予算委員会第二分科会 第2号
- 発言数
- 192 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1972/03/21
会議録
○野田主査 これより予算委員会第二分科会を開会いたします。 昭和四十七年度一般会計予算中会計検査院所管を議題とし、説明を求めます。石川会計検査院事務総長。
○石川会計検査院説明員 昭和四十七年度会計検査院所管の歳出予算について説明申し上げます。 昭和四十七年度会計検査院所管一般会計歳出予算の要求額は、二十九億六十四万二千円でありまして、これは、会計検査院が、日本国憲法第九十条及び会計検査院法の規定に基づきまして、会計検査を行なうために必要な経費であります。 いま、要求額のおもなものについて申し上げますと、一、職員の俸給、給与、手当等といたしまして、二十四億九千五百十一万円を計上いたしましたが、これは総額の八六%に当たっております。これらのうちには、会計検査の充実をはかるため、参事官一人及び調査官十二人を増置する経費も含まれております。二、旅費として、二億九十一万三千円を計上いたしましたが、このうちおもなものは、会計実地検査旅費が一億九千三百三十二万五千円、外国旅費が四百十五万一千円であります。三、施設整備費といたしまして、五千百五十八万七千円を計上いたしましたが、このうちおもなものは、研修所設置に伴なう改修工事費であります。 次に、ただいま申し上げました昭和四十七年度歳出予算要求額二十九億六十四万二千円を前年度予算額二十七億一千三百二十四万一千円に比較いたしますと、一億八千七百四十万一千円の増加となっておりますが、その内訳について申し上げますと、第一に、職員の俸給、給与、手当等におきまして、一億九千九十四万四千円、第二に、旅費におきまして、一千八百三十二万一千円、第三、その他におきまして、二千六百四十七万四千円、合計で二億三千五百七十三万九千円の増加でございますが、施設整備の経費におきまして四千八百三十三万八千円が減少となりますので、差引き一億八千七百四十万一千円の増加となっております。 以上、はなはだ簡単でございますが、昭和四十七年度会計検査院所管一般会計歳出予算要求額の概要の説明を終わります。 よろしく御審議のほどお願いいたします。
○野田主査 これにて、会計検査院所管の予算の説明は終わりました。 —————————————
○野田主査 この際、政府当局に申し上げておきますが、質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔に行なうようお願いをいたします。 質疑の申し出がありますので、これを許します。小川新一郎君。
○小川(新)分科員 私は、国有地を第三者に無償で貸し付けた件についてお尋ねしたいと思います。 この件につきましては、同僚の新井君が予算委員会で触れておりますが、場所は名古屋市千種区の平和公園四十七万二千二百六十二平方メートルの中にあるクレー射撃場九千七百三平方メートルであります。これは、昭和二十六年十月に、名古屋市の要請によりまして、大蔵省が公園緑地として名古屋市へ無償で貸与したわけであります。この土地は、昭和二十五年に愛知県で第五回国民体育大会が開かれた際、クレー射撃場が設けられたので、名古屋市では、そのまま愛知県クレー射撃協会に同地を無償で又貸ししたという件であります。これは一体、大蔵省は、名古屋市に貸し付ける前にクレー射撃協会に貸し付けたものなのか、名古屋市が大蔵省から無償貸与された時点からクレー射撃協会に貸与したものなのか、どちらなんですか。
○小幡政府委員 大蔵省が、名古屋市に対しまして、公園緑地として貸し付けましたのは、二十六年の十月一日でございますが、その前に国体がありまして、市が、そういう施設を国体用にいろいろ設置したわけでございます。国有地でございますので、大蔵省としましては、これを国体用として一時使用の許可をしたんではないかと思っておりますが、実は、この間から、市並びに財務局にいろいろ照会しているわけでございますけれども、その事実がつまびらかではございません。おそらく、国体用として一時使用の許可をしたんではないかと私は推定いたしております。
○小川(新)分科員 この件について、名古屋市では、大蔵省が貸したものを、クレー協会がついてきたものを名古屋市が借りたんだと言明しております。その点については、責任の所在が大蔵省にあるやに聞いておりますが、名古屋市ではあくまでそう言い張っているのですが、その点はどうなんですか。
○小幡政府委員 施設は名古屋市の施設でございますので、大蔵省がこれを名古屋市に対しまして貸し付けますときに、当然、まだこの射撃練習場が残っているものと思いますが、これを公園の施設と見るかどうか。この辺もいろいろ現地に照会したわけでございますが、昭和三十五年から四十二年の三月三十一日まで、名古屋市が公園管理者としましてこのクレー射撃場の占用許可をいたしておる。こういう事実が判明いたしましたので、その限りにおきましては、少なくとも、昭和三十五年から四十二年の三月三十一日までは公園施設であると私は思っております。
○小川(新)分科員 そうしますと、国有財産法第二十二条の解釈についてお聞きしたいのですけれども、国有財産法第二十二条第一項には「普通財産は、左に掲げる場合においては、これを地方公共団体、水害予防組合及び土地改良区に、無償で貸し付けることができる。」「一 公共団体において、緑地、公園、ため池、火葬場、墓地、ごみ処理施設、屎尿処理施設又はと畜場の用に供するとき。」「二 公共団体において、保護を要する生活困窮者の収容の用に供するとき。」「三 公共団体において、災害が発生した場合における応急措置の用に供するとき。」と定められておりますが、名古屋市の平和公園の場合は、これに該当するのですか。
○小幡政府委員 昭和二十六年に貸し付けましたときの貸借契約でございますが、これによりますと、貸し付け目的は、国有財産法第二十二条の規定による「公園」となっております。現に、国有財産当局といたしまして、無償貸し付けの対象となります公園は、公園の敷地並びに公園施設を、いうということで、少なくとも、名古屋市に対しまして貸しますときは、公園の用に供するために貸した。こういうことだと思っております。
○小川(新)分科員 そうすると「緑地、公園、ため池、」の「公園」に該当するわけですか。国有財産法第二十二条第二項には、「前項の無償貸付は、公共団体における当該施設の経営が営利を目的とし、又は利益をあげる場合には、これを行うことができない。」と規定されているが、クレー射撃場は、これに抵触しませんか。
○小幡政府委員 クレー射撃場が、国有財産法第二十二条の規定による公園施設であるかどうかという問題。それからいま御質問のありました二十二条の三項に該当するかどうかの問題でございますが、一般的に申しまして、クレー射撃場が公園施設であるかという問題は、これは建設省のほうにも照会したわけでございますけれども、都市公園法の施行令によりますと、一般にはクレー射撃場も公園施設に該当する。ただし、周囲の状況とか、あるいは保安の問題、いろいろございまして、一般には該当するけれども、適当でない場合もある。 それで、このクレー射撃場の件でございますけれども、名古屋市は公園管理者でありますから、少なくとも、昭和四十二年の三月三十一日までは、これは公園施設に該当するということで、占用の許可をしていたわけです。ところが、公園の整備が進みまして、やはり、こういう公園のまん中にクレー射撃場がありますことは非常に危険であるという問題が生じましたので、名古屋市としましては、昭和四十二年四月一日から占用許可をしない。すなわち、これはもう公園施設として適当でない。こういうことになっておりますので、したがいまして、それ以後におきましては、これは、二十二条の三項によりまして、公園施設として適当でない、ということに該当すると私どもは判断しております。
○小川(新)分科員 それはおかしいじゃないですか。同じものが、四十二年から適当でなくて、それ以前は適当である。しかし、クレー射撃場というものは、営利を目的としていますね。金を取っているんですから。その時点においてだって無償貸与はできないでしょう。この点、どうなんですか。
○小幡政府委員 大蔵省としましては、これは名古屋市に貸与しているわけでございまして、この名古屋市が、クレー射撃協会に対しまして、これを占用許可をしている。許可をいたしまして、しかも、クレー射撃協会から、その占用に対する対価、使用料というものを取っていないということで、確かに、先生のおっしゃることはわかりますけれども、定義的に見ますと、この営利を目的とするというのにずばり該当しない。むしろ、私どもは、二十二条三項の「当該財産の管理が良好でないと認めるとき」は「その契約を解除しなければならない。」これに該当するのではないかと思う。 そういうわけでございまして、四十二年の三月三十一日をもって占用許可が切れましたので、それ以降は、これはもう適当でない。かたがた、検査院から口頭で現地で指摘を受けておりますので、そこで、再三、こういうものを撤去するようにということを申し入れまして、それで、現在の段階では、この前新井先生からの御質疑に御答弁申し上げましたように、昭和四十六年度中に必ずこれを撤去するということに市に確約させたような次第でございます。
○小川(新)分科員 会計検査院は、昭和四十三年のときに、名古屋市に対してどのような指摘をし、どのような指導をしたのですか。
○服部会計検査院説明員 お答えいたします。 ただいまの先生の御指摘につきましては、いま言われましたように、四十三年の五月、東海財務局の実地検査のとき現地調査をしたのでございまして、その際、国が公園敷地として無償で貸し付けております面積の一部が、クレー射撃協会によって、クレーの射撃場として使われているという事態が発見されたわけでございます。そこで、検査院といたしましては、この用地は、都市公園敷地の用途に供するために無償で供与されておるのであり、貸し付けられておるのであり、したがいまして、いま申し上げましたようなことは、貸し付けの目的に違反するものでありますから、そこで、貸し付けの目的、すなわち公園敷地の用途に供するような措置をすみやかに講ずべきであるという指摘をしたわけでございます。したがいまして、この際に、先生がいまおっしゃいましたかどうか忘れましたが、検査院といたしましては、問題のクレー射撃場の面積の部分を有償貸し付けに切りかえるべきであるという判断を示した事実はございません。その点申し添えたいと思います。
○小川(新)分科員 これは、大蔵大臣が予算委員会で答弁をしているじゃないですか。会計検査院から、要するに、無償で貸し付けてはならない、お金を取りなさいというふうに言ったと答弁をしているじゃないですか。私は聞いていたのだ。
○服部会計検査院説明員 いま、先生の御指摘で、大蔵大臣が、検査院の指摘によって有償貸し付けに切りかえたという答弁をされたようなお話でございますが、現在、私のほうとしまして、さっそく当時の会計検査に参りました調査官、それから大蔵省のほうの東海財務局の当時の関係官、これらの人から事情を詳細に調査したのでございますが、やはり、いま申し上げましたように、有償貸し付けに切りかえるような指示をしたという事実はございません。
○小幡政府委員 先般大蔵大臣が御答弁されましたのは、会計検査院から、このクレー射撃場は目的外使用であるという指摘をされたということでありまして、具体的には、これを有償に切りかえろという指摘を受けているということは御答弁されていないと思います。
○小川(新)分科員 議事録を取り寄せてみないから、どう言ったとか、こう言ったとか、ここでは水かけ論になっちゃうのですよね。ただ、私が一番ここでおかしいと思うのは、そうすると、会計検査院は、無償であるから有償にしなさいという指導はしなかった。そこで、では、なぜ、昭和四十三年の指摘の時点で、大蔵省はすみやかに処置がとれなかったか。どういうふうに大蔵省と連絡があったのですか。
