文教委員会 第18号
- 発言数
- 34 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1972/05/31
会議録
○丹羽委員長 これより会議を開きます。 学校教育法の一部を改正する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。高見文部大臣。
○高見国務大臣 このたび政府から提出いたしました学校教育法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 現在、小学校、中学校、高等学校、盲・聾・養護学校及び幼稚園の教頭は、文部省令の規定により教諭をもって充てることとなっておりますが、各学校における実態は、校長に次ぐ重要な地位を占めるものとなっており、その職務の内容も全国的に見てほぼ定型化されてきておりますので、この際、その地位と職務内容に応じて、教諭とは別に独立の職として法律上その位置づけを明確にする必要があります。 また、小学校、中学校、高等学校、盲・聾・養護学校等に置かれております養護助教諭、講師、実習助手、寮母につきましても、その職務内容は、現在、文部省令に規定されているだけでありますが、市町村立学校職員給与負担法など、教育職員に関する他の諸法律の適用については、校長、教諭等と同様に取り扱われておりますので、この際、明確にこれらの職員の設置と職務内容をこの法律に規定する必要があると考え、この法律案を提案したものであります。 次に、この法律案の概要について申し上げます。 第一に、小学校、中学校、盲・聾・養護学校及び幼稚園には、原則として教頭を置くこととし、その職務は、校長を助け、校務を整理し、児童、生徒の教育をつかさどることとするとともに、校長が欠けたときは、その職務を代理し、校長に事故があるときは、その職務を代行することができるようにいたしました。 第二に、高等学校につきましては、全日制の課程、定時制の課程及び通信制の課程には、それぞれの課程に関する校務を分担整理する教頭を置くこととし、その職務については、小・中学校等の場合と同様にいたしました。 第三に、小学校、中学校等の講師及び養護助教諭につきましては、教諭または養護教諭が得られない場合にとれらの職にかえて置かれる職であることを明らかにし、その職務を明確に規定することとするとともに、高等学校には、実習助手を置くことができることとして、その職務を規定いたしました。 第四に、盲・聾・養護学校に寄宿舎を置くこととし、これらの学校には、寮母を置かなければならないこととして、その職務を規定いたしました。 第五に、この法律の施行期日を、公布の日から起算して三月を経過した日といたしました。 以上が、この法律案の提案の理由及び内容の概要であります。 何とぞ、十分御審議の上、すみやかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
○丹羽委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。 —————————————
○丹羽委員長 質疑の申し出がありますので、これを許します。渡部恒三君。
○渡部(恒)委員 私は、ただいま大臣より提案理由の説明があった学校教育法の一部改正案並びに若干のこれに関連する文教問題についてお尋ねをしたいと思うのであります。 教頭職の問題はだいぶ長い間議論を重ねておりますが、一般国民の素朴な立場でこの問題を聞いておりますと、教頭職なんというのはいまに始まったことでなぐ、学校があれば校長先生がおって、教頭先生がおるというのは、今日までの常識でありました。私なぞ山の中の育ちですから、分教場みたいな小さな学校で、私が出た小学校は三人しか先生がいない学校でありましたけれども、それでも三人しかいない先生の中で校長先生と教頭先生が必ずおったのです。ですから、ことさらに教頭職設置に反対して騒いでいる人たちの意味もさっぱりわからないし、また逆に、教頭職をいまさらどういう理由で文部省は法制化しなければならないのかということも、これは国民の素朴な立場ではなかなか理解しにくいのであります。なぜ文部省はいま教頭職を法制化しなければならないのか、これをひとつわかりやすく説明をいただきたいと思うのであります。 〔委員長退席、河野(洋)委員長代理着席〕
