農林水産委員会 第19号
- 発言数
- 106 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1972/05/19
会議録
○藤田委員長 これより会議を開きます。 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。芳賀貢君。
○芳賀委員 この際、主として林業の問題並びに国有林の問題等について農林大臣並びに林野庁長官に質問をいたします。 まず林業問題に入るということになれば、当委員会ではまだ取り上げておりませんが、最近、連続的に頻発する、林野庁が責任を持って行なっておる国有林関係の不祥事件——不祥事件といっても、内容を分析すれば、全くの不正事件とか、業務上不適正な事件、いろいろ分類されるわけでありますが、きょうは時間の関係で、私からそれらの問題を逐一指摘するといういとまがありませんので、むしろ国有林経営の最高責任者である林野庁長官のほうから、いままで衆参両院のいずれかの委員会において指摘された事件、あるいはまたすでに新聞、テレビ等において社会的に指摘された問題、これらについて長官から述べてもらうと同時に、林野庁としてすでに知り得た不祥事件等が絶無とは言えませんから、それらの問題についてもこの際進んで、実はそのほかにこういう問題もあるという点まで、前向きに説明してもらいたいと思います。
○福田(省)政府委員 お答えいたします。 最近、特に問題になりましたことは、秩父営林署における収賄事件でございます。これは秩父の営林署におきまして、昭和四十一年度以来数年にわたって、立木処分に際しての不正事件ということで、ただいま司直の手によって取り調べ中のものでございます。 その内容を申し上げますと、立木処分に際して指名競争を行なったのでありますが、その指名競争の際に業者が談合しまして、そこに談合金を集め、それを預金しておいて、その中からいろいろと交際費その他のものを支出しておったという問題でございます。特にその中から発林署長等のせんべつが支払われておったという疑いでございます。 この件につきましては、ただいま司直の手によって厳重な取り調べを受けておるわけでございます。すでに元営林林署長三人が逮捕されております。その結果を待ちまして厳正な処置をとってまいりたい、かように考えているわけでございます。すでに責任ある地位にある課長等についてはその地位からはずしておるものでございます。 〔委員長退席、三ツ林委員長代理着席〕 次に、最近問題になりましたことは、函南町における保安林解除の問題でございます。この保安林の解除については森林法違反ではないか、こういう問題でございます。ただいま私のほうで調査した結果によりますと、この問題については違反の問題はございません。と同時に、その背後に政界等の圧力があってこれを許可したのではないかという疑いでございますが、この事実につきましても、調査した結果では、そういう事実はただいまのところではございません。 次に、最近問題になりましたのは、川内の営林署、熊本営林局管内でございますが、ここにおきまして、保安林の中におきまして混合契約を実施したわけでございます。混合契約については、すでに先生御承知かと思いますので、内容は省略いたします。その事業の実行のあり方がきわめて不的確である、同時に保安林の森林法違反の問題がある、こういう指摘でございます。そこで、ただいまのところ、監査官を派遣しまして調査した結果、中間報告を得ておりますが、その内容によりますと、新聞にありますような意味での保安林に違反するような事実はないようでございます。また契約の内容の履行については若干問題がございますけれども、新聞にあるような事実とはだいぶ相違した点がございます。 それらの問題をめぐりまして、最近は、けさもまた新聞等で同じ混合契約等の問題、あるいは林野弘済会に関する問題等についての報道がなされておるわけでございます。これらについてもただいま調査中でございます。かいつまんで一応お知らせいたしておきます。
○芳賀委員 そのほかに林野庁としてはすでにこういう事件があるということで、わかった点を率直に言うておいてもらいたいのです。新聞に出てから驚くのじゃなくて、すでにわかっていれば、実はこういう問題も次々にまた出てきますというのがあれば、当委員会を通じて明らかにしたほうがいいと思うのです。
○福田(省)政府委員 御指摘の問題でございますが、事業の実行につきましては、収入面に関する販売の問題、支出に関するいろいろな直営生産事業であるとか、その中の直営直用事業、あるいは請負事業、また造林事業、林道事業、治山事業、いろいろの工事の問題につきましては、平素林野庁にありますところの監査運営の制度がございまして、この監査を定期的に行ないまして、毎年いろいろの林野庁の指導方針に反する問題とか、あるいはその他の問題点がありますれば、これを指摘いたしまして、それぞれ指導してまいっておるところでございます。なお、会計検査院等によりまして、事業実行のあり方については毎年検査を受けているところでありまして、それらについてあげられましたことについても、いろいろと修正、指導しているところでございますが、先生御指摘のような問題については、具体的に問題をあげますと、いろいろ手違い等によってこれを手直ししなければならぬ問題は出てまいっておりますが、一般的に概括的に申し上げますと、以上のとおりでございます。
○芳賀委員 それでは、林野庁としてはすでに表面に出たような不祥事件はないというように確信しておるわけですね。あれば、この際委員会で明らかにしたほうがいいじゃないかと言っているんですよ。絶対にないというなら、そういうふうに言明してもらったほうがいいですよ、われわれ安心するのだから。しかし、あした、あさってまたどんどん出てきたのでは、長官は一体何やっているんだ、節穴じゃないかということになりますからね。これはもう大事な委員会ですからね、農林水産委員会だから、何も遠慮する必要はないですよ。あればまだこのくらいあるとか、次々に出てくるとか、なければ絶対ないと確信を持って断言しますということを言えば、それにこしたことはないわけです。
○福田(省)政府委員 ただいま監査等の結果を総合いたしまして、ただいまのところでは、刑事事件になるような問題であるとか、その他重要な問題事項ということについてはないものと私は見ております。
○芳賀委員 大臣にお尋ねしますが、ただいま長官からも話がありましたとおり、特に国有林の経営というものが危機的な状態にあるということを農林省自身も言明しておる状態の中において、この種の不祥事件というものが連日表面に出るということは、やはりよって来たる原因というものがあると思うのですね。今日突発的にこれは出たわけじゃないと思うのですよ。たとえば東京営林局管内の秩父営林署にしても、三代にわたる営林署長が同じような不正にくみしておるというようなことになれば、林野庁そのものが体質的に、こういう不正とか不適正な業務の取り扱いを行なっても、それが不正であるという正邪の認識と区分というものをつけるけじめがないんじゃないか、それほどに長年にわたって慢性的に、いわゆる不感症な状態になっておるのでないかということをわれわれ一番心配しておるところなわけです。あるいはこれはもう全国十四の営林局管内でいずれも同じような問題があるかもしれぬということになれば、歴代の長官にしてもあるいは担当部長にしても出先の営林局長や現場の営林署長にしても、この種のことをやるのはこれはあたりまえである、あたりまえのことが世間に不祥事件、不正事件としてあばかれるということは、これはまれにある問題ではなくて、通例化しておる問題に対してたまたま運が悪かったからやられたというような、その程度の反省しかないということになれば、これはたいへんなことになるわけです。もう回復できがたい林野庁の体質というものに突き当たるわけでありますからして、これはやはり統括されておる農林大臣として、このよって来たるものが何であったか、それがはたして本来的な林野庁そのものの体質から発生する問題であるかどうかということについては、明快な判断をしておられると思うのですが、いかがですか。
○赤城国務大臣 いろいろ林野関係で不祥事件が出ておりますことは、まことに遺憾でございます。いまお話しのように、この一般世間より隔離されているところで、何というか、事務をとっているというような関係でもあろうかと思いますが、それにしても全体として非常に正義感に対して鈍感で弛緩していると思います。いまの秩父の事件なども、三代の営林署長が同じようなことをやっているというようなことは、悪いことになれっこになっている、こういうことで非常に弛緩した気分になっていると思います。これは少し気分を立て直して綱紀を粛正していかなければ、国民の財産の国有林をあずかっている人として、まことに責任を果たしておらないということになりまして、遺憾と存じます。 その原因等につきましては、いろいろこれはあろうと思います。いまの特別会計が独立採算的になって、公益的機能というものが相当あるにかかわらず、どうしても採算に追われるというか、赤字を出さないようにするというようなことで、赤字をなくするために伐採など急がせられたり何かしているというようなこともあるし、社会的にもいろいろあります。まあ率直に言って、業者との結びつきというようなこと、その原因はいろいろありましょう。ここではちょっと言えないようなこともあると思いますが、いずれにしても、全般的に弛緩した気持ち、それから責任感が薄れておる、こういう全体の空気があるのじゃないかと思いますから、大いにこれは引き締めていかなければならぬ、こう思います。
○芳賀委員 いままでのところ発表されたものについては、営林局別にすれば、これは伊豆半島の関係は東京営林局、秩父は東京営林局、川内等については熊本営林局ですが、私ども社会党として調査して知り得た範囲では、熊本営林局管内に一番問題が多いわけですね。そこで、最近数代にわたる熊本営林局の局長の名前はわかるでしょう。現在はだれであるとか、その前はだれがやっておるとか、その前はだれとか、そのくらいの範囲のことは長官もわかるでしょう。その点をちょっと明らかにしてもらいたい。
○福田(省)政府委員 お答えいたします。 現在は熊谷営林局長でございます。その前はただいま指導部長をやっております松形営林局長でございました。その前は現在試験場に行っております梅田営林局長でございました。
○芳賀委員 その三人の中ではいま松形君が指導部長ですね。こういう責任の所在はどうなるわけですか。当時、その管内で所管の営林局長をやっておった手腕を認められて、今度指導部長になった、業務部長になった、あるいはあなたのように長官になられる場合もあるわけですから、現地を離れて部長や長官になれば、自分が責任を持って経営に当たり指導に当たったその時代の問題というものは、農林省としては、林野庁としては冷然、時効といっては変な表現になるが、それはもう何ら指摘されない、昔話ということで終わるわけですか。
○福田(省)政府委員 お答えいたします。 現職にありましょうとも、あるいは現職をやねましょうとも、問題の性質によると思いますけれども、過去において出ました問題については、これは当然道義的な責任は負わなければならぬと思うわけでございます。二年、三年前の問題でありましても、問題の性質によりますが、その場所から転任されておりましても、指導監督の責任はあるものと考えております。組織としては、現在おりますところの管理者にその責任はあるかとは思いますが、かわりましても当然その監督上の責任はある、かように考えております。
○芳賀委員 具体的な問題はあとでまた指摘することにいたします。 大臣のおられる機会にお尋ねしておきますが、昨年当委員会において、三月二十五日に全会一致をもって林業振興に関する決議を議決いたしまして、これに対しては時の農林大臣の倉石忠雄君も、委員会において全会一致をもって議決された林業振興に関する決議の趣旨については、十分その趣旨を尊重して実現に当たります、こういう政府を代表した発言がなされておるわけであります。この決議は単に国会の中の決議ということだけでなくて、全国的に都道府県議会あるいは市町村、自治体等にもこれが伝わりまして、これはもっともな決議である、この六項目にわたる決議の実行こそが今後の日本の森林政策や林業の発展というものを大きく推進する貴重な指標である、原動力であるというような評価がなされまして、現在までのところ都道府県単位にすれば三十二都道府県、市町村にいたしますと約七百に及ぶそれぞれの地方団体において、あるいは議会の議決あるいはまた理事者が直接提案して、正式に地方自治法の定めるところに従って議決をいたしまして、政府に対して、内閣総理大臣あるいはまた所管の農林大臣に対しまして意見書というものが昨年から今年にかけて提出されておるわけです。これは貴重な自治体の決議に基づく意見書の提出でありますから、たとえば国会が憲法に定められた国民の請願権の行使を尊重して、いかなる国民の請願案件であっても、これを国会議員が紹介して、衆議院あるいは参議院の議長にこれの提出手続をとる、それは内部的に検討されて、また各委員会に付託されて、委員会は国会の会期末には必ず採択あるいは処理の方針をきめて請願人に通知するということになっておるわけですから、今回の前例のないような林業振興決議に対する意見書の提出というものは、農林省として一体どのようにこれをいままで受理して処理しておるかということについて、この際明快にしてもらいたい。意見書の受理件数はどれだけか、都道府県別に区分した場合にはどうなっておるか、あるいはそれは農林省の官房で扱って林野庁に回すかどうか、これは内部的な問題でありますが、とにかく三十二都道府県、七百に及ぶ市町村の地方自治法に基づいた貴重な意見書の取り扱いというものをどうしておるかということを、この際明らかにしてもらいたいと思います。
