予算委員会 第15号
- 発言数
- 163 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1972/03/14
会議録
○瀬戸山委員長 これより会議を開きます。 昭和四十七年度一般会計予算、昭和四十七年度特別会計予算、昭和四十七年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。最初に、内閣総理大臣から発言を求められております。これを許します。内閣総理大臣。
○佐藤内閣総理大臣 沖繩への物資の輸送に関する件及び立川基地への部隊の配置に関する件につきましては、防衛庁長官から申し上げさせます。
○江崎国務大臣 申し上げます。 一、防衛庁の人事につきましては、事案の経緯にかんがみ、責任体制を明確にし、今後再びこのようなことのないよう十分留意をいたします。 内部部局及び航空自衛隊の関係者に対しては、厳重な訓戒等の措置をとることといたしました。 なお、適当な時期を選んで内部部局及び自衛隊関係者の人事を刷新し、文民統制の実をあげ、防衛に対する国民の期待にこたえたいと考えております。 二、復帰を前にして細心の配慮を払わなければならない沖繩県に対し、必要以上の物資を輸送したことを反省いたしますとともに、その物資については、すみやかに責任ある措置をとることといたします。 三、立川基地に対する陸上自衛隊の一部部隊の配置につきましては、その実施方法について関係者に誤解を生じたことは遺憾でありますが、この配置は、民生協力、災害救助等をおもな目的とするものであり、今後あらゆる機会にその実をあげるようにつとめるとともに、地元に対しては、引き続き十分理解を得るよう努力を重ねていく所存であります。なお、立川基地の返還につきましては、地元市民の期待にこたえるように努力いたしたいと考えております。
○瀬戸山委員長 ただいまの防衛庁長官の説明に対し発言の申し出がありますから、これを許します。まず、辻原弘市君。
○辻原委員 ただいま総理、防衛庁長官から、問題になりました沖繩への物資などの移送に関する件と、それから立川基地への抜き打ち移駐につきまして、政府の本問題にかかる見解を防衛庁長官から文書をもって表明せられたのでありますが、われわれは、この程度の措置ではたしてかねてから私どもが指摘をし、政府もまたそれにこたえていわゆる文民統制の実をあげると確約された事項について、その実があがるかどうかについては、はなはだ疑問であります。しかしながら、一応具体的な措置を含めて、政府としての見解、態度というものが明らかになりましたので、われわれは引き続き特に文民統制の実をあげるという意味においてこれらの具体的措置の実施を見守ると同時に、あわせて今後における政府の態度についてもきびしく追及をいたしてまいりたい、かように考えておるのであります。特に私は、いま発表せられました文書に基づきまして重要な個所に対する政府のお考えをこの機会に明らかにしておきたいと存じます。 まず第一は、いま防衛庁長官がお述べになりました今回の、特に沖繩への物資並びに人員の配置の問題について、「今後再びこのようなことのないよう十分留意いたします。」と述べておるのでありますが、大事なことは、これはただいまに限ったことではなくて、従来も同様なことが、そのときどきの防衛庁長官あるいは総理から御発言になっておるのであります。しかしながら、口でおっしゃるだけであって、また再びこのような問題を引き起こしておる、こういう経緯にかんがみて、私どもは俗に言う仏の顔も三度であります。もし今後これだけの発言をされながら同様の問題が起きた場合には、明確に防衛庁長官の責任また内閣としての責任をわれわれはあくまで追及しなければならぬと思うが、それに対して、その場合は、はっきり総理も防衛庁長官もそれぞれの責任をおとりになるかどうか、この点を明らかにしておいていただきたいと思います。 それから、適当な時期を選んで内部部局及び航空自衛隊の人事刷新を、シビリアンコントロールというこの立場を踏まえて、その実をあげるためにこれを行なうと明言されておるのでありまして、私どもはその態度を了といたしますが、シビリアンコントロールは単にことばでありません。たびたび申し上げるように、機構だけではありません。要は具体的なこういう事象に立った信賞必罰であります。あくまでも私はそういう立場に立って、勇断をもってこの人事刷新をはかられるよう強く要望いたしておきます。 それから、物資については移送をされるというお話であります。同時に、私どもが指摘をいたしておりまするし、総理もいろいろな観点において非常に重要だととらえられておりまするのは、これはやはり復帰以前にこのような行為をやったということに対する内外に及ぼす影響、もとより沖繩県民に対するその心情を無視したやり方について、今日問題になっておるのであります。そういう立場から、私どもは、強くこの問題が起きてから具体的にもとに復すべきであることを主張いたしておるのでありまするから、この点も、いま防衛庁長官がおっしゃられた真意については私どもも理解をいたしておりまするから、すみやかに実行せられるようこれも強く要望いたしておきます。 最後に、立川基地の問題でありますが、この問題についていまお述べになりました内容は、一応抜き打ちにしたという既成事実の上に立って住民との間の話し合いを進めたいというのであります。これは事のやり方、運び方として本末転倒であって、こういう政府の見解にはわれわれは反発、反対せざるを得ません。事をやろうとする場合には、住民が八二%も反対しているのでありまするから、しかも自衛隊は、防衛庁長官なり総理がしばしば言われまするように、住民との合意なくして自衛隊の存在はないとおっしゃっておる。それならば、なぜ事前に住民との話し合いをきちっと行なわれなかったかという点を、自衛隊そのものに反対をしているかいないかという問題は別にいたしまして、私どもは重視をしているのでありまして、この見解にわれわれは賛意を表するわけにはまいりません。したがって立川基地の問題につきましては、当委員会を含めてそれぞれ関係の委員会においてあくまで、いま申し上げたように、なぜ抜き打ちにやったのであるかの事態の解明、なぜ住民の合意のないままにこれを強行して既成事実をつくっているかという点について政府の態度を追及いたさなければならぬ、かように考えているのでありまして、時間がございませんから、私は多くのことをこの席上で一問一答を繰り返すことができませんのがたいへん残念でありますが、以上申し上げました私の真意に対して、最終的にひとつ総理、防衛庁長官から、私の指摘をいたしました点についてお答えをいただきたいと思います。
○瀬戸山委員長 次に、鈴切康雄君。
○鈴切委員 昨日から当委員会で問題になっておりました「沖繩への物資の輸送に関する件及び立川基地への部隊の配置に関する件」について、私どもは、この問題は要するに過日の四次防の先取りの問題と同時に、政府の反省なきところに起きたシビリアンコントロール無視の結果だと、そのように断ぜざるを得ないのであります。そういう意味から言うならば、政府が具体的に示してきたこの内容で、はたして文民統制の実があがるかどうかということについては非常に疑義を抱かざるを得ないのであります。 そこで、先ほど辻原委員から言われたように「責任体制を明確にし、」と言う以上は、今後このような文民統制の無視をした場合におけるところの総理並びに防衛庁長官の責任というものはどのようになるのか、その点を明確にしていただきたいと思うのであります。 次に、人事の問題について私どもとやかくこれに介入するつもりはございませんが、シビリアンコントロールの実をあげるために、機能的な面の充実をはからなければならないと思うわけであります。そういう意味において文民統制の実をあげるということは、私は非常に可及的すみやかな問題ではないかと思うのであります。ところがこの中には「適当な時期を選んで」と、そのようにあるわけであります。私は、文民統制の実をあげるために人事刷新というものは可及的すみやかにやるべきである、そのように思うのでありますが、その点についての御見解を承りたいと思うのであります。 なお、物資の問題については、きのうの論議を聞いておりまして、シビリアンコントロールの大切なことについての論議が、むしろ金額的な問題、物資の内容的な問題に御答弁があったようでありますが、そういうものではない。すなわち為替の問題あるいは金額の問題、内容の問題というのでなくして、少なくとも私は、シビリアンコントロールの反省の上に立つならばそれは白紙撤回をすべきである、そのように思うのでありますが、その点について、物資並びに派遣の問題についての御見解を承っておきたいと思うのであります。立川基地の問題については、私どもは、住民無視の立場に立ったこの移駐については不満の意を表せざるを得ないわけであります。この問題については、所管委員会の内閣委員会においても徹底的に追及をしてまいりたい、そのように思うわけでありますが、この問題についても、実は「実施方法について関係者に誤解を生じたことは遺憾であります」と書いてあります。そうであるならば、当然それに伴うところの責任の処置というものについてはどのようにお考えになっているか、お伺いをします。 私のほうは、以上の点を御質問申し上げておきます。
○瀬戸山委員長 次に、和田春生君。
○和田(春)委員 ただいまの二人の質問に関連いたしますが、なお明らかにただしておきたいことがございます。 今回の一連の誤った措置について責任を明らかにするために、人事処分などももちろん重要ではあると思いますし、本委員会の委員として政府の人事に介入するつもりはございませんけれども、問題の本質と人事とをすりかえたのでは重ねての誤りを防止することにはならないと思います。今度の問題について考えまするに、さきの四次防予算の先取り問題の解決に際しまして、シビリアンコントロールの実をあげるために適切な措置をとる、このことについて政府・与党も了承したにもかかわらず、ただそれが国会対策にのみとどまっておって、いまに至るも具体的な措置が明らかにされていない。ここに大きな問題の一つがあると思います。したがって、責任体制を明らかにするとともに、シビリアンコントロールの実をあげるための具体的な措置をいつまでに、いかなる形で明示するかということについて政府側の明らかな回答を求めておきたいと思います。この点についてもしこの席上で明らかな回答がないならば、引き続きその責任と措置を要求しながら追及する権利を留保しておきたい。この点について所信のほどを伺いたいと思います。 次に、立川問題については、いまの政府の意見表明においては、解決の具体的な措置は何も示されていないので、全く納得することはできません。民生安定のためにこれまた具体的にいかなる措置をとるかということについて明らかにして、その具体的な措置を通じて関係住民の納得を得るということがなければ、口先だけではどうにもならないと考えるわけでございます。そういう点で、軍事が優先して民生安定があと回しになった政府の根本的な姿勢に対する反省が必要であると考えます。この点についてどう考えているかということを確かめたいと思うわけでございます。 予算の審議につきましては、以上のような形でこれから始められましょうけれども、政府側の納得のいく答弁が出ない限り、引き続き責任を追及していくということ、具体的な措置を要求して徹底的にわれわれが委員会、また他の委員会の場におきまして政府に措置を求めていく、その権利と立場を留保いたしまして、以上の質問に対する所見を明らかにしていただきたいと考えるわけでございます。
○佐藤内閣総理大臣 ただいま三君から発言がありましたが、これはいずれも党を代表していた、かように私感じますので、そういう意味で社会党を代表しての辻原君、さらにまた公明党を代表しての鈴切君、さらに民社を代表しての和田君、かような意味で三君に政府の考え方をお答えしたいと思います。 まず第一は、文民統制の問題であります。三君とも同じように、どうも文民統制、これがことばはできておるがその実があがっていないじゃないか、こういうおしかりを含めての政府に対する批判でございます。私も、ただいままでのところ文民統制、十分できている、かように申し上げかねておる。その点ではまことに申しわけなく思っております。本来自衛隊、これはそれぞれの党におきまして評価のしかたもそれぞれありますが、いずれも同じことは文民統制、いわゆる政治優先、そういう立場でこの自衛隊の運営をはかっていく、これが基本的な態度だと思います。そういう意味においてなお不足の部分につきましては、われわれも今後一そう改めて再スタートする、この気持ちでこの問題と取り組む、これは真剣に取り組んでまいりたい、かように思います。この際に、ただ私が決意を述べただけで、まことに申しわけございませんけれども、ただいま申し上げるように、その事柄の性質上これはわれわれの決意を表明すること、これによりまして今後の現実の処置あるいは運営、それを皆さん方から御批判をいただき、また御鞭撻を賜わって、真に文民統制の実があがるように政府も努力する決意でございますから、どうぞよろしくお願いをします。 第二の問題といたしまして、ただいまの沖繩に対する物資の輸送の問題でありますが、これにつきましては、移送ということを一応考えておりますが、これは何といいましても沖繩が祖国復帰前にかような措置がとられたことについては、これは国際的にもわれわれが反省しなければならない。もちろんいろんな説明、弁解がましい点もあろうかと思いますけれども、私はそれよりももっと大局的に立って、とにかく祖国復帰前にこの種の行為が行なわれる、こういうことはどうも望ましいことではない。その意味の反省をも含めて、ただいま移送ということに決意したわけであります。 第三点、これはいわゆる文民統制、それから当然起こるところの責任問題、それについての処置の問題であります。ただいまは、御承知のように予算の審議の最中でございます。この際に私ども国民の皆さんから要望されるものは、やはり予算審議に欠陥を生じないように、円滑なる予算審議が遂行されること、これが何よりも大事なことではないだろうか、かように思っております。もちろんしかし、この責任の所在を明らかにするということ、これは必要なことでありますから、部内的な問題で譴責等の処分はいたしましたが、これで全部が終了したというものではございません。私はしばらく時間をかしていただいて、そうして必要なる処置をそのうちにする。それについてただいまその時期等を明らかにすることはできませんが、ただいまのような考え方でいることを御了承いただきまして、そうしてこの問題にしばらく時間をかしていただきたい、かようにお願いをいたします。これは三党とも同様なお気持ちでございますし、また文民統制を明らかに要望される以上、その結果が当然明らかになれば、それに対して政府が処置をとること、これはもちろんでございます。また、かようなことが二度と重ねて繰り返されてはならないこと、これは御指摘のとおりでありますし、そういう際の総理並びに防衛庁長官、これなぞの政治的責任、これはそのときに政治的責任を考えるべきだ、かように私は思っておりますので、しばらくそれらの点について十分に文民統制の実があがるかあがらないか、それらの点を十分見きわめた上で御批判をお願いしたいと思います。 最後の立川問題につきましては、各党とも現状の状態では御不満なようにお見受けいたします。私どももこれが十分に地域住民の了解を得ていない、こういうことにつきましてはまことに残念に思っております。しかし、私考えますのに、ただいまの状態は、昨年の事柄から始まって、今日まで約半年以上経過している、こういうことを考えますと、やはりわれわれの努力が足らないにしても、もっと積極的な御理解を得るような方法はなかっただろうか、かように悔やみながらも考える次第でございます。いまの状態で、現状のままで直ちに地域住民の了承を得るということ、これはたいへん困難なことだと思います。しかしまだ本隊が移駐する、こういうのにつきましてはなお時期のあることでございますから、それらの点についてなお地域住民の理解のもとにこの六月に決定した事項が実施に移れるように、そういう状態をぜひともつくりたいものだ、かように考えております。このこと、これはいわゆる権力的な強行ということではなしに、どこまでも地域の方と、地域住民と話し合いの上で、またどうしてもできない一部の方とは、これはどうもやむを得ないように思います。先ほども八二%が反対しているじゃないか、こういうようなお話でありますけれども、立川市の全住民から見ますと、これはまだ十分の結果でもなかった、かように思います。ただ、あるいは自衛隊の移駐に反対をした市長が当選した、それで地域住民の意向はわかっているじゃないか、こういうような御意見もあろうかと思いますけれども、しかし、これにはやはりもっと自衛隊自身に説明の不足分もございますから、さらにもっと地域住民の理解を得るように積極的な活動をいたしまして、そうしてこの問題も円満な解決を望みたいものだ、かように思っておる次第でございます。 以上のような諸点について、政府も皆さん方の率直な御意見を伺いましたから、それらも十分私どもこれから取り入れまして、そうして謙虚な態度で皆さん方とともども自衛隊の真のあり方、これをひとつ考えてみたい、かように思っておる次第でございます。 ただいま、まことにことば尽くしないものもあるように思いますけれども、以上で一応の私の所信、今回の問題についての限られた問題について、私の所信を表明いたしまして御理解を得たいと思います。よろしくお願いします。
○江崎国務大臣 総理答弁の趣旨を十分体しまして、責任をもって対処いたしたいと考えております。 —————————————
○瀬戸山委員長 次に、一般質疑を行ないます。鶴岡洋君。
○鶴岡委員 私がきょう取り上げる問題は、いま問題になっている農業問題、すなわち農業基本法それから自給率の問題、米価問題等を中心に御質問をしたいと思います。そのあと水問題等もありますが、その前に、運輸大臣に一点お伺いしたい点がございます。 本年の三月十日でございますが、潮岬南方百三十七マイル付近でインドの貨物船ビシバナヤク号が浸水事故を起こし、その際、積み荷のドラムかんが流失したということがありますが、この事故に関して運輸大臣、聞いておりますか。
