も興らないと、これはいつまでも自然に返れというばかりでもいかぬように思います。そこで、いつも問題になりますのは、保存と開発、その両者が並び立つという、そういうことでないと、真のりっぱな環境はつくり出せないと、かように思います。そこで、私は簡単な表現をいたしますが、開発と保存との調和をはかることだ、これが何よりも大事だ、そういう意味でこれと取り組めば、最近の科学技術をもってすれば公害など発生しなくて済むんじゃないか、かように実は思っておるような次第でございます。具体的には、それぞれの担当大臣がおりますから、ただいまの基本的な考え方を申し上げておきます。

内田善利公明党

○内田善利君 環境庁長官にお聞きしますが、それと農林省にもお聞きしたいと思いますが、本年の三月ですね、那覇と糸満の間の瀬長海岸で魚が数万匹上がった、斃死した、打ち上げられたという事件があったわけですが、この事件の経過を、まずお聞きしたいと思います。

大石武一自由民主党環境庁長官

○国務大臣(大石武一君) 瀬長海岸で魚がだいぶ斃死したということは聞いておりますが、その原因がまだ究明されていないということも聞いております。なお、詳しいことにつきましては、いま所管の局長よりお答えさせたいと思います。

岡安誠環境庁水質保全局長

○政府委員(岡安誠君) いまお話しの件でございますが、ことしの三月十三日に、瀬長海岸におきましてボラ等が五万匹から六万匹程度斃死いたしたという事件がございます。その斃死した魚を沖繩の衛生研究所で分析いたしましたけれども、原因と見られる毒性物資は検出されなかったというふうに報告を受けております。その後さらに、その原因の精査を政府においてやっておるというような現状でございます。

内田善利公明党

○内田善利君 住民は、あの嘉手納基地の排水じゃないかと、このように言っているわけですね。  それと、もう一つ例を、それじゃお聞きしたいと思いますが、比謝川の流域のこの基地からの排水による被害状況、これを説明していただきたい。

岡安誠環境庁水質保全局長

○政府委員(岡安誠君) 比謝川は、コザ市その他中部の都市を貫流いたしております川でございますが、これは、周辺の都市下水その他の排水のほかに、やはり米軍基地からの汚水等も相当流入しておるということで、BOD等を琉球政府でもって調査いたしました唯一の河川でございますけれども、相当程度高いBODの指数を示しております。これによります魚等の被害につきましては直接的な報告を受けておりませんけれども、被害程度が相当高いということで、早急に措置をしなければならないというふうに私どもは考えている次第でございます。

内田善利公明党

○内田善利君 非常に抽象的な、その程度のことは私ももう宙でわかるわけですが、もう少し具体的に、相当程度のBODであったというような答弁でなくて、具体的に、何PPMあったという報告がほしいんです。それと、基地が原因だということですが、基地の何が原因なのか、お伺いしたいと思います。

岡安誠環境庁水質保全局長

○政府委員(岡安誠君) BODにつきましては、琉球政府が調べまして、最高大体五五PPMというような汚染度を示しております。これは、内地の隅田川等が一四から一五PPM程度でございますので、非常な汚染程度だと考えておるわけでございます。原因として考えられますのは、やはり上流におきまして米軍基地から出ます生活排水、それから基地内におきまして飛行機等を洗浄いたします洗浄水、それから製紙工場の排水、それから、相当規模の大きいランドリーがございますので、それらからの排水、それから屠畜場がございまして、それらからの排水等が合わさって汚染を示しているというふうに考えているのでございます。

内田善利公明党

○内田善利君 このように、基地が原因になって水がよごれているわけですが、これに対してどのような対策を講じたのか、あるいは補償等はどうしたのか、この点について、環境庁長官……。

岡安誠環境庁水質保全局長

○政府委員(岡安誠君) 基地からの汚水につきましては、やはり米軍に協力をしていただく、そういうような汚水を出さないように協力していただくということが先決で、そういうような交渉を行なわれたと聞いておりますけれども、直接的な補償につきましては、かつて基地——これは河川の汚染ではございませんけれども、基地内から油が浸出いたしまして周辺の井戸水を汚染したという事例がございまして、これらにつきましては補償等が行なわれる、ただ、まだ解決しておらないものが三件程度残っているということは聞いておりますけれども、一応補償が行なわれているというふうに私どもは伺っております。

内田善利公明党

○内田善利君 その三件の内容はどうなんですか。

岡安誠環境庁水質保全局長

○政府委員(岡安誠君) ちょっと具体的に、どの三件が残っているというふうには聞いておりません。

内田善利公明党

○内田善利君 基地の問題については、わが国の水質汚濁防止法でも公共用水域の中に入っておりませんし、そういった関係で、内地においても、排水の規制、チェック等の方法がないわけですね。現在たれ流し。私も、つい最近基地に行って、いろいろ基地の排水の場所を見たわけですが、完全にたれ流しになっておる。この水をどこかでチェックする機関があるかと聞いてみましたけれども、もうノーチェックだと。たれ流しの現状なんですね。沖繩は基地が本土の二十八倍というような密度であるわけですが、こういった事例はまだほかにもありますけれども、そういった事例があっているわけですね。こういった基地のたれ流し状態をそのまま放置していいのかどうか。基地が返ってくる、あるいはまた、今後次から次にこの水の問題ということが大きな問題としてクローズアップしてくると、こういうことになりますと、明らかにこういった基地の排水も水質汚濁防止法の中に入れるか、あるいは特別立法するかして、基地の排水も私は規制すべきじゃないかと、このように思いますが、この点は、環境庁長官、いかがでしょう。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) これは私のほうの施設庁の所管になっておりまするから、私からお答えをいたします。  いま御指摘のような問題が起こります場合は、施設庁のほうから厳重に米側に抗議を申し込むのが本土でのあり方であります。したがいまして、今後施政権が戻ってまいりますれば、当然、そのことを指摘して、米側が対策を講じてくれるべきものは対策を要求する。また、それができないもの等につきましては、基地周辺整備法、これは正式には防衛施設周辺の整備等に関する法律、これに基づきまして排水処理をしたり、あるいは基地に突き当たっておる川がはんらんしてそれが周辺の田地田畑に流れ出る、道路に流れ出る、いろんな問題があることをすでに承知いたしておりまするので、大蔵省に、とりあえず二億数千万円の概算要求をいたしまして緊急措置をしよう、まあ現在私どもこういう態度に出ておるわけであります。なお、事こまかには、これは広い基地内のことでありますし、まだ施政権が戻ってまいりませんので、戻り次第詳細な調査をしまして、そして四十八年度から計画的にこの問題を整備、処理していくというために五千数百万円の調査費を要求しておる、こういう段階でございます。

大石武一自由民主党環境庁長官

○国務大臣(大石武一君) 沖繩の水質につきましては、まだ水質汚濁防止法ができておりませんし、いま公害対策基本法の中で処理をすることになっておりますが、まだ十分なものではございません。これが本土に返ってまいりますと、直ちに本土の水質汚濁防止法その他の法律を適用いたしまして、十分に河川の水質の管理につとめてまいりたいと思います。その時点におきましていろいろと具体的な問題が出てまいりましょうが、そういう問題につきましては、ただいま防衛庁長官からお話のありましたように、防衛庁と十分に打ち合わせをいたしまして、できるだけの対策を講じてまいりたいと考えます。

内田善利公明党

○内田善利君 先ほど、基地によるジェットオイルの汚染問題で、井戸が汚染をしたことについて米軍が補償したということですが、これは、本土に復帰した場合には一体だれが補償するのか。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) そういう場合には、やはり防衛庁、施設庁において補償をしてまいることになると思います。また、米側が当然負担すべきものは、これはまた私どものほうから要求をして米軍の補償を求むる、こういうこともあるわけであります。

内田善利公明党

○内田善利君 それと下水道の問題ですが、これも、まあ日本の本土は当然のこと、また沖繩におきましても、下水道が非常に問題になっているわけですが、特に河川が短い、そういったところに、先ほどのような基地のいろんな生活用水、あるいはランドリー用水とか、あるいは飛行機のジェットエンジンを洗浄したそのオイルとか、いろんな原因が考えられるわけですが、この下水道の整備、特に屎尿処理ということが沖繩の場合は問題であろうかと思いますが、この下水道の問題について、まずお聞きしたいと思います。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(西村英一君) 沖繩における都市施設は、公園、街路一般におくれておりますが、下水道に関してもあまりよくありませんが、これだけは、面積におきまして二二%で、内地が二三・五%になっておるのでございます。しかし、今後十分力を入れなければならぬと思っております。ことに処理場が、私もべっ見いたしましたが、非常に悪いのです。第一処理しかできておりません。したがって、これは第二処理をしなければ非常にその周囲がくさいんでございまして、そのために下水道につきましては特に力を入れたい、おそらく今後五年以内には内地と同じように十分力を入れて普及させたいと、かように思っている次第でございます。

内田善利公明党

○内田善利君 本土は二三・五%ですか。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(西村英一君) そうでございます。

内田善利公明党

○内田善利君 間違いありませんか。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(西村英一君) 現在の普及率は二三・五%。沖繩は二二%となっていますが、処理場が特に悪いです。

内田善利公明党

○内田善利君 そこで、大蔵省にお伺いしたいのですけれども、この補助率ですね、現在は、公共下水道、総合下水道、都市下水道ともにそれぞれ、公共下水道の場合は一〇〇%、総合下水道が一〇〇%、都市下水道が八〇%と、こうなっているわけですね。ところが、復帰後は、公共下水道は四〇%の補助率になる、総合下水道が三分の二、都市下水路が三分の一、このように非常に補助率が低下するわけですが、沖繩の現況を考えますと、補助率が低くなることはとんでもないことだと、むしろ特別措置をしてでも、もっと大きくすべきじゃないかと、このように思うんですが、この点はいかがなんでしょう。

山中貞則自由民主党総理府総務長官・農林大臣臨時代理

○国務大臣(山中貞則君) 私のほうで補助率は全部詰めたわけでありますが、琉球政府がそのような、まあ国政事務としての形でしょうけれども、やっておりますけれども、それは実は、工事量というのが非常に遅々として進捗いたしておりませんので、したがって、流域下水道については三分の二という私どもの……。まず流域下水道が必要だということでそういうことをしておりますので、本土二分の一に対して、おっしゃるとおり、かさ上げをしておりますが、公共並びに都市の下水路については、これを起債で——利用料が入るわけでありますから、起債で裏負担を完全にして、さらにそれに対して交付税で補てんをしていく、したがって、実質の、利用料等を計算上考慮した残りの額の負担は地方自治体にかからぬようにしようということで大体話がついております。

内田善利公明党

○内田善利君 次に、同じ公害問題ですが、基地の騒音の実態、これを、まず教えていただきたいと思います。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) 沖繩におきます米軍の航空機基地は、御承知のとおりに、嘉手納、普天間、那覇とございますが、特に嘉手納周辺におきます騒音は、すさまじいものがございます。そこで、私どもとしましては、これが対策につきましては、本土の場合に比べましてかなり較差がございますので、復帰後はできるだけ早い時期に本土並みの水準に達するように、いろんな対策を講じたいと考えております。そのためには、まず、騒音の実態等について十分調査をいたす必要がございますので、来年度にもその調査費を組んでございますが、その実態に即して本土に準じた周辺対策を講じていきたいと、かように考えております。したがいまして、現在その実態について私どもとしてもまだ十分調査は進んでおりませんが、本土の基準に照らしまして相当な程度の騒音が発生しているということは十分予測しておるところでございます。

内田善利公明党

○内田善利君 いまの答弁、聞いても納得できないんですがね。本土のほうは騒音規制法ができて規制を曲がりなりにもしているわけですけれども、一番基地の多い、また、いま表現を聞きますと、すさまじいと、いう表現のようですが、一体、B52が離着陸するときには何ホンくらい出るのですか。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) 正確なことは私も承知しておりませんが、おそらく一一〇ホン程度ではないかと思います。

内田善利公明党

○内田善利君 まあ、一一〇ホンということですが、これは、われわれの耳では聞けないぐらいの、それこそ、すさまじい騒音なわけですね。こういった騒音が出ておる、また、それに対する被害が相当出ておるというにもかかわらず、いままで全然そのデータもとってないということなんですか。そういう実態調査はしてないということなんですか。

山中貞則自由民主党総理府総務長官・農林大臣臨時代理

○国務大臣(山中貞則君) 事務当局が資料を調べております間、私から御答弁いたしますが、私もホンを測定する機械を持っていったわけじゃありません。しかし、嘉手納周辺においては、その離着陸の問題と、エンジンテストを真夜中までやるもんですから、とにかく周辺の人たちは、嘉手納、北谷等において、一般住民の年寄り、子供、赤ちゃん等含めて、学校の生徒はもちろんのこと、非常な被害を受けております。私も現地で教育委員長さんの説明を聞くんですけれども、向こうは、なれていらっしゃるんで、その騒音の合間にも説明されるんですが、私はどうしても聞き取れないで、これじゃたいへんだということでまあとりあえずは、私のところでいままで所管しておりましたので、嘉手納、北谷等について、今年の予算では、一般の小中学校のみならず、市民が、老人、子供、あるいはまた生徒たちの予習、復習、いこいの場所として、総合公民館的なものを十分の十補助でもって嘉手納村につくることに予算をつけたわけでありますが、復帰後も当然、防衛施設庁において——先ほどはちょっと気になる表現でありましたが、本土の基地周辺整備に準じてということでありましたけれども、私の承知しておるところは、本土よりもそれを充実した措置をとるように聞いておりますので、そのような措置を、正確な測定と、それに対するあらゆる周辺住民の利便を、それに対する被害を救済する措置を、講じてほしいと考えております。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) 騒音の測定でございますが、一九六九年に対策庁と共同して調査いたしましたところでは、嘉手納村の屋良小学校について測定したととろでは、これは滑走路の側方八百メートルでございますが、一〇〇ホン以上が一授業時間当たり三回、それから九九ホンから九五ホンが十回、それから九四ないし八〇ホンが連続して発生をしておる。古堅中学校につきましても大体同様の騒音でございます。

内田善利公明党

○内田善利君 本土でもこの騒音の問題はいま問題になっているわけですが、これが、いま説明がありましたように、一〇〇ホン以上の騒音が出ていると、こういう状況です。それにもかかわらず、こういったデータが、昭和四十四年ですか、の調査ということですが、やはり本土復帰にあたっては、こういった問題もまず調査して、大体どういう騒音の被害が出ておるのか、そういう調査検討がなされるべきだと、このように思うのですが、環境庁として、こういった基地騒音についての点検をして、検討をして、そして、いま本土で問題になっておりますけれども、ずいぶん後退しておるようですけれども、この基地騒音の実態調査と、規制をはかるような特別立法をすべきであると、このように思うんですけれども、そういう実態調査すらされていない状況なんですが、今後の対策をお聞きしたいと思います。

大石武一自由民主党環境庁長官

○国務大臣(大石武一君) 航空機騒音がいろいろな日本の公害の一つの大きな問題となっておりますので、環境庁としましても、この対策を考えまして、いま、その環境基準を設定いたしまして何とかしてこの騒音を規制いたしたいと考えて、鋭意努力中でございますが、まだ完全なものはできておりません。近いうちにその環境基準を設定いたすべく、いま努力しております。  ただ、内地におきましては、御承知のように、羽田並びに伊丹の空港の騒音があまりにひどくて、付近の住民に大きな影響を与えておりますので、とりあえずこの対策を立てることにいたしまして、御承知のように、一昨日、環境基準の指針だけをきめまして、運輸大臣に対策を勧告いたしたわけでございます。これにつきましては、いろいろ内容がございますが、一つの大きなものとしては、いままでそのような騒音に対する国の援助、防音対策の援助というものは公共の施設に限られております。しかし、それでは何ら民間の役にも立ちませんので、民間に対しても騒音の防止をするために国が援助を与え得るような、あるいは移転をすることができるようなことをしてほしい、そのような立法と予算の措置をしてほしいということを、あわせて運輸省に勧告をいたしたわけでございます。しかし、この考え方は、残念ながら、直ちに基地には適用できませんが、しかし、同じようなやはり日本の基準は守ってもらいたいと考えまして、防衛庁長官にもその旨を連絡をいたしまして、そのような折衝をしてもらうことに心がけておるわけでございますが、沖繩が本土に返りました場合には、そのうちに、りっぱな環境基準もできましょうから、こういうものを中心として、米軍基地においてもこの基準を守ってもらうように、いろいろと努力してまいりたいと考えておる次第でございます。

内田善利公明党

○内田善利君 先ほどは、B52が飛んでいるときには一〇〇ホン程度ということでしたが、私の聞いたところでは大体一三〇ホンくらいになると、こういうことなんですがね。したがって、これの人体に与える影響というものは大きなものがあると思うのですが、こういった人体に与える影響等を検討されておるのかどうか、いかがですか。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) まだ、沖繩につきまして、その人体に及ぼす影響等については調査をいたしておりませんが、おそらく琉政等におきましてはその調査が行なわれておると思います。本土におきましても、そういう調査を大学に委託をして、人体に及ぼす影響等について調査をしつつあるところでございます。なお、その結果によりまして、また適正な対策を講じていきたいと考えております。

内田善利公明党

○内田善利君 まあ、騒音規制ということは前々から問題になっておるわけですから、こういった検討は十分なされるべきだと思うのです。この点については総理にも見解をお聞きしたいと思いますが、それと、大蔵省にちょっとお聞きしたいと思いますけれども、日本本土においても公共施設に対する防音施設はできつつあるわけですけれども、先ほどお話がありましたように、個人の住家、個人の民家に対するそういう施設、こういうものが全然なされてないわけですけれども、こういった個人の民家に対する調査費、それと、そういった防音施設、そういったものの予算化ということについて、先ほど環境庁長官からもお話がありましたが、どのように考えておられるのか、大蔵省にお聞きしたいと思います。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) 個人の住宅に対する対策でございますが、これは、本土におきましても、公共施設についての防音工事等は実施しておりますが、まだ一般の民家に対するところまでは及んでいないというのが今日の実情でございます。しかしながら、今後は逐次公共施設の防音化が進みますにつれまして、一般民家についてもこれを対象とすべく、実は本土の場合においては来年度も調査費を要求しておるところでございます。そこで、そのほかにも、飛行場周辺で非常に騒音が高いというところにつきましては、まあ本土の例におきましても、集団移転措置を講ずるということもやっておりますし、それ以外にも、たとえばテレビの視聴料の減免措置、あるいは共同受信アンテナの設置、あるいは有線電話の取りつけ、こういうことを民生安定事業としてやっておるわけでございまして、今後、こういう措置につきましても、当然、沖繩の場合においても積極的にやってまいりたい、かように考えておるところでございます。

内田善利公明党

○内田善利君 沖繩基地の調査費は幾らですか。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) 現在要求中のものは、学校等の騒音防止関係の調査費として約一千万、それから、とりあえず来年度緊急に防音工事を措置すべきものとして、学校、幼稚園等についてわれわれ要求中でございますが、それが、学校が九校、それから幼稚園が二つ、それから学校の講堂を三件、金額にいたしまして約五億八千万円程度を要求いたしまして、とりあえず来年度はこれを実施したい。そして今後におきましては、長期的な計画を立てまして、計画的に実施をいたしまして、早くこの全般の騒音対策が、本土に遜色のない、あるいはむしろ本土以上の対策が講ぜられますように十分措置をしてまいりたいと、かように考えております。

内田善利公明党

○内田善利君 大蔵省はどのように考えておられますか。

平井廸郎大蔵省主計局次長

○政府委員(平井廸郎君) お答え申し上げます。  公共施設に関しましては、すでに法律も出ておりまして、いろいろ対策が講ぜられておるところでございますが、民間につきましては、一般的には、まだ詳細な要求が防衛施設庁並びに運輸省から出されている段階でございまして、その調査の結果に基づきましてそれぞれ所要の予算措置を講ずるということになろうかと思います。

内田善利公明党

○内田善利君 総理に、最後に、基地騒音についてお伺いしますけれども、騒音は、公害対策基本法の典型公害の一つなんですね。その騒音、特に基地騒音について、防衛施設庁関係でありますが、騒音規制法の中に入っていない、こういう実情で、基地周辺の飛行機の離着陸による騒音は防衛施設庁ではいろいろ考えておられるようですけれども、いまのような実情です。特に沖繩基地における住民は非常に騒音に悩まされておると、こういう実情ですが、環境庁としては、先ほど長官等からお話がありましたように、その実態を調査して規制を加えていくということですが、総理としての見解をお聞きしたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 最近の飛行機の騒音、これはまず第一の、一番騒音のもとのようですが、その他にもいろいろ騒音として規制されるものが幾つもあります。したがって、騒音については全般的に何らかの基準も設け、そしてこれに対する対策を立てなければならぬと、そういう段階に来ているんではないかと、かように思います。

内田善利公明党

○内田善利君 次に、やはり沖繩の基地の関係で、海域の放射能による汚染状況を、まずお伺いしたいと思いますが、沖繩の那覇、ホワイトビーチ及び周辺海域の放射能による汚染状況を、科学技術庁、見えておりますか。

長谷川仁自由民主党

○委員長(長谷川仁君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

長谷川仁自由民主党

○委員長(長谷川仁君) 速記を起こして。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(木内四郎君) いまちょっとはっきり御質問の趣旨が了解しかねたのですが、原子力の汚染の問題ですか。原潜が入った場合ですね。原潜の入った場合の調査は、ただいまは科学技術庁はやることはできませんが、沖繩復帰の暁におきましては私のほうでこれをやろうと思いまして、すでに二億六千九百万円の予算を要求しているというようなわけです。  ところで、今日までは、初めは琉球政府とアメリカが合同でやっておりましたが、四十三年の秋以来琉球政府だけで単独で汚染の調査をしておるわけであります。そこで、その資料は外務省及び沖繩・北方対策庁を通じまして私どものほうに入っておりますが、今日までのところ、私どものほうで入手した資料によりまするというと、海水、また海底のどろ及び海産の生物等を持ってまいりまして調査した結果、ホワイトビーチのほうは、そのいずれによりましても汚染はない、放射能を検出しないと、こういうことであります。ただ、那覇港のほうは、四十四年の八月ですか、八月の調査によりましては、この前もお答えしたと思うのですが、一キログラム当たり三〇〇〇ピコキュリー、これを検出しましたが、その後ずっと入っておりません、那覇港は。そして、ごく最近調べたところ、すなわち、ことしの十二月に調べたところによりますというと、一〇〇ピコキュリーになっているそうです。そこで、これは人体に対してどんな影響があるかというようなこともありますが、水の場合によりますと、飲料水の場合に一キロリットルで三万ピコキュリーまでは害がないと、こういうことになっていることにかんがみまして、現在の那覇の状態ではたいした害はない、かように思っておるわけでございます。

内田善利公明党

○内田善利君 いま答弁されたのは四十四年までの調査なんですが、那覇軍港で三〇〇〇ピコキュリー・一キログラム当たりあったということですが、そのあとは、原子力軍艦が寄港したのを見ますと、那覇軍港には全然入っていないわけですね。そうして一九六九年の二月二十一日からはほとんどホワイトビーチに限られておるような報告があるわけです。だから、那覇軍港のほうの放射能が少なくなるのは当然のことだと私は思うのです。ただし、ホワイトビーチのほうは毎月入っておりますね。そのホワイトビーチのほうは放射能を調査されたのかどうか、この点、お伺いしたいと思います。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(木内四郎君) ホワイトビーチのほうも、もちろん、さっき申しましたように、調査をしておるわけですが、ところで、私が最近見ました表によりますというと、表によりまして、ホワイトビーチのほうの調査、四十四年の十一月までは検出されないというように載っておりますが、そのあとは載っておらなかったのであります。そういうのがありましたので、私から念のためにこれを確かめましたところ、原潜の入る場合には入るつど必ず調べておる、しかも、この十二月六日にもそれを現に調じておる、こういうことでありまして、その間におきまして放射能を検出されないものでありますから、それを記載しなかったのだということでありまして、毎回調べておるのでございます。しかし、ホワイトビーチのほうは、今日までのところ、海水、海底のどろ、また海産生物等によりましても放射能は検出されたことはない、こういう報告でございました。

内田善利公明党

○内田善利君 ホワイトビーチは、先ほど申しましたように、この調査表以後にずっと入っているわけですね。これは検出されないといういまの答弁ですが、どういう方法でこの放射能をチェックしておりますか。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(木内四郎君) それは、先ほども申し上げておりますように、海水、また海底のどろ、及び海産の生物等、こういうものを持ってまいりまして、これを琉球政府の担当官が詳細に調べおる。こういうことであります。この琉球政府の担当官は、内地のほうに参りまして、そういうことをいろいろ研究してまいった人でございまして、十分これを検査する資格のある人間だと思っております。  私は、そこで、よけいなことですけれども申し上げたいのは、いまホワイトビーチのほうは検査をしてないんじゃないかというお話がありましたのは、私が見ました表と同じ表をごらんになって、そこに疑問をお持ちになった結果だろうと思うのですが、私もその表を見まして不審に思いまして念のために問い合わせましたところ、それは、その間においても毎回検査をしておるけれども、ホワイトビーチのほうは放射能は一切検出しない、こういう報告でありましたので、そのことを御参考に申し上げておきたいと思います。

内田善利公明党

○内田善利君 横須賀軍港のようにモニタリングをやってあるわけですか。もしやってあれば、その設置場所をお聞きしたいと思います。

木内四郎自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(木内四郎君) モニタリングポストはもちろんやっておりますけれども、横須賀、佐世保のような完備したものは、まだやっておらぬそうです。しかし、一応はモニタリングポストでやっているそうですが、今度本土復帰の暁におきましては、横須賀、佐世保と同様な施設をしたいと思いまして、先ほど申しましたように、二億六千九百万円の予算を要求しておると、こんなような次第でございます。

内田善利公明党

○内田善利君 放射能関係はそれで終わります。  次は、先日もわが党の小平委員から質問があったわけですが、PCPの汚染について一言お聞きしたいと思いますけれども、この間の答弁では、毒物だから協議の対象にすると、これは米軍が持ち込んだ場合ですね、そういう御答弁があったのですが、そのとおり、間違いありませんね。これは最後に総理が答弁なさったわけですが、先日小平議員がPCPの汚染問題について質問したわけですが、最後に総理から、これは毒物なので協議の対象にするという答弁があったわけですが、間違いありませんね。

大石武一自由民主党環境庁長官

○国務大臣(大石武一君) 先日の小平委員に対する御答弁は、毒ガス類似のような毒物ならば協議の対象にするという御返事だったと思います。PCPは、これは劇物の扱いはいたしておりますが、日本でも現在除草剤として使っておるものでございますので、それが協議の対象になりますか、私にはわかりませんが、まあそういう程度のものであろうと考えております。

内田善利公明党

○内田善利君 いま長官は日本でも使っておると言われましたが、使っておるわけですか。PCPです。

大石武一自由民主党環境庁長官

○国務大臣(大石武一君) PCPは、日本の内地でも除草剤として現在使っております。

内田善利公明党

○内田善利君 これは製造禁止になっておるはずですが、現在つくっておりますか。

大石武一自由民主党環境庁長官

○国務大臣(大石武一君) これは劇物の扱いを受けておりますが、現在でも製造いたしております。そして、もちろん、使う場合には、いろいろな、使用の範囲なり、水に近いところの環境とか、そういうものにつきましては、県知事の、あれは何ですか、認可ですか、指示がありまして、そういうことで現在農村で使っているわけでございます。

内田善利公明党

○内田善利君 通産大臣にお聞きしますが、このPCPの製造工場名並びに生産量をお聞きしたいと思います。

田中角榮自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中角榮君) PCPは、三井東圧、保土谷化学、日本曹達、呉羽化学、大日本インキ、日本カーバイド、富山化学及び三菱化成の八社で製造いたしておったわけでございます。生産量は、昭和四十六年一月から九月までが三千六百八十九トン、八月以降は月約五十トン程度となっております。四十六年の十月までの在庫数量は二千六百トンでございます。

内田善利公明党

○内田善利君 八月以降は五十トンということですが、これは製造禁止したわけではないのですね。どういう理由で、三千六百八十九トン製造したものが、八月以降五十トンになったのか。

