予算委員会第三分科会 第2号
- 発言数
- 222 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1972/03/21
会議録
○田中主査 これより予算委員会第三分科会を開会いたします。 昭和四十七年度一般会計予算及び昭和四十七年度特別会計予算中、厚生省所管を議題とし、前回に引き続き質疑を続行いたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中谷鉄也君。
○中谷分科員 与えられた時間の中で、私はじん不全対策と種痘の後遺症認定の問題についてお尋ねをするわけでありますが、それに先立って一点だけ、私は大臣にお尋ねをしておきたいと思うのであります。 医のモラルということが最近注目をされております。そういうふうな中で、事は教育の問題であるかもしれませんけれども、厚生大臣に私は率直な御見解を承りたいと思う。と申しますのは、一部の医科大学においては、入学金、協力金、寄付金、いろんな名義を使われてはおりますけれども、入学にあたって一千万ないしは二千万、そういうふうな金がなければ医科大学に入学はできない、こういうふうなことが公然といわれ、すでにそれはもう国民公知の事実になっている。こういうことがひいては医師の持っておるところの社会的な責任——私は、医師法という法律は医師に厳格な義務を課すると同時に、医師に非常な権限を与えたところの法律だというふうに考えておる。そういう医師法あるいは歯科医師法の期待しておるところの、週刊誌的なことばを使えば、期待されている医師、期待さるべき歯科医師というふうなものとずれてくる。その原因というものは、私は一つ、そういうふうなきわめて不当な入学金、教育の機会均等を奪われたところの医師のあり方、医師になるためにそういうふうなことで医師になれるという現状、そんなところに問題があるのではないかと思う。 〔主査退席、橋本(龍)主査代理着席〕 言うてみれば、一部の医師に限るとはいえ、医師というものが金で買える唯一の社会的な地位に現在なっている。こういうようなことがはたして許されていいことだろうかどうか。これは国民の率直な疑問であり、厚生大臣の御見解を承りたい点であります。この点について御答弁をいただきたい。
○斎藤国務大臣 御意見のように、私も、私立の医科大学に入学するのには相当の金が要るということは、これはいい医者を養成するということにはきわめて不都合である、かように考えております。文部当局にもお話をいたしまして、医者を養成するのに、私立の学校を否定するわけではありませんから、私立学校もけっこうでありますが、しかし、そういうようなばく大な入学金を取らなくても私立学校の経営のできるようにやってもらいたいということを強く要望いたしておる。この点は中谷委員と同感でございます。
○中谷分科員 そういうふうなことが一部の医師のモラルの低下につながっていくというふうに私は考えます。そういうふうに大臣は思われないかどうか。こういうことは私は国民のために非常に憂えるべきことであり、残念なことだと思う。こういう点はいかがでしょうか。
○斎藤国務大臣 私もやはり医師のモラルというものに影響がないとは言えないと思います。そのために、全体にどうということではないかもしれませんけれども、少なくともそういったモラルの低下を助長をする一つの原因をなすものだというように私も考えます。
○中谷分科員 そこで、何人も、だれでもこのような問題については、それはおかしなことだ、不当なことだ、教育の機会均等を奪うと同時に、医師法、歯科医師法にいわれているところの国民が期待している医師あるいは歯科医師のイメージとはかけ離れたところの医師や歯科医師が養成されるのだということを、国民はだれでも指摘をすると思うのです。そこで、これはまさに大学の問題は直接的には文部大臣の所管であります。しかし、厚生大臣として、これは文部大臣の所管ではありまするけれども、そういうことのないようにというお話以上に、こういうふうにしたらそういうことがなくなるだろうというふうな点についての御見解はお持ちではないでしょうか、重ねてお尋ねをいたしたい。
○斎藤国務大臣 私立学校の助成は、いろいろな面で政府もやっておりますが、特に金のかかる医師の養成というようなものについては、もっと助成の措置を講じるべきである、このことを文部大臣にも要望をいたしております。
○中谷委員 次に、もう一つ私はきわめて素朴な質問を最初にしておきたいと思うのであります。と申しますのは、次の点であります。 最近特にいわゆるにせ医者の問題、全くのにせ医者が診療所を開設していた事実、あるいはまた医師資格を持たない人がある病院において医療行為に従事しておったというような事実、こういうような事実が次々と暴露され、発見をされていった、摘発をされていった。しかし、考えてみますると、そういうような暴露、発見というのは、主として市民、患者、そういうような本来それらの問題について被害を受ける人、それらのことについて監督権を持たない人の手によって発見の端緒というものが開かれておったと思うのであります。そこで、そういうふうなことは、医師の持っているところのきわめて厳格な仕事から見て、にせ医者なんというものが存在するということは、私はきわめてりつ然たらざるを得ない。こういう問題について厚生省あるいはその他の役所がにせ医者を発見したというようなことは、新聞報道で見る限り、私はあまりそれを知らないわけであります。こういう点は監督行政その他において不十分な点、手薄な点があるのではないか、こんなことを私は考えるわけでありまするけれども、いかがでございましょう。
○斎藤国務大臣 率直に申しまして、監督が十分でなかったということを確かに反省せざるを得ない、かように存じております。
○中谷分科員 強化方法について。
○斎藤国務大臣 これは開業をいたします際、また毎年医師の届け出をいたします際に免許証をはっきり確かめるという措置を講じるようにしなければならぬ、かように思って、その方向にただいま検討をいたしておるようなわけでございます。
○中谷分科員 本論になかなか入り切れませんけれども、そういうふうなことは従来からやっておったことでございまして、何かやはりそういうことについての一くふうはあってしかるべきではないか、こういうふうに考えるのですが、政府委員、いかがでしょうか。
○松尾政府委員 ただいま大臣から申されましたことも非常に大事な対策だと存じますが、一つは、モラルの問題は別にいたしまして、病院、診療所を開設いたします際、病院の場合には、開設者が医者であれば現在でもその写しをつけさせるようにしているわけでございますが、診療所についてもやはりすべてこういうものを適用するという措置をとるのが第一点であろうと思います。 それから第二点は、ただいま先生も御指摘のように、病院におられる人が、管理者がそういう医者を雇います際に、管理者が管理上の責任として必ず免許証のチェックをするという点がやはりずさんな点があるようでございます。したがって、そういったことを確実に行なわせる、しかもそういったことを医療監視等の際に必ずチェックする、そういうのが第二の点であると思います。 それから、その他従業員の医者の届け出に際しても必ず免許証の写しをつけさせる、こういった措置を中心にいたしまして、徹底をはかるべきだと存じます。
○中谷分科員 一番困った問題は、病院あるいは医院、診療所等において、医師が知りながらいわゆる資格のない人に医師でなければできない仕事を代行させる、あるいはそのような医療行為を黙認する、こういうような者についての点が——むしろあたりまえのにせ医者というか、そういう者が届け出をして診療所を開設するというようなこと、これはもう悪にきまっているわけなんです。ただ問題は、そういうふうな本来医師でなければできないことを有資格の医師のもとにおいて行なわれているということをチェックしてもらわなければいかぬ、この点についてはどのような措置、どのような対策を講ぜられるか。
○松尾政府委員 私は、やはり医師、歯科医師でなければ医療をやってはいけないということを一番理解していなければならないのはこの二つの職種でございます。したがって、そういう方がいま申されましたような脱線をするということは、最もきびしい態度でいくべき性質のものだ、私どもはこういうふうに思います。したがいまして、そういう問題については、ただいまそういったことについての警告も十分いたしておりますけれども、先ほど申しましたように、そういう場合のチェックを必ず従業員についても行なう。同時に、そういうことを承知でやらしたということはむしろ医師法違反の正犯でございますので、そういう処分につきましても厳重な態度で臨みたいというふうに思っております。
○中谷分科員 通告をしておきました問題についてお尋ねをしていきたいと思います。 質問の前提として、まず予防接種の事故による後遺症の救済についてお尋ねをしたいと思うのでありまするけれども、四十六年の五月四日、ある新聞の和歌山版にたいへん大きな記事が出まして、そうして県民の関心と同情を引いたわけであります。その記事というのは、母親が国へ直訴の手紙を出した。これは前厚生大臣の時代であります。 結局、事実関係を簡単に申し上げますと、厚生省はすでに存じていただいておりまするけれども、申し上げますると、和歌山市の紀三井寺に住んでおる男の子、康之ちゃんという子供さん、親の名前は申し上げませんが、その子供さんが四十四年三月二十八日、生後百六十日でございます、そのときに病気になった。その後、その病気が全身麻痺というふうな病気になった。そこで、結局思いあぐねて四十五年の九月に、当時住んでおりましたところの郡部の町を通じて、厚生省に種痘による後遺症の救済方の申請をした、こういうことであります。これは五月四日の新聞でありまして、五日の日はこどもの日なんだ。ところが、申請をして半年を待ったけれども、いまなおその点についての御認定をいただけない。こういうふうなことで、子供の成長の日も祝えない、あすの命も知れないこの子にこどもの日は来ないんだろうか、こういうふうなことで、前厚生大臣に直訴の手紙を出した、こういうふうな事、実関係であります。そこで四十六年の五月、ちょうど半年待ったというときの新聞報道であります。 その後、厚生省のほうで御努力をいただいたようでありまするけれども、現在、四十七年の本日、いまなおこの点についての御認定はいただいていないわけであります。いろいろな経過と事実関係の複雑なものがあるようであります。ただ、私はこういうふうなものを一つの素材としてお尋ねをいたしたいと思うのでありまするけれども、要するに、後遺症の救済というものは、予防接種の事故による後遺症であるということの認定が確実、正確であると同時に、それは迅速、スピード化されておらなければならないと私は思う。スピーディーでなければならないと思う。そういう点は、審査というものは一体平均どの程度時間を要するのであろうか、これは私は全くしろうとの素朴な疑問だと思うのです。もっと早くならないのだろうか。救済の手が一日も早く差し伸べられることは私は当然だと思う。一体審査手続、方法、審査人員の不足等、こういうような点について多くの問題やネックをかかえているのではないだろうか。いかに審査委員の方が努力をされても、機構、体制の中において審査がスピーディーにいかないという理由があるのではないか。これについての対策は一体どうなんだろうか、こういうような点についてひとつ御所見を承りたいのであります。
○滝沢政府委員 先生の事例に関連いたしました審査全体の問題でございますが、おっしゃるとおり確実、正確、迅速であることは望ましいわけでありますが、四十五年の閣議決定以来、十一月から申請の手続を受けまして審査を開始したわけでございます。それ以来、毎週一回、水曜日の午後を審査に当てておりまして、この審査会は、専門医の方々に加えて、法律関係その他学識経験者を加えて、本年の三月一日までに五十六回開催し、審査件数は八百六十件、一回平均十五件という審査でございます。死亡のほかに、後遺症の問題等につきましては予備審査——整形外科その他身体障害関係の専門医による予備審査につとめまして、能率化をはかっておるわけでございますが、毎週開催してなおかつこのような状況でございます。 ただいま先生御指摘の手続の問題につきましては、当初、次官通知によりまして、このような公費を支給する関係上ある程度の一つの基準を守る必要がございますので、少なくとも予防接種を受けたことを証明する書類の添付を求めたわけでございますし、また事故の原因でございます疾病の発病当時の症状等を証する医師の関係書類が必要でございますし、そうしてさらに、それを受けて医学的に予防接種との因果関係の判断をする、こういうたいへん手の込んだ手続を必要とするわけでございます。したがいまして、われわれといたしましては、従来の因果関係のはっきりしているものにつきましても、なおかつきわめてはっきりしたもの以外は現在保留という形で、初めのころの審査の考え方と後段になってからの審査の考え方にやはり統一的な見解というものは考える必要があるという委員長の御配慮によりまして、この迅速という点ではたいへん事欠けておりますけれども、いずれにしても、過去にさかのぼっての審査でございますし、わが国でも、また世界的に見てもきわめてまれな、この大量の審査という手続きでございます。 〔橋本(龍)主査代理退席、主査着席〕 したがいまして、委員長といたしましてもその点はたいへん慎重を期しておられますので、保留の結果がどのような形で最終的に出るか、この点についてなるべく早くという御期待に沿うようわれわれ行政の立場からも考えておる次第でございますけれども、それぞれのケースごとに問題点が不公平のないように、不均衡のないようにという配慮のもとに、最終的保留分についてもなるべく早い機会にこれが決定をいたしたい。 ただいまの審査のスピードでまいりますと、現在ほぼ千百件を受け付けておりますが、未審査のものが約三百五十件を残しておりますので、まだ、よほど急ぎましても五月くらいまではかかるのではなかろうかということで、ちょうど二年近くを要するというような状況でございまして、この点につきましてはわれわれも、迅速、かつ期待いたしておられる父兄の方々の立場も考えまして、保留分についてもできるだけ早い機会に、その全部審査の終了以前の途中の段階でもある程度の結論を出したいというふうに考えておる次第でございます。
○中谷分科員 この私が具体的な事例としてあげました一家は、四十六年五月当時、これまで治療費として三十数万円をつぎ込んでおるが将来も非常に不安である、こういうふうに述べているわけであります。そこで、政府委員の方から御答弁がありましたとおり、高津先生が委員長で、この審査会が非常に熱心に審査をしてくださっているという事実は、私は事情をお聞きして、その点については、審査委員各位のたいへんな努力には敬意を表するのでありますけれども、一体この審査会というものが、たとえばさらに審査会の下に多くの補助的な審査補助員というものを設けるとかいうようなことになれば、さらにスピード化がはかれるんではないか、こういうようなことを私は考えるわけなんです。こういうような点について、五月ごろということでありまするけれども、二年という年数というものは、私の理解するところ、これらの家族にとっては非常に重苦しい期間であったと思う。そういう点からいいますると、これをとにかくスピードアップするということについての具体的な方法というものはないのかどうか。とにかく一生懸命に審査委員がやってくれているんだ、だからしばらく待てよというふうなことだけでいいのだろうかどうだろうか。この点が私はどうしてもきょうはお聞きしたがった点なんです。この点について、これまた具体的な措置、対策はありませんか、このことを私はお聞きをいたしたいのであります。
○滝沢政府委員 先生御指摘の、予備審査的な機能を強化したらどうか、それについては、障害の認定という部分についてはそれを実施いたしておりますが、やはり全体の審査というものにさらに専門家の予備審査を加えることについては検討いたします。 それから、やはりおくれている理由には、審査は済んでいるが保留になっている、したがって結審を早くすればこれにこたえられる。しかし、白か黒かははっきり出るわけでございますけれども、いずれにしても、不均衡、差をできるだけ少なくしようとして、前段の審査と後段の審査を再検討して、保留になっている分を早くに結論を出すということがこれにこたえる大きなポイントになろうかと考えておりますので、この点について、委員長と相談の上できるだけ早い機会に決定をいたしたいと考えております。
○中谷分科員 そこで、審査がおくれている事例があるが、おもな理由は次のとおりのように先ほどお伺いいたしました。予防接種を受けたことを証する書類の添付がされてない、事故の原因である疾病の発病当時の症状を証する書類の添付をされていないもの、こういうふうなことは、審査を申請する場合のきわめて初歩的な添付書類であろうかと思うのであります。そういうふうなことが添付されてないということは、私は、そういう書類を添付せずして申請した人を責めるわけにはいかないと思うのです。とにかく非常に子供のことを心配をしても、こういうふうな申請というものについてなれていない。むしろそういうふうな非常に気の毒な実態というものに目を向けるべきだと思う。要するに、思いあぐねて、たまりかねて、すがるような気持ちでこの審査会に対して申請をしておられる。そう考えると、予備審査の段階で、書類がついてないじゃないかとか、あるいはまた発病当時の症状を証する書類が添付されてないじゃないかというようなことは、市町村の段階においても県の衛生部の段階においても当然チェックをし、行政指導をし、アドバイスできたことだと思う。厚生省へ行ってからそのくらいな理由で審査がおくれているというようなことは、むしろ申請者自身の書類完備をしなかったことの責任ではなしに、むしろこういうふうなことの書類をそのまま厚生省に取り次いだところの行政各機関の助言、指導が足らなかったことが責められてしかるべきではなかろうか。厚生省等も、このような書類が到着をしたときに、受け付けをしたときに、直ちにそのことを指摘をして、そうして、もし本人がそういう書類を取るのがむずかしいなら、お医者さんのところに行って取るのがむずかしいなら、市町村のところに行って取るのがむずかしいなら、市町村がこういうことを手伝うべきだ、県が手伝ってしかるべきだと思う。こういうような点については、スピードアップするという点からは、幾らでもしてあげることがあるんじゃないでしょうか。この点、いかがでしょうか。
○滝沢政府委員 御指摘のとおり、まさに書類の内容によっては市町村段階でチェックが可能なものがあるわけでございますし、また事実、してもおるわけでございますが、ただ不十分さの程度が、市町村、県で、ある程度詰めずに上がってきておる、したがって県、市町村の判断は、最後は中央審査だからこの程度のもので一応上げてみろというような、安易な気持ちもあるかもしれませんし、結論的には先生おっしゃるとおりすでに一年以上、二年にわたり、書類を各県とも、少ないところでも十数件取り扱っておるわけでございますから、その点についてはあらためてその辺のところの書類の不備の整備を促進いたしまして、審査の迅速化をはかりたいというふうに考えております。
○中谷分科員 そこで、大事な問題は次の点だと思うのです。これは先ほど政府委員のほうから御答弁がありまして、私もその点は非常にいいことだと思いましたけれども、大事な点ですので念のためにお聞きいたしておきます。 審査会で、医学的に予防接種と事故との因果関係の判断が困難なものが保留になっておるということでございますね。そこで、因果関係の問題については、もうすでにいわゆる病理学的な因果関係でなくてもいいんだ、疫学的な因果関係でいいんだというふうなことがいわれておりますけれども、それを一歩進めて、私はやはりこれらの問題については推定的な考え方というものを生かしてやっていいんだと思うのです。非常に因果関係についてはゆるやかに、この問題については当初と違って委員長がこの点について努力しておられる点ですが、それは、一言で言うならば、因果関係というものを非常にゆるく見る、要するに、非常に厳密に見ない。それは救済という点に重点を置けばおのずからそうなっていくと思うのですが、若干推定的なものの判断の中に入れていくというふうにお伺いしてよろしいのだと思いますが、一言だけ、そうであればそうだということでひとつ御答弁をいただきたい。
○滝沢政府委員 おっしゃるとおりでございまして、予防接種なかりせばという考え方を最終的にはとめにして、それで、できるだけこれらの因果関係を推定して救済するようにいたしたいと考えております。
○中谷分科員 そこで、時間になりましたが、じん不全対策について大臣にお尋ねいたしたいと思うのです。もうすでに質問は通告いたしておりますので、お願いいたしたいと思います。 じん不全対策について、私は厚生大臣の基本的な考え方を承りたいと思うのであります。これが私の質問の第一点であります。 斎藤厚生大臣のところへじん臓の悪い人たちがお伺いをいたしまして、そうしてたいへん厚生大臣自身が御努力をいただいた。この点については、これらの人たちのつくっております、たとえば愛知県の人たちがつくっている「ひかり」などというところの機関紙の中にも明らかであります。あるいはまた「めざめ」などというところの大阪の人たちがつくっておる機関紙でも明らかであります。そこで、まず第一点は、じん不全対策について厚生大臣の基本的な考え方を伺いたいという点。 問いの第二は、人工じん臓装置の台数が非常に不足をしておる。これはだれでも実態を少しでも知る者は、私のようなこの問題について理解の浅い者でも、その点は驚くほど台数が不足していると思うのであります。そうしてそれが地域的に偏在をしておる。そういうことの中において、どのように予算の面で整備をされるか、そしてそれが一体数量的には十分なんだろうか。さらに人工じん臓装置に従事する医療関係者の不足、これも私はたいへんなことだと思います。たとえば和歌山医科大学附属病院においてのこれらの医療関係者の苦労というものは、非常な尊敬と同時に、たいへんな苦労だということがささやかれているわけであります。一体それに対する対策はどういうことになるのだろうか、これらの点についてお答えをいただきたい。 同時に、じん不全に罹患している患者は非常に多額の医療費を必要とする。これがため過重な負担となり、家庭生活に破綻を来たしておるケースが非常に多い。たとえば和歌山県のかつらぎ町において、じん不全の患者で、助かったのじゃないかと思われるような人が死亡したというふうな事実もある。政府はこれらのじん臓病患者に対しての救済措置をどのようにお考えになっておられるのだろうか。これらの点についても、ひとつぜひとも予算に関連をいたしましてお答えをいただきたい点であります。 血液透析医療の来年度における予算措置等についても、簡単にひとつお答えをいただきたいと思います。 そこで、最後の質問でありまするけれども、じん不全対策において、人工じん臓装置の小型化等の研究開発が必要とされている。従来の研究実績、今後の方向について、私はぜひともお聞きいたしたいと思うのです。また透析のみならず、じん臓移植との関係において対策を考えるというふうなことも一部でいわれておりまするけれども、この点についてのお考え方も私は承りたいと思います。 いずれにいたしましても、予算の分科会においてこのようなじん不全の問題を私がお尋ねする理由は次のとおりであります。 要するに、金があれば命が助かる方法がある、金がなければそんな治療方法があっても死んでしまうというふうなことは、私自身が医療問題について全くのしろうとと言っていいくらいの知識しかありませんけれども、人権的な観点からいっても私はそんなことは許すことができない、見のがすことができない、こういう観点からじん不全の問題についてお尋ねをするわけであります。多くのじん不全の患者、たとえば和歌山においても私の事務所に大ぜいの患者が非常に不自由なからだで参りまして、これらの問題についての大臣の御答弁について期待をしておる。そんな願いを込めてこの質問をいたしたいと思います。
○斎藤国務大臣 じん不全の方々に対しましては、私も心からお気の毒だと思っております。これが人工じん臓によって血液の透析ができれば命が助かる、延びるということでございまするし、これに多額の金がかかるということで、今度じん不全の方々を心身障害者として指定をして、そうして心身障害者に対する国の援助をいたしたい、かような考え方から、今度改正法律案も提出をいたしているわけでございます。 また、いわゆるじん臓移植の点につきましては、いまこれは世界的に研究が進められておりますので、わが国におきましてもこの研究の促進に力を注いでいるわけでございます。 人工じん臓の問題その他につきましての来年度予算の点については局長からお答えをさせますが、私はほんとうに心から御同情を申し上げ、少しでも国として御援助のできる限りはいたしたいと、かように思っているわけでございます。
○松尾政府委員 じん不全対策につきましては、ただいま先生御指摘のように、一つは、やはりその設備が十分にないということが致命傷でございます。この点につきましては、昨年度から学界の方々とともに相談をいたしまして、むしろアメリカの適用率よりも高い率を想定いたしまして、民間にありますもの等の既存のものを引いた残りを、少なくとも四十七年度においてはすべて必要とするものを整備する、こういう方針で予算も計上いたしたわけでございます。 また、第二の点では、費用の点、これがなければやはり適用ができない、この点につきましては、大臣からお答えがございましたように、更生医療あるいは育成医療という形で自己負担分をカバーする、こういう措置をとっておることでございます。なお、 これに関連いたしまして、専門家の養成ということも非常に大事でございます。したがって、そういう医師、看護婦等の従事者の養成訓練ということも、あわせて予算の中に計上いたしております。 また、より成績をあげますために、基準の作成ということにも努力をいたしたいと考えております。 また、人工じん臓の小型化につきましては、厚生省でもすでに前から研究費を出して促進をしてまいりましたが、ようやくその方向についてさらに一歩進め得る段階になりまして、今回四十六年度におきましては、科学技術庁の特別研究費は千八百万ほどこれに追加をしていただきまして、小型化に対しての本格的な実用化という段階に入れる見通しになっておるわけでございます。
○田中主査 では、沖本泰幸君。
○沖本分科員 私は限られた時間の中でちょっと消化しにくいのですが、同和対策につきまして大臣並びに関係者の方にお伺いしたいと思います。 まず、部落解放同盟から出ておる「解放新聞」というのがあるのですが、その中に書いてあることを一応読んでみます。 「部落差別はない、ねてる子を起すようなことをするな、というひとびとは、今日かなりすくなくなったようだが、まだまだ根強く残っている。部落問題についてあるていどの認識と同情をもっている場合でも、そんなに深刻な問題であるとは考えていないひとびとが沢山いる。 しかし、ここに特集した数々の差別の事実は、部落差別の深刻さと悲惨さをひとびとに問いかけその再認識を要求している。むかしむかし、こんな差別がありました、というのではない。人間衛星が飛び国の経済が世界第二位、外貨保有百五〇億ドル突破という現在のわれわれのまわりにおこっている。 部落解放を国民的課題として、全国民に正しくうけとめていただくために、なまなましい事実を特集した。 つぎに、わが同盟の支部員に訴えたい。住宅、教育をはじめ数々の要求をたたかい、実現していながら、具体的な差別の事実と正しくたたかえない現実がある。部落差別についての正しい理解をもちえないで、学校や職場で、部落民であると知られはしないかとびくびくしている人が多い。 われわれの運動は、まさに部落差別からの完全解放を目的としているのであって、いくら部落の環境がよくなり、きれいな浴場や住宅ができても、それだけでは差別意識は自動的になくなるわけではない。生活、経済めんでのたたかいは、同時に差別意識とのたたかいとがむすびあわされなければならない。 このためには、部落差別の本質をしっかりつかむこと、そして、部落民がおかれている社会的立場を正しく自覚することがたいせつである。差別とはなにか、どんな差別が現実にあるのか、それはどうしてうまれてくるのか、こうしたことをしんけんに考えることがひつようである。 具体的な差別の事実を、みんなで考えほりさげて、おたがいの理論的意識水準をひきあげること、そして差別にたいする理性的な怒りをもやすこと、このために努力しよう。」こういうふうな内容のことが書かれております。 そしてこの問題を解決するために、四十四年の七月に同和対策特別措置法ができたわけです。これは十年の時限立法なんです。十年間で差別問題を一切なくしよう、こういうことで発足したわけなんですが、一向にお金の面で裏づけがない。こういうことのために地方自治体では、こういうものを実施しなければならない団体として要求を受けて、非常な窮地にみな追い込まれておる。このためにまた窓口問題も起きてきておるわけです。こういうことでは、せっかく法律ができても何にもならないわけですね。佐藤総理は、この法律ができたときには自信満々、長年の懸案がこれで解決するようなお話をしていらっしゃったわけです。ですが、現状ではたしてこの問題が解決できるのかできないのかということが心配になってきだしたわけです。また再び今度は逆の差別も起きつつあるということも考えられるわけです。 こういう面に立ちまして、厚生大臣は、この差別問題を厚生省の、お立場としてどう解決しようとしていらっしゃるか、そのことをまずお伺いしたいと思います。
