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68回国会衆議院1972/05/10

物価問題等に関する特別委員会 第8号

発言数
75
登壇者
10
会派数
3
開催日
1972/05/10

会議録

井岡大治日本社会党

○井岡委員長 これより会議を開きます。  この際、連合審査会開会申し入れの件についておはかりいたします。  ただいま社会労働委員会において審査中の内閣提出、健康保険法及ぶ厚生保険特別会計法の一部を改正する法律案について、同委員会に連合審査会開会の申し入れを行ないたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

井岡大治日本社会党

○井岡委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  なお、連合審査会の開会日時等につきましては、委員長間において協議の上、公報をもってお知らせすることといたします。      ————◇—————

井岡大治日本社会党

○井岡委員長 続いて、物価問題等に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。和田耕作君。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 きょうは武部委員の質問が最初でしたけれども、私の個人的な理由で差しかえていただいて、最初に質問をすることになりました。武部委員に感謝いたします。  公取委員長に最初に御質問したいのですけれども、五月八日の日本経済新聞で、いよいよ公取として、通産省、企画庁と連絡をして、問題になっております総代理店問題について検討を始めたという記事があったのですけれども、これは事実であるかどうか、そうしてまた公取として、どういう点が問題になっておるとお思いになっておられるのか、この問題を聞いておきたいと思います。

谷村裕公正取引委員会委員長

○谷村政府委員 御指摘のとおり、五月八日の日経の夕刊に「総代理店制にメス 公取委契約のルール作る」というふうなことが出ておりますが、実は私ども、先般も御質問がありましたときにお答え申し上げましたとおり、昨年から、総代理店制度という問題についてのある程度の基礎的な勉強を進めてきておったわけでございます。そうして、これも先般お答え申し上げましたが、昨年、総代理店契約についての届け出をもっと一定の様式に従って、かつ正確に報告してもらいたいということで、いろいろその契約の実態及び内容をつかむことに努力してまいったわけでございます。  最初に数字だけ申し上げておきますが、昭和四十六年度では、輸入代理店契約の届け出の件数は四百八十四件と、前年度に比べて十倍以上の契約の届け出を受けたわけでございます。これは率直に申しまして、従来私どもが、いわゆる技術導入契約でありますとか、国際的なたとえばその他の資本投資の契約でありますとか、そういうことが重点であったのに対しまして、非常におそまきではございましたが、輸入総代理店契約というものについてもきちんとやってもらいたいということをやった結果でございまして、正直に言って、決してほめた話ではない、従来ぬかっておったところをやるようになったということであるかと思います。  さて、こういった契約を届け出させまして、問題が二つあったわけでございます。一つは、いま御指摘のように、私どもの立場から見ましてどういう点が問題になるかという、その問題になるような事項、事柄、それを見ることでございます。第二は、具体的に、もはやその届け出られた契約あるいはその契約に付随するいろいろな話に関連して、すぐにでも手を入れて直させなければならないというふうな、そういう内容のものでございます。そして、そのあとの問題につきましては、いろいろの内容のものがございましたが、十三件、件数としてはわずかございますが、十三件、内容について指導を行ないました。たとえば再販拘束的な内容を持っているものというふうなものが、その内容になるわけでございますが、それは一つの実績として、十三件ほど指導いたしました。しかし、最初に申し上げました総代理店契約についての独占禁止法上の問題点という作業でございますが、これはなかなかむずかしい問題がございまして、簡単に一つの結論とか基準とかいうものが出てくるのには若干時間がかかるかと思います。  私どもは、何もこの際スタートをしたというわけではなくて、そういう意味では去年から勉強しておったことでございますが、いまおっしゃいました点を幾つか、問題だろうと思われる点をこの際要約して申し上げますと、第一は、いま指導の例でも触れましたけれども、総代理店契約の内容に、いわゆる輸入品の最終の小売り価格といったようなものを、この値段で売れよ、この値段以下で売ったらいかぬよ、そしたらまたその契約違反として問うぞというふうないわゆる再販拘束的なもの、あるいは、これを入れるからにはこれもあわせて入れろ、扱えというふうに不当な抱き合わせといったようなことがあるような場合、そういうようなものがとかく総代理店契約に含まれがちではないかと思います。それをまず一つの問題点として整理しております。  それから第二の問題点は、総代理店契約の締結それ自体、それはまあ、何べんも申し上げておりますとおり問題はないのでございますけれども、かなりその扱う品物のシェアが大きいとか、あるいはシェアとはいわないまでも、そのブランドイメージが非常に強いものであるというような一つの優越した地位を持っておりますような場合、そうなりますと、たとえば総代理店契約を結んでいるそれぞれの品物がそれぞれ競争しているような場合には、問題はないともいえるわけでございます。同じ時計なり万年筆なりあるいはウイスキーなりがそれぞれ総代理店を持っていましても、それぞれがそれぞれでブランドごとに競争していればよろしいわけでございますが、そうでない、非常に強い力を持ったものが、しかも総代理店で一本にしぼっているものが市場に及ぼす競争制限的な影響はどうか、それが、いまお尋ねございました第二のポイントでございます。  それから第三番目は、いまと大体似たような話でございますが、たとえばそういう非常に優越した地位を持った、しかもそれが国際的にも通用するような強い力を持った商品についての輸入総代理店というものが、一つだけ日本に設けられた場合に、ある意味で外国のある地域には安く売るけれども、日本には高く売るというような意味での差別的な扱いを、窓口を一本にしぼることによって行なわれるという心配はなかろうか、こういう点が第三番目の問題。特にそういう意味で、簡単に申し上げれば、よその国の市場に比べて日本の市場だけが不利に扱われるのではないか、こういう問題があるかと思います。  それから第四番目は、これは私どものほうの問題ではなくて、むしろ法律問題として特許法等の問題になるかと思いますが、新聞紙上にも伝えられましたようないわゆる商標専用実施権というものの関係、これをどう見るか。総代理店だけがその商標の品物を輸入できる。もちろん違った品物をその商標のごとく偽ったものは別でございますけれども、そうでない真正な、ほんとうの商標のものが他のルートを通じて入ってきたときは、それは商標専用実施権を与えられた輸入総代理店だけしか扱えないとすることが、はたして法律上そういうことになるのかどうなのか。私ども競争政策の立場をとりますほうからは、商標が真正である限りは、そういう点について商標法なりあるいはそれを受けております関税法の扱いは非常に問題があるのではないかというふうなことを、やはり私どもも問題意識として考えているわけでございます。  それから第五番目は、これはやはり、かつて和田委員が御質問になったポイントでございますけれども、私どもの法律の管轄の問題に関連してまいります総代理店の立場というものを、こちらのいわば事務所なり支店なりというふうなものとして扱って法の適用ができるのか、あるいはそういうことができないのかとといったような、法の適用並びにその実施に関連する問題があるわけでございます。  以上申し上げましたような問題点を整理し、かつ、それはどちらかと申しますと、国際的に広がった一つの流通支配対策についての私どもの独禁法的な立場からのアプローチになるわけでございますから、いろいろ問題を整理してみましても、直ちに右から左——先ほど申し上げたようにはっきりしているものは指導いたしましたけれども、なかなかむずかしい問題もございますので、何らかの形で——ちょうど、御承知のように技術導入について非常に問題が起こりましたときに、何べんかのケースを経たあとで、私どもは技術導入契約についての、これが独禁法違反にならないという一つの認定基準、あるいは逆に言うと、こういう場合には独禁法に触れるおそれがあるという一つの基準をつくってみたことがございます。それと似たような意味におきまして、輸入総代理店等を通じて入ってくる一種の流通競争秩序に対する阻害的な行為というものが、どの程度のものがそれに触れるおそれがあるかういうふうなルールができればいいのではないかという考え方は、実は持っております。一種の認定基準式なものも考えたいと思っております。  しかし、これもなかなかそう簡単にできるわけのものでもないので、実は新聞にこの問出ましたというのは、新聞記事にも書いてございますが、この二十七日に、独占禁止法国際問題研究会というのを私ども、学者さんたちに集まってやっていただいておりますが、そういう方々の御意見も承りたい、また、その他通産省あるいは経企庁のほうの御協力もいろいろ得たい、また私どもの考え方もわかっていただきたい、そういうようなことで進めてまいろうと思っておるところでございまして、確かに御指摘のように、私ども、ある程度こういう問題を新しく、やはり流通問題とかあるいは国際的なつながりにおける問題の発展とかいうことについて、従来必ずしも十分に取っ組んでおったとは思えませんので、おそまきではございますけれどもこれからやってまいりたい、かように考えておるところでございます。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 いまの五つの項目について検討なさっておられるということなんですけれども、通産省の方お見えになっておりますか。  今度の円切り上げ以後、外国のおもな輸入品の値下がり状況について追跡調査をおやりになった。その結果、資料をいただいておりますけれども、おもな品目についての特徴といいますか、下げたものもあるし下げないものもある、下げても、ちょっとぐらい下げたものと、かなり下げたものという状態だと思いますけれども、いまの総代理店制度と関連をして何か特徴があるかないか、この問題についての状況をお伺いしたい。