大石武一自由民主党環境庁長官

○国務大臣(大石武一君) PCPは、だいぶいい薬でございましたが、現在は、去年あたりから、それにかわる毒性の少ない除草剤がいま用いられておりますので、その使用が減っているわけでございます。そこで、おそらく本年の使用量は昨年の半分ぐらいに減っているはずでございますので、そういうことで製造が減っているかと思います。

内田善利公明党

○内田善利君 このPCPの毒性について——厚生省を呼んでおりませんが、PCPの毒性についてお伺いしたいと思います。

大石武一自由民主党環境庁長官

○国務大臣(大石武一君) これは、だいぶ農民が注意して使っておりますので、そうあまり激しい被害はございませんようですが、目に入ると目が非常に痛んだり、からだに多少ただれを来たすようでございますが、一番の特性は魚毒性、魚に対するいろいろな毒性があるようでございます。その毒性は、マウスにつきまして調べたところが、半数致死量というものは大体八十二ミリグラムだったと聞いております。

内田善利公明党

○内田善利君 これは、ある工場の周辺の被害者の訴えなんですけれども、約百人ぐらいの周辺の方、このPCPをつくっている製造工場の周辺の住民が、いろいろ訴えておるわけですね。これを見ますと、PCPの被害というのは非常に大きいと、このように思うわけです。ベトナムでも、枯れ葉作戦として、兵器として使ったほどの薬品ですからね。そういったことで、PCPは軽視できないんじゃないかと、そのように思いますが、この点、いかがなんでしょう。

大石武一自由民主党環境庁長官

○国務大臣(大石武一君) いま現在日本で使っておりますのは、粒にして、まき散らすようになっておりますので、非常に被害が少ないのでございますが、沖繩の米軍の放出しましたPCPは油剤でございまして、これはドラムかんに入った、おそらく防腐剤に使ったんだろうということでございますが、そういうものでありまして、多少危険性が違うと思います。いま現在日本の内地では、このような油剤のものは使っておらないようでございます。

内田善利公明党

○内田善利君 現在製造している五十トンの販売先は、どのような状況になっておりますか。

田中角榮自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中角榮君) 農薬、輸出、工業用というようなものに大体三分の一程度ずつ使われておるようでございます。工業用といたしましては、木材の防腐用、工業用のりの防腐剤、それから製紙パルプの防腐用、それから皮革のカビを防ぐもの等に使われておるようでございます。会社別には、さだかにいまここでわかりませんが、南方等に対しては除草用として送られておるようなものがございます。しかし、いま大石長官から述べましたように、除草剤としての需要はぐっと減っておるということでございます。

内田善利公明党

○内田善利君 次に、沖繩諸島並びに奄美諸島並びに九州東岸から八丈島等には廃油ボールが非常にたくさん見受けられるわけですが、沖繩本島におきましても廃油が全域にわたって打ち上げられておる、そうして海水浴その他が非常に被害を受けておるということですが、この廃油ボールのことについてお聞きしたいと思います。廃油ボールの被害状況をお聞きしたいと思います。

岡安誠環境庁水質保全局長

○政府委員(岡安誠君) 沖繩の沿岸におきます廃油ボールでございますけれども、ほとんどその全域にわたりまして廃油ボールが漂着をしているということを聞いているわけでございます。ただ、沖繩におきましては、調査の人員、それから分析の機器等が未整備の状態もございますので、人が参りまして目で見るという状態でございますので、どの程度の汚染、影響があるかということは、必ずしもつまびらかではございませんけれども、全域にわたって相当廃油ボールによる汚染が見られるというような報告を受けております。

内田善利公明党

○内田善利君 日本と中東との貿易で、沖繩の東海岸あるいは西海岸を相当のタンカーが通っているということで、このような汚染が起こるということですが、私の調査によりますと、沖繩本島から与論、永良部、徳之島、奄美本島、喜界島、それから種子島列島——屋久島にはないようですが、種子島、それから九州の東海岸はほとんど全滅、そういった状況であります。これは黒潮の影響を受けて廃油ボールが打ち上げられておると、このように思いますが、大きいのになりますと二十センチぐらいの大きいものもある、こういう状況ですが、この廃油ボールの成分あるいは生成の原因、大体わかっておりますが、明確にお願いしたいと思います。

岡安誠環境庁水質保全局長

○政府委員(岡安誠君) 内地におきましても廃油ボールの被害がございますので、いろいろ分析をいたした結果もございますが、生成の過程は、海に油が出まして——その原因は、主として、おそらくはタンカーのバラスト水等が海中に投棄されまして、それが打ち寄せられてだんだんボール状に固まる、それから水分が蒸発しまして固形化をするというような過程を経るものと考えております。で、成分も、それぞれ油の性質によりまして違いますけれども、やはり成分を分析した結果の大多数は、先ほど申し上げましたように、タンカーから出たバラスト水が固形化したものというふうに言われておるのでございます。

内田善利公明党

○内田善利君 これは、調査は沖繩本島全域をされたわけですが、日本列島全域にわたって廃油ボールの影響を調査する必要があるんじゃないか。特にタンカー船がまだまだたくさん日本に出入りする、こういうことになれば、この廃油の全域調査をすべきじゃないか、そして早急に対策を講ずべきじゃないかと、このように思いますが、この点はいかがですか。

大石武一自由民主党環境庁長官

○国務大臣(大石武一君) お説のとおり、いま、この廃油による海岸の汚染は、ずうっと関東地方まで、あるいは小笠原諸島まで及んでいるそうに聞いております。おっしゃるとおり、やはりこれは当然われわれ、調査をいたしまして、対策は非常にむずかしいと思いますが、しかし、何らかの対策を講じていかなければならないと、そう決意をいたしております。

内田善利公明党

○内田善利君 私がお聞きしたのは第十管区の海上保安本部からお聞きしたわけですが、もう全域にわたって大きな廃油ボールが打ち上げられておるわけですね。特に海水浴場等では非常に迷惑をしていると、こういうことですが、これは、年々廃油ボールは日本列島に打ち上げられてくるのじゃないかと、このように思うわけですね。したがいまして、運輸省関係ですけれども、航路の変更とか、あるいは海上保安庁を強化するとか、何らかの具体的な対策が、これほどタンカーの出入りが激しくなれば、必要になってくると、このように思いますが、これは具体的に予算化して調査をすべきじゃないかと、このように思うわけです。この点について、もう一度確認したいと思うのです。

丹羽喬四郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(丹羽喬四郎君) ただいまお話しのように、廃油ボールが、沖繩をはじめといたしまして、本土の海洋付近に相当たくさん参っておることは、まことに残念な事実でございまして、これに対する対策といたしましては、先ほどお話がございましたように、大体の推定といたしましては、中近東に向かう外航タンカーから出すところのバラスト水によるのが多いんじゃないかということでございます。御承知のように、海洋汚染防止法を制定いたしましてやっておる次第でございますが、五十海里以東は、ただいまは油の投棄は自由でございますが、緊急な事態でございますので、私どもといたしましては、十月に廃油ボール防止緊急対策要綱を設定いたしまして、それによりまして、いわゆるロード・オン・トップ方式と申しますか、という方式をぜひ実行するようにということで、大体百八十隻ぐらいの大型外航タンカーにつきましては六月から海洋における投棄は禁止になる次第でございますが、その事前におきましてもその方式をとれということで指導しておりまして、ただいま約半数ぐらいはその方式をつけさした次第でございます。それをまた引き続き強化いたしまして、できるだけ早く全タンカーにこれをとりまして、そうしてそのバラスト水の投棄を防いでまいりたい、こういうふうに思っておる次第でございます。

内田善利公明党

○内田善利君 次に、自然公園関係ですけれども、沖繩の指定公園が、政府立の公園が、沖繩戦跡政府立公園、沖繩海岸政府立公園、与勝海上政府立公園と、このように三つ指定されておるわけですが、今回この復帰に伴って最初の二つが国定公園に指定される予定で、最後の与勝海上政府立公園は国定公園にならないということですが、その理由をお聞かせ願いたいと思います。

大石武一自由民主党環境庁長官

○国務大臣(大石武一君) いまわれわれが考えておりますことは、沖繩が本土に復活の暁には、あの西表の相当の原始林を、大体これを国立公園に指定いたしたいと考えております。そうして次には、沖繩本島の西海岸の、あれは何といいましたかな、海岸公園です、それを国立公園、並びに沖繩の一番南端にあります摩文仁の丘を中心とした戦跡の公園、この二カ所を国定公園に指定いたす決意をいたしております。ただ、与勝海上政府立公園ですか、これにつきましては、初め政府立公園でございましたが、現在は沖繩政府におきましても指定を解除する方針だろうと聞いておりますし、われわれとしましても、すでに石油基地がたくさんできまして、今後大いに経済的に開発する土地になりますと、国定公園あるいは国立公園としては不向きだろうと思いますので、これは指定しないという方針を考えておるわけでございます。

内田善利公明党

○内田善利君 ちょっと、いまの答弁、わからなかったのですが、与勝公園は国定公園としては不向きだということですか。

大石武一自由民主党環境庁長官

○国務大君(大石武一君) 国立公園なり国定公園の自然公園というのは、第一の条件として環境がやはり正常でなければならないと思います。そういう意味で、いろいろな工業の基地となります与勝政府立海上公園は、やはり不向きであろうと考えます。

内田善利公明党

○内田善利君 私は、この三つが公園になっておりますが、この与勝海上政府立公園が一番山紫水明の美しい公園ではないか、海上政府立公園なんですね、名前からしても、あるいは現実にも、この海上政府立公園は三つのうちで一番いいんじゃないか、一番ふさわしいんじゃないかと思うのですが、また、これが工業立地にもふさわしいということだろうと思いますが、いち早く石油コンビナートもできるし、あるいは三菱開発株式会社等も開発を進めておるというようなことですが、私は、それに先行された結果、国定公園に指定が除かれたのではないかと、このように思うのです。美しい自然のこの公園を省いてまで、あるいは省く以前に産業開発が先行したために、公園の指定をやむなくやめてしまったのではないかと、このように思うのですが、この点はどうなんでしょうか。

大石武一自由民主党環境庁長官

○国務大臣(大石武一君) よく詳しい事情はわかりませんが、初め与勝海上政府立公園として沖繩政府が指定したのでございますから、やはりそのような自然公園としての保存したい御意思があったろうと思うのでございますが、その後いろいろな開発の計画その他のことによりまして、それを一つの大きな工業基地として開発することに方針をきめた、そういうことで、自然公園としてはこれを断念したのではなかろうかと考えておる次第でございます。

内田善利公明党

○内田善利君 国際海洋博も予定されておりますし、こういったこと等を考えますと、やはり与勝海上政府立公園は国定公園として残すべきではなかったか、このように思うわけです。  時間がありませんので次へ移りますが、したがいまして、私は、沖繩はやはり海洋開発と、あるいは海洋に囲まれた沖繩でありますので、もう少し海を大事にすべきではないか、海洋汚染の問題にしても、あるいは海上政府立公園の破壊にいたしましても、この沖繩の実情を無視したやり方じゃないか、このように思うわけです。国際海洋博も行なわれるわけですから、こういったことを思い考えあわせて対策を講じていただきたい、そのように思うわけです。  この海洋開発のことについては、海洋開発研究所等も前向きにつくるかということを検討したいという佐藤総理の本会議での答弁でございましたが、この海洋開発の研究所が、もしできるとすれば、琉球大学等も海洋学部を設置する等を検討を進めていくべきである、そして海洋博に花を飾るべきではないか、また、そういった検討を進めていくべきじゃないか、亜熱帯性特有の沖繩を、りっぱな、そういった海洋公園にしていくべきじゃないか、このように思いますが、最後に総理の御見解をお聞きして、私の質問を終わります。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 私も、大体、ただいま内田君がいろいろお述べになりましたそれらの意見に同感でございます。ただいま海洋開発研究所の御提案もございました。こういうことを予算化するという点についても、なお研究は要する。かように思いますが、沖繩の特性を生かす、こういうことに私どもも重点を置いて開発と保存との調和をはかっていく、かような基本的な態度を守りたい、かように思います。

内田善利公明党

○内田善利君 もう一言、文部大臣、お呼びして何も質問しておりませんが、琉球大学の海洋学部設置はどういうお考えでしょうか。

高見三郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(高見三郎君) お答え申し上げます。  アイデアとしては非常にいいアイデアであると思うのであります。実は、日本の水産大学の中に海洋開発についての学部というものが一つもないということを私はまことに残念だと思っているのであります。ただ、御承知のように、琉球大学は医学部の設置の問題もございますし、また現在、整備しなければならない数々の問題を含んでおりますので、これは、それらのものの整備と相まって考えなければならない問題だと、前向きに検討さしていただくということを御返事申し上げておきます。     —————————————

長谷川仁自由民主党

○委員長(長谷川仁君) 川村清一君。   〔委員長退席、理事鬼丸勝之君着席〕

川村清一日本社会党

○川村清一君 私は、さっそく外務大臣にお尋ねします。  新聞の記事を読みますので、それをお聞きになって、そのとおりであるか、もし違っておるならば、こういうところが違っておるということを率直に簡単にお答えいただきたいと思います。  これは五月十五日の、東京のある大新聞ですから、日本の大新聞でございます。この記事でございますが、「米国資産の引継ぎ交渉は、柏木大蔵省財務官とジューリック国務省特別補佐官との間で進められ、琉球電力、琉球水道、琉球開発金融の三公社、琉球政府庁舎などの行政用建築物、基地外の道路など四種類の民生用資産を有償で引継ぐことは、早くから合意していた。ところが交渉が最終段階にはいって、日本側が那覇空港の完全返還を求める一方、米国側は、沖繩返還によってふえる米軍基地労務者の給与や退職金、基地の移転費用など、返還に伴って米国側の負担がふえる分を日本側が肩代りすべきだと主張、交渉はもつれた。しかし先月末の柏木・ジューリック会談で、日本側の支払い額は資産引継ぎ額と負担増の肩代り分はいっさいを含めて三億ドルとすることで原則的に合意した。引継ぐ民生用資産は協定に明記するほか、「柏木・ジューリック覚書」のようなもので返還後に給与や退職金などが、どんなにふえても日本側は三億ドルのほかには負担しないことをはっきりさせることにしている。ただ、わが国の実質的な負担額はこれだけではない。地位協定によって米軍の使う施設や区域は、わが国が提供することになっているので、返還後沖繩に安保条約が適用されると、米軍の基地用地の借地料や軍事演習用海域の漁業補償費などを、わが国が負担しなければならないためである。」——この記事についてお答えいただきます。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) ただいまの新聞の記事のうち、その交渉が柏木・ジューリック間で行なわれたと、初めのうちはそういう段階を経たと、これは事実です。それから、三億ドルをというのは、私が当時大蔵大臣です。三億ドルで済ませたいと、こういう主張をしたわけです。これも事実でございます。それから、返還後は地位協定が適用されますから、米軍の移動に伴う費用はわが国が負担する、これも事実でございます。その他の面は相当推測記事等が入っているんじゃないか、そういうふうに聞き取りました。

川村清一日本社会党

○川村清一君 三億ドルに合意したのは事実でございますね。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 合意したことはございませんです。私が強硬に三億ドルで済ませたいという主張をしておった時期があったことは事実でございます。

川村清一日本社会党

○川村清一君 その次の記事。先ほどのは五月十五日の記事です。今度の記事は五月二十六日の記事。「対米支払いについては、さきの柏木大蔵省財務官とジューリック国務省特別補佐官の間で、三億ドルとすることで一応の合意をみたが」、——ここまで。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) さようなことは全然聞いておりませんです。

川村清一日本社会党

○川村清一君 その次、「その後米側はこの金額に上積みすることを求めてきた。その際、米側が支払い対象として明示したのが「特殊兵器」撤去費だった。「特殊兵器」というのは外交上の話合いでは核兵器をさすもので、実際のやりとりは、具体的に核兵器という言葉が使われたといわれる。そして、このことは直ちに佐藤首相はじめ政府首脳にも報告された。こうしたいきさつを受け「核ぬき」明確化に”未練”を残していた佐藤首相、愛知外相ら政府首脳は、渡りに舟とこの話にとびつき、協定本文の「対米財政支出」の項目で、「核ぬき」を補強することにしたようだ。といっても、この項目で「特殊兵器」撤去費という言葉をあからさまに明記することは、核の有無について明言することを国内法で禁じられている米側の手前もあり、結局、「核ぬき」返還を約束したとされる日米共同声明第八項に言及するにとどめた。」——この記事について。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 先方から核兵器の撤去費をと、こういう話は出ておりません。私のほうから、核兵器の撤去費を出すからこれを協定上明確にしたいと、こういう申し出をしたんです。ですから、大体において、その話はあったことはああったんです。あったけれども、逆になっている。わがほうから核のことを協定に入れたいと、こういう主張をしたと、こういうことでございます。

川村清一日本社会党

○川村清一君 三億ドルを主張した。総額で三億二千万ドルになった。したがって、日米共同声明第八項に明記された核抜き、これに要する費用は二千万ドル、こういうふうに理解するのでありますが、理解できませんか。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) それは、そのとおりじゃございませんです。私が三億ドルと主張したそのとき、すでに核撤去費を含めまして三億ドルだと、こういう主張だったのです。それに対して、アメリカ側ではかなり多額の要求をした。それで、上積みに二千万ドルと、さらになった、こういうことでございます。

川村清一日本社会党

○川村清一君 結論的に言って、三億二千万ドルの内訳は、七千万ドル程度が、核の撤去などを考慮してアメリカに渡す金でありますが、三億ドルとして主張した、核抜きも主張した、その結果三億二千万ドルで手を打った。そうしますと、この七千万ドルというものを含めて三億ドルと主張しておったのか。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) その当時は七千万ドルじゃございません。五千万ドルです。二億五千万ドルに五千万ドル、そこで三億ドルと、こういうことになる。そういう主張を、私としては、大蔵大臣ですから、渋く、長い間そこでそういう主張をしておったと、こういうことでございます。

川村清一日本社会党

○川村清一君 そうしますと、核関係、そういうものを一切を含めて五千万ドルを主張をしておった。それが二千万ドルふえて七千万ドルになった、こういうことですか。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) まさにさようでございます。

川村清一日本社会党

○川村清一君 しからば、その七千万ドルの内訳は、衆参両院において、いかなる形において追及されても、がんとしてお答えにならないのが、あなたの姿勢である。聞きたいのは国民である。核については確かにアメリカ大統領の専決事項であり、向こうの国内法によってやれない——これは認めましょう。それでは、核を抜いた、七千万ドルのほかのものは幾らか、これをお答えください。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) そもそも総額の三億二千万ドル、これは、資産引き継ぎが一億七千五百万ドルです、それから労務費、これが七千五百万ドル、合計すると二億五千万ドル、それに対しまして、アメリカ側からは非常に多額な要求があったのです、それを五千万ドルでおさめようとした、しかし、それではおさまらぬ、そこで七千万ドルと政治的解決をしたと、こういうことでありまして、内訳がないんです、これは。

川村清一日本社会党

○川村清一君 私は、外務省から出された支払い内容、これをもとにして聞いておる。前のほうの二億五千万ドルはわかる。核の撤去などを考慮して七千万ドル程度が適当であると判断したものである。であるからして、核と核でないものがあるわけでしょう。これは七千万ドルが全部核ですか。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 七千万ドルは、多額のアメリカの要求があった、その要求はどういうことかというと、米軍がいずれ撤退をする、その施設をただで置いていく、それから核の問題もあります。それから特殊部隊の撤去という問題もある、そういうものをひっくるめると数億のものになる、こういう要請なんです。しかし、大蔵大臣としての私はそれを承知するわけにはいかぬ。そこで、総額で三億だ、積み上げ分だと五千万ドルだ、こういう主張をしたんです。ですから、その数億ドルのものが七千万ドルになっておる。したがって、その内訳は御説明できない、こういうことであります。しかし、趣旨は、ただいま申し上げたとおりのものである。   〔理事鬼丸勝之君退席、委員長着席〕

川村清一日本社会党

○川村清一君 だから、私は、核についてはお聞きしませんと言うのです。核について幾らかということを聞いておるのではない。核を抜かしたものは幾らかということを聞いておる。そうでしょう。これは聞けるでしょう。これに書いてあるのは、総額は三億二千万ドル、そのうち資産の引き継ぎで一万七千五百万ドル、退職金負担で七千五百万ドル程度と書いてある。そのほかの核を含めてのものが七千万ドル、この中に核が含まっておる。核は、これは言われない。だから、核以外のことは言えるでしょう。ここまではどうですか。どうしても言われないですか。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 核以外のものを言えば、核はわかります、これは。差し引き残高だから。でありますが、ただいま申し上げておるとおり、多額の要求が米国政府からありまして、その要求は何だというと、核撤去もある、それから米軍の置いていく資産もある、それから特殊部隊のわが国の要請による撤去、こういう問題もある。それらをひっくるめて多額の金額の要求があるのです。それを私は、初めは五千万ドルだと、こう言ったんですが、最終段階で七千万ドル、こういうふうに手を打った。こういうのですから、内訳を言うわけにはいかない。幾ら幾らという説明はできない。しかし、趣旨といきさつはそうだということは、そのとおりでございます。

川村清一日本社会党

○川村清一君 まさにどんぶり勘定ですね。  そこで、国民は、核の撤去費に幾ら使うのかと、そのことは、核があるか、ほんとうになくなるかどうかという問題にも関連してくるし、この協定について一番関心の深い問題です。ですから、国民は聞きたいのです。それで聞いておる。しかしながら、核についてはアメリカの法律があり、言われない、これは認める。しかし、核でないものは言えるでしょう。だから、いま大臣がおっしゃっておるように、特殊部隊であるとかその他のものの撤去費、こういったようなものは一体幾らなんだと、これは言えるでしょう。そうすると、逆にそれじゃ核のことがわかるじゃないかと。それを聞きたくて聞いておるのです。しかし、それは聞いてもあなたのほうで言われないから、言えるものを聞いておるのです。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 多額の要求がある、その要求は、わがほうの、私の当初の五千万ドルと非常に違うのです。それを二千万ドル加えて七千万ドルとした。つまり、米軍の置いていく資産というものは、かなりたくさんのものがあるのです。これはただ無償で置いていくわけなんです。それから、わが国の要請で、なるべく特殊部隊を撤去してくれと、こういう要求をする、わが国の要請によって動かすんだと、こういうようなことで、先方では必要な費用を要求する。それから核の撤去、こういう問題もあります。そういう問題をひっくるめて多額の要請がある。それに対しまして、わが国は五千万ドルと当初は私は言ったんですけれども、それじゃまとまらぬ。で、最後に、さらに二千万ドルを上積みしまして七千万ドルとして手を打った、こういうのでありますから、大体の趣旨は私のお答えで御了解できると思うのでありまするけれども、その中で幾ら幾らが何であるかということだけは、これは申し上げるわけにいかない、そういう性質のものでございます。

川村清一日本社会党

○川村清一君 そんなわけのわからないことに国民の税金を支出して、一体、会計検査院の検査が通るものかどうか、会計検査院の意見を聞きたいと思って会計検査院長の出席を求めておりますが、来ておりませんので、あとで会計検査院の意見をお聞きしたいと思います。  それじゃ進めます。  もう幾ら言っても大臣は言われませんから、押し問答で、しようがない。返還時には完全に核が撤去されておる、こう言っている。したがって、返還時とは、佐藤総理大臣が執念を持っていらっしゃる四月一日になるか、あるいはアメリカの言っている七月一日になるか、その中間で六月か五月になるか、いずれにしても、なった場合において、その返還時とはいつなんですか。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 返還時は、おそらく今度のサンクレメンテ会談で話題になる、こういうふうに見ております。ところが、いま返還時をどういうふうにするかという煮詰めの段階に入っているのです。アメリカ側のほうは七月一日を希望しております。これは会計年度の関係と、もう一つは、法制的な準備はアメリカでは完全に整ったんです。しかしながら、実際上の軍のほうの準備、つまり、これはP3を撤去するとか、核をというようないろんな問題があると思います。そういうふうな準備、これの整う時点は、わが方の要請、早期返還という要請を考えて、いつにするかと、こういう問題がある。それから、わが方の準備の状況があるんです。わが方の準備の状況というのは何かというと、まず、法制上の準備であります。返還協定は成立をした、ところが、まだ関連しての法律案は通らない、こういう状態で、アメリカよりは法制的準備はかなり立ちおくれております。それから事実上の準備はどうかというと、山中長官の主管する諸問題、こっちのほうは進捗状態がいいんでありまするが、施設庁のほうで管轄するところのこの労務の問題でありますとか、あるいは土地の契約の問題でありますとか、そういう問題のほうが、まだはかばかしくない。もっとも、私は、法制上の準備もできない今日の段階だから、しようがないとは思いますけれども、まあ見通しはそう早いテンポじゃない、こういうふうに見る。その辺の突き合わせをした上できめるので、私どもは、七月一日というアメリカの要請に対しましては、なるべく早期というふうには言っておりまするけれども、準備がいつまでに整うか、この辺につきましては、まだ正確なる判断をいたしかねておる、これが現状であります。

川村清一日本社会党

○川村清一君 それはわかりました。  そこで、いずれにいたしましても、何日になるは別として、その返還される時期、いわゆるこの返還協定が効力を発生した時点においては、核及び核に関する一切のもの、施設、システム、こういうものは完全に撤去される、そうおっしゃっておるが、これを再確認してよろしいか。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 返還の時点におきましては、核並びに核基地は全部撤去されます。

川村清一日本社会党

○川村清一君 公用地等の暫定使用に関する法律案についてお尋ねします。  第二条、この点をお聞きするわけでありますが、まず、防衛庁長官に、米軍基地については、現行法によって安保条約の地位協定に基づく施設・区域の提供はできるのではないかと私は思いますが、不可能か。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) これは、施政権が戻ってくるという場合でありまするから、しばしば申し上げておるように、今度の公用地暫定使用法で締めくくってこれを行なうわけでありまするが、その後の方向につきましては、本土並みの方向で検討してまいりたいと思います。

川村清一日本社会党

○川村清一君 施政権が返還されることを前提にする、その時点を前提に質問しているんですから、施政権がないときにできるわけはないんです。施政権が返還されたときにどうするかという法案でしょう。したがって、前提はきまっている。できますね。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) いま御審議をわずらわしておるこの法案によって、米軍基地を契約をし、提供をしていくわけです。

川村清一日本社会党

○川村清一君 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う土地等の使用等に関する特別措置法で、これはできませんか。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) それでは、しばしば申し上げておりまするように、地主の数がきわめて多いということ、不明者があるということ、海外移住者があるということ等々によりまして、適確な契約が結びにくうございます。そこで、今回この法律を適用して、そして契約を結ぶ、結ぶことができないものも、したがって、不明者その他があるわけですから、それはその時点で終われりということには絶対しないで、継続的に話し合いを続けていきたいと思っております。

川村清一日本社会党

○川村清一君 時間がないですから、答弁は、わかっていることですから、簡単にひとつ話してください。  ただ期間が短いこと、現在地主が不明であるということであって、それが一つのネックであって、でなければこの法律でできますね。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) 米国の施政権下におきましては、この特別措置による手続はできません。

川村清一日本社会党

○川村清一君 米軍施政権下でないということを、さっきから言っているじゃないですか。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) 復帰後は、この特別措置法の適用がございます。

川村清一日本社会党

○川村清一君 間違わないで聞いてくださいよ。  それじゃ、いまこの法律を審議することがおかしいじゃないですか。この国会で成立するすべての法律は施政権が返ってきたときに施行される法律でしょう。それをいま審議しているんじゃないですか。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) そこが大事なところでございまして、それは決して不要にならぬわけで、いま本土法をそのまま適用するということでは、施政権返還の日までに間に合わないというわけで、この暫定使用法をお願いしておるわけであります。

川村清一日本社会党

○川村清一君 間に合うか間に合わないかは、あなたのほうの都合でそういうことを言っておるんでしょう。  それじゃ、第二条第一項第二号の水道事業の用に供している土地については、現行法で収用できないですか、厚生大臣。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) 御承知のように、これは、返還時において土地の使用等の権限をそのまま存続を、とにかく一応いたしておきませんと、そこに違法の状態が起こりますから、それでこの法律が必要でございます。