○斎藤国務大臣 同和対策につきましては、おっしゃいますように、法律ができまして以来、関係各省十カ年計画を必ず実施をいたしたいというつもりで出発をいたし、また現にやっておるわけでございまして、来年度予算もその意味において相当大幅に力を入れたつもりでございます。 厚生省といたしましては、関係するところは生活環境の改善でありますとか隣保館事業の充実等物的面が主でございますが、その面におきましてもさらに十分やってまいりたい。同時に、いまおっしゃいますように、物的な面だけでなしに、一般的な精神面といいますか、社会教育の面と申しますか、そういったような面におきましても、厚生省も、直接ではありませんが、こういうことを推進するかたわらそういった面に寄与いたしてまいりたい、かように考えております。
○沖本分科員 さらに、この問題をみなに考えていただくために、たとえて言いますと、大正十一年に全国水平社創立大会で決議しているものの中にもあるのですが、「吾々に對し穢多及び特殊部落民等の言行によって侮辱の意志を表示したる時は徹底的糾弾を為す。」こういう面も出ているわけです。同じく大正十一年に出た全国水平社創立大会の宣言の中にも、根本的な精神問題がとらえられるわけです。まず、政府のお立場としてこういうものからつかんでいただきたい、こう考えるのです。 去年も私、同じような質問を分科会でしたのですが、各大臣とも御答弁はなさるのですが、ほとんど中身を御存じないということのほうが多いのです。「長い間虐められて來た兄弟よ、過去半世紀間に種々なる方法と、多くの人々とによつてなされた吾等の爲めの運動が、何等の有難い効果を齎らさなかった事實は、夫等のすべてが吾々によって、又他の人々によって毎に人間を冒涜されてゐた罰であったのだ。そしてこれ等の人間を勦るかの如き運動は、かえって多くの兄弟を堕落させた事を想へば、此際吾等の中より人間を尊敬する事によって自ら解放せんとする者の集團運動を起せるは、寧ろ必然である。 兄弟よ、吾々の祖先は自由、平等の渇仰者であり、實行者であった。陋劣なる階級政策の犠牲者であり男らしき産業的殉教者であったのだ。ケモノの皮剥ぐ報酬として、生々しき人間の皮を剥ぎ取られ、ケモノの心臓を裂く代償として、暖い人間の心臓を引裂かれ、そこへ下らない嘲笑の唾まで吐きかけられた呪はれの夜の悪夢のうちにも、なほ誇り得る人間の血は、涸れずにあった。そうだ、そして吾々は、この血を享けて人間が神にかわらうとする時代にあうたのだ。犠牲者がその烙印を投げ返す時が來たのだ。殉教者が、その荊冠を祝福される時が來たのだ。 吾々がエタである事を誇り得る時が来たのだ。 吾々は、かならず卑屈なる言葉と怯懦なる行爲によつて、祖先を辱しめ、人間を冒涜してはならぬ。そうして人の世の冷たさが、何んなに冷たいか、人間を剿る事が何んであるかをよく知ってみる吾々は、心から人生の熱と光を願求禮讃するものである。」こういうふうなのが宣言の中にあるのです。こういうものをつかんで、そしてこれが政治の面へ生かされてこなければならないわけです。これをとらえて、この面を解決するために特別措置法ができたわけです。そして、そのもとにこれを実行していこうとしているわけですけれども、現状ではこの十年の時限立法で解決できるとはとうてい思えないわけです。 ですから、よく私たちは言いますけれども、この問題でいろいろと逆の意見を言う方がいらっしゃるわけです。こういう法律ができたから恵まれ過ぎるとかというような面も、ことばの上で出てくるわけです。これは厚生省ではありませんけれども、たとえば改良住宅ができて安い家賃でそういうところに入っているという問題が出てくると、周囲の人たちは、われわれより恵まれるじゃないか、この辺がちょっと問題になってくるわけなんです。こういうふうなのが、最近いろいろと問題を起こしてきております。こういう点もいろいろ考えていくと、いわゆる解放令が明治四年にできたのですから、それから百年です。百年の間の解決をここで見ようとしているわけですから、長い間の歴史の中で苦しめられた人たちの立場を救うために当然の措置であるということも言えるわけです。そういう問題が、精神面と物の面と並行して解決していかなければならないわけなんです。ですから、単なる予算づけということよりも、根本的な問題を把握した上で政治を行なっていただくという以外にないわけです。そして、いまこの問題をかかえる全国の市町村では苦境に立たされているというのが事実ですから、そういう問題をとらえていただいて、前年度から見ればよほど予算が増大されたといっても、解決に至るまでの予算ワクがきめられているわけではないわけです。そういう点から考えていただきますと、これを今度は逆に、十年の時限立法ですから、五十四年で十年目ということになるわけです。そうすると、五十四年までにはどういうふうな解決方法で解決できるかということになるわけです。ですから、どうしても解決しないなら、十年目にまた再び時限立法をつくるかどうかということになるわけです。そういう点についてなお残された年限の中で厚生省分担の同和対策特別措置法が完全に実施されるか、あるいはややそれに近いところまで持っていくかどうか、こういう点についての予想をお話しいただきたいと思うのです。
○斎藤国務大臣 私は少なくとも特別措置法の時限の終わりますまでに生活環境やあるいは保健衛生や、そういった他の社会福祉の面も一般と比べて差のない程度まで引き上げられるし、また上げなければならない、かように考えております。同時に、やり方におきましても、もとはやはりいまおっしゃいました精神面でありますから、こういった物的な面で非常な向上を見てまいれば、自然に精神面にも及ぼしてくるでございましょうし、しかし、精神的な学校教育、社会教育というような問題は、私はなお今後も、十年後も必要であろうかと思いますが、そういうものがもうなくてもいいというようにならしたいものだ、かように考えているわけでございます。
○沖本分科員 そこで、ひとつ考えたいことなんですし、またこれもやっていただきたいことになるわけですが、総理府のほうで同和対策に対する長期計画をおつくりになったはずなんです。各省はその長期計画に基づいて、各省分担のこの問題を解決するためのいろんな施策をお立てになるのが去年あたりの大体の予想だったわけです。ですから、あるいは総理府が出すところの長期計画がお手元にまだない、あるいはできていないという点があるのでありますれば、厚生省としていわゆる長期的にはどれぐらいの予算が要り、あるいはそれを単年度に割っていけば毎年どれくらい要る、そうすると今年ではこの辺までこの問題が持っていけるから、お金の面では、精神面ではこういう形でこの問題をとらえて解決できる、あと残されたのはどれくらいある、いまどの辺まで進んでいる、こういうふうな内容を明らかにしていただくことが一つの目標の立て方ではないか、こう考えるわけなんですが、そういう点につきまして、厚生省のほうではどういうふうな御計画をお持ちになっていらっしゃるか、その辺をお伺いしたいと思うのです。
○加藤政府委員 同和対策に対します総理府の長期計画は、一応現在ございます長期計画というのは、たとえば十年間にこういう対策についてこれだけの金を使うというような、そういう金額的な点については触れておらないわけでございまして、たとえば厚生省関係でございましたら、同和地区の生活環境の改善、同和地区住民の保健衛生の向上をはかるため、施設設備等の整備、その他必要な施策を行なうというような、そのほかいろいろございますけれども、厚生省所管の事業について、この十年間に同和地区に対してしっかりやるんだという意味の長期計画、一種の作文でございます。そういうことでございまして、十年間にどれだけの事業量をやるというような計画はまだできてないわけです。 それについて実は四十六年、昨年総理府が中心になりまして各省で同和地区の実態調査をやりまして、これではいかぬから、もう少し具体的に四十八年以降、もう六年くらいでございます、残された期間のある程度事務量的なものの計画をつくって、そうしてそれを年次的にやっていったらどうかというようなことで、事業量の把握ということで実態調査をやったわけでございます。いまそれを集計中ということでございますので、その実態調査に基づきまして、四十七年は予算をもう国会に提案いたしましたから、四十八年以降になると思いますけれども、ある程度計画的にやっていくというようなことになろうかと思います。
○沖本分科員 実際はこの措置法ができた段階でこのことができていなければ、時限立法ですから、十分できるとは考えられないわけですね。 それで、やはりその基本になる問題として、いわゆる同対審の答申案があったはずなんです、基本的なものの考え方として。さらにそれをたたき台として、現状はどうであるかという点を考えていただく内容にならなければならないと思うのですが、そういう点で、この問題がそういう角度から調査され、実態を明らかにしていきながら対策をお立てになっていただくと、わりと目標が定まっていくのではないか、精神的な問題もその中で消化されていく、こう考えられるわけなんです。その点が四十八年度になると、十年の時限立法ですから、もう半分をこしてしまうようなことになってしまう。それを残されたあとの年限で完全に解消するとなると、考えただけでも不可能な内容が出てくるわけです。大臣は何とかしなければいかぬ、こういう御意向をお示しでございますけれども、その辺が、私たちがいろいろこの問題をとらえて勉強してみましても、納得のできないところが多くあるということになります。それで、根本になる政府自体がこういう状態ですから、その間のいろいろなしわ寄せ、そういうものが地方自治体に押し寄せてくるということになるわけですね。ですから、そういう政府の施策をまずどうしても十年以内に完全にしてもらいたいという要求が強くなってきますから、実施してもらうほうの地方自治体に向かって要求がどんどん出てくる。地方自治体では、なかなか国のほうからめんどうを見てもらえない、そういうことから、要求もいろいろあるから、どうしても自分の持ち金を出す以外に方法がなくなってくる、こういうことになるわけです。そういう点を考えていただいて、具体的な内容のものをおつくりになっていただかないと、しまいにはこの問題を多くかかえたところの地方自治体は財政的にパンクしてしまう、こういうふうなおそれが多分にあるわけです。この点をよくお考えいただきたいわけです。 ですから、結局、この問題をとらえていただいて解決するためにはこうするというものがはっきり出ていなければなりませんし、またそのあと残された年数でやる場合は、補助率を上げていくとか、あるいは中のめんどうを見る数字をうんとアップしていかなければならないわけですけれども、いま申し上げた点をくんでいただいて、そういうお考えがあるのかないのか、その点をお聞かせいただきたいと思います。
○加藤政府委員 いま先生御指摘の点は、一々私ども全く同感でございます。私どもといたしましては、先ほど申し上げましたように、いままで年次的な計画というものは持たなかったわけでございますけれども、予算的には相当の努力をしたということは言えると思います。もちろん同和の関係の方々から言わせれば、まだまだ不十分だという指摘はあろうと思いますけれども、たとえば四十六年度厚生省関係では約四十三億でございましたけれども、四十七年度の要求では六十三億、約五割増し、四七%ぐらいの増になっております。これは、大体五割増しに近い予算ということは、予算としては相当努力しているということが言えると思います。ただ、絶対額という点からいいますと、同和関係者の方々からまだ不十分である、国の予算が非常に少ないという指摘はたびたび受けているわけでございます。そのしわ寄せが、先生御指摘のように、地方公共団体のほうに行っているという事実は確かにあると私ども承知いたしておるところでございます。そういう点でやはりもう少し計画的にやるべきだということで、先ほど申し上げましたように、四十六年度に実態調査を相当徹底的にやりまして、そして事業量はこれだけ必要だということをはじき出した上で、残りの六年ぐらいの間にやれるかどうか、これは実態調査の結果と見合って決定さるべきことでございますが、私どもといたしましては、十年計画という一つの計画があるわけでございますから、それの終了までに、一応施設整備という面それから精神面について、それぞれ各省所管ございますけれども、そういった面でできるだけそういった格差を縮小するという努力をいたしたいというぐあいに考えております。
○沖本分科員 この問題は総合的な問題ですから、厚生省なら厚生省だけが単一的にこの問題をとらえてやっていく、そうすると、結局非常に高いところまで行っているところもあれば、全然できてないというところも出てくるわけです。そこにまた差別が出てくることになるわけですから、十分そういう点は横の連絡をよくおとりになっていただきたい。 それから、その差別とは何ぞやということについて、まずこのことを取り扱われるお係の方から勉強を始めて、その面から十分この問題をつかんでいただかないと、ただこの法律があるので、それを予算面的に消化するためにはこれこれのことをしなければいけないという程度の握り方では、どこから差別が起き、差別というものをどういう角度でとらえていっているのかということもわからないわけです。たとえて言うなら、この同和対策特別措置法である一つの施設がよくなった、そうすると、同和地域以外のところの似たような施設がうんと劣っている、そうすると、劣っているところの人たちは、あそこだけよくなったじゃないかという問題が出てくるわけなんです。そういう面を解決していただかなければならないわけです。そこだけよくなったよくなったという声をあげたり考えを持たしたりすることになると、そこにまた差別感が出てきたり、逆に、それだけ恵まれてどうだこうだということから、もう一つまた問題が出てくるということになるわけですね。そういうところですから、差別をなくするというのは、結局いろんな現在の社会施設、社会保障、いろいろなものをレベルアップということ、あるいはボーダーライン以下の方々のいらっしゃる、現在社会の谷間にいらっしゃる人たちの環境もうんと変えていくところに差別をなくしていく根本があるわけです。ですから、同和対策と同時にそういうものも進められていかなければならないのだという点もよく握っていただきませんと、結局、法律ができて逆の結果が生まれてきたり、こういうことになりますから、この問題はそういう角度から十分とらえていただかなければならないわけです。 ですから、大臣もこの問題はもう一度、よく御存じとは存じますけれども、どこからその差別が起きて、その差別ということをとらえて解放同盟あたりがおっしゃっているその差別理念がどの辺にあるのだということをおくみ取りいただきたいし、省内のこの問題を取り扱われる御担当の方、あるいはまた地方自治体に向かって同じ内容の学習が十分なければならない、その上からそういう施策が行なわれていくということでなければならないのだ、こうお受けとめいただいてこの問題をとらえていただきたいと思います。 時間がありませんのでこまかい一つ一つのことは申し上げませんけれども、そういう面をおとらえいただいて、この解放令が出て百年、江戸時代あるいはそれ以前からの、ただその地域に生まれたというだけで、皮膚も血も戸籍も私たちと変わらない同じ民族が差別を受けるということは、全くもうどうしようもない悲劇です。こういう人たちの問題を解決することが、現在残された一番大きな現代社会の問題ではないか、こう考えるわけです。そういう点について大臣の今後に対するお考えを伺って、質問を終わりたいと思います。
○斎藤国務大臣 御意見まことにごもっともに存じます。私も同和対策、同和事業の本旨というものはわきまえておるつもりでございますが、さらに、みずからこれをすべてに実践をするという立場で、政治の面でもまた私個人的な行動の面におきましてもこの実にかなうように、そしてまた、おっしゃいました各省よく連絡をとりまして、総理府を中心に、十年たてばこの特別措置法の目的が達したと言えるようにやってまいりたい、かように申し上げて、御答弁といたします。
○沖本分科員 どうもありがとうございました。
○田中主査 大原亨君。
○大原分科員 大臣は三重県出身です。私もこの同和問題についていまの話と重複しないような範囲で質問したいと思いますが、部落問題は、大臣は、どういう歴史的な経過の中から生まれた、その点についてどういう理解をされていますか。
○斎藤国務大臣 この歴史的な原因はいろいろあるようでございます。これもまたその地域によっても違うように思うわけでございまして、ここで同和問題が論じられなければならなくなったという最近のなにからいえば、明治初年にいままでの扱いをなくして、そして国民すべて平等だというようになったわけでありますが、できてまいった由来はいろいろあるように思います。私のほうもこういった同和地区がございます。私の村にもございます。私も、子供心のころから、いろいろとこういう問題については関心を持っておるわけでございます。
○大原分科員 厚生大臣は前も厚生大臣をやられたわけですが、同和対策審議会の答申を読んだことありますか。
○斎藤国務大臣 読んだことございます。
○大原分科員 私の質問に対して、部落はどういう歴史的な経過、原因でできたか、こういうことについて、大臣の御答弁が私は非常にあいまいだと思うのですけれども、よくわかっていない。同和対策審議会の答申はお読みになっていないのじゃないか、私はこういうような感じがいたします。 〔主査退席、西宮主査代理着席〕 また、お読みになっていてもお忘れになったのではないか、こういうように思うわけです。これは私はこのことについては申しませんけれども、この問題は、部落問題の本質について、やはり厚生省の中で考え方と認識を徹底することが私は第一だと思うのです。この同和対策審議会の答申が出るまではいろいろ議論があったわけでありますが、たとえば端的な例は、寝た子を起こすな、こういう議論が通常あるわけであります。差別を受けている部落民は、部落に集団的に居住をしている場合と、それから一般地域に混在をしている場合がある。混在すればこの問題は解決するのだ、こういう考え方もいろいろとあるわけであります。しかしながら、いまもお話がありましたが、明治初年の太政官布告で、士農工商えた非人、こういう封建的な身分差別、江戸時代において江戸幕府が統治をするために、同じ人間を差別をいたしました。そして武士階級の支配体制を維持するために、当時は労働者といえば主として農民でありますが、士農工商えた非人、こういう階層を設けて、そして生かさず殺さずという徳川三百年の統治をやってきたわけです。それを太政官布告で、御承知のように、身分差別を撤廃することを宣言したわけです。しかし、その後、大臣はどういうふうに理解されておるかわかりませんが、このいわれなき部落差別を撤廃するためには、ほとんど集中的な、計画的なそういう政治上の努力はなされなかった。これは社会主義とか資本主義とかいう問題ではないわけです。それ以前の問題であります。人間を人間として認めるかどうかという問題でありますが、その問題について具体的な施策の上で政府は手を打たなかった。法文上、法律上そういう差別はないということだけであります。しかし、最近は御承知のように、戸籍にまでそれが残っておったということで問題になったことがあります。今日は法務省もその問題については、まだ不十分でありますが、処理はしたようでありますけれども、問題は士農工商えた非人で、さむらいたちを、士族階級という階級を解消するときには、政府はいまの金に直せば何兆円に匹敵するような金を出したわけであります。しかし、そういう差別を受けておる部落民に対する対策は、当時まとまった政策については何らしなかった。それが今日まで温存されている。こういうところに歴史的な問題が私はあると思うのであります。ですから、部落差別を受けているその実態を徹底的に調査をして計画を立てる。いま沖本委員のいろいろ質問があったわけでありますが、そういうことが私は何よりも大切であると思います。 そこで、たしか昭和四十二年だったと思いますが、実態調査をいたしまして、また昭和四十六年度にあらためてこの法律を執行するにあたってやったと思うわけでありますが、この実態調査の結果は厚生省の関係をいたしました部面についてはいつ発表をされるのかどうか、こういうことについてひとつお答えいただきたい。
○加藤政府委員 四十六年に行ないました実態調査については現在総理府で集計中でございまして、もうあまり時間はかからぬと思いますけれども、いつまでということはちょっとはっきりいたしておらないわけであります。
○大原分科員 厚生省は、厚生省の関係の分を調査をし、集計をしているのじゃないですか。
○加藤政府委員 各省それぞれその所管の事項について調査をして、そして総理府がまとめるということになっております。
○大原分科員 だから、厚生省が調査をして、そして総理府に材料を提供して表現の統一等をやるわけでしょうが、そういうことは作業としてはやっているのでしょう。厚生省としては実態調査のデータを持っているわけでしょう。発表することは別にいたしまして、持っているかどうか、こういうことであります。
○蝦名説明員 お答えいたします。 四十六年度の調査は、総理府が中心になりまして各省合同で実施いたしまして、各省それぞれいわゆる事前の調査票の審査等をいたしますが、その結果につきまして、ただいま総理府が集計中でございます。
○大原分科員 そうすると、そのプロジェクトチームをつくってやったのだと思うのですが、各省がやっているんだからデータはあるのだけれども、へまなデータを出したらおこられると思ってなにしているのかもわからぬけれども……。 そこで問題は、七月までにその整理が出ないと、四十八年の予算編成作業には間に合わぬではないか。それは間に合うのかどうか。
○蝦名説明員 私どもといたしましては、ぜひこれを四十八年度の予算に間に合わせるように、実は集計を急いでもらっているところでございます。
○大原分科員 見通しあるの。
○蝦名説明員 私どもとしては、ぜひそういうふうに、四十八年度予算に間に合うように結果を出していただきたい。これは総理府のほうに強く働きかけているところでございます。
○大原分科員 これは同和対策は各省にまたがっているわけで、非常に困難なわけですけれども、やはり実態に対する調査と、これに対する、いまあった長期的な総合政策を立てる、こういうことが必要でありますが、これに基づいて長期政策、総合政策を立てる。それは昭和四十四年から五十三年までが十カ年ですから、この特別法の時限立法の期間中に、現実にある行政差別の問題についてこれを解決する、長期総合政策をつくる、こういうふうに考えてよろしいかどうか。
○加藤政府委員 御指摘のように、ただいま総理府で集計いたしております実態調査に基づきまして、残りの期間中、五十三年までに、大体厚生省関係なら厚生省関係の施設整備に必要なものはどのくらいあるというようなことをつかみまして、それに基づいて年次計画的に五十三年までに必要な整備を行なうという、そういう計画で実施してまいりたいと思います。
○大原分科員 厚生大臣、間違いありませんか。
○斎藤国務大臣 私もさように説明を受けておりますので、次の予算編成までに、いまおっしゃいますように、全体の計画ができ、厚生省もその中において来年度予算を要求いたしたい、さように思っております。さようにまた努力をいたします。
○大原分科員 まあ、あなたは八月までおられるかどうかわかりませんけれども……。 そこでもう一つ、これは今度は予算は、いま沖本委員との質疑応答がありましたように、四八%余りアップをしておるわけですね。四八%余りアップをしておるわけですが、この中でいつも問題となるのは、同和対策事業の施設整備費あるいは簡易水道や児童福祉施設の整備費等で、つまり当該自治体の超過負担の問題ですね。これを実施するにあたって、当該自治体が政府の補助金や予算措置では足りなくて、そして超過負担をしている、これが非常に問題になっておるわけであります。 これはなぜ問題になるかといいますと、同和対策事業特別措置法の中には、この差別の解消は国と地方公共団体の任務である、責任であるというふうに明記してあるわけですから、地域の実態がこの法律の実施を通じてだんだんと明るみに出てまいりますと、住民の切実な要求が表面化してくるわけであります。そういたしますと、国が前年度予算比でどれだけふえたふえたと、こう言っておりますが、予算単価と実績単価との関係等とも関連をいたしまして、今日の常識でありますが、自治体が非常に大きな負担をするということになります。自治体が大きな超過負担等をやるということは、徳川幕府三百年の差別支配の中で苦しんだそういう地域の者が、それを含めてあるいは当該自治体だけが余分の負担をするということになりまして、一般事業の遂行を妨げるわけであります。この部落の問題については北海道や東北はまだ表面化していない。特に北海道等はないわけで、これは言うならば北海道は開拓民ですから、植民地ですから、そういう歴史的ななにがないわけでありますけれども、そういうところから考えてみまして、全国的な政治の視野から考えてみても、当該自治体が同和事業を推進するにあたって財政上の大きな負担を受けなければならぬということは、関係住民にとっても地域住民にとってもこれはきわめて不合理なことであります。 したがって、この予算措置については、完全にするということについては、同和対策特別措置法ができました当時、審議をいたしましたその経過の中において、でき上がるときにも、わが党の、いまは国会には席はありませんが八木委員等が熱心に主張をいたしたのであります。それに対する政府側の答弁もあるわけでありますが、こういう施設の整備事業を実施するにあたって各自治体の超過負担の問題について厚生省は把握をしておられるか。きょうは自治省は来ておるかどうかわかりませんが、自治省はその点は調査をしているかどうか。これは一番大きな一つの自治体における問題であります。今日この問題を遂行していく上においてのネックでもあるし、大問題なんですね。その実態について把握をしておられればひとつ御答弁をいただきたいと思います。
○加藤政府委員 同和対策事業の実行上の予算と申しますか、予算上の単価とそれから実際上かかる経費との格差の問題についての御指摘だと思いますが、厚生省が実施しております生活環境改善事業のうちで、地区道路とかあるいは下水、排水路等のいわゆる土木関係事業につきましては、これは従来から実行単価を基礎としておりまして、ほとんど地元に対する超過負担はかけておらないという実情でございます。ただ、隣保館、共同浴場等の建物につきましては、これは実際の予算上の単価とそれから実行上の単価との間に若干の格差がありまして、たとえば四十五年度でございますが、隣保館につきましては、実質単価と補助単価、実質単価に対しまして補助単価は大体八七%くらい、これは鉄筋の場合でございます。ブロックにしますと九三%くらいということで、まあ一〇%から一五%くらいちょっと不足しておるという、実態があるようでございます。そういう点は、国が補助するこういう施設整備費の場合に、何も同和地区の施設ばかりでなくて、全般的にある問題でございます。やはりこういう点についてはできるだけ縮小するように努力をいたしまして、地元の超過負担がなるべくないように努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○大原分科員 住宅は建設省の管轄ですけれども、いまのように共同作業場とか共同浴場とか隣保館とか保育所とか、そういうふうなものは特に大都会等におきましては非常に用地費がかかるわけであります。もちろん人件費も高いわけですから、いまのように平均的な実質単価と予算単価との差についての御答弁がありましたけれども、それを実際には各自治体はどのようにして埋めていっているのか、自治省はそれに対する予算上どういう裏づけの措置をしているのか、こういう点についてお答えをいただきたい。自治省は呼んでないですか、——では皆さんはどういうことをしているか知っておるか、自治体はどういう措置をしておるのか。