○岩間政府委員 このたび教頭を職として明らかにしようというのがこの法律案の提案の理由でございますけれども、この点につきましては大臣から申し上げたわけでございます。しかし、現実の実態は、ただいま先生から御指摘ごさいましたように、学校には教頭先生がおられるというのがごく普通のことでございます。私どもで調べたところでは、五学級以下の学校が五千六百ございますけれども、教頭が置かれてないというところがかなりございますが、教頭が置かれているものもかなりございます。そういうふうな実態を踏まえまして、これは非常にわかりやすくというお話でございますけれども、ちょっと法律的な問題でわかりにくいわけでございますが、現在は教頭先生は教諭という身分を持った方が教頭に発令されるというふうなことでございますが、今度はもう教諭というようなことじゃなくて、教頭そのものを職として考え、校長と同じような扱いにしたいというのがこの提案の趣旨でございます。その背景は、いま御指摘になりましたように、実態としても定着をしておるという点が一番大きな理由ではないかというふうに考えるわけでございます。
○渡部(恒)委員 私もしろうとなんでしょうか、いまの局長の話ではわかりにくいのですが、私どものしろうと考えでは、教諭の中から選ばれて校長になりあるいは教頭になっておるというふうに考えておったわけなんですが、いまの局長の答弁からいうと、校長は教諭でないということなんですか。
○岩間政府委員 なかなか説明がしにくいわけでございますけれども、もちろん校長先生は、いままで教諭をやっておられた先生の中ですぐれた方が学校の経営に当たられるというのが校長だと思います。そういうふうなことから申しますと、教頭も、やはりいままで教諭をしておられて、教務及び校務につきましてたんのうな方が教頭になられるというのは、実態としても、また話の筋道といたしましても、当然なことであろうというわけでございます。しかしながら、校長先生は校長先生で教諭とは違ったお仕事をされる、また教頭の場合も同じで、やはり教諭とはやや違ったお仕事をされる、つまり校長先生を助けて校務をいろいろ整理するとともに、教壇にもある程度立たれるというふうな、一般の教諭あるいは校長先生とは違った中間的なお仕事をされておる、そういう実態をとらえまして、教頭先生というのは教諭でもないし校長でもない、まさに教頭なんだということが、教頭の職を制定します場合の一番大きな理由であろうということでございます。
○渡部(恒)委員 そうしますと、今度教頭職ができ上がるということになると、その教頭の方は教べんをとられないということになるわけですか。
○岩間政府委員 ある程度教べんをとっておられるというのが実態でございます。たとえば、普通の教諭は三十八時間ぐらいは教務をとっておられるわけでございますが、教頭先生は、現実問題といたしまして十五、六時間やはり教育に当たっておられるわけでございます。しかし同時に、校長先生を助けて校務を掌握するというふうな仕事もしておられるわけでございます。つまり、教諭とか校長とかとは違った新しい仕事をしておられる。そういう点に着目をいたしまして、従来は教頭というのは教諭をもって当てるんだというようなことでございましたけれども、違った職としてこれを法律上認めていこう、そういうことでございます。したがいまして、教べんはとっておられますけれども、教諭とは違っておるということはこれはもう常識的にも先ほど先生が御指摘になったとおりでございます。
○渡部(恒)委員 私たちは教頭職があるのはこれは当然だと考えております。学校というのは一つの社会集団ですね。そこに最高の責任者がおるのも当然でありますが、その人がいない場合、次にかわる者がいないということは、たとえば私たち文部省何々課に課長さんおりますかと電話かけますね。課長留守です。課長が留守では一切用が足りないということであれば、これは機能が麻痺してしまうので、課長がいなかったら課長補佐を出してくれとか、課長補佐がいなかったら、じゃ次の人だれかいないか。次にえらいえらくないということばはちょっと違うかもしれないけれども、社会通念としては、一つの職場団体にしても、その機能の中に一番えらい人がいる。その人がいなかったときにはその次の人がいる。あるいは、その次の人がいないということになれば用が足りないわけで、教頭というのは校長先生がいない場合、私たち学校に、一つの小学校なら小学校にごあいさつに行く。校長先生いらっしゃいませんか。きょうは出張で不在です。じゃ教頭先生いらっしゃいますかというような、いわゆる副校長というような性格もわれわれの常識では考えておったのですが、そういう意味ではないのですか。