守屋一彦通商産業省企業局企業調査課長

○守屋説明員 お答えさせていただきます。  ただいま先生のほうから御指摘ございましたように、私ども、この前、輸入品の価格値下がり状況ということにからみまして、ブランド商品を中心にいたしまして十一品目ばかりの調査を実施いたしたわけございます。ブランド商品を中心に調査をしたということの関係もございまして、ほとんどの商品につきまして、総代理店ないしは総代理店契約に類似した形の販売契約方式がとられておったわけでございます。  具体的に申し上げますと、乗用車、エアコンディショナー、腕時計、万年筆、ライター、カラーフィルム、こういったようなものは総代理店制で実施されております。それから化粧品、ゴルフクラブ、安全かみそり、これらのものにつきましては総代理店と、一部のものは向こうのメーカーが直接日本に支社を設けるという形での販売形態をとっております。今回やりました中では書籍、ネクタイ、これはブランド商品とはやや違ってくるかと思いますが、こういうものは総代理店類似のものはとられていないという結果になっております。  それから、御質問のございました第二点の、総代理店契約なり何なりとられたことと輸入品価格値下がり状況その他との関係がどうかという御指摘があったわけでございますが、この点につきましては、私ども、必ずしも明確に、総代理店のものが下がらず、総代理店でないものが下がっているという結果にはなっていないような感じがいたします。  それで、問題はむしろ、実質的に国産品と輸入品あるいは輸入品相互間で競争が行なわれているかどうかというところにあるような感じがいたした次第でございます。と申しますのは、一つの業種につきまして一社が売っておる、それを一手の総代理店でやっているというようなものは、カラーフィルムを除きましてございませんで、あとは、乗用車にいたしましても化粧品にいたしましても腕時計にいたしましても、それぞれ、いろいろな国ごとの、あるいは同じ国でもいろいろな銘柄の販売が行なわれておりまして、その問の競争がかなり活発に行なわれていれば、やはりその間の競争という関係で下がるというふうな形になっているかと思います。  なお、コダック・カラーフィルムの場合につきましては、いろいろ御心配いただきましたように、一時、五月一日以降コダックの値上げに伴う国内価格の値上げという問題がございましたが、これにつきましても、一応国産メーカーの追随値上げというものをやらなかったというということ、あとコダック、長瀬産業等につきまして、この際値上げを思いとどまるようにということを強力にいろいろ行政指導をいたしました結果、値上げについては見送るという形になっております。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 これは通産省として、いろいろ業界に対しての、円切り上げがあったわけだから値上げをしてはいけないぞ、できるだけしないようにしなさいという指指導をしたその上の結果だと思うのですけれども、それはいつおやりになったか、その状況についてお伺いしたい。

守屋一彦通商産業省企業局企業調査課長

○守屋説明員 私どもといたしましては、円切り上げが行なわれました直後、輸入団体四十団体、それから流通関係の国内の総合的な七団体に対しまして、値下がり効果を国内消費者価格に十分反映させるようにという要請をいたしましたのが、統一的に行ないました要請でございます。それでその結果、百貨店協会等におきまして、一部の業界でございますが、安く買えたものはそのまま価格に反映させるという決議をやってもらった団体もございます。これは統一的にやった行政指導でございますが、その他、先ほども申し上げましたように、長瀬に対するカラーフィルムの値上げを思いとどまるようにというような指導のように、個別のことは、それぞれ機会を見ていろいろやっておる次第でございます。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 この十数品目の状態を拝見しますと、輸入品で国内でのシェアの大きいものは比較的価格を据え置いているという傾向があるように思われるのですけれども、そういった状況はないのですか。

守屋一彦通商産業省企業局企業調査課長

○守屋説明員 いま御指摘をいただいたのですが、私ども、必ずしもそういう結果も出てないような感じがいたします。たとえばゴルフクラブなどというのは、金額で見ましてほぼ半分ぐらいが輸入品のシェアになっておりますが、この辺につきましては、ほぼ十二月から二月の間に四%なり一七%なりの値下げを行なっておる次第でございます。  むしろ、値下げが非常に反映しにくいといったような原因といたしましては、先ほど公取委員長からも御指摘がございましたが、非常にブランドイメージが強くて、高級品だというようなことを売りものにしたほうがよく売れるといったような性格のものあたりが、むしろ下がらない。  それからもう一つは、在庫が非常に多いといったようなものにつきまして、たとえばネクタイなどの例で御説明申し上げますと、ヨーロッパものにつきましては、むしろ夏もののネクタイというようなものはないといったようなことで、ほとんど夏場のうちに輸入が行なわれまして、冬ものとして秋から売られる形になっておりますので、こういうようなものにつきましては、若干価格に反映するタイムラグというようなものも生じてくるといったような、在庫なり仕入れ時期の関係があるかと思います。  それからもう一つは、若干高級品中心的なブランド商品を調査いたしました結果でございますが、必ずしもアメリカ・ドル建ての輸入だけではなく、欧州通貨建ての輸入が比較的多かった。たとえば万年筆のようなものはドイツ・マルク建てのものでございますから、ドイツ・マルクも日本とほぼ同じような切り上げをやっておりますので、非常にそれが反映しにくいといったような結果が出ているかと思います。  必ずしも輸入品のシェアーある程度関係するようなものもございますが、直接的な結びつきというものはあまり感じられなかったように考えております。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 たとえばライターのようなものですね、あるいは安全かみそりのようなもの、これはいまの円切り上げの状態のときに、在庫が非常に多かったということは、よくわかるのですけれども、一カ月、二カ月、もうあれからだいぶたっておりますので、在庫が多くても、大体底をついてくれば当然下げてくるべきものが下がっていない。しかも安全かみそりのようなものは、国内のシュアを二五%くらい持っているでしょう。あるいはライターは二一%持っている。先ほどのゴルフクラブの問題は確かにそうですけれども、アメリカ産のものはいまおっしゃったような値下げはしておりますが、ヨーロッパのものは、いま円の切り上げのいろいろな問題があるでしょう、あるでしょうけれども、ゴルフクラブだけが下げておるという状態である。しかも、これは四%から一七%というわけですから、この内容がどういうようになるかはっきりしないのですけれども、あとの安全かみそりとかあるいはライターなんかは、国内のシェアが非常に大きい。いずれも二〇%以上のシェアを持っているものが、いろいろな理由があっても、下げていないというようなところにいろいろ問題がありはしないか。また、単に国内のシェアが数%というところでは下げているものは見られますけれども、そういうふうな問題が内容的にありはしないかという感じがするわけで、今後こういう問題について、在庫等の関係もございましょうけれども、もっときびしく、公正な取引ができるような状態を指導していただきたいと思うのです。  そこで公取委員長、いまの実情なんですけれども、大体おもな商品については、総代理店制度を持っている取引がほとんど一般的ですね。これは大体、全部が末端小売り価格を何らかの形で指示しているということが実情だと思うのですけれども、この実情の判断についてはどう思われるわけでしょうか。

谷村裕公正取引委員会委員長

○谷村政府委員 拘束と申しますか、その実体の問題だと思います。どの業者も、たとえば、あまり自分の輸入したものが市場で売りたたかれたり、変に値が下がったりすることは、それは企業としては好まないだろうと思います。しかし、それがはたしてどこまでの実体的な拘束として扱っているかどうか。私どものほうとしては一応形式的には、先ほどちょっと申し上げましたが、総代理店契約ないし契約に付随する話の中でそういうことをうたっているものは、これははっきりいたしておりますから、それはいけません、かように申し上げました。その件数は、先ほど十三件指導したというふうに申し上げましたが、そう多くはなかったと思います。手元の資料で見ますと、五件ほど、たしかそういう再販拘束があったということで、それを直さしておりますけれども、実体における拘束といいますか、最終小売り価格についての維持という問題がどの程度にいくかということは、まさに先ほどからお話しになっておりますような、いわゆる品物の強さと申しますか、あるいは国内品あるいは輸入品同士、相互の間における競争と申しますか、そういったものにある程度左右されると思います。ですから、ものによりましては、まさにブランドイメージであるがゆえにむしろ価格を保っているものもあるかと思います。しかし、ものによってはそうでない。やはり末端における競争によって値を下げているというものも、私は少なくないと思います。そういう意味で、いま一般的に、和田委員の御質問に対して、すべてがそうだとか、そうでないとかいうふうにお答えするわけにはいかないと思います。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 いまの実体の問題についての把握ということは、いろいろと見方があると思いますけれども、常識的に考えまして、やはり総代理店制度をしいた、そしてそれが独占的な形で国内に販売をしているということが、輸入品の商取引の一般的な形であるとすれば、いろいろな形でその価格を指示するという実情があることは一般的だというふうに見るのが普通だと思うのですけれども、そうなりますと、先ほど委員長からお答えいただきました、十三件にいろいろな問題があったということですけれども、これは非常に正直にやっているところがお小言を食らったということであって、正直でないところは黙っているというような状態をよく判断なさらなければいけないのじゃないかと私は思う。そういうことに立って、問題のあるところは注意したということで満足なさらないで、やはり実際のやみ再販と同じようなものが実体であるということの前提に立っての政策をお立てにならないと、気休めのようなものになる、こういうようなことを感ずるわけです。この問題については国内でも同じ問題であると思いますけれども、公取としても、そういう問題を取り締まる任務を持っておられるわけですから、しかし実体はそういう状態だということになっているわけですから、何らかの考慮があってしかるべきだと思うのですけれども、これをお伺いしたい。

谷村裕公正取引委員会委員長

○谷村政府委員 確かにおっしゃるとおりでございまして、それは何も輸入品に限ったことでなく、国内で生産される国産品についても同様の、私ども目の屈かないところでのやみ再販的なものがあるわけでございまして、私ども、任務でございますから、それは十分注意しなければならないというふうに思っております。  私の受けております一つの感触で、たとえば、いつかもここでちょっと触れたのでございますが、輸入のレモンなんかについて見ますと、むしろ末端の価格は、たとえば百貨店で売っている場合、一般のくだもの屋で売っている場合、あるいはまた量販店、スーパー等で売っている場合等で、かなり差があると私は思います。これは当然のことながら、最終末端小売り価格における差が起こっているわけでございますけれども、むしろ輸入の価格それ自身が、いつかもお答えいたしましたように、先方のほとんどオファーした値それだけにもうたよらざるを得ないという姿になっているところのほうが私はああいう品物については問題であると思います。  それから、たとえば、高級品でありますから、あまり一般には関係がないといえるかもしれませんが、輸入ウイスキーのごときは、やはりかなりある種の意味での、価格についてのまあナーバスといいますか、考慮は、輸出する先方の向こうのほうでも、たとえばスコットランドのほうでも感じていると思いますし、輸入のほうを扱っている連中も感じていると思います。しかし、そこに何らかの人為的な操作が加わっているかどうかという点になりますと、これはなかなかむずかしいのでございますが、現実に店頭に並んでいる価格は、たとえばデパートでありますとほぼ同じような値段が並んでいる。しかし、デパートからはずれますならば、かなりまた、同じブランド、同じ銘柄のものについても違った値のものがついておるという例もあるわけでございまして、この辺の実態は、まさに御指摘になるように、私ども詰めていかなければならないと思っておりますけれども、なかなか一般論としては、直ちにそれがそういうことをやっているというふうに認定と申しますか、断言できるわけのものでもないというふうに思っております。しかし、御指摘のように、私ども、その点にはこれからも十分力を入れてまいりたいと思います。  それから、ちょっとつけ加えますが、先ほど私、商標権問題について関税法と申しましたが、関税定率法でございましたのが、訂正させていただきます。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 それで、現に一般的に行なわれておると思われるやみ再販的なものを取り締まるといいますか是正させる方法としては、総代理店というものを一つにするという、この制度を、やはり検討してみる必要がありはしないかと私は思うです。これをたとえば三つなら三つ、あるいは三つ以上のものにしなければならないという実際の指導の方針がきまっておれば、そういうことにしていく。その場合でもやはりやみの話し合いというのは起こると思いますけれども、一つの場合よりはもっと指導しやすいという問題もありますので、総代理店制度そのものを検討しないと、いまの一般的に行なわれていると思われるやみ再販的なものに対処できないというふうに思うのですけれども、委員長、どのような御所見でしょうか。