○小幡政府委員 これは、もっぱら大蔵省のほうの事務処理の問題でございます。検査院からも口頭で指摘を受けましたが、やはりこれは、少なくともその時点におきましては、公園施設に供していない。したがいまして、これは契約上違反である。そういうことで、国有財産法二十二条の無償貸し付けの対象となる公園には該当しない。そうするとどうなるかと申しますと、これは無償貸し付けはできない。したがって、無償貸し付け契約を解除しなければならない。ところが、この公園は、全体として、要するに、そういうクレー射撃場の部分もその他の部分も含めまして、これは将来公園として目的どおり使うという予定でございましたので、たまたま公園のまん中にクレー射撃場の敷地がございますので、これだけをはずして契約解除するよりも、その部分も契約の一体としまして——無償はおかしいのですから、その部分は、要するに将来無償を前提として、使用料を取るために有償とする。財務局として当時そういう判断をしたようでございます。それは、名古屋市の善処を信頼しまして、すみやかに撤去するであろうと考えたようでございます。現に契約書を見ますと、ほかにもこういったような有償の部分がございまして、そういった有償貸し付け物件につきましては、第三者に占用されている間に限ってこれは有償である、というふうに契約上うたわれておるのでありますので、すみやかに第三者の占用を解除して、将来は全部本来の公園としての用途に供する。これが契約全体の趣旨であったと思うのです。いまから見ますと、おっしゃるように、結果論としましては、そういう有償に切りかえたことが確かに適当でなかったかもしれませんけれども、その当時といたしましては、そうするのが一番いいと現地で判断したようでございます。
○小川(新)分科員 それで、国有財産法第二十二条の「管理が良好でない」というところであなた方は引っかけたわけですから、そういうときには直ちにその契約を解除しなければならないのに、昭和四十三年から、名古屋市から大蔵省へ金が納まっているわけですね。 それで、会計検査院は、昭和四十四年度決算報告の中に、これだけ大事な問題をなぜ載せないのですか。
○服部会計検査院説明員 ただいま御指摘の使用料の徴収の問題でございますが、実は、その点につきまして、どうしていままで検査院として批判をしなかったのかという点でございますが、東海財務局につきましては、四十三年の五月の指摘後も、やはり毎年検査には参っております。その際、財務局のほうで市当局に対しまして、問題のクレー射撃施設を撤去して、本来の使用目的に合うような使用をするようにという申し入れを再三しておられるということでございまして、実は、私たちは、その話を聞きまして、その成り行きを注視しておったわけでございますが、いまの使用料の問題につきましては、率直に申しまして、当時東海財務局の検査の対象が相当膨大でございまして、大口の貸し付けとか売り払いという、そういった契約のほうに目を注いでおりました関係もございまして、使用料が徴収されておるという事実につきましては、正直申して聴取はしてなかったのでございます。その点申しわけないと思いますが、今後はそういうことのないように十分注意して検査を行なっていきたい。かように考えております。
○小川(新)分科員 そういうふうにあやまられたら、これは二の句が告げられませんけれども、こういった四十四年度決算報告を見ても、過去において、契約の目的違反あるいは不当事項として会計検査院から指摘されたものの処置は、四十三年以降の検査において、また再度指摘するとか、どういうような処置を講じたということが載るわけなんですけれども、そういった契約の目的違反または不当事項として、あなたのほうから、大蔵省なり名古屋市に指摘した場合に、それはおかしいと思わなかったのですか。そのままにしたのですか。
○服部会計検査院説明員 いま先生のおっしゃることは、確かにごもっともだと思います。検査院のいままでのやり方としましては、検査報告に掲記しました不当事項につきましては、その翌年度以降、その是正の状況を一々照らし合わせていくのが大方針でございます。もちろん、検査報告に掲記されておらなかったものにつきましても、やはりその精神は変わらないのでございますが、本件の事実につきましては、先ほど申し上げましたような事情もございまして、その事実を把握しておらなかった。こういう実情でございます。
○小川(新)分科員 国有財産法第三十六条第一項には「各省各庁の長は、毎会計年度末において第二十二条第一項の規定により無償貸付をした国有財産につき、毎会計年度末における国有財産無償貸付状況報告書を調製し、翌年度七月三十一日までに、これを大蔵大臣に送付しなければならない。」と規定している。また、同じく第二項には、「大蔵大臣は、前項の規定により送付を受けた国有財産無償貸付状況報告書に基き、国有財産無償貸付状況総計算書を調製しなければならない。」と規定している。大蔵省は、この規定どおり普通のものは行なっていたわけなんです。ところが、この件については、行なっていたのか。行なっていなかったのか。
○小幡政府委員 公園の場合は無償貸し付けでございますから、無償貸し付け状況が報告へ載るわけでございますが、本名古屋市の平和公園の件は、昭和四十二年度までは、国有財産法三十六条によります報告書に載っておりましたけれども、四十三年度以降は、これは、無償からはずしましたものですから登載されておりません。
○小川(新)分科員 そうすると、会計検査院にお尋ねしますが、国有財産法第三十六条第三項には、「内閣は、前項の国有財産無償貸付状況総計算書を、第一項の各省各庁の国有財産無償貸付状況報告書とともに、翌年度十月三十一日までに、会計検査院に送付し、その検査を受けなければならない。」とありますが、会計検査院は、昭和二十六年以来、昭和四十三年に至るまでの十数年間、この検査は見過ごしたと確認してもいいのですか。
○服部会計検査院説明員 ただいまの国有財産法三十六条第三項の報告でございますが、これは、いままでずっとこういう事態があるのに、検査院が指摘していないのは、見過ごしたのではないかということでございます。確かに、結果的には、そういう御批判は、自分たちとしましても甘受しなければならないと思いますが、実情といたしましては、これは非常に膨大なものでございまして、現在の陣容でこれを一々完全にマスターするということは、現実論としては確かにむずかしい面もあるということをひとつ御了承願いたいと存じます。
○小川(新)分科員 現実には、こういう問題は、遺憾ではあるけれども、現状のスタッフ、機能、組織、機構では無理だ。こう理解していいですか。
○服部会計検査院説明員 先生御指摘のような面もあるということを申し上げているわけでございます。
○小川(新)分科員 ただいまのお話を聞いておって、このような大事な問題が——確かに、私もよくわかりますよ。機構、機能、組織、人員、チェックの機関がたいへんである、膨大なものであるということもありますが、これについての所見を事務総長から承りたい。
○石川会計検査院説明員 先ほど来からの話を聞いておりまして、国有財産というものは、一般には、過去のいきさつ等がいろいろございまして、われわれが指摘しましても、ずばりその時点におきまして是正措置がとられるというようなこともなかなかむずかしい面も実はあるわけでございます。そういった事情も、この解決に多少時日のかかっている点になろうかと思いますが、御指摘もございましたので、この問題を含めまして、さらに今後注意して検査をしてまいりたいと存じます。 また、人員との関係でございますが、会計検査院も各省各庁の検査をしておりまして、財政規模も年々増大しております。一方、人員というものも限られているわけでございまして、その限られた人員を各省各庁の検査にいかに割り振るかにつきましては、われわれも絶えず苦心をしているところでございます。ただ、結果的には、確かに、いま先生御指摘の事実を、あるいは見過ごしていたというような事態もございますけれども、多少理屈を申し上げるようで恐縮でございますが、検査というものは、悉皆検査、そのすべてについて当たるということも、一般に監査的な仕事といたしましてはむずかしいわけでございます。そこで、勢いこれは抽出検査によらざるを得ないわけでございますが、われわれとしましては、できるだけ、その抽出方法というものを合理的に行なうというようなことを心がけている次第でございます。おっしゃることは十分わかりますので、今後十分注意してまいりたいと思います。
○小川(新)分科員 ただいま、お二方から、遺憾でというあることは証明されたのですが、私は重ねて申し上げるのですが、こういう問題は、石かに、結果論だ、結果論だと言いますが、これはあとでちょっと触れますけれども、相手が非常に開き直ってきているんですね。ここで私、義憤を感じて、この問題をあえて取り上げたのですけれども、そうしますと、あなたのほうでは、料金を徴収しろという指導はしなかったと確認してよろしいですね。そうすると、すぐ撤去しろという指導をなさった。それに対して名古屋市は、昭和四十三年から四十五年までの三年間、射撃場の使用料を大蔵省に納めた。ところが、名古屋市は、大蔵省に納めたお金はクレー射撃場から取り上げたお金でなくして、名古屋市民の税金の中から立てかえ払いをした。なぜ立てかえ払いをしたかというと、借地権が生じて、立ちのきが困難になる。そういう理由で、お金を、名古屋市民の市民税の中から、一般会計予算の中から立てかえて出した。この処置は、会計検査院、どうなんですか。
○服部会計検査院説明員 ただいま先生がおっしゃいました、そういう処置は、確かに、常識的に見て、非常におかしいことでございます。国の側、すなわち検査院の立場から一応見ました場合に、いまの有償貸し付けで使用料を取るという点は、実は、私たちとしましては、このやり方は反対でございますけれども、かりにこの問題をはずして考えました場合に、もし、何らかの形で国が対価を徴収する場合には、貸し付けの相手方からその金が入ってくれば、それで一応目的は達する。かように考えていいのじゃないかと考えます。
○小川(新)分科員 大蔵省は、それはどう考えていますか。
○小幡政府委員 先生のおっしゃいますように、公園の目的外になりましたら、直ちに契約を解除しなければいかぬということでございますので、直ちに契約を解除するということは、無償貸し付け契約を解除するということでございますから、大蔵省としましては、少なくとも無償にはしておけない。そういうことで有償にした。これは、有償にしたのが適当ではなかったかと、あとになって反省いたしておりますが、ただ、この契約の条項が、そういう無償貸し付け部分と有償貸し付け部分と、二つからなっておりまして、それが一体として公園だ。そういう当初の契約になっておりますので、つい、財務局としましては、他の有償貸し付け部分と同じようにこれも乗っけよう、しかも、それは、権利を相手方に与えるための有償貸し付け契約ではなしに、これは相手方が専用している間に限っての使用料を有償で取る、しかも、それは、相手方は名古屋市でございますから、名古屋市から取る、そういうことによって、一応国有財産法の条項に違反しないようにしょう、そういうことを配慮したからこうなったんではないか。こういうふうに思います。
○小川(新)分科員 これは、国会でこう問題になったから大騒ぎになったんであって、これは、名古屋市から金が入ってきておればこのまま続いているわけですよ。クレー射撃場はどうなったか、その有償がどうだ、無償がどうだといったって、あなた方はこまかいことをキャッチしてないのだから、ただ、そういうお金を払っていればいいんだという考え方——実際はきょうまで無償なんですよ。一銭も払ってないのですよ、クレー協会は。名古屋市が立てかえて払っただけなんですよ。そういうでたらめなことが会計検査院から指摘されていれば、いまこちらはそういう金は取ることだってよくはない。しかし、一歩譲って、無償から有償に切りかえたという時点であれば、これはやむを得ないような話であるけれども、その時点においてだってクレー協会から金が出ていない。まだただです。一銭も納めていない。それも大蔵大臣の指導があって、すぐ立ちのかせるということになったら、開き直ってきた。おれはあそこに二割の建築費を出したから立ちのかないと言っておる。何を立ちのかないという根拠にしたかというと、ここに写真があるとおり、クレー射撃場の施設は、建設費十のものなら、クレー協会で二〇%出したんだ、だから立ちのかないのだと言っておるのです。こういうふうに、施設をクレー協会が出したんだから家賃を払わなくてもいいという理由になり、立ちのかなくてもいいという理由になるのですか。大蔵省、これはどうですか。
