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68回国会衆議院1972/03/08

予算委員会 第12号

発言数
214
登壇者
24
会派数
4
開催日
1972/03/08

会議録

瀬戸山三男自由民主党

○瀬戸山委員長 これより会議を開きます。  昭和四十七年度一般会計予算、昭和四十七年度特別会計予算、昭和四十七年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。  この際、外務大臣より発言を求められております。これを許します。福田外務大臣。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○福田国務大臣 一昨日の楢崎委員からの質問に対しまして、お答え申し上げます。  楢崎委員の質問は、外務省が、「米国は、台湾海峡の両側のすべての中国人が、中国はただ一つであり、台湾は中国の一部分であると主張していることを」認識しておると断定的に訳した理由と根拠を示せと、こういうお話でございます。  英語にごたんのうな楢崎委員の御質問でもありますので、外務省といたしましては、慎重に、さらにこの訳文について検討いたしました。外務省の結論といたしましては、関係部分の前後のつながりまで含めまして、慎重に考慮いたしまして、私が一昨日申し上げました翻訳に間違いはございませんです。なお、念のため当事者であるアメリカ側にもこのことを確かめたんでありまするが、アメリカ側といたしましても、また同様でございます。それからさらにつけ加えますが、二月二十七日の夜の北京放送、これは国営放送です。北京放送におきましても、日本向け日本語放送におきまして、外務省の私どもの翻訳と同じことを述べております。  以上、お答え申し上げます。

瀬戸山三男自由民主党

○瀬戸山委員長 ただいまの政府の発言に対し、楢崎君より発言を求められております。これを許します。楢崎弥之助君。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 意見だけ申し上げておきます。  実は私が指摘しました個所は、あの共同声明の中で、特に台湾の帰属問題についての一番重要な個所であると思います。で、その背景を私もいろいろ聞きましたけれども、喬冠華さんとキッシンジャーさんが、一番ことばの使い方に苦心をしたところも、この個所だというふうに聞き及んでおります。おそらく私は、外務省が訳されるときも、この個所はやはり注目されたであろう、このように確信をいたします。  それで、私が指摘しました私の読み方、すなわち外務省の読み方に対して、私はやはりアクノレッジ・ザット、そして何、何、何、アンド・ザットという、それから先のア・パート・オブ・チャイナという個所は、アクノレッジにやはりザット、ザットで続く、そう読むほうが英語のイロハとしては、たいへんすなおである。しかし、せんだって私が誤訳と申しましたのは、ちょっと言い過ぎであったかもしれませんが、外務省のように断定的に、このような解釈が正しいと断定する私は基礎もない。私の読み方からすれば、米国は、台湾海峡の両側のすべての中国人が、中国はただ一つであると主張しており、台湾は中国の一部であることを認める。米国政府はこのポジションを——私はこう読みたいと思う。米国政府は、この地位に異議を有しないというふうに、あのポジションは立場ではなしに、もう少し強い意味で私は読むべきではなかろうか、このように指摘をしたわけであります。  もしそうならば、いわゆる台湾の帰属未決定論に対して、米国は一歩踏み出したと、このように私は見るべきであろう、これは重要な個所であろうと思うわけであります。この点は見解の相違というか、解釈の相違、しかしこれは実に重要な個所でありますから、私は私の読み方がやはり正しい。あの背景すべてから考えて、アメリカの動きから考えて、その背景も入れて、私の読んだように受け取るほうが正しいと、このように思います。  そこで一点だけ聞いておきます。では、外務省の読み方からして、きょうの朝日新聞の朝刊に外務省の意見として、あの共同声明の私が指摘した個所をよく吟味してみると、これはアメリカはやはり台湾の帰属未決定論に対して一歩踏み出しておると考えるべきではなかろうか、このような見解を外務省が出されておることを朝日新聞は報道しておりました。ここで重ねて、私の読み方ではなしに外務省の読み方からしても、「ア・パート・オブ・チャイナ」と厳格にいっておるのですから、やはりアメリカとしては一歩未決定論に対して踏み出しておる、このように判断されておるのかどうか。きょうの朝日新聞の朝刊の報道とも関連して、その点だけお伺いしておきます。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○福田国務大臣 私は朝日新聞の朝刊、まだ見ておりませんが、台湾は中国の一部である、こういう考え方について、そういう考え方に向かって一歩前進したというふうな受け取りはしておりません。ただ、こういうことは申し上げられると思うのです。つまり私どもがアメリカと接触をしておる、特に昨年の中国代表権問題です。あの時点あたりでは、はっきりは言いません。言いませんが、アメリカが二つの中国、そういうような考え方に立っておったと思います。わが日本はそれに対しまして、中国は一つであるという普遍的な社会的な認識に立っておった、こういうふうに思います。ところが、またその後サンクレメンテの会談があった。総理が、中国は一つです。これは普遍的な意味において。そういうことばを使いましたときに、頭をかしげるというか、そういうような形のポーズがとられたことを私は思い出します。そういう  ことからいうと、佐藤総理のそういう考え方がアメリカの中国観、そういうものに微妙な影響があるんじゃあるまいか。つまり社会的、普遍的通念として、中国というものは一つと考えるべきかなというような頭の動きです。そういうものがあるのじゃないかという感じがしますが、これが、しかしいま問題になっておる、台湾は中華人民共和国の領土であるという主張に一歩前進をした、こういうふうには私は受け取っておりませんです。     —————————————

瀬戸山三男自由民主党

○瀬戸山委員長 これより一般質疑に入ります。  おはかりいたします。本日の中谷君の質疑の際、最高裁判所当局から出席発言の要求がありました場合は、これを承認するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

瀬戸山三男自由民主党

○瀬戸山委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。  小林進君。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 私は、総括質問に残りました分を一般質問でお伺いする予定でおったのでございますが、今朝目をさまして各紙を見まするというと、はからざりき自衛隊立川基地抜き打ち移駐という、たいへんショックなニュースを目にし、耳にするに至ったのでございます。実にこれは国民をだまし、あるいはわれわれ国会議員をもだまし、そしてこの国会の中で十九日間も、これを空白にして論ぜられたシビリアンコントロールという、この自衛隊の基本的なあり方、その問題をも弊履のごとく捨てた、たいへん憂うべき問題が惹起しているのでございまして、実に驚愕をいたしたのでございます。  そこで用意をいたしておりました問題を振りかえて、まず第一に、この問題から御質問をいたしたいと思うのでございますが、防衛庁は昨七日夜、陸上自衛隊航空部隊を八日、きょう早朝移駐することを発表したが、実際は立川派遣隊長香月秀輝一佐、東部方面航空副隊長ら隊員四十七人と連絡機LP三機、小型ヘリコプターOH6二機の計五機、隊員はトラック二十一台で八日未明に基地に入り、飛行機は午前十時立川に移駐するということになっていたが地上部隊と支援隊員計百十九名は予定より早く、七日の午後十一時四十六分同基地に入ったというのでございますが、これは間違いがないかどうか。八日早朝に入ると発表をしておきながら、その前日に入ったというこの事実、これは間違いがないかどうかをまず防衛庁長官にお伺いいたしたいのであります。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○江崎国務大臣 立川の基地は昨年の六月二十九日、中曽根防衛庁長官のころでありまするが、閣議の決定をいたしまして、首都に大災害が起こったとき、これは風水害、地震等多岐にわたるわけでありまするが、そのときどういうふうに災害救助をするか、当時大地震があるぞといったようなうわさがあとを断たなかったわけでありまするが、そういう背景に立って、立川基地にヘリコプター、連絡機といったような小型機を最終的には二十八機ほど配備をいたしまして、そして第一義的には民生協力というような面に活発な活動ができるようにということで計画をされておったものであります。それが諸般の事情によりまして今日まで延び延びになってまいりました。八日を期して配備につこうということであったことは、御指摘のとおりであります。ところが、このことが地元側にもだんだんうわさとして広がったというようなことから、このごろは理屈では通りませぬいろいろ過激派の者もおりまするので、無益な衝突はなるべくなら極力避けて配備についたがよかろうということで、多少時間を早めて出発をいたしましたところ、夜でありまするために、さしたる障害もなく時間より早く着いた。本来ならばどこかで待機してということであるかもしれませんが、そういう問題でもありませんので入ったということでありまして、おおむね御指摘の点は正しいと思います。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 私は防衛庁長官からいま少し謙虚な答弁でもあるかと思いましたら、過激派が出てくる、それだから行動を起こしたら、予定よりスムーズに入ってめでたかったというふうな非常に高姿勢な答弁をいただいて、実は驚いているのであります。  順々にひとつ聞いていきましょうが、七日の夜おそく、奇襲にも似た形で強行したのは一体何がゆえかということについて、防衛庁の首脳部は、これは国会において、国会の衆議院の予算委員会において四十七年度の予算の総括質問が終わった、七日の日に終わった、強行しても国会審議の過程においてたいした影響はあるまい、もう国会の山は過ぎたのだから、そう激しく非難をされることはあるまいと判断をして、こういう行動に出たのであるということを、これは世論も批判をしているし、新聞もこのことを正しく報道しているのでございまするが、もしこんな考えが自衛隊にあったとするならば、これは実に国会を無視し、国民をなめたやり方であるといわなければならぬのでありますが、これは世論です。これに対して一体防衛庁長官はどう御答弁をされますか。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○江崎国務大臣 御指摘の点は、これはもう全然関係はございません。むしろ民生協力、災害緊急活動ということを目的にして配備しようというものでありますから、もし動機があったとすれば、先般、ちょうどこの予算委員会の審議のさなかに、八丈島沖の地震がございました。あれは八丈島沖南方百五十キロですか、それにしてあの震動があったわけでありまして、もしこれが北方であったらどういうことになっておったろうか、思うだにりつ然たるものがございます。  そこで、もう九カ月も前にきめられたものでありますし、災害は忘れたころにやってくる、これは常にいわれることばでありまするが、かりそめにもじんぜん日をおくることによって、もし大災害が起こるようなことがあったら一体どうなるだろうかということで、あれ以来、実はいつ配備を実行しようかということは真剣に考慮し、たまたまきのうになったというわけでありまして、御指摘の予算委員会もきょうは続いておりますし、別に総括質問と一般質問と、そこまで何も区別する必要はありませんし、それは全然考慮外であります。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 それではこまかく質問いたしますが、移駐については閣議決定されていたことは私も承知しております。それについて江崎防衛庁長官が移駐のオーケーを出されたのは、一体いつですか。七日の日の夜出されたはずです。きのうはここで衆議院の予算委員会の総括質問を七時過ぎまでやっておりました。その総括質問が終わったあとで、あなたはこの移駐のオーケーを出された。その出されたのが、正確に一体きのうの午後の何時に出されたか、それを言っていただきたいのが一つです。  そのあなたのオーケーを出されたのは、八日ですよ。八日の日に入って、移駐してもよろしいというオーケーをお出しになっているはずだ。それが第二点です。  しかるにもかかわらず、そのオーケーをとると、もはやその七日の日の十時三十分——あなたは八日の日に出してもよろしいと言って、それを出されてから十時三十分には、八日の日に移駐いたしますということを防衛庁は正式に発表している。十時三十分に八日の日に移駐しますということを正式に発表している。そういう発表をしているときには、すでに行動を開始しているんだ。そして行動を開始をしておきながら、今度は七日の日の十一時六分に立川の市長のところに、これも八日の日に移駐いたしますぞという通知を出している。地元の市長に通知を出している。そして、その通知を出して四十分もたたない十一時四十六分には、ちゃんと百十九名が立川に入っている。だから、あなたのオーケーを出したことから、発表することから、行動を起こすことから、地元の立川の市長に電話をして通告をすることから、自衛隊が入ることから、全部事前じゃありませんか。全部事前だ。そういう行動をしておいて、何を、どっかの地震が何で、ございますの、これが何でございますのと、あまりにも人をこばかにしたような答弁をおやりになるのは、私はやめたらいいと思う。  いまの私の質問を繰り返して申しますが、あなたはこの予算委員会がきのう済んだあとでオーケーをお出しになって、そして自衛隊が十時三十分に、八日に移駐いたしますという発表をして、そのときにはもはや自衛隊が練馬から動いているんだ。公表する前にちゃんと自衛隊は動いている。これは真珠湾でもなければ、ダッチハーバーでもない。そういうような奇襲戦法をこの平時の東京都に、都のまん中にやられたのでは、国民は安心して寝ているわけにいきませんよ、あなた。しっかり答弁しなさい。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○江崎国務大臣 御指摘の点でありますが、私、日はちょっとさだかにいま記憶しておりませんが、閣議におきまして、立川は特に民生協力上大事な配備であるから、その日時等についてはおまかせを願いたいということを閣議に報告をして、たしか一月の終わりごろだったろうと思います。あと調べて御報告してけっこうですが、了承を実は得ておるわけであります。さっきも申し上げましたように、あの八丈島の地震をやはり一つの警告と受け取って、責任ある立場といたしましては一日もすみやかに配備をしなければならぬと思っておったことは事実であります。したがいまして、まあ陸上自衛隊においては、いつでも配備できる態勢にあったことも事実であります。したがいまして、大体いつかという点については、もうここ一週間、十日くらい前から、実はいろいろ詳密な協議をしてまいったものであります。ただ、いつ出発するか、こういうこと等について、いつ断行するかといいますか、それについての判断は、確かに昨日の七時に、きょうやりましょう、やろうということで了解を与えたわけです。(小林(進)委員「そうじゃない、きょう」と呼ぶ)八日に、それは了解を与えたわけです。ところがその後八時過ぎになりまして、私どもの内海事務次官から連絡があって、地元側と無益の紛争は回避したいと思うので時間は多少早めたい、ひとつそのことについて了承を得られるかと言うから、混乱を避けるという意味ならばもちろんそちらをとろう、時間が早まることについては了解をしたという返事を内海次官にいたした次第でありまして、十分その点については連絡を密にとっておるつもりであります。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 ちょっとおかしいですね、これは。私は第一には、いまあなたが七時にオーケーをお出しになったと言う。防衛庁長官がオーケーを出したということは、これは一つの指示、命令です。正確にいえば命令です。あなたが七時に、八日の日に移駐してよろしいという命令を出した。それが実際には八日の目じゃなくて七日の日にもう移駐してしまったということは、これは防衛庁長官の命令違反ではないですか。あなたが、この命令違反をおかしたために、先ほど何か、八時過ぎたら何とかという、何やらいう次官が、地元が何やから七時前に早目にやろうなんと言ったと言うけれども、それはつくったことじゃないですか。それでいいですか。  いずれにしても、これは文民の統制どころか、国民を全く無視したやり方なんですよ。防衛庁長官なんというものはあってなきがごとしだ。あなたは夢中になって答弁されているけれども、なきがごとしです。われわれはこの十九日間もかかってシビリアンコントロールだ、自衛隊がこういうことをやっちゃいけないということで、一生懸命に苦労した。その文民統制を、まだ四次防の話が終わらぬうちにもうやられているじゃないですか。あなた、たな上げされているじゃないですか。あなたの命令で動いていないじゃないですか。あなたはいまそこで何かもやもややっていられるでしょうけれども、こういうことは一体どうなの。江崎長官談話として——いいですか、これは私も確証があるのですよ。江崎長官談話として、八日移駐ということで了承をした、立川市への通告もそれに基づいて行なわれており、たとえ数分でも——実は数分でないのだ、十数分なんだが、たとえ数分であっても八日以前に移駐が強行されたことは今後大きな問題となろうと、江崎長官談話が発表されている。違うじゃないですか、あなた。あなたはこういう談話を出しているじゃないですか。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○江崎国務大臣 それは私、いっそういうことを申し上げたか、ちょっと記憶にありません。それは違うと思います。(小林(進)委員「違うね」と呼ぶ)ええ。  これは、さっき私、防衛庁で記者会見しましたときにも、混乱を回避する意味で時間を早めたいということを内海事務次官が言ってきて、それに了承を与えたということを会見で申しております。おそらくそこに関係記者諸君もおられるわけですから、私が食言をしておるものでないことははっきりしております。だから、いまの、阿部市長等々に防衛庁側として十二時過ぎにということを言っておるとすれば、私さっき申し上げたように十二時過ぎが望ましかったでしょう。しかしこれは、私は時間を早めるということについてしっかり了承を与えておりますから、それがたとえ十一時になろうと、あるいは十一時半になりましょうと、手違いはなかったと思います。もし係の者が、私直接阿部市長に電話したわけじゃありませんから、それがどういう表現をしましたか、そういう表現において間違いがあったことについては私はよく存じません。  それからさっきの、閣議で了解を得ましたのは、一月二十一日の閣議であります。念のため申し上げておきます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 それでは、いま一つ申し上げますが、それじゃあなたは八日移駐するということで了承を与えた。立川市へもその通告をしておる。たとえ数分であっても八日以前に移駐したということは今後大きな問題になろうという江崎防衛庁長官の談話は、これは根も葉もないつくりごとだというのでありますね。いいですか、これはつくりごとだとおっしゃるのですね。それをあなた確認してくれればよろしい。これは大事なことです。私どもは、片一方はちゃんとニュースソースを持っておるわけですから、どっちがほんとうか、これはあとまで根を引く問題ですから、あなた覚悟して返事をしてください。あなたはそういう談話を発表しておるのです。  それからいま一つは、いやしくも、おっしゃるとおり夜の十時三十分、いいですか、あなたのオーケーを与えたのは七時なんだ。そのあなたの、次官に電話をかけたのは何時か私は聞いておりませんが、それは何時か知りませんが、夜の十時三十分に、八日の日移駐をするということを防衛庁は正式に発表しているのです。いいですか。これもうそですか。その点間違いありませんね。午後の十時三十分に、移駐をするということを発表しておる。いいですか。事務次官が早めてやりますということをあなたに言ったのは、一体何時ですか。正式発表の前ですか、うしろですか。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○江崎国務大臣 八時四十分ごろかと思います。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 それでは、八時四十分に防衛庁長官に、予定を変更いたしまして、八日の日やるという移駐を早めて七日の日にやりますと言っておきながら、いいですか防衛庁長官、言っておきながら、何で一体、あなたの言った二時間もたった十時三十分に、八日の日に正式に移駐いたしますといううその談話を発表するのですか。何のためにこういううその発表を防衛庁はやる必要があるのですか。国民をだますためですか。国会をだますためですか。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○江崎国務大臣 小林さんに御理解を願いたいのですが、要するにそういう形で係の者が連絡をとったということにおいて、十二時より数分前であった、これはたいへん、一つの手違いといえば手違いかと思いますが、私に対してははっきりと次官が、混乱を回避する上から、予定はほんとうは三時ごろという予定をしておったわけですから、それを数時間早めますということで言っておりますから、何もこれは必ずしも八日でなければならぬというわけではありません。だから私は、混乱が回避できるならそれはよろしい、きみにまかせるからひとつそういうことでいこう、こういうことで合意をいたした次第であります。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 私どもの言いたいことは、あなたには七時に、八日の日移駐しますと言ってあなたの了解を得ておきながら、今度は八時四十分になったら、これはほんとうかうそか知りませんが、事務次官が、都合によって七日の日に移駐することに変更いたしました。あなたはオーケーしたというのだ。ところがそれも、話をして二時間もたった十時三十分に防衛庁正式発表として、いろいろ、この移駐を八日の日に行なうことになったといって発表しておる。そんなやり方が正しいのですか、一体。あなた自身夢中になって答弁しておるけれども、あなたはピエロじゃないですか。私の言いたいことは、全部制服の自衛隊の思うままに、この軍隊の移駐も、移動も、飛行機も大砲も思うままに動いているじゃないかというのですよ。国会は十九日間もかかって、ほんとうに文民優先というものを確立しなくてはたいへんだぞ、こんな制服が思うままにやったらたいへんだぞといって、われわれが血みどろに戦っている。そういうことも無視して、そして総括質問が済んだからといって、防衛庁長官も、早くなりましたのおそくなりましたの、発表は正式にこうだと言って、みんないわゆる制服の諸君が思うままに動いたり入ったりしているということなんだ。これを制服優先、軍事優先のやり方と言わずして、どこに一体軍事優先があるのですか。あなた、そんなにものごとを簡単に考えていられるのですか。どうです、あなたは踊らされているのじゃありませんか、そうじゃないですか。あなたは一生懸命に制服の諸君のかってにやっていることの言いわけに回っているだけじゃないですか。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○江崎国務大臣 私、さっきから一貫してお答えしておるつもりでありまするが、数時間早めたいということでありまするから、それは十一時とか十二時とかいうことでなくて、混乱を回避する意味で早めることを了承したわけです。また、制服がそういうふうに無神経に、それこそ無責任に、われわれを無視して行動するなんということは、これはごうまつもありません。ただ、係が、阿部市長等に、あるいはまた新聞記者会見等で、八日と、こう言っておったことが、ちょうど時間的にいいまするならば十一時四十六分ですから、十五、六分の差で一つの間違いを引き起こした、これは御指摘のとおりだと思います。しかし、これは冒頭にも申し上げましたように、十五、六分のところを、もっと障害があると思ったでしょうが、夜のこととて交通量も案外少なかった、しかも山道の下り坂でスピードも出たというようなことを聞いております。そんなことで、普通ならば十五分間、前で待機をして、そして十二時を過ぎたところでゲートを入るということが正確であったろうとは思いまするが、事の性格上、このことがたいへんな大問題につながるというふうには私は理解をいたしておりません。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 私は、江崎さんはどうも政治家としても非常に考えの柔軟な方だから、いま少し理解力があるかと思ったら、実にだめですな、あなたは。これは見直さなければいけませんね。あなたは昨年の暮れには、地元民の協力がなくてはうまくいかない、十分話し合いをした上で解決をしたいという談話を発表されておる。閣議は閣議ですよ。閣議はあっても、実行するときには地元の協力がなければならぬのだから、話し合いをして円満裏にやりたいということをあなたは繰り返し言っている。この態度は実に私はりっぱだと思う。このあなたの柔軟な態度に対して、何ですか。政府や防衛庁の官僚がこういう強引なやり方をして、あなたの柔軟に話し合いをしてやりたいという立場は一つも生きていないじゃないですか。赤軍が来るかもしれないとか、地震が乗るかもしれな  いとかという、そういうことばにすりかえて、そういうむちゃなことをやっている。あなたの精神がどこで生きていますか。これは私どもは第四次と同じように軍部独走だと言うんだ。どこに生かされています。答えてください。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○江崎国務大臣 大事な点の御質問だと思います。実は、私も、地元の協力を第一に考えるということは、自衛隊の性格から申しまして、非常に大切なことだというふうにいまでも考えております。そこで、昨年暮れ阿部市長に会ったときにも懇請をし、また一月半ば過ぎにお目にかかったときにも、数時間にわたって懇請したことを記憶いたしております。ところが、そのとき、阿部市長に同行された立川市の市会議長が、話はわかった、要するに首都に大災害が起きたときの救援と民生協力ということをほんとうに考えておりますね、そのとおりですということで、この議長は、自分は市長とはちょっと考えが違う、よく地元に戻ってから考えたい、こういうことを発言して戻ってまいられました。その後、市会議長は市会議員の諸君と話し合いをされて、そして当時は自衛隊の立川基地に配備されることは反対という決議がなされておったのでありまするが、それを取り下げられたわけです。そうしてその議長から、しばしば施設庁長官あるいはきょうここへ来ておりまする政府委員の鶴崎等に、実行をするのならば、災害はいつ来るかわからぬのだから、早く実行されることが望ましい、こういうことを言っておられるのであります。そういう背景を私どもは考慮に入れまして今度のこの配備になった、こういうわけでございますので、どうぞひとつそのあたりは御理解を得たいのであります。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 あなたは当面のこういう行動をそういうことばでごまかそうとされるからいけないのですよ。国民や市民は何と言っていますか。これはまさにパールハーバー並みの奇襲だと見ている。  いいですか。立川の墓地移駐が正式に立川の市長のところへ通告されたのが七日の日の十一時六分です。その十一時六分に何と言った。八日の午前零時三十分にトラックが行きます、こういう通告をしている。そうやって安心さしておいて、四十分もたたない十一時四十六分には、すでにちゃんと先遣隊百十九名はその基地の中へ入って、基地を確保している。これでは全く日本のあの軍隊が真珠湾神風奇襲をやったのと同じやり方で、国民の立場や市民の立場や、いわゆる話し合いの空気なんというものは一つもない。みんなだまし討ちをやればいいという、その考えしかできていないわけでありまするが、こんなことをあなたが理屈をつけて言われるというのならば、私どもは一切もう審議にも応ずるわけにはいかない。  私があなたに言いたいことは、おあやまりなさいというのだ。あやまりなさいというのだ、こんなことは。しかも国会が平常ではない。先ほども言うように、十九日間も、文民優先ということだけは間違わぬでくれ、ささいなことであっても、これはわが日本の平和と憲法を守る上における重大な歯どめだということを言って言って言い尽くした。その舌の根もかわかないうちに、こういう神風奇襲戦法をやっているのじゃないですか。それをいつまでたっても悪かったと言う気持ちがないのだったら、われわれはこれはまじめになって審議に応ずるわけにいかない。  そこで私は、関連質問もありますから、言いますけれども、第一には、こういうだまし討ちにした自衛隊は全部一応原点に返る。百十九名が全部原点に返る、これが第一の条件です。第二番目は、こういう神風的奇襲をしかく実施したやつは、遠慮なしに処分をする。この二つをあなたは了承されるというならば、私は、まあ武士も情けでありまするから、若干妥協してもよろしゅうございまするけれども、この二つをおのみになるかならないか、問題は重大です。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○江崎国務大臣 御意見いろいろ承りました。十六分、まあ二十分近い一つの手違いがあったことは認めなければならぬと思います。  ただ、私、そうかといって、さっき申し上げましたように、この時間的な問題につきましては、次官から、ぜひ混乱を回避したいからということで相談があり、私の責任において判断をしておりまするので、決して無視をされたとか、そこにシビリアンコントロールを乱るものがあったということはございませんので、御了解を願いたいと思います。  のみならず、地元側におきましても、反対決議を撤回して、そして災害救急対策ということがしきりにいわれるこの部隊の配備には了承だというようなことでいわれておったというこの背景、この声のあることもこれをひとつ御了解を願いたいわけで、昼間堂々と行くということももちろんございます。そういうことも十分検討をしてみたわけであります。ところが、これはもともと衝突をしたり、自衛隊の特に民生協力というような目的を持っていく部隊が、その配備にあたって何か無益の混乱を起こすということは、これはまあお互いに、結果論でありまするが、これは好ましくない。私は要するに後者をとったというわけでありまして、だまし討ちなどというていのものでないことは、ひとつ御了承を願いたいと思います。