○丹羽国務大臣 ただいまのインド貨物船ビシバナヤク号の海難に伴う薬品の流出でございますが、御承知のとおり、昭和四十七年二月十日の三時四十五分ごろ、潮岬南東の百三十七海里の海上におきまして、荒天のために荷くずれによりまして右舷二番船倉に破口を生じまして、浸水、船体が傾斜して、甲板積みの危険物アセトニトリル等九品目、ドラムかん約八百本のうちの百九十七本が、潮岬の南約百海里付近におきまして、三回にわたりまして流失いたしました。同船はその後傾斜がなお大になりましたので、荷直しのため十一日午後四時神戸に入港いたしました。神戸海上保安部は、巡視艇八隻によりまして排水作業及び付近海域の警戒に当たるとともに、専門技術者によりまして毒物の状況調査を行ないました。翌十二日には、航空機によりまして流失したドラムかん等の捜索を実施しましたが、遺憾ながら発見することができなかった次第であります。 一方、十二日以降、数回にわたりまして航行警報を発信いたしまして、一般航行船舶に事故の周知をはかるとともに、出漁船及び沿岸の漁業組合等関係先に周知をいたしまして、事故の未然防止をはかっている次第でございます。 その後、現在まで、沿岸に漂着したという報告は受けていない次第でございます。 以上が概要でございます。
○鶴岡委員 二月十日に事故が起きて、この件については大臣は聞いているということですね。
○丹羽国務大臣 はい。
○鶴岡委員 その事故発生のときにおける初動捜査にどんな処置をしたか、その点いかがでしょうか。
○丹羽国務大臣 ただいまちょっとお話をいたしましたとおり、事故の報告を受けまして、直ちに神戸海上保安部に命じまして巡視艇八隻によりまして排水作業及び付近の海域の警戒に当らせました。また、専門官、技術者によりまして毒物の状況の調査を行なわせました。翌十二日には、航空機によりまして流失したドラムかんその他の捜索に当たらせた次第でございますが、発見を見るに至らなかった、こういう実情でございます。 また、詳しくは保安庁長官が来ておりますから、御説明に当たらせます。
○鶴岡委員 それじゃ保安庁長官から、現在までの捜査の詳細な報告をしていただきたいと思いますけれども……。
○手塚政府委員 先ほど大臣から御説明いたしましたように、初動におきまして巡視船艇並びに航空機による捜査をやりました。その後におきまして、同様に航空機によって、引き続きではございませんが、自来捜査をしておりますが、現在のところ見当たっておりませんので、このところ一応捜査を打ち切りという状態になっております。おそらく、この流れました場所が、黒潮のずっと南、先ほどお話のありました潮岬から百海里南のほうの公海上でございますので、これは黒潮とともに流れた、あるいは一部のものは沈下をした、さように現在推定しております。
○鶴岡委員 いまの説明ですと、ドラムかんが二百本近く流失しているわけですが、まだ一本も発見されておらない。もう事故発生後一カ月以上たっておるわけでございます。ですけれども一本も発見されていない。ドラムかんの中身はどうかというと、非常に危険性の高いものがある、このように聞いておるわけですが、この点について、これは一刻も早く何らかの方法で発見するか、また捜査するかしなければ、これはたいへんな問題だと思うのです。この点について、大臣どうしますか。
○丹羽国務大臣 ただいまの問題でございますが、海上保安庁長官からお答えがございましたとおり、ヘリコプターも出しまして鋭意捜査を続けている次第でございますが、残念ながらまだ一本も発見になってない。それからまた、その毒物の影響というものにつきまして、やはり関係沿岸その他につきまして周知徹底をさせまして、漁船その他につきましてもそれらの危険につきまして周知徹底方を命じている次第でございますが、いまだ一件も報告がない。海洋でございますから、あるいはどういうふうになっておりますか、引き続き捜査は続行させている次第でございますが、残念ながらいまのところそれらに対する結末については何ら報告がない、こういう実情でございます。
○鶴岡委員 もしこのドラムかんが腐食して毒物が流出した場合に、非常に毒性のあるものだと聞いておりますけれども、事故は起きるわけです。その場合に、端的にお伺いしておきますけれども、これによって起こった被害はどこが責任をとるのですか。
○丹羽国務大臣 その被害に対する責任でございますが、これは御承知のとおり、海洋汚染防止法によりまして、保安庁長官は、その排出したものに対しまして防除措置を命ずるということができることになっております。また、それにつきまして防除措置を講ずることをしなかった場合におきましては、みずから防除措置を海上保安庁が行ないまして、それに対する費用弁償をすることになっております。またその場合に費用弁償が足りなかった場合には、荷主に対して命ずることができる。また荷主は、この間の新潟のオイル汚染とも同じようにPI保険等に入っておりますので、費用の点は十分できることになっておりますが、何ぶんにも劇薬でございますので、劇薬に対する防御措置ということが一番大切なことでございます。 御承知のとおり、ただいまそういったような毒物につきましては、個品運送とあるいはまたばら積み輸送、タンカー等で運びます運送と二つございます。個品運送につきましては地方海運局長の許可になっておりまして、現在千二百の毒品につきましてはそれぞれの規制がございまして、それで今日やっている次第でございますが、先般のIMCOの会議におきましてこれが二千五百にふえてまいっております。残りました千三百につきましては、ただいませっかく私どものほうの船舶局におきまして作業を急がせておりまして、これらが防御することが完全にできますようにただいま作業中でございます。またタンカー等におきますものは、これは一々私運輸大臣の認可事項になっておりまして、ただいまは御承知のとおり十一品目は規制されておりますが、残りの五十九品目につきましては、個々につきまして私のほうで認可をする。厳重なそれらの構造につきまして認可をいたしまして、そういったようなことがないように日本船についてはしている次第でございます。外国船につきましては、これはやはり外国船の構造検査によりましてやっておる次第でございますが、これらにつきましても、いやしくも日本に来ているようなものにつきましてはそれらの構造上欠点がないように、いろいろ操作の点において間違いのないように絶えずIMCOの会議におきましてこれを強調している次第でございます。先般の新潟のタンカーの油の流出につきましても、これは外国船でございましたが、私どもはそういう点におきまして、いやしくも日本近海がそういったようなことで荒されて、万が一でも劇物によります被害が人体に及ぶとかあるいはいろいろな海洋資源に及ぼすというようなことがないように、十分気をつけてやってまいるつもりでおります。
○鶴岡委員 このビシバナヤク号というのはそういうことでたくさん積んでおったようですけれども、この流出した二百本近くのドラムかんですけれども、先ほどから言っているように相当な猛毒性のあるものがある。消防庁、厚生省来ておりますね。この流出したドラムかんの薬品名、それからこの薬品が流出した場合に魚介類とか人体に非常に影響があるんじゃないか、私はこういうように思うわけです。したがって、この毒性及び物理的性質、爆発するとかしないとかいっておりますけれども、この点について詳しく教えていただきたいと思います。私もここでそのドラムかんの内容については調べてありますけれども、厚生省のほうから、何と何が入っておってそしてその性質はどういう性質であるか、またどういうものなのかと御答弁願います。これはけさ政府委員のほうに報告して、何と何であるかということを詳細に言ってあるわけですから、詳細を報告してください。
○手塚政府委員 私のほうで流出したと思われます内容のドラムかんの本数を調べてございますので、その点だけを私のほうから御答弁申し上げます。流れました本数百九十七本ですが、中身はシクロヘキサノン三本、アセトニトリル四十五本、アクリロニトリル五本、メチルエチルケトン二十六本、ソジウムシアネード、これはシアン化ナトリウムでございますが三十七本、ジエチルサルフェイト三十二本、メチルメタクレート二十本、ビニールアセテート十九本、エチレンクロルヒドリン十本、以上でございます。 性質は厚生省のほうからお願いいたします。
○武藤政府委員 ただいま海上保安庁のほうで薬品名をあげられましたが、その中でアクリロニトリルそれからアセトニトリル、これは二つ劇物でございます。それからソジウムシアネードは毒物でございます。
○鶴岡委員 毒物だけではどのくらいの猛毒性があるか、これがわからないわけです。 じゃ私のほうからこれは申し上げますけれども、シクロヘキサノンというのは中程度の毒性だ、こう聞いております。アクリロニトリル、これは引火点が零度Cで爆発の可能性は十分にある。それから蒸気を吸入、皮膚、粘膜に接触、液を飲み込んだ場合には有毒で、シアン化ナトリウムほどの毒性はないが猛毒である。またシアン化ナトリウム、これは言うなれば青酸カリと同じような性格を待っておる。いま二番目に言ったアクリロニトリルなどはダイナマイトの原料である、こういうふうに聞いております。したがって、この危険性というのは十分考えられるわけです。 そこでお聞きしますけれども、このようなドラムかんが海水中に落ちた場合、まだ現在一本も発見されていないわけですから、通常腐食による亀裂が生じてどの程度ドラムかんで持ちこたえられるか。私が聞いている範囲では、鉄製のドラムかんであった場合には、中身からこわれる計算を入れないで、いわゆる塩分によるドラムかんの腐食というのは約一年から長くて一年半、これでさびができてしまって、そこに穴があき水が入り込む、こういうことを聞いておりますけれども、この点はいかがでしょうか。
○手塚政府委員 いま先生のおっしゃった大体そのとおりでございまして、年間一ミリ程度ずつ腐食するものと考えられております。ドラムかんの厚さが一・六ミリということでありますので、大体一カ年ないし一カ年余かかるのではなかろうか、かように思います。ただし、今回の場合は非常に荒天の模様でございましたので、ドラムかんがあるいは甲板上でやや破損をしておるということも考えられますので、そういった環境を加えますと、こういったのはやや短くなるものもあるかと考えられます。
○鶴岡委員 もう一点聞きますけれども、その薬品は比重が違うわけです。薬品の比重が一以上である場合、ドラムかんが完全に沈み切って海底にあるということは考えられますけれども、一以下の場合には沈み切らないで、あそこは黒潮の流れているところですから、非常に移動する可能性もあり、また海面とそれから海底の間を浮遊している可能性もあるわけです。もしそうであった場合には、船が航行している場合ぶつかる危険性もあるわけです。腐食して流れるだけではなくて、その船舶にぶつかってそれが事故を起こす場合も考えられるわけです。この危険性はどうなのか、この点いかがでしょうか。
○手塚政府委員 いままで発見されませんので、やはりそれは沈下をしたかあるいは黒潮とともに流れておるかということを推定をいたしております。流れましたものにつきましては、いま御指摘のとおり船舶との関係あるいは場所によっての漂着というようなことも考えられますので、そういった点についてはいわゆる航行警報という一般の警報状態をすでに発しておりまして、これは船舶によってその内容をキャッチされまして、そういう注意をするというようなことにいたしております。 なお、物が物でございますので、こういった点をさらに一そう厳重にやって、漂着物による危険がこれ以上起こらないというふうにつとめたいと考えております。
○鶴岡委員 いままで聞いたように、この毒性にしても非常な猛毒性を持っておる。さらに、もうすでに事故が起きてから一カ月以上たっているわけです。で、一本も見つからない、それは海底にあるかもしれないけれども、この件について関係市町村、まあ太平洋側の市町村になりますけれども、またそれに関係する——あの辺は非常に魚のとれるところでありますし、漁業組合等にこの報告を間違いなく全部徹底しているかどうか、この点いかがでしょう。
○手塚政府委員 先ほど、冒頭大臣からもお話ししましたように、事故発生直後におきまして、特に漁業協同組合にはそういった趣旨の連絡、通報を出しております。なお、その後におきましてもやはり継続して注意をさしていかなければならぬと考えておりますので、なお一そう十分注意をいたしたいと思っております。 市町村につきましては、ただいま報告によりますと、徹底したものは出していないようでございますので、いまの状態でございますとさらに注意を要するかと思いますので、あらためてそういう点を注意をいたしたいと思います。
○鶴岡委員 漁業組合には注意をしているというけれども、関係市町村にまだ注意が徹底していないということになると、私はこれは問題だと思うのです。発見されないのだからもぐっているだろうということもいわれますけれども、黒潮の流れは非常に速いわけです。もしそれが海岸に漂流して、それを一般の人が取り扱った場合にこれはどうなのか。先ほどから何回も言っているように非常に猛毒性があるわけです。そういう点は非常に怠慢ではないか、私はこういうように思うのですけれども、なぜこれを徹底しなかったのか、海上保安庁のほうに答弁をお願いしたいと思います。
○手塚政府委員 私どもの推定によりますと、潮岬から百数十海里の場所でございまして、多年の海流の流れ等から判断いたしますと、これが日本の沿岸に流れてくることは万々あるまいという想定をいたしておるわけです。しかし、それがどういうことに変わってくるかもわからないということでもありますので、当面やはり一番漁協等の皆さんが影響が多いし、常時監視をしておられるようなことでもございますので、そういうところに一応いたしておりますが、なお注意の上に注意を重ねる必要がありますし、一カ月たった今日よくわかりませんので、一そう厳重に関係方面網羅的にそれをやりたい。 ただ、先ほど申し忘れましたけれども、当時はラジオ、テレビ等におきましても関係のところにはそういう旨を連絡といいますか、通報が出されておるという点も御説明申し上げておきます。
○鶴岡委員 あえてこれを報道関係を通じて一般に公表しなければならないという義務はもちろんないでしょうけれども、いま長官のお話によると、テレビ、新聞等で発表したといいますけれども、これは聞いておらない人がほとんどです。したがって悪く勘ぐれば、これは内々でこの話を片づけて処理してしまおうと、こういうふうにも思われるのですけれども、いわゆる国民の注意を促すという意味で、この点についてなお厳重に公表し、そして危険物取り扱い物として注意をしてもらいたい、こういうふうに保安庁のほうに要請しておきますけれども、この点もう一度、保安庁長官のほうからどういう処理をするのか、その情報関係についてはどうするのか、もう一ぺん答えていただきたい。
○手塚政府委員 先ほど申し上げておりますとおり、さらに一そう関係方面に厳重なる注意の喚起をいたします。
○鶴岡委員 危険物の取り扱いについては、陸上の場合はきちっとした運送法によって危険物の取り扱いが行なわれておりますけれども、海上においても危険物船舶運送及び貯蔵規則というのがあるわけですが、積み荷の際どのような方法をとって、どういう規制をしてこのドラムかんを積んだのか。こまかいことについては運輸委員会等でこまかくお聞きしますけれども、この規制に照らしてどうだったのか、移送中の注意等はどうだったのか、この辺はいかがでしょう。
○手塚政府委員 こういった危険物の船積みにあたりましては、いま御指摘のありました規則によりましてその容器、包装、標札、こういったものが規定をされておりますので、そういった所定どおりのことがまずなされておらなければなりません。また、危険物明細書というものがございまして、そういった内容と現物が一致しておるかどうかを船長が確認をいたさなければならない、かようになっております。なお、この積み込み、積みかえ、積みおろしということにあたりましては、港則法の第二十三条によりまして港長の許可を受けるという必要がございます。そういった所定の手続につきましては、今回の船については全く所定どおりの手続を踏んでおります。港長といたしまして、この荷役についてはいま申し上げましたような内容の順守は十分確認をいたしておりますし、さらに許可を出すにあたりましては、危険物荷役の経験のある者を立ち会わせろということを厳重につけて、そのように措置をされたという報告を受けております。
○鶴岡委員 所定のとおり規則に従ってその積み荷が積み出されたということですけれども、それじゃなぜ二百本近いドラムかんが潮岬の海上で落ちるような結果になったのですか、どうなんですか。
○手塚政府委員 これは積み付けということ自体に、いろいろ微妙なことが具体的、技術的にあるようでございますが、天候状態がまたもう一つ非常に荒天であったというようなことで、その辺の微妙なるところになりますと、私どもも一々船でそういう積み込みそのものを見ておるわけではございませんので、その積み付けの状態が、具体的に固縛が十分であるか、どこへ固縛をしたかというようなことまでは私のほうでは見てない。この積み付け自体についての監督は、監督といいますか措置については、海運局の監督しますところの検定協会というのがございまして、その検定協会の者がこれに具体に立ち会ってその積み付け状態は確認をする、こういう制度になっております。それらのものを一応私のほうで聞いたところでは、当時はよかったというふうに聞いております。
○鶴岡委員 いまの答弁ですと、そういうことになっているというけれども、あの船は事故を起こして神戸港へ入港したわけでしょう。そのときにいろいろ船体の亀裂を生じたところは修理をしておるし、また先ほどから言っているように、この事故が起きて一カ月以上もたっているわけです。なぜ、その積み荷のどこに欠陥があったのか、その点を掌握して、そうして厳重にこれを注意しなければ、また再びこのような事故があるとも限らないわけです。ですから、私いまそういう点で聞いているわけです。積み荷のどこに欠陥があったのか、どうしてこのドラムかんが落ちたのか、その点もう一度御答弁願います。
