予算委員会第三分科会 第1号
- 発言数
- 241 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1972/03/18
会議録
○田中主査 これより予算委員会第三分科会を開会いたします。 私が第三分科会の主査としてつとめることになりましたので、よろしくお願いいたします。 本分科会は、昭和四十七年度一般会計予算中、経済企画庁、厚生省及び自治省所管、並びに昭和四十七年度特別会計予算中、厚生省及び自治省所管について審査を行なうことになっております。 本分科会の審査日程につきましては、お手元に配付いたしております日程表により審査を進めてまいりたいと存じます。御了承をお願い申し上げます。 昭和四十七年度一般会計予算及び昭和四十七年度特別会計予算中、厚生省所管を議題とし、説明を求めます。斎藤厚生大臣。
○斎藤国務大臣 昭和四十七年度厚生省所管一般会計及び特別会計予算案の概要について、御説明申し上げます。 昭和四十七年度厚生省所管一般会計予算の総額は、一兆五千九百七十五億五千六百七十四万四千円でありまして、これを補正後の昭和四十六年度予算一兆三千百七十億五千八百十九万円と比較いたしますと、二千八百四億九千八百五十五万四千円の増加となり、二一・三%の増加率を示しております。また、前年度当初予算に対しましては二三%の増加率となって、国家予算全体を上回る伸びと相なっております。 なお、国家予算総額に対する厚生省予算の比率は、一三・九%と相なっております。 申し上げるまでもなく、最近における社会、経済環境の新たな発展に即応した国民福祉の充実、向上は、緊要の課題であります。国民的合意ともいうべき福祉優先の考え方のもとに、その責任の重大さに思いをいたしまして、予算の確保に努力いたしたところでありますが、懸案の老人医療費の無料化の実現をはじめといたしまして、福祉年金の大幅改善、社会福祉施設や生活環境施設の整備等幾つかの見るべき成果があったものと考えております。 以下、この厚生省予算の重点事項につきまして、委員各位のお許しを得まして、説明を省略させていただきたいと存じます。 よろしく御審議のほどをお願い申し上げる次第でございます。
○田中主査 この際、おはかりいたします。 ただいま斎藤厚生大臣から申し出がありました厚生省所管関係予算の重点事項につきましては、その説明を省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中主査 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔斎藤国務大臣の説明を省略した部分〕 以下、主要な事項について順を追ってその概要を御説明申し上げます。 まず、第一は、生活保護費であります。 国民の最低生活を保障するための生活保護につきましては、生活扶助基準額を一四%引き上げ、一般の消費水準との格差を縮小することといたしたほか、教育扶助、葬祭扶助についても所要の改善をはかるなど、生活保護費として総額三千百億四千五百余万円を計上いたしており、前年度予算額に比し、五百九十五億五千九百余万円の増加となっております。 第二は、社会福祉費であります。 まず、老人福祉対策費でありますが、後で申し上げる老齢福祉年金の改善をはじめ、新たに七十歳以上の老人に対して医療費の自己負担部分を公費で肩がわりすることによりその無料化をはかることとしたほか、居宅老人対策としての家庭奉仕員事業の充実、老人クラブ活動助成等、生きがいある老後を実現するための諸施策を拡充強化するなど、所要の経費を計上いたしております。 次に、社会福祉施設の整備につきましては、百二十億円を計上し、昭和四十六年度に引き続き老人福祉施設、心身障害児(者)施設及び保育所等の緊急整備に重点を置いて計画的に推進することにいたしております。また、社会福祉施設に働く職員の給与の大幅な改善、職員の定数増等、施設の運営管理全般についてもその充実をはかることとし、所要の経費を計上いたしております。 心身に障害のある者の福祉につきましては、心身障害の発生防止のための特別研究費の増額、特別児童扶養手当の額の引き上げ及び支給対象範囲の拡大など、従前の施策を充実するとともに、新たに腎臓機能障害者、後天性心臓機能障害者の治療費を公費負担医療の対象とするほか、心身障害児に対する通園事業、集団療育事業の実施、重度身体障害者のための福祉工場、療護施設の開設等、各般の施策を強化するために所要の経費を計上いたしております。 これらもろもろの施策に必要な社会福祉費として、総額一千九百五十億四千七百余万円を計上いたしており、前年度予算に比し、四百四十七億四千六百余万円の増額となっております。 第三は、社会保険費であります。 まず、社会保険国庫負担金でありますが、厚生保険特別会計及び船員保険特別会計への繰り入れに必要な経費として一千九十二億百余万円を計上いたしております。このうち政府管掌健康保険につきましては、財政収支の均衡を実現するために、標準報酬の上下限の改定、保険料率の引き上げ、賞与についての特別保険料の徴収及び国庫補助の定率化等の措置を講ずることとして、給付費の五%相当の国庫補助額三百七十二億六千四百余万円を計上いたしております。 次に、国民年金国庫負担金でありますが、国民年金特別会計への繰り入れに必要な経費として二千二百十一億二千百余万円を計上いたしております。このうち福祉年金については、年金額を老齢福祉年金月額一千円、障害福祉年金月額一千六百円、母子及び準母子福祉年金月額一千四百円をそれぞれ増額するとともに、扶養義務者等所得制限の緩和、恩給等との併給制限の緩和など、これまでにない大幅な改善をはかることにいたしております。また拠出制国民年金についても、昨年の厚生年金の改善に準じ、障害年金等の年金額を一〇%引き上げることといたしております。 さらに、国民健康保険助成費につきましては、療養給付費補助金など四千八百九十一億五千九百余万円を計上いたしております。 また、本年一月発足いたしました児童手当制度につきましては、その平年度化に伴う経費として児童手当国庫負担金を百六十一億七千七百余万円計上いたしております。 以上申し上げました社会保険費の総額は八千三百八十三億四千八百余万円で、前年度予算に比し、一千四百五十六億六千八百余万円の増額となっております。 第四は、保健衛生対策費であります。 原爆障害対策費でありますが、被爆者の健康管理手当、医療手当について月額一千円の増額を行なうとともに、健康管理手当の年齢制限を五十五歳に引き下げ、また、被爆者養護ホームの増床、原爆病院の設備整備を行なうなど、百十五億四千九百余万円を計上いたしております。 また、従来から逐年努力してまいりました成人病予防、救急医療、僻地医療、看護婦等医療関係者の確保対策などに対する諸施策についても一層充実することといたしておりますほか、新たにモデル的な健康増進センターを設置して国民の健康増進を目ざすことにもいたしております。 このほか、結核対策費は五百五十五億二千三百余万円、精神衛生対策費は五百十一億七千百余万円を計上するなど、保健衛生対策費として総額一千八百十二億三千五百余万円を計上いたしており、前年度予算に比し、百五十五億三千九百余万円の増額となっております。 なお、社会的に強い要請のありますいわゆる難病対策といたしましては、スモン、べーチェット病等についての調査研究を積極的に行なうとともに、新たに腎不全対策を取り上げ、人工腎臓の整備、医療費の公費負担、専門技術者の養成を行なうほか、小児疾病として慢性腎炎・ネフローゼ、小児ぜんそく等の治療研究を行なうことにいたしておりまして、これらの経費として、三十四億三千余万円を計上いたしております。 第五は、遺族及び留守家族等援護関係費であります。 恩給の改正に準じて障害年金、遺族年金等の年金額の増額をはじめ、準軍属の年金額の是正、戦傷病者、戦没者等の妻に対する特別給付金及び戦没者等の遺族に対する特別弔慰金の対象範囲の拡大等を行なうほか、遺骨収集の実施、さらに、フィリッピンに慰霊碑を建設する経費など、遺族及び留守家族等援護関係費として総額三百二億一千百余万円を計上いたしており、前年度予算に比し、三十七億九千二百余万円の増額となっております。 第六は、生活環境施設整備費であります。 まず、廃棄物処理施設の整備でありますが、激増する廃棄物の適切な処理を行なうために八十二億三千百万円を計上いたしますとともに、新たに廃棄物処理施設緊急整備計画を策定し、計画的な整備を行なうことにいたしております。 次に、水道関係費でありますが、水源の確保、水道事業の広域化を促進する等のため八十七億四千四百万円を計上いたし、水不足の解消と水道経営の合理化をはかることとし、また、簡易水道の整備については五十八億四百万円を計上し、農山漁村の水道の普及をはかることといたしております。 これら生活環境施設整備費としては、総額二百二十七億七千九百万円を計上いたしており、前年度予算に比し七十六億四千四百余万円の増額となっております。 なお、消費者安全対策として食品及び医薬品の安全衛生のため、食品添加物、医薬品の総点検実施経費、食品衛生調査研究費等の増額、さらには家庭用品による危害の防止対策費など、所要の経費を計上いたしております。 このほか、最近社会的に問題となっておりますLSD、大麻等の向精神剤の乱用に対処するため、麻薬、幻覚剤対策を強化するため所要の経費を計上いたしております。 以上のほか、沖繩の本土復帰に伴う経費につきましては、本土並みの水準が確保出来るよう所要の予算を計上いたしております。 以上、昭和四十七年度厚生省所管一般会計予算の概要を御説明申し上げました。 次に、昭和四十七年度厚生省所管特別会計予算案の大要について、御説明申し上げます。 第一は、厚生保険特別会計についてであります。 一般会計から一千二百十九億七千九百六十八万六千円の繰り入れを行ない、各勘定の歳入歳出予算をそれぞれ計上いたしております。 第二は、船員保険特別会計についてであります。 一般会計から三十三億九千九百五十二万六千円の繰り入れを行ない、歳入七百三十二億三千六百二十二万二千円、歳出四百五十二億四百五十七万円を計上いたしております。 第三は、国立病院特別会計についてであります。 病院勘定は、一般会計から百十億八千三百五十二万一千円の繰り入れを行ない、歳入、歳出とも八百十九億五百九十五万七千円を計上いたしております。 療養所勘定については、一般会計から二百三十六億九千二百十万八千円の繰り入れを行ない、歳入、歳出とも七百四十一億二千三百四十四万二千円を計上いたしております。 第四は、あへん特別会計についてであります。 歳入、歳出とも十二億四千七百七万円を計上いたしております。 第五は、国民年金特別会計についてであります。 一般会計から二千二百十一億二千百三十万八千円の繰り入れを行ない、各勘定の歳入歳出予算をそれぞれ計上いたしております。 以上、昭和四十七年度の厚生省所管特別会計の予算案について、その概要を御説明申し上げました。 何とぞ、本予算案の成立につきましては、格別の御協力をお願いいたす次第であります。 —————————————
○田中主査 以上をもちまして、厚生省所管の説明は終わりました。 —————————————
○田中主査 この際、分科員各位に申し上げます。質疑の持ち時間は、一応本務員は一時間程度、兼務員もしくは交代して分科員となられた方には三十分程度にとどめ、議事進行に御協力賜わりますようお願い申し上げます。 なお、政府当局におかれましては、答弁はできる限り簡潔明瞭にお願い申し上げます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田邊誠君。
○田邊分科員 社会保障の充実強化が叫ばれておる中で、特に老人に対するところの諸政策は、その中の大きな柱として注目を浴びているわけでございます。私は、この老人問題については、常日ごろから、大臣あるいは政府当局に対して所信をただしてまいりましたから、きょうはその多くを省かせていただきますが、しかし、その基本になりますところの老人問題は、ただ単に救貧なりあるいはまた老後の生活あるいは健康に恵まれないお年寄りに対して恩恵を与えるという形ではなくて、長く社会のために貢献をしてまいりましたお年寄りに対して社会全体が責任を負う、こういう立場でなければならぬと思います。したがって、老人問題のいわば帰結するところは、国の責任においてこれが対策を講ずる。もちろん国自身がやることあるいは地方自治体がやること、それぞれ分野はありましょうけれども、最終的にはやはり社会全体、すなわち国がその責任を負うべきものである、このように考えますが、いかがでございましょうか。
○斎藤国務大臣 社会福祉全体につきまして、やはり国が最終的な責任を持ってやるべきものだ、かように考えます。もちろん、おっしゃいますように、県市町村等ももちろんでありますし、国民全体がそういった考え方に立ってもらわなければなりませんが、しかし、そういうようにしむけ、またそういう施策を推進をするという推進役なり最終の責任は、国である、かように考えます。ことに老人問題についてはおっしゃるとおりだ、かように考えます。
○田邊分科員 いま大臣の言われたとおりに、老人問題は、特に最近老人人口がふえてまいりまして、そのふえる率というのが諸外国に比べて日本は非常に大きい、早いテンポでふえているという実情でございまして、昭和八十年には二割をこえるところの老人人口が見込まれるわけでありますから、この対策についても、われわれとしては早急に、しかもかなりの見通しを立ててやらなければならない、こういうように思っておるわけであります。たとえば、老人ホーム等の施設の整備等については、ある程度年次計画もございますけれども、ただ単に施設の整備だけでなく、いま申し上げた老人問題の根幹に触れる各種の考え方、それから展望、ビジョンといったものを政府は立てるべき段階にきておるのじゃないかと私は思うのです。毎年毎年確かにいろんな施策を講じてまいりますし、予算も取りますけれども、しかし、この将来大きなウエートを占めるところの老人問題に対して、一体どういうビジョンを立てどういう一つの計画を立てるかということは、私は当然はからうべき施策ではないかと思うのでありまして、他にいろいろな五カ年計画、十カ年計画等もございます。新全総等、いろんな全体的な国の施策もありますけれども、私は、老人問題に対しても、ある程度年次的な一つの計画を立てるべきじゃないか、こういうように考えておるわけでありますけれども、この点いかがですか。
○斎藤国務大臣 お説のとおりに存じますが、老人問題と申しましても、厚生省の中でも所管するところがあちこちに分かれておるというような関係で、これをやはり統括してやらなければなりません。先般来から、老人問題に関するプロジェクトチームを設け、その展望をつくるべく努力をいたしておるわけでありますが、このたび老人問題にしぼって老人対策室等も設けて、いまおっしゃいますような方向で強力に推し進めてまいりたい、かように存じております。
○田邊分科員 プロジェクトチームをつくってやられるということも大いにけっこうでありますし、またいろいろの懇談会その他の学識経験者の意見を通じてそういった施策に入られることもけっこうでありますから、やはり一つの見通しといいましょうか、時期を立てて、これに対する計画を立案するというところまでまいらなければならぬと思うのであります。ちょうど老人医療の無料化問題等が論じられ、いわば医療の問題についての一つの足がかりができようというときでありますだけに、私は、これらの問題に対して早急の機会にそういったものを立てるべきではないか、こういうように考えておるのでございますけれども、その御用意はございますか。
○斎藤国務大臣 ただいまおっしゃいますような方向で進めてまいりたいといま協議中でございます。
○田邊分科員 いま私が申し上げたようないろいろな実は考え方、あとでちょっと申し上げまするけれども、一つは医療問題、一つは年金を中心とした生活保障の問題でありまするから、来年度、再来年度はいよいよ年金の再計算期にも当たるわけでございますので、これを考えますときには、少なくとも来年中くらいにはそういった面に対する一つの生活保障あるいはまた医療保障も、一つの足がかりを来年度つくるわけでありまするから、そういった点から計画の立案には一つの重要なポイントの年ではないかというふうに思うのでありまして、そういった面で問題を整理されて、これに対するところの一つの出発点にされてはどうかというふうに思いまするけれども、どうでしょうか。
○斎藤国務大臣 厚生省といたしましては、本年までは全く御承知のように医療問題と取り組んでまいりました。私自身も、就任以来、精力的に医療の問題、医療保険の問題と取り組んでまいりました。大きく申しますると、厚生省をあげまして、昨日趣旨説明を本会議でいたしましたあの財政対策、それからもう近日中に提案をいたしたいと思っております抜本対策、医療基本法、これに取り組んでまいりまして、これが一応一段階ということにさせていただければ、この国会終了後は、まず年金問題と取り組まなければならない。いまおっしゃいますような御趣旨に従いまして、老人問題を考えます場合にも、また一般の年金問題を考えますにも、この次の一番大きな問題は年金問題である、かように考えまして、そういう意味でも、ひとつ医療関係の問題は終止符をこの国会で打っていただくように、結論を出していただいて、そして今度はひとつ大いに年金問題と取り組ましていただくようにお願いいたしたい、かように思っております。
○田邊分科員 それではちょっと順序を変えまして、いま大臣からお話のありました年金の問題について、一、二だけお聞きしておきたいと思います。 医療と並んで重要な柱である年金の持つ意味というのが、軽々しく論じられておりまするけれども、厚生年金法によるところの生活安定と福祉の向上というが、一体それはどこを目ざすのかということについての尺度をひとつつけなければならぬと思うのです。そういった点から見ますると、いわゆる再計算期に当たりまする時期をねらって、いままでの歩み来たった年金の考え方から一歩前進いたしまして、もちろん額の大幅改定も必要であります、しかし、その積み立て方式なり固定的な年金の額というものも、物価の上昇等によるところのスライド制をひとつ実施するとか、また方式についても、賦課方式の問題等、いわば根幹に触れる問題についても検討しなければならぬ時期ではないかと私は思うのです。そういったいわば根本的な改革をこの次はひとつやるぞという御決意とそういった一つの腹がまえがなければ、私はこの年金問題について取り組んだとはいえないと思うのであります。福祉年金なりあるいはまた拠出制の国民年金なり厚生年金なりの額が幾らか上がったということだけでもって誇らしく国民にこれを宣伝することは、私はいかがかと思うのでありまして、そういったいわば根本的な改革について、ひとつ今度は考えるべきです。私は、大臣の決意を披瀝していただきたい、こういうふうに思うのですが、どうでございましょうか。
○斎藤国務大臣 私は、この次は年金問題だ、かように申し上げておりますのは、いまおっしゃいますような意味において考えておりますので、いままでの再計算期を取り上げて額を上げるとかなんとかというだけでなしに、いまおっしゃいました拠出年金については、積み立て方式、いまの方式のままでいいか、あるいは賦課方式を加味するというやり方がよろしいか、そういう根本に触れまして、直ちにスライド制という点にいかないにしても、そういった考えを踏まえてどうするか、拠出年金についてはさよう思いますし、また福祉年金は、額の問題もございます、また六十五歳から七十歳までの問題というような問題もありまして、それらすべて含めてひとつ根本的に考えあわせて、これなら当分日本の年金制度としてふさわしいのだというものを立てたい、こういう考え方におるわけでございます。これにつきましては、いろいろと方法に御議論もあると思います。いろいろ審議会その他の御意見、また国会の御意見等も伺って、できるなら次の通常国会においてそういうものを出せるようにいたしたい、かように思っておるわけでございます。
○田邊分科員 主計官お見えですから、これはあなたのほうでも相当な決意をしてもらなければ取り組めないと思うのです。いやしくもいわば内政の一番重要な柱となりつつある老後の所得保障、その中におけるいわば基幹的な役割りを果たす年金、これの大改革ということになれば、それは大蔵省当局も、財政のひもを締めるというようなことではなくて、この際思い切ってそれに呼応する体制をつくらなければおかしいと思うのです。もちろんいわば全体の所得の中でこれが占める割り合いは一体どうか、また振りかかってくる国民の税その他の負担は一体どうか、いろいろな実は考え方がありますけれども、ともかくもひとつこの問題については、あなたのほうで腹をくくってやるという御意向を私は確かめておかなければならぬと思うので、一言、言ってください。
○斎藤国務大臣 主計官の御答弁の前に、もう一つ私は申し上げておきたいと思いますが、私といたしましては、これは厚生省だけの考えでなくて、政府全体として、あるいは日本の国として、これからの福祉問題はまず年金を片づけなければならない、こういう政策で出発しなければなるまい、かように思っておりまして、政府全体もそういう気持ちになってもらうように努力をいたしまするし、またなるべきものである、かように私は強く決意をいたしております。このあと主計官の御答弁をいただきたいと思います。
○渡部説明員 年金問題が今後のわが国の社会保障の上で非常に大きな地位を占めるということは、私たちにおきましても異論のないところでございますし、したがいまして、財政当局といたしましても、厚生省当局が今後いろいろ各種審議会で御検討されるであろう年金問題につきましては、常に密接な関連、連絡を保ちつつ検討を進め、いろいろな問題につきまして、できる限り改善の方途を講じてまいりたい、かように考えております。いずれにいたしましても、この問題につきましては、今後各種審議会でいろいろ御議論があろうかと思います。われわれは、その結論が出、また厚生省当局からお話のありました段階で、その財政的な問題につきまして検討をいたしたいと考えております。
○田邊分科員 そこで実はいろいろと意見がありますけれども、これはいずれまた委員会でただすことにいたしまして、われわれ実は年金を非常にいままでなれておりますために、イージーゴーイングでものを考えてまいりました。たとえば遺族年金なりあるいは扶助料なり、これは共済の遺族給付もそうですが、被保険者なりあるいは年金受給者が死亡されますと、その遺族に充てられる年金というものは半分だ、それがあたりまえだというようないわば考え方であったのですが、私は、その生活の状態から見ますと、一人がなくなって、あと遺族というもの、これはもちろんいろいろと基本給、付加給付等がありますけれども、大ざっぱにいえば、いま言ったような常識なんですね。この常識自身も、少し考えなければならぬのではないか。百分の五十、扶助料における十分の五とかいう考え方自身がはたして正しいのかどうかということも、もう一度検討しなければいかぬのではないかというふうに私は思っておるわけなんです。これは実はいままでの概念を掘り起こすという意味で、私は一つだけ問題を提起するわけでありまして、これに類するもの、いままでわれわれの常識になっておって何もふしぎに思ってないことも、洗い直せばいろいろの問題があるわけですが、この遺族年金あるいは遺族給付等のいわゆる半額給付というような基本的な考え方というものは、これは一体正しいのかということを考えてみますと、いわば生活の安定、いまの生活の現状から見て、これはどうも考えなければいけないのではないかということを実は私は思っておるわけであります。このことだけについてもいろいろ審議会等の御意向もありましょうが、政府もひとつこの際これが基本的に正しいのだというような考え方から脱却をして、生活の状態等をにらみ合わせて、これに対する検討をされるということがしかるべきではないかと思いますけれども、いかがでしょう。大臣及び年金局長に承ります。