川村清一日本社会党

○川村清一君 それじゃ、現在いま水道に使用している土地の中に、厚生省で調べられて、どのくらい土地所有者で不明であるかという、その数も明確に調べられているんですか。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○国務大臣(斎藤昇君) 少なくとも、布令二十号によるものが六十万二千平方メートルございます。その他、市町村有、私有地が四百八十九万平方メートルありまして、このうちの私有地が、明細はただいまよくわかっておりません。

川村清一日本社会党

○川村清一君 わかってない、わかってないと言って、そう言えばこっちもわからないから、わかってないで通す気なんでしょう。  それじゃ、次の第二条第一項第三号の電気事業の用に供する土地、沖繩電力株式会社について、通産大臣、どうですか。

田中角榮自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中角榮君) 沖繩の電力公社の使用地は五百二十一万六千平米ございますが、この中で問題になっておりますのは、米民政布令二十号による二百七十八万三千平米でございます。この地主が約八千名おりますが、いま調査中でございまして、やはり海外におる者、もうなくなっておる者とか、住所不明の者とかございます。そういう者をいま調べておりまして、さだかにいま何名ということを申し上げられる状態ではありませんが、しかし、引き継ぐときには、当然、それまでには明確な内容を調べるつもりでございます。

川村清一日本社会党

○川村清一君 水道や電気ですね、これは、本土においては、いたずらに水道をとめたり、電気をとめたりしましたら、刑法上の処罰も受けるというようなことになっておりますね。人間の生活に欠くべからざるものでございますね。したがって、防衛施設庁から何百人も行って、いろいろ説得工作をやっておりましたが、この問題ならば絶対に反対するものはないと思うのです。水、電気、これに反対する人はありますか。絶対これはないでしょう。もしもそういう場合は、これは現在の土地収用法を適用してもいいじゃございませんか。それが現行法でもってできないということはないと私は思って、そうお聞きしているのです。

田中角榮自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中角榮君) 精神的にはそのとおりでございます。電力や水道はとめられない。とめられないということでございますし、内地と同じような法制でもって契約は進められると思います。思いますが、そのときまでに住所が確かめ得なかったり、それまで最終的な契約ができなかったりということで、その瞬間に引き継ぐわけでございますから、そのときに法律上政府が違法行為をしないということでなければなりません。そのためには、この法律を通していただければ、この法律によって完全に違法性はなくなるわけでございます。しかし、それは、あくまでもお互いの話し合いによる契約等をはばむものでは全然ない。精神は、あなたが指摘されたとおりだと思います。

川村清一日本社会党

○川村清一君 私は、五年かからなくても、現在の土地収用法で、六カ月でそれらの話し合いは十分できる、かように考えて質問しているわけです。  次ぎ、四号の「沖繩にある飛行場の敷地である土地で、引き続き運輸大臣が設置する飛行場の敷地」、これはどうですか、運輸大臣。同じような答弁はだめですからね。ただ結論だけ言ってください。

丹羽喬四郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(丹羽喬四郎君) 大体御承知のとおり、地主は二百人に及んでおります。それで、ただいま、せっかく民政府を通じまして、協議によりまして引き続き使わせるように交渉している次第でございます。

川村清一日本社会党

○川村清一君 現行法というのは土地収用法、それ類似の法律でできると私は言っている。認めますね。

丹羽喬四郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(丹羽喬四郎君) これはやはり、返還と即時に直ちに使用しなければいけませんので、万一の場合におきましては土地収用法でできるということは確言できないと思っております。

川村清一日本社会党

○川村清一君 返還と即時といったら何もできないではないですか。すべて返還と即時にできるために事前工作をいろいろやっているのでしょう。きょう返還できました、あすからすぐできるわけはないでしょう。この法律が通ったところで、できるわけはないでしょう。返還と即時にやるために、いまからいろいろ工作をやっていらっしゃるのでしょう。きのうかおとといの新聞には、九〇%か九五%了解を得るということが新聞に出ているじゃありませんか。八百人ぐらいからの人を送って一生懸命やっているのでしょう。それを前提にお話をしているのですよ。ですから、土地収用法で、六カ月あるから、これでできないことはないだろうということを私は申し上げておるのです。  次ぎ、第五号の「航空保安施設」、「航空通信の用に供する電気通信設備の用に供する土地」、運輸大臣、どうですか、同じでしょう。

丹羽喬四郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(丹羽喬四郎君) ただいまの暫定使用法第一条の精神によりまして、極力協議によって、そうして継続使用させたいということでせっかく努力をしている次第であります。

川村清一日本社会党

○川村清一君 運輸大臣、そこにおってください。  同号の、アメリカ合衆国から返還され、航空法による航空保安施設の用に供するもの、運輸大臣。

丹羽喬四郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(丹羽喬四郎君) ただいま申し上げましたと同じ方法でやらしている次第でありますが、しかし、これらも、万一の場合、その協定ができないといけないということでございますが、せっかくやはり協議によってやろうということで、努力をしているところでございます。

川村清一日本社会党

○川村清一君 土地収用法だって、協議をしないでやるんではございませんよ。協議してやるんですよ、土地収用法だって。できるだけ協議して、話し合いをしてやるんですよ。どうしてもできないときには、あなた方、三里塚、やったじゃないですか。これと同じことですよ。  第六号、海上保安庁長官が設置する航路標識の用に供するもの、海上保安庁長官、どうですか。

丹羽喬四郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(丹羽喬四郎君) この点も先ほどお答え申しましたと同じ方法で、せっかくやらしている次第でございます。

川村清一日本社会党

○川村清一君 次ぎ、「道路を構成する敷地となるもの」、建設大臣、どうですか。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(西村英一君) 道路のほうは、軍道及び軍営繕道、面積は三百八万平方メーター、その所有者はおおむね八千六百名ぐらいでございます。

川村清一日本社会党

○川村清一君 あなたは私の質問に答えていないです。そんなことを聞いてないんです。道路については、あなたの所管されている法律のいわゆる土地収用法によって、現行法によって収用できないかということを聞いているんです。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(西村英一君) 一応ずっと聞いていたものですから、やっぱりそれを答えなければ……。やはりこれ、引き続いて使用することでございまして、一般の他の公共のものと同様に考えておる次第でございます。

川村清一日本社会党

○川村清一君 できないのは防衛庁だと私は思うのです。防衛庁でも、問題は、二条のイ項「引き続き自衛隊の部隊の用に供する土地又は工作物」、これに問題がある。そして、これと同じようなのがハですね。ハの「ロの土地又は工作物で、この法律の施行の日から起算して一年を経過する日までの間に、地位協定の規定に従いアメリカ合衆国から日本国に返還され、引き続き自衛隊の部隊の用に供するもの」、このハ項は、これは国内において行なわれておるのだから、これはできると思う。問題はイ項だと。ところが、建設大臣は、イ項も土地収用法でできるとあなたはおっしゃっているじゃないですか。これは、高辻法制局長官のいわゆる公共、公用といういろいろな議論を聞くというと、あなたの議論からいうと、土地収用法でできるような気がしますが、これはどうですか。建設大臣と高辻法制局長官から御見解を伺わせていただきたい。

高辻正巳内閣法制局長官

○政府委員(高辻正巳君) 自衛隊の施設について土地収用法の規定の適用ができるかという問題につきましては、いままでも何回か御質疑を受けました。これについては、昭和二十七、八年のころでございますが、法制局の見解が実は示されております。  で、示されております中身は、当時、自衛隊のあるときではございませんでしたが、その理論の筋は全く変わりがないのでございまして、この防衛庁設置法をごらんになりますとわかりますように、防衛庁は自衛隊を管理し運営すると。そうして、その事務に必要な施設を設置するということが仕事になっておりますが、それは土地収用法の三条三十一号にぴたりと当たるという意味で、土地収用法の規定の適用はあるだろう、これは昭和二十八年の回答であり、現在もその見解を申し上げているわけであります。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(西村英一君) 自衛隊の用地も、現在の収用法の第三条第三十一号の条項でやれると思っております。

川村清一日本社会党

○川村清一君 この土地収用法を所管されておる建設大臣に申し上げますが、高辻長官のいまの御答弁も、あなたも、第三条第三十一号のこの規定でもってできるということをおっしゃっておられるわけであります。いわゆる「国又は地方公共団体が設置する」、この中に入ると、こうおっしゃっておるのです。この三条は三十五号まであるのですね、御承知のように。そうして、この中には、第二十五号には、墓地、埋葬等に関する、いわゆる墓場ですね、火葬場ですね、こういうものまで載っているのですね。はっきり明文化されておるのですね。天下の自衛隊がなぜこの中へ入らないのですか、それなら。土地収用法でできるというなら、やったらいいじゃないですか。そうして、五兆八千億円なんていうばく大な金を使う。そして、国を守る自衛隊とおっしゃっておる。その自衛隊がこの中に入らないというのは、どういうわけなんですか。墓場まで書いているのですよ、火葬場まで。当然、法律を改正して入れたらどうですか。そんな変な解釈をしないで。どうですか。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(西村英一君) その三十一号は、国の仕事及び地方公共団体の仕事を一括して読んでおるのでございまして、国の仕事は事業、事務、相当たくさんあるから、自衛隊の用地の問題もその三十一号の国の事業として読めると、こう言っておるのでありまして、列挙すればまだたくさんあるから、一括してそれで納めておると私は解釈しておるのでございます。

川村清一日本社会党

○川村清一君 そういう、へ理屈を言ってはだめですよ。国の仕事を、道路から河川から砂防から、何でも入っているんだ。港湾から、航路標識から、航空法から、気象、海象、全部ここへ書いておるんです。水道ももちろん書いている。電気事業も書いておる。全部書いてあるのだよ。自衛隊だけ書いてないんですよ。堂々と入れたらどうですか、佐藤総理大臣。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 法制局長官から答えさせます。

高辻正巳内閣法制局長官

○政府委員(高辻正巳君) 建設大臣からお答えもございましたが、三十一号と防衛庁設置法、これは時間の関係で申し上げませんが、防衛庁設置法をごらんになりまして、防衛庁の権限、事務、そういうものからまいりますと、この自衛隊の施設も、三十一号の、防衛庁が国の機関として設置する施設になります。したがって、三十一号に該当する。該当しなければ、むろん、別号を掲げて、この法律を改正するという手もございましょう。ございましょうが、いつだか、私は衆議院で、三段論法で入るということを申し上げましたが、これはもう、それぞれに三つに分けて申し上げると、入ってしまうといいますか、そういうことに解釈上なりますので、そういう見解を政府はとっているものですから、わざわざ別個につくる必要はないと考えているわけであります。

川村清一日本社会党

○川村清一君 そういう、へ理屈を言っては困りますよ。防衛庁設置法、それから日本の国に占めるいわゆる防衛庁の財政的その他いろいろのものにおける位置づけ、そういうものを考えたときに、いまのようなわけのわからない、そう解釈して入りますなんていったような——私たちは反対でも、あなた方は自衛隊というものは認めているというか、高く高く、最高に評価していらっしゃるのでしょう。その自衛隊が日陰になっている。大体法律に載っておらぬものは日陰になるでしょう。したがって、いま長官や建設大臣のそういう御答弁のようならば、わざわざこの法律をつくらなくても、いわゆる土地収用法、現在の法律でやったらできるではありませんか。ただ、六カ月というその期間があるだけだ。しかし、それで、私はこれを、時間がないから、差し上げますから、調べてください。三万何千人の土地所有者がある。そうして、不明者がたくさんいるのだとか、外国に行っているのだとか、何とかかんとかいって、それでこれをどうしてもつくらなければだめなんだと、こういうことをおっしゃっているので、そこで、私は資料をいただいた。防衛施設庁からいただいたのと、それから沖繩北方対策庁からいただいた、これは「所有者不明土地の現状」という資料でございます。これ、合わない。両者の数字が合わない。これ、ちょっと、だれでもいいですから持っていって、ひとつ合わしてください。そんなに不明者はたくさんいない。時間がないから、もうやめます。  そこで、山中総務長官にお聞きしますが、この法律をつくる前に、これを国会に、いや国会に提案する前よりも、閣議で決定するまでに、一体これは琉球政府に説明などいたしましたか。

山中貞則自由民主党総理府総務長官・農林大臣臨時代理

○国務大臣(山中貞則君) この問題は、初めは、アメリカと日本との間において取りきめられたものに基づいて提供される施設・区域の引き継ぎにあたって法的に間隙があってはならないという議論で行なわれたものでありますから、私自身、その経過については触れたくありませんが、琉球政府に対して、私がそれについて、法案の是非については問うておりません。

川村清一日本社会党

○川村清一君 私のほうから申し上げますから。本法案は、作成にあたって琉球政府に事前に見せておりません。案文化されたのは十月の十二日であります。国会は十月の十六日に召集されております。十二日に案文化されまして、これは沖繩国会開会の四日前であります。これが郵送されまして琉球政府に届いたのは十月の十六日、国会召集日であります。日本政府は、総理の所信表明演説を終わり代表質問の始まっている十月二十日に野呂防衛政務次官を沖繩に派遣いたしまして、屋良主席にこの法案について説明をいたしました。で、琉球政府は、ほかの復帰関係の六つの法律案につきましても、あるいは返還協定そのものについても、不満や注文はつけたが、反対はしなかったのであります。しかし、基地の強制収用的なこの公用地使用法案につきましては、委曲を尽くして公然と反対を表明したのであります。そこで、そういうような経過をたどってまいりまして、天皇御訪欧に随行しておった福田外相から公用地法案の早期取りまとめが要望されてまいりました。これは佐藤派の幹部だと言われておるのでありますが、それはどうかわかりません。西村防衛庁長官は、道路、空港、電気ガス施設など他の公用地と一括してこの軍用地を確保する——いや、その前にあるんです。その前に、実は、いま総務長官が提案しております復帰に伴う特別措置法の中にこれを入れて何とかやってくれというような話をいたしたわけでありますが、山中長官は、冗談でないと、土地強制収用法と特別措置法と抱き合って心中させられてはかなわないと、だから断固として西村長官の要請を拒否した。その結果、西村長官が、もう東奔西走、各閣僚を説得いたしたわけであります。そうして、宮崎一日内閣のときに、西村建設相や丹羽運輸相と相談されたでしょう。あなた方、西村防衛庁長官にいろいろと口説かれたんでしょう。そうして、もし基地入り口の道路を占拠されたらどうするんだ、あるいは滑走路で一坪運動でも始まったら一体空港が使えなくなるではないかといったようなことで、ひざ詰め談判をされまして、やっと十月一日の沖繩問題関係閣僚会議で、西村長官自身が法案の提案者になることを条件にして、この法案というものは作成されたんだと。したがって、本来ならば、いわゆる自衛隊と基地、軍用地だけあげればいいのである、それを、水道だ電気だ、何だかんだと、みんな一かためにして出してきた、こういう経過があると私は判断しておるんですが、これは全然間違いですか。うそですか。これは、あるところから私が入手した資料なんです。これは全然うそですか。信憑性はございませんか。どなたでもいい、御答弁願えませんか。総理大臣、どうですか。

山中貞則自由民主党総理府総務長官・農林大臣臨時代理

○国務大臣(山中貞則君) 全然うそであるとは申し上げられませんが、肯定もいたしかねます。

川村清一日本社会党

○川村清一君 私も与えられた時間が、もうありません。本来なら、この点から、もっともっとお聞きしたいのですが……。さらに、最も力を入れてお聞きしたいと思いましたのは、沖繩県民の方々が一番ここで審議していただきたいということを願っておるところの振興開発の問題等についてやりたいと思ったのですが、残念ながら、やめます。  そこで、この復帰に伴う特別措置に関する法律案の第三条に、「従前の沖繩県は、当然に、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)に定める県として存続するものとする。」と、こういうふうに書かれております。私は、いろいろ法律を見ましたが、わざわざ「当然に、」なんという、「当然」ということばを入れなくても、「従前の沖繩県は、地方自治法に定める県として存続するものとする。」といっても通るものだと思っておったのですが、特に「当然」ということばを入れたのは、どういうわけでございますか。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(渡海元三郎君) お答えいたします。  行政分離の布告によりまして、あるいは平和条約によりまして、沖繩地域におきましては、わが国の施政権はなくなりましたが、わが国の主権というものは残っておりまして、地方公共団体である沖繩県も完全に消滅したものでなく、潜在的にはこれが存しておった。したがいまして、復帰してまいりましたら、その潜在的に存しておった沖繩県が当然に沖繩県として顕在化してくるということでございまして、特に沖繩県を創設する手続は必要としないのでございますが、沖繩復帰に対しましてはこれは基本となることでございますので、法律的に明確化し、解釈の余地なからしめるために、そのような規定を設けたものでございます。

川村清一日本社会党

○川村清一君 わざわざ「当然」と入れなくたって、これは当然でしょう。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(渡海元三郎君) 市町村の場合におきましては、潜在化しておったものが市町村となるのでなくして、従来米国の施政権下にありました市町村を地方自治法にいう市町村とするという規定にいたしております。その点、沖繩県は、そのまま潜在化しておりましたので、その面を明らかにするために「当然」という字句を入れさしていただいたのでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 関連。  これは総理に聞きますが、この法律を全部読むと、たいへん論争しなきゃならないたくさんの問題がある。しかし、時間的にあれですから、第三条に限ります。  いまのような答弁だと、ますますこの法律がなっていないということになる。それは、小笠原復帰の際の議論で、高辻さんは、領土権が属している、残っているということと、区域が当然に東京都の区域に属するということは同じ断面での話ではない、こう断言をされています。答弁は四十三年五月二十一日の連合審査会であります。したがって、政府部内には、あのとき、小笠原直轄統治論があり得たのです。こういう論理が成り立つ。そして、あるいは、かつての大村以下五カ村を無視して、小笠原村をつくった。そうでしょう。領土権が残っていることと区域の問題は別だというのです、総理。こういう法制局長官の見解からすれば、この特別措置法の第三条は、区域設定の条項でなければならなくなります。したがって、自治大臣の御答弁というのは間違っている。すなわち、法理的には——政治的には別です。政治的にはそう理解します。われわれも理解します。沖繩県と言ってきているんです。法理的にはそんなことにはならない。小笠原のときに、東京都に属する小笠原諸島の区域をもって小笠原村を置くとした。そうなってくれば、ここでは「存続するものとする。」などというような法律にはなりません。明確に、沖繩諸島の区域をもって沖繩県を置く、三条はこうなければならないと思う。総理、いかがですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 法文のことですから、法制局長官に答えさせます。

高辻正巳内閣法制局長官

○政府委員(高辻正巳君) お答え申し上げます。  ただいま御指摘の答弁、私、すぐには浮かんでまいりませんが、領土権と区域というものは、そのままには——別のものだと私は思っておりますが、いま御指摘の問題について、私も速記録を調べたいと思いますけれども、領土権と区域という問題は必ずしも同じものではないと、別の分野から考えられてしかるべきものだと思いますが、それよりも、御指摘の点は、置くのではないかと、新たに、という問題でございます。これは、私は、たいへん学理上の問題といいますか、そういう問題としては全く一つの論点だろうと思います。沖繩県が、この法案にあるように、従前の沖繩県と同一の法人格を持った地方公共団体として、それこそ当然に存続することになると考えるのが正しいのか、あるいは御指摘のように、沖繩県という地方公共団体が新たに設置されると考えるのが正しいのか、この問題は、研究課題としては、とめどもない議論の焦点になると、正直のところ、そう思います。政府の法制当局としても、率直に申し上げて、当然この両論について検討を加えました。加えましたが、結局は、施政権の返還前から、御存じのとおりに、沖繩県と言い、沖繩県民と言って、これを少しも疑わなかったという国民的感情こそが右の両論のうちの存続説の正しさを示すものではないかと考えたわけであります。それには、もとより理論的根拠が必要であります。理論的根拠なしに、国民感情だといって、われわれはそれにくみするわけにいきませんが、その理論的根拠は、先ほど自治大臣がお話ししたとおりの理論納根拠をもってこの規定を置いたわけであります。「当然に」というのはなくてもいいではないかと言われれば、あるいはそうかもしれませんが、しかし、これはその趣旨を一そう強調する趣旨であるのが、私は、入れてよかったのではないか、また入れるべきではなかったかと考えております。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 総理ね、法制局長官がいみじくも言われましたとおり、とめどもなく続く、本来なら、私は、ここでこの委員会、時間をストップして結論を出してもらわなければ、この三条というのは了解をすることができません。いまの答弁でも了解することができません。研究をしなければならないと答えられているわけです。これはたいへんな問題なんです、実は。私は、たいへん残念な状態の中での論議になりましたから、これ以上の論戦をやることができないのでありますが、しかし、率直に言って、小笠原のときにあのような条項でいったのに、この沖繩のときには違う意味というものは、自治大臣の答弁でも、法制局長官の答弁でも、解明はできません。  この特別措置法第三条の「従前の沖繩県は、当然に、地方自治法に定める県として存続するものとする。」というこの条項ですね。これは、従来の沖繩県の区域がある、そこに住民がいるという問題、言ってみれば感情論、その問題と、法人としての沖繩県が統治をするということは、これはまさに別の断面の問題であります。別の断面の問題であります。法人としての沖繩県というのは消滅をしてしまっている。法制局の見解というのは、そういう見解であった。とすれば、この条項の書き方はまさにおかしいんですよ。これはもうこの機会に修正をされなければなりません。ここで直されなければなりません。従前の沖繩県が、地方自治法に定める県、いわゆる法人としての県です。その法人としての県として存続するものというわけですから、法人としてあった従前の沖繩県、これが、占領という行為によって、その期間フイクション化したわけです。そうして復帰によって地方自治法に定める県として復活するわけです。そういうことになってしまう、この書き方でいくと。第三条のこの書き方でいくと。これは自治大臣、ちょっと明確にしておこうじゃありませんか。総理、自治大臣、どちらか答弁してください。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(渡海元三郎君) 私は、法人としてあった従前の沖繩県が行政分離によってそのまま消滅したんでなくして、潜在化してあった、それが復帰によって顕在化したのだと、こういうふうに解しております。  なお、詳細は事務当局から答弁させます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 行政局長、悪いけれども、時間がありませんからね。これは、どっちみち続けてやりますが、本来なら、私は、ここで修正を求める。こういう形で実はこの法律を通すわけにいかない、ほんとうは。そこで(「衆議院でまた修正だ」と呼ぶ者あり)これは他院のことについてまで言いませんけれども、総理、深くこのことは記憶にとどめておいてもらいたい。法制局長官が言われたとおり、論争の残る問題というふうに私は考えません。自治大臣、法人としての沖繩県というのは、それはやっぱり消滅をしていますよ。しています。これは明確です。それは、腹の中ではそうお思いになっている。しかし、ここでは変えるわけにはいかぬとお思いだから、そういう答弁を繰り返される、そういうことだと思うのです。わずか二十分の中でやろうとするのですから、汗かいてもこれ以上深く言いませんが、それは、たとえば小笠原復帰の際に示された、先ほど言いました領土権があるということと区域が東京都に属しているということとは別の断面の問題であると法制局長官が言われているわけです。この見解というのは、法制局長官が首をひねられても、ぼくはここへ議事録を持ってきていますから。  そこで、これは地方自治法の施行以前の県や市町村の区域を自治法施行後の県や市町村がそのまま引き継ぐという問題と、法人としての県やあるいは市町村の統治権の問題とは、これはもう別の断面の問題であるということを明確に示していますよ。私は、そうなれば、地方自治法に「普通地方公共団体の区域は、従前の区域による。」というあの五条ですね、この条項があるということは、こういうことを示している。自治法施行前の法人としての県や市町村というのは法律的には消滅してしまっており、新しく設定された法人としての県や市町村が従前の区域をそのまま踏襲するというのが地方自治法のたてまえである、おそらく行政局長、そう答弁されます。そうすると、法律的にすでに消滅をしてしまっている法人としての従前の沖繩県を復活させてしまっているこの条項は明らかにおかしい、これはおかしい。総理、そうじゃありませんか。私の論理は間違っていますか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) どうも法律論でございますから、いろいろ理論も立つと思いますが、私は、いま御提案して御審議をいただいておる法律で、ただいまのような目的、これは達すると、先ほども、何だか、それも目的は達すると言われたように聞き取ったのですがね、どうも、そうじゃないでしょうか。  なお、法制局長官から、先ほど名前が出ておりますから、小笠原の場合とつけ加えて説明させます。

高辻正巳内閣法制局長官

○政府委員(高辻正巳君) 私も実は御指摘の速記録が見たいわけでありますが、しかし、御指摘の中にもありますように、領土権と区域の問題が同一の断面の問題であるとは、私も、いまでもそう思いません。したがって、そうであるからこうであるという結論は、私は、どうもこれを了承しかねるものでありますが、しかし、それは別といたしまして、確かにおっしゃるような議論というものは研究課題としてはあると思います。法制局部内でも、正直のところ言って、両論がございましたわけです。これは全くとめどもない議論になると思います。しかし、いずれにしましても、この法律で措置すればいいことでありますので、先ほども申したように、施政権の返還前にわれわれ国民が沖繩県と言い、沖繩県民と言っておったという国民的感情は、やはりかなりそこに大きく働いてしかるべきものだと思います。そこで、私どもは、そういう理論的根拠は十分に成り立ち得るものですから、その理論をとりまして、法律の上にこれを明確にした、要するに、法律の上に明確にされれば、沖繩県というものは、まさに儼乎として少なくも存在を疑われることはございませんので、そっちのほうの見方からこういう規定を設けたというのが、ほんとうのところであります。私は、また、こういう規定にしたことを喜んでおるものでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 これは、総理大臣、七条を考えたっておかしいのですよ、同じことが言えます。沖繩の市町村は地方自治法の規定による市町村とすると、なぜ、せずに、「なるものとする。」、こうなるか。そして、もっとふしぎなのは、小笠原のときにあのような形でやりながら、沖繩のときには、なぜ違うのですか。それは、まさに総理、だめですよ、ああいう答弁は。これはやはり修正しましょう、修正。これは合意できる。与党の皆さんだって、このことはちゃんと了解されます。皆さんが了解できますよ、このことは。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(渡海元三郎君) 先ほどの中で、自治法によりまして従前の区域をそのままの地方公共団体とすると、そのときには沖繩県はもう施政権下になかったと、だから、あの法律の規定は、自治法のときには前の法人格が消えてしまって、それで新しくあの自治法によって法人格をつくる必要としてつくったのだ、こういう解釈にすると、法人格の沖繩というものはないじゃないかと、こういう御趣旨じゃなかったかと思いますが、私たちは、あの自治法によって顕在化しておるところの沖繩県はないが、あの自治法の改正のときにも潜在化しての沖繩県はある、こういう解釈のもとに、今度は上がってきたと、こういうふうに解釈したので、七条との違いは、市町村は、行政分離以前の市町村がそのまま顕在化するのでなくして、現在ある市町村を復帰と同時に今日の市町村とする、こういうふうになっておりますので、その点、沖繩県の場合と市町村の場合を異なった規定をいたしたと思います。この思想に基づいて、小笠原のときも、奄美のときも規定をいたしておると思います。私も、法律問題につきましては詳しくはありません。もし必要でございましたら関係事務局から……。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) これは先ほど法制局長官も答えましたように、立案の最中にいろいろ議論があったと、ようやくこれにまとまったと、こういうことでございますので、政府間ではこのほうがよろしいと、かように考えておるのでございます。

和田静夫日本社会党

○和田静夫君 最後に。いま、自治大臣がいみじくも言われましたよね。七条もね、「となるものとする。」となっているのです。いま、あなたの御答弁で、「する。」といたしましたと、こう言われたでしょう。だから、自治体問題の専門家としてのあなたは、ちゃんと潜在的には、私が言っている主張をのんでおられるのです。したがって、答弁では「する。」と、こういういま答弁をされた。この辺はみごとにそうなんですよ。そうだから、総理、論争がいろいろあったと言うけれども、多数は私の論争ですよ、多数は。なぜ少数の意見というものをここにとらなければならないか、こういうふうに思うのです。これは、与党の皆さん一緒になって、ここは修正したほうがいい。明確です。意見だけ述べておきます。

川村清一日本社会党

○川村清一君 これで終わります。  それで、先ほど、会計検査院長が来ていないですから、速記録によって、答弁は文書でいただきたい。委員長のほうにお願いします。

長谷川仁自由民主党

○委員長(長谷川仁君) わかりました。  速記をとめて。   〔速記中止〕

長谷川仁自由民主党

○委員長(長谷川仁君) 速記を起こして。  この際、五時四十分まで休憩いたします。    午後四時四十四分休憩      —————・—————    午後五時四十六分開会

