運輸委員会 第5号
- 発言数
- 168 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1972/04/25
会議録
○委員長(木村睦男君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。 理事の互選についておはかりいたします。 委員の異動に伴い、理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行ないます。 選任の方法は、先例により、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(木村睦男君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に鬼丸勝之君を指名いたします。 —————————————
○委員長(木村睦男君) 次に、委員の異動について御報告いたします。 昨二十四日、田渕哲也君が委員を辞任され、その補欠として中沢伊登子君が選任されました。 —————————————
○委員長(木村睦男君) 北海道開発のためにする港湾工事に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。丹羽運輸大臣。
○国務大臣(丹羽喬四郎君) ただいま議題となりました北海道開発のためにする港湾工事に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。 北海道において国または港湾管理者が港湾工事を実施する場合の費用にかかわる国の負担割合につきましては、従来、北海道開発の推進をはかる見地から他の公共事業と並んで特例措置を講じてきたところでありますが、北海道における公共事業全般にかかわる国庫負担の特例に関する調整措置の一環として、昭和四十七年度から港湾工事にかかわる国の負担割合を調整することが今回の改正の趣旨でございます。 次に、改正案の内容について御説明申し上げます。 第一に、国または港湾管理者が北海道開発のためにする港湾工事に要する費用のうち、外郭施設または水域施設の建設または改良に要する費用については、国がその全額を負担することと規定されているのを十分の九・五に改めることとしております。 第二に、この改正に伴い、離島振興法の港湾工事にかかわる費用負担に関する規定及び特定港湾施設整備特別措置法の特定港湾施設工事にかかわる費用負担に関する規定について、附則によりそれぞれ所要の整備を行なうこととしております。 以上が、この法律案を提案する理由であります。 なお、この法律は昭和四十七年四月一日から施行することといたしておりましたが、衆議院において「公布の日から施行し、昭和四十七年度の予算から適用すること」と修正されております。 何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。
○委員長(木村睦男君) 本日は、本案に対する趣旨説明の聴取のみにとどめておきます。 —————————————
○委員長(木村睦男君) 運輸事情等に関する調査を議題といたします。 この際、運輸大臣から発言を求められておりますので、これを許します。丹羽運輸大臣。
○国務大臣(丹羽喬四郎君) 国鉄及び私鉄の春闘状況を御報告申し上げたいと思います。 鉄監局長をいたしまして御報告いたさせたいと思います。
○政府委員(山口真弘君) 国鉄の関係でございますが、国鉄の動力車労働組合、国鉄労働組合は、いわゆる順法闘争と称しまして、サボタージュを続けまして、国民生活に多大なる影響を与えておりますことは遺憾でございます。すみやかに労使双方が解決のための話し合いを進めまして、列車の円滑な運行が確保されるよう、国鉄当局を指導してまいりたいと存じておるわけでございます。 まず、動力車労働組合の順法闘争でございますが、動力車労働組合は、三月十五日に山陽新幹線開通に伴いまするダイヤ改正に反対して、三月四日から十日まで、東京国電区間を中心としたいわゆる順法闘争を行なったわけでございます。その後、国鉄当局が昨年の暴力行為等に対する処分を四月三日に行ないましたことから、動力車労働組合は、四月三日から、これらの処分撤回及び安全運転闘争と称して、さらに闘争をエスカレートさせました。連日、東京地区の国電を中心としてダイヤを乱すほか、操車場等におきまして緩慢作業を行なってきたものでございます。 この間、四月三日に、国鉄総裁は、動労委員長に対しまして、ATS闘争と称するサボタージュ行動を中止するよう申し入れますとともに、これを行なった場合に、断固たる処置をとる旨申し入れたわけでございます。 なお、四月三日から十八日までの列車への影響でございますが、運転休止になりました旅客列車千三十九本、貨物列車九千三百七本、遅延いたしました旅客列車二万一千六百六十八本、貨物列車六千八百八十六本でございます。 次に、国労、動労の順法闘争でございますが、国労、動労は春闘の一環といたしまして四月十九日からいわゆる順法闘争を行なっております。なお、国労は二十一、二十二日は参加をしておりません。現在もなお引き続いております。そうして、二十七、二十八の両日は大規模なストライキを行なうという模様でございます。 なお、この間、運輸大臣といたしましては四月二十一日に国鉄総裁に対しまして万全の対策を講ずるよう指示したところでございます。 四月十九日から二十四日までの列車の影響は、運休いたしました旅客列車九百五本、貨物列車四千四百八十七本、遅延いたしました旅客列車一万二千八百八本、貨物列車三千六百七十九本でございます。 次に、ベースアップに対しまする回答でございますが、昨日、二公社五現業に対しまして平均六千八百七円の賃金引き上げの回答を行なったわけでございますが、国鉄は非常に経営状態が悪くて、また、目下上程中の運賃法及び再建法の改正案も審議中であります。また、懸案の合理化事案も労使間で解決の見通しがついていませんので、現段階では遺憾ながらベースアップについて回答ができないという状況でございます。 次に、私鉄関係でございます。 私鉄総連傘下の大手の私鉄は、三月十日、四十七年度賃金引き上げの要求といたしまして一万八千円の賃金引き上げ要求書を提出いたしました。四月四日以降数回にわたりまして交渉を続けておりましたが、四月二十一日午後に至りまして経営者側から六千七百円のベースアップ賃金の回答をいたしたわけでございますが、組合側がこれを拒否したために経営者側は二十二日午前、中央労働委員会にあっせんの申請を行なったのでございます。しかし、組合側があっせんに応じなかったために、中央労働委員会は自主交渉を継続するように教示いたしました。これによりまして同日十七時三十分から自主交渉を再開いたしました。交渉を行なったわけでございますが、解決を見ないままに二十二時十五分交渉を打ち切りました。二十三日の始発から東武、京成、営団、南海、京阪、阪急、阪神の七社が第一波二十四時間ストに突入したわけでございます。このほか京王帝都電鉄、名鉄、近鉄、西鉄の四社が集改札ストを行ないました。 このストによりまする影響人員は約六百八十万人と推定をされております。一方、ストを実施しなかった東急、京浜、小田急、西武の輸送状況につきましては、日曜日でありましたために特別混雑したところは見えませず、平常どおりの運行が行なわれた模様でございます。 他方、中央労働委員会は、二十四日午前、職権あっせんに乗り出す旨を宣言いたしまして、二十四日、二十五日、引き続き労使の事情聴取を行なっている段階でございます。 以上、御報告をいたします。
○委員長(木村睦男君) これより質疑を行ないます。御質疑のある方は順次御発言を願います。
○小柳勇君 労働省の労政局長に質問いたしますが、ただいま運輸省の鉄監局長が報告しましたように、私鉄につきましては中労委が職権あっせんを行なっておるようでありますが、その現状及び見通しについて報告を求めます。
○政府委員(石黒拓爾君) 二十四日の午後、中労委会長は私鉄総連及び大手十三社に対しまして職権あっせんを行なうことを通告いたしまして、同日午後から事情聴取を開始いたしました。十三時四十五分から十五時三十分まで私鉄総連と大手十三社——ただし西鉄は欠席しておりますが、したがって十二社でございます、この合同の事情聴取を行ないました。十六時から私鉄総連組合側のみの事情聴取を行ないました。本日二十五日には午前中、集団交渉、九社の会社側から事情聴収を行ない、午後は京浜、京成、名鉄、西鉄の対角線交渉、四社の事情聴取を行なう予定というふうに承知いたしております。
○小柳勇君 見通し、なかなか労働省としても困難でしょうが、今後の進展状態についてどのように考えておられるか伺いたいと思います。
○政府委員(石黒拓爾君) 見通しはお説のとおりなかなか困難でございますが、中労委といたしましては国民大衆に対する迷惑を回避する上からも、ぜひともこの争議を早期に解決いたしたいということで石井会長以下非常な決意をもって事に当たっておられるというふうに承知いたしております。しかしながら労使の主張の懸隔というものはいまなお非常に大きゅうございますので、あっせんは非常に難航をするのではないかということで事態は楽観を許さないというふうに私は思います。
○小柳勇君 私鉄労使間の解決の問題はあとで質問いたしますが、公労協関係の労使が公労委に調停申請したという話を承っておりますが、その後の実態について労政局長から報告願います。
○政府委員(石黒拓爾君) 公企体等の関係につきましては、昨日、御承知のごとく二公社五現業当局がいわゆる有額回答をいたしまして、昨日中には全逓が調停申請したと聞いております。本日、大多数の組合が調停申請をする予定であるというふうに聞いておりますが、どの組合が調停申請をしたかはまだ確認をいたしておりません。若干のものは明日にずれ込むものもあるという予定でございます。
○小柳勇君 さっきの私鉄関係の労使間の関係について労働省の見解を聞いておきたいのですが、去る二十三日の日曜日に関東、関西の大手の七社の労働組合が第一波の二十四時間ストライキをやりました。これは九年ぶりの日曜ストライキでありまして、ただいま運輸大臣からの報告にありましたように、影響人員は六百八十万人と書いてありますが、新聞はほとんど八百万から九百万の影響だと言っている。その原因は、中央集団交渉九社が自主交渉で解決しなければなりませんのに、一万八千円の賃金要求に対して昨年と同額の六千七百円を提示した、したがって組合側は挑戦的な低額回答であるとおこってこれを拒否した、そして第二次交渉もついに世間から自主交渉能力がないのではないかと、そういうふうに批判されるような事態にあった。言うならば日経連などの指導する低賃金政策で、大手私鉄が国民の足を守るという立場を忘れて、また自分の会社に働いている労働者の労働条件を確保し生活を安定させる、その上で公共的な交通機関を守るという立場を忘れて、他の経営者に対するメンツ、そういうものにとらわれて、現在の経理状態でそう、この六千七百円よりも上の金額を出せないとは世間も判断しておらないのにこれで押し切ってきた、そこに日曜日のストライキの原因があると世間の人も考えているし私もそう考えるが、公共的な交通機関をあずかる私鉄経営者が、そういうふうな態度をとったことを、労働省としてはどのように把握しておられるか、お聞きしておきたい。
○政府委員(石黒拓爾君) 私鉄の労使それぞれの主張につきましては、それぞれいろいろ言い分があると承知しておりますが、私どもの立場からその言い分を一々御紹介して、それに対していいの悪いのと申し上げる筋合いではございません。いずれにいたしましても、私鉄のストライキというものは非常に国民大衆に影響するところが大きゅうございますので、労使双方が互譲の精神をもって極力歩み寄って、すみやかな解決につとめることがきわめて望ましいというふうに考えております。二十三日の事態につきましては、労使双方とも歩み寄る段階に至らなかったことは、私どもとしても遺憾でございますが、中労委のあっせんに入りましたこの段階におきましては、極力双方が互譲の精神を発揮をして、良識をもって事態の解決に最大の努力をしてもらいたいものと切望しております。
○小柳勇君 非常に楽観的な発言ですけれども、労働省として、労使間の自主解決といいましょうか、いわゆる労使紛争の間に労働省としては中立的な立場をとりたいというようなおもんばかりがありましょう。そういうものを発言の中に読み取れますが、ただ、交通機関が日曜ストライキをやるのを、いわゆる労働問題の政府の一番中心的な責任者である労働省が、なぜもっと積極的に労使紛争のいわゆる自主解決ですね、自主交渉、自主解決の基本原則を、経営者のほうにもあるいは労働者のほうにも、労働省として行政指導するだけの熱意がないのか。かつてれわれは労働大臣とたくさん交際してまいりました。大きな闘争になればなるだけ、労働大臣、労働省が本気になって早期解決のために努力した例がたくさんあります。ただいまの労政局長の発言の中にはどうも客観性のほうが重くて、早期解決と労使間の自主解決に対して、このように行政指導しましたという発言がないわけです。私はあの翌日の新聞論調を何度も見ましたけれども、そういうものを労働省に対しても感じましたし、政府に対しても感じます。政府に対しましては、あとで官房長官を呼んでおりますから、官房長官に意見を聞きます。また追及しますけれども、労働省は責任者ですから、もう少し積極的に自主解決の基本原則を貫くべく努力すべきではないか。中労委がいま職権あっせんに入っておりますからということで、もちろん中労委は立てなければならぬ、しかし、あくまで自主解決ということが基本原則ですよ。その上でどのように行政指導されるか、もう一回聞いておきたい。
○政府委員(石黒拓爾君) おしかりを受けましてたいへん恐縮でございます。私ども非公式には労使双方にいろいろな機会に接触がございますので、その際に、今回の争議につきましては、自主的にかつ平和的に解決されるよう最大の努力を尽くされることを要望いたしておりますが、表立って労使双方に対して大臣からどうこうということはいまだいたしておりません。ただいまのところは中労委のせっかくのあっせんに期待しておる次第でございますが、今後の推移につきましては、先生の御注意も十分念頭におきまして対処いたしたいと思っております。
○小柳勇君 その問題に対する要望としては、日経連が現在の低賃金政策を強硬に押しつけるために、私鉄経営者団体に対しても相当の圧力をかけ指導しておると思う。国民の足を守っておる公共機関の経営者、私鉄大手が、そういう他の団体に対するメンツ、そういうもので自主解決の方向を延ばすとするならは、私はこれは言語道断だと思う。したがって、こういう発言があったことを労働大臣にもお伝え願って、早期に解決するべく、特に六千七百円などという昨年並みの、アップ率としては少ない昨年並みの金額を提示した、こういうところに根本的な紛糾の基礎があると思いますから、早急に行政指導を強めてもらいたいということを要望しておきます。 次に、公労委の調停のタイミングと賃金決定のあり方、こういうものに対して私ども長い経験からいろいろ矛盾を感じておりますが、労政局長どのようにお考えであるかお聞きしておきたい。
○政府委員(石黒拓爾君) 公労委もまた中労委と同じく独立の第三者機関として独自の見解を持って労使間の紛争を解決すべきものということでございますが、しかしながら公労委の相手方というものは、片や政府関係機関であり片や労働組合でございまして、同時にまた公労委事態が最終的には仲裁という強い権限を持っておるということで、中労委とはおのずから行き方を異にしておる、常に紛争の最終解決の責任を持っておるというふうに考えております。しかし、公労委がいかにプリンシプルを持って賃金紛争を解決するかということは公労委みずからがお考えになることでございますが、過去数年におきましては、三十九年以来民間賃金準拠ということに労使の意見が一致しておりましたので、公労委におきましてもそのような方針で賃金紛争の解決に当たったと承知いたしております。
○小柳勇君 公労委は中立機関であるということは私も十分心得ながら発言いたしておる。したがって、あとは要望でありますが、公労委に調停申請が持ち込まれてまいるでありましょう。二十七日、二十八日の交通関係機関のストライキは、史上最大のものであると予想されております。したがいまして、いままでのような、例年のような公労委のあり方では、この二十七、二十八日のストライキを回避することはできぬのではないかと私は懸念をいたします。したがいまして、使用者は持てる力を最大に出して、現在の労働者の低賃金をよくしてやる、そして安心して働ける職場をつくってやる。また労働組合も、たとえば国鉄労働者などは二万一千円、私鉄は一万八千円、これだけの要求をいたしております。それだけあらなければ現在の安心した生活はできないし、いわゆる世間一般の文化的な生活もできないという計算のもとに出しておる要求ですから、簡単に引き下がらないでしょう。しかし、そこにはおのずから長い間の一つの歴史的な経験もありますし、試算もありますから、したがって歩み寄れるものは歩み寄って、一日も早く争議が解決をして国民の足を守ると、そのように、いままでより以上に公労委も中労委も真剣にひとつ問題に取り組んでもらうように労働省は行政指導してもらいたいと思う。その点についての見解を聞いておきたい。
○政府委員(石黒拓爾君) 御指摘のごとく、今回計画されておる争議行為は、これは公労法に反するものではございますが、ともかく国民大衆に非常に大きな影響を与えるものであることは十二分に承知いたしております。公労委といたしましては、異常なる決心を持ってこの解決に当たるというふうに承知しております。しかしながら、例年でございますと、民間賃金が大体きまってから公労委にかかってまいりますが、今回は民間賃金の動向がほとんどわからないままにかかってくるということで、公労委としては非常に苦労であるということで、非常に頭を悩ましておるというふうに承知いたしておりますが、それにもかかわらず公労委としては最大の努力をしてくれますことを、私どもとしては衷心から期待しておりますし、公労委もその期待にこたえてくれるものと思っております。