○小幡政府委員 本件の場合は、相手方に権利が生じていないと思いますし、現に、名古屋市におきましては、これは再三申し入れておりまして、四十六年六月二十八日におきましても、市長名をもって、これは場合によっては行政代執行法の規定による代執行も辞さないということを厳重に通告しているような次第でございますから、市は、四十六年度中に、これは必ず撤去させるものと信じております。
○小川(新)分科員 国体といったら、天皇陛下も参加する国体ですね。ごらんになった。そういうところにこういう建物があって、向こうは二〇%も出した。それについていままで知らなかったということは、これはほんとうに遺憾ですよ。あまり遺憾のような顔をしていないけれども、ほんとうに遺憾なことなんです。確かに、言えば幾らでも理由がついて、こうやって答弁していますけれども、私は、いまここだから言わぬけれども、これはほんとうにいかぬことなんです。特に、こういった存在を知らなかったということで——愛知県では、クレー射撃協会が射撃場建設時に二割負担したからと、まだその立ちのきをしぶっている。いま、その根拠にならないということになったのですから、これは一日も早く立ちのかして、市民のほんとうの立場の公園にひとつしていただきたいと思うのです。 それから、名古屋市が昭和四十五年に射撃場の周辺に建設した遊歩道の建設費というものは、一体幾ら要したのか。これはわかりますか。
○小幡政府委員 残念ながら、承知しておりません。
○小川(新)分科員 愛知県公安委員会が、射撃場横に道路があり、危険であるから、射撃訓練を一時中止せよという旨の掲示をしております。一方では、一般に公開すべき平和公園の遊歩道の入り口に、関係者以外の入場を禁止する旨の掲示が掲げてあります。こういうふうに、意思が不統一である。何をやってもばらばらな状態にいまなっております。 ちょうど時間も参りましたから、私、これ以上はもう追及申し上げませんけれども、会計検査院のほうも、ひとつ、先ほど私が申し上げたような事項を、人員スタッフが足りないからしようがない、膨大なんだからしようがないというふうなことでなくして——もう一つ名古屋市にあるのですよ。御存じですか。これと同じような事件が、いま私どものところに来ていますよ。これだって、国会で言わなければわからないですよ。いま言ってもいいんですけれども、時間がないし、もったいないから言いませんけれども、名古屋市にもう一件あるのです。これだって、公明党が調査して、国会で騒いだから、初めて大騒ぎになった。立ちのきだ何だとなる。会計検査院の指導というものは、大蔵省に対しても、名古屋市に対しても、もっと厳重にしてもらいたい。お金をもらえばそのままになっちゃった。その出どころがはっきりしない。これは、契約を見せろと言っても見せてもらえないから私わからないけれども、そういう点についても非常に不明朗な点があります。私、この場をおかりして申し上げるわけではありませんが、どうかひとつ、国有財産の管理については、指摘されたことを今後厳重に忠実に実行していただいて、二度とこういう問題が起きないようにしてもらいたいと思うのです。残念にも、名古屋市でもう一件そういう例が出ております。これはまた後に指摘するといたしまして、きょうはこの程度にとどめておきますが、どうかひとつ、今後とも十分なる注意をしていただきたいと思います。最後にひとつ所見を伺って、終わりといたします。
○石川会計検査院説明員 御趣旨を体しまして、今後、本件に限らず、国有財産の管理という面について、十分な検査をしてまいりたいと考えております。
○小川(新)分科員 どうもありがとうございました。
○野田主査 これにて会計検査院所管に対する質疑は終了いたしました。 それでは、これより十五分間休憩いたします。 午前十一時十四分休憩 ————◇————— 午前十一時四十五分開議
○野田主査 それでは、休憩前に引き続きまして会議を開きます。 昭和四十七年度一般会計予算中、外務省所管を議題といたします。 説明を求めます。福田外務大臣。
○福田国務大臣 外務省所管の昭和四十七年度予算について、大要を御説明いたします。 予算総額は六百五十九億四千九百八十三万三千円で、これを主要経費別に区分いたしますと、科学技術振興費二億八千七百四十万四千円、貿易振興及び経済協力費二百十一億六千百四十一万円、その他の事項経費四百四十五億百一万九千円であります。また、組織別に大別いたしますと、外務本省四百三十九億二千九百六十五万八千円、在外公館二百二十億二千十七万五千円であります。 ただいま、その内容について御説明いたします。 組織。外務本省。 第一、外務本省一般行政に必要な経費五十六億一千八百八十七万円は、外務省設置法に基づく本省内部部局及び付属機関である外務省研修所、外務省大阪連絡事務所において所掌する一般事務を処理するため必要な職員千四百九十名の人件費及び事務費等であります。 第二、外交運営の充実に必要な経費九億二千三百十万円は、諸外国との外交交渉により幾多の懸案の解決をはかり、また、各種の条約協定を締結する必要がありますが、これらの交渉をわが国に有利に展開させるため本省において必要な工作費であります。 第三、アジア諸国に関する外交政策の樹立に必要な経費一億九百六十五万六千円は、アジア諸国に関する外交政策の企画立案及びその実施の総合調整等を行なうため必要な経費であります。 第四、米州諸国に関する外交政策の樹立に必要な経費四千七百八十七万七千円は、米州諸国に関する外交政策の企画立案及びその実施の総合調整等を行なうため必要な経費と社団法人ラテン・アメリカ協会補助金三千六百九十万二千円であります。 第五、欧州、大洋州諸国に関する外交政策の樹立に必要な経費二千六百四十二万八千円は、欧州、大洋州諸国に関する外交政策の企画立案及びその実施の総合調整等を行なうため必要な経費と社団法人北方領土復帰期成同盟補助金九百万円であります。 第六、中近東、アフリカ諸国に関する外交政策の樹立に必要な経費一千四百七十五万一千円は、中近東、アフリカ諸国に関する外交政策の企画立案及びその実施の総合調整等を行なうため必要な経費と、社団法人アフリカ協会補助金五百五十二万円及び財団法人中東調査会補助金二百二十三万二千円であります。 第七、条約締結及び条約集の編集等に必要な経費二千六百七十八万九千円は、国際条約の締結及び加入に関する事務処理並びに条約集の編集及び先例法規等の調査研究に必要な事務費であります。 第八、国際協力に必要な経費五億七千二百三万一千円は、国際連合等各国際機関との連絡、その活動の調査研究等に必要な経費及び各種の国際会議にわが国の代表を派遣し、また、本邦で国際会議を開催するため必要な経費と、財団法人日本国際連合協会補助金二千六百十五万七千円、社団法人日本エカフェ協会補助金一千九十九万二千円及び財団法人日本ユニセフ協会補助金四百三十八万七千円であります。 第九、情報啓発事業及び国際文化事業実施に必要な経費二十二億三千四百八十五万五千円は、国際情勢に関する国内啓発、海外に対する本邦事情の啓発及び文化交流事業等を通じて国際間の相互理解を深めるため必要な経費並びに国際交流基金(仮称)補助金三億一千九百四十一万三千円、財団法人国際文化振興会補助金一億八千八百四十万五千円、財団法人国際学友会補助金一億四千六百十六万八千円、財団法人国際教育情報センター補助金二千五百七十五万円、社団法人日本新聞協会補助金一千四百三十五万円及び啓発宣伝事業等委託費三億八千六百五十一万一千円等であります。 第十、国際交流基金出資に必要な経費五十億円は、国際交流基金(仮称)の事業の経費に充てる財源を生むための資金を設けるための一部出資のための経費であります。 第十一、海外渡航関係事務処理に必要な経費十億八千九十二万四千円は、旅券法に基づき、旅券の発給等海外渡航事務を処理するための必要な経費及び同法に基づき事務の一部を都道府県に委託するための経費五億七千三石十一万九千円であります。 第十二、国際経済情勢の調査及び通商交渉の準備等に必要な経費六千百七十五万四千円は、国際経済に関する基礎的資料を広範かつ組織的に収集し、これに基づいて国際経済を的確に把握するための調査及び通商交渉を行なう際の準備等に必要な経費であります。 第十二、経済技術協力に必要な経費百十二億九千八百九十四万六千円は、海外との経済技術協力に関する企画立案及びその実施の総合調整並びに賠償等実施の円滑、かつ統一的な処理をはかるため必要な経費と、コロンボ計画等に基づく技術者の受け入れ、派遣、日本青年海外協力隊の派遣、各種技術訓練センターの設置並びに医療、農業及び一次産品開発のための技術協力実施に必要な委託費九十六億一千七十七万円、国際開発センターに対する実施設計等委託費二千九百二十三万七千円及び補助金一千六百四十四万円、地方公共団体補助金一億六百三十七万円と海外技術協力事業団交付金十三億二千六面六十一万一千円等であります。前年度に比し二十一億八千三百六十五万七千円の増加は、主として海外技術協力実施委託費及び海外技術協力事業団交付金の増加によるものであります。 第十四、経済開発特別援助に必要な経費三十三億三千万円は、ベトナムのチョウライ病院改築等継続分三件及びタイのキングモンクット技術大学設立援助等新規分七件に必要な経費であります。 第十五、海外技術協力事業団出資に必要な経費四億円は、海外技術協力事業団の須磨国際技術研修センター建設等に要する資金として同事業団に対し出資するため必要な経費であります。 第十六、国際原子力機関分担金等の支払いに必要な経費二億八千七百四十万四千円は、わが国が加盟している国際原子力機関に支払うため必要な分担金及び拠出金であります。 第十七、貿易振興及び経済協力にかかる国際分担金等の支払いに必要な経費五十六億六千九百四十万円は、わが国が加盟している貿易振興及び経済協力にかかる各種国際機関に対する分担金及び拠出金を支払うため必要な経費であります。 第十八、国際分担金等の支払いに必要な経費四十五億四千二百十万円は、わが国が加盟している国際連合その他各種国際機関に対する分担金及び拠出金を支払うため必要な経費であります。 第十九、移住振興に必要な経費二十三億八千四百七十七万三千円は、移住政策の企画立案及び中南米諸国に移住する者七百名を送出するため必要な事務費並びに移住者渡航費等交付金一億三千九百十七万円及び海外移住事業団交付金二十億九千八百六十一万八千円等であります。 第二十、海外移住事業団出資に必要な経費三億円は、海外移住事業団の行なう事業に要する資金に充てるための同事業団に対し出資するため必要な経費であります。 組織。在外公館。 第一、在外公館事務運営等に必要な経費百七十二億九千二百六十万三千円は、既設公館百三十五館四代表部一代表事務所と、四十七年度中に新設予定の在リビア大使館、リベリア大使館設置のため新たに必要となった職員並びに既設公館の職員の増加、合計千三百名の人件費及び事務費等であります。 第二、外交運営の充実に必要な経費十六億九千十万円は、諸外国との外交交渉のわが国に有利な展開を期するため在外公館において必要な工作費であります。 第三、輸入制限対策等に必要な経費四億百三十一万円は、諸外国におけるわが国商品の輸入制限運動に対処して啓蒙宣伝運動を実施する等のため必要な経費であります。 第四、対外宣伝及び国際文化事業実施に必要な経費七億五千八百八十万一千円は、わが国と諸外国との親善に寄与するため、わが国の政治、経済及び文化等の実情を組織的に諸外国に紹介するとともに、国際文化交流を行なうため必要な経費であります。 第五、在外公館施設整備に必要な経費十八億七千七百三十六万一千円は、在アメリカ合衆国大使公邸ほか十二カ所の公邸事務所用土地建物の購入費及び在ブラジル大使公邸ほか四カ所の継続工事、在アフガニスタン大使公邸の建設費並びに在ザンビア大使館公務員宿舎建設費その他関連経費であります。 以上が、ただいま上程されております外務省所管昭和四十七年度予算の大要であります。慎重御審議のほどお願い申し上げます。
○野田主査 以上をもちまして、外務省所管の予算の説明は終わりました。 —————————————
○野田主査 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。楢崎弥之助君。
