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68回国会衆議院1972/03/24

予算委員会第三分科会 第5号

発言数
251
登壇者
28
会派数
5
開催日
1972/03/24

会議録

田中正巳自由民主党

○田中主査 これより予算委員会第三分科会を開会いたします。  昭和四十七年度一般会計予算及び昭和四十七年度特別会計予算中、自治省所管を議題といたします。  この際、政府から説明を求めます。渡海自治大臣。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 昭和四十七年度の自治省関係歳入歳出予算につきまして、概要を御説明申し上げます。  第一に、一般会計予算でありますが、歳入は、三千六百万円、歳出は、二兆三千九百四十八億三千二百万円を計上しております。  歳出予算額は、前年度の予算額二兆二百十一億六千百万円と比較し、三千七百三十六億七千百万円の増額となっております。  また、この歳出予算額の組織別の額を申し上げますと、自治本省、二兆三千九百十一億円、消防庁、三十七億三千二百万円となっております。  以下、主要な事項について、委員各位のお許しを得まして説明を省略させていただきたいと思います。  よろしくお願いいたします。

田中正巳自由民主党

○田中主査 この際、おはかりいたします。  ただいま渡海自治大臣から申し出がありました自治省所管関係予算の重点事項につきましては、その説明を省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議はございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中正巳自由民主党

○田中主査 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————   〔渡海国務大臣の説明を省略した部分〕  以下この歳出予算額のうち、おもな事項につきまして、内容の御説明を申し上げます。  最初に、自治本省につきまして、御説明を申し上げます。  まず、地方交付税交付金財源の繰り入れに必要な経費でありますが、このうち前年度の例により算定した額として二兆一千九百五十三億九千五百万円を計上いたしております。  この経費は、昭和四十七年度の所得税、法人税及び酒税の収入見込み額のそれぞれ百分の三十二に相当する金額の合算額と、昭和四十五年度の地方交付税に相当する金額のうち未繰り入れ額百九十二億五千百万円及び過年度特例措置にかかる昭和四十七年度の加算額三百億円を加えた金額を交付税及び譲与税配付金特別会計へ繰り入れるために必要な経費であります。  さらに、臨時地方特例交付金の繰り入れに必要な経費でありますが、一千五十億円であります。  この経費は、昭和四十七年度限りの特例措置として、交付税及び譲与税配付金特別会計を通じ地方交付税交付金として交付する財源の同特別会計への繰り入れに必要な経費であります。  次に、臨時沖繩特別交付金の繰り入れに必要な経費でありますが、三百六十五億円であります。  この経費は、沖繩県及び同市町村に交付する必要があると見込まれる地方交付税交付金の財源の一部の交付税及び譲与税配付金特別会計への繰り入れに必要な経費であります。  次に、過疎地域振興対策に必要な経費でありますが、三億二千四百万円を計上いたしております。  この経費は、過疎地域における集落の整備に要する経費について市町村に対して補助するために必要な経費並びに過疎地域振興にかかる調査研究の委託に必要な経費であります。  次に、広域市町村圏の振興整備の促進に必要な経費でありますが、その額は、十八億六千百万円であります。  この経費は、広域市町村圏の振興整備を促進するため、広域市町村圏の振興整備計画の策定に要する経費及び振興整備計画に基づく事業の実施に要する経費について、補助するために必要な経費であります。  次に、選挙に関する常時啓発に必要な経費でありますが、六億一千五百万円を計上いたしております。  この経費は、選挙が明るく正しく行なわれるよう選挙人の政治常識の向上をはかるための選挙に関する常時啓発に要する経費について、地方公共団体に対し補助する等のために必要な経費であります。  次に、公立僻地病院等医師養成施設の設置に必要な経費でありますが、四億円となっております。  この経費は、公立僻地病院等に勤務する医師養成のための学校法人による自治医科大学の施設整備費について補助するために必要な経費であります。  次に、奄美群島振興事業に必要な経費三十一億五千六百万円を計上いたしております。  この経費は、奄美群島における主要産業の振興、公共土木施設の整備等の振興事業に要する経費等について補助するために必要な経費及び奄美群島振興信用基金の融資資金の増加に充てるための出資に必要な経費であります。  次に、小笠原諸島復興事業に必要な経費でありますが、十五億六千二百万円となっております。  この経費は、小笠原諸島の復興をはかるため、向島の交通施設、産業基盤施設、生活基盤施設等の整備事業に要する経費等について補助するために必要な経費であります。  次に、交通安全対策特別交付金に必要な経費として、三百十五億六千三百万円を計上いたしております。  この経費は、交通安全対策の一環として、反則金収入に相当する金額を道路交通安全施設に要する費用に充てるため、都道府県及び市町村に対し交付するために必要な経費であります。  次に、小災害地方債の元利補給に必要な経費でありますが、四億八千百万円を計上いたしております。  この経費は、昭和三十七年以降昭和四十六年までに発生した公共土木施設及び農地等の小災害にかかる地方債に対する昭和四十七年度分の元利償還金の一部に相当する金額を地方公共団体に交付するために必要な経費であります。  次に、新産業都市等建設事業債調整分の利子補給に必要な経費につきましては、二十七億八千五百万円を計上いたしております。  これは、新産業都市、工業整備特別地域等の建設、整備の促進をはかるため、建設事業債の特別調整分について利子補給金を交付するために必要な経費であります。  次に、地方公営企業再建債の利子補給に必要な経費でありますが、六億二千六百万円を計上いたしております。  これは、地方公営企業の財政再建を促進するため、再建企業を経営する地方公共団体が起こす財政再建債について利子補給金を交付するために必要な経費であります。  次に、公営企業金融公庫の補給金に必要な経費でありますが、六億百万円を計上いたしております。  これは、公営企業金融公庫の水道事業、下水道事業、工業用水道事業及び地下高速鉄道事業を除く交通事業のほか、あらたに対象とされる市場事業にかかる貸付利率を〇・三%引き下げるための補給金を公庫に交付するために必要な経費であります。  なお、このほか、同公庫につきましては、出資金を増額するための経費二億円が大蔵省所管産業投資特別会計に計上されております。  次に、公営地下高速鉄道事業助成に必要な経費でありますが、十三億六千九百万円を計上しております。  これは、昭和四十三年度末における政府資金引き受けの公営地下鉄道事業債にかかる支払利子に相当するものとして発行される企業債の利子相当額について、助成金を交付するために必要な経費であります。  次に、児童生徒急増市町村公立文教施設整備事業助成に必要な経費でありますが、七億八千四百万円を計上いたしております。  これは、児童生徒の急増市町村において昭和四十年度から昭和四十五年度までに公立の小学校及び中学校の校地の取得のために起こした地方債並びに昭和四十六年度においてこれらの学校の校地の取得のため地方開発公社等に対して負った債務の未償還残高相当額について起こした地方債の利子の一部に相当する額について、当該市町村に対し、助成金を交付するために必要な経費であります。  次に、国有提供施設等所在市町村助成交付金に必要な経費につきましては、四十三億七千万円を計上いたしております。  これは、いわゆる基地交付金でありまして、米軍及び自衛隊が使用する国有提供施設等の所在する都及び市町村に対し、助成交付金を交付するために必要な経費であります。  次に、施設等所在市町村調整交付金でありますが、十六億四千万円を計上いたしております。  この経費は、特定の防衛施設が所在することに伴い税財政上特別の影響を受ける施設等所在市町村に対し、調整交付金を交付するために必要な経費であります。  以上が自治本省についてであります。  次に、消防庁につきましては、消防施設等整備費補助に必要な経費二十九億五千百万円を計上いたしております。  これは、消防ポンプ自動車、防火水そう等の消防施設、化学車、はしご車、消防艇、ヘリコプター等の科学消防施設、救急業務施設、防災資機材施設及び消防吏員待機宿舎の整備に要する経費の一部を、地方公共団体に対し、補助するために必要な経費であります。  第二に、特別会計予算につきまして、御説明を申し上げます。  自治省関係の特別会計といたしましては、大蔵省及び自治省所管交付税及び譲与税配付金特別会計がありまして、この特別会計の歳入歳出予定額は、歳入二兆七千八百八十一億三千八百万円、歳出二兆七千八百八十一億三千八百万円となっております。  歳入は、地方交付税交付金、臨時地方特例交付金、臨時沖繩特別交付金及び借り入れ金等利子の財源に充てるための一般会計からの受け入れ見込み額、地方道路税の収入見込み額、石油ガス税の収入見込み額の二分の一に相当する額、航空機燃料税の収入見込み額の十三分の二に相当する額、自動車重量税の収入見込み額の四分の一に相当する額、特別とん税の収入見込み額等を計上いたしております。  歳出は、地方交付税交付金、地方譲与税譲与金及び借り入れ金の償還財源等の国債整理基金特別会計への繰り入れ等に必要な経費であります。  以上、昭和四十七年度の自治省関係の一般会計及び特別会計予算の概要を御説明申し上げました。  よろしく御審議のほどお願い申し上げます。     —————————————

田中正巳自由民主党

○田中主査 以上をもちまして自治省所管についての説明は終わります。     —————————————

田中正巳自由民主党

○田中主査 質疑の通告がありますので、順次これを許します。奥野誠亮君。

奥野誠亮自由民主党

○奥野分科員 東京都の特別区長の公選制採用をめぐる問題が、区長の準公選条例の制定にまで発展をしてごたごたが続いているようでございますので、最初にこの問題について私の疑問をただしておきたいと思うのでございます。  区長公選制をとっておったのが昭和二十七年にいまの制度に改正されたようでございます。その当時の国会の論議を見てまいりますと、特別区は、その実態が大都市の内部的部分団体だ、区長の公選制度をだから改めて、都と特別区の一体的関係を明確化し、大都市における行政の統一的かつ能率的な処理をできるだけ確保しようとするのだというようなことが述べられておるわけでございます。制度の切りかえもございまして、現実問題としては、特別区におきまして区長の選任はなかなかはかどっておらなかったようでございます。ことに区議会の構成が多党化している関係もございまして、一そう意思の統一をはかることが困難ではなかったかと思います。それにしましても地方制度調査会に提出されました自治省の資料を見てまいりますと、昭和三十年、二十三区のうち十八区で区長の選任が行なわれまして、所要日数の合計が八百三十六日だから、一回の平均が四十六日になっているようでございました。それが三十四年には選任回数が十七回で一回の平均が三十八日、三十八年は選任回数が十四回で一回の日数が二十日、四十二年の際は選任回数が八回で一回の日数が十八日と、だんだんと縮まってきているようでございます。やはり制度の運用に当たります区議会としては、できるだけ短期日の間にこれを決定していく努力をしていかなければならないと思うわけでございます。また、しかし、こういう数字を見てまいりますと、その努力のあとが見えるようにも思うわけでございますけれども、私が申し上げましたこれらの数字、このとおりであるかどうかを確認しておきたいと思います。

宮澤弘自治省行政局長

○宮澤政府委員 区長の選任に要する期間の問題でございますが、これが御案内のように、その事情事情によりまして、即日選任をされるものからあるいは多少いろいろな事情で数十日あるいは百数十日かかるというようなものもございます。しかし、大体の傾向といたしましては、先ほどお示しのように、平均的に申しますと、区長の選任につきましてはだんだんおっしゃいますような傾向がうかがわれる、そういうふうに考えられます。

奥野誠亮自由民主党

○奥野分科員 区長公選制を復活させたいという意見も根強く存在していることは事実でございます。いつか私自身も地方制度調査会の審議の過程で美濃部東京都知事がそのお考え方を述べておられたことを記憶しているわけでございます。区長公選制を実施する場合には、それだけにその前提として区の独立性を充実さしておかなければならないというふうに思うわけでございます。その区の責任に属する事務の内容もそれに相応するだけに豊富でなければなりませんでしょうし、財政的にも独立性を充実さしていかなければならないと思うのでありますが、何をおいてもその手足となる公務員、その公務員の身分は区自身が持っている、これが大多数でなければならないのではないだろうか、かように考えるわけでございます。  従来から区の職員は東京都から派遣されたり配属されたりした職員が相当な分量にのぼっておったように記憶しておるわけでございます。また、区に身分が所属している職員は、行政事務に従事するというよりも、単純労務に従事しておられる方々が非常に多い。言いかえれば、区の本来の行政に属するようなものはほとんど都から派遣されたり配属されたりしている職員で行なわれているのが実態ではなかろうか、かように考えるわけでございます。それにしても美濃部都知事が区長公選制を支持される以上は、この身分制度、都から区に移すように積極的に切りかえの努力がなされているのではなかろうかと思うのですけれども、最近においてそういうような切りかえの努力がなされているかどうか。この三つの点について教えておいていただきたいと思います。

宮澤弘自治省行政局長

○宮澤政府委員 おっしゃいますように、区長公選という議論はあるわけでございますが、公選ということに伴ないまして当然に事務あるいは財源、税源の配分というものが伴わなければならないわけでございますし、それから区長の手足となって働く職員が、やはり公選の完全な自治体であります以上は、その公務員であるということが当然要求をされると思うのでございます。  それで職員につきましては、大体現在、区の一般の仕事をしております職員のうちの七割くらいは都から配属をされている職員でございます。固有の職員はわずかに三割程度でございます。それから、おっしゃいますように、区の幹部職員と申しますか、主要な行政事務に携わっております職員は都の配属職員が中心になっております。これも事実でございます。  それから区の職員につきまして、都の配属制度をやめて区プロパーの職員にだんだん切りかえていく、そういう主張は各方面からいわれているわけでございますけれども、現在そういうような方向で具体的に進められているというような話は私どもはまだ確認しておりません。

奥野誠亮自由民主党

○奥野分科員 いまのお話を伺っておりますと、区長公選制を主張する前に論ぜられなければならない、改革されなければならない多数の問題が残されているじゃないか、順序が逆になっているのではないだろうかという感を深うしたわけでございます。私の承知していますところでは、若干の区で区長準公選条例というものが区議会で議論になっているようでございます。区条例案には、「区議会が区長を選任するに当り、全区民の自由な意思が正確に反映されるよう、民主的な手続を確保し、もって地方自治の健全な発達を期することを目的とする。」として、そしてこれを受けまして、この「目的を達成するため、区議会が……区長の候補者を定めるに当っては、区が実施する区民の投票の結果に基づいて、これを行なうものとする。」としております。さらにまた「区民投票は……区長候補者となろうとする旨を区議会に届け出た者について行なうものとする。」ともしているようでございます。若干表現には差があるようでございまして、一部には「区民の投票の結果を尊重して、これを行なうものとする。」というようにやわらげているところもあったり、あるいはまた「区民の意思を調査する区民の投票を実施し、」として、一種のアンケート調査のようなていさいをとろうとしておるようでございますが、いずれも違法性を避けようとしてこういう案を苦労しておられるめだろうと思うのでございます。私の伺っておるところでは、どこかの区議会ではこの条例案を議決した、しかし区長が再議に付した結果、成立に至っていないというところもあるようでございます。そのとおりかどうか、ちょっと確かめておきたいと思います。

宮澤弘自治省行政局長

○宮澤政府委員 ただいまお話しの区は、中野区であろうと思います。中野区におきましては、区議会において議決があったわけでございますが、区長が再議に付しまして条例が成立をしないままでございます。

奥野誠亮自由民主党

○奥野分科員 そこで、いま似通った例を持ち出じて考えてみたほうがわかりやすいのではないかと思いますので、法制局にまず教えてほしいと思うのでございます。憲法六十七条では、「内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決で、これを指名する。」と示されております。区長準公選条例に準じまして、かりに内閣総理大臣準公選法律というようなものをつくると仮定をいたします。もちろん憲法では候補者は国会議員に限られておりますから、区長準公選条例のように区民の中からというわけにはまいりませんでしょうから、国会議員の中からとせざるを得ないと思います。その国会議員に立候補を認める認めないは別にいたしましても、そういう人についてまず国民投票を求める。そしてこの法律で、国会はこれに基づいて指名を行なうとか、この結果を尊重して指名を行なうとかいうふうに書かれるのだろうと思うわけでございます。国民投票をした結果が、小数党に所属する国会議員が選ばれたと仮定をいたします。さて国会がこの結果を尊重して指名する、いかにしたらいいものだろうか。かりにこれを尊重してその人を内閣総理大臣に選びました場合には、国政は全く混乱に混乱を重ねていくだろうと思います。何べん解散しても問題が解決をしない羽目におちいってしまうと思います。またかりにこれを尊重しませんで、多数党の総裁を内閣総理大臣に選んだ場合には、国民の意思との間で隔たりが生ずるということで、これまた非常な混乱を重ねていく、こう思うのでございます。そういうことは憲法は予想していない、言いかえれば、そういう法律は憲法違反の法律だ、違憲の法律だとはっきりしてくるのじゃないだろうかと私は思うのですが、この点について内閣法制局の御意見を伺っておきたいと思います。

吉國一郎内閣法制次長

○吉國(一)政府委員 ただいまの奥野分科員のお話は、憲法調査会におきましても、いわゆる首相公選制というものが提唱せられまして、いろいろ議論がございましたときに、憲法の改正をしないでも首相公選制の実をあげることができるのではないかというような議論が一部の学者にございまして、現に某大学の教授の論文ではそのような提案がなされておるわけでございます。いま奥野先生の仰せられましたと同様な内容で、まず国会議員の中からと申しますか、国会議員の候補者について国民投票を行ないまして、その国民投票で一定の有効投票を得たものについて、順次第一順位、第二順位、第三順位と国会で議決を行なって、過半数の議決を得た者が総理として指名されるべきものとなるという構成であったかと思います。  このような構想を法律で行なうことができるかということを考えてみまするに、現在の日本国憲法の基本的な政治原理の一つでございます議院内閣制の根本の仕組みの一つを改めることになるのではないかということで、これは現在の憲法のもとにおいてはほとんど不可能と言わざるを得ない、あるいは憲法違反と言わざるを得ないというような問題であろうと思います。それは、憲法の六十七条第一項がいっておりますように、議院内閣制の基本の原理と申しますのは、国会において多数を占めておる政党が主体となって内閣を組織して、それによって行政権を構成して、立法、司法、行政と三権分立している中の行政権の主体となるということが、議院内閣制の基本であろうと思いますので、もしもただいま御提案のような法律によって総理を指名するといたしますならば、奥野分科員御指摘のような混乱を生ずることは必定でございます。その意味で、憲法はこのようなことは予想しておらないというべきであろうと思います。また、憲法六十七条の第一項には、内閣総理大臣の指名は他のすべての案件に先立ってこれを行なうということを規定しておることから申しましても、内閣が総辞職をし、あるいは内閣総理大臣が欠けた場合において内閣総理大臣の指名を行なう、この場合に他のすべての案件に先立って行なうということからいたしまして、その間に時間の欠缺することなく、次の内閣総理大臣が選定されることを憲法は予想しておるものと思います。そのような際に、ただいま御指摘のございましたような国民投票を行なう余裕は全く憲法上は出てまいらない。また六十七条の第二項には、衆議院と参議院の指名の議決が異なった場合について規定をいたしておりますが、これにつきましても、ただいまの御提案のような法律で行ないます場合には、このようなことも生じてこないのではないかというようなことからいたしまして、憲法の実定の規定の上から申しましても、ただいまのような御提案は憲法に違反すると言わざるを得ないということでございます。

奥野誠亮自由民主党

○奥野分科員 区長準公選条例についても同じようなことが言えるのじゃないかと思うのでございます。昭和二十七年に区長公選制をいまのように間接選挙、議会が選ぶように改めた。それは、直接住民が選びますと、どうしても都と区が一体となって行政を運営しなければならないのが、しかしながら、独自の公約を掲げて住民から選ばれてきているわけでございますだけに、そういうものをとかく無視して、区独自の立場をかたくなに守ろうとする。そこから混乱が起こる。したがっていまのような制度に切りかえられたと思うのでございます。それがまた準公選ということになりますと、もとの混乱を招くおそれが出てくるわけでございます。同時に、区議会が選ぶという場合には、いわゆる出たい人よりも出したい人を選んでいくのだという考え方もとれるわけでございます。準公選制ではそれがとれなくなってしまうわけでございます。したがいまして、まさしくこういう準公選条例というものは、法の精神をじゅうりんした違法の条例だ、かように考えるわけであります。そのように他の機会にも御答弁になっているように思うのでございますけれども、この際重ねて伺っておきたいと思います。

吉國一郎内閣法制次長

○吉國(一)政府委員 東京の区長のいわゆる準公選制につきましてはいろいろ規定のしかたがあると思いますけれども、先ほどお話しもございましたような規定の条例を前提といたしまして考えますならば、これは地方自治法の規定にたがうものであるということに相なると思います。

奥野誠亮自由民主党

○奥野分科員 私は、議会というものは法規範を制定していくことを重要な任務としている機関だと考えます。法規範は相互に相侵さず相矛盾しないように細心の注意が払われなければならないと思います。そうでなければ秩序も乱れ、混乱が生じてくるからでございます。したがいまして、議会はかりそめにも違法の疑いのあるような条例は、そうでないというゆえんをしっかり確かめた上でなければ議決すべきものではないのだ、これが本来の議会のあるべき姿なんだ、そういうような姿であればこそ議会というものは一般の信任を保持していけるのだ、かように考えておるわけでございます。しかし、先ほど来伺っておりますところでは、区長準公選条例をめぐる議会の動き、私の期待するような議会になっていない向きもあるやに心配されるわけでございます。自治大臣におかれましてはこれらの点について一そう強い助言を惜しまないようにしていただきたいのでございますが、お考えを伺っておきたいと思います。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 この点につきましては、昨日あるいはその以前の参議院の行政委員会におきましても私の答弁として述べさせていただいたのでありますが、現在準公選の条例が問題となっておりますが、私は法律的見解はあまり得意とするところでありませんので、これは専門家であります法制局、事務当局に意見をまかしておりますが、私の考えといたしましては、区長というふうな自治体の長を選任する、これは地方自治体にとって最も根本的な最も重要なる問題であろうと思います。したがいまして、その方法等につきましては、疑義の生ずるような問題でなくして、はっきりと規制されるべきものである、問題が起こらないようにするのが当然でなかろうかと思っております。区長という問題、私も地方制度調査会等におきましていろいろ議論も聞かせていただきましたが、都政全般を通ずる問題である。いま奥野さんが人の問題で、七割の都配属の職員をもって構成されておる、それらの問題を解決するのが先決ではないか、このように御指摘になりましたように、都政全般の中で、財政の調整の問題も含んでおりますし、事務の配分も含んでおりますし、そういった区長を公選するなら公選するにふさわしい都政全般の問題として私は慎重に検討されなければならない、かように考えておるものでございます。  しかしながら、現在、事実問題といたしまして準公選の条例をめぐりまして非常に問題が提起されておりますので、私はこのような問題はいま法制局が述べられたとおり違法の疑いが濃い。この最終的な決定は私たちでなくして裁判所が行なうことでございますけれども、少なくとも私の考えからいいましたならば、このような問題は疑義なくはっきりとさすべき性格のものであるという観点からも、私はいま奥野委員が御指摘されましたように、このような問題が生じないような、疑義がないような姿で行政指導をし、問題の決着をきめるために、私は前向きでこの問題を検討し取り組む行政運営をしていきたい、こういうことを委員会でも述べさせていただいた次第でございまして、今後ともその方針で進んでまいりたい、かよ  うに考えます。

奥野誠亮自由民主党

○奥野分科員 特別区をめぐります問題はもっと広範に存在していると思います。いまも自治大臣がおっしゃいましたように、首都圏制度とか大都市制度とか、いろいろな問題とからみ合って解決していかなければならないと思うわけでございます。これだけ切り離していま主張されているようなことにいたしました場合には、またもとの混乱を繰り返すだけだ、かように考えるわけでございます。いずれにいたしましても大都市制度、首都圏制度、その他地方制度の多くの問題が存していることは事実でございますので、自治大臣におかれましても一そうそれらの解決に対しまして積極的な熱情を傾けられるように希望を申し上げておきたいと思います。  次に、市町村議会の議員の選挙区制度に関する問題について一言伺っておきたいと思います。  市町村議会の議員につきましては、公職選挙法におきまして原則として選挙区を設けないたてまえがとられております。今度三つの市が新たに指定都市に仲間入りするようでございますけれども、指定都市になりました場合には、その区の区域をもって選挙区とすると定められておる。また町村合併等のため特に必要あるときは条例で選挙区を設けることができるとされておる。こういう場合以外は市町村の行政区域をもって一選挙区にしておるようでございます。したがって、指定都市でなければ、人口が多くても全区域を一選挙区として市町村議会の議員の選挙が行なわれておるように思うのですが、この点確かめておきたいと思います。簡明にお答えいただいてけっこうでございます。

山本悟自治省行政局選挙部長

○山本(悟)政府委員 ただいま御指摘のとおりでございまして、相当人口の多い都市におきましても、選挙区は原則として分けていないわけでございます。

奥野誠亮自由民主党

○奥野分科員 今回指定都市に加えられる市を別にいたしましても、指定都市になっていない五十万以上の市が堺、尼崎、仙台、広島、東大阪の五市あるようでございます。四十万から五十万の市が七市、三十万から四十万の市が十四市、合わせますと二十六市に及んでおります。一番少ない人口三十万の市の市議会議員の定数が四十八人でございますから、候補者となりますとおそらく六十人内外にはなるのではなかろうか、こう思います。六十人内外の候補者から一人を選挙することになるわけでございます。指定都市になりますと、区の区域が選挙区になるわけでございますので、この選挙区に配当される議員定数はずっと少なくなるのじゃないかと思います。現実に指定都市の選挙区に配当される市議会議員の定数が何人ぐらいになっているでしょうか、教えていただきたいと思います。

山本悟自治省行政局選挙部長

○山本(悟)政府委員 指定都市の場合には、行政区が選挙区になっておりますので、御指摘のとおりに、比較的配当議員定数は少のうございます。現実には大体四人から十人までのあたりに多く分布いたしておりまして、たとえば七人が十一市というように一番多くの数を示しております。

奥野誠亮自由民主党

○奥野分科員 なるほどいま伺いましたら、指定都市の場合には議員定数四、五人の配当になっている。ところが、指定都市にならなければ議員定数五十人内外、候補者はもっとふえる。その中から選ぶことになる。選びようがないのじゃないかと思うのでございます。やはり私は一つの問題点だろうと思います。六十人内外から一人を選ぶ、全くくじを引くようなものじゃなかろうか。だれが、一番市議会議員に適任だという判断のつけようがないのじゃないだろうかという心配を持つわけでございます。  最近は人口の都市集中が激化しておりますので、人口の多い都市というものが、先ほど申し上げましたように、非常にたくさん出てまいってきております。しかも人口の移動がこういうところではことに激しいわけでございます。安定しておった時代に定められた制度が、今日においてもそのまま続けられておるところに問題があるのじゃないだろうか。安定しておった時代に人口五、六千の町や村であれば全体から町村議会議員を選んだほうが全町村に思いをはせて町村制度を論議してもらえる、こういう長所も期待できるということじゃなかったんだろうかと思うのでございます。そういう人口五、六千の町村の選挙制度のあり方を大都市にまで画一的に推し広めてしまっているところに問題があるんじゃないだろうか、かように心配をするわけでございます。社会情勢も非常に変わってきておるわけでございますから、むしろ人口の多い市につきましては選挙区を分けることを原則にする、人口の少ない町村の場合と人口の多い市の場合とは原則をひっくり返す、こういう制度改正に取り組まれなければならぬのじゃないだろうか、こう思うわけでございますが、この点についての自治大臣の御所見を伺っておきたいと思います。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 人口流動によりまして都市集中が非常に多くなってまいっております。現在、市という名前のつくものにおきましても、特例措置によりまして三万都市というものができておりますが、現実には三万の人口が切れておるものもある。大きいところは、いま奥野委員御指摘になりましたごとく、政令都市は別として、五十万をこえるものがすでに五つもある、こういう姿でございます。政令都市は政令都市としてあらゆる制度におきまして特別な扱いを受けておりますけれども、五十万をこえる大都市から三万を切れるようなところまで市という名前において同じ姿である、私はそのこと自体、現在の社会情勢においてあらゆる行政面において同一的な行政機能、行政制度でよいかどうか、これは考えなければならない問題である。全般的に一ぺん振り返らなければならない現在の自治行政の中の大きな問題の一つではないか、こういう気持ちをかねがね持っております。その一端としまして、いま選挙制度につきまして示唆ある御発言をいただきまして、私もこれは検討すべき大きな課題の一つである、こういうふうに考えますので、全般的な問題のどの部面からでも社会情勢に合った制度に変えていくという方向で取り組み、まず選挙制度でいま御提案になりましたような分を御検討させていただきたいと思います。  ただ、選挙制度というものは、政府においても研究させていただきますけれども、ルールでございますので、各方面の意見を聞くということも非常に重要なる問題でないかと思いますので、幸い国会開会中でもございますので、公職選挙法特別委員会等でも十分御議論を願えれば幸いだ、かように存ずる次第でございます。

奥野誠亮自由民主党

○奥野分科員 政府の選挙制度審議会では国会議員の選挙を中心にして論議されているようでございます。私がいま提案しましたような問題につきましては、むしろ地方制度調査会の審議を求められたほうがよろしいんじゃないかと思うのでございますけれども、参考までに申し上げさせていただきます。  次に、公営企業債の金利の問題について御意見を伺っておきたいと思います。  自治省に伺うよりもむしろ大蔵省に伺ったほうが将来解決の道を求めやすいんじゃないだろうかと思いますので、大蔵省の側からお答えいただければけっこうでございます。  現在、地方公営企業の建設、運営にあたりましては投下資本の大部分を融資に求めている。その元利は原則として料金収入で回収しているわけでございます。例を水道事業に求めてまいりますと、今後ますます大規模な水源の開発が必要になってきましょうし、またダム建設などで多額の資金を寝かす必要が起こってまいります。そうしますと、こういう金利負担だけで水道の料金をどんどん引き上げていかなければならないような事態に追い込められてまいります。現に追い込められていると思います。もちろん、政府のほうにおきましても、水資源開発公団をつくるとかあるいは広域水道あるいは水源開発などに国庫補助金を出すとか、いろいろな手だては講ぜられておるようではございます。しかしながら、水道事業は個々の団体がそれぞれ独立して運営しておりますので、これらの施策が全地方団体の水道事業に恩典を与えていくということにはならないのでございます。またこれらの仕組みもそれなりに十分なものとは言えないと私は思います。やはり水道というものは国民みんなが利用するものでございますだけに、国民生活の基本につながっているものだ、何をおいてもこういう性格の料金は安定させたいものだ、かように念願をするわけでございます。これがいま申し上げるようなところからだんだん料金引き上げに追い込まれていく。どうしても下げたい。そうしますと、少なくとも金利の問題につきましては一般財源でこれを引き下げていく措置をもっと積極的にやらなければいけないのじゃないだろうか、こう考えるわけでございます。私自身も、従来から資金運用部の資金を大量に水道事業に充当している、これは一つの大きな力添えだ、こう考えておったわけでございましたが、これでは不十分だという考え方をこのごろ強く持ち出したわけでございます。現にまた、大蔵省からいただいている政府関係金融機関の金利一覧を見てまいりましても、日本輸出入銀行の輸出金融にあたっては四%のものからあるようでございました。あるいはまた住宅金融公庫の資金につきましては五・五%のものからある。農林漁業金融公庫の資金につきましては三・五%のものからあるというように、いろいろ政策金利をとっておられるわけでございます。そうなりますと、資金運用部の資金が長期でありかつ六分五厘だからそれでいいんだというわけではなしに、これをもっと思い切って下げる施策を講じていかなければならぬのじゃないだろうかな、かように考えだしてまいったわけでございます。すでに金利もきまっておりますので、いまこれを下げるということに賛成だと大蔵省はいえるわけはないでしょうけれども、問題があるというぐらいのことは御認識いただけるのじゃないだろうか、積極的にこの問題と取り組んで検討していく、それだけのいろいろな事情が生じてきている問題だぐらいのことは、私は御理解いただけるのじゃないかと思うので、この点についてのお考えを、そういう意味で大蔵省に伺っておきたいと思います。

宮下鐵巳大蔵省理財局地方資金課長

○宮下説明員 お答えいたします。  上水道事業なんかの公営企業につきましては、もう資金コストの引き下げということはわれわれのほうでも十分考えていかなければならない問題でございまして、地方債計画上も、政府資金の比率をできるだけ大きく、それから公営公庫の資金もできるだけ増額するといった措置を従来からとっております。今後もこの点については十分配慮していかなければならぬ、こういうふうに思っております。特に公営公庫資金につきましては、御承知のように、上水道、下水道あるいは工業用水道等、そういったものにつきましては、貸し付けにつきまして、一般会計からの補助金等をも入れまして、貸し付け利率を六・七ということで政府資金に近い水準にまで引き下げております。ただ、地方公共団体に対する政府資金の貸し付け利率は一率六・五%ということになっておりまして、これは財投機関に対するわれわれのほうの融資条件のうちでも最も優遇している、こういうことでございます。したがいまして、資金運用部として独立採算をとるたてまえから、資金コストの面等を考えますと、この六分五厘を引き下げるということはちょっと困難ではないか、こういうふうに考えております。

