予算委員会第三分科会 第4号
- 発言数
- 308 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1972/03/23
会議録
○田中主査 これより予算委員会第三分科会を開会いたします。 昭和四十七年度一般会計予算中、経済企画庁所管を議題といたします。 この際、政府から説明を求めます。木村経済企画庁長官。
○木村国務大臣 昭和四十七年度の経済企画庁関係の予算及び財政投融資計画につきまして、その概要を御説明申し上げます。 昭和四十七年度の総理府所管一般会計歳出予算のうち経済企画庁の予算の総額は六百四十二億四千百七十五万円でありまして、前年度予算額に比較いたしますと九十六億九千五百六十八万円の増額となっております。 これを予算の主要経費別に区分いたしますと、経済企画庁の一般経費は六十六億六百四十五万円を計上しておりまして、前年度予算額に比較いたしますと、十一億一千六百三十八万円の増額となっております。 公共事業関係費では五百七十六億三千五百三十一万円を計上しておりまして、前年度予算額に比較いたしますと、八十五億七千九百三十万円の増額となっております。 以下、この経済企画庁関係予算の重点事項につきましては、委員各位のお許しを得まして説明を省略させていただきたいと思います。 よろしく御審議くださいますようお願いいたします。
○田中主査 この際、おはかりいたします。 ただいま木村経済企画庁長官から申し出がありました経済企画庁所管関係予算の重点事項につきましては、その説明を省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中主査 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔木村国務大臣の説明を省略した部分〕 次に、特に重点として取り上げました事項について、その内容を御説明申し上げます。 まず、第一は、新政策体系の確立と安定成長確保のための調査の拡充に必要な経費であります。 物的生産力においてほぼ欧米水準に到達したわが国の経済社会は、国民の意識や欲求の高度化・多様化および国際化の進展を背景として大きな転換の時期を迎えております。 このような情勢に対応して、新らしい視点からわが国の経済社会に関する政策を確立するため、NNWの開発、社会指標開発調査、国民選好度調査および経済変動の国際的波及調査を新たに実施する経費として五千四百九十八万円を計上しております。 第二は、長期経済計画の策定に必要な経費であります。 転換期にあるわが国の経済社会の進むべき長期的方向を明らかにするため、昭和四十七年度において新らしい長期経済計画を策定することとしております。このための経費として五千五十万円を計上しております。 第三は、物価対策と国民生活行政の推進に必要な経費であります。 国民生活の充実に関連する諸問題は、各省各庁の協力によって初めて対処し得るものでありまして、当庁の経費は、各省庁の施策が総合的な効果を発揮し得るように、その調整を促進するため必要なものであります。 昭和四十七年度におきましては、昭和四十五年十月に発足させました特殊法人「国民生活センター」の拡充及び消費者啓発の強化をはかり、また、円切上げによる輸入品価格低下の効果を末端小売価格に反映させるための追跡調査等監視指導体制の強化、生鮮食料品価格安定対策の充実、地方公共団体による物価行政の推進など、物価安定のための調査調整機能の充実をはかるなど、国民生活行政の推進に必要な経費として九億九千二百十三万円を計上しております。 第四は、国土開発調査の推進に必要な経費であります。 わが国の経済社会の発展とともに、その高密度化が一層進展することを考えますと、国土の計画的、かつ、総合的な有効利用の必要性はますます高まるものと思われます。 このため、地域開発計画調査につきましては、各種の地域開発計画に関連する調査の総合効果を確保するとともに、後進地域の開発に関する調査を行なうこととしております。 また、国土調査事業につきましては、国土調査事業十カ年計画に基づいて、その促進をはかることといたしております。 これら国土開発調査の推進に必要な経費として、前年度予算額に比較いたしますと六億四千四百五十七万円増の三十億六百九十万円を計上しております。 第五は、国土総合開発の促進に必要な経費であります。 新全国総合開発計画に基づく国土の開発は、各省庁の施策の進展にまたねばなりませんが、当庁といたしましては、国土の総合的な開発にかかる各棟公共事業の調整を行なうとともに、総合的な水資源の開発、離島、山村地域、豪雪地帯の振興対策の促進をはかることとしております。 昭和四十七年度におきましては、公共事業関係費を中心に、これらに必要な経費として、前年度予算額に比較いたしますと八十六億二千七百九十五万円増の五百七十九億四千三十一万円を計上しております。 この経費の内訳は、(項)国土総合開発事業調整費として八十二億円、(項)水資源開発事業費として百七十六億四千六百七十六万円、(項)離島振興事業費等離島関係事業費として三百十七億八千八百五十五万円、また、(項)豪雪地帯対策特別事業費として一億九千五百万円、(項)振興山村開発総合特別事業費として一億一千万円となっております。 以上、一般会計予算の概要を御説明申し上げましたが、次に、経済企画庁関係の財政投融資計画につきまして、簡単に御説明申し上げます。 まず、海外経済協力基金につきましては、わが国の国際的地位の著しい向上とその果すべき国際的責務の増大に対応し、アジア諸国等に対する海外経済協力の大幅な拡充をはかるため、資金運用部資金六百十億円及び一般会計出資金四百二十億円を含めた自己資金等六百十億円を財源とし、事業規模として前年度に対し、三百三十億円増の一千二百二十億円を予定しております。この内訳は、直接借款一千六十億円及び一般案件百六十億円でございます。 次に、水資源開発公団につきましては、利根川、淀川、筑後川、木曽川及び吉野川の各水系における開発事業の推進をはかるほか、既に完成した施設管理等を行なうため、資金運用部資金百六十八億円、公募債七十四億円、水資源開発事業費を含めた自己資金等三百八十六億円を財源とし、総事業費として前年度に対し百二十二億円増の六百二十八億円を予定しております。 次に、東北開発株式会社につきましては、会社の経営基盤の整備強化をはかるとともに、内陸工業団地の造成等、東北開発促進にとって必要な開発事業を実施することとし、産業投資特別会計出資金五億円、公募債二十六億円を財源とし、事業資金として前年度に対し八億円増の三十一億円を予定しております。 最後に、北海道東北開発公庫につきましては、資金需要の増大に対処するため、産業投資特別会計出資金十億円、資金運用部資金等政府資金と公募債五百六十五億円、自己資金等百六十五億円を財源とし、貸付規模として荊年度に対し七十五億円増の七百四十億円を予定しております。 以上をもちまして、経済企画庁の予算並びに財政投融資計画について、その概略を御説明申し上げました。 何とぞよろしく御審議のほど、お願いいたします。 —————————————
○田中主査 以上をもちまして、経済企画庁所管についての説明は終わりました。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。堀昌雄君。
○堀分科員 昨年のニクソン声明以来、御承知のような通貨調整問題を含めて、昭和四十六年度は当初の見通しに反して経済の情勢はたいへん落ち込んだ姿になって今日に引き続いておるわけでありますけれども、いま経済企画庁では、この昭和四十六年度第四・四半期における経済成長の年率、いわゆる瞬間風速はどのくらいだと見ておりますか。
○木村国務大臣 この第四・四半期、一−三の実績見通し、まだ確たる実績見通し値は出ておりませんけれども、大体のところ、瞬間風速にいたしましてまず四%から五%、少し幅を広く申し上げて恐縮ですが、大体の感じとしては四・五%程度ではなかろうかと思います。
○堀分科員 政府の四十六年度の実績見込みは四・三%というふうになっておりますね。そうすると、いま第四・四半期を伺ったのですが、いまのあれで四・五%ということならば、その前にかなり落ち込みの時期があったということでないと姿が整わないと思うのでありますが、第一クォータからいまのような形でちょっと言ってみてくれませんか。事務当局でけっこうです。
○新田政府委員 四十六年度の四半期別のGNPで前期比で申し上げますと、四月−六月が実質マイナス〇・四、それから七−九が二・九、十−十二が〇・四というのが、現在までの実績でございます。
○堀分科員 いまのお話を承ると、第三クォータと第四クォータはほぼ横ばいという程度ではないですか、どうでしょうか。
○新田政府委員 ならしてみますと、大体横ばいだと思います。
○堀分科員 そこで、四十六年度の実は見通しというものの中で、当初の見通しと実績見込みの中で非常に大きく乖離をしている部分があるわけです。GNPで見ますと、四十六年見通しに対して四十六年の、実績見込みは九五・一%ですから、約五%の落ち込みでありますけれども、この中で非常に落ち込んでおりますものの一つに民間住宅があります。当初の見積もりを一〇〇としますと、実績見込みでは八三・一%まで下がっている。もう一つ下がっておるのは企業設備でありまして、これが当初の見通しを一〇〇としますと、四十六年の実績見込みは八三・六二ということで、これもやはり八三%、くしくも民間設備投資と民間住宅は同じような落ち込みを実は皆さんの実績見込みで示しておるわけであります。 そこで、こういう情勢を踏まえて昭和四十七年度の見通しの問題を少し考えてみたいと思うのでありますけれども、四十七年度の見通しの問題の中で一つの問題点は、私はやはり民間住宅の問題には依然として問題が残るというふうに見ておるわけであります。政府のいまの見通しでは、四十七年の民間住、宅については、一五・六%の伸びということで六兆一千五百億円を見込んでおられるわけであります。ところがこの民間住宅というのは、四十五年を見ましても、すでに低下傾向がはっきりしておるわけであります。四十五年の当初見通しは五兆二千五百億円、これを一〇〇としますと、四十五年の実績見込みが五兆一千五百億円で、これは九八・〇九と、ここですでに実績見込みで下がり、四十五年の実績は四兆八千三百四十九億円ということで、九二・〇九と実績でまた下がった。四十五年に当初の見通しを立てたのが、そういうふうに下がってきた。四十六年も見通しを立てたけれども下がってきた。四十七年も前年比一〇%というふうに見て、四十五年の実績に対して四十六年の実績見込みは一〇%の伸びがあるのだ、そこでそれを踏まえて、四十七年度の民間住宅は一五%の伸びでいま私が申し上げました六兆一千五百億円と見込んでおられるわけですが、私はおそらくここまでいかないんじゃないか、こういうような感じがいたします。 まず、かりに過去の例から見て、九〇%に落ち込むとすれば五兆五千三百五十億円、四十六年の実績見込みは横ばいで一〇%増と見ても、二千九百八十億円くらい落ち込む、こういうふうにここが落ち込んでくるんではないかと思うのですが、ことし予算は財政投融資計画一兆三千億、あるいはそういう中には公団住宅等の問題もありますが、住宅金融公庫の貸し付けもふやして、条件も改善されておるということでありますけれども、私は問題はやはり土地の問題ではないのか、こう思いますが、長官いかがでございましょうか。
○木村国務大臣 確かに土地の問題が住宅建設の伸びにたいへんな影響がある、これはもう否定できない事実であります。 それから、先ほど御指摘になりました昭和四十七年度の民間住宅の見通しでございますが、確かにそういういま御指摘の点は十分ございますけれども、昭和四十六年、昨年の十−十二月期以降住宅着工統計を見てみますと、やや上昇のきざしが見えます。それから住宅ローンが、御承知のとおり極度の金融緩和で非常にゆるんでおります。そこで私ども、建設省の住宅着工予定統計を見てみますと、その面でたいへんそういう意味の徴候が見られるんではないかと思います。かりに住宅ローンの新規貸し出しを見てみましても、昨年四月−六月期が前年比三六%増、七−九月五五%、これは御承知のとおり大体半年ないし八カ月くらいで着工になるということから考えますと、ややそこに住宅着工の伸びの騰勢が見られるという点で、いままでのような民間住宅の伸びが非常に鈍化しておりましたようなことは、大体底に入って、伸びが進むのではないか、こういう考えを持っております。
○堀分科員 民間住宅が伸びればけっこうでありますけれども、私は、やはりいまの日本の物価問題の一番基本にあるものは、土地の価格問題だと思うわけです。いま衣食住、この三つを見て、衣食足って礼節を知るということのようですが、私は、どうもいまの問題は、衣食足って礼節を知るわけにいかないんじゃないか。それはなぜかというと、やはり住というものがある程度国民のニードにこたえられる条件にならないところにゆがみが出てくる。このゆがみは社会生活に非常に大きな影響を与えて、これが反射的にマイカーへ嗜好を誘う、あるいは必要以上にレジャーを求める、こういうふうな形になりつつあるんじゃないかと思うのです。私は、いまの政治、まあ経済の問題を含めて、一番非常に重要な点はやはり土地政策ではないかと思うのですが、なかなか土地政策は、あの手この手と小手先でやっても問題の核心に触れないというのが、現状であります。 私どもは、すでにこの間の代表質問の中でわが党の大原委員も述べましたように、私もテレビ討論でたびたび申しておるわけですが、一つの考え方を持っておるわけです。それは、公的な土地公団という機構をひとつつくろうではないか。特殊法人でありますか、政府関係機関でもけっこうですが、そういう土地公団があらゆる土地についての管理と売買についての責任を持つということにしたいと考えておるわけです。土地を買いたい者はその土地公団からしか買えない、土地を売りたい者はその土地公団にしか売れないという、土地に関する一手処理機関をひとつつくろうではないか。そうしてその中にきわめて民主的な公正な評価委員会を中央にも地方にも設けて、そうしてその評価委員会の決定額以上ではその公団は土地を買いません、売りませんと、こういう形になる。そうしてそこを通さないものについては少しきびしい罰則で処置をしよう。そうなりますと、初めてそこで投機的な上昇、あるいは開発利益を織り込む地価の上昇というものを遮断することができるのではないか。少なくともこれから日本経済というものは公共投資主導型の経済を目すというのが、政府のこれまでのたび重なる答弁の中にもあるわけでありますが、そうするためには、やはり私は土地の政策をきちんとして、公共投資を進めるために土地が不当な価格で周辺に波及をしたり、財政に影響を与えるようなことは、今後の経済効率から見ても、国民の負担から見ても、非常に大きな問題になると思いますし、あわせていまのような民間住宅との関連から見ましても、私は何としてもこのような発想で抜本的に処理をするということですね。小手先でいろいろな処理をしても、必ず抜け道があったり逆の効果を生じたりするので、そういう考え方を持っておりますが、まあ国会で正式に質問の中で申し上げるのはこれが初めてでありますが、企画庁長官のこれに対する感触をちょっと伺っておきたいと思うのです。
○木村国務大臣 私も、実は経済演説の中でその土地問題には触れたつもりでございます。従来、政府の土地政策、いろいろ税制でもあるいはその他対策を講じてきましたが、やはりある限度までまいりますと、壁にぶつかります。したがって、土地の問題についての政府の施策、必ずしも成功しておりません。そういう面から見まして、私どもいまや土地の保有形態そのものにメスを入れなければならぬということで、経済演説の中でも、所有権のあり方も含めてということを申し上げたわけでございます。まだ、この問題は国民的コンセンサスのもとに進めなければならぬということでございまして、短兵急にはまいりませんが、しかしながら急がなければならぬ問題でございます。いまお話しのありましたような構想も含めて、経済企画庁で土地問題についての思い切った政策をひとつ考究しようというプロジェクトチームをつくりまして、いませっかく研究中でございます。なるべく早い機会に結論を出したい、こう考えております。
○堀分科員 いまのでまず土地の問題を終わりまして、次は、本年度の経済がはたしていま政府が考えておられるように七・七%まで回復できるかどうかの非常に大きな問題は、やはり通貨問題が非常に大きな問題として残されておると思います。その通貨問題に関連してちょっと見通しの問題等見ますと、輸入については、昭和四十六年の当初見通しは九兆五百億円でございましたが、これが実績見込みでは七兆五千七百億円という輸入にしかならなかった。これがやはり先ほど申し上げたように、いみじくもダウンした、みな八三%ダウンしているのです。民間住宅も八三、企業設備も八三、輸入も八三と、どうしてそう八三になったのかふしぎなくらいに、ダウンしたのが八三になっておるわけであります。そこで、ことしの見通しは七兆九千三百億円ということでございますけれども、はたして今年これだけの輸入が可能かどうかという点が、実は私は率直に言うと疑問があるわけです。いま私どもがどうしても考えなければならないことは、政府もいろいろだまっております外貨の処理をどうするかということを盛んに心配していらっしゃいます。私は、それも確かに表のほうから見れば一つの問題点だと思います。しかし、肝心なのは、いかにしてわれわれが輸入をふやして、特に対アメリカで輸入をふやして——輸出を減らすというのは、これはいまの情勢ではなかなか無理でありますが、自然に国内需要が上がれば輸出も減りますでしょうが、どうして輸入をふやすかということで向こう側の赤字を減らすかということを考えない限り、百六十四億あるのをどこかに貸したりいろいろしてちょっと消してみて百億にしてみたって、問題はこっち側にあるのではなくて向こう側にあるという認識を立ててもらわないと困ると思うのですね、この点は。そうしますと、私は今年度の日本経済の中で一番考えなければならぬことは、ともかく可能な手段があれば、その手段を使ってGNPを押し上げて、そのGNPが押し上がる中で国内の需要がふえて、それが輸入につながって輸出が少しでも減るということになれば、通貨調整を再度強制されるような事態にならないで済むのではないか。いまの経済の主要な眼目はこの一点に尽きると思うのですが、長官いかがでございますか。
○木村国務大臣 確かにいま御指摘のとおりだと思います。したがって、当面の急務というのは、やはりわが国の国内景気というものの回復であろう。これによって輸入も増加させることもできましょうし、また基本的にはいままでの国内諸政策も転換しなければならないということから、そういうような総体的な観点から輸入を増加させるということでなければ、ただ小手先の輸入政策を一々とってみましても、それは単に額はわずかなものでとどまるだろう、こういう考えを持っております。
○堀分科員 そこで、いま私は可能な手段をとる、こう申しましたが、可能な手段がとれる範囲というのはきわめて狭いと思っております、項目的に見まして。まず政府の財貨サービスの問題は、すでにいま予算を提出されておりますから、これをちょっとふやすなんということはいま考えることのできない問題ですね。これはもう間違いがない。それからいまお話しになりましたような項目別に見ましても、輸出を減らすとか輸入をふやすとかいう話も、率直にいって結果で出てくるわけですから、これもなかなかむずかしい。民間住宅は、いまのお話のようにもし伸びればたいへんけっこうだと思うのですが、ウエートがきわめて小さいですから、これはたいして影響はない。在庫品の増加の中ではどうなるかということになりますが、在庫品の増加も、私はやはりどうも結果の問題ではないかと思うのです。景気がよくなる過程で一ぺん在庫整理が行なわれて、それから増加に転ずるわけですが、これも結果だ。このすべての項目の中で、要するに政府なり経済界全般が腹をきめてやればできる問題が一つある。それは何かというと、個人消費をふやすということだけは、政府の政策、経済界の決心いかんで実は可能な道がここに一つ残されておると思うのですが、長官どういうふうにお考えでしょうか。
○木村国務大臣 私も、個人消費を伸ばすということは、景気回復の非常に大きな一つの手段になるということは同感でございます。
○堀分科員 そこで、この問題は、私昨年の暮れの通貨調整の本会議における緊急質問の中でも申し上げましたように、欧米先進諸国は、一九七〇年のベースで見て、いまでもおそらくそうでしょうが、西ドイツを除いて、個人消費のGNPに占める比率は大体六〇%台であります。日本はちょっと最近のデータを、皆さんのほうの資料で四十二、四十四、四十五までが実績、四十六年は実績見込み、四十七年見通しで見ますと、日本の場合には四十三年が五二・〇六、四十四年五〇・七五、四十五年五一・三三、四十六年の実績見込みで初めて五三・一七と、これはほかが小さくなったものですから、ちょっとふえている。四十七年度が五三・八二ということでありまして、西ドイツが大体五五、六%のところにいっておりますから、日本は西ドイツに比べても依然として低いところにある、こういうふうに思うわけです。 そこで、いま皆さんのほうの四十七年度の経済見通しを拝見いたしますと、雇用者所得、国民所得の分配の中の雇用者所得については、四十六年の実績見込みを三十七兆七千百億円とし、四十七年度の見通しを四十三兆四千三百億円とされて、四十五年対四十六年は一六・五%の雇用者所得の伸びがある。四十六年対四十七年は一五・二%で、前年よりは雇用者所得の伸び率が下がるんだというのが、現在のこの見通しをささえておる一つの部分だ、こう考えるわけです。いまの非常に困難な経済情勢を転換させるためには、このポイントを考える以外に手はない。要するにことしの春闘を通じて、かりにこの一五・二%の雇用者所得の伸びというのを二〇%に引き上げることができたらどういう姿になるだろうか、一ぺん私は試算をいたしてみました。これを二〇%に引き上げますと、GNPは名目で九十二兆三千八百六十四億円になり、これは名目で政府見通しの一二・四%に対して一五・一%の伸びになるわけでありますが、個人消費が五十兆七千三百六十四億円ということで、個人消費の伸びは、政府の一二・八に対して一八・九とかなり高くなります。構成比五四・九%、ようやく西ドイツ並みの構成になってくる、こうなるわけであります。これは消費性向を八〇%と、乗数効果一・五倍ぐらいに見たというのが計算の過程にあるわけであります。 そこで、私は、この際大幅賃上げをするということは、個々企業の経理にとってはたいへんなことだと思います。しかし、総資本として見ますと、個々企業が悪いから賃上げをできるだけ減らすということは、言うなれば個人消費を押えることになるわけですから、みずからの手で景気の回復をおくらす方向になるのではないか。そこがふっ切れれば問題は前へ進んで、設備投資でも借金してやるのですから、借金して給料を払うこともありませんが、かりに借金してことし大幅賃上げしたにしても、そのはね返りが今年の後半から来年にかけて出てくれば、その給与の上昇分というものは、生産性の向上の中で、あるいは生産量の拡大の中で吸収できる道は先にはあるわけですが、もしいまの形で給与を押え込むということになれば、これは縮小再生産の道に落ち込んでいって景気を押し込むことになって、その結果はまた通貨調整にはね返って、その結果また輸出が押えられることになる。全体がまたまたもう一段下のサイクルを回らなければならぬということになるのではないか、こういう感じがするわけですね。個々企業としてはたいへんな問題でありますが、私は、そういう考え方は現在の緊急避難としては一つあるのではないかと思う。 時間がありませんから、そこでこれに対する対案はそれは何かといいますと、民間の企業にいま給与をふやしなさいと政府が言ってみたって、これは偶々企業から見たらふやせません。何をなすべきかというのは、可能な道の一つでありますが、残されておりますのは、ことしの春闘の中の一つの重要な目安になる公労協の賃金の引き上げ問題があると思うのです。この公労協の賃金の引き上げを、これは政府主導型ですから、公社、現業部門で政府の部分でありますから、この際思い切って二〇%に乗せるということをもし政府が決断をするならば、これは民間の春闘の中では、政府が二〇%出しているんだから二〇%出せということになって、企業側としてもやむを得ず出さざるを得ない。そうして出したことが景気を押し上げることになって、みずからを救う道になる。これは民間の場合に主導的にやれというのは無理であって、受動的にそういう条件をつくるためには、この際公労協のこれから始まる春闘でありますけれども、二〇%の賃上げを公労協に一つ回答をするということが、日本経済がいま落ち込んでおる縮小再生産のサイクルを拡大再生産のほうに方向転換をできる唯一の引き金だ、私はこう考えておるわけであります。 時間がありませんからいまずらっと申しましたけれども、この一連の私の考えに対する長官の御見解をひとつ承りたいと思います。