○楢崎分科員 まず、冒頭に、過ぐる予算の総括質問におきまして、核問題、直接出撃の問題に関して、自前協議にかかわりある問題として、日米安保協議委員会を開催の上、これらの問題を煮詰めて御回答をいただきたいという要求をいたしました。外務大臣から、そのようにしたいという御返事をいただいたわけです。予算の審議も余すところわずかであります。私は、当予算委員会開会中、できるだけ早い機会にひとつ開催されたいという要望もいたしておきましたが、この日米安保協議委員会開催の見通しについて、まずお伺いをいたします。
○福田国務大臣 日米安保協議委員会の開催につきましては、先般の予算委員会におきまして、楢崎委員に対しましてお約束をいたしております。これを開催しなければならない、こういうふうに考えておるわけでございますが、何ぶんただいま予算が審議中の段階におきましては、なかなか日程等差し繰りにくいのであります。それから、衆議院の予算段階が終わりますと、続いて今度は参議院に来る。参議院も同様の事態であります。予算案が成立いたしました後なるべく早い時期にお約束を実行いたしたい、かように心組んでおります。
○楢崎分科員 この問題が衆議院の予算委員会が開かれておる期間中にもし行なわれなかったら、予算審議とからんでどういう結論になるか、われわれは予断できないわけであります。もともと事前協議にかかわるこの日米安保協議委員会、もしこれが真の意味の事前協議であれば、間髪を入れず行なわれなければならない性質のものである。それが一応事後の問題になっておる形であります。だからといってこれがのんべんだらりと開催を延ばされるということは、私は、事前協議をやる日米安保協議委員会がやはり空洞化している、あるいは形骸化しているといわざるを得ないと思うのです。事の性質上私は早急に開かれるべき問題であろうと思うのですが、どうしてそんなにゆうちょうにしておられるのでしょうか。
○福田国務大臣 これは決してゆうちょうというわけではないのでございますが、何ぶん楢崎さんもよく御承知のことだと思いますが、もう昼夜を分かたずというようなことで、国会の応答並びに応答に対する準備、その他私どもは日常の業務を持っておるわけであります。そういうような現在の状態下においては、やはり予算成立後ちゃんとした日程をとって十分この問題を討議するということが適切であるというふうに考えておるわけでありますが、約束は決してほごにするわけじゃないので、ちゃんと実行いたしますから、御安心のほどをお願いいたしたいと思います。
○楢崎分科員 いまのような態度であれば、はたして予算が衆議院段階でスケジュールどおり二十八日終結するかどうか、これはわれわれとしては約束しがたいところであります。 念のためにもう一ぺん強く要望をいたしておきます。本予算審議期間中できるだけ早い期間に開催をされて御回答をいただきたい。私は先週土曜日に、国会法で定められた質問主意書も正式に提出をいたしております。日米安保協議委員会開会の上問題を煮詰めて御回答くださいという質問主意書を出しておる。この期限は一週間ということであれば二十五日までであります。念のために申し添えておきます。 それでは次の問題に移ります。例のP3の那覇からの移転の問題でありますが、これは、五月十五日、沖繩返還時に実現できると外務大臣は見通しを立てておられますか。
○福田国務大臣 これはお答えが非常に簡明にいかないのです。いきませんのは、二つ問題があるわけなんでありまして、一つは、那覇飛行場、これは五月十五日にわが国に帰ってくる。そしていままで皆さんに対しまして、P3はいなくなります、同時にあの付属諸施設はわが国の国有財産になるのであります、こういうふうなお答えを何回も何回も繰り返してきておるわけであります。ところが問題が起こってきておる。その問題は何かというと、P3の移転先が普天間であるということが大体決定的になってきておるわけでありますが、その普天間の飛行場は、P3を受け入れるに際しまして十分な滑走路を持っておらない。滑走路の舗装部分の厚みをつけなければならない、こういう問題があるわけなんであります。そういうことでその工事を取り急いでおったのでありますが、御承知のような情勢で予算案の成立がおくれてきておるのであります。そこで、そのおくれにもかかわらずお約束を実行するということのためには、その滑走路の舗装部分の工事を早急に始めなければならぬ。ところが予算が成立をいたしておりませんということで、これを暫定予算にその部分だけをとりはずしましてのっけるか、こういう問題があるのであります。ところが、これが暫定予算にのっけるのに適当な費目というふうに言えるか言えないか、こういう問題がありまして、いま大蔵大臣も頭をかかえておる、こういう状態であります。ですから、もし暫定予算に舗装部分の必要経費を盛るということになりますと、P3の移転というものも実行できることになるのでありますが、大蔵大臣が、どうしてもこれはのっけないのだ、こういうようなことになりますると、まあ五月十五日に那覇飛行場がわが国に帰ってくる、これはそのとおりなんですが、しかしながら、P3になお一、二カ月間あの飛行場に駐留を認めなければならぬ、こういうことになってまいりますので、そこで私といたしましても、たいへん頭の痛い事態に当面しておる、これが第一点であります。 第二点があるのですが、第二点は、これはP3が普天間の飛行場に移転をいたしますということになった場合に、アメリカ側においてはいろいろ議論をしているようです。それは、P3があそこに移転をしますと、あそこの普天間飛行場が非常に狭隘になる。そうすると、あそこにおるKC130という飛行機をどこかに移さなければならぬということになるかもしれぬ、そういう議論をしておる。私どもは間接な——正式なあれではありませんけれども、そういうことのないようにしてもらいたい、こういうように言っておるのですが、その辺にもやもやしたものがあるというので、これまた頭の痛い問題である、こういう状況でありますが、今日この段階はその程度のお答えにとどめておきたい、かように考えております。
○楢崎分科員 まず二つの問題の一番目のほうでございますが、外務大臣としてはどういう方針で大蔵と話し合いをされておりますか。暫定予算に入れてくれという方針で話し合いをやられておるのか。
○福田国務大臣 暫定予算にぜひ入れてもらいたい、こういう方針でございます。
○楢崎分科員 二番目の、いわゆる玉つきと俗に言っておきましょう、その玉つきの問題は、正式には話し合いはあってないが、非公式なアメリカからの話はあっておりますか。
○福田国務大臣 そういう議論があるというようなことを、吉野アメリカ局長に状況通告というようなものがあるというようなことでございます。それから、これは去年の暮れごろからぽつぽつそんなようなうわさが飛びまして、私ども苦にしておる問題であります。
○楢崎分科員 非公式な話ということですが、状況通告があったということで苦慮されておるという話のようであります。 そこで私は、もう一度、昨年六月九日、パリにおける愛知・ロジャーズ会談の、那覇からのP3移転に関する話し合いの内容をひとつ詳しく承っておきたいと思います。
○福田国務大臣 沖繩返還に伴いまして、沖繩に存在する基地をなるべくよけいに返してもらいたいという話し合いをずっとしてきておるわけです。御承知のとおりC表というものができたわけでありますが、C表もそうたくさんではない。そこでそのうち特に、私どもとすれば、那覇飛行場に重点を置きまして、返還されるC表の中にせめて那覇飛行場は挿入したい、こういう主張が行なわれまして、ずいぶん執拗な主張をいたしたわけです。それに対しまして米軍のほうは、アメリカ政府のほうは難色を示してきておったわけでありますが、結局、愛知・ロジャーズ両者の間で、わが国のほうで移転費は負担しますからひとつこの問題は考えられないか、こういう話をいたしまして、そして、それでも紆余曲折はありましたけれども、結局、それでは移転費は日本側で負担してください、私のほうは返還時にはP3を撤去するようにいたしましょう、こういうことになって、最終的に返還時における那覇飛行場の完全復帰ということがきまった、こういういきさつになっております。
○楢崎分科員 そこで、移転費は日本側で持つということが交換条件でその話ができているようであります。その移転費については、当時アメリカ側からは二千万ドルというような数字が示されたそうですが、移転費用についてある程度のまとまった合意がそのとき金額的にできておったのでしょうか。
○福田国務大臣 そのとき、移転費用が幾らであるかという合意はできておりません。
○楢崎分科員 それでは、三十八億というこの金額は四十七年度防衛施設庁予算に入っておりますが、これは那覇から普天間までP3を移動させる費用の総額でありますか。
○福田国務大臣 その当時、普天間ということが確定しておったかどうか、これは私つまびらかにいたしませんが、要するに沖繩の中において移転をするというのに必要な経費、それを見積もりまして、大蔵省が三十八億円という査定をいたした、こういうことであります。
○楢崎分科員 それでは、この移転費用というものは三十八億で終わりますか。
○吉野政府委員 ちょっと補足して御説明さしていただきたいのですが、三十八億は普天間及び嘉手納の空港に対する必要な施設の予算でございます。嘉手納に対しては、那覇空港におりますP3以外の三、四の哨戒機等の海軍機がございますから、それが移るために嘉手納に対しても多少施設をしなければいかぬ。したがって三十八億円は嘉手納及び普天間の費用が含まれておるわけでございます。 それから第二段といたしまして、先方の要請が来ましたのは来年度の予算を組む直前でございまして、われわれとしては非常に迷惑したわけでございまして、いろいろ先方と交渉の結果、ようやく三十八億円何がしかの額を計上することができたわけでございますが、先方の主張は、これがすべてではない。というのは、さらにP3が普天間に移った結果、普天間におる飛行機がどこかに行かなければならない可能性がある、その場合の費用は追って出してほしい、こういうことを主張してきたわけであります。
○楢崎分科員 その後段の主張も、昨年、四十七年度予算を編成する直前に同時にあったのですか。
○吉野政府委員 後段の主張と申しましても、先方は、別にこれだけをどうしても組めということではございませんでして、さらに普天間にある飛行機がどこかの飛行場に移らざるを得ない、その費用もP3の移転に伴う費用であるからいずれは日本側が持ってほしい、こういうことでございます。
○楢崎分科員 嘉手納及び普天間に移動させる費用が三十八億円、それをこまかく分けると、普天間分が幾らで嘉手納分が幾らになっておりますか。
○島田(豊)政府委員 普天間飛行場関係の工事費が二十六億一千四百万、嘉手納飛行場関係が十一億六千二百万、工事の関係が合計三十七億七千六百万円、それ以外に付帯事務費がございます。
○楢崎分科員 施設庁長官お忙しいでしょうから、先にあなたの分だけお尋ねします。 P3が普天間に移るための普天間の滑走路のかさ上げ工事、これは工事に着手してからどのくらいの期間を見込めば移れる状態になりますか。
○島田(豊)政府委員 この工事期間の問題はなかなか算定がむずかしいわけでございますが、途中たとえば風水害等の問題が起こりますと工事が遅延いたします。そこで、いまそれについても検討いたしておりますけれども、暫定予算がもし組まれるということになりますれば、私どもとしましては、五月十五日の復帰までにこれを完成することは可能であろう、かように考えております。
○楢崎分科員 暫定予算の中に三十八億円中幾ら頭金を出せばその工事に着手できますか。
○島田(豊)政府委員 約三億五千五百万円でございます。
○楢崎分科員 それからもう一つ、土曜日でございましたか、アメリカ局長は、いわゆる玉つきの問題について、これは地位協定の中で片づけると言ったが、地位協定の中でそういう移動費を日本側が負担する根拠法規がありますか。
○島田(豊)政府委員 地位協定上は施設、区域の提供に関することを主として規定しておりますが、本土の場合におきましても、ある一つの基地につきまして返還を求める、その場合に、米側から返還に伴う施設の移設ということを要求してまいりました場合に、移設の経費を含めましてその工事をすることについては、一応われわれとしては地位協定上は問題はない、かように考えております。
○楢崎分科員 いや、移動費を言っておるのです。