奥野誠亮自由民主党

○奥野分科員 公営企業金融公庫の問題につきまして、近年大蔵省もたいへん理解を深めてきていただいている、それについては敬意を払っているものでございます。例を水道事業債にとって申し上げますと、公営企業金融公庫からも公庫の資金を地方団体に融通している、その同じ団体に対しまして、資金運用部の資金も水道事業債として融通しているわけでございます。同一の地方団体へ同一の事業に対しまして二つの機関から融資が行なわれている。そうしますと、債権の管理も公営企業金融公庫と資金運用部と二つに分けて実施していかなければならない。また、地方団体も借り入れの手続をとる、あるいは元利を返済していく、その場合にも公営企業金融公庫と資金運用部と二つにしていかなければならない、こうなってしまうわけでございます。地方債許可の手続の運用に変更を加えませんければ、二つの資金を統合して運用したほうが二重の手続や二重の経費を省けるのではないか、こう思うわけでございます。他の金融機関に対しましても資金運用部の資金を一括して貸し付けられているのだから、公営企業金融公庫に対しましても、水道事業用の資金などにつきましては一括して資金運用部から公営企業金融公庫へ貸し付けていただいて、公庫資金としてこれを運用したほうが行政事務が非常に簡素になるのではないだろうか、かように考えるわけでございます。  またそうした場合には、いま公営企業金融公庫の貸し付け資金は、水道の場合には六分七厘に下げているのだとおっしゃった。私は六分五厘をさらに下げたい、こう考えているわけでございます。その場合にはもちろん税金の金をつぎ込んでいかなければならないと思います。  だから、一括して運用することによって政策金利を積極的に採用できるじゃないか。政策金利を積極的に採用することによって、水道料金が毎年毎年値上げに追い込められる、国民生活の安定が傷つけられる、そういうことを私は避けたい、こう考えるわけでございます。そういう意味でも私は、水道事業などに関する公営企業金融公庫の融資対象になっている事業に向けられるような資金運用部の資金は一括して公営企業金融公庫に貸し付けていただいて、公営企業金融公庫の資金として運用できるような改善を四十八年度くらいからはとれるように御検討いただけないであろうか、こう思うわけでございます。ぜひこの問題につきましても御検討いただけるかどうか、お考えを簡潔にお教えいただければけっこうだと思いますが、伺っておきたいと思います。

宮下鐵巳大蔵省理財局地方資金課長

○宮下説明員 公営企業金融公庫の設立につきましては先生のほうが非常によく御存じのところだと思いますけれども、民間資金を自分で調達が困難な地方公共団体にかわりまして、有利な条件で市中の資金を調達する、こういうふうな趣旨の機関であると聞いております。このために同公庫からの貸し付け原資は債券発行を主体とする、そういうことでございます。  公営企業に対する貸し付けにつきまして、政府資金も集中して公庫から貸し付けるという御質問であると思いますけれども、公営企業の地方債でありましても、単に個々の企業会計、こういったものの状況だけではなくて、地方公共団体全体の財政全般にわたる問題、そういったものとの関連におきまして判断をするということで、現在でも自治省等のお話をよくお聞きしまして相談した上で、普通会計と企業会計とをあわせまして地方公共団体の貸し付けを行なうというような措置を現在とっておるわけでございますが、総合的に見まして、いまのようなやり方について、非常にスムーズにいっているのではないかというふうに考えておりまして、いますぐこの公営企業の分を切り離して、公営公庫のほうに資金を一括貸し付けて、公営公庫を通じた貸し付けに切りかえるということは現在のところ考えていない状況でございます。

奥野誠亮自由民主党

○奥野分科員 私が指摘しましたような問題はないとおっしゃるわけですか。それだけを伺っておきます。

宮下鐵巳大蔵省理財局地方資金課長

○宮下説明員 先生の御指摘いただきました、その両方から貸し付けの申請を受ける、その審査をするというような状況は発生しているわけでございます。

奥野誠亮自由民主党

○奥野分科員 ここで議論をしましても無理なことでございますから、大蔵省内部におきましても、このような問題の提起があったことを基礎にして御検討を続けていただきますように、お願いだけ申し上げておきます。  時間が十分ございませんので、簡単にお答えいただけばけっこうでございますが、私は、教育の問題につきまして私学の存在を高く評価している一員でございます。また自治省におかれましても同じような気持ちを持っていただいて、大学に対しては国から助成が行なわれて、高等学校以下の私学に対しては府県から助成が行なわれるというたてまえで、地方財政計画なり地方交付税法なりの運用をしていただいていることをうれしく思っているものでございます。  今度私立学校の助成につきまして、たとえば教職員共済組合の補助でありますとか、教職員退職金社団の補助でありますとか、施設設備費に対する補助とかいうことにつきましても、積極的に内容を改善していただいたようでございます。なお私立学校運営費の補助につきまして、このような改善をはかっていただいているように思うわけでございますが、この際それを確かめておきたい。そのことが、また府県が助成に当たる、あるいはまた私学がある程度の期待を持てる目途を立てることができる参考にもなりやせぬだろうか、こう思うからでございます。  一つは、国から私立大学に助成される、その助成率が引き上げられたことに対応して、給与ベースを引き上げるほかに、この率を十分の二から十分の三にしていただいたように記憶しているわけでございます。いずれも基準財政需要額の算定方法のことでございます。  二番目には、公立の小学校や中学校や高等学校における教職調整手当の支給が行なわれるようになったのに対応して、私立の先生方にも同じようなものが採用されるとして、その相当額を算入していただいているように思うのでございます。  その三は、私立の大学の専任事務職員の給与費に対して、国から助成が行なわれるようになったのに対応して、高等学校以下の私立の学校に関するこれらの分も算入していただいているように思うのでございます。  第四は、学校法人立以外の幼稚園、これに対して公費の助成をすることが違憲の疑いがあるということで、疑いのないような立法措置が別途とられておるわけであります。その場合には、こういう幼稚園に対しましても県から助成されるに必要な額の算入が行なわれている、こう承知しているわけでございますけれども、これらの点につきましてお教えを賜わっておきたいと思います。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 私学の重要性につきましては、いま奥野委員御指摘のとおりであろうと思います。都道府県あるいは市町村が関係します私学の分野につきましても、たとえば準義務教育であるといわれております高等学校にいたしましても、現在全高等学校の三割を私学が占めておるという姿でございます。国立大学に対する私立大学の割合と割合は違いますけれども、私は同様に私学の問題を重視すべき問題ではないかと思います。  国のほうにおきましても、これらの点に対する観点が変わってまいりました。毎年私学助成というものが増額されておることは、いま御指摘になったとおりでございまして、この方針に従いまして地方公共団体が受くべきものも、これの基調をもってそれだけ助成するように行政指導をやらなければならない。こういう趣旨で、毎年述べておりますように、本年度も特にこの点重視いたしまして、地方財政計画ではたしか昨年度百四十一億を予定いたしておりましたのを、ことしは二百四十六億ですか、百億をこえる増額をやらしていただいた次第でございます。この額で、いま具体的に御指摘になりました各項目、どういうふうになっておるかという点を私、詳細に存じませんけれども、御趣旨の方向で今後ともに努力していさたい、私もさように考えるものでございます。  具体的な問題につきましては事務当局から答弁させます。

鎌田要人自治省財政局長

○鎌田政府委員 ただいま御指摘になりました事項を基準財政需要額の算入の際に織り込むことにいたしております。

奥野誠亮自由民主党

○奥野分科員 たいへん熱意のあるお話を伺いまして、心強く感じたものでございます。  同和政策のことについて自治大臣に伺っておきたいと思います。  先年、同和対策事業特別措置法の制定にあたりましては、渡海自治大臣と私、一緒に相談しながら内容を固めてまいった思い出の多い法律でございます。また同和対策事業の推進については、お互いに人後に落ちないものを持ってまいったと、こう思います。ところが、先ごろ全日本同和会の幹部の諸君から私たちが非難を受けたわけでございます。自民党や政府が部落解放同盟の強化策ばかりやっているじゃないかということでございました。その話を聞きましたときに、私はよく理解できなかったのでございましたが、その後いろんな人たちからこのごろ話を聞くのでございます。ある地方団体の議会の議員は、部落解放同盟に入らなければ同和対策事業の恩典を受けさせないという方針なのかと、こんなことを聞くのでございます。また、ある地方団体の理事者は、部落解放同盟以外の方にこれらの措置を適用しようとすると強い抵抗を受けるのですと言って、嘆いておられるのであります。たとえて申し上げますと、信用保証協会の保証を得て特別金利の安い資金の融通を受ける。そういう場合にまず企業連合に入っていなければ保証を受けられない、企業連合に入る場合には部落解放同盟に入っていなければ入れてもらえない、こういう運用も行なわれているところがあるようでございます。あるいはまた住宅に入居する場合にも、部落解放同盟に入っていない者を入居させようとすると、非常なトラブルが起こってきたりもしているようでございます。また、部落解放同盟から提出された名簿によって運用しなければ強い反発を受けるということなども聞くわけでございます。そういう事態もあるからでしょうか、このごろ、同和対策事業特別措置法などつくってくれてとんでもないことをしてくれたという非難を私自身も受けるようになってまいっておるわけでございます。こんなことをそのままにほうっておきますと、また差別を生んでくるのじゃないだろうかという不安を持つのであります。同時にまた、毎年国の予算編成にあたりましても、国費をできる限りたくさんこれらの事業に投入させようと努力を続けている者から見ますと、その熱意をそがれてしまうおそれもなしとしないのでございます。  ぜひ政府においても、同和対策事業がどのように推進されているかという実態をつまびらかにしてほしいのでございます。かりそめにも、いまどの地域に行なわれているか、ごく限られた地域であるかもしれませんけれども、行なわれていることは事実だろうと思うのであります。でありますから、それを明らかにしてその改善を求めてもらいたい。そしてみんなが一緒になってこの問題の解決を早期にはかれるように努力したい。また努力できるような雰囲気を持続していただきたい、こう考えるわけでございます。ぜひ実態を御調査いただきまして、その姿を国会で御報告いただく、そしてともに改善に当たっていく、早期にこの問題の解決に努力していけるような体制を維持していきたいということでございます。御所見を伺っておきたいと思います。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 同和対策問題、奥野さん御指摘になりましたように、あの法案作成のとき、ともに努力し、法案作成に至りますまでも、毎年の予算措置につきまして、お互いに予算の規模以上の増加をはかってまいるために努力してきたのでございますが、少なくとも私たちが努力したところには、そういった、何と申しますか、不公平な扱いじゃなくして、私たちの日本が持っておりますこの不幸な事実を一日も早く解消したい、ただその純真な気持ちに燃えて今日まで十年あまり努力してきた、私自身もこう考えておりますし、奥野委員もそのとおりであろうと思います。しかし、実態は、いま奥野議員の指摘されましたような実態があることは私もよく承知いたしております。またその事態を正しい姿に戻すために、各地方公共団体がほんとうにあるべき姿に行政運営をやっていただきますのがいかに困難であるか、その困難な姿を、私も想像するにかたくはございません。しかしながら、この困難を克服しなければ、私はほんとうの意味の問題解決にはならないと、これはいま御指摘のとおりであろうと思います。ただいまのような事態が起こっておることは事実でございますが、これはもう私たちの力強いバックのもとに、苦労はございますが、各自治体がほんとうに誠心誠意そういった不公平の起こらないような行政措置を純粋な気持ちで努力していただく。その努力によるより解決の道はなかろうと私は思いますが、その上に、そのような努力をさすための現実に起きました実態と調査の上に立ちまして、一日も早くそのような行政運営ができますようできる限りの私も努力をしてみたいと思います。  自治大臣になりましてから、数字面その他で、おりに触れこの問題をながめてまいりましたが、いま奥野議員よりそのような御指摘を受けまして、私も心を新たにしたような次第でございます。私はこの問題解決には非常に力強い熱意と忍耐と努力が必要であろうと思いますが、そのような努力に各自治体が喜んでやっていただけますように、力強いうしろだてとなってやるように、自治省といたしましても最善の努力をするような決意もいまあらためてさせていただいたような次第でございますので、この問題と取り組まさせていただきたいと思いますので、今後とも御鞭撻、御指導をお願い申し上げます。

奥野誠亮自由民主党

○奥野分科員 自治大臣の心強いお話をうれしく感じさせていただきました。ぜひ都道府県や市町村におきます同和対策行政というものが、真に秩序ある姿において運営されるよう一段の御努力を期待いたしたいと思います。  熱海市とか奈良市とか京都市とか芦屋市とか伊東市、別府市、松山市といったような十三の都市につきまして国際文化観光都市建設法が制定されているわけでございます。こういう都市やその他の観光都市が中心になりまして、多年にわたって府県税でありますところの料理飲食等消費税の一部を市に還元するような改正を行なってほしいという陳情を繰り返してまいってきているわけであります。これらの都市は、みずから環境衛生施設を整備して、さらに下水道や街路その他のものを整え、消防施設などにも多額の金を投入してきているわけでございます。そして観光客が訪れるに値するだけの施設整備を行なっていると申し上げていいと思うのであります。その上にPR用の映画をつくったりあるいは宣伝広告を行なって、観光客を誘致するための積極的な直接的な金も使っているようでございます。そういうところから、観光客について収入されるいわゆる料飲税の収入が全部府県のふところに入ってしまうということが耐えがたい感じを抱かせているようでございます。また熱海市などに聞きますと、国勢調査人口五万、この五万の人口を基礎にして基準財政需要額が算入されている。ところが、別途に夜間人口が五万あるんだ、こういうことでございます。こういうものを基礎にして計算してくると、自分のところにはもっと財源がくるはずだ、こうも訴えておるわけであります。このように料飲税の一部を市に戻せという主張が長く続けられているには、それなりにやはり理由があると私たち理解しなければならないのじゃないだろうか、こんな感じをこのごろ強く持ち始めているのでございます。  先年、ゴルフにかかる娯楽施設利用税の一部を市町村に還元する措置をお互いとったわけでございました。それじゃ、それにならって、また多くの市から希望されている料飲税の一部を市に還元するような制度改正を行なうかということになってまいりますと、市と府県との対立が、この娯楽施設利用税のような程度ではないだろうという心配を持つわけでございます。そうなりますと、地方交付税の特別交付金を計算する場合に、おそらくこういう観光都市につきましては、それなりに消防に金がかかるとか下水に金がかかるとか、いろいろな計算をされると思うのでございますけれども、そういう計算と別途に、料飲税の一割とか二割とかというものと比べてそういう金額のほうが多ければ、その額を需要に立ててあげたらいいのじゃないか、そして特別交付税を計算したらいかがなものだろうか。もちろん超過額があれば超過額を差し引いて計算したらいいと思います。そうしますと、別に府県との対立も生じない。また、年来、関係の市が力説されている要望を満たすことにもなる。そういう意味の解決策が一つの解決策じゃないかと私は考えるのですが、自治大臣、どうお考えになるか、ぜひ御検討いただきたい問題だと思いますので、伺っておきたいと思います。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 遊興飲食税の一部還元の問題、これは私も長年要望があることを承知いたしております。昨日も温泉団体から、特別市制になるような市に対しては遊興飲食税は県税から市税に移すべきではないかというような御提案がありました。私、この問題ともあわせましてなかなか困難であることを述べさせていただいたのでございます。私自身といたしましては、娯楽施設利用税あるいは遊興飲食税で、確かに還元を要求される市町村の声があると思いますが、地方税の徴収の困難さあるいは地方税の収入の普遍性等からながめまして、こういった税金はやはり県に置いておる。ただシャウプ勧告の骨子というものが、それぞれ独立して置いておくという姿で税配分がされましたので、一部還付金という制度を設けるかどうか、これは現在検討されなければならない。シャウプ勧告税制の根本というものに触れるときに解決すべき問題ではないかと思っております。  その一つの解決方法として、特別交付税でその一定額を見るという建設的な御意見であろうと思います。前々から聞いておりますので検討もさしていただいておりますが、ただ、これを解決する方法として遊興飲食税の一定割合を特別交付税で見ることがよいか、それぞれのそういった都市の異なった財政需要をとらまえるために、いま申されました人口の昼夜間の違い、あるいは固定人口と常時宿泊人口との違い等々をある程度盛るような制度にするか、その点につきましては検討さしていただかなければならないと思いますが、いま申されましたような問題は、十分検討に値する問題であろうと思いますので、今回の特別交付税の配分にあたりましては、御意見等もしんしゃくしながらいたしましたが、これをルール化するかどうかということについては、引き続き検討させていただきたい、かように考えます。

奥野誠亮自由民主党

○奥野分科員 時間が終わりましたので、若干質問が残りました。その結果、出席していただいた政府委員の方々に御迷惑をかけましたので、おわびしておきたいと思います。  それではこれで終わりたいと思います。

田中正巳自由民主党

○田中主査 栗山礼行君。

栗山礼行民社党

○栗山分科員 私は限られました三十分で、主としてもうすでに大臣それから関係当局から御承知をいただいて御配慮を願っておる問題のみに限定いたしまして御質問をしてみたいと思います。  近畿議長会のほうからあるいはまた大阪府議長会等から、昨年の予算編成期にあたりまして、当面地方自治体が直面いたします緊急案件についていろいろ陳情や御要請を申し上げたのは大臣すでに御承知のはずでございます。なかなか限られました時間で全般にわたりましてお尋ね申し上げるということはできにくいのでありまして、二、三の問題に限ってお尋ね申し上げる、こういうことでお許しをいただきたい。  ちょうど十年前に、私新米で、地方行政に飛び込んでまいりましたときに、地方行政の先任理事としていろいろ御指導をいただきました。自来十年、いま大臣として地方行政に真摯な御活躍をいただいておるその場面で、再び質問をさせていただく、まことに私は感慨深いものがあるわけであります。きわめて短い時間にわたりまして素朴な形でお尋ねを申し上げることをお許しいただきたいと思うわけであります。  私、実は質問を予定しておりませんでしたが、ただいまの同和対策問題につきまして、地方行政の専門家であります奥野議員から御意見が出まして、大臣の真摯な御答弁を私もお伺いしております。御両氏の同和対策のあり方について、いかに進めてまいるか、その重要な内容の御質疑、御答弁であったと承知いたすのであります。私、その中で、御承知のとおり、わがほうの奈良県の米田君がおりまして、当時の審議会の審議委員に参加せしめて、あの時限立法の制定の一役として御答申申し上げた、こういう経過も承知いたしております。私は大阪府の四区でございますから、同和対策の最も困難な、深刻な問題を提起いたしておりますその地域に住んでおりますことは御承知のとおりでありまして、特に東大阪の東住吉区の地域あるいは私の選挙区の松原地域、私の生まれかつ住んでおります八尾の地域は、この同和問題についてのなかなか深刻で重要な問題をかかえておる地域であることは御承知のとおりであります。  私はやはり二つの問題の疑念を持ちました。今日、地方自治体がこの問題について真摯に取り組んでおられますけれども、なおかつそれに向かって多くの悩みの問題は、やはり国の財政事情に適正な処置をされていない、これが大きな根源であろうかと思います。いま一つは、やはり同和対策の本質を適正に行政指導をされて地方自治体がそれに基づく運営の処置をされておらない。この二点が私は根本的な条件の内容と承知をいたすわけでありますが、関連いたしましてこの二点について大臣の御所見を簡単にお伺いいたしたいと思います。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 同和問題のむずかしさと申しますか、いま奥野委員も指摘されたとおりでございます。栗山議員もよくもう御承知願っておることかと思います。このむずかしさを二点に分けていまお話がございました。  一つの問題として、国のこれに対する財政対策、私たち与党の議員といたしまして、毎年毎年この増額には努力してまいりました。現在ほかの事業と比べましてあらゆる面において相当額の補助体系と申しますか、これができ上がってきたのじゃなかろうかと思います。ただ、その量の問題でございます。これも毎年毎年予算の規模以上にふくれてまいっております。相当額のところまで来ておると思いますが、あの法律は十年間の時限立法になっておる。そうしてその十年間の間にどれだけの需要があるかということが非常につかみにくい。そうして必要なことを一挙に解決されようとすると、私は端的に申しまして、いま名前をあげられました松原市の理事者の方々と話をしたことがあるのですが、もう同和事業だけで手いっぱいでございます、ほかのことに何も手をつけることができないんですということを、特別交付税の陳情のときに聞かせていただいたのでありますが、私はこれの改善というものを時限立法の中におきまして急がなければなりませんけれども、その中で計画的に持っていっていただくというふうな協力が必要でなかろうか。ややもすればもうとにかくたとえ一つでもやらなくちゃいけないんだというふうな姿で理事者も追いまくられておるというふうな感じを、陳情を聞いておりまして率直に感じたようなわけでございます。そういうふうな姿になりましたら、いかにすぐれた制度をつくりましても、いま言われました国の財政事情から、これは私たちの努力が及ばず予算が足らないのか、少なくともそういった結果がいま言われたような状態になってあらわれておるのか、これを地方財政という立場から一ぺん振り返って検討していただく、それらの面に対する秩序ある計画達成への努力を求めなければならないのじゃないかと、この陳情を受けながら考えた次第でございます。国庫補助制度のあり方について、至らぬ点は改正をしなければなりませんが、いま申しましたような御理解を求めなければならない点は、十分理事者にも信念を持って御理解と協力を願えるように理事者が当たっていただけるように、努力のほかにもこのことを願わない限りにおきましては、秩序ある同和対策の事業が果たせないんじゃないか、かように考えます。国の財政のできるだけの援助というものに対する努力は今後とも続けさせていただきます。それと同時に、そういう面につきましても、地方団体をあずかるところの私たちといたしまして、市町村など地方団体の理事者ととくとこの問題点を究明、調査し、一ぺん検討を加えてまいりたい、かように思うわけであります。第二の本質の理解の点でございますが、この点はややもすると忘れがちにされ、安易にとにかく財政事業をやることによって当面を糊塗される。非常に力と熱意を持っておりましても、ついそういうような姿に追いやられるときもあるというふうな姿がいまの理事者の姿ではないかと思いますが、そういった理事者のほんとうに真剣なる努力とこれに対する熱情を失なわせないような私たち行政指導を今後とも持ち続けまして、その本質的な法制定の趣旨の浸透をはかってまいるように努力さしていただきたい、かように考えます。

栗山礼行民社党

○栗山分科員 質問外の問題でございましたが、非常に重要な、緊急な問題だという把握ができました。この機会を拝借いたしましてお伺いをいたした次第であります。わが党からは地方行政委員に吉田之久君が出ておりますが、彼が同和対策の委員長をやっておりまして、私もそういう地域におりますものですから、ぜひともということで副委員長をやっておる。こういうことでございまして、わが党でもひとつ十分機関で検討を加えまして、あらためてまた自治大臣の御所見を伺い、御要望を申し上げる、こういう後日の方向に進めてまいりたい、かように御了承をいただきたいと思っております。  本論で、説明は抜きにいたします。地方自治体の最緊急事業でございます公共下水道事業について、私、二点にわたりまして素朴にお尋ねをいたします。  現行では、道路舗装、復旧などの関連事業については補助金がついておりません。したがいまして、補助対象といたすべきじゃないかという所見を持つのでありますが、財政当局としてはいかようにお考えをいただいておるか。  第二点は、補助率を総事業費の三分の二程度に引き上げるという財源措置を国は満たすような方向で御検討をいただくのがしかるべきじゃないか、こういう問題でございます。  以上二つの問題を簡単に御説明いただきまして、あと、一、二お尋ね申し上げたい、かように考えます。

鎌田要人自治省財政局長

○鎌田政府委員 最初の公共下水道道路舗装関連事業について補助対象にすべきではないかという点につきましては、率直に申しまして、私も一つの考え方であろうと思うわけでございます。この点につきましては、建設省ともなお相談をさせていただきたいと思います。  それから補助率の引き上げの問題につきましても、御案内のとおり、国民の生活環境改善、公害の防止という見地からいたしまして、公共下水道を急速に進めてまいってきておるわけでございますし、これに伴います地方負担もかなりふえてまいっております。ただ、公共下水道の性格ということになりますと、地域社会、地域住民の生活に関連する、ある意味におきましては地方団体のいわば固有の仕事という面もございますので、補助率はどういうところが妥当であるかという点につきましては、かなり議論の余地のあるところだろうと思いますが、これも地方団体の財政事情あるいは交付税等におきまする財政需要の算定状況あるいは地方債の負担状況、こういったものもにらみ合わせながら、現行の十分の四を漸次引き上げていくように私どもも努力いたしたいと考えておる次第でございます。

栗山礼行民社党

○栗山分科員 限られた時間でございますから、私も端的に御質問申し上げておりますから、簡明にそのものずばりということで御答弁をいただければけっこうだ、かように考えております。  これは財政局長と最後に大臣の御所見を伺いたいと思っております問題は、土地開発基金制度の恒久化の問題でございます。私の承知をいたします限りにおきましては、地方団体が必要といたします土地開発基金費については、昭和四十六年度までは地方交付税の基準財政需要額に算入いたしましてお運びをいただいたのでありますけれども、四十七年度においてはその算入措置が行なわれておらない、こういうふうに伺っておるわけでございます。そこで、地方公共団体における土地需要がきわめて強い実情にございますことはもう御承知のとおりでありまして、土地開発基金費の交付の大幅の増額を内容といたします交付税の措置を恒久的な一つの制度に進めていただきたい、こういう要望でおそらく大臣や財政当局に強く陳情申し上げている、こういう経過があろうかと思うのでありますが、こういう点について財政局長と大臣の御所見を伺いたいと思います。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 ごもっともであろうと思います。従来、土地需要の重要さから考えまして、一つの方向としまして、地方財政計画の中に土地開発基金というものを毎年毎年積み立てる、交付税の算定基準の中へ入れましてそのような行政指導をしてまいりました。四十七年度これをやめましたのは、御承知のとおり、四十七年度は相当額の起債を出しましてやらなければ財政が組めない。したがいまして、いままで交付税で措置いたしておりました公共事業に対する地方の持ち出しも、全部交付税で措置することができず、地方債によって振りかえていただくというような状態でございますので、土地開発基金というものの積み立てもことしはやめざるを得なかったという事情でございますので、恒久化しなければならないということは、御主張、私も全面的にそうでございますが、財政事情やむを得ず……。しかしながら、ただいままで積み立てました額も二千億をこえております。また、土地の利用の必要性というものは、来年から五十一年度にかけましても約三十三万ヘクタールですか、五年間にいたしまして大体十一兆、年間にいたしまして二兆二千億程度の地方団体の需要が必要であるというふうな姿でございますので、昨年にも増して必要になっておるのじゃないかと思います。この点に関しましては、ただいままでの積み立て金の利用あるいは土地先行取得債、それから水田買い上げ債、さらには現在法案として御審議を願っておりますところの公有地の拡大の推進に関する法律案、これ等によりまして民間資金の導入の道も開いておりますし、公社の公法人化等ももちまして、事業そのものが推進できますように総合的な運営をはかっていきたい、かように考えておりますので、御了承賜わりたいと存じます。

栗山礼行民社党

○栗山分科員 御懇切にいろいろ御説明いただきまして、大まかな方向、路線について承知をいたしておるわけでありますが、そういう強い要望の一面を十分御承知いただいておると承知をいたしておりますので、ぜひひとつ可及的すみやかにそういう制度上の方向への真摯な御活躍をお願いを申し上げたい、こういうことでこの問題は打ち切ってまいりたいと考えます。  次の問題は、公共用地の先行取得事業への起債の発行の条件の問題でございます。  私も資料をその条件のいろいろ規定されております問題について若干持っておるのでありますけれども、これは一々御説明をいたしませんし、御説明をちょうだいいたしますことは時間上の制約がございまして困難でございますから、ただ、この起債の発行条件をひとつ大幅に緩和の方向でこれをはかっていただく、こういう御意思が存するかどうか、こういうイエスかノーかの御答弁を財政局長からお伺いいたしたい。

鎌田要人自治省財政局長

○鎌田政府委員 公共用地先行取得債の起債は、御案内のとおり、全額縁故資金をもってこれを充てておるわけでございまして、現在縁故資金の起債条件につきましては相対の話し合いになっておるわけでございますが、現在のところにおきましては、御案内のような長期金利の低下の傾向にございます。また、公募地方債も先般新聞等に出ておりますような大幅の引き下げがございますので、現在の段階におきましては、この縁故資金の発行条件というものは下がっていくだろうというふうに考えております。  それから、同じ公共事業の中でも、義務教育施設でございますとか公営住宅でございますれば、これはできるだけ政府資金を充てるようにいたしておりますので、その面におきましては条件の改善というものがはかられておる、こういうことがいえようかと思います。

栗山礼行民社党

○栗山分科員 この問題は私も若干意見があるのでありますが、これはもう時間がございません。  厚生省の環衛の御関係の方、これに自治省の必要な関連事項がございましたら、あわせて御意見を承ってまいりたい、かように考えております。  二点ございます。一点は、屎尿処理とじんかい焼却処理の施設の建設につきまして大幅な国庫補助をはかるお考えはないか、こういうことで親しくこの問題もいろいろ進めてまいった問題であろうかと承知をいたしております。特に私、伺いますのは、四十七年度の予算措置についての補助率がどのようにお運びいただいておるか、これも大筋でけっこうでございますから、ひとつお伺いを申したい、かように考えております。  それから第二点の問題は、産業廃棄物の処理の問題でございます。廃棄物の処理及び清掃に関する法律が四十六年に制定されておる、かように承知をいたしておるわけであります。それによりますと、政府は廃棄物の処理の技術開発をはかるべき責任が存する。その責任を果たしておられるかどうか、こういう問題でございます。さらに、自治体に対して必要な技術及び財政援助をはからねばならないという条文規定がございます。これについてはかられていらっしゃるかどうか。ごく一点につきまして廃プラスチックの問題につきましては四分の一の補助をつけられておる、こういうことでございまして、この条文の義務規定等を考えますと、どのようにお運びいただいておるか、あるいは将来どのようにお運びいただこうという御意見か、この点をお伺いいたしたい。  三点は、産業廃棄物の処理について、特別立法で産業廃棄物処理公団というような特殊法人をつくってこの種の問題に対処する、こういう方向づけはいかがなものか、御所見を承っておきたい。  特にこれは地方自治に深く関係をいたしまする問題等でございますので、これも大臣の御所見も、ございましたらあわせて簡単に承りたい。

山中和厚生省環境衛生局環境整備課長

○山中説明員 第一点の一般廃棄物の処理施設、屎尿処理施設並びにごみ処理施設の補助の問題でございますが、在来から国庫補助単価を年々改善する努力をしてまいっております。昭和四十七年の予算案では、国庫補助を現在の約三倍に引き上げることにしております。最近廃プラスチックその他の問題もありまして、炉の高度化もはかるという必要もございますので、現在一般にいわれております総事業費の約十六分の一という非常に低い率にごみ処理施設はなっておりますので、これは補助額を三倍に引き上げることによりまして約六分の一に引き上げる、こう考えております。屎尿処理施設につきましても、現在約二二%、つまり五分の一ちょっとの総事業費に対する補助率になっておりますが、これも補助単価を若干上げることによりまして、約四分の一に近づくと考えております。  それから、第二点の産業廃棄物の問題でございますが、現在産業廃棄物につきましては、一応その施設のこれからのつくり方というものを方針としてつくったわけでございますが、産業廃棄物には、いわゆる処理と、やはり再生利用の面もございまして、現在関係各省とこの話を進めております。それで、特にこの産業廃棄物処理の問題につきましては、非常に技術的、研究的な面もございますので、生活環境審議会におきまして部会をつくりましてこれに対処していきたい、こう考えております。したがいまして、この研究の面におきましては各省の研究機関において現在通常研究としてやっておりますが、これをやはり一つの方向づけをしたいということは、各省庁間の協議の上で、といま考えております。  それから第三点の産業廃棄物についての処理公団の問題でございますが、この考え方は、実はただいま産業廃棄物処理に関する四十七年度から五十年度までの計画を策定したところでございますが、それによりますと、産業廃棄物の処理につきましては事業者の責任があるわけでありますが、しかし、中小企業関係におきましては、どうしてもそこに公的な投資をせざるを得ないという面もございます。それで、これは一応五十年までの計画ではその施設整備につきましては地方自治体がやる。この考えは、もちろんその運営面におきましては公団という問題もございますが、これは実は産業廃棄物処理という問題がただいま発足したところでございますので、はっきりとその産業廃棄物処理施設の公共投資の形をきちんとつけたいということで、現在は地方公共団体にしぼった計画をつくったわけでございます。処理公団全般の問題については、もちろん話題の中にはございますが、検討しておるということでございます。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 屎尿処理、ごみ処理施設の補助の問題でございますが、これはいま厚生省から答弁がございましたとおり、毎年努力をし、改善をしていただいておりますが、出発のときがつかみ金的な奨励補助金のような形で出発しました関係上、現在のような行政需要と申しますか、住民の需要に応じられるような状況に達していない。非常に多額な計画を立てなければならぬときに補助率を上げていくということは困難であろうと思いますが、今後ともに厚生省のほうにもがんばっていただきたい。またこれに対する裏側の私たちは地方財政計画でできるだけ処理をしていきたい、かように考えております。  ただ、産業廃棄物はいま申されましたように、これは技術の開発とにらみ合わせて検討させていただきますが、いま大阪府並びに愛知県等で取り上げてこれはやっていただいておりますが、その状況とあわせていまの組織等は検討させていただきたいと思いますが、私は広域的な処理という部面で府県等で取り組んでいただいております方向、いまのような方向で十分でないかという姿も考えております。今後とも研究させていただきたい、かように考えております。

