文教委員会 第4号
- 発言数
- 43 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1972/03/17
会議録
○丹羽委員長 これより会議を開きます。 義務教育諸学校施設費国庫負担法及び公立養護学校整備特別措置法の一部を改正する法律案、私立学校教職員共済組合法等の一部を改正する法律案を議題とし、順次提案理由の説明を聴取いたします。高見文部大臣。
○高見国務大臣 このたび政府から提出いたしました義務教育諸学校施設費国庫負担法及び公立養護学校整備特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 現行の義務教育諸学校施設費国庫負担法は昭和三十三年に、公立養護学校整備特別措置法は昭和三十一年に制定され、それぞれ、公立の義務教育諸学校の施設整備に対する国の負担制度及び公立の養護学校の施設整備を含む国の負担制度について定めているものであります。以来、一部の改正はありましたが、政府は、これらの制度のもとに、鋭意、学校施設の整備につとめてまいったのであります。 しかしながら、最近における過密過疎状況の進展等社会情勢の変化と、特殊教育の拡充の必要性及び制度の運用の経験にかんがみ、現行制度にはなお改善すべき点があると考えられますので、今回、所要の改正を行ない、もって公立学校施設の一そうの整備充実をはかろうとするものであります。 次に、法律案の内容について御説明いたします。 まず、義務教育諸学校施設費国庫負担法の一部改正の内容でありますが、第一は、義務教育施設の整備を一そう促進するため、公立の小学校における校舎の新築または増築に要する経費についての国の負担割合を、現行の三分の一から、中学校の場合と同様二分の一に引き上げることといたした点であります。 第二は、集団的な住宅の建設等による児童または生徒の増加に対処するため、公立の小学校及び中学校の校舎の新築または増築に要する経費について、国庫負担を行なう場合のいわゆる前向き整備の年限を、三年に延長するとともに、新たに屋内運動場の新築または増築についても、同様の前向き整備の措置を講ずることといたした点であります。 第三は、過疎地域等における公立の小学校及び中学校の統合の円滑な遂行をはかるため、統合に伴って必要となる校舎または屋内運動場の新築または増築に要する経費について、従来は、統合後の学校について国庫負担の対象としていたのを、統合予定の学校についても国庫負担の対象とすることができることといたした点であります。 第四は、公立の盲学校及び聾学校の小学部及び中学部の校舎または屋内運動場の工事費の算定方法を改善するため、児童及び生徒一人当たりを基準とする方法から、小学校及び中学校と同様に、学級数を基準とする方法に改めることといたした点であります。 次に、公立養護学校整備特別措置法の一部改正の内容でありますが、その第一は、公立養護学校の小学部及び中学部の校舎または屋内運動場の工事費の算定方法を、盲学校及び聾学校の改正の場合と同様に、児童及び生徒一人当たりを基準とする方法から、学級数を基準とする方法に改めることといたした点であります。 第二は、養護学校の設置を促進するため、都道府県が設置する養護学校で政令で定めるものの小学部及び中学部の建物の建築に要する経費について、国の負担割合を二分の一から三分の二に引き上げることといたした点であります。 最後に、この法律の施行期日を、昭和四十七年四月一日からとし、昭和四十六年度以前の予算にかかる国庫負担金については、なお従前の例によることとし、また、今回の改正に伴い必要となる関連法律の規定の整備を行なうことといたしております。 以上が、この法律案の提案の理由及び内容の概要であります。 何とぞ、十分御審議の上、すみやかに御賛成くださいますようお願いを申し上げます。 次に、このたび政府から提出いたしました私立学校教職員共済組合法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 御承知のように、私立学校教職員共済組合は昭和二十九年一月に、私立学校の教職員の福利厚生をはかる目的のもとに私立学校教職員共済組合法により設立されたものでありますが、それ以後、本共済組合が行なう給付については、国公立学校の教職員に対する給付の水準と均衡を保つことをたてまえとし、逐次改善が進められ、現在に至っております。 今回は、私立学校教職員共済組合の実情にかんがみ、長期給付に要する費用に対する国の補助率を引き上げるとともに、昭和四十六年度に引き続き、国公立学校の教職員の年金の額の改定に準じて、私立学校教職員共済組合法の規定による既裁定年金の額の改定等を行なうため、この法律案を提出することといたしたのであります。 次に、この法律案の概要について申し上げます。 第一に、私立学校教職員共済組合が行なう長期給付に要する費用に対する国の補助率を、従来の百分の十六から百分の十八に引き上げ、財政の安定に資することといたしております。 第二に、給付等の算定の基礎となる標準給与の月額の下限を、私立学校の教職員の給与水準の上昇等を勘案して、現行の一万八千円から二万六千円に引き上げることといたしております。第三に、私立学校教職員共済組合法の規定による既裁定年金の額を、国公立学校の教職員の年金の額の改定に準じて、昭和四十七年十月分以後、さらに一〇・一%増額することといたしております。また、これに伴い、旧私学恩給財団の年金についても相応の引き上げを行なうことといたしております。 第四に、これも国公立学校の教職員の場合に準じて、既裁定年金の最低保障額を退職年金及び廃疾年金については現行の九万六千円を十一万四百円に、遺族年金については現行の四万八千円を五万五千二百円にそれぞれ引き上げることといたしております。