農林水産委員会 第17号
- 発言数
- 109 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1972/05/17
会議録
○藤田委員長 これより会議を開きます。 農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。長谷部七郎君。
○長谷部委員 農林年金に関する質問につきましては、いままで先輩議員の各位からいろいろと質問がなされましたので、私の場合、なるべく重複を避けまして御質問申し上げたい、かように存ずる次第でございます。 質問の第一点は、任継制度の問題でございますが、今回の法案を見ますと、任意継続組合員制度の適用を廃止する、こういう内容になっております。その廃止の理由といたしまして、国庫補助の引き上げがきわめて困難である、さらにはまた、それかといって掛け金の引き上げも回避せざるを得ない、いま一つは、他の年金にはこの任継制度というものがない、農林年金については過渡的な措置として、経過的な措置として制度を認めてきた、したがって、今日ではもう廃止してもいいのではないか、こういった理由をあげておられるようでございます。 しかしながら、私ども農林漁業団体の実態を拝見してまいりますと、いまのような減反政策あるいはまた貿易の自由化政策が進められて、農林業がどんどん後退を余儀なくされておる、こういう現状のもとでは、中高年齢層というものが農林漁業団体に、特に農林漁業の中でも現業部門にかなり多く就労をするという傾向が強まっております。したがいまして、この制度をいまにわかに廃止をするということになりますと、いろいろと問題が出てくるのではないか、こういうぐあいに実は心配をされておるところでございますが、これに対してひとつ政府の御見解を承っておきたい、こう思うわけであります。
○内村(良)政府委員 お答え申し上げます。 任意継続組合員制度の適用制限につきましては、ただいま先生からも御指摘がございましたが、農林省といたしましては、まずこの制度が農林年金だけにある制度であって、しかも農林年金ができました昭和三十四年以降昭和三十六年にいわゆる通算年金制度というものができたということが第一点でございます。それから第二点は、任意継続組合員制度を選択している人の実態を見ますと、かなり若い人、三十代、四十代の人が三五%ぐらい任意継続組合員制度を採用しておる。それから最後に、今般の料率改定に伴います財源措置について、やはり現在いる組合員と事業主の掛け金負担を増さないという線から、ある程度任意継続組合員制度の適用制限を考えざるを得なかったということがございまして、任意継継組合員制度の適用制限に踏み切ったわけでございます。 実態を見ましても、私どもといたしまして、今後、中高年の人がどの程度農協に入っていくか、特に単協に入っていくかという問題がございますが、過去の統計によりますと、四十歳過ぎて農協に入る人のうち十五年以上勤務して任継になる人は七%というような数字になっております。したがいまして、対象になる人もかなり少ないというようなことから、実態的にあまり影響がないのではないかというふうに考えた次第でございます。
○長谷部委員 四十歳以上で農協に入る人が少ない。しかも任継対象として考えられるのは全体の七%というお話でございますが、それでは、私、もう少し詳しく実態をお尋ねいたしたいと思います。 現在、農林年金の対象者といいましょうか、農林年金に加入をしておる組合員、これが幾らあって、その中で四十歳以上の中高年齢層というものがどれくらい占めておられるか、この際ひとつお尋ねをしておきたいと思うのであります。
○内村(良)政府委員 昭和四十五年末の農林年金の組合員は四十万六千九百七十人であります。そのうち高年齢層がどれくらいいるかということでございますが、五十歳から五十九歳の人が三万七千八百一人、それから六十歳から六十四歳の人が六千九百六十四人、六十五歳から六十九歳の人が三千四百十五人、七十歳から七十四歳の人が千三百八十三人、七十五歳以上の人が三百九十九人で、五十歳以上の人は四万九千九百六十二人、こういうことになっております。
○長谷部委員 四十歳以上ということになりますと、どれくらいありますか。