○高島政府委員 ただいまの楢崎先生の御質問は、米軍の移動に伴って必要な費用を日本が負担する根拠はどこにあるかというお話でございますが、私どもそういう意味での費用の負担の義務はございません。ただ、地位協定二十四条第二項に、日本が米軍に施設、区域を提供する場合に、その提供に伴う必要な費用を日本が負担することになっておりますので、そういう範囲で説明し得る限りにおいては日本が負担し得るというふうに考えております。
○楢崎分科員 それでは具体的に、いま現実に状況通告の形で出ておる玉つきの分の費用について、地位協定二十四条は日本側が負担する根拠となり得ますか。
○高島政府委員 私の立場としまして、現在まだ仮定の問題でございますので、これに対しまして、公的にどうだということを決定的に発言する立場にございませんけれども、あくまでも私の解釈といたしましては、施設、区域を提供するという範囲で説明し得る限りにおいてはということでございます。それ以上のことはちょっと説明申し上げかねることでございます。
○楢崎分科員 責任をもって政府としてお答えできますかね。
○吉野政府委員 先ほど条約局長がお答えいたしましたように、わが国が新たに施設、区域を提供する場合には、日本側がそれに必要な費用を持つ。この場合もまさにそういうことでございまして、那覇空港から普天間へ移る場合に、その移動に必要な施設、区域、すなわち普天間における新たな施設の提供、すなわち飛行場のかさ上げとか、新しい格納庫をつくるとか、そういうことはわれわれが新たに施設を提供するわけでございますから、したがってこれは地位協定の趣旨に合致する、こういうことでございます。
○楢崎分科員 五月十五日までは地位協定は適用されないじゃありませんか。
○吉野政府委員 これは地位協定が適用された場合の五月十五日以降のお話でございまして、前はそもそも米側は、移転のために必要な施設を日本側が提供してくれなければ那覇空港は出られない、こういうことでございましたので、われわれとしては、移転に必要な施設を提供するから出てほしい、こういう形で交渉をやった次第でございます。したがって、先方はわがほうが必要な施設を提供しない限り出ない、これが先方との間の話し合いでございますから、地位協定発効前は、わがほうはあくまでも、出てもらうために先方に施設を提供する、こういうことでございます。したがって、これは義務ではございませんが、われわれが提供しない限りは先方は出ない、こういうことになります。
○楢崎分科員 大臣にお伺いしますが、昨年六月九日の愛知・ロジャーズのパリ会談におけるこのP3の移転の問題について、その移転費用と称するものは、米軍のほうから、昨年、予算編成前にあらかじめ予告を受けておるような——ただ単に那覇から普天間に移るだけの費用で終わるのじゃないぞという、つまり玉つきの分も予告したような理解を米側はしておるように私は感じるのですが、外務大臣としては、この玉つきの費用の問題も、那覇からP3を移転させるという費用の中に全部含まれるのだというふうな理解でございましょうか。
○福田国務大臣 本土を含めての玉つきというか、そういうものにつきましては、私は予算編成時におきましては伺っておりません。あくまでも予算は、いま申し上げておりましたように、普天間、それからそれに関連して嘉手納、これで三十八億円である、こういうことです。なお、それに関連して問題が出てくるというものにつきましては、予算の当時はまだ予見はしておらなかった、したがって予算にもこれを計上しておらぬ、こういう状態でございます。
○楢崎分科員 私がお伺いしておるのは、アメリカ側の移転費の理解と日本側の移転費の理解に食い違いがあるのではないかということを承っているのです。アメリカはそれだけじゃ済まないということを予告しておるとアメリカ局長はおっしゃっておりますから、その辺の理解に食い違いはなかったかということをお伺いしておるのです。
○吉野政府委員 アメリカは、それだけでは済ませないぞという予告は、しているわけではございません。すなわち三十八億円は、当面、来年度の予算を編成するにあたって、先方が出してきた必要な経費でございます。 そこで、六月九日、愛知大臣とロジャーズ長官がパリにおいてこの問題を話したときは、先方は、P3を那覇空港から撤去することはきわめてむずかしい、米軍内にも反対論がたくさんある、したがってなかなか日本側の要望に沿い得なかったのであるが、もし日本側がP3の移転先に必要な施設ないしはP3の移転のために起こるその他の飛行場に及ぼす影響、それらのものに対して必要な費用をまかなってくれるなら、すなわち日本側が施設を提供してくれるなら、これを考慮してよろしい、こういうことでございました。したがって、先生の言われたような、予告とかなんとかいうことは全然ございません。
○楢崎分科員 そうすると、形を変えて伺ってみましょう。 那覇からのP3の移転ということは、その自後のいわゆる玉つき移転の問題も含めて、セットとしてアメリカは考えておるように、いまの話を聞いたら感じますが、そうですか。
○吉野政府委員 これは当時は、一体P3が那覇からどこへ出るかということも、米側は考えていなかったわけでございます。しかしながら、わがほうの追及が非常に激しいものですから、先方は何とか米軍内でこれをまかなおう、こういうことをわがほうには言ってきたわけでございまして、その一つのセットとして、どこの飛行場からどこへ移る、したがってどうのこうの、こういうような形では、先方は当時も考えていなかったし、現在も、少なくとも普天間以降の問題につきましては、はっきりとわがほうに正式に通告してきたものでないことは、先ほど大臣がお答えしたとおりであります。
○楢崎分科員 そうすると、現実の問題として、普天間から先の玉つきの問題が同時に解決されなければ、那覇から普天間へのP3の移転は非常にむずかしいのではないか、そのように感じますが、どうですか。
○吉野政府委員 P3が普天間に移った場合に、普天間が手狭でございますから、したがって、そこにあるKC130がどこかの飛行場へ移らなければならないだろう、こういうことはわれわれも予測できる問題でございます。しかしながら、これがどこへ移るかどうか、したがって、そのために必要な費用が幾らかかり、これをいつまでにするか、こういうような話はまだ具体的には出ておりません。
○楢崎分科員 私は実際の見通しを聞いておるのです。そういう評論家的なあなたの御意見を聞いておるのじゃないのです。あなた方が実際に取り扱うのです。見通しを聞いておるのです。セットとして考えなければむずかしいのではないか、那覇の完全開放というのは。それを聞いておるのです。
○吉野政府委員 これは御存じのとおり、必ずしも先方はわれわれに全貌をすぐに明らかにする必要はないわけでございますし、また彼ら自身も、部内でまだこの問題は検討中であるとわれわれは想像しているわけであります。そこで、われわれといたしましては、当面、P3を普天間へ移すための費用、すなわち三十八億を要求しておるわけであります。
○楢崎分科員 それでは外務大臣にお伺いしますが、外務大臣は、P3に関して言えば、那覇から普天間、これだけで、それから先の玉つきは全然別個の問題として処理するという確信がありますか。
○福田国務大臣 さようにいたしたいと思っております。
○楢崎分科員 それはしかと承っておきます。 それで、われわれとしては、那覇の完全開放ということは私どもも願っておるところでありますから、もし普天間から先の問題が全然別個の問題であれば、セットでなければ暫定予算に組まれることにやぶさかでないと私は思うのです。しかし、われわれの見通しとしては、どんなにアメリカ局長がことばを言い回されようと、セットとしての感じが非常に深い。だからもしそういうことになればこれは大問題でありますから、しかも地位協定がまだ適用されていないのですから、五月十五日までに那覇の完全開放をしようとすれば、もし玉つきの分も一緒にセットになるということになると、これはパリにおける愛知・ロジャーズ会談がこの点については非常に詰めが足らなかった、あいまいである、私はこのように思わざるを得ません。私は重大な責任問題が出てくると思う。この点は、もし玉つきの問題が起こるとすれば断固としてわれわれは反対せざるを得ませんから、あらかじめこれは申し上げておきます。 次に、中国問題に移りたいのであります。 せんだって政府の台湾帰属に対する統一見解を承りました。第一項についてですが、まあ台湾の帰属については国際場裏で発言する立場にはないと第一項に触れられておる。問題は、日本政府がいままでそのような立場でずっと一貫してふるまってこられておれば問題ないと思うのです。ところが、現実の日本政府の歩みは、二十年も前に、帰属も明確でないはずの台湾に対して、しかもそれは亡命政権だったわけですが、それを相手に平和条約を結んだ。しかもそれは人民共和国ができて二年後です。そしてその日華条約で、日中の戦争は終結したのだ、そして中国の正統政府は台湾であると、ずっと一貫して昨年の国連決定までは来られておったわけであります。そしていまごろになって、帰属について発言する立場にないと幾ら言われても、私はこれは、何を言っておるのだ、国民に対する説得力がないと思うのですが、この辺の関係は、大臣としてはどのように理解されておりますか。
○福田国務大臣 これは楢崎さんが第一項をというか、第一節だけお読みになるとそういう感じになるかもしれませんけれども、第二節のほうもあわせて読んでいただくと、日本政府のとった歴史、そういうことは十分御理解がいくのじゃないか、そういうふうに考えます。
○楢崎分科員 それでは第二項のほうにまいります。 私どもも、ときどき英語の正文を読みましていろいろ迷うことがあるのですが、大体認めると普通日本語ではいう場合に、英語でちょっと例をあげてみると、アンダスタンドあるいはテークノート、アクノレジ、レコグナイズ、これは認めるという度合いではどれが一番強いか、強い順にちょっと言ってくれませんか。
○高島政府委員 公式的にどういう順序でどれが強いかということは、なかなか私どもの立場として申し上げられませんけれども、一般的に法律的表現としまして認めるという場合には、私どもレコグナイズということばを通常使っております。それ以外のことばにつきましては、これは非常に非法律的な表現でございますので、その重さということにつきましては、これは英語自体の問題であろうかと思います。したがって、法律的にどれが強くどれが軽いということは申し上げかねます。
○楢崎分科員 それでは、カナダ、ベルギー方式、テークノート方式ですね。それからアメリカの方式、最近のイギリスの方式及び日本政府の今度の統一見解と、台湾帰属に対する認識の強さ、それを順に教えていただけませんか。
○吉田(健)政府委員 なかなかデリケートな問題でございますが、ただいま申しましたように、レコグナイズという法律的な用語を使ってあれば非常に簡明でございますが、それぞれの、たとえば米中の場合、英中の場合を見ますと、アクノレジということばが入っておりましたり、いろんな表現がかみ合って全体ができ上がっておる。そこでイギリスの場合は、これは明瞭にすでに国交が正常化しておる国でありまして、その前提のもとに大使を交換するという交換コミュニケでございますので、これはまあ形としては一番強い。したがいまして、アクノレジのたとえば訳につきましても、米中のほうでは認識ということばを使っておりますが、英中のほうでは承認という訳し方にもなっておるというようなことが考えられるかと思います。日本の統一見解はこのとおりお読みいただければいいわけでございます。別にカナダの場合は、すでに国交正常化をやった立場でございますから、わが国とは次元の違う問題として取り扱う必要があろうかと思います。
○楢崎分科員 私どもとしてはしろうでありますから、その台湾の帰属に対する認識の深さはいろいろあるが、大体どういう強さになっておるのだろうか。まあイギリスが一番踏み切っておる、その次はアメリカである、その次はカナダ、ベルギー方式だ、そういうことを聞いておるのです。それで日本政府の統一見解はどの程度のところにあるのか、これを聞いている。
