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68回国会衆議院1972/05/17

文教委員会 第14号

発言数
15
登壇者
4
会派数
1
開催日
1972/05/17

会議録

丹羽兵助自由民主党

○丹羽委員長 これより会議を開きます。  私立学校教職員共済組合法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、これを許します。塩崎潤君。

塩崎潤自由民主党

○塩崎委員 簡単に私立学校教職員共済組合法等の一部を改正する法律案につきまして質問申し上げたいと思います。  教育改革の目標にいろいろございますが、私は国公私立間の格差の是正、この問題はたいへん大事な問題だと思うわけでございます。しかもまた、私立学校の中でも格差の是正の問題が私は多分にあると思うのです。この格差の是正というのは、単に物的な施設だけではないと思うのですね。教育でございますから、教育を行なう人に対するいろいろの国が報いることにおいての格差の是正の問題は大事だと思うのでございます。  そこで文部省は、この私立学校教職員共済組合制度の今度の国庫負担率の引き上げ等を行なっておるわけでございますが、この改正を国公私立の格差の是正という中でとらえられておるかどうか、とらえられているとすれば、これで十分であるかどうか、この点をひとつお尋ねしたいわけでございます。まず第一点として格差是正の中でこれをとらえているかどうか、これについて御意見を承りたいと思うのです。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 今同改正をお願いしておりまする法案の内容でございますが、御承知のとおり一番の要点は、私学共済の既裁定年金の額の改定でございますが、これは国公立学校の教職員にかかる年金の額の改定と全く同様の方法をもって改定したいということが一つございます。  もう一つは最低保障額の引き上げでございまして、これも国公立学校の教職員につきまして、国家公務員共済組合、地方公務員共済組合が行ないます最低保障額の引き上げとこれまた同様の引き上げを行ないたいということでございまして、繰り返しになりますが、国公立学校と同様の扱いをしてまいりたいということがその基本でございます。  ただいま格差の是正というお話がございましたが、その前提になりますものは、やはり給与水準等の格差ということが共済組合の関連においてはあろうかと思いますけれども、その点につきましては、御承知のとおり四十五年度から教職員人件費を中心とする経常費の補助というものを行なっておるわけでございます。国からは大学、短期大学、高等専門学校に対してそうした補助を行なっておるわけでございますが、高等学校以下につきましては、交付税による財源措置を裏づけとし、各都道府県がほぼ国と同様の経常費の補助を行なっておるということでございます。格差是正という点は主としてそちらのほうに期待をしておるということかと思います。

塩崎潤自由民主党

○塩崎委員 四十五年度から人件費の補助が始まったことは私もよく存じておりますが、しかし補助をしても、いまのベースで補助をすれば、この私学共済組合に入っておるような私学についての給与水準というものは国公立の給与水準より低いのじゃないですか。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 国公私立の教職員の給与水準でございますが、四十三年度の資料によりますと、国立学校の大学でございますけれども、教官の平均給与は七万五千六百八十二円でございます。これに対しまして、私学が六万七千八百円。これは私立の四年制大学、短期大学の平均でございますが、六万七千八百円ということで、国立学校を一〇〇といたしますと、私学は八九・六%という低額でございますけれども、四十六年度の大学の例をとってみますと、国立が十万一千九百七円に対しまして、私立が九万六千百七十一円ということでございまして、国立を一〇〇といたしますと九四・四%ということでございます。四十三年度の八九・六%が四十六年度におきましては九四・四%というふうに、かなり国立に接近をしておるということでございます。正確にこれが経常費補助の結果であるかどうかは問題があるところかとも思いますが、大学について申し上げたわけでございますけれども、私学教職員の給与もかなり国立に接近をしておるということは申し得るかと思います。