また、老齢者にかかる最低保障額の特例については、従来七十歳以上の者を対象としておりましたのを六十五歳以上の者を対象とするよう改めるとともに、その額を退職年金及び廃疾年金については現行の十二万円を十三万四千四百円に、遺族年金については現行の六万円を六万七千二百円に引き上げることといたしております。 なお、この法律の施行日については他の共済制度の例に準じて、昭和四十七年十月一日といたしておりますが・国の補助率の引き上げについては、昭和四十七年四月一日からといたしております。 以上が、この法律案の提案の理由及び内容の概要であります。 何とぞ十分御審議の上、すみやかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
○丹羽委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。 両案に対する質疑は後日に譲ります。 ————◇—————
○丹羽委員長 文教行政の基本施策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。有島重武君。
○有島委員 先日、文部大臣から所信の表明がございまして、それにつきましての質問が先日来ずっと続行されておるわけでございますけれども、なお二、三の質問をさせていただきたいと思います。 大臣の所信表明の中で最初に出てまいりますのは、学制制定百年という問題が出てまいりました。これをどのように認識するかという問題、これもたいへん大切な問題だと思いますけれども、これもまた後日に譲ることにいたしまして、「今日の時代は急速な発展と変貌を遂げつつあり、」これに準じて教育もまた考え直していかなければならないというような御趣旨であったかと思うのですけれども、「変貌」と申しますと姿が変わった、まあたとえば一人の人間がお化粧を変えたとか着物を変えたとか、そういうような御認識であるのか、あるいは中身そのものも変わってきたのか。と申しますことは、第四次防衛計画なんかの場合でも、あれは二年前にまだ米中というものが非常な対立をしているときに考えられたものであった。そのときに立てられたものを現時点でどうかというようなことがいま検討されなければならないんじゃないかということはみな国民が思っていると思うのですね。中央教育審議会におきまして四年がかりないしは二年がかりということもできると思うのですけれども、いろいろお考えいただいて、これの基本的な発想となっている、基本のところまでももう一ぺんここでもって考え直してみようというお話であるのか、あるいは、そこら辺のところは万古不易のものであって、ただ世の中の様相がいろいろ変わってきた、その表面上の様相に照らして順応していかなければならないというだけの話であるか。この文面からまいりましても、「変貌」というその「貌」という字は、多分に表面的な響きが強いように思いましたので、この点の大臣の御真意だけを聞いておきたい、そういうわけです。
○高見国務大臣 「変貌」と申しますのは、私は形の上の変化を申し上げているだけのことではございません。内容も変わりつつある、価値観も変化しつつある、すべてのものが変わっておるということであります。「変貌」と申し上げますよりは変化と申し上げたほうが、あるいはわかりよかったかもしれませんが、私は「変貌」という意味の中には物心両面のものがある、かように認識をいたしております。
○有島委員 そういたしますと、その様相が変わった、ないしはものの発想法と申しますか、いま価値観とおっしゃいましたけれども、そういったものもやはり考え直してみなければならない。もう一つは、目的と申しますか教育の目的というようなこと、これは方向性が全く変わるということはないかもしれないけれども、もう少しいろいろ詰めて考えなければならない。したがって、中央教育審議会のあの答申そのものも、あそこに述べられている時代認識、教育の全般的な認識というものが述べられているわけでございますけれども、ああしたものについても、もう一歩また詰めて詳しく検討していかなければならないというふうにお考えでいらっしゃるか、あれはもう十分なものであるというふうにお考えになっていらっしゃるか、その辺のところだけ伺っておきたい。
○高見国務大臣 中教審の答申は、四年間にわたる委員各位の御熱心な御検討の結果であります。私は、この答申の持っておる意味というものを非常に高く評価をいたしております。しかし、それでは中教審オンリーでいくのかという御意見でありまするならば、私は必ずしもそうじゃない、国民の皆さん方の御意見を十分拝聴して、その上に立って中教審の答申をどういう形で生かすかということを考えることが私の仕事である、かように認識をいたしております。
○有島委員 大体の方向性を伺いましたから、またその内容については次の機会に譲ることにいたします。 二ページ目にございます、いままでの「教育の普及充実」、いわゆる教育の量的普及に加えてその質的な充実につとめなければならないという御認識でございますね。その中でもって「日本人として、国際社会で積極的に活躍できる人間の育成」、これはわれわれもたいへん賛成と申しますか、心から賛同の意を表しておきたいのでございますけれども、国際社会でもって積極的に活躍するにたえ得る人間を育成するという、この具体的な問題につきまして、従来われわれ日本人が国際社会でもって活躍するのに阻害となっている要因が幾つかあるのじゃないかと思うのでございますけれども、そういったことについてどのような御認識をしていらっしゃるか、伺っておきたいと思います。