○吉田(健)政府委員 これはただいま申し上げましたように、イギリスとカナダの場合はすでに国交を正常化しておるということでああいう方式をとったわけでございますが、アメリカとわが国に関しましては、これから国交正常化をしようという形になっておりますので、いまの時点においてこれを比較するのは必ずしも適当でないというふうに思うわけでございます。アメリカの場合は、これから米中間の関係を正常化していきたい、その前提のための考慮による表現でございますし、日本の場合は、統一見解にありますように、そういう認識を踏まえて積極的に日中国交正常化を打開していきたいという意欲を表明しておるわけでございますから、その辺を御理解いただきたいと思います。
○楢崎分科員 わからないから聞いておるのですよ。じゃ、アメリカの場合と日本の場合、どっちが台湾の帰属に対する認識が深いですか。大臣にお伺いしますよ。
○福田国務大臣 一節、二節、三節と、こう切り離して言われるものですからお答えがむずかしくなるのですが、全部を通して御理解願いたい。その場合には、私は、アメリカの場合に比べましてわが国は、台湾帰属問題については、中国側にとっては進んだ考え方を持っておる、こういうふうに理解をしております。
○楢崎分科員 そうすると台湾問題は、いわゆる日華条約、これは日中正常化の話し合いの中で当然解決されるものだという態度でずっと来られましたね。その日中国交正常化の話し合いの中で解決されるということは、この日華条約は、入り口論、出口論はあるとしても、それは一応別にして、解決されるということは、この話し合いの過程の中で解消される、このように理解してよろしゅうございますか。
○福田国務大臣 これは、日中国交話し合いそれ自体がどうなるか、その話し合いの内容として重要なる部分を構成されるだろう、こういうことであります。
○楢崎分科員 そうすると、国交正常化の見通しがつくということは、ついたときにはこれは解消される、こういうことでございますね。
○福田国務大臣 日中国交正常化の内容が、領土帰属問題、これに対する考え方、これをきめていく、こういうふうに思いますが、日中国交正常化、その態様が領土問題の帰属に非常に大きな影響を持つ、こういうふうな理解をしておるのですが、その辺は楢崎さん、あまりお詰めにならぬほうが私どもとしてはありがたいのですがね。
○楢崎分科員 もうすでに佐藤内閣の命脈もそう長いことはない。当然次期内閣がこれは当たることになろうと思う。だからこの辺は、もうそろそろ、そんなあいまいなことではなしに、もう少し明確な姿勢を示されたほうがいいと思う。いま私は出口論、入り口論は展開しませんけれども、それは別として、国交正常化の見通しがついたということは、これは日華条約が解消ということと結びつくときだ、このように理解してよろしゅうございますか。
○福田国務大臣 これは御推論にまつほかはないというのが今日私の精一ぱいのお答え、こういうふうに……。これはもう楢崎さん、大体いろいろ御推量されておるようですが、その御推理にまつほかない、こういうことであります。
○楢崎分科員 大体私の推論のとおりにまかせるということでございますから、私は当然日華条約は解消されるという推論を言っておるわけですから、それにまかせるということであればそのとおりである、このように理解をして先に進みますけれども、よろしゅうございますか。
○福田国務大臣 楢崎さんの御推理は御推理としてつつしんで承っておきます。これが私の精一ぱいの答えであります。
○楢崎分科員 ちょっとまたさっきの御答弁と違うようであります。さっきの、私の推論のとおりになるであろう、こういうことでいいのでしょう。
○福田国務大臣 その辺は外交の機微に属する問題でありますので、それ以上お詰めにならぬでも、楢崎さんは楢崎さんの御推理がありましょう。その辺でおとめおき願いたい、こういうふうにお願いをしておるわけであります。
○楢崎分科員 外務大臣からお願いをされたんじゃどうしようもないので、それじゃ、その辺は含んで先に行くことにいたしましょう。 国交正常化で台湾の帰属が明白になった場合、これは当然、日米共同声明の韓・台条項の中の台湾条項は消滅することになると思いますが、それでよろしゅうございますか。
○福田国務大臣 これも仮定の話ですが、日中国交正常化ができたということになり、そしてわが国は台湾を含めての中華人民共和国と正常な関係が樹立する、こういうことになりますれば、その際はお話しのような問題が起こってくる。起こってくるというのは、これは日米安全保障条約は相手のある話でありまするから、ここで私は、その相手国との間に結んだ条約の重要な問題について断定的なお答えはなしがたい。しかし当然そこで問題は起こってくる。わが国としては、これはあなたがおっしゃるような筋合いの議論、こういうことを展開するということになると思いますが、しかしこれは断定的には言い切れない、こういうふうに御了承願います。
○楢崎分科員 共同声明の台湾条項は調整するという問題が起こってくる可能性があると承ってよろしゅうございますね。
○福田国務大臣 よろしゅうございます。
○楢崎分科員 それからいま一つ、日米安保条約の極東条項でございますが、これがまたいまと同じように、もし台湾の帰属が明白になれば、極東の範囲の政府の統一解釈、これはフィリピン以北でございますが、台湾がはずれるということになると、その極東の範囲はずっと狭まる、このように私は理解しますが、どうでしょうか。
○福田国務大臣 そういうこともまた日米間で問題になってくる、こういうふうに御理解願いたいと思います。
○楢崎分科員 私は、そういう問題があること、やはり日米安保条約の一つの調整の問題が起こる、このように理解してよろしゅうございますか。
○福田国務大臣 そういうことだと思います。
○楢崎分科員 それから、アメリカと中華民国とのいわゆる軍事同盟条約でございます米華条約、これはニューヨーク・タイムスの報ずるところによると、大統領は一、二年間で台湾の空軍関係を撤退させる計画を策定せよということをペンタゴンに指示されたということが報道に載っております。それで、この米華条約の見通しについて外務省はどのような見通しを持っておられましょうか。
○福田国務大臣 先の先のことは私はわかりませんけれども、当面予見し得る近い将来において、米華条約はなくなるというふうな見通しは持っておりません。
○楢崎分科員 それでは、日中国交正常化の方式でございますが、これは平和条約方式でございますか。つまり日中の戦争終結の条項を含む平和条約方式と考えてよろしゅうございますか。
○福田国務大臣 私どもの立場は、日中間では戦争は終了したという立場をとっております。しかしまあ、いろいろな情報を総合しますと、中国側には戦争はまだ終了しておらぬという意見もあるようです。だから、そういう問題をどういうふうに始末するか、これは日中政府間接触の過程において結論の出る問題になる、そういう際には。わが国の立場は、戦争は終了した、こういう考えでございます。
○楢崎分科員 次に、尖閣列島の問題に入りたいと思います。 これは私の記憶し得る限りでは、本格的な論議がなされたことはないのじゃないか。つまりこちら側が領有権の問題について聞き、外務省はその見解を述べるというにとどまったのがいままでの経過ではなかろうか。私は、時間も少なくなりましたが、若干その論議をしてみたいのであります。 まず、私どもの立場といたしましては、去る三日に国連の海底平和利用委員会で、初めて中国代表と日本代表とこの領有権の論議をやった。こういう経過を見てみると、日中正常化の話し合いの中で、やっぱりこの尖閣列島があるいは現実的な障壁になるという可能性について私は憂えるわけであります。領土問題というのは非常にデリケートな問題であるし、隣国感情としても国民感情としても、これはお互いにシビアーなものがある。だから、事の扱いによると、この問題だけで両国の関係がこじれるというようなこともなきにしもあらずでありますから、私はこの問題については、やっぱりすなおに、あるいは冷静に論じることが必要ではなかろうかと思うわけです。そのためには、私どもはやっぱり歴史的な事実というものを、十分資料をもって具体的に立証する必要があろうと思います。 そこで、私どもとしては、まず尖閣列島は日本の領有権があるという立場をとります。ただしそれには、御案内のとおり中国からの異議も出ておる。どこに問題があるということを私は見きわめる必要があろうと思います。だから、この問題はやっぱり話し合いで、日中の話し合いでこれは解決されるべきものであって、少なくとも第三国の介入する余地はない問題である、これはまた私どもの立場であります。具体的に言うならば、アメリカの見解は必要ではない。そればかりか、アメリカの意見をこの問題に求めることはむしろ害がある、根本的な誤りである、私どもはそう思います。さらに、いわゆる大陸だなの資源開発問題とこの領有問題は、これまた別個の問題であるという立場で日中間の話し合いに持っていく必要がある、これが私どもの前提であります。 ただ、いままで私は質問主意書で、この領有権の問題についてお伺いをしました。それからまた、せんだって沖特委員会で、外務大臣の領有権の根拠についてのお話も承りました。で、私に対する回答書と、せんだっての外務大臣のあの御答弁を二つ並べてみて、私は非常に論拠が弱いと思います。それで、やっぱりこれはお互いに詰める必要があろうと思うのです。もし論拠が弱いならば、どのような理論構成をすべきかということをやっぱり私どもも考えたいと思います。そういう点で、まず外務省が出されております見解についてお伺いしますから、ひとつ解明をしてください。もし私が出す点に解明ができなかったら、とても中国との話し合いなんてできませんよ。だから解明をしていただきたいと思います。 まず、私に対する回答では、「歴史的に一貫してわが国の領土たる南西諸島の一部を構成し、」こう回答書にあります。この「歴史的に一貫して」ということは、いつからの歴史ですか。
○福田国務大臣 明治十八年よりであります。
○高島政府委員 正確には明治二十八年以来でございます。
○楢崎分科員 私はどちらもある程度、いまの外務大臣のお答えもわかるのですよ。それから条約局長の二十八年説もわかります。明治十八年というのは、例の明治十七年に古賀さんがいろいろ尖閣列島のことを知って、そしてそれに基づいて沖繩の県知事が、いわゆる国標を立てたいという上申書を提出された年であるわけです。それが十年間なぜうやむやになっておるか。二十八年に閣議決定いただいたのでしょう。なぜうやむやになっておったか、その間の理由はどうでしょう。
○高島政府委員 私ども、この尖閣諸島が日本の領土であると主張します根拠は、国際法に基づきまして日本がこれを実効的に支配してきたということを説明しようとしておるわけです。国際法に基づきましてというその根拠は、いわゆる国際法上の先占の法理によって日本が合法的に取得したということでございます。先占の条件といたしましては、まず第一番にいかなる国の領域にも属しない……。
○楢崎分科員 私はそれを聞いておるのじゃないのです。ちょっと待ってください、それはあとで聞きますから。なぜ十年間ほったらかしにしておったか、それを簡単に説明していただきたい。
○高島政府委員 そこで、いま私が申し上げようとしましたのは、先占の要件の一つでありますところの、いかなる国の領域にも属しない領域であったということを、日本政府が確認するために十年間も要したということでございます。