○森中守義君 関連。 ちょっと労政局長、いまの小柳質問の繰り返しみたいになりますが、この当事者能力というのをどういったようにお考えなのか、どうも私にはわからない。つまり、こういうことでしょうね。調停機関あるいはあっせん機関があります。そこに直ちに持ち出せば、それでもう責任はのがれる、あとは調停あるいはあっせん機関において処理してほしい、こういう経営陣の出方というものは、むしろ私は問題をこじらかす最大の原因じゃないか、こういうふうに思うのです。つまり一万八千円の要求にはそれなりの根拠を持っている。ところが出された回答が六千七百円である。三分の一若干ですね。そこで何回交渉が継続されたのか、寡聞にして今回の場合は、非常に深刻な双方の団体交渉というものが大詰めに入ったという印象を受けないのですよ。そこで、六千七百円というものが、各社各様に経理状態違うでしょうけれども、ただもうこれ以上はもう絶対いけませんと、重ねて交渉に入るような配慮もしないで、いきなり機関申請というようなことになれば、何のため団体交渉というのがあるのか、一体当事者能力とは何なのか、少なくとも私どもが第三者的な立場から観測をしてみましても、穏やかじゃありませんよ。つまり団体交渉に対する誠意、誠実というものはどこにあるのでしょうか。ただ、あっせんあるいは調停機関があるから、すべてそこにまかせればいい、こういうことなら何も団体交渉要らぬじゃないですか。そういうことを、一体、労使間のかなめの役である労働省の行政裁量としては、どうしても理解できない。それに、いま小柳君が言いますように、何か第三者的な、そういう立場から少し見過ぎるのじゃないか。むしろ経営者のほうに、経理状態がどうなのか、六千七百円がぎりぎり上げられないものであるかどうか——さっき局長も言われましたね、あまり内容的なものには立ち入っていないような表現がありましたけれども、要するに当事者能力というものが最大限に発揮される、数回、数十回にわたって内容が洗い上げられて、どうしても折り合いがつかないという場合に、あっせん機関あるいは調停機関の機能が発動される、むしろ現行法の機関の機能というものは、そうだと思うのです。ただもう出して一発回答をやる、話がまとまらなかったらそうやってくれというのでは、機関の機能の発動として軽率過ぎますよ。むしろ、たいへんしつこいようですが、何回も何回も慎重に中身の検討を加える、それで完全にデッドロックに乗り上げたという場合に、機関の機能が動き出すというのが私は現行法の精神であろう、また労使間のあるべき姿ではないか、まあこういうように思う。ところが、昨今の傾向は、そういうことがどこかに忘却されてしまって、つまりは当事者能力というものが放棄されている。何か変則的なものがあたりまえのように通念化されている、こういう気がしてならない。そういう意味では、労働省の責任というものは私は完全に果たされているとは思えない。だから、こういう作業の段階に入る前に、いま少し労働省としてやるベきことがあるのじゃないか。ただ、その背景をなす経営陣がどういう背景を持っているか、労働組合がどういう背景を持っているか、そこまでこの場では触れませんけれども、一応形だけ見ても、どう考えてみても、当事者能力というものは完全に生かされているとは思えない。これでは将来の日本の労使問題というのは一体どうなっていくのか、こういう危惧の念を持つのであります。こういう意味で、現状のこういうことが具体的な事実として容認できるかどうか、労働省はこれでよろしいかどうか、どういうふうにお考えになっていますか。少なくとも一回の回答で、あとはぽんと機関に申請をする、こういう姿勢というものは適当じゃありません。どういうようにお考えになりますか。
○政府委員(石黒拓爾君) 私鉄の団体交渉は、三月二十八日に九社の集団交渉ということで合意が成立いたしまして以来、四月二十一日まで九回、団体交渉を行なっております。その間、賃金の回答は、二十一日に行なわれたものでございます。それから九回交渉をやったのは、別に数が少ないとかなんとかいう筋合いのものではないと思うのでございますが、問題はむずかしいのでございます。私どもといたしましては、現実に賃金紛争が行なわれておりますときに、どっちがいいの悪いのと言う立場にはございませんけれども、中労委の会長も、労使がさらに自主的に交渉を極力詰めてほしいものであるということをおっしゃっておられるようでございまして、そういう意味におきまして、労使の自主交渉というものがさらにさらに努力を重ねられて——中労委の段階へ来てしまいましたけれども、来た後におきましても、さらに、中労委にもうまかせっぱなしというのじゃなくて、自分たちで歩み寄るように、さらに最大の努力をされるということを私ども切望しておる次第でございます。
○小柳勇君 運輸大臣に、さっきの労政局長と同じ問題ですけれども、私鉄が、経営者団体が日経連から指導されて、六千七百円の低額回答を一歩も、びた一文譲らないということでついにあれだけのストライキになった。このようなことを許していいのかどうか。運輸大臣は交通を守る責任者ですね。大手各社の経理内容が、たとえばいまのドルショックなどにそうは影響される産業ではない、他の産業に比べて。その六千七百円で一歩も譲らぬで、とにかく二十三日はストライキを打たせて、そうしてあとのほうへ、よその産業にメンツを保っていったというあり方、こういうものは私は許すべきじゃないと思うのだ。大臣の見解、このあとのことはまたあとで聞きますから、見解をお聞きしておきたいと思います。
○国務大臣(丹羽喬四郎君) 私鉄のストにつきまして、もとより労使関係のことでございますから、監督官庁といたしましても軽々に介入すべきじゃございません。自主的交渉が実を結びませんで、そうしてああいったような休日ストライキになりましたことは、国民の足を持ちます運輸省、私といたしましてもまことに遺憾でございまして、非常に残念に思っておる次第でございます。
○伊部真君 いまのことについて関連して質問しますが、中労委の問題について少し見解を承っておきたいと思います。 二十三日のストライキというものを当然のことのように労使が考えて、そうして国民としては非常に迷惑を受けているということであります。二十三日のストライキ後でなければ中労委が出てこないとか、従来の例から見ますと、ストライキに一日入ってからでないと中労委は入らないというようなこと、そういうような印象を与えておるのでありますが、その点についての見解をお伺いしたいと思います。
○政府委員(石黒拓爾君) 中労委はストライキを一回やらなければ入らないというようなことはございませんが、原則として労働委員会のあっせんというのは、当事者の申請に基づいて行なうのが望ましいことでございます。職権あっせんというのは最後の手でございます。で、ストライキ前に申請がございましたので、申請を受けて、申請に基づくあっせんを中労委としてはいたそうというふうに努力したわけでございますが、当事者の双方の同意という事態に至らずにあっせんできなかったことは非常に中労委としても残念であったろうというふうに考えます。
○伊部真君 これは労政局長とそれから運輸大臣に聞きますが、先ほど質問がありましたが、今度の回答は六千七百円、昨年の解決点が九千七百円。ストライキに入る前ならば、これは労使双方の自主解決を促すという意味で、あるいはそのことについて直接タッチすることは云々ということがあろうかと思いますけれども、少なくとも二十三日にストライキに入るときに、去年よりもかなり下回った額を経営者側が出してストライキに入った、この理由が、国民が納得するようなものでなければいかぬと思うのです。昨年よりも会社のほうとしての経理内容がどうであったのかとか、こういう点についても、やはり国民としてあれだけ迷惑をかけたことに対して、やはり労使の争いとしてはやむを得なかったというふうな理解がつくようなものでなければいかぬと思う。しかるに今度の場合は、いかにも政策的な感じがしてなりません。昨年の実績九千七百円をうんと下回った六千七百円回答を入れて、これはもうそういう回答では当然にストライキに入らざるを得ないような状態に経営者が追い込んだというふうに言わざるを得ない。どうもそういう点についての経営者のほうの責任問題もありますし、かつまた、そういう迷惑をかけたということに対してやはり政府としてもその点の見解を明らかにしてもらいたい、こう思います。
○政府委員(石黒拓爾君) 経営者側の回答が低きに失したのではなかろうかという御意見であるように拝聴いたしました。私どもとしましても、経営者の側の回答というものはできるだけ誠意を尽くしたものであるということを望んでおるわけでございますが、しかし現実に労使の紛争が行なわれておりますときに、要求が高いの回答が低いのというようなことを私どもとしてはちょっとこの場で申し上げる立場にはございません。しかしながら今後ともさらに一そう、先ほどから御批判のありました当事者能力の問題の批判も世間からもありますように、労使の当事者というものが中労委にまかせっぱなしということじゃなしに、この上とも極力自分たちで歩み寄るように努力してもらいたいものだと切望しておる次第でございます。
○伊部真君 経理内容については昨年と今年というのは大まかに言ってどういう状態なんですか、全体として一つの……。
○政府委員(山口真弘君) 本年の三月期の決算その他につきましてはまだ出ておりません。おりませんが、大体におきまして昨年とほぼ同様あるいは若干上向きのいい状態で決算をされるものと考えております。
○小柳勇君 交通関係で、次に、運輸大臣に質問いたしますが、国鉄労使間で賃金問題で紛争があります。で、公労協関係ではきのう回答があったのでありますが、国鉄を除いて二公社五現業に有額回答がありました。国鉄は回答がない。しかも有額回答は昨年同額で九・六二%です。なぜ国鉄は回答がなかったのか。特にそのとき運輸大臣は、国鉄は赤字であるし、また国鉄運賃法——運賃値上げの法律も国会で通過してないときですので回答ができないと、運輸大臣が先頭に立って発言されたと聞いておる。そのようなことで国鉄が円満に運営できると大臣は考えておられるのかどうか、見解をお伺いしたい。
○国務大臣(丹羽喬四郎君) ほかの二公社五現業が有額回答を出しているのに、国鉄がその仲間にも入ることができない、まことに残念に思っておる次第でございます。ただいま御指摘がございましたが、私どもが先頭に立ってこれを言ったわけではございません。よくお調べをいただけばわかる次第でございますが、今日の国鉄のいまの財政状況、ほとんど支払い能力すらないというような状況でございまして、ほんとうに残念でもいたし方ない。また国鉄の財政、これはまた国鉄の、それに伴いまするところの運賃改定というものにつきましても、見込みの今日立っていないときにおきまして、これらのことを回答ができないことはほんとうに残念ではあるけれども、やむを得ぬ、こういうふうに思っておる次第でございます。
○小柳勇君 たいへんな発言だと思うのですがね。まだ運賃値上げの法案も通っていない、国鉄再建法も通っていない、また国鉄経営が赤字だから、賃金の引き上げはできない、こういうことで一体国鉄が動いてまいりますか。じゃあ国鉄の労働者は、もう赤字だから、これでひとつしんぼうせい、こういうことですか。きょう公労委の調停を申請すると聞いておりますが、どうしてこの紛争を解決しようとされるか、運輸大臣の決意を聞いておきたいのです。
○国務大臣(丹羽喬四郎君) やはり国鉄組合また経営者相ともに話し合いまして、そうしてやはり一番の不幸な事態ストライキを回避いたしまして、そうして国民に迷惑をかけないようにすることを心から切望しておる次第でございまして、私どもといたしましては、先般、衆議院でもお願いをしておりますが、国鉄に対するいろいろの法案につきましてもできるだけ見通しをつけるように努力をいたしまして、国鉄の職員にも、明るい希望を持ちまして、そうして国鉄が本来の使命を達成するために一致協力をしてやるように念願をしておる次第でございまして、それがために連日、国鉄総裁あるいは幹部と話し合いをして、その収拾につきまして苦労しておる次第でございまして、また国鉄総裁以下、副総裁、昨日も組合の幹部と折衝をしておる次第でございますが、それらを指導いたしまして、できるだけやはりそういった最悪の事態を回避したい、こういうふうに思っておる次第でございまして、将来におきましても、ぜひ国鉄が財政的に立ち直ってまいりまして、ほかの、少くともほかの公社並みの経営になっていくように心から念願をしておる次第でございます。
○小柳勇君 あなたの向いているのはうしろばかり向いているのですよ。国鉄の運営は国鉄総裁がおりますから、もう列車を完全に動かすように努力しておる。それには、あなたは、閣議でちゃんと、国鉄は赤字であるけれども、とにかく国鉄労働者の生活を安定させなければ優秀な職員は入らないし、安心した運転もできないのだから、何とかして公労協のほかの職員と同時に解決するように各大臣とも頼むと言って、総理を動かし、大蔵大臣を動かし、あるいは関係筋を動かすのがあなたの仕事じゃないか。うしろを向いておる。ここに書いてある。「目下上程中の運賃法及び再建法の改正案も審議中であり、懸案の合理化事案も労使間で解決の見通しがついていないので、」と書いてある。もってのほかですよ。こんなこと、いまさら、これ持ってきて、そうして国鉄再建法の法律と引きかえに賃金上げましょうとか、あるいは合理化解決をてんびんにかけて賃金を上げてやりましょう、そんなことでこの国鉄労使間の問題解決しませんですよ。言うならば、それはそれ、これはこれ、とにかく他の公労協の職員と同じように——仕事は同じでしょう、公労協、同じ。郵政にいたしましても林野にいたしましても、その他同じ仕事をしているんだから、そういう立場で何とかして同時に解決してやろうという大臣の決意がなければ問題解決しませんです。また、公労委だって動けないですよ。もう一回、大臣、決意をお聞きしたいのです。
○国務大臣(丹羽喬四郎君) ただいまの重ねてのお話でございますが、何といたしましても、国鉄に支払い能力が生ずることが第一でございます。それゆえに、昨年も一昨年も不幸にいたしましてここ連年いたしまして、その場合におきまして回答することができないという、まことに私らといたしましても、一番の近しい組合の職員がそういった点はまことに残念でたまらない次第でございますが、昨年に比しまして国鉄財政が悪化して、支払い能力がないというので、私がやむを得ず認めた次第でございますので、御了承願いたいと思う次第でございます。
○小柳勇君 ちっとも私の質問に対する答弁になっていないですよ。国鉄の赤字は国鉄労働者の直接の責任でございません。国鉄労働者は昨年と同じ数、いや昨年よりも合理化された数で、減りました数で、昨年以上の輸送実績をあげております。そうでしょう、昨年よりも増収ですよ。国鉄労働者は昨年よりも少ない数で、昨年よりも客貨ともよけい輸送して増収しておるわけです。にもかかわらず、赤字が昨年より多いから国鉄の賃金要求は回答できませんと運輸大臣おっしゃいました。その国鉄再建の方針はこれから国会が論ずることです。国鉄労働者の数は少ないのに、去年よりもよけい輸送しているんだから、それはそれ解決しなきゃならない。その上に立って、なお国鉄の赤字がある、これはどうして解決するかというのが今度国会にかかっている再建法でしょう。その一部として運賃値上げが出ているでしょう。それと切り離して、国鉄労働者の労働条件というのは解決してやらなければ国鉄の運営はできないのです。したがって、いま運輸大臣がやられる仕事は、二十七、二十八日にストライキをやらないようには一体どうしたら解決するのか、どうするかと、そのことでしょう。解決の方途は、ある場合には公労委の委員の皆さんに、正式にはできませんが、行政指導も必要でしょうし、ある場合には大蔵大臣に言って、金を何とかせいと言うことも必要でしょう。ある場合は、総理大臣これはたいへんですよと、社会問題ですから、臨時閣議を開いてこれこれ対策を立てましょうと、あとは国鉄が運営します、それをやるのがあなたの仕事です。うしろばかり見て、合理化がどうだとか、国鉄再建はどうだとか、それと引きかえに賃上げよろしい、そういう観念では解決しません、問題は。したがいまして、あと最後の問題、質問しますけれども、もう一回運輸大臣、私がいま申し上げましたことをおわかりかどうか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(丹羽喬四郎君) ただいまの御指摘、私も十分わかっているつもりでございます。総理はじめ今日の深刻な状況は非常に憂慮をしておりまして、何とかしてこれを回避したいということを憂慮しておりまして、私も私でできる手段がございましたら、あらゆる手当てを、労を惜しまずに回避に当たりたいと思っている次第でございます。昨日の問題は、今日の時点においてはやはりやむを得なかった、こういうふうに思う次第でございますので御了解を願いたいと思う次第でございます。
○小柳勇君 鉄監局長にも同じことを質問をしておきたいのです、それはあなたがさっき補足説明されたからですね。ここに書いてあります。「運賃法及び再建法の改正案も審議中であり、懸案の合理化事案も労使間で解決の見通しがついていない」と書いてある。で、大臣にも言いましたように、この国鉄労働者の働きというものは、昨年以上に増収をはかっておるわけです。しかも数は減っております。合理化もやられております。この国鉄再建の方針というのは、それはそれ、これはこれと、別個の問題として処理していかなければならない。しかも国会の初めからわかっていることですね。国鉄再建法及び国鉄運賃法というのはなかなかたいへんな問題で、おそらく今国会一ぱいかかるであろう。この国会は五月二十六日です。賃金引き上げの要求はもうすでに最終段階でしょう。そのきょう、このような報告をされるということは心外です。もっと前向きに、現在の労使間の問題はこうですよと、きょう調停申請しますよと、金はないけれども、いま大臣はこういうように努力しておりますと、したがって二十七、二十八のストライキは回避したいと、そのような報告をされるのが鉄監局長の任務でしょうに、きょう汽車がとまるかとまらぬかのこの段階で、合理化と賃金とのてんびんを国会で報告するというのは心外です。これはあとで国鉄総裁にも聞きますけれども、鉄監局長の見解をお聞きいたします。