○加藤政府委員 これは結局それぞれの地方公共団体の自己財源のうち、あるいは交付税等があるかもしれませんけれども、そういうもののやりくりで埋めているということだろうと思います。
○大原分科員 あなた、地方財政のことをよく知ってないんだ、地方財政の仕組みをよく知ってないんだ。(「厚生省は自治省のことは知ってないよ」と呼ぶ者あり)いや、知っておらなければ厚生省の仕事は遂行できないわけだ。名目単価と実質単価の差についてギャップは、特に用地費、人件費等については地域的に非常な差があるわけです。その差を地方自治体が負担をするというので悲鳴をあげていると思うのです、特に住宅問題は大きいけれども。この問題について実施の段階でやらないと、予算をもらっても実施できない自治体ができるし、それから一般の行政もまたそこだけは陥没するということになるわけであります。そうすれば、やはり部落差別の問題を再生産することになる。つまり差別を受けている部落民が当然の要求をして、その仕事をやっていく、そのことによって一般の道路とか住宅等が犠牲になる、こういうことになれば、また横やりを入れるとかごねるとかいうふうに非難をするわけです。そうすれば、ますますその部落は孤立するということになって問題は解決しない。その実態を把握しなければ厚生省はこういう仕事を円滑にやる能力はないと思うのです。問題は起債の措置とかあるいは起債を償還するにあたって——主査代理の西宮さんは副知事をやっておられたから自治体のことはよく知っておられるので、西宮さんに聞けばわかるだろうけれども、起債をする、起債の償還については交付税で返していくあるいは特別交付税でしていく、こういう措置を完全になされているかというと、なされてないというところに、ここに問題があるのです。これはひとつ問題として私が指摘しておきますから、その実態を調査して私の手元に資料を出してもらいたい。この超過負担についてはどのような措置をとって自治体は具体的にこの予算の執行をなしているか、これから昭和四十八年から五十三年まで六カ年間で特別措置法の残りの期間の計画を立てるわけですが、その際にはぜひともこの問題を厚生省で討議をする、厚生省で討議できなかったら、自治省を含めて政府全体で討議をする、関係各省がたくさんあるわけですから。そういうことをしなければ私はこの問題の解決はできないだろう、自治体に対して非常に大きな負担がかかるだろう、こういうふうに思います。この点はひとつ実態を究明して、そして政府全体としてこれに対する意識統一をするように努力をしてもらいたい。厚生大臣、おわかりだと思いますから、御答弁いただきたい。
○斎藤国務大臣 超過負担につきましては、まず国の予算補助をきめます際に、超過負担をさせないように今後さらに努力をしてまいりたいと思います。超過負担分に対する地方市町村の負担は、おっしゃいますように、おそらく私は市町村の財政需要の中に見てないと思います。補助事業といたしましては見ていない、私はさように思います。さらに自治省によく確かめますと同時に、いまおっしゃいますように、市町村の超過負担その他の負担についてどう対処していくか。交付税の財政需要の中に十分見るようにこれを配慮しながら今後の計画を推進してまいりたい、さように指導をいたしたいと思っております。
○大原分科員 法案ができますときには、当時の福田大蔵大臣はかなり明確というか、まあ原則的に明確な答弁をいたしておりますが、しかし、実際には地方自治体は非常に困っているのです。だから、部落問題をやっかいもの扱いにするということになります。 〔西宮主査代理退席、主査着席〕 これでは政策を進めることはできないわけですから、そういう姿勢は、政府が基本的な姿勢を正すということで、ぜひともひとつ是正をしてもらいたいと思います。 それから、時間の範囲内でやるわけですが、隣保館の運営費についてでありますが、職員給与の実態をどういうふうに考えて、この職員給与の予算措置をとっておられるかということをまずお答えいただきたい、こう思います。
○加藤政府委員 隣保館の運営費につきましては、一応職員給与を含めて、大体一館当たり四十七年度は、年間でございますが七十七万五千円という補助の基本額でございます。前年度は七十一万九千円ということで、そのうち職員給与につきましては、七十七万五千円のうち五十三万五千円でございます。前年度が四十七万九千円ということで、一一・七%アップということになっております。
○大原分科員 これを倍にすれば職員給与が出るわけですか。あるいはこれは人数との関係はどうなっていますか。
○加藤政府委員 失礼しました。いまの額は、自己負担を含めて基本額でございますから、ですから全部でございます。倍じゃございません。いま申し上げました五十三万五千円が全部でございます。
○大原分科員 一人の職員給与、これは幾らになっておるか。
○加藤政府委員 これは大体一人でございます。
○大原分科員 隣保館、一人でしょう。五十三万五千円で年間の給与があるのですか。私はあるところで聞きましたところが、やっぱり市が持ち出しておりますね。どうなんですか、そういう問題については。やっぱり自治体が持ち出すということになっておる実情は、皆さん方はキャッチはしてないわけですか。
○加藤政府委員 確かに、年間五十三万五千円ということでありますと、月にいたしますと四万円ちょっとということであります。(大原分科員「四万円じゃ十六倍しなければだめなんだ、人件費は。あなた給与のこと知らないの」と呼ぶ)全部、それを平均した意味でございますが、(大原分科員「平均したら……」と呼ぶ)
○田中主査 発言は委員長の許可を求めてやってください。
○加藤政府委員 そういうことで、給与の額としては非常に不十分である。これで全然人が雇えないというわけではないと思いますけれども、年齢とか経験とかそういうようなことで、一応隣保館の数が非常に少ないわけでございますから、大体一人か二人でやっているというような場合に、この給与で全然人が雇えないということではございませんけれども、地方公共団体によって相当差額を負担しているということがあるということを聞いております。
○大原分科員 人件費を出す場合は、大体月四万円とすると、大体十四倍から十六倍くらいしなければ、一時金、年末手当等計算できないわけです、諸税諸課、社会保険料とかありますから。だから、負担分がありますから、四万円でもないわけですよ。三万五千円でもないかもしれない。だから、実際には自治体は持ち出しているわけです。私どもはその実態を知っておりますけれども、公務員の平均給与からいってもそうなんです。これは社会福祉施設の一つの特色ですけれども。ですから、これは、こういう問題等についてもさらに実態を調査して、不当に高いという場合はともかくとして、自治体が持つということにしましても、公務員給与の平均的なものは予算措置をしなければやはり超過負担ということになる。その分の人件費の超過負担は、おそらく私は全然交付税では基準財政需要額の対象になっていないと思いますから、だから、こういう点についても十分配慮をいただきたい。 それからもう一つは、それは保育所とか児童館についても同じであります。ですから、そういう人件費について予算上の措置の遺憾なきを将来期してもらいたい。この点につきまして、時間が来ましたから私の意見を申し上げておきますが、この点に対する大臣の御答弁をいただきたい。
○斎藤国務大臣 私も隣保館やあるいは保育所の人件費は、予算単価は低過ぎるということは、実際当たっておられる市町村長からもよく伺っております。今後十分努力してまいりたいと思います。
○大原分科員 今度は来年の予算委員会の分科会にも私は出て参りまして担当大臣、それから——大臣はかわっておられるわけだが、担当局長、課長全部、私は部落問題の本質について質問するから。きょうは、非常に大臣が身近に感じておる人でありながら、非常に不勉強だったと思います。私はそういうことを宣言しておきます。部落問題の本質について論戦する。それは八木前代議士のようにあまり的確な議論は私はできないかもしれないけれども、しかし、この問題は議論しておる。そういうことを申し上げておきますから、これはひとつ十分皆さんで御答弁できるようにしてもらいたい。私はその部落問題のことを議論するのに、とかくおっかなびっくりでやるというふうなことがあると思うのです。私は各省のいろいろな交渉や陳情等を見ておりまして、それじゃだめだと思うのです。双方が反省しなければならぬ点があるかもしれないけれども、これは問題は、やはり自分の足りない点を含めて、洗いざらい議論ができるようにならないとこの問題は解決できないし、この問題を解決できなければ、日本の民主主義というものは全く砂上楼閣である。封建時代における身分差別や差別時代とあまり変わっていない。そういうものを温存しておきながら、国民に対してはこの福祉をおろそかにしている、収奪をしているということになると思うのですね。ですから、この問題はせっかく歴史的な——この内閣で、佐藤内閣でやっておることでいいことはと言えば、このくらいのものだと思うのです。あとは全部うしろ向きのことです。あとは全部マイナスだ。だから、そういう点においてはこの問題は画期的な立法であると私は思うから、この点についてはその本質と対策について遺憾なきを期してもらいたい。こういうことを特に要望いたしまして、私の質問を終わります。
○田中主査 栗山礼行君。
○栗山分科員 私、限られました時間に、厚生省の所管の最も問題になります三点についてお伺いを申し上げて御答弁をちょうだいいたしたいと考えておるのでありますが、その一つは、予防接種事故済制度の問題についてお伺いをいたしてまいりたいと考えております。 予防接種の事故によりまして、この五カ年間に幾人の犠牲者が出てまいったかということの数字上の問題でひとつ明らかに願えますなら、御答弁をいただきたいということが一点でございます。 第二点は、予防接種事故に対します緊急の行政措置は、たしか昭和四十五年の七月三十一日の閣議で決定されまして九月に次官通達によります救済措置がとられる、こういうふうな経過を踏まえてまいったのではないか、こう記憶を新たにいたすわけでございます。ずばり申し上げまして、私は厚生省のこの種の救済措置に取り組む一つの姿勢というものについて、何か一つ一貫性を欠いておるものがありはしないか、どこかに欠けておる問題点がありはしないか、こういう制度運用の面の問題が一つ。それから、現行の救済制度はたしか五〇%になっておる、かように承知をいたすのでありますが、こういう二つの問題から見まして、この問題があいまいもこの状態のもとにおいて救済措置が運ばれておる、こういうような感を深めてまいるのでありますが、意見を加えましてこの問題についてお答えをいただきたい。 第三点の問題は、わが国の世代をつくってまいります幼児の取り組むべきその人生の永遠の保健対策上の問題として義務づけられました予防対策が法によって施行されておる、こういうことであろうかと思うのでありますが、もししかりといたしますなれば、この種の一つの救済措置は私は国が責任を持つべき性格のものであり、性質のものである、こういう考え方を深く持っておるわけであります。これが私自身の基本のとらえ方でございます。もし私のような見解が成り立つといたしますなれば、現行の五〇%の一つの補助率の救済措置がおかしいということであり、地方自治体と国との責任区分の明確という本質上の問題の議論を展開されなければならない、こういうことになってまいろうかと思うのでありまして、したがいまして、私は国が責任を持つことを前提にいたしますなれば、全額国庫負担すべきであり、緊急措置ということではなくて、やはり法制化において明確な一つの救済措置というものを進めてもらうということが望ましいのではないか、こういうのが私のお尋ねを申し上げる要点でございます。
○滝沢政府委員 お尋ねの第一点でございますが、四十一年から四十五年までの五カ年間の事故の数字を申し上げますと、死亡が六十八例、後遺症を残したものが三十二例、医療を受けたものが五十五例、百五十五例でございますので、平均的に考えましても、かなりの数字の事故が発生しておると言えると思うのでございます。 第二点の四十五年七月三十一日の閣議了解の趣旨をあらためて申し上げますと、「予防接種事故に関する措置については、今後恒久的な救済制度の創設について検討することとするが、現に予防接種事故により疾病にかかり、若しくは、後遺症を有し、又は死亡した者については、当面緊急の行政措置として、国は地方公共団体の協力を得て次のような措置を講ずる」、このような趣旨になっておるわけでございます。この立法化につきましては検討することになっておりまして、四十五年の秋以来、伝染病予防調査会の中に制度改正特別部会をつくりまして、予防接種法の改正自身とそれからそれに伴います救済措置について検討を続けておる次第でございます。ところが、先生も御存じのように、ここ二年くらい前からイギリスにおいては種痘を廃止する、あるいはアメリカにおきましても、考え方としては種痘というものをもうやめていいのじゃないか、しかしながら、州によってまだ一州程度が具体的に措置しただけで、継続いたしておりますが、ただいまの時点においてはわれわれの現在種痘を施行しておりますわが国の予防接種法が生きておるわけでございますが、救済制度を法律的に改正することと、その背景にございます予防接種の義務づけという問題の本質的な問題がからまってまいりまして、現在の段階は制度的な改正の検討はほぼ軌道に乗っておりますが、根っこに予防接種の性格をどうするかという問題が起こってまいりまして、予防接種部会というこの問題を議論する場が審議を継続いたしております。したがって、総括してこの制度化についてはただいま検討中でございますので、その結論を待って、立法化が必要であればその方向で検討いたしたいというふうに考えております。したがって、この場合の国の責任、ただいまおっしゃるとおり、現行の緊急的な行政措置におきましては、補助率につきまして国が二分の一、県、市町村がそれぞれ四分の一ずつ負担していただいておるわけでございますが、この点もただいま申し上げましたように、これを法律上の義務づけた制度というのではなくて、地方公共団体の協力を得て次のような措置を講ずる、というような緊急措置でございますが、諸外国の例におきましても、かなり国の責任を明確にしておる事例もございますし、いま申し上げた制度化ということにからめまして、この負担の問題も十分検討してまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○栗山分科員 御答弁いただきまして、私若干の意見はありますけれども、限られました時間でございますので、後日また委員会をかえまして詳細にひとついろいろ御意見を伺い、また私の所見を申し上げたい。しかし、これはもう制度上、それから予防接種の問題の是非をめぐります重大な論争点の一つであろうかと思います。それからいまの緊急措置の制度上の問題につきましては、いろいろお運びをいただいておるようでありますけれども、そういう一つの地方自治体の協力を求めて暫定的救済措置という姿において、その後に抜本的な方向を取り込んでいこうという一つの姿勢の問題に適する内容であるかどうかということの本質の問題を、私はほんとうを申し上げますと、所管大臣から御意見を徴したい、こういうふうに考えておったのでございますけれども、あと二つほど問題をかかえておりますので、後日この問題はひとつ懇切に委員会で質疑を続行させていただくということにしたい、かように考えております。 第二番目の問題は、私、主として健康保険法の中におきます交通事故に対します医療救済の諸制度の問題に限定いたしましてお尋ねを申し上げる。交通事故というものが近代的な不可避的な問題であるか、いろいろ議論の存するところでございますけれども、俗に交通戦争といわれる最も悲劇的な大きな公害的様相でございまして、一面また交通戦争とも称されるというようなことは、まことにこれはたいへんな社会問題だ、こういうとらえ方をいたしますことは共通の基盤であろうか、こういうふうに承知をいたしておるわけでありますが、健康保険からの交通事故によります犠牲者の医療救済制度というものにつきましては、私は現在の医療制度の中からこれを区分して扱うべきでなかろうかというのが私の質問の一点でございます。 第二番目には、同じく法の第六十四条の第三者行為の交通事故による傷害の医療給付の問題の点でございますが、同じくこの問題も私は除外をして、そして交通災害の医療救済措置の問題等につきましては、別途の法体系のもとにこの問題を取り組んでまいる、こういうのがきわめて望ましい姿でないか、こういうふうに率直に考えておるわけであります。いろいろ国民健保の持つ地方財政の一つの財政的重圧とかその他の問題等もございますけれども、私はきょうはそれを省略いたしまして、前二項にわたる問題についての御所見をお伺いをしておきたい。
○戸澤政府委員 現在の交通事故等における加害者に対する求償事務は市町村の負担になっておるということも事実でございますけれども、しかし、現在の現物給付による医療保険制度がこういう被害者の早期治療に役立っておるという現状から見ますれば、これを保険給付からはずすということはどうかと思うわけでございます。特別の制度を設けるということにつきましても、第三者行為によるかいなかの判定とか医療給付の限度、加害者の補償限度との関係、そういったいろいろの問題がございますので、直ちに現行方式を改めるというやり方も適当ではなかろうかと思うわけでございます。それで、加害者に対する求償事務の簡素化、能率化ということにつきましては、確かに一つの問題でございますけれども、これをひとつ円滑に行なわれるような方法につきまして、たとえば国保連合会を使うとか何とかいうようなことをやはり検討してまいりたいというふうに考えております。
○栗山分科員 この問題も残念ながら時間がございませんで、私は、きわめて本質的な原則的認識の相違という、こういうような平行線をたどっておる感がいたします。再質問をする時間がございませんからこれを省略をいたしますが、ただ、基本的には、今日の保険制度それ自体というものが、根本的に抜本改正を強く求めてまいらなければならぬということが国民保険しかり、それから政府所管保険しかり、すべての医療保険の今日的大きな課題でございます。特に長年国民健康保険というものについての財政需要の負担増ということで大きな自治体の要望が出ておる。あるいは保険制度の中における格差の問題、こういう一つの条件等もいろいろ世上の論議と批判を浴びてまいっておる。こういう中の問題でございまして、そういうものをひっくるめて、私はやはり異例な交通の事故による災害救済制度の問題も、どんぶり勘定で入れて、そして取り組んでいくという、一つの保険制度それ自身というものについて検討を新たにしなければならぬ、こういう問題でなかろうかというのが、私がお尋ねを申し上げる主要な要点でございまして、これもひとつ将来の重大な検討課題としての御検討をひとつお願い申し上てげるということにしてまいりたい、かように考えおるのであります。以上であります。 それから、もう一点続いてお伺いを申し上げてまいりますことは、助産費の問題でございます。これも素朴に申し上げまして、三分の一の国の補助措置、こういうことに現行は進められておる、こういうふうに考えております。これも本質から言うて、私は三分の一という制度上の問題が妥当かどうかという一つの問題じゃなくて、もっと基本には、いわゆる助産についての国のとらえ方というものをどう見るか、こういうことであろうかと思うのです。そういう観点から私はものをながめてまいらなければならないのでないか。現行は何でもかんでも適当にいろいろミックスいたしまして、白も黒もあるいは黄もわからない、こういうふうなあいまいもこに進めておるというような、こういうものはやはり歴然としてその筋を立ててまいらなければならぬ、こういうふうに考えておるわけでありますが、この問題について、私は三分の一という制度上の問題だけをとらえるということじゃなくて、もう少し、制度上と中身の一つの問題等についてどういう見解をお持ちになっていらっしゃるかということを簡単にお伺いしてまいりたい。
○戸澤政府委員 ただいまの国保の助産費につきましては、この補助が奨励的なものでございますし、また一般の保険給付に対する四五%の補助率、こういったものとの関連から見まして、この補助率を変えるということは考えておりませんけれども、この中身等につきましては、国庫全体の問題として今後検討してまいりたい。
○栗山分科員 もう一点、薬務局長にお伺いいたします。 たいへん質問が、しろうとであるし、専門家と対峙してということで非常にむずかしい問題でございます。それから非常に利害関係がふくそうしておるということと、行政上も非常に技術的考慮を払われなくちゃならないということのはしくれは認識ををいたしておるものでありますが、それを踏まえまして、簡略にひとつお尋ねを申し上げてまいりたい。 第一は厚生省で承認をお与えになっておる薬品の数の問題でございます。私も薬務局の製薬第一課の調査資料というものをここで御提示いただきましたり、あるいは図書館等を通じて調べてまいったというようなものがずいぶんございます。医薬品の医療用の問題、一般用の問題、それから医薬部外品の問題、こういうような数字の問題を私はお伺いをいたしてまいりたい。なお、第二番目には、輸入薬品数の問題、大体どのくらいの数に相なっておるか、これが第一点であります。 それから、第二点にお伺いを申し上げますことは、昨年の八月十一日の私の関係いたしております物価問題特別委員会におきまして、これらの薬品のすべてにわたり再評価を行なう、こういう厚生省の御答弁をされておる速記録を私は持っておるのです。社会党の松浦委員の御質問にお答えになりました点がございます。その後昨年の八月から今日まで評価の作業についていかようにお運びをいただいておるか、こういうことでございます。 第三点の問題は、この五カ年間に販売並びに使用禁止になってまいりました薬品数は一体どのくらいの数にのぼっておるのであるか、こういうことが第三点であります。 第四点には、問題の要指示医薬品は現在どの程度現存いたしておるのか。 以上、まず前段に四点にわたってお尋ねを申し上げたい。
○武藤政府委員 まず最初に品目の点でございますが、厚生省で過去承認いたしました数は、約十万ぐらいでございますが、現在出回っております医薬品は約四万ぐらいの数でございます。 それから、再評価の点でございますが、再評価につきましては、昨年の夏に薬効問題懇談会という懇談会で約一年間にわたりまして審議が行なわれまして、御答申を得ました昨年の十月に中央薬事審議会に再評価特別部会というものを設けまして、再評価特別部会で再評価の基本的な原則を審議いたしていただきまして、現在四つの調査会が発足しております。それは基礎、ビタミン、それから抗菌性剤、精神神経用剤等の各調査会が設けられておりまして、近く循環器管用剤関係、肝臓障害用剤関係、それから鎮痛剤の三調査会も近く発足する予定でございまして、こういうふうに専門の調査会を今後五カ年間に約三十ぐらいの調査会を設けまして、内外の資料によりまして、薬効の再検討を五カ年計画でやりたいということでございます。 それから、過去五年間に禁止をされました医薬品でございますが、ビチオノールというのが四十三年に販売、使用の中止をいたしております。それから四十四年にアミノ塩化第二水銀製剤、これは皮膚殺菌剤でございますが、これを使用中止の処置をとっております。それからシクラミン酸塩、つまりチクロでございますが、これは四十四年の十月に使用中止の処置をとっております。それから四番目には、PVP製剤、これは血漿増量剤でございますが、これを製造中止いたしております。それから先生御承知の例のキノホルム製剤、これは四十五年九月にスモン病との関係で製造並びに販売中止をいたしております。それからコラルジル製剤、これは心臓関係の薬でございますが、これは四十五年の十一月に製造中止をいたしております。そのほか、有機塩素系殺虫剤、つまり塩素系の殺虫剤を四十六年、昨年の五月に製造中止をいたしております。以上、大体七つのグループでございます。 それから要指示の関係でございますが、現在百六十九種指定されておりますが、最近まで要指示でなくて、要指示にしたものは、副じん皮質ホルモン、それからクロロキン、それからシクラミン酸、これは先ほど申し上げましたチクロでございます。それから黄体ホルモン、卵胞ホルモン、それからぜん息治療剤、それからメプロバメート、これは精神安定剤でございます。それからメダゼパム、これも精神安定剤でございます。それからジアゼパム、これもそうでございます。それからクロルジアゼポキサイド、これもそうでございます。それからオキサゾラム、これもそうでございます。それからオキサゼパム、これも精神安定剤でございます。 以上でございます。
○栗山分科員 御答弁中でございますが、数字にわたる問題を伺ってまいりますと、ちょうど質問申し上げる時間がもう六分で終了、こういうことになりますので、特に一つ私、申し上げておきますが、いまの第一の承認を与えられた医薬品の数の問題につきまして、私はあなたのところの製薬第一課の資料を持っておるのでありますが、医療用が三万二千四百十三、それから一般用が七万二千四百七十六、それから医薬部外品が一万一千二百十三、こういうふうなみなさんのほうからのちょうだいした資料を持っておるわけなんでありますが、あなたの御説明の数との大きな相違点がございますことについて、いただいている文書と局長の答弁との相違というものをどう解決するか。これはもうお答え要りません、私は言いっぱなしですが、こういうことでは困る。文書上の提示と、御答弁を本委員会で求めると、あまりにも数字の大きな開きということについて、たいへん困る。これが一点でございます。 それから輸入薬品は一体どのくらいなのかということについても、適正な御回答を、短い時間でございますからいただけなかったのでございますが、これは後日の問題にいたしましょう。 それから再評価の問題を五カ年でということで、これは総括して多種多目にわたる問題が審議会なりいろいろ検討されるということに相なるので、そういう長期的なことになるかと思うのでありますが、この点は大臣、一言でけっこうでございますが、再評価の問題というものが、そういう一つのプロセスと、緊急を要するものとそうしてしからざるものという区分的な作業の方式もまた一つの問題であろうか。私は、拙速を必ずしも望む者ではありませんけれども、緊急を要するものというような一つの問題については、やはりそれを先行的に作業を進めていくという効率的行政の方針が望ましいのでないか、こういうふうに考えておるのでありますが、これは大臣からひとつそういう所見を承る、こういうことにいたしたい、かように考えております。 もう一つ、これは大臣の御答弁を簡単にお伺いいたしたいのでありますが、にせ医者の問題というのも大きな社会問題でございましょう。それなりに一つの背景と、医療制度それ自身という問題の検討を促しております大きな国民的課題の一つの社会問題と理解をいたしております。と同時に、私は、無医市町村における問題の深刻さというものが、これまた同様に一つ検討を深めてまいらなくちゃならない積年の問題であったと承知いたすのであります。そこへ持ってきて、この無医市町村における一つの売薬というものの役割りというものが、私はかなり重要な、いい意味におきましても悪い意味におきましても、一つの影響を持つことは、これはもう御承知のとおりなんであります。これらとの関連においてどう対応策を持っていくか。これは一つの行政じゃなくて政治の台で検討を加えていかなくちゃならぬ問題である。 最後に、たいへん恐縮でございますけれども、ひとつ医薬分業の問題について、単なる公式的なものじゃなくて、どう医薬分業を理解し、どうこれと取り組んでいくことが積年の——私も実は、きょう申し上げたのでありますが、医薬分業運動が日本で起きましたのは、昭和五年でございます。今日まで、その当時の一兵卒が私どもであったわけでございますが、四十幾年を経過いたしておるというときに、まだ医薬分業が一つの題目の時代において実践がされない。こういうような状況下に、それだけの一つ内容を持つのでありますけれども、問題点があろうかと私は承知をいたすのであります。医薬分業の本質につきましては、いろいろございましょうけれども、お医者さんに参りまして、おかみさんや看護婦さんにあらざる人が、お医者さんのカルテによってそれが調合されておるということが、私は今日、問題点の一つであろうかと思うし、それをお医者さんを信ずるという、診断に適正を信じましても、それに対応する医薬の療法というものが適正であるかどうかということの重大な問題になってくるのじゃないか。これらの観点から考えまして、たいへん恐縮であります、大臣に、ほんの三分ほどしか時間がないのでございますけれども、ひとはしりの御答弁をお願いいたしまして、私の質問を終わります。
