物価問題等に関する特別委員会 第11号
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- 開催日
- 1972/05/31
会議録
○井岡委員長 これより会議を開きます。 物価問題等に関する件について調査を進めます。 質疑の通告がありますので、これを許します。田中恒利君。
○田中(恒)委員 私は、昨年の八月に、異種脂肪混入問題で当委員会で質問をいたしたわけでありますが、その後、先般の武部委員の質問から、業界等ではいろいろ問題が発生いたしたわけでありますので、あらためて、異種脂肪の混入問題をめぐって、行政機関として今後とるべき方策を中心にいたしまして質問を続けてみたいと思うわけでございます。 最初に、この問題は、四十五年の八月の公取の抜き取り調査から問題が起きたわけでありますが、その後、もう一年十カ月、約二年に近い経過がありまして、率直に申し上げまして、なお国民は、この問題がはたして黒であったのか白であったのかさっぱりわからぬような形で、問題が表面的には収束されるような感もいたしておるわけでありますが、公取の委員長として、こんなに長くこの問題がかかってきたということについて、一体どういうところに問題があるのか、重ねて所見をまずお尋ねをしておきたいと思うのです。
○谷村政府委員 御指摘のように、四十五年の九月に、私どもで試買いたしまして国立衛生試験所の慶田氏に鑑定を依頼いたしました牛乳のうち、六社十一銘柄について、異種脂肪の存在もしくはその疑いがあるという回答を得たわけであります。何べんもこの席でも御報告申し上げましたことでございますので省略いたしますが、私どもとしては、その後に工場に立ち入り調査を行なうなどしてさらに事実の立証につとめたのでありましたが、その慶田氏の鑑定を補強する証拠は何ら得られないままに経過してしまいました。したがって、私どもはその後にまた試買いたしまして、二つの検査機関に依頼して分析した結果は、異種脂肪の混在等は認められなかったという事実。そしてその後においても十分警告あるいは呼んでの何と申しますか、いやしくもそういう疑いのないようにしっかりした体制をとってもらいたいという、業者のみならず所管官庁のほうへの御依頼、そしてまた、所管官庁の指導によって現在どうなっているかという実態をつかむすべというのはないわけでございますが、しかし、その後においてもう一ぺん、私どもはいま検査をしております。 そういう段階で、現在の状況がどうなっているかということを十分把握いたしたいとは思っておりますけれども、私どもが当初にやりました検査結果について、異種脂肪がどういう理由で、またどういう形で入っていたかということ、それは疑いはいろいろあると思いますけれども、事実を十分に立証するというところまでいっておらない。そういう意味におきましては、御指摘のとおり、どうもうやむやではないかというふうにいわれますが、先般も国会でお答えいたしましたけれども、そのときの問題はそのときの問題として、できるだけ事実の究明にはつとめたいとは思っております。しかしながら、現在の段階で、それが私どもの立場から見て不当な表示をしておったという、そういうものとしての断定は、いつかもお答えいたしましたが、私どもとしてはしておりません。そこまでしっかりと法律上争い得るだけの証拠というものを、私どもはまだ持っておりません。そういう形でございます。 これからの私どものやり方等につきましては、また御質問があればお答え申し上げたいと思います。
○田中(恒)委員 これは前のときにもいろいろ議論をしたので、あまり蒸し返したくないのですけれども、牛乳の検査をやって、異種脂肪の混入があった、疑いが認められる、こういうことが明らかになったのですね。それからあと公取としては、不当防止の法律に基づいてその証拠固めをやる立ち入り調査等をされるわけですけれども、それはもう何カ月か過ぎたあとでやられるわけですね。こういう問題が表面化をしますと、業界ではたいへん早いんでありまして、それはもうあとで行ったんじゃわからないのがこれまた常識でありまして、これを繰り返しておったんでは、なかなか法律に基づいて行政訴訟にまで持っていく証拠固めというのは私はできないと思います。だから、それに伴って迅速にやれる処置というものを当然再検討していただかなければいけないと思いますが、しかし、異種脂肪が混入しておったことは、事実として公取はお認めになるわけですか。
○谷村政府委員 二つお答えいたします。 第一の問題は、私どもが検査の報告を慶田氏から受けまして、それが四月早々でございますが、そういうことはずっと業者に感づかれないように秘匿したままで、そして六月に準備を整えて立ち入り検査をいたしましたので、業者のほうでは検査結果がどうあったかということ、あるいはさらにさかのぼって、私どもが試買をしておったということを知らない段階で調査に行ったわけでございます。その点は、私どもとして二カ月の時間を経過はいたしておりますが、わからないようにして調べに行ったということを、まず申し上げておきたいと思います。御不満かもしれませんが、時間的になぜ二カ月もかかったかということは、ほかの仕事その他もあったわけでございまして、まずそのことを申し上げます。 第二に、慶田氏の鑑定結果は、鑑定結果としてそういう鑑定結果があったということは、私は認めます。それをどう判断しどう扱うかということは、これは先ほど申し上げたとおりでございます。
○田中(恒)委員 委員長、あなたはそうおっしゃっても、私、この議論を蒸し返したくないけれども、厚生省は六月の九日に、異種脂肪混入の疑いがあるので指導、取り締まりを強化せよという通達を出しておるんです。これはあなたの公正取引委員会の立ち入り調査の前か、その時点の立ち入り調査はたぶん六月の中旬だったと思います。だから、厚生省はすでに、あなたのところの立ち入り調査の前にこういう通達を出しておるので、公取自体は内々にしておったかもしれぬけれども、厚生省の通達が出るくらいですから、当時もうすでに業界は、そういう問題になっておったということは万々承知しておるんですよ。これはもう私どもも、その時点から承知はしております。だから、そういうことでお答えになったんじゃ納得がいかないわけです。幾ら公取が内々にせられたと言っても、そのときにはすでに、ほとんどその何カ月前から、国立衛生試験所の試験結果が出たときから問題は表に出てくるのですよ。だから、二カ月おくれ、三カ月おくれというところにも問題があると思うのです。違いますか。
○谷村政府委員 どうも申しわけありませんが、こういうところでそういうことを申し上げるのはなんでございますが、私どもの立場としては、六月七日にたしか立ち入り調査をしたと、いま係官に聞きましたら言っております。それから、厚生省のほうが通達を出されたのはそのしばらくあとだったというふうに言っておりますが、そういうことを言う意味は、私、ここで、そんなことはしないんですけれども、公取としてそこらが非常に手抜かりであったという御指摘を受けるとすれば、私としても申しわけないことでございますから、いわば公取の名誉のため、と言うと少し大げさでございますけれども、事務当局は万々そこらは抜かりなぐやった、こう私は記憶しております。どうぞそこは、御了承いただきたいと思います。 なお、別の機会に申し上げます。