○木村国務大臣 確かにマクロ的に見ますと、いまお話のあったようなことが、景気の回復に非常に有効であるということは考えられます。しかしながら、その雇用所得を政府主導型でこれを押し上げるということは、主導することはなかなかむずかしいことは御承知のとおりでありまして、特に公労協の問題、これは単にそういう経済問題だけでは済まされないいろいろな要素を持っておりますので、この際これについて政府としての見解を申し上げるのは、ちょっと差し控えさせていただきたいと思います。御了承願います。
○堀分科員 まあ公労協の賃上げはいいですが、いま長官はマクロの話だとおっしゃるのですが、これはマクロでものが片づかないでミクロでは片づかないと思います。そこはどうですか。マクロで片づけるという方針が固まらない限り、ミクロで対処できないと思いますが、長官いかがですか。
○木村国務大臣 確かに、いまやマクロ的な見地からそういう経済政策を運営しなければならぬというのは、私も同感でございます。しかし、いまのわが国の経済の体制といいますか、そういう面から見ますと、やはりマクロ的にそれを肯定いたしましても、それに対する政府としての施策の実施面においては、やはり限界がある。ミクロでそれが片づかないという面が、わが国のいまとっておる経済体制の現状であろうと思います。この点はひとつ御了承願います。
○堀分科員 経済体制というお話をなすったわけですが、私もいま社会主義経済の話をしているわけじゃないんですよ。近代経済学の中での議論をしておるわけですね。いま申し上げておることは、おそらく学者だけでなく、そこにずらっとすわっている官庁エコノミストの皆さんも、私の言っていることに対して反対だという方は、一ぺん手をあげてみてください。そこにずらっと並んでいる方で、私の理論構成に反対だという何か意見があれば、ひとつ聞きたい。長官は政治の立場ですからあれですが、事務当局の方で反対だという方は、意見を言ってください。
○新田政府委員 特別反対ではありませんけれども、ただ、賃金問題につきましては、先生おっしゃいますように総需要面の問題と、もう一つはやはりミクロの問題としてのコストの面からの問題と、両面ございまして、その兼ね合いをどうするかという問題が一つございます。
○堀分科員 私が言ったことを、あなたは正確に理解していらっしゃらぬと思うのです。いいですか、ことし不十分に、賃上げを押え込んだとしますね。個人消費がもしかりに皆さんが考えたところまでいかなかったら、GNPは下がるわけでしょう。GNPは伸びるなんという要素は、少ないわけです。下がるようなふうに点検している方が、実は多い。それが伸びるなんというのは、輸出が伸びるということですね。それ以外にないですね。私は、このままでいったらどうなるかというと、輸出が伸びるということは、少なくとも通貨調整をもう一ぺんやらせられるということです。ことしの八月にもう一ぺんニクソン声明が出て、また皆さん方、八三%にダウンしましたなんていうことをここで言うようだったら、私は承知しませんよ。一回目はしようがないです、誤りはだれだってある。同じ誤りを二回繰り返したら、これは重大な問題ですよ。だから、私は、いまの個々の企業だって同じことなんですよ。縮小再生産に追い込まれて全体のサイクルが回わっている中で、個々の企業がどうやってあげるんですか。上がらないでしょう。全体をどうやって押し上げるかということを考えなければならないときには、少なくとも政策は果敢にやらなければならない。われわれはいま、過去に経験したことがないところに追い込まれておる。この追い込まれておるその環を遮断するのは、果敢に、勇気を持って、決断を持ってやる以外にはないですよ。もしこれをやらないとすれば、自由民主党の政府は、資本主義経済がわかっておらぬ。資本主義経済がわかっておるのなら、資本主義経済の原則に立ってやるべきですよ。だから、その点は、どこで環を切るか。環を切るときに抵抗があるし、問題があるわけですね。これはあたりまえですよ。しかし、環を切らなければ、問題はさらに落ち込むことは間違いないというときには、勇気をふるって環を切って、そしてそのことがいままでの悪循環をいいほうに転換させることにならない限り問題は解決しないというのが、私のいまの考え方です。だから、個々企業の問題は、そこは政府がある程度調整をしなければならぬ。沖繩の問題についても、いま沖繩で給料の三百六十円の読みかえの問題が出ておる。大手の企業は三百六十円で読みかえる。小零細企業は対応する能力がありません、こうなっておるわけですね。私は、いま大蔵委員会で来たるべき金融公庫の法律をやるときに、長期低利の融資をひとつやろうじゃないか。小零細のためにやりましょう。十年据え置きで、十年の年賦償還で、年利は二%の金を零細のほうに出しましょう。そうすることによって初めて——沖繩の場合でも、大手は三百六十円で読みかえられる、小零細のものが三百八円で読みかえられたとすると、沖繩経済は非常に跛行的になって、沖繩経済の安定に禍根を残すことになると思うから、いまそういう提案をしているわけでありますから、どうかひとつ大臣も含めて経済企画庁の皆さんにお願いしたいことは、こういうときこそ官庁エコノミストというのは、勇気をふるって世論を指導し、経済界を指導すべきじゃないか。そのことが一時的にその人たちの反発を買っても、日本経済の長期的な将来に対して確固たる信念さえあれば、説得もできるし、その非難をかわすことは十分できるのではないかと思うのです。公労協の賃金問題を含め、春闘において二〇%の大幅賃上げが可能になることが、私は日本経済を救う唯一の道であるということをさらに強調いたしまして、私の質問を終わります。
○田中主査 古寺宏君。
○古寺分科員 最初にお尋ねいたしますが、新全総の中にある大規模工業開発というのは、企業のために行なわれる開発か、それとも住民のために行なわれる開発か、承りたいと思います。
○木村国務大臣 当然地域住民の福祉向上のために行なうものでございます。
○古寺分科員 昨年の十二月に全国総合開発審議会が新全総の改定についての意見を具申しておりますが、経済企画庁ではその作業を現在どういうふうに進めておられますか。
○岡部(保)政府委員 ただいま先生のお話にもございました昨年の開発審議会の意見書でございますが、この中に、その意見書の全体の考え方としては、要するに新全総計画の実施を促進すべきであるという考え方に立った意見書でございますが、その中に、ただいま御指摘がございましたように、いわゆる環境問題というのが非常に深刻化しておるというような点から、この点について十分総点検を行なうべきであるという御意見があるわけでございます。それで、私どもこの計画の改定を直ちにするべきであると考えておるわけではございませんで、この実施面において当然いろいろな問題点が生じてきております。そういう意味で、いろいろの点について点検しなければならないという考え方は、全くその御意見書のとおりでございまして、現段階では、具体的にどういうような点について点検を進めていくかというような点について検討中でございます。
○古寺分科員 改定が行なわれるとすれば、当初の大規模開発構想と当然変わってくると思うのですが、そういう点について、経企庁としてはどういう点を今後開発の中に盛り込んでいくお考えですか。
○岡部(保)政府委員 ただいま申しましたように、具体的な問題についていろいろ点検をいたしてまいりまして、その上でどうしてもこういう必要があるというような際に、ただいま先生のおっしゃいましたような改定という問題も出てくるかと考えておりますが、現段階といたしまして、たとえば大規模工業基地の考え方というものについてどういうふうに考えを変えるかというようなところまで、われわれの検討はいっていないわけでございます。ただはっきり申せますことは、最近におきますいわゆる公害の深刻化というような問題、いわゆる広く申しまして環境問題の深刻化というような点から、まず大規模工業基地の問題につきましても、事前にいわゆる生態学的な調査であるとか、そういうような非常に基礎的な調査を十分いたしまして、そういう事前調査というのが十分行なわれるということを前提にいたしまして、この実施に当たっていかなければならないというような考え方をただいま持っております。
○古寺分科員 そうしますと、現在青森県のむつ小川原で大規模工業開発に基づく開発を県が進めようとしておりますが、どういう点について考慮しなければならないか、あるいは再検討しなければならないとお考えでございますか。
○岡部(保)政府委員 ただいまむつ小川原のいわゆる大規模工業基地の開発という問題で私ども考えておりますのは、いわゆる現段階で、非常に基礎的な調査でございますが、基礎の調査を関係各省あるいは県等で協力いたしまして現在実施中でございます。たとえばその生態系の問題だとか、あるいは現実に自然条件が今後の地域開発にどういうふうに及ぼしていくのかというような影響問題、そういうような問題を十分調査を進め、その上でこの基地のいわゆるマスタープランと申しますか、一つの大きな意味でのワク組みというものができていくわけでございます。したがいまして、いま御指摘ございましたように、点検をいたしまして、具体的にどういうような変更が行なわれていくかという点につきましては、むしろこの調査の段階で調査結果というものに合わせまして考えるというようなことが、当然起きてくると考えております。
○古寺分科員 そこでお尋ねしたいのですが、このむつ小川原大規模工業開発の、開発の主体はどこになりますか。
○岡部(保)政府委員 私ども現段階で考えますと、開発の主体は青森県であるという考え方に立っております。
○古寺分科員 その開発の責任はどこにございますか。県でございますか、国でございますか。どこの責任においてこの開発というものは進められるわけですか。
○岡部(保)政府委員 どうも具体的にこの開発を進める上での責任という点になりますと、先ほども申しましたように、開発の主体である県が一義的な責任を持っておるというふうに私どもは解しておるわけでございますが、当然、先ほども申しましたように、この事前の基礎調査にいたしましても国の関係省庁がタッチしておりますし、あるいはまた、逆にいえば、個々の市町村という問題もいろいろございますし、したがって、この開発の直接の関係者というものが、それぞれが責任を免れるというものではないと考えます。
○古寺分科員 通産省にお尋ねしたいのですが、産業構造審議会の中間答申に基づきまして、青森県には第三方式を指導しているようでございますが、この理由はいかなる理由でございましょうか。
○田中(芳)政府委員 産業構造審議会で、大規模工業基地の開発方式に三つの方式を中間答申いたしておるわけでございます。御指摘の青森県に第三の方式で指導したのではないかということでございますが、私どもといたしましては、今回のむつ小川原の工業開発につきましては、御承知のとおり、土地取得のための調査あるいは折衝のためにはむつ小川原開発公社といいますものが設立されておりますし、また、土地の取得あるいは資金調達、そして造成、こういった関係ではむつ小川原株式会社という組織が設立されておるわけでございます。さらに、この全体のマスタープランを策定いたしますため、この調査、研究を行ないますために、株式会社むつ小川原総合開発センターというものがやはり設立されておるのでございます。最初に掲げましたむつ小川原開発公社以外のものは、いずれも第三セクター、こういわれるものでございます。そういう点から、この三つが協力をして開発を促進するということで、いわゆるトロイカ方式とこれを呼んでおるわけでございます。私どもといたしましては、御指摘の産構審の第三方式という形に沿って県を指導しているわけではございません。いま申し上げましたような、こういった新しい方式によりましてこれを推進してまいりたい、このような考えで県を指導しておるところでございます。
○古寺分科員 通産省としては、どのような企業の進出をお考えになっていますか。
○田中(芳)政府委員 大規模の工業基地につきましては、やはり基幹資源型の工業をここに立地を促進する、こういう形で推進をいたしたいと考えています。当面のプランといたしまして、石油精製あるいは石油化学、電力、鉄鋼等が従来の一つのアイデアとして考えられておったわけでございますが、先ほど申し上げました開発センター、こうしたものの今後の調査、検討を待って具体的な業種の張りつけを行ないたい、このように考えております。
○古寺分科員 どのくらいの規模のものをお考えでしょうか。
○田中(芳)政府委員 現段階では、土地の取得の進捗状況等々も考慮いたしますと、具体的な規模は申し上げられないわけでございますが、この地域が持っております開発のポテンシャルというようなものを考えますと、長期的に考えますれば、かなり広い土地がある、それから水もある、さらに労働力といいますものも供給が可能ではないか、こういうことで、かなりの規模の工業開発がここでできるのではないか、このような期待を持っているところでございます。
○古寺分科員 昨年の十一月十八日に第一ホテルにおきまして開かれた日本新聞協会主催の全国論説責任者懇談会で、経済企画庁長官は、現在行なわれておりますところのむつ小川原の大規模工業開発について特別立法を検討しているというようなお話をしているようでございますが、この点については、そういう御発言をなさったのか、また実際にどういう検討を進めていらっしゃるのか、承りたいと思います。
○木村国務大臣 私ちょっと記憶が薄くなっておりますが、その当時、ある新聞社の論説委員の方から質問がございまして、現状では現行法令の運用で十分やっていけると思うが、将来これが大規模な建設に取りかかると、あるいは現行法令の改正あるいは特別法の立法も必要となるのではないかと思う。現在はまだそこまで検討しておりませんと、こういうようなお答えをしたと記憶しております。
○古寺分科員 現時点においてはどうでしょうか。現時点においては、特別立法ということを考えていらっしゃいますか。
○木村国務大臣 まだ、現時点ではそこまで考えてないです。
○古寺分科員 それから、もう一つお尋ねしたいんですが、経済企画庁の中にむつ小川原開発室というものを設置をする、こういうことも報道されておりますが、この点についてはいかがでございましょう。
○岡部(保)政府委員 四十七年度予算の要求時点におきまして、部内にそういうような機構を設けたいというようなことで、いわゆる定員増の要求等をいたしたわけでございますが、この点につきましては、予算折衝で、予算案として認めていただくところまで至りませんでした。
○古寺分科員 現在青森県では、このむつ小川原開発を進めるために、住民対策を示しまして、そして土地の取得に入ろうとしておりますが、現在まだマスタープランもできていない、あるいはいろいろな財政的な裏づけや法的な裏づけもないわけでございますが、こういうような住民対策で土地を取得していくということについて、地域住民は非常に不安を持っておるわけでございますが、こういう点について経済企画庁はどういうふうにお考えでしょうか。
○岡部(保)政府委員 確かに先生のおっしゃるように問題点はあるかと存じます。ただ、むつ小川原地域は、何と申しましても非常に広大な面積でございまして、その中に工業用地だけではございませんで、住宅用地であるとか、あるいは公共用地であるとか、あるいは逆に自然を温存するような地域であるとか、そういうようなものまで全体のプランとして考えなければならないというような考え方でございます。 また一方、現地の住民に——これはまあ現段階で、いま先生の御指摘ありましたような一部の地域に限られてはおるのでありますが、この現地における住民の開発に対する姿勢というものも、いろいろ流動的と申しますか、賛成もあれば反対もあるというような状態でございます。このような事情を考えますと、私ども一つの何と申しますか、オーソドックスな方法というのでございますか、基礎調査を進め、その上に立ってマスタープランをつくり、その上で具体的なプロジェクトとしてどういうふうに進めていくというような進め方が、一つのでき得れば望ましい姿かと存じますが、現実の問題としてはなかなかその方法だけをもって進めていくというのはむずかしいのではないかというような感じがいたします。と申しますのは、いわゆる住民との接触を通じまして、いろいろな情報に基づいて開発の部分的な考え方を固めていく、また一方これを基礎的な調査から出てくるマスタープランというものと突き合わせながら進めていくというような方式を、どうもとらざるを得ない現状ではないかというふうに理解をいたしております。したがいまして、先ほどもお話ございましたいわゆるトロイカ方式と申しますか、三機関、特にそのうちでのむつ小川原総合開発センターというところでいわゆるデータを集めまして、その上でマスタープランづくりをしていくという一つの大きな流れ、それに合わせて、現段階のような現地の住民との接触というものより得られるいろいろな情報というものを合わせて一つの開発に進んでいくという方向をとらざるを得ないというふうに理解をしている次第でございます。
○古寺分科員 県は線引きをいたしておりますが、この線引きについては、経企庁のほうでは何かそういう指導をなさったのでございますか。
○岡部(保)政府委員 線引きの問題につきましては、私ども、具体的にこういうふうにしたらいいじゃないかというような指導は、いたしておりません。県が現実にいろいろ考えてはそういう話は持ってまいりますが、具体的にこういう方法でやるというような指導はいたしておりません。
○古寺分科員 通産省はいかがですか。
○田中(芳)政府委員 通産省といたしましても、そのような指導はいたしておりません。
○古寺分科員 そこで、経済企画庁としては土地収用法の適用、租税特別措置法あるいは国有地の払い下げに対する特別措置、農地法特別適用あるいは財政援助、こういうものについて、どういうふうにお考えでございますか。
○岡部(保)政府委員 このむつ小川原地域の開発を進めるにあたりまして、たとえばいまお話のございました用地の取得の問題であるとかあるいは公共事業の実施に際しては、できるだけ現行法の運用によって、しかもできるだけ協力をしていくという考え方でございます。 ただ、先ほども長官申しましたように、今後の事業の進展によっては、現行法令の一部の改正あるいは新しい立法措置をする必要が出てくる可能性もあるかと考えております。
○古寺分科員 先ほど申し上げました特別立法につきましては、青森県から再三にわたって要望がまいっていると思いますが、その点については、どういうふうに受けとめていらっしゃいますか。
○岡部(保)政府委員 青森県から再三そういう御要望が出ているわけでございますが、現段階で非常に立法技術と申しますか、その法の内容の問題で、直ちに考えなければならないという段階ではないという考え方を私ども持っております。と申しますのは、たとえば先ほども例におあげになりました土地収用の問題というような問題にいたしましても、いわゆる大規模工業基地で、工業用地であるというような問題について、土地収用を適用するということ自体がどうであるというような問題もございます。また財政援助面といたしましても、現段階でできる限りの援助を現行法内で行なっていく段階ではないか。特に調査等が非常にいま重要な段階でございます。これにつきましては、国土開発事業調整費というような予算の中から調査を実施しておるというような段階でございます。現在の段階では、特に、直ちに新しい立法をするという必要はない段階であるという考え方でございます。
○古寺分科員 現地ではこの住民対策あるいは公害の問題、こういう面について、県の説明だけでは非常に不安を持っているわけでございます。したがいまして、今後県が住民に対する説得を続けたといたしましても、現地の住民がこれを受け入れないでどうしても反対するという場合には、いわゆるこの構想、この開発というものは中止するお考えですか、それとも強行するお考えですか。
○岡部(保)政府委員 いわゆるむつ小川原地域の開発と申しますものは、何といいましても、先ほど長官の御答弁にもありましたように、いわゆる地域住民の福祉というものがまず必要でございます。その上から地域住民の理解と協力がなくてはとても実施できないということは事実でございますし、私どもそういう地域住民の理解と協力を得られるよう進めてまいりたいと考えているところでございます。 そこで、現在のところ開発に対する地域住民の態度というものは、先ほども申しましたように、賛成者もあれば反対者もあるというような非常に複雑な段階であるかと存じます。ただ、いまお話のございましたように、一つの仮定として、この地域住民の反対が強いという場合に、ゴリ押しをするのか、実施を強行するのかというようなお話でございますが、私ども、こういうもの、いわゆるゴリ押しをしてこういう地域開発事業というものが実際の目的を達するということは考えられません。その点については、十分地域住民の御理解をいただき、協力を得られるように持っていくというほうに、私どもはこれからも指導していきたいという考えでございます。
○古寺分科員 現地の人の中には、成田空港のようになるのではないか、こういうことを心配していらっしゃる方もいるようでございますが、そういう点についてはいかがでございましょう。
○岡部(保)政府委員 どうもこの開発事業の性格が、いわゆる成田空港の例とは全く違う性格であるという私どもは考え方でございます。したがって、あのような、何といいますか、事態を生ずるようなところに持っていくつもりは、毛頭ございません。
○木村国務大臣 私、実はまだ個人的な考えでございますが、どうもやはりいまおっしゃったような心配が、懸念が現地にあることは、十分了解できます。そこで従来のたとえば新産、工特のようなパターンを踏まずに、遠隔大規模工業基地というものの姿といいますか、そういう構想をもう少し住民にはっきり知ってもらう。たとえば環境問題一つとらえてみましても、従来と違ったような大きな環境コントロールセンターをつくるとか、あるいは広域生活圏というものを並行的につくるというようなことを、もう少し青写真を現地の住民によくわからせる必要があるではないか。そういう面で、青森県もよくやっておっていただいておるとは思いますし、私まだ事務当局には相談しておりませんが、そういうような理解を得られるような一大試みをひとつやったらどうかという感じを、私個人的にいま持っております。
○古寺分科員 現実の問題といたしまして、住民対策を示しましても、代替地もまだはっきりしておらない。あるいはちょうどこの隣の村ではたまたま原子力発電所の用地を東北電力あるいは東京電力が買収いたしまして、この場合にはいろいろな租税特別措置法等の適用もあったようですし、いろいろ県が要項も示したわけでございますが、それでも実際問題としてはその現地住民にお約束したことができないわけですね。さらに、今度むつ小川原の場合には、住民対策も絵にかいたもちにすぎない、そういうような感じを受けるわけでございます。先ほど、大規模工業開発の目標というものは、あくまでも地域住民のための福祉向上のために開発を進めるんだ、こういうようなお話がございましたけれども、そういう点が全く欠けている、こういうふうにしか私どもは受け取れないわけでございますが、こういう点について、県に住民対策をげたを預けて、そして土地の取得だけを県に先行させる、こういう行き方では、これは地域住民の納得は十分に得られないと思うのですが、こういう点についてはどういうふうにお考えですか。
○岡部(保)政府委員 いまの先生のお話、いわゆる事実上の問題として、現在の住民対策が必ずしも当を得たと申しますか、かゆいところまで手の届くような対策にはまだなっていないという点は、確かにそういう点はあるかと思います。また、ある面で県もいろいろ努力されておりまして、相当に突っ込んだいろいろな施策というものも考えておられるわけでございますが、残念ながらまだこれが十分でないというような問題が若干残っておるのではないかという感じは、私もするわけでございます。そこで、私どもといたしましては、今後とも、関係の各省庁との間の協議であるとか、あるいは県の地元に対する協調と申しますか、協議と申しますか、そういうような意思の疎通をはかるというような点を通じまして、と申しますか、万全を期するようにこれからはかっていきたいというのが、われわれのほんとうの考え方であるかと存じます。いろいろな住民対策という問題につきましても、県とされても、一度考えられたものをまたいろいろ住民の御意見も聞いて手直しをされて、また十分にお話し合いになるというようなことも伺っておりますし、やはりこれからだんだん考え方が練れてまいりますれば、住民と十分話し合いの場に出せるものになっていくのではなかろうかということを、われわれ希望しておる次第でございます。
○古寺分科員 先ほども申し上げましたように、県の段階でつくった住民対策では、これは作文にしかすぎないわけです。そういうような住民対策で住民の納得を得ようとしても、これは無理だと思うのです。したがいまして、今後のこの開発の構想、開発の進め方というものは、やはり住民の福祉ということを柱にした住民参加の開発構想、開発の進め方でなければこれはいけないと思うのでございますが、最後に大臣からその点について御答弁を願って、質問を終わりたいと思います。
