P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
68回国会参議院1972/06/16

運輸委員会 第18号

発言数
129
登壇者
15
会派数
4
開催日
1972/06/16

会議録

木村睦男自由民主党

○委員長(木村睦男君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。  運輸事情等に関する調査を議題といたします。  この際、運輸大臣から発言を求められております。これを許します。丹羽運輸大臣。

丹羽喬四郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(丹羽喬四郎君) 日本航空DC−8型機の事故につきまして御報告申し上げます。  日本時間の一昨十四日夜、日本航空の運航するDC−8型機がインドのニューデリー付近におきまして墜落をいたしました。日本人二十一名を含む乗客及び乗員八十九名のうち八十四名が死亡するという事故が発生いたしましたことは、最近における航空事故の発生状況にかんがみ、定期航空運送事業者等に対し特別の点検を指示し、航空交通の安全確保に万全を期しておりましたおりからまことに遺憾にたえない次第でございます。事故の概況につきましては、お手元にお配りしております資料のとおりでございますが、現在のところ生存者は乗客四名、スチュワーデス一名の計五名であります。  また事故原因につきましては、現地からの情報が十分でなく、いまだ明らかとなっておりません。政府といたしましては、昨十五日朝、直ちに事故調査担当官を現地に派遣するとともに、運輸大臣として私が駐日インド大使を訪問し、インド政府の行なう事故調査へのわがほう担当官の立ち会い、救援機及び遺族団の受け入れ等につき協力を要請いたしました。また昨日午前、閣議決定をもって総理府に日航機事故対策本部を設置し、私が本部長となって救援活動、事故原因の究明、遺族対策の推進等をはかることといたしました。  同本部は昨日来二回の会合を重ね、情報の多角的収集につとめるとともに、日本航空を督励して救援活動及び遺族対策に遺漏なきを期しております。特に今回の事故の遭難者には六十八名という多数の外国人が含まれており、その国籍もイギリス、アメリカ、オーストラリア、イタリア、スウェーデン等十五カ国にわたっておりますので、それぞれその国情に応じた弔慰その他の措置をとり、御遺族の現地への輸送等にも便宜をはかることとさせております。  事故調査につきましては、ICAO条約に従い、事故発生国たるインド政府がこれに当たっておりますが、航空機登録国たるわが国は、同条約に基づきこれに立ち会う権利がありますので、航空局笠松航空事故調査課長等を現地に派遣しております。  さらに、この際、国際線の安全運航を確保するため、日本航空に対し、(一)乗員の緊急時操作の確実な実施につき注意を喚起し、確認すること、(二)航空情報、気象情報等を適確に把握すること、(三)海外寄港地における整備点検をより一そう確実に行なうこと、の三点を励行するよう指示いたしました。  以上が、現在までに判明した状況及び現在とりつつある措置の概要であります。

森中守義日本社会党

○森中守義君 これはせんだっての、たしか「ばんだい」号か、あるいはその前の事故報告のときに、大臣が朗読をされる報告書については必ず委員会に配付されるようにという、こういう注文をつけておったわけです。こういう概況の報告は出ておりますが、いまのは出ておりません。いますぐそれをというわけにもまいらぬかもわかりませんが、前回も注意を申し上げているわけですから、運輸省では必ず守ってもらいたい。

丹羽喬四郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(丹羽喬四郎君) ただいまの御注意、そのとおりでございまして申しわけございません。直ちに、さっそく手配をさせまして配付させることにいたします。

木村睦男自由民主党

○委員長(木村睦男君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

木村睦男自由民主党

○委員長(木村睦男君) 速記を起こして。

内村信行運輸省航空局長

○政府委員(内村信行君) ただいま大臣から大体御説明申し上げましたが、私からいま少しく詳細な御説明をいたしたいと、こう思います。  DC−8型機の事故でございますが、日本航空のDC−8が今般事故を起こしましたことは、私ども航空行政を担当しております者といたしましてたいへん申しわけないと存じております。この席上で厚くおわびを申し上げたいと思います。  それから、概況を申し上げますと、若干、先ほどの大臣の説明と重複するかもしれませんが、日本航空のDC−8型機、これはJA八〇一二号という飛行機でございます。これが日航の四百七十一便——この便は東京を出まして、それから香港、バンコク、ニューデリー、テヘラン、カイロ、ローマ、フランクフルト経由でロンドンまで行く便でございます。これは四百七十一便といたしまして、昭和四十七年六月十四日十一時五十五分に離陸。四十五分にランプアウトでございますが、離陸したのは五十五分でございます、に羽田空港を出まして、香港に着きまして、バンコクに十三時五十五分に着陸。燃料を補給いたしまして、十四時五十分バンコクを離陸、ニューデリーに向けて飛行いたしました。ところが、ニューデリー空港の管制塔から六千五百フィートまで降下することを許可されまして、六千五百フィートに降下して、そのまま飛行を続けておったわけでございます。その後十八時十五分ごろ、ニューデリー空港到着予定時刻十八時三十分、というように管制塔に通報をいたしました後、消息を断ったわけでございます。その後、十九時四十五分ごろにニューデリーの東南東約二十五キロのジャイトプール村というところに墜落していることが確認されたわけでございます。  乗客は七十八名。うち日本人が十名でございます。その十名のうち八名は東京から乗られた方で、あとの二名は香港から乗られた方でございます。それから乗り組み員が十一名、計八十九名の方が搭乗しておられました。その八十九名のうち二名は幼児でございます。そこで、その搭乗されておった八十九名のうち八十四名、そのうち一名が幼児でございますが、残念ながら死亡されました。それで五名——そのうちの二名は幼児でございますが——は重傷を負い病院に収容されているわけでございます。  乗り組み員は、機長が五十嵐清三十四歳、飛行時間は四千五百九十三時間四十二分の飛行経験でございます。うちDC−8につきましては二千三百六十時間の飛行経験を持っております。副操縦士は山本庸夫、二十六才で、飛行時間は千百六十九時間三十三分、うちDC−8に関する部分が四百九十時間でございます。機関士は、杉浦和成、二十五歳、こういう人で、飛行時間は四百九十五時間七分、うちDC−8に関する分は二百二十時間でございます。  それから航空機について申し上げますと、航空機はDC−853型でございますが、これは昭和三十九年十月二十九日に製造されたものでありますが、総飛行時間は二万八千六百八十四時間四十八分でございまして、オーバーホール後の飛行時間は三千九百十三時間、前回のオーバーホールの時期は四十六年四月二十六日でございました。それから点検後の飛行時間は四百四十四時間と三十八分、これは前回の点検が四十七年の四月二十日でございます。それから発動機につきましては、点検後の使用時間数は、一番のエンジンが四千四百二時間と六分でございます。二番エンジンが三千二百二時間五十四分、三番エンジンが五千五百二十六時間一分、四番エンジンが四百四十四時間三十八分でございます。  それから現場の状況でございますが、これは十五日の午前五時ごろ現地からの報告によりますと、ニューデリー空港から東南東二十五キロメートルの砂漠の中の川のようなへこみの中に尾部のみを残しまして、他は長さ八百メートル、幅三百メートルにわたって散乱しているという報告がございました。なおフライトレコーダーはインド政府によって回収されておりますが、ボイスレコーダーはまだ回収していない模様でございます。  それから、その後、日本航空のとりました措置を概略申し上げますと、十五日の午前二時十分、羽田の日航オペレーションセンター内に朝田社長を本部長とする事故対策本部を緊急に設置いたしました。それから、その日の五時三十分、高木副社長を団長とする現地救援団の派遣を決定いたしまして、八時四十六分に東京を出発して現地におもむきました。昨日の日本時間十九時五十五分に現地に到着いたしておりまして、ニューデリーに到着いたしまして、それから直ちに墜落現場に向かった模様でございます。それから、現地救援団を輸送した特別機で医薬品八箱、ドライアイス四百キログラム、整備用具三百キログラムその他食料品等を現地に空輸しております。それから乗客の御家族など事故関係者の現地への輸送の問題でございますが、十五日の十五時十五分羽田発JL四百六十三便で乗客の家族二十六名、乗員の家族二十名の方々を現地あてにお運びしましたほか、同日二十三時現在、乗客の御家族三十五名、乗員の御家族二十五名を現地に送っております。この結果、日本人乗客十名のうち九家族及び乗り組み員の十一名全員の家族の方々が現地に向かったことになるわけでございます。  それから外国人乗客の家族に関する問題でございますが、外国人の乗客は六十八名おられました。この方々につきましては乗客名簿等によりまして身元の確認が行なわれまして、御家族には電報で事故発生を通知いたしますとともに、現地に行くことを希望される方々につきましては、乗客一名について三名以内の輸送につきまして便宜を供与するよう関係の支店に指令をいたしました。十五日二十三時三十分現在で、外国人の乗客六十八名のうち四十七名の方々につきまして御家族との連絡がとれております。現地行きを希望する方々は十五日二十三時三十分現在でバンコクでJL四百六十三便に搭乗された二名のほか、ジャカルタ三名、ローマ一名がございます。  それから運輸省のとりました措置を概略御説明申し上げますと、これも先ほど大臣から御説明いたしましたように、私ども航空局の事故調査課長笠松好太郎という者を、先ほど申し上げました日航の特別便で十五日の午前に羽田を出発させまして現地に向かわしております。インド政府による事故調査に立ち会い、あるいは協力をさしたいという趣旨でございます。それから、大臣が十五日の午前十時三十分、在日インド大使館を訪問されたことも先ほどあるいはあったかもしれません。それからなお、インド政府とのいろいろ連絡が必要でございますと思いますので、現地に航空局の松本参事官を本日の午後、羽田発の日航機でニューデリーに派遣いたしました。  それから政府は、十五日の午前、持ち回り閣議によりまして、総理府に、運輸大臣を本部長といたしまして、内閣官房、総理府、外務省、厚生省の次官等を構成員といたしまする日航機事故対策本部を設置いたしますことを決定いたしました。同本部は、同日午後、第一回会議を開催し、救援活動、遺族対策、事故原因の究明、国際線の安全確保対策等を推進することを決定いたしました。なお、本日の朝八時に第二回を開きまして、情報の収集、あるいはその後の経緯等につきまして打ち合わせたということがいままでの経緯でございます。  大体以上がその概略でございます。     —————————————

木村睦男自由民主党

○委員長(木村睦男君) この際、委員の異動について御報告いたします。  去る十三日、高橋邦雄君、梶木又三君が委員を辞任され、その補欠として平島敏夫君、橘直治君が選任されました。     —————————————

木村睦男自由民主党

○委員長(木村睦男君) これより質疑を行ないます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 ただいまの報告に関して質問をいたします。  なお、その後キャセイ飛行機がバンコクから香港へ向かう途中、南ベトナムで墜落いたしました。空のこのような大きな二つの事故に対して、なくなった方に心から哀悼の意を表します。  この事故に対しまして、日航機に対しましては直ちに政府のほうで救援対策本部などつくられ、万全の対策をとっておられるようでありますが、原因がまだはっきりしないようであります。したがいまして、原因がはっきりいたしましたら、また新たな問題として論議をしなければならぬでありましょうが、いまの段階で気にかかるものを二、三質問いたします。   〔委員長退席、理事佐田一郎君着席〕  直接、日航機の事故を質問する前に、ついせんだって私はここで、北海道のセスナ機の墜落事故を質問いたしました。で、今回は外国で落ちたという点がありましょう、あるいは日航機であるという点もありましょうが、政府が持ち回り閣議で万全の救援対策本部をつくられた。ところが、この北海道のセスナ機が墜落いたしましたときの調査体制なり救援体制というものについて私は非常に心配をしておりました。そのとき私はこの委員会で発言いたしまして、一人の命も百人の命も同じではないかと、民間機で十名落ちられたのも、あるいは国際線あるいは日本の主要幹線で百名墜落し死亡されたのも、命のとうとさは変わらぬのではないか、なぜもっと民間機の水準を上げないかということを質問いたしました。で、気にかかっておりましたとき、このような事故が起こったのでありますから、この日航機の墜落事故の前に、北海道のセスナ機のその後の救援対策なり、横浜航空会社がとりました措置なりをまず御説明を求めたいと思います。

内村信行運輸省航空局長

○政府委員(内村信行君) ただいまの横浜航空の事故の問題でございますが、先生、先般からの御指摘のように、一人の命も、あるいは百人の命も人の命には変わりないわけでございまして、この件につきましては、私どもといたしましては、今後事故のないように十分の措置をするとともに、先般の犠牲者の方々に手厚い配慮をするということを会社のほうにも指示しております。そこで、その事故発生の当時、私どもから直ちに事故調査官を派遣いたしまして事故調査に当たったことは先般報告申し上げました。また、その際、警察、自衛隊、その他諸般の方々の御援助を得まして、遺体の収容その他も無事に終わったということも申し上げました。  その後といたしましては、十三日に現地で葬儀を営まれまして、これには私どものほうからも事務次官も参りまして、御葬儀に参列いたしました。なお、その後、補償の問題についていろいろ打ち合わせ中であるということであります。  それから、もう一つの安全確保の問題でございますけれども、これにつきましては、現在、横浜航空という会社は、北海道内の航路、そのほかに新潟−佐渡の航路の二カ所をやっております。新潟−佐渡のほうは比較的路線の距離が短いということでございまして有視界飛行に限って飛ばせることは、さらにこれを厳重に安全に対して注意をするということを強く指示いたしまして、これは引き続き行なっております。しかし、事故を起こしました北海道内の路線につきましては、これを一時停止させまして、それで、社内の安全体制というものをよくチェックいたしまして、その上で、これなら間違いないというときにこれを再開させたいというふうに考えております。その目標といたしましては、先般、先生からもいろいろ御意見ございまして、これをもっときびしい水準で見たらどうかというお説もございました。これはまことにそのとおりだと思っております。したがいまして、パイロットにつきましては一般の不定期の場合には飛行時間も少なくて済むものでございますが、これについては、さらに飛行時間を上げる。それから、計器飛行証明というのが一般の不定期の場合には必ずしも要求されておりませんが、計器飛行証明も持っていなければいけない。   〔理事佐田一郎君退席、委員長着席〕 それから、現実に、飛行機につきましては、計器飛行ができるような計器も積んでおらなければいけない。それからディスパッチャーにつきましても、現在はディスパッチャーの相当の人がおりますけれども、これももう少ししっかりしたディスパッチャーというものを設けて、さらに、気象の状態その他につきましては責任を持ってこれを行なうというふうなことにしなければいけない。それから、パイロットにつきましても、一般の定期は路線資格というものを必要としておりますが、不定期の場合には路線資格が必要となっておりません。この場合も、事実上は、よく路線に慣熟するのを待ってお客さんを乗せるということをさせるべきである。それから、やはりその飛行はVFR——有視界飛行方式に限るべきであると思いますけれども、少しでも有視界飛行方式がとり得なくなるという場合の措置、たとえば、もっと上に上がって、そこで管制塔と連絡をする、いろいろな運航の方式というものももっと確立しなければいけない。こういうふうなことで、いま現在検討いたしておりまして、そこで、安全性というものをよくチェックした上で再開を認めたいというふうに思っております。こういうのが大体のところであります。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 もう少し具体的に質問をいたしますが、事故の原因がわかりましたでしょうか。

内村信行運輸省航空局長

○政府委員(内村信行君) 現在まだ調査中でございまして、原因確定までいっておりません。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 飛行機事故の原因というのが、各事件ともなかなか長引きまして、この事故が次の事故を防止するためにどのように役立つかということは一回も議論してない。いま事故防止のための法律案の上程もなされておるようでありまするが、事故の原因究明というものがどの事件も急がれなければならぬし、これがあとの対策に活用されなければならぬと思うのでありますので、この点はひとつ十分に考えてもらいたいと思うのであります。  それからもう一つは、そのときに、これは私だけでありません、他の委員からも発言がありまして、あの会社の経営実態から見て遺族の援護救済対策などどうであろうかという心配の発言もございましたが、その点はいかがなさっておるのでありましょう。

内村信行運輸省航空局長

○政府委員(内村信行君) その点につきましては、現在、一般定期の運送約款につきましても、もちろん現在一応六百万ということになっておりますが、あの会社もおそらく運送約款では六百万かと思います。しかし、実際問題といたしまして、その賠償能力につきましては、そういった場合の賠償責任保険をおそらく一座席当たり一千万円以上かけておりますので、その点の補償能力はあるというふうに考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 その賠償について、もう運輸省のほうで正確に把握しておられるのですか。

内村信行運輸省航空局長

○政府委員(内村信行君) 具体的にどのくらい補償するかというのは御遺族の方々と航空会社の問題でございますので、これに対してこちらは、どうこうという指示はいたしておりませんが、いま申し上げたように相当程度の損害賠償能力があるというふうに考えておるわけでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 それからもう一つは、民間航空に対する今後の対策ということでその日もいろいろ質問いたしまして、その直後の新聞で、いまの大手三社が、民間のほうで大手三社が共同出資あるいは共同管理などで民間航空を経営したらどうかというようなことが運輸省から相談があったというような新聞の内容も出ておりましたが、その点でどのような行政指導がなされておるのか、お伺いいたします。

内村信行運輸省航空局長

○政府委員(内村信行君) 私もその新聞は見たわけでございますが、率直に申しましていろいろな議論は内部にございます。しかし、現在そういうふうな試案ということまで、まだいってない段階でございます。と申しますことは、先生御存じのように、やはり、たとえば離島でございますとか、一般の定期航空の参れないような、物理的に参れない場所がどうしてもございます。しかし、にもかかわらず、やっぱり航空事情というものは、どうしてもなければならぬというところがございますので、そういったところで、先生のおっしゃったような経済的基盤あるいは企業基盤がちゃんとしっかりしておりまして、なおかつ、そういうふうな事業をやれる、また、やりたいと申す者がなかなかないわけでございます。しかし、一方において、客観的な需要はあるものでございますから、この辺をどういうふうに処理したらいいのかというのが実は私どもの悩みでございます。そういった意味から、いろいろ内部でしょっちゅうディスカッションは重ねておるわけでございますが、そういったディスカッションの過程においてそういうふうな議論も出たことはございます。しかし、まだ運輸省として固めて、これでもっていこうというふうな案ではございません、という程度のものでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 きょうの本筋でありませんので、セスナ機に対する質問はこれで終わりますけれども、先日の問題なものですから、まだいまの答弁でも十分納得できないものがたくさんございます。特に事故調査なり補償の問題など積極的にひと行政指導されて、十分納得のできる経過ができますように御努力願いたいと思います。