瀬戸山三男自由民主党

○瀬戸山委員長 楢崎弥之助君から関連質疑の申し出がありますが、小林君の持ち時間の範囲内でこれを許します。楢崎君。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 私は、残念ながらもう一度あなたの論文を引用したいんです。いいですか、「文民優位は、国民優位であり、国民の意向や利益に反して、自衛隊はいかなる行動も絶対おこすことのできないことを、国民の間に徹底させる必要がある。」「シビリアン・コントロールは、国民的支持を背景にしてこそ完全であり、権威づけられるからである。」いま立川の市民のこの自衛隊移駐に対する世論は八二%が反対なんです。そして立川市としては、返還されたらこれを平和利用したいということでいろいろな計画を持っておられる。つまり国民の利益に反する行為と思いませんか。また今度の移駐について国民的支持はないとあなたは思いませんか。私は、昭和三十年、三十一年の例の砂川のあの問題のときに、警察機動隊から踏みつけられて、一カ月立川病院に入院して、私の肋骨はいまでもレントゲン写真をとると折れてこうなっているのです。ああいう経過を踏まえてやっと米軍が返す、その時期になって突如としてこういうことが行なわれる。私はけさの新聞を読んで、折れた肋骨が痛みましたよ。私はこの問題について二月の上旬に質問を文書で行ないました。二月二十一日に防衛庁から回答が来た。その回答を読んでみると、あそこの基地はとても強行移駐ができるような状態ではない。  そこで、具体的にお伺いしましょう。地上部隊五百三十人、航空機二十八機、これの本格的な移駐はこの夏までに完了させる方針のように私は聞いておりますが、そうですか。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○江崎国務大臣 いま私の書いたもののお話がありましたが、実はこの間はどれに書いたものだったかちょっと記憶がなかったのですが、あとから、自分の書いたものですから見てみまして、私、そんな間違ったこと言っていないというふうに思いました。自分自身はいまでもその原稿は肯定いたしております。これは念のために、責任を持つという意味で申し上げておきたいと思います。  実は、今度参りましたのは管制訓練のための部隊でありまして、詳しいことは政府委員から申し上げさせてもよろしゅうございますが、とりあえず航空管制の実施部隊、これでございます。そして、これが三月間かかるわけでございまして、御指摘のように、夏とおっしゃるならば、まあ夏、大体三カ月以降のところにおいて、管制権が認められれば、そこで本隊が移駐をする、こういう計画にいたしております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 では、三カ月後本格的な移駐を行なうという方針のようですね。  ちょっと経過を確認しておきたいと思います。この立川基地は四十四年十二月に米軍が撤退をして、それ以降飛行活動は停止されて今日に至っておる。行かれたらわかるとおり、滑走路はもう道路みたいになって、コンクリートもでこぼこで、草はえっぱなし、そして管制施設、ビーコン等全部取り払われておる、そういう状態です、いまは。そこで、四十六年六月二十四日、国有財産関東地方審議会でこの取り扱いをきめましたね。それは全面返還までの間一時的という条件でその自衛隊の共同使用を許した。そうして翌二十五日、日米合同委員会、これで法的には地位協定二条4項(a)によって日米共同使用を許した。自衛隊の使用面積は、全体の基地が六百八万平方メートルですから、その約五分の一の百十五万平方メートル。そうして六月二十九日、閣議で了承をされた。以上の経過がまずそのとおりであるかどうかが一つ。それから、国有財産審議会の決定というのは以上のような内容であるかどうか。さらに、六月二十九日、閣議決定とは、その国有財産審議会の決定を了承したのかどうか。  以上です。

鶴崎敏防衛庁参事官

○鶴崎政府委員 お答えします。  ただいま先生がお話しになったような経過で最終的には閣議決定をした、こういうことでございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 大蔵大臣、国有財産審議会が、全面返還まで一時的に使用を認める、そういう決定を下したことを大蔵大臣は確認されますか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 私はそのことを覚えておりません。

鶴崎敏防衛庁参事官

○鶴崎政府委員 国有財産の審議会におきまして、立川飛行場の使用の問題を検討した際の条件としましては、米軍の墓地である間に限ってその共同使用を認めるという意味合いにおいて、これは施設が返還になるまでであるという意味において一時使用という形になっております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 その自衛隊の使用は一時使用であるということが確認されたわけですね。  それから、私に対する防衛庁の回答とも関連をいたしますが、航空法との関連でいけば、あそこに三十メートル以上の反戦放送塔といわれるものが立っておる。それからいきますと、航空法では飛行場の進入路に、離着陸帯から五十分の一の勾配にひっかかる高さの障害物はあってはならない。この計算でいきますと、放送塔から千五百メートル以内に離着陸帯はとれないことになりますね。立川基地の滑走路の長さは千五百二十四メートルであって、離着陸帯は放送塔から約三百メートル。だから、もし放送塔を残したまま航空法の安全基準に沿って使用すると、滑走路は三百メートルしか使われませんね。あなたのほうはヘリコプターのほかに連絡用の軽飛行機を入れるという話であります。しかし、これは幾ら軽飛行機でも五、六百メートルの滑走路は要る。したがって、有視界飛行の場合は二十分の一、計器飛行の場合は五十分の一ですから、いまの計算からいきますと、全然滑走路がとれなくてはみ出てしまう。つまりいまの状態では計器飛行はできない。有視界飛行をするとしても、非常に危険なやり方をしなくちゃいけない。だから、あなたのほうの東部方面航空隊の責任者は、計器飛行ができないような状態では何にもならないということをおっしゃっておるのです。まずその点についてどういうお考えかお聞きしておきます。

久保卓也防衛庁防衛局長

○久保政府委員 おっしゃいますように、現在は有視界飛行しかできません。したがいまして、計器飛行を行ないます場合には、地元の方々、関係者と協議して、その鉄塔をとっていただかないとなりません。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 そうすると、鉄塔がある限りは計器飛行はできない。いまから、きょう移駐しました部隊はどういう管制の訓練をやるのか、私はよくわかりませんですがね。  それからもう一つ、航空保安施設が何にもないからつくらなければいけません。滑走路灯あるいは誘導路灯あるいはGCA等を置くということになっておる。もしこの工事に取りかかるとすれば、工期は何カ月ですか。

鶴崎敏防衛庁参事官

○鶴崎政府委員 お答えします。  GCAの工事には約三カ月、それから滑走路等の工事には約七カ月かかります。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 お聞きのとおり、航空保安のため、つまり安全のためには工事をしなければいけない。工事にまだ取りかかっていない。そして工事に取りかかったとしても七カ月かかる。それにどうしてあなた方は夏までに本隊を移動するのですか。どうして移動するのです。何でそのようなむちゃをやるのです。あなた、自衛隊員だって生命の安全は保障されなければいけませんよ。何のためにそういう無理をするのですか。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○江崎国務大臣 先ほど私から申し上げましたので、念のために私、お答えするわけでありまするが、障害物がある以上は計器飛行はできない。有視界飛行で訓練をしていく、こういうふうに理解をしておるわけでございまして、そういう見地で移駐ができるということを申し上げたわけでありまするが、もちろん本隊の移駐の時期等については今後計画的に準備に入るわけでございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 結局、夏までにはできないでしょう。全部航空保安施設ができなければ入れないじゃありませんか。それをなぜそんなに無理するかという問題です。いいですか、それは工事に取りかかって七カ月後でなくては、幾らあなた方が強行しようと思っても、本隊の移駐は実際問題としてはできない、そういうふうに承っておっていいですか。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○江崎国務大臣 ただいま申し上げましたように、現在はこれから三月間、管制訓練の実施部隊ということで訓練をするわけでございますね。ですから、そのあとの問題についてはこれから計画をしてまいる、こういうわけでございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 そうすると、夏までに行くということはいま否定されたわけですね。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○江崎国務大臣 それは計器飛行はできませんが、有視界飛行はできますので、有視界の訓練をする、こういうことに御理解を願いとうございます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 そうすると、やはり夏までに全部行くということですか。

鶴崎敏防衛庁参事官

○鶴崎政府委員 問題の障害物になっております鉄塔でございますが、これは現在その土地の所有者が訴訟にしております。したがいまして、この鉄塔がどういうふうになるか、今後の情勢も考えなければならないと思いますが、有視界飛行そのものは可能であります。そこで、この計器飛行のための施設の設置につきましては、ただいまの鉄塔の問題が今後どうなるかということもにらみ合わせていきたい、こういうふうに考えます。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 いま私の質問している問題点と鉄塔は関係ないのです。航空保安施設が工事に取りかかって七カ月かかるということをはっきり言っている。だから、何のためにそれより前に本隊をまた無理して行かせなければならぬかという問題を聞いておるのです。  もういいですよ。関連質問ですから、問題点は多いが、結論だけ言っておきますよ。いいですか、結局、なぜそんなに無理するかというと、長官は災害を、どこか三宅島か八丈島か、地震があったから、あれを見て——あなた、ここで地震があったとき、立川に行った自衛隊だけはそれだけ別に安全地帯におると思っておるのですか。そういう地震があったとき、立川から飛ばなければならぬようなときは、立川も地震にやられておりますよ。何を言っておるのですか、あなた、ふざけちゃいけませんよ。もしそうでなかったら、木更津から飛んでいって十分なんだ。そんな災害用なんというようなことを理由にしてはいけませんよ。  いいですか、はっきり言いましょうか。この移駐は私はいろいろ問題点があると思う。一つは、経過から見てわかるとおり、せっかく日米合同委員会で使わしてくださいといって向こうが了承しておるのだから、これは一つはアメリカに対するメンツなんです。もう一つは、住民が反対したら自衛隊は何もできない、こういうことでは自衛隊がなめられるからという、国民に対する挑戦なんですよ。自衛隊がやると思ったらやるのだということを示したいのでしょう。それが二番目ですよ。それから三番目には、東京都内には自衛隊がかってに使える、自由に使えるところはない。一つだけ確保したい、それが執念なんだ。結局、これは治安対策用なんですよ。結論は治安対策用なんだ。いいですか、そうじゃありませんか。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○江崎国務大臣 専門家の楢崎さんの御指摘ですが、私はこれはちと思い過ぎをしておられるのではないかというふうに考えます。第一点は、住民世論を全然無視したわけではないのでして、市議会の多数派が反対決議を取り下げ、しかも、そういう部隊であるならば早く来てくれ——これはもうくどい話はいたしませんが、そういう背景にもたれながら行を起こしたわけであります。  それから木更津で十分ではないかというお話でありまするが、なるほど災害のときには立川も災害だと思います。しかし、ヘリコプターは、御存じのように、上に飛び立つことができるわけでありますから、それはやはり京浜地区の災害救助に向かうわけで、木更津は江東地区であるとか、あちらのほうはこれで十分引き受けられると思います。けれども、京浜地帯はひとつこの立川が受け持っていこう。これはまさにそういう計画を、私、実は赴任しまして以来詳密に聴取しておるわけであります。第二点はそういうことで、木更津と立川とは別々にする、こういうわけでございます。  それから、それは治安出動の用意をするものではないか。これは非常に重要なところですからお答えをいたしておきたいと思いますが、もうそういうときにヘリコプターを使って自衛隊員をどこにしましても配備しなければならぬなんというときは、これはたいへんな場面で、少なくともそういうことは想像するだに私どもしたくない問題であります。今日まで自衛隊が治安出動に出たことは、任務としてはあっても、現実にはそういうことはございません。今後といえどもそういうことがあってはならぬと思っております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 いいですか、治安対策を、あなた、えらい抵抗なさっていますがね。治安対策訓練しておるのはおたくのほうなんですよ。時間があればたくさん例をあげてもいいですよ。そうでしょう、実際にやられておる。  そして私が最後に申し上げたいのは、昭和二十七年四月二十八日、この日占領軍は駐留軍に変わりました。このとき米軍基地は二千八百二十四カ所である。その面積は十三億五千万平方メートル。それがその後ずっと返還されてきた。返還されてきて今日では百カ所くらいになっておる。ところが、あとで正確な数字を示してみてください。いま米軍基地の数が幾らになっておるか。そして使っている使用面積がどのくらいか。それと、自衛隊が使っておる個所はどのくらいか。自衛隊が使っておる面積はどのくらいか。それを足してごらんなさい。かつての昭和二十七年の当時とちっとも変わらないのだ。ということは、米軍墓地が返還されるというのは、その返還の相手は、国民ではなしに自衛隊なんですよ。米軍基地は、返還したものは、自衛隊にどんどん返しているのです。それが実態なんです。山田弾薬庫だってそうでしょう。私はそれを申し上げたいのです。  関連質問ですから、先ほど小林委員がおっしゃったとおりの結論、これはただちに自衛隊はもとどおり帰るべきである、そしてもう一ぺん市民の世論をよく聞いた上でひとつ結論を出してもらいたい。その点と、もう一つは、その住民の意向がこのようにあるからということで、もう一ぺん日米合同委員会にかけ直しなさい。そして、いわゆる共同使用をやめるべきである、立川市民に返すべきである、それが私の要望であります。

瀬戸山三男自由民主党

○瀬戸山委員長 鬼木勝利君の関連質疑を許しますが、鬼木君の持ち時間の範囲でお願いいたします。

鬼木勝利公明党

○鬼木委員 本件に関しまして、防衛長官に私も関連質問をいたしたいと思います。  先ほどから小林委員の質疑に対して長官の御答弁がありましたが、私はどうしても理解することはできない。あなたのおっしゃっていることには非常に矛盾撞着がある。  まずその第一点としてあなたにお尋ねしたいのは、立川は基地が繁華街にありまして、駅からわずかに五分以内で届くところであります。これは三多摩の中心地でありまして、真に自衛隊が国民に親しまれ、愛せられる自衛隊であるならば、すみやかにこれは、返還と同時に地元に返還して、地元の人々がそのために非常に恩恵をこうむり、利益に資するように、ただちに私は返還することが国民の自衛隊である。先ほどお話を聞いておると、市長は反対だけれども議長は賛成した。最初は反対であったが、あとでそれを撤回して賛成した、こういう点を踏まえておる。ところが市民は、世論として八二%反対しているでしょう。そういうことをあなたはおっしゃらないで、ただ自分に都合のいいことばかりおっしゃっている。世論調査の結果、市民の大多数、八二%は反対しております。その事実をあなたは何と見ておるのです。しかも、先ほどから承れば、民生安定のためだ、災害救助のためだ。何が災害救助、何が民生安定ですか。あなたは、その舌でまた、いたずらな混乱を避けるように、紛糾を避けるように、夜陰に乗じて、夜盗のたぐいのごとくなだれ込んだ。しかも事前通知でなくて事後通知であります。こうした暴挙をあえてした。これは決して災害救助のために行ったのでなくして、自衛隊を移すために、それが目的じゃないですか。災害救助だとか民生安定だとかいうならば、ただ単に地震は八丈島のみじゃありませんよ。また、それだけに逼迫しているところの、夜陰に乗じて行かなければならぬという逼迫しているところの災害条件がどこにあったのですか。どこにありましたか。あなたのおっしゃることと実際が全部そごしておる。矛盾しておる。どこにそういう——私はどうしてもその点が納得できない。災害救助のためだ、民生安定のためだというならば、どうしてあそこに逼迫した状態があったか。先ほどうしろのほうからお話もあっておりましたが、なぜ堂々と、あなたもおっしゃっておるじゃないですか。小林委員もおっしゃっておる。話し合いの上で、皆さんの協力を得て円満に解決したい。夜盗のたぐいのごとく、夜襲をかけるような、夜陰に乗じて、そういうことがどうして円満な解決ですか。おっしゃることと実際がことごとくこれはそごしておる。その点に対して、もっとわかりよく、納得のできるように、国民は全部聞いておりますよ。その点をひとつ明快にお答えを願いたい。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○江崎国務大臣 お答え申し上げます。  八二%の反対という統計があったことは私も承知いたしております。しかし、同時にまた市議会において、移駐やむなし、民生協力の目的を持って来る部隊ならば歓迎だというような声があったことも事実ですし、初めはそのことを理解しなかったから、自衛隊の移駐は反対だと、こういう決議をしたけれども、だんだん話を聞いてみれば、なるほどそうか、わかった、それは取り下げよう、ということは、来てよろしい、こういうことになったわけですから、世論を無視して抜き打ちに事を処していったというわけではないわけであります。  それから、災害の問題については、実は私は十数年前に伊勢湾台風というものを経験しております。これは私どもの選挙区が中心でございました。そのときの自衛隊の活躍ぶりというものはまことに目ざましいものがあったわけです。したがいまして、そのときのヘリコプターの効用、またヘリコプターの活用といったものも私はこの目で見て十分知っておるつもりであります。したがいまして、中曽根長官当時から、もし首都に大災害があったら、特に京浜地区といっておりますが、江東は木更津にまかせるという前提で計画をされてきましたこのものは、やはり私は正しいという判断に立ったわけであります。  それから、夜につきましてはいろいろ議論の存するところだと思います。自衛隊が堂々となぜ昼間行かないのか。私は一つの考え方だと思います。ところが、もし昼間行くことにおいて何か無益の衝突などが起これば、これはまた今度自衛隊に対するいろいろな非難も起ころうか、いろいろなことが考えられましてあの道を選んだ。この選択が必ずしも私は間違っておったとは思いません。そういう意味で夜を選んだわけでありまするので、この点は御了承を願いたいと思います。

鬼木勝利公明党

○鬼木委員 あなたは、私の質問に対してやや触れてはおりますけれども、根本が触れていない。根本の回答になっていない。私が言っていますのは、長官、よくお考えなさいよ。あなたは、災害のため、民生安定のためだとおっしゃるけれども、昼行くのと夜陰に乗じて行く、わずかのそこの時間ですよ。それだけ逼迫した状態がどうしてあったか。あなたは先ほどから、これはもうずっと前の長官のときからの話し合いだ。それはそれでいいでしょう。いいでしょうが、だったら、私はお尋ねしますが、ようございますか。円満な話し合いということをあなたはおっしゃっているのだから、じゃ、かりにこういうことをして移駐なさるならば、市長に、実はこうして夜陰に乗じて行こうと思っている。これは混乱を避けるために行こうと思っているから、ひとつ協力を願いたい、そして、地域住民やその他の関係の人たちが騒ぐような場合には、十分ひとつ協力してもらいたい、そういう−−いやいや、話し合いですよ。これが話し合いというんだ。そういう話し合いがあっていないじゃないか。そうして、シビリアンコントロールなんというようなうまいことばっかりあなた方はおっしゃるけれども、いささかもシビリアンコントロールの実現はできていない。シビリアンコントロールの実現でも、まあ研究はしておられると思いますけれども、実際においてシビリアンコントロールの、調整する人たちは、その衝に携わっている人たちは、タカ派じゃないですか。どうしてそれができますか。しかも、先ほどから小林委員からもお話があっておりましたが、総括質問でどうやら四次防を切り抜けることができた、曲がりなりにも。時期到来、それ行け、というので、防衛長官が、あなたが、先ほどうまいこと了承——了承じゃないですよ、命令ですよ。防衛長官が言うことは全部了承ですか。じゃ、だれが命令するのですか。そういうことばのあやで、ことばの詐欺で、いやしくもわれわれを予算委員会でそうしてごまかそうといっても、それは防衛長官、あなたのお考え違いです。四次防のあの問題が起きた場合に、はっきり議長のあっせんによって一応解決をした。なぜあなた方反省しませんか。反省の態度がいささかもない。ああ言えばこう言う、こう言えばああ言う。それでは何回でも繰り返してやりますよ。そういうことではなくして、もう少し——佐藤総理がいつも言われるように、あれはほんとうかうそか知らぬけれども、謙虚な気持ちになぜなれませんか。あなたがそういう態度である以上は、われわれは、国民の代表としてこれを黙過することは相ならぬ。まだありますから申し上げますよ。一応その辺でひとつあなたのお考えを——少しは考えが変わったでしょう。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○江崎国務大臣 どうもいろいろの御意見を交えてのお話、傾聴いたしましたが、実は、市長とは十数回にわたってわれわれのほうの関係者は懇談をしております。私は二回でございます。そして、いろいろ条理を尽くして懇請をいたしましたが、なかなかお聞き届けがいただけない。しかし、一方においては、何度も繰り返すようでありまするが、市議会の多数の人々が、そういうことなら早くひとつ実行してくれ、むしろ二月末ぐらいに実行するかと思っておったが、いつまでこの実行を見合わせているんだ、もうやるならやるで早くやれということで、われわれのほうにも何度もそういう御要請もあったわけでありまして、これは、賛成といい反対といい、二つの流れがあることは否定できませんが、賛成派のたまたま議会の、しかも多数派の有志諸君から、早く実行をせい、こういう要請があったことも私、率直に申し上げておきたいと思います。議長をはじめでございます。そこで……(「市長さんはどうした」と呼ぶ者あり)市長さんには、いまも申し上げましたように、何度もお話をしておりまするが、どうも平行線をたどって、なかなか御理解がいただけない。けれどもが、市民の多数を代表する市議会がそういうふうに言われるというわけでありまするので、この点はひとつ鬼木さん、御理解を願いたいわけであります。  それからもう一つ、一体災害がそんなに差し迫っておるのか。全くこれは、私も神ならぬ身で予断はできませんが、そういうやはり役務を帯びてあすこに配備することだけは、これは事実でありまするから、この点だけはわれわれ、いいかげんなことを言っておるつもりはありません。  さっき御指摘のありましたような治安出動などということは考えてもおりませんし、少なくとも、まあいつまでこの防衛庁長官続くかわかりませんが、私がおりまする限りにおいては、治安出動などということは、あってはなりませんし、しないということを考えております。しかし、自衛隊そのものの任務としてこれがあることは、これは法律できめられておるとおりでありまして、判断の問題と、実行の問題と、これはいろいろ段階が分かれるわけでありまするから、あくまで災害救助活動に努力をするものということで、鬼木さん、これは御理解をいただきとうございます。