○岩間政府委員 まさにただいま御指摘になりましたようなことがございます。これはまあ立法府でございますとか、あるいは司法の関係でございますとか、そういうところと違いまして、学校というのもやはり行政の一還でございますから、行政というのはやはり組織で動いております。長がおりまして、その方の指揮のもとにすべてが運営されるというのが行政の仕組みでございます。学校も同じでございまして、校長先生が指揮をとられて、一つの組織体として動いているわけでございますが、その校長先生がもし御不在の場合、だれがそのかわりをするかということは、当然これはきめておく必要があるので、このたびの法律ではその点を明らかにしようというのが一つの大きなねらいでございます。
○渡部(恒)委員 いまの話を聞いていますと、これは組織の中に——どんな組織だって、たとえば一つの青年会あるいはわれわれの後援会だって、後援会の会長をつくれば当然副会長をつくるのは当然なんで、学校に校長と教頭があるなんていうことは当然なことなんで、その教頭職をつくることに反対する人がいるなんていうことは、ちょっとわれわれ常識で考えられないのですが、現にこれは反対の意見があるのです。これは局長に聞くのはちょっと筋違いかもしれませんが、担当していらっしゃるから反対意見等も聞いておると思うのですが、いま反対している方はどういう理由でこれに反対しているんですか。筋違いですから、そういう反対意見というのは局長の耳に全然入っていなければけっこうですが、もし入っているとしたらお教え願いたい。
○岩間政府委員 まあ、いろいろお考えが違った方がおられますから、違った考えが出るというのは、こういう民主主義の世の中では当然のことであろうと思いますけれども、教頭の法制化に反対している理由と申しますのは、先ほど申し上げましたように、学校もやはり行政の一つの態様でございますから、その組織体としての校長というものがいるということは当然でございまして、その指揮下にいろいろ学校の運営が行なわれておるということも事実でございます。しかし先生の場合には、小学校の場合でございますと、それぞれ一クラスを受け持ちまして、同じような立場で教育をやっておられるというふうな、ほかの職場に見られない一つの特殊な事情がございます。そういうところで、先生方はある程度独立的な判断が必要とされる、あるいは自主的な判断が必要とされる、そういうふうなことであろうと思いますが、そういう点から申しまして、一般の、私どものような役所のような大臣、次官、それから局長というふうなほんとうの意味の組織的な運営というのとはやや違った面がございます。そういうところに役所と同じような、中間管理職と申しますか、そういうものをたくさん置くということは学校の生きた運営の上ではどうかというふうな意見があろうかと思います。しかしながら、初めに申し上げましたように、やはりその学校というのは校長の指揮のもとに一体的に運営されるべきものでございまして、行政としてはやはり組織というものがしっかりしているということが必要でございます。それが国民に対するサービスという面から申しまして望ましい姿ではないか、その意味から私どもは、今度のような教頭というものを法律上はっきりつくりまして、学校としての国民に対するサービスというものを完ぺきにするという方向をとるということは、これはある意味では当然ではないかというふうな気がするわけでございます。
