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68回国会衆議院1972/04/19

文教委員会 第9号

発言数
36
登壇者
7
会派数
2
開催日
1972/04/19

会議録

丹羽兵助自由民主党

○丹羽委員長 これより会議を開きます。  国立学校設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、これを許します。三木喜夫君。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 先日に続いての質問ですけれども、大体先日伺いましたことをたてまえにしてきょうは大臣に伺ってから始めたいと思っておったのですが、それは無理を言っておるようにも見えますので、次官がおいでになっておりますから、次官にお聞きしておいて、そこを出発点にして、きょうは大学の付置研究機関の問題、今回も出ておりますね。それから共同利用の研究所の問題について最初聞きたいと思います。  そこで、筑波大学の問題で、先日局長は大体準備を進めておる、こういう話だったのですが、しかし事実はそう楽観を許す状況じゃないと思います。問題点が非常に多いと思うのですね。そこで中教審の高等教育に対する方針といたしまして、第一は自主性、研究の自由、こういうものを高く掲げております。そういう考え方からしますと、必ずしも東京教育大学やあるいは東京工業大学の筑波山に移転する問題というものは、そういう大学の自治、学問の自由というものが完全に確保されたかっこうでやられてないと思うのです。したがって、中教審の一番眼目にしておる問題が、どのように今後の大学の改革に向けられて生かされていくのか、これはやはり先日来伺いました問題の焦点になると私は思うのです。文章を読んでみましょうか、中教審のいっておることを。それを次官のほうからひとつその方針を明らかにしていただきたいと思います。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 前回にもお答え申し上げたかと思いますが、中央教育審議会が高等教育の改革のこれからの考え方につきまして、いろいろと示唆を与えておられます。もちろん、大学の将来のあり方につきましては、学問研究の自由ということを中心にして考えていかなければならぬことは、言うまでもございません。先般御意見もございましたように、わが国の高等教育全体が将来おおよその方向としてどうあるべきかということは、関係者が共通理解を得るようにしなければならないであろうというふうに考えておりますし、全体的なその努力を一方でいたしながら、個々の大学の問題につきましては、たとえばいま御指摘のございました筑波の案件は、全く新しい大学をつくるということではなくて、現在あります東京教育大学の移転を契機にして、その関係者の描き得る新しい大学をつくるという具体の作業になってまいりますから、東京教育大学の筑波新大学構想というものを重要なよりどころにし、それが今後のわが国の大学のあり方としてどういう方向に定着すべきものであるかという論議を、他の大学関係者等とも交換をしていただいて、そして一般的な新大学への方向と、それから東京教育大学の筑波新構想との合意点を得べく努力をいたしておるわけでございます。  今後、大学の改革の一般的なビジョンは、一つの方向ができますが、どうしても個別の大学の問題は個別の課題として関係者の議論を詰めながら進めていかなければならぬというふうに考えております。そういう意味では、大学関係者の意向が十分そこに反映されて生きていく、こういうふうに考えておる次第でございます。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 局長さん、そのような抽象的なお話を聞きますと、なるほどもっともだというように聞こえるのですけれども、具体的に申し上げますと、大体従来から、大学運営法が六二年に計画され、それから大学教育の改善を中教審が六三年に出し、東京教育大学移転勧告を六三年の八月に出して、学内のマスタープランを立てる段階になっておるわけですが、この中で文学部の教授会を除外しておるでしょう。これは入っていませんね。こういう中で、大学の自治というものがほんとうに保たれておるのか。学長へ権力を集中して、そういうやり方が将来の大学の一つのサンプルになるのか。ことによれば機動隊を導入する。機動隊を導入しての大学改革というものが考えられる。それから、理工学部の学生自治会の正副会長が、やはりこの問題について申し入れをしておる場合に、無期停学にしておる。そういう中で大学立法がなされて、先般来与野党で非常に対立した大学運営に関する臨時措置法、学長の専断体制がここでできてくる。  こういうかっこうの中で中教審の答申がなされておるわけなんですが、四十二年に諮問して四年間かかって四十六年に答申があったわけですけれども、この中で、私は二つの要素を含んでおると思うのです。学問研究の自由の保障、人間理性の自由、一方で進んだ歴史観、社会的現実、ここに新しい大学をつくる。第二のほうは、先日局長がお述べになりまして、私は三つに要約したのですが、今度の大学の学部、学科の新設というものは三つの要素から出ておりますねとあなたに念を押しましたね。その一つは、学校内部の要請、大阪大学の人間科学、これなんかあとで聞きたいと思うのですけれども、学校内部の要請と見るべきじゃないか。それからもう一つは社会の要請もありますね。それから全体的な計画の中から出さねばならぬ三つの要請、その中の歴史観だとか社会的現実からこういう問題と取り組まなければいけないという御答弁があった。しかしながら、第一のほうの中教審のいう学問研究の自由の保障、人間理性の自由、こういう大眼目が筑波学園大学というものに対してちょっと欠けておるのじゃないかと思うのです、現実の姿が。これが新しい大学改革を志向するところのサンプルになるというのでは困るのです。その点を最初に大臣に聞いておきたかった。局長の御答弁ではどうも私納得いかぬと思うんですよ、一番ポイントですから。そして研究所ないしは共同研究所の問題を聞いておきたい。大臣おいでておらぬので、無理言えぬからあとから聞きましょう。東京大学に宇宙航空研究所というのがございますね。