○手塚政府委員 当初積み込んだときのそういった、先ほど申し上げます固縛その他の非常にこまかい点までにつきましては、なかなか現実との調整といいますか引き合いがむずかしゅうございますのでよくわかりませんが、私どものほうとしては当時の気象状態が北東の風で十七ないし二十メーターございます。波浪が三メーター、うねり三メーター、こういったような海象、気象状態でございますので、そういった点から当初の積み方が変動を来たしたのではなかろうかというふうに現在は考えております。
○鶴岡委員 時間がありませんので、いろいろな点をお聞きしたいと思いますけれども、それができません。いずれにしてもまだ一本も発見されてないということは、これは運輸大臣たいへんなことであるわけです。いまの規則にしても公海上に適用されるのか、また領海内で適用されるのか、この点も問題でございますが、いずれにしてもあそこで流されたものが、落とされたものが公海上であるから、領海を管理する保安庁には関係がないんだ、これは言い切れないわけです。そういうことで、公海で流されたものが領海へ流れてこないと、こういう保証も何もないのですし、いずれにしても危険物が流れていることは間違いないわけです。そういう意味で今後厳重にこれを注意しなければならないし、また早急に捜査をしなければならないし、私は、一カ月以上たって一本もさがせないというのは、これは深海にもぐってしまったかとも思いますけれども、いずれにしてもその捜査面において手ぬるいところがあるんじゃないか、このようにも思うわけです。そういう点で運輸大臣から最後に一言、今後どのように、もしこれが沿岸に漂流して事故が起きた場合には、運輸大臣としてこういうふうに処理をするという、はっきりした答弁をお願いします。
○丹羽国務大臣 ただいま御指摘がございましたように、非常な猛毒性のものが、危険物がたとえ公海とはいえわが国の沿岸近くに流出してくる、非常に危険でございまして、非常に心配なわけでございます。それゆえに先ほどから御答弁をいたさせましたように、海上保安庁におきましてもヘリコプターを出す、巡視艇を出すということでやった次第でございますが、いまだに発見をされてない。やはり非常に心配が残っている次第でございます。やはりこれのもとは何と申しましても危険物運搬船舶の船体構造の規制、また、ただいまお話がございましたような積み込みの問題、これらがございまして、ことに私どもその点におきましては十分気をつけさしているつもりでございますが、先ほども申しましたとおり二千五百のうちまだ千三百、いま国内の取り締まり法規を作成中でございますので、これらも早急に急がせまして、いやしくもそういったような毒物性のものが来た場合にまず予防措置が第一と思う次第でございます。また御承知のとおり外国船舶でございますので、IMCO等の会議におきまして強く、先般のジュリアナ号の例もございますので、これらの構造あるいは取り扱いにつきまして注意を喚起いたしますとともに、先ほどの御指摘がございましたように万一のことがあるとはなはだ恐縮でございますので、いまの漁業組合はもちろんでございますが、沿岸の市町村にもさらに周知徹底をいたさせまして、そういったものが万一漂流をする、またそれらしきものが来るというときの取り扱いにつきましては慎重を期させまして、直ちにまた海運局あるいは海上保安本部その他に常にこれらの注意をゆるめないように指導してまいり、国民の不安を除去することにつとめるつもりでございますので御了解を願いたい、こう思う次第でございます。
○鶴岡委員 それでは農業問題に入ります。 最初に農業基本法のことについてですが、わが国の農業を取り巻く環境は、いわゆる農業基本法の制定された昭和三十六年当時と比べて著しく変化しているわけです。二・五ヘクタール以上の規模を所有する農家は自立経営が成り立つと、こういうふうにいわれた農業基本法でありましたけれども、またそのように思い込んできた農家の方々が現在はどうかというと、どんどん出かせぎに出ている今日であります。さらに他産業との所得格差、生産性の格差にしても大きくその格差は出てきているわけです。いま緊急にこの事態に対して日本の農政の長期ビジョンを策定しなければならない、私はこのように思うわけですけれども、この農業基本法制定以来一昔たった今日、この農業基本法の精神、目的はどのようなふうに達成されたのか、私はこれは一向に達成されていないと、このように判断するわけですけれども、この農業基本法、農政のいわゆる成果を農林大臣としてはどのように考えているか、この点まず第一にお聞きしたいと思います。
○赤城国務大臣 いまお話しのように、農業基本法の目標としたことが必ずしもよくいってはおりません、中にはいっている面もございます。たとえば生産性を向上するということで労働の生産性などはこれは非常に進んではおるわけであります。しかし自立経営農家をたくさんつくっていくとか、こういう面はとても目標のとおりにいっておりません。それから農業の状況が御指摘のようにだいぶ変わっております。内外いろいろ険しい問題も起きておりまして基本法の目標どおりになかなかいっておらないということは御指摘のとおりでございます。なおまた……
○鶴岡委員 農林大臣はだいぶお疲れのようですから、いまから事務当局にいろいろお聞きしますけれども、そこでよく聞いておいてください、並び大名なんていうことは言いませんから。こまかいことがたくさんありますので、事務当局にお聞きします。いまそういうふうに大臣のほうから、必ずしもうまくいってないと、こういうことですが、政府は四十七年度の予算において総合農政推進調査検討という項目で三千万円を予算化していますけれども、この目的は何か。聞くところによると新総合農政推進対策研究会というものを発足させるとも聞いておりますが、その構成はどうなるのか、また何を目的にそれがつくられるのか、この点についていかがでしょうか。
○中野政府委員 ただいまお話しの総合農政調査費三千万円でございますが、これは、先ほど大臣がおっしゃいましたように、基本法十年を振り返ってみましていろいろ問題が出てきております。特に、先ほども御指摘がありましたように、国内におきましては米の生産調整をやりながら農業の再編成をやらなければいかぬ、それからまた外国からは農産物の自由化等いろいろな問題が起こっております。そこで、この際、ちょうど企画庁におかれましても長期経済計画を立てようというときでございます。農林省といたしましても三千万円の調査費を組みまして構造、生産、あるいは価格、流通、農村の近代化、そういう方面について長期的な展望の上に立った検討を進めたいということでございます。そのために、まだ成案を得ておりませんけれども、ひとつ研究会をつくりまして、またその研究会も、いま申し上げました項目に分けて進めていってはどうかということで、予算が通りました際に発足をさせたいということを考えておるわけでございます。
○鶴岡委員 構想はいまのような構想になっているようですが、そうすると、この農業基本法の検討の足がかりの一つと、このように解釈してもよろしいですか。
○中野政府委員 ただいま申し上げましたように、全面的にこのきびしい情勢の中で農業の将来をどうするかということをやっていこうということでございます。したがいまして、いま御指摘のように、すぐに基本法をどうするというところをねらってやるということではございませんけれども、検討の過程ではやはり問題として出てこようかと考えております。
○鶴岡委員 それでは重ねて具体的に数字をあげてお聞きしますけれども、自立経営農家は、農業基本法ではこれはうたい文句になっているわけです。数字を見てみると、三十五年の全農家に対する自立経営農家の割合は八・六%、四十四年は八・五%と、パーセンテージからいけばほとんど変化はしておりません。この自立経営農家の育成は当初百万戸と——これはもちろん所得倍増計画で経企庁が言っていることでございますけれども、いずれにしても、昭和三十五年の当時と比べますと年々農家戸数は減少していることも見てわかるとおり、その自立経営農家の数も減少していることは、これは明らかです。三十五年の農家総数は六百五万七千戸、四十五年には——これは一年違っておりますけれども、四十五年には五百三十四万二千戸、この間には約十年ですか、七十一万五千戸というものが減っております。自立経営農家は、いま言ったように三十五年には八・六%、四十四年には八・五%、このように数字が出ているわけです。この自立経営農家の一つの具体例をとってみてもわかるとおり、農基法の精神は、農政は成功したと言えない、私はこのように思うわけです。まだそのほかに、先ほども二、三、大臣からお話がありましたけれども、他産業と比較した農家所得、外国との競争力の点、それから規模拡大、価格の安定、また後継者の育成等を考えてみますと、非常なズレが出てきているわけです。そこで私は、この農業基本法の再検討をすべき時期ではないか、このように思うわけでございますが、農林省の考え方として、この農基法をこのまま推進していくのか、それとも再検討する余地があるのか、この点、お答え願いたいと思います。
○中野政府委員 農業基本法施行以来十年、いろいろ問題が出てきていることはいま御指摘がありましたし、私も申し上げたわけでございますが、基本法の最大のねらいとしております他産業との生産性の格差の是正、これにつきましてもかなりの進展を見ておりますし、大臣も申し上げましたように、労働生産性も上がっております。したがいまして、全面的にこれを再検討していいかどうかということには、やはり私は問題があろうかと思います。やはり十年前と現在と、置かれましたその後の進展の状況をまず分析いたしまして、必要があればその改正に取りかかるということもあろうかと思いますけれども、いま初めから全部これを否定してかかるというほどの必要もないんではないかというふうに考えております。
○鶴岡委員 それではもう一つ、自立経営農家についてお伺いしますけれども、昨年農林省は「自立経営の標準的指標について」というのを発表しました。いま農業基本法の精神について、またその成果について云々言われましたけれども、この発表は、農林省が何とかこの農業基本法の精神にのっとってそうして自立経営農家の育成に力を入れよう、こういう意欲だと私はよく解釈をしたいわけですけれども、ここで日本農業の位置づけを明確にするための基本的問題であるいわゆる農産物の自給率や自立経営農家戸数の問題については、この標準的指標について中身を見ると明確には載っておりません。 〔委員長退席、大坪委員長代理着席〕 また、規模拡大のプロセス、これも不明です。こういうように、この標準的指標については問題点がずいぶんあるように私感ずるわけです。たとえば経営モデルの所得にしても、これは二百万円、このような数字が出ておりますけれども、今後の経済成長を考えるとこれでは低いのではないか、このように私は考えるわけです。どうしてかというと、農業基本法の制定当時から見ると、十年後の自立経営農家の所得目標は当時七十万であった。現在の自立経営農家の農家所得は約百三十万をこえているわけです。当時の稲作自立経営規模は二・五ヘクタール、指標では四ヘクタールから六ヘクタール、こういうふうに変更せざるを得なくなっているわけです。もう一つ、経営規模にしてもそのとおりです。現在全国平均農家の耕地面積は一ヘクタール、こういうふうになっていますけれども、これを四ヘクタールから六ヘクタールに引き上げていく、ただ規模拡大といっても、これは現在地価の問題も大いに影響してきますし、また農民意識もいろいろあるでしょうけれども、この点をとってみても具体的にどういうふうにしてその規模拡大をしていくのか、こういう例が幾つもあるわけです。この点について、この「自立経営の標準的指標」の内容について、もし具体的にできれは説明していただきたい。
○中野政府委員 ただいま御指摘の「自立経営の標準的指標」につきましては、昨年の四月に農林事務次官通達をもちまして、御承知かと思いますがこういう冊子をつくりまして、各県知事それから地方農政局に、いわば標準でございますから、これを参考にしてそれぞれの地域に応ずるような自立経営の指標をつくってもらいたい、こういう指示をしたわけでございます。そしてその内容といたしましては、水稲はもちろんでございますが、普通畑作、野菜、果樹、茶、花卉、養蚕、酪農、肉用牛、養豚、それから採卵鶏、ブロイラー等、約三十九の類型をつくりまして、それぞれの作目によりましていろいろ標準の経営の規模は違いますけれども、たとえば水田でありますればいま御指摘のように四ないし六ヘクタール、野菜でありますれば畑で一・五ヘクタール等々つくって、そしてそれぞれの目標を約二百万円と置いたわけでございます。この二百万円は昭和四十三年価格でございます。したがいまして、物価の値上がり等で、名目的な価格は、五十二年の目標といたしましてはそれ以上に上がるというふうに考えておるわけでございます。また、これを進めていくための施策といたしましては、従来から第二次構造改善事業を実施しておりますが、今回、四十七年度からは農林大臣の御構想もございまして、農業団地の構想をもってこういうそれぞれの基幹的な農家をつくっていく必要があるのではないかということを考えておるところでございます。
○鶴岡委員 それではこまかいことについてはまた農林水産委員会等でこの点はお聞きしたい、このように思います。 そこで、これは総合農政というか、日本の農業ということについて一番また問題にしなければならないことですけれども、日本の農業にとって大切なことは、現在のように日本全体の社会構造の点から見ても、また経済成長を通じて見ても、地域住民のいわゆる構成変化が著しく変貌しているわけです。この時期に農業というものが単に純然たる農業サイドからの農林省の対策のみではなく、農家も非農家もあるわけです、この農家と非農家の調和のとれたいわゆる共存体制をつくらなければならない、私はこのように思うわけですが、ことしの農林省予算には、いまもちょっと触れましたけれども、多分にこの点を考慮してか、農業団地また農村基盤整備パイロット事業、そういうふうに予算化されております。いずれにしても現在新しい農村づくり、農村社会というものを考える必要がある。農業白書でも指摘しているとおり、農村地域でも非農家の占める割合が非常にいま大きくなっているわけです。ところが、これに対する政府の取り組み方がセクト主義というか、分業というか、そういうことで十分の効果をあげているとは私思われないわけです。しかし環境保全の立場、またいままでの農林省の考え方を考えてみると、農林省の考え方は、生産性の向上、農家所得の向上、これ一本やりにやってきたように考えられるわけです。この農政から早く脱却して——もちろん狭い土地で労賃の高い日本で生産をあげなければならないし、また物価上昇の激しい今日でもあるわけです。したがって勤労所得者と同様に、農家所得をあわせて考えなければなりませんけれども、ここで新しい農村社会をつくるということは、これは重要な問題ではないか。また、言うなればこの新しい農村社会をつくるということは、国民全体からも私は言えるのじゃないか。国民の福祉の充実という点を見てみましても、また公害問題が起きている現在にあって、いわゆる国民全体からもこれは考えられることではないか。農村は確かに農民が生活する場でありますし、また食糧生産の場でもありますけれども、一方過密に悩む、そして公害に悩む高度の都市化のために、緑の木々というものはおろか、青い空も見られない都会の人々にとっても、これはいこいの場所でなければならないわけです。そこで農村の環境保全が重要視されてくるわけでございますけれども、この農村の環境保全の整備ということが充実すれば、やはり国民福祉の向上と健全な社会の建設に通じるのではないか、私はこのように思うわけです。今日考えてみますと、残されたいわゆる快適な環境というところを求めるにはやはり農村、山村以外にないわけです。 したがってお聞きしたいことは、農家と非農家の調和のとれた新しい農村づくり、それから農村社会をどうするか、これが一点。またその農家自体の生活環境、これをどのようにしていくか、この一点だけ大臣にお聞きしたい。
○赤城国務大臣 全く御指摘のとおりでございます。でありますので、農業においても第一種、第二種兼業、兼業農家が非常にふえておる。八五%ぐらいになっています。でありますので、自立経営農家というものが中核ではございますが、この兼業農家も含めて農業の再編成といいますか、いわゆる団地構造によって農業社会というものにおける非農家も含め、そうして生産性を上げたり、あるいは団地的な共同的な作業やその他の面において、これを含めて農業そのものを再編成していきたい。 それからまた一面におきまして、御指摘のように工業化していますから、工場の分散等もございます。こういうものも公害のないような工業を導入して、工業との関係などにおきましても農業と調和のとれたようなものをつくっていきたい。それにはどうしてもいままでのよりも団地的な経営、団地的な角度から進めていきたい。そうしていま御指摘のように、農村というものが農村だけの環境面ばかりでなく、国民全体の環境の面からも大事に育成保持していかなくちゃならぬ、こういうことで総合的に農村というものを再編成していく。また農業の経営の立て方も少し角度を変えてといいますか、そういう総合的な面から立て直しをしなくちゃいかぬ、こういうふうに考えている次第でございます。
○鶴岡委員 次に自給率の問題についてお伺いしますが、食料農産物の自給率は、昭和三十五年は八九%、ところが四十四年には八〇%と低下しているわけです。この自給率も、もし米を除いた場合には六七%になっているわけです。各品目ごとに明確に目標を定めて農政の推進をはかるべきだ、このように私は思いますけれども、この点についていかがでしょうか。
○中野政府委員 現在農林省で食料農産物の自給率の作業をいたしまして見通しを一応持っておりますが、それは昭和五十二年に、米を一〇〇といたしまして大体現状程度、七五%から七九%程度の自給率を維持したいと考えておるわけでございます。 その場合に、米は生産調整をやりまして需給を均衡させるということで一〇〇といたしておりますが、小麦につきましてはなかなか裏作の生産が進みませんので、これは昭和五十二年に一二%、大裸麦が三七から三八%、大豆は今回水田の転作をかなり進めておりまして、現状以上に一二%程度の自給率にいたしたい。野菜につきましてはおおむね一〇〇%、果実につきましては八五ないし九〇%、肉類につきましては八三から九四%程度、牛乳、乳製品につきましては八八から九七%程度、それから鶏卵につきましては約一〇〇%、こういうふうに一応目標を置いておるわけでございます。