谷村裕公正取引委員会委員長

○谷村政府委員 これはいわゆる自分の取引先を選ぶ権利と申しますか、あるいは契約自由の原則と申しますか、一般的に自分の取引先をどの程度にどう限定し得るか、あるいは、たとえば取引してくれといったときに、それを巨絶することが一体独禁法上どうなのかという問題の一つになるわけでございますが、非常に強大な力を市場に対して持っているようなそういう人が取引拒絶をするような場合とそうでない場合とでは、やはり独禁政策の立場から見た扱いは違うのじゃないかというふうに思います。非常に競争の激しい品物について、たとえば総代理店が一つであったとしても、総代理店同士でのそれは話し合う余地が非常に楽になるというふうなこともおっしゃいましたが、競争が激しければ、その点はあまり問題にならない。したがって、この問題は、いわば一種の独占的地位を形成させるようなそういう話になる、その背景としての実体をやはり考えてみないと、すべて総代理店制度というものが一つであるのはいけないのだ、すべてそれは必ず複数以上でなければならないのだというふうには言い切れないと思います。しかし、それは先ほどからも話が出ておりますような、たとえば強いブランドのものであるとかあるいはシェアの非常に大きなものがそういう形をとるという場合には、あるいはそれは独禁法上の問題になるのではないかという角度から、私どもも実はいま勉強しているわけでございます。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 一つの場合は、支店というものと内容的には大体同じようなものであって、だから一つの場合は、はっきりと責任をとれるように支店形式にしてやればいいことであって、総代理店という名前のものになれば、やはり複数以上のものにしなければならないというように私は思うのです。支店ということになれば押えようがないということにもなりますけれども、これはそれぞれ会社は会社の責任をもって、いろいろな世論の批判に耐えていくわけですけれども、総代理店という形のクッションみたいなものがありますと、どこにも責任を持つものがないというようなことにもなりますので、一つの場合は、支店形式のものとみなす、あるいは類似のものとみなす。総代理店という形のものは必ず複数のものとして契約をするような、そのような指導方針というものは、法律でつくるといろいろ語弊があると思いますけれども、そういう指導のしかたが必要ではないか、こういうように私は思うのです。  また、いまちょっとお触れになりました、外国でも大きな独占力を持っている、国内でも独占力を持っている、この二つが総代理店契約を結ぶというような場合、これはよく例に引かれますコダックと富士というような問題の場合にこういう話があった場合、これを取り締まっていく根拠がありますか。

谷村裕公正取引委員会委員長

○谷村政府委員 いま例示に会社の名前をあげられましたが、そういう例示なしにいたしまして、一つのケースとして考えれば、それぞれの市場においてそれぞれ強大な勢力を持っているもの同士が、しかもそれが相提携して競争関係でなくなるという内容のものを持つときには、当然のことながら、私は独禁法上の問題になり得ることであろというふうに思います。現実にはそういうことはなかなかないと思いますけれども、しかし、もしあるとすれば、それはもう二つの強い力が、その両者の間における競争をなくそうという形に内容がなるものであるとすれば、それは確かに問題になるというふうに思います。  それから、先ほどちょっとお触れになりました、総代理店という名前のものが、実質はほんとうに一つで輸入契約をやっているものであるか、あるいはむしろ実質的に向こうのエイジェントであり、支店であるかというふうなことは、確かに御指摘のとおり、同じ総代理店という名前をとっておっても、もう単なる出先である、現実の契約はもう先方と直接に、幾つかのさらにその下の輸入商社でやっているという例もございます。そういう意味で、総代理店というものそれ自身の名前の中にもいろいろな姿があるということは、御指摘のとおりでございます。一つの御意見として、私ども参考にさせていただきたいと思います。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 もう一つの問題は、つまり商標の問題ですけれども、やはり商標権を守るというのはあの法律の趣旨からいえば、まがいものというものを取り締まるという趣旨であって、同じ商標のものが、取り扱う人が違うからといってあの商標権で守られるかどうか。そこらあたりの問題はどういうようにお考えになっておりますか。

谷村裕公正取引委員会委員長

○谷村政府委員 これは商標権制度という問題、そして商標権者がその商標の専用使用権をだれそれに与えるということは、たとえば商標の法律が一体何を法の目的としているのであるか、その辺になりますと、実は私どもの直接の所管ではございませんので、いまそれについての見解を私の立場で申し上げるのはいささかどうかと思いますが、私どもの競争政策的な立場から言えば、それは私どもは同様に、特許の問題についても持っているわけでありますけれども、特許あるいは商標、そういったような一つの専用的な、あるいはむしろ、ことばをかえて言うと、独占的な地位を与えることによって技術の進歩なり発達を期そうとしている、そういう考え方と独禁法的なものとの考え方、これは現在は独禁法上、その点についてある程度の調和をはかるように規定がございますけれども、これからの問題としては確かに大きな問題であるという意識を持っておりまして、競争政策的に言うならば、そういう問題について時代の変化に即した考え方をしていただかなければならないのじゃないか、そういう気持ちを私どもは持っております。しかし、法律問題としてこれをおまえどう思うかというふうに言われますと、これはちょっとお答えしにくい問題であるというふうに思います。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 企画庁の宮崎さん、この問題は御検討になっておられるのじゃないですか。

宮崎仁経済企画庁国民生活局長

○宮崎(仁)政府委員 これは先般も大臣が、真正商品の並行輸入問題としてお答えいたしたわけでございまして、事務的にも、三月三日の閣僚協議会の際のいわば実行問題として、特許庁との間で議論になっておるわけでございます。  考え方の方向はそんなに違ってないわけでございますが、何ぶんにも、いま公取委員長のお話にもございましたように、法律上の問題として議論をいたしますと、なかなかむずかしい問題がある。従来、これは比較的消極的に解釈をされまして、そして商標専用使用権というような形で認められ、関税定率法の規定も働いてそれが守られておったというような実績もございますので、これを直していこうということになれば、当然従来の扱い方を相当変更しなければならぬわけでございますから、一体どういう考え方でそれが直るのかということにいろいろ議論があるわけでございます。特許庁のほうの御議論を聞いておりますと、結局専用使用権というものを国内で認められた総代理店が、相当広告とかあるいはいろいろの努力をして、そしてみずから市場の開拓なり拡大に努力をしておるというようなことがあるとすれば、やはりそういう点は考えてやらなければならないのではないかという議論もございます。しかし、先般の大阪地裁での判決等にもありましたように、ああいった、だれが見てもわかり切ったようなものについて商標専用使用権ということで認めるということはどうだろうと、これまた事実として受け取るわけでございます。  全体としては、ひとつこの際、いま公取委員長のお話にもございましたように、だいぶ世の中も変わってまいったわけでございますので、そういった意味での制限を緩和して、競争ができるだけ自由に行なえるような方向に考えていきたい。こういうことで、私どもも、もちろん特許庁のほうへお話をいたしておるわけでございます。なるべく早く、この問題についての大体の方針をきめていきたいと思います。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 これは日本だけではなくて、いろいろな資料を見ますと、諸外国では、この商標権の問題はあまり狭く解釈しないで、広く解釈をして運用しておるという話を聞くのです。これはしろうとだからわかりませんけれども、商標権を守るというのは、やはりその人がいろいろな金を使って宣伝をしたとかいうふうな努力、そういうことではなくて、その品物自身の性質を守るということだと思いますので、そういう問題については、商標権を守るということで関税定率法でひっかけて、その他の、ある特定の業者以外は扱ってはいけないというふうにすることは、ちょっと行き過ぎのような感じがするし、外国の例からいっても、明らかに日本としては行き過ぎである、こういう段階に来ているというふうに思うわけで、この問題を解決しないと、何ぼ輸入政策をやりましても、やはり一つの特定の業者の権利が幅をきかして他のルートの輸入ができないということになるわけであって、これはひとつ至急に解決をしてもらいたいと思うのです。先ほど公取委員長もおっしゃいましたように、香港のようなフリーな市場から同じ商品を輸入するという道が、いま全然押えられているわけですね、この定率法で。こういうことだと、何ぼ競争条件を整備するといってもできないことだし、そして輸入商品の値下がりということを言っても、言うだけのことになる。これは即刻にやっていただきたいと思うし、そう差しさわりなしにやれるんじゃないかと思うのですけれども、なおこの問題について、ひとつ公取委員長と企画庁の御所見をお伺いしたいと思います。それから、いまの通産省との、あるいは大蔵省との交渉の経過をあわせてお答えいただきたいと思います。