○斎藤国務大臣 遺族に対する本人の半額支給、これはいつのころよりかずっと定着している考え方でございますが、ただいまの御意見、この際一ぺん考え直してみるべきではないかという御意見も、ごもっともに思います。諸外国ではどういうふうになっているか、それらの点も調べ、またただいまの点をおろそかにしないように、このままでいいかどうかということは、検討の一つに加えます。
○田邊分科員 ひとつ問題を提起しておきまして、いろいろと検討をわずらわしたいと思います。 時間が限られておりますから、その次の問題に移ります。 老人問題は、いま申し上げた年金の改善あるいは医療対策、そして寝たきり老人、ひとり暮らし老人に対する対策、あるいはまた生きがいを与えるという意味からする就労の機会拡大、社会生活に対してこれをひとつ幅広く与えるというような問題、数多くありますけれども、施設の充実等が必要であると同時に、在宅老人に対するところの手当てというものは、これはいわばますます生活の根拠が若い人たちと別になっているという現在の核家族化の現象から見て、ないがしろにできない問題であります。もちろん特別養護老人ホーム等の施設もありますけれども、私は、実は老人福祉法ができた際に、いままでの老人ホームを四つに分けまして、新しく特別養護老人ホームというような形をつくってまいったのでありますけれども、そのときにも論議をしたのでありますが、一体この特別養護老人ホームというものがいいのか、あるいは寝たきり老人に対してやはり病院という観点でものをとらえたほうがいいのかということは、あらためて論議をしなければならないのではないかと思うのです。したがって、老人病院なりあるいは総合病院の一画に老人の病棟を設けるなり、何かそういった形というものをとられないと、特別養護老人ホームというものは少しく、隘路にぶつかっているのではないかと私は思うのでありまして、この点に対してはどのような御発想がございましょうか、お伺いしておきたいと思うのです。
○斎藤国務大臣 この点は確かに研究すべき問題だ、かように思います。これは私の個人的な意見でございますが、特別養護老人ホーム、それから病院、これが結合するという形が望ましいのではないだろうか。全部病院にしてしまうのではなくて、成人病、老人関係の専門病院、またそれに近い病院と距離的にも近くにやって、そして絶えず特別養護老人ホームに入っておられる老人の方々の病気に差しつかえがないというようにするのがいいのではなかろうかと、私個人ではただいま考えておりますが、これらも専門家の意見等も聞いて考えていきたいと思います。
○田邊分科員 一つは老人病院なりあるいはいま言った老人の病棟なり、それからリハビリテーションやいろいろな慰安施設あるいは運動施設等も含めたものも考えなくちゃならない。ですから、そういった特別養護老人ホーム的なものも、それから分化していくような形も必要かと私は思うのでありまして、それらも十分この際検討をわずらわしたいと思うのです。 在宅老人に対しては、私昨年来特に老人家庭奉仕員の充実強化を願ってきたのでありますが、きょうは時間がありませんから、社会局長に端的にお伺いしたいのでありまして、実は四十六年度の予算定員は六千三百人であります。現状はちょっとわかりませんが、昨年四月の現状でありますから、ちょっと年度の定員とは食い違っておりますけれども、私が役所からいただいたところの資料によりますと、五千八百七十六人が昨年四月現在の実数でございまして、必ずしも定員に満ちておらないのではないかと思うのですけれども、この原因は、私がいま質問をするよりも、もうおわかりのとおり、一つには身分が不安定であること、一つには給与が低いことということではないかと思うのでありまして、ことしは、四十七年度予算の中で、あなた方はまず六千三百人の定員を七千九百十八人に要求いたしました。給与は二万三千九百円を六万四千七百二十円に要求をいたしましたが、これがそれぞれ減額をされまして、数の上において百六十人、それから給与において約一万三千円ぐらいふえた、こういうところにとどまったのでありまして、これは給与の面でかなりよくなったというように見えますけれども、まだまだあなた方の要求の面から言えばよほど遠いのであります。私は、実はこの考え方というものが通らなかった——これは人数の点もありますけれども、給与の面でかなり大幅に増額した予算案ではあるといっても、厚生省の要求した六万四千何がしが通らなかったところには、基本的に私はこのホームヘルパーに対する考え方に対して、考え方の上において大蔵当局なり政府全体を説得できなかったのではないかと思うのです。ここに私は問題があろうと思うのでありまして、この現状を踏まえてみたときに、このホームヘルパーについては一体どうあるべきかという考え方を、きちんと私は定めなければいけないのじゃないかと思うのです。本来的にこれは地方自治体の職員としてやるという形になるべきではないかと思うのです。これは老人福祉法の十二条においても、そういうふうに書いてございません。しかし私は、問題がここまで進んでまいりまして、要請があります現状に照らしてみたときに、これは当然地方自治体の職員として定着させるというところまで来なければ、この目的を達成するわけにはいかないのじゃないかというふうに思うのですけれども、この点はどうですか。
○加藤政府委員 ホームヘルパーの問題でございますが、確かに先生御指摘のとおり、定員に対しまして現在の充足率約九三%ぐらいで、若干の欠員がございます。その原因は、もうすでに先生のおっしゃいましたとおりのような、特に給与が不十分であるということと身分的な問題、私どももそういうことで充足されてないのではないか、それから市町村といいますか、そういう地方公共団体の老人問題に取り組む姿勢の問題もあると思います。そういうことでまだ充足されてないという点があるわけでございますが、今後どうするかということにつきましては、これは私ども来年度予算要求の形で一応われわれの考え方をあらわしたわけでございますが、今度の給与の改善は確かに十分とは申せないと思います。しかし、アップ率が五五%でございます。根っこが非常に安いので、五五%程度ではたいしたことはないという見方もあるとは思いますけれども、しかし、給与につきまして五五%引き上げるということは、予算的な考え方からしますと、相当大幅な引き上げだと私どもは思います。予算要求からしますとそれははるかに下回っておりますけれども、要求と実際というものはまた相当かけ離れる場合もあるわけでございます。そういう意味で、われわれは今後も給与の改善には努力してまいりたいと思います。 それから勤務の状況、身分の問題でございます。確かに常勤か非常勤かの問題がございますが、これもできるだけ常勤化のほうに、そういう体制にもっていく。そのためにも、給与の改善はますます続けていかなければならないと思います。 それから身分の問題は、いまのところ約六三%が市町村、三七%程度が市町村社協ということになっております。これは先生おっしゃるように、身分の安定という点からいいますと、地方公共団体の職員になったほうが一番いいと思います。しかし、現在の老人家庭奉仕員の平約年齢が四十七歳ぐらいというような点もございます。したがって、現在の老人家庭奉仕員を全部市町村のほうへ受け入れていくということは、そういった年齢等の問題からいって必ずしもすぐには実現できないかもしれませんが、今後新しく老人家庭奉仕員になられる方、そういった人たちにつきましては、身分の安定という点からいうと、なるべく地方公務員になったほうがいいということは、確かに先生御指摘のとおりだと思います。
○田邊分科員 現状は私もかなり知っているつもりですから多く申しませんが、社会保険の適用の問題、期末手当の問題、あるいは被服支給の問題等、いわば市町村で上積みをしてやっているもの、あるいは便法をとっているもの、あるいは社協でもってそれに対していろいろな手当てを講じているものとあります。しかし確かに、地方公務員になるには、五十五歳以上になった場合の問題もありましょうし、年齢構成等から見て直ちにこれをすることはどうか、それから補助金から地方交付税に移らなければならぬという基本的な問題もございます。しかし、実はあなたのほうで社会局長通知として四十年の四月一日に出しましたものも、老人福祉法の改革と並んで考えなければいかぬのです。この十二条を受けての通知というのは、本来的に一貫した思想で流れてないのです。ですから、考え方をここでもって改めていくということが必要だろうと思うのです。これはいろいろとネックがあるということはいまお話しのとおりですが、この際ひとつ、この通知の中において、原則として常勤とするというけれども、これは市町村の職員にする、あるいは社協の職員であるなしにかかわらず、原則でなくて、老人家庭奉仕員というのは常勤であるというところまでいかなければ、あなたのほうでそういった考え方をきちんと出さなければ、いつまでたっても便法をとられて、抜け道をとられてしまうという形でありますから、この点は、ひとつこの原則をはずすという考え方に立って検討されたらどうですか。
○加藤政府委員 先生のそういう御意見もございますが、ただ、私ども考えますのは、いまの家庭奉仕員の勤務の実態を調べてみますと、一日五時間ぐらいな人から、長いのは九時間ぐらいということで、中にはパートタイマーとして老人家庭奉仕員をつとめたいという方々もあると思うのです。非常に希望者が多くなりまして、全員が常勤で定員がまかなえるというようなことになりましたときには、先生御指摘のような措置が適当かとも思いますけれども、いまのところはパートタイマー的な勤務を希望しているという者も相当おるわけでございますので、その推移を見きわめながら先生御指摘のような方向に努力してまいりたいと思います。
○田邊分科員 あなたはあまり実態をお知りにならぬからそういうことをおっしゃるのでありまして、それは分ければいいと思うのです。一体どこを希望しているか、調査をとってごらんなさい。そういうどころではなくなってきている。それはもう数年前の話です。実際には、もっと身分を確定してきちんと働きたい。しかもかなり労働しなければならぬ。中途はんぱなんですよ。老人に対する手当てだって、もう少し厚い手当てをしなければ、時間が来ればすぐ帰ってしまうというような状態では、しっかりした老人に対する手当てはできないということも踏まえて、数の問題もあり、身分の問題もありますので、いま私が言ったことに原則的には賛成のようでありますから、その方向に向かってさらに努力を続けてもらいたいということをお願いいたします。 時間が参りましたから、いずれまた機会を改めて質問をいたします。ありがとうございました。
○田中主査 瀬野栄次郎君。
○瀬野分科員 熊本県阿蘇郡の南郷谷を中心とした一帯に、骨腐病という原因不明と思われる風土病がございまして、現在たいへん心配をされております。これは骨がだんだん腐っていくような、激痛を覚える、からだの骨が変形して縮んだり、歯がぼろぼろとなってしまうような奇病でございまして、その病状は、軽症と重症とがございますが、重症にあっては、高熱が三十九度ないし四十度出ますし、全身の関節痛、筋肉痛を伴い、不眠、食欲不振、ときには悪寒を併発して、感冒その他、神経痛、リューマチと合併することもあるといわれております。 特に集中的に見られるのが、熊本県阿蘇郡高森町の色見という地区であります。これは阿蘇山の高岳、根子岳のふもとに当たりまして、ここは典型的な患者が現在三十五人もおりまして、精密な検査をすれば、同地区の三十五歳以上の男女八百八十四名のうちほとんど半数以上が同症状である、こういうふうにいわれておるわけでございます。このほか、阿蘇郡の蘇陽町、長陽村、白水村、久木野村等、潜在患者はかなりたくさんおりまして、この火山灰病ともいわれ、または骨腐病ともいわれる奇病、すなわち風土病の原因というものは、いろいろいま調査団等で調査をされておりまして、何であるかということを解明されつつありますが、地元民はたいへん不安におののいておる次第でございます。 こういったことから、厚生大臣は十分御承知だと思いますけれども、この風土病といわれる病気の原因等については、どのように承知しておられるか、その点を明らかにしていただきたいと思います。
○滝沢政府委員 先生のこの病気に対する御説明がございましたが、われわれのただいま承知している範囲も、全く先生のおっしゃるとおりのものでございます。 地方病の原因につきましては、イタイイタイ病がカドミウムということでございます。それから、カシンベックという、満州等にございまして、日本には、必ずしもまだ確定した意見はございませんけれども、一部地域的にあるという説もございますが、これは水の中に特定の有機物が存在することが原因であるといわれております。したがって、この骨腐病が火山灰病的な原因のものであるか、それからリューマチ等に見られるような、最近いわれておりますいわゆる膠原病、からだの中の結合織疾患ではないかというような、おもに二つの意見がございまして、この点につきましては、まだ決定的な原因の究明ができておらないわけでございます。
○瀬野分科員 全国的には、阿蘇山に限らず、九州でも雲仙、桜島、霧島もあるし、あるいは富士山、北海道、または磐梯山というように、いろいろ火山地帯がたくさんあるわけでありますが、こういった阿蘇に見られるような風土病、こういったものが全国的にほかにも例があるのかどうか、その点明らかにしていただきたいと思います。 〔主査退席、橋本(龍)主査代理着席〕
○滝沢政府委員 この点につきましては、われわれ現在承知している節囲では、阿蘇山地帯以外は、骨腐病と同様の疾患あるいは火山灰地帯特有の疾患というものは、現在承知いたしておりません。特に阿蘇の地帯でありながら、先生御指摘の色見地区の住民に特にこの病気が多い。この問題の解明も含めまして、地方病としては非常に特徴のあるものと理解いたしております。
○瀬野分科員 この病気の主因は、火山灰土を浸透してくるヨナの水、すなわちヨナ水といいますが、この水に原因があるということは、ほぼ間違いないといわれております。私も先月数回にわたって調査もいたしましたし、現に熊大でも調査、研究されておりますし、いずれ結論が出ると思いますけれども、現地の医師である小林博士も、まず間違いない、こういうふうに言っておるわけです。この南阿蘇地方の風土病の問題については、二日間で十三人の真性骨腐病患者が今回見つかったわけでありますけれども、その結果、いろいろ過去の経緯を調査してもらったのを聞きますと、ヨナ水を飲料水に使用して生じた骨の欠損等によるところの病気、こういうふうに見られておるわけであります。検診の二日目に、先日調査をしていただいたわけですが、高森町の色見の学校でも、十七人が検診を受けまして、そのうち九人が、血清あるいは血液検査などの結果から、結局患者であるということがわかったわけであります。現在百二十三人がこの色見地区でもはっきりしておりまして、住民の約一四%に当たるということで、これはたいへん心配される問題であります。これまで阿蘇の風土病調査を長年調査してまいりました小林常雄博士、この方が団長となって調査をされた一応の結論が出ているわけです。この小林団長は、これまでの住民の検診の結果から見て、この骨腐病の原因は火山灰、すなわちヨナの成分が溶け込んだヨナ水を飲料水としてきたことが、高冷地における過重な労働等にいろいろ関係しまして、そういったものが重なった上で出てくるいわゆる風土病である、大体こういう結論を出しておるわけであります。いずれ学術団の調査等もおやりになると思いますが、厚生省のほうではヨナ水が原因のほとんどであるというふうには解釈しておられないのか、その点はどういうふうに考えておられるか、さらにひとつお答えをいただきたいと思います。
○滝沢政府委員 このヨナ水という先生の現地のおことばでございますが、われわれは、小林先生の御見解も、弗素が主要な役割りをしているんじゃないか、こういう御見解のように承っておりますが、阿蘇の地帯が、弗素による斑状歯と申しまして、歯にいろいろ斑点が出てくる病気がございますが、この斑状歯地帯であるということはまず基本的にあるわけでございますが、なぜこの地区の住民の方にだけ出るかという問題と、それから医学的な一つの見解としては、季節農夫症と前からいわれておりまして、田植えの時期あるいは草刈りなどの激しい農作業のあとに、かぜでも引いたりあるいは神経痛など何かひっかかりがありますと、それがまた病気を繰り返し、だんだん年齢が高ずるにつれ、その繰り返しで重くなっていく、こういうふうに聞いておりますので、弗素というものが、熱を出すとかそういう関連の症状をあらわすことと、骨だけに何か影響があるということでしたら、これもかなり常識的に結びつきますが、労働問題とからむとはいいながら、いろいろの症状が必ずしも単一な物質によるものかどうかという点も含めまして、われわれとしてはこれはかなり大がかりな研究、調査をさらに続行する必要があるのじゃないか。しかしながら、この飲料水という問題は、確かに一つの大きなねらいの点であることは間違いないと思っております。
○瀬野分科員 厚生省としてもかなり大がかりな研究、調査を実施する必要がある、こういうふうにおっしゃっておられますが、本日は時間の制約もあるので、またいずれ他の委員会でいろいろお尋ねするとして、この対策でありますけれども、現にこの火山灰のヨナによるところの水が原因であるといわれる風土病にかかっておられる方たちはたくさんおられるし、事実苦しんでおられる方たちもたくさんおられるわけですが、これが御存じのように、阿賀野川のイタイイタイ病だとか水俣病あるいは四日市ぜんそくのように、加害者があって被害者があればはっきりするんですが、この場合にはいわゆる自然である火山が原因であるということで、いわゆる加害者が自然というようなことになっておるものですから、事実被害者は泣き寝入りみたいになって、たいへん困っているわけです。こういったことをひとつ含めまして、何とか対策を打たねばならないと思うのですが、いずれにしてもこれらの患者に対して、また潜在患者もたくさんおるわけですけれども、ひとつあたたかい対策の手を伸べていただきたいと思うのですが、どういうふうにお考えであるか、御見解をお聞かせいただきたいと思います。
○滝沢政府委員 この点につきましては、たいへん型どおりの答弁で恐縮でございますが、やはり原因の究明を当然急がなければならない問題でございます。それとその治療方法についての見解がまだ明らかでございませんが、たとえばイタイイタイ病の骨の障害がビタミンDをたくさん投与してかなりの効果をあげたというイタイイタイ病に対する治療効果の問題がございまして、この点も踏まえまして、治療を含めた研究の強化という点で、来年度難病対策等の一部といたしましてこれを検討いたしたい、こういうふうに考えております。
○瀬野分科員 現地の長年調査をした小林博士は、この予防対策としては、まず何といってもヨナ水を飲むな、こういったことを言っておりますし、かかったら過重な労働につかない、また栄養をとる、それからかぜとかリウマチにかからないように注意をしなければいけない、いわゆる併発、合併症等が起きる関係であるので、そういう注意をしておりますし、また消炎酵素剤を飲むということがたいへんきくんじゃないかというように、ほとんど結論的なことを言っておられます。そしてまた、その原因がヨナ水にあるというふうに言っておられます。なお、予防としては、今回の調査の結果等を見ましても、簡易水道の完備、労働環境の整備とかあるいは食生活の改善などということが、とりあえずの予防策として講ぜらるべきであるというふうに言われておりますし、ほうっておくと病気が進行することになるが、予防の手を打てばおそろしい病気ではない、こういうふうにも調査の結果が出ておるようでありますが、厚生省は十分これらを注意をしてひとつ対策を講じていただきたい、かように思うわけです。 そこで、大臣にこの件について一点お伺いしておきますが、厚生省としてもひとつ徹底した調査をして、住民に不安のないようにしていただきたい、こういうふうに思うのですが、大臣、どういうふうにお考えですか。
○斎藤国務大臣 ただいま局長がお答えをいたしておりますように、徹底的にその原因、治療方法あるいは予防対策というものを検討しなければならない、かように考えております。先ほど局長が申し上げましたように、難病、奇病対策の中の一つとして重点的にやってまいりたい、かように考えております。 同時に、伺いますと、どうも水が原因ではないだろうかという大体の判断が多いようだ。そこで私は考えますのに、それが決定的な原因だということを医学的に証明されなくても、そういう心配があるところこそ、簡易水道なり上水道を早く完備をする必要がある。前からそういうような病気がある、そういうように言われておるのに、なぜ簡易水道がまだないのか、ちょっと私はふしぎに思っておるくらいでございます。あるいは原水を引っぱってくるのに道がないとか技術的な問題があるのかもわかりませんが、技術的に可能でありますならば、おそらく町村当局も賛成をされて、簡易水道等の設置ということに踏み切られるんじゃないだろうか。そういうことであれば、厚生省といたしましては全面的に応援をいたしまして簡易水道のできるようにいたしたい、これがまず第一の問題ではなかろうか。その点については、十分いままでのいきさつなり現状を検討させたい、かように思います。
○瀬野分科員 大臣から、簡易水道にできるだけ協力していきたい、また現状その他を調査をしたいということでございましたので、ぜひそういうふうに積極的にお願いしたい、かように思います。 学校の子供の発育状況その他を見ましても、明らかにこれが原因であることはしろうとが見てもほぼ間違いない、こういうふうに思うわけです。私も数回現地を調査して、ほんとうに気の毒であると思っております。もちろん水道は一部にはできていますが、まだ経費の問題、地元負担等の問題でできませんので、これが全国的に火山地帯にあるとすれば、こういった簡易水道を引く特別な助成措置の立法化でもして、何か対策をしてやらなければならぬのじゃないか、かように思っているのですが、外輪山の外から水を持ってきた地帯は何でもないし、外から水を持ってくれば心配ない、こういうふうに思われるわけです。現に外輪山の中にいる牛馬も、長年ヨナがかかった草を食べたり水を飲んだりして狂い死にしたいきさつがございまして、過去にもそういった牛馬の埋葬等もあちこちに聞くわけでございます。そういったことで、畜産の上からもたいへん憂慮される問題で、また家畜を通して人体にこれが入ってくるとなるとたいへんなことでありますので、その点も究明しなければならぬ問題でありますが、家畜に対する水も、そういった特殊地帯は、簡易水道から給水をして飲ませるというようなこともやらなければならないと思っております。そういった面でひとつ厚生省当局もできるだけ早い機会に現地を調査し、住民が安心して生活できるように格段の御配慮をお願いしたい、重ねて要望申し上げておく次第であります。このことについては、別途、またこまかい問題、水道問題等を所管委員会を通じていろいろお話を持ちたいと思っておりますので、これだけにとどめまして、次の問題に入ります。 次は、ハンセン氏病の対策でありますが、明治四十二年に開設されたハンセン氏病の療養所というものは、すでに六十年を経過して、らい予防法によって家庭や肉親から引き裂かれて、社会的地位まで失って強制隔離された多くの入所者がおるということは、御承知のとおりであります。現在手も足も失って、あるいは目まで失っておられる重度の身体障害者がたくさんおられます。これらは、人権を無視されて、強制隔離と医療政策の犠牲者ということでいろいろ心配をされることでありますが、ハンセン氏病患者は、現在でも、その医療費または療養費が一般の病院または他の国立療養所に比較してたいへんに低い医療を受けておりますし、また施設も極度に老朽化して職員も少ないということで、生活、処遇全般がたいへん低い立場に置かれております。これは全国的にそうでありますけれども、特に熊本県の菊池郡合志町、ここには千四百五十一名の人が国立療養所菊池恵楓園におられるわけでございますが、これらの人たちの長年要望しておられますことは、病棟をぜひ鉄筋で新築していただきたい、こう言っておられるわけです。この恵楓園は、重症者及び合併症患者を収容して治療する病棟が大正年間に建てられた木造家屋でございまして、たいへん老朽化しております。もはや使用の限界にきておるのです。したがって、施設の状態を見ましても、また入園者の方たちも、数年来より更新の要求を強く厚生省にも陳情しておられるわけであります。そこで、ぜひひとつ必要ベッド数二百床の建築ができるように本年度は格段の推進をお願いしたい、かように思うわけです。いよいよ予算の配分の時期にあたりまして、どういうように厚生大臣お考えであるか。千四百五十一名、たくさんの方がおられる。隔離されて全然外にも出られない方もたくさんおられて、不自由をされております。ぜひひとつ早急な建設をお考えいただきたいと思います。その点、御見解を承りたいと思うのであります。