○木村国務大臣 私どもも、開発政策を遂行する上においては、これをもちろん地域住民の福祉のためにやるのですから、その地域住民の理解と協力がなくてはやれません。そういう意味で、たいへん現地ではいろいろ問題が生ずる前に、先ほど私が申しましたとおり、この新全総の新しい構想というものをもう少しひとつ理解していただくように、また、実施面で、いろいろ土地取得等については、これは土地収用法に基づく収用をやるわけでございません。いかにも地域住民の同意を得た上で土地を取得するのであります。そういうものがなければ、この事業そのものの遂行すらできないという面から見まして、当然私ども、それを第一眼目にして開発を進めていきたい、こう考える次第でございます。
○古寺分科員 新全総は、これはいまお話し申し上げましたように、いろいろな問題がありますので、これはやはりもう一ぺん白紙に返して、私がいま申し上げましたような構想で出発すべきだ、こう思うわけですが、その点についてもう一度……。
○木村国務大臣 私は、新全総そのものの基本的な構想は、間違っていないと思います。ただ、経済成長が非常に急激になったということ、あるいは環境問題が特に国民意識の中に大きく出てきたというようなことの経済、社会情勢の変化が、この新全総を総点検すべき時期になっておるという、そういう私ども考えに立って、総点検はいたしますけれども、新全総そのものの中に環境問題の取り扱いについても非常に大きなウエートを置いておりますし、そういう面で、ただ、問題は、その実施面で、新全総のほんとうの根本的な精神をどう生かすかということにかかっておると思います。そういう面で、新全総を、やり直すということでなしに、その精神をもっと発展させるという意味において、経済社会発展の実勢に合わせるようにする、こういう面で実施面で十分注意をしてまいりたい、こう考えます。
○田中主査 この際、暫時休憩いたします。 午前十一時七分休憩 ————◇————— 午後零時三十分開議
○田中主査 休憩前に引き続き会議を開きます。 経済企画庁所管について質疑を続行いたします。小林進君。
○小林(進)分科員 経企庁長官にお伺いいたしますけれども、物価対策関係経費という資料をちょうだいいたしておるのでございますが、その合計が一兆四百二十億八千百万円でございますが、その内容を見ますと、何で一体これが物価対策と関係があるのか、見れば見るほどどうも私ども小ばかにされたような感じを受けるのでございますが、時間もありませんのでかけ足でお伺いしますけれども、家畜伝染病予防費補助、これは一体物価にどういう関係があるのか。七億四千七百万円。繊維工業構造改善対策費七億三千四百万円、これが何で物価に関係があるのか。職業安定官署、これは百八十六億、これが物価に何の関係があるのか。環境衛生施設等整備経費二百九十三億一千百万円、土地区画整理組合貸付金十四億五千万円、ざっと申し上げただけでもこういうのと物価とどういう関係があるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○木村国務大臣 いまおあげになりました物価対策関係費、たいへん幅広く計上しておりますが、私ども考えますのに、物価対策というのは、物価対策そのものをすべて取り上げて、個別にこれを実施するのでは効果が非常に薄いということから、すべての総合対策が必要である。総合対策になれば、やはり対象品目を、物資を生産する生産基盤の育成からして取りかからなければならない。先ほどおあげになりました点も、あるいは労働力の流動化対策にも関係するでしょうし、また環境衛生費のごときは、それを通じて環境問題から地価の問題にも発展する、いろいろなそういう直接、間接費用を全部ひっくるめて物価対策関係費として総計一兆四百二十一億円というようなものが計上されているのでございますが、しかし小林さん御指摘のとおり、私も、これはあまりにも無縁のような対策まで計上することは、われわれの実感に少しぴったりこないのじゃないかという気も、正直いたします。
○小林(進)分科員 私はこんなところで論争をしようというのではございませんけれども、間接に影響があるといえば全部影響があるのです。ただ、政府に物価に対する熱意がないじゃないかというような場合には、ともかく一兆四百億円も物価関係の予算を組んでいる、これほどの熱意がありますなどという、そういう資料に使われることを私ども実際は非常におそれるわけです。その意味においてあえて何か注意を喚起するために申したわけでございますが、この裏には、やはうもう少し直接物価に影響する方面に予算を組んでいただきたかった、そして国民が熱望している物価問題にもっと熱を入れてもらいたかったということを、私は申し上げたかったわけでございます。 それに関連いたしまして、いま一つ、抽象的ですが、私はお伺いいたしたいのでありますが、庶民の生活の中で物価の値上がりで一番ファクターの多いものをいまからひとつ長官に五品目だけあげていただきたいと思うのです。庶民の生活の中で、物価の値上がりで一番影響力のあるものは何か、五つ。
○木村国務大臣 どうもお気に召すかどうかわかりませんが、何と申しましてもやはりわれわれが日常購入する生鮮食料品、この中の品目で掲げてみましても、もうすでに五品目以上になりますが、まず食料の中で、主食は別にいたしまして、野菜、生鮮魚介類、くだもの、それから光熱費、衣料費、そういうところが一番直接ぴんと響くものではないか、こう考えております。
○小林(進)分科員 実はここに、日本生活協同組合連合会組織部で、三十五歳から四十九歳に至る方々の生活の実態を調査いたしましたこまかい資料があるのでございます。これは予算委員会に、生活協同組合運合会の会長も来て、この資料でたいへんこまかく公述人としての意見をお述べになっておりましたから、私はここにこだわることはやめますけれども、その中で、私ども見ておりますと、生鮮食料はもちろんでございますが、やはりおっしゃいました医療費が非常に多い。それから義務教育に対する支出が、非常に多いのです。大体これは十万円前後の家庭五百戸を抽出された資料であります。大体家計費において十万から十二万程度の、いまのわが日本では中産階級でございましょうか、その中で占める率が非常に多いのです。ですから、社会保障費だの教育費、こういうものが生鮮食料と一緒に比率が多いということを見、それから三番目には税金です。税金はおいて見ていただきますと、今度四十七年度の公共料金の中で、授業料とか医療費を値上げするなどということは、さらに庶民の生活を苦しめるものだということが、私ども痛切に感じられるわけです。経企庁長官としては、私はこういうところにいま少し指導性を発揮していただきたかった。あなたのような知性、教養のある——長官は知性、教養が高過ぎてちょっと圧力が足りないのですが、ひとつ圧力も加えて、こういう点に生きた政治がほしかったとつくづく考えるわけであります。これは一般質問でもお伺いしたのでありますけれども、結局そういうところへ家計費の支出がいきますと、どこを節約するか、やはり食費を節約する。だんだん食費を減らす。だから、エンゲル係数がいま三三%に下がったじゃないか、あるいは三六%じゃないか、だから国民の生活は豊かになったなどということを心なき者が言うのでありますが、たいへんな間違いでございまして、子供の教育費にかかる、医療費にかかる、もう文化、娯楽、教養費もなくなってしまうということになると、食費を節約をしてくるということで、それが栄養に影響いたしまして、いま日本国民の中に栄養不足——栄養失調まではいきませんけれども、栄養の不足する人たちがふえているということは、これは厚生省の統計にもあらわれているところでございます。ひとつこの点も十分御勘案をいただきたいと思うのでございます。いかがでございましょう、この問題については。
○木村国務大臣 いまいろいろ御激励をいただきまして、私もまことに力の不足をかこっておるところでございますが、いま御指摘のありましたような衣料費の最近の小売り価格を見ますと、下着類のようなものは決して上がってはおりません。むしろ下がる傾向にございますが、衣料を扱っております商売の方はなかなかりこうでございまして、だんだんファッション化し、高級化するようなことで消費者の購買意欲を引っぱっておるということから、どうも衣料に対する家計の中のシェアというものは確かにふえている、そういう面もあるかと思います。 また、私一番心配しますのは、いま食費がどうも増高しておる。国民の健康に非常に影響がある。確かに食料の中でも生鮮食料品は現在は落ちつきぎみですが、どうも外食費というのがそれにかかわらずふえつつある。いまのサラリーマンその他の方々の勤務状況を見ますと、やはり外食にたよらざるを得ません。外食費がふえているという点に大いに注目していますが、やはり材料というよりは、人件費その他の増高で外食費がかかっておるという点が多かろうと思うのであります。
○小林(進)分科員 大体一年分の統計を見ますと、いま十万円前後の人が一般家庭でございますけれども、その月の家計費の中で、主人の収入がどれだけのファクターを持っているかというと、普通の月は大体七〇%でございますが、四月だとか、または年度末だとか、特に四月が一番、子供の入学期だ、教育費になりますと、ずっと落ちて六〇%ぐらいになってしまう。その不足分をどこから持ってくるかというと、主婦が短期いわゆるアルバイトに出るとか内職をするとか、あるいはいままで食うものも食わぬでためた貯金を全部払い下げるとか、あるいは借金をするとか、こういうことでやりくりをして、一年間を通ずると、こう波があるのです。しかし、その係数が年々、政府が経済成長を謳歌されているときに、逆比例しまして、その家計費の中に占める主人の収入のファクターがだんだん減ってくるのです。こういう状態です。そうすると、主婦は一体どこで節約するかというと、先ほども言うように食費で節約をしてくる。つい、主人にも弁当も持たせられない。金の二百円もくれて、これでひとつ昼めしとたばこを間に合わせなさいというようなことで押しつけてくる、こういう結果が出ておりますので、こういう点も十分ひとつ長官とされましては御考慮をいただいて、いま少し庶民の生活が潤うような形をとっていただきたい。結論の出ない話でございますけれども、いまお伺いいたしました。 次は、不況カルテルについて実はお伺いいたしたいのでありますが、カルテルというのは一体どういうメリットがあるのか、私はこれをひとつお聞かせをいただきたい。消費者とか一般庶民にとって、カルテル行為というのがどれだけメリットがあるのか、それは公取委員長でもけっこうです、お聞かせいただきたいと思います。
○谷村政府委員 よく御承知になっておってまたお聞きかと思いますが、私どもの立場は、本来市場メカニズムあるいは価格機構を通じてそこに適正な価格形成が行なわれ、資源の適正配分が行なわれるというたてまえに立っております。にもかかわらず、不況カルテルという特別の例外が認めてありますことは、やはり一国の経済のいわば生産の基幹をなすところの産業が不況状態にあって、価格メカニズムのままに動きますと、かえって価格メカニズムが激しくアクセレートいたしまして、作用いたしまして、そのために企業の継続が困難になる、そういう状況が起こってまいりますと、全体の経済に対してもかえって逆の悪い影響を与える、さような意味で、そのためのいわば例外的な、あるいは別のことばで申しますれば、一時的な対処方策としてとっておる、かようなことだというふうに一般的には申し上げることができると思います。
○小林(進)分科員 おっしゃるとおりですね。これは生産規模の拡大につながるものでもございませんし、合理化に役立つものでもございませんし、特に、限界生産者もちろん温存の機能を持ちまして^劣悪な企業にもある程度の利潤を保障するような結果になったりして、どうもあまり利潤はない。ところが、最近見ておりますると、どうも公取さんはこの不況カルテルに対してむしろ積極的な認可をおやりになるような姿勢をお示しになっているのじゃないか、巷間こういう見方もございますが、この点いかがでございましょうか。
○谷村政府委員 私どもは、法律に定める要件に従いまして、やむを得ざるものがある場合には、これを例外的に認可いたします。その際も、決して積極的にそういうことをむしろ進んでやろうという態度ではございません。しかしながら、もしかりに世間の方が、公取が不況カルテルを認可するについてある程度産業の実態なり何なりをよく見てやってるなというふうに見ていてくださるとすれば、それはやみカルテルや、われわれが目の届かないところでこそこそと適当にやることよりは、むしろ法に従って正規の権限を持った公取の監督のもとに不況カルテルをやる、そういう態度をむしろ見てくれているのではないか、さように私は思っております。
○小林(進)分科員 反論もしていきたいのでありますけれども、時間がありませんから、これはやむを得ず、私も残念ですが……。 去年末、もう時期もおくれましたけれども、鉄鋼の不況カルテルの問題等につきましても、第一番には、粗鋼の減産を認可されたのは一体どういうわけなのか。 〔主査退席、橋本(龍)主査代理着席〕 粗鉱は商品じゃないだろう。商品とみなされたのかどうか。これに対しては、谷村委員長は、粗鉱と商品との間に因果関係があればいいではないかというふうな御発言があったというふうにも聞いているのでありまするけれども、これに対しては、専門家は、粗鉱のような中間製品についての生産制限を認めるのはあまりにも二十四条の三を拡大解釈し過ぎているものではないかという批判をいたしておる者もあるのであります。これをどうお考えになるか。 それから第二の問題といたしまして、鉄鋼各社は利益配当をやめたわけじゃない。それは少し減らしたかもしれませんけれども、利益配当をやっているにもかかわらず、不況カルテルの認可を受けようとしておる。これは庶民感覚から見たら、ちょっとおかしいじゃないか。新日鉄の配当金は、年間百八十四億円だという。新日鉄から見れば吹けば飛ぶような金でしょうけれども、われわれ庶民から見れば飛び上がって息もつけないような大きな金でございます。そういう配当金をやりながらなおかつ不況カルテルの認可を受けている、筋が通らぬ、こういうことでございまして、これに対しては、いや、配当しないと銀行融資が受けられないだとか、いろいろな理由があるようでございまするけれども、こんなのは私どもから見れば実にぜいたくな言い分でございまして、納得できない。 それから第三番目は、四十六年の十二月八日ですか、いまの鉄鋼のカルテルを認可されたのでありまするけれども、その中には厚中板とか、薄板とか、線材とか、鋼管とか、機械構造用の炭素鋼等も含まれているはずです。それを総括して認可になったと私は思うのでありまするけれども、それからまた、続いて機械用の炭素鋼のカルテルの申請が、たしかあなたの手元へ出たはずであります。私は新聞を見て、たしか不許可にされたような気もするのですけれども、まだちょっと結論を見ておりませんけれども、これなんかも二重申請じゃないか。いかに寡占業務といいますか、独占企業といいますか、実に世間を、大衆をなめ切ったやり方じゃないかという感じを受けたわけであります。 以上、三点について、ひとつ御所見を伺いたいと思います。
○谷村政府委員 たいへんいいポイントを三点御質問くださいまして、ありがとうございました。 まず第一の点は、私ども法解釈につきましては、公取委員会としていささかも独占禁止法の条文の解釈を曲げているとは考えておりません。自信を持っております。商品について不況の要件を確かに見ております。そして商品の不況を克服するために必要な方法として、必要な限度において粗鋼という段階における調整をやることも、これは法律に照らしていささかもおかしくないという自信を持っております。専門家のうちに一部そういうことを言われる方もあるかと思いますが、私どもが存じております専門家の方は、私どもの解釈について別に異論を持っておるということを私は聞いておりません。詳しく申し上げると時間がございませんから……。それは自信を持って申し上げます。 第二番目の配当の問題については、私は、一般論として、先生のおっしゃるとおりだというふうに思います。確かに私どもは経理の内容から見て、普通ならば配当のできるような経常利益はあがっていないということをよく承知いたしております。にもかかわらず、たとえば不用資産の売却でありますとか、有価証券の売却でありますとか、その他一時的な、臨時的な利益等を出しまして、なおかつ配当という形を多少減配いたしましてもとらざるを得ないというのは、これはむしろ日本のある種の経済体質と申しますか、そういう点もあろうかと思います。特に庶民感覚ということを申されましたけれども、一方でいわば大衆安定株主といったようなものに対する配慮というふうなことがいま日本でいわれていること自体が、株式の本質というものにいささか問題があるのではないかという、これは私の個人的な気持ちでございますが、そういうことがございます。ただし、配当しているか、していないかということは、法律上の要件ということにはなっておりません。私は、それは企業のビヘービアの問題であると考えております。あたかも重役賞与を削減するとか、そういったような問題とある意味で共通した問題ではないかというように考えております。 第三番目におっしゃいました点では、最初に特定鋼材について申請をいたしました高炉六社、これについては、ある種のいま御指摘になりましたような商品を対象といたしてやっております。しかしながら、たとえばその次に棒鋼を中心といたしました平炉業者等五十三社について認めましたものは、これは棒鋼が主でございまして、主たる不況商品としての対象になっておりまして、なるほど高炉六社も多少棒鋼はつくっておりますけれども、大部分は平炉業者でございます。そして高炉業者に対して認めましたときには、棒鋼は対象商品の中には入れておりません。また、認可をただいま留保いたしておりますSC鋼、これはシリコン、カーボンが入った一種の特殊鋼的なものでございますが、さようなものは、これも高炉六社のうちでつくっているのと、それからまたそれ以外の業者がつくっておるのとございまして、それ以外の業者がたとえば二割五分をつくっておるというふうな関係にございます。そういうふうに生産の分野が多少組み込んでおるものについてはございますが、私どもも、その点は御指摘のような線に沿ってある程度しっかりとやってまいりたいと思っております。
○小林(進)分科員 いろいろなことがありますが、残された時間五分ばかりになりまして、これ以上深められないのは残念でありますが、公取委にいま一つ、これはお答えを聞いていると時間がなくなりますから、私問題だけを提起をしておきますけれども、管理価格の問題です。これは昨年の二月十九日、私が物特の委員長をやっているときの連合審査会の問題で、管理価格の問題で寡占事業に対する監督は消費者の立場に立って十分検討すると総理大臣が発言された。これは一体その後の調査がどうなっているか。それから寡占価格にはビール、牛乳とかピアノとかいろいろなことがございましたけれども、この寡占というものは、何%以上市場を支配をしたらこれを寡占価格というのか、この問題もひとつお聞かせをいただきたい。 同時に、価格協定を発見することが現行独禁法の範囲内でできるかできないか。できれば、十分なのか十分でないのか。また寡占価格の発見、調査に対して、どこまで一体現行法で介入ができるのかどうか。それが第三点。 四点としては、それらの問題も含めて、公取委の機構をまず強化をしまして、地方にも監視力というものを強化する必要があるのではないか。これはあとで言いますけれども、生協と同じで、公取というのは非常に良心的な機構です。こういう機構をもっと強めて、そして良心的に行動してもらわなければ、国民の心のよりどころがない。国民に清涼剤を与える意味においても、私はもっと機構を強化してもらったほうがいいのではないか。しかし、実際には、公取委員会の構成というものは、各省の古手官僚の最終仕込み場所となっている。委員長、あなたのことを言うのではありません。真の独禁の政策を展開するには思想的にまず訓練、教育をしていかなければならぬのでありますけれども、こういう思想教育もいまのシステムの中ではできていないのじゃないか。そういうことも含めて、ひとつ公取の強化というものが必要なのじゃないか。御答弁はあとでいただくことにいたしまして……。
○谷村政府委員 一点だけを除いて、先生のおっしゃったことは、私が常に頭の中で考えておることでございます。機会を得ていろいろと御意見を承り、また申し上げたいと思います。 最後に、各省から出向している方々は、それぞれ公取の立場に立ってりっぱにその職務を尽くしております。決して私以外の者は古手でございませんことを、どうぞ御記憶いただきたいと思います。
○小林(進)分科員 これ一問で終わりたいと思いますけれども、実は生協の問題です。生協の問題については経企庁は、諸般の事情から非常に積極的に御支援をいただいている。私は、これも公取と同じように、あらゆる機構の中での良心的な一つの機構で、庶民の生活の立場に立った非常に必要な存在だと思っている。ところが、残念ながらどうも厚生省のほうの歩みを見ていると、なかなか満足する方向には行っていないのでございまして、これも昨年の二月でございまするが、そのときは大蔵大臣も企画庁長官もともに、物特の委員会の連合審査の委員会に出られて、物価値下げのためにも生協というものの育成強化のために最善の努力をいたします、こういうりっぱな約束をしておいでになる。私も非常に期待した。ところがその後の歩みを見ますと、一体どこに公約を実施するような具体的な力が見えるのか、一つも見えない。時間がありませんから簡単にしますけれども、そういうことでございまして、何も見えない。たとえていえば、今年度の国家予算におきましても、生協に対する貸し付け金等は二千五百万円。二千五百万円なんというものは、十五年も前に貸し付けた金額です。それからだんだん減ってきて、また昨年あたりから二千万円の貸し付けになっている。ことしは二千五百万円、またもとに戻ったような形で、ちっとも進歩的、積極的な姿というものは察知することができない。しかも生協法の改正なんかも、前からおやりになるというような、そういう口吻を漏らしておきながら、さていよいよ通常国会が開かれて予算国会になると、いつの間にやら生協法の改正なんというものは出てこない。やるがごとくやらざるがごとく消えてしまう、こういう状態でございまして、何か私どもはキツネに化かされたような感じを受けるのでございます。 そこで私は、経済企画庁長官に、生協を育成強化されるというのは、具体的にどういうことを一体おやりになるのか。わが日本は、まだ生協を利用しているものは五%、西欧各国から見れば非常に少ないのでありまするから、これの目標をどの程度まで生協を利用する人口の密度を上げていくのか、あるいは生協法の改正は、これは厚生省でございましょうけれども、やるのかやらないのか、これは閣僚として、生協法の改正を今度の国会にお出しになるのか、お出しにならないのか、それから貸し付け金ももっと大幅に一体おやりになる気があるのかないのか、ひとつ具体的にそういう点をお聞かせいただきたいと思います。
○木村国務大臣 私どもは、生協育成にはあらゆる政策努力をしたい、こう考えておりますが、いま御指摘のような予算上あまりたいした伸びはないのじゃないか、確かに御指摘のとおりでございます。ただ年金福祉事業団の融資が本年度実績見込み五十二億円、これは非常にふえております。また、開銀の流通近代化資金の融資、これが初めて昭和四十六年度に道が開かれたのです。まだ実績としては約二億円、これは今度の新しい生協に対する融資の道が開かれたという点でメリットがあると思います。 次に、生協法の改正ですが、私はこれはぜひひとつ国会に提出したい。もちろんこれは厚生省でおやりになっていることですが、厚生大臣ともお目にかかるごとに、私のほうから、この点内閣ももう少ししっかりして、いろいろな抵抗はありますけれども、これはぜひ出したいということで各方面と調整しておりまして、まだわれわれは決して断念しておりません。
○小林(進)分科員 厚生省、何か意見ありますか。
○加藤政府委員 生協法に対する厚生省の対策が不十分であるとのおしかりでございますが、これは私ども、従来の対策が万全であったとは決して思っておりません。率直に先生のおしかりを受けなければいかぬと思いますが、ただ今度の生協法の改正につきましては、私どもも、関係方面といろいろ努力をいたしまして、いま調整につとめております。御承知のように、中小企業との関連がございます。いろいろむずかしい問題はありますけれども、いま企画庁長官の御答弁にありますように、最後まで望みを捨てないでがんばりたいと思います。
○橋本(龍)主査代理 時間がありませんから、簡単に願います。
○小林(進)分科員 これ一点で……。 いま企画庁長官の非常に心強い御答弁をちょうだいいたしまして、私も若干明るくなったわけです。ぜひひとつ、厚生大臣とはもちろんでございますけれども、総理も去年の二月には生協は育成するという答弁をされているのでございますから、総理にもちゃんとお話をされて、閣議の中できめていただきたいと私は思う。 その具体的な方策といたしまして、いまも厚生省が言われましたけれども、何か自民党の中の党内調整で苦労されておるそうでありますけれども、それは政党は政党、内閣は内閣でございますから、内閣の場で、あるいは厚生省の場で案を出していただいて、それから後に政党調整をやっていただく。それが、内閣の案は出たけれども、やはり与党のほうで了承できなくて日の目を見なかったというなら、私も了承いたします。さっぱりどうも出てこないで、内部だけでやっておられると、私もどうも了承できませんので、ともかく内閣として今次国会に法案はお出しになるということを確約をしてくださることをお願いいたしまして——ちょっと無理かもしれませんが、これ、確約できますかな。ひとつ、していただけますか。
