法務委員会 第19号
- 発言数
- 108 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1972/04/26
会議録
○松澤委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、犯罪者予防更生法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案につきましては、昨日質疑を終了いたしております。 —————————————
○松澤委員長 本案に対し、沖本泰幸君外四名から修正案が提出されております。 この際、提出者から趣旨の説明を求めます。沖本泰幸君。
○沖本委員 私は五党を代表して、犯罪者予防更生法の一部を改正する法律案に対する修正案について、趣旨の説明をいたします。 まず、修正案文を朗読いたします。 犯罪者予防更生法の一部を改正する法律案に対する修正案 犯罪者予防更生法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。 附則第一項本文を次のように改める。 この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。 ただいまの修正案につきまして、その提案の趣旨を御説明申し上げます。 御承知のように、政府原案は本年四月一日から施行することになっておりますが、その五条によりますと、中央更生保護審査会の委員長の任命は、両議院の同意によって法務大臣が任命することになっておりますので、本修正案は、この同意に必要な期間等を考慮いたしまして、「この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。」ように改めようとするものであります。 何とぞ御賛成あらんことをお願いいたします。
○松澤委員長 これにて修正案の趣旨説明は終わりました。 —————————————
○松澤委員長 これより原案及び修正案について討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 まず、修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○松澤委員長 起立総員。よって、本修正案は可決いたしました。 次に、ただいま可決いたしました修正部分を除く原案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○松澤委員長 起立総員。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。 おはかりいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松澤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○松澤委員長 法務行政に関する件及び人権擁護に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中谷鉄也君。
○中谷委員 前回に引き続きまして、安保条約第六条に基づく施設及び区域の協定に基づいて、日本国が所有者から賃借りしている土地の賃貸借契約と、民法六百四条との関係についてお尋ねをいたしたいと思います。 前回の委員会において政府の御見解を求めておったわけでありまするけれども、本日、この点について法務大臣から御見解をお述べいただきかいと思うのであります。 お尋ねいたしたいのは、重ねて要約をいたしまするけれども、次のとおりであります。地位協定に基づいて国が所有者から賃借りしている土地の賃貸借契約、その賃貸借契約が民法六百四条によれば、期間の定めのある賃貸借の存続期間は、二十年をこえることができないと定められております。したがいまして、契約の始期が昭和二十七年七月二十八日のものについては、いつ期間が満了するとお考えになりますか。当然民法六百四条の規定によりまして、本年七月二十七日をもって期間が満了すると考えられるわけでございますけれども、この点について大臣の御見解を承りたいと思います。
○前尾国務大臣 結論的に申しますと、おっしゃるとおりであります。 駐留軍の用に供する目的をもって国が所有者から賃借している土地の賃貸借は、その期間を、駐留軍が使用する期間とする趣旨のものと解せられますので、民法第六百四条によりますと、期間の定めのある賃貸借の存続期間は、二十年をこえることができないと定めておりますので、同契約は、その成立後二十年を経過したとき期間が満了したものと解しなければならぬと思います。したがって、同契約の始期が、ただいまお話しのとおりに昭和二十七年七月二十八日のものにつきましては、本年七月二十七日をもって期間が満了するものと考えられます。 しこうして、期間満了後なお引き続いて駐留軍の使用に必要がある土地につきましては、契約を更新する必要があるものと考えておる次第であります。
○中谷委員 防衛庁長官の御出席をいただいているわけでありますが、法律問題について、法務大臣のただいまの御答弁について、一、二点さらにお尋ねをしておきたいと思います。 昭和二十七年七月二十八日を始期とするものについては、本年七月二十七日をもって期間が満了するものと考えるという御答弁は、民法第六百四条の解釈として当然の御答弁であろうかと私は考えるわけであります。そこでお尋ねいたしたいのは、次の点であります。昭和二十七年七月二十八日のものについて、本年七月二十七日をもって期間が満了するということは、更新の手続がとられない、新規契約の手続がとられないという限りにおいて、七月二十七日以降は無権原の状態に相なるというふうに法律的には解すべきであると考えますが、当然のことでありますけれども、御見解を承りたいと思います。
○江崎国務大臣 ただいま法務大臣から政府の統一見解としての見解表明があったわけであります。したがいまして、中谷委員御指摘のようなケースがありますれば、当然それは白紙の状態に戻る、これは認めなければならぬと思います。 しかし、御承知のとおり、われわれのほうとしましては、当然これを更新する最善の努力を継続的にいたしてまいりたい、そう考えております。御趣旨はわかります。
○中谷委員 契約の更新を求めることについて、努力をされるという点についてお尋ねをする以前に、若干の法律問題について整理をさせていただきたいと思うのであります。ただいま防衛庁長官から、空白の状態というふうにお答えがあったと思うのでありますけれども、それは私が先ほどお尋ねをいたしました無権原の状態に相なる、新規契約の手続がとられない限り、それは無権原の状態に相なる、こういうふうに理解してよろしいでしょうか。そういうふうに当然法律的には理解すべきであると思いますが、いかがでございましょうかというのが第一点の質問でございます。
○島田(豊)政府委員 御指摘のように、現在米軍に提供しております施設につきまして、その土地が民有地であります場合に、従来賃貸借契約を締結してまいりましたが、昭和二十七年七月二十八日に契約を始期とするものにつきましては、先ほど両大臣からお答えがございましたように、本年七月二十七日で二十年の期間が満了いたすわけでございますので、そこで一応契約は終了いたします。 そこで、いま無権原というお話でございますけれども、これは引き続きその土地を米軍に提供するということになります場合に、所定の手続がもしとられないということになりますれば、これは無権原である、こういうふうに考えます。
○中谷委員 法務省にお尋ねをいたしたいと思います。民法の六百四条の法意というのは、どのように解すればよろしいのでしょうか。
○川島(一)政府委員 御質問の御趣旨がちょっとくみ取りにくいのでございますが……。
○中谷委員 質問が不明確ということであれば、あらためて正確にわかっていただけるようにお尋ねをいたします。 民法六百四条が、期間は二十年をこえることができないと定めたところの立法趣旨、その法の意味するところはどういうところにあるのでしょうか、こういう質問であります。
○川島(一)政府委員 まず、立法の趣旨から申し上げますと、民法六百四条は、賃貸借の期間を二十年に制限するということになっておりますが、こういう規定が設けられましたのは、そもそも賃貸借というものは、人に物を貸して使わせる、したがって借りた者は、人の物であるからあまり大事にしない、それから貸したほうは、人に物を渡してあるので、直接自分は管理することができない、こういうところから、その物に対する扱いがぞんざいとなって、社会的に経済的な不利益を生ずるということをおもんぱかっての規定である、このようにいわれておるわけでございます。 しかしながら、この規定が不動産に適用されることにつきましては、不動産の利用が多くは借り主によってなされているというところから、あまり好ましい規定ではないということが、学者によって指摘されておるわけでございます。立法趣旨というのがそういう意味でございますならば、以上でございます。
○中谷委員 法律的な御見解をお願いしておるのでありますけれども、民事局長かなり基地の存続について意識をされて、立法趣旨を越えた御答弁があったようでありますが、あまり御無理をなさらないほうがいいのじゃないかと思います。 そこで、六百四条について、これは基地存続という立場からは非常にやっかいな規定だというふうなことが、御答弁の言外にうかがわれたわけでありますけれども、いずれにいたしましても、六百四条についてのいろいろな批判があるにいたしましても、これは訓示規定ではなしに、制限規定であることは明らかであります。だといたしますと、先ほど六百四条について防衛庁長官がお答えになった空白という趣旨は、私の指摘をいたしました無権原の状態ということに相なるということ、これはもう言わずとも明らかなことだろうと思うのでございます。 そこで、では重ねて施設庁長官にお尋ねをいたしたいと思いますが、更新の手続について、更新を求める努力をされるということでありますけれども、民法六百四条の規定においていま民事局長が述べられたごとくであり、六百四条の法律の規定からして当然に導き出されることは、六百四条の要件に該当する場合更新に応じないとしても、それは権利乱用の問題を生ずる余地は全くないというふうに解されるべきだと思いまするけれども、いかがでございますか。