○松尾政府委員 らいの療養所のいろいろな内容改善につきましては、ただいま先生御指摘のようなことを十分踏まえて、私たちも内容の改善にかかりたい。特に、建物の問題以外に、いろいろな医薬品あるいは医療機械、こういったものにつきましても、四十七年度におきましては、さらに従来よりも増加をさせておるところでございます。 また、しばしば問題のございました拠出年金の一級相当額の患者給与金ということにつきましても、昨年の八千円からことしは一万円、七月以降は一万一千円というように、いわば一種の目標に到達をしたというところまでやってまいったわけでございます。 一番問題になりました建物の整備でございますけれども、これは御指摘のとおりたいへん古い建物でございます。また、だんだん患者さんが老齢化いたしまして、そういうことにより不自由の度合いというものも従来よりも強くなってきた、こういうことも十分踏まえていかなければならない。来年のらい関係の整備費も、実は前年の倍以上に予算を計上させていただいております。また菊池につきましては、重症病棟の鉄筋化ということについては、実は最初に手をつけたというようなことでございまして、ほかに比べればむしろ進んでいる状態でございますが、この予算の執行の段階におきまして、他の十一の施設もあるわけでございますけれども、それらとも十分勘案しながら、なるべく御期待に沿うように努力をしてまいりたいと思っております。
○瀬野分科員 そこで、さらに不自由者棟の四十八床の更新をぜひお願いしたいということと、またさらに恵楓園から、不自由者棟の暖房設備及び盲人とか弱視者、肢体不自由者の園内通路の舗装等について特に要請が出ておるのですが、これらについてもひとつ前向きに検討を願いたいと思うのですが、御意見をお伺いしたいと思います。
○松尾政府委員 先ほど申しましたように、特に不自由者というものがだんだんふえてくるという実態もございまして、予算の執行にあたってはそういう点を十分配慮してまいりたいと思います。 また、盲人の方々のために、たとえば盲導鈴のようなものを整備いたしまして、その音をたよりに歩けるという施設も年々整備をいたしておるわけでございますが、その中でも特に危険な道路というようなものがあればあやまちも起こるかと存じますので、それらも含めまして、不自由者対策として総合的にいろいろ配慮をさせていただきたい、かように思います。
○瀬野分科員 最後にもう一つお伺いしたいのでありますが、遺骨収集の問題についてこの機会にお尋ねをしておきます。 グアム島から二十八年ぶりに横井庄一さんが奇跡の生還をされたことに端を発しまして、三月四日の閣議で内閣総理大臣は今後の対策等いろいろと発言しておられます。それによって、遺骨収集の年次計画を四十七年度で打ち切らず、継続して行なう、二つ目には、従来の遺骨収集計画を再検討する、三つ目には、計画を立て直し、積極的な新しい計画により生存者の捜索、救出に力を入れる等、政府の新方針が決定しておるわけですが、海外における生存未帰還者の救出及び戦没者の遺骨収集等については、関係家族はもとより、全国民がその早期完結を切望しているところでございます。厚生省は、平和条約の発効後、海外に残留している生存未帰還者の調査、救出及び海外戦没者の遺骨の収集を実施してきたところでございますが、過去二十年間の政府による生存者の捜索並びに戦没者の遺骨収集作業は、政府のいわば片手間仕事で行なわれておったように思われますし、まだ完結を見ておりません。遺族、国民から不信を買っておるわけでございます。行政に対する不信は政治不信につながるおそれがあるわけでありますが、片手間仕事をやめて、人間性豊かないわゆる生存者の救出並びに遺骨の完全収集作業を行なってもらいたいわけです。 そこで若干お尋ねしますが、時間がございませんので、まず第一点は、情報の収集について他人まかせとか、こういったことをやめて、政府の調査団を各地に即時派遣し、この派遣団に遺族等の国民の代表を加えて行なうべきであると、かように思うわけですが、厚生当局のお考えをお聞きしたいのであります。
○中村(一)政府委員 遺骨に関しますところの情報の収集につきましては、従来から昭和二十八年以降政府といたしましてこの仕事をやっておりますので、これに関します情報は持っているわけでございますけれども、先生御指摘のとおりまだ十分でございませんので、これに関しまして、遺族あるいは戦友その他の方々からももっと積極的な遺骨の収集をやるべきであるという御意見がございます。私どもといたしましては、私どもの持っておりますところの資料に加えまして、外務省の在外公館あるいは在外商社、民間団体等の積極的な協力をお願いいたしまして、ここでまたあらためてそういう資料に基づいて練り直しまして、そして積極的な遺骨収集に乗り出したいということで、現在準備しておるところでございます。 〔橋本(竜)主査代理退席、主査着席〕
○瀬野分科員 従来の政府だけで行なうところの方針というものを変えて、国民代表とともに計画を練り直して、いわゆる計画、方針の決定を行なうために遺骨収集問題審議会というような、こういったものをひとつ設置して、いろいろと今後これを検討するというようなことが団体からも要望が強く出ておりますけれども、こういったことについてはどういうふうにお考えであるか、ひとつ御意見を承っておきたいのであります。
○中村(一)政府委員 御指摘のとおり、この問題の処理のために審議会等を設置するということも一つの方法かと考えるのでございますが、遺骨収集の問題につきましては、国会をはじめ遺族、戦友会、その他各方面からいろいろと御助言をいただいておる次第でございまして、私どもといたしましては、役所におきましていろいろのそういう御意見、情報等を取りまとめまして、そうして国民の御納得のいくような形におきましてこれを行ないたいといことで準備をいたしておるところでございまして、いまのところ、私どもといたしましては、このために特に審議会を設けるということは考えていないところでございます。
○瀬野分科員 最後に、大臣にひとつまとめてお伺いし、御所見を承りたいのですが、いわゆる遺骨収集は、国によってはいまさら終戦後二十六年を経て再び昔のいやな思い出を思い返したくないというようなことで、なかなか外交交渉上もたいへん困難な問題もあります。しかし、それらの国はごく少数であって、ほとんどの国が受け入れてくれると、かように思うわけです。もちろん赤十字社を通じてこれを行なう方法もありますし、いろいろ方法があるわけでありますが、特に今後南方各地、あるいはソ連、北朝鮮あるいは北方領土と、こういうふうにたくさんあるわけですけれども、遺骨収集の終わってないところを早く進行してもらいたいし、各国の協力を得るように積極的に相手国にひとつ働きかけてもらいたいし、また相手国が制約を加えるような場合があっても、厚生省と外務省と在外公館等の交渉によってひとつ積極的に進めてもらいたい、かように思うわけです。その点大臣はどのようにお考えであるか。 さらにもう一つは、沖繩がいよいよ五月十五日で復帰しますけれども、沖繩にもたくさん遺骨がある。いわゆる沖繩の遺骨を収集せずして沖繩の復帰があるか、こうわれわれは言いたいわけなんですが、沖繩の五月十五日のほんとうにおめでたい日に、まだ各地に、日本をこの平和な国にしてくれた陰においてそういった犠牲になった遺骨がたくさんあるわけです。こういった問題については、どういうようにお考えであるか。 もう一点は、収骨にあたっては、三カ年計画で完結しない場合に、引き続き年次計画を立てて延長すべきである、こういうふうに思うのです。ぜひこうしてもらいたいと思うのですが、この点についてもお伺いしたい。 時間の関係で、簡潔に三点について大臣から御見解を承って、質問を終わりたいと思います。
○斎藤国務大臣 先ほどお述べになりました閣議の際の総理の指示もあり、私どもも全くさようだと考えております。遺骨収集が終わらなければ戦後は終わらない、こういう思いを新たにして遺骨収集の案をただいま練り直しているわけでございます。ただいまおっしゃいましたいろいろな点を考慮に入れまして、最善の方法で、そして最も早い時期にこれが終わるように、しかしそれが三年たってもまだ残るところが外交関係その他であるというところがあれば、これは三年で打ち切るものではございません。どこまでも遺骨がまだ存在しているということがわかる限りは、早急にこれを収集したい、そういう考え方で、いませっかく精力的に案を練り直しているわけでございます。なお、沖繩が復帰をいたしますれば、われわれの責任になりますので、われわれの責任におきまして沖繩の遺骨収集は、これは外地ではなくなるわけでありますから、責任を持って一つの遺骨もないように収集をいたすつもりでおりますので、御了承いただきたいと思います。
○瀬野分科員 以上で質問を終わります。
○田中主査 上原康助君。
○上原分科員 私は、沖繩の本土復帰に伴っての社会保障制度の問題について、おもに大臣並びに関係当局にお尋ねをしたいと思います。 いよいよ五月十五日に沖繩の施政権が本土に返還されるわけですが、特にこの施政権返還が実現するにあたって、県民生活に直接あるいはまた間接に非常に関係のある、県民の関心の高い問題は、医療体制と社会福祉などの厚生関係の分野だといわれております。御承知のように、社会保障の分野は、本土に著しく立ちおくれている上に、制度面においても非常に異なった面あるいはおくれがございます。そこで特別措置法あるいはこれまでの厚生省の政策の中でも、三年ないし五年間で本土並みに沖繩の社会保障全般について引き上げていくというようなことが今日までいわれてきているわけですが、まず最初にお尋ねをしたい点は、復帰に伴って沖繩のおくれた社会保障、医療水準というものをどのように高めていく施策というものをお持ちなのか、ひとつ具体的にお示しをいただきたいと思います。
○斎藤国務大臣 おっしゃいますように、沖繩の社会福祉は全般的に非常におくれていると私も思っておりますので、これをできるだけ短期間に内地並みに引き上げたいと、かように考えております。その施策を一言で申し上げますことははなはだ困難でございますが、各施策についてそれぞれの計画の内容がございます。 医療の問題がまず一つの問題で、ただいまもおっしゃいましたが、これは医療関係の要員をどうして早く充足するかという問題でございます。要員の養成の問題、大学の問題、すべてこれは上原委員御承知のとおりだと思いますが、要員の養成の問題、それから内地から派遣をしてまず急場といいますか、本来の要員が確保できるまでは、内地からも必要な派遣もしなければならないというように考えておるわけでございます。また他の福祉施策、特殊婦人の保護の問題、あるいはまた麻薬の取り締まりの問題、老人対策の問題、乳幼児対策の問題、その他特殊疾病の問題、それぞれに応じまして短期間にあとう限り充実をしていく、一言で申せば、さように考えているわけでございます。
○上原分科員 大体いま概括的な御答弁ございましたが、中でも復帰後の医療保険、いわゆる健康保険の問題が、現地においていま非常に問題になっております。沖繩の場合は制度も異なっておりますし、また大臣も御案内のように、本土並みにするということに医師会なりあるいは現地でも異なった意見等もございまして、なかなかめどが立たない。これに対して政府としては、復帰も間近に控えている段階で、本土並みの健康保険制度に包括をしていくのにどういう準備を進めておられるのか、また沖繩で異なった制度というのがある現在において、本土と一元化していく上に支障を来たすような問題がないのかどうか、その点について御説明をいただきたいと思います。
○斎藤国務大臣 沖繩の医療保険につきましては、上原委員御承知のように、被用者保険については解決をしておりまして、これは復帰と同時に本土並みにやってまいりたい。 問題は、国民健康保険の問題であろうというふうに考えます。国民健康保険の問題につきましても、本土並みにということで事前に沖繩の政府といろいろ事務的に連絡をとって準備をいたしておりましたが、これが沖繩の議会でいれるところとならず、今日に至ってもまだめどがつかないというので、私としても非常に困っているわけでございます。沖繩の国民健康保険をどうするかという問題、医療保険をどうするかという問題は、沖繩の実情に即して、そして沖繩の方々が、これがいい、これでやろうというようにやっていただきませんと、こちらから押しつけても、これが行なわれないということでは何ともならない。したがって、復帰までにはぜひその骨格でもきめてもらいたい。沖繩の立法院とそれから沖繩の政府と話し合って、これでいこうというものを早くきめてもらいたいといって、いまいろいろと督促、助言をいたしておるのでありますが、まだその気配が見えないのは非常に残念に思っております。これは沖繩の県民のために行なうものでございますから、沖繩のためにいいという案であれば、そういう方向の特例を設けてもよろしい、実情に合うような特例を設けてもよろしい、かようにまで言っておるわけでございますので、上原先生もそういう意味でひとつ御指導をいただきたい、かように思います。
○上原分科員 そうしますと、いまのお答えでは、現地の何らかの意見一致が見られた場合には、それを尊重なさる、その過程で本土の国民健康保険に一元化できない場合は、暫定的な特別措置を設けるお考えもあるということですか。
○斎藤国務大臣 沖繩の立法院と政府で意見が一致をすれば、そういった暫定的なやり方も考える、特例も考える、かように考えております。
○上原分科員 ただ、その場合に被保険者の立場からしますと、沖繩の場合、現在いわゆる現物給付でないわけですね。そういう意味で、やはり本土のように現物給付にすべきだというのが大多数の要求でもあるということも御配慮の上で、この問題については、政府の指導、助言というものもやっていただかないと、ことばはまずいかもしれませんが、医師会なりあるいは一部の現物給付移行に反対をする方々の立場に立ってのみ、復帰後の国民健康保険というものをお考えになってはいかないと思うのです。その点についてはどうなんですか。
○斎藤国務大臣 現物給付は、これはもう本土の原則でございます。当初は、国保も本土の原則に従ってというように助言をいたしておったわけでございます。その中の給付のやり方、現物給付か償還制か、これもできるだけやはり本土の制度と同じような行き方でやってもらうことが望ましい、かように思っております。そういう方向に医師会も同調せられることを、私のほうとしては望んでおります。
○上原分科員 ぜひ現物給付制度が早急に確立できる方向で沖繩の国民健康保険制度というものを本土水準に引き上げるように、一そうの御努力をお願いしたいと思うのです。 そこであと一点、これは確かめておきたいのですが、現在、沖繩の年金なりあるいは各種保険の余裕金、積み立て金というのがかなりございます。これについて、本土の制度と一元化された場合に、この積み立て金なり余裕金というものの取り扱いはどうなるのか。いろいろ複雑な問題等もあろうかと思うのですが、政府のお考えだけを賜わっておきたいと思うのです。
○斎藤国務大臣 いままでの積み立て金につきましては、沖繩の医療に役立つように使ってもらうという方針だと私は了解しておりますが、詳細な点は政府委員から答弁させます。
○渡部説明員 沖繩の医療保険の積み立て金につきましては、先ほど厚生大臣からお話がございましたように、これは沖繩の医療施設の充実に使っていただくということで、本土の厚生保険特別会計の積み立て金に引き継がない、沖繩県に帰属せしめるという方針でございます。
○上原分科員 ちょっと立ち入るようであれですが、医療施設の充実に役立てるようにしたいという場合に、具体的にはどういう施設等という御計画まであるのか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○渡部説明員 まだ内容につきまして具体的に計画を持っておるわけではございません。これは沖繩県に帰属することになりますので、復帰後の沖繩県出局にいろいろこちらから御助言を申し上げて、沖繩県で計画をつくっていただいてやっていただく、かようになろうと思います。
○上原分科員 いずれにいたしましても、余裕金、積み立て金については、本土の制度に吸収しない方向で沖繩の医療施設設備が充実をされていく方向に役立てたいということが、政府のお立場と受け取ってよろしゅうございますか。
○斎藤国務大臣 さようでございます。
○上原分科員 次に、先ほど最初の大臣の御回答にもあったわけですが、沖繩の医師不足、あるいは医療業務に携わっている人員の不足というのは、説明するまでもないと思うのです。特に准看護婦養成所の継続という問題というのも、現地から強い要望が出されていると思うのですが、そういった准看護婦制を復帰後も、暫定になるかもしれませんが、一定期間継続をしていく、沖繩の法律に基づいてなされているものについては、沖繩のそういった事情を考慮の上で継続していくというお考えがあるかどうか、お尋ねをしておきたいと思います。
○松尾政府委員 ただいま御指摘の准看は、いわゆる沖繩におきまして臨時准看養成所という形のものを発足させておる問題かと思います。これは当然、先ほど御指摘のように要員不足の段階でございますので、その制度が一応沖繩県で認めておりました期限、その範囲内だけは全部特例で認めることにいたしております。それからなお、その卒業された方々は、沖繩県に限っては准看として働いて差しつかえございません。 なお、しかし、准看制度といたしましては、本土との間に教育課程等に差がございますので、その方々については、やはり一定の講習会というものを計画をいたしました上、その方々がいわゆる本土並みの資格を得るチャンスを与える、こういうふうなことで継続をさせる方針でございます。
○上原分科員 これとの関連にもなろうかと思うのですが、さらに沖繩の法令に基づいて設置をされておりますあんま師あるいはマッサージ師、指圧師、はり、きゅう師等の養成所についても、暫定期間を設けて該当者の生活権の問題、あるいは営業を認めてもらいたいという強い要望もあると思うのですが、これについても、そういう方向で暫定的な措置をおとりになる御方針があるかどうか、あわせてお尋ねをしておきたいと思います。
○松尾政府委員 結論的に、いろいろな職種がございますけれども、一括いたしまして、ただいま先生の御指摘のとおりのことになるわけでございます。たとえば、具体的に申し上げれば、独特のものとして医介輔、歯科介輔というのがございます。これも、その方々がおられる限り、沖繩県におきましてはその業務を継続することができるというような取り計らいをいたしておりますが、その他あんま師、はり、きゅう師等につきましても、全く同様の考え方で措置をいたしております。
○上原分科員 次にお尋ねしたいのは、これは通貨問題とも関係をするわけですが、現に年金を受けている方々の復帰後の年金受給額というのが、現在沖繩の法令できめられているのは、ドルで額がきまっております。もちろん円建てのものもあると思うのですが、これについて、一ドル対三百六十円ということは、厚生省段階だけのことではないかもしれませんが、どう読みかえるなり措置をとるお考えなのか、またこういう問題について御検討なされているのかどうか、お聞きをしておきたいと思います。
○斎藤国務大臣 ただいまの問題は、厚生省だけの問題ではございませんし、特に大蔵省、関係各省の問題であり、厚生省の特殊性を主張するものはない、かように考えておりますので、政府の決定通りに従ってまいりたい、かように思います。
○上原分科員 特に年金受給者のことでございますので、政府の決定に従うということになりますと、実勢レートなりあるいは一ドル対三百六十円の読みかえというものができなくなる懸念もございますので、この点につきましては、ぜひ前向きに厚生省としても御検討をいただいて、該当者の要望に沿えるように一そうの御配慮を強く要望しておきたいと思います。 次にお尋ねしたいのは、先ほども御回答がございましたが、特殊婦人対策の問題、これはもちろん厚生省だけのことではないと考えますが、残念ながら沖繩の現在の状況は、社会的にたいへんいろいろな弊害がございまして、そういう事情での特殊婦人対策が急務の問題になっております。もちろん売春防止法も制定をされまして、琉政あるいは現地としてもいろいろ対策はとっているわけですが、しかし、復帰後、特殊婦人のいわゆる更生保護というものを積極的に進めていかなければ、私は社会環境あるいは教育上の問題としてもゆゆしい社会問題だと思いますので、このことについて、四十七年度の予算でもある程度計上されて、政府として取り組んでいかれる姿勢もあるわけですが、まだまだ不十分な予算の計上あるいは施策の面があると思いますので、ぜひこれに対して積極的に解決をしていくという御見解なり、また方針というものを明らかにしていただきたいと思うのです。
○斎藤国務大臣 四十七年度予算におきましては、可能な限りと考えて予算を計上いたしましたが、現地の実情に即応いたしまして、私は、この特殊婦人対策、麻薬対策、これは一連のものでもあり、また非常に大事な問題である、かように考えまするので、今後一そう努力をいたしたい、かように考えます。また、現地の実情に応じた御意見をそのつどお聞かせをいただければありがたいと思います。
○上原分科員 この件は、単に売春防止法を施行するというだけでは解決できない問題でありまして、特に私たちが懸念をするのは、復帰後の経済不況あるいは就職の不安定等というものとの関連においても、ますます対策は困難を予想される面があるわけです。したがって、更生保護施設と、さらに職業転換の方途も加えて、労働省なりあるいは警察当局とも関係があると思うのですが、そういう面ともタイアップをして積極的にその対策を打ち出していただきたいと思います。 時間がございませんので、項目だけお聞きしてたいへん失礼ですが、さらにハンセン氏病対策の件で、これは私は前にもお尋ねをしたことがございますが、また新年度予算においても、ハンセン氏病者の保護更生の面で予算化もされているわけですが、医師の派遣問題、南静園に対しての院長派遣の問題が、まだめどが立っていないと思うのです。国立療養所にするということじゃなくて、内部の医療部門を充実せしめていく上で、もっと積極的にこの問題を早急に解決をしていただきたいと思います。現段階で、そういった面どういうふうになっているか。
○松尾政府委員 らいの療養所二カ所を国立に移管するわけでございますが、私どももやはり一番頭を痛めておりますのは、その専門医師の確保という問題でございます。これは率直に申し上げまして、本土内におきましても十分というほどの志願者がいるわけではございませんが、私どもは、やはり一体となりまして、この国立の施設が——向こう側に行っていただく、こういう人々の人選につきましていろいろといま進めておるところでございまして、いわば非常に長くそこにおられるということが不可能であっても、たとえば交代で派遣をしてそこで診療に従事する、そういうような形で十分確保したい、こういう方針で進めております。