○木村国務大臣 最善の努力をすることを確約いたします。
○小林(進)分科員 ひとつ御検討をお願いしまして、時間になりましたから、私の質問は終わることにいたします。
○橋本(龍)主査代理 近江巳記夫君。
○近江分科員 私は、まず消費者の観点に立って、数点の質問をしたいと思うのであります。 最近の新聞紙上等で報ぜられるところによりますと、一連の公共料金の値上げに伴い、電気、ガス料金等についても、一部には、長いこと値上げしてないんだからというようなことで、二〇%以上の大幅な値上げが要請されておるということを聞いておるわけですが、電気あるいはガスというものにつきましては、これは一般大衆は言うに及ばず、あらゆる産業におきましても、これはもう重大な影響を与えるわけです。そういう点で、この電気、ガス料金の値上げ問題というものは、非常に影響を与える。特に精神的な影響においても、他のものと比べるすべもないほど甚大なものがあると思うのです。この点、国民のそうした生活を守り、物価を守っておられる経企庁長官とされて、こういう電気、ガス料金の値上げ問題について、もう絶対に押えていただかなければ困るわけですが、長官の所信をひとつお伺いしたいと思うのであります。
○木村国務大臣 電気料金については、そういう動きがあるということも承知しておりません。ガス料金については、確かにその企業から料金の値上げをしたいという期待が出ておるということは承っておりますが、まだ正式申請はもちろん出ておりません。この電気料金、ガス料金、これは一番家計に響く料金でございますが、先般の連合審査会でも、総理並びに通産大臣から発言しましたとおり、これは押えたいということで御了承願いたいと思います。
○近江分科員 長官のそうした御決意を聞きまして、いろいろなまたそういう動きもあろうと思いますが、どうかひとつ全力をあげて押えていただきたいと思います。 それから、いろいろな公共料金の値上げ、諸物価の値上げがあるわけでございますが、円が切り上げになる前に、円が切り上げになれば少なくとも輸入品は相当下がるだろう、これは国民はもうみんな期待しておったわけです。ところが、この円が切り上げになっても、輸入品の値下がりはおろか、物によっては値上がりの傾向すら見られるわけです。そのように諸物価の高騰傾向のおりから、この輸入品を下げるということ自体は、ほんとうに国民にとって、この高物価の中にあえいでいる国民にとって、一つの救いになるのじゃないか。ところが、現状は全くこのように裏切っておるわけです。そこでお聞きしたいのは、こういう現象を来たしておるという裏に、だれかが不当に利益をあげておるのじゃないか、この辺の実情を政府としてはどのように把握されておられますか。この点についてまずお聞きしたいと思うのです。
○木村国務大臣 輸入品の価格、もうすでに値下がりしておるものもありますし、値下がりの傾向のまだ見えないものもございます。中には、もちろん原料品として輸入したものは、やはり加工段階というものが三カ月ないし六カ月ございますから、まだその結果が出ておらない、これは当然のことですが、消費生活に直接影響のあるような輸入品、これもただいま申し上げたとおり、相当値下がりしておるものもございます。しかし、値下がりしてない一番大きな原因は、やはりその流通段階にあると思います。もっとも、輸出国でもうすでに輸出価格が上がっておるというものもございます。これはまれな例でございましょう。そこで、安く入ってきたものが、どうして消費者の末端価格に値下がりとして影響してこないか。もちろん私どもは、これはその面についてメスを入れなければならぬというので、今回の予算にもその追跡調査費を計上いたしまして、各省の協力を得て、いませっかく追跡調査中でございます。これはただ調査しただけではいけないので、その結果を公表しまして、どうして一体値が下がらないかという点を世論にも、また消費者のほうにも情報提供をする。また、必要があれば、もちろんその各担当官庁でそういう取り扱い業者から事情を聴取する、あるいは公取委員会でそれについての強力な指導をしていただく、そういうようないろいろな対策を総合的にやりまして、ぜひメリットだけは消費者価格に反映するように努力をしたいと考えております。
○近江分科員 確かに長官がおっしゃったように、追跡調査ばかりではこれはだめだと思います。従来政府の場合は、何か調査をしますと、調査だけで終わって、一つもその結果が出ない。特に物価の面にはそういう点が著しく見えたわけです。そういう点、いま長官が必ず実効があがるようにやっていくとおっしゃっていただいたことは、非常にこれは国民にとって喜ばしいことだと思うのです。どうかそういう点、できるだけ早い機会にそうした結論をお出しになって、そうしてほんとうに実効をあげていただきたい。この点を特に要望をいたしておきます。 それから、農林大臣が生産者米価を引き上げるという意向を漏らされておるようでございますけれども、こういうぐあいになってきますと、生産者米価を引き上げた場合、また消費者米価に波及が心配されるわけですが、もうこれだけ、長官も御承知のように、一昨年からの不況がずっと続いておりますし、そこへもってきて政府の繊維の政府間協定、あるいは円の切り上げ、あるいはドル・ショック、いろいろなことがありまして、非常に不況が来ておるわけです。ことしの春闘におきましても、昨年よりもはるかに下回る線しか希望できないというような現状のようにも聞いておりますし、そこへもってきて、公共料金を一斉に政府は値上げをしてくる、こういうようになってきますと、国民生活としてはまことに苦しい状態に入るわけです。そういう点、消費者米価等にも波及が心配されておるおりから、そうした農林大臣の発言等を考えて非常に心配でございますが、その点長官のお考えを聞かせていただきたいと思います、決意といいましょうか。
○木村国務大臣 農林大臣の申しておりますとおり、生産者米価は米価審議会へ諮問してきめることであるが、しかし、現在の自分の気持ちとしては、いつまでもこれはそのまま放置することはできない、こういうような答えをしておるわけでございます。しかしながら、生産者米価が直接消費者物価に関係はしないとしても、大幅な値上がりになりますと、いろいろ心理的にも影響しますし、私どもは生産者米価の問題は別といたしましても、消費者米価が少なくとも上がるようなことのないように、政策配慮だけはぜひひとつしてもらいたい、これは政府全体の考えとして、私どもそういう考えでおります。
○近江分科員 長官もいま決意をおっしゃっていただいたわけでありますし、この消費者米価が上がるということになりますと、波及といいますか、心理的にも強大なものがあるわけです。これはひとつ長官もほんとうに内閣の中の最強の大臣でございますし、どうか全力を尽くして国民のためにいまおっしゃっていただいた点を実行していただきたい。この点を特にお願いもし、強く要望する次第でございます。 それから、農林大臣が発言された背景を考えますと、公共料金が値上げになればそれだけ農家経済を圧迫するから、こういうこともおっしゃっているわけです。こういうような理由で引き上げるという意向を漏らされたわけですが、そうしますと、他の公共料金についても、こういう発想からいきますと、次々とこういう理由で値上げ申請が出てくるのじゃないか、このように思うわけです。そういう点で、歯どめという点において長官として基本的なお考えを承りたいと思うのです。
○木村国務大臣 特に公共料金だけに限定してのお尋ねでございますが、もちろん私どもは公共料金を極力抑制するという方針に変わりはございません。ただ、近江さん御承知のとおり、一昨年の公共料金のストップ、これが一年間でございましたが、それが解除されました。あまり長い間これを固定しますと、公共サービスにもいろいろな面でひずみあるいはゆがみが出てまいりますので、そういう意味で、全くやむを得ない措置として今回一部の公共料金を改定するということになりましたが、しかしながら、今後このようなことで公共料金がメジロ押しに上がるということでは、国民の家計にも非常に大きな影響がありますので、今後公共料金の値上げにつきましては、いま以上に慎重な態度で経企庁としては臨みたい、こういう考えでございます。
○近江分科員 米価を物統令からはずす予定と聞いておりますけれども、これははずした後、それでは米は絶対値上がりしないという保証があるかということの心配なんです。もし、かりに国民の心配しておったとおり値上がりをした場合、政府としてはどう責任をとってくれるかということなんです。この点、国民はひとえに経企庁長官をほんとうにつえとも柱ともたよっておるわけでございますし、この点が一番国民にとって心配じゃないかと思うのです。もしも値上がりをするようなことがあれば、政府としてはどのように責任をとっていただけるでしょうか。この点についてお聞きしたいと思います。
○木村国務大臣 これはもう経済企画庁とか農林省という問題でなしに、政府全体の問題でございます。農林省は、あらゆる手段、措置をとって、米価が上がらないようにといういろいろな手段をとっております。実は私どもこの四月一日に物統令を解除するということについては、その当時やや懸念を持ったものでございます。また米の過剰傾向も続いておりますし、また農林省が考えておりますいろいろな手段について、相当強力に措置がとられておるという点からいいまして、そういうことは絶対あり得ないというような強い確信を私ども持っておりますが、万一これが私どもの予想にはずれた場合には、これは政府全体としてそれに対処する手段を考えなければならぬ、こう考えております。
○近江分科員 それで、もう一ぺんちょっと質問は戻りますが、物統令というのは、やはり予定どおり行なわれるわけですか。
○木村国務大臣 四月一日から予定どおり行ないます。
○近江分科員 次に、大蔵大臣が物品税の取り扱いにつきまして、アンバランスを是正するために全面改正を行ないたいという発言をなさったわけですが、消費者保護の立場に立った場合、アンバランス是正という名のもとに現在以上の負担をまた国民に与えてくるのじゃないか、非常に心配があるわけです。この点、長官にほんとうに監視をしていただかないと・アンバランス是正という美名のもとに国民にたいへんな負担がかかってきますので、この点について大臣の御所見をひとつお伺いしたいと思うわけです。
○木村国務大臣 どうも一部報道されておるようですが、私大蔵大臣からもまだ何ら承っておりません。ただ、今後の国民の税負担の均衡というところから見ますと、これから財政主導型の経済に移る場合に、その財源の調達の方法、いままでのように直接税に非常にウエートを置いたやり方がいいのか、あるいは一面間接税というものに相当移行するのがいいか、税の体系の問題でいろいろ判断、選択があると思います。そういう面も含めて、財政当局としてはいろいろ考究中とは承っておりますけれども、まだ物品税の追徴とかそういうことについては、私は何ら聞いておりません。
○近江分科員 大蔵大臣も正式に国会答弁をなさっておりますし、事務当局にその辺の検討も命じられておるように私お聞きしておるわけでございます。これは国民生活に当然大きな影響があるわけでございますし、これは長官も大蔵大臣のほうにも十分こうしたことをまた申していただいて、どうか国民にこれ以上の負担をかけないようにやっていただきたい、このように思うわけです。この点を特に要望しておきます。 それから、これは一つの例でございますが、万博のあと地でこの三月十五日からエキスポランドが開かれたわけです。ところが地元では、万博協会がエキスポランドの入場料金おとな三百円、子供百円ということを早くからアドバルーンを上げまして、マスコミも一斉に取り上げ、あたかもそれ以上動かせないというような報道が何回もされたわけです。私は民間のほうも調べてみましたら、百八十円とか二百五十円、高いところもありますけれども、半分以下がみな二百円前後なんです。それにもかかわらず三百円。それで向こうの今枝理事長にも申し入れに行きまして、それから大蔵大臣にも申し入れに行きまして、三百円のやつを百円下げてもらって二百円、子供百円の決定はしてもらったのです。いま第三次産業、特にサービス業というものを考えてみますと、たとえばレジャーの面を見ますと、もうエリートのものじゃないわけです。ほんとうに国民大衆がレジャーを楽しむ時代に入っておる。ところが、こういう点について一体どこでチェックをしてくれておるのかということになってくるわけです。しかもエキスポランドの中の遊技施設にしても、普通なら五十円くらいのところが、軒並み全部百円である。なぜかと聞いてみたら、結局民間に委託しておるので、どうしても独立採算にしなければ困る。言うなら、向こうは大蔵省監督のもとに政府が経営するような形ですね。ですから、もしもエキスポランドが三百円になっておれば、周辺の一般は全部、軒並み百円ないし二百円値上げの予定だったそうです。そういうふうに非常に大きな波及ということが考えられるわけですが、単なる一省の監督のもとにそういう料金問題をほっといていいかという問題なんです。この辺の問題について、長官としては今後——私は一つの事例を申し上げたわけでございますが、ほかにもいろいろなものがあると思うのです。この辺のチェックにつきまして、長官としてはどのようにお考えでございますか。
○木村国務大臣 いまお示しになりました万博関係、これは近江さんが非常に御努力なさったことも承っておりますが、そういう特別の料金ですから、公共料金として経企庁がいま監督する立場におりませんが、しかしながら、今後そういうレジャー料金というものは、やはりどんどんふえてくると思いますから、これは公共料金としての監督はできないとしましても、そういうものを間接にやはり何らか指導する必要がある、こういう考えでおります。
○宮崎(仁)政府委員 ちょっと補足して申し上げます。 いま大臣が御答弁したとおりでありますが、こういったレジャー関係の施設の利用問題に関しまして消費者行政上問題が多いということで、実は昨年から消費者保護部会に委員会をつくりまして検討をいたしておりますし、特にこういった料金の表示の問題、それからいろいろのサービスの内容についての広告とか、あるいは案内とか、そういうところにいろいろ問題があるようでございます。それから一方では安全の問題がございます。そういうことで、いま専門家をお願いいたしていろいろ検討しておりまして、今年末ごろ中間報告を出すという予定でいま検討しております。
○近江分科員 そのようにいろいろ検討していただいておるということは非常にけっこうだと思いますし、この中間答申を得て——いま実際上そういう問題がほんとうに野放しになっておるわけですね。いま長官がお答えになりましたように、公共料金とは違うけれども、しかし内容からいってそれが一つの尺度、基準になっておる、それが大きな波及を及ぼしていく、こういう場合において、厳正に、単なる一省にまかせずに、経企庁が中心となってその辺を把握して、チェックをして指導していただきたい、これを具体的にやっていただきたいと思うのです。そうすれば、当然将来立法措置なり何なりも考え心細るのじゃないかと思うのですが、その辺についてはどういうようにお考えでございましょうか。その立法措置あるいはその機構の問題だとか、もう少し具体的なお考えがございましたら、お答えいただきたいと思うのです。
○木村国務大臣 そういういわゆるレジャー産業というものがはたして立法の対象になるかどうかということ、これはまたいろいろ検討の余地があると思いますが、料金の面からいえば、いま御指摘のように、これからレジャーというものは非常に国民的に盛んになる時代ですから、それを野放しにすることの可否という点も含めて、具体的に一ぺん検討してみたい、こう考えております。
○宮崎(仁)政府委員 大体いま大臣の御答弁のとおりでございますが、現在こういったレジャー関係についての法的な規制というものは、ほとんどないわけでございます。旅館業等については、御承知のように取り締まりの規定がございますが、レジャー関係施設にはほとんどないというのが実態でございます。そういうことで、現在、先ほど申し上げましたようなことで検討いたしておりますが、その結果、これが法的にかっちりと取り締まりができるようなものになるかどうか、まだ中途の段階でございますので、問題点をいろいろ洗っておる段階でございまして、方向を把握するまでに至っておりません。当然今後の議論としては、そういう問題も含めて政策的な議論も行なわれるのじゃないか、こういうふうに考えております。
○近江分科員 その点につきまして局長さん、たとえばエキスポランドを例にとりますと、初日から事故の続発なんですよ。はしごをかけておろさなければならぬ。あれだけの広いところで保安要員が何人おるかといったら、五名なんですね。小さい子供を遊びにやっておってそれでいいか、先ほど局長さんおっしゃったような安全性の問題もあるわけです。しかも怪獣館とか、ほかに何かの劇場もありましたけれども、三つが地元の保健所から、これはもう当然許可をとってもらわなければ困るじゃないか。ところが、政府の監督のもとに行なわれている機関だ、許可みたいなものを一一とる必要があるか、そういうことで口論みたいになりまして、地元の保健所も大阪府も強力に、それはもう公平にしてもらわなければ困るということで、開館早々から三つの館がストップになっているわけですね。いまだに閉鎖中ですよ。まだ保健所は立ち入り検査もやっていない。こういうぶざまなこともあるわけですよ。そういうことで、局長さんいまいろいろな要素を加味して今後考えたいとおっしゃっておりましたが、どうか野放しになっているこういう問題について、ひとつ徹底的に早く実態を把握していただいて、そして国民が安心してレジャーを楽しめるようにお願いしたいと思うのです。 で、長官も先ほど答弁していただいたわけでございますが、こういう公共料金に近いようなところの料金問題、これについては、少なくとも各省の監督のもとにどういうことが行なわれておるかということ、たとえば水族館とか付属の研究所の中でやっておるものとか、いろいろな施設がたくさんあると思うのですが、この辺はひとつ経企庁におかれて一回早く掌握をしていただいて、そして今後の指導監督でメスを入れていただきたいと思うのです。またその資料等につきまして提出を願いたいと思うのでございますが、御答弁をお願いしたいと思うのです。
○木村国務大臣 先はどのそういうレジャー産業に対する監督の問題、むしろ私は経済的な問題でなしに、いま御指摘のありましたような安全性の問題、あるいはどっちかというと風俗営業的な取り締まり、そういう対象になると思いますが、その辺はひとつ、また国家公安委員会等ございますから、いろいろな面で検討してまいりたいと思います。 また、いまおっしゃいました点については、ひとつすみやかに私のほうでいろいろ研究いたしまして、資料等は提出することにいたしたいと思います。
○近江分科員 それから今後の公共料金政策につきまして、物価安定政策会議の第三調査会での提言というものがこの二月末には出されるということを聞いておったわけですが、まだ一向に日の目を見ないわけです。最近の一連の公共料金の値上げ傾向を見ておりまして、そういう激化してくる様相を見て、この提言を遠慮されておるのじゃないかと思われるわけです。この辺の事情を政府としてはどのようにお考えになり、いつ提言されるか、お聞きしたいと思うのです。
○宮崎(仁)政府委員 第三調査部会において確かに公共料金に関しますところの調査をいまいたしておりまして、この素案が二月の初めごろにちょっと新聞に出たりいたしましたけれども、あれはほんの第一次の素案でございまして、あの後専門委員会においてまただいぶ内容の変更もございまして、つい最近専門委員会としての大体の結論に達しました。したがいまして、第三調査部会を四月早々に開催いたしまして、そしてこれの決定をするようにお願いをいたしたい、こう考えておる次第でございます。調査部会で決定になりましたならば、公表いたすつもりでございます。
○近江分科員 それじゃ、そうした提言も単なる提言として終わらせないように、大胆にひとつ、実行をお願いしたいと思います。これは強く要望いたしておきます。 それから景気の問題でございますが、野村総合研究所が発表しました日本経済の中期展望によりますと、四十九年から五十一年には再び大型景気が訪れる。この間の経済成長率一一・三%を見込んでおるわけですが、この展望について経済企画庁としてはどのように考えておられるか。また、この展望には円の再切り上げ一〇%を含んでおるわけですが、政府は再々、円の再切り上げはしないと言明しておられるわけですけれども、経済企画庁としてどのように見通しをされているか、この二点につきましてお伺いしたいと思います。
○木村国務大臣 野村総合研究所、非常に権威のある研究所ですが、こういう展望をお出しになったその真意は、私、よくわかりません。しかしながら、私どもの見方と少なくとも違っておることは確かに申し上げたいと思います。と申しますのは、経済成長というものがこういうような大型に再びなるのかならぬのかというのは、政策転換そのものがこの展望の中にどの程度加味されているのかという点が第一点であろうと思います。私どもは、もういままでのような高度の経済成長というものはいろんな総合政策の結果としてあり得ないのではないか、適度な経済成長をわれわれは考えなければならぬという点から考えましても、どうもまた数年前のような大型の景気が再来する、そのこと自体はけっこうですが、そういう非常に高度の経済成長が実現するということについては、私どもといささか考えを異にしておるのでございます。
○近江分科員 それでは第二点の、この展望の中に円の再切り上げ一〇%を含んでおるわけですが、政府は再三再切り上げをしないということをおっしゃっておるわけですが、長官のお考えはどうでございますか。
○木村国務大臣 いろいろ巷間取りざたされておりますが、私どもは、再切り上げは絶対にない、また、しないように、せざるを得ないようなところへいくまでに、すべてそれを避けるような努力を集中的にやらなければならぬ、そう考えております。
○近江分科員 それから新全総の問題でございますが、長官は新全総の衣がえをするというようなことで、経企庁内部におきましてもいろいろ検討を開始されているということを聞いておるわけですが、まず一つは、結局、改定とおっしゃっている中身でございますけれども、それは理念的なものであるのか、あるいは実際のプロジェクトであるのか、その辺のことについてひとつお聞きしたいと思うわけです。
○岡部(保)政府委員 ただいまの先生の御質問でございますが、私ども、新全総の見直し作業と申しますか、むしろ点検をしていきたいという考え方でいまおるわけでございます。新全総の考え方については、たとえば現在の段階で、経済成長の問題であるとか、あるいは環境問題であるとか、いろいろ社会経済情勢が変わってきております。そういうものに対して、新全総自体の考え方は決して誤ってはいないという考え方でございますが、ただ、これを実施していく上でのいろいろな問題がございます。そこの問題点について、むしろ現実の問題として取り上げて、いろいろ点検をしていきたいという考え方であると認識しております。
○近江分科員 そうすると、むしろ中身のプロジェクトの問題をチェックしていくというように大体のニュアンスとして受け取っていいんじゃないか、このように思うわけでありますが、大体そういうことですか。
○岡部(保)政府委員 プロジェクトの問題もございますし、それからプロジェクトを実施する手段と申しますか、そういう段階の問題もあるかと思います。
○近江分科員 そこで、これは一つの事例でございますが、最近国土の有効利用の見地から種々の開発立法がされておるわけですが、たとえば農村地域工業導入促進法、あるいは都市再開発法、工業開発促進法等、農林、建設、通産の各省それぞれの立場から立法されておるわけですけれども、これらと新全総との関連性がどうなっておるかということなんです。少し意地悪な見方をすれば、新全総を無視して、それぞれの考えに基づいてやっているのじゃないか。このようにも考えられるわけですが、一貫した国土総合開発というものは今後どのように進めていけばいいかということになってくるのじゃないかと思うのです。この辺についてひとつお聞きしたいと思います。
○岡部(保)政府委員 ただいま御指摘のございましたように、確かにいろいろな地域開発立法と申しますか、これがいろいろな面から立案されておるというのは事実でございます。ただ、たとえば一つの例として、工業を分散させるという考え方での法体系で、新しくただいま御提案になっている通産省のお考え、これとても新全総の考え方の中で具体的な一つの実施手段であるというように私どもは理解しておりますし、現実に通産省ともいろいろ御相談申し上げておるわけでございます。したがって、決して一つの体系としてくずれておるということはないわけでございます。ただ、確かに御指摘のように、過去にもいろいろな法律がたくさん地域開発に関してございます。この辺の一つの大きな法体系としての調整という問題は必要であるかと考えております。したがって、そういう面では私ども現在も検討している最中でございます。