○内村(良)政府委員 四十歳以上全体の数字がちょっとないのでございますが、新規加入の年齢別統計というものがございます。それによりますと、昭和四十五年に新しく農林年金の組合員になった者が五万一千九百四十二人おります。年齢を申しますと、二十歳未満が一万六千五百三十七人、それから二十歳から二十九歳が二万四千四百四十五人、三十歳から三十九歳が五千二百七十四人、四十歳から四十九歳が三千三百五十八人、五十歳から五十四歳が七百二十四人、五十五歳から五十九歳が八百七十三人、六十歳以上で新しく入った人が七百三十一人、こういう数字になっております。
○長谷部委員 現時点で四十歳である、そして十五年かけまして退職する、なお自己負担で五年間継続することによって、六十歳以上になると年金をもらえる、現在こういう方をかかえておるわけですね。その現在かかえておる、この制度適用除外になることによって不利益を受ける組合員は一体どれだけおるかということを明らかにしていただきたいのです。
○内村(良)政府委員 現在組合員でおります者は、今後におきましても任意継続組合員制度を選択できるわけでございます。そこで、今年十月一日以降入ってくる人たちは、もう任意継続組合員制度を選択できないというふうになるわけでございます。 そこで、どれくらいの人がその影響を受けるかということでございますが、いずれにいたしましても十月までに組合員になった人、現在いる人には影響がないわけでございますから、将来の人たちが影響を受けるわけでございます。この見通しでございますが、なかなかいまのところ確たる見通しがつきにくい。では、今後、任意継続組合員制度を選択せざるを得ないような年齢で、農林漁業団体に入ってくる人がどれくらいいるかという問題でございますので、確たることは数字的になかなか申し上げにくいという問題でございます。
○長谷部委員 今後組合員として加入してくる者はどれだけあるかわからぬ、こういう御答弁であります。先ほどはその数はきわめて少ないであろう、こういう御理解であったようですが、要するに、この任継制度をやめることによって不足財源を少しでも切り捨てていこう、こういうところにねらいがあるのではないか、私はこう思うわけなんです。だとするならば、この制度を今度十月からやめることによってどれだけ財源の節約ができるかということに、私、疑問を持たざるを得ないわけであります。十月以降適用を受ける組合員はきわめて少ない、こういう前提ですからね。したがって、財源の面でもそれほど節減にはならないのではないか。だとするならば、こういう制度は、今後の農業情勢等を考えて、中高年齢層というものが単協の現業部門にかなり雇用の機会というものが予想されるということでもありますので、継続していくべきじゃないのか、私はこういうぐあいに考える一人でありますけれども、そこら辺、納得のいくように少し御説明を願いたい、こう思うわけであります。
○内村(良)政府委員 今般の任意継続組合員制度の適用制限につきましては、もちろん年金の財源に対する考慮が全くなかったということではございません。私どもといたしましても、現在いる組合員及び事業主の負担をふやしたくないというのを今般の料率改定の最大の条件として処理いたしましたために、そういった任意継続組合員制度の適用制限というものが、それと全く無関係であるということではございません。しかしながら、それだけで判断したということではなしに、現在の農協あるいは漁協等の雇用の状態、今後の見通しもある程度考えましたし、さらにこの制度ができたあとに通算年金制度ができているというようなことから、実害はあまりないのではないかという判断で、任意継続組合員制度の適用制限に踏み切ったわけでございます。 〔委員長退席、三ツ林委員長代理着席〕
○長谷部委員 いまの、通算年金制度ができておるから心配ないじゃないか、こういう御議論でございますけれども、私はそれには多少問題点があるのではないかと思うのです。特に通算年金制度は遺族年金が対象になってございません。したがって、この通算制度に移るということになりますると、長い間農林漁業団体で低い賃金に甘んじながら農漁民のために奉仕をしてきた、こういう方々の遺族保障という面から見るとかなり問題があるのではないか、こう思うのですが、それらをどういうぐあいにして救済していくということを考えるのか、この点についてもお尋ねしておきたいと思うのであります。