栗山礼行民社党

○栗山分科員 せっかく建設省の都市局の方にお越しをいただいたのでありますから、お返事が委員長のお許しを得られなければそれでけっこうでございますが、何らかの方法で後日お聞かせ願うということで、問題だけ申し上げておきます。二つございます。  一つは、流域下水道の建設事業期間の問題でございます。これは十年とか二十年というような一つの定めがございます。今日のような都市変革が進む時代に十年とか二十年というような先の需要予測で計画をする、こういう長期的な要素のものもございますけれども、今日的状況下における一つの方策もとってまいらなくちゃならぬ、こういうふうに私は考えるわけでございますが、あわせて、したがって長期計画の一環だけじゃなくて、現実を踏まえ、かつ合理的な一つの計画性のもとにこれをはかっていただくという方向が望ましいのではないか、かように考えておりますので、この点について一点お尋ね申し上げたい。  時間がございません。終末処理場の建設について、流域下水道の建設が進んだといたしましても、いわゆるそれの一つの終末処理と申しますか、そういう最後の完成がなければこれは十分でない。こういうことはもう論を待たない一つの常識論であろうかと思うのでありまして、したがって、終末処理場建設との相互関連性に基づいて建設に着手するという基本の方向を打ち立てていただくということが重要な課題であろうか、私はこういうふうに考えておるのでありますが、二つの点についてこれまたイエスかノーか、委員長のお許しがございましたら御答弁をひとつ願いたい、かように考えております。

井前勝人建設省都市局下水道部下水道事業課長

○井前説明員 流域下水道につきましては、御案内のように、非常に広範囲にわたります数カ市町村にまたがる地域を対象にいたしまして、その終末処理場及び本管施設をつくる事業でございます。御指摘のように、構想としましては、二十年ないし三十年後を目標にしてやっております。しかしながら、全部でき上がらなければ供用開始しないということではなくて、やはりこの流域下水道は水質保全の一番基本でございますので、管渠の整備と終末処理の整備は一体のものといたしまして重点的に施工して、必ず処理を開始していくというような方向で進んでいきたいと思っております。したがいまして、現実に大阪府下では相当たくさんございますけれども、一番長うございますのは寝屋糧でございますが、これは一部を開始するまで約六年を要しております。安威川であるとか猪名川へまいりますと着工後三年ですでに運転しておるような状況でございますので、先生のおっしゃいますように、供用開始を一日も早くして水質保全に資してまいりたい、かように考える次第でございます。

田中正巳自由民主党

○田中主査 樋上新一君。

樋上新一公明党

○樋上分科員 私は昭和四十七年度の地方財政対策並びに大都市財政問題について二、三の質問を大臣にいたしたい、こう思う次第でございます。  昭和四十七年度の国家予算は、景気浮揚を前提として、国民福祉の向上と社会資本の整備推進を基本とする大型予算が編成された。国家財政と表裏の関係のある地方財政の財源不足に対する措置として、自治大臣の努力により臨時地方財政交付金が一千五十億円、交付税特別会計借り入れが一千六百億円、地方債の増発が三千五百億円、合計いたしまして沖繩特別対策部門を除いて六千百五十億円、この財源の措置がはかられたのですが、しかしながら、これらの財源措置の大部分は、地方の借金として後年にばく大な金利負担を伴って地方財政の負担となるということは明らかでございます。自治大臣はこの地方団体の後年における財政負担に対する措置をどのように考えていらっしゃるか、お伺いしたい。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 本年度約八千億円の、私たちのあるべき姿と申しますか、望ましい姿の四十七年度の地方財政計画を組みますために不足を生じたのでございますが、いま御指摘になりましたような姿で処理させていただきました。その結果、例年と比べまして地方債にたよらざるを得なかったという姿でございます。ただ、私はその地方債によってやりますところの事業というものは、苦しい中から特にやる事業でございますから、後年度に対して地域住民に効果のある、すなわちほんとうに起債で処置するにふさわしい事業でなければならぬ。この点については各自治体にそういうふうにはかっていただくことを最も望まなければならないところでありますし、今後の行政運営におきましても、そのように指導して、安易に借金政策をとったものでないという点で御了承賜わりたいと思います。  なお、地方住民に直接関連のあるところの社会資本の充実、福祉行政、おくれております最も必要とする部分が国の公共事業の中でも重点を置いて予算を組まれましたので、そのこと即地方団体がほんとうに公債をもってしてもやらなければならない事業である、こう感じ、国と歩調を合わせて実施していただく。同時に、ほんとうに社会資本充実のために必要なものは、市町村にとりましては単独事業でないと、国の公共事業だけではできないというので、単独事業に対しましても、苦しいときでございますが、従来の規模が落ちないように持っていくために公債政策もやむを得ないというふうな気持ちで組ましていただいた次第でございます。  その結果生じました公債が後年度において重圧を加えてはならぬ。いままでの公債比率に比べましてことしは八%という比率になっております。公債比率が八%でいいかどうか、どの程度をもって限界とすべきか、いろいろな議論のあるところでございますが、国が公債依存度は一七%でやっておる、しかし国がやっておるから地方が八%くらいでいいというんじゃなくて、それだけやっても後年度に重圧が及ばないか、十分検討させていただいたのでございますが、この程度の姿であれば非常にきびしい後年度負担になることはない。起債条件の延長その他によりまして償還期限で後年度に重圧を加えないよう格別の配慮をもってやったならば、一般財源の伸び等々期待いたしましたならば、その程度なら重圧になることなく推移していけるだろうという見通しのもとに立てさせていただいた次第でございます。  ただ問題は、三千余りの地方自治体に対しましてどの団体でもそれでもっていいかということになりますならば、おのずから財政規模とか財政力とかいう点につきまして将来の重圧になりかねないようなところもあると思いますので、その点はきめこまかく団体別に財政力あるいは財政能力等を勘案いたしまして、将来に禍根の残らないように起債政策を運用してまいりたい、かように考えております。

樋上新一公明党

○樋上分科員 お伺いいたしまして了承いたしたのですが、特に京都市の財源が緊迫しておるおりからでございますので、各都市の状態にもよりますけれども、特に御留意をお願いいたしたいということを申し上げておきます。  昭和四十四年度における国と地方の純計歳出額のおもな内訳を見ますと、国民生活に直接関連する公営住宅建設等の住宅費、また公衆衛生、清掃等の衛生費、それから小中学校、高等学校等の学校教育費の大部分、道路整備、都市計画、下水道整備と土地改良等の国土開発費や河川、海岸等の国土保全費の約八割は地方団体の手を通じて執行されているのでございます。一方、あとで触れるのですが、租税総額に占める地方税の割合は約三分の一、昭和四十四年度は三二・四%でありましたが、特に住民生活に密着した行政を行なっている市町村の税源はますます枯渇の状況にあります。  国が十分に地方財政のこういった実情を配慮していかないと、国と地方を通ずる行財政面の円満な運営をそこなう、ひいては地方自治行政を破壊するおそれさえあると思うのです。今後この点を十分考慮すべきだと思いますが、この点は大臣、いかがでしょう。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 三割自治とかなんとかよくいわれるのでございます。御指摘のように、税収という面では、七、三の割合で、国税が七とって地方が三。しかし、実際やっております仕事の量から申しましたら、地方が大部分仕事をやっておるのであるという姿、もう御指摘のとおりでございます。しかしながら、三千幾らの自治体、税収の面からいいますと非常に格差がございますので、全部を地方の自主財源としてこれをとることができない。したがって、交付税という制度によりましてこれを地方に還元し、また国庫補助、負担制度によりまして還元する。公共事業費にいたしましても、一般会計で国、地方を通ずる公共事業費は、ことしは五兆一千五百億くらいになるんじゃなかろうかと思っております。そのうち国の直接実施します公共事業費は八千億、地方が実施します公共事業費は四兆三千五百億、こういう姿でないかと思っております。  ただ、交付税で還元しますために、法人税のごときは国が六五、府県が二八、市町村はわずか七じゃないかとよくいわれますが、その六五と見ました法人税関係の税収の三二%、そうしますと、国は法人税関係において、やはり国の税収の根本をなす税金でございますけれども六八%しかとらないということになりますと、総額の四〇幾ら、五〇%以下しか国に残らない、あとは地方にくるのだ。  問題は、そういった交付税がほんとうにこれは地方財源であると全部が認識し、国のほうもそのつもりで当たるという姿で地方財政が運営されてこそ初めてほんとうの地方自治というものが確立できるのではなかろうか。私は、その意味において交付税制度にたよらざるを得ない。したがって、税収のとり方についていまのような姿はございますけれども、交付税そのものがこれは曲方の一般財源なんだという趣旨に徹することによって地方自治を守っていきたい、このような観点で行政運営を進めてまいりたい、かように考えております。いま申されましたようなことは事実でございますが、いま申しましたような気持ちで地方自治をそこなわないように、財源のあり方その他につきまして行政需要とあわせながら今後とも検討を進めてまいりたい、かように考えております。

樋上新一公明党

○樋上分科員 税金の問題でさらにもう一つお伺いしたいのですけれども、税制調査会の答申は、個人住民税の減税に伴う地方財政の問題について、「当面の個人課税の一般減税としては、まず住民税をとりあげることが必要である。」としても、「所要の財源措置については別に政府において考慮されることとして、」こうなっていますね。ですから、麺方税の減税に伴う減収を補てんすべきことをこれは述べている。この補てんのための財源措置をはからなければならないと思うのですが、この点は大臣、いかがでしょうか。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 税制調査会におきましても、八千億のあるべき姿の地方財政計画に対して財政不足のときに、住民税の減税をやるべきであるかどうであるかということについてずいぶん議論もございました。その結果、現在住民の税負担の軽減、合理化ということを考えたならば、これはぜひやらなくちゃならないというので、答申を願ったような姿でございます。そのために、いま申しましたように、しかし地方財政も非常に苦しいときである、十分財源を考えるということでございました。先ほど申されましたように、減税額そのものを補てんする意味の金はもらっておりませんが、地方財政全般を通じまして、いま申しましたように、特例交付金あるいは特別会計の借り入れ金、また補助率の引き上げ等の措置によりまして、住民税減税によるところの税収の減少ということと相対的に見合う地方財政計画を組ませていただいたというのが実情でございまして、そのものに対してずばり補てんというものではございませんが、これは相対的にやらせていただいたのでございます。いままでは所得税を減税したならば税率を上げろとか、あるいは住民税を減税しろというのならその分だけ補てんしろという議論がございましたが、私は、これは自治体のあるべき姿として私たちが直接扱わなければならない問題であって、国との財源措置と申しますか、その観点は、その上に立っての相対的な部面で見ていくという方向、これが地方自治の本来の姿から見てあるべき姿でなかろうか、私はかように考えておりまして、いままでのように非常に国におんぶしておったばかりに——地方財政の本来のあり方というものは、立ち返って、苦しいときでも、そういう総合的な対策として国と地方の税制、財源調整と申しますか、そういう姿で今後とも議論するという立場で臨みたい、かように考えております。

樋上新一公明党

○樋上分科員 地方団体の昭和四十七年度の地方財政計画を見ても、歳入に占める地方税の割合が、昭和四十六年度の四一・七%から三七・二%と四・五%も減少しているわけですね。実際には地方税すなわち自主財源のウェートが減退している。特に市町村は財政運営に苦慮している点が想定されるのですが、この点はどうでしょうか。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 御指摘のとおりでございまして、努力いたしまして、地方一般の財源の中の地方交付税に対しましては、三税の落ち込みによります分、その他は、いま申しましたように、特例交付金によりましてカバーしまして、大体昨年度と同じ程度の二〇%の伸びということでおったのでございます。しかし、国からそれだけいただくにいたしましても、国の税収の伸びの五千五百億、その中の半分以上のものを地方団体がもらうというふうな姿で、やっとこれだけのものを確保した。したがいまして、地方税収の落ち込み、いま申されました数字の上であらわれましたように、四一%から三七%に下がっておるというような結果にあらわれております。この分は一に借金財政だといわれた起債にたよらざるを得なかったという姿でございます。しかし、起債というものは、許可をすることによって初めて財源になるものでございますから、その点、予算を組まれますときに、ほんとうの自己財源がないものでございますから、非常に苦しい感じを市町村、府県等も感じられることは、私は当然あろうと思いますが、しかしながら、私は府県に対しましては、私たちと密接な連絡のもとに行政運営をしていただいて、起債財源をある程度組んでいただくというようなことができる。しかし、個々の町村に対しましては、そういったこまかいこともなかなかやりにくいと思います。幸いにいたしまして、今度の税収の落ち込み、いま総体的にはそういう額でございますが、府県の昨年度に比べます地方税の伸びというものは二・五%でございましたか、三%とも聞いておりますけれども、市町村の分に対しましては一四%、落ち込みが府県と比べましたならば非常に少ないという程度の市町村の——これは税金の質が違いますものですから、景気停滞等の響きが少ないものでございます。交付税の伸びは、昨年と同じ程度に措置をして伸ばしていただきましたので、その伸びた分を、府県というよりむしろ市町村に持っていきまして、市町村のほうは地方税もある程度安定しておりますので、市町村のほうではあまり従来と変わらない姿でできるだけ地方財政計画の運営をやっていただきたい、かように考えております。  いま樋上先生が頭に描いておられます京都市、これは指定都市でございますので、府県並みの扱いでひとつ起債等によってやっていただきたいと思っております。ほかの市町村、小さい市町村に対しましては、そのような姿で、できるだけ交付税によりまして、従来のような財政運営、借金政策でないような地方財政運営ができますように措置していきたい、このように考えております。

樋上新一公明党

○樋上分科員 都市における企業活動の集中に伴いまして、財政需要の増高に即応すべき都市税制には動態性と伸張性が必要であります。現行では、法人所得税の市町村への配分割合はわずか六%ときわめて低いわけであります。これは昨年の税制調査会の答申にもありましたように、市町村民税、法人税割の税率を引き上げるべきであるとありましたが、配分の割合を少なくとも一〇%を下らないように拡充すべきであると思いますが、いかがでしょうか。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 都市財源の充実をはからなければならぬということは、ここ数年来唱えられてきたところでございます。都市の行政需要の増高、これは近来の傾向でございますので、交付税算定基準におきましての需要額等におきましても、これが反映しますように十分配慮させてまいりたい、かように考えております。四十三年度におきまして自動車取得税を創設いたしましたときにも、府県税でありましたが七割は市町村にいく、四十四年度には、道路譲与税が特に都市側に回るように府県との割合の基準改定も行なわさせていただいた。四十五年度に、いまの法人税の一・七五%を特別増徴の府県への、地方へのはね返り分も、府県でなくしてあげて市町村へ持たしていただく、あるいは四十六年度におきまして新たにつくられました自動車重量税、これの地方譲与税も府県は抜きにいたしまして、あげて市町村に持たしていただくというふうに、逐年都市財源の充実ということで努力はさせていただいております。長期答申等にも、いま御指摘のございましたように、本年も事業所・事務所税、これを取ることによりまして、ぜひとも充実をしたいと思っておりましたが、力至らず実現の運びに至りませんでしたけれども、ぜひとも、経済状態の推移等もながめなければなりませんけれども、近い機会にこれはぜひ実現したい、今後とも努力を続けたいと思っております。  その一つとして、いま言われましたが、法人税の都市への割り当てというもの、これも指摘されたとおりでございます。もし一・七五の暫定的な増徴が期限延長がなかったならば、ぜひともその分だけでも都市財源としていただきたい、このようなことも考えておったのでございますが、延長を国のほうでやられましたので、現在の経済状態等をながめまして見送らざるを得なかったような状態でございますが、この問題は、今後とも法人課税の総体の問題としてとらまえまして、機会あるごとに都市財源としての配分をいただきますように努力してまいりたい、かように考えております。

樋上新一公明党

○樋上分科員 京都のことを申し上げてなんでございますが、京都は、都市そのものが文化財として考えられるところでございまして、保存のための財政需要を増大させていくばかりでなく、一方では都市の近代化が要請されております。  そこで、都心部再開発、郊外部の開発が必要であるにもかかわらず、国民的文化遺産が全地域に点在する京都市では、保存のために開発を犠牲にしなければならないという矛盾を抱いておるのでございます。特に伝統的工芸育成という課題とともに、その国民的文化遺産の保存や国際的観光施設の整備に対して国家的負担の増大が必要と考えられますが、自治大臣は地方交付税の交付、地方債の許可等を通じて特にこの点を配慮していただきたいと思うのですが、いかがでしょう。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 日本の文化と伝統を持った都市としてこれは守り通さなければならないことは、単に市民の皆さんだけでなく、私たち日本民族の使命でないかとも考えます。文部省が行なっておられます文化財保護の補助金等につきましても、京都のようなところは特別におそらく——あれはたいていは八五%が補助金で、あとの一五%が自己負担ということになっておりますが、京都のような場合はそれぞれ自己負担ということができないものでございますから、ほとんど満額に近い姿で保存体制がなされておる、こういうようなことも私、承知いたしております。各個々の保存物についてそれぞれそういうふうな適切な措置を国のほうでもとらしていただいておりますが、また地方自治団体として間接的と申しますか、公共団体としての姿でこれらを守り抜かなければならない。よその都市と違った財政事情というものは私たち自治省が考えなければならないのじゃないかと思いますので、これらの面に向かいましては十分市当局とも連絡をとらしていただきまして、交付税あるいは地方債等におきましては、そういった方面でできるだけの協力をさしていただくように私、事務当局を指導してまいりたい、かように思いますので、お気づきの点がございましたら、御指摘賜わりますようお願い申し上げます。

樋上新一公明党

○樋上分科員 特別交付税の交付額が四十年の段階から四十六年になりますと——四十年は相当の線を引いておったのですけれども、四十六年になりますと京都は最低になっているのです。こういうぐあいに、いま申し上げましたように、京都は特別の文化、観光都市として、また保護文化財があるにもかかわらず、この特別交付税が全国で最低になっているということがこの表に出ました。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 私も、特別交付税のとき、総体的には事務当局にまかせましたのですが、最後には、五大市等の均衡等につきましては事務当局で算定したのを聞かせていただきまして、御指摘を受けるまでもなく、その点私も疑問に思いまして聞かせていただいたのであります。ただ、大都市の特別交付税でむしろ事務的に計算されましたもの、特に大きいのは地下鉄等のものでございます。京都にはそういったものが少なかった関係で、そういうふうな結果的な数字はございますが、基礎の数字その他一般的なものにつきましては、京都を特になにしたということはなく、特別な数字によってよその数字が上回った、京都にはたまたまそれがなかったという現状があったという点もひとつ御了承賜わりたいと思いますので、その点、私も調べさしていただいて……。概括でございますけれども、そういうふうに記憶いたしております。

樋上新一公明党

○樋上分科員 時間がもうあと二分しかございませんので、ちょっと棒読みさしていただきますが、考慮していただきたいと思います。  いまお話がありましたように、市民の足を確保する都市交通体系の近代化の立場から、京都におきましても地下鉄の建設が急がれているのですね。ところが、現行の制度では、料金は建設費の利子にも満たない。地下鉄の建設については国の補助率を道路並みの三分の二として、事業債は長期低利な政府資金を充てていただきたい、こう要望する次第でございます。  なお最後に、私、先日の分科会でも申し上げたのですが、再度こちらのほうに申し上げたいと思うのです。京都のくさい水、これはもう京都へ一ぺんおいで願いたい。お茶づけの味もだめになりましたし、料理屋、飲食店、それから家庭もみなくさい水に悩んでいるのですよ。これは四十四年ごろに発生したのですが、当初は春から夏にかけてのみ発生しておりましたが、昨年あたりから一年じゅう発生するという事態になったのですね。そして京都の市民は毎日非常に不快な思いをしているわけですが、この対策として、京都としては活性炭を流入してこのにおいを消しているのですが、現在京都市には五つの浄水場があるのです。ところが、一日平均五トン、トン当たり十万円の活性炭を投入しなければならない。そういたしますと、五つの浄水場で五十万円を毎日支払っているわけですね。四十六年度は一億五千万円で、本年度の予算では四億七千万円を見込んでおるのですが、この地方財政が逼迫しておるおり、何とかこの問題についても国として補助金なり何らかの財政措置を講じてもらいたい、こう最後に申し上げるのですが、大臣、いかがでございましょうか。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 私も、この問題では京都市が困っておられるということをお聞きしております。それからまた、五十年に至るところのこれに対する対策の計画等もお持ちであるということも聞かしていただいておりますが、これらに要する資金、いま申されましたような点につきましては、十分検討さしていただきまして、京都市の御要望に沿い得るようにできるだけの努力はさしていただきたい、かように考えております。

田中正巳自由民主党

○田中主査 午後一時に再開することとし、これにて休憩いたします。    午後零時二十七分休憩      ————◇—————    午後一時一分開議

田中正巳自由民主党

○田中主査 休憩前に引き続き会議を開きます。  自治省所管について質疑を続行いたします。上原康助君。

上原康助日本社会党

○上原分科員 いよいよ沖繩の施政権返還がこの五月十五日に行なわれるわけですが、特に復帰に関連いたしまして、新しい沖繩の自治をどのように確立をしていくかということは、県民の大きな関心事であると同時に、重要な政治課題だと私たち考えております。長い間アメリカの軍事占領支配のもとで、自治そのものが侵害をされてきた、あるいは本土と切り離されて、本来一地方自治機構であるべき沖繩が、一つの国家的な政治機構を備えてきた、そういう面でも本土といろいろと異なった面あるいは格差が生じております。  そこで、自治大臣にまずお伺いをしたいわけですが、復帰に伴う県政移行にあたって、沖繩の新しい自治をどう確立していこうとしておられるのか、その準備などどうなっているのか、まずお聞かせいただきたいと思います。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 沖繩の復帰によりまして、沖繩県また沖繩県下の市町村として、本土の県並びに市町村と同様に地方公共団体として地方自治を運営していただく、そういう気持ちで私たちはこの沖繩を迎えなければならない、かように考えております。  しかし、置かれました事情によりまして行政あるいは財政、あらゆる面で格差のあることはいま御指摘になられたとおりでございます。この行政並びに財政の格差をできるだけ一刻も早く本土並みにまで引き上げることこそ私たちのとらねばななぬ処置ではなかろうか、かように考えておるような次第でございます。  行政面におきましては、それぞれの沖繩の有する特殊な環境によりまして、あるいは地方公共団体の職員の配置その他につきましても、特異な面があろうかと思いますが、それらを十分組み入れながら本土との格差の是正というものに邁進すると同時に、地方自治のためになくてはならない財政につきましても、自主財源としての一般財源をできるだけ沖繩に与えることによりまして、沖繩県並びに市町村が一日も早く本土との格差を解消するように、今後とも努力してまいりたい、このような考えから、税制におきましても過渡的な措置は講じておりますけれども、できるだけ負担の均衡を配慮しながら、激変を排除をしながら、本土の税制に移行していただくと同時に、その税収だけでは非常に少ないものでございますから、足らざる点を、特に本土の交付税制度をこえるような特別の沖繩の特例交付金をつくりまして、一般財源の充実を期してまいりたいと思って、予算措置をお願いしておるような次第でございます。この点いま御審議願っております予算並びに法案におきまして、そのような方向で措置させていただきたいと思って、準備させていただいておるというのが現状でございます。

上原康助日本社会党

○上原分科員 予算の全般についてはもう少し先に行ってからお尋ねしたいわけですが、まず最初に、五月十五日に沖繩の施政権が返還されますと、沖繩県として、あるいは各市町村も、地方公共団体としての新しい予算をつくらなければいけないわけなんです。御承知のようにこれまでは沖繩県という財政構造なり行政機構というのはないわけですから、復帰と同時に地方公共団体としての予算編成の作業をしなければならない。その場合に、財政規模あるいはその構造が一体どうなっていくのかということはまだほとんどわからないという現状ではなかろうかと思うのです。そこで、たとえば歳入面の費目別の予算額あるいは構成比はどうなっていくのか、県として租税収入が幾らになるのか、譲与税はどうなっているのか、いわゆる目的税的なもの、さらに国庫補助にいたしましてもまだ明らかでない。地方交付税、これも次年度四百五十億ですか、組まれているのですが、県と市町村の分配はどうなっていくのか、さらに地方債の取り扱いはどうなっていくのか、使用料、手数料等雑収入、そういった歳入面の予算規模、構成比、費目という面について、もちろんこれは新しくつくられるであろう沖繩県としても考えることでしょうが、やはり本土政府としても、沖繩県になった場合には大体こういう財政規模になり、こういう収入になって、歳出面もこうなっていくのだという、何かモデルといいますかサンプル的なものがあるのかどうか。また、当然そういうものをおつくりになるべきだと思うのです。その点について御説明をいただきたいし、さらにまた、資料等もぜひ提示をしていただきたい、こういうふうに考えますが、どうお考えですか。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 ごもっともであろうと思います。しかし、サンプル的なものと申しますか、こちらからこうあれというべきものではなくて、沖繩が置かれております、どうしてもこうしなければならぬ、たとえば人員等にしましても本土の類似県、人口百万程度の県と同じような人員を持っていくといいましても、いろいろと特殊事情もございますので、そういった行政需要としてやらなければならない実情を踏まえながら、私たち交付税を組ましていただいたのでございます。  税法その他は、法律によってほぼ見積りが、各県の能力、市町村の能力などでわかるであろうと思います。むしろそちらのほうがわかっていただくという意味では、これは協力してそういった規模その他を、私たちも御要望にできるだけ応ずるようにしてきめていかなくてはならぬ、かように思っております。このために屋良主席とお会いしましたときもできるだけ密接に御連絡賜わりたいということを申し上げ、また、市町村の代表の方にも直接、全部の市町村が来られることは困難であろうと思うが、これらに対しては県を通じて市町村に適切なる御指導をしていただくように、私からもよくお願いしたような状態でございまして、そのような方針のもとに、現在琉球政府の担当者と事務当局で協議を進めておる、かように思います。また、琉球政府の担当者を通じまして市町村を御指導願っておる、かように考えておりますので、その細部の、現在までの状況のわかっておる限りにおいては、事務当局から答弁させたいと思いますので、御了承いただきたいと思います。

鎌田要人自治省財政局長

○鎌田政府委員 四十七年度地方財政計画の策定の際に、沖繩分の収支のバランスを一応とってみたわけであります。規模といたしましては、ちょっと端数の出入りがございますので、ラウンドの数字で申し上げたいと思いますが、市町村ひっくるめて約一千億程度の規模になろうかと思います。地方税は八十三億、それから譲与税につきましては、譲与基準等がこれからきまっていくものもございますので、これは分別をいたしておりませんが、交付税といたしましては、先ほどの四百五十七億というものを一応置いておるわけでございます。それから国庫支出金といたしましては四百二十八億、それから地方債が八十八億。これは、地方債全体といたしましては百四十三億でございますが、その中のいわゆる普通会計分でございます。そのほか使用料、手数料、雑収入等入れましてほぼ一千億、正確に申しますと九百八十九億、こういった規模のものになろうかと思います。  歳出のほうにおきましては、おもなものといたしまして、給与関係経費で四百四億、あるいは一般行政経費で二百五十二億、投資的経費で三百六十四億、こういったものを見込んでおるわけであります。

上原康助日本社会党

○上原分科員 この点につきましては、いま大臣の御答弁もあったのですが、琉政側ともかなり連絡した上で大体はじき出した数字なのか、あるいは自治省としての立場での数字なのかという点をもう少し説明をいただきたいと思います。  それと、いまの約一千億の財政規模になる場合に、市町村への交付金を含めての財政ですので、県独自として一体どの程度の財政規模になるのか、その点に対してもぜひ説明をいただきたいし、さらに、即本土の類似県あるいは類似市町村との比較というのは、過去の経緯が異なっている以上比較すべきでないと思うのですが、類似県なり類似市町村を例にとってみて、どういうふうになるのか、そこらについても御説明をいただきたいと思います。

鎌田要人自治省財政局長

○鎌田政府委員 ただいま私の申し上げました数字は、たとえば国庫支出金等でございますれば、これは当然来年度の沖繩の行政経費なり投資的事業についての国の補助金がきまっておるわけでありますから、それに見合う地方負担というものが当然出てくるわけであります。それから税等につきましては、これは私どものほうで現地とも連絡をとって積み上げた数字でございます。それから交付税につきましては、最初琉球政府のほうでは、私どもが考えておりました臨時特例交付金というものについては、非常に消極的でございました。だんだん予算の過程で、琉球政府のほうからも、担当の職員の方が私どものほうへ常時おいでになっておられまして、それで五百十億、それが五月十五日復帰になるものでございますから、十二分の十・五プラス期末手当分、こういうもので四百五十七億円という数字に落ちついていく過程、これについては、逐一向こうでもその経過は十分御承知でございます。私ども、終わりましたときに、琉球政府の方々からは、ありがとうございましたということでお話を伺っておりますので、そういった意味では、現地のほうとは十分に緊密な連絡をとってやったというつもりでおります。  それから、沖繩県なりあるいは沖繩県の市町村の予算規模がどういうものになるかということにつきましては、ただいま申しました数字というものをある程度ブレークダウンしていかなければならないわけでございますが、四百五十七億の交付税を実は私どもの段階で基準財政需要なり基準財政収入なりを分けまして、県と市町村に一応振り分けをいたしておるわけでございますが、御案内のとおり、この配分に用いますところの測定単位の数値、こういったものが本土と同じものを使えないものがございます。そういうものにつきましては、たとえば自治大臣が調査して定めた数字とかそういうことで、これは別途審議をいただいておりますが、交付税の特例法で、省令をもちまして特例をきめなければいかぬのだと思います。そういう前提がございますので、まだ確定的な数字ではございませんけれども、大ざっぱな数字といたしましては、四百五十七億のうちの二百九十八億程度が県、百五十九億程度が市町村になるのではないかと考えます。  それで、これの類似県ということになるわけですが、類似県としてたとえば佐賀、徳島、高知、島根、宮崎、こういった五県の四十六年の平均が県分で二百五十二億です。それから市町村分で百四十四億です。この数字は四十六年まるまるで、いま私が申しました二百九十八億なり百五十九億というのは、五月十五日から以降の分でございますから、これを平年度化して比較をしていただきますと、本土の類似県よりはかなり手厚い数字になっているということがいえるのではないか。私ども、てまえみそかもしれませんが、そういう感じを持っております。

上原康助日本社会党

○上原分科員 こまかいところまで入る時間もありませんし、また、私も専門ではございませんので、大体の内容なり姿勢をお尋ねしているわけですが、冒頭に大臣が御答弁なさったように、沖繩の特殊事情あるいは県とか地方公共団体というのは、これまでは県政という面では、なかったわけですから、新しい県づくりをやって、なお格差を埋めていくという場合に、まだまだ財政規模において検討すべき面がかなりあると思うのです。そういう点をぜひさらに自治省としても御努力をいただきたいということ。何といいましても自治の基本というものは、みずから県政なり地方公共団体を運営していくための財政措置というものが伴わない限り、ほんとうの自治というのはあり得ないと思うのです。そういう面で、三割自治にも足りない、あるいはほとんどが人件費だけであっぷあっぷするというような県政にしてはいけない、地方公共団体にしてはいけないという点を指摘しておきたいし、その点特段の御配慮を要望いたしておきたいと思います。  それと関連するわけですが、沖繩開発庁設置法がまだ審議の段階で、法案そのものは通過をしておりませんが、自治大臣に一点お伺いしておきたいのですが、いま政府が考えておられる沖繩の那覇市に置こうとしておる沖繩総合事務局、これは新しく生まれる沖繩県の部局と大体同じような機構になって、従来アメリカ民政府があって、琉球政府というものがあったのですが、第二の民政府ができるようなかっこうになるのじゃないか、自治の確立という面からも好ましくないのじゃないかという気がしますが、自治大臣という立場で、これだけ膨大な権限を持つ機構のものが出先機関として必要とお考えなのか、その点まずお聞かせいただきたいと思うのです。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 この問題は、沖繩返還協定の前の国会のときによく論議されたことでございます。法制上その他から地方自治を侵すべきものでないという観点で政府は御答弁もしました。しかし、実際の運営において、そういうようなものができれば、地方自治を侵すような姿になるのではないかという御懸念が、いまの御質問になってあらわれたものであろうと思いますが、私は、自治が侵されるということでなくして、この総合事務局があることが喜んでいただける、沖繩県自治をほんとうに積極的に、沖繩の置かれておる特殊事情に応じまして、むしろ自治伸長の意味からもこの制度が手助けになるというふうな姿で運営されることを希望するものでございます。実は私自身自治大臣でございまして、北海道開発庁長官という役を兼任いたしております。その意味からいいまして、これは機構は沖繩の場合と非常に異なりまして、農林、土木、その他港湾、運輸関係等の直轄事業が主体になっております開発庁でございますが、まあ開発庁という名前とその機構のあり方については同一の性格のものでございますが、むしろいま北海道開発庁を廃止するというふうなことがございましたなれば、与野党あげて反対なさるのではなかろうかと考えられるのでございます。私は、運営のあり方において、今後とも沖繩県並びに市町村の自治振興のために役立つような国の出先機関としてのあり方で運営を続けてまいりたい、これが政府の考え方でございますし、実際の人事面におきましても、行政は人がやるのでございますから、制度と同時に、やる人のやり方にもよりましょうが、政府といたしましては、その点、いま申されましたようなことの起こらないよう、私は自治大臣という立場から十分総合事務局の運営等にあたりましても、地方自治を推進すると申しますか、そういうような意味で運営されるように、今後とも注意し、努力してまいりたい、かように考えております。