○近江分科員 それで、新全総の進捗状況という点でございますけれども、いわゆる大規模プロジェクトの進行状況について、どのようになっておるかということを簡潔にひとつお聞きしたいということと、それから産業開発プロジェクトに比して環境保全のプロジェクトの立ちおくれというのが非常に目立つのじゃないかと思うのです。そういう点から、この総点検のねらいがどこに置かれるのか、この点についてお伺いしたいと思います。
○岡部(保)政府委員 第一点の御質問でございますが、いわゆる大規模開発プロジェクトと申しますのは、先生御承知のように、全国の交通、通信のネットワークの整備ということが一つのカテゴリーでございます。それから次に産業の開発、第三番目に環境の問題、この三つの大きなカテゴリーに分けておるわけでございますが、確かに現在の進捗状況から申しますと、第一点の全国の交通ネットワークという問題で、たとえば新幹線でありますとか、あるいは高速自動車道でございますとか、そういうものが相当に具体化しておる、このカテゴリーが一番進んでおるということははっきり言えると思います。 第二点の産業開発のプロジェクトにつきましては、従来実施しておりました、たとえば工業面で申しますれば新産都市でありますとか、あるいは農林面で農林省がいろいろおやりになっておる施策というようなものを、さらにいわゆる大規模プロジェクトとして一つの開発の誘因の素地をつくっていこうというようなプロジェクトについては、現在むしろ調査の段階である。それでいろいろ具体的なプランを何とか早く練りたいというような段階でございます。 それから環境の関係のプロジェクトにつきましては、御指摘のとおり、一番おくれておりまして、現段階ではやはり調査段階である、しかもそれの大きな意味での考え方をまとめているというような段階かと存じます。したがいまして、もちろん中には、たとえば下水道であるとか、そういうような具体的に進んでいる問題もございますけれども、一般的に申せば、確かにいま御指摘のあったとおりかと存じます。したがって、そこの辺が、やはり環境の問題というのが非常に深刻化しておる、しかも新全総の考え方として、環境問題というのは、それこそあの計画を策定いたしました当時としては相当に先取り的に強調されておるのに、そういう実施面では確かにおくれておるという点がございますので、そこの辺を現実の問題として点検していきたい。したがって、そういうものを大いに促進していただかなければならぬという考え方でございます。
○近江分科員 いま環境保全ということについて確かにおくれているということをおっしゃったわけでございますが、特に開発と環境保全の関係、過疎に悩む地域の開発のさまざまなそうした要求、これを満たしながら環境の保全をはかっていくにはどうしたらいいかというような問題ですが、こういう点が今後の総点検の非常に大きな問題になるのじゃないか、このように思うわけですが、局長さんとしてどのようにお考えですか。
○岡部(保)政府委員 確かに御指摘のとおりでございまして、いわゆる総点検の問題として、たとえばいまおっしゃいます過疎の問題あるいは逆に過密の問題、極端に申しますれば、巨大都市の問題というようないろいろなテーマがございます。そこの辺で、たとえば御指摘のございました過疎の問題を例にとりますれば、従来の過疎対策という問題が、過疎地域の住民の所得を向上させるということに非常に何か焦点がしぼられてい過ぎたというような感覚がいたします。そこで、過疎地域の過疎対策としてはどうしてもそれが必要なわけでございますけれども、たとえば過疎地域というのは、いわゆる環境問題から申しまして、非常に自然が温存されておる地域である。そういう自然というものをこれから生かして、しかもいわゆる豊かな生活というものが国民の欲望として相当に強く出てきておりますから、そういうものを生かしながら、過疎地域というものに今後対策を置いていくというためには、従来よりさらにもう少しきめのこまかいいろいろな施策が必要になってくるのじゃないかというようなことで、いまいろいろと検討している最中でございます。
○近江分科員 この新全総で想定している経済のフレームと、新経済社会発展計画の目標数字の間に、斉合性というものが非常に欠けているのじゃないかと思うのですが、新経済社会発展計画の見直しがいま行なわれておるということを聞いておるわけですが、この問題についてどのように処理なさっていかれるおつもりですか。
○木村国務大臣 いまの二つの計画、これはそれぞれ役割りも異なっておりますし、政策の対象も具体的には違いますので、計画期間とかスタート時点は自然それが一致を見ておりません。いま御指摘のとおり、新全総も総点検にかかりたいと思っていますが、また経済社会発展計画もことし一ぱいにはこれの改定をやりたい、こういうことを考えておりますが、もともといま申し上げましたような、二つの計画にある程度の斉合性あるいは統一性がなければならぬ、これは当然のことでございますが、従来はそういう対象が異なっておるために、その関連性がある程度薄かったとも言えると思います。しかしながら、今度総点検をやり、あるいは改定作業をやるその基盤になっておりますわが国の経済社会の急激な変化、大きな変化、特に環境問題を中心にしたそういう点にウエートが置かれるべきだという、また国民の価値観の変化、いろいろな面を取り入れる以上は、この二つの計画の中にもっと強い連関性が自然と入ってくるし、また入れなければならぬということから、この二つの総点検と改定作業の中には、いままでの二つの計画の関連性以上に強い斉合性というものがそこに持たれて策定されるべきだ、そういう考えのもとにいま作業を進めておるわけであります。
○近江分科員 それから、今後の農業のあり方の問題ですが、この緑の空間計画というこういう発想は、環境の保全という観点から評価できると思うのですけれども、農業の第三次産業化というこういう発想というものは、総合農政の方向と矛盾しないかという問題なんです。 今回発表された緑の空間計画というこの提言は、新全総の総点検に際してどのように扱っていかれるおつもりでございますか。
○岡部(保)政府委員 ただいま御指摘のございました東畑委員会でございますかの報告につきましては、私ども、今後の新全総として農山村の計画をどういうふうに考えていくかという上では貴重な一つの考え方であろうという考え方に立っております。したがいまして、実質的に農業のいわゆる三次産業化という問題と農政との関係につきましては別といたしまして、私ども、今後開発する国土を、有限な国土の利用をいろいろ再編成していくというときには、いわゆる自然の空間と申しますか、やはりそういうものを尊重していくというたてまえで計画の具体的な進め方に大いに取り入れていきたい、参考にしていきたいという考えであります。
○近江分科員 次に、水の問題に移りたいと思うのですが、長官も御承知のように、特にこの東京を中心とした関東、そして大阪、これはもう最大の大都市圏でございますが、特に大阪の場合などは、いうなら琵琶湖が関西一千万人の水がめであるというようなことで、今後の開発ということが非常にクローズアップされてきておるわけでございますが、いろいろとむずかしい点も横たわっておるわけでございます。そこで、近畿圏の水の需給について、どのように考えておられるのか、この辺についてお聞きしたいと思うのです。
○岡部(保)政府委員 ただいま先生のおっしゃいましたように、いわゆる首都圏、それから近畿圏、これは水の問題ではこれからの非常に大きな問題点のところでございます。 特にこの近畿圏について、ある程度詳しく申し上げますと、何と申しましても水需給が今後逼迫するというおそれが非常に強いわけでございますが、この地域は、先生御承知のとおり、淀川水系にいわゆる依存しておるという地域かと存じます。 そこで、今後この淀川水系に依存している地域で、一体いわゆる需給のバランスというものがどういう姿で出てくるかという点を現段階でいろいろ検討いたしております。これは関係各省庁ともお打ち合わせをしながら検討いたしておりますが、現段階で申せますことは、大体昭和五十五年時点で考えまして、昭和四十六年から五十五年の間に新たに生ずるであろう需要量というものは、毎秒約七十トン程度、七十トン弱の新規水需要というものが出てくるであろうという考え方でございます。これに対しまして供給はどうであるかという問題で考えますと、ただいま御指摘のございました琵琶湖であるとかあるいはその他室生ダムであるとか等々、数カ所のダム開発をいたしまして、毎秒約五十トン程度の水の供給が可能であるという見通しでございます。そういたしますと、二十トン弱のアンバランスが生ずるわけでございます。これにつきまして、現段階で想定できますのが二、三の開発地点の具体的な開発ということがこれから具体的に進んでいくと思います。この開発というものも考えますが、新たな水供給施設の開発というのはなかなか困難でございます。したがって、そのあたりでいわゆる水の利用の高度化と申しますか合理化と申しますか、たとえば工業用水などで再使用の問題でありますとか、あるいは上水道で非常に問題になっております漏水を少しでも防止する、そういう問題でございますとか、そういうような手段をとり、さらに周辺の、いわゆる淀川水系ではございませんが、周辺の新たな水系というものも利用するということを考えなければならないのではなかろうかということで、これは具体的に今後慎重に検討していこうという考え方でございます。
○近江分科員 二十トンの不足ということもありまして、新たな水系利用ということもおっしゃっているわけですが、新たな水系利用というのは、大体の案はできているのですか。
○岡部(保)政府委員 これはまだ具体的にどこどこということはございません。いわゆる地域外の導水というような問題になりますと、非常にいろいろな問題を含みますので、現在建設省ともいろいろ御相談しながら検討中でございます。
○近江分科員 そうしますと、七十トン要る、それで五十トンの水を現在の体制で確保していくということですが、そうしますと、琵琶湖という問題は、これは近畿圏においてはもう最大の水がめということになってきますね。琵琶湖の位置づけというものはどのようにお考えですか。
○岡部(保)政府委員 確かにおっしゃるとおりでございまして、先ほど申しました約五十トンの供給という中で、四十トンを琵琶湖に依存するという考え方でございます。 〔橋本(龍)主査代理退席、主査着席〕
○近江分科員 そうしますと、琵琶湖の総合開発というものは、どうしてもあとになってくると思うのです。それで琵琶湖総合開発法案というものが今国会で出されるということになっておりますが、これの見通しについてはどうでございますか。
○岡部(保)政府委員 琵琶湖の総合開発法案の問題につきましては、近畿圏のほうからお話しいただいたほうがいいと思います。
○朝日政府委員 ただいまお尋ねの法案でございますが、昨年のいまごろから政府部内で——琵琶湖の近畿圏におきます地位が、ただいま開発局長からお話しのありましたように、毎秒四十トンという新しい供給の相当部分を、ほとんどの部分を受け持っております。従来とも調査等進めておりますけれども、なかなか着手に至らないというふうなことがございまして、これはやはり何か新しい方法で考えていかないことにはなかなか事が進まないのではないかというふうなことで、関係各省の間で寄り寄り協議を進めておったわけでございますが、水資源の開発事業そのものは、われわれ基幹事業と称しておりますが、これ以外に琵琶湖並びにその周辺地域におきまして、地域の開発事業を、もちろん開発と申しましても、保全の面を十分留意しながらの開発でございますけれども、そういった地域に貢献する事業、こういうものをあわせて行なうことによって地元の御納得も得られる、事業も進捗するのではないか、こういうようなことでいろいろ協議をしておりまして、その結果が、もしも水資源開発の基本の問題が見通しがつきますれば、いまのような問題も含めて、法律の制定をして促進をしていこうじゃないかというようなことで、いろいろ検討を進めてきておったところでございますけれども、今日まで成案を見るに至っておりません。 ところで、これは昨日でございますか、建設大臣が、大阪府、兵庫県、それから滋賀県の知事にお会いになりまして、この問題でいろいろお話し合いがなされた模様でございます。その内容等を私どもつまびらかにいたしておりませんが、もし皆さんの御同意が得られるというのならば、この際話をまとめたいからという趣旨のお話であったようでございます。まだ私がその詳細を申し上げる段階ではありませんが、そういう段階でございます。
○近江分科員 この水資源の問題は、経企庁のほうにおかれましても、やはり最も大きな一つの問題点じゃないかと私は思うのです。結局、先ほど朝日次長のお話をお伺いしましても、やはり何といっても上流、下流の対立があるというような点に受け取っておるわけでございますが、こういう点やはりお互いにエゴばかり出し合っても解決しない問題だと思うのです。これは水自給ということを考えますと、どうしても経企庁長官が最も柱になって解決を促進していただかなければならない重大問題であると思いますし、長官の今後のこの問題に対する御決意をひとつお聞きしたいと思うわけであります。
○木村国務大臣 御指摘を待つまでもなく、水資源の問題は、わが国の今後の大きな問題でございます。全力をあげてやりたいと思います。先ほど朝日次長からお話しありました琵琶湖の問題、建設大臣の非常にごあっせんもあって、できるならば、二十八日ころには国会提出の運びになるのではないかという見通しが強まっておるようでございます。
○近江分科員 ひとつその点、長官として、建設大臣が非常に表に出てきていろいろなさっておるという点の御配慮もあろうかと思いますが、何といっても経企庁長官が乗り出されるかどうか、これが最大のポイントだと思うのです。特に二十八日の閣議決定ということになりますと、やはりこの数日の長官の御決意、動きというものは非常に大事になると思うのですが、具体的に長官としてどのように乗り出していただけるのか、その点についてお伺いしたいと思うのです。
○木村国務大臣 御承知のように、関係府県の調整というのが一番大事だと思いますから、その面で建設大臣が非常に精力的にお動きになって、私どもも側面からいろいろ御協力申し上げております。そういう面で、いま申し上げましたとおりのようなことが実現するように、なお一そう私ども協力をし、努力したいと思います。
○近江分科員 それから、実際総合開発を進めるという段階になってきますと、どうしてもやはり環境保全ということが大きな問題になってくると思うのです。この点についてはどのような配慮を払われておりますか。
○岡部(保)政府委員 ただいま御指摘ございましたように、周辺を開発するということで、あそこのせっかくのいい自然環境を破壊するということは絶対にあるべきではないと考えております。したがって、ある意味で申しますれば、たとえば下水道の整備というような周辺の開発事業ということによりまして、現段階でもう非常に汚染してきております南湖の水質をむしろきれいにするという、改良の方向に持っていくというようなこともありますし、また湖岸周辺の開発という場合に、これは自然環境を破壊しないようにするというような点に十分意を尽くさなければならないということで、これから具体的にそういう開発事業に入ります際には、その点自然環境保全という意味で、十分意を用いてまいりたいと考えております。
○近江分科員 時間がありませんから、最後に長官に、琵琶湖総合開発の点におきまして、やはり何といっても環境保存ということが大事な問題だと思います。その点長官のお考えを聞かしていただいて、それで私の質問を終わりたいと思います。
○木村国務大臣 いま局長からお答えいたしましたとおり、琵琶湖開発の特別措置法案の中で関連事業として十分その点は考えていきたい、こう考えております。
○近江分科員 終わります。
○田中主査 上原康助君。
○上原分科員 私は、いよいよ五月の十五日に沖繩の施政権返還がなされますが、復帰後の沖繩の総合開発についてお尋ねをしたいと思うわけですが、その前に一点だけ、これとの関連もございますので、政府がさきに立案をした新全総あるいは新経済社会発展計画の問題についてお尋ねをしておきたいと思うのです。 御承知のように、最近のわが国の経済情勢といいますか、その構造を含めて、ますますきびしい事態にいま直面をしていると考えます。すなわち高度経済成長の弊害というものが続出をしてきている。公害問題にしても、過密過疎の深刻化、物価の値上がり、加えて昨年八月以降のドルショック、そして円の切り上げ、そういう中で経済不況ということさえいま深刻な問題になってきて、経済の見通しというのは非常に暗い状況にあります。これを克服、打開していくためには、政府の短期あるいは中期、長期の思い切った政策転換というものがいま迫られておりますし、国土の総合開発計画等を含めて考えなければいけない問題だと思います。もちろん新全総にいたしましても、新経済社会発展計画にしても、政府がおつくりになったそのものに全面的に賛成をするものじゃございませんが、しかし、その必要性というのは十分理解をいたします。そういうことで、物価の値上がり問題を含め、これらの国土総合経済開発計画に対する政府の御見解を聞かしていただきたいと思います。
○木村国務大臣 長い間の非常に高い経済成長、これは確かにわが国の経済そのものに、また国民生活にも大きなメリットはあったことは否定できないと思いますが、一面、その陰にいろいろ社会生活、経済面にひずみが出まして、それがいまの物価高にも通じ、また国民生活についてもいろいろ支障が出ておる。こういう認識のもとに、私どもは新経済社会発展計画をこの際基本的に一ぺん見直してみようという作業に取りかかっておるわけでございます。 また同時に、新全総計画も、その後における、基本的な方向にあやまちはないとしても、非常に急激な経済社会情勢の変化がございますから、特に経済成長が予想以上に高かった、また伸びたということと、環境問題が、国民の価値観の変化とも相伴って非常に大きなウエートを占めてきたというところから、新全総計画にもこれを総点検する必要が出たのではないかということで、総点検作業にも同時に取りかかっております。 この二つの計画のそういう改定あるいは総点検の作業を通じて、いま御指摘のような点は十分この中へ取り入れて、新しい政策転換の長期計画の目標にしたい、こういう考えでおります。
○上原分科員 二つの御計画について再点検をなさる、あるいは手直しをしていく準備を進めておられるということですが、どういう分野について特に手直しなり再点検を加えていかれるのか、時期等について、できましたら明らかにしていただきたいと思います。
○木村国務大臣 まず経済社会発展計画の中で、私どもが基本的に最もウェートを置くのは、やはり国民福祉というもので、もちろん従来もそういう政策はとってきたのではありますけれども、いまやそういう生産中心から国民生活というものを優先させるという基本的なプリンシプルをこの中に導入することは当然でございますが、そのほかに、いまの国際経済情勢といいますか、そういう中にある日本の今後の進み方としては国際協調というものを推進していかなければならない。この二つが大きな柱になって、経済社会発展計画はこれを改定したい、こういう考え方でございます。 新全総計画については、先ほど申し上げましたとおり、何といっても環境問題をもっと強くこの新全総計画の中に展開していきたい。こういうようなめどでこの面計画の見直し、または総点検に取りかかったわけでございます。
○上原分科員 国民生活優先の、あるいは福祉優先の計画というものを、単にことばの上でだけでなくして、政策的にも公害問題あるいは物価問題、環境保全の問題等を含めて、ぜひ抜本的な新しい長期計画というものを立案していただきたいと思うのです。 これとの関連でお尋ねをしたいわけですが、新全総の中でもうたわれているわけですが、沖繩と北方領土についても、地域の特殊性に応じて交通、通信体系を確立していく、その他社会資本の充実、基盤の整備等ということを全国土の一環として開発計画を進めていくんだ、しかし、この計画は立案された当初のことですので、現在は特殊な条件に置かれているので、今後の調査を待って具体的には進めていくんだという方針が書かれております。そこで、いよいよ沖繩の施政権返還が確定を見た以上、やはり北方領土問題ももちろん重要であるし、その点にも取っ組んでいかなければいけないと思うのですが、新全総における復帰後の沖繩の総合開発というものに対しての基本的なお考えなり、あるいはどう位置づけていかれようとするのか、その点についてお尋ねをしたいと思います。
○木村国務大臣 沖繩が五月十五日に本土に復帰いたしますと、私どもは大体一カ月くらいを経て総合審を開きまして、沖繩をわが本土の一ブロックとして新全総計画の中に組み入れたい、いまこういうことを考えております。また新経済社会発展計画におきましても、当然沖繩復帰とともにこれが組み入れを行なわなければなりません。 ところで、その中で沖繩の総合開発、経済開発をどう進めるか。私はその基本的な考え方としては、どうしても沖繩自体の自立経済の確立ということがまず第一だろうと思います。その次には、本土に比べますと、まだ五五%にすぎない沖繩県民の所得水準、またその他特に医療あるいは下水道に見られますような社会福祉水準、生活水準というものを本土並みにできるだけ早く引き上げていくということが、すべての沖繩のそういう長期計画の基本的なものでなければならない、こういう考えに立っております。
○上原分科員 いまの御答弁からいたしますと、新全総では、全国土を七つのブロックに分けて、各ブロックを主軸に結びながら開発整備を進めていくという方向づけがなされております。沖繩側からも強い要望なりあるいは要請があると思うのですが、やはり沖繩の置かれてきた地位、あるいは現在置かれている地理的条件、将来復帰後わが国の南の玄関という面からしても、さらに東南アジア、そうして世界各国との経済、文化交流等の問題から考えても、沖繩を一ブロックにした独立した構想を立てていただきたいということは強い県民の声でもあります、また経済問題に詳しい方々の御指摘でもあろうかと思うのです。そういう面で独自のブロックとして経済開発あるいは経済社会発展計画を立てていかれるという立場でいま検討しておられるというふうに受け取ってよろしいですか。
○木村国務大臣 もちろんそういう計画を策定いたします際には、琉球政府が作成されました長期経済開発計画、これはもう十分尊重してこれを取り入れるという立場に立つ以上は、特にそれでなくとも沖繩の置かれております地理的特性といいますか、また社会環境その他も十分考慮に入れた沖繩の特性を生かすような経済開発でなければならぬ、こういう基本的な考えで今後計画を策定したい、こういうことを考えております。
○上原分科員 ちょっと長官に確めておきたいわけですが、独自のブロックとして新全総なり国の長期計画の中で位置づけるということについてはどうなんですか。
○木村国務大臣 本土に復帰するのですから、全体の総合計画のワク内には入っていただかなければなりませんが、その中においても、特に沖繩の特性というものを十分生かしたような独立の一ブロックとしての考え方ということがその根底になければならぬと思います。
○上原分科員 いまの点は県民の長い間の要望でもありますので、九州ブロックという位置づけでなくして、あくまでも沖繩独自のブロックとして位置づけて、さらに御答弁ございましたように、琉政がすでに策定をした長期経済開発計画等を尊重の上で、新しい沖繩県づくりというものを積極的に推進をしていただきたいと思います。 そこで、今後の沖繩の経済開発なり地域社会開発等を考えます場合に、どうしても軍事基地の問題とぶつかるわけですね。いまのように広大な基地をまるがかえした形での社会開発といっても非常に困難がある。したがって、軍事基地の返還というものが琉政の計画でも十年計画で出されてはいるわけですが、私たちは軍事基地の全面撤去ということを強く要求いたしておりますが、現実的な問題としてなかなかそう簡単に解決のめどが立たない。したがって、復帰後の沖繩の経済開発、あるいは雇用面を含めて考えました場合に、長期的な展望に立って軍事基地の返還をさせていく、基地を縮小していくという構想も十分取り入れた形での計画を立てねばいかないと思うのです。同時にまた、土地の造成あるいは基盤整備ということを重点的にやらなければいかないと思いますし、いわゆる基地からの脱却、基地経済からの脱却ということが、沖繩の今後の経済開発あるいは構造でなければいかない。その点については、政府が復帰後いろいろ考えておられるようですが、経企庁としてはそういう点についてはどういうお考えを持っておられるのか、見解を承っておきたいと思うのです。
○木村国務大臣 これは経企庁だけの問題でなしに、政府全体として考えていくべき問題でございますが、確かに沖繩の開発を進める上において、現在の基地のあり方というものが非常に障害になる部分もございます。そういう面から申しましても、またこれから国際環境というものがどう推移するか、それを十分見詰めて、また安保の問題、いろいろございましょう、そういう問題をひっくるめて、政府としては今後、基地のあり方、また基地の整理、縮小というものについては十分強い態度で臨むということは、外務大臣がすでに申しておるところでございます。そういう意味で、私どもは経済企画庁としてもそういう長期的な見通しに立って沖繩の経済開発を進めていく策定作業をやりたい、こう考えます。