内村信行運輸省航空局長

○政府委員(内村信行君) 十分に先生の御指示を体しまして進めてまいりたいと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 次に、この日航機の墜落事故について質問いたしますが、新聞にも書いてございました。それから、きょう乗員組合の幹部なり、あるいは全運輸の組合の幹部など、二、三こちらに来てもらいまして、いろいろ日航の管理運営について意見を聞きました。その意見の端々に出ましたのは、パイロットの仲間で、とうとう事故が発生したかというつぶやきを聞きましたと。それは、日航は私どもも非常に信頼がある会社だと思います。いままで死亡事故、墜落して死亡したという大きな事故についてはございませんでした。したがいまして、安心をして乗っておりましたが、日航内部のパイロット仲間では、ついに事故が起こったかというつぶやきがあったという。運輸省として、監督官庁として、たとえば運輸管理の問題なり、あるいはパイロットの訓練時間の問題なり、あるいは機械の整備なり、そのパイロットのつぶやくように、ついに事故が起こったかというような、そのようなことを感ずるものがあるのではないかと思うが、運輸省としてはどういうふうにお考えでございますか。

内村信行運輸省航空局長

○政府委員(内村信行君) 私どもといたしましては、私どもなりに、力は及ばなかったかもしれませんが、安全ということ、安全運航ということについてはできるだけの配意をしておったつもりでございます。そういった意味から申しまして、たとえば、小さな事故と申しますか、引き返しというふうなものはたくさんございまして、これは全日空あるいは東亜国内あるいは日航もございましたけれども、まあ日航というものは比較的、数はほかの航空会社に比べて少なかったわけでございます。しかし、私どもといたしましては、そういう少ないこともやはり非常に実は重視いたしまして、一々、その引き返しの原因は何であるか、その原因はすぐに除くようにするということをいろいろ指導もいたしてまいったつもりでございますが、整備の方法あるいは運航の方法についても、いろいろな注意を払っておったつもりではございます。そこで、先生のおっしゃいましたような、何かそういうふうな事故を起こすような気配はなかったかとおっしゃられますと、私どもといたしましては、特にそういうようなことは感じてはおりませんでした。もし、おりましたとすれば、もっとその辺もえぐって指導しておったつもりでございます。まあ私どもの不行き届きかもしれませんが、特段にそういうふうな危険というものは、私といたしましては感じておりませんでした。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 問題点が幾つか推測されております。ただ私どもも、エンジンにつきましても、運航管理につきましてもしろうとでありますから、その新聞の記事なり、あるいは直接関係者の意見を聞く以外に判断の方法ございませんが、たとえばパイロット、特に機長となる人の訓練時間が、昭和四十年までは、国際線に乗る場合は五千時間であった。五千時間以上乗りませんと国際線のパイロットになれなかったのが、いまは四千時間以上で乗れる。したがって、今回墜落いたしましたあのパイロットが四千五百時間であの機長をつとめておられたと。訓練時間だけでこの事故が発生したと言いませんけれども、飛行機が多くなります、外国人パイロットもだんだん減ってまいる、そういたしますと、訓練時間を短縮して新たにパイロットを登用しなきゃならぬ、そういう悩みはあるでありましょうが、昭和四十年までは五千時間以上乗らなきゃならなかったのが、二割を削減して四千時間以上で国際線のパイロットになれるということですね。こういうことにつきまして、これは運輸省の許しが出ておるものと思いまするが、この点についてはどう思いますか。

内村信行運輸省航空局長

○政府委員(内村信行君) この点につきまして技術部長のほうから御答弁申し上げたいと思います。

金井洋運輸省航空局技術部長

○政府委員(金井洋君) ただいまの先生の御指摘は、国際線の機長になるための飛行経験時間は何時間以上であるかということかと思いますけれども、国際線については五千時間以上でございます。それから国内線と東南アジア線につきましては三千時間以上というふうに規定してございます。で、これはもちろん太平洋あるいは大西洋を飛ぶ長距離の路線と、それから国内を飛ぶ場合、それから東南アジア、太平洋とか大西洋に比べて一飛行時間当たりの時間数は二時間半とか、そういうふうに少ないので、国内線並みに三千時間というように規定してございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 東南アジア線は国際線とみなさないで国内線と同様にみなしておるということですか。

金井洋運輸省航空局技術部長

○政府委員(金井洋君) 東南アジア線も、分け方からいえば国際線でございますけれども、機長の飛行経験時間数からいえば国内線と同じ扱いであるということでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 それはどういう理由でしなうか。

金井洋運輸省航空局技術部長

○政府委員(金井洋君) 太平洋とか大西洋線に比べて、一飛行時間当たりの時間が少ない、距離が短いということでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 乗員組合のほうで出しております「ニュース」の中に、そのことを問題として出しているわけです。これは六月の十六日。まだ事故の発生する前の話でありますけれども、この「ニュース」は、前に四十一年二月四日の羽田沖事故が起こりましたあと、問題を提起しておるのでありまするが、「日本航空についていえば、会社は私たちの「安全を守る」要求を無視し、利潤第一、安全軽視の政策、定期エンジンオーバーホールの廃止、訓練の簡略化、一部国際線の機長の最低飛行経験の五、〇〇〇時間から三、〇〇〇時間への切り下げ、スケジュール第一、生産性向上第一のZD運動の導入、キャリーオーバー基準の適用の問題性等、安全性を著しく低下させてきました。」、こういう指摘をこの乗員組合の「ニュース」がしておるのでありまするが、運輸省として、東南アジア路線はもう国内線並み旭ということで適当だとお考えですか。

金井洋運輸省航空局技術部長

○政府委員(金井洋君) 適当だと思っております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 パイロットからの要求、これは日航にも運輸大臣にも、これでは困る、もう少し訓練時間を長くしてくれというような要請があったと思うのでありまするが、その要求はいまの日航の経営では無理だという判断ですか。

金井洋運輸省航空局技術部長

○政府委員(金井洋君) 訓練時間は、一応、一般的に、訓練につきましては、訓練の最低基準というものは運輸大臣が認可する運航規程なり整備規程の中に規定してございますけれども、もっとこまかい具体的なものについてはそれの下の規則できめております。で、そのきめ方としまして、もちろん、訓練のやり方、時間、それから使用する教材、実機の模型とか、そういうものを勘案して訓練時間ということをきめます。それから、さらに、つくられたメーカーあるいは外国のエアライン等における経験、そういうものも加味して、全般的に見て訓練時間というものを設定してございます。で、ただいま先生が御指摘になりましたように、以前は、現在よりは若干訓練時間が長かったわけでございますけれども、訓練教材の発達だとか、訓練のやり方だとか、そういうことがございまして、昔に比べたら訓練時間というものは若干減っておりますけれども、訓練の内容といいますか、質というものは十分所期の目的を達成しておるというふうに考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 パイロットの乗員組合が組合の機関紙で、五千時間から三千時間に時間が短縮されたのは無理ですよと言っておりますのに、技術部長は、いやそれはもうだいじょうぶですと言われると、何か会社の経営に協力するために基準を運輸省が下げているような印象を受けるのですが、もちろん、今度のパイロットが四千五百時間——五千時間に足りなかったから私は事故が起こったとは言いたくありません。ありませんが、パイロットの組合がもう少し訓練時間を長くして、国際線なりあるいは東南アジアの路線でも少なくとも五千時間ぐらいに訓練時間をしてくれないかと言っているのでありますが、その声は無理だとおとりですか。

丹羽喬四郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(丹羽喬四郎君) 先般からも、いろいろ小柳先生、また田代先生、その他当運輸委員会におきまして、交通の安全、ことに航空交通の安全につきまして、いろいろ事故ごとに御指摘をいただきまして、私も就任以来そのことをほとんど一番の中心として、今日まで運輸行政の中心課題としてやってまいりました。会社につきましても、そのつど、いままでになく強い指導監督をしてきたつもりでございますが、一番安全である、事故率におきましても世界に誇るといわれておりました日航が、国際線におきましてかかる惨事を起こしましたことは、もう実はいままでたびたび御指摘いただきましたが、こういうことをやったがということは言いわけにならぬ、そのとおりでございまして、監督者の責任を深く、私は深刻に痛感をしている次第でございます。何とも遭難者、御遺族の方に対しまして、また国民に御不安を与え、国際線におけるわが航空におきまして一まつの不安を与えましたことは、最高責任者といたしまして、ほんとうに申しわけなく思っておる次第でございます。そのつどおしかりをいただき、何だという、ほんとうに憤りをお感じになる、ほんとうにそのとおりでございまして、私自身としても、内心におきまして非常な、どうしてこういうことが起こるかというその憤りを覚えますとともに、私の微力のために、私の指導が非常に足らざるためにこういうことになったので、ほんとうに深く申しわけなく思っておる次第でございます。ただいまのお話、お聞きをしておりまして、四千五百数時間、またDC−8の運航につきまして二千数時間、操縦士は乗っておったようでございますが、しかしながら、いま技術部長がお答えをいたしましたが、事実、操縦をするのは操縦士でございます。でございますから、それをやる場合におきまして、ほんとうに操縦をする操縦士に安心を与える、了解を与えるということがやはり一番私は根本の問題、いま小柳先生が御指摘いただきましたように、この点で非常に不安であるという操縦士がおりましたならば、それに十分納得を、このとおりやればだいじょうぶだというものを与える、この基準が私は一番必要だと思う次第でございまして、ただいま先生が御指摘をいただきました点を十分私どもも基準のあれといたしまして、それでほんとうにこの点で操縦士も安心してやれるかどうか、いまの最新技術、いま申しました地上におきまする訓練その他において非常にこれだけの発展をしてきたのであるから、五千時間を三千時間に変えることで十分であるかどうかということにつきまして、よく十分向こうに納得を与える時間、そうしてやはり安心をしてできるというその基準時間をきめることが必要であると私は思う次第でございまして、そういう点を勘案をいたしまして、さっそく、その点なりにつきまして、日航に十分指導をいたしまして、そういった点の不安をなからしめてまいりたい、これがやはり一つの大きな問題だろうと思いますので、そのように取りはからってまいりたい、このように思う次第でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 大臣の答弁はごりっぱですけれども、技術部長があれだけ確信をもって言われますと、なかなか大臣の精神どおりには行政指導がいかないですよ。したがって、もう一回その問題を私は申し上げておきたいのです。それは「昭和四十二年九月三十日には韓国線、東南アジア・中近東路線などの国際線については、三〇〇〇時間の経験をもっていさえすれば機長にしてもよいという機長資格の切下げが行なわれました。」、まずこれが前段です。「大阪空港での事故機の機長は」、これは大阪空港で四十四年でございましたか、事故がありました。「四八〇〇時間の飛行経験だったとされており、これが前記の五〇〇〇時間から三〇〇〇時間への機長資格の切下げとの関係で今後に問題をなげかけています。」、これが一つの話。それからもう一つは、「また同じ機長資格の一つであった、四発機による八〇〇時間以上の飛行経験という要件も、四十一年六月に航空局へ認可申請中の段階で早くも「運航規程」から削除されるなど一航空局と会社の結びつきの強さや会社側の局に対する発言力の大きさをみせつけられるようなことも行なわれています。いずれにせよ、これら一連の機長資格の切下げが、安全性を向上させる方向でないことは、だれの目にも明らかなことです。」、「大阪、台北、香港空港は、滑走路が短いことと山にかこまれているという立地条件もあって、運航上のいくつかの制約を受けています。その一つに機長の資格があります。これらの空港に飛ぶ機長は、たとえ当該機種の機長としてのライセンスを持っていても、それまでに他の路線を飛んで機長としての一定の経験をつまなければならないと会社の規程に定めてあります。以前は、それが「運航規程=航空法の一部であり違反に対しては罰則が適用される」に定めてあったのですが、いつの間にか「訓練審査規則」に移され、同時にその要件も大巾に切下げられています。」、こういうように以前は五千時間以上だという非常にきつい要件があったのが、会社のほうが、当局に許可申請、認可申請を出して、まだ許可が出ないうちに会社がかってにその資格を切り下げるといったような不満も出ています。その中で、ここに見えますのは、運輸省当局と会社がなれ合って、ツーツーでこういうことをやっておるのですよ。そして機長をよけいつくるのですよ。それが事故の原因ではないでしょうか、こういうことをるるとして書いてございます。  パイロットの組合ですから、決して自分たちの資格がそんなにきびしいことを求めないでしょう。三千時間で機長になれればそれが一番いいにきまっています。ただ、事故が起こるたびに、そういうのをパイロット自身が反省するのではないでしょうか。さっき、今回なくなりました人の八年ぐらい先輩のパイロットが私の部屋に来ました。その人もそういうことを言っています。一番大事なことは、会社といいますか、日本航空と運輸省の監督官、当局とが一体に癒着してしまって、厳格に指導しなければならぬ、厳格に監督しなければならぬのがルーズでありはせぬかという点を心配するのです。そういうのがありますと、事故のときは、私たちはほんとうに、あるいは航空局長もほんとうに苦悩して、ここで陳謝されました。しかし、また起こさないためには、非常に冷厳な行政措置というものが必要でしょう。その冷厳な行政措置というものは、このような運航規程の改正をかってにやるようなことは許してはならないのじゃないかと思うんです。したがいまして、このような運航規程をかってに改正するならば、もとのところに戻らなければならぬと思いますが、いかがでしょう。まず具体的に答弁をお伺いいたしましょう。

内村信行運輸省航空局長

○政府委員(内村信行君) 先ほど技術部長から御答弁申し上げ、また、いま大臣から御答弁がございました。いわば私は、技術についてはそれほど詳しくございませんが、いわゆる行政屋の一員といたしまして、大臣のお気持ちも体しながら、実際的な行政をどうするかというふうなことについて考え方を申し上げたい、こう思うわけでございます。  そこで、確かに先生のおっしゃいますように、安全というものは何事にもまさる一番重大なことでございます。この意味では、安全の確保ということは、一面におきまして組合の問題であると同時に、会社についても当然第一の問題でなければならないわけでございます。そういう点におきまして、私ども従来から、日航という会社は、非常にその安全性というものを考え、パイロットの立場もよく考えながらやっていた会社というふうに考えておったわけでございます。そういった意味で、現在の会長、前の社長の松尾さんなどは、しょっちゅう、むしろ航空会社のパイロットは憶病であれ、決して無理をしてはいけない、十分な余裕を持ちながら飛ばなければならないのだ、そういう意味においてあぶない飛行は断念する、その意味においては憶病であれというふうなことを言っておられるようなわけでございまして、そういった意味において、十分パイロットの意向というものをくみながら、いろんな諸規程をつくっておるというふうに私ども了解しておったわけでございます。そこで実際にどうかというと、ただいまの四千時間、五千時間の問題、私は具体的にはあまりよく了承しておりませんけれども、おそらくこういった問題につきましても、これは先ほど技術部長が申し上げましたように、いろいろな歴史の流れがございまして、教育訓練の方法なり、あるいは飛び方なり、あるいは外国の事情なり、そういったものがございまして、これならばいいということで認可しておると思います。しかし、やはり今般事故がございまして、今般の事故はまだ原因もはっきりわかりませんから、それがパイロットのミスによるものか、あるいはそうでないものか、これはわかりませんけれども、やはりわれわれといたしましては、ほんとうの原因というものは別にしまして、あらゆる可能な原因というもの、ありそうなものというものをすべて消去していくというふうなことで、万全をはからなければいけないと思います。そういった意味におきましては、いまの飛行時間の問題等につきましても、さらにあらためていろいろな角度からこれを検討いたしまして、まじめな意味でほんとうの安全を確保する、決して労使の問題にはとらわれない、もっと客観的なまじめな意味で安全を保っていく、こういうふうに指導してまいりたい、こういうふうに考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 局長の言われていることよくわかりましたが、もう少し詳しく聞きます、これは大事な問題ですから。  「機長だけでなく、副操縦士の資格も次々と切下げられて来ており、全般的に乗員の訓練時間や期間も大巾に短縮されてきています。最もひどい例は、DC8−61と62型から30や50型に移行する機長の場合の訓練ですが、これはグラウンド・スクールや実機での訓練は一切行なわず、八時間(副操縦士についてはたったの四時間)のシュミレーターによる模擬飛行訓練のみです。比較的訓練量の多い30・50型から16・62型に移行する機長の場合でも、三日間のグランド、スクールと実機によるわずか三回の離着陸訓練が付け加えられるだけです。しかも、いずれの場合にも訓練だけで審査は行なわないということになっています。航空機関士についてはもっと激しく、一日−三日のグランド・スクールを行なうだけで、実機による訓練はおろか、シュミレーター訓練も行なわないといった徹底ぶりです。(以上訓練審査規則より)かつては、似たような例でDC−6BからDC−7Cに移行する場合、約四十日間のグランド・スクールと二十五時間の実機での訓練(機長)を行なっていたことを想えば、どんなにひどい内容であるかが一層はっきりすると思います。」と書いてあります。したがいまして、技術部長は、これ読んだらすぐわかるでしょうけれども、このパイロット——機長、副操縦士が数がたくさん要ることになるために訓練時間を短縮して、どんどん仕事をさして収入をふやす、この合理化といいましょうか、もうけ主義、それが非常に危険ですよということをパイロット組合の新聞に書いてあります。このことは、私は非常に重要に考えなければならないと思うのです。もちろん、このパイロット組合は、決して会社をつぶそうなんて考えているとは思いません。会社の一員ですね。しかし、これではあぶないぞということを言っているわけですから、運輸省としては、このことは十分にかみしめてもらって、それではどうするかという具体的なことを考えなければならないと思いますが、いかがですか、大臣から答弁いただきたいと思います。