○政府委員(山口真弘君) 国鉄が非常な危機に直面いたしておりますが、この解決のためには労働者諸君の絶大な力が必要であるということは私ども認識しておりまして、そのためには国鉄職員の給与その他につきまして、これが十分な配慮を払わなければならぬことはもう私ども十分に承知しておりますところでございますが、ただ現在の国鉄の収支状況等におきまして、何と申しましても現在の段階ではベースアップ等について回答ができないというような実際上の状況であるために、昨日、国鉄からは回答をしなかったということでございますが、しかし問題の解決のために大臣ともども万全の努力をしなければならぬものと考えております。
○小柳勇君 大臣はまだお食事の前だそうですから御退席願いますが、くれぐれもお願いしておきますが、私ども、これから徹夜して問題の早期解決に努力いたしますから、大臣もひとつ前向きに、よく閣内で早期解決のために努力してください。お願いいたします。
○国務大臣(丹羽喬四郎君) 非常に強力な御発言をいただきまして、非常に感謝しておる次第でございます。私も、私でできます最善を尽くしまして、回避のために全力をあげるつもりでございますから、よろしくお願い申し上げます。
○小柳勇君 それでは国鉄総裁に質問しますが、現在までの交渉の経過並びに現状、これからの見通し、まず総裁のひとつ御決意を聞いて、あと細部の問題を関係官から。
○説明員(磯崎叡君) 毎年、国鉄の春闘の問題につきましては、いろいろ御迷惑をかけてまことに申しわけなく思っております。ことしの要求は、三月十二日に約二万円の要求が出てまいりまして、その後五回ほどいろいろ折衝いたしておりますが、私のほうは、昨年の仲裁裁定にもありましたとおり、いわゆる合理化事案とバーターということで並行して進めようじゃないか、去年は合理化事案が片づかなければ片方の話に乗らないという態度でしたけれども、その後の昨年の仲裁裁定書にも書いてあるとおり、組合は組合で合理化に協力しなさい、当局は裁定を実行しなさい、こういう裁定が出ましたので、それではひとつ同じ場でやろうじゃないかということで今日まで詰めてまいりました。私どものほうの見通しとしましては、合理化事案はそう遠くない、連日詰めておりますので、おもな問題は、一両日とは申し上げかねるかもしれませんが、私は当面の責任者でございますから、なかなか詳しく申し上げかねる点がございますが、なるべく早く合理化事案を進めたいというふうに思っております。 で、一方、うちの財政状態でございます。これも御承知のとおり、先般御審議願いました暫定予算には、これはもう全然新規事項を含めないというような原則で、いわゆるベースアップの財源の一部ともなるべきものは全然入ってなかったわけでございまして、したがって、かりにいまの、参議院で御審議中の予算が一両日中あるいは数日中に成立をいたしましたとしましても、私どもはたいへん大きな収入欠陥があるわけでございます。私どもは運賃法の成立その他を予見することは、これは不謹慎でございます。これは国会のなさることでございまして、私どもとしては予見すべからざる問題でございますが、私どもは、そんなこと言ったって無理だとおっしゃっても、実は三月中に成立することを前提にして四月から予算を組んだわけでございます。それが不幸にして諸般の情勢からこういうことになりまして、非常に運賃問題ことに歳入欠陥、しかも手数百億という千八百億近い歳入欠陥が現実に目の前に出ておるこの現状を前にいたしまして、残念ながら私どもは、いわゆるゼロ回答ではなしに無回答、回答はできないという立場で今日まできております。 したがいまして、ほかの組合は一応きのう当局側の回答があり、それを不満として昨日並びにきょう調停委員会に申請をしたそうでございますが、私のほうは実はまだ、いまの時点におきましても調停の段階にあがってないわけでございます。——失礼いたしました。私どものほうは労働協約で一方的に調停申請ができるように協約してございますが、組合が先ほど一時ちょっと前、いまより少し前に、すでに調停委員会に持っていったそうでございます。したがって、その意味では一応こちらが無回答ということで決裂ということで結果はよその公社と同じでございますが、うちが回答が出ていないということで、これから、きょう午後から精力的に調停委員会で事情聴取されるそうでございますが、その席にもちろん私どもも出まして事情聴取に応じるつもりでございます。 ただ、いまも申し上げましたとおり、私のほうは僭越にも運賃法とバーターするとかなんとかという考えは一つもないので、結局よそさまとは違って当事者能力以前の支払い能力がないという点に非常に問題があるわけでございまして、その点、妙なことを申し上げると国会審議を予見するようなことになってもまずいし、非常に当事者として苦慮しておる次第でございます。 しかし、私どもといたしましても二十七、八日の事態を極力避けたい、そうでなくても、いままで三月上旬から非常に国民に御迷惑をかけておる現状でございますので、極力政府にもお願いいたしまして、二十七、八日の事態を回避できるように努力いたしたいと思っておりますが、たいへん直接の当事者でございますので申し上げにくい事情がございますことを御了解願いたいと思いますが、ただ、気持ちといたしましては極力事態の解決をはかりたいという気持ちであることだけを申し上げておきます。
○小柳勇君 さっき運輸大臣に、国鉄労働者の直接の責任で赤字になったのではありませんよということを申し上げました。 〔委員長退席、理事山崎竜男君着席〕 ここに統計表がありますけれども、四十四年度、四十五年度分の合理化による定員減二万二千四百名にあがっております。定員は減りながら宏貨の増収をはかっておる、しかも数量と運賃の増収をはかっております。そして、一年間をとってみれば、収入と支出は赤になっていない、こういう実態は総裁十分御存じのはずでありますが、国鉄労働者の労働条件は他の産業に比べて変則であるし、夜間勤務は多いし、非常に重い、しかもその職員は年間の目標を達成するために昨年よりことし、ことしより来年、まじめに働いておるということは総裁は十分確信持っておられますか、お聞きいたします。
○説明員(磯崎叡君) 私は、先般もどなたか公の席で申しましたが、私は、大多数の諸君はきわめてまじめに働いているという自信を持っております。
○小柳勇君 ここに国鉄労働者の生活実態調査というのがございますが、これを見ますというと、これは昨年の十一月の追加支給があった給与も含めましてこの実態調査でありますが、二十代、三十代、四十代、五十代としての収支をとっておりますが、内職その他借金も含みまして二十代が赤字一万一千五百二十六円、三十代が赤字二万九百十九円、四十代が赤字一万八千九円、五十代が赤字四万五千四百十六円、平均いたしまして赤字一万九千三百八十七円という生活の困窮度合い、収支の実態調査がこういう表になって出ております。国鉄労働者がいま給与を取って生活いたしておりますが、このような実態であるということは総裁御存じでございますか。
○説明員(磯崎叡君) 国鉄職員の現在の給与は昨年の仲裁裁定できまったものをそのまま実施いたしているわけでございまして、その額そのものにつきましては仲裁委員会が民間賃金並びに公務員の給与等をしんしゃくしておきめになったものでございますので、 〔理事山崎竜男君退席、委員長着席〕 いまそういう調査があるとすれば、国鉄職員としての特別なものは何があるかと申しますと、一般の公務員その他と比べて勤務時間が非常に不安定であるというふうな問題もございますが、一応私は、昨年の仲裁委員会の裁定というものは公務員並びに民間とのバランスがとれているというふうに思っておるわけでございまして、中には、いまおっしゃったようなこともいろいろあると思います。しかし、結局それは日本じゅうに働く公務員なり他公社の者あるいは民間の人々と同じようなレベルで見なければならない、こういうふうに考えます。
○小柳勇君 労働条件の問題、労働時間につきまして、これは民間と比べたものでありますが、労働省が毎月勤労統計調査によって調べた民間規模と国鉄の労働時間を調査いたしました結果でありますが、月間について、国鉄の場合に、昭和四十五年度における所定内労働時間が百八十七時間三十分、民間規模の三十人上以の場合、産業計で百六十九時間五十四分、製造業の場合百六十八時間二十四分、五百人以上の製造業の場合百五十二時間五十四分で、国鉄の場合が月間二十時間ばかり労働時間が多いのです。これは職員局長から答弁願いますが、労働時間についてはどのように把握しておられますか。
○説明員(原田種達君) ただいま先生から御指摘ございましたけれども、国鉄の職種の性格からいいましていろいろな勤務形態がございます。したがいまして先生がいまお取りくださいましたのはどういうのか私もよく承知いたしかねますけれども、大体過去二回時短を実施いたしまして現在平均四十二時間くらいになっております。したがいまして一般の勤務の特殊性から、夜間作業あるいは三交代一昼夜勤務というように、屋外作業とかいろいろな勤務もございまして、拘束時間が多いことも事実でございます。一がいに民間の普通の製造業とまた比べられないというものがございます。時間が長いということは先生の御指摘のとおりでございますけれども、その危険度とか、そういうものも特殊事情がございますが、そういうものを含めて公労委ではいろいろ裁定をなされているというふうに私ども考えております。
○小柳勇君 公労委ではなされておりましょうが、私がただいま読み上げたでしょう、これは労働省の統計ですけれども、あなた方の調査したものと著しく違いますか。
○説明員(原田種達君) ただいま詳細な資料を持っておりませんが、その資料は労働省から出ているものでございますので違いはないと、こういうふうに思っております。
○小柳勇君 これは総裁も副総裁も職員局長もですけれども、公労委に行かれた場合なるべく賃金を上げないような資料を持っていかれるはずはないと思うが、どうなんですかね、公労委のいろいろ聴聞がありますね、その場合、もちろんそれは収入によって支出をまかなってまいります。したがって、人件費は安いほうがいいにこしたことはございません。しかし、他の産業に比べて、民間なり公労協の他の産業に比べて労働時間が長い、労働条件が変則である、夜間勤務が多い、いろいろ変わった条件、過酷な条件があります。そういうものは公労委で主張するのか、せぬのか。そんなものはなるべくもう頭をためて平均で主張していって、よそ並みという気持ちであるのか、よそより特に変わったものはちゃんと公労委の皆さんにわかるように主張するのか、どちらですか。
○説明員(磯崎叡君) その点は私も四十数万という職員をかかえておる責任者でございます。私どもの人件費が非常に経営の大きな問題になっていることも事実でございますけれども、やはりいま先生のおっしゃったように、勤務時間においても、あるいは危険度においても、あるいは朝夕の不規則な生活においても、非常に他と違っておると思います。したがって、頭数については合理化その他いろいろ協力してもらいますけれども、給与につきましては低いほどいいというような考えは、毛頭私は持っておりません。少なくとも私は一般並みというか、普通のサラリーマンとは違うということをはっきり申し上げておきます。
○小柳勇君 まあ、ことし東京周辺では新規採用もなかったようであります、国鉄は。補充を採用しないから、ことしの青年の志向というものを調査できませんけれども、いま高卒なり大卒を国鉄が採用する、補充した場合に、他の産業と比べて進んで国鉄に採用されるかどうかについては、私は疑問ではないかと思っています。いなかに参りますと、国鉄に入ることを希望し、栄誉に思って入る青年もたくさんいます。しかし、東京周辺、都会では他の産業のほうに非常に熱意があるけれども、国鉄にはあまり入りたがらないのではないかという心配をします。そういたしますと、何年かいたしますと、その入りました青年諸君が次の国鉄を背負うわけでしょう。りっぱな待遇をして、しかも不安のない職場環境をつくって、優秀な人材を集めることも国鉄経営の大きなファクターではないかと思いますが、その点、総裁どうですか。
○説明員(磯崎叡君) 最近非常に新規採用が少ないことも事実でございますが、やはりある程度の人をとりませんと、全体の人員構成が非常に不整になるということで、若干のものはとっております。しかし、やはりとるにはとる以上いい人をとりたい、優秀な人をとりたいというふうに思います。もちろんその際に給与の問題も相当大きな要素ではございますけれども、そのほかにやっぱり仕事に対する一つのプライドあるいはその永続性あるいはその社会的な評価、いろいろ要素があると思いますけれども、私は、国鉄というものは決してもうこれから落日のごとく落ちていくものではなしに、これからまた百年も、あるいはもっと長く国民の役に立つ公共機関であるということが一般の人に浸透して、そしていい人が来るということをこいねがっておるわけでございまして、そういうふうな意味のPRと申しますか、内容の周知方を大いにやらなくちゃいけないというふうに思っております。
○小柳勇君 総裁に対する最後の質問でありますが、運輸省の報告にもありましたが、合理化と今度の賃金引き上げとてんびんにかけたという気がいたしました。それで昭和三十二年から四十五年まで合理化による定員減を拾いましたところが、十万三千三百人減少をいたしております。三十二年に比べて四十五年が十万三千三百人の定員減になっています。これまで合理化をやってこられた。労働組合もこれを承認して受けたわけです。にもかかわらず数十項目の合理化計画が出されまして、これが妥結しなければ賃金引き上げはちょっと考えられぬぞというようなことがもしあるとするならば、さっき私が運輸大臣に申し上げましたように、それは筋違いではないか。三十二年に比べて十万人も減少された人間で、しかも三十二年に比べたら約六割ぐらいの輸送増ですよ、客貨とも。それをまかなってきているんですからね。でありますから、いま他の役所、他の同種産業が賃金引き上げするときに、この数十項目にわたる合理化計画、これが妥結しなければ賃金引き上げできませんというような話は、これはいま私はどうしても納得できないんですね。この点はどうなっておるのか、ひとつ御答弁願いたい。
○説明員(磯崎叡君) 合理化問題と賃金問題とは、これは合理化から出てくる金で賃金をアップするということの性格じゃございません。したがって私は合理化ができなければ賃金を上げないということには考えておらないのであります。ただ昨年の仲裁裁定書にもありましたとおり、当局はこれを実施しなさい、新賃金を実施しなさい、組合は組合で合理化に協力しなさい、こういう一つの違った次元からの問題がたまたま今日時点に延びたというふうに私は思います。したがって二十何項目でございますか、一つものまなければ話に応じないということではなくて、やはりこれは賃金は賃金ということで進めていくべき性格のものである。また組合のほうもやはり賃金問題とは別に、やはりこれから国鉄を再建するためにはどうしても、どんどんむだなものは合理化しなければならぬ、明治時代の旧習は捨てなくてはいかぬということはやぶさかではないと思う。そういう意味から、私は合理化問題というのは組合が率先して賛成してくれると思っておりますし、また、いままで何だかんだと言いながら実施はしてまいりました。したがって私は、今後とも合理化問題と何もバーターをやるという性格のものではなしに、合理化問題は合理化問題として国鉄職員のかまえとしてやっていく、給与は給与として、やはり先ほど申しましたとおり一般のサラリーマンとはわけが違うと、こういう姿勢でまいりたいと思っております。
○小柳勇君 それでは結論的に総裁にお聞きいたしますが、去年も非常に変則的なことで、この問題、解決いたしました。有額回答できないままいったけれども、しかしこれはゼロで済ませるはずはない。二十七、二十八日の史上最大といわれるこの異常な事態を解決するためには、一体どうしたらいいかということを考えて、何とかやっぱりよそ並みに賃金上げる以外には解決の方法はない。しかもそれは二十七日に至るまでに何とかいい知恵を出し合わなければならぬ。私は運輸大臣にも鉄監局長にもきびしく申しましたけれども、いろいろ努力をしなければなりませんけれども、ただ走り回っただけではいかんともしがたいのですが、どういう知恵でこの国民に迷惑をかけないように問題を解決しようとされるのか、最後に総裁から御答弁を願っておきたいと思います。
○説明員(磯崎叡君) 先ほども申しましたとおり、私自身が当事者でございまして、非常に申し上げかねる、非常に微妙な段階にございます。対外的にも内部的にもいろいろ問題がございますので、私自身十分検討いたしまして、極力二十七、八日の事態を避ける、そうして、うちの職員がほんとうにまじめに仕事ができるように、再建に突進できるようにしたいというふうなかまえで進んでまいりたいと思っております。
○小柳勇君 鉄監局長に最後に。それは私鉄、国鉄と同時に、航空関係の労組のスト、特に国際航空のほうではストをやるようでありますし、海員組合及び港湾共闘なども荷役拒否などやっておるようでありますが、その航空と海関係の紛争についての報告を求めたいと思います。
○政府委員(山口真弘君) 航空関係のほう、私、正確にちょっと申し上げることができませんですが……。
○小柳勇君 それではいいです。
○委員長(木村睦男君) 本件に関する質疑は後刻に譲ります。 引き続き調査を進めます。
○伊部真君 具体的なことでお聞きをいたしますが、三月の十六日の委員会だったと思いますが、ダイヤの問題についていろいろ注文いたしました。そこで、私はあらためてお聞きをしたいと思いますが、三月十五日のダイヤ改正を行なった基本的な方針について御説明を願いたい。 ある雑誌で見ますと新幹線の岡山と合わせて年間三百億円の増収対策というふうにいわれておるわけですけれども、そのダイヤ改正についての基本計画、基本方針について御説明いただきたい。