○田中(恒)委員 六月の七日か知りませんが、しかし委員長、この調査は一日や二日で終わったんじゃないんです。一週間や十日続いているんですよ。だから、調査や何かやったって、二十日くらいかかっておるんです。その間にこういう通達が出るのですから、そういうことを言われても、それは筋として成り立たぬと思うのですよ。 いずれにせよ、私は、きょうはこの議論はあまりしませんが、これは何か公取として考えなければいけぬと思いますし、業界に公正取引協議会ですか、こういうものがありますね。これは公取と若干関係があるのですね。業界みずからが、牛乳の公正取引のために協議会をつくっておる。確かにこの業界で、この問題が表面化してから、相当の調査等独自でやっておられる、これも承知しておりますが、しかし、これは公正取引委員会の規約か何かに基づいてやっておるわけですね。この辺も、私どもは問題のような気がしてならない。この問題は明らかに、メーカーなりあるいは牛乳生産者、それから消費者が非常に大きな関心を持っておる問題です。公正取引委員会が公正取引のために持つべきそういう協議会といったようなものは、当然生産者なり消費者なり業界なりあるいは第三者、こういうものが三位一体となって構成されるべきであると思うのです。ところが、業界だけで公正取引の協議会があって、公正取引委員会のほうからこれと連絡をとりながらやっていく、こういうことじゃ、常識的に考えて、これは公正妥当な結論が出るはずがないですよ。それは業界としてもいろいろ、いい品物を間違いなく渡すということをやらなければいけないわけですから、やるはずですけれども、しかし、こういう問題が起きると、黒星が出ると、業界はやはりあまり表に出したくないという気になるのは、これはあたりまえですよ。そういう取引協議会と公取委員会とがつながっておる、こういう仕組みは私ちょっと問題があるように思うのですが、これらは再検討する御意思はございませんかね。 〔委員長退席、武部委員長代理着席〕
○谷村政府委員 御指摘のとおり公正取引協議会は、公正競争規約の中で業者が自主的に、自分たちのいわば規律機関として設けているものでございます。そういう意味では業者だけの団体ではないかというふうにおっしゃるかもしれませんが、いわば業者の自主規律機関と申しますか、さらに制裁機関でもあるわけでございまして、そういう意味では、いわば利益追求だけの団体という意味ではなくて、むしろ逆に私どもの立場に沿ってやる機関であるというふうに、私は考えているわけでございます。 その構成については、おっしゃるとおり業者だけで構成しているという形になりますが、その活動のしかた等につきましては、もっと公正取引協議会が、一般の消費者の方々あるいはさらにもっと広く各方面の方々と、何と申しますか、互いに胸襟を開いていろいろ御意見も伺うようなそういう機会を持つべきだと私は思いますし、また、PRとかそういうことについても、いまだ不十分な点がずいぶんあると思います。そういう意味で、私どもは、今後の公正取引協議会の活動のしかたということについて、いまおっしゃったようなことを念頭に置いて進めてまいりたいという考えを持っております。 構成につきましては、やはり公正取引協議会というのは業者の規約によって、それはもちろん私どもが認定いたしておりますけれども、業界の自主規制機関として動いておりますそういう姿でありますので、一般消費者の方々や何かがその構成に加わっていただくというのは、やはり姿としてはおかしいと思いますけれども、活動のしかたとしておっしゃるようなことを十分取り入れてまいりたいという気持ちは、私も持っております。
○田中(恒)委員 業界の業者だけの自主協議会なら、それはそれで意味があると思うのですけれども、公正取引委員会が所管する事項について、公正取引委員会とこの業界の協議会との間に関連があるとすると、これは当然国民が疑惑を持たざるを得ぬのではないかという気がするわけです。業界独自の自主的な協議会であればよろしいと思います。しかし、公取との関連の中でそういうものが、牛乳等の公正取引をめぐって出てくるとすれば、こういう問題が起きたことを契機として——この公正取引協議会は、これはいま委員長が言われたように、第三者等の意見を十分聞きながらやっておる面もあるのですよ。だから、それなりに活動のスタイルや内容は、いま委員長の言われたような形で進めてはおるのです。しかし、構成員として業界だけでやっているところに問題があるし、それが公取との関連を持っているというところに、私はどうも納得のいかぬ感じがするわけです。一体どういう関係で公取と取引協議会との間に関連があるのか、こういう点をこまかく一ぺん聞きたいという気持ちもするのですけれども、しかし、いずれにせよ、この辺をやはり公取として変えないと、第三者機関としての機能が十分に果たされないのではないか、こういう気がするのです。これは一ぺん検討してみませんか。
○谷村政府委員 詳しくは申しません。結論だけ申し上げますが、今後の公正取引協議会のあり方、構成も含めまして、さらにもう一ぺん私どもとしては、内部でも検討してみたいと思います。
○田中(恒)委員 今後のこの牛乳の問題について、公取のこれからの監視体制というのは一体どういう御計画か、この点も明らかにしていただきたいと思います。
○谷村政府委員 第一は、やはり所管官庁であります厚生省、農林省とも密接な連絡をとりまして、そして、とにかく国民が広く栄養を期待して飲用しておるものでございますから、監視体制上しては、今後ともその両省のいわばお立場からのものも期待いたしますけれども、私どもとしてもいわゆる試買検査ということをやってまいりたいと思っております。 〔武部委員長代理退席、委員長着席〕 それから第二には、いま御指摘がございましたが、公正取引協議会にいままでよりもさらに一そう、そういうことについての十分な監視体制、指導ということをやらせたいと思っております。御承知かもしれませんが、公正取引協議会におきましても、各地で抜き取り検査その他をやっております。 それから三番目に、現にいまやっておることがけを申し上げますと、去る五月十七日に、東京部内の市販牛乳を九社、二十五銘柄を買いました。また五月二十二日には、大阪市内で市販されておりますのを、五社、十五銘柄を買いました。そして直ちに、今度は国立衛生試験所そのものに、慶田氏ということではなくて、公的機関としての国立衛生試験所に依頼をすると同時に、もう一つ、農林省所管でございますが、財団法人日本食品分析センターという二つの機関に依頼して、いろいろな方法をもって分析をお願いするということを、現にいまいたしております。私は、その結果がどういうふうになるかということを注目いたしております。
○田中(恒)委員 そういう分析や結果というのはできるだけ早く公表すべきだと思うのですが、その点はどうですか。
○谷村政府委員 私は、ただいま申し上げました二つの機関に依頼しております分析結果が出ましたときには、それを公表するつもりでおります。
○田中(恒)委員 公取の委員長に対する質問は以上で終わりますが、ともかくこの問題はいろいろな方面にたいへん反響を呼んで、私は、業界もたいへんだったと思うのですよ。明治の社長と重役は首のすげかえもあったということでありますけれども、業界もたいへんだったと思いますが、やはりこの問題は、単に業界だけの問題ではなくて、牛乳に関係する政府機関それぞれも一半の責任をとるべきだ、こういうふうに私は思いますし、特に公正取引委員会は当初からこの問題を取り扱ってきたわけですが、たいへん不鮮明なままに、何かすっきりしないで一つの段階を終えようとしているだけに、一、二問題点を委員長に申し上げまして、この点についての質問から次の問題に移りたいと思います。 この問題のいわゆる背景、原因、そしてこれに対処する政府の関係各機関の今後の方策を中心にして、ひとつ議論を進めていきたいと思いますが、まず、この食品衛生法の主管官庁であります厚生省は、この異種脂肪混入の問題をめぐって出てきた牛乳問題について、一体問題の核心がどういうところにあると理解せられておるか、この点をまずお聞きをいたしたいと思うのです。