丹羽喬四郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(丹羽喬四郎君) 確かにいま先生の御指摘になりましたとおりでございます。何と申しましても航空の安全を確保する、それがために前よりは十分にするということが私はやはり大切だと思います。いままでの経験からいたしまして、二十年間無事故であったというようなところからいたしますと、またいろいろ諸外国の例等も勘案をしてやったことと思う次第でございますが、私は先ほど申し上げましたとおり、何と申しましても、操縦のかぎを握るのはやはりパイロットです。そのパイロットにやはり不安感を与えるような基準、それがまた、了解が得られないというようなことでは私はいかぬと思う次第でございます。そういう点を十分考えまして、よりきびしい態度でやるように、私はこれから十分、技術部長をして、日航とも、これらの具体的な問題につきまして、検討させたいと思いますので、御了解を願いたい、こういうふうに思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 大臣から答弁ありましたから、私も日本航空をよくしなければならぬと思っておりますが、決してあげ足とりではありません。過去に、そういうように苦しいことで、操縦士、あるいは機関士をつくらなければいかぬ会社の事情もありましたでしょうが、このパイロットの組合自身の文書の中に告発されていることは、十分にひとつ取り上げて検討して事故がないようにしてもらわなければ困ります。  それから日航から見えておるようでありますが、その前に、もう一問は、墜落いたしました事故で、外人客と日本人客との見舞い金が、補償がぐんと差があるのだということが書かれておりますが、この点についてはいかがですか。

内村信行運輸省航空局長

○政府委員(内村信行君) 実は補償の問題については、まだ現在詰めておらないというのが偽らざる実情でございます。ただ、現在までの例を申し上げますと、たとえばBOACの場合であるとか、あるいはカナディアン・パシフィック、これはいずれも外国航空会社でございますけれども、これが日本の上空において事故を起こした例がございました。その際の実例といたしましては、結果といたしまして、相当日本人の場合には少なく、外人の方の場合には相当な高額の方もおられた、こういうふうな実情がございました。と申しますのは、おそらく、会社側とそれぞれの遺家族の方々との交渉ということから始まってまいるわけでございますが、これは約款上には、たとえば最高限六百万円というふうに書いてございますが、約款だけではございませんで、中では、さらに裁判に出すとか、あるいは調停に入るとかいうふうないろいろな角度がございます。したがいまして、その一方におきましては、いわゆる損害賠償ということになりますと、そのなくなられた方の生活能力と申しますか、そういったものとの関連もございますので、必ずしも一律にまいらない点はございます。しかし、この問題は実は相当むずかしい問題でございまして、日本航空のほうでもいろいろ考えていると思いますけれども、そういった事柄があるということを認識しながら、なおかつ公平ということを考えていかなきゃいかぬというふうに考えておりますので、この点はよく慎重に検討してもらいたいと、こう思っています。     —————————————

木村睦男自由民主党

○委員長(木村睦男君) この際、参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。  運輸事情等に関する調査のため、本日の委員会に、日本航空株式会社専務取締役斉藤進君の出席を求めて意見を聞くことに御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

木村睦男自由民主党

○委員長(木村睦男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 参考人の方、御心配のことでございます。  いま、大臣なり航空局長、技術部長に、おたくのパイロット、副操縦士及び機関士の訓練時間が四十一年以降短くなった、これは事故発生の一つの大きな原因なのではないかという質問をいたしてまいりました。この点で、会社にいろいろ事情はございましょうが、パイロットの組合の新聞なり文書を私はここに持っています。また、パイロットにきょう私の部屋に来てもらいまして御意見も聞きました。で、四十年までは、たとえば国際線の場合五千時間以上飛ばなければならなかった、ところが、四十一年以降、国際線の一部では三千時間以上でも機長になれるようになりました、あるいは副操縦士の訓練時間も、機関士の訓練時間も短くなるし、また実技なども省略されるようになりました、これは非常に不安でございますし、事故発生の原因にもなりますと、こういう告発でありますから、これは改めてもらいたいと、こういうことをいま質問いたしておるところでありますが、これに対する社側の御意見をお聞きいたします。

斉藤進日本航空株式会社専務取締役

○参考人(斉藤進君) まず、昨日の事故の関係でいろいろ御心配をおかけいたしまして、われわれ社といたしまして、ここで深くおわびするとともに、原因を探究いたしまして早急に解決いたしたいと思います。  さて、いまの御質問でございますけれども、この問題についてはいろいろ技術的な問題がございます。たとえば、現在われわれで使っておりますシミュレーター、これはDC8それからジャンボジェットその他のシミュレーターがございますが、これは非常に発達しておりまして、ほとんど実機で訓練をする以上の性能を持っておるものもございます。ことにジャンボジェットのシミュレーターは非常に発達しておりまして、おそらく、現在科学の粋を集めたシミュレーターと言えると思います。それを使って訓練をやりまして、実機訓練は少ないのですけれども、このシミュレーターの訓練においていろいろな技術を習得させてやっているということで御理解願いたいと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 私だけ時間とるわけにまいりませんから、何か、つけ加えるところがあったら御答弁願います。私だけ時間をとるわけにまいりませんので、あと同僚委員も待っていますから……。  私の問題点は、いまの訓練時間が、今回墜落しました飛行機のパイロットがそうだとは言いません。言いませんが、あの人の訓練時間を聞きましたら四千五百時間であったと。以前は、国際線のパイロットは五千時間以上でなければならなかったんだと。ただ、東南アジアの場合ですから、それは例外がありましたでしょうけれども、そういうことが事故の一つの原因にもなりかねないと思って、いままで質問してきたわけでありますし、そのあと、たとえば、日航という会社と運輸省の航空当局との間が癒着いたしまして、そして監督があまりきびしくないのではないか、少しルーズではないかという点も問題にいたしました。こういう問題を参考に聞いておっていただきます。したがいまして、いまの職員の訓練、パイロットや副操縦士や機関士の訓練について、なお御意見がありましたら先にお聞きいたします。

斉藤進日本航空株式会社専務取締役

○参考人(斉藤進君) 訓練に関しましてはいろいろな訓練のしかたがございまして、航空大学を出た者の訓練、それから当社で採用して訓練している者、それから自衛隊で訓練されて、それで採用いたしまして訓練する者、大体この三つに分かれていると思います。それで、この訓練の基礎は仙台でやっておりまして、仙台でやってから、現在アメリカのナパというところで訓練をやり、それからジェット訓練はモーゼスレーク、これはワシントン州ございますけれども、ここでやっております。それで、機長になるためには、大体十年間やっております。機長になるまでには、時間にして大体三千時間ぐらいになりますけれども、そういう過程を経て訓練をしておりますので、われわれとしては、航空局と密着いたしましてその訓練を万全を期してやっておると確信しております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 他の委員からも発言がありましょうから先に進みますが、もう一問は、ことしの衆議院の予算委員会の分科会等で二回も問題になっておる問題があります。それは、日本航空の中における労働組合との係争事件の問題です。これを問題にいたしましたのは横路代議士でありますが、答弁いたしておりますのは労働大臣です。きょうはせっかくお忙しいのにおいでになりましたので、この労使関係の紛争というのが事故の原因だとは断定いたしませんが、日本航空という大きな会社が人命を預かる非常に重要な仕事をしておられる、その会社の中に組合が五つある。そして、その一つの組合との間に争いがあって、労働委員会で争っておるものだけでも現在八件ある。しかも、労働者側のほとんどの言い分が通って会社の言い分が負けておる。このようなものを早く解決して明朗な会社にしてもらいたいと、こういう趣旨の質疑がなされています。四十七年三月二十四日、四十七年六月二日。これ、非常に長い速記録ですから全部は申し上げませんが、さっき私の部屋に来られました方もパイロットで解雇された人のようです。この解雇を戻せという争いをしている人のようでありますが、たとえば労働委員会で勝訴しましても、日航としてはこれをもとに復帰させないというようなことのようです。いろいろ問題がありましたでしょう。過去のことはもっと調べなきゃなりませんが、その個人と個人のことは言いません、また個人と会社のことは言いませんが、全般的に五つの労働組合をかかえて会社が争いをやっていることは職場が非常に不明朗ではないかと思います。たとえば、賃金紛争などもございましょうけれども、日本航空としては労務管理に対してどのように精魂を尽くして管理しておられるのか、聞いておきたいと思うんです。

斉藤進日本航空株式会社専務取締役

○参考人(斉藤進君) 私の経歴をちょっと申し上げてからこれに移りたいと思いますけれども、実は私、飛行機を四十四年やっております。戦前から飛行機をやっている男でございまして、それで、ときたまたま労務担当もいたしまして、すでに十年やっております。それで、私はことに操縦士を愛する者でありまして、操縦士に対しては非常な情熱を持って教育をしているんです。われわれとしては、やはり操縦士は人格、識見、それからいわゆる気持ちの安定、こういうものを考えてやらなければならぬということを固く信じて、教育も一緒にやっているわけでございます。ですから、今回の事件も確かに最高裁まですでにいっておりますけれども、私たちは、もうこの四人の連中に対しては、識見その他、会社全部として、われわれとしては受け入れられないと感じているわけでございます。

木村睦男自由民主党

○委員長(木村睦男君) 小柳君、時間が参りましたから簡単にひとつ……。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 最後に一つ……。  非常な確固たる信念を持って、もちろん教育しておられるでしょう。ただ、衆議院における速記録をずっと読んでみましても、不当労働行為などもあるやに見受けます。それは会社としては決して不当労働行為と言われないでしょうが、昨年国鉄でもそういう問題がございました。それを国鉄ではマル生と言いました。それと同じような、類似のものが日本航空にもあるんだというようなことが衆議院の速記録の中にあります。したがいまして、そういうものがありますならば、やっぱりこれは、管理者としては非常に信念を持って正しいと思ってやっておられまするが、新しい世代の者、あるいは思想の違いの者もありますから、一日も早く労働者との問のわだかまりを解いて、明朗な職場をつくって、大事な輸送業務に精進してもらいたいと思うわけであります。したがいまして、これ以上は、もう、信念でありましょうから、お聞きしてもしようがありませんでしょうが、私は、そういうものが衆議院で二回も問題にされておりますので、きょうは事故のことでありまして具体的なことをお聞きしなければなりませんけれども、このことを特につけ加えて聞くわけでありますから、何かお考えがあればもう一度お聞きいたしまして、私の質問はやめることにいたします。

斉藤進日本航空株式会社専務取締役

○参考人(斉藤進君) おっしゃるとおり、私は、労使関係は安定しなければ会社はうまくいかないということを信念を持って考えております。いまの申されたことを私もよく頭の中に入れまして、労使関係に努力いたすつもりでございます。

伊部真日本社会党

○伊部真君 時間がありませんから、私は一、二点だけ申し上げたいと思います。  私は、いま小柳委員が質問をしました不当労働行為の問題については、もう斉藤さんともおなじみであります。当時、私も中央労働委員会の委員でありまして、この四名の不当労働行為を扱ったことがありますから、この点は、信念というよりは、私はぜひ考え直していただきたいと思います。特に、その四名の方の人格その他について先入観を持たないで、ひとつ、せっかくの優秀な技術を持った人なんでありまして、しかも、決して思想的にどうこうというふうに私は思いません。この点はいきさつがあることですから……。私は現地調査にも行きましたし、斉藤さんもなかなか向こう意気の強いことも十分承知でありますけれども、やっぱりこういう事故が起きましたときには、労務管理の上においても、管理者と従業員というものの気持ちというものは非常に大切だと思います。その点はぜひ、特に乗員関係については、ひとつ配慮願いたいと思います。  それから、私は、もう時間がありませんが、一つだけ大臣にお伺いしたいと思うのでありますが、この事故調査の方法について、これはしばしば事故のときに議論があるわけでありますが、いわゆる恒久的な事故調査委員会の設置、特にアメリカの場合は全部のスタッフが二百八十名という大きなスタッフです。しかも、ほとんどが航空関係というものに重点を置いた恒久的な委員会が設置されているというふうに聞きます。こういう問題は早急に日本の行政面において設置すべきではなかろうか。特に私は、酷なことを言うようでありますけれども、大臣就任以来、事故の状態というのは、戦後全体として十七件、そのうち四件までがこの一年間に、大臣の就任の中で起きているということにかんがみまして、ぜひ航空事故の絶滅のために配慮を願いたいと思うのでありますが、その点についてお答えを願いたいと思います。

丹羽喬四郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(丹羽喬四郎君) いま御指摘のとおりでございまして、実は、私の就任早々「ばんだい号」の航空事故が起きました。その後、全日空、両方とも年内に事故調査結果を報告してもらいたいと私も強く要望しております。そうするということでございますが、いまだに延びておる。いまでも、技術部長をして、これは独立機関でございますから、行政の長といたしましてそうかってなことは申せませんが、ぜひひとつ早く結論を出してもらいたいということを、事あるたびに催促しております。全日空のほうは近く出るというようなことを聞いております。そういうふうにおくれております。すでにもう半年おくれております。私が約束をしましてから半年おくれておる、こういうことでございます。先ほど御指摘ございましたが、セスナ機につきましても極力急がせております。事故の結果を待ってみないと、抽象論は言えますけれども、ほんとうの具体的な対策というものはできない。先般も田代委員から御指摘がございましたが、点から線になってくる、しかし、事故等のあれができないということでありまして、ほんとにそのとおり私も腹立たしく思っております。したがいまして、今回はすでに衆議院におきましては——事故調査委員会、これはアメリカほどにまいりません、ほんとうに申しわけない次第でありますが、委員五名、専門員七名、それから事務職員が十八名というので、大体におきましていろいろ与野党の御意見も取り入れまして、修正すべきところは修正をいたしまして、今日には衆議院のほうはもう上がる段階になっておる次第でございますが、こういうことでございまして、いま非常に私は成立を危ぶんでいる次第でございます。また、一面におきましてそういったような機構強化につきまして、航空局、これも私の微力のいたすところで、独立の庁にはできませんでしたが、しかしながら、実質的には、次長一人、管制部長一人、強化案をつくりまして、これはすでに衆議院で全会一致でもって参議院の内閣委員会に付託されている次第でございますが、これもまた最終日になりまして非常に私も心配して、ほんとうに私の微力をいま嘆いている次第でございます。どうかひとつ御協力をお願いしたいと思う次第であります。

藤田進日本社会党

○藤田進君 私は、結論的にお伺いをして、その他は意見を付して、二度と再びかようなことのないように万全を期しますということを何度も聞いたわけです。それで、いま日航の専務の話を聞くと、万全の訓練をしている。まるっきり、聞いておると、地球に引力があるから、落ちるのがけしからぬぐらいの答弁をどうも思わせる。かつて櫻内通産大臣が炭鉱の爆発事故で直接引責辞職をいたしました。この際やはり、そういった、ことに日航の場合など国際線であり、世界にこういう汚点を残すわけです。のみならず、この多数の人たちが一瞬に生涯の命を断ち切ってしまう。これは突く反省をしてもらいたいと思うのです。四十年やってるという、そういう意識というものがむしろかえって事故を誘発する。管制官といい、いま小柳委員の質問をずっと聞いていてもわかるように、諸所に不行き届きな、不徹底な、不満な状態が出ている、書きものでも出ていますね。これらを総合してみると、万全の体制でも何でもない。大体落ちないのがふしぎだと言う人もあるのです。日本の本土の上空においてしかりです、落ちなかったのがむしろふしぎ。いまの、ニューデリーの南に落ちたですね。これも何か墜落の直前にエンジンを取りかえたとも言われている。いまの文章を見ると、まだその原因が明らかでないということを言っておる。朝日新聞を見ると、助かった十一歳の少女やそれからイタリア人の婦人がいろいろかなり意識を回復してものを言ってる。航空事故に関する限り、その原因がいつもうやむやにされてしまう、こういうことなんですね。そこで私は、この際、やはり監督責任というものを明らかにする必要があるのじゃないか。それは何かやはり責任をとって辞職することですよ。おれがやめたらあと困る——私ども最初、そういう墜落をした、失敗をした、そういう経験を生かせばこそ将来に二度と再び事故はないと信じて、いままであまりそれは言ってこなかった。しかし、むしろ逆なんだ。とにかくどんなことがあっても首はつながるというところに安易感がある。そういう事故があれば、みずから責任をとる。あと、かえって事情に、四十年も精通しない者が、その人たちが真剣に取り組んで初めて安全の確保ができるのじゃないですか、私はそう思われてなりません。私はいま皆さんに、直接あなたがという固有名詞を指さして言うつもりはないけれども、一つの責任をとる形において、もうすでに航空局長のもとにおいても、何機落ちましたか、何人が犠牲になりましたか、これをどうするのですか。運輸大臣しかり。日本航空のそれぞれの監督責任の立場にある者しかり。今後みずからの責任をどうしようとするのか、私はこの集約としてどうしてもはっきり聞いておきたい。それから後、いま事故の処理が中心でしょうが、今夜あるいはあすまた落ちないとも限らない。一体どうしようとするのか。やめていくのだというなら、その当否は聞きません。やめないでいるのなら、どうするのかということぐらいは聞いておきたい。

丹羽喬四郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(丹羽喬四郎君) ただいま御指摘がございましたが、私もその点を深刻に考えておる次第でございます。先般も私申しましたとおり、再びそういった大事故を起こしては、私も実に責任を痛感するということを申し上げている次第でございます。それゆえに私は、今回の事故を非常に私自身といたしまして深刻に受けとめておる次第でございます。まあ結果責任と申しますれば結果責任でございますが、世の中は結果責任でございまするので、実は原因がまだわからぬ、情報がわからなくても、やはりいまおしゃったような責任をとることが筋ではないかということも考えられる次第でございまして、私もその点を深刻に考えておる次第でございますが、まだ情報もほんとうに的確に把握をしていない。取り得る事故の調査の結果を待つなんていうことは、これは何年先になるかわからないということでございますが、ほんとうの近くの情報を取ることさえまだはっきりしていない。きょうの対策委員会で集めました情報におきましても、砂じんが巻き上がっておりまして写真すらとることもできないというふうな状況でございます。それらの点を十分勘案いたしまして、ただいまの御発言を胸にとめまして私なりに対処したい、こういうふうに思っている次第でございます。しかしながら、いま職責にある者といたしまして、遺族への対策、あるいは事後処理、また原因の究明、一日いれば一日、それだけ万全の策を、全力をあげてその対策を講ずるつもりでいる次第であります。