○説明員(原岡幸吉君) 三月十五日の時刻改正、ダイヤ改正、これの基本的な考え方はどうかと、こういうことでございますが、三月十五日というタイミングを選びましたのは、三月十五日に新大阪から岡山までの新幹線の開業が行なわれる、そのタイミングに合わせていろいろな計画を実施すると、こういうことでございます。基本的な考え方といたしましては、国鉄の使命であります高速性、そういう鉄道の特性を十分に生かしたものにするというバックのもとに、国鉄に対するお客さんの需要に合わせたダイヤを設定すると、こういうことでございます。したがって具体的な内容を申し上げますと、特急、急行というようなほうに非常に需要が強くなっている、そういうものをその需要に合わせたように強化する。それからまた地方の都市につきましては、非常にスピーディーなフリークエントのある輸送が欲せられる、そこで快速という列車もたくさんつくっている、こういうこと。それから通勤通学というような面につきましても、その需要に合ったような改正をする。そしてまた非常に乗りが少なくなってきておる、需要が落ちてきている、いわゆるローカルにつきましては適正なものにそれをしていく、こういうようなことが旅客輸送におけるダイヤ改正の主眼でございます。なお貨物輸送につきましても趣旨は同じでございまして、鉄道輸送の特性を生かすような、そしてその特性が需要に即して伸びてきておる、そういうものをダイヤの中にたくさん織り込んで需要の落ちてきているものを落としていく、こういうのが基本的な考え方でございます。
○伊部真君 そうすると、新幹線を含めて三百億の増収につながる営業戦略体制だというふうなことは、これは間違いだというふうに考えていいですか。
○説明員(原岡幸吉君) ただいま申し上げましたように、需要にできるだけマッチしたダイヤをつくる、それによってサービスを充実する、それによって収入を大いにふやす、その結果が三百億未満といいますか、二百七、八十億の増収になるのではないか、こういうことでございます。
○伊部真君 私は、どうもそれが逆なように思えてしかたがないのですが、三百億の増収体制のためにダイヤ編成をしたのではなかろうか。具体的に言いますと、従来のダイヤ改正というのは、いわゆる前回を見ると、四十三年の十月のダイヤ改正では在来線は百八十八本、四万三千三百七十三キロふえているわけですね。その前も、在来線では百九十八本、三万四千四百六十六キロふえている。今度の場合は百六本、これは復活問題かあり、少少変わっていると思いますが、百六本、五千三百九十八キロ減っているわけですね。新幹線は九千四百八十一キロふえ、在来線は減っておる。特に普通車は百四十七本、一万二千キロも減らされているというのです。そのために結局、いま常務理事が言いましたが、通勤や通学や、一般的な日常生活に直結するような路線は切り捨てられて、そうして、ふえておるのは新幹線と特急で、特急が六十三本ふえているという状態なんであります。どうもこの辺に、特急料がもらえるようなところをふやして、地方の、国民の需要というよりも、増収対策におもに中心が置かれておったのではないかというふうに思います。その点についてはどうですか。
○説明員(原岡幸吉君) 先ほど申し上げましたように、ダイヤの設定につきましては旅客の需要に合わせてつくるということでございまして、それか即サービスにこたえるゆえんだと思います。そしてまたサービスにこたえることが即営業増進につながると、こういう考え方で三月十五日のダイヤ改正も行なったわけでございます。そして、いわゆる普通列車の、いま先生御指摘の、何といいますか、列車本数の削減あるいはまた列車キロの削減、こういうようなものは単純にこれが営業収入に、増収にならぬからという観点から削減しているものではございません。お客さんの需要に合わせてサービスをしていくと、そういう観点からのダイヤ改正の中の一環でございます。
○伊部真君 具体的な内容で前回に注文といいますか、私のほうから提起をいたしました、普通列車の間引きのために通勤や特に通学の学生の問題については社会的にも問題になっているわけですから、したがって、ある地域に限っては、まあ急行停車駅から通学をしておる子供だけに限るかもしれませんが、通学定期で急行に乗れるようなことも考えたらどうかということで検討課題にしたわけでありますが、その点について検討した結果、結論がありましたらひとつ明らかにしてもらいたい。
○説明員(原岡幸吉君) 定期券でもって特定の場合に急行列車に乗れるように検討する、そしてまた、それが今度のダイヤ改正に伴う通勤なり通学の不便の緩和の一つの方法になる、こういう点でございますが、定期でもって急行料金を払って急行列車を利用する、このことにつきましては積極的にそういう方向で実施いたしたいということで検討いたしております。ただ、これはすべての急行列車にそのように扱うということではなくして、先ほど来、先生御指摘のように非常にそのために、今度の改正のために不便になって、また、そういう特別な措置をすることによって多少不便が緩和され、便利になる、こういうようなことなのでございまして、具体的にどこの区間をそういうふうにするかということで、いま地方の局とも目下話し合っておる最中でございまして、ぜひそういう方向で実現するように国鉄としては考えております。なお、この点につきましては運輸省の御指導を得て実行をいたしたい、このように思っております。
○伊部真君 続いて、同じときに私のほうから提起をしておきました、ほかにあるかどうか知りませんが、特急が急行よりもおそいということがあります。具体的に言いますと、「あさま53号」と「妙高」との関係なんかですね、という点についてはどうですか。
○説明員(原岡幸吉君) 特急が急行よりもおそい、たとえば「あさま53号」、それからもう一つございましたけれども、それは両方とも臨時の列車でございまして、実はこの臨時の列車は大体団体客を主体に計画いたしておりまして、先回御指摘の時期には、すでに発売の時期に入ってしまっておったというような時期なので、これをいまコンピューターといいますか、機械でもってセットいたしておる関係で非常に変更がむずかしい。そこで、この臨時列車につきましては、すでに発売に入っておる臨時列車につきましては、毎日運転するわけじゃなくして、原則的に週末便でございますので、その分につきましては現在計画しておる臨時列車をそのまま実行させていただきたい、自今計画するものにつきましては改めたい、このようなことで、そのつもりで現在おるわけでございます。
○伊部真君 私がどうも理解ができないのは、それなら急行にすればいいんじゃないですか。なぜそのことが非常にむずかしいと言われるのかよくわからぬわけですが、その点を一点。 それからもう一つ、どうも急行と特急といわゆる鈍行とは何を基準にしてきめられるのかですね、これがどうもあいまいです。たとえば、私が四分特急のほうがおそいじゃないかと言ったら、そうしたら、十分早うしたら差し引きして六分早いから特急のほうがいいと。そんな理屈にはならぬと思うんですね。鈍行は時速どの程度で、あるいは急行はどの程度で、特急は時速何ぼ以上から特急とするのだという大体の目安がなけりゃいけぬのが、ここには車のいいのが入ったから特急だということでやっておられるのは、特急、急行、鈍行というのは何かの基準がなければいかぬと思うが、その点については何を基準とされておるんですか。
○説明員(原岡幸吉君) 第一点の週末の臨時列車、この分につきましては六月——五月一ぱいは、先ほど申し上げましたように、計画済みで、すでに一部発売に入っておった、こういうことで、その後の発売とすでに発売したものとの均衡、混乱、これを避ける意味で五月一ぱいは既定の方針でやらしていただきまして、六月以降につきましては先生御指摘のように改める、このようにさしていただきたいと思います。 それから二番目の、特急、急行あるいは普通、この基準でございますが、これは非常に数字でもって表現する厳格なる基準というものはございません。速度、車両のアコマデーション、それから定数、車自体が違っております。それらのことを総合して考えまして、特急に値するか、急行に値するか、値せざるかということできめておるわけでございます。しかし、もちろん原則的に特急は急行よりも早いし、急行は普通よりも早いというのが、これが常識的な前提でございます。
○伊部真君 どうも常識なのが狂っちゃって、特急のほうがおそいのが出てくるからおかしくなってくるんですが、と同時に、私は二、三の例を見てんですが、いまのようなのは極端で、信越線で長野から上野までが三時間三十七分で、片っ方が三時間三十四分というのは極端ですけれども、それ以外でも、たとえば博多から岡山までの時間で、私一、二調べてみたら、博多九時四十八分の「つばめ4号」は岡山十五時五十分、六時間と二分です。急行は、この場合に、同じような時間に出るんですが、九時五十四分に出ます「玄海2号」というのが十六時三十九分に着くんですね。そうすると、六時間十二分と六時間四十五分、ざっと三十分特急が早いんですけれども、三十分早いから七百円高いんですよね。この間、私汽車に乗ったら、若い女の子が、知らないで長崎から博多まで乗ったら、そしたら、ものの十分も変わらないのに、それに何百円か高く取られて、あれ知ってるんだったら、あの汽車に乗らないで急行に乗ったらよかったというようなことをたまたま聞いたんですがね。六時間乗っているのに、三十分の差で七百円取るのが正しいか、これはやはり国民が納得するような、三時間だったら、何ぼ早いのが適当なのかですね。六時間なら三十分で、特急で七百円よけい取っていいのか、この辺は、そのときそのときという、何か明確な基準がないと言われたが、明確な基準がなくて、思いつきでやられたんじゃ、これは利用者にとってはたまったものじゃないと思うのですね。これはやはり国鉄として、国民に納得ができるような説明をひとつ明らかにしてもらわないと困るんじゃないですか。
○説明員(原岡幸吉君) ただいま御指摘の博多から岡山まで、これで三十分の違いがあるということでございますが、三十分のスピードというのは決して短い短縮ではないと私は思いますが、ただ基本は、それよりも、その急行列車、特急列車に使用しておる車それ自体が非常にアコマデーションとして違うわけでございます。定数も違いますし、したがって、特急のほうがゆったりしておる車を使っておる、あるいはまた冷房の設備も特急のほうは必ずついておるというふうに、車自体が非常にアコマデーションとして違っておるということで、さて、具体的にどうかといいますと、原則的には、特急には特急用の車という一定水準以上のアコマデーションのある車を使用しておるというのが特急でございます。
○伊部真君 これは個々の例を取り上げないと、具体的に争いにはならぬ。しかし、やはり単に車がいいというだけでは基準にならぬと思います。車が同じような状態ででもそうなのか、車さえよければスピードは五分、十分でもいいのか、その点については、後刻でもいいですから、もう少し全体的にわれわれが見てわかるように、ひとつ資料を出していただきたい。 それから新幹線のダイヤの問題でありますが、新大阪——岡山間の新幹線はいろいろな問題がある一わけです。私は、まず取り上げたいのは、岡山発にしろ、大阪発にしろ、たいへんに込んでいる。私が実際に乗った状態を見ましても——私は事前に連絡をしておきましたが、四月の十六日日曜日でありました。「ひかり42号」岡山十六時四十五分です、この場合、私も一緒に自由席に乗ったのですが、ちょうど、自由席が1号車から4号車までで、中央線あるいは山手線のラッシュと同じ状態で、立っているだけではなしに、立錐の余地がないという状態であります。こんなばかなことはないのでありまして、それを車掌さんに聞いてみたんですね、ほとんど日曜はこういう状態だと、ふだんでもたいへんな込みようだと言うのですね。私は、その次のときに乗ったのはふだんの日です、土曜日でありましたが、四月二十二日、「ひかり61号」に乗ったのでありますが、平均乗車率はこの場合でも一六四。平均乗車率というのは自由席の平均乗車率。車掌に聞いたら、岡山——新大阪の間では、大体自由席ではもう二〇〇くらい、それ以外のところでも平均して一〇から一五〇。それで、新聞のほうでは国鉄ほくほくと書いてある。この現状を見て、私は、二百億や三百億の増収体制でできたのかどうかわからぬけれども、国鉄ほくほくで岡山の大混雑をしておるという状態で、それを無神経に見のがしているというところに、私は、いわゆる国民不在だと言わざるを得ない。したがって、この過密状態に対してどう思われますか、見解をお伺いしたい。
○説明員(原岡幸吉君) 新幹線の岡山開業に伴いまして、お客さんの需要がふえて非常に混雑をしておると、こういうことでございます。先生御指摘のとおり、非常に混雑の度が過ぎているような状況もあるわけでございまして、とりあえず、いま実績を先に申し上げたいと思いますが、開業後一カ月の平日と週末、これについて申し上げますが、実績は一日平均で、これは新大阪——新神戸間の断面交通量でございますが、三万八千四百八十五人、それから週末は四万九千八百七十四人、このような状況になっております。しかして新幹線開業に伴う輸送量の想定でございますけれども、国鉄としてどのぐらいのお客さんが乗られるかという想定の数字でございますが、平日では三万四千五十八人、したがいまして想定いたしたよりも平日においては四千四百二十七人、これだけ多くなっている。それから週末では想定が四万二千六百二十七人で、したがいまして七千二百四十七人、これだけ想定よりも多いという状況でございます。なお最近四月中旬の実績になりますと、それよりも比較的落ちついてきておるという状況でございますが、結果だけ申し上げますと、想定に対しまして平日では、ちょっと落ちついたと申しましても二千二百十五人、それから週末で三千四百七十二人と、このような数字を把握しておるわけでございます。で、実績が非常に食い違ったというのは、その新幹線開業に伴う誘発が非常に大きかったということでございまして、端的に申しますと、四国に行かれるお客さんが非常にふえる、山陰に行かれる伯備線経由のお客さんもたいへんふえている、それから新大阪——岡山間だけのお客さんも非常に想定よりもふえていると、こういう状況なのでございまして、先生ちょうどいま御指摘ございました、お乗りになりましたこの十六日、二十二日、このような日はともに非常な混雑でございまして、臨時列車を片道上り下り五本ずつ、すなわち十本投入したわけでございますけれども、依然として御指摘のような非常な混雑の状況であったわけでございます。そこで、この時期からもよりの一番込む時期といたしましては、いわゆるゴールデンウイーク、この時期はたいへんなことになるのではないかと思いまして、国鉄の中で特別な緊急の対策をしようじゃないかということでいろいろ検討いたしまして、計画といたしまして、車も人もできるだけ捻出して何とかしなければならないということで新大阪——岡山問に二十一本の臨時列車を新幹線において運転したいと、このような計画をしてとりあえず対処をしておるわけでございます。なお恒久的な対策としては、もちろん車を大量に投入しなければならないわけであります。それも、いますぐの時点には間に合いませんので、とりあえず「こだま」編成十二両でございますけれども、十六両にするとか、「ひかり」編成を新しくつくるというようなことをできるだけ早くに検討して実現をしたい、このように考えております。
○伊部真君 いま定員に対して何千人多いという説明がありましたけれども、どうもこれしろうとでわかりにくいんです。平均乗車率は全部その車両車両ごとに報告が出ているわけですね。ですから平均乗車率ということになると、朝夜の閑散なところもありますから、ちょっとわかりにくいのでありますが、具体的に、この十六日の平均乗車率と、それから自由席の乗車率というのを一ぺん出していただけませんか。
○説明員(原岡幸吉君) 十六日の場合の平均効率でございますが、十六日の場合の平均効率は普通車で自由席は一二四%、それから普通車の指定席これは七〇%、合計いたしまして九七%、こういうふうになっております。それから二十二日の当日の平均効率でございますが、普通車の自由席これは八四%、それから指定席、これが七三%、合計しまして七八%、このようになっております。
○伊部真君 どうもそういう出し方をされるとあまり込んでないように見えるんですけれども、朝夜のあんまり利用者が少ないというところをやはり除いて見ないと、それはほんとうのことにならぬと思うんですよ。この数字だけ見たんなら、まあまあすわっていけるという状態になっていますが、しかしそうじゃないですよ。先ほど申し上げたように、私が乗った「ひかり42号」なんというのは二〇〇ですよ、もう、車掌にぼくら聞いているんですからね。それから帰りの「ひかり61号」でも、車掌に聞いて一六四%というようなことを報告しているじゃないですか。自由席で一六四%ということになれば、これはもうたいへんなことですよ。だから私が言っているのは、そんなきれいなことを言うのじゃなしに、事実問題として非常に混雑をしているということを認めて、そして一番考えなければいかぬのは、一カ月もの間——しかも車掌さんも言っているのは、開業した当時よりはちょっと落ちついたけれども、ひどいもんだったと言うでしょう。一カ月の間そんな状態にほうっておいて、そのまま見のがしているというところに私は問題があると思うのですよ。もっとやはり手を打つべきだと思うのですよ。いま言われたような連休のときにはふやすということができるなら、東海道のほうの本数を少し節約をしてでもやはり調整をするとか——あるいはもう一つは、なぜこんなに込んでいるかというと、一番大きな原因は、岡山打ち切りがほとんどだから、特急はほとんど岡山で打ち切って新幹線に乗らなければならないような状態に追い込んでおいて、それで新幹線はものすごく込んでいるというような状態なんでしょう。みなそうなんですよ。大阪からの場合でも、大阪からのやつじゃなくて、今度はみんな岡山が中心になってやっているわけですからね。新幹線に全部乗らなければいかぬようになっているんですよ、あれ。だから新大阪−東京間は新幹線は本数もあるのです。そして今度は在来線があって岡山と九州の間はまあまあという状態。まん中のところだけちょっとへビがものを食ったような状態になっておって、それに乗らざるを得ないような状態に追い込んでいるから、お客さんは乗らざるを得ない。ほんとうなら、そんなに込んでいるなら新幹線のほうをふやすか、もしくは岡山打ち切りの列車が相当あるわけです、ほとんどこれ打ち切り列車ですね、それを大阪まで延ばすとか、やはり対策を早急に打たなければいかぬのじゃないですか。それを一カ月も置いておいて、そして車掌さんに言わしたならば、この連休はどうしたらいいのだろうか、夏になってこんなになったらお客さんの文句がきてたいへんだと、だけれども、上のほうに言っているけれども、新しい車は九月まででなければどうにもならぬということで、お客さんに対して私らは答えようがないと言っているじゃないですか。一ヵ月もたって、詰め込み電車のような状態をいままでほうっておいたということに対して私は非常に不満です。 それからもう一つは、あの線は停車駅が非常にたくさんなので車掌が作業する時間がない、一分おきにとまるので検札というか、その他非常に作業が困難だということ、そんなら人員をふやすとか何かやらなければ、どういう作業か私も専門的にはわかりませんが、検札その他のことだと思いますが、そのことの責任を追及されても困るのだというふうに車掌は言っているわけです、十分ごとにとまるような間でですね。ですから、そういう新幹線の込みようというものをもっと正確に把握してもらいたい、そして早急に手を打ってもらいたい、こう思います。