○高見国務大臣 この問題は非常に複雑な問題であります。日本民族というものの民族性に根ざしている問題もございます。同時にまた、日本が明治維新後百年の間に、非常な成長を遂げます過程において、国際的に伸びていきますために語学力というものが非常な障害になったというような問題もあるのであります。したがって、国際的に活躍する人間をつくるということになりますと、日本語の普及などというものも非常に大事な問題になってまいりまするし、同時にまた、外国語の研修も、これまた非常に大切な問題になってくるのであります。 しかし、一番大事な問題は、日本が昔から持っておる古い伝統、日本人が持っておる心のふるさととでも申しますか、そういうものを失わないでいて、なおかつ世界の中の日本人として日本のよさを十分に発揮し得る姿をつくりたい、これが私の理想であります。
○有島委員 ただいまの民族性の問題、それから語学の問題、それから日本人自体が日本の伝統をほんとうに身につけるという問題、三つの問題があったかと思うのです。 語学について、語学教育、まあ、われわれ相当長い年限英語なんかやってきたわけですが、全然とは言えないかもしれないけれども、あんまり使えないわけですね。これは、日本語の文脈とヨーロッパの文脈とだいぶ違う、それから発想法そのものが違うという、まあことばの違いと関連し合っているわけでございますけれども……。外国語については、戦前の語学教育というのは、将来高等教育を受けて、そしてその高等教育というものが、実は外国からの知識を集めてくるということが高等教育であるかのごとく思われていた一時代がございましたですね。そうしたときは、外国の文献を読めるようになるということが大きな目的であったのではないかと思うのですね。そうした外国語に対する対し方そのものが、現代ではそれこそ変わっていなければならないのじゃないか。にもかかわらず、その昔の教え方というものがまだほんとうに、払拭といいますか、依然として改善せられておらないというようなことがあるのじゃないか。それで、現在の教え方としては、こうした読み書きの訓練というものはもちろん重要でございますけれども、昔から比べますと、もう比較にならないほどの文化的な交流、経済の交流ということが起こっておりますし、今後もまた起こらなければならないということを踏まえますと、その読み書きということから今度は聞く、話すということの必要が増しておる。そうした認識をもって今日はカセットテープだとかそういうものが非常にはんらんしておるわけです。それでいまの若い方の中には、聞くこと、話すことは非常にうまいのだけれども、今度は本が読めない、そういったようなアンバランスが出ております。 まあ、そういったことは過渡期ですからいつでもそういった不均衡というものは起こってもかまわないのでございますけれども、もちろん行政として一番注目しなければならないことは、単なるそういった実用性ということを一つ越えて、外国語を修得する際に、外国人のものの考え方だとか、生活に対する態度だとか、それこそ外国の伝統とかいうものを何となくこちらが吸収し、それによって今度は、日本人の特殊性といいますか、一つには日本人のことば、日本人のものの考え方の特殊性というものを意識できるようになる。それによって、さっき大臣がおっしゃった日本のほんとうのよさというか、それとも一つの特殊性といいますか、われわれが外国のことを考えながらも、そういった日本語の特殊性の中でいままで外国、世界というものを切り取っておったのだというような意識を子供のときからずっと植えつける方向、そういった意識が大切じゃないかなというふうにいわれてもおりますし、私もそういうふうに思っておるのですけれども、大臣のお考えはいかがですか。
○高見国務大臣 お説のとおり、日本の外国語教育というのは、戦前におきましては文法中心の英語である。したがって、聞くことも話すこともどうもうまくない。ところが、戦後は話すこと、聞くことのほうが先へ進みまして、その国の、たとえば英国なら英国の文化に対する評価というものの意識がだんだん減ってきておる。これはおおいがたい事実だと思うのであります。 私は、国際人を養成するという場合には、日本の伝統のみを主張するのは国際感覚の面から不適当ではないかと思います。しかし、イギリス人でもシェークスピアをそのままわかる学生がどれだけあるかということになりますると、これは非常に問題があるように、同じことがやはり日本人でも言えるのであります。万葉を読んでほんとうに理解できる人が何人あるかということになりますと、有島さんいま御指摘のような問題が多分にある。だから、外国のよさを理解すると同時に、その上に立ってのわが国のよさというものを認識させることが何よりも大切なことであろうというように考えておるわけであります。文法中心主義の英語から会話中心主義の英語に変わりまして、これは実用の面からいえばまことに便利になったようでありますけれども、必ずしもその教養が人間性を豊かにするものであるという即断はいたしかねるという感じがいたしておるのであります。
○有島委員 語学教育について、なるべく幼少からなれさせるということは、能率がたいへんにいいことじゃないかと思います。それで、いまは中学校からになっておりますが、小学校から外国語というものになれきせる、そういった御意図がおありになるかどうか。これは学校の授業の中に繰り込めるかどうか、それはまた別問題です。繰り込んだから必ずしもそれがうまくいくとは思いませんけれども……。 それから、外国語と申しますと反射的に英語というふうに思ってしまうわけでございますが、こうした一種の偏見を、これから少し幅を広げていくという方向をお考えになるかどうか。特に従来、明治百年以来の伝統から申しますと、ヨーロッパ——アメリカも含めてですね、おもに欧米が外国だったわけですけれども、現在ではアジアというものが、ほんとうは親類みたいなものなんでしょうけれども、そこが非常に抜けておる。朝鮮の問題もございますし中国の問題もございます。それから、広く東南アジアの問題もございますけれども、そうしたことがやはり国際交流の意識の中にはのぼらなければならない。したがって、語学教育の中のそういった意識の上にものぼってこなければならない。これをどうこなすかということは今後の問題といたしまして、そうした姿勢をお持ちになるかどうか、その辺はいかがですか。
