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68回国会衆議院1972/03/15

物価問題等に関する特別委員会 第5号

発言数
40
登壇者
9
会派数
4
開催日
1972/03/15

会議録

井岡大治日本社会党

○井岡委員長 これより会議を開きます。  物価問題等に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。武部文君。

武部文日本社会党

○武部委員 先日、物価問題連合審査会が行なわれまして、その席上で、私は、消費者運動とその組織のことについて政府の見解を求めました。具体的な問題は生活協同組合法の改正の問題でありまして、本日は、そういう意味で、当面の担当省である厚生省、さらには消費者保護基本法制定の際にこの問題をいろいろ論議をいたしました経済企画庁から、この問題について見解を承りたい、このように考えております。具体的に事実を追って、お話をできるだけ簡明にいたしたいと思っております。  生協が誕生いたしましてから今日までの間に、法律改正を見たのはただの一回であります。その改正もごく限られた部分だけの改正にとどまって、今日二十年を迎えたわけであります。  御承知のように、生活協同組合にはいろいろなケースがありますが、特に物価問題が今日非常にやかましく言われておるさなかに、消費者運動の一環として、生協が全国各地で物価問題に対する影響というものはだんだん強くなってきました。しかし、そうは言っても、きわめて限られた生協の数であり、あるいはまた生協法そのものが非常に制限され制約されたものでありますから、思うような本来の消費者運動の中心になるような活動がなかなかできにくい、こういうことになっておることは御案内のとおりであります。  私どもは、いままで厚生省に対してこの生協法の改正について五つばかりの点を指摘をして、具体的に前任者の社会局長から厚生省の見解を承っておりました。なお、当時の厚生大臣からも、このことについては積極的に推進をする、こういう答弁もたびたび得ておったわけでありますが、きのうの新聞によりますと、官房長官は、会期も非常におくれておるし、予定された法案は早急に提出するように各省に対して指示をしたということが載っておりますが、先日の物価特別委員会等の連合審査会で、総理あるいは厚生大臣、さらに通産大臣、いずれも基本的にこの生協法の改正について今度の国会に法案の提出を行なうように最大限の努力をしておる、こういう答弁がございましたが、担当の厚生省は、この生協法の改正についていまどのような準備を進めて、いつごろ法案を提出する予定であるのか、それを最初にお伺いいたしたいのであります。

登坂重次郎自由民主党厚生政務次官

○登坂政府委員 お答えいたします。  先日の連合審査会で総理及び厚生大臣がお答え申し上げたとおり、生協法の改正については、ぜひとも必要である、そういう見地に立って、事務的には成案を得るよう厚生省の事務案を作成中である、目下その成案を完成すべく努力中であります。

武部文日本社会党

○武部委員 非常にこの法律の提案の時日が切迫をいたしておるわけでありますから、私は率直に内容を聞かしていただかなければならぬと思います。いろいろ努力したけれども、いろいろな事情があって、もしかりに今度の国会に提出できなかったというようなことがあったとすれば、これは重要な問題でありまして、いままでのたび重なる総理をはじめとする発言にそむくわけですから、いまの登坂政務次官の発言をもしかりに私ども信用いたしたといたしますと、必ず今度の通常国会にこの法案を提出するという確信がおありなのかどうか、その点いかがですか。

加藤威二厚生省社会局長

○加藤政府委員 この前の連合審査会でも、総理からも御返事があったと思いますけれども、厚生省を中心といたしまして政府としては、先生御指摘のとおり、たびたび、今度の国会に必ず出すという、約束まではしておりませんけれども、相当前向きの答弁がずっと重なっております。私どもも、やはり道義的に申しましても、何とか今度の国会に提案をいたしたいということで、厚生省としては、先生御承知のようにいろいろ問題の多い法案でございますので、関係方面といま盛んに折衝をいたしております。で、この前の土曜日の連合審査で、厚生大臣も御答弁申し上げましたとおり、今度の国会になるべく間に合わすように最大限の努力をしておるという段階でございます。

武部文日本社会党

○武部委員 関係方面と折衝中だということをおっしゃっておるわけですが、私どもがいろいろ聞くと、いろいろな反対の意見があるやに聞くのであります。一体関係方面とはどこなのか、どこと折衝しておられるのか、それをお聞きしたい。

加藤威二厚生省社会局長

○加藤政府委員 官庁関係といたしましては中小企業庁関係、その他私どものいまやっておりますのは社会部会、とにかく法案を出すにつきましては、御承知のように党の社会部会等の御了承を得なければいかぬわけでございますが、そっちのほうの御了解を得るために努力しておるということでございます。

武部文日本社会党

○武部委員 なるほど、社会局長から話があったように、最大限の努力をするということのような説明を私どもは受けました。しかし、少なくともこの問題は、消費者保護基本法が制定をいたされました昭和四十三年、議員立法によってこの消費者保護基本法はできたわけであります。これは御案内のとおりであります。たしか当時の厚生大臣はいまの厚生大臣の斎藤さんであったように私は記憶をいたしておりますが、間違いだったかもしれません。しかし、議員立法でこの消費者保護基本法ができたときに、衆議院、参議院、いずれも附帯決議を全党一致できめたわけであります。そのときにいろいろ論議があったけれども、具体的に与党である自民党の皆さんも賛成をされて、そしてそのときに、消費者の組織の問題については一項目を衆参両院とも起こしまして、「消費者の組織については、消費者自身の自主的活動に期律する面が大きいので、消費生活協同組合等民間の消費者組織の効果的発展をはかる方向で適切な措置を検討する」という附帯決議を四十三年につけたわけであります。自来この消費者保護基本法の附帯決議の実行について、私どもは当委員会でもしばしばこの問題について厚生省の見解なりあるいは法改正についての努力を要請をしてきたところであります。  その後、私どもは、消費者保護基本法に基づいて設置されました消費者保護会議、こういうところで、一体こうしたわが国におけるところの消費者組織、さらには生協法の改正というものがどのように取り扱われるだろうかという点に多くの関心を持ってきたところであります。幸いにして第三回、第四回、昭和四十五年、四十六年と続いた消費者保護会議の結論を私どもはいただいておりますが、それを見ますと、三回、四回とも、この問題が取り上げられております。そして地域制限の問題については、特にこれを取り上げ、「改正法案を次期通常国会に提出することを目標に検討する。」ということを、四十七年度中における「当面講ずべき措置」の中にはっきり書かれております。四十五年もそうであります。  そういう経過をたどって、今回、私どもはこの法律改正というものが当然この通常国会に提出されるものであるという考え方を持って期待をしておったわけであります。法案はたくさん出ておりますが、いまだにこの問題についての決着が政府、与党の間において見ていないということは、非常に残念であります。したがって、いま社会局長の答弁によりますと、関係方面と鋭意折衝中であり、同時にその内容は、中小企業庁であり、与党の社会部会である、こういう話が出ておりますが、そういうところで、この生協法改正についてどのような反対の意見があるのか、これが早期提出されない理由は一体どこにあるのか、そういう点をひとつ明らかにしていただきたい。