長谷川仁自由民主党

○委員長(長谷川仁君) ただいまから委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、質疑を行ないます。森中守義君。

森中守義日本社会党

○森中守義君 総理にお尋ねいたしますが、今回の返還協定交渉の原点というものは、一体政府としては何であったのか。つまり、四十四年の共同声明ということが一つの踏み台にはなっているわけです。しかしながら、踏み台になっているとはいいながら、少なくともアメリカがなぜ沖繩を持っていたのか。なぜ日本は返還を求める権利があるのか。いわばこれが、私の言う返還の原点、こういうことなんです。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) これは、御承知のように、サンフランシスコ条約で、沖繩のいわゆる施政権はアメリカにまかせましたけれども、領土権は保有した。潜在領土権はわが国にある、こういうことでございますから、その立場に立ってわれわれが返還交渉をした、こういうことでございます。しかし、これがジョンソン大統領さらにまたニクソン大統領とその話し合いがついたのも、これは申すまでもないことですが、沖繩百万の同胞、これが施政権下においてどうも自分たちは満足ができない、一日も早く祖国に復帰したいと熱烈なる復帰運動をしている。さらにまた、わが国の一億国民も、本土防衛の犠牲になった沖繩県だ、こういう意味で、施政権下において苦しい思いをさせておくにしのびないじゃないか、われわれは早くあたたかく迎えよう、こういう本土国民と沖繩百万の県民の願望が一致して、これがアメリカを動かすことができたと、かように思います。

森中守義日本社会党

○森中守義君 これは共同声明のどこを見ましても、残念ながら平和条約三条ということはどこにも出ていない、むろん交渉の過程ではいろいろあったでしょう。けれども共同声明に関する限り、とにかくよろしくというような、そういったようなことに終始しているのですね。つまり権利義務という関係は、外交交渉の中で少なくとも議論をされたということが公にもそうでない場面でもあまり言われない。ですから、私はこの原点ということは、総理がしばしば言われる沖繩の心をと、こう言われる場合に関する限り、五二年及び六二年ですね、二回にわたる立法院の決議がある、その決議というものは、条約三条というものがすでにその効力を失っている、したがってすみやかに返すべきものである、こういう趣旨のことが、当事国であるアメリカ政府並びに国連及び加盟各国に出されている。しかも、アメリカではそのことを受けて、上院下院の軍事委員会あるいは聴聞会等において直ちにこのことが議論をされた。沖繩、その住民というものはその独立を希望していない、すみやかに日本に復帰したいという意思が表明をされているということが聴聞会の会議録等できわめて明瞭に出ている。ですから、何も短い時間でこういう法律論をやろうとは思いませんけれども、条約三条というものは、すでにそのときに、アメリカの政府要人もしくは国会がそういう表明をしたときに、信託統治提案をするというこの根拠は消滅したと、こう見るべきだと思う。そういうことをやっていると時間がなくなりますが、要するに私が言う原点とは、この二つの決議を踏まえたものがほんとうの原点でなければならなかった。しかし、残念ながら共同声明にうたい込まれているものは、権利義務というものは全然感じられない。その辺に残念ながら政府の返還交渉に当たられた筋、原点、こういうものがよくわからない。重ねてお答えいただきたい。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 私はただいまのように考えておりますが、これはやはりアメリカに、岸内閣当時に返してくれと、こういう交渉をしたけれども、その際は、アメリカは簡単に実は断わっております。しかし、私は、その後日本の独立と申しますか、力がついてきたと、こういうところにアメリカは、日本をやっぱりよきパートナーとして考える、これと提携することがアジアの平和維持のために絶対必要だと、こういう認識に変わってきた、これが一つの大きなアメリカのこの問題との取り組み方についての姿勢を変えたゆえんだと思っております。私は、最初に小笠原復帰、少なくとも沖繩は持っておる軍事基地等でいきなりこれを話してもなかなかむずかしいだろう。まず大体見通しをつけてみると、小笠原を保有していることはどうも意味がない。まずこの辺から相談してみよう、これを相談してみると、それは比較的簡単に返してくれた、これが第一歩であります。同時に、ほんとうのわれわれの願いは、小笠原というよりも沖繩なんだ、こういう話をすると、それについて深い理解を示してくれた、これがジョンソン大統領との交渉の経過であります。それに基づいて、私はニクソン大統領と話し合いをすることができた。その間において、私がニクソンとの会談以前に、これは立法院におきましても祖国復帰、さような決議をされたことも私は知っておりますけれども、とにかくそういうような経過をたどって、日本が相手になる、一応相談できる、これはやっぱり権利義務としてとやかく理屈を言うよりも、お互いがたよりになる相手だ、こういう信じ合うという、それがやはり目的を達するゆえんだ、私はかように考えるのです。でありますから、いままでもたびたびさような説明をしてまいりました。しかし、これはどうも権利義務で割り切ると、なかなか持っているのは放さないだろう、かように私は思います。だから、その辺のところはいろいろの見方がありましょうが、私は以上のような見方をしております。

森中守義日本社会党

○森中守義君 三条論をやっておると、きりがありませんので、少し先に進めますが、先ほど申し上げたアメリカの議会でこういうことが言われているのです。六二年の上院の軍事委員会、ここで言われているのは、沖繩の基地機能の維持をやっていくには住民の理解と協力がなければできないものなんだ。そこで、沖繩の住民というものは返還を強く希望しておる、それにこたえねばならぬという論旨におおむね一致している。ですから、私はことにこれを問題にしますのは、今回の返還協定といい、いまここで審議している関係法案といい、むろん沖繩にもこれを可とする者、否とする者があるでしょう。けれども、私はひとつここで引用したい。ごく最近、出されたものの中に、琉球新報社長の池宮城さんという人が一文を寄せられている。非常にこれは傾聴に値する内容のものですよ。やや言われているものは概念的なものに尽きておりますが、しかし、将来に対するきわめて重大な示唆がある。どういうことかといいますと、一節の中に、「これからの沖繩」ということで何と言われているか、「沖繩国会は返還協定の批准を可決するであろうし、四月か七月か、いずれにしても来年中には沖繩返還は事実となるにちがいない。沖繩返還の実現という事実を花道に、佐藤首相も次の誰かにバトンをわたすことになるわけである。それで沖繩問題は片づいた、ということになるかも知れないが、「だが、しかし、やっぱり沖繩問題は残されている」と一般国民はやがて知らされることになるはずである。虚構と真実はすりかえられるものではない。」こういうことを琉球新報の社長は最近のエコノミストに発表されている。私はこれが重要だと思うんです。したがって、衆議院並びに参議院を通ずる返還協定並びに関係法案の審議ということは、ただ一日中議論をすること、総理は各閣僚から御意見を承ること、知恵を貸してもらうということが私は中身だと思っていない。言いかえるならば、否とする者、可とする者が沖繩にある。むろん本土にもそれがある。要するに問題を将来に残すことになる。これを非常に憂うるからであります。ですから、いま琉球新報の社長の一節を御紹介いたしましたが、どうですか、総理、あなたは、両院における審議の経過あるいは世論の動向、そういうものからして、万事沖繩問題は片づいた、こういう認識にお立ちになりますか。それとも、将来何か予見されるようなものがあるのじゃないかということを思われるかどうか、そのことをひとつお聞かせ願っておきたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 私は、これで全部沖繩問題が片づいたとは思いません。そのことはしばしば申し上げたとおりです。しかし、沖繩が祖国に復帰しないと、不平不満、県民を納得さす、満足さす、そういうわけにはいかない、そういうことだけははっきりしている、かように私は思っております。

森中守義日本社会党

○森中守義君 外務大臣、いままで米華、米韓、この相互防衛条約ですね、この中に、アメリカの管轄圏という地域の規定があるのです。これは当然、在来の沖繩はアメリカが施政権を持っていたわけだから沖繩も入っていた。常識的に今回これは抜けると思うのですが、そのとおりでしょうね。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 管轄圏というのは初耳なんですが、航空識別圏ですか、ちょっといま——じゃ政府委員からお答え申し上げさせます。

井川克一外務省条約局長

○政府委員(井川克一君) 森中先生の仰せのとおりでございます。米韓では、行政的管理のもとにある領域における締約国に対する太平洋における武力攻撃、米華におきましては、西太平洋地域においていずれか一方に対して行なわれる武力攻撃でございまして、米国についてはその管理下にある西太平洋の諸島をいう、ということになっておりますので、現在は沖繩はこれに入っておりますが、沖繩返還とともにこれからはずれるわけでございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 そこで、はずれないものが二つある。言うまでもなく、米比相互防衛条約、ANZUS条約、この二つは、沖繩にアメリカが基地を保有する限り、軍隊を存続する限り、この両条約からのがれることはできない、こういうふうに私は考えるのですが、どうですか。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 米比にせよANZUSにせよ、これはわが国とは関係ないのです。この条約によってアメリカが義務を実行する、そういう際に、日米安保条約の趣旨に従って沖繩の基地が使用される、こういうことになる。したがって、他の国がアメリカと結ぶ条約には沖繩の基地は関係はない、こういうふうに御理解を願います。

森中守義日本社会党

○森中守義君 福田さん、ANZUS条約と米比条約、中をごらんになったことがありますか。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 詳しいことは存じませんです。

森中守義日本社会党

○森中守義君 外務大臣、ごく制限された時間の中で、なまくらな政治問答をやっているんじゃないんですよ。わからなければわかるようにきちんと聞いてください。見てもいないのに、そんなことを——知りませんとは何ですか。ないとは何ですか。ちゃんと事務当局に聞いてみて、どういう関係があるかくらいを懇切ていねいに説明してもらわなければ困る、そういうことでは。関係あるから聞いているんだよ。人を食った答弁をしてもらっては困る。

井川克一外務省条約局長

○政府委員(井川克一君) 米比におきましては、太平洋地域における締約国に対する武力攻撃太平洋地域にある締約国の管理下の島または軍隊、公船、航空機というのでございます。ANZUSにおきましても大体同様の規定があるわけでございます。したがいまして、ANZUS、米比では、先ほど米韓、米華のときに申し上げましたように、管轄下にある島でございます。その琉球が、しかし、今度復帰とともにそれではなくなります。しかしながら、太平洋地域における軍隊、公船、航空機規定がございます。しかし、このことは現在、本土でも全く同じでございまして、沖繩の特殊性ではございません。

森中守義日本社会党

○森中守義君 いまの答えが大体正しい。特殊性はありません。けれどもあるのです。これが一番関係あるのですよ。他のものには公船、航空機というものが規定されておりません。しかしアメリカの軍隊が太平洋の地域にいる。そこで公船、航空機——まあ公船という定義上の問題はいろいろありましょう。けれども沖繩に、ことに巨大なる基地がある。これが日本の本土と異なった性格を持っている。そこで、公船もしくは航空機が領海外でかりにいかれても、これはやはりANZUS条約、米比条約というものは動くということですよ。防衛庁長官どう思われますか。それが危険だと言っているのです。

井川克一外務省条約局長

○政府委員(井川克一君) ANZUS条約及び米比条約は動きます。しかし、このことと日本国とは関係ございません。

森中守義日本社会党

○森中守義君 直ちに関係は、それはないでしょう。まあ、けれどもそこに日米安保条約というものが自動的に動く可能性がある。非常に危険ですよ、これは。そこでいま一歩——時間がありませんから議論を進めますが、衆議院並びに参議院で、核それからきのう、化学兵器の問題がだいぶ議論されました。そこで私は、いまのANZUSと米比の問題が将来に残された沖繩の危険な一要素である、ファクターである、こういう認識を変えることはできません。けれども、少しでも今回アメリカにおいでになる際に内容的なものはもうちょっと固められる必要がありはしないか。それは言うまでもなく事前協議の問題、もちろんこれは、安保条約四条を基調にして考えていけば、交換公文で規定をされている事前協議というものは、発議権がある、変え得る可能性のものなんですね。そこで、アメリカの極東に、日本に展開をされている軍事力というものが、これが抑止論の理論の上に立っておればこそ、極度な機密が守られる。したがって事前協議というものがうまいぐあいに動かない。そこで、幾ら総理が返還時においては核はありません、化学兵器はありませんと、こう言われてみても、そうかと言うわけにはいかぬのです。だから、これはまあ実際問題としましてきわめて困難な問題だと思う。けれども、現在規定をされている交換公文、すなわち事前協議の条項というものはあまりにも概念に過ぎる。いま少し相なるべくは具体的に、たとえば重要な装備の変更であるとか、あるいは部隊の移動であるとか、こういう一連の問題はもちろん、核の点検、これ等については、ニクソンと総理との間の単なる話し合い、合意ということでなくて、交換公文それ自体をいま少し内容を変えてみる、そのことがしばしば答弁をされる疑惑に対しての答えになりはしませんか。どうですか。

長谷川仁自由民主党

○委員長(長谷川仁君) 福田外務大臣。

森中守義日本社会党

○森中守義君 総理がいるんだから、総理ですよ。総理がニクソンと話されるんだから。あなたは総理になってからでいいんだ。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) これは外務大臣もしばしば申しておりますように、私は私なりにニクソン大統領と私が相談すると、約束すると、これより以上のものはないと思っております。しかし、なかなかどうもそれは信頼できないと、こう言われますが、本来、相互に同盟条約を結ぶという、そういう同盟関係にあるということは、相互に信頼しない限りそういうことはできるものではございません。したがってやっぱり、ただいまのような最高責任者がやはり約束すると、こう言うことが何よりも大事なことだと私は思います。しかし、もっとわかりいいような方法があるならば、そういう方法も採用してしかるべきだと思います。それがいろいろ巷間でうわさされているとおり、いままでのロジャーズ国務長官がアメリカの国会で証言した、パッカード次官がこれを証言した、そんなことじゃだめだと、まだだめだと、こう言われておりますから、何かもっと皆さんが納得できるような方法はないだろうかと、これは外務大臣と私なぞが相談している最中のものでございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 もっときびしい拒絶反応かと思いましたら、わりに柔軟でしたね。つまりアメリカの国会も非常にシャープですよ、核の問題になりますとね。それで、いまパッカードの話も出ましたが、今回の返還協定をアメリカの上院が議論する際に、ロジャーズ国務長官は何と言っておりますか。公開の席上では言えない、しかし核は返還のときにはありませんと、こう言っている。そこで議員の追及に対して、願わくは秘密会議にしてほしい、こういうことがもう公然と流されているんですね。ことに週刊「朝日ジャーナル」あたりはその全文を掲載していますよ。ですから、そういうところに、公開の席上ではないと言う、ほんとうなことを聞きたければ秘密会議にしてくれ、こういうことになりますと、それはその最高責任者が条約を結んでいる、それは相互信頼の上に基づいているんだと、これはそのとおりでしょう。けれども、実際問題としてそのとおりにいかないのが今日の日米の関係です。ドルはどうなんですか。繊維はどうですか。これらのことを考えますと、それは信用せい、まかせておけと言われるから、何といっても一国の総理ですからね、ごうまつも疑いたくありませんが、事実は疑わざるを得ない。ですから、他にかわるべき何らかの方法がということでもけっこうです。私はそれでも下がりますが、何かよい知恵をお考えになって、この交換公文をもう少し正確なものに、内容的なものに検討してくるという、この約束は当然なことと思うが、できるでしょうね。いかがですか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 外務大臣も首を横にします。縦になかなかしませんから、外務大臣の意見もひとつ聞いてください。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) いま核の問題が非常に大きな問題になっております。したがいまして、この核につきまして、なおさらに核が沖繩及び本土にないことを確認すると、この方法はどんなものだろうかということについて私どもいま思いをめぐらしていると、こういう段階でございます。そのことを総理がお答えになった。森中さんは、さらに一歩進んで、この事前協議の対象事項について相談、再協議できないかと、こういうような御趣旨でございますが、この事前協議の対象事項というのはずいぶん長い間論議をいたしましてつくり上げた、その結晶なんです。これをいま変えるというのは非常にむずかしい話じゃないか、そういうふうに思います。そこで、私はせっかくのお話ですが、その事前協議の対象の変更という問題につきましては、この席ではお答えいたしかねるということで、いま首を横に振っておったわけであります。

森中守義日本社会党

○森中守義君 外務大臣、知恵の福田といわれる人がそういうことだと思わなかった。総理は、前向きに考えようと、こう言われているのですよ。やがてあなたはその座にすわられるかもしれない、そのときのことを考えるならば、いまから少しこう知恵をしぼりまして、もうすぐ目の前のことだから、そんなむちゃなことは言わないで考えておきなさいよ。それが、そのことが先ほどの琉球新報の社長の論説にこたえる一つの道でもある、沖繩の心にこたえる道なんだ。延々と国会が議論をしたことの一つの収穫にもなりますよ。形はどうであろうと、そこまで私は言いません。むしろ無理な言い方をするならば、交換公文を変えていらっしゃい、中身をもっと充実していらっしゃい、こういう主張をしておりますけれども、必ずしもそれにこだわる必要はない。少なくとも、日本政府がいつでもアメリカの基地の中に入っていって、ヤギがいる、これはおかしいと、化学兵器じゃないか、あれは核じゃないか、弾頭はどうしたと、こういったようなことを常に協議の上に点検できるようなせめてその辺の合意には達しようじゃなかろうか、私はこういうことを言っておるわけですがね。それはどういう方法でもかまいません。が、相なるべくは、横文字を縦の文字に直してみれば、なるほど総理、外務大臣が言われたことが、これは守られたということを、信憑性が持てるようなことをサンクレメンテでひとつやってみてください。できない、どうしてもだめだ、話もしないでだめだということはないでしょう。やってみてだめだったならだめでしたということを次の予算委員会で答えてもらえばいいんで、話もしないでだめですよということはないですよね。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 先ほど琉球新報ですか、この社長さんのお話を承りまして、私も同感のところがあるのです。つまり米軍の基地が沖繩はじめわが本土にたくさんあります。これを円滑に維持していくというためには、わが国民の協力を得なきゃならぬ、そういう立場にアメリカが立つ。これが私は非常に大事なことじゃないかと、こういうふうに思います。ですから、特にその基地の多い沖繩につきましては、これを円滑に運営していく。これはほんとうにアメリカとして心しなければならぬ問題である、そういうふうに思うのです。そういう広範な問題についてとっくり話をしてみたい、それはそのとおりに考えているのです。ただ、森中さんが、事前協議の対象条項を変更すること、これを確約せよと、こう言うから、それはなかなかここでは答えにくいと、こういうふうに申し上げたわけでありますが、しかし、非常に幅広い範囲内においてそういう種類の問題はこれは話し合ってみたい。総理もおそらくそう考えておられると、そういうふうに思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 核はもうどんな場合でも、持ち込みの事前協議にはノーと答えると、これははっきり確約をしております。これはそのとおり信じていただきたいと思います。また、こちら側には、こちら側から事前協議はありませんけれども、随時協議というものがあります。そういう意味で、ただいまのような御心配があれば、それは随時協議すると、こういうように、いまの取りきめでも十二分に足らない点を補うことができると、私はかように思います。

森中守義日本社会党

○森中守義君 非常に前向きのお話でした。相手が何と言うかわかりませんが、お話しになるものと私は信じて、いまの項は受け取っておきますが、そのとおりで総理、よろしゅうございますね。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) よろしゅうございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 総務長官、だいぶ長い間おつき合い願ったから一言聞かなければいけませんな。請求権の問題ですよ。きのう田中寿美子さんから、ニミッツ、あの布告の話がちょっと出ましたね。端的に言うならば、あの布告には日付がない。日付が入っておりませんけれども、あの布告が動き出したのは昭和二十年六月二十二日、これは非常にはっきりしておる。したがってその時点から平和条約発効まで、ヘーグ条約に基づくつまり軍占領であったと思う。ところがいま議論をされている、問題になっている請求権の問題は一体いつからなのか。その辺があまり明瞭でない。昭和二十年八月十五日以降から現在に至るまでのものと、こういうイメージが非常に強い。私はニミッツ布告が六月二十二日に出ているわけだから、その差が約一カ月余りあります、二カ月近くある。このとき以後の事実、つまりヘーグ条約にもとるという事実がたくさんあったと思う。これをどこでどう処理していくのか、その窓口をどこにつくるのか。しかもなお進んで政府は積極的に——非常に困難でしょう、相当前のことですから。それをやられるかどうかということが一つです。  それからいま一つは、日米共同声明、この中の八項か何項かに、協議会の下に準備委員会をつくる、その準備委員会の中に、現地における諸般の混乱を回避するために屋良主席に入ってもらう。まあ、しいて屋良さんとは言いませんですけれども、あの文言では主席という表現がされている。主席を顧問に迎えると、こう言っておるわけですね。その背景をなしているものは、復帰に備え、返還に備えていろいろな紛争を避けたい。少なくとも沖繩のいろいろなものを採用したい、処理したいということにあったと思う。ところが結果においては、もう主席による建議書というものは御承知のように非常に分厚いものです。こういう建議書が出たということは、顧問に迎え入れられながら、沖繩の屋良主席の県民の意向というものはくまれなかった、こういうことに私はなろうかと思う。したがってその間の、総理とニクソンとの合意に達した、主席を顧問に迎える、問題の処理を極力その中で消化するという作業が一体どの程度続けられてきたのか、もう時間がなくなりましたが、簡単にそのことをお答え願いたい。まあ、これは外務大臣も関係があるかわかりませんね。どうぞ御両者から。(「二つとも外務省の問題」と呼ぶ者あり)

井川克一外務省条約局長

○政府委員(井川克一君) 第一点は私の問題でございます。  今度の協定は、第三条に基づきまするアメリカが保有しておりまする施政権の返還に関する協定でございまして、その中において扱われておりまする請求権の放棄、原則としてその他請求権の解決は、したがいまして講和後のもので、講和後のものを扱っているわけでございます。それ以前のものは平和条約によって取り扱ったものでございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 だから、違法事実がたくさんあるわけだからね。じゃあそれは総務長官の所管かもわからない。手がつけられていない。これからやるわけでしょう。認めるかどうかという問題です。時間がありませんよ、言ってくれなきゃ。

井川克一外務省条約局長

○政府委員(井川克一君) 講和前につきましては、日米間の政府間の関係におきましては平和条約十九条で日本国が請求権を放棄しておりまするが、その後の措置といたしまして、アメリカが布令第六十号によりまして、いわゆる見舞い金を支払っております。千七百万ドル程度でございます。わが国もまた十億円のものを琉球にお払いしているわけでございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 六月二十二日にさかのぼっているのかね。わからぬ。

山中貞則自由民主党総理府総務長官・農林大臣臨時代理

○国務大臣(山中貞則君) もう外務省がどうだこうだという話はやめます。要するに日本国民であり、日本の国土である沖繩における沖繩県民が、事実上ニミッツ布告が発せられた日に一応いくさは終わった。しかしながら本土が降伏するまでは日本とアメリカはまだ戦争状態であった。その谷間にあって犠牲になった人たちが、平和になったとはいえ、やはり交戦状態の中の戦勝軍でありますから、その間いろいろなことが起こったであろうことは想像にかたくありません。したがって、それらの問題の処理について私のほうで、総理からある程度の示唆が先般ございましたように、総理府がいろいろな問題の相談の窓口に当たるようにということでございましたから、ただいまの点は私のほうでできる限りの調査をして、そうして国がそれにいかに対処すべき責任があるか、責任があるという前提に立って努力をしてみたいと思います。

森中守義日本社会党

○森中守義君 もう一つ、顧問の問題。

吉野文六外務省アメリカ局長

○政府委員(吉野文六君) 御存じのとおり、準備委員会は、沖繩がまだ日本の領土に返ってこない間にですね、米国とわが国が屋良主席を顧問として迎えまして、そして三者の間で沖繩復帰のための準備をやろうと、主として民政移管の準備をしようと、こういうことでございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 終わります。     —————————————

長谷川仁自由民主党

○委員長(長谷川仁君) 矢追秀彦君。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 諸般の事情で慎重審議を主張してまいりましたが、非常に時間も少なくなりましたので、簡単に質問してみたいと思います。  最初に外務大臣にお伺いいたしますが、本日マイヤー大使とサンクレメンテ会談の下打ち合わせをされた。その点について報道がなされておりましたが、その内容についてお伺いしたい。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) サンクレメンテ会談の準備のためにマイヤー・アメリカ大使があした帰国するんです。それに先立って私に会いたいと、こういうことでありますので、サンクレメンテ会談の段取りについて主として打ち合わせをしたわけです。打ち合わせの結果きまったことはございませんです。わがほうの見解を申し述べた。つまり報道官というか、そういう種類のものをどういうふうにするか、あるいは日程について、総理と大統領との会談をどういう時点で行なうかとか、それからさらに、議題につきましてわがほうの希望を申し入れました。議題というのは、これは広く国際社会の問題、これは中国問題を含めております。それから日米間の個別問題、これは主として沖繩の問題であります。そういう種類の打ち合わせでありますが、こまかいことは、これは外交上の問題でありますので申し上げるわけにはまいりませんです。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 テレビの報道によりますと、アメリカ側は沖繩返還の日取りを七月一日と主張したと、それに対して外務大臣は前々からの要求を述べられたが、記者会見の感触によると五月ないし六月の可能性があると、そういうことを示唆されたと、こういうことが報道されておりましたが、その点についてはいかがですか。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 返還日が沖繩の問題の中で一つの議題になるということは話し合ったわけです。ただ、その席でアメリカ側がいつを希望すると、日本側がいつを希望すると、こういうような内容のことはありませんです。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 いま言われた、日米間の個別問題が主として沖繩問題であると言われましたが、この本委員会におきましても、あるいは協定委員会等を通じまして、総理はしばしばサンクレメンテ会談においていろいろ話し合いをしてくるということを具体的にかなりおっしゃっております。核撤去の問題、あるいはVOAの問題、さらにわが党の黒柳議員が昨日質問いたしました毒ガスの問題等、かなりの項目にのぼると思いますが、そういう点を整理をされましてその議題をきめたといま言われましたが、そういったこまかいといいますか、こまかいけれども重要問題ですが、こういった問題もテーブルにはのせられたのかどうか、その点はいかがですか。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) いま矢追さんが御指摘の問題は、大体わがほうとしてはテーブルにのせたいと、こういう希望を申しております。