○上原分科員 基地問題を抜きにしては、これからの沖繩——これまでもそうでしたが、特に復帰後の沖繩というものは脅えられませんので、ぜひ基地の早期返還ということを大前提にしてのプロジェクトを立てていただく、その点特段の御配慮を要望しておきたいと思うのです。 そこで、二点目にお尋ねをしたい点は、沖繩振興開発というのも十カ年計画ということになるかと思うのですが、開発計画を立てる場合は、まあ琉球政府がつくった十カ年計画、あるいはまた開発審議会等でいろいろ検討もされるかと思うのですが、何といっても沖繩の独自性というもの、地域性というものを生かしたものでなければいかない、土からの押しつけでなくして下からの要望というもの、地域社会にマッチをした開発でなければいかないと思いますが、振興開発十カ年計画と、政府が再検討をしながら立てようとする新全総の中に沖繩を位置づける問題とはどう関連していくのか、その点についてお聞かせをいただきたいと思います。
○木村国務大臣 復帰後の沖繩の振興計画、これも沖繩県知事が原案をつくるということになっております。またその原案には、当然琉政が先般つくりました長期経済計画、振興計画というものがやはりその土台になっております。そういう意味では、沖繩県の住民の意思といいますか、そういうものは十分ひとつ反映したもので振興計画がつくられていくということは、一点の疑いもないと思います。
○上原分科員 そういたしますと、復帰後の沖繩振興開発計画をまず立てられる、時期的には、新全総の中で沖繩の長期開発というものを位置づけるよりも、振興計画が先行をするということですか。
○岡部(保)政府委員 ただいまの新全総計画と沖繩県の振興開発計画というものとの関連を申し上げますと、新全総計画では、先ほど長官が申しましたような考え方に立ちまして、一つの開発の方向というものを大きくつかまえていきたいという考え方でございます。それで、これは先ほどもお話ございましたように、一つの沖繩ブロックとして取り上げていく、この新全総計画も、その点では明らかに改定をいたします。で、この新全総計画に沖繩を含めるという改定は、沖繩県の振興開発計画よりも前にこれは策定をするという姿になるかと存じます。したがいまして、一つの方向づけをするのはこの新全総で考え、それから具体的な非常にきめのこまかい計画というものは振興開発の計画で出てくるという、二段がまえであるということを御理解いただきたいと思います。
○上原分科員 そこで問題は、どう資金的な裏づけをするかという、資金計画の問題だと思うのです。本土との格差を埋めていく。先ほど長官の御答弁にもありましたように、本土と比較しては五五%あるいは六〇%の経済水準にしかない、特に基地経済からの脱却ということと、長年の格差を埋めてなお伸び行く本土の水準に到達をしていくには、思い切った資金面の計画というものが伴わないと、やはり単なる机上のプランに終わってしまう。それではいけないと思うのです。 そこで、復帰後も人口大体百万人と一応仮定して、向こう五カ年ないし十カ年で沖繩の経済開発を進めていく、本土との格差を埋め、水準まで持っていくという場合に、どういった資金計画をお考えになっているのか。まだこれはいろいろ情勢、事情の変化もありますし、推測をすることはたいへんむずかしい面はあるかと思うのですが、どの程度の資金を必要とするとお考えになるのか。もちろん、経済開発というものあるいは地域社会発展計画というものは、ただ単にお金を注ぎ込めばそれだけでこと足りるというわけではございませんが、計画なり政策というものを具体的に推進をしていくためには、やはりそれに相応する資金計画というものが伴わなければいけない。そういう意味で、資金計画というのはどういうふうにお考えになっておられるのか、御答弁をいただきたいと思います。
○岡部(保)政府委員 ただいまの資金計画の問題でございますが、現実の問題といたしまして、確かにおっしゃるとおりで絵に書いたもちでは意味がございません。具体的な資金の裏づけ等をほんとうに腹がまえとして持っていかなければならないということでございますが、ただ、先ほど申しましたように、新全総計画に沖繩を入れる改定という段階では、とてもそこまでの作業が準備できない段階でございます。むしろ方向をどういうふうにするかという点で改定をいたしたい。したがって、その次の段階で、もう少しきめのこまかくなりますいろいろ具体的なプロジェクトの入った県の振興開発計画という段階では、その資金面の問題等も十分御相談申し上げていくという考え方でございます。
○上原分科員 確かにすぐ確たる資金計画あるいは必要額というものはこうだということにはならないかと思うのですが、一つは考え方でも聞かしていただけるかと思ったのです。確かに振興開発計画の中できめのこまかいいろいろな開発計画が立てられるのでしょうが、ばく然とした形では沖繩が豊かになるあるいはあたたかく迎えるということにはならないと思うのです。そういうことで、いろいろな沖繩の今後の総合開発計画についての意見等を見てみますと、国民総生産の一%、少なくとも〇・五%程度は投資をするという前提で開発計画を立案したらばという識者の御指摘等もあります。また、現在の日本の国力からしても、やろうと思えば私は不可能なことじゃないと思うのです。そういう意味でこの点をお尋ねしたわけですが、確かに沖繩だけが開発は必要でないというまた別の意見等も出るかとは思うのですが、何といっても、二十五カ年間アメリカの支配下において本土の国民が想像もできない犠牲なりいろいろな不自由というものをしいられてきた、あるいは耐えてきたので、今後ほんとうに日本の一県として位置づけて、東南アジア、日本の南の玄関として沖繩を平和的に開発をしていくという立場に政府が真剣に立っていただくならば、私は不可能ではないと思うのです。 そういうことで、大体〇・五%としても四千五百億あるいは五千億程度だと思うのです。一%としてはその約倍になります。そういう意味で、こういう考え方に対して政府としてはどうお考えになっておられるのか。また、どうしても開発計画というものを具体的に推進をしていく場合に、そういう資金投資というものも一応踏まえて計画というものをおつくりにならないと、実際にはいつの間にか忘れられた過疎県になってしまうという結果になろうかと思うのです。この点ぜひ御検討をいただきたいし、また政府のお考えというものも聞かせていただきたいと思います。
○岡部(保)政府委員 いま先生のおっしゃいました具体的な金額、いわゆるGNPの一%であるとかあるいは〇・五%であるとか、そういう額については、先ほども申し上げましたように、まだほんとうの腹をきめていないという段階でございます。ただ、はっきり申し上げられることは、たとえば公共投資の面におきましても、これをほとんどたとえば全額国費で実施をするという考え方、これは要するに、これからの沖繩の開発というものが他地域と比較いたしますればはるかに有利、というといやなことばでございますが、できるだけお手伝いをしたいという考え方のあらわれである。したがって、当然金額についても十分のことができるように努力をするということだけが、いま申し上げられる段階かと存じ上げます。
○上原分科員 時間が来ましたので、最後に長官にいまの点を含めてお尋ねをしておきたいわけですが、要するに、特別措置法の中で単に補助金の率を本土以上にするとか、そういうことだけで私はほんとうの沖繩住民の生活の向上というもの、あるいは経済開発、地域開発計画というものは達成できないと思うのです。ぜひ、せめて国民総生産の、GNPの〇・五%から一%の範囲で年間投資をしてやっていく、その上に十分な計画を立てて、沖繩の開発、本土との格差というもの、基地経済からの脱却というものを考えていくという方針を明らかにしていただきたいということ、これに対する長官の御見解を求めて、時間がありませんので、物価問題についてはまたいずれ別の機会にお尋ねしたいと思うのです。
○木村国務大臣 総理も機会あるごとに申しておりますとおり、この沖繩についての政府の考え方、これはもういまおっしゃったとおりでございますが、ただ、そういう政府の資金あるいは財政投融資も含めまして多額の公共投資をすればそれでいいというものではないと思います。やはりどういう面に、どういうふうに沖繩を開発するかという方向づけが一番大事であろうと思います。したがって、公共投資も、集中的にこれを入れましてかえってそこにインフレ傾向をもたらすようなことでもいけませんし、諸般の事情を考慮しながら、最大限政府としては沖繩に対して努力をするということでございます。
○田中主査 小川新一郎君。
○小川(新)分科員 最初に、新全国総合開発計画の手直しまたは総点検、または新々全国総合開発計画を策定する意図があるかないか、この点についてお尋ねいたします。 昨年の末に国土総合開発審議会が佐藤総理に新全総を全面的に見直すように提言いたしておりますし、新全総の再検討が必要であると伝えられておりますが、これはただ単なる新全総の衣がえ、一時的手直しであるのか、または抜本的な新々全総を策定するという意味なのか、この点についてお尋ねいたします。
○木村国務大臣 御承知のとおり、新全総は昭和四十四年に策定いたしましたが、その後におけるわが国の経済社会情勢の変化、これはきわめて急激なものあるいは大きなものであります。そういう中にあって、この新全総の基本的なプリンシプルを見ますと、確かに環境問題についても非常に大きく取り上げておるという点では、私は何らおくれておる構想だとは思いません。したがって、その点について根本的な手直しをする必要はないといたしましても、ただその計画の実施面において非常に手おくれになったところもございましょうし、また、策定後の先ほど申し上げましたようなわが国の経済社会情勢の急激な変化、大きな変化というものが、やはりいろいろな面について総点検を要求しておるように私どもは考えます。また、国民の価値観の変化もその一つでございましょう。そういう面でこの新全総計画の基本的な原則については、私はいまもこれを大きく変更する必要はないと思いますが、さらに環境問題に大きく焦点を当てまして、総点検する必要はある、こういう考えのもとにいま総点検作業を進めておるところでございます。
○小川(新)分科員 そうしますと、確認いたしますが、四年たった今日、新しい新全総をつくる意思はないけれども、総点検を踏まえた上で、大幅な手直しをしながらこれを発表する、この期間等はいつごろなのでございますか。
○木村国務大臣 私どものいまの見込みでは、本年中にその総点検の作業を終えたい、こう考えておりますが、中にはもう少し部分的にはおくれる面もあろうかと思います。総括的に申しますと、本年中にその点検作業は終わる、こういう考え方でございます。
○小川(新)分科員 新しい文章体になって出るのはいつなんですか。
○岡部(保)政府委員 現段階で新しく文章としてまとめるということになりますのか、あるいは具体的な事例についてこういうふうにするべきであるというような考え方で出ますのか、そこの辺につきましては、これから実際に総点検をいたしました上で処理していくという考え方でございます。
○小川(新)分科員 そうしますと、まだ期間においては未定である、だけれども、ことしじゅうに総点検が終われば、来年にはもうでき上がるとわれわれは認識してよろしいですか。
○岡部(保)政府委員 たとえば、一つの例を申しますと、環境問題は非常に大きな要素でございますが、環境問題ということでただいま総点検を行なうという一つの大きなテーマがあるわけでございます。御承知のように、現在環境庁が中心になりまして関係省庁が集まって、たとえば瀬戸内海の環境問題というのを再検討をしておる最中でございます。そういうものも、これは一つの具体的な問題としてこの総点検の作業に当然入ってくる。したがいまして、これはちょっと一年間で作業が終わるかどうかというあたり、まだはっきりいたしておりません。そういうものも織り込みまして、具体的に一つ一つの問題を詰めていくという考え方をとっております。 〔主査退席、橋本(龍)主査代理着席〕
○小川(新)分科員 大臣に二つ具体的な点をお尋ねいたします。 一つは、むつ小川原または志布志湾、周防灘というような、ああいった大型開発というものが、今回の円ドル・ショックとか経済情勢の変化によって大幅な手直しを考えておるのか、後退するのか前進するのか。 二は環境問題。私いつも見ておるのですけれども、方向が非常にまちまちのように見えるのです。これも、一つの前進をしていく上にそういったことを勘案しながらいくことは非常に大事なことでございますが、政府の各機関が統一されてないように思う。そこで具体的な例は、そういった開発の規模というものが前進するのか後退するのか、この点いかがですか。
○木村国務大臣 後退はいたしません。ただ、新全総計画の、先ほどいろいろ話が出ましたような環境問題についてのウエートをもっと強くしなければならない、これは当然でございますが、そういう面ではあるいは前進とも言えるでございましょう。大規模工業基地、いろいろ現実には難点も出てまいりますが、それはすべて新全総の考え方自体に難点があるわけではなしに、その計画の実施面において環境問題との関連の問題がいろいろ出てきておる。あるいは住民の意思の尊重という面でもなお足りない面がある。いろいろな面で、実施面においていままで以上の配慮がなされなければならないという面ではむしろそういう意味の前進がある、こういうふうに御了承願ったほうがいいと思います。
○小川(新)分科員 そうしますと、むつ小川原にとりますと、この開発理念というものは青森県民の地域開発の一環として、その手段として行なう開発であるのか、それとも新幹線とか青函トンネル、成田空港のような国家的な見地からぜひ必要とされる事業、すなわちナショナルプロジェクトであるのか、どちらなんでしょうか。
○木村国務大臣 もとより国土利用という国家的な見地も当然前提になければなりません。しかし、あくまで地域開発でございますから、青森県の住民の福祉というものを前提にして考えられるべきことである、こう考えております。
○小川(新)分科員 これは国家事業としてわれわれは認めておるのですが、いかがですか。
○木村国務大臣 わが国土の再編成という大きな政策目標からいけばまさに国家的事業でございます。しかし、成田のように強制収用その他のようなことは、この中で考えておりませんので、そういう意味で、あくまで住民との対話の中でこれを行なうというような事業であるというふうに認識しております。
○小川(新)分科員 そうしますと、これは閣議決定をする必要があるのかないのか。それから、公共事業としての認定をわれわれは受けるかどうかというところが、土地収用法をかけるということになりますと大事な問題で、都市計画事業認定としても、公共事業として認定すれば当然土地収用法はかかるのですが、今回の場合、いま大臣の発言を聞いておりますと、これはあくまでも土地収用をかけないということです。であるから閣議決定をしなかったのですか、どうですか。
○木村国務大臣 全体の計画、マスタープランがきまりまして、いよいよ実施に進むときには閣議決定も必要になろうかと私は思います。また、土地収用その他をかけないと申しましたが、その中に当然あるべき道路とかそういう公共事業がございます。その面については、一般と同じように必要な場合には土地収用法はもちろん運用されるわけでございます。しかしながら、全体の考え方としては、これは民間企業がそこに進出するのでございますから、それについての土地収用その他は考えられておりません。
○小川(新)分科員 そうすると、閣議決定はやると理解していいのですか。
○木村国務大臣 いまのところきめておりませんが、私はやることが必要になる、こう考えます。
○小川(新)分科員 非常に前向きな御答弁をいただいたわけですが、この閣議決定をするかしないかによって、非常にむつ小川原の開発という問題が違ってくるわけです。ナショナルプロジェクトで要するに国家的事業として認定されてきますと、これは私は確かにいま大臣が言ったように、私金業の入ってくるところまで土地収用法をかけるということは、これは行き過ぎである。確かに私企業が入っていくと、総合的な見地でございますから、これが原子力発電所のような国家的事業のものも入ってくる。こういう原子力発電所をつくるような場合には、非常にいま住民が反対しているのですが、これも私企業として見るのか。たとえばナショナルプロジェクトの一環として閣議決定したあとには、公共事業として認定して土地収用法とか、またその対象というものになるのか、いかがですか。
○木村国務大臣 いま御指摘の原子力発電所、公益事業として当然土地収用の対象にはなります。対象にはなりますが、そういう土地収用法の発動が必要とならないような運用をやっていくということがこの開発事業の眼目であると考えます。
○小川(新)分科員 これは大臣、大事な問題なんですね。これだけの巨大なコンビナートとか工業群をここに誘致するということになりますと、その供給電力は東北開発電力だけでは間に合わない。当然ここに原子力発電というものを国家的な規模でやらなくてはならない。ところが、現在だって土地の問題が非常に大きな混乱を起こしておる。そうすると、最終的にはそれは確かにいきなり土地収用をかけるばかはありませんから、これはあくまでも話し合いの場を持つのでございますが、土地収用委員会や都市計画審議会等にはかって、当然これが必要となれば、公共事業と認定した段階において収用法をかけると認めていいわけですね。
○木村国務大臣 そのとおりでございます。
○小川(新)分科員 そうしますと、このむつ小川原はそういった重大な決意でやっていくわけでございますから、現在八千三百億円といわれている総予算の中で、青森県がその十分の一を負担したとしても八百三十億という巨費になりますが、現在の青森県の財政で八百三十億というのを何年間で一体これを消化しようとするのか。そして、この下北半島のむつ小川原の開発というものの作動する第一年目の作動は昭和何年になるのか。そこによって逆算してまいりますと、県の年度の負担がはかられてまいりますが、いかがですか。
○岡部(保)政府委員 いまおっしゃいました金額、一つのめどとして県が言っておられる金額かと存じますが、現段階でまだそこまで突き詰めた計画を持っておりません。したがいまして、そこで作動する工場の時期等についてもまだ不明と申し上げざるを得ません。
○小川(新)分科員 大臣、そういう不明確な、第三セクターであるむつ小川原開発株式会社ですか、御存じの第三セクターが発足し、青森県ではむつ小川原開発公社ができ、そのほかの機関がたくさん乱立し、そして大企業の土地の民間デベロッパーのダミーが大量の土地を買い上げているような事態において、何年にできるかということの計画もできないで、われわれの税金の一部を第三セクターであるむつ小川原開発株式会社に出している。それじゃちょっと無責任じゃないのでしょうかね、この点では。
○岡部(保)政府委員 現段階で確かに一部県でこういうことを部分的にしたらどうかという考え方を持っておられるのは事実でございますが、先ほども申しましたように、全体としてのどういうマスタープランをつくり、どういう姿に持っていくかという点については、現在むしろ基礎的な調査の段階であるわけでございます。したがいまして、ただいまの先生のおしかり、どうも残念ながらおしかりを受けるほかないという段階でございます。
○小川(新)分科員 おしかりを受けるだけじゃ困るので、私は何もしかりたくてしかっているわけじゃないのです。私の地元でもございませんから、そんなにむきになって言うわけではございませんけれども、これはやはり計画をもう少しはっきりしていただかぬといかぬ。 それから大臣、いま鹿島あたりで相当公害が発生しておりますが、こういった企業の無過失責任賠償棚度、またこういった基本となっているところの、その発生源であるところの企業からお金を取って、当然それを公害の防止に充てていくというような公害税というものをいま考えたらどうかと私は思っているのですが、いかがですか。
○木村国務大臣 私、具体的なことは申し上げる立場におりませんが、そのお考えには私も決して反対ではございません。環境庁長官もそういうことを言っております。
○小川(新)分科員 環境庁長官が公害税というものをぶち上げたわけでございますので、賛成の意味があったわけです。 次に、私はそういった立場に立って、第三セクターについて公私混合の開発会社法というフランスにあるようなこういったものを検討しなければならない段階に来ておりますが、この公私混合、混合会社基本法というものをいま建設省で検討しているやに聞いているのですが、これについて大臣いかがお考えですか。
○西原説明員 先生御指摘のありましたように、第三セクター、いわゆる民間の活力を公共事業その他の面におきまして活用するという仰せにつきまして、建設省においてもその重要性を認めまして、部内においていろいろこれから検討を始めたいということで準備をしている段階でございます。
○小川(新)分科員 そうしますと、これはやはりやる必要があるということを建設省で認めているのですが、経済企画庁としてはどうですか。
○木村国務大臣 私もその発想には賛成でございます。
○小川(新)分科員 それでは次にお尋ねいたしますが、四十五年九月一日の産業構造審議会の「大規模工業基地の考え方および開発方式について」の中間答申によりますと、大規模工業基地の開発方式を次の三つに分類しております。第一方式は、「国が計画を作成し、法人(株式会社)が事業を実施する案」。第二方式は、「認可法人が計画の作成および事業の実施に当たる案」。第三方式は、「財団法人が計画を作成し、事業の実施は国、地方公共団体、民間がそれぞれ分担する案」。むつ小川原開発は、一体この三つの方式のどの案に当たっており、最終責任はどこが持つのでありますか。
○岡部(保)政府委員 現実にむつ小川原で進めておりますタイプは、その三つのいずれかにぴっしゃりと適合するという姿ではないかと思います。と申しますのは、これは最終的にどういう姿になるかということではございませんで、現在の姿でございます。現実に現在の段階といたしましては、開発の主体は県でございます。それで、それのいわゆる何と申しますか、指導なり援助なりという面で、国が関係各省庁が協議をしながら進めているという姿でございます。それで、土地を買い入れるという業務につきましては、一部公的な資金も投入されましたむつ小川原開発株式会社というものが設立され、また県の機関でございます公社とかというものも設立されているわけでございます。また、計画のいわゆるマスタープランの原案をつくるというものについては、一部公的な資金の投入されたむつ小川原開発センターという会社が実施するというような、いわゆる現地の機関としては三本立ての機関が特に設立され、さらに中央と申しますか、これの国の段階といたしましては、関係各省庁がその協議会を持って協議して進めていくというたてまえでございます。
○小川(新)分科員 そうすると、産業構造審議会の「大規模工業基地の考え方および開発方式について」の中間答申に当てはまらない第四の方式をむつ小川原では用いている、そう理解してもよろしいですか。そして、その最終の責任は国であるのか、地方公共団体であるのか、第三セクターなのか。一体、国であれば何省なのか。閣議決定をするということになったら国になるのじゃないですか。非常に御答弁があっちに行ったりこっちに行ったりするように私理解するのでございますが……。そして、ある一部のものには、原子力発電の開発については土地の収用権すら付与するということになりますと、私はこれは大きな国家的ナショナルプロジェクトになっていくと思う。これになりますと当然この三つの方式に当てはまってくるのじゃないか。現在は当てはまらないけれども、あとには当てはまる。そして現在も第三セクターが動き出して土地の買い占めを行なっている。こういうことでは、この点最終責任は、大臣、経済企画庁が持つ、よろしいですか。
○木村国務大臣 やはり最終的には私は総合的な責任は国にある、こう考えますが、その中で実際に事業の実施に当たる事業主体はやはり県である。いろいろ責任の所在によって分かれると思いますが、やはり閣議決定もいたしますし、そういう総合的責任は国にある、こう見たほうが正しかろうと思います。
○小川(新)分科員 きょう私、この委員会を通しまして実は非常に心強く思ったことは、このむつ小川原がいよいよ閣議決定をするということがきょう大臣からおおむね発表になったわけですけれども、これをはっきりしませんと、やはりこれだけの大規模な——地元の農家の方々が非常に迷惑をしているのは、高い土地を売ったとか売らないとか大問題が起きていますね。それから公害問題とか……。 私はその点で、さっきから何度も何度もしつこくこの点を聞いているので、いま、最終的には国が責任を負ってくださる、こういうことでございますから、私もその程度で理解いたして次の質問を進めますが、たとえば、六ケ所村の当初計画面積が一万七千五百ヘクタールあった。ところが、今回青森県知事の発表によりますと、計画が変更され、その半分以下の七千九百ヘクタールに縮小されました。この一部になるところの六ケ所村というのは中心地点ですが、さっき後退はないとおっしゃっておりながら、一部の中心開発地域においては、その半分の七千九百ヘクタールに規模が縮小されてきた。これでは先ほどの御答弁と食い違うのですが、いかがですか。