加藤威二厚生省社会局長

○加藤政府委員 中小企業庁の御意見は、これは別に絶対反対とかあるいは全面的に賛成ということではございません。まだ慎重に検討されておるという段階でございます。それから社会部会につきましては、二度にわたりましてこの問題を取り上げていただきまして、いろいろ御検討願ったわけでございますが、やはり御意見としては賛否両論あったわけでございます。反対の御意見としては、やはり中小企業との問題が、対立といいますか競合関係が非常に激しい点があるので、こういう改正については慎重に検討すべきであるというような点が一つと、それからもう一つは、生協につきましては、特別に知事が許可した場合以外には員外利用というものを許してはいかぬ、やってはいかぬという規定があるわけでありますが、それがどうも守られていない、知事の許可を得ていない生協においてほとんど組合員以外の人たちがフリーパスで物を買っている、そういう組合が非常に多い、そういう点の始末をきちっとしないで、たとえば地域制限の援和等、そういうようにゆるめていくということには賛成できないというような御意見が、主たる反対の御意見であったと思います。

武部文日本社会党

○武部委員 だんだん内容が明らかになってきましたが、慎重に審議をしておる、検討中である、こういうところから、むしろ時間の遷延をはかって法律の提出の期限を迎えてしまうというような動きがあるのではないかと私は懸念をするわけであります。  いま社会部会で問題になったといわれる員外利用の問題も、これは法律改正の中で私どもが五点指摘した中の一つであります。なぜ消費生協だけに員外利用を認めないのか。片や農協は二割の員外利用を認め、漁業協同組合に至っては五割の員外利用を認めておる、にもかかわらず消費生協についてのみ員外利用を認めないということは片手落ちではないか、こういう点を何回か指摘をいたしましたが、この員外利用の問題は中小企業との関係もこれあり、なかなかむずかしい。そこで、いろいろやってみたあげくの果てには、せめて農協並みの員外利用ということはできないにしても、一割程度の員外利用ということはやってもいいのではないか、そういう答弁も、私どもは論議の中で政府側から聞いたこともあります。しかし、いま言われるように、員外利用の問題は現在の法律、現行生協法から見ると禁止をされておるわけであります。  したがって、今回の法律改正の中に、私どもは員外利用ということは、せめて農協並みぐらいなところまでは同じように持っていくべきではないかという意見を持っておったけれども、そういうことをやっておったのでは具体的にこの法改正の進展は期せられない。したがって、当面いま一番大事なことは、法律ができてから二十数年たって、当初とは非常に経済の状態も変わってきておる。経済圏はもうまことに入り乱れておって、県別というようなそういう経済圏というのはない。特に首都圏とか近畿圏とかいろいろなことがいわれておる。そういう中で、いままでのような法律で、ただ単に県単位の制限を設けるというようなことは実情に合わないのではないか、そういう点をまず一つでも解決をして、生協が、総理以下が言われるように健全に発展をして、そうしてこの生活協同組合の発展が物価の安定なり消費者運動に大きな貢献をするならば、私どもはまずこの手からひとつつけていくべきではないか。したがって、五つの中には、さっき言われたような員外利用の問題もありましたが、しかし、それをやっておったのではとても法律改正というところにはいかないだろうというので、ごく限られたいまの地域制限の緩和の問題と、それから商法準用の問題とに二つにしぼって、せめてこの二つぐらいはできるじゃないか、こういう点をいままでも主張してきたところでありますし、同時に、先ほど言うような消費者保護会議もこのことについて触れておるわけです。  この保護会議の文章を見ましても、員外利用の問題については触れておりません。ですから、私どもは、員外利用をいまここでしいてやれというようなことは、この場合は避けたいと思う。したがって、地域制限の問題は実情にそぐわないのだから——それは厚生省自身も認めておるわけです。その認めておる地域制限の緩和がなぜできないのか、私どもは非常にその点について疑問に思うわけです。反対の理由の中に員外利用がどうだこうだということをおっしゃっているけれども、それを法律改正として、私どもはいまのところ要求いたしておりません。だとするならば、それは反対の理由にならない。むしろそういう意見があるとするならば、これは員外利用の問題について、あるいは厚生省は何らかの措置をとられるかもしれぬ。これについては私どもは意見があるけれども、それはいまここで当面論議をしようとは思っておらないわけです。  ですから、厚生省がほんとうに熱意をもってこの生協法の改正に着手するという意思ありとするならば、そういう社会部会なりあるいは中小企業庁、通産省の疑問に対して積極的に説明をし、現状はそういうものではない、いまの生活協同組合の実態はそういうものではない、経済圏はこんなに入り乱れておって、そういう地域制限を設けること自体が全く現状にそぐわない状態だという点の説明こそ、厚生省が積極的にやるべきではないか。その説明の意欲がないのか。消極的な態度で、この際、いままで私どもと約束したことあるいは保護会議の決定、さらには基本法の附帯決議、そういうことに積極的にこたえる姿勢が厚生省にはないのではないかというように思わざるを得ないのであります。その点について、どうでしょう。