○楢崎分科員 つまり、資料によりますと、明治十八年の太政大臣あて、魚釣島、久場島及び清国福州との間に散存せる島に国標を立てたいという上申書を出したわけです。これに対して外務卿の井上馨が、まず一つは、島嶼が清国福建省境に近いということ、二番目に、叢爾たる小島であること、三番目に、清国側に日本が台湾付近の清国領を占領した等の風評がある、そのような理由で、国標の建設と島嶼の開拓は他日に譲るほうがいいのだ、こういうことを言って、同年の十二月に、内務卿から知事あてに国標の建設の必要はないということを指示したはずであります。そしてその後、明治二十三年一月と二十六年十一月の二回にわたって、知事から上申書が出されておる。しかしこれも却下されておる。やっと日清戦争の終えんに近い、つまり勝利の見通しが立った段階の二十七年十二月二十七日、閣議にかけることが了承された。そして二十八年一月十四日に閣議決定、そういう経過ですね。私は資料を提出しています。つまりこの十年間そういう経過をたどってきたということは、日本の内務省や外務省の調査で、尖閣列島が琉球列島に属しておることがはっきりしなかったか、あるいは中国領であることがはっきりしておったからではないかという疑いが持たれます。結局は二十八年、つまり日清戦争勝利の見通しが立ったということで、一気になされたという印象を受けます。 そこで次に、私、時間がありませんから一ぺんに言います。閣議決定から勅令十三号、これは尖閣列島を領土に編入するということばはありますか。——時間がありませんから私が申し上げますから、違っておったら反論してください。この二十九年勅令第十三号というのは、沖繩県の郡の編成をきめただけであります。だから、尖閣列島を日本領土に編入するということは書いてありません。ただ、八重山郡は八重山諸島を当てるということが書いてありますね。だから、それから先は今度は沖繩県知事の単なる解釈によって、八重山諸島の中に尖閣列島が含まれるんだと沖繩県知事自身がいって、そして八重山郡に編入をした、そうして、地方行政区分上の編入と同時に領土編入の措置をとった、これが事実であろうと思います。だから、領土編入という国際的に重要なことが、県知事という一地方長官の判断や解釈で行なわれたという疑いがあります。 それから次にもう一つ、外務大臣、この前沖特委員会で大臣は下関条約のことを言われました。下関条約で、尖閣列島が台湾の付属諸島に含まれないという明確に決定された事実がありますか。
○高島政府委員 先ほどの楢崎先生の、尖閣列島を沖繩県に編入するということの意思表示が政府としてなかったというお話でございますけれども、二十八年一月十四日の閣議決定の書類によりますと、全部は読みませんけれども、「同県知事ヨリ上申有之右ハ同県ノ所轄ト認ムルニ依り上申ノ通標杭ヲ建設セシメントス」という閣議決定の趣旨がございまして、そういう趣旨によりまして標杭を建設したというふうにわれわれは了解しております。
○楢崎分科員 その場合も、魚釣島と久場島だけでしょう、明確に言っているのは。閣議のものはそういうふうに所轄すると書いてあるが、勅令にはない。勅令は郡編成だけです。それが一つ。それは明白です。 それから、その下関条約で尖閣列島は台湾の付属諸島ではない、そういうことをきめた文書がありますか。
○高島政府委員 先生御指摘の下関条約の中には、台湾及びその付属島嶼とあるだけでございまして、その範囲はどこかということについては、われわれの了解では、この尖閣諸島は全然入っておらないというふうに考えております。
○楢崎分科員 ここが大事なところです。この下関条約で尖閣列島の範囲が明確になっておれば、いまこういう領有権の問題は起こらないのですよ、大臣。これが明確でないのです。だから、読売新聞、朝日新聞の社説を読みましたが、この両社説とも、台湾の付属諸島に含まれていないことは明白であると書いてありますが、これは、朝日新聞なり読売新聞は論説で書いておるんだから、根拠を示してもらいたいと思うんです。私が調べたところでは根拠はありません。あえて根拠をさがすならば、第三条ですか、境界共同画定委員を二名ずつ両国から選ぶとある。下関条約の第三条です。それで、それは一年間で画定を終わる、それが三条です。で、その画定委員会は開かれたと思いますか。そうして、その画定委員会はどういう結論を出したと思いますか。
○福田国務大臣 馬関条約に尖閣列島のことが触れてない、これは私、当然だと思うのです。もうすでにそれに先立ち、一月十四日にわが国は法的な措置をとっておる。その島々に対して異議があったと、こういうのならば清国側でも問題を提起し、それが馬関条約に含まれるということだったと思うのですが、異議のない状態だと、こういう状態だから触れるわけがない。その辺は楢崎さんが何か疑問を差しはさまれるようなお話でございますが、むしろ疑問じゃなくて、わが国の領有権を肯定するという材料にこそなれ、疑問を差しはさむ、そういう材料にはならない、こういうふうな見解でございます。
○楢崎分科員 大臣は、その画定委員会がどういう議論をしたか御存じでそのようなことをおっしゃっているんですか。
○福田国務大臣 画定委員会のことは私、承知しておりません。
○楢崎分科員 これは重大ですから、想像ではいけないと思うのですよ。だから私は、明確な資料に基づいて理論構成しないと弱いと思うのですよ。私は、責めているわけじゃないんですよ。だから、その辺は下関条約をもし理由にされるんならば、私はむしろマイナス面があると思うのです。だからお調べになってください、もし記録らしいものがあれば。日本側代表が水野という弁理公使、清国側代表は李經方という代表ですね、この人がいろいろやり合っておるんですよ、台湾の付属諸島の問題で。このとき、全部は長いから大事なところをちょっと読んでみます。他日日本政府が——これは水野弁理公使が言っているんです。他日日本政府が福建近傍の島嶼までも台湾所属島嶼なりと主張するがごときことは決してこれなしと言っておるんですよ。いいですか、福建近傍の島嶼とは何か、これは沖繩県知事が上申書を出したときにこういうことを言っておりますね。魚釣島、久場島及び清国福州との間に散在せる島、つまり尖閣列島ですよ。だから、この尖閣列島のことまでも台湾付属島嶼なりと主張することはしない、つまり尖閣列島は台湾の付属の島だとは言わないということが載っておる。だから台湾には含まれないんだ。一つの論拠があります。ところがそれが逆に、含まないということは、これは中国固有の領土であるということのニュアンスが出ておるんです。だから一緒にとらないんだと、そうですよ。このくだりをひとつ検討してみていただきたいと思う。もう時間がありませんから最後に入りますが、この辺は非常にデリケートなところです。ですから、もう少し確たる証拠に基づいた理論構成をする必要があると思います。 それから米国の、沖繩米政府の布告二十七号なんというのは、これは私は根拠にならないと思うのですよ。これはアメリカがかってにやっておるといわれればそれまでですから、強い根拠にならない。だから私は、この尖閣列島は、国際法のいわゆる無主島だと思うのですね。これは私はそう思います。これはいまだかつて、中国側はどういう主張をするか知りませんけれども、どこの国の領土であるということがはっきりした二十八年以前ははっきりしていなかった。これも私は事実であろうと思う。だから、国際法のいわゆる領土の場合の占拠という条件から見れば、領土を保有するという意思があるということ、そして領土として保有するという意思を表明すること、そして意思を表明した後実効的な支配が及んでおるかどうか、これが問題だと思う。これは私はあると思うのです。ただ、問題はその尖閣列島を日本の領土とするというその意思決定及びその後の実効的支配が正当なものであったかというのが、私は中国側との争点になるのではなかろうか。これは私の想像ですよ。だから、その実効的支配という点については私もそう思うのです。ただ、それが正当かどうかというところにおそらく争点があると思うのです。先ほどちょっと触れましたとおり、十年間もほったらかしておって、日清戦争で大勝利というときに、その力をかってきめたという感じを非常にわれわれも持ちます。その辺が正当性との問題が出てくるのではなかろうか。だから、この点はひとつ検討していただいて、次回、何らかの機会に明確なひとつ御回答をいただきたい、このように思います。 それから最後に、こういうふうに非常にデリケートな問題だから、私は防衛庁に伺いたいが、防空識別圏の中にこれをやはり入れますか。防空識別圏、できましたか。
○久保政府委員 まだADIZの防衛庁案というものはつくっておりませんけれども、現状では、御承知のように、防空識別圏というものが、沖繩本島防空のための識別の技術的あるいは事務的な、便宜的な自衛隊内部のラインであるというような点で、必ずしも私は政治的なそういった面をかみ合わせる必要はないのではないかという観点で、いまのところ従来の方針を踏襲したいと考えております。
○楢崎分科員 与那国島の上を通っておるADIZですが、これはどのように処理されるのですか。
○久保政府委員 その点につきましては、たとえばこれを防空識別圏の中に取り込むという考え方もないではありませんけれども、これも格別そこで左右する必要はないので、やはり従来の線を踏襲するということで足りるのではないかという感じであります。
○楢崎分科員 中国側が尖閣列島の領有権を主張する、もしそこに日本の飛行機がADIZで飛んでいく、そうすると、中国側が自分の領土に飛んできたということで、スクランブルをかけないという確信があなた、ありますか。
○久保政府委員 共産圏のADIZがわからないのでありますが、極端な例を申しますれば、わがほうのADIZと共産圏側のADIZが交錯をしている、たとえば尖閣列島を互いに取り込んでおるということでも、格別それが不都合ということにはならないというふうに私は思います。また事実上の問題としましては、尖閣列島の上空を飛んでいる場合に、わがほうが間に合うというわけにはまいりません。
○楢崎分科員 私は、現実にやはり非常にトラブルの起こる可能性があると思うのです、ないことを祈りますけれども。起こってからではおそいのですよ。だからこれは慎重に配慮して、私は竹島と同じように防空識別圏から一応はずされたほうが——竹島がそうでしょう。争いがあるから竹島と同じような例にすべきだと私は思います。 それから最後に、外務大臣、この尖閣列島の領有権の問題について、アメリカは施政権と領有権をいまのところ分けておりますね。沖繩返還時、五月十五日の段階で、米国に対して尖閣列島の領有権についての何らかの意見表明を求めるつもりですか、これを最後に……。
○福田国務大臣 これは、私はアメリカは当然日本の領土である、こういうふうに考えていると思います。思いますが、わが国の領土権の問題に対して、最終的な裁判官じゃありませんから、それに裁判的な意見を求めるようなことは考えておりません。
○楢崎分科員 この点は、先ほども冒頭申し上げたとおり、私はそんなことをさせるのはむしろ害があると思うのです。もうすでに領有権の問題は、当事者で話し合うべきであるという意見をアメリカの国務省は出しておりますね。出しておりますよ。あるいは第三者というのは、つまり国際司法裁判所でしょう。明確なんです。それをわざわざここで、沖繩返還時に尖閣列島の領有権について米側のコミットを求めるなんというみっともないまねは、ひとつ絶対おやめになるようにお願いをしたい。 と同時に、いままでの過程でおわかりのとおり、ここの赤尾、黄尾に米軍の基地がある、射爆場があるということ、これも私はたいへん問題があると思うのです。少なくともこの領有権について争いのあるところに米軍の基地があるということは、これはよくないことです。私はいろいろほかの基地も意見があるけれども、最小限この赤尾、黄尾から、これはAリストに入っておりますけれども、基地を撤去するように話し合いをされるべきである、私はこのように思います。御意見を伺いたい。
○福田国務大臣 尖閣列島の米軍基地を、撤去するということを要請するという考えはありません。私は、これはなぜアメリカに意見を求めないかというと、あまりにも明瞭なことなんだ。だれの意見を求める必要もない、それくらいはっきりしている問題だ。これをとやかく人にどうであろう、こんなことを言うことは、かえって問題をこじらかすゆえんになるので、楢崎さんの発想法と少し違うかもしれませんが、私のほうはこれは……(楢崎分科員「さらにしておくべきだ」と呼ぶ)さらにじゃありません。わが国の領土であることに一点の疑いもない問題である。人の国の意見、第三者の意見を求めるまでもない、こういうことで意見を求めない、こういうことであります。
○楢崎分科員 議論は後日に譲ります。終わります。
○野田主査 それでは次に、宮井泰良君。
○宮井分科員 本会議の時間が近づいておりますので、要点だけお尋ねしますから、簡単に答弁をいただきたいと思います。 那覇空港のP3対潜哨戒機の普天間基地移転に伴う岩国基地への玉つき移駐問題の件につきまして御質問いたします。普天間基地のKC130空中給油機を岩国に移駐させる、このように聞いておりますが、その内容を私は知りたいわけであります。何機くらいで、人員は何名くらいですか。