○岡部(保)政府委員 ただいまの御指摘でございますが、青森県が昨年八月に当面の開発構想として六ケ所村を中心として確かに一万七千五百ヘクタールですかの区域を発表いたしております。その後、いろいろな理由があったようでございますが、私どもの承知いたしております限りでは、たとえば集落移転というものをできるだけ避ける必要がある、あるいは移転先をなるべく六ケ所村の中に置きたいというような住民の御要望、そういうものを考慮されて、現段階として、当面は約五千ヘクタールを工業用地として、その他全部で七千九百ヘクタールという案に変えていろいろ話をされておるという事実を承知いたしております。これは私ども——またどうも脱線するのかもしれませんけれども、私どもは、あの地域全体を考えまして、決して六ケ所村だけがあの大規模工業基地のところではないと考えております。あれ全体を考えますと、相当に開発をしなければならないと考えております地域は広いわけでございます。そのうちで、当面手をつけると申しますか、具体的な準備段階に入ったのをあの地域にしぼっておるということでございまして、必ずしも計画が縮小された、後退したという意味ではないと私どもは解しております。
○小川(新)分科員 当初の計画が一万七千五百ヘクタールで今度が七千九百ヘクタール、これはだれが見たって計画縮小であり、戦線の縮小でありますね。それはどういうような理屈を言っても、現実において面積が減ることにおいては変わりがない。そういうところを、私は先ほどから、姿勢がはっきりしないからと言っておるのです。 それでは大臣、さらにお尋ねしますが、これは閣議決定をされ、国家が認定をされた事業として国の推進になっていった場合に、今度土地を売買した場合には、公共事業と認定されている場合には一千二百万円の税金の免除がありますことは御承知のとおりでありますが、そうなるのですか。
○木村国務大臣 そのとおりでございます。
○小川(新)分科員 そうすると、現在売っている者は一千二百万円の免税の対象にならない。これはまことに不公平な処置じゃありませんか。
○木村国務大臣 いま申し上げたのは、公共事業と認定された場合でございますが、一般の工業用地として私有地である限りはその適用はもちろん受けません。
○小川(新)分科員 私が聞いているのは、この事業自体が閣議決定をされて、国家の公共事業として閣議で認定された時点に立てば、公共事業として認定するんじゃないか。いまは閣議決定も何もしていないから、要するに責任の所在があいまいもことしておりますから、確かに、いまやっております売買については私有権の移動である。ところが、これが閣議決定をし、この地域の開発が公共事業として認定されて、要するに国家の大規模工業開発プロジェクトの位置づけがはっきりした時点においてはどうなんだ、こういう質問なんです。
○木村国務大臣 一がいにむつ小川原開発事業と申しますが、また事業全体の計画についての閣議決定はありますが、その中には公共事業あり公益事業ありまた一般の私企業もありという混合形態でございますので、いまおっしゃったようなことには私はならぬと思います。
○小川(新)分科員 それでは、時間が来ましたから一問で終わりますが、この六ケ所村と東通村の農用地の買収価格がべらぼうに差があるんですよ。これはもう皆さん御存じだと思うのですが、六ヶ所村の開発用地として四十七年二月の十二日に提示したたんぼ一等級七十六万、二等級七十二万。これが東通村開発用地として示されたほうは——これは県の開発公社が示したほうです。県の開発公社が示したほうが七十二万円、県が示したほうが五十七万円。それから山林原野においては、県の開発公社が示した価額が十アール当たり五十七万円。ところが青森県が示したほうは二十二万円。どうしてこんなに同じ県で、県と開発公社とこの地域において土地の補償価額というものが——一割や二割違っているんならそれはあれですけれども、三倍も違う。こういう無計画な無政府状態、土地に対するところの全くの混乱状態がいま青森県で起きております。これについての所見と大臣の考え方、また今後に対する対処のしかた一これは国家的責任のもとにおやりになるのであれば、いたずらに地元青森県民の福祉につながらないところの土地対策が行なわれております。大臣、聞くところによりますと、農林漁業の第三次産業化に関する答申の中にも、非常に土地問題について利用権と所有権ということを区分なさっておりますね。いままでは土地の私有権だった。今度は利用権というものさえ考えなければならないという斬新的な経済企画庁長官のお考えの中から、このような青森県の混乱した——地方公共団体がこのような姿勢を示しておる。これについてどのように対処し、どのように指導なされるか。当面の責任は自治省でございますけれども、これはひとつお考えをお聞きしておかないわけにいきませんので、これを聞いて、時間がちょうどまいりましたから終わらしていただきます。
○木村国務大臣 私、初めていまそういうことを承ったわけでありますが、もしそういう事実が実際にありとすれば、まことに遺憾なことでございます。そういう面を青森県当事者ととくと一ぺん検討し合って、そういうことがないようにはからいたいと思います。
○小川(新)分科員 これは初めてとおっしゃいますけれども、新聞にも報道されているので、そういう点、ひとつ御関心を十分お持ちになられて、どうかひとつ適切なる——遺憾なことであればすみやかにこれを指導していただいて、しかも青森県民の、下北半島の貧しい農業をおやりになられてきた方々が、この大規模工業開発の脚光をいま浴びようとしておるわけなんです。その責任問題もはっきりしない今日、非常な混乱になっていることを、私大臣に強く警鐘いたしまして終わらしていただきます。
○橋本(龍)主査代理 津川武一君。
○津川分科員 小川委員が新全総の巨大開発、特にむつ小川原を取り上げて質問されしたので、かなり省略さしていただいて、問題点だけ一、二聞いてみます。 そこで、開発の主体は県、経済金画庁は指導援助、そういう意味において、住民に対する責任者は県である。経済企画庁は指導援助するから、そういう点では責任がある、こういうふうに解釈してよろしゅうございますか。
○木村国務大臣 お話しのように、第一次責任は県でございます。開発主体としての責任は県にありますが、しかし指導援助といいますか、これは一つの大きな国家的事業とすれば、その総体的な行政責任というのはやはり国が持たなければならない、こういう考え方でございます。
○津川分科員 公害は出ないようにすると言っているけれども、きょう山中長官もどこかで演説して、石油は海がよごれるから沖繩に持っていかない。今度むつ小川原の主として計画されておるものは石油、この公害の責任はだれが最終的に負うわけでありますか。
○木村国務大臣 そこに進出いたします、立地いたします企業自体が当然責任を持たなければなりません。しかしながら、環境行政からいうと、いわゆる政治責任、行政責任はやはりこれは政府が負わなければならないと思います。
○津川分科員 開発の主体である知事は公害に対してどうでございますか。
○木村国務大臣 当然環境関係の法令その他によって、知事の持つべき責任は明記されております。
○津川分科員 そこで、小川委員が少し話していましたけれども、土地の買いあさりです。最近三井不動産の社長の江戸英雄がマイハウスという出たばかりの十一月号に、対談でこう書いてある。「しかし、下北半島でも三井は土地を買い漁っている」こういうふうに言われているが、これに対して三井不動産の江戸社長は、「二年位前、青森県知事と東北経済団体連合会の会長とが見えて、たのまれて」「計画を相談されたので、一刻も早くまず村、県、国有地を二割以上押えなさい。」と言った。「私のところは——これは三井不動産——県、団体からこれだけは買って協力してくれといわれたところは買いました」 「その後県知事、会長が来てもっと買ってくれればいいのに」と言われている。こういう事実があるわけです。ところで、これは農地は買えない。したがって、農地法の適用されない山林を買っただけですが、あの当時の計画は約一万九千ヘクタール、二割買ったとすれば三千八百ヘクタール。で非常に混乱しておる。現実に二千ヘクタールは買っただろう。その値段が最高で十アール三万円、安いところで一万五千円。今度先行投資会社である青森県の開発会社がこの土地の値段を明示した。それによると、山森はどのくらいかというと、十アール当たりいいところで五十三万円、安いところで五十一万円。とすれば、三井不動産関係が買った土地は十アール当たり最低でも五十一万円。買い値が最高で三万円。四十八万円の利益で一千ヘクタールとすれば四十八億円、二千ヘクタールとすれば九十六億円、これだけ三井不動産の手に入るわけです。こういうことの調査に国が二カ年にわたって三億円ばかり調査費を出している。そしていま小川委員も話したとおり、ナショナルプラン、国が閣議できめている。こういう形で、大資本である三井不動産のもうけ方は、私には暗に経済企画庁のやり方が援助をしたと客観的に見られますが、これをどう考えています。この利益をどうして土地所有者、原住民、原権利者に返すか、私は返す必要があると思うのです。この二点をひとつ明確に答えていただきたい。
○岡部(保)政府委員 ただいまのお話でございますが、県が示された金額、土地を購入するにはこういう価格で購入する意思があると示された価格は、住民から買い上げるという前提で住民に対して示されたというふうに私ども理解しております。したがって、いまおっしゃいましたように、たとえば不動産会社が云々というような際に、どういう価格で買い上げるのかということについては、私どもまだ承知いたしておりません。 〔橋本(龍)主査代理退席、主査着席〕
○津川分科員 そこで県、むつ小川原開発会社が公示した山林のいいところは五十七万円、悪いところで五十一万円、これは当然むつ小川原開発会社が不動産会社から買い取るときの買う値段になると思います。あなたがどう言っても、かりにそう言ったとして、かりにその場合二十万円、三十万円になったときに、三万円から二十万円の差がある。これは原所有者に返すべきではありませんか、この点はどうでありますか。大臣、どうでありますか。
○木村国務大臣 やはり、社会公正という面から見て、適正な価格で取引があるべきだと思います。
○津川分科員 そうすると、現住民が三万円で買い取られっばなしに大臣はしておくつもりですか。
○木村国務大臣 私はどうも、具体的なところはいま伺ったばかりでよくわかりません。ただ、一般的に申しまして、いまのようなことをお答えしたわけでございます。
○津川分科員 事情は局長が覚えておるでしょう。開発局長、どうです。
○岡部(保)政府委員 ただいまの点、非常に難問でございます。ただいまここでこうすべきだという御返答を、私ちょっといたしかねるのでありますけれども、確かにいろいろ問題点が含まれておりますので、こういう事実があるとすれば十分検討はさせていただきます。
○津川分科員 局長、大臣、だれのために立ちます。地域の人たちか。貧しいからやる地域の住民の人の立場に立つ態度があるならば、私はこれでこの点は質問をやめます。大臣でも局長でも、どうです。
○岡部(保)政府委員 当然われわれとしては地域住民の方々のことを考えなければいかぬという立場で検討させていただきます。
○津川分科員 その次に、先ほども小川委員が話していましたけれども、第一次案には鉄鋼が二千万トン入っている。今度ドル・ショックで鉄鋼は一時保留してしまった。鉄鋼の用地として予定されておったところは青森県の仏沼、これを干拓、開田、開畑、干拓して二十六ヘクタール開田、百九十一ヘクタール開畑したのです。これに対して投資した金額は七億二千五百四十六万円、このうち国の投資が四億百二十万円。一次案から二次案に下がった、そこでふらふらになって、この土地に対する態度が不明確になっちゃった。投機のために残す、そういう点もある。やっていてもすぐ取られる、これもある。これで国が投資した水田が全部いま休耕している。この事実をどう見るか。私たちは、農業を工業と並んだわが国の経済の重要な二大柱と考えているわけなんです。したがってこれは、経済企画庁としても工業だけをやるはずないんで、農業をやるように指導し援助して、出向いていって、投資した分だけは役に立たせるようにすべきだと思うのだが、これはどうします。大臣でも局長でもどちらでもいいです。
○岡部(保)政府委員 ただいまお話のございました三沢の仏沼周辺の問題、確かに鉄鋼の銑鋼一貫の工場を誘致するという意味での計画がありました。それが保留になっているのは事実であります。その問題につきまして、いまおっしゃいました農業政策と申しますか、農地政策と申しますか、そういう面からの問題については、私どもこれから農林省と十分協議をしていきたいという考え方でございます。
○津川分科員 その協議ですが、七億も投資したものを、鉄鋼のために必要だからといってやるときに、この投資をむだにして、これを工業団地にする、こういう相談するわけですか。これは払えばいいという議論が出ていますが、これだけ国の財政をつぎ込んだものをパーにしてしまって、投資の目的にかなわないようなものに転換していくという相談をするのですか。農地として農業をやろうという相談するのですか。この点をはっきりしてください。
○岡部(保)政府委員 ただいま農業をやろうという前提であるか、あるいは工業用地に転換するという問題であるかという点、両方を含めて協議するという意味でございます。
○津川分科員 大臣、あなたたちの計画している仕事によって七億という投資がむだになった、そういうことがあり得るということを言っているのですが、こういうことをやるわけですか。これは大臣、あり得ると局長は言っているんですよ。それを大臣答弁してください。投資したばかりで、四十六年に完成したばかりです。
○岡部(保)政府委員 どうもいまの段階でこれを絶対に農地から転換すべきでないという考えも私は持っておりません。ただ、これを絶対に工業用地に転換するべきであるという考えも持っておりません。要するに、いまのような事情である土地をどういうふうに農林省として考えられるか、そういう点についてフランクに協議をしていきたいという考え方でございます。
○津川分科員 そうすると、経済企画庁は巨大開発で農民を犠牲にしてもいいということもときにはやる、こういうふうに考えていいと私は解釈して次の質問に移ります。 その次は、大臣、防衛庁が青森県の車力村に住民をだまして極秘にミサイルの射場を買い取ってしまった。村長、住民も、県民も知らない。猛烈な反対があって、いまこういうことをやめろといっているわけなんです。このことです。 そこで、第一は、この地域は、すぐ続く海域は魚の優良な漁場で、何百年以来ここへたくさんの漁船が出漁しておる。この事実が一つ。二つには、この地域は昭和三十八年から農業用地として開発する計画を立てて、四十五年度から九カ年計画で開田を進める。具体的に入った。そこへ米の生産調整になったので、そこで四十七年から米から畑に転換している。このために四十三億円の予算がついている。これが現実に進んでおる。これが第二の事件。第三の事件は、昨年の七月の自衛隊による全日空機の墜落事件、あの事件のあと運輸省はここの上空に民圏航空訓練区域を設定した、これが第三の事実です。第四の事実、ここのところは三十八年から国定公園として計画して、ずっと前から申請されて、いま認可するばかりになっております。この四つの事実は、すべて公的な手続を経たものであって、こういう状態に対して防衛庁は何をやったかというと、昭和四十六年の十一月十日付で車力村長に初めて射場として協力を要請してきたわけです。そこで皆さんがあわ食って水産庁、農林省、運輸省、環境庁に聞いたら、事前に防衛庁からはこの相談を受けていない、騒いだのでこのごろ協議が始まってきた、こういうことであります。この協議も終えないうちに、すでに土地を買い取ってしまっている。これは既成事実をつくって無理押ししてくる、こういうことなんです。 そこで、長官に質問するわけですが、水産庁、農林省、環境庁、運輸省などが、国の行政として計画し、具体的にそれが日程にのぼっているところに、これらの関係者と相談することなく、防衛庁が他を押しのけて横取りして、既成事実をつくってひとり占めしてきた。ここにこそ四次防の先取り、立川基地への強行移駐、沖繩への防衛物資輸送と並んで、それにも劣らない防衛庁の独断、独善、防衛庁優先主義、防衛優先主義、軍事優先主義、軍事第一主義、こう考えますが、この考え方に対して経済企画庁は、こういう調整こそ——農地にするか、漁場にするか、航空に使うか、防衛庁が使うか、これこそ経済企画庁の機能であると思うのですが、こういう状態を大臣はどう考えているか。特に大臣は国防会議の議員でもある。この先取りというか、優先主義、軍事優先、防衛庁優先、独善、独断、これをどう考えていますか。私はこれはすみやかにあなたのところで白紙に返して調整すべきだと思うのですが、まず大臣の所見を聞かしていただきます。
○木村国務大臣 いまの車力共同射場の問題、私聞いておりますが、どうもこれは防衛施設庁がやっておることでございますけれども、私ども、その面について一々土地の取得にまで経済企画庁が調整する立場にはおりません。ただ、これが環境庁あるいは農林省その他各省との問題になってきて、これが土地利用の大きな問題に発展するということになれば、経済企画庁としては当然調整の立場に立つわけですが、個々の土地の取得を防衛施設庁がやりますについて、経済企画庁がストレートにその問題に立ち入るわけにはいかないと思います。
○津川分科員 この状態を知らないとは言わない。盛んに防衛庁でも問題になったし、知っているはずなんです。これは軍事優先、先取り、独断、独善、防衛庁第一主義、こういうものでありませんか、どうですか大臣。
○木村国務大臣 私は、その事例だけをとって、いま津川さんがおっしゃったような軍事優先とは思いません。しかしながら、いかなる場合においても、わが国の防衛のあり方から申しますと、そういう批判あるいはそういう懸念を持たれるようなことは極力避けるべきだという考え方でございます。
○津川分科員 防衛庁並びに防衛計画に対して、経済企画庁長官として、国防会議の一員として、これは知らないというふうに逃げ切るわけですか。自分に責任があると思いますか、思いませんか。
○木村国務大臣 どうもいま御指摘になったような車力の射場の問題については、国防会議の議員といたしまして、また経企庁長官といたしましても、直接私には責任はないのですが、ただそういう問題一般論になりますと、これは政治家の一人として、閣員の一人として責任は感ぜざるを得ないと思います。
○津川分科員 閣員の一人じゃなくして、ここは二十数億円の水揚げのある漁場なんです。それから湿原植物としてまれに見られる、北の植物の南の極限のあるところで、これこそ非常に国民レクリエーションの場として何ものにもかえられない貴重な場所なのです。 それから今度は運輸省でしょう。あの事件が起きたあとに、これではいかぬというので、民間航空機の航空訓練場として設定してしまっている。こういう事実がある。農林省自身はこれに計画を立てておって、この受益者の承認なしには計画変更はできないといっている。こういう割拠主義というものをだれが調整するのか。経済のあり方、国土の利用のしかた、これはあなたではありませんか。
○木村国務大臣 国土の利用という面からすれば経済企画庁ですが、そういったいままでの仕組みあるいはならわしから申しますと、やはりそういう各省庁が対立する場合の調整は内閣官房長官がやるのがたてまえでございます。
○津川分科員 経済のことだからあなたもやらなければならないのじゃありませんか。
○木村国務大臣 当然経済企画庁長官もその一員でございます。
○津川分科員 そこで、当然やるとすれば、この利用をどこが利用すべきか、すみやかに白紙にもう一度返して、あなたがやはり各省を招集して——あなたは経済企画庁で計画するときには関係各省の会議を開くと言うのです。前にも言ったでしょう。そういう会議を開くべきだと思うのですが、どうでしょう。
○木村国務大臣 この問題とは私は直接関係のある発言をしたことはありません。むつ小川原の問題についての発言でございます。
○津川分科員 だから、この事件であなたは責任あるし、国防会議の議員でもあるし、経済の問題でもあるし、農業と漁業との関係でもあるし、いろいろな航空事業との関係でもあるので、あなたのいま聞いているとおりの領域なので、あなた自身が一たん防衛庁のものを白紙に返して、そして調整して、それから防衛庁に使わすならいいですよ。いままでは防衛庁の独善、独断、これをもう一回戻して調整してみませんか。
○木村国務大臣 よく考えさせていただきます。
○津川分科員 考えさせていただくというのはやるという意味ですか。どうも答弁がなかなかあなたはじょうずだからね。だから、その点では私たちもごまかされるわけにはいかないんだよ。どういう処理をやるというのか。そういう意味で考えさせるのか。考えさせたって、やらないと言ったら答弁にならないのです。国会の答弁は非常に厳粛だと思うのです。この答弁は私はっきりさしたほうがいいと思うのです。どちらです。
○木村国務大臣 私の答弁もおわかりにくいかもしれませんが、お尋ねの点もなかなかふに落ちないと思うのであります。したがって、いままでの行政の仕組み、あるいはこういう具体的な問題について、一体どこが責任を持つかということは、各省庁おのおの所管がございますからそこでやるべきだと思います。したがって、防衛施設庁が土地を買うなら防衛施設庁が第一に責任を負う。当然防衛庁長官も責任を負う。また、それが環境問題とかいろいろな農林政策に関与してくれば、第一次的にはそういう関係省庁でございます。事務的にまず話し合うのが普通のいままでのならわしでございますが、それがいま御指摘のような政治問題に発展して政治責任ということになれば、これはまた別です。それをとたんに経済企画庁であずかりましてそれを調整するというのは、いままでの行政のならわしにはなっておりませんが、しかしそこまでおっしゃれば私も大いに関心を持って、やることも含めて考えます。
○津川分科員 そこで大臣、全日空機の事件を思い出してみてくださいよ。あの前に函館でやっていて、盛岡でやっているでしょう。そのあとであわ食って皆さんが閣議できめておる。今度はそんなことを起こしちゃいかぬというので、あそこは民間航空機の訓練場にきめたんだよ。こういう大きな政治問題を、防衛庁が断わりなしに入っちゃったんだよ。この事実です。何百年という間あそこで漁民が、実にいい漁場なんです。この調整こそ私はあなたの任務だと思うので、前向きでそのことも考えてやると言ったけれども、なるかならないか私はあなたの立場もあるから聞きませんが、やってみると言わなければ私は答弁にならないと思います。重ねて答弁を願います。
○田中主査 津川君に申し上げますが、本件は第三分科会としてはややどうも何ですから、これはおそらく第一分科会の所管事項だろうと思いますから、あちらでひとつお願いいたします。
○津川分科員 第一分科会でもやりますが、こっちでも、経済企画庁長官がいるから聞かなければならない。
○田中主査 どうも所管としては、私の心得ているところでは、直接の所管でないようでございますから、終わるようにしてください。
○津川分科員 大臣の答弁を求めてこの点は終わります。
○木村国務大臣 いま御指摘の点ですが、そういう意味で私も大きな関心を持って、やることも含めて考えさしていただきます。
○津川分科員 そこで、防衛庁来ていますか。防衛庁に聞きますが、皆さんが現地の説明会で、また私自身に対して、反対があるならば強行しない、これを繰り返したわけです。これが一つ。 第二番目には、最後にはあなたたちがまるめにかかった村長も村議会も反対をあなたたちに通知した。知事も反対を声明した。昨日の青森県議会で全党一致で反対を議決しております。こういう反対もあるにもかかわらずあの設置を強行するつもりですか。私はいけないと思う。だからゴリ押しと言われる。独断と言われる。独善と言われる。これはどうでございます。
○蔭山説明員 実はナイキ射場につきましては、昨年の十二月に、先生の仰せになりましたように、強行という問題につきましては、私どもは十分地元の関係、もちろん最近に至って村、県のほうの議会筋の態度も伺っております。しかし、この点につきましては、私どもの説明等がまだまだ不十分であるということで、十分これは理解をいただくようになおこれからも努力をしたい。強行するということは考えておりません。
○津川分科員 強行するということは考えていない。そこであれで不十分だったというの。あれだけ住民を集めて、あれだけ住民を入間と朝霞の基地に連れてきて、飛行機をサービスして見せて、乗ったことのない人を喜ばして、それでもまだ不十分だと言い切るの。これが一つ。 第二番目には、この間三月十一日か十二日か、車力の村議会で村長が話をしている。防衛庁はあれほど反対に回ったにもかかわらず、また百ヘクタール買いに来ている。これは事実ですか。この二つだけを答えてください。
○蔭山説明員 実は、地元の方に対する説明その他広報活動につきましては、いままで努力をしてきたつもりではございますが、なお最近のそういった動きがあることは、私どもの説明等がまだ不十分であるというふうに考えております。 なお、百町歩ほどということにつきましては、私どもは全然そういうことは考えておりません。