加藤威二厚生省社会局長

○加藤政府委員 いまの武部先生の、従来の経過から見て地域制限だけにしぼって法改正、そういう法改正であるから、これは大いに厚生省として各方面を説得して実現をはかるべきだという御意見は、これは従来のいろいろな国会の速記録その他を私は全部読んでみましたけれども、全く先生のおっしゃるとおりでございます。生協の関係者といたしましても、地域制限だけに限った改正ということについてはおそらく不満だろうと思います。しかし、諸般の事情を考えて、まあぎりぎりのところやむを得ないというような気持ちを持っているというぐらいに私どもは聞いておるわけであります。  その点については、私どもとしてはせいぜい努力をいたしておると思っておるわけでございますが、まだ努力が足りないというおしかりは、これは甘んじて受けたいと思いますけれども、まあ私どもも、確かに中小企業との競合関係というのは、これは否定できないと思います。それで反対の方々が言われるのは、やはり生協というものが非常に中小企業を刺激する——刺激するというのは、員外利用がルーズになっているから非常に中小企業を刺激しているんだ、そういう状態のもとにおいて地域制限を緩和するというのは困るんだ、そういう反対論でございます。私どもといたしましては、やはり法案を出したいという気持ちでいろいろ関係の方々の説得というか、お話を申し上げておるわけでございます。  確かに小売り商との関係はございます。やはり私どもも、小売り商の現状はこのままでいいとは思わない。生協というものが出ることによって、それに負けないためには、やはり小売り商というものが団結していくとかあるいは共同化していくというような方向で、やはり小売りの流通段階というものも合理化されていくじゃないか、そういうメリットもあるわけだから、ぜひ生協法の改正に同意をしていただきたいというような趣旨でいろいろお話を申し上げておりますけれども、まだ最終的に全面的な御賛成を得ることができないという状況でございます。

武部文日本社会党

○武部委員 中小企業を刺激するというような御発言がいまあり、通産省の中小企業庁も大体それに似たようなことを過去も言っておりました。私の承知するところでは、これはまあ統計ですから、ちょっと古いことになりますが、いまもそう変わっていないと私は思いますが、二年ほど前の生協の具体的な数は、職域生協を含めて全国に千二百十三あります。組合員数は千百七十二万人であります。これの供給高は千七百三十二億円という数字になっておるのであります。前回も私が申し上げましたように、この千七百億円程度の供給高というのは、全国の販売供給高のわずかに一%です。たかだかふえて一・二%です。それだけの供給高しか生協は扱っていないわけです。まことに微々たるものであります。私は昨年の秋にスウェーデンに参りましたが、スウェーデンの生協を調べてみると、スウェーデンの生協は、実に全国取り扱い高の二五%を占めておるのであります。それから見ると、全くこれは問題にならぬ生協の扱い高であります。なるほど灘神戸生協のようなきわめて大きなものもあります。しかし、これは極端なケースであって、全国の生協そのものを調べてみると、まことに出資金の少ない、また資金繰りも非常に困難な弱小の生協が非常に多い。そういう生協の育成のための融資等についても非常に多くの制限があって、生協自身がなかなか運営もむずかしい状態です。新しく生協をつくろうと思ってもなかなかこれは店舗をかまえるというようなわけにもいかぬ。生協というものは、そういう非常に限られた制約の中でも一生懸命、いまの高物価の中で消費者運動を続けておると私は思うのです。これは高く評価しなければならぬと思うのです。直売方式あたりもこれはやっておる。  そういう中で、一体なぜそれが中小企業をあなたが言うように刺激するのか、具体的に私はそういう事実はないと思っておる。なるほど灘神戸生協のような大きなものは、あるいは地域においていろいろなことがあったかもしれない。しかし、現実に私は灘生協へ行って、店舗の支店もずっとたくさん見てきました。そして、それが一体中小企業とどのような摩擦をやっておるだろうか、そういう点も、非常に関心を持って調べてきました。決してそうなっていないのですよ。それを、生協の地域制限を撤廃すれば中小企業を刺激し圧迫するとおっしゃるが、それはただ単なる口実であって、現実の姿というものを十分認識をした姿ではないと私は思うのです。  具体的に私これから申し上げますが、むしろ中小企業を刺激しておるのは生協ではなくしてビッグストア、それがいまのところ中小企業を刺激しておるということは、私は当たると思うのです。ビッグストアがいま首都圏にも、あるいは関西の近畿圏にも大量に進出しております。私のいなかのような過疎の町にもビッグストアが進出してきました。こういうものと中小企業との間に摩擦があることは知っております。そういう多額の資金をもって進出してくるものと生協と同一視することはできないのです。そこに通産省、中小企業庁の見解の間違いがあるように私は思うし、同時に、厚生省がそれを納得させるところの説得力を持っていないことに、非常に私は残念に思うのです。  具体的に申し上げますと、生協が出店をかまえる、そういうときには話し合いで調整をしておるケースがございます。  これは東北の鶴岡生協でありますが、商業団体と話し合いをして、全面的に出店の立地を調整しておるというケースがある。これは東北の鶴岡生協であります。  さらにはまた灘神戸生協、こういうところも、近所に薬局、書店、喫茶、こういう競合店がある場合には、生協は店舗の中にこれらの部門を置かないという協定を結んでおります。これは私も行って調べてまいりました。近所に薬局があったり、それから本屋さんがあったりする場合には、自分の店舗には置きません、そういう約束をして出店をかまえておるのです。  それから、出店をしたことによって周囲の商店街が繁栄したというケースがある。これは私は見ました。灘の生協で現実にありました。しかも付近の商店の人は、その出店に対するお客の出入りが非常に多いために、むしろ付近の商店がそれによって繁栄をしておるということを言っておった。これは事実であります。  さらに、出店にあたって一部の業種を生協の店舗に組み入れる、こういうのがございました。これはどういうのかというと、肉とか野菜、魚、クリーニング、なま菓子、こういう店屋が近所にある。それをその店舗の中に吸収して、出店を設けさせておるのですよ。  そういうように、話し合いによって生協との間に競合しないように配慮をしながら、中小企業のいわゆる小売り商との調整を保っておるのです。また、中小企業の専門的能力を生かして生協へ納入をさせる、生協に出店を設ける、そしてそこには中小企業のあなた方の物を入れてください、こういうふうにして中小企業との協調を保っておるのです。あるいは営業時間、こういうものについては業者組合と話し合いできめておるケースもたくさんあります。  私はいま三つ、四つのことを言いましたが、このように、生協が中小企業の小売り店と競合を避けるために、いろいろな努力をしながらそういう協調を現実にしておるのです。そういうことを厚生省は一体知っておられたか。こういうことをやって——生協の諸君だって、小売り商、中小企業がつぶれるというようなことを歓迎するわけがないのです。そのような努力をして今日出店を設けるというように、その県内でもいろいろと努力をしておられる。しかし、現に経済圏というものは、さっきから何べんも言うようにいろいろと入り乱れておる。だとするならば、せめてこの地域制限というものを緩和をして、隣の県にまで出店を設けること、私はこれは当然のことだと思うのです。そういうことを制限をしておいて、ビッグストアには全国至るところどこにでも進出させる。そういうばく大な資本力を持ったものには何らの規制もしないで、そして資金源のない、非常に困難なことをやっておる生協をなぜあなた方は手かせ足かせをするのかということを、私は非常に疑問に思うのです。  私事にわたって恐縮でありますが、先ほど登坂政務次官もいろいろなことをおっしゃったが、私は政務次官とは、この物価の委員会でよく論議をしたのだから、政務次官もよく御存じだと思うのです。少なくとも物価特別委員会では、与野党ともこの問題については意見が一致をしておったのです。一致がしておったから、あの消費者保護基本法が満場一致で成立をし、また、附帯決議も満場一致で成立をしたのです。そういう努力の積み重ねをしながら今日を迎えておる。そして、さっきから何べんも繰り返し言うようですが、員外利用等の問題についてはこれは触れない。まだたくさんの問題があるけれども、それは当面は触れません。しかし、この地域制限の緩和ぐらいのことは、これは厚生省がほんとうにやる気があって、どうしてもいまの物価高の問題や消費者運動との関連において必要だという決意があるならば、当然通産省やあるいは与党の社会部会に対して説得力はあるはずだと私は思う。それが今日なお模索の段階にあることは、厚生省自身がはたしてこの問題にほんとうに真剣に取り組む意思があるのかどうか、私はたいへん疑いたくなる、こういう点について厚生省の見解をひとつ承りたい。