○上原分科員 南静園の院長派遣の問題につきましても、まだめどは立っていないわけですか。もちろん、いま御説明がありますように、そういった医師確保というのは、特殊な事情である関係上、たいへん困難な面もあろうかと思うのですが、相当長期にわたって専門医が派遣されていないという実情なんですね。そういう面で、何か、政府の御努力はいただいておるとは思うのですが、この件に対する積極的な姿勢といいますか、そういう面が欠けているのじゃないかというような気もするのです。そういう面で、ぜひ早急に最小限度の医師の確保というものをやっていただくように要望しておきたいと思うのです。 あと一点、沖繩の盲人の関係者の障害福祉年金を——これは年金関係者かいらしてないということでたいへん恐縮ですが、お尋ねしておきたいのですが、本土並みに遡求措置をしてもらいたいという要望が出されておりますし、御承知のように、本土においては昭和三十四年十一月に法が施行されて、沖繩の場合四十四年の七月に施行され、十年のブランクがあるわけですね。七百名の方々が該当者ですが、その間ぜひ本土並みに遡求をしてもらいたい。これについては、まだ結論が出されてないと思うのです。特に盲人関係者でありますし、ぜひとも本土並みの遡求制度というものを実施をしていただきたい。また、どういうお考えでこの問題に対処しておられるのか、聞かせていただきたいと思います。
○斎藤国務大臣 盲人の福祉年金の問題は非常にむずかしいと聞いておりますが、ただいまの御要望もございますから、よく事情を聞いてみまして、できるだけ御趣旨に沿うようにいたしたいと思いますが、なかなか何か法制上もむずかしい点があるようであります。その点を十分きわめたいと思っております。
○上原分科員 時間がまいりましたので、ざっと触れましたが、そのほか軍関係労務者の健保管掌の問題等もまだめどが立っておりませんし、最初に申し上げましたように、おくれた沖繩の社会福祉、医療水準というものをどう本土並みに早急に格差をなくしていくかということはきわめて大事なことでありますし、復帰をするということで、おくれた社会保障制度というものを一日も早く本土並みに持っていかれる、そして制度的にもぜひ充実したものにしていただくように強く要望いたしまして、私の質問を終えたいと思います。
○田中主査 小林進君。
○小林(進)分科員 厚生大臣にお伺いいたしますけれども、厚生省は、どうもわれわれ国会議員に対して食言というか、その場その場の言いのがれの話があって困りますね。第一の問題といたしましては、やはり政管保険の問題ですけれども、内容の問題は別といたしまして、去年の三月十九日、これはいまの改正案と同じような一部改正案が出ておるのだが、その中に、わが党の田邊君が、医療保険の抜本改正に対する公約を再三にわたって実行できなかった佐藤内閣の政治責任はどうだということに対して、医療制度全般の抜本改正についての意見を求められました。「今回の改正は」——政管保険の改正です。社会保険の改正は「抜本改正の第一着手として行なわれるものであり、今後改革していくべき問題が多いことは御指摘のとおりであります。」こう言って、同じものを出して、抜本改正の第一歩だという今度の改正に対しては、あなたはきのうの本会議で、いや、抜本改正とこれは全然関係がないのだという答弁をしておられる。同じものを出して、そして右と言ってみたり左と言ってみたり、これではとてもわれわれはたまらない。一体どこに政府の真意があるのか。人を小ばかにするのもほどほどにしなさい。
○斎藤国務大臣 きのうの本会議でも申し上げましたように、抜本改正と財政対策と一つのものにして出せば、そういう御非難はなかったであろうと思います。私は、やはり本来は一つにして御提案をすべきものであろう、かように考えたわけでございます。しかし、諸般関係の方面との協議手続等で、抜本のほうは若干おくれましたので、そこで二つに分かれたわけであります。そうしてもう一つの理由は、抜本改正は政府管掌保険の赤字対策のためにやるのではないということをはっきり踏み切りたい。そう踏み切りますると、政管健保の財政対策と抜本改正というものは二つに割り切れる。むしろ抜本改正を出して、これは抜本というけれども、やはり政管の赤字対策じゃないかと見られるおそれもあるという点も考えたわけでございます。昨年国会に提案をいたしましたのは、その当時は私担当しておりませんでしたけれども、当時のあれといたしましては、それは抜本改正への入り口であるというような説明でございました。入り口であるという意味は、これをやって、そうしてその上に立って抜本改正をはっきりやりたい。それが時期的にいつかということが明示されなかったというのが、私は、最も御批判を買った点であろうと存じます。したがって、私は、これは間髪を入れず抜本改正の提案をいたすべきである。できるなら、二本立てであっても、同時に出すべきである。抜本改正の施行は四十八年度でありませんと、いろいろと事務手続に時日を要しますので、時期といたしましては一年ずれる。しかしながら、こういう改正を四十八印からやるということをはっきりいまの段階できめていただいて、そして政管の財政対策は一日もゆるがせにできないというので、本年の四月一日から実施。施行は一年食い違いまするけれども、しかし、内容は一そろえにしてお出しをいたしたい。先ほども申しましたように、できたら一週間以内に抜本改正を提案いたしたい、こう思っておりますので、その点はひとつ御了承をいただきたいと思います。
○小林(進)分科員 私は、厚生省の姿勢を言っているのですよ、内容を言っているのじゃないのです。同じ法案を出しておきながら、総理大臣には、これは抜本改正の第一着手だ、こういう答弁をさしておいて、今度は、いやこれは抜本改正とは、関係ないのだ、これは単なる財政上の処置である、こう朝令暮改にやられたら、われわれはかなわない。そういった食言をやめなさいと言っている。やられるほうは、いかにも小ばかにされたような、人の人格をどろでもって顔を塗られたような気持ちになるというのだ。そういう小ばかにしたことはおやめなさい。 まだ、いま一つ、きのうあたりの敵前逃亡なんかの問題、これなんかも実に私は憤慨した。これなんか、私は四十五年から一生懸命になって資料を集めながら、敵前逃亡の問題、当時の局長や係の人と一緒にこれはどうだこうだやっておる。そして話をして、万遺漏なくやります、これからやりますから、しばらく見ててくれなんて言うから、こちらもおとなになったつもりであまりやかましく言わなければ、今度は、きのうあたりの答弁聞けば、中村援護局長は、初めてこんな話を承りましたなどと言う。一体何です。私どもが二年も三年も前から一生懸命厚生省にもいってこういう人道上の問題を扱っているのに、まるでぞうりでもって人の顔をなでるような話をしている。みんな全般を通じて、私は厚生省の姿勢を言うのですよ。いつでもあなたたちというのは、厚生省というのは、一番悪いのだ。そこへ持ってきて、あなたが笑うがごとく笑わざるがごとく、そういう顔をされたりする。全くこっちはたまったものじゃない。ほんとうに、実に何か小ばかにあったような気がしてかなわない。どうも厚生省は、扱う人間がやはり身体障害者や不幸な人や生活保護者がいるから、あそこにいると、どうも人間自体が、恩恵的に一歩上から人を見おろすというような習性が身につくのだ。だから、国会議員なんかもいんぎん無礼で、みんなだましてしまう。実におもしろくない。何しろ三十分ですから、あなたの長い答弁されていると、だんだん時間がなくなってしまうのです。 それで次にお伺いしますけれども、あなたは、これもいま一つの人を小ばかにした話だけれども、厚生大臣と日本医師会長との了解事項というのがありましたな。文書でこれは申し合わせをおやりになった。これに対しては、総理大臣もあなたたちとの了解事項に対してオーケーをおやりになったはずです。一体、今度の法改正の中に、抜本改正の中にこれがどう生かされておりますか。あなたは諮問期間中だとおっしゃれば諮問期間中でしょうけれども、原案というものは厚生省がお出しになって、二つの審議会に諮問されているのだ。厚生省案というものをながめて、残念ながら一つもこれが生かされているという感覚を私は持っていない。これも実は、何と言いますか、人の良心を土足にけったような話になっているのじゃないかという感じを受けるのでございますが、いかがでございましょう。
○斎藤国務大臣 どうも厚生省の姿勢を御批判になりましたが、厚生省はそんな人を小ばかにするつもりでは毛頭ございません。もう一つ、これは答弁を要求されたのではございませんが、抜本対策とそれから財政対策は無関係である、こう申しておるのではございません。きのうの説明の中でも、財政対策は抜本対策をスムーズにやるためにまずこれが必要である、こう申しておるので、この前に申しておったのと内容は変わっておりませんので、その点は誤解のないようにひとつお願いをいたしたいと存じます。 私の顔つきについては、これはまあひとつお許しをいただきたいと思います。 なお、医師会長との合意の点、これはそういう趣旨には賛成であるということを申したのであって、それを全部抜本改正に織り込み、いますぐ抜本改正で実現するということをいうておるのではございません。そういう方向で厚生行政を進めていくということについて合意をいたしたわけでございまして、厚生行政各般にわたってそういった考え方で進めてまいる、こういうことでございますので、抜本改正の中でこの際さしあたって取り入れた点もございます。一番の要点は、時間をとって恐縮でございますが、保険料、それから保険給付、これの公平という点、国民皆保険の見地に立った国民相互援助であるという考え方に立った保険のあり方、こういうものが中心になっておるわけでありますが、そのほか保険だけでは解決のできない、医療基本法の中に盛り込んで、基本法の実施において実現をしていくというものもございます。いろいろございますので、幅広く、そして少し時間をかけてごらんをいただきたいと思います。
○小林(進)分科員 それでは抜本改正の焦点、中心は一体どこにあるのですか。私どもは抜本改正の原案を見せてもらいましたところ、国民が願っておるような、心から切望しておるような条項は、何もつかまれていないじゃないかという感じを受けるわけでございます。国民の側からいわせれば、医療費が高くてしようがない、医者にはどうもかかれないじゃないか、それはひとつ何とかしてもらえないか、これが第一番です。皆保険とはいいながら、医者にかかる方面から見れば、ずいぶん高いな、やはり金持ちには非常に手厚い医療というものが給付できる。それは社会保険の外だとか国民健康保険の外だ、これは保険医療のほかだという形で行なわれるのでありましょうけれども、金持ちは優位です。貧乏人の命は粗末にされております。こういうことを抜本改正の中で何とかしてもらえないか。それから同じ日本国民なら、せめて命と健康だけは、お役人であろうと民間人であろうと、おつとめ人であろうと、お百姓さんであろうとも、商人であろうとも、漁師であろうとも、ひとつみな所得に見合った平等の保険料で、だれもが同じような最高の医療を受けさしてもらいたいというのが、これは切実な国民の要望ですよ。そういうのが抜本改正の中に反映いたしておりますか。 それからいまだってそうです。都市、農村を問わず、三分間とんとんと治療してもらうために、半日がかりで医者のところに行って待っている。半日がかりはまだいいですよ。前の日に行って次の日の順番を予約しておいて、そしてまた次の日朝から行って、そして診療を受けなければならない、こういう形。いわゆる医療の供給体制の完備の問題ですけれども、そういう問題が、一体抜本改正の中にどうあらわれておりますか。過疎地帯における自治体の責任者なんというものは、医者さがしですよ。昔は一太郎やあいというお話があったが、いまはお医者さんやあいといって、過疎地帯の自治体の首長は、全国気違いになってお医者さんさがししているじゃないですか。その苦しみに対して、あなたは一体どう対応しようとするのか。ことしは秋田自治大臣が苦労されて、初めて自治体を主体にした医科大学ができたというけれども、それも何百人に一人だとか何とかいうたいへんな入学率で苦労しているというのでありますけれども、そういうことに対しても一つも熱意があらわれていない。あらわれてないじゃないですか。そして抜本改正だ、抜本改正だといっておる。何だというと、なに政管と組合健保の調整金を何とかしますとか、五割給付を七割にしますとか、指定地域を設けて医薬分業をやりますなんていう、スズメの涙みたいなもので、これが抜本改正だなんて言ったって、それは国民の側からすれば、針ほどのつつかれた痛みも感じないような、縁もゆかりもない抜本改正だと言わざるを得ない。そうでございましょう、厚生大臣、私の言うこと、無理がありましょうか。
○斎藤国務大臣 一々ごもっともと言いたいのでございますが、抜本改正につきまして、国民が何を一番望んでいるか、私はやはり自己負担に耐えら即ないという声が一番強いと思うわけでございます。これは、被用者保険は五割自己負担しなければならない。むすこはつとめさしてもらっているけれども、私は長い間病院に入って、むすこにまことに済まぬ、この療養費をどうしましょうというような陳情を、私も受けるわけであります。そういう点が一番多い。そこで五割給付を七割給付にする。そして、それでも高額医療の方はやはり困られるであろう。高額医療は、これは全額支給をしようじゃないか。そうなれば、ほんとうに医療保険というものは国民の医療に役立つものだ、こういう考えで、私は、これが国民の皆さんから非常に喜んでもらえるんじゃなかろうか、かように思います。その点をひとつ高く評価をしていただきたいと私は思うのであります。 それから、医療の供給体制は、これは毎年毎年努力をいたしております。国立の医科大学の増設の問題も、本年からは格別によけい要請をしようということになり、その他医療要員の養成にも力を尽くしておりますが、何ぶんにも一挙にしてできる問題でもありませんし、しかし、このことの大事であることは十分認識をいたしておりますので、医療の供給体制を根本的にひとつ洗い直してやるというので、医療基本法を提案をいたすという準備をいたしておるということも申し上げておるわけでありまして、これらも御審議を賜わって、きょう言ってあすというわけにもまいりませんが、その姿勢をはっきりさせて、そして計画的にやってまいりたい。このことをはっきりいたしまして、健康保険の財政対策、抜本改正、それから基本法、この三本ぞろいでひとつ今後の国民の御要望に沿いたい、こう思っておりますので、その点は十分御了承を賜わりまして、ひとつできるだけ御審議を促進をしていただきたい、かように思います。
○小林(進)分科員 私は医療基本法も見せていただきましたけれども、これは宣言法規みたいなもので、たいして期待はいたしておりません。やはり抜本法が具体的な一番重要法案だというふうに見ておりますけれども、大臣が何と言われたって、いかにも厚生官僚のほんの技術的なやりくりで、ちっとも新味はない。いまあなたは五割給付とおっしゃいましたけれども、こんなのは、抜本改正をやらなくたって、当然やらなければならないことです。こんなものを売り物にして、抜本改正の目玉にされたんじゃかなわない。農村へ行ったって、国民健康保険は、一番おくれた国保だって、みんな七割給付を家族も受けている。それから被用者保険の中で、本人が十割給付を受けている中で家族だけが五割なんというのは、こんなものはとうに手直ししていなければならない問題だ。いまさら五割を七割にするなんて、おそきに失するのです。これを目玉にして、これが抜本改正の中心だなんて、いやしくも厚生行政として、そんなものはちゃんちゃらおかしくて聞いていられませんよ。それよりも、もしおやりになるというなら、この中にもありますが、私は医師会長との八項目は非常によくできていると思うのでありますけれども、生存期間の一貫保障なんというもの、こういう点なんかをいま少し抜本改正なら真剣に考えてもらはなくてはならぬ。老人医療七十歳以上を無料にしたというのは、これはけっこうですから、私もありがたく賛意を表しますが、生存期間の一貫保障、そこまでいくとするならば、幼児はどうでしょう。生まれたばかりの幼児から三歳ばかりの幼児まで、医療を無償にするのはどうでしょう。せめてこういうのをお入れになれば、抜本改正、そうかと言って何をおいても聞きますけれども、何もないじゃないか。これをひとつおやりになりませんか。
○斎藤国務大臣 幼児の医療対策につきましては、これを保険の中でどう見るかという問題よりも、公費でどう見るかという問題だ、かように思います。したがって、これは保険の問題ではない。幼児の場合も、高額医療の場合にはこれは全部見るということでございますから、いままでよりも安心して、費用の心配はないということになるのじゃないか。私は、いま高額医療の全額負担、これが目玉だと申しておりません。国民が困っているのをどうするかとおっしゃいますから、今度その点でこれを解消するようにいたしたい、国民の要望にこたえたい。しかし、それが、それだけが抜本の目玉とは申しておりません。抜本の目玉はどれであるかといったら、また抜本の際に十分なにはいたしますが、もしお時間を許していただけるならゆっくり御説明いたしますが…(小林(進)分科員「聞こうじゃないの、抜本改正の目玉」と呼ぶ)抜本の一番の目玉は、やはり保険料の公平という点であると思います。給付の公平というのは、先ほど申しました給付面で説明をいたしたとおりであります。保険料の公平という点から申しますると、いわゆるお金持ちがお金持ちだけで組合をつくってそれでやっていくというのであれば、そのお金持ちの人たちの保険料は少なくて済むのでありましょう。貧乏人は貧乏人だけで組合をつくっていくということになれば、そこの負担は高くなる。それを調整したいというのが、今度の財政調整、これが目玉でございます。
○小林(進)分科員 私は、大臣、あなたのその貧乏人は貧乏人だけの組合でいけ、お金持ちはお金持ちだけで組合をつくっていけ、それは不公平だから——そのことばだけは、私が言いたいところなんです。厚生省は、それをいままでおやりになってきた。それが政管ですよ。あなたもきのう本会議で言われた、中小企業の親方とそこに働いている不安定な労働者、一千三百万いましょう。その人たちだけで組合をつくっておいて、それが赤字になったからといって保険料を上げていく、これほど残酷なやり方はないですよ。私はもう時間がないから言いますけれども、あなたが言われたから言うんだ。その政管の中で、この十年間で一体——その政管を中心にして、貧乏人だけで経営している、——貧乏人というとことばは悪いわけですがごかんべんいただくとして、ことばが悪かったらあとで訂正させてもらいますけれども、そういう人たちだけに、十年間で医療費を何回値上げしました。九回も値上げをしていて、その間において、この零細企業に働いている労働者とそしてそこに働いている雇用主というものは、その間に保険料を幾ら一体値上げされました。六割か七割くらい値上げされているはずだ。今度一三・七%も上げたら、もう八割くらい、十年間で自分たちの保険の負担金を八割くらい値上げをされたはずだ。その間一体政府は何をやりました。単なる事務費を出しただけじゃないですか。それでも三年か四年前、二百八十五億円ですか…(斎藤国務大臣「二百二十五億ですよ」と呼ぶ)まあもっと少ないじゃないか。それじゃ、たった二百二十五億円くらいのスズメの涙の補助金だけ出しておいて、あとは全部気の毒な人たちを保険料の値上げという残虐非道な方法で痛めつけてきたのでしょう。それでいま、今度、この政管保険の問題をやりましょう。保険料を値上げして調整をやります。今度五%、五%、その五%が幾らに該当しますか。あなたはきのうも言われたけれども、三百七十億円ですか…(斎藤国務大臣「三百七十三億円」と呼ぶ)まあ三百七十三億円、三億円は上げても下げてもたいしたことはないですが、たった二百二十五億円しか出さないで、この人たちの保険料をこれくらい痛めつけてきて、そして今度は保険料は赤字になりましたからといって、社会福祉に重点を置きます、社会保障に重点を置きますといって、この一千三百万、雇用主を加えれば一千五百万になるかもしれないこういう人たちに、たった二百二十億円から三百七十三億円という、なにです、百五十億円足らずの金を出したというだけで、鬼の首でも取ったように、赤字対策のためにこういう保険法の改正をやった、それを私どもに納得せいと言ったって、納得できません。できるわけがない。それでも、あなたの言うように、この人たちは低所得者で気の毒だから、六年でも七年でも八年でもぽんと保険料を上げないできて、いま政府がやむを得ずひとつ何とかしようというならいいけれども、あなたが言われた気の毒だという人たちに、全部いままであと始末させてきたんじゃないですか。政府の出したのは、スズメの涙じゃないですか。今度政府が出す分をたった三百七十三億円にしておいて、そして豊かな組合健保のほうから調整金と称してふんだくってきて、そこででこぼこ直しをしようという、そういうことで私どもが一体納得できると厚生大臣お考えになりますか。それが抜本改正の目玉だとか中心だとかいわれて、さようでございますと私ども言われますか。あなたが、厚生大臣、八項目を通じて了解事項をおやりになったときには、ひとつ職業のいかんを問わず、地域のいかんを問わず、生命と健康は平等に扱わなくちゃいけない。負担はそれぞれの所得に基づいてやればよい。負担の公平は、所得の多寡によって決すればよい。給付は公平だ、その意味においては保険は一本なり。この一本ということばに私は魅力を感じた。やありっぱだ、これこそほんとうに正しい見解だということで、私どもは心から御支持申し上げてきた。ただ猫のシャッポで後退してしまって、そんな政管と組合健保の単なる調整だけでこれが抜本改正だなんていわれたところで、私どもはどうしようもできるわけがないじゃありませんか。厚生大臣、あなたは良心的にものを判断してください。私の言うことが無理か、あなたが怪弁をもって私をちょろまかそうとすることが正義か、正しい良心に基づいて返答してください。
○斎藤国務大臣 ただいまおっしゃいました財政調整だけでも、いままでやれなかった。それを今度はどうしてもやらなければ公平が保てないというので、今度の抜本の御提案を私は申し上げた。それをなぜ早くやらなかったかとおっしゃいますれば、これは御批判は十分お受けいたします。いたしますが、おそくとも今度やろうとした、またやりたいと決意をしているというところをおくみ取りをいただきたいと思います。私は、おっしゃいますように、原理としては保険は一元化することが必要だといまでも思うております。しかし、一元化は必ずしも組織を一つにしてしまうというわけではございません。考え方は、いまおっしゃいますような、またそこにありますような事柄が貫けるような保険制度であればよろしい。いまの組合健保制度を政府管掌に全部してしまうとか、一本の制度に——一本といいますか、一つの制度ということはなかなかむずかしい。むずかしいというよりも、保険自体の運営の効率化、メリットということも考えなければなりませんから、したがって、組合のメリットということも考えて、まず財政調整に踏み切る。そして抜本はこれだけで終わったわけではございません。時とともに、それになれてくればまた次の段階ということも考えなければなりません。国保と健保とのつり合いということも考えてまいらなければなりません。事柄をやりますのには順序が必要でございますので、したがって順序を追ってやってまいりたいというのが、今度の抜本改正の行き方であって、抜本改正はこれで全部終われりというわけではないという点は、ひとつ御了承をいただきたいと思います。