○福田(省)政府委員 お答えいたします。 ただいま先生がおっしゃいました多数の市町村長からの陳情書あるいは県からの陳情書が参っておりますが、林野庁に出てまいりましたものは、ただいまのところ集計が必ずしも的確に行なわれてないかもしれませんが、昨晩調べましたところ、三百件出てまいっております。その中身につきましては、この振興決議全項目の場合もございますれば、その一部である場合もございます。それぞれの市町村の特質によって判断されたものであると思います。なお、市町村のほか、県からは、青森、秋田、福島、静岡、滋賀、和歌山、香川、愛媛、福岡の九県からこちらに出てまいっております。 これらの内容につきましては、きわめて重要な林政全般にわたる問題、もちろん国営の問題も含めてではございますけれども、でありますので、この内容につきましては、官房等とともに鋭意検討を進めておる段階でございまして、この実現については、法制化、予算化の問題、いろいろございますので、ただいま検討中のものでございます。
○芳賀委員 これは長官、おかしいじゃないですか。林野庁長官福田省一殿なんという意見書はそう来ていないでしょう。内閣総理大臣佐藤榮作殿とか、赤城農林大臣殿というのは、これは当然意見書として出ておるが、職員である福田林野庁長官殿とか長官様なんという、そういうものは来ていないと思うんですよ。私の聞いておるのは、農林大臣とか内閣総理大臣にあてて地方自治体から決議として意見書が出されておるわけだからして、その内容は、国会で、両院で議決された林業振興に関する特別の決議、この内容を全面的に支持する、政府は国会の意思を尊重して各項目にわたる問題について行政責任を持ってすみやかにこれを実施してもらいたいというのが意見書の趣旨なわけだ。もう去年の三月二十五日、時の倉石農林大臣が当委員会において、委員会の御決議の趣旨を尊重して政府としても鋭意実現に努力しますというようなことを言っておるわけだから、いまごろ林野庁長官ぐらいが、内容を検討してどうするなんというものじゃないのですよ。これを粗末に扱っておるのは、一片の紙きれとしてこれは何ら取り上げていないのでないかという判断をわれわれはしておるわけですからして、これは正式な手続上、農林省としてはどういう順路でこれを受理して保管し、あるいは処理して、前向きに——地方住民を代表する地方議会の議決ということになれば、これは全国民を代表しているということになるわけだから、この取り扱いいかんによっては、これは農林省あるいは林野庁の、先ほど言った姿勢の問題というものが国民的に追及されることになるわけですよ。これは農林大臣かあるいは官房長から明らかにしてもらいたい。
○赤城国務大臣 御指摘のとおりだと思います。意見書、特に、国権の最高機関である衆参農林水産委員会等における決議等につきましては、申し上げるまでもなく、尊重して、そうして鋭意その実現に努力しておるわけでございます。 先ほどお触れになりました昨年の決議、六項目ありますが、たとえば造林等の林業生産基盤の拡充、これはもう、御決議を待つまでもなく、林業生産基盤の確立にはつとめなくちゃなりませんが、一そうそういう決議のテーマとして掲げられたのには、造林等の林業生産基盤の拡充が十分でないという御指摘もあろうと思います。そういう意味におきまして、これは当然やらなければならぬ問題でございますが、決議の趣旨に沿うて、林業生産基盤の拡充のための造林、これは労働力の問題やいろいろネックはあるにかかわらずどんどん進めておるわけであります。あるいは森林の公益的機能に配意した適正な森林施策の実施、こういう問題につきましては、民有林及び国有林を通ずる林政全般にわたる総合的な施策の一環といたしまして大いに検討を進め、公益的機能——特に最近におきまして公益的な機能が再認識されたといいますか、強調されてきております。これも森林の持つ公益的機能というものは当然備わっておりますものですから、その機能を一そう充実していく、こういうことで、森林施業の実施も大いに努力し、また林野会計等にいたしましてもこういう公益的機能があるのでございますから、独立採算というたてまえではあるが、一般的な、国全体としても、公益的機能に対して力を添えるべきだというようなことで、一般会計からも、ことしの予算などでは繰り入れをしてやっておる、こういうことでございます。また、四番目の外材輸入の適正化、これも五五%になっておりますので、秩序ある外材輸入、こういうことにやっていきませんと、木材の需要はふえておるとしても、国内の林業に影響することもございますので、これも適正化をはかって努力をいたしておるのでございます。すなわち、過当競争等によってむやみと輸入しないような方途を指導している、こういうようなことをしております。林業労働力対策の充実、これはまあ一番、林業は何としても人間のやることでございます。しかも林業労働者は、僻遠の地あるいは重労働ということで恵まれない状況でございまするから、この労働力の充実や待遇というようなことについても逐次努力をいたしておるようなことでございます。第六番目の国有林野事準特別会計の改善、これも、赤字が出ているようなことでございますが、赤字が出ている原因は、独立採算というようなたてまえのもとで、林政をめぐる諸般の事情がきびしい事情からこういうことになっておりますが、この特別会計の改善ということもまず必要でございますので、これも林政審議会などに検討を依頼しておりますが、林野庁自身におきましても一つの案を立てて、そのもとで林政審議会の結論を待って実施に移すということで努力をいたしておる次第でございます。 以上のように、最高の機関である衆参農林水産委員会の決議等につきましては、前の倉石大臣も尊重すると言ってずっと引き続き努力してますように、私になりましてもこの努力を続けておるわけでございます。さらに、いまお話しになりました全国の各自治体等からの決議あるいは意見書等も、これは十分尊重しなくちゃなりません、いいことが進言されていますから。そればかりでなく、新聞の投書などでも、ちょっときのうあたりの新聞では、私も、これは一部の惑わされた情報によって投書しているような向きもなきにしもあらずでございますが、そういう投書が出るというようなことに対しましても、これは反省しなくちゃならぬというようなことで、林野庁をあげ、農林省をあげ、また重要な問題につきましては閣議においてあるいは総理大臣等にも反省や指導を強化するように進言して、全体としてこの意見あるいは建議等につきましてその実現に努力を払っておる、こういう状況でございます。
○芳賀委員 大臣の話を聞いていると、相当ものわかりがいいわけなんですよ。それはさかのぼれば、昭和三十九年に現在ある林業基本法が国会に提案された。この提出者は赤城農林大臣だったわけですよ。社会党からも森林基本法を出しましたが、いま考えると、あのときは顔ぶれもよかったわけですね。赤城さんが農林大臣、農林委員長はいま文部大臣をやっておる高見三郎君、林野庁長官は田中重五君というわけで、まあなかなか顔ぶれがよかったし、それ以上に当時の当委員会は与野党を通じ——いまが悪いというわけじゃないですよ、当時も他の委員会と比べて相当遜色のないくらい充実しておったこともこれは事実なわけです。ただ、いま指摘をしました委員会の六項目の林業振興決議も、その基礎をなすものは、林業基本法の基本的な方針、規定というもので、これを踏まえてわれわれは行政努力を尽くしてこれを前進させなければいかぬじゃないかということでやっておるわけだから、これは赤城さんが一番わかっていることは事実ですよ。しかし、実施面ということになれば、どう考えても農林大臣と林野庁長官の間に相当の距離というか断絶があるんではないかということを考えるわけですね。この点は大臣、そう考えないですか。あなたが国会で熱意を持って発言される具体的な内容と、林野庁長官が数倍の時間をかけて発言する内容というものは質的に違うのですね。これはやはりある種の距離あるいは断絶からきていると思いますが、農林大臣としてどう考えていますか。
○赤城国務大臣 断絶というわけではございませんが、まあ林野庁とか水産庁というのは各局よりももっと上の機構になっておるような関係で、それだけに水産庁とか林野庁の長官は、食糧庁もそうですが、より以上の責任を持って行政事務を処理している。こういうようなかっこうでございますが、外から見て少し隔離があるんじゃないかというような御指摘もございますから、そういうことのないように私も注意いたしたいと思います。独立的な相当の権限を持っているので、とかく隔絶するように見える。そういうことからいろいろ好ましからざる事件なども出てきているということは、私としてもほんとうに責任を感ずるわけでございまして、遺憾に存じております。
○芳賀委員 この機会ですから、ついでに大臣に聞きますが、国有林事業というのは国の公共共業体でございますからして、それに心要な法律の適用があって、その場合に林野庁長官に一定の当事者能力という権限が付与されておるわけです。所管の農林大臣から見て、林野庁長官に付与されておる当事者能力としての権限の範囲というのは、どの範囲だと思っていますか。範囲はあっても、当事者という看板だけ持っておって、当事者能力が発揮されておるかおらぬか、その点は率直に言言ってどう考えていますか。
○赤城国務大臣 当事者能力の法律的な解釈や常識的な問題もありましょうが、一般的に言えば、局長以上に長官としての責任がありまするし、まあ三公社五現業の五現業の中の一つの長でございまするから、労働問題等におきまして公労法上の当事者能力として労務関係なども円滑によく処理をしていかなければならぬ。こういうような能力も当然法律上持っておるわけでございます。
○芳賀委員 だから、法律は、公労法等によってそういう権限を付与しておるわけですね。これは福田省一個人に与えたのではないのですよ。農林省林野庁長官なるものに当事者能力というものが付与されておるわけだから、やはり当事者たる者はこの与えられた、まかされた権限というものを最高度に発揮して、この当事者が責任を持って、林野庁の場合には全林野労働組合と林野庁長官というものは法律に基づいた団体交渉を行なう。その場合に林野庁長官が当事者として与えられた能力の最高限を発揮して、責任を持って処理できる事項は処理するということでなければいかぬと思うのですよ。幾ら大臣が、林野庁長官は農林省の局長、長官の中では右翼であるというふうにこの地位だけを評価しても、問題はそれを実行する人間ですよ。最近の歴代長官が充実した仕事をやっているかどうかということになると、これはひいき目に見てもあまりいい点数をつけるわけにはいかぬですよ。おそらく、大臣も人を見る目というのは相当すぐれておるわけですから、委員会できれいごとを言っても、腹の中では私と同じぐらいの評価しかしていないと思うのですよ。二十一日、二日は新潟県で植樹祭があるわけでしょう。大臣はあした早朝出かけるということを聞いていますけれども、この植樹祭というものはやはり日本の林政につながっておると思うのですよ。ただ現場へ行って、天皇御夫妻を迎えてお手植えするのをながめて帰ればいいというものではないんじゃないですか。何十年春繰り返し繰り返し農林大臣がこの行事を主催してやるということになれば、毎年過去を反省し、心を新たにして、重大な決意をもって日本の林政の発展のために——これは天皇崇拝じゃなくて、主権者である国民にこたえ得る林業政策というものを進めるという決意がそこでまた新たになると思うわけですよ。まあ赤城さんの場合には、毎年行かなくても、そこまで行ってそんなことをする必要はないと私は思っているのです。しかし、長官も出かけるわけでしょう。だから、この際、当事者の能力がこれは乏しいじゃないか、何ぼ鞭撻してもそこまでいかぬじゃないかという場合には、これはやはり人事面において考えてもらわなきゃいかぬと思うですね。そうでないと、六万人の林野庁の職員というのが一番迷惑するわけですからね。きょうはざっくばらんな話をしますけれども、その辺は農林大臣としてはどう考えていますか。