上原康助日本社会党

○上原分科員 大臣と見解が異なるようですが、運用の面で十分配慮していきたいというお考えのようですが、人のために機構をつくらずということばもありますし、やはり自治体の権限、権能というものが侵害される形ではいけないと思うのです。時間がございませんので、その点は見解だけ申し上げておきたいわけです。  そこで、これまでも新聞紙上等ではいろいろあったのですが、琉球政府公務員で国に配置される職員の数、あるいは県に配置される職員の数、市町村に配置される職員の数等については最終的な確定を見たのかという点が一点。さらに、この点について琉球政府との意見調整はどうなっているのか。まあこれは対策庁でおやりになっているかと思いますので、対策庁長官でもかまわないと思いますが、お答えをいただきたいし、これとの関連で防衛施設局への職員の配置については、現地の組合なりいろいろな面で強い反対が出ております。琉球政府から大体六十人程度は採用したいという方針もあるようですが、この点についてどうなっているのか、お聞かせをいただきたいと思います。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 前の質問につきまして御意見がございましたので、いま私の答えたのと見解が違うとおっしゃっておりましたが、私は、できるだけ行政面で運営すると言いましたのは、法制的には、制度、組織の上からいっても、決して地方自治を侵害するものではない、なお言われるような御懸念に対しまして、御懸念のないように運営におきましても努力する、こういう意味で述べさせていただいたので、その点はひとつ、ことばが足らなかったのじゃないかと思いますので、十分御理解を願いたいと思います。  ただいまの点につきましては、総理府のほうに所管をしていただいておりますので、総理府のほうから御答弁申し上げます。

岡部秀一沖繩・北方対策庁長官

○岡部(秀)政府委員 琉球政府の職員の身分引き継ぎにつきましては、これは非常によく緊密に連絡をとってやっております。琉球政府のほうからも何人もそれぞれの課からこちらに人が来てもらっておりますし、また私たちのほうに各省からも人事担当の者が出ていって話し合いを進めておりますような状況で、非常にスムースにいっていると私は見ております。  さらに詳しく申し上げますと、身分引き継ぎの対象職員数は一万八千七百六十人でございます。行政府の職員、立法府の職員、司法関係の職員、公社等全部合わせまして、一万八千七百六十人が身分引き継ぎの対象職員数です。そのうち琉球政府と話がととのっております県市町村、法人への引き継ぎ職員数は一万一千六百三十人でございます。国への引き継ぎの事務職員数は六千七百四十三人と、こういうふうな状況になっておりまして、国への引き継ぎの職員数につきましても、ほとんど各省別に話が煮詰まってきておるという状況でございます。  また、総合事務局への職員も、定員八百十名、そのうち琉政から引き継ぎますのが五百八十三名という数字も大体固まっております。大体ほとんど固まってきておりますが、なお最後的には四月の上旬ごろまでには、若干の数字は動きますけれども、大体琉球政府と合意の点に達しておるような状況でございます。  施設局の関係につきましては、施設局六十一名の予算定員でございます。これにつきまして、施設局へ行きますところの希望者が少ないという状況でございますし、また、その他いろいろの関係もございまして、引き継ぎにあたりましては、国の事務は国へ、県の事務は県へ、それから市町村の事務をまた琉政ではやっておりますが、市町村の事務は市町村へというそういう形で引き継ぎをやっているわけですが、施設局関係の希望者は少ないという状況でございます。この点は、いまのところそれぞれ個人個人の希望という点で施設局との話は進んでおるという状況でございますが、これも大体四月の上、中旬ごろまでには話が済むような状況でございます。

上原康助日本社会党

○上原分科員 時間がありませんので、あとは問題点等若干指摘しておきたいと思います。  復帰に伴う特別措置法の中で、いわゆる琉球政府職員の身分引き継ぎの問題と関連して、臨時職員については、全然保障規定がないわけですよね。したがって、これについてもぜひ特別な処置を講じていただいて、引き継げるように考慮すべきだという点、さらに特別措置法の五十五条、あるいは六十四条、百五十一条等で国、県、市町村移行の職員の給与の問題、手当の問題がきめられておりますが、現給給与というものをぜひ完全に保障すべきであるということ、さらに昇給あるいは昇格等の基準に照らして本土より上回るというような面は、それをみんな停止をするというような方針も考えておられるかどうか。おられるような情報もありますので、不利益にならない措置をぜひ講じていただきたいということ。  いま一点、沖特等でもたびたび問題になりましたが、積み立て年次有給休暇についての取り扱いは、やはり琉球政府公務員法できめられた既得権でございますので、自治省としても、該当職員の不利にならないような措置というものをぜひ講ずべきであるということ。  さらにもう一つは、各種共済組合の機関に雇用されている職員の取り扱いについても、特別措置法の中ではきめられておりません。共済組合に雇われている職員についても、当然該当共済組合の職員として引き継げるように御配慮をいただきたい。  時間がありませんので、以上問題点を指摘をして、もし御見解があれば賜わりたいと思います。

岡部秀一沖繩・北方対策庁長官

○岡部(秀)政府委員 臨時職員の引き継ぎにつきましては、これを琉球政府と話し合いまして、事前に定員化をしておいでください、そして定員で引き継ぎます、こういう話をいたしております。  なお、先ほど施設庁関係の言い違いで、予算定員で言いましたけれども、これは琉政から引き継ぐ職員の数六十一名、それから給与関係につきましては人事院で、これも緊密な連絡をとって試算をいたしておりますが、これは本土の制度、経歴、学歴等、それにドッキングをいたしまして、実際の試算をそれぞれやっております。しかもこれは職員組合も中にタッチをしまして話を進めておる状況でございますので、ドッキングをいたしました結果は、大体三百六十円換算の例の問題もいたしております。大体それ相応の形でいけるというふうな状況になっております。給与はそんなふうな状況になっています。  それから積み立ての年次休暇の問題につきましては、これはもう法律ではっきりいたしておりまして、これは休暇をとるということだけで、復帰前に退職をする人につきましては年次休暇の買い上げはいたしますけれども、復帰になりましてからの年次休暇の買い上げはいたしません。ただし年次休暇をとるということにつきましては、その方向で認めていくというところの結論でございます。

田中正巳自由民主党

○田中主査 中村重光君。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 自治大臣の御決意のほどを伺ってみたいと思うのですが、四十七年度の国の予算並びに地方財政計画というものを明らかにされているわけですね。国の国債発行が一兆九千五百億、それに政保債が四千億でしょう。地方債が一兆七千億、さらにその中でも政府資金というのが五四%で例年よりも低いわけですね。それで短期で非常に金利の高い公募債、縁故債というようなものが、非常に金額が大きい。交付税の伸びは例年二二%ぐらいでしょう。ところが四十七年度の見通しでは六・九%、こうなっておりますね。地方自治体の公共事業に対するところの負担というものは非常に大きい。かてて加えて借金財政ということになってまいりますから非常に苦しい。生活基盤を強化するための住宅、これは若干伸びを示しております。これとても超過負担というものを解消していくのでなければ、とうていこれは実現は不可能であろうというように考えられるわけであります。したがって、自治大臣としては、勇断をもって一番問題点である超過負担の解消をはかっていくということでなければならないのではないか。閣議決定がこの超過負担をやらせぬということで決定されておることは、大臣も御承知のとおりですが、若干改善されている面もあるんでしょうが、実質的にはたいした改善はされてない。したがって、自治大臣としては、この地方の超過負担を絶対やらさない、その決意と、いつまでにはやらさないというぐらいに、これでもう絶対四十七年度からは超過負担を解消させるんだという一つの確信と見通しというようなものが私はなければいけないと思うんですが、そこらの見通しなり決意のほどはいかがでしょうか。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 超過負担の解消、これは御指摘のとおり地方財政にとって重大なる問題でございます。しかし、決意だけでは解決する問題でないことは、中村議員も十二分によく御承知のところであろうと存じます。ただ問題は、これをほんとうに解決するために具体的にどうやるんだということが一番の問題でなかろうかと思います。実はこのために、政府といたしましても、四十二年から四十三年に調査をいたしました。この調査結果に基づきました分は、計画的に四十三年から四十六年まで四年間にわたりまして、今日まで解消をはかってきたということは御承知のとおりでございます。しかし、この間に対するところの物価の上昇、したがいましてコスト高、また公共事業、社会資本の充実ということが非常に叫ばれてまいりましたために、事業量が非常に伸びてきた。そういったような原因もございまして、再び、解消の反面新しい意味の超過負担が生じて今日に至っておるというのが現状でございます。この現状をとらまえまして私たちは、四十七年度につきましては単価是正の問題あるいは事業量に対する補助金の問題等で各省にお願いいたしまして、大蔵省を中心といたしましてできるだけ超過負担の起こらないように措置していただきますとともに、四十七年度におきまして予算折衝の際に、大蔵大臣とも特に話し合いまして、金額は少ないですけれども、とにかく予算面に調査費というものをはっきり置きまして、四十七年度中に各省庁にも連絡をとりまして、あらためて現実的な調査を行なう、その調査の結果を待ちまして、これをいかにして解消していくかということについて検討し、現実的にこの解消をはかるということで申し合わせたような次第でございますので、その意味で具体的な問題としてこれをとらまえまして解消に努力し、積極的にこの問題解消の道に具体策を見出して、地方自治体の健全なる財政の運営に資するために寄与したい、かように考えておるような次第でございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 考え方はわかるのです。その際に、ただばく然と調査費を計上する、そして、調査をして検討してそれをなくしていくのだということだけではなくて、調査費を計上したときには、超過負担があるということを前提としてやっているわけですから、いつまでに超過負担を解消してしまわなければならない、大蔵大臣と——政府全体、これはかつては閣議決定してあるわけですから、閣議の中でもさらにこれを確認をして調査費の計上、こうならなければ、なまはんかなことでは超過負担の解消ということはできないと思いますから、その調査費を計上するときに立てた時期的な見通しというものはどういうことになっていますか。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 私は、できるだけ早いほうが、また早くしなければならない、これは閣議決定の方針にも従っておるものでございます。その意味におきまして、いつまでに解消するのだ、すくなくとも年次を言えという、その決意のほどでございますが、これは御承知のとおり、超過負担というものの実情を調べまして、どういうような変化が起こっておるかということでございますけれども、問題は、いままでの経過から私が承知しておるところでも、あるいは補助単価が低い、またはその需要の要望に対しまして補助数量が少ない。三分の一の補助金でやっておりますが、実際の要望は——予算面では十の小学校しか建たない分をどうしても十一にしなければならない、十一にするかわりに、十でもらった補助金を薄める、こういう姿であらわれていることも事実でございます。また、補助対象と申しますか、実際においては百平米のものを建てておるのを補助金の対象としては九十平米分しか出てない、残りの十平米は単独事業として超過負担になっておる、こういった原因によっておる部面が多いんじゃないか、かように思います。それらの結果を総合いたしまして、できるだけ早い期間にこれを解消するということでございますが、期限は切っておりませんけれども、これらの調査の結果をまちまして、大蔵当局と解消計画について打ち立てまして、その段階において期限をきめさせていただきますが、自治大臣といたしましては、できる限り各省の協力も求めまして、早期にこれを解消し得ますように努力いたしたい、こういうふうに考えております。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 それではその調査は四十七年度中に終わる、そして四十八年度には具体的な超過負担解消の実現を期する、こういうことで調査をなさいますか。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 前の調査が二年にわたりましたものですから、ことしも二年にわたるのじゃないかという御心配が中村先生もあられるのではないかと思いますが、私はむしろことしじゅうに終わる、それも来年度の予算に反映できますように、各省庁と連絡をとれますように、少なくとも事務的に予算折衝に入ります時期までに解消計画を具体的に進めていくような姿で調査を実施さしていただきたい。今年度というよりも来年度の予算編成に間に合うような姿でできるだけやりたい、こういうように考えております。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 時間が三十分の中でいろいろお尋ねをしたいこともあるわけですが、四十七年度地方財政は全く危機的な状態におちいるのではないかという危機感を正直いって私持っております。地方自治体の最悪の事態を回避するために大臣は情熱を傾けて対処してもらいたいということを要請しておきたいと思います。  具体的な問題でお尋ねをしたいのですが、信用組合の預金の員外利用の問題であります。いままだ与野党全般的な問題にはなっておりませんけれども、商工委員会あるいは大蔵委員会、この与野党の中で信用組合の預金の員外利用の問題を実はいま検討している、政府提案にしてもらうか、議員提案という形でやるか。ところが、預金の員外利用ということになってまいりますと、信用組合は御承知のとおり各地で問題ばかり起こしているわけです。したがってこれは、大臣も御承知のとおり、中小企業等協同組合法に基づいて、その限りでは通産省の所管、こういうことになるわけですが、実態はそうではない。都道府県において信用組合は監督し、そして定期的な監査もやっている。ところが、農協等の信用事業ということになってまいりますと、なかなかその監査というものもやりにくい。きわめて形式的な形でやっているということがありまして、いろいろと事件を起こした農協等も実はあるわけであります。  私は、預金の員外利用をするからというのではなくて、この信用組合に起こっておる事件をなくするために、いわゆる不正事件、事故をなくするために、この監査体制を強化していくという自治省の指導監督の面にさらに充実したものが必要であるということを、かねがね実は考え、指摘もしてまいった。ましてや、員外利用をするということになってまいりますと、その点がきわめて重要な問題となってまいります。預金の員外利用になってくると、大蔵省がいままでのような無関係の状態であってよろしいのかどうか。何らかの形において大蔵省がこれを監督するというようなことが必要になってくるのではないか。そうなってまいりますと、地方自治権の侵害というようなことが起こってくるおそれがある。地方自治権はあくまで守っていかなければならぬ。その調和点をどこに置くかということが問題点の一つに実はなってくるわけであります。  そこで、それほど問題があるんだったら、信用組合の員外利用というものはやらなければいいじゃないか。ところが今日、大臣も御承知でしょうが、町の貸し金業者というものは増加の一途をたどっている。どうしてふえるのかといいますと、政府関係金融機関からも締め出され、ましてや民間の銀行からは締め出されている人たちは、手形の割引等がなかなかできないので、つなぎみたいな形で高利貸しのところに持っていって手形を割り引いてもらうということで、高い金利負担のために倒産するというなまなましい現実も実は生まれてきているわけであります。  そういうようなことを考えてみますと、今日、信用金庫であるとか信用組合というのは、中小企業にとっては全く期待する金融機関ということに実はなっているわけであります。してみると、中小企業にできるだけ安い金利で提供していくというためには、いわゆる原資を安くしなければならない。原資を安くするためには、どうしても預金の員外利用というものが必然的に考えられてくるわけであります。ところが、そうなってまいりますと、先ほど申し上げましたような監督権の問題等、いろいろと複雑な問題が出てまいりますから、これらの点に対して、質問通告も実はいたしておったわけですから、ある程度研究をしていただいておるのではないかと思いますが、自治大臣、この点についてはどのようにお考えになりましょうか。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 実は、員外利用に制度を変更するということがどういうふうな姿で変更されるかということにつきまして、その内容そのものが私もまだ具体的に大蔵省方面から、また通産省方面からも連絡を受けておりませんので承知いたしかねるのでございますけれども、元来、府県内にあるところの信用協同組合の指導監督というものは、いま申されましたように、中小企業と申しますか、零細なもの、身近なものの管理監督という意味から地方自治団体が今日までやっておるということは、私、ぜひともやらなくちゃならぬ問題であろう、こう思います。  これは率直な私の私見としてお聞き願えば幸いだと思うのでございますが、府県で一番弱いものは商工業者でないか、私はかように考えますので、私たちも中小企業に対してお世話させていただきますときに、府県というものの商工業に対するあり方というものに対しまして、その行政能力といいますか、それの弱さを感ずるのでございます、ほんとうの意味の中小企業を育成するというのは、県がこれに応ずるだけの能力を持たぬことには、私は中小企業の政策的な育成はできないのじゃないか。幸いにいたしまして、このごろ県もこの点について相当関心を持っていただきまして、府県行政の中の重要な部面としてこの問題を身近に感じていただきつつあるということは事実でございますので、私たちもこの面の県が行なっておりますところの行政を、県の行ないます非常に重要な行政の一つといたしまして取り上げて、自治省という立場から指導監督せなければならぬ、かように思います。  そのような意味で、この問題も大蔵省あるいは通産省等から協議がありました場合、いま中村先生御指摘になられましたような点で十分注意をいたしまして、私がいま私見として述べましたような考えのもとに、制度上どうあるべきかということを検討さしていただきたい、このように考えておる次第でございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 私どもは、中小企業の指導行政は、言うまでもなく中小企業は弱い立場にあるだけに、いろいろな面において国の保護あるいは地方自治体の保護が必要になってくるわけです。ところが、大臣御指摘のとおり、中小企業というものはどちらかというと間接行政ということで、あまりあたたかい政治の手が差し伸べられていない。谷間に放置されているということを申し上げてもよろしい。しかし、大きな役割りを果たしていることだけはこれは間違いないことであります。そういったところから、中小企業行政を地方自治体に権限を委譲していく必要があるということを私どもかねがね考え、そういうことも実は強調をしているわけです。  さて、それじゃどういうことの権限の委譲があるのかということを考えているときに、いまの信用組合の員外利用で、大蔵省がこれにタッチすることになってくると、権限を侵害する形になって逆の結果になってくるのではないかというようなそうした心配も実はある。大蔵省も銀行局を中心にいろいろこの問題について検討していただいておりますから、自治省も事務当局のほうでこれを検討して、できるならば大蔵省と、あるいは通産省とそれらの面で事務的に検討を深めていただきたい、かように思うのですが、大臣いかがでございましょうか。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 ただいまお答えさせていただきましたように、具体的なものはまだ相談をしていないものですから、的確なお答えはわかりかねますのですけれども、通産省も中小企業に重点を置いてやっていただいておることは事実です。中小企業そのものは、各地におきましてそれぞれの特異な姿での産業形態を持っておるものでございますから、それに適切な指導育成ができるのは私は府県ではないかと思います。それを出先の通産局が直接やるというふうなところに行政の隘路といいますか、中小企業というものが谷間に置かれている姿ではないかと思います。  近時、府県におきましてもその点を考えまして、むしろ行政の一端としてやる、また通産局そのものも府県行政を通じてやるという姿がだいぶ向上してきておるのじゃないかと思います。たとえば繊維産業の例の問題にいたしましても、府県のあたたかい手もなければこの不況を乗り切ることはできない。ところが、通産省が計画し、業者だけは知っておりますけれども、府県の負担というものを組んでおきながら、何らの連絡もなしにやっておられるというところにその混乱が起きておる。これなんかはその著しい例じゃないか、かように考えております。そういった意味から、今後とも私たちは府県そのものに商工行政に対する指導監督的、育成的行政組織といいますか、能力を与えると同時に、これに対する財源等も付与していくという姿で、今後積極的に取り組まなければいけない、こう考えております。  今度変えられますいまの信用組合の問題にいたしましても、そういうふうな意味の前向きな姿勢で府県の自治権限が侵されないように、しかも、行政によりまして一般大衆の思わざる被害を防止するという意味で、もし必要な面がございましたら、大蔵省等がいかなる姿で関与されるか十分考えなければならぬと思いますが、率直に申しまして、各省庁の権限争いと申しますか、組織というものに困難のあることは私も十分承知しておりますが、できるだけ商工行政に対するあり方に、県というものを通じて初めてほんとうにいまのこまかい中小企業の育成ができるのじゃないかという積極的な方向でこれに対処するという意味で、御指摘になりました現在の信用組合制度変更の問題と取り組んで協議いたしたい、かように考えます。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 大臣の当を得た指摘、私は敬意を表するわけです。おっしゃるとおりです。地方自治体に負担だけやらしておいて、実際に決定権は通産局が握っているという幾多の事実がある。中小企業近代化補助しかり。もうこれは、私は商工委員会に十数年席を置いておりまして、ある程度内容を熟知しておるつもりなんですけれども、この点は確かに改めていただかなければならない。もっと地方自治体に権限を委譲して——親しみやすいのは何といっても都道府県であるわけですから、いま大臣、ほんとうに適切な指摘でありますから、その点はひとつ中に入ってもらって積極的に問題の解決に当たってもらうことを期待いたしておきたいと思います。  次に、消防団員の出動手当であるとか、あるいは報償金制度とか、それから非常勤消防団員の公務災害に対する災害補償の問題等々あるわけですが、私はこの消防団員の消防精神というものに対しては非常な敬意を払っているわけです。この人たちがすべて、物質的に手当が多いから少ないからということによって消防精神というものが左右されるものではないということは十分承知しております。かというて、私はあの消防団員の諸君の犠牲的精神には、やはり国にいたしましても地方自治体にいたしましても、これにこたえるものがなければならない、このように思うのです。  ところが、自治省が交付税でもって裏づけをしている、それをピンはねをしている都道府県、市町村があるように私は伺っているわけです。その点、私もいろいろと調査をいたしておりますが、具体的なことはきょうは申し上げません。いずれにいたしましても、いま四十七年度において手当の増額等を考えているようでありますが、この報償金にいたしましても、それから災害の補償の問題にいたしましても、基金でもってこれをやっている。これに国はただ交付税でもって担保しているというにすぎない。これは制度としてはそういうことにならざるを得ないのかもしれませんけれども、私は、国が交付税で担保するということでありましても、もっとこれを増額をしていくということでなければならないのではないか。市町村に対し、あるいは消防協力者に対してあまり多くの負担をしいるということは適当でないのではなかろうかという感じがいたします。そうした国の助成が非常に低いことから、出動手当の問題にいたしましても、あるいは退職報償金にいたしましても、それから災害の補償の国の支給にいたしましても、ほんの少額である、ここに問題があるように感ずるのでありますが、これらの点に対しまして、ひとつ政府の考え方をお聞かせいただきたいと思います。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 御激励を賜わりましてまことにありがとうございます。  消防の充実というものにつきまして、金額で動くものでないから、資質の向上という点から見ましても、やはりそれだけの処置をしなければならないということは当然のことでございまして、私たちもその点については毎年改善の道をたどらせていただいておるのですが、まだ御指摘のように十分でない点もあろうと思いますので、今後ともその改善をはかっていきたいという念願でございます。このために特にことしは特別公務災害に対する分も出させていただいておりますので、ひとつ御審議賜わりたいと思っております。  なお、退職報償金の基金の制度がいま赤字におちいりまして、目下この再建に努力しておるところでございますが、この再建が軌道に乗りましたら、それらも合わせまして今後とも努力いたしたいと思っております。具体的な本年度の措置等につきましては、消防庁長官のほうからお答えをさせます。御了承賜わりたいと思います。

降矢敬義消防庁長官

○降矢政府委員 ただいま御指摘いただきました出動手当につきましては、確かに交付税では昨年七百円から千二百円に引き上げまして、私たち再三これをベースにした手当の支給条例の制定を指導してまいりましたが、まだ区々でございまして、その点は今後とも指導してまいるようにいたしたいと思っております。  今回さらに、出動の回数につきましても、交付税におきまして、この回数を引き上げて、実態に即するように指導、措置をいたしました。しかし、御指摘のように交付税でございまして、これは言うまでもなく一般財源であります。これはやはり一つの基準として、これを目安に条例を制定する、こういう方向でこれに対する出動手当のほうを支給していただくように、さらに強力に指導してまいる所存でございます。  退職報償金につきましては、いま支払い責任はもとより市町村にあるわけでございますが、これは共同で共済制度ということで基金というものを設定いたしまして、三十九年度からやってまいりました。この掛け金の財源はすべて交付税で措置いたしまして、そのまま基金に繰り入れて支払いをしていただいておるわけでございますが、実は、発足してから御案内のとおり退職消防団員の数が年々平均五万人くらいに予想以上に出まして、支払い資金に不足を生じました。それで、再建の段階に入りまして、大体四十九年にはこの支払い資金の不足も解消できる見通しであります。こういう点を踏まえながら、この退職報償金の金額についてもさらに引き上げる方向で私たち検討いたしたい、こう思っております。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 時間の関係がありますから、具体的にお答え願うために私からお尋ねをいたします。  四十七年度出動手当五百六十三円を標準団体にして千二百円に今度するわけですね。そこでいままでの——交付税であったにいたしましても、いま言う千円であるとか千二百円であるとか、標準団体において試算をして交付しているわけですが、これがそのとおりに交付されているかどうかということの追跡調査をおやりになったかどうかということです。そうすると、ピンはねをしているのかしていないのか、より以上出しているのか出していないのかはっきりわかるわけですから、それをおやりになったのか、おやりになる意思があるかどうかという点をお答えをいただきたいということが一点。  それから、消防団員退職報償金制度は、おっしゃるとおり昭和三十九年に制度をおつくりになっていらっしゃる。そして勤続年数によって、一般団員であるとかあるいは分団長とかあるいは副団長、団長という階級によって違っておるようであります。それから、非常勤消防団員等に係る損害補償の基準を定める政令、これによって財団法人消防団員等公務災害補償等共済基金というものができて、両方ともこれから支給していらっしゃるわけですね。ですから、これもまた勤続年数等によって違っている。まあ非常勤でございますから、給料がびしゃっときまっているわけではございませんから、大体日額幾らなんということを一応きめて、その在職年数によってはじいてこの損害補償というものを出していらっしゃるわけでございましょうから、この報償金にいたしましても、それから災害補償にいたしましても、少額であるからこれを引き上げるための措置をお考えになっておられるかどうか、具体的にそれをお答えをいただきたい。  それから消防車等の耐用年数、これは施設として化学消防車であるとかはしごであるとかあるいは無線機、こういうものに対しましては三分の一の補助を出しておるようでありますが、残りの三分の二は自己負担ということになっている。ところが、弱小な地方自治体になってまいりますと、なかなか自己負担ができない。したがって、消防車にいたしましても、具体的に私は長崎の例を申し上げますが、長崎は坂道です。坂道であるのに、十五年たたなければ一台の消防車が配給されないのです。十五年というのは長過ぎるのです。ですから、エンジンが弱くて坂道をのぼりにくい。のぼらない。それだけではございません。結局エンジンが弱くなっているから水が飛ばないのですよ。送水が十分でないから火災が大火になっていくということになってまいりますから、やはりこの耐用年数というものを縮めていくということにしなければなりませんが、これをどう改善をされようとするのか、これは具体的にひとつお答えをいただきたいということです。  それから消防団員運営費が非常に要ります。ところが、分団等は後援会を組織をいたしまして、後援会で金を負担しておりますから、税外負担になります。

田中正巳自由民主党

○田中主査 中村君、時間が過ぎておりますから、簡潔にやってください。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 したがって、それらに対してはこれをどう措置されようとしておるのか、この具体的な問題に対しましてお答えをいただきたい。

降矢敬義消防庁長官

○降矢政府委員 退職報償金につきましては、いま申し上げましたように、掛け金と基金の支払いとの間に資金不足がまだございますので、これの解消をめどにして、大体昭和四十九年にはいまのところ解消できる見通しでありますので、そういう時期に、この退職報償金の金額の引き上げ、あるいは退職報償金を支給するための最低限度の年限の短縮、こういうようなものを考えてまいりたいと思っております。  それから、公務災害補償の金額につきましては、消防団におきましても、公安職の俸給表を団員の階級ごとに当てはめまして、仮定号俸で支給をするということにしておりますが、今回その基礎額を引き上げるという措置を政令で考える考え方をとっております。もう一つは、いままでありませんでした福祉制度としての公務災害補償外科後処置、リハビリテーションの利用等の措置を今度新しく消防団員についても取り入れるということを考えております。第三点は、水火災における非常災害殉職あるいは公務のため傷害をした場合には、さらに公務災害補償についての原則として五割の増加をするという制度を考えております。  それから第三番目の消防団員運営費につきましては、もとより市町村の予算に計上されるわけでございますが、その点につきましても今後さらに十分運営できるように私たち指導してまいる考えでございます。  それから、一番最初に申されました追跡調査の問題でありますが、実はこれは私よりも財政局長のほうがよりいいと思いますが、いまの標準団体を設定いたしまして、それを基準にして、その団体の規模ごとに基準財政需要額を算定するときにその金額をはじいて入れるわけでございまして、それと収入の差額が交付税として交付されます。したがって、その交付されたものが具体的にどういう経費にどう使われたかということは、地方団体の自主的な判断で条件をつけてはならぬということも法律に書いてありますので、私たちその点を追跡調査をして、いいか悪いかということを判断するのは、交付税の趣旨からしていかがかと思っております。そういう考え方はいま持ち合わせておりません。

中村重光日本社会党

○中村(重)分科員 では、時間がありませんから、これでやめます。あらためてまたお尋ねすることにいたします。

田中正巳自由民主党

○田中主査 堀昌雄君。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 最初に、現在第六次選挙制度審議会で選挙区制等について審議が進められておるようでありますが、どうやら大体大詰めに来つつあるように承知をいたしておるわけでありますけれども、自治大臣は——私、一昨日新聞をちょっと見ておりますと、自民党の赤澤さんが総理にお会いになって、選挙区制の問題について何かお話しになった。ところが、これは赤澤さんの口を通じての新聞の報道のようでありますから、正確のほどはわかりませんけれども、総理は、答申が出れば秋にひとつ臨時国会を開いて、政治資金規正法とあわせて区制を一緒に取り上げてやりたいのだというふうな意を漏らされたというふうに新聞は報道しておるわけですね。自治大臣、御存じであるかどうかは知りませんけれども、これについて自治大臣はどうお考えになっておりますか。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 実は、私もあの新聞読ましていただきまして、私、この間うちから朝わら晩までずっと委員会でくぎづけになっておるものですから、赤澤先生に会うときもなく、具体的に総理からも赤澤先生からもどのようなお話であったかということを承っておりませんので、答弁いたしかねますが、私も一日も早く審議を進めていただきまして——御承知のとおりあれは衆参両院を通ずる根本的な改正ということになっておりまして、現在進ませていただいておるのが衆議院の区制の問題であろうと思いますが、定数是正の件等も、これとあわせて出すという姿にいま御審議を進めていただいておりますので、その意味からも、中間答申というふうな形になるかもわかりませんけれども、できましたなれば衆議院に対する御意見ができましたら、それだけでも早くいただきまして、それにあわせまして、いま赤澤先生の口を通じて出ましたような問題、定数の是正も含めまして、答申の結果によりましてどういうふうになりますかわかりませんけれども、処置をいたすような道を考えなければいけない、このように受け取っております。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 あなたが総理や赤澤さんのお話を聞いておられなくてもいいわけです。あそこであれだけはっきり一応報道されたことでもありますから、所管大臣であるあなたが、選挙制度審議会から、答申の形か中間答申の形になるか私もよくわかりませんが、何らかのものが出ましたら、総理は臨時国会を開いてでも政治資金規正を含めてやりたいのだというふうに言われていることは、私はたいへんけっこうなことだと思います。ですから、ひとつそういうことは、答申が出れば次の通常国会までということでなしに、事務的にもそういう態勢で進めて、ひとつ臨時国会に——私も当然これは秋には臨時国会を開かねばならぬ情勢がくるだろうと思うわけです。そのためにという意味でなくてもあると思うのですが、ひとつぜひこれは次の通常国会を待って国会に提案するということでなしに、その点を自治大臣としても十分考えておいてもらいたいと思うのですが、もう一ぺんこのことについて……。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 答申の出方につきましては、これは総理の御発言を待つまでもなく、私自身いま中間答申ということばで表現さしていただきましたように、かねがね一刻も早く御方針を示していただきたいということを心の中で考えておったような次第でございます。そのことは、答申が出ましたなればできるだけ早い機会にこれを制度化する、法改正なり、それに持っていきたい、こういう気持ちでございますので、いまの御要望に沿うような線でせっかく努力をさせていただきたいと思います。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 そこで、きょうは少し保育所の問題を取り上げたいと思っておるのですが、保育所というのは、本来は厚生省の児童家庭局の所管の問題でありますけれども、実は、実体としてそれに関係を持っておりますのは地方自治体でありますから、きょうは角度を変えて、地方自治体として、一体現状でこの問題をこのような形で置いておいていいのかどうかという角度でひとつお伺いをしたいと思うわけです。  そこで、憲法六十六条で「内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負ふ。」こういうことになっていますね。このことは、行政権の行使ということは法律に定められておることを内閣は行政権として行使をする、こういうことだ、こう考えておりますが、自治大臣はどういうふうに理解しておられましょうか。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 さように存じます。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 そうしますと、憲法でそういう規定がある以上、当然これは自治大臣としても、それがたとえ厚生省所管であっても、一応それについては責任がある。内閣は連帯して国会に対して責任を負う以上責任がある、こういう認識の上に立ってちょっとお伺いをしたいのでありますけれども、児童福祉法の第三章の「児童福祉施設」というところに、第五十条の十に、都道府県の支弁ということで、「児童相談所の設備並びに都道府県の設置する児童福祉施設の設備及び職員の養成施設に要する費用」というものが規定をされ、五十一条で市町村の支弁として「左の各号に掲げる費用は、市町村の支弁とするとして、その中の二号に「市町村の設置する児童福祉施設の設備及び職員の養成施設に要する費用」こういうふうに書いてまいりまして、第五十二条に国庫の負担というふうにたいへんに明確な規定をして、国庫は、第五十条第十号及び前条第二号の費用に対しては、政令の定めるところにより、その二分の一(第五十条第十号及び前条第二号の費用中、母子寮、保育所、精神薄弱児通園施設、盲ろうあ児施設、虚弱児施設及び肢体不自由児施設の設備については、二分の一乃至三分の一)を負担する。」たいへん明確に法律は規定をしておるわけですね。そうすると、私が前段で申し上げたように、内閣は法律できめられたことは連帯して責任を負う以上は、もし厚生省でそういう不備な予算しかとれてない、そのことによって地方自治体がすでに——これはこの間の厚生予算の中で、わが党の細谷委員も触れておるわけでありますけれども、非常に多くの超過負担を求められるということになれば、これについて自治大臣は責任があると私は思うのですが、一体これはどうすべきだと自治大臣は考えておりますか。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 憲法で定めておりますところの、内閣は連帯して国務大臣という立場に対して、全般の行政について、私自身責任を持たなければならない、こう思っております。同時に、保育所行政、これは主管行政は厚生省でございますが、いま法律にも示されておりますとおり、これを実施するのは地方自治体であるという意味からは、連帯で責任を負うという以上、私は所管ではございませんけれども、こういった施設のあり方の問題については、自治大臣という立場において、市町村がこれを施行するという立場において責任を感じなければならぬであろう、こう思っております。今回の予算編成に対しましても、そういう意味におきまして各省に、予算要求をされます時点におきまして、国庫補助率のあるべき姿というものをお願いいたしまして要求をしていただきますと同時に、実際予算の決定にあたりましても、これをできるだけ実現していただくようお願いをしてきたところでございます。実際はそのとおりになっていないことは、いま堀委員御指摘のとおりでございます。特にその中でも保育所の問題、知事会もあげておりますとおり超過負担率が最も多い。私のつたない経験からしましても、現在一番大きな超過負担のものになっておりますことは事実でございますが、われわれがやっておった当時、保育所というところは、一カ所つくるのに、そういった法律の規定もなかった関係もありますけれども、予算補助上は三分の一とか四分の一とかにきめられておりながら、実際には五十万円あるいは七十万円、まあ今日の相場にいたしましても、せいぜい五百万程度の額しか渡っておらなかった。つかみ金的な奨励補助にすぎなんだというのがその実態でございまして、これらの実態を改めなければならぬというので、厚生省も逐年努力をしていただきまして、保育所の補助金に対しましても毎年ここ二、三年来単価が上がっておりますことは事実でございます。しかしながら、いままだ御指摘のような姿である。まだそこまで完全にいっておりませんことも事実でございます。今後とも努力をいたしたい、こう申すよりしかたがないのでございますが、私が前の中村委員にも答えたとおり、超過負担という問題、これは前にも問題になりまして、四十三年度におきまして調査をいたしまして、その結果計画的に四十六年度まで処置してまいりました。しかしながら、その間における物価の上昇あるいは事業量の増加等によりましてまたまた超過負担というものが生じたのは事実でございますので、今回の予算編成にあたりまして、大蔵大臣と特にこの点を話し合いまして、根本的に各省の協力を求めて調査をして、これが現実面に実行できるように、その調査を待って進めてまいりたい、本年はとにかく単価是正についてはそういうようなことも含めて御配慮賜わりたいというところから、小学校の補助率の引き上げとか幾分か改正をしていただきましたのもその意味でございましたが、今後、調査の結果を待ちまして、私たち十分この超過負担の解消というものに努力をいたしたい。  超過負担の中には、これは標準単価を含めるのでございますから、より以上にぜいたくなものを建てるという姿の超過負担もあり得る、これも事実でありましょうけれども、少なくとも標準単価が、実情に合ったところまでの予算措置ができるまでは、毎年このようなことが叫ばれないように抜本的な対策を講じるための手を打ちたい、かように思いまして、せっかく調査を約束し、予算にまで置かしていただいておりますので、そこの問題と取り組みたいと思います。今後とも御鞭撻をお願いしたいと思います。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 実は、超過負担というのは、要するに負担のほうが主体になっておりまして、超過分が少なければ私は超過負担だと思うのですね。ところが、負担のほうがごく少しで——大体が超過負担というやつは、私は超過負担ということばに当たらないと思うのです。そのことばから改めなければいけない。超過負担というふうに言わせてもらうなら、六〇%は出しました、残りの四〇%が出ていないから超過負担だというならまだ私はわかりますよ。この保育所の問題は、そんなところまでいっていないんですよ。あまりひどいので、私は一ぺんこの問題は取り上げなければいけないと思って、保育所のほかの問題もあるからきょうは取り上げたわけですが、厚生省のほうからちょっと聞いたところによれば、たいへんたくさん希望があるものだから、与えられておる予算の範囲内では一定限度を区切って処理をしなければならぬというふうに聞いておるわけです。いま保育所をつくりたいといって昭和四十六年なら四十六年でけっこうですが、最初に手をあげたものは一体何施設あるのか。そこで補助金がついたのは何施設、補助金がつかないのでやめたのが何施設、補助金がつかないけれども、その他の自転車振興会であるとかあるいは船舶振興会とかそういうようなところからの資金その他をもらうことによってやったもの、要するに補助金なしで保育所を建てたものは一体どのくらいあるか、ちょっと答えていただきたい。