○斎藤国務大臣 医薬品の再評価の問題は、お説のように、まず緊急のものから進めていく、ごもっともだと思います。特別調査会においてもその方向で進めてもらっておりますので、御承知をいただきたいと思います。 にせ医者の問題につきましては、われわれの監督が十分でなかった、やり方も少しちょっと悪かったという点も反省をいたしております。ことに無医村あるいは医師の不足というようなことが、特に無医村においてはにせ医者等が起こってまいったという原因でもあります。無医村対策を十分やってまいらなければならないと考えております。 無医村と売薬の問題とおっしゃいましたが、一般保健薬、それは非常に大事なことだと思いますが、同時に、それだからといって、要指示薬というものを無医村のほうでは放置するというわけにもまいるまい、かように考えて、その点はむずかしいと思っておりますが、御意見のあった点は十分考慮に入れてまいりたいと思います。 それから医薬分業の点は、昭和五年からとおっしゃいましたが、まあ栗山委員、非常にこの方面に御造詣が深い、また御尽力を賜わっておると承知をいたしておるのであります。私の知っております限りでは、明治三十二、三年のころからこの問題があって、国会にも法案が提案をされて流れたといういきさつもあるように聞いております。しかし、医薬分業は、これはどうしても国民の医療という面から必要なことだ、かように考えますので、したがいまして、今度の医療保険の抜本改正の中には、さらにこれを促進する方途を講じたい、その条文も入れておりまして、できるだけ早く受け入れ態勢を整えて、医薬分業が完全に実施できるようにいたしたい、かように思っておるわけでございます。
○栗山分科員 どうもありがとうございました。
○田中主査 本会議散会後直ちに再開することとし、暫時休憩いたします。 午後零時十分休憩 ————◇————— 午後四時八分開議
○田中主査 休憩前に引き続き会議を開きます。 厚生省所管に関する質疑を続行いたします。山中吾郎君。
○山中(吾)分科員 私、酒の害のことについてお聞きいたしたいと思いますが、毎年予算分科会で厚生大臣に質問をしておるので十分御理解があると思いますし、ことに斎藤厚生大臣は二回目でありますので、私の質問の趣旨は十分理解されておると思いますから、簡潔に御質問いたしたいと思います。 なお、前回厚生大臣をされておられるときに、民間の酒害団体を一度呼んで意見を聞く会を持ってほしいと要望いたしておりましたが、この間その趣旨が反映いたしまして、厚生省が各種アルコール問題の団体を呼んで意見を聞かれたことに対して、まず敬意を表しておきたいと思います。 それで、時間がないのでまず具体的にお聞きいたしたいと思います。 各種団体の意見を聞いてみますと、どうしてもアルコール中毒患者、酒害者を専門に治療する国立施設というものを持つことが非常に大事であるという要望が各団体からあります。現在、病院の精神科あるいは精神病院の中に、一般の精神病者と同じようにアルコール中毒患者を入れておるので、ただ収容して外に出すというだけに終わっておる。これでは酒を飲まないときは正常の人間で、飲んだときにちょっと異常を来たすというふうな、いわゆる精神病者というとしても非常に特殊性があるのであって、そういう意味において、専門の国立病院あるいは公立病院の中に少なくても専門病棟を建てて、特殊な治療をしてやるという施設が必要であるということが世論になっておる。ぜひ、国立アル中矯正院というか、あるいは国立アル中専門病院というか、専門の病棟を建てる、こういう方向にぜひ検討してもらいたいと思いますので、厚生大臣の御意見を承っておきたいと思います。
○斎藤国務大臣 山中委員、アルコール中毒患者に対しての御造詣が非常にお深く、また御熱心な主張並びに推進に当たっておられますこと、敬意とともに感謝を申し上げます。 ただ私、特に痛感するのでございますが、こういったアルコール中毒患者の矯正並びに保護といいますか、そういったことがいかに必要であるかというPRも、これは私のほうの責任もあると思うのでありますが、まだ非常に足りない。そんな施設があるのかどうか知らない人も多い。そこへ行けばこうなるんだ、こうしなければならないんだ——まず第一に、患者の実態というふうなものについても比較的無関心な世論の中において、これを推進することは非常にむずかしいと思っております。しかし、むずかしいといってほっておくわけにまいりませんので、おっしゃいますように、できるだけ専門の病院等も今後増設をしてまいりたい。そのためには、まず第一に実態の調査をやってみたい、かように考えております。 私も本年度予算について、特に予算要求の際に、この問題がどうなっているかということを聞き、一そうこれは充実しなければ、いまのままではならない、かように思って予算の要求もいたしたようなわけで、今後もひとつ御鞭撻をいただきたいと思います。
○山中(吾)分科員 局長、四十七年度の、酒害関係の皆さんから要望されて計上をされた予算を説明してください。
○滝沢政府委員 アル中の酒害予防と申しますか、そういう関係の予算につきまして、ただいま大臣からも御説明がございましたように、当初われわれの考えておりました精神衛生センターあるいは保健所等を通じまして従来どおりのアルコール中毒対策を進めたいというような、率直に申しましてそういう案で臨みましたところ、大臣から特に対策の強化の御指導がございましたので、まずアルコールの中毒患者の実態図——精神衛生実態調査はできておりますけれども、アルコール中毒患者の実態調査というものはきわめて特殊なものであり、将来の施策を立てる上に非常に基本になるものでございますので、それを要望いたしまして、三百八万の新しい予算として入っております。 従来の予算のつながりでございますが、アル中の思想普及費三百二十五万、その他といたしましては、精神衛生センター三千九百万円、あるいは保健所の精神衛生対策費として四千百万円、あるいは精神衛生大会の開催費二百万というようなことで、実態調査の予算を、四十八年度以降の対策の基盤にするという意味でこれを新しく予算化した次第でございます。
○山中(吾)分科員 牛の歩みでありますけれども、少しずつ酒害問題についての予算が計上されてきておるので、微々たる前進でありますけれども、厚生省の努力には敬意を表したいと思うのですが、実態調査は確かに必要なんで、この実態調査の必要と、私の要望申し上げることを前進するようにしていただきたい、そういう意味において質問したいと思うのです。 先ほど言いましたように、実態調査も含んで、やはりアル中の専門病棟、専門施設というものをぜひ実現するように努力をしていただきたい。いま大臣からその意思を聞いたので、それでけっこうです。なぜそういうことを申し上げるかというと、久里浜病院の院長、それから今度専門病棟五十床を持った国立武蔵療養所長などに聞いてみますと、やはりどうしても特別病棟を持っていないと特別のアル中の治療というものはできないし、非常に希望者が多いということも聞いておりますから、その実態調査とともに、必ず実現する方向に努力していただきたい。 次に、これも計算に合わない各ボランタリー団体が要望しておる中に、入院体験者で退院後に酒害者の仲間組織を持つ、酒害者というのは孤独性があるので、一人になるとまた酒飲みに戻るので、退院後に酒害者の仲間組織を持つということが非常に大事である。断酒同盟という名前をつけたり断酒修養会という名前をつけていろいろやっておるようでありますが、こういう組織に対して厚生省が公的にもあるいは行政的にも援助し、助成するように努力をぜひしてもらいたい。そのことが一番アル中患者を社会復帰させて、もともと素質の優秀な者が多いのですから、そうして社会活動に参加せしめるということが必要であると思うので、努力をしてもらいたいと思うのです。 その次に、精神科のある病院でただ三カ月、四カ月治療して帰す、帰してもまた戻ってくるわけでありますが、むしろそういう精神科のある病院に、アル中いわゆる酒害者相談施設をつくって相談をしてやるという行き方はどうか、これも非常に有効であるということでありますので、この点についての御意見を承りたい。時間がないので全部申します。 その次に、アルコール中毒にかかって自分の努力により酒をやめることに成功した体験者、そればかりでなくても一定の動機に基づいて酒をやめた、そういう人を特に酒害相談士あるいは社会福祉主事などに優先的に委嘱するとか、採用してやるとか、あるいは社会福祉主事講習会などに、希望があればそういう体験を持っておる人を受講資格として優先的に考えてやる。そして、その本人自身を社会活動に参加せしめることによって救済すると同時に、一般の酒害者に対して有効な体験を持って指導できる人でありますから、そういう方向に特別な配慮をされることはどうか。この三点について大臣あるいは局長の、今後の酒害対策の一環として進めるべき政策として御意見を、今後の予算計上の資料としてお聞きしておきたいと思います。
○滝沢政府委員 第一点の民間活動の助成と申しますか、この点につきましては、先生おっしゃるように団体とのお話し合いのときに、私も特に印象を深くしたのでございますが、たとえば和歌山でやっておられます断酒道場のようなものは非常に経営困難である。もちろんこの断酒道場は本人からある程度の実費経費をちょうだいした上で運営しておられるようでございますが、これらの問題につきましては、われわれもその法人格とかいろいろの資格から申しまして、直接に国の補助ということはなかなかむずかしいのではなかろうか、その内容、たとえば施設をつくるというような問題等を含めまして、いわゆる民間益金の配分等の対象にし得るかどうか、その辺のところはもちろんまだ十分詰めた問題ではございませんけれども、いずれにしてもその民間活動について御援助する必要があるという感じは持っておりますが、具体的な方策については、いまだ具体的な確信を持てるものを持っておりません。 ただ、先生にも民間団体とのお話し合いのときにお聞き取りいただきましたように、単なる国の行政等でこれをどうするかという問題のほかに、地方自治体あるいは地方行政の中における衛生民生施策の中でこの問題を——それぞれまた団体が地方で活動しておられますので、この点については今後とも衛生部長民生部長会議等を通じまして、酒害問題というのはわが国で今後ますます重要になっていくという認識をまず高め、あのときも申し上げましたように、各団体もどうか国に向かっておっしゃると同様のことを、地方の行政の中でも熱心に強調していただきたいということを申し上げたわけでございまして、今後の研究課題として承っておきたいと思うわけであります。 それから、酒害相談のような問題を——アルコール中毒患者が確かに現在一万六千人入院しておる。しかも再入院、いわゆる退院後再び酒害によって入院するという者が六割、外来新入院が四割というような形でございまして、御指摘のように最後の始末をつけるのが非常にむずかし問題でございます。したがいまして、先ほど大臣からもお話がございましたように、PRの問題を含めまして、病院等における酒害相談というようなことを病院がやるというような機能を持ちますと、かなり一般の方の受け取り方が違ってくるのではないかというような感じは先生の御発言から感じられるわけでございますので、この点についても検討させていただきます。 なお、体験者を社会福祉活動の中で活用すべきである、こういうお考えにつきましてはわれわれも全く同感でございますが、一つの実態調査の結果等踏まえて私の考えておりますことは、いま酒害問題が、職場の産業衛生あるいは労働安全衛生と能率の問題を含めあるいは公務災害の問題を含め、非常に密着に関係しておりますことは、諸外国でも強調されておる問題でございますので、精神衛生センター等を通じまして職場の中に、そういう問題の体験者等を啓蒙のために導入するような施策を、精神衛生センターを通じてその体験者と結びつけて社会活動をしていただいたらどうかというような考え方を一応持っております。 以上、三点ともそれぞれ十分検討しなければすぐに確信のあるお答えはできないのでございますけれども、将来の実態調査を踏まえたあとの施策として検討いたしたい、こういうふうに考えております。
○山中(吾)分科員 検討してください。大臣、お聞きになっているようですから、御答弁はけっこうです。 それから警察庁及び文部省来ましたか。 本年度、未成年禁酒法の五十周年に当たる。それで、その未成年禁酒法というのは国民が一番守らない法律である、それと公職選挙法と二つあるんだと、ぼくは前にも言ったのですが、しかし法律は厳然としてある。しかも五十周年記念である。そして未成年というのが、法律はあるけれども、もう酒を飲むのが常識になっている。十代に酒を飲んだものが二、三十年飲んでおるうちにアル中になる。大体、アル中になる者は十代から飲んでいる。したがってこの十代の時代にできるだけ酒を飲む習慣をおくらせてやるということが、非常に大事な青少年対策であり、また日本の未成年というと大体もう中学、高等学校の在籍生徒なんですね。そういう教育的な対象でもあるし、案外これは軽視をしてはならない事項であると思う。十代に酒を飲む習慣をなるだけ遠ざけるということは非常に大事なことなんで、そういう方向で活用すべき法律であると私は思うのです。 ところが、どうもその辺が軽視をされておるのであるから、五十周年記念をいい機会にして、この機会にむしろこの法律の施行の責任者である官庁が主導性をとって、酒害についての考え方、あるいは文明人の生き方の問題として酒を取り上げるとか、そういう問題をこの機会に考えるべきではないか。あるいは酒害座談会を、酔っぱらい運転その他の事故、シンナー遊びも含んで私は広く考えてもいいのですが、そのくらいの着想はお持ちになってもいいのじゃないか。私は盛んに言うのでありますけれども、官庁が少しもそういう感覚を持っていない。まことに遺憾なのです。それで内閣の青少年協議会でも意見を言い、文部省の社会局長にも言ってあるので、その経過は御存じだと思いますから、この五十周年記念にそういうことを考えられて、対岸の火災視をされないで、積極的姿勢をもって、何らかの普及宣伝事業の立場で講演会あるいは座談会その他は必ず持って処理されることを私は要望したいと思う。御意見を聞いておきたいと思います。
○渡辺説明員 お答え申し上げます。 少年の飲酒といいますのは、先ほど来お話がございますように、公衆衛生上に害があるというふうにいわれますほかに、少年の非行との関連もあるわけでございまして、青少年の健全育成という観点から見て、好ましくないことはもう申し上げるまでもないところでございます。そういう趣旨からしまして、御指摘のありました未成年飲酒禁止法におきましては、罰則こそ設けておりませんけれども、未成年者の飲酒を禁止しておるわけでございます。そういうことでございますので、警察といたしましては、そういう酒を飲んでおるような未成年者を補導の対象として、これを本人あるいは父兄等に指導、助言をいたしますと同時に、未成年者が飲用に供することを知った上で未成年者に酒を売ったり、あるいは酒を供与したりするような業者等に対する取り締まりをしたり、あるいはまた、そういう機会を通じまして、一般の父兄あるいは地域の住民などについて未成年者の飲酒の実態というふうなものを十分訴えて、その防止につとめてきておるわけでございます。 大体、飲酒によって補導された少年と申しますのは毎年三万人から五万人くらいございます。昨年、四十六年の数字がまだちょっとまとまっておりませんが、四十五年の数字で申しますと、三万一千三百七十一人という少年が酒を飲んでおったことによって補導されておるわけでございます。そういう酒を飲んでいる少年を補導いたしてまいりますと、どこで飲んでおったかというような飲酒の状況、あるいはどこから酒を入手したかというような状況を聴取してまいるわけでございますが、そこで、未成年者が飲用に供することを知って売っておった者とか、飲ましておった者とか、あるいは未成年者が飲んでおるのを十分承知の上でこれを制止しなかった父兄というものがおることがわかってきまして、警察の警告の対象になるわけですが、この取り締まり件数を申し上げますと、大体一年間で一千人から二千人くらいということでございます。そのうち特に悪質なものはこれを送致するということで、毎年二百七十人くらいから七百人くらいが送致をされておるということでございますので、したがって、いま未成年者飲酒禁止法は守られない法律であるというお話もございましたけれども、一応機能しておる、また私どもそういう努力をしておると考えておるわけでございます。 御指摘のございました五十周年記念に関しましては、これは公衆衛生上の問題、あるいは先ほど御指摘ございましたように、四分の一が学生生徒でございますから、そういう教育の場における問題、あるいは地方的にいきますと酒に非常に寛大なところもございますので、そういう一般的な、何といいますか、新生活運動と申しますか、そういうところから総合的に検討していく必要があるだろうということでございまして、幸い先生のほうからも御指摘がございまして、総理府が中心になって関係省庁が集まっておるわけでございますが、民間団体がこの五十周年という機会にそういう運動を持たれるということは、非常に時宜に適した運動と思って、私どもたいへん敬意を表しておるわけでありますが、十分な協力をしてまいりたい、かように存じております。
○山中(吾)分科員 それに関連して、どうも奇異に感ずることを二、三申し上げて善処してもらいたいと思うのですが、未成年者に対しては酒を飲ませないという一応のルールが国家にある場合に、酒、たばこの自動販売機があってこれはだれでも取れるわけです。これは法律からいったら、法律無視をして未成年者が自由にたばこ、酒を自動販売機で取れるわけだから、こういうものが許可されておるということはちょっとおかしいのじゃないか。あるいは酒、たばこの広告は、酒の広告なんというのは民間テレビその他で自由自在に幾らでも広告を、しかも大々的にしておる、奨励というものが自由に行なわれておる、こういうこともおかしいのではないか。少なくとも、この法律をしり目に奨励することが自由自在に行なわれておるということもおかしいじゃないか、そういうことを考えながら、せめてNHKに対しても、まあどこが主管庁か知らないが、少なくとも酔っぱらい運転その他、これはもう酒の害というのは、個人の害じゃなくて社会の害、いわゆる公害なんです。酒の時間でも設定して、何かもっと健全な生き方をするための思想普及をする時間でも設定してもよかりそうなものではないかと思うのでありますが、そういうことがない。非常識が常識化されているという感じがする。これはどこがどうかわからないが、ひとつ厚生省及び警察庁ともこういうことについて検討しておいていただきたい。要望だけ申し上げておきます。 時間がないので、最後に結論だけ申し上げて厚生大臣の意見を聞いて終わりたいと思うのですが、私が毎年こういう質問をする動機は三つあるのです。 一つは、酒の税金が国の大きな財源になっておるから、政府がみずから進んで酒の税金が減るような政策はとらないということ、これは遺憾なことであるけれども、したがって政府以外のものが、だれかが政府に注意をし、激励をして、酒害予防、防止対策をやらせるしかない。数千億の酒の財源が目の前にあるわけですから、酒の害はわかっておっても、節酒運動はみずから率先取り上げるという動機が出てこない。そのために私は言っておるのである。少なくともその点について、大蔵省以外の役所が別な角度から、できればみずから政府が取り上げることが望ましいと思いますけれども、そういう立場で言っておることをひとつ。 第二、酒害は公害になりつつある。公の害になりつつあるということなのであります。シンナー遊びその他は、ある意味においては個人、私なんですね。その子供がだめになるだけなんです。ところが、酒の害は、その個人がだめになるということは飛び越えてしまって、このごろは酔っぱらい運転で殺人事件が起こる、あるいは警察官が泥酔して殺人事件を起こす、あるいは薄給の各省の課長補佐級が、薄給であるので、酒の誘惑にかかって銀座その他に連れていかれておるうちに背任横領で自殺をするとか、そういうむしろ社会問題になるようなことが、軽い麻酔剤であるけれども、すべての人間に普及しておる飲用する麻酔剤である。特殊な小部分が飲用するきつい麻酔剤でないだけに、公害としては非常に大きい問題であるので、私はこれについて真剣に政府が人間のエネルギーを浪費しないように、公害防止の立場において取り上げるべきであるということから、毎年これを私は訴えておるわけなんです。 それと同時に、第三に、国税行政の中で酒の税金、酒税の行政ほど私は悪徳のメカニズムを持っておる行政はないと思うからなんです。毎年数千億の酒の税金を取っておる。その酒の税金を一番多く飲む者は、私は重労働に携わっておるところの労働者、あるいは生活に欲求不満の多い、役人ならば下級役人であり、一体、下層の社会生活の中で、どうしても欲求不満がある、また一番の労働をしておる者が酒を求めて、そうしてその者が一番酒を、酒の中の四割近い税金を飲んでいるのであって、この酒税というものは一般の勤労者から一番多く金を取る行政メカニズムだ。ところが、一方に会社の重役その他の豊かな所得を持っておる者が酒を飲む場合の交際費は、逆に免税をしておるのである。一般の所得の低い者からはごそっと税金を取るメカニズムがあり、そうして豊かな者の飲食費——交際費の大体一兆円近いものの大部分が酒を飲む場合の経費でしょう、それは免税になっている。しかもこの酒の習慣というものは、幾ら生活が苦しくてもなかなかやめられないから、どんなに税金を高くしてもこれは減らない。財源としては最も便利な財源なんです。したがって、酒税行政のメカニズムというものは最も悪徳である。 にもかかわらず、国にこの酒の税金を還元する税還元の思想が一つもない。税行政のモラルが一つもない。ここに大蔵省の主計官がおられるが、あとであなたにもお聞きしたいが、四十六年度の酒の税金はおそらく六、七千億あると思うのですが、その中でせめて——何十年も酒を歓んで、税金を飲んでアル中になり、しかも酒をやめたい、奥さんから離縁をされかかっておる、もうどうにもならない、そして精神病、特にアル中の病棟のあるところに入りたいと志願者が病院長のところに来る。久里浜に聞いても何倍かある。そういう病棟をつくってその税金を返してやる、一番酒を飲んで一番税金を払ったその人たちに還元をして施設をつくってやるという考慮が一つもない。だから私は、せめて千分の一を返してやる、千分の一というと、六千億の千分の一は六億じゃないか、できるじゃないか。せめてそれだけを返す税行政のモラル、財政上のモラルというものは出ないものか、こういう趣旨で私は意見を述べておるのであります。 そういうことを考えたときに、数億の酒害対策費だけが計上されておるのでなくて、国立無料アル中矯正施設ぐらいは、酒の税金の千分の一だけ、千分の一を出せば六億、七億になる、それくらいの考えで、厚生省がこれの予算を要求した場合には大蔵省も、そういう酒税のメカニズムというものを考えながら理解のある査定のしかたをするべきではないか、こういうことなのであります。 そこで、厚生大臣の御意見と主計官の所見を聞いて、私の時間が来ましたから、質問を終わります。
○斎藤国務大臣 酒の害につきましてはいまや公害になりつつあるという御意見、私もごもっともに思います。酒は百薬の長と申しますが、薬も転じて害になり、薬害もはなはだやかましいわけでありますが、薬害がやかましいほどに酒の害のことは世間であまりいわれない、これが一つの盲点であろう、かように私は考えます。しかし、厚生省といたしましては、そういった意味のPRも兼ね、予算もできるだけ要求をいたしたい。本年度予算要求の際にも、いまおっしゃいましたように、酒税のほんのわずかでもいいじゃないか、酒の害を防止する、あるいは中毒によって苦しんでおる人たちの施設またはそういった施策というものにもう少し金を出してもらうべきである、かように思っていろいろ努力をいたしたわけでありますが、まず実態を把握することが大事である、それはごもっともに思いますので、本年は実態把握につとめて、いまおっしゃいますような方向に厚生省としても進んでまいりたい、かように思っております。
○渡部説明員 御指摘のように、酒税の収入は昭和四十六年度予算で申し上げますと、当初の予算で六千五百八十三億、補正後は六千三百五十三億ということでございまして、租税収入の上でも非常に大きなウエートを占めておることは御指摘のとおりでございます。一方、酒につきましては、先生御指摘のようないろいろな害が生じておるということもわれわれ承知しておるわけでございます。アルコール中毒の問題につきましては、確かに膨大な酒税収入に比べましてその対策費は微々たるものではないかという御指摘はあろうかと思うのでございますが、来年度予算におきましては、先ほど厚生省のほうからお答えもございましたように、アルコール中毒の実態調査をするというような経費も新規に計上しておるわけでございまして、政府といたしましてもこの問題に積極的に取り組む姿勢を示しておるわけでございます。いずれにいたしましても、この実態調査によりましてまたいろいろな面の把握ができますれば、それをもとにまた新たな対策を講じていく、こういうことになろうかと思います。いずれにいたしましても、厚生省当局からまたいろいろこの結果につきましての相談を受けて、われわれとしましてもこれに対して前向きに対処してまいりたい、かように考えます。
○山中(吾)分科員 けっこうです。
○田中主査 渡部一郎君。