ここ数年来ロケット、それから人工衛星打ち上げのために力を尽くしてきた研究所です。管理局長おいでになっておりますからお伺いしたいと思うのですが、この研究所に対して、文部省としては一体どれだけの財政的な援助なりあるいは経常費を予定されておるのか、ちょっと伺いたい。大学局長。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 宇宙航空研究所そのものの予算につきましては、後刻御説明申し上げたいと思いますが、東大宇宙航空研究所が中心になってやっておりますロケット観測と科学衛星関係は、昭和四十六年度におきまして二十八億八千五百万ほどの予算を計上いたしております。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 四十七年度は。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 四十七年度は三十二億六千八百万ほど予定いたしております。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 それと対比して、全部の科学研究補助金として四十六年度と四十七年度、一体どれだけ予定されておるのか。それから、あれだけやかましく言って設立いたしました日本学術振興会に一体どれだけの補助金を予定されておるのか。これを対比で一ぺん考えてみたいと思いますので、お伺いしておきたいと思います。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 科学研究につきまして、もう少しいろいろな経費のとり方もあるかと思いますが、一番基本になっております科学研究費補助金そのもので申し上げますと、四十六年度は八十六億円、四十七年度は百億円を計上いたしております。この経費は、研究者の科学研究事業そのものに対する補助金でございます。そのほか科学研究のための経費といたしまして、教官研究費等の経費が三百億以上あるわけでございますけれども、そうした他の経費はいまちょっと別にしまして、科学研究費だけで申しましてただいまの数字でございます。  なお、学術振興会の補助金は、四十六年度五億一千百万円、四十七年度は六億三千七百万円でございます。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 こういうように考えてみて、かなり東大の宇宙航空研究所には財政面から見てウエートがかけられておると思います。そういうウエートがかけられた効果によりまして、長くわれわれが希望しておりました人工衛星が、何とかのかっこうでとにもかくにも打ち上げられておるわけです。しかし、このミューロケットによる人工衛星、いわゆる科学衛星の限界というものが、五十一年で打ち切るのですね。まあ一機八億円。だから、日本学術振興会に補助しておる金よりもたくさん、ミューロケットの開発経費に八億七千万ほど使った。この仕事が五十一年度で終わるのですね。五十一年度に終わる見通しのものが、一体どれだけの研究の効果があるのか、科学衛星としては一体何をしておるのか、これを伺いたいのです。これの御答弁できる人が来られておるはずです。要請しておいたのですが、ひとつお答えいただきたいと思います。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 先ほどお尋ねのございました科学研究関係の経費のことでちょっと先に補足をさしていただきますが、宇宙航空研究所で四十七年度三十二億ほどの研究費を計上さしていただいておりますが、そういうことに対応いたします文部省所管の科学研究関係の経費というものを、学術審議会その他いろいろな関係でとってまいりますと、民間の学術研究団体に対する補助金等々をずっと加えまして、四十六年度で千九百二十一億ほどございます。四十七年度の計数はまだいま締めておりませんけれども、科学研究につぎ込んでおります研究費は約二千億ベースというふうに御理解をいただいてけっこうかと思いますが、その中でロケットの関係に三十二億ほど入れておるわけでございます。  このロケットの打ち上げにつきましては、一応科学衛星を五十一年度までに六機ほど打ち上げるという予定でいま計画ができておりまして、現在、御案内のように、科学衛星は第一号機が成功をした段階でございますし、四十七年度で第二号機を打ち上げていくという予定にいたしておるところでございます。  この科学衛星によりましてどれだけのことができたか、あるいは東大の宇宙航空研究所が昭和三十年から衛星の打ち上げに関連いたします研究活動を開始をいたしましたが、それでどれだけのことができたかという点につきましては、後刻担当の課長から御説明申し上げますけれども、一般的に申しますと、私が理解しておりますことは、これから日本としてもいろいろと考えていかなければならない実用衛星のことも含めまして、そこに至りますまでの過程、ロケットの機能、打ち上げの働き、あるいは衛星としてのいろいろな環境諸条件というものを、日本では何と申しましても昭和三十年以来、カッパーのロケット以来二百三十九機ほどのロケットの打ち上げをいたしております。その間にロケットの性能そのものを逐次研究開発し、高めていくという努力をいたしましたし、科学衛星を昨年打ち上げますまでの間に人工衛星になりましたもの、一号衛星を四十二年度に打ち上げ、試験衛星を四十五年度に打ち上げまして、衛星としての基本的な諸機能というものをつちかってきたと考えております。なお、科学衛星といたしましてねらっておりますことは、いままでの段階では衛星打ち上げのシステムと、それから打ち上げました衛星の計測部内部の温度の調整機械の調整といったようなことから始まりまして、試験衛星といたしまして昭和四十五年に打ち上げましたときに、ロケットの総合的な性能でありますとか、あるいは衛星の環境、衛星の機能試験をテストするというようなことなどをいたしております。そして、本格的な科学衛星を上げまして、科学衛星からいろいろなデータが出てきております。その科学衛星から出ておりますデータ、あるいは科学衛星を打ち上げるまでに数々のロケットを打ち上げましてロケットによる観測もいたしたわけでございますが、そうしたことの成果につきましては担当課長のほうから御説明をさせていただきます。