宮崎仁経済企画庁国民生活局長

○宮崎(仁)政府委員 大体御指摘のようなことでございまして、私どもといたしましても、いまお答えを申し上げましたようなことで特許庁それから大蔵省の関税局等と、事務的にいろいろ検討を進めておる段階でございます。ただ、特許庁との関係は、先ほど申しましたように、従来の取り扱いを相当大きく変えるわけでございますから、その点についてのしっかりとした法律上の解釈の問題あるいは運用上誤りのない一つの基準と申しますか、そういった考え方がやはりきまってないと、これはできないと思います。  それから関税定率法の問題も、もちろん大蔵省のほうで検討してもらっておりますけれども、現在八十数件あるそうでございますが、これをどういうふうに扱うか、それは特許庁との関係もございますので、あわせてひとつこの検討を進めておるわけでございます。確かにこの点、いま輸入品の価格問題としては非常にポイントになっておるわけでございますので、私どもとしてもできるだけ急いで、ひとつ何らかの方向を出したいと考えております。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 工業製品の場合は、そういうこともあり得るわけです。つまり、香港市場は日本に一番近いところにありますから、これをどんどん活用していけばもっと円切りの効果も出てくるというふうにも思うのです。ところが、農産物の場合は困ったことになりますね。農産物の場合は、そういうふうな方法が活用できないということになるわけですけれども、この前に問題にしましたサンキストの問題ですね、こういう問題については、いまのような商標等の問題、その制限を緩和していく問題は手が触れられないわけですけれども、この問題について企画庁あるいは公取委員長として、どうしたらいいかというお考えが何かありますか。

宮崎仁経済企画庁国民生活局長

○宮崎(仁)政府委員 確かに農産物は、ちょっと話の筋が違いまして、むずかしいわけであります。特にグレープフルーツが去年だいぶ問題になりましたが、これは植物防疫法による地域的な輸入禁止と申しますが、そういう措置がとられておるものがございますので、そういう面で——もちろんこれは、植物防疫という技術上の問題でありますから、政策的に動かすわけにまいりませんが、検討してみた結果だいじょうぶだということになるものがないかどうか。幸いにして、南アが輸入ができるということになりました。いまイスラエルあたりも検討の対象になっておるようでございます。そういうことで地域をほかにふやしていく、そういうことによりまして、いわゆる総代理店という形で独占的に扱われているものに穴をあけると申しますか、ことばが適当でないかもしれませんが、こういうことを考えていこうということでやったわけでございます。その点は、グレープフルーツについては、あるいは、レモンについては、かなり効果があった、こういうふうに思っております。  バナナは、御承知のように、これは問題はちょっと別でございまして、台湾産が確かに問題でございます。向こうは国家貿易でございますから問題でございますが、これも昨年六月の日華交渉で、こちらのほうの商社は自由に応募できるということにしていただきましたので、その点ではかなり競争できます。それ以外に中南米のものも入りますから、これは御承知のようなことで、むしろ価格が非常に下がっておるわけでございます。そういうことで、農産物として総代理店問題がいままで問題になったようなものは、かなりほかの方法で、あるいは現実問題として解決されているものがあると思いますが、コーヒーの問題とか紅茶とか、その他あるいはチョコレートの問題とかいろいろございます。こういったものは、やや工業製品と似たような感じのことになるかと思いますが、あわせて検討を続けてまいりたいと思っております。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 時間がもうありません。ちょっとオーバーしておりますけれども、最後に、この問題になるのは、世界的にどこの国でも大きな独占的な力を持っていることですから、先ほど公取委員長もおっしゃったように、世界の各地で同じ商標の商品の値段が違うという問題があると思うし、この実態を調べることは、この問題についての合理化をしていくためのきめ手となることですから、これはどこが調査をすることになりますか、これは早急にやってもらいたいと思うのですけれども、外務省を通じてでも、あるいは通産省を通じてでも、至急にやる必要があると思うのですけれども、これはどこがどういうふうにやったらいい問題でしょうか。

谷村裕公正取引委員会委員長

○谷村政府委員 御指摘のような点を考えまして、私どももそういうことをしなければと思ったのですが、もちろん外国に手足があるわけじゃございませんので、この点は外国でいろいろ調査することができるような、活動ができる外務省なり、あるいは外務省が不適当であるというならば、たとえば、そういうことがお願いできるかどうか存じませんが、ジェトロでありますとか、いろいろな機関を通じてお願いをするように、関係の行政官庁とも御相談して進めてまいりたいと私どもは思っております。また、企画庁なり通産省なりは、それぞれまたのお考えでやられようとしておられるかとも思いますが、私どもも、よくそれぞれのところと御相談をしてまいりたいと思っております。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 それではこれで終わりますけれども、先ほどから申し上げておるような、総代理店制度としての問題を再検討するということですね、一つの場合は、一つとして責任を持たすような支店形式あるいはそれに準じたようなものにしていく、一般の総代理店は普通のものを設置していくということが一つと、それからもう一つは、この商標の問題を狭く解釈して実体上公正な取引ができないような状態にならないように至急にこれを打開していくということと、そして、この問題になっておる独占的な商品について、日本の価格と外国の価格の違いがあると思いますけれども、その実情を至急に調べてもらうという三点を強く要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。

井岡大治日本社会党

○井岡委員長 武部文君。

武部文日本社会党

○武部委員 私は、きょうは東京瓦斯の値上げ申請の問題をお伺いをするわけでありますが、その前に、公正取引委員会に一つだけ確かめておきたいことがございます。  先般の当委員会で、昨年の八月以降牛乳の異種脂肪の問題がたいへん問題になりまして、私自身が納得できない点がございましたので、公正取引委員会にこのことについていろいろお伺いをいたしました。大体内容は明らかになったわけでありますが、この機会に、国立衛生試験所の慶田教授から公正取引委員会の事務長あてに提出をされました試験結果について、三十銘柄の内容について異種脂肪の混入の事実あり、また疑いあり、こういうことが出ておるわけでありますが、これを最初に具体的にお示しをいただきたい、こう思います。

谷村裕公正取引委員会委員長

○谷村政府委員 具体的には取引部長から申し上げさしていただくことにいたしますが、いわゆる異種脂肪混入問題につきましては、先般も武部委員から御質問がありました際に私がお答えいたしましたように、市販の牛乳を私どもが試買いたしまして、そしてそれを、国立衛生試験所のほうの慶田氏にお願いをして分析していただきましたところ、その試験方法によって出ましたところの結果は、三十銘柄について、異種脂肪混入の疑いがあるといった趣旨のものが幾つかあったわけでございます。  そこで私どもは、先般もお答え申し上げましたが、そのことから直ちに異種脂肪ありと断定して私どもの処理をすることには、もう少し慎重でなければならないというふうに思いまして、まず、それぞれの工場等につきまして立ち入り検査をいたしたことも、御報告申し上げました。その際には私ども、必ずしも十分な証拠をつかめなかったわけでございます。  それから第二段といたしまして、再び試買検査をいたしまして、それも同様に国立衛生試験所にお願いしたがったのでございますが、いろいろ立て込んでおりましてできなかったために、他のところに検査をお願いしましたところ、その際には異種脂肪の検出が見られなかった。これは試験方法の差にもよるかと思います。  さようなことで、当初の段階におきまして、いかなる段階でいかなる形で異種脂肪が入っているという疑いが持たれることになったかどうかということについて、公正取引委員会としては、やはり事柄でありますだけに、扱いを慎重にしなければならないという態度をとってまいったわけでございます。  そしてそれから、最初の試買からは約一年半以上、昨年そういうことを処理いたしましてからも約一年ないし半年経過いたしたわけでございますが、私どもは、現在の状況において、業者がその点について十分行き届いた管理なり配慮なりをしてくれているとは思いますけれども、まだそういう点についてはっきりと、どういう状況になっているという実態を、正直に申しましてつかんでいる段階ではございません。しかしながら、当委員会におきまして、再三そういう点についても御質問があり、事柄としては、過去においてそういう一つの試験結果としての報告があったという、その事実についての御質問であるとすれば、今日これだけ時日を経過した後において、いまなおそれがもたらす、たとえば業者相互の競争上のいろいろな波乱、弊害、あるいは消費者に与える不安、そういった問題が多少あり得るといたしましても、過去においてそういう試験結果の報告があったという事実について答弁を申し上げることは、現在の段階においてはもはや必要で、お断わりすることはできない問題であろう、かように考えますので、以下御質問の趣旨に沿いまして、担当の取引部長からお話を申し上げるようにさしていただきます。

熊田淳一郎公正取引委員会事務局取引部長

○熊田政府委員 それでは、四十六年三月二十七日に国立衛生試験所の慶田先生から提出のありました分析の結果について、三十検体のうち異種脂肪の存在が認められるというものと、存在の疑いが持たれるというものとにつきまして御説明を申し上げます。  三十のうち、まず四番目、明治乳業株式会社、これは普通乳、これは存在が認められるというものでございます。その次に六番目、これは興真乳業株式会社、これは普通乳でございます。これは異種脂肪の存在が認められる。それから次に十二番目、協同乳業株式会社、加工乳でございます。これは異種脂肪の存在が認められる。それから十三番目、三井農林乳業、加工乳でございます。これは異種脂肪の存在の疑いが持たれる、これは疑いでございます。次に十五番目、グリコ協同乳業株式会社、これは加工乳でございます。これも異種脂肪の存在の疑いが持たれる、疑いでございます。次に十六番目、同じくグリコ協同乳業株式会社、加工乳でございます。これは異種脂肪の存在が認められる。それから十八番目、明治乳業株式会社、加工乳でございます。これは異種脂肪の存在の疑いが持たれる、疑いでございます。次に二十四番目、明治乳業株式会社、加工乳でございます。これは異種脂肪の混入の疑いが持たれる、疑いでございます。次に二十七番目、小岩井農牧株式会社、加工乳でございます。これは異種脂肪の存在が認められる。次に二十八番目、小岩井農牧株式会社、加工乳で、異種脂肪の存在が認められる。それから三十番目、グリコ協同乳業株式会社、加工乳でございます。これも異種脂肪の存在が認められます。  以上のとおりでございます。

武部文日本社会党

○武部委員 わかりました。わかりましたが、私は、公取委員長がおっしゃった前段の中で、私どもがこの問題をしつこく取り上げましたのは、二つおっしゃった、業者間のいろんな競争の問題と消費者の不安ということをおっしゃったわけでありますが、私どもは、消費者の不安ということ、不信ということ、そういう面からこういう問題は一刻も早く明らかにして、消費者に不信なり不安を与えてはならぬ、そういう立場で取り上げたのであります。したがって、いまの説明でわかりましたのでこれ以上のことは申し上げませんが、この異種脂肪の問題は、現実にはこれから試買検査なりあるいは抜き打ち検査等をやっていただいて、こういうことが将来ないようにつとめていただくのが、私は公正取引委員会なりあるいは厚正省、農林省の責任である、このように思っておりますので、この問題はこれで終わりたいと思います。