○赤城国務大臣 林野庁長官をどうこうということはいま考えておりませんが、機構などから考えまして——まあ、これはざっくばらんに言えばですね、林野庁長官は大体技術方面から出ておるのですが、今度、機構改革でもできて林野庁次長というようなものが置かれれば、これは事務系統で農林省全体と連携もできるような者でも当てはめていくようなことにしたらどうか、こんな考えも個人的にはいま持っているわけです。そういうような人事の刷新もしなければならぬ。林野庁長官をいま更迭するとか——この間かわったばかりで、一生懸命やっているのに、何もそういう考えは私は全然持っていません。しかし、全体としての人事の配置などということを考えて、いまの当事者能力も、その他いまのお話しのような植樹祭などというようなものも、これはもちろん戦後の荒廃した国土を回復しなければならぬ、緑の日本に戻さなければならぬ、こういうことでやって、ることで、私のほうの管轄ではございませんで、衆議院の議長が会長みたいになっておりますが、こういうことなどにも、主権者たる国民の国土、これをよくすることに協力するというような面もありますので、多方面で責任を担当しているのでございますから、そういう林野庁というものの人事などについても、いろいろいい方向へ持って、きたいというふうには強く考えておる次第でごぜいます。
○芳賀委員 大臣、退席の予定時間ですが、もう一問だけ、次長制とあなた言っていますけれども、これは農林省設置法にひっかけてそういうことをあなたは言っておるわけでしょう。これは別問題にして、きょうはたな上げしておきます。 官房長、先ほど私が言った全国から出てきておる林業振興決議ですね、地方自治法九十九条第二項に基づいた意見書が農林大臣の手元に送達されておるわけですから、これを事務的責任者の中野官房長としてどういうふうに扱っておるかということを、ここで率直に説明してもらいたいのです。
○中野政府委員 振興決議の内容につきましては、先ほどるる農林大臣がお話しになりましたので、手続的なことを申し上げますと、農林省といたしましては、文書で参りましたものは、受け付けまして、その担当の原局に配付をいたします。そして、普通の場合は、それについてのその原局の態度を書きまして、大臣あてでありますれば大臣に対して供覧をする、こういう手続をとっておるわけでございます。
○芳賀委員 それじゃ、ちゃんとやっていますね。
○中野政府委員 私、先ほどお話を伺っても非常にたくさんあるものでございますから、全部が私がいま申し上げたような処理として完結しておるというふうには、あるいはそうなっていないかもしれません。最近もどんどん来ているような次第でございます。ただ、そのことの内容が大体似たようなものでございますから、農林省といたしましても、林野庁だけの問題ではなくて、これは官房も一緒になりまして、次官も心配をいたしまして、相談をしておるところでございます。
○芳賀委員 まとめる必要はないじゃないですか。独立した自治体が地方自治法の規定に基づいて意見書を提出してくるわけだから、到達するごとに一件、一件これは慎重に処理をきめて、そして大臣に見てもらうものは見てもらう、指示を仰ぐものは指示を仰ぐということですね。これはいつまで続くかわからぬものを、全部まとまってから一括処理なんというわけにいかぬでしょう。ほんとうにまじめに自治体の意見書というものを受け取って管理しておるかどうかですよ。不用物としてくず紙と同じに捨ててしまっているのか、あとまでちゃんと記載して貴重な意見書として保管しているのか、そういう事務的なことはどうなんですか。
○中野政府委員 いやしくも自治体から来ました意見書でございますから、くずかごに捨てる、そういうようなことはございません。きちっとその問題が完結いたしますまでの間、もちろん書類は保管しておりますし、そして先ほども触れましたけれども、その内容につきましては、各自治体とも大体林業振興決議に関連した問題でございまして、事が非常にいろいろな問題を含んでおりますので、先ほど申し上げましたように、実施したものもあり検討を続けておるものもあるという状況でございます。
○芳賀委員 それでは、きょうまでに届いた分を都道府県ごとに分類して、そして市町村名がわかるわけですから、それを、きょうは出ないと思いますが、整理をして当委員会に提出するようにしてもらいたいと思います。これは来週でもいいですが、いいですか。
○中野政府委員 至急整理いたしまして、委員会に提出いたします。
○芳賀委員 それでは、大臣、よろしいです。 先ほど林業振興決議の六項目の内容について、農林大臣から項目別に一通り政府としての取り組む方針が述べられたわけでありますが、ただいま農林大臣が外交上の所用のため退席されたので、これはやむを得ませんが、あと政府委員に対して質問をいたします。 そこで、決議の順序から申しますと、造林の拡大と充実が決議の第一項目をなしておるわけですが、この基礎をなす林業基本法によりましても、造林あるいは林道問題は、当時の委員会においても、これはいずれも森林政策を進める場合には基本となる事業である、したがって、これらの事業については、特に造林、林道事業等については国の公共事業として位置づけをして、他の公共事業と同じように全額国庫負担あるいは高率な国の負担をもって計画的に行なうべきである、そのためには、たとえば造林法あるいは林道法という単独の法律を制定して、それに基づいて林業基本法の精神を伸長するために公共事業として進めるべきであるということが、これはすでに路線がきまっておるけれども、いまだに造林法、林道法の政府提出というものが行なわれていないわけです。 そこで、造林の問題ですが、当時から国会においても議論をしておるわけですが、たとえば国有林造林をやる場合においても、造林の施業方法というものをどうするのが一番いいかということになれば、これは林野庁は自分の山というよりも国民の山を預かっておるわけだからして、造林、植林をやる場合においては自分でやるというのが一番望ましいわけです。いわゆる直営直用方式で、造林は人にまかせないで自分でやる、これが農林省としても一貫した施業方針ということになっておるが、最近は、林野庁長官も言ったとおり、特に熊本営林局を中心にしていわゆる混合契約方式というものを最近ひんぱんに各営林署における契約の一つの方式としてやっておるわけです。この混合契約というものが最近ひんぱんに指摘されておるわけです。これはいままで出たもので済んだということを長官は言っているけれども、そんなことはない。あと十件出るか百件出るかわからないですよ。だから、この際、国有造林というものは、いままで政府として明らかにしてきた直営直用方式によってあくまでも造林事業というものは貫徹するということで従来どおりやっていくのか、混合契約のような形で造林についてもこれを請負に付するというような方式に切りかえようとしておるのか、その点はどうなんですか。
○福田(省)政府委員 お答えいたします。 御指摘の混合契約ということにつきましては、熊本管内の記事が出ておったわけでございます。これは熊本営林局管内と限りませず、それぞれ各営林局の中で実施されておるものでございます。 この混合契約をいたしました趣旨については、伐採しますと同時に、伐採したあと、地ごしらえをするという作業が伴うわけでございますが、この伐採の仕事と地ごしらえの仕事、なおその次にありますところの植えつけの仕事、これの三つを別々の人にやらせるよりは同一の人にやらせたほうが、あとの仕事を考えて能率もよくやれるということが考えられますので、そういう趣旨によりまして、混合契約という形での伐採と造林の仕事を一緒にするやり方をとっておるものでございます。御指摘のように、いろいろと場合によっては事務的な問題でも内容が複雑でございまして、また御質問があればあとでお答えいたします。 なお、第二段の、造林は直営直用の形で実施すべきではないかという御意見でございます。造林事業につきましては、これは伐採事業も同様ではなかろうかと思うのでございますが、特に造林事業におきましては、非常に季節性の高い事業でございます。したがいまして、春から夏にかけて非常に仕事の分量が多い、冬は比較的ひまだという問題もございます。これを直営直用の形だけで行なうということになりますというと、後ほど御厨問があればまたお答えいたしますけれども、なかなか造林だけでは他の期間に仕事ができないという問題が発生するわけでございます。そとで直営直用の仕事と同時に請負の仕事も現に昔から行なわれているわけでございますが、この請負作業につきましては、(芳賀委員「時間がないので……」と呼ぶ)簡単に申し上げます。国有林というものは、昔から地元の人全般によって造林の仕事もしあるいは伐採の仕事もされてきたものでございまして、国有林は、国有林の中に現在つとめておる人と同時に、現在国有林の中にはつとめていないけれども国有林で仕事をやりたいというふとに考えておる民間の人たちのことも同時にこれは考えてやらなければならぬではないかというふうに実は考えるわけでございます。そこで、直営と請負の仕事と同時に、この問題を慎重に処理してまいりたいということで、ただいま林政審議会等に御検討をお願いしているところでございます。
○芳賀委員 混合方式の中で造林の問題でいろいろ業者に請け負わせるというところから、たとえば川内営林署の問題も起きたでしょう。きょうは申し合わせの時間というのがあるから、きょう尽くせない問題については、来週の当委員会あるいは決算委員会等において続けてやることにしますが、この問題の請負による造林の弊害、不正の事例として川内事件のほかに、われわれの調査の結果によれば、まだたくさんありますよ。熊本営林局管内の日向営林署の混合方式においてはやはり造林も契約内容に入っておるけれども、これは現地を調査すると、全く造林事業としてのていさいをなしていないんですね。しかも林野庁のずさんな契約というものが業者の利益擁護の上に立っておる関係とか、完全な事業上の指導、管理を怠っておるわけだからして、当然植え込まなければならぬりっぱな苗木が大量に投棄されておるわけです。植えるべきものを植えないで地中に埋没するとか、それを他に捨ててしまうとか、いわゆるこれは投棄でしょう。投げ棄てるのは投棄というわけだ。こういう事例はあなたもすでに知っているでしょう。先ほど、もうこれ以外に問題ないということだったが、熊本営林局の日向営林署管内における混合契約による造林というものは、国有林に造林するということに対しては全くこれは林野庁として責任を怠っておる。しかも、大量な植えなければならぬ予定の苗木というものが植えつけをされないで捨てられておる。これは現物を見たければありますよ。私の部屋へあとで来てくれてもそれはいいですけれども、こういう問題をあなた知らないというのはおかしいじゃないですか。しかも、指導部長の松形君は以前この熊本の営林局の局長をやったということをいまあなた言ったばかりでしょう。そういうことで混合契約ということ、不祥事件の原因をなすような事業契約を進めてきた人物が、現在大事な林野庁の指導部長の地位におさまっているなどということは全く常識はずれのことだと思うのですよ。いいですか。この問題は、きょうは時間がないので、来週詳しく現地調査の実態、内容等についても、あなたがほんとうにわからぬければ、こちらから具体的な資料や事実というものを教えてやりますからね。きょうから来週までの間あわててまた現地調査をするのならばそれもいいでしょう。混合契約による国有林野の請負事業というものは、まず造林事業においてこういう不適正な事業というものが次々にやられておるわけだ。請負者がこれを下請に付する。下請はまた長官の言った地元民に対して一本幾らということで一くわ植えでこれを植えさせておる。そうなれば、造林、林業技術からいって、活着して十分にその苗木というものが幼木として伸びるということは最初からできないじゃないですか。こういうことをやっておいて、直営直用が望ましいけれども、実際季節的に十分な労働力を林野庁としても確保しておるわけにいかぬので一部請負にしなければならぬということを言っても、造林の目的は、ただ枯れてもなんでも苗木を土の中へ差し込んでおけばいいというわけじゃないでしょう。三十年、四十年亭々と伸びることを期待して費用をかけて造林をやっておるわけだから、そのために従来歴史的に造林というものは、国有林においては自分でこれは責任を持ってやらなければならぬ、造林、育林等は当然これはやらなければならぬということで、不十分であっても定期、常用を合わせて三万六千人の全く不遇な条件に置かれておる定員外職員の地位で、それらの労働者の皆さんは営々としてやっておるわけです。自分がかかえておる大事な基幹労働力にその仕事をまかさないで、そうして不正事件ばかり次々起きるようなそういう契約、請負方式に切りかえるというのがいまの林野庁の考えでしょう。うしろにすわっておる林政部長も最近そういう考えを持ち出したということもわれわれ聞いておるわけです。これはきょうはもうこれ以上答弁の必要はないです。こちらから事実をあげて、なぜ混合契約が不正の温床になるか、なぜ造林については請負というものはだめかということを林野庁に対して明らかにして、これはあくまでも従来の直営直用方式でやってもらう、そういうことです。 あと二点だけ指摘しておきます。 次に、立木販売の問題。国有林が毎年百億あるいはことしも二百億くらい赤字が出るということは、やはり立木あるいは素材製品の販売方法に問題があるのですよ。パルプ資本を中心とした巨大なパルプ企業に対しては随契特売で優先的に安く払い下げをする、公入札に参加した零細な業者に対しては営林署が設定した予定価格の四割、五割をこえる競争をしなければ落札ができないような状態。