内村信行運輸省航空局長

○政府委員(内村信行君) ただいま先生御指摘になりましたように、私が就任いたしましてから今回まで大きな事故は四回でございます。初めが東亜国内航空のばんだい号、それから全日空の事故、それから先般の横浜航空の事故がございまして、また今回の事故でございました。ほぼ一年の間に四回の事故を私の局長の期間に経験いたしました。私、皆さまに御指摘されるまでもなく、この責任を痛感しております。そこで、私といたしましても、事故以来何をしたらいいかということを考えてまいりました。その意味におきましては、まあ航空保安施設の長期計画、これも私は一応は立てております。それから、それについての財源につきましても、燃料税法、あるいは特会法、この充実によりましてほぼその財源的な手当ても私はついたと思っております。それからさらに、今後の問題としては、航空法の改正、これは全日空の事故以来、国会で御決議をいただきまして、早く航空法を改正しなさいというふうな御要望もございまして、私はそれもまた一部ではございますが法案にして提出いたしております。残念ながら今国会において御審議願えないというのは、非常に残念でございます。それからさらに組織の問題、これにつきましても運輸省設置法の改正を現在出しております。それから航空事故調査委員会、先ほどお話がございましたが、これも一応私どもの案をつくりまして、大体衆議院のほうでは修正の御意向もございますので、これによってほぼいけるであろう、こういうことができますと、いままでの事故に対する今後の対策というものは、大体におきまして、もちろん完全とは言いませんまでもできることになると、こう思っております。したがいまして、この期に及びましてまた再び大きな事故が起きたのは、はなはだ残念でございます。そこで大臣、先ほど事故の責任という御発言がございましたが、私の職につきましてはもう上司に一任いたしております。いかなる処分を受けましても、私はお受けしようと思っております。

斉藤進日本航空株式会社専務取締役

○参考人(斉藤進君) いま先生のおっしゃったこと、私も身にしみて感じております。と同時に、この事故の究明、これは非常に重大なことと存じますし、これを究明いたしまして、その原因その他を調べた上で、われわれとしてはものごとを考えていきたいと思っております。どうぞひとつよろしくお願いいたします。

田代富士男公明党

○田代富士男君 きょう、この航空事故の問題に対する質問でございますが、大きな事故が二つ起きておりますが、会期末であるし、時間が二十分ということで制限されております。これだけ大きな事件に対しまして、一つの事件で十分ということは、もう一、二問質問していたらそれで終わりであります。これでは実質審議はできません。まあこれは会期末でございますから従わなくちゃなりませんし、私いましべゃっていること自身が時間がもったいないと思います。しかし、許された範囲内で、私も、今後こういう事故を二度と起こさないためにも、そういう意味から質問をしたいと思います。  ただいま当局の責任者であります日航の斉藤専務がおいでになりまして、戦前からこの航空問題一本に対して情熱をかけておいでになった斉藤専務じゃないかと思います。日本航空は全世界においてその事故率が少ないという点で最も誇りとされていたと思います。それがおそらく斉藤専務の誇りじゃなかったか。そういう事故のレコードをつくったということよりも、安全で過ごしてきたというところに生きがいを感じていらっしゃった斉藤専務が、こういう事故が、こういう事故を起こしたこの衝撃というものは、おそらくだれよりも一番感じていらっしゃると思うんです。いま委員会で、責任をとるべきものはとるべきだという強い意見がありました。私は、一面から見るならば、それも必要かと思います。しかし私は、考えなくてはならないことは、いまパイロット一つにしましても、五千時間以上の経験者が国際線に必要だといわれるように、経験者が必要なんです。そういう意味から、やめてしまったらいいという問題じゃないと思うんです。戦前からそれだけの努力をし、情熱を傾けてきたならば、この事故を明確にして再び世界に誇るようなそういう日航に持っていくということも、災いを転じて福となすと世間で言いますけれども、その一環になるんじゃないか。それぞれの意見の違いがありますけれども、そのように経験豊富な人を失うということは、責任もとらなければならないけれども、航空問題全体からするならば、そういう一面も私は考えます。そういう意味で、この事件を徹底的に解明して、再び起きないようにと、これは運輸大臣が毎回言っておいでになりましたけれども、私は、特に斉藤さんが今回、情熱を傾けておいでになった、お忙しいところおいでになったんですから、いまおそらく気持ちの整理もできていないかと思いますけれども、私の個人的な意見としてあえて希望を申し上げたいと思います。  それから大臣に対してでございますが、まことに申しわけがありませんが、私はこの航空事故の問題を毎回質問しております。これで、日本の東亜航空、全日空、日航それから中小の横浜航空と、全部起きてしまったわけなんです。このために、去る五月の二十日には、陸海空すべての乗り物の交通安全の特別緊急総点検の指示を出されました。こういう事故が起きてきた。そこで私は、大臣の気持ちとして、こういう事故が起きたんだから、航空事故の調査委員会の設置の法案もつくったんだ、おそらく大臣としましても、だから私このような法案を出したんじゃないかと、そういう気持ちじゃないかと思うんです。しかし、この事故を考えてみた場合には、私は、こういうものを未然に防ごうとするこういう法案も出しているにもかかわらず実施できなかったという、今日の政治の貧困といいますか、ここに、航空事故との直接の関係はないけれども——こういう航空事故の大きな要因には三百件ぐらいの原因があるといわれております、大きな事故、その直接の航空事故の原因にはつながらないけれども、この今日の政治の貧困といいますか、やりにくい面、こういう解決できないところに、この問題を何回も繰り返してきたんじゃなかろうかと思いますけれども、大臣の率直な御意見を聞かせていただきたいと思います。それから斉藤専務には、大臣からもこのような交通安全特別緊急総点検の指示が出されましたけれども、これに対して今後もどのように取り組んでいくか、まず最初に御決意を聞かせていただきたいと思います。最初、大臣からお願いいたします。   〔委員長退席、理事佐田一郎君着席〕

丹羽喬四郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(丹羽喬四郎君) ただいま御指摘をいただきました、ことに田代先生にはいつも交通安全に対しまして非常な御熱意で御教示、御叱責をいただきまして、私も身にしみてこたえておる次第でございまして、ただ私のいまの心境は申しわけないとこういう一語でよりほかに弁解する余地がございません。実際責任は痛感している次第でございます。いま、政治が貧困ではないか、これは私のほんとの微力のいたすところでございます。何とも申しわけない次第でございます。政治家としましても、非常にやはり責任を痛感している次第でございます。この上は、何といたしましても、いままだ完全ではございませんが、次善の策といたしまして、これらの法案をぜひひとつ皆さまの御協力により、いろいろこれは国会のこともございましょうが、事故調査その他せっかくの交通安全の施策でございますので、一刻も早くこれを通していただきまして、これだけでほんとに事故封殺を期せるかどうかわかりませんけれども、実際はしかしながら、やはり先ほどもございました、そのときにおけるところの操縦士の精神状態、それから会社との調和とか、いろいろのものが含まれていると思う次第でございますが、あらゆるものを総合いたしまして、そういった人類の不幸、これをなくなすということが一番のやはり私どもの——ことに私に課せられた責任だと思っている次第でございます。最高責任者としての私は責任だと思っておりまして、その点は、いま御指摘いただきましたとおり、私としては何らほんとに弁解をすることばがございません。ただいまの心境、いろいろな問題を勘案して、職にある間におきましては全力をあげましてそこのところ一日、一日その実現ができるように努力をいたしたい、こう思うところでございます。

斉藤進日本航空株式会社専務取締役

○参考人(斉藤進君) ただいま田代先生から身に余るおことばをいただきまして、感激にたえません。私ここで申し上げるのもあれですけれども、毎日六時五十分までに会社に出ておりまして、朝早いだけが能ではございませんけれども、全部を集めて、航空の安全というものをまず頭に置きながらブリーフィングをやっております。毎週一回は、三本部、それに営業本部も集めまして、それでこの安全というものに関する注意を一々やっております。私はこれで全部が安全だということは言い切れませんけれども、努力を傾注することにかけては、今後この情熱をやはりいわゆる科学的に向けまして、今後この安全をより以上確立するように、こういうふうな悲惨な事故が起こらないように努力するつもりでございますから、どうぞ御了解願いたいと思います。   〔理事佐田一郎君退席、委員長着席〕

田代富士男公明党

○田代富士男君 そこで、今回の事故に対しまして、私たち現場へ参ったわけではございませんが、航空評論家の皆さん方がいろいろの角度から意見を新聞紙上、テレビで言っておりますが、評論家の関川さんはこういうことを言っているのですね。一般的にはこの事故の原因というのは、ヒューマンファクターと、あるいはサボ、あるいはテロとか、大別されます。その中で、今回の場合はヒューマンファクターじゃないか、こういうふうな表現をされているわけなんです。そういうわけで、管理体制の問題ですね、これはただいま政治の貧困という短いことばで表現をいたしましたのですが、前回の横浜航空のセスナ機の問題のときにも私は、運輸省の現在の体制、体質という点につきまして意見を述べました。現在の運輸省の体制、この体制であったならば事故が起きるぞと私は前回申しております。いま世界的に事故の少ない会社としては、日航も含めまして、アメリカのユナイテッド航空会社とイタリアのアリタリア航空会社じゃないかと思いますが、そのユナイテッド航空会社とか、そういう場合を考えてみますと、それぞれのいろいろ改良をしようといった場合にいろいろな意見が柔軟に取り入れられていく。しかし、現在の日本の航空行政の中においては、なかなかそういう柔軟な意見というものが反映されない。この運輸行政といいますか、運輸省を中心としたセクショナリズムに支配されている、こういう意見が現場の意見として強いんだと、私はもうちょうどいまから一週間ほど前申し上げたとおりなんです。私は、この運輸行政自身を改めていかない限り、この問題は絶対に解決できないと思いますが、大臣いかがですか、時間もございませんから簡単でけっこうでございますから。

丹羽喬四郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(丹羽喬四郎君) 御承知のとおり、微力ではございますが、運輸行政につきましては、ことに航空行政につきましては、何といいましても安全第一ということを私は一番の運輸行政の基本方針とするということでやりました。たとえば、いろいろ会社のほうへは非常に御迷惑をかけたかわかりませんが、出着便数の制限の場合におきましては、私は命じてやらしたこともございます。その他、安全の総点検その他もそのつどやらしてまいった次第でございまして、私はそう言ってははなはだ恐縮でございますが、就任以来、非常にきびしく航空関係会社には強い態度で私は当たってきたつもりでございます。それはなぜ強く当たったかというと、安全が第一でございますので、そういう点では強く当たってきた次第でございますが、しかしながら、その点におきまして、やはりまだわれわれのほうにおきましても研究不足、それから具体的のそういったような点につきまして考慮不足の点も相当あろうかと思う次第でございますが、それらの点はそのつど反省をいたしまして、安全度の確保のためにはあらゆる努力をいたしていかなければならぬというふうに思っております。

田代富士男公明党

○田代富士男君 そこで、今回日航機が事故を起こしましたが、まだ原因については何とも言われませんが、安全第一でいく場合、整備の問題だと思うのです。そうした場合、今日のように超高速大型化されましたこういう飛行機に対しましては、機体の構造と、あるいは超高速のために真夏の国から真冬の国へ飛んでいく、そうした場合の整備というのはたいへんじゃないかと思うんですね。こうした場合に、現在日航は大きな路線を十路線持っているわけなんです。その十路線で、四十五年度の実績では百六十二万人の人を運んでいるわけなんです。その日航の海外の寄港地というのは大体三十三カ所と聞いておりますが、その三十三カ所の中で、日航の社員が直接機体の整備点検をやっているのは、香港とバンコクとホノルルの三カ所じゃないかと思います。そうした場合には、世界の日航として、やはり安全第一といわれる日航において、もうちょっと——予算とかそういう面も勘案があるかと思いますけれども、その三カ所以外は日航とタイアップをしました会社でやっていると思うのです。今回の南回りの航路はBOACの会社に委託してやっていると思いますけれども、こういう点で、今後機体の整備という点から、日航の社員をこういう方面にも、安全第一という点で整備の点検のほうにも力を入れていく方針はないのか、斉藤専務にちょっとお聞かせ願いたいと思うのです。

斉藤進日本航空株式会社専務取締役

○参考人(斉藤進君) 実は移民法がございまして、私のほうも、多くの日本航空の優秀な社員を各地に送りまして、それでその技術面をやらしたいのでございますけれども、一人やると相手方三人雇い入れるというような制限がございまして、なかなかやはりこの移民法の関係で十分に社員を派遣することができないような状態にあります。しかし、優秀な技術者を各地に置きまして、その委託している会社の技術について指導したり、これはアメリカあたりはそういうことはありませんけれども、ことに南あたりになりますと、相当そういうこともあります。まあそういうことで、十分に優秀な監督者、これを派遣いたしましてやるより現在のところ方法がないと、まあできるだけ移民法に許された範囲においては技術者を送っておりますけれども、何せ技術者だけでなくて、ほかにセールスとか、トラフィックとか、そういうものがございますので、できるだけ、いまの御質問のように、われわれとしては優秀な技術者を選んで派遣したいと思いますので、その点も御了承願いたいと思います。

田代富士男公明党

○田代富士男君 いま斉藤専務の話を聞きまして、そこで私は、そういう技術者というものはなかなか育ちません、年限もかかると思います。そこで、この今回の事故を通じまして、日本の航空界の再編成といいますか、過去にも何回か出ておりましたけれども、これを大きく考える必要があるのじゃないかと思うのですね。というのは、日本航空の最大の特色というのは、パンアメリカンあるいはBOACと違いまして、こういう欧米の代表の会社と違いまして、国内線を持っているというところが特色じゃなかったかと思う。国際線とともに国内線を持っている。そこでまず、日本航空の発足というのは、戦後おくれていた航空界を、国策としまして、国策会社として日航が設置されたことは、もう私が言うまでもございませんが、そういうわけで、きびしい国際線を競争していくには、国内線で利益をあげ、そうして国際線で何とか国策会社としてやっていこうという、そういう趣旨のもとに進まれてきたわけなんです。確かに運賃面では、四十六年度の運賃収入が国際線は国内線の二倍ほどあがっていると私は理解しておりますし、ところが反面今度利潤のほうからいきますと、国際線は国内線の八分の一ぐらいしかあがっていない、どういうような姿が出ておりまして、国内線でもうけて国際線でダンピングするという時代はそろそろ終わってきたのじゃなかろうか。そういう安全という点でいくならば、国内線のために保存している要員もあると思うのですが、これは数も知れているといえばそうですけれども、そういう人たちを、日本航空の場合には、国際線専用にしまして、業界の再編成を促進をする、そういう点からまず第一に考えていかなくちゃならないと同時に、第二番目には、国内線の扱いということに対しまして、航空界全体の再編成ということもこの際考えて、安全第一と取り組むべきじゃないかと思いますが、大臣と斉藤専務から、簡単でけっこうでございますから、時間がありませんから簡単でけっこうですから、御意見をお聞かせ願いたいと思います。

丹羽喬四郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(丹羽喬四郎君) 航空のそういったような路線問題の再編成、各方面でいわれている次第であります。私は、この問題は、先般の閣議了解事項にもございまして、まず航空の安全、安全の確保ということが第一、第二には、利用者にいかに便利であるかという点が第二になっておりまして、それを踏まえまして、いろいろの御意見も承り、どういうことがいま具体的に言いまして一番の現時点におきまして適切であるか、そうしてまた将来いま三社ございますが、三社がほんとうに共存をしていく上におきましてはどういう点がいいかということを検討してまいりたい、こういうふうに思っております。

斉藤進日本航空株式会社専務取締役

○参考人(斉藤進君) いま田代先生の申されたこと、実は例として適当かどうかわかりませんけれども、パンアメリカンは国際線きりやっておりません。それで、昨今、この国際線きりやっていないということで、パンアメリカンは非常な打撃を受けて、現在たしか損を一億二千万ドルぐらい出していると聞いております。われわれは決して国内線で出した利益を国際線に使うというようなことをやらないで、国内のあげた利益はやはり国内で大衆の利益のために返還するということが望ましいことでございまして、しかし、技術的な問題、その他いろいろな養成の問題からいいますと、この国内で養成されたものが国際に移っていく、これが非常にうちの会社の特色ではないかと思います。これをやっている会社もたくさんございますけれども、われわれとしては、そういう意味において、どうしてもやはり、幹線だけでもいいから、やりながら国際線を育成していきたいという考えを持っておりますので、その点御了解願いたいと思います。

田代富士男公明党

○田代富士男君 時間もないようでございますから、まとめて質問したいと思いますが、キャセイ航空の飛行機の事故に関連しまして、いま安全第一ということを大臣も斉藤専務も確認をしていただいて、今後取り組んでいただくと思いますが、あの航路は、日本航空もあそこを通っているわけなんです。そうしますと、第二の同じような事故が起きないとも限らないし、特に私は一番心配するのは、あの地域は、御承知のとおりに、ベトナム戦争の一番激しいところじゃないかと思います。まあそういう点から考えていきますと、これはたいへんなことじゃなかろうか、ここに大きな問題があるんじゃないかと思うんですね。現在すべてのあの航路を通っている飛行機はサイゴンの管制塔と連絡をとり合っているといいますけれども、指定された高度の上と下とは軍用機が飛んでいるということを機長はじめ搭乗員の人々が認めているわけなんです。そういうようなニアミスも起きているわけなんです。事実、この事故が起きていることもあります。時間がありませんから、そのことには触れませんけれども、こういうような危険な場所なんです。そういうことから考えていった場合に、真下に戦争が行なわれている、その上を飛ぶということは、こればたいへんなことじゃないかと思いますし、そこに航路を設定していること自身が、これは一応検討すべきじゃないかと私は思うわけなんです。それにつきましても、まず一九六九年九月の二十日ごろですか、北部のダナン空港上空を当時は飛んでいたわけなんですけれども、ダナン空港が激しくなったときにはダナン南方三百二十キロのクイニョン上空を通るような、そういう航路の変更等をやっているわけなんす。さらに、北爆なんかが激しい場合には、出撃の度合いが激しい場合には、サイゴン南方の海岸を迂回して飛ぶようなことになっているわけなんです。そうするならば、そういう最短距離を飛ぶというのは、燃料の問題、採算ベースの上からそういうふうな航路を飛ぶかわかりませんが、安全第一という立場で飛んでいくならば、少々のそういう経費がかかっても安全第一と。ニアミスや、銀座通りといわれるぐらいに民間機の上下は軍用機が飛んでいる、それじゃたまったものじゃないと思うんです。そういう意味で、採算第一よりも、そういう方向に進んでいくように、第二の日航の衝突事故を起こさないためにも、その航路の設定といいますか、再検討する必要があるんじゃないかと、私はこのように思いますけれども、運輸当局の御意見を聞かしていただきたいと思います。