谷村裕公正取引委員会委員長

○谷村政府委員 私どもといたしましても同様に、厚生省、農林省とも十分に連絡いたしまして、さようなことのないようにこれからもぜひあってほしいと思います。ただいまのところは、私どもとしては一応、国立衛生試験所の慶田氏の検査結果ということとして受け取っておりまして、それも一つの材料にはなっておりますが、そのこと自体が直ちに断定的な話として、たとえばことばは悪うございますけれども、どこそこのやつはどうでというふうな形で不当に扱われることのないようにあってほしいということは、私どもの立場から、一つは消費者に対する立場上当然のことでございます。と同時に、公正な競争を確保していくという立場からも、私どもの立場からは、そういう点をやはり十分な配慮をしていただきたいという気持ちも持っております。しかし、最終的にはおっしゃられるとおり、さようなことが今後絶対に——それからあとはもうないと思います。そしてまた、いまもないと思います。そして、今後もあってはならないということで進めていくように、それぞれの省とも連絡してやるようにいたしたい、かように申し上げておきます。

武部文日本社会党

○武部委員 やめたいと思いましたが、そうおっしゃられますと、もう一つ私は言いたいわけです。  実は八月八日の新聞を私は前も取り上げたわけですが、いまお聞きいたしました十一銘柄の中で、八月八日のある新聞に発表されました名前と違っておるようであります。どうも間違いがあるようであります。それから、ないのもあったわけです。ですから、私が申し上げたかったのは——あれは報道の自由であり、スクープですから、それはけっこうだと思います。その場合に、その出所が明らかに公正取引委員会以外にはないということは、この委員会の席上のやりとりを通じても、公正取引委員会はお認めになったわけです。だとすると、そういうことについてあの直後直ちに公正取引委員会が、企業の名前が出ておるわけですから、これについてはっきりとした態度をおとりになっておれば、私はそれ以上の追及はなかったと思うのです。そういうことがなかったから、疑問を持ったままで進んできた。そうして、そのあと二つの検査結果が出たということから、さらに私どもは疑惑を持ったのでありますから、今後は、そういうことがかりにあった場合は、直ちに公正取引委員会としては、公正取引委員会の正式な見解なり態度を発表されるのがいいのじゃないか。そのことが消費者に不安を与えないし、同時にさっきおっしゃったような業者間の競争、無用な摩擦、そういう点を避ける道ではないだろうか、こう思いますので、その点だけ触れておきます。

谷村裕公正取引委員会委員長

○谷村政府委員 過去において私どもがとった措置がはたして妥当であったかどうかという点については、私どもとしても、ケースの問題として十分反省してまいりたいというふうに思います。何ぶんにも、新聞がどこからそういうものを手に入れたかということは、私どもとしてもなかなかむずかしい問題でございますので、ただいまのおことば、十分に私どもも今後配意してまいりたいと思います。

武部文日本社会党

○武部委員 それでは、東京瓦斯の値上げ申請の問題についてお伺いしたいと思います。  去る三月十一日に物価の連合審査会が行なわれまして、総理以下出席をされました。私も、総理なりあるいは田中通産大臣に電力、ガス、水道こういう問題について見解をただしたわけでありますが、その際総理は明確に、電気、ガス水道等については「全面ストップとは申しませんけれども、極力抑制する」「ただいままでのところ、いまの抑制方針、これは間違いはございません。」こういう答弁がございました。そのあとで田中通産大臣といろいろやりとりしておるうちに、だんだんどうも様子がおかしくなってきまして、最終的には、田中通産大臣の最終答弁をこの議事録から見ますと、総理の抑制方針ということはよくわかるが、現実に労賃も上がっておる、あるいは原料費も上がっておる、いろいろな点もあるので、厳に抑制をしろという厳命を受けておるけれども、申請が出れば受け付けないわけにはいかぬ、こういうようなニュアンスに変わってきまして、だんだんどうも、この田中通産大臣の答弁がおかしくなってきました。私も、それは総理の答弁と違うのじゃないか、一体あなたはどういうお考えかということを再度ただしましたところ、いま申し上げたような点をさらに述べられ、当然国会でこの問題について皆さんに説明をし、理解を得なければならない、こういう話であったわけであります。これが三月十一日であります。  ところが、この連休中の五月四日の日に突如として申請を出してきた。突如としてということばが当たるかどうかわかりませんが、私どもから見ると、連休中のこの合い間を縫って、五月四日の日に三二・二——この数字については、あとでまた見解を求めたいと思いますが、出してこられた。これは明らかに、田中通産大臣の言明と軌を一にしておるように私は思うのです。申請があれば受け付けぬわけにはいかぬ、このやりとりを見ておると、私どもの質問を待っておったとばかりに、田中通産大臣はそういうことばを答弁されました。そういうところから見ると、何か今度の申請のあり方について政治的なにおいがしないわけにはいかぬのであります。  一体なぜ東京瓦斯だけが、今回こういう大幅な申請を出してきたのか。一体通産省は、この背景というものについてどういうふうにお考えか。あるいは、そんなものは全然ないとあなたのほうは思っておられるかもしれぬけれども、私どもは、なぜこの時期に東京瓦斯だけが急いで——この国会の答弁のあと直ちに作業にかかったようでありますが、この申請書を提出したのか、その点を少し理解に苦しむのでありますが、通産省、これをどういうふうに考えておられますか。

三宅幸夫通商産業省公益事業局長

○三宅政府委員 田中通産大臣の答弁の席には私もおりましたから、その経緯は存じておりますが、そのときも、真にやむを得ないものを除き極力抑制するという御答弁であったと思います。  背景と申しますと、どうお答えしたらいいのかちょっと戸惑いますが、一月末の決算におきまして、東京瓦斯は相当経理が悪くなっております。したがいまして減配をいたしまして、いずれ料金申請をするというようなにおいを出しておったことは、御承知のとおりでございます。  先般東京瓦斯は、相当詳細な申請の様式が定められておりますので、そのルールに従いまして作業をして、五月四日に申請を出したわけでございますが、その内容は、第一は、資本費が相当高騰しておるということでございます。  現在の東京瓦斯の料金は、三十四年の暮れに認可いたし、三十五年一月から実施されておりますが、その後三十七年に、三千六百カロリーを五千カロリーにアップいたしましたときに〇・五%の値下げをしております。それが現在の東京瓦斯の料金体系でございますが、三十五年当時に比較いたしまして。現在の需要家件数は約二・四倍、販売量は五千カロリーをベースにいたしまして二・八倍、ガスの普及率は非常に上がりまして八〇%導管の延長は一・七倍、ことに能力につきましては夏、冬のピークの格差が拡大しておりますので、能力は三・八倍、こういうような形になっておるのでございます。  そういうものを背景にいたしまして、設備投資額は、三十五年−四十年のころには年間約百億前後で推移してまいりましたが、都市の過密化に伴います道路事情の悪化、あるいはそれに対応いたした工事条件の悪化、あるいは夜間作業中心にいたしました道管工事の労務費の上昇というようなことで、ガス供給事業の中心をなします導管につきまして、非常に導管工事費が上昇しておる。第二に、ガスの製造工場を遠隔の地に置かざるを得ない。それから、先ほど申し上げましたピーク時とオフピーク時における需要量の差が大きいために、製造部門における投資効率が悪くなっておるというようなことを背景にいたしまして、昭和四十五年から急速に設備投資額が、金額として上昇しております。四十七年以降はおそらく六百億前後ないしはそれをこえるのではないか、そのために減価償却あるいは支払い利息番の資本費が、昭和三十五年では九十億でざいましたのが、四十六年は実績では二百九十七億、約三百億でございます。四十八年には四百七十億等々、増大を続けるのではなかろうか。  第二に、道路事情が悪化してまいりましたので、導管の保安対策上必要な修繕費が、昭和三十五年には十八億でございましたが、四十六年の実績は百億をこえておる。今後さらにこの傾向は続くであろうというのが第二の理由であります。  第三に、ガスはいわゆる近代的な産業ではございますけれども、その中で保安の関係あるいはサービスの関係といった業務は省力化が非常に困難な部門でございまして、年間約四十万件に近い新規需要者に対して極力機械化を進めておりましても、なお労務費の高騰が避けられないのが第三番目の理由でなかろうかと思います。  最後に、OPECの関係等がありまして、原材料コスト、原料費が今後も上昇を続ける。  こういうようなことが、東京瓦斯として特に申請に踏み切った理由ではないか、これが申請書に書かれてある理由でございます。

武部文日本社会党

○武部委員 あなたに政治的な背景を質問しても——きょうは田中大臣の出席はないわけですが、私どもは、この申請の内容等から見て、東京瓦斯が全国の二百三十八社に先がけてこの申請を出してきたというところに問題があるように思います。また利益の問題等は、あとでお伺いいたします。それから、いまあなたから答弁のありました具体的な原因ですね、三つばかりお述べになりました、このことについてもお伺いいたしたいのでありますが、そこで、この申請を通産大臣は受理されたわけですね。そうすると、今後この取り扱いはどうなるのか。一体どういうスケジュールでいつごろこの申請に対する結論をお出しになろうとしておるのか、それをお伺いしたい。

三宅幸夫通商産業省公益事業局長

○三宅政府委員 先週申請が出てまいりましたので、現在局内で慎重な分析と審議を行なっております。同時にまた、経済企画庁とも御相談をすべき問題でございます。  で、いつごろどうするかということは、まだ私どものほうとして上のほうにも御相談しておりません。私の局で現在慎重に分析中でございます。したがいまして、その時期、タイミングについてはここで御答弁できないのを残念に思います。

武部文日本社会党

○武部委員 これは東東瓦斯ですから、直接東京都の消費者物価指数に与える影響というのは相当なものがあるというふうに私は思います。したがって、東京瓦斯の申請がかりにこのまま認められたといたしますと、東京都区部の消費者物価指数に与える影響はどのくらいだというふうに経済企画庁は見ておりましょうか。