○説明員(原岡幸吉君) 御指摘のように、新幹線非常に込みまして、早急に手を打たなければならないということでいろいろ考えているわけでございますけれども、新幹線そのものの車両が十分需要にこたえられない数しかない、予備車も何も、いろいろ検修も含めまして総動員して、とりあえず対処していくということでやるほかないということで対処したわけでございます。人も車もできるだけ稼働させてとりあえず対処していく、そしてできるだけ早くに車をつくっていく、こういうことしかないと、かように思っているわけであります。なお、在来線といいますか、新幹線以外の車でもってこれを補うということについても、方法について検討し臨時的にでも対処していく、こういうことで考えたいと、かように思っております。 それから新幹線の中の乗務員の作業の問題でございますが、これは御指摘のように、停車駅が非常に早くに来るということで作業上いろいろ問題あろうと。これはいま伺えば、わかることであります。具体的な内容について検討さしていただきたい、かように思います。
○伊部真君 それから、私の認識が違えば御指摘をいただきたいんでありますが、特急もしくは急行と新幹線と接続をした場合には、片方の特急、急行は半額にするということですね。それはそのように理解していいですね。
○説明員(原岡幸吉君) そのとおりでございます。
○伊部真君 そうしますと、博多から岡山までが、たしか、これ千円ですね、特急で。そして岡山から相生までの新幹線一区間ですから、これ四百円ですね。この場合は特急、新幹線料金合わせて九百円。そうして博多から岡山までの特急料金は千円ということになりますが、そのとおりですか。
○説明員(原岡幸吉君) そのとおりでございます。
○伊部真君 そうすると、これ、おかしな話なんですが、特急で博多から乗って岡山まで行ったら千円で、乗り継いで岡山から相生まで乗ったら九百円ということで、遠いところのほうが安いということですが、これはどう思われますか。
○説明員(原岡幸吉君) 新幹線を一駅利用した場合に四百円という特定の料金をきめておるので、そういう関係で、いま御指摘のような利用の条件が発生しているわけでございます。
○伊部真君 これはどうもおかしな話だと思いますけれども、そうかといって上げよというわけじゃありませんけれども、どうもこの点は不合理だと思いますがね。 それから、もう一つお聞きをしておきますが、同じケースで静岡から乗って青森へ行った場合、この場合はどうなりますか、金額は。私、調べておりませんから。
○説明員(原岡幸吉君) いま金額計算いたしておりますので、ちょっとお待ちください。これは別に特別な料金を設定しているわけでございませんで……。
○伊部真君 いや、私はそれの金額は調べておりませんが、はっきりしておきますが、東北の場合は、乗り継いだ場合に割引があるんですか、ないんですか。
○説明員(原岡幸吉君) この場合には、乗り継ぎ割引はいたしておりません。
○伊部真君 これはけしからぬじゃないですか。九州の福岡へ行くときには、新幹線に乗ったら、たとえば大阪からでも、岡山からでも、新幹線に乗ったら、向こうは半分になって、東北や信越線や上越線は割引がないというのはどういうわけですか。これはみんな知らぬかもしれませんけれども、東北線や信越線使っている者はほかの人と差別をされていると私は思いますがね。
○説明員(原岡幸吉君) 新幹線と特急の乗り継ぎの件でございますけれども、これは新幹線開業前に東京から博多までの直通の在来線の特急があったわけでございますけれども、それが新幹線が大阪まで開業されると、これに伴いまして、その利用の調整をはかるという観点から、乗り継ぎ割引ということを実施したので、他の線区についてはそのような扱いをしていないというのが現状でございます。
○伊部真君 北陸でも乗り継ぎの場合は、これは認めていますよ、割引は。北陸線の急行券あるいは特急券は半額にしているはずですよ。それをなぜ東北は認めないのかといえば、東京と上野との間の差があるから認めないというのが私は国鉄の言い分だと思うんですよ。しかし、いま東京駅から東北線も上越線も信越線も出ているやつがあるんですよ。それなのに、なぜ東北のほうだけは、あるいは信越のほうへ回っているのは割引がきかないのか。これは国民をだましたことになるんじゃないですか。同じように扱ってもらわなければ、東北の人は問題だと思うんです。
○説明員(原岡幸吉君) 新幹線が新しくできたときに、在来線との関係からいって、新幹線の利用を促進するといいますか、利用しやすくするための乗り継ぎ割引、こういう制度でございます。そういう観点であるので、東北なり、そちらのほうへ行く場合には、まあ直接的な関係がないという考え方から、そのようにやっておるわけでございます。
○伊部真君 それなら、それは新幹線に東北の人も乗るわけだから、東北も同じようにしたらどうですか。なぜ東北はできないですか。東北線や信越線や上越線、私はみんな見ております、東京発がある。なぜ、それが条件として違うんですか。大阪乗り継ぎと東京乗り継ぎとどう違うのか。新幹線を利用してもらおうとすれば、東北の人だって同じじゃないですか。静岡まで行ったら半分にしてもらうというのはあたりまえじゃないですか。向こうだったら、岡山から大阪まで乗ったら、向こうの博多から岡山までのやつは五百円なんですよ。東北は、青森から——私は特急料金はよく知らぬが、千円でしょう、最高が千円だというから。これだとしたら、上野まで行って、あるいは東京まで行って千円で、静岡まで行ったら五百円、かりに一区間なら四百円。同じような条件にしてもらうのはあたりまえじゃないですか。なぜ東北や信越や上越のほうだけは、いままでほおかむりしておったのですか。
○説明員(原岡幸吉君) 在来線のところに新幹線ができると、それによって在来線の特急が使われなくなる。そこで、その利用の便といいますか、新幹線を利用することが便利になる、利用していただくという観点から設けたものでございまして、在来線の特急が従来どおりあるというような場所につきましては、その関係が発生しないということで、乗り継ぎ割引ということをいたしていないわけでございます。
○伊部真君 理屈にならぬですね。それは特急でも急行でも同じじゃないですか。急行でも割引しておるんでしょう。特急だけの話をしておったわけですけれども、急行券でも割引しているんでしょう。そんなことは弁解にならぬです。ほかの北陸だって、山陽線だって急行券で割引していますよ。特急でなくても——特急があるのかないのか、ぼくはダイヤを見ていないんですから。いいかげんな話では、一方的な話では困りますな。
○説明員(原岡幸吉君) 私、いま特急だけを対象にして申し上げましたけれども、急行についてもこの考え方は同じでございます。 で、東北につきましては、新幹線の関係からいって、直接関係がないといいますか、いままでの在来線はそのまま急行も特急も運転しておるという状況なので、東海道新幹線のように、在来の急行なり特急があったところに新幹線というものができたので、その間の調整をするという考え方で、このような乗り継ぎ割引をいたしておるのでございます。
○伊部真君 それはどうもわからぬですね。岡山から博多までの間と、どうして東京から青森が違うんですか、それは。在来線、どこにそういう相違があるというんですか。そこに、いま現在は、両方とも、特急もあるし急行もあるんですよ。岡山から以降のことなら、それは言い分があるかもわかりませんね。岡山から東京までの在来線があったからどうというのは、しかし、現実に、岡山から向こうは同じこっちゃないですか。どこがどう違うのですか。
○説明員(原岡幸吉君) 岡山までがなるほど新幹線になったわけでございますけれども、これは東海道、山陽、こういうものを一本に見て、その中で大部分が新幹線化された、これに伴う対応策としての乗り継ぎ割引、こういうことでございます。
○委員長(木村睦男君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(木村睦男君) 速記を起こして。
○伊部真君 これはどうも私ら利用者側にしては納得のいかぬことです。それはもし理屈があるとすれば国鉄当局のほうの経営上の都合でいろいろ理屈をつけているので、われわれのほうから、利用者側から見れば、当然仙台から静岡へ行くといった場合も、ちょうど博多から出て岡山経由で新幹線に乗って大阪へ行くと同じ状態ですから、同じ状態であるのに国鉄のほうの過去のいきさつがそうだからといって、片っ方のほうは半額にしないというのは、極端に言うたら東北の人、少しおとなしいから差別をされているような感じがするので、これは十分検討をしていただきたい。 それから、前のときにもちょっと問題がありましたが、公害、騒音、振動の問題ですが、かなり新聞でも伊丹あるいは明石あるいは浜松というところで出ております。特に浜松のごときは、本年の一月調査では、市の公害課の調査によりますと、「ひかり」の上りでは百十三・六ホン、下りは百七・五ホンということで、道路の公害規制の基準からいってかなりオーバーしているという状態なんですね。こういうことで、私、この間、明石のほうへ行きましたら、明石でも同じような苦情か出ている。そして家が振動によって亀裂が生じて、壁に亀裂を生ずるというようなことでたいへん問題になっているわけですが、当時、鉄監局長のほうもこの問題については、極力、振動あるいは騒音、テレビが見にくいというような問題については、国鉄のほうに十分配慮するように注意を与えますと、こういうことであったんですが、どうも国鉄側のこういう苦情を受け付ける窓口というんですか、そういうところがどうもはっきりしていないようです。工場局へ行けとか、どこどこへ行けというようなことでどうも不十分なようでありますが、こういう市民の要求についてはどこで受け付けるということになっておりますか。
○説明員(山田明吉君) おそらく新幹線関係の公害の御質問だろうと思いますが、新幹線関係で起きておりますものは私どもも十分承知いたしておりまして、いまこの処理に本格的に取り組んでいるところでございますが、騒音源が車両の関係あるいは線路の原因、いろいろございまして、何ぶん国鉄としての業務機関が非常に多岐にわたっているものでございますので、窓口を一カ所にしたらということも研究いたしたのでございますが、単にそれは受け付けて、そしてまた内部で通り抜けになるだけのことでございますので、どこでも、たとえば新幹線総局へ行ってお話しになっても、あるいは地元の管理局にお話しになりましても、その原因に応じましてそれぞれの応待の機関で誠意をもって解決するように、実は内部的に指導をいたしております。それで、ここが公害担当の個所であるというような組織上のことはただいまのところ考えておりませんで、公害源となったところが一番原因もよくわかります、また対策についても一番専門的にできるわけでございますので、そのような処理をいたしていきたいと思っております。 なお、これは御質問がございませんでしたけれども、岡山までの新幹線についてはほとんど聞いておりませんが、全然ないことはございません。むしろ従来の東海道新幹線についての公害が、非常に最近苦情が多く出ておりますので、実はそちらのほうを重点的に手当てをいたしておる現状でございます。
○伊部真君 いま岡山のほうの新幹線については苦情があまりないと言われておるわけですけれども、そうじゃなく、時間的に、新幹線が通って、その問題がまだ具体的に上層部のほうにあがっていないんじゃないかと思うんですが、この間行ったところでは、やっぱり明石のほうでも、明石市議会で問題になっている。ただ、私が仄聞したところによりますと、国鉄のほうへ行ったけれども、どうも窓口が、どなたが責任者ということについてあいまいなんで困っているんだという話でしたが、そういうことなら、もう一ぺん具体的な事実を持ってきて、私のほうからでも話しましょうという話をしておったんです。いずれにいたしましても、やはりかなりの振動に基づく家屋の損害というものが出ているようですから、そういう点についても考えてもらいたいと思います。 それからもう一つ聞いておきたいのでありますが、この間の新聞に出ておりましたが、浜松のところの問題ですね、先ほどちょっと言いましたが、一月に公害課の調査でも百十三・六ホン、百七・五ホンというふうな、いわゆる道路の環境基準の六十五ホンをかなり上回っておるというふうに言われておるわけです。そしてこれについて中央公害対策審議会の特殊騒音専門委員会が調査をいたしましたときに、これはやはり環境基準の範囲内にできるだけやらなければいかぬということで、路線変更とかあるいは地下線というものも考えなきゃいかぬだろうというふうなことで、新聞に談話を出しておりますが、これはたいへん大きな問題だろうかと思いますが、これについての見解がありましたら聞かしていただきたい。
○説明員(山田明吉君) 実は私、専門家でございませんので正確なお答えができるかどうか、その点お許し願いたいと思いますが、浜松の問題は私どもも承知いたしておりまして、ただ、そのはかったときが新幹線が通ります瞬間のホンの話でございまして、通常たとえば道路の横とかあるいは飛行場の騒音とか、これはたとえば九十ホンとか八十ホンとかいうことがございますが、何といいますか、平均的な騒音でございまして、もちろんそういう自動車なり飛行機が通らないときには非常に低くなるわけでございますが、のべつまくなしに道路なんか自動車が通っておる——それで、いまの浜松のお話も、瞬間的に新幹線が通るときに確かにそういう実測値が出たそうでございまして、これにつきまして、先ほど申しました一般的な対策といたしまして、防音壁をつくる、あるいは車両にスカートといいますか、車両自体に手を加えることにより騒音の伝播効果を低くするようなことをいま考えているところでございまして、また防音壁もできるところから逐次手をつけていこうということを四十七年度の計画として始めております。それから、いま先生からもお話がございました、路線を変更してくれ、あるいは高架を地下にしてくれということは、これは実際問題として不可能でございますので、別途政府で設けられております対策の委員会の御議論ともあわせて、さらに私どもといたしましても検討を進めてまいりたいと考えている次第でございます。
○伊部真君 いま話がありましたが、いずれにしても新幹線の公害問題というのは、東海道にしろ、山陽にしても、決して山陽は非常によくなったというふうな評判は聞いておりませんので、その点については十分配慮されて——何が原因だということについてはどうもいろいろあるようです。現場の人たちに言わせれば、線路とあるいは車輪との関係ではないかとか、そうではなくてやはり線路の構造にあるんではなかろうか、いろいろあるようでありますけれども、いずれにしても、新幹線の岡山線は必ずしも公害の問題について在来よりはよくなったと言い切れぬものがあるようでありますから、したがって全般についてひとつ検討をしていただきたいと、こう思います。
○瀬谷英行君 この春闘の関係ですけれども、報告によると、順法闘争と称してサボタージュを続けている云々と、こういう報告があるんですけれども、現在、たとえば具体的に、ATS闘争は順法闘争でありサボタージュ闘争であるという、ふうなきめつけ方をしているのか、そういうみなし方をしているのかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
○説明員(山田明吉君) 現在いわゆる闘争が行なわれておりまして、国民の皆さま方にたいへん御迷惑をかけておりますことをおわび申し上げますが、いま御質問がございました、いわゆるATS闘争と申して行なわれておりますものは、動労のやっております闘争のことをおっしゃっているかと思いますが、これは一言にして申しますならば、規定の解釈をかってに行ないまして、そうして闘争形態をとっているということが言えるだろうと思います。
○瀬谷英行君 いまの闘争とこのATS闘争、何かごっちゃになってしまうといけないので、まず総武線船橋の列車追突事故の問題と安全性の問題について、この前も委員会でこれは一日取り上げられたと思うんでありますが、まず、このことについて質問をしたいと思うんですが、船橋の列車追突事故の原因については、当時の委員会では、運転手が逮捕されておって詳細がわからない、こういう答弁があったわけです。わからないではまことに困った話なんで、すみやかに釈放方を警察庁と話し合いをした上で、運転手を釈放すべきである、何も逃亡、証拠隠滅のおそれがあるわけじゃないから、そういう逮捕でもっていつまでも真相がわからないというような状態にしておくこと自体がおかしいんじゃないかということを私は言った覚えがあるんです。その後、釈放されたと思うんでありますから、この列車の追突事故の原因というものも当該運転手から聴取をしてはっきりしたことと思うんでありますが、その点はどうでしょうか。