○島田(豊)政府委員 権利乱用の問題は、これは御承知のとおり板付の基地におきまして、その土地の所有者が契約に応じなかったということによりまして訴訟が起こりまして、それに対する裁判所の判決が権利乱用ということで、つまり公の目的のために提供するその利益と、それから個人のそれを使用されることによるところの受ける被害との均衡論だと思いまするけれども、それによりまして公の目的が維持できないというふうなことで、権利乱用という見地から判決が下されたという事例がございます。 しかしながら、これはもちろん裁判所の判決でございますので、行政上の解釈といたしまして権利乱用ということを、私どもがこの段階におきまして申し述べるということは、これはいかがかという感じがいたすわけでございます。それは現実に訴訟が起こりました場合に、どういう判決が出されるかということによりまして、おのずからその辺は明らかになってくるべき問題である、かように考えるわけでございます。
○中谷委員 板付基地の裁判例をお引きになりましたけれども、事実関係だけを確かめておきたいと思います。板付基地の裁判例は、民法六百四条の二十年をこえる期間、二十年をこえることができないかどうかという、六百四条の例として審理された事案でないことは明らかであります。しかしながら、私がお尋ねいたしておりますのは六百四条の問題であります。要するに二十年の期間が到来をした、その場合には当然二十年に至るまでに借り主においてはその土地の明け渡しについての期待を持つというふうな状態、板付基地の判例の中にありましたように、そういうふうなことを予想すること、それはとにかく貸し主においてもそういうことはなかなか予想できなかったんだというふうなものではないわけであります。事実関係を確かめておきたいと思いまするけれども、板付の基地の契約は、何年経過したときに生じた例であるかという点については、長官は御存じでしょうか。板付の判例をお引きになることについては、はなはだ当を得ないものであるというふうに私は考えます。判例を持ってまいりましたが、いかがでございましょうか。
○島田(豊)政府委員 正確なことを私も承知しておりませんが、いま聞くところによりますと、七年ほど経過した段階ではなかろうかと思います。
○中谷委員 防衛庁長官にお尋ねをいたしたいと思います。法務大臣があと二十分たつと御退席になりますので、一問だけお尋ねをいたしまして、たいへん恐縮ですが、同僚委員が法務大臣に別のことをお尋ねいたしまして、あと長官に質問を続行させていただきたいと思いますが、七年たった場合についてのいわゆる公益性と、それから所有権を主張する人とのバランスの問題と、二十年たって、しかも民法六百四条に制限規定があるという場合は、おのずから私は異なるべきであると思うのです。したがいまして、防衛庁が板付基地の松本治一郎先生が原告であるところの判例をお引きになることは、私は法の解釈を間違え、そうして事実においても異なるものをもって論議されるものであって、好ましくないし、私はその見解にくみすることができないのでありますが、防衛庁長官の御見解を承っておきたいと思います。
○島田(豊)政府委員 その前に、ちょっとお断わり申し上げておきますけれども、御指摘のように、このケースにつきまして板付の判例を引用するということが適当であるかどうか、これは確かに御指摘のような点もあろうかと思います。 ただ、私が申し上げましたのは、権利乱用ということばは判例の中に使われたことばでございまして、行政上の解釈として、当初から権利乱用というような解釈を下すことは、必ずしも適当ではないだろうというふうな観点から私は申し上げたわけでございまして、板付にこういう権利乱用の事例があるから、この六百四条の適用の問題につきましても、同じような趣旨で権利乱用の問題が出てくるということを申し上げたつもりはございません。これはあくまで、裁判になりました場合裁判所の判断にまつ以外はないわけでございます。
○中谷委員 沖本委員の質問がありますので、一応質問を中断をいたしまして、沖本委員とかわりたいと思います。
○松澤委員長 沖本泰幸君。
○沖本委員 本日は、私は刑務所の移転問題につきまして、幸い大臣が御出席でございますので、大臣に御質問したいと思います。 最近、人口の都市集中化が激しくなってきました。そういう関係から大都市の人口が急増していき、いままで都市の周辺部にあったところのそれぞれの刑務所が、いまは都心のどまん中に割り込んでしまったような形で、地元の方もそういう点ではあまり好ましくはないというような問題がたくさんございます。昨年問題になりました大学入試問題も、やはり都市のどまん中の堺にある大阪刑務所で問題が起きたわけでございます。 こういう関係から、いろいろな点で現在の刑務所をもう一度検討してもらいたい、こういうことは方々から起きておりますし、また、その移転があちこちから強く要望されておるわけでございます。刑務所は高いへいをめぐらして相当広範な土地を占有しておる、こういうために、最近の都市交通に対して非常な障害も起こしてきておるということは、大臣はよく御承知のことであると思うわけでございますが、この二十四日に、中野区の地元の国会議員の方々と区議会議長とがおそろいになって大臣のところへ陳情にお越しになった。そうして中野の刑務所の移転について種々陳情したということでございますが、私は交通安全の立場から現地に行って視察をしてきまして、同じようなことを現地の方々から伺っておるわけでございます。 よく御存じではございますけれども、あの周辺は非常に道路が狭い、人口が集中しているというところから、車の一方通行とかいろいろな規制をやってももう限度にきておる、こういう状態でございます。そういうところから、私たちが行ったときも、中野の刑務所が相当広範な地域を占領しておって、そのために災害があったときにはたいへんなことになるのだ、だから、むしろ刑務所の中に入れるような方法なり、あるいは移転していただいて、刑務所のあと地を開放してもらいたい、こういうふうな陳情も現地で私たちは受けたわけでございます。 こういう点に関しまして、大臣のほうで新しい何か構想で、半分くらいは開放していいというようなお考えをお述べになったようでございますが、できましたら、この際具体的に構想をお持ちでございましたら御発表いただきたいと思います。
○前尾国務大臣 中野刑務所についての移転問題につきましては、だいぶ以前から多少問題になっておったようでありますが、私の考えを申しますと、できましたら、刑務所は何も繁華街に置く必要は全然ないわけであります。したがって、できるだけ地方に置いていかなければならぬ、これは当然のことだと思います。 ところで現在、中野刑務所がどういう機能を果たしておるかと申しますと、一つは未決を入れる、もう一つは各地の刑務所に配分する前にいろいろテストをやりまして、いわゆる分類刑務所という役目をいたしております。それから一部は既決で、一般の刑務所と同様に使っておる、これが現状であります。率直に申しまして、東京都内に適当な場所があるのでありましたら、私どもも別に拒む理由はないと思います。ただ、ただいま申し上げました中で未決の人を置くということと、それからもう一つは分類刑務所といいますか、要するに分類していく、そのためには工場なりいろいろな施設が必要なわけでありまして、それだけはやはり東京都内にできましたら置きたい。御承知のように、拘置期間が長いというので人権じゅうりんとかいろいろな問題が起こるわけですから、できるだけ便利なところで拘置期間をできるだけ短縮していくということでなければなりません。また全国に分配しますについても、やはり東京でないと、いろいろなテストをするなり、そのような点で非常に困るわけで、この二つだけはぜひ東京都内に置かなければならぬということであります。 ところで、実はこういう考え方をもっと以前から持って計画的にやればよかったわけでありますが、率直に申しまして、巣鴨を廃止する、黒羽に持っていくというようなときには、そういう考えが足りなかったと言うとはなはだ恐縮でありますが、現状は、どんどん都市集中で人口がふえるにかかわらず、そういうような収容人員は、逆に巣鴨が黒羽に行きました関係で、非常に未決なんかを入れる収容人員は減っているということでありまして、しかも、最近は非常な集団の事犯が起こって、一時にぐっと千人をこえるような人まで入れなければならぬ、こういうような問題が起こっておるわけであります。でありまするから、この二つだけはどうしても置かなければなりません。 さて、それでは他に全部それを収容するいい場所があるとすれば、私はそれは移転してもよろしい。ただ、なかなかあれに全部かわるような土地なんということはちょっと考えられません。そう申しましても、できるだけ中野区の人の地震その他の災害に対するあき場をつくられるということには、当然国としても協力すべきである。でありまするから、あれを集約して、まあ地方に移せる部分はできるだけ移して、どうしても東京都内に置かなければならぬものを高層化することによってどの程度開放できるだろうかというので、まだ案を突き詰めておりませんが、全体で四万坪あるのですけれども、まあ半分以上は供出するという目標で考えないと、何だということになってもあれなので、半分を目標に開放して、そして高層化をはかる。こういう問題について、国も協力するということでなければ、私は法務省としての態度としてとるべきではない、こういう考えを持ちましたゆえに、とにかく半分は高層化によって、あるいはまた既決で一般の刑務所と同じことで使っておる分を、まあ供出するといいますか、開放するということでいくべきだというのが私の考えでありまして、いずれにしても、そういうことでいま法務省では検討しておる最中であります。