○鶴岡委員 いま数字を言われましたけれども、四十三年のときのいわゆる需給見通し、この数字からいくと、四十五年には小麦、それから豆類、米の需給の見通しの変更はなされておりますけれども、この数字からいくと、五十二年の目標、小麦の場合を例にとると七十万トン、これは四十五年の変更のときに七十万トン。これが過去を見てみるとどうなっているか、四十一年は百二万トン、四十四年が七十五万トン、四十五年が四十七万四千トン、四十六年が四十四万三百トン、それから大豆の場合は目標が五十万トン。ところが四十四年には十三万五千トン、それから四十五年には十二万六千トン、四十六年には十二万二千トンと、このように下がってきているわけです。さらに乳用牛の場合は二百九十万頭という見通しを立てているわけでありますけれども、四十四年には百六十六万頭、それから四十五年は百八十万頭、さらに四十六年には百七十五万九千頭と、これも下がっております。肉用牛についても二百六十万頭が、四十六年には百七十五万九千頭と、このように数字の上からいけばこれは全部低下しておるわけです。したがって私がここで申し上げたいことは、五十二年のこの需給見通しの目標は、数字の上から見て、また現在の農業政策から見て、私は達成することはとうてい無理ではないかな、このように思うわけです。 いま生産性が減っているとか、また外国の競合によって云々ということがいわれますけれども、生産高が減っている原因には私は二つあると思うのです。一つは、いま言った外国農産物の競合に勝てない、これが一つ。それからもう一つは、所得が低いために採算が合わないからつくらない、こういうために生産高が減っているのではないか、このように思うわけです。 そこでもしこの五十二年の目標を達成するためには、この二つの問題を解決しなければならないし、もし目標を達成するためにこの二つの問題が解決できないとするならば、外国に依存するものは依存する、また国際分業するものはするもの、このようにはっきりしなければならない。したがって、自給率、いわゆる需給見通しというものを変更しなければならないのじゃないか、こういうことになってくるのではないかと私は思うわけですけれども、このために各品目ごとに具体的にどうしたらいいのか。いまおっしゃいましたけれども、五十二年の目標は達成できない、事実このように下がっておる、生産高が低下しておる、こういう点についていかがでしょうか。
○中野政府委員 品目ごとの自給率でございますが、先ほど御指摘がありましたように、われわれが目標を立てましてからまだ若干の年数しかたっておりませんので、的確には申し上げかねるわけでございますが、米は現在生産調整をやっております。それから野菜、果実あるいはバレイショ、豚肉、鶏肉、鶏卵、繭等については、大体生産の見通しはどうも想定しておったとおりの方向に動いておるのではないかと思います。ただ、いまもお話がありましたように、麦類あるいはカンショ、大豆、牛乳、牛肉については見通しを若干下回っておるのが現在の状況でございます。 それでは、これをどういうふうにしてやっていくか、御指摘もありましたように、私も容易ではないと思います。しかし、たとえば小麦につきましては、すでに、転作をやります場合に、裏作に小麦を植えた場合にこれを転作とみなすというような手を打ちましたり、あるいは麦作団地の育成対策事業を推進するということで、また裏作の期間借地あるいは作業受託等を進めるという方向で、何とか小麦の面積の減少を避けたいということでございます。四十七年産につきましては、従来からの減り方が若干とまってきたということでございますけれども、やはり五十二年の目標に向かいましてはまだ容易ではないということでございます。それからカンショにつきましては、原料用の需要の減少を反映しまして、最近では野菜あるいは果樹等への転作が進んでおりまして、これも年々減少をしてきておりますが、食用の需要というものが堅調でございますので、今後とも、先ほどから出ております生産団地等も活用いたしまして、生産、流通の近代化をはかっていきたい。バレイショにつきましては、でん粉の原料あるいは生食向けあるいは食品加工用の需要があるものでございまして、それから生産もほぼ安定的に推移をしておるということでございます。それから大豆につきましては、これも先ほど申し上げました稲作転換に伴いまして大豆の奨励をいたしました結果、十七年ぶりに五千ヘクタール増加をしたということでございますが、今後とも生産、流通の近代化をはかりまして、また大豆なたね交付金制度の適切な運用によりまして、需給見通しの線に持っていきたいということを考えておるわけでございます。それから乳用牛につきましては、最近牛乳の自給の伸びが鈍化現象になってきております。これが一体どういうわけであろうかということにつきまして、ただいま農林省では酪農問題の研究会を開きまして、問題点の分析をいたしております。近々それが出るかと思います。それに基づきまして五十二年の見通しがそれでいいのかどうかということを明らかにしたいと考えております。肉用牛につきましては、牛乳の需要が非常にふえておりまして、一方乳用牛は頭数が伸び悩んでおります。四十七年度からは肉専用牛の生産の体質改善ということで、団地構想の中へ大幅に取り入れてやるということと、それから乳用の雄牛の利用拡大をはかろうということで、価格安定を含めまして今後需要の増大する牛肉に対処した生産対策をとりたいということを考えておるわけでございます。 これからの品目を総合いたしまして、われわれとしましては、第二次構造改善事業とともに、四十七年度からは五カ年計画をもちまして農業団地の推進をはかりたいということを考えておるわけでございます。
○鶴岡委員 いま中野さんの話はよくわかりましたけれども、私がここでお聞きしたいことは、いわゆる五十二年の需給見通しの目標に狂いが生じてきておる、これは全部ではありませんけれども。その上に今日の社会情勢、たとえば円切り上げだとか農産物の自由化問題、消費動向、いろいろ著しい変化をしてきておるわけです。ここで長期需給見通しを総点検して、そして検討を加える必要があるのじゃないか。これを農林省がやるかどうか。昭和四十四年五月に発表された新全総、この計画が、この間の二月一日の参議院本会議で、企画庁長官の発言によりますと、ことしじゅうに現在の新経済社会発展計画を改定して新しい経済計画をつくる。これに合わせて新全国総合開発計画も策定のときと公害問題が起こるなど諸情勢も違ってきているので、新全総の総点検を行なう、こういうふうに確かに言っているわけです。そういうところから考えて、この需給見通しは四十三年に策定されたわけです。したがって、この需給見通しの総点検をするかどうか、この点いかがでしょうか。
○中野政府委員 御指摘のように、ただいま持っております需給見通しは四十三年に立てたわけでございまして、その後米の生産調整との関連で四十五年に地域分担をつくりました際に、米、大豆等一部修正したわけでございます。先ほど申し上げましたように、相当数のものについてはそういう方向に向かって、想定したものと実績とが合っておるように思いますが、私が申し上げました大豆なりその他のものにつきましてはどうもそうではないらしいということもだんだんこれからわかってこようかと思いますが、何しろまだできましてから一年数カ月、四十三年から勘定いたしましてもまだ二年ということでございますので、いまこの四月からとかあるいは五月からとか再検討というふうにはなかなか作業が困難かと思います。ただ、御指摘のように、長期経済計画を立て直すということになっておりますので、その場合の経済成長率その他を見まして、また農業のいろいろな情勢の変化もございますので、その段階で必要があればわれわれは再検討すべきだと考えております。
○鶴岡委員 そうすると、五十二年の目標はとりあえずそのままにして、それに向かって施策を講じていく、こういうことに理解してよろしいですか。
○中野政府委員 ただいま申し上げましたように、一応そういうつもりでおりますけれども、経済計画の立て直しということが出てきたり、あるいはその後の情勢がもうしばらくたちますと明確になってまいりますので、これは数字の問題でございますから、その段階で再検討すべきかどうかを考えたいというふうに考えておるわけでございます。
○鶴岡委員 それでは米価の問題でお聞きしますけれども、これは大蔵大臣にお聞きします。 四十七年度予算の中には生産者米価引き上げの予算は組まれておりません。この点について組まれてないということは米価の据え置きだ、このように解釈してよろしいかどうか。
○水田国務大臣 御承知のように、生産者米価は、政府が食糧管理法に基づいて生産費、物価、需給事情というものを考慮して米価審議会に諮問の上これをきめるということになっております。毎年度の米価はそういうことできめられておりますが、今回の予算に出ております米価は、これは昨年の米価をそのまま据え置いた単価でございまして、いわゆる予算米価というもので、四十七年度の生産者米価とはこれはまた別のものでございます。
○鶴岡委員 ちょっとはっきりしませんけれども、大蔵大臣としては生産者米価を据え置きにしたほうが好ましいと思うのか好ましくないと思うのか、現在の情勢を考えてどうかということを私聞いているわけです。
○水田国務大臣 これは、米価をどうきめるかということは、直接的には農林大臣が責任をもってきめることでございますので、私どもは、そのときの需給事情、物価、そういうものを全部考慮の上、上げることは至当であるというときには、これは上げなければならないし、据え置いてしかるべきという結論が出ましたら据え置くということもあり得ると思いますが、これは予算上の予算米価とは全然別に、例年の例によれば七月前後でございますか、そのときに政府がきめる問題であると思っております。
○鶴岡委員 しつこいようですけれども、予算米価は引き上げないことになっておるけれども、また米審の答申等によって、そのとき農林省と連絡をとってきめる、こういうお話のようですけれども、大蔵大臣も現在の農家の状態がどうであるかということはよく御存じだと思うのです。私も千葉ですけれども、私のところも非常に農家が多いわけですけれども、大臣のところはもっと農家が多いわけです。ですから、農家がどういう状況にあるのか。また去年、その前、その前と三年間——去年は生産者米価は多少上がりましたけれども、これにおいても実質据え置きというようなことになっておるわけです。またことしも据え置きということになると、これは大きな問題があるのじゃないか、私このように思うわけです。かつて現役の大蔵大臣がだれよりもだれよりも農民を愛すというようなことも言っておりますけれども、農家に対する状況はどうであるかということは、これは大蔵大臣よく御存じだと思うのです。したがって、私はいま言ったように、そういう点から考えて米価の据え置きが好ましいか好ましくないか、また、政府の今回の予算の組み方を見てみますと、柱としているところはいわゆる福祉政策の充実、これが一つと、もう一つは景気浮揚、不況の回復ということを盛んに言っているわけです。日本の農業を考えると、大体米作農家が中心であるわけです。一般の勤労者に対する景気浮揚は、もちろんそれはされなければならない、このように考えますけれども、それじゃ農家に対する景気の回復、こういう点についてはどういうふうに考えているのか。まとめて言いますと、大臣のいわゆる生産者米価の据え置きということについてどういうふうに思うのか。また景気の浮揚ということについて、農家に対するその政策にのっとった不況打開策というのはどういうふうにするのか、この二点をお開きしたいと思います。
○水田国務大臣 いま申しましたように、生産者米価については、今後の状況によってきめるという立場で、現在どうこうするという方針を政府ではきめておりません。と同時に、今年度の予算編成におきましては、御承知のように食糧管理費のふえ方が非常に少なかったために、いわゆる農業予算の比重が下がったような印象を与えておりますが、そうじゃなくて、その経費だけを差し引いた比較をいたしますというと、農業基盤整備をはじめとして、本年度は非常に予算上は農政を充実した年であるというふうに思っております。
○鶴岡委員 それじゃもう一つお伺いしますけれども、農林大臣は就任早々、四十七年度生産者米価は、物価の上昇、労働者賃金の関係もあり、抑止とばかり言っておれない、ある程度は弾力的に考え、調和のとれた引き上げを考えている、これは言いましたね。そうすると、農林大臣と大蔵大臣のいまのお話では、ちょっとかみ合わないような感じがするのですけれども、この点どうでしょうか。
○赤城国務大臣 私は、大蔵大臣の考え方とかみ合っておらないというわけじゃないと思います。私は、就任前もそうですが、就任早々、生産者米価は押えるのだ、押えるのだ、こういうふうに、押える、押えると言ってましたから、これは生産者米価だっても生産費のことやら経済事情やら、こういうことからいって押える、押えると頭から押えると言うべきじゃない。これは生産者米価も弾力的に決定していくべきではないか、こういうふうに考えたものですから、ああいうふうに答弁しておったのでございます。いまでもそう思っております。それで大蔵大臣のいまのお話を聞きますと、予算米価と実際の生産者米価は違うのだ。生産者米価は決定する時期において経済事情やその他を勘案してきめたのに従っていこう、こういうことですから、私の考え方と大蔵大臣の考え方に違いはないと思います。でありまするので、私どもも米価審議会のころに、経済事情や生産費やいろいろな基礎調査の上に立って弾力的に生産者米価をきめるように、大蔵大臣とも折衝してみたい、こう思っています。
○鶴岡委員 それでは米価審議会を尊重して、それでそのときの状況によって上げるか——下げるということはないでしょうけれども、据え置きにするか、これをきめる、こういうふうに解釈いたしますけれども、それでは米価審議会はいつ開くのですか。
○赤城国務大臣 いま予定は五月から七月の間ぐらい、こういうような予定で米価審議会を開きたい、こう思っております。
○鶴岡委員 五月から七月の間と、ずいぶんその間がだいぶ長いようですけれども、去年の場合は四月に米審が開かれて、たしか五月一日に閣議決定をしている、私、このように記憶しておりますけれども、ことしは五月から七月の間、そういうふうになったという理由は何ですか。
○亀長政府委員 別に四月中にやらないと決定をしておるわけではありませんが、生産費の調査その他のできる時間の関係等からいたしまして、昨年あのような不作等の事情もございましたし、生産費の調査につきましても私どもかなり慎重を要するのではないかというようなことも配慮をいたしますと、昨年は四月の終わりでございましたが、昨年よりは若干おくれるのではないかというふうに考えておるだけでございまして、別に深く考えておるわけではございません。 〔大坪委員長代理退席、委員長着席〕
○鶴岡委員 わかりました。それでは大蔵大臣にもう一言お伺いしますけれども、先ほどの話ですと、やはり米価というものは米審の答申を受けて、そして情勢を考えてきめる、このようなお話でございました。それでは米価審議会の答申が据え置きと出るか、引き上げと出るか、これはわかりませんけれども、もし出た場合にはそのとおり尊重してやると解釈していいかどうか。
○水田国務大臣 そのつもりでございます。
○鶴岡委員 それでは物統令の問題ですが、端的に聞きますけれども、食糧庁長官、物統令をはずすという大義名分は何ですか。
○亀長政府委員 物統令の適用を廃止するという趣旨は、現在米の需給事情がかつての時代とかなり変化をいたしておりまして、消費者の側からいたしましても非常に選択性が強まってきております。ところが現在ではよいものも悪いものも一律の価格だ、こういうのが現在の政府売却米の末端価格でございまして、むしろこれはそのような一律価格よりも、末端において消費者の選好に応じた価格のあり方、これを認めていくほうが合理的であるという考えであります。したがいまして消費者は品質に応じてみずから選択ができる。それに応じて末端の消費者価格が形成されるということは、やがてはそれが小売りと卸との価格にも反映をする、政府の価格にも反映をする、生産者に対しても良質米の供給の刺激になる、かような考えで撤廃の趣旨と私ども了解をいたしております。
○鶴岡委員 長官、ずっと聞きますから、ちょっとそこにいてください。 長官はこの間の二十九日の予算委員会の総括質問で、物統令を廃止することによって何か政府のほうで財政に得をすることがあるか、このような趣旨の質問に対して、食管会計の財政の上では負担軽減には一銭もならない、このように言いましたね。いま物統令を廃止する大義名分と私聞きましたけれども、どうもすっきり答えが出ないようですけれども、それを要約すると、いわゆる消費者の選好と、それから価格形成、こういうことにまとめられると考えるのですけれども、もし物統令をはずさなければうまい米が食べられない、こういうことは私はないと思うのです。現行制度でうまい米を食べるというような方法はとれないですか。
○亀長政府委員 現在の制度では、御承知のように米の検査にも一等から四等、さらに規格外というふうにございますけれども、これは私が申し上げるまでもなく米の物理的性質に応じた分類でございまして、一等の米が四等よりうまいとかいうふうな味の要素というものは現在の検査規格には入っておらないわけでございます。そういう意味で、いわゆる味ということに基づく銘柄格差というものを現在の統制のもとで買い入れ価格においても消費者価格においても反映をするということは非常にむずかしいのであります。もちろん、御承知のように自主流通米というものがございますけれども、これは量的にまだ政府の売却米に比べれば比率的にはわずかなものでございますし、これはむしろ上質米だけを目標にいたしておるような関係もございまして、全体的な米の味での価格の形成というのは、現在のような政府が大量に買っておるというもとで、また現在の検査規格というような形では私どもは不可能だと考えております。