黒柳明公明党

○黒柳明君 関連。  ただいまの御質問、また昨日の私の発言について二、三まとめて——時間がございませんもので、質問したいと思います。  まず、先般の委員会におきまして、佐世保のアメリカ海軍基地前畑弾薬所に毒ガスがある、こういうことにつきまして、私、米軍の弾薬庫の識別票をつけまして提示いたしまして、その後調査されたその結果をまだ伺っておりません。これはどうなったか。  第二点、昨日の送り状、致死性毒ガスの送り状。横浜の港を出て受け取り先が佐世保であります。当然また佐世保にこの致死性毒ガスが持ち込まれたのではなかろうかという新しい疑惑が出てまいりました。これについてどのように対処なされるか。  第三点、昨日総理にも書類を見ていただきましたが、催涙ガス、あるいはくしゃみガス等の非致死性のガスが六五年、あるいは六六年代に岩国、厚木、佐世保ないしは追浜等に三万ポンドぐらい多量に無目的に持ち込まれている。こういう非致死性毒ガスとはいえ、無目的に多量に持ち込まれた場合にこれはどうであるのか。こういう点、加えておきます。  外務大臣、昨日、わが国には毒ガスはないのだというようなことを、昭和四十四年以前にはないとおっしゃいましたが、もうすでに三十五年の安保国会、三十六年等々十数年前から政府は、毒ガスはないんだと、こういうことをお述べになっておりますが、昨日の外務大臣の御答弁は若干食い違いがあるんではなかろうか、この点大臣に。  最後に総理大臣に、致死性毒ガスがあった、政治責任を感じていらっしゃる、具体的な行動はどういうふうになされるのか、この点もあわせてお答え願いたいと思います。  以上であります。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) お答えを申し上げます。  最初に、佐世保の件でありまするが、これは十二月十日の佐世保米艦隊基地司令官のステートメント、これによりますると、致死性の化学兵器は佐世保兵器廠には全く存在しないと、こう明言をいたしておるわけであります。そこで、海上自衛隊で調査いたしましたところでも、前畑地区の弾薬庫に貯蔵されておりまするのは通常の弾薬でありまして、一部照明弾、発煙弾等の化学弾薬はあるが、いわゆる毒ガス兵器は貯蔵されていない、こういうことが判明した次第であります。  で、また第二点の横須賀から佐世保への移送の問題、これはきわめて重大な問題で、しかも事実関係であります。したがって、御提示の資料をもとにいたしまして、十分調査をいたしたいと思っております。なお、この調査についてでありまするが、前回の横須賀に持ち込まれたあの問題、これもまあ比較的以前の問題になりまするので、多少手間がかかることは御了解を願いたいと思いますが、事柄の性質上きわめて重大でありまするので、外務省を通じ、米大使館に対し厳重に、強くこの調査要求を続けてまいりたいと思っております。  それから第三点、いわゆる非致死性のガスについてであります。この催涙ガス等の非致死性といいますか、このガスにつきましては、これは今日自衛隊も所有をいたしております。警察等もまあ持っておるわけでございます。そういう点で、これは毒ガスとはさい然と区別をするということで御理解を願いたいと思っております。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) きのう、黒柳さんに私がお答え申し上げましたが、それは、毒ガスの存在につきまして日米間で問題があって、そしてアメリカ政府に交渉をしたと、こういうことは、私の知る限りにおいては四十四年が初めてだと、こういう意味だったんです。しかし、それはそれとしまして、取り調べてみました。みますると、この一般的な論議はかなりあります。五、六回あります。ことに三十六年でありましたか、池田総理が、毒ガスはこれは国際法上禁止されておるものである、したがって、これは安保条約事前協議事項以前の問題であると、こういうような趣旨をお答えしておりますが、そのことをつけ加えさしていただきます。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 黒柳君が具体的な事実についていろいろあげられました。私は、いま最後に外務大臣が申しましたように、よもや致死性の毒ガスあるいはその他の毒ガスが——これはまあ国際法上禁止されている、ジュネーブ条約で禁止している、まあ日本はそれを批准している、そういう状態のものでありますから、よもや日本に入っておるとは思いませんでした。しかし、それがすでに送り状その他によって事実と思われるような事態が起きておると、私の責任を追及される、これはまあ当然のことだと、かように思います。まあ政治家は責任をのがれるわけのものではございませんし、ことにこの種のもの、これについては、厳重なる責任を追及されてしかるべきものだと、私はみずからかように反省しておるわけでございます。したがいまして、対策はどうするのか、責任をとるという、そういう意味で、ただやめてしまうというだけでは事は足りないと思います。私どもは、やっぱり国民から信頼される、また、国民が危険に感ずるような事態が起こらないようにすることが、当然の政治家の責任ではないかと思いますので、この意味に立って、いわゆる事前協議ということは当方からはございませんけれども、われわれが随時協議を緊密にすることによってかなうような事態を解明することができるんじゃないか、そうして事態が起こらないこと、それを防ぐと、こういうことでなければならないと、かように思いますので、一そうこの随時協議というものを有効適切に利用する考えでございます。御了承願います。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 マイヤー大使との会談の内容については、外交上の問題であるからあまり言えないということでございますが、基本姿勢というものはこれは別に明らかにされてもいいのではないか。こういう姿勢で行ってくると国民の前に明らかにして、そして、ニクソン大統領と会った結果こうであったと、また、その点についてはまたいろんな議論があったと、これはかまわないと思うんですが。ある程度の基本姿勢はお示しになったと思うんです。と言いますのは、けさのラジオの報道あるいは各紙等を見ますと、外務省としてはこの基本姿勢をまとめたと。特に中国の問題等についていろいろ出ておりますが、この沖繩の問題と、まあいろいろございますけれども、一つ一つやると時間がありませんので、沖繩の問題と、特に中国との問題についてはどのような基本姿勢で臨むという点を外務省ではおまとめになったのか、また、総理はそれを受けてどういうふうな態度で臨もうとされておるのか、その点をお伺いしたいと思います。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) もちろん、サンクレメンテ会談はもう一週間そこそこの後に迫っております。ですから準備をしなきゃならぬ。準備作業は進めております。それを総理に報告し、総理の裁断を求めると、こういうことになります。中で一番大事な問題は、何と申しましても、国際情勢が流動化、多極化しておる、その多極化に臨む、世界情勢に臨むわが日本の姿勢いかん、こういうことだろうと思います。それと、また中国問題——その中における中国問題であります。これは十分検討して、そしてこの会談に臨まなければならない、そういうふうに考えております。  それからもう一つは、両国間の関係で一番問題はやはり沖繩問題である。あなたがいま御指摘に相なりましたように、返還日をどうするか、あるいは核についての解明の問題があります。あるいは基地についての問題等々があります。そういう問題、それをいまわが外務省において問題点を整理をいたしておるという段階でありまして、そのまだ中身がどうだと、これは総理に御報告もしない前に申し上げるということはまだ早いのじゃないか、そういうふうに考えます。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) いま外務大臣から話をいたしましたように、十分連絡をとるひまがまだ見つかりませんで、ただいま外務省で材料をそろえておる段階でございます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 時間がございませんので、最後に、七〇年代で一番大きな課題とされておりましたこの沖繩の問題も、いよいよ終盤戦になってきておりますけれども、この屋良主席の建議書の中にも、これからの沖繩の問題につきまして、「ただ単に経済次元の開発だけではなく、県民の真の福祉を至上の価値とし目的としてそれを創造し達成していく開発でなければなりません」と、このように言われておりますが、先ほどの質問にもございましたが、沖繩問題はこれからであります。返ったから終わりでなくて、今後の沖繩に対する政府の政治というものが、へたをしますと非常にいろいろな面で大きな問題になる。沖繩の人たちを傷つけることも出てくるでしょうし、沖繩の人々がほんとうに期待をされておるような本土並みにならない点が十分考えられます。特に私は、総理がどうお考えになっているかの一点にしぼりますが、この二十六年間アメリカの支配下にありまして、そうして沖繩の人たちは私たちとはかなり変わった環境下、経済は基地経済、あるいは自分たちの生活のかてとしておる食糧にしても、あるいは飲み物にしても、かなりアメリカのものが多い。まあアメリカナイズされた面もあるわけです。しかし、沖繩の人たちの心はそんなものによって動かされてはいないと確信をしておりますが、表はそういうふうになっている場合があります。それが本土復帰になって一挙に大きな激変にあうわけです。このときに非常にいろいろ問題が出てくる。こういった面でやはり沖繩に、返還にあたっていままで政府はいろんな点で積み重ねもされてまいりましたが、まだまだ足りなかった。四月になるか五月になるか、あるいは七月になるかわかりませんが、半年後返還になったあとの急激な変化に沖繩の人は耐えていかなければならない。円の問題、ドルの問題もあります。そういう沖繩の人たちがいま変わろうとしておる激変に耐え得るかどうか、それは非常に心配されている面もあるわけです。そこへ、まだまだ環境はいままでと同じように米軍基地の中に住まなくちゃならない。この沖繩の人たちをどう総理は、変えていくと言っては非常に言い方が悪いのですが、どのように沖繩の人たちをあたたかく迎えようと——自民党のポスターにありますけれども、されておるのか、これから総理が取り組まれる姿勢、いままでいろいろ伺いました。ただ、ことばだけではなくて中身も含めてお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) まあ、こういう問題はしばしばリップサービスと、こういうことで、口先ではうまいことは言うけれども、実効があがらないんじゃないか、こういう批判をしばしば受けやすいのでございます。その基本においては、何といっても沖繩の同胞が戦中戦後を通じて本土と断絶している、それについて理解を十分持たないと、ただいまのことはただ単なるリップサービスに終わると、こういうことになるだろうと思います。ことにこの断絶は年齢の相違にもあります。私は、やはり年齢の層によってもよほど認識の相違があると、かように思いますが、とにかく若い人たちも、新しい時代をこれから築くものでございますから、ただいまある断絶、それを埋める、そういう気持ちで取り組むことがまず大事だろうと思います。それには何といっても沖繩の現地に出かけ、現地の方々ともう少し親しくつきあうこと、そういう機会に恵まれないと、この断絶はおそろしい結果を生み出すのではないだろうかと思います。私は、屋良行政主席の建議書、あれを読んでみまして、「はじめに」と書いてあるところ、あそこには非常にわれわれの心を打つものがございます。これなぞは、あとの具体的対策はともかくとして、ぜひとも私どもが理解しなければならない事柄のように思います。このことを一言申し上げて、ただいまの沖繩祖国復帰、これがただ単にこれで終わったというものではなくて、真実沖繩を理解し、沖繩の心を心として沖繩県民に報いると、こういう心がけが必要だろうと、かように思います。     —————————————

長谷川仁自由民主党

○委員長(長谷川仁君) 栗林卓司君。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 先ほど来、これで沖繩の問題が終わったわけではない、むしろこれから始まるのだという趣旨の御発言がございました。全くそのとおりだと思いますし、国際的にみてたいへん激変する政治、経済の状況下で沖繩返還、本土復帰という作業を進めていくわけですから、これからが実はほんとうの仕事に取り組むということだと思います。そういうことで、雇用問題あるいは経済開発の問題を中心にしながら二、三お伺いをしてまいりたいと思います。  これまで政府の御答弁の中で、沖繩が労働力の流出県、過疎県にならないで、百万県民がそのまま沖繩で豊かに暮らすことが目標なんだとたびたび御答弁になっておりましたし、そのときあわせてこの問題がたいへんむずかしいことだということも指摘されてまいりました。全くそのとおりだと思います。そこでこの雇用問題について、振興開発特別措置法案の三十八条を見ますと、「(職業の安定のための計画の作成等)」という条項が起こされております。そこで労働大臣にお伺いをいたします。三十八条を読みますと、後半の部分で「就業の機会の増大を図るため」云々「必要な事項に関する計画を作成し、その計画に基づき必要な措置を講ずるものとする。」というように書いてあります。この計画を作成し、必要な措置を講ずるというのは、ことばで書くのはきわめて簡単ですが、実際にこれをほんとうに計画的に将来を展望しながら取り組もうというのは決して簡単な仕事ではないと思います。そういう要求ももちろんわかりますが、この計画について、現在どのような展望と計画がおありなのか、伺いたいと思います。

原健三郎自由民主党労働大臣

○国務大臣(原健三郎君) お答え申し上げます。  雇用関係は、御存じのごとく、返還後におきましては基地の縮小、それから制度の変更等によりまして非常に離職者も出ることが予想されております。それで、そういう離職者が幾ら出るか、その把握にいま鋭意つとめておるところでございますが、それに対してすみやかに対策を講じていきたい。その第一は、なるべくまあいまおっしゃったように計画を立てて、沖繩開発法によって離職者の出ないように公共事業をやる。公共事業に対しては、失業者の出る場合に失業者の割り当て等を法律でもってきめまして、積極的にその雇用の促進をやっていく。そのほか、御承知のように、軍関係もどうしても縮小の傾向でありますから、第一種、第二種等も離職者が出てまいります。これに対しましては、本土における駐留軍関係離職者等臨時措置法で、この法律が適用されますから——これは御承知のように、最も手厚い手当てをいたしております。この法律によって、一種、二種の方には職業紹介の手当を出す、あるいは職業訓練の手当を出して離職者対策をやりたい。また次には、御承知のように、沖繩のこういう一種、二種でない第四種の方々に対しましては、駐留軍離職者等の法律が適用できませんので、それに対しては沖繩振興開発法によって救済いたします。この法律は大体駐留軍離職者等の法律と類似いたしております。これに準じてやります。そこで職業紹介あるいは職業訓練等もいたしますし、職業訓練等におきましては、これは一番沖繩でやるのはこれでございますから、この職業訓練を強化いたしましてやっていきたい。その他一般の、この両方の法律の適用できない一般の者については、中高年齢者等雇用促進法を活用いたしまして救済策をやっていきたいと、こういう計画を立てている次第であります。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 いろいろこまかに伺いました。簡単に要約をすると、どのくらい離職者が出るのかというめどをまずつかまなければいけない。また不幸にしで離職者、失業者が出た場合には、それの再雇用の口をどうやってさがしていくのか、つくるのか、まあ簡単に言えばこの二つ、そのちょうど中間のところを労働省の管轄としていろいろなこまかい諸対策をするということだと思います。問題は、沖繩がかかえているジレンマの一つというのは、経済開発のためにはやはり基地問題、基地縮小に取り組まなければなりません。ところが、基地縮小即失業問題とうらはらに伴ってまいります。一方ドルの防衛措置という関係では、基地が縮小されないままでも、軍関係離職者が、ある日突然に出てくるということも想定されます。そういう意味で、どの程度失業者を想定しなければいけないのか、その辺のめどというのは、これは労働省ではなかなかつかめないことだと思います。時間の関係上お答えは要りません。  そこで、これまで、基地の縮小整理の問題について、外務大臣から、とにかく一生懸命にやりますという御答弁がありました。その御熱意を疑っているわけではありません。ただ、これから沖繩の雇用問題、経済開発ということを考えますと、単に外交面で一生懸命にやるというだけではない、国内問題が伴って出てまいります。したがって、いますぐ基地の整理縮小計画を示せとは言いませんけれども、今後沖繩問題に取り組む上で、大まかではあっても何がしかの計画がなければ、労働省の受けようがないと思います。この点について外務大臣の御意見を伺います。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 基地問題につきましては、しばしば申し上げておりますが、これは長期的に見ますると、極東の緊張緩和、これが非常に大きな影響を持つんじゃないか、こういうふうに思います。それからもう一つ、つけ加えられますのは、ニクソン・ドクトリン、こういうようなこと、アメリカの財政事情ですね。この二つが大きな変化要因になってくるんじゃないか、そういうふうに見ております。しかし、沖繩県民の心情を考えまするときに、そういう客観情勢の変化、これをただ手をこまねいて待っているというわけにはいかぬと、こういうふうに思うのです。  そこで私は、沖繩本島の中部地区、これが基地が稠密に過ぎるということに着目をしておる。それからもう一つは、基地機能はなかなか客観情勢の変化がなければ変わらぬが、その基地の機能維持以上に土地を使っているというような問題はないかというとらえ方をしておるわけなんです。それから、いわゆるリフレッシュメントの施設、そういうようなものについて再検討する必要はないか。そういうことで、私のいま当面非常に取り急いでおる考え方に従いますれば、これは非常に成功するかしないか、むずかしい問題です。しかし、熱意を込めてやりますが、かりにこれが成功しても、基地機能というものには大きな変化は出てこないんです、これは。そういう種類のものを取り急いでやっていこうというので、私のいま構想しておる基地の整理縮小計画が進行いたしましても、大きな労務問題に発展するということはないと、こういうふうに考えている次第でございます。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 簡潔な御答弁でけっこうなんです。  いまの外務大臣のお答えを要約しますと、さしあたってだれが見ても要らない部分は返してもらうように努力するけれども、基地そのものの機能についてはなかなか手がつけられる情勢ではない、こういうお答えだったと思います。  ただ、いまの質問は、十年という時限立法にもせよ、ある程度十年先ぐらいを見渡しながらの質問をしているわけですから、そうなりますと、国際情勢の変化を含めて、どうなってくるか、ほんとうに来年のことはわからぬわけです。したがって、基地の機能そのものにも手をつけた整理縮小まで、当然日本政府の重要課題として取り組んでいくことになるだろうと思いますし、またすべきでしょう。大体、異民族軍隊がそう長く違った国の中に基地をかまえるということは、決して幸福なことではありません。その意味で、いま伺ったのは、そういうことではなくて、あらかじめ教えてもらわなければ労働省だって受けようがないということを率直にお認めになりますかということです。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) ただいま申し上げましたような事情でありますので、年次計画をもって、基地機能がどういうふうに変化していくんだろうかということを申し上げることはできませんです。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 軍関係労務者の場合、これは基地の機能そのものとは関係なく、たとえば四種雇用に変わるとか、あるいは雇用の量そのものが変わってくるとか、主として米軍の側の事情での雇用量の変化ということが想像できると思います。そこで、それに対していろいろな準備をする、新しい雇用を造成していかなければいかぬ。その意味で、なるべく早く米軍の雇用計画について日本としてもタッチをしていかなければいかぬと思いますが、その辺について、当面のお考えとこれからの計画を伺いたいと思います。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) 御指摘の点はきわめて重要だと思います。そこで、アメリカ軍側がやはり根本計画は立てるわけですが、しかしいま御指摘の雇用関係については、施設庁の部員が合同協議の仲間に入りまして、そうして的確に、アメリカ軍側の基地縮小にしろ移動にしろ、そういった状況を把握していく、これは大事だと思います。それを的確に把握しながらどう対応するか、これは御指摘のようにきわめて重要でありまするので、今後十分留意をして最善を尽くしたいと思います。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 とにかく、それぞれ一生懸命にがんばりたいという御答弁ですから、これ以上深追いはいたしませんけれども、ただ、今後の沖繩という問題を考えますと、きわめて重要な側面だと思います。したがって、基地の問題にしてもいろいろ言いづらい面もあるとしても、意のあるところはぜひおくみ取りいただきたいと思います。その上で、どちらにしても失業者、これは避けられないと覚悟せざるを得ません。じゃ、どうやって新しい雇用を沖繩でつくっていったらいいか。まあ開発計画を見ますと、具体的には書いてありませんけれども、工業地域の指定あるいは特定事業所の認定ということで、まず沖繩の開発の一つの柱に、本土からの企業の進出ということが計画されているように思います。ただ問題は、本土からそういう期待し得る企業というのがほんとうに沖繩に進出していくだろうか、この点について山中長官の御見解を伺いたいと思います。

山中貞則自由民主党総理府総務長官・農林大臣臨時代理

○国務大臣(山中貞則君) ドルショック以来、予定して土地まで買っておりました松下電器、あるいはまた私どもが雇用貢献度の非常に高い、そうして公害を起こさないという意味でも歓迎しておりました大型造船の川崎重工等が相次いで進出をちゅうちょいたし始めましたことについては、私はきわめて遺憾に思い、心配をいたしておりますが、通産省とよく相談をしながら、そのような、地場産業と競合せず、しかもなおかつ沖繩における新しい雇用の需要を喚起するような、しかもまた沖繩に付加価値が落ちていくようなものについて積極的に努力をしたいと思うのです。しかしながら、他面、沖繩の地場産業はほとんど中小企業でありますが、それに対する施策は一応行なわれてはおりますものの、本土のような手厚い措置が行なわれておるとは言いがたいものがあります。したがって、復帰いたしまして——本土では、御承知のように、近代化指定業種等すでに計画を終わったものは、もう業種として消えておるわけですけれども、沖繩においては全面的にそれを復活をして五年間にそれを受け付けますし、また構造改善等についてもそれを新しく適用しよう、また本土の指定業種の中に入らない沖繩だけの漆器等については、これは当然入れていくような地場産業の配慮をしながら、そして金融公庫の融資等をそれに対して行なっていくことによって、新しい地場産業の生成発展していく姿も、私たちとしては絶対に見失ってはならない条件の一つだと考えております。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 別に議論をするつもりはありません。ただ、疑念を晴らすという意味で御意見を申し上げてみたいと思うのですが、結局、沖繩が直面する状況をさらに掘り下げてきますと、なぜ本土で過密過疎問題が起こったんだろうかということだと思います。これはいろいろな理由があると思います。ただ、一つ大きな理由として指摘ができるのは、日本経済が開放経済に移行したということだと思います。そうなりますと、国際競争力に耐え得る産業、企業の基盤確立ということが、これは輸出立国の日本の国是からいっても当然必要になります。産業の集約化、企業の合併、再編成ということが数年前積極的に進められたことは記憶に新しいところだと思います。そうなりますと、国際市場を見渡した企業が日本にそう幾つも存在できるわけではありません。好むと好まざるとにかかわらず、産業別に寡占化という傾向が起こってまいりますし、その寡占企業が、臨海地帯という地の利を生かして、太平洋ベルト地帯に続々と新工場を建設した。それらの企業が日本全土を市場とし、さらに国際市場を見渡しながら、今日の日本の産業形態というのをつくってきたということだと思います。そうなりますと、幾ら本土の過疎地域で地場産業ががんばろうといっても、もう国内で競争力格差が出てまいりますから、従来の地場産業はなかなか立ち行きません。また、新しく地場産業を起こしたとしても、その芽はつまれてしまいます。そういう仕組みがいま日本経済の中にでき上がりつつあるし、でき上がってしまったし、しかも一カ所で生産して、それを全国にまこうというんですから、交通状況がまことに深刻になって、現在問題になってきたと思うんです。じゃ、こういったものを正していったらいいのか。ところが、残念ながらこれが一億国民が豊かに暮らしている、国際競争力と密接な関係があるのですから、一がいにいかぬとは言えません。こういう日本経済の仕組みの中に沖繩がそっくり返ってくるわけです。現在寡占化し、しかも臨海地帯に工業立地を求めたそれぞれの輸出型産業、企業が沖繩に行くかというと、まずそのメリットは想像できません。しかも、いま輸出型の産業ということを考えますと、産業なり企業が独立してぽつんとあるんではありません。膨大な関連産業との関係でそれぞれが存在し合っているわけです。そうなりますと、企業一つだけを持ち出して沖繩に移植しますと、関連産業がないわけですから、移植のしようがありません。じゃ、関連産業と含めて持っていくかといいますと、これは観光立国といいますか、観光を重点にする沖繩の政策とは基本的に相いれないものになります。そう考えますと、たとえば松下の場合のように、過疎対策の解決の一環として、多少採算は無視してでも、地方に工場をつくろうという政策をお持ちのところは別として、まず一般論としては、沖繩にいわゆる大企業が進出することは、例外はあったとしても、原則として想像ができない。じゃ、もし関連産業をあまり持たないものがあり得たとしますと、それは例外なく装置工業です。別な言い方で言えば、公害型企業ということになります。そう考えますと、実は前段の、二つ来る予定がなくなってしまったんだけれどもというお話ですけれども、本土から企業が進出するということをあまりあてにした沖繩の開発というのは、しないほうがいいのではないかと実は私に思えてならないのです。そこで、議論するわけではなくて、むしろ御見解を伺う意味で質問いたしました。

山中貞則自由民主党総理府総務長官・農林大臣臨時代理

○国務大臣(山中貞則君) 建設業界などは、まさにこれから巨大な投資が行なわれるであろう沖繩において、特殊なしゅんせつその他の技術を、本土でも数社しか持っていないというような場合等において、やむなく沖繩に行くことがあっても、これはやはり地元の建設業者の育成というようなことで消化できていくものだろうと思います。しかしながら、全く沖繩にない産業というものを持っていく場合においては、どうしても企業はやはり採算をある程度無視してくれるところがあっても、その松下でさえも、政策上の立場からだけで解決できない立場に、いま追い込まれているわけでありますから、したがって、金融公庫なんかでめんどうを見ることはもちろんでありますけれども、やはり企業全体の、いまおっしゃる採算の上から考えた場合にも、乗れる条件というものがやはり考えられなければなりません。  そこで、本来ならば、沖繩が本土に返ってまいりますと、沖繩県でありますから、税制上はおかしいのでありますけれども、特定地域の指定企業については、進出した場合において、海外投資損失準備金制度を活用することにいたしました。また、これは地場産業も、内外を問わず、外国企業も入ってくるかもしれませんが、自由貿易地域がやがて設定された場合には、自由貿易地域投資損失準備金というようなものを設けて、やはり企業が全体として考えた場合に、沖繩に自分たちも出て行って、国策に沿い得るような考え方の上に立てるような政策は、税制上も金融上もとりたいと思っておりますが、それでもしかし、なおかつ、企業というものは、採算を度外視しての活動というのはあり得ないわけでありますから、したがって、私もその点は同感な点がたくさんございます。ただ、沖繩が、現在は施政権の壁があって、パスポートその他のめんどうな手続もあったりして、幸いにして人口流出の度合いが、本来の沖繩県が日本本土の一県であった場合を想像したら、おそらく年率一〇%以上の流出があったろう。それが食いとめられているという状態を、何とかこのまま沖繩の新しい発展のための人材として、流出しないようにしなければならぬ。その意味において、既存産業へのてこ入れということも十分しなければならぬと考える次第でございます。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 実は、いま長官の言われた地場産業、既存産業のてこ入れ、これが私には沖繩開発の主力ではないかという気がいたします。そこで、じゃ、どうやってそれを振興開発していったらいいんだろうか。これは、これからいろいろ新しくできる沖繩県と相談をされながらごくふういただく話だと思いますけれども、当然いまから御検討されている点でもありますから、展望を含めて伺いたいと思うのです。  そこで、沖繩における物価安定のための緊急措置としまして、四百四十品目、二十億円という支出をされました。最大の理由は、本土に対する沖繩から見た貿易依存度がたいへん高い、四百四十品目、二十億円もかかるということだと思います。裏返して見ると、どんな地場産業をこれから興していったらいいかということでもあるかと思います。しかも、昨日も申し上げましたように、これがほんとうに日本の経済圏に入りますと、これまでのドル建て、円建ての差額を埋めるようなああいう処置はもう不可能です。結局、物価高は覚悟せざるを得ない。それはどう補うかという論議は別にして、二十億円に託した趣旨をもう一つ生かしていくとしますと、生産性をそんなにそこなわない限度で、沖繩の自給率を高め得るような地場産業の育成ができないかということも着目点ではないかという気がいたします。この辺で御見解をいただきたいと思います。

山中貞則自由民主党総理府総務長官・農林大臣臨時代理

○国務大臣(山中貞則君) これは沖繩本島とその他の島においてきわめて顕著な相違があると思います。いまの二十億の問題は、日本が円を一六・八八%切り上げる前の措置でございますから、したがって、さらに復帰までに相当な金額をつぎ込んで、それを維持していかなければ、沖繩の人々の犠牲を救うことはできませんので、これについては、私どもとして、総理の約束どおり実行してまいりますが、しかし、それは、いまある本来受けるべきでない損失をかろうじて四百四十品目にカバーしようとする努力であって、本来、沖繩県がみずから自立した経済圏の中で、そのような本土の影響を遮断して生きていけるという手段へは、何の貢献もなし得ないものである、そのことは私も認めます。したがって、沖繩本島における地場産業の振興というものは先ほど申し上げたとおりでありますが、離島においては、キビとパインの工場というものが——大体において、よほど地元の人たちに有利な観光事業でも出ない限りは、普遍的に恩典をもたらす企業は存在いたしておりません。すでに今度の台風でも西表の糖業会社が破産をいたしました。それを何とか農協に頼んで操業してもらうことにいたしたわけでありますけれども、この砂糖キビ産業、パイン産業というものの企業合理化、近代化、そして対外的にも太刀打ちのできる産業にできるように育てていって、やはり離島の人たちは大地もしくは海から収穫を得るしか手段がございませんので、そういう面にも十分の配慮を用いていくつもりでございます。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 地場産業あるいは既存の産業の育成という観点でもう一つお伺いをいたします。  現在、沖繩の内国税制あるいは関税を見ますと、本土とはずいぶんと違っております。詳しくは申し上げませんけれども、すでに御承知のように、たいへん保護貿易的な税をとっております。これについて、移行に関する特別措置としては、大体五年間を限って本土に近づけていくという御方針です。これはいつまで違っていいということになりませんから、方向としてはわかりますけれども、この五年間というのが、いまいろいろ御苦心されている地場産業育成あるいは新しい産業の育成、かりにそれは中小企業だけかもしれませんけれども、ほんとうに沖繩の経済をささえ、県民がそこに職を託して暮らせる企業をつくっていく。そういうことの意味で、この五年間が妥当じゃないとはいまは言われないでしょうけれども、五年間の妥当性の問題、また、これはいまから取り越し苦労で伺う話ではないかもしれませんけれども、五年たってあとをどうするのか。前段は山中長官に、後段は大蔵大臣に伺いたいと思います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) まあ、五年たって、この税の特別措置がとれないようでは、やはり沖繩に対する経済政策、民生政策がうまくいかなかったということになろうと思いますので、少なくとも五年の間に、いま見られる本土とのいろいろな格差の解消が行なわれて、そうしてほんとうに一体化し得る条件が沖繩にできるということに全力をあげるという方針で、たとえば、交付税のような問題にしましても、それからあらゆる問題が五年を目標に計画されておるという現状でございます。そこで、急速な変化を沖繩の人たちの生活に与えないようにということで、内国税においても、それから関税においても、特に五年間変化を与えないような暫定措置をとっておるのでございますが、私は、沖繩の民生の向上ということは、ある程度できるんじゃないかと思います。  したがって、物価の点についての心配、いろいろなことについて考慮されている税制は、五年たったらもうこれが続けなくてもいいところまでいくんではないかと思いますが、いま論議されておりました地場産業ということになりますと、青色申告が三〇%の償却増しとか、中小企業については、特に大きい五〇%の償却増し、その他相当思い切った優遇措置をとっておりますし、また、原材料が安くなるような関税の考慮もしてありますし、大もとの電気が安くなるように、電気の燃料についての特別の減税ということもやっておりますが、これを五年間において、地場産業が本土と同じように自立できるところまで持っていくのは、私は、なかなかたいへんなことではないかと思っています。したがって、一般の民生についての問題は、これは必ずやってのけられると思いますが、問題は、やはりいまの沖繩の特殊産業についてどれだけのことができるか、これに相当全力を集中しなければならぬのじゃないかと考えております。