○内村(良)政府委員 通算年金制度について遺族年金の適用がないということは、ただいま先生が御指摘があったとおりでございます。そこで、このこと自体は国全体の年金共済の問題でございまして、私どもといたしましては、やはりそういった点につきましても、将来、年金制度の充実という点から検討し、善処さるべき問題だと思っておりますけれども、いずれにいたしましても、この農林年金が発足いたしました当時には現在の通算年金制度すらなかったということでございますので、これが通算年金制度ができますと、たとえば農林年金に五年しかつとめていないということでも、前に何らかの年金に関係していれば年金が出るということになりますので、農林年金ができました当時に予定されていた任意継続組合員制度の意味というものはかなり薄れているのではないかというふうに考えているわけでございます。
○長谷部委員 将来、通算年金が適用になるというし、年金全体の中でこの遺族年金というものを解決をはからなければならない、こういうことについて私もわからないわけじゃありませんが、その見通しというものはきわめて簡単なものじゃないと私は思うのです。したがって、国全体のそういう遺族年金制度が確立するまでの期間は、やはり農林年金の任意継続組合員制度の適用というものを私は認めるべきではないか、こう考えておるものでございますが、この点はいろいろ見解の分かれるところだろうと思いますので、これ以上は申し上げませんけれども、現在、農林漁業をめぐるきわめて困難な情勢のもとにあっては、私はいまなくす時期ではない、こういうぐあいに考えております。 私どもも単協なりあるいは土地改良団体なりあるいは漁業協同組合なりというものの現地機関をいろいろ回って見ておる中で、どうしても出かせぎに行かざるを得ない農民、あるいは出かせぎに行かなくとも、まず単協のガソリンスタンドであるとかあるいは農業倉庫であるとか、あるいは精米加工工場であるとか、こういうところに働いておる方々は、若い人間を確保することはなかなか困難である。したがって、どうしても中高年齢層、こういう方々を雇用せざるを得ないというのが実情のようでございます。したがってそういう観点から考えてまいりますと、いまの段階でこの制度の適用除外をするということは私は適切ではないし、将来の遺族年金制度がすべての年金制度に確立される期間まではこれは残すべきである、こういうぐあいに考えておりますで、この点はひとつ政府としても再検討願いたい、こう思うのでございます。この点につきましては、大臣からひとつ御見解を承っておければ幸いだと思います。
○内村(良)政府委員 ただいま通算年金制度の遺族年金の問題でございますけれども、もちろん将来のことを予測することは現在の段階で何人にもできないことございます。しかし、今後わが国の社会保障制度というものはまず充実していくと考えていいのではないか。そこで、この遺族年金がないということが問題になるのは今後十五年後でございます。十五年をあるいは十六年後に問題になるわけでございます。その問にわが国の社会保障制度というものはどんどん充実されていくのではないかというふうに考えて間違いないのではないかというふうに私どもは考えているわけでございます。もちろん将来のことを予測することはできませんけれども、方向としてはそういうふうに行くのではないかというふうに考えております。
○赤城国務大臣 ただいま局長の答弁のような見通しを持っておりますし、その見通しのもとで、充実の中でこの点も十分考えていきたい、こう考えております。
○長谷部委員 次の問題は、国庫補助率の問題について、これは大蔵省当局に実はおいでを願うようにお願いをしてあったのでありますが、社会労働委員会との関係もこれあり、大蔵省からは来られない、来られない分については、政府の統一見解として農政局長が説明をする、こういうことでございますので、ひとつ基本的な見解を承っておきたい、こう思うわけでございます。 御承知のとおり、厚生年金は現行二〇%の国庫補助率、農林年金は一六%となっておる。かつて、昭和三十三年の十二月までは農林年金の現在の対象者は厚生年金の対象者であったわけです。なぜ厚生年金から農林年金に分離をしたか、その背景は、当時の国の農業政策各般から見まして、農業政策の重要性というものが新しく認識をされ、この農林漁業政策を強力に推進するためには農林漁業団体の職員を優遇しなければならない、こういう考え方から分離をされたとわれわれは承知をしておるのであります。ところが、このような背景のもとに農林年金制度が発足したにもかかわらず、現在では厚生年金よりも四%の格差がすでについておる、こういう状態でございます。したがって、私から言わせるならば、農林年金発足当時の趣旨からたいへん逆行しておるような形になっておるのではないか、こういうぐあいに考えます。したがって、私は、この際政府としては少なくとも最低厚生年金並みの二〇%まで国の負担をふやすべきではないか、こういうぐあいに考えておるわけでありますが、これに対する御見解を承っておきたい、こう思うわけであります。
