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68回国会参議院1972/06/10

運輸委員会、地方行政委員会、大蔵委員会、農林水産委員会、物価等対策特別委員会連合審査会 第1号

発言数
285
登壇者
34
会派数
6
開催日
1972/06/10

会議録

木村睦男自由民主党

○委員長(木村睦男君) ただいまから運輸委員会、地方行政委員会、大蔵委員会、農林水産委員会、物価等対策特別委員会連合審査会を開会いたします。  先例によりまして、私が連合審査会の会議を主宰いたします。  国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  これより質疑を行ないます。杉原一雄君。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 ことしの四月二十四日に経済審議会立地・交通研究委員会が出した報告書の中に、きわめてすぐれた表現が――要求があるわけです。その中で「今後は生活環境確保の面からナショナル・ミニマム確保のための投資と新しい国土形成のための開発戦略投資に相当の重点をおく必要があるが、ここでの問題としては立地との関係から」云々ということで、開発戦略投資としての交通施設、後ほどこのことについて触れますけれども、そういう表現でナショナル・ミニマムの一端としての交通施設の必要、それから有効性について訴えているわけであります。私は、このことは確かにそうだと思います。私が住いしているところから約千四、五百メートルのところに、国道バイパス路線がことしの秋の完成を目ざして着々舗装工事をやっております。だが、それにも先んじて、すでに県道との平面交差のところにはガソリンスタンドの建設が始まっております。なおまた、道路が正式に使用されない段階で建設省の了解を得たものと思いますが、中型の機械関係の工場がすでに建設され、営業が始まっております。一本の道路ができるということがそれほどに、産業を誘導し、産業を開発し、かつまた、文化、住宅、人口の分散等についてすばらしい力を持っていることを、私は、あえてこの答申案を待つまでもなく、現実の問題としてなまなましくこれを伺っているところであります。そうした願いと期待を込めながら、きょうは、第一点として地域開発構想と交通施設計画について。第二点として特に過疎対策と国鉄の合理化方針等について。第三点として、きのう問題になったようでありますが、国鉄納付金の軽減と地方財政の問題について。第四点として、一、二、三のそれぞれの問題が最も集約的にあらわれていると思われる具体的な問題、これは奥能登地域農地開発事業と新総合開発計画等について御質問を展開していきたいと思います。  第一点の問題でありますが、経済企画庁にお願いしたいのでありますが、新全国総合開発計画――新全総、その中において、地方圏の交通体系の整備、とのことについて筆をおろし、すでに具体的作業が進み、予算委員会における私の質問で明らかになったように、新全総を改定修正すべきだということは明らかになったとはいいながら、基本的な、原則的な問題、いま申し上げた地方圏の交通体系の整備等についての考え方はほぼ変わらないと思いますが、そのぎりぎりのねらいは何か、このことを実は明らかにしていただきたい。同時に第二点として、いまほど読み上げました経済審議会立地・交通研究委員会が出しました「新しい立地・交通政策のあり方」という一つの答申案があるわけですが、これはまあ冒頭に、具体的に行政ベースにどの程度いまおりつつあるかということをお聞きすると同時に、この中で主張されておること、特にいま読み上げた後段を申し上げますと、「大都市地域への産業、人口の集中を緩和するために、徹底した工場の分散配置をすすめ、大都市集中パターンのメカニズムを大きく変えるための総合的な施策のなかで根幹をなすものは交通施設体系である。」、この観点から交通問題に対する見解が指摘されているわけでありますが、こうした問題と新全総との関連において、経済企画庁が国土開発計画等を進める中で、交通、なかんずく鉄道に期待するもの、国鉄に期待するものはいかなるものであるか、いかなる理由によるものか、そうした問題等について経済企画庁の答弁をお願いいたします。

岡部保経済企画庁総合開発局長

○政府委員(岡部保君) お答え申し上げます。ただいま先生のおっしゃいました御質問の第一点について私申し上げたいと存じます。いわゆる新全総計画におきまして、地方圏における交通体系の整備という問題を、これは非常に重要な問題であるということで取り上げているわけでございますが、一般的に申しまして、新全総計画の考え方というものが、この前にございましたいわゆる旧全総と呼ばれておりますが、もとの全総計画、昭和三十七年に策定されました全総計画が非常に拠点開発主義であったという考え方から、むしろ新全総では、もうと面的な開発をするべきである。したがっていわゆる開発の可能性というものを全国土に広げるべきである。そのためにはどういたしましても交通通信体系というものを全国的に広げなければならないということが非常に大きな中心テーマとなっておるわけでございます。そこで、地方圏におきましてどういうふうに考えるかと申しますと、これはその必要性と申しますか、当然あるべき姿という要請のほうからまず申し上げますならば、地方圏からいわゆる大都市圏に対しての生鮮食料品の輸送でありますとか、あるいは大都市圏から地方圏への、これは特殊な問題かもしれませんが、レジャー需要の増大というようなものに対する当然対応がなければならない。また、産業の、先ほども申し上げましたように、地方圏への分散ということが非常に重要なことでございまして、このための地域間の交流の緊密化をはかるために、地方圏と大都市圏を結ぶ交通の高速化あるいは大量化というものが相当に強化されるべきであるということが一つの中心課題であるかと存じます。このために、新全総計画では、地方圏と都市圏を結ぶ合理的な高速交通体系というものを先行的に確立いたしまして、あわせてこれと直結する地方圏内の関連交通体系――これがほんとうの意味での地方圏内の交通体系だと存じますが、この地方圏内の交通体系というものが、こういう一つの幹線的な交通体系の枝と申しますか――ということで、非常に重要視されるべきであるという考え方でございます。もちろん、それぞれの地方圏相互の間の交通体系というものも当然必要でございます。  そこで、まず第一点の、いわゆる幹線的な考え方では、先ほども例にお示しいただきましたように、国道もバイパスをやる、あるいは高速自動車道の建設をし、さらに新幹線鉄道を考えていく。ただ、これだけではいわゆるきめのこまかい面の開発にはなりませんので、その幹線から、今度は枝葉でほんとうに花の咲く地方圏内の交通体系というものを十分考えなければいけないという考え方に立っているわけでございます。  そこで、第二点のほうは、私所管じゃございませんので、計画局長のほうから答弁いだだきます。

矢野智雄経済企画庁総合計画局長

○政府委員(矢野智雄君) 第二点につきましてお答えいたします。  御承知のように、立地・交通委員会の報告は、その考え方の中心は、ただいま先生がお話しになりましたように、生産や人口の大都市集中に伴う過密の弊害及びそれのうらはらとしての過疎問題、この解決、改善が中心課題になっておりまして、そのためには大都市からの生産なり人口なりの分散をはかる必要がある。それに対応しての地域間交通施設の整備及びこうした分散の問題は別にしましても、今後ますます旅客、貨物の輸送量が増大していく、そういうことに対応しての交通の整備、これがこの立地・交通委員会の全体の考え方及びそれを受けての交通についての考え方でありますが、そのためには、一つには、地域分散に関連いたしまして、北東、西南等における大規模工業基地の建設、そのために、まず拠点になる大規模港湾、拠点港湾の建設及びそうした地域と消費地あるいは大都市との間を結ぶ高速道路、あるいは幹線鉄道、航空網の整備の必要性を訴えております。また、全体として輸送量がふえていく中で、伸び率としては遠隔地間の輸送の伸びが大きくなりますが、しかし絶対量としては依然大都市、特に関東臨海、あるいは東海、阪神、この辺の出入りする交通量が絶対量としては一番やはり伸びが大きくなりますので、それに備えまして、この委員会の考えでは、まず現在すでに施工中の高速道路あるいは幹線鉄道の完成を急ぐこと、あるいは現在すでに構想されている東海道地区における大規模プロジェクトを早急に具体化すべきである。あるいはまた、大都市の過密を防ぎますために、大都市以外の地域における交通の整備、たとえば一々東海道を通っていくというようなことを避けるための、そういったネットワークと申しますか、地域間の交通の整備、こうしたことについての基本的な構想をここで要請しております。  それで、この委員会の報告は、御承知かと思いますが、経済審議会の中に昨年春以来幾つかの研究委員会を設けまして、それぞれ研究を進め、おおむね一年間に報告をしてほしいという要請を受けて、このそれぞれの研究委員会の報告ができかわけであります。そうして一年経過したこの四月から五月にかけまして、この立地・交通委員会の報告を含めまして、報告がほぼ出そろいました。これを受けまして、経済審議会として、及びその事務局であります経済企画庁として、これからいよいよ本格的に新しい長期計画の作成にかかろうとしております。この計画は本年中につくり上げろ予定でありますが、そうした計画作成の過程で、この研究委員会の報告はやや基本的な構想が主体でありまして、あまり具体的には述べておりませんが、この報告の趣旨を生かしまして、現在関係省庁との間でも、事務的にこれを具体化していくためのいろいろ詰めをこれから進めようとして去ります。その結果は、長期計画の中でかなり具体的なプランとしてつくり、政府全体として決定していく、そういう段取りで進めたいと考えております。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 引き続く建設並びに運輸に対する質問等の中から、いま経済企画庁が述べられたこと等についての関連が明らかになってまいりますので、経済企画庁には押してこれ以上質問を続けようと思いません。  そこで、建設省関係でありますが、建設省はすでに円城寺委員会を中心として国土建設の長期構想というものが六十年度をめどにすでにつくられているわけです。それが引き続いて最近新しい構想ということで、これが建設省内でいろいろ議論をされておるわけです。それは、主として豊かな国づくり、大都市集中を抑制していく、あるいは札幌、仙台、広島、福岡など地方の中核都市をつくるというような、たいへん大胆な構想を明らかにしているわけですが、それをあたかも裏打ちするような形で、去年の九月総合交通政策に関する基本的な考え方ということを発表しておるわけですが、その中で、望ましい国土構造、都市構造への誘導、つまり誘導していく、そのためには交通の施設の整備がきわめて重要であるということを述べられておるわけですが、これを建設省の立場でもう一度簡単に、いま国土開発構想とそうして総合交通政策の基本的な考え方と相関連させながら、建設省のいわゆる交通施設に対する期待、国鉄に対する期待、そうしたものを端的にひとつ、簡単にお願いしたいと思います。

小林忠雄建設大臣官房審議官

○政府委員(小林忠雄君) 交通施設は国土及び都市の発展を誘導するきわめて強い効果を持っております。したがって、それが総合的な開発計画に基づきまして先行的に行なわれます場合には、望ましい国土構造あるいは都市構造を実現するきわめて有力な手段となり得るわけでございます。従来ややもいたしますと、交通部門だけの要請に基づきまして、需要に追随をして隘路打開という観点のみから投資が行なわれた、そういうことが国土利用構造の不均衡を招来するということがございますので、今後は先行的に国土計画、地域計画、都市計画の一環として交通整備をやっていくべきであると、こう考えております。そこで、総合交通の鉄道及び道路に対する期待でございますが、これは自動車交通という新しい交通手段ができまして、従来陸上交通を独占しておりました鉄道にいろいろな影響を与える。そこで、この両者は補完的に機能を分担するということで施設の整備をやっていくべきだと考えております。具体的に申しますと、都市間の交通につきましては鉄道と道路とが競争的関係で相互に機能を果たす、都市内の交通につきましては、通勤交通は鉄道を主とする、業務の交通は自動車を主とする、地方の交通につきましては自動車交通を中心とするような整備をはかっていく、大体こういう考え方でございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 それでは、いよいよ本能寺へ乗り込みますか。昨年の七月三十一日に、運輸政策審議会から「総合交通体系に関する答申」というのが出ております。その中で、いま経企あるいは建設当局から、交通網に対する期待、なかんずくいまの最後の建設の小林審議官の答弁等によりますと、従来追随してきた、これから先行するのだ、そのことによって国土開発を誘導するのだというたくましい意欲が表明されたわけです。  そこで、いま指摘いたしました運輸省の運審におけるところの答申の内容の中で、「将来社会への対応」ということが大きく取り上げられております。「国土の開発可能性の全国的拡大に寄与すること。」、もう一度読みますが、「国土の開発可能性の全国的拡大に寄与すること。」、このことは私きわめて重要な提起だと思います。一人舞台になっちゃいけませんから、運輸省はそのことをどう理解し、今後どう進めようとするか、大臣が出ておいでになりますから、きわめて次元の高い政治的な問題でございますので、明確な答弁をいただきたいと思います。

丹羽喬四郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(丹羽喬四郎君) 先ほどからの御質問でございまして、国土の均衡ある開発、発展、これがやはり新全総の私はある程度の高度成長政策に、成長に伴いまして均衡ある発展、これが一番のやはり根本である、ただいま御質問の御趣旨どおりであると思う次第でございます。端的に申し上げまして、ただいまは都市過密化が非常に急激に進んでおりまして、あらゆる問題がそれのあまり急激に進むこと、これをいかに均衡ある発展に持っていけないか、現実問題といたしまして、そこにいろいろの混雑、いろいろの混乱が私は生じていると思っている次第でございます。具体的に申し上げますると、東海道メガロポリス、ああいったところになり、自然のまままかしておりますると、約人口の六割からの集中をする、こういう傾向をこのままにほっときましてこの国土狭隘のわが国におきまして完全なるところの均衡ある発展はできないところでございます。いま先生が御指摘になりましたような均衡ある発展、将来のそれに向かいましてあらゆる施策を集中してまいらなければいかぬということが私は一番の根本であると思う次第でございまして、いま御指摘のとおり、交通政策の重点もそこを中心としてこれから考えていかなくちゃならぬ、強く私はそう思っている次第でございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 大臣からも力強い決意表明をいただいたわけですが、そこで問題は、次の現象的な問題から入りますが、特に、私地方行政委員会におるわけですが、地行でいつも議論の起こるのは、過密化による都市構造の問題、過疎化する農村山村の実態等に対する対策、こういう問題で、私たちも政府当局とも一つになって心を憂え、過密対策の検討に入っておるわけです。特にいま私は過疎対策と国鉄の合理化という提起を先ほどしたのでありますが、その点について、新全総の考え方、あるいは建設当局の考える地域開発政策その他の考え方を受けて、いま大臣が均衡ある発展という表現で一切を包まれたわけですから、それに即応して国鉄当局はどうお考えか、つまり過疎地域に対する国鉄当局の任務と申しますか、現在赤字だからやめたいというようなことでなしに、そんなみみっちいことを言わないで、もう少し広大な国策の上に乗って国鉄は何をなすべきか、そのことを総裁のほうから明確にお答えをいただきたい。

磯崎叡日本国有鉄道総裁

○説明員(磯崎叡君) 先ほど経済企画庁からお話がございましたが、私のほうの仕事といたしましては、いわゆる都市圏と地方圏の連絡、並びに地方圏相互間の太いパイプ、これが何といっても鉄道の非常に大きな任務であるというふうに考えます。これは逆に申しますと、都市圏と地方圏の間におけるパイプというものは非常に太く強くなければいけない。また、地方圏相互間におけるパイプも強く太くなければいけない。その意味で、鉄道の持っている大量性、高速性という輸送機関としての特性が非常に十分発揮できる面であるというふうに私は考えます。  問題は、いま先生御質問の地方圏の中、ことに過疎化した地方圏の中の問題が問題であるというふうに考えます。これは前時代ならば、前のころならば、いわゆる鉄道は何でもかんでも交通をお引き受けしなければいけないというような時代であったと思います。しかし、先ほど先生がいみじくもおっしゃったように、非常に道路は発達し、またあるいは自動車はふえてきたということで、地方圏内における輸送というものを全部国鉄がお引き受けするということは鉄道の持っている物理的、技術的な性格から申しまして不適当な面がある。すなわち、鉄道の持っている輸送力あるいは鉄道の持つ特性というものが十分に発揮できる面と、それから必ずしも十分に発揮できない面がある。逆に申しますれば、道路交通で十分な面がある、むしろ道路交通のほうが能率の高い、またコストの安い輸送ができるという点があると思います。したがって、私どもといたしまして、地方圏内における輸送――その地方圏は一応過疎地域といたします、地方圏内における輸送につきましては、その主たる地方圏の中における骨格、これは国鉄がお引き受けするけれども、それから先、毛細管的なものについては、最近の道路の発達等にかんがみまして、道路に譲るべきものは道路に譲る、何でもかんでも鉄道でやるという考え方はこれは改めなければいけないというような、根本的な考え方としてはそういう考え方を持っております。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 それでは、いまの総裁のことばはそのままに一応預かっておいて。  自治省は地域開発の努力を今日までしてきたわけですから、その基本的な構想、とりわけ交通に対する期待、交通政策の構想、問題を過密過疎の対策ということにしぼって、自治省の今日までとってきた政策の重点、今後の抱負、期待といいますか、展望、そうしたものを簡単にひとつ御披露いただきたいと思います。

皆川迪夫自治大臣官房長

○政府委員(皆川迪夫君) 自治省は、御承知のように、地方自治の進展をはかるという立場から、特に全国の地域的な均衡のある発展のために努力をしてまいったわけであります。もちろん、自治省の立場からいたしますと、それぞれ限界がございます。国のいろいろな施策に相協力をして、地方行財政の面からこれにタイアップするという形でまいったわけであります。  特に交通問題につきましては、その権限あるいは責任の所在が国のほうに一元化されておりますので、地方独自の問題としては、主として交通施設の問題、まあ特に道路でございますが、そういう点に重点があるわけでございまして、この点につきましては、先ほど申し上げましたような趣旨にかんがみまして、地域の必要なそういった交通施設の充実発展をはかるということに努力をしてまいったわけでございます。ただ、現象的に自治省が担当しておりますこの都市交通の問題につきましては、御承知のように、最近非常に困難な問題が起こっておるのでございまして、これについては、かねてから財政再建方策を立てまして、いろいろと努力をしてまいったわけでございます。なかなか思うような成果が進んでまいりませんけれども、現在新しい段階に入ります際に、さらに基本的に検討を進めてまいりたい、こういう事情でございます。  過疎域地の交通問題につきましては、これも主として国の交通政策の一環として起こる問題でございますけれども、自治省としましては、現実の問題として起こっております路線の廃止に伴う代替バスの運行というようなものにつきましてできるだけの財政措置を講じておる、こういう状況でございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 きのう実はお伺いするところによると、運輸委員会でわが党の瀬谷委員から国鉄の納付金のことについて伺ったところが、運輸大臣か国鉄総裁かどっちか知りませんけれども、それ全部ゼロにしてもらいたいのだという期待を述べておられたことを伺いましたが、これはかなり経過があると思います。もともとずいぶん前からの制度でございますが、少なくとも四十四年の一月六日に大蔵と自治と両大臣の覚え書きの中で、今後これ以上まけないということを取りきめておるはずです。その後、自治省はいろいろの折衝の過程で、なかんずくことしの予算編成の過程の中で、地方閑散線の問題をめぐって、これは自治省にもお伺いするわけですが、関係大臣との話し合いが進んだと、それを前提にして四十七年度の予算を組まれたというふうに伺っているわけですが、第一点として、運輸大臣が盛んにうなずいておられるから、運輸大臣が言われたのだろうと思いますが、赤字だからそんなところへ銭出すのはいやだと、そのお気持ちはよくわかりますけれども、ただあなたも国政全般を担当なさる大臣でございますから、とりわけ地方財政がこれまた国鉄に負けない赤字団体なんだ。地方財政計画が四十七年度の分も国会で承認をされてはおりますけれども、中身と申せば、一兆数千億の借金をする、借金でまかなおうということで、四苦八苦しているわけです。私の県あたりでも、最近また赤字再建団体になりそうな市町村が出てまいりましたが、非常に困っているわけですね。その事情と、従来のそうした納付金との経過等を含めて、きのうおっしゃったことの内容は十分わかりません、私は。いまもなお大臣は、まけてくれじゃなくて、やめてくれというお気持ちに変わりないのかどうか。それを受けて自治省のほうは、わかりましたとこの場で言えないだろうと思いますから、その点の自治省の主張ははっきり出していただいて、まだ閣議決定にならぬ段階ですから、ここで論争まではしてもらわなくてもいいから、お互いの立場を明らかにしてもらいたいと思います。

丹羽喬四郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(丹羽喬四郎君) ただいま御指摘がございまして、確かに私がそう申した次第でございます。将来におきましては、ぜひこの納付金、ことに国鉄に関する限りにおきましては、廃止をしてもらいたいということが私どもの考えでございます。これはまあ、御承知のとおり、いま国鉄料金その他をめぐりまして、公共料金につきまして、開発利益の還元をいかにするかということが一番の問題、これをどのぐらいに具体的に持ってくるか、公共企業体といたしまして、国鉄がそういったような開発利益の還元をほとんど受けてないと言うと恐縮でございますが、いろいろ政府の財政補助、あるいはまた財投その他におきまして政府はそれなりにしておる次第でございましょうが、その点が非常に明確でございません。ことに、地方に対しましてそういった点が非常に明確じゃございません。一般の民営鉄道におきましては、自分でいろいろの土地の営業政策その他におきましてある程度確保しているようでございますが、御承知のとおり、国鉄ではそういうことはございません。もう先生御承知のとおり、あの問題は、たしか三十一年でございますか、地方財政非常に逼迫しておりまして、国鉄はわりあいによかったというようなころで、これは私のほうだけじゃございません、他の二公社も一緒になりましたからできた次第でございますが、いままあ御承知のとおり国鉄は非常にもう赤字で悩んでいる、いかにしてこの危機を解決するかということで精一ぱいのところ、できるだけやはりそういったような点におきましていろいろの方面の御協力を願わなくちゃならない、こういうところでございます。もとより私も、府県の地方財政、非常にいろいろ財政需要が地方におきましてもふえてくるのに比べまして、その財源が非常に足りなくなってきておる。国の予算におきましても、ある程度公債で財源をまかなわなくちゃならないということでございます。また、それに従いまして、地方の固有の財源でございます住民税その他におきましても減税もしいられる、いろいろなところでもって減収を来たしておる。また、交付税の原資でございます主税につきましても非常にあれになっておる、特別の措置を講じなくちゃいかぬことしというようなときに、これを持ち出すべきかどうかということは、私ども十分わかっておる次第でございますが、将来の問題といたしましては、これはもちろん国と地方との財源配分の問題もございます。これをどうしてもやはり解決してもらわなくちゃならない。私も、長らく地方行財政につきましてはいろいろ携わってきた者でございますので、その点の観点はよくわかっている次第でございますが、そういった方面の国と地方の財源再配分の問題と、もちろん同時にこれを考えなくちゃいけない問題でございますが、そういう点を考えつつ、ぜひひとつこれらの問題につきましては、今日の国鉄の実情、そうしてまたいま開発利益の還元というような問題というのもひっくるめまして、こういう問題をひとつ解決していかなくちゃならない、こういう意図でございます。先ほどからいろいろお話がございましたが、工場の再配置ということだけでございませんで、私はいま、との工場人口の過密ということとともに、第三次産業と申しますか、事務所、情報産業と申しますか、そういったほうの過密というものも非常に多い。輸送につきましては、それが非常に大きく響いている。今回の国鉄のいろいろの事業計画につきましても、第三次産業の人口の集中というものがどのくらいであるかということはやはり一応の計算に入れている、こういうことでございまして、やはり過密過疎の問題、そういったような収入の面、その原資の面につきましてもやはり考えていかなくちゃならぬ問題である、そういうふうなこともやはり勘案いたしまして、国鉄としてのやはり正当なるところの収入源は確保したい、支出面の省略はしたいという念願から私が言った次第でございまして、それらをやはりひっくるめてもうそろそろ検討しなくちゃならない、こういえ立場で私は申した次第でございますので、ひとつ御了解を願います。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 自治省の答弁をいただく前に確認をしておきたいのですけれども、ことしの一月十日に自治大臣は、大蔵、運輸の両大臣に対して、いわゆる地方閑散線の取り扱いについて三点の要望、申し入れをしておいでになるというふうに承っておるわけです。そうした中のやりとりの中で、四十七年度の国鉄の納付金が百十八億ですか、何かそうしたことも一応取りきめとしてはあるというふうに伺っているわけですが、先ほどの質問とあわして、そうした点についての確認をしたいと思いますが。

佐々木喜久治自治省税務局長

○政府委員(佐々木喜久治君) 国鉄納付金は、昭和四十七年度におきまして百十八億円を計画いたしております。この国鉄納付金の制度は、杉原委員御承知のとおり、現在国鉄の公共企業体としての公共性を考慮いたしまして、原則的に通常の固定資産税の負担に比べまして二分の一の軽減をいたしております。さらに二回にわたる改正によりまして、現在私鉄においてとられておりますような制度と同じような軽減措置を講じておるわけでございまして、この二分の一の軽減措置、さらに特別措置を合わせまして、国鉄納付金の軽減額というものは昭和四十七年度におきまして二百十七億ということになっております。いわば、約三分の二程度が軽減をされておるというような現状でございます。さらにこれ以上の軽減をするということにつきましては、やはり市町村財政との関連もございますし、あるいはまた他の赤字企業等に対する固定資産税の扱い方といったような点につきましてもいろいろ問題があるわけでございまして、現在私どもとしましては、国鉄納付金はこれ以上の軽減措置をとるということはとうてい困難であろうというふうに考えております。  なお、本年の予算編成にあたりまして、ただいま御指摘になりましたことは、そのとおりでございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 それでは、最後になりますが、今度は具体的な問題、奥能登の地域開発、この問題をめぐって若干の質問をしていきたいと思います。  第一点は、いまさら能登の地域開発が行なわれているのじゃなくて、三十九年から奥能登地域農地開発事業、国、県タイアップして、合計三百億円という膨大な経費を投入して、たぐいまれな、あるいは栗だとか、牛だとか、ほかの農地開発とは趣の違った腰の落ち着いた計画がされておるわけだし、私は、四十四年に能登線廃止の話が出まして、あわてふためいて、益谷秀次さんの生まれられた故郷でありますが、能登町をたずねて実態を伺ってまいったわけです。それ以来行っておりません。でありますから、主務担当の農林省では、少なくとも現在時点で奥能登の農地開発がどういう計画で、どのように進みつつあり、きわめて望みのあるもの、いわゆる明るい展望というものは何か、困っていることは何だということなど、若干御報告をいただきたいと思います。  時間がだんだん迫っておりますのではしょりますが、そしていま、環境庁、あるいは企画、建設等が、もっと新しい形で新規の総合開発を進めるべく昨年度から調査段階に入っているというふうにも伺っておりますから、調査はビジョンがあっての調査でありますから、大まかなビジョンと申しますか、計画、いわゆる農地開発でない別のまた形の奥能登に対する開発計画というものがそれぞれの担当の庁省においてどうなっているか、それをひとつ簡単にお伺いしたいと思います。

三善信二農林省農地局長

○政府委員(三善信二君) 奥能登の農地開発事業につきましては、先生御承知のとおり、この地域は大体十一万ヘクタールぐらいの地区面積がございまして、二市五町村にわたります。耕地率が非常に少ないということで、大部分は林野面積になっておるわけでございます。そこで、気象条件その他土壌条件、そういうのを加味しまして、開発可能地が相当程度あるということで、実は昭和四十年に調査事務所をここへつくりまして、現在まで調査をし、なお地区調査を済みましたところについては事業の実施を行なっているような状況でございます。目的と申しますか、ここの農家の経営面積というのはわりあい狭い、その経営規模を拡大するという目的が一つございます。それから第二点としまして、やはり地域農業を確立していく、適地適産を進めていくということで、この地帯は果樹あるいは草地に適しているということで、そういう地域の農業の振興をやりたいという、この二つの目的で出発したわけでございまして、現在の進捗状況と申しますと、現在まで国営事業として五地区、県営事業として三地区を採択し、事業を実施いたしております。全体の事業実施の面積は約三千四百ヘクタールでございまして、事業費約百億を予定して現在事業を実施しております。それから、五地区につきましては、なお調査を続行いたしております。もう二、三年か、長くなれば四、五年くらいはその調査にかかるかもしれませんが、いずれにしましても、残りあと一万ヘクタールと申しましょうか、その程度を調査をいたしておりますが、その中で用地の買収等なかなかむずかしい点もございますので、どの程度現実に事業実施できるかということは、いまの段階ではまだはっきり申し上げられませんが、いずれにしましても、五地区については調査をいたし、当初の目的に従って私ども事業を進めてまいりたい、こういうふうに考えております。

首尾木一環境庁自然保護局長

○政府委員(首尾木一君) お尋ねの点につきまして簡単に御報告申し上げますが、奥能登の地方には、現在能登半島国定公園が指定をされております。この能登半島国定公園は非常にまだ自然性の豊かなところでございますので、今日大体年間四百万人程度の利用者となっておりますが、なお非常に自然性の豊かなところでございますので、野外レクリエーションの促進をはかりますために、昭和四十六年度におきまして、国土総合開発事業調査をもって、能登半島自然環境の整備調査というものを建設、運輸両省の協力を得まして実施をいたしております。  その内容は、残された自然の利用というものはどういうふうになっておるか、あるいは保全と開発に関する住民の意識調査といったようなこと、それから自然と社会条件に関しての観点からの実地調査といったようなことをやっておるわけでございますが、この調査に基づきまして、私ども将来、住民の意識、住民の志向も参考とし、必要な自然の利用を基礎といたしまして、自然の保全と、環境の保全と、それから開発との、レクリエーション利用の可能性というものを把握をいたしまして、保護すべき地域は保護し、整備する地域については大いにこれを整備していくという、そのような観点から、今後、国民休暇村の設置でありますとか、あるいは集団施設地区の計画でありますとか、海中公園地区のさらに整備をはかっていこう、かように考えておるところでございます。

岡部保経済企画庁総合開発局長

○政府委員(岡部保君) 先生のお話のございました奥能登開発と申しますか、私ども企画庁といたしましては、いわゆる新全総に示されております大規模開発プロジェクトの一つとして、何と申しますか、未開発半島の総合開発というものをどうしてももう一度見直さなければならないという考え方に立ちまして、それの具体的な対象として能登半島を取り上げておるわけでございます。  それで、調査の内容につきましては、いままでお話のございました農林省の農地の問題、農業開発の問題、これは一つの既定の、すでにいろいろ進めておられる問題である。ただ、それだけでいいのかどうかというような点について総合的に考える必要があるということで、お話のございましたように、昭和四十六年度以降、国土総合開発事業調整費というもので、関係の各省庁に予算を移しがえいたしまして調査をしていただいておるところでございます。  そこで環境庁は、いまお話のございました千二百八十万ほどの調査費を移しがえいたしまして、いまお話のございましたような調査をしていただいております。また、運輸省に対しましては五百三十万円ほどの調査費を移しがえいたしまして、これは七尾の辺の、むしろ北側のほうの辺のいろいろ自然条件調査をしていただいております。それから建設省に対しましては約千六百万円の調査費を移しがえいたしまして、これは、開発の基本方針の検討でありますとか、あるいは地域構造の分析でございますとか、あるいは国土の基本図の作製というような具体的な調査をしていただいております。そこで、特にこういう未開発地域の半島用発をいたしますのに、環境問題、あるいはいままでお話がございましたようにレクリエーションの問題等も含めて、一体どういうような開発が一番望ましいのかというのを、もう少しこれは、私どもの考えでは、四十六、七、八、三カ年くらい調査を続けまして、一つの考え方をまとめたいというような考え方でございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 建設省にもお願いしたわけでございますが、時間があと二分でございますので、最後の詰めの段階として、国鉄、運輸関係の決意、見解を明らかにしてほしいのでありますが、いま四百万人の観光客が押し寄せてくる。あるいは、NHKのドラマ「繭子ひとり」があって以来、輪島に押し寄せる日本全国のそういう観光客も非常にふえているようにも伺っております。四十四年の二月に私が現地をたずねたときに、現地の能登町の人たちが集まって、特に閑散線として廃止対象になっている能登線六十一キロ、これを温存してほしい、これがあって初めて私たちが将来に希望を託し、開発に乗り出し、生きる希望を持ってやっているのに、そうしたことになろうとしていることは、きわめて遺憾でありますから、何とかひとつよろしくお願いしますというのが四十四年の叫びです。だから、三年経過しておりますから、時間的経過はありますけれども、ただ国鉄の金沢の金鉄局の現状報告をその当時いただいたのでは、経費率が二九九、だからこれは閑散線、廃止という結論に直結するようでありますけれども、ここでひとつ能登線に対する今後の考え方、望むらくはこれを続けて、地方の人たちの期待にこたえるような答弁を総裁から――運輸大臣からと思いましたけれども、時間がありませんから、総裁からひとつ明らかにしていただきたいと思います。それをもって私の質問を終わります。