○沖本委員 この中野刑務所の問題につきましては、私も数年前からこの問題を聞き、また地元の方も法務省のほうに陳情して、ずっと検討していただくということをお願いしておったわけでございます。幸いに大臣がただいまのような御構想を発表していただきましたので、まあ一つの見通しがついたわけでございますが、ぜひともこの問題は具体化していただきたいということをお願いしたいわけでございます。 つきましては、これは一つのアイデアとしてお受けとめいただいたらいいのじゃないかと思いますけれども、府中にも刑務所がございます。府中も都内といえば都内ということになるわけでございますけれども、この際全国的に刑務所を御検討いただいて、それで使用目的を変えて、いろいろの転換、移転をはかっていただくような方法を講じていただきましたら、いま大臣がお述べになったようなことも比較的実現が可能になるのじゃないか、こういうような考えを持っておるわけでございます。府中の刑務所は大体暴力団の関係の人たちであるとかその他の方々が収監されているような模様のように、私はこの前行って見てきたわけでございますが、そういう点も考えるならば、やはり全国のこの種のものを御検討をいただいて、個々の面ということよりも、ただいま大臣のおっしゃったとおり、集約的に一応総合的な検討を加えていただいて、刑務所の使用目的なりあるいは刑務所の果たす使命をいろいろ変えていただく、こういうことで相当整理ができるのじゃないかというようなばく然たる考えですが、そういう考えを持っておるわけでございます。 それから、たとえば堺の大阪刑務所なんかでも、この前も申し上げたんですが、刑務官の宿舎あたりはほとんどなわ張りで、ほかの人が通れないというような場面もあるわけです。どうしても刑務所の近くに刑務官がおって、いつでも出られるような体制にどこでもなっておるわけですけれども、そこがまた特殊な地域みたいな形で占有されたようなかっこうになりますと、地元の人たちが非常に交通とかなんとかで困るわけです。こういう点も検討を加えていただかなければならないんじゃないか、こういうふうにも考えられますし、また刑務所となれば、ばく大な予算がかかっていくわけでございますからたいへんだとは存じますけれども、現在の社会情勢から考えていきますと、われわれは中に入れられる人たちの数が減ることは好ましいことではあるわけですけれども、現在の社会情勢ではどうしてもそういうことも考えざるを得ないという点を考え合わせていきますと、もう少し具体的に総合的な御検討をいただいて、刑務所の移転問題を十分取り上げていただければと考えるわけです。太平洋メガロポリスというような問題が最近はよく話題になるわけですけれども、その反面に、同じ国土の中で過疎地がいろいろできておるわけです。こういう点も考えていただきますと、わりと移転地域も考えられるのじゃないか、こういうふうにも考えられるわけです。 それで、移転をしてほしいということを法務省のほうにお願いに行きますと、結局、移転先がきまれば何とかなるのだというお答えが返ってくるわけですけれども、近いところに移転先を見つけていっても、その移転先の地元の方が移転に反対するし、そういうところでほとんど頭打ちというようなかりこうが現状でございます。こういう点を考え合わせていただきますと、むしろ今度は総合的に刑務所の移転問題を取り上げていただいて検討を加えていただいたほうが、もっと前向きに進んでいくのではないか、こういうふうに考えるわけでございますが、この点について、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○前尾国務大臣 私も、総合的に考えていかなければならぬというふうには考えております。ただ、府中刑務所が引き合いに出されるのでありますが、しかし、何年か後に府中刑務所自体がもう同様な状態になるおそれがあるわけであります。でありまするから、そう府中刑務所あるいは小菅の刑務所に期待ができないというところに、問題点がいま東京にはあるわけでございます。それ以外のところでありますと、率直に申しまして、そんなに刑務所を歓迎されるところはありません。それからまた、できればその付近に刑務所の職員の宿舎を設けることが、むしろその土地の繁栄という点からいいますと、刑務所だけ来てもらって、職員の宿舎は別のととろだというのでは、なかなか承知されない。東京などはもう非常に例外でありますが、これももちろん高層化していかなければならぬと思っております。 いずれにしましても、ただいまお話しのようにもっともっと総合的に、合理的に、しかも民間の人々に一ことに中野の方には非常にお気の毒に思っておりますことは、巣鴨は、万全と言うと悪いですが、かえって中野に圧力がかかって、その分までいろいろ収容しなければならぬ、まるで巣鴨のしわ寄せを中野の人が受けておられるというようなことがありますので、もちろん総合的に、最も合理的にやってまいりたい、かように考えております。
○沖本委員 この際ですからもう一つお願いしたいことは、あまり好ましい御質問ではないわけなんですが、大阪の大学入試事件でも、やはり刑務官の生活環境というようなものが非常に大きな事件を起こす役割りを果たした、こういうふうに私は考えておるわけでございます。これは私の個人的な考えではございますが、こういう方々がやはり社会と隔絶されている。たとえ話のようなことになりますけれども、結局国から俸給をいただきながら、まるで刑務所の囚人と同じようなことをしなければならないような環境に置かれている。毎日収監されている人たちと仕事をしながら、帰った自分の住まいというようなものが、やはり社会から離れておるというような点、生活環境そのものをもっと社会の環境と交わらせていって、それで本人なり家族なりが十分社会生活をしながら勤務についていくということのほうが、もっと健全な勤務ができていくのじゃないか、こういうふうにも考えられるわけでございます。 したがいまして、現在ありますこの種の施設は主として老朽化して、木造の古いものの中に住んでおる。一つの例をとりますと、便所にしてもくみ取りであったり、こういう旧態依然としたところにも、やはり精神的ないろいろな圧迫を受けていくというような問題もあるのじゃないか、こういうふうにも考えられるわけです。大臣がおっしゃったとおり、高層化して、一般の社会生活をしている人たちの住宅と変わりがないような環境に置いていただく。同時にまた、大臣は刑務所の高層化をいまお話しいただいたわけでございますが、同じようにこの点もとらえていただいて、大臣の御在任中にできれば刑務所の移転構想なり何なり、将来に向かっての問題を解決する糸口なり構想なりをお示しいただけるような方向にしていただければ、将来非常に明るい見通しがついてくるのではないか、こういうふうに考えられるわけでございます。松山の刑務所が移転する、これもやはり同じような条件のもとで移転がきまったのだと、私はそう承知しておるわけでございますが、同じように、予算がどうであるこうであるということよりも、まず先に立体的な総合的な構想を組んでいただいて、それによって国民も一緒になってこの問題を考えられるようなことであっていただきたいと思いますし、これからも交通事犯にかかって収監される人もまだまだふえていくようなことになるわけですから、こういう問題も一つはとらえていただいて、刑務所の機構なり何なりを十分果たせるような施設をつくっていただくような方向に御検討いただきたい、こう考えるわけでございますが、もう一つこの点につきまして、大臣のお考えがございましたらお伺いしたいと思います。
○前尾国務大臣 ただいまお話しのとおり、看守等につきましては、第一点は待遇の改善、第二点は訓練、第三にはやはりおっしゃるように環境、そういうことだと思います。それを改善していかなければなりませんし、最近で言いますと、黒羽刑務所なんかをごらんいただいたらよくおわかりになると思いますが、行刑のやり方につきましてもかなり近代化されてきておることは事実であります。 しかし、全国の刑務所全般を何年かの計画で、そういうふうな行刑のやり方から、看守なりあるいは環境その他すべて考えながら計画的に改善していかなければならぬということにつきましては、私、今後できるだけ御趣旨に沿って計画を立て、実行に移していきたい、かように考えております。
○沖本委員 以上で終わります。
○松澤委員長 中谷鉄也君。
○中谷委員 たいへん失礼いたしました。 防衛庁長官にお尋ねをいたしたいと思いますが、要するに法務大臣が先ほど冒頭に答弁せられましたのは、民法六百四条によれば、賃貸借の存続期間は二十年をこえることができないと定められているから、アメリカ合衆国の軍隊の用に供する目的をもって国が所有者がら賃借りしている土地の賃貸借契約というものは、二十年を経過したときには期間が満了するというふうに考えるというのは、これは防衛庁の御見解でもあって、すなわち政府の協議された御見解というふうに承っていいということ、これは当然のことでありますけれども、この点を中断後の質問の冒頭に確かめておきたいと思います。 前回、防衛庁の政府委員の方の御答弁の中に、不確定期限説であるとか、あるいは一部に報道されております条約優位説などということ、この二つとも私は何を意味しているのか理解に苦しむわけでありますけれども、いずれにいたしましても、民法六百四条の適用があるという考え方、この考え方は政府の御見解と承ってよろしいわけでございますね。
○江崎国務大臣 先ほど前尾法務大臣から意思表明のありましたものが、政府の統一の見解であります。
○中谷委員 そこで、民法六百四条については、二十年の期間をこえることができない、ただし更新することができるとあることは、法文の規定のとおりであります。といたしますと、先ほどの質問に戻りたいと思いますが、いずれにいたしましても更新をすることができるという規定の考え方、それから二十年をこえることができないという六百四条第一項の規定の趣旨からいいまして、貸し主が更新に応じないということは、何ら権利乱用の問題を生ずるものではないといわざるを得ないと思う。この点は当然のことであろうと思いまするけれども、長官の御答弁を承りたいと思います。
○江崎国務大臣 相手方から断わられた場合ですね。これはやはり従来の経緯は経緯といたしましても、やはり一応こういう規定に基づきまする以上、非常にむずかしい場面に逢着するわけです。 しかし、政府といたしましては、やはり当然米側に提供をしなければならぬという義務をしょっておりまするから、お断わりを受けないように、法的にはともかくとして、われわれとしてはあらゆる善後措置をとり、懇請を続け、合意に達するように努力をしてまいりたい、こう考えております。
○中谷委員 実務上あるいは行政措置上の問題については、あとでお伺いをいたしたいと思います。 重ねてお尋ねをいたしますけれども、せっかく法律上の統一見解を承ったわけでありますのでお尋ねをしておきたいのでありまするけれども、更新に応じないということは、何ら六百四条の一項、二項の規定から見て権利乱用の問題などを生ずるおそれはないのであって、逆に言いますと、更新を執拗にお求めになることがむしろ問題があるのではないか。要するに更新に応じないことは、何ら権利乱用のおそれを生ずる余地はないというふうに法律的には解すべきであると思いますが、その点について、この統一見解の派生的な問題として当然それは帰結さるべき御答弁であろうかと思いますが、確認的にお答えをいただきたいと思います。長官にひとつ……。
○江崎国務大臣 法の解釈でありますから政府委員から……。
○川島(一)政府委員 民法六百四条だけの解釈といたしまして、具体的な事案を離れまして、民法六百四条だけの解釈としては、まさにおっしゃるとおりだろうと思います。 問題は、権利乱用がどういう場合に適用されるか、これは具体的事案による問題ですから、一般的にお答えしかねると思います。 〔委員長退席、大竹委員長代理着席〕