松下廉蔵厚生省児童家庭局長

○松下政府委員 昭和四十六年度におきます国庫補助の協議個所数は約千二百カ所でございます。これは公立のみならず私立も含んだ数でございます。それに対しまして、補助金を出しましたのが五百十八カ所、それから実際に設置されました個所が七百四十三カ所でございます。したがいまして、約千二百でございますから四百五十カ所あまりが次年度に繰り越しされる等の措置をとられたというふうに考えております。それから七百四十三カ所から五百十八カ所を引きました二百二十五カ所でございますが、それだけの個所の方がいま御指摘のようないろいろな方法をもって、いわゆる自力で建設していただいている、そのように考えております。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 いまの二百二十五の中に地方自治体のは幾らありましょうか。

松下廉蔵厚生省児童家庭局長

○松下政府委員 申しわけございませんが、いまちょっと手元に数を持っておりませんので、お許しをいただきたいと思います。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 私も自分のところちょっと調べてないのでわかりませんけれども、この法律によりますと、要するに法律で頭からぱしっと県なり市町村のつくったものの費用は県なり市町村の費用の負担である、支弁すべしとまずきめてあるわけですね。そうしてあとは国庫が負担をする、こう割り切ってありますから、私はもし二百二十五の中で公立というか自治体立のものがあれば法律違反が起きておると思うのですよ。率直に言って法律違反が起きている。内閣が国会に連帯して責任を負っておる以上、現実に法律違反が起きておるような予算を国会として通すわけにはいかぬと思うのですね。これは重大な問題ですよ。要するに、法律の定めた範囲内においての処理がされておるというのならわかりますよ。少なくとも二分の一が足らないという話ならそれはまだわかるのです。ところが、一文も負担をしないで地方自治体が建てていることになったら、この部分は明らかな法律違反で、そういう予算を組んだ政府は国会に対して連帯して責任がある。これは私のほうでは総括の中で、私がここで取り上げたあとで重大な問題として、四十七年度予算で法律違反をおかした予算をそのまま見過ごすわけにはいかぬぞ、こういう重大な問題になると思っておるわけです。自治大臣、これについてはどうお考えになりますか。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 いま厚生省資料を持っていないそうでございますが、どういうふうな運営をやっておられますか。私もいま申しましたように責任はございますけれども、詳細ちょっと存じ上げておりませんので、厚生省の意見を聞いて答えさせていただきたいと思っております。

松下廉蔵厚生省児童家庭局長

○松下政府委員 ただいま先生御指摘の点、児童福祉法の運営の担当者といたしまして、法律を厳格に解釈いたしますと、御指摘のような問題もあろうかと存じますが、先日来ほかの先生方の御質問にも厚生大臣からお答え申し上げておりますように、保育所につきましては、従来非常に御要望が多かったために、かなり固定した額で補助金を算定するということがかなり長い間続いておりました関係で、現在低くなっておるという経過を申し上げたわけでございまして、現在でもそういうふうに要望が多いから、少しずつ低く押えるという趣旨ではないのでございます。ただ、現実の問題といたしましては、いま申し上げましたように非常に御希望が多いということで、いろいろな地域の情勢と保育所の実情といたしましては、地域によりましてかなり普及率の高いところとなお普及率のおくれておるところがございます。私どもも保育行政の立場から申しますと、できるだけそういう普及のおくれておる地域、保育にかける人の多い地区に優先してつくっていただきたいという考え方がございますために——法律の規定といたしましては、御指摘のように地方公共団体に対しましてはこれは義務負担でございます。一方、私立の施設につきましては予算補助というたてまえをとっております。しかし、保育所の運営につきましては、公私ともこれは都道府県知事の認可のもとに、市町村長が保育にかける人を委託する、それに対して措置費を出すという意味では何ら変わらない運営が行なわれております。したがって、はっきり申し上げますと、公立の御要望のありますところでしかも比較的普及率の高いところと、それから私立ではあるけれども普及率の低いところで、どうしても優先順位が高いというような事情もございまして、そういった点を勘案いたしまして、多少普及率の低いところから優先して国庫補助を考える、国庫負担を考えるというような運営をとってきたわけでございまして、法律問題といたしましては御指摘のような問題があろうかと思います。四十七年度以降におきましては、できるだけそういう問題がないように改善を進めてまいりたい、そのように考えておる次第でございます。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 いまあなたのおっしゃったのは政策論ですから、政策論はわかりますよ。政策論はわかりますが、法律は法律なんですよ。要するに、法律の厳格な執行を政府は憲法によって義務づけられておるのです。それならば、予算の範囲内において二分の一なら二分の一、三分の一なら三分の一を補助すると書いてあるのならば、私はそうとんがらがってものを言うつもりはないわけです。私は本来大蔵委員会所属ですから財政専門です。だから少なくとも財政に関する問題では、法律できめたらきめたことをやらなければいけないというのが財政のたてまえなんです。それを今日までこうやって放置をして、私も気がつかなかった。この間地方議員の皆さんの会合に出席したのです。堀さん、あなた知っていますかと言われて、初めて聞いて、いや、これはひどい、重大な問題だと思っております。大蔵省がことしは昨年に比べて倍くらい予算をつけたのはたいへんけっこうだと私は思っておりますけれども、しかし国民福祉優先という段階に来ていながら、ともかくもある限度で足切りをしておいて、それだけで、ある特定のワクの中だけに与える、あとはゼロだという話です。これは金は行っているかもしれません。さっき私が触れたように、自転車振興会なり船舶から行っているかもしれませんけれども、法律のこの部分から言ったらはっきり違法ですよ。これは論議の余地はないわけだ。ですから、もう時間もありませんから、予算の総括の中でこの問題については、違法でない予算にするのか、要するに児童福祉法を改正をするのか、いずれかにしなければ、今度の予算をそう簡単に、総括質問をやって、はい二十八日にあげましょうということに私はすべきでない。これほど明確な違法をやっておる以上、予算をきちんとつけて——これから予算をつけますという話になれば別です。予備費でもってあと三十億要るなら三十億出しましょうということなら、違法じゃなくなるわけだ。そこのところがはっきりしなければ、四十七年度予算というのはそう簡単にあげさせるわけにはいかないと私は思っておるわけです、話の筋道としては。自治大臣、私の言っていることに間違いないと思うのですが、どうですか。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 まさにそのとおりでございます。法律は理想を示しておるものでなくして、守らなければならない現実を示しておる。しかしながら実態がこれに応じてないというのが現状でなかろうかと思います。いまこの法律の所管が厚生省になっておりますので、御議論を聞かれまして、そのような運営ができるように、実情は実情として努力されることを、おそらく担当者から聞かれまして、厚生大臣も御答弁になるだろう、かように考えております。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 これはいま主管大臣おられないところでやっておりますからちょっと無理があるのですけれども、ひとつその点については児童家庭局長、厚生大臣に報告をしていただいて、これは締めくくりの総括があるわけですし、暫定予算もたしかありますね、暫定予算の質疑もありますから、場合によってはひとつ私も暫定予算の質疑に出させてもらってでも、この問題についてははっきりさせたいと思うのです。ということは、いま自治大臣がおっしゃったように、出せないという実情がはっきりしておるのなら、それも一年間出せなかったのじゃなくて、過去何回も出せなかったにもかかわらず、そういう法律を放置していたということに第一点の問題があるわけです。それならば私が言うように、予算の範囲内で二分の一をやるか、そうすれば実際に予算の範囲内で幾つかに二分の一がずぽっといきますね。あと出さなくても、これは法律でそう定めたのだからひとつ地方自治体がまんしてくださいという話になるのです。これは運営そのものがおかしいのです。こういう法律がありながら、二分の一としてきめながら、二分の一でないものをこれまで幾らかに限って渡していたというやり方は、この法律の期待しておることが、法意が行政の中に生かされていないと考えられますので、その点をはっきりしてください。主計局、ちょっと入ってもらったのですが、こういう法律があることをあなた方も承知をしておるのでしょうね、財政当局として。その点はどうでしょうか。

渡部周治大蔵省主計局主計官

○渡部説明員 この問題につきましては、児童福祉法の五十二条で先生がおっしゃるような点があることは承知しております。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 そうするとそれを実行できない予算を組んだことについては、財政当局は責任がある、こう思いますか。

渡部周治大蔵省主計局主計官

○渡部説明員 この問題につきましては過般の……

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 いや、政策論はいいんですよ。法律論ですよ。

渡部周治大蔵省主計局主計官

○渡部説明員 この問題につきましては、過般の厚生省所管の分科会でも問題になりましたのでございますが、いきさつは先ほど児童家庭局長からお話がございましたように、従来基準がありまして……

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 政策はいいんだ。要するに法律論として、これは児童福祉法だけど、法律論としてどう理解しているかということを一言でいい。いまの予算編成のあの形でいいか。

渡部周治大蔵省主計局主計官

○渡部説明員 問題があると思います。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 時間がありませんのでもう一つ。  これは渡海さん、残念ながら私もあなたも兵庫県の選出なんですが、兵庫県の中で具体的な問題が起きているので、ひとつ自治大臣から兵庫県を通じてきちんと指導してもらいたいと思っているのです。実はさっき出た措置費の中に、保育所の医師一人当たり一万二千円の嘱託費が計上されているわけなんです。ところが、兵庫県の淡路島の、これは洲本市もそうなんだから淡路島全体なんで、淡路町だけがどうやら定額を出しているのではないかと思うのですが、南淡町というところでは六千円、緑町では五千円、三原町は五千八百円、西淡町五千八百円、たいへんわずかな嘱託の費用しか払ってないものですから、三原郡のお医者さん全体が、措置費に一万二千円入っているのだからこれを払ってくれ、一万二千円よこせという話をされても、これは保母のほうの給与その他が措置費の中に十分ないものですから、そっちに流用して、先生方のところにお払いしてない、こういうことらしいのです。これまた私、重大な問題だと思うのです。お医者さんを嘱託医として置いといて、年ですよ、よろしゅうございますか、年に六千円というのは月五百円ですよ。いいですか、月五百円で医者を嘱託医に置こうなどという発想が、一万二千円でも問題があると思っているけれども、しかしとりあえずやはりこれはきちんと一万二千円払えぐらいのことは、自治大臣として指導してもらう必要があるのです。これまた、財源がないという話かもしれませんけれども、さっきの十分の八がまだ出ていないということになっているのかもしれないけれども、ここらに非常に問題があるのです。これはほおっておくわけにいかないので、何とか自治省として考えてもらいたいと思うのですが、どうでしょうか。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 措置費のあり方がどういうふうな姿になっておりますか、現実の実情をよく調査いたしまして聞いてみたいと思います。おそらく保育所だけではなしに、ほかの学校とか何かも同じお医者が持っておられるといったようなものと合わせて、保育所の分としてはそうなっておるのかもわかりませんが、全体の分と合わせて南淡町とか淡路町とかいうこともございまして、その上で保育所の分といわれたらこうなんだというふうなことも、地元としてもあり得るのではないかという、これは想像でございますが、いずれにいたしましても厚生省並びに県当局に聞きまして、一ぺん調査した上ででき得る措置をとらしていただきたい、かように考えます。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 一方、学校医の嘱託の関係は交付金の中に入っているんだろうと思うのですね。こっちは措置費だからたてまえは違うでしょう、交付金じゃないわけですからね。当然違うわけで、これは十分の八を国が負担して、あとの十分の一を市町村、あとの十分の一は県が負担するというのが措置費のたてまえですね。これも児童福祉法にはっきり書いてある。何にしても、私は、小学校以後の学校教育も非常に重要であるけれども、同時に保育所の問題は、今日国民福祉を優先するという看板を内閣が掲げておいて、こんなべらぼうな話は私はあり得ないと私は思うのです。ですから、この点は法律違反の問題も含めて、今次の最後の予算委員会の重大課題だと私も思っておりますので、どうしたらいいのか、内閣全体としてひとつ閣議に出していただきたいと思いますが、大臣、どうですか。閣議にこの問題を報告していただけますか。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 私は、厚生大臣にはこの質問がありましたことをよく連絡いたします。(堀分科員「大蔵大臣に言ってもらわなければ困る。」と呼ぶ)その上で、必要とあれば大蔵大臣とも相談させていただきますが、閣議という点につきまして、その上でなお閣議にかけなければいけない問題であるかどうか検討させていただきまして、必要とあれば閣議に出します。

堀昌雄日本社会党

○堀分科員 終わります。

田中正巳自由民主党

○田中主査 貝沼次郎君。

貝沼次郎公明党

○貝沼分科員 初めに自治大臣にお伺いいたします。衆議院の定数是正の問題についてお伺いいたします。  御承知のように、定数の不均衡については世論にも強い不満があるわけでありますが、御存じのように、たとえば兵庫五区の人口十一万人、これに対しまして大阪三区は五十四万人、一対五。国民の声を国会に反映させようとするならば、その発言権は、大阪の場合にはずいぶん封じられておる、こういうような関係になると思うので、これは非常にアンバランスであります。こういうところから、自治大臣はこれについてどのようにお考えか伺います。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 人口の流動化と申しますか都市集中化と申しますか、そういった関係で、定数に対する有権者の数というものが非常にアンバランスになっていることは御指摘のとおりでございまして、これの訂正を早急に行なわなければならない事態であるということは、御指摘のとおりでございます。ただ問題は、定数を現在の選挙区ごとに人口によりましてバランスをとっていくということにいたしました場合、現在の総定数をどうするか。いま御指摘になりました兵庫五区は三名区でございます。これを減らすことによって、総定数はある程度の数にとどめておきながら定数の是正をはかるという方法も一つのあり方であろうと思いますが、現実に三名区でございまして、しかもそれを一名減らした二名区にするということは中選挙区でなくなる。それではよその区にひっつけたらいいじゃないかということでございますが、兵庫五区をどこの地区に合区するかということになりましたら、おそらく裏日本と表日本、そそれこそ民意が反映されない選挙区がつくられるという姿になります。そうなりますと、その兵庫五区を基準に置いて定数の是正をしていくということになりましたら、相当数の増員をしなければならない。そうなりましたら、総定数をどこへ持っていくのがよいのかということも一つの考え方になってくる。  たまたま現在、選挙制度審議会におきまして選挙の根本的な御審議を願っておるのでございまして、いま申しましたように、定数是正そのものが直接総定数並びに区制の問題、これら抜本的な改正につながってくるものでございますから、この抜本的な改正とあわせて御解決を願うという姿で、いま選挙制度審議会で鋭意努力をしていただいておる最中であります。この答申が出ましたら、さっそく答申の結果によって処置をしなければならぬ問題である、このように考えております。

貝沼次郎公明党

○貝沼分科員 ただいまお話がありました第七次選挙制度審議会、この委員の間では、この定数是正については国会でやればよい、審議会としては区制のみに限定すべきであるといって定数是正について審議してない、こういうふうにいわれておりますが、これはいかがですか。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 それは、私もこの問題が議論されましたときに審議会にたまたま出席いたしておりましたが、いまの御見解のような姿でなくて、これは切り離してこの問題だけを特に取り上げろという意見と、これは一貫してやるべきである、抜本的改正にあわせて検討すべきであるという意見と、二つに分かれました。そのとき特別委員をしておられます議員さんの多くは、切り離してやるべきであるという意見が多かったものでございますから、やりたいというなら、それは国会が権限を持っておられるのだからやられたらよいでしょう、これは学識経験者である委員も、大多数でございましたが……。私たちは一貫してやるべきである、こういう意見でございまして、これはわれわれはやらないから、この問題は君たちかってにやれという意味の決ではなかった、こう受け取っておりますので、御了承賜わりたい。

貝沼次郎公明党

○貝沼分科員 いろいろ伝えられるところによりますと、今年の秋かあるいは来年の春には総選挙が行なわれるのではないか、これは大体常識的な見方になっております。したがって、定数是正をほんとうにやるのであれば本国会でやらなければならないのではないかと思いますが、この点はいかがでしょうか。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 解散の時期等につきましていろいろいわれておりますが、今国会でやらなくちゃ次の選挙に間に合わないかどうかという点につきましては、これは周囲の状況をながめてきめるべきものでなかろうか。そんなことも踏まえながら現在の審議会でも御審議を急いでいただいておるというのが実情でございますので、私といたしましては、審議会が一貫してこの問題を取り上げて御研究賜わっておる結果が一日も早く出てきますのを期待いたしておるというのが現状でございます。

貝沼次郎公明党

○貝沼分科員 そうしますと、もしも早く見て秋であるとするならば、この定数がいつまでにできておれば選挙をする場合に間に合うのか、この点はいかがでしょうか。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 仮定の問題でございますのでお答えしにくいのでございますけれども、日を切って言うことはできませんが、次の選挙の前までには定数是正を行なった姿で、民意にこたえられる姿で選挙が実施されますように私も努力をいたしたい、かように考えておるということだけお答えさせていただきたいと思います。

貝沼次郎公明党

○貝沼分科員 それから、もう一点お尋ねいたします。  今国会に政府は政治資金規正法は提出するのでしょうか。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 御承知のとおり、選挙並びに政治浄化という意味から政治資金規正法をぜひとも実現しなければならない、これはもう変わらざる方針でございます。しかしながら、このために過去三回にわたり提案させていただきましたが、実現を見なかったというふうな過程もございますので、今度出します以上は、実現可能な成案を得るということが最も必要でなかろうかと、との問題に取り組んでおるような次第でございます。また、政治資金というものも選挙のあり方というものに関連する点も多々ございますので、幸いいま申しましたように制度審議会でこの抜本策、しかも金のかからない選挙のあり方という方向のもとに御審議賜わっておりますので、これらの推移をながめながら成立可能な案を得るよう検討をいたしております。その案を得次第提出させていただきたい、このように考えておるのが現在の実情でございます。

貝沼次郎公明党

○貝沼分科員 案ができ次第ということは、今国会には間に合わせるつもりですか。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 できればいま申しましたように、現在の審議の状態を勘案しながら、成立可能と各党の合意が得られるような案ができ次第出させていただきたいということでございますので、この国会に限定されましてお答えすることは私いまちょっといたしかねますので、御了承賜わりたいと思います。

貝沼次郎公明党

○貝沼分科員 もしも今国会にこれが出ないとしますと、いよいよ佐藤内閣はとうとう最後まで出さなかった、こういうことになりますね。したがって、佐藤内閣の最後の仕事として、これはやはりきちんと出すべきだと私は思います。この点についてお尋ねします。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 佐藤内閣がいつまで続くかどうかということは、これは仮定の上でございまして、この国会に出さなんだらもう出さないのだ、いまこういうお尋ねでございますので、ちょっと私も答えかねますが、総理も予算委員会におきましても本会議におきましても、私がいま述べましたようなお気持ちで答弁をされておりますので、いま貝沼さんが言われましたこと、はたしてそうなりますかどうか、私にはわかりかねますので、お答えすることはできないと思います。

貝沼次郎公明党

○貝沼分科員 それからもう一点。これは技術的な問題でありますけれども、過疎債の問題をお尋ねいたします。  最近といいましても昭和四十五年から過疎債が設けられておるわけでありますが、地方に行きますと過疎債がせっかくついているにもかかわらず、実際額が決定するのが非常におそくなっておる。大体十月の中ごろから十一月ごろになっておるという話を聞きます。そういうところから、過疎地というのはかなり山の多いところだし、また雪の降るところも多いわけでありますから、いよいよ使えるときになって雪が降っていたのでは非常に困る。こういうようなところから、もっと過疎債の使える日数というものを早くしてもらえないか、こういう意見が非常にたくさんあるわけでありますが、この点についてはどのようにお考えでしょうか。

鎌田要人自治省財政局長

○鎌田政府委員 過疎債の許可につきましては、私どものいわゆる業務の進め方といたしましては七月中旬にはワク配分で各県に渡して、県では市町村ごとに事業を張りつけまして、それを七月中にはおそくとも持ってくる、それできめてやる、こういう実は予定で進めておったわけでございますが、御案内のとおり過疎債は非常に評判がいいものでありますから、各市町村とも非常に要望が多うございます。それで実は四十六年度は二百四十億当初予定いたしておりましたのを二百八十億までふやすということがその中に入ったものでありますから、御指摘のようにおくれました。ひとつ四十七年度からはそういうことのないように、おっしゃるとおりでございますから、できるだけ早目にきめてまいりたいということで、私も努力いたしたいというように考えております。

貝沼次郎公明党

○貝沼分科員 早目にきめるということを努力するのはわかりました。それで技術的に、大体何月ぐらいならできますか。あるいはそういう手続上の問題でどうしてもそれだけの時間がかかるというならば、それ以前に何とか方法をとって具体的な仕事というものが進むようにしていかないと、結局その間私は、一〇〇%空転ではありませんけれども、非常にもったいないような気がするわけです。この点をお願いします。

鎌田要人自治省財政局長

○鎌田政府委員 実はただいま申しましたように、過疎債はワクで配分をする、そのワクの配分のしかたにつきまして、ある意味におきましては非常に新しい試みでございますものですから、実は私どものほうと大蔵の間でいろいろと試行錯誤がございましたが、大体ルールとして固まりつつあると思いますので、おそくとも私どもいま申しましたような七月から八月というところに一つのめどを置いて促進をはかってまいりたいというふうに考えております。

貝沼次郎公明党

○貝沼分科員 その点よろしくお願いいたします。  それから次の問題は、コンビナートのある場所における防災の問題でありますけれども、これは去年も私は分科会で実は取り上げて議論したわけでありますが、最近の工業の発展に伴って消防体制とかあるいは防災体制というものが着々と進んでおるかというと必ずしもそうではない、こういう気がするわけであります。消防白書にも、石油化学工業の急速な発展とともに各地にいわゆる石油コンビナート地帯が形成されている、これらの地区において陸上施設または油タンカーの火災等が起こった場合には、大規模かつ特殊な態様の災害となる可能性が大きいというふうに指摘されております。したがって私は、ここでお尋ねしたいと思いますが、現在の  コンビナート付近の防災体制というものははたしてこれでよいものかどうか、この辺の判断でありますが、初めに海上保安庁のほうから、それから消防庁、両方からお願いいたします。

貞廣豊海上保安庁警備救難部長

○貞廣説明員 たとえば、瀬戸内海に一つ例をとってお答えいたしたいと存じます。  先生がおっしゃられますように、瀬戸内海にはいろいろなところにコンビナートができておりますが、そこにタンカーが入っていくわけであります。その大きなタンカーが何か事故を起こしたら、まず油を流すということ、それから火がつくということでございます。海上保安庁といたしましては、いま瀬戸内に各基地がございますが、そこに巡視船艇八十八隻、航空機七機、これを配備しておりまして、事故がありまして油が流れた場合を考えますと、直ちにこれら船艇、航空機を出動させる。そうしてまずどういう状況か早く確認いたしまして、付近に航行中の船舶に警告を発する、注意をしなさいと直ちに警告を発する。必要があれば、通れないように航行制限とか、関係者、沿岸の住民あるいは漁船等に対して情報を与えまして、そういうことをはかりながら、その事故を起こした船に対しましては流出防止の措置をするよう指導する。なお、海上保安庁の勢力は、その防除について大きな措置を実施する。  今度は火の場合であります。タンカーに火がつくとたいへんでございます。それでいま申し上げましたように八十八隻の巡視船艇がございますけれども、その中でタンカー火災に対処できるものがいま四十二隻ございます。この船にはいつも消防機材を積んでおります。化学消火液等を積んでおりますから、これを直ちに差し向けて消火に当たらせる。この場合におきまして、特にこういう油火災に対しましては、海上保安庁の勢力内ではどうにもなりません。消防庁との協定に基づき、現地現地で、またその協定の、たとえば水島等においてお互いに協力すると言っておりますが、どのような協力のしかたをするかという、具体的な取りきめをいたしております。そうして、さらに民間の企業の持っている消防施設等もフルに活用できるようにするために、それぞれの地元で、たとえば瀬戸内では約十カ所に大型タンカーの事故対策連絡協議会というものをつくりまして、起きたときに関係機関がどのようなことをするか、そのためにどのようなものを、防火資機材等を用意しておくかということもきめておりまして、平素から訓練をしておる。それからさらに、大切なことは事故を起こさないことでございますが、大型タンカーの事故防止のために、たとえば瀬戸内ですと東の明石海峡、あるいは水島方面ですと真鍋島のところから水島へ入っていく小さい水路、これを備讃瀬戸と申しますが、そういったところにはできるだけ大型タンカーの航行予定時刻を通報させ、そして必要があれば、そういう狭水道には取り締まりのための巡視船がおおむね大事なところには一隻おりますから、それらにも連絡をして、必要があれば整理をする、こういうふうなことをして事故の防止につとめておるわけであります。

降矢敬義消防庁長官

○降矢政府委員 コンビナート地帯の防災の問題は企業とそれから市町村、県、海上保安庁が一体となって当たらなければならないわけでございまして、私たち消防のサイドからは、去年、石油コンビナート地帯の防災要綱というものをつくりまして、一つは県の地方防災会議の中にコンビナート部会というものを設けて、要するにコンビナート全体として、いま申し上げたような組織と一体となった災害活動のできるような措置をする。それから具体的には消防と消防同士の協力、あるいは水島と倉敷と岡山の消防協定、あるいは玉野にある海上保安部と水島の相互応援協定、あるいは企業と一体となった相互応援協定、こういうものを結んで訓練をする。同時に、消防の任務として危険物施設については予防査察の仕事がありますので、事前に出火というものを防止するための査察を励行する。こういうことで、機材の整備とともに組織的な防災体制を地元を中心につくるということで指導しておりますし、またそういう体制がだんだんできてまいりました。また県の施設といたしまして、昨年からコンビナート地帯を中心に県が資機材センターというものをつくりまして、そこに消火薬剤あるいは放水砲というような機材を準備いたしておりまして、いつでも地元の消防の方々が使えるような体制を逐次進めてまいりまして、本年度も予算措置として五カ所を予定しておるわけでございます。

貝沼次郎公明党

○貝沼分科員 時間がもうなくなってきましたから結論的に申し上げますけれども、いまずっと話を聞いておりますと、まあいろいろなことをやっております。万全の体制のようでありますけれども、実際は万全の体制ではないと私は思うのです。たとえば、第六管区保安本部のところにある消防艇というのは、少なくとも第六というと広島からずっと岡山にかけて、また四国までかけてあるわけでありますけれども、これに対する消防艇は何隻あるかというと二隻でしょう。船はどれだけ走っているかというと、ものすごい数が通っているわけです。それにもかかわらず、消防体制というのは、消防艇が二隻なんですよ。そこで、企業のほうも手をかしておるようにいまも説明がありましたけれども、企業の出しておる消防艇などは非常に小さなものでありまして、タグボートに消防能力をようやく持たせたというようなものであって、これではもし万一何か起こった場合、実際問題として何も解決されないというのが現状だろうと私は思うのです。そうして、その火がもしも陸にある石油あるいはガスタンクとか、そういうところに引火いたしますと、一瞬にしてあの都市というものは吹っ飛んでしまうわけですから、これはやはり自治大臣、自治大臣も関係がありますから、いますぐにというわけにはいきませんけれども、やはりそういうような時代の変遷とともに状況が変わっておるということも考えられて、今後の対処方をお願いいたしたいと思うわけであります。  それからもう一つは、たとえば消防でありますけれども、消防本部の調べによりますと、消防力の充実、増強というのが出ておりますが、これなども基準から見ますと、施設及び人員というものはほとんど半分ぐらいの状況なんですね。これでは幾ら優秀な消防職員がおったとしても、私はりっぱな消防はできないと思うのです。こういうところから、自治大臣は特に消防方面に力を入れていただきたいと思います。  去年も、たとえば呉におきまして山火事があり、そして何人かの人が殉職されましたけれども、その人に対する賞じゅつ金などを見ましても非常に少ない、交通事故ですら一千万円といわれるのに、こういう人たちの賞じゅつ金というのはいまようやく五百万円、こういう状態なんです。これではりっぱな消防職員がそろうわけもありませんし、また、日本の消防体制というものもいわば徳川時代と幾らも変わらないようなことをやっておるわけでありますから、これでりっぱなことをやれといっても非常に無理だと私は思うのであります。  それからもう一つは陸の問題でありますが、たとえばコンビナートのようなところでは、われわれが普通知らされていないような危険物が運ばれております。一例をあげますと、たとえばアルキルアルミというものがありまして、これはもう空気にちょっと触れただけで燃えます。また水をかけますと爆発いたします。そういうものがタンクローリーに載って国道を走っておるわけであります。まあ国道はまだある程度いいにしても、こういう基地の中にはそういういろいろなものがしょっちゅう通るわけでありますから、これに対する消防体制というものも私はちゃんと考えなければならぬと思います。ところがこのアルキルアルミにつきましては、東京都内に入ったときには消防庁のほうに、ただいま入りますということをちゃんと連絡するようでございますけれども、地方の都市においてはそれすら何もない、こういうような状況でございますので、私は何も陳情めいたことを言うつもりはありませんけれども、ほんとうに日本の消防というものを考えた場合、もっともっと力を入れていただかなければならないという立場から、実はきょうの質問をしたわけでありますが、これについて自治大臣の感触をお願いいたします。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 科学技術の進歩と申しますか、世の中の生活様式の変化につれまして化学的消防——消防、防災体制もこれに応じていかなければならないと言っていること、御指摘のとおりであります。  石油コンビナート地区につきましては、先般消防審議会からの答申もございまして、新潟地方における苦い経験等を生かしまして審議、答申をしていただき、これに基づいて、昭和四十五年には消防庁長官の通達をもって各県に、あるべき姿と申しますか防災要綱を作成して、鋭意それに向かって努力をしておるのが実情でございます。  昭和四十六年度におきましても、このために、そういった非常時に対するところの資機材を県に備蓄しておくというふうなものに対する補助金の制度もさせていただいたという姿でございます。来年度の予算におきましても、新しく集中都市に対しますところの耐震に対する補助制度の打ち立てというものも、わずかでございますけれども、組ましていただき、いま例にあげられました山岳火災に対しましても、ヘリコプターの試験的実用のための予算も組ましていただいておるような状態でございまして、今後ともその整備のために鋭意努力いたしたい、かように考えております。  なお賞じゅつ金の件につきましては、御指摘のとおりでございますので、今国会におきましても、警察官とあわせまして、特別ほう賞金制度という法案を御審議賜わるように目下準備を進めておりますので、よろしく御審議賜わりたい、かように存じております。  危険物の輸送についての問題、東京都に入るまでは何もないということでございますが、いま例にあげられましたようなものに対しましては、そんなことでは、私たちが承知しておるところでは、これは通過地点それぞれに通知しなければならないという点、実際いま御指摘になられたことを聞いておりますと、おそらくその私たちの通知が実例として行なわれていなかったのじゃないかと考えますが、そんなこともなかろうと思いますので、後刻調査をいたしまして、万全を今後とも期していきたいと考えております。