資本のある大企業は、最初からわかっておるかどうかそれはつまびらかでないが、大体最初から予定価格の線で払い下げをしておるということになれば、林野庁は地元業者や地元民の利益擁護のためにも国有林の立木や財産の払い下げ、処分等についてはそれを旨としてやるということを言っておりながら、今日においてもパルプ資本中心でしょう。しかも、一般の零細な業者が参加して落札した分についても、林野庁が条件をつけて、その中から優秀な素材等についてはこれを何々パルプ会社に渡せというような条件までつけておるということは、常識的な問題としてわれわれは知っておるわけです。 そういう点で、熊本営林局の綾営林署の立木販売をめぐる不正事件というものがすでに出ておるわけです。内容を言うには時間がかかりますからして、問題だけを指摘しておきますよ。熊本営林局の管内の綾営林署における立木販売をめぐる不正事件、これも私どもが当委員会で指摘しない場合でも、世上に発表されることになるかもしれぬわけだ。こういう問題、これも十件あるか百件あるかわからぬですよ。きょうは時間の関係でやりませんけれども、販売事業の問題についても、パルプを中心とした大企業との長年にわたる癒着の関係というものは、あらゆる事業面において今日の、一つは国有林事業の赤字の増大の原因をなしておるわけだ。一番いい立木や素材を特売で一番安く売っておる、それ以外の中級以下の立木や素材については、力のない者は競争入札でそれよりも三割も四割も高く入札しなければ取れないというような仕組みというものは、いわゆる予決令——長官、予決令というのは知っていますか。予算決算及び会計令というのが簡単にいえば予決令。こういうものは地方の営林局長とか営林署では、少なくとも契約に当たる管理者は——これはあなたのところでつくったんですよ、林野小六法。われわれは一年に一ぺんは新しいのを配付を受けておりますけれども、少なくともこの中に書いてあることをよく読んで頭に入れておかなければ、地方の営林署でも管理者の資格はないでしょう。こういうことはもうそらでわかっておる。わかっておりながら次々と不祥事件を起こすということになれば、これは故意にやっておるということになるんですよ。 契約の問題にしたって、これは予算決算及び会計令の中にちゃんとどうしなければならぬということがうたってあるわけだが、一つは熊本営林局の日向営林署の混合契約にまつわる苗木大量投棄の問題、一つは同じ熊本営林局の綾営林署の立木販売をめぐる不適正なやり方、もう一つはやはり熊本営林局のえびの営林署において名義借りで特売を受けておるという問題がある。受けるだけの資格のない者が名義を借りて特売を受けてそれを目的のために使用した、こういう名義借り事件というのがある。これも熊本営林局の中にある。これも時間がないから、きょうは問題の指摘だけをしておきます。 それからもう一つは、歴代の林野庁長官あるいは長官から参議院議員に当選して、やめてからあと仕事がないのでまたいろいろなことをやっておる人物もあるわけですが、その中に前の林野庁長官であり、前参議院議員である山崎齊君が理事長をやっておる林業土木コンサルタンツに対して、最近は林野庁が計画的に指導をして、地方の営林局あるいは営林署がその何割かを、自分で設計がやれるのを、設計技術を持った職員がおるのに仕事をやらせないで、この山崎理事長がやっておる林業土木コンサルタンツに相当膨大な設計料を払って、そしてその会社が成り立つように協力しておる。いいですか、山崎君というのは、われわれ林野庁長官時代も知っておるが、記憶に残るのは、彼の時代に官行造林法というものを、あのりっぱな明治時代からあった制度を無理やり廃止した、そしていまある森林公団というものを、アメリカの資金導入あるいは世銀の資金導入をしてつくった。あなたもそのころ営林署長くらいだったかどうかわからぬが、こういう経緯があるんですよ。国会で記憶に残るのは、りっぱな歴史的な官行造林法をみずから廃止した当時の林野庁長官、これは明らかになっておるわけだ。参議院に出て何をやったかということは全然つまびらかでないが、とにかく彼がいま言った林業土木コンサルタンツの理事長をやっていることは明らかだ。それに対していままでの義理合いで、林野庁の中にはそういう設計技術を持っておる優秀な職員をたくさん持っておりながら、一年間に何千万も投入してこういう傍系会社に設計委託をしなければならぬというようなところに、また不祥事件の起こる問題があるわけでしょう。次々に取り上げれば切りがないですよ。 だから、この六項目の決議についても、前向きに実行する前に、その障害になっておるところの、長年にわたる林野庁の国有林事業から発生しておる体質的なにおいというものを消さなければ、いまの公害と同じようなものです。これを十分に浄化しなければ、正常な国有林の運営や発展というものは期することはできないわけですけれども、きょうはこれだけのことを指摘しておきます。 内容については、順序としては、まずあなたが調べなさい、いま言ったような問題について。植樹祭に出席しないというわけにはいかぬでしょう。しかし、責任を持ってこういうものは長官みずからが実態調査に当たる。調査をしないし、現地にも行かないから、わからないのですよ。そして再来年の参議院選挙にも出るようなことを——あなたが出るか、前にやめた松本君が出るか、それはわからぬですよ。あるいは指導部長の松形君が出るかわからぬですが、この次は何になるかというようなことを考えていては、危機に瀕した国有林の運営なんというのはできないですからね。それよりも、作業服を着て現場へ行って——少なくともいま私が指摘したようなその現場の事件ではないわけですよ。全体の事業の内容の中に普遍的にこういう問題が伏在しておるわけだからして、この事態というものを十分明らかにして、次の機会に委員会を通じて明快な報告をしてもらいたいと思うのです。それができますか。それだけ明らかにして、きょうは質問を終わっておきたいと思います。
○福田(省)政府委員 お答えいたします。 日向の問題あるいは営林署の問題、また熊本の問題その他の一件、コンサルタンツの問題、御指摘いただきました。けさほど一部新聞でも見ましたので、さっそく電話等でも照会して情報は一部はとっておりますけれども、時間もございませんので、後日また御説明申し上げたいと思います。 なお、販売の問題にいたしましても、また事業実行の面での生産造林その他の問題にいたしましても、私は、従来のやってきておったことがそのまますべていいのだというふうには、実は考えておりません。特に、最近は森林に対しまするところの国民の全般のいろいろな要求が出てまいっております。その点を十分勘案しまして、新しい近代的な経営のしかたというものに乗りかえていかなければならぬというふうに感じておるわけでございまして、御指摘のような線に沿いまして、特に林業振興決議につきましては、先ほども申し上げましたように、きわめて妥当な問題でございます。前向きに検討してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○三ツ林委員長代理 瀬野栄次郎君。
○瀬野委員 私はただいまから、熊本営林局管内川内営林署に起きた国有林の不正事件並びに埼玉県秩父営林署に起きた不正事件について、林野当局に質問をいたします。さらに、時間が許せば、凍霜害の問題について若干蚕糸園芸局長、国税庁に質問をいたしたい、かように思うわけです。 大臣がちょうど渉外事務で、アメリカ大統領補佐官のエバリー氏との会見のために中座されましたので、大臣に対する質問は後日に譲ることにいたしまして、さっそく問題の焦点に入ってまいりたいと思います。 ただいまもいろいろ論議されてまいりましたが、林野庁長官も福田長官にかわられて、本年度の林業白書を見ますと、かつてないきびしい内容となって、国民の前に林業の問題点をかなり浮き彫りにしてさらけ出しているという点は、一応いままでと違って私も認めるわけでありますが、いずれにしても、過般来たびたび、私、質問してまいりましたように、林野行政はこのままで推移しますと、あと十五年もせぬうちにおそらく一兆円赤字になりはせぬか。三K赤字が国有林を入れて四K赤字ということで、国有林、米、国鉄、健保、こういうようなことで、たいへんな赤字をかかえるということになりかねないということで警告を発しておるわけです。また、自然保護の問題から、経済的機能また公益的機能がたいへん国民の要請が強くなってきた段階において、愛される林野庁となるべきであって、山を野に変える庁と皮肉られるようでは困るわけです。自然保護が強く叫ばれている現在、林野庁のあり方について国民のコンセンサスを得なければならないときになってきておることは、十分皆さん方御承知のとおりであります。そういった中で、先ほどからも指摘されましたように、事件があちこちに起きてきているということで、われわれも憂慮にたえません。えりを正して林野行政をひとつ軌道に乗せて、しかも国民から信頼を受ける林野行政に今後新長官のもとでぜひ推進をはかっていただきたい、かように冒頭申し上げる次第でございます。 そこで、問題の焦点に入ってまいりますが、五月十一日の毎日新聞をはじめその他の新聞で報道されまして、いろいろ明らかにされておりますが、私も九州の地におる関係で現地はよく承知しておりますけれども、今回の問題についてはつぶさに現地を見たわけじゃありません。報道なりまたこちら側からの電話によっていろいろ問い合わせした結果、いろいろなことがわかってきたわけでございますが、この問題が氷山の一角として、まだたくさんほかにも問題があるということでありますとたいへんなことでありますし、いま国民の信頼を得なければならないときでもあるし、わけても環境庁長官が先般発言しましたように、林野行政を環境庁の中に入れるかどうかというようなことを言って、いろいろ本会議でもあやまっておる一面もございましたが、そういったことから考えまして、ますます国民に信頼をされる経営をしてもらわなければならぬ、かように思うわけでございます。 そこで、時間の制約があるので、具体的な問題で、熊本営林局管内の川内営林署、場所は先ほどから話がありましたように、鹿児島県出水郡高尾野町でございますが、十八林班三十七・一五ヘクタールの伐採問題、また植林問題をめぐってのいろいろな事件であります。まず林野庁長官に、この事件を通していろいろ報道その他でなされているような問題点が幾つかございますので、それらをひとつ明らかにしていただきたい、こう思うのです。この十八林班は保安林となっておるけれども、まず施業法はどういうふうになっておったのか、この点からひとつ明らかにしていただきたい、かように思います。
○福田(省)政府委員 お答えいたします。 川内営林署のこれは水源癒養保安林となっておるわけでございまして、施業要件は、かいつまんで申し上げますと、次のようになっております。 一つは、主伐による伐採地はきめられておりません。すなわち限度がございますが、皆伐が多くなっても差しつかえない。 第二点は、皆伐による伐採の一カ所当たりの面積の限度は二十ヘクタールであるということでございます。 第三点は、今回の措置個所のうち、四十六年度に伐採した個所及び四十七年度伐採を予定されておる個所のうち、十八林班り小班については、植栽の指定はなされていないのでございます。だし、四十七年度伐採予定個所のうち、十八林班り小班以外の個所、つまり十八林班ぬ、る、わ、わ1小班、これにつきましては、満一年生以上の苗木をおおむね一ヘクタール当たり三千本以上を伐採の翌年度から二年以内に植栽することになっています。これは先生は林業のほうの専門家でございますから、解説は省略いたしまして、こういう要件だけ申し上げておきます。
○瀬野委員 そこで、保安林になっているということであるが、保安林はこれは一がいには言えないけれども、二十ヘクタールを限度としてこれ以上の伐採面積はできないということで一般に規制されておるわけです。これも全部が全部じゃありませんけれども、この川内営林署管内の今回問題になった十八林班は、当然この該当林に当たると私は図面の上から見るわけでありますが、もしこれが二十ヘクタール以上保安林を切ったとなれば、これは森林法違反ということになるわけです。そういったことは十分局あるいは署の施業計画その他によって承知していることなんですけれども、実際に二十ヘクタール以上を切ったとなるとこれは森林法違反という、新聞に報道されているとおりになるのですが、その点は林野庁はどのように調査結果を見ておられるか、その点も明らかにしていただきたい。
○福田(省)政府委員 この二十ヘクタールの限度一の問題でございますが、一カ所の伐採面積の限度の指定は二十ヘクタール以下ときめられておるのでございますが、現地は三七・一五ヘクタールを三カ所に分けております。一つは十八林班のい、これは九・一九ヘクタールでございます。それから二番目は十八林班のへ、と、でございます。これは二・〇四ヘクタールでございます。それから第三番目は十八林班のり、ぬ、る、わ、わ1、これは一六・九二ヘクタールになっております。三団地に分けておるわけでございます。この団地と団地の間の距離は二十五メートルないし三十五メートルあるという保護樹帯を設けておるものでございます。