○浦田政府委員 今般のような、純正であるべき牛乳の中に異種脂肪が混入されておったような事件の原因はどこにあるかというお尋ねでございますが、私どもは、このような事故があったということを、新聞紙上あるいは公正取引委員会のほうからの御通知によりまして承知いたしまして、さっそくその原因の究明にかかったわけであります。その結果、今回の事故の原因につきましては、残念ながらはっきりとしたところまでは究明ができませんでしたけれども、いろいろと状況を考えてみますと、まず第一には、やはり牛乳処理場におきまする牛乳の処理施設と異種脂肪などを処理しております、あるいは使用しております施設との区画、そういったものの不備というようなことがあったのじゃないかと思います。それから、原料の仕入れについてのチェック、これが不十分であったのではないかということが考えられます。また、これら製造工程あるいは製品のでき上がった後の製品の規格の検討といったようなことについても、不備があったのではないかと考えます。しかしながら、これらをすべて含めまして、一つの背景として、やはり牛乳そのものに対する規格成分といいますか、それらに、たとえば加工乳というものに対する受けとめ方の問題、またもう一つの考えられます問題といたしましては、異種脂肪に対する従来の検出技術というものの不備といったようなことも、これらの事件の背景としてはあったのではないかというふうに考えております。
○田中(恒)委員 いろいろ技術的な、直接この問題の原因になるような事項を一、二述べられたわけですけれども、そういう点もあろうかと思います。しかし、私どもはこの際根本的に考えねばならないのは、日本の牛乳と称するものが、ヨーロッパ等と違って、いわゆるしぼったままの形で直接国民に供給されるという形と同時に、いわゆる通常いわれます加工乳でありますが、いろいろなものを添加をしたり、あるいは脂肪を抽出したり、そういうことがやはり認められておる、ここから問題が起きておる、こういうふうにたいへん大きく断ち切るわけでありますけれども、やはりその辺に根っこがあるんではないか、こういうふうに思うのですが、この点について、厚生省はどういうふうにお考えになっておるでしょうか。
○浦田政府委員 確かに御指摘のように、加工乳の内容、これは外国と違いまして、外国ではいわば還元乳といった形でもって、はっきりとしたその由来がわかるような名称でもって製造、販売されておりますが、日本では加工乳という名前でもってこれが扱われておるわけでございます。 その加工乳の成分といたしましては、これは乳等省令でもって、牛乳に本来含まれておるべき成分、たとえば脱脂粉乳あるいはクリームあるいは無塩バターといったようなもの、あるいは特別の場合といたしましてビタミン等の微量栄養等の含有は認めておりますが、こういったものと、これにベースといたしましてなま乳を使っておるというような事態でございまして、一般的に申します場合には、日本の牛乳はその成分、たとえば含有脂肪率その他の点から申しまして、外国のものと比べましてかなり劣っておりますので、このような加工乳といった形でもって、なま乳をベースとしていま言ったようなものを使ってやっておるという実態でございまして、いろいろと手を加えてやるということ自体に、つまり手がかかる、いろいろの工程が延びるわけでございますから、いろいろと原料その他の取り扱いについても、いわば間違いの起こりやすいといったような点、これは確かに今度の事件を通じまして改めていかなければならない、ここら辺に一つの問題があるというふうに私は認識しております。
○田中(恒)委員 そこで、私はやはり厚生省サイド、いわゆる食品衛生、国民に対して安全な食料を大量に供給をしていくという観点で、特に厚生省に重ねてお尋ねをするわけですが、厚生省は、この牛乳の国民に対する供給というものは、こういう加工乳的なものをやはりだんだん少なくして、いわゆる農家がしぼった乳をそのまま、天然のまま国民に供給していく、こういうことのほうが食品衛生の立場からいって妥当である、こういうふうに私どもは、これまでのこの委員会の議論等を通して理解をしておるわけでありますが、その点についての厚生省のほうの御見解をお尋ねをしてみたいと思うのです。
○浦田政府委員 田中先生の御意見どおり、私どもは、本来牛乳は純正であるべき食品であると思っておりますので、その方向でもって考えるべき食品であると考えております。
○田中(恒)委員 そこで、農林省に今度お尋ねしますが、農林省がいろいろこれらの問題については、直接関係しておる分野は非常に多いわけですが、農林省は、この加工乳というものについてどういう位置づけをし、今後の酪農の政策の上に立って加工乳をこれからどういうふうな位置づけというか機能というか、そういうものをお考えになっておるのか、この点を増田局長から……。
○増田(久)政府委員 ただいまの御質問に対して、二つの点をお答え申し上げたいと思います。 一つは、現在の日本の牛乳の需給事情というものから判断いたしまして加工乳、特に還元乳というものを全然無視いたしますと、特に関東、東海近畿、この三地区につきましては、牛乳の需給調整が実質上とれなくなるという問題がございます。現実の牛乳の生産需要、そういう実態を踏まえて、やはり現在のような状態のもとにおいて、還元乳というものは需給調整上認めざるを得ないという一つの考え方を持っております。 それから第二に私の申し上げたいことは、しからば将来の方向としてどうかということについてでございますけれども、確かに純正のまま飲ませるということが一番望ましい姿でございますが、このごろは消費生活が非常に高度化といいますか、複雑になってきまして、たとえばアメリカ等でもございますとおりに、逆に低脂肪のものを亜求するというような問題があります。そういうことで、これは牛乳を単に栄養の高いもの、こういう形だけじゃなしに、たとえば美容の問題であるとかなんとか、そういう別のファクターというものが現実に入ってきております。そういったことでいろいろと複雑になっておりますので、それを国の規格でこうだと押しつけることではなしに、そういうことは、純正の牛乳というものが消費者みずからの選択として伸びていくという方向が一番望ましいのではないか。現実に、先生も御承知のとおり、最近普通牛乳が非常に伸びてまいりました。加工乳がどんどん減ってきているという事実がございますが、それはまさに、私どもとしては望ましい方向に動きつつある、かように考えておるわけでございます。
○田中(恒)委員 需給事情の問題、これは局長の答弁も、歯切れがあまりよくないのですけれども、やはり農林省は加工乳というものについては、少なくとも牛乳という観点については除いて——別な性格で、牛乳を多少まぜてつくるならそれは別でしょうけれども、牛乳という観点での政策は、やはり生乳一本に切りかえるべきだと思うけれども、最近の農林省の酪農についてのいろいろな政策の方向なんか見てみると、そうじゃなくて、ともかく需要があるから、さまざまなものをつくって需要を喚起すればいいじゃないか、こういう考え方が出ておりますけれども、最近の公害の問題、食品公害の問題からひっかけて、やはり本来のものに返れという方向のほうが強く出ておると思う。そのほうがもっと近代的じゃないかという気がするのですよ。ですから、この議論をここで繰り返しておってもいけませんが、いま局長は、加工乳はだんだん少なくなって普通牛乳、生乳がふえていっておるというが、それは一体どのくらいふえておりますか。
○増田(久)政府委員 先生御承知のとおり昭和三十七、八年は、加工乳というものがべらぼうに伸びた時代でございますが、昭和四十年代に入りまして、加工乳の伸びが低下して飲用牛乳が伸びてきておるわけでございますが、昭和四十三年から申し上げますと、全体で飲用牛乳は二百四十三万トン、それに対して普通牛乳が百十七万九千トンということで、この段階ではまだ五一%が加工乳で百二十二万四千六百トン、こういうことでございますが、昭和四十五年には、全体が二百七十六万七千トン、そのうち普通牛乳が百四十五万九千七百トン、それに対して加工乳が百三十万七千トンということで、全体のシェアの四七%に落ちております。それがさらに四十六年になっての姿といたしましては、その加工乳の絶対量そのものすら減ってまいったということで、全体の飲用牛乳は二百八十三万一千七百トン、そのうち普通牛乳が百五十九万八千四百トン、加工乳は前年より約七万トン減の百二十三万三千二百トン、シェアとして四四%、こういう姿に減っているわけでございます。