磯崎叡日本国有鉄道総裁

○説明員(磯崎叡君) 能登半島につきましては、いま各省からいろいろ御抱負がありましたが、私ども自身非常にこれは、差しさわりがあるかもしれませんが、能登半島を第二の伊豆半島にしてはいけないというのが私の気持ちでございます。あくまでも清浄な、しかも国民の、青少年の役に立つ、しかも農業開発に役に立つ半島にすべきである、これが私の個人としてではございますが、気持ちを持っておりますので、そういう際に鉄道がどういう役目を果たすかということを十分考えながら、石川県といろいろな角度でもって御協力をしながら、そういう今後の能登の総合開発の一つの中心にしていきたいということで、私ども自身も、実は日本開発銀行に頼みまして、相当根本的な調査をいたしております。いずれ私はこれが具体化することを期待しておるわけであります。

木村睦男自由民主党

○委員長(木村睦男君) 杉原一雄君の質疑は終了いたしました。  ここで質疑者の持ち時間の変更を申し上げます。  戸田菊雄君が五十五分に、片岡勝治君が四十分に変更になっております。戸田菊雄君。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 私は、きょう主として国鉄の財政問題について質問してまいりたいと思います。  第一点は、旧再建がなぜ一体失敗したのかですね、その理由について運輸大臣から説明をしていただきたい。

丹羽喬四郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(丹羽喬四郎君) 四十四年の国鉄財政再建計画が、まことに遺憾でございますが、失敗した原因につきましては、輸送需要の見通し、これにやはり誤りがある。モータリゼーション化に伴いまするところの運輸機関の利用度の非常な急激な変化。それとまたもう一つは、国鉄の大きな貨物収入の原資となりました、第一次製品でございます石炭であるとか、木材であるとか、こういつたような物資の輸送、これが大幅に減少をいたしましたこと。それからもう一つ、これは収入の面でございますが、支出の面におきましては、人件費の伸び率の算定の見通しが間違っておりました。その点におきまして支出が非常に増大する、収入が非常に減少する、この三点のために、まことに遺憾でございますが破綻を来たした、これが実情でございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 いま大臣は、主として輸送面から、貨物旅客の落ち込み、そういうことが最大の原因である、こういうようなことを指摘をされているのです。私は決してそうは思わないのですね。やはり旧再建の設定にあたって、自後の経済の見通し、物価の状況、あらゆる各般の要素が入るでしょう。そういった前途の見通しに対しての甘さがあった、この点はどうですか。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) いろいろな社会的な諸条件に対する見通しの甘さということでございますが、特に今回の再建計画が三カ年間にして改定のやむなきに至ったという大きな原因となっておりまするところの貨物輸送量の減少ということにつきましては、これは自動車輸送の非常な増大ということ、それから一次産品の減少というような、二つの点につきましての見通しが甘かったということは否定できないところでございまして、私ども想像以上の自動車輸送の増強、一次産品の減少があったために貨物輸送がかなり減少をしていることは事実でございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 そこで、この新再建の各般の資料が一ぱいあるわけですけれども、これを調査をいたしますると、やはりこの旧再建と同じケースをたどっているきらいがなきにしもあらずだと思うのですね。一体この新再建の政策立案にあたって基本政策はどこにおいたか、その点が一つ。それからもう一つは、この再建政策の概要について、具体的には政府の助成内容、この問題と、再建の資金計画内容、この二つをひとつ詳細にお知らせしてください。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) ただいま先生から御指摘のございました、現在の計画が改定のやむなきに至りました原因というものは、十分に踏まえた上で新計画を樹立しなければならぬわけでございます。したがいまして、私どもまず第一に、挫折の一つの原因であるところの輸送量の算定ということにつきまして、現在まで落ち込んできました、あるいは伸び悩んでまいりました輸送需要というものの減少を踏まえまして、そしてその現状に立ってその長期的な展望を見守る。その長期的な展望につきましても、従来の考え方を修正いたしまして、現実に適するような長期見通しというものを立てて、輸送量について大きなあやまりを生じないようにするということが一つでございます。  それから第二点は、運輸大臣から申し上げましたように、経費の増大の大きな原因をなしておりました人件費でございますが、これは現在の計画では年率九%の賃金上昇ということを見込んでおりまして、しかるに現実はそれよりもはるかに上回った賃金の上昇があったわけでございます。そこで、今回の新規計画におきましては、五十年度までは年率一二・一%、自後一一・一%、一〇・一%というように若干の低下をいたしますが、基本的には五十年度までは一二・一%の人件費の増を見込むということでございます。これは新経済社会発展計画におきまするところの雇用者所得の年率の伸びというものが一二・一%というものを想定いたしておりまして、私どもこれをとることが妥当であろうということでそういう想定をいたしましたわけでございます。そういうことにいたしまして、基本的には新しい計画にし、そうしてその計画におきましては、従来国家の助成というものが若干不十分であったということが考えられるわけでございますので、今回の計画におきましては、大幅な国家的の助成をする。その内容でございますが、第一には、従来国鉄に対する国の出資というものが非常に少なかったわけでございますが、この出資を大幅にふやす、初年度六百十六億からスタートいたしまして、十年間に一兆円の出資をする。それから第二点に、従来も一部部分的には工事費の補助金という形で補助をいたしておったわけでございますが、この補助を大幅に拡大をする。現計画が発足当時は、六・五%と現行金利との差額、平均金利との差額というものを補助しておったわけでございますが、昨年度は九.五%までに下げたわけでございますが、四十七年度予算以降につきましては、四・五%と金利との差というものを国が補助をするということにする。それから、従来の国鉄の経営が非常に困難たったゆえんのものは、過去の債務の利子の負担というものが非常に大きな重圧になっておったということは否定できないところでございますので、今回は、昭和四十六年度末の政府管掌債務、約一兆四千億ございますが、これにつきましては、そり利子の支払いを資金運用部から財政再建債といり形で貸し付けをいたしまして、この再建債につきましては全額利子補給をする、そして十年間利子補給をし、その後長期的な返還をするというここにいたしますから、その意味におきましては、十年間の完全の利子のたな上げというかっこうに相なるわけでございます。その措置を、四十六年反の政府管掌債務だけでなく、四十六年度末の政府保証にかかわるところの鉄道債券というものにもこれを拡大をする、そういう措置をとりまして、さらに地方閑散線の問題が……。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 項目でいいから、要領よく言ってください。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) 地方閑散線に対しまする運営をやらなければならぬ場合にこれを補助するということ、それから合理化等につきましての交付をするというような国の助成をしたわけでございます。そういうことと、それから運賃の改定をお願いをして、そして赤字を解消する、さらに国鉄自体の徹底的な合理化を行なう、こういうことによりまして今後の再建をやっていこうということが今回の再建計画の骨子でございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 時間がありませんから、答弁要領よくひとつお願いしたいと思うのですけれども、大蔵大臣も入ってまいりましたから質問をするのでありますが、いままでの質問で再々、現在の新生総計画というものは見直しをしなければいけない、いわば変更していく、こういうことをいままでの質問の過程で言われておるわけですね。現在のこの新全総計画でいきますと、大体一九八五年ですか、これには百二十兆円ないし百五十兆円の国民総生産を上げよう、こういう計画であるわけですね。ことにこの鉄鋼四倍、石油五倍、石油化学が十三倍等々の現行の産業パターンをそのまま継続をして、大幅にこれを成長させていこうというのが考えだと思うのですね。それに対応できるようないわば輸送需要というものをつくり上げていこうじゃないか、ここが私は現在の国鉄新再建計画の基本になっている、政策の基本になっている、それはどうですか、大臣。  それからもう一つは、もしこの全総を変えるとすれば、この再建計画というものは二月の国鉄基本問題審議委員会でもって決定をされているんですから、現在の全総のものを土台にしてやられておると思うのですね。その辺のかね合いは一体どう考えておられるのか、大蔵大臣ひとつ。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 一応は将来の貨物事情を見込んでこの計画を立てたものでございますが、御承知のように、まだいま政府でやっております経済社会発展計画、この見通しも、いま作業中でございますので、正確な見通しはできませんので、こういうものがいずれ確定してき次第、変更を加えなければならぬという必要があったときには、随時変更を加えられるということになると思いますが、一応は将来の貨物量の予想はしてこの計画は立てたものでございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 そうしますと、現在出されているこの再建計画というものは途中変更あり得るということですね。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 大ざっぱなこの再建策として、いま御承認を願っておるこの再建策が承認を得られますというと、今度はこれをもとにして具体的にこまかい計画というものは今後立てられるということになりますので、もちろん情勢に応じた個々の対策は今後立てられることになると思います。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 しかし、大臣、あれでしょう、社会発展計画というものは見直しをしなければいけない。それは、各般の経済変動全般、物価上昇度合いはどの程度にするかとか、所得の割合はどの程度にするかとか、あるいは開発構想というものは現下の過密化した大都市中心主義のものを地方分散をしていく、各般の問題において、あるいは社会資本の充実――従来の産業優先化というものを社会資本充実化に持っていくとか、各般の変更ケースがあるわけでしょう。そういう中における交通面に及ぼす影響というものは相当大きいのじゃないかと思うのですね。そういう基本があやふやなままに、そういうものを土台にして今次再建計画がなされるということになれば、旧再建と同じように三年後また別な計画がこなければいけないというような結果になりはしないか。この辺の危惧はどうなんですか、明確に答弁をしてください。

丹羽喬四郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(丹羽喬四郎君) 便宜私からお答えいたします。  この問題につきましては、新全総計画に基づいていることは当然でございますが、しかし、昨年の六月運政審で御承知のとおりきまりました輸送需要その他、そういった全総計画に基づく輸送需要よりはるかに具体的の問題といたしましては下回った計算をいたしまして、貨物につきましても、輸送につきましても、もっと現実的の問題といたしましてこれをとらえておりまして、それによりまして今日十カ年計画の数値を出している次第でございます。こまかくあれでございましたら、鉄監局長から御説明をいたさせるつもりでございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 どうも、大蔵大臣と運輸大臣、答弁が一致してないと思うのですね。大蔵大臣は、社会発展計画の変更はあり得る、したがって、そういう変更がなされた場合には再建計画も具体的な内容について検討はあり得る、こういうことを言っているのですね。運輸大臣は、土台にはしているけれども、そういうことは言っておられない。その前途に対する見通し、どうなんですか。この計画でいろいろあります、これ。たとえば財政再建計画収支見通しということですね。運輸収入、財政助成金、これは政府で絶対自信を持って保証するというから、おそらくそうなるでしょう。しかし、工事費補助金の問題とか、いろいろありますが、こういうものは物価、資材の値上がりによってだいぶ変動を来たさないかどうか。少なくとも、ことしは五.三%物価上昇でいくけれども、七%こえるじゃないかといわれておる。来年ももっとやはり同等の物価上昇があり得るのじゃないか。どの辺に一体基準を置いて、具体的に物価上昇の見通しをひとつとらえてみて、この十年間の中で物価はどういう動向で移動していくと思うんですか、運輸大臣どうですか。

丹羽喬四郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(丹羽喬四郎君) ただいまの御指摘でございますが、物件費でございますが、これは卸売り物価でございますので、それで大体経済企画庁で想定いたしました三%というものをとっておる次第でございまして、消費者物価をとっておるわけじゃございません。そしてまた、具体的の問題といたしましては、先ほど御質疑がございましたように、四十四年度のとき遺憾でございましたが、非常にそういったような輸送需要の伸びその他につきまして、あるいはたとえば先ほどのモータリゼージョンによるよその輸送機関への転向、あるいはまた海上輸送への転向、それらのものを十分勘案をいたしまして、具体的に、詳細に国鉄におきまして、運輸省とわれわれと相談をいたしまして輸送需要の算定をいたした次第でございまして、十カ年計画、最小限度のところ、輸送需要の伸びにつきましてはある程度の確信を得たということで私ども出しておるつもりでございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 運輸大臣、大蔵大臣はみずから懇談会に入って再建計画を立てたのですから、前途十年間という見通しをもって、責任を持って私は今後政治家をやっておられるでしょうから、ぜひひとつ実行していくように要望しておきます、ここでは。  それで、国鉄の赤字問題についてですけれども、この国鉄の赤字はどういうところに原因があると思うんですか、運輸大臣。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) 国鉄の赤字の原因といりのは、先ほど申し上げましたように、収入が十分に伸び悩み、そして一方経費が非常に増大をしてきたというところに尽きると思います。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 私は、公共事業の赤字理由というものは、公共事業そのものの性格にあると思うんです。たとえば企業採算を第一の目的じゃないんですから、これは企業、そういうものを優先化さしているわけじゃないんです。それから、非常に公企業というのはインフレに弱い。あるいは、国土計画、産業計画等と国鉄計画との間にたいへんな計画のそごがある、これが常に密接した形でもってやっておられないということ。いま政府の交通態様一つ考えてみたってそうです。陸、海、生全体の総合政策というのはまだ生み出していないのです。これからつくろうというんです。そういうところの中における公共事業、いわゆる国鉄こいうものの位置づけですね、こういうものがはっきりしておりませんから、それは政策貧困による赤字と申しますか、私はそういう責任があると思う。あるいは国鉄ですね、資本はすべていま借り入れ資本でやっているんです。これは諸外国のイギリスやフランス等と全く違ったところです。イギリスとかフランスの場合はそういう性格を持っておりますから、かりに機械近代化で、あるいは新幹線創設で、そういう場合に資本に金がかかる場合には、そういう資本投資については国か全部責任を持っている。あるいは公共負担といわれる割引運賃とか、そういうものについてやって赤字になった場合については、これも国が責任を持って負担をしてやっているのです。ところが、日本の場合には企業採算制ですから、あくまでも独立でやっていきなさいというのがたてまえですから、したがってそういう赤字が私は多く出てくると思うんです。こういう各般の経営実態の甲における赤字を生み出すということそれ自体が、私は日鉄法でいう一条、二条に違反しているじゃないか。少なくとも日鉄法の第一条ではこういうことになっているんです。目的ですね、日鉄法の第一条「国有鉄道事業特別会計をもって経営している鉄道事業その他一切の事業を経営し、能率的な運営により、これを発展せしめ、もって公共の福祉を増進することを目的と」する。こうなっている。決して利潤追求や企業優先を考えてやるというようなことは一言も言っていない。にもかかわらず、いま列記をしたような理由を頭から実態の経営の中に持ち込んでいる。それ自体は、私は日鉄法違反じゃないか。この点、政府は一体どう考えますか。

丹羽喬四郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(丹羽喬四郎君) 確かに、公共企業体でございますから、利潤追求はいたしません。それゆえに、その資本金を募集して配当をするというようなことはさしておりません。また、営業性もとっておりません。そういったような点につきまして、利潤追求の普通の商事会社、企業体でないことはもう事実でございます。しかし、御承知のとおり、先般、二十四年でございますか、公共企業体といたしまして国自体の経営から分離をいたしまして、そうして企業体といたしまして国有鉄道を国にかわって経営をさせるという根本の趣旨は、やはり企業体としての弾力性を持たして、そうしてやはりその時代にマッチするようなそういったような弾力性を持ちまして合理的な経営をするということにやはり主眼を置いている、こういうふうに思う次第でございます。御承知のとおり、先生に申し上げるのははなはだ恐縮でございますが、諸外国におきましても、鉄道企業というものは、日本の民間の民営鉄道も含めまして、この鉄道自体だけをやっておりまするというと、経営におきまして非常に苦しくなってきている点がございます。これは、御承知のとおりに、投資面におきまして、ことに日本みたいなところでございますと、交通空間が非常に希少でございまして、したがいまして土地の取得あるいは工事費の増強その他の点で非常に高騰になって、投資面に非常に巨額の金がかかる。一面また人件費は、これはもう当然のことでございますが、労働集約型でございますから、いかに生産性を向上いたしましてもそう人件費を減少するわけにいかぬ、むしろ上がってくる、これは当然のことでございます。企業の性質、そういう面から考えてまいりまして、どうしても経営というものはどの企業でも非常にむずかしくなってくる。ことに国有鉄道でございますので、そういった方面におきまして、いわゆる利潤追求という形でございませんで、公益性というものを十分に考えていかなければならない次第でございます。安全性の問題、また公共性の問題等におきまして、不採算な路線につきましてもある程度経営をしなくちゃならぬというようなところからいたしまして、そういう点におきましては、企業の採算制から申しますると、不合理な面が非常に出てきております。欧米の例でございますが、もうすでにアメリカのごときにおきましては、限られたるところの鉄道をいかにして維持していくかということにつきまして、国または州、それから企業会社、三者一体になりまして、現実の赤字をどういうふうに補てんするかということできゅうきゅうでございます。しかも、それでも日本と比較いたしまして料金も高い。ヨーロッパにおきましても、やはりそういったようなことが、相当な投資をいたしましても料金も高い。こういうふうなことでございまして、これからの国鉄が今日国民の動脈として生きていく場合におきましては、やはりそういう点におきましては、国の財政措置、あるいはまた国民の協力、また自身の企業努力、いろいろな面でよほどの苦労をしてまいりませんと、国民の負託にこたえることができない問題であろうと思う次第でございますが、しかしながら、何と申しましても、全国を回っておりまする国民の陸上の足としての大動脈でございまして、これがほんとうに円満に運行できるかどうかということは、国民生活に及ぼす影響は非常に甚大でございますので、いかなる困難を乗り越えましてもこの運行は絶対に確保しなくちゃいかぬ、こういうことで今日せっかく御審議をお願いをしている次第でございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 大臣の答弁いただいたわけですが、私がいま指摘したように、公共事業の赤字理由はもう公共そのものに政策的に仕組まれているのだ、だからこれをどう一体排除するのかということが私の質問なんです。運賃の値上げの必要性だけ強調されて答弁されても、ちょっと理解しにくい。いま指摘したようなことを政策的に国としてどう一体排除していくのか。そうでなければ、法律にいわれている一条二項の目的やその他に違反しているのではないか。この点をどう考えるか。

丹羽喬四郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(丹羽喬四郎君) ごもっともな御指摘でございます。運賃だけにこれを依存をし、利用者だけに負担をさせるというわけに、私はなかなかいかぬと思う次第でございます。したがいまして、以前からも、御承知のとおり、国鉄、政府といたしましても、努力をしなかったわけではございません。ほとんどの設備投資の約三分の二というものは、国の財投、あるいは国の保証債務ということから出しております。これは民間企業にないだけの援助をしておる。また、利子補給につきまして、私どもの観念からいたしますと、まだまだ少なかったんじゃないかという観念がいたしますが、六分五厘までの利子補給をしているというようなことをやってきた次第でございますが、今日の時点におきましては、そういうことではもうとてもだめだと。抜本的に国のほうにおきましても、これは納税者の負担でございますから、どのくらい出すかということは限度がございますが、しかし、いまの事態で、こういうことで非常に困るということは、御承知のとおり、二十四年から発足いたしまして、わずかに、二十数年間におきまして、国の現金出資というものは八十数億円でございますが、今回は何と六百十六億円、昭和四十七年度予算、皆さまも今回お認めいただきましたならば六百十六億円、十年間でもって一兆にのぼるというような出資をする。それから利子補給におきましても、一兆にのぼる十年間の出資をする。それでまた債券の、先ほど局長から御答弁を申し上げました利子のたな上げにおきましても、側と七千億からにのぼるところの再建債を発行している。そうして十年間たな上げする。それら所要の措置を講じますとともに、また具体的におきましては、国民の国鉄に対する期待は非常に大きいものでございますから、さらに、国鉄だけではなしに、鉄道建設公団といたしまして本年度は千二百億円でございますが、鉄道だけに対する代替の投資ということもやっておりまして、サービスの改善、線路の増強、交通体系に盛られているような都市間の輸送、大都市通勤通学、また中長距離の貨物の近代化というようなことに思い切った抜本的な改正を加えまして、そして国民の負託にこたえている。こういう、まあ今回といたしましては、これはまだまだいろいろ御批判はございますが、私どもといたしましては、ほんとうにもう発想の転換ともいうような再建策をもって今日御審議を願っている次第でございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 確かに、新債券による政府の出資部面は旧債券よりもはるかに多くなっていることは間違いありません。しかし、これはいまの現状の不景気に対する景気浮揚、これを国鉄に求める。大体、いままでの政府のやり方を見ますると、不況時には国鉄に大量に投資をするようなケースが多い。三十二年以降、第二次国鉄五カ年計画をやった以降、四十年あたりもそういう傾向があるわけです。だから、そういう意味では、国全体の景気浮揚態勢、そういう問題も十分加味されていることは間違いないだろうと思う。しかし、結論的には、何といっても、この利用大衆と国鉄部内の労働者のしわ寄せ、合理化という面、この二点に集中的にいっちゃうのですね、結果的には。これは間違いないと思う。そういう部面の解消ですね、少しでも軽減措置をとっていくことが私は非常に大事じゃないか。いま確かに政府の投資部面は非常に大きい。大きいことは間違いないですけれども、運賃の値上げについては客・貨それぞれ二〇数%上がっている、こういうことですから、そういう意味合いにおいて、さらに物価上昇で〇・四のはね返りがある。こういう状態です。観念的に、国民が総体的にそのことによっていわば犠牲をこうむるというかっこうになる。国鉄労働者はどうかというと、これは十一万人何がしの首を切れというのでしょう、要員削減を。金にして一兆円ですか、この経費節減をやっていく。これは至上命令でしょう。だから、今後もっとそういうひどい状況に私は追いやられるのじゃないか。この辺についてはどう一体考えておられるのですか。

丹羽喬四郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(丹羽喬四郎君) 国鉄が今日こうやって国民の負託にともかくもこたえておりますのは、これはやはり政府、国民の御協力によることはもとよりでございますが、国鉄職員全体が一丸となりましてよくその任務を自覚をして遂行するところにあるということは申すまでもないことであります。したがいまして、国鉄職員の待遇、給与その他につきまして、一般並みの給与の上昇、これを見ることはもう当然のことでございます。私は人件費が多いということは決して一度も言ったこともない次第でございます。これは当然のことだと思っている次第でございますが、しかし、やはり企業をやる場合に、できれば合理化をいたしまして、そうして機械化による部分におきまして、それの省略した部分がやはり給与の改善に充てられる、待遇の改善に充てられるということは、あらゆる企業におきまして生産性向上ということは、どの企業におきましてもこれは当然のことでございます。御承知のとおり、すでに、十一万と言いますが、そのうちの二万数千は四十六年度までにおきまして自然にこれは解消していく次第でございまして、あと残り、これも具体的に申しますと、これは国鉄総裁のほうから御答弁を申し上げるほうが適当でございますが、具体的に無理のない点でやる、しかもこれの安全性というものは確実に確保するという観点に立ちまして、安全性の確保ということを十分に見きわめる、そして無理がないということを見きわめてやるということにつきまして、国鉄当局もその点は十分に配慮してやっているということを私は承知している次第でございますので、御了解願いたいと思います。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 運賃値上げの内容について具体的に質問してまいりたいのですが、まず旅客、貨物の損益はどうなっているか、それからもう一つは運送原価、これについてひとつ答えてください。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) 旅客、貨物の損益という形での計算はいたしておりませんが、結局、現在、旅客と貨物につきまして原価計算をいたしまして、そしてその原価計算の結果、その営業係数がどうなっているかというようなことは一応の計算をいたしております。で、それによりますと、四十五年度でございますが、旅客につきましては、新幹線が営業係数四四、非常な利益をあげているわけでございます。在来線が一一〇で、合わせて旅客につきましては営業係数が九四ということでございますが、貨物につきましては営業係数一七三でございます。収入一〇〇に対しまして経費が一七三という形でありまして、貨物が非常に大きな赤字を出しておるということでございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 いま答弁があったように、国鉄の本来の赤字は貨物輸送にあるのですね。たとえばこの六九年度でいきますと、一千五百億の赤字だと、こういうこと。在来線の赤字は四百五億円ですね。したがって、貨物、旅客の比較でまいりますと、旅客の二・二倍ですね、このくらいの赤字を見ているのですね。こういう内容については、今度の運賃改定では是正をされているのでしょうか。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) 先生御指摘のように、貨物と旅客と分けて見ますと、貨物が大きな赤字を出しておるということはいなめない事実でございます。ただし、今回の運賃改定におきましては、それなら直ちに貨物だけを非常に上げるというようなことにするということになりますと、貨物自体の持っているところの、何と申しますか、他の交通機関との競争的な関係というようなことからいきまして、必ずしも適切ではないし、また貨物の値上げによるところの物価の関係というようなことも考えなければいかぬというような考慮を払いまして、そして今回の運賃改定におきましては、旅客につきましては一応賃率改正並びに公共負担の是正を含めて一五・四%の実収を得るということを目標といたしまして、さらに貨物につきましては、現在の等級制度が四等級ございますが、これを三等級に圧縮するということを根幹といたしまして、さらに運賃アップをするということによりまして一五%の実収を得るということの値上げをいたしております。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 いま答弁があったように、確かにこの損益勘定で、貨物は二四・六%、旅客は二三・四%、値上げの割合は貨物のほうが高いんです。しかし、実収部面では逆になってるでしょう。これは実収部面でいきますと、旅客が二一・七%、貨物は一一・一%ですね。金額にいたしますと、旅客は千八百八十一億円、割合にして八六・五%、貨物は二百九十四億円しか上がらぬですよ。一三・五%、こういう矛盾が出てくるんですね。だから、一般国民としては、なるほど貨物は運賃値上げの割合が大きいから、額もそれに順応して大きくなってるんだろうと、こう思うんですがね、実際の増収にいきますと旅客のほうに大部分ウエートがかぶさっている。こういう現象は、一体矛盾だと思いませんか。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) 旅客と貨物の実収と、それから値上げの率でございますが、これは先生御指摘のございましたように、旅客につきましては二三・四%の計算上の値上げをいたします。そして実収は一五・四%でございますが、貨物につきましては、それを上回ります二四・六%の値上げをいたしますが、実収としては一五%しか上がらないということになります。で、この計算上の増収とそれから実際の増収の違い、これは私どもまあ利用減と称しておるわけでございますが、この利用減につきましては、過去の運賃改定等の利用減の率というものから利用減率というものを算定いたしまして、そしてこういう形の計算をいたしたわけでございます。先生御指摘のように、貨物がもうかっていないにもかかわらず貨物の値上げをこの程度にとどめたのはどうかということも当然考えられるわけでございますが、先ほど申しましたように、競争機関の実情だとか、それから貨物の値上げによるところの物価への影響等々勘案いたしまして、旅客を若干上回る名目の値上げということにとどめた次第でございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 時間がありませんからこまかい点まで触れるわけにまいりませんが、いずれにしても、いま言ったように、貨物輸送では一千五百億の赤字だと。在来線赤字が四百五億、これはおそらく地方閑散線区が大部分入っているわけです。しかし、東海道新幹線の場合には、六九年度で七日八十八億円の黒字でしょう。七〇年度で一千百六十五億の黒字でしょう。旅客で三百八十三億円の黒字じゃないですか。だから、こういうことになれば、運賃改定にあたって、運賃値上げのもし実行がどうしても必要だというなら、なぜ一体貨物に向けないんですか。そればかりじゃないですよ。たとえばユニチカとか、そういう専用線の場合ですけれども、一〇〇〇をこえる全く赤字の営業係数の場合にそれを尊重して、そうして三千八日キロの片や地方閑散線区を廃止をしていく。撤去するなら、一〇〇〇以上のそういう専用線をなぜやらないんですか。もしそういうことができないなら、なぜ一体企業の負担にやっていかないんですか。そういう、経営上いろいろ検討すれば、私は幾らでもまだ改善の余地のあるものがあるんじゃないか。そういうものを放置して、いま言ったように、貨物の運賃値上げをわずか三百億だかに押えておく。こういう矛盾した運賃値上げのあり方というものは私はないと思うんですけれども、それはどう考えるんですかね。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) 東海道新幹線が非常な黒字をあげていることは、先生御指摘のとおりでございます。東海道新幹線を中心としたところの幹線の黒字というものが地方におきまする支線の赤字というものをカバーをしているということも事実でございます。また、旅客、貨物の配分を見ますと、当然貨物のほうが非常に大きな赤字を出しておるわけでございますが、先ほど申しましたように、国鉄の収支を見る場合に、旅客、貨物を全体として考えておりまして、そうして、その中におきましてバランスのとれたといいますか、改定をするということにおきまして、貨物は二四・六%、旅客は二一二・四%という改定にしたということでございます。  それからなお、先ほどお話がございました具体的な個々の線につきましての合理化その他は、これはもちろんやらなければならぬことでもございます。ただ、専用線自体につきましては、専用線は、国鉄の金でなくして、その専用者自体がこれを建設をしておるわけでございます。いずれにいたしましても、個々の具体的な問題につきましての合理化につきましては、大いにこれはつとめてまいらなければならぬものと考えております。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 もう一つあるのですけれども、新幹線の減価償却等の問題について。一九六四年出発して、七〇年になって投資額が三千五百六十三億円、で、償却は完全になされているのですね、九百三十五億。それから利益は、六四年と六五年は確かに赤字だった。しかし、六六年から百六十三億円の黒字に転化しているのですね。総体七〇年までで一千百六十五億、こういう利益を生んでいることは間違いないですね。こういう問題についても、大体投資残高と利子の関係を見ますと、利子は千五百五十九億円等にふえておりますが、投資残高百二十一億ですから、完全に減価償却がなされているということになるのですね。だから、ここから黒字でもって、いま政府の助成ですね、利子補給を完全にやられ、投資部面が今後やられるとするならば、国鉄は完全に黒字経営でいけるんじゃないですか。どうなんですか、それは。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) 新幹線が非常な利益をあげておりますから、したがって、十分な減価償却をいたしても利益をあげておりまして、したがって、投資が急速に回収をされるということは事実でございます。ただ問題は、国鉄の投資が、ただいま申しましたような新幹線投資のようなものばかりでございません、安全の投資もございますし、あるいは大都市通勤の投資もございます、あるいは地方におきまする幹線の投資におきましても、すぐには経済効果を発揮しない、いわゆる懐妊期間が相当長いわけでございますから、全体として見ると国鉄の投資というものは非常に効率――効率というよりも、むしろ採算的にはそうペイをするものではないということでございますので、そういう新幹線の投資等を含めて、全体の投資につきまして、国といたしまして利子補給、工事補助金等の助成をする、こういうことで今後とも設備投資を促進しようと、こういうことでございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 それで、減価償却の方法についてですが、現在、国鉄の場合、定率法をとっていますね、定額法じゃなくて。これが一体妥当なのかどうかですね。それから、最近、いままで全然減価償却の範囲に入れてなかった電線とか線路ですね、こういうものを半額減価償却をする、こういうこと。あるいは、六五年以後でありますが、固定資産の償却年数平均二十七年、これを二十二年に短縮をしたわけですから、それだけ償却費が拡大をされた、こういうことになると思うのですが、こういうことで部内留保が拡大をしていっているという状況なんですが、その辺ははたして妥当かどうかということなんですがね、その辺の見解についてひとつお伺いをしておきたいと思います。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) お答え申し上げます。  国鉄の減価償却でございますが、これは先生、定率とおっしゃいましたけれども、現在大部分のものは定額法が中心でございまして、定率法によっておりますものは、車両、船舶、自動車、機器でございます。あと、建物だとか、橋梁だとか、トンネルだとか、無形資産だとか、あるいは線路設備だとか、電線路、工作物、その他の保安設備、こういうものは定額でございます。なお、私鉄等におきましては、定率でやっている場合が非常に多うございます。なお、法人税法では定率、定額いずれでも許容されておるところでございます。それから線路設備につきましてのただいまのあとの問題は、取りかえ資産に関するものだと思います。取りかえ資産につきましては、これは同種の設備を取りかえるということによりまして、それは減価償却引き当て金が原簿価額の五〇%に達するまで償却をするといういわゆる取りかえ法の制度でございます。これにつきましても、私鉄その他でも行なっている制度でございますし、会計原則上も認められておる制度でございまして、特別にこれによって償却をふやしておるというようなことにはならないかと思います。  それからいま一つは、減価償却の問題では、耐用年数という問題が一つあるだろうと思うわけでございますが、この耐用年数につきましても、基本的には法人税法施行規則の定めておりまする耐用年数というものに大体準拠しておるわけでございます。それからなお問題は、こういった償却自体を行なうことは一種の内部留保になるわけでございますが、ただ国鉄の場合におきましては、本来のこの内部留保というものが十分にできておらないということは、これは累積欠損というものが相当あるわけでございます。現在八千億をこす累積欠損があるわけでございまして、その意味におきまして、内部留保が不十分であるということになるかと思います。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 そこで、この七二年の国鉄予算についてでありますけれども、一応運輸収入は、料金値上げを予定し、七一年度補正額一兆一千四百九億円から一兆三千五百八十四億円、こういうことに訂正をされました。二千百七十五億円の増収が考えられている。雑収入が四百五十億、減価償却費の部分などを含む経営費一兆一千五百八十一億円と利子及び債務取り扱い諸費二千九十九億円かほぼまかなわれ、四百十七億の黒字が予定される。しかし、実際問題としては、もうすでに運賃値上げを土台にして組まれておるのですから、今日までの四月一日実施の予定ははるかにおくれているわけです。これが三百五十五億、それからもり一つは仲裁裁定の七百五十億、合計一千百億、ですから、予備費に入れた二百三十幾らかの――三百幾らですかな、これは帳消しで、むしろ赤字になっているのじゃないか。これは予算の修正を必要としないのですか、どうですか。