○瀬野委員 ただいま長官の説明で、新聞でもいろいろ報道されておったのですが、私も現地に行ってないのでつまびらかにわかりませんけれども、慎重に発言していただかないと、この議事録によって私も現地を再び調査をしまして明らかにしてみたいと思うのであります。いま三団地が二十五メートルないし三十五メートルということでかなり隣接しているということで、保安林の目的からいった場合に、必ずしも林班が違えば、または伐区が異なるからいいとも一がいに言えないわけですね。その点は十分配慮しての計画であろうかと思うのですが、三団地ということでこれは保安林の目的を十分遂行する上からこの伐採については適切であったこういうふうに思って施業なさったものか、その点、あわせてお伺いしておきます。
○福田(省)政府委員 これは植間がございまして、一伐区と一伐区の間は最小限度二十メートルというふうになっておるわけでございます。この一応二十メートルといたしました理由は、これくらいの距離がございますと、大体において上部から出ました土砂をある程度とどめ得るということが一つ、それから防風上の効果を考えた場合に、これくらいの幅があればよろしいということが一つ、それから、林群として成立する最小単位としてやはりこれくらいの幅が要るという三点でございます。したがいまして、この二十メートルという制限の上をいっておりますので、この点につきましては妥当なものと考えておるわけでございます。
○瀬野委員 杉、ヒノキの苗木を六万九百本のうち三分の二くらいを取りまとめてほうってあったということがいわれておりますけれども、この点は事実であるかどうか。長官、この点、どうですか。
○福田(省)政府委員 杉、ヒノキの苗木六万九百本の三分の二を一まとめにしてほうっておいたではないかということでございます。先ほどもまた日向の例でそういうことがございましたけれども、これは植えつけ作業に入ります前に、作業の手順としまして、通常、現地にまとめて仮植をしているわけでございます。 〔三ツ林委員長代理退席、熊谷委員長代理着席〕 仮植しておるところから大量の苗木が一まとめに放置されていたという事実の指摘でございますけれども、こういうことから考えますと、放置されているという事実はございません。
○瀬野委員 これは新聞の報道なんかとは全然違うんだが、全然ほうってある苗木はないということでありますけれども、もちろん土場等に植えるための苗木を仮植したりいろいろなことは当然起きてくるわけですけれども、長官はそういったものはないということでありますし、調査官も現地に行っておられるので、一応額面どおり受け取っておきまして、事実は今後調査の結果でまた再度これは質問することにいたす予定にいたしたいと思うのです。 それで、さっきも今後の計画の話が出ましたが、林地に搬出未済の材がまだ残っておる状態の中で造林を行なったということについては、日にち等の食い違いもあるのですが、これはどういうことですか。
○福田(省)政府委員 搬出未済の材が残っていても、現地の状況によっては造林できないというわけではございません。作業の安全性、搬出に際しての苗木の損傷等のおそれがないかどうかという点を考えなければならぬわけでございますけれども、しかし、これは原則といたしましては、材を搬出したあとに地ごしらえをし、植栽するのが手順であります。支障はないといたしましても、この点につきましては、やはり今後厳重な指導をしてまいりたいと考えておるわけであります。
○瀬野委員 これは常識から考えても、当然搬出を終わったあとで地ごしらえをして植樹をするのが当然のことでございます。そういったことは十分注意して指導もしなければならぬことでありますし、林業をやっている者の常識です。 そこで、丸太の搬出が終わっていないのに植えつけの契約をしたという点ですね。いわゆる地ごしらえの完了検査をしなければならぬわけですが、そういったことを済ませないうちに契約をしている。すなわち、この契約自体が無理な契約ではないか、こういうように思うわけですが、その点は林野庁はどういうふうに弁解されるわけですか。
○福田(省)政府委員 森林の公益的な機能の強化等のために一年でも早く植えつけを実施するように常に考慮していますし、かつ植えつけの契約時期、これは昭和四十七年二月二日でございますが、当時はその実行状況から判断しまして、植えつけ期限前に搬出、それから地ごしらえが十分終わるという見通しのもとに、搬出完了前に植えつけ契約をしたものでございました。監督員の指示によって作業を行なうたてまえになっておりまして、もし作業が適切でないと判断される場合には、そのつど手直しを命じて実行させることになっているために、無理な契約であったとは思われないのでございますが、結果としては、材が残っているうちに植えつけを実行することになったのは適当ではないので、やはりこの点につきましても、今後はかかることがないように適切に指導してまいりたい、かように考えておるところでございます。
○瀬野委員 搬出を終わらないうちに、材が残っておるのに植えつけをして損傷を起こすということは、さっきから話がありましたように、十分注意して指導してもらわなければいかぬことでありますが、現在まだ材が残っているのに植えつけ凍してある。こうなると、当然これは搬出によってかなり植林した杉、ヒノキが損傷を受けるということで被害を受けることになりますが、その点も新聞の写真あるいは報道によると、一、二割しか成木になるのがないような印象を受けるのですが、どのぐらい損傷を受け、また実際その搬出によって今後かなりまだ植えつけの苗木に被害を受けるような場所がどのくらい残っておるか、その辺の事情はどういうことになっておりますか。
○福田(省)政府委員 監査官を派遣しまして調査した結果でございますけれども、現地について千五百七十七本の苗木を調査いたしました。その中で健全なものは千五百四本で九五・四%、破損しているものは九本で〇・六%、損傷しているものは二十七本で一・七%、それからウサギの害を受けているものは三十七本で二・三%、こうなっております。しかし、調査個所が少ないので、これだけでは正確な判断はいたしかねますので、現地調査を続行中でございます。検査を受けたものにつきましては、さっそく手直しをさせることといたしたいと思っております。
○瀬野委員 林野庁長官の答弁によると、新聞で報道された印象よりもずいぶん内容が違う、また被害の状況もだいぶ違うというふうに答弁があったわけですが、現地に調査官を派遣しておることでもあるし、現地の全林野の皆さん方もいろいろ現地を見られておることでもあろうと思いますが、公開の席での林野庁長官の答弁であるので、一応信用することにいたしますが、いずれにしても、混合契約にしても、植林の場合には、立木を伐採し、それから搬出、整地、すなわち地ごしらえをして植林、こういった順序で作業をする。これは原則でございますので、今後もあることでありますから、十分こういったことは注意をして、ひとつ指導、監督していただきたい。こういったことでとやかく不信を買うことのないように十分注意していただきたい、かように思うわけです。いずれ現地を見た上でこの問題はいろいろとお尋ねすることにいたします。 この事件についてこの問題が一つの例としてあがってきたわけですけれども、この事件を通じて局長は今後どのように対処し、どのように姿勢を正していくか。また世間でよくいわれるように、会社の人事が天下り、だから業者と局並びに署の癒着ということがよくいわれる。こういったことについて綱紀粛正の上からもどのように姿勢を正していくという考えでおられるのか。さっきから若干例が出ましたけれども、長官の決意のほどを承っておきたい、かように思うのです。
○福田(省)政府委員 最近いろいろな事件が報道されておるわけでございますが、この問題につきましては、国有林の件につきましては特に国民全般の山でございますし、そういう観点に立ちまして、国民の期待に沿うような経営をしてまいりたい、かように思っておるわけでございます。したがいまして、たまたまこういう事件が連続して報道されましたことは非常に遺憾である、私もかように思っております。先般、会議の際にも全局に厳重注意を発したところでございますけれども、あらためてまた通達等において指示をしてまいりたい、かように思っております。今後は十分その点を配慮いたしまして指導の徹底を期してまいりたい、こう考えているわけでございます。
○瀬野委員 林野庁長官も、新しく長官になられて、この委員会で決意を述べられることは当然であるが、決意だけでなくて、さっきから指摘がありましたように、こういったおもなところには——国会中はたいへんだと思うのですけれども、国会終了後はひとつすみやかに現地各局等を見られて綱紀粛正なり、こういった事件の起きている個所については特に今後国民の信頼を得るような指導、監督をなさっていただくように陣頭指揮をとってもらいたい、かように私は思うわけでございます。 そこでもう一点、通告してありました埼玉県の秩父営林署の問題、これも二、三年前から数回奥秩父をはじめ調査いたしてまいったわけであります。当時営林署長であった北山署長が逮捕され、三代の署長にわたって逮捕されたことで、先ほど長官からも事件の概要等お話がございました。昭和四十一年から四十六年にかけて談合を知っての収賄の疑いで歴代三署長を取り調べということで、これまた不愉快な問題でございます。このような事件が続くと、林野庁に対する国民の不信はますます強くなってくるということになります。 先ほど若干お話がありましたので数点お尋ねしておきますが、国有林材はこの秩父営林署の場合なんかの例をとりまして、一般的には私も十分承知しておりますが、どのようなものを対象者として入札を行なっておられるのか、秩父の営林署の場合を一つの例にとって一応答弁をいただいておきたい、こういうように思います。
○福田(省)政府委員 公入札の場合は、一般的には、禁治産者とか責任能力を欠く者とか過去において不正を行なった者など、国の契約の相手方としてふさわしくない者を除いて、公正な競争を確保しますために、木材業として営業歴が二年以上ある者、それから木材の購入量が年間少なくとも三十立方メートルをこえる者を有資格者としておりまして、これらの有資格者を対象として公入札を実施しているものでございます。
○瀬野委員 秩父の営林署の場合、業者が連合していたことが新聞で明らかになっていろいろ取りざたされておりますが、今回の入札について四十一年から四十六年の間の問題について事前に察知できなかったのか。さっきから言われるように、監察官もおるわけですけれども、この問題が起きてから初めて驚いたというようなことなのか。もっと事前に察知できなかったものなのか。昨年は木曽営林署の問題等が起きましたが、その点はどうなんですか。
○福田(省)政府委員 先ほど申し上げましたように、入札に際しまして連合その他公正な競争の執行を妨げました者につきましては、実は二カ年間入札に参加させないという規定も設けておるものでございます。こういうふうに一応きびしく取り締まっておるのでございますけれども、平常監査あるいは検査を通じて、このような点につきましては厳重な監督につとめておるところではございますけれども、事前にこれを察知できなかったことは非常に遺憾な点でございます。特に販売の問題につきましては、非常に国民皆さんの批判を買う問題が多いわけでございまして、今後はこの点につきましては、監査等を通じて厳重な指導をしてまいりたい、かように考えております。
○瀬野委員 かつて起きました上松事件がありましたが、あれ以来再び入札に関する問題で不祥事が指摘されているわけでございますが、あの当時も、前松本林野庁長官もいろいろと指導、監督に当たるということで強い決意を述べておるわけでございますけれども、林野庁においてはこういったことについてはいかなる指導をしておられるか、ひとつあらためてお伺いをしておきたいのであります。
○福田(省)政府委員 昨年の二月でございましたが、御指摘のような問題が発生したわけでございます。二月十六日付をもちまして長官通達を出しまして、契約事務につきましては厳正な執行をするようにという細部についての指示をいたしたものでございます。また、その前に一月二十日付をもちまして、取り急ぎ業務上通達を出しましてこの事務の厳正な執行を指示しておりますし、またその後の会議等におきましても、会計事務の執行につきましてはきびしく取り締まるように指示してきたものでございます。ことに錯誤の認定の問題であるとか入札に関係する書類の保存の問題であるとか、この点が非常に問題になったいきさつがございます。特に本年に入りましても、また会議の際にこういう販売の契約事務の問題につきましては厳正に執行するように、文書等を通じてただいま申しましたような指示をしておるところでございます。
○瀬野委員 この機会にあらためて長官にお伺いしておきますが、予定価格の決定方法とか保管方法、こういった問題についてひとつ説明をしておいていただきたいと思うのです。