登坂重次郎自由民主党厚生政務次官

○登坂政府委員 武部委員と私も全く同感に存じます。消費者の保護あるいは物価の安定をはかるために果たすべき消費生協の役割りというものは、相当なものだろうと思います。先ほど武部委員が申されたとおり、なぜ生協と中小企業の理解が得られないか、調和が得られないか、こういうことについて私も残念に思っておるわけでございますが、どちらも物品販売という一つの商行為を通じ、そしてそのふだんの経営方針等についてもお互いに話し合えばわかることでありますから、目的はやはり消費者の保護あるいは末端配給の責任を持つ中小企業でもあり、かつまた生協でもあるのでありますから、お互いに話し合えばこれは通ずるものがあろうと思います。ですから、いま武部委員のおっしゃるようなそういう生協であることを私どもは信じておるし、将来ともそうあるべきだろうと思います。ですから、今日何か中小企業者が生協に対する不信感というか、あるいは何かおそれておるというようなそういう問題は、これはやがて解決されるものと、私もそう思っております。  また、わが自民党の部内においても、社会部会のみならず、中小企業部会あるいは中小企業基本政策調査会、そういうところにおいてもやはりいろいろな意見がございます。要は中小企業を守りたいというそういう信念から出ておると思いますが、消費者保護基本法にのっとって、私ども厚生省をあずかる者といたしましては、消費生協というものは中小企業と必ずしも競合しないものであるということをもっぱら説いておるわけでございますが、いかんせん、まだその一致点を見ない状況でございます。極力理解を得るように努力いたします。

武部文日本社会党

○武部委員 そういたしますと、登坂政務次官は、この生協法の改正については賛成で、積極的に進めるという意向でありますか。

登坂重次郎自由民主党厚生政務次官

○登坂政府委員 さようでございます。

武部文日本社会党

○武部委員 経済企画庁の政務次官にお尋ねいたしますが、お聞きになっておったように、この問題は、政務次官も物価の特別委員会の理事をしておられましたので、これまたよく御承知のとおりであります。で、経済企画庁もこの法律の改正については積極的な姿勢を示してきておる、このように私どもは理解をいたしておりますし、かつて各歴代の企画庁長官もそのように答弁をしておられました。しかし、現実にはもう法案の提出ぎりぎりの段階にまで実は来ておると私どもは理解しておるのです。だとすると、経済企画庁も、いまの消費者保護基本法なりあるいは保護会議なり、そういう決定の線に沿って、厚生省とともにこの法改正について、あとわずかの期間しかございませんが、限られた時間内にこの法律案が提出されるように最大の努力をする決意であるのか、それを伺いたい。

木部佳昭自由民主党経済企画政務次官

○木部政府委員 ただいま登坂政務次官からもお答えがありましたように、私自身も、消費者組織の育成ということは非常に大事なことだと考えております。特に、最近のように生活圏の拡大がなされておりますし、また、経済圏もだんだん拡大されておるというようなことでありますし、また、物価政策から考えてみましても、ぜひこの地域制限の問題等につきましては改正のために努力をしてまいりたい、かように考えておるわけであります。

武部文日本社会党

○武部委員 御両名の政務次官からそのような御意見が出ましたので、私はその点了解をいたしますし、ぜひ、最後の段階を迎えたようでありますから、法案が通常国会に必ず提出されるように努力をして、実のあるものにしていただきたい、こう思います。  昨年の連合審査会の際に、内田厚生大臣は私の質問にこのように答えたのです。生協に関する法律については、地域制限の撤廃ばかりでなしに、生協法全体について見直ししたほうがいい点もほかにもある、商法準用という意見もあり、協議している。この答弁は、私がいま言っているものよりもはるかに前向きの答弁であります。当時の厚生大臣は、いま私が言っている地域制限なんというものばかりじゃなしに、もっとほかのものもやりたいんだというような、まことに意欲的な説明であったわけです。ところが、あれから一年たって全然進展していない。ここに問題があると思うのです。  ですから、冒頭申し上げるように、総理なりあるいは厚生大臣なり通産大臣、いずれも、この生協法の改正については積極的に取り組んで通常国会に提出したい、こういう意向のようでありますから、担当省である厚生省、さらにそれをバックアップする、この問題についての熱意を持っている経済企画庁、これが相互に連絡をとっていただいて、ぜひ実現をするように私はこの際強く要請をしておきたい、このように思います。  同僚議員からまたあとで御発言があるようですから、生協の問題はこれで終わりたいと思います。