山中貞則自由民主党総理府総務長官・農林大臣臨時代理

○国務大臣(山中貞則君) 簡単に答弁いたします。  沖繩が本土の県であったら存在しなかったであろう、すなわち装置産業的なものが、一応ビールとか、セメントのようなものが、いま政府の形づくっている圏内にあるわけです。しかしながら、これを存在できないだろうということで見殺しにできませんから、したがって、税制の面で税差と、それから販売格差とをそのまま課税の面から優遇をしながら逐次五年間でいくわけですが、しかしながら反面、今度は金融公庫の融資において、沖繩の特殊事情というもので、そういう本土に移ったことによって影響を受ける産業については、五カ年間のうちに本土と対抗できるような計画を立てられたら、それに対する融資も条件を十分考えてやりますし、あるいはまたセメント等は、いま合併話が進んでいるようでありますが、そういう系統として合併するなら、またそれはそれとして一つの生きていく道であろうと思いますが、要するに、税制と金融と両方からいませっかく、二十数年のあの中で自立してきた産業ですから、それをつぶさないように最大の配慮をいたしておりますので、大体の話し合いの中で、これだけの措置をとってもらうならば自分たちもやっていけるだろう、やってみせるという強い決意を表明しておられますので、今後手落ちのないようにいたしてまいります。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 ほんとうに今後の課題だと思います。  で、最後にお伺いしたい点、実はいま先にお答えになってしまったのですが、そういう状況の中で、たとえば政府が管掌している専売事業にしても、確かに本土との生産性格差という点で見ると、これはいろいろな問題があるでしょうけれども、そうじゃなくてさえ環境がいろいろ困難な問題をかかえている沖繩の中で、本土復帰になる。一切がっさい身ぐるみきれいさっぱりというのでは、とても困ったことですし、塩、たばこの問題を含めて、これは今度政府がみずからの判断でできる部分ですから、御配慮をお願いしたいと思っておりました。  時間がなくなってしまいました。最後に総理に一言だけお伺いして私の質問を終わりたいと思います。  実は、きょう出がけに、車のラジオを聞いておりましたら、ラジオでこの年末の忙しいのに国会をやっているという解説をしておりまして、なぜやっているのか——政府の答弁をいろいろ聞いてみると、なるほどわけのわからないところがずいぶんある。ねばっている野党の気持ちもわからないことはないと、そういうラジオの解説をしておりました。  そこでこれだけ時間をかけ、しかも総理がこれだけ熱心に御出席をされ、リップサービスと言われれば、本気におこって、そんなことはないと言われながら、なぜこんなにすれ違ってしまうのか。その辺のところを二つばかり最後にお尋ねをしたいと思うのです。  総理は、再々、沖繩の心ということを言われます。野党ももちろん申しました。ことばというのは便利ですけれども、沖繩の心というのは、沖繩に百万県民がいるとすれば、百万の心があると思わなければ、これはただのことばだと思います。その意味で、沖繩の心を心としてと、かりに言ったとしても、実際問題は、それから先がほんとうはたいへんなことなんだと思うのです。そうは言いながら、じゃ、沖繩と本土と全く同じかといいますと、やはり私は違う気がします。沖繩に参りますと、沖繩返還ということばをまずほとんどの人が使いません。本土復帰ということばを使います。本土に参りますと、本土復帰ではなくて沖繩返還ということばを使います。同じことを両側から見ているのですから、どちらでもいいようなものですが、実はこまかいニュアンスでは、本土復帰と沖繩返還では私は違うと思います。沖繩返還というのは、返してもらった沖繩を、さあどうしようかということが裏にありますし、本土復帰というのは、本土に返って、私たち、さあこれからどうしようかと。その意味で、本土復帰の中にある不安感、これを常に忘れないで見ていくということが、もしかりに沖繩の心ということでおっしゃるのだったら、中身だと思います。  そこで、これまでのすれ違い論議を二つばかり例をあげて伺いたいと思うのですが、たとえば、沖繩の振興開発ということで、国が十対十の支援までして、しかも申請を受けてやるのだと。何の不服、文句がありますかというのが、これまでの政府の御答弁でした。ところが、じゃ、沖繩の気持ち、住民の気持ちに立つと、十分それで理解ができるかといいますと、金があればなにも頼むものか、自分たちでやりますよということが、実は裏にあるんだと思う。したがって、十対十の補助をつけてやれば、あなた方の申請なんだからいいじゃないかということは、実は三割自治と言われている地方財政の実態に、たいへん都合よく、目をつぶった議論になるし、聞こえてしまう。なるほどお答えになっているようにみえていて、肝心の部分がすれ違ってしまうわけです。同じように、教育委員の公選制の問題もあります。本土に復帰する、沖繩が返還になるんだから、本土と同じ制度でいいじゃないか、私たちも、そのとおりだと思います。じゃ、任命制がいいのか、公選制がいいのか、それはどちらの議論もあってもいいと思います。政府の御答弁というのは、大体ここまでで終わりなんです。どこですれ違うかといいますと、沖繩と本土が一緒になるということは、戦後二十数年間、不幸にして異なった歴史と社会を歩んできた日本人が一緒になるということです。単に本土並みの制度を機械的に適用して、事が済むという問題ではありません。その意味で、いま必要なものは、制度の経過措置ではなくて、心の経過措置だと思うのです。そう考えますと、じゃ、なぜ即座に公選制をしなきゃいかぬのか、これはどちらがいいかという議論ではなしに、やっぱり素朴な疑問として残ります。この点について長時間の審議にもかかわらず、やっぱりお答えが出てこなかった。これが非常に不満を残しながら審議をこれまで続けてきた大きな原因ではないかと思うのです。この点について、総理の御見解をお伺いして私の質問を終わります。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) いま言われるように、確かに沖繩は祖国に復帰するのです。これはもう思想も一つ、お互いのことばも統一してしかるべきだと、返還というようなことばではいかぬ、祖国復帰。さらにまた、自治体として沖繩県はこれからスタートするのであります。その自治、それはどこまで見られるかと、それはなるほど財政的に本土はこれに援助をする、それは他の府県に比べ手厚い援助はいたします。しかしながら、自治を阻害するようなことがあってはならない。その自治が完全自治、そういう方向で運営されなければならない。これまた、復帰される県民の方々と私どもが思想を統一すべきことではないかと思っております。  次に、教育委員会の問題になりますと、これはまあいろいろの考え方があるだろう。すでに三十一年の際にも、本土の中においてしばしば論議され、そしてわれわれは任命制に移行したのです。それまでは沖繩が当面したと同じように、占領軍、それが非常に強かった、そういうもとにおいてこの公選制が行なわれてきた。そこらにもいろいろの問題があったと。そこらをいよいよ清算して、われわれは議論を尽くしたと、かように思いますが、議論を尽くしてこれが任命制になったと、そういう点がただいまの問題だと、かように私は思います。(「強行採決はどうなんだ」と呼ぶ者あり)それはまあ強行採決——その採決のしかたについていろいろ議論がございますけれども、私は、そういう点が、まあ今回もないわけではないが、私どもはこういうものを、やはり新しい民主主義の時代、そういう場合に、最終的には何できめるのか。おそらく、皆さん方に時間制限をしているのもそれはずいぶん御不満だろうと思います。また、割り当て制でそんなことをしていると、こういうようなことも、これはどうも、やはり近代的な民主政治、そういうところのものにはこういうものもつきまとうんじゃないかと私は思いますので、それはひとつ割り切っていただきたいと思います。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 民主主義というお話が出ましたので、一言私の意見も言わせていただきたいと思います。ただ長時間はかけません。  新しい時代の民主主義が何か。これは、いま、たまたま新しい民主主義ということを総理が言われたので申し上げるんですが、単に集まって、賛成多数、数できめりゃいいっていうんじゃない。何が正しいのかということを常に求めながら、議論を煮詰めていくということが新しい民主主義なんだと、多数必ずしもよくはないよと、こういうことだと思うんです。その意味で、確かに指導性もなければいけないし、また慎重な審議もなければいけない。ただ、時間があってやるわけですから、お互いのルールというものがその中に出ておって当然だと思います。それをまたそれぞれが守り合っていけばいいんだと思います。ただ、もう一つ必要なことは、じゃ、正しければどうでもいいのかと。そこで、いまの時代の求めているのは、やはり理解と納得の上でわれわれも進んでいきたいということだと思います。ですから、野党のわれわれも、理解と納得づくで前に行きたいと思いますし、沖繩百万県民を含めて一億国民は、自民党を支持していない人たちも含めて理解と納得を求めているのです。そのときに私は、正しいという御返答だけで民主主義を引用されますと、やっぱり一言あります。この点申し上げて終わります。     —————————————

長谷川仁自由民主党

○委員長(長谷川仁君) 渡辺武君。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 私は、きのうに続いて自衛隊の問題について伺いたいと思います。  最初に伺いたいことは、海上自衛隊に「海上幕僚監部技術部武器一課」というのがあると思いますけれども、ありますかどうか。また、あるとすれば、これは何をするところなのか伺いたいと思います。

長谷川仁自由民主党

○委員長(長谷川仁君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

長谷川仁自由民主党

○委員長(長谷川仁君) 速記を起こして。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) 事務当局からすぐ答弁させます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 時間が一分たっちゃったね、困ったね。何とかしてください、委員長。

長谷川仁自由民主党

○委員長(長谷川仁君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

長谷川仁自由民主党

○委員長(長谷川仁君) 速記を起こして。

黒部穰防衛庁装備局長

○政府委員(黒部穰君) ございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 何をするところですか。

黒部穰防衛庁装備局長

○政府委員(黒部穰君) 艦船搭載の武器関係を扱っております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 ここに英文の書類があります。これに海上幕僚監部技術部武器一課という判こが押してあります。受け付け日付は、昭和四十六年一月七日という日付が入った判こが押してあります。これはその武器一課の判こだと思いますが、ちょっと見てください。

長谷川仁自由民主党

○委員長(長谷川仁君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

長谷川仁自由民主党

○委員長(長谷川仁君) 速記を起こして。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) これは海上幕僚監部の判であるというふうに思われますが、いま、これをにわかに提示を受けて、これが本物であるかどうかということはわからないと、事務当局はそう申しております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 思われますがじゃ困るんですよ。きのうの答弁を聞きましても、肝心のところをみんな隠して答弁を逃げるんだから。その点はっきり、そうでないか、そうか、はっきりさしてほしいと思う。

黒部穰防衛庁装備局長

○政府委員(黒部穰君) どうも突然のことでございますので、よくわかりかねますが、ただ、この印判から見ますと、どうも本物ではなかろうかと思います。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 なかろうかという答弁ですから、そうだというふうに受け取ります。それは、もう時間がないので、きちっと確かめたいのだけれども、確かめたというふうにして質問しますよ。防衛庁長官はうなずいているんで、そうだということにしましょう。  いまお渡しした文書は、これはこの武器一課が、きのう問題にしました日本大洋海底電線株式会社——つまり防衛庁が四千二百トンの同軸海底ケーブルを注文した会社に渡した水中備え用の同軸海底ケーブルの納入にあたっての仕様書です。いいですか、仕様書です。しかしこの仕様書をつくった人は、これは武器一課じゃない。武器一課は受け付けたという印を押しているにすぎない。そうですね、いまごらんになったでしょう。そうしますとね、これをつくったのは——この仕様書をつくったのはだれか、それを御答弁いただきたい。いまお渡しした資料の二ページ目に、私が赤インクでまるをつけたところがある。それがこの仕様書の作成者です。お読みいただきたいと思うう。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) いま書類については事務当局が検討をいたしております。そこで真偽のほどについては、これはやはり時間をおかしいただきたいと思います。どうぞ御理解ください。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 時間をかしてくれと言うのだが、それがわからないと、次に質問が続けられないんですよ。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) これは、いきなりここでお出しになって、これは本物か、にせものか、どっちだと、こうおっしゃるから、それは御無理でございますと、これは少し時間をかしてくれと、いま現に一生懸命検討しておるわけですから。これはやはりお許しを願いたいと思います。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 質問の要旨に、この関係について質問するからということをはっきり言ってあるんです。あなた方が国会に誠意をもって答弁するつもりなら、この問題は重要な文書なんだから、当然準備してきておるはずなんです。あなたの道理は通りません。早くしてください。休憩してください。ぼくは大事な時間だ、これは。

黒部穰防衛庁装備局長

○政府委員(黒部穰君) 突然のことでございますので、しかも英文で書いてありますので、いま読んでおりますが、何か仕様のことが書いてございます。なお赤まるのところにウエスタン・エレクトリック・カンパニー・インコーポレーティッドと、こういうふうに出ております。本件のケールにつきましては、ウエスタン・エレクトリック・カンパニーの技術に基づいて製造されたものでありますので、何かやはり関係がありそうに思われます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 何か関係がありそうだじゃ困るんです、はっきりさしてもらわなけりゃ。そういうことで答弁を逃げるから私は特にしつこく言っているんです。はっきり読んでください。ウエスタン・エレクトリック・カンパニー・インコーポレーションというだけじゃないでしょう、もう少し書いてある。(「初めからちゃんと質問があれば……」と呼ぶ者あり)ちゃんと言ってあるんだ。そんなことない。ちゃんと言ってあるんだ。この関係についての一切のものを準備してくるようにちゃんと言ってあるんだから。

黒部穰防衛庁装備局長

○政府委員(黒部穰君) ウエスタン・エレクトリック・カンパニー・インコーポレーティッドのあとに、ガバメント・プロジェクト・エンジニアリングの略号がついております。そのあとにソーナー・ディビジョン・ウインストンと、こうあります。あとは住所かと思いますが、サレムNCという略号がついております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 そのいま読んだものはどういうことをするところでしょう。あなた方技術導入——仕様書を受け取って、そうしてOCCに渡しているんだから、その辺のことは知っているはずだ。はっきり答弁していただきたい。

黒部穰防衛庁装備局長

○政府委員(黒部穰君) OCC、大洋海底電線株式会社は、シンプレックスと技術提携いたしております。シンプレックスの親会社がウエスタン・エレクトリック・カンパニーと、かように聞いております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 そういう答弁じゃいかぬですよ。いまあなたが言われたそのウエスタン・エレクトリック・インコーポレートのガバメント・プロジェクト・エンジニアリング・ソーナー・ディビジョンというのは何をするところかと伺っている。

黒部穰防衛庁装備局長

○政府委員(黒部穰君) その辺まではよく……。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 日本語で訳してください、日本語で。ついでに。

黒部穰防衛庁装備局長

○政府委員(黒部穰君) 政府のプロジェクトのエンジニアリングという意味のように思います。おそらくウエスタン・エレクトリック・カンパニーは、米海軍の委託を受け、あるいは米海軍の開発した技術に基づきまして生産をいたしておると、技術を保有しておると、かように考えられますので、そのようなエンジニアリングのディビジョンがあるというふうに想像されます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 ソーナー・ディビジョンというのは何ですか、ソーナー・ディビジョン。

黒部穰防衛庁装備局長

○政府委員(黒部穰君) ソーナーというのは、一般的に聴音機という意味でございます。聴音機の部課、部局という意味かと思います。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 そうしますと、いまの御答弁を伺っておりますと、アメリカ海軍の委託を受けて、そうして、ソーナーを開発しているところが、仕様書をつくった。それをこの海上自衛隊の幕僚監部の武器一課というところが受けつけて、そうしてその仕様書に基づいてOCCに注文を出して、そうして四千二百トンのケーブルをつくらしたということになると思う。それはお読みいただきゃわかりますけれども、潜水艦用の聴音装置、ソーナー、長い海底ケーブルのついたソーナーの納入のための仕様書です。いま、何ですね、お手元に渡したやつの二ページ目の上から二行目、それを日本語で訳してください。二行目、三行目。

黒部穰防衛庁装備局長

○政府委員(黒部穰君) 私は、あまり英語がじょうずじゃありませんので——私の考えで訳しますと、この仕様は、全部で約六百ノーティカルマイルに及ぶ、しかもKS一六五〇二のリピーターのついた同軸ケーブルのシステムについての要求をカバーするものでありますと。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 たいへん名訳です。きのう、私、一番長いので六百二十海里だと言った、まさにそれは——二十海里ばかり違いますけれども、「約」と、それもついている。防衛庁が六百海里に及ぶ膨大な同軸海底ケーブルのついたソーナーをつくらしているということはこれではっきりする。なお、ここに私はまだ二つばかり持っている。一つは、私が約百海里と言った分、もう一つは、私が約百七十九海里と言った分、それについての仕様書です。疑うといけないから赤線が引いてあるからちゃんと見てください。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) 資料をお出しいただくわけでありまするが、これは何もわれわれのほうとしては、水中器材というものはだんだん大型化、複雑化してくる、そこでアメリカの技術を導入したり、アメリカの関係会社の提携しておるところへ発注をしたり、そういうことはあるわけなんです。それで、このケーブルを求めて、それが何か——何がいかぬのでしょうか。どうも私きのうからそのことがちっともわからないんです。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 よけいなこと言わないで、それをちゃんと見てください。時間がたってしようがない。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) ですから、とにかくこっちは、うそを言っているのではないんです。きのうからほんとうにわかったことを御答弁しているわけでありまして、何を言おうとしておられるのか、むしろこちらが実は答弁に窮するようなわけであります。これはどうぞひとつもうちょっと、なぜいけないのか、何をお尋ねになろうとするのかというあたりをお聞かせいただきたいと思うんです。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 質問に答えてください、まだ答えていないんです。質問に。休憩してください、これじゃ質問になりませんよ。

長谷川仁自由民主党

○委員長(長谷川仁君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

長谷川仁自由民主党

○委員長(長谷川仁君) 速記を起こして。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 もうしようがないからね、これじゃ。夕べから、そうでしょう。あなた方隠してばかりいる。そうして質問にまともに答えていない。しようがないんです、これじゃ。いいですか、この防衛庁から注文を受けたOCCが社内に出した通達がある。これをあなた方の参考のために読んでみましょう。「防衛庁よりの最近の情報に基づいてマルビーケーブル」——このケーブルは、いまわれわれが問題にしているケーブルです。「このケーブルの線種、予定線長などを次のように連絡します。なお、下記のうちNO5、NO4及びNO1については、すでに詳細連絡済みの仕様に変更はなきも、数量は契約済みのものを除き、いずれも概略値です。」といって、プロジェクトとしての目標、いいですか、「官としては、政府予算の関係で、一部の予備ケーブルを一時本線に流用し、あとからこれを補充することを考えていますが、現在、官が考えている最終的な姿は次のとおりです。」、こうして、このケーブルが三系列のケーブルであり、予備が一本あるということを図表に示している。私、時間がないから詳しくあなた方にわかるように申し上げたいんだけれども、申し上げられませんが、一本は百八・七海里、もう一本は百九十一・五海里、もう一本は六百七・七海里、こういうことになっている。そうしてこのケーブルは、浅い海を通るところは、厚い外装をして、陸上へ上がるところは、それをもっと厚くする。そうして深海に行くときには、細いケーブルで通っている、続いている、その先端にソーナーをつけるという仕組みになっているのであります。

長谷川仁自由民主党

○委員長(長谷川仁君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

長谷川仁自由民主党

○委員長(長谷川仁君) 速記を起こして。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) 私は、昨日から申し上げておりまするように、それをやはり日本の重要な港湾、海峡、そういうところに分散して配備をいたしておるわけでありまして、特にそれが一連のものという御想定はお間違いではなかろうかと思っております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 一連のものなんて、私は言っちゃいない。初めから、三系列のものだということを申し上げている。そういうふうにごまかしちゃいかぬですよ。いいですか、そこで防衛庁長官に伺いたいんだが、きのうあなたは、このケーブルというのは海の深さ、潮流の速さ、潮の濃度などを調べるためのものだと言った。防衛庁長官といえば、昔でいえば元帥くらい偉い人だとぼくは聞いているんだけれども、一体聴音器のついた同軸海底ケーブルを使って、どうして潮の濃度をはかることができますか。海の深さをどんなふうにはかりますか。私は御参考までに伺いたいと思う。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) 私、就任しましてから、特に事務説明でも、その他の場面でも、これをそういうふうに説明を受け、そういうふうに理解をしております。だから、何がおっしゃりたいのか——実は渡辺さんに、きのうから私よく御質問の趣意のあたりがわかりませんので、あるいは答弁がかみ合わないかもしれませんが、冒頭申し上げたように、私は、重要港湾、それから海峡、そういったところで、いま御指摘のようなものを調べ、そしてどこに水中器材を配備するのかということを、データをとりまして、適切にこれを配備していく。潮流などでも水雷等々は流される可能性があります。特に日本は四面海でありまして、その複雑性は御想像にかたくないと思う。ですから、そういうものをあちらこちらで調べまして、そして適切に、今度新しくつくりました「そうや」という敷設艦で敷設をしていく、そのデータをとるものでありますという、このお答えに変わりはございません。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 そのお答えが道理に合わないから伺っているんですよ。私は伺っていて、こんな子供だましの御答弁をなさってよく大臣がつとまるかなあと、悪口言っちゃ申しわけないけれども、そう思います。いいですか、聴音器、マイクのついた長大な六百海里にも及ぶ海底ケーブル、これをつくっている、あなたは百海里、二百海里という海底ケーブルをつくっていらっしゃる。海底ケーブルというのは、これはもう私申すまでもなく、多重式通信用のケーブルですよ。潮の濃度、潮が、しょっぱいかどうかなんというのを調べるもんじゃないですよ。おわかりですか、海流の速さがどのくらいかなんということを調べるものじゃない。これは潜水艦の音を聞いて、そうして地上局でそれをキャッチする装置でしょう。あなた、そこのところをはっきりおっしゃらない。どうですか、お答えいただきたい。

黒部穰防衛庁装備局長

○政府委員(黒部穰君) 先生の御質問の、ケーブルの先についたソーナーで、海水の温度や塩分をはかれるかということになりますと、これはいささか疑問があるわけでございますけれども、私どもの申しましているのは、ケーブルの先には、各種の測定器ないしは水中における音波の伝播性、こういうものを調べることになっているわけでございまして、したがいまして単なるソーナーよりはもっと機能の大きいセンサーというふうにお考えいただくのがよろしいかと思います。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 水中における音波をキャッチするというなら……。つまりね、潜水艦用のソーナーだと一言で言えばわかるのですよ。そこを言わないでよけいなことを言うから、だから、話が混乱するのです。おわかりですか。  そこでですね、もう時間もないので私は締めくくりに質問したいと思うのです。総理もずっとお聞きいただいているように、いま海上自衛隊が一番短いので百海里、一番長いので六百二十海里、この六百二十海里というのは、これはきのをも申しましたけれども、直江津からナホトカ、日本海の一番広いところですよ。そこをつないでいる横断ケーブルですね、日本海横断ケーブル、これは四百五十海里です。それの一・三倍もあるのです。そういう対潜水艦用のソーナーを、これを海上自衛隊が設置している。防衛庁長官は、これは領域内だというけれども、まさに——これは時間があったらもう少し伺いたいのだけれども、噴飯ものですね、これは。領海三海里という、日本の領海というのは、これは大体大陸だなの上で海は浅いのです。ですから、浅い海用には外装を厚くしなければならぬのです、ケーブルというのは。ところが、いまのこの防衛庁の買ったやつは、浅い海用のところもあるけれども、深い海のところがよっぽど大きい。明らかにこれは公海、さらには他国の領域内にまで設置しているとしか思えない。いいですか、公海や、他国の領域に、常時、潜水艦用のソーナーを設置するというのは、これはどういうことですか。  防衛庁長官は、きのう、こういうものは音を聞くだけならたいしたことはないというような趣旨のことを言いましたけれども、常時、公海や、他国の領域で索敵行動を続ける。別のことばで言えば、飛行機を飛ばし、戦闘艦を走らせて、公海や他国の領域で索敵行動を続けているということと全く同じじゃないですか。危険きわまりないことだと思う。私はそのことを言いたいんです。防衛庁長官、いいですか。  総理大臣は、これは自衛隊は国の自衛のためだから、行動は大体日本の領域内に限られるという趣旨のことを言っておられるけれども、しかし、この行動は一体容認できるのか、これをまず伺いたい。  それからもう一つ——いや、あとの岩間議員の時間をもらってありますから御心配なく。——もう一問。すでに三次防で、日本の対潜水艦体制は、アメリカの第七艦隊の、アジア攻撃のために潜水艦を攻撃するという役割りを演じさせられるということは明らか。いま、私が明らかにした事実は、自衛隊の沖繩配備とも性格が同じで、四次防で、アメリカの軍事体制に有機的に結びついた形で、自衛隊を戦略的に強化しようという姿のあらわれだと思いますけれども、この二点について伺いたいと思います。——総理に伺っている。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) いや、あとから必要があれば御答弁になると思います。  これはもう何べんも繰り返しておりまするように、いま御指摘のようなことはございません。第一、私と事務当局の答弁と食い違ってないじゃありませんか。むしろ、渡辺さんの御指摘のほうが初めから食い違っておるわけですから——一人でおきめになって、これだこれだと、それで、それに同調しないというと、それはけしからぬと、これではどうも質疑になりませんので、これは御了解を願いたいと思います。事務当局とは完全に一致をして、ほんとうのことを申し上げておる。しかも、現在のところ、公海には絶対出ておりません。将来は公海にも延ばしていくということもあり得ましょうが、そのときは当然郵政大臣の許可事項になってまいります。現在は、いま御指摘のように、そういう公海に出ておりませんから、郵政大臣には協議をいたしておりません。どうぞ御理解願います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) これは昨日も、私、声を大きくして渡辺君に御注意を申し上げたのですが、私のほうの自衛隊は、これはもう専守防衛、もうそれだけなんです。それで、いわゆる日米軍事混合体制という、そういうものを想定されても、さようなものはないというのに、その前提に立って混合軍事体制ができているのだ、それに対する答えを求めているのに、どうも答えがはね返らない、だから不満だと、これではどうもいかぬですね。  それから、先ほども四次防をついて、これが四次防で具体化すると、こういう御心配のようですが、まだ四次防はきまっておりません。これは三月末までに四次防の構想を固める、こういうことでございまして、ただいままだきまってございません。したがって、先ほど来防衛庁事務当局からも説明し、同時にまた、大臣からも説明したところを、これをひとつ政府の権威ある答弁だとお聞き取りをいただきたいと思います。     —————————————