○内村(良)政府委員 社会保険に対します国庫補助の割合につきましては、まず第一に、その当該年金の組合員の所得等も考えなければならないと思います。したがいまして、農林年金の場合には、組合員の所得が他の年金に比べて低い、したがってこれについて国庫負担金を他の年金制度よりも増すべきであるということは言えるのではないかと思います。しかしながら、一面、国が負担するわけでございますから、やはり各種の年金共済についての均衡ということもまた必要になってくるわけでございます。 ただいま先生から御指摘がございましたように、農林年金及び私学共済につきましては、ただいままで百分の十六であったわけでございますが、それを今般の改正によって百分の十八にしているわけでございます。国家公務員等の他の共済組合につきましては百分の十五ということに現在なっております。それから、厚生年金は確かに百分の二十になっておりますけれども、厚生年金と他のいわゆる年金共済と直接比較することにはかなり問題があるのではないか。すなわち、給付額の算定の基礎となる給付がまず第一違うわけでございます。と申しますのは、共済組合の場合には退職前三年間の平均標準給与できめるわけでございますが、厚生年金の場合には全加入期間の平均標準報酬できめるということになっております。すなわちわが国の賃金制度でいきますと、年齢が高くなればそれだけ賃金が上がっていくのがわが国の賃金体系でございます。そこで、農林年金の場合には、給付の基礎となる給与が退職前三年間の平均でございますから、かなり高い。それに比べまして厚生年金の場合には、要するに雇われている全期間でございますから、平均をとればかなり低くなるという問題もございます。それからさらに、年金の支給開始年齢を見ましても、共済組合の場合は五十五歳、それが厚生年金の場合には六十歳というような差異がございますので、厚生年金が二〇%だから農林年金もそれに合わせるべきであるということが直接言えるかどうかということは、社会保険全体の均衡を考えた場合に、問題があるのではないかというふうに考えているわけでございます。
○長谷部委員 それから例の財源調整の問題でありますけれども、まあ足りない分についてはいままで政府はつかみ金でそれぞれ手当てをしておる。私は、これは国が保証することだとするならば、この際、定率化して措置すべきものではないか、こういうぐあいに考えております。この問題については、きのうも私どもの芳賀委員からいろいろ御質問があった点でございますから、くどくは申し上げませんけれども、これについての見解もあらためてただしておきたいと思います。
○内村(良)政府委員 現在の農林年金法の第六十二条の第二項に「国は、前項に規定するもののほか、財源調整のため必要があるときは、毎年度、予算の範囲内において、これに要する費用の一部を補助することができる。」こういうことになっております。そこで、かりに財源調整費を定率化するということになりますと、現在の給付に対する国庫負担との関係がどうなるのか。非常にわけのわからぬものになってくる可能性があるわけでございます。と同時に、やはり年金財政というものはかなり弾力的に考えていかなければならぬということもございますので、私どもといたしましては、足りなくなったときに国が予算の範囲内において費用の一部を補助するという体系のほうがいいんじゃないか、そのような弾力性が年金の財政というものには必要じゃないかというふうに考えている次第でございます。