○津川分科員 そこで、むつ小川原で、陸奥湾に石油を持っていくということがかかったときに、漁連が説明にこないでくれ、調査も入らないでくれと言ったら入っていないのですよ。地元の村議会や村長や地域住民が、あなたたちの説明は要らない、そう言ったらあなたたちは説明に行きませんか。これが一つ。 第二番目には、あれだけせっかく買ったんだから、射場にできなければミサイルの中のナイキの基地にしよう、こういう話があなたたちの回りから飛んでくるんだが、こういう考え方は持っているのかどうか。
○蔭山説明員 説明会その他の活動につきましては、これは私は車力のほうに限りませず、いろいろな基地関係につきましては、私どもの説明不十分と理解がまだいただいてないというようなことで反対等を受けておることがございます。しかし結局は、そういった方々に対しましても、やはり対話は、これはパイプを通ずるということは、これは絶やすことなくやっていきたいということでございます。(津川分科員「ナイキ基地は」と呼ぶ)これは若干時間がかかりますと思いますけれども、しかし努力を続けまして、ここを共用射場として用地を取得いたしたものでありますから、そういうふうに整備し、なお先生御指摘の漁業関係の面につきましても、制限水域というものは現在まだ案の段階でございまして、これは水産庁、運輸省、その他関係各省とも十分調整をいたし、関係の漁業組合の方々等ともいろいろお話し合いを続けまして、結局は共用射場にする。ほかの用途に転用するということは考えておりません。
○津川分科員 そこで、最後だけれども、地元の漁業関係者、村長、村議会、地元民の人たちが、もう説明は要らないからと言っているんだ。来ないでくれと言ったら行きませんか。それでも行きますか。
○蔭山説明員 説明に来ないでくれということは私直接伺っておりませんので、その点につきましては……
○津川分科員 来ぬでくれと言ったら、来るのか来ないのか。
○蔭山説明員 これはいろいろな場面がございましょう。したがって、それらも十分ケースごとに判断をいたしまして、私どもとしてはそうした努力を続けさせていただきたいという考えには変わりございません。
○津川分科員 終わります。
○田中主査 西宮弘君。
○西宮分科員 私は昨日の厚生省関係の分科会で水道の問題についてお尋ねをしたのでありますが、その水道の問題で一番重大な問題ということになりますと、水資源の開発ということになるわけです。 〔主査退席、橋本(龍)主査代理着席〕 水資源の開発は、法律に基づいて、経済企画庁が基本計画の策定あるいは調査をする、こういう任務を持っているのです。同時に開発公団についても、公団の事業実施方針の認可であるとか、あるいは事業計画及び資金計画の認可であるとか、そういう意味で、公団の事業に対しても最も基本的な点について経済企画庁が握っている、こういう立場にありますので、これに取り組む企画庁長官としての認識あるいは決意、そういう点をまず伺いたいと思います。
○木村国務大臣 水に対する需要というものはこれからますます大きくなる一方であろうと思います。それに対して、どうも水資源の開発が従来おくれておりましたが、御承知のような水資源開発促進法が昭和三十六年に策定されました。その中で、総合開発を要する五水系について、経済企画庁がこれを所管しております。また、実施体としましては水資源開発公団が実施をしておりますが、開発事業は順調に進捗しておる、こう考えます。しかしながらなお今後、水資源の開発についてはいろいろな困難もございますが、あらゆる困難を克服して、水資源の開発事業に邁進したい、こういう考えでございます。
○西宮分科員 私があえてこの問題を取り上げますのは、資源確保という問題が非常に重大問題になる、こういうことを憂慮するからです。 経済企画庁の二十年史の中にあるわけですが、産業計画会議の「水資源開発に関する提言」という中に、いまの計画は長期計画を欠いていて、常に当面を糊塗しているにすぎない、あるいは「長期にわたる水源対策を確立していない現状では、再び水飢饉のため市民生活を脅かし、かつ産業界にも打撃を与えることは、火を見るよりも明らかである。」というふうにいっているわけです。あるいはまた、別な個所には、「水の需要の増大は加速度的で、このまま延ばせばほとんど無限ともいうべき傾向にあり、将来とても水の供給は需要に追付けないことが予想される。」と、提言の中にうたっているわけです。あるいは、科学技術庁の資源調査会の発表の中にも、「大都市地域の水問題も、将来深刻化すると予想されている。」こういうことを表現をいたしております。したがって私は、このように水の需給というのは逼迫するというふうに考えますので、あえてお尋ねをしたのでありますが、そういう点についても十分の認識を持っておられるかどうか、もう一ぺんだけ伺います。
○木村国務大臣 いまのいろいろな意見あるいは批判があることは、承知しております。それだけにまた、水に対する需要ということは緊迫したものである、そういう点を十分認識して、水資源の開発については、遺漏ない政策努力を行なっていきたい、こう考えます。
○西宮分科員 それでは、具体的な問題について伺っていきたいと思いますが、われわれ戦後、日本は水があるということをたいへんな日本の誇りとしてPRしておったわけです。しかし、考えてみると、確かに日本は水が多い。しかし、降った雨が海に流れてしまうということであっては問題にならないと思うのでありますが、そういう点について、基本的にはどういう対策を持っておるか。時間がありませんので、項目だけでけっこうですから、列挙してください。
○岡部(保)政府委員 ただいまおっしゃいました水の問題、いわゆる水資源が非常に不足するおそれがあるというあたりで、私どもその危機感も持っております。水の供給施設というもの、あるいはダムでありましたり、あるいは下水の利用であったり、そういうような水の供給施設の整備というものに重点を置いて進めたいという考え方でございます。 〔橋本(龍)主査代理退席、主査着席〕 さらに、水の利用の段階で、いわゆる高度化、合理化と申しますか、水の利用の方法において、たとえば水の再使用であるとか、あるいは漏水の防止であるとか等々の手段を講じなければいかぬという考え方を持っております。 また、それ以外に、一つは水のコストという問題がこれからの問題になってくるだろうと思います。水の資源はただだという時期はもう過ぎてしまったようでありまして、水のコストというものがある程度上がらざるを得ない。そういうことまで考えての開発というものを考えなければならないというような、いろいろな点でこれからも対処していきたいという考え方でございます。
○西宮分科員 日本は雨が非常にたくさん降る。これは周囲が海に囲まれておりますからそういうことになるのでしょうけれども、そういう意味で、単位面積当たりはたいへん水が多量だ。しかし、人口当たりにしてみると、世界で大体十番目ぐらいだといわれておりますし、また、時期的にも片寄り、あるいは地域的にも非常に格差があるということ、たとえば関東地方あるいは東北の南の太平洋沿岸、こっちのほうはきわ立って少ない、しかもそこに人口が集中する、こういう結果になりますし、さらに、日本の川は非常に長さが短くて、流れが急で、条件が悪い。あるいは河況係数というような点から申しましても、他の諸国、特にヨーロッパの代表的な川に比べると、比較にならぬほど河況係数が高いわけです。条件が悪いわけですね。そういう点で非常に問題が多いと思うのであります。それから、ダムの問題も、貯水効率という点からいいますと、これまた日本のは非常に不利だ。一番貯水効率が有利だといわれております黒部の第四ダムでさえたとえばフーバーダムに比べるとたいへんな違い、一対百くらいの違いだ、そういうふうにいわれておる。あるいは土砂流入が激しい、こういうことがまた日本のダムがかかえている問題の特徴だと思うのです。今日までダム建設に取り組んでこられました建設省、見えておりますね。——いま言ったような日本の川の悪条件あるいはまたダムの不利な条件、こういう問題等に対してどういうふうに対処しておられますか。
○宮崎説明員 ただいまおっしゃられましたように、日本の河川の状況というのは、水の利用の面からアメリカ等に比して非常に不利と申しますか、そういう状況でございます。しかし、降った雨の利用率からいきますと、もう少し上げていかなければならぬということで、私ども数年前から広域的な利水調査ということで、全国的に水の開発可能量というものを調査してまいり、今後まだかなりの開発の余地がある。しかしいい地点はもうすでにかなり手がつけられておりますので、水を一立方メートルためるための建設費がかなり高くなる。当然それだけ水の値段にも反映してくるという面がございます。水のコストは高くなるけれども、開発の余地は多分にあるというふうに考えております。それでやはりわれわれの見通しですと、昭和六十年時点までにはまあ五百程度のダムをつくっていかなければいかぬだろうというふうに予想しておるわけでございます。 なお、土砂の流出の問題は、上流の手当てをやること、あるいは現にダムの貯水池内のかなりたまったところはしゅんせつ等、掘さく等もやっております。そういうことで十分対処していけるのじゃないかというふうに考えております。
○西宮分科員 都市に人口が集中するということで近々都市がたいへんな過密化をするということはあらゆる資料がこれを示しているわけですが、さらにそれに加えて、上水道のほかに工業用水というようなことも都市化に伴って準備をしなければなりませんから、たいへんなことだと思います。昭和四十二年には二百七十八都市で断水あるいは減水を行なった、こういう飲料水の危機を経験したわけです。あるいは年々二割程度は同じような状況にあるといわれておるわけでして、たいへんな問題ですね。従来国は、国の責任においては治水をやってきたわけですね。特に建設省の担当はもっぱら治水であった。その他の利水、つまり上水にしてもあるいは工業用水にしても、利水という面は国の責任ではないというふうに取り扱われてきたわけですけれども、ただ例の、あれは昭和三十二年でしたか、特定多目的ダム、あの法律ができてからは一応利水の面も事業としては一元的にやる、こういうことになった。ただその経費の負担は、それぞれアロケーションに従って分担をするということになった。したがって、その意味では利水についても国が一元的にやる、そういう体制はできたわけです。私はこれは特に経済企画庁にお尋ねをしたい、あるいは考えていただきたいと思うのですけれども、先ほど来経済企画庁からもあるいは建設省からも、コストが問題だということを言っているわけですね。まさにそのとおりだと思う。ここまでまいりますと、このダムの建設、水源の開発ということは国が国の責任においてやる、こういうこと以外には解決策はなくなってきたのじゃないか、こういう感じがするわけです。この点についていかがでしょうか。 私の長官に対する質問は、従来は治水だけを国の責任でやってきたわけです。仕事が終わったら別の面だ。それが昭和三十二年からは、法律ができて利水の面、上水道なり工業用水なり、ないしは発電なり、そういうのも一緒にして国がやる、そういう施行体制ができた。ただし経費はそれぞれが分担するということになっているわけですね。私、いま電源の開発あるいは工業用水等は、これは十分に負担能力があるわけですから、それはそれぞれ持たしてけっこうだと思います。ただ飲料水だけは、たいへんなコストになってまいりましてとても負担にたえない。同時にまた自治体としても、自治体が担当し得る限界を越えてしまっている、あるいはこれからのやつはもう完全に越えてしまう、そういう懸念が十分にあるわけです。そこでそういう飲料水の確保という点については、国が責任をもってダムの開発をするということをやるべきときにきたのではないかというふうに考えるわけです。いかがですか。
○木村国務大臣 水のコストが非常に上がってきておりますし、また自治体でそういう給水の事業をやっております際に、その負担能力もやはりだんだんむずかしくなってまいります。そういう面で生活用水のごときは、私は将来これは準公共財的な考え方に基づいて、相当政府が自治体に対する援助その他で持っていかなければならぬ、もうそういう時期になってきておるのではないか、こう考えます。
○西宮分科員 そういう点を確認をして徹底的にやってもらうということであれば、私ども安心してこれから市民の生活を守っていけると思うのでありますが、何を申しましても、こういうふうに都市化が急速に進んでいるというようなことは全く想像以上にスピーディーであるわけですね。あるいはまた自治体がこれをやるということになりましても、たとえば地価が非常に高騰している。地価の高騰を必ずしも政府の責任とばかりは言えませんけれども、いわゆる高度成長政策に伴って地価も上がってきたということもまぎれもない事実でありましょうし、あるいはまた、経済成長に伴って河川が汚濁されている。だから、ところによってはほんとうに近いところの河川から取ればきわめて簡単に済んでしまうところもあるのですよ。しかも大量な水が流れておりまして、そこから取れば簡単だというような地点もあるのですけれども、それがあまりにも汚染が激しくて使えないというようなのが現実にたくさんあるわけです。そういうことになりますると、これはいやでもおうでもそういう点は国が国の責任で対処をしてもらうということ以外には道がないのじゃないかというふうに考えるのですが、もう一ぺんくどいようですけれども、この点を確認の意味でお答えいただきたいと思います。
○木村国務大臣 そういう面についての援助は、ますます必要であろうと私は思います。そのような方向に持っていかなければならぬと思いますが、飲料水に限定すれば確かにそういう面は言えますけれども、一般の生活用水になりますと水道料金というもので徴収しております。水道が飲料水に限られればいいのですが、ある家庭はプールに使ったり、そういうものを一体どういうふうに選別するかという問題も同時にあると思います。したがって、ある程度の、公共料金受益者負担の中で、使用水量に応じてどういう適正な料金を取るかということが、今後一つのわれわれが検討しなければならぬ課題であると存じます。
○西宮分科員 いま必ずしも飲料水だけではないというお話もありましたけれども、実際問題として、プールに使っているという家庭も若干はないこともないでしょうけれども、きわめてわずかだと私は思うのです。あとはいわゆるバスなりあるいはトイレなりそういうところ、あるいは洗たくとか、そういう水でしょうから、これは生活水準の向上に伴って当然なことだし、また、それがなかったらおそらく都会の保健衛生ということが維持できない。単にプールだけを、だれか個人でつくっているというならば、たいへんそれはぜいたくだと思いますが、それを除いたものは、それなしには保健衛生が維持できない、そういう状況だと私は思うのです。ですから、その点はぜひそういう認識を持ってもらいたいと思います。どうですか。 私のお尋ねしたのは、そういう次第でもあるから、いわゆる飲料水に相当するものは、水源の開発は国が責任をもって開発する。そしてあと引っぱってきたり給水したり、そういうのは自治体の負担でもよろしいと思うのです。しかし開発そのものは国が開発をする、そういうシステムでいいのではないかと思うのですが、その点もう一ぺんいかがですか。
○岡部(保)政府委員 いまおっしゃいました水資源開発を国のお金で全面的に国がやるというところまで、どうも徹する段階ではまだないのじゃないかという感じがいたします。と申しますのは、やはり先ほども申しましたように、水のコストというものが上がってくる。したがって、ある程度当然利用者もそのコストアップをかぶらなければならぬ。ただそれがむちゃくちゃなオーダーになりますと、ほんとうに無理である。そういうところでいまの実態を若干こちらの方向へ寄せていくという段階ではないかという考え方でございます。
○西宮分科員 国が全面的に経費を負担するということはまだその段階ではないというならば、一歩譲って、しかしいまの考えは、遠からずそういう必要が迫ってくると思うのです。これは避け得ないと思いますが、百歩譲って国が財政的な援助をする。さっき長官は、その点はできるだけ大幅にやろうということを言われたわけです。ぜひそれを実現してもらいたいと思います。ついては企画庁としても、これは厚生省の所管で厚生省が去年つくるはずだったのですが、何か閣議の決定を得られなかったという水道整備五カ年計画というのがあるわけです。二兆三千億という予算を計上して水道整備五カ年計画というものを、厚生省が立案をしてまた発表しておったわけですが、これがぜひ達成できるように、企画庁も応援をしてもらいたい。ことに水源開発の担当官庁である企画庁として、ぜひともこれを応援してもらいたいということを、あるいは応援というか、むしろ督励してもらいたいということを申し上げたいと思うのですが、長官いかがですか。
○岡部(保)政府委員 いまおっしゃいました水道の五カ年計画、確かに必要だと存じます。ただ、あのときにもいろいろ議論がありまして、言うならば、上水道に対するいわゆる国の資金の導入というのが比較的少ない。いわゆる地方の起債を非常に主体にして考えているというような問題で、なかなか問題が残ったわけでございます。したがいまして、先ほども申しましたように、そういう意味でもう少し国の手当てというものを考えながら、こういう上水道の整備というものを十分やるべきだという考え方であります。
○西宮分科員 厚生省では、去年はだめだったが、ことしはぜひやりたいというような意向を持っておるようですから、ぜひ長官も、最後は閣議できまるのでしょうから、閣僚としてぜひ支持してもらいたいと思います。 それからもう一つ。長官、最近の上水道は、当然の傾向として非常に広域的になってきたわけです。一つの自治体では間に合わないというので、非常に広域的になってきた。広域の水道とするためには、自治体に対する指導なり勧告なり、そういうことも必要だと思います。そういう点も第一義的には厚生大臣の任務だと思いますけれども、これまた認識をしておいていただきたいと思います。そして側面的にそういうことも援助してもらいたい。 お尋ねしたいのですが、これはどなたでもけっこうです。建設省でもどちらでもけっこうですが、海水を淡水化そうというあれがあるわけです。これはコストの点でどうなんですか。あえてしろうとの私がそういうことをお尋ねするのは、いまここへ持ってきたつもりで見当たらないのですが、新全総のほうでは非常にそれを進めておるわけです。それからもう一つ、ちょっとどこだったかわからないが、同じ政府機関で、むしろコストの面では非常に損だということをいっておるわけです。私があえてこういうことをお尋ねするのは、それがたいへんコストの面で損ならば、そういうところに金をかけるよりは、さっき申し上げたダムの開発というようなところに政府がうんと思い切った援助をするというほうがいいのじゃないか。そういう点でどうお考えですか、一言で答えてください、時間がありませんから。
○岡部(保)政府委員 ただいまの仰せ、場所場所によって非常に違うと存じます。たとえば離島の関係などは、現実に水資源がなかなか求められないわけでありますから、海水の淡水化を実施しておるところもございます。ただ、確かにコストが非常に高いという問題がございます。それで現段階では通産省の工業技術院ですか、非常に大型化の研究をされておる最中で、まだ残念ながらコストを相当に下げるというところまではいっておりません。
○西宮分科員 さっきしばしばお話がありましたように、電源開発のコストが非常にかかるということで、当然の結果として市民が払う水道料金にたいへんな違いがあるわけです。そういう条件の不利なところに住んでおるのが悪いのだと言ってしまえばそれまでだと思いますけれども、私ども常識的に考えても何となく納得がいかないのは、たとえば電力料金などは、同じようなやり方で電力の開発をするわけですけれども、これなどは九電力ほとんどたいした違いがない。九電力平均して十一円九十一銭だそうでありますけれども、この十一円九十一銭の平均値より高いところと安いところ、違いがありましてもごくわずかな違いしかない。われわれは水を飲む。常に言われるんです。水道料金は全国同じですかというようなことを一般の軍民から質問を受けるのですけれども、市民の素朴な感情からすると、それはおそらく当然のことのように思っておるのだろうと思うのです。そうすると、それにたいへんな高低があるということは、私ども、あるいは市民の立場からいうと、とうてい納得できないと考えるのですけれども、企画庁として、そういう高いところに何らかの処置を講じて平均化していく、あるいは国が水源の開発をするということになれば、それを全部国の金でただでやってくれといわないまでも、国が開発をやって、あと、できたものはそれぞれに売る、工業用水でも上水道でも需要者に売る、そういうシステムならば日本じゅう同じ値段で水が飲める、こういうことにもなり得るわけですね。そういう点はどうですか。
○木村国務大臣 お答えになるかどうかわかりませんが、大規模な水資源の開発、これは現在も五水系については経済企画庁が総合調整してやっております。これは当然進めなければならぬと思います。また、そういう点は今後ますます必要になってくると思います。ただ各地域でやっております、たとえば簡易上水だとか、あるいは自治体でやっております上水道事業、これは国が補助はしておりますけれども、それについて国が直接その料金までタッチしてやるところまではたしてやってしかるべきかどうかという点になりますと、私まだちょっと確信がございません。
○西宮分科員 時間ですからこれで終わりにいたしますが、そうおっしゃらずに、これはぜひ検討してもらいたいと思うのですよ。特に物価行政を担当している経済企画庁なんですから、そういう立場から申しましても、この水道料金の格差というのはたいへんな違いなんです。条件の違いによってやむを得ないということでしょうけれども、たとえば一つの県の中でも自治体によって、水道事業者によってたいへんな違いがあるということで、需要者の市民の立場からいうと、ほんとうにこれは納得できない問題だと思いますね。たとえば自治省などが特別交付税を交付するというようなことも若干やっている。しかし、これがあまりにも微々たるもので、とうてい問題の解決にはなっていないわけです。ですから、ぜひそういう認識を持ってもらいたい。そして機会あるごとにそういう点を、物価担当の企画庁長官としても推進をしてもらいたいと思います。 それからもう一つ、最近地方の過疎現象が激しくて、水源地と実際に水を使う需要地との利害が対立をする。つまり水源地のほうでは、ダムをつくってもらったって何のごりやくもないわけですね。かえって、だんだんその地域は過疎化してしまうというような問題等がありまして、たいへん迷惑だというような問題が出ておるわけです。したがってそういうところに対しては、政治の立場であたたかい配慮が必要だということを感ずるわけです。いま具体的に何をどうしてくれということを言おうというわけではありませんが、そういう点についても十分考えておいていただきたい問題だということで指摘をしておきたいと思います。 最後に一つだけお尋ねいたしたいのは、水道行政は実は厚生省の環境衛生局の中の水道課というのが担当している。きのうも厚生大臣からいろいろ説明をお聞きしたところによりますと、環境衛生局の中の水道課というのは職員が十三名おったのが、ことし二人ふえて十五名になるそうです。その程度の規模なんです。そして環境衛生というのは読んで字のとおり、火葬場とか賭殺場の取り締まりとか、あるいは理髪業とか浴場とか、そういう文字どおり保健衛生を取り締まっている。したがって、かつての水道はそういう点が行政の対象だったと思うのです。きれいな水を飲ませるという点で、水質検査ということがおもだった。しかし、いまやそういうことでは、工業用水にしても電源開発にしても間に合わない。こういうことになりまして、水の問題は、さらにその水源がだんだん枯渇してくるということになりますと、政府の中でいま農林省、通産省、厚生省、建設省、さらに企画庁というふうに分散しているわけですけれども、たとえば水政庁というような、そういう規模のものを考えないと、問題の処理ができなくなるのではないかという気がするわけです。いまきょうからという問題ではありませんけれども、そういう点についてどういう考え方をお持ちですか、最後にお聞かせ願いたいと思います。
○木村国務大臣 水の行政について、いろいろ利用目的によって所管庁が分かれております。それ相当の理由があってのことではあると思いますが、しかしながら今後、水の行政がいまのままであっていいかどうか。水政庁というものがはたしてどういうような機構でお考えになっているか、よく私も承知いたしておりません。総合調整ということはあくまで経済企画庁がやることでございます。そういう実施官庁を一つの機構にまとめて、はたしてうまくいくかどうかになりますと、ほかのいろいろな行政との関連がございますので、これはしばらくまだ検討させていただきたいことではないかと思います。
○田中主査 以上をもちまして、昭和四十七年度一般会計予算中、経済企画庁所管に対する質疑は一応終了いたしました。 次回は明二十四日金曜日午前十時から開会し、自治省所管について審査を行なうこととし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時七分散会