○渡部(一)分科員 私はネフローゼのじん疾患の問題について御質問したいと思うのであります。 昨年二月二十二日、当予算委員会分科会におきまして、私はこの問題についてすでに御質問をいたしております。それからまる一年たちました。私はきわめて不本意なのでありますが、当局が全くそれに対して不十分な施策をとられているということに関して私は残念に思っております。私は、もう事情を百も承知の皆さま方ではありますが、どんなにその病人の人たちが悲しい思いをし、苦しい思いをされているかということを、私は少し引用例をとってわざわざ申し上げたいと思います。 これは「姫路ネフローゼ児を守る会」の会長の橋本さんという人の書いたものであります。 「私の子供は六年目の正月を迎えました。「疲れるから車で帰ろう」と言っても、バスで帰るんだと聞き入れません。それは百貨店に寄って、おもちゃ、レコードを自分で選んで買うためです。「体に悪いかも知れない」といっても年に二回しかないこの楽しみを取り上げることができるでしょうか。病人であることを忘れ夢中になっているひと時を私はハラハラと見守るばかりです。家に帰るとテレビ、トランプと開放された中で無理を重ねます。五年も療養しているんだから……が失敗のもと二日に発熱、食事をしなくなり三日には熱は三十九度を超し、あわてて病院へ。一口に五年と言いますが、雨の日、風の日の連続です。私はただ子供の全快を信じこれに耐えて来ました。そんな中で勉強が闘病しながら受けられるようになった三年前の喜びは忘れられません。五年も六年も教育が受けられなかったら近代社会では落伍者になってしまいます。トランプとプラモデルしか知らなかった子供が「九九」を知り、作文が書けるようになり、暗い谷間から救い出すことが出来ました。年間、百万円を少し超えた私たちの月給で四十数万円の医療費の負担は大変なことです。父母は医療費をねん出のため幼い子を独りにして仕事に行かねばなりません。医療費の負担に耐えかねて退院させた親もいます。この子供は死んでしまいました。……親の責任だと追及できるでしょうか。私たちは四年間に亘り国庫補助を訴えて来ましたが、やっと四十七年度予算で僅かの金額と五%にも満たない対象者に救助の手がのびたところです。月の世界に人類の足跡を残す時代に、なぜ人類自身の問題を解決してくれないのでしょう。金もうけや人類のための研究には数千億円の金を使いながら……、この病気のための研究センターはなく、どうすれば快るのかまだ完全な医療の確立を見ておりません。人の命は尊いと政治は言っていながら……こんな口先だけの政治を変えさせ、医療制度を確立させることこそネフローゼ児の未来を開くものであり、次代に対する最大のプレゼントであります。」こう述べています。 また、あるお子さんはこういうふうに述べています。これは姫路の赤十字病院内の脇坂さんという小学校六年の女の子です。「私は、今ネフローゼという病気で、入院中です。私の家は、おかあさんと、二人ぐらしです。おとうさんは、私が四つか五つの時に、なくなりました。だからおかあさんは、それ以来、学校へ行ってはたらいています。私の家は、大阪ですがベッドスクールが、姫路の日赤と国立しかないためここに入院しています。こんな遠くの病院に入院しているためおかあさんは、あまりきてくれません。そんな時、私はよく思います。大阪の病院にベッドスクールがあったら、おかあさんは、よくきてくれるになあと。また、ここまでくるのに電車のお金だけで、千二百円はいります。それだけではありません。入院費は、もっとかかります。一カ月分はつぎのようになります。へや代三、〇〇〇円、食事代一、七〇〇円、薬代五、九〇〇円、けんさ代五〇〇円、入院時基診療代二五、〇〇〇円、入院時医学管理代一、五〇〇円、合計三三、六〇〇円。けれども病気が悪くなり、ちゅうしゃなどをいっぱいすると、これよりもっともっとたかくなり四万、五万はいります。それにこの病気は、とってもながく、ふつうでも三年から四年はかかります。このように、おかあさんには、とってもくろうをかけています。そして私も遠くの病院にいるのは、とってもさみしいです。私の家の近くの病院に、ベッドスクールがあれば、私の友だちもきっときてくれるのに……。そしたらどんなに、たのしいだろう。だから私は、大阪の病院に、ベッドスクールがあったらよいのになあと思います。日本全国の、こんな病気の子のために、もっとたくさん各地にベッドスクールをふやしていただきたいとおねがいします。」 また、そのおかあさんはこう書いています。「私たち親一人子一人の家庭は、一瞬にして暗い暗い谷底へ突き落され、満三年を過ぎた今日、病状の進展をみないまま、入院費雑費その他精神的なものにより、日に日に世の中から落伍し、人間らしい最低の生活すらできない状態となって参りました。子どもは、熱があるわけでなく、痛みがあるわけでなく、ただ尿の検査をしてみると蛋白がおりている、という自覚症状の全くない病気です。それでいて即刻入院、絶対安静と食養生を宣告され、まだ、小学校二年の幼な子一人病院に残して帰る。私は、断腸の思いでした。それも全快の見通しでもついているならともかく、いつ治るかわからない、いや一生治らないかわからない病気だ。このことで、病院へ面会に行っても帰る時は、いつも後ろ髪をひかれる思いです。お医者さんは、「ネフローゼになる原因もわからないし、従ってネフローゼに効く薬を発見すれば、ノーベル賞がもらえますよ」。最初は、近くの大学の付属病院で、九ヶ月ほど入院していましたが、あまり良い方へむきません。病室がネフローゼの子どもだけ収容しているわけでないから、お友達の食事を見ては、欲しがり次々と退院されて行く姿をみては、家に帰りたがります。親の私も、入院費(毎月五—六万人が入院費、それ以外に雑費として一万円位)のこと。また教育には、時期というものがあり、その年令に応じた基礎的事項があるにもかかわらず、何もできないのであせりを感じだしました。主治医の先生も「病院にいても、安静と食養生だけだから、家で療養されては、」といわれますので、十カ月目に、仮退院ということで連れて帰りました。でも、家に帰ったとて、学校に行けるわけでなく、私は勤めに行きますから、昼間は一人ぼっちでテレビやラジオが友達です。あれほど帰りたがっていた子どもが一ケ月位から、朝がくることをとてもいやがりだしました。ああ、また、夜が明けた。早く、夜が、こないかなあ。いつも、夜だけだったら、いいのに。と言ったり、水曜と木曜、週二回の検尿をいやがり、尿をとらなくなりだしました。一生、治らない病気だから、どうせ死ぬなら食べたいものを食べて、死んだ方がいいから、と私の留守中に、食べてはいけないものを食べる。お薬は飲まなくなる。家の前の通学道路を集団登校するお友達の姿をみては、毎朝、学校へ行きたいと泣く。親も子も、どうしてよいかわからなくなり、途方にくれてしまいました。私は、子供の入院と同時に、大阪の病院で治療しながら、勉強のできる病院をと、あちらこちら探し歩きました。どれも、ネフローゼの子どもたちだけの病院ではなく、あらゆる病気の子どもたちが、いっしょに勉強しているとのことで戸惑いしました。なぜなら、一ネフローゼの子どもは、他の病気の子どもとちがって、体力がなく、無理ができない。2食事が全く違う。そんな折りも折り、昭和四十二年十一月三日夜七時のNHKテレビニュースで、姫路赤十字と姫路国立病院に、ネフローゼの子どもたちのために学級が開設されたという朗報をえました。子どもは、そのニュースを見て、小躍りして喜び、もう絶対に病院へは入院しないといっていましたのに、学校のある病院だったら、入院したいと言い出しました。早速、その晩、姫路・日赤に電話しました所、その誕生に協力された小児科部長の本郷先生が、当直でして、それでは明日、転医書を持って、病院へくるように、とのこと。わらをもつかも気持ちで、伺わせていただきました。そして、明日入院するように、とのことで、スムースに入院させていただきました。面会に行く度に、子どもは今迄とうってかわって、朗らかになって行きました。一日が短くて仕方がないと言います。」 〔主査退席、橋本(龍)主査代理着席〕 このような長期間にわたるネフローゼ児童の病院の苦しみの物語りは無数にあります。そして、そのおかあさんたちの中のごく限られた人たちが、いま病気の治療のために病院に併設された学校の中で楽しく勉強することができるようになって喜んでいます。しかし、それはもうほんの少しなことはおわかりのとおりであります。 私は、この前の質問のときに、幾つかの項目について申し上げました。一つは、病院の中にネフローゼ児童の学級を特設するように、また医療費の全額公費負担、育成医療の適用をしていただくようにお願いをいたしました。また、学童の尿検診、特に三歳児健康診断において完全尿検査を実施するように、そしてこのような不幸な病気が出ないようにお願いしたいと、こう申し上げたわけであります。 そこで私は申し上げるのでありますが、前の内田国務大臣はそれに対してどうお答えになったか、学童健診と三歳健診の問題についての私の質問に対して、「ごもっとものことであると思います。しかし、私がそう言っただけでは、これは役所はやはり役所として動いておりますから、そのままになってはいけませんから、責任を感じてもらう意味において、児童局長からひとつその点につきましては御答弁をさせます。」児童局長はわざわざこう答えられました。「三歳児健康診査あるいは乳幼児健康診査というものを、法律の制度としてここ数年来やっておりますが、その内容等について、確かに若干現実に合わないという面がございます。したがいまして、いま御指摘になった点も含めまして、私ども検査の内容なりあるいは考え方等について新しい見地から検討を進めてまいりたい、かように思っております。」こういう答弁でありました。それから一年、何にもなさらない。何にもしていない。何にもしないで平然としている。ことしもたくさんの子供がネフローゼ、じん疾患として、検査をすればわかるという、こういう——私はほかの問題取り上げて言ったのではない。一番簡単な尿検査をすればわかる。その尿検査をすればこのネフローゼ児童の大半というものは救うことができる。そのじん疾患、ネフローゼの問題について、これを検査しろとかなんとかかんとか、おたくでは少なくともそれに対して指導できるだけの力があるはずだ。それに対して何にもしていない。そしてまる一年たった。そうして、そのときの児童局長はいまや事務次官になられた。厚生大臣はかわられた。私は、これは殺人行為だと思う。しかも大臣は、私の質問に対して、そのとおりだと言われた。何でそういういいかげんなことを言われるのか。少なくともここにあるところの国民の命のかかっている問題について、生命の尊重というのは内閣の一つのスローガンでもあるはずだし、そればかりではない、国民の一番大事な憲法の精神でもあるはずだ。ところが、細々としたしあわせの中に、かろうじて何十万円も払いながら、何年も何年もこのじん炎・ネフローゼという重い疾患に耐えてがんばっている人たちが一方にある以上、何にもしないということは一体どういう意味なのか。私は、児童局長と厚生大臣に、このような無数の、たくさんな犠牲者のあるということを念頭に置いた上で返事をしていただきたい。どういう方針で一年間やられたのか。前の児童局長が悪いのか、今度の児童局長が仕事をサボッておるのか。私はこの場で答弁を要求する。はっきりと答えていただきたい。
○松下政府委員 ただいま渡部先生の御指摘になりましたじん炎・ネフローゼの子供の診断及び医療に関する問題につきまして、いま御指摘のとおり、施策が必ずしも十分に進んでいないという点につきましては、私も担当の局長といたしまして責任を感じなければならないと思います。 ただ御指摘の、まず健診の問題につきましては、三歳児の健診にあたって尿の検査を行なうことによってある程度——これは御承知のように非常に高たん白の尿が出ますために、比較的簡単な検査で発見することが可能であろうと考えております。三歳児の健診に関する国庫補助は、来年度におきましては本年度よりも若干の増額を見ております。ただその中で尿の検査という独立した項目は立てられておりませんが、今後の運用の段階におきまして、できるだけ父兄の協力を得まして、早期に三歳児健診の段階でその検査が少しでも前向きに行ない得るように、御指摘のような点を含めて地方にも御協力をお願いいたしまして、指導してまいりたい、そういうふうに考えておる次第でございます。 それから、医療の問題につきましては、これも先生御承知のように、現段階ではなるほど的確な医療法というのは開発されておりませんけれども、副じん皮質ホルモン等の服用によりまして相当の治療効果があげられるようになっております。したがって、こういう長期慢性の疾患につきましては、そういった治療と並行いたしまして、いまのお話しの教育効果も考え、子供の全人格的な健全育成という面におきまして、御指摘のようなベッドスクールに収容いたしまして、それに対する医療費用を支給いたしまして、できるだけ教育の面と医療の面と並行して行なうということが最も緊急の要件であるというふうに考えまして、四十七年度予算といたしましては、若干ながらそういった面における治療研究費を計上しておる次第でございます。こういった方向におきまして、来年度じん炎・ネフローゼを含めまして小児慢性疾患の全体の実態調査をいたしたいということで、これも予算的な手当てをいたしておりますので、その結果をも見まして施策を進めてまいりたい、そのように考えております。
○渡部(一)分科員 そういう答弁ばかりなさるだろうと思うから、私あなたに一つずつ聞きますよ。 学童は全国で千五百万から、いるはずです。学童は学校保健法によって健診することになっているはずです。身長、体重、胸囲と書いてあるが、あとは何も書いてない。ただし、からだの疾患というのは全部調べるということになっております、それには。少なくとも文部省と打ち合わせして、学童健診のときに尿検査しろということを号令することはできるはずです。私は、全額公費負担にしろということはまだ言ってない。その前にまず健診しろということを号令できる権限は局長にあるはずじゃありませんか。やる気があるのかないのか、私はまず聞いている。三歳児健診だってそうです。父兄の協力を得てと言っているけれども、それはあたりまえのことだ。あなたはやる気があるのかないのか、はっきりしてもらいたい。いつになったらできるのですか。号令する気があるのかないのか。それを私は聞いているのです。返事してください。
○松下政府委員 三歳児健診につきましては、ただいま申し上げましたように、厚生省の所管事項でもございますので、私どもの立場といたしましてできるだけの範囲で、そういったものも含めて実施できるように、地方に指導してまいるつもりでございます。 それから、学童健診につきましては、御指摘のように所管は文部省でございますが、児童の健全育成は省を越えて行なわなければならないものと考えておりますので、御指摘の点を文部省にも強く申し入れまして、両省協力いたしまして、検査ができるように持ってまいりたいと考えております。
○渡部(一)分科員 それではそれはいつからやりますか。言ってください。
○松下政府委員 三歳児健診につきましては、できる範囲で四十七年度からなるべく実施してまいりたいと考えております。 それから、文部省の関係は、まだ確答を得ておりませんので、答えを得た上で御返事を申し上げたいと思います。
○渡部(一)分科員 文部省の方来ておられますので、文部省の方お答えを願いたいと思います。 これは同じように昨年の予算委員会の分科会で私はお話ししております。知らないはずはないはずなんだ。何にもしてないのだ。私たちは、しょうがないので、今期地方議会の予算において、一生懸命そこらじゅうかけ回って健診をするように訴えました。地方議会でいろいろやってみてわかったことは、予算的にも非常に少ないものです。簡単にできることだ。その指導をする精神があるかどうかです。親からいえば、子供がじん炎・ネフローゼにかからないために百円の出費をするなどということはむしろやさしいことです。やる気になった地方自治体ではみんなやることができるようになったのです、行ったところは。しかし全国ではない。ぼくらの手は漏れております。それをやらなかったのは役所に責任があります。少なくともここにすわっておる人に責任があります。だから私はおこっておるのです。何百何千という人が死んでおる。それはあなた方がきょう判こを押すかどうかできまっておるのだ。それをやらないで、たくさんの人を殺しておいて平然としてすわっている。赤軍派の諸君が十何人を殺した、その殺された十何人に涙するヒューマニズムが日本人にある。しかし、何千というネフローゼの患者に対して涙しない局長がいるとなったら、これは問題じゃないですか。だから私は回答を求めるのです。要求しておるのです。返事をしていただきたい、文部省を代表して。
○橋本説明員 お答えいたします。 昨年この分科会でお答えいたしましたあと、都道府県の主管課長会議あるいは学校医の会議あるいは養護教諭、校長等の会議で、尿の検査等の実施につきまして行なうようにというような指導をいたしました。(渡部(一)分科員「そんなことがあるか」と呼ぶ)いいえ、いたしました。その結果といたしまして、現在約四十の都府県で実際にやっております。しかしながら、これはまだ十分とは申しかねます。実は、その際も申し上げましたが、制度的な面といたしまして、現在学校におきますところの健康診断の実施項目とか実施方法につきまして保健体育審議会に諮問いたしております。それの中でも尿検査等について検査項目として必須項目にすべきであるというような御意見もございます。つきましては、そういった中間報告とかあるいは答申が出ましたときには、もっと積極的に前向きに制度その他につきまして行ないたいと考えております。
○渡部(一)分科員 あなたの言い方はずるい言い方ですよ。四十六都道府県とおっしゃったが、四十六都道府県の中のほんの一部じゃないですか。兵庫県の例をとって言いましょうか。兵庫県では神戸市がやっとこすっとこ今度できるようになった。西宮で悪戦苦闘して通した。あとの地域はほとんどやってないじゃないですか。姫路も今度やっとつけただけですよ。兵庫県には二十市ありますよ。二十の郡がありますよ。ほかのところはほとんどできてないじゃないですか。さもやったようなことを言う。あなた方が通知したのは尿検査をやってもよいということだけじゃないですか。尿検査をやれとなぜ命令しないのですか。そういう言いのがれはけしからぬよ。なぜあなたがしつかり号令しないのですか。やることが望ましいとか、やったほうがいいとか、そういうごまかしの陰に何千という子供が死んでいくのじゃないですか。なぜそのくらい号令できないのか、局長答えてください。今度命令する気があるのかないのか、言ってください。答えてください。
○松下政府委員 先ほどお答えいたしましたとおり、三歳児健診につきましては、各都道府県の協力を得まして、今後できるだけ実施するように指示をいたしたいと考えております。
○渡部(一)分科員 けっこうです。文部省答えてください。
○橋本説明員 文部省といたしましても、学校に対しまして、健康診断の際に尿の検査を、実施するよう指導いたしたいと思います。
○渡部(一)分科員 それは直ちにですか。
○橋本説明員 可及的すみやかに、直ちにやりたいと思います。
○渡部(一)分科員 まことに取り乱した姿の質問をいたしまして、まことに恐縮であります。私は、党派を越えた議員の協力を仰いだ上、この問題について何回も申しました。そしてなおこのざまです。そして、子供の大きな死亡原因の四つのうちの一つであります。この問題がなおこのようなひどい状況であります。そして、検査をするなどという簡単なことでさえも、これだけ私が蛮声を張り上げ、野蛮な言い方をしても、なおかつでしょう。私ははなはだ残念に思っております。 大臣に私は申し上げます。この問題に対してネフローゼ児の全額公費負担、あるいは健診、あるいはこうした子供たちの問題について大臣はどうお考えになるかお答えを願います。
○斎藤国務大臣 まず予防が一番肝心だと思います。尿検査につきましては、局長もお答えをいたしておりますように、来年度から、四十七年度からこれが実施できますように、いまの予算ではあるいは十分でないかもしれませんが、極力予算の流用等もはかって尿検査のできるようにつとめてまいりたい、私はかように考えます。 なお、公費負担の点は、これは単にネフローゼ児だけでなしに、ずいぶん高額の医療を要する児童あるいは幼児を持っておる人も多いと思います。したがいまして、今度の健康保険の改正の中で、高額医療負担は全部保険給付のできるように改正をいたしたい、かように思いますが、この額は一応月額三万円をこえる自己負担の部分については一切保険で見得るように改正をいたしたい、ぜひその成立を見たい、かように考えておりますので、これだけを切り離して公費負担というのでなくて、高額の医療は全部保険給付で見るというように改正をいたしたい、かように考えてあります。 〔橋本(瀧)主査代理退席、主査着席〕
○渡部(一)分科員 大臣のただいまの御答弁の方向をさらに前進させていただくように私は御要望したいと存じます。 時間がなくなってまいりましたので、医務局長に伺いたいと存じます。 療養所内に学校をつくる件について、国の補助が二分の一から三分の二になったということは、まことに喜ばしいことでありますし、今四十七年度から約二十校を予定されているそうであります。時間がありませんので私は結論的に大臣に申し上げるのでありますが、療養所内の土地を文部省や県のほうが養護学校に使いたい、こういう決議をして申請をしました場合、計画をした場合、土地の払い下げ、貸し下げを厚生省がやる形になっております。これは公立的な機関であろうと思います。病院の場合であろうと思いますが、ところがその場合に、非常に残念なことがありまして、土地が買えない場合がある。それはなぜかといいますと、国有財産特別措置法の第三条に、「普通財産は、左の各号に掲げる場合においては、当該各号の地方公共団体又は法人に対し、時価からその五割以内を減額した対価で譲渡し、又は貸し付けることができる。」こういう規定があるわけでありまして、この学校教育法の規定は、このような療養学校の建設はこの規定に当てはまるものであります。したがって、厚生省としてはこれを安く学校の建設敷地として出しておられるのかという問題があるのでありますが、実際は全くそうなっていない。厚生省のお金のないのはわかっておるわけでありますが、そのお金が全額時価で渡されている、こういういきさつがあるわけであります。したがって都道府県におきましては、学校を建てることを好まない、こういうまずい傾向があらわれているわけであります。したがいましてこれについて御検討を仰ぎたい、こう思っておるわけであります。 まず、この問題に対する責任者である医務局長さんから実態をお伺いします。
○松尾政府委員 国立療養所等の土地を処分いたします場合には、先生御指摘のような一定のきまりがあるわけでございます。原則としては、財務局に正式なその土地の評価をしていただいて、それをもとにしてお渡しするというのがルールになっております。ただいまのように養護学校等を建てるという場合でございますと、これは私ども療養所自体といたしましても、実は非常に大事な仕事になっております。 御承知のとおり、国立療養所自体に併設されております養護学校あるいは学級がすでに五十施設をこえているのでございまして、そういった療養学級と申しますか、そういうことはかねてから療養所としても進めてまいっております。ただ、相当大きな県立等の施設をつくる場合に、相当の土地を分譲してくれ、こういうわけでございますが、いままでのようにそういう一つのルールがございますけれども、これはやはり個々の県との話し合いによりまして、場合によったらそれをさらに減額をして御要望に沿うというような措置は従来もとったつもりでございます。それから、文部省からも、養護学校の促進ということについては私たちも申し入れを受けております。われわれもできるだけこういうものについては御協力申し上げたい、こういう基本方針はきめておるわけであります。
○渡部(一)分科員 大臣、これについては、ただいまの局長のせっかくの御答弁ではありますが、対価についてはほとんど時価払いというのが厚生省の原則的な立場でございまして、これは私は厚生省だけ責めているわけではない。こういう予算の査定をするほうにも問題がある。むしろこういう実情を査定官に対して正確に伝えなかったほうにも私は問題があると思う。これでは学校が全然できやしない。 これは文部省からいただいたデータでございますが、五十三年度の精神薄弱児、病弱児、肢体不自由児の勉強しなければならない学生は六万七百五十人と推定されております。ところが現在の実情というのは二万三千五百二十五人、措置されていない者は三万七千二百二十五人になると推定されているわけであります。これは四十六年度であります。 しかも学校の建設の計画は、いまのままでいくならば、もう話にもならないほど少ない。たとえて申しますと、四十七年度に開設される学校——先ほど言いました学校を全部建てますと、五十三年に二百四十三校というのを建てる計画がすでにできておるようであります。そうしますと、毎年三十校から四十校建てなければならない勘定です。ところが現実に建つのは何ぼか。四十七年度の開設予定はたった四校です。そして四十八年度の開設予定はたった十校であります。これでは、このようなかわいそうな人々は、憲法の条文に基づいて平等なる取り扱い、平等なる教育というものを受けられない。私は、苦しい人や困っている人や悲しい人にこそ政治の愛護の手が深かるべきであると思います。したがいまして、ただいまの御説明もありましたけれども、この問題については、厚生省も文部省と協力していただいて、計画をもう一ぺんつくり直していただいて、必ずこれらの人々が、なるべく早い時期にしかるべき学校施設で勉強ができるというふうにしていただきたい。特に大幅に立ちおくれているネフローゼの児童の勉学設備に対しては、急速につくっていただかねばならない、こう考えるわけでありますが、大臣の御所見を伺いたいと存じます。
○斎藤国務大臣 いまおっしゃいますような養護学校を急速に増設をしなければならないということについては、私もその必要性を感じております。ただいまお話を伺いまして思いますことは、そういう場合に、国が地方に対して、あるいは敷地の獲得においてどれだけ援助をするか、これは結局国の姿勢を示すわけでございますから、国立療養所の土地は安くやれとかなんとかいうのではなくて、どこの土地であろうと、国の援助というものを大きくするということが先決であろうと思います。そういう意味で、私のほうと文部省と話し合い、大蔵省等に話をいたしまして、今後、養護学校がいままでよりももっと関係公共団体が協力をしてくれるのにふさわしい体制をつくるように努力をいたしたい、かように思います。
○田中主査 ちょっと速記とめて。 〔速記中止〕
○田中主査 速記を始めて。
○渡部(一)分科員 ただいまの大臣のお話でありますが、今年設立の四校という分を十分御認識いただいて、このようなものでは今年の、かわいそうな子供さんたちに対する勉強ということはもう全くだめだということをよく御認識いただいて、早急にこれに対する抜本的対策をお立ていただきますように要望いたしまして、私の質問を終わることにいたします。
○田中主査 堀昌雄君。
○堀分科員 昨年の二月二十二日の日に厚生省のこの分科会がございまして、そこで私幾つかの問題を取り上げましたけれども、最初に取り上げました献血に関する問題は、昨年も本年も十分な措置がとられて、私もたいへんけっこうだと思っております。その次に取り上げました問題は、寝たきり老人の公費負担の問題を取り上げて、善処方を要望いたしました。当時の内田厚生大臣は、自分の考えもあなたの考えも同じだから、ひとつその線で進めたい、こういうことでございましたけれども、この寝たきり老人に対する公費負担のあり方は、昭和四十七年度はいかようになりましたか。事務当局でけっこうですが、ちょっとお答えをいただきたいと思います。
○渡部説明員 大蔵省の主計官でございますが、私からお答えいたします。寝たきり老人の公費負担という御指摘でございますが、特に寝たきり老人を対象にということではございませんけれども、御存じのように、今度の四十七年度予算では、七十歳以上の老人につきまして医療費を無料化するという一般的な公費負担制度をとっております。もちろんその中には、寝たきり老人も対象になるわけでございます。なお、そのほか、寝たきり老人だけを対象といたしました支出といたしましては、これは従来からございましたけれども、施設につきましては、施設の拡充、それから措置費、運営費の充実といったようなことに配慮しておりますし、在宅寝たきり老人に対しましては、ホームヘルパーの増員とかあるいはその給与の改善といったような措置を講じております。
○堀分科員 実はこのいまの七十歳以上の老人の医療費の公費負担の問題は、四十八年一月一日から実施されることは私も承知をいたしておりますが、現在地方自治体では、それだけでは不十分だという問題が実は各地で起こっておるわけであります。そこで、たとえばいま私が住んでおります兵庫県の神戸市におきましても、六十五歳以上の寝たきり老人の方については、これはひとつ市と県とで負担をいたしまして、公費負担でこの医療費を引き受けましょうと、こういうところに実は問題が発展をしつつあるわけであります。おそらくこの傾向は各自治体において今後相当に広がっていくものだと私は考えておるわけでありますけれども、厚生大臣、このいまの医療費の公費負担の問題も、東京都をはじめ各地方自治体が先行したあとで国がこれを追認するといいますか、そういう形で、まあたいへんおくればせながら行なわれることになったと思うのでありますけれども、今度は、七十歳以上の老人は、寝ておろうとおるまいと、四十八年の一月一日から社会保険の自己負担分についての公費負担ということになりますが、あわせて、少なくとも六十五歳以上の寝たきり老人については、その社会保険の自己負担分についてこれを公費で負担をするという問題を政府としてもすみやかにぜひ取り上げていただきたい。昨年すでにこの問題を提起いたしておきましたけれども、今年度は前進を見なかったようでありますが、この点については、厚生大臣、いかがでございましょうか。