鬼木勝利公明党

○鬼木委員 しきりに、鬼木さん御理解を願いたいと言われるけれども、これは個人的な問題じゃないから——個人的の問題ならばあなたとまた裏取引もできぬこともないけれども、そうはいかないですよ、国会の場ですからね。ようございますか。しかも、あなたがいま御答弁なさった中に、楢崎委員の質問に対して、治安維持の問題なんていうことはとんでもない、私の目の黒い間はなんて、とんでもないことをあなたはおっしゃる。何てことを言っているのですか。それじゃ、防衛長官がかわるたびごとにわが国の防衛基本理念というものは変わるのですか。あなたが目が黒かろうが黒くなかろうが、黄色であろうが青であろうが、防衛長官は、歴代の防衛長官、また、将来の防衛長官が、そう長官のかわるたびごとに変わってたまるものですか。国民は迷惑しますよ。私が目の黒い間は変えませんなんて、とんでもない。何をあなたは言っているのですか。少し頭が狂っているんじゃないですか。何を言っているんですか。ようございますか。私は最後にまだきょうは、私の自分の質問もありますので、この問題はかりに限るわけにいきませんけれども、先ほどからずっとあなたの御説明を聞いていると、疑問点が全部出て、いささかも納得ができない。立川は、先ほどから申しますように、将来またあすこには公営住宅がずっと建つことになっておりますよ。しかも繁華街で、駅から五分という、市のほうではマスタープランがちゃんと計画してあるんですよ。そういうところに無理じいにそこへ持っていかなければならぬという、その明確な根拠は何もないのですよ。しかも市民は八二%も反対であります。全部反対している。  そこで、私がお尋ねしたいのは、長官は、混乱があったりあるいは紛糾があるということを予想して、これはそういうことがもしあればたいへんだから、夜陰に乗じて野盗のごとく乗り込んだ、こういうとんでもないことをおっしゃっておりますが、でございましたら、将来——近き将来あるいは遠き将来、これも私は想定であり、私の推定だから、こういうことは私は申し上げたくないのです。しかし、もし万万万万が一、この自衛隊の移駐に対して大々的に何か不祥事件でもかりに、かりにですよ、起こるとしたならば、その全責任は防衛長官、あなたにありますよ。目の黒い間はあなたですよ。その点は予想していますか、あなた。以前のことばっかり言っておられるが、こういう強行をして、そうして市民をないがしろにし、国民をごまかし、われわれ国会議員まで全部だまかして、閣議決定をやっておるなんというようなことをおっしゃるけれども、それでは、夜陰に乗じて乗り込め、そういう閣議決定がありましたか。あったら私は総理にお尋ねするから。まさか末期的症状の総理といえども、そんなことは言われるはずはない。その点をはっきりお答え願いたい。これは大事なことですよ。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○江崎国務大臣 自衛隊を治安出動にみだりに出すようなことがあってはならぬ、これは私は自分の信念として申し上げたわけで、そこにおられる赤城元防衛庁長官もそういうかたい信念を持っておられます。だから、大臣であろうとなかろうと、政治家としてそういう考え方に立つ者が、自民党の中に一人でも二人でも多いことは、私はやはりお認め願えると思うのです。治安に任ずるのはやはり警察官ですから、これは警察に本来まかせるべきもので、自衛隊がみだりに出るべきものでないというふうに思っております。  それから、夜陰に乗じてということでありますが、これはおことばでありまして、私ども、もしも何か訓練隊の駐留にあたって不測の事態を起こしてはということを判断をし、しかも現在は自衛隊だけであそこへ行くわけじゃなくて、機動隊が、混乱を避けるために警備に当たって、その中を自衛隊が配備につく、こういうわけであります。その自衛隊の配備にあたって、機動隊にまた負傷者が出たとか、このごろのあの過激派連中との衝突があったとか、これはひとつ避けたいものだという判断に立ったわけでありまして、これが最善だなどとは思っておりません。決して好ましい姿とは思っておりません。

鬼木勝利公明党

○鬼木委員 最後にお尋ねしたいのでありますが、近くまた沖繩の配備が、ございますが、同じこういうケースであなたはおやりになるお考えですか。夜陰に乗じて、あるいはまた虚をついて、先ほどからお話があっておったように、真珠湾攻撃のごとく、不意に、抜き打ち的に上陸して、沖繩全体にこれを配備する。何らそこには話し合いがない。すべて現内閣、政府の姿勢は、話し合いをすると言っておりながら、話し合いができないときにはすぐに強行採決する。国会内においては強行採決、これは暴力です。一歩外に出れば自衛隊が暴力、そういうことを二度三度とまた将来繰り返すお考えですか、どうですか。  私はこの際申し上げたいのですが、きょうは総理がお見えになっておりませんので、総理にお尋ねする問題を私は保留いたします。委員長にはっきり申し上げますが、お取り計らいをお願いしたい。  この問題は、話し合いの途中なんだから、まだ話し合いの解決はできていないのだ、あなたそうおっしゃっている。円満に、話し合いの上で解決するということをおっしゃっておる。そのまだ話し合いの中途においてこういう暴挙が行なわれたということに対しては、われわれは納得できないので、これはもとに戻してもらわなければならない。そこでその点、あなたにまずお尋ねして、あと若干総理にお尋ねしたいことがあるので、これは保留いたします。その点よく考えておっしゃってください。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○江崎国務大臣 沖繩へ自衛隊を配備する問題はきわめて重要な問題であります。しかもこれは陸、海、空が施政権が戻ったところへ参るのでありますから、沖繩県民の十分の理解を今後とも得る努力を継続して、これは堂々と沖繩に参りたい、こういうふうに考えております。  それから、真珠湾ではないかというお話ですが、これは真珠湾と根本的に違いますのは、市議会の多数派が、早く来てくれ、実行するなら早く実行しろ、こういう要請があったことが根本的に違いますので、これはひとつ御了解を願いたいと思います。

鬼木勝利公明党

○鬼木委員 いまのことばでちょっと私不可解なことがある。沖繩派兵問題は重大なる問題であるから、でございましたら立川に移駐させることは重大じゃないとおっしゃるのですか。あまりふざけたことをおっしゃっては困ります。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○江崎国務大臣 どうもとかくことばが足りませんで恐縮でございますが、立川問題もちろんこれは重要でございます。ただ、立川は、私は何べんも繰り返しますように、とにかく実行するなら早く実行せい、こういう側の強い要請等もあったということをお含み願いたい、この点でございます。

鬼木勝利公明党

○鬼木委員 問うに落ちず語るに落ちる、いまのは立川のことをあなたはいとも簡単に考えていらっしゃるところの証左ですよ。心にもないことをおっしゃるわけはない、江崎長官ともあろうものが。沖繩は重大だけれども、立川はそうでもないということを意味している。問うに落ちず語るに落ちるだ。心にもないことをあなたが発言されるわけはない、責任の地位にあるんだから。そういう考えを持っているから私はいま申し上げた。  私の関連質問を終わりますが、委員長にその点は御配慮をお願いいたします。

瀬戸山三男自由民主党

○瀬戸山委員長 和田春生君から関連質疑の申し出があります。和田君の持ち時間の範囲内においてこれを許します。

和田春生民社党

○和田(春)委員長 いままで同僚委員の各位からいろいろと質問がございました。重複を避けまして、多少違った角度からお伺いをいたしてみたいと思うのであります。   先ほど来江崎長官は、何度も何度も、決してだまし討ちではない、こういうふうに答えておられるわけでございますけれども、長官のみならず、実施に当たった部隊の責任者も含めまして、だまし討ちにするという考えは全然なかった、こういうふうに確認してよろしゅうございますか。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○江崎国務大臣 混乱を避けることがとりあえずの目的でありまして、だまし討ちという意図ではございません。

和田春生民社党

○和田(春)委員 混乱を避けるという点についてはあとからお伺いいたしたいと思いますが、先ほど来の質疑を通じて、またマスコミの報道を通じて明らかになっていることは、長官は八日ということで了承した。ところが、事実上七日の十一時四十六分に基地に入ってしまった。そこにたい  へん時間の食い違いがあるわけでありますけれども、それはなぜ起きたのでしょうか。だまし討ちでないとすると、なぜその時間の食い違いが起きたのですか。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○江崎国務大臣 これは、小林さんにも申し上げましたように、混乱を避ける意味で早めたい、こういうことで私、次官からの協議に同意をしたわけでありますが、これが十一時半になるか四十六分になるかという辺においては念を押しておりません。ただ、結果から言いますと、八日の夜といいますか、夜陰、深更に行く、それはかりに十二時過ぎからということで市長その他に係が連絡をしておるようであります。そうだとすれば、その十五、六分ないし三十分ぐらい早まったという点は、これは一つの食い違いがあった、私こういうふうに思いますが、私の指揮命令という点においては了承の上でございます。

和田春生民社党

○和田(春)委員 しかし、前立川市長と江崎長官との話し合いの席上には私は出席できませんでしたが、私の秘書が立ち会っております。事前通告については常識の線を守りたい、そういうことを長官がお話しになっておったという報告を当時聞いておるわけであります。しかし、八日という形で了承して現地に通知が行った。通知が行って、さあたいへんだと思ったときにはもうすべり込んでいる、そういうような状況が発生をしているわけであります。その点が、長官、もし手違いであるというんなら一体どこから行ったのでしょうか。これはアメリカから飛んできたわけではないのです。練馬の駐とん地から立川に行ったわけです。距離にしてほんの少しであります。その短い距離で、夜二十分も三十分もあるいは一時間も見込み違いを起こすようなずさんな計画を立てるという自衛隊、ものの役に立つのですか。だまし討ちでないとするなら、その点をひとつはっきりしていただきたいと思うのです。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○江崎国務大臣 これはどうも交通状態が比較的緩慢であったというようなことから起きた事故だと思います。本来なら、少し離れたところで待機して、そして時間まで待つということがあるいは自衛官としては適当であったかと思いますが、もともと次官と私と話しておりました段階では、相当程度時間を早める、繰り上げる、こういうことで了承を与えてありましたので、ひょっとするとそういうところに重点を置いて実行したのではないかというふうにも察せられます。

和田春生民社党

○和田(春)委員 練馬から立川までの距離と交通の事情というものは、あの辺のことを知っている者ならいま言ったようなことは当然事前に周知の事実であります。夜十一時過ぎて、十二時ころにあそこで交通渋滞を起こすなどということはないのです。ふだん一時間で行くところなら二十分か三十分で行くわけなんです。したがって、だまし討ちでないとするならば、交通事情がよ過ぎて、ついつい早くなったなどという説明をしておりますと、そんなことすらもわからないような、世間から隔絶をした部隊が行くとはおそろしいことである、災害救助といったって、一体何の災害救助をするんだろうか、自分の行くところの地理的状況さえ的確につかんでいない部隊が、いざというときにものの役に立つはずはないではないか、そういう逆の批判を招くことになるわけでありまして、これはやはり虚をついてだまし討ちをした。長官にはそのお気持ちがなかったとしても、実施のほうではそうやったと理解するほうが説明がつくわけであります。  そこで、この問題は、何度も繰り返し繰り返し言われておりますので、ここで押し問答をしてもしかたがないと思うのですけれども、実は私は非常に残念なことがあるわけです。この立川は、私のしょっちゅう働いている選挙区の範囲内にあるわけでございまして、多くの支持者もございます。その中で自衛隊を認めて、立川に自衛隊が来るというのなら認めてもいいではないか、そういうふうに考えている市民の人からも電話がかかってきております。ああいうやり方をして来るとは思わなかった、自衛隊に対する自分のイメージを全く変えてしまった、こうなるとわれわれは、いままで反対派の諸君というのは、国の法律できまり、閣議できまったということについて相当無理押しをしているのではないかというふうに考えておったけれども、あの事態を見たら、私たちといえどもやはり反対という方向に心情的に同調せざるを得ない、そういうことを言ってきている人がおります。  また新聞の報道によりますと、多くの新聞が取り上げておりますが、たとえば責任のある地位にある、この自衛隊の移駐を促進する、そういうような立場に立っている人ですらこういうことを言っているということが報道されている。国会の四次防問題で移駐がおくれたようだが、国土防衛の意識があればもっと堂々と入ってきてもらいたい。また、これは真偽のほどはわかりませんけれども、報道されている中に、自衛隊の制服幹部の中にも、こんな変則的な形で立川に移駐しては、あとで地元との関係がたいへんだ、自衛隊が人をだましたという感じを与えるのはまずい、こういう声があるということを伝えられている。  そういたしますと、なるほど事を急ぐ理由が自衛隊の側にはあったかもわからない。しかし、ああいう形で入ったならば、反対派の諸君をますます刺激をする。そうして好意的に、あるいは自衛隊の立場を肯定する立場に立っておった人すらもむしろ反感を持たせる。何の益もないことではないでしょうか。自衛隊は、しかも専守防御である、日本の国を守ると言っているのです。私の立場は自衛隊に反対ではありません。国を守る最小限の自衛措置は必要である。そうなれば、立川がいいかどうかは別であります、日本の国のどこかに基地を持たなければならぬと考えております。しかし、こういうようなやみ討ち同様のインチキな——どの新聞を見たってパールハーバー、だまし討ち、肩すかし、こういうことばを使っている。夜盗のごとき行為だということばすら使われている。そうやって市民との間に感情の断絶をつくって、どうやって国土の防衛ができるのですか。そういう点について防衛庁長官のお考えを承りたいと思うのです。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○江崎国務大臣 混乱を回避するということのためにとった措置が、いま御指摘のような形になって批評されることはきわめて残念だと思っております。また、そうかといって、しからば昼間もし衝突や混乱が起きて妙なことが起これば、またその結果というものはどうであったであろうか、想像にかたくないような気もいたすわけであります。しかし、御指摘の点等々につきましては十分今後配慮をしてまいりたいというふうに考えております。

和田春生民社党

○和田(春)委員 私はこの際重ねて同じような問題について申し上げたいと思うんですけれども、どうも今度の行動を見ておると、流血の惨を避けたい、そういう気持ちがあったということをうそであるとは思いません。しかし、流血を避けると言いながら、結局本質的に大切な問題を見失って  いる。そういう点で世間から隔絶された集団として、平衡した感覚を自衛隊の幹部が失いつつあるのではないか。これはたいへん日本の将来にとって危険だと思います。なぜもっと時間をかけてやる立場に立っての説得をしないのですか。そういう点では結果論からそうなったとおっしゃいますけれども、そういうことをやれば、どんな反発が市民の間から起こるかということについて、なぜ見通しが持てなかったんでしょうか。そういうような部下の監督ないしは精神状態を世間の感覚と断絶しないように持っていくということは、防衛庁長官としてシビリアンコントロールのたてまえからいっても特に大切なことだと思うんですけれども、その点についてお考えをお伺いたいと思います。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○江崎国務大臣 御意見は傾聴いたして、記憶にしっかりとどめたいと思います。

和田春生民社党

○和田(春)委員 これはしかととどめておいていただきたいと思います。  そこで、もう一つ私は本質問題を取り上げてみたいと思うんですけれども、今回の立川に対する自衛隊の移駐の問題について言いますと、百歩譲ってあの移駐を肯定をするという立場から考えてみても、全く考え方がさか立ちしておったと思うのです。かつて大正十一年に陸軍の航空大隊が立川に基地を持ったときには、あの辺は武蔵野の、家の一軒もない広々としたところだったわけです。ところが三多摩地方というのは、現在日本の中でも一番人口がふえている地帯でございまして、どんどん都会地化をしているわけであります。昔とは事情が違った。戦後アメリカ軍が駐留したときも事情が変わってきている。言うなれば三多摩地方の市街地の中心街なんだ。そういう事情の大きな変化というものがある。同時に、あの辺において最近非常に人口がふえているわけでありますから、東京の築地の中央卸売市場だけでは十分な流通機構を確保することができない。そうすると交通の要衝として立川は、北多摩地方も西多摩地方も南多摩地方も、どこにでも交通の一番いい場所がある。あそこに大規模な卸売市場を持って、この地方に住んでいる人々の生鮮食料品その他のスムーズな流通をはかるということが必要ではないか、そういう声が前からあった。同時に、立川全市域の約五分の一近くを占める大きな基地が市のまん中にどかんとすわっているのです。そのために、北側の砂川地区と南側の本村地区というものは交通の面でも非常に不便をこうむっている、市の開発にたいへんな迷惑をこうむっているわけです。そういう状況を考えれば、かりに百歩譲って自衛隊が今日の状況のもとでどうしても立川に移駐しなければならないという理由があったと仮定してみても、あの基地が日本に返ってくる機会に民生に役立てる、それを第一義的に考えてその計画を市民に示す。こうしていままで市民に非常に不自由をかけてきた立川の基地は市民生活のためにプラスになります、同時にこの地方全体の住民のためになります、こういうことをまずやります、それをまず示して納得をさせて、その上で自衛隊が移駐することの余儀なき事由というものを説明したならば、私は事態はよほど変わってきたと思うのです。私は、いま立川に自衛隊が移駐しなければならぬという積極的理由があろうとは思いません。あそこには行かなくていいと思う。また行くのには一番不適当なところだと思うのです、市街化地域ですから。しかし、百歩譲ってそこに行かなくてはならぬとしても、なぜそういう態度がとれなかったのか。これは防衛庁長官が就任する以前からの問題でございますけれども、もし江崎長官に御説明願えるのならその点についてお答えをいただきたい。どうして政府はそういう態度をとらなかったのか。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○江崎国務大臣 たとえば民生協力のヘリコプター部隊にしましても、どこかもっと適地はないかということを、私、赴任いたしましてから部内で何度も検討をさせました。しかし、どうしても災害の緊急救急といいますか、そういう性格からいえばここをおいてほかにないということで、閣議の決定でもあり、意を決したわけというのが全く真相であります。  そこで、いま御指摘のあのアメリカ軍から返される基地については、自衛隊がこれを全部使うという必要はないと思います。したがいまして、自衛隊は今日の段階において非常に不愉快な感じを与えたかもしれませんが、あと、できるだけ返還できるものは十分ひとつ調査をいたしまして、すみやかに返せるような努力をしてまいりたいと考えております。

和田春生民社党

○和田(春)委員 この点は非常に大事なポイントでございまして、なぜ自衛隊の移駐ばかりを急がなくてはならないのか。先ほど来何度も質問をされておりますけれども、その点のわれわれの疑問というものは解けません。市民生活に役立てるということをまず第一義的に考える、どうしてそういう考え方ができなかったのですか。それが国民生活の安全と国民との間の理解を高めるという上の根本的な態度じゃないですか。それを、自衛隊が行くということだけが先にずうっと出てしまう。市民のためにどう利用するかということは、さっぱり目標さえきまらない。こういうところにも市民の八二%が反対をするという大きな理由の一つがあるわけであります。この点については、政府の今後のこの種の問題の基本的な姿勢に関する問題でございまして、防衛庁長官だけを責めるわけにはいきません。やはり最高責任者である内閣総理大臣にも確かめなくてはならぬ点がございますので、先ほどの鬼木委員の保留と同様に、その点については質問を保留いたしまして、総理大臣の出席につきまして委員長においてしかるべくお取り計らいをお願いしたい。このことを希望して、私の質問を終わります。