○田中(恒)委員 私の持っておる数字と、四十六年、ちょっと違いますけれども、どこが違うのかあれですが、しかし、そう減っていないですよ。いまあなたが言われたのは、普通牛乳の中には学校給食が入っておるでしょう。学校給食が非常に伸びてきた。学校給食というのは政策誘導で、補助金を出して伸びておるので、メーカー段階における生乳と加工乳というのは、確かに四十五年ごろから多少割合は少なくなっておりますけれども、量としてはそれほど下がっておりませんし、学校給食を除いた生乳と加工乳の割合は、依然として生乳が少ないので、四十六年でも、私の数字では加工乳は四二・八%、生乳は三八・二%、一九%が学校給食なんですよ。だから依然として加工乳が多い。確かに五〇%段階があったわけですから、それから見れば減ってきておるといえば減ってきておるでしょうけれども、量そのものはそう減ってないですね。それほど加工乳が減ってきたといわれるような事態ではない。学校給食を入れればふえておりますけれども、これは学校給食を、国が計画を立ててどんどん毎年大きくふやしてきたのでありますから、だから、やはりこの業界というかメーカーのほうでは、加工乳というものに相当大きなウエートをもって牛乳の処理がなされておる、こういうように私は見なければいかぬと思うのですがね。
○増田(久)政府委員 私の申し上げた数字との違いは、たしか私は暦年で申し上げた点が違っておるのではないかと思います。 それから、先生のおっしゃるとおり、まだ百二十三万トン台ということで多いわけでございますが、昨年からことしの現在までの数字をずっと毎月の数字で見てまいりますと、学校給食のふえたことも事実でございますけれども、普通牛乳は、対前年比六%から七%の割合で毎月伸びてまいってきております。それに対しまして、加工乳の対前年同月比が九〇%を割るというような状態で現在すでに推移をしているということは、現実に加工乳が相当、年率一〇%近い割合で減ってきているということを示しているものだと思います。と同時に、先生御存じのとおり、最近牛乳の一番伸びているところはどこかと申しますと、これはスーパー、団地、そういうところでございまして、これは明らかに加工乳ではなくて普通牛乳、そこで消費が伸びていることは御承知のとおりだと思いますが、そういう点で、現実に普通牛乳の伸びは目ざましいものがある、加工乳は急速に減ってきておる、そういうふうに言って差しつかえないと思っています。
○田中(恒)委員 需給の事情があって、生乳一本ではなかなかむずかしい。加工乳の存在というのは、需給事情というものがよくいわれるわけですね。この需給事情というのは、いま日本の牛乳の生産を、たとえば完全に生乳にするということはできないとすれば、八割とか七割とか六割とか、そういうことも考えなければいけないと思うのですけれども、いずれにせよ、それほど需給事情というものが大きな障害になっておるのか。 私なんかの考えでは、まあコストの問題は関係ありますけれども、これほど輸送、冷蔵施設が進んできた段階では、たとえば北海道の乳を東京へ持ってくるということも可能になっておりますし、九州の乳を大阪へ持っていくということも可能なので——もちろんコストの問題ありますよ。しかし、いずれにせよ、本気になって日本の牛乳を生乳に切りかえていく、こういう方針が出れば、やれないことはない、こういうふうに思っておるわけですが、実際どこの地区がどれほど足らないのか、そういう点を握られておるのか。握られておると思いますがね、この点を、代表的なところでけっこうですから、ちょっと知らせてください。
○増田(久)政府委員 最もなま乳の需給の逼迫いたしますのは近畿でございます。しかも近畿の九月、十月といういわゆる夏場の地帯でございます。この地帯におきます牛乳は、遠く南九州から運んでくるというようなことで行なわれているわけでございますが、このときの近畿の加工乳に還元乳をまぜる率といったほうがいいと思いますが、それが即不足量であるというふうに理解をいたしますと、九月に四九・六%が還元乳である。加工乳として売られている中に還元乳が四九・六%、十月には四八%含まれている、こういうことでございます。それに対して、冬場であります三月にはその率が一九・六%まで落ちる、こういう実態になっておるわけでございまして、近畿では冬場においても乳が足りない、したがって還元乳で調整せざるを得ない、こういう実態になっているわけでございます。
○田中(恒)委員 あまりこまかい数字の議論をする必要もないと思いますけれども、私は、これはいろいろ計算をさせたのですけれども、確かに日本で一番牛乳の足りないところは近畿ブロックですね。この近畿ブロックでも九月が一番足らない。しかし、この九月にどれだけ足らないかというと、大体近畿ブロックにおける生産量の八五%はまかなえる、一五%は足らないということでありまして、一五%だけ九月が足らない。足らないのは八月、九月、十月、十一月であって、あと四、五、六、七、十二、一、二、三は、いずれもこれは余る。年間全体でいけば近畿でも一〇四・三%、全部生乳にしても、年間でいけば四・三%は余る。日本全体では一二五・五%、二割五分も余るということになっておるわけです。ブロックごとの調整をやれば、これは完全にカバーできる。近畿だけで見ても、一番足らないときで一五%足らないというだけなんですよ。 だから私は、足らない足らないと言われるけれども、本気になって生乳化の方針を出せばこの問題は解決できると思うのですけれども、それがなされていないということは、需給調整ということよりも、これはあとで価格問題に入るわけですけれども、むしろ加工乳というものが、現実に牛乳の値段の中で非常に有利だ、いわばもうけになる、ここに根っこがあると私は思うのです。この点をいままで農林省もはっきりおっしゃらないわけだけれども、やはり普通牛乳に比べて、加工乳のほうが市販価格が高いですね。高いでしょう。これ、調べられておると思うが、幾らぐらい高いですか。
○増田(久)政府委員 市販価格は大体二円高いことになっているわけございます。われわれの原価計算、特にそのときの脱粉なりバター、全粉の相場を前提といたしましてその計算をいたしますと、コスト的にはおおむねそういう価格にならざるを得ないという計算が出てまいります。ただし、これは生乳を何%まぜるかによってずいぶん違ってまいりますけれども、全量還元乳でやるということになれば、その程度の価格差は当然計算上出てまいります。
○田中(恒)委員 ここは問題だと思うのですね。昭和四十六年度の牛乳の一本の小売り価格は二十八円ですね。これは全国平均ですけれども、二十八円。加工乳は三十円。いま言われたように二円高いですね。加工乳というのはイミテーション牛乳でしょう。本物牛乳じゃなくて、見せかけ牛乳ということになっているのですよ、これは。本来見せかけの品物が本物よりも高いというのは、これはちょっと理解に苦しむですね。それはいま言われたように、加工経費がいろいろ要るということですけれども、それなら、生乳が全国的に二五%余っているのですから、集荷団体等督励してもっと調整をやらして、やはり安いものを国民に飲ませたらいいし、それがまた純正食品なんで、このほうが間違いないと思うのですよ。加工乳をつくっていろいろなものをつけたり足したり抜いたりするものだから、いろいろこういう問題が起きてくるのであって、加工乳をどんどん少なくして生乳を多くすれば、値段も安いし、非常に都合がいいと私は思うのです。 大体加工乳というのは非常に——たとえば小売り段階のマージン、小売り店の取り分が、普通牛乳の場合は十円七十銭です。これは農林省の資料だから間違いないでしょうね。加工乳は小売り段階で十一円六十銭。ですから、これは二百CC一本について九十銭、小売り店のほうも加工乳を売ったほうがもうかるようになっておる。乳業者の手取りも、加工乳のほうが二百CCについて一円十銭多い。こういうことになっておるのですよ。だから加工乳は、メーカーのほうでも販売店段階でも、売ればもうける、こういう仕組みになっておるのですよ。だから加工乳というのはなかなか減らないわけです。そこのところが問題なので、需給の問題はその次の問題だ、こういうように思うのですね。 こういう仕組みを変えていかなければ——純正食品という観点からいっても、今度問題になったようなことを防止するという意味においても、私はやはりここが問題だと思うのですね。われわれも物価の問題で、この牛乳の価格問題についてはいつもやかましくなるのですけれども、これは二十八円と三十円の価格がいいかどうかということは別問題にいたしまして、およそ国民常識として、本物の牛乳が安くて、それにまねをしたまぜものの牛乳のほうが高いという、こういう理屈はどうも成り立たぬような気がするのですが、この点は、経済企画庁の宮崎生活局長はどういうようにお考えですか、この牛乳の価格の相違について。