貝沼次郎公明党

○貝沼分科員 終わります。

田中正巳自由民主党

○田中主査 細谷治嘉君。

細谷治嘉日本社会党

○細谷分科員 私は、沖繩の財政問題の若干と、税制について御質問申したいと思います。  最初にお尋ねしたいのでありますが、今度自治省の御努力にもよりますけれども、臨時沖繩特別交付金というものが三百六十五億円計上されております。ふしぎなことは、国の予算が一月の四日かに大蔵原案が発表されまして、十二日の閣議決定を見るまでに復活折衝が行なわれまして、この部分だけが大蔵原案からへっこんでいるわけですね。あとは全部ふえているわけですよ。どうしてへっこんだのか、簡単にひとつ御説明いただきたいと思います。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 これはおそらくいまの四月一日復帰ということを目標に示されました内示が、五月十五日になったということによりまして、金額がそれだけ減った、したがって内示の額よりも少なくなるという姿になった、こう考えます。ほかのものはみなふえたにもかかわらず、これだけが減っておるじゃないかという分は、それだけ煮詰まった数字である程度折衝しておりましたから、内示されたためにそうなったんじゃないか。もう一つは、ほかの部面におきましては、予算の内示の性格によりまして、五月十五日、十二分の十・五ですか、そういう姿で計算しなくてもよいというふうなものもございまして、そうなったんじゃないかと思いますが、直接の原因はそれだけ期間が少なくなったという点で内示の額と違っていたというのが実情でございます。   〔主査退席、西宮主査代理着席〕

細谷治嘉日本社会党

○細谷分科員 これをずっと質問するつもりじゃありませんけれども、大体原案というのは四月一日じゃなくて、六月一日を想定して沖繩の予算は組んだんじゃないですか、四月一日ですか。——私の計算、違うかどうか知りませんけれども、三百七十かける十二分の十・五ではこうならぬですよ、これ。こうなりますか。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 当然三百七十に対するなにでは、その数字にならぬと思います。またそれから、三百七十から十二分の一〇・五に組んだ額だと大蔵省は要望した。大体三百七十そのものが少ないんじゃというふうないろいろ査定期間における事務的な折衝もございまして、落ちついたところが三百六十五億という数字でございまして、内示額より少なくなったという点はいま申しましたような説明でございまして、三百七十億そのもの、内示額そのものできまったというものではございません。

細谷治嘉日本社会党

○細谷分科員 この問題については、大臣はじめ財政局長あたりがずいぶんやりとりがあった。あとでこれは質問していくわけですけれども、この前提というのは五百十億というのが出ておるわけですね。五百十億というのはおかしいじゃないか、私はこれもまたさらに、五百十億はおかしいということを質問していきますよ。しかしこの減らされた一これは新聞等では内示がありましてから、三百七十億出ておるけれども、あと最終的には十億ぐらい加えるんじゃないかというのが新聞だったんです。ところが、大蔵大臣がサンクレメンテから帰ってさましたら減っておるんですよ。減っておるのはこの部分だけだ、あとは全部ふえておるわけです。そこで五百十億というのは沖繩が五月十五日に返ってくるんだから、五百十五億にしたほうがいいんじゃないかというやりとりまであったという話も聞いておるんですよ、事実かどうか知りませんけれども。五月十五日に帰ってくるならば、これが今後基礎になっていくんならば、ちょうど五百十五億にしておけばいいじゃないかという議論が、大蔵と自治省の間でやりとりされたということも聞いておるんですよ。なるほど五月十五日、その基礎になる五百十五億、ちょっと数字が覚えやすいから、そういうことも聞いておりました。けれども、どうも内示から査定ということで、五月十五日になったので、ここだけ一カ所——ほかのほうははらまいたわけですから、ここだけ一カ所五億円減らしているというのは、どう計算しても出てこない。しかも十二分の十・五なんというややこしい数字をかけるぐらいの正しい根拠の語る五百十億円かというと、そうじゃないわけですから、どうも私はこの辺が納得いかぬと思うんですよ。財政局長、どうですか。

鎌田要人自治省財政局長

○鎌田政府委員 これは語れば長い話でございますけれども、予算査定の段階でございますし、これはもとより要求する側あるいは査定する側、それぞれ十分なる根拠をもってやり合うわけでございますが、内示の段階におきましてはいわゆる親金五百十億——ちょっと卑俗な表現を用いて恐縮でございますが、親金という表現を使わさしていただきますが、この親金という額があの段階においてはきまらないまま、三百七十億という内示があったということでございまして、問題は結局この親金として年間どれだけ要るんだという額をきめる、それに対しまして十二分の十・五プラス期末手当の分をそこからはじきまして、それの八割——八割、六割、四割方式というのは、実はその前から自治、大蔵両大臣との間の何回目かの折衝の過程でそのルールはきまったわけでございますが、そのもとになる親金、これは私ども六百三十億から実は出発をしたわけでございますけれども、五百十億というこの数字に確定するまでの過程の問題ですが、五百十億に、五月十五日復帰ということで四百五十七億円、それの八割の三百六十五億円という数字が出てきたわけで、たまたまこの結果は、最初のうちの三百七十億円より下回ったのであります。これは私は、五月十五日の復帰がサンクレメンテできまったわけでございますが、それはその後の事態として当然それだけの額が減ることはいたしかたないというふうに考えております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷分科員 その限りにおいては、サンクレメンテの一月七日の会議できまったわけですから、大蔵原案の三百七十億が、一カ月半ばかりあるんだからおそらく五億減るのはしかたがないというのですけれども、何だかいかにも前提のほうが正確じゃないのに、ここにきちんと十二分の十・五なんて掛けるような開きではない。そう思うのですよ。しかしこうきめられてしまったんで、私は五億円のことを言っているわけじゃないんです。そこで私はお尋ねをしたいわけですけれども、遺憾ながら五百十億——この五百十億というのが今後五年間基礎になって沖繩に別ワクで交付すべき臨時沖繩特別交付金という基礎になるわけですが、この五百十億というのが、交付税の伸びにリンクするのか、予算の伸びにリンクするのか、その辺はまだ確定していないようでありますけれども、私は沖繩国会の際に六百三十億というものの根拠、それから十年計画で一割ずつ減らしていって、十年後には交付税に沿っていって、今後は五年後に沿っていって二割ずつ減らしていく。こういう形になったわけですから、それはまあ五年、十年ということで大蔵省との間に結論が出たわけで、いいわけでありますけれども、六百三十億が五百十億になった。五百十億というのは、今後五年間の沖繩の財政の一つの基礎になっている。六百三十億がどうして五百十億になったのかということについて、私は内容を検討いたしますと問題があるというのは、沖繩国会の際に、この六百三十億という基礎から出発する自治省の案に対して、総理府のほうはこれに対して意見があったわけですね。そういう意見の食い違いというのは、予算の編成段階において必ず調整します——その調整しますという結果が、自治省の基本構想に基づいて十年というのが五年になったわけですけれども、その前提になる六百三十億というのが大幅に後退しているわけですね。そこで私がお尋ねをしたいのは、一体どうして今後五年間の沖繩の財政を律するような五百十億というものが、六百三十億から一足飛びになったのか、この辺を簡単に、明瞭に説明していただきたいと思うのです。

鎌田要人自治省財政局長

○鎌田政府委員 これは一つは時日の経過に伴う問題があると思いますのは、実は六百三十億のときの考え方、これは実はいわば沖繩につきましては、調整、かつての平衡交付金的な考え方である程度財政上積み上げていく、こういう考え方で、沖繩については完全に別立ての交付金というものを交付する、こういう基本的な考え方があったわけでありますが、国会方面におきましても、あるいは政府部内におきましても、私どもの意見に対してはかなり強い批判がございました。同じ四十七番目の県に入ってくる、三千何番目の市町村になって返ってくるのに、交付税の中から出してやるのはいやだという考え方はおかしいのではないかという、非常に私どもからすれば、やや心外な御批判もありました。そこで、その辺のことも私ども謙虚に耳を傾けまして、交付税の中に溶かし込んでいく、溶かし込んでいく段階におきまして、ある程度全体としての沖繩の交付税の原資というものを考えていかなければいけない、こういうことから考え方の転換をいたしまして、交付税方式に乗り変えていくというところに一つの大きな問題がございます。  もう一つは、特に建設投資の関係でございますが、これは国のほうでかなり大幅な補助負担率の引き上げがございました。私どもが見込んでおりましたのは、実は本土並みの補助負担で地方負担をはじいておったわけでございますが、その分がかなり負担が軽くなったという問題、それからそのほかの経費におきまして、たとえば繰り越し事業というものが最初百二十八億くらいあるんじゃないかと思っておりましたのが四十九億にするとか、あるいは退職手当をキャッシュでやろう、こういう気持ちでおりましたのが、内地並みの退職手当債でもいいじゃないか、そういうことがございましたり、あるいは特別会計に対する繰り出し金あるいは土地開発基金、こういったようなところにつきまして私ども手直しを行ないまして、その結果がいまの六百三十億と五百十億との差に相なっておるわけでございます。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 六百三十億は概算要求でございますから、その当時における可能な概算をしての要求であるということは、もう細谷委員よく御承知のとおりであります。私はこれが査定に当たりましていろいろ折衝いたしましたときに、一番大きかったものはやはり十分の十という補助率、それに期待することは非常にむずかしいのではないかというところから、建設事業に対する負担金、公共事業費というものも六百三十億の中に相当大幅に組んでおりましたが、これが確定するにつきまして減ってきた、これが額の減りました一番大きな理由でなかったか、かように考えておりますので、補足のために一言つけ加えさせていただきます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷分科員 なるほどこの六百三十億というものは、はじき出した際には概算額であって、今後精査、調整で数字が変動する。そのほかに、この建設事業の当時見込んでおりました百三十億というのは、大体半分は単独、半分は公共、国の予算調整等によって地方負担の増減あるいは単独の増減等がある、こういうことはちゃんと付記に書いてあります。総理府との間で意見の食い違いを見たのは、本土並みの地方行政事務の実施に要する経費、これは大体三百億見込まれておるわけですね。それから振興開発その他の建設事業の実施、単独も加えて百三十億、こういうことです。この辺は交付税の計算として総理府も交付税の中で乗せていっていいじゃないか、こういうことで意見は一致しておったのです。  その次の特殊職員、超過職員の給与とかあるいは税制上の特例措置に伴う収入とかあるいは退職手当とかいろいろな沖繩特有のものがある。そういう特有なものは別ワクで考えてやればいいじゃないか、これが総理府の意見だったわけですね。本来交付税に乗せべきものを乗せて、その他のものを特別に沖繩に対して措置すればいいじゃないか、これが総理府の意見だったわけです。自治省のほうは、そういうものも含めて十年間でやはり計画的に解消しようということで、そういう沖繩の特例全部ということじゃありませんけれども、考え得るものをサムアップして六百三十億というのを出したわけです。そこに自治省と総理府との考えの違いがあったわけです。それを交付税に乗せる、基本がきまってしまえば交付税に乗せる、こちらは意見が一致しているわけですから、そこでいま大臣もおっしゃいましたけれども、予想外に補助率が高かったとか、そういうことで減ってきたんだ、それは抽象的にはわかりますけれども、百三十億のうち半分は公共の裏負担、半分は単独と、こういう考えでいった。そのほかにいろんなものを見ますと、どうもその減り方というのが理解できないわけですね。全く理解できない。言ってみますと、本土並みの地方行政事務の実施に要する経費三百億円を除いて、あとのものは込みで、つかみで、どうも五百十億円という数字が出ていってしまった、こういう感じがするわけです。それで私が言いたいのは、そういうつかみ的なものがあるのにかかわらず、最後のところでいかにも正確なように十二分の十・五なんてかけて、例にないような、原案から五億も削るというコースをとったのは問題があるじゃないか、こう言っているわけです。一番発端は、六百三十億円がなぜ五百十億円になったかということについては、いまの説明ではとても理解できない、こういうことなんです。何かございますか。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 まあ結果についてそういう御批判もあろうと思いますが、私も毎年の予算編成にはある程度関与はいたしておりますが、大臣という立場で関与いたしましたのは今回が初めてでございますが、つかみ金のものを内示から五億切り、また規則正しく、十二分の十・五おくれたからといってそういうものを切るのはおかしいじゃないかということでございましたが、結果的にながめましてはそういうふうにながめられるかもわかりませんけれども、予算折衝の過程におきましては、各省できまってまいりますところの経費、また総理府できまってまいりますところの人員の配置あるいはいろいろな措置等を十分くみまして、お互いの主張する数字を億を、台を切ってまでのこまかい数字で積み合わせを行ない、その結果に基づいてできていくという過程でございますので、当然一番大きな要素でありますところの十二分の十・五、これはあり得ることであります。たまたま三百七十億を五億切ったという姿のあらわれで、何で内示額だけ持ってこなかったのだ——むしろそれを持ってくるのでしたら、私が、つかみ金的な要素もあるから、第三者的にながめたら、内示でそれだけ予定したのだからそれだけ出せという努力が足らなんだという意味でございまして、折衝の過程におきましては、それはそれなりに小さく数字をつまみ上げて五百十億というものをつくり上げ、それの八割、それの十二分の十・五という姿で三百六十五億という結果があらわれてきたという姿でございますので、この点は御了承賜わりたいと思います。第三者の目でながめますとそういうふうに見えますけれども、それはそれなりに、数字的に詰めてまいりますときには、どうしても一番大きな要素でありますところの十二分の十・五という分は当然考慮に入れての折衝を行なわなければならなかった、かように考えます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷分科員 大臣、努力されたことは認めますよ。しかし私はどうも六百三十億が五百十億になった数字的な経過を私なりにトレースしていきますと、これはどうも理解できない。これは沖繩の今後にとって、重要な財政上の連関を持ってくるのではないか、これだけを指摘して、いまの御答弁では、努力は認めつつも、納得できないということであります。  これに関連して、その六百三十億円をはじき出した際の前提条件が幾つかあります。前提条件というか、あるいは付帯条件といいますか、そういうものがあります。そのうち、建設事業のものについては別にいたしまして、自治省の資料の注の三の地方道、小中高校用地にかかわる米軍つぶれ地の買収費は別途措置されるものと見て見込んでいない。これは建設省の予算か何かに組まれたのでしょうけれども、どういう具体的な措置がなされておるのか、今後計画的にどういうふうに解消しようとしておるのか、これは建設省ということでは、自治省は逃げられないと思うのですよ。これは沖繩県にとってはたいへんな問題ですから、ひとつ御回答をいただきたい。  もう一つは、琉球政府の一般会計において見込まれている債務の処理については、一九七二年度発行予定の退職手当債等にかかわる地方債の元利償還費、これは十一億円であります、これを除いて、別途措置されるものとして見込んでない、こういう六百三十億のワク外のやつは一体どういうふうに今度の予算で織り込まれ、措置され、今後どういうふうに対処していくことになっておるのか、お聞かせいただきたいと思います。

鎌田要人自治省財政局長

○鎌田政府委員 例のつぶれ地の問題でありますが、これは御案内のとおり国・県有地、復帰後の沖繩県も含めまして国・県有地につきましては、これは建設省のほうで五カ年計画で処置をするということで、それに従っております。  それからそれ以外のもので、沖繩県がたとえば民有地の上に警察署を建てておる、こういったようなものがございます。そういうものにつきましては、いまのこの五百十億の中で、土地を買い取る分ということで三億ほど見込んでおるわけであります。  それから一般会計借り入れ金の実はいわゆる債務引き継ぎの問題でございますが、これは先ごろの沖繩国会におきまして総務長官が再三この点については、復帰後の沖繩県に迷惑をかけない形で努力をするということで非常に努力をされたところでございます。ただ最終的には、既存の債務の中の公共事業分につきましては七割でありましたか、その他の分につきましては半分でありましたか、この分については沖繩県に引き継いでもらう、それに対する元利償還に要する経費というものにつきましては、終局的にこの五百十億の中に六億、明年度分として入れ込んでございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷分科員 明年度としては、建設分については七対三で、県が七割持つ、国のほうが三割持つ、赤字債の分については折半だ、こういうことで、それぞれについて四十七年度に三億と六億、合計九億、これが措置されておるわけです。しかし総額はたいへんな金額を持っているわけですね。おそらく二百億、こういうものを見てこういうかっこうになっているわけですから、今後の計画は一体何年間でこれに対処しようとしておるのですか。

鎌田要人自治省財政局長

○鎌田政府委員 ちょっと担当の部長から申し上げます。

近藤隆之自治省財政局財政課長

○近藤説明員 いずれも政府資金になっておるようでございますので、十年ものと聞いております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷分科員 十年で大体これを解消する、これはこまかい話になりますけれども、かなり大きな沖繩県の負担になっているわけですね。これはずばり言うと、沖繩国会で政府が答弁した内容を私が承知しているものと、この予算措置は残念ながら違うのですよ。政府が沖繩国会で答弁した内容と違うのですよ。違うけれども、ここであまり問いません。問いませんけれども、これはたいへん重要なものですから、大臣、五百十億のほうは別ワクになっていますけれども、今後何らかの形で考えてやりませんと、七割と五割負担するわけですから、これはたいへん大きいと思うのですけれども、この辺はどういうおつもりでしょうか、自治省としては。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 大蔵折衝におきまして、私のところまで上がりまして問題になった一つでございます。私たちは交付税で措置することも国が措置するという意味から、今後とも償還期限に合わせまして、交付税で、措置のしかたは交付税でございますけれども、国の責任において措置するという考え方で、償還期限が参りますその期限に従いまして措置せなければならない。五百十億の中には、いま局長が述べましたように、当然その措置も入れまして五百十億というものをきめさしていただいたというのが実情でございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷分科員 これは五百十億の中に入っているのですか。そうすると、何もかもこれは入れてしまったわけだ。あなたのほうでは六百三十億のワク外に別途解決しようと思っておったものも、それも入れてしまって、何もかもとにかく五百十億の中に入ってしまったということですか。

鎌田要人自治省財政局長

○鎌田政府委員 沖繩の債務引き継ぎにつきましては、私どもも沖繩国会における総務長官の答弁・を伺っておりまして、そういう線で処置をされるということで期待をいたしておったわけでございますが、最終的には政府の意思としてそういうことできまったわけでございますので、これはいさぎよく臨時沖繩特別交付金の中に取り込むということで処理をしてまいりたいということでございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷分科員 いよいよ残念な結果なんです。不満な結果なんですが、そこでお尋ねをいたしますけれども、四十七年度からずっと今後かなりの額、たとえば四十七年度で県の負担というのは幾らになるかといいますと、大体六億と九億でありますから十五億、この分だけ県費の負担が要るわけですね。これは三百六十五億円の中にことしは八割ですけれども、来年は六割になる。臨時特別交付金というのは二割ずつ減っていく、そして今度は交付税のペースが二割ずつふえていくわけですから、そうなってまいりますと、これはまた、見てやるというけれども、非常にむずかしいのじゃないかと思うのですよ、大臣。そういういきさつで、今後見てやるとするならば、やはり地方負担分については、そういうことで交付税で補てんするという姿はよろしくありませんけれども、沖繩の特殊事情にかんがみて、この負担については、単位費用一〇〇%見るなんということはできませんが、普通交付税の段階なり特別交付税の段階なりでこれは完全に見てやるというのが、政府の沖繩国会等の答弁からの責任であろうと思うのですけれども、この点をちょっとお伺いしたい。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 この点は、前に申し上げましたごとく、手段としては交付税で行ないますが、国の責任において措置するということについては、いま御指摘のとおり完全に見なければならないと私も考え、今後ともそのような方針で進みたい、かように考えております。

細谷治嘉日本社会党

○細谷分科員 沖繩なんということになりますと、予算委員会でも具体的な財政問題というのは議論するのがなかなかむずかしいしするので、あまり話が出ないようでありますから、ややこまかい話で恐縮でありますけれども、今後責任を持つのはやはり何といっても自治省だろうと私は思いますから、ひとつ質問をしていきたいと思います。  今度五月十五日に復帰してまいりますと、沖繩の税制というのはたいへんな変化が起こってまいります。いままでは沖繩の県民の方々は、自分の納める税金は政府税と市町村税とを納めていればよかったわけですけれども、今度は国にも納めなければいかぬ、沖繩県にも納めなければいかぬ、住んでおる市町村にも納めなければならぬ、こういうことになるわけでございまして、お尋ねいたしたい点は、沖繩県民の負担というものは、特例措置、経過措置等も踏まえて、四十七年度は国税、県税、市町村税を加えて負担が増高するのかどうか。その場合に、本土法そのものに乗っていきませんで、五カ年で乗っていくわけですけれども、それがどういうかっこうで、五カ年後に経過措置がない場合、経過措置がある四十七年度の場合、どういう関係になっているか、おわかりになりますか、ちょっと御説明いただきたいと思うのです。

佐々木喜久治自治省税務局長

○佐々木(喜)政府委員 昭和四十七年度の沖繩の税制は、国税、地方税を通じまして、復帰に伴って税負担がふえないようにということを原則にして特例措置等を講じておるわけでございます。そういうことで、たとえば昭和四十七年度の地方税の関係を見ましても、本土法による税収入を見積もりますと約百三十三億でございますけれども、特例措置を講じたことによりまして、八十四億九千八百万という収入見込みになってまいります。それに今年度の地方税の改正に伴いまして約一億五千万程度の減税措置が講じられるわけでございますので、大体収入見込みとしましては八十三億四千三百万というような形になるわけでございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷分科員 いまのお答えで、本土法がそのまま適用されると大体百三十三億、経過措置が行なわれる初年度では八十五億程度だ、したがって、全体としては四十八億、五十億近い経過措置による減税あるいは減収、こういうかっこう、県民にとりますとそれだけの負担減、こういうことが起こっているわけです。  さらにお尋ねいたしますが、この内訳として、沖繩県と沖繩の市町村との八十五億の内訳というのは、県のほうが四十九億ばかりで、市町村が三十六億ばかりだと、こういうように伺っておるのでありますが、それでよろしいですか。

佐々木喜久治自治省税務局長

○佐々木(喜)政府委員 そのとおりでございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷分科員 財政局長、交付税の計算で、三百七十五億のほかに二割に相当するものが交付税計算をされるわけでありますけれども、その交付税計算というのはどういうふうになさるのですか、原則的なやり方をお聞かせいただきたい。この税との関係等もにらみ合わして、基準財政需要額というのをどう見るのか、基準財政収入額はどう見るのか、こまかいことを言っていると時間がありませんから、基本だけをお示しいただきたい。

鎌田要人自治省財政局長

○鎌田政府委員 沖繩の県及び市町村に対しまする基準財政需要額の計算は、原則といたしまして内地の交付税の基準財政需要額の計算の方式にそのまま乗るわけでございます。その場合に、単位費用の数値等につきまして、たとえば道路の整備がおくれておる、こういったようなもの等がございますので、そういったものにつきましては適宜調査を別個にしたものを使う、こういったような形で積み上げてまいりたい。それから先ほど申しましたような六億等も含めまして、基準財政需要額をはじきます。大体現在私どもの段階で試算をいたしておりまする数字、若干の変動があることをお許しいただきたいと思いますが、数字が動くことをお許しいただきたいと思いますが、県の基準財政需要額といたしましては大体三百二十五億程度、それから市町村の基準財政需要額といたしましては百七十五億程度、それから基準財政収入といたしましては総額七十億でございまして、県で四十億、市町村で三十億、差し引きいたしまして、交付基準額といたしましては普通交付税で県が二百八十五億、市町村が百四十五億、現在のところでこういった試算の結果をはじきだしております。それに特別交付税等を含めまして、県で二百九十八億、市町村で百五十九億、合わせて四百五十七億、こういう数字に相なろうかと思います。

細谷治嘉日本社会党

○細谷分科員 それはこの三百六十五億円とは関係なしに、いまおっしゃった数字が沖繩に四十七年度の交付税として大体いく見込みだ、こういうことですね。

鎌田要人自治省財政局長

○鎌田政府委員 三百六十五億は一いま申しました四百五十七億は、ちょっと前後いたしますけれども、先ほど申しました親金が五百十億、それを十二分の十・五いたしまして、ちょっとこまかいところございますけれども、五月十五日以降の分としては四百五十七億、それが四十七年度としては沖繩にいく、こういう前提ではじいた数字でございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷分科員 これ、ひとつあとで整理して資料としていただきたいのですけれども、よろしいですか。

鎌田要人自治省財政局長

○鎌田政府委員 ただいま申しましたように、交付税の計算、これからやるわけでございますので、資料という形で、動かない形でいま出しますことは、私、職掌柄ちょっとぐあいが悪うございますので、個別的にひとつ御説明をさせていただきたいと思います。

細谷治嘉日本社会党

○細谷分科員 要するに、見込み額という形でひとつお願いしたいと思います。そこで、まだいろいろこまかいこと聞きたいのですけれども、時間がありませんからこの程度にいたします。  そこで、大臣、沖繩の県というものができるわけです。いまは自治体がないわけですね。したがって、これから沖繩県というものをつくっていかなければならぬ。沖繩の県民というのはやはり沖繩の自治権というものを強く主張しておりますし、当然なこととしてやはり自治省としては、沖繩の地方自治というものの健全確固たる基盤をつくり上げていくというために協力をしなければならぬわけでありますけれども、今度の予算を見ますと全体として二千二百二億、まあ沖繩にはずいぶん予算がついたように感じるわけでありますけれども、中を洗ってみますと、防衛庁とか外務省関係、防衛関係費が二百八十六億です。   〔西宮主査代理退席、主査着席〕 それからその他の経費の中に、沖繩返還協定特別支出金というわけで。沖繩県民の見ることのできない札たば三百八億というのがあるわけですね。こういうものを見てみますと、私がずっと拾ってみたところでは、沖繩の県民の手に渡るのは、二千二百億の予算のうち、沖繩の振興に関係するものというのは一千二、三百億円程度にしかならないと思うのであります。その中でこの予算書に書いてありますように、公共事業関係費というものが二百九十億円ございます。この二百九十億円というのは、全部総理府のものなんですよ。沖繩開発庁のものなんです。公共事業重点、これが今日の予算の重要な柱になっておりますけれども、沖繩の振興開発というものも、沖繩にとってもあるいは本土にとっても非常に重要な問題であります。公共事業関係費というのが二百九十億円、これは全部開発庁のほうに計上されておるということになりますと、これで一体沖繩の自治権というものは存在するのか、こういうふうに考えざるを得ないのであります。この辺いかがですか。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 他の府県と比べまして、確かに公共事業費その他が全額国庫というふうな姿で、しかも実施団体が府県でなくして開発庁が行なうという姿をとらまえられましてどうだといわれるのじゃないか、かように考えますけれども、それなりに補助事業もそれらのものも勘案しつつ充実せぬことには、ほんとうの意味の生活関連施設、公共事業、町づくりのあり方というものもない。その分に対しまして国が出しております分に対しましては、地方財政としてその裏づけは、できるだけのものをいま申しました交付税の中で組ましていただくように私たちは努力させていただいたのでございますが、他府県と比べまして、当然補助事業になって県が施行しなければならぬものが沖繩にはあるという意味では、いま御指摘のとおりであろうと考えますけれども、それら以外のもので当然行なわなければならぬ補助公共事業につきましては、私たちの交付税で裏財源はまかない得るように組ましていただいたのが今度の特例交付金であろう、かように考えます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷分科員 この資料では、沖繩関係費総額二千二百二億と書いてありますね。公共事業関係費は二百九十億円。それはすべて全額国でやるんであります。いわゆる今度できる開発庁、そうして沖繩の総合事務局がやるんだ、こういうことになりますと、沖繩県は公共事業というものはないということですね。そうなりましょう。普通のように、ほかのほうから県道について補助金があるからやるということになりませんね。——じゃ、このほかにあるのですか、沖繩にいく補助金というのは。

鎌田要人自治省財政局長

○鎌田政府委員 ただいまの事業は、たまたま国費を一括計上しておるというだけでございまして、県で施行いたしますところの補助事業というものが、私どもの調べましたところでは二百六十四億、それに対しまする地方負担四十六億、こういうものが組まれておるはずでございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷分科員 二百九十億円のうち二百六十四億の補助事業、これは全部やるのですか。補助事業というのは県がやるのですか。二百六十四億というのは県がやるのですか。それじゃ今度は逆に、開発庁は何の仕事があるのですか。

鎌田要人自治省財政局長

○鎌田政府委員 二百九十億というのは私つまびらかにいたしませんが、私どもが地方財政計画を策定いたします段階で、沖繩分についてのバランスを一応とってみたのでございますが、その段階において出ました数字では、ただいま申し上げましたように沖繩県の補助事業二百六十四億という数字がここにあるわけでございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷分科員 これももう、ややっこしくなっちゃうからあとで資料をいただきます。——説明していただきますが、補助事業ということになりますと、これは一種の直轄事業でしょう。直轄事業ですよ。

鎌田要人自治省財政局長

○鎌田政府委員 あとで資料を出しますが、いま先生がおっしゃいましたのは、二百九十億三千九百万という数字だろうと思います。その二百九十億三千九百万の中で県が行なうことになりますものが二百六十四億、したがいまして、その差額が直轄事業という形に相なるようでございます。

細谷治嘉日本社会党

○細谷分科員 そうしますと、もうあと二十五億ぐらいしかないのですよ。沖繩には千二、三百人ぐらいの総合事務局という開発庁の出先ができて、農林もありますし、建設もありますし、運輸もありますし、あらゆる総合官庁ができるのですよ。しかも法律の中では、県道であれ市町村道であっても、国のほうでやってもらいたいという場合は主管大臣に申請して、主管大臣が認めれば、これは国の事業としてやるということになっているわけですよ。そうなってきますと、いまの数字は、千二、三百名のたいへんな総合事務局ができて、わずかに事業費は二十五億ばかりで、二百六十四億ぐらいというのはこれは全部沖繩県がやるんだ、あるいは市町村がやるんだというのはちょっと話がおかしいと思うのですね。

鎌田要人自治省財政局長

○鎌田政府委員 私沖繩の予算をやっておるわけでございませんので、ちょっと数字が——いろいろと情報をいまここで得て御答弁を申し上げておるわけでございますので、あとで整理をして申し上げます。  ただ、ただいま申し上げました補助事業二百六十四億という数字は間違いないようでございますので、直轄事業がどれくらいになるのか、これを調べて御報告いたします。