笠木三郎文部省大学学術局学術課長

○笠木説明員 私も専門家ではございませんので、ちょっと学問的に正確な御説明をなし得るかどうか多少疑問でございますが、私ども、宇宙研その他からもらいましたデータによりまして概略だけ申し上げさしていただきます。  まず衛星でございますが、これはいま大学学術局長からお答え申し上げましたように、日本最初の人工衛星でございます「おおすみ」につきましては、いわゆるミュー型式のロケットによる衛星打ち上げのシステムの確認ということが主体であったわけでございまして、かたがた十数時間にわたりまして計測部内部の温度測定をあわせて行なったというのが実態でございます。  それから、四十六年の二月に打ち上げられました試験衛星の「たんせい」でございますが、これはまずミュー4Sロケットの総合的な性能試験と同時に、打ち上げられました軌道上の衛星の環境、それから機能試験、要するに衛星のふるまいが、非常に苛烈な軌道上の環境でどういうふうな結果であったかということの確かめということが主体であったわけでございます。それで、ここにおきましては約一週間にわたりまして衛星内部の温度、姿勢、それから電源電圧、電流等の測定が行なわれまして、衛星内部の温度環境がほぼ予想されましたとおりの良好な状態に保たれたということを確認し、かつ姿勢もおおむね安定的に保たれたことが認められたということでございます。  そういう経験を経まして、御案内のごとく第一号科学衛星が四十六年の九月に打ち上げられたわけでございますが、この「しんせい」におきましては、観測目的は短波帯太陽電波、宇宙線、電離層プラズマの観測といういわゆる宇宙科学的な観測のほかに、衛星環境に関しましての工学的測定をあわせて行なったわけでございます。  この成果につきましては、現在なお回っておりますので、データをとりつつある状況でございますが、まず打ち上げの際に、電子温度をはかる部分と、それからガイガー計数管の一つがふぐあいを起こしました以外は、全体といたしまして正常に各計測部等が作動いたしまして、予定は三カ月の観測期間でございましたが、その間の使命はほぼ達成したわけでございます。現在はリアルタイムの観測をまだ続けておりまして、データが入っておるわけでございます。  先ほど申し上げましたように、データの総合的な解析は現在行なっている最中でございますので、その最終的な成果がどうであるかということは、今後の解析結果によるわけでございますが、ただいままでに得られました新しい知見といたしましては、たとえば赤道地帯の上空における電子密度あるいはイオン密度の分布が異常であるという状況が発見されたなどのことがあるようでございます。  それから、これと並行いたしまして、一般観測ロケットによる研究が行なわれているわけでございますが、これは特にカッパークラスのロケットなどを中心に観測が行なわれているわけでございます。  そこで、新しい事実の発見といたしましては、国際的にも一番有名でございますのは、サソリ座X線星の発見とその認知という点がきわめて有名でございますが、そのほか、電離層内に電気波の存在を発見したこと、あるいはオゾン層が二段構造になっていることを確認したことなどが、これは世界的にも非常に新しい知見のようでございます。  それからあと、国際的にもきわめて価値のある観測として認められております例といたしましては、たとえば黄道光の強度の観測をいたしましたり、あるいは電子温度分布の微細構造、宇宙X線の等方成分のスペクトルというふうな観測のほかに、比較的早期のデータとして開拓的な意義のありますものとしては、上層の風向、風速、温度、それから上層電離層の高さの決定などという問題があるようでございます。  なお、工学的な見地の問題といたしましては、たとえばイオン密度測定のための網状球形プローブ、網のような姿をいたしました球形のプローブということでございますが、あるいは長波ドップラー効果を用いる電子密度測定、X線望遠鏡の新型の製作というふうな、優秀な観測機器の開発もあわせて行なわれているようでございます。  以上が、いままで行なわれましたロケット、科学衛星の観測によります成果の一端でございます。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 東大の宇宙研の問題は、二つに分けて考えなければいけないのじゃないかと思うのです。それ自体の研究、他のロケットを打ち上げていろいろ調べるということと、それから、人工衛星を打ち上げることによって日本のいわゆる実用衛星にどういうぐあいにスイッチするか、これが一番大事だと思うのです。  われわれは、これは科学技術庁にも責任はあると思いますけれども、計画変更いたしまして、日本の人工衛星というものが静止衛星のかっこうで実用衛星になるのは大体五十二年、すでに三年間計画がずらされたわけです。その中で、東大が研究するところのミューによるところの人工衛星というもの、あるいはそのロケットというものがどんなにスイッチされるかということ——全部使われぬのでしょう。今度日本が上げる場合には、アメリカのいわゆるライセンス生産をやるか、ノックダウン生産というもので大幅に技術導入する。N型のロケットになる場合には液体ロケットにしていく。きのう科学技術庁の係官を呼んで聞いてみましたら、わずかに東大の四段目か三段目に固型ロケットを使う。しかしながら、これとても将来大幅に修正せざるを得ないのではないかと私は思うのです。  端的に申し上げますと、ちょっと聞きますと「おおすみ」が飛び上がったが、その「おおすみ」は姿勢制御はいろいろやっておりますけれども、無誘導ですから、打ち上げたものは風まかせ——出まかせと言うと悪いですけれども、それを非常に考慮に入れながら打ち上げますから、遠距離の地点にしても近距離にしても非常にひずみができてぐる。これは人工衛星としては意味をなさぬわけですね、ぴしゃっととめなければならぬのですから。そうなってくると、愛知・ロジャーズ米国務長官との間には誘導技術導入交換公文までできて、日本はインテルサットに対して通信衛星を打ち上げないというような約束までさせられて、そして相手の技術を全部導入するのでしょう。そしてノックダウン方式で日本は人工衛星、実用衛星に向かっていく。そうすると、五十一年までミューによってやるところの東大の研究というものは、完全に日本の静止衛星、実用衛星のところまではスイッチできない、こういうことが考えられるのですね。私は非常にさみしい思いがする。そういうことに非常に役に立っておるというのなら、それはけっこうだと思います。しかし、私の考えでは、酷な言い方かもしれませんけれども、全然役に立っていない。将来も役に立たない。ただ、いまおっしゃるように科学的なデータは若干得られた。しかし、いま人工衛星が宇宙に二千余り上がっておりますから、東大が研究されたデータというようなものはその中でほとんどやり尽くしておると思うのです。いま効能書きをいろいろお述べになりましたけれども、それは何か効能書きをあげておかぬと、何のために研究しておるんだということになりますから、これは国際的に価値あるものだというような言い方をしておかなければならぬと思うのです。しかし私たちは、やはりそういうところにつないでもらう上での価値あるものということに一番関心を持つのです。これは五十一年度でぷっつりと切れる。まあ科学の研究というようなものは、何もすぐ成果があがったからいい悪いを言うのじゃない。科学者の好奇心を満足さすということが第一の目的です。そして、その中からいろいろな研究をやっていくということがいいわけなんですけれども、それなら東大の宇宙航空研究所それ自体の研究として要るのならいいと思うのです。もう一つの実用衛星、静止衛星のほうには全然役に立たぬ。それに八億の金を使ってミューを打ち上げ、六号機までやるのでしょう。その辺がきわめてあいまいだと思うのですね。  もうちょっと前にさかのぼりましょう。科学技術庁が宇宙開発推進本部をつくりました。当時、東大と科技庁との間の確執をなくするために東大の研究所長高木さんを連れてきてこの開発本部の本部長にしましたね。そして両方の一元化を促進しようという形の上の一元化をはかった。現在も形の上の一元化はできて、いまは宇宙開発審議会、それから事業団ができまして、その事業団の中に東大からも入ってもらっております。それは頭脳はやはり最大限に活用しなければいけませんから。しかしながら、やはり二元的なかっこうで出発したものですから、いまだにそれに対するところのメンツもあり意地もあるというようなかっこうで研究を進めているような気がしてしかたないのです。文部省も、それに対しては前からのいきさつ上どんどん研究費をつぎ込んでおりますけれども、何とか静止衛星を打ち上げられる方向に東大のこの技術陣の頭脳を動員できないですか。やっと、足して二で割るように政治的な行事が入って、そして東大には五十一年までミューをやらしておいたら満足するだろうというので、そんなことで経費をつけて今日まで来ております。こんなところで切られてしまうのは惜しいじゃないですか。   〔委員長退席、久保田委員長代理着席〕 いまの東大のやり方で、無誘導でやるなら何も役に立たないのですから。連絡がないでしょう。その辺をひとつ解明してください。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 東大の宇宙航空研でやっておりますいままでの観測ロケットの打ち上げ及び科学衛星の成果につきましては、いろいろの見方、御意見があろうかと思いますけれども、私どもといたしましては、世界で四番目になりましたけれども、ともかく人工衛星を打ち上げられるまでの技術開発というものを昭和三十年以来東大の宇宙航空研究所で続けてまいりまして、そして最初は小さなおもちゃのようなペンシルから始まってK型のカッパーのロケットを打ち上げ、そして逐次L型、ラムダのやや大きいものを打ち上げて、衛星を打ち上げることのできるまでのMロケット、ミュー型のロケットの開発に逐次進んでまいりました。  