井岡大治日本社会党

○井岡委員長 渡部通子君。

渡部通子公明党

○渡部(通)委員 関連で一言だけ、私も申し上げたいと思います。  ただいま生協法の問題については武部委員のほうからいろいろお話がございまして、大体問題点もはっきりいたしておりますし、政府が努力をするということも確約されたわけでございますけれども、いずれにしても流通問題は日本の当面している大きな問題でございまして、これを何とかしない限り消費者も救われないし、外国に比べてもおくれをとる、これはみんなわかっている問題でございます。したがって、流通にメスを入れるということはできそうでできないという当面の最大課題に対して、新しいこういう流通組織というものが育成されておる、こういう状況に対しては、政治に立ってみれば大きな配慮をもって応援をしなければならないというのがほんとうの姿勢でなくてはならないし、また、それは総理のたびたびの御発言にも見られるとおりだと思います。  消費者保護基本法以来、ようやく消費者というところに多少なりとも政治の目が向けられている。今回、これに対しては最大の応援をしてもらいたいというのが私たちの一致した希望でございまして、生協法の改正も、これは決して過大な要求ではないと私は思います。まことに最小限の、しかも力弱い人たちの集まった声だと思います。そういう意味においては、ひとつ大きな配慮を願いたいし、最大の努力をするというただいまの御答弁でございましたけれども、その結果として、はたして法案の提出という問題はどういう見通しになるのか、その辺のお約束はいただけるものなのかどうか、それだけ一点お伺いをしたいと思います。

加藤威二厚生省社会局長

○加藤政府委員 私どもといたしましては、先ほどから繰り返しお答え申し上げておりますように、関係方面と全力をあげていま折衝中でございます。その結果につきましては、確かに法案の提出の時期というものがございます。しかし、私どもも話がつき次第——この時期は絶対的なものじゃございませんから、一応努力目標ということでございますので、特別の事情があるなら、内閣でもその時期は若干はずらしてもらえるというぐあいに考えておりますので、極力関係方面等の同意を得るように、全力をあげて調整に努力してまいりたいと思います。

渡部通子公明党

○渡部(通)委員 その努力目標となさっている時期はいつかということを伺いたいのです。政務次官からお答えいただければ……。

登坂重次郎自由民主党厚生政務次官

○登坂政府委員 ただいま厚生省の事務案は大体内定いたしているのでございますが、党内調整という問題があるものですから、これは中小企業部会、社会部会、両部会にはかっておるわけですけれども、まだ社会部会においても両論あり、中小企業部会においても議論ありというわけで、私のほうとしては、私も大臣も含めてその調整に当たっておるわけですけれども、いつと言うわけにはまいりませんが、今国会に提出したいという基本方針には変わりがございません。

渡部通子公明党

○渡部(通)委員 終わります。

井岡大治日本社会党

○井岡委員長 和田耕作君。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 いま武部委員あるいは渡部委員から生協法の問題について御質問がありました。私も消費者保護基本法の制定のときから生協法を、生活協同組合運動を何とかして推進をしていくということについて、熱意のある質問その他を繰り返してきた一人でございます。それでまた、いま与党の中で問題になっておるとおっしゃっておりますけれども、現在の物特の与党の理事の方々がそれぞれ関係のところにもおられるというふうに聞いておりますけれども、その方々も個人的にはかなり好意をもって推進をされておるというふうに聞いております。  こういうふうな状況のもとで、ほんとうに重大な問題、重大な利害関係のまつわる問題だとは判断できないのに、どうしてこういう法案の提出が最後の最後まではっきりしないのかということについて、私は理解ができないのです。ただ理解のできることは、こういう問題について政府が熱意がないじゃないかということしかわからない。熱意さえあれば、このようなそうたいした問題でない、しかも生協法の改正を要求しておる側からすれば、武部君からの先ほどの話のように、ほんとうに控え目な要求だと私思うのです。それを各関係者は大体そういう方向でいこうという気持ちがあり、問題自体はそう天下を騒がすような問題ではない、しかも消費者運動という大事な運動に対してこれを建設的な方向に導こうとする重要なメリットもある、このような問題について政府の皆さまが、あるいは与党の皆さんがどうして慎重になるのか、これが私はわからないのです。こういうことですから、今回の場合は地域制限という問題に限っておるといっても過言ではないような問題、これはだれでもそういうことはやるべきじゃないかと考えている問題、しかもそれができない。なぜこういうことになるのか、ひとつこれは両政務次官にお伺いしたいのです。

登坂重次郎自由民主党厚生政務次官

○登坂政府委員 消費者保護、物価安定という見地からすれば、生協法のあり方について疑義を差しはさむ点はないと私どもは考えるのでありまするけれども、中小企業を専門に考える皆さんから見ると、生協法によって何か中小企業が圧迫されるんではないか、中小企業団体が何か脅威を感ずるんじゃないか、そういうことは、私どもに各方面から言ってまいります。しかし、今後の中小企業のあり方そのものについても私どもは大いに反省してもらわなければならぬし、政府・与党としてもそういう指導をとらなければならないと思うのでありまするが、いかんせん消費者運動、物価の安定という見地だけではなかなか説得力が弱いのか、また理解力が弱いのか、中小企業をどうしても守りたい。中小企業と生協という両者間でもう少し話し合ってもらう、また私どももそういう見地で生協を指導したい、こう思っておるわけなんですが、いずれにいたしましても、要は消費者に対して安定した流通役の両方の持ち前の責任を持っているわけですから、私は必ず話し合いができるものとこう思って、与党内にも話を進めておりますし、かつまた、私のところへのいろいろな業界からの陳情についてもそういう説得をいたしておるわけでございます。このコンセンサスを得られるようにお互いに話し合う。いまの段階は決してむだではなく、やがてはこれは了解点に達するものと、こういう自信を持って進んでおるわけでございます。