長谷川仁自由民主党

○委員長(長谷川仁君) 岩間正男君。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 時間がないから要領よく答弁してほしい。  第一にお聞きしたいのは、沖繩に配備される自衛隊は治安出動はしないと、この前これは政府は答えておられます。そんなら本土ではこれはどうなるのか伺いたいと思うんです。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) 自衛隊の任務の中には、治安出動という任務が厳然とあるわけであります。ただ、あの場面で私は岩間さんに治安出動はさせません、そういうことを申し上げたわけでありまして、この任務は私が否定できるものではありません。その例として、君がしからば出動させないと言うならば本土ではどうかと。本土は一度も治安出動をしたことはございません。もともと治安に任ずるのは警察でありまするので、今後とも私は警察が治安に十分任じてくれることを望みますし、自衛隊が治安出動するなんていう不幸な場面がないように考えております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 しないというのと、しなかったというのは違うんですよ。それをあなた非常に混同したような言い方で、しかも沖繩ではしませんとはっきり断言しているんです。したがって、当然これからいけば、同じ日本領土の本土でも治安出動はしないのだと、こう確認していいかどうか、これに対して、時間を先に取られているから簡単に答弁してもらいたい。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) それをはっきり言えとおっしゃっても困ります。沖繩では少なくとも私が防衛庁長官のときはしません。するときは、私がやめるときです。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 あなたがやめる、やめないの問題じゃないんだ、あまり大げさに考えなさんな。大体このごろの防衛庁長官というのは、一カ月しか任期がない、置いておけない。だから、そんな大幅な、大きな口はききなさんな。私は、そういう意味で、それじゃ聞きますけれども、治安出動の教範というのがつくられないのはどういうわけだ。これは完成することを、すでに五年前もう私に答弁している。これはできたのかできないのか、はっきり言ってくださいよ。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) これは中途で取りやめにいたしました。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 それじゃ、隊員心得というのがあって、そのかわりを出していると思うが、それはどうです。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) 指導者の教範といいますか、指導者の心得、こういうものを計画したこともございますが、これも実はやめました。しかし指導者の場合は、私はやはり将来要るのではないかと。むしろまあ治安出動なんていうことはきわめて不しあわせ、きわめて好ましくない場面でありまするが、そういうときに指導というものが——もともと自衛隊というのは武器を持って立つ性格を持っておりますので、この指導者たるものは、やはり治安に任ずるのは警察のほうが熟達しておるわけですね。そういう点で指導者には、よくそのあたりを含める必要がある。時間がないからちょっと先回りして答えたわけですが、そういうふうに考えております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 教範はつくると言って、三回も私に破約をしておる。心得はできたと言って、これは三年ほど前に、内閣委員会でそういうことを言ったことがありますよ。ところがこれは見せない。見せないために、ないのだ。何を基準にして治安出動を一体訓練しているのです。できないじゃないですか。そういう欺瞞的なやり方では私はいけないと思うのです。だから、一時のがれの、自衛隊は沖繩では出動しないのだと、そういうような言い方で問題をごまかさないようにしてもらいたい。むろん治安出動なんていうのはやめるべきだ、私は、自衛隊法を、こういう意味ではもう改正すべきだというふうにも考えている。そういう必要さえ出てくるのではないかと、あなたのこの前の耳ざわりのいいそういう答弁だけ聞いていれば、そういうことになりますよ。だから、こういう点では、いざというときには、これは出る、そのためには、あらゆる準備をしておる、訓練は何倍にも強化されておるというこの現実を、国民の前に明らかにしないというのは、私は非常にこれは不当だと思います。しかし何も治安出動そのものをしないということですから、この言明を守り、あくまでもこれは貫く、そういうことをまず要求して次の質問に入ります。  次の質問は、これは返還後に、米軍の基地労働者の身分は、従来の直接雇用から間接雇用に切りかえられ、日本政府を通じて労務を提供する、こういうたてまえになっておると思うのですが、その準備はどの程度進んでおりますか。これも簡単に御答弁願いたい。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) 本土の場合と沖繩の場合で従業員の給与その他の労働条件が非常に違っておりますので、間接雇用に切りかえます場合には同じ条件にしたいということで、目下日米間で協議中でございます。まだ、その協議がととのっておりませんので、ととのい次第さらに全軍労をはじめとして、組合の方々とも十分協議してまいりたい、かように考えております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 米軍は、沖繩で、返還後どれくらいの基地労務者が必要だというふうに言ってきているのですか、簡単でいいから。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) まだ、どれくらいの従業員を雇用したいという具体的なところまではいっておりません。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 政府の希望は、四月一日だと言っているでしょう。それでそういう準備ができないというのですか。そうすると、返還は、あなたたちの言う返還はできるのですか、これは。そういうふうな言いわけではならぬと私は思う。そういう点では、これは基地別に何人の労務者が必要だと、向こうは出してきているでしょう。そういうものがないとすれば、これは全然その準備は進んでいないのだと、こう解釈してよろしいですか、防衛庁長官、あなた言いなさい。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) まだ基地別の雇用希望——要望というものにつきましても、私どもには参っておりません。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) これは、だから、すみやかにこの法案を通過させていただきたいのです。やはり法案が通りませんと、思うような手配ができぬわけです。これが通過すれば、一月早々、正月休みも返上して向こうへ行くことになっておるわけでありますから、よろしくお願いいたします。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そういうばかげた答弁をしなさんな。われわれが行ってみても、いろいろな点でたくさんの自衛隊、施設庁のそういう人たちが行って準備をやっているでしょう。そういう中で、この問題が出てこないなどということを一体あなたはここで平気で言うんですか。私は、そういう事態では、これはいかぬと思うのですね。  次に、そこで私は聞きますが、それなら、この基地提供は、当然これは基本労務契約によってされるものだと思うが、どうですか。多く言う必要はないです。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) 基本労務契約及び船員契約、あるいは諸機関労務協約、この三種類ございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そういう場合に、この基本労務契約でやれるのでありますか、特に私がお聞きしたいのは、各基地別のそういう要求、これをどうするか、そういうような計画は当然これはあるんだろうと思うんですが、特に特殊部隊の場合ですね。これは非常にこの協定が出されてから大きな問題になって論議されたのでありますが、こういうところでは、どれだけの一体基地労働者が必要だと、労務提供について向こうから言ってきておるんですか。どうなんですか。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) まだそういうところまでいっておりませんが、これはアメリカに、地位協定で労務の提供をやることになりますので、施設、区域を米側に提供するということになりました場合に、その施設、区域を維持するのに必要な従業員の数もおのずからきまってくるわけでございます。したがって、今後折衝の過程におきまして、どういう部隊に何名ということがわかってくると思いますけれども、まだ、現在のところ、それはわかっておりません。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 今度出されている公用地暫定使用法案、これは間髪を入れない、すぐに——空白を置いてはならぬということで、御承知のように憲法じゅうりんのこれは強行をやろうとしているんでしょう。そういう中で、こういう問題が進んでいないなどと、国民はこれは理解するだろうか。そういう白々しい答弁じゃ私はいかぬと思うんです。  次のような点でお聞きする。たとえば、混成サービス・グループ、いわゆるCSG、これは返還すると言っておるんですが、一体この基地労働者はどうなるのか。あるいはFBIS、さらに第七心理作戦部隊、アジア特殊活動部隊、第一特殊部隊、安全保障庁野戦ステーション、安全保障庁第四〇〇特殊作戦分遣隊、安全保障活動グループ、楚辺統合分析センター、SR71戦略スパイ機部隊、こういうところに対する労務者の提供に関しては、いままでの交渉の中でも話が出たと思うんです。これはどうなっておりますか。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) そういう個々の部隊についての従業員の切りかえについて、まだそこまで話がいっておりません。そこで、そういう部隊が復帰後も存続をするということになりました場合に、その部隊の維持管理に必要な従業員というのは当然なければなりませんので、それは引き続き間接雇用に切りかわる、こういうことでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 ひたすらに、ここでのがれて、ほおかぶりでいけば、法案は間もなく上がるだろう、そういうことでは私はいかぬと思うのです。その前に、われわれは、真実を明らかにするその責任を国民から負わされている。それでこの質問をしているのだ。だから、こんな形で審議が進められていて、どうしてこの協定を上げることができるか、この問題に帰着せざるを得ないのだ、そういうことで聞いているのであります。  そこで、私は、これに対して次の質問をする、時間の関係から。あなたたちは、極東放送のニュース解説をやっておった金城五郎という人を知っていますか。これはどういう人か。これは外務省だ。

吉野文六外務省アメリカ局長

○政府委員(吉野文六君) 特に金城五郎氏の過去の経歴は知りませんですが、第七心理作戦部隊と業務契約をしておりまして、ニュースの翻訳その他を手伝っておると、こういうふうに承知いたしております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これは琉球通信、これの代表者ですね。同時に第七心理作戦部隊第十五心理分遣隊日本語班、ここに雇用されているのですね、二重籍になっている人でしょう。ところが、この極東放送の問題が非常に大きな問題になりました。わが党も実態調査の結果、記者会見をしました。最近どうなんですか。この金城五郎氏というのは、一カ月半ほど前に極東放送をやめた。こういうふうに聞いていますが、どうですか。

吉野文六外務省アメリカ局長

○政府委員(吉野文六君) 極東放送をやめたというのではなくて、極東放送が彼にいままで委嘱しておったニュース解説のあれを、極東放送からそのようなプログラムをやめた、こういうことでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 外務省的言語の精密さからいえばそういうことになる。結局はやめたのだ。あの事態の中で、ぐあいが悪いからやめたことはまぎれもない事実ですね。そうすると、このような労務者を提供するのかどうか。これは佐藤総理にお伺いします。  いま沖繩は、御承知のように、この審議を通じても、特殊部隊、謀略の最大のこれは基地だ。こういうところにこのような労務者を提供する、これをやるのか、やらないのかということが非常に私は政治的に重大な課題だというふうに考えておるのであります。したがいまして、こういう体制の中で、一体このような労務者を日本政府は、謀略の中心地、ことに第七心理作戦部隊をはじめとする、もろもろのこの基地の謀略の網の張られておるスパイの巣のような、そういうところに、日本の労務者を提供するのでありますか、どうですか。これは簡単にお伺いしたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 労務者提供の先ほど来の話では、まだ具体的に進んだという話でございませんから、これは私存じません。事務当局から御説明申し上げます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 基本的態度を聞いているのです。基本的態度です。こういう問題は、政治的な課題でしょう。この謀略部隊がこれだけ問題になっている。日本人の基地労務者を政府が今度は地位協定によって雇用する、提供するというかっこうで、実は、いままで使っておる労務者をそのまま残すというのが今度の姿になるのじゃないですか。

吉野文六外務省アメリカ局長

○政府委員(吉野文六君) 技術的な説明をさしていただきます。金城五郎さんは、普通の軍の労務者じゃございません。これは第七心理作戦部隊と業務契約をやっておりまして、この金は第七心理作戦部隊が払っておるわけでございます。したがって、このようなものは、普通のいわゆる軍の労務者でございませんから、地位協定に従ってわれわれは提供する義務——あっせんする義務はありません。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 あなたもう少し何を聞いているか、よく考えなさい。これが、いわゆる沖繩が返還されたといわれたあとに、当然労務者をこういうところに提供する。ことに第七心理作戦部隊にはっきり雇用されていたのでしょう。そうなれば、このままこれは残して——実は地位協定によって日本側がこれを雇用して、そうして米軍に提供するというたてまえをとって、そのまま残す、こういうことは、これはまぎれもない実態なんです。そのことを言っているので、何も現在どうなっているかと聞いていません。  佐藤総理にお伺いしますが、基本的にこのような一体謀略の中心みたいなところに、日本の労務者を提供するかどうかということは、非常に今後の労務行政の上からいいましても、一国の外交の上から考えましても、これは重大な問題をはらんでいると思います。それでこの点お伺いします。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 日本は、謀略の片棒はかつがないつもりです。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そこで私はお聞きしたい。この基本労務契約というものは、十一年前に、参議院の予算委員会でこれは明らかにされたものです。当時、これには軍事情報分析職務とか、軍事情報職とか、あるいは細菌学職とか、化学職とか、いわゆるCBR部隊あるいはスパイ部隊、こういうものがもう公然と提供されることになっておった。これは国会で明らかになりますというと、その後、政府は、いろいろな点からこの職種の名前を変えました。この職種はたくさんある。  ところが、いま現在この労務基本契約の別冊としてこの職種が出されております。この中でも、まあこれはさっきもらった——実は非常にこういうものの提供がおそいのですが、そういう中でありますが、私たちは、たとえば、この中で飛行情報分析職、あるいは二八六の安全計画管理職、三〇七の気象専門職、三四五の分析化学技術職、電子通信専門職、気象衛星技術職、技術報道専門職、こういうような実にまぎらわしい、さらにまた、医学研究職、こん虫学職、気象学職、心理学職、こういうような実にどのようにも解釈できるような、こういう職種がたくさん入っておる。CBR作戦とこれは関係のある、そういう部隊について、私たちは、これは数年前に、この実態を明らかにしました。また、こん虫学職については、これはまさに生物兵器との関係があるんだという点で、私たちはこの問題を取り上げた。当時ずいぶんこれは問題になった問題であります。  そこで、どうですか、この基本労務契約は、そっくりいわゆる地位協定並びに日米合同委員会の合意書のこれは一部でございますから、こういうものは、関連条項、安保条約並びに関連の諸取りきめは何ら変更することなく、これを沖繩に適用するから御安心なさい、こういうことを佐藤総理は言ってきたんでございますから——そうして、これを適用するんだということは、これは二、三日前の当委員会の連合審査におきましても、わが党の星野委員の質問に対してアメリカ局長は、はっきりこれを適用するということを言っているんです。——そうすると、これは、全部いまのようなものは適用されると、こう考えてよろしゅうございますか。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 返還協定と地位協定など関連四取りきめですね、これは全部そのまま沖繩に適用されます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そうすると、これは肯定されたということになるんでありまして、私は、非常に重大な問題を持っていると思う。つまり当時、十一年前に、この協定が、当参議院の予算委員会で明らかにされたとき、スパイ協定という名前で呼ばれました。あるいは黒い協定と呼ばれました。そうして、いま黒い基地のこの謀略の、こういう中心にもなっておるような、もろもろの特殊部隊のあるそういうところにこれが適用されるということは、私は、重大な問題をこれは持っていると思うんです。こういう点について、はたして政府は、これははっきりした態度をきめることができるのか。実にこの点あいまいだと思うんです。これについて簡単でいいですから、外務大臣答えますか。総理答えますか。総理が答えるのが一番いいと思うんですが、答えますか。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) きわめて明瞭であります。安保条約及び関連四取りきめはそのまま沖繩に適用されます。これはまぎれもございませんです。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 まさに、そうすれば、私がいままであげてきたそういう謀略、そういうものにはっきり日本が労務提供という名前で、その片棒をかつぐという事態を引き起こす危険、これは全くわれわれは重大な問題で関心を持たざるを得ないと思うんです。  時間の関係から次にお聞きします。端的に聞きましょう。この資料の問題ですが、防衛庁から資料をもらいました。これは富士の東富士演習場、北富士演習場の資料であります。ところが、あなたたち今度出した資料は、昨年もらった資料と違うじゃないですか。これは資料持ってきているでしょう。どうですか。違うんだ。なぜこう態度変えるんですか。——具体的に私のほうから時間の関係上指摘しましょう。これには、去年もらった分には、これは一五五ミリりゅう弾砲というのがはっきり書いてあるんです。ところが、今年度になるというと全然、これは全部りゅう弾砲でやっているんです。ところが、りゅう弾砲は御承知のように、一〇五ミリ、一五五ミリ、二〇三ミリ。そうして一五五ミリ、二〇三ミリは、御承知のように、核装備ができる、核訓練のできる。それが、沼津から、今沢海岸から持ち込まれて、北富士、東富士で使われていることはまぎれもない事実ですよ。そういうようなことで、これは態度を変えたとしか思えないんですが、これはどういうことでしょうか。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) これは施設庁長官から答えさせます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 要点だけやってくださいよ。弁解は要らぬから。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) 資料の点、ちょっといま点検いたしますが、最近、東富士のみならず北富士におきましてもかなり砲撃訓練をやっているわけでございますが、その中には……

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 いまのことを言ってください。ほかのことは要らぬです。一五五ミリと聞いていたのをことしはなぜ落としたのかと聞いているんです。時間がないんですよ。私の立場にも同情してくださいよ。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) 資料をちょっと点検しておりますが……

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 あなたも、もうちょっときちんとやれよ。妨害としか思えない、議事妨害。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) 一五五ミリのりゅう弾砲の実射訓練をやっております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 答えてない。答えられないのですよ。こういうインチキな資料の出し方があるか。なぜ去年出したのと同じような資料出さないのか。人員についてもそうです。人員についても昨年は、これは昨年一年だけでも実に二百三十九日使っている。約一万の海兵隊がもう十数回に分かれて訓練をやっていることはまぎれもない事実だ、昨年の資料。ところが、今年度になると、これは東富士演習場の人員は出してこない。これは資料ごらんなさいよ。これは見ないとほんとうに話にならぬですよ。こういうやり方で一体話になるのかどうか。こういうことになりますというと——時間ないからね。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) 富士及び北富士演習場におきます昨年、ことしの米軍によります砲撃訓練の状況でございますが、四十五年度は富士、つまり東富士におきまして二百三十九日間、兵員、延べで一万一千二百名……

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 もういいです。時間がないからいい、わかった、わかった。資料を見ればわかる。  次に伺います。こういう海兵隊の訓練の中に第三国人が、これははっきり来ていることは明らかだ。福田外務大臣は本会議の私の質問に対して、そういう事実はございませんと言ったが、これはないと言えますか。写真がある、はっきり。写真がある、これは第三国人だ、今沢海岸だ。そうしてここに二〇三ミリと一五五ミリのりゅう弾砲がある、まぎれもない事実です、どうですか。本会議のあなた答弁を取り消しなさい、どうなんです。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 先般の発言を取り消すわけにはまいりませんです。富士すそ野におきまして第三国人の訓練をやっておるという事実は全然ありませんです。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 それをちょっと持ってきて、写真を。それしか持ってこないから。そういうことありますか。事実、あなた証拠があるのだよ、見てごらんなさい。これもまあ時間足らずであなたたちはこの審議を追い込むという結果になるのじゃないか。

吉野文六外務省アメリカ局長

○政府委員(吉野文六君) この点につきましては、われわれは米大使館に再び確認を求めましたところ、先方は、第三国人は絶対富士演習場で訓練をやっていない、こういうことでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 どうして。その何をどうするのか、今沢海岸、ぼくも行って見ているのだ。今沢海岸だ、まぎれもなく静岡県の今沢海岸です。ここは海兵隊がしょっちゅう上陸しているでしょう。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) それは見学団でしょう。

長谷川仁自由民主党

○委員長(長谷川仁君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

長谷川仁自由民主党

○委員長(長谷川仁君) 速記を起こして。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 うれしいのかね。あなた、取り消さないのですか。取り消しなさい——まだ時間がある。いまの何だけはやってください。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) ただいま岩間さんから写真が提示されましたが、これはとにかく見学に来ておる人かどうか、そんな感じがするのです、服装なんかからしまして。いずれにいたしましても富士のすそ野において第三国人の訓練をやっておる事実は全然ございませんから、私の発言に取り消しはありませんでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そう言っていますけれども、この事態をはっきり見なさいよ。それでそういう体制の中で、しかもここは自衛隊に三年前返された基地でしょう。それを農民は一週間ぐらい使うのだろうと思った。ところが二百三十九日も使っている。いままでも一万以上の海兵隊が訓練されている。こういう厳とした事実、そしてそれが同じように、今度は沖繩にまさに……

長谷川仁自由民主党

○委員長(長谷川仁君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

長谷川仁自由民主党

○委員長(長谷川仁君) 速記を起こして。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 私は、こういう点ではほんとうにこの質問を保留したい。     —————————————

長谷川仁自由民主党

○委員長(長谷川仁君) 喜屋武眞榮君。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 私は、質問したいことは一ぱいありますけれども、いつも残念に思うことは持ち時間がきわめて少ないということであります。きょうもそのことでまことに残念であります。ただ幸いなことに、この国会始まって以来、沖繩の実態を、そして沖繩の心を、そして沖繩協定の内容を、そして関連法規をそれぞれの立場から浮き彫りにしてもらったということ、まあこのことがせめてもの私は心強さといいますか、問題は、この質問に対して、多くの方々が追及されたことに対して、どれだけ政府が耳を傾け、謙虚な気持ちでそれを吸い上げてもらうか、ここに問題が残されておると思っております。そこで、一ぱい広げるわけにまいりませんので、私が質問をいたしました中から拾い上げて、ぜひ今回それを確認いたしたい、また、こういう問題について時間の範囲内で質問をいたしたいと思います。  まず初めに、外務大臣にお伺いをいたしたいと思います。  十二月一日の代表質問の中で、私幾つかの質問をいたしましたが、その一つであります。それは沖繩県民の請求権処理に関する特別法を制定すべきである、こういう質問に対して、外務大臣は、よく精査して、何らかの措置を要するものについては予算上の措置をとる、必要な場合には立法上の措置をとる、こういう答弁をしておられます。そこでお尋ねしたいことは、いつまでに精査なさるか。すなわちいつまでに調査をなさるのか、これが一つ。このことについて御答弁を求めたいと思います。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 喜屋武さんのお尋ねに対してお答えしたことは、そのとおりです。ただ、いつまでにといいますると、これはなかなか答えはむずかしゅうございます。これはたくさんな請求案件というものがあろうかと思うのでありまして、それの全部の調査を了する、それはたいへんなことだと思いますが、しかし調査のできたものを順次処理していく、こういうことになろうかと思います。その調査はできる限り取り急ぎます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 それではもっと具体的に要望いたします。できるだけ早くとか、こういうことではどうしても納得いきませんので、今国会中に、六十八通常国会中に調査をして、そして立法すべきものについては立法してもらう、こういう確約ができますか。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) こちら側の所管になっておりまするので、私からお答えしますが、これはいま外務大臣から話がありましたように、複雑多岐にわたりますので、精力的に解決をいたしますが、至急すみやかということで、いつまでとおっしゃられてもたいへん困るわけです。しかしですね、どうもこれは立法をしなければならぬぞという事案が出てくれば、私はやはりこの通常国会の間におよその見当はつくんじゃないかというふうに思います。しかし、復帰時点がいつになるか、いま四月あるいは五月、六月説、アメリカ側は七月と、いろいろ言っておりますから、やはり復帰をしませんと——まあ、それまでに百数十人が現地に参って旺盛に仕事をすることにはなっておりますが、実際は、復帰をした時点以後でないと、ほんとうの調査ということは行き届かないのではないか、これを憂えるものです。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 この件は、ぜひ今国会中にしていただくよう強く要望しておきます。  第二点、外務大臣に。この前の十二月一日の代表質問で、私、返還後沖繩は本土並みになると言うが、その実質的な密度の上で本土並みになる時期はいつかと、こういうことに対して、基地の縮小整理に関するプログラムを示すことはまあむずかしいと、できないと、こういう御答弁がありました。そこで関連いたしまして、十一月二十四日の衆議院における本会議で非核兵器並びに沖繩米軍基地縮小に関する決議をしておられます。その決議の第二項に関連いたしまして、「政府は、沖繩米軍基地についてすみやかな将来の縮小整理の措置をとるべきである。」ということが決議されております。この決議をどのように尊重し——まあもう御答弁は要りませんから、この決議を尊重していただいて、これに基づいて、これもぜひひとつ今国会中にその縮小のスケジュールを明らかにしていただきたい、いかがですか。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 基地の整理縮小につきましてはですね、これは衆議院の決議もあります。それに対して、政府は誠意をもってこれを尊重すると、こういう姿勢をとっておりますので、努力はします。しかし、この整理縮小の最大の要因は何かと、こういいますると、極東における情勢の変化、緊張の緩和、こういうところ、これが非常なきめ手になると思うのです。その大きなきめ手になる極東の緊張緩和から始めなけりゃならぬ仕事でありますから、これはたいへんなことです。ですから基地の縮小整理といいまするが、それは容易なことじゃない。しかし、容易なことじゃないからといってですね、手をこまぬいておるというわけではないのであって、まあそういう長期的なかまえのほかに短期的なかまえ、沖繩中枢部の稠密地帯の整理でありますとか、あるいは機能以上に土地を使っている問題でありますとか、そういう問題につきましては早急に取り組みたい。まだ、第一年度においては、第二年度においてはと、こういうような状態ではございませんでございます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 いまの外務大臣の御答弁に関連して、なお論議を進めていきたい気持ちも一ぱいありまするが、時間がありませんので、この件もぜひひとつ今国会中にこの縮小のスケジュールを明確に示してもらいたいということを強く要望し、またそれを期待いたしておきます。  第三点、次は沖繩振興開発特別措置法案の第四条を中心として質問いたします。関連法規の大前提には、いわゆる明るい豊かな平和な沖繩をつくるんだ、そして喜ばれる内容づくり、もっとほかの立場から申し上げますならば、県民福祉を優先する基本原則、これを認めておられます。地方自治の尊重だとか、あるいは反戦平和の理念だとか、あるいは基本的人権の確立だとか、県民本位の経済開発等、こういうことを認めての前提に立つならば、その法の内容そして運営を県民本位の運営の方向に持っていかなければいけない。また内容もそうなっておらなければいけぬ、こう思います。そこで、そういう前提に立つならば、県知事と沖繩総合事務局長とのつながり、いわゆる知事と事務局長との関係の規定がない。このことについて私が非常に心配しますのは、いわゆる知事の命令系統、事務局長の命令系統、こうなっておる。その事務局長が市町村長にはつながるけれども、知事と事務局長とのつながりのこれがない。そうすると、それをもし悪意に解釈するならば、それこそ、よくいわれておるところの中央集権、押しつけ、天下り、こういうことが一方的にそれがストレートで流れていく、こういう危険が予想されないこともない。そういうことを懸念した場合に、なぜ知事と事務局長とのこの結びがないのか、そのことについてお聞きしたい。

山中貞則自由民主党総理府総務長官・農林大臣臨時代理

○国務大臣(山中貞則君) これはもう、総合事務局というのは、県知事に対して何も命令をしたり、あるいは要請をしたりする権限は全く与えられておりません。許認可行政あるいは直轄工事等をやるというようなことが中心の事務でございますから。したがって、知事はもっと中央に直結をするわけでありまして、したがって知事が原案を作成した計画、あるいは審議会において、衆議院修正を踏まえた沖繩の意思が反映するような審議会の運営という中枢段階の決定に知事が参画をいたしますから、したがってそれは、行なわれる事務について沖繩に出先があるというだけのことでございますので、決して競合、あるいはまた一段上というものでないものでございます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 私は、将来において必ずやこのことが問題になってくるという、こういう懸念があるから、あえてそれを聞くわけなんです。何としても知事とこの事務局長とのつながりが、相互関連があるべきだと私は思う。それを、もしその歯どめをなくするならば、それは最も沖繩県民がおそれたところの中央集権化あるいは天下り、こういうことになりかねない危険がある、こう思うからであります。そのことをひとつ私は懸念するがゆえに、これをいまだしておきたい、こういうわけであります。ひとつ十分配慮してもらうよう、まあ時間をかけていろいろ質疑もかわしたいのですけれども、一応問題として投げておきたい、こう思います。御検討をお願いします。  次に防衛庁長官にお願いいたします。  私は、十二月一日の質問で、本土における米軍関係損害補償法令を復帰前の沖繩に早急に適用すべきである、こういう質問をいたしました。それに対して幾つかの答弁がありますが、「米側が処理することになる以外の請求権ないし諸請求」の実態を明らかにしたい、これが第一。それから第二、「実情調査の上、適正に処理をする」、こう答弁しておられますが、——前の防衛庁長官です。この実態調査をし適正に処理したい、それはいつまでに調査し、いつまでに処理なさるのか、それをひとつ伺いたい。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) これは誠意をもって至急すみやかにというお答えで御理解を願いたいと思いますが、非常に多岐にわたりまするので、まあベテランを配してやるわけでありまするが、いつまでと言われると、さて何月幾日までということは申し上げられませんが、少なくとも常識的にいう至急すみやかな範囲で十分ひとつ調査をしたいと思います。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 それじゃ、これも具体的に注文をつけておきたい。今国会中を一応のめどとして調査をし、そうして適正な処置をして、その結果をひとつ求めたい。このように要望いたしておきます。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) 御要望はよく承っておきます。ただ、さっきも補償問題で私申し上げましたように、施政権が返ってまいりませんと、百数十名が行って旺盛にやりましてもなかなかこれは隔靴掻痒の感があろうと思うんです。ですから施政権が戻る時点、これがいつになるかということによってもいろいろ変わるわけでありまするが、御趣旨はよく体しておきます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 次に、同じく防衛庁長官に聞きます。  私、前の質問で、防衛庁予算費目にあります、基地周辺整備費の項目がございます。現予算は幾らですか、予算額。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) 沖繩に関するですか。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 はい、沖繩に関する。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) 調査経費として五千八百万円を用意いたしております。それから、これは四十八年度からかかるそのための調査費でありまするが、もう緊急を要する、たとえば防音装置とか河川改修とか、そういうものをひっくるめまして、これは十億六千六百万円、これだけのものを要求いたしております。詳しく言いましょうか、いいですか。——河川改修等の事業のためには……