この間、科学衛星を打ち上げるという大きな研究目標を持っておるからではございましょうけれども、超高空におきますところのいろいろな宇宙空間の諸条件をみずからの手で観測をし、そして今後衛星を宇宙空間に打ち上げました場合の宇宙空間の横断的な諸条件というものを学問的に研究し、その研究成果を蓄積してきたという功績は、私は非常に大きいものがあると思うのです。この基礎的な研究成果がなかりせば、自分の手で実用衛星をいきなり無から有のごとくに打ち上げるということは私はできないことであろうかと考えております。また、学問研究の本質的なあり方といたしまして、そうした大規模な実用化の問題は、それは開発をされる方々でお考えになりますけれども、研究者といたしましては、その間に起こってくる諸条件を研究するというのが基本的な使命でございますから、今日まで果たしてまいりました成果につきましては、今後実用衛星、静止衛星を打ち上げるにつきましても非常に大きな基礎になっておるというふうに確信をいたしております。そんな関係から、宇宙開発事業団でこれからの——いま百二、三十億近い経費を投入して実用衛星の打ち上げの諸準備をしておられますが、その宇宙開発事業団と東大の関係者とがいろいろな意味で技術協力をしてこれからの静止衛星の打ち上げにお手伝いをする、こういう手順になっておる次第でございます。  また、東大の科学衛星につきましても、現在までのところは無誘導で打ち上げる、それはある意味では非常に軽わざのようなことかもしれませんけれども、しかし、いろいろなデータを真剣に考えながら、誘導のステーションを持たずにあれだけの人工衛星が打ち上げられるという技術開発をしたことは大きい成果であったかと思いますが、これを実用に近づけます意味におきまして、今後、ことしの予定しております二号機はそうでございませんが、これから六号機まで打ち上げてまいります間に制御の誘導関係をも加えまして、安定した軌道の中に打ち上げることができるような実験を進めていく予定になっております。そうした制御の誘導を加えるといたしますと、これは内之浦にあります東大の打ち上げ基地だけではどうにもならぬことでございますから、広くまた科学技術庁の御協力も得ながら、世界各地のステーション等の協力のもとにその制御のやり方も開発をするというふうに手順ができておるように私は聞いておるのでございます。したがいまして、東大の科学ロケットが、今後の実用衛星の打ち上げに対しまして、方法論といたしましても、また実験データを収集するという点におきましても、非常に大きな基礎をつちかうものだというふうに考えています。  なお、ロケットを、いままで東大でやってまいりましたのは固体燃料を使いまして打ち上げてまいりました。実用衛星を打ち上げます場合には液体燃料のほうがいいということで、液体燃料による操作という違いがございます。しかし、その間にその打ち上げ機でありますブースターの推力その他の機構、構造等のことにつきましては、関係者がいろいろな技術協力と提携をすることによりまして、液体燃料によるブースターの打ち上げに寄与し得るものというふうに考えていますから、御意見ではございますけれども、昭和三十年からやってまいりました東大のロケット観測の成果が、今後の日本の実用衛星をみずからの手で打ち上げることにつきまして非常に大事な基礎をつちかっていくものというふうに私どもは確信をいたしております。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 科学の研究ということで力を入れられるということは大事だと思う。それなら五十一年でやめなくていいのです。非常に成果が上がったものなら、五十一年後も続けてやればいいのですね。それをやめるということは、もうここで誘導についてアメリカの技術を入れて、そして静止衛星は無誘導ではだめだ、そういうことになりますから、実用衛星段階に入ってくるともう役に立たないということで、おくわけなんです。打ち上げの技術だとか、あるいは打ち上げ場の整備だとか、あるいは機器の問題に関しましては、これだけ国費をかけてペンシルからカッパー、そしてラムダ、こういうようにいってミューに至るまで研究努力した、こういうことは活用せなければいかぬと思うのです。しかしながら、静止衛星それ自体にはもう役に立たない、そういうことですから、たいへん惜しい気がすると私は言っているわけですね。そういうような研究とスイッチできないのかどうか。Nばかりに固執して、六号機まで打ち上げたけれども、それは科学的の研究を満足させるという効果しかなかった、静止衛星にはスイッチできないという決定的な段階ができておるわけですね。その中で、私がいま申し上げましたようなノックダウン方式では、アメリカの技術を導入してきてやるということなら、そのこと自体にも協力をし、研究をし、日本の技術は開発できないのかどうかということですね。そういうことに焦点を置いてもらわなければ、イージーに、もう研究はこれでどうも見込みがない、日本の固体燃料で打ち上げるところのミュー型のロケットでは、これはもう打ち上げることはできない。したがって、アメリカの技術をお借りする、こういうことになってくるのですから、静止衛星やそれに対するロケットという面では、こんなところでぷっつり切れてしまうのでは意味がない、こう言うのです。だから、いままでに科学的なデータを得られた、また今後得られるというのなら、これは五十一年後も続けなければいかぬと思う。そこに矛盾があると思うんですね、たいへんいいものだいいものだとお話しになることと、五十一年でぷっつり切れてしまうこととは。こういうように二元的な研究というものが行きつく末路だと私は思うのです。意地をはって二元的な研究をやってきた、これが最終段階の幕切れだと思うのですけれども、それを何とか一元化の方向へ努力することはできないものかということをいまもなお私は思い続けておるのです。  ぺンシルの時分には私はおりませんでしたけれども、カッパーからあるいはラムダ4S一号機、二号機、三号機続いて失敗して、首がぽんと折れて途中でどこかへ行ってしまった。それでも成功した成功したと大本営発表をやっておった時分からこの問題については論争しておったわけです。いま局長の言ったような成果がどの程度までいったかということをよく知っておる上で私申し上げるのです。そういうことですから、私は極端に言うなら、科学の研究はこれはいいですよ。そうでない、日本のロケットをこうするんだという方向づけのためにはむだだった、こう言うのです。むだに金を使った。そういう研究ということが成果を結ばなかったということをたいへん残念に思うのです。だからそれなら早くやめておいたらいいんじゃないかと思うのです。そんなに必要なものなら五十一年以後も続けたらいいし、そこに矛盾があるということを非常に残念に思うわけでお伺いしたのですが、大体わかりました。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 日本人が、私どもがみずからの手で実用衛星を打ち上げる、そのためにはその打ち上げに必要な人員の養成ということも必要でございます。今日までの研究者を中心に進めてまいりまして開発してきたロケットの打ち上げと、それからロケットに載せて、上で切り離して観測をする衛星の作製、衛星を軌道に乗せるという成果は、私は、おことばではございますけれども、三木委員のおっしゃったような、むだなことであったというふうには考えておりません。   〔久保田委員長代理退席、委員長着席〕  なお、その有益なものをなぜ五十一年度で打ち切るのかということでございますが、現在の段階におきます宇宙開発委員会の宇宙開発計画のもとでは、昭和五十一年までに六号機までの科学衛星を打ち上げるという計画になっておりまして、これはまあ十分万般御承知のことと思いますけれども、その計画の中でいま一号機ができ、五十一年まで六号機の打ち上げ実験を続けるということでございます。そこで打ち上げられるようになりますまでの間に、打ち上げに必要なロケットの推力を開発してきた。これが実用衛星の開発につながっていくわけでございまして、りっぱな実用衛星ができれば、今度は研究者の立場からいたしますと、その実用衛星を打ち上げられる推力のロケットに、ほんとうに恒常的に観測すべき観測用の科学衛星を打ち上げてもらうという問題はなお残るわけでございます。  また、いま宇宙開業事業団のほうでいろいろな事前の投資をし、研究を進められて、実用衛星の打ち上げの諸準備を進めておられるわけでございますが、その計画の推移等も待って、今後五十一年以降の宇宙開発計画をどうするかというのはまた新たな課題でございますから、そこまで来て、東大の宇宙研究の関係者が五十一年以後一切の研究をやめてしまう、こういう意味合いのものではございません。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 あなたは固型燃料が次の静止衛星に役に立つ、こうおっしゃいますか。固型燃料というものがそういうことに非常に役に立つと思われるのですか。静止衛星を打ち上げるには、いまの固型の推薬では、また無誘導では、振動が大きいから静止衛星は打ち上がらぬ、こういう結論になっておるのですよ、いまのところでは。なるほど三段目ですか、固型ロケットを使うところの、これはNロケットの話ですが、そういう計画はあるのですけれども、しかし私はたいへんに危険性を感ずるのです。なあたの言うように、右から左へすぐにこれは役に立つのだ、こういう考え方はちょっとずさんじゃないかと思うのですよ。それはひとつ課長、説明してください。