○高見国務大臣 日本へ最初に外国語が入りましたのは、私はオランダ語であったと思います。同時に、その当時、十八世紀あるいは十九世紀初期におきます外国語というものは、オランダ語ないしはスペイン語であった。それが、日本の教育制度というものが英国の制度を学び、ドイツの制度を学び、フランスの制度を学ぶということになりましてから、日本の教育は英語、ドイツ語、フランス語というように変わってまいりました。しかし、今日世界で最も広く使われておることばのスペイン語というものは、案外日本では使われておりません。それから、中国語についても同じことがいえると思うのであります。 ただ、これを学校教育へすぐ取り入れるか取り入れないかという問題につきましては、まだ検討の余地はあるだろうと私は思いますけれども、少なくとも、国際社会に活躍する人間をつくるという立場からいえば、朝鮮語も必要であり、中国語も必要であるということについての認識に変わりはございません。
○有島委員 そういたしますと、さっき小さいときからなれさせるということが能率的であろう——大体二十過ぎてしまいますと、記憶力のほうは少し落ちるということに心理学のほうではなっておりますね。いまのたくさんのことば、さっきロシア語を抜かしたけれども、ロシアにもいろいろなことばがあるらしい。これはまあ国際的な重要性ないしは吸収すべきすぐれた文化があるかないかというような、そういった価値判断もそれぞれあるかもしれませんけれども、学校教育の中にそれを全部持ち込むということはないけれども、少なくとも二十以前にそういった初歩の外国語、しかも英語だけではなく多元的なものになれさせていかなければならないということだけは考えていらっしゃるでしょうか。
○高見国務大臣 お話のとおりであります。と同時に、私どもが国際人として伸びるためには、やはり日本語の普及も真剣に考えなければならないということを考えておるわけであります。日本語が世界じゅうに通ずる状態ができればまことにしあわせなことであるし、英語もできればフランス語もでき、ドイツ語もスペイン語もしゃべれる、中国語も朝鮮語もロシア語もしゃべれるというような状態ができることは最も望ましいことであります。 ただ、教育の方法論としては、お話のように幼児期にやるのが一番大事であろうと思いますが、同時にまた、教育機器が非常に発達しておる時代においては、その教育機器を利用して——正しい発音、正しい聞き方というようなものがなかなかやりにくいものですから、教育機器が発達してまいりましてその点の教育が意外に早く進むのじゃないかという感じを私は持っておるわけであります。
○有島委員 先ほどからのお答えの中で、若いうちから始めなければならないのじゃないかという点ではどうですか。
○高見国務大臣 それはお話のとおりであります。若い時分からやらなければなりません。と同時に、子供を外国にやっております親たちの話を聞いてみますと、日本に帰りますと英語を大体一年くらいで全然忘れてしまうというのですね。そこで、ことばなんというものは反復練習することによって覚えるものであります。たとえば、戦前日本で朝鮮語を使うことを禁じて日本語の教育をいたしておりましたけれども戦後彼らの国が独、立をしてみますと、やはり朝鮮語を使うほうが非常にいいというのですね。昼間の仕事は日本語で話をするけれども、夜の一ときは、家族が一緒になって祖国のことばで話すことに祖国愛というものを非常に感ずるということを、私は朝鮮の人から伺ったのでありまして、これは若いときからの教育、なるべく小さいときからの教育をやっていくことが必要である、しかもそれは反復練習することが必要であるということを理解をいたしておるわけであります。
○有島委員 若いときからの習得を望んでいる方々は潜在的に非常に多いわけでありますけれども、その阻害要因となっておりますのは受験勉強じゃないかと思うのです。それからもう一つは、高校におけるカリキュラムの組み方と申しますか、ちょうど一番大切な時期に選択幅の非常に少ない教育をやられておる。こういったことについて今後考えていかなければならないのじゃないかと私は思っておるわけです。ここではあまり具体的なことは、もう時間がありませんから、その方向性だけ、少なくとも高校の段階に至ってからはそういったチャンスが与えられるような方向性でもって、今後の教育を考えていっていただきたいと思います。 それから、いま反復練習ということをおっしゃいましたけれども、機械的な反復練習も大切かもしれませんけれども、いまお話ございましたように、家庭の中で、使わなければならないというような環境を与えてしまうということ、これが早いことではないか、そういった意味もいま含まれたんじゃないかと私は思います。 ですから語学教育の中に、教育機器、LL等の使用もあるかもしれません。これも大切でございますけれども、修得語を使うチャンス、使わなければならないようなチャンスをつくってあげるということが大切である。すなわち、外国の子供たちと話さなければならないようなチャンスをつくってあげるとか、また留学生との交歓、ないしはこちらに来ている外国の方々の子弟との交歓、ないしは、今度は向こうに行っている日本人だちが、さらにそういう子供のときから、日本人だけが孤立しないで交歓し合っていく。そういうことが積み重なっていった上の今度は国際交流ということにならなければならぬのじゃないか、そういうように私は思うのであります。それで、最初のそうした若いときから外国語を修得するないしは修得するチャンスを得る、その阻害要因となっているようなものをこれから取り除いていく方向、そういうこともお考えいただきたいと思いますが、いかがですか。