○渡部(恒)委員 私は、一つの組織体の中に管理者あるいは責任者が校長しかいないなんということは、三人しか先生のいなかった学校でさえも校長があり、教頭がおったんですから、今日のように農山村でも学校の統合が急速に進められてきて、一つの学校に何十人もの教職員がいるということであれば、そこに組織の中に責任ある地位、立場を担当する人がおるのは全く当然な話で、校長がおり、教頭がおり、さらに教務主任がおる、何がおるというふうに、役付ができるのは当然だと思うのですね。ただ問題は、いまの局長の答弁でひっかかるんですけれども、校長は全然教諭じゃない、教頭は教諭じゃないというふうには、私は全くしろうとですから間違っているかもしれませんが、たとえば国会議員の中で総理大臣ができますね、あるいは文部政務次官になる。しかし、政務次官は国会議員でないとはわれわれ考えていない。国会議員の中から総理大臣になり、大臣になり、政務次官に役職がついているんで、教諭の中から当然校長があり、副校長があり、あるいは教務主任がある、そういう一つの責任の立場に立たされているんですから、その管理職の責任者としての手当が出るのは当然だと思います。政務次官は国会議員よりどのくらいよけい手当が出ているのか知りませんけれども、責任ある地位に立っているんだからこれは当然だと思うのです。それを何か、全然身分が違うのだ、校長と教諭と全然身分が違うものになるのだという解釈になってくると、いろいろこれは議論が出てくると思うのですけれども、教頭職というものの今回の法改正の中での身分の取り扱いというものについて、もう一ぺんお伺いしたいと思います。
○岩間政府委員 御指摘ございましたように、校長あるいは教頭というものが、教育の経験あるいは教諭としての経歴というもの、そういうものが必要であるということは、これは言うをまたないところでございます。しかし、例外としまして、私立学校の場合には、そういうふうな教諭の経験がなくてもよろしいような制度がございますけれども、原則はただいま先生が御指摘になったとおりでございます。そういう経歴の方の中で、特に手腕のすぐれた方に校長なり教頭なりになっていただくというふうに、実態もそういうことになっているわけでございます。私どもは、校長、教頭というのは必ずそういう経験がある方がなられるというのは当然だと思います。しかし、職として考えます場合に、ちょっとむずかしいわけでございますけれども、現実の仕事の内容から申しますと、教諭とそれから校長と教頭というのは違った内容の仕事をしていただくほうが、組織体としての学校の運営にはこれは必要であろうというふうな考え方でございます。もちろん、そういうふうな教育の経験があるということは重要な要素になるというふうに判断します。
○渡部(恒)委員 いまおっしゃるように、教諭の中から校長が選ばれ教頭が選ばれる、これは全くいままでの教諭の仕事とは別個な立場で仕事に専念するということになりますね。そうすると、何かいまのままの教員の定数で何万人かの教頭職が抜けるということになると、教職活動に支障を来たすということにはなりませんか。
○岩間政府委員 特に小規模の学校の場合には御指摘のようなことがあると思います。私どもは定数は定数で別にその改善につとめてまいりたいと思いますけれども、小規模学校の場合はやはり校長先生が授業をしておられる場合もございます。それから教頭先生が授業を持たれるというのはむしろ普通でございます。したがいまして、今度の法律案におきましては、教頭先生も教諭と同じように教育活動をしていただける規定を入れておるわけでございます。これはただいま先生御指摘になりましたような観点からそういう規定を入れたわけでございます。 なお、定数の問題は、これまた別途、どういうふうに扱うかという点は別の問題としまして検討したいというふうに考えております。
○渡部(恒)委員 これが法制化されますと、いままでの教諭と別個な教頭職ということになる。教諭の中から出るわけですね。それは人数はどのくらいですか。
○岩間政府委員 もし教頭というものを別ワクにいたしますと、現在学校が四万近くございますが、その中で三万人以上の方が教頭を実際しておられるわけでございますから、その分が別ワクになるということだろうと思います。しかしながら、現在の定数のはじき方におきましては、校長も教頭も中に含めまして、特に小中学校の場合は都道府県の単位で計算をするような仕組みになっております。ただいま法制化が行なわれましたために、特に定数法上の特別な措置をしなければならないとかということではございません。しかし、実質的には教頭が独立の職として認められました場合には、定数法上の実際の配慮がされるということはこれは妥当であるというふうに考えております。