○説明員(山田明吉君) この前、事故の御報告と、おわびと、また御質問に答えました以降、私のほうからも運転手の釈放につきまして警察側といろいろ折衝をしまして、今月の一日の夕刻に釈放をされたわけでございます。したがいまして、それまで面接ができませんでした当該運転手にも直接事情を聞くことができるようになりまして、細部について、その後だいぶ判明いたしました。その結果につきまして、一言で申しますと、運転手自身の記憶が明確でない点がまだ残っておりますけれども、この前申しました、この前は一応推定を含めてと申して御報告いたしたわけですが、事故の推定原因につきましても本質的には訂正の必要がないと考えておる次第でございます。
○瀬谷英行君 そうすると、本質的には変わりないということは、結局ATSの装置、ATSの故障と錯覚をして、そして信号機の見落としをしたということは推定のとおりだったと、こういう意味ですか。
○説明員(山田明吉君) さようでございます。信号機を確認して運転をすべきところを確認をしなかったという、その確認をしなかった原因がATSの装置に気をとられていたというふうに考えております。
○瀬谷英行君 それでは、ATSそのものがこういう過密ダイヤの区間において、はたして安全という機能を発揮できるのかどうかという問題がある、その点はどうですか。
○説明員(鈴木宏君) ATSの機能につきましては、目的につきましては、前回の委員会でもご報告を申し上げたかと存じますが、たてまえといたしまして、乗務員は信号を厳守して運転するというたてまえでございます。そして、もし、信号が赤であるというような場合、また消灯した場合、そういう場合に前方を注意させる、また信号を確認させるという意識を明確にさせるために警報を発するわけでございます。そして万一、乗務員が正常な運転ができない状態、失神とか仮眠をいたしておりますような場合にのみ非常制動が働くというのがATSの設置の目的、基本でございます。したがいまして、いま先生から御質問のございましたような点で、このATSがあるなしの問題は、安全性から申しまして、乗務員が正常な運転ができないときに対処するという目的で設置しておりますものでございますので、いまのダイヤの密度が高い場合その他に関連いたしましては、全然関係ないと私たち考えております。
○瀬谷英行君 ダイヤの密度が過密の場合には、そうすると、早く言えばATSはなくともよいと、見込み運転でよろしいということになるように聞き取れるんですが、その点は、どうですか。
○説明員(鈴木宏君) いまお話ございました見込み運転ということばの意味が私たちよくわかりませんのでございますが、先ほど申し上げましたように、ATSがありませんでも、もともと乗務員は信号を確認して運転する、したがって、ATSで警報が鳴ったという場合にブレーキ操作をいたしまして、そして確認ボタンを押して、いわゆる確認扱いと称しておりますが、いたします。その後はあくまでも、先ほど申し上げましたように、ATSがなかったときと同じ運転、したがいまして、赤の信号の前では必ずとまるといずれの信号でも、赤の場合に必ずとまるということで、見込み運転はATSと関係なく許しておりません。
○瀬谷英行君 結局、赤の信号の場合にはとまるということをやれば、それがいわば順法闘争といったような形態になってしまうんじゃないか、そういうふうに思うわけです。これは過密ダイヤでなければ別です。二分そこそこでもって運転をしているという場合は、これは相当な過密ダイヤであって、そうなると、ちょっと乗降客が多いと乗降に時間がかかるということで、ダイヤが狂ってくれば、しょっちゅう赤信号でもってとめなきゃならぬという現象は出てくるだろうと思う。そうすると、これはいわば見込み運転では危険であるということにもなるわけなんですが、その点はどうですか。
○説明員(鈴木宏君) いまおっしゃいますような、毎日お客がある駅で平常よりも、予定しております計画停車時分よりも著しくかかるという場合には、後続の列車が計画上二つの区間を、最低限二つの閉塞区間をあけて設定しておりますが、それが追いついてまいるということは先生の御指摘のとおり起こり得るわけでございます。しかし、その場合でも、前の信号が赤でございますので、その手前で必ずとまるということは守らせておりますので、あと先行の列車が所定のダイヤに戻れば、かりにその場合、赤で次の列車がとまりましても、しばらくの時間のあと、正常な運転に復し得ると考えております。そして特に、たとえば新宿のような大きな停車時分の要する駅につきましては、御承知のように、ラッシュアワーの方向に対しまして二線を使いまして交互に停車させるというようなことで、この列車ダイヤの問題を詰めます場合の一つの要素といたしまして、停車時分が大きな要素でございますが、そういう駅に対しましては、特別の措置をしてまいっておるわけでございます。
○瀬谷英行君 たとえば、どうしたら安全が守れるかということになるわけですが、ダイヤが乱れて困ると言うけれども、現実には相当以上の、世界一の過密ダイヤである。世界一の過密ダイヤでもって、しかもATSだけではこの安全は守れない、安全は守れないというよりも、正常ダイヤが維持できなくなるというか、要するに正常ダイヤを維持する、あるいは安全を確保することと、規定どおりに運転をするということは、どうも相互に矛盾をするような現象が出てくるような気がするのです。その場合に、たとえばゼロ号信号機を廃止するといったような方法でもってこの過密ダイヤそのものを再検討するという必要はないのかどうか、その点はどうですか。
○説明員(鈴木宏君) 列車のヘッドウエーを詰めますことにつきましては、各国とも、いまの私たちで実現しております二分あるいは二分三十秒といった列車間隔よりももっと詰まった時分でやっているところもたくさんございます。そしておのおのの国、また私たちの場合でも、それに相応した信号機を立て、また信号機の間隔、閉塞区間によりまして、その前の信号機を四現示あるいは五現示といった速度の制限あるいは条件を示す信号を現示いたしまして、対応した措置を講じておるわけでございます。したがいまして、いまお話ございましたATSは、乗務員が正常な運転をできないときに対処するということで、あとはあくまでも乗務員が信号確認を守って信号確認をしていくということの前提に立って、正常運転を確保できるというふうに考えております。また、現在ATS闘争と称してやられておりますものも、信号機の赤に対応して必ずとまるといったことを正常に守っておることによって発生しているものではないと私たち見ております。それは速度を所定の速度まで上げないとか、その他緩慢動作が介在しておくれが所定よりも広がり、回復ができない場合が多々あるというふうに私たち見ております。
○瀬谷英行君 しかし、別に順法闘争をやらない前であろうと、東京周辺の国電のおくれということはなかったわけじゃないでしょう。しょっちゅうダイヤは狂っているというか、狂いがちだったということは、われわれ日常の経験で知っているわけです。いまの話だと、たとえば外国なんかの場合も、もっと過密ダイヤでやっているのだと言うけれども、それじゃ、そういう過密のダイヤの地域は、日本のように定員の三倍も四倍も、つまり詰められるだけ詰めるといったような状態にあるのかどうか。おそらくそういう状態は日本だけじゃないのかという気がするのですが、その点はどうなんでしょうか。日本と同じような条件で、その運転区間あるいは閉塞区間あるいは乗車効率というものは、あるいは日本以上の条件でやっているかどうか、その点をお伺いしたいのですが。
○説明員(鈴木宏君) その点につきましては、いま先生の御指摘のございましたように、必ずしも乗車効率が日本の東京のような場合と同じようなところは多くないだろうと思います。私も、具体的に各国の乗車効率がどの程度であるかということまで、ただいま把握いたしておりませんが……。 それから先生の御指摘がございました、このような闘争がなされていないときでも列車が乱れることがあるではないかとおっしゃいましたことにつきましては、車両故障あるいは特別の駅にたくさんのお客さんの乗りおりがあるというふうな場合に、おっしゃいますような事態が、正常に運転されているときにも発生しておることは否定できません。しかし、その場合でも、正常な運転をやっておりました場合には、比較的短時間の間にそのおくれが解消でき、列車を減らすというふうな事態にしなくても済むことがいままでの経験でございます。
○瀬谷英行君 実際問題として、上野だとか新宿だとかいうようなところに、学生アルバイトのしり押し部隊というのがいるわけです。配置しているわけです。ああいうしり押し部隊を配置しなければまともにお客が乗り切れない、ドアを締められない、こういう現象は、これは日本の特に東京、大阪、似たようなものだと思うのですけれども、こういう地域の過密状態というものが異常であることを証明しておると思うのですね。こういう異常な状態は、いわば軽わざ運転みたいなものです、正常な運行を確保しようと思えば。何かちょっと事故があればたちまち狂ってしまう、あるいは安全を確認しようとして慎重な運転をしようと思えば、これまたダイヤが狂う、こういうことなんです。こういう危険な刃渡りのような状態を解消するために、国鉄当局としてしかるべき措置を今日まで講じてきたかどうかという問題です。 先ほど伊部委員の質問に対して、三月十五日のダイヤ改正の基本的な考え方は、輸送需要に合わせる、こういう御答弁があったのですけれども、輸送需要に合っていないから今日のような混乱状態、通勤の混乱状態というものが現出しているのじゃないか。そうすると、根本的には、輸送需要に合わせるという国鉄当局の努力というものがこれは必要となってくると思うのですが、その点ははたして十分にやってきたのかどうか、あるいはこれからやろうという考え方があるのかどうか、その点をお伺いしたいと思うのです。
○説明員(鈴木宏君) ただいまの先生の御指摘、私たち非常に常々感じておるところでございますが、いままで東京につきまして、御承知のように、五方面作戦と称してわれわれ通勤対策を中心に努力してまいりました。東北線に関しましては、御承知の大宮までを貨物線と旅客線を分けて、電車線へ旅客列車が入るのを防ぐと申しますか、外へ出しました。それから中央線に関しましては、三鷹まで線増をいたしました。それから総武線につきましては、ただいま御承知の地下ルートと称しております津田沼までの線増、これは行く行くは千葉までの予定でございますが、線増によってこの七月に対処できるようになる。それから常磐線には、我孫子までの、御承知の地下鉄との直通乗り入れの緩行線をつくって対処いたしました。ただいま東海道筋のほうが、新しい貨物線をつくりまして現在の貨物線を旅客線に使う、そうして総武から地下ルートでまいりますルートとつなぎまして、横須賀線と直通させるというような対策を講じ中でございます。したがいまして、人口の東京集中に対応して、十分ではただいままでまいっておりませんが、いま申し上げましたような努力は続けてまいる、また今後も続けたいというふうに考えております。
○瀬谷英行君 いまの局長の答弁というのは、いままでやってきたことについての弁明にしかならぬ。実際問題としては、今日のこの国電の混乱状態というものは、ATSで完全を守るとか何だとかいうことは、実際問題としては非常に困難な状態にきているわけですね。これはもう現場の乗務員の注意力と勘でもってあぶない橋を渡っているというような状態であるということは否定できないと思うのです。そこで根本問題としては、やはり輸送力を増強するということ以外に問題の解決はつかないと思うのですね。そうしないと、どんなに小手先細工でやろうとも、信号機はこのとおりだし、ATSは警報的な仕組みはあるかもしらぬけれども、実際問題としてはやはり運転手が信号機を見て一たん停止をしながらやらなければ、安全の確保はできないということははっきりしているのだから、そうすると、安全とそれから輸送需要に合わせるということは、根本的には輸送力そのものを増強するという必要が出てくる。いまの運転局長の話だと、いろいろなことをいま言われたけれども、じゃあ、たとえば東京駅へ総武線なりあるいは横須賀線というものをここへもってきてつなぐ、こういう話がありましたけれども、これだって、さっきの伊部さんの話じゃないけれども、東海道筋はそれでいいかもしれない、東海道筋と総武線筋はそれでいいかもしらぬ、しかし東北方面との連絡ということに役に立ってないわけです。東北方面は依然として上野でもって乗りかえなければならぬ、こういうことになるわけですね。それでこの乗りかえが、きのう、きょうのニュースでも、乗りかえの際に混雑をしてけが人が出たという話がある。これは順法闘争だからというのじゃなくて、この混雑の状態は日常も慢性的に続いているわけですよ。これは、私は利用しているからよく知っているのですがね。順法闘争のあるなしにかかわらず、これはもう特に朝の八時半から九時までの間というものは、上野駅の乗りかえの混雑なんというものはたいへんなものです。よくあれでころがり落ちる人が、けがする人が出ないものだとふしぎにうくらいです。だから、こういう問題を解決するために、たとえば上野——東京間の線路を増設をして、そして上野到着の列車を東京まで乗り入れる、あるいは東海道筋まで乗り入れるという努力がはかられるならば、これは国鉄も何とか利用者の便宜をはかろうとしているんだなということがわかるけれども、そういう努力を全然しないで、運賃だけは上げてくださいということでは、これはもう利用者にとっては踏んだりけったりの話になるわけですね。その点、どういうわけだか知らぬけれども、東京以西と東京以北では格段の差を従来つけているわけですよ。その格段の差を解消しようとしないというのはどうも理解に苦しむのですが、その点はどういうわけなんですか。
○説明員(山田明吉君) いま全体的な輸送力増強の計画、それからそれの実施過程、運転局長から御説明したところでございますが、東北線につきましては、すでに三複線を完成しておりまして、問題は、瀬谷先生も御指摘になっておりますように、人口がどんどん、どんどんふえていきまして、それに応ずる輸送力が残念ながらあと追いになっているという点でございます。それで東北あるいは常磐方面につきましては、これはきょうあすというわけにはなかなかまいらないのでございますが、上越新幹線、あるいは東北新幹線ができた場合には、東海道新幹線の例と同じように、現在線の特急、急行列車を大幅に減らすことができまして、その点、現在線の線路容量があきますので、画期的な輸送力増強ができると思いますけれども、きょうあすの問題としてできます点は、輸送力が輸送量に比べてあと追いであるということは、これはもういなめない事実でございまして、その点の手直しに線増もやりましたし、また一個電車の長さを三十両編成にしましたり、あるいは十五両編成にいたしましたり、それからダイヤも二分ヘッドというようなダイヤまでつくっておるわけでございます。それで、二分ヘッドのダイヤが二分半ヘッドのダイヤより危険なのかという御疑問が出るかと思いますが、私どもは二分ヘッドにダイヤを詰める、それと、それに見合う設備の完備と、これの相乗積でいわゆる正常な運転、もちろん安全を前提とした正常な運転ができると考えております。 現在ATS、日本語でいわゆる自動停止装置というものをつくっておりますが、この機構がこれ以上進歩できないものではないと思います。現に外国では一分二十秒というヘッドで動かしている電車区間もございます。それには当然その一分二十秒で安全が保たれて、しかもノーマルな電車の運転ができる、そういう機械設備を総合的な視野でやっているわけでございますので、もちろん私どもの国電区間でも全部が全部二分ヘッドではございません、三分ヘッドのところもございますし、五分ヘッドのところもございますし、それぞれの区間におきましては、それぞれの状況に応じました機械設備を組み合わしてやっているわけでございます。先ほどちょっとお触れになりました、そういうような機械を完備いたしましても、私は、あくまでその機械を使うのは運転手である、人間である、そういう意味で人間といいますか、運転手の重要性はいささかも少なくならないという考えを持っているわけでございます。
○委員長(木村睦男君) 瀬谷君の質問の途中でございますが、官房長官が出席いたしましたので、官房長官に対する質疑を行ないます。
○森中守義君 議事進行ということになりますが、官房長官、実はきょうこの委員会は、これからのストライキを相なるべくは円満のうちに回避をしたい、ついては運輸大臣並びに国鉄総裁に委員会への出席をぜひ求めて、所見を求めておったところが、衆議院が本会議のあと運輸委員会を開く、こういうことで、大臣並びに総裁がほしいということで私に連絡があったものだから、委員長を中に入れて与野党の理事が相談をして、双方で出かけていった。そこで大体衆議院側の意向としましては、それは困る、けれども参議院側がどうしても放せないということであるなら、おおむね五時まではしかたがないでしょう、しかも官房長官が三時半から見えるということで、その間だけでもよろしい、こういう話し合いがまとまっておって、それを大臣並びに総裁には通じてああった。しかるに、われわれもそうなんだが、昼食を済ましていないから、ちょっとめしを食わしてくれということで中座をしている。ところが、理事のどなたであるかわからぬけれども、大臣は食堂におった、総裁は政府委員室におった、そこで連れにきたので、そのまま向こうに行ってしまったと、こういうわけですよ。よろしいですか。それでね、委員長に一言、こうこうこういうことで、衆議院の理事が迎えにみえているから、何とか参議院かんべんしてくれと、こういう連絡が大臣なり総裁からあれば、これはまた話は別。しかし委員長はもちろん、与野党の理事に一言の連絡もなく、そういう話が通じていたにかかわらずこの委員会に出席しないとは何事ですか。なるほど衆議院で運賃やっている。しかし、ここもまた重要な委員会ですよ。むろん倒れかかった佐藤内閣に何を求め何を期待しても意味はない。けれどもだ、国会における閣僚のこういうやり方はどうですか、これは。いつも官房長官に、私は会うごとにこういう文句ばかり言う立場にあるけれども、まことに遺憾のきわみですよ。直ちに連れてきてもらいたい、ここへ。どうです。