○長谷部委員 次に、農林年金に対する公的財源保証措置につきましてお尋ねをいたしたいと思うわけでございますが、一口に申し上げますと、この農林年金に対する公的財源保証措置というものはほかの年金に比べましてたいへん劣っておるのではないか、こういうぐあいに考えます。 たとえて申し上げますと、公務員共済の場合でございますが、整理資源が実際上公費負担となっておりまして、組合員の負担にはなっておりません。それから私学共済の例をとってみますると、私学共済の場合は、政府出資の日本私学振興財団が整理資源の半額を負担しておりますね。そのほかに各都道府県が、千分の八程度の掛け金負担をして、肩がわりのための助成を実は行なっておる、こういう現状でございます。 これから見ますと、農林漁業団体に働く労働者の賃金水準は、たしか四十六年度の場合は全業種平均して五万一千円程度じゃないかと私は思うのですが、これは厚生年金の適用労働者の平均額に比べますると約一万円近い格差があるのであります。したがって、農林年金の場合、これ以上掛け金負担の引き上げという問題は、これはなかなか容易でございません。しかも加えて、今日、米の減反あるいは買い入れ制限、さらには農産物の自由化政策など、農業をどんどん縮小、後退する政策がとられておる。そういうような関係もございまして、各農業協同組合の収入減というものは非常に大きいものがございます。私の住んでおるところの一単協の例などを見ますと、大体三百数十万の単年度減収でございます。こういう状況などから判断いたしますと、団体側の負担引き上げというものにもかなり困難な問題が出てきておるのではないか、こういうぐあいに考えるわけであります。 したがって、他の制度に比べても劣ったこの公的財源保証措置ですから、私はこの際、当然政府の責任でこれをふやすべきではないか、こういうぐあいに実は考えているわけでございますが、この点、どういうぐあいにお考えになっておられるか承っておきたいと思うのであります。
○内村(良)政府委員 現在の農林年金が他の年金に比べて非常に不利になっているかどうかという点でございますが、制度そのものはあまり不利になっていない、もう国家公務員共済に近いところまできていると思います。ただ、ただいま先生からお話のございましたように、国家公務員共済の場合には、いわゆる初期の整理資源率というものを国が見まして、その後の整理資源率については公務員と国と折半、こういうことになっているわけでございます。それから私学につきましては、ただいま先生から御指摘のございましたように、制度の上のバランスでは農林年金と私学共済というのはほとんど同じになっておりますけれども、ただ、私学の場合には、私学振興財団というものがございまして、それが整理資源率の半分ということになっているようでございます。実際はそこまで見てないようでございますが、とにかく農林年金にないような負担をそこにしているということでございます。 それらの問題について今後農林省としてどう考えるかということを私ども常に考えているわけでございますが、私学の場合にはたまたまああいった私学振興財団というような機関がある。それで農林年金の場合にそれに類似するものを——この前もたしか農林漁業公庫からそういう金を出させたらどうかというような御示唆がありましたけれども、私学振興財団と農林漁業公庫というものの性格を考えてみますと、やはりそこに無理があるんじゃないかというところから、ただいまのところ、そういった農業関係の何らかの機関から整理資源の一部を持たせるというのはなかなかむずかしい状況にあるわけでございます。 そこで、今後、私どもといたしましては、この問題につきましてはいろいろ検討しなければならぬ問題があると思います。したがいまして、今後の農林年金の制度につきましては、そういったことも十分考えながら、なお改善措置を検討したい、こういうふうに思っております。
○長谷部委員 整理資源の問題については、ぜひひとつ御検討願わなければならない問題だと思います。と同時に、私、いろいろ問題だと思いますことは、先ほどもちょっと申し上げたけれども、厚生年金の適用を受ける労働者の賃金水準と農林漁業団体に働いておられる方々の賃金水準というものを比較しました場合に、かなりの格差があるという現実、この点をどういうぐあいに御理解なさっておられるか、実態を、ひとつおわかりでしたなら、御説明願いたいと思うのであります。