○渡部(恒)委員 反対する人はどういう意見で反対するのか私全然わからないのですが、素朴に考えると、教頭職は今度は教諭とは全然別だというんですね、校長と同じような。そうすると、いまおっしゃいました四万人、たとえば四万学校があるとすると四万人の人がいままでの教諭とは別な身分に移っていくということになれば、いままでの教員の中にその分だけ穴があく。やはり定数法を改正してそれをふやすという処置を講じなければ、教職活動に穴があくというふうに思うのです。何かいまの局長の答弁だと、それをしなくてもだいじょうぶだというふうな答弁のようですが、何かちょっと納得できない。
○岩間政府委員 少し技術的なことになりますけれども、現在の教頭先生がある程度授業を持っておられる、教育活動に従事しておられるということはあるわけでございます。その実態をいま直ちに変えようということではございません。それは法律上も「校長を助け、校務を整理」するほかに、教育活動ができるような規定を設けておるわけでございまして、いまこの法律案が法律として成立いたしました場合に、教頭先生が授業から手を引いて、校長先生を助けるというお仕事に専念をされるということではないわけでございます。一番先に先生が御指摘になりましたように、世の中で校長先生がおられるならば教頭先生がおられるのは当然だ、お仕事のほうも定着しておるという御指摘がございましたが、それをそのまま法律的に裏づけをしようということでございますから、実態を変えまして今後教頭先生は授業を持たないようにしようということでは必ずしもないわけでございます。しかし、教頭の職務というものが、特に大規模学校あたりでございますとそこまでとても手が回らないというふうな実態もあるわけでございまして、そういうものにつきましては、今後定数法上も配慮していかなければならないということを申し上げたわけでございます。
○渡部(恒)委員 そうすると、行きつ戻りつになってしまうけれども、今度はかえって、何でもかんでも——いまの日本の教育を正す、それには学校の秩序を明確にするということで教頭職をつくらなければならないという考え方ですね。それがいまの話だと何かあいまいになってくるので、むしろその積極的な意欲を持つならば、いままでも教頭職というものは必要なものだからあったけれども、しかし非常にあいまいであった。だから法律の上ではっきりと身分を明らかにし、待遇を明らかにして、教頭職という校長に次ぐ学校管理職としての重要な職務に精励できるようにするというのがこの法改正のねらいじゃないかと私の解釈では思うのですね。そうであれば、当然それに派生して、教頭はむしろ管理職として専念できるように別ワクで定数算定を行なうような、何か定数法の改正というものを一歩突き進んで積極的にやろうということが法の趣旨を実現することでもあると私は解釈するのですが、どうなんですか。
○岩間政府委員 今後そういうようにしたいという気持ちは非常に持っているわけでございますけれども、現実問題としまして、私ども学校の実態、それから今後どういうふうに教員数をふやしていくかというふうな問題と兼ねあわせて考えますと、現状で直ちにそこまではいきかねるというふうな気がするわけでございます。考え方としましては私、先生と同じような考えでございますけれども、実態から考えまして、また、今後の定数の増加をどういうふうな点からやっていくかというような点から考えまして、いまにわかに教頭を別ワクにいたしましてこれを増加するというところまでいかないということを、ひとつ御了承いただきたいと考えます。
○渡部(恒)委員 そうしますと、身分を明らかにする、しなければいかぬということですね。そうすれば当然待遇は、世の中、仕事がよけいになればそれ相応の待遇を受けるというようにきまっていますね。ですからいまのところは、単に教諭の充て職ということで、一般の教員と同じように二等級の格付になっているわけですが、校長と教諭との間に新たな等級をつくるわけですね。
○岩間政府委員 この問題は人事院の所管事項でございますので、私どもの口からはっきりとそういうふうにすると、いま直ちに申し上げられないわけでございます。しかし、たとえば沖繩の場合、給与表が四号立てで教頭は一般の教諭と別の号俸が適用されております。そういう例もございますし、私どももかねてから、そういう方々につきましては特別の措置をしていかなければならないということを人事院のほうにも申し入れをいたしております。今度こういう法律案が成立いたしました場合には、それに伴う当然の給与上の待遇上の措置が行なわれるものと私どもは期待をしているわけでございます。