○小林(進)分科員 私は、これで定められた時間が参りましたから終わりますけれども、いままでの厚生行政に対しては、私はたくさん不満を持っております。あらためて社労委員会に帰りましてそれをやらしていただきます。きょうのところはさように一応申し上げておきますけれども、抜本改正と称する限りは、抜本でなくてはいけない。抜本も時によって修正加減があり得るというお答えは、ちょうだいできません。大臣は、一週間もすれば答申が出るだろう、国会にお出しになると言うけれども、私どもは、こういう抜本改正ならば、急いでお出しいただく必要はないのです。むしろゆっくり考えていただいて、抜本の名に値するようなものを時間をかけて出していただいて、そうしてできた以上は、与野党ともに賛意を表しまして、五年や十年は改正の必要なしというふうな魂の入った抜本改正をお出しになることを心から要望いたしまして、私の質問を終わることにいたします。
○田中主査 午後一時に再開することとし、これにて休憩いたします。 午後零時五分休憩 ————◇————— 午後一時一分開議
○田中主査 休憩前に引き続き会議を開きます。小川新一郎君。
○小川(新)分科員 私は、医療行政の根本問題が今国会に法案としても提出されておりますし、いろいろな面でいま問題になっております医療問題について大臣に二、三点お尋ねしたいと思うのであります。 特に、埼玉県越谷の問題を大臣に指摘いたしまして、この問題についての根本的なメスを入れるとともに、解決をはかっていきたいという大きな希望に立って御質問をいたしますので、どうかひとつ、追及とかそういう意味でない立場に立っておりますので、善処をはかっていただきたい、こういう要求もあわせてお願いしながら質問いたします。 埼玉県は御存じのとおり、人口が年間二十五万人もふえております人口急増地帯であります。特に埼玉県越谷市、県南部及び県東部の人口増加というものはものすごいものがありますが、大臣はその人口十万人のうち、市民何人に一人の医者が一体必要であるとお思いになっておられるのか、また、この人口に占めるところの医者の妥当な数というものは一体、欧米先進国の例をとれば、どの点に一番、どの国が一番理想的であるのか、それについてまずお尋ねいたしておきます。
○斎藤国務大臣 現在わが国におきましては、医師の数は人口十万対百二十五人、かように存じておりますが、これを百五十人にまで持ってまいりたい、これを五カ年計画でやりたい、かように思って、その充実をはかっている次第でございます。
○小川(新)分科員 埼玉県の場合は現在どの程度になっておりますか。
○松尾政府委員 総数が二千七百名でございまして、人口割りにいたしますと、たしか九百人をこす状態だったと思います。こまかい数字は後ほどまた申し上げます。
○小川(新)分科員 私の調べたところによりますと、全国最下位、四十六都道府県の四十六番目になっておりますが、その埼玉県の中でも、越谷市の人口割合の医師の数は何位でございますか。
○松尾政府委員 越谷地区はたしか二千百人程度、医師一人当たりの受け持ち人口はそれぐらいになると思います。
○小川(新)分科員 このように、百五十人に五カ年計画で持っていくというのに、埼玉県の場合では、これが七十・一人の割合で四十六番目である。越谷の場合はさらにそれを割った六十五人。これが百五十人になるには一体どのような処置を講じたら、現在の約二倍以上のお医者を確保することができるのでしょうか。
○松尾政府委員 一がいに直ちに倍にするという、地区で確保するということは簡単にはできにくい問題かと思いますが、埼玉県にあらわれておりますような現象は、きわめて人口の増加が著しいということであろうと思います。したがいまして、その人口増加というものが急速に起こってきて、それに伴う医療施設の整備といったものがそれに伴わない、おくれている、こういったところにやはりその主因があろうと思います。したがいまして、やはりそういう人口増加というものに見合う医療施設を整備する、こういうふうに進むべきではないかと思います。
○小川(新)分科員 現在越谷市や埼玉県に起きている医者と患者とのトラブル問題、また、いま医療全体の問題にあたって、厚生省がこれから指摘していかなければならない点は何と何がありますか。
○松尾政府委員 私が少なくとも聞きました点におきましては、いま私が申し上げましたような医療施設というものが非常に足らない。したがって、公立でそういうものをつくりたいという希望が進んでおると聞いております。むしろわれわれのほうも、そういったようなものの早急な整備ということについて力をかすということが第一であろうと思います。 それからもう一つは保険に関係する問題でございますが、時間外診療というものの取り扱いということについて、やや行き過ぎていると申しますか、そういう事態が起こっているというふうに聞いておりまして、その点は県を通じましていろいろといま工作を行なっておるところでございます。
○小川(新)分科員 非常に具体的な例を私が指摘するまでもなく、このような第四十六番目という医者の不足また医療行政の低下、こういう人口急増地帯の県に対して、やはり何らかの具体的な手段を講じ、施策を講じない限りは問題が解決いたしません。 そこで具体的なお尋ねをするのでございますけれども、越谷市においては現在、市をあげて時間外の診療拒否、保険医によるところの、保険によるところの時間外診療拒否というものが行なわれておりますが、これは埼玉県だけの例なのか。それともこういう全市をあげて医者が団結してやっているというところがあるのでしょうか。
○江間政府委員 現在までのところ、越谷市の例のように端的に夜間診療を拒否するというような話は聞いておりません。
○小川(新)分科員 個々にはあるのですか。
○江間政府委員 例外的にはあったと聞いております。
○小川(新)分科員 具体的にはどういう例なんでございますか。
○江間政府委員 いま資料を持っておりませんので追ってお答えいたしたいと思いますが、あまり数の多い件数ではなかったと思います。
○小川(新)分科員 越谷の場合は、昭和四十五年四月一日から一年間を猶予期間として、昭和四十六年四月一日から時間外保険診療拒否を越谷市の医師会できめておりますが、実際には連絡があったのは四十六年七月十八日、県にこの問題について行政指導を市が要請いたしましたところが、県からは何ら回答なく、越谷市では九月十七日に市の窓口に来た市民の苦情や怒りの実例を多数あげて県に再度の行政指導を要請したが、いまだに越谷市に対してはナシのつぶてでありますが、この点について厚生省はどのように掌握し、この問題について県に御指導いたしましたか。
○江間政府委員 この件につきまして、御指摘のように当方の手が若干おくれたことは事実でございますが、現在県を通じまして市の医師会とかなり進んだ話し合いをいたしておりまして、現在ポスターを出し直せるということが進んでおります。
○小川(新)分科員 ポスターというのは、このポスターでございますか。
○江間政府委員 おっしゃるとおりでございます。
○小川(新)分科員 大臣、お尋ねいたしますが、このポスターには、「被保険者のみなさんへ」と書いてある。「被保険者のみなさんへ」「症状が緊急の場合をのぞき医療機関の診療時間を守って時間内に診療を受けてください」これは医者が悪いなんというポスターじゃありませんね。まるで時間内に診療を受けに来ない被保険者が悪いんだ、だからこういう勧告を出すんだというこの医療行政の姿勢の中にあまりにも、これでは医師会に対する、医者に対する——医者というものは病人があってのお医者さんである。私たちはお医者さまに対して感謝の気持ちを込めて先生と呼んでおります。その先生が、いかなる理由であるかは、いま私が申し上げましたように埼玉県は四十六都道府県のうちの最下位である。だから一体厚生省はその百五十人に持っていくための——越谷の場合は六十五人なんだ、こういう点についてどうかというんで、いま御質問をいたしましたが、具体的なお答えは何一つ返ってこない。あげくの果てに、時間外診療をしているのは被保険者の皆さんが診療時間内に来ないから、こういう御注意をいたしますよというちらしを、埼玉県、埼玉県社会保険協会、健康保険組合連合会埼玉支部、埼玉県国民健康保険団体連合会、埼玉県内各社会保険委員会、埼玉県医師会、これだけの名前によってこういうポスターを出している。これは明らかに患者不在の指導ポスターです。何でここに、医者の皆さん、あなた方は保険診療の時間外診療を拒否しているようだけれども、それに対してはいけないというポスターを逆に出させないのか。これではまるで被保険者の皆さんが来ないのが悪いみたいな印象を与えてしまいますが、大臣、このような姿勢の中に国民健康保険や政府管掌健康保険、各種の組合保険等々の、その保険行政と一般の自由診療とに格差がある。そういうところに医者も患者も何らかそういう差別をもって見るようなこれは一つのポスターだと私は理解するのでございますが、この点についてはいかがですか。
○斎藤国務大臣 ただいまそのポスターを拝見いたしました限りにおきましては、実情はどういうふうになっておるか、私はよくきわめておりませんが、まあ患者の皆さんへということであれば、これはまた一つのあれであろうと私は思います。その中で、被保険者だけは時間をできるだけ守ってほしいと区別をするのは、これは私はよろしくない、こういうふうに思います。やはりできるだけ医者の診療時間をきめて、その時間内に来てほしいというのは、やはり医者の人権を守るという必要もありますから、診療時間というものをきめて、できるだけ時間内に来てもらう。時間外は緊急の方は見ますけれども、というのもこれはやむを得ないと思いますが、いまおっしゃいますように、被保険者に限ってというような表現は、また考え方は、これは根本から間違っておる、かように思います。
○小川(新)分科員 大臣の御見解は私の考えと全く同じである。確かに医者の皆さんの人権の問題もあります。しかし実態はどういうことかと申しますと、「当院の保険診療時間は左のとおりです時間外の場合は保険扱いいたしかねますので御了知ください」埼玉県越谷市医師会が時間外診療の拒否を行なっていることはいまお認めいただいたとおりでございますが、この中で、四倍も五倍も高い自由診療費を取られているのです。それはなぜかというと、いま言ったとおり、全国最下位の中のまた最下位という越谷市の医者の不足数——確かにお医者さまからいえば、レジャーも楽しみたいでしょう、休養時間もとりたいでしょう。しかし、こういう問題が解決しないところに時間外診療をしているのか。また私どもは、こういった問題を解決しない限りは私としては納得できませんので、大臣、一体、この問題については、このポスターを撤回させる考えがあるのか。そして、私、専門家でありませんけれども、たとえば診療時間を標示しておりますが、医師法第十九条の規定によるところの、診察の求めがあった場合、正当な事由がない限り診療を拒否できないとされておりますけれども、これとはどういう関連があるのか。 第一点は、まず、大臣、これを撤去させるかどうか、こういうポスターは。二番目は、医師法第十九条の規定をどう理解なされるか、この点についてお伺いいたします。
○斎藤国務大臣 いま事務当局がお答えをいたしましたように、それは撤去をさせるようにさらに話を進めます。 それから、時間外といえども緊急な場合には医者は診療するという義務がございます。そこで、緊急であるかどうかという判断と正当な事由の判断によるわけでありますが、これは医療倫理の面から常識とされるところで判断をすべきであろう、かように考えます。
○小川(新)分科員 さらにお尋ねいたしますけれども、いまの医師法第十九条のほかに、健康保険法第四十三条の六の規定によって、保険医療機関及び保険医療養担当規則に従って健康保険の診療に従事しなければならないことにされておりますけれども、このように市全体の医者が共同で申し合わせて時間外診療を拒否していることは、これは何法に違反するのですか。
○江間政府委員 健康保険法の療養担当規則の違反になるかと思います。
○小川(新)分科員 ちょっといま聞き漏らしたのですが、もう一ぺん言ってください。
○江間政府委員 健康保険法の療養担当規則の違反になるかと思います。
○小川(新)分科員 そうすると、違反について、医師に対してはどのような措置が講ぜられるのですか。
○江間政府委員 これは、いかなる行政指導を行なうかということは、個々の案件に即して審理されますが、現在のところは、まだそのような審理は行なわれておりません。
○小川(新)分科員 現在まではそういう違反に対しての措置が講じられないと言っておりますけれども、現在埼玉県越谷市においては、健康保険加盟のお医者さんが約六十九人——六十五人でしたか、ちょっと忘れましたが、六十数名おります。このお医者さんが全員一致、団結してこのような措置を講じていることについて問題があるので、個々の一人や二人ならけっこうですけれども——まあけっこうということはありませんけれども、まだまだがまんするとしても、越谷市全体が無医村であり医療行政不在の町になってしまっている。この点が重大であるから、私はどういうふうに処置を講じてくれるのかと聞いているのです。これは大臣、いかがでございますか。
○斎藤国務大臣 それは処罰問題というよりも、私は政治問題だろうと考えます。被保険者の扱いだけを別にするということ自身が、先ほど申しましたように違法であります。しかし団結をしてやるということも、これはけしからぬことだ、かように思います。ただ、処罰をするかどうかということになりますと、具体的に診療に行った場合にどういう拒否をしたかということでいかなければなりませんが、それよりも、そういったようなきめ方、考え方というものを改めさせることが先決であって、このことをいたしたい、かように思います。
○小川(新)分科員 そういたしますと、大臣のただいまのお答えを私、率直に受けとめますと、今後越谷市においては、保険のお医者さまにかかるときに、時間外であることを理由として、救急車で運ばれた急患から、またその他の急患から、保険料金の三倍も四倍もの高い自由料金を取り立てられたり、あるいは夜は自由診療であるからという理由によって保険診療を突っぱねられたりすることはなくなると理解してよろしいのですか。
○斎藤国務大臣 さように御理解をいただきたいと思います。ことに救急患者である場合には、それはもう被保険者であろうとなかろうと同様でございますから、救急患者について、被保険者とそうでない患者と扱いを別にしたということになれば、その個々の医師についての、いわゆる保険医というものの資格を認めないということにまで発展する問題だ、私はかように思います。そういう事態のないように、まず政治的にやってまいりたいと考えております。
○小川(新)分科員 その点、私よく理解いたしましたので、そのような措置が講じられることを期待しております。 先ほどの、県が出しましたポスター、それに「ポスターの趣旨」というのが、またガリ版で配られております。それによりますと、三番目に、「厚生省でも時間外の患者の診療について「医療機関が診療時間を標示する以上、急患等止むを得ない事由による場合を除き、患者は努めて当該診療時間内に受診すべきであり、医療機関においても、この旨指示すること等は差し支えないものである」と示しています。」埼玉県ではこういっているんですよ。そうすると、先ほどの厚生大臣のお答えとちょっと変わってきてしまうというおそれが出てまいります。この点、私、はっきり理解をいたしておきますが、このポスターは撤去する。こういう一方的なポスター、それもこういうふうに断わって——一般の患者ということならばまだいいんですが、「被保険者のみなさんへ」こういうポスターは撤去する。これについて埼玉県はこういうことをいっておるんですが、重ねてお尋ねいたしますけれども、こういうことは不当である、このポスターについては撤去をするということを、もう一ぺん私、確認いたします。
○斎藤国務大臣 おっしゃるとおりでございます。そこに引用しております理由書、いま私伺った限りにおきましては、保険患者とそうでない者とを扱いを別にしていいというようには書いていない。患者全般に対して、できるだけ時間を守ってくださいよ、これはいいと思います。問題は、被保険者、いわゆる保険患者を別に扱うという点はけしからぬ、こう申し上げるわけであります。
○小川(新)分科員 ありがとうございました。この点、はっきりいたしましたので、私も意を強うしてこの問題についてはやってまいります。 最近、埼玉県でいろいろな医療事件、お医者さんの事件が起きております。 一つは、交通事故のときに水増し請求をして、実にめちゃくちゃな診療費を出した事例が川越で起きておりますし、また川口にもいろいろな事件が起きております。私、いつも心配しておりますことは、保険単価、医療費の水増し請求を、一体どこでチェックするのか。交通事故なんかでも、頭などを打ってしまったのでは、どのような診察をされたのかわかりません。本人は口もきけませんし、なくなってしまいます。膨大な治療費が患者のところへ回ってまいりますので、こういう点についてはどのようなチェックがあるのか、その点、まずお尋ねいたします。
○斎藤国務大臣 ただいまの交通事故の患者の診療費の問題でございますが、これは御承知のように、自動車損害賠償法との関係がございまして、私のほうからいえば、交通事故であろうとなかろうと、医者の診療には変わりがないんだから、それが保険患者であれば保険の扱いをする。そして保険から自賠関係に基づいて、責任者に請求をするというたてまえをとっているわけであります。それがなかなか実行されていないというので、これは運輸省関係とも連絡をいたしますし、また、制度の上でも不備があれば、それを整えるようにという方向で検討いたしているわけであります。
○小川(新)分科員 兵庫県においてもまた、これが指摘されております。兵庫県の場合は、保険医の医師六千三百七十四人、歯科医一千八百六十人、計八千二百三十四人のお医者さんがおります。この中で保険医による医療料金の水増し・不正・架空請求などが最近続発しております。こういった法の盲点をついて摘発された者に対して、告発した事例はあるのでございますか。
○江間政府委員 現在資料を持っておりませんが、その中で非常に悪質な者については告発をやっておるというふうに記憶いたしております。
○小川(新)分科員 兵庫県の場合は、間違いなく告発してあるのですか。
○江間政府委員 資料を持っておりませんけれども、たしかまだしてないと了解しております。
○小川(新)分科員 そういう非常に不正確かつ非常に甘いというこの行政指導について、今後ひとつ厳重にお願いしたいと思うのです。大臣、その点よろしくお願いいたします。
○斎藤国務大臣 ことに、これは、保険の請求に水増しをしたとかいうことであれば、こちらの保険関係から告発をし、措置をとるわけであります。先ほどおっしゃいました自賠法の関係あるいは保険と関係がないということになりますと、そういう水増し請求をされた、不正な請求をされたという者が告発をするというたてまえになっておりまして、ことに自賠法関係にそれが多いということで、これは私のほうの直接の関係ではありませんが、医者として不道徳な、そういう虚偽の、診療をしないのに請求をしたとかいうようなことがわかれば、これはまた医者を監督するという立場からやってまいらなければならない。その点にも目を注がせたい、かように考えております。第一次的には、そのために損害を受けた人の苦情を処理するということがまず第一になっていくだろう、かように思います。
○小川(新)分科員 最後に、私、テレビの薬のコマーシャルの件についてお尋ねしたいのですが、最近の薬の乱売競争、過当競争で、テレビのコマーシャルにはまことにふざけた宣伝をしているのがたくさんあります。これが薬の宣伝かと思うような、全くいいかげんな、腹立たしいコマーシャルがたくさんありますが、大臣、こういったことについてはどのように御認識をなされ、これに対してはどのようなお考えをお持ちになっていらっしゃるのか。テレビのコマーシャルについては、一日どれくらいブラウン管に放送されているのか、こういった数等も、私あえてお聞きしたいのでございますが、唐突の質問であって、おそらくお答えが十分ではないと思いますが、これについての御見解を承りたい。
○斎藤国務大臣 薬の広告、ことにテレビを通じてのコマーシャルにつきましては、たとえば薬効を過大に宣伝したりするようなことはやめさせるように、基準をきめて守らせるようにいたしております。われわれのほうで気のついた場合には、そのつど注意をする、忠告をするという立場をとって、だいぶ改善されてきたというようにいわれておるのであります。私も、ひまがあってテレビを見ておりますときに、薬の広告が出ます際には、それを気をつけて見ておるのでありますが、最近はそういった面ではだいぶ改善されてきた、こう考えております。薬の広告基準をきめまして、これを製薬、販売関係のものに通達をし、守らせるようにいたしておりますが、私は事務当局にも、おまえたち、テレビをしょっちゅう見ておるのか、そして監視をしておるのかとまで言っておるのであります。まあコマーシャル監視係という専門の者を設けておらぬという状況もありますが、今後一そう注意をさせてまいりたい、かように思います。
○小川(新)分科員 これは非常に大きな影響を持っておりますし、売らんかな主義、また受けているほうのわれわれ国民も、ふざけたコマーシャルは人の生命、健康に関するお薬の問題でございますから不愉快な念にかられてまいります。またこれが誤って認識されたときには——最近スモンの原因であるキノホルムとかいろいろと薬禍公害が出ておりますので、いま大臣がいみじくもコマーシャル監視班またはそういった事例等々についてのお考えをちらっとお述べになったようでございますが、いままでの体制をより強化するお考えについてお尋ねして、ちょうど時間が参ったようでございますので、私の質問を終わらせていただきます。
○斎藤国務大臣 いまおっしゃいますような方向でさらに強化をしてまいりたい、かように考えます。
○小川(新)分科員 どうもありがとうございました。
○田中主査 横路孝弘君。
○横路分科員 救急医療の行政についてお尋ねしたいと思うのですけれども、交通事故の対策くらい、各省ばらばらに従来やられてきて、しかもその現状をきちんとつかまえて政策目標を設定するという意味でおくれてきた行政というのはなかったと思うのですが、最近ようやく交通安全施設の面では、死者を五年間で半減させるという政策目標に従って特定安全交通施設の整備事業五カ年計画というのが立てられて、警察庁にしても建設省にしてもやる気を見せてきているわけです。 ところが、事故が起きてからあとの措置はどうかというと、これは調べていけばいくほど一体何をやっているのかさっぱりわからぬというのがいまの行政の現状じゃないかと思うのです。この事故が起きてからの措置、なかんずく適切でかつ迅速な治療というのが必要でありまして、それに国立、公立の病院が救急業務という意味で一体どういう役割りを果たしているのか。従来から非常に非協力的であるという面が、いろいろ各方面から指摘をされておるわけなんです。交通事故による犠牲者をおたくのほうの調べによって調べてみると、六〇%が頭とか頸部をやられているわけです。東京消防庁の岡村さんという方が去年個人で調査をされた東京都の四十三年度、四十四年度の死亡の追跡調査を見ると、八八%が民間の中小病院で死亡しておって、総合病院で治療を受けた人というのは一二%、都立や国立病院で治療を受けた者はわずかに二・三%だという資料があるわけです。これは唯一の資料になっているわけです。頭をやられた者が多いにもかかわらず、中小病院が圧倒的に多い。WHOあたりでも、救急患者というのは施設、設備さえ整っているところで十分な手当てを受ければ二〇%は助かるだろう。昭和三十七年の東大の例によると、死体を解剖して調べた結果、半数が治療さえ適切なものを受けていれば助かった、こういう報告もあるわけです。 そこで、厚生省のほうでおやりになっている救急医療センター、それから救急病院、この二つについてこれからお尋ねをしていきたいと思うのですが、救急医療センターは主として公立、国立病院で全国に百十二カ所整備をする。大体百十二カ所設定されることはされたわけです。この役割りはどういう役割りかといいますと、結局救急病院の一つのいわばセンターとして、重症の患者、中小病院では措置できない者をそこに集中をして処理をするというのが、救急医療センターの任務であり役割りであろう。またそういう位置づけを皆さんのほうでなさってきただろうと思うのですが、その点についてまず初めに厚生大臣のほうで確認をしていただきたいと思います。それでよろしいですね。