宮崎仁経済企画庁国民生活局長

○宮崎(仁)政府委員 御承知のように、東京都区部については総理府統計局によるCPIの指数がつくられておりますが、それによりますと、東京都区部におけるガス料金のウエートは一万分の百四十一ということになっておりますので、今回の料金の値上げ幅三二・二%というふうに聞いておりますが、これによると〇・四五%上がる、こういうふうになるようでございます。これは区部についての計算でございます。現実には、いわゆる本社区域といわれておる神奈川、埼玉等も含めて今度値上がりが行なわれるわけでございますが、これについては、いま申し上げましたような計算がちょっとできませんので、家計支出の増加等について推計をいたしておりますが、大体月に九百八十円くらい増加するのではないか、こういうふうな計算になるようでございます。

武部文日本社会党

○武部委員 きょうこの席上で配付を受けました資料によると、東京都区部の物価上昇率は三月で五・四%という数字が出ております。政府の見通しと私どもの見解とはたいへん大きな相違があるわけでありますが、いずれにしても、いま審議中の国鉄運賃あるいは健康保険料の問題、こういうものがメジロ押しに並んでおるわけです。そこへ持ってきて、またこういうたいへん大幅な——特に東京都民の四百万世帯が、この東京瓦斯の影響のある世帯であります。私どもの承知しておるところでは、四百万ということを聞いておるのであります。ほとんどの家庭が、この東京ガスの影響を受ける世帯でございます。これが一挙にこういう大幅な値上げをした場合には、この物価指数に与える影響というのは非常に大きい。直接的な波及効果だけでも、いま経済企画庁から〇・四五%というのを示されておるので、そういう点を考えると、これはたいへん大きな影響を与えるものだ、私はそういうふうに思うのであります。  さらに、この値上げ申請に際して、私は社長の発言がたいへん気になるのであります。どういうことを言っておるかというと、十二年間値上げをしておらぬ、したがって、今回の三二・二%というのは、大幅の値上げというけれども 十二年に直せば平均二%だ、こういうことを新聞で述べておるのであります。私は、これは全くとんでもない発言だと思う。一体十二年間なぜ上がらなかったのか。上がらなかった原因というのは、もう明らかに、会社の企業努力だけではないのです。石炭の問題にしたって石油の原価にしたって、値下がりをしておる。そういう中でこれは上げなくても済んだ。上げなくて多額の配当をやっておった。そして利益もどんどん、かりに四十四年なり四十五年、これは半期で四十七億くらいな利益をあげておる。そういう利益をあげておった。それをいまになって、十二年間上げていないのだから平均して直せば二%足らずだという、そういう考え方で申請をするということについて、私はたいへん遺憾に思うのであります。  それはそれといたしまして、次にお伺いいたしたいのはこの申請の内容についてでありますが、資本費が急騰したということをいま局長がおっしゃった。一体その原因はどこにあるのか、そういう点はどういうふうにお考えでしょう。

三宅幸夫通商産業省公益事業局長

○三宅政府委員 まだ申請書を受け付けたばかりでございまして、私自身、詳細な分析はまだ報告を受けておりませんが、都市の周辺における需要戸数の増大、並びに都市の中におきましても需要層が年々ふえておる。さらに導管工事というのは、いわゆる近代的な機械産業から出てくる設備投資と違いまして相当労務費関係が、下請ないしは外注関係でありますが、大きなウエートを占めております。そういった労務費関係の経費が非常に上がっておるということで資本費が上昇しておるのではないか。さらに都市の過密化、あるいはそれに対応いたしました共同溝、あるいは深夜作業といったような作業条件の悪化が、資本費の急騰をもたらしておるのではないかと思います。計数的に調べましても、昭和三十五年の設備投資は約百二十三億でございました。三十八、九年は百億を割った時期もございますが、四十三年ころから非常にこれが急激に上昇してまいりました。四十三年は二百五十五億、四十四年は二百六十八億、四十五年は三百四十七億、四十六年は四百四十四億、こういうぐあいに上昇しておるわけでございます。

武部文日本社会党

○武部委員 この値上げ申請を通産省に提出するにあたって、東京瓦斯は、もしかりにこの値上げの幅が下げられるというような、たとえば三二・二という平均ですね、そういうものが認められないということになれば、再び値上げせざるを得ない。たとえば、問題は据え置きの期間ですよ。向こう三年とか五年とか言っておるようですが、もしかりに三二・二というものが申請どおり認められなければ、会社の経営状態からいって再度値上げをしなければならぬというようなことを、あなたのほうに言ったことがありますか。

三宅幸夫通商産業省公益事業局長

○三宅政府委員 その料金関係というのは非常に計算が複雑な問題でございますが、東京瓦斯は、現在三年間の原価計算を試みておるようでございます。ただ、新聞等によりますと、一部では、五年くらいもたせたいという企業努力の意思を表明したということは伺っております。まだ、東京瓦斯と資料を中心にいたしましたヒヤリングをこれから開始するわけでございますので、三二%何がしの積算根拠その他については、今後なお十分に向こうの意見を聞きたい、かように考えております。

武部文日本社会党

○武部委員 私どもは新聞報道でしか承知できませんが、東京瓦斯の社長は、この値上げの幅がもし少なければ、値切られた場合、再値上げもやむを得ぬ、そういうような態度をほのめかしておるのでおります。これを認めなければ再値上げをするのだ、全くこれは一種の脅迫です。そういうことを記者会見で述べておるのであります。  私どもは、今日この東京瓦斯の値上げというものが、もしかりにこのまま実現をするといたしますと、全国二百三十八社、これは全国の小さな会社も含めてですから、大手は七十社足らずだと思うのですが、そういうものに与える影響は非常に大きいと思うのです。そして、これが電力料金の値上げにまたはね返ったり、便乗値上げを呼んだり、あるいはまた、待ちかまえておるところの灯油、そういうものにまたそういうものがはね返って値上げに傾くのではないか、そういう懸念を持つのです、ガスの値上げが電力料金値上げを誘発し、さらには灯油の値上げを誘発するとかそういうことすら私どもは考えるわけです、ということは、これは公共料金の値上げの口火を切る、そういうことになりかねないと思うのです。したがって、この申請の内容については、厳重なチェックが必要だと思うのです。当然経済企画庁もこのことについてチェックをされると思うのですが、私はそれでは具体的に一、二内容についてお伺いいたしたい。  この申請書の内容を検討してみますと、確かにあなたがおっしゃったように、設備投資額というものがたいへんふえております。四十七年以降は六百億というような数字になっておるようであります。四十年は百四十四億でありますが、四十六年は四百四十四億という数字になっておる。昭和五十年も六百十九億ということを予定しておるようであります。減価償却費も同様に、四十六年が二百九十七億、五十年で七百二億というたいへんな数学になっておるようであります。  あなたがおっしゃった導管の保安対策、これも確かに、パーセントからいいますと高くなりますね。四十六年が百三十四億であって、五十年は二百五十億です。確かに年々ふえつつありますけれども、先ほどの設備投資あるいは減価償却なりその他のものと比べると、金額からいうと、この申請書によればさほど大きなものではありません。金額的にはそうたいしたものじゃない。伸び率は確かに倍くらいになるけれども、金額的にはそうたいしたことはない、そういうことがいえると思います。  いま一点伺いたいのは、あなたのおっしゃった原材料の高騰の面です。この資料によると、このことがここにはっきり書いてあります。参考資料の中に原料の使用量というのが書いてありますね。この中で原油、これが昭和四十六年六十四万五千キロリットル、これが五千年でも五十一万八千キロリットルですから、これはたいして変わりはないようであります。かりにこの原油の値上げが会社が言うようにあったとしても、それを推定いたしましても、石油のミナスで十九億円、ナフサで九億円、原料面では二十八億円アップこういう程度であって、四十六年の原料費総額約二百八十億円、これは一割です。かりに五〇%、あるいはナフサで三六%アップ、これはジュネーブ協定によって三六%アップと見ても、一割足らずです。この原料の二百八十億の約一割、こういう中で、一体これがガスの料金値上げをしなければならぬという重大なコスト高になることについては、私は疑問を持つのであります。特に原材料の高騰ということを強く言っておるようでありますが、石油の原価というものは、価格の変動がかなり多い。ナフサというものについては価格が下がる可能性もある。こういう点を見たときに、先ほど申し上げるような一〇%程度、一割程度の原材料高を見ても、これがそう、三二%というような大幅な値上げの重大な背景になるとは思えないのであります。この点についてはどう思われますか。

三宅幸夫通商産業省公益事業局長

○三宅政府委員 私どもといたしましては、消費者物価あるいは消費者保護の観点から、東京瓦斯の三二・二という申請に対しまして厳重な審査を行ないたい、かように考えております。  そこで、値上げ申請書の理由は、先ほど申し上げましたようにいろいろな要素の複合的な形をとっておりますので、個別的に問題を詰めてまいりたいと思っておりますが、ただいま先生から御指摘のありました点については、まだ検討を十分行なっておりませんから、私のこの場における印象的な御答弁で御了承いただきたいと思いますけれども、絶対額は知れておるが伸び率が高いという御指摘でございますが、会社経営という観点からいきますと、販売量の伸び率と資本ないしは支出の伸び率とが非常に乖離してまいりますれば会社経営が苦しくなるわけでございますので、絶対額は、東京瓦斯は資本金五百億の会社でございますし、年間の売り上げが約九百数十億のガスの販売売り上げになっておりますけれども、そういう会社において設備投資額の伸び率が非常に高い、あるいは原材料もわずか一割——一割になるかどうかわかりませんがそのアップ率が、OPECの影響ないしは国際的な市況の反映によりまして高い場合には、これは相当コストの面におきまして経営を圧迫するようになるのではないか、かように考えております。ただ、いずれにいたしましても、まだ計数的に十分な審査を行なっておりませんので、はなはだ失礼でございますが、この程度の御答弁でお許しをいただきたい、かように思います。