木部佳昭自由民主党経済企画政務次官

○木部政府委員 経済企画庁といたしましては、厚生省と真剣に助け合いまして、その実現に努力してまいりたいと考えております。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 商店街の問題、小売り商の問題、これは私も非常に深い関心を持っております。そして中小企業、特に商店街の方々がりっぱな経営を強化する方向で援助しなければならないというのは、どの党よりも私どもの党も努力をしておるわけでございます。  ここで考えなければならない問題は、現在の日本の商店街にしても中小企業にしても、現在のままの状態を維持さすことが彼らのためであるかどうかということでございます。私は、現在のままの姿勢を温存するということが、彼ら自身のためになるとは考えておりません。その点でもっと前向きに、業態がよくなるような方向に対して積極的に努力をしていくということが重要な問題だと思っております。そういうふうな面で、この前も私、私の選挙区の東京ですけれども、商店街の方々にお話し申し上げたことがあります。武部君と一緒にスウェーデンに行った例を話しておりました。スウェーデンでは、約四十年にわたって社会民主党という政権がありまして、社会民主党が、最重要政策として生活協同組合を奨励をし、そしてこれを援助をしてまいりました。その結果、物によって違いますけれども、商品の販売におけるシェアは、少ないもので大体一六%から多いもので二四%、これ以上進んでいないのですね。政府が四十年間一生懸命に援助をし奨励した結果がそうなんです。  この問題は観念的に考えますと、消費者が全部団結して、その団結した組織が品物を全部そこで売買をするということは、たいへん大きな脅威になります。つまり、そういう形で商店の人たちに対する脅威をあおるというような人もなきにしもあらずだと思います。これではいけないですね。つまり、スウェーデンの小売り商の連合本部にも参っていろいろ聞いたのですが、彼らは決して競争において悲観をしていない。また、りっぱに太刀打ちして、商品をどういうふうにしたら売れるのか、あるいは一般の消費者がどういう性向を持っているのかということを調査して、適切な態度をとって、りっぱに商店街として成り立っておる。そういう方向の中で専門店化の方向が打ち出されておるし、共同購入の問題が打ち出されておるし、商店主がりっぱにやっておられる。一般のスウェーデンの人たちに聞いてみましても、生協で売っているものは大体安ものだという印象をみな持っておる。消費者の消費性向というのはだんだんと高度化しているというような、いろいろな問題を考えましても、生活協同組合というものの小売り段階におけるシェアというのは、役割りからいっても、量からいっても、限定されておると見ていい。しかも、現在の日本の状態は一%という段階にある。こういう段階にあって、どうしてこの問題を前向きに考える人たちが、それをあけすけに問題を提起して説明してくださらないのか、それがむしろ商店街の方々に対する深い配慮だというふうに思えないのか、こういうふうに私は思えてならないのです。  そういう問題について、ひとつこの問題を初めからやっておられる経済企画庁の国民生活局長のお考えをお聞きしたい。

宮崎仁経済企画庁国民生活局長

○宮崎(仁)政府委員 ただいま和田先生からスウェーデンの例を引いてお話がございました。私どものほうといたしましても、物価問題の一環として流通問題、最初からこれは非常に大きな問題として取り組んでいるわけでございます。しかしながら、これはいろいろと従来の習慣もあり制度もございまして、なかなか思うような合理化なり近代化ということができにくいという状況はもう御承知のとおりでございます。もちろん、政府の施策として、予算や財政投融資を使っての施設がいろいろつくられ、あるいは中小企業その他についての助成措置も行なわれておりますし、生活協同組合等についてもそういった融資措置などもあります。そういうことで、施設とかそういう面では毎年それぞれの進歩があるわけでございますけれども、現実に相当思い切った措置をとろうかということでぶつかってみると、なかなか既成の制度なり慣行というものがじゃまをしてくるというのが実態でございます。今回、輸入商品についての価格問題の追跡調査などやっておりますと、つくづくそういう点を感じております。  今回の生協の問題につきましては、いま御指摘のとおり、すでに消費者保護会議としても二回にわたっていわば政府の方針をきめたわけでございますから、その方針に従ってぜひこれはやらなければならないということで厚生省のほうも御努力を願っておるわけでございますけれども、現実の問題としていろいろ指摘されるところは、先ほど武部先生もおあげになりましたけれども、具体的な問題として各地でいろいろのトラブルが起こることがある。もちろん、これはそれぞれの場合について、通産省や厚生省が間へ入っていただいて円満に調整されておる例が多いわけでございますけれども、しかし、そういうことが、関係をしておる方々にとっては何かやはり非常に大きな問題として映っておる。そういうことに対するルールというものは一体どうなるのかということが、やはり議論されるわけでございます。その背景には、わが国の中小企業というもの、特に小売り業等について一体どういう方向に持っていくのか、そのテンポはどうなのかというようなことについて確たるイメージと、そうしてはっきりした計画的な段階と申しますか、そういうものがなかなかできません。これは地域的に非常に事情も違います。そういう背景のもとに、一方では生活協同組合のような消費者組織を伸ばしていこうとか、あるいはボランタリーチェーンでありますとか、そういった近代的な流通組織のほうもいろいろ手を打とうというようなことが行なわれておりますので、具体的な議論になりますと、なかなかこれは議論の多いところであるというのが正直なところであります。  今回の問題につきましても、私どもとしてはそういうことを、一応現在の段階において予想されることは条件として織り込みまして、最小限の法律改正として、このくらいはいいのではないかということで大体政府部内での方針はまとまる、こういうふうに実は私、考えまして、そして今回の措置についても厚生省のほうに、お進めになるのをバックアップしてきておるわけでございますけれども、現実の動きを見ておりますと、やはりただいま申しましたような基本的な面でのいろいろの不確定な点、そういうことに対するそれぞれの方々の意見の相違というのが表面に出てきておる、こういうことについて十分な説得をするということが必要であるというふうに私は感じております。やはり中途はんぱでもってやってしまってはいけない、そういうことで非常に御努力を願っておるわけでございますし、私どものほうも努力をいたしますが、なかなかちょっと最初思ったほどにはすらりといかないというのが実情だ、こういうふうに御理解願います。