○松尾政府委員 救急医療センターはいま先生御指摘のように、一般の救急医療機関よりもやはり高度の設備、能力を持ったもの、そういう期待の上に立ってやっておるものでございます。 〔主査退席、橋本(龍)主査代理着席〕
○横路分科員 救急病院ではないので救急医療センターだということになりますと、それなりの要件というものがあるだろうと思うのです。救急病院についても指定の四つの要件というものがあるわけです。その要件というのは、たとえばあきベッドというものがきちんといつも確保されておる。それから二十四時間やはり専門家のスタッフ体制というものがあって、たとえば頭なら頭の手術にしても胸部の手術にしてもできる体制というものが整っていなければならない。これは救急病院でさえそうなんですから、ましてセンターにもなればそういう体制が十分整備されておる、これがその要件だと思いますが、いかがですか。
○松尾政府委員 おっしゃるとおりだと存じます。
○横路分科員 そこで百十二カ所の救急医療センターはその要件に当てはまるだろうかということで、皆さんのほうに実態調査をした資料があるかということで前にお願いをしたところ、そういうような実態把握はなさっていない。したがって、個々の病院に問い合わせをして調査するということで、一週間ほど待たされて資料を皆さんのほうからいただいたわけなんですが、たとえばこれを見てみると、百十二カ所の救急医療センターとして皆さんのほうが先ほどのような位置づけで考えられたところでさえ、常時確保しているベッドがないところが、北海道のたとえば室蘭総合病院をはじめとして十八カ所です。ベッド数が五つ以下のところが公立、国立合わせまして六十七カ所。つまりあきベッドがないところが十八カ所、あってもわずか五つ以下一つ、二つというところがざらにあるわけです。全部合わせるとほとんど八〇%が十分なベッド数が確保されていないのが現状なんです。救急病院でさえそういう指定要件になっていながら、センターとしての役割りを果たすべき公立、国立の病院でさえ、患者が行ったときにいつでも収容できるベッドが確保されていないというのはどういうことですか。
○松尾政府委員 いまのベッド数の調査でございますが、ほんとうの救急用として、いわば最初に飛び込んできましたときの受け入れ、こういうことであげられている数字でございますので、数字が非常に小さいように見えていると思います。 大体病院自体が、言うまでもございませんが、救急というものを扱うべきことがむしろ本来の役目でございまして、その中でも特にこういうセンターについてはいまの交通事故のようなことを考慮いたしまして、とにかく来たときにすぐ受けられるベッドというものが幾らか用意されておる、そういうことであげられた数字だと存じます。実際の運用からいいますと、たとえば四ベッドなら四ベッドがそういうものの窓口として用意されております場合でも、それから引き続き次のベッドに移っていくというような過程をとりますと、そのバックになるベッドはかなり多くなるわけでございます。それの一番最初のところをそういうふうにあげたと思います。ただ、一部御指摘のようにいまの段階で常にその用意ができていないという点がありますことは、私ども残念だと思います。今後十分検討してまいりたいと思います。
○横路分科員 それは残念だと思うなんということで済まされるものではないのです。皆さんのほうにお伺いすると、センターの整備は終わった、今度はサブセンターをつくるのだというような構想をお持ちになっているのですね。ところが、こういうセンターというものをつくって百十二カ所整備しました。これからあとだんだんお尋ねをしていきますけれども、実態はそういうセンターという名前をつけただけであって、予算的な措置だって不十分だし、現実にベッド一つ見てもこういう状態です。これは厚生省の調べでこうなんです。ですからそこのところを——この調査だって非常に急いでおたくのほうでやられたものです。私のほうで要求してから一週間で病院に問い合わせてやったものですから、あとでまとめて請求しますけれども、もうちょっと実態の把握をきちんとされて、あきベッドをいつも確保しておく。医療センターというものは普通の病院に付属して、専属のベッドと専属の医者と専属の施設を持たなければならぬというのが本来のあり方だろうと思うのです。 四十六回の医科器械学会という学会のシンポジウムがありまして、そこで救急医療の問題について東北大学の岩本さんという方が調査された結果があるのです。これを見るとどういうことになっているか。特に公立、国立の病院について救急室というものがどういうぐあいに使用されておるか。設置するときにどういうことが考えられていたかという調査について、百七十四の回答例のうち、設置するときから救急患者以外に使用することを計画していたという公的病院が実に五十一もあるのです。初めは救急室として救急患者以外には使用しないというふうに考えていたけれども、二年以内に救急患者以外にも使用させるようになった病院数というのは、公的病院で八十一もあるのです。これは医療センターばかりでなくて救急病院を含めての数字です。つまり皆さん方のほうで、センター整備だということで予算も出しているわけです。施設の面でも機械の面でもお金を出しているわけです。ところが、現実にはそういうことではなくて、もう何が何だかわからないことになっているのです。これは全般的な医療体制の大きな問題があるわけですけれども、しかし少なくとも救急センターという形でできていてこういうあきベッドを確保していないようなところは、まずこれは解消してもらわぬと困ると思うのですよ。ですから、解消するには何をしなければならぬかというと、まず現実をつかまえて、そうして何年かかってどのようにこれを解消していくのか。救急センターとしての設備の目標は何なのか、やはりこういう明確な方針なしに、交通事故が騒がれる、だからセンターをつくるのだというので、ともかくセンターというものを名称だけ付した、こういうような感じがこの実態を見てみると非常に強くするわけですよ。その点をどうお考えですか。
○松尾政府委員 私どもも、やはりこういうセンターを指定し助成してきた以上、そういう運営面におきましての実態をやはり正確につかむべきだということは同感でございまして、実は先生にまだ差し上げるところまでいっていなかったと思いますけれども、昨年の十二月中旬、一週間調査というものをやりました。こういう救急センターをはじめ二百ベッド以上の一般病院、こういったところを中心にいたしまして、ただいま御指摘のような空床の問題でございますとか、救急部門が独立しているか、あるいは当直制でございますとか、あるいはそのほかとの提携のしかたでございますとか、そういったことについてのかなり大幅な調査を昨年暮れに実施をいたしたわけでございます。そういったような数字もだんだん固まりつつございますので、近くそういったものを一応集計した上において全貌を明らかにしたいと考えております。
○横路分科員 そこで二十四時間患者の受け入れ体制の有無ということで、要するに夜、医者がいるかどうか、休日に医者がいるかどうか、百十二カ所全部いるということになっておるわけですね。医者がいるといっても、どんな医者でも、医者でありさえすれば、いればいいということではないわけですね、センターとしては。つまり、先ほど皆さん方のほうでお答えになったように、重傷の患者が運ばれてくるわけですよ。運ばれてきて、一秒二秒を争うときにすぐ手術をやれる体制があるかどうか。そういうことでひとつお尋ねしたいのですが、一体宿直しているのは全部専門家というものがいるのですか。これはたとえば、脳神経外科の認定医のいるところは、百十二カ所のセンターのうち何カ所ですか。
○松尾政府委員 いわゆる先生御指摘の認定医というのは、学会の認定医という意味であろうと思いますが、一応その基準は別といたしまして、救急医療センターで脳神経外科というものを標榜いたしまして、そこに常勤の医者がいるというのが大体全体の救急センターの七五%程度、それから麻酔医につきましては、同じように常勤の者が大体五七%程度というような結果が出ております。
○横路分科員 それは昼間でしょう。
○松尾政府委員 夜間につきましてそういう人が必ずおるかどうかの調査はまだはっきりいたしておりませんけれども、少なくともこの救急センターの当直医の中で、一日にいたしまして約一・八人、まあ二人近くの平均になりますが、それが大体外科系だ、こういうことになっております。
○横路分科員 その外科系というのは産婦人科も外科系であれば、耳鼻科も外科系なんでしょう。
○松尾政府委員 広く考えれば、産婦人科系統は一応外科系統に入っております。
○横路分科員 だから救急病院じゃないのですよ。救急病院の中心的な役割りを果たすセンターの中でさえ、外科の医者がいないところがあるわけです。耳鼻科や産婦人科の——私は医学のことはよくわかりませんけれども、しろうと考えすれば耳鼻科の医者がいて、そうして頭の手術をやれるはずはないと思うのですね。だから、その辺のところを皆さんのほうでほんとうにまじめに考えておられるのかどうか。私はあとでちょっと予算のことに入りますけれども、人件費の補助そのほかを含めていま、十二月に調査をやった結果を発表されるということですが、その結果に基づいた対策というものを、せめてこういうセンターには、いまおっしゃった脳神経外科医とか麻酔医とかいうようなものが配置されて初めて、そのセンターとしての機能を発揮するようになるだろうと私は思うのです。その辺のところを具体的には全然お考えになっていないわけですね。何年までにこのセンターにどういうように埋めていくかというような計画はございますか。
○松尾政府委員 いま私が申し上げましたような調査も実は、先生御指摘のように、そういう実態に基づいてさらにこの次の対策を充実させたい、そういう意味の実態調査でございますので、方向といたしましてはそういうふうに努力していきたい。 それからなお、麻酔科等の問題につきましては、御承知のとおりまだ数も日本で必ずしも十分ではございません。したがいまして、特に医師の方々についてはそういう特別の訓練ということを脳神経外科とともに学会に委託をしてやって、できるだけ早くそういうレベルを上げていきたい、またそういう人をそろえたい、こういうことで進んでいるわけでございます。
○横路分科員 センターというのは、やはりセンターの専従の医者とか専従の看護婦というのが配置をされていて、そしてベッドがあって設備もある。親病院に付属した子の施設みたいなそういう形で、やはりいつでも——だから非常に赤字にはなると思うのですよ、採算としては合わないことだと思うのですね。しかし、これは採算の問題じゃないのです。やはりそういう専従の医師、いまは全部兼任ですが、兼任じゃなく、救急病院ということで専任の医師、専任の看護婦、救急医療としての専任の看護婦、専属のベッドあるいは施設というものをセンターとしては持たなければならないというように私は思いますけれども、厚生大臣、どうですか。センターの現状というのはこういう現状なんです。
○斎藤国務大臣 現状から見ますと、不十分な点はおっしゃるとおりでございます。御承知のように、日本の救急病院にかつぎ込まれるいわゆる交通関係の傷害者、これが急速にふえてまいりまして、これに対応するだけの医療体制、また専門医というものが、きょう言ってあすすぐ整うものじゃない、相当時日を要する。そこで病院は、金があれば建物はできますけれども、その中に入れる人たちを養成することが非常にむずかしくて困難を来たしている。その困難の中にいろいろとくふうをしながら、脳神経外科あるいは麻酔科、これらの人たちの養成にも力を注いでいるわけでありますが、全体として医師数が非常に足らないところに、この救急患者が交通事故によって非常に急速にふえてきたという事態を踏まえておりますので、したがって国民の皆さんにはまだ十分満足していただけない、まことに残念だ、こう思っているわけであります。しかし、それは言いわけになりませんから、できるだけの力を注ぎまして、そしていまおっしゃいます必要に応じるだけの体制を一日も早くつくり上げたいという努力をいたしております。その点はひとつ御了承いただきたいと存じます。
○横路分科員 努力しているかどうかというのは来年度予算を見ればわかるわけでありまして、これはあとで御質問しますけれども、これは全然努力している数字に入らぬですよ。五億何がしかの金をつけてそれで終わりだということではないのですね。その議論はもう一度最後にしますけれども、ちょっとその前に、百十二カ所の救急医療センターというのは全部救急病院としての指定を受けていますか。
○松尾政府委員 六カ所だけ受けてないそうでございます。
○横路分科員 東京でいうと虎の門病院、社会保険中央病院がそうですね。センターとして位置づけていながら救急病院の指定にもなっていない。ですから、いつも言われることは、交通事故が発生をした、そうするとほとんどが中小病院に運ばれてしまう。そこで適切な治療を受けられなくて死んでしまう人がたくさんおるということなんですね。 そこで、消防庁のほうの関係になるわけですけれども、これは資科をいただいたわけですが、東京の立川病院、東京の社会保険中央病院、これは昭和四十六年度で交通事故によって救急患者が運ばれたケースは、消防庁のほうによると、ゼロですね。虎の門病院が一名。昭和四十六年度の東京都における死亡者は六百六十名、傷害者は七万四千四百四十六名です。合計で七万五千百六名です。そのうち医療センターに運ばれた者はわずか三百七十七名、〇・五%にしかすぎないわけです。しかも、皆さん方はよく指摘されているだろうと思うのですが、中小病院というのは運び込まれたら最後、自分のところで治療できなくたってほかの大きい病院に持っていくなんということはやってないというのが、去年の消防庁の岡村さんの調べでもって明確に出てきているわけです。センターとして位置づけておりながら救急病院にも指定されない。だから、患者も全然運び込まれない。これで一体ほんとうにやる気になってやっておるのか。努力しているとおっしゃるけれども、大体いまの現状でさえこんなような状態ですね。
○松尾政府委員 おっしゃるようなそういう救急病院の申請をしない、指定をしないという施設が残っておることは、早急に改めるように努力いたします。
○横路分科員 消防庁のほうにお尋ねしますが、消防庁の方おられますか——大体現場の隊員というのは指定医療センターがどこに指定されているか知らないでしょう。私聞いてみましても、現場の隊員はほとんど知りませんね、どうですか。
○降矢政府委員 隊員が運ぶときには、御案内のように、救急医療センターと申しますか、私たちは中央管理室とかいっておりますが、そこの指示に基づいてどこの病院がどういうベッドであいておって、医者がいるということによって運ぶのが普通でございますので、あるいは先生が御指摘のように、個々の隊員が救急医療センターがどこであるかということを承知しておらないと思います。
○横路分科員 医療センターに指定される場合には、消防庁のほうには相談があるんですか。
○降矢政府委員 これは御案内のとおり、申し出によって指定するのがたてまえでございますので……(横路分科員「救急病院じゃなくて、センターのほう」と呼ぶ)それは私どものほうには指定する前に直接に御相談はございません。
○横路分科員 消防庁のほうでいま知っているんでしょうね、百十二カ所の救急医療センターがどこなのかは。全国の各都道府県ごとにあるわけです、これは。
○降矢政府委員 それは御連絡を受けております。
○横路分科員 ただ心配なのは、いろいろおたくのほうにお伺いすると、センターを知らない、これから厚生省に聞いて、それから調査しますなんという回答が戻ってくるものですから、私びっくりしたんですよ。これは消防庁の救急業務と厚生省のほうのセンターの機能と一緒になってなければだめでしょう。重傷の患者という判断というのは、交通事故の場合、頭の内部のことはなかなかわからないと思いますけれども、しかし重いやつはセンターに持っていくのが趣旨なんですから……。東京都で立川病院はゼロ、社会保険中央病院がゼロ、虎の門病院わずか一件、王子病院はわずか四件、一年間でですよ。これじゃ厚生省で幾らセンターだセンターだといったって、名前を付しただけで何もやっていないのと同じだと思うのですよ。そういうようなところ、非常にアンバランスがあります。神奈川県は、あそこの救急センターというのは非常に本来のセンターとしての任務を果たしつつあるところだと思いますが、ほかのところは全然そうじゃないわけです。そこのところ、消防庁のほうともうちょっと連絡して、中小病院にかつぎ込まれ、治療を受けないでなくなった人、たくさんいるんですから——立川、虎の門病院、社会保険中央病院というのはどんなところか知りませんが、センターとして指定されておるのですから大きいわけでしょう。ベッド数だって多いわけでしょう。やはりそういう連絡をちゃんとしておかないと、中小以下の診療所なんかにたくさんかつぎ込まれるということになるわけです。そこのところをもっと綿密にやってもらいたいんですね。
○松尾政府委員 おっしゃるとおりだと思います。私ども常に消防庁のほうともお互い相互の連絡を密にしながらやらなきゃならぬ、こう考えております。当然都道府県段階におきましても、そういうふうな協力を常にやるということで指導してまいるつもりでおります。
○横路分科員 そこで、ちょっと、これは資料の請求なんですが、救急病院それから救急医療センター、この公的病院と私立の病院にどれだけ救急患者が運ばれているかというやつをぜひ調べて出していただきたい。どういう割合になっているか、ちょっと消防庁に資料の提出だけこの際お願いしておきます。
○降矢政府委員 全国に照会いたしまして、まとめてみます。
○横路分科員 そこで、来年度予算を見ると、これはわずか五億ちょっとですね、五億七千三百万ですか。しかし、脳神経外科の充実といったことで文部省のほうから出ておるのはわずか四千六百万ですね。これに単純に計算をしてWHOあたりで二〇%の命は助かるといわれておるわけですね、設備と体制さえ十分ならば。そうすると、たとえば昭和四十五年の交通事故でなくなった人は一万六千七百六十五人もおるわけであります。これの二〇%というと三千三百五十三人ですね。かりにこの二〇%、三千三百五十三人とすると、なくなった人には自賠責保険から五百万円払われるわけですね。三千三百五十三人、つまり昭和四十五年度の死亡者の二〇%助かったとして、支払われたお金は実に百六十七億円にのぼるんですね。つまり、金かけたって投資としては投資効果があがるわけですよ。それをわずか五億ですよ、救急医療施設の整備として出しているのは。五億七千三百万。脳神経外科等の充実でいろいろな講座を設けた云々という、わずか四千六百万ですね。一人なくなれば五百万自賠責のほうから出るわけですから。その分、自賠責のほうから金を払うのじゃなくて、事前に、金を払わないで済むようにするのがやはり行政でなければならぬと思うのです。厚生大臣、どうですか。
○斎藤国務大臣 おっしゃいますとおり、私は、自賠責関係からも救急医療に対する必要な金を出してもらったらどうかということを言ったりしておるわけでございますが、ただ先ほども申し上げますように、そういった専門家の養成というものは、これは金をかければすぐできるという問題じゃないものですから、そこになかなかむずかしい点がありまして、建物をつくるというなら金をかければできる、しかしそういう人を養成するということになりますと、それをやりたいという人がまずなければならぬ。そのやりたいという希望を持たせながら、そういう人たちに必要な技術等を修得させるというわけでございますので、その点がなかなかむずかしい問題だという点だけはひとつ御了承いただきたいと思います。
○横路分科員 むずかしいむずかしいと言ったって、ほんとうにやる気があるのか。文部省でつけておるのは、わずか金が四千六百万円ですよ。それから厚生省のほうだって担当医に対する研修そのほかわずか五億七千三百万。大蔵省の厚生省担当の方おられますか。——いまお話を聞いていたようなこういう現状なんですね。ですから、五百万自賠責から払うということよりも、その金を回して自賠責の支払いを減らしていったほうが、これは国としてものすごくもうかるわけですよ。そういう観点からいってもですよ。大蔵省の方、いつも経済効率とか投資効果ということをおっしゃるから、ちょっとこういう計算をしてみたのですが、もうちょっと真剣に予算を大蔵省のほうでも考えてもらわなければ困るのです。
○渡部説明員 交通事故対策というのは非常に大事な問題であることは御指摘のとおりであります。国といたしましては、まず交通事故にあわれないような、先ほど言われました交通安全施設の整備というものに重点を置いておるわけでございます。これにつきましては、先生御承知のように、四十六年度から、第三次でございましたか、五カ年計画を策定いたしまして、特定交通安全施設につきましては、五千三百五十億円の投資をやることをきめておりますし、この中で歩道橋の設置であるとかあるいはガードレール、信号機の整備であるとかいうようなことで相当大きな投資を決定しておるわけでございます。これとあわせまして、不幸にして交通事故にあわれました場合には、それが救われますような救急医療体制の整備ということが必要なわけでございます。この点につきまして、先生御指摘のように、十分投資効率をあげていないのじゃないか、あるいは、もう少し効率的な投資のやり方があるのじゃないかという御指摘でございます。われわれといたしましては、四十二年度から、厚生省のほうとしまして国立病院、公立病院を中心に救急医療センターの整備を中心としてやってまいったわけでございまして、施設の数といたしましては、目標の施設の数がこの四十七年度予算で整備されるわけでございます。さらに、サブセンターの設置といったようなこまかい施策を今後充実してまいるつもりでございますが、施設の内容の整備につきまして、今後とも厚生省当局とよく連絡をとりまして、その充実につとめてまいりたいと考えます。
○横路分科員 四十七年度でおおむね当初の整備目標を達成することになると総理府の出したものに書いてありますが、中身は全然整備されていないんですよ。あきベッドさえ確保されてないところがあるのですからね。しかも医者がいるといったって、耳鼻科や産婦人科の医者が、外科の医者でございますと言っているわけですよ。話を聞いてみると、こういうことを専門の医者が言っているわけです。耳鼻科の医者で知っているのがいるのです。運んできた、そうすると足を切断していいのか、つなげておいていいのかわからないわけですよ。切ってしまうと、あとどうしようもないので、しようがないから、一応つないでおいて、次の日、専門の医者が来たら見てもらおう、こういうようなことを聞く。これが普通の救急病院ではなおさらのことですからね。 ちょっと時間がなくなったので、救急病院はまたあらためて質問しますが、救急病院はセンターよりなおひどい現状にあるわけですよ。これが整備されて、あとサブセンターへという前に、このセンターの施設なり内容というものを、まだ充実すべきではないだろうか。しかも各予算を見ると、医療センターとして百十二カ所ですね。まだお金が出てないところもありますね。仙台の市立病院とか県立の中央病院とかは、いただいた資料によると、四十五年度までですね。補助金額というのも二千万こえておるところはないですね。みんなそれ以下です。しかもおもに機械、設備の面ですね。問題なのは、救急病院にしてもセンターにしても、常時そういう専門家を確保しておらぬ。どう考えたって、これは赤字になるわけですよ。そんなに毎日毎日、次から次へとたくさん来るわけじゃないですから。だから、そんな意味では、人件費を少しめんどうを見るということは考えられないものですかね。少なくともこういうセンターについては人件費のめんどうを見る。どうですか、それは。