瀬戸山三男自由民主党

○瀬戸山委員長 なお東中光雄君から立川基地への自衛隊移駐の問題について関連質問の申し出がありますが、理事間において意見の一致を見ません。遺憾ながら発言を許すことができませんが、他の機会にお触れ願うこととして、御了承願います。小林進君の残余の質疑を続行いたします。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 この自衛隊の不当な移駐に対しましては、文民優先が失われるかどうかの重大問題でございまするので、私どもはいままでの防衛庁長官の御答弁では納得するわけにはまいりません。いずれまた総理大臣の御出席を得まして、この問題の黒白を明らかにするということを申し上げ、態度を留保いたしまして、次の質問に移りたいと思います。  外務大臣にお伺いいたしますが、実は話が少し古くなりまするけれども、天皇の外遊に関連をいたしましてお伺いをいたしたい。   〔委員長退席、大坪委員長代理着席〕 事皇室に関することでございますので、なるべく誤解のないように質問をしたいと思うのでありますが、昨秋の天皇の外遊に関しまして、訪問先の国で、はからずも日本の戦争責任が話題になった。たとえば英国のエリザベス女王の歓迎のごあいさつの中にもそれらしいことばが出たり、あるいはまた、オランダの御旅行中に、日本に捕慮として抑留された人々を中心にするデモが行なわれて不愉快な感じを抱くようなこともあったとか、いろいろなことが当時の新聞や週刊誌等に報道をされたのでございまして、国民の中にも、せっかくの天皇の外遊を若干曇りのあるものにしたのではないかというふうに憂えている人たちもおるのでございまして、何かの機会で責任ある政府のおことばを通じて真相を国民の前に明らかにしてもらいたいという要望がございますので、この点外務大臣の御答弁をお願いをいたしたいと思うのであります。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○福田国務大臣 天皇、皇后両陛下が御外遊をされる、これはわが国といたしましては建国以来のできごとでございます。したがいまして、政府、宮内庁におきましては、この御旅行がつつがなくとり行なわれるようにということで、万全の事前の手配をいたしたわけであります。つまり、御訪問先の各国において両陛下をお迎えなされる態勢はどうかということは、ずいぶん時間をかけまして、つぶさに点検をいたしたわけであります。  まず、アメリカのアンカレッジに立ち寄ったわけでございまするけれども、ここにおいては何ら心配ごとは起こりませんでした。また、私どもはアンカレッジにおきましてそう心配ごとが起ころうとは思っておらなかったのであります。  次いでデンマークに参ったわけでありますが、デンマークも、これも無事平穏であろうという見通しでございましたけれども、飛行場にお着きになりますその際に、二人の日本の学生が何か棒切れみたいなものを振って奇声を発しておるというようなことがありましたが、これはたいしたことはなかったわけであります。  それから、ベルギーにおいても、何らの支障はございませんでした。  それから、フランスにおきましても異状なし。  イギリスに参りますと、バッキンガム宮殿の前に天皇、皇后の鹵薄が差しかかった際に、一人の市民が持っておったオーバーを投げかけるというような事態がありましたことと、キューガーデンという植物園にお立ち寄りになられました際に、お手植えの、杉の木だったと思いますが、それがあったわけであります。その杉の木が、翌朝見ますると、切り倒され、かつ、硫酸ナトリウムがかけられておる、こういう事態があり、かつ、その切り倒されたその場所に棒ぐいで、彼らはむだに死んだのではない、こういうような意味の立て札が立てられておったという事件があったわけであります。  それからオランダに参りますと、オランダはあらかじめ、かなり日本に対してある種の感情を持っておるということが察せられておったわけなんです。非常に注意深く御訪問されたわけであります。御訪問を決定される際におきましてもそういう情報がありますので、御訪問さるべきやいなやということを最後までずいぶん協議をいたしましたが、そういう場所こそ訪問をいたしましてそして親善を取り結ぶということが大事であるということから御訪問を決行されるということになったわけでございますが、ハーグの郊外におきまして陛下のお乗りになっておられるところの御料車に対しまして、何かびん状のものを投げかけ、そしてその自動車の二枚ガラスの表のほうのガラス一枚にひびが入った、こういう事件が起きました。そのこと自体につきましては両陛下はお気づきにはなられなかったようでありますが、とにかく大きな音がいたしました。それは、その次の車に乗っておった私どもにも音が聞こえたことは確認をいたしたわけであります。  それらのあとドイツ国を訪問いたしましたが、ドイツ国におきましては、予想におきましてもまたその御旅行の実施に際しましても何らの異変は起こらなかった、たいへん大きな歓迎を受けた、こういうことでございます。  それらを通じて見まして、私どもは、問題の起こったその理由というものを関係各国にただしたのであります。関係各国におきましては、そういうことを行なった方々の捜査を行なうというようなことで、捜査の結果その犯人が逮捕されたというようなこともありますが、その犯人は精神異常者であって、たまたま二日間の外出を許されたその間のできごとであったというようなこともあります。他のものも大体偶発的なことでありまして、感情的に国民全体がわが国の両陛下に対しましてある種の感情を持っておるというようなことではなく、一部のごく少数の人の間にそういう問題が起こったのだということが確認をされたわけであります。政府といたしましては、そういう事件があった国に対しましてはなおさらこれから親善のための配意をしなければならぬ、そういう事件があったからこれに対抗いたしましてその国交を萎縮させるというようなことになっては相ならぬ、災いを転じて幸いとなすということにこそ配意しなければならぬという方針のもとにこれらの国々と対処しておる、かように御理解願います。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 時間もありませんので、いまの外務大臣の詳しい御説明で、これで問題は打ち切りたいと思うのでありますが、ただ国民といたしましては一部にも、やはり日本の戦争のつめあとに対する被害者意識が強いことに対しまして、どうも外務省などというものは事前の国情の調査が足りない、世の中に外務官僚ほど勉強しない者はいない、ちゃんとそういうことは事前に調査をしていれば察知することができたのではないか、第一、日本が犯した戦争の罪それ自体に対しても、外務省にはそういう賠罪といいますか、被害国が感じているような気持ちをくみ取るというそういう人間らしい感覚がいまの外務官僚にはない、それがこういう結果になったのであるというふうな意見も多いのであります。この点は、ひとつ大臣もあわせて御考慮をいただきたいと思うのでございます。けっこうでございますから。  私はこの御質問を申し上げたいことは、実はやはり日本の軍国主義につながる問題でございます。軍国主義は心情的軍国主義、行動的軍国主義、行動にあらわれた軍国主義の中には上中下と三つに分けることができるわけでございまするが、わが日本はもう行動的にも軍国主義に突入したではないかというのが、アメリカをはじめ中国、東南アジア等における一般的なものの見方でありますが、その行動的な軍国主義に入ったかどうかはしばらく留保するといたしまして、その心情的軍国主義であります。この心情的軍国主義というものは、これはいまも外務官僚のものの考え方がまだ戦争の責任の反省の上に立っていないと同じに、わが国の文教政策の上にもこれが明らかにあらわれているということがいかにも残念にたえないのであります。この問題に関係いたしまして、かけ足ではございますけれども、まず文部大臣に次にお伺いをいたしたいと思うのでございます。  文部省は、日本の軍国主義の復活について一体どう考えられているかということでございまして、これは一月三日の新聞社の調査でございまするが、「暮しと政治意識」という世論調査によると、軍国主義の復活について、軍国主義は復活しているという世論の調査が二四%、これに加えて将来復活するおそれがあるというのが一七%、復活のおそれがないというほうを二つ合わせると上回って、復活の危険を感じている国民はすでに四割をこえている、こういう調査が出ておるのでございまして、経済成長の著しい日本に対して、中国やアメリカをはじめ諸外国から、経済大国は軍事政治大国へつながるとして、日本の軍国主義の復活の声があがっている。これが世論調査です。これに対して文部省は一体どうこれを受けとめられているか。軍国主義の復活論争は海外からだけではなく国内からも盛んになってきております。どういう理由でそういう復活の根拠があるかといえば、これは自衛隊が増強している、防衛費が増大をしている、軍事力が強化をしている、政府の体質や政策の中から出てくる経済や社会の動きの中にあらわれているではないか、こういうことをそれぞれ国民一人一人が感じ取っているわけでございますが、文部省はまずこれをどうお考えになっておるのか。この軍国主義の復活をどうお考えになっておるのか、まずお聞かせを願いたいと思うのであります。

高見三郎自由民主党文部大臣

○高見国務大臣 お答え申し上げます。  私は日本に軍国主義が復活しつつあるとは考えておりませんし、また教育の面におきまして、軍国主義復活のようなことは一切避ける方針でおるのであります。御承知のように、学習指導要領におきましても、はっきりと平和を愛好し戦争を避けるということを教科書の中に記述をさせておるのであります。ただ、日本に軍国主義が起こりつつあるという認識は、私は起こり得る可能性があると思いますのは、経済大国の行くべき道はそれよりほかにないじゃないかという理論からいけばそうなると思いますけれども、事文教政策に関する限りは、私はあくまで平和主義を貫くつもりでおるのであります。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 私は文部大臣のその御認識を非常に残念に思わなければいけないのです。いまのように朝日新聞の一月三日の世論調査の中にも、国民はもう四割以上も復活しているあるいは将来復活の危険があるという答えをすなおに出している。あわせてアメリカや東南アジアの国々が日本の軍国主義の復活をもはや認めて、たいへんおそれをなしている。こういう状態を私は率直に申し上げている。一体それでは中国や東南アジアが日本の軍国主義をどこで具体的にチェックしているかという先ほど例をあげましたが、それに加えて、私もまあ中国や東南アジアへ五回旅をしているのでありますが、最近は中国でも、日本の戦跡というものを新しく歴史として保存する行政が行なわれている。いままでなかったのです。それはもう南京へ行きましたら、南京虐殺が、この事実を歴史の上に残すような、形の上で残すようになっている。あるいは蘇州へ行っても形の上で残すようになっている。東北地方へ行っても日本人の虐殺のあとというものをだんだん保存するようになってきた。何だと言ったら、顧みて日本には、自分たちが侵略したそういう戦争に対する反省がないじゃないか。そのないという中に日本の教科書が出てきた。私どもの国はこの戦争というものがどんなに残虐であるか、どんなに悲惨なものであるかということを、こういう事実を残して、そして国民、市民、いたいけな子供たちの教科書の中にそれをとどめて、そして再び間違いを起こさないように徹底して教育をしている。東南アジアや中国のそういう義務教育の教科書等通じて……。日本へ来てみると、日本の義務教育の中に、そういう戦争に対する反省が一体どこにありますかということを言われたのであります。  そこで、私は帰ってまいりまして、時間もありませんから急ぎますけれども、ちゃんとここに、小中学校の義務教育の中に、わが日本の戦争の責任が一体どんなぐあいにとられているかということを資料を集めてみた。ないですね。少しも日本のおそるべき侵略戦争に対する反省はないね。たとえて言えば、学校図書株式会社、小学校の社会の六年生の子供ですが、「八月十五日、天皇は、ラジオを通じて、戦争をやめることを全国民につげました。数しれない多くのとうとい命を失い、はかりしれない損害を世界の人類にあたえた第二次世界大戦は終わりました。」戦争をやめることじゃないです。ポツダム宣言を受諾して無条件に降伏したのだ、悪いことをいたしましたからあやまりますというのが正しい教科書の性質でなくては……。やめることとは何です。これは戦争の反省がない。時間がないが、これはみんな私は見たのです。たとえば日華事変、「日本の陸軍は、その力を満州から、さらに南にのばそうとして、一九三七年、ペキンの近くで、中国軍としょうとつしました。」何ですこれは。満州から力を南に伸ばそうとした。侵略じゃないですか。軍事侵略をやろうとしたのじゃありませんか。北京の近くで、盧溝橋事件ですよ。何もこれは中国軍と衝突したのじゃないのです。日本の軍隊が戦争をしかけたんですよ。  そういうようなことを日本の教科書の中に——私はまあ与えられた時間が最初からあるが、これは全部小中学校の例を述べて、日本の教科書が、いかにこの日本の侵略戦争というものを国民に、小中学生にごまかして教えているかということを私は申し上げる。これでは中国や、アメリカにおいてもしかりです。東南アジアの国々も一何だ、日本という国はちっとも自分の国に対する戦争の責任を感じていないじゃないかと、疑いを持つのが私はあたりまえだと思う。これが大事なんですよ。これがわが日本に、いわゆる戦争が済んで二十年も二十五年もたった、子供たちの中に戦争を賛美するような思想が最近出てきました。自衛隊はかっこいいね、人殺しは勇ましいねなんという、そういう不自然な子供たちの発言が出てくるようになったのは、もとをただせば、やはりこういう日本の小中学校の教育の中に、私はほんとうに戦争に対する反省がないからだということをつくづく感じた。文部大臣、どうです、あなたそれでもりっぱにできていると思いますか。

高見三郎自由民主党文部大臣

○高見国務大臣 よくお調べになっております。私も申し上げたいと思いましたが、教科書の中に戦争の経過と結果とを記述をさしておりますのは、私は、少なくとも戦前の軍国主義というものに対する反省に立って教育をさせるということが一番大きなねらいである。だから平和を愛好し、戦争を防止するということに徹しさせるということでありまして、御指摘のような問題は、個々の具体的な事例を一々教科書の中にあげるということは、教科書のバランスの上から考えましてもとうていできません。  ただ問題は、私ども日本人が、今日の日本になりましたけれども、その限りにおいて、私どもは諸外国、交戦諸国に与えました数々の損害、これは高等学校の政治、社会の教科書の中に一カ所、日本の軍国主義というものを非常に強く批判している個所がございます。私、読み上げなくても、先生はもうすでに全部お調べになっていると思いますから申し上げませんが、少なくとも私どもはそういう認識に立って教育政策を進めておるというように御理解をいただきたいと存じます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 私は残念ながら、これを一々例証を述べて反駁する時間がないのが残念ですが、たとえて言えば、これは中学校の中教出版株式会社の、これも社会ですけれども、こういうことも書いてある。「軍部は、非常時と称して、軍備を強化し、議会はしだいに力を失った。」これは議会みずからの力でだんだん力を失ったように書いてある。そんなものじゃございません。議会人が殺されたり、軍部に暗殺されたりして、そういうものでやむを得ず言論が圧迫されて、そうして議会政治が閉鎖するに至ったのでありまして、「議会はしだいに力を失った」などというなまっちょろい表現で、正しい事実が語られるような性質のものじゃないのです。  しかし、残念ですけれども、あなたと論争していられないから、そこで私の言いたいことは、こんな小中学校の編成方針を根本的に改めてもらわなければならぬということなんです。史実に基づいて正しいことをいってもらわなければならないということです。  それから、第二に申し上げるのは、これは三月三日の読売新聞の記事ですが、「真実曲げた「中国」記述」といって、「宮崎県教組が教科書を修正 戦争責任ズバリ 小・中社会科現場配布へ」といって、「宮崎県教職員組合が、四月の新学期から県内の小、中学校で使用する新しい社会科教科書のうち「中国問題を扱った内容がでたらめすぎる」と自主的な書き直し運動を始めている。」という、こういう記事であります。その中には、「日本の歩みと世界」という教科書の中で十六カ所、それから「現代の社会」という中で十五カ所もこれを訂正している。内容を一々説明すればよろしゅうございましょうが、時間がありませんけれども、これを一体どうお考えになりますか、文部大臣。

高見三郎自由民主党文部大臣

○高見国務大臣 これは、お答えいたしますが、実は宮崎県から正式な回答をとりました。そういう事実はないようであります。同時に宮崎県教組にも聞き合わせましたが、宮崎県教組でもそういう事実はないという回答をいただきました。ただ、教組の研究部会で、この問題を将来どう扱うべきかということを論議したことはある。けれども、教科書を改めるなどというようなことは全然ないことであるという、はっきりした回答が参っております。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 それでは、この問題の確認は私どももやっていくことにしまして、私はこれから、やはりこの予算委員会でも論争になりました、ほんとうに中華人民共和国と国交を回復したい、あるいは東南アジアの国々と平和のうちに仲よくしていきたいというこの日本の政府の姿勢があるならば、私は、直接ではないけれども、こういう日本の文教政策、小中学校の教科書に対しても、日本の侵略戦争に対する反省が足りないという批判が非常に強く寄せられているということだけをあなたに申し上げておいて、あなたがその観点に立って、いま一度この教科書を洗い直してもらいたい。それで間違いなければいいです。私の目から見れば、たいへん反省が足りない。この反省の足りないというところが、先ほども申し上げました心情的軍国主義の復活だ。戦争はかっこうがいい、いま一度ひとつやってみようかというふうな思想が芽ばえてくるおそれもありますので、この点は十分御注意をいただきたい。時間のないのが残念でありますが、このことだけをひとつ申し上げておきたいと思います。  次に、私は社会保障の問題についてお伺いいたしたいと思いまするが、社会保障の中の社会福祉に重点を志向したということを政府は盛んに言われておるのでございますが、社会保障費は一兆六千四百十五億円、前年度比二二・一%、予算全体の伸び率二一・八%でありまするから、特に社会保障費が伸びたということには何にもならないのであります。予算の規模から言ってみますると何にもならない。社会保障関係費が予算全体の中で占める比率は一四・三%、これも前年度が一四・二七%でありますから、これも前年度に比較して〇・〇三%しか伸びていない。これがどうして一体福祉重点政策と言い得るのか。私は何も言えないじゃないかと思う、予算の比率の上においても。その上に物価の値上がりを考えれば、まあ物価の値上がりが六・一%としても、実質的にはたいへんお粗末な社会保障費であると申し上げなければならぬのであります。  そこで、御質問を申し上げるのでございまするけれども、社会保障の給付費というものは、一人当たりで日本は三二・四ドル、これを主要国に比較いたしまして、一体どういうことになるか。国民所得に対する社会保障給付費の比率は、フランスは一九・二五%、日本はようやく六・三四%、フランスの三分の一じゃありませんか。それから国民所得に対する年金の給付費の比率が、フランスは四%、日本は〇・三%、これは十三分の一にも達しない。年金なんというものは全くくれていないにひとしい、先進国に比較すれば。それから国民総生産の中に占める社会保障給付費の比率でありまするけれども、フランスは一四・五八%、日本は五・二四%、全く問題にならないじゃありませんか。そんなことで福祉予算を組みました、先進国の仲間入りをしましたなんて言って、一体どこを押せばその音が出てくるのか。  そこで私どもは、せめてこれを一五%までになるような長期計画をつくるべきだということを、わが党は事あるたびに政府に質問をいたしてきたのでございまするけれども、今年度予算の中にも何ら見るべきものがない、この数字の上においては何ら見るべきものがない、このことをひとつ私は厚生大臣に前もって申し上げておきたいと思います。あなたに質問すればいいのでありまするが、時間がありませんから申し上げます。  それに関連して老齢年金、その社会保障費の中でもあなたたちが今年度は力を入れたとおっしゃる、その老齢年金について承りたいのでありまするが、一般に老人というものは無収入であることが老人の特徴であります。収入はない。しかも長い間社会の発展に寄与してきたものである。当然社会からは敬意を表されるべきものであるけれども、無収入だ、これが老人の特徴です、定義です。こうした老人に対して、豊かな老後の生活を保障するという基本的支柱は一体何かといえば、公的老齢年金でございましょう。その公的年金が一体幾らになっているのか。ことしは幾らになったのです。まずここで政府にお尋ねする。その老齢福祉年金が、ことしはようやく千円上げて七十歳から三千三百円。それから厚生年金は、これが二十五年か二十年なり積み立ててきた、その結果が二万円年金でありまするが、現在はまだ二万円に達しない。一万五千六百五十六円、こういうことになっているのでありまするが、これで一体老人は生きていけますか、私のお聞きしたいのは。生きていけますか。  豊かな老後のための国民会議、これは政府がおやりになっているのでございましょう。この政府の発行の書類によっても、そこに参加した老人の生活費に対して——これはあなたのほうの本だ。その実態調査をおやりになったその報告をいたしておりまするが、老人は一カ月最低三万円の金がかかるとこの中に報告されている。内訳を申し上げますると、住居費が四畳半一間で九千円、食費が九千円、光熱費が三千五百円、医療費が二千円、雑費が四千五百円、予備費が二千円、合計三万円かかる。これに対して三千三百円の一カ月の老齢福祉年金で一体どうやって生きていくのか。三千三百円というと、最低三万円かかるところへ三千三百円だから、一一%、あとの八九%をどこから持ってきてそして老人は生きていけばいいのかどうか。これは大蔵大臣でもいいし、厚生大臣でもいい、お答え願いたい。最低三万円かかるのです。たったその一一%しか金をくれない。あと、どこから持ってきてどう生きればいいのかお聞かせを願いたいと思うのです。時間がないのでありますから、早いところやってください。どうやって生きていったらいいのか。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○斎藤国務大臣 来年度の予算は、社会福祉に志向すると言うておきながら、全くその実がないというお説でございますが、なるほど、総予算の中に占めます社会保障費は、伸びはほとんどないと言うていいくらいでございます。これは御承知のように公債費、あるいは沖繩の復帰いたします費用というようなものが相当ふえましたために、社会保障が相当伸びても、全体に占める割合はふえなかったということでございまして、伸び率だけから申しますると、一般会計予算が二一・八%の伸びでありますが、厚生省の予算だけをとってみますると二三%の伸びになっておりまするし、特にその中で社会福祉費だけをとってみますると三七・五%という、いままでにない伸びを見ているわけでございます。とりわけ、御承知のように老人医療の無料化にいたしましても、これは来年の一月からの実施でございまするので、四十七年度予算にはごくわずかな、百億足らずの予算しか見ておりませんが、これが平年度化いたしますると約一千億の予算を必要とする。また老人福祉年金にいたしましても十月実施でございまするから、これを平年度化いたしますると倍以上の予算額になるというようなことでございまするし、また児童手当にいたしましても、これは本年の一月から実施でありますが、しかし三カ年のあれでございまするから、来年度、再来年度となりまするとうんと伸びてまいるわけでございまして、そういう意味から申しますると、これから将来への大きな約束を本年度の予算においていたしたということは、これは御了承いただきたいと存じます。  老人が安心して安らかに生活のできるようにというので、これで足りるかというおことばでございまするが、私は必ずしも十分とは思っておりません。ことに、これからの日本の人口構成、社会構造等を考えますると、老人福祉は大いに伸ばさなければならないと考えておりまするので、したがって、先般も申し上げましたように、老人の福祉年金も三千三百円では十分とは考えておりません。本年もまた相当これは増額を必要とするであろう、かように考えます。いまおっしゃいました高年齢者所得の平均現金支出の調べは、先ほどおっしゃいましたのは二人世帯の分ではなかろうかと存じますが、一人世帯の私のほうの調査によりますると、約二万円でございまして、これが平均の支出でございます。  ところで、御承知のように、今日所得のない方には生活保護の制度を実施をいたしております。したがいまして、無所得の老人の方には生活保護の制度を適用をいたしておりまするので、したがって、生活保護の基準の上の方々に対してどうするか、また生活保護の基準をもっと高めるかという問題がございます。これは老人のみならず一般の生活保護基準を高めるということで、これも本年はまた一四%生活保護を増したわけでございます。したがいまして、福祉年金だけで所得のない老人の方が生活をしていくという考え方は、この老人福祉年金の考え方とはちょっと違うわけでございまして、その点は御了解をいただきたいと存じます。  また、社会保障費の国民所得に対する比較をお述べになりました。その数字はおっしゃるとおりでございます。これはいまもお引きになりましたように、いわゆる年金の支給額がいま非常に少ない。これは御承知のように、日本の年金が発足をいたしましてまだ間がございません。いま年金の加入者の中で、年金の受給者はやっと二%前後というところでございます。これは年金が成熟をいたしてまいりまするならば、欧米並みの国民所に対する年金給付五%程度というものが当然に伸びてくるわけでありますが、これにはまだ若干年数を要する。その他の、国民所得に対する社会保障費の額は、そう各国に見劣りがするものではなかろう、かように考えます。そうして、おっしゃいますように、これからいよいよ社会保障を充実するための計画というものも、やはり日本の国民経済のこれからのあり方も、いまおっしゃったような方向に志向してまいらなければなりませんので、経済企画庁が中心となって考えまするわが国の経済全般の長期計画の中で、本年中にこれを定めて、そういった目標に邁進してまいりたい、かように思っているわけでございます。