○福田(省)政府委員 予定価格の決定は、これは非常に重要な問題でございますので、予定価格は一つのルールを設けてございまして、営林署が毎月市況調査を行ないます。競争入札価格の分析をし、市売り価格によって得た分析価格などを加えまして営林局長が決定した市場の基準価格、これを年度初めにきめるわけでございます。これをもとにしまして予定価格を営林署長が定めるわけでございます。また立木販売の場合は、市場価格からさらに伐採、搬出等に必要な経費を差し引きまして立木の価格を算定しておるのでございます。いわゆる市場価格逆算方式でございます。この基準となる市場価格は、市況の動向によりまして毎月変更して、一年に十二回市況率を変えておるものでございます。
○瀬野委員 もう一点お伺いしますが、木材業者との癒着問題がこの場合も特にまた問題になるわけですけれども、こういった木材業者との癒着ということは今後もあり得るというふうに、これはあってはいけないけれども、予測されるわけです。結局、そういったことから増伐ということが行なわれて、自然破壊ということを助長していくということになりかねない。こういったことが自然保護協会あるいはまた自然を守る会とか、現在巷間いろいろいわれておることでありますけれども、こういったことに対しては長官としてはどういう態度で指導され、また臨まれていくのか、どういう決意であるか。この点もこの機会にはっきりと長官に言明をしていただきたいと思うのです。
○福田(省)政府委員 毎年の伐採量につきましては、林野庁長官の承認を経まして営林局長が立てることになっております地域施業計画、これによりまして、森林の公益的な機能とそれから木材の生産機能との調和をはかりながら定められておるものでございます。業界の要望とかによって増伐するというようなことはございません。すべてこれをもとにして計画的に進めておるものでございます。 なお、最近における国民の皆さんの要請にこたえますために、森林の公益的な機能をより一そう高めるということに重点を置きまして、本年の二月に新しい森林施業の方針をきめまして、従来の計画を再検討することにしておるのでございます。 なお、いま御指摘のありました秩父の営林署におきましても、禁伐あるいは択伐など、保護する森林を従来の三倍に実はふやしておるものでございます。全面積の七一%に広げまして、自然保護に力を入れてまいっておるところでございます。
○瀬野委員 先ほども申し上げたのですが、今回の秩父営林署の問題でも、やはり現職の東京営林局人事課長、北山課長が逮捕されているというようなことで、職員等も相当動揺したり、あるいは今後林野行政を遂行する上にいろいろな問題が起きて不安であろうと私は思うのですが、今後、職員の綱紀粛正ということについてさらに強力に姿勢を正してもらわなければいかぬ、かように思うわけです。こういう機会に指導強化をはかっていただきたいのですが、その点は、長官、どうですか。
○福田(省)政府委員 まことに御指摘のとおりでございます。十分御趣旨を尊重しまして指導の徹底をはかってまいりたい、かように存じております。
○瀬野委員 時間の関係で、最後に長官にもう一点お伺いして終わりますが、農業の場合の憲法といわれる農業基本法も、現在、空洞化して、いよいよ検討せなければならぬということが考えられるわけです。森林の場合は、森林基本法がいわゆる森林の憲法になっております。こういった公益的機能の要請がいよいよ強くなってくるという段階、また今回の林業白書等をずっと見ましても、今後林政の転換をしていかなければならぬ、内外ともにいろいろと検討せなならぬという事態が起きてきております。そういったことから、森林法というものを何といっても検討せなならぬ、こういうふうに思うわけですけれども、今後森林法についてはどのようにお考えであるか。これの改正についていろいろ検討しておられるのか、またそういう用意があるのか、その点一点だけ最後にお伺いしたい、かように思います。
○福田(省)政府委員 御指摘のとおり、最近は特に木材生産以外に公益的な問題についての要請が非常に高まってまいっております。したがいまして、先生御承知のように、治山事業につきましても、最近は前五カ年計画をさらに倍にした計画を今度持ったわけでありますが、保安林制度の問題につきましても、なお一そう指導の徹底をはかるために、この中身をただいま検討しておるところでございます。特に従来ありました水源涵養保安林につきましては、もっとこの点をきびしくしなければならぬ点もあると思いますし、特にまた保健休養林の問題につきましては、全国の中でこれをもっと拡充していくことも必要であろうと思うわけでございます。その他いろいろ問題がございますので、森林法につきましては、場合によってはこの改正を次期の国会において提出するような準備作業も実はしているわけでございます。 なお、つけ加えて申し上げますと、最近、環境庁との間で、自然保護についての話し合いも農林省との間は一応了承がついたわけでございまして、場合によってはこの法案が今国会にかかりますと、その中で森林法をもっと強化する意味で、一部改正がなされるかもしれませんので、その準備もあわせてしておるわけでございます。
○瀬野委員 ただいま林野庁長官から森林法の問題、また環境庁との関係で自然保護の問題等、期待の持てる前向きの発言がございましたが、ぜひそのような方向で進めていただくと同時に、林野行政また環境庁との関係もセクト主義ではなくて、どうか横の連絡もよくとって、国民の要請にこたえられるような林野行政を推進されるように、心から望んでおきます。 いまの川内営林署、秩父営林署の問題につきましては、いずれ私も機会を見て現地等を見た上で再度質問をすることにして、林野行政は一応これで終わります。 あと時間が若干あるようでございますので、質問通告をいたしておりました四、五月の凍霜害の被害について若干のお尋ねをいたしたいと思います。 四月の初旬には凍害が起きて、また関東地方を中心に五月の二日から四日に霜害が起きております。被害総額は、五月十日農林省調べによりますと、群馬、埼玉、長野、静岡、岐阜、熊本等十七の府県にわたって、全国で九十四億一千六百万円。うち桑の害が四十五億四百万円、茶、たばこが二十億九千百万円、果樹十五億六千五百万円、野菜十二億六百万円。特にその中でも長野県が二十九億、群馬県が二十八億と被害が多いわけです。四、五月の凍霜害の被害は、五月十日現在でございますけれども、現在まで農林省が掌握しておられる被害の概況はどうなっておるか、この機会に明らかにしていただきたいと思います。
○大河原政府委員 お答え申し上げます。 ただいま四月と五月の二つの凍霜害の被害概況についてどうかというお尋ねでございます。まず四月の凍霜害につきましては、先生御存じのとおり、三月の末から四月の二日にかけまして参った凍霜害でございます。これは西日本、特に九州地方等でも被害を見たわけでございますが、すでに統計調査部の調査もまとまっておりまして、約五十八億円というような数字になっております。被害の中身は、おもなものを申し上げますと、果樹が二十三億、それから麦が七億、野菜が六億、お茶が九億というような数字になっております。ただ、この凍霜害は、全体の額は相当な額に達しておりますが、全般的に広く薄い災害であるというふうにわれわれは承知しておりまして、時期が早かったせいもございまして、その後の回復は相当にあったというような現地からの報告を受けております。それが四月の災害でございます。 それから五月の災害につきましては、これは御案内のとおり、五月三日早朝、中部山岳方面から関東、東北地方南部にかけまして、各地とも気温が非常に下りまして晩霜により被害を受けたわけでございますが、その被害の作目といたしましては、桑、果樹、茶、野菜などでございます。現在統計調査部で調査中でございますが、十六日現在われわれが県から受けております報告によりますと約百四億になっておりまして、最も大きいのは桑の四十五億六千万円、それから工芸作物は、これは主としてお茶でございますが、その他たばこも若干ございますが、合わせまして三十二億七千万円、果樹が十五億円、野菜が十億円というような模様でございます。これは五月の被害は深さが相当ございまして、県によりましては相当な被害を受けておるというのがその概況でございます。
○瀬野委員 ただいま報告がありました中で、特に今回五月の霜害によって桑の被害が現在までに判明した分が四十五億六千万ということであります。特に桑がひどいわけですが、御存じのように、昨年も議員立法でいわゆる輸入規制をやったわけですが、晩秋蚕、晩々秋蚕キロ二、三百円も値下がりするというので養蚕農家はたいへんな苦境に落とされ、さらには生産調整によって農業のいわゆる撤退作戦が行なわれている中で、ダブルパンチを受けているというような状況でございます。そういったことで各地とも相当今後の経営に苦慮しておるわけですが、これに対して当局はどういうような対策を考えておられるか。激甚災害あるいは天災融資法の早期発動というような、いろいろ考えておられると思いますけれども、その状況を簡潔にひとつ御答弁いただきたいと思います。
○大河原政府委員 お答え申し上げます。 五月の災害は相当な広がりと深さを持っておりますので、われわれといたしましては、被害直後に、これは蚕糸園芸関係作物が大部分でございますので、被害県、長野、群馬、栃木、茨城、静岡、埼玉というような被害甚大県に対しまして、関係課長を急派いたしまして被害の調査とその後の技術指導について万全を期しておるわけでございますが、これに対する所要の対策といたしましては、いずれにいたしましても、農林省の統計調査部の調査が今週中には被害額がまとまりますので、国としての責任ある数字をもちまして対策を講じたいと思うわけでございます。 先生ただいまお話がございました天災融資法発動、自創資金の問題、あるいは蚕繭共済の仮渡しなり早期支払いの問題というものを中心にいたしまして、被害農家のそれぞれの御要望にこたえるために、現在最終の被害の数字の確定を待ちまして措置いたしたいと準備中でございます。
○瀬野委員 ただいま参事官からお話がありましたように、ぜひ救済措置としては天災融資法の早期発動だとか、あるいは蚕繭共済資金を出す、また自創資金のワク拡大をやるというようなことやら、さらに、十分御承知だと思いますけれども、制度資金の返済期限の延長等、いろいろひとつお考えをいただきたい、かように強くお願いをしておきます。いずれ今週中に被害額がまとまった上でいろいろ対策をとられるということでありますので、その節いろいろとまた小さいことを伺いたい、かように思います。 国税庁に来ていただいておりますので、一、二点ちょっとお伺いして終わりにしますが、今回の四、五月の凍霜被害について、各養蚕農家もまた団体等も、ぜひひとつ被災農家に対する農業所得税の減免等、課税の軽減について特別の配慮をしていただきたいということが強い願望でありますが、これに対しては国税庁はどのように考えておられるか、またどのような方法があるか、ひとつ御答弁をいただきたいと思います。
○早田説明員 お答え申し上げます。 先生御承知のとおり、農家につきましては大体帳簿というものがございませんで、農業課税につきましては、私たちのほうで申告の目安になります農業標準率というものを算定いたしまして、それに従って申告をしていただいているわけでございますが、この農業標準率を算定いたすにあたりまして、ただいま御指摘がありましたような地域につきましては、十分その被害状況なり、それから被害に伴いまして特別にかかっております経費、こういうものの実情を把握いたしまして、きめのこまかい標準率を作成いたしたいと考えております。なお、個々の農家につきましては、たとえば養蚕の場合でございますと蚕繭共済があるというように、農家共済に加入されておって、その被害程度が非常にはっきりするというようなこともございます。こういうもの、そのほか関係機関の資料等ももとにいたしまして、被害に応じて所得金額が減額になるように、十分配慮してまいりたいと思っております。 なお、ただいま申し上げましたのは、いわゆる四十七年の課税の問題でございますが、当面、農業所得者につきましては七月に予定納税をしなければならないという事態があるわけでございます。この予定納税は、前年の所得を基準にしまして算定しました所得額に対応する税額の三分の一を七月に、あとの三分の一を十一月に納付していただくということになっておるわけでございますが、ただいまのように被害が出ますと、その本年分の所得が相当減るということになりますので、前年を基準にいたします予定納税では非常に無理が生ずるわけでございます。したがいまして、これについては、予定納税の減額承認申請という手続をおとりになっていただくわけでございます。農業の場合、先ほど申しましたように、帳簿等も所得者がお持ちでない場合が多いわけでございますので、本年分の所得額が幾らになるということをはっきり計算することがなかなかできないわけでございますが、これは私たちのほうもいろいろ御指導申し上げますが、簡易措置として、市町村長が被害の程度を証明するというふうな措置を講じていただけば、それで直ちに減額の承認をする、また被害が相当広範な地域については、一人一人の納税者がお出しにならないで、連記式の減額承認申請をお出し願うというような措置も従前から考慮しております。そういう措置を十分一般納税者にもおわかりになるように、また税務署もそれに従って適切に処理するように十分指導してまいりたいと思っております。