○斎藤国務大臣 本年は七十歳以上ということで老人の公費負担をいたしたわけでございますが、その際に、六十五歳の寝たきり老人の点も検討もいたさなかったわけではございませんが、まずとにかく一様に七十歳以上にということから出発をいたしましたので、次にはいまおっしゃいます六十五歳以上の寝たきり老人の医療費をどうするか、十分検討いたしたいと思っております。
○堀分科員 まず、老人医療の問題というのは、地方自治体がこれを負担をするというのはたいへん地方自治体としては大きな負担になるわけでありまして、どうしてもやはり国で考えていただかなければならぬ問題だと思いますので、私昨年のここの分科会で申し上げておるのでありますが、一回取り上げました問題については、毎年ひとつこの問題を精査をしながら実現の方向に私も話を進めてまいりたいと考えておりますので、ひとつ厚生大臣、いまのお考えを進めていただいて、少なくとも予算要求をひとつ四十八年度においてはしていただきたい、こういうふうに思いますが、御検討をいただいてからのことになりましょうけれども、すでに地方自治体ではかなりこれをやっておるところが広がっておりますので、その点もひとつ十分精査をしていただいた上でお考えを願いたいと思うのですが、もう一ぺんちょっと御答弁いただきたいと思います。
○斎藤国務大臣 十分検討いたしまして、将来の方針をきめます。
○堀分科員 その次に、やはり昨年難病対策の予算についてお願いをしております。ことしは、私も、難病対策の予算についてかなり昨年に比べて前進をいたしておりますことを承知いたしておりますが、この難病対策の問題というのは、最近非常にはっきりしてまいりました部分もたくさんありますし、スモンのように、明らかに厚生行政の中のやや不十分な点がたいへん多くの患者を生んだということについて、国民をたいへん気の毒な状態に置くことになったことは、全く私も遺憾だと思っておりますが、それにつけても、この研究対策費ももちろん重要でありますけれども、実際にこの難病にかかっておられる人たちに対する救済の手が、やはりもう少し伸べられていいんじゃないか、こう思っているわけです。本年度は、難病対策のほうを二つに分けて、研究のほうとそれから実際のそういう疾病に対する費用といいますか、それはどういうふうになっておりますか、ちょっと事務当局のほうからお答えをいただきたいと思います。
○滝沢政府委員 広い意味で厚生省が公表いたしております難病対策には、小児ガンの問題あるいは自閉症等子供の難病あるいは脳性麻痺、従来やっておりました進行性の筋ジストロフィーの問題等ございますが、いま御質問の、本年、四十七年度五億三千万の特定疾患対策費、この中身は、二億二千万が調査研究費でございまして、三億一千万が治療の研究費でございます。この治療研究費は、スモン病で四十六年度ですでに実施いたしております方式でございまして、入院しております患者に自己負担に相当する分を援助する意味で、また研究に協力していただく意味におきまして一万円を国が出し、県が一万円を御協力願って二万円を支給し、引き続き入院の継続あるいは研究に対する御協力をいただく、こういう趣旨のものでございます。
○堀分科員 スモンはそういうことでかなり配慮がされておるようでありますが、ベーチェットなり、カシンベックなり、筋ジストロフィーもややそっちのほうに入っていいのじゃないかと思いますけれども、そういうものに対してはまだ必ずしも十分じゃないのじゃないかと思うのですが、その点はいかがでしょうか。
○滝沢政府委員 御指摘のように、今回の三億一千万の治療研究費をスモンと同様の方式に従いましてどのような疾患に拡大していくかということにつきましては、基本的には、今回対策室ができまして、そこで専門医の懇談会を持ちまして御指導をいただき、御意見を拝聴しながら政策を進めたい。 先生も御存じのように、診断基準というものがございませんと、患者の把握なりあるいはこれを対象にしていくということが困難でございますが、スモンは診断基準が確立され、それに基づいた実態が把握されている。ベーチェットについても、その点につきましては診断基準がほぼ確立できそうでございますから、私はベーチェットは、行政の立場からは、当然まず懇談会におはかりする有力な対策疾患と考えております。もう一つ、筋無力症が医学的には非常にむずかしいことを私は聞いておりますけれども、これも御意見を聞いて検討したい。もう一点は、狭い意味の膠原病、これに従来難病といわれたかなりのものが入りますが、しかしながらこの点は、診断基準なりその他の問題がどう取り扱えるか、私の常識的な医学の範囲ではまだ判断がつきませんので、この点はもう全く御意見を拝聴して考えたい、いまそのような段階でございます。
○堀分科員 そうすると、いまのベーチェットを含めて——筋ジストロフィーも多少入るかもわかりませんが、厚生省として、来年もしこれだけあればこういう人たちに少なくとも今度のスモンと同じ程度のあたたかい手を差し伸べることができるという大体の予算は、どのくらいだと考えておられますか。来年の話をすると鬼が笑うといいますけれども、いまさらことしの予算に入れようたって無理ですから、どうしても一年先の話をしていかなければなりませんので……。
○滝沢政府委員 この問題につきましては、先ほど申しました二億二千万の調査研究費が本来的にはやはり基本的な調査の研究費でございますので、これが今回の予算で足りるか足りないかという問題がございますが、私は先生の立場できわめて率直に申しますと、研究費というものは多々ますます弁ずというものではないというふうに確信を持っております。なお、研究費そのものの評価については、日本の研究費は非常に足りない、むしろきちんと評価してほんとうに有効な金の使い方をすべきである、こういう考え方から、一応今回の調査研究は、着手いたしましても、三年計画というものを限度に考えまして、きびしい評価をして続けていきたい。こういう点から、スモンが当初三千五百万、それから二年目で五千万、四十六年度が三年目で五千万、これでほぼ、わが国の行政研究としてはまれに見る大型のプロジェクトとして取り組んだものと私は思っておりますが、一応の一つの結論が出た。こういうことを踏まえまして、私どもは、調査研究の予算をどういう疾患にどのように使うかということについては、スモンの例を十分考え、評価を十分にいたしてまいる。 ただ、治療研究につきましては、この点はやはり患者の協力という形ではありますが、当面社会的な一つの負担として、低所得者等の負担の軽減、それにより入院の継続なり外来の治療がある程度できる、こういうことを考慮する必要がございます。しかし、これとても、スモンの実行に入りました例から申しまして、具体的には生活保護の関係、あるいは健保本人の関係等が予想よりも比較的多かったとか、いろいろの点で、他の疾病についても、患者数の実態の把握の上に、この治療研究の対象にしてまいりますと、たとえばベーチェットなどはどちらかというと外来が多くて入院がわりあいに少ない、しかし、スモンは入院を対象にし、外来は対象にしなかった、これをどういうように各疾患ごとにどう対応するか、こういうことを考えますと、私はいまの予算というものが不足である、足りないという感覚よりも、これをやはり有効に使うということをきちんと立てて、その後の対策というものをさらに充実していくべきじゃないか。きわめて率直で恐縮でございますが、私はそういう感じを持っております。
○堀分科員 予算はもちろん皆さんいろいろ努力をされてとられたことですから、私も、ことしのこの予算にけちをつけようという気持ちは毛頭ありません。しかし、問題を広げていけば、予算が要るのは当然のことですね。いまのお話のように、スモンは入院だけで切っているという話ですね。しかし、実際には、いろいろな事情で入院できない人もあると思うのです。だから、それは疾病基準がすべて入院に連なっておるのか、入院したほうが望ましいけれども、家庭の諸事情のために家庭にいるとなれば、費用を負担してもらえないなどということは、少し問題があろうかと私は思うわけです。ですから、やはりそういう一つの疾病を考えるときには、この程度ならばその人たちにとってあまり大きな負担ではないということならいいのでありますけれども、やはりこういう特殊な疾病は長期で費用が長くかかることが特徴でありますから、短期の疾病なら何も私どもはこの問題について国が考慮を払う必要がそうあるとも考えないわけですが、いずれも長期の疾病で、特にベーチェットの場合には失明その他の問題も起きるということでございますから、やはりそういう点は、今後基準をおきめになることでありましょうから、基準をきめていただくことはけっこうでありますけれども、ひとつ十分その疾病にかかっておる人たちの立場に立って、やはり必要なあるべき予算額というものは要求をしてもらわなければ困ると思うのです。それが厚生省の役割りではないか。私は本来、大蔵委員会におりますから、そういう皆さんの要求があれば、それはひとつ財政当局として当然配慮すべきことだから、側面的にも協力をしてまいりたいという考えであります。 要するに、昨年一回私が委員会で取り上げた問題については、トレースするというのが私の方針でありますから、来年にはどの程度の要求をされるのか、要求をされたらひとつ御連絡をいただければ、私も及ばずながら——この難病対策に関するいまの調査研究費のほうは、私もふやしたから問題が解決するとは思っておりませんが、いまの治療研究費といわれる部分については、やはりこれはある基準がきまれば、その基準に伴って必要な額を要求し、その人たちを救済することは当然の責務だと私は思いますが、厚生大臣、いかがでございましょうか。
○斎藤国務大臣 堀委員におかれましては、この難病対策にたいへん御熱心に御推進をいただいておりますことを、私は感謝をいたしております。この上ともよろしくお願いいたしたいと思います。 この難病の治療研究費の問題、局長からお答えをいたしましたが、私は根本的に申し上げますと、難病であるといなとにかかわらず、高額医療に悩んでいる方が非常に多いわけであります。そういった高額な医療費は、これは家族であってもやはり保険で見るべきではないか、私はかように考えて、保険の抜本改正の中に近く提案をして御審議をいただきたい、かように考えております。しかし、どの程度を高額と見るか、そのときまたいろいろと御議論をいただくと思います。そして、もちろんこの難病の治療研究費というものも、そうであっても必要であると思いますけれども、一般に負担にたえがたいと思われる高額医療費は、病気のいかんを問わずやはり保険で見るというようにいたしたい、そうしたら問題の大部分は片づくのじゃないか、かように思います。
○堀分科員 私は難病対策の面で申し上げているわけですが、確かに一つの側面としては、大臣がおっしゃるように高額な医療費がかかる問題は、これは難病だけではないという問題もございますから、その点については抜本対策をお考えのようでありますが、いずれにしても、それまでにやはり私は難病対策の面だけでもこれは配慮を必要とする。非常に気の毒な——これは病人だれでも気の毒なんですけれども、疾病の原因がわからずに治療の対策が明確化されておらないものですから、いろいろと患者に不安もあるでありましょうし、先行きに苦しい立場におられる方でありますから、ひとつ十分な配慮をしていただきたいと思います。 そこで、時間が十分ありませんから、実は一連の、いま大臣もおっしゃいましたが、すでに健康保険法の一部改正が国会に提案をされておりますが、引き続き、またいま大臣のおっしゃるように、抜本対策についても御提案があるようでありますが、ちょっと私この医療保険問題の本質について、私の考えを申し上げながら少し大臣のお考えを承りたいと思いますけれども、いま政府管掌健康保険というものが非常に赤字が出ておる。これに対する対策というのが、実は主として経済的な、言うなれば財政対策というものがほとんどすべてだというふうに見ておるわけです。ここにちょっと「厚生省」というので、「健康保険法の改正(政管健保の財政安定)」と書いてありますから、この健康保険法の改正というものはまさに財政の問題だ、こういうことになるのだと思いますね。しかし、私は、一体政府管掌健康保険になぜ赤字が出るのかという基本問題が、もう少し解明をされていなければならないのではないかと思います。というのは、いま日本の保険は強制加入になっておりますね。ですから、政府管掌健康保険に入っておる被保険者というのは、自分が選択をして政府管掌健康保険に入ったわけではありません。選択の自由がないわけです。要するに、ある事業所に入りますと、その事業所が中小の事業所であれば、これはもう強制的に政府管掌健康保険に組み入れられる、こういう仕組みになっているわけですね。で、組み入れられた場所はそれでは日の当たる場所かというと、実はこれは日の当たらない場所に制度として組み入れられる。時間がありませんから、少しいろいろと伺おうと思ったのでありますけれども、社会保険庁のほうでも政府管掌健康保険なり組合管掌の問題についてもいろいろと御分析をいただいておるようですが、非常にこの中からも政府管掌健康保険というところが日の当たらないところであるという実証がされておることは、実は明らかであります。そこでそうなっているときに、その日の当たらないところへ強制的に入れられた人たちが、いまの財政問題でも非常に差別をして扱われておるわけです。今度の特別保険料でありますか、特別保険料の徴収なんかを見ましても、政府管掌のほうは、千分の十を取ると、こう書いてあるわけですね。組合のほうは、取ってもいいと、こう書いてありますね。取らなくてもいいということですから、ここに完全な差別があるわけですけれども、一体私は、これが選択の自由があるものならこういうこともあってもしかたがないと思うのですが、選択の自由がなく、政府管掌に入らなければならなかった人は、千分の十取るぞ、そしてたまたま大企業に入れる条件を満たしておった者は、取られなくて済む。取られなくて済むほうが、実は標準報酬が高いわけですね。皆さんのほうの資料で拝見いたしましても、昭和四十五年の標準報酬は、政府管掌は四万七千六百四十三円で、組合健保が四万二千八百四十二円でありますから——失礼いたしました。これは診療費でした。標準報酬は、四万六千七百七十六円が政管健保で、組合健保が五万九千十三円、その差額は一万二千二百三十七円、要するに報酬の高い者は負担が少なくてよろしい、報酬の少ない者はたくさん負担をしなさい、どうも私は財政安定ならそういうこともしかりかと思うのですが、一般的国民の常識からすると、ややこれはさか立ちをした論理のように見えてしかたがないのであります。さっき申し上げたように、医療費のほうは、逆に政管健保のほうが組合健保よりも診療費は四千八百一円も実はたくさんかかっておる。要するに日の当たらぬところへほうり込まれた人たちが、国民として要するに組合健保の人たちと同じような状態を享受する権利があると私は思うのですが、厚生大臣、いかがですか。
○斎藤国務大臣 全くそのように考えます。そこで抜本改正が必要だ、そのために財政調整をいたしたいというのが理由でございまして、政管健保に入らないでどこへ入っていくかというと、入っていくところがない。そして組合健保におっても、財政が苦しくなって赤字が多くなってくれば、政管健保へまたいくという制度になっておる。この制度をやはり根本的に改めるということになれば、一つの方法は、財政調整をやる。そうすれば、政管健保にいる人もいままでのような高い保険料でなくて、あるいは保険料率からいえば組合健保にいる人とあまり変わりがないというようになる得る、これが今度のねらいの大きな一つでございます。
○堀分科員 私は、いまの財政調整というのは、組合健保は組合健保として一つ認め、政府管掌健康保険は政府管掌健康保険として認めて、そういう組織を制度として残した上で財政調整をやろうということですね。私は、やはり発想としては問題がどこにあるかというと、そういう組織と制度ができておるところに問題があるのですから、その問題のあるところに触れないで財政調整で処理をしようとしても、私はこれは根本的抜本改正にはならないのじゃないかという気がするのですね。抜本改正というのは、そういう矛盾なりひずみがあるとするならば、そのひずみを抜本的に取り除くというのが、私は抜本改正ではないかと思う。こう考えるのが第一点。 第二点は、やはり国民が既得権として持っておりますある一つの権利は、だれとしてもその権利を引き下げられることにはかなり抵抗があるということが、常識的な問題だと私は思うのですね。今度皆さんの厚生省の資料をちょっと拝見しましても、ここに「対策案及びその効果」というので「四月実施」と書いてあります。これは例示ですからいいのですが、標準報酬等級改定三百七十六億、保険料率引き上げ二百七十四億、特別保険料二百三十九億、これを合計しますと八百八十九億、国庫補助が三百七十三億で、合計千二百六十二億となっているわけです。これを見ましても、財政安定というのは、要するにそういう非常に暗い谷間に強制的に追い込まれた人から金を取ることが財政安定だというふうに見えます。千二百六十二億のうち、三分の一は国がめんどうを見てあげましょう、三分の二はおまえさんたちのせいだよ、こうなっておるわけですが、しかし、そういう制度をつくったのは国ではないのか。こう考えますと、これがさか立ちしているのなら常識的であるけれども、そういうふうに強制的に暗い谷間に追い込まれた者を、所得の少ない者、疾病率の高い者、おまえたちはしかし本来病気になった者が負担をするのが当然なんだという発想では、私は憲法の定める諸条項と比べて、いまの政府のこの発想そのものにたいへん問題があるのじゃないか、こういう感じがするわけであります。ですから、私は、そういう制度をつくっておるのは国だと思うのですね、国がやはりある一つの制度をつくった以上、その制度のひずみからくることについては、まず国が一義的に責任を負いましょう。しかし、国だけではなかなか負い切れないということであれば、それはまた被保険者の人にも負っていただきましょうというのが、私は、こういう制度をこのままにしておく限りは、発想としてそうあるべきではないだろうか。ですから、私は、財政調整の問題についてのお話がいまありましたが、抜本対策というのなら、そういうひずみを残す暗い谷間と日の当たる部分ということではなくて、それがやはり全国民的な視野の上に立ってみて、だれもが納得をできるような公平な制度と仕組み、こういうものが抜本対策では取り上げられるのが筋道であって、そういう筋道をはずれて、誤まったそういう組織と機構を残したままで部分的な調整で糊塗するというのでは、私は、抜本的な対策にならないと考えるわけです。やはりこの医療保険の問題というのは、まず人道的な見地といいますか、あるいは国民としての権利が公平に保たれるというような立場を基盤にして考えていただいて、そのあとで財政問題をどうするか。やはり財政問題というのは、そういう基本的な問題の次の次元の問題としてこれを把握する必要があるんじゃないか、こういうふうに考えているわけです。 時間がまいりましたから、以上の、これは私の考えだけを申し上げるわけですが、厚生大臣のそれについてのお考えがあれば承って、私の質問は終わりたいと思います。
○斎藤国務大臣 堀委員のおっしゃるのは、抜本の抜本といいますか、根本的に全く私は同感でございます。ただ、今日の制度からいまおっしゃった制度に変革するというのは、言うべくしてなかなかむずかしい。まず一歩、一歩やっていく必要があるということで、このたびはまず二分の一の財政調整をやるということによって、いままで日の当たっていなかったところにも日を当てる、そして日の当たっていないところに対しての国庫負担もいままでよりも増していく、定率的にやっていくという考え方でございます。御意見の点は、私も十分わからぬわけでもないわけでございます。
○堀分科員 時間ですから終わります。
○田中主査 細谷治嘉君。
○細谷分科員 私は、厚生省関係で二、三点御質問したいと思うのでありますけれども、最初に、昨年の十一月十四日に新聞紙上で、利根川流域に住血吸虫病患者が発見された、こういう記事が出ております。千葉県衛生部の調査では、成田市で五人、香取郡の下総町で三人、同じく栄町で二人、計十人が発見された。いずれも農家や酪農家の家族であって、大半がおとなで、その中に女性が一名含まれておる。そしてその地域の湿地帯からミヤイリガイが発見されて、多いところでは平米当たり百個から二百個ぐらいのミヤイリガイが発見された。その半分以上が吸虫に汚染されておった、こういう記事がございます。この実態は一体どうなっているのか、まずお答えいただきたいと思います。
○滝沢政府委員 従来、日本住血吸虫の地方病としての存在場所がほぼ限られておるという見解に立って対策を講じておりましたが、御承知のように、静岡県も、山梨の富士川の下流ということで、日本住血吸虫の存在が一時確認されたことがございます。また、筑後川等のはんらんによって、従来いないと思っておった地域にこの水害の結果広がったというような事実がございます。千葉県の場合も、利根川についてわれわれは従来行政上の対策の中には乗っておりませんでしたが、以上、先生がただいま御説明のような事実はあるようでございまして、その後、自衛隊等の協力によって貝を殺す対策をやったということでございますが、一般的に利根川は国の河川の関係もございますので、そのわれわれが具体的にいまやっております溝渠をコンクリートで固めるというような具体的な対策とは、直接関係がございません。患者の存在は事実のようでございます。 〔田中主査退席、橋本(龍)主査代理着席〕
○細谷分科員 患者の存在は事実と。従来、この問題について、厚生省等で地方病として三十二年か三年くらいから法律をつくって懸命にやってまいったわけですが、それで、今日までのところでは、山梨県がトップですけれども、福岡県、佐賀県、広島県、岡山県、まあ大体この五県というものにまだ現存している、こう考えられておったわけですけれども、いまお話しのように、静岡県の沼津地方なりあるいは千葉県の利根川の湿地帯、こういうところに現実に日本住血吸虫病が発見された。まだ患者は相当重くないようでありますけれども、しかし、ミヤイリガイが平米当たり百個か二百個ぐらい発見される、しかもそれが半分以上がもう汚染されておる、こういうことになりますと、何らかの対策を講じなければならぬじゃないか、こう思うのであります。いまのお答えでは、まあ薬か何かまいてそれを撲滅すれば足るんだ——せっかくここまできて、仕上げ段階にきているわけですから、それだけでよろしいものかどうか。厚生省の今度の予算では、大体五つの県を対象にしているわけですね。昨年の暮れのことでございますけれども、千葉県等は対象になっていない。私は千葉県に住んでいるわけじゃありませんけれども、問題が問題であるだけに、まずこれからお尋ねしておるわけです。対策は、薬の散布だけでおやりになるということですか。
○滝沢政府委員 この問題の、先生も御存じのように、対策としては、いま申し上げましたように、貝を殺すという対策と、それから検便等による患者の把握、あるいは臨床上発見された患者の治療対策がございます。そのほかに、従来、貝の生息を防止するためのみぞのコンクリート化、この点、先ほど申し上げましたように、利根川についてまだ下流から上流等を含めましたこの問題の全体が把握できておりませんので、これが具体的に貝を殺す面としてどのような範囲と対策が必要であるか、それから河川そのものは国の河川でございますので、これが貝の生息に関係ないようにするには、具体的には非常に困難ないろいろな問題、河川の中州を残しますというとそこに貝が存在するというような問題もございまして、私たちが当面気づく問題だけでも、利根川に実態として住血吸虫病が相当問題があるとなれば、対策は非常にむずかしい点がございます。まずその実態のふん便検査その他につきましては、県と協力して実態をつかみたいと考えておりますけれども、日本住血吸虫の当面の地方病としては、非常にいままでは限られた範囲で生息するミヤイリガイを対象にしておるというのが常識的な判断でございましたが、今回の千葉の事件によって、この問題についてやはり非常に限定した地域だけであるという考えは、反省しなければならぬというふうに思っておる次第でございます。
○細谷分科員 限定した地域ということについて反省しなければならぬ、私もそのとおりだと思うのです。そこで、最近問題になりました千葉県のことをおきまして、少しこの地方病について本論に入りたいと思うのです。 厚生省のほうの予算を拝見いたしますと、現在計画されておる事業は、四十七年度と四十八年度で一〇〇%完了する、こういう見込みになっておりますが、それでよろしいですか。
○滝沢政府委員 その点につきましては、四十年度に立てました寄生虫予防法による基本計画が七年になっておりますけれども、これが実施の段階でやはり七年間では無理であるということで、四十七年、四十八年の二年間、四十年に立てました基本計画の延長をいたしまして、九年間によってこの基本計画を達成する。四十年に立てました基本計画はそれによって完了をいたしますけれども、それによって日本住血吸虫のいわゆるコンクリート化による対策が完了したかどうかという問題は、多分にまだ問題を残しておるというふうに思っております。
○細谷分科員 四十七年度が一億五千万ですね、あなたのほうの資料によりますと、この予算で四十七年度には八六・六五%いく、四十八年度では大体一億六千四百四十九万円程度投入することによって一〇〇%いく、こういうおたくのほうの資料をいただいておるわけです。いまお聞きいたしますと、これは三十三年ですか、法律が十カ年で来て、そしてとてもじゃないがその十カ年では完了できないということで、四十年くらいですかにあらためて十年延長したわけですね。あらためて十年延長したけれども、前のが二年ばかり残っているから、実質的には七年ばかり延長というかっこうになっているわけですね。これは議員立法ですよね。いまのお話によりますと、いや四十八年度では完了しそうもないのだ、あと二年ぐらい先に延びるのだ、こういうことですか。
○滝沢政府委員 少し説明が不十分だったかもしれませんが、四十年に、先生おっしゃるように最初十年でございまして、それから途中でいまの法律にございます七年の計画を立てたわけでございますが、これが事業全体の進行からいきまして、四十年に立てた基本計画を一〇〇%達成するのに、いまの見込みでは四十八年までかかります。したがって、四十八年にわれわれの考えとしては実態調査をいたしまして、それによってその後の対策をどうするかという基本計画をあらためて検討した上に、四十九年以降の対策を考えたいということでございます。したがって、四十八年で完了するという意味は、この対策全体が完了するという意味ではなしに、四十年に立てました七年計画を実行上二年延ばして四十八年まで実行することによって、当初立てた基本計画が一応一段落します、こういう趣旨でございます。 それから先生先ほど御指摘の一億五千万とかあるいは一億六千万というのは、実は実施に要するみぞのメートル数でございまして、金額のほうにつきましては、国庫補助としては四十七年度が二億三千万、西十八年度はこの計画が一応完了するには二億五千万程度の国庫補助を要するものと考えております。
○細谷分科員 わかりました。 そこで、いま社会労働委員会のほうで、おっしゃるように議員立法でとりあえず二年程度延長をしておこう、そしてあなたがおっしゃったその先のことについてはこの二年のうちに問題を対処しょう、計画を立てよう。おことばを聞きますと、それだけでは済まぬので、この地方病をここまでやったのだから、完全に一〇〇%撲滅をする、こういう姿勢に立っておると思うのです。それはそのとおりですね。
○滝沢政府委員 四十八年度に実態調査をいたしまして、その実態を踏まえて撲滅ということを目的とした計画を立てたい。したがいまして、その貝の生息状況、もちろん貝はみぞの構築だけが対策でございませんで、先ほど申し上げましたように、住民の啓蒙による感染防止対策も加わりますし、それからみぞの構築による貝の生息を防止する対策も加わりますし、それから貝自体について、毎年各府県で地域に貝を殺す薬剤を散布していただいております。これらの問題ともからみまして、実態の調査の上に、法律に関係ある部分としてはあのコンクリートの構築のことでございますが、それを含めまして四十九年度以降の対策について検討いたしたい、こういう趣旨でございます。