笠木三郎文部省大学学術局学術課長

○笠木説明員 ただいま局長からお話し申し上げましたのは、液体燃料ロケットに固体燃料ロケットの衛星がそっくりそのまま転用されるという意味で申し上げたわけではないと思っております。もちろん、液燃と固体燃料の場合の全体のシステムにつきましても性格が違っておりますが、そういう意味で直結するものとは必ずしも私も考えておりません。  ただ、事実関係で申し上げますと、先ほどお話が出ましたように、液燃のNロケットの前段階の試験ロケットにつきましては、宇宙開発事業団が一段目ブースターに東大のミューロケットの一段をお使いになるということで、現在東大と事業団の協力関係でこの問題がいま検討されておるということは先生御承知のとおりだと思います。  たとえば、そういうこともございますし、それから特に衛星自体の工学的な問題につきましては、これは何と申しましても、まだ自然環境に打ち上げられた衛星は東大宇宙研の衛星だけでございますので、地上実験ではほとんどわからないようなこともたくさんあるように聞いております。スペースの間における衛星のふるまいとか衛星環境の問題につきましてのデータは、実用衛星の開発関係につきましてもたいへん貴重なデータになるというふうに私ども聞いておるわけでございます。  それから、先生のおっしゃいました静止衛星との関係で、東大の現在の実験がつなぐかどうかという問題でございますけれども、これは先生とっくに御案内のとおり、もともと東大の開発しております科学観測用の衛星ロケットは、必ずしも実用衛星のように非常な精密度で、つまり静止衛星までの段階を考えて観測実験をするという必要が必ずしもないものでございます。したがいまして、科学観測を目的のものでございますから、科学観測をするに必要にして十分なものを大学としてはつくり、それを実験に供するということで、従来その方針で一貫しておるわけでございます。   〔委員長退席、西岡委員長代理着席〕  それから無誘導の点でございますけれども、これは現在4Sのロケットの段階までは、おっしゃるとおり第四段の姿勢制御がありますほかは一応誘導ということは特にしていないわけでございますが、これは方向の制御といういわゆる重力ターン方式と申しますか、そういう形でそのシステムを開発したわけでございまして、このシステム自体が衛星を軌道に乗せるということが可能であることは、すでに三回の実験によって実証されたわけでございます。先ほど局長から申し上げましたように、ただ今後の科学観測は、さらに軌道上の正確度、いわゆる衛星のコースなどにつきましてもさらに精密なくふうを要することもございますので、だんだんに科学観測が精密化いたしますに伴って、ロケットにつきましても誘導制御装置を二、三段にもつけましたものをつくりましたり、あるいは衛星につきましても、姿勢制御を行ないまして、科学観測に役立てるということで、現在地上実験はすでに相当の段階まで進んでおりまして、第三号以降の衛星実験につきましてはそういうものとしてやる予定になっておりますので、現在はいわゆる無誘導でございますけれども、逐次そういう方向で研究も発展しているということでございます。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 たいへんいい御答弁ですけれども、そういう言い方は非常に場当たり的な御答弁です、私から言えば。大体、東大のペンシルロケットから始まったときには、昭和四十七年度か五十年度になると、ニューヨークと東京との間を三十分間でロケットを飛ばして行けるようにしてやるということから始まった。そんなこともうおくびにも出さない。次は静止衛星だとか実用衛星につなぐということが目標だった。これをわれわれの旅で言いますならば、たとえば下関へ行くのに、どうもぐあいが悪いから岡山ぐらいでおいておこうか、いやもう名古屋ぐらいまでしか私の力では行けないわということでおいたのがいまの状況ですよ。ぐらぐらするから、あるいは近地点と遠地点とが非常に楕円形のひずみが大きいから科学衛星にするということなら問題ない。そういうように目標をダウンさしていった結果が、そういう目標で初めからやっておったんだというような言い方をされたら片腹痛いと思うのです。そんな小さい目標で日本の宇宙開発が始まったということなら、しかも東大の宇宙開発が始まったということならお笑いものですよ。当初から始めたのは、糸川氏が言ったように、そしていまの佐藤総理が総理になられたときに、世界で第四番目に人工衛星を打ち上げますよと言うて、いわゆる日の丸衛星のかっこうが途中で出てくることは出てきましたけれども、国威発揚型のかっこうにちょっと変わりましたけれども、まあそれでもそういうような言い方をして始まった。科学衛星ならいまの「おおすみ」だろうが「しんせい」だろうが何にも異常はないんだ、だいじょうぶなんです、こういう言い方は、目標を下げていって、下げていった結果そういうことを言っているわけなんです。  そうなりますと、現在私の申し上げているのは、要するに大学の研究所としてこれだけの国費を使い政治問題にまで発展してきた、こういう研究の行き着くところがやはり人工衛星と静止衛星と関連を持つところで終わりたいと願うのは当然だと思うのです。科学衛星ならこの衛星はだいじょうぶなんだというような、こういう負け惜しみを言ってもらっては困ると思うのです。もっとそういうことのプライドを持ってやっていただかなかったら、大学の研究として私は非常に恥ずかしいと思うのですよ。  そういうことを先がたから申し上げておるのに、極論されるあまりでしょうけれども、科学衛星ならだいじょうぶなんだ、それならだいじょうぶです。いいなら五十一年度以後も続けてやりなさい。それはその時点で考えますというのですが、これは両者の中をとった考え方でしょうかということを言っておるのです。まあ、ミューのところで一応おくとして、それは科学衛星に役立てなさいという折衷案によってこういうものができた。しかし私の言いたいのは、それならそれで静止衛星に対するところの情熱を持っていただきたいということを申し上げるのです。  それからもう一つの問題は、大学の研究所がこういう事業をやることに非常に問題がある。したがって宇宙開発事業団というものができました。これはそれでよかった。それならその事業団と合一しながら一元化の方向で努力すべきところが残っておるんじゃないかということを私も強く思うものです。と同時に、やはりいま巨大科学よりも生活科学へ移らなければならぬときが来たと思うのです。ガンだとか、あるいはまた公害だとか、食品公害だとかいう足元の問題にじみちに取り組んでいくときが来たと思う。これは大臣がおいでになりましたから、これからの大学の付置研究機関というもの、あるいは共同利用の研究機関というものが緊急に果たさなければならない役割りを持ってきたと思う。これだけ人間疎外がやかましく言われるようになって、X線スターを発見したとかいうこともこれは大事でしょうけれども、足元のPCBが一体どういうかっこうでからだに入ってきてどういう害を及ぼすかというような、こういう研究に移行する研究機関というものをやはり考えなければならぬじゃないか、こう思うのですね。そういう一つの例としてこの東大の宇宙航空研究所の問題を取り上げたわけです。いつまでも旧態依然とした意地となにに固執せぬでやってもらいたいと思うのです。いいかげんに一元化の方向へスイッチを切りかえていただきたいと思うのです。何も演説しているのだけが能じゃありませんから次へ進みたいと思います。  大臣がおいでになりましたので大臣にお伺いしたいのですが、先がたちょっとそういう話を出したのですけれども、まだ結論を得ておりません。とにかく今後の大学教育の改革あるいは制度の改革ということに対しましては、中教審のいまの答申というものがやはり骨子なんだ。その中教審の答申の骨子は、一つは学問の自由と大学の自治ということをひとつ筋道を立てております。もう一つは、社会的な要求というものをやはり考えなければいかぬだろう、社会が変遷していくのですからね。それをたてまえにして大学の制度の改革をやろう。そこで、私が先日来お伺いしたのには三つの答えが出ておるわけです。一つは、大学から改革してくれという自発的な改革の方向と、それからいま申し上げましたような社会の要求、ガンなんか緊急な問題だと思うのですね。あるいは公害だとか、こういう問題にやはり研究を向けなければいかぬという方向と、それから大学全体のバランスを考えながら、世界のバランスも考えながらやっていくという方向と三つある。にもかかわりませず、大学改革の一つの方向づけというものは、筑波山の研究学園都市ですね、これは建設的に言えば研究都市、それから文部省的に申し上げますならば、筑波山におけるところの大学の構想、こういうものでなければならぬ。にもかかわりませず、いま申し上げましたような筑波山構想というものは、学問の自由だとか研究の自由とか大学の自治とかいうことからちょっとほど遠い感じがするじゃないか。たとえて言うならば、東京教育大学の文学部の教授はこれに参加してない。そのまま進んでいこうとしておる、その他これに類似したようなことがたくさんある。研究学園都市というものが立てられようとしておるのに機動隊の導入ではないだろう。だからこれは一つのサンプルですから、その方向づけはやはり慎重の上にも慎重を期して、ほんとうに日本の国の学問研究の自由、大学の自治というものが方向づけられておらなかったらいかぬと思うのです。それがどうも心配だなという話をしたのですが、大臣のお考えはどうですか。