丹羽喬四郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(丹羽喬四郎君) ただいま御指摘のとおりでございます。非常に困難な状況でございますが、私ども御審議を願っておるところでございまして、極力増収努力と経費節減によりまして所期の目的を達成する、これ以外にないと思っております。その方向で懸命に努力をいたしたい、こう思っておる次第でございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 仲裁裁定の完全履行は、過日の運輸委員会で統一見解が出されている。これは政府は責任を持って実行いたしますと、こういうことでしょう。そういうものに対して運賃値上げとかりみ合わせて、運賃が上がらなければそれはやらないと、こういうことじゃないでしょう。どうなんですか、その点は。

丹羽喬四郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(丹羽喬四郎君) もとより精神におきまして、完全実施をしたいという精神には変わりございません。しかしながら、ただいまのそういった御指摘がございました七百数十億みな新予算関連法案に含まれておる次第でございまして、ことごとくが予備費から全部新予算に含まれておる次第でございますので、もし新予算が通りませんでしたならば、あらゆるほかの方法を講じなければならぬ、こういうふうな問題でございまして、ただいまそういったことを予測をして――私どもは予測をすることさえ非常に問題であると、こういうふうに思っておる次第でございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 この点は、大蔵大臣、どうですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 御承知のように、現在の段階では仲裁裁定を実施するために予算上可能であるという断定はできませんので、したがいまして、十六条に従って国会の議決を求める措置をいまとっておるところでございます。しかしながら、先般政府の統一見解として申しましたように、仲裁裁定はいままでは完全に三十三年以来実施してまいったことでございますし、今後も、本年度もこれを完全実地することに努力すると、気持ちに変わりないということを申したのでございます。努力はいたしますが、問題は、いま御審議を願っておりますいろいろな法案が通過しないということになりますというと、これは再建策のやり直しにもなるでございましょうし、予算の建て直しもしなければならぬ。そういうものとからんで、はたしてこの実施ができるかどうかということについては、私どもこれは真剣な問題を持たせられるということになろうかと思います。これはそういうことでございますが、先般申し上げましたのは、いずれにしましても政府は完全実施したいという努力をする態度に変わりないということでございまして、これはあらゆる努力をするつもりで、現在も御審議をいろいろお願いしておるということでございます。

戸田菊雄日本社会党

○戸田菊雄君 大臣都合のいいところばかり主張されておるようですけれども、私は、政治的判断として、閣僚決定をして十六条の仲裁裁定の発動をやったということは、非常に不見識だと思うのですね。過去何回かあるわけですけれども、全逓の場合もそうでしたね。たまたま料金値上げのときです。そういうことで政治的に圧力をかけるかのような行為は、やはり政府としても私は慎しむべきじゃないか、こういうふうに考えておるのですが、これはひとつ私の意見として申し上げておきたいと思います。  それから、今回の再建策の中に、大都市通勤輸送が削除されたんですね。従来の再建計画の中に、いずれの場合でも大都市通勤輸送、そういった関係は全部挿入をされて、それ相応の資金を回して改善策をはかってきたんだけれども、一体今回なぜ大都市通勤輸送を抜いたのか、もう十分完ぺきな情勢になっておるのかどうか、そういう意味合いで抜いたのかどうか、この辺の見解が一つ。  それからもう一つは、私は鉄建の運営について非常に疑問を持ってきたのですけれども、たとえば貸し付け線というのがある。その中には無償と有償と二通りありまして、そして有償のきわめて赤字ケースと認められるようなものは全部国鉄自体が経営して、あと半分くらいは鉄建がやると、こういう運営方式について、私は検討すべきじゃないかと思うのですね。この二点について大臣に質問して、私の質問を終わりたいと思います。

丹羽喬四郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(丹羽喬四郎君) 初めの、大都市通勤通学輸送を今回抜いたんじゃないかと、そういうことは決してございません。大都市通勤通学の輸送の確保、またそれに対する線路の増強、その他サービスの改善につきましては、これはやはり都市問交通、都市間輸送二つ並べまして大きな柱としておる次第でございまして、今日におきまして二四〇の混雑率、決してこれを私はよいと思っておる次第ではございません。できるだけ混雑率を緩和してまいりたい。ただこれは、御承知のとおり、国鉄だけでできるものではございません。いま、御承知のとおり、首都圏におきましても、近畿圏におきましても、あるいは地下高速鉄道その他の力をかりなければなりませんが、相まちまして国鉄の大きなひとつ使命として今回出している次第でございますので、御了解を願いたいと思う次第でございます。  また、国鉄自体の線路を鉄建公団にやらせるというようなことにつきまして、その点の矛盾はどうかという御指摘でございます。これはいろいろ御批判もいただいている問題でございますが、やはりすでに国鉄自体といたしましても、自分として線路増強をやるべき点がある。ただ、国鉄だけでは、もうすでに技術陣  いろいろこれからの大きなサービス提供を迫られております。やはり別個の機関によってやらせるほうが適当だ。しかもそれの運営は国鉄にやらせるというふうな二本立てにしたほうが国民にサービスを提供するのにはいいというような御審議をいただきまして、そしてできたものでございます。この合理的な路線につきましては、これは、国民の御指弾をいただかないような、ほんとうに鉄道としての特性を生かし得る線路というものに必ず限定してやるということの精神におきましては、私ども堅持をしてこれをやってまいりまして、国民の御批判にこたえていかなくちゃならぬ、こういうふうに思っておる次第でございます。

木村睦男自由民主党

○委員長(木村睦男君) これにて戸田菊雄君の質疑は終了いたしました。  質疑を続けます。鈴木一弘君。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 私は、国鉄の財政の中で、特に鉄道債券とか借り入れ金、この運用問題について伺いたいと思います。  政府保証の鉄道債券、いわゆる政保債、この消化先が、現在個人及び都市銀行等金融機関よりなる引き受けシンジケート団と、こういうことになっているわけでありますけれども、その内訳をひとつ聞かしていただきたいと思います。

小林正知日本国有鉄道理事

○説明員(小林正知君) お答えいたします。  現在国鉄で発行いたしております鉄道債券は七通りございまして、すでに発行の実績がございましたけれども、残額が残っておりますために利子だけ残っているというものがほかに三つございます。  それで、いまお尋ねの件でございますが、政府保証債、これは個人その他都市銀行等を中心にいたしました引き受けシンジケート団によるものでございます。昭和二十八年から実施をしておりまして、四十六年度末の残高六千六百九十億円でございます。そのほか、資金運用部特別会計及び簡易保険特別会計、こういったいわゆる政府の特別会計にお引き受けいただいているものが千百四十四億、それから地元の市町村、県等に非常に関係の深い工事ということで御協力いただいておりますいわゆる利子債  特別鉄道債券と言っておりますが、これが千二百七十六億でございます。そりほか、国鉄共済組合関係で約五百七十億程度、それから関連事業等――国鉄に関連をしております会社等に引き受けを依頼しております分が約二千六百五十億程度、それから主として都市銀行及び地方銀行等のいわゆる金融機関、さらに農林関係の諸金融機関に主としてお引き受け願っておりますものが四千八百五十億程度ということでございまして、合わせまして債券の累計は、いわゆる財政投融資分といたしまして、政府保証債と政府引き受け債が七千八百億。それから、その以外の分は、いずれもこれは政府保証になっておりませんで、いわゆる国鉄の信用借りと申しますか、自己調達資金となっております。それが約一兆六億でございまして、合わせまして一兆七千八百四十億円というのが四十六年度末の大体推計になっております。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 私が聞いたのは、政府保証債券のことを聞いたんですけれども、お答えは自己調達分まで全部お答えをいただいたんですが、政府保証鉄道債券の消化先の名前です、はっきり申し上げて。これの、何といいますか、政保債となって、利率が七%、発行価格は九十九円七十五銭で出ている分ですね。それから公募という形式をとってやっているもの、それの個人及び都市銀行会々というふうにこれはいただいた資料にはあるもんですから、一体それはどこなのかということを伺っているわけです。いま御答弁のありましたいわゆる共済組合とか金融機関、まあこの辺についてはあとから伺いたいと思っておりますけれども、その詳細をちょっと教えてください。

小林正知日本国有鉄道理事

○説明員(小林正知君) ただいま先生お尋ねの件、政府引き受け債につきましては、シンジケート団で一括して受けておりまして、ただいまここに手持ちの資料ちょっと持っておりませんので、はなはだ恐縮でございますが、後ほどお答えさしていただきたいと思います。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 じゃ、その次の問題に移りたいと思います。  次に、この発行価格、これがだいぶ差があるわけでありますが、発行価格と、それから償還方法、利率等について言っていただけませんか。

小林正知日本国有鉄道理事

○説明員(小林正知君) 発行価格と利率のお尋ねでございますが、政府保証債は、現行利率、最近かなり頻度が高く変わっておりますが、政府保証債では、発行価格百円につきまして九十九円七十五銭、それから表面金利は七%になっております。しかし、応募者利回りといたしましては七・〇五三%と、かような数字になります。  それから利用債でございますが、利用債は、発行価格が九十九円五十銭、表面金利が六・七%、応募者利回り六・七八四ということでございます。  それから、現在発行しておりますもので、政府引き受け債は最近はございませんので省略さしていただきますが、いわゆるへ号債と言いまして、これは関連事業等に――かつては金融機関にも引き受けてもらったものでございますが、現在は関連事業等引き受け、この発行価格が九十九円二十銭、表面金利七・一%、応募者利回りが七・二七二ということでございます。そのほか、現在金融機関を対象にいたしまして、主としていわゆる特別債の中で大宗をなしておるものでございますが、いわゆると号債というものがございますが、と号特別債券は九十九円三十五銭、表面金利七・二%、応募者利回りが七・三四%、それから共済関係は二通りございますが、ち号債というのが九十九円七十五銭、表面金利が七%、応募者利回りは七・〇五三、それからり号債、これが九十九円三十五銭、これも共済組合でございますが、引き受けの会計が違っております。表面金利は七%、応募者利回りは七・二二九、かような内容でございます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 私が伺いたいのは、非常に応募者利回りが、あるいは表面金利についても、七%をこえる、あるいは六・七%をこえるという状態であります。この点で、これははっきり申し上げて、財政関係の、は号債の財投、あるいは先ほどの政保債の財投公募となっておるわけですけれども、その辺で財投の利子六分五厘というよりも高くなってきている、これはどういうわけでしょうか。

橋口收大蔵省理財局長

○政府委員(橋口收君) 債権の利回りと財投金利との関係でございますので、私から申し上げたいと思います。  先生御承知のように、財投金利はいわば短借の金利でございます。それに対しまして、債券形態のものは一般消化を予定いたしております。したがいまして、事業債、金融債、国債等の各種の債券の利回りの均衡をとってきめております。そういう関係で財投金利よりは高くなっておるわけでございます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 その点はわかるんですけれども、時間がありませんから最後にまとめてまた伺いたいと思います。  その次は、自己調達の分の問題について伺いたいのでありますけれども、この利用債の、先ほど答弁のありました千二百七十六億円の残高のある特別債券、この消化先ですね、これは縁故募集ということになっていると思いますが、この縁故募集の場合の相手方、それからおもな民間会社の名前、この点はおわかりでしたら言っていただきたいと思います。

小林正知日本国有鉄道理事

○説明員(小林正知君) 先ほどちょっと御答弁申し上げましたが、引き受け先の個々のものにつきましてはいまちょっと手持ちございませんが、大体のところで申し上げますと、自己調達資金のうち利用債につきましては、これは大体都道府県あるいは市町村にお引き受け願っておる。これは期成同盟といったような地方の団体を形成されましてお引き受け願う場合が大部分でございますが、大体県知事さんあるいは市町村長のほうでおまとめいただくということになっておりまして、内容のこまかい点はつまびらかでない面もございますが、私どもの仄聞が若干入っておりますが、おおむね利用債の八〇%程度は地方公共団体でお引き受け願っておる、かように存じております。それから民間会社、いわゆるへ号債でございます。これにつきましては、おおむね国鉄と関連の比較的高い事業、物品の納入でございますとか、あるいは……

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 へ号じゃなくて、利用債。

小林正知日本国有鉄道理事

○説明員(小林正知君) 利用債でございますか――利用債の地方公共団体以外のものにつきましては、たとえばその工事を実施いたします場合に関連の深い会社、たとえばコンピューター等の、券売機等の利用の場合の交通公社でございますとか、あるいは貨物設備等につきましては通運会社、日通等というものが入っております。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 いま、地方公共団体が利用債のうちの八〇%、あと二〇%の緑故債がはっきり言えば民間会社と。その民間会社というのは、おもなところだけでも十カ所ぐらいあげていただいて、引き受けている金額を言ってもらいたいと思うのですけれども。

磯崎叡日本国有鉄道総裁

○説明員(磯崎叡君) 利用債の引き受け先の会社、すぐ調べて持ってまいります。ちょっとお待ち願いたいと思います。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 その場合、これは緑故債ですから個々に折衝しなければならないと思うのですけれども、六分七厘という利子で、応募者利回りも六・七八四ですか、六分七厘八毛云々となるわけでありますけれども、その点これが五年据え置きで云々となっております。これについての受け入れ先のほうから何か条件が出てくるということはないのですか。いままでこの縁故債の問題では非常に、駅舎の問題であるとか、いろいろな問題で問題になってきておりますので、いわゆる受益者が買うということになっている、引き受けることになっておりますので、その点についての相手側の条件というようなものはどんなものが出ておりますか、聞かしていただきたい。

磯崎叡日本国有鉄道総裁

○説明員(磯崎叡君) そういう利用債につきましては、実はいろいろ問題がございます。御承知のとおりでございますが、その受益の範囲がきわめて限定されておる。たとえば駅舎を直すというふうな、利用債の場合には割り合いにその地域だけの問題になりますので、利率その他につきましてもそれほど大きな問題はございませんが、たとえば複線電化をするというふうな場合に、その地域たけでなくて、ずっと関連する地域が広い、それからそこから通過する列車もあるというふうになりますと、その地域といたしましてはその恩恵に浴するのはごく一部じゃないかというふうな議論もございまして、したがって利率をもっと高くしろというふうなことでございます。御承知のとおりに、利用債は大体ほとんど都道府県、市町村からそのままその付近の地方銀行に引き受けてもらっているようでございます。したがって、利ざやの問題が一分ぐらい出てまいりますので、その利ざやの負担の問題がございます。私どもといたしましては、非常に地元からの、そういう場合には六分七厘はひどい、もっと上げろというお話もございますが、なかなか、金利の問題もございますが、むしろ大蔵省の全般的な金利政策の関係からいってあまり高いのもまずいということと、それからもう一つは、これは無責任になりますけれども、今度は利子補給を実はしていただくことになりましたので、国鉄といたしましては非常に無責任で失礼な言い方でございますけれども、その部分も利子補給でしていただくことになったわけでございます。ですから、その意味で、これからはむしろ金融全般の問題としての利率の問題ということになると思いますが、しかし地方銀行は、担保適格債になっておりませんので流通性がございません、多少抱いたままでお困りになっている。いまのような金融緩慢なときは非常によろしいのでございますけれども、金融逼迫してまいりますと、いろいろそういう問題が起きてきていることは事実でございますし、また内容によりましては、さっき申しましたように、非常に地域に密着しているもの、必ずしも密着してないものとによりまして、お話が違うということがございます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 いま六分七厘、それからと号債あたりは七分二厘、その間の違いが五厘あるわけですね。五厘というのは非常に大きいわけですよ。縁故債ということで六分七厘と五厘減らしているのか。いまの御答弁ですと、今後のこともあるから、利子補給でしていただくから――これは前から、二十九年からやっているので、そのころから利子補給をしてもらうことを考えてきめているわけじゃないと思うのですよ。そうすると、どうしてこの差が出てきているのでしょうね。七分二厘なんという最高の金融機関に引き受けさせていると号債と、縁故債は六分七厘と、非常に低いと。この差はなぜ生まれたのですか。

橋口收大蔵省理財局長

○政府委員(橋口收君) 金利全般の問題でございますから、私からお答えを申し上げたいと思います。  国鉄の非公募債の発行条件をどうするかということにつきましては、運輸省、国鉄からそのつど御相談をいただいております。そういう関係もございますので、私からお答えを申し上げたいと思いますが、ただいま先生から御指摘がございました地方団体の引き受けの利用債、これは総裁からもお答えございましたように、受益の程度が比較的はっきりしているということで、条件としましては六分七厘八毛三糸ということで、これは相当長い期間そのまま据え置きになっております。それに対しまして、と号債、へ号債、ち号債等は、利用債と申しますよりは、いわゆる非公募債――公募の形態をとらない資金調達の方法による債券ということでございますから、これはやはり金融情勢、金利情勢に応じて条件の改定をいたしております。で、たとえば、ことしになりまして、三月、五月と市場の金利動向等を勘案いたしまして、市場価格等も勘案をいたしまして、二回改定をいたしております。で、改定前で比較をしてみますと、たとえば金融機関引き受けのと号債、これは七分七厘一毛八糸でございましたが、現在は七分三厘四毛になっております。したがいまして、二回改定をいたしました改定前で申しますと、地方団体の利用債との間に約一分の開きがございます。現在はその開きが約〇・五%ぐらいに縮まっております。こういうことで、金利情勢、金融情勢等によりまして条件の改定をいたしておりますが、利用債は、先ほど来お答えをいたしておりますように、受益の程度が確定しているという見地から、これはずっと据え置きにいたしておるわけでございます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 で、その中で一つ伺いたいのは、へ号債ですね。これが、四十二年までは関連会社のほかに金融機関に引き受けさせていた。四十三年から以降は関連会社だけに引き受けさせる。これはどういう理由で関連会社だけになっていったわけでございますか。

小林正知日本国有鉄道理事

○説明員(小林正知君) ただいま御指摘ございましたように、途中まで、制度をつくりましてから四十二年までだったと思いますが、金融機関でやりまして、それまではへ号債というものまでしがなかったわけであります。その後、と号債というものができてまいりました。と申しますことは、金融情勢の変化によりまして、と号債――現在のと号債に相当いたしますものが、いまのへ号債に当たっていたわけでございまして、その後、金利の上昇といったような事情を受けまして、と号債を主として金融機関向けにこれを引き当てるというふうに改めまして、へ号債は、これは関連事業と申しますか、国鉄と比較的縁故の深い、業務においていろいろ関連のある会社に引き受けをさせるという意味において、区分をした次第でございます。若干低目になっております。しかしながら、利用債等と比較いたしますと、やはりそういった事業会社といたしましては、自分の金を持っているわけではございませんので、若干低目ではございますが、そういった金融機関に対するものの金利というものも勘案をいたしまして、へ号債を引き受ける、かような結果になっております。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 へ号からと号が生まれてきたということで、その点わかるんですが、と号債の現在出ております約四万八百四十九億、それだけの残高が残っておるわけでありますけれども、これは先ほど、引き受け先は都市銀行及び農村のいわゆる金融、こういうふうに言われたんでありますけれども、それ以外にはございませんか、引き受け先は。

小林正知日本国有鉄道理事

○説明員(小林正知君) と号債の引き受け先の問題でございますが、大体大宗をなしておりますものは都長銀関係、それから地方銀行、相互銀行も入っております。それから信託銀行、生命保険、それから農林関係の諸金融機関といたしましては、農林中金をはじめといたしまして、全共連、県信連、そういったところでございます。そのほか、労働金庫等にも若干ございます。そういったところが大体おもな引き受け先でございます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 もう一つ、ち号債、これは国鉄共済組合が引き受け先になっておりますけれども、ち号鉄道債券、これの場合、国鉄共済組合のこれを引き受けている原資は、何で引き受けてらっしゃるのかということですね、それをひとつ伺いたいと思うのですが。

小林正知日本国有鉄道理事

○説明員(小林正知君) ち号債、り号債、いずれも国鉄共済組合の引き受けでございますが、国鉄共済組合の中には幾つかの会計の勘定が分かれておりまして、その区分ごとに引き受けておるわけでございますが、ち号債のほうはいわゆる長期経理会計のほうからの引き受けでございます。り号債のほうは貯金経理のほうからの引き受けと、原資が違っております。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 長期会計といえば、年金みたいなもの、そういった基金だろうと思いますけれども、これを引き受けさせたほうがむしろ原資の有効な活用、こういうことになるわけでございますか。そういう観点からこれは引き受けさしているのかどうなのかということですね。  それから、現在ち号債が四百三十三億ですか、残高がありますけれども、これは長期会計の中の、向こうの原資全体額の中の何%ぐらいに当たっているのかということ、その点を伺いたい。

小林正知日本国有鉄道理事

○説明員(小林正知君) 共済組合に鉄道債券を引き受けてもらっている、その意味と申しますか、機能と申しますか、そういったものは、まあ国鉄共済組合は、国鉄職員のいわゆる掛け金、さらにまた国鉄の負担金といったようなもの、それと自分自身の運用というものが原資になって全体の会計がまかなわれておること、御承知のとおりでございますが、国鉄の全体の工事の推進等のために自己資金調達の一環としてこれに共済組合も協力してもらうという観点が一つと、さらに共済組合自体といたしましても、資金の運用ということが法律的にも許されておりますし、またそういった機能も持って、年金等の長期会計あるいは貯金経理の関係というものをやっておりますので、そういった共済組合自体の運用の問題と、国鉄のそういった資金調達に協力する、こう両面からの観点から引き受けを願っておる、かような次第でございます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 ですから、ち号の場合とり号の場合と違いますが、り号の場合は貯金ということですから、社内貯金みたいなものですが、そういう中で何%この九十億円というものは占めておるのか。ち号の場合には、長期会計ということでありますから、その基金の中から、四百三十億円の残高を占めておるし、これを引き受けておるわけでありますが、そのパーセンテージはどのくらいになっておるかということを聞いておるわけです。

原田種達日本国有鉄道理事

○説明員(原田種達君) お答え申し上げます。貯金経理の中では約四割、それから長期経理の中では約二割ございます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 この共済組合の貯金経理という、貯金というのはどういう性格のものですか。

原田種達日本国有鉄道理事

○説明員(原田種達君) これは国鉄の共済組合員の毎月掛けます貯金の累計を全部運用しておる経理でございます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 これは私、大臣、非常にこれ奇妙に思うんですけれども、はっきり申し上げて、あまり社内預金というものはほんとうは奨励したくないわけです。その社内預金の中みたいなものであります、貯金をしているということは。その中から債券を引き受けさせて、しかもそれが四〇%に達しているということは、言いかえれば、支払った給料をそのまま、まあはっきり言えば債券の引き受けにさしたみたいな感じがありまして、どう考えてもあまりこれはほめた話ではないというように考えざるを得ないわけなんですけれども、その点はどういうふうにお考えでございますか。

丹羽喬四郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(丹羽喬四郎君) 私、専門でございませんから、当否はっきりよくわかりませんけれども、やはり社内預金をいたしまして、預金者に対する利払い、これがどのくらいになるかということもやはり勘案をしてみなけりゃならない問題じゃないかと、こういうふうに私は思います。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 それはまあ、国鉄が非常に苦しくなければ、私はこれはかまわないんですけれども、はっきり申し上げて、利子の補給もしてもらわなきゃならない、いろいろな補給金も出してもらわなきゃならないということになると、何となく感じとしてはよくない感じがするんです。そういう点は、これは一番最近四十六年度から始められた、これは特別債券でありますけれども、四十六年度から始めて初年度で九十億になっている。まあそういうことでありますから、この調子で四十七、四十八ふえていくわけじゃないと思いますが、その点でやはり、月給から半強制的じゃないでしょうけれども貯金をした、その中から債券に四〇%を持っていかれている。まあ戦争中の国債買わされているような感じもちょっとあるわけです。こういう形がはたしていいんだろうかということ、これはかえって利子がつくからいいではないかという言い方もありますけれども、その点何か、健全なのかどうかという点は、私は非常な疑問があるんですけれども、もう一度あらためて……。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) 共済組合の資金の運用の面は、先ほど先生の御指摘がございました長期経理と貯金経理とはだいぶやはり性格が異なると思います。  長期経理の場合には、組合員の掛け金と、それから国鉄自体の負担金というものを中核といたしまして、そういったようなものを長期に運用いたしまして年金等の支払いに充てるわけでございます。したがいまして、非常に長期なものでございますから、この運用の予定利率というものもしっかり押えて、そしてその上に立って長期的な支払いができるようにということを配慮いたしまして、運営規則というものも定めまして、そうしてその中でやっております。現在では、規則的には運用利率五・五%以上に回るようにというような形でやっておりまして、その範囲内で安全かつ確実な運用をしているということでございます。そこで、その運用に際しまして、国鉄自体の資金の調達というものにも協力をするという趣旨がございまして、その両面から考えまして、長期経理の中から国鉄の鉄道債券を購入をいたしまして運用をしているということでございます。  それから貯金経理につきましては、これは先生御指摘のように、まさに職員の汗から生じてくるところの、給料から出るところの貯金でございます。この貯金につきましても有利かつ安全でなければならぬわけでございまして、これにつきましては、現在の鉄道債券というものの利率等を勘案いたしまして共済組合がこれを引き受けているということでございまして、いまの段階におきましては、そう、何といいますか、妥当なものではないということは言えないんじゃないかと私ども考えております。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 それなら、これははっきり申し上げて、表面金利じゃなくて、応募者利回り見ますと、り号債は七分一厘三毛九糸ですか、それに対して先ほどのと号債は、御説明がありましたように、七分三厘四毛でしょう。だから、やっぱりその点で、貯金を危険はなくまたいい利子でということになれば、もう少しこれは考えるべきじゃないですか。その辺どうなんですか、あまりいい利子であると思えませんね。関連会社のほうでも七分二厘の表面利回りになっていますし、その点から考えると、り号債のいわゆる貯金に対してのものというのは、あまりいい金利じゃないんじゃないですか、これ。いまの御答弁と食い違っている私は感じがする。

山田明吉日本国有鉄道副総裁

○説明員(山田明吉君) 国鉄から、先ほどの鉄監局長の御説明に補足して申し上げたいと思いますが、国鉄といたしましては、債券を売りつける立場でもございますし、それからまた国鉄の共済組合の運営をやっている責任者でもございます。それで、先ほど先生の御質問の中にございましたが、いわゆる社内預金的な共済組合の貯金は強制ではないかという御質問がございましたが、決して強制はいたしておりません。むしろ利用率が、職員の大体九割が貯金に加入いたしておりまして、現在の貯金総額が大体八百九十億円ぐらいになっております。それで、もちろん、共済組合として営利を目的といたしておりませんので、申し上げるまでもないことでございますが、非常にその利ざやをかせぐ必要はないわけでございますが、しかし、共済組合として健全な経営をいたさなければなりませんので、資産の構成その他については監督官庁の監督をもちろん受けておりますし、私どもといたしましては、たまたま国鉄が出しておりますそういう債券の中で引き受けられるものは、共済組合としても、ことに国鉄の共済組合として引き受けるのが適当ではないかと、そういう考えで運営をいたしているわけでございます。

鈴木一弘公明党

○鈴木一弘君 これは全体の利子の問題として、自己調達資金が、三兆円ぐらいある借り入れ、あるいは債券全体の中で三分の一に当たる一兆円が自己調達資金になっているわけですね。そういう点、またその利子を見ても、四十六年度で利用債を含めて六百八十一億、四十七年度で七百九十六億円というような利子になる予定になっていますね。そういうことから見ても、やはり健全な運営ということからいうと、はっきり申し上げて、これは利子を補給するのはわかりますけれども、一面においてはやはり一環の利子の引き下げということを考えないわけにはいかないんじゃないか、そういう体系をこれは本来考えるべきじゃないかと思いますが、その点ひとつこれは大蔵大臣から伺いたいわけです。  それからいま一つは、非常に資本金が少ないんです、はっきり申し上げて。資本積み立て云々はありますけれども、資本金は少ない。現在の八十九億でしたか何だか、その非常に少ないのから見ると、実際の事業形態からいえばあまりにも少な過ぎるわけです。これは計画もあって、順次ふやすことも知っておりますけれども、それが政府出資というかっこうではなくて、むしろここでは株の公募のようなことも本格的に考えていかれたほうがいいのじゃないか、債券、債券ということじゃなくて、そういうことまでして体質の改善を思い切ってやってしまうということも  そうすると日本航空みたいになってしまうんじゃないかと、こういう議論のあることも重々わかっておりますけれども、そこまで思い切らなければいけないのではないか、これが一つであります。  それからもう一つは、これは二重投資の問題があるわけです。東北新幹線のそばには新しく東北への縦貫国道ができる。そういう同じ場所に対しての二重投資がかなりされてきている。はっきり申し上げると、税金のと、また財投といいましても国民の貯金でございますからね。そういう点で、これが有効的に使われていかないのじゃないかという、そういう過剰投資というか、二重投資、非効果的な投資ということが考えられるわけです。そういう点は、ぜひとも直さなければならない問題です。その二重投資で並行した路線があることが、一方では国鉄の赤字を生む原因にもなっている、このことは重々おわかりだと思うんですけれども、いまの問題、二点は、これは運輸大臣から伺って終わりたいと思います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) さっき理財局長からお答えをいたしましたように、鉄道債券の利回りは、国債とか、政保債、公募地方債というような各種の債券の利回りと均衡をとってきめられておるものでございますが、そのときの経済事情によって、いままで逐次引き下げを行なってきたところでございます。本年の三月、それから五月も、長期金利引き下げの一環として〇・三%から〇・三八%ぐらいまでの引き下げを今年すでに行なっておりますが、御承知のように、もう一段金利水準の引き下げをしたいといま政府は考えておるときでございますので、これによってもう一段の長期金利引き下げということが行なわれるときには、この鉄道債の利回りも引き下げるということにいたしたいと考えております。

丹羽喬四郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(丹羽喬四郎君) ただいまの、国鉄の経営の抜本的改正につきましての御意見と拝聴する次第でございます。株式公募に切りかえたらどうかと、こういうような御意見でございますが、確かにそういうことも十分これ論議をされている次第でございますが、御承知のとおり、国鉄は公共企業体でございまして、全額政府出資というたてまえでございまして、利潤追求というたてまえでございません。また、今日国鉄の財政非常に逼迫をしておりまして、今日御審議をお願いをしている次第でございまして、出資金が、いま御指摘がございましたが、少ない。いままでは現物出資だけでございまして、二十年から八十数億の出資金でございました。これではいかぬということで、今回は抜本的に、四十七年度だけでも六百十六億という出資をお願いをする次第でございます。十カ年で少なくとも一兆円を下らぬということをきめた次第でございます。御趣旨に沿いまして、そういった利子のつかない方面のことをさらに大きく考えていかなくちゃならない、こういうふうに思っている次第でございます。  二重投資になる、このことはもう御指摘のとおりでございまして、私ども総合交通体系のうちを見まして、陸上道路輸送、それから鉄道その他の輸送との間におきまして関連性をいかに効率的にやるかということが一番問題でございます。いま、新幹線の長期計画、あるいは国鉄十カ年計画、高速道路五カ年計画の間におきまして、非常に路線のダブるところがあると思う次第でございます。それらの点につきましては、せっかくやはり一つの同じ交通空間を利用するという面も十分これから考えていかなくちゃならぬ、都市政策の面からいたしましても、これをどうしても考えていかなければというふうに思っておりまして、それらも総合的に考えまして、具体的な実践といたしましては、並行のような場合におきましては同じ空間をできるだけ使うという方法をせっかくいま国鉄と建設省とで具体的に詰め合わせている次第でございまして、すでに東北あるいは上越等につきましても、これを具体的にいま検討させている次第でございますので、御了承をお願い申し上げる次第でございます。

木村睦男自由民主党

○委員長(木村睦男君) 鈴木君の質疑はこれにて終了いたしました。  午前はこの程度といたします。午後は一時四十五分に再開することとし、これにて休憩いたします。    午後零時四十五分休憩      ―――――・―――――    午後一時五十一分開会