○国務大臣(竹下登君) これは政府でございますので、国会出席の点は、どうも私がこっちへ来いと、こういう命令をする立場にも率直に言ってございません。ただ私は院と、そして政府のいわば接点の仕事をいたしております。その意味において、森中委員のおしかりのおことばは責任をもってお伝えをいたします。しかし元来、私も長らくやっておりましたが、両院の連絡等は、それぞれの党の国会対策とか、理事者間の話し合によってきまるものであると思っておりますので、その点も、別の意味で、政府としてでなく、私のほうから伝えることはやぶさかでありませんが、どうも私がこっちへ来いと命令をするということにつきましては、別に年が多いからという意味じゃございませんが、せっかくの森中委員のおことばでございますが、首に綱をつけて連れてくるという力は私にございませんので、その点は御了解を賜わりたいと思います。
○森中守義君 これは命令する立場にあるとかなんとか、そういうむずかしいことを言っているのじゃないのですよ。流れとしてどうなのか、あなたはあれでしょう、内閣の調整役でしょう。しかも国対のベテランだと聞いておる。このくらいのいきさつがわからないはずないですよ。しかも、きょうは大臣、総裁ともに連絡不十分じゃない、運輸省の官房長からきちんと言ってありますよ。よろしいですか。何もいまここに連れてこいとはもう言わない。けれどもだ、こういういきさつがある限り、これは何も与党とか野党という立場でなくて、参議院の運輸委員会が軽視された、これに対してどういうような結果をもたらすか、そのことを十分考えておいてもらいたい。承知できませんよ。運輸委員会の委員長は与党ですよ。一言ぐらい委員長に、こうこうこういうことで衆議院の理事が迎えに来たから、後刻理事会でよく了解を求めてくれ、この程度の話があったっていいじゃないか。よくありませんか、それも。そういったように、いま私がしかったなんて言われるけれども、しかっちゃいませんよ。道理を道理として言っているにすぎない。ですから、このことは今後これは往々にしてあり得るような気もするんで、十二分に閣員の一人として、調整役の一人としてわきまえておってくださいよ。きょうのこのことは、あとで私ども十分相談する。何かの報復的な措置はとりますよ。そのことも運輸大臣、国鉄総裁にとくと伝えておいてもらいたい。きょうは連れてこぬでよろしい。そのかわり対応措置をとります。
○委員長(木村睦男君) 本件につきましては非常に遺憾でございますが、ただいま山崎理事が衆議院の運輸委員会のほうに折衝に行っておりますので、官房長官に対する質疑をお願いいたします。
○小柳勇君 さっき運輸大臣並びに国鉄総裁に質問したのでありまして、官房長官も一緒に同席していただいて、御答弁いただいたほうがよかったのでありますが、衆議院の社労の出席の都合でばらばらになりまして、しかし、問題は非常に重要でありますから、いまから質問いたしますが、総理にというわけにまいりませんので、内閣の責任者の補佐役として官房長官に来ていただきました。そういう意味で、責任をもって御答弁を願います。 御存じのように、二十七、二十八日の日を国民に明示して、交通機関の各労働者が賃金引き上げを要求してストライキ行動に出ると宣言しています。しかも、去る二十三日、日曜の日に、私鉄の大手九社を中心にしてストライキをやりまして、国民多数の行動に影響を与えている。九年ぶりのできごとであります。日曜ストライキは九年ぶりのできごとであります。そのあとを受けて二十七、二十八日には、あの日曜ストどころではない、史上最大の交通機関のストライキが決行されようとしている。きょうはもう二十五日です。あした一日しか時間はありません。さっき運輸大臣並びに国鉄総裁の答弁を聞きますと、国鉄総裁は、支払い能力のない当事者であるから答弁できませんと言う。私も一面はわかります。それから運輸大臣は、内閣にあってこの交通機関を掌握しておられる責任者である運輸大臣の答弁によりますと、とにかく二十七、二十八日にストライキをやらせぬようにしたい、そういうことです、中心は。それだけでは問題は解決しません。なぜストライキまでしなければならぬかというその労働者の生活を改善していかなければ、このストライキは中止できないんです。したがいまして、いまから官房長官に質問するわけでありますが、まず昨日の午後、院内大臣室で公企体賃金関係閣僚会議が開かれておりますが、竹下官房長官はこれに御出席あったかどうかをお聞きいたします。
○国務大臣(竹下登君) これはもとより出席いたしておりますし、私が便宜上司会者でございます。
○小柳勇君 わかりました。そこで、今回の交通関係のストライキ、どの機関もこれは大事でありますが、その動脈となっているのは国鉄であります。で、国鉄が公労協の職員として賃金要求をやりましたにもかかわらず、三公社五現業のうちで二公社五現業、有額回答がありまして、国鉄はゼロ回答です。しかも昨年の回答は、赤字であるという理由で国鉄、林野庁はゼロ回答であった。ところが、本年は、林野庁の場合は赤字であるけれども、経費の節減をはかるからということで月給者が七千五十円、日給者が千七百円の有額回答が出されている。赤字を理由とするならば、国鉄、林野庁同様にゼロ回答であってしかるべきだ。なぜ国鉄だけがゼロ回答で、林野庁は有額回答であるのか。もちろん有額回答ある、なしの説明よりも、なぜこういう差別をしたのか、官房長官からお聞きいたします。
○国務大臣(竹下登君) これは例年、実は関係閣僚と申しましても、大蔵大臣、経済企画庁長官、労働大臣、それと内閣官房長官の四閣僚会議でやる場合と、それから、ことしのようにそれぞれ現業を持っております全部で九閣僚によってこの会議をやる場合とあるわけであります。で、今年、昨年に続いて九閣僚会議を招集する、これは便宜上私がやるわけであります。そこで、その閣僚会議というもののおよそきめる限界というものはどういうことであるかということについて、私なりにも種々検討いたしてみたわけであります。一つは有額回答、すなわち、当事者能力というものが、できるだけその範囲が多くあったほうがいいと、私も原則的にそのように思っております。したがって、有額回答ができるようになった時点と、その前の時点とではよほど変わってきたというような認識を私は持っておるわけでありますが、まず、ことしの場合、一つの条件として、本院でなお予算が審議中であるという条件がございます。これについては四者会議で種々検討いたしました。率直に申しますならば、なお異なった議決がなされ得る可能性の中に少なくとも法律的には存在しておるという場合に、有額回答というものについていろいろな矛盾が生じやしないか。これをいろいろ詰めました結果、おぼろげながら、本院予算委員会の一般質問の際に、予算成立を前提としてという表現をつけ加えることによって有額回答も可能でありますというお答えをいたしたのであります。したがって、有額回答は可能であるという答えです。われわれ四者会議で四者おりおり相談してきまして、そのことを、関係を持っておる閣僚全体にまず認識させなければならない、それが昨日の関係閣僚会議の重要なるポイントでございます。 そのような説明をいたしましたら、有額回答に、そういう状態の中にあっても踏み切るという決意をしたからには早いほうがよかろう、こういうことになって、第二点としては、できるだけ早い機会、すなわち、まあきょうの午後にもという決定のしかたをいたしたのであります。そこで、額については、これは閣僚会議でございますから、公式な表現としては、それぞれが自主的に提示さるべきものである、ただ、きびしい経済情勢と、そして民間賃金の動向というものの推移をながめられれば、おのずから妥当なものが提示されるであろうということを期待するという表現で最後の締めくくりを行なったわけでありますが、その際、運輸大臣から御発言がございまして、国鉄については、今日の時点で有額回答をするという状態にないと判断するので、そのように御了知いただきたいと思う、こういう御発言がございました。それがなぜ国鉄がされないかということになりますと、これは単なる調整役、司会役の私の口から申し上げることはいかがかと思いますが、当局の間でそれぞれの事情がおありのことでおろう、言うならば、小柳先生にたいへん公式的な答弁をいたしました。公式的にものを運びますと、そのような答弁が私の限界である、このように御了知いただきたいと思います。
○小柳勇君 ことばじりをとりませんけれども、予算が審議中というならば、これは各省庁とも四十七年度の予算はまだ未決定のはずです。ただ、国鉄の場合、運輸大臣が経営が赤字であると言われたということ、そのために国鉄の場合は有額回答もいまの段階では困難であろうと、たぶん運輸大臣は言われたものと思います。さっき、長官出席してないときに、私はこういうことを運輸大臣に言いました。たとえば、いま運賃値上げの法案が国会にかかっておって通りません。それでてんびんに——これは言うならば、これが上がらなければほんとうは賃金引き上げできぬのですという考え方があるのではないか。それは間違いです。なぜかならば、国鉄の職員は三十二年から四十五年までの間に十万二千人合理化で削減されている。四十四年、四十五年、二年とってみましても、一万五千近くの者が減員になっているにもかかわらず、昨年よりも今年は増車をやっております。客貨の数はふえております。しかも収入もふえております。昨年の人の中から一万人近く減りながら、客貨をよけい動かしております。同時にまた、一年間の収支の経緯をとるならば、収入と支出は黒字です。したがって、その赤字の原因というものを究明しなければならない。それはいま国鉄運賃の引き上げなり、国鉄再建法が国会にかかっております。大体、国鉄労働者の立場を言いますならば、少ない人間でよけい輸送しているのだから、しかも物価は上がっているのだから、一般の、自分たちの同じ仲間が賃金が上がるのだから、同時に上げてもらわなければ愉快に働けませんと言うのは当然でしょう。しかも国会は五月二十六日までの会期です。もういまのこの国鉄運賃法、国鉄再建法の審議は、ここ二、三日のうちには上がらぬということは政治家の常識ですよ。おそらく竹下長官だってそれくらいのことはおわかりでしょう。だから、たとえば、いま国鉄再建法がまだかかっておりますとか、まだ予算が通りませんとか、あるいは合理化が進んでおりませんということと、てんびんにかけて国鉄労働者の賃金を論議することは、もう全然お門違いです。 まず問題は、二十七、二十八のストライキを回避したいとするならば、政府が責任をもって国民の足を守るとするならば、国鉄再建法の問題、運賃引き上げの問題は国会の審議にまかせましょう。とにかく何とか労働者の賃金引き上げの問題を解決しなければならぬ、それにどうして努力するかということこそが閣僚会議の討議の内容であり、結論でなければならないでしょう。にもかかわらずだ、運輸大臣がいまそういうことでありませんからということで、他のほうだけ有額回答を、しかも、その有額回答は去年の初めの第一次回答と同じ金額ではないですか、ふざけておりますよ。もし去年の最終回答を中心にするなら、それは話はわかるよ。去年の第一次回答と同じ金額を回答として出している。そんなふざけたやり方、それが二十三日のあの私鉄のストライキをやらして、国民に迷惑をかけ、いままた二十七、二十八にどうなろうかと、国民が不安になっている原因ではないか。おそらく各会社とも、重要な会社、あるいは重要な役所などは、もう二十七、二十八日はストライキだから、この際ふとんの準備をしよう、寝泊まりの準備をしようというところもあるかもしれない。一切あなた方の責任ではないか。もうあと一日しかないでしょう。二十六日一日しかないんです。それをまだきょう運輸大臣の答弁を聞いてみると、解決はつきそうもない、ただ厳重に処罰するように、そういうストライキはやめるように言いました。そんなことでストライキとまりますか。私は、賢明な竹下長官が招集された閣僚会議の決定、全く不満です。いま言ってもしょうがありませんが、いま長官はどうしてこの二十七日のストライキをやめようと思っておられるか、見解をお聞きいたします。
○国務大臣(竹下登君) まず今次春闘、なかんずく公労協関係につきまして、かねて公式の答弁として申し上げておりますのは、いわば違法行為に視点を合わせながら、政府の介入するスケジュールをつくるべきではないということは公式的に申しているところであります。しかし、およそ政治家といたしまして、私どもがまず何よりも国民の——ただいまの御表現で尽きております。国民の足を確保しなければならないというならば、ストライキの回避に努力をしなければならないことは、私どもの絶えず念頭にあるところでございます。そこで、これらにつきましては、私どもにもそれなりの、いろいろな情報をちょうだいをいたしておりますが、労働大臣の言をかりますならば、最もタイミングを失せざるということを申しておりますが、今日何としてもいわゆる調停に入ったばかりである、この精力的な調停段階を静かに見守っているということ以上に、私から具体的な考えが今日あるわけでもございませんが、かりに私なりの腹組みがあったとしても、それをお答えする段階ではなかろうと、このように思います。 しかし、私から小柳委員の御質問に対しての直接の答弁にはなるとは思いませんが、いわば予算審議中というさなか、あるいは労働大臣が非常に財政当局等を、私どもも含めて説得され、そうしてきびしい経済情勢の中、また鉄鋼、造船、私鉄というものの回答の推移を見ながら有額回答することに決定をしたということ、これはそれなりに私は評価を賜わりたいものだと思います。しかし、この九閣僚会議でまず私どもがやりましたのは、いわゆる有額回答するしないという基本論を論じたのでありまして、スト回避の問題、国民の足を守る問題ということになりますならば、九閣僚会議というよりも、むしろ政府全体の責任において、なかんずく国会、そうして、そういういわば民主団体との接点にあります私に課せられた責務の重大さは十分認識しておるつもりであります。
○小柳勇君 問題を二つ質問いたしますが、一つは、前段に言われた、語尾がちょっとはっきりしませんでしたけれども、違法行為を背景にして、言うならば国民の迷惑をも省みず、実力行使をもって賃金引き上げを要求しているものについては問題があるというような印象を言われました。そこのところは非常に重大でありますから、その点を明らかにしておかなければなりません。本来的に憲法で労働三権は保障されています。ただ日本国有鉄道法で、あるいは公労法で一部この行動権の制限がありました。しかし、それはずっと歴史的に要求が満たされないし、剥奪されたストライキ権に対する代償が完全に保障されなかったから、やむを得ず追い込まれた労働者の行為ですね。それは年々歳々国民のそれに対する感情も変わりまして、おそらくもういま諸外国にいまの日本の実態を照らしましても、このストライキというものはあるいは当然に映っておるのではないかという気もいたします。もちろんこれは裁判にかけませんとわかりませんが、いまなお竹下官房長官が、違法であるストライキをかざしながら公労協の組合が賃金要求するのはけしからぬという感じを持っておられるとするならば、政治家としての若干私はそのセンスを疑う。法律家ならまた別ですね。政府の番頭としての官房長官としては、そういう発言は、この国会では、委員会では差し控えるべきであろうと思う。これが第一です。これに対する見解も聞いておきたい。 それから第二点は、有額回答の問題でありますが、林野庁を責めるのじゃありません、出たのは私は喜びますが、赤字である林野庁は、しかも去年ゼロ回答であった林野庁には有額回答をやって、なぜ国鉄だけにゼロ回答したか、そのことが各大臣の間に論議されたか、あるいは竹下官房長官、それを見てちっとも不自然に思われなかったかどうか、御答弁を願いたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 私が申しましたのは、まさに小柳委員、内閣官房長官という存在は、ときにして国会との接点にあり、そして労働団体等との接点にありますだけに、私の答弁は間々、政府委員としての法律を踏まえた公式答弁の域を逸脱することがございます。そのことは、ほんとうは私なりには注意すべきことであるという考え方で慎重に答弁をいたしておりますが、法律が存在する限りにおいて、いわゆる違法であるとされておるストライキ等々の行為に、政府なり当局がそれにスケジュールを合わして解決に乗り出すという姿勢は、法律の存在する限りはとるべきではないと、こういうたてまえはとっております。しかし、およそ政治家といたしまして——この辺から逸脱するわけでございますが、いわゆる国民の足を守るとか、あるいはストライキは回避しなければならないとか、こういう哲理には私どもは徹しておるつもりでございます。したがって、私は、そういう違法行為に政府そのものがスケジュールとして合わしていく、この姿勢をたてまえとしてとるべきではないと、こう申したわけでございます。 さて、次のゼロ回答の問題でございますが、林野は、実は昨年これは有額回答でございます。ことし、あるいは二つがゼロ回答になりはしないかという事前情報が流れましたので、おそらくそのことであろうと思いますが、その後林野は、それぞれ関係先と御協議なさって、有額回答をなし得るというかなり詰めた議論の中でそのように決断されたというふうに承っております。それから国鉄に関しましては、したがいまして、もちろん私も、従来ともそうであるにしても、一つだけ取り残すということが好ましいことであるとは断じて思っておりません。また、九閣僚会議ではございませんが、四閣僚あたりで議論をいたします中に、真のいわゆる当事者能力ということになると、あるいは全電通また専売等々から一つの新しいタイプをつくるべきではないかという議論も確かに出てまいります。また、各団体、もとより統一された中にもそれぞれのニュアンスの相違も私にもよく理解できるところでありますが、決してこの国鉄を一人のけもの扱いにしたということは、私なりに一番——特に国会との接触点におります私としては、これは運賃法が上がらないからこうでありますということばだけは、率直に言って、少なくとも国会との接点である内閣官房長官は、そのことばを使うべきでないと私は実は思っております。これは国会で慎重に審議をしていただいておるさなかであります。また政府側としては、すみやかに成立することを期待しておる、それ以上のことは、私は国会の接点にあるだけに、官房長官の発言としてはとらないでいこうという方針を今後ともこれは貫きたいと思っております。しかし現実問題として、さればどうであったかというと、私が国鉄当局へ聞いてお答えする、こういうことになりますので、その問題につきましては、国鉄は国鉄なりのやむを得ざる事情があったであろうと、私は推察する域を出ない答弁で御了解を賜わりたいと、このようにお願いをいたします。