○中谷委員 六百四条の一般的な解釈、すなわち通常の解釈の中から、更新に応じないというふうなことは、権利乱用の生ずる余地がないと思われるわけであります。ところが、具体的な場合には、そういう場合もあり得るかのごとき御答弁があるのでありますけれども、具体的事例を求めることに私は苦しむわけであります。どんな場合にそういう場合が想定されるのでしょうか。六百四条の一項は、二十年間の期間をこえてはならないとある。二項には、ただし更新してもいいんですよと、更新をとにかく従属的に認めておる規定であると思います。そういうふうな場合、一体権利乱用の問題が、更新に応じないからといって生ずる余地があるというふうな例がかりにあったとしても、それは希有の例である、非常に少数の例であるということは、先ほど民事局長御答弁になったと思うのです。ただし、そういう少数の例を見つけることに私は見つけがたいものがありますので、具体的にどんな場合がありますか、では一般的に設例をしていただきたい。考えられぬでしょう、そういうことは。
○川島(一)政府委員 実は、私もこまかい一々の事情を承知しておりませんので、適用されることがあり得るかどうかという懸念を持っておりますので、そういう解釈があるいは成り立つかもしれぬ。しかし、私は全般的な問題として、そういう解釈を表に出すということは、必ずしも適当でないというように思っております。
○中谷委員 国と国民との間に具体的なケースとして争われるかもしれないという問題のときに、法務省民事局長が国民の立場に立って、権利乱用の希有の例もあるかもしれませんよということをおせっかいされて御心配されるということは、いかなる政治姿勢、いかなる行政感覚に基づくものなりや、私はそのこと自体が理解できませんが……。
○川島(一)政府委員 私は、政治的な問題を離れまして、ただいろいろな場合が世の中にあるものですから、どういう場合にどういう解釈が出てくるかわからぬということを申し上げただけであります。
○中谷委員 そこで私がお尋ねをいたしましたのは、空白状態になる、すなわち期間到来とともに無権原の状態になるという点は御答弁をいただきました。第二点といたしまして、更新を拒否しても、権利乱用の問題の生ずる余地というものはなかなか想定しにくい、すなわち権利乱用の生ずる余地はほとんどない、これはもう六百四条の解釈として当然だろうと思いますが、そういう意味の御答弁を私はいただいたと思うのであります。 だといたしますと、防衛庁長官にお尋ねいたしたいと思いますけれども、人の土地を無権原で使っておるという状態は許容さるべきでないと思うのです。また同時に、更新を断わることが権利乱用でないことが通常の場合であるということ。だといたしますと、無権原のものは明け渡し義務を生ずること、これまた当然だろうと思うのであります。先ほどお述べいただきました法律上の御見解は、当然それも導き出される論理的帰結であろうと思います。明け渡し義務が借り主に生ずることは当然のことだろうと思うのですが、いかがでございましょうか。
○江崎国務大臣 いかがでしょう、これはやはり微妙な問題でありますから、政府委員から答弁させることが、正確を期する意味においても、時間を節約する意味においてもいいように思いますので、一応政府委員の見解をお聞き取りいただいて、私どもまた政治的に御判断申し上げた意見を申し上げたいと思います。
○中谷委員 防衛庁長官の御提言でけっこうでございます。それで施設庁長官のお話は、沖繩国会でいつもこりております。実務上、行政措置上の問題と法律的御見解をいつもまぜ合わして御答弁になるために、いつもすれ違いになることが多いと思うのです。 重ねてお尋ねをいたしますけれども、無権原である場合、当然明け渡し義務が生ずることは法律的に、常識的なものとして私は理解をいたしますが、いかがでございましょうか、施設庁長官の御答弁をいただきたいと思います。
○川島(一)政府委員 無権原で占有しております場合に、明け渡し請求権があるということは一般の原則でございます。 ただ、土地の場合につきましては、さっきお話しになりましたようないろいろ権利乱用の問題が出てくるケースがございます。これは基地の問題を離れましても、たとえば非常に高層のビルを建てた、その下の土地を、賃貸借も終わったので明け渡しを求めるということが、権利乱用として拒否されるというのは、これは一般に学説上も認められております。先ほどちょっと話に出ました昭和四十年の最高裁の判例、これは基地に関する問題でございますが、やはり権利乱用で、無権原の使用の土地に対しても明け渡し請求が認められないということをいった例が現にあるわけであります。そういうように、権利乱用の問題というのはケース・バイ・ケースによって判断されるべきものであろうと思いますので、その点は、一般的なお答えはいたしかねるわけでございます。
○中谷委員 一般的にはまず権利乱用の問題が生ずる余地はない、権利乱用という場合がまず例外的にあり得る、無権原のものを占拠している場合には明け渡し義務を生ずることが原則である、そうして例外的に権利乱用の問題を生ずる場合がある、その権利乱用の問題についてはケース・バイ・ケースである、こういうふうに整理させていただいてよろしいですか。
○川島(一)政府委員 法律の一般論、たてまえ論から申しますと、そのとおりであろうと思います。
○中谷委員 前回当委員会において、アメリカ合衆国軍隊の用に供するという目的が契約の主題である。ところが、現実にはアメリカ合衆国軍隊の用に供されているのではなしに、自衛隊が使用しているというふうな場合、しかもそこに、先ほど民事局長が御答弁になったような、大きな十何階などという高層ビルが建っているとか、あるいはかりに百歩譲って板付基地の場合に例をとるならば、何百億円という金を投資しているというふうな場合でない場合においては、例外の権利乱用などというふうなものが生ずる余地は非常に少ない。ビルが建っておるとか巨大な投資をしておるという場合に比して、そういう余地は少ない。たとえば、富士の問題などということに相なってくるだろうと思います。お互いに、将来そういうものが起こってくる可能性を頭に想定しながらの一般論の御答弁を求めていることに相なると思いますけれども、その点については、私の見解は、決して不当なことの答弁を求めているわけではない、無理な答弁を求めているわけではないと思いますが、局長いかがでしょうか。
○川島(一)政府委員 土地に対する多額の投資をした場合に、権利乱用の問題が生じやすいということは事実でございます。しかしながら、投資がない場合にどうかということになりますと、これが先ほど申し上げました個々具体的な事情によって判断しなければならないということになるわけでありまして、あの板付空港の問題の判例におきましても、所有権の社会性、公共性というようなこともいっておりますので、その辺をどのように考えるかということによって、いろいろなケースが出てくる余地はあろうというふうに考えております。
○中谷委員 重ねてお尋ねしますけれども、それはあくまで例外としてそういうものが生ずる余地があるという趣旨に伺ってよろしいですね。
○川島(一)政府委員 一般のたてまえ論から申しますと、そのとおりでございます。
○中谷委員 そこで、すでに七月二十七日に至って無権原の状態になる。そうして契約の更新を拒むことは、むしろ権利乱用の問題はそういう契約の更新を求める側にあるとしても、拒むことは何ら権利乱用の問題は生じない。そして第三点として、したがって明け渡し義務が借り主に生ずることは当然である、こういうふうなことに相なってくるだろうと思います。 といたしますと、防衛庁長官にお尋ねをいたしたいと思うのでありますけれども、国は、契約の更新を求める必要がある場合には、契約が円滑に更新できるよう最善の努力をいたすことを考えておられるという御答弁でありますけれども、かりに、努力をされて契約の更新が、先ほど申し上げたような立場に立って応ぜられなかった、契約の更新が成功しなかったという場合には、法律的にはどういうことに相なるのでしょうか。
○江崎国務大臣 これも仮定の場合でありまして、われわれとしては極力話し合いによりまして事柄が落着することを望むわけです。従来ともそういうことで話し合いが可能であったわけですから、ことさらに問題を引き起こしたいとは思っておりません。 しかし、不幸にして、いま仮定されるようにどうしても応じていただけない、その土地が日米安全保障条約の義務履行に重大な支障を来たすおそれがある、こういう場合には、やはり地位協定の実施に伴う土地等の使用等に関する特別措置法、この適用が可能であるというふうに思いますが、これはあくまで仮定の話でありまして、いまそういうものを適用してどうしようということを考えておるのではありません。あくまで仮定の問題としてお答え申し上げます。
○中谷委員 日米安保条約に重大な支障があるというふうなお答えのしかたは、必ずしも正確ではないと思うのです。 それでは、土地の特別措置法が適用し得る場合、この場合についての法定要件を、施設庁長官のほうから正確にお述べいただきたい。何条のどの条項ですか。
○島田(豊)政府委員 ただいまのは、いわゆる特別措置法の三条に、「駐留軍の用に供するため土地等を必要とする場合において、その土地等を駐留軍の用に供することが適正且つ合理的であるときは、この法律の定めるところにより、これを使用し、又は収用することができる。」この条項でございます。
○中谷委員 大臣の御答弁は、政治的姿勢をお示しになったという意味において、実は安保条約の義務履行に重大な支障があるというふうに、「適正且つ合理的」ということばを、より厳格に解釈する意味でお述べになったというふうに理解してよろしいのでしょうか。
○江崎国務大臣 そうでございます。
○中谷委員 これは質問したかいがあったと思います。いまの御発言は非常に重大な御発言だと私は思います。「適正且つ合理的」ということは、必ずしも日米安保条約の義務履行に重大な支障があるという場合には限らないと思うのです。要するに「適正且つ合理的」というのは、もっと広い概念として三条はとらえているように私は理解をいたしますが、そうすると、「適正且つ合理的」という概念の中で、日米安保条約の義務履行の中で特段に安保条約の履行に重大な影響のある場合に限定して、そういう場合に土地の特別措置法を、かりに万一適用する場合にはそれを適用する、これは政府の御見解、お立場、そういうふうなことについての、将来におけるところの政府の法律的な考え方をも含んで、そういうものとして理解させていただいてよろしいですね。