○高見国務大臣 確かにお話のとおりであります。そこで私どもは、大学の入学試験制度について根本的に考え直さなければならぬという意味で、検討を始めておるところであります。できるものから逐次実施してまいりたいと思っておりますけれども、その点がまだ欠けておる点がある。そこで、高等学校に在学中はそんなどころではないというような状態が出ているというのが実情であります。できることなら、少年期、幼年期の絵本なんかに単純な英語なんかも入れて、これは教科外の問題でありますが、利用されるような状態がくれば非常に楽になるという感じがいたしておるのです。社会教育の面においてもこういったことを考えなければならない、かように考えております。
○有島委員 けさの新聞に、「アジアへの教育協力」「文部省の協議会が提言」、そういう記事が出ておりましたけれども、これにつきまして文化庁のほうから少し御説明をいただきたいと思います。これは四十七年度予算でもこうしたアジアへの教育協力というものは五十億円に満たない。それから、外国人留学生の受け入れ数だけで見ても、アメリカの十二分の一、フランスの四分の一、西ドイツの三分の一程度だ。それから、高等教育機関在学者中に占める外国人学生の比率も、イギリスやフランスの七%、西ドイツの六%、米国の一・六%に対して、日本は何と〇・七%にとどまる、そういう記事が出ておりましたけれども、こうした事情についてと、それから文部省の協議会の提言について御説明願いたいと思います。
○安達政府委員 近年、わが国に対しまして、東南アジア諸国を中心といたしまして、教育の面での協力、援助の要請が増大してまいっておるわけでございます。わが国といたしましては、単に経済的な協力だけでなしに、教育を通じて協力を行なうことにより、アジアに真の友を得る、そういう必要があるということから、従来の施策ではたして十分であるかどうか、あるいはどういう点に今後力点を置いていくべきかというようなことにつきまして、根本的に検討をすべきである、こういうことで、昨年の七月に文部事務次官の裁定によりまして、学識経験者あるいは関係機関の職員等からなりますところの研究協議会を設けて研究協議をしていただいたわけでございます。議長、国立教育研究所所長の平塚博士を入れまして十九名で審議が続けられ、その間約九回会議を重ねまして、またその間に、東南アジア諸国を中心として六カ国に対しまして調査団を派遣いたしまして、その調査団の調査報告等をも十分調査いたしまして、昨日の会議におきまして「アジア諸国に対する教育協力のあり方についで」の研究報告をおまとめいただいたというわけでございます。 この報告におきましては、教育協力の基本理念、何のために教育協力をやるかというその目的、必要性、あるいはまた、教育協力につきましては、二国間の方式と国際機関を通ずる方式があるが、その両者の長所、短所、あるいはまた、教育協力を進めるにあたって、基本的にはどういうことを留意すべきであるかということ。そして第二に教育協力の施策の重点といたしまして、初等中等教育の面、高等教育の面、社会教育その他の面、こういう施策の重点は何にあるか。それから第三番目に、これに対応するところの教育協力の国内体制、あるいはまた対外連絡協力体制のあけ方はどうか、こういうことをまとめまして御報告をいただいたわけでございます。 ただいまお触れになりました留学生の問題はその中の一部でございまして、現在、わが国が開発途上国に対しまして経済開発の面での協力をいたしておるわけでございますが、そその他の全体の援助といたしまして、わが国といたしましては国民総生産の一%を目標にする。そしてその中で、政府関係の援助は四〇%、その中で、技術協力の関係が一%、こういうようなことを目標にいたしておるわけでございますけれども、技術協力の予算はまだ〇・〇一%にすぎない。ということは、協力の中で経済の面での援助が中心であって、技術面での協力がまだまだ木十分である。その中での教育協力の分野は非常にわずかであって、現在のところは、昭和四十五年度が十六億、現在御審議いただいておるところの四十七年度関係では、協力関係予算が五十億というように見込まれておるわけでございます。そのうち、文部省関係が約十五億にのぼっておるわけでございます。その中で、お触れになりました留学生は十二億というようになっておるわけでございます。そして留学生の面におきましては、四十七年度予算では、それを新規の受け入れを三百七十人にし六十五人の増をしようというようなことになっておるわけでございますが、ただいまお触れになりましたよう、に、わが国の留学生の受け入れ数が、諸外国に比べまして、絶対数におきましても、また比率においても低率にとどまるということから、教育協力の中での一環といたしまして、国費の留学生等の受け入れもさらに一そう増加すべきであるということが、この協議会での提言にある、こういうことでございます。
○有島委員 外務政務次官に御出席いただきましたので、お話いただきたいと思うのですけれども、いままでお聞きになっていたことを含めまして、御所見を承っておきたいのです。 いまの問題の中で、教育協力の最大の問題点として、文部省と外務省との間の調整など国内体制の不備が少しあるというようなことを指摘しているというふうに書いてあるのですけれども、協力関係の不備といわれるとすれば、大体どんなことがあるであろうかというようなことですね。それをどのように改善していったらよろしいのか、そういうようなことについての御所見を承りたいと思います。