○宮崎(仁)政府委員 私ども、物価問題として牛乳の値段を問題にするときは、生乳の値段についていろいろ議論をしておるわけでございますけれども、いまお話しのように、加工乳という形のものが、いろいろの名前をつけて現実には消費されておる。しかもそのほうがいろいろ関係業界にとっても有利であるというようなことから、まあ言ってみれば消費者の利益というよりも、 メーカーなりあるいは流通業者のほうの都合でそういうことを拡大しよう、こういうような動きがあることは、私どももはなはだ遺憾なことと思っておるわけでございます。厚生省のお話から見ましても、生乳が一番いいということは間違いないようでございますし、これはわれわれのほうといたしますと、消費者に対する教育と申しますか、そういうことも十分まだやっていかなければならないと思いますし、また農林省のほうにおいても、いまお話しのようにいろいろ手を尽くしてきておられると思いますが、一そうそういう面で努力をしていただかなければならない、こういうふうに考えております。
○田中(恒)委員 畜産局長はこのことについていろいろ意見があると思うのですがね、いまの私の質問に対して畜産局としてですね。それをちょっと言ってみてください。
○増田(久)政府委員 ちょっと計数的にわたる問題で恐縮でございますけれども、たとえば北海道から東京に乳を持ってくる、それで生乳で飲ませる、こういうことが望ましいということでは私も反対はいたしませんけれども、現在の輸送技術それから輸送経費、そういうもので計算をいたしますと、輸送費が一キロ当たり約六円十四銭かかります。それで、いま東京の市乳の農家販売価格は大体六十一円ぐらいでございますけれども、六十四円七十二銭ぐらいかかってしまって、まだいまの段階ではコスト的に無理な面がありまして、これよりも還元乳のほうがまだ割り安であるという実態がございます。これを大阪について見ますと、現実に宮崎から持ってきておる、あるいは熊本から持ってきておるのですが、これもわれわれ、いろいろと計算をいたしてみたわけです。北海道の場合は濃縮乳で持ってまいった実験例でございますが、大阪の場合は生乳のまま持ってまいります。これは熊本から大阪へ持ってきている例でございますが、一キロ当たり八円四十三銭ぐらいかかっておりますけれども、現実、大阪渡しでは六十一円で渡しております。それで、そのとき輸送費がどれぐらいかと申しますと、計算上八円ぐらいだ。こういうことになりますと、現在の市乳価格と保証価格の中間ぐらいの値段で農家は手取りとなっているんではないかというふうに感じられるわけでございます。そういうところにこれがまだ十分伸びていかないファクターがあるというふうに思います。(田中(恒)委員「加工乳のことは」と呼ぶ) 加工乳につきましては、私、先ほど、需給調整上これはどうしても当分の間やむを得ない点があるということを申し上げたわけでございますが、特にこの際お考え願いたいことを一つ申し上げておきますと、若干本題から離れるかもしれませんけれども、関西におきましての加工メーカーというのは、ほとんどが中小企業でございます。それで、これが全部生乳だというようなことになりますというと、おそらく生乳を集荷できる能力というものは、まず彼らには現在以上はないということになるだろうと思います。そういうことで、これをいま生乳に切りかえろという指導をいたしますと、大手のように集乳量の十分なところは余力があろうと思いますけれども、中小はそういう点で非常に窮地に立たされる。したがって、そういうことに切りかえていくためには、やはり生産の実情あるいは輸送の実情、そういったものとにらみ合わせて漸進的に変えていくことが一番妥当ではないか、かように考えておるわけでございます。
○田中(恒)委員 漸進的にいわゆる加工乳から生乳のほうへ変えていくのが方針だということでしたね。厚生省のほうもできるだけ生乳のほうに切りかえる方向だということですし、農林省は漸准的と言われるけれども、まあどの程度漸進的でいくかということをいまから詰めなければいかぬと思いますが、いわゆる生乳のほうへ切りかえていく、こういう方向は間違いないですね。
○増田(久)政府委員 この点については、国で強制するというのではなしに、指導として、そういう方向で行政指導をしてまいりたい。それでまた、現実にそういう方向に大勢として動いているということを申し上げているわけでございます。
○田中(恒)委員 いや、それはまあ指導でしょうけれどもね、この問題は、農林省が少し腰を入れればだいぶ前向くのですよ。農林省は、業界についてはだいぶ発言権を持っているのですから。業界がいやなことも好きなこともやってやるし、そういうことがしばしばあるんだから。あなた方が腰を入れないから牛乳の生乳化ができない。一時は生乳化の方向を打ち出したけれども、最近またもたもたしている。農林省がもっと腰を入れて、指導方針として強い方針でやっていただいたら、この問題は相当前向きに進むと思うのです。また、それをやらざるを得ないと思う。日本の酪農政策についての意見は多少違う面があるかもしれないが、私は生乳化の方向に大胆に切りかえる必要があると思うし、国民の食生活という観点からいってもこの問題は大事で、異種脂肪混入の問題はおそらく、しばらく鳴りを静めるかもしれないですが、これでこの問題は終わらないと私は思うのです。 私どもは、牛乳問題については、ここに出したいことはいろいろ持っておりますよ。これらについてはたくさんありますよ。これが、何かこう時間的経過で少しずつ改善していっておりますというようなことでなくて、そういう方向に引っぱっていく強力な指導方針を立ててもらわなければものにならぬと私は思う。だから、基本的な流れは、そういう形であなたのほうで取り組んでいくということでしょう。
○増田(久)政府委員 私のほうで、政策として学校給食をやっておりますけれども、これは御承知のとおり全部普通牛乳、生乳ということに切りかえております。そこをてこにして、普通牛乳の普及というものを強力に進めてまいっているわけでございまして、そういうことがやはり、現在の普通牛乳の普及問題に大きな働きをなしているものと私たちは考えております。
○田中(恒)委員 学校給食のほうはそういうことになっておるのですよ。それより業界の指導ですよ。業界の指導を私はやはり——加工乳の価格形成の問題から、流通マージンの問題から考えても、実態として、やはり加工乳のほうが業界としては、いずれをとるかというと、とりやすいような条件になっておるから、こういう点からも——それは自由競争ですから、政府のやる干渉の度合いはいろいろありますけれども、やはり腰を入れて取り組んでみるという姿勢を示してもらわないと、加工乳問題というものがそれほど大きく変わっていくという形にならぬと思うのですよ。そういう点の考えですよ。
○増田(久)政府委員 私も、現在の価格関係におきまして、普通牛乳よりも加工乳のほうが高いという形のあり方、これについてはやはりおかしい、普通牛乳は高く加工乳が安いというのが本来の形であろうと思っております。しかし、現実は逆であるために、メーカーがそういうものに力を入れる、小売りがそういう販売に力を入れるということが、これは事実だと思います。しかし、なぜそういう関係になっているかという原因につきましては、もう残念ながら、わが国の脱脂粉乳あるいはバターの価格が非常に国際的に割り高だ、そういうこと等も根っこにあるわけでございますので、この価格関係というものを考えた場合に、現在の乳製品の価格関係全体というものをもう一度洗い直してみる必要がある。特にメーカーにつきましては、これはわれわれの調査したところによりますと、残念ながら普通牛乳では、ほとんど利潤はあげておりません。加工乳で利潤をあげるという実態がございます。そういったあたりについても、異種脂肪が入ってくる一つの大きな経済的要因があったように私は考えるわけでございます。今後、そういう生産農家、製造業者、販売業者、そういったもののそれぞれの価格のあり方につきまして、この際考え直してみるべき段階に入ってきた、かように考えておる次第でございます。