塩崎潤自由民主党

○塩崎委員 経常費の補助、特に人件費の補助が、いま管理局長のおっしゃったように、格差是正の方向に働くことは私も間違いがないと思うのです。しかし、それがまた百年河清を待つような結果ではつまらぬと思うのです。  それともう一つ、いま私立全部を突っ込んでおっしゃられたと思うのです。私学共済組合に入っておる組合なら、これはもう数字はけっこうなんですが、おそらくもう少し低いのじゃないか。これまた未加入校の問題があることはもちろんなんですが、さらにまた格差が非常にあると私は思うのです。  そこで、本論の教職員共済組合法の改正にいくのですが、国庫補助率の引き上げというものはたいへん大事な問題で、私は教育制度としてこの私学共済制度も考えるべきであろう。いまの国公立と私学との間の格差是正の一つの大きな柱として考えるべきだとすれば、国立と比べてそれだけ給与水準が低い。しかも未加入校を除けばさらにまた低い。私学共済制度として百分の十八くらいの上げ方では足りないと思うのです。なぜ百分の二十という厚生年金並みの国庫補助率にしなかったか。私は、厚生年金と並ぶ必要はないが、いまもう——管理局長の私学に対する御熱心なお気持ちからいえば、むしろ独自の百分の三十くらいの率が出てしかるべきだと思うのですが、なぜ十八でとどめたか、ひとつ御意見を承りたい。これは農業職員の共済制度がそうだからというような、他人追従式のいわば世界の日本の外交みたいなことを言っておったんではつまらないと思うのです。独自の国庫補助率を主張し、そうして三十くらいを言うべきだと思うのですが、どうして十八にとどめたか。これは今度の改正の核心でございますので、御答弁をいただきたい。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 私学の教職員の給与水準が国公立に及ばないということはただいま申し上げたのでありますが、一口に私学と申しましても、中での格差というものもかなり大きいわけでございまして、特に特徴的に申し得ることは、私立幼稚園、しかも私立幼稚園の中で女子職員の占める割合が非常に高い、しかもその女子職員の給与水準というものが非常に低いということが一つの問題点であろうかと思います。  厚生年金の標準給与に比べましても、私立学校教職員共済組合の標準給与の平均額はややこれを下回っておるというような状況でもございますので、こうした私立学校教職員共済組合の組合員の標準給与の実態というものを考えますと、もう少し手厚い国庫補助があってしかるべきではないかという御意見には私も賛成でございますが、しかし、さしあたりの目標といたしましては、厚年並みの百分の二十の補助ということがやはり当面の目標であろうかと思いますので、近年は百分の二十の国庫補助ということでずっと要求をいたしておるわけでございます。幸い本年度二%の引き上げが行なわれまして、それにやや近づいたわけでございます。別に農林共済と歩調を合わせるというわけではございませんが、絶えず両者の関係が比較になりまして問題が取り上げられるわけでございますが、いずれにいたしましても、百分の二十という目標に若干でも接近をする努力をしてきた、今後ともしていきたいということでございます。  特別な補助率の問題につきましては、今後さらに私学教職員共済組合の給与実態、その辺を十分検討した上で、目標を新たに設定していきたいというふうに思います。

塩崎潤自由民主党

○塩崎委員 いま管理局長から、当面は厚生年金並みの百分の二十というのが目標であるというお話がございましたが、確かに年金制度としていろいろバランスを考えることも大事なんですが、私がいま申したのは、文部省の管理局長ですから、教育制度の内容としてこの私学共済制度を考えるべきじゃないか。しかも、いま申しましたように、国公私立の間の格差の是正が問題になっているだけに、私はそういうことを申し上げたいので、厚生年金というところに目標を置くのは少し管理局長らしくない非常に低い目標だと思うのです。  そのほかに、私学共済制度は、ほかの共済制度と違って、長期のみならず短期給付もやっておるじゃありませんか。そういたしますと、短期給付についてもいろいろ問題があるのですが、短期についての援助、あるいは短期だけをつかまえた場合の経理、たいへん私は、給与水準の低い私学でございますからその点も心配するわけでございますので、ひとつ最後に短期給付について、これも私立と国公立との間の格差を是正する一つの大きな柱として考えていくという観点から御質問を申し上げたいと思います。