高見三郎自由民主党文部大臣

○高見国務大臣 お話しのように、筑波の学園都市は、一つには東京教育大学の移転を契機として新しい構想の大学をつくろうという趣旨であるのであります。東京教育大学を移転するための学園都市をつくるのではございません。いま先生がお話しになった自治が侵害せられておるという御意見の中には、私はおそらく文学部なんかの教授会に猛反対をしておる一部があるということをあげられておることだと思います。思いますが、東京教育大学が筑波へ移転するということについて、学園自体の意思統一というものは、必ずしも先生が御心配になるような状態では私はないというように理解をいたしております。と申しますのは、これは審議の手続について文学部側の反発を受けたので、筑波へ移転することについての反対ではなかったように私は承知をいたしております。これは学園内部の管理上の問題なんであります。したがって、筑波学園都市というものの移転が教育大学の文学部の反対によってできないというような事態は、私は現在のところ考えておりません。必ず文学部の教授諸君も最終的には乗ってくれるものだと確信をいたしております。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 大臣、東京教育大学移転勧告は一九六三年八月になされております。その勧告にのっとって学園のマスタープランが練られておる。それに対して、この文学部の教授会が除かれて、それに入っていない。しかし、そういう勧告がなされたのですから、これは当然移転ということを前提に考えなければいかぬ。その中で、学長への権限が集中されたり、機動隊が導入されたり、医学部の学生自治会の正副会長が無期停学になったり、こういう問題が起こっておるということは、筑波山へ移転するということとは無縁ではない。そんなものは関係ないとおっしゃるけれども、その勧告がなされた段階でこういうことが起こっているのだから、無縁でない。それをしゃにむに、学長の権限強化の中で、機動隊を導入してやろうという、こういうかっこうはとるべき策ではないだろうということを言っておる。幸い、先日お話があったのでは、ある程度機運の熟すのを待って実行したいというお話が局長のほうからあった。これは大学改革構想の一つのサンプルになるから、その来し方行く末というものが、非常に今後の改革に関係が深いということを申し上げている。いまのままで、大臣どうですか、これでけっこうですとお思いになっているのですか。けっこうでない、直すべきところがあると思っているかということを聞きたかったのだけれども、関係ないということだけでは済まされない問題だと思いますがね。

高見三郎自由民主党文部大臣

○高見国務大臣 経過的にはいろいろな関係があったことは事実であります。したがって私どもも、できるだけ大学側の意向を尊重してまいったつもりであります。しかし、現在の段階において、全面的な反対が最後まで文学部の中で貫かれるというような姿勢ではないということを私は申し上げたつもりであります。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 次に、これは付置研究機関のことではないですけれども、幸い、大学にそういうスタッフや、あるいはそういう者を養成する一つの目標を持たなければいけないという問題について、南極観測の問題があると思うのです。これは大学の研究者が相当これにも参加いたしますけれども、いまでは自衛艦に依存しておりまして、これは四十五年ですかの毎日新聞を見ますと「自衛艦依存に批判」、「軍学協同へ道開く恐れ」、こういう記事が載っておるのですね。いまはのど元過ぎれば熱さ忘れるで、自衛艦に依存しておることについてあたりまえのことのように思っていらっしゃいますが、これは非常に非正常的なかっこうです。水産大学もある、東大の海洋学部もあるのですから、そういうところの純学問的な立場に立って運営なさるというような計画はございませんですか。自衛隊に依存したらしっぱなしということでは、四十五年にいわれた、軍学協同への道を開くおそれがある、これはアメリカ軍の研究費を大学がもらっておったということでさえ問題になったのですけれども、自衛隊にこんなにいつまでも依存をしてやっていかなくとも、水産大学あたりで優にそういうことは可能ですし、観測船も東大の海洋学部では持っておるように思うのです。なぜそういう自前の努力をやらないのですか。そういうところも今後の方向として私はお願いをしておきたい、こう思うのです。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 十分御承知のことと思いますけれども、南極地域の観測事業につきましては、南極地域観測統合推進本部を設けまして、茅会長のもとに研究者並びに関係省庁等の関係者が入りまして、南極観測の推進事業の協力体制をつくっております。  そこで、観測いたしますことそのことは、学術研究の事業でございまして、学術研究者そのものが南極地点におきます各種の研究調査活動を行なっておるわけでございます。御案内のように、非常に自然の環境条件のきびしい、氷海を渡ってまいりましてそして観測地点に基地を設ける、そこに必要な観測用の人員と資材とを運ぶという仕事を、特別につくりました「ふじ」に自衛隊員が乗り込んで運航をしてくれておるというのが実情でございます。  私は、この氷海を越えて、昨年もことしも残念ながら昭和基地に接岸できませんでしたけれども、非常なきびしい自然環境の中で、特別の船で砕氷船を用いて人員と資材を運ぶということ自体は、これはトランスポーテーションの問題として、必ずしも研究者自身が自分で船を動かさなければならないものだというふうには考えません。それは他の外国の船に乗せてもらうということではなくて、やはり日本の関係者の力を結集いたしまして、南極地点に研究者の資材と人員を無事に送り届けるという仕事を自衛隊の協力のもとでやるということは、学術研究の自主性を侵すものでもないと思いますし、いま御意見がございましたけれども、今後の課題として研究目的達成のためには、現在越冬隊を中心にしたいろいろな連絡活動というものが隊員、艦長以下の自衛隊の乗り組み員の協力のもとで十分に行なわれておる。またことしも、非常に残念ながら、厚い氷に閉ざされまして、帰国さえも一時非常に心配をいたしますほど苦労をいたしましたけれども、そういう間の「ふじ」の処置につきましても、艦長の判断もさることながら、越冬隊としての長い経験のもとで持ってまいりました気象観測その他のデータによる判断が十二分に生かされておりまして、関係者の間の連絡提携というのはうまくいっておるというふうに考えております。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 どうもあなたと話をしておるとかみ合わないのですが、研究者が船を動かせということを言っておるのじゃないのです。文部省で考えたらどうですかと言っておるのです。そういう学部、学科もあるのですから、いつまでも——そういう意見が出たなら、自衛艦に依存することは軍学協同へ道を開くということをおそれられたのですから、そういうことなら私らでやろうという、自前の考え方はないのですかということ聞いておる。それが軍に依存しておれば、たとえばスクリューが折れたということが前にありましたね。それも私、文教委員会で質問をして、一体これはどこに欠陥があったのか、南極観測船「ふじ」をつくる時分に、私たち野党も、いいじゃないかということでそれに協力いたしまして、今度はソ連の砕氷船にもアメリカの砕氷船にもまさるとも劣らない、からだは小さいけれども非常に性能のいいものをつくるのだということを誇示しながらつくったのです。観測船がああいうスクリューが折れるというようなことになった。これは不測の事態かもしれませんけれども、その原因究明をしなければいかぬということで、文部省にそれを聞いたわけですが、それについての御答弁をまだ得ていないわけです。たとえば材質が悪かったのか、あるいは航行の条件が悪かったのかというようことについて、よく研究した上で——南極観測ということはだめだと言っていないんですから、越冬隊員からあるいは観測員、研究者を乗せていく、こういうことをやられたらいいのですけれども、ああいうむだに氷の上で閉ざされて何の研究もできない。たまたま昭和基地に接岸できたと思うと極点旅行をやっておられる。こういうことでは、どうも足元が非常におぼつかない感じがするということを申し上げておるのです。研究者が船を動かせなんて、そんなむちゃなことは言いませんよ。気象学をやっている人が船を動かす力はないですし、そういう意味合いですよ。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 いろいろと南極の自然の諸条件ということについて関係者が十分な研究、経験を持っておりませんために、厚い氷の中で船の動かし方の問題あるいはその際のスクリューその他の材質の問題、やはり経験を重ねて改善していかなければならぬ点が少なくないと思います。今回十三次の越冬隊を送りました際には、前年のスクリューの折損等にかんがみまして、材質についても多少改善とくふうを加えた予備のスクリューを搭載をして持ってまいりました。ことしは幸いにスクリューの折損その他の事故はございませんでしたが、これはそのときにおきます氷状、あるいは氷に対して船をぶつけていきますその船の操船の諸条件、そういったこととのかみ合わせから、今後十分に研究をしなければならない事態が起こってくるんだというふうに考えておりまして、そういった点につきましては、技術関係者が推進本部その他関係者の会議をもちまして改善を加えておるわけでございます。「ふじ」そのものは南極観測に人員と資材を送りつけるに一番適したものとしてつくったわけでございますが、その操船を特定の大学の水産学部で担当するのがいいかどうかという点は、御意見ではございまするけれども、その南極観測という目的を達成するということを主眼に考えました場合、それは大学に持たせるということだけで必ずしもいいというふうにいかない点もございまするし、人員のいろいろな養成、交代というふうなことも、操船上の問題自体として考えましても、私は、特定の大学の所属船というふうにして運航することがいいかどうかについては、なお研究しなければならない点もございますから、現在のところは、いまの自衛隊の乗り組み員によります「ふじ」の協力によって、南極観測の研究目的を達成するということに主眼を置いてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 将来、文部省なり——大学の責任にしなくてもいいじゃないですか。文部省の責任でやればいいので、自前の努力をやられるかやられないかということを聞いておるのです。いまのままでやるということが一番無難なことですね、やりかけたことだから。しかし、それでは私はいかぬと思うのです。  それから、先ほど申し上げました故障の起こったことについての科学的な研究、あるいはその追跡調査という問題は、これはどうなったのですか。これは前にもお伺いしておいたのですが、御返事をいただいていないので……。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 いまのお尋ねの点につきましては、担当課長のほうから折損の事故対策についてお答えいたします。