○田中(恒)委員 少し具体的にお尋ねいたしますが、厚生省は飲用牛乳、特に加工乳の規格問題を検討するということで、食品衛生法の改正が今国会出されておりますが、これと並行して、従来の乳等省令の改正の準備に入っておるわけでありますが、この問題等は、これら省令改正の一つの原因になっておるというようにも聞いておりますが、現段階において厚生省が考えておる乳等の省令改正の内容、この点、明らかにされることのできる分でけっこうですから、ひとつお知らせ願いたいと思います。
○浦田政府委員 現在、国会に提出しております食品衛生法の一部改正法案は、先生が御指摘のように、いわゆる加工乳あるいは乳等省令の改正に端を発したということではございません。しかしながら、私どもは別途に、乳等省令の改正については、加工乳問題を一つの目玉といたしまして検討を進めておることは事実でございます。 その中で考えておりますことは、一つは、成分規格というものをもう少しびっしりとすることができないか。たとえばビタミン等の微量栄養素の添加ということをやっておりますが、これは今日の国民の栄養状態から考えても、あまり積極的な意味がないのではないかというふうにも考えられますので、これを廃止するといったことはできないか。それから、加工乳に対しまする消費者の選択の自由、余地を十分に与えるために、標示を明らかにさせるということはできないか。それから、異種脂肪の混入の原因の一つになっております加工乳の原料、これらについての全体の規制といったようなもの、これは成分規格とも関連いたしますが、そういったようなものについても、ひとつはっきりさせていくことができないかどうかといったような点でございます。 これらにつきましては、消費者側からの意見もお聞きしておりますし、また業界の実情もいろいろと調査しております。なお、関係各省のほうとも十分に御意見を調整しながら、私どもは、いまのような方向でもって乳等省令の改正の作業を進めていきたいと思っております。
○田中(恒)委員 いま言われた加工乳に対する微量栄養素の添加の禁止、加工乳に対する原材料の使用についての許可を明らかにする、標示を大型にしていく、こういうことをお考えになっておるようですが、同時に、私どもは、いわゆる加工乳の中に生乳をどれだけ入れるか、この問題がやはり一つの山になっておる、こういうふうに聞いておるわけです。いままでいろいろ議論をしてまいりましたが、私どもは、今日の段階でも生乳化が完全に行なわれる条件はあると見ておるのです。しかし、いますぐ全部生乳にするといっても確かにいろいろ困難な面はあると思うのです。ですから、需給操作加工乳というものがどの程度位置づけられるかというところが、牛乳問題の一つの問題のように思うのです。その場合に、加工乳の中に生乳というものをどの程度入れていくのか、こういう問題が一つの問題になろうかと思うのですね。これはやはり乳等省令の中に明確に、生乳を七割入れるとか八割入れるとか、将来はこれを九〇にするとか、そういう形に指導することが行政指導として適当じゃないか、こういうふうに思っておるものでございますが、生乳の使用割合の問題で、いま加工乳にはどの程度生乳が入っておるのか、これの実態を握っておられますか。これは厚生省でも農林省でもけっこうです。
○増田(久)政府委員 先ほどちょっと申し上げたわけでございますが、関東地方でも一番夏場が問題になる。それで夏場の九月の数字を申し上げたいと思いますけれども、平均で、関東では夏場は六三・二、それから近畿では五〇・四、それから東海では六七・七、これだけ生乳がまざっているという計算になります。
○田中(恒)委員 いまお話を聞くと、いわゆる牛乳の不足しておるときに、大体近畿で五〇、東海で六七、関東は六三ということですから、六割か七割近く入れられておるわけですね。これをたとえば七割程度入れさせていく、こういう努力を厚生省や農林省はしなければいけないと思うのですが、どうでしょうかね。
○浦田政府委員 先ほどあるいは言い落としたかもしれませんから、補足していまの御質問のお答えといたしますが、日本の加工乳の実情をいろいろと調査してみますと、いわゆる還元乳というものに生乳を加える、生乳がベースにあるということは、これは間違いのないことでございまして、この点は、外国で法制上きめられております還元乳とは違っておるわけでございます。それで、先ほど農林省の局長のほうからもお答えがございましたように、本来なま乳を進めていくという方針でございますけれども、地域的あるいは時期的な需給のアンバランスといったようなこともあって、加工乳というものの必要性も現在の段階では否定できないという面の答弁がございましたが、そうであるとすれば、いわば必要悪とでも申しますか、そのような存在でもございますので、私どもは、加工乳をつくる際のそのベースとなるなま乳の混合割合というものについての歯どめを設けられないかという点についても検討いたしております。いろいろと数字は考えておりますが、五〇、五〇というのはちょっと話になりませんし、また、六〇、四〇というような数字も、これは指導の段階ではないのじゃないか。さらにもう少し上でもって、先生のおっしゃったように七〇%ということが可能かどうか、こういったことも具体的に数字としては検討しております。また、業界に対しましても、これらについてはすでに、できるだけなま乳の混入率を上げるように指導もいたしておるところでございます。さらに、農林省その他関係省庁ともそこら辺の点に対する御意見を賜わりながら、私どもはできるところから、場合によれば、できれば規則に取り上げていくことは一番いいことでございましょうけれども、さしあたりはやはり強力に行政指導というところでもって、早くなま乳一本に切りかえていくという所期の目的を達成するように、なお努力してまいりたいと考えております。
○田中(恒)委員 農林省にお尋ねしますが、私が先ほどもちょっと紹介しましたが、一番夏場不足するといわれる近畿ブロックの九月ですね、九月の計算でいって七〇の混入であれば、この一番足らないところの時期、足らない場所で完全に生乳で供給をされる、こういう数字をはじかして持っておるわけですが、これは間違いないですか。日本で一番牛乳が夏場に足らないところでも、七〇%混入であるならば需要にこたえ得る体制がとれる、こういう数字が出ておるのですが、これは間違いないと思うのですが……。
○増田(久)政府委員 平均的に申し上げますと、近畿全体で不足量が三一%だということですから七割に若干及ばない、こういう数字になろうかと思います。大阪地帯の生産量に対して処理量との不足量を比較してまいりますと、三一%という数字が出てまいります。したがって、若干及ばないところだ、平均的に申せばそういうことになろうかと思います。
○田中(恒)委員 七〇%混入、これは最低だと思うのですけれども、もし混入の割合というものを考えるとすれば七〇%混入で需給事情には特別に支障はないでしょう。
○増田(久)政府委員 いま平均的に申し上げればそうだということを申し上げたわけでございますが、先生御存じのとおり、乳というものには全部色がついております、必ずどのメーカーの乳、どの団体の乳ということで。ですから、あそこの、関西の中小企業によりましては、その混合の率というものは非常に違ってまいります。したがって、一律にこれを七割ということにいたしますと、乳の足りないところはどこかから持ってこなければいかぬということに相なりますので、私、なかなかそれが現実の酪農の実態の中から、そういうものがそういとも簡単にできる問題ではないと思います。 そういう意味で、その指導基準として七〇%というものを目標に置くということは、私はそれで妥当だと思いますけれども、それを直ちに強制するというわけにはなかなかいかない実態がある、かように考えているわけでございます。それは同時に、それを強制いたしますと、私は、これは乳価問題にはね返ってこざるを得ない問題になりはしないかということを、実は心の中でおそれている者の一人でございます。