武部文日本社会党

○武部委員 東京瓦斯の参考資料によりますと、原料使用量という欄がありまして、その中に天然ガス・オフガスというもののこれからの使用の量が記載されております。四十六年は天然ガス・オフガスが十億千七百立方メートル、それを昭和五十年には十三億三千五百万立方メートル。したがって、原料の使用は、天然ガスの使用量が急激に伸びてくるということが予想されておるわけであります。石炭とか原油あるいはナフサその他のものについてはほとんど大差がない。LNGは若干ふえておるようでありますが、天然ガスの使用が非常に多くなってくる。こういうことがこの資料の中に書いてあります。  なお、申請書の本文のほうに、「天然ガス供給への転換を中心とする諸施策を推進していくものであります。本計画の遂行に要する設備資金は三千億円をこえる巨額に達し、」こう書いてありますね。したがって、東京瓦斯がこれからどのようなものにばく大な投資をするかといえば、このことだと思うのです。このことが明確にここに書かれておるのであります。  したがって、東京瓦斯はこれから天然ガス、いわゆる無公害エネルギーといわれる液化天然ガスに切りかえる、これは私はけっこうなことだと思います。たいへんいいことですから、この点は大いに私どもとしてもやってもらいたい。しかし、その費用三千億円というものを、今回の値上げと関連して考えなければならぬと思います。そういうものを一般の消費者の負担でまかなうというようなやり方は、私は断じて反対なのであります。いわゆる三千億円の投資、そういうものについての、先を見越しての先取りをやったというようにすら、私どもは疑わざるを得ないのであります。そういうことがこの料金体系の中にあらわれてきておるのではないか、このように思うのですが、この三千億円の投資と今回の料金値上げとの関係について通産省はどのように考えておられるか、これをお伺いしたい。

三宅幸夫通商産業省公益事業局長

○三宅政府委員 LNGというのが、電力でもそうでございますが、ガスにとって、特に一酸化炭素がないという意味で、都市におけるエネルギー供給形態としては無公害のきわめて好ましい燃料であるとわれわれは考えております。昨年私のほうに設けました、大都市におけるガス企業のあり方に関する調査会におきましても、その点は強く指摘をされ、ないしはその推進を要請されたところでございます。ただ、LNGは、非常に経常経費といたしましても高いコストがつきますし、また、ガスの供給設備におきましても、気化装置その他特殊の装置をつける必要がございます。これは電力においても同じでございます。その点におきまして、無公害であるだけに逆にコストがかかるという点は認めざるを得ない、かように考えております。  また、都市の過密化に対応いたしまして、東京瓦斯といたしましては、袖ケ浦から発しまして東京の周辺に大導管網を形成したい、それによって、この都市の過密化の中において、高圧輸送によるガスの輸送によりまして供給責任を果たしていきたいという計画を持っておるので、こういう計画はつきましても、先ほど申し上げました調査会において、これはぜひ必要であるという答申をいただいておるところでございます。そういったものが大なり小なり設備資金の中に入ってきておるということは事実でございます。それが計数的にどれだけの影響力ないし寄与率を持つかという点は、まだ詳細な検討はいたしておりません。

武部文日本社会党

○武部委員 いま東京瓦斯の配当は一割ですか。間違いありませんか。

三宅幸夫通商産業省公益事業局長

○三宅政府委員 そのとおりでございます。

武部文日本社会党

○武部委員 もう一つお伺いいたしますが、東京瓦斯の利益、先ほど申し上げましたが、四十六年の二月一日から七月三十一日までの利益は三十三億八千四百万、こういう数字が出ております。それがその次の四十六年八月一日から四十七年一月三十一日までの決算では、この利益がわずかに四億八千八百万、八分の一に減っておる。これはどういうことでこういうことになっておるか、御存じでございますか。

三宅幸夫通商産業省公益事業局長

○三宅政府委員 分析をいたしますと、販売量の伸び率が非常にふるわないのに対しまして、資本費を中心にいたしました支出が非常にふえておるということでございまして、四十六年下期と四十五年下期、つまり季節的によく似た前年同期との比較をいたしますと、収入、ガスの販売では八・三%の伸びに対しまして、労務費あるいは修繕費その他の支出におきまして一八・五%ふえておる、こういう内容でございます。

武部文日本社会党

○武部委員 私は、この点が非常に不可解なんです。上期と下期の利益をいろいろ見てみると、上期は四十億、四十五億、四十七億、三十三億です、四十四年から四十六年までの間に。下期が二十八億、二十七億、こういうことであります。いま申し上げたように、四十六年の下期に八分の一に下がっておる。ここが私は問題だと思う。なぜ極端にこれだけ東京瓦斯の利益というものが急にダウンしたのか。裏を返せば、値上げの申請と何か関係があってこういうことをやっているのかと疑いたくなるくらいの数字が出ておる。いまあなたの御説明によりますと、販売量の伸びが少ないとか、あるいは工事費がかかったとか、人件費がかかったとおっしゃっておるけれども、何もこのときになって一挙に八分の一に下がるということについて、そういう理由だけで八分の一の利益に下がったというふうにお考えですか。しろうと目に見てもたいへんふしぎに思うのですが、いかがですか。

三宅幸夫通商産業省公益事業局長

○三宅政府委員 上、下につきましては、ガスという特殊の業態でございまして、おおむね上がよく下が悪いという季節的な変化を持っておりますので、その点は御了承いただきたいと思います。  それから、急に悪くなったという点は、先ほど申し上げましたように、四十六年下期と四十五年下期との比較におきまして、ガスの販売量が八・三%、副産物その他を入れましても収入は一〇%伸びにすぎないのに対しまして、修繕費は約四割アップになっております。支払い利息も四割ほどアップになっております。そういうものを含めまして、支出が、会社の数字によりますと一八・五%の上昇、こういうことになっておるわけでございます。

武部文日本社会党

○武部委員 それでは次に進みますが、今度の値上げの幅であります。これはすでに新聞にも発表されておりますし、この資料の中にも出ておるわけでありますが、最低料金というものをたいへん大幅に上げておるようでありますね。七立方メートルが最低基準になっておるようでありますが、いままで一カ月二百六十六円であったものが六百円、こういう最低基準にしておる。これは一二五・一%の値上げ率になります。平均は三二・二%というておる。この間に非常に私も疑問があるので、具体的に七からずっと百二十、百三十、百四十くらいな立方メートル単位の値上げの幅を調べてみたわけです。そうすると三二・二というのは一体どこから出たのだろうかという点に非常に疑問を持つのであります。皆さんは三二・二%という公になっておる値上げ率というものは、何を根拠にしてこういうものが出たというふうに解釈をしておられるのか、これをちょっと伺いたい。全くの平均として出ておる数字かどうか。

三宅幸夫通商産業省公益事業局長

○三宅政府委員 平均でございます。ガス料金の算定は、将来にわたります製造あるいは供給等に要するもろもろのコストを計算いたしまして、これを一立米当たりの平均に直すわけでございます。これが今回の東京瓦斯の申請では三十二円九銭でございまして、現在の認可料金単価二十四円何がしかに対しまして三二・二%の値上げになるこういう計算になるわけでございます。なお、最低料金の点につきましては、先ほど御指摘のとおり六百円という申請がございました。現在の二百六十六円に対して三百四十円ばかりの引き上げということになっておりますが、逆に七立米をこえて七十二立米まで、あるいはそれ以降の刻みにつきましては、改定幅が一三・七ということになっております。これを総合的に平均いたしますと三二・二ということになっております。

武部文日本社会党

○武部委員 いまあなたは、七十二立方メートル以上のものは二二とか二三とかに下がる、そういうことをおっしゃいましたね。それではお伺いいたしますが、東京瓦斯の使用量の区画別件数、こういうものは御承知ですか、通産省では。一体どの程度の使用量を持っておるものが何%、どの程度の使用をしておるものが何%というようなことを御承知ですか。

三宅幸夫通商産業省公益事業局長

○三宅政府委員 ちょっといま私、資料を持っておりませんが、課長がおりますので、課長から……

原田稔通商産業省公益事業局ガス課長

○原田説明員 現在申請書に出ております使用量の区画別に申し上げたいと思います。  ゼロから七立米までございますが、これが件数のウエートで申し上げますと一九・四%。それから次は八立米から七十二立米と申しますと、七立米をこえて七十二立米まで、これが五一・〇%。次に七十二立米をこえまして三百六十立米になりますと、これが二七・三%。それから、三百六十立米をこえまして七百二十立米、これが一・四%。次は七百二十立米をこえまして七千二百立米まで、これが〇・九%。それ以上の区画は非常に件数が少なくなりますで、パーセンテージに入ってまいりません。  大体以上のような状況でございます。

武部文日本社会党

○武部委員 東京瓦斯の調べた内容と、いまおっしゃったのは大体一致いたしております。いま御説明になったのを聞いてみましても、ゼロから七が一九・四でしたね。それから八から七十二までが五一、こういうことになりますからこの七十二以下の家庭というものが大体七割をこすわけですね。そして七十二の一番最高をとってみても、七十二立米で上げ率は三八・七%になるわけです。一番上で三八・七%です。それ以下のものはずっと高い。一番下は一二五・六%も上がっておる。こういう内容を見ると、明らかにこれは、一番少なく使用しておる家庭のところに大きなしわ寄せの数字になっていることは、一目りょう然わかるわけです。これはもう否定できない厳然たる事実でありますね。  そうなってくると、一体そういう家庭がどの程度あるかどうか、こういうことはもう新聞でも発表されたとおり、四百万世帯東京のガスの使用者中二割の八十万世帯が、この七立米以下だということがいわれておるのですね。いまの数字とこれは符合いたします。そうすると八十万世帯は、この改定がもし実施されると一二五・六%の値上げになるのですよ。独身者、新婚あるいは一人暮らしの老人、そういうものはこの程度しか使わないでしょう。そういうものは、少ない収入の中で一番大きなしわ寄せを受けることになるのです。そうして値上げの中で、七十二立米以下の人はほとんど大半三八から四〇、五〇あるいは六〇%という数字がこの中から出てくるわけです。これは明らかに一般の消費者に対するしわ寄せであって、大口利用者というものを優遇しているという内容にしかならぬと思うのです。その点、通産省はどういうふうな見解を持っていますか。