細谷治嘉日本社会党

○細谷分科員 どうも本土の都道府県に対する補助事業、直轄事業という関係じゃなくて、本土のものをそのまま引き写した形で、実施機関というのはおそらく総合事務局がだいぶやるでしょう。いままだ体制が整っておらぬわけですから。その辺でどうも名前と中身が、内容が違うじゃないかという感じがいたします。あなたも十分調べておらぬし、私も個々に全部を当たったわけじゃありませんので、この辺は今後の沖繩県の開発に対する役割り、沖繩の自治権ということについて重要でありますから、ひとつ明らかにしていただきたいということを申し上げておきたいと思います。  時間がありませんので、この問題はこの程度にいたしまして、最後に一点お尋ねいたします。  大蔵省、自治省からいただきました四十七年度の税の問題、特に租税特別措置の問題に関連して質問いたしたいのでありますけれども、四十七年度の非課税による減収は、国のほうの租税特別措置はおおよそ四千八百億円、こういうふうに資料が出ておりますから、これを受けましてダイレクトに、自動的に地方税が減収になっております。その額は道府県民税で四百七十四億円、事業税で二百四十八億円、市町村民税で七百三十六億円、合計千四百五十八億円というのが減税になっているわけですね。これは国税に関する国の法律の租税特別措置をまともに受けて自動的にこうなっておるわけです。それから地方税独自の非課税なり減免措置等によりまして千七百六十一億円の減税措置が行なわれておるわけですよ。  これは両方とも問題がありますけれども、私がここで申し上げたい点は、従来も今度の税制調査会においても議論されたところでありますが、税調の答申の中にも書いてありますけれども、国税と地方税というのはその性格は違うんだ、言ってみますならば、国税というのは、たとえば所得税というものは所得再配分という意味を持った応能的な性格のものなんだ、あるいは性格のものだということがいえないならば、応能的な性格のきわめて濃い税なんだ。これが国税なんだ、所得再配分をねらっているんだ。ところが地方税というのは、応能的なものよりも応益的な性格を持っておらなければならぬ、これが自治省の主張でもありますし、税制調査会の従来からの答申、意見。今度の答申にもそれが明記されております。  にもかかわらず、今度の予算の中で国のほうは、二兆一千億ばかりの建設国債のワクをオーバーしちゃうから、去年やったからもう今度は減税しないんだということで所得減税をしていない。そして、いってみますと、住民税それ自体は課税最低限等から減税しなきゃならぬ客観的事実はありますけれども、そのほかに、所得税の減税ができないから住民税の減税が押しつけられたという政治的な傾向をいなむことはできないと私は思うんですよ。  そうなってまいりますと、性格は違うと主張しておる国税と地方税の中で、自動的に一方をやれば一方が減税になってしまう、こういう形は、私は、性格の違うものを一緒くたにして同じような措置をするというのは——国の政策に対して地方は協力しなければなりませんけれども、自動的に、地方の意見など問題ないという形で減税というのが、しかも千五百億になんなんとする租税特別措置が行なわれるということについて問題がある。しかもその大部分というのは道府県民税、応益的なものですよ。それ以上に応益的だといわれる市町村民税、これが七百三十六億、半分以上あるわけです。この辺は私は問題だと思う。  そこで大臣に、これをどう思うのか伺いたい。私は、租税特別措置というのは国税だけで、地方税は一応遮断しておくべきだ。自動的にそういくんじゃなくて、遮断しておって、地方税自体として処置すべきものは地方税の中において対処していくべきではないか、これが理屈だろうと思うんですよ、性格が違うんですから。玉石混淆、木に竹をついだようなやり方はあまりじゃないかと思うんですよ。これをどう思うかということです。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 国の特別措置がそのまま地方へ及ぶ。いま細谷委員御指摘のように、当然地方税は地方税というあり方で特別措置をすべきであって、税制調査会の答申にもありますように、私は遮断すべきが当然である、御指摘のとおりであると考えております。  ただ、国の特別措置を行なっている分、それを地方税においても特別措置を行なうことによってその政策が十全を期せられるというふうなものもございましょう。その場合においても地方税としての立場でも考えて、遮断した上でその特別措置を講ずるといういき方にあらしめたい。これは御指摘のように、今後ともに遮断の方向で検討してまいりたい、かように考えます。ただ徴税技術上所得の把握その他に困難なものがございまして、遮断すること自身が行ないがたいものがあるのも事実でございまして、これらは徴税技術の向上等をはかりまして、一日も早くそういった遮断ができますように今後とも努力してまいりたい、かように思います。ただ、これと住民税の減税——住民税は当然やらなければならないことだと思うが、一面、政治的配慮によって住民税に、所得税の減税をしないために押しつけられた、こういうふうな御議論、この前予算委員会でもちょっと触れられた点があったと思います。客観的にながめたらそういうふうな御議論もあり得ると思いますが、自治大臣、私の心の中にはそういった気持ちは全然なくして、総体的にながめましてどうにか減税をすることができます財政計画を組めるようであれば減税を実行しなければならない、こういうつもりで、わずかではございますが課税最低限の引き上げを行なわさせていただいたのは事実でございまして、この点は外部からながめましたならば押しつけられたという御認識も成り立つかもわかりませんが、私の心、自治省の気持ちの中にはそういう点はみじんもなかったということだけは御理解を賜わりたいと思います。この点は地方制度調査会の中におきまして、たまたま細谷さんの同僚の阪上委員に、地方制度調査会の答申としては地方税の減税は、住民税の減税は行なうべきではないという答申であるが、自治大臣の考え方はそうであってはならないぞというような御指摘を受け、あの当時といたしまして、私は率直に私の心境を述べさせていただき、またそれと同じような議論が地方行政委員会でも委員の御質問にございまして答えさせていただいたのでございますが、結果からながめまして、あのとき率直に答えさせていただきました私の気持ちのままで減税させていただいたのが実情でございますので、ひとつ御了承を賜わりたいと思います。

細谷治嘉日本社会党

○細谷分科員 大臣のお気持ちは、その気持ちを堅持していただきたい。こういうことがだんだん出てきてどうなったかといいますと、もはや住民税というのは所得税の付加税にしようなどという議論が堂々と通っておるのですよ。もともと性格の違う竹と木をくっつけて、そして竹か木か知りませんけれども、そちらの付加税にしよう——あるときは性格が違うといいながら、あるときは徴税事務が簡素化されるからそれを付加税にしようなどという議論が公々然として行なわれておるところに、今日問題があると私は思うので、いまの姿勢を——住民税は私はそういう政治的要素があったと思っておりますけれども。というのは、自治省の考えなり税調の答申も少し明確な書き方をしていないのですから、そう読むのが私はほんとうだろうと思うのですよ。しかしそれはひとつ大臣に十分堅持していただきませんと、これはたいへんなことになると思うことが一つ。  もう一つ、最後に一点。いまの法人税というものが、今度の税調では事務所税、事業所税というのはとうとう所得税、法人税の付加税問題で、一・二五問題でうまくいきませんでしたけれども——一・七五ですか、あそこまで書きながら実現しませんでしたけれども、私は今日の都市の財源問題というものの一つの問題点というのは、法人活動をやっておる、法人活動によっていろいろなメリット、デメリットを持っておる自治体に法人の税が入ってこない。これについて自治省は従来配慮しておりましたけれども、配慮した結果どうかといいますと、法人が納める税金のうち国に六七%入っているのですよ。県には二七・五%入っている。法人事業税と合わせて市町村には六%しか入ってないのですよ。これでは税制の面で都市財源というものが窮屈になって、日本の代表的な都市もひとり歩きできない、過密問題を解決できないという税制上の大きな責任があると私は思うのですよ。こういう点は、この間地方税法が通った段階で質問するのはどうかと思うのですが、基本的な問題でありますから、この点について大臣、今後どう対処していくのか、これをお聞きして私の質問を終わりたいと思う。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 これも税制調査会で都市財源の充実という姿で提起された問題の一つでございます。私たち、これは当然のことでございまして、国の六五%——いま六七・五%と言われましたが、取り方によって、年度によって違うと思いますが、六五%といたしましたならば、三二%は交付税で地方へ渡しておるじゃないか、実際において国が法人税で取っておるというものは、したがって五〇%切れるんだ、半分以上のものが地方へ渡っておるんだという議論は、大蔵省は出しておられますが、それは事実かもわかりませんけれども、シャウプ勧告による都市財源の中で一番伸張性のある法人税が市町村の税源でなかったという点が、今日の都市税源を起こせという御議論になってあらわれていることは事実でございます。努力せなければならぬと思っております。  たまたま一・七五の増収率が、本年は期限がきておりましたので、延長ということがなかったなればぜひともというので私たちも考慮したのでございますが、延長されることになりまして、たまたまの経済事情等も考慮いたしまして、本年は実施することができませんでしたが、今後とも法人課税の総体的なあり方の中で、ぜひとも市町村財源の充実という意味で法人税課税を市町村の税源として取るように努力してまいらなければならないと思っております。  事業所、事務所税、これは細谷さんの質問であったかどうか忘れましたが、率直に答えさせていただきましたように、これは法人税課税とは別にぜひとも実施いたしたいと思いまして本年度全力をあげましたが、予算委員会の本会議で述べさしていただきましたように、微力にして実現に至っておりません。しかし経済界の状態等もながめましてぜひとも実現したい、かように考え、今後ともこれは努力を続けてまいりたいと考えておりますので、せっかく御鞭撻を賜わりますようお願い申し上げまして、私の答弁を終わります。

細谷治嘉日本社会党

○細谷分科員 ちょっと大臣に誤解がありますから。大臣、私は国と県と市町村のいまの実効税率四五・〇四ということで奪い合いをするということでないのですよ。税制調査会も、新経済社会発展計画も、この暮れにできるだろう新々経済社会発展計画もおそらく指摘するであろう法人税率を西欧並みの五〇%くらいに引き上げていくという、そういう指摘もありますから、そういうことを前提として、その法人活動の主体である市町村の法人税割りというのをもっと大幅に増強すべきであるということが意見でありますから、これだけ申し上げて誤解のないようにお願いします。

田中正巳自由民主党

○田中主査 沖本泰幸君。

沖本泰幸公明党

○沖本分科員 私は、同和対策につきまして大臣並びに関係の方々にお伺いしたいと思います。  同和対策事業特別措置法が四十四年七月にできまして、もう三年有半になるわけです。これは大臣よく御存じでございます。ところがいっこうに遅々として内容が進まない。そしてだんだんと地方自治体のほうにそのしわ寄せがいって、いま非常な混乱が起きているわけです。この点も大臣がよく御存じだと思うわけでございますが、昨年のやはり分科会で秋田自治大臣にこの問題をお伺いしたところが、いま総理府が実態調査をやっておるので、その実態調査を待って具体的な長期計画を策定して実施に当たっていきたい、こういうふうなお答えがあったわけです。で、総理府で伺いますと、できた、こういうことなんですが、それを受けてやるということなので、昨年はしっかりしたお答えをちょうだいできなかった、こういう面もあるわけで、昨年はぜひともこの面をやってもらいたい、こういう御要望をしておいたわけですが、この実態調査に従いまして、自治省のほうでは長期計画ができておるか、できていないか、できておればどういうことになっていくかという点について、お答え願いたいと思います。

鎌田要人自治省財政局長

○鎌田政府委員 現在集計中のようでございまして、したがいまして、ただいまお尋ねになられましたような長期計画というものを立てる段階にまで至っておりません。

沖本泰幸公明党

○沖本分科員 そこで、法律はできたのですが、具体的な内容が示されないために非常な混乱を起こしている、こういうことになるわけです。各分科会でこの問題ばかりとらえて御質問しているわけなんですけれども、いま私が持っておりますのは、「全国水平社創立五十周年記念」の「討議資料」というものをもらって、それを基本にいろいろお伺いしているわけですが、その中にあるのは、「「特別措置法」は具体的内容をほとんど示さず、特別の助成を三分の二と示しながら、「予算の範囲内で」という表現をとっている。このようななかで、基準単価が現実ばなれしていることとも相まって、実際の地方自治体負担率は、一番低い改良住宅建設事業においてすら四〇%を上まわる現状である。「長期計画」は、「基本方針」「各省の基本的考え方」「各省別計画内容」「財政措置」より構成されているが、問題の一つは、「基本方針」の「同和」地区と他地区の格差是正という考え方にある。これは「答申」「特別措置法」をつらぬく考え方だが、」これからあとは解放同盟側の内容になるので抜きます。「「各省別基本的な考え方」においても、環境改善と福祉の向上という形で、部落産業・仕事保障・教育などについては具体性を欠いている。「財政措置」については、三分の二補助など具体的提示がなく、「実情に即し、国庫補助金の改善をはかるとともに……」とあるのみである。要するに、一般抽象的基本方針のみで、具体的予算のうらづけのない点が最大の問題点である。」こういう指摘をしておるわけです。ですから、「政府が防衛計画において示すす早さと計画性——第四次防五カ年で五兆八千億など——をみるとき、政府の姿勢方向が明らかである。「答申」にも書かれているように、昭和一一年を起点とする「融和事業完成一〇カ年計画」が立案されながら、予算措置がなされず、「同和」対策は戦争政策の犠牲にされたことを考えるとき現在、政府のとる戦争政策と、われわれの部落解放の課題は真正面から対立せざるをえない。」、こういうふうな内容をいっておるわけです。これはもっともだと思うわけです。  私もこの法律をつくるときに参画した一人なんですが、この内容について十二項目の附帯決議がつけられておるわけです。それぞれ各大臣がそれを完全実施するという答弁もしており、佐藤総理も最終の締めくくりでは、非常にこの法律ができ上がったことを喜ばれ、差別のない世界をつくる、こういうふうなお考えも示されておるわけですけれども、現実面からいくと、いま地方自治体は、その政策実施の要求をどんどん受けながら混乱状態が起きてきておる、そしてかえって逆の差別問題も起きてきつつある、こういうふうな現状にあることは事実なんです。そこで、政府のいろいろやっておることを批判しようとしても——いま批判があったわけですけれども、批判をしようとしても、具体的な内容の明示がない限りは、批判のしょうがないわけです。そういう点、十年の時限立法だという内容に対応して、いまのあり方というものがまことに遅々たるものである、こういわざるを得ないわけです。ですから、こういうふうにこの十年間でやります、毎年はこういうふうにやっていきます、いま三年たちましたけれども、あと残っているのは何年ですから、その分はこういう形でやっていく、それに対してこれぐらいの金が要りますというような内容がきちっと出てこないと、地方自治体としても仕事のしよ   うがないと思うのです。それを受けて市とか町とか村が、こういう自分の仕事をやっていきます、これぐらい金をかければいいだろう、こういうことで、できない場合には国のほうにこういう要求をどうしてもしなければならない、こういうものが出てくるのですけれども、一向に——実例からいきますと、昨年とか一昨年は、まあことしもそうなんですけれども、大阪府、市が出す予算よりも、国の予算のほうが全くついていってない、こういうふうな全くけしからぬ内容ということになるわけです。ですから、いわば手形を発行して一向に払い込みがない、から手形に終わりそうだ、そういうことで、佐藤総理はから手形を発行したなりで終わってしまうのか、こういうふうな声もどんどん出ておるわけです。それにも増して、地方自治体あるいは地方議会の議員の諸公が一番この問題をとらえて困っておるということは、現実なんです。こういう点につきまして、一番その衝に当られるのが自治省であり、諸問題も一番内容的に持っていらっしゃるわけですから、そういう内容について、自治省のほうとしてはどういうふうなことをおやりになろうとしているか、この点についてお伺いしたいと思います。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 御承知のとおり、仕事を実施していきますのは各市町村であります。その市町村がやりやすいように、また仕事ができるようにせなければならないという責任を私たち持っておるわけでございますが、仕事の内容、個別的な事業量そのものは各省にわたっておるものでございます。各省に組まれました本年度の同和対策事業の予算というもの、その予算に応じて確実に実施に移し得る裏づけ財源を持ち得ますように、私たち財政措置をしておるわけでございます。その量があの法律に照らして少ないじゃないかという点は、いま御指摘された点でございますが、総体的な事業計画、十年計画、いま集計中という答弁を局長がいたしましたが、これは私のほうでなくして、むしろ総理府のほうで集計していただいておるということをお答えさしていただいたのでございまして、それらに合わせてつくったなれば、いま市町村のほうでも目安に困るということでございましたが、むしろ市町村のほうでの具体的な分を国がどれだけ受け入れることができるか、十年間でこれだけはせなければいけないのだという調査をやっておられるのが、現在の総理府の姿ではないか、かように考えております。  量そのものにつきましては、私も毎年同和対策の補助金の予算の獲得に対しましては、予算の伸び以上に毎年、法ができますまでもやらしてきていただいたのでございますけれども、伸びてきましたことは事実でございますが、基礎が少なかったものでございますから、いまのような事態が起こっているのではないかと思います。  自治省が受け持っております分で、単独事業その他もできますように、同和債というものを持っております。この分に対しましては、自治省の姿といたしまして、昨年の百二十億に対しましてことしは百八十億組ましていただき、各自治体の行ないます補助事業に対して遺憾なきを期したい、かように考えておるような次第でございます。

沖本泰幸公明党

○沖本分科員 大臣うまくきりきりと回してお答えになっているのですが、卑近な例をとって恐縮なんですが、大臣の選挙区もやはりこの問題をかかえた地域が多数にある。前任者の秋田自治大臣も、やはり同じ問題の地域を持っていらっしゃる。こういうところで、毎年のようにこの問題はほかの閣僚とは別により多く御認識の深いはずだ、また御認識の深い問題でもあるということを私考えるわけであります。そういうことでこの問題をとらえて、私は、そういう形のある大臣のもとで、はっきりした内容の長期計画が示されることを一番望みたいわけなんです。昨年の分科会でもいろいろ御質問しましたけれども、全くこの問題がどうだこうだという御認識のない大臣もいらっしゃったという点もあるわけなんです。そういう内容を考えてみますときに、具体的な内容を盛った長期計画を大臣のもとでつくっていただきたいことを望みたいわけです。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 閣僚の一人としまして、政府の立場に立ちまして、これはそういったものに対する責任はあろうと思いますが、これを行ないますのは、この問題を総括していただきます総理府においてやはり各省を集めてやっていただくという姿でございますので、その意味で努力をさしていただきたい。自治大臣、地方自治体のことであるから全部をつかめというおことばでございますけれども、自治省というところは、現実につきましたその予算を完ぺきに事業をできるように地方自治体の裏づけをするというのが私たちの役目でございまして、長期計画そのものは、私はいま申しましたような意味で努力さしていただくというより自治大臣としてはお答えしようがないものでございますから、この点はひとつ御了承を賜わりたい、かように思います。  ただ、私通じまして感じましたことは、各自治体で一番困っておられる大阪の松原市等からの財政事情についての特別な陳情を私聞きました。その際に、もうほかのことは何にもできないのです、同和事業だけでも手一ぱいになってしまっておりますということを聞いたのでございます。国の補助事業というものにも数字の限界があろうと思いますが、財政の中で長期的な計画を立てて、年次を追ってやっていただく。どこでも強い陳情によって一刻も早くこれをやれという要望があることは事実でございますけれども、そういった姿で長期計画を立てなければいかぬということは事実でございますが、一ぺんに過重な仕事をすることにも混乱の一つの問題があるのじゃないかと思いますので、幸いこの問題についてこの法制定当時私たちとともに御尽力賜わりました沖本議員さん、そういうような点も、地方自治体の喜んでの協力の上での仕事ができますように、ひとつ御指導賜わりたいと感じましたので、ひとつよろしくお願いを申し上げたいと思っております。

沖本泰幸公明党

○沖本分科員 そこで、いま大臣がいみじくもお話しになったわけなんですけれども、地方自治体ではもうこのことで精一ぱい、こういう陳情があった、こういうことを大臣はおっしゃっているわけですが、全くそのとおりであり、そこのところにやっぱり問題点が出てきている、こういうことになるわけです。法律をつくったわけなんですから、法律は時限立法なんですから、徐々にやっていくというわけにはいかないわけです。その時限内にやってしまわなければならない。これはもうだれでもわかることなんですが、それがだんだん年を追っていって一向にはかどらない。当然先ほどから繰り返すように、仕事をしなければならないのは市町村、だから当然その法律に従って要求が起きてくることは当然なんです。要求が起きれば、やっぱり法律があるわけですから、やらざるを得ない。ところが、一向に政府のほうからは補助率というものがそれをまかなうだけに出てこない。ほんとうにスズメの涙、こういう状態であるために、勢い手持ちの、持っている財政の中からまかなっていかなければならないような事態が起きてくる。そういうことのために、いま言ったような考えの中に、差別をなくするということよりも、むしろその考え方が差別感をまた生み出していってきているというところに問題があるわけです。  それで、きょうはこまかいことは言わずに、基本的なことばかりを申し上げておるわけですけれども、結局特別措置法ができたから特別にやってあげているんだ、こういうような考え方もあるわけです。そうかと思うと、同和地域である種の事業が行なわれる。それが同じようにその地域自体が、社会的に階層の非常に低い場所である。そうすると、隣接する地域もやはり低い地域である。こういうことになると、そこのところだけがぽこっとよくなる。そのために、何であそこがよくなるのだ、こういう議論が出てくるわけです。そういうものがだんだんむしろ問題を複雑にさしていっている、こういうことも現実にあるわけです。  そういうところから、大臣がお答えになれば同じことが繰り返されて言われることになるわけですけれども、むしろ早く基本政策、基本姿勢というもの、あるいは差別とはどういうところから起きてくるのだというような内容、あるいはこれを取り扱われる当事者の方々の考え方の中に、同和問題をはっきりと握った仕事でなければ、結局全然別な考え方をもってこれを行なうと、やっているところに無理が起きているわけですから、当然その無理な理屈が生まれてくる、こういう事態が起きるわけなんです。ですから、一挙に解決しなければならない問題でもある、こう考えるわけです。いま沖繩の復帰という問題で、沖繩を明るくして、明るい沖繩県としての発足をみな待っている。五月十五日に沖繩が返ってくる。できるだけあたたかく迎えてあげよう、こういうことでお互いがその問題に対しては全面的にみんな協力的な考え方を持っているわけです。ところが沖繩は、現在いわれているのは、百万県民ということになるわけです。しかし、その沖繩自体も、やはり薩摩藩時代からのいろいろな差別の中から、現在の沖繩というものがあり、戦後もまた異国の支配を受けてきた。同じ民族の中の差別があったということが言えるわけです。そういう点をとらえていきますときに、同和の人たちも、やはり江戸時代から同じような差別を受けてきている、そういうことになるわけです。そして人口的にいえば三百万とも四百万とも、こういわれているわけです。そうしますと、同じように同列に考えることはいけないわけですけれども、沖繩にそのあたたかいものを施していこうということであれば、当然この三百万、四百万の人たちに同じ内容のものをしてあげなければならない。むしろそれ以前から問題があるわけです。ですから、一つの角度から見て言えば、沖繩だけじゃないんです。沖繩にある問題は全部この中にあるわけです。そういうことになるわけですから、そういう点もいろいろ考えた問題をやっていかなければ、何のために特別措置法をつくったか、こういうことになってくると私は思うわけです。こういう点をひとつ十分に考えていただいて、まず基本的なこの問題に対する姿勢、それから長期計画、あるいは差別に対する基本的な問題の考え方、こういうものを徹底していただかなければならないと思います。同じ地方自治体の中で働いていらっしゃる同和地域の人たちが、労働問題としてきょう労働省に対してお話ししましたけれども、清掃に携わっている人とか、あるいは屎尿のくみ取りをやっている方とか、地方公務員だといっても一番低いところでやらなければならない、その辺にもまた差別があるわけです。ですから、これは大臣がおっしゃったとおり、各省に分かれており、多岐に分かれた問題で、非常に困難な問題ではあるわけですけれども、自治省の持っていらっしゃるところの分担分を完全に短い期間に実施できるような体制を組んでいただく以外に、この問題を少しでも解決するということにはなっていかない、こう考えるわけです。そういう点を一番よく知っていらっしゃる大臣が、この面をとらえていただいて、大臣の手元ですみやかに具体的な方法が生まれることを私は望みたいわけです。その点についてお願いいたします。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 私も、あの法律をつくらしていただいたとき、最も責任者としてつくらしていただきましたので、あの法律の意味するものはだれよりもよく知っておらなければならないし、実行しなければならない、かように考えております。いまおことばの中にありましたように、法律があるんじゃないか、陳情があったから自治体が受けなければならぬ、こういうふうな姿勢でなく、沖本議員はこの問題に特に認識を持っておられるのですから、御理解願いたい、御指導願いたいと私が申しましたのは、陳情があるからやるんだという姿でやるべき問題でなくて、十カ年計画であったならば、十カ年で少なくともこれだけのものはやって、これだけの効果をあげなければいけないのだ、それが法律の意味なんだ、そのためにはことしは何をすべきかということで、自治体そのものを御指導賜わるという姿でひとつやってほしい。その前に、まず私たちがその自治体の全国的な調査をし、それに応ずる予算措置を、十年計画で事業計画をつくれとおっしゃっております。この努力をまだようしてないということもあろうと思います。私も、閣僚の一人として今後とも続けてやりたいと思っておりますが、何ぶんにも、御承知のとおりの非常に調査の困難な地帯でございますので、総理府におきましても、ある程度の調査をしながら、具体的に調査をしにくいという姿で、画一的な計画というものを出しかねておるのじゃないかと思います。したがいまして、予算は毎年の伸びよりも、一例をあげますと、四十四年度が二十七億であったのが、四十五年度が四十二億四十六年度が六十三億、来年度四十七年度は十八億というふうに、四〇%ないし五〇%の伸びを示しております。国の予算がことしは二〇%をこえましたが、絶えず一五%ないし一六%の伸びを示しておったのと比べましたならば、画期的な伸びを示したことは事実ですが、現実はそれに合っていないという事実でございますが、そういったような御指導の点は、十分配意していただいて、なおいまおっしゃいました自治省の分だけは確実にやれということでございますが、地方自治体のかかえておる分を私たちが解決していくのは当然のことでございますので、地方自治体の自治省が分担します分につきましては、私は責任をもって、同和債その他の今後ともの伸びのために努力さしていただく、各省が掲げております予算を実行に移すだけの裏負担と申しますものは、交付税その他においてぜひとも措置させていただく、このことだけはこの場でお約束させていただきたい、かように考えます。

沖本泰幸公明党

○沖本分科員 ありがとうございました。

田中正巳自由民主党

○田中主査 安井吉典君。

安井吉典日本社会党

○安井分科員 お疲れと思いますけれども、もう少しおつき合いください。まず、高等学校の授業料の問題を、大臣の顔を見ましたので、伺っておきたいと思いますが、きのう正式に大学の入学金、授業料は半分にする——入学金は来年からですが、授業料のほうは後期以降の値上げということで政府の態度をおきめになったようであります。そうだとすれば、高等学校の授業料アップも大体同じような仕組みでやるように自治省の指導方針をお変えにならないと、つじつまが合わないような気がするわけです。そうでないと、上期分については、大学の授業料よりも高等学校の授業料のほうが月当たりにしたら二百円だけ高くなることになるのじゃないか、こういう指摘があるのですが、方針を変更なさるわけですか、どうですか。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 御承知のとおり、私たちは地方財政計画で単位費用として五〇%アップということをやらしていただくという方針でございまして、その範囲内におきまして、交付税といえども一般財源でございますので、そのことが直ちに全自治体において値上げをするという姿でございません。現実におきまして、府県そのものが自主的に授業料の値上げ等を考えておられる姿でございます。現実には、二十八府県におきましてそのような措置がとられておるという報告は受けております。全県には及んでおりません。いま国が暫定予算を組みました関係上、やむなく前期分は取らない。また私たち、国の措置に合わすという姿もございましたですが、教育費その他に対する需要もそういったものの収入に合わして組ましていただき、大蔵省との予算折衝におきましても、それだけ地方自治体としても努力をするということによって、より以上の教育費に対するところの予算措置というものも折衝させていただいたような過程もございますし、現実には、各自治体とも起案されて、現在きめられたところ、あるいは審議中のところ、これが実情の姿でございますので、現在のところ、国の措置が暫定予算を組まざるを得ないという姿で変更になりましたけれども、地方財政計画におきましては、既定方針どおり実施させていただきたい、かように考えておりますので、ひとつ御了承賜わりたいと思っております。

安井吉典日本社会党

○安井分科員 交付税の基準財政収入で八百円のやつを千二百円に計算する、そういう仕組みになっているわけでしょう。ですから、それは値上げをするところもしないところも同じ仕組みでやられるわけで、したがって、値上げをしないところは相対的に交付税を減らされた形になるわけですよ。同じレベルで、こっちは上げないのですから……。上げたところは、それだけはきちっと埋まるようなかっこうになるわけでしょうがね。上げなくても、交付税をよけいやるというふうな仕組みにはやらないぞ、こういうことなんですね。ですから、考えようによっては、物価の値上げを抑制するということが政府としての非常に大きな柱であるにもかかわらず、交付税操作でどうしても上げなくてはならないようにさせている。意地悪く言えば、そういうことになるわけですよ、現に。それはそれとして、大学の授業料については、政府がへまばっかりやるものですから、四次防問題その他で国会がどんどんおくれてしまって、やむを得ず暫定予算になった。そういう中で、野党の同調のないものは計上してはいけないというふうな話し合いの結果、大学の授業料は、いま言ったように四月からの値上げをあきらめざるを得なかった、こういう経過があるわけですね。ですから、この問題について与党、野党の間でトラブルが起きて今日まできたというわけじゃないかもしれませんけれども、同じ政府の中の仕組みで、大学の授業料は下期から上げる、高等学校のほうは四月から上げるというのは、どうもちぐはぐな気がするわけですね。現に、いままで自治体に対して指導通達をお出しになっている中では、四月から上げなさい、こう書いてあります。だから、いまの段階で、大学の授業料のほうがケースが変わったんだから、高等学校についても再検討してはどうですかとか、あるいは交付税の算入の方法についてもう一応考えますとか、そういうふうな再検討措置というものがあってもいいんじゃないか、こう私は思うんですよ。どうですか。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 そういった観点もあろうかと思いますが、御承知のとおり、地方財政計画における交付税というものは、これは一つのものさしでございまして、それをいかに使うべきかどうかという点については、与えられた一般財源として御使用になる。したがいまして、上げないところもありますし、上げるところもある。また、その反面に、交付税の算定基準には橋梁とか道路費等で入っておるけれども、その費用を使っての仕事はしないんだというような点もあるという、これは私が申すまでもなく、安井議員もよく御承知のところでございます。ただ、授業料の点につきましては、大学との関連もございましょうが、いま申しましたように、地方自治体にすでにその方針で予算も組んでいただき、なにも進んでおる段階でもございますので、地方自治体のほうでは、既定方針どおり、この姿で実施さしていただきたい、かように考えておる次第でございます。

安井吉典日本社会党

○安井分科員 地方財政計画のほうは、これはたいしたことないですよ。問題は、交付税の算定のしかたですね。交付税の算入のしかたにおいて、四月値上げということを実質的に義務づけるというわけじゃないにしても、指導をされているわけでありますから、その点、政府の、授業料全体という方向の決定でないにしても、大学の授業料というのが問題になったということに関連して高校の授業料も上がったはずなんですよ。そういう相関関係も、私はあるのではないかと思います。授業料が大学よりも高等学校のほうが高いというのはおかしいじゃないか、これは率直な国民的な疑問もあると思いますよ。ですから、この点はいま大臣いろいろ弁明はされましたけれども、その弁明ではどうも国民を納得させるには弱いのじゃないか、こう思いますね。これはあとあとまでそういう問題が残ると思いますよ。きょうは交付税の算定の方法を九月まではもとどおりにしますというお答えは出ないかもしれませんけれども、問題点だけは私ちょっと指摘しておきたいと思います。  それから次に、地方財政の昭和四十七年度の全体的な措置については、昨年の秋は一兆円の穴という指摘が、大体七千九百二十三億円の補てん措置で一応ケリがついた、こういうことのようであります。ただ、この中身は、かつて同じようなケースに打ち当たったときと比べると、どうも質的に悪いのですね。あのときは、特別地方債で、地方債措置の部分もあったけれども、これもあとで元利償還金を見てくれるとか、そういうふうな措置があったが、今度はもうはだかで、地方債を貸してやるからそれでやれ、こういうふうな仕組みで一応の措置が講ぜられているという点は、指摘をしておかなければならぬと思います。先年の場合も私、申し上げたことがありますが、国税が二兆円に近い発行額、それが財源になって国が公共事業をはじめ仕事をどんどんやったということも、こういう大穴があいた原因になっているわけです。つまり普通の場合は、国税が増収になって、その国税で政府は事業をやる、そういう段階では、国税三税の三二%が地方に渡るわけですから、地方の裏負担というものはそれでまかなわれていくという仕組みであるのに、国税は伸びない、むしろ減っていく。だから、それに伴って地方税も減る。そこへもってきて国債で国がどんどん仕事をやるということになると、地方はもう負担の方法がない、こういうことだろうと思います。したがって、そこで大穴があいて、さあその穴は臨時特例交付金一千五十億円、交付税特別会計の資金運用部からの借り入れ千六百億円というふうに、こうやってきているわけであります。だから、国債発行が、これは来年もうすぐになくなるわけじゃないと思います、とにかく一兆九千五百億円というふうなものが、翌年にゼロになるなんということは考えられないと思いますね。だから、来年も、おそらく再来年も、同じような形でこの地方財政の穴埋めに四苦八苦しなければならぬということになるのではないかと思います。だから、そういう意味合いで、二兆円にのぼる国債をこれはもう国税と見立てて、その三二%を地方交付税のように地方によこすというような仕組みだとか、何かそんなのでもできなければ、裏負担の問題がずっと残るのではないか。だから、私は、国税三税の三二%、これは第一交付税だとすれば、国債発行額の三二%を第二交付税というような形で地方にどすんとよこす、それでまかないをつけていく、こうすれば、自治大臣の大蔵省折衝もだいぶ楽になるのではないかと思うのですね。その第二交付税という、そういうようなものが簡単にできるかどうかわかりませんが、しかし、私は、国債発行というものを続けていく限りにおいては、いつも出てくる問題だと思うのですよ。何か制度的に、自動的に処理できるような仕組みも考える必要があるのじゃないかと思うのです。どうですか。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 この議論はたびたび、国債制度が始まりましたときにも言われました議論でございます。一番最初に言われました四十一年度の処置、三つの方式がとられたが、今回はその方針に対して十分じゃないじゃないか。私も、前のときにも、予算編成にあたりまして側面から努力さしていただいた一人でございます。前の当時は、交付税の引き上げ、特例交付金、特別事業債、この三つの方針によってやりましたが、今度は交付税率の引き上げというものをやっておりません。また特別事業債というものもやっておりません。わずかに特例交付金という制度でやったんでございますが、前のときに二・五%上げて現行の三二%に持ってまいりました。その後、経済情勢をながめておりまして、その三二%という交付税率によりまして、地方財政の改善がなされてきたということは事実でございます。今回、この景気の停滞による地方財源の乏しさという点を受けまして、はたして交付税率を引き上げるべきか、三二%の率でやるかどうかという点を考えまして、三二%というものを今後もある程度安定してやるべきだという主張をわれわれ繰り返してきたものでございまして、現在の景気停滞というものが、これを一時的という観点に立ちましたら、この際は特例交付金のみによって措置をするという姿でもって予算編成をやらしていただいたような次第でございます。これが恒久化されるようであったなれば、当然考えなければならない措置だろうと考えます。  いま言われましたもう一つの一兆九千五百億にのぼります国債云々、これは当然問題の三税によって普通の年のように組まれるというときであったなれば、その三二%によって地方財源の公共事業の裏負担にする、そういう姿で組まれるのが当然でございます。今回はそれが行なわれないものでありますから、交付税の中の公共事業の一部を起債で措置するというふうな措置をとらざるを得なかったということは、これは事実でございますが、私は、一兆九千五百億のその三二%、幾らになるかわからぬけれども、第二交付税としてそれを組み入れる措置を考えるべきである、一つの理屈からいえばいえる御提案であろうと思いますが、一兆九千五百億という公共事業費の総額にも近い額、また国債の依存度も一七%というふうな額が恒久化して国がやられる場合においては、いま申されましたような措置、それが三二%になりますか、幾らになりますか、あるいは交付税率の引き上げによってこれをまかなうか、いろいろな方法があろうと思いますけれども、考えなければならない点があろうと思いますが、国の本年度の一七%という国債依存率も、景気停滞によるところの一時的な現象である、あながちこれが恒久化するものでないという考えを持っておりますので、もし国債発行が、これがこの程度のものが恒久化するような姿であったなれば、その時点においてはいま御指摘になったような案も一つの案として考えさしていただかなければならないのじゃないか。しかし、私たちはそういうふうな見解をとらず、これは本年のみの現象として、景気浮揚策として特別にとらしていただいたという姿でございますので、この財政基調に合わせまして、地方のほうも、後年度にわたるところの利益を受ける仕事でございますので、適債事業であるという点に着目いたしまして、起債財源でこれを処理するという財政計画を組ましていただいたというのが実情でございます。