和田耕作民社党

○和田(耕)委員 この問題は、中小企業ということばよりも商店ということになると思いますが、商店の経営がりっぱにいくように、もっと思い切って援助しようじゃないですか。と同時に、生活協同組合のような消費者の自発的な組織に対しても思い切って援助をする、そういうような態度でないとこの問題は解決していかない。商店街の中小企業がどうのこうのとおっしゃいますけれども、政府のこの問題に対する施策自体も非常に中途はんぱだと私は思う。もっと踏み込んで、小売り商の生活がもっと共同化して、そしてもっと経営が近代化していくように、生産性が上がるように、もっと踏み込んで援助していこうじゃないですか。そういうことを含めて、いまの生活協同組合も、当然これは消費者としては、いまのように物価の問題だけを考えましても、政府はおやりになる、おやりになると言いながら何もやってくれないというこの考えに立って、自分たちの生活を守ろうという運動なんですね。また、そういう運動というのは、そういう形に伸ばしていくことは健全なものなんです。そういう方向でひとつこの問題は、ほんとに前向きに解決していく態度が必要だと私は思うのです。何かしら反対があるから、いまのままで、いまのままでという、これは私は、政府が公約しておる正しい方向とは違った方向じゃないかと思うのです。  そういう点で、ここに実際にこの仕事を進めていかれる関係の中心の方々がそろっておられますから、ぜひともひとつこの問題は、この国会中に生協法の改正の法案を必ず出していただきたい。必ず出すということについて両政務次官、実際あなた方がきめればできることなんですから、大臣は知らぬことですから——田中さん、この間連合審査会に来ておりましたけれども、彼は前向きにやります、やりますと言っておられましたよ。経済企画庁長官もそう言っておられましたよ。結局、特にあなた方お二人のところが、両局長さんのところに問題が——もう一人中小企業庁のだれかが来なければいかぬけれども、そこのところの話が詰めばできるわけですよ。必ず実現をするというお答えはいただけないものでしょうかね。

登坂重次郎自由民主党厚生政務次官

○登坂政府委員 厚生省としましては、生協法について正しいあり方、その目的というものは一点の疑念をいれる必要のないところで、私自身といたしましても、生協法をもう少し厚生省においても基本的に考え直す、考え直すということにはいろいろ問題がありましょうが、もう少し理解してもらえるような生協に直したい。また、中小企業とどこに競合点があるのか、これはお互いに話し合えばわかると思います。物価と流通、こういう問題で消費者に迷惑をかける、お互いに争う、あるいはお互いに憎しみ合うとか疑い合うという問題は、これは生協自体の指導も私のほうでし足らないと思いまするから、そういう原点に立ち返って、商工組合あるいは商工会と、あるいは生協の指導者、そういうものとよく話し合って、これはまず基本的に今後考え直さなければならないと思います。  また、当面の問題として、ただいま地域拡大というそれだけにしぼって法案を、厚生省としては事務的試案は大体まとまっておるのでありまするが、しかし、政党政治でございますので、党内の了解を得なければこれはできない問題でありまするから、その了解を得るということについて最大の努力を払い、今国会に提出したいという基本方針には変わりはございません。

武部文日本社会党

○武部委員 それでは、私は公正取引委員会に若干の質問をいたしたいと思います。  昨年の十月一日の日に、公取はやみ再販の疑いで、おもちゃのメーカーの立ち入り検査をされたようであります。あとでまた具体的にお伺いをいたしますが、すでに六カ月になろうとしておる今日、このおもちゃのやみ再販の摘発についてはどのようなことになっておるのか、それを最初にお伺いいたしたい。

谷村裕公正取引委員会委員長

○谷村政府委員 御指摘のように、昨年の十月一日に東京あるいは大阪等において、いわゆる流通懇話会なるものについてこの実態について立ち入り検査をいたしたわけでございますが、実際問題といたしまして、調査はまだ全体として完了いたしておりません。いろいろとこまかい点にわたって補足調査を進めているという段階でございます。

武部文日本社会党

○武部委員 実はこの問題は、すでに御承知かと思いますが、参議院の物価特別委員会の皆さんが国政調査で神戸におもむかれた際に、消費者の団体の皆さんから具体的な事実を参議院の皆さんに示して、ぜひこういうことを取り締まってもらいたいということから、参議院の物価特別委員会でもこの問題が取り上げられておりまして、私、ここに議事録も持っておりますが、その取り上げは、いま申されました十月一日のあとであります。したがって、このやみ再販が取り上げられたあとで参議院の物特で論議されたようでありますが、何ぶん立ち入り検査の直後のことであって、当時十月にはそれ以上の答弁もなかったようでありますが、いま私が申し上げるように半年近くもなる今日、一体これがどのような経過になっておって、いつごろ公正取引委員会としては結論を出す意向なのか、まず最初にそれをお伺いしたい。

谷村裕公正取引委員会委員長

○谷村政府委員 問題は二つあると思います。一つは、事実について、どの程度までの事実というものを証拠によって確認することができるかという点、第二には、その事実を法に照らしてどのように処理するかという点、二つあると思います。  第一の事実確認の問題についても、率直に申しまして、事務当局のほうとしては証拠収集が必ずしも全面的に行き渡っているとはまだ言い得ない状況にあるように、私は聞いております。それから第二に、ある程度つかんだ事実に基づいてどう法律上の処理をすることができるかどうかという点についても、まだ最終的な結論を得る段階には至っていないようでございます。  しかし、御指摘のように、すでに半年にもなりますので、ある段階ではそれの始末に踏み切らなければならないことは当然であろうと、私も考えております。