七田基弘文部省大学学術局国際学術課長

○七田説明員 お答えいたします。  昭和四十五年の二月二十五日、南極圏行動中の砕氷艦「ふじ」は右推進器のプロペラを折損いたしました。そこで、南極地域観測統合推進本部といたしましても、将来の万全を期しますために、第三者からなります学識経験者、それから専門家を集めまして、砕氷艦「ふじ」の事故に関する調査会議というものを設けました。そこでいろいろ調査検討が行なわれたわけでございますが、さらに具体的な問題につきまして入る必要が出まして、「ふじ」推進装置の改善に関する調査会議というのを設けまして、このプロペラ材質の改良を中心といたしまして慎重に調査をいたしまして、昭和四十六年十月三十日に同調査会議が最終報告を出したわけでございます。  ここで指摘されました事項は、まず一つは、推進器のプロペラ材の強度を上げるため、新しく国内で開発されました新特殊鋼材MSS材によるプロペラにかえる必要があるということでございます。従来のプロペラは、これは各国のほとんど全部の砕氷艦が採用していた鋼材でございますが、各国の情報をいろいろ得ますと、やはり非常に折れやすいということが判明したわけでございます。そこでこの新特殊鋼のMSというものを採用する必要があるであろうというのが第一点でございます。  第二点は、推進器相互切りかえ装置を設置いたしました。これはMSSの新しい鋼材を取り入れますと、非常にプロペラが強くなるわけでございます。プロペラが強くなりますと、今度は反対に軸受けあるいはエンジンにも影響がある危険性があるということがわかったわけでございますので、推進器相互切りかえ装置を設置いたしました。  それから第三点に、第二段の過電流保護装置の設定点、これは非常にプロペラが強い物体に当たりますと、過電流が流れるわけでありますが、その保護装置の設定点を二一〇%の定格から二〇〇%の定格に変更したというような点が一つでございます。  それから第四番目に、氷海行動をより安全かつ確実に行なうために、過去の貴重な経験を生かしまして、氷海行動のマニュアルを持たせる必要があるであろうということでございます。  以上の勧告を得まして、直ちに本部といたしましては、昭和四十七年度の予算でこれを要求いたしました。現在氷海で行動いたしております「ふじ」は、この新しいMSS材を積んでおりまして、さらに推進器の相互切りかえ装置もつけて行っております。  それから、第二段過電流保護装置の設定点につきましても、これを変更いたしております。  それから、なおそのほかにも、氷海行動は非常に特殊なものでございますので、新しく人工衛星の受画装置を載せるということで、これは昭和四十八年度の予算でお願いしておる次第でございます。  それから、マニュアルの点でございますが、これは防衛庁が中心になりまして、一応仮のマニュアルをつくりまして、これは今後いろいろの経験を積み上げながらさらに新しく直していこうということでやっておるわけでございます。  以上が「ふじ」の事故に対する本部といたしましての事故対策でございます。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 しつこく言いませんけれども、こういうプロペラが折れたり、そうしてそれがどこの国でも使っておった材質だったと、だから折れたんだというような言いわけをして、そうしてその次にかえたところのものを持っていって、そして堅氷に閉ざされた、それは異常な寒さだったのだ——南極が寒いのはあたりまえでしょう。そこで行けなくなったから何も研究できなくなった。閉ざされて一冬過ごした。一夏というのですか、過ごしてきた。こういうことでは、舞台が世界の競争裏にある南極だけに、私はぶざまで情けないと思うのですよ。こういうことでいいのかということですよ。それでプロペラの問題をやかましく言ったのですけれども、依然として醜を天下にさらし、世界にさらしたまま帰ってくるというようなことでは情けないと思いますね。せっかく壮行会をやって、期待しておったにもかかわりませず、こんなかっこうで戻ってくる人もさぞ残念だと思うのですよ。文部省が責任持ちなさい。何かいま言った、防衛庁がこれについて責任を持ったとか持たなかったとか、大体文部省が責任持たないからこんなことになる、そういうぐあいに思います。いまのせっかくそういう措置をとっておられるのですから、そういうぐあいに考えていただきたいと思うから、文部省で責任を持てぬのかということを言ったわけです。  管理局長もおいでになっていますし、大臣に最後の点をちょっと聞いておいて、二十ほどのうちで二つほど済まなかったので、あとまた私がやらしてもらうか、木島君にやってもらうか、それは別にしまして、二つほど、大臣が来ておられるから聞いておきます。  大学のこういう制度に関するところの、ちょいちょいいじっていって、先へ先へ進んでいって積み上げていくのも一つの方法だと思いますけれども、基本的な構想を立てていくことがやはり大事だということを一番初めに申しましたね。したがって、その点から言うならば、基本的な構想に一つの隘路になる要素はやはり排除していかなければならない。それは二つあると思うのです。その一つは授業料の値上げ、特に国立学校の授業料を三倍にするというような、これは大臣、どう考えられたのですか。あなたが今度これに対する功罪をみなしょわなければいかぬ。こんなことで大学の改革もへったくれもないです。それからもう一つ、授業料反対の学生運動です。また新たな火をつけたというかっこうになりませんか。これはまだこれからどんどん起こってくるだろうと思いますが、大学を改革するとか学問の研究をやるとかいうことよりも、ほかのことに力が入ってしまって、機動隊のお世話になったり、南極観測では防衛庁のお世話になったりしなければならぬ文部省ということになってしまう。そういうことも私は情けないと思いますし、特に授業料の三倍値上げというものは、夜間の学生にまで三倍というのはちょっと酷じゃないですか。これは半分か、幾分考慮されるのですか。こういう問題は、大学改革と同時に考えていかなければならぬ問題だと思いますので、これは大臣にお伺いしたいと思います。  それから、管理局長にお伺いしたいと思うのですが、大学の認可申請が次々に出ておりまして、この間うちから私立が何ぼ、国立の学部新設あるいは学科の新設が何ぼということを大体伺いました。学生もどれだけ募集するかということも伺ったのですが、この間新聞を見ておりますと、今度認可した私立大学でものすごう水増しをしておった。水増しをして、それもべらぼうな水増しをしておったのですが、こういうことはどうなんですか。新聞は非常にからかい半分に書いておりましたけれども、これが普通なんですか、こういうように水増しというのは。あなたが私立学校をそういうところまで管理されるのか管理されないのかわかりませんけれども、どうなんですか。そういうことを許しておいて、大学制度の改革もへったくれもないでしょう。認可基準を私はいろいろ聞きました。大学設置審、私大審議会。そうすると、なかなかむずかしい。いろいろな条件をつけられる。そうして、針の先で突いたようなことまでやかましゅう言うておいて、さて設置してしまったらこういうぶざまなことをやって、それは大学設置審議会の問題にならないのですか。また私大審の問題にならないのですか、そんなことは。そんなことをそのまま許しておくということなら、これは大学の改革にも大きな影響があると思う。伺っておきたい。