○松尾政府委員 私どももレベルの高い専門家だけではございませんが、先生先ほども御指摘のように、あきベッドというものを持ち、かつ医者を待機させておくということについては、当然これはから振りになることが多いという場合もありますので、そういったところを何とか埋める方法はないか、私どももかなり検討いたしたわけでございます。先ほどの御指摘にもあったかと思いますけれども、全体としての病院として機能しているところが多い。したがって、救急部門というものだけ独立して算定をするということがなかなかうまくいかない、こういったようなことがございまして、われわれが自信を持って提案をするというような資料はなかなか得られないということで、今日まで実際の人件費の充当ということは要求もいたしていなかったわけでございます。
○橋本(龍)主査代理 横路君、時間が参りましたので、やめてください。
○横路分科員 ところが、そこのところが問題なんです。患者が来る来ないと言いますけれども、消防庁のほうで、持っていくと断わるところがあるでしょう。一度、東京の労災病院で交通事故の患者を見ようということになって、やはり途中で断わられてだめになったということがあるわけです。消防庁とおたくのほうとの関係で、公立病院や国立病院があまり患者を持ってくるなということを消防庁のほうに言った。それには、やはりそういうあれがあるわけです。来てもらっちゃ困る。東京の労災なんか、それで結局やめてしまったわけでしょう。一度運び始めて二カ月くらいでやめてしまったわけです。二カ月もやらなかった。もうちょっと短くてやめてしまったわけです。 そういうことじゃなくて、ちゃんと設備があって、どうぞいらっしゃいということになれば、これは中小病院ではなくて、そういう大きい病院に行くことになるのです。おっしゃること全く逆でありまして、事実まだまだどうも認識されていないのじゃないかという感じが非常に強くするわけです。 時間が来てしまって、三十分という時間ですから、交通安全の委員会のほうで、救急病院も含めてまだ少し議論をしていきたいと思いますが、ともかく努力をしておるとおっしゃっても、わずかなお金しかつけなくて、センターを設置しているけれども名前をつけただけで、中身はセンターという名前に該当するようなものじゃない。しかも厚生省のほうで実態をちゃんとつかまえているかといえば、さっぱり。だれが当直しているのか、どんな医者が当直しているのか、ベッドが幾つあるかもわからぬという現状で、それで交通事故のほうの報告には、当初の目標は達成されましたということでは、これはやはり困るわけであります。 そんな意味で厚生大臣、これはまだあとずっとやっていきますけれども、最後にひとつ決意をぜひ明らかにしてもらいたいと思います。
○橋本(龍)主査代理 厚生大臣、時間が来ていますから、簡単に答弁願います。
○斎藤国務大臣 いまおっしゃいました趣旨を体しまして、さらに十分努力いたしてまいりたいと思います。
○橋本(龍)主査代理 内藤良平君。
○内藤分科員 きょうは働く婦人の保育の問題です。乳幼児あるいは当歳児といいますか三歳児以下といいますか、あまり専門的なことはわかりませんけれども、そっちのほうの問題です。 どうも世間一般聞きますと、働きたい、子供が生まれる、なかなか預かる場所がない。地方自治体の場合も、そういう面は非常に要望はあるけれども、なかなかできがたい、やはり国で思い切って何か対策なり予算なりがなくちゃならぬじゃないか、こう大ざっぱに申しております。 四十七年度予算の中でそういう対策なり予算なりがついておりましたら、概括的でいいですから、ひとつお聞きしたいと思います。
○松下政府委員 ただいま先生御指摘のとおり、最近既婚婦人の勤労が非常に多くなってまいりまして、それに伴いまして、その子供さんを保育いたしますための保育所の要望が各地方公共団体を通じて非常にふえてきております。またその実情といたしましても、最近非常に増加を見てまいってきておりますことも事実でございまして、最近の数字では、四十六年九月一日現在の調査によりますと、個所数が一万四千七百一カ所、定員が約百二十七万人ということで、相当な増加を見ておるわけでございます。これもただいま御指摘がありましたように、現状におきましてもなお相当の不足を来たしておるのもまたいなめないところでございます。そういう意味で、昭和四十六年度を初年度といたしまして、厚生省といたしましても保育所の施設整備につきまして、社会福祉施設整備五カ年計画の一環といたしましての保育所の施設整備計画を立てまして、昭和五十年度までに百六十二万人くらいの子供さんの保育ができるようにいたしたいということで準備を進めておるところでございます。四十七年度におきましても保育所の整備につきましては、この計画に従いまして四十六年度に引き続いて整備を進めていく、そのような計画を持っております。
○内藤分科員 それじゃわからぬじゃないですか。四十七年度は何人くらい扱えるような施設をつくる、お金はどのくらいかける、それを聞きたいのです。
○松下政府委員 目標はいま申し上げた数字でございまして、大体七万五千人ないし八万人程度の定員の増加を来たしますよう整備計画を進める予定でございます。
○内藤分科員 国で出す予算はどのくらいですか。
○松下政府委員 大体現在の社会福祉施設の整備費は百二十億ということで計上されております。それで社会福祉施設は社会局と児童家庭局の施設共通の予算でございまして、その中で配分計画をきめまして実施計画を立てるということになっておりまして、いま申し上げたような数を達成いたしますためには、このうちの相当部分を保育所の整備に充てなければならないと思っておりますが、現在どれだけを保育所に充てるという具体的な数字の詰めがまだ終わっておりません。 なお、国の補助予算のほかに、社会福祉事業振興会の融資あるいは年金福祉事業団の融資、あるいは民間施設におきましては公益事業の配分金等の補助もございまして、国の補助のほかに毎年相当の保育所が建てられておるのが実情でございます。
○内藤分科員 もう少し私は腰を入れてやっているのじゃないかなと思ったのですけれども、働く婦人から生まれた子供の、大ざっぱに言いまして、赤ん坊から幼稚園に入るぐらいまで、託児をしたり、保育をしたり、この要望はやはり相当大きい国民的な要望でしょう。また、実際にそうあろうと思います。また、いま始まったことじゃありませんね、ずっと前からの話ですね。局長の話を聞きますと、あまり具体的にこまかい対策を立てて手を打っているような感じがしませんね。それでいいんですか。他団体から金をもらって、それから国の予算も大ざっぱなものがある、そこで、それをこれからやるのだ、そういうようなお答えじゃ、何か非常にのんびりしているような感じなんですが、事情は、ぼくらの周辺でも、働きたいけれども子供を持ったら預かるところがないということで、たいへんな苦労をしているわけだ。それと、住宅問題もからんできますからね。保育所の近所に引っ越しをするようなことをやるわけですね。ぼくは事情は相当深刻だと思っているのだけれども、あなたのお答えでは、案外そういうような感じを受けないね。その程度でいいんですか。もう少しこまかく、こういう実態だからこういうぐあいに金をつけて、それで地方自治体からも幾らか出さして、それからまた、振興会か河か知らぬが、そういう団体からまた出さして、具体的に年次別にこういうぐあいにつくっていく。だから四十七年は、四十六都道府県にはこれぐらいの金が行くのだ、全体ではこういうぐあいにできるのだ、これはあるでしょう。ないですか。
○松下政府委員 私の説明が不十分でございましたために、十分な御理解が得られなくて申しわけないのでございますが、決してただいまお話がありましたような、大ざっぱな計画という意味ではないのでございまして、昭和四十七年度の保育所の整備計画、特に国庫補助の対象になることを希望いたします保育所の整備計画につきましては、すでに旧年内に大かたの各市町村別の御希望をいただいております。どれだけの御要望があるということも、私ども承知いたしております。 ただ、予算のたてまえといたしましては、これは毎年同じ形をとっておるわけでございますが、いま申し上げましたように、社会福祉施設整備費全体につきまして予算が計上されまして、そのこまかい内訳につきましては、実施計画の段階で具体的にきまることになっておりますために、いま保育所に関する総額を具体的に申し上げる段階に至ってないというだけのことでございます。具体的にどの施設を整備するかというような問題は、いま申し上げましたような他団体の配分金等も含めまして、できるだけ地区の事情に即応して、多くの施設が整備できるようにということを含めまして、私どもの手元でいま鋭意検討している段階でございます。
○内藤分科員 そうすると、ぼくもしろうとですから、自分なりの納得を得たいと思っているのですが、自治体からいろいろ要望が出ますね。それは県なりでまとめて厚生省のほうへ来るわけだ。全国集まるわけでしょう。件数でこのぐらいで、金でこのぐらいだ。それで大蔵省に出して、大蔵省と折衝の中で、それが何%か歩どまりになるわけですね。そういうかっこうですか。そこで、いま予算が出ている。予算はそういう大蔵省の査定を経たものであって、それを今度また、出てきたものとにらみ合わして、もう一ぺんそろばんを入れ直して、そこで初めて確定する、こういうことですか。いまの予算は、だからある意味では、大ざっぱな予算で、どういうぐあいに分けられるか、これからだ、積算の基礎があってないようなものだ、こういうぐあいに理解していいですか。
○松下政府委員 これは制度的なたてまえといたしましては、先生いまお話がありましたとおり、予算の計上と具体的な実施計画とは、それぞれの立場から大蔵省と協議してきめることになっております。形式的に申しますと、いまおっしゃったとおりでございますが、実際の形といたしましては、いま申し上げました百二十億余りの施設整備費の中で、どの施設に大体どの程度の配分をするということを、これは先ほど申し上げました厚生省としての全体の計画もございまして、おおむねの規模はきまっておりますので、今後もう少しこまかく折衝いたしまして、保育所については大体何カ所分のどれくらいの額というような話し合いをまずするわけでございます。 実際の配分につきましては、これは先生も御承知かと思いますが、現在全国的に見ますと、なお相当の不足を来たしておることは事実でございますが、特に保育所につきましては、地方によりまして充足状況にかなり差がございます。特に都会地がかなり少ないという実情もございまして、そういった地域の実情等もにらみ合わせました上で、できるだけ足りないところを優先的に整備いたしまして、全体の計画を五カ年計画の中で整備していくことができるようにという考え方で個々の配分をきめていく、そういうふうにお考えいただきたいと思います。
○内藤分科員 どうも私は理解しがたいのですがね。そうすると、われわれの一般的な考えでいいますと、つかみ金みたいなもので、これからどういうぐあいに、どこへどうなっていくのか、これからだというわけですか。私は、予算の審議というものは、やはり何か積算の基礎があって百二十億だ、これは整備費だ、そうすると保育所には幾らだ、その保育所の中で各県にこれだけだ、こういうぐあいになっているもの、だと思っているのです。そうじゃないですか。そうでなければ、これなかなか審議のしようがないのじゃないですか、と私は思っているわけだ。
○松下政府委員 予算の積算といたしましては、もちろん先ほど申し上げましたように、四十七年度におきまして七万五千人ないし八万人分の保育所を整備するということを前提といたしまして計画を立てておるわけでございます。ただ、個々の保育所に対する予算の配分につきましては、具体的な実施の段階できまるものであるということを申し上げたわけでございます。
○内藤分科員 それじゃ、四十七年度は七万ないし八万人を扱えるようなものをつくろう、これだけはいまの段階でわかるわけだ。すると、四十六都道府県にどんなぐあいに配分になるというのは、いつわかるのですか。 〔橋本(龍)主査代理退席、主査着席〕
○松下政府委員 具体的な配分につきましては、先ほど申し上げましたように、全体のワクをきめた上で、個々の申請に対する審査をいたしまして、大蔵省と事務的に手続を詰めるということでございますので、大体五月ごろに決定できると思っております。
○内藤分科委員 あまりわからぬけれども、これだけにかかっておれませんので、それじゃ五月ごろまで待って、またそのあとでお話をするようにしたいと思います。 それから斎藤大臣、私古いものを出してきたわけじゃないけれども、ちょうど三年前にも大臣に例の精薄の子供のことでいろいろお尋ねしましたが、当時そういう困った子供を、ベッドの数では一万六千百ベッド必要なんだ——これは昭和四十四年のやはり分科会です。重症の心身障害児に一万六千五百ベッドが必要だ、当時は、四十三年度の末で四千三百六十九ベッドが整備される。したがって、一万二千百三十一ベッドというものが昭和四十四年度以降整備されなければならないわけでございます。こう言っておるわけです。これは年次計画で四十九年ごろまでに終わるようなあれだと思うのですけれども、七年計画ですか、四十三年度から四十九年度まで。これが現状でどういうぐあいに進捗しておりますか。そこで、このとき斎藤大臣は、いや金があればこれはできるんだ、こういうお答えで、またベッドだけあっても、いろいろ保護をする方の関係もありますね。そういうこともあるので、しかし何とか七年計画をやっておりますから、気持ちは私と同じだ、こういうことを言っておりますけれども、その後の進捗、進みぐあいですね、これをちょっと教えてもらいたいのです。
○斎藤国務大臣 数字的には局長からお答えさせます。
○松下政府委員 重症心身障害施設のベッドの数は、四十六年度末で八千四百四十二床でございます。その後の計画といたしましては、四十七年度、四十八年度、四十九年度と、三年度をもちまして、初めに申し上げております一万六千五百床に達するという計画を立てておる次第でございます。
○内藤分科員 それではこのパーセンテージ、進捗率はどうなんです、一万幾らから見ると、現在で。
○松下政府委員 いろいろな事情がございまして、当初に考えましたよりは残念ながら多少おくれております。
○内藤分科員 何%ぐらいになっておるの——ぼくも、ちょっと前もって連絡不十分であったかもしれませんから、その点はあとでもいいです。それでいろいろな事情があってなかなか進まないということを言いましたね。その事情のおもなものは何ですか。
○松下政府委員 一番大きな問題といたしましては、やはりこの施設の中で患者の処遇に従事いたします職員の養成あるいは確保がなかなかむずかしいという事情がございます。非常に勤務のきつい職務でございますために、そういうことが原因になりまして、つくりましても、多少開始がおくれるというようなことがあったりいたしまして、この設置が少し足踏みをしておるというような状態でございます。職員の処遇の改善と定員の増加を含めまして、至急増設いたしたいというふうに考えております。
○内藤分科員 それじゃこれは大体計画よりはおくれておるということですね。年次計画から見て、少しおくれておる。そのおくれておるのは、やはりいろいろ職員の方に対する心配を——そういう方々がなかなかうまく養成できない、あるいは希望者がいない、こういう関係だ、こういうわけですね。
○松下政府委員 それが一番大きな理由であると私ども理解いたしております。
○内藤分科員 そこで、これはちょっとあなたもお話しいただいたけれども、非常につらい仕事だ、だから希望者がない。 ぼくらのいなかの秋田からも年に何人か秋田おばこが出てくるようでありますけれども、大東京周辺などは、なかなかそういう方々がいないということでしょう。それじゃそういう面をどういうぐあいに、いま隘路を打開する計画を立てておられますか。
○松下政府委員 この点は、物心両面と申しますか、一つはやはりこういう非常に勤務のきつい仕事でございますので、何よりその人たちの労務を軽減することと、それから処遇を改善することが必要だろうと考えております。そういう意味におきましては、四十七年度におきまして、この重症心身障害児に対する措置費を増額いたしまして、定員も現在よりも少し余分に置けるような配慮をいたしております。それから職員の処遇の改善ということを中心に改善をはかっております。 それからもう一つは、やはりこういう事業に対する世人の関心と申しますか、もっと理解を得て、働いてくれる人を得なければならぬということがございまして、この点私ども不十分でございますが、もっとPRにつとめたいと考えております。
○内藤分科員 率直に言って、やはり相当な金を出さなくちゃ、なかなかやれぬじゃないかと思うのだな。賃金、労働条件ですね。ひどい仕事だけれども、出かせぎの方がこっちへ来るというのは、賃金がうんと違うからです。いなかの賃金と、こっちの賃金じゃ大体倍ぐらい違う。それで、この大東京の土木工事に地方から出てきますね。だから思い切った賃金でも出してやらなければ、あるいはこのお仕事は非常にとうとい仕事だ、こういうことをあわせて、あるいはまた国家的な試験の一つのあれをやるとか、賃金と労働条件、それから教養とか技術とか、また誇り高くとか、そういう面ではなかなかむずかしいことは確かですよ。ただこれを何か思い切った養成機関でも設けて、そして思い切った予算でもやってやらなければ、なかなかこの一万六千という、こういう方々を在家に放置しておくといいますか、こういう状態がなかなか進まないのじゃないか。これは三年前にも斎藤大臣にもそのことはいろいろお話もし、やったわけですが、結果を見ましても、なかなか進まないわけですよ。こういう世間ですから、なかなか希望者も少ないでしょうけれども、思い切った国の施策をやはり必要とするということをいまのお話で痛感しますね。 やはりそういう子供さんを持っておる御両親なんかはたいへんな御苦労なわけです。われわれ何も言う必要もない。あなたも十分おわかりでしょう。もう少しこれに対する抜本的な対策——大臣、きのうから抜本的な対策、健康保険でも抜本、抜本で、あなたも抜本だらけでしょうけれども、この問題もやはり抜本的な対策がなければ計画がだんだん後退しちゃうような実情だと思います。いかがですか、大臣。私はあまり時間がなくなっちゃったから……。
○斎藤国務大臣 処遇の改善、それから賃金、誇り高くという、この面につきましては、ごもっともだと思うのでありまして、処遇の改善にも十分つとめておるわけでございます。また、ただ物的だけでなしに、できるだけ保障その他の道も開いたらどうだということで、その方向にも手をつけておるわけでございますので、御趣旨を体しまして、できるだけ努力をしてまいりたいと思います。
○内藤分科員 いや、斎藤大臣、私、何のためにこの三年前のものを持ってきたかといいますと、非常に深刻な問題なんです。ところが、なかなか地方自治体でも手が届かぬ。人間の問題でも、金の問題でもなかなか手が届かない。そこでやはり国に期待する。 そこでこれは大臣、一とおりの御答弁だけれども、やはり斎藤大臣、三年前にも、四十三年ですか、あのころから年次計画を立てたのですから、これはここで中間的になりますけれども、もう一ぺんてこ入れしてもらって、四十七年度予算も、これは間もなくきまるでしょうから、どういうぐあいに措置できるかどうかわかりませんが、やはり相当思い切った厚生省の指導がなければ、私は、ますます後退しちゃうんじゃないか、それ、心配なんです。だから大臣は、いまはこの国会もう終わればいいというような考えじゃなく、ひとつ省内の皆さんにも、これ、目立たない問題で数も少ない。だけれども、この関係者非常な塗炭の苦しみという感じです。だから、そこら辺にスポットを当てていただいて、特にひとつ大臣、これはもう少し、四十七年の予算の中あるいは行政の中で、これだけはひとつ確実にやりたい、あるいは、局長以下に指示をして、地方自治体ともまた相談をして、あるいはこの関係団体なり、何か心あたたまる一つの置きみやげをお願いしたいと思うのですが、もう一ぺんひとつ御発言願いたいのです。
○斎藤国務大臣 激励していただいてありがとうございます。ひとつ、できるだけ努力いたしてみたいと思いますから……。
○内藤分科員 どうも、その努力なんということになると、たいがいの大臣は言うことですからね。私もひとつがんばってみる、局長以下にもいろいろ話してがんばってみるというぐあいに、もう少し力強いおことばを私はお願いしたいのです。 また、いまお話しのありましたこの託児所問題ですね。これも私は当面の急務だと思うのです。実情は私は、ちょうちょうと申し上げませんけれども、どういうぐあいにしたら、これが効果をあげるか。やはり地域的な保育所の問題、託児所の問題、乳児院の問題、それまで連れていく関係もありますね。住宅の関係もある。そこで私は、やはり企業の中における託児、保育、乳幼児のこの関係、これがやはりいまの状態になると、一番いいようだ。ところが職住、このとおり離れちゃったもんですから、その間、それじゃどういうぐあいに連れていくかとか、こういう問題も出てくるわけです。 この間、新聞を見ると、職場における保育関係は、例の政府から出ましたあれにも除かれておるようであります。だから、今日の段階では、地域における保育関係の施設も必要だし、あわせて職場も必要だ。これらを双方相補完し合ってようやく、おくれておるような託児、保育、働く皆さんの福祉ができるんじゃないかと私は思っておりますが、あれは厚生省から出たんでしょう。要綱でございましたか。厚生省の考え方でしょう。ちょっと私新聞で見たんですけれども、そういう考え方はありませんか。いまの職場のほうはボイコットしちゃう、あるいはやめちまうというんじゃなく、地域の中でもあるいは職場でも、両方の保育関係でお互いにカバーし合って、当面の緊急なこの問題に対策を立てていく、こういうお考えはありませんかね。
○斎藤国務大臣 保育所の問題も、これは非常に緊急に大事な問題だと考えております。 私は、いま地方からの保育所の補助金の要求が相当ございます。少なくとも、地方で補助金があればやりたいというものについては、その年度内において全部処置できるような、それだけの補助金を来年度はぜひ取るように努力をいたしたいと思っております。 これは地域保育所でありますが、いまおっしゃいました事業所内の簡易な保育、これもやはり補完的な意味で、いまの段階では必要であろう、かように考えております。 いまおっしゃいましたのは、おそらくいま労働省が提案をしております働く婦人の福祉に関する法律ということであろうと思いますが、労働省と連絡をとりながら、少なくとも保育につきましては厚生省が責任をもって、事業所内でありましても推進をしてまいるようにいたしたい、かように考えております。
○内藤分科員 もう時間ですけれども、一つだけ局長さん、さっきの例の一万六千何がしの、重症心身障害児のベッド、それと七カ年計画、それからこの進捗状態ですね、これを何か一表にしたものをいただけませんか、あとでいいですから。
○松下政府委員 かしこまりました。 なお、たいへん恐縮でございますが、一つ訂正させていただきたいのでございますが、先ほど保育所の予算の配賦は、大体五月にはきまるだろうと申し上げましたが、私の記憶の誤りでございまして、例年六月ごろでございます。訂正しておわび申し上げます。
○内藤分科員 時間になりましたので終わりますけれども、大臣、ひとつこの問題、いろいろたくさんな厚生行政があるわけですけれども、非常にスポットの当たらない、恵まれない例の重症の心身障害児、それから当面のこの保育問題、特に乳飲み子の、働く皆さんとの関係ですね、これはぜひあなたも心にかけて、局長を督励して、四十七年中にも成果をあげるように、ぜひひとつ要望いたします。私たちも、いまお願いしました資料等によりまして、あと随時またわれわれの意見も申し上げて、促進なり成果をあげるようにがんばっていきたいと思っています。 以上で終わります。