木村睦男自由民主党

○委員長(木村睦男君) ただいまから運輸委員会、地方行政委員会、大蔵委員会、農林水産委員会、物価等対策特別委員会連合審査会を再開いたします。  質疑を続行いたします。片岡勝治君。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 私は物価等対策特別委員の立場からこの連合審査に参加をしておるということでありますので、できるだけそういう角度から、若干質問を申し上げたいと思うわけであります。すでに運輸委員会等で、あるいはまた本日の質疑を通じまして、国鉄の財政問題を中心にしたいわば専門的な論議が行なわれておりますので、私はいま申し上げましたような点から、やや角度を変えましてお聞きをしていきたいと思うわけであります。  まず最初に、基本的な政府の考え方をお尋ねするわけですが、昨年のドルショック以来、あるいはまた内外の諸情勢の変化から、佐藤総理をはじめ関係大臣も、口を開けば、発想の転換、あるいは政策の転換、今度こそ国民の福祉優先、そういう政策を遂行しなければならないときであり、政府もその方向でやっていくということを、再三再四、国会を通じて国民の前に明らかにその態度を表明してきたわけであります。私は、心ひそかにその政策転換を期待をしておりました。私のみならず、多くの国民はそれを期待しておったと思うわけでありますが、その政府の基本的な政策というものを具体的にあらわしたのが予算であり、関係法律案だと思うわけであります。しかし、残念ながら、この予算、特に国鉄の運賃値上げ等を考えてみますと、はたして政府が政策転換をしたのかどうか。国民の福祉優先ということを口にはしているけれども、依然としてその政治姿勢というものは何ら変わっていないではないかということを痛切に感ずるわけであります。ほんとうに政策転換、国民の福祉優先ということを基本に据えるならば、この際国鉄の運賃値上げなどということは、とうていその発想は出てこないと思うわけでありますが、この機会に、なぜこのような大幅な運賃値上げをはじめとする公共料金の引き上げをやったのか、まずこの点、政府のほうのお考えをお聞きしたいと思うわけであります。

木村俊夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(木村俊夫君) 政府が公共料金を極力抑制する、この方向に変わりはございません。しかしながら、国鉄といえどもやはり公共企業体でありまして、一般の純粋な公共体であれば別といたしまして、国鉄法第三十九条に、企業的にこれを経営する、そのための予算に弾力性もつけるというような公共企業体の性格を持つものでございます。したがいまして、そういう独立採算制による企業の経営をする上においては、やはりその根本となる料金、運賃というものは、一つの大きな科学メカニズムの中で、経済社会活動の中での科学メカニズムの一つとして構成されております。したがいまして、緊急避難的に、たとえば一般物価が急騰する場合に、そういう公共料金、特に公共料金の中で大宗を占めるこの国鉄運賃をある一定期間ストップするということは、これは緊急避難として当然とるべき――心理的効果も伴うことでございますから必要でございますが、しかしながら、これを長らく固定いたしますと、現在のような国鉄自身のピンチにもなるところでございましょうし、これが、ひいては一般国民の福祉にとって量的にもサービスの不足あるいは質的にもサービスの低下になるわけでございますから、やはり、そういう中で、この国鉄運賃というものも考えていかなければならぬ。しかしながら、いわば、公共企業体という公益性と企業性の二律背反的な問題でいろいろ考えなければならぬ問題がございます。したがいまして、これについては、公益企業であるという性格からいって、まず、国鉄自身が極力合理化努力をすべきである。これは国民に対する私は義務であり、責任であると思います。それをあえてして、しかも、公共企業体である以上、公益性が非常に強いという面から政府がこれに財政援助を与える、これまた当然のことであります。この二つを十分、極力努力して、しかる後になお不足が生ずるならば、国鉄自身のみずからの危機を脱するため、ある程度の受益者負担にお願いする以外にない、こういうような観点から、今回、国鉄運賃を値上げすることにして今回御審議を願っておる次第でございます。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 公共企業体といえども一つの企業であり、したがって、その採算というものを考えていかなければならぬということは、それはそのとおりでありますけれども、先ほど申し上げましたように、とにかく、昨年のああした内外情勢の大きな変化からいえば、その発想の転換をする第一年の七二年ということでありまして、政策転換のいわば第一歩に公共料金、特に国鉄の値上げということについては私ども非常に理解に苦しむわけであります。いま、長官の御説明のあったことは、何も政策転換ということじゃなくて、いままでもそういうことが言われてきたことであって、そうした考えをこの際転換をしてやっていくということが発想の転換に通ずると思うわけであります。  さてそこで、しからば二、三具体的にお尋ねをいたしますけれども、いままでも若干質問があったようでありますが、この国鉄運賃の値上げの及ぼす物価への影響、いままでも政府は答弁しておりますけれども、いままでの政府の答弁、かつての車賃値上げによる物価へのはね返り、そういうものをずっと顧みますと、私どもはどうも信用できない。政府が言う以上に物価に対する影響が大きいのではないかということをたいへん心配をするわけでありますけれども、この点について再度お聞かせいただきたいということであります。  また、これもあるいはすでにお答えがあったかもしれませんが、今度の国鉄の大幅値上げによって私鉄の運賃との差が非常に開いてくるわけであります。これは、必然的に私鉄利用者を多くし、私鉄の殺人的な混雑をさらに激しくすると思いますが、さらにもまして、私どもが大きく心配するのは私鉄運賃の追っかけ値上げということです。政府は、これに対してどのような態度をおとりになるのかということをお聞かせ願いたいと思います。

木村俊夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(木村俊夫君) 運輸大臣からお答えする前に私からお答えいたしますが、今回の国鉄運賃の引き上げ、いま現在政府がお願いしておりますような状況でこれが成立したといたしますれば、一般の消費者物価指数に与える影響は、平年ベースで大体〇・三四。したがいまして、かりに六月実施といたしますればこれは〇・二八ぐらいの程度になると思います。決してこれは小さいものではございません。また、これがいろいろ私鉄の間に運賃格差が生ずることは当然の勢いでございますが、しかしながら、私鉄のほうからは、まだ、私の承っておるところでは、名古屋鉄道以外には、申請は出ておらぬようです。また、出ましても、おそらく、運輸大臣としてはきわめて慎重な態度で対処されることと確信しております。またお互いに国鉄は国鉄、私鉄は私鉄としての企業的な性格の相違もございますから、これは便乗値上げ等は、私、当然これは許さるべきではないと、こういう考えでございます。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 そういたしますと、政府から出された私鉄運賃と改定された場合の国鉄運賃との開きの一覧表を私もいただきました。相当の開きがあるわけでありまして、しかし、いまの答弁によりますと、国としては、運輸省としては、当分の間、これの値上げについては認めないと、こういう方針であるというふうに理解をしてよろしゅうございますか。

丹羽喬四郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(丹羽喬四郎君) ただいまの御質問に対しましては、経企庁長官から御答弁を申しましたとおり、また、私からも再三、その点につきましては、委員会その他、本会議におきましても御答弁申し上げました。また、総理大臣からも御答弁をいたしておりますが、今回の国鉄の運賃の値上げに伴うその格差是正のため、そういったような意味での、いわゆる便乗値上げと申しますか、ということは絶対にいたす考えはないということははっきりと申し上げておく次第でございます。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 次に、物価とか、料金の問題について、その高いか、安いかというようなことは、その内容、質によるわけであります。そういう点から、国鉄のサービスの低下の問題について、私の体験したこと、あるいはいろいろなお話を聞いたわけでありますが、その点について二、三お伺いしたいと思うわけであります。  最近、国鉄は非常に合理化ということで経費の節減をはかっていっておるようでありますけれども、しかし、この合理化の基本は、少なくとも、国民に対するサービスとか、あるいは安全とか、あるいは労働者に対するしわ寄せというようなことは、これは私はほんとうの合理化ではなかろう、そういうことを考えるわけでありますけれども、しかし、現実に国鉄内部で行なわれておることは、サービスの低下を含めて、いろんな問題があると思うわけであります。この前、私は予算委員会で、運輸大臣に質問したときも、三月十五日付のダイヤの改正によって、鈍行列車を相当数切り捨てた。これについて運輸大臣もたいへん心配をして、再検討を命じたというような答弁があったわけでありますけれども、その後、この鈍行列車の切り捨て問題について、どのように対処してきたのか、伺いたい。

丹羽喬四郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(丹羽喬四郎君) ただいまの御質問でございますが、先般の予算委員会におきまして、三月十五日の運賃改定につきましては、御承知のとおり、各地方の実情に必ずしも合わぬというようなところがございまして、いろいろ御叱正、御指摘を受けまして、まことに恐縮に存じた次第でございまして、直ちにそれの改正を命じまして、相当、異例な改正が、具体的に、北海道その他におきましてもずっと行なわれておりまして、ある程度地方の御了解を得たと、私は承知している次第でございます。  それから、いまお話がございましたが、サービスの改善が低下したということでございますが、これは見方でございますけれども、最近におきまして、たとえば、常磐線の複々線化が完成をいたしまして、我孫子から東京へ行く時間が非常に短縮をする。今回は七月を目途といたしまして、総武線の複々線化を完成する、いろいろスピードアップというものが行なわれております。最近の輸送需要というものは、やはりスピードをとうとぶ。やはり早いほうに乗るというのが今日の一般の乗客の需要でございまして、そういう点も勘案をいたしまして、乗客の需要に合うように、国鉄といたしましても、いま非常に苦しい財政ではございますが、サービスの向上ということにつきましては、特段の配慮を払っている次第でございまして、また、混雑緩和につきましても、あるいは編成長の改正で、あるとか、あるいは非常にこれはいろいろ問題がございますが、発車時刻の短縮であるとかというようなことを通じまして、安全性の許す限り、それを実行に移して、サービスの改善につとめるということで、せっかく努力をしている次第でございまして、一般から見ますると、まだまだ非常に足りない点が多い次第でございますが、その努力はいたしておる次第でございます。  また、人員の問題にいたしましても、何と申しましても、私は就任以来たびたび申しておりますとおり、運輸機関におきましては、まず第一番は安全性の確保である。安全性の確保を忘れての合理化というようなことはあり得ない、これが第一であるということは、常に強調している次第でございまして、その点は、国鉄当局といたしましても十分勘案をいたしまして、具体的に安全性の確保をはかりつつやっておると私は承知している次第でございますので、また、何か御指摘がございましたらば承りまして、反省するのにはやぶさかではございませんが、そういうような方針でもっていまやらしていることだけは御了解を願いたい、こう思う次第でございます。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 もちろんスピードアップとか、複線化等が進行しているという、そういう点の努力について、私も評価することにやぶさかではありません。しかし、非常に小さい問題ではありますけれども、こういった問題が国鉄に対する不信といいますか、あるいはまた、何だこんなことをやっておきながら値上げかというような、国民の批判も非常にきびしいものがあるわけであります。たとえば、最近は無人駅がたくさんできた。それも一日に三本か五本程度の列車の数ならいざ知らず、私の知っておる――私は横浜でありますけれども、非常にたくさんの乗降客がありながら、無人ホームだ。いなかから出て来た人が聞こうと思ったって、だれもいない、これは私は安全の面から見ても非常に危険な状態ではないか。あるいはまた、切符売り場についても、ほとんど自動化された。これは決して悪いことではないと思いますけれども、いなかから出て来て、機械に弱い人たちがたくさん――東京駅で私も散見するわけであります。窓口へ行ったらば、百円未満のものは、あっちの自動機で買いなさいということで、そこでは売ってくれない。窓口がありながら、いなかの人が切符を買おうと思って行ったところか、百円未満の切符は売らない。全部自動ですよ。非常にこまかい話ではありますけれども、こういった点に、私は国鉄に人間味といいますか、あたたかさがない、そういう点を痛切に感ずるわけなんです。  さらに、変な話でありますけれども、最近、国鉄の便所はみんな中に入れちゃった。昔、駅へ行けば便所があるということで、私たちもずいぶん利用さしていただきましたが、しかし、いまの国鉄の便所というのは、もう全部中に入れちゃって、切符を買った者でなければ利用できない。ある駅員はこう言いました、ああ前のデパートにありますから、どうぞ。これが国民に奉仕する国鉄ですか。たいへん、便所の話で恐縮でありますけれども、これは生理的な問題ですからね、がまんできる問題じゃないですね。みんな昔は駅頭にそうした市民への奉仕、サービスとして、そういう施設があったにもかかわらず、今日では全部もう駅の中に入れちゃった。  こういったことを一つ一つとらえてみると、なるほど、国鉄は財政が赤字だから、節減するところは私は大いに節減してもらいたいと思うけれども、こういったサービスを断ち切っていくということが合理化だとするなら、これは国鉄の頭がどうにかしているんじゃないのか。そういうサービスというと面について、全く冷たくなってきたというふうに私は言えると思う。そういった問題について、運輸大臣、それからこれは総裁にも御意見を率直に聞かしていただきたいと思うわけであります。

丹羽喬四郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(丹羽喬四郎君) そういった、ことに民衆に対しましてのサービス心、奉仕精神ということは、これが必要なことは、もちろん、これは言うまでもないことでございます。ことに、公共事業に携わる者といたしまして、そういったようなサービス精神、これが一番の肝要でございます。一般におきましても、小さな親切運動というようなことも提唱されておりまして、こまかい心やりということが、いろいろ不自由のうちにおきましても、やはり心をあたたかくするということ当然でございまして、そういったようなことで、ほんとうのこまかい心やりが非常に一般の民衆に悪影響を及ぼすということもある次第でございまして、そういう点は、御指摘の点がございましたらば十分反省をいたしまして、それらのなきを期したい、これはもとより国鉄の首脳部も常に考えておるところでございまして、乗客に対するサービス精神の向上ということは言っている次第でございますが、具体的のことは国鉄総裁から御答弁を申し上げる次第でございます。

山田明吉日本国有鉄道副総裁

○説明員(山田明吉君) 国鉄としてお答え申し上げます。  ただいまサービスの問題について具体的な例もお述べになりましておしかりを受けたわけでございますが、国会の委員会の場でも従来、金がなければできないサービスもあるかもわからないけれども、金の要らないサービスがまずあるじゃないか、それをなぜやらないんだというおしかりをたびたび受けております。私どもまことにごもっともだと存じて、必ずしもいままでそれをなおざりにしていたわけではございませんけれども、ただ最近の省力化の過程におきまして、あるいはいままで出札の窓口でお求め願っていたのが機械の発売にかわりますとか、あるいは非常に乗降客がありましても、大部分が乗降になれていらっしゃる通勤客のような場合には、ホームのいわゆる乗客整理という安全の面の人間はおりますが、それ以上の、いわゆる誘導というような人間を省いてきているような例もございます。そういう点の配慮につきましては、今後とも、御指摘のような、きめのこまかい配慮を重ねてまいりたいと考えております。  それから、先ほどの御質問にございました三月十五日の列車の時刻改正に伴いまして一部列車が非常に不便になったというおしかりも委員会で受けまして、また、運輸大臣からも御注意を受けました。三月十五日の時刻改正は、御承知のように、山陽新幹線の岡山開業を契機として全国的な手直しをやった中の時刻改正でございましたが、直ちに春の多客期にもなりますし、それから通学期――新学が始まる時期でもございましたので、地方の自治体の方々にもいろいろ御意見を伺いまして、全国的に約四十本手直しをして一応御了解を得た状態になっておりますことを御報告申し上げます。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 まあ、鈍行列車の打ち切りということは若干補正をされたそうでありまして、私どもの意見を謙虚にお聞きくださった点、たいへんうれしく思いますけれども、しかし、全体を通じて、合理化という問題に取り組む姿勢がもう少し国民のこと、つまり、国鉄の利用者という立場をもっと考えてやっていただきたいということを、私は痛切に二、三の例を出して申し上げたわけであります。  さらに申し上げるならば、特に、東京を中心とした首都圏の朝のラッシュの混雑はまさしく殺人的列車でありまして、これを何とかしてもらいたいというのが国民の大きな願いであるわけでありますが、といって、それではすぐこれを何とかするということが、たいへんむずかしいことも、私は十分理解をするわけであります。それならば、それだけのいま現状の中で、何か対策はないのかということをもっと真剣に考えてもらいたい。これは、こういう意見があります――私は横浜の戸塚というところでありますが、その時間帯は、七時から八時までが全くものすごい混雑をする時間でありますけれども、この時間帯の中でもグリーン車がゆうゆうと連結されて走っておる。せめてこの三十分なりあるいは一時間なり、ほんとうに過密な、もう死にもの狂いで電車に乗っている、そういう時間帯だけはグリーン車ははずして普通車にしたらどうなのか。これは素朴な市民の、あるいは利用者の気持ちであります。私も、なるほどな、こんなことがなぜできないのか――いろいろ理由はあるかもしれません。しかし、このぐらいのことをやれば、なるほど国鉄もがんばってるわい、もう少しがまんしようじゃないかという気持ちも出ると思うんです。  あるいは私鉄においても、この間私は小田急に乗りましたところ、冷房しております。少なくとも、ラッシュ時の非常にたいへんなときには、そういう電車に対して冷房くらいしてやるというぐらいの配慮は、これは何も線増しなくても、新しい路線を敷かなくてもできる話であります。そういう点の配慮というものが、いま考えられているのかどうかわかりませんけれども、私どもにとってみれば全く打つ手を打たない、できることもやらない、そして今度は値上げだ値上げだ、混雑を緩和するんだから値上げをするんだということではこれは逆でありまして、サービスをしておいてなおかつそういった国鉄の熱意がわかれば、理解されれば、やがて国民も、うんそれじゃやむを得ないということになると思うんです。いま言ったのは具体的な例でありますけれども、そういう点についてのお考えをこの際ひとつお聞きしておきたいと思います。お答えを願いたいと思います。

丹羽喬四郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(丹羽喬四郎君) 首都圏の通勤通学の混雑緩和、これは非常な大きな問題でございまして、私は率直に申し上げまして、この輸送緩和、混雑緩和を国鉄だけに求めることは酷であるし、また、実際はやるなんと言いましてもできないことだと思う次第でございます。やはり、これはいろいろの輸送機関をしっかり総合的に勘案いたしまして、そして、混雑緩和をはからなくちゃいけないということでありまして、最近、私どもの考えておりますのはやはり地下高速鉄道、御承知のとおり交通空間が非常に入手といいますか、確保が困難な実情でございますので、どうしても地下高速鉄道にならざるを得ない。先般のこの三月に出ました首都圏のそういった交通対策といたしましても、今回は十三路線、地下高速鉄道の新しい路線を決定をいたしまして、いままでと合わせましてたしか五百七十キロでございますかを計画決定をした次第でございます。いままで大体二百キロ程度でございますから、あとまた四百キロぐらいをつくるというようなことを決定した次第でございますが、これには相当一兆億からの施設費が、一兆七千億でございますか、かかりますけれども、そういうことによりましてこれを緩和をしなくちゃいかぬ、またそのもとと申しますと、具体的に申しますと、私先ほども申しましたが、このように人口の集中を、野方図に過密化を放てきしておいていいかという問題が一番の原因にあると思う次第でございます。すでに東京都のごときは都市の機能を失っているのではないか。御承知のとおり、いま工場の再配置をやっておりますが、工場の再配置だけでいいか、第三次産業の人口の移動のほうが多いんじゃないかといま思っている次第でございます。したがいまして、そういう点につきまして、ただいまその抑制として事務所の認可をどうするか、またあるいは課税の方法として事務所税をどうするか、いろいろの問題がございます。また時差出勤の問題もございます。そういったものも勘案いたしましてやりませんと、すでに私どもしょっちゅう言われておるわけでございますが、どうも後手後手になる。確かに後手後手でほんとうに申しわけない次第でございますが、後手後手でありましても、実際のいまの二四〇の混雑率を私どもは早急に二〇〇までにはどうしてもしたいということで、ただいませっかく努力をしておりますが、それすらなかなか容易なことじゃない。それよりも通勤通学の人口増加のほうがはるかに上回るのではないか、こういうような問題がございまして、これらは総合的に早急に勘案いたしましてやっていかなくちゃならぬというので、最近におきまして運輸省、警察庁、建設省という実施機関三つが協議いたしまして、内閣調査室を中心といたしましてこれらの具体的問題を早急に検討するということにいたした次第でございまして、どうしてもいま先生の御趣旨のとおりのようなことをしてまいらなくちゃならぬというふうに私ども強く考えておる次第でございます。  具体的に、ラッシュ時におけるところのグリーン車はどうかというような問題につきましては、国鉄当局から御答弁を申し上げる次第でございます。

山田明吉日本国有鉄道副総裁

○説明員(山田明吉君) 東海道線のグリーン車の問題が出たのでございますが、湘南地帯、それから横須賀線地帯のグリーン車の運行がラッシュアワーにありますことは、もう先生御指摘のとおりの事実でございますが、まあ、これは非常に歴史的なものでもございますが、グリーン車自体の乗客もやはりラッシュ帯にふえておりまして、これをはずしますととは、やはり従来ずっとグリーン車を御利用になっていた方々にとっては相当な問題であろうかと思います。いま大臣もお述べになりましたように、混雑を緩和する最大の方途としては、何ぶん基礎的な輸送力をふやすということが根本問題でございます。東海道方面につきましては、いま横須賀線の線増というようなかっこうで別線を建設中でございますし、また、首都圏の東北なりあるいは中央、常磐、総武というようなところは、複線を三本にいたしましたり、複々線にしたり、一応工事が完了いたした状況でございますけれども、依然として非常に混雑をしていることは大臣もお述べになったとおりでございます。  それから冷房のお話が出ましたが、冷房は確かに少し立ちおくれていると申しますか、私どもようやく研究を了した段階でございます。と申しますのは、通勤電車は、ドアが四つあく電車が最近非常にふえてまいりまして、しかも、次の駅までの距離が非常に短うございますので、しょっちゅうドアがあいていると同じような状況で、完全冷房にはなかなか遠い。しかし、少なくとも、冷房をした効果がわかるような装置をつけなければ問題になりませんので、そういう施策をやっておりまして、ことしから一応大阪、東京付近のいわゆる特快というような電車を冷房化するように工事を進めているわけでございます。電車の総数が大体東京、大阪付近で五千五百両ぐらいございまして、まあ、これもお金のことを申して恐縮でございますが、冷房を一両つけますと大体六百万円ぐらいになりまして、二百数十億という金が要りますので、工事能力の点もございますし、一挙にやるということはなかなかむずかしゅうございますが、私鉄も冷房化に相当力を注いでいる昨今でございますので、私どももその方向に向かってこれから努力をしていきたいと考えております。

片岡勝治日本社会党

○片岡勝治君 私は、この質問で冒頭に発想の転換をすべきときであるし、その男一手だと、しかるに、政府のほうは頭の切りかえができていないんじゃないかということを申し上げたんですが、いまのお答えなんかを聞いて、私はこれでは政策転換があなた方ではできないんじゃないかということを感ずるんです。なるほどグリーン車には歴史的なものがありますね。しかし、歴史的なものがあっても、この殺人的な混雑の時間帯の三十分なり一時間なりは、グリーン車ははずして普通車に入れかえるという、そのくらいの頭の転換はできないんですか。これは別にむずかしい話はないでありましょう。頭の革命ほど大きな事件じゃないんですよ。やはりみんながそう願っているんですから、そういうことはもう勇断をもってやるべきですよ。グリーン車にどうしても乗りたい人は、一時間早く出たらいいじゃないですか、あるいは一時間おそく出たらいいじゃないですか。そのくらいのことは、私はグリーン車をいま利用している方々も理解をしてくれると思いますよ。そのくらいのことは勇断をもってやりなさい。そういうようなことをやらずに運賃値上げだなんて、聞くところによれば、一つの列車の定員は百五十とか百六十だと言われておりますけれども、何人詰め込んでいるんです。二倍、三倍も詰め込んでおいて、そういったことができ得ないということは私は理由にならぬと思う。頭の切りかえをしなさいということはそういうことなんです。特急だってちゃんといま冷房やっているでしょう。ゆうゆうと乗っている人に冷房をやって、ほんとうに死にもの狂いで乗っている人、そして汗水たらして一日働いて帰る人、そういったときにはすし詰め、すし詰めといったって、すし詰めは箱にちゃんと無理しないで入れているのがすし詰めで、いまの電車はすし詰めじゃないですよ、あれはもう。そういうところについては何ら冷房について配慮しない、国民のことや利用者のことは全く頭にないんじゃないかということを私は痛切に感ずるわけであります。発想の転換、頭の切りかえということをこの際、国鉄の皆さん、政府の皆さんもほんとうに真剣になって考えていただきたいと思うわけであります。  次に、国鉄が新しい線路を増設をする、あるいはその他いろいろなことで住民とのトラブルといいますか、そういう問題が各所に起こっておるのでありまして、そういった問題について若干この際お聞きかせをいただきたいと思います。  最近は、公害防止、特に国鉄に関連するところの騒音の問題が直接住民に大きな影響を与えるわけであります。一方、輸送力の増強という面はもちろんありますけれども、反面、新線をつくることによって特に都市の中を走る場合には直ちに騒音問題が発生をしてきて反対運動が起こるということが首都圏においても各地に見られるわけであります。こういった問題に対する政府並びに国鉄の考え方をお尋ねしたいと思うわけであります。耕しい線を敷く場合の騒音が直接住民に大きな影響を与える以上、住民との民主的な話し合いというものは欠くことのできない問題でございまして、そういう点について国鉄側が努力をしていないとは私は申し上げません。大いにやっていると思うのですが、そういう住民との民主的ルールに基づく話し合いというものについてなお一そうの努力をしていただきたいと思いますが、これに対する政府の見解、また、国鉄当局も最近国鉄そのものの騒音についても考慮されておるようでありますけれども、今後国鉄の公害対策として騒音、振動に対してどのようなお考えを持っておられるか、この点についてお伺いをしたい。

丹羽喬四郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(丹羽喬四郎君) ただいま先生御指摘いただきましたように、公共事業を行ないます場台に、公害対策、これを抜きにしては絶対に考えられないことでございます。また、公害対策抜きの公共事業をやってはならぬと、私も確信をしている次第でございます。事実、ただ国鉄新幹線だけじゃございません。航空事業にいたしましても、あるいは道路建設にいたしましても、あらゆる問題でその問題に直面している次第でございます。御承知のとおり、新幹線につきましては、それゆえに今度の大阪から岡山までの間につきましては新たにそういう点を、それこそ発想の転換と申しますと恐縮でございますが、そこまでいっているかどうかという御批判もございますが、思いきった措置をとりまして、いままでは、新幹線は鉄橋であったが全部鉄橋をやめまして、これをコンクリートの橋にかえる、騒音防止の観点からでございます。五十キロの長尺レールを六十キロに延ばすということも始めている次第であります。また枕木との間に緩衝地帯の設備をいたす、あるいはまた防音壁を倍の大きさに延ばす、いろいろなくふうをいたしております。国鉄の技術を総動員いたしまして、それらの対策を講じている次第でございます。また、いま御指摘がございました住民との対話を通じまして、お互いに了解を得るということが一番民主主義政治の根本でございます。それを忘れてはあらゆることも成功する次第でございません。その点は特に注意をさせておりまして、住民と十分に意思を疎通をいたしまして、公共性の必要と、それから付近の住民に及ぼす影響等も勘案をいたしまして、いかにすれば、その点の住民におけるところの苦痛を緩和することができますか、具体的方策につきましても、話し合いによりまして、これを進めていくというつもりで、せっかく努力をさしている次第でございます。

山田明吉日本国有鉄道副総裁

○説明員(山田明吉君) 最近、公害の問題、なかんずく国鉄に関しましては、騒音と振動の苦情がずいぶんふえてまいっております。なかんずく東海道新幹線の関係の場所、それから、これからつくろうとしております東北新幹線なり、あるいは岡山から先の新幹線の建設途上におきまして、そのような地元からの要望、苦情を私ども受けておるのは事実でございまして、それで、私どもといたしましては、いままでなおざりにしていたわけではございませんけれども、騒音が発生する原因を究明することがまず第一だと考えまして、部内に専門の委員会を設けまして、いろいろと研究をいたしておりますが、大ざっぱに申しまして、線路の構造物そのものから出るそういう騒音、振動、それから車両そのものから出る騒音、振動、それから新幹線の場合には、パンタグラフが架線をこする際のスパークなり、音なりのそれと、それから夜間の作業で電気の機械を使いますが、その際に起きます騒音というような、そういう原因別に分類いたしまして、それぞれの対策を、いまこれから新しくつくりますものについては、設計上に取り入れ、従来できておりますものについては、たとえば防音壁をつくるとか、あるいはレールを重いレールに取りかえるとか、いろいろなことを考えて、これから本格的に実施に取りかかるやさきでございますし、また政府におかれましても、新幹線の騒音に対する指導基準を御研究中でございますので、そこら辺の進みぐあいとも関連して、適切な御指導を受けながら、対策を進めてまいるつもりでございます。

木村睦男自由民主党

○委員長(木村睦男君) 片岡勝治君の質疑はこれにて終了いたしました。  中沢伊登子君。

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 もうすでにいろいろ同僚議員が質問を繰り返されたあとですけれども、私もまた、物価の委員会委員として質問を申し上げるわけでございますが、初めに一言お伺いしたいことがございます。  それは、先ほど来いろいろ御質疑がありましたとおり、最近の都市の通勤電車は、ラッシュ時において、混雑率が二四〇%から二五〇%だと言われております。死にもの狂いの通勤で、会社、工場に着いたときには、もうすでに疲れ切っていると、こういうような状態が繰り返されているわけですが、そのような中で、特に、最近、毎年繰り返されるストライキや順法闘争という名のもとに遅延や列車の間引き等で、利用者に多大の迷惑がかかっております。かかっているというどころではなくて、急ぎの人はもう用事ができないし、そういうことで、特に婦女子の通勤はもう無理になっている。それで婦女子は半泣きなんです。こういうような中で、暴力事件で逮捕された者を釈放せよということで順法闘争をするなどということは、まるでゲリラが飛行機の乗っ取りをするのと何ら変わりがないではありませんか。何の関係もない、まじめに通勤をしている国民が多大の迷惑をこうむって、そして、特に妊産婦はもうほとんど通勤は不可能だ、こういうふうに私どもに訴えてこられているわけでございます。このようなことを一体政府はどう考え、どのように処置をされ、まして国鉄の総裁はこのようなことに対してどういうふうに考えておられるか、まず、その点をお伺いしたいと思います。

磯崎叡日本国有鉄道総裁

○説明員(磯崎叡君) 私のほうの部内の労働問題につきましては、もうかねがね数回にわたりまして、国会の席において御質問を受け、御答弁を申し上げました。  最近の、この数日間の事情は、いま先生のおっしゃったとおりの事情でございまして、朝の通勤電車、けさも相当実は乱れております。その理由が私どもでは解決のできない政治問題等であって、いわゆる労使間の問題ではない。それにもかかわらず、そういうように闘争をするということは、これはもうストライキ以前の問題であるというふうに私ども思っております。いろいろ実際にそれをとめるべく、実は、組合の幹部とも数回話をし、また、通牒等でも何回にもわたって本社からあるいは管理局から対応機関というようにいたしておりますけれども、残念ながらまだやまず、実は新聞に出ておりますのは旅客関係でございますが、貨物関係は相当大きな実はいま影響を来たしておるわけでございます。何とか一日も早く正常化いたしたいと思って、やはり私どもといたしましては、私のほうから組合の最高幹部、管理局から対等の組合幹部というふうないわゆる組合の交渉ルートによって話をいたしております。組合としては、一切暴力行為はもちろんしているわけはない、もちろん、暴力行為は組合活動で許されるものでないということはよく知っている、絶対暴力はしていない、また、違法なことはしていないということを言っておりますけれども、実際には、ああいう結果が出ておることは事実でございまして、これは結局とどのつまり、職場秩序の問題であると私は考えます。その点で、いささか私の職場秩序について問題があることも、私よく承知いたしております。何とかこの職場秩序の確立、まあ職場規律と申しますよりも、規律よりもう一つ前の秩序だと私は思います。職場秩序の確立について全力をあげて、結局、管理者の姿勢なり、かまえの問題であるというふうにも考えますので、私は新しい国鉄の生まれかわりとともに、この問題をぜひ取り上げてまいりたいというふうに思っておる次第でございます。

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 運輸大臣はどう考えますか。

丹羽喬四郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(丹羽喬四郎君) いま国鉄総裁から御答弁申したとおりでございます。ことに、国鉄のごとく、公共企業体として非常に規模も大きく、職員数も非常に大きな職場を持っている企業体といたしましては、職場規律の維持ということが、これが厳守ということがまず第一であると思う次第でございます。いかなる合理化、合理的経営もそれなくしては行なわれないということでございます。私ども常々その点におきまして、労使双方がその立場におきまして十分その使命を自覚をいたしまして、そうして再びそういうことのないように、心から念願をし、指導をし、監督をしておる次第でございますが、さらに一そうその点に留意をいたしまして、指導、監督をする決心でございます。

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 それでは、もう妊産婦が通勤が小可能だ、こういうふうに私どもに訴えてこられるわけですけれども、こういう人たちに対しては、どういうふうな処置をされますか。