○内村(良)政府委員 厚生年金の組合員の平均給与というものについて、実は農林年金との比較がどうなっているかということは、数字的にまだ見ておりませんけれども、低いとすれば、やはり厚生年金の場合には、組合員というものが、都市、農村全部含めまして平均化されておる。御承知のとおり、現在のわが国の賃金の場合には、都市の労働者それから農村部の労働者の間には、ある程度の賃金格差がございます、そういったものが数字に反映しているのではないかというふうに考えますが、一方、昨日も実はその点が問題になったわけでございますけれども、やはり——数字がございました。一人当たり報酬は厚生年金が五万四千八百六円、四十五年の数字でございますが、農林年金は四万三千九百八十六円になっておりますから、確かに一万円ぐらい低いということになっております。その点につきましては、ただいま申し上げましたように、まず厚生年金の場合には全部の平均だ、それに対して農林年金の場合には、やはり農村部の勤労者の平均ということで、わが国のこれはある程度都市と農村の賃金格差というのはあるのじゃないかというのが第一点でございます。 それから、農林年金の組合員の場合には、そのこと自体は決していいとは思いませんけれども、やはり兼業農家の方が多いものですから、理事者としても、農業の収入もあるじゃないかというようなことで、多少賃金が安くなっている面もあるのではないかというふうに考えられるわけでございます。もちろん後者の点につきましては、私はそのことがもちろんいいとは申しませんけれども、現実の問題を考えると、そういった面が多少あるのではないかというような感じがいたします。
○長谷部委員 これは農村地帯の賃金の問題になりますが、農林漁業団体に働く労働者の賃金というものは非常に低いわけであります。その低い背景は、いま局長が言ったように、兼業農家とかいろいろあろうと思うのですが、この農林漁業団体の低賃金がすべての産業部門に実は影響しておるわけなんですね。農業協同組合の職員の賃金が、結局、いなかの中小工場、あるいは中小商店、こういうところの賃金水準の基礎になっている。だからわれわれも農村地域の賃金を総体的に引き上げていくというためには、どうしても欠陥となっておる農業協同組合あるいは町役場、こういうところに勤務しておられる方々の賃金を上げなければならない。その引き上げなくしては農村地域全体の賃金水準の改善をはかることはきわめて困難である。こういうことからいろいろ取り組んできた経緯も実はございます。しかし、なかなかこの問題は解決されておらない。 私は、ちょうどいい機会でありますから、この農林漁業団体の指導に当たっておる農政局が、一体わが国の農林漁業団体の賃金をどのように指導しておられるのか、また、将来この低賃金をどのように改善していこうとしておられるのか、もし御見解がありましたならば、この機会にぜひ承っておきたい、こう思うわけであります。
○内村(良)政府委員 私どもといたしましても、農林漁業団体で働いている人々の賃金が上がっていき、適正化されなければならぬというふうに常々考えておるわけでございます。しかし、この問題は、ただいまも先生から御指摘がありましたように、非常にむずかしい問題でございます。と申しますのは、やはり農協であっても漁協であっても、一つの経営体でございます。したがって、それだけの賃金を払い得る所得をあげていかなければ、賃金が払えないということになるわけでございまして、基本的には、今後農林漁業団体の経営基盤の強化をはかっていくということが大事なことだと思っております。 これにつきましては、必ずしも合併のメリットが完全にあらゆる合併組合について出ているわけではございませんけれども、私の聞いているところでは、組合を合併して、経営規模が大きくなっていくところでは、やはり職員の待遇改善もある程度やりやすくなっておるというような面もございます。と申しますのは、合併によってある程度経営基盤が強化されてきているからではないかと思いまして、経営基盤の強化ということがまず先決事項だと思います。 それから、なおどういうことを農政局としてやっているかということでございますが、農政局といたしましても、たとえば組合の職員の月給の最低はこれくらいにしろということまでは、とてもそれはでき得るものではございませんし、そういった指導はしておりませんけれども、たとえば労働基準法をよく順守してやれとか、そういうような指導はもちろんしておるわけでございます。