丹羽喬四郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(丹羽喬四郎君) ただいま御指摘のとおりでございまして、これは従前から日航におきましても、その点を勘案いたしまして、たしか一万二千メートルでございましたか、以上の航路を飛ぶ、それからまた、その航路を飛ぶ場合におきましても、そういったいろいろの状況を勘案いたしまして、危険な場合にはそこを通らぬようにということをやっていただくようでございます。今回の事故現場がその地点であるのにかんがみまして、本日私ども、これは日航機の事故対策本部でございますが、内閣の事故対策本部で、私本部長といたしまして、そのことを、さらに安全を検討して、そして航路その他につきましても、十分安全な航路を飛ぶように日航に本日十分注意、指示をいたした次第でございまして、そういったような危険の場所を避けるように、本日本部長といたしまして私から指示をいたした次第でございます。そのことを申し上げておく次第でございます。  ついででございますが、また、外国の旅客機でございまするので、補償その他の問題いろいろあると思う次第でございます。本日はやはり外務省に、それらの問題につきまして、日本の遭難者につきまして、万全のいろいろな協力方をするように、私のほうから申し入れました次第でございます。

田代富士男公明党

○田代富士男君 最後に、いま大臣が、安全運航の航路を検討する、検討するように日航に指示をした。特にこれは、一九二三年までに完成した国際法の空戦法規に、交戦地域に中立の民間機が入ってはならないことが規定をされているわけです。したがって、交戦中のベトナム上空を中立国の民間航空機が飛んでいること自身が、この法に照らした場合には違反していることになる。しかし、民間機はとんでもない危険をおかしているということになるわけなんですが、この規定が制定された時代と比べまして戦争の認識というものが現在幾分変わっている。だから、宣戦布告なき戦争であるというところに、規定がつけにくい、そういうような、何といいますか、なしくずしみたいなことで現在は飛んでいるわけなんですが、しかし、私はいま申しましたとおりに、これはどうしても、この法規に照らしてもこのようにあるし、戦争のなしくずし、なれということでなくして、これは考えていかなくちゃならないのじゃないかと思いますが、しかし、現実にはそれはもう抵触をしてなくてやっているわけなんですが、これも大事なことでございますが、これと同時に、私はもう一つ大事なことは何かといいますと、いまも申しましたとおりに、採算第一主義といいますか、法規もあるし、安全第一というならば、サイゴンの南を迂回する場合もあるならば、どうしてもその航路というものを安全第一主義という立場から考えてこれはとるべきだ、企業第一、放任主義の政府の態度でなくして、これは私は、日航の今日の育ての親ともいうべき斉藤専務に、どうしてもその航路につきましては、もう日航独自としてでもやりますよと、運輸省に対して強い意見を述べて、この際はっきりした態度をとっていただきたいと思うのですけれども、最後に斉藤さんにそれをお願いしたいことと、それからいま大臣が、私が質問をしなかったのですが、補償問題を申されました。今回の補償問題は二つに分かれると思うのです。日航機の場合は、日本側がこれを補償しなければならない。今度はキャセイ航空の場合は、こちらがキャセイ航空と交渉する場合でありますから、この二つの対照的な交渉であります。外務省といろいろ相談をしてやると申していらっしゃいますけれども、残った遺家族の皆さんのためにもこれはぜひともやっていただきたい、これは私の要望です。斉藤さんに一言お願いしたと思います。

斉藤進日本航空株式会社専務取締役

○参考人(斉藤進君) いま御指摘のとおり、われわれといたしましても、この航路に対して五月の十一日からこれは情報をとりながら、この情報に応じて南回り、すなわちサイゴン経由でございますけれども、それを指令しておきました。それが、たまたまキャセイの事故がございましたので、本日からサイゴン経由にすでに指令しております。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 時間が十分と限られておりますので、いずれ後日またあらためてこの問題の調査をすることにしまして、きょうは、二、三の点について簡単にお伺いをしたいと思います。まず、この航空事故が国内においても非常に絶えないといいますか、だんだんこれふえてくるような感じもするわけです。二十七年のもく星号、三十三年のダグラスDC−3、三十九年の富士航空、それから四十一年は外国の航空会社も含めまして四件、それから四十六年が二件、それから四十七年に入りましてセスナ機とこの日航の問題と起こっておるわけですけれども、私が思うのに、いつも事故原因の調査をやって、その結果がほんとうに生かされているかどうか、この点非常に疑問に思うわけです。しかも、調査結果が出るまでに非常に長期間かかって、しかもその調査結果というものは何が何だかよくわからない。これが原因だとなかなか的確には指摘できないというのが現状ではないかと思います。特に今回の場合、海外での事故でありまして、調査権というのはインド政府にあるということがいわれております。この中で完全に調査をして事故原因が的確につかめるのかどうか、この辺のことについてまずお伺いをしたいと思います。

内村信行運輸省航空局長

○政府委員(内村信行君) 事故調査の問題でございますが、事故調査につきましては、先生御指摘のように、いままでの事故におきましては非常に長い間かかっております。先般のばんだい号及び全日空の事故につきましても、なるべく早く結論を出すようにということを委員会のほうにお願いしておりますが、現在のところまだ出ておりません。これもなるべく早急にお出しいただくように極力お願いして、早急にお出し願いたいと、こう思っております。  そこで、今度の日航の航空事故についての調査体制でございますが、先生おっしゃいましたように、これは国際民間航空条約においてきまっておりまして、航空事故の事故調査はその事故の発生した国において行なうということになっておりますので、今度の場合にはインド政府がこれを行なうことになります。ただ、同条約規定の中に、事故を起こした航空機の登録国もこの当該調査に参加するというふうな権利を——立ち会うと申しますが、立ち会う権利を認められておりますので、それによりまして、私どものほうは笠松事故調査課長をその代表といたしまして送っております。さらにそのほかに日航の方々十名、これをその代表団の事故調査の中に入れまして、インド政府のほうに要望いたしまして、今度の事故調査に立ち会わしていただくということにいたしております。インド政府におきましても、この点につきましては好意的に受け取っていただいておるようでございます。そういうことによりまして、今回の事故につきましては、これは外国のことでございますから、こちらの要望どおりに早くというわけにもいきませんかもしれませんが、なるべく早く本格的な調査を協力して出したいと、こういうふうに思っております。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 次に、日本航空の斉藤専務にお伺いをしますけれども、日本航空はいままで世界一安全な航空会社といわれてきたわけですけれども、それが今回こういう事故を起こしたのは、非常にわれわれも残念に思います。ただやはり、飛行機をつくるのも人間であり、動かしているのも人間である。完全に事故が絶対にあり得ないということこそ私はあり得ないと思うのであります。  そこで、今後とも真剣な御努力をお願いしたいと思いますけれども、現在国際線というのは非常に過当競争だといわれております。やはり非常にきびしい競争と安全性というものとは矛盾する面があるのではないか。過当競争になりますと、やはりその中で少しでも経費を節減しようとする、あるいは無理な投資をする、さらには無理な運航をする、こういうことになる可能性があろうかと思います。その面で、現在の国際線の過当競争が事故を引き起こすような要因になっていないかどうか、この点についてお考え方をお伺いしたいと思います。

斉藤進日本航空株式会社専務取締役

○参考人(斉藤進君) この問題については、確かに御指摘のとおりではございますけれども、国際間の問題がございまして、便数その他やはり航空協定できめられておりますので、われわれはそのきめられた航空協定に基づいて運航している。ですから、過当競争というよりも、国際航空協定、これに基づいての便数をやっていることになっておりますので、われわれ見ましても、現在のところ、ヨーロッパを例にあげますと、サベナが来ておりますけれども、日本航空はベルギーに行っていない。それからスイス、これも、スイスから、日本に来ておりますけれども、当社はスイスに行っていないというように、協定によっていろいろなことをやっておりますので、決して過当競争とは考えておりません。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 まあ過当競争でないと言われますけれども、現在国際線の収支というものは必ずしもよくないのではないかと思います。それで、ある説によりますと、日本航空は国際線に専門に従事をして、それから国内線はほかの会社にまかせたほうが国際線に専念できてよりいいのではないというようなことも言われておりますけれども、先ほどの専務の御説明によりますと、国際線だけでは非常に不安定である、それがパンアメリカン航空の赤字問題を招来しておるということも言われたわけです。しかしこのように国際線の収支が安定していないということ自体、過当競争ではないかと思うのですけれども、この点いかがですか。

斉藤進日本航空株式会社専務取締役

○参考人(斉藤進君) この点につきましては、航空局と外務省とともに協議いたしながら——私どもの会社だけでこの問題をやっているわけではございませんので、この点御了承願いたいと思います。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 運輸大臣にお伺いしますけれども、現在の国際線の状況はやはり過当競争に近いような状態にある、これは特に安全の面から国際的に何らかの協定というか、協調する必要があるのではないか、こういうことが叫ばれておるわけですけれども、この点についてはどうお考えかお伺いしたいのです。

丹羽喬四郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(丹羽喬四郎君) 確かに、非常に過当競争の傾向が強くなっておることは事実でございます。しかしながら、これは御承知のとおり、IATAのあれによりまして、みんな民間航空会社が自主的にこれへ入りましてこれをきめる次第でありまして、安全面からいいますと、ICAOにおきましてそういったような問題も提起をする問題でございますけれども、しかし、一切のお互いの乗り入れその他の問題になってまいりますると、これはIATAにおきましてお互いがやる、こういうことになっております。ただいまの御趣旨も十分わかりましたので、われわれのほうといたしまして、ICAOにそういった問題を、先生の御趣旨をくみまして、提言をするかどうかもひとつ前向きで検討してまいりたい、こういうように思う次第であります。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 終わります。

木村睦男自由民主党

○委員長(木村睦男君) この際、森中君から発言を求められておりますので、これを許します。

森中守義日本社会党

○森中守義君 にわかの事件でして、委員会での十二分に審議する余裕はございません。しかして、前回の北海道の小型機、あるいはばんだい号、全日空、いわば最近の多発、頻発の航空機事故を何としてでも絶滅をはかる必要があります。しかして、航空法、あるいは事故調査委員会の法案等もありまして、その際にいま少し徹底的に事案の内容を究明することをしなければならぬと思うのでありますが、とりあえず本日は、社会党、自民党、公明党、民社党、第二院クラブ等全会一致共同提案によりまして、委員会決議をいたしたいと思います。  これより案文を朗読いたします。    航空機事故の絶滅に関する決議(案)  最近における航空事故の多発により多数の犠牲者を出したことは誠に遺憾に耐えないところである。  政府はこれらの事故原因の徹底的な究明に努めるとともに責任を明らかにし、特に左の事項に留意し、今後かかる航空機事故発生の絶滅を期すべきである。     記  一、航空機運送事業者に対し、航空機の点検整備並びに運航管理の適正化について厳重に指導監督を行なうこと。  二、航空保安施設の整備並びに保安要員の増強を図ること。  三、航空機乗務員の養成訓練体制の充実を図ること。  右決議する。  以上であります。

木村睦男自由民主党

○委員長(木村睦男君) ただいまの森中君提出の決議案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

木村睦男自由民主党

○委員長(木村睦男君) 全会一致と認めます。よって、本決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し運輸大臣から発言を求められておりますので、これを許します。丹羽運輸大臣。

丹羽喬四郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(丹羽喬四郎君) ただいまの御決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして誠意を持って実施にあたる所存でございます。

木村睦男自由民主党

○委員長(木村睦男君) 本件につきましては、本日はこの程度といたします。  斉藤参考人には御多忙のところをたいへん御苦労さまでございました。     —————————————

木村睦男自由民主党

○委員長(木村睦男君) 次に、国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言願います。

伊部真日本社会党

○伊部真君 前回に引き続いて質問を行なうわけでありますけれども、その前に一言だけ私は運輸大臣にお答えをいただきたい事項がございます。それは先般コンコルドの来日によりまして日本の国内にいろいろな議論を残していったのでありますが、そのときに衆議院のほうで大石環境庁長官が、このコンコルドの来日にあたって、日本のような狭い国土にコンコルドが発着すること自体問題だし、定期的な就航については私としては必要のないことだと、こう答弁をされたというふうに報じられております。これは私、国民の感情からいっても、あるいは私は、航空機の性能と私たちの生活ということから考えましても当然のことだとは思うのでありますけれども、しかしこのことをやはり具体的に意見を述べられるとするならば、私は当の責任者である運輸大臣がこのことについて態度を明らかにするのがほんとうではなかろうか、こう思います。環境庁長官がこのことを言われただけでは、これは私は不適当だと思いますので、この際運輸大臣のこの大石長官の発言についての意見をいただきたいと思います。

丹羽喬四郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(丹羽喬四郎君) コンコルドの今回のデモンストレーションにつきましては、これを許可するかどうかということも私慎重に検討した次第でございます。しかしながら、そういったような英仏両国で一生懸命新しい技術というものを検討して、せっかくフィリピンまで来て日本まで来るというのを、やはりそういったものがわれわれの日本にも寄航いたしまして、有識者にこれを直接見てもらって、そしてそれの検討をしてもらう機会を得ることも必要であるということで私は日本に飛来する場合には速度を下げて、超音速で飛行しないということを条件にいたしまして、三日間でございますか四日間でございますか、デモンストレーション・フライトを許した次第でございます。したがいまして、私は非常にその点は慎重でございます。しかし何しろスピード化ということで、ただいまイギリスまで十四時間で行くものが七時間になるというようなことになりますると、やはりお互いの生活圏の範囲も非常に狭まってぐる、こういうことでございますし、これがやはり騒音の問題あるいは大気汚染の問題、こういったものが同時に解決をすれば、これは非常にやはり望ましいことではないかというふうに思っておる次第でありますが、現時点においては試作の段階で、いま新聞その他におきましても騒音がひどいのでは百十九ホンにも百二十ホンにもなる。こういうことでございまして、とてもまだ実用の段階ではないというふうに私どもは考えておる次第でございます。また、ちなみにいま衆議院で御審議願っております航空法の一部改正案におきましても、そういった超音速飛行機の国内の航行を禁止するという方向でいま案文をつくりまして御審議願っておりますので、現時点においてそれらのものを直ちに日本におきまして許可をするというようなことは考えていない次第でございます。これはまた、実用化するにも私は相当年数が要るというふうに思っておる次第でございます。

伊部真日本社会党

○伊部真君 時間の関係もありますから、私は端的にお答えをいただきたいと思うのでありますが、やはり騒音の問題なりあるいは排気ガスの問題なり、たいへんに大きな問題だと思うのであります。しかもいま成田空港の問題をめぐって非常に住民側としてはそれについて神経をとがらせておるところであります。したがって私がお答えをいただきたいのは、これはいまの日本の国内に飛来をしておる、発着をしておる騒音の程度なら、これは問題ないのでありますけれども百二十二ホン、これが十ホン減ったとしても私は住民側としてはこんな飛行機は日本に来てもらいたくないという気持ちではなかろうかと思うのであります。そういう意味で今日の状態でたとえ十五ホンあるいはその程度の修正が現実になされたとしても、日本の上空を通すわけにはいかぬというようにお答えをいただけるかどうか、その点をもう一度お答えをいただきたいと思います。

丹羽喬四郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(丹羽喬四郎君) ただいま御質問いただきましたとおりでございまして、私どもいまの基準でもなるべく低くしたいということが念願でございます。少なくとも、いまの基準を超えるようなものは許可をいたさないつもりでございます。これははっきり申し上げておきます。

伊部真日本社会党

○伊部真君 わかりました。  それではいまの本論に入りまして、国鉄の再建計画について質問をいたします。  前回のときに、私は質問をして回答を受けたのでありますけれどもその回答について私、どうも不十分であると思いますので、もう一度重ねて質問をいたします。  それは今度の新しい十カ年計画のこれからの旅客の人員の増加あるいは貨物の増加というのは、かなり大幅にみておられるわけです。人キロでいきますと、これから十年間では一五四%の増加ということです。トンキロ、いわゆる貨物の関係でいきますと、一八八%の増加をするということの見通しをしておられる。これは必ずしも的確であるかどうかということは議論のあるところでありますけれども、私はあまりにもこれは過去の実績から離れておるとと思うんです。この間も言いましたが、過去の実績——十年間の実績をいいますと、総人員でいいますと、この十年間伸び率なしです。それから人キロでいきますと——キロをかけたところでいきますと、この十年間で三六%という増加率ですね。これはこまかい点では一%、二%違うかもしれませんが、大体その程度です。  それから貨物の場合でも総トン数でいったら、この十年間ではゼロです。そうして、トンキロでいきましても一二%の上昇です。およそ一八八という数字は、私は、どこから出たのかと言いたくなるわけであります。同時に、この数字を出しておきながら収人の伸びの点におきましては、これは、運賃の値上げの時点では二二・七ないしは八という数字でありまして、それ以外の年度は七%前後という運輸収入の伸びというのが出ております。で、これは私、過去の十年間の実績を見てみると、確かに運輸収入の面では過去十年間も運賃値上げ以外のときには六%ないし七%の上昇率であります、年率上昇というのは。したがって、上昇の分では過去十年間の実績というものが運賃収入、金額の面ではとられているわけですね。で、わからぬのは、なぜ運賃収入は過去の実績どおりにコンスタントに六%、七%という上昇でそのまま定着さしておいて、片っ方のほうの数量だけが伸びたデータが出ておるのか。数量が伸びて人員が伸びというなら当然に運賃収入も伸ばしていってその計算が出てこなきゃいかぬはずです。なぜ運賃収入がそのままで、そうして数量だけが伸びるという計算が出ておるのか。この点をもう一度明らかにしていただきたい。