○田中主査 広沢直樹君。
○広沢分科員 私は、非常に短い時間でありますけれども、せんだって予算委員会のときに年金制度の問題に、時間がなかったわけでありますが、若干触れておりました。きょうはそういう問題と、時間がありますれば、薬の副作用の問題について、ひとつただしてまいりたいと思います。 まず、年金制度の問題でありますけれども、御存じのように、最近特に各方面から福祉ということが強く叫ばれておりますし、福祉といえば、やはり社会保障のおくれというものが非常に重点項目として取り上げられなければなりません。さらに、社会保障の中では、やはりこれから年金時代といわれておりますように、年金がその柱になってくることは、これはまあ当然なことだろうと思うわけです。 そこで、皆年金になって、そういう体制になっておりますけれども、実際その年金の恩恵を受けておらない方々、いわゆる皆年金になったときに、年齢的にその制度の中に加入することができなかった方々ですね、それに対する対策は、いまどういうふうに考えておられるのか。皆年金になりましてから、すでに十年も経過しているわけでありますけれども、いまもって抜本的にそういう対策が立てられていない。年金制度の恩恵を全然受けていないという方々が相当多くいらっしゃるわけであります。したがいまして、どれぐらいの方々がそういうことになっているのか、そしてまた、それに具体的な対策はどうなっているのかを、まず伺いたいと思います。
○北川(力)政府委員 私からお答え申し上げます。 ただいまお話がございましたように、現在は皆年金体制でございますが、皆年金体制が実際に発足いたしましたのは、三十六年に国民年金法が施行されまして、従来の厚生年金あるいは船員保険とあわせまして、皆年金ができ上がったわけでございます。ただ、その当時、年金制度の本質と申しますか、そういった角度から申しまして、五十歳までの方々につきましては当然加入でございましたけれども、それ以上の方々については、原則としては国民年金には加入できなかったわけでございます。ただ、五十歳をこえて五十五歳までの方々につきましては、いわゆる高齢任意加入ということで、十年年金あるいは五年年金についての加入の仕組みが当時、またその後できあがりまして、七十歳をこえる方々は、いわゆる全額国庫負担の福祉年金でカバーをする、こういう仕組みができ上がったわけでございます。 その結果、現在の実情を申し上げますと、次のとおりでございます。 これは昨年の四月一日現在の数字でございますが、六十五歳から七十歳までの方々、すなわち国民年金に加入できなかった方々でありまして、しかも七十歳になって福祉年金を受ける以外には公的年金を受けられないという方々、こういう方々が約二百二十万でございます。この中で、昨年十一月の改正で、いわゆる障害のある寝たきり老人等につきましては年齢を六十五歳まで引き下げましたが、そういった方々を含めまして二百二十万人でございます。それから先ほど申し上げました、いわゆる高齢任意加入のグループでございますけれども、このほうは十年年金加入者が百万人、それから前回の改正で設けました五年年金グループが七十二万人でございまして、六十歳から六十四歳までの全体の中で、七十歳をこえなければなお福祉年金を受けることができないというような方々は百十五万人が残っております。合計三百三十五万人というものが、現在の段階では高齢任意加入には入らずに、あるいはまた最初から福祉制度の中にブランクとして残っているグループでございます。 私どもは、そういった方々に対しましては、何と申しましても、いろいろな方法があるかもしれませんけれども、少なくとも、いま申し上げました中で高齢任意加入のグループの方々は、そういった加入の機会を、最初が十年年金、その次が五年年金という形で加入の道を開いたのでございますけれども、なおこれに加入していただけなかったという問題がある点におきましては、六十五歳以上の人々とは若干ニュアンスが違っておると思うわけです。しかしまた、六十五歳から六十九歳までの方々につきましては、いま申し上げましたように、昨年の改正でその一部を吸収いたしましたが、しかしながら、いわゆる福祉年金の問題としてこれを取り上げますと、先生も御承知のとおり、年金額を大幅に引き上げるという問題、あるいはまた所得制限を大幅に緩和する、あるいは撤廃をするというふうな問題、さらにまた併給の問題というような数多くの問題がございまして、そのいずれもが全額国庫負担というふうなことで、たいへんな大きな額を必要といたしまするので、福祉年金の問題のワク内で考える限りにおきましては、その優先の度合いと申しますか選択の問題と申しますか、そういうことで、やはりどうしても年金額の引き上げ、あるいは所得制限の緩和、そういったことに重点がかかってまいりますので、この空白地帯をどのように埋めるかという問題は非常に重要な問題でありますけれども、相当慎重に検討しなければならない問題だと思っております。
○広沢分科員 答弁は簡単にひとつお願いしたいのです、時間があまりありませんので。 いまお説のとおりに、重要な問題だということはわかっておるのですよ。これが皆年金といわれまして、すでに御存じのように、もう十一年目ですか、そういうようなことになってきておりますので、この年金の恩恵を受けられなかった方々というものは、これはいまるる説明があったとおりでありますので、それに対して、この際、ただ種々の問題があるから重要問題として考えるということではなくて、具体的に、どういうふうにこの問題を解決していくのかということをいまお伺いしたいわけなんです。いかがでしょう。
○斎藤国務大臣 この問題をどう解決するかというのは、まことに重要な問題であるとともにむずかしい問題だと思います。それで、この問題をこう解決するという結論が出ているなら四十七年度でも解決をいたしたわけでございますが、先ほどもお答えをいたしましたように、とにかく本年は医療関係、医療保険、それから医療供給体制、これに心魂を打ち注いでまいりました側といたしましては、これが終わりましたら、来年度は年金問題と取り組みたい。いまの空白地帯も何とかしてその解決のめどを置いて、そうして高年齢者の方々には、とにかく安心してもらえるというような体制をつくりたい、それをもう一年お待ちをいただきたい。次の国会には何とかしなければならない、これはもう政治的課題を負わされておる、かように考えております。
○広沢分科員 そのおことばについては、来年具体的に取り組んでまいりたいということは、この間もお答えいただきましたので、了解しているわけでありますけれども、しかるがゆえに、改正が部分的なものじゃなくて、抜本的にいままでの諸問題を解決する方向で取り組んでいただきたい、こういうような意味合いの上から御質問申し上げているわけであります。 そこで、どういうふうに具体的に解決していくかということになりますと、私は方法はいろいろあるかもしれませんが、端的に申せば、やはり給付のいま七十歳以上という福祉年金を六十五歳に引き下げていくということで解決するわけであります。そういうことになりますれば、当然ここには財政方式をどうするかという問題が考えられなければ、現段階の財政方式で、いわゆる先日お答えいただきました積み立て方式、修正積み立て方式というような方式であれば、徐々にしか解決することはできないんじゃないか。したがって、現在のお年寄りの方々、あるいは当時こういう条件のもとにあって制度に加入できなかった方々に対する対策というものは、やはりそういうふうな財政方式というものを考えてみなければいけないんじゃないかと思うわけです。したがって、いま七十歳以上になれば老齢福祉年金がいただけるわけでありますけれども、それを漸次引き下げていくのか、あるいは、いま言うような問題を一挙に解決するとすれば、六十五歳以上ということにすれば解決していくわけじゃないかと思うのです。その際の財政負担を云々という問題がありますけれども、これはずっと後年度において負担になってくるわけじゃないと私は思うのです。 それは、きょうは時間がありませんので、あまり具体的に述べられませんが、年金制度そのものをどうしていくかということにおいて将来の問題は考えていくことができるんじゃないかと思うわけです。そういう面において、もう少し前向きにこういう方向で取り組んでいきたいということを一応お考えを伺いたいわけです。 この問題はいまに始まった問題じゃなくて、これは十年来ずっと議論もされ検討もされ、いよいよ来年それじゃそういう抜本改正に着手しようというのであれば、当然もう前向きな考え方はあってしかるべきじゃないかと私は思うのでありますが、いかがでありましょう。
○斎藤国務大臣 これは拠出年金と福祉年金と両方に分けて考えていくというのがいままでの考え方であったと思います。 七十歳を六十五歳に引き下げるにいたしましても、これは福祉年金の考え方でございます。いまのお説では、拠出年金ともからみ合わせて考えられないかという御意見のようでございます。そういう点も考え合わせまして、そして考えてまいりたい。 拠出年金は、いままでのような積み立て方式あるいは修正積み立て方式というだけでよろしいか、あるいはもう少し付加方式を加味するかというようなことも考え合わせて、これはこれから広く年金関係の研究をしておられる方々、あるいは審議会等の御意見も伺って——おそらく皆さん同様にいまのままでよろしいうお考えの方はないと思います。それらのお考えを集約をさしていただいて、そして考えをまとめたい、かように思います。
○広沢分科員 それでは、あまり時間がありませんので、こればかりかかるわけにいかぬと思いますけれども、要するに、皆年金制度ということがしかれたわけでありますから、やはりすべての人たちがその恩恵に浴せるようにしていただきたいということであります。 七十歳以上になれば福祉年金がいただける、あるいは当時の年齢でいけば、いまさっき御説明ありましたところまでは、加入できた方々はけっこうです。しかし、その中間に置かれた方々については恩恵を受けられないという制度があって、全然恩恵に浴さないということは政治の片手落ちといいますか、これは早急に考えなければいかぬ問題だと思って、その点よろしくお願いいたしておきたいと思います。 それから、福祉年金の問題でございますけれども、これは先日の予算委員会で私は申し上げましたが、ただここで、福祉ということに発想の転換という意味から、もう一歩大きく前進した考え方を持っていただきたいという意味で、いまから若干申し上げます。それは「福祉年金制度の改善について」ということで、国民年金審議会の福祉年金小委員会の中間報告が昨年出されておりますね。それを見ますと、やはり福祉年金というものが現在の年金制度の中で考えられているということ。そこにいろいろな問題があるので、いろいろな「経過的な福祉年金を、国民年金の体系から切り離し、新たな視点から別の体系として制度化することを検討することも十分意味があろう。」と申しておりますし、さらに「年金額の水準の考え方」で、「老人問題等が大きく国民的課題となっている今日では、福祉年金の水準の考え方について、これまでの発想からの転換がなければならない。」またもう少し具体的に言いますと、それぞれの福祉年金は、共通性を基準として考えられてきているけれども、それぞれの特殊性は重視されていなかった。これは重視していかなければならない。こういうふうに現在の制度の中で未成熟であるからということで、その恩恵が十二分に受けられない、あるいは補完的な形に置かれているということは、考え直さなければいかぬ時期に来ている、こういうふうに指摘されていると思うわけであります。 その点について、まず基本的に大臣はどういうお考えを持っていらっしゃるか伺いたいわけであります。
○斎藤国務大臣 まず発想の転換という点、私もこれを読みまして、なるほどさようだ。しからばどういうように発想を転換していくか具体的になってまいりますると、なかなかこれからまだ検討を要する。この中間答申も一々もっともと思いますが、まだ具体的に触れておりません。大体のこういう方向ということでございますので、こういう方向を踏まえて、これの具体化をどうさしていくかということをほんとうに精力的にやってまいりたい。私の申しますのは、これがとにかく七三年——七〇年代、ことに三年以降における日本の社会的な一つの大きなニードであろう、かように踏まえておりますので、来年は年金の年にしたい、こう思うのも、そういう趣旨から来ております。 したがって具体的方策につきましては、いまここにまだ御披露申し上げる段階ではないことは、はなはだ残念でございますけれども、お許しをいただきたいと思います。
○広沢分科員 先日予算委員会では、大臣は日本の年金制度は成熟していないので不十分だ。これはそのとおりですが、老後保障という意味で年金制度を一度考え直す必要があるということをお認めになっていらっしゃいますね。これはまさしく年金制度は経過からいうと、そうなると思いますが、現時点においては当然種々の例をひくまでもなく、老後の保障ということ、あるいは所毎保障というか生活保障といいますか、両方加えた考え方で考え直されなければならない、私はこう思うわけです。 そういう視点に立っておりますと、現在年金制度ができまして、厚生年金については御承知のように、もう戦前からできておりますし、それから国民年金についても十一年目を迎えているということです。それがほとんど年金制度の九割を占めておるわけでありますから、いままでの積み立て金でも相当な額に達しているわけで、先日同僚議員がその面を踏まえて、その活用いかんによっては現実的に二万円年金ということも考えられるではないかということをお話し申し上げました。 そこで少なくとも現在の、先ほど申し上げました制度に加入できなかった方々に対しては、当然これは賦課方式的な考え方で考えてあげられなければならないし、未成熟であるといいながら年金制度の補完的な形で置かれているということは、基本的に発想の転換をしていただかなければならないのじゃないか。そこで、老人福祉法ができ、あるいは身体障害者の福祉法ができ、あるいは母子福祉法という法律ができて、その上に立って現在の社会保障制度というものはどうあるべきかということを考えてみなければいかぬと思うのです。 そこで、これはいまの年寄りの問題についてだけ具体的にあげてみますと、やはり老人福祉法の精神にのっとって、いま指摘がありましたように、別の制度として福祉法の中で考えていくことはできないものか。これは財政的にいって、現実の積み立て金の運用のあり方によって私はできると思います。さらにそういう精神に立っていくならば、いまの積み立て方式が賦課方式のほうへ必然的に変わらざるを得なくなっていくのじゃないか、こう思うわけでありますが、その点についてはいかがでしょうか。
○斎藤国務大臣 いままでは、福祉年金は七十歳以上でいいじゃありませんか、そこまではまだ大体働く能力もあるしというようなことで考えておったと思います。それから、いわゆるしょ拠出年金も成熟してくればもう西欧並みになるのだから、もうしばらく時期を待てばいいのじゃなかろうか。ところが日本人口構造の急激な変化は、そういうてじっと待っておれないというような社会情勢になってきた。そこで一つの発想の転換もあるであろう、かように考えます。そこで、いまの拠出年金の積み立て金をさらに有効に今日のニードに合うように先取りといいますか——先取りということばはあまり使いたくありませんが、そういうような形でいくかどうかということも検討の余地があると思います。 それから六十五歳から七十歳までのあれ、賦課方式ということになると、これはいわゆる年金加入者に対して賦課をしていくということでありますから、そういう方式がいいか、やはりこれは国民全体の税金がいいか、あるいは今日の年金加入者への賦課も含めていいかという点か研究問題であろう、かように考えます。 いずれにいたしましても、そういう問題があることは私も存じておりますので、そういう問題を踏まえてひとつ考えてまいりたいと思います。
○広沢分科員 それじゃ来年抜本的に、また一年間かかってお考えいただくそうでありますので、いまお答えになった分、私の申し上げた分も含めてぜひ検討し、実勢に合うようにひとつ前向きに取り組んでいっていただきたい。御要望申し上げておきます。 ちょっと話題は変わりますが、冒頭に申し上げました薬の副作用の問題についてであります。ことしの一月末だったと思いますが、新聞に薬の副作用で、ある方がなくなったのじゃないかという記事が出ておりました。最近御存じのようにサリドマイドあるいはキノホルム、いま私が申し上げたのはビサチン錠ということでありますが、そういう薬による被害が報ぜられているし、問題になっておりますね。私はそういった新聞やあるいはそういうような状況を見るにつけても、大衆薬というものを安心して国民が使用することができないということは重大な問題だと思います。たまたまそれが出てきたというよりも、いままでのそういったあり方について、少しゆるんでいるのじゃないかというふうに感じているわけなんです。それについてはいろいろ処置を講ぜられているようでありますけれども、まず基本的な問題について簡単にお答えをいただきたいと思います。
○斎藤国務大臣 薬の害につきましては、ゆるんでおったというよりは、いままでわからなかったことが科学技術によってわかってきたという一言で尽きるであろうと思います。したがいまして、いままでの薬で副作用がないと考えておったものもまた副作用の点検をしなければならないというので、古い薬はこれから若干日時を要しますが、薬の数が何万とありますから、それをひとつ点検をしてみようというので、この点検にかかっているわけでございます。 同時に、大衆薬とおっしゃいましたが、大衆薬の中でも、これはしろうとがかってに飲んではあぶないというものは要指示薬にしたいというので、この間も要指示薬を相当ふやしました。相当製薬関係のほうからは困るという声がございますが、しかしこれはやはり国民の健康を考えますると、一般に野放しでするというよりも、副作用のおそれがあるというものは、やはり指示薬の制度にして、医者の指示がなければ服用相ならぬというようにしたほうがいい、そういう方向でまいりたい。一言で言いますと、以上のようなことであります。
○広沢分科員 そこできょうは時間がありませんから、私が取り上げようとしている問題はビサチン錠の問題ですね。先日の新聞に出ておったのはビサチンでございます。これにつきましては、もう三年も四年も前から、あるいは欧米においてはそういうふうな副作用があるということは専門誌に載り、あるいはまたFDA、そこにおいてもこれを取り上げて官報にそのことを載せていくというふうな処置を講じておったようでありますけれども、先ほど申し上げました、一月末にそういう副作用があったんじゃないかと疑われるような問題が出てから、処置を講じているといいますか、非常におくれたような体制というものがなにしているわけですが、この副作用情報なんていうことを、これが三、四年前に出ておれば、皆さんのほうでは当然知っているべきことではないかと思うのです。それに対しては、すぐにそういった処置を講じていくということが大事だと思うのですけれども、その点について何カ月か、あるいは何年か放置してきたのか、あるいは具体的にそのことが検討されておったかどうか、簡単にお答えいただきたい。
○斎藤国務大臣 いまの具体的な問題については局長から答えさせますが、諸外国におけるそういった副作用の情報の入手という点については、まだ欠けるところがあったと思います。そこで今度はWHOの副作用のモニター制度に日本も加入する、そこから情報をもらう、そして敏速に処理をしたい、こういうふうに考えております。 具体的な薬の問題につきましては局長から……。
○武藤政府委員 ただいまのビサチン錠の問題でございますが、先生もいまお話になりましたように、外国では一九六八、九年から文献が出ておったことは、私も承知をしております。ただ、いろいろ学会の論文でありますとか、学者の研究発表等の問題は、外国の場合は、特に日本に参りまして、それが私どもの通常知り得るというのは、相当の時間がかかるわけでございます。 外国品におきまして、いろいろ具体的に行政当局でそれを取り上げて措置をした場合には、WHOほうから私どものほうにも正式の連絡がございますけれども、学会その他の文献等でちらほら出た問題につきましては、どうしても情報その他がおそくなる。この点はやはり私どもの体制なり、業界自体も体制を強化しつつある方向にはありますけれども、やはりいま大臣がお答えになりましたように、WHOでも必ずしも行政措置をとったものばかりではなくて、モニター制度をとってお互いに情報を交換しようというのが昨今の考え方でございまして、それにも本年四月から加入する準備を進めております。
○広沢分科員 簡単でいいです、時間がないから。
○武藤政府委員 それで具体的にビサチンの問題は、既年末にそういう情報で、これは中止したほうがいいということで、一、二のメーカーは自主的に薬を切りかえるように措置をしております。私のほうでは本年の初めから具体的に調査会にかけまして、去る三月にビサチン錠につきましては、一般用は今後新たに製造しないようにする。したがいまして残存のものにつきましては、使用上の注意を書かせる。したがいまして、今後は医療用にだけこのビサチン錠は市販されるという方向になろうかと思います。
○広沢分科員 時間がもう来たようでありますから、まとめて申し上げますけれども、三月三日に確かにビサチンについての通達は出されております。それから業界におきましては自主的にそれの製造を中止し、そしてまた回収をするという手段を講じておる。それはけっこうなことだと思うわけですけれども、自主的にということよりも、やっぱりそれを監督していらっしゃるその行政官庁においては、やはりいち早くそういう情報を収集するとともに、万全の処置を指示するなりしていかなければならない。業界まかせというか、自主的にやっているからいいじゃないかという——これは自主的にやるということは悪いとは言いません。自主的にやることはごりっぱでありますけれども、それはやっていくべきじゃないか。 それから、そういうことが一つ問題になりましたときに、私は薬が実際にどういうことになっているのか、日本薬局方のいわゆる効能書きといいますか、それを見、そしてまた市販されている能書というものを取り寄せてみましたところが、局方に書かれていることと、それから市販されている薬についている能書に書かれていることは非常に違う。やはりそういったところに、これを使用していく消費者にとってみれば、誤った使い方もするわけじゃないだろうか。やはりそれが商業的といいますか、そういったところまで、これは命にかかわる問題、健康にかかわる問題でありますから、微細な感覚で指導し、あるいは管理していかなければならない問題だと思うのです。その点においては、これは報道されてから種々な手段がとられているということについては、やはりそういう面においてはもう一歩管理体制というものをはっきりすべきなんじゃないだろうか、こう思うわけなんですね。 その点要望も含めて今後、大衆薬として国民に対してそういった不安が与えられたということは、やはり薬全体についても一ぺん総点検していただいて、そうしてまた時代によってもいろいろ食生活が変わり、生活環境が変わりますと、従来何十年も前からこれはだいじょうぶだといわれた薬だって、それは変わってくるだろうと思うのですよ。ですから当然これは総点検していただいて、万全を期していただきたいということを強く要望申し上げ、また簡単にお答えをいただいて終わりたいと思います。
○斎藤国務大臣 薬の総点検は、先ほど申し上げましたように、これは必ず実行をいたします。いまもう着手をして進みつつあります。 そのほかの数々の御意見、私も全く同感に思って、今後さらに一そう進めてまいりたい、かように考えております。
○田中主査 次回は、来たる二十一日午前十時より開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時八分散会