大坪保雄自由民主党

○大坪委員長代理 小林君に申し上げますが、お約束の時間が参っておりますから簡単に願います。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 老人は食えなくなったら生活保護にいらっしゃいという、そういうお話でございますけれども、その生活保護も一四%上げられたと言いますけれども、四人家族の平均で五万円足らずで一体どうして生きていくのか。しかも、生活扶助を受けるためには相当やかましい基準があって、この一億の国民の中で生活扶助に該当するのは百六十万人おりますか、これはことばだけの遊戯です。そういうような話で、老人に対する生きた政策が何もない。私は、時間がないからここで簡単に申し上げますけれども、スウェーデンでは六十七歳から単身者で三万三千十五円、配偶者、あなたのおっしゃる二人の場合には五万一千五百円、西ドイツでも単身の場合は三万三千七百二円夫婦の場合は五万七千九百円、アメリカだって単身者の場合は三万九千三百七十五円、配偶者、二人の場合は五万六千円、みんな、わが日本の経済成長を驚いている国でも、こういう形でちゃんと手厚い保護をしている。あなたは何ぼ言っても、お互いの数字は一つですから間違いない。そんな中でたった三千三百円くれておいて、あとは食えなくなったら生活保護にいらっしゃいなどという、そんな福祉国家がどこの世界にありますか。私はあなたの御答弁は了承できません。  いま一つ、年金問題でお伺いいたしますけれども、いま一つのわが日本の老齢年金の欠陥は、いわゆる年金から漏れている老人をどうするかということなんです。御承知のとおり、明治三十九年四月一日以前に生まれた者、現在六十五歳以上の老人です。国民年金ではこの人々は拠出年金の被保険者となることができなかったんだから、六十五歳以上七十歳の間は一銭も年金はもらえない。ようやく七十歳まで至ると無拠出の福祉年金、いま言う三千三百円に当たりつくという勘定になるのでございますけれども、これは年金受給者の差別であると私は思う。一体どう救済するのですか。七十歳以上の老人、六十五歳以上の老人、これは自分の罪じゃない。ただ政府の施策がまずくして、その当時には拠出年金制度というものがなかったから、年をとっても何も年金をもらえない。あるいはもらってもスズメの涙ほどの、たばこ銭にもならないような低額な年金しかもらえないという、いまわが日本の社会保障、年金保障というものは、高齢者は高齢者ほど粗末にしている。これは逆保障なんです。こんな冷たい差別をしている社会保障が、わが日本以外にどっかの国にありますか。このアンバランスを一体どう改めるか。これは何か大蔵大臣も本会議だか予算委員会だかどっかで言われて、この原因はいわゆる積み立て方式にある。おまえは積み立てをしなかったから年金はくれないんだ。この制度がある限りはこういう老人の救済方策はないのでありますから、そこで賦課方式をとって、こういう悲劇の高齢者を直ちに救済するという新しい政策、特にことしからは福祉政策に重点を置くというならば、私はこういう問題からひとつ手がけてもらわなければならぬと思うのでございますが、時間もありませんから、大臣、簡単にひとつ御答弁をいただきたいと思います。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○斎藤国務大臣 ただいま各国の年金の比較の数字をあげられましたが、これは御承知のように労働者の方々の、日本でいえば拠出年金の額でございまして、日本の年金も拠出年金は、その賃金所得に比較をいたしますと、これに劣っておるものではございません。  また後段でおっしゃいました、いわゆる国民の拠出年金もかけられなかったという方々に対しましては、二、三年前でしたか、臨時に便法を設けまして、単年度の掛け金をかけることによって年金を支給する方途を講じたわけでございますが、これが十分徹底いたしませんで、おっしゃいますように、たしか約百万近くのお方がまだ福祉年金ももらえない、また拠出年金ももらえないという層があるわけでございます。これらにつきましては、今後何らかの方策を考えなければならない、かように考えておる次第でございます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 時間も経過をいたしましたので、私はまだ健康保険の改正についてお伺いもいたしたいのですが、これも答弁を聞いては時間がありませんが、いま自民党の案が出ております。政府の案が出ております。そこに今度はいわゆる二つの審議会からの答申が出ております。この審議会の答申と政府がお出しになった案とは内容が違うのです。これを一体どう処置されるのか。これは大蔵大臣もよく聞いてください、どう処置されるのか。もし審議会の答申をあなたが尊重するということならば、これは今度の予算に組んだ健康保険の費用というものは組みかえなくちゃいけない、修正をしなくちゃいけません。しかし、あなたはどうしても政府の原案を大蔵省予算の中に組んだだけそれを押し通すというのならば、これは二つの審議会の答申はあってなきがごとしです。答申軽視もはなはだしいという結果になる。あなたは一体どっちの道をとられようとするのか。答申を無視して、政府の原案で押し通されるのか、それとも答申の線に沿って四十七年度の予算を修正されるつもりか。本来予算というものは、保険審議会なり制度審議会の答申を尊重しながら原案をつくって、それを予算に組み入れるという、こういう順序でいかなければならぬのでありまするけれども、四次防と同じように、いまの政府のおやりになることはみんな逆なんだ。まず予算の中に突っ込んでおいて、それを追認をされる形で審議会なんかに答申を求めておいでになる。これをどうされるか、それをひとつあなたに伺いたい。物価問題について、経企庁長官お待ちになっておりまするので、あなたにもひとつお伺いしますか、CPIの問題です。今度新しく改正になりまして四百二十八品目をお入れになったけれども、この四百二十八品目はほんとうに生活をしている——今度の統計によりましても、二割近くの国民は生活が苦しいと言っている。あるいは老後の生活保護世帯の生活も苦しい。またわれわれ自身だって実際生活は苦しい、こういうわれわれの生活の実態に当てはまった取り方ではないんですね、この物価指数の作成の取り方、四百二十八項目というものは。だから、いまの四百二十八項目はいいが、いま少し庶民の生活に直結をした、われわれの生活に直結した品物をその中から選び出して、庶民の生活に血の通ったようなCPIというものを別につくってもらえないかどうか、年齢別といいましょうか、あるいは生活環境別というか、いま少し庶民の生活に密着した、庶民の生活に必要なものだけを選び出して、そしてその物価の値上がりが幾らになるか、八割になるか、一割になるか、そういう形でひとつやってもらえないか、その作業をお願いできるかできないかということをお伺いをいたしておきたい。  同時に、第二番として、いま公共料金はたくさんあります。この公共料金の引き上げがわれわれの生活にどうはね返ってくるか、これも経企庁は月九百円、NHKは一千四百円、あるいは八千円だの一万円だのという意見がありますが、ほんとうにどういうふうにお考えになっているかどうか、この点をお伺いをいたしておきたいと思うわけであります。  労働大臣には、これも一問お伺いしておきますが、前労働大臣は週休二日制というものを非常に重視をされて、これを労働省でおやりになると言われた。ことしはひとつ労働省でおやりになると同時に、全官庁にこれをおやりになる意向があるかどうか。  また、これは重大な問題でありますから、自治大臣もおいでになっておるようでございますが、自治省もこれを受けて週休二日制をおやりになるのかどうか。以上、かけ足になりましたけれども、いまの問題だけをお伺いいたしておきたいと思います。

斎藤昇自由民主党厚生大臣

○斎藤国務大臣 先般提案をいたしました健康保険の財政対策に対する改正法案につきましては、その法案要綱を両審議会に諮問をいたしまして、その答申は必ずしも両審議会の間において、また一つの審議会の中におきましても、一致した意見が少なくて、ある部分においては反対、ある部分においては反対と、いろいろな意見がございました。   〔大坪委員長代理退席、委員長着席〕 政府といたしましては、政府が諮問をいたしました要綱が一番適切である、かように判断をいたしましたので、審議会無視だという批判もございましたけれども、しかしながらいろいろと考えまして、これが一番適切であると、かように考えまして、政府案をつくって提案をいたしたようなわけでございますので、その点は十分御了承いただきたいと存じます。

木村俊夫自由民主党経済企画庁長官

○木村国務大臣 まずお尋ねの第一点でございますが、現在総理府の統計局でとっております物価指数、これは全国の八千世帯を対象にしてとっております家計調査に基づくきわめて客観的な数字でございます。いずれにしても、やはりわれわれの日常の生活実感からずれておるという点は、これはいなめないところでございます。  そこで、そういう意味におきまして、私どもは年々消費構造の変化を端的にあらわすような指数を何らかの方法でとれないかというので、連鎖方式の指数方式を昭和四十七年から採用いたすことにいたしました。また、その世帯の実態をあらわすような、たとえば老人世帯あるいは独身者の世帯、そういうものについての物価指数を別個にとるような方式も現在検討中でございます。  第二点の、公共料金の引き上げが昭和四十七年度の消費者物価の指数にどういう影響を与えるか、これは私どもの試算では〇・七三%の影響を与える、こういう試算をしております。

塚原俊郎自由民主党労働大臣

○塚原国務大臣 週休二日制につきましては、先進国はほとんどこれをとっております。わが国においてもこれをとるべきである、好ましい姿であると考えておりまするが、いまそれぞれコンセンサスを得るための努力をいたしております。ことに金融先行型というか、大蔵省が銀行協会等を通じて、金融がすべての中心をなすという考え方から、いまそこを中心とした検討が進められ、きょう、一部新聞にもそのことが発表されております。  いま小林さんの御質問は、官庁指導型というか、それをとれということでありまするが、この問題はきわめて慎重を要すると思います。日本は何でも官庁が先にやらなければあとついていかないじゃないかという意図があっての御質問と思いますだけに、よく検討さしていただきたいと思っております。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 さきに愛媛県において週休二日制を実施いたしておりますが、これは土曜日の勤務を午後にも及ぶというふうな、住民に積極的なサービスとあわせて、勤務時間は変わらないというふうなことがございましたので、テストケースとして差しつかえないものといたしましたが、これを一般に指導するかという点につきましては、いま労働大臣が答えられたとおりでございます。

小林進日本社会党

○小林(進)委員 残余の問題は、今度は分科会でひとつやらしていただくことにいたしまして、これで質問を終わります。

瀬戸山三男自由民主党

○瀬戸山委員長 これにて小林君の質疑は終了いたしました。  次に、鬼木勝利君。

鬼木勝利公明党

○鬼木委員 防衛庁長官にお尋ねをしたいと思いますが、シビリアンコントロールという問題について、これが先般来から非常に論議の焦点になっております。いまさら私が申し上げる必要もないかと思いますけれども、議長のあっせん案をのんで、とにかく政府は今回の経緯にかんがみて文民統制の実をあげるために適切な措置を講ずること、こういうことになっておりますが、どうもいろいろ情勢を判断いたしまするに、政治の優位が、あなた方のお考えでその実があがっておるかどうか。具体的にどういうことをされておるか。議長のあっせんによってその後どういう体制でこの実をあげようとなさっておるか。適切な措置を講ずる、こういうことでございますが、具体的にどういうことをやった、その点をまず私は防衛庁長官にお尋ねしたい。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○江崎国務大臣 シビリアンコントロールの重要性はまさに御指摘のとおりでありまして、今後といえどもこの体制を一そう根強くしっかりしたものとして維持していかなければならぬと思います。そこで、先般議長の御裁定もありましたので、目下防衛庁当局においてもいろいろと検討をさせております。また国防会議事務局においても、たとえば国防会議のあり方等をどういうふうに持っていくか、また現状のままでいいのか、この運用の面をあわせていろいろ検討をいたさせております。それからもう一つ、先般来議論が出ておりまするのは、いわゆるシビリアンコントロールというのは国民コントロールの意味でもありまするので、国会に防衛委員会を置いてはどうかということが、有力な意見として出されておりまするが、これには私どもも全く同意をいたしておるものでありまして、将来、鬼木さん等専門家の間においてひとつそういう方向づけがなされまするように、この点は私どもも御要請申し上げるものであります。

鬼木勝利公明党

○鬼木委員 時間があまりありませんのでゆっくりはできませんけれども、総理も沖繩国会で私どもに約束をされておる。そこで総理が、参議院の沖繩北方対策特別委員会において、昨年の十二月十八日でございましたか、自衛隊の沖繩配備については、これを国防会議にかける、その議題とする、こういうことをはっきり言明をされております。それは長官も御承知だと思います。そこで資料を持ってきておりますけれども一々読み上げぬでももうおわかりと思います。少し時間を急いで恐縮でございますけれども、沖繩に自衛隊を配備するという点についてはどのようにお考えになっておりますか。国防会議にかける——これは内容をいいますと、実はあなたは反対だったそうです、これは。だけれども総理が——いや、それは自衛隊法によって、群や師団以下の場合はあなたでいいということは、そのくらいのことは私知っていますよ。それを踏まえて、あなたは、これは長官の範囲内でできるんだ、国防会議にまでかける必要はないというようなことをあなたはおっしゃったけれども、総理が、そうじゃない、これは重大事項だから会議にかけなさい、国防会議の議題としなさい、だから江崎長官もしぶしぶやむを得ずそういうことに同意した、そういういきさつを私は漏れ承っておる。だからいまその点を申し上げたのです。ところが、事実この沖繩の配備についてどのように対処しておられるか。いろいろ私まだ申し上げたいことあるんですよ、だけれどもその点を……。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○江崎国務大臣 沖繩配備につきましては、確かに総理が参議院におきまして、いわゆる議長として考える国防会議にはかるべき重要事項、こういうことで答弁をされております。したがいまして、これはなるほど施政権が戻ってくる新しい地域に自衛隊を配備する重要問題でありまするので、これはすみやかにひとつ国防会議にかけてもらいたいということで、まあ長い沖繩の慎重審議によりまして関係者はよくわかっておるとは言いましても、やはりこれは先般来の経緯にかんがみまして、十分国防会議において——なお新しい、実際に兵員をずっと割り当ててみますると、多少数の減というような点もありまするので、そのあたりについても詳密に国防会議の議を経たいということで、いま官房長官に申し入れをしまして総理と協議をしておっていただくというのが現況でございます。

鬼木勝利公明党

○鬼木委員 ところが、国防会議の決定もなきままに、すでに去る三月一日ですか、熊本では、今回沖繩に派遣されるであろうというところの自衛隊臨時混成群ですか、第一混成群と、こう載っております。第一混成群約七百六十名だ、その陸上自衛隊臨時第一混成群、こういうふうに書いてあります。その編成式が三月一日にすでに熊本で行なわれておる。これは一体どう理解すべきであるか。国防会議に、総理はかけよ、長官は先ほど申し上げましたようにしぶしぶこれに賛成している。国防会議にかけるんだ。いまあなたのお話では申し入れをしておる。ところがもうすでに熊本のほうでは、地域住民その他の反対があったにもかかわらず押し切って編成式を済ましてしまった。その名前もはっきり出ておる。七百六十名。これは一体どう理解すべきですか。どうも防衛庁の皆さんのされることは、何か独走といいますか勇み足というか、全然、四囲には何も目を触れない。ただわれはわが道を行く、こういうやり方ではないかという国民の大きな疑惑がある。その点ひとつ長官……。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○江崎国務大臣 沖繩に自衛隊を配備します問題につきましては、久保・カーチス協定によりまして、その概要については昨年末のあの沖繩国会において慎重に御審議をいただいた経緯がございます。したがいまして、その経緯に沿って準備はもういまから始めなければなりませんので始めておるわけでありまするが、その後防衛庁として実際にこの自衛隊員を張りつけてみますというと、そこに多少の変動がありますので、その計画をもってすみやかに国防会議の議に付したい、こういうふうに考えておりまして、この間の編成等々は、昨年末に御審議をいただいたあの線に基づいて準備行動をしておるということでありまして、現実にいよいよ派遣決定、いつどこでどういうふうにという具体的な問題については今後の国防会議の決定に待ちたい、こういうふうに考えております。

鬼木勝利公明党

○鬼木委員 準備行動ということで、そして回避されて逃げられれば、なるほどこれは準備行動かもしれないけれども、じゃあ、たとえば、ようございますか。これは私はおたくのほうから資料をもらったのです。沖繩に自衛隊員を帰郷させておられる。これは目的が帰郷であって、あくまで両親のごきげんを伺い、先祖の墓参をする、いろいろお世話になった方々にあいさつに行く、こうしたうるわしいところの帰郷制度であって、沖繩に派兵するための準備行動ではない。それに四十九名帰しておられる。決して準備行動ではありません。帰郷そのものは根本の意義がある。決して広報でもなければ準備でもないのですよ。ところが、いろいろなパンフレットなんか持たせて、そして帰しておられる。そういう事実もある。ですから、あなた方のお考えは本来の目的から逸脱して便宜主義に——何でもこうした先走りをやって、これは準備だ。それは毎年北海道から九州、沖繩、そういうのを帰郷させるためにやっているんだ。そして実際は、その本来の趣旨に沿わないことをやっておられる。そういう点は長官はどのように考えておられるのですか。あなた方のおっしゃることは全部詭弁です。その点をもう少しはっきり、明確に御答弁願いたい。それと長期出張だなんて、帰郷は長期出張じゃない。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○江崎国務大臣 御指摘のように、これは確かに出張をさせておる者がございます。これはやはり復帰時において円満にこの沖繩、琉球政府ですか、琉球政府側と話し合い、引き継ぎができるようにとか、いろいろな諸般の情勢を踏まえて行っておる者もあります。これは施設庁の関係が行っております。  それから、いま御指摘の沖繩県出身の自衛官、こういった人たちも、あそこの戦争末期におけるあの悲惨な特殊事情等々から申しまして、一種の軍隊アレルギーといったものがあることは、これはもう申し上げるまでもございません。そこで新しい自衛隊というものはこういうものだということをやはり少しでも県民各位に知ってもらうことは、今後自衛隊が責任において配備につくという上からは当然これは必要だということで行っておるわけであります。おおむねそれは復帰時までに九十名程度というものを考えておるわけであります。

鬼木勝利公明党

○鬼木委員 だから、長期出張ということになれば、それはそういう目的を持ってあるいは長期出張するかもしれない。ところが沖繩県出身の自衛隊員を帰すということは、これは帰郷制度によるところの本来の目的が違うのです。そういう自衛隊派兵の、配備のために準備工作をさせるということじゃないのです。その点よく打ち合わせて、もう一度よく答弁しなさいよ。あわてることはないから、ゆっくりよく相談して……。ようございますか。——そうすると、もともと帰郷制度というものはそういうものじゃない。熊本のは準備行動だなんてあなたがおっしゃるから……。それが準備行動というならば、それは一応の筋は通るかもしれないけれども国防会議にもかけないで——国防会議にかけてなぜやらないかと言っている。もし国防会議にかけて、それはそうじゃいけない、こうだと訂正されたらどうしますか。まあゆっくりひとつ相談して……。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○江崎国務大臣 細部にわたりまする御質問でございまするので、いま政府委員を呼んでよく打ち合わせたわけでありますが、やはり帰郷しているのは四日くらいで戻っておる、こういうことを申しております。さっき私が申しましたのは、いろいろ円滑に施政権の引き継ぎ時において自衛隊の任務が遂行できるように準備行動に出る者、これを週末までに九十名程度、現在では十六名程度の者が行っておる、こういうふうに承知いたしております。

鬼木勝利公明党

○鬼木委員 長期出張の者が十六名かもしれませんが、私が言っているのは、帰郷しておるのは四十九名と聞いたのですがね。じゃあ出張を込めて四十九名か。ところが、帰郷しておる者にそういう準備行動で、そういう広報活動でやらせるということは、これは逸脱したことなんですよ。長官がおわかりにならなければ政府委員、いまの局長連中でもいいですから……。事実パンフレットやカレンダーとかいろいろなものを持たして、配って回っている。そういうことは許されません。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○江崎国務大臣 これは沖繩県出身の自衛官がやはり沖繩県に自衛隊を知ってもらおうというので、自発的にそういう行動を起こしておるというふうに御理解を願いたいと思うのです。しかも、大体四日くらいで戻っておる。ちょうど人事教育局長も来ておりますので、人数その他期間等々の詳細については政府委員から答えさせたいと思います。

江藤淳雄防衛庁人事教育局長

○江藤政府委員 帰郷広報制度につきましては先生も十分御承知のことと思います。北海道なりあるいは僻地に勤務する隊員で二年に一度は郷里に帰してあげようという趣旨の制度でございますが、ことしの対象人員は、沖繩の出身隊員としましては約百二十名でございます。私のほうは百二十名が一応沖繩に帰るということを前提にしておりましたけれども、どうも復帰も間近いということできわめて希望者が少なくて、現在までに四十一八名しか帰っておりません。そういうことで、日数としましては大体四日ないし五日程度で帰しておりますし、また、パンフレットとかあるいはリーフレットとか、そういうようなものにつきましては、これは隊員が希望する場合に持って帰って広報しておる。私どもとしましては、それを必ず広報活動に使用するように義務づける、強制するというようなことはいたしておりません。

鬼木勝利公明党

○鬼木委員 ことばもいろいろ言いようがあるんだからね。強制はしていない、当然です。これを強制したらたいへんなことなんです。帰郷制度というものはあなたたちも御承知のとおり、私が参議院時代に、いまだかつてなかったのです。これを当時の防衛庁長官その他に私は強硬に申し入れて、そして同僚議員諸賢の御賛同を得てこういう制度を初めてつくったのです。それに広報活動を主として帰郷させるんだなんて、そんなとんでもないことをやってこれは発足したものではない。だから、一応あなたたちの答弁はそうであろうと思うけれども、これは強制じゃないけれども、諸君がこれを持って帰っていってくれるとたいへん都合がいいがな、しかし強制じゃないよ、だが持って帰ってくれるとたいへんいいな。みんな持って帰るよ、だれだって。だれだって持って帰る。問題はそこでしょう。そういうことを諸君が指導している。それをぼくはついている。シビリアンコントロールとかなんとか言うけれども、シビリアンコントロールじゃないじゃないか。全部、防衛庁の都合のいいように、なるべく装備を主として——防衛は装備がおもだ。だから先般から問題になっている。なぜ根本的な、本質的な、喜ばして帰してやろう、ゆっくり国に帰って、そして父や母のごきげんをうかがってこいよ、先祖を弔ってこい、隣近所や、かつての恩師などにお礼参りでもしてこいよ、旅費も出してやるぞ、ということをやらないか。そういった場合に、希望者がないなんて、そんなばかな話があるわけがありません。いろいろなことを過重に負担をかけるから、そんなこと言われるのだったら、あまり帰りたくないということになる。あまり希望者がありませんということは、防衛庁幹部諸君の指導が悪いということを告白しているのだ。だれだって、親元に帰れるというのに、いやだという者がおるわけがない。(「断絶だからな、これはしかたがない」と呼ぶ者あり)そんなことがあるわけがない。もし、親子の間に、いまどこからかお話があったが、断絶でもあるならば、断絶でないように、なぜ防衛庁は指導しないか。自衛隊なんか、綱渡りや、木登りみたいな、「くノ一戦法」みたいなことばかり教えている。何をやっているのだ。それではシビリアンコントロールとはほど遠い。長官いかがですか。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○江崎国務大臣 これは、自衛隊をよろしいということで、みずから志願をした、いわゆる沖繩出身の自衛官なわけです。したがって、いよいよ自衛隊が配備につくということになれば、これは、たいして強要しなくても、自分が進んで自衛官になったのですから——これはやはり県民に、自衛官の立場とか、いろいろこの必要性というようなものについて少しでも理解してもらいたい。これはやはり自分のことですから、そう無理じいなどはしなくても、むしろ進んで宣伝してくれる。それがちょうど志願制度のいいところでもないかというふうに私は思えるわけであります。したがいまして、鬼木さんが御尽力になってこういう制度ができたことは、私、実は不敏で、そのこと知らなかったのですが、これはよかったと思います。しかし、郷里に帰れば、自分の立場、これを理解してもらおうという努力をすることは、これはやはり当然あることじゃないでしょうか。そしてまた、あってしかるべしだというふうに私は考えます。

鬼木勝利公明党

○鬼木委員 だから、自発的の問題であれば、これはけっこうなことだと私は思う。ところが、どうも考えるに、いろいろお話を承ると、いまから先々、そんなに自発的に喜んでするような状態に置かれていないのだ。人事局長あたりの指導が最もよろしくない。これは、きょうは時間がありませんから私はいろいろ申し上げたいことはありますけれども——自衛隊員の募集についても大きな問題がある。実は、自衛隊の募集問題について、きょうは徹底的に私はやるつもりで、隊員募集の状況というのを持ってきているのです。ですけれども、これは時間がないから、他日内閣委員会で、また防衛庁長官に相まみえたいと思っておりますが、よろしゅうございますか。——いいですね。それではこの程度にいたしておきます。長官に最後にお尋ねをいたしておきますが、第四次防計画は一体いつごろ改正してでき上がるのか。金額においては、総額は一体どれくらい見込んでおられるのか。これは、簡単にはいかぬと思いますけれども、佐藤自民党内閣は物を上げることが専門だから、年々だんだん上がっていくから、なかなかその計算はむずかしいかと思いますが、大略どの程度でとどめたいということか。つまり、自衛力の限界といいますか、そういうことになるわけです。それから、国際情勢の分析もよくこれに勘案されて、そして盛り込んで第四次防はされるのか。これをお尋ねをしておきます。  これによって、私はまた、いろいろお尋ねすることは、きょうはできませんけれども、従来の歴代防衛庁長官のずっとおっしゃっていることがございますし、なおまた、四次防について、総理やそれぞれの方のおっしゃったこともありますので、そういう点を全部勘案したいと思いますから、その点を念のためにお尋ねしておきます。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○江崎国務大臣 四次防の策定がいつごろできるかという問題でありますが、これは、国防会議におきまして、経企庁長官、大蔵大臣等々から、夏以降——これはちょっと抽象的になりますが、そんなころには一つの経済の見通しも立つであろうということでそういうことばが使われておることは、御承知のとおりであります。したがいまして、そういうものを十分勘案しながら——これは、従来、三次防においては、GNPの一%以下、大体一%程度というようなことが一つの標準のような、これは取りきめではありませんが、そういう形になっておりましたので、したがって、経済の成長、将来の伸び率等々がわかる時期というふうに御了解を願いたいと思います。  それから金額的な規模でありますが、したがいまして、経済閣僚がなかなかその見通しが困難だと言われる場面でありますから、簡単にはどれくらいということは言えないと思います。私、きのうの楢崎委員の御質問にお答えをいたしましたのは、防衛庁としては、ちょうど、西村前長官が考えられたいわゆる四兆七千億といったようなものが一つあるわけであります。したがって、これとても大綱に基づいてこれからきめていくことでありますから、どれだけということを言えと言われましても、なかなか言いにくいのであります。きょうの段階では確たるものを持っておりませんが、そういうような金額というものは一つの参考資料にはしながら、今後、経済の動向等を十分見詰め、また経済閣僚の御意思なども聞きながら、慎重にひとつ、原案といいますか、よく話が間違うのですが、防衛庁試案なるものをつくり上げていきたい。これを国防会議の議に付していくという段取りになろうかと思います。  そこで、最後の御指摘でありますが、国際情勢はこれを勘案するのかどうか。この点につきましては、やはり、五カ年間という長期の計画でありまするから、今日、米中会談が一回行なわれたからといって、直ちに極東の平和というものが定着したとは思っておりません。まだ、手間ひまがかかるでありましょう。しかし、少なくとも、そうなった場面というものもいろいろ分析をしながら、十分考慮に入れていきたいというふうに考え  ております。