○鶴岡委員 物統令をはずして標準価格米というものをつくるということを聞いておりますけれども、そこで、徳用上米、徳用米、これは残すわけですね。
○亀長政府委員 標準価格米は従来の一−四等の政府売却米を原料につくるわけでございますが、それ以外に従来の徳用上米、徳用米というものも従来どおり残す、かような考えでございます。
○鶴岡委員 この標準米ですけれども、私はまだ非常にあいまいなような感じがするわけです。それでは標準米の価格をどの程度にするのか、また、現在の配給米と同じだ、このように言っておりますけれども、どこが同じなのか、味が同じなのか、品位が同じなのか、それとも品質が同じなのか、全部同じなのかどうか、この点どうでしょうか。
○亀長政府委員 標準価格米は政府の売却をいたしました一等から四等までの米を原料として精製される精米ということをたてまえにいたしております。その値段は従来の物価統制令にきめられておりました千五百二十円もしくはそれ以下の米、それ以下の値段でももちろんかまわない、そういうものを標準価格米と考えておる次第でございます。味という要素は先ほど申し上げましたように織り込まれておりませんが、できました精米の規格におきましては従来の配給米と同一の規格でございまして、この精米の規格は物理的性質によってきめられておる、そのような性格のものでございます。
○鶴岡委員 そうすると標準米は品位と規格、こういうことでつくられると思いますけれども、それじゃお聞きしますが、四十六年度のいわゆる政府買い入れ数量、これは五百八十万トンであったけれども、四百七十万トンになったわけですね。そのほかに自主流通米が百八十万トン。この四百七十万トンを全部標準米にするかどうか。
○亀長政府委員 物統令を撤廃いたしました後は、その価格形成は消費者の選好に応じて形成をされるということでございますので、その趣旨からいたしましても四百七十万トン全部が標準価格米ということはあり得ないわけでありまして、消費者の希望に応じて店頭に常置をするという制度でございますから、標準価格米がどの程度の数量を占めるかということは、消費者がどの程度に希望するかということによってきまるわけでございます。
○鶴岡委員 どの程度の標準米をみんなが買うかどうかということは、これは先のことでもちろんわかりませんけれども、標準米を常に確保する、常時置いておくと、現在の標準米を買う数量はどのくらいか。約五〇%は配給米を買っているわけです。したがって大体標準米と同じものを残すというならば、数量としてはどの程度を標準米にするのか。この点どうでしょうか。
○亀長政府委員 標準価格米につきまして別に数量的制限を設けるつもりはございません。したがいまして消費者が要求をするならば、現在の食管法に基づきます配給基準量までは標準価格米として売りなさいという指導を私どもはいたしております。
○鶴岡委員 そうすると標準米からぐっと、いわゆる規格、それから味の点において安い米というのはその四百七十万トンの中から出るかどうか。この点はどうですか。
○亀長政府委員 標準価格米は一応私ども標準的な販売業者の経費というものを想定をして、またそれに見合う財政負担、予算も組んで、千五百二十円ならば売れるはずだということで計算をしておるわけでございますけれども、もちろん今度の物統令廃止によりまして新規参入その他の競争ということもございます。それから大型袋詰めの精米を行なうということになれば精米コストも相当低減をされるわけでございまして、そういう意味で私どもは千五百二十円以下の米も当然同じ規格品でありながら出てまいるであろうというふうに考えております。
○鶴岡委員 私がなぜこれを聞くかというと、いま消費者にしても物統令を廃止した場合には消費者米価が上がるのではないか、こういう心配が非常に強いわけです。また、その点についても農林省としては考慮をして、そしていろいろな処置をとる。新規参入とか、またそれによって競争力をつけるとか、いろいろ講じるわけですけれども、私が一番心配をするのは、物統令をはずして米価が上がるのではないか。たとえば四百七十万トンのそれは、去年までは配給米として売られてきたわけです。その中で今度うまい米を消費者に渡すということになれば、その中からうまい米を抜かなければならないわけです。もちろん、その標準米よりずっと安いのもできると思いますけれども、うまい米を抜くということは、結局残ったので標準米をつくる、理屈の上ではこういうことになってくるわけです。そうすると全体的には米価は上がるのではないかな、こういうふうに心配するわけです。どうですか、その辺の割合は。
○亀長政府委員 従来も自主流通米というものがございまして、これは物統令の適用はなかったわけでございますが、本年度の生産はなるほど不作でございましたけれども、政府の供給量には全然不安はないわけでございますし、またここ数カ月の自主流通米あるいは自由米等の動きを見ましても、米価が上がるという徴候は全然見られないわけであります。また、物統令の撤廃によりまして、いま先生御指摘のようにいわゆる上のものと下のもの、値開きというものもいろいろ出てくるかと思いますけれども、全体としての米価水準が上がるというふうなことは私どもはなかろう。需給事情なりあるいは最近の価格の動きから見て、また物統令廃止後におけるいろいろな措置等の状況から見てそういうことはなかろうというふうに考えております。
○鶴岡委員 それでは念を押しますけれども、物統令を廃止した場合消費者米価は全体として上がらない、皆さんには迷惑をかけないと、ここで確信をもって言えますか。
○亀長政府委員 私ども昨年物統令を廃止するということが大方針としてきまりまして、現在までそのために非常に研究も続けてまいりました。私どもとしましては行政措置としてとり得る最大の措置と最大の努力をいたしたつもりでございます。
○鶴岡委員 それでは、私はよくわからないのですけれども、上がる場合もあり得るというふうな答弁も含まれているように感じるわけです。いずれにしても四月一日に決定しているようですけれども、一番心配するのは、現在、公共料金等を見ましても軒並みに上がっているわけです。それを考えると、またここで物統令を廃止して米が上がるということになると、これはたいへんな問題です。また反面考えれば、農林省の腹にそれがあるかどうかわかりませんけれども、物統令を廃止するということは、現在も、その体制、状況から見てみると、物統令を廃止しているような状況にもなっておるわけです。ですから、これをただ追認するだけだということで、物統令を廃止してもすぐには消費者米価は上がらない、このようにも勘ぐれば勘ぐれるわけです。いずれにしても、物統令を廃止してやった場合に消費者米価が上がっては、これは国民のためによくないわけです。そういうことで、処置をとるならばとるように、たとえば米屋の問題にしても、新規参入でふやすのはこれはけっこうだと思います。ですけれども、そこでいつ行っても標準米が買える、こういうふうに口では言っておりますけれども、実際に買えなかった場合には、これは罰則はどうするのか。現在の配給米ならば罰則を適用することはできますけれども、罰則規定が設けられていないわけです。そういう点も考慮をしてやっていただきたい、このように思うわけです。 たくさんありますけれども、時間が来てしまったので、もう一ぺん確認をしておきますけれども、物統令を廃止した場合、一つは、配給米と同じような標準米、これを常に確保することができるか、値段は千五百二十円、この標準もしくは標準以下になるか、あとはいま言った売り切れは絶対ないか、この三点どうですか、確認しておきます。
○亀長政府委員 標準価格米につきましては、いま私がお答え申し上げましたような線で、業界のほうも政府に全面的に協力をする、かような姿勢もとっておりますし、またそういうことに従わないものに対しては、それぞれ登録の拒否、取り消し、これは都道府県知事の権限に食管法上相なっておりますが、さらに食糧庁の立場からは、そういうものには売却をしないとか、いろいろな行政上の対応策というものをわれわれ考えておるわけでございます。われわれとしまして、御指摘の点につきましては十分な準備をいたしたつもりでございますけれども、なお、今後撤廃後におきましても、事態の推移に応じまして、それぞれ適時適切な措置をとるように努力をしてまいりたいと考えております。
○瀬戸山委員長 鶴岡君に申し上げますが、予定の時間が経過いたしましたので、簡単に願います。
○鶴岡委員 それでは簡単にもう二点。 一点は、政府は現在の食管制度を今後どうするか、こういうことです。この食管制度改革の問題については、いろいろ現在までも論議されてきましたが、昨年の国会の審議等を通じて見てもわかるとおり、総理も、近い将来この制度の改革は考えなければならないというような答弁もしております。自主流通米制度が登場し、そして生産調整、政府の買い入れ制限、そして今度は物統令の廃止、言うなれば食管制度は法があって現在中身はないというように言っても私は過言ではないと思うのです。この一連の処置はいわゆる食管制改悪へ踏み切る足がかりではないか、このように思わざるを得ないわけですけれども、食管制度をどういうように考えているか、この点について。
○赤城国務大臣 私は、国民の食糧上最も重要な米については、ほんとうに自由にしてしまうということは、これは食生活からいって危険だと思います。でありますので、食管制度の根幹といいますか、基本的な問題を改めて全然自由にするという考えは持っておりません。しかし、運用の点においていろいろ問題もありますので、いま食管制度等の研究会をつくって研究はいたしておりますが、これをやめてしまうというような方向へ持っていくという考えは持っておりません。
○鶴岡委員 それでは、野菜についてあと一点だけお聞きしておきます。 ことしは例年になく暖冬が続いて野菜が非常に大豊作で、大根、ホウレンソウ、ネギ等を見ると、いま暴落が続いているわけです。東京近郊の農家は軒並み絶望的な打撃を受けているわけです。暴落すれば、今度はその後に来るものはやはり暴騰である。これはいままでの推移を見てもよくわかるとおりであります。野菜は常に暴落の次に暴騰が来る、こういう波になっておりますけれども、暴落しているときにいろいろ対策を考えるのがやはり農林省の立場であり、そうしなければならないと私は思うのですけれども、この野菜の価格の安定について対策はどうするのか、この点をお聞きします。
○赤城国務大臣 確かに現在は安くなっております。安くなったあとは反動として上がるような傾向はいままでもありました。でありますので、農林省といたしましても、そういうことがないように慎重に対策を講じておるわけでございます。たとえば四十七年度につきましても、秋、冬季の野菜、キャベツとか大根、白菜、ネギ、こういうものにつきまして計画的な生産を指導しておる。あるいは出荷の確保をしておる。それで、そのために出荷の奨励金、保証基準額、補てんの割合、国庫補助金、こういうものも引き上げるつもりで、また市場価格の月別計算によりまして——いままで月別じゃなかったのですが、そういう計算によって価格補てんを強化するとか、こういうようなことで四十七年度に野菜の予算も相当増額して、それぞれきめこまかに対処したいという対策を講じておるわけでございます。
○鶴岡委員 わかりました。いまお話しのように、今回の予算については、機構面においては食品流通局の設置、それから予算面においても二倍、こういうふうに言っておりますし、また農林大臣は、政府案ができたときには、予算としては満点だというような意味のことも言っております。農林省のその答弁どおり私は受けとめたいと思うのです。今後、そのような効果はどのように出るか、また次の機会にそれを論議さしていただくことにして、野菜の問題については、いま言いましたように、反動、反動で高くなったり安くなったりということは、これは非常に農家にとっても、また消費者にとっても重大な問題であります。農林省は、いま申しましたように、野菜については生産者も消費者も安心して生活のできるような対策をとったと、このように言っているわけですから、私もそれを信じて今後見ていきたい、このように思うわけです。 たいへん長くありがとうございました。
○瀬戸山委員長 これにて鶴岡君の質疑は終了いたしました。 ————◇—————
○瀬戸山委員長 この際、分科会の件についておはかりいたします。 理事会の協議によりまして、昭和四十七年度総予算審査のため、五個の分科会に分かつこととし、分科会の区分は、第一分科会は、皇室費、国会、裁判所、内閣、総理府、法務省及び文部省所管並びに他の分科会の所管以外の事項。なお、総理府については防衛庁及び経済企画庁所管を除くことにいたします。第二分科会は、会計検査院、防衛庁、外務省及び大蔵省所管。第三分科会は、経済企画庁、厚生省及び自治省所管。第四分科会は、農林省、通商産業省及び労働省所管。第五分科会は、運輸省、郵政省及び建設省所管。 以上のとおりといたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○瀬戸山委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。 次に、分科会の分科員の配置及び主査の選任、また、委員の異動に伴う分科員の補欠選任並びに主査の辞任及び補欠選任につきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○瀬戸山委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。 それでは、午後五時より再開することとし、暫時休憩いたします。 午後二時十分休憩 ————◇————— 午後五時二十一分開議
○瀬戸山委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質疑を続行いたします。千葉七郎君。
○千葉(七)委員 農業の問題に関しまして質問をいたします。 まず第一にお伺いをいたしたいのは、いま日本の農民は非常に農業に対して不安を抱いておるということであります。それはどこに原因があるかと申しますと、政府の農業政策が非常に混迷をいたしておる、いわゆる総合的な農業政策が確立をしていないというところにその原因があると思うのであります。 たとえば、二、三年前までは米の増産を盛んに奨励をいたしましたが、引き続き二年間も米の生産の調整をしなければならぬ、休耕、転作等をしなければならぬというような事態、しかもその転作をしようとしましても、どういう作目を選んだらいいかという、そういう確定的な転作の方向も政府は示していない。あるいはまた畜産、果樹等の作目に転換をしようといたしましても、それらの作目もまた外国農産物の輸入等によりまして経営が安定をしない。さらに、ことばをかえて言いますならば、国内の食糧の、あるいは農産物の自給率をどの程度に確保するかというような基本的な問題等につきましても、政府の施策が確立をされていない。こういういわゆる日本の農政の混迷が、日本の農民に対して大きな不安を与えておる原因になっておると思うのであります。 このような混迷の中におきまして、私は一るの、何と申しますか光明を見出したのであります。というのは、一昨々日でありますか、十一日の物価対策特別委員会の連合審査会の席上におきまして佐藤総理大臣は、農は国の大本である、したがって農業は、これは大切にしなければならぬ、食糧の国内における自給率は八〇%を確保しなければならぬということを、農林大臣在席の上で答弁をされておるのであります。国内食糧の自給率八〇%を確保するというならば、これはまさに国内の食糧の自給体制確立と申しましても差しつかえがないのではないかと思うのであります。もちろん私たちは、少なくとも米、麦、牛乳、肉あるいは油脂原料等は、でき得るならば一〇〇%国内の自給を確保すべきである、確立すべきであるという主張をいたしておるのでありますけれども、総合食糧の自給率八〇%を確保するというならば、まず食糧の国内自給体制の確立と申しても差しつかえないと思うのでありますが、農林大臣におきましては、この総理の言明を実現する決意があるかどうか、その点をまず第一にお伺いをいたしたいと思うのであります。
○赤城国務大臣 農業問題が非常に混迷している、こういうことを私も感じておるのです。これは二つの面から農業政策は見なくちゃいかぬと思います。 すなわち国としての農業政策、農業者をどういうふうに持っていくかという面。国のほうの農業政策から言えば、私は国全体として日本の農業が国際競争に耐え得るような農業に持っていく。もう一つは、国全体の、農業というものは国民の食糧をまかなっておるものでございますから、そのまかなっておる食糧が需要供給がバランスとれるような形で、余っておるものは生産制限もしなくちゃなりません。足らないものはこれを充足していくようにする。需給を調整していく、こういう面が国全体として必要だと思います。 そういう面から考えまして、やはり国内の食糧、国民に供給する食糧はできるだけ自給する方向へ持っていく。外国の農産物、まあ自給のできないもの等におきまして、食糧として必要なものはこれを輸入する必要もございますけれども、原則としては自給していく。このことがやはり農民の立場として、農民が生産の立場に立っていくというその生産の立場の農民を保護する、国が保護していかなくちゃならぬという立場もそれに共通していくと思います。そういう意味におきまして、やはり国民の食糧を農業において自給していく方向へ持っていくということ。でありますから、総理が言ったように自給の面を八〇%というように維持していきたい、これは私もそのとおりであり、そのとおりに進めなくちゃいかぬと思います。しかし、全部が自給できないものもございまするから、輸入する面もございますが、原則はやはり国民の食糧は国内において自給できるような方向、そのためにはやはり生産性も上げ、そして国際競争力もつちかっていきながら自給していく、こういうことでないと、自給政策というものも蹉跌する傾向がございますから、そういう方向で自給する方針で、いまのお尋ねのとおりに私も考えております。