○細谷分科員 四十九年度以降の対策の中心というのは、何と何ですか。
○滝沢政府委員 その点につきましては、従来の実績からかんがみまして、やはりコンクリートの構築という問題が、きわめて重要な柱になるというふうに理解しております。
○細谷分科員 コンクリートの構築、これは今日まで中心的にやられてかなりの成果をあげたわけですね。ここまできたわけですね。毎年毎年相当の人が死んでおった。私のところは、これは筑後川のクリーク地帯です。クリーク地帯ですから、かつては徴兵検査に不合格になる手は何かといったら、春先のお宮のお祭りに行って、お宮の横のたんぼに素足で入ったら絶対に徴兵検査はいかぬ、こういうことが言い伝えられておったわけです。それはどういうことかというと、ちょうどそのころ皮膚を通じて一番感染しやすい。何のことはない、病気になるわけですね。五尺にも足らぬ、そして腹はふくれる、こういうかっこうになるわけですから、これは兵隊にとろうったっていかぬわけです。何のことはない、春のお宮にお参りをして、そしてそのクリークに入ったら兵隊にとられない。ということは、日本住血吸虫病にかかるから兵隊にとられないということであった。そういう言い伝えがあったわけです。それは今日だんだんなくなってまいりましたが、これからの問題点の一つというのは、そういうクリーク地帯、そういうものについての対策が行なわれておらなかった。言ってみますと、規格外のコンクリートの水路をつくることをしなかったということ、もう一つは、やはり河川でありますから、水害があるわけですよ。最初きめられた区域外に、湿地帯にミヤイリガイが広がっているわけです。そういうものについては、断固として——計画区域外だからだめだ、こういう形で、ミヤイリガイが相当生息しているにかかわらず、事業の対象にならなかった、この二つが一番問題点なんですよ。ですから、もしあなたが今度一応の計画というのを完了した場合にやらなければならぬ点は、それだと思うのですよ。 現に、日住病全国有病市町村対策協議会が昨年の五月十二日に佐賀県佐賀市において全国大会を開催した。そして厚生省のほうに陳情書を出された。ごらんになったと思うのですが、その一つは、「地方予防施設補助対象規格の拡大と法律延長」、それから二番目は、「地方病予防費国庫負担金の増額」、こういう二つが要望されております。そしてその第一の補助対象規格の拡大ということについては、現在までの地方病予防施設のコンクリート溝渠の補助対象規格は、一・八二メートル当たりのコンクリート量が一立米以下のみぞに制限されて実施されているけれども、有病地域内にはこの規格に該当しない大きなミヤイリガイの生息地があるからこれをやらなければだめなんだ、こういうことを指摘をしておりますね。そしてこの全国の、皆さん方のところにもいっただろう陳情書の中には、そういうためにはあと五年間ぐらい、いまの計画があと二年かかるとするならば、さらに五年間ぐらい、現在の規格からはずれる部分について実施していただかなければならぬ、その金額は事業費でおよそ五十三億円である、こういう陳情が出ておるわけですよ。そうなりますと、私は、専門で初めてのことじゃありませんから、もっと進めた——暫定的に二年やってその間に準備してやるなんということはいささか怠慢ではないか、こういう批判を受けるのではないかと思うのですよ。これは非常に重要な点でありますから、いかがですか。
○滝沢政府委員 先生ただいま御指摘の計画外の問題、それから予防費の国庫負担金の増額、これは薬の単価等が少し実態に合わないというようなことを含めまして、その陳情の内容は承知いたしております。 先ほど来申し上げておりますように、四十八年度に実態調査をして、四十九年度以降に計画を検討するという意味は、この陳情にもございますように、計画外の地域について検討したいという趣旨でございます。したがいまして、一・八二メートル、約二メートル幅の河川までは四十八年度で一応これが完了する。しかしながら従来は、確かに計画外の地域については積極的な施策というものが今後に残されておる。そこで、今回二年を法律上措置し、それから四十九年以降は実態調査を踏まえて計画を立案するということが寄生虫病予防法の関係上必要でございますので、したがって、今回は四十七年からとりあえず二年に法律の延長をしておいていただき、「厚生大臣ハ毎年度其ノ年度ノ開始前迄ニ」とある文章について、われわれの承っておる範囲では、この基本計画決定後すみやかにというふうにして西十九年以降の問題を検討するようにというふうな御意向で、この法律の取り扱いが検討されておるというふうに承っておりますので、四十八年度の実態調査は、もちろん計画外の問題の部分について調査をし、それによって計画を立て、いま五十三億というお話がございましたが、それが何年でどの程度の事業量になるかということを検討した上で、具体的にその実施に入るように持っていきたい、こういう考え方でございます。
○細谷分科員 大臣にお尋ねしたいのですけれども、いまやりとりがありましたように、せっかくここまでやったのですけれども、もう撲滅したのだと思っておりますと、急速にまたはやりますと、せっかくのいままでの投資というものがむだになるわけですね。やはりどうしても現在の規格外の仕事をやっていただかなければならぬ。ずばり言いますと、筑後川というのは国のほうで、直轄河川でありますからどんどん護岸はきれいにやっているわけですね。それから取水をしますよ。その限りにおいてはいいわけですが、その取水されたものはどこへ行くかといいますと、クリーク地帯に行く。クリークに水をためているわけです。そこが常にずっとじめじめしておるわけです。そういうみぞにミヤイリガイが生息する。それは薬剤散布でやっているところもありますけれども、現在の規格というのは、川と、それから一・八二メートルにつきコンクリート量一立米の規格内と、その間が全く手がつけられておらぬということでありますから、これはどうしてもやらなければいかぬ。これは画竜点睛を欠くわけです。でありますから、私はさっき五十三億と言いましたけれども、これが五十三億というのは、年々工事費が上がっていくだろう、こういうことで、この全国大会の決定というのは、現在の単価で計算すると大体三十九億くらい、こういう見積もりです。その内容もぴしゃっと出ているわけです。でありますから、その必要性をお認めになっているとするならば、ひとつ一気にここでそれをやるということを確認して、計画を二年、あと五年やるということであるならば、そういう形で議員立法になるかと思うのでありますけれども、厚生省として受け取られたほうがよろしいんじゃないか、こう思うのであります。この点いかがですか。
○滝沢政府委員 この問題につきましては、当の社労を中心に、また関係の各党の先生方ともお話し合いが進んでいるようでございますので、私この段階で具体的な変更その他考え方を申し上げる立場でございませんけれども、われわれは、先ほど申し上げたように、二年というものを確認していただき、その後実態調査に基づいて次の計画というものを検討するということで、先生の御趣旨に十分沿えるものというふうに考えております。
○細谷分科員 そうしますと、とりあえず二年だ。私はずいぶん準備不足じゃないかと指摘せざるを得ないのですけれども、しかしとりあえず二年、その間に実態調査をして、そして現在の規格外のものと現在の地域以外に、ミヤイリガイが発見されるところについては対処する。それは五年になるか七年になるか知りませんけれども、現在の規格で約四十億くらいあるわけですから、全体の財政とのにらみ合わせ、あるいは工事能力等のにらみ合わせもあるわけでしょうけれども、いずれにしても現在の規格外であぶないところはひとつぴしゃっとやる、それから現に生息している地域については、さっき千葉県の問題もありましたけれども、これも撲滅の意味においてやる、そういう地域もやっていく、こういうふうに理解してよろしいかどうか。どうですか。
○滝沢政府委員 前段先生のおっしゃるとおりでございますが、ただ、まだ発見のなかったと思っているところに新しい問題が提起される、こういうところは、やはり従来の施策を進めてきたところと段取りは少し違いがあると思います。やはり具体的な実態の調査というようなことをし、それの撲滅、または存在することが確認された場合にそれにどう対処するかというようなことは、従来の山梨は山梨なり、佐賀は佐賀なり、福岡は福岡なりの、先ほどのクリーク等の場合もございます。また、利根川等になりますと、上流から下流にわたって河川の管理上のいろいろの問題もございますので、そういう点を踏まえまして、結論としては先生のいまお尋ねの方向で検討したい、こういうふうに思います。
○細谷分科員 福岡県の筑後川沿いに小郡という三万くらいの町があります。四月一日になりますといわゆるミニ市の中に入るわけですが、ここの町は、やがて市になるわけですけれども、これはかつてずっと財政再建団体であったわけです。そのために四十六年くらいでそれがやれなかったようですね。大体六六%くらいしか四十六年で済まぬわけです。ですから、他と比べますとかなりピッチがおくれておるということが一つ。それからもう一つ、この地域の、ミヤイリガイの問題に関連して、川とクリークと現在の規格の工事をやっている以外でぜひやっていただかなければいかぬというものを私はちょっと聞いてみましたら、規格外で一番多いのは百十万から百二十万、それから百二十万から百三十万、そして、大きくなるほど金額がよけいかかるわけですけれども、大体百三十万ぐらいのところに一つ山がある。そして今度は二百六、七十万ぐらいのところが非常に必要があるわけです。これは大臣、私が百万とか二百万とか言ってもわからないと思うのですけれども、いまの規格の最高は百万ですから、それ以上のものということになるわけです。そういうことで、この地域のものはもう計画は具体的にできておりますよ。これは全国的に集計したのですから、できていると思うのですね。でありますから、実態調査をするということは、こういう計画と同時に、もう一点問題点がある。それは、私鉄がたんぼの間を走っておりますから、私鉄の走っておる線路の横にずっとクリークがあるのです。そういうところに大水が行って、ミヤイリガイが流れてきて生息しているわけです。これは私鉄の地域に入っておりますから、なかなか——一体どうしていいのか。薬剤でやっていいのか。薬剤といっても、これは私鉄にやってもらうのか、あるいは町がやるのか県がやるのかといういろいろな問題があります。しかし、これを撲滅しなければならぬということは間違いないことでありますね。そういういろいろな特殊事情がありますので、この問題であまり長くかかずらわっておれませんけれども、ひとつぜひその規格外の問題と、必要に応じて、指定地域以外のところも、ミヤイリガイが現におればこれを撲滅をしていく、こういう形で新たな計画を早急につくって、ここまでやったわけですから、ぜひひとつ完全に撲滅していただきたい、こう思うのであります。ひとつ大臣のお考えをお聞かせいただきたい、こう思うのです。
○斎藤国務大臣 細谷委員と局長の答弁の間に若干まだ食い違いがあるのじゃないかしらという感じも私はありますが、しかしおっしゃいますように、規格外のところにつきましても、そういうおそれのあるところは計画をなるべく早く立てて、そして日本住血吸虫病がなくなるようにする責任がある、かように考えますので、実態をよくきわめまして、いずれ社労委員会でもまた御論議があることだと思いますが、私もさらに研究を進めてまいりたい、かように考えます。
○細谷分科員 この問題で最後に、どうも厚生省は実際の工事のことを御存じないのかもしれませんけれども、この事業をやっております地方公共団体の方々の非常な悩みは、農林省と比べ七も建設省と比べても、ものすごく単価が低いというのですよ。ものすごく超過負担が多い。私もこの資料をもらって毎年度の厚生省の単価をずっと見てみますと、確かに農林省と比べても建設省と比べても、格段に低いですね。確かに四十七年度は前年と比べて三五%ばかり、かなり大きく見ておりますけれども、この単価も適正な単価にしていただかなければならぬと思うのですけれども、この点いかがですか。
○滝沢政府委員 四十七年、四十八年の計画を一応完了する意味でも、単価の問題はきわめて重要な問題でございましたが、四十七年度の予算決定に際しまして、先生ただいま数字をあげられましたように、従来になく単価を上げていただき、それは四十八年度にも御考慮願うということをわれわれは期待して、単価の問題については対処いたしたいと考えております。 それから、先ほど来小郡その他現地の実情に合ったような対策ということでございますが、これは予算の実行上十分進んでおるところ、おくれておるところ、いろいろございますので、考慮して、計画したものが四十八年度にほぼ完了するように持っていきたい。ただ従来溝渠のコンクリート化ということのみがやや事業の主体であるような、われわれも率直にいってそのような考えにおちいりやすい面もございますし、また、地元の住民の皆さん方にも、この病気がかなり安心できるような状態になったというお考えで、この問題にともに行政とそれから地元の方々の熱意とが合わさりませんと、この成果が十分期待できないというふうに考えておりますので、あらためてこの住血吸虫のおそろしさや問題点を提起しながら仕事を進めたい、こういうふうに考えております。
○細谷分科員 やがて今週中にでも社労のほうで議員立法としてこの計画の延長という形ができ上がると思うのでありますが、ひとつ十分に実情を踏まえて、また地方財政のことも考えて、対処していただきたいということを強く要望しておきたいと思います。 これに関連いたしまして、保育所の問題を、これは地方財政との関係でありますけれども、お尋ねしたいのであります。 昭和四十五年度に、全国知事会の調査によりますと、保有所の措置費で三〇%、保育所の建設費に至っては六倍以上の超過負担が起こっておるわけですね。全国知事会があげましたいろいろな超過負担は、四十五年度で都道府県においておよそ五百億円、市長村において大よそ千五百億円ぐらい、合計二千億円ぐらいの超過負担がある、こういうふうにいわれておるわけですけれども、その中で指折りの超過負担のものが、保育所の措置費と保育所の建設費ですね。これは厚生省は御存じですか。
○松下政府委員 いま御指摘の保育所の措置費及び建設費につきまして、特に建設費につきまして、補助の単価が実情に合いませんために超過負担があることは承知いたしております。
○細谷分科員 いま四十七年度には保育所についてどういう補助基準額でどういう補助をなさろうとお考えになっていますか。
○松下政府委員 四十七年度の建設費の補助につきましては、現在予算で計上されておりますのは、社会福祉施設費全体のワクの予算でございまして、これをどのような基準で個々に補助いたすかということは、現在なお算定中でございますので、まだ申し上げる段階には至っておりませんが、例年、この建設費の補助単価につきましては、先生御指摘のように、かなり問題がございまして、急速に引き上げをはかってきたところでございまして、なお実額に達しない面がございますので、できるだけ実情に沿えるように引き上げたいということで努力をいたしております。
○細谷分科員 四十六年度の補助率は、国のものは二分の一ですね。そしてその国の半分に相当する、全体の四分の一というのが都道府県から、公立の保育所の場合、出るわけですね。問題は、頭打ちがあるでしょう。四十六年度はどうやっているのですか。
○松下政府委員 四十六年度の補助金につきましては、前年度より一つのタイプをきめまして、定員百二十人以下と百二十一人以上に分けて、それぞれ前年度の基準よりも、補助額につきまして百万円ずつ引き上げまして、百二十人以下のものについて二百五十万、百二十一人以上につきまして三百万という補助金を支出いたしております。
○細谷分科員 補助金ですか、補助基本額ですか。
○松下政府委員 国庫補助額でございます。
○細谷分科員 そうしますと、三百万出たとしますね。都道府県が百五十万出ますね。そうでしょう。合わせて四百五十万ですね。四百五十万で保育所できますか。土地も含めて、とてもじゃないが四百五十万じゃできないでしょう。どうですか。
○松下政府委員 御指摘のとおり従来の保育所の建設単価につきましては、各市町村から非常に保育所の建設の補助に対する御要望が多かったために、いわば一つの型にはめまして定額補助的な扱いをしてまいりまして、そういうことがかなり長く続いておりました関係で、確かに他の補助金に比べまして実額に対する補助率が低くなっているのは御指摘のとおりでございます。いまおっしゃいましたように、私どももこの額で十分な保育所の建設の手当てができておるとは考えておりません。この点は私どもといたしましても、できるだけ実額に近い形に早く引き上げてまいりたいと考えております。ただ、先生いま御指摘のありました土地につきましては、これは社会福祉施設全般を通じて補助の対象にいたしておりませんので、土地につきましては別に計算いたしておりません。
○細谷分科員 大臣、いま全国の保育所というのは、公立と私立で半々よりやや公立が多いという状態でしょうけれども、府県によって違うでしょうけれども、一番問題は保育所の建設。いま保育所というのはどんどん充実せにゃいかぬ。しかもことしの予算というのが、福祉予算だ、こういっているわけですけれども、とてもじゃないが四百五十万か五百万ぐらい補助をもらったって、一千万以上の——本来ならば、たてまえとしては四分の一程度を負担すればできるはずでありますけれども、国庫補助と県の補助の何倍かを市町村が出さなければ保育所が建たぬ。そしてできた保育所の運営にあたっては、少なくとも三割以上の継ぎ足しをやらなければ保育所を運営できない。こういう状況では、とてもじゃないが、保育所の整備充実なんというのは地方財政ではまかない切れるものではないと思うのですよ。ですから、今度の予算の性格が福祉予算ということに重点を置かれるならば、この保育所の予算については抜本約な、超過負担が起こらないような、そして保育所は十分需要に応じられるように供給する体制をつくらなければならぬと思うのでありますけれども、大臣、いかがでございましょうか。
○斎藤国務大臣 御説のように、ただいまの保育所に対する補助はもうほんの呼び水程度だと私は思っておりますので、そんな呼び水でも一体ほしいのかと言いたいぐらいなものだと私は思うわけでございますが、それにもかかわらず、保育所のわずかな呼び水をもらいたいという希望が非常に多くて、それさえも満足できないという状況でごいますので、したがって保育所のあり方、というものにつきましてはひとつ抜本的に、これは自治省の地方財政とも大きな関係があるわけであります。十分検討をいたしまして、ほんとうにあるべき姿に持ってまいりたい、かように考えます。
○細谷分科員 大臣、いまのおことばの中で、ほんとうに呼び水のような補助金を市町村が競い合ってもらっている。保育所を建てていく。これは非常に重要な点なんですね。それで、市町村がほしがるから呼び水でもいいだろうという補助を長い間続けてきたところに、私は問題があると思うのですよ。でありますからこの際、市町村のかつて怨嗟の的になっておったこの保育所の建設、そして措置、そういうものについては抜本的な対策を講じてやらなければならぬ、こう思います。大臣、いままでどんどん人気があって、ほしがっておったから呼び水でもやっておったのだ、こういうことでは済まされませんから、ひとつ積極的にこの問題に取り組んでいただきたい。大幅な予算の充実というのをやらなければ、これは福祉予算といっても笑われる、こういうふうに申し上げてよろしいかと思うのですよ。これはひとつお考えいただきたいと思うのです。 時間がありませんので、最後に一点お尋ねしたいのでありますけれども、今度の国会に厚生省のほうから食品衛生法の一部を改正する法律案が出されますね。その内容はどういうものなんですか。
○橋本(龍)主査代理 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○橋本(龍)主査代理 速記を始めて。
○細谷分科員 大臣、食品衛生法の改正の基本的な姿勢というのは、心配あるものについてはこれをやめさせる、こういう精神に立って法律を出そうとしておるわけでしょう。
○斎藤国務大臣 さようでございます。もうすでに提案をいたしておりまして、いま参議院で審議されようといたしております。
○細谷分科員 それに関連いたしまして、最近の新聞にかなりスペースをとっておりますスモン病等薬物による被害、これはスモン病についての結論が出ましたわけですが、これを厚生省としてはどういうふうに受け取っていらっしゃるのですか。
○斎藤国務大臣 受け取り方は、これは薬からきたわけでありますから、したがって薬のいわゆる副作用というものをもっと厳重にチェックしていかなければならない。いままで副作用がないと思っておったものが副作用が出てきたというようなことが、今度のスモン病の一番大きなあれだと思うわけでございますから、それにつきましては国内モニターの制度、また世界的なWHOのモニター制度に加入をして、そういったような徴候が少しでもあればすぐ対応のできる道を開くということがまず第一点であります。 第二点は、それによって出てきた患者の方々をどうするかという問題でありますが、その患者の方々の治療等につきましては何らかの方途を考えなければなるまい、かように考えて、いま対策を検討中でございます。
○細谷分科員 大臣は、このスモン病患者は公害病患者と同じ扱いをするという発言をなさっておりますね。これは確認できますか。
○斎藤国務大臣 同じ扱いというのではございませんが、いわゆる一種の公害病のようなものだから、それに準じた扱いをいたしたい、いわゆる何らかの程度で公費で見る必要があるだろう、かように私は言っておるわけであります。
○細谷分科員 いろいろお尋ねしたいことがあるのですが、このスモン病の原因だとほぼ確定いたしましたキノホルム、これはごく最近二年半ぐらいでほぼ原因が固まったわけですけれども、これはもうすでに、アメリカあたりではかなり前から、連用することは危険である、こういう警告が出されておったのではないですか、これはどうですか。
○斎藤国務大臣 そういう警告が出されておったということを最近に知った、こういうことでございます。
○細谷分科員 大臣は最近知ったと言うのですけれども、担当のほうでは全然知らなかったのですか。
○斎藤国務大臣 事務当局のほうでも、また日本のこのスモン病と取り組んでおられるようなお医者さんたちも、そういうようなことにはほとんど気づいておられなかったのではないか、私はかように思います。もうスモン病という形が出てからずいぶん年がたつわけでありますから、キノホルムの使用につきましても、一日の使用量は幾ら、それの連用は幾日間ぐらい、それ以上は連用してはいけないというのは、それはもうこちらでもきめておったわけでございます。
○武藤政府委員 ただいま先生がお話しのアメリカの話は、この事件が起きましてから私どもは知ったわけでございます。
○細谷分科員 そういうことになりますと、これは昭和十四年に日本薬局方に登載されたわけですね。それから数年後にアメリカでは、まあ大戦中でありますけれども、これはやはり警告が出ているわけですよ。これを厚生省は——これはまああなた方専門家ですから、これを知らぬということでは済まされぬ。と同時に、この問題についての検定なり副作用なり、そういうものについての厚生省としての把握が不十分であったのじゃないか。 もう一つは、この問題がかなり出て、一度このスモン病についての調査班を編成しながら、途中でやめてしまった。この辺の経過を見ますと、これは何といったって厚生省が許可しなければ薬にならないわけですから、その辺で、厚生省のこれに対処する態度というものがどうもなまぬるかった、したがって責任がある、こういうふうに申さなければならぬと思うのですが、いかがですか。 〔橋本(龍)主査代理退席、主査着席〕
○武藤政府委員 前段についてお答え申し上げます。 アメリカの情報でございますが、これは十日間飲んで、連用する場合はしばらく休んで、さらにこれを繰り返すということでございまして、一応途中で中止をするということがアメリカのほうの情報でございました。わが国のほうのキノホルムの局方の解説書によりましても、アメーバ赤痢等につきましてはこれと同じようなことが登載されておりましたけれども。 後段につきましては、公衆衛生局長からお答え申し上げます。
○滝沢政府委員 研究の中断の問題は確かに実はございますけれども、全然中断したわけではございませんで、国立病院の関係でもスモンの研究は続けておったわけでございます。で、この研究は、例のオリンピックの年に戸田病と一名言われまして、戸田町に発生いたしまして、三十七年、三十八年、三十九年、ほぼ三年で四十名の患者が出て終息をいたしましたり、各地に、北海道その他に出ておる状況から、学者の先生方が、やはり流行病の形をとっておるというような見解が当時有力でございまして、国立病院では研究を続けておりましたけれども、決して特段これは軽視していいとかあるいは——そういう意味ではなしに、先生方の御意見によって、国立病院で続けながら、この問題は一度中断したような形になっておりますけれども、その後問題が新たに提起され、各地に発生の問題が起こりまして、それで四十四年、五年、六年と、一億八千万の研究費を投入したわけでございます。 以上が研究の経過でございます。
○細谷分科員 まあいろいろ問題があると思うのですけれども、時間がありませんから……。 そこで、この間のスモン調査研究協議会の結論、これは大多数ということばが使われておって非常に問題があるわけですね。それから、いま五組ぐらい訴訟に入っておるわけですね、これは非常に問題があるのですよ。それでこの間、新聞によりますと、神戸の人がカルテを見せぬからというわけで、書き置きをして自殺をしているでしょう。こういうことになってまいりますと、一体これをどういうふうに救うのか、大多数というのは、八五%は間違いなくスモン病だと言っているのだけれども、一五%はわからぬ、これはぴしゃっとチェックをしていかなければならぬでしょうが、まあいろいろなファクターというものがあるでしょうけれども、むずかしい問題ですね。そういたしますと、大臣は公害病的な扱いをしたいというわけでありますから、何らかの権威のある客観的な、この患者を救ってやる、あなたはスモンだと認定をする機関というものが必要ではないか、これが大多数ということに関連をして、しかも神戸のああいう自殺という悲劇からいって、痛切に感じられる点です。 それからもう一つは、こういう形で、これは過失というのかあるいは無過失というのか、いま公害の無過失責任の問題がたいへん大きな懸案事項になっておるわけですけれども、たとえばサリドマイドにいたしましても、あるいはこのキノホルムにいたしましても、あるいはコラルジルにいたしましても、最近は大体この三つが中心になって問題が起こるわけですね、こういう問題について、これは最終約には厚生省が許可をして初めて局方に載る、製造できる、こういうことですけ乳ども、科学は日進月歩でありますから、そのときは安全だと思っても、十年したらそれが副作用が出たりあるいは催奇性があったという形で、いろいろ問題があると思うのです。そういう点において、今日の時代に対処するために薬事法等を何らかの、対応できるような改正をいたさなければならぬのじゃないか、こう私は思っております。こういう点についてひとつ大臣からお答えをいただきたいと思います。
○武藤政府委員 いま先生御指摘のように、薬の問題につきましては副作用があるわけでございますし、それからまたわからなかった場合もございますし、それからあとでいろいろいまお話しのような問題が出てきて、普通の食品とかあるいは公害の問題とは違った要素があるわけでございます。で、こういう副作用を擁する特殊の薬というものにおきますいろいろの事件につきまして、先ほど大臣からお話がありましたようないろいろ救済の問題だとかあるいはその他の問題につきましては、いま部内でいろいろ研究をやっております。非常にむずかしい問題でございますが、いろいろ部内で学者等も動員しまして研究をやっている、こういうことでございます。
○細谷分科員 私の具体的な質問に対して答えていないわけですよ。