鬼木勝利公明党

○鬼木委員 先ほどから申しますように、時間の関係でそれは後日に譲りまして、防衛庁長官になお次の問題をお尋ねしたいのです。自衛隊の公務災害についてでございますが、近ごろ、事故が相次いで起こっておる。一々例をあけますと——ここに資料は持ってきております。自衛隊機の墜落が、二月十六日に、Fジェット戦闘機が落ちております。そのほかたくさんございますが、特に、不幸にして死亡された場合、これは国家公務員の災害補償法の適用を受けておる。特別に自衛隊にはない。国家公務員の災害補償法を適用しておるんですね。そこで、金額的に非常に少ない。一般の自動車強制保険などは、自賠法によると、死亡した場合は五百万円だ、こういうことになっておる。こういう点から比較しますと、非常に少額である。たとえて申しますならば、遺族の補償一時金あるいは葬祭補償金あるいは退職金、それに賞じゅつ金というのが入っておる。これを加えまして四百万それがしになっておる。もし、賞じゅつ金がつかない場合——たとえば、特別警備だとか、あるいはそういうジェット機に乗っておるとかいうような場合には賞じゅつ金がつきますが、一般自衛官にはつかない。そうしますと、わずかに百六十数万でございます。こういう補償制度を、長官は一体どういうふうにお考えになっておるか。自衛隊のこういう公務災害の場合、特に、死亡したような場合に、何かほかに適当な補償を考えておられるかどうか。そういう点を的確にひとつ承りたい。長官がおわかりにならなければ、政府委員でけっこうです。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○江崎国務大臣 御指摘の点は、まことにそのとおりでありまして、私も、就任をいたしまして以来、実は、いかにも少な過ぎるということに気がつきまして、寄り寄り人事教育局長等とも話し合いをいたしております。危険な部署におります者は共済保険に入っておりまして、大体二十口を最高として、一千万程度のものがおりる。ところが、それも、みずからが加入をしておる。自分の給料の中から保険料を負担しておるという形であります。もともと、自分の命は自分で大事にする、これは一つの原則でありまするから、保険というものは、自分がかけることが大切だというものの考え方もあります。しかし、いかにも少な過ぎるのでありますし、特に、そういう危険にさらされた勤務場所におる者の保険料等については、今後、何がしかの増額等々が考えられた場合に、それを保険料に充当するとかいうような形ででもひとつ考えていきたいものだというので、目下検討中であります。  詳しくは人事教育局長に補足いたさせます。

鬼木勝利公明党

○鬼木委員 この賞じゅつ金というのがございますが、これは、私は、決して補償でなくて、見舞い金だと思うのです。ところが、おたくのほうでは、今度、こういう死亡をして、これだけの補償をした——いまお話しのように、保険金まで入れてある。保険でもらった金まで入れてある。これは、私は、保険に入っていることをどうだこうだ言うんじゃないのです。これはけっこうですよ。保険は、しかしあくまでも任意のものであって、いささかも、防衛庁がこれに対して、保険に入れというようなことをすすめるべき性質のものじゃない。決してそういうものじゃない。ところが、個別的あるいは自発的に生命保険に加入したということであれば、私は、これをどうこう言うべき筋合いじゃないと思う。各人が、家族で話し合って保険に入った、これはまことにけっこうだと思う。ところが、事実そうであればいいけれども、いま長官がおっしゃるように、みな、心配な者は保険に入っております。いやしくも、国家の公的機関に、しかも自衛隊に、身の危険を顧みず、隊務に専念しておる者に、彼らは保険に入っているからだいじょうぶだなんというような考え方を防衛庁長官が持っておるということになれば、これはたいへんな問題ですよ。しかも、保険に入っておる。強制をした疑いが多分にある。十口から二十口、五百万円、一千万円ですよ。一口百円。それで、十口、二十口と、ほとんど入らせられている。決して任意じゃない。そうしますと、自衛隊員が後顧の憂いなく働く、隊務に専念するということは、おれたちは国家から守ってもらっているんじゃない、防衛庁から守ってもらっているんじゃない、保険があるぞ、保険のためなら命は要らぬ。冗談じゃありませんよ。いやしくも、君らの生命は必ずわれわれが保障するぞというのが公的な国家機関じゃないですか。しかも、自衛隊じゃないですか。そういう強制をした疑いが多分にある。長官の御答弁ができなければ、これは、係は人事局長ですか、明確にひとつ御答弁願いたい。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○江崎国務大臣 ちょっと政治的に重要な問題でございますので、私から先に答えて、政府委員にも補足をさせたいと思いますが、私は、保険に入っているからいいとは、さっき決して申し上げたつもりはございません。いかにも少な過ぎる。深い御理解をいただいて、ほんとうにこれは感謝にたえません。せめて、保険料ぐらいは何とか政府側でならぬものか。今後、危険手当と申しますか、訓練上のそういう手当等の増額を求めた暁において、これはすみやかに増額を求めて、そうして、本人たちとよく話し合いの上で、その保険を、そういう中からでも合法的に出していくような方途はないものだろうか。そればかりではありませんが、目下、局長に命じましていろいろなケースを検討させておるというのが実情であります。  なお、政府委員から補足をいたさせます。

江藤淳雄防衛庁人事教育局長

○江藤政府委員 団体保険につきまして、特に強制しているということではございませんけれども、やはり、自衛隊としましては、二十六万数千人の現員がございますので、これだけの数をもつて構成される団体保険というものは、非常に有利なものになっておる。そこで、この保険に入ることは、結局は、遺族の面から見ましても、たいへん有利な制度でございますので、なるべく入るように勧奨いたしてはおります。現在、毎年五百人から六百人の死亡者があり、その中で、公務死亡が約四十人から五十人ございますが、これらの者に対する遺族の生活の立場を考えて、われわれとしましては、広い視野からなるべく入るように指導いたしております。

鬼木勝利公明党

○鬼木委員 私のところに、手紙が来ております。御参考に読み上げますが、「君たちが殉職した場合、国から支払われる金額は、昨今の物価高に比し、あまりに少ないので、遺族に対して申しわけないから、できるだけ多く保険に加入してそのときに備えよ、という指導の名のもとに、防衛庁共済組合が契約指定する共栄生命と東邦生命という、二社の団体生命保険というものに加入させられています。それは全く強制で、日常の命令と何ら変わるところはありません。」云々。それから、内容がずっと書いてあります。一口百円で十口から二十口、この三社の生命保険にほとんど八〇%以上、二十口、千万円の保険に入っております。次に「定年退官した高級幹部が多数、前記二社の経営陣を占め、在職当時の部下に働きかけ、加入口数を増しているということでございます。」これは明らかに防衛庁のかつての幹部と会社との癒着であります。私は断定はしませんよ。こういう疑惑、疑いがある。決してそのとおりだとは私は申しません。そういう疑いがある。ようございますか。いやしくも、瓜田にくつを入れず、李下に冠を正さず、疑惑をこうむるような——しかも、隊員が薄給でございます。その中から、毎月千円、二千円と出すことは非常に困難であります。困っておりますという悲痛なる、これは手紙です。名前は秘しておきますが、まことに悲痛きわまりなき、涙を流しての私に対する訴えであります。いま長官が、政府委員に、局長に答弁させますとおっしゃいますが、だれだって、それは強制的にやっておりますとは言わないと思う。しかし、事実はこういうことになってきておるのです。だから、なぜそんな疑惑があることを——しかも、じゃ、防衛庁の幹部が天下りしたところの人員を示せと言ったところが、それを出されない。これはごめんこうむります、出すわけにいきません。いいですか、長官。冗談じゃありませんよ。ところが、きょう私がこれを質問するということがわかったものだから、にわかにけさ持ってきたじゃないか。名前を全部私のところにけさ持ってきている。名前をここで言ってもいいけれども、これは、人の秘密に関することですから、名前は私は出しませんけれども、はっきりここに書いてある。陸将補もおります、一等陸佐もおる。二等陸一佐もおる。三等海佐もおる。しかも、会社のいい地位を、最高の地位をみな占めておる。だから、即これが癒着しているとは私は申しませんよ。そういう疑惑がある。隊員はそのように解釈しておる者がある。しかも、幹部の言うことが、自衛隊におったんじゃ、もし万一の場合は、君たちの妻子はどうするか、遺族はどうするか、路頭に迷うではないか、これを考えたときに、保険にだけ入っておかないとおまえたちはたいへんだぞ。何というこれは指導ですか。それじゃ、身の危険をおかして国土防衛に当たっているところの防衛庁諸君が、真に国家をたより防衛庁を信頼するのでなくして、保険会社を信頼して働くということになる。とんでもない。本末転倒もはなはだしい。その間の事情を江崎防衛庁長官はよくおわかりですか。あなたのような聡明な方だから、おわかりになっておったら、このままこういうものを等閑に付しておられるはずはない。いかがですか。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○江崎国務大臣 御指摘のように、全く少な過ぎると思います。そういうことに鬼木さんが御理解をいただけて、ここで御質問いただくということは、ほんとうにうれしいことでありまして、今後とも、やはり、そういうものの増額ということは真剣に考えていかなければならぬと思うのですね。それが一つの、また同時に、シビリアンコントロールにも私はつながっていくと思うのです。全く、保険金をあてにしなければ君たちの命の保障は十分できないぞでは、これは、命令が命令になりませんですね、お説のとおりだと思います。  ただ、問題は、いま団体生命に二十口ぐらい入っております者は、私、実は、就任して間もなくでしたから、十二月ごろでしょうか、実はいろいろ人事教育局長と話をしたのでありまするが、大体七、八百円年末に戻ってくるのだそうです。ですから、大体月割りにしますると、一千万円を保険金額とする保険料は千二百円というようなことになるもののようであります。その年次によって多少の多寡は変わってまいりましょうが、しかし、それを本人の給料の中から差し引く。出させる。どうも、これは、いかにも行き届かない話ではないか。どうしたものだろう。それじゃ、保険料を大蔵省に要求して、その保険料だけを上積みしたらどうだろうか。これも検討してみましたが、これは、警察官をはじめ他にもいろいろそういう役所がございます。そこで、現在の制度ではなかなかこれはむずかしい。そこで、せめて、危険手当というものが増額されたときに、よく隊員と納得ずくの話し合いでもしながら、これを上げることによって、何かもうちょっと月給袋を痛めないでいけるような方途を考えるべきじゃないか。これが最初御答弁を申し上げた、実は思案の果ての相談でありまして、実は、特殊な任務についておるだけに、防衛庁だけ何とかしてもらいたいところでありまするが、なかなかどうも現在はそこまでは行きにくいということで、いろいろいま検討をしておるという段階でありまするので、しばらくひとつ時間をおかしいただきたいと思います。そうして、御趣意はありがたく承ります。

鬼木勝利公明党

○鬼木委員 大体、私の趣旨は長官も十分理解されたと思う。何も、私は、自衛隊を攻撃しているのじゃない。自衛隊の合憲であるか違憲であるかということは、これは甲論乙論あってしかるべきだと思う。しかしながら、中に働いている自衛隊の諸君には何らの罪もないのだから、それはかわいそうです。いまこれより以上申したくないけれども、ほんとうに長官は内容を御存じかどうか知らないけれども、東邦生命や、あるいは共栄生命の二社から出ているパンフレットなんかを配っておるのですよ。配布しているのですよ。これがおかしな話で、出張所までも——こんなパンフレットができているのですよ。防衛庁共済組合契約として、防衛庁自体がやっているのですよ。任意ではありませんよ。家族がやっているのじゃありませんよ。本人が個人的にやっているのじゃない。しかも出張所が防衛庁内に設けられてありますよ。冗談じゃありませんよ。これは国家の国有財産を無断に使用するなんというのはもってのほかだ。言語道断。ところが、じゃ、部屋を貸しました。部屋を貸すのだったら防衛庁はもういかなる団体であろうが、いかなる商社であろうが、商売人であろうが、入ってきたら全部自由に入れて部屋を貸すのですか。答弁はそういうことを——これは長官じゃないけれども、防衛庁の役人を呼んで私が尋ねたところが、そういうふざけた答弁をやる。出張所を貸して、そこで仕事をやらせるなんて、これはとんでもない。一国家の国有財産をかってに使っている。無断使用だ。大蔵大臣もそこでいま瞑目されておるけれども、なるほどなあといって瞑目されておる。とんでもないですよ。そういう行き過ぎがあるから、疑惑を招いても何とも答弁のしかたがないじゃないか。ですから、結論的にいま防衛長官がおっしゃったように、何とかしてこれは隊員の腹が痛まないようにやるべきなんですよ。そういうことに隊員の頭を使わせるということでは、後顧の憂いなく隊員として隊員の職務を全うすることはとうていできない。直ちに、まあ時間をかしてくれなんて言わないで、すみやかにこの点は訂正していただきたいと思うのです。長官いかがですか。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○江崎国務大臣 たいへん御理解のあるお話でございまして、私どももすみやかに処置できるように努力をしてまいりたいと思います。感謝いたします。

鬼木勝利公明党

○鬼木委員 あとまだ若干私は時間が残っておりますが、それは先ほど委員長にお願いしました佐藤総理に保留をいたしておる問題がございますので、その時間に回しますので御了承願いたいと思います。  それでは、その点をくれぐれもお願いをいたしておきます。じゃ、これで私の質問は終わります。

瀬戸山三男自由民主党

○瀬戸山委員長 それでは、鬼木君の残余の時間は適当な機会に譲ることといたしまして、次に中谷鉄也君。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 私の一般質問は多岐にわたりますが、次のような観点からきょうは質問をしてみたいと思います。  と申しますのは、民主主義というのは、結局国民の基本的人権が十分に尊重されなければならないということ、当然のことでありますし、同時に、そのことが国の行政の中に隠れた部分、暗い部分があってはならないということ、こういう観点から法務省、防衛庁、その他の御出席いただいている各大臣にお尋ねをいたしたいと思うのです。  公安調査庁長官にお尋ねをいたしたいと思いますが、従来から公安調査庁のあり方について、破壊活動防止法の対象団体といわれているようなものについて調査をするために協力者というふうな者を求める、その協力者が協力をすることが良心の苛責にたえかねて、かつてこのような協力をしたということを第三者に告白をする、そういうことでそのようなことが国会で論議されたことがしばしばあります。しかし、公安調査庁がどういうふうな調査をしているのか、どんな書類をつくっているのか、このことは今日まで国会においても明確にはならなかったと思うのであります。  そこで長官にお尋ねをいたしたいと思いますけれども、地方公安調査局においては資料入手調書、そして同じく調査書、こういうふうなものをおつくりになっておられますか。この点をお尋ねをいたしたいと思います。

川口光太郎公安調査庁長官

○川口政府委員 お答えいたします。  地方公安調査局では、ただいま先生が御質問になりましたように資料を入手しましたときは資料入手調書、それから自分で調査しました結果は調書というものをつくりまして保存しております。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 それで、事務の処理票というものが、それぞれ調査書に番号が付せられて、そして指示としては、それが速報、一般報告、定期報告取りまとめ報告という欄に分けられている、そうしてさらにそれが再調、照会・連絡、回答、団体原票、個人カード、こういうふうなものにさらにそれが分類をされる、そうしてたとえば特定政党については県、地区、支部、学生というふうな立証項目が設けられている、こういうふうな事務処理票のあり方、事実そういうものが存在いたしますか。

川口光太郎公安調査庁長官

○川口政府委員 そのとおりでございます。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 さてそこで、名称、所在地、代表者、指令通達、委員(支部構成員)、主要会議、内部機構、上下系統、破壊活動、危険性、地方機関紙、財産、機関紙誌配付、その他という十四項目に分類をされまして、要旨、意見、指示がそれに  ついて書き込まれる、そうしてさらにまた個人立証、新規発見などという欄も設けている、さらに評価という欄も設けている、こういうふうなことでありますか。

川口光太郎公安調査庁長官

○川口政府委員 いまお尋ねのとおりでございます。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 従来どのような調査をしているのかということについて、国会、法務委員会等においてしばしばお尋ねをいたしましたけれども、がんとしてその点についての御答弁が今日までなかったわけでありますけれども、それはどういう理由に基づくものでしょうか。いま御答弁になった点は別に秘あるいは取り扱い注意等のことではないわけでございますか。

川口光太郎公安調査庁長官

○川口政府委員 お答えします。  いろいろ私どものほうでは、破壊活動防止法に基づきまして、破壊活動をやり、将来も破壊活動をするおそれのある団体を幾つか指定いたしましてそれぞれ調査しているわけでございますが、いままでその内容を詳しく発表しなかったのは、それによって人権を害するおそれがあるとか、そういうことを懸念いたしまして、あるいは調査の秘密を暴露するとか、そういうことを考えまして、公の席では御答弁しなかったのではないかと私、推察するわけでございます。私自身はそういうことをお尋ねを受けたことはございません。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 そうするとお尋ねをいたしますが、調査書の内容あるいは資料入手調書の内容等については、今後お尋ねをした場合には答弁をされることになりますか。

川口光太郎公安調査庁長官

○川口政府委員 お答えいたします。  それはその内容によりましてお答えできる場合とできない場合がございます。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 そこで文部大臣にお尋ねをいたしたいと思うのです。次のようなことははたして許されることなのかどうかという質問であります。  公安調査官某が市町村教育委員会の学校教育課におもむいてその学校教育課の管理主事に対し面接をし、その際、面接をしたところの同主事が公安調査官に対して、私のほうで把握している市内の特定政党の党員またはその同調者と見られる小学校教員の名前を申し上げます、その根拠は、現場の校長や現場の風評をたよりに日ごろの言動を注意して見た結果、確かな証拠はありませんが、ほぼ間違いないだろうという線でリストアップしたものですということを申し述べて、以下、市内各小学校の特定政党、あえて申し上げますけれども日共党員についての、といわれておりますが、そういうふうに調査書などではおおむねいっているようでありますけれども、そういう党員の小学校の教員の氏名、同調者の氏名、そういうようなものを公安調査官に対して報告をする、こういうことははたして許されることなのかどうか。その前提として教育委員会が、教育委員会所管の小中学校の特定政党員及びまたその同調者についての名前などを、校長や現場の風評をたよりに日ごろの言動を注意して見た結果、ほぼ間違いないだろうという線でリストアップをする、こんなことは文部省としてどういうふうにお考えになりますか。  以上であります。

高見三郎自由民主党文部大臣

○高見国務大臣 お答えいたします。  教育委員会の仕事はそういう教員の思想系統、さようなものを調査する機関ではございません。いわんや公安調査官に対してさようなことを報告をする義務もありませんし、また職能も持っておりません。お話しになっておりますのは、私も時事ファックスで見ましてすぐ問い合わしたのでありますが、石川県の県会での問題であろうと思いますけれども、石川県教育委員会におきましてもさような事実はないと申しております。ただ、金沢市の教育委員会の奥とかいう主事が公安官に会って、そうして数名の人の名前について経歴を聞かれた、その経歴に答えたというだけのことは事実のようであります。けれども、これは少なくとも教育委員会のやるべき仕事ではない。また文部省といたしましてはそういう指導は一切いたしておりません。これだけははっきり申し上げておきます。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 法務大臣にお尋ねをいたしたいと思いまするけれども、公安調査官が教育委員会に対してこのような調査を——調査を教育委員会がしているということ自体がまず問題がありますけれども、その点については文部大臣の所管に属する、そういうふうな教育委員会からそのような資料を入手をする、そういうようなことは許されることでありましょうか。しかもこれは、いわゆる協力者甲とかいうふうなものではなしに、協力者としてではなしに、職務上の行為としてそういうことは許されることでありましょうか。

前尾繁三郎自由民主党法務大臣

○前尾国務大臣 ただいまのお話よく調べてみないとわかりませんが、いまおっしゃるような職務上の関係でそういうことを聞きただすということは私は当を得ないと、かように考えております。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 公安調査庁の長官にお尋ねをいたしたいと思います。  金沢市の教育委員会での話だろうと、こういうふうに文部大臣おっしゃいました。文部大臣のほうからしかも主事さんの名前まで出ました。そこで、あなたは、先ほど調査のことについては聞かれないから私のほうはいままで答弁しなかったんだと言われましたね。そうするとあなたのほうは全国の各教育委員会に対して、市町村教育委員会に対して、その所管するところの学校の特定政党党員及びその同調者の氏名を調べてほしい、教えてほしいというふうなことを公安調査官はおやりになっているのですかどうか、この点はどうでしょう。

川口光太郎公安調査庁長官

○川口政府委員 お答えいたします。  調査の根拠規定がありますから申し上げます。(中谷委員「いや、わかっている。やっているかどうかでいい」と呼ぶ)公務所等への照会という形で規定がございまして、やっております。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 そうすると各教育委員会・全国のすべての教育委員会に対してそういう調査をしている、こういうことをいま御答弁になったわけですね。  そこで文部大臣にお尋ねいたしたい。そうするとすべての市町村教育委員会、県教育委員会というのは、従前からそういう調査が行なわれているということであるとするならば、教育委員会は党員とその同調者についてのリストアップをしている、すべてについてやっているとおっしゃるんだから、全国すべての教育委員会についてやっておるとおっしゃるんだから、リストアップしているということが今度は話として出てこなければおかしいことになる。そういうふうなことは想像もできなかったことでありますけれども、どうも公安調査庁きょうは非常に率直に答弁をされる。いつもと違って率直に答弁される。そうすると、そういうふうなことを文部大臣の知らないうちにでも、そんなことが、文部省通達としてそういうものは調べておけというふうな通達でも出ているんじゃないでしょうか。むしろそうでないんなら、そういうことについては一切協力すべきでないという通達くらいは出してもらわないと、私は、問題の前提として申し上げた基本的人権の侵害、教育権の侵害、こういう民主主義の根本に触れる問題が教育の現場において起こってくると思うのです。大臣の御所見を承りたい。

高見三郎自由民主党文部大臣

○高見国務大臣 これははっきりお答えを申し上げておきますが、文部省といたしましてはさような協力をするような指示をいたしたこともありませんし、またそういうことを指図する立場でもございません。同時にまた、教育委員会の職能はさようなものではないということを御理解をいただきたいと思います。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 しつこいようですけれども、文部大臣にもう一度お尋ねいたしまするけれども、そうすると現にこういうことが行なわれており、そして公安調査庁長官にもう一度お尋ねしますけれども、法務大臣は適当でないようなお答えがあったと思うのです。しかし、根拠規定があるんですからやるんですとまでおっしゃっている。ですから、私は文部大臣のほうから、そういうことについて協力をすることは不適当である、違法なんだという通達を出されることを希望し、そのことをこの席で御答弁をいただきたい。