○千葉(七)委員 いまの御答弁によりますと、そういう方向で努力をしなければならぬことはもちろんであるが、国内で自給できないものは、これは輸入するのが当然だ、こういう御答弁に承ったわけでありますが、私ももちろんそのことを否定しているのではないのであります。私の言っていることは、総合的な食糧の自給率を——これは佐藤総理大臣もそういう話だったと思います。総合して国内の食糧自給率を八〇%を維持したい、こういう答弁だったと思うわけであります。しかし私は、国内で総合食糧自給率八〇%を実現していくためには、まだまだ努力をしなければならないと思うのであります。 もちろん米のごときは、これは一〇〇%自給であります。しかし、主食として見る場合、米と麦を同一に考える場合におきましては、これは大体八〇%ぐらいの自給にしかなっていないと思うのであります。それからまた農産物全体、食糧全体の自給率を考えましたときは、とうてい現在におきましては八〇%に達していない。 四十五年は、大体GNPは千六百億ドルぐらいであります。そしてこの国民総生産のうち、農業の占める割合は大体九%でありますから、百五十億ドル程度だと思うのであります。ところが、四十五年の農産物の輸入の総額は四十一億九千七百九十八万ドルに達しております。したがって、国内における農産物の総生産とそれから輸入の割合を見ますと、大体国内の食糧の生産率、自給率というものは七五%を割っておる。七二、三%ぐらいにしかなっていないわけであります。こういう日本の食糧の自給率の現状でありますが、これを八〇%まで引き上げるということになりますと、これはよほどの努力がないと、八〇%まで引き上げることが非常に困難ではないかと思うのであります。 さらに私、心配をいたしておりますのは、いまの高度経済成長政策が続くとするならば、これは日本の経済あるいは生産、貿易の機構から申しまして、当然輸出をどんどんふやさなければならないという結果になるわけであります。昭和四十六年におきまして千七百二十六億ドルの国民総生産、このうち輸出に回ったのは、まだはっきりした統計が出ていないようでありますけれども、大体二百五十億ドル、前年の四十五年には、国民総生産が一千六百億ドル、これに対して輸出の額が百九十九億二千二百万ドルという統計が出ております。大体四十五年と四十六年を比較しますと五十億ドルの増加、二割五分の増加であります。四十七年度国民総生産、それから輸出額はどれぐらいの見通しであるかわかりませんが、この割合で四十七年も輸出がふえる——あるいはドル・ショック等で前年ほどにはふえないかもしれませんけれども、相当GNPがふえているものとすれば、輸出量も相当にふえるのではないかと思うのでありますが、四十七年の見通しはどうでありましょう、経済企画庁長官にお尋ねをします。四十七年の国民総生産とそれから輸出の見通しはどうなっておるか、お伺いをしたいと思います。
○田中国務大臣 四十七年度の国民総生産は、七・二%を目標にいたしておるわけでございます。 輸出、輸入の見通しを申し上げますと、輸出は、ドルベースで二百五十九億ドル、これは対前年度比八・四%増でございます。円平価の切り上げが行なわれましたので、円ベースで計算をいたしますと一・三%減でございます。七兆九千七百億円でございますから一・三%減でございます。輸入は、ドルベースで申し上げますと二百二十九億ドル、一五%増でございます。円ベースで計算をいたしますと七兆五百億円でございますので、五%増ということになります。これは四十六年度に比べますと、輸入が増大をし、輸出が減少するということになるわけでございます。
○千葉(七)委員 通産大臣にもう一度お伺いしますが、四十六年の輸入総額の見通しはどうでしょう。
○田中国務大臣 四十六年度は、ドルベースで申し上げますと、輸出が二百三十八億五千万ドル、輸入が百九十九億一千万ドルでございます。これは対前年度比でドルベースで、輸出は一七・七%増であり、輸入は二・九%増でございます。輸入につきましては、経済が非常に低い状態でございましたので、円ベースに直しますと三・六%減ということでございます。
○千葉(七)委員 そういたしますと、四十六年の輸出は二百三十八億ドル、それに対して輸入は百九十九億ドル、四十七年においては輸出は二百五十九億ドル、前年から見ますと約二十一億ドルの増加、輸入の面におきましては、前年、四十六年よりも三十億ドルの輸入増加、こういうことになるわけでありますが、そのうち、対米の輸出入はどのような見通しであるか、お伺いしておきます。
○田中国務大臣 四十七年度の見通しにつきましては、後ほど調査の上申し上げますが、四十六年度の対前年度比を申し上げますと、四十五年度に比べて二一%増、これは輸出でございます。それから輸入は……(千葉(七)委員「金額の話」と呼ぶ」)金額は、いまちょっと調べて御報告申し上げます。
○千葉(七)委員 ではあとでお伺いします。 ただいまの答弁によりますと、円の切り上げ等にもかかわらず、日本の経済は依然として工業中心の成長を続ける、こういう見通しがはっきりしておるわけであります。工業中心の成長が続くとしますと、これは当然、日本には工業生産の資材が非常に少ないわけでありますから、したがって、資源を輸入してそれに加工をして輸出を増強する、そういう政策が当然今後も続けられると見て差しつかえないわけであります。 そこで私、四十四年からずっとGNP、それから輸出、輸入等調べてみたのでありますが、ただいま通産大臣の答弁でもわかりますように、四十六年と四十七年の見通しを見ましても、輸出の面におきましては二十一億ドル以上も増強をされる。さらにそれに対して見返りの輸入もふやさなければいけませんから、当然これまた輸入も三十億ドルぐらいはふやさなければならぬ、こういうことになるわけであります。しかし、このように見てまいりますと、おそらく昭和五十年ごろには、日本の輸出というものは四百億ドルをこえるんじゃないかというような感じもするわけであります。輸出が四百億ドルこえるということになると、当然それに見合った輸入がふえてくる、こういうことになるわけであります。 いま、日本が外国から輸入する品物が何かあるかといえば、これは農産物しかないと思うのであります。工業製品を売って工業製品を買ったのでは、これは輸出をしたもしないも同じことですから、結局は工業製品を売ってその見返りに農産物を買ってくる、こういう経済のあるいは貿易の組み立てが、構造が、どんどん拡大強化していくと見なければならないと思うのであります。こういうことになりましたならば、いかに総理大臣が八〇%食糧の国内自給率を維持するというようなことを国会の委員会の席上で国民に約束をした、農民に約束をしたとしても、その約束は全くのからうそだといわざるを得ないと思うのであります。農林大臣はどうお考えになりますか。
○赤城国務大臣 いまのお話は、逆でございます。工業生産物を売らなければならないから、そのかわりに農産物をうんと輸入しなくちゃならなくなるだろうということでありますが、工業生産物の原材料を輸入してそれを加工して売るために、そのためには農産物はなるたけ買わないほうがいい。工業の原材料を買わなくちゃならないのですから、農業のほうはなるたけ輸入しないで自給していく、こういう方針が大切だと思います。ですから、工業の原材料を輸入しなくちゃならぬ、そして売らなくちゃならぬから、農業のほうの農産物も輸入をふやさなければならないじゃないかというのは逆だと思います。方針としては、工業の原材料を輸入しなくちゃならないから、食糧、農産物をなるたけ輸入しなくて国内で自給していく、こういう政策をとるべきだ、全体としてはそう考えます。
○田中国務大臣 先ほどの御質問にございました四十六年度、まだ三月半ばでございますので、年度間のものは出ておりませんが、一月から十二月ベースで申し上げたいと存じます。 わが国の対米貿易額は、四十六年一月から十二月まで、輸出が七十五億一千四百万ドルでございます。輸入は四十九億七千四百万ドルでございます。これをドルベースで対前年度の一月から十二月に比較をいたしますと、輸出は一二六・五でございます。輸入は八九・五でございます。これは円ベースに直しますと、円が切り上げられておりますので、もう少し輸入は下がるということでございます。これは当初一〇・一%を見ました成長率が、実質四%に至らないというような状態でございましたので、輸出がふえ、輸入が減ったということでございますが、七二年度、すなわち四十七年度には七・二%の成長率を維持すべくいま予算を御審議いただいておるわけでありますので、先ほど申し上げましたように、対米貿易もまた全世界に対する貿易も、輸入がふえ輸出が減って、輸出入のバランスは、四十六年に比べてはバランスがとれるようなものに近くなると考えておるわけでございます。
○千葉(七)委員 いまの農林大臣の答弁でありますが、私は全く納得ができないのであります。というのは、原材料を輸入するので農産物の輸入はふえないのだ、こういう答弁のようにお聞きしたのでありますが、原材料の輸入をして、そして日本の国内でそれに労力を加えて加工をして、そしていわゆる価値をふやして輸出をする、こういうことなんです。したがって、その価値をふやして輸出をしたその見返りには、必ずふえた分だけは何か買わなければならぬ、こういうことになるのでしょう。たとえば一億ドルの原材料を輸入して、国内の消費量というのはきまっていますから、したがってそれを二億ドルの製品にして、そして一億五千万ドルは売ってやる、五千万ドルは国内で消費をする、こういう点を考えますならば、五千万ドル分の輸出超過の分に対しては、当然これは農産物を輸入するよりほかはない。いまの日本の経済の組み立てあるいは産業の組み立てというものはそういう組み立てになっておる。ところが、農林大臣はそうでなく、原材料をどんどん輸出の額以上に買うのだからして、したがって農産物の輸入はふえないんだ。こういう考え方は間違っていると思うのですが、どうでしょう。
○赤城国務大臣 いまのお話で、工業の原材料を輸入してそれに加工して付加価値が多くなる。それを輸出するから、それで日本の輸出入はいま黒字になっているのでしょう。だけれども政策としては、農産物を輸入したのでは原材料を輸入する分が日本の金として減ってしまいます。ですから原材料を輸入して、それに加工して売らなくちゃならない日本の経済ですから、農産物をどんどんどんどん輸入しておったら、原材料じゃなくて輸入するのが農産物で、これは国内で消費してしまうのですから、日本の国の富を大きくするわけにはいかぬ。ですから政策として、私は食糧は日本の国内で自給すべきだ、そうして工業は原材料を買わざるを得ないのですから、それを買って、それに加工して売っていく、そして日本の富を増す、こういうことが政策として必要だ、こういうことを申し上げているのであります。
○千葉(七)委員 国内の食糧の自給率を高めていくということは、日本の経済政策としてこれはぜひ必要だ、こういう御答弁でありますが、私もそのとおりだと思うのであります。佐藤総理大臣は、十一日の物特の委員会で、農業は国の大本だ、こういうことをおっしゃいましたが、私もそれには大賛成、農業は全くあらゆる産業の母と申しますか、あらゆる産業の母体だと私は思うのであります。幾ら工業を盛んにして工業製品を売ったところで、食糧を輸入したのでは、これは国が栄えるということにはならないと思う。イギリスはそのいい例だと私は思うのです。イギリスは御承知のとおり、戦前は国外に、世界各地に植民地を持っておって、そこから国内で生産をした工業製品をどんどん植民地に売り込んで、あるいは植民地現地で企業を興して、そしてそこから利益を本国に集中をした。そして国内の農業は非常に軽視をしている。そういう政策をとってきた。戦前のイギリスの食糧の国内給率というものは五〇%を割るといったような状態であった。しかし、御承知のとおり、戦後このイギリスの植民地はほとんど独立をしている。戦前のように植民地から利益をしぼり取ってくることができなくなった。しかし、食糧は戦前と同じように輸入をしなければならぬ。そういう状態ですから、結局イギリスは貧乏してポンドの値打ちなんかが下がってしまった、こういうことになる、これはいい実例だと思うのであります。したがって、国内において食糧の自給度を高めるということは、あらゆる産業を発展させる基礎になると私は思うのであります。全く佐藤総理大臣の、農は国の大本だというお話には私、全面的に賛成をするのでありますが、しかし、いまの高度経済成長政策の推移をたどってみますというと、その方向とは全く逆の方向をたどっておるとしか考えられない。毎年毎年農産物の輸入がふえております。しかもアメリカからは農産物の輸入の自由化を強く迫られておる。私は、もうこの辺で輸入の自由化をしっかりやめてしまわなければ、とうてい農林大房のおっしゃるような食糧の自給率を高めるというようなことはできないと思うのです。日本の農産物の非自由化の品目は、私から言うまでもなく、二十八品目あるのであります。ところが、日本が二十八品目輸入の非自由化をいたしておりますけれども、外国も相当の農産物の品目の輸入を自由化していないのであります。これは御承知のことと思いますけれども、アメリカだって十二品目も農産物の輸入を自由化していない、フランスも三十九、デンマークなんかは五十八も自由化していないのであります。西独やイギリスは十九品目、こういう農産物の自由化をしていないのでありますから、したがって、日本の二十八品目の非自由化、これは決して多いとはいえないと思うのであります。産業の基盤としての農業、これを確立するというならば、もうこの辺で農産物の自由化はとどめてもいいのではないかと思うのでありますが、農林大臣のお考え、どうですか。
○赤城国務大臣 自由化というものはしなくちゃならぬと思いますが、農産物は自由化には適しないといいますか、なかなかむずかしいものでございます。ただ、農業の形態が、再々私が申し上げておるように違います。アメリカの農業は輸出産業みたいになっている、日本の農業はいま言う自給産業ということでいかなくちゃならぬような状態でございます。でございまするから、日本は農産物の自由化はずいぶん断わってきてまいったのでございますが、それでも世界の趨勢でございますので、いまお話しのように二十八品目残存、これがことしの四月に四品目やりますから二十四、決して日本の農産物の自由化がおくれておるわけではございません。しかし、御承知のような世界の状況、情勢でございますから、私は再々申し上げておることは、日本の農業生産も国際化に耐え得るように生産性を上げてやっていかなければならぬ。でありますので、そういう方向に一面進めております間に、いまの基幹作目といいますか農産物といいますか、そういうものについては自由化というものはできるだけ延ばすといいますか、いま断わっていかなければならぬ、こういうふうに私は考えておるわけであります。
○千葉(七)委員 農林大臣のおっしゃること、よくわかります。ぜひそういう方向で今後の農産物の輸入の自由化につきましては、慎重な配慮をされまして、そして国内の農業を守る方向にぜひ進めていただきたいと思うのであります。 アメリカ農業と違うというお話でございまして、これは当然、アメリカ農業と日本の農業とは体質が違っていることは、私も承知をいたしております。アメリカは、現在では輸出でもうかるのは農産物しかないということをスタンズ長官なども言っておりますから、したがって、アメリカは輸出産業としての農業政策をとっておることは当然なわけであります。日本は、もちろん国内の食糧の充足という観点で農業政策を進めなければならぬことは言うまでもないところでありますが、しからば国内の食糧の自給体制、いわゆる国内自給農業体制とでも申しますか、その確立のための日本の政府の政策というのは非常に確立をされていない、いわゆる不安定、混迷をしておる、そういう感じがしてならないのであります。 たとえば昨年の四月、これは前の倉石農林大臣のとき発表になったんですけれども、総合農政の基本というものを発表されました。それを見ますと、全く基本でないことを基本だと言っているような感じがするのであります。 第一番にあげたのは、生産の地域分担ということをあげております。それから二番目には、米の生産調整、それに伴って食糧管理制度の検討ということをあげておる。三番目は、畜産園芸の振興、四番目は、農林漁業の近代化、貿易の自由化推進ということを言っております。これは総合農政ですから、農産物の貿易自由化推進だろうと思うのであります。五番目には、工業の地方分散、離農促進、老後の保障、六番目には、農産物の流通改善、これは部分的に見ますと、この項目のうちの幾つかは確かにそれを進めなければならない項目もここにあげられておりますけれども、しかし私は、これでは総合農政の基本にはならないと思うのであります。ほんとうに国内で食糧を、少なくとも外国の農業に依存しない、そのためには食糧の自給率を八〇%程度は確保する、総合給率八〇%は確保するという政策をこれから強力に遂行していこうというならば、総合農政の基本としては、まず第一に、国内の食糧の需要供給の長期の見通しを立てなければいかぬと思うのです。長期といっても十年も二十年もというわけにもいきませんから、少なくとも五年か十年くらいの国内食糧の需要供給の見通しというものをまず第一に定めなければいかぬと思うのですが、その点はどうでしょう。農林大臣の所見をお伺いしたいと思います。
○赤城国務大臣 再々申し上げていますが、私は農業政策としては、国際的に考えたときには、日本農業というものが国際競争力に耐え得るようにしていかなければならぬし、国内関係からいいますならば、需要供給のバランスをとるようにしなければいかぬ。だから供給が余っている米というようなものは、少し制限するといいますか、少なくしていく、しかし、足らぬものはいまの話のように自給度を増していく、こういうことでいかなければならぬ、こういうふうに思っております。でありますので、四十三年でございますか、需給の見通しのあらましをつくりましたが、それでもいろいろ変化がありますので、その後作目と地域に沿った、地域の生産の指標というものを、大体ガイドポストをつくりました。これは十分でございません。それからまたいろいろな変化がございます。でありますが、いまのお話のように、やはり需給のバランスをとっていく、そうすれば供給の見通しといいますか、生産の見通し、こういうものもお話のように長期的というほどの長いものでなく、やはりある程度の見通しを持って、それに沿って生産も進め、そしてバランスをとっていくようにしていかなければならぬ、こういうふうに思っております。