三宅幸夫通商産業省公益事業局長

○三宅政府委員 一件当たりのお客さまに対する資本的な支出、これは東京瓦斯の詳細な説明はいま聞いておりませんが、集金、検針あるいは導管の経費等々で月千二百円はどうしてもかかる、それに若干の経常支出を加えれば千四百円かかるという説明でございます。従来で二百六十六円、非常に低い水準ございましたので、コスト千二百円かかるが、半分の六百円という申請をした、というのが会社側の説明でございます。  なお、一二五%というのは非常に高い伸び率でございますが、逆に絶対額から見ますと、二百六十六円が六百円ということで、三百四十円の引き上げということになっておるわけでございます。  なお、ガスの使用形態というのは、ガスぶろを持っているかいないか、あるいは独身であるかないかということで、非常に使用形態が違っております。全体の全貌はわかりませんけれども、最低料金に近い階層というものが必ずしも低額所得者とは限らないという問題を、ガスは非常に含んでおるのございます。需要者相互間におけるバランスをどうとったらいいのか、固定費的な部分が非常に高いという実態と、それから急激なショックは好ましくないという社会的な配慮との関係をどう調整するか、あるいは需要階層これは必ずしも所得と対応しているとは思いませんけれども、ガスの需要階層相互間のバランスをどう考えるかという点につきまして、現在慎重に検討中ございます。

武部文日本社会党

○武部委員 いまあなたが、この量の低い使用者が必ずしも低所得者層とは限らぬとおっしゃったのは、東京瓦斯が言ったのですか、通産省が考えておるということですか。

三宅幸夫通商産業省公益事業局長

○三宅政府委員 低所得の方が非常にガスの使用量が少ないということは、おそらく事実だと思います。しかし、その反対は必ずしも適当ではない。たとえば、申しわけありませんが、ガスぶろのない方は大体月に千円ないし手数百円でございます。ガスぶろを持っておられる方は三千円ないし四千円ということになりますので、そういう使用形態によっても、その階層の中の区分がいろいろな変化があるのではないか、こういうことを申し上げたわけございます。

武部文日本社会党

○武部委員 これ、ちょっと見解が違うでしょうけれども、私は、一人暮らしの老人や独身者がガスぶろを持っておるとは思わぬですよ。そういう点でいろいろ考えてみますと、この最低額の二・二五倍——一二五・六%では二・二五倍になるのですよ。そういう値上げというものは、明らかに低い所得者層——独身者、ひとり暮らしの老人、低所得者層ですね、これに間違いありません。そういうものが八十万世帯もあるということになると、これはたいへんなことだと思うのです。ですから、上げ幅にしたって、これは簡単にこういうことをあなた方が受け入れられるとは思わぬけれども、そういう問題にもっとメスを入れる必要があるのではないかと私は思うのです。  そこで、私はここで一つの資料を申し上げたいと思いますが、これは日本生協連の婦人部が調べた家計簿による調査であります。これによると、月収十万から十二万の八十世帯を選び出して、これの平均をとっておりますが、これは四・二人の家族です。四月からずっと毎月どのくらいガスを使用しておるかということを調べ、それを現行と改定に表をつくったわけです。御承知のように千六百円以上は七%のガス税がかかることになりますから、千六百円以上になれば直ちに七%のガス税がかかってくる、こういうかっこうになる。それで、この中から推定できますことは、この四・二人の平均家族、十万から十二万の世帯の家計簿の中に占めるガスの料金というものは、大体月にならして五十立米というのが平均的な数字です。もちろん、おっしゃったように夏場は少ない。四十立米あります冬場は九十立米ございますから、そういう点を平均をすると、大体五十立米というのが平均的な家計簿の中に占めるところの数字であります。それならば、五十立米使用の今度の値上げは幾らになるか、これを調べてみると五四・七%であります。平均的な家庭では、三二・二なんという数字ではないのです。五四・七%という数字になってくるのです。  こういうように、三二・二というのは一見まことしやかな数字に見えるけれども、具体的に国民の台所に与える影響というのは、このように非常に大きな圧力を加えてくるのです。そういう面を考えると、私は先ほど申し上げたように、今度のはいわゆる庶民に過酷なものであって、大口需要者に対してあたたかいやり方をしておるではないか、そういう全く矛盾をした値上げになるのではないかということを指摘せざるを得ないのです。この値上げ幅について、私の意見をどうお考えでしょうか。

三宅幸夫通商産業省公益事業局長

○三宅政府委員 御指摘のとおり最低料金が上がりましたから、その前後の値上げ幅が平均より高くなるということは事実でございます。反面、一般の家庭、これは使用量が多くても少なくても当然固定費的にかかる経費というもの、導管の経費、あるいはガスメーターあるいは集金、検針等の経費がかかるわけでございます。そういう経費を需要者の間でどう相互に配分することによって負担の公平をはかるかという点は、非常にむずかしい点でございます。そういう点につきましてはなお慎重に検討していきたいかように考えておりますが、瓦斯会社の説明では、大体固定費的なものは、ガス販売量の多寡を問わず千二百円ぐらいかかる、こういう説明になっております。

武部文日本社会党

○武部委員 いずれにしてもこの表の数字から出てくる値上げの幅、それのパーセンテージというものは、収入の少ない一般的な家庭にこのような影響を与えるということは明らかな事実であります。これを見ると、明らかに弱い者いじめの値上げの内容だといわざるを得ないのです。こういう面について、一体これから通産省はどういう態度で臨まれるか。これはこれからのことですから、いまここで予測はできないかもしれませんが、少なくともこういう独占的な公益事業でありますから、そういう面で、たとえば先ほどの天燃ガスの問題にしても、無公害でありますのはこれはけっこうなことでありますから、そういうことについては国が助成をするとか、特に財投とか、そういうやり方で国が資金のめんどうを見るとか、そういうような形をとらない限り、コストアップを全部消費者に転嫁をするというようにことでは、これは安易な値上げとしかいえないと思うのです。そういう意味で、いままで財投等について、こういうガス事業についての金額なり、そういうことはどうなっておりますか。

三宅幸夫通商産業省公益事業局長

○三宅政府委員 開発銀行のガス会社に対する残高は、たしか私の記憶では四十億前後だったと思います。ただ、四十七年度の予算におきましては、特に大都市における無公害燃料の使用の促進と、それから効率的な導管網の体制を整備することによりまして、過密都市の中における合理的な導管体系の建設を急ぎたいということから、八十億の開発銀行の資金のワクを用意したわけでございます。むろんこれは、全部東京瓦斯に行くものではございません。東京、大阪、若干名古屋という、一番過密都市の問題のあるガスの供給形態に対する措置として、今年度から財投ワクを計上した次第でございます。財投にはまた財投の考え方がいろいろございまして、このワクをとるにつきましては、局長としてたいへん苦労したということを申し上げたいと思います。

武部文日本社会党

○武部委員 四十七年度の財投八十億円、これはけっこうなことです。御努力されたこともわかりますが、少なくともこの申請書から見ると、三千億円の投資をやるということを書いてますね。だから、私が先ほど言うように、そういう天然ガスの問題を三千億もかけていろいろおやりになる、これはけっこうなことだと思う。しかし、それを全部消費者負担にするようなことでは、こういうような値上げの幅が出てくるじゃないか。だから、そういう面で財投について八十億ということは、努力はわかるけれども、公益事業であるということを考えた場合に、少なくとも財投その他の政府の利子補給とか、そういうような形で企業に対する方法をとらなければ、すべてそれが消費者にしわ寄せになってくる。そのしわ寄せのやり方も、いま言ったように、一般家庭に非常に大きなしわ寄せが来ている、こういうことをこの申請の中からは言わざるを得ないと思うわけです。  したがって、きょうのところは、ただいま申請を受理して、これから皆さんで十分調査をするということをおっしゃっているわけですから、私がいま具体的な数字を申し上げましたように、たとえば七立米以下の世帯というものはどういうものがそういう対象なのか、あるいは七十二立米以下の家庭というもののガス料金の家計に占める割合いはどうなのか、そういう点も十分に調べていただいて、そうして料金体系のあり方にも通産省としてメスを入れてもらわないと困ると思うのです。三二・二というような数字で国民の前にこれを出しているけれども、具体的には、一番下はさっき言うように一二五・六というパーセントになるわけです。平均的な家庭においても五八%という数字になる。こういうことから、国民としては納得できない数字です、三二・二という数字をとってみても。ですから、少なくともこの具体的な値上げの理由となっておるところの三つの問題、と同時にこの値上げ幅の問題、値上げの率、そういうことについてもやはり通産省というものは十分調査をして、国民に不当にこの値上げが加わらないようなチェックの方法も私はやるべきではないか。特に経済企画庁としては、少なくともこの物価抑制のおりから、これから先の公共料金の口火を切らんとするガス料金の問題については、ひとつしっかりした態度で通産省と協議をしてもらわなければ困る。  私はこれ以上のことを申し上げませんが、内容については、いま日本生協連婦人部の家計簿の中から出てきた数字、そういうものも一つの具体的な数字として把握ができるのでありますが、経済企画庁は、このガス料金値上げの申請についてどういう態度で臨もうとしておるのですか、これをお聞きしたい。

木部佳昭自由民主党経済企画政務次官

○木部政府委員 武部先生の、国民の立場に立ちました高い次元の御質問を拝聴させていただいたわけでございます。われわれ経済企画庁といたしましては、正式には、三二・二%の東京瓦斯の値上げにつきまして協議を受けておらないわけであります。しかし、先生ほど来武部先生からいろいろな御意見がありましたように、他の消費者物価に与える影響というようなことも真剣にわれわれは配慮していかなければならぬことだと考えておるわけであります。したがいまして、通産省から協議に入ります際には、いま申し上げました他の消費者物価に与える影響を十分配慮しながら慎重に検討してまいりたいと考えておるわけであります。

武部文日本社会党

○武部委員 いま申請が受理されて、皆さんのほうではこの申請の内容について、それぞれ具体的な検討をこれからされる段階だと思うので、私はきょうはこのぐらいでやめておきますが、いずれにしても、内容について非常に問題点があると思うのです。したがって、これからもなお何回も、この問題については皆さんの御意見を承らなければならぬ。同時に、経済企画庁は、この問題が他の物価に与える影響というものを十分考慮して、ぜひ通産省と、厳重なこの申請の内容についてのチェックをしてもらいたいということを要望して、きょうのところは、私はこれで終わりたいと思います。

井岡大治日本社会党

○井岡委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。    午後零時四十一分散会

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