○渡部(恒)委員 これが通れば、当然教頭職に対する新しい格付を——するのは人事院の権能なんですが、することが望ましい、したいという見解ですね。 そこで、中教審の答申では、学校の種類や規模、あるいはそれぞれの職務の性格に応じて、教頭のほかに、校長を助けて校務を分担する教務主任あるいは学年主任、教科主任というような指導上の体制を確立すべきであるという答申が行なわれておりますが、私もなるほどなと思って読んでおるのですが、局長の見解はどうですか。
○岩間政府委員 先ほど申し上げましたように、学校は一つの組織体として動いているわけでございます。そこでたくさんの先生がおられます場合には、その中の経験豊かな方々が、たとえば学年主任だとか、あるいは教務主任だとか、いろいろな形でお仕事をしておられる、全体の取りまとめをしておられるというような事実があることは、先生の御指摘のとおりでございます。しかしこれは、小学校、中学校、高等学校、あるいは各学校間の規模によりまして、各学校間におきましてかなりいろいろな運営のしかたがされております。教頭のように、だれが見ても統一的なそういう職が必要であるというふうなところまで定着しているとは、まだ私どものほうで考えられないわけでございます。この点は、しかし学校が組織体として動いております場合に、最も効率的に効果的に国民に対してサービスするためにはどういうふうな仕組みで学校が運営されたほうがよろしいかということを考えるのは、学校のみならず私どもも考えなければいけない。したがいまして、そういうことにつきましてはさらに検討すべきであるというふうな考えで現在おるわけでございます。
○渡部(恒)委員 やはり一つの組織体が効率的に動いていくということには、各自の職務分担があるのが当然なんですね。また、重い責任を負わせられている者に対してはそれ相当の待遇がなされるのも当然なんですね。それは決して昔の徳川時代みたいに身分がどうこうというものではありませんね。一つ役所の中にいれば、課長がおり、課長補佐がおり、そこに係長がおり、私のほうの県なんか見ると、そのほかに主査であるとか、参事であるとか、いろいろそういう肩書きばかりつくるのがいいかどうかにも疑問があるくらい、最近は役所なんかほとんど肩書きのない者はいないというくらいになっておりますけれども、そこまではどうかとしても、少なくともいま学校で、教職員が八十人だ百人だなんという学校はざらにありますね。そこで、何かが起こったとき、責任をとる者は校長だけだということではどうにもなりません。今度やりと教頭職をつくる、これは全く当然のことでありますが、それでもやはり校長も教頭もいないということだってありますね。われわれが役所に行ったって、大臣も次官もいないなんということはざらにあります。課長もいない、課長補佐もいないということもざらにありますね。大きな学校になってくると、当然教務主任とか学年主任とか教科主任がなければ、これは組織体としては動かなくなってしまうと思うのです。ですから、今回教頭職を進めたというのは、そういういわゆるいままで学校で一番問題にされていた秩序なり学園運営というものの責任を明確化し、秩序をつくっていくということであれば、今回の教頭職というのは、いわばその理想、目標に向かっての第一歩であって、さらに中教審の答申のように、教務主任とか新しい職制というものを当然つくっていかなければならないと思いますが、何かいまの答弁だとはっきりしませんので、もう一ぺん明らかにしていただきたい。
○岩間政府委員 ただいま御指摘になりましたことにつきましては、私、全面的に御意見のとおり考えております。したがいまして、私どものほうは人事院に給与の改善を申し入れます場合に、学校にはそういうふうな組織上のまとめ役と申しますか、経験豊かな方がなっておられるようなものがあるわけでございますので、それを一つの足がかりにして教員全体の給与を改善していくことも一つの方法であろうということで御提案申し上げたようないきさつでございます。 先ほど申し上げましたように、学校の教育というのはそれぞれ一人一人の先生がある程度の責任を持ってやっていただくということがやはり基本であろうと思います。しかし、それだからといって、いまのような組織が必要でないということではございませんし、また、実態としてもそういうものがあるわけであります。