高見三郎自由民主党文部大臣

○高見国務大臣 大学改革の問題と授業料の問題とからめてのお話でありますが、私は高等教育の改革というものは、ビジョンを持ってやっていかなければならぬと思っております。授業料の問題につきましては、昭和三十八年以来据え置かれております授業料を、諸般の事情から勘案いたしまして、三倍にするということは、必ずしも常軌を逸した行動であるとは思いません。きわめて正常な状態ではないかと考えておるのであります。ことに私は、いまお話がありましたような私学の助成あるいは奨学資金の増額というものとの見合いの上に立っての国立大学の授業料の値上げというものは、当然やるべきことである、その見通しをつけましたから値上げに踏み切ったわけで、これが私学の助成についての見通しもつかず、奨学資金についての見通しもつかないということでありますならば、私は授業料の値上げに踏み切るわけは毛頭ございませんでしたけれども、その結果、私学の助成は御承知のように五割増額になっておる。奨学資金も御承知のように非常な大幅な引き上げをいたしました。その財源を獲得いたしましたので、国立のほうを値上げをするということにいたしわけであります。もちろん授業料は安いにこしたことはございません。安いにこしたことはございませんけれども、それぐらいのところは私は世間並みの常識ではないか、こういう考え方に立っておるものであります。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 新設をいたしました私立大学の入学定員に対する実人員の非常な超過という点は、私どもまことに残念なことでございます。現在の国・公・私立の大学を通じまして、あらゆる専門を全部加えました私学の入学実員は、実のところ、文部省のほうに届けが出ております入学定員に対して七七%ほど上回っております。このこと自体、私学のあり方として一つ問題になるところだと思いますが、先般来新聞にも出ました医学、歯学の関係につきましては、ことのほか大きい問題がございます。特に実験、実習等のあり方から見まして、実際に用意してあります学生の施設設備に対して、医・歯学のように設備の大きいものを要します場合に、とうてい過大な超過人員を収容する余力はないものと判断いたしまして、医・歯の関係につきましては、私立大学におきましてもせいぜい一割から一割五分前後の実員と定員との開きというふうに既存の学校についてはできておるわけでございますが、たまたまことし新設になりましたものの一つに、新聞にも伝えられましたように、七割前後に及ぶ多くの入学者があったということは、非常に遺憾なことでございます。いろいろな事情等まだ詳細に掌握をしておりませんけれども、今後これらのことにつきましては、新設直後に全部の大学に対しまして、設置前の約束をいたしました条件がどのように履行されておるかという点について、あらためて照会もし、必要な視察も行ない、今後の改善につきまして指導するという手順になっております。例年行なっておることではございますけれども、ことしもまた五月あるいは六月の時点におきまして、その新設大学の実情についてはつまびらかにし、今後のとるべき措置について十分な指導を行ないたいというふうに考えております。  一たんできました以上、なかなかこのことについて学校の独自性ということ、あるいは私学の自主性という見地もございますから、十分な措置が私どもの思いどおりにとれるわけではございません。しかしながら、大学の関係者と一緒に懇談をいたしまして、望ましい教育水準を保つような努力というものは、いままでも続けてまいりましたし、今後も続けまして、遺憾な事例の起こることのないようにしていきたいと考えております。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 非常に大学局長の御答弁は穏やかな御答弁で、穏やかですけれども結局違反したわけでしょう。それに対してこれから指導していくというのはどうするのですか。いまさらもとへ戻せるものじゃないでしょうし、設立したものですからそれはもうやめさせることはできない。そうすると、私学には金は出すけれどもくちばしはいれないというところへ逃げてしまって、やりほうだい。約束を破ってもかまわない、やりほうだい、これでいいのかということです。その学校の名前を言うてください。そして、それに対する文部省の対策をもう少しはっきりしてください。これから何を指導するのですか。調査してみるといったって、七割もオーバーしているという話なんですが、それを知っておられて何を指導するのですか。  それから文部大臣のほうです。三倍にしたのは何も異常じゃない、奨学資金の問題やら私学に対する助成策ができておればそれでいいんだ、こういうことなんですけれども、それに対してやはり学生のほうとしては非常に問題にする。そのことに対するお答えもなしに、文部大臣、いばっておられても困ると思うのです。胸を張って、私は異常じゃないと思う、きわめて正常ですなどと言う。世間は正常だと思ってないのです。われわれも正常だと思わない。なぜかといいますと、私立大学の授業料や学費といったものと比較すると低いかもしれませんけれども、公教育の一環ですから低いのはあたりまえです。それをこれにくっつけようと考えるから異常でないと言われるのですけれども、大体こっちが異常なんですよ。これをおろす努力はせぬで、これを上げる努力だけしてきたというだけで、これは一方的な考え方です。もう一方的な考え方は、こちらを下げるという方法があるのですから、それにはどうするかということは、それはやはり国がそれに対して援助しなければならぬというたてまえをとらなければいかぬ。だから、総じて文部大臣の御答弁を言いますなら、要するに一面的なことだけをあなたはおっしゃったということが一つ。それから、一つだけ答えて片方の関連を答てくれておらぬわけです。学生がこれに対してたいへん問題にする。そんなことは知ったことかいということですか。その辺をはっきりしてください。

木田宏文部省大学学術局長

○木田政府委員 先般新聞にも歯科大学の中で入学者が非常に多かったというふうに報ぜられましたのは、松本歯科大学です。とにかく私立の学校は、統計的に見ますと、先ほど申し上げましたように、必ずしもめちゃくちゃに、数を定員よりもオーバーしてとっているわけではございません。おのずから限度のあるものだと思っておりますが、松本歯科の場合にも、ことしの新設の他の大学と同じでございますが、六月前後になると思いますけれども、関係者を視察に派遣する予定にいたしております。そして、そのときまでほんとに合格を発表した者がそのままの数でおるかどうかということもひとつ確かめなければならぬことでございますけれども、予定よりも一クラス以上の学生がたくさんいるということになりました場合に、指導するための教官組織を今後どうするかということも指導の対象になります。現実に施設がないのであれば、施設の増強ということもやってもらわなければならないということになろうかと思います。  大学の設置につきまして、設置前に約束をいたしました、申請をいたしました条件と設置後の条件とが間々違うようなことがあるということは遺憾なことだと思っております。この点につきましては今後とも、現在の法制のもとでは、指導助言というようなこと以外には私どももとり得ませんので、専門の関係者にやはり視察をしてもらいまして、そしてとるべき措置について指示をし、懇談をするというのがこれからの措置でございます。松本歯科大学の場合にも、その点で学生の教育に支障がないように、今後のあり方につきまして大学当局の反省を促したいと思っている次第でございます。

高見三郎自由民主党文部大臣

○高見国務大臣 大臣授業料値上げに伴います学生運動、これは私は学生の側から言えばもっともなことだと思うのです。ただ、御承知のように、現在在学しておる学生から取るわけではございません。今年入学する学生の十月一日から取るわけであります。したがって、現在の学生が授業料値上げを学生運動の一つのテーマにするということ自体に、私自身やや疑問を持っておるのであります。それは後輩のために困るのだという、後輩に対する愛情から出発しているのならば、それはそれで理解ができますけれども、私は学生運動がそのために起こってきて、そのために学園が荒廃するというような事態は起こらないという考え方を持っておるのであります。

西岡武夫自由民主党

○西岡委員長代理 午後三時再開することとし、これにて休憩いたします。    午後零時四十七分休憩      ————◇—————   〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕

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