武部文日本社会党

○武部委員 公正取引委員会が立ち入り調査をした容疑は、独禁法第十九条違反の容疑だったと思います。私も、いろいろ現地の主婦の皆さんから連絡を受けました。いろいろ内容も調査をしてみました。その後私自身でも、教育用の玩具そのものの値段についても私なりに調べてみました。大体おもちゃの消費量は年間約一千億円販売されておるというふうなことも、その過程で知ることができたわけであります。  いまおっしゃった懇話会なるものは、私どもの調査によれば、きわめて強い権限を持って小売り業界に対する圧力を加え、これはいわゆる問屋を通じて値引き絶対禁止、値引きをやれば出荷停止、こういうことを現実にやっておったという事実を私どもは承知いたしておりますが、懇話会なるものは一体どういうものなのか、そういう点についても、もちろん公取は調査をしておられると思いますが、私がきょうここでお伺いをしたいのは、十月一日の日に皆さんが立ち入り調査をされた直後の十月十五日の日本玩具新聞というのがここにあるわけです。この玩具新聞に「玩具の乱売についてのお願い」という日本玩具産業振興会というものの記事があります。これを読んでみますと、あなたのほうの立ち入り調査後に、間髪を入れずこれを出しておるわけです。  これを見ますと、「「消費者の利益のため」などとお為ごかしの体裁の良いことをいい、」大乱売を続けておる。「これは、資本主義社会の最も悪とする、弱肉強食の論理そのままの許すべからざる大罪であります。」こういうようなことで、あなた方の立ち入り調査後、値引き販売やそういうことをしておる連中に対する非常に強い意思表示をしておるわけですね。一向に私は反省の色がないとしか思えないのであります。  私どもに手続をくれた御婦人の手紙をここに持っておりますが、この人たちは、教育玩具の中にやみ再販の疑いがあるというので、自分たち自身のグループでたくさんの店を歩いて調べて、その価格がまさに一定をしておる、そしてそれを安売りすれば出荷停止になったりするので、とてもだめだということを随所で聞いておるのです。そういう人たちのいろいろな提言から公取がついに踏み切った。ところが、その踏み切った直後、「おもちゃ業界からと思はれますいやがらせの電話やら身元調査など思ひがけない」ことが次々と起きておる。消費者としての意見を述べただけでもこのような、自分の身元調査さえある方面からされておるということは、まことに遺憾千万だということを、この神戸の婦人グループの皆さんが手紙に書いておるのです。  こういう事実があることを聞いて私はびっくりしました。現実にこのおもちゃのやみ再販というのは、このような強い圧力をもって、消費者のグループにさえ不当な圧力を加えておるという事実を知ることができたわけであります。したがって、ぜひこのおもちゃのやみ再販については、厳正な態度で早急に結論を出していただかなければならぬ。これが遷延をされて、いつまでたっても結論が出ないというようなことであっては困るわけであります。  私は、ここで一つ具体的な事実を述べますが、消費者が、このおもちゃの安全性あるいは価格の問題について、いろいろ業界の皆さんを呼んだりあるいは公取の意見も聞きたいといって会合を持たれた際に、業者の一人がこのようなことを言っておるのです。自分たちはやみ再販というようなことはやっていない。「しかし、価格がまちまちならば高く買った子供の心を傷つけることになるので価格は同一であることが望ましい。」とこういうことを言っておるのです。もし価格がまちまちだったら高く買った子供の心を傷つけるから価格は一緒でいい、これは明らかにやみ再販の事実を認めた発言だと思うのです。こういうことをぬけぬけと言う業者、こういうことが明らかになっておるのです。  私はこの事実を、その婦人グループの皆さんから聞いた。それから、新聞の全部の切り抜きを読んでみたところが、これに類したことが書いてありました。この一事をもってしても、明らかにこの懇話会を中心としたおもちゃのメーカーにやみ再販の行為があったという裏づけがあると思うし、この発言というものは許すべからざる発言だと思うのです。  少なくとも公正取引委員会は、こういうことについていろいろ調査をしていると思うが、現段階においては、この席上でどの程度の皆さんは発言ができますか。少なくとも審査が済むまでは絶対にこのことについては発言できないのか。しかし、私が申し上げたようなことは現実あるわけですし、先ほどお示しいたしましたようなこういうことも出ておるわけですから、この点について公正取引委員長の見解をお伺いしたい。

谷村裕公正取引委員会委員長

○谷村政府委員 私も、いま武部委員が御指摘になったような新聞記事が出ていることを、この目で見たことがございます。  よく日本の業者の方々の中には、戦時中あるいは戦前、戦後を通じての統制経済的な経済になれてしまっているせいか、頭の転換がきかないで、おもちゃに限らず、いろいろな商品の値段が、本来ならば経済法則に従って一物一価になるところでございますが、それをきちんと定価どおりに、全国津々浦々まで、たとえばビールの値段が一本百四十円であるのが最も望ましいのだというふうにおっしゃったビール関係業者の方も、私は記憶しております。経済の実際の姿というものを、何が一番価格問題としては大事かというふうなことを、それを忘れてしまったようなそういう発言があることは、私は、まだ頭の切りかえがきかない方々の頭ではなかろうかというふうに思っております。これは私の一般的な意見でございます。  さて具体的に、ただいま私どもが審査いたしておりますこの件の決着につきましてどうかという点については、事件についての意見を申し述べることは、私どもとして法律上差し控えなければならないことでございますから、結論的に何かというふうに申し上げるわけにいかないのでございますけれども、法律上いろいろなそういった事実をどう私どもが評価し、それに対してどういう措置をとるかということについては、これは全くいままであったようなお話をそのまま、ただああそうかそうかで済ましていいことではないというふうに思っていることだけ、ここに申し上げておきます。

武部文日本社会党

○武部委員 それでは、この問題はいま審査中でありますから、これ以上のことは申し上げません。ただ、子供にねだられたら買わざるを得ないという弱い親心につけ込んだ業界のまことにきたないやり方だと思うのです。この教育玩具というふうなものは特にそうですね。そういう点について、このような事実が実は次々と出てきておるわけです。私はたくさんの資料を持っておりますが、ぜひ審査を急いでいただいて、厳正な結論を早急に出していただく、そのことが、この問題と関連をしていろいろいやがらせを受けたり思想調査までされておるというそういう主婦の期待にこたえる道だと思うのです。したがって、審査中ですからこれ以上のことを申し上げませんが、早急に結論を出していただきたい。このことだけ申し上げて、本日の質問を終わります。

井岡大治日本社会党

○井岡委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。    午前十一時四十八分散会

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