高見三郎自由民主党文部大臣

○高見国務大臣 公安調査庁がおやりになりますことについて私は違法であると申し上げておるのではない、教育委員会がさようなことに協力することは望ましいことではないと、はっきりこの国会で申し上げておきます。(中谷委員「その点について通達を出していただきたい」と呼ぶ)通達を出してもよろしゅうございます。はっきり申し上げておきます。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 そこで、だから文部大臣の御見解からいいますると、これは当然、それはもう文部大臣の御見解というより、私は民主主義の立場であたりまえなんです。率直にいって公安調査庁はいつからそういうふうな、ちょっといやなことばを使いますが学校荒らしをおやりになっておったのか、今後ともそういうことをおやりになるのか、この点についてひとつお答えをいただきたい。

川口光太郎公安調査庁長官

○川口政府委員 調査対象団体の党員を調査という意味で学校の教員を調査することはございます。しかし、調査の方法は各地方局にそれぞれ創意くふうでまかしてございます。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 お尋ねをいたします。  公安調査庁は従前から予算がはっきりしませんし、どういうふうに使われているかについて明確にされませんが、協力費というふうなものを出して協力者を求められますね。こういう点についてわれわれはずいぶんいままで追及をしてまいりました。そうしたらこの金沢市の問題は、これは、この人は協力者なんですか。協力者という場合には何か調査書には協力者甲何号と、甲一号とか二号とか一〇号とか、ナンバー一〇五号とかいうふうに、協力者は番号でとにかく調査書にはしるされておりますね。その点も答えていただいて、そういうふうな名前が協力者甲、甲乙丙の甲、ナンバー一〇、こういうふうに出てこないところの、ただなまで名前が出てくるという人は、これは協力者なんですか協力者じゃないんですか。

川口光太郎公安調査庁長官

○川口政府委員 お答えいたします。  その協力者を守るために名前を隠している場合と、それがわかっても差しつかえない場合はそのまま名前が書いてあるんだそうでございます。(中谷委員「そうでございますか」と呼ぶ)私は自分でそういうものをつくったことがございませんから……。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 法務大臣にお尋ねいたしたいと思いますが、特定党員またはその同調者と見られる教員の名前などというふうなものを公安調査庁が今後とも調査をされるというふうなことは、法務大臣のお立場から見ていかがにお考えになりますか。私は、そのようなことは好ましいことではない、許されることではないというふうに考えます。根拠規定など申されましたけれども、私はやはり民主主義の基本という観点から大臣に御答弁を求めたいと思うのです。

前尾繁三郎自由民主党法務大臣

○前尾国務大臣 具体的に必要性がある場合は、私はやむを得ないと思います。しかし、抽象的にただ思想調査というような式の調査をやることは私は好ましくない、かように考えております。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 次に、公安調査庁長官にお尋ねをしたいと思いますけれども、ある特定政党の党員が立候補した、そういう場合の所属党派証明書などというふうなものをその市の選挙管理委員会へもらいに行く。公安調査庁の地方公安調査局の公安調査官がもらいに行く。こんなことは従前からやっているのですか。

川口光太郎公安調査庁長官

○川口政府委員 お答えいたします。  日本共産党の党員性の立証に必要である場合、そういうものをもらうことはございます。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 そこで、そういうような場合の入手のやり方でございまするけれども、文書交付申請はお出しになるのですか。証明書交付申請ですね。

川口光太郎公安調査庁長官

○川口政府委員 お答えいたします。  それは、その対象の各機関の態度によるわけでございまして、文書を出してくれと要求される場合は出すこともありますし、そういうものがなくて、協力としていただく場合もあると聞いております。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 次に、公安調査庁は、これは外務大臣もよく聞いておいていただきたいと思うのですけれども、日朝協会という団体がございますね。日朝協会を調査の対象団体にしているわけですか。

川口光太郎公安調査庁長官

○川口政府委員 公安調査庁では、日朝協会を調査の対象にはしておりません。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 そうだとすると、日朝協会についての資料入手調書というふうなものが存在しているとすれば、それは違法なことになりますか。

川口光太郎公安調査庁長官

○川口政府委員 お答えいたします。  指定団体として朝鮮人総連合というのがございますが、朝鮮総連といっておりますが、これの活動調査の一環として日朝協会を調べることがございます。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 日朝協会の入会のしおりだとか、あるいはまた日朝協会が主催した集会についての入場券だとか、あるいは日朝協会が出したところの会合通知の文書だとか、そういうようなものは情報収集の対象とされることは違法ですか、違法ではないのですか。

川口光太郎公安調査庁長官

○川口政府委員 お答えします。  現物を拝見しないとはっきりしたことは申し上げられませんが、私どもの調査対象団体の、たとえば日本共産党あるいは朝鮮人総連合あるいは全学連、こういう団体の活動に関係しているという範囲内では、調査することができると考えてやっております。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 日朝協会が何月何日会合するというふうなニュースですね、あるいは通告書、そういうようなものが収集の対象になる。というよりも、おそらくその年度における日朝協会のある県のすべての資料というふうなものが収集されているというふうなことは、どのように考えられますか。

川口光太郎公安調査庁長官

○川口政府委員 お答えいたします。  先ほど申し上げた範囲で調査しているわけでございます。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 そうすると、日朝協会の定期全国大会開催の御案内、こういうふうな資料は、破壊活動防止法の観点において、一体どんなかかわり合いがあるのでしょうか。具体的な資料を私は提示しましたね。定期大会の御案内という日朝協会の協会員に配った、そういうようなものは一体どんなかかわり合いがあるのでしょうか。あるいはまたその全国大会における大会宣言案、日朝協会という民主的な団体の大会宣言の案ですよ、そこにすわっておられる安宅さんも常任理事、そういうふうな大会宣言案などというふうなものが、どんな関係で破壊活動防止法とかかわり合いを持つのでしょうか。これを明確にしてもらわなければ私は承知できない。お答えをいただきたい。

川口光太郎公安調査庁長官

○川口政府委員 お答えいたします。  先ほど申し上げましたような調査対象団体の活動を調査するために必要と考えて、現地の調査官が調査したものと考えますが、その現物を拝見しないと何とも申し上げられません。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 わかるでしょう、私が言っておることは。それでは少し粘りますよ。日朝協会の全国大会の大会宣言案というものが、大会宣言の案ですよ、それがどういうふうに具体的に、あるいはまた観念的にでもかかわり合いを持つ可能性があるでしょうか。現物を見なくても、大会宣言案なんです。それがどういうふうな意味でかかわり合いを持つのでしょうか。そんなものが資料入手の対象になって入手されておるというふうな事実があっても、それはかかわり合いがある場合もあるしない場合もあるのだというふうな答弁が、はたして妥当なんでしょうか。この点についてお答えをいただきたい。

川口光太郎公安調査庁長官

○川口政府委員 お答えいたします。  それはその調査をした調査官の考えを聞かないと確定的なことは申し上げられませんが、関連事項の調査ということで、法律的に許されるものと考えております。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 だから基準がないわけですよね。あとで文民統制の問題について防衛庁にお尋ねをいたしますけれども……。では、もう一度お尋ねをいたしますけれども、破壊活動防止法があれだけ国会の中において火花の散るような論争が行なわれて、一条と二条で厳格なワクがとにかくはめられて、いまの長官の御答弁は非常に重大だと思いますが、はめられて、いやしくも基本的人権を侵害してはならぬということがきめられている。そうですね。日朝協会というふうなものは、私の出身地であるところの和歌山県にも、それから石川県にも、東京都にも、全国至るところにあるわけですね。それを特定の地方公安調査局の公安調査官だけがかかわり合いがあるというふうに判断をする、ある地方公安調査局の調査官はかかわり合いがないと判断をする、そんな調査というものに幅がある、恣意が許される、わがままが許されることは、非常にこわいことじゃないですか。そのことを私は聞きたいのです。そうすると、あなたがおっしゃったことはこうなんでしょう。調査官の個人的な意見を聞かなければわからないとおっしゃった。そうでしたね。そうすると、調査官の主観によって、ある場合には業務の執行だといって、許されないところの基本的人権の侵害になるような調査もする、そういう場合が十分出てくるじゃないですか。破壊活動防止法という法律は非常に問題のある法律です。しかし、調査については厳重な規制を設けているはずなんです。それを、調査官の個人的な意見によってということは、一体どういうことなんですか。どちらへもころぶ、どうにもなる、そんなあいまいなことで……。じゃ、とにかく仕事の好きな調査官というのは、資料を集めるのが好きな調査官というのは、幾らでもいろいろなものを集めてくる。そんなことがはたして許されていいんでしょうか。

川口光太郎公安調査庁長官

○川口政府委員 お答えいたします。  破防法に基づきまして、人権尊重その他詳しい制約が課されておりますので、それはふだん徹底さしておりますし、各調査団体につきましても、こういう点を調査しろということを相当こまかく、いろいろな文書あるいは会議の席上の口頭その他で通達してございます。そのワク内で違法なことのないように、各調査官は調査しているわけでございます。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 じゃ、お尋ねをしておきますけれども、調査の方法。調査書と資料入手調書、この調査書と資料入手調書については、いままで質問がなかったから、指摘されたことがなかったから、国会で答えなかったんだ、こういうことでしたね。それできょうは、そのことについてそういう調査のやり方をやっていますということが出てきた。そうすると、どんな資料とどんな文書、図画が資料収集の対象になっているか、それは一体訓令ですか達ですか、あなたのほうからそのものはお出しいただけますね。

川口光太郎公安調査庁長官

○川口政府委員 お答えいたします。  公安調査庁設置後二十年近くなりますが、その間に何通にも訓令あるいは通達が出ておりまして、膨大な印刷物になっておるわけでございます。それは職務上の秘密事項などもありまして、いままで外部に公表したことはございません。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 じゃ、お尋ねをいたしますけれども、訓令、達の中で、達の秘密区分は、秘区分はどういうことになっていますか。何件あって、どういうような秘区分になっていますか。

川口光太郎公安調査庁長官

○川口政府委員 お答えいたします。  先ほど申し上げましたように、分厚い書物になるぐらいございまして、何通あるのか、そういうことは記憶しておりません。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 資料要求です。公安調査庁の訓令、達、ことに資料入手調書と調査書作成の基準になるところの達、訓令についての件名、そしてその内容、秘密部分があるならば、その秘密部分を除く他の部分、これらについて私は提出方をお願いいたしたいと思います。お取り計らいをいただきたい。

瀬戸山三男自由民主党

○瀬戸山委員長 川口長官の答弁を求めます。

川口光太郎公安調査庁長官

○川口政府委員 先ほどお答えしましたように、多数ありますので、その点検に相当時間を要すると思いますが、できるだけ御要望に……(中谷委員「それを出すのか出さぬのかを聞いているのです」と呼ぶ)できるだけ御要望に沿うようにいたしたいと思います。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 できるだけ御要望に、けっこうですが、まず、秘になっていないものについては出せますね。そうして秘区分の件名については、これは明確にできますね。

川口光太郎公安調査庁長官

○川口政府委員 できると思います。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 公安調査庁の関係の質問はこの程度にいたします。  そこで、次に防衛庁に私お尋ねをしたいと思うのです。  そこで、防衛庁長官にお尋ねをしたいのですけれども、いま公安調査庁の訓令、達などについて秘区分があるということですけれども、私は今度の国会は、文民統制ということでずいぶん論議されたと思うのです。そこで、これは一昨年私も予算分科会等において質問をいたしましたけれども、私のほうからまず次のような点をお尋ねしてみたいと思います。その質問というのは、文民統制だということと、いわゆる防衛庁の防衛上の秘密、あるいはまた国会審議権というものが自衛隊の実態にどれだけ及ぶのかというふうな問題、こういうような問題とのかかわり合いの中で、私、文民統制という問題あるいは国会審議権の問題というものを論議をしてみたいと思うのであります。  江崎さんが三矢の小委員会の小委員であったときに、国民が自衛隊の実態を知らずして云々ということを、非常に激しい情熱をもって発言をしておられる会議録を私、拝見をいたしました。そうすると、国民のみならず、われわれ議員もその自衛隊の実態というものについて知らな過ぎるというか、知らされない過ぎるんではないかというふうな感じが私してならないのです。  そこで、まず私のほうから読み上げておきますが、四十五年の秘密文書保管状況についてお尋ねをいたしますと、防衛秘密の関係においては、機密がゼロ、極秘が二十七——件数ですね。そうして秘が三千百十八、合計三千百四十五、こういうことになりまして、今度はその庁秘の場合ですね。庁秘の場合は、件数はとにかくわからない。点数で出てくる。機密が五万六千七十三点、そして極秘が四万九十六点、秘が六十二万八千七十二点、計七十二万四千二百四十一点ということに相なっている。  そこで、次に秘密区分の指定と解除について、四十五年の一月一日から四十五年の十二月三十一日までどんなふうに指定がされただろうかということについて、これまた検討してみますると、四十五年防衛秘密、いわゆる秘密保護法の関係、これは機密がゼロ、そうして極秘が四、秘が二百五十二、計二百五十六件、そうして庁秘の関係の機密が千四百三十八件、極秘が九百八十七件、秘が二万七千四百七十四件、二万九千八百九十九件が指定の対象になっている。そこで、四十五年の秘指定の解除件数というものは、件数は不明であるけれども点数がでてきている、こういうことでございますね。そこで、おそらく四十六年についての指定も、私は、大体四十三年、四十四年、四十五年というものを拝見すると、そういうことになるのだろうと思います。  そこで、国防会議議員としての江崎長官にお尋ねしたいのですが、これだけ防衛庁には秘文書がある。国防会議は一体、四十六年、四次防原案等に関して、何件秘文書の提出を求められましたか、あるいはまた入手されましたか、その点につて、そして秘区分は御存じでしょうか、こういう質問なんです。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○江崎国務大臣 事の性質上、秘密文書が多いことはわかりますが、どうも、われわれもいつも思うのですが、いささか機密、秘密と称するようなものが多過ぎるのじゃないか、これはそんなふうに考えております。まあ国防会議としては、これはもう御承知のとおり、参事官会議があったり幹事会があったり、いろいろな議を経て会議自体になるわけでありまするから、秘密文書等々については、いわゆる議題に供せられる前にそれぞれ披見をしておると思います。そして議員としては、必要があればそういうマル秘文書を取り寄せて検討をするということになるわけでありまして、いま秘密文書を何件という点については、つまびらかにしておりません。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 たまたま本日は、国防会議議員の大蔵大臣それから企画庁長官、三人御出席いただいているわけなんですけれども、大蔵大臣も企画庁長官も、議員としての防衛庁長官も、その点については御存じないということだから、私のほうから申し上げますが、国防会議が提示を受けたところの秘文書は、秘区分秘で二十七件でございますね、四十六年度。(江崎国務大臣「約三十件」と呼ぶ)約三十件。御存じなんです。約三十件。そうすると、とにかく国防の大綱をきめるんだ、そうして先ほど私が申し上げた、私のほうから防衛庁に調べてもらったこの機密文書の膨大な量、それと国防会議が求められた二十七件の秘とのそのアンバランス、私は非常に驚きます。はたしてそういうふうなことで文民統制というようなことがあり得るんだろうかということを私は問題にしたいのです。この点ひとつ、防衛庁長官ばかりにお聞きするのも恐縮だから、大蔵大臣、企画庁長官どちらでもけっこうですから、その国防会議委員としてのお答えを私いただきたいと思います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 私は国防会議の議員でございますが、問題は、幹事会というものがございまして、役所から出ております。これが、各省から出ておる幹事が、実際上いろいろな問題の相談をやっておりますので、そのつど私どもは報告は受けていますが、こまかい問題に一々関係はしておりません。したがって、いろんな秘密書類も出ることでしょうが、そこで、国防の大綱というようなものについても、いろいろ各省の幹事会で議論され、それがそれぞれの省に帰って大臣に報告する、そういう形を通じて、一応のこの方向とか概念というものは国防会議の議員は知っておりますが、詳しいことを自分自身がやってこの計画をつくるというような機構にはなっておりません。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 もういまさら、じゃ幹事会が何回開かれたか、参事官会同が何回持たれたかというようなことについて、私のほうから申し上げませんけれども、ほとんどその会合も、それほどひんぱんに行なわれておらないわけですね。同時に、秘二十七件というのは、何も国防会議議員がごらんになった秘二十七件じゃなしに、国防会議事務局が提示を受けたところの秘文書であることは間違いないわけなんです。  重ねて、お聞きしますけれども、いろいろなことを聞いておるのだ、こうおっしゃいますけれども、はたして文民統制の実をあげておることになるのだろうかどうか。内局が制服をチェックするのだ、そして国防会議があるのだ、その上に閣議があるのだ、同時に国会というものが一番最高の文民統制のとにかく根本なんだ、こういうようにおっしゃっておる。しかし、それを言っておられる国防会議が、秘二十七件をごらんになっただけだ。これは一体どういうことなんだろうかというのが私のきわめて素朴な疑問なんです。この点について、ひとつもう一度江崎さんのほうからお答えいただきたいと思います。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○江崎国務大臣 確かに一つの御指摘の点だと思います。ただこれは、国防会議事務局が提示を求めて、そして右から左に提示をする。それから予算等の場合には、これは大蔵省が提示を求める場合もあるわけであります。そういういろいろな政府機関を通じてチェックされていき、これが国防会議の議題になるわけでありまして、議員として不審があればそこでまた文書の提出を求める、仕組みとしてはそういうわけであります。  しかし、秘密文書をどれだけ検討したかとおっしゃられますると、確かにそういう点については、議員そのものが直接的に秘密文書をチェックするという機会は、少なかったろうと思います。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 そこで、江崎さんが小委員としてずいぶん情熱的な発言をしておられるということを、先ほど私あの会議録を読んで、何かずいぶんあのときの情景は知りませんけれども、会議録を読んでいて、非常に緊迫した空気というものが浮かび上がってきます。国民というものが自衛隊の実態を知らなくて、一体何が国民優位と、市民優位ということが言えるのかということを、これは私、長官の持論だというふうに拝読いたしました。  じゃ一体、国会の関係でお尋ねいたしますが、国会は結局一番文民統制の基本なんだ、これはまた何べんも何べんも、とにかく辻原筆頭理事などの質問に対して総理、長官がお答えになってきたところです。そこでお尋ねをいたしまするけれども、国会議員が資料要求をした場合に、秘密文書の中でどういうものが国会議員に対して提示をされるのでしょうか。取り扱い注意というのもございますね、取注というのが。取注の件数に至っては、全くこれは件数にあらわれてこないくらい、秘区分のうちに入らなくて、別に取注というものがある、こういうことでございますね。だから国会議員が審議に必要だ、自衛隊の実態を知らなくて文民統制はあり得ないのだということで資料要求をした場合に、どの程度まで秘、極秘、機密の、秘は一体どういうことになるのでしょうか、極秘についてはどうでしょうか、機密についてはどうなんでしょうか、この点をまず私はお聞きいたしたい。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○江崎国務大臣 国会から御要求のある資料については、極力お出しするというたてまえをとっております。  それから特に秘密を要するもの、それは国益に関するもの、国際的に影響を及ぼすもの、こういったものは、重要な取り扱いが必要とされるわけであります。そういうものについては、議員の責任において秘密をお守りいただくということで、秘密会というものをお願いして、極力これも御説明を申し上げていく。これは国権の最高機関に対する措置でありまするから、そういう形でいくことが望ましいと思います。その区別につきましては事務当局から詳細に御説明をさせます。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 長官に重ねて、じゃお尋ねをいたしておきます。機密、極秘、秘、取り扱い注意、こういうふうに私、だれでもこれは常識的な話、あたりまえのことなんですが、機密文書について件名は明らかにしていただくことができますか。機密文書の内容ではなしに、機密文書の件名は明らかにすることができますか。極秘文書についてはどうでしょうか。秘文書はもう件名について明らかにできることはあたりまえのことですね。別に秘密会でも何でもなしでも、これはあたりまえのこと。機密文書について件名は明らかにすることができますか。文民統制との関係でお尋ねいたしたい。

久保卓也防衛庁防衛局長

○久保政府委員 原則的には明らかにできると思います。ただし、そのものの名前がその機密の内容を象徴するようなものであれば、御遠慮さしていただく場合があろうと思います。それから従来そのものそのものとしましては、いまお話もありましたように、数千件、数万件でありますので、これを全部差し上げるというわけにはなかなかまいるまい、さように思います。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 そういたしますと、機密文書の件名については、文民統制ということがこれだけ問題になったのだから、私はひとつ時間がかかっても、このあと予算の辻原理事、そして与党、各党のお話をしていただきたいと思いますが、そういうものについての資料要求を私はいたしたいと思うのです。そうして、だから結局、件数が明らかになっているわけだから、要するに機密文書の中で件名も明らかにできないものがあるということになっていれば、その部分についてわれわれは全く知ることができないということになる。そういう問題がある。件数は、では知らすことができますと、原則として知らせますというのだから、それは時間がかかっても件数は明確にしていただけるわけですね。長官のほうからお答えいただきたい。——失礼いたしました、件名です。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○江崎国務大臣 件数について申し上げます。(中谷委員「件名です」と呼ぶ)件名については、いま言ったとおりで、それを原則としながら極力御期待にこたえたいと思います。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 資料として出していただけますね。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○江崎国務大臣 そうしましょう。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 そこで、とにかく私は文民統制というのは、重ねて申し上げますけれども、秘密部分が多い、知らな過ぎるものが、知りたくても知れないということは、私は文民統制というものになり得ないと思うのです。  そこで秘密保全に関する訓令第五条について私ひとつお尋ねしておきたいと思うのです。この秘密区分の基準が示されておりますけれども、非常に私、抽象的だと思うのです。機密については国の安全、利益——全部条文、きょうはもう引用しませんけれども、そういうふうになっている。非常に抽象的ですね。こういうふうな抽象的なものは、とにかく本来秘でいいものが、機密の判が押されてしまったりということにならないのかどうかという心配がある。  それから質問を続けますけれども、その訓令を受けたところの、この点について私かなり関心を持って調べてみたのですけれども、空幕の達がございますね。この空幕の達によりますると、その訓令を受けたところの機密文書の区分について指定をするものと、それからその指定の基準についての規定が出てまいりますね。第十一条であったと思います。達の十一条。ところが陸幕の達、調達実施本部の達、海幕の達については、空幕十一条等々のような基準がございませんね。なぜないのかというふうに聞いてみたら、空幕はそれを入れちゃったんです。基準を入れてしまったんです。陸幕のほうはそれをとにかく入れずに別の達でやって、達そのものをとにかく秘区分にしているのです。空幕の場合は、この達があって、達の十一条があって、さらにその達のさらに取り扱いの達がある。訓令があって、空幕の達があって、達のまたその達のようなものがある、こういうようなかっこうになっている。そういうふうなあり方というものは、まず申し上げたいのは、空幕、海幕そうして陸幕、そして調達実施本部、この三つが、四つがとにかくてんでんばらばら、とにかくその達のつくり方におかしな点があるとは長官思われませんか。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○江崎国務大臣 やはり非常な重要な御指摘だと私、思っております。冒頭に申しましたように、少しマル秘が多過ぎるのじゃないか、これはよく内局側に今後とも調整をさせたいと思います。そしてほんとうに国益に関するもの、こういったものについては厳重に秘密を守るが、そうでないものはやはりなるべくそういう扱いにしないように、しかもその秘密文書なるものがときどき簡単に抜かれておるなんというようなことになったら、これは何をかいわんやだと思いますので、御指摘の点等については十分検討することをお約束してまいりたいと思います。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 ですから私は、じゃ具体的な問題について、あらためてきょう立川の問題が出ましたので、お尋ねをして、先ほど三人の方が質問された質問の、ちょっと私なりに防衛秘密のようなことと、秘と関係して私はお尋ねをしたいと思うのですけれども、要するに長官は先ほど、立川の問題については手違いがあったと、こうおっしゃるわけでしょう、手違いがあったのかもしれないと。そこで、東部方面隊があって、そして直轄の航空隊があって、その航空隊の分遣隊が、訓練隊がとにかく立川へ移駐というか、配備された。だから結局私がお尋ねしたいのは、その長官と次官との話は先ほどからお聞きしました。方面隊の総監部がその長官と次官の話を受けて、とにかくどんな命令を航空隊へ出したのか。航空隊は一体、練馬へ進駐してきたところの、集結した分遣隊にどんな命令を出したのか。要するに私が聞きたいのは、その命令を出していただきたいということです。もしかりに八日なんですよということを外部に発表した、そういうことでとにかく連絡をしたということが事実だとすれば、その命令は当然、何時何分に出発し、何時にとにかく移駐を開始して、何時に到着するようにしなさいという命令でなければ私、命令としてはおかしいと思うのです。そういう内局の意向を受けた命令になっていないと思うのです。とにかく交通が緩和しているのだから、走れるだけ走ったらいいというようなことは、これは私は一つの暴走だと言われてもしかたがないと思う。そうすると命令のあり方に私は問題があったと思う。手違いでは済まないと思うのです。そういう点で、一切のとにかく準備、移動準備、待機、そうして出動についての、一般移動についての命令は全部出していただけますね。それが口頭であれ、電話であれ、文書であれ、全部出していただけますねと私はお尋ねしたい。そうでなければ、立川の問題について真珠湾だ、やみ討ちだ、あるいは何とかだと言っても、その事実関係が明確にならないと私ははっきりしないと思うのです。お出しいただきたい。