○福田国務大臣 せっかくの御質問なのでありますが、まだアメリカのほうにそういうような動きがあるという程度の段階でありますので、どういうふうな内容のものか、まだ表立った話し合いをいたしておりませんので、その詳細につきましては、まことに恐縮でございますが、お答えいたしがたい、こういうことでございます。
○宮井分科員 防衛施設庁はどうですか。
○薄田政府委員 いま外務大臣がお答えのように、いわゆる沖繩での移転の問題は御相談を受けておりますが、いまの御質問のような点は、全然まだわれわれ聞いておりません。
○宮井分科員 読売新聞の報道によりますと、予算上も新たに約二十五億円を岩国、三沢両基地の施設整備費として追加支出しなければならなくなる、このようにあるわけでありますが、この予算は計上されるおつもりですか。
○吉野政府委員 新聞の報道の二十五億円というのは、われわれとしては全然心当たりのない数字でございますが、あえて推測させていただきますならば、当初アメリカはP3の移転のためにおそらく二千万ドルくらいかかるだろう、こういうことを言ったわけであります。それにつきましては、別に先方も根拠を示したわけではございません。したがいまして、おそらくそのような推定は、二千万ドルマイナス三十八億円何がしかの来年度の予算に計上しておる分を引いたものだろうと思いますが、これらは何ら根拠はございません。
○宮井分科員 それでは次に、地位協定第二条1の(a)、同じく第二十四条によりますと、基地の土地は米軍に提供するけれども、住宅その他の建物は負担する必要はない、このようになっておると私は解釈いたしております。たとえば岩国にKC130空中給油機が来るとして、もちろんいろいろなそういう不明なものは来ないほうがいいわけですが、施設などはその要求を拒否できると思うのですが、その点はいかがですか。
○吉野政府委員 二十四条第二項の規定は、御存じのとおり、わが国は第二条ないし第三条に定めるすべての施設及び区域その他を提供する、こういうことになっておるわけであります。そこで、第二条及び第三条に定めるすべての施設及び区域の中に建物も入りますし、またその他の必要な施設も入る、こういうようにわれわれは解釈しております。
○宮井分科員 それではもう一度確認しますが、たとえば新たに病院を建ててくれ、住宅を建ててくれ、あるいは格納庫を建ててくれと言うた場合には、わが国としてはそれを拒否することはできない、こういうことなんですか。
○吉野政府委員 これはいろいろ過去における先例もございますから、一がいに申し上げるわけにまいりませんですが、いままでのわがほうの見解は、新たに基地を縮小整理する場合には、それに必要な新たな施設は提供する、こういう先例がございます。その一環としまして、かりに王子病院を返還する場合には、それにかわるべき病院を他の場所に建てる、こういうことをわれわれとしては過去においてやった例がございます。
○宮井分科員 それでは、たとえば岩国では、基地縮小ということはいまのところございませんね。そこで、施設をつくってくれ、KC130の空中給油機が来たとして、それの格納庫をつくってくれと言うた場合には、これは基地縮小ではないわけですから、その点は拒否できますか。
○吉野政府委員 これは仮定の問題でございますから、あくまでもそうように御理解の上お答えいたしたいと思いますが、要するに、先ほど申しましたように、基地縮小あるいは統合の一環といたしまして新たな施設を提供することは差しつかえないし、今後においてもそうである。したがって、そのような例に該当するかどうか、こういうことになるだろうかと思います。
○宮井分科員 これ以上あれしましても平行線と思いますから、また具体的にそれが出てきたら質問することといたします。 次に、このP3の那覇空港からの撤去移転に要する費用は、先ほども出ておりましたが二千万ドル、六十一億六千万円とされておりますが、新年度予算では三十八億円を計上しておる。これは四十七年度には一部だけしか計上しなかったのか。私のほうは一年でこれが終わるもの、このように理解しておったわけですが、普天間の施設の建設というものは、四十七、四十八年とこの二年間もかかるんですか。その点はどうですか。
○薄田政府委員 先生の御質問のあれは、私どもは二年かけるつもりはございませんで、いわゆる普天間とこれに関連します嘉手納を入れまして三十八億円、普天間につきましては、工事費としまして約二十六億ぐらいで単年度でやり得るというふうに、四十七年度に完成するつもりでおります。
○宮井分科員 それではあとの、二千万ドルの残り分はどこに使うわけですか。
○薄田政府委員 二千万ドルについて、私たち、先生のおっしゃいます数字を全然存じておりませんで、現在普天間の二十六億円だけを承知しております。
○宮井分科員 三十八億円じゃなしに二十六億円ですね。
○薄田政府委員 御質問が普天間の関係でございますので、普天間の関係で二十六億円でございます。
○宮井分科員 それでは、それ以外に今年度予算に計上されている合計金額は幾らですか。
○薄田政府委員 いわゆるP3関係経費といたしまして、計三十八億円要求いたしております。その内訳を申し上げますと、いま申し上げました普天間が二十六億円、それから嘉手納の工事費といたしまして十一億、こういうことでございます。
○宮井分科員 それでは次に、沖繩国会におきまして、二千万ドルというのは、いまもそれはうかがい知るところでないということでございましたが、この概算したときは二千万ドル、このように私は聞いておりますから、この玉つき移駐は考えなかった、このように私は思うのです。そうしましたならば、那覇から普天間にP3対潜哨戒機を移転し、さらにKC130もそのままいるという前提で、両方、そこにP3もKC130も同居する、そういう前提でP3の施設費にそれだけのお金をかけるというふうに計算したのではないか、このように思うわけです。KC130が岩国に移駐するとするならば、普天間にその施設が残りますから、それをそのままP3が使えばいいのではないか、このように考えるわけです。それを四十七年度三十八億円をそのP3の施設をつくるのに使用するのか。いま内訳はお話ししていただきましたけれども、もっと金額が少なくて済むのではないか、このように思うのですが、いかがですか。
○薄田政府委員 御質問の御趣旨が私ちょっと理解できないところがあるのでございますが、実は飛行場でございますので、われわれ承知しておりますのは、普天間の飛行場がたいへん滑走路がいたんでおる。これを平滑といいますか、平らにいたします。われわれ専門的にはレベリング工事、こういうようなことを言っております。その上に、いわゆるオーバレイをする、こういう関係だけの経費に考えております。
○宮井分科員 それでは次に、このKC130がかりに岩国に移駐されたとしても、岩国は航空基地でありまして、既存の設備があるわけでありまして、新たに施設は要らないのではないか、このように私は考えるわけであります。また、岩国のP3が三沢に今度は行くといたしましても、三沢も既存の施設を使えばよい。その点はいかがです。
○吉野政府委員 これは先ほど仮説の問題としてお答えいたしましたとおり、米軍の基地の統合縮小に伴いまして必要な施設は、たとえ既存の基地の中においてもわがほうとしては提供する、こういうことでございますから、そういう趣旨で、地位協定に合っているかどうか、こういうことで、わがほうはあくまでも日本側の負担になるかどうかを考えたいと思います。
○宮井分科員 その点はひとつ、あくまでも仮定であっても、そのような心配ないように、しっかり検討をしてもらいたい、このように要望します。 それから、那覇から普天間へ、また普天間から岩国と、それぞれ玉つき移駐ということが言われておるわけですが、その航空機を移駐するということは、それぞれの基地が手狭になるからという理由である、このように聞いておるわけですが、それは、手狭になるというただそれだけの理由なのか、それとも戦闘作戦の変更があったと考えられないかという点を私は指摘したいわけであります。戦闘作戦行動の変更がないとするならば、飛行機の機種というものは何であってもいいわけでありますし、特に岩国に移駐しなくてはならないと限定されたものではない、このように思うのですが、その点はいかがです。
○吉野政府委員 われわれが米側からいままで聞いたところによりますと、何ら作戦行動の変更とか作戦政策の行使の変更というようなことは一切聞いておりません。ただ、飛行場及び飛行場の上の空間が手狭になる、したがってある程度やりくりをしなければいかぬ、こういうことでございます。
○宮井分科員 作戦行動が変更ないということでございますが、このKC130空中給油機というものは、それではどういう任務を持っておるわけですか。
○吉野政府委員 KC130は、P3その他の比較的小型の飛行機の給油及び一般の輸送任務に当たるものとわれわれは承知いたしております。
○宮井分科員 私が聞いておる範囲では、グアムからベトナムへ行くところのB52の空中給油に必要である、このように聞いております。そのKC130が岩国に来たといたしまして、そのKC130は、グアムからベトナムへ行くB52の空中給油の任務を持っているのではないか。そうだとしますと、非常にこれは危険である。明らかにアメリカの戦闘行動に協力するということになりましてあぶない立場になる、このように思いますが、いかがですか。
○吉野政府委員 われわれも、その点につきましては、KC130の任務を先方に照会いたしたわけでございますが、先方は、B52の給油機はいわゆるKC135というもっと大型な給油機だそうでございます。そして、これはもちろんいままで日本の内地にはいたわけではないわけでございますが、KC130は御存じのとおり、五年前までは岩国の基地にいたわけでございます。それが沖繩に移ったというのが過去の歴史でございます。
○宮井分科員 それでは、この読売新聞によりますと、KC130は戦闘機が長距離爆撃飛行を行なう際、空中で給油するためのものだ。極東、東南アジアでは岩国、沖繩、フィリピンの三カ所に常駐しておる。特にB52大型爆撃機が沖繩から撤退したあとは、沖繩のKC130は東南アジアの防衛に不可欠の存在となっておる。今回の米側の配置転換で、この沖繩のKC130が岩国に統合されるということになりますと、岩国が台湾を含めた極東及び東南アジアにおける長距離爆撃の重要拠点になることを意味するわけで、極東軍事体制の重要な変更と見られる、このような記事が出ておりますが、これに対しての見解を伺いたいと思います。
○吉野政府委員 先ほどもお答えいたしましたとおり、KC130は長距離爆撃機の給油機ではない、長距離爆撃機給油機はKC135というものであるそうでございまして、この点につきましては、明らかにその記事はわれれわれの得ておる情報とは異なっております。
○宮井分科員 それでは、最後に私は伺っておきますが、それはKC135で、心配ないということでございますが、この玉つき移駐という問題が出てまいりました今日において、われわれが心配いたしておりましたこの本土の沖繩化という問題であります。これは外務大臣も、沖繩も返還されれば本土でありますから、それは何ら本土の沖繩化ではないんだ、沖繩も本土も全部同じなんだという意味の答弁をされておりますけれども、ただいま私が聞いておる範囲で、そういった戦闘作戦行動の重要な変更であるというようなことが心配どおりになったといたしましたなれば、返還される以前のこの沖繩、それが本土の岩国の基地に対して当てはまってくる、返還される以前の沖繩の状態が本土に持ち込まれてくるということをわれわれは心配して、本土の沖繩化ではないかという点を指摘しておるわけでありまして、その点を外務大臣にはっきりお答えしていただきたいと思います。
○福田国務大臣 本土の沖繩化ということはあり得ません。そうはいたさせません。KC130は、いま申し上げましたように、これは五年前に岩国にすでにおったのです。それが便宜沖繩に移駐をいたしたわけです。それが沖繩が手狭になるというので本土にこれを持ってこようかという話が始まっておる、こういう段階でありまして、私どもとしては本土の沖繩化、そういうような事態は全然考えておりません。御安心のほどをお願い申し上げます。
○宮井分科員 それじゃ、以上で終わります。
○野田主査 それでは、次回は明二十二日午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時三十五分散会