○田中(恒)委員 私はそういうお答えを聞くと、やはりあなたのところがこの問題をもたもたさしておるような気がしてならぬのです。そう言われるけれども、われわれのところへ生産者団体から要請書が来ておりますけれども、それにはちゃんと、七〇%混入でかまわないといっておるのです。中小のメーカーというのは、おそらくそういう団体等が牛乳工場のようなものをつくっておるようなところが多いのじゃないかと思うのですけれども、私はこれはやれると思うのです。やれるけれども、農林省のほうが少し、これはやれないようなふうに言っておるのじゃないですか。それは中小、部分的には困るところもあるかもしれませんよ。しかし、これほどやかましく問題になってきた段階では、思い切ってこの際やって、足らないところは足らないところで別途の方法を考えてやるべきであって、いま日本の乳が、日本の国全体では余っておるのですから——余っておるというか、越しておるのですから、だから加工乳でいろいろな乳製品をつくらしておるのですから、生乳の供給はできないことはないのです。七割程度のものはこれはできるはずなんです。そこを思い切ってやらないと、小さいところは困るとか乳価に影響するとか、いろいろあとに問題があるかもしれませんけれども、この際は、やはりこの点で農林省踏み切ってもらって、厚生省踏み切ってもらってやらぬと、異種脂肪の問題でこれだけ世の中を騒がして、そして政府として、これは特に厚生省と農林省のほうが、何か具体的にこの問題についての対応の政策の行政府の姿勢を示さないと、いままでどおり加工乳をやって、いまのような形で続けて、なるがままにぼつぼつなま乳に変わっていくでしょう、こういうことではこの問題の解決にならぬと思うのです。だから、厚生省が考えておる乳等省令の目玉、これはここになるのですから、七〇%生乳を混入させていく、こういう方針でいくことによって、徐々にこれらの問題についての国民の疑惑を解くことができると思うのです。 だから、あなたのところでできないならできないで、具体的な数字を私に示していただきたいと思うのです。私は、近畿ブロックの一番むずかしいところでもやれる、こういう数字を持っておるので、その数字と突き合わせてみたいと思うので、あとでけっこうですから資料を出してもらいたいと思います。 この点については、私どもは、やはりこの際七〇%混入という問題——混入というか、七〇%生乳を加工乳の中に入れる、こういうものをひとつ大胆に打ち出して、牛乳の消費の拡大にもなるわけですから、消費者もその辺から乳に対するイメージチェンジをはかってくれるわけですから、そういう点の努力をやはり積極的にしてもらわなければだめだと思うのです。 そこで、いま問題になっております濃縮乳ですね。濃縮乳の問題も、先ほど畜産局長のほうから話もちょっと出ましたけれども、これの規格化をして、二割か三割の分は濃縮乳で処理をしていく。従来乳製品等の問題で、いろいろな成分等の問題で抽出もむずかしいし、いろいろな面がありましたけれども、濃縮乳であれば、いわゆる乳の水分を取っただけで、溶かせばまた乳になるというものでありますから、これらはほぼ、加工乳といえども生乳に近い、こういう状態、そういう認識ができると思うのです。この濃縮乳の規格をつくって加工乳にこれを組みつけていく、こういう考えについて、厚生省と農林省両方聞かなければいけませんが、どういうお考えか、この点もお聞きをしておきたい。
○浦田政府委員 濃縮乳は、現在、無糖練乳の範疇に入るものとして現行省令としてはきめられておりますが、現在の規格は消費者に直接販売されるときの規格といたしまして、加工乳をしばらくは存在を認めざるを得ませんが、加工乳の原料として無糖練乳の規格を別に規制するということでもって、農林省と協議をいたしてまいりたい。いま検討を行なっているところでございます。
○増田(久)政府委員 ただいま厚生省のほうからお答え申し上げましたとおりでございまして、私のほうとしては、輸送の問題としては濃縮乳のほうが望ましい、こう思っておりますので、実現方について、なお格段の努力をしたいと思っているわけでございます。
○田中(恒)委員 この濃縮乳というものが規格化をされますと、加工乳というものは生乳プラス濃縮乳、こういう形になるわけですか。
○浦田政府委員 濃縮乳という性格から考えますとそれが一番望ましい、次善の策ということになるわけでございますが、全体の需給の状況から考えまして、直ちにほかのもの全部を排除いたしまして、生乳と濃縮乳だけでやっていくということについては、もう少し検討させていただきたいと思います。
○田中(恒)委員 検討していただきたいですけれども、濃縮乳の規格をつくれば、好ましい形としては、加工乳の中には濃縮乳というものが生乳にひっついているということであって——乳製品もあって、濃縮乳もあって、生乳もあって、こういうことになりますと、従来以上にまた、これはこんがらがる面があるのです。こんがらがる製造過程の製品をやるものだから、調べに行ってもさっぱり原因がわからぬということになるので、基本的に加工乳というものは、生乳の需給が完全にできないから、加工乳でその分だけカバーをしていくという性格のものですから、しかも性質的には生乳とほぼ変わらないという前提で考えられるわけでしょうから、私は、濃縮乳の規格をこの際つくるなら、濃縮乳というものがやはり生乳と変わらないようにしていく、この荒筋でつくられないと、これも意味ないと思うのです。その点も十分に考えて検討していただくというふうに理解してよろしいですか。
○浦田政府委員 先ほどの表現が多少消極的のように受け取られたかもしれませんが、そうではなくて、濃縮乳というものの規格を考える以上は、もちろん濃縮乳、それと生乳というものを主体として、将来よりいい加工乳が出回るようにしていきたいというのが目的であることは、申すまでもございません。したがいまして、私どもは、できるだけこの方向でもって早い時期に、先生のおっしゃるように濃縮乳と生乳、それのみでもって加工乳が構成されるというふうに持っていきたいということを第一の目標として、いまの作業を進めていく、こういうことでございます。できるだけ努力いたしたいと思います。
○田中(恒)委員 次に、牛乳の規格の問題で脂肪の問題でありますが、今度の乳等省令で脂肪の抽出というもの、いわゆる牛乳から脂肪分を抜く、あるいは入れる——異種脂肪というのはこれをやったわけですね。この脂肪添加、抽出、これを禁止するという意味で、やはりあるがままの形の牛乳でけっこうだと思うのですが、いま厚生省のほうはたしか三%までと言っておるし、一般の取引価格は三・二%になっている。全国的には脂肪というのは、牛乳の場合は、もっと低い場合もありますけれども、平均すれば三・四%か五かその程度あると思うのです。これがやはり問題になっておるのでありまして、こういう脂肪というものが何%何%というふうにきちんときめなければならないのか、これは問題だと思うのです。いま局長は、アメリカで低脂肪が求められ出したというような話もありましたけれども、加工乳等については、逆に固型分の問題がより重視されるというような意見も出始めてきている。そうなると、基準がはっきりしないのですよ。そうなると、むしろ脂肪なんというのはあるがままの牛乳でけっこう。とったりつけたりするから問題が起きるわけですから、脂肪をとったりつけたりすることはさせない、ありのままで製造過程に乗せていく、こういう形の規格はやはりつくられるべきじゃないかと思うのですが、この点は、どうです。