久保卓也防衛庁防衛局長

○久保政府委員 文書で命令を出したものは当然出せます。それから、電話の場合は電話受けが残っておれば出せます。口頭の問題については、記憶が残っておればお出しいたします。したがいまして、可能な限りのものをお出しすることにいたします。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 どうも質問がこだわり過ぎて、ずいぶん質問が残りましたので、次の質問に移ります。  私は沖繩問題について質問せよということで指示を受けましたのでお尋ねをしたいと思うのです。やはり防衛庁長官に対する質問になります。施設庁長官が担当になりますが、沖繩の地代プラス見舞い金ということですね。見舞い金の性格についてはもうお聞きしませんが、その見舞い金というのは要するに単年度、本年限りのものであるのかどうか、それで来年からは一体どういうことになるのかというのが問題点の一つとしてあると思うのです。そこで、今度はいま一つは、補償金を−−とにかくいやでもおうでも土地は使うわけだから、契約をしない人については補償金を払うことになる。その補償金というのは、一体借料プラス見舞い金を上回る場合もあることになるわけでしょうか、この点について。

島田豊防衛施設庁長官

○島田(豊)政府委員 借料のほかに見舞い金という制度を設けまして、これを土地の所有者に支払いたい、かようなことでいま準備を進めておりますが、この見舞い金は単年度というわけでもなくて、大体いまのところ三年ぐらいの支払いをしたい、かように考えておるわけでございまして、その三年と申しますのは、借料の以外に見舞い金を支払うわけで、借料が年々増額をされる。それと、本人は結局借料と見舞い金を地代相当額というふうに観念されますので、その総額は減らないようにということで、大体三年ぐらいを考えておるわけでございます。  それから契約に応ぜられなかった方に対する損失補償、これは大体地代に準じて支払うということでございますので、地代相当額ということになろうと思います。そうしてそれ以外に見舞い金を支給をする、こういうことを考えておるわけでございます。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 そうすると、次に一点だけお聞きしておきますけれども、もう一度お尋ねしますが、補償金の場合は自分の土地がどうしてもほしいんだからとにかく契約できないというのだから、苦痛のほうは補償金をもらう人のほうが大きいわけですね。そうすると、もう一度聞きますけれども、補償金の場合は地代プラス見舞い金を上回ることがあっても下回ることはないわけですね。  その点と、質問を続けて、まとめてお尋ねします。三月十五日から五月十五日までの間のいつごろ告示をされますか。公用地法の告示はいつごろされますか。その告示というのは一ぺんにまとめてされますか、順次されますか、この点を。

島田豊防衛施設庁長官

○島田(豊)政府委員 損失補償につきましては、先ほど申しましたように借料相当額を補償額として支払いたい、それ以外に見舞い金ということでございまして、その点におきまして大体契約に応じてくれる方々との間にそう大きな差異はないということでございます。  それから告示につきましては、いま告示に必要な準備作業を進めておりますが、これは米軍に提供する施設あるいは自衛隊が使用する施設、あるいは水道なり道路あるいは電力施設の敷地として使用する土地、こういうものにつきましての確定をする必要がございますので、いまその作業を進めておるわけでございますが、その作業が済み次第告示ということになろうかと思います。そこで、現在の進捗状況からいたしますれば、大体告示は四月の下旬ごろになるのではなかろうかというふうに考えております。それから、一回でできるだけ告示をしたいと思いますけれども、その作業の進捗状況によりますれば、あるいは二回ということになることもあろうかというふうに考えております。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 総務長官と経済企画庁長官の両長官から私は御見解を述べていただきたいと思うのです。沖繩の長計を見てみますと、一九六九年の総人口は九十七万六千人だった。そうでございますね。そこで、一九八〇年には百万をこえる、百九万一千人になるのだ、こういうことが長計の中には出ておる。ところが一九七〇年の十月一日で九十四万五千人というふうに減少してきた。計画によると七一年は九十九万二千人のはずですね。だから、私は人口という一点だけにしぼってお尋ねしたいと思うのですけれども、沖繩の開発、沖繩の経済の振興、社会開発はいろいろなとにかくわれわれテーマをかかえておりまするけれども、沖繩を過疎県にしないために、要するに沖繩の人口は長計のような線をたどり得るか。少なくとも沖繩の人口を減らさないための抜本的なというか、基本的な施策は一体何か。この点についての私は長官の御答弁を承りたいと思うのです。ことにこの点については経済企画庁長官の御所管でもありますので、ぜひとも両長官から御答弁をいただきたい、こういうことであります。

山中貞則自由民主党総理府総務長官

○山中国務大臣 ただいまおあげになりましたように、琉球政府が一九七〇年を初年度とする十カ年計画という一応の計画を策定いたしました人口は、一九七二年において九十八万三千人。しかしながら、実際に国勢調査をいたしました人口は九十四万五千人。すでに現時点においてそれだけの開きが計画との間にございます。したがって、一九八〇年に想定する百九万一千人というものの達成は、現状から見るときわめて困難な目標になってきたということであります。しかもその実態が、人口流出は主として本土でありますが、この実態が中学校卒業もしくは高等学校卒業等の、これからの沖繩県の経済をささえていってもらわなければならない若年の労働者の大量流出傾向が見られるという点をきわめて心配いたしております。でありますから、その対策としては、そうこまかには申し上げませんが、現地において自分たちの郷里で希望をもって就職できるような産業配置というものに全力をあげるとともに、沖繩における所得というものが本土にわざわざ行かなくとも保障されるような条件下のもとの雇用事情をつくり出していくことに全力をあげたいと考えております。

木村俊夫自由民主党経済企画庁長官

○木村国務大臣 いま総務長官からお答えしたとおりでございますが、特にこの二、三年来非常に人口が流出しております。これはやはり復帰を控えて沖繩の主要企業が手控えをしておる、雇用の機会がそれだけ少なくなっておる、その影響だろうと思います。そこで、やはり将来は沖繩における雇用の機会をふやすこと、それから本土との所得の格差を減らすために一体どういう開発をすべきかということに帰着すると思います。いま総務長官からお答えいたしましたとおり、沖繩の経済開発、これが最も大きな問題であろうと思います。その点について、政府は沖繩県民の意向を十分確かめながら今後の施策をはかっていきたい、こういう考えでございます。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 通産大臣に私はお答えをいただきたいと思います。海洋博の開催であります。この問題について、私はやはり海洋博を一時的な経済効果があったというものではなしに、この海洋博というものはさらに別のほんとうの角度から見直されなければならないと思う。これは御所管が通産大臣でありますので、海洋博のあり方、特に私は通産省のほうで出展等の問題でこういうようなものが海洋博の目玉になるのだというようなものの御答弁をいただければ幸いであります。

田中角榮自由民主党通商産業大臣

○田中国務大臣 沖繩海洋博は五十年開催を目標にいたしましていま作業を進めておるわけでございます。大体の規模は、お答えをいたしておりますように五百億ぐらいになるんじゃないかということでいま計算をされておるわけでございます。沖繩そのものが基地経済ということで長い年月を経てきております。また内地と比べますと、沖繩の一次産業比率は非常に高いのでございまして、その意味では二次産業比率が低いということで、県民所得も本土に比べて非常に低いわけでございます。本土のように汚染を絶対にしないということを前提にしまして——やはり沖繩県の方々が全部東京や大阪に出てくるということはいままでのとおりでございまして、沖繩県民の望むところではございません。そういう意味で、沖繩に人を定着せしめなければならない。そうすると、公害のない二次産業の拡大をどうしてもはからなければならないということになるわけでございます。そういう意味で、沖繩海洋博というものが初めての試みでございますが、産業の開発、沖繩の開発というものに相当大きな好影響を与えるものだ、このように考えますし、また沖繩、沖繩といいますけれども、なかなか本州から沖繩に渡航する人も少なかったわけでございますので、この沖繩博を契機にして、沖繩に建設に参りましたりまた沖繩海洋博覧会に出向くということによって、本州の日本人そのものが沖繩というものの条件その他が理解できるわけでございますので、本州及び沖繩との経済交流の役割りも大きく拡大すると思われます。それだけではなく、沖繩万博だけでもってこれを取り除いてしまうということではなく、沖繩の経済開発に寄与できるような、将来的な見込みをつけながら各種の築造物等をそろえたい、沖繩経済開発に貢献し寄与できるような海洋博とせしめたい、こういうことでいま地元と十分打ち合わせをしながら検討を続けておるわけでございます。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 そこで、沖繩問題に関連をしまして、私は外務大臣に、ずいぶん長く待っていただいたのですけれども、お尋ねしたいことがあります。と申しますのは、予算委員会が始まってから、いわゆる米中共同声明についてはここで非常に論議をされました。それから、先ほども小林委員が日本の軍国主義という問題について問題点を指摘をしておられました。ところが、どうも私は、非常に素朴なというか、初歩的なというか、しかしこの点が何かほかの委員が質問をしておられませんので、その質問をしてみたいと思うのです。外務大臣の御答弁をいただきたいと思うのであります。  というのは、台湾条項というものについて非常に、台湾条項ということばが適当かどうかとして、ずいぶん論議されました。そうすると、米中ともに、日本のことについて触れている部分があるわけでございますね。そこで、人民日報だとか北京放送だとかいろいろな点についての、われわれはとにかくそういうところの情報というものはある程度知っている。私自身でもある程度知っている。しかし、この共同コミュニケに中国が、中国は日本軍国主義の復活と外への拡張に強く反対しと、こうあるわけですね。この点については福田外務大臣はある新聞のインタビューに答えられて、一体そのことは、軍国主義の復活というのは一体どういう意味かわからないと、軍事力とすれば中国のほうが軍備はしっかりしているのだがなあというふうなお話をしておられるわけですね。そこでお尋ねをしたいのは、グリーンさんがおいでになった。次官補がおいでになった。中国はこのくだりについては、一体どういう点を具体的に指摘をしたんだろうかという点をひとつ私はお話を伺いたいと思うんです。同時に、アメリカはその点について、同じく日本との関係について述べているくだりがあります。じゃ、その点についてはアメリカは一体どういうふうに反論をしたんだろうか。こういうふうな質問は、私、外務大臣がグリーンさんにお会いになって、あるいはまたアメリカのほうの、とにかく大使館からですが、アメリカから情報をとって、わかることだろうと思うのです。要するに、率直にいって、米中会談について私自身が知っているということは、テレビで見た、国会で論議が行なわれた、それ以外のことについては知り得ないわけですから、この点についてひとつ外務大臣の御答弁をいただきたい。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○福田国務大臣 私は、アメリカの特使であるマーシャル・グリーン氏と会いまして、コミュニケの解釈の問題、それから米中会談の背景説明、そういうものをつぶさに承知したわけです。しかし、この種の会談の内容というものは、これは国際慣例とというか、そういうことに従いまして、この点はひとつ外に出していいということを整理しますが、それ以外は話さないことにしております。したがってマーシャル・グリーンのことばを引用いたしまして私が中谷さんの御質問にお答えすることは、これは差し控えさしていただきたいんです。しかし私もいろんな情報、これを広範に収集しております。マーシャル・グリーンのことばということでなくて、その私が収集した結果として私の見解を申し上げますと、いま中谷さんの御指摘の、中国は日本の軍国主義を非難しておる、また拡大傾向について非難をしておる、こういうことは、まず軍国主義につきましては、現在、今日のわが国の状態を軍国主義と理解はしていないというふうに私は判断をするわけです。私がですよ。しかしその傾向、潜在的な傾向を持っておる、こういう見方をしておるようです。それから拡大主義というのは経済膨張、これを一般的にさしておるんだと、こういうふうに思います。そういう指摘がありまして、アメリカ当局は、日本は結局軍国主義というような心配、また膨張主義というような傾向の御議論があるがわが国はそうは思わない、日本は決して軍国主義の国ではありません、そういう傾向をたどるとも思いませんというような応答をしておるのじゃあるまいか。これは私の判断でございます。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 外務大臣に私もう一点だけお尋ねしておきたいと思うのですけれども、沖繩問題についていま質問をしているわけですから、その沖繩に自衛隊を配備するということですね、そのことが、中国が、沖繩に自衛隊を配備することを脅威として感ずるというふうには判断をされませんか。中国が、ですよ。中国に脅威は与えないんだという国会答弁を何べんも私たちはお聞きしました。しかし今度は逆に中国が、沖繩に自衛隊を配備することを脅威として感じないだろうか、そのことが日中の国交正常化に阻害要因にはならないんだろうか、この話についてはいかがでしょうか。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○福田国務大臣 米中共同声明には安保条約のことも、また沖繩における軍事情勢、このことを両方とも触れておりません。その辺は多少意味のあるところだと、こういうふうに見ておるんです。そこで、わが国の自衛隊の沖繩の配備、これにつきましてどういう感触を持つであろうかと、これが中谷さんの御質問の要点だろうと、こういうふうに思いますが、この沖繩に対する自衛隊の配備につきましては、私は、従来でありますと、かなり中国は神経質な態度をとったんじゃないかと思う。とっておるんじゃないかと、こういうふうに思うんです。ところが、私は、米中会談の結果、かなり日中関係というものが変わってきておる、そういうふうに見ます。つまり、アメリカが中国封じ込め政策をとっておる、わが日本がそれに協力をしておる、ゆえにわが日本の軍事情勢というものについてかなり神経質たらざるを得ない、こういう立場にあった。その一環として沖繩の問題もながめておった、こういうふうに思うのですが、まあ、ことばは適当かどうかわかりませんけれども、日本がアメリカとぐるになって、あるいはアメリカに協力して中国封じ込めの政策をとっておった。その主体になるところの、封じ込めの主体となるところのアメリカが中国との間に緩和ムードをかもし出した。ここでわが国の軍事情勢に対する中国の見方というものはかなり変わってきておるんじゃないか、そういうふうに思います。具体的にどうのこうのというところまで私の判断はまだ届きません。しかし、見方が大きく変わってきておるんじゃないか、そんなような見方をし、そういう見方が定着した、固まった考え方となり得るのかどうかというようなことをいま考えておるところでございます。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 時間の配分を少し間違って時間がなくなりましたので、たいへん自治大臣には申しわけないのですが、一点だけ質問さしてください。法務大臣にも二点だけ質問さしていただきます。最高裁の方にもお尋ねをいたしたいと思うのです。  そこで、質問はもう簡単にいたします。本日、裁判官会議を終わられたというふうにお聞きいたしております。再任拒否の判事補が出なかった、お出しにならなかったということをお聞きいたしました。そこで私が最高裁事務総長にお答えをいただきたいのは次の点一点だけであります。要するに、十三期、十四期と、この一年間を通じて裁判所に対する、特に最高裁判所に対する国民の信頼というものがかなり動揺したのではなかろうかということ、これはたいへんなことだと思うのです。教育と司法は取り返しがつかない、裁判と教育は取り返しがつかないとよくいわれますけれども、非常なことだと思う。特に新聞記者会見をされたところの談話の中にも、国民の理解を求めたいということを最高裁は答弁しておられますけれども、一体今後再任問題については、かねてからの法務委員会等における私たちの主張なのでありまするけれども、とにかく国民が納得をする、かりに再任拒否というのは今後——そういうことは今度はなかった、しかし金野君の問題があったというふうな中で国民が、とにかく人事の秘密だからといってわからないというふうな、どうも何があるのかわからない、しかしどうも納得しない、最高裁のおやりになっていることは、違法ではないけれども妥当ではないのだというふうなことがいつまでも続いてはいけないと思うのです。この点についての考えを、一年を振り返ってみて今日の時点に立って最高裁の国民の信頼というものがダウンをしたという説もあります。これらの点について、総長どのようにお考えになるのか、また今後どのように努力をされるか。これが最高裁事務総長にお答えいただきたい一点であります。  自治大臣にお尋ねをし、お答えをいただきたいのは、最高裁長官の国民審査の問題であります。この点については、大阪弁護士会その他などからも非常に掘り下げた意見が出されております。この点についての御答弁を私はいただきたいと思います。質問をくどくどしく申しませんが、この点についての御答弁を私はいただきたいと思うのです。  それから法務大臣にお答えをいただきたいのは次の点であります。  要するに、これはもう昨年来何べんも何べんもわれわれが指摘していることでありますけれども、最高裁判所裁判官何人かのうちほとんどがもう佐藤さんの手によって任命された人、佐藤内閣のもとにおいて任命された人、こういう点の中において、やはりかつてあったところの諮問委員会を何らかの形において改組するにしてでも、最高裁判所の裁判官の任命にあたっては諮問委員会制度というものを復活させるべきではなかろうか、こういう考え方が昨年来われわれ論議をいたしました。この点についての御答弁を私はいただきたいと思うのであります。  それからいま一点。これは全く質問といたしましては法務大臣の御所見を承っておきたいだけの質問でありまするけれども、地方行政委員会におきまして浅間山荘の事件にふれて警察のほうでは人質罪の新設ということを何か非常に大きく打ち上げられたような印象を私は新聞で受けました。この点についての法務大臣の御所見を私は承りたい、こういうことであります。  最後に、質問が非常に飛び飛びになってしまいましたけれども、私お答えをいただきたいと思います。  以上についてお答えをいただきたいと思います。

吉田豊最高裁判所事務総長

○吉田最高裁判所長官代理者 裁判所に対するお尋ねの点でございますが、社会の一部に司法権の独立の喪失とかいろいろな声のあることはよく承知しております。それは再任制度に対する本質の理解が十分でないのではないかと考えられますので、今後ともその点については国民の方の理解を深めるような努力を続けていきたいと思います。最高裁判所といたしましては、裁判官の職責の重要性にかんがみまして、人事問題については慎重、公平な立場で処しておりますので、この点は法曹界のみならず全国民の方にぜひ御理解をいただきたい、かように願っているわけでございます。

中谷鉄也日本社会党

○中谷委員 大臣の御答弁をいただきます前に、最高裁事務総長のいまの御答弁は、繰り返し私は指摘をしている点なんですけれども、いつも国民の一部の中にそういう声があるとおっしゃるのですけれども、多くの弁護士会が弁護士会決議としてこの問題について指摘をしている点はもう百も御承知でございますね。それから現職の裁判官諸君が相当多数、この問題について問題点を指摘をしている点も御承知であります。それから本日の新聞によると四十二万名の署名が集まった。署名の量としては、私は非常に膨大なものじゃないかと思うのです。ですから、国民の一部がというふうな理解というのは、はたしていかがなものだろうか。特に弁護士会のそういう意見、あるいはまた現職裁判官の最高裁に対する要望、これらについて私はやはり謙虚に耳を傾けていただく。みずから称して公正でありたいというのではなしに、そういう姿勢というものが最高裁になければならないのじゃないか、私はこういうふうに思うのです。大臣の御答弁をいただいて、そのあといまの質問については、最後に最高裁事務総長からお答えをいただきたいと思います。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 最高裁判所の裁判官の国民審査につきましては、中谷委員御承知のとおり、政府といたしましては国民審査が一度行なわれました裁判官につきまして、有効期限内に長官に任命された場合、そのことをもって再び国民審査をしなくてもよいという見解を持っております。この点に関しましては、いま御指摘にございました大阪弁護士会の御意見、これらも私部下からも事情を聞きまして承知いたしております。また、今回日本弁護士連合会からも私に対する要望書をも書類をもっていただきまして、これは一読させていただきました。御意見としましては、私も敬意を表するにやぶさかなものではございません。なおよく今後も研究させていただきたい、かように考えておりますが、これをもちまして直ちに政府の従来の見解を変更するという考えは持っておりません。

前尾繁三郎自由民主党法務大臣

○前尾国務大臣 私に対する問題の第一点は、いわゆる最高裁の判事の任命諮問委員会という問題だと思います。これについては諮問委員会を設けた時代がありました。その実績から考えますと、率直にいって短所ばかりが出てまいりまして、結局非常に形式主義になる。御承知のように、人事はきまった人ではなしに、むしろいろいろな人の意見を聞いたほうがよろしいので、きまった委員になりますと、その任命すべき人の範囲が非常に限定されたり知らなかったり、勢い構成されておる出身のところから何名を出すというような非常な形式主義に流れてくる。それからまた一方から  いいますと、委員会に諮問したんだからというので委員会に責任がいってしまう。そういう点から考えまして、私は必ずしも委員会制度がいいとは思わないのでありまして、むしろ全責任をもって指名する人がその後において責任をとる、こういう行き方で、人事に限って、いわゆる民主主義といって広くこの委員会に責任を持たせるべきものではないのではなかろうかというのが私の考えであります。  それから第二点の人質罪、これにつきましては、率直にいいまして、現在行なわれております、ことに浅間山荘の問題については相当な重罪で、ほかの犯罪を伴っております。でありますから、もし皆さんの言われる人質罪というものを入れるとすれば、おそらく解放減軽ということだと思います。ただほかに非常な重罪がありますから、はたして解放減軽だけがそんなに有効に働くかどうか。御承知のように、刑法の草案には人質強要罪というのでありましたが、入っておるわけであります。私はあの条文は改正していくべきじゃなかろうかと思っておりますが、むしろ刑法の草案を早く提案して、そうしてそれを体系的に完備したものを出すべきではなかろうか、こういう考え方を持っておることを申し上げます。

吉田豊最高裁判所事務総長

○吉田最高裁判所長官代理者 先ほど社会の一部に批判があるというふうに申し上げましたが、その反対の意見もたくさんございまして、現に私どものところにたくさん書面が来ております。また声なき声も私どもには感じられるわけでございます。そういう意味で申し上げたのでございます。  それから、裁判官の中にも批判の声があるじゃないか、これもそのとおりでございますが、これは従来、再任制度ということが、ことに若い裁判官の間では検討、研究された機会がございませんでした。そのためであったろうと思いますが、最近になりまして各地の裁判官が寄り寄り集まりまして研究しました結果、大体もう再任の法律上の精神については、最高裁判所と同じような見解をとられているように私は聞いております。

瀬戸山三男自由民主党

○瀬戸山委員長 これにて中谷君の質疑は終了いたしました。  次回は明九日午前十時より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後六時二十三分散会

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