磯崎叡日本国有鉄道総裁

○説明員(磯崎叡君) 一々のお客さまについて具体的にというわけにはまいりませんけれども、私も実はけさ中央線の通勤電車に乗ってまいりました。婦人子供専用車まだついておりますが、まあ婦人子供専用車のほうは若干すいておると――すいておるというほどではございませんけれども、一般車ほどではないという状況を私現実に自分で見てまいりましたが、ただ、あれは残念ながら中央線だけにしかまだつけてございません。むしろ、あれは廃止すべきだという実は議論があったというようなこともございますけれども、やはり、もう少し正常に返るまでは、ラッシュのほんとうに激しい時間には、ちょっともし万一のことでもあるといけませんので、その時間を避けていただくというようなこと以外に、さしあたりの方法はないというふうに思いますけれども、根本的に申しますれば、冒頭先生がおっしゃいましたように、問題は、いまの労使問題は一応別といたしまして、根本的には、やはり通勤輸送力自体の問題だと私は考えるわけでございます。  で、東京のほうの通勤輸送力の問題は、昭和四十四年、ちょうど先生から私御質問を受けたのを覚えておりますけれども、四十四年の運賃改正でお約束いたしましたことで大体あと残っておりますのが、七月十五日の総武線の東京の地下駅乗り入れ、これは予定どおりできます。それから、東海道線の横須賀線と湘南電車を分けるという問題、これは残念ながら横浜市の用地買収が非常におくれておりまして、これはお約束より二年ほどおくれますが、これも大体緒についております。そういたしますと、大体、東京付近はもういま考え得る通勤問題としては国鉄としては打てるだけの手を打ったという形に相なると思います。ただ、私のほうはむしろ大阪付近についていままで実は手が抜けていたと私は率直に思います。したがって、最近、大阪の片町線の複線化あるいは関西線の電化等、やっと大阪のほうに手がつくようになりまして、大阪付近は私ども率直に申しまして私鉄にまかせておったというきらいがございまして、やっと東京が済みましたので、これからはしばらく大阪に、京阪神に力を入れてやってまいりたいと思いますが、やはり通勤電車にいたしましても地元の相当な反対が実はございまして、神奈川県の貨物、いまの横須賀線のための線路一本つくるために、実は七年かかってやっと市長のごあっせんでどうやら手がつきかけたと、非常に実は時間がかかるわけでございますが、全力をあげてこの過密化に対するできるだけの手は打ってまいりたいというふうに思っておるわけでございます。

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 私も、国鉄運賃の値上げのときはよく質問に立たせていただいているわけですけれども、また、今度この合同審査、私の席になって、こうして繰り返し御質問申し上げるわけですけれども、最近は婦女子が非常に通勤通学が多いですから、その婦女子のためのせっかくつくった車も廃止するようなことのないようにお願いをしておきたいと思います。  それから、いま通勤通学だけではなくて、生鮮食料品を送っております貨車の問題も相当問題になっております。これがおくれるために生鮮食料品が値上がりをするのではないかとか、あるいはまた貨車の中で腐ってしまうのではないか、こういうこともたいへん心配されているわけですが、この点について経企庁長官からお答えをいただきたいと思います。

木村俊夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(木村俊夫君) それによって生鮮食料品に与える影響、私ども非常に関心を持っておりまして、国鉄におきましてはそれについては最優先に取り扱うという方針でやっていただいておりますので、いまのところさしたる影響は出ておりません。

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 こういったようなたいへん国鉄の利用者にとってはふんまんやる方ないこのときに、運賃の値上げを審議するわけです。そこで、こういうようなときに、この法案がすらっと通るとすれば、私は国民から相当な反撃を受けると思います。また、国民の大多数がもう公共料金の値上げにたいへん頭を痛め、大多数が反対をしているのです。そういうときにまたこれだけ混雑をし、そしてまた、順法闘争とかでいろんな問題起こしているときに、この法律案が通ってしまいますと、むしろ国民にまた非常な大きな政治不信を与えるのではなかろうか、このようなことが私どもたいへん心配なわけです。そしてまた、事実そういうような話が再三私のところにもくるわけでございます。一体、この順法闘争というのはいつごろ終わる見通しでございますか、その辺をもう一つ伺いたいと思います。

山田明吉日本国有鉄道副総裁

○説明員(山田明吉君) もともと順法闘争と言われておりますが、私どもは完全なサボタージュだと考えておりまして、これはもう先生に申し上げるまでもなくおわかりのように、法律上禁ぜられている行為でございます。したがって、たとえば普通の労働問題でしたら労使の話し合いでこれをどうこうするというようなことになるわけでございますが、そういう話し合いになり得る性質のものではございませんので、それを企図いたしております組合の当事者がどういうふうに考えているか、私どもも正直のところはかりかねるわけでございますが、一応外部に公表しているところによりますと、動労がやっておりますサボタージュは、その暴力行為によって刑事事件として逮捕された者、これは組合員でございます、それが釈放されるまで続けると、こういうように言っているようでございます。それから、国労――国鉄労働組合が現在やっておりますサボタージュ、これはベトナム侵略反対、それから健保改悪反対というような、これも先ほど総裁が申し上げました労使交渉の場に上がり得ない政治的な目標を掲げた闘争でございますので、私どもいつ終えろとかとというような話し合いの筋のものではございませんが、これは十四日まで続けるというようなことを外部には公表しているようでございます。私どもそれを座視しているわけではございませんで、もう先ほども申し上げましたように再三違法な行為をまずやめなさい、それから、労使の問題でない問題について、ことに政治的な意図で国民に御迷惑をかけることは、法律上認められていないという以上に、不徳義であるということを再三申しまして、一日も早くそういう不法事態が鎮静するように努力をしているところでございます。

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 まあ、政治目標を掲げてやっているにしても、国鉄を利用する人にはほとんど関係がないのですね。それに、こういうふうな非常な迷惑をかけるということはもう許されることじゃないと思うのです。こういうことがまかり通るなら、やればやり得だということになってしまうわけですから秩序も何もあったものではありません。ですから、政治的な目標を掲げているならなおさら国鉄当局も、政府のほうとしてもこういう問題を早く解決するようにき然として解決に向かっていただきたいと思います。この問題だけが私の質問ではございませんからそういう要望をしておいて、次の質問に移りたいと思います。  そこで、このたびの値上げによって当然サービスの向上が考えられると思いますけれども、そのサービスの向上の問題について私もいろいろ質問を考えてまいりましたが、先ほど片岡委員からこの問題について御質問がありました。重複することを避けてこれは割愛をいたすわけですけれども、これからの大都市の輸送力の増強に対してどのようなプランやビジョンを持っておられるかを伺いたいわけです。  最近は、住宅が近郊都市へ移っておりますね、またますます遠くなっていくわけです。たとえば、自分の地元の話をして恐縮なんですけれども、兵庫県の私のおります宝塚の奥のほうに三田市というところがございます。そこら辺はたいへんな農村でございましたけれども、最近はやっぱり大阪や神戸の公害をのがれてそういったような奥のほう、そこに北摂ニュータウンという膨大な都市建設がいま試みられているわけです。そうしますと、結局はいまそこに福知山線という単線の線が通っております。そして、これは赤字線だ、赤字線だとよく言われているわけですけれども、私どもはこれは三田市までどうしても複線電化にしてほしいと何年来かずっと陳情を重ねておったわけですけれども、これからは、そこにニュータウンができると相当の稼働力を発揮するのではなかろうかと、こういうふうに考えられるわけですね。そこで、国鉄としてはこういったような都市がだんだん遠くに延びてまいりますと、やっぱり線路を延ばしていくのか、複線にするのか、あるいは複々線にするのか、あるいはもっと考えられることは高架化にするのか、その辺はどうなさるのかをお伺いしたいと思います。

磯崎叡日本国有鉄道総裁

○説明員(磯崎叡君) まあ、例をいま福知山線でおとりになりましたけれども、最近、いまおっしゃいましたように、非常にスプロール化の現象でもって通勤距離が延びてきております。むしろ旧市内のほうが人が減って新しい近県に人がふえておるというような現象でございまして、私のほうも、したがって近距離電車と同時に私どもは、中電、中電といっておりますが、中距離電車の輸送が非常に張ってまいりまして大体百キロ、まあ七十キロから百キロくらいのところの輸送がだんだんふえているところでございます。したがって、それにはいままで東海道とか山陽とかになりますれば、輸送力が相当ございますけれども、すでに複線、複々線になっております。そうでない、さっき私が例にあげました大阪の片町線とか関西線とか福知山線、これは昔のままの姿でございます。それらにつきましては、いま片町線と関西線は一応計画はきまりました。福知山線は実はいま御指摘の三田のあの大団地がまだちょっと具体的に地域その他がきまってない点がございまして、私のほうの線路はちょうどあの山の中を通っておりますが、あすこをはずして、むしろ団地に近いほうにつけかえたほうがいいじゃないかというふうなこともございまして、福知山線全線の電化と、それから部分的な複線化というものを考えておりますけれども、いまの団地の関係と、あの付近のダムの関係と、この二つの問題でいま県当局といろいろお話をいたしております。同時に、あれは福知山線は塚口まで参りましてから大阪へなかなか入れない。東海道線が一ぱいでございまして入れませんので、私のほうはいま大阪市と話をいたしまして、片町線と地下でもって結ぶ、俗称、片福連絡と申しておりますが、片町線と地下で結ぶということが先般の運輸省の大阪地方の都市交通審議会で認められまして、これをだれが経営するかということでいま大阪市といろいろ話をいたしております。そういたしますと、片町線と福知山線が完全に直通運転ができるというふうなことになります。いまいつということをお約束はできませんけれども、そういう方向で、いわゆる中距離の輸送確保ということには今後相当力を入れていかなければいけないというふうに考えておる次第でございます。

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 はしなくもいまおっしゃいましたように、現在、地下鉄というものは都市単位の経営でございますね。ところが、これだけふくそうしてまいりますから、国鉄も地下を通すようなことを考えてみたらどうかしらんと思ってひとつ申し上げるわけですが、先ほどもお話にありましたように、関西ではたいへん私鉄が発達いたしておりますから、私鉄を利用する方もたいへん多いわけですけれども、いまある国鉄ですね、土の上を走っている国鉄の下を、地下を利用すれば、そうしてどうせ大阪市なら大阪市に地下鉄があるわけですから、そこと結べばもう少し利用する面が多くなるんではなかろうか。これには用地買収もほとんど費用が要らないと思いますし、騒音はないし、ラッシュの点においても相当これは検討に値する意見ではなかろうかと思って、御提案申し上げるわけですが、いかがですか。

長浜正雄日本国有鉄道理事

○説明員(長浜正雄君) できるだけ用地買収をしないで線路設備をつくるということは当然のことでございまして、われわれとしてもなるべく国鉄の用地を使うとか、公共用地を活用するといったような方向で検討しております。大阪につきましても、いま総裁の申しました片福連絡などにつきましては、塚口から片町までは地下のルートで結びたい、これは鉄道線路の下並びに道路下を使わしてもらう、こういうことで、これは経営形態はまだはっきりいたしませんが、そういうルートで検討いたしております。あるいはまた阪和線などにつきましても、将来これをどう地下で北のほうに結ぶかというようなことでの検討を進めておる段階でございます。ただ問題は、地下を行きます際に、上に何があるか、鉄道線路がある場合、あるいは建物がある場合、あるいは道路の場合、一番いいのは、道路のような上に構造物のない場合でございますけれども、それにしましても、地下の地質の状態、それから水の状態、この辺が非常に工事の点で可能か不可能かの分かれ道になろうかと思います。そういう点も勘案しながら具体的な計画として進めなければならないと思います。そういう点、今後の検討に待ちたい、こういうふうに考えております。

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 国鉄の運賃が上がれば当然のこととして私鉄も値上げを申請してぐると思います。そうすると、もうすでに名古屋鉄道は二三%の値上げを申請しているとか私聞いておりますけれども、これは許可をなさるのかどうか。それから次に、あとの大手ですね、大手の私鉄は七月じゅうぐらいに申請をするとうわさをされておりますけれども、国鉄とこうした私鉄のアンバランスの解消をどのようになさるのか、もし私鉄の値上げを認めるとすれば、どの程度認められるのか、あるいはもし認めないというお考えであれば、いつまでも認めないというわけにはいかないでしょうし、大体いつごろ認めるようなことになるのか、これもやっぱり国民生活に相当大きな問題ですからその点をお答えいただきたいと思います。

丹羽喬四郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(丹羽喬四郎君) これは先ほどの質問者にもお答え申しましたとおり、また総理も御答弁を申しましたとおり、今回の国鉄の運賃の値上げに伴います、いわゆるそれらの開きを埋めるというような問題で値上げを認める意思は全然ございません。御承知のようにただいまの運賃、公共料金の計算の基礎といたしましては、各事業者別に適正原価主義をとっております。ことに私鉄の場合におきますると、一定の、いまの経営におきまして適度の利潤を加えたもの、それで経営をやっておるかどうかということでやっておる次第でございまして、まあ名古屋鉄道、出ておりますが、これにつきましても私ども慎重に検討してまいりたい。ただいますぐにこれを値上げは妥当であるというようなまだ考えは持っておらない次第でございます。またその他の私鉄につきましては、私のところはそういう動きにつきましてもまだ承知しておりません。また事実そういったようなことも、事務当局も聞いておらぬと言っておりますので、これは当分の間は、そういうことはないということに御了解を願いたいと思う次第でございます。

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 たとえば、これも関西の例をとって恐縮なんですけれども、神戸に三ノ宮という駅がございます。この駅と大阪までの通勤定期を比べてみたわけです。そうしますと私鉄の場合は、阪急電車が一カ月に三千二百三十円、阪神電車が三千二百円、もしも国鉄が今度の値上げをそのままやりますと、一カ月でなんと四千六百七十円になるわけです。そうしますと、まあ、高くなったからみんな私鉄に乗ろうということになれば、国鉄のぎゅうぎゅう詰めば多少緩和されるかもしれません。しかしこうなりますと、せっかく値上げをして収入をたくさん得ようと考えておられる国鉄が、むしろこれだけ差が出てきますと、お客さんがみんな私鉄のほうに逃げてしまうんではないなかろうか、このように思いますが、いかがですか。

丹羽喬四郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(丹羽喬四郎君) 私鉄との、いわゆるそういったような料金の差が開く、ことに通勤通学におきまして開くということにつきましてはいろいろ御指摘を受けた次第でございまして、まことに残念でございますが、事実、今回の値上げが認められますればそういうふうになる次第でございます。何ともこれは申しわけないと思っておる次第でございます。しかしながら、ここで一面におきまして、国鉄も、まあこれは私鉄もそうでございますが、みな事業者別、企業体別でもって適正原価主義をきめておりまして、みんな総合原価主義をとっている次第でございます。私鉄におきましても、あるいは私鉄の路線のうち非常にもうかっておる路線と、そうでない路線とがあろうと思う次第でございますが、それもやはり総合して、総合勘案をしてやっておる。御承知のとおり国鉄におきましては、地方のローカル線、非常に採算の悪いローカル線も相当公共のために持たざるを得ない、こういうことがございますので、総合にいたしまするというと、そういったような点におきまして、むしろ都市通勤着には非常につらく、また、地方のローカル線の方には私鉄よりも非常に安いという、こういうような結果になっておる次第でございますが、現時点におきましては、これはしかたがないと思っている次第でございます。何とも申しわけない次第でございますが、しかしながら、この点将来におきましては、そういったような同じような並行路線につきましては、やはりできるだけの類似点を見出すことも必要じゃないか。御承知のとおり西独その他におきまして、レーバープランその他におきまして、その間におきましてはどういう制度をとるか、プール制をとるとかいろいろな問題がございます。また、それらの路線につきましての路線別の点をどのくらい入れていくかというような問題がございますが、それらの問題はぜひとも将来の検討としてまいるつもりでございますが、現在ではその点は考えておりませんとともに、いまお話がございましたけれども、これははなはだ申しわけないことでございますが、並行路線といいましてもお乗りになる場所、また到着なさる場所、お互いまた違ってくる次第でございまして、その点におきましてこれだけ違ってくる、違った場所を、いままで国鉄に乗っていた、そこまでまた円タクに乗れば幾らかかるというアクセスの料金やなんかもございますので、そういう点ははなはだ恐縮でございますが、しばらくごしんぼう願いたい。また、それにつきましてのある程度の減収率というものは見込みまして、実収率と、それと名目賃上げ率との差を認めている次第でございますので、しばらく、ほんとうに恐縮でございますが、ごしんぼう願いたい、こういうように思う次第でございます。

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 おことばを返すようですけれども、あすこの阪神間というのは、もうほとんど三本並列しておりまして、三ノ宮なんというのは三つ一緒になっているわけです。その点で、私は減収になるのではないかとむしろ心配したようなことでございます。  次に、貨物のことについてお伺いしたいと思います。国鉄の財政立て直しのために、今度貨物運賃の特別割引を全廃すると聞いておりますけれども、特に国鉄の貨物輸送の中にはお米、麦、生鮮野菜等の国民生活に直接関係のある物資が相当ございます。これを全廃されますと、物価に与える影響はどのようなことになりますか、お尋ねをしたいと思います。

木村俊夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(木村俊夫君) 昨年十月に物価関係閣僚協議会で、いま御指摘になりました公共割引、これを廃止するということに大体きまったわけで、早速その半数を実施したわけです。これが消費者物価指数に与える影響を産業関連表というので試算してみますと、大体全部廃止というたてまえで〇・〇〇四と、したがいまして、昨年実施しました半数の影響は〇・〇〇二ということでございます。数字としてはわずかなものでございますが、これがいろいろ心理的に波及するところの影響というものは、私ども非常に関心を持ってその後の状況を見ております。もともとそういう微少なことではございますが、ただいまのところ、その廃止が生鮮食料品の末端の小売り価格に影響するところがほとんどないというような心証を強めておるわけでございます。しかしながら、今後この十月に再び実施いたします予定のあと半数については、まだ、私ども大体決定はいたしましたけれども、なお一そうの慎重な配慮をしてまいりたいと思っております。

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 国鉄は企業の貨物の運賃もいままで低く押えられておったわけですね。財政悪化の中で乗客ばっかりにしわ寄せをするんではなくて、その企業の貨物運賃の割引率も引き上げるべきだというような意見が前々からございました。今度はそれも引き上げるわけでございますけれども、それからもう一つは通学定期ですね、これの割引率もアップしたらいいじゃないかとか、あるいはたとえば心身障害児の運賃の割引の分ですね、これは国が負担しておりますね、厚生省が。そういうふうに学割も文部省を通じてこれを国が負担すべきではなかろうかと、こんなようないろいろな意見があったわけです。この文部省に対する質問も私のほうでいたしましたけれども、そのときの御答弁を思い出しますと、まだそのときもやりますというような御答弁はなかったわけですね。それですから、そういったようなこともまだまだ打つ手があるんではなかろうか、こういうような意見があるわけです。  そこで、今度その貨物の輸送については、輸送のシェアの低下が著しくなっておりますね。そこで、集荷の努力も足りないのではないか、そうして、集荷の努力をしながら、国鉄運賃の値上げが乗客にばっかりしわ寄せをするようなことのないようにというような意見がございます。その点についてひとつお答えをいただきたいんですが、きょうは文部大臣の御出席をお願いを申しておりませんが、もしも運輸大臣のほうで学割のことが御存じであればお答えをいただきたいと思いますのと同時に、いまの集荷の問題ですが、日本人というのは新鮮度を重んじる国民性がございますから、そういった新しい生鮮食料品、そういったものはトラック輸送にだんだん切りかえられておりますね。しかし、やっぱり長距離輸送とか、お米とか麦とかという大量輸送は国鉄にたよらざるを得ないわけですね。それには経営の近代化とか合理化とか、そういったようなものを急がねばならないのではないかと思いますが、その点はどのように考えておられますか。またどんな近代化、合理化策を考えていらっしゃるか、お答えをいたたきたいと思います。

丹羽喬四郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(丹羽喬四郎君) 貨物輸送の公共負担の是正につきまして、お米の輸送の問題これはやっぱり食管会計の問題になってくると思う次第でございます。生産者米価を算定する場合にそういったものがやはり出てくる、消費者米価はまた別の観点からきているということでございますので、これはその点で考えていただかなくちゃならない。いま私ども、御承知のとおり、御指摘がごさいましたが、赤字で一般の利用者に負担もまた願わなくちゃならないと言っているときに、国鉄は公共性があるからと、黒字のときはよろしゅうございますが、何でも国鉄がしょうということは、ますまま料金の値上げを増すということにもなりまして、運政審、また交通体系でもございましたが、公共負担の均衡の是正ということはやはり強く大きく叫ばれておるところでございます。そういう点で、ひとつ国のよその部分で負担すべきものは負担してもらいたいというのが私どもの基本的な考えでございます。したがいまして、通学あるいは学割、今年は経企庁長官と私ども相談をいたしまして、ことに学生の問題、これは個人の親御さんの負担になることは非常に多い。通勤は、まあ八割くらいは法人負担になるということで、特に今回は見送った次第でございますが、将来の問題としては、やっぱり文教政策の一環としてこれを考えてもらいたいということを私は文部大臣にも強く申し入れておりまして、文部大臣もその方向でもって検討しようということになっておりますので、将来はそういうほうで考えていただきたい、こういうふうに思っておる次第でございます。傷痍軍人は、御承知のとおり、国鉄におきまして二億円負担をしておる次第でございます。これは予算として計上しておる次第でございますが、身障者の問題その他の点におきましても、そういった社会政策の一環としてあれをしてもらう。そうして国鉄としては、普通できるだけのやはり増収をやるというふうにいくことが合理的ではなかろうかと、こういうふうに考えておる次第でございますので、その方向で私ども進めたいと思っておりますので、一そうひとつ御鞭撻と御指導をお願いしたいと、こう思う次第でございます。

山田明吉日本国有鉄道副総裁

○説明員(山田明吉君) 貨物輸送の問題でございますが、率直に申しまして、鉄道の輸送の関係で貨物輸送が非常におくれていることは事実でございます。極端に言いますならば、明治初年にできました貨物輸送制度がそのままのかっこうでいままでに続いているということが言えるかと思います。私どもよく例として申し上げるのは、いまの貨物駅のかっこうが、大体明治時代の荷牛馬車の時代の姿そのままでございまして、これでは近代的な道路輸送のトラック、あるいは内航海運のフェリー等にとっても競争すべくもございません。それで、おくればせながら、これからの貨物輸送につきましては、まず輸送のスピードアップと、それからそれの定期性、つまり旅客列車並みに、この貨物は何時にこの駅を出て何時に向こうの駅へ着くというような時刻表も必要なような貨物輸送をしなければならない。それから、安全な輸送であることはもちろんでございますし、そういう関係で、貨物駅の集約、それから集約をしました――私ども拠点駅といっておりますが、これを荷牛馬車じゃなくて、フォークリフトなりあるいは戸口へ運ぶトラックとの共同輸送に適するような、あるいは港との連絡輸送に適するような近代的な駅に模様がえをしていくと、そのような新しいシステムチェンジと、それにつけ加えるいわゆる集荷意欲を持った、これはトラックとの共同一貫作業というように呼んでおりますが、それでもってこれからの貨物輸送を大いに活発にしていこう、将来、道路が詰まるであろうというような予測も行なわれております。それに便乗するわけではございませんけれども、道路輸送よりもより的確、迅速、安全に運べるというのが鉄道貨物輸送の目標でなければならないという意欲で、いろいろ施策をやっているところでございます。

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 そこで、私も一つ提案をしたいわけです。  それは冷凍専用車というものをつくって、そういうものを走らしてみたらどうだろうか、生鮮食料品を運搬するのに。それはそういったような貨車を走らせるだけではなくて、ターミナルにひとつ、かねがねこれは私ども提案しているわけですけれども、そういうものの受け入れの冷凍庫、大型の貯蔵庫、そういったものもそういうところにつくってみてはどうだろうか、こういうことをひとつ提案させていただいておきます。  時間が少なくなりましたから、最後に私どうしても申し上げたい問題に、やはり新幹線の公害の問題がございます。先ほど片岡委員も公害の問題に触れておられましたけれども、それはつい先日です。はっきり言えば五月の二十九日、これも兵庫県の伊丹市の住民の人たちが山陽新幹線公害防止対策についての要請書を持ってまいられました。これはすでに西宮市のトンネルの入り口の騒音は完成と同時に相当大きな金属性の音がするということで問題になったことは御承知のとおりだと思いますが、このように新幹線の騒音とか、振動とかあるいは電波障害とかというような問題がたいへん問題になっているわけですね。で、その要請書を持ってこられた人だちは最近まで当局と交渉を持ちながら、不本意ながらしぶしぶと新幹線のために土地を手離さざるを得なくなった地主さんたちなんです、ほんとうを言いますと。それはどういうことかといいますと、その伊丹の何とかいう町のところで、片方では相当高額に買い取られながら、こちら側は隣同士の町だのに、伊丹市の中ですよ、坪について一万円だか二万円だか安く買われているんです。そのために、相当長いことこれを手離すのをごねておられたわけです。ところが大阪のほうからでき、神戸のほうからできて、ここだけなかなかできないもんですから、とうとう手離さなければならないような羽目に追い込まれた人たちなんです。相当の地主さんがたくさんおります。ところが今度そこに新幹線が通ってみますと、いままで静かな住宅環境だったのに、八十ホンから九十一ホンの騒音と振動と電波障害にもういたたまれないということでこの陳情を持ってこられたから、皆さんのほうにもあるいはいっているかもしれません。そしてこういう人たちだけでなくて、沿線の住民は早朝から、新幹線は夜の大かた十二時まで走っておりますが、早朝から深夜まで通過列車の騒音、振動に悩まされて精神的にも肉体的にも衝撃を受けて、住民としての安住の権利を侵されていると、これに訴えておられるわけです。このような問題に対する対策をどのように進めておられるか。先ほど片岡委員にもいろいろ詳しくお話がございましたが、この要望書によりますと、新幹線に対する環境基準を早急に設定をしてほしい。それから、テレビ受信障害を完全に除去してほしい。先ほどパンタグラフのこともおっしゃっておられましたけれども、パンタグラフのスパークをなくする方法を講じられたいとか、それから、伊丹地区内の速度を全車百キロメートルに落とせと、こう書いてあるんですが、これでは新幹線の意味をなしませんので、落とさなくても被害を与えないようなことがおそらくいまの科学技術の中で先ほどお話しのあったようにどんどん考えられていると思いますけれども、特に伊丹は、この前運輸大臣にも御質問申し上げましたように、上からはあの伊丹の飛行場の飛行機の騒音あるいは排気ガス、そういったもので非常な被害を受けている。そこへまたしてもこの新幹線の公害だということで、もういたたまれないのだろうと、こういうことを私ども察するわけです。  御答弁をいただいて、その次に続けて御質問すると時間がなくなるかもしれませんから、全部一ぺんにまとめて御質問いたしておきます。  それからその次に、成田新幹線のように関係住民の反対運動が高まっておりますけれども、路線決定までに地方自治体や住民との話し合いはどのようにしておられたのか。十分な話し合いの末に路線を決定したとするならば、今回の建設反対運動はいかなる原因から起こったと判断されておられますか、これが第二点。  それから第三点は、このように反対運動が起こっては、運輸政策審議会答申で、昭和六十年に七千キロの新幹線の建設が指示されておりますが、具現の可能性があるかないか、また実現する方針で検討されているかどうか、これが三つ目ですね。  それから最後に、今後は企業の公害防止ですね、企業の公害防止というのはもう当然のことだと言われているわけですけれども、そうしますと、国鉄においてもこの公害防止のために、これから線路をつくるための敷地を買収するときには、その周辺に少なくとも二十メートルくらいの空地を買収して、それは六メートルなんかじゃとっても足りません、ですから二十メートルくらいの空地を買うんですね。ところがそんなお金はとてもないとおっしゃるだろうと思いますが、それはあるいは道路にするとか、公園にするとか、あるいはグリーンベルトにするとか、いろいろその活用のしかたはあろうかと思います。そして騒音なり振動を防ぐわけですけれども、それなら、道路にするなら建設省と一緒に買収したらいいじゃないか、こういうふうな考え方が出てくるわけです。そこで、目先のことばっかりを見ているのではなくて、遠い将来までも見通して町づくりをしなければならないと思いますから、これからの新幹線の建設の見通しと国鉄の計画を伺ってみたい、以上お伺いして終わります。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) 第一の伊丹市の具体的な問題等につきましては後ほど国鉄から申し上げます。  それからなお、用地をよけいに買ってどうするという問題につきましては、山陽新幹線の例等もございますので、これも後ほど国鉄から申し上げることにいたします。  で、成田新幹線でございますが、成田新幹線の建設につきましてはこれは基本計画、整備計画の手続を経まして、これは鉄道建設審議会にかけましてその答申を得た上で、東京と成田間におきまして新幹線が必要であるということで基本計画、整備計画を決定したところでございます。その基本計画、整備計画に基づきまして具体的なルートあるいは構造等につきましては工事実施計画という段階でこれを決定をするということになっております。  それで、工事実施計画につきましては、これの建設を担当しておりまするところの鉄道建設公団がそれの設計等をいたしまして、そしてこれを国鉄と協議をいたしまして、そうして運輸大臣に申請をすると、こういう段取りになっております。  それで、鉄道建設公団がそういう設計等の立案をし、国鉄と相談をするという段階におきまして地元の県、市という方々と十分な基本的な打ち合わせをしてまいったということでございます。  ただ、具体的な問題になりますと現地の江戸川区さんその他におきまして、御自分のところは通過されるだけだ、したがって、それについては騒音問題が非常に多いということで非常に反対の気運が高まっておるわけでございますが、これにつきましてはやはり工事を担当いたしまするところの鉄道建設公団が十分に地元とお話し合いをいたしまして、そうして納得を得た上で建設を行なうということよりしようがないと思います。  それから次に、第三問の、将来の新幹線計画でございますが、現在、新幹線の工事をいたしておりますのは、山陽新幹線のほかに東北新幹線の東京-盛岡間、それから上越新幹線の東京-新潟間、それから成田新幹線は、先ほどちょっと問題がございましたが、東京-成田間の成田新幹線、この三新幹線につきましては工事実施計画に基づきまして、一応着工に踏み切っておるわけでございます。それで、その他の新幹線につきましては、先般、鉄道建設審議会がございまして、そして東京-盛岡から先のほう、盛岡-札幌間、それから東京から長野、富山を経由しまして大阪までの新幹線、それから福岡から鹿児島までの新幹線、これにつきましては、早急に基本計画を決定するということに相なったわけでございます。で、それ以外の新幹線につきましては、現段階におきましては鉄道建設審議会におきまして、福岡-長崎間の新幹線につきまして今後基本計画の組み入れを措置すべきであるという建議がございまして、その他の新幹線、たとえば東京と大阪間における第二東海道新幹線だとかあるいは山陰地区におきまする新幹線あるいは四国の方面というようなことにつきましてはいろいろと御議論があったという段階でございまして、現在では具体的な計画はございません。いずれにいたしましても、今後そういう手続を経まして、具体化をしてまいるということに相なるわけでございます。

長浜正雄日本国有鉄道理事

○説明員(長浜正雄君) 新幹線の騒音、振動等につきましては非常に沿線の皆さんに御迷惑をかけておりますが、東海道新幹線の経験にかんがみまして、その後いろいろ技術開発をいたしまして、御承知のように、山陽新幹線では側壁を高くするとかあるいはレールを太くするとかあるいは橋梁けたを使わないとか、いろんな対策をいたしまして、できるだけの技術開発をしたものを全部応用したわけでございますが、いま先生のお話しのような実情でございまして、われわれとしては最大限の努力をしたつもりでございますが、現状のような状況でございます。われわれとしましては、今後なお一そう技術的な開発を進めて、そのほうの努力をしていきたい、こういうふうに思っておる次第でございます。その中でも、テレビ障害等につきましては、これは地元の方とお話し合いをいま進めておりまして、NHKの御協力をいただきまして、現在すでに難聴難視の場所の約七割五分ぐらいはもう施工を終わっております。今後、早急にこれを完成させていきたいと、こういうふうに考えております。  なお最後に、今後の新幹線建設の際の速度あるいはそれに伴います都市計画道路あるいは緑地帯等につきまして、先生の御意見のように、私たちもそうできればしたいと、こう考えておりまして、現に岡山以西の山陽新幹線あるいは岡山-大阪間につきましても、計画されております都市計画道路などとはできるだけくっつけるような配慮をしてまいりましたが、今後は建設省その他いろいろ御協力を願わなきゃなりませんが、そういう国の公共事業を御一緒にやっていただくというようなくふうをお願いをいたしまして、そして、われわれとしても新幹線建設をスムーズに進め、国のために尽くしたい、こういうふうに考えておる次第でございます。

木村睦男自由民主党

○委員長(木村睦男君) これにて中沢伊登子君の質疑は終了いたしました。  次に移ります。渡辺武君。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 政府は、公共企業体等労働関係法の第十四条に基づいて、国鉄労働者の賃金についての仲裁裁定を実施しないことについての承認を国会に求めておりますけれども、この問題について、一昨日の運輸委員会で竹下官房長官が、政府は昭和三十二年以来、仲裁裁定を完全実施してきたが、今回も裁定実施に努力することに変わりないとの政府統一見解を読み上げたということを伺っております。私は、一昨日、運輸委員会に出ておりませんでしたので、あらためてこの席でそうであったかどうか、運輸大臣は同席されておられたと思いますので、確認したいと思います。