安嶋彌文部省管理局長

○安嶋政府委員 私学共済の短期の経理についてのお尋ね並びにそれに対する補助についてのお尋ねでございますが、資料としてお配りいたしてございますものの四ページに、短期経理の最近の収支の状況がございます。ごらんのように、四十五年度におきまする短期経理の単年度収支は六億二千九百万円の赤字でございまして、三十七年以来の赤字——三十七、八年は累積黒字がございましたので、赤字累積額として見ますと、三十九年以来赤字が発生しておるわけでございますが、三十九年以来の累積赤字がずっとかさみまして、四十五年度末におきましては十四億六百万円の赤字という状態になっております。  この事態に対処いたしまして、昨年度は短期給付の掛け金率を千分の六引き上げたわけでございます。この中には国公立共済、国共済、地共済にございました付加給付を新たに私学共済についても適用するための財源も含まれておりましたが、赤字解消のための財源も千分の二含めまして、昨年の十月から掛け金率の引き上げを行なったわけでございます。  まず第一に、内容といたしまして、付加給付を行なうことによって国共済、地共済との間の格差が少なくなったということ、それから赤字解消のための掛け金率を引き上げることによって、四十六年度におきましては、単年度でございますが約三億の黒字ということになる見込みでございます。したがいまして、四十六年度末の累積赤字は約十一億というふうに、少しではございますが漸減する方向にございます。  短期経理の全体の経理の状況はただいま申し上げたようなことでございますが、政管健保におきましても、健康保険の事業費につきまして若干の補助をするというような動きもございます。かつまた、私学共済の短期経理の実態がただいま申し上げたようなことであるということ、それから私学共済の組合員の平均標準給与がかなり低率であるということ、そうした点をあわせ考えまして、短期給付についても国庫補助がお願いできないかという方向で検討はいたしておりますが、なかなか困難な課題でございます。と申しますのは、この私学共済という制度は、先生御承知のとおり、社会保障制度の一環という面が強いわけでございますが、私どもは私学振興という面からもこの問題を取り上げていくべきであるというふうに考えております。しかし、方向といたしましては、どうしても社会保障制度というそちらの性格のほうにひっぱられやすいということは申し得るかと思いますが、私学振興という観点からは、御承知のとおり私学振興財団から助成金を仰ぐとか、あるいは都道府県からも補助金を仰ぐといったような形で、私学振興という面の施策を進めておるというのが現状でございます。

塩崎潤自由民主党

○塩崎委員 最後に希望としてお願いしたいのですが、いま四十六年度は三億の黒字が短期経理についてできるのじゃないかというようなお見通しでありました。しかしそれは、掛け金率を上げたときその当初はできても、時間がたちますとまた赤字になるのが短期給付制度のどの制度にも伴う大きな欠陥だと思うのです。これで安心されてはいかぬと思う。いま管理局長がおっしゃいましたように、社会保障制度で横に羅列して並べるということよりも私学振興の見地から並べる、しかも教育には教員が必要だということから人間が必要なんで、これに対する援助というものは、別な角度から、社会保障でない別の要素が私はあると思うのでございますが、そういった観点から長期、短期ともにひとつ私学共済制度の内容の充実というか一ほんとうに悪化するのを防止するのが関の山ぐらいで、ほんとうに残念なんです。国公私立の格差の是正、それから私立間の格差の是正としても大きく取り上げていただくことを希望いたしまして、私の質問はきょうはこの程度で終わらせていただきたいと思います。

渡辺栄一自由民主党文部政務次官

○渡辺(栄)政府委員 ただいまの塩崎先生の御発言でございますが、私ども今日まで御協力をいただきながら私学共済の充実に努力をしてまいりました。今回、農林共済並みではいけないのではないかというお話でございますが、その経緯を御承知のように、私学共済の場合には、農林共済に比較しまして非常に負担が軽いんじゃないかというような意見もありまして、相当その間に議論のあったことは御承知のとおりであります。したがって、今回の改正は改正として私どもも評価はしておりますが、先生の御説のように、私学を振興するという問題は、いま私ども文部省といたしましても最も努力をしなければならぬ重大な課題でございますから、そういう意味において私学の人的な充実という面を考えます場合に、やはり共済に対しまする問題は、私どもも非常に大きく取り上げなければならぬと思っております。当面はこういうことでございますけれども、今後は厚生年金の二〇%というものに何もこだわる必要はないのでありますから、先生の御説と同じように、私どももひとつ積極的にこれは努力をしてまいりたい、かように考えております。よろしくお願い申し上げたいと思います。

塩崎潤自由民主党

○塩崎委員 どうもありがとうございました。      ————◇—————

丹羽兵助自由民主党

○丹羽委員長 この際、参考人出席要求の件についておはかりいたします。  私立学校教職員共済組合法等の一部を改正する法律案について、参考人の出席を求め、意見を聴取することといたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

丹羽兵助自由民主党

○丹羽委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  なお、参考人の人選、出席日時その他所要の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

丹羽兵助自由民主党

○丹羽委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。次回は来たる十九日開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午前十一時五十八分散会

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