磯崎叡日本国有鉄道総裁

○説明員(磯崎叡君) 非常に専門的なお話でございますので、担当の森垣経営計画室長から御答弁させます。

森垣常夫日本国有鉄道経営計画室長

○説明員(森垣常夫君) いま先生からお話のございました十年間の輸送量の伸びのことでございますが、私たちは、いままでやってまいりました適去の十年間の旅客の輸送量の伸び率は大体四%平均で伸びております。再建計画——現在やっております再建計画の伸び率を計算いたしましたときのいろんな輸送需要の想定では、四・七%ということで輸送需要の想定をいたしました。それが、今回の新再建計画と申しますか、現在の試算におきましては四・三%という平均輸送量の伸び率で収入をはじいてございますので、過去の十年間並びに現在やっております再建計画等の実績その他を勘案いたしますと、輸送量の伸び率につきましてはそれほど過大な数字にはなってないんじゃなかろうかというふうに考えております。  それから、貨物につきましては、過去の十年間の伸び率が、これは先生御存じのとおりに、国鉄の全貨物でいきますと非常に停滞しておりまして、過去十年間におきましてはわずか〇・三%しか伸びておりません。したがいまして、再建計画をつくりますときには、四十四年度をスタートといたしまして、その後の十年間の輸送量の伸び率を五%ということで想定いたしたわけでございますが、その後、再三総裁からもお話がございますように、貨物につきしては、輸送構造の変化に対応いたすべくいろんな施策を講じまして、貨物の輸送システムの根本的な変革をやっていくということを前提にいたしまして、コンテナ、特にフレートライナーというものの伸びを非常に高く見ております。コンテナの輸送量につきましては、三十六年から現在に至りますまでに、これは数量は非常に少ないわけでございますが、三七%という非常に大きな伸びを来たしておりますし、それから運輸省がいろいろおやりになりました総合交通体系の中におきましても、今後のコンテナ輸送につきましては、フレートライナーを中心といたしまして輸送量を非常に大きく見ていくということ、それから体質改善というものを勘案いたしながらこの輸送量を伸ばすということでやっておりますので、その辺を勘案いたしまして今後の十年間につきましては少なくも二二%程度の輸送量の伸び率というものを見て差しつかえないのではなかろうかということで、今回の長期収支の前提といたしたわけでございます。したがいまして、全貨物輸送量につきましては六%の輸送量の伸びということになっておりますが、その大きなもとはコンテナの輸送状態、その他、物資別輸送の個々のものの積み上げその他を勘案いたしまして全体として六%という想定をいたした次第でございます。

伊部真日本社会党

○伊部真君 私は、個々に年度ごとにそれを、数字を争ってもしようがないと思うのでありますが、私は相対的に言って、いわゆるこの昭和四十四年に発表された十カ年計画のときの数字とも今度は違いますし、そうしてこの到達点で何を目標にしてこの一八八%という数字が出てくるのか、どうもよくわからぬわけです。そこで私は、その個々については私もう議論をやめますけれども、しかし国鉄から見て日本の全体の貨物輸送量というのはどのように見ておられるのかですね。で、数値というのはいろいろ出ているわけですね。新全総の百三十億トンから百五十億トン内外のと、新経済計画なりそれから今度の総合部会答申と、この三つ出ておって、どうも私らでも六十年度は何をほんとうにたよりにしていいのかということで迷うわけでありますけれども、国鉄としてはどの数値、どの計画を根拠にしてこれから計画をお立てになろうとされておるのか、その点をお聞きをいたしたいと思います。

森垣常夫日本国有鉄道経営計画室長

○説明員(森垣常夫君) ただいま私が申し上げました数値は、たとえば運輸省が出しました総合交通体系におきます六十年におきます全旅客輸送量がどれだけであるから数値がどれだけというふうな考え方とは切り離しまして、国鉄独自で過去いろいろ需要想定につきましてもいろんな指標がございます。その指標と過去におきます輸送量の相関関連というものは、比較してまいりますと国鉄が現在いろいろ需要想定に使っております一つのモデル式がまあやや合っているということでございますので、いま先生からお尋ねがございました将来のGNPの伸び率あるいは国民の支出の伸び率等との関連はもちろん考慮はいたしておりますけれども、そのモデル式の中にそういうものが全部入っておりまして、そういうものとの関連から想定いたしました過去の想定がそれほど食い違った大きな数値にはなっておらないということでございますので、旅客につきましても貨物につきましても、一応この想定が目標達成値として達成し得るのではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。  最終目標でございますが、全輸送量の中で、これでいきますと、国鉄の貨物輸送量は現在一九%ということになっておりますが、これがほぼ二〇%近くの貨物輸送量になるというふうに想定されますので、それほど大幅なアップということでも必ずしもないであろうというふうに考えておる次第でございます。

伊部真日本社会党

○伊部真君 私はもうここで、これで討議は、やりとりはやめたいと思うのでありますけれども、私は、国鉄が出されたこの資料というのは、非常に失礼な言い方だけれども、そのつどそのつど違う。五十三年度を目標にしたあの当時の数量と、それから今度のいわゆる新しい新計画の数量とは、同じ四十七年をとって、あるいは同じ五十三年度をとっても相当に違い、実績を見るとまた違いがある、相当な格差があるということは、私はやはり数量——トンキロだとか、あるいは総トン数という貨物数量なんかの推定の問題については、やっぱり実際に担当しておられるわけですから、あまり希望的観測を大きく入れて、そんなに結果的に開きがあるというふうなことのないようにしていただかないと——私は、極端な言い方からすれば、十年間に貨物は二億トンしかなかったのがいかにも三億二千万トンになるような話をして、そうして実際には全然前進がなかったというふうなことになりますと、私はやっぱり国鉄が出す資料に対する信憑性というものを疑います。同時に、再建のためにいかにも十年間たったらりっぱに立ち直るというふうな、一般的な交通事情なり輸送の機能というものが非常に問題点のあるときに、いかにもそこだけはりっぱに成長するような、そういう暗示の与え方をするような資料の出し方は、私はあまり好ましくないと思う。もっと素直に、もっとやっぱり現実的なデータを出していただくということがほんとうではなかろうかと思います。その点は、私は、もう表を見ていただければ、数字を見ただけで皆さんもうおわかりでありますから、ぜひひとつそういうことでお考えをいただきたいというふうに思います。  それから、具体的な内容に移りますが、この間あるところまで私は質問したのでありますが、いわゆる地方閑散線の問題であります。この間、質問をいたしまして、まあいわばここに御出席の委員の方に関係の多いところをかなりお聞きをしたのでありますけれども、私は、そういう意味ではこれの回答について非常に関心を持っておられると思うので、個々にお聞きをいたします。  たとえば福岡の室木線、香椎線、勝田線、佐賀線、唐津線、世知原線、臼ノ浦線、添田線、香月線、それから宮原線、日ノ影線、この辺までいくと福岡ははずれるかもわかりません。この点について、個々にこれからは廃止線の中に入るのか、入らぬのか、お答をいただきたいと思います。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) 前回も申し上げましたが、地方閑散線につきましては、認定の基準をつくりまして、そうしてその認定の基準に当てはまった線を認定をするということでございまして、その認定の基準といたしましては、輸送量の点から見ましてランニングコストで比較して自動車輸送のほうが経済的であると認められる輸送密度がある、あるいは過去の輸送量が停滞をし、あるいは減少しているかどうかというようなこと、そういうふうな輸送量の面から見まして、国民経済的に自動車に移したほうがいいというようなものにおきましても、地元の便益を著しく阻害するというようなことであってはいかぬわけでございますから、したがって、代替輸送ができるかどうか、代替輸送が可能であり、そして廃止によって公衆の利便が著しく阻害されるおそれがないかどうかというようなことを十分に考え、そのためには道路の状況、あるいは鉄道輸送の特質といたしまして非常に短時間に大きな輸送をすることができるわけでございますから、したがって、そういう短時間の輸送、ラッシュ時の輸送等におきまして自動車輸送でもたえられる程度の輸送量であるがどうかというようなことをまあ調べる。さらに、非常に豪雪地帯でございまして、従来の鉄道線路をとるということによりまして地元の交通の足というものの冬期間の確保ができないというようなことであるかどうか、さらに、当該地域についての国家的な開発計画というようなものによりまして輸送量が増加するかどうかというふうなことを検討しなければならぬ。さらに、現在建設しております新線建設との関連、その関連で建設を続けて行なわれるべきものというものとの関連も考えなければならぬというような、各般の点を考えるわけでございまして、したがいまして、そういう意味におきましては、この基準、たとえば輸送量についての基準にいたしましても、さらに掘り下げてこれを演繹していかなければならない性格のものでございます。したがいまして、ただいま先生の御指摘ございました九州におきます各線につきまして、具体的にこれがその認定をする中に入るかどうかという点につきましては、今後検討してまいりたいと思います。

伊部真日本社会党

○伊部真君 私は、どうしても鉄監局長に答えていただきたいと思って、何べんもこれ言っているわけでありますけれども、前の四十三年の十一月のときに発表された八十三線区、二千六百キロの後に、その後この基準というものがいろいろ議論をされて、たとえば一日の乗客は六千人をめどにするとか、あるいは貨物においては千五百トンを一応の基準にするとかというようなことが議論されたり——先ほど局長も言われたように、あるいは豪雪地帯の問題だとか、新幹線の問題だとか、そういう点を考えると、豪雪のところは除く、あるいは新線建設のところは廃止線のところから除くという話になりますと、当然にこれは三千六百キロよりも減らなければいかぬわけでしょう。それが三千四百キロというのが依然としてあるんです。三千四百キロの議論があって後にまたこの基準が議論されたというなら、三千四百キロというのは相当に減らなければいかぬわけですね。そういう意味で私は、どことどこが減るのか、どことどこのが残るのか。局長は検討中と言われるけれども、これは基準がきまり、そして検討する項目がきまっておるわけですから、たとえば九州のこの線はそれに当てはまらないので、依然としてこれは廃止予定線の中に入っているということは、何もそんなに長い間かからなくても、局長は専門家ですから、すぐにおわかりのはずなんです。ですから、私はやっぱりある程度答えてもらわなければ、三千四百キロを基準にして議論していいのかどうか、これがわからなくなってしまう。したがって、これはもう少し具体的に三千四百キロのうちこの点は疑問だけれども、ここの点は大体確実にやはり従前どおりの予定線の中に入って残っておるというようなお答えをいただかないと——そうしないと、この三千四百キロというものをほんとうにわれわれはまともに考えて議論していいのかわかりませんから、その点を明らかにお答えをいただきたいと思います。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) 例の八十三線区、二千六百キロという、前に称せられました線でございますが、これにつきましては、国鉄の諮問委員会——国鉄総裁の諮問機関でございまする国鉄諮問委員会が道路輸送への転換を適当とすると考えての一応の考え方を出したわけでございまして、これは政府なり国鉄がそれを想定した考え方ではございません。ただ、そういったようなものが出ております。それで、今回の考え方というのも、基本的な方向といたしましては違わないわけでございますが、さらに私どもといたしましては、この認定というのは、先ほど申しましたような点に留意をする、あくまでも国民経済的な面というものに留意をしたところの基準、認定がなければならぬというわけでございます。そうして、たとえば先ほど申しましたように、ランニングコストで比較して自動車のほうが経済的であるというような輸送量であるということを一口に申しましても、それがどういうようなことでそれを考えたらよいか非常にむずかしい点があると思います。そこで、ただいま先生の御指摘がございますので、もう少し詳しく申し上げますと、たとえばそういう考え方といたしまして、当然ランニングコストということになりますと、両者とも償却の問題を考えないで、資本費を除くコスト計算というようなことを考えていく必要がある。そうして、その場合には、当然車両の資本費というものは、これは当然含むものとして考えて、そういう前提に立ち、そして鉄道側の原価、自動車側の原価をはじきます。その場合に、鉄道側の原価なり自動車側の原価をはじく場合には、当然輸送量との関係でございますから、したがって、輸送量との関係における原価の考え方といたしまして、原価を固定費と変動費というものに分けるということにいたします。そうして、その固定費につきましては、その固定費はどういうとり方をするか、これは非常に問題があるわけでございますが、たとえば施設費についてはどの程度まで固定費としてそれを算入するか、あるいは電気費につきましてはどの程度までこれを算入するか、営業費の中で駅は固定費の中に算入するか、あるいは操車場の経費などはどの程度まで算入するかというようなこと、あるいは管理費は固定費とするとかというようなことによりまして、固定費の原価の計算の方式を求める。それから、次に変動費の考え方といたしまして、たとえば先ほど申し上げました施設費等につきましては、変動費としてどの程度まで線路工夫の費用その他につきまして、これを固定費として見るかとか、あるいは電力工手のものをどう見るかとか、あるいは駅なり車掌区の扱いはどういうふうに考えたらいいのかというようなこと、あるいは運転区の経費はどのように両者間に配分をするかというようなことを検討いたしまして、その上で、それによって人キロ当たり、トンキロ当たりの変動費を求めるというようなことによりまして、鉄道の原価の計算式をつくります。そういうつくりました計算式に基づいた一定の数式というものが一方にできるわけです。それから一方には、今度は自動車側の原価というようなものを考えていきます場合には、この場合にも資本費を除くという考え方でございますから、道路に関する費用というものをどのように配分していったらいいのか、たとえば道路に関する、道路の補修費はどうするのか、あるいはいわゆる改良の費用というものはどの程度までこの中に入っていったらよいのかというようなものを考える。ただ、自動車についての運送経費というようなものをどのように考えていくかというような計算式をつくりまして、その二つの計算式によるところの一種の不等式でございますが、そういう不等式を解析をいたしまして、そうして鉄道と道路というようなものがどの程度までのものについては有利かというようなものを計算をするという作業になるわけでございます。そういう作業になってまいりますものですから、したがって、その具体的な構成要素であるところの各般の部分というものを全部そういう考え方で緻密に積み上げていかなければならぬものでございまして、その上で、それに従って具体的な線をそれに当てはめるということに相なるわけでございますから、したがいまして、具体的な線が、ただいまこの線はどちらに該当するかというようなことを申し上げるのは非常に困難だということでございます。

伊部真日本社会党

○伊部真君 これは具体的な線をどうしても局長は言われぬわけでありますけれども、しかし四十七年は二百キロをなぐするということを具体的に言われているわけでしょう。私は、基準がきめられて、そうしてその基準の内容について個々に当たっていくということで時間的にかかるというんなら、これわからないではないんです。しかし、その八十三線区と明らかにし、三千四百キロという数字が出、そうして四十七年二百キロという廃止予定線という、ここは出ているわけですね。綿が出て、距離が出て、そうして中身がないというのは、私はどうしてもわからない。それは当然に中身があったから八十三というような数字が出てくるのであって、八十三が先に出て中身があとから出てくるというようなばかなことはないと思う。そういう意味で考えますと、やっぱり、これはどうも中身で、腹には持っているけれども、ここで発表することは困るというふうにとれてしょうがないのでありますけれども、その点はそうならそれで明らかにしていただくということが必要ではなかろうかと思います。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) 中身といたしまして、八十三線区と決定をしているわけではございません。ただ、三千四百キロというのは、予算の積算といいますか、その閑散線の廃止の目安というものをつけまして、そうしてそれによって今年度二百キロの予算の積算ということにしたわけでございます。それで、その三千四百キロをどうきめたかということにつきましては、ただいま申し上げましたような基準によりまして、大まかに五千二百キロ程度のものをまず第一義的に考え、そうしてその中から、あとで申し上げました各般の事情というようなものを考え合わした上で三千四百キロ程度を廃止をするということを計上したわけでございます。したがいまして、具体的な線名をきめまして、その線名の営業キロ程を積み上げてやったものではございません。

伊部真日本社会党

○伊部真君 どうもその辺は、私は納得ができないわけでありますけれども、もう一つそれじゃお聞きしますが、八十三線区三千四百キロ予定し、その赤字見込みとして基礎数字は百五十億といわれておりますね。これもやはり具体的な線なり営業係数というものが出て、それで計算されたんではなかろうかと思うのですが、その点の関係をひとつ説明をいただくことと、もう一つは、もしもそういうこの基準があいまいな形になりますと、たとえば五年後になりまして、そうしてもう一ぺん見てみたら、この営業係数から見ていろんな要素が加わりますから、やはり赤字線が出てきたということになりますと、これは五年後にまたしても廃止線が出てくるのではないか。これは収支の問題から考えてみますと、基準、線の引き方によってはいつの場合でもその廃止というものが浮かんでくるわけですよね、何年後でも。そういう点について、私は、一体廃止路線としていわれた八十三線区、二千六百キロ、これは線名が明らかですからね、そこの沿線におる住民としてはたいへんに不安だと思うんです。したがって、これはこれ限りなのか、そういう点についてお答えをいただきたい。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) まず、先ほども、ちょっと申し上げましたが、八十三線区がきまって、それによって三千四百キロというふうにしたのではございません。線区の数等はきまっておらないということでございます。先ほどのような基準で考えるというのが第一点でございます。それから第二点に、営業係数によってこれをどうするという考え方ではございません。これはあくまでも国民経済的な意味におきまして、輸送量が少ない、そのために道路輸送のほうが国民経済的に見て有利であるというように考えられるものという前提を置いて、そしてこれを計算をしていくということでございます。その認定をいたしまして、そうしてその認定をしたものにつきまして、これを五年計画で廃止を進めてまいる。その廃止を進めてまいる段階におきましては、地元の十分の御了解というものを得つつ廃止を進めてまいるわけでございますが、五カ年計画でその廃止を進めてまいるということでございます。とりあえず現在の国民経済的な観点に立っての認定というものをすると、こういうことでございます。

伊部真日本社会党

○伊部真君 この点は、衆議院でもだいぶ議論、質問があったようでございますけれども、局長、具体的な中身を明らかにされぬようでありますから、これはまた私はあとでも質問をしていきたいと思います。  次に移りますが、国鉄のこれからの設備投資のあり方についてでありますけれども、まあ赤字は、国鉄の近代化の場合にやはり一つの問題——というのは、確かにこう新幹線も問題でしょうけれども、複線電化というこの具体的な、いわゆるふだん着のオーソドックスなやはり近代化という問題について、もう少し力を入れるべきでないのか。複線の場合には、日本の場合はかなり諸外国からおくれて、二四%程度だといわれております。イギリスを例にとりますと、九七%という数字が出ておるわけなんです。そうしますと、やっぱり国鉄のいまの貨物の輸送力の伸び悩みだとか、あるいは通勤関係だとかいう問題についても、在来線がかなりその機能的に十分な機能を果たしておるのかどうか、その原因は複線化がおくれておるからそういうことになっておるんではなかろうかというふうな気がいたしますので、その点についての御見解を総裁から御説明をいただきたいと思います。