丹羽喬四郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(丹羽喬四郎君) 一昨日、運輸委員会におきまして、官房長官から政府の方針を申し述べましたことを私から重ねて申し上げます。  政府は昭和三十二年度以来、仲裁裁定を完全に実施してきたところであり、今回も完全に実施するため誠意をもって努力する方針である。こういうことでございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 この政府の統一見解は、新聞記事などによりますと、国鉄運賃値上げ法案が成立しない場合でも、完全実施の努力をする方針だと、それを打ち出したんだというふうに書かれております。私どもはそう当然、理解すべきだと思いますが、その点どうでしょうか。

丹羽喬四郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(丹羽喬四郎君) 完全実施をしたいという精神には変わりないと、こういうことでございます。しかし、先般御承知のとおり公労法十六条第二項によりまして国会の御判断を仰いでいるのは、いま現時点におきましてはその点におきまして非常に困難である、その点でどういうふうにしたらいいかという御判断を国会をお願いをしているところでございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 端的にお答えいただきたいと思うんです。国鉄運賃値上げ法案、一言で言えば、この伝案が成立しなくても仲裁裁定は実施するのかどうか、その点どうですか。

丹羽喬四郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(丹羽喬四郎君) 今回の仲裁裁定の実地につきましては、今回の四十七年度の予算並びにそれに関連する国鉄関係の法案によりまして、それにことごとくが給与改定分予備費その他が含まれている次第でございまして、現時点におきましてはその点がどうともわからぬということで国会の御判断にゆだねている次第でございまして、その場合のことは、ただいまでは私どもは国会の御審議を通じまして、提案者といたしまして、これの御承認をひたすらに願っているのが今日の段階でございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 私の伺ったことに端的にお答えいただきたい。法案が成立しなくても仲裁裁定を実施なさるのかどうかということを伺っているんだ。

丹羽喬四郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(丹羽喬四郎君) 実施したいという精神には変わりございません。しかしながら、現時点におきましてはそれに対する資金、予算上の資金がないということでございますので、どういうふうにしたらいいかということの御判断を国会にお願いしている、こういうことでございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 それではこの運輸委員会での質疑に対して、政府は食言しているということになると思います。なぜならば、こういう統一見解の出たそのいきさつは、私も運輸委員会の方から聞きました。もし法案が成立しなくても仲裁裁定は実施するのかという質問があって、この統一見解が出ている。当然のことながら法案が成立しなくても仲裁裁定は実施するという趣旨で統一見解が出されたと解釈せざるを得ない。その点、もう一回おっしゃっていただきたい。どうもあいまいもことして、私の頭が悪いものだからよく理解できませんよ。もっとわかるようにはっきり言っていただきたい。

丹羽喬四郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(丹羽喬四郎君) 先ほどから私が再三申し述べた点で御理解を願いたいと、こう申し上げておきます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 それでは、政府の態度が全くひきょうきわまりないということをはっきり示している。大体、今度の仲裁裁定というのは労働者の要求よりもほど遠い裁定です。しかし、一たび裁定が出た場合には、政府も国鉄当局もこれに無条件で従うことは当然のことです。これは、公共企業体等労働関係法の第三十五条にもはっきりとそのことがうたわれている。国鉄運賃値上げ法案が成立するかどうかということは、仲裁裁定を実施しなきゃならないというこの問題については法的に何の関係もないことです。それを関係づけようとするところに政府の卑劣な態度がある。もう一回伺いたい。当然、法案が成立しなくても仲裁裁定は実施すべきだと思うけれども、どうですか。

丹羽喬四郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(丹羽喬四郎君) 再三お答えをしたとおりでございます。三十五条におきましては、御承知のとおり、仲裁裁定につきましては実施するよう政府も努力する義務がございます。それゆえに、努力する義務がございますが、しかしながら、予算上、資金上これが不能の場合におきましては国会の御判断を仰がなくちゃならない、十六条の規定を適用しなくちゃならぬということも、これまた一つの義務でございます。その義務に従がいまして今日御判断をお願いをしていると、こういうことでございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 それは、運輸委員会の論議に対して全くそれはもう食言的な態度です。そんなばかばかしいことは許されるものじゃない。大体、いま運輸大臣の言われました政府のその理由、これは全くもう理由にならぬじゃないですか。この出されている「公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき」――私、一番最初十四条と言いましたけれども、十六条の間違いで、いま訂正しておきましょう。「十六条第二項の規定に基づき、国会の議決を求めるの件」というのがある。その中に、こういう処置をした理由として「現段階においては、その実施が予算上可能であるとは断定できないので」という理屈をつけている。しかし、予算上実行はできないなんということをどうして言えますか。もう国鉄予算は成立しているわけでしょう。成立しているならば、その予算の額の中から、仲裁裁定実施で労働者にどのぐらいの金が余分にかかるかわからぬけれども、しかし、そのくらいの金は当然出すために努力する、国鉄当局も努力すれば政府当局も努力する、これは当然の義務じゃないですか、どうですか。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) 公労法の規定によりまして政府がその実現に対して努力をすべきことは当然でございます。しかしながら、それにつきまして、これが予算上不可能な資金の支出を内容とする場合におきましては、第十六条の定めるところによるということにいたしまして、国会の議決をお願いをしておる次第でございます。そこで、この問題につきまして、予算上不可能という問題につきましては、今回の国鉄の予算というものは国の助成及び運賃の改定、千七百八十八億円の運賃の改定というものを前提といたしまして国鉄予算が編成をされております。したがいまして、そういう段階におきまして、現段階では、その千七百八十八億円の運賃改定がない段階におきましてはそれを前提として支出予算その他が組んであるわけでございますから、当然予算上可能とは断定できないと、こういうことでございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 それは、全くもう三百代言的な答弁だというふうにしか考えられませんね。必要があれば政府が金を出すこともできる。政府に対して融資を仰ぐことだってできる。国鉄予算は、各項目の間で賃金の引き上げのために予算を流用することだって十分にできる。やろうと思えば十分にできる。決して不可能なことじゃない。   〔委員長退席、運輸委員会理事佐田一郎君着席〕 しかも、法律上何の関係もない国鉄運賃値上げ法案、そうして仲裁裁定の実施、これをからまして、そうしてこんなものを国会に出している。全くこれは政治的な策略としか言いようがない。いまの日本の労働者の中に、政党の中にも、こんなおどかしに屈服して国民の期待を裏切るような者は一人もおりませんよ。当然、仲裁裁定は即時に実施すべきだと思う。もし、あなた方実施のために努力すると言うなら、国会に提案しているこのようなものは即座に撤回すべきだと思うけれども、どうですか。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) 先ほど申し上げましたように、ことしの予算というものは千七百八十八億の運賃の改定というものを前提といたしまして支出予算その他がすべて組まれておるわけでございます。したがいまして、その千七百八十八億円の運賃改定というものがかりにない段階におきましては、その支出予算の前提というものがくずれるわけでございまして、その意味におきましては、既定の予算の執行というものが非常に困難になってくるという段階でございますから、現段階におきましては予算上可能とは断定できない、こういうことに相なるわけでございます。そういう意味で御審議を仰いでいる次第でございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 それは全く理屈になりませんよ。国鉄の設備投資計画をちょっと延ばしさえすれば、そのくらいの金は幾らでも出てくる。政府からほんのちょっと融資さえすればそのくらいの金は出てくる。もう国鉄予算案は成立しているんですよ。そのくらいのことは十分できる可能性を持っている。私は、もう一回、この「公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会の議決を求めるの件」、これはよろしく撤回すべきだと思う。その意図がおありかどうか、もし国会がこの議決をしなかった場合、法案が成立しなくても政府は仲裁裁定を実施するかどうか、その点もあわせて伺いたいと思う。

丹羽喬四郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(丹羽喬四郎君) ただいまのあれでございますが、公労法十六条の二項に従いましてこの御判断を仰ぐという国会に提出しました政府の意図、これを撤回する意思はございません。もし、そういうことがございますとしたらば、あるいはまたむしろ国会の御審議を拘束するおそれもあるというような判断もございまして、決してそういう意図はございません。国会の御審議をそれによりまして拘束するというような大それた意図はございませんが、今日の現段階におきましては、現時点におきましては、それの予算上非常に困難な問題が伴っている次第でございますので、十六条の二項に従いまして御判断を仰いだ次第でございまして、重ねて申しますが、これを撤回する意思はございません。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 私はいまの答弁、もう全く納得できません。きょうは総理大臣に御出席いただいてこの問題を伺おうかと思っておりました。総理大臣御用でおいでにならない。やむなく運輸大臣に伺いましたけれども、しかし、きのうの運輸委員会で統一見解を言われたのは官房長官であります。   〔委員長代理佐田一郎君退席、委員長着席〕 したがって、官房長官から政府統一見解の趣旨ですね、これについて伺いたいと思う。官房長官お呼びいただきたいと思います。

木村睦男自由民主党

○委員長(木村睦男君) 官房長官は、前から要求大臣でございませんので、連絡はしてみますけれども、来られるかどうかわかりませんですから、その点は御了承いただきたいと思います。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 呼んでいただけますか。

木村睦男自由民主党

○委員長(木村睦男君) 都合を聞いてみますから質問をお続けください。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 それでは官房長官が来られるまで、この問題についての質問は私、留保します。  それでは、本題に移りますけれども、この国鉄運賃値上げ法案の政府の提案理由の説明を見てみますと、「現行の財政再建対策が十分にその目的を達成できなかった原因について反省し、昭和四十七年度以降十年間を新しい再建期間とする抜本的な財政再建対策をあらためて策定し、これを強力に推進する必要があると考えております。」と、こういうふうにうたっている。現在の財政再建計画については反省をする、そして向こう十カ年間の根本的な財政再建対策を進めるのだというのが趣旨であります。  そこで伺いたいのは、この十カ年計画の最終年度の国鉄の状態は一体どういうことになっておるのか。まあ政府がこうやって大見え切って法案は出されているので、さぞかしけっこうなことになっているだろうと思いますけれども、まず最初に、旅客運賃は十年のあと、つまり五十六年度にはいまの何倍になっておりましょうか。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) 約二倍でございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 われわれも計算してみましたが、やはり約二・一五倍ということになっております。そうすると現在よりも運賃が二・一五倍、十年先になって。そんなに国民からたくさんの運賃を取り上げるということになると、財政状態もかなりよくなるということになろうかと思いますけれども、十年後の償却後の損益の見通しはどうなっていますか。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) これは今後の輸送需要の想定あるいは国の助成等々、あるいは人件費の上昇の想定というようなものを前提としての想定でございます。そういう前提を一応踏まえた上で、私どもの計算におきましては、五十六年度償却後二千六百七十億程度の黒字が見込まれるということになっております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 私も運輸省からいただいたこの資料で二千六百七十一億円の黒字が十年先には出るということはわかりました。しかし、十年間ずっと黒字というわけじゃないでしょう。この十年間の累積赤字はどのくらいになりますか。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) 四十七年度から五十六年度までの累積赤字でございますが、四十六年度末に八千八十六億の累積赤字がございますから、それと四十七年度以降のものを足しまして、一兆七千八百億程度の累積欠損が出るわけでございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 そうしますと、運賃は二倍にも上げたけれども、しかし、国鉄はなお依然として累積赤字一兆数千億円を持ってると、こういうことになるわけですね、二兆円近いもの。これはたいへんなことじゃないでしょうか。少しも財政の再建にはなってないという感じがします。  そこで、なお伺いますけれども、四十七年三月末の借り入れ金の残高は三兆一千億円だというふうに言われておりますけれども、十年後の五十六年度末、これの累積赤字はどのくらいになりますか。それからまた支払い利子、これはやはり五十六年度はどのくらいになりましょうか。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) 累積欠損につきましては、先ほど申しましたように、一兆七千八百億程度でございます。それから支払い利子でございますが、五十六年時点におきましては四千百八十億程度でございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 私の伺っているのは累積債務です。借金のほうです。借金は十年後にはどのくらいたまっておりますか。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) 長期債務の残という意味だろうと思いますが、五十六年度末におきましておおむね七兆六千億程度のものになろうと思います。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 七兆六千億円も借金がたまっていて、そして一年間に四千百八十八億円も利子を払わなければならないような状態がやっぱり十年先にある。これで財政再建なんて言えますか。  なお、この十年間の支払い利子累計、どのくらいになる見通しですか。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) 十年間の支払い利子としてはおおむね三兆三千五百億程度でございます。

木村睦男自由民主党

○委員長(木村睦男君) 渡辺君にちょっと申し上げますが、官房長官は都合がつきかねるそうでございます。統一見解がございますので、関係大臣として運輸大臣、大蔵大臣おられますので、御質疑していただいてけっこうであります。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 いまの仲裁裁定の問題については、あらためて私、運輸委員会への出席を求めてそこでやりたいと思います。きょうは、もう国鉄の財政再建のほうに入ったものですからそれを続けてまいりましょう。  いまの数字を聞きますと、根本的に財政を再建するなんてとんでもない話だという感じがします。それじゃなお伺いたいのですけれども、計画どおりにいけば、十年後にローカル線はどのくらい廃止になりましょうか。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) ローカル線と申しますか、むしろ地方閑散線、これは国民経済的に鉄道よりも道路輸送のほうが有利であるというような線区を道路に転換すべき線というように考えておりますが、これにつきましては、今後三千四百キロ程度を撤去をするというふうに考えております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 それは何年間ですか。五年間というように私は記憶しておりますが、どうですか。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) 五年間に撤去するというふうに考えております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 いまローカル線の廃止の問題は、これは各地方で大問題になっている。特に、新全総を練り直すというようなことも言われている中で、過疎地域は国鉄がかってにローカル線をほかの計画とは無関係にどんどん廃止しているということで、これはたいへんなことですよ。それを計画どおりにいけば、現在約一万キロくらいのローカル線、そのうちの三分の一以上の三千四百キロを廃止する、これはとんでもないことだ。しかも運賃は二倍にする。一体国民はどうなりますか。しかも三千四百キロものローカル線を、わずか五年間に廃止するということになれば、それは町から町をつなぐような短かいローカル線だけじゃないと思う。県から県を結ぶようなかなり長距離のローカル線も廃止せざるを得ないと思うけれども、その辺はどんな計画を持っておりますか。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) 私ども地方閑散線の今後の整理というふうに考えておりまするものは、鉄道輸送の特性というのは、やはり大量的な交通機関として、しかも、それが定時定型的な輸送を行なうということに特質があるわけでございます。一方自動車輸送の特質は、むしろきめのこまかい機動的な運営というものに特質があるわけでございまして、そういう鉄道と道路輸送との特質の相違というものを踏まえた上で、国民経済的に見て鉄道よりも自動車のほうが有利であるというような線区についてこれを撤去する。しかも、その撤去に際しては、それによって地元の足がなくなってしまえばこれはたいへんなことになるから、地元の足の確保というようなものも十分に考え、道路の状況を考えてみる。さらにただいまお話がございましたように、将来のいろいろな開発計画とかというようなものも十分に配慮に入れた上で、これを撤去するということでございます。そういう考え方によりまして、この三千四百キロを五年間にならしまして、そうして逐次地元の同意を得つつこれを廃止してまいるということでございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 そういう言いわけは私どもずいぶん聞きましてもう聞きあきている。しかし、実態はそういうものじゃない。国鉄は公共企業体でありながら、その公共性を全く投げ捨ててそうしてもうけの出るところには新幹線のように一生懸命で投資はするけれども、もうけの出ないところはこの際ばっさり切り捨てようということで、このローカル線の廃止をやっているんじゃないですか。いまのようなきれいなことを言って、それで国民は納得するはずありませんよ。  ところで、貨物駅の集約なるものを盛んに進めておられるようですね。私、いただいた資料によりますと、昭和三十五年に三千六百二十八もあった駅が四十六年度末には二千百四十に減っているという統計が出ておりますが、今後十年間にどのくらいまで減らすおつもりですか。

原岡幸吉日本国有鉄道理事

○説明員(原岡幸吉君) 貨物駅の集約の計画でございますけれども、先ほど先生お話しになりましたとおりの数字でございますが、四十四年、四十五年、四十六年、四十七年、これが大体一番集約の大きな山でございまして、将来計画といたしまして四十九年から五十年、これの年度の初めの駅数としましては千二百駅ばかりを予定いたしております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 ここに「国有鉄道」という雑誌があります。これの二月号を見てみますと、大体五十一年度見当のところをにらみながら、将来のデッサンとしてこの国鉄が考えている貨物駅の数、これ合計しますと約四百七十八ということになっています。それはどうですか、そういう計画をお持ちですか。

原岡幸吉日本国有鉄道理事

○説明員(原岡幸吉君) ただいま先生御指摘のその四百駅、この数字は、特に貨物駅集約をしていわゆる拠点駅と申しますか、非常に整備されたりっぱな駅をつくる、そのおおよそのめどが四百と、こういうことでございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 それはたいへんなことじゃないですか。いまから十年前には三千六百の駅があった、それがこれから先、おそらく十年ぐらいの間には五百以下に貨物駅が減っちゃう、一体、いままで貨物駅を利用していた人たちはどうしたらいいんですか。それは大企業の大工場のあるところで大きな貨物駅だけ残してくれれば大企業はいいでしょう。しかし、中小企業や農民はどうなりますか、こんなことをされたら。これはもう国鉄が公共性というものを全く投げ捨てた姿、そうして営利本位、大企業の利益本位の方向に急速に切りかわりつつあるということをはっきり物語る資料じゃないでしょうか。こんなばかな十カ年計画をやるために国民は大幅な運賃の値上げをのまなければならぬなんて、そんなばかなことは承知できませんよ。  なお、ついでに伺いますけれども、いま全国新幹線網をつくるということで盛んに投資をやっておりますけれども、十年後には新幹線のこの総延長は何キロくらいになりますか。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) 今後の十年間に新幹線の総延長がどうなるかということは、まだ計画的にきめておりません。と申しますのは、先ほど御答弁申し上げましたように、現在建設中の新幹線につきましては、先ほど申しました東京-盛岡、それから東京-新潟、東京-成田と、これはもう建設中でございます。これは五十年代の初期に完成をするわけでございます。それからその先の盛岡から札幌、それから東京-長野-富山-大阪、それから福岡-鹿児島、これにつきましては基本計画を決定すべきことを先般、鉄道建設審議会で答申がございましたから、これにつきましては基本計画を今後きめていかなければならぬということでございます。したがいまして、この三線につきましては、今後建設のルートに乗るということが考えられます。それ以外のものにつきましては、鉄道建設審議会が建議をしたものが一線ございますし、その他のものにつきましてはまだ建議もいたしておりません。したがいまして、そういう意味におきましては、その他の新幹線につきましてはまだ計画が未定でございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 時間がなくて詳しく伺えないのが残念ですけれども、しかし、こういう新幹線網をどんどんつくっていって、いまあなた方がやろうとしているのは何ですか。準急は廃止する、急行も間引く、こうしてですね、旅客がこの高い運賃の新幹線に乗らなければならないようにしむけてきている。そうしておいて、在来線があいてくるからして、これは中長距離貨物輸送ということで、貨物輸送の方向にずうっと切りかえていっているというのが特徴じゃないですか。この間、私は岡山へ行ってみました。新幹線が岡山まで来て、売れたのは何かといったら、岡山のキビだんごと、そうして香川の金刀比羅さんのお礼だけだ、こう言っていましたよ。そうして、あの辺の通勤している労働者や学生はまこと不自由になった、こういうことを言っておりました。まさに、これから十年の間、そういう傾向が非常に激しくなってくることは、これは火を見るよりも明らかだと見なきゃならぬ。運賃は二倍以上に引き上げられた。しかも累積債務はうんと大きくなって、そうして一年間に数千億円もの金利が支払われなければならぬ。財政も少しも再建されてない。結局、残ったものは何かといえば、もうけ本位の新幹線が、これがほかの骨をむしった背骨のように残る。そうしてまた大企業に奉仕する貨物輸送だけが残っていくというような、こういう計画。これをやるために運賃の値上げをのめのめと言ったって、国民は絶対にこれは承服できない。こんな運賃値上げはおやめになって、そうして公共企業体である国鉄にふさわしいような、そういう再建計画に練り直す必要があるんじゃないでしょうか、どうでしょうか。

丹羽喬四郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(丹羽喬四郎君) 先ほどから債務が非常に多いというお話でございますが、資本主義経済におきまして、企業体としては、債務が幾ら大きくなりましても、それに見合う資産がありまして、その資産が適当な果実を生みまして、その収入が利子を上回るということでございますれば、これは健全なる経営ということが申し上げられると思います。そういうような方向に持っていきたいということで、せっかく再建計画を立てまして、いま御検討を願っているところでございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 運輸大臣、大きく出ましたけれどもね、国鉄というのは公共企業ですよ。普通の資本主義経営とは違うのです。国民に奉仕することを第一にしなければならぬ。国民に低廉で便利で安全で快適な輸送を提供するということ、これこそが国鉄の本来の使命でなければならぬ。そうでしょう。どんなに借金がふえて、金利の支払いが多くてもいいんだとおっしゃるけれども、その全部の負担を運賃値上げでひっかぶされる国民には、たまったものじゃないですよ。そうでしょう。うなずいておられるから、おそらくおわかりいただいたと思う。重ねて申します。ですから、そんな運賃の値上げなんておやめください。これは国民全体の要望です。そうして、こういうばかばかしい再建計画なるものは練り直す必要がある。それをおやりになるおつもりがあるかどうか、もう一回伺います。

丹羽喬四郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(丹羽喬四郎君) この再建計画につきましては、いろいろ御批判もあると思う次第でありますが、今回は、それゆえに国鉄の企業努力、そうして政府の相当思い切った財政助成、それと適正な運賃の引き上げと、こういうふうな三者相まちまして、今日の国民の御期待に沿いたいと、こういうふうに思っている次第でございます。御審議をいただきまして、ぜひともこの再建案をお通ししていただきたい、これが私どもの念願でございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 そういう御答弁をいただいても、だれもこれは法案の成立のために協力するなんというわけにはとうていいきませんよ。ところで、いま運賃値上げの一つの口実として、国鉄は赤字だ赤字だということがいわれております。私は、残されたわずかな時間でありますけれども、この赤字の根源は一体どこにあるのかという問題について伺いたいと思う。  そこで、まず最初に申し上げたいのは、国鉄赤字の最大の原因の一つ、これは国鉄が大企業に奉仕しているというところにあると思います。そこで伺いますけれども、国鉄は旅客輸送では黒字を出し、貨物輸送では赤字を出していて、この貨物輸送での赤字が国鉄赤字の一番大きな原因になっていると思いますけれども、旅客、貨物輸送別の営業成績をおっしゃっていただきたい。ここ二年くらいでけっこうです。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) これは国鉄のほうで使っておりまするいわゆる営業係数という収入と支出との割合で申し上げますと、旅客につきましては営業係数が昭和四十五年度が九四でございます。それから貨物につきましては営業係数が一七三でございます。それから四十四年度は、旅客につきましては営業係数が九五でございまして、貨物につきましては営業係数が一六三と、こういうことになっております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 そんな、普通の人にはわからぬようなものを使って答弁しても、聞いていてわかりゃせぬですよ。はっきりおっしゃいよ。私、あなた方からいただいた資料がここに手元にあるから、それを読みます。ほんとかうそかおっしゃっていただければいいです。国鉄は昭和四十四年度に旅客輸送で三百八十三億円の利益が出ている。四十五年度には四百九十七億円の利益が出ている。ところが、貨物のほうでは、四十四年度には千四百九十九億円の赤字、四十五年度には千八百二十二億円の赤字が出ている。旅客輸送で黒字を出し、貨物輸送で赤字が出ているんじゃないですか。

磯崎叡日本国有鉄道総裁

○説明員(磯崎叡君) この問題は、昭和四十四年の運賃改正のときに先生からやはり御質問がございまして、私が御答弁申し上げたことを記憶いたしております。問題は二つございます。一つは、先生御専門でございますが、いわゆる原価計算のやり方の問題が一つございます。これは前回も申し上げましたとおり、同じ線路の上に旅客列車と貨物列車が走りますので、その費用をどう分担するかということについていろいろ問題があるという点は申し上げました。したがって、いまの営業成績というものは、一つの部内統制上の仮定に基づいた計算であるということははっきり申し上げてございます。しかし、かりにそういたしますと、貨物からそれだけの赤字が出ておりますが、それを今度、内容別に――先ほどから先生のお話伺っておりますと、何か運賃に非常に差別があるというふうな話を伺ったわけです。この約千七、八百億の赤字をひとつ今度は等級別にブレークダウンいたしてみます。そうすると、御承知のとおり、国鉄の貨物運賃は四等級に分かれておりまして、等級の高いほど何といいますか値段が高い。先生のおっしゃったいわゆる企業の物資と言っても差しつかえないと思います。四級が農産品、水産品等でございます。それで、一級から四級まで、これは四十四年の実績でございますが、各級別の貨物がどのぐらい赤字を出しているかと申しますと、品目別には時間がございませんから省略いたしますが、一級で約百億、それから二級貨物で百九十億、三級貨物で八百億。その八百億を出している三級の一番大きいものは石炭でございます。それで八百億。それから四級で五百億。したがって、いわゆる等級の高い貨物ほだ赤字が少ない。もちろん黒字とは申しません、赤字が少ない。そうして、等級の低い農産品、水産品からは、いま申しますとおり約五百億の赤字を出しておる。しかも、まだ、いま問題になっておる石炭についても運賃を引けとか、いろいろ問題がございます。しかし、その石炭を中心とした三級貨物から実に八百億の赤字を出しておる。そういう意味で、どうか貨物運賃の赤の問題につきまして――もちろん原価計算のやり方そのものの問題が一つ、これは先生の御専門でございます。それと同時に、その次に、物資別に一体どんなに赤が出ているかということをよく御検討願って、いまのようなお教えを賜わりたいと、私はそういうように思う次第でございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 私伺っているのは、旅客で黒字を出して貨物で赤字を出しているじゃないかということを伺っている。それは率直にお認めいただきたい。原価計算のやり方云々と言ったって、あなた方が出している資料がちゃんとそういうことを証明しているのだから。貨物の物資別の内容については、農産物や中小企業製品は、これは当然のことながら運賃は安くして、これが国民に安く手に入るようにするのは当然のことだ。これは国鉄が公共企業として当然の任務ですよ。問題は、もっと運賃を正当に取り立てるべき大企業の製品に対して安い運賃を設定しているというところにこそ問題がある。  もう時間がきましたからね、約束どおりやめておきますけれども、なお、このほかに国鉄は、大企業に対してはほぼ二二、四%ぐらいの一般的な割引をやり、その上に個別的な割り引をやっている。資料をちゃんと持っております。こういう大企業に対する奉仕、これをやめけなれば、国鉄経営の赤字なんというのは解決できない。したがって、私は、国鉄の経営の赤字を解決するためにも、いまの運賃体系を逆にして、旅客運賃は据え置いて、そうして大企業の貨物輸送については血出サービスではなくして適正な運賃を取るという形にすべきだと思いますけれども、そうなさるおつもりがあるかどうか。

磯崎叡日本国有鉄道総裁

○説明員(磯崎叡君) 旅客運賃が非常にいいとおっしゃいましたが、そのうち約千億以上のものが新幹線から出ているということも事実でございます。したがって、新幹線がもしなければ、赤字はさらにふえているのだということだけ申し上げておきます。  また、貨物の運賃制度そのものにつきましては、いろいろ先生のお話のとおり、もっと上と下の格差をうんと広げろというお話もございます。しかし、現在トラックなり船なりというものは全部均一運賃でございます。したがって、上のほうのものを上げれば、それだけ、それは当然船なりトラックにいってしまう。いまの一対一・五というぐらいがもう精一ぱいでございます。したがって、もし等級をさかさまにすれば、農産物だけが残る。そうして、一体そのときの貨物運賃の赤字はどうなるかということになると思います。しかし、十分御意見を尊重いたしまして、貨物運賃の今後の問題について勉強させていただきます。

木村睦男自由民主党

○委員長(木村睦男君) これにて渡辺武君の質疑は終了いたしました。  次に移ります。中村波男君。

中村波男日本社会党

○中村波男君 今回の国鉄運賃の値上げにはもちろん反対でありますが、農林畜産物資の貨物運賃につきまして、昨年の十月以来、公共政策割引の措置が半減をいたしまして、言うまでもなく今年の九月三十日をもって全廃になるわけでありますが、したがって、二四・六%の運賃値上げとダブルパンチになりまして、農林漁業者に甚大な打撃を与えると思いますと同時に、消費者物価の高騰への影響を考えまして、私は農林水産委員の一人として、それらの問題について質問をいたしたいと思うわけであります。  まずお聞きしたいのは、公共割引の存続時と全廃後の、貨物運賃引き上げを含む主要農林水産物資の運賃改定率と運賃引き上げ額はどれほどになるのかお示しいただきます。

原岡幸吉日本国有鉄道理事

○説明員(原岡幸吉君) 農林物資でございますが、これにいろいろなものがございますけれども、たとえば生野菜、これをとりますと、四十五年度の実績に基づきまして申し上げるわけでございますけれども、運賃改定による改定額と、公共負担の是正による、公共政策の廃止による、これは昨年の分と、いま予定いたしております今年十月からの分、これを合わせました両方の割引をやめるという前提にいたしますと五〇・四%、このようになります。それから畜産品、これはいまと同じようにしますと四〇・五%、パルプ用材は三五・五%、米が三〇・七%、それから食料工業品が二六・五%、これらの物資全体といたしますと二五・七%、このようになります。

中村波男日本社会党

○中村波男君 金額で示してください。

原岡幸吉日本国有鉄道理事

○説明員(原岡幸吉君) 金額で申し上げますと、運賃改定による改定額、これを農林物資全体について申し上げますと、運賃改定の分だけ申し上げますと百九十三億九千百万円、それから公共負担の是正の額が四十五億二千二百万円、合わせまして二百三十九億千三百万円、かようになります。

中村波男日本社会党

○中村波男君 いま御報告をいただいた数字を見ましても、甚大な影響、事実上の値上がりということになることははっきりしたわけでありますが、そこで、本日は農林大臣が御出席ができないようでありますから残念でありまするけれども、農基法の大眼目は、農業、漁業の他産業との格差是正にあったのでありまして、この観点からしても、生産性の低い農林水産物資の、特に産地が九州とか北海道とか僻遠の地にあることにかんがみましても、いわゆる輸送距離が長くておのずから運賃負担が多い、しかも概してかさばるものである、単価の安い農産物資であるだけに、運賃の値上がりが生産者に重くかぶさってくることは明らかであります。農林畜産物の二、三年来の生産の停滞を続けております今日、さらに輸送費の上昇は、生産者の所得低下、生産の減退となっていくことは必定でありますが、すなわち所得格差、地域格差の拡大に直接つながっていくということを看過してはならぬというふうな考えで私は質問を続けるわけであります。  今日まで何回も行なわれました国鉄の運賃の値上げには、われわれは反対いたしますとともに、特に農林水産物の公共政策の割引の存続を政府並びに国鉄に強く要求してきたのであります。しかるに公共割引制度は五分刻み一分刻みで暫定、暫定でつないでまいりまして、その間に内容的には相当改悪はされましたけれども、負担の増加をしいてきましたけれども、切りかえ、切りかえで余命を保ってきたのであります。しかしながら昨年の九月二十三日、自民党の政調会は、国鉄運賃の公共政策割引については本年九月末をもって暫定割引及び特別措置割引ともにその割引率を半減し、残りの五〇%の割引については明年九月末にこれを廃止するとの決定を見まして、これを受けて十月四日の物価対策閣僚協議会が決裁をいたしまして実施に移ったわけであります。  そこで農林省にお尋ねをいたしたいのでありますが、農林畜産物の公共割引制度は本年の九月末をもって姿を消すわけでありますが、したがって、いま指摘をいたしましたように、農林漁業者に甚大な打撃を与えることに対してどのような認識をお持ちになっているのか、また農林省として、農林水産業者がこうむる影響に対していかなる対策をとろうとしておられるのか、また今日までとってこられたのか、具体的にひとつ説明をまず承りたいと思うわけであります。