○島田(豊)政府委員 ただいま大臣の御答弁で、日米安保条約の義務の履行に重大な支障があるという御答弁でございますが、特別措置法では御承知のように「適正且つ合理的」という目的にかなわなければなりませんが、私はこの点は、特別に重大な支障というものが、この三条の解釈につきまして一つの限定的な解釈を下されたというふうには思わないのでございまして、一応政治的といいますか、その面では重大な支障がある場合には困るのだ。しかし、これを実際に法律を適用いたします場合には、「適正且つ合理的」というこの条項が適用されるわけでございまして、実体的にそう変わりはないのではないかというふうに思います。
○中谷委員 大事な点ですのでお尋ねいたします。そうすると、日米安保条約の義務履行に支障があるという場合は、適用を排除するとお伺いすべきですね。
○島田(豊)政府委員 「適正且つ合理的」ということは、要するに、日米安保条約に基づきまして米側に施設、区域を提供しておる。逆に言いますれば、米側は、わが国の安全なり、あるいは極東におきます平和と安全を守るために施設、区域を使用することを許されておるわけでございます。したがいまして、その目的を達成するに必要な限度におきまして、この「適正且つ合理的」という解釈は当然含まれるわけでございますので、その重大な支障というものが、米側がその施設、区域を使用することを許されておる、その目的に合致しておるかどうかということにかかってくるのではないかというふうに思うわけでございます。
○中谷委員 「適正且つ合理的」についての判例解釈、通達等は、土地収用法の解釈例規等をめぐって数多くあります。しかし、それをただ政治的側面からどのようにとらえるか、「適正かつ合理的」の要素の一つとしてどのようにそれを解釈するかということについて、先ほどの防衛庁長官の答弁は非常に重大だと私は思うのであります。 重ねてお尋ねをいたしますけれども、重大な支障と単なる支障とは、文理上も、おことば上も、内容上も異なることは明らかであります。「適正且つ合理的」ということばの判断、ことに政治的な側面、安保条約の及ぼす影響という観点においてとらえる限り、「適正且つ合理的」の判断内容としては、重大な支障というものに限定をされる、単なる支障はこれに含まないというふうにお伺いしてよろしいですね。これは重ねて、繰り返しお尋ねしている点でありますから、長官の御答弁をいただきたい。
○江崎国務大臣 私、三条の解釈については、いま施設庁長官が申し上げましたとおりだというふうに考えます。 そこで、安保条約の義務履行に重大な支障と私は申し上げたわけでありますが、基地提供等の場合におきまして、相手がどうしても必要であると言えば、それは重大な支障ということに政治的には判断していいのではないかと考えております。
○中谷委員 そういう解釈なんでしょうか。相手がどうしても必要だということは、イコール「適正且つ合理的」ではないはずでございますね。
○江崎国務大臣 そういう意味ではなくて、相手がどうしても必要であるということになれば、日米安保条約を履行していく上に「適正且つ合理的」と、これはアメリカ軍に対しまして政府としてはそういう考え方をとらざるを得ない。これは施設庁長官がさっき申し上げたとおりでございます。
○中谷委員 法律解釈が少し混乱しておられるように思うのです。アメリカ合衆国の軍隊の用に供する土地ですから、まず用に供したいという要望がなければならない。その点について、幾ら声を大きくして用に供してくれ、用に供してくれと言ったからといっても、そのことは一条の規定の中にその条文があるわけで、そういう用に供してくれと言っていることが、「適正且つ合理的」であるかどうかの判断というのは、第三条で、日本国が主体性をもって判断するんだとあるわけです。 そこで申し上げたいのですけれども、これは将来の、私自身も含めて、「適正且つ合理的」な要素の一つに相なると思いますけれども、重大な支障と支障というのは相異なる。そこで、この場合に用に供する、すなわち土地の特別措置法を適用するという場合には、単なる支障をもって足りるとはしない、重大な支障ありとする場合に適用するという考え方ということをお答えいただきたいと思います。先ほどの答弁の整理をさせていただいたわけです。そのことが、一条と三条の解釈の中で、ただいまの長官の御答弁が将来他の機関において、あるいは他の場所において、どのように判断され、解釈されるかということは別の問題としておきたいと思いますけれども、土地の特別措置法を適用する場合には、長官は単なる支障をもって足りるとはしない、重大なる支障ある場合には土地の特別措置法を適用するのだというふうに理解してよろしいですね。
○島田(豊)政府委員 実体的な面と申しますか、事実上の問題につきまして申し上げますと、米側に施設、区域を提供いたします場合には、所定の手続を必要とするわけでございまして、具体的には日米合同委員会で個々の施設、区域につきまして、いろいろな条件を付しまして両者間で合意をする、それによって米側に日本側としては提供するわけでございますので、その限りにおきましては、これは日米間の合意でございますし、その前提として「適正且つ合理的」という配慮がなされておるというふうに考えられますので、いまの支障の問題につきまして、重大か重大でないかという問題は、さして本質的な問題ではなかろう。私は、やはり具体的には、日米合同委員会におきまして日米間で提供につきまして合意をする、米側もその使用の条件の範囲内においてこれを了承するという、そういう行為が積み上げられるわけでございますので、その限りにおきましては、これはやはり支障があるということでございましょう。したがいまして、重大な支障という大臣の御発言につきましては、それほどこの問題を拘泥をする必要はないのではなかろうかという考え方でございます。
○中谷委員 拘泥をする必要はない。拘泥されたら困るわけでしょう。とにかく重大な支障と支障とはたいへんな違いがあります。その点について、要するに条約義務の履行だというふうなことを一つの根拠としてお持ちになったわけだから、その条約義務の履行が、支障があるのと重大な支障があるのとはたいへんな違いだと思うのです。したがいまして、これは当然合同委員会におけるところの論議として、それが支障なのか重大な支障なのかということが論議さるべき問題として私は先ほど答弁を承ったわけです。日米合同委員会で、支障ということと重大な支障とはたいした区別はないのだ、そして国会のこの委員会における答弁では二つの食い違いが出てくるということでは、私はそういうことばのあやを使っていただいては非常に迷惑だと思うのです。長官のいまの御答弁は私は非常にふに落ちません。重大な支障ということと支障ということがたいした違いはないのだなんということは、私は率直に言って、ある意味で非常な食言にも近いようなことだと思う。ことばをもうちょっと大事にしていただきたい。重大な支障と支障ということが違わないということの理屈が私はわかりません。そういうようなものでは、法律の解釈なんというものはそもそも成り立たないと思うのです。ひとつその点について、まず施設庁長官はただいまのそういう答弁を維持されるかどうか。
○江崎国務大臣 私から先にちょっと……。 私は、重大な支障という意味は、きわめて一般的、政治的な意味を含めて申し上げたわけでありますが、法律的に詰めてこられまして、支障と重大な支障とどう違うかとおっしゃるならば、これはやはり日米安保条約遂行上支障があっては困るわけでありますから、もし私が一般的な政治的な意味で発言した重大な支障ということばが言い過ぎであるならば、これは私はこの機会に、誤解のないように取り消しておきたいと思います。
○中谷委員 いやいや、それは取り消しをされるというのは話が後退するわけでしてね。だから私はことばは大事にしてもらいたいと言ったのです。政治的な発言だから重大なということばは軽く使っていいのだというふうなことは、私は非常にふしぎだと思うのです。法務大臣の御出席を求め、そして防衛庁長官の御出席をお願いして、法律的見解を求めている当委員会での私の質疑なんです。だから、先ほどから私、申し上げているように、民事局長もきょうは若干政治的発言をされたと思うのですけれども、施設庁長官はいつも行政的な措置と法律的な見解をまぜて御答弁になるので、話が混乱をする。政治家である私のほうがむしろまともにお尋ねをしているのだ、こういうことを私は申し上げたわけなんです。 それでは、もう一度別の角度からお尋ねをいたしますけれども、場合によっては土地の特別措置法の適用をすることもあり得るということでありますが、だとすると、それは無権原状態をつくらないという意味で、そういう手続は進行されるということに相なるのでしょうか。逆に言いますと、七月二十七日が来れば、方針が一致しなければ無権原の状態になりますね。七月二十七日までに処置を完了することも考えているという趣旨なんでしょうか。
○島田(豊)政府委員 ことしの七月二十七日で二十年間の契約の存続期間が満了するという人たちがかなりおるわけであります。そこで一方におきましては、従来、二十年来米側に毎年毎年賃貸借契約を更新いたしまして、これはもうほとんど大部分の方がその契約に応じてくださって、円滑にこの問題の処理ができたわけでございます。 したがいまして、今後もやはり引き続き米側に提供する施設につきまして、国有地につきましてはもちろん、一時使用の承認を得ながら所定の手続をとらなければいけませんし、民公有地につきましては、使用に関する権原を私どもとしては取得をする必要がある、そしてそれを米側に提供する必要がございますので、やはりその必要性を満たすためのやむを得ざる方途として権原を取得する。一方においては契約を極力進めていく。と同時に、万が一どうしても契約を拒否されるという方がおられますれは、やはりこの法的措置を講じまして、少なくとも国が権原を取得する、そして提供する、こういろ必要性があろうかと思うわけでございます。
○中谷委員 土地の特別措置法を、二十年の期間が到来したものについて発動するかどうかの問題は別として、適用されることが法律的にあたかも合法だということが施設庁全体、防衛庁全体の見解の前提になっているようでございますけれども、はたしてそういうふうに簡単に言っていいものなのかどうか。民法第六百四条の期間が到来したものについて土地の特別措置法を適用するというふうなことは、この土地の特別措置法で予想しておったことなのかどうか、これが第一点であります。 第二点は、その土地の特別措置法が二十年以前、すなわち昭和二十七年七月段階において土地の特別措置法が適用された場合と、二十年たった今日適用された場合とは、適用の方法において、ありようにおいて異なるものがあるべきである。要するに二十年という期間は、民法六百四条によって、賃貸借の期間はそれ以上延ばしてはいけないのだ、それ以上上回ることはできないのだという規定なんです。それについて、二十年前特別措置法というものを適用することと、二十年たってから適用するというふうなこととは、おのずから法律的な解釈においても異なるべきだというふうに私は考えるので、六百四条のもとにおいて土地の特別措置法が何らの疑義なしに適用されるのだというふうに防衛庁は考えておられるでしょうが、この点について疑義を私は持ちます。この点についてはいかがでしょうか。この二点について質問いたします。