○小柳勇君 そこで、長官の気持ちもわかりますが、こういうことでいいですか。政府としては三公社五現業同時に解決したい、そういう方向で長官としても努力しておるんだと。したがって、二十七、二十八のストライキについては、とにかく回避する努力をするのだ、こういうふうに理解していいですか。
○国務大臣(竹下登君) これはもとより政府としては、やはりことばで申しますならば、まあ期待をしておるとか静かにながめておるとかいうことしかいまの段階で私からは申し上げにくいと思います。が、少なくとも国民の足を守る、ストライキを事前に回避したいと、このことは政府部内でおりおり話し合っていることだけは明瞭に申し上げてよかろうかと思います。
○小柳勇君 そこが非常に大事な問題です。それは労働省からは大臣でなくて労政局長でしたから残念でしたけれども、労政局長にも言っておきました。中労委がいま職権あっせんに入りました、これは私鉄関係、それから公労委にはいま調停申請がなされた、だから私どもとしては数日間誠意を信じて見守っておりますと答弁がありました。ある場合にはそれは正しいと思います。しかし、このように切迫した状態では、私は、いわゆる行政指導をやらなければならぬ政府としてはどうかと、私はそうあるべきではないと、それが第一。 第二は、国鉄の総裁もきょうここで証言いたしましたけれども、支払い能力のない国鉄総裁としては、やるやらぬということをいま答弁できないんだと、それはそうでしょう。自分としてはやりたい気持ちはあるけれども、金がないんですと、それがもう真実だと思うんですよ。したがって、それをめんどう見てやるのは何かというと、できれば早くこの運賃値上げ法が通り、国鉄再建法が通って将来のめどが立って、その上で政府が何らかの形をとってやるのが一番よかったんでしょう。しかし、それはいま言ってもせんないことです。そこで、日本国有鉄道が独立採算制とはいいながら、政府がめんどう見ていかなきゃならぬこの国有鉄道の賃金問題の解決は、政府が何とかひとつ努力をしてめんどうを見る以外にはないのではないか。これはいままでの例もありました。私も再三それを経験してまいりました。しかも、それはもう一日しかないわけですね。二十六日、あしたの晩、二十七日の朝からは私鉄、国鉄あるいはその他の交通機関も一緒にストライキに入ろうとしておる。それはまことにもう長官の腹の中では、この国会でここに出席しておること自体が時間が惜しいんだとおっしゃるかもしらぬが、私もよくわかります。したがいまして、中立的にものを見るのではなくして、公労委あるいは中労委には努力をしてもらいながら、それに足らないものは政府が手をかしてやらなければならない、力をかしてやらなければならない、その努力をすると、それをお約束願えますか。
○国務大臣(竹下登君) これは重ねて申し上げるようですが、今日の時点として私が正式に申し上げることばは、これを今日静かに見守っておる、こういうことであります。が、再三申し上げますように、これは政治そのものとしては、国民の足は守らなければならない。そこにおのずから私どもが払わなければならない努力というものは存在しておる。そして、あるいは公労委の調停、仲裁等に対しまして、われわれといたしましても静かに見守りつつある。関心を持ちながらも、われわれのなし得る限りの努力はしなければならないだろう。非常に抽象的な表現でございますが、いまの時点で私に言えることは、大体その辺が限界ではなかろうかと御了承を賜わりたいと思います。
○小柳勇君 長官の気持ちはわかりましたが、大蔵大臣なり内閣総理大臣は、この非常事態、大きな社会問題となっておるこの事態をどのように考えておられるでしょうか、まあ本人いないから十分わかりませんが、番頭である長官、あるいはこの関係閣僚会議の司会者である官房長官はどのように把握しておられますか。
○国務大臣(竹下登君) これは春闘に関しますところの中間報告というのは、閣議でいままで労働大臣から二回やっております。その閣議終了後、さらにそれのもう少し詳しい内容につきましては、労働大臣、労政局長、私が立ち会って総理にそのつど報告をいたしております。そこで総理としては、率直に申しまして労働大臣に対して、あらん限りの努力をすべきである、このような指示があったことも事実であります。
○小柳勇君 そういたしますと、あした一日でありますが、ストライキを回避するために政府としてはあらゆる努力をして国民に迷惑をかけないようにするんだ、そのように努力しておるんだと、そう理解していいんですか。
○国務大臣(竹下登君) いまの時点においては、私は静かに見守って、そういうことが回避されることを期待しておる、しかし、その期待しておる底にあるものは、それは具体的なお話、具体的な行為をお示しするだけの用意はしておりませんけれども、今日申し上げることは、そのようなことが回避されることを期待しておる、そうしてまた私どもにできることがあるならば、あらゆる努力を惜しまない、このような答弁で御了承を賜わりたいと思います。
○森中守義君 関連。 なるほど、表現が非常に抽象的で、どういったように受けとめていいのかいろいろ解釈はするんです。けれども、もうちょっと具体的に考えた場合に、おそらく調停作業が進んで、その作業の過程の中で、おそらく事前協議的なものが政府に対してあったろう、これはきわめて常識的な私の考えですがね。そういう際に、いまあるものを考慮するという、そういうお話もあったようですが、当然、事前協議等が行なわれれば、これに対応する政府側の考えというものはあるんでしょう。それが、足は確保したい、成り行きは見守りたい、これでは全然硬直した状態であって、内容的には全然進歩がない。いまの勢いでいけば、おそらく好むと好まざるとにかかわらず足の確保に無理じゃないですか。で、そういうことが調停機関においても政府に対し何らかの意思の表明、何らかの事前協議というものは当然あってしかるべきだ。そういう背景をなすある種の行為というものが、政府と機関との間に何かの形でまとまっていかないと、調停案の提示もできないんじゃないか。そういうように考えていけば、当然政府としても何かの用意はあるんではないかというように私は考えるんですが、どうなんです。
○国務大臣(竹下登君) これは森中委員の御質問でございますが、まことに私がお答えしにくい御質問でございまして、確かに、この法律のたてまえから、静かにこれを期待をしつつ見守っておりますと、また一方では、その国民の足を守るための努力は惜しみませんと、まさに抽象的なことを私は繰り返し繰り返し申し上げておるわけであります。が、やはり今日のたてまえとしては、私は公式な立場で申し上げるのはやはりそれが限界ではなかろうかと、ただ絶えず私も接触をいたしておりますが、誠心誠意努力をする考え方は持っておるというところで御了承をいただきたいと思います。
○森中守義君 これはどうも微妙な段階ですから、これ以上深追いしていいものか悪いものか、ちょっと私も判断に迷いますけれども、やはりものの道理からいくならば、そういう背景がなければまとまらない。他面、足は守りたいというならば、どこかで、どういう方法かで何かの話がまとまらなきゃどうにもならぬ。その辺が非常にむずかしいさわりだと思う。ですから、ずばり幾らという話が出て、いやいや財政的にはそういう用意はありますとかありませんとかいう、その辺の腹つもりぐらいお持ちなんでしょう。これはむしろさっきの小柳君とのやりとりの中に感ずるのは、その程度の抽象的な表現ぐらいはこの際はお述べいただくほうが、これから先の足を守るという、真剣な努力をしたいという、その一つの証拠になるんじゃないか。それも何にも言わない、ただ足は確保したい、出すものはありませんというのでは話にならぬ。これはもう少しどうなんですか、胸襟を開いて、官房長官といえばもうちょっと言える立場にもあると思うので、言ってごらんなさいよ。そうすると局面はもっと変わるかわからない。それが一つ。 それからもう一つは、確かに国鉄に対しましては、昨年の林野に比べてまことにこれは矛盾がありますよ。これは残念ながらどうもどう抗弁されようとあまりつじつまの合った政府の態度にはなりませんね。同じように赤字でありながら昨年は同様の措置をとった、ことしは差別をつけた、どういうのかわからない。だから、繰り返すようですけれども、いま運賃法案が出ている、変なところに国民に気がねをしたのかどうか知りませんけれども、それとこれは同質のものじゃないのじゃないですか。ですから、もう一度調停の作業段階で事前の協議があれば当然それに応じなければならぬ責任も義務もあると思う。そういう前段の協議には応じなければならぬでしょう。その際に、それに対応する考えがあるならある、それすらもできないならできない一できないとはこれは言えませんな、法律上も。その辺どうなんですか。もう少しはっきり明確にしておいてもらいましょうか。
○国務大臣(竹下登君) さらにさらに微妙になってまいりまして……。
○森中守義君 いや、それを聞きたいために来てもらった。
○国務大臣(竹下登君) 私がお答えいたしますのは、そのような森中委員が一つの期待感を持っていらっしゃるというその御意見は私にはわかりますという答弁になろうかと思います。やはり今日の時点で事前協議という問題につきましても、現実、事前協議というものはかくして存在いたしますというものでもございませんし、したがって、やはりこれは森中委員の御意見は、私にも森中委員の御意見としては理解できる話でございますという答弁でひとつ御了解を賜わりたいと思います。なお、林野の問題は昨年も回答いたしておりますし、ことし事前に林野、国鉄が落ちるのではないかという懸念の情報が流れましたので、結局は、林野は昨年どおりに続けておると、こういう御理解をいただきたいと思います。
○小柳勇君 長官もたいへん発表できないような微妙な立場にあるようでありますから、これ以上押し問答しても出ないようでありますが、ただ時間的に非常に切迫しておるということはあらためてひとつ決意を新たにしてもらいたいと思います。それから、その静観も、いましばらく静かにして見ておりたいということでありましょうが、その静観する時間も短縮して最大の努力を内閣一体となってやってもらって、そして、二十七日、二十八日の史上最大といわれるストライキをしないで済むようにひとつ努力をしてもらいたいと思います。それは政府の大番頭ですから、ひとつそれだけの努力をしていただきたいと思います。 それから、これはまあ直接の責任はありませんけれども、政府ともなりますと経営者団体などとは常に接触がありますから蛇足であるかもわかりませんが、私は意見を聞いておきたいのです。これは運輸大臣から聞いたのでありますが、私鉄の経営者が二十三日のストライキをやめさして国民の足を守る努力をもう少しすべきであったという、私はそういう不満を持っています。それは昨年並みの六千七百円の第一次回答だけやってあとはもうびた一文上げない、交渉してもほとんど誠意がなかったと、これは各新聞も書いております。私どもも話を聞いております。その経営者団体お互い同士の横の仁義といいましょうか、メンツといいましょうか、そういうものに縛られて、大事な国民の足をそういう経営者のメンツによって奪ったということについては、私は納得できないのです。いまの大手各社が去年と同額でなければびた一文上げなかったのだと、そういうものは考えられないですね。言うならば、この公共機関をあずかる経営者としては、とにかく一日も早くこの職員の不満を解消して、そして足を、その経営を全うするというのが任務ではないか。お互い同士のそういうつながりに心奪われるということについては納得できないが、いま中労委で職権あっせんに入っておりますが、あくまでも自主交渉を中心にして早期解決の方向に経営者も——もちろん労働組合もそうでありますが、経営者ももっと真剣にならなければ、また二十三日の二の舞いが二十七日、二十八日に起こるのではないかと思います。これは両方もたれ合いではないかと思います、中労委の動きと公労委の動きは。それは政府に直接の責任はありません、法的には、まかせてあるのだから。しかし、それは行政を担当している政府でありまして、指導する方法は幾らでもありましょう。だから経営者団体に触れ、あるいは公労委、中労委の委員にも触れて、そして早期解決の方向に最善の努力をしてもらいたい、特に自主交渉、自主解決の方向もいろいろ指導してもらいたいと思うのです。その点についての長官の意見を聞いておきたい。
○国務大臣(竹下登君) 小柳先生の御意見と私もほぼ一致いたしております。ただ、確かに中労委も公労委も私鉄また国鉄等をかかえてややもたれ合いと申しましょうか、そういう姿を私も率直にはだで感じております、今日の時点において。それだけに、きょうも労働大臣と話をしておりましたが、これは答弁のワクを越えたような発言になりますが、いまの場合、中労委、公労委の精力的な、そして妥当な動きというものに、何といいますか、二人そろって陳情に行こうじゃないか、こういう冗談を言っておりましたが、そのことばで象徴されるような気持ちでございますので、小柳委員の意見を十分に私はそんたくしてこれからも臨むべきであると、姿勢としてはそのように考えております。
○小柳勇君 質問終わります。
○森中守義君 六年間の私の任期の間で、あまり官房長官というのはえらいから、一回か二回しかお目にかかる機会がありませんから、ちょっとこの機会に一問聞いておきたい。 第一に、会期の問題ですよ。これは総理がどう言った、こう言った、あるいはそれを受けて官房長官が新聞を通じてのおしゃべりは聞いておりますが、きのう現在で百十件法案がある、参議院で成立したのが十三件、ざっと勘定すれば百件近くもまだあるのですね。それで、これから会期末まで約一カ月、その間に国家行事が約十日ぐらいありますからね。こういう期間の中でどうなんです。これは法案全部し遂げたいということですか。あるいは会期延長を総理が言っているように、どの程度となるかわからぬけれども、きめたいということなのか。これはどういうことか。委員会の運営にもきわめて重大な影響がありますから、これをひとつ聞かせておいてもらいたい。 それから沖繩恩赦の問題がそろそろ議論の対象になり、世間でもいろいろうわさされておりますが、これは恩赦というべき範疇にはむろん入らぬけれども、たとえば今回のような春闘があった、何だかんだというわけで、たくさん行政処分が出ますわね。したがって、この種組合運動等による行政処分については、これは免除されるお考えがあるかどうなのか。この二点をお尋ねしておきたい。
○国務大臣(竹下登君) これはもう森中さん何も御承知で御質問なすっておって、私も長らく国会対策関係者でございましたので、したがいまして、政府から会期の問題についてまだ一月以上会期の残っている間に発言をするということは、まさにタブーであるということは十分私も承知いたしております。そこで先般、総理に、廊下での新聞記者諸君の取材によりまして、総理、法案が上がっておりませんねと、いま森中さんのおっしゃったようなことを聞いたわけであります。上がるようになればばたばた上がるものだよ、しかし、それでも上がらなかったならどうするのですかと言ったら、会期延長もあるじゃないかという、言うなれば一般論として述べた、こういうことで私は統一見解をその後発表いたしまして御了解をいただいておる、こういう内容でございます。そこで、法案はおそらく、きょう、いわゆる政府提出、継続いろいろございますが、政府提出に限って言いますと、百七本出ていると思います。成立案件が十件であろうと思っております。で、あと百本近く残っている。一院を通過したものがきょう現在で三十二件ございます。だから大体あと七十ぐらい残っている、こういうことになるわけであります。したがって政府といたしましては、残された会期内にそれぞれ精力的な御審議をいただいて、それぞれ成立させていただくことをこれまた期待をしておる。これが、まあ、それ以上のことを私が森中さんに申し上げれば、それこそ逆におまえは何を言うかと、こういうことになろうかと思いますので、私も立場変われば、またその席へすわらしていただきまして会期延長問題を議論することもできると思いますが、いま会期問題を私からとやかく申し上げることは、やはりこれは行政機関と院とのいわば守るべき鉄則として申し上げるわけにはいかないと御了解をいただきたいと思います。 それから沖繩恩赦と行政処分でありますが、これは実は竹下登不幸にして勉強いたしておりませんので、一般的に沖繩復帰は国家的慶事であるという認識はしておりますが、今日まだ、私もいろいろやっておりましたが、これを記念して恩赦を実施すべきかいなかについて検討をしてみたいというのが、おおむね法務省がつくっております統一見解でございまして、それがどのようなところまで波及いたすものでありますか、これはまだ私なりに検討し、申し上げるわけにはいきません。これ大事な書類でございますので、このようにさいふの中に入れておったわけでございますが、この辺で森中先生のひとつ御了解をいただきたいと思います。
○委員長(木村睦男君) 他に御発言なければ、本日の調査はこの程度にとどめておきます。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時五十三分散会 —————・—————