小暮光美農林省農林経済局長

○政府委員(小暮光美君) 農林水産物にかかわる公共政策割引はきわめて長い沿革を持っておるものでございまして、生鮮食料品等の輸送の面に非常に大きな意味を持っておるというふうに私どもは思っております。したがいまして国鉄の合理化のためにこれを廃止しようという御意見がございましたときには、私どもといたしましては、できるだけこれを存続していただきたいということを当初申し上げたことは事実でございます。ただ国鉄が、長く国鉄としてその公共的なサービスをしていただくことが輸送全体のためになるという判断で、最終的には、私ども公共政策割引の段階的な廃止に同意いたしました。政府としての方針が定まったわけでございます。ただその際に、私どもといたしましては、いま申しましたように、国鉄が公共的な輸送機関として輸送面でサービスをしていただく力がつくということは輸送全体のためになるという判断で同調いたします趣旨からいいまして、農林水産物の輸送の面で、今後できるだけ農林水産物の輸送の実態に合った物資別の最も適合した輸送手段、たとえば冷蔵貨車あるいは木材のチップ専用車等、こういったものをできるだけ早い期間に充実していただきたい。また新たにコンテナ等の増設あるいは開発について特段の努力をしていただきたい。そのほか私どもといたしまして、食品等の輸送ターミナル、あるいはその他、港湾施設等につきましても常に具体的に御要望申し上げている点がございます。これらの整備計画を早めていただきたいといったような趣旨を含めまして、具体的に、農林事務次官名で四十六年十月二十七日に国鉄総裁にお願いをいたしまして、その後、本年度予算の編成の過程を通じて数においても種々配慮していただきましたが、その経過について、あらためて公文書で回答をいただいたというようなことでございます。  なおこのほかに、いま申しましたように、国鉄のサービスに期待するという観点からまいりますと、私どものほうも、農林水産物につきましては、できるだけ生産、出荷の計画化と申しますか、こういうことをはかろうという姿勢がございます。これらの方向に即して、できるだけ、営業割引といったような国鉄の営業面での対策を十二分に活用していただいて、季節列車その他の増設、あるいは営業割引の運用について格段の御配慮をいただきたいということを申しておりまして、この点につきましては、関係の事務当局と今後も引き続き協議を進める予定でございます。

中村波男日本社会党

○中村波男君 私は、自民党の政調会がこのような決定をしたことはたいへん理解に苦しむのでありますが、それはそれとして、その次に、いわゆる政府にげたを預けた決定があるわけであります。それは、「これによって特別に影響を受ける貨物については、その所管省において、それを緩和する適切な措置を策定し、補正予算の編成に応じ得るようその処理を速やかに報告せられたし。」、以上の小坂善太郎政調会長名による通達といいますか、要請といいますか、農林省以下、大蔵、通産、経企、運輸各大臣あてに出されておるのでありますが、この内容は、いま私が読み上げましたように、昨年の補正予算までに措置をするように各省はやれと、こういう通達といいますか、要請と申しますかが出されておるわけであります。  そこでお聞きいたしたいのは、まず農林省は、この政調会長通達を受けて、予算に織り込むような検討、努力、また結果的にどうなったかという経過を御報告いただきますと同時に、同じ趣旨の要請を受けております大蔵、経企、運輸大臣についても、これが実現しなかったということについて、具体的に各省それぞれの事情があると思いますし、そういうことが、実際に申し入ればあるけれども、政府としてできることであるのかないのかというところまで深く立ち入った見解をまずお示しいただきたいと、こう思うわけです。

小暮光美農林省農林経済局長

○政府委員(小暮光美君) 農林省といたしましては、ただいま御指摘のございました政調会長の御要請を受けました後、もちろん部内におきまして公共政策割引の削減に伴う運賃負担の実質的増加分に対しまして、直接的補償措置がとれないかどうかということにつきまして、かなり真剣に討論をいたしました。しかしながら、これを直接的に補てんいたしますような形は、一方で割引を廃止して他面で一般予算でこれを埋めるということが、考え方としてなかなか予算のたてまえになじみにくいという原則論のほかに、具体的に、割引がなくなりましたあとの姿で、割引があったと同じように割り引くということは、実は、どのものに対してどのようなものさしで補助金を交付するかというような点に、論理的にもきわめて困難を感じました。また、かりにその点が何らかの形で克服されましても、これを農林省側でチェックするということになりますと、膨大な事務がこれに伴うでございましょう。それから、さらに、それも克服できたといたしましても、いわゆる零細補助の累積という形になる危険もございます。それらの点をいろいろ検討いたしました結果、実は、農林省から大蔵省に正式に要求するという形はとれませんでした。しかし、別途、先ほど申しましたように、国鉄総裁に対し、大幅な農林物資の輸送体制の確立をお願いいたしますとともに、私どもといたしましては、流通予算全体の充実という旗じるしの中で、特に輸送関連予算ということで、前年よりも約十億円ほど予算を増額するというような努力を別途いたした次第でございます。

吉瀬維哉大蔵省主計局次長

○政府委員(吉瀬維哉君) ただいま農林省の経済局長から御答弁申し上げましたとおり、その際の要請につきましては、各省から具体的には大蔵省に予算要求がなかったわけでございます。しかし、御承知のとおり、その後、国鉄財政再建のための諸議論が進展いたしまして、大蔵省といたしましても、物別の国鉄に対する一つのコスト補助よりも、大きな線での国鉄の再建ということを主眼といたしまして、本年度の予算を編成した次第でございます。たとえば、十年間一兆円の出資金とか、あるいは工事費補助、あるいは過去債務の軽減のための再建債の発行というような点を主眼といたしまして、国鉄が公共企業体としての役割りを十分果たし得るような体質の改善強化という点に主眼を置いて国鉄予算を編成したという経過になっております。なお、同時に、各省の流通関係対策経費の充実をはかりまして、すでに御承知のとおり、一例をあげますと、農林省におきまして、野菜関係を中心といたしまして、四十億であった前年度予算を八十六億に伸ばすとか、主要の指定生産地の制度の拡大とか、あるいは冷蔵保管制度の充実とか、あるいは緊急輸送措置とか、そういういろいろな種類の措置を講じまして、農林水産物の価格安定に資する、こういう方向を主眼といたしまして編成いたしております。

宮崎仁経済企画庁国民生活局長

○政府委員(宮崎仁君) 経済企画庁としての考え方をちょっと申し上げておきます。  大体いまの農林省、大蔵省のお話の考え方とそう違ったわけではございませんが、やはり根本的に考えてみますと、公共割引という問題は、歴史的にいろいろ効果があったわけでございますが、現段階になると、やはりこういった形で漸次廃止していくことは無理はなかろうという判断で私ども賛成をいたしたわけでありますが、これに伴いまして、物価の上昇ということが非常にわれわれとしては困るわけでございます。そういう意味では、特に農林水産物等においては、いろいろの流通対策あるいは生産対策、価格対策、各種の施策を総合的に講じていただきまして、そうして、こういったことに伴う負担の増大ということをできるだけキャンセルできるように、まあ直接にはこれは関係を持つことはむずかしいと思いますけれども、そういった施策をひとつ講じていただきたい。こういうことで、物価関係予算ということでいろいろ大蔵省のほうにもわれわれは要請いたしたわけでありますが、今後とも、そういった形で広くひとつ対策を講じてまいりたいと、こう考える次第でございます。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) ただいまの直接的な助成の問題につきましては、先ほど、物資を直接御所管なさる農林省等からお答えを申し上げたところでございますが、私どもといたしましては、流通コストの低減ということのために、流通の実際の仕組みなり、仕事のやり方なり、あるいは施設の整備なりということによりまして、流通コストの低減につとめてまいる、それとともに、先ほどまた農林省からもお話がございましたように、営業割引というようなものを活用することによりまして実質上の負担の軽減をはかってまいる、このようなふうに考えております。

中村波男日本社会党

○中村波男君 いま各省から経過の御報告を受けたわけでありますが、これは他党のことでございますから、とかくの批判をすることはどうかというおしかりを受けるかもしれませんけれども、いわゆる財政技術的に不可能であるということを知りながら、こういう申し入れを行なうことによって、公共割引を廃止する、そういう言いわけにしたんじゃないかと、はなはだ私は遺憾に思うわけでありますが、そこで農林省はこの問題を受けまして、いま経済局長から御答弁があったように、国鉄に対して申し入れをしておるわけであります。そして、それに対する対策の計画が農林省に寄せられておるやに聞いておるわけでありますが、それを拝見いたしまして、相当、流通の迅速化、あるいは冷凍用のコンテナをつくるとか、あるいは時間を大きく短縮するとかいろいろの計画があるわけでありますが、しかし、これらの計画が、赤字をかかえておる国鉄においてはたして短期間に計画どおりの予算化、実行計画が立つかどうか、こういうことについては、私は大きな不安を持っておるわけであります。たとえて言うなら、コンテナ製作費の一部を国庫補助に期待する、こういうようなことも書いてあるわけでありますが、そういう点についてりっぱな計画はあるけれども、実際これを実行するということについては問題はないのかどうか、具体的にひとつ国鉄当局からお聞かせいただきたいと思うわけです。

原岡幸吉日本国有鉄道理事

○説明員(原岡幸吉君) 先ほど農林省のほうからお答えございました方向でございますけれども、これは鉄道といたしましても、鉄道輸送の特性を生かすような輸送にしていかなきゃならない。その中に農林水産物資の流通がうまくいくようにこなしていかなければならない。もう少し具体的に申し上げますと、発着において、発着のターミナルにおいてそれらがうまく集約されるということ、そして途中の車といいますか、コンテナといいますか、こういうものも、その物資の流通に合ったコンテナ輸送機具、こういうものを整備していく。たとえば冷凍品でございますと、非常に高級な冷凍コンテナ、こういうものも整備していく。そして発から着まで一本でいく。そして発にも保管する施設をつくる。着にも保管する施設をつくる。そういうふうなことが整備されると、一貫して非常に合理的な近代的な、またサービスのいい流通ができる。こういう方向で、実はまあその過程において関係の向きといろいろ御相談し、御指導を受けながらいかなきゃならない。そして場合によっては国庫からの補助も、農林省を通じていろいろ御相談して、受けながら、なお整備を促進していく、こういう気持ちでおるわけでございます。具体的には、北海道と東京の間において、北海道の野菜をダイレクトに、できるだけスピーディーに、そして生鮮の度合いを落とさずに集約的に持っていこう、こういうことで北海道の発の基地を三カ所ばかり、東京の田端に倉庫をつくりまして、その間を一個列車編成でもって持ってくる、こういう計画をつくりまして、実はこれは北海道部分については農林省の御援助もいただいて、そしてすでに実行しているわけでございます。幸い、国鉄には駅の近辺にいろいろなターミナルがございます。これを具体的に編成いたしまして、そして運輸省あるいは農林省、これらと御相談申し上げて、そしてまた関係の向きとも相談して、利用しやすい場所で利用しやすいターミナルを整備していく、こういう方向で、いまここで具体的にどことどこをどうやっておるということは申し上げられませんけれども、実は事務的に十分御相談して、着々とそういう方向でやっておる最中でございます。

中村波男日本社会党

○中村波男君 りっぱな計画は立っておるわけでありますが、絵にかいたもちになってはたいへんなことでありますから、さらに積極的にこの計画どおり進めるような具体策を立てていただきたいということを強く要望するわけであります。  次に、物価への影響の問題で企画庁長官にお尋ねをいたしたいと思うわけでありますが、もし国鉄運賃が引き上げられ、公共割引が全廃されました場合には、公共割引一〇〇%、以前に比べますと、私の調べたのによりますと、一定区間において米は四八・六%、バレイショが五六・三%、タマネギが六五・二%、製材が四〇%、大衆鮮魚が四五%、肥料が五二%、飼料三六%もの引き上げとなるわけであります。その引き上げ幅があまりにも大きいわけでありますから、さいぜんから言いましたように、農林漁業者に与える打撃というものは相当なものがあるわけであります。第一は、農林漁業物資は元来重量が少ないものでありますし、また、わが国の生産実態というのは、一定の地域での他地域への大量生産というのはできない現状にあるわけであります。したがって恒常的な計画輸送体制にはなかなか組み込めない、こういう問題があります。また経営が零細でありますから、おのずから輸送費の負担能力というものは他産業に比べて格段に貧弱である、低いということは私が指摘するまでもありません。第二には、農林漁業物資は公共料金とともに消費者物価値上がりに大きなウエートを占めておる。最近の公共料金の値上げ以上に、物価値上がりの中に大きなウエートを占めていることは経企庁長官が常に指摘をしてこられたところであります。したがって、そういう状況の中で、農林漁業というのは二、三年来、生産、価格、両面にわたって低迷状態にいまあるわけであります。こういう実情の中で輸送費が激増するということは、農林漁業経営に大きくしわ寄せがされることは明白でありまして、このことは農林漁業物資の国内生産体制にますます破壊的な影響を与え、縮小方向をたどらざるを得ない。したがって私は、国内供給と消費者価格の不安定化が増すことを恐れるのであります。そういう点について、経企庁としては物価上昇への影響等についてどういう認識と見解をお持ちになっているのか明らかにしていただきたいと思うわけであります。

木村俊夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(木村俊夫君) 今回の国鉄運賃の改定並びにいま御指摘の公共割引の廃止、この二つの面で、特に農林水産、私どもでいえば生鮮食料品の消費者物価への影響、非常に私ども関心を持って見ております。そこで数字的に申し上げますと、今回の国鉄運賃の消費者物価への影響というものは、これはその引き上げ相当部分がその末端価格に全部波及したとして産業連関表をもっていたしましても〇・〇九四、こういうような数字になっております。また公共割引の廃止、先ほど申し上げましたが、これは〇・〇〇四、これは全部廃止いたしましてそのようでございますから、昨年十月の廃止の半数部分につきましては〇・〇〇二、こういうような数字上なきわめて微小な影響でございます。しかしながら、それのよって来たるいろいろな波及的な、また農林水産業に対する一つのインパクトと申しますか、そういうことは決して軽視できないと思います。  そこで、先ほどからお尋ねのありましたような国鉄のいまの再建、また国鉄の状態から見まして、いろいろ歴史はありますが、そういう公共的な負担をはたして国鉄に負わせることがいいか悪いか、私どもいろいろ論議をいたしました。国鉄の本来の使命は輸送でございますから、そういう政府が、あるいは国が、あるいは公共団体が責任を持つべきそういう物価上の公共的な負担まで国鉄に負わせることがはたして適当かどうかという基本的な問題もございます。そこで、そういう面からいいますと、国鉄はまさにいまピンチにある以上、やはり財政の再建というものがきわめて重要である。そこで、そういうような公共割引は、公共負担は、この際、国鉄からこれをはずして本来の輸送任務に邁進させるべきである。したがって、国鉄自身の物価面への寄与というものは、輸送分野における合理化というものを徹底的にやってもらうことである。したがって、先ほどからいろいろお話がありましたようなコンテナ化、これも実は計画面ではございません、もうすでにいろいろコンテナ化によりまして、あるいは北海道とあるいはその他からのリンゴ、あるいは農産物、非常に三日目売りとか、あるいは輸送費の軽減による物価への好影響もすでに実績として出ております。こういうような輸送分野における国鉄自身の使命にひとつ進んでもらいたい、こういうことを実は考えておったわけでございます。したがいまして、私どもはむしろそういう公共負担は国鉄からはずして、本来、政府あるいは国が負担すべき農業生産物の流通生産対策を、予算上にも大いにこれを増強してほしいというので、今年度の予算でも御承知のとおり、先ほど農林省当局からお話がありましたような昨年に倍するような生産あるいは流通対策費を予算に計上いたしましたわけでございます。そういうような総合的な対策と判断でもって消費者物価に対する影響を減殺するということを考えて施策を進めておるところでございます。

中村波男日本社会党

○中村波男君 いま経企庁長官から、こういう公共割引を国鉄のみの負担でやらせるということについては問題があるという御指摘があったわけであります。私もそう思うわけです。名前のとおり公共的な立場で割引をするわけでありますから、したがって、国がやはりきちっと予算を組んで、そして、そのやり方はいろいろ技術的にあるでありましょうが、一定の金額をその分として国鉄に渡しまして、そうして、いままでのいわゆる暫定割引、国鉄の言われておる暫定割引を存続させるとか、あるいは今度は別な方法で農林業の負担にならないように、消費者価格にはね返らない対策というものを立てるべきではないかと思うわけです。それには各省ごとにおやりなさいということではやれることではないと思うわけです。したがって、きょうは総理の御出席が得られないわけでありますが、何といっても、さいふを握っていらっしゃる大蔵大臣にやはりこれを御検討いただいて、やる気になっていただくということが、私はまず実行できる重大な手だてだと思うのでありますが、いかがですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) いま企画庁長官が言われましたように、農産物の物価の問題と関連する負担を国鉄にだけ負わせるということは適当でないというのですが、そのとおりだと思います。したがって、それと切り離して、たとえば生鮮食料の生産対策、流通対策に対するいわゆる物価対策費と称すべきものは、これは国が別個の予算措置を講じて見るべきものであるというふうに考えて、すでに今年度の予算から、御承知のとおり、この種の予算の強化をはかっておりますが、今後さらに具体的に――農林当局その他の関係当局からこの物価に関する対策費としての要求がございますが、これは大きく物価対策の見地から、私は予算の強化は十分検討して、これはやっていきたいというふうに考えておるわけであります。

中村波男日本社会党

○中村波男君 これはただ物価対策というだけではなくて、まあ新全総、この内容がいい悪いは別にいたしまして、この計画を読んでみても、遠隔地こそ将来の食糧供給基地として育成するのだと、こういうことがはっきりと計画の中に強く出されておるわけですね。現状もやはり九州あるいは四国、あるいは北海道、東北等の遠隔地から東海ベルト地帯に食糧の輸送をしなければどうにもならないといろ、こういう実情からいいましても、これはやはり農業の育成、あるいは食糧の安定的供給という立場からいいましても、もっと真剣に考えて予算化を行なうべきであり、施策を具体化すべきであるということを私は言いたいわけであります。  そこでお聞きしたいのは、さっき、いわゆる今度の国鉄運賃の値上げ、あるいは暫定割引の廃止による消費者物価への寄与率について長官からお話がありましたけれども、私たちの調査したのによりますと、私などの試算によれば、経企庁の試算よりもかなり大きく影響するというように見ておるわけでありますが、時間もありませんから、それらについてのこまかい御質問もできませんけれども、問題は、国鉄運賃が値上げされれば路線トラック、その他のトラックの運賃値上げというのは必至な情勢にあると思うわけであります。聞くところによると、日通なんか、国鉄運賃が値上げをされれば、いわゆるバス、トラック運賃の値上げを考えて準備中だというふうな情報があるわけであります。したがって運輸大臣、国鉄運賃が値上げをされれば、必ずトラック運賃の値上げという問題が出てくると思うのであります。それにどう対処されるのか、絶対に上げないという、こういう方針で臨まれるのかどうか。結局トラック運賃も上げざるを得ない。そうなりますと、国鉄運賃の寄与率だけではなしに、トラック運賃の奇与率というものも加わって物価に大きな悪影響、値上がりという形になって出てくる、こういうことも考えなければならないと思いますが、この点については経企庁の長官から御答弁をいただいて、トラック運賃の値上げについては運輸大臣からひとつ見解を明らかにしていただきたい。

木村俊夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(木村俊夫君) 今度の国鉄運賃の値上げに便乗する値上げは認めないという基本的な態度は御承知のとおりです。地域トラックと申しますか、そういうトラック運賃の値上げを申請するであろうという気配もまだ感じておりませんが、これはすでに昨年もう地域トラックの値上げをいたしました今日、とうてい私は地域トラックの値上げが申請されるであろうということは予想しておりません。また通運料金は、まだ運輸省からそういう申請があったかどうか聞いておりませんが、まだ申請はないようであります。しかしながら、これは国鉄運送と通運というのは密接不可分の関係がございますので、国鉄の貨物運送あるいは貨物運賃が変更になれば、それに連動してある程度の改定はやむを得ないと、こう思いますが、ただ、それはあくまで国鉄運賃改定に伴う最小限度であるべきである、こういう基本的な考え方は明らかにしておきたいと思います。

丹羽喬四郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(丹羽喬四郎君) ただいま経企庁長官から御答弁を申し上げたとおりでございまして、トラック運賃につきましては、すでに昨年改定をいたしましたが、現在その動きもございませんし、私どものほうで、片一方で値上げがあったからといって便乗値上げ、これは絶対に認めないという方針を私再々言明しております。やる気持ちは全然ございません。ただトラックのほうは、むしろ逆に、いわゆる白トラが横行しているわけです。過積みが横行している。それで適正運賃を非常に妨害をしておるということによりまして、輸送体系と申しますか、のほうに非常に障害がきているということがむしろいわれているような実情でございまして、したがいまして、トラック運賃の値上げによって消費者物価を上げるとか、輸送費を上げるということは絶対にない。むしろそっちのほうに重点が置かれる。これはいろいろな機会に言われていることでございます。私どもは、そういうことをするあれはございません。  また、ちなみに申しておきますが、私も農村出身でございますが、今回のあれによりまして、農産物の生産者に及ぼす影響を非常に心配しておる次第でございますが、やはり何と申しましても、先ほど先生御指摘になりました流通機構の問題、それから輸送体系、輸送列車の整備改善の問題、直通化、あるいは通風化、あるいは冷蔵化、そういったようなことをほんとうにやることが一番のためになると思いまして、せっかく私もその点で指導している次第でございます。一そうまたいろいろ御指導いただきまして、その方面に全力をあげたいと、こういうふうに思っておる次第でございます。

中村波男日本社会党

○中村波男君 次に、改定の内容について少しく詳しくお聞きしておきたいと思うんでありますが、運賃改定においても、貨物等級制度の改定を、賃率の二五%引き上げに合わせて実施するために次のような値上げ率になるのではないかというふうに思うわけでありますが、現行一級貨物でありますたばこ、砂糖、清酒、今度の改定等級は、これまた一でありますが、六・五%、現行二級の納税未済の砂糖、清酒が二五%、それから木材が三が二になるわけでありますが、二八・八%、四の米麦、生野菜、小麦粉、鮮冷凍魚は二九・二%、改定等級三でありますが、この数字は間違っておるかどうか。

原岡幸吉日本国有鉄道理事

○説明員(原岡幸吉君) 運賃改定と等級の圧縮、これを一緒に実行するために与える影響でございますけれども、一級の品物は六・八%、二級の品物は二五・四%、三級の品物は二九・二%、四級の品物が二九・六%、かようになります。

中村波男日本社会党

○中村波男君 まあ結果として、たばこ、砂糖、清酒というようなものは、いわば半ば完成品であって、税金のほとんどの対象になる品物でありますが、こういうのが値上げ率が低くて、生鮮食料品というのがその四倍もの値上げ率になるということについては、しろうとでありますからどうも納得がいかぬわけでありますが、これの理論的根拠といいますか、現実にはこうなるんでありますが、これもやむを得ないということかどうか、御指摘をいただきたいと思うわけです。

原岡幸吉日本国有鉄道理事

○説明員(原岡幸吉君) 貨物の運賃につきましては、旅客と違いまして、非常にいろんな機関との競争関係といいますか、それとの間で輸送の仕事をしなきゃならない。そういたしますと、国鉄の貨物運賃だけが、トラックなりあるいは船舶なり、あるいはフェリーなり、そういうものと異なって昔の独占時代のそのままの等級制度を残しておいて、そうして輸送サービスをするということは非常に適切を欠くわけでございます。したがいまして、四十一年の運賃改定の際、当時十四等級ございましたが、四等級に圧縮いたしたわけでございます。その趨勢は依然としてそのとおりまだ推し進めなければならないというわけでございまして、今回も実は、等級は無等級にしたらどうかということまで議論されたわけでございますけれども、急にそう激変をさせるわけにもいかないということで、四等級を三等級にするということがいまの時点ではせいぜいじゃなかろうかということで、国鉄の貨物の使命を果たす意味合いから等級制度はそのように改めると、こういうのが今回の考え方でございます。

中村波男日本社会党

○中村波男君 いや、そのことは私もわかっておるんですが、値上がり幅ですね、値上げ率が、こういうたばことか砂糖とか清酒というようなものは、これは私は消費者価格を値上げしなくても吸収できるものだというふうに考えるわけです。で、こういうのは低くて、最も生産基盤の弱い、かさばるものである農林物資が一番高い値上げ率になる、こういう改定のやり方が不合理ではないかと、こういうふうに質問したんですよ。

原岡幸吉日本国有鉄道理事

○説明員(原岡幸吉君) 等級を圧縮するということは、上を下げて下を上げるということにならざるを得ないということで、結果としていま申し上げたようなことになるわけでございます。しかし実際問題といたしまして、一つには、一級品というようなものは大体かさが多くて軽いという品物が多いわけでございます。これは今回の運賃改定と同じ時期に制度の改正をいたしまして、重量の計算方を改めまして、その計算重量は高くいたしまして、その分で実際の収受する運賃は高くなる、こういうこともあるわけでございます。その他一般の輸送市場というものを勘案した場合に、いまのような等級の圧縮に伴う改定というものはやむを得ない一つのレートではなかろうかと、かように考えております。

中村波男日本社会党

○中村波男君 まあ農林省は営業割引の中で何とか救済してもらいたいという強い要請を国鉄にしておるようでありますが、営業割引はまあ恒常的に継続するという方針が国鉄にあるわけですか。

原岡幸吉日本国有鉄道理事

○説明員(原岡幸吉君) 先ほど来申し上げておりますように、貨物の運賃はなかなか競争条件がきびしい中で商売しておるわけでありまして、運賃をいろいろな事情を見まして弾力的に適用するといいますか、弾力的な運賃でもって対応していかなければいけない、こういうまあ一つの使命があるわけでございます。そういう意味で、国鉄の運賃法にもそのような定めがございまして、具体的には営業割引という形でそれが行なわれておるわけでございますが、したがいまして、営業割引に値するものというものは永久に同じ状態ではございませんですけれども、環境に応じてそれを適用してやっていくということでございます。

中村波男日本社会党

○中村波男君 まあ、この制度が継続されたといたしましても、実際に農林水産物資でこの営業割引に乗るものがあるのかないのか。あることはあるでありましょうが、乗る余地というものは全く少ないのじゃないか。現在までに営業割引に乗っておるのはどれくらいあって、さらに今後の施策よろしきを得ればまだ乗せる余地がどれくらいあるのかということを、計画としてあると思いますが、お示しいただきます。

原岡幸吉日本国有鉄道理事

○説明員(原岡幸吉君) 四十五年度の実績で申し上げますが、農林水産物資で営業割引をしておる件数は百八件ございまして、割引額は年間で一億七千六百九十七万ですか、そういう実績で、平均の割引率一〇・八%と、まあ、こういうことをやっております。で、先ほど一例として申し上げましたように、発着――まとまった荷物として直通するというような輸送体系もできるだけ整備していく、発着のターミナルを整備していくことによってやっていく、そういう方向の中でこのような営業割引は十分適用できると、こういうつもりで考えておるわけでございます。

木村睦男自由民主党

○委員長(木村睦男君) これにて中村波男君の質疑は終了いたしました。  次に移ります。塩出啓典君。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 それでは、最初に総裁にお聞きしたいのでございますが、四十四年から十カ年の再建計画が始まったわけですが、まあ提案理由にもありますように、二年で大きく見通しが狂って、そうして今回十カ年計画ができたわけでございます。まあ、現行の再建計画が食い違った点については、いろいろ反省もし、新しい計画をつくったということでございますが、私は、やはり鉄道の建設というのは非常に長い期間を要する、そういう点で最高責任者として将来の正しい予測がなされずに二年で狂うようではまことにたよりない、こういうことでは国鉄をまかすわけにはいかない、そういう気がするわけでございますが、今回の再建計画十カ年をこの法案が通って実施すれば、国民の信頼に足りる国鉄を再建できる自信があるのかどうかですね、簡単に一言でいいと思うんですが。

磯崎叡日本国有鉄道総裁

○説明員(磯崎叡君) 四十四年から始まりました計画のいままでの経過につきましてはすでにお話が出ておりますが、結局、収入におきまして一・二%の狂いでございます。三兆三千億の収入に対しまして約四百億の狂いと、経費におきまして、人件費におきまして約五%の狂いと、こういう狂いが結局三年間で全体の計画をだめにすると、こういう経済変動の激しいときでございますので、大衆相手の商売といたしまして一%の狂いということは、普通の商売からいえばそう大きな狂いじゃないと思います。それが国鉄においてこれだけ大きな問題になりますのは、結局、絶対額が非常に大きいということだと思います。したがって、いまお手元にございます、今後の十カ年のいろいろな試算をいたしましたが、いずれもこれは非常にきびしいと私は思っておりまして、率直に申しまして容易に楽にできることではないと、旅客におきましても貨物におきましても非常に競争機関の多い、しかも非常に経済変動の激しい時期に十カ年を見通してこれを狂いなしにやるということは非常に私はむずかしいと思っております、責任者といたしまして。しかし、いかにきびしくともやらざるを得ないというのが私の率直な心境でございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 それで次に、閑散線の問題でございますが、まず第一に、今回の再建十カ年計画においては閑散線を廃止すると、そういうことでございますが、いまだそういう具体的な内容が全く示されていない、まあ内容がきまってないとすればあまりに無計画もはなはだしい、きまっているのに発表できないという、そういう弱腰では非常に私は困ると思うんですね。しかし、そういうことを論議するつもりはございませんが、いやしくも生活の苦しい国民に値上げを、財政負担をしいるならば、当然やはりその閑散線の廃止等の内容も示すのが私は国鉄としてまた政府として当然の姿勢であると、それに対して、そう認めるのかどうか、それだけ答弁をいただきたいと思うんですが。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) 今回の再建計画の一つの大きな柱でございますのが地方閑散線の問題でございます。これにつきましては、先生御指摘のように、私どもとしてはこれを明示すべきものでございますが、何ぶんにも、地方閑散線は、国民経済的に道路のほうが有利であるというような線区というものをまず選び出しまして、さらに地元の便益というものが阻害されないような道路の事情その他を十分に配慮して、さらに将来の当該地区の開発計画だとか、あるいは将来建設すべき新線との関係だとか、種々の問題を検討して決定しなければならぬという点がございますので、また具体的な線名その他につきまして申し上げる段階にならないことはまことに遺憾でございますが、そういう趣旨で大いに努力してまいりたいと思います。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 それで、あなたの答弁によりますと、公衆の利便が阻害されない、そういう閑散線を排除すると、それならばいいと思うんですけれども、ここに地方閑散線の認定基準の中には「廃止によって公衆の利便が著しく阻害されるおそれがないこと。」、多少は阻害されても、著しく――非常にあいまいだと思うんですね。これは私は運輸大臣にもお聞きしたいわけでございますが、今日、国鉄がこのような非常に赤字団体、そういう再建しなきゃならないピンチに至った原因は、一つは過疎過密ということが、これは一つの大きな国自体の政策によって都市においては輸送力を増強しなきゃならない、また一方、過疎地においては赤字がふえる、そういう過疎過密がこれをもたらしたわけですね。そういう点から考えるなら、私はまあ閑散線を排除することはやむを得ないと思うんでございますが、しかし、この場合、廃止によって公衆の利便が阻害されず、むしろバス路線をふやして、国鉄はなくなったけれどもバス路線で大衆は便利になったと、そうならなければ、この基準じゃ過疎過密はますますこれは進行すると思うんですよ。そういう点で、これは私は、ここのところは変更すべきじゃないかと、それどうですか。

丹羽喬四郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(丹羽喬四郎君) ただいま御質問ございましたとおり、その原因はやはり過疎過密、この現象、これはもう間違いないと思う次第でございまして、また、いまの閑散線の認定、撤去の問題でございますが、これは御承知のとおり、国鉄は深刻なる赤字経営に悩まされております。この一番の大きな原因は、国鉄の路線というものが真に国民の需要に適合しているかどうかというところに非常にある。国鉄が大量輸送機関といたしまして国民の需要にマッチするような路線であるかどうかということが一番の問題であろう。これからの新幹線にいたしましても、新しい新線計画にいたしましても、やはりその道をはずしては、私は、国鉄はいかに国家の御助成をいただきましても、それからまた運賃の御改定を願いましても、やはりその目的は達せない。やはり要は、国鉄の通っておる路線は、なるほどここはみな国鉄に乗るということになってこなくちゃいかぬ。将来、国土総合開発計画、これはほんとうに真剣に早急にやらなくちゃいけない問題でございますが、今日のような状態で過疎過密が進んでまいりまして、また一方、輸送機関におきましてもモータリゼーションが進んできて、せっかく国鉄はあるけれども乗る人が非常に少ない、むしろ並行路線においてバスに乗っておる人のほうが非常に多い、こういうようなところで、そのままに、非常な経費のかかる国鉄をそのまま運営しておいて、はたして国民経済上、また利用者に対して高い料金を取る、国家の税金をいただいているということでやっていいか。いま運政審におきましても、総合交通体系におきましても、各社の論説におきましても、やはり閑散線というものに手をつけなければ非常にこれはおかしいんじゃないかということがもう世論になっている次第でございます。したがいまして、私ども合理的な限りにおきましては地元の皆さまの御了解をいただきまして、そうして、そういったような不合理線、国民経済から申しましてもこれは勇敢に私は撤去していかなくちゃならない。しかし、いま先生が御指摘になりましたように、国鉄は撤去をした、しかし代替輸送のほうが非常に便利にできている、乗る場合におきましても、これは遠くまで行かなくて済む、非常によくなったという、こういうふうにぜひしたい、こういうふうに思う次第でございまして、そこの条件にもございますとおり、道路の整備、代替輸送ができるということをはっきりと条件にしている次第でございまして、そういう点につきまして、やはり国鉄に対する郷愁もございましょうけれども、その点の世論の帰趨につきましては一そうひとつ御協力をお願いしたい、こういうふうに思う次第でございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 委員長、運輸大臣はじめ答弁が非常に長くて、私の聞きたいことをあんまり答えていないわけですね。そういう点ひとつ注意してもらいたいと思うんです、時間がきまっていますからね。こっちの答弁も予算委員会方式なら何ぼでもいいんですけれどもね。  だから、私いま言ったのは、ここには「廃止によって公衆の利便が著しく阻害されるおそれがないこと。」とあるわけですからね。これを、むしろ、国鉄はなくなったけれどもバス輸送でいまよりは便利になったというように、この文を変えるように検討してもらいたいと言うんですから、イエスかノーと言ってもらえばいいんですよ。