○大西政府委員 お答え申し上げます。 文部省におかれまして従来からこういった留学生その他の協力問題に対して非常に努力をなさっておられますことに対しましては、私ども常に敬意を表しておるところでございます。外務省といたしましては、御承知でございましょうけれども、今国会に対しまして国際交流基金法案を提出いたしまして、目下当該委員会において審議をお進めいただいておるところでございます。 外務省といたしましては、御承知のとおり日本が戦後二十数年を経まして想像もできなかったような経済的な発展を今日遂げてまいったのでございますが、そのように経済的に非常に世界の注目を浴びるような地位にのぼってまいりますと同時に、国際的には、一方においては風当たりが非常に強くなってまいっておるわけでございます。この風当たりというものは、ある面におきましては、国際社会において日本の正しい立場というものが誤解をされたり、十分な理解を得ていない点も多々あると思うのでございます。そういうことでありますと、これははなはだ遺憾なことでございますから、これに対して、この際どうしても諸外国の深い対日理解を得てもらうような方策をとっていかなければならない、こういう観点に立ちまして、ただいま申し上げましたような法案を用意いたしまして今国会に提案をしておるわけでございます。 この問題に関しましては、文部省との間におきまして、あるいは外務省の目標、目的とする点と文部省の目標あるいは目的とされる点とは、本来は違う面であって、そこに何も互いに競合する点が本来はないものだと私は思うのでございます。しかしボーダーラインになりますと、やはりそこにそういった本質的な問題と離れて競合する点も出てくるかと思うのでございます。したがいまして、そういった面につきましては、この法案を提案するに至ります過程におきまして十分に文部省のほうともお話し合いを賜わりまして、そして、そういう点については十分両省とも了解の上で、この法案がスムーズに運営できますように、そういう考えに立って提案いたしておりますから、私、不備の点があるかどうかという点についてはいま気づきませんけれども、御指摘がございましたらまたお答えをしたいと思います。
○有島委員 外務省のお立場は、むしろ日本を正しく向こうに理解させるという面に非常に重点があるということでございます。それから、いままでの文部省と外務省の不備の点については、そちらのほうで御研究いただいて是正していただきたいと思うのです。 それから、先ほど文部大臣から絵本のお話が出ました。外国の絵本を日本の子供たちに見せるということはたいへん大切なことであろうと思います。それから、それをおかあさんたちを通じて外国を雰囲気の中で理解していくと申しますか、あるいは、その中に外国のやさしいことばが書いてあるに違いない、絵だけ見れば大体物語は察せられるに違いないというようなことでもって、子供は、これは何、これは何と言うに違いない。そういうことによって、外国についてあるいは外国語についての理解をするということは、教室の中でもって詰め込んでやるのとは全く別な、しかし今度は非常に幅の広い、根強い効果を持つのじゃないか。私は非常にいいお話であると思うのです。 それでは具体的にどうしたらいいのか。先日同僚山田議員から、このたび文部大臣が社会教育に非常な大きな御理解を示してくださっている、そして生涯教育という観点からですか、家庭教育、社会教育が学校教育と同じような大きい比重を持たなければならぬ、公民館ないしは図書館についても今後大幅にずっと措置をなさっていくという姿勢であるというふうに承っておりますけれども、そうしたところに外国の絵本を置くということ、これはあまり金額のかかることではございませんから、大臣の御一存でもやるといえばできることじゃないかと思いますが、そういうことをお考えになっていただけないでしょうか。 外務政務次官、今度逆に日本の絵本を外国の子供たちに見せる、これはたいへん大切なことじゃないかと思うのです。日本の絵本というのは諸外国の絵本と比べまして非常に優秀であろうと私は評価しております。あまり高いお金ではなくて——映画を一本つくる、あるいはがっしりしたPR用のパンフレットをつくるということもそれは大切かもしれませんけれども、もっと自然にずっと日本というものをPRしていく上に、日本のそれこそすぐれた物語、すぐれた絵本として紹介したいようなものを外国に差し上げてもいいんじゃないですか。それを在外公館だけでなしに、特に青少年の目に触れる機関に置く、そういうことをお企てになってはいかがか、伺いたい。
○高見国務大臣 たいへんいい御提案でございますので、私どももこの問題については前向きにひとつ検討してみたいと思います。ただ、現在の予算ですぐにやれるかと申しますと、それはあるいは困難かもしれません。これはひとつ御提案を生かしてみたいと私は考えておるということを申し上げます。その意味において積極的に考えるというように御理解をいただきたいと思います。
○大西政府委員 御意見はまことに傾聴すべき御意見だと存じます。いま申し上げました法案の中の事業の中にも、そういうものを含めてやり得ることになっておりますので、御意見を十分尊重いたしまして、事業の運営に遺憾なきを期していきたい、このように考えます。