それを公にいたしますこぶ——公にすると申しますのは、法制上あるいは待遇上も公にするということ、これが管理体制の強化だというふうに一言で片づけて、何でもかんでもそれがいかぬというふうな考え方、これは私はちょっと行き過ぎではないかというふうな感じがするわけでございます。先生方の自発的な御努力というものは当然必要なことでございますが、それを妨げない範囲においてそういうものが公に認められていくということは、これはやはり必要なことじゃないかというふうに考えるわけでございます。そういう意味から申しまして、先生のお考えに対しましては同感するわけでございますけれども、いま申し上げましたのは、まだ法律上明らかにするような段階まで来ておらない、さらに検討を要するということを申し上げたわけでございます。
○渡部(恒)委員 大体わかってきたんですが、こう考えてみると、この制度に反対する人は非常に思い違いをしていると思うのです。というのは、一つの組織体に責任者があったり、職務分担がある、こんなことは当然のことなんで、それを、教頭職をつくると上から何か押しつけるための管理、管理体制といってもことばはいろいろあると思うのです。 〔河野(洋)委員長代理退席、委員長着席〕 自動車が走っていれば、そこに規則を設けて交通ルールを守らせるように秩序を打ち出すと、通行者は、いかにもこれは右に行ってはいかぬ、左に行ってはいかぬといって取り締まられて、自由を束縛されたり、上から押しつけられるように思う人もあるかもしれないけれども、それがなかったら、道路交通の機能はすぐ麻痺してしまうのです。ですから、一つの職務を遂行していく職場で管理職、管理体制というのは、何も別に上からの押しつけでもない、これはごくあたりまえのことなんです。ただ反対する人の頭が非常に古くて、校長とか教頭というのが何か特別にえらいものだ、先生は何でもかんでもその校長の言うことを聞かなくちゃならぬ、えらいやつが一人ふえていくと圧迫を受けるというように考え、何か徳川時代の身分みたいに校長とか教頭を考えているところに反対意見があるので、これは文部省の皆さんがはっきり、いま私と局長の間で質疑をかわしたように、新しい学校秩序を求める学校運営の近代化のための職制として当然必要なものはつくっていく、これはおそらくどんな人だって反対する人はいないと思うのですよ。やはり校長というと、まだまだ世の中で身分上何か一般の教員と差別があるようなえらい人だという感覚が皆さんの頭の中に残っている。そこにまた教頭という二番目のえらい人をつくるのだということになるから非常に誤解を受けているので、私はむしろ学校の中に職制が必要だというのは、校長、教頭だけでなくて、たとえば用務員だって一つの非常に大事な、校長と何ら変わりない大事な職制ですね。あるいは学校給食婦、これは子供の生命と健康を扱うのですから、校長と何ら変わりない職制ですね。あるいは警備員、学校火災がずいぶん問題になりました。これも校長と変わらない大事な職制ですね。やはり学校の運営にあたっては、こういう用務員あるいは学校給食婦あるいは警備員、こういうのも重要な役割りを果たしておりますね。ですから私は、教頭職をつくると同じように、こういう人の職制を法制化するという考えもお持ちになるのが当然ですし、そういうことを文部省で先に進めていけば、この教頭職に反対する意見がたいへんな誤解に基づいているということも明確におのずからなってくると思うのですが、局長の御見解をいただきたいと思うのです。
○岩間政府委員 たいへん示唆に富んだ御意見でございまして、私どもやはりそういう方向で進むべきだというふうな気がするわけでございます。今回実習助手、講師につきましてそういう規定を設けましたのも、ただいま先生が御指摘になりましたような趣旨でもって、そういう者につきましても法律上職務内容等を明らかにするということが必要であろうと考えましたからそういうふうな御提案を申し上げておるような次第でございます。
○渡部(恒)委員 大体担当局長の考え方はお聞きしたのですが、基本的な問題で大臣のお答えも得ておきたいことがありますので、休憩願いたいと思います。
○丹羽委員長 この際、暫時休憩いたします 午前十一時五十二分休憩 ————◇————— 〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