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 概算要求ですか。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) 概算要求です。二億二百万円、学校等の防音事業のために五億八千八百万円、水道等生活環境施設等の助成事業のために一億六千二百万円、道路改修事業のために一億一千四百万円、合わせて十億六千六百万円、こういうことになるわけでありますが、この審議を通じましていろいろな御要請が各議員からありました。したがって、この要求等についてひとつ大いに大蔵省と折衝をして、上積みができるものなら上積みをしたい、そんな気持ちでおります。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 このことについて、この前も私はお尋ねしたが、はっきりしたお答えがなかった。それを実際に沖繩に適用される場合に、どういう手順を経てこれが行なわれるのであるかということについて確認をしておきたい。

島田豊防衛施設庁長官

○政府委員(島田豊君) いずれも対策事業でございますので、特に今度の法律で補助金の対象にいたしましたが、沖繩県及び市町村に対しまして補助金を交付するわけでございますが、その補助率につきましては、沖繩の復帰に伴う特殊事情のことを勘案いたしまして、本土の場合よりもさらに補助率を高くするような法律がもうできておりますので、それについて大蔵省とも十分協議してまいりたい、かように考えております。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 この前も申し上げたと思いますが、このことがいま沖繩で大問題になっているわけなんです。沖繩にプラスすることは沖繩自体が喜ぶべきはずであるのに、喜ぶどころか、それが一つの原因となって大混乱を起こしておる。たとえばここにも「悪質な宣撫工作」という見出しでローカル新聞の種になっているわけなんです、「悪質な宣撫工作」。こういう形で沖繩に何らかの形で金を流すということ、これはいいことに違いない。いいことに違いないはずなのに、なぜこのように「悪質な」といって警戒されなければいけないかというところに問題があるわけですね。だから学校関係であれば、いま沖繩の学校施設も平均六〇%しかできておらない、小中校平均的に。体育館にしてもプールにしても、もろもろの施設が、まあ数字的統計も持っておりますけれども、時間がございませんから……。そういうなべて貧困な社会において、そういった金をえさ的に争うてこれを個人プレーの形で筋を通さずにやるということは、いいことが決していい結果を生まないということなんですね。政治の要諦は、乏しきを憂うるのでなく、ひとしからぬことを憂うるとあるじゃありませんか。こういう形で沖繩にたとえば体育館をつくってやるとかプールをつくってやるとか——それならそれを通す筋道があるはずだ。公民館なら公民館をやるにも、どこを通せばいいかという、ちゃんと市町村、そういったルートがあるはずです。そういう筋道を通さずにそういった個人取引の形でやる、そういった行き方に対してこういう反発がある、「悪質な宣撫工作」だと。いま土地、公用地問題、自衛隊問題、いろいろと問題がある中で、こういう形で、あんたの体育館をつくってやる、プールをつくってやる、公民館をつくってやろうと、こうなった場合に一体どうなるかということなんですね。そういうことをやってもらっちゃこれは沖繩を混乱させるだけである、こういうことを私は強く申し上げたいが、いかがですか。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) これはもう御指摘のとおりで、前回も、そういう不公平はいたしません、こういうことを私言明したことを記憶しております、あなたに。ですから、これは喜屋武さん、公平にやりましょう。それから基地周辺の整備のためには、公民館をつくったりプールをつくることはこの本土では大体もうあまねく徹底してるわけでありまして、それをあめ玉的に使うなんてことはしたくないと思います。どうぞ御安心ください。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 だから、やってもらうことは、これは決して悪いとは言いませんよ、いいことなんですよ。やり方を筋道を通せということです。それを何か引きかえにこうしてやるという、このようなことではこれはかえって疑惑を生む。そこを筋を通してもらいたいということなんですね。そのことを強く申し上げます。そうでないと大混乱を起こします。あめ玉をくれるような宣撫工作ということでは困るということです。そのことをひとつ強く申し上げます。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(江崎真澄君) わかりました。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 次に、文部大臣にお尋ねいたします。  復帰の実現を祝してという、復帰してよかった、あるいは喜んで復帰するという、こういった一つのプレゼント的な意図もあるかもしれませんが、そういう立場と、沖繩の健全な復興、これに結びつけて、さらに価値あらしめようという立場からいろいろな行事がある、あるいはいろいろの施設の推進があるわけです。そういう一連のつながりにおいて海洋万博もありましょう、それから復帰国体もありましょう。ところが、そのことにつきましても、いわゆるアドバルーンは大きく上げて、だんだん日にちのたつにつれて、しりつぼみになりまして、何かしらお祭りの余興的なそれが催しになりかねない、こういう反駁がそろそろ聞こえつつある。その一つが復帰国体。それが一体最初の計画はどうなったのか、それが現在どのようになってきたのであるか、そのことについてごく結論だけでいいですからひとつお聞きしたい。

高見三郎自由民主党文部大臣

○国務大臣(高見三郎君) 一昨年これはきまりまして、本年度沖繩・北方対策庁ですでに措置いたしておりまする予算が四十一億円、喜屋武先生御存じだと思いますけれども、奥武山の競技場、これに十億円出しております。それからいろいろな競技場に参ります関連道路経費として二十六億出しております。今年さらに九億幾らの予算を要求いたしておるわけであります。私ども沖繩で立ちおくれております体育施設を残す意味においても、この事業が国家的な慶祝行事になってくれることを念願をいたしております。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 このことについても最近現地で非常に疑惑を持ちつつあります。これは事、志と異なっておるんじゃないか。こういう形でこの国体の内容、規模、このことについて私は非常に憂えるからそれをいまあらためて確認いたしたい。こういうわけでありますので、きょう、もう時間もありませんので問題として提供したい。いずれまた具体的には次回にいたしたいと思います。  そこで次に、それじゃもう時間になりましたので、最後に総理のひとつ御所見を求めます。  屋良主席の建議書、あれは単に屋良主席の個人のまとめではない。あの結論というのは、多くの県民の英知や総意が結集された、あれは建議書であります。その建議書をどう評価しておられるか、そうして今後どう施策にあれを反映させようと思っておられるか、そのことの御所見を承りまして私の質問を終わりたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 行政主席の建議書、私は特に胸を打たれましたのは「はじめに」と、こういうことで書き出されているこの点には共感を覚える点が非常に多うございます。しかし具体的な事案につきましては、なお研究を要するものも多々あるように思いますし、またわれわれの運営によりましてそれを補うことのできるもの、あるいは新しく設置しなければならないもの、また、いままで屋良君といろいろ話をしたうちのものがまた変わった形で出てきておるものもあります。等々でありまするから、具体的には申しませんが、とにかくああしたものがまとまって出されておりますから、われわれはこれを尊重して、そして期待に沿うようにしたいと、もし違う点があれば十分意を尽くして話し合ってみると、こういう努力はすべきだと、このことはいたします。私は、頭から黙殺するとか、そんなことをするつもりはございません。ただいま申し上げたとおりでございます。

長谷川仁自由民主党

○委員長(長谷川仁君) 以上をもちまして質疑は終局いたしました。     —————————————

長谷川仁自由民主党

○委員長(長谷川仁君) これより討論に入ります。  御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。松井誠君。

松井誠日本社会党

○松井誠君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました諸法案に対し反対の立場から討論をいたします。  基本的な反対理由の第一は、これら諸法案の底を流れる政府の基本的姿勢が沖繩の心を全くじゅうりんするものだということであります。沖繩の心あるいは復帰の心といわれているものは何か。当初、自然発生的に雑多な方向をはらみなから出発をした復帰運動は、激しい戦いの中で次第に明確な流れとなり、いま反戦平和、人権の回復、そして自治権の確立の三つの目標に集約されるに至りました。沖繩返還をとにもかくにも現実の日程にのぼらせた最大の推進力が復帰運動のエネルギーにあったことは、いまや衆目の認めるところであります。とすれば、この沖繩の心が復帰の理念の中心にすわらなければならないことは言うまでもございません。そして見落とされてならないことは、この沖繩の心は、同時にまた、平和憲法下の日本の心であり、またそうでなくてはならないということであります。  しかるに、復帰に伴う国内関連諸法案は、これらの三つの目標を無視し、民族感情をくすぐりながら、これを施政権返還に矮小化して、むしろこの三つの目標に挑戦するものとさえ言わざるを得ないのであります。太平洋戦争の末期、居住人口の実に三分の一を失った人たちにとって、平和はみずからの命そのものでさえあります。無権利の状態で長く民族的屈辱に耐えてきた人たちにとって、人権の回復がどれほど切実な課題であるか、われわれの想像を絶するものがありましょう。そしてまた、みずからの運命をみずからきめることができなかった沖繩の人にとって、自治権の確立は単なる近代的な地方自治の観念からの発想ではなくて、その背後には長い歴史があることを知らねばなりません。  なるほど、最近特に贖罪ということばが政府の口からひんぱんに飛び出すようになりました。しかし、その多くはカッコづきの贖罪論であります。復帰に際してあれこれの特別措置をとり、何がしかの財政措置をとる、この恩恵を施すことによって、われわれの贖罪は終わったという思想であります。これは、実は琉球処分と同じ発想に基づくもので、その延長線上にあるものと言わねばなりません。私が本国会冒頭の代表質問で、内からの告発ということを訴えたのは、別に流行語だからではなく、このお手軽なカッコづきの贖罪論に反発したからであります。カッコづき贖罪論に立つ政府は、だからリップサービスこそりっぱでありますが、しかし米軍基地の現状維持、いわんや自衛隊の新たな配備がいかに絶望的なショックを与えるかが理解できず、請求権問題が復帰の基本的性格にかかわるような人権回復の問題であるという本質を見誤り、単なる経済的要求の次元でしかとらえることができず、そしてまた、開発庁設置になぜきわめて敏感な警戒心を持つかを理解しようとしないのであります。  もっとも、私は、政府の言動がすべてリップサービスであり、また政府の政策がすべて沖繩に背を向けているなどと申すのではありません。もちろんそれなりに評価すべき政策もあり、また善意を信じたい人のいることも事実であります。しかし私は、とっぴな比喩を許してもらえば、孫悟空を連想するのであります。世界の果てまで千里の道を走ったと思ったら、依然としてお釈迦さまの手のひらにいたというあの愛すべき孫悟空であります。彼は、その意気盛んな気負いにもかかわらず、しょせんお釈迦さまの呪縛からのがれることができなかったのであります。そして日本の孫悟空にとって不幸なことは、彼の乗っていたたなごころがお釈迦さまのそれではなくて、えんまさまのたなごころであるということであります。したがって、彼が善意であればあるほど、彼の役割りは喜劇の主人公ではなくて、悲劇の主人公となってしまうと言わざるを得ません。  反対の基本的理由の第二は、これらの諸法案が、ただに沖繩の心をじゅうりんするにとどまらず、復帰をむしろ積極的な転回点として利用し、日米間の新しい軍事同盟を結ぶとともに、日本の軍国主義強化へのワンステップとしようとする政府の基本的姿勢そのものにあります。一九六九年の佐藤・ニクソン共同声明、沖繩返還協定、そして久保・カーチス取りきめ、これら一連の合意は、安保変質論といわれる第三の軍事同盟が自衛隊の進駐と不離一体の関係にあることを遺憾なくあらわしているのであります。まさに第三の琉球処分であり、これこそが日米両国政府の目ざす沖繩協定の本質であるとさえ言わねばならないのであります。  以上述べた反対の基本的な立場から、さらに具体的な反対理由を述べます。  沖繩の心が沖繩開発の原則に適用されるとき、それは基地経済からの脱却、自主的な開発、人間尊重、福祉第一の開発を目ざすことは理の当然であります。しかるに、政府の沖繩開発の基本は、これらの原則を無視し、歴史の教訓から何ものをも学ばず、依然として歴史的にその破産が証明された拠点開発方式の踏襲であり、新全総の沖繩版にすぎません。沖繩開発について、本土と沖繩の関係をこのように、いわば平面的にとらえる結果、復帰に際してとられる種々の特別措置も、一方で、本土との一体化の名のもとに、たとえば教育委員の公選制を破壊し、一方で、沖繩の特殊性を強調して、たとえば小作地の保有限度のようにその後進性を温存するという矛盾をあえて行なうのであります。  さらに、本委員会審議の最大の焦点となったいわゆる公用地法案について反対の理由を申し上げます。  この法案が、沖繩復帰の本質とも言うべきその軍事的側面の国内法的表現であることは言うまでもありません。その政治的不当性はすでに多く論ぜられましたのでこれを省略し、法律的な違法性、特に違憲性についてだけ申し上げます。私有財産を公権力によって侵害する場合、私有財産保護を基調とするわが憲法は、これをかりに公共目的に使用する場合といえども厳格な基準を要求し、土地の収用または使用の場合には、それが適正かつ合理的であることを求めております。沖繩における米軍用地の接収がこの基準に合致しないものであることは言うまでもありません。それにもかかわらず、これらの米軍用地がそのまま日本の法制のもとに包摂された場合、何ゆえに適正かつ合理的な収用に変質し得るのか。当然のことながら、合理的な理由は何一つ発見できません。いわんや、自衛隊の新たな進駐がこの基準に合致するという保障は全くないのであります。憲法第二十九条三項違反は明白であります。さらに、かりに土地収用が違法、違憲でないにしても、これを収用するためには慎重な手続が要請され、いわゆる事前の適正手続として関係人への告知、聴聞その他の手続を要求しているのが憲法第三十一条の精神であります。政府は、この違憲の非難を免れるために事前の告示の制度を設け適正手続の紛飾を試みましたが、この試みは明らかに失敗でありました。この告示は、日本の施政権の及ばない沖繩に対しては、憲法上の要請である適正手続としての効果を持つものとはなり得ないばかりでなく、告示そのものも施政権返還前は本土においても何らの法律上の効果を持ち得ないのであります。  かくして、日本の行政法の原則を多くの点で踏み破ったこの奇形児は、その託された使命を果たすことは全くできないのであります。そればかりではありません。告示という行政行為は公用地法という法律を母体として生まれるはずでありますが、実際には告示の部分だけが公用地法に先立って施行されるのであります。親なくして子供が生まれる。これはもはや奇形児ではなくてお化けであります。まさに昭和の怪談であります。この公用地法案が、適正手続を欠き、憲法三十一条に違反することはいまや明らかと言わねばなりません。  以上、数多くの反対理由の中の数点だけを述べて討論を終わります。

長谷川仁自由民主党

○委員長(長谷川仁君) 楠正俊君。

楠正俊自由民主党

○楠正俊君 私は、自由民主党を代表いたしまして、沖繩の復帰に伴う特別措置に関する法律案外三件の法案及び承認案件一件に賛成をいたします。  以下、四法案に対する賛成の理由を申し述べます。  第一の、沖繩の復帰に伴う特別措置に関する法律案は、米国の施政権下における諸制度からわが国の諸制度への移行を円滑にするための特例や経過措置を定めたものでありまして、きわめて広い範囲に及んでおりますが、復帰に伴う諸般の制度の急激な変更により、県民の生活の安定が失われることがないように、深い配慮がなされている点を高く評価するものであります。  第二の、関係法令の改廃に関する法律案は、全く事務的な処理に属するものであって、特別に問題もないと存じます。  第三の、沖繩振興開発特別措置法案は、明るく豊かな沖繩の県づくりのために、地元の要請を十分反映する振興開発計画を策定することとし、その計画に基づく公共事業に対する国の高率の負担または補助の特例、産業振興のための税制上、金融上の優遇措置、雇用促進と職業安定のための対策などを定めております。  戦争に引き続き、二十数年にわたり外国の施政権下にあって塗炭の苦しみをなめてきた沖繩の県民に対しては、手厚い助成を行なって、その労苦に報いなければならないのでありまして、本土並み復帰のために、沖繩の振興開発についてのこれらの特別な優遇措置は、当然過ぎるほど当然なことと考えます。  第四の、いわゆる公用地法案は、野党の諸君の最も強く反対するところでありました。この反対は、要するに米軍の駐留に対する反対、つまりは日米安保体制に対する反対に由来するものでありまして、その点でわれわれとは根本的に相反する立場に立つものであります。われわれも、極東情勢は緊張緩和の方向に進むであろうとは予想いたしますが、しかし、いま直ちに米軍基地を撤去しても心配ないとは考えません。その点で情勢判断を異にするのであります。もちろん基地の整理縮小は望ましいことであります。この問題は、来たるべき日米首脳会談のテーマともなるということでありますから、その結果に期待し、さらに政府において今後も努力すべきことと存じます。  また、自衛隊の用地について、土地収用に類する手続をとることに対する非難がございましたが、政府は、これについては事前に地主に対し十分な了解工作を行ない、地主の承諾を得て、円満に契約を結ぶよう努力すると言明しておりますし、従来に数倍する補償をも約束しておりますから、関係者の方々にも納得していただけるものと信じます。現に、伝えられるところによりますと、すでに地主の九割が契約に調印する意向であるということであります。したがいまして、実際に収用に類するような手続がとられるのは、所有者その他の権利者の所在が明らかでない土地など、きわめて限られた範囲にとどまることは明らかであり、それらについては全くやむを得ない措置であると言わなければなりません。  以上のような理由から、私は、これら四件の法案に賛成をいたします。  承認案件とあわせて、各位の御賛同をお願いいたしたいと存じます。  以上をもって私の賛成討論を終わります。

長谷川仁自由民主党

○委員長(長谷川仁君) 矢追秀彦君。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 私は、公明党を代表して、ただいま議題となっております沖繩の復帰に伴う関係諸法案に対し、反対の討論を行なうものであります。  政府は、かねてから核抜き本土並みの実現をしばしば公約してきたにもかかわらず、核兵器の撤去については政府から何らの確たる答弁を得ることができず、ついに沖繩県民をはじめ、国民の疑惑を晴らすことができなかったのであります。また、本土並みについても、本土と同規模に米軍基地が縮小されるのではなく、沖繩本島だけでも実に本土の二百八十倍の基地機能を残すことになっているのであります。さらに、現在なお多くの基地において拡充強化が行なわれている実情にあっては、衆議院における非核兵器並びに沖繩米軍基地縮小に関する決議を順守すると言われた佐藤総理のことばを残念ながら全面的に信ずることはできないのであります。加えて、本土における核兵器及び毒ガス存在の証拠はますます国民の政府に対する疑惑を深めております。  戦後二十六年、心待ちにしてきた沖繩返還が間もなく実現しようとしている今日、本土復帰がおよそ沖繩県民の心と遠く離れた措置によって行なわれようとしていることに思いを寄せるとき、私は、これら法律案が多くの問題点をあいまいにしたまま通過しようとしていることに対し、心から憤りを覚えるものであります。  以下反対の具体的な理由を述べるものであります。  初めに、公用地等の暫定使用に関する法律案についてでありますが、この法律案は、戦後銃剣で米軍がおどし取った土地を再び多くの地主の許可を取りつけられない状況のもとで、強制的に五年間、米軍に使用させようとする悪法であります。また憲法第九条、十三条、十四条、二十九条、三十一条、三十二条、九十五条等に違反する違憲のかたまりともいうべき法律案であります。さらに米軍基地と異質の自衛隊用地と複合し、加えて公共施設用地をも抱き合わせ、沖繩を日米軍事複合体制による新しいかなめ石にしようとする危険な立法措置にほかならないのであります。  次に、沖繩復帰特別措置法案についてであります。この中には、問題となったVOAの存続がきめられており、これは米軍の謀略宣伝放送であるとの疑いが濃厚であります。その上、日本国内の電波法をも踏みにじるものであります。  さらに、刑事裁判について言うならば、外国の裁判の効力をそのまま承継するということは、わが国の主権と独立を著しく侵害するものであり、断じて許すことはできません。また、対米請求権の放棄に見られるように、政府のかってな判断によって沖繩県民の人権は全く無視されてしまったのであります。  次に、沖繩振興開発特別措置法案についてでありますが、政府は法案審議を通じて振興開発のプロセスすら明示し得なかったのであります。同時に、審議会の構成内容、振興開発計画の決定について、沖繩県知事の同意をも得ることのできないような本法案からは、政府の沖繩県民の願いを尊重する姿勢が全く見出せないのであります。  最後に、今回の沖繩関連国内法案は、全体を通じて、根本的に地方自治を侵害し、憲法第九十五条の違反をおかしているのであります。このような法律案が国会を通過し、施行されることは、今後、沖繩の平和と住民福祉の向上には大きな妨げとなり、将来大きな禍根を残すことになると信じてやまないのであります。  以上をもちまして私の反対討論といたします。

長谷川仁自由民主党

○委員長(長谷川仁君) 栗林卓司君。

栗林卓司民社党

○栗林卓司君 私は、民社党を代表して、沖繩の本土復帰に伴う関係法律案及び一承認案件に対し、次の理由により反対の立場から討論をいたします。  その第一は、施政権返還のワク組みを決定している返還協定に対する疑義であります。したがって、返還協定に反対したのと同じ理由でVOA存続に伴う電波法の特例に反対するとともに、県民が権利として持つ対米請求権に対し、特別立法によって法的保護を与えることを主張しておきたいと思います。  第二の理由は、公用地等の暫定使用に関する法律案の問題であります。この法律案は、法律というよりも法律の衣をまとった政治そのものであると言わなければなりません。土地に関する権利、あるいは公共の概念など最も厳格に取り扱われるべきものが政府の政治的思惑で左右されることは、事情のいかんにかかわらず法治国家として許しがたいところであります。  第三の理由は、沖繩の本土復帰に伴う行政上の取り扱いの問題であります。沖繩の本土復帰とは、不幸な原因によって戦後二十数年間、異なった歴史と社会を歩んできた日本人が再び合体することであります。それは一片の法律によって本土の制度を沖繩に持ち込むことで事が足りる問題ではありません。いま必要なものは、心の経過措置であり、沖繩と本土がそれぞれに築き上げてきた戦後の歴史をお互いに尊重し合いながら、新しい融合点を見出していくことであります。しかし、提案されている諸法律案を通じて流れているものは、本土の制度を沖繩に持ち込むのに性急であり、反面、沖繩の歴史と社会を理解するにあたっては消極的な態度であります。その典型的な例が教育委員の公選制廃止の問題であります。これは政治がとるべき態度ではありません。また、沖繩の振興開発にあたって不可欠な条件は沖繩県民の理解と協力であります。しかし、県民の意思と能力を確信しつつ細心な配慮で沖繩の自治を尊重すべきにもかかわらず、日本政府の過剰介入の危険が強いことを指摘しなければなりません。  最後に私は、本土並みの沖繩返還とは、核と基地の問題も含めて沖繩県民が本土並みということばに託してきた期待を実現することであることを申し上げ、以上の理由で反対の意思を表明いたします。

長谷川仁自由民主党

○委員長(長谷川仁君) 渡辺武君。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 私は、日本共産党を代表して、沖繩協定関連諸法案に反対いたします。  反対の第一の理由は、これらの法案がアジア最大の侵略拠点としての沖繩の基地の機能を維持し、さらには日米安保条約を実質的に改悪して本土をも沖繩化し、あまつさえ請求権の放棄、資産買い取りなどをも取りきめた侵略的、屈辱的な沖繩協定の実施を保障するための国内法案だからであります。  第二の理由は、公用地等暫定使用法案が憲法違反であるからであります。沖繩の軍用地が米軍の武力により問答無用に県民から強奪されたものであることは争う余地もありません。ところが本法案は、不当にもこの米軍の蛮行を合法化したばかりか、今度は政府が米軍にかわって軍用地使用権を県民から奪い取ろうとするものであります。そのため現行の土地収用法はもとより、悪名高い国家総動員法さえ規定した、収用すべき土地と所有者の確定その他必要最低限の手続さえ無視し、法律自体の規定によって土地の使用権を強奪しようとする類例のない土地強奪法案であります。これは国民の財産権を保障した憲法第二十九条、法定の手続を保障した憲法第三十一条、法のもとでの平等を保障した憲法第十四条などをまっこうから踏みにじるものであり、日米安保体制維持のためなら憲法じゅうりんもあえて辞さないという政府。自民党の本心を赤裸々にあらわしたものと言わざるを得ません。  第三の理由は、復帰特別措置法案が、VOA、極東放送のごときアメリカの謀略宣伝のための放送機関を不当にも存続させ、さらには米占領者が沖繩で行なった裁判を有効として引き継ぎ、布令、布告を復帰後の裁判にも適用できるという屈辱的措置をとっているからであります。これは一国の主権の主要な内容をなす裁判権を侵害させるものであり、政府には国家主権を守る意思が一かけらもないことを端的に示したものと言わなければなりません。  このように政府は、アメリカに対しては屈辱的な態度をとりながら、他方では、米軍の占領支配と弾圧に屈せず、平和教育、民族教育をあくまで守り抜くため沖繩県民がねばり強く戦い抜き、かちとってきた教育委員会の公選制や公務員の政治活動の自由などの民主的権利を、本土並みの法適用という名目で、一片の条文により一挙に奪い去ろうとしており、断じて許すことはできないのであります。  第四の理由は、振興開発特別措置法案、復帰特別措置法案が、沖繩県民の望む平和で豊かな自主的な沖繩県の復興を保障するものではないからであります。それどころか、これらの法案は本土でも住民から忌みきらわれている石油、アルミなどの公害大企業を沖繩に誘致し、これらの企業の集中する地域を工業開発地区に指定し税制、金融、土地、水、電力、道路、港湾などあらゆる便宜を与える一方、沖繩の農民からは土地を奪い、水を奪い、低いキビ価格を押しつけ、食管制を適用せず、農地改革をおくらせ、中小企業に対しては本土大企業の商品、資本の進出から保護する措置をほとんどとっておりません。沖繩県民は、基地の苦しみに加えて、公害大企業の支配によって新しい苦しみを押しつけられようとしているのであります。その上、これらの法案は沖繩振興開発計画の決定権を総理大臣が握り、道路、河川、ダム、港湾の工事の実施さえ直接国が行なうことにしております。これは沖繩開発庁総合事務所の権限とともに沖繩県の自治権を乱暴に侵害するものであり、断じて許すことはできません。  沖繩県民が本土復帰にあたって心から望んでいるのは、核も基地も公害もない平和で豊かな自立的な沖繩であり、本土の国民もひとしくそれを望み、支援を惜しまない明るい沖繩であります。しかるに、この協定関連法案は、この県民と国民の当然の願いを踏みにじるものであります。  わが党は、これらの関連法案に断固として反対することを表明し、私の討論を終わります。

長谷川仁自由民主党

○委員長(長谷川仁君) 以上で討論は終局いたしました。  これより採決に入ります。  沖繩の復帰に伴う特別措置に関する法律案、沖繩の復帰に伴う関係法令の改廃に関する法律案、沖繩振興開発特別措置法案、沖繩における公用地等の暫定使用に関する法律案、以上の四法案を一括して問題に供します。ただいまの四法案に賛成の方の起立を願います。   〔賛成者起立〕

長谷川仁自由民主党

○委員長(長谷川仁君) 起立多数と認めます。よって、四法案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、国家公務員法第十三条第五項および地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、人事院の地方の事務所設置に関し承認を求めるの件を問題に供します。本件に賛成の方の起立を願います。   〔賛成者起立〕

長谷川仁自由民主党

○委員長(長谷川仁君) 起立多数と認めます。よって、本件は多数をもって原案どおり承認すべきものと決定いたしました。  この際、大橋和孝君から発言を求められておりますので、これを許します。大橋和孝君。

大橋和孝日本社会党

○大橋和孝君 ただいま沖繩の復帰に伴う特別措置に関する法律案外四案件が議決されたのでありますが、私どもは、先ほどの討論で申し上げましたとおり、この五案件については絶対に反対でございます。  反対の理由については、討論の中で詳細に申し上げたとおりの趣旨によるものでありますが、この趣旨に基づいてあくまで否決さるべきであるという意見であります。  国会法第五十四条の規定に基づき、この五案件に対する反対意見について、本会議において少数意見の報告をいたさんとするものでありますので、ここに日本社会党を代表して意見を表明しておきます。

長谷川仁自由民主党

○委員長(長谷川仁君) ただいま可決されました五案件の審査報告書の作成は、先例により、委員長に御一任願います。  本日はこれにて散会いたします。    午後九時二十分散会      —————・—————

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