○有島委員 それから、文化基金について、きのうですかお話があったそうであります。これも新聞の報道で拝見したわけでございますが、これの使い方について、いまお話があった方向でもって、定められた機関と機関との間のものだけではなしに、広い国民の層にわたる措置をぜひともとっていただきたい。それをまた重ねて要求いたしておきます。 それから、大臣のお時間がないようですが、財界の調査機関でもって日本経済調査協議会というのが教育のあり方についての提言を発表した。これについてそれではお帰りになる前に一言だけ。これはどのように評価なさるか、どのように具体化していらっしゃるか。
○高見国務大臣 私、一通り拝見をいたしましたが、財界が真剣に教育問題に取り組んでおられる。いままでの産業人だけをつくるのじゃない教育の方向を考えよう、お互いに青田買いなんかやめようじゃないかというような御方針は非常にけっこうだと思います。ただしかし、その中には私は必ずしもすぐに賛成のできない問題もあります。しかし、財界が財界として、財界の立場から日本の教育というものをお考えをいただいておまとめになった案というものは、私はやはり尊重して伺うべきだというように評価をいたしております。全部が全部賛成をしておるわけではございませんが、それはそれなりに評価をしておるということだけ申し上げておきます。
○有島委員 もう一つ。どの点がどうである、どの点がどうである、これはまた保留いたしましょう。とにかく財界は財界らしく、財界本来の立場に立って教育のことを考えてもらうことが一番大切なことであろう、そういう御趣旨だろうと思いますね。 そういたしますと今度は、学生は学生の立場に立って学生らしくしてもらいたいということでございますね。それから、家庭はほんとうの家庭の持っている本来の機能を十分に発揮してもらいたい、教員は教員らしくしてもらいたい、そういうことがあると思うのです。その教員の教員らしいということは一体どういうことなのか。これまたたいへんな問題だと思いますけれども、行政は行政らしくしてもらいたい。行政が教育の中にあまりはみ出してくるとかということは、この際もう一ぺん考え直さなくてはならない問題じゃないか。これも考えなくてはならない。それから、われわれ政治家ですから、政治家は政治家らしくしてもらいたいということがあるのです。そこでもって一言だけ伺いたいのだけれども、日教組との話し合いは今後もずっと続けていらっしゃいますね。続けていくおつもりでございますね。
○高見国務大臣 これは私は必要があれば続けていく、必要がないと思った場合にはやめます。したがって、必要の有無は私の判断によってきめるつもりであります。
○有島委員 それが問題なんでございまして、財界と話し合う、教員とは話し合わないというようなそういうような教育行政はないと思うのですよ。
○高見国務大臣 実は私は財界とも話し合ってはおりません。けれども、必要があれば財界の皆さんの御意見も伺いたいと思っております。したがって日教組と会うとか会わないとかいうようなことは、そのつどの必要度によって考えることである。私は日教組を敵だとは思っておりません。少なくとも同じ教育の仕事をやっている仲間であるということを考えておりますが、残念ながら日教組のほうが私を敵と考えておられるというところに、まことに問題の困難さがあるということを御理解をいただきたいと思います。
○有島委員 今後ともお話し合いをなさる、必要に応じてお話し合いをなさるというふうに、いまのは私は理解をいたします。 それから、はしょっていきますけれども、今度は学園らしくしてもらいたいということがあるわけなんです。この中でもって、学園は確かに勉学の場でございますけれども、説明は全部省きますが、学園緑化ということについて、私は非常に大切な問題ではないかと思うのです。特に市街地におきましては、コンクリートのへいに囲まれてその中に学生さんがおられる、これは健康の上からも、成績の上からも、ずいぶん違っているというようなデータが出ております。このことについては、先日体育局長さんに、私は学園緑化と子供の成績、体位の関係性について少し調べてもらいたいということを申し上げておきましたけれども、大臣はもう大きい方向として、今度は学園緑化ということに尽力していただきたいと思うのでございますけれども、いかがですか。
○高見国務大臣 これは社会党の山中吾郎先生が非常に熱心に主張しておられます。私もこの問題を取り上げまして、実は沖繩の復帰記念事業として、沖繩の義務教育諸学校の緑化というものをまずやろう、今年度二千万円の予算をつけたのであります。私は緑に囲まれておるというところに人間の情操の面における非常な大きなよさがある。その意味におきますというと、小学校の建築構造も、必ずしも鉄筋コンクリートの建物が全部いいというような性質のものでもないじゃないかという感じすら最近は持つようになりました。けれども、木造建築の場合ですと、大ぜいの子供をかかえておることでございますから、危険度が高いというようなことで、必ずしもそうもまいりません。 それからまた、大都市の場合に、これは義務教育諸学校の場合でありますが、これを緑化すると申しましても、さて土地はどこに求められるかということになりますと、なかなか容易な問題ではないのでありますけれども、基本線としては、有馬先生がおっしゃるとおりに、私も学校をできるだけ緑化したい、緑化できないところは移動教室で緑の学園というものに月に一回でも行かせる、あるいは少年自然の家で自然を愛するという姿を養っていくというような考え方で、私は、緑というものを大切にするということでなしに、植物のあるいは動物の生き方というものを子供が現実に日で見、はだで感じる教育というものが、情操教育の一番基本的な問題ではないか。生きとし生けるあらゆる生物に対する愛情というものをつちかっていくという意味においても、学園の緑化というものは何よりも大切な問題ではないかという認識のもとに、この問題については前向きに取り組んでいく決心をいたしております。