丹羽喬四郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(丹羽喬四郎君) その趣旨に沿って検討いたします。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 わかりました。あんまり簡潔に言われると次が出ないんですが、閑散線の問題はいろいろな政治的な問題もあると思いますが、私は国鉄総裁にもひとつ自信を持ってやってもらいたいと思うんですね。まあ、いままで四十四、四十五、四十六年の三年間でも百キロしか進んでいないわけですからね、今年度はたして二百キロいけるかどうか非常に心配でございますが、その点は国鉄総裁のひとつ勇断を望むと思うわけでございます。  それから、ここでひとつ、この閑散線のうち赤字の三分の一を地方公共団体が負担すれば五年間は存続させるということでございますが、これは私は、金のあるところは残るし、ないところは残らないと、むしろそういう金のあるなしできめるべきではなくして、これはやはり金があっても廃止することは合理的に廃止すべきだと思うんですよ。また、金がなくても、これはやっぱり少し待ったほうがいいと、そういうところはやっぱり残すと、そういうことで、こういう金のあるなしで、金でつるようなやり方ははなはだよろしくないと思うんですが、これは自治省としては、いわゆる過疎、過密対策をあずかる自治省としてはどうですか。私の意見に賛成ですか。

鎌田要人自治省財政局長

○政府委員(鎌田要人君) お答えいたします。  金のあるなしでつるようなやり方は不適当であると、私どもそのとおりに考えます。ただ所定の手続、これはこれから政府部内で相談をすることにいたしておりますが、それに基づきまして廃止することにきまりました、それまでの暫定期間として負担する分につきましては、私ども従前の財政措置を講じてまいりたいというように考えております。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 それから、今回の十カ年計画で国民は値上げを負担しなきゃいけないわけですね、運賃も倍になるわけですが。十年後に通勤列車がどうなるのか、あるいはいまローカル線がどんどん減ってきているわけですよ。今度岡山に新幹線が来て、ローカル線はますますダイヤはおそくなるし、線は減ってきているわけです、さらに閑散線は廃止するというわけですからね。値上げはしたけれども、はたしてそれに対する国民の負担というのはどうなるのか。そういうわけで、十年後のいわゆるローカル線をどうするか、呉線をどうする、あるいは芸備線をどうする、伯備線をどうする、あるいは通勤列車はどうなるんだと、そういうようなビジョンがあるのかないのかですね。

磯崎叡日本国有鉄道総裁

○説明員(磯崎叡君) 今度の十カ年計画には、御承知のとおり、七兆の投資をすることになっております。そのうちの一兆を政府からいただくわけでございますが、七兆の投資内容を相当詳しくきめておりますので、もし何でしたら御説明いたしますけれども、単に新幹線をつくるだけでなしに、いま先生のおっしゃったような在来線の強化ということも相当大きな項目として出ておりますし、もちろん通勤輸送につきましても、先ほども中沢先生にお答えいたしましたけれども、東京のみならず、大阪付近についても相当考えているということでございまして、別に何なら資料を提出いたしまして詳しく御説明してもよろしいと思います。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 ひとつ国民に値上げを負担してもらうならば、やっぱりそれに対してサービスはどうなるかという――やっぱり人から金借りるのに、こういう仕事をするから金貸してくれ、それがやっぱり道理だと思うんだよな。ともかく金貸せと、あとはおれを信じろと言っても、なかなかこれは国民は信じることができないと思うんですね。そういう点で、これはまたあとで資料でお願いしたいと思うんですが……。  それでまあ私は、ひとつここで申し上げたいことは、広島県に呉線があるわけですけれども、これは四十五年の九月に電化をしまして、呉-広島間はそれまで一時間かかったのに四十分に短縮されたわけなんです。その結果、非常にいままで年々乗客が減っておったのが、ふえたわけですね。だから、私はこの現行の再建計画でローカル線等非常に客が減ったというのも、一つはやっぱり国の姿勢の問題だと思うんですよ。いま、その呉から広島の国道はものすごい車が渋滞をしまして、いまバイパスをつくろうとしているけれども、これがまた住民の反対で難航してストップしているわけですよ。そういう点で、私はたとえば呉線を――あそこはいま電化しまして、前の蒸気機関車の線が一本残っているわけですから、そういうのを複線にすればスピードアップもする。そうすれば、また、込んでいる道を車で通勤するよりは、それは便利であれば汽車で行ったほうがよっぽど楽だし、それは本も読めるし、居眠りもできるわけですからね。まあ、そういう立場で私は呉線を一つの例にあげたわけですけれども、単なる国鉄の収支のみならず、やっぱりそういう全体的な体系の中において、また、この地域をどのように発展さしていくか、そういう点を含めて今後検討してもらいたい。私は、おそらく運輸大臣は異存はないと思うんですがね、まあ呉線を含めて、そういうような問題も検討すると、そのように答弁をいただきたいと思います。

丹羽喬四郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(丹羽喬四郎君) そのとおりでございまして、そのとおりで検討をいたします。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 それから、これは非常に広島方面のローカル線は、今度の新幹線の導入によりまして、これは広島で――全国的にそうですよ。鈍行が減っちゃって急行がふえたわけですよ。そうすると、鈍行を待たなければいかぬから、通勤列車はものすごく時間がおくれるわけで、本数が減っているわけですよ。まさに踏んだりけったりだと思うんですね。それで、また値上げをするというんですから、あまりにもこれは殺生ですが、一つぐらいはやっぱりいいことをせにゃいかぬと思うんですよね。それで、たとえばいま通勤定期では急行、特急には乗れませんですよね。それに乗せて、そのかわり、まあ特急券と急行券だけ払えば乗れるようにするとか、こういうことは別に国鉄あまり金を出さなくてもちょっと法律変えればできるんですからね。そういうことでもすれば、やっぱりそれは通勤している人の怒りも少しはやわらぐのじゃないかと思うんですがね。これはひとつ検討して、実施するかどうか。

山田明吉日本国有鉄道副総裁

○説明員(山田明吉君) 国鉄からお答えいたします。  急行列車へ通勤定期のお客はいま乗せない制度になっておりますが、現実に非常に込んでいる通勤列車を急行列車が、がらあきの急行列車が追い越すような、そういう現実の姿から、乗せるようにしたらどうかという御意見があることを承知しておりまして、ただ原則論に立ち返ってみますと、急行列車のお客さんは長距離を御旅行なさる目的で乗っておられるわけでして、通勤の方は比較的短距離でございまして、その短距離のお客さんで、そういう制度で長距離のお客さんが非常に迷惑をこうむられたら、またそちらから苦情が出るかとも思いますんですけれども、区間とそれから時間帯を検討いたしまして、そういう方向にひとつやってみようかということで、いま検討いたしておるところでございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 まあ、それ、長距離のお客も大事だけれども、やっぱり通勤客のほうがもっと大事なんですから、産業をささえているんですから、それぐらい、長距離の乗客が困るぐらい、たくさん乗れば国鉄はもうかるじゃないですか。そんなら、長距離の急行料金下げればみんな喜びますよ、お客さんはね。そういう点でひとつこれは、検討、検討じゃなしに、早くひとつ実施してもらいたいと思います。  それから運賃の値上げの内容について、私は政府及び国鉄は非常に不親切だと思うんですね。今回もわれわれ運輸委員に審議するのに渡された資料というのは、たくさん封筒に入っているから何があるかと見ますと、全部過去のものばっかり。今後どうなるかというのはこの二つだけですよ。じゃ、ほんとうに運賃値上げによって、まあ具体的に、この何キロの荷物をどこそこへ送る場合には幾らになるのだと、これがやっぱりわれわれも知りたいわけですよ。国民の立場から見てはたしてどうなんだと、そういうような資料は何一つないわけですけれども、私はもっとそういう点は克明にやっぱり国民の人にもよく徹底をして、知らぬ間に運賃の値上げがきて、そうして荷物を出しに行ったところが、ああっと、思ったよりたくさん上がっておってびっくりしたと、そういうことになっちゃうと思うんですね。その点お伺いしますが、今回の貨物運賃値上げも二五%が平均だとあります。しかし、これはあくまでも平均であって、いままでより非常にたくさん上がっているのもあれば、上がり方の差があると思うんですけれども、一番よけい上がるのは何%か、また上がり方の少ないのは何%か、それも二つの例だけでいいですから、何%というように……。

原岡幸吉日本国有鉄道理事

○説明員(原岡幸吉君) 貨物運賃で一番上がるのは二九・六でございまして、上がり方の少ないのは六・七でございます。いずれもパーセンテージでございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 これは私が調べました資料、これはもちろん国鉄からもらったんではございませんが、これによりますと、たとえば、その運賃値上げ法案によりまして小荷物は六割以上も安くなっているのもあるわけですね。それから手荷物は七割も上がっているのがある。あるいは五十キログラムの小荷物は、これは二倍半にもなっているのがあるわけですね。そういうようなことになっておるわけでございますが、いまのあなたのお話では、そういうようには言っていないわけです。それはどうなんです。どっちがほんとうなんですか、これは。

原岡幸吉日本国有鉄道理事

○説明員(原岡幸吉君) 先ほど私申し上げましたのは、車扱いの貨物の運賃について申し上げました。いま先生御指摘の問題は、いわゆる少量物品の運賃の問題でございます。これにつきましては、今度の運賃の改定の内容といたしまして、いままでいわゆる小口扱い貨物といろ一つの扱いがございましたですけれども、これを廃止いたしまして、現在、手荷物扱い、小荷物扱い――手小荷物扱いという扱いがございますが、それと一緒にするということでございます。したがいまして、手小荷物とそれから小口扱い貨物というものは、運賃の計算のしかたが、距離刻みにおいても、あるいは重量刻みにおいても全然違っておるわけでございます。これを、小量物品運送全体を合理化するという要請にこたえるために、この際これを一本化する。もう少し詳しく申し上げたいと思いますが、実は小口扱い貨物というものは、数年前に大体鉄道輸送の特色を生かした輸送ということで、混載して車扱いで扱うという輸送のしかたをいたしました。その結果、現時点では、いわゆる小口扱い貨物というものは、非常に特定の荷主さんが特定の場合に利用されるということで、年間において約二十三、四万トンでございましょうか、それぐらいになっておりまして、これをこの際さらに全体の少量物品運送を合理化するという観点から、手小荷物扱いと一緒にいたしましてやるわけでございます。したがいまして、先生御指摘のような具体的な事例いろいろございますが、六十何%上がる場合もある、七十何%上がる場合もある、あるいはまた逆に十何%、二〇%上がる場合もあるというようなことで、いろいろなケースがあるわけでございます。そこで考え方といたしまして、先ほど申し上げましたように、非常に上がるものにつきましては、特定の区間、特定の荷主さんの利用ということを考えまして、これを急激に上がらないような形でもらって対処いたしたい。もう少し具体的に申し上げますと、輸送方式において、何かもう少し新しいやり方がないか。たとえば、車扱いにその小口扱いを混載して、共載して送るというような方法をすれば、運賃負担がそう多くならないでいくんじゃないかというようなことで、具体的に個々の輸送について詰めておる最中でございます。実際には、急激な変動はないようなふうに対処いたしたい、このように考えております。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 そういう御説明、私わかったようでわかりませんけれども、たとえば、この資料によりますと、五十キログラムの荷物を東京から名古屋に送る場合に、結局、いままで百八十円のやつが四百五十円で二・五倍になるわけですね。あるいは一方では、いわゆる手小荷物のごときは、たとえば二十キロ一個を東京から博多に送る場合には、東京から鹿児島、あるいは大阪、釧路、そういう場合には六九・七%、七割上がるわけです。ところが、百五十キロ、合計十個の小荷物を東京から名古屋に送る場合には、逆に六四・三%ですか値段が下がるようになっているわけですね。私、そういうことを一々言うつもりはありませんけれども、それはいろいろ理由はあるでしょうけれども、これは非常に国民にとっては大事なわけですよ。たまたまこの人が駅に行って驚いて、そういうのがまた新聞に投書で出るんですよ。だから、こういうことはちゃんと前もって、われわれに出す資料に、要求しなきゃ――要求したってこなかったのですよ、よそから手に入れたのです。今回の運輸委員会の連合審査の人にはだれにも渡っていないと思うんです。そういうことではいけないと思うんです。やっぱり問題点は問題点として、はっきり理由づけができればそれでいいじゃないですか。そうして、やっぱりわれわれもわかれば国民もわかるんです。そうすれば、値上がりしたって、また国民の反応も違ってくるのです。こういうように何もかも伏せておいて一律に二五%、調べてみたら二・五倍になるのもあれば、反対に六割も安くなるものもあるわけでしょう。そういうことは国鉄当局としては国民に対しても――われわれはそれはいいですよ、国民に対してよく前もって説明をすべきだと思うんですけれども、私は時間がありませんから、丹羽運輸大臣に、そういうことはやはり私は、これは国鉄の姿勢の一つのあらわれじゃないかと思うんです。そういう点をひとつ改めてほしい。それを改めろか改めないか。

丹羽喬四郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(丹羽喬四郎君) 非常に貴重な御意目をいただきまして、何と申しましても、いろいるこれだけの大事業をやる、改正をやるということは、国民に御納得をいただくいろいろの理由を詳細に説明をしていくことは当然でございまして、ことに委員会の御審議を願っている次第でございますので、そういったような資料につきましては、ほんとうは詳細、漏れなく出すことが当然戸ございます。その御趣旨のように指導してまいりたい、このように思います。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 この点はひとつ総裁にもよろしくお願いいたします。  それから次に、国鉄のいわゆる構内営業権の問題でございますが、一つは駅弁の問題ですね。こういうのも、私は、ある程度規模以上の大きな駅においては複数にして、そうしてやはりそこに競争原理を導入し、そうしてやはりそういう競争の中から、乗客の喜ぶようなそういう弁当が生まれてくるんじゃないかと思うんですね。そういう点で、そういう方向にすべきであると私は思いますが、総裁の御意見を承りたい。

山田明吉日本国有鉄道副総裁

○説明員(山田明吉君) 構内営業、なかんずつ立ち売りの弁当のお話だと思いますが、これは別に一社一業というような原則をきめているわけではございませんで、ただ過去において、数社ありましたものが合併して、一業者になった例もございまして、ケース・バイ・ケースになっておりますが、競争の原理といいますか、品質の向上についての努力はこれからも私どもも指導してまいりたいと思います。業界にも働きかけてまいりたいと思います。  それからなお、先ほどの資料の点でございますが、実情を隠していたつもりはございませんで、先日も委員会で、その点おしかりを受けまして、私どもその発表の努力が足りなかったことを反省いたしております。今後は十分気をつけたいと思います。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 ひとつ、隠していなくても結果はそういうことになっちゃいますから、やっぱりそういう点は気をつかっていただいて、しかも、値上げのときだけじゃなく、いつも気をつかってもらわなければ困ると思うんですよ。  それで、いまの、競争原理を働かすように努力する、こういうお話は、私は何年も前から聞いているわけですけれども、現在どうなんですか、大阪とか京都とかあるいは名古屋、そういう大きな駅、あるいは今後新幹線も岡山に入りまして、岡山、そういうようなところはどうなんですか、もう複数のところはございますか。

山田明吉日本国有鉄道副総裁

○説明員(山田明吉君) いま御指摘の駅は一社でやっております。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 だから結局あれですよ、いつもそういうように競争原理を働かせるように努力すると言いながら、やっぱりものごとは結果を出していかなければ私はいけないと思うんですよ。そういうわけで、こういう問題だって別に国鉄はそれをやるために金が要るわけでもないわけですから、それはもちろん今日まで長年の間そういう駅弁をつくってきた伝統のある社は、もちろんその努力は敬服に値すると思います。しかし、いまは民主主義の時代ですから、そういう特定の権益の上にあぐらをかいておる時代ではなくして、そういう歴史を持った人は、その長い歴史によってつちかわれた経験によって勝負していくべきが道理じゃないかと思うんですね。そういう点で私は、総裁においても、そういう点ひとつ全国的に総点検をしていただいて、もちろん、そういういままでの既存の業者の生活があぶない、そういう形ではいけない、それは順次やっていかなければいけないと思うんですけれども、そういう方向で御検討いただけるかどうか、これは総裁にひと……。

磯崎叡日本国有鉄道総裁

○説明員(磯崎叡君) 構内営業、ことに食事の関係でございますけれども、いろいろ鉄道づとめ百年生きてきた業者もございます。そういうことも十分考えた上で、衛生上の問題その他いろいろございますので、そういうほんとうに能力があって、そうして衛生上間違いないというものがあって、しかも永続性があるというようなことを十分検討いたしまして、今後とも御趣旨に沿うようにやってまいりたいと思います。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 もう一つ、これは要望をしておく次第でございますが、国鉄には旅客構内営業規則というのがあって、これでいろいろ承認基準等があるようでございますが、私は、こういう問題は非常に一般市民に関係のある問題だと思うんですね。そういう点で、単に国鉄のみがきめるのではなくして、何らかの、やはり市民との間に一つの協議会のようなものをつくって、民主的にきめていくべきじゃないかと思うんです。また、そういうことによって国鉄が地域社会と接近をしていくことが私は非常に大事じゃないかと思うんですね。まあ、そういう点で、これは単なる構内営業権だけの問題じゃございませんが、あらゆる問題について国鉄は、やはりもう少しその意見をよく聞いてもらいたいと思うんですよ。大体国鉄が話にくるときというのは、ローカル線を廃止するとか、貨物駅を廃止するとか、悪くなるときは直前になって相談があるわけですけれども、大体まあそういうこと、もっとやっぱりふだんから市民の皆さんの意見を聞く、何かありませんかと、そういうようなことでひとつやってもらいたいと思うんですけれどもね。そういう点で、この構内営業規則等ももっと何らかの第三者の、市の代表とか、そういうような意見も聞けるように制度化を私はすべきではないか、それが国鉄の民主化につながっていくと思うんですけれどもね。そういう点、検討する気持ちがあるかどうか、これも総裁にお願いしたい。

磯崎叡日本国有鉄道総裁

○説明員(磯崎叡君) 実はそういう全般的なサービス問題を含めまして、国鉄にモニターの制度を古くから導入いたしております。各地方で、これはもういろんな階層の方々、学生まで含めましていろんなモニター制度をつくっておりますが、これを極力活用いたしまして――ずいぶんそういうモニターの会議には、いま先生のおっしゃったような議論も出てまいります。そういう議論を生かして今後ともやってまいりたいと思っております。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 それで最後に、これは国鉄の踏切の事故対策の問題でございますが、実は、これは一つの例でございますけれども、山陽地方は二号線が走っておるわけですね、国道二号線。それから国鉄の山陽線が走っておるわけでございます。国鉄の山陽線のほうには信号があるわけですね。ところが、すぐそばを走っておる二号線には信号がないわけですよ。まあ、子供たちが学校に行くのに非常にあぶない。それで、ぜひこの国道に信号をつけてもらいたい。ところが、国道の信号が青であっても、その道を越えて行ったところが鉄道のほうが赤であれば、そこにもう車の駐車する場所がないわけですから、そういうような場合には、当然国道の信号と国鉄の信号はやはり連動さす、そういうような方法がとれるのじゃないかと思うんですね。そういうわけで、私たちも地元の公安委員会や県警本部ともいろいろ相談いたしましたところが、まあ、こういうような事件、二件ございました。そこで言う意見は、国鉄がなかなかがんとして聞かぬと。ともかく国鉄というのはもう頭のかたい、話のわからない、とは言っていませんけれどもね、そういうニュアンスのことを言っているわけでございまして、私は、そういうような問題もやはり検討すべきだと思うんですね。こういう点どうですか。これは私ども前もって、これは福山市の鶴橋というところも、連動の問題を県知事――県会で議決をして、県の公安委員会もこれを必要と認めて、そして申請したけれども、これはだめだと断わられたと、そういう問題もあるわけですね。これはいまバイパスができて、その当時よりは、まあ混雑は緩和したようですけれどもね。これは過ぎ去った例ですけれども、いやしくも県民の生命を預かる県知事が要求しても国鉄はがんとして聞かない、そういうこっちゃ困ると思うんですね。やはりローカル線はどんどん廃止するというのに、その上、値上げして、そしてそういうこともがんとして聞かない、これじゃあ過疎地帯の人は、ほんとうに国鉄総裁に対する恨みがますます積もる一方だと思うんですがね、そういう点どうですかね。

長浜正雄日本国有鉄道理事

○説明員(長浜正雄君) 踏切に関しましては、いろいろ地方と密接な関係がございまして、そういうケースがよくございます。国鉄としても積極的に道路信号と鉄道信号を一緒にするというような方向にいま進めておりまして、地方の閑散線などにおきましては道路信号をそのまま踏切の信号に使うというような処置もさせております。先生ただいま御指摘の、山陽本線とそれから国道二号綿との関係のところも、われわれとしては、道路信号に従って入っていって、それでちょうど踏切があいていると、こういうように連動さすのは非常にいいと思うのでございますが、国鉄だけでなく、この場合は、私が承知しておりますのは、隣に私鉄があるようでございまして、私鉄との関係もいろいろあるようでございまして、国鉄としては、そういうふうになったほうがなお踏切事故が少ないということで、われわれも歓迎すべきことじゃないか、こういうふうに承知しておるんでございますが、その場所個々の問題としては、私鉄がございまして、私鉄の信号と国鉄の信号、それと道路信号を一応一緒に合わさなければいかぬというような問題がございまして、非常にむずかしい問題のように私承知しておりますが、なお一そうそういう点は今後とも研究していきたい、こう思います。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 きょうは警察庁の方もお見えになっておりますので、警察庁といたしましても、そういう問題についてひとつ積極的に、国鉄当局も話し合いに応ずるというお話でございますので、国鉄は話がわからないという先入観を持たないでひとつやってもらいたいと思うんです。いままでそういう連動の例が何か大阪のほうには二、三あるやに聞いておるのでございますが、そういう点について、警察庁ですか、課長さんがお見えになっていると思うんですが。

竹岡勝美警察庁交通規制課長

○説明員(竹岡勝美君) 過去ウナギ登りにのぼってまいりました日本の自動車交通事故の中で、確実に減ってまいりましたのは踏切事故でございます。これはやはり鉄道側が非常に踏切の格上げ等努力された結果だと思っておりまして、決して国鉄ががんこだという気持ちは持っておりません。ただし、非常に技術的な問題がございますので、先ほど国鉄側の御答弁がございましたとおり、ともに一緒になってやってまいりたいと思います。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 警察庁のお話では、非常に国鉄の努力をお認めになって、私も多少認識不足でございましたので、その点おわびさせていただきます。  それで、一つは、踏切等の問題でも、いろいろやはり住民としてはつくってもらいたいという要望もあるし、国鉄としてはいろいろな事情でどうしてもできない場合もあると思うんですよ。あるにこしたことはないけれども、やはり財政の問題もあるんだから、私は、だから、そういう場合には、もう少し親切に、なぜできないかということを、こうこういう理由でこうなんだ、だからどうしてもだめなんだということを、もっと国鉄も住民の人の代表に会って、もっと乗り込んでいって、やっぱり住民に理解を得ると、そういうようなふうにひとつ改めてもらいたいと思うのですよ。私も、何件かの今日までの自分の体験を通しても、住民の皆さんの声というものはそういう声なんです。国鉄にいろいろ私が聞いてみると、なるほどそれはちょっと無理だなと、そういう点もあるわけですから、そういう点はわれわれもやむを得ないから、結局、何もかもほったらかしてこれをつけろというのではないのですから、どうしてもだめならだめでいいんですけれども、それをわれわれに説明するのではなしに、住民の人によく納得するように御説明をしていただきたい、このように要望しておきます。  運輸大臣が非常に答弁を短くしていただいたので、ちょっと時間が余りましたけれども、これで終わります。

木村睦男自由民主党

○委員長(木村睦男君) これにて塩出啓典君の質疑を終了いたしました。  次に移ります。山田勇君。

山田勇第二院クラブ

○山田勇君 それでは、ごく限られた時間でございますので、簡単にお尋ねをいたします。  国鉄再建の一つのポイントとして国民の協力ということが重要な課題になっておりますが、そのような観点から愛される国鉄に脱皮するためいろんな施策が考えられておると存じますが、新幹線の公害は、その意味では決しておろそかにできない問題だと私は思います。  そこでお尋ねするわけですが、新幹線公害といえば、まず騒音、振動の問題であると思います。きのうも、関西の尼崎地域の騒音と振動の調査、国鉄と尼崎市、地方自治体と共同で調査に参加してまいりました。そこでいろいろと私も勉強してまいりましたが、まず環境庁の方にお伺いいたしますが、新幹線に対する環境基準をどのように規定しようとしているのか、また、その騒音については具体的に何ホンなら人間が生活をしていく上で耐えられるのか、また振動については測定の器具、方法などは現在まだ統一されたものがないと聞いておりますが、何か環境庁のこれは管轄にならないと思いますが、通産省の管轄でしょうが、何か計量法の中に今度、振動の計器、そういうものが入る法案が通過したそうです。その点を詳しくちょっと私お聞きしたいのですが、環境庁としてはどのような基準と対策を必要と考えておるかという点をお伺いしたいと思います。

松井三郎環境庁大気保全局特殊公害課長

○説明員(松井三郎君) それではお答えを申し上げます。  環境庁の中央公害対策審議会におきまして、現在、新幹線の環境基準の設定につきまして、鋭意審議いたしておるところでございますが、しかしながら御案内のように、この環境基準を設定するためにはいろいろな見地からこれを検討する必要がありまして、この本基準ができますのにはまだ相当の期間を要すると思いますが、しかしながら現在、東海道新幹線の一部におきましては著しい被害が発生しておりますので、これらの地域については何らかの対策を講ずる必要があると、こういうことから、現在、中公審におきましては、この現状を改善するための当面の指針につきまして、とりあえず審議を急いでおる段階でございます。ただいまは審議中の段階でございまして、この基準が、あるいは具体的な対策がどのようなことになりますか一現在では申し上げるような段階に至っておりませんが、環境庁といたしましてはこの設定を待ちまして、環境基準の設定を急ぎたいと、かように存じておるわけでございます。  なお、振動につきましては、いままで振動をはかる単位でございますとか、あるいはまた実際振動がどの程度になったらどのような影響を人間に及ぼすかと、こういうようなことがまだ明らかでございませんで、現在、いま先生御指摘のように、通産省におきましても、その振動の測定の単位は一応きまっておるわけでございますが、これがどの程度になりましたらどのような影響があるのか、また、どのような工場から発生するのか、こういうような点でなお実態がわからない点がございますので、環境庁といたしましては、今年度中にこれらの実態の調査、並びに振動をはかる上で、人体に影響を及ぼすのにどのような単位を使ったらいいのか、こういう問題を早急に決定しまして、この結果を待ちまして振動をも規制いたしたいと、このような考えでございます。  以上でございます。

山田勇第二院クラブ

○山田勇君 具体的にその基準等、またそういうことを話していきますと時間がございません。私が昨日来その調査に参ったというのは、一部関西地方の新聞に、国鉄は故意に調査の期間中スピードを落としたというふうなことを書かれておりました。そういうことではいけないということで、私、市のほうからの要請もありまして、一応立ち会いという形で、僣越ですが、きのう来行ってまいりました。しかし、これは国鉄の肩を持つという意味ではなく、そういうようなこそくな手段を用いていないということは、きのう工事局長の説明等でよくわかりました。というのは、車両構造等において若干スピードも落としますし、ダイヤの若干のズレの関係で、同じ通過地点は同じスピードが出るということも考えられません。だから、そういうことはあり得ないということは、私もきのうは地域の住民とも十分話してまいりましたし、そういう点ではよくわかります。  それと同時に工法のやり方――きのうは、私は騒音より確かに振動のほうに大きな重点が置かれたように思うのです。壁も落ちております。御承知のとおり、総裁も御承知だと思いますが、あれは工事が終わりましてから保線のほうへ移管する予定ですが、いまだにやってないというところは、やはりその工事局自体が地域住民との接触を持った、買収等においても。だから、工事局長が行かれても、局長つかまえて、壁が落ちたとか、どうだというような訴えをしておりますし、そういうふうに地域住民との交流があります。だから、技術的にすぐ保線のほうへ移管しないという、そういう点は思いやりがあってぼくはいいことだと思うわけですね。しかし、東海道新幹線のいままでの経験というものを踏んまえた上で山陽新幹線をつくるなら、ぼくは、もう少しその振動等においても技術的に改良が加えられたと思います。日本の国鉄の技術の水準というのは(もう世界の一、二だろうと、私はそう信じております。ですから、きのうも工事局長に現場で説明を受けた。ます型のコンクリートの基礎を打ち込んで、七の上に橋げたを立てる、そうしますと、かなり振動が緩和されるんじゃないかというようなことを、るる説明を受けました。なぜそれを、山陽新幹線をつくる前にそういうことを、テストを重ねてそういう技術を導入して山陽新幹線に使わないか。これはもう、山陽新幹線というのはもう既成線としてでき上がったものですが、御承知のとおり全国新幹線鉄道整備法がある以上は、全国のあらゆるところに新幹線が網羅されていく。その時息では、そういう工法というもの、ケース・バイ・ケースでつくるんじゃなく、こういうものをつくる上においては、こういう工法でつくるということで経験に立ってつくって、そういう工法を狩っていかれると私は問題がやや解決するんじゃないか。ですから、振動等においてはかなり地域住民ともきのうも話し合いました、夜おそく会合に出まして。しかし、その時分には騒音というより振動のほうに何かややウエートがいっているという感じを受けます。ですから、その工事振動というもの以外に新幹線が走ってからの振動ということにいろいろ御苦心があろうと思いますが、そういう経験に立って、今後とも工事を進めていっていただきたいと、私はそう思います。いろんなことをお伺いしたんですが、後ほどまた、これは委員会に譲りたいと思います。とりあえず、お聞きしたいんですが、電波障害ですね、これもかなり問題になっているそうです。航空騒音防止協会的なものがございます。それは発着のあの税金とか、今度は燃料税が一部そういうような形で交付されたりということなんですが、そういう航空のほうの騒音防止協会的なもりがあります。そういう機関があります。しかし、いわゆる国鉄のほうのこういう新幹線に対するそういう協会がない。何か今後そういうものをつくっていかれるか、大臣、そういうものを考えておられるかということをお尋ねしたいと思います。というのは、ぼくは、これは一国鉄の問題で済まない問題があると思うんです。ですから、そういう点で、そういうふうな航空騒音の防止協会的なものがあるんですから、今度は新幹線騒音振動防止協会的なものをつくる御意思があるのかないのか、ちょっとお尋ねいたします。

丹羽喬四郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(丹羽喬四郎君) わざわざ関西までおいでくださいまして、国鉄の立場も御了解をいただきまして、適切な御提言をいただきまして、まことに厚く感謝する次第でございます。  騒音の問題、これは公共事業をやる上におきましてどうしても防止しなくちゃならない問題でございまして、航空、空港の点もそうでございますが、これから新幹線の問題につきましても特にこれを配慮しなくちゃならない、あらゆる機関を通じましてやらなくちゃならない次第でございます。すでに航空につきましてはそういったような協会がございますので、将来の問題といたしまして、十分国鉄当局とも相談をいたしまして、前向きで検討してまいりたいと、こういうふうに思う次第でございます。

山田勇第二院クラブ

○山田勇君 時間もきたようですから、また委員会等で詳しくあれいたします。  どうもありがとうございました。

木村睦男自由民主党

○委員長(木村睦男君) 本連合審査会はこれにて終了いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時五十分散会

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