○島田(豊)政府委員 まあ事実関係から申し上げますと、占領期間中は米側との契約によりまして土地を使用してきたわけでございますが、占領期間が経過いたしまして、いわゆる安保条約、当時の行政協定が適用になりました段階におきまして、やはり引き続き米側に提供する必要があるものにつきましては、現実にこの特別措置法を適用した例があるわけでございます。まあ一般的に考えますと、新しく土地を取得いたしまして米側に提供するという場合に、この特別措置法を適用するということが一般的かもしれませんけれども、過去におきまして、そういうふうに占領期間から行政協定のもとにおけるステータスに変わりましたときも同様に、引き続き使用という観点から、この特別措置法を適用した例もございますので、その点においては、今日の段階においても変わりはないのじゃなかろうかという考え方でございます。
○中谷委員 次の次の水曜日に、施設庁長官ひとつ御出席いただきまして、六百四条の適用を受ける場合、六百四条をめぐっての始期と終期、契約の始期の段階におけるときの特別措置法の適用と、終期における期間の到来したときにおける土地の特別措置法の適用とは、法律の解釈においても異なってくるし、いまの防衛庁が前提としてお持ちになっている直ちに適用できるということについては、私は疑義を持っているわけなんです。この点については次の次の水曜日までに、二週間ありますから、それまでにひとつ御検討いただいて、防衛庁長官は何べんも御出席をいただけないと思いますが、施設庁長官ひとつ御出席をいただきたい。そしてその点について、いま述べられたことははなはだ法律的は不正確だと申しますか、あまりまとまっておらない御見解だと思いますので、次の次の水曜日には、六百四条と土地の特別措置法との関係についての統一見解をおまとめいただけますかどうか、お答えいただきたいと思います。
○島田(豊)政府委員 その段階までに十分検討をして、御回答申し上げたいと思います。
○中谷委員 この問題は毎週ひとつやらせていただくことにいたしますからね。 そこで、沖繩の民法六百四条というのは、本土の民法六百四条と同種の規定であったと私は理解をいたしております。そうすると、復帰に伴う特別措置法との関係において、沖繩においての基地については、沖繩の民法の期間を通算をして、本土の民法は五百十五日以降より、沖繩にも六百四条が適用される、こういうふうに理解をしてよろしいのですね。
○島田(豊)政府委員 この問題について、まだ検討をいたしたことがございませんが、現在、布令二十号によりまして賃貸借契約を結んでおります。その布令二十号が復帰と同時に効力を失うわけでございまして、したがいまして、沖繩民法の適用はそこでなくなるわけでございまして、新しく日本民法が沖繩にも及ぶということになりますので、その始期をいつにするかということについては、常識的に考えますと沖繩の復帰、つまりその復帰時点だというのは、布令二十号による契約の時点と日本国が地主と契約をして米側に提供をする時点とは、これは全く細分をして、区別をして考えるべき問題ではないかというふうに考えられますので、そう考えてみますと、この二十年の始期というものは、沖繩の復帰の時点ではなかろうかというふうに一応考えられますけれども、なおこの問題については、引き続き再検討いたしたいと思います。
○中谷委員 しかし、復帰に伴う特別措置法によって権利義務の承継の問題がありますから、私は始期が五月十五日だというふうには言えないと思うのです。 そこでこれも、では次の次の水曜日までにひとつまとめておいてください。私はいまの見解にくみしない、同意できがたいということを申し上げておきます。 〔大竹委員長代理退席、羽田野委員長代理着 席〕 そこで、最後に一点だけお尋ねをしておきたいと思いますが、前回防衛施設庁の見解として、最終的な討議を経ていないけれどもということで、この委員会において御答弁があったわけですが、沖繩における軍用地の契約にあたって、核兵器それから毒ガス、そういうふうなものは提供をした土地には置かないということ、そういうようなものを置いた場合には契約は解除される、解除されてもいい、それからそういうようなことについて点検、立ち入りということについての条項を設ける用意があるということについての御答弁があったわけであります。この点についての防衛庁長官の御見解を承って、私の質問は終わりたいと思います。
○江崎国務大臣 いまの御質問は、一般論としては私はやはり一つの可能性を持っておるもののように思います。 しかし、すでに核兵器であるとかへーグの条約で禁止をされた毒ガス、こういったもののわが国への持ち込みにつきましては絶対に許さない、これが従来の政府側の方針でもありますし、アメリカ側も現実の問題として、核兵器または毒ガスの持ち込みは全く考えていない、これが現状であります。したがって、あらためてそういうことを賃貸契約書に条項として加える必要があるだろうか。私はその必要はないというふうに考えております。したがって、あらためてここでそういう賃貸契約書に書き入れる必要はないのではないか、現在日本本土で契約書を用いておりまするそのままのフォームを沖繩においても適用したらよろしい、こういうふうに考えます。
○中谷委員 質問を終わりますが、いまの問題は、沖繩現地においては、委員会における答弁についてかなり反響も呼び、その点について、防衛庁がそういうふうに考えているならという人もいると思うのですけれども、ただいまの防衛庁長官の御答弁によって、事実上前回の御答弁が撤回されたものと思いますが、そういうようなことが沖繩現地に与える影響というものは、決して、軍用地契約を促進するという防衛庁の立場からいいますと、好ましくないものであると私は思います。しかし、はたしてそういうふうな契約の中にいま言ったような条項を入れることの可否、あるいはその必要性、あるいはそのことが法律上の許容される条項たり得るかどうか等の問題については、さらに私のほうでも整理をいたし、検討をいたしたいと思いますが、時間も来たようでありますので、きょうはこの程度で終わっておきたいと思います。ただ、先ほど申しました点について、特別措置法との関係についての見解はおまとめをいただきたい。 以上であります。
○羽田野委員長代理 青柳盛雄君。
○青柳委員 本土における民有地あるいは公有地の賃貸借の期間の問題について、本日統一見解が出されたわけで、一歩前進だと思います。 しかし、なお確かめておきたいのは、いままでの契約は無期限のものであったというふうな考え方、ただし、これはいわゆる期限の定めなき賃貸借で、何どきでも解約できるというようなものではなく、俗に言う不確定期限、米軍の使用の必要性が存続する限り、そしてまた、先ほど問題になった地位協定の実施に伴う土地等の使用等に関する特別措置法の第三条に該当するというもののある限りは続いていくのだ。しかし、不確定期限といえども、民法六百四条の適用を排除するものではないから、この強行規定の適用を受けて不確定期限も二十年で一応切れるのだ、こういう見解であるのか。いままでの契約書というのは、会計法の関係か何か知りませんが、一年限りで毎年毎年切りかえるような形をとっておる。したがって、これは一年の契約であるというふうに誤解をされる可能性もあるし、また事実上期間の定めのないものだという解釈も成り立つし、さらには、先ほどから言われている不確定期限だという解釈もあるし、だから結局は不確定期限である、ただし六百四条の適用はあるという、こういう解釈であるのか、そこをお聞きしておきます。
○島田(豊)政府委員 従来は、御指摘のように不確定期限説で、毎年毎年実際上の賃借料の更改はやっておりましたので、その限りにおきまして毎年毎年の更改でございましたが、米軍が必要とする間、つまり地位協定上の目的が引き続き在続する間におきましては契約は継続しておる、こういう考え方でございます。 しかしながら、民法六百四条との関係におきましては、本日政府側の統一見解にもありますような関係におきまして、不確定期限とは言いながら、やはりそこに一つの契約期間がある契約であるという観点に立ちますれば、やはり六百四条が適用されるという解釈でございますので、その点は、本日の解釈に私どもも従うわけでございますが、従来の契約そのものに地位協定の目的を達することがうたわれておりますので、その限りにおいては、やはり不確定期限説という従来の考え方は、もちろん当然成り立っておったのだろうというふうに考えるわけでございます。
○青柳委員 そこで、期限が来るから、今度さらに二十年を限度とする不確定期限とでも申しましょうか、そういうものにことしの七月二十八日以後は切りかわっていくのだ、そのようであります。その対象になるものは、どうも新聞の報道がちょっと不正確なのか、違うので、確かめておきたいのですが、本年の一月二十三日の読売新聞によりますと、現在、防衛施設庁の調べで基地は百十カ所で二億平米、そのうちの四分の一の五千万平米が民有地、地主数は四千九百七十九人、約五千人。ところが、朝日新聞の一月二十四日によりますと、同じ防衛施設庁調べで、百十カ所という点は同じですが、三万ヘクタール、三分の一の約一万ヘクタールが民有地、地主は五千人です。ちょっと計数が私は違うように思うのです。正確には防衛施設庁調べでどうなっておりますか。
○薄田政府委員 これはいろいろ新聞のほうでのとりようの態様があろうと思いますが、われわれといたしましては、提供しておる面積は、全体が二億九百六十七万平米でございますから、民公有を合わせたものは五千八百六十三万平米、そのうち民有地が一千七百八万平米、こういうふうに考えます。件数のほうは、現時点で相当変化等もございまして、あるいは集約等もございまして動いておりますので、件数は正確なところをまだ把握しておりませんが、先ほど申し上げました民有地につきましては約四千件、それから民公有を合わせて四千二百件ぐらいではないかと思います。 ついででございますが、来たる七月二十七日に終期になるであろうと思われますのが約二千二百件ぐらいあるのじゃないか、こういうふうに思います。