安井吉典日本社会党

○安井分科員 国債発行額の三二%というのをかりに申し上げたが、現実にはその国債発行額で国は全部仕事をしてしまって手ばたきをしているのですから、地方にやるということになれば、その分だけまたよけいに発行しなければならぬ、こういうようなかっこうになるのかもしれません。しかし、私の言いたいのは、交付税制度、つまり国税三税の三二%という形で運用されておった交付税制度が、何か一つの変革に迫られてきているのじゃないかという点なんです。つまりあの所得税、法人税、酒税の三二%という発想は、これはやはりそれが国の主要な歳入であって、これで国がどんどん仕事をやるのだ。だから、その三二%というふうな一定率を交付税でやることによって裏負担はまかなわれるのだというふうなことで初め発想されたものであって、その三税以外の歳入にウエートを置くような形で国が仕事をするような段階になってきたら、何か新しい構想がないと、地方は困るわけですね。だから、私はそういう意味で申し上げておるわけで、国債発行額の三二%をそのままどうという、これは一つのフィクションというわけでもありませんけれども、現在の交付税制度の一つの行き詰まりというか、そういうような点を私は先ほどのような形で指摘をしたつもりなわけです。ですから、景気がどんどん上がって国税がどんどん入ってきているという段階と違い、いまのような景気後退のような時期になってきたら、いわゆる三二%そのものが問題になってくるわけで、つまり税金のどんどん入る時期のうちは、三二%という率を確保しておいたほうが地方にとっては得だったかもしれませんけれども、いまの段階になってきたら、三二%を確保することによってかえってマイナスが出てくる。だから、これはなかなか、どっちかというと、恒久的な制度として考えていく場合には、そう簡単な答えは出しにくいと思いますが、いまの段階まで来れば、むしろ昔の平衡交付金の制度で、下から積み上げていってそれで財源を国からよこせという一昔前の仕組みのほうが、むしろ合理的になってきているということではないかと思います。しかし、これは全体を長い目で見なければならない対策でありますから、そう簡単に結論は出るわけではないにしても、やはりいろいろな角度から今日の段階の問題点を追究していく必要があると思うのですね。どうですか。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 国の大幅な公債依存政策、これが恒久化して続けられるものであるなれば、いま安井分科員御指摘のような問題が出てくるのは当然であろうと思います。私たち三二%の与えられた地方交付税、地方税を一般財源にいたしまして、この一般財源の中で公共事業の裏負担のある程度のものはやっていくという財政仕組みをいままでやってきたのでありますが、ことしは地方税の減収等にもよりまして、そのような姿が行なわれなんだことは事実でございます。しかし、これは私たちは一時的なものとしてとらまえたのであります。だから、ことしのような段階になったら、交付税の税率を考えなければならないという問題ではなくして、私は、これは一時的なものとして考えて、われわれ少なくとも年度内において景気を上向きへ持っていかなければなりません、こう考えております。だから、一時的な現象としてこれを受けとめておりますが、景気が平常になりましても、三二%というものは、地方財政がことしのように悪いいいは別といたしまして、社会経済情勢の変革、また社会資本を中心とするところの地方公共団体の財政需要の増加、そういった点を考えまして、私は、現在の交付税制度というこの仕組みがよいのであるかどうであるかということは、税財源の再配分の問題、事務の再配分の問題、これらを含めて考えるべき時期に来ておる。そういった意味では、三二%の交付税率、交付税というものについては、私も、安井分科員が御指摘になったように、一応考えるべきときに来ているのじゃないか、平常時において考えても、そういう時期に来ているのじゃないか、こういう受けとめ方をしている。これは私見でございますけれども、そういうふうに考えるものでございます。

安井吉典日本社会党

○安井分科員 税財源の再配分、これは私どもももう何十年——何十年と言ったら大げさですけれども、十年も二十年も前から言い続けてきたことですけれども、さっぱり行なわれない。だから、初めのうちは私どもがそういう主張をして政府に要求してきたのですが、逆にいまでは、渡海自治大臣などはそれを逃げ口上に使っておるような気がするのですね。税財源の再配分なんという、再配分しろといったってなかなかできっこない——できっこないと言ったら言い過ぎかもしれませんが、いままでずっと口頭禅で終わってきたものを、まあ渡海さんのような大臣は、佐藤内閣がつぶれても、あとの内閣でもぜひ自治大臣を続けてやっていただきたいと私は思うのですけれども、いずれにいたしましても、税財源の再配分を含めたいまの地方財政の置かれ方について、新しい発想を導入していくということについての御努力だけはひとつお願いしておきたいわけです。  超過負担の問題について一応いままでの対策は終わったということになっているが、全国知事会の調べでは、これは去年の七月の調べでも、都道府県分六百三十五億円、市町村分千四百三十四億円の超過負担が生じていることが、明らかになったという実態報告があります。新しい段階でもう一度やり直そうというお考えもお持ちだそうでありますが、今後の対策をひとつお伺いいたします。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 超過負担は、四十三年から四十六年度まで計画的に解消をはかってきたことは御承知のとおりでございますが、その間にコストの上昇あるいは事業量の増加という点がございまして、なお知事会等の調査によりましては、二千億をこえるというふうな実情になっておることは、事実でございます。本年度につきましても、単価是正その他におきまして、超過負担ができるだけ生じないように大蔵当局にも申し入れまして、本年度の予算を組ませていただいたことは事実でございますが、なおそれでも超過負担のあり得るような姿になっておると考えますので、大臣折衝の際、特に大蔵大臣と申し合わせまして、調査費を置きまして、四十二年、四十三年に行ないましたように、主要な超過負担を生じております事項別に各省庁の協力を得まして実情を調査し、その実情調査の結果に基づきまして計画ある解消をはかっていきたいということで申し合わせたような状態でございます。あのときは二年にわたる調査でございましたが、ことしはぜひとも四十八年度からこの解消の実が上がりますように、調査を急ぎまして、抜本的と申しますか、超過負担の一つの原因は補助単価の問題になろうと思いますが、自治体自身が意識してそれを越える分の負担はこれはやむを得ぬと思いますが、常識的な線での標準単価を考えていく必要がある。また事業に渇する補助対象あるいは補助数量というような点、超過負担の原因となっております問題を解消するために、ひとつ関係各省とも十分連絡をとりまして努力をいたしたい、このように考えておる次第でございまして、本年度は大蔵省もこの点十分承知していただきまして調査させていただくことにいたしておりますので、今後ともこの点につきまして、もひとつ御鞭撻賜わりたいと思っております。

安井吉典日本社会党

○安井分科員 この間もこの分科会で、田中主査がそこにすわっておられましたが、厚生大臣にも保育所の単価の問題で質問したのですけれども、この知事会の調査では、超過負担率六〇五・三%なんですね。これを一つの例として取り上げたわけでありますけれども、まだまだなくなってはいないし、昭和四十三年度の予算編成の際、水田・赤澤両大臣の間の取りきめで超過負担の解消をやろうといったときの額よりも、いま生じている額のほうが大きくなっているのだから、一体どういうことになっているんだろう、こう言わざるを得ないわけです。  そこで、この前の措置を振り返ってみますと、自治省と大蔵省で調べて、一定の超過負担額が出て、両方で話し合って、ああでもないこうでもないというので、そいつを六割に落としてみたり、五割落としたりして、この辺でというふうなことで妥協した数字で、それを基礎にしてこれを解消する、こうなっているわけです。その超過負担の原因にはいろいろあると思いますが、たとえば建築物を考えてみても、最近の自治体の建築は、かって何年前かに行なわれた時期と比べれば、質がよくなっていると思うのですよ。それを、これはぜいたくな建築だというふうなことで、寄ってたかって、いや基準というのはこれくらいでいいんだというふうなことで押えていく。しかし、現実にはそれが普通になってきて、民間のいろいろな建築というものも質のレベルアップが全体的に行なわれているわけですよ。行なわれているんだから、自治体だけはそれよりもものすごく程度の低いやつでがまんをしろ、坪数においても少ない単価でがまんをしろというふうなことで押えつけようといっても、できっこないと思うのですよ。だから、高度経済成長といいますか、そういうふうな段階における一般的な生活のレベルアップというものが反映したような、そういう建築単価なり坪数なり、そういうようなものを基礎——だから基礎の置きかえが、私は必要ではないかと思うのですよ。それがない限り、いつまでたっても超過負担ということになるのじゃないか。超過負担の原因はいろいろあると思います。いろいろあると思いますけれども、一つにはそれもあるのじゃないか、こう思うのです。そういう点、さらにひとつ御検討をいただきたいと思います。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 御指摘のとおりであろうと思います。私は、この問題は、大蔵省に協力してもらうということも、単価の点等で必要でございますが、同時に各省の理解ある御協力を得ぬことには、解決しないのじゃないか。今後の検討の結果に持っていきたいと思っておりますが、各省が従前のような姿でながめて——各省にすれは、何とか地方自治体がやってくれるであろう、われわれがほしいのは量なんだという姿で終始しておられる限りにおいては、この問題は解決しないのじゃないか。このためには、ぜひ各省の理解ある御協力を求めることによりまして、量は減りましても、こういった超過負担の起きないように御協力を願うという姿がないことには、解決しないものじゃないかと思いますが、今回の調査結果によりましても、そういった面にも注意をいたしまして、ほんとうの意味の解消がはかれるように少なくとも計画を立てさせていただきたい、かように考えております。

田中正巳自由民主党

○田中主査 林百郎君。

林百郎日本共産党

○林(百)分科員 渡海大臣、時間が三十分しかないのですよ。親切に、丁寧にお答えくださるのはけっこうですが、ひとつ簡潔にお答え願いたいと思います。  私は、宅地並み課税について質問したいと思います。  昨年の地方税法の一部改正で、いわゆる宅地並み課税がきめられて、そのうちA農地については本年度から実施されることになっているわけですね。それに対して全国の農民、農業団体を中心とした激しい宅地並み課税反対の運動が起こりまして、宅地並み課税実施のための条例が否決された団体が六団体、また保留されたり継続審議になっております団体が、七百七団体のうち百一団体も出て、そこでは条例がつくられておらない。こうして宅地並み課税の実施が不可能という事態に追い込まれた。一方、自民党自身からこの事態に対する改正案まで、単独立法としてですけれども、出されようとしている。こういう事態になったことについて、これはあなたの大臣の時代じゃなかったのですけれども、自民党の国務大臣として、全体の責任を承継する意味で、このことについてどういうようにお考えになりますか。こういう事態になって、自民党、与党自体から、もうA農地の縮小について単独的な立法を出さなければならないというような事態までなっているのですが、どうお考えになりますか。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 御承知のとおり、いわゆる宅地並み課税、市街化区域内にあります農地に対する課税の問題は、現在の市街化区域内農地と付近宅地との固定資産税の課税のはなはだしい不均衡、もう一つは土地対策等の問題もございまして、昨年の税制改正の際に現行のような法制がとられた次第でございまして、私は、これはそれなりに意義がある立法であるし、しなければならないものでなかったかと思います。ただ、この立法に対する御理解を得ておらなんだために、納税者、特に農協団体等から強い反対の声が出てきたということも事実でございまして、私たち、この陳情等も率直に受けておりまして、法の改正すべき問題は真剣に改正に当たらなければならない、このように考えておったところでございますが、四十七年度は、この中で市街化区域の農地のうちで二・四%、特に評価にいたしまして五万円以上等でございますので、私はぜひとも実施に移したい。実施に移す上は、いま反対されたような事項を十分踏まえまして、慎重なる実施に持っていきたい、かように考えておったのでございますが、党方面におきましては、単に行政指導によってそれを行なうだけでなく、立法によってこれを訂正しろという声がございまして、議員立法が出てきつつあるというのが現在の状態でございます。そんな姿をとらえまして、私たち、現在推移しておるという姿でございますが、四十七年度からは実施いたしたい、この既定方針には変わりないものでございます。もし行なうにいたしましても、私たちは反対意見等も十分取り入れまして、慎重なる実施に移したい、これは変わらざる私の気持ちでございます。

林百郎日本共産党

○林(百)分科員 自民党から出ましたこれは、議員立法になると思います。これはもう渡海さん御承知のはずです。御承知でしょうね。——自民党から議員立法として、実質的にはA農地を修正するという案が出ていることは御承知だと思うのですが、そこでしかし、それにしても自民党から出ている議員立法としての単独立法でA農地について多少の修正をしようとはしておりますけれども、これが農地に対して宅地並みの課税をするというこの原則は、依然としてくずしておらないというように私たち感じますが、大臣はどうお考えになりますか。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 市街化区域内の農地でございまして、付近宅地と比べまして現在非常に不均衡がございますが、この不均衡を是正していただく。農地は農地としても、その地によりまして是正をしていただくという姿は、自民党の案の中にも変わっていない、こう考えます。

林百郎日本共産党

○林(百)分科員 すると、本質的には政府の現在の立法と変わりはないと考える。ただ、A農地について多少その範囲を狭める。要するに、市街地内に点在する市街化区域農地でも、果樹、花や木、茶の木その他の作物の耕作の用に供されており、都市の緑化に寄与すると認められるもの及び将来緑地として残すことが適当であると認められるもの、これはA農地として除くということはありますけれども、しかし、農地に依然として宅地並みの課税をするという原則は、B、Cには全然触れていませんけれども、これは変わっておらない、こういうように考えていいわけでしょうね。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 さようでございます。ただ、私たちが今度宅地並み課税、付近とできるだけ均衡をとっていくようにしようという立法をされましたのも、農地であっても、今度市街化区域にすることによって、その土地は近くして市街化するものである。また、今度の法制定によりまして、いままでは農地というものは農地以外には使えないのだ、そういった意味で、市街化区域の中へ編入されることによって制限をとられたということによりまして、農地というものに対する租税の特別措置、ほかに使えないのだという意味の租税特別措置、そのために三十八年度も据え置かれておるのです。その農地としての特権、それは取り除かれてもいいのではないかというのが、昨年の税を立てました根本になっておったのであろうと思います。その方針は、変わっていません。ただ、農業政策上、農地であってしばらくの間当然じゃないかというところだけは、A農地であっても除外しようというのが、今度の自民党の案でなかろうか、かように考えております。

林百郎日本共産党

○林(百)分科員 私たちは、こう思うのです。この宅地並み課税、これはA、B、Cも含めてわが党としては反対なんですが、それは農地を宅地並みにみなして課税するということは、農民の生産手段である農地、それを手離さなくてはならないような高額な課税をする。すなわち農民から結果的には生産手段を取り上げてしまうような課税、こういう課税は、これは公平な課税の原則を破るものであるというように思うわけです。すなわち従来よりも結局農地に何百倍とか何十倍の税金を課するということによって、農民から生産手段である農地を奪い取ることになるという意味でわれわれは反対なんですけれども、しかし、政府に言わせれば、それは宅地を提供させるということを言っているわけです。しかし、原則として農民から生産手段を奪い取ってしまうような高い税金をかけるということについて、渡海大臣は賛成できるのですか、どうお考えになりますか。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 私は、農民から生産手段である農地を取り上げてしまうのだという御見解に対しては、同意しがたいのであります。と申しますのは、市街化に入れるということは、その土地が農地でなくなる、市街地として将来施設もしていく、市街地にするのだということで御協力願い、御賛同を得た土地になっておるのでなかろうかと思います。ただ、現実におきまして市街化の−たしかB、Cはもちろんでございますが、A地域におきましても、現実として市街化の施設が行なわれず、農業を営んでおるという、その姿というところにかけるのが酷でないかというところで、自民党から訂正願ったものであろうと思いますので、当然農地としていまやっておられますけれども、その土地を市街化——農業でなくて、市街化になることを御了解願った地区が、都市計画法の線引きされた地区の農地でないか、かように考えるのでございます。つきましては、市街化になったときに初めて課税するように改めるというのが、今度の議員立法されようとする趣旨でないか、こう考えるのでございまして、農業を営んでおられるのに高い税金をかけるのはいびり出しだ、こう言われる見解は、ちょっと同意しかねるのであります。

林百郎日本共産党

○林(百)分科員 自民党がこういう修正案を出さざるを得なくなったのも、結局農民が生産手段である農地を奪われるということから反対が起きて混乱されているわけで、あなたの言うように、了解したところだけA農地になっているわけじゃないですよ。それで自民党の案だって、除くのは「声街地内に点在する市街化区域農地以外の市街化区域農地」とあって、要するに市街地内に点在する農地は、農業を営んでおる農民であっても、宅地並みの課税を払わなければならないことになっているわけですよ。決して承知するしないにかかわらないし、また農業を営んでいる農地は、市街化区域農地のAからはずすことにはなっていないですよ。点在する農地は、依然として宅地並み課税がかけられるわけですよ。  ここであなたといろいろお話ししていると限りがありませんが、たとえば神奈川県あたりは、県で生産しているあれは、市街化区域が非常に多いところですよ、六割の農産物を神奈川県で生産している。大阪あたりでも、四割くらいの農産物はその市街化の中の農地から生産しているということですから、市街地に住んでいる住民にとっても、市街化区域の中にある農地というのは、営農上非常に重要なんですよ。ところが実際は、課税は宅地並み課税をかけられていけば、これはあなたがさっきいみじくも言っているように、これは宅地として今度利用するのだ、そういうときに税金をかけると言うのだけれども、そうじゃないんで、農地としての現状に宅地並み課税をかけてくるんで、それがそういう高い税金をかけられれば、いやでもおうでも農地を手放さなければならないようになってしまうんで、これは農民から憲法で保障されている職業の自由を奪うことになるのじゃないか、私はこう思うのです。  そこでお尋ねしますが、宅地並み課税を実施すれば、あたかも勤労者や都市住民に宅地が安くなって手に入りやすくなる、こういうような——まあマスコミもこんなようなことを言っているようなんですけれども、しかし、今日このように地価を高くし、そして土地が勤労者や都市住民の手に入りがたくなっているのは、財閥や大手不動産業者が買い占めておるというところにあるのじゃないでしょうか。  一例を申しますと、首都圏、東京周辺の大手業者の買い占めている土地だけでも、一億平方メートル。これは、全国のA農地よりももっと広い土地を業者が買い占めているわけですね。これは民間の全宅地造成実績の七年から十年分にもひとしい。三井不動産、三菱地所、東急、西武、東武などは、一社で一千万平方メートルをこえている。たとえば西武の実績に照らしてみれば、西武では、もうこれから向こう三十三年間にわたって売り出せる土地をかかえこんでいる。一部、二部上場株の会社の千二百九十三社が持っておる土地は、四千六百七十五平方キロメートルで、これは全国の土地面積の一・二六%、しかもこの価格が、たとえば埼玉県の小川町等で見れば、昭和三十年代に一反当たり七万円だったものが、最近不動産会社が買いあおって、百二万円でこれを買収している。だから、十四、五年の間に、もう十三倍以上にもなっている。いま言いました一部、二部上場会社の千二百九十三社の四千六百七十五平方キロメートル、これは簿価二兆六千五百六十二億二千二百万円、こういう値段になっているのですね。東京圏周辺の大不動産会社が買い占めている土地だけでも一億平方メートルで、A農地よりも広いというのですから、こういうところを解放する。あるいはこういうところへ——これは課税の方法についても申し上げますが、たとえば評価が非常に安い。一平方メートル平均価格が五百六十八円四十八銭というような価格で評価されている。それから固定資産税は御承知のとおり一律で、百分の一・四から二・一、それから租税特別措置法によって売買差益に対する分離課税を適用しない。しかも赤字が出れば、そちらのほうをこれで埋めて、そして税金のかかるのを少なくする、こういうような特権も持っておるわけなんですね。  したがって、ここでお聞きしたいことは、このような投機的な土地を適正な方法によって公共用地として買収するか、あるいは適当な方法で解放する、そういうことが、ほんとうに勤労者や地域住民やあるいは学校、保育所などの用地に充てることになるのではないか。かりに宅地並み課税が全面的に実施されれば、農民は農地を手放さざるを得なくなりますけれども、この農民が手放した土地が、地価も非常に高く、これが勤労者や自治体の手に入る保証があるのかどうか、これがまた大手不動産業者や大企業の土地の買い占めのえじきにならないという保証があるかどうか、こういう点ですね。だから、こういう非常に大きな土地を買い占めている、全国の面積の一・二六%にも当たる大きな土地を買い占めている大会社、あるいは一社でもってこれから三十三年間売ってもいいような西武という私鉄の持っている土地とか、一社で一千万平方メートルも持っておる土地だとか、こういうところを解放するということを考えないかどうか。それから、もし政府の考えているような宅地並み課税をこのまま実施していけば、その土地を大手不動産が買い占める——いろいろの名目は使うでしょうけれども、名義は使うでしょうけれども、これを買い占めるということを阻止する保証があるかどうか、こういうことを私はお聞きしたいと思うのです。これは自治大臣と、それから建設省で来ておりましたら、その二つをお聞きしたいと思うのです。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 地方自治団体がいま言われました土地を必要とする場合、もしそういった姿にあるために買うことができないという姿であれば、自治省としても考えなければならないと思いますが、その他の件につきましては、私は見解必ずしも同一であると申し上げることはできないのですが、貴重なる御意見とし了承させていただきまして、主管省である建設省から答弁させていただきたい、かように考えます。

関口洋建設省計画局宅地部宅地政策課長

○関口説明員 先生がただいま御指摘になられましたうちでは、いわば大手不動産業者が保有している土地をどういうふうにして、放出ということばを使われましたが、世の中に売りに出させると申しますか、世の中の用に立っていくかという問題が、まず第一点であろうかと思います。おっしゃるとおりに、私どもとしては、それらの保有にとどまっている限りは何ら世の役に立つということはないわけでありますから、造成をして現実の宅地の用に供してもらうということが、一番肝心なことでございます。これらの点につきまして、昨年開銀の融資制度を設けまして造成費について、四十ヘクタール以上の大規模な団地でございますが、そういう優良な団地の造成費の確保をはかるという意味で、開銀に融資制度を設けております。こういうものをつくることによりまして、造成の機運を一刻も早く起こして、世の中に生かしていただきたいということを期待しておるような次第でございます。  それからあとの買い占めの今後の問題につきまして、買い占めの防止をどういうふうにしていくかという御指摘がございまして、この中にたとえば所要の公共、公益施設の用地の確保という問題とどういうふうにして調整をはかっていくのかという御指摘がございましたのですが、まさに御指摘のような要請にこたえるために、自治省と建設省のほうでただいま公有地の拡大の推進に関する法律案を今国会に出させていただいております。私どもとしては、そういう措置によりまして所要の公共、公益施設を先行的に確保してまいり、健全な土地の利用に資するようにしたい、かように考えております。

林百郎日本共産党

○林(百)分科員 大臣、佐藤内閣の国務大臣の一人として、こういうことを考えておかれることが必要じゃないかと思うのです。実は政府の四十七年度の予算、これは超大型予算で、景気浮揚政策に基づく、しかもそれが公共事業に傾斜した大型予算だということが一つと、それからドルが非常にたくさんだまってきたということで、金融が大幅にゆるんでいるわけですね。そこで、金融業者としては貸し出しに困っているくらいなんで、金融機関は金を大手筋へどんどん出している。さらに円の再切り上げが予想されるほど国際通貨情勢が不安定な状態でありますから、有効な国内投資として、大手筋の土地の買いが最近非常に進んできているわけです。  私は、新聞の切り抜きだけ、そういうものを持ってきましたが、たとえば一月三十一日の朝日新聞、「地価急騰先回りし買占め 大手私鉄や商社が動く 大型の予算も用地費が食う」、これは赤旗じゃなくて、朝日新聞ですから。それからその次が三月十一日の日経、「国内活動にかける大手商社 株式・土地買いまくる 重化学密着から脱皮」、土地のほうへ傾斜している。それからその次が三月七日のこれも朝日新聞、地価上昇、金融緩和が拍車、都銀の貸し出し不動産に傾く。製造業の不況も反映し、不動産の買い占めに都銀の貸し出しが傾いている。それが地価の上昇の大きな原因になっている。それから、これは和光証券の調査部の調査の結果ですけれども、千二百九十三社、一部、二部上場会社で全土の一・二六%を持っている。これを和光証券が調査をして、企業の土地の所有はこんなにあると、これは赤旗でございますけれども、しかし、赤旗といいましても、和光証券の調査です。こういうところをそのままにしておいて、そうして零細な農民に宅地並み課税をかけて、農民をいびり出そうとしている。私は、いびり出そうとしていると考えます。だから、反対が多くて、自民党からでも修正をしなければならなくなった。だから、そのことをよく考えていただきたい、こういうように思うわけです。そうしてしかもこういう大手不動産会社は、これから先十年、十五年の値上がりを待ってじっとしているわけですね。たとえば、西武だけでもこれから三十三年間売っていくだけの土地を買い占めちゃっているわけです。それから、これは三月三日付の週刊朝日にあるのですが、さっき言ったような埼玉県の小川町の山林の値段が、最初は十アール七万円だったのが、不動産会社が十アール百二万で買い占めを始めて、しかもあそこは方々の大手筋が来て競争している、こういう状態ですね。  そこで、さっきの私の質問ではっきりさしていただきたいのですが、税務局長さんもお見えになっていますからお聞きします。課税に対していろいろな保護をしているし、評価も非常に低いわけですが、固定資産税を累進的にする、こういう一億平方メートルも土地を持っているような、そういう大きな会社に対して、そういうことは考えないでしょうか。これは地方自治体の財源としても、いま窮迫しているおりなんですから、私も地方行政の一員としてよく知っているのですが、こういうところは累進的にしてもいいんじゃないですか。しかも大きな利益をあげて、利益の隠しようのない私鉄が、みんなこういう土地を買い占めているわけですね。全部合わせれば、東京の四囲だけでも一億平方メートルになる。この固定資産税の一律性というものを是正する考えはないのでしょうか。あと一問で終わります。

佐々木喜久治自治省税務局長

○佐々木(喜)政府委員 固定資産税は、御承知のとおり市町村税でございます。したがいまして、三千三百の市町村がそれぞれその市町村内の固定資産に対して課税をするということになるものでございますから、たとえば一社が何千ヘクタール、何万ヘクタールというような土地を持っておったにしましても、それが一つの町村だけでありますればそうした全部をとらえて課税することは可能でありましょうけれども、個々の市町村がそれぞれの地域内でその市町村の区域内に所在する物件について課税をしていくということになりますと、その財産を一まとめにして課税をすることは、課税技術上からも不可能でございます。  それにまた、累進税率の考え方は、やはり所得税のようないわば基本的な、最終の所得課税の段階で行なわれるべき税制でございまして、いわば物税である固定資産税について累進税率をとるということについては、非常に問題があろうかと思います。  それからまた、この土地自体について累進税率をとるということにつきましては、その累進税率のとり方にもよるかと思いますけれども、通常のいわば平均的な利用状態における土地の収益を上回るような税制になりかねない。そういう意味におきましては、結局土地の処分というものを前提にした累進税率ということになってくるわけでありますから、やはり経常的な財産税としての固定資産税の場合には、累進税率というものは非常にむずかしい問題があるのではないか、こういう感じがいたすわけであります。  いずれにしましても、この固定資産税について税率をどうすべきかという問題は、税制調査会におきましてもこれは一応議論の対象になりました。税制調査会におきましても、固定資産税の累進税率は、やはり税制上は問題があるというような答申もいただいておるわけであります。いま直ちに累進税率を導入することにつきましては、なお問題があると考えております。

林百郎日本共産党

○林(百)分科員 局長、固定資産税は、市町村だから何千平方メートルもないなんて言ったって、十万坪ぐらいの土地を一社が買い占めているなんということは、どこでもあります。十万坪、それではいま言ったように坪十万ぐらいだとすれば、幾らになりますか。もうそれだけで百億ですね。そんなことは常識ですよ。だから、局長の言うことは、そういう点では私の問いに答えておらない、詭弁のように考えます。形状によってかけるのが固定資産税だというなら、では農地は農地並みにかけたらいいので、農地を宅地並みにして、ここで急に百倍も何十倍もやる必要はないと思うのですよ。だから、局長の回答では私は納得できないと思うのですね。ことにいまこうやって金融がゆるんでいるときに、大手の不動産会社が土地をどんどん買い占めて、そして何億という利益をあげているときに、それに対しての固定資産税を、普通の十アールかそこらの農地しか持ってない農民と同じように、あるいは宅地を持っている者と同じように百分の一・四から二・一しか取れないということは、それは税制上、むしろ審議会がどういう答申をするにしても、不公平だと思うのですよ。その点は、再検討する必要があると思います。その答弁を聞いて、もう一問だけさしていただきます。

佐々木喜久治自治省税務局長

○佐々木(喜)政府委員 確かに一つの会社が同一の市町村の中で十万坪持っておるというような例は、あると思います。ただ、その土地の持ち方が、一カ所に集中するか、分散するかによって、累進税率を採用いたします場合には、非常に税負担に差が生じてまいります。そういう意味におきまして、分散して所有する場合と集中的に所有する場合とにおいて、税負担の不均衡が出てくる。こういう意味におきまして問題があるということでございます。  それから土地につきましては、あくまでも時価課税というのをたてまえにしておるわけでございますので、いま申し上げましたのは、その土地の所在によって通常の使用の状態における収益を上回るという可能性が出てくるということを申し上げたわけでございます。現在の市街化区域農地につきましても、農地についての一般時価を考えました場合には、附近の宅地とほとんど変わるところがない時価が形成されておるという事実に着目して評価をしていこうということであります。私の申し上げたかったのは、そういうことでございます。

林百郎日本共産党

○林(百)分科員 それではこれで、質問という形より、私たちのほうの政策も加味しますが、宅地並み課税がどうなるかわかりませんね、渡海さん。自民党からもああいう修正案が出ていますし、あれが出れば、条例をまたつくり直さなければいかぬわけでしょう。今度は市街地内の点在農地だけになって、あとはかけないということになるわけですからね。いままでは、市街化区域内の農地は全部かけるということになっていたのですから、条例もつくり直さなければならない。それから各市町村ごとに、一体どこの土地が都市の緑化に寄与すると認められるものと認定するか、あるいはどこの土地が将来緑地として残すことが適当であると認められるかというような判断は、みな市町村にまかされたわけですね。いままでは国が握っていた。だから、これは自民党の案が通ったとしても、非常な混乱を来たすことになると思うのですよ。  そこで、私たちの党の政策としては、まず原則的には宅地並み課税はやめるべきでおる。これはあなたのほうの大石委員ですが、A、B、Cのランクをとるという意見も自民党の中にもあるのだというぐらいですから、私のほうの政策としては、農地の宅地並み課税をやめる。  しかし、農地であるか農地でないかというようないろいろむずかしい判断もあると思います。そういうものを調査するために、農協だとか、農業委員会だとか、農民組合だとか、農民団体あるいはそのほかの民主団体の代表、学識経験者による民主的な調査機関を設けて、これは農地だ、これは将来農地になる可能性がある、これはどうも農地とはいえないだろうというような調査をするということが第二。  第三は、やはり私は、局長の言うことばはどう考えてみましても納得できないので、いつもの切れ味が鈍った答弁のようにどうしても思えます。これはやはり無理があるからだと思うのです。したがって、大資本、大手不動産会社などの買い占めた土地が、一市町村の中に点在していようと、集団的にあろうと、それは宅地造成をして売っていくのですから、だんだん集団的になるのは明らかですから、そういうものについての固定資産税は、これを適正に評価して累進税率を適用する、こういうことを民主的に行なうまで宅地並み課税の実施を一時延期する。そして農地に対する免税点をむしろ引き上げて、都市の野菜や農業生産物の消費者とその周辺にある農民との関係を密接にして、農産物の価格を下げる。こういうことを私のほうの党の政策としても考えていますが、これを申し上げまして、もし大臣、答弁がありましたら答弁をしてもらいますし、もし、もっともだ。もっともだからもう何も言うことがないというなら、もう何もおっしゃらなくてもけっこうです。どうでしょう。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 見解必ずしも同意しかねますが、御意見として承っておきたいと思います。

林百郎日本共産党

○林(百)分科員 では、これで終わります。

田中正巳自由民主党

○田中主査 次回は、明二十五日午前十時より開会し、引き続き自治省所管について質疑を行なうこととし、これにて散会いたします。    午後五時五十八分散会

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