○千葉(七)委員 いまお話もありましたが、私は、この需要供給の見通しに立って作目別の生産計画というものを立てる必要があると思うのです。もちろんその中には、地域の生産指標というものも入ってくると思うのです。少なくとも米、麦、あるいは肉、牛乳、それから家畜の飼料、その程度の生産の計画というものは、五年なり十年なり、短くても五年くらいの計画的な生産ということを強力に実施すべきではないか、かように私は考えるのであります。そしてそれに基づきまして構造の改善なりあるいは基盤の整備なり、あるいは農林大臣お得意の農業団地の形成もけっこうでございましょう。そういういわゆる構造計画というものを進めていかなければならぬと思うのであります。しかし、そういうことを進めていくためには、それを推進する中核がなければならぬと思うのであります。それを推進する中核の組織、いわゆる生産の組織と申しますか、そういうものがなければならぬと思うのでありますが、この生産の組織については、ほとんどいまの農政は考えていないと言ってもいいのじゃないかと思うのであります。この生産の組織体になるその中核をどこに求めるかということ、これが一番大切ではないかと思うのであります。私は、いまの農協を強化して、そうして生産の組織化を担当させるということを、もっと国が取り上げて考える必要があるのじゃないかというような気がするのであります。いま農協はその経営にきゅうきゅうとしておる。農協スーパーなどというようなものにばかり力を入れて、そうして生産面には力を入れない、これはどこにその原因があるかと申しますと、生産面の仕事を進めるその経費がどこからも出てこないからであります。したがって、農協に対してそういう仕事を担当させるという、その財政的な援助措置といいますか、そういうことを国がもっと強化をして、そうしてこの農協に対して生産の担当の仕事を行なわすべきではないかと考えるのでありますが、その点については農林大臣はどうお考えですか。
○赤城国務大臣 農事実行組合とか町村とかいろいろありますし、農林省としても構造政策などで組織化を進めておりますが、いまの農協でございます。農協もお話のようにいままでは生産面にあまりタッチしない、物を買ったり売ったりのほうに非常に専念しておったという形でございますが、最近におきまして、農協のほうでも、私の言う団地経営といいますか、経営の面に力を入れ始めております。集団的な農業経営というような方向へ進めるべきだという指導をしてやっております。非常にけっこうなことだと思います。私は、農協などもこういう方面に協力してもらって、そして日本の農業を健全なる方向へ持っていきたい、こういうことは、お話のとおりの御意見に賛成でございます。
○千葉(七)委員 さらに、総合農政の基本としましては、価格、流通の問題等もありましょうし、それから御承知のとおり農業は自然産業でありまして、気象相手の産業でありますから、したがって非常に災害を受けることが多いわけであります。したがって、災害対策を充実強化する必要があると思うのであります。いま農産物につきましては、ある一定の限られた品種、作目だけに対して農業共済制度が実施をされておるわけでありますが、さらにことしからくだものにも適用になりましたが、そういう面をもっともっと拡充していく必要があるのではないかと思うのであります。また、水産物等につきましても、養殖漁業につきましては、ようやくワカメが実施をされるということになったわけであります。その他ホタテとかそういう面にも災害対策を強化していく必要があると思うのでありますが、その点に対しましては農林大臣いかがお考えですか。
○赤城国務大臣 お話のように、農林あるいはまた漁業等は、ほかのものと違って天候、気候に左右され、災害にかかりやすいものでございます。そういうことで農業というものは他産業と均衡してなかなか成長していきにくい、こういうことでございますから、そういうマイナス面の災害等につきまして、これをささえていくために、保険制度といいますか、災害保険のような制度というものはだんだん拡充していきたいと思います。でありますので、いまの果樹段階につきましては、来年から本格的に農業保険を実施するわけでございますが、いままでいろいろ研究をしてきたのでございますが、いまの水産のカキその他においても、保険の対象としてこれは成り立つか成り立たないか、やりたいのはもうみんなやりたいのでございますが、保険財政といいますか、なかなかむずかしい面もございます。でございますので、できるだけこれは農業保険、災害を補償する制度を拡充していきたいと思いまして、それぞれ研究はいたしております。だんだんその方向へ持っていきたいと思います。
○千葉(七)委員 いろいろ御答弁をいただきまして、食糧の自給体制の確立に対する熱意に対しましては敬意を表する次第でありますが、次にお伺いをいたしたいのは、米の生産調整の問題であります。 ことしは三年目の調整を行なうわけでありますが、二百十五万トンの調整を行なうことになっておるようでありますが、私は、主食として生産の方針を立てる場合には、米と小麦というものを切り離して考えるべきではないんじゃないかというような感じがするのです。米は確かに二百万トン前後余っておる。しかし、小麦は毎年四百万トン近くも輸入をしておるという現状であります。自民党の先生方は、選挙戦のときよくこういうことを言うのです。米の消費は毎年十万トンくらいずつ減っておる。それは国民の食糧が動物たん白質、つまり牛乳や肉をたくさん食べるようになったから、国民が豊かになって食糧に対する好み、嗜好が変わってきたから米の消費がだんだん減退をしているんだ、したがって、米の生産調整やむを得ないんだ、こういうことを農民に訴えておるのであります。しかし、確かに米は、私も調べてみました、毎年十万トンくらいずつ減っております。昭和四十三年には千二百二十五万トン、四十四年千百九十六万トン、四十五年千百八十万トン、四十六年は千百六十五万トン、毎年十万トンくらいずつ減っているのであります。 ところが小麦の輸入は、国内の消費の減退を差し引いても、なおかつ小麦輸入はこれまた毎年ふえているのです。米の消費量が減った、それ以上に小麦の輸入量がふえている。昭和四十四年には二十九万トン前年に比較をしてふえている。四十五年には三十三万トンふえている。四十六年には二十万トン小麦の輸入がふえておるのですね。したがって、米の消費量が減ったよりも以上に小麦の輸入量というのがふえているのです。したがって、肉や牛乳をたくさん飲むようになったから米の消費が減ったということは当たらないことなんです。これは全くごまかしの宣伝です。米と麦を一体として考えるならば、生産調整の際に小麦の大増産をやる必要があるのではないかと思うのであります。小麦、これはアメリカから小麦を買わなくなりますから、アメリカからしかられるかもしれない。そういう小麦増産の運動を、もちろん小麦を食わせない、米を食うように国民に大いに宣伝することも必要です。MSA小麦を持ってきたときなんかは、政府が先頭に立って、そうして小麦を食うと頭がよくなるなんという宣伝を盛んに御用学者を使ってやった。婦人に対しては米を食うと足が太くなるから、かっこうが悪くなるから小麦を食いなさいなんというようなことも盛んに宣伝して、そうして国民の小麦の消費量を増大するように盛んに宣伝をやった。政府がもう少し米の消費の宣伝をやって、十万トンずつ米の消費が減らないような宣伝も必要だと思いますけれども、そうは思うけれども、米麦一体として考えて、この米の生産調整には小麦に転換をさせるという、これをひとつ思い切ってやってみる必要があるのじゃないかと思う。私、岩手県出身ですから、東北本線の列車に乗って、列車の窓からながめていくのですけれども、埼玉とか栃木とか、あるいは茨城、ああいう平地の乾田地帯を思い切って小麦の生産に変えたらどうですか。ただし、価格の問題がありますから、したがって、価格差の補給金等は、これは十分考えてやらなきゃいかぬと思います。そろばんが合うように価格差補給金を出して、そうして最も価格の安い大豆とか飼料とか、そういうものをつくらせるよりは、ああいうところを集団的に小麦栽培に向ける。そうして湿田地帯あるいは半湿田地帯から米をつくらせる。そういうふうな、日本農業として大転換をすべき政策を考えなきゃいかぬと思うのです。小麦を毎年毎年四百万トンも五百万トンも輸入して、それに依存しているというような農業政策では、ぼくは食糧の根本的な対策にはならぬじゃないかというような考えがするのですが、農林大臣、御所見はいかがでしょう。
○赤城国務大臣 私も実はそう思っているのです。それには土地改良ですね、土地改良を少し考えなければいかぬ。いま土地改良は、米ばかり、水田ばかりに土地改良をしていたのですが、この水田を畑にする、水田を畑になるように両方使えるようにする、そういうことをすれば、米の転換でも、小麦でも、あるいは飼料作物でもどんどんできてくる。だから、土地改良の方針も、いま田をつくることばかりでなくて、田から畑をつくるように、また畑に使えるように排水なんかをよくして、そうしてやっていくべきだ、こういうふうに指導をしているわけであります。 それでまた小麦等につきましても、米の消費が減ったから小麦の輸入をふやすということではございませんで、やはり内麦の生産が実は減っているものですから輸入が少しふえておるのでございますけれども、しかし生産調整で米を転換する場合にも、小麦などどんどんつくるようにということで、これは相当ふえています、そういう点では。それから、従来からも小麦をどうして増産できるかというようなことで、集団的な栽培方法というようなことで機械化のこと、いろいろなことをやっていますが、それも進めておりまするし、御説のとおりに進めます。進めますが、根本的にはやはり土地改良といいますか、田が畑に使えるようなことにすれば、どんどんどんどん小麦でも飼料作物でもつくれる。それから生産調整の転換にも非常に米のほうもよけいいく、こう思っていますので、そういう方向を私は強く農林内部においても指導しておるつもりでございます。(「金をもっと出すように大蔵大臣に質問しろ」と呼ぶ者あり)
○千葉(七)委員 私は、土地改良はごく簡単だと思うのです。埼玉の北のほうですね、それから栃木、茨城、ああいう平地の乾田を畑にするのなんかごく簡単だと思うのです。かん水の設備などもポンプで、何といいますか水タンクをつくって少しあげて、そうしてスプリンクラーなんかつければ、かん水設備なんかも簡単にできると思うのです。ですから、大臣が考えるように、乾田を畑にするのなんかそうむずかしくないと思うのです。ぜひそういうことをひとつ考えてみていただきたい。生産調整でそっちの田のまん中に虫食いのように休耕、こっちの田のまん中に休耕といったようなことをやらないで、そしてああいう小麦作に適するところは小麦作に転換を集団的にやらせる、相当の広面積にやらせる、そういうことを取り入れる必要があるのじゃないかと考えるわけであります。ぜひそういう点をひとつ検討していただきたいと思うのであります。そういうことをやるには金が要る。大蔵大臣、金を出さないからけしからぬといういまお話がありましたが、私もそのとおりだと思います。この四十七年の農林水産関係の予算、これは四十七年度は総予算に対して一一・三%、四十六年は一一・五%、昨年より〇・二%ことしの予算が減っている。四十五年は一一・五%、四十四年も一一・四%、四十四年よりもことしの農林予算が総予算に対しての割合が減っているのですが、こういうことではとうてい食糧の自給率八〇%を実現するなんということはできないと思うのであります。ただし、四十二年あたりは一〇%でしたから、多少現在はふえたように見えます。しかし、四十二年のころには食糧管理会計の赤字が非常に少なかった。だから、総予算に対する農林予算の割合は、一〇%でも相当の施策がやられたのです。ところが、四十三年以降というものは、食糧管理会計の赤字がどんどんふえてきましたから、一%やそこらの総予算に対する農林予算の増額だけでは、逆にほんとうに農業の生産に使う金というのは減ってきている、そういう実態であります。しかも、ことしの予算は、去年の予算と比較をしますというと、一兆二千九百九十七億円、昭和四十六年度の当初予算は一兆八百五十七億円でありますから、約二千億円ふえておる。たいへんな伸びのような感じがしますけれども、当初予算の伸びの総予算に対する率は昨年よりも〇・二%減っております。しかし、政府のほうでは、農林関係予算は一兆三千億円、昨年よりも二千億円ふえた、こういうふうに大いに宣伝をしておりますけれども、私は、この一兆二千九百九十七億円のうちの農業生産に全然関係のない経費、すなわち食糧管理会計の赤字、これは農林関係予算に含めるべきではないというような感じがするのです。食糧管理会計の赤字というのは何にも農業生産には関係のないお金なんですね。何にも関係がない。農業生産を増強するための経費でも何でもない。これは消費者に対する政府の社会政策的な補てんの金ですね。賃金を上げないための低賃金政策の一つの基本になっている。政府からのその補てんですよ。米の値段というのは、御承知のとおり、生産者価格は生産費所得補償方式で計算をして、農民が再生産ができるように、そうして所得もある程度維持できるようにというのが米の生産者価格の計算の基礎なわけです。食糧管理会計の赤字というのは生産には何にも関係のない、消費者に対するこれは政府のサービスといってもいいかもわかりませんが、そういう社会政策的な立場で考えるならば、この食糧管理会計の赤字というのは農業関係から切り離して、そして総予算の一一%ぐらいを農業生産に投入するということになったら、食糧の自給八〇%を確保することも必ずしも不可能ではないというふうに考えるわけでありますが、これは大蔵大臣。どうですか。食糧管理会計の赤字関係の費用は農林関係から切り離して、別個の項目でこれを計上する、そうすることが正しいと私は思うのです。
○赤城国務大臣 農林省では、いつでも予算要求するときは、食管のほうはあとにしてほかをやっているのですけれども、私は食管の赤字も決して農業生産に関係なしとは思いません。これは一つの価格支持政策の一番大きいものでございます。だから消費者のためにもなっておりますが、一面においてはやはり農産物、米の価格支持、こういう費用だと思います。でございますから、この価格支持をやらぬ、食管を捨ててしまうというふうにしていったならば、米の増産されるときなんか、米の値段というものは下落してしまいます。昭和初年の農業恐慌、あれなどは米が一俵八円ぐらいでもって、それで農村が非常に困った。ですから、自由放任しておけば、豊作のような場合なんかは、米の値段はがた落ちになって、農民はつぶれてしまう。でありますので、食管制度によって、これを農業の価格支持の一つの大きな柱として支出しておるわけでございまするから、大きい目で見れば、やはり農業政策の一つの金でございます。でございますが、でき得べくんばそれを除いてほかのほうに、大いに前へ前へ進むほうに金を出してもらうことは、私も大いに期待し、希望するところでございます。
○千葉(七)委員 大蔵大臣、どうですか、いまの私の提案に対しましてどういうふうにお考えですか。
○水田国務大臣 いま農林大臣が答えられたとおりで、非常に農林政策に関係のある費用でございますので、これを農林関係予算として一緒に計上することは少しも差しつかえないと思います。ただ、今回の場合は、先ほどからお話を聞いておりますと、非常に農林関係の予算の比重が下がったようにお話しでございましたが、問題は、食糧管理費が農林関係予算の四割も占めておったものでございますから、これが昨年のように大きく増額されるというときと、今度のように非常に増額の少ない場合、五百何億の増額で済んでおるというような場合には問題が違ってまいりますので、この費用を引いた残りのいわゆる農林政策費というべきものを比較してみますというと、今年度は昨年よりも比重が明らかに上がっておりますし、一般会計の伸び率が二一・八%であるにかかわらず、この食管の食糧管理費を引いた農林政策費は二五%になって、一般会計の伸びよりもはるかに上になっているというので、今年度は私どもこの査定には非常に力を入れたものですが、今年度は相当農業予算に力を入れた年ということは、私ははっきり言えるのじゃないかと思います。決して農林予算の比重が下がっているというようなことはことしはございません。
○千葉(七)委員 しかし、農林大臣は、食管の赤字は別にして、その金を全部農業政策のほうに使うように要求をしているのだ、こう言うのですから、来年からもっと考えてください。 そこで、まだまだお聞きしたいのですが、時間がだいぶなくなって——お聞きしたいのは、農民の所得と農産物の価格についてであります。農家の経済が、農業に依存する率が毎年毎年下がっているんですね。四十二年には四九・五%、四十三年は四六・八%、四十四年は四二・三%、こういうぐあいに農家経済の農業依存度が毎年下がっておる。四十五年はどうでしょう、統計は出ていますか。四十五年、四十六年、統計が出ていましたら教えてください。
○中野政府委員 四十五年度の農家経済調査によりますと、農家所得が百四十万六千円でございまして、農業所得が五十万八千円、農外所得が八十九万八千円で、比率が三六・一%ということになっております。
○千葉(七)委員 実に驚くべき農業依存度の低下なわけであります。これは何に原因しているかと申しますと、これは言うまでもなく、米の生産調整と三年引き続きの米価据え置きがこういう結果をもたらしていると思うのであります。これだけ農家は農業では食えなくなってきておる。こういう結果はこの統計数字で歴然と証明されておると思うわけであります。しかし、反対に、農業の生産関係のパリティを見ますと、これは逆に上がっているんですね。農家の農業による収入は毎年毎年低下をしておる。農業生産関係の支出は毎年価格の上昇で増額になっておる。こういうことでは、幾ら農林大臣、八〇%ぐらい食糧自給を実現するためにがんばるとおっしゃっても、日本の農業はだんだんしりつぼみになる。経済がふくれて、そして輸出が盛んになる、その見返りに輸入をふやさなければならぬ、農産物しか買うものはない、反面、国内の情勢は農家の所得がどんどん減っていく、農業所得が減っていくというような事態では日本の農業はだんだんしりつぼみになってしまう、そういう衰運をたどらざるを得ないということになると思うのであります。 そこでお伺いしたいのは、農家の農業による所得を確保するためには、何としても農家経済の中心作目である米の生産者の価格を、少なくともその年の物価が上がったぐらいは、これは生産費所得補償方式で計算をするのが基本ですけれども、少なくともその年の——その年ではだめだ、前年の物価の上昇したぐらいは生産者米価を引き上げるべきだと私は思うのでありますけれども、農林大臣はどうお考えですか。ことしの生産者米価も据え置きですか。