○青柳委員 さて、この二千二百件は、沖繩の場合と違って、地主もわかっておるし、土地も明確であるから、期間の更新について事務上の支障はまずないだろう、いままで毎年毎年、俗に言う切りかえのようなことをやってきておりますから。しかし、そうはいっても、この人々がもうこれで民法六百四条の期限が来たのだから、いままでは一年更改のような形でやむを得なかったけれども、今度はお返し願いたい、いわゆる更新を拒否したいという気持ちになられる方もないわけではないと思うのですね。最近の沖繩基地が、ベトナム戦争に日本の基地がじかに使われる。事前協議も何かあいまいだという形で、直接対外侵略の基地にも使われるというようなことに自分の土地を提供しておきたくないという、そういう気持ちからも返してもらいたいという人が相当出ると思うのですよ。 そこで、こういう方々も説得をして、何とかまた、不確定期限とは言いながら、二十年の限度で継続していただきたいと説得されるというのが政府側の考え方でございましょうけれども、それが功を奏さないという場合に、伝家の宝刀で、先ほどから論議されております特別措置法を使うんだ。まあこれを使うことが、はたして適法であるかどうかということが大問題になりますけれども、そのこともここで私は本来なら論じたいと思いますが、これは次回に継続審議のようでございますから、またその際にも言いたいと思いますけれども、政府は特別措置法があるから、空白なしに直ちに更新はできたと同じことなんだ、絶対に不法占有にならぬようにしてみせる、これだけの自信があるのかないのか。実は、特別措置法で準用されておるところの土地収用法を読み合わせてみますと、土地収用法を発動させて国民の土地を使用する、あるいは収用するということは、沖繩の暫定使用に関する法律のように、認定して通知さえすればいい、あるいは告示さえすればいいという、そんななまやさしいものではないわけですね。 〔羽田野委員長代理退席、委員長着席〕 相当この土地収用法というのはざる法だ、一方的に大企業あるいは大会社がどんどん民間の土地を横暴に取り上げて、けしからぬという議論が盛んでございますけれども、そういう法律でも、民主主義のたてまえで、憲法二十九条を厳正に適用すれば、やはり相当民主的に運用せざるを得ないわけですから、時間がかかりますね。だから、七月二十七日の午後十二時まで説得を続けたけれども成功しなかった。そこでもう見切りをつけて、この特別措置法第三条に該当するということで、認定申請を防衛施設庁長官や防衛庁長官を通じて内閣総理大臣に申請する、内閣総理大臣は即座に認定をしてこれを通知し告示する、そこまではスピーディーにやれるでしょう。しかし、それから後の収用委員会の手続というものが、そう夜の夜中でも一分のすき間なく行なわれるということは考えられないわけですね。認定ならば簡単でございます。しかし、収用手続というのは相当の期間がかかるのが常識です。これまたかからなかったらおかしいですね。それでは収用委員会というものは全く形骸化してしまいますから。 そこで、その場合には一つの手がある。特別措置法で準用されている土地収用法の百二十三条というのがあるから、これでやればいいんだという考えがあるいはあるんじゃないか、私はそのように想像いたします。これは私の想像で、防衛施設庁のほうでは、いや、そんなものとはかかわりなくやるというのであればまたあとで御回答願いたいのですが、百二十三条を使いましても、そうは簡単にいかないと思うのですね。はたして空白なしにいくかどうか。したがって、いま言われたように二千二百件もある、そのうちの一%でも二十二人、一〇%なら二百二十人の方が拒否されるということがあるわけです。その人たちについてはやむを得ず不法占有が続いておって、あとで収用の認定裁決が出れば治癒されるとでも考えているのかどうか、この辺ひとつお答え願いたいと思います。 要するに、こういう複雑な問題をかかえているのに、沖繩における公用地等の暫定使用に関する法律と同じようなものを、本土の米軍基地についても暫定的につくっておかなければまずいのだ、そうでなければ、法治国家らしい形をなさないというふうには考える必要がないのかどうか。これはよほど重大な問題ですから、正確にお答え願いたいと思います。
○島田(豊)政府委員 従来、長年にわたって毎年毎年契約交渉をやってまいりましたが、まあ大部分の方々がその契約に応じてくださっておる。その前提には、不確定期限という考え方がございましたけれども、応じてくださっているといろ事実にかんがみまして、私は、今回の契約更新につきましても、引き続きやはり話し合いで契約に応じてくださる方が大部分であろうというふうに思うわけでございます。したがいまして、御指摘のような特別措置法を適用するようなケースは、私はきわめて少ないと思いますし、しかも、これは沖繩の場合と違いまして、御指摘のように権利関係等も明確でございますし、基地のありますところの県は十数県にまたがっておるというようなこともございまして、この問題を法的手続を講ずるということにつきましては、私はそう大きな支障はなかろう。収用認定ということを考えましても、沖繩の土地収用の場合と違いまして、これも御指摘のように簡易な手続になっておりますので、私はその辺については大きな支障があるとは思いません。 しかしながら、私どもやはり原則は話し合いということでございますので、あと三カ月ございますので、この期間にこの契約更新についての話し合いを鋭意進めていきまして、そういう法的な措置を講ずる必要がないような状態に持っていきたい、かように考えておるわけでございます。
○青柳委員 いまの答弁は、政府としてもそれで押し通そうというお考えだろうと思いますけれども、いささか甘いのではないか。いままではまあしかたがないという気分で土地所有者のほう、貸し主のほうにもあきらめがあったと思うのですね。しかし、きょうの統一見解でそういう二十年の適用があって、この七月には期限が来るのだ、更新は拒絶する権利があるのだということになると、いままでは毎年毎年何とかお話しすれば、少し地代でも上げてあげればそれで承知してくだすったんだから、今度もだいじょうぶだろうということは、そうは問屋がおろさないだろうと思うのです。だから、最後の最後までやると言いますが、あるところで見切りをつけなければ、強行規定を使うにしても空白ができてしまうのではないか。そこで、いいかげんなところで見切りをつけて申請するということができるのかどうか。まだ借地権が存続している際に、どうもこの地主はいままで何べんも話しに行ったけれども応じてくれない、あるいは基地反対同盟に参加しておられる、平和運動の熱心な活動家である、自分一人でもこの地所は提供しないぞ、合法的にそれが拒否できるんだからというような者があるから、これはもう早目にひとつ申請をしてしまおうかというようなことをやるのかやらぬのか。またそれをやるとなれば、先ほどきれいごとで説得をするなどと言っても、これはただていさいだけのことであって、結局は国民と対決する姿勢を露骨にあらわさざるを得ないわけです。 いずれにしましても、この辺のところでたいへんな政府の決断が必要になってくるわけでありますが、いま言った点について、防衛庁長官はどう考えておられますか。
○江崎国務大臣 だんだんのお話でありますが、やはりわれわれとしては、従来長い間人的なつながりも持って、合意をして賃借契約を結んできておりましたので、あくまで話し合いをしていく、これが第一義でございます。法的には、先ほど来議論のあるような問題もいろいろ起こりましょう。そういうことも想像してまいらなければなりませんが、極力政府側の窮状を訴え、また義務履行という実情を話していけば、御了解が願えるものではないかということで、懸命にその決意で努力をしていこうとしております。
○青柳委員 では、防衛庁関係はもうこれで終わります。どうぞお引き取りくだすってもかまいません。 今度は、ちょっと違う問題について、時間がありませんからかけ足でやります。前々からここで私がしばしば質疑をしております、関西電力の人権じゅうりんの問題でありますが、これが、最近の情勢では、神戸地方法務局の人権擁護関係の機関が審理をストップしてしまった。中止したというのですね。それも法務局長が、あるいは人権擁護局長の指示によってストップしてしまった。しかもその理由は、人権侵害を受けたという当事者の方々が、関西電力を相手にして民事裁判を起こした、民事裁判に係属してしまったから、それが結論が出るまでは、人権擁護局としてはどんな処置もしない、ストップをするということのようでございます。そのことが、関係者のほうからも私のほうに報告がありましたし、また、四月二十日の読売新聞などにも報道されております。「宙に浮いた人権侵害」の訴えということで、法務省が結論を待ったさせた、そういうことで出ておりますが、この辺のいきさつを、簡単に御説明願いたいと思います。
○影山政府委員 関西電力の侵犯事件の調査を中止いたしたというのは、これは関西電力のこの事件のみでございませんで、人権機関といたしましては、同一の事実が訴訟に係属するということになります場合の一般的措置でございまして、特にこの事件について格段に変わった措置をとったわけではありません。 その理由を簡単に申し上げますと、結局法務省の人権擁護機関は、人権思想の普及、高揚をはかるということが目的でございまして、人権侵犯事件を調査する場合でも、その調査を行なって、そして侵犯の疑いがあるあるいはないということを一応の認定をいたしますが、これもやはり、事件の調査といっても、結局、これによって人権思想の啓発を期するというものでございます。そこで、こういう法務省の人権擁護機関の調査では、人権侵犯の事実が認められた場合には、ただ関係者に対して人権尊重の意識を徹底させる啓蒙をいたしますが、調査の手段は全く任意的方法によっているというのも、こういう機関設置の目的上そうなるわけでございます。 したがって、人権擁護機関に申告されたものと同一の事実が裁判所に訴え出られました場合には、任意調査の権限しか持っておりません人権擁護機関といたしましては、自分のほうの調査を中止いたしまして、訴訟法の定める厳格な手続によって訴えを審理して最終的判断を下すことを職責としており、人権擁護の最後のとりでとされる裁判所の判断をまつのを相当と考えておりまして、本件についてもそういう措置をとった次第でございます。