○瀬野委員 もう一点ですが、減額承認については原則としては市町村長ということのようですが、養蚕組合とか農協がある場合等、地域によってはそういった養蚕組合あるいは農協等を使うということもできるものか、それと、特にこういった問題は事務の簡素化をはかってもらいたいということが、こういった場合は最も必要なのですが、その点についてお答えいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
○早田説明員 税務署のほうで被害程度がわかるものがあればけっこうでございますので、別に市町村に固定することはございませんで、農業団体等でもけっこうでございます。 それから、このためにいろいろ手続的に負担をおかけするということもいけないことでございますので、そこらは十分配意して、ただいま申し上げましたような措置を講じておる次第でございます。
○瀬野委員 時間が参りましたので、以上で質問を終わります。
○熊谷委員長代理 小宮武喜君。
○小宮委員 私は真珠業の問題について水産庁に質問します。 御存じのように、わが国の真珠業界は、四十一年六月ころからの輸出不振を契機として、次第に不況に見舞われ、経営は年々悪化し、深刻な事態に直面しておると思います。御存じのように、長崎県でも、全国で三重県に次ぐ真珠事業の盛んなところでありますが、もうすでに三割近くは倒産し、または休業しております。したがって、これからの真珠価格の推移いかんによっては、その半数も生き残れるかどうかというようなことが非常に懸念をされております。加えて、昨年のドル・ショックでダブルパンチを受けて、何らかの対策を講じなければこの真珠業界は瀕死の事態におちいることは明らかだというふうに考えます。 そこで、質問したいのは、わが国の真珠事業の現状と今後の見通しについてまずお伺いしたいと思います。
○太田(康)政府委員 わが国の真珠産業は、御承知のとおり、輸出産業を主としてやってまいったわけでございますけれども、昭和四十二年以降、戦後初めての輸出不振というものに当面をいたしたわけでございまして、その後、実はこの傾向が長期化、慢性化をいたしておるのでございます。御指摘のとおり、一部には経営の破綻を来たしたというものもあらわれておりまして、まことに深刻な事態を迎えておるのでございます。 そこで、こういった輸出不振がなぜ起こったかということでございますが、一つは、やはり生産過剰を契機といたしますところの、価格が非常に不安定であるということ、それと品質が比較的よくないものがたくさん生産されたというようなことがあるわけでございまして、特に品質低下の傾向からいたしますところの海外業者の買い控えというような問題もあったと思われるわけでございます。なお、それ以外に、最近では海外の取り扱い業者が、真珠価格不安であるとか品質が悪いというようなこともございまして、他の貴石類に転換したというようなこともあるようでございます。それに、先ほどお話のございました通貨調整の影響もあろうかと思うのでございます。 ところが、生産調整をずっと御承知のとおり続けてまいったのでございまして、ようやく減産基調が本格化してまいりまして、需給均衡回復への基本的な条件というものも徐々に整備をされてまいったというふうに考えるわけでございまして、このことを背景といたしまして、昨年秋から始まりました、四十六年の浜あげの新玉の価格というものが比較的堅調に推移してきておるということは注目されるところでございます。また、本年に入ってからの動向を申し上げますと、円切り上げの措置が確かにあったわけでございますけれども、輸出は、最近におきましては価格、数量とも下げどまりの傾向を示しておるのでございます。そこで、こういったふうに徐々に生産調整の効果も出てきておりますので、これを契機として、われわれといたしましては、いままでの基本的な施策を継続いたしまして、市況が上向きに向かうことを期待いたしておるのでございます。 そこで、いままでわれわれがどういうことをやってきたかということでございますが、長期にわたりました不況状況に対応いたしまして、御承知のとおり、真珠養殖等調整暫定措置法というような法律の制定によりまして、生産調整の推進とそれから養殖いかだの密殖改善の措置というものの実施を進めてまいったわけでございますし、さらに余剰真珠の調整保管に対しますところの財政の援助、こういった措置を行なってきたわけでございます。当面といたしましては、さらに先ほど申し上げました法律に基づきますところの生産調整を継続実施することは当然でございまして、これによりましてすみやかに需給均衡の回復をはかるということと、やはり品質の改善をはかるということを進めてまいりたいと思っておるわけでございますが、何といたしましても、真珠価格の安定と品質の向上を目的といたしますためには、系統共販事業の強化ということがぜひ必要であろうということで、実は本年度予算におきましても、系統共販事業の強化のための事業費の補助も予算上計上いたしております。 なお、私どもといたしまして、何回か真珠につきましては対策を講じたわけでございますけれども、確かに、さらに対策についての検討を深めなければならないということで、現在、真珠産業の今後のあり方という問題につきまして、最近におきます現状を踏まえまして、私どもの審議会が設けられておりまして、その真珠養殖事業審議会、この場におきまして、実は具体的に申し上げますと小委員会を設けまして、専門的に御検討いただいておるのでございまして、おそくとも、明年度予算の農林省の内部におきます編成時期でございますところの七月までにはその結論を得まして、正式に審議会にかけまして御決定をいただいて、対策を進めてまいりたいというふうに現段階においては取り進めておる次第でございます。
○小宮委員 この真珠事業は非常に不振であるというその原因の一つとして、最近、真珠貝の原因不明による大量の異常斃死というのが非常に発生しておるわけです。長崎県でも、四十一年ごろよりこの原因不明の異常斃死が発生して、現在でも続いております。そのため、この関係漁協等では、国立真珠研究所、また県水産試験場、長崎大学、九州大学等にその斃死の原因と対策について研究を依頼しておりますけれども、いまだにその原因がつかみかねておるようでありますが、この斃死の原因について水産庁はどのように考えておられるのか。また、水産庁としてこの斃死の問題について調査したことがあるのかどうか、その点、ひとつお答えを願いたい。
○太田(康)政府委員 御指摘のとおり、長崎県下の佐世保におきまして、昨年夏、真珠貝の異常斃死というものが発生をいたしたわけでございまして、これは昨年だけではなしに、同地域では従来とも毎年同様の事故の発生を見ている。昨年は前年に次ぐ相当数の斃死事故となったというふうに承知をいたしております。これに対しまして、これまた小宮先生御指摘のとおり、現在、私どもの国立真珠研究所に大村支所がございますので、この大村支所、それと長崎県の水産試験場をはじめといたしまして、さらに大学方面にも調査を依頼して、その原因の把握を進めておるというのが実態でございます。 しかしながら、これもまた御指摘があったわけですけれども、目下のところ、県におきましては、水質の悪化あるいは湾内の高水温等に関連して起こる異常斃死ではないかというふうに推定はいたしておるのでございますが、いまだ決定的な原因というものの把握ができておらないのでございます。 私どもといたしましてどういうふうに取り組んでいるかということでございますが、この点につきましては、私のほうの国立真珠研究所大村支所というところにおきまして、県の依頼もあるわけでございますけれども、国としても重大な関心を持ちまして調査研究を進めておるのでございます。最近、全国的にも真珠母貝の斃死率の増大あるいは歩どまり率の低下というような傾向もあらわれておるのでございまして、私どもの国立真珠研究所本所といたしましても、こういった課題の解明に積極的に取り組んでおるということでございますので、いましばらく原因の探求につきまして時間を拝借させていただきたい。私どもの研究機関も動員をいたしまして原因究明に当たりたい、かように存じております。
○小宮委員 水産庁としてもその大量斃死の原因についてはまだつかめておらないということでございまして、その意味で水産庁としてもいましばらく時間をかしてくれということでありますが、こういった大量斃死というのがすでに昭和四十一年から続いておるわけです。その意味では、もうすでに数年にもなりながら原因がつかめないというようなことになるわけですが、いましばらくというその時間ですね、いましばらくというのが、またいましばらくということで、二年も三年も五年もたつということでは困りますので、現在まで六年もかかってその原因がつかめておらないという実態の中で、今後原因探求を、ある研究機関を動員してやるにしても、はたしてできるのかどうか。また、いましばらくという時間は、大体いつごろまでに原因がつかめる、あるいはまたつかみたいというように考えておられるのか。その点をひとつ御参考までにお聞きしたいと思います。
○太田(康)政府委員 この問題につきましては、国の真珠研究所はもとより、大学あるいは県の水産試験場等あげて実施をいたしておるのでございますが、いまだその真の原因の探求ができていないという実態にあるわけでございます。しかし、問題は、かなり長期にわたって起こった問題でもございますし、かなり時間もかかっておることでございますので、御指摘のとおり、できる限り早くやらなければならぬわけでございますけれども、いまここで、それではたとえば四十七年度末までには完全に原因を探求いたしますということも申し上げる自信がないのでございますが、私どもといたしましては、問題が問題でございますので、試験研究機関を督励いたしまして、できる限りすみやかに原因の探求につとめさせたい、かように存じております。
○小宮委員 この問題については、これは業界もそうだと思いますが、水産庁自体としても、この問題が四十一年から発生して以来、ほんとうに原因追及に取り組んだというのは、ごく最近のことではないか。それまでは案外放置されておったのじゃないかというようにも、私、推測するわけですが、それはそれとして、この真珠養殖のあり方にも問題がないかということを私も考えるわけです。というのは、真珠をより早く、より大きくということで、母貝養殖はその意味で非常に盛んに行なわれておるわけですが、こういったものが無理をしておるのじゃないかというようなことも考えられるわけです。こういった養殖のあり方について問題はないかどうか。水産庁として原因がつかめておらないからいろいろ問題もありましょうけれども、大体どのようにいまの時点で考えられておるのか、ひとつお聞きしたいと思います。
○太田(康)政府委員 養殖技術の問題でございますが、確かに御指摘のとおり、できる限り早く成長させたいということで、無理に成長させるというような技術に走る結果、何と申しますか、ひよわなものができるというようなことが確かにあると思っております。 〔熊谷委員長代理退席、三ツ林委員長代理着席〕 これらにつきましても、いま、一つの問題として当然原因探求の中の課題として検討いたしておる次第でございます。
○小宮委員 またその養殖のあり方と、もう一つの問題は、水質の汚濁も一つの原因になってはいないかというように考えております。たとえば、かつては品質が日本一といわれた長崎県の大村湾等は、他の漁場に比べて現在では大量に斃死が発生するという事態が起きておるわけですが、水質汚濁の関係はどのように考えておられるのか、ちょっとお聞きします。
○太田(康)政府委員 密殖によります漁場の漁の減少が出ておることは事実でございまして、これはまさに水質に関連しておるというふうに考えております。したがいまして、先ほど申し上げたような原因探求の過程におきまして、水質の悪化の問題も一つの原因ではないかということで、これまた研究の対象として現在その解明に当たっておるということでございます。
○小宮委員 この水質基準の問題ですが、一般の魚介類の水質基準と、真珠の水質基準というのは同一でいいのかどうか。この点、真珠を養殖する場合の水質基準というものが非常に問題になると思うのです。その水質基準の問題についてはどのように考えておられますか。
○太田(康)政府委員 私どもの技術の検討によりますと、カキの養殖等と同様の水質基準で大体よろしかろうということで、指導に当たっておるのでございます。
○小宮委員 また、この原因の追及にあたって、各漁協とかあるいは県あたりで盛んにいま根本的な原因の調査をやっているわけですけれども、県にしても漁協等にしても非常に経費が多くかかるわけです。したがって、こういった原因の追及については、一漁協とか一県にまかせるのじゃなくて、水産庁自体がもっともっと積極的に取り組んでもらいたいと思うのですが、現在でもまだ一漁協、また一県単位でそのような調査をやっておるわけです。こういった問題はむしろ水産庁で本腰を入れて、長崎県だけでなくて全国的な問題ですから、積極的に取り組んでいただきたいということを要望しますが、そういうような考え方がありますかどうか。