○滝沢政府委員 先生前段のお尋ねの認定機関の問題でございますが、これにつきましては、大臣の御下命もございまして、公費負担ということを踏まえて検討しろということでございまして、われわれも、この認定機関という問題は、少なくとも公平にこういう問題を実施する以上、常識的にぜひとも必要である、こういうふうに考えておりますが、このスモン研究協議会の皆さん方がお定めになって、この実態をつかまれた診断基準というのがございます。この診断基準自身をこのスモン研究協議会の皆さん方がまだ検討する必要があるということは、やはり認定の中に境界領域と申しますか、診断していいかそうでないとすべきかという境目の問題等を踏まえて診断基準を検討すべきである、こういうふうな御意見もございますので、九千人あるいは一万人といわれるこの数字を中央一本で認定するとなりますと、作業としても相当のものでございます。このスモン研究協議会が各地に地方的な協議会をつくっております。こういう問題との関連も踏まえて、この研究協議会の皆さんの御意見もいれて、認定の問題の可能性、そういうような問題を詰める必要がございますので、そういうふうな方向で検討いたしたい、こういうふうに思っております。
○細谷分科員 時間が来ました。いずれにいたしましても、カルテは五年間保存ということですが、しかしスモン病というのは、五年過ぎてからやったら、もうカルテはありません、こうやられたらどうにもならぬわけで、これは基準を詰めなければならぬけれども、やはり権威ある方がそういう患者を救ってやるという意味において権威ある機関というものをつくらなければならぬ、こう思うのです。これはもう間違いなく、まあ裁判はとにかく製薬会社と厚生省を相手どってやっているでしょうけれども、これはやはり、これに対して許可を与えた国の責任はきわめて大きいと思うのですよ。きわめて大きいですけれども、これは過失であろうと無過失であろうと、最終的にはやはり製薬会社より国の責任が重いと思うのです。これは大臣、まあ裁判があるからなかなか言いにくいということでありましょうが、明らかにしていただかなければならぬ。サリドマイドもドイツでこれはとうとううやむやになってしまった、こういうことではいかぬですよ。キノホルムにいたしましても、あるいはコラルジルにいたしましても、その他いろいろあるわけですね。薬というのは反面見れば毒なんですから、これは非常に重要なことであります。しかし、催奇性があるというのはきわめて明確なんですから、これはやはり国の責任を明確にして対処していただかなければならぬと思うのですが、大臣いかがですか、これを最後にお聞きして終わります。
○斎藤国務大臣 そういう意味におきまして、公費で救済の方法を考えなければなるまいというのが、私はそういう意味でございますが、過失があるかないかというようなことよりも、とにかく国の政治責任という意味で患者の方々の救済をはからなければならないということでございます。 なお薬事法の改正云々のお話がございましたが、いま申し上げますような意味におきましては、先ほど申し上げましたように、現在の薬のいわゆる副作用というものをもっと厳格にやる、いま副作用の再調査をいたしておりますが、その再検討も大事なものから早く始めてまいりたい、そしてまた、副作用についての情報が一つでもあれば速急にそれに対して対処する道を開きたい、かように申し上げておきます。
○細谷分科員 最後に大臣、私は厚生省のこの辺の対応というのがどうも不十分だろうと思うのですよ。外国の文献等でどうも怪しい、こういう記事があったらそれを追跡して確認するということも必要でありましょうけれども、やはり外国の文献等でそういうものが出てきたら、これは早く製造中止なり販売中止なりをして、そして疑わしきものは取り消す、こういう基本的態度を即座にとっていただく必要があると思うのです。どうもその辺で、私は、きょうではありませんけれどもこの前にも、こういうものはあぶないのではないか、こういうものは化学構造上もあぶないぞというふうに指摘したものもあるんですけれども、これは依然としてそのままになっています。ですから、疑わしきものについてはこれはやめるという食品衛生法の精神をそこへ入れ込むのだそうですから、薬の場合にはいち早くそれをとっていただきたい。こういうことを強く要望して、お答えは不満足でありますけれども、時間が来ましたから終わっておきます。
○田中主査 寺前巖君。
○寺前分科員 この間お年寄りの問題について社会労働委員会で大臣の基本的な姿勢をお聞きしましたので、きょうは子供たちの中で一番不幸な位置にある養護の施設に入っている子供の問題について、大臣の基本的な姿勢をお聞きしたいというふうに思います。 私は最近この施設に入っている一年生の子供の作文を読みました。ちょっとその一節を読んでみたいと思います。「わたしのおかあさん」という題で書いてあるんですが、 わたしは、おかあさんの顔、形を覚えていません。どんなおかあさんか、いつも考えてみます。やさしいかな。つよいかな。いたずらしたらしかられるかな。どんなおかあさんでも、わたしはうれしいな。おかあさん、あいたいな。一度面会に来て下さい。面会のとき、人形とおかしをもって来て下さい。おかあさんにあったらなんといおうかな。「こんにちわ」かな。でもちょっと、はずかしいな。「ヘヘヘ…」と笑うかも知れない。そしたらおかあさんも笑うだろう。「ヘヘヘ…、けいこちゃん。大きくなったね。」とあたまをなでてくれるかも知れない。わたしは「うん」という。おかあさんに、早くあいたいな。わたしはおねえちゃんとおとうとのあきらと三人で待っています。あと続きますが、こういうような作文を読みました。 私はこの二日続きの連休に、児童の施設にも伺ってみました。ほんとうに親を求める子供というのは、それはすべての子供の共通した姿だと思うのです。したがって、施設というのはほんとうに親がわりの役割りを果たしてくれているというところに、私は大きな力があると思う。ところがいま全国で三万人あまりの子供たちがこれらの施設に入っているが、大部分は民間の施設です。ほんとうに社会的に、児童憲章じゃありませんが、保障してやらなければならない施設が民間の人の手によってつくられている。それじゃせめてお金の面からだけでも社会的に保障してやるということを考えてやらなければいけないのじゃないだろうか、私はそのことを強く感じました。 そこで、きょうはまず最初に、大臣は就任されて以来児童の施設に行かれたことがあるかどうか、このような養護施設にもしもお行きになったとしたら、行って感じられたことを最初に率直にお間きしたいと思うんです。
○斎藤国務大臣 私、大臣を拝命する前からも拝命いたしてからも、いろいろな施設は視察をいたしております。その感じは、いまおっしゃいますように、ほんとうにふしあわせなこういう子たちをしあわせにするのにはどうしたらいいか、これがあって初めて児童憲章にも沿い、また福祉国家にも沿うのだという感を深くいたしながら、その拡充に努力をいたしておるわけであります。
○寺前分科員 もう少し率直にお感じになった点を、どういう点を具体的に改善したいのかということをお聞きしたいと私は思うのです。ほんとうに貧しさが貧しさをまた再生産するということにならないように、この子らを育てるという責務があると思うのです。そこで私は率直に、私の感じた面から、大臣がどう改善されるのか、その点を聞きたいと思います。 私はまず行って、私の子供もそうだけれども、発育する上においておなかを減らすことなく育つのかどうか、このことは一番最初に私は心配になりましたので、施設へ行ってみてまず聞きました。一体、子供たちに何ぼの食料費でもって生活を送らせているんですか。聞いてみたら、今度は去年より十数円上がって、やっと二百五十三円という予算をこの国会で御審議いただいておりますと、こういうことです。ところが、二百五十三円ということではたして子供が育つことができるんだろうかというのは、いままであの施設の職員の手の問題もありますから、たとえば給食センターに一食頼んだら何ぼかかると聞いてみたら、百二十円かかる。残り何ぼも残らぬじゃないですか。中学生はお弁当を持っていかなきゃならない。朝御飯も食べさせなきゃならない。運動して帰ったら、三食どころで済まないものを食べさしてやらなければならないけれども、そういうことも手を打てない。ほんとうにこれで満足に中学生は生活を送ることができるのだろうか。その中から間食もやらなきゃならない。キャラメル一個にしたって、十四個入っているのが三十円でしょう。いま森永の、私きのう買うてみたら、ふにゃふにゃしたキャラメルですけれども三十円。ここから三十円引いたら、あと一体どういうふうにこの子供らに生活費としての食費を与えてやることができるんだろうか。ちょっと調べてみた。自衛隊に行く少年自衛隊のあの子供たちだったら何ぼの食費になっているのか、調べてみたら、彼らは三百三十八円やはり要る。児童の施設だから十八歳まで入る。そうしたら十八歳までの子供が、ことしの予算でいっても二百五十三円で、一体どういうふうに一日の食費の運営がきくんだろうか。発育盛りの子供にこんなことでいいんだろうか。しかも聞いてみたら、自衛隊は九・四%の食費のアップ率になっている。この子供たちのアップ率は五・九%。生活保護の面から見ても十何%アップになっているのに、なぜ養護施設の子供だけこんなに少ない食費めままでおいておくんだろうか。私はどこから見ても、この子供たちの発育のために緊急に食費は改善しなければならないと思うのですが、たとえば児童福祉の審議会あたりで検討したことがあるんだろうか。大臣、発育盛りの子供にこの金額でいま予算の要求しておられるけれども、これはほんとうに改善を要する金額じゃないでしょうか。私は事務的な話は聞きたくないと思いますよ。二百五十三円という金はどの程度のものかということは、大臣自身が自分の生活からわかると思うのです。私らがあの中央食堂、議員食堂で食事してごらんなさい、どれだけのお金が要るかということは見当つきますから。そうしたらこれは、緊急に再検討を必要とするものじゃないだろか。率直に私は、事務的な話じゃなくして大臣の見解を聞きたいと思います。
○斎藤国務大臣 あの金では、まだ私は低過ぎると率直に思います。今後もこれがもう少し増しますように努力をいたさなきゃならないと思います。
○寺前分科員 今後もじゃなくして、私は率直にこれは再検討してほしいと思いますよ、ほんとうに育てる立場から見て。 それじゃ次に聞いてみたいと思うのです。子供たちに小づかいが一体どれだけ渡るのだろうか。私も子供を持っています。子供が毎月何を買っているだろうかということを——最近私らの子供のときとちょっと常識違います。一つは何があるかというと、お互いに友だち同士の間でお誕生会というものをやるようになっています。親しい子供たちの間でお誕生会をやる。あるいは施設の中だってお誕生会というのをやっています。あるいはお別れ会というのをみんなでやります。うちの子供に聞いてみたら、たとえばうちの女の子だったら、ハンカチをお誕生日にお祝いだといって持っていってやったり、そういうことをしております。そこで、この施設の子供たちには、それじゃ小づかいは一体何ぼあるんだろうか調べてみたら、百円の小づかいを小学校の四年生からは渡している。今度はそれを小学校の一年生に予算としては下げたという、さあ百円でいけるものだろうか。うちの子供なんか見ておったら、たとえば中学生だったら、いま教科書が経過措置の移行期にあって、それで教科書にないことを新しく学校の先生が教える、そのために参考書がほしい。そこで中学一年とか中一とか何かそういうような本を買うてきて、付録に新しい制度に合致したところのものが載っている、これを見ながら勉強しております。施設の子供はそういう本をどうしているんだろうか。特別に施設にそういうものを買う本代があるのかといえばないという。ほとんどの子供が何らかの形で、中学生でも小学生でもそういう本を持っているのに、施設の子供には百円じゃそれは買うてやれないですよ。百円のこの小づかい、せめて社会生活、友だち同士一緒にやれるくらいの小づかいにしてやれぬものだろうか。せめて倍の二百円にしてごらんなさい、それだけでも社会生活がうんと変わると思う。私は、そう大きな金にならないと思いますよ。もう少しこの子供たちにも小づかい代の問題について考えてみることができないだろうか。あるいはまた、前にはなかったことですが、幼児には保育教材費というのがあります。四十円を今度六十円にする。さて一カ月その六十円の教材費で何が買えるんだろうか。ほんとうにほかの子供たちと区別のないように、親を失った子供たちが親を求めるというさきの作文じゃありませんけれども、求めているこの子供らに、せめて人さん並みのことをやってやれないものだろうか、ほんとうにそのところを考えてくれているんだろうか。児童福祉の審議会で、あるいは厚生省の皆さん方が、ほんとうにもうちょっとそういうことは考えられないだろうか。(「大蔵省が悪い」と呼ぶ者あり)大蔵省が悪いというんだったら、大蔵省が悪いと言ってもらったらいいんですよ。何としてもこれは今後改善します、はっきり子供たちの前に、ほんとうに斎藤厚生大臣は、これはたいへんなことじゃ、国際的にも児童憲章、全世界の人々が、貧しさが貧しさを生まないようにということを言っている。この願いにこたえるために、当然こういうことは改善しなければならぬというふうにお考えにならぬのかどうか。私は小づかいとか、あるいは幼児に対するこういうものを、これではたいへんだというふうにお考えにならぬのかどうか、ちょっと聞きたいと思うんです。
○斎藤国務大臣 保育材料費にいたしましても、御承知のように四十四年に初めて新設をした、しかもそれが二十円であった、その翌年に倍にして四十円、四十四年と四十五年。それで来年度はさらに五〇%増しの六十円ということで、ふえ方からいうと相当なふえ方をしておりますが、実額は知れたものでございます。それをもっとふやしてやる必要がある、こういうふうに思っております。
○寺前分科員 それはもうみんなもっともな話だということで、それはせなあかんと思われているんだろうと私は思いますよ。しかし、現実にこれでやっていけるのかということを私は率直に思いますね。たとえば諸費というのがあります。一日九十二円。これは光熱費で吹っ飛んでしまう。子供たちの被服代やら、一体どういうふうにするんだと瞬いたら、これは教育費の中からめんどうを見なければしょうがないと言う。何ぼもらうんだと言ったら、小学生は五百八円、中学生は千百八十三円、この教育費の中から被服代の問題も全部考えなければならぬと言う。教育費、服代は何ぼかかるんだと言ったら、これはたとえば中学生千百八十三円、年何ぼになりますか、一万五千円にもならないのじゃないですか。しかも、あの発育盛りの子供というのは、運動ぐつは毎月買うてやらなければならぬのです。運動ぐつと洋服を買うてみなさい。あと何が残るのです、この教育費の中で。これはまともな子供を育てる金と違いますぜ、ほんとのところ。しかも散髪はせんならぬ。せんかていいというわけにいきまへんやろ。散髪代でもこのごろは大きいですよ。何ぼかかります、ほんとのところ。毎月要りまっせ。ほんと言うたら、二十日に一ぺんぐらいさしてやりたいと思いますがな。毎月というわけにいかへん。しかし、毎月組んだとしても、くつ代と散髪代だけでばっと要ってしまう。くつ代やらその他の衣服代はどこから出てきますか、教育費の中で。これもちょっとや。やはり現実生活から見てもあまりにも非常識なお金じゃないだろうか。これを総合的に考えて、児童施設における子供たちのこれらの費用、こまかく分類しておられるけれども、全面的に再検討をしてもらうということが緊急に必要になっているというふうに思うのですが、大臣どう思いますか。
○斎藤国務大臣 いままでそれでやっておったということなんですが、しかしこれではいけないというので、四十七年度はいままでになくアップ率からいうと相当上げたわけでございます。それにいたしましても、いまおっしゃいますような感じはやはり残るわけでございますので、再検討と申しますか、とにかくもっともっと福祉予算にふさわしいものにしていく必要がある。本年はいままでになく相当上げたつもりでおりますが、しかしこれでも十分とは思っておりません。
○寺前分科員 そこで私は、もう一つ重大なことを発見したのです。高等学校に行かす気がないのか。高等学校に行くんだったら、教育費が要るでしょう。高等学校に行かす教育費が組んでないじゃないですか。いま日本の中学生の大部分の諸君たちは、ほんとに九割近くの子供たちは高等学校に行っていますよ。ところが、施設の子供たちが高等学校に行っている率は、定時制、全日制両方合わせて二三%余りですよ。施設の子供に限って高等学校に行く率が非常に少ない。しかも施設には高等学校に行かす教育費が組んでなかったら、一体だれがそのめんどうを見ますか。親のかわりになって子供を引き受けておきながら、高等学校へ行かす金も準備してなければ行けないじゃないですか。大臣、どうです。
○松下政府委員 養護施設等の児童の高校の進学につきましては、これは高校が現在義務教育になっておりません関係上、生活保護の家庭の場合と同様の取り扱いでございまして、その子供が、能力があって高校に進学することができる——しかも現在育英資金あるいは母子福祉資金の貸し付け等によります学費の援助も、公的にも相当行なえるようになっております。また親族等から、生活費までは出せないけれども、高校に行くのなら高校の学費ぐらいは出すというような人があるわけでございまして、そのような児童につきましては、施設におきます措置を継続いたしまして、生活のめんどうを見ながらそういう方法によって高校に行くようにするということは認めておる段階でございます。
○寺前分科員 私は大臣に聞きたいので、そんな事務的な話を言っているんじゃないのです。現に日本の子供たちの九割が高等学校に行っている。ところが、施設の子供に限っては二十何%や、定時制、全日制両方合わして。確かに高等学校に行ける条件は施設の子供にはない。ところが、その施設の子供たちが行きたいと言ったときに、それじゃ金の保障はあるのか。国家的に保障はない。それじゃ行くにも行けぬじゃないか。だから高等学校程度は、今日日本の圧倒的子供たちが行っているときに義務教育じゃなかったとしても、やはり子供を社会的に同じように扱ってやりたい。高校教育について、行くならばその授業料はめんどう見ましょう、教育費は見ましょう。しかも予算にしても、大体中学校を卒業するのは三千人くらいですから、毎月一人一万円見たって、一月三千万、年間にして三億六千万。いまの話は一万円見たとしてですよ。私は、ほんとうにできない相談じゃないと思うのですよ、金の面からいっても。問題は、一般社会の子供たちが高等学校へ行く時代になってきているときに、施設の子供に高等学校へ行く条件としての教育費くらい考えてみる必要があるんじゃないかということを言っているんですよ。大臣どうでしょう。
○斎藤国務大臣 私は詳しい数字の点はわきまえておりませんが、今日の一般の進学率から考えますると、施設の子供あるいは生活保護を受けている家庭の子供の進学率も、やはりそれに準じたように考えていくということが政治として必要であろう、かように考えます。
○寺前分科員 それじゃ、教育費を検討してもらうということについて、私は最後に、こういう施設の問題について最近厚生省の指導している問題で、これは矛盾があるんじゃない、だろうかという問題について指摘をしたいと思うのです。 それは養護施設の職員の配置の上において、児童の定員に対して職員の配置が行なわれていますね。これが一定の定員に対して八割に満たないところには定数を減らすという開差是正というのを去年厚生省でおやりになりましたね。私はこの考え方は非常に問題があると思うのです。というのは、山梨県の例なんですが、こういう話をこの間聞いたわけです。 山梨県には四つの児童の施設がある。そのうち三つまでは純然たる民間の施設で、一つだけ、この前までは県の施設だったのですか、それをいまではどこか福祉法人に委託をしてやっているというんですね。去年開差是差をやったときに、その一つの学園だけが、定数六十五であったものがその八割に減員——年間の平均値がその八割に満たないということで、定数を六十に減らされたというんだ。個別にこの施設に対して厚生省が定数をそういうふうに是正せい、暫定定数にせいということで指導しているというんですね。そうして去年の四月に定数を減らされた。ところが、三月か四月たつ間に、またたく間にその定数になってしまったというわけです。減らされた定数になってしまった。私の手元にある資料によると、山梨県でいうと一つの施設だけが八割に満たなかった。明生学園ですよ。それは定数六十五人の子供を収容することのできる建物であるにもかかわらず、定数を六十に減らしてしまった。その定数に満ちたのは、九月にはもう六十に満ちてしまった。ところが、県の相談所のほうに来る子供たちがふえてきて、その当時三十人くらいですか、子供が一ぱい来て、おまえさんのところでこの子供を引き取ってくれんじゃろかと言って、施設に頼み回ってここにも行った。そうしたらここの人が、それは私のところは部屋はございます、部屋はあるけれども、職員の定数を六十人に減らせいとこの間言ってこられて、今度子供がたくさんできたから持ってきて、そして定数をいままでにしてめんどう見いとは一体何たることじゃ、だから定数を戻してくれ、戻してくれたら、施設はあるんだからやりまっせ。それはもっともな話です。 ところが、それを言ったら、この間定数を是正したとろだからかっこう悪いさかいにということで、県のほうでも困ってしまう。相談所の友だちが長野県にだれか人がおるので、長野県のほうの友だちにおまえのところとってくれんやろか。そうしたら長野県のほうでは、それは知事さん名で持ってくるんだったらまた相談に応じましょうと言われて、こんな恥ずかしいことを知事さん名で隣の県に言えぬと言って、厚生省にも相談に行かれたそうです。 厚生省のほうでも、この間言うたところの定数をいまさら是正できぬということを言っておられたらしいけれども、何でそういうことをしなければならぬのか。児童の福祉施設というのは、現にそこにおる子供の定数に基づいてだけ職員を見ておったら、私はとんでもない間違いだと思います。そこで育った子供が大きくなってまたそこに相談に来る、そういう親子の関係に近いような状態にあるのです。余裕を持った人員配置をしておってあたりまえなんです。まして、現に開差是正をやってみたら、定数にまたたく間になってしまうという実態が生まれているように、いつ何どき子供が親の蒸発によって、親の死亡によって、親の諸条件によって入ってくるかわからぬ。いつでもおいでなさいというめんどうを見る体制があってこそあたりまえなんです。それを、開差是正や言うて定数を減らして職員を減らしておいて、そうしてメンツが立たぬからと言って、子供を結局施設に入れることができず、待機という状態が起こってしまう。いまや八十人ほど山梨県は待機があるそうです。 こういう話は、山梨県だけではないです。よそにおいても起こっているのです。私は、施設をもしもこういう扱いで見ているとするならば、たいへんな考え違いだと思います。現に、施設の現在の職員の数だけでも、ほんとうのところたいへん少ないのです。だから勤務時間の労働基準法違反になるようなことも一ぱい起こっているのです。しかし子供のためにみんな一生懸命働いているのです。 私はいまの、現実に配置している定数問題でも大きな問題なのに、開差是正なんというのはやめるべきだと思うのですよ。それぞれ余裕を持った仕事をやらすべきだ。大体、開差という問題を考えてごらんなさい。前には、いわゆる浮浪児といわれる段階のときに、一ぱい施設に子供が来たときには、定数よりもよけい入ったときには、児童定数に基づいて職員を配置しておいて職員を困らせおった。ところが今度は、定数よりも一年間の平均が低かったときには減員するんだと言って、今度はまた職員を困らしている。ところが今度、子供がたくさんでまた施設を必要としてくるというような状態が生まれてきたら、今度はメンツでもって定数を変えることができぬということで、年度途中はがっと一生懸命押えている。一体、子供を中心にして施設というのを考えているのかどうか。私は、現に起こっているこの開差是正をめぐっての問題点を考えるときに、ことしもまた開差是正の指導をされたそうだけれども、それよりもむしろこういう開差是正はやめて、積極的に職員の定数増あるいは措置費の面において、思い切ったことを考えるということが常道だと思うのだけれども、それについての見解を聞きたいと思います。
○松下政府委員 御指摘をいただきました点、まず指導が不十分でありましたことをおわびしなければならぬと思いますが、いま御指摘の開差是正の問題につきましては、内容をいま先生がお話しいただきましたとおりでございまして、同じ施設の中で非常に定員の少ないところと、定員にほとんど近い数だけ子供を入れておりますところとに対しまして、同じく定員分の措置費を支給するということになりますと、施設間の不均衡が相当大きな形で出てまいります。そういったことを考慮いたしまして、もちろん先生のお話のように、ある程度の余裕がございませんと、一人でも入れなければならぬときに、もう一ぱいであるということでも困りますので、相当のアローアンスを置いて考える必要がございますけれども、それにしてもその開差があまりにも大きい場合には、そういう均衡を保って効率的な公費の運用をいたします意味で、いまお話しのような形の開差の是正をいたしておるわけでございますが、これも前年度の毎月の平均をとりましての数でございまして、これらの考え方の前提としてはそう大きな収容児童の変動はない。また、全国的に見まして、そう大きな変動は全体的にはないわけでございます。ただ、いろいろな事情で、ただいま御指摘のような形で急速に収容者がふえる、あるいは前年度が特殊な事情で特に現員が少なくなったというような関係もございまして、そういうものにつきましては、県からの個々の相談によりましていつでも是正をいたす用意をいたしております。県にもそのように指導いたしております。にもかかわらず、厚生省に相談にこられたにもかかわらず厚生省でそれを認めなかったということでありますれば、これは私どもの責任でございますので、この点は責任をもちまして直ちに是正いたしますと同時に、各県に対しましてもそういった間違いのないように再度指導いたしたいと思います。 なお、今後の運用につきましては、やはりこういった施設の措置費のあり方全体につきまして、先ほどからいろいろと御指摘をいただいておりますそういった運用のしかたを含めまして、実際に施設の実情に合いますような形で無理のないような運用をいたしてまいりたい、かように考えております。
○寺前分科員 もう時間が来ましたのでやめますけれども、ほんとうに職員の現在の配置自身に非常に問題があると思うのです。少ないですよ。実際やり切れない状態なんです。たとえばきのう私が行ったところでも、施設を見てみましたら、勤務時間が朝の七時から十一時まで勤務して、そして中休みしてまた一時から五時半まで、全体として拘束したら八時間どころじゃないわけです。実際こういうようなことになっておるのですよ。 それから、まかないの面からいったら、もっとたいへんなことが起こるわけです。だから、そもそも施設の職員の定数問題というのは、私は大ざっぱに言っていまの倍くらいの体制がなかったらだめだという問題も検討してみなければならぬというふうに感じました。 それから、施設は子供の親がわりのところなんだから、いわば学校に行く子供は学校に行かしておるけれども、幼児の場合だったら保育所も兼任しておるようなものなんです。そういうような面から考えたら、定数の問題においてももう一段と検討してみる必要があるだろうというような、職員の定数上の不合理というのも非常に大きいのです。それからまた、職員の待遇の面から見ても、公立の施設と私立の施設の待遇の条件の違いというのは非常に大きいのです。どこから考えても不合理が非常に多いときに、個々の施設に対して開差是正云々ということはやめて、私はやはり施設に対しては、県の指導で全体的に子供の配置なんかも考えるんでしょう。だからそれを考えたら、個々の施設を、ここを開差是正をするのだとかいうような、直接指導するということ自身も私はおかしな話だと思います。全面的に県にまかすべきだというふうに思います。 いずれにしても私は、この問題についてもう一度検討し直して、ほんとうに子供たちがすこやかに育つように改善されんことを要望して、発言を終わります。
○田中主査 次回は、明二十二日午前十時より分科会を開会し、厚生省所管の質疑を続行いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後七時三十分散会