○有島委員 そのできる限り学園緑化をやっていきたいという、できる限りが問題でございますけれども、特に都市の学校はもうスペースがほとんどないというふうな認識が一般的であろうと思うのです。私は、コンクリートのへいをいけがきに変えてしまうということによって非常に大量な緑化をすることができるんじゃないかと実はずっと見て回ってそういうことを思います。原則として、コンクリートべいじゃなくていけがきにしていく方向にすべきであると思います。特に市街地です。いかがですか。
○高見国務大臣 これは非常にむずかしい問題があると私は思うのです。学校の保全、警備というような見地から申しますと、やはりコンクリートのへいが必要な場所もありましょうし、そうでないところはコンクリートのへいをつくる必要はないんで、いけがきでいい場合も出てくるでありましょう。それから、コンクリートのへいにツタをはわせるというような手も考えられないことはないという感じがいたしておるのであります。確かにスペースが足りないことは間違いありませんけれども、くふうによっては、そのコンクリートのへいの外側に竹がきを組んで、それにアサガオを植えるというような問題も実はできないことはない。創意くふうさえすれば、私は緑化の道はあるという感じがいたしておる。一がいに鉄筋コンクリートのへいを取っ払ってしまったほうがいいということになりますと、やはり学校の警備、保全上必ずしも適当でない場合が出てくるだろう、こういうふうに考えております。
○有島委員 いまのコンクリートの議論を少ししょうと思うのですが、きょうは時間がございませんから、これで文部大臣、けっこうです。 それから、初中局長に伺いますけれども、経済界からこんなような要請が出ておる。文部行政の刷新をはかるために新しく内閣に国民文教会議を設置するというようなことが出ておりました。こういうことについて、もしそういったものをつくるとすると、これは教育全般にわたってくることになりますけれども、文部省のお立場ですね、文部大臣はいらっしゃらなくなったけれども、いろいろ重複してくる問題がたくさん起こってきますね。文部省が本来は教育行政ということと、それから教育そのものということについて、局長なんかのお立場だとその二つを分離して考えていらっしゃるか。それから、一緒というわけにはいかないと思うのですけれども、分離しているというとその境目をどの辺に置いていらっしゃるか。特にこれは初中義務教育の問題でもって今後また問題になると思うのですが、たいへん抽象的基本的な問題になりますけれども、その点についてどういうふうに考えていらっしゃいますか、伺いたい。
○岩間政府委員 実は報告書が非常に大部なものでございまして、私、まだ全体につきまして目を通しておりませんものですから、先ほどの御指摘がございましたような内閣に置かれる機関につきましては、どういう御意図でそういうことを申されたのかよくわかりませんが、一つ考えられますことは、いま文部省には中央教育審議会がございます。その答申を受けて私ども行政を進めていくというふうなかっこうになっておりますが、その中央教育審議会が文部省の審議会であるという点に問題があって、これをもっと強力な発言権と申しますか、そんいうものを確保するために内閣にそれを置くということもひとつ考えられるかと存じます。まあ私どもは、そういうふうな内閣に置いたから、あるいは文部省の機関だからということで、答申の重みあるいは私どもの熱意が変わるようなものではないのではないかという感じがするわけでございますが、いずれにしましても、私ども教育行政を行ないます場合には、法令に基づいて行政というものが行なわれていくものでございます。立法はもちろん国会でされることでございまして、私どもはその立法に基づきまして行政をしていくということでございます。実際の教育はもちろん、現場の小・中・高等学校、大学というところで担当するわけでございます。その点は私どもが直接教育を行なうわけではございませんから、そういうふうな行政と実際の教育との関係、これは比較的明確になっているのではないかというような気がするわけであります。
○有島委員 教科書の検定の問題にすぐ問題がくると思うのですが、そうしたことも、いまの局長の立場では、局長としては、御自分の意見とかそういうことは、ここでお話しするのは不適当かとも思いますけれども、教育行政のうちなのか、あるいは教育の中身なのか、そういうことを今後やはり教育行政側でも少し考えていただきたい。これは教育者のほうでも政治家のほうでも考えてもらわなければならぬ。また議論をしてまいりますけれども、そういうことを、大臣のさっきの御趣旨に従いまして、新しい時代が来ておるのだということを考えていただきたい、これは要望でございます。 残余の質問はまた次回に譲りまして、きょうはこの辺でもって終わります。 ————◇—————
○丹羽委員長 この際、参考人出席要求の件についておはかりいたします。 文教行政の基本施策に関する件、特に連合赤軍による一連の事件と教育に関する問題について、参考人の出席を求め、意見を聴取することといたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○丹羽委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 なお、参考人の人選、出席日時その他所要の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○丹羽委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時四十九分散会