磯崎叡日本国有鉄道総裁

○説明員(磯崎叡君) いま先生のお示しのとおり、これから国鉄はほんとうに再建できるかどうか、これは数字の問題は別といたしまして、国鉄機能として再建できるかどうかというキーポイントは、今後七兆に近い投資を何を重点に投資するかということが一番やはり大事なことだというふうに、私も全くそのとおり思っております。それで、新幹線につきましては一つのパターンができつつあるわけでございますが、私どもは、新幹線と同時に、また新幹線はもう十年間でできる距離は大体きまっているわけです。したがって新幹線を必要としない、あるいは当分新幹線ができない地域における在来線の強化、これが非常に必要であるというふうに思っておるわけでございます。そうしてちょっと数字をごく簡単に申し上げておきますが、過去の、いまやっております再建計画は十年間で三兆七千億、これは前に御決定願った数字でございます。今度はもうこれが四兆六千億、新幹線をもちろん除きましてです。そしてこの内容をちょっと対比しながら申し上げますと、通勤輸送は大体五千五百億と五千三百億、それから新幹線が前の計画は九千三百億で、今度の計画八千三百億、これは山陽新幹線だけでございます。  それからその次に問題は、いま先生のおっしゃった在来線の強化でございます。これがいままでの計画では一兆一千四百億、それを二兆一千七百億に増額いたしております。そのほか合理化、近代化、これは両方とも一兆七、八百億——一兆八百億と一兆七百億、これはほとんど同じでございます。したがいまして、三兆七千億をふやしまして四兆六千億にしました。そのほかに、四千億の一応ゆとりを持っております。これはもう少し状況を見た上で貨物の近代化に使うのがいいか、あるいはいまおっしゃった在来線の強化をもっとやったほうがいいか、これはもう少し模様を見てからきめるべきだということで、四千億ほどの保留を持っております。そのほかに新幹線が二兆でございますが、ごらんのとおり、幹線輸送力増強はほとんど倍とは申しますが、八割増しぐらいの数字にいたしております。この趣旨は、大体の目標を、いわゆる幹線筋につきましては、全線複線はなかなかできませんし、また、場所によって必要でないところもございますので、まず電化をしてしまう。そうして隘路区間を同時に複線化するということを一つのプリンシプルといたしまして、大体十年間で全国の幹線筋の電化が約九〇%、複線化が約六〇%というふうな計画を立てまして進んでおるわけでございます。ことしの十月一日に裏縦貫が全部電化いたします。いままで電化されてなかったのが秋田と新津の間でございますが、これが十月一日に電化が完成いたしますが、同時にその中で隘路区間である数カ所につきましてはこれを複線化するというふうな形で、複線化のほうは全部一挙にやる必要はございませんが、電化は一挙にやりませんと使えませんので、そういうふうなテンポでもって、電化及び部分複線化ということに重点を置いて、そうして新幹線の及ばないところ、あるいは当分新幹線のできそうもないところについての幹線輸送力を増強していきたいというのが、今度の投資計画の相当大きな眼目であるというふうに申し上げていいと思います。

伊部真日本社会党

○伊部真君 続いて、今度の合理化の中身の一つでありますけれども、新しい十カ年計画の中で旅客駅の無人化の問題。当初大体、五千駅のうち半分程度はなくしたいというふうな話がありましたが、それがまあかなり修正されました。それから、いわゆる中間のノンストップの問題というのが出てまいりました。この旅客駅のこれからの合理化といますか、それはどのように考えておられるのか。それからもう一つは、貨物駅の集約の問題であります。貨物駅の場合は、私は前の十カ年計画のときには現在駅というものを、拠点駅をたしか百ですか、それから補助駅を三百、それから物資別専用駅というものを千ぐらい、合計合わせて千四百ぐらいの駅にしたいという話がありました。これはたいへん大きな改革だと思うのであります。同時に、これはその住民なり、そこに貨物駅を持って業務を行なっておる国鉄の労働者、あるいは通運関係の労働者、あるいは中小企業の採算面からくるその業者というものの影響というものはかなり大きいものだと思うのでありますが、そこら辺の問題についてどうお考えなのか、お答えを願いたい。

原岡幸吉日本国有鉄道理事

○説明員(原岡幸吉君) まず旅客駅の停留所化といますか、これはお客さんが比較的乗降が少なくて、それでいろいろな条件を総合勘案して、別に駅員を配置しておかなくてもいいじゃないか、こういうような実態がかなりあるわけでございます。それで、駅といたしましては、四十五年、四十六年、四十七年、それぞれ停留所化の計算あるいは実施といたしまして二百七十六あるいは三百十二、四十七年は六百四十八と、こういうような計画をいたしておるわけであります。そのほか、職員でなくて、部外に委託した駅の形の運営のほうがサービス上からも欠陥もないし合理的じゃないか、こういうようなことで、委託駅もかなり考えております。  貨物の問題でございますけれども、集約ということばで取り扱いの場所を集中しておるわけでございますが、四十五年度において三百八、四十六年度において三百九十三、四十七年度において五百五十九、まあ合わせまして千二百六十ということになりますか、これも発着の貨物の量その他、隣の駅との距離あるいは道路状況等々総合的に勘案いたしまして、できるだけサービス面において不便のない、そしてまた逆に近代的な鉄道機能が発揮できるというような積極的な面、これらを総合勘案して、こういう計画をつくっておるわけでございます。しかしていま貨物につきましてそういうような四十四年度の計画と、いま私が申し上げたような計画あるいはまた別な計画等々、いろいろあるじゃないかというような御質問じゃなかろうかと私は思うわけでございますが、四十四年度の計画の時点ではそれぞれの計画を持っておりましたが、それから、また、いろいろ貨物の問題につきましては、ことに積極的に、何といいますか、協同一貫輸送といいますか、複合ターミナルといいますか、物流の近代化に即した設備、ソフトウエア、それを積極的に進めていかなければならない、こういう観点から、現時点では物理的に非常に積極的な複合ターミナルとして整備する拠点駅を約四百、こういうぐあいに考えておりまして、これには積極的な複合ターミナルとしての投資をし、その他いま申し上げましたその数との比較につきましては、もちろん整備をしないというわけではございませんですけれども、協力一貫輸送、複合輸送、近代的な輸送を高めるという意味において、非常に積極的に整備する駅を四百、このように計画をしていろいろ具体化を進めておるわけでございます。

伊部真日本社会党

○伊部真君 いまお話がありましたが、それは旅客駅についても、貨物駅についてもやはりその集約をされる場合の基準といいますか、そういうものがあろうかと思うのでありますが、そのたとえば乗降客の人員だとか、あるいは扱い量だと、あるいは廃止、あるいは無人化をしますときの手続、その地方自治体なんかとの関係についてはどのようにされるのか、その点をお伺いいたします。

原岡幸吉日本国有鉄道理事

○説明員(原岡幸吉君) お客さんあるいは荷物の量、これは一応の基準といたしまして考えているわけでございます。旅客駅の場合には乗車人員一日八百人というようなものを一つの基準として考える。あるいは貨物の場合には一日の発着八十トンというような貨物駅については、より統合して別の体系のほうがいいんじゃなかろうか、こういうまあ一応の数字的な基準は持っておるわけでございます。  なお、この停留所化の問題あるいは貨物の駅を統合するという問題につきましては、利用されておる方あるいは荷主さん、あるいはそこで働いておられる通運業者の方等々非常に関係が大きいわけでありまして、地域の全体についても非常に影響がある。そういうことでございまして、いま申し上げたような数的な基準のほかに、いろいろ、道路の状況とか変わったサービスをどういうぐあいに提供したらいいか等々、できるだけサービスに不便のないように、そして逆に積極的に近代的な機能を果たせるような積極的な面、これらをいろいろ総合的に具体的に考えましてその内容を地元によくお話をいたしまして、そして、不便になる場合には暫定的にその不便を解消する方法はないか、あるいは、将来こうなるといってもいま急になるわけじゃないから、何か特定なものについては特定な方法がないか、あるいは特定のお客さんの動きについては便宜停留所を設置するように駅員を配置することによって安全輸送に配慮しなけばれいけないじゃないか等々、いろんな観点からあらゆる問題を整理いたしまして、地元と十分話し合って納得をいただいて、御協力をいただいて進めさしていただいている、こういう状況でございます。

伊部真日本社会党

○伊部真君 引き続いて、これからの輸送についていま少し……。  原岡常務理事のほうからお話がありましたが、私は、やはり貨物のこれからの輸送はたいへん議論の多いところだと思うんであります。端的に言いまして、昭和六十年に、もしも、総合交通の答申にありますように二百億トン、いわゆる総トン数で四・二倍、それからトンキロで五倍というふうなことになりますと、これは、いまのトラックでほんとに消化ができるのかどうか。いまの道路事情でほんとうにそれが消化ができるのかどうか。たとえそれが海運にいって、内航にいったとしても、いまの状態で設備投資が追いつくのかどうか、私は、石油の消費だけでも、道路上は公害がまき散らされるし、たいへんなことになろうと思うんであります。そういう意味では、これはたいへんな問題がありますけれども、いずれにしても、物量の相当の伸びということを考えなきゃならぬと思います、しそこで、国鉄の貨物輸送が果たす役割りというのものについて、私はたいへんに大きな議論をしなきゃいかぬことだと思う。いまのような二億トンがピークで、そのまま全然もう伸びない。それでこれだけやかましく言われて、四十七年度でようやく、前の計画でも二億四千万トンの計画をしたけれども、やっぱり二億トンだと、これではもう五年たってやっぱり、三億二千万トンぐらいにしたかったんだけれども、どうにもならなかったというだけでは、これ、何にもならぬ。というよりも、たいへんにいいかげんな数字になってくると思うんです。そういう意味で、やはりこれは具体的に貨物輸送の対策なり設備投資というものを考えていかなければならない。私は、私の手元にあります運輸省が出しましたいわゆるハードからソフトへという形への輸送の体系というものが変化をしていくということ、これは私も十分理解ができるわけであります。そこで、そういう輸送の変革に対して国鉄はどうされるのか。  具体的に言いますと、たとえば専用化という形が出てくるでしょう。専用化の形は、私はいまの輸送の大宗というのは、やはり専用化される物資がたいへん多いと思うんです。ここが勝負のしどころだと思うんでありますけれども、この専用化についてどのような対策を持たれるのか。それから、いわゆるいまの物資別適合輸送方式というものがありますね。いわゆる別会社をつくってやられておりますけれども、あの形というものもこれから踏襲していくのかどうかということ。それからもう一つは、貨物駅三千駅あるやつを、それは確かに千五百にすれば回転がよくなりますから、したがって、荷物を受け入れる容器というものは大きくなることは確かです。しかし、ほんとうにその程度で幾らぐらい伸びるのだろうか。いま国鉄の貨物の伸びないのは、そういうところに問題があるのか、集荷力に問題があるのか。それから、荷主さんにとって、それは価格の問題だとか、あるいは早さの問題でそこら辺に問題があるのか、やっぱり原因の究明というものをはっきりつかんでいかないと、貨物駅を集約した、入れものは大きくしたが荷物は来なかった。あるいは荷物は一生懸命集めるつもりだったけれども持ってきたら貨車がない。いわゆる入れものがないためにそれはだめなのか。そこら辺がどうもはっきりしないので、その貨物というものを、これから変わってくる専用化輸送に対してどのような受け入れ態勢をとり、それから伸びない原因をどのように分析されておるのか、お答えをいただきたいと思います。

原岡幸吉日本国有鉄道理事

○説明員(原岡幸吉君) 伊部先生御専門であられるので、なかなか原因やなんかについてもいろいろはっきりした分析を持っておられると思いますが、国鉄なりの分析を申し上げたいと思います。  前提といたしまして、国鉄の貨物二億トンと、こう申しますが、これは、大ざっぱに申しまして、そのうちの約一億トンが、いわゆる第一次産業物資といいますか、いわゆる原材料品的な物資でございます。それから残りの一億トン、これが、いわゆるまあ第二次産業製品といいますか、いわゆる雑貨ともいわれる、そういうかっこうでございます。そうして、長年、ここずっと二億トンであるという内容は、端的に申しますと、一番多いときには年間に四千五、六百万トンの石炭を送っておったわけでございますが、当今は千三、四百万トン、その他木材、鉱石等々、いずれにしましても、いわゆる第一次産業製品、これが十年ほど前は約六割を占めておった。これが現在は四割を割るというような傾向になっておるわけでございまして、要するに、一次産業製品が減りまして二次産業製品でその減り方をカバーしておる。そうして総量としては二億トンをささえておる。これは産業構造の変化でございまして、その産業構造の変化に非常によくマッチしていなかったという結果ではございますが、多少なりともマッチしようとしておった、こういうことになろうと思います。  これからの貨物の動向といたしましては、ただいま伊部先生から御指摘がございました専用化ということはもちろん一つの方向でございますが、しかし専用化でもってすべてのものが解決するわけではございません。ことに一億トンの雑貨輸送というものにつきましては、専用化といっても量的にそう多くなるものではございません。昔から石炭というものはほとんど専用化で四千五、六百万トン送っておったわけでございます。現在も、石灰石あるいは鉱石等々、専用化で送っております。で、専用化ということは、国鉄の輸送機能といいますか、これは大量・直行・安全にスピーディに、こういう機能を一番発揮できるゆえんでございまして、そのためには、貨車も、その荷物の事情に合った貨車が必要でございますし、発着のターミナルもそういうものが必要でございます一そういう意味で、非常に大宗な流動に対しましては昔から専用化ということでやっておったわけでございまして、今後もそういう意味の専用化は大いに積極的に進めていかなきゃならない。しかも、経済が大型化になっておりますので、非常に大宗な流動がよりふえると思います。こういう意味の専用化はこれからも進めます。  そのうちの一つといたしまして、これ、伊部先生から御指摘がございました別会社をつくって専用化を進める。これは石炭やなんかでは別会社をつくってやらぬでもいいわけでございますけれども、別会社をつくってやるということによって、専用化が、何といいますか、可能になる、こういうものもあるわけでございます。そういうものについては、すでに専用化という、専用化を形成する意味において別会社をつくってある程度やっておりまして、すでにやっておるものは出発して五、六年、六、七年たっておりますが、出発して五、六年、四、五年たちますとようやく成果が出てきております。そうして、そういう意味で、今後の専用化といたしましては、いわゆる別会社をつくることによって専用化ができるような物資の集め方、集まり方、これをしなければいけない。そういう意味のターミナルの整備、あるいは別会社による集荷の体制、こういうものは一つの方向として進めていかなければいけないと思います。しかし、これを、いま具体的に、何の物資についてどういうふうにするということにつましては、きもう少し事態の推移を見て、流通の近代化の過程において具体化していかなければならない問題だ、こう思うわけでございます。  しかして、貨物の赤字の原因は何かという話にあれされると思うわけでございますけれども、いま申し上げましたように、一方では専用化、一方では非常に小さい流動の物資が集中化されるというための共同一貫輸送といいますか、ターミナルの整備といいますか、そういうターミナルの整備が先ほどの貨物駅の集約という問題になりますが^そういう物理的な、集まる場所を大いに整備をしていく、これが一つでございます。  しかし、それだけであっては、先生御指摘のように、まさに何の効果もないんであって、口をあけて待っているということでございまして、第二番目は、やっぱりそれを利用しやすいようにするソフトウエア、もっと具体的にいいますと、運賃、料金、しかも国鉄だけを考えた運賃、料金じゃなくて、競争関係ということばが適当がどうかわかりませんですけれども、物流の実際に合ったようなことをよくわきまえたソフトウエアの体制、近代的なソフトウエアを整備していく、これが第二番目じゃなかろうか、こう思います。もっと端的に言うと、運賃、料金の弾力的な適用というようなことばもあろうかと思います。  第三番目は、そのようなハードウエアなりソフトウエアのもとにおいてこれを積極的に生かせるような集荷の体制といいますか、これが非常に大切だと思います。この集荷の体制につきましては、国鉄がじかに集荷の力を発揮するということも一つの方法かと思いますが、貨物の場合には特に競争関係といいますか、もっと商的な事情を勘案した活動をしなければいけない。そういう意味において、そういう商的活動ができるような体制の集荷の機能といいますか、こういうものを国鉄で吸収しながら国鉄のサービスを充実していく、こういうぐあいなことが、これからの国鉄が貨物輸送ということのサービスの基本として考えていかなければならない方向じゃなかろうか、かように考えております。