○太田(康)政府委員 この問題は、先ほど申し上げましたように、全国的にも起こっておる問題でございますから、現在の真珠業界にとって最も大きな問題の一つでございますので、国といたしましても、私のほうの国立の真珠研究所があるわけでございますから、あげてこの問題に取り組んでまいりたい、かように存じております。
○小宮委員 真珠業界の経営の状況については先ほども申し上げましたけれども、真珠業界は農林中金を主とする系統金融機関から資金の融資を受けております。しかしながら、いまのような経営悪化のために、元金はもちろん利子の返還についても、非常に返還しかねているというような状態であります。長崎の場合も、調べてみますと、総水揚げ予想が約十六億に対し、借入金予想は約四十億にのぼっております。一方、総生産原価は約二十億というふうに見込まれておりますので、これでは赤字が出るのは明らかだと思うのです。そういった意味で、わが国の真珠業界をつぶすという方針であれば別でございますが、そうでないとするなら、元金、利息の償還条件についても緩和させる措置を講じてもらいたいと思うのですが、その点については農林省はどうお考えですか。
○太田(康)政府委員 真珠不況の長期化に伴いますところの真珠養殖経営の困難性という点につきましては、先ほども申し上げたわけでございますけれども、国としても、不況対策を業界が取り上げまして、これが効果をあげて立ち直りができるまでということで、関係金融機関に対しましてはできる限り金融上の便宜をはかるというような指導をいたしてまいったわけでございます。御承知のとおり、価格安定を目的として系統団体が実施いたしましたところの余剰真珠の調整保管事業というものにつきましては、昭和四十四年度で約六千九百万くらい、それから四十五年度には四千四百万くらいの真珠調整保管事業費に対する補助をいたしたのでございまして、事業者の利子負担の軽減ということのための財政援助を行なったことは御承知のとおりでございます。 〔三ツ林委員長代理退席、松野(幸)委員長代理着席〕 最近、真珠業界自体の不況克服の施策の効果もだんだん出てまいりまして、ちょっと申し上げたように需給均衡もおおむね基本的にははかられるようになってきた、輸出価格も数量も若干上向いてきておるというような事態もあるわけでございますけれども、私どもといたしましては、かなり不況が長期間にわたって今日まで続いておるというようなことを踏まえまして、先ほど申し上げましたように、現在、真珠養殖事業審議会の中に専門委員会を設置いたしまして、金融対策を含めましての基本対策というものの検討をお願いいたしておるのでございまして、本年七月にはその審議も終わりまして、正式に審議会の場にこれがかけられることになっております。その結論が出ますれば、私どもといたしましてとり得るものは積極的にこれを取り上げて、予算化等の必要なものにつきましては予算化をはかると同時に、行政指導でできる面につきましてはひとつ前向きに取り組んでまいりたい、こういう考えでおります。
○小宮委員 業界でもやはり自主的に真珠市価の向上と安定をはかるために、一部生産調整とかあるいは調整保管等の措置を講じてきておりますけれども、なかなか効果があがっていない、また非常にむずかしいというととがいわれておりまして、業界でもこの問題は非常に悩みの種のようでありますが、こういった生産調整とか調整保管というものがなかなかうまくいかないという原因はどこにあると考えておられますか。
○太田(康)政府委員 やはり、こう申し上げますと業界の方々に対する若干の非難めいたことにもなりますし、あるいはわれわれの指導が不十分であったというようなこともあるかと思いますが、御承知のとおり、真珠業界は大手がかなり数がございますし、中小の方もあるわけでございますけれども、戦後非常に好況であったというようなことから、ともすると業界が一致団結してこの産業を盛り立てるというような面での業界の協調精神というものに欠ける点があったのではないか。その結果、過剰生産を生み、さらに品質の悪いものを生んで、ことばが悪うございまますが、みずから不況を招いたというような面もあるわけでございます。そういった意味で、今後業界もあまり各人かってなことをやってお互いにしのぎを削るということは、もちろんいい面もあるわけでございますけれども、やはりこのわが国独特の真珠産業というものを育成するためには、業界が打って一丸となって、生産面におきましても加工流通面におきましても系統集荷というようなものを強化してやっていかなければならないという自覚も、最近におきましては非常に出てきておるようでございますし、またこれを育成するための国の援助というようなことも強く要請をされておるのでございまして、そういった面で、業界も過去におきますところの自分たちのやってまいりましたことを十分反省した上で、今後これを末長く輸出産業として育成する。そのためにはどうしたらよろしいかというようなことにつきましては、真剣に業界自身も検討されておりますし、先ほど申し上げたような方向に向いておるわけでございますので、この傾向をわれわれは助成等を通じまして助長していくことが必要ではないかというふうに存じております。
○小宮委員 いま長官が言われたように、業界でもこの生産部門並びに輸出部門における生産場や加工場の一元的集荷及び買い取り、それからまた販売調整、こういうようなことをやろうと現在言っておるわけです。しかしながら、これに要する費用は大体八十億くらい資金が要るということで非常に悩んでおります。そこで、何とか国としてこの八十億の資金に対して助成してほしいというのが非常に切なる要望として出されておるわけですけれども、これに対して長官としてどのように助成をしようとしているのか、する考え方があるのかどうか、含めて長官の所見を聞きたいと思います。
○太田(康)政府委員 実は私どもといたしまして、先ほど申し上げましたように、事業者の系統団体への結集、そしてこの系統団体を通じての集荷、販売等の事業の強化ということが重要であるということを申し上げたわけでございます。 そこで、系統団体といたしまして、いま資金面のお話も出たわけでございますけれども、資金手当ての問題につきましては、私どもかねて調整保管のときから農林中央金庫に要請しまして金融のめんどうを見ていただいてきたわけでございますけれども、買い取り資金の手当てにつきましては、私どもは従来と同様農林中央金庫にこの資金手当てをいたさしめるということに考えております。ただ、系統で現在考えておりますのは、三分の一が大手の生産者のものでございますから、残り三分の二の半分程度は系統団体の一兀集荷に乗せたいということで計画を立てておりますので、私どもといたしましては、四十七年度におきまして、この真珠の系統共販事業の強化ということで、生産調整の実効を確保するための助成ということで、補助をいたす場合に、府県がもちろん補助をいたすわけでございますけれども、府県と私どもと合わせまして約六千万、私どもといたしましては、三千六十一万円という系統集荷を奨励するための経費の助成というものを考えまして、私どもが指導の方針といたしておりますところの系統団体の一元集荷の促進ということの援助をやってまいりたい、こういうふうに考えております。
○小宮委員 それくらいの助成では、はたして業界が考えておるような一元的な集荷とか販売とか、こういうようなものができるかどうか。それくらいの援助だけでは相当長期間かかる、またその中で、今度は業界の中でかえっていろいろな問題が起きてきやしないかということも考えられるわけですが、もっと水産庁としても積極的に大幅な援助をするように系統機関あたりにも指導をしてもらいたいと思いますが、まずは水産庁がそれをやる腹があるのか、そういった方向で真珠業界というものを立ち直らせるということについて、これはもう決意の問題だと思うのですが、もっともっと積極的に取り組んでもらいたいと思うのですが、長官、どうでしょうか。
○太田(康)政府委員 われわれが政策を実行いたします場合には、やはり業界の協力と申しますか、業界と意思の一致したところで実施しなければならないわけでございまして、実は打ち割った話でございますけれども、四十七年度予算の編成の過程におきましても、われわれももうちょっと積極的な案を実は用意をいたしておったこともあったわけでございますけれども、いまの業界の実情ではそこまでいけないというようなこともございまして、当面の対策といたしましては、いま申し上げたようなことに終わったわけでございます。 何回も申し上げて恐縮でございますが、せっかく専門委員会で検討しておることでございますので、その検討の成果を踏まえまして、私どもとしてとるべきものは積極的にこれを取り上げて、法制化すべきものあるいは予算化すべきもの、それぞれ仕分けをいたしまして対策に取り組んでまいりたい。せっかく今日まで輸出産業としてこれまで伸びてまいった産業でございますし、たまたま四十二年以降不況におちいっているといいましても、いま申しましたように、これにかかわる漁民の方々の数もかなり多いわけでございますし、わが国独自の輸出産業というようなことでもございますので、私どもといたしましては、決して真珠産業をこのままにして見捨てるというようなことなく、今後育成をはかってまいりたい。
○小宮委員 先ほども申し上げましたように、業界はドル・ショックまた円の切り上げで非常に経営が深刻化しているわけですが、このドル・ショックあるいは円切り上げの際に、国としてもこの業界に対しての特別な何か融資を行なったのかどうか、行なったとすれば、どのような方法で行なったのか、ひとつそれをお聞かせ願いたいと思います。
○太田(康)政府委員 ドル・ショックに伴いまして、通産省が、大体通産の管轄にある金融機関を動員いたしまして、資金運用部資金との抱き合わせによる低利資金の融通という道を講じたことは御承知のとおりでございます。そこで、農林省といたしましても、たまたま農林省の所管の業種の中には金融上の取引先として農林中央金庫を対象にしているところが多うございまして、たとえば当時真珠と同様問題になりましたところのマグロかん詰めの製造業、これらの関係、それから私どもの所管で申し上げますと、サケ・マスかん詰めの製造業、それと真珠を私どもとして取り上げたわけでございまして、これは考え方といたしまして、資金運用部資金を半分大蔵省にお願いをしてめんどうを見てもらって、残りを農林中央金庫で見るという形で、両者あわせまして、金利を若干農林中金で貸す場合よりも引き下げた形で資金手当てのめんどうを見るということで、真珠業界もめんどうを見ることにいたしたわけでございますけれども、今日までの農林中金の実績としては約二億円程度は融資をされておるというふうに聞いております。
○小宮委員 アメリカのドル防衛策に基づく輸入課徴金、これは真珠にも輸入課徴金はかかっているのですか。
○太田(康)政府委員 課徴金をかけるという発表がございまして、われわれといたしましては、こちらが自主的にたとえば出荷調整をしているような産品につきましては、課徴金は撤廃してもらいたいという折衝を農林大臣等を通じていたしたわけですけれども、あの段階におきましては、直ちにアメリカ側はそういう特別な扱いはしないということになったわけでございますので、その段階におきましては課徴金はかかったというふうに理解をいたしております。しかし、その後、御承和のとおり、多国間におきますところの通貨調整ができまして、1円の切り上げ等に伴いまして撤廃されたということになっておるわけでございます。
○小宮委員 最後に、特に業界から真珠の小売りに対する物品税の減免措置がどうにかならないのかというような声が非常に圧倒的に出ているのですが、この物品税の減免措置については可能なのか不可能なのか、その点はいかがでしょうか。
○太田(康)政府委員 御指摘のとおり、物品税につきまして業界から強い要望があることは私もよく承知をいたしております。昭和四十一年の四月から免税点五千円を一万五千円に引き上げるというようなことが実施されたわけでございますけれども、税率二〇%の物品税というのは実は据え置かれておるのでございます。そこで、ぜひ引き下げをはかってくれというような要望もございますので、私どもといたしましては、物品税全体の問題とからむ問題でございますので、大蔵省を通して検討するのは、すべての物品税についての取り扱いというものをどうするかということの段階におきまして検討されることであろうと思いますし、特に関連の宝飾品、こういったものとの関連におきまして検討される問題であろうというふうに考えます。 しかし、私どもといたしましては、今日の業界の実情を考えますれば、かなり長いこと据え置かれておるような税率というものにつきまして、引き下げにつきましてなお業界等の意向も十分聴収をいたした上で折衝の努力をいたしたい、かように存じております。
○小宮委員 時間が来ましたので、これで質問を終わります。
○松野(幸)委員長代理 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後一時二十五分散会