○赤城国務大臣 私は、米価の問題もあるし、生産性の問題もあると思うのです。コストが安く生産できる、こういう面もあると思います。しかし現状は、その生産性を向上するというのはなかなかむずかしい。しかし、これは基本的にはしていかなければならない。 そこで、いまお尋ねの生産者米価をどうするかということでございますが、私は前に、参議院の本会議でも御答弁申し上げたのですが、いままで米のほかのものはだんだん上がったり上げたりしているのに、米の価格だけはいつも押えているのだ、こういう姿勢はいかぬ、だから抑制するのだ、抑制するのだというわけにいかないし、やはり経済事情とか生産費とかいろいろな事情、他物価との関係なども考えて弾力的に米価というものはきめていくべきだ、農民の生産するものだけはいつも押えているのだ、押えているのだ、これはちょっと不公平だと思うのです。そういうふうな考えでございます。どういうふうにするかということは、米価審議会等を経てきめていきたいと思いますけれども、基本的な考え方はそういう考え方でございます。
○千葉(七)委員 ことしの生産者米価は、少なくとも昨年の物価の上昇に見合う以上の引き上げはぜひ実現をしていただきたい、強く要望をいたしておくわけであります。 そこで、さらにお伺いをいたしますが、これは他の委員からもいろいろ質問があったようでありますが、米の物統令除外の問題であります。昨年の十一月実施をことしの四月からの実施に延期をしておったわけですが、これはいよいよ四月から実施になるというわけでありますが、この米を物統令からはずすことによって米の消費者価格が値上がりをするおそれがあるというので、各消費者の団体等では、この物統令除外の反対運動を展開しておることは御承知のところだと思います。政府のほうでは、物統令から除外をしても値段が上がらないように、標準米という制度をつくって、そしてその標準米の価格は千五百二十円ですか、十キロ当たり千五百二十円で売るからして、したがって、いままでの政府の配給米の価格と違いがないのだ、そういう制度も強力に進めるから、物統令を除外しても消費者米価が上がるおそれはない、こういうふうに強調されておるようでありますけれども、私は、この物統令を除外すれば必ず米の値段は上がると思うのです。というのは、いま現在も自由米価格の値段は政府米に比較をして非常に高いのであります。大臣方は、この自由米価格の十キロ当たりの値段を御存じですか。おそらく御存じがないと思う。政府米の価格が十キロ千五百円程度、ところが、自由米のおいしい米を持ってきてくださいと言うと、十キロ二千二百円とりますよ。私は赤坂の宿舎に泊まっておって、ときどき家内が来て自炊をしますが、おいしい米を持ってきてくださいと米屋に頼むと、十キロで二千二百円とる。全く不当です。もし物統令をはずしたらどんなことをやられるか、この事実を見てもこれは御理解いただけるのじゃないかと思うのです。しかも、その標準米の袋詰めはどこでやるのですか。
○亀長政府委員 標準価格米の袋詰めは、原則として大型精米所を使用して、これは大体卸業者が経営している場合が多いわけでございますが、そこで袋詰めをして、しかるべき検定機関を通じて検定をするというのを原則にいたしております。
○千葉(七)委員 その袋詰めの標準米を卸、小売りを通じて政府が売り渡しをする、こういうのですね。その袋詰めの米が消費者にそのまま渡っていくかどうかということを追跡調査しますか。確実に消費者に袋詰めのまま渡るということを追跡調査しておりますか。
○亀長政府委員 政府は玄米で卸業者に売り渡すわけでございまして、卸業者が大型精米所を使用して白米にして袋詰めにして売る、こういうことでございます。もちろん、例外的には小売り業者が玄米で買って袋詰めをするという場合もあります。
○千葉(七)委員 その袋詰めの袋を破って、そしてそれに多少の味つけ米をまぜて、これはおいしい米でございますといって二千二百円で売られたとしても政府はわからないでしょう。
○亀長政府委員 標準価格米と申しますのは、政府の売却した一−四等のものから精製される精米の規格に合致するものを標準価格米として、これを従来の千五百二十円以下で売る場合に、初めて標準価格米になるわけでございまして、物統令の適用を廃止しておりますので、そういうことをやらないで、袋を裂いてほかの米をつくるとかいう場合には、そういうものは標準価格米ではないわけでございまして、それぞれその値段なり、消費者の選好に応じて価格が形成されるという形になるわけでございます。
○千葉(七)委員 だから、政府からは十キロ千五百二十円の米を売り渡しを受けて、そしてそれに味つけ米をまぜて十キロ二千二百円に売られても政府はわからないでしょう、こういうことを聞いているのです。
○亀長政府委員 制度の仕組みにつきまして、私がもう少し御説明をしたほうがいいのではないかと思います。 政府は玄米を売り渡すわけでございまして、その玄米を買い受けた卸業者が精米をする、白米にする。あるいは小売りも玄米を買って自分で白米にする。その場合に、標準価格以下のもので売るものについては、標準価格米という名で一定の袋詰めをして売るということでございまして、それは消費者の希望に応じていつも一定の価格のものを常置をしておく、それ以外のものは自由に消費者の希望する価格で売るということになるわけでございます。もちろん、自主流通米との混米ということも可能でありますし、精製の白度を上げて適当な値段をつけるということもございますし、品質の悪いものはさらに低い値段で売る、あるいはそういうものに、味をよくするためにいろいろ白度を上げるということは、政府の米についてもあり得るわけでございます。標準価格米は、必ずしも政府の米のすべてをカバーするものではございません。それ以外の米につきましては、販売業者同士の競争あるいは自主流通米との価格関係ということで、従来と同じように、自主流通米との競合というような形で値段が形成をされていくわけでございます。
○千葉(七)委員 だから、物統令をはずして標準米制度をつくったって、米の上がるのを押えることができるとはならないということを言っているのですよ、私の言うのは。必ず上がりますよ。
○亀長政府委員 標準価格米というのは、政府が一定価格で売却をして、消費者には従来と同じような価格で保障する米を特別につくって用意をして、希望に応じて売るということでございます。そのほかの米が上がるかどうかということは、米の全体の需給関係なりあるいは販売業者間の競争関係、あるいは合理的なコストの精米、あるいは配給コストというものがどのように変わるかという、米をめぐる全体の需給関係、取引の流通コストというような問題からきまるわけでございまして、そのようなことにつきましても、新規参入でありますとか、大型精米所の建設でありますとか、いろいろの施策をやっておるわけでございまして、全体の一般的な経済施策として米価の安定をはかる、かように考えておるわけでございます。
○千葉(七)委員 そんなことを言ったって、必ず上がるのですから。これはこれ以上水かけ論をやったってしようがないですからね。とにかく上がらないように、ぜひひとつ政府は施策を講じてもらいたいと思うのです。 私は、消費者の食糧の値段が高いか安いかというようなことは、一つの基準をエンゲル係数に置いたらどうかということを考えているのですが、これは別に質問ではありません。日本のエンゲル係数はいま大体二九%ぐらいですか、ヨーロッパよりも低くなっているのですね。ようやく近代文明国家の域に達したということです。ですから、米の値段なんか上がると、このエンゲル係数は上がる、そういうところも参考にして、米の値段が上がらないように、ひとつ強力な施策を講じてもらいたいと思います。 時間がだいぶ経過しましたから、次に林業関係を多少お伺いをしまして、私の質問を終わりたいと思います。 森林は、私から言うまでもなく国土の保全とか、あるいは水資源の確保とか、大気の浄化、こういったような重要な任務を持っているわけです。そればかりではなくて、産業の基盤である木材の供給、そういった重要な任務を持っているわけなんですが、しかし、御承知のとおり、日本は戦争でもって森林も乱伐をした。さらには、戦後の復興あるいは高度経済成長政策、そういった政策の必要から、木材の需要が非常に多くなって、そして民有林といわず国有林といわず、大乱伐をやった。そういうことで、いま日本の木材の供給量というのは五〇%を割っておるような状態、半分以上は外国から輸入をしておる、こういう状態なわけであります。これはこのまま放置するというようなことになったらたいへんなことになりますから、そこでぜひ森林の早急な復興をやらなければだめだ、こういうことで、御承知のとおり昨年の三月、衆参両院で林業振興に関する決議を行なったわけであります。その決議に対しまして、当時の倉石農相は、決議の趣旨に従って、その実現のために全力をあげて努力をします、こういう答弁が行なわれておるわけであります。 そこで、それから一年たつのですが、この答弁に従って政府は一体どういう施策あるいはどういう検討なり、どういう調査なりをされたか、ひとつその点を教えていただきたいと思います。
○赤城国務大臣 詳しくは林野庁長官から御説明いたしますが、第一は国有林野内の治山事業でございます。これに対して一般会計負担の大幅拡充をしたということ。それから決議の趣旨の中の二四五T及びBHC等の薬剤の使用を中止したというようなこと。それから公共事業費ワクの拡大、拡充をして民有林造林事業に対する助成の強化と林業関係予算の充実をした、あるいは外材の計画的輸入に対する行政指導をした。決議に従って、大体私らが承知しているところではこういうことをやったのでございますが、なお詳細御必要でしたらば、林野庁長官から御説明いたします。
○千葉(七)委員 たしかいま御答弁のように、一般会計における林業予算は増額にはなっております。しかし二一・八%前年度よりもふえておる国の総予算に対して、林業関係の一般予算は二九・二%ですか。ですから、国の予算の伸びよりも林業予算のほうが伸びております。それは認められるわけですが、しかし、林業振興決議の目ざしておる林業経営の危機突破という点からいうならば、まだまだこれくらいの予算では十分とはいえないのではないかと私は考えるわけであります。しかも、あとから申し上げますけれども、国有林特別会計と一体として考えると、これはこの程度の伸びではまだ足りないのじゃないかという感じがするのです。しかも四十七年度から始まる第二次林業構造改善事業を中心として一般会計の林業予算が組まれているわけですが、この第二次林業構造改善事業の主たる目標は何かというと、大型のトラクターとか、それから自走式の機械とか、そういうものを入れて、そういう大型機械を中心とした林業政策がとられようとしておるわけなんであります。これはそういう政策を進めるということになると、皆伐するという方針が強行される、こういう結果になるのじゃないかと思うのです。もし皆伐を主体とした林業政策が行なわれるということになると、山林の荒廃は一そう進むのじゃないか、こういうことが懸念されるわけなんであります。そういう点につきましてはどういうふうにお考えですか。これは林野庁長官からひとつ説明していただきたい。
○赤城国務大臣 その点については指示しています。なお、詳しいことは林野庁長官から……。
○福田(省)政府委員 お答えいたします。 御指摘のとおり、大面積の皆伐をいたしますと山林の荒廃を来たすことは当然でございます。従来は、森林の伐採につきましては能率をあげるという点にだけ重点を置いてきたきらいがなきにしもあらずと思いますけれども、最近の自然保護に対する国民全般からの要請を受けまして、林野庁におきましては森林計画に関する基本計画、これを改定いたしまして、できるだけ皆伐する面積を小さくし、しかもこれを分散させることを考えているわけでございます。 なお、皆伐いたしましてもその周囲には天然林を残す、こういう考え方を入れまして、総体的にはできるだけ皆伐を減らし、御承知かと思いますけれども択伐、抜き切りをふやすとか、あるいは伐採をしたあとには自然林を残す、こういうふうな施業方法をとっていく考え方でございます。 御指摘の機械につきましても、大きな機械を入れてどんどん切るということではなくて、林道をなるべくたくさん入れまして、それに合うような性能の高い機械を入れまして、能率のよい作業を進めていきたい、こういう考え方でおります。
○千葉(七)委員 それから、この林業振興決議には、この林業を振興するためには何としても林業労働者の確保が重要視されなければならぬ、こういうことでこの決議にその点も盛られておるわけなんであります。そこで、林業労働者に対しては通年就労の促進対策をやること、それから各種の保険、林業労働者に対して失業保険とかその他の傷害保険とかそういった社会保険制度の完全適用をすること、そして林業労働者の確保と山村の住民の生活の安定を確保しなければならぬということも盛っておるわけでありますが、その点についてはどういう施策を講じられようとしておるか、ひとつ答弁していただきたいと思うのです。
○福田(省)政府委員 お答えいたします。 ただいま御指摘のございました林業労働者に対する安定した雇用の関係あるいはまた社会保障をどうしているかという御指摘でございますが、現在のところ、山村地帯からは林業労働者が非常に減少してまいっておりまして、過去数年の間に約半減しまして、現在のところは民有林におきましては二十万人程度でございます。こういう状態でございますれば、林業の振興というものはなかなかむずかしいことでございます。したがいまして、御指摘の点につきましては、ただいまのところ三点について対策を講じているわけでございます。 その一つは、百七十日以上就労した者につきましては、国とか県あるいは市町村その他森林組合等が出資いたしまして、これに対してできるだけの退職手当を支給するということでございます。 それから第二点は、また林業労働者の流動化と申しますか、県内におきまして、あるいは県外に対しても流動化を考えるということでございます。 第三点は、またこの労務者の環境をよくするためのいろいろな設備を考えてやる、こういうことにつきましてもいろいろと補助を考えているわけでございます。 ただ、やはり何と申しましても社会保障制度につきましてはほかの産業に比べまして非常に低い状態にございます。これにつきましては、今後できるだけこの改善をはかってまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○瀬戸山委員長 千葉君に申し上げますが、お約束の時間が相当経過いたしましたので、簡単にお願いいたします。
○千葉(七)委員 もう一、二点お伺いして、終わりたいと思います。 この国有林の特別会計は、前年より非常に減額をされておる。したがって、国有林会計内における治山治水の仕事等も、非常に減っておるわけであります。私は、この治山関係の仕事は、当然これは国有林会計から出すべきじゃないんじゃないかという感じがするのであります。これは当然一般会計から繰り入れをして、そしてその仕事の経費に充てるのが当然じゃないかと思うのであります。しかも、聞くところによりますと、二、三年前までは国有林会計が黒字で、一千億円以上も一般会計に国有林会計のほうから繰り入れをしておる、そういうこともあったわけでありますから、したがって、当然国有林の仕事を縮小するということではなくて、むしろ国有林の治山関係なりあるいは再造林なり、そういう点はもっともっと力を入れるべきではないかと思うのでありますが、その点に対しましてはどういうお考えですか。
○福田(省)政府委員 お答えいたします。 御指摘のように、やはり国有林といたしましては特に奥地にございます。そういう点で、民有林よりはさらに治山治水等には力を入れなければならぬという場所が多いわけでございます。しかしながら、最近は木材価格の横ばいあるいは人件費の上昇等によりまして、この特別会計も非常な危機に立っておるわけでございます。この点につきましては、ただいまのところこの抜本的な改善をいたすべく林政審議会に諮問しておるところでございますが、少なくとも、ただいま御指摘の治山事業につきましては一般会計から従来約二十億繰り入れておったのでございますけれども、四十七年度の予算におきましては六十六億の繰り入れを認めていただいた次第でございます。
○千葉(七)委員 もう一点だけお伺いをしまして、終わりたいと思います。 いずれにいたしましても、森林事業というものは単年度の収支だけを考えて計画を立てるべきではないと思うのですね、森林の仕事というのは。これは一ぺん植えれば四十年なり五十年なりたたなければ収入が見られないのですから、したがって長期的な計画、観点に立って林業政策というものは行なわれなければならぬと思うのです。そういうところからこの衆参両院における林業振興に関する決議が行なわれているわけでありますから、したがってそういう観点から、国有林の、あるいは全国的な林業政策というものを立てて、そして林政審議会に諮問をする、そういう方向で進んでいただきたいと思うわけであります。 林業振興に関する決議の趣旨を十分生かして林業振興のために努力をしていただきたい、かように要望いたしまして、私の質問を終わります。
○瀬戸山委員長 これにて千葉君の質疑は終了いたしました。 なお、昨日の当委員会における東中光雄君の発言中不適当な言辞につきましては、速記録を取り調べの上委員長において適当に処置いたします。 次回は、明十五日午後一時より委員会を開会いたします。 本日は、これにて散会いたします。 午後七時二分散会