伊部真日本社会党

○伊部真君 私は、専用化の場合に、これがまあ、おっしゃるように、二億トンのうち六割をこえるのではなかろうかと思うのでありますけれども、いずれにしましても、石炭が少なくなって、そのかわり自動車がふえたり、あるいは石油がふえたりという形でありまして、専用化の対象物というものが必ずしも減っているわけではないと思います。したがって、これがどうして機械化されていくのか、それがこれからの大きな勝負どころではなかろうか。トラックに勝てるのは、国鉄でなければ輸送できないようなもの、あるいは機械化されてそれが省力化されるようなもの、こういうものに重点を置いた場合には、必ずしも私は、悲観的な材料ばかりではない、そういうところにやはり投資というものを相当に考えるべきではなかろうかというふうに思うわけです。いずれにいたしましても、専用化の問題はその辺で。  次に、一つの問題点としては、やはり共同一貫輸送方式というものがこれからの問題点だと思います。言われましたように、残っている貨物は、コンテナ貨物というのがこれからの伸びの一つの問題点だと思います。共同一貫輸送方式に一番合う方式としては、やっぱりコンテナ化だと思います。その意味では、最近、コンテナが大体三万九千個、約四万個ぐらいにふえたということでありますし、総トン数でも一千万トンをこえた。当初の八百万トンの予定よりもこえたわけでありますから、かなり成功したとは思うわけですが、問題は、この共同一貫輸送方式というのが、運輸省が考えておるように、その複合化、あるいは自動車ターミナルによっての貨物全般の中で果たすべき自動車の役割り、国鉄の役割りということになってまいりますと、個々の結びつきがどうなるんだろうか。たとえば、複合ターミナルを越谷のほうへつくるというふうなこともありますし、あるいは大井につくるということもありますが、同時に、国鉄は国鉄自身でコンアナのデポをつくるというふうなことで、別な形で国鉄はデポをつくる。片っぽうのほうでは、運輸省のほうの誘導行政によって自動車ターミナルをつくっていく。これがばらばらに行なわれますと、必ずしも私は役割りとして、完全というか、能率的に果たせないのではないかというふうに思います。したがって、そういう意味で、共同一貫輸送方式について、トラックとの関係ですね、あるいは船における、大井その他レールと船との結合、こういうところはどのようにお考えなのか。私は、まあ端的に言って、全部が集まって、共同出資で、どこかで共同の設備をつくっていくというふうな立案を、そういうふうに総合的にやっていかないと、運輸省の自動車のほうは自動車で計画を立てる、あるいは海運のほうは海運で立てる、国鉄は国鉄で立てるということになりますと、事実上、共同一貫輸送方式というのが合理的な役割りを果たしてこないのではないかというふうに思いますが、この点は私が国鉄だけに言うのも何でありますが、これは全体としてお答えがいただければ幸いかと思います。

丹羽喬四郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(丹羽喬四郎君) ただいま私、ちょっと治療のため中座いたしまして申しわけございません。  途中から承りましたが、先生の御指摘のとおりでございまして、総合交通体系からいたしましても、おのおのがやはり具体的にその特質を生かしまして、そうしてやはり均斉なる、整合のとれた交通輸送機関にしていかなくちゃならぬと思う次第でございまして、これはただに国鉄だけに申してもしかたがない次第でございまして、私、運輸行政の担当者といたしまして、先般来の御指摘は十分にわかっているつもりでございまして、どうしても陸運、海運それから航空、この三者がいかにおのおの持ち分を生かしてやっていくかということでございます。ただいま御承知のとおり、大都市間の交通につきましては、新幹線並びに航空というものが両者併存をいたしまして、しこうして、おのおの自分の特質を生かし、利用者にある程度の選択をまかせるというかっこうで、新幹線網あるいは航空網を整備するということになっておる次第でございまして、また、都市間長距離輸送につきましては、これも新幹線その他国鉄の特性を生かしていきたい。大都市の通勤通学輸送につきましては、これはまあ、御承知のとおり、国鉄がその任務を担当し、また私鉄も担当しておりますが、また、新しい首都圏あるいは近畿圏、中部圏等につきましては、ただにそれだけでなく、地下高速鉄道網の確立というようなものもいたしてこれをやっていかなくちゃならぬ、こういうふうに思っている次第でございます。  また、貨物につきましては、先般も御指摘がございましたが、陸上トラック輸送、それからまたあと国鉄の中長距離輸送、これの間の勘案をいかにするかということがほんとうに一番の問題でございまして、先般も御指摘いただきましたような、要するに白トラが横行している、これがやみ運賃を取っている、要するに価格体系を非常に乱す、こういうことでは、ほんとうにやっていけないと思う次第でございます。もう私どもその点で十分勘案をいたしておりまして、先般も先生から御指摘いただきましたように、白トラにおきましても、大企業で自家用のトラックを非常に使う、自家用なら何でも許す、しかしながら、これが平生におきまして大企業の需要で余ってくる、下請のそういったような大企業のあれをしているものが仕事をなくしまして、大企業の専用でなく、ほかの方面にも使ってくる。それがやはり運賃を乱すというようないろいろの問題がございます。したがいまして、この自家用トラックにつきましても十分の規制を加えていかなくちゃならぬ。また、やみ運賃につきましても十分の規制を加えていかなくちゃならぬ。また、先般から御指摘がございまして過積みにつきましても、あるいは計量器を早急に具体的に実情に合ったものをつくらせまして、それでもって、その過積みに対するところの取り締まりを厳重にする、これは警察庁とも十分連絡をとらなくちゃいかない次第でございますが、幸い最近は、警察庁、それから道路局、建設省、私のほうで、大都市の交通につきましていろいろ会議をやっております。その機会にもそれを申し上げまして、また、私どものほうといたしましても、カーフェリーにつきまして、カーフェリーで上がってきたものは過積みでもしかたがない、それは法規もないというふうな点がございますが、それらも整備をするというようなことをいたしまして、おのおのの特性を生かしてということにいたしまして、国鉄も特性を生かしていくという方途を講じていかなくちゃいかぬ、これはずうっと前からの御指摘がございます。私も運輸行政の責任者といたしまして、どうしてもその方向に、適正なるところの運行方法と、そうして適正なるところの運賃体系、それをやはり守らなくちゃいかぬということが一番根本でございます。それらを十分に私どものほうでもって検討いたしまして、そうして適正なるところの指導、取り締まりをしていくということによりまして運行の正常化をはかっていくというふうに思っている次第でございます。

伊部真日本社会党

○伊部真君 私申し上げておるのは、もう少し具体的に申し上げますと、これからの輸送、いわゆるこの二百億トンというところにまでいかなくても、かなりの伸びを示すとすれば、たとえその四・二倍が半分の二倍になったとしても、いまの状態ではたいへんだと思うんですよ。そういう意味で、最近言われているように、いわゆるこのハードからソフトへという形でこの中間の輸送というものについてのもっと合理化をせなければいかぬということに言われておるわけですね。そういう意味では、運輸省が考えているような、あるいは計画がいま出されている内容というのは、私は大きな変化を来たすもんだと思うんですが、ほんとうにそこへ資金を入れるなら。金も何にも入れなくて、それ文章だけならあまり効果はありませんけれども、ほんとうにそういうやる気なら、私はかなり効果があるんではないか。いわゆるこの大工業基地と都市間の輸送、あるいは都市間輸送、あるいは貿易港と都市間との輸送、さらに都市の外周部におけるターミナルの設置と、ここで加工、保管が行なわれるということになりますと、輸送が交差をして、そしてむだな輸送というものがある程度なくなるのではないかという意味では、私はたいへんに構想としてはいいと思うんであります。そうなりますと、そういうことをほんとうにやっていこうと思ったら、かなりの資金投資をし、そしてそこへ国鉄のほうの荷物も結びついていかなければならぬだろうと思うんです。そういう全般の輸送というものを計画をするものが、どこか一カ所でなければいかぬのではないか。いまのところは諸外国のように交通省というのがありませんから、どうもそういう点は、運輸省の自動車局のほうでこれだけりっぱな図面ができて、これは私このままいったらほんとにたいへんにいい図面だと思うんですよ。四つ、五つのやつが固まってターミナルを一ぺんやったら、四カ所ぐらいの経費が全部なくなるわけだし、それから都市の周辺でも、新方式といわれるあの図面でも、いかにもあれで整理されて、こうすうっと荷物が、輸送がある程度少なくなるわけでありますから、したがって、たいへんな合理的になるわけでありますけれども、心配なのは、それじゃ何をするのか、設備がどれだけのところへ何を金をかけていくのか、ターミナルの計画があるけれれども、ほとんどそのターミナルは、海運ほどにやってくれとは、あるいは港湾ほどにはやってくれとは言わぬでも、相当な資金が投下されるのかと思ったら、ターミナルというのはみんな民間資金で、これは必ずしもその政府のほうで力を入れているとは思えないし、国鉄のほうのを考えてみると、そういうものは文章になっているけれども、しかしデポその他は独自に出ていくんで、いわゆるコンテナ基地のデポとそれとの結びつきというのはまた別な話なんです。そういうことを考えますと、やっぱりこれはどっかで一本で物流についての大きな計画というものを立てて、そうしてそこへ相当の資金投下をすべきだ。私は、そういう意味では、一つの提案といいますか、私の私案でありますけれども、その場合に非常に大きな役割りを果たすのは、私は国鉄の用地だと思う。国鉄の設備だと思うんです。たとえて言いますと、汐留の設備がありますが、あの設備をほんとうに物流のために提供して私は提供するということは何も無償で出せというわけではありませんが、あすこにたとえば一階はレールを私はシカゴREAというところを見てきたのですが、なかなかあれは合理的でした。地下には郵便車が入る、一階にはレールが入る、二階に行きますとトラックが入る、三階は今度は、向こうではありませんけれども、たとえば倉庫をつくるとか、何も私は、やっぱり国鉄ですからね、デパートをつくるようなこと考える必要はないと思うんですが、しかし、そういう設備をして、そうしてそこで、まあ汐留だけではありませんが、そこへいま言っている計画というものを実行さしていけば、国鉄さんはそれに対する貸し金としての収入が上がるだろうし、そうして輸送体系としても、私は、いまこの晴海だとか、ああいうところへ——大井なんかでもちょっと無理だと思うんですよ、この都心の非常にふくそうしたところを中を通ってああいうところへ行かなくても、いまの設備を活用していくなれば、かなりの設備があるし、あるいは国鉄としても収入の道があるんではなかろうか、そんなことを考えたら、やっぱりこれはぜひひとつ一本での物流の計画を立てていくべきではなかろうか。そうでないと、私はまあ端的に言って、意地悪い言い方でありますけれども、国鉄はこれから伸びます、貨物は伸ばしますと言っても、私はどうも信用ができない、十年間に全然伸びなかったんだから。そうすると、結局、行政がなくて、町にはいわゆるマイカー、マイトラックがはんらんをして、非常に効率の悪いものがはんらんをして、そうして最後には車をとめなきゃならぬという、スモッグでとめなきゃならぬというようなことになってきて、たいへんにこの行政のおくれがくるんではないか。私は、そういう意味では、大胆に次の時代の物流に対する方式というものを考えるべきではないか。そういう意味では、国鉄も虚心にいまの許備をどんどん出して、そうして運輸省なら運輸省がこれを一貫して物流の対策、これからの十年間というものを考えるということができないもんだろうかと思うのでありますが、その点はいかがですか。

丹羽喬四郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(丹羽喬四郎君) 実は、いまの御指摘のとおりでございまして、まあ国鉄自身といたしましても、今度は貨物輸送につきましては思い切った輸送方法につきまして近代化をやる。御承知のとおり、ヤードの近代化、そうしてまた小駅の統合というようなことをしまして、中長距離貨物輸送のほんとうの直通化をはかるということを考えておる次第でございます。私はまあ、これはひとつ思い切ってやらせなくちゃいかぬ、そのためには相当の資金を投ずる、国鉄自体もそう考えておる次第でございますが、その点はぜひともやってもらわなくちゃいかぬ。そうでなければ、もう国鉄の貨物輸送というものは、私はほんとうに先生御指摘のとおり伸びてこない、率直に申しまして私はそう思っておる次第でございます。  実は、具体的なことを申し上げまして恐縮でございますが、私の選挙区におきましても、常磐線の貨物の統合、私はいままでは、運輸省に行くまで事情がわかりませんでしたものですから、反対の立場でいたんですけれども、これはやむを得ぬということで私は賛成をいたしまして、これをすでに実行に移さしております。これどうしてもやらなければ、国鉄がやはり貨物輸送としての特徴が私はいかないと、こう思っておる次第でございます。  それから、いま言ったターミナルの問題、この物流のいろいろな問題、私もこれはそのとおりでございまして、その点では、実は私は、陸上輸送につきまして、要するに特別会計を今度つくりて、そうしてやはりこういったものを、五カ年計画みな財源ございますから、具体的に申しますと、重量税というようなものをあれしまして、これは国鉄も何かも、あるいはまたトラックもある、それからまあ海というものもございます。これは総合的に勘案をいたしまして、それらに思い切った資金を投入した、重量税をあてにした陸上特別会計をつくろう、こういう案も私ども考えた次第でございますが、ただいまのところ重量税は目的税じゃないから、それではっきりするわけにいかぬと、こういうようなことで、今回はちょっと見送りにした次第でございます。どうしてもやはり総合的にそれらの問題、国鉄、それからまた陸上貨物輸送、それからまたあるいは海運といったようなものにつきまして、拠点拠点にやはりこのターミナルを設け、それからその倉庫の配置もする、いろいろの都市計画に伴ってそれらのものをつくっていく、オーガナイズなものをつくっていくということをやはり私はやってこなくちゃならない。これはどうしてもやはり早急にそれらの具体化をはかっていかないと、いま先生がおっしゃったような非常にむだができてくる、一貫作業ができない、これせっかくただいま計画をいま運輸省でしている次第でございます。いずれ草案ができましたら、いろいろまたお知恵も拝借いたしたい、こういうふうに思っておる次第でございます。実は、私ははっきり申し上げますと、国鉄でまあいろいろ赤字でございますから、ほんとうに不用地をこれ売却することは、これはまあやむを得ぬ、それでやはりいたずらにそういったものを持ってもしかたがございませんが、私はやはり、国鉄は国有鉄道でございますから、公共企業体でございますから、土地というようなものの財産、これはまあ実際はいま計画は六十億ぐらいでございますからあれでございますが、大体におきましては私はあまり賛成ではない次第でございます。やはり公有地というものは、できるだけ保有する。これは、十数年前に私が建設委員長をしていたときに、全党一致して、やはり土地対策につきまして、公有地その他はできるだけ持ちまして、こういう方面にできるだけ使うということを決議をしておる次第でございます。私もその方向は賛成でございます。これはもうほんとうに不用地でもって持っていてもあれだ、それから地元の人がこれはやはり公共的にこれを使うためにどうしても必要だ、こういうものはあれでございますが、できるだけやはりそういったものは、できれば国鉄自体がそういったような公共の面に、いまおっしゃったような面にお互いに協力してやっていくというふうに使うことが必要でございまして、いまもう非常に赤字に苦しんでおるときでございますからあれでございますが、一、二の問題につきまして、そういってせっかくのあれを民間にいたずらに売却するという方向には、私は実際は個人としてはあまり賛成じゃないということでございます。いま先生がおっしゃったような方向に、ぜひ公共的な面にいませっかく持っておるものを使っていく、これがやはり交通体系といたしましては私は非常に好ましいことだと、こういうふうに思っておる次第でございます。

磯崎叡日本国有鉄道総裁

○説明員(磯崎叡君) ただいま先生から総合ターミナルのお話がございました。例として汐留の例がございました。非常に汐留の問題は種々よそさまでしかられるのでございますけれども、ただ私は、あの土地がわりに海に面していい土地だから、すぐにマンションをつくるとか、あるいはあそこにショッピングセンターをつくるということには、賛成いたしてないのでございます。やはりあの汐留の貨物駅、年間二百万トンぐらい扱っておりますので、あれ自体を移すとなりますと非常なばく大な金がかかりますので、私はたいへん御迷惑でも汐留の貨物駅は移さないと、しかし、約六万坪から七万坪ございますので、あの上をやはり東京の南のほうの貨物ターミナルとして鉄道とトラックとの総合的な結節点にしたいという一つの夢を持っています。まあいわば大きなビルをつくるにいたしましても、下から五階ぐらいは全部貨物に使う。上のほうが余ったら貸しビルでもオフィスでもいいというふうに考えておりますけれども、それからたまたまあそこには高速道路がそばを通っております。規模は小さいですが、一応羽田の一号線が通っておりますが、それとの連結も考えるということで、私は、汐留という土地は、いまの国鉄の貨物駅を中心として、そして上にトラック、倉庫という総合的な一つの貨物の結節点をつくるべきである。同時に、いま計画いたしております大井の埠頭がございます。これとどういうふうに分けて使うかということも考えなければいけませんが、それもいろいろ案を持っておりますので、大井との総合的な使用のしかたも考えた上で、非常に汐留というのは場所がいい場所で、あそこから市外に持っていくにはほとんど運送費が非常に少なくて済むというふうなこともございますので、汐留につきましては、トラックと鉄道の総合ターミナル、そうして物流の拠点というようなかっこうでひとつやってみようじゃないか、単にマンションやショッピングセンターは私はごめんだというふうな考え方を持っております。そういう意味で、何か、さっき大臣がおっしゃったような公共の全般の輸送の役に立つような、物流の役に立つような設備に今後投資をしてまいりたいと、民間のもちろん力をかりまして総合的なセンターをつくってまいりたいという、まだ具体的に、絵をいろいろかいてはおりますけれども、まだ経営形態その他ははっきりいたしませんけれども、場所としては、非常にそういう意味で物流に使ういい場所だと私は思っている次第でございまして、今後そういう方向で具体化を考えてまいりたいと思っている次第でございます。

木村睦男自由民主党

○委員長(木村睦男君) 午後七時十分再開とし、これにて休憩いたします。    午後六時五分休憩      —————・—————    午後九時四十四分開会

木村睦男自由民主党

○委員長(木村睦男君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。  まず、請願第四七号九州新幹線の鹿児島までの早期実現に関する請願外百九十六件を議題といたします。  本委員会に付託されております百九十七件の請願につきましては、理事会において協議の結果、第四七号九州新幹線の鹿児島までの早期実現に関する請願外十三件の請願は、いずれも願意おおむね妥当と認め、議院の会議に付することを要するものにして、内閣に送付するものと決定することに意見が一致いたしました。  理事会の申し合わせどおり決定することに御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

木村睦男自由民主党

○委員長(木村睦男君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。  なお、報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

木村睦男自由民主党

○委員長(木村睦男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

木村睦男自由民主党

○委員長(木村睦男君) 次に、継続調査要求に関する件についておはかりいたします。  運輸事情等に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

木村睦男自由民主党

○委員長(木村睦男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

木村睦男自由民主党

○委員長(木村睦男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

木村睦男自由民主党

○委員長(木村睦男君) 次に、委員派遣承認要求に関する件についておはかりいたします。  運輸事情等に関する調査のため、閉会中、委員派遣を行ないたいと存じますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

木村睦男自由民主党

○委員長(木村睦男君) 御異議ないと認めます。  つきましては、派遣委員、派遣地、派遣期間等の決定は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

木村睦男自由民主党

○委員長(木村睦男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  暫時休憩いたします。    午後九時四十七分休憩  〔休憩後開会に至らなかった〕      —————・—————

国会会議録検索システムで原文を見る ↗