○浦田政府委員 先生の御指摘のように、現在、牛乳の脂肪分につきましては三%ということで基準が示されております。これが必ずしも適当でないという意見があるのも、私ども承知しております。たとえば、いま御指摘のように、乳固型分その他、牛乳が本来持っておりますいろいろな成分一々について、もう少し考え直したらどうかという御意見もあろうかと存じます。私どもは、この問題につきましては、これは農林省のほうのいわば原乳買い上げのときの仕組みと申しますか、こういったことにも関連が大いにあろうかと思います。私どもは、この価格構成という面も合わせて、やはり農林省のほうともこの点は十分に協議して検討してまいる問題じゃないか、それでいまいろいろの団体の御意見を賜わりまして、検討、整理している段階でございます。
○田中(恒)委員 たとえば牛乳の取引価格は三・二%でやっているわけですね。今度は、市販される製造過程の牛乳は三%でいいわけですね。そうすると、メーカーは当然〇・二%の脂肪をとってもかまわない、その脂肪は何かに使えるわけですから、こういう形になるわけですね。ですから、この辺に脂肪の抜き取りが起きてきているわけなんです。これは農林省のほうは、三・二%というのが正しいのか、厚生省の三・〇%とはどうなのか、現在の日本の牛乳の脂肪率というのはどの程度なのか、あるいはこれをやはり基準にしなければいけないのか、この点どうですか。
○増田(久)政府委員 現在の牛乳の脂肪分でございますが、御承知のとおり、夏場と冬場とでは非常に違ってまいります。全国で申し上げますと、たとえば夏場の八月では脂肪分が三二四%、一番高いのが北海道の三・三、近畿が一番低くなりまして、夏場になりますと三を切って、二・九三になるわけでございます。それに対して冬場になりますと、全国では三・三、北海道が三・五二、一番低かった近畿におきまして三・一三、こういう脂肪率に相なるわけでございます。そういうことで、地帯によって、時期によって、脂肪分というものは非常に違ってくる。そういう点で、やはりこれは商品として均一なものを売るという前提になりますと、脂肪調整というものは何らかしなければならないのではないかという感じが実はいたしておりますが、この点は目下厚生省と協議をいたしております。 もう一つは、厚生省からお話がありましたとおり現在の牛乳の取引が脂肪取引という形で行なわれておりますので、無調整のままでやったという場合のその取引価格は一体どうしたらいいのか、全固型分でやるのかどうか、そういった取引の実態までも、いまわれわれ、実験的にいろいろな形を検討いたしておるわけでございます。そういう問題を含めてこの問題は考えるべき問題だと考えておるわけでございます。
○田中(恒)委員 私は、この異種脂肪の問題の、農林省、特に厚生省の管轄に関する対策として二、三の問題をあげたわけですが、特に当面おそらく具体的に出てくるのは、この乳等の省令の改正の問題で、ここで乳というものは一体どういうものを乳と称するのか、本来の牛乳のほかに加工乳というものは、どういう成分でどういう内容でということで処理されるわけですね。その際に——これは二年間にわたって、この委員会その他の委員会においても異種脂肪問題が論議され、国民の各階層に対して、たいへん牛乳問題をめぐって混乱を起こさせたわけですね。私は、この原因はやはりいまの酪農、牛乳の政策、あるいはその監督のあり方、そういうところにも一半の責任があると思うのです。厚生省もそういう点を、乳等省令の改正の中で規格の設定を通して、できるだけまぜもの、インチキ牛乳といわれるものが出ないような処置をとりたいということでお考えになってやっておるわけですね。その基本は、議論をいたしましたように、やはり天然の生乳を飲ましていく、国民に供給していく、この形が基本だと思うのですよ。そういう考えでいきますと、いま生乳が完全に一〇〇%できない、こういう御答弁でありましたが、これはなお私どもとしては、正確な数字を通してやはり詰めていかなければいけないと思っております。しかし現実、運用の場合に無理があることは承知をいたしております。しかし荒筋としては、私は、八〇%なり七〇%程度のものはできると思うのです。これは数字で突き合わしたらできるはずであります。そのことをめぐって厚生省と農林省の間でいろいろ話をせられておるようですが、ぜひ生乳化の方向に向かって、乳等省令の改正の基本は置いてもらわなければいけないと思うのです。 それから、あまり脂肪をつけたりとったり、あるいは加工乳の品質そのものが、およそ牛乳とは違ったような種類のものでないような——濃縮乳という処置をとられて、そこでほとんど生乳と変わらない内容のものをお考えになっておるようですが、それが実際に出てくるようにやっていただかなければいけないと思うのです。もちろん業界の意見、生産者の意見、それから監督官庁としての農林、厚生それぞれの意見があって、なかなかむずかしい局面があるやに聞いておりますけれども、ぜひ筋は間違えないようにこれを取り上げていただかないと、異種脂肪問題はできたけれども、業界の責任者がやめたり国会で議論したということにとどまった程度では困るわけでありまして、特に食品行政は非常に重要でありますから、そういう立場で幾つか問題を指摘いたしましたが、厚生省を中心にして、そういう点についてがちっとした処理をしていただくことを要望しておきたいと思うのです。 最後に、いろいろ処置はしなければいけませんけれども、やはりメーカーに対する立ち入り検査というものを厳格にやってもらわなければいけないと思うのです。世論がわいてくると静かになるけれども、また忘れられたころに出てくるというようなことじゃ困るのでありまして、特に牛乳等は毎日赤ちゃんが飲んでおるものでありますから、厳格な立ち入り検査をやって、そのつどこれを公表していく、こういう姿勢を行政のほうで示さないと、私はゆるみが出てくると思うのです。こういう点について、厚生省、あるいは農林省も関係あるわけでありますが、立ち入り検査についての考え方、これを最後にお聞きをいたしまして、質問を終わりたいと思います。
○浦田政府委員 監視の件でございますが、私どもといたしましては、これは従来から、都道府県に対する機関委任事務ということでやっておるわけでございますが、その実績を申しますと、大体その乳処理場の施設数といたしましては、四十五年の数字でございますが、千六百五ということでございまして、年間の延べ監視実施件数は一万二千三百二十三回、一軒平均に七・六回という監視を実施いたしております。 また、収去検査の件数でございますが、乳等の食品につきましては十五万一千二百九十件の収去検査を、件数としてはしておるわけでございます。これは従来、といっても、大体このレベルでもって毎年実施してきたところでございます。 また、今度の異種脂肪の件でございますが、昨年の四十六年十一月の二十日に、新しい確実な検出、検査方法というものを、国立衛生試験所に各県の担当官数十名集めまして講習会を開きまして、その技能レベルの向上につとめたところでございます。 しかしながら、私どもは、さらにこのようなことが起こらないように、監視の回数なりあるいはその中身の充実ということについては今後努力を重ねますとともに、先ほどからいろいろと御指摘のありました点につきましては、ことに飲用に供される牛乳というものは本来純正であるべきであるとのたてまえから、関係省庁とも十分に協議いたしまして、私どもは、できるものから乳等省令等の改正にも取り入れまして実現に移していくというつもりでございます。
○増田(久)政府委員 食品衛生法上の立ち入り検査権というものは、残念ながら私のほうにはないわけでございますけれども、われわれは厚生省と協力しあるいは業界と協力して、たとえば原材料の仕入れ状況、消費状況、そういったことについてのチェックを厳重にやって、異種脂肪事件等の起きないような指導、監督というものは、今後十分関係官庁と協力して進めてまいりたい、かように考えております。
○井岡委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時六分散会