○青柳委員 たいへんもっとものような御説明でございますが、ただ人権尊重の啓蒙宣伝の機関として人権擁護局というものが機能しているのだというのは、とてもわれわれには理解できない説明なんですね。人権侵犯事件処理規程、昭和三十六年、法務省訓令第一号、これを読みましても、第九条には、「調査の結果により、人権侵犯の事実があると認めるときは、」告発とか、勧告とか、通告とか、説示、援助、排除措置というようなことができるということになっておるのですね。これは民事裁判で裁判所が厳格なる証拠調べに基づいて、口頭弁論の結果を参酌して、原告の請求を認めるか排除するかという結論とは別にでき得ることなんですよ。しても少しも不合理なことはないですね。それを、当事者が民事訴訟を起こした、同一案件だ、裁判所のほうは証拠調べが厳重にできる、こっちは任意調査だ、だからこっちはやめておく、こういうことで、この制度をないがしろにするようなことが許されていいかどうか。 しかも、この事件は、おそらくさっき言った規程の十三条の八号の「重大な差別待遇」というので特別事件扱いをして、そして報告を行なっている事件だと思います。そこで、神戸の地方法務局長が法務省に対して何らかの報告をし、指示を求めたというふうに理解できるわけです。大体審理は終わったから、新聞報道によれば、先ほど申しました九条の措置の中の第四号の説示等の措置をしたらどうかということで報告をし、指示を仰いだら、ストップだということがあったというふうにいわれております。ところで、十一条の中止というのはどういう場合かというと、「関係者の所在不明その他調査を行なうについての著しい障害」要するに障害が起こってきた場合にだけ中止するわけですね。そのことは二項に、「前項の障害がなくなったときは、すみやかに事件の調査を開始するものとする。」ということが書いてあるところを見てもわかります。だから、障害があって続行することが相当でないといったときにだけ中止する。裁判所に出したら、どうして障害が起こるのですか。続行することが相当でないといったところで、それは障害がなければ中止してはいけない。これは通達なんですよ。自分できめた通達を改正しないでおいて、それでいま言ったような独自の見解で、裁判所に送ったときには、この事件ばかりでありません、中止することになっております。この規則をそのまま厳然と残しておきながら、そんな慣例をやるのは、法治国家の役人としてやるべきことなんですか。この点重ねてお尋ねいたします。
○影山政府委員 通達が出ておりまして、結局のところ、調査を継続することが相当でないというふうに認めるという運用の方針に従ってやっておりまして、裁判所がすでに最終的に判断をする権限を持ち、そして人権侵犯の有無を審理しておりますのに、私どもといたしましては、調査事件といってもやはりこれは全くの任意調査でありまして、人権思想の啓蒙、宣伝の一つの方法としてやっておりますことでございますので、ここにいう「相当でないと認めるときは、」ということで運用をしておるわけであります。
○青柳委員 これは明らかに、先ほど言いました事件処理規程の十一条の拡張解釈、それ以外の何ものでもありません。そしてこれは明らかに職務怠慢です。なるほど当事者にしてみれば、両面作戦といいますか、人権擁護局に人権侵犯の申し立てをすると同時に民事的な訴えをする、あるいは犯罪と考えて検察庁あるいは警察に告訴を出すということだって考えられますよ。それぞれ刑事事件は刑事事件、民事事件は民事事件としての機能があり使命があるわけです。また出る結論も違うわけですね。認定においても違いが出てくる場合もあり得るでしょうし、結論は当然違います。刑事事件は処罰するかどうか、民事事件は救済をするかどうか、みんな違います。だから、人権擁護委員会がこういう人権侵犯の申し立てがあったときには、先ほど言いましたように行政的な処置にしかすぎないでしょうけれども、大体六つくらいのやり方があるわけです。最もひどいときは告発しなければならないし、すべきです。これはもう一ぺん検討して、中止を指示したのを取り消すということを私は強く要請したいと思いますが、どうですか。
○影山政府委員 ただいま申しましたとおり、私どもの仕事は、適式な証拠調べによって人権侵犯の事実が確定されるという一方の経過が進行しておりますので、そういう侵犯の認定というような点については、差し控えなければならないという考えのもとに運用をしておるわけであります。
○青柳委員 押し問答になりますからやめますけれども、どうも上のほうでは、関西電力資本と癒着しているのではなかろうか。現場のほうでは良心的に審理を続けて、任意調査ではありましょうけれども、関係者をたくさん呼んで調べて、そして私どもから見れば非常に不満足な処置だとは思いますけれども、少なくとも説示くらいなところは出そうかといって伺いを立てたら、やめろ、そういうことで一体現場の人たちが人権擁護のためにその任務を尽くすという気になるかどうか。この辺をよく考えて、裁判になったらもうやめちゃうのだといったようなことはすべきではないと思います。裁判というのは本人の自由ですから、いつでも取り下げることができます。相手方の同意が得られれば当然取り下げになって、それでおしまいになります。そこであわててまた調査を始めるということでは、これは全く自分たちの独自の権限を、何か人まかせにしている。当事者まかせといえばそれまでかもしれませんけれども、この人権擁護事件というのは、本人の申告だけでなくて、新聞の情報があった場合でも職権で発動しなければならぬと書いてある。そのくらいりっぱなことが書いてあるのに、せっかく本人から申し立てた、本人がほかの訴訟を起こした、それじゃやめてしまえ、そんなばかな話はとうてい私どもは納得いきません。だから私は再考を求めまして、この問題は終わります。 最後に、二、三分で終わりますが、中野刑務所の問題について、先ほど大臣からいろいろ抽象的なお答えはあったのですが、私はもっと事務当局のほうで詰めてもらう必要があるのではないかというふうに思います。というのは、分類のためにこの中野刑務所を使うのだ、そこには専門的な作業があるので、東京のどまん中でなければその専門的な作業はなかなか困難である、あまり遠いところへ行ってしまったのでは困るというのですが、一体どういうふうな点で困るのか。これを半分に減らすなどという話は、これは大臣が思いついた議論だと私は思います。全然動かさないというより、半分でも動いてもらったほうがいいのかもしれませんけれども、大体過密都市で空地がほしくて困っているわけですね。四万坪あるといいますから、これだけあったらちょっとした空地で、地震、災害のときには役に立ちますし、また平素の緑のいこいの場所にもなるわけだし、スモッグも幾らか緩和できるわけですから、私は地元の人たちがどこかへ引っ越してもらいたいという強い要請を続けているのは、全く道理にかなった要求だと思います。それにまじめにこたえるためには、半分といわず全部引っ越すということが、どうしても考えられなければならぬと思うのです。 反面、大臣も分類刑務所としての特別な機能があるから、これは山の中へ引っ越してしまったのではどうにもならぬというような趣旨の御答弁です。だからどういうところで困るのか。職員が行きたがらないというのか、これから専門の人たちをそこへ連れていっていろいろ研究するのに、とても行ってくれそうもないというのか、どうなんです。
○羽山政府委員 お尋ねの分類の点に限定してお答えいたします。 おもな理由は二点でございまして、第一点は、東京矯正管区管内の分類刑務所として機能いたしております関係で、東京矯正管区管内の各裁判所で確定いたしました、現在はさしあたり初犯者でございますが、初犯者を一応中野に入れまして分類いたします。それからまた別途それぞれの刑務所に送ることにいたしております。したがいまして、あくまでも送るという一時的な収監の施設でございますので、非常に不便なところにまいりますと、護送の便が非常に悪くなるということが第一点でございます。 第二点は、分類の技術的なことでございまして、分類技術と申しますのは、精神医学、心理学その他の自然科学等の知識を使うわけでございますが、この知識自体が日進月歩でございまして、日々に新しくなってまいります。それに従事いたします職員もいろいろ勉強をする関係もございますし、部外の人々の協力を求めてこちらから聞きに行くこともございますし、直に部外の人に来てやってもらうというようなこともあるわけでございまして、非常に不便なところにまいりますと、その最新の知識を吸収することができない、こういう二点でございます。
○青柳委員 とうていその程度のことでは、地元の方々を説得し、納得させることは不可能だと思います。いまのように非常に交通の便が発達しているときに、護送に困るのだというような話とか、それから技術を修習するのに離れてしまったら困るとか、外部からの御協力をいただくのにも支障を来たすということは、とうてい中野のどまん中にあれががんばっていなければならぬ根拠にはならぬと思います。その点はなお詰めますが、時間がありませんからきょうはやめておきます。 小菅の刑務所に東京拘置所が移りました。先ほども大臣は、巣鴨の拘置所を一つあけたので、たいへんに手狭になったといいますか、東京拘置所が小菅に行ったために、小菅のほうにも移す余地がないと言わぬばかりのお話でございますけれども、小菅はいまや過密状態になっているのかどうか、この点をお尋ねしたいと思います。
○羽山政府委員 もと巣鴨がございましたときの東京都内の行刑施設の収容定員は七千四百二十一人でございます。巣鴨がなくなりましたために、現在六千三十六人というふうに減少いたしたわけでございます。 お尋ねの東京拘置所、すなわち小菅でございますが、これは収容定員が二千二百五十名でございます。施設運用の実情といたしましては、これは常に満員の状況に置いておきますとまずいわけでございまして、五%くらいのあきは常に持っていなければ、非常に困ることが起きてくるということになるわけでございますが、さしあたり約八〇%の拘禁率でございます。ここは拘置所でございますので、先般のように集団的に学生の騒動などが起きますと、これが最近は、三月三十一日現在の収容者現員は約千八百人でございますが、二百や三百すぐふえる、過去においてそういう事実があるわけでございまして、最高の収容定員二千二百五十名を突破したというようなこともあるわけでございます。
○青柳委員 小菅がいま相当過密状態になっているということのようでありますが、職員の異動ということも当然必要になってくるわけでございますから、あそこを拡充して、中野刑務所を完全にあき家にするということも、幾ら思いつきで考えてもなかなかできないことかもしれませんが、いずれにしましても、法務省としては、大臣が半分というところまで思いついたお話が出ているわけですから、半分などといったって、どうせすぐまたその半分ではどうしようもなくなるわけですから、適当な場所を見つけて越すことについて、何か委員会のようなものは持っておらないですか。
○羽山政府委員 内部の関係者で組織いたしております委員会はございます。
○青柳委員 もう時間が来ましたからやめますが、その委員会のようなものでもっともっと研究を続けて、この問題の抜本的な解決のために資するような努力を期待いたしまして、私の質問を終わります。
○松澤委員長 次回は、来たる二十八日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時四十三分散会