○長谷部委員 いまお話があったように、農林漁業団体の職員の待遇を改善するというその先決問題は、経営基盤を強化することである、その点については私もそのとおりだと思う。ところが、実際にやられておる現状は、経営基盤がどんどんこわれていっておる、こういうことじゃないかと思うのです。これは今日の農政の混迷、特に稲作地帯であれば、これは減反というもので単協の収入というものは落ちていますけれども、さらに集荷手数料が減収する、保管料が減収する、農業倉庫はもうほとんどからっぽになっている、こういう状態では、経営基盤をよくして賃金を上げていくというようなことは、なかなかもって困難だ。ですから、そういうことを達成するということは、非常に困難だと言わざるを得ないと私は思うのです。ですから、よほどこれは抜本的に単協の経営自体、労働者の賃金の水準の引き上げという問題については、これは農政全般の上に立ってもっと前向きの政策をとってもらわなければ、解決は非に困難だと思います。そういう意味で、当面そのことが期待できないのでありますから、私は、むしろ整理資源については、この際、国庫の財源措置というものをもっと積極的に考えていただいてもいいのではないか、こういうふうに考える。 それからもう一つは、いますでに労働組合関係からは、掛け金の折半負担ということじゃなくて、七、三くらいの割合でひとつ団体側の負担をふやすべきではないか、こういう議論も実は出ていることは、御承知のとおりと思うわけであります。しかも、現実に、たとえば全共連なんかは、これは非常に収入、経営が上向きでおるようでありまして、掛け金は団体側が全額負担をしておる、あるいはまたその他の団体でも、労使の間で、七、三まではいかないにしても、四、六くらいの割合に自主的に改まってきておるケースが非常に出てきておるわけであります。ですから、私はこの際国庫負担率の増額問題と同時に、この負担割合についても検討してもいい時期になっておておるのじゃないか、こういうぐあいに考えておるわけでありますが、こういう点はどういうぐあいにお考えですか。
○内村(良)政府委員 この負担割合の問題でございますが、現在のわが国の年金共済というものは、雇用主と雇われている者との折半ということになっております。したがいまして、ただいま御指摘がございましたように、今後、農林年金の場合には、事業主が、それはけっこうだということになれば、事業主の負担と組合員の負担の割合を変えていくことも考えられますが、その次元だけじゃなしに、この問題はやはりわが国の社会保険のそういった組合員と雇用主の負担割合の問題として検討さるべき問題ではないか。単に農林年金だけでそうすることができるかどうかという点につきましては、他の社会保険との均衡ということも十分考えて処置すべき問題ではないかというふうに考えております。もちろん、その点につきましても、将来検討しなければならぬ問題だと私どもも考えておりますけれども、単にこの農林年金だけじゃなくて、そういった問題もあるのではないかというふうにに考えておるわけでございます。
○長谷部委員 時間が来ましたので、最後に、私は農林大臣にお尋ねをいたしたいと思うのですが、ただいままで御質問申し上げましたとおり、農林年金に対する国の財源措置というものは、他の年金に比べまするならばきわめて劣っておる、これが現実の姿だと私は思うのであります。したがって、国の財源保証措置を思い切って引き上げていただかなければならないし、また現行の掛け金の負担率等についてもいろいろ再検討を願わなければならない問題だと私は思うのでありますが、根本的な問題は、今日の農林年金の対象組合員というものは、他の厚生年金の対象組合員の給与に比べまするならば、先ほど数字が明らかにされましたとおり、約一万円の所得格差が実はあるわけであります。こういう現実でございますから、一方においては農林漁業団体の職員の待遇改善について、それが可能な方向にやはり経営基盤というものを強化しなければならない。そのためには、やはり今日の農業政策というものをどんどん縮小されるのじゃなくて、もっと前向きに農業政策というものを進めていかなければならない、ここに根本があるのではないかと私は思うのです。そういう意味で、農業政策の転換という問題と、いま一つは、当面、現実に格差があるわけですから、もうこれ以上の掛け金の引き上げという問題は不可能だと言わざるを得ません。したがって、国の財源保証措置というものを充実するという、この二つの面で特段の御配慮を願わなければならない問題ではなかろうか、かように私は考えているわけですが、農林大臣のこの農林年金制度に対する御見解を最後に承りまして、質問を終わりたい、こう思うわけでございます。 〔三ツ林委員長代理退席、委員長着席〕
○赤城国務大臣 私もいまの御所見のとおりだと思います。大体、農業に対して、国全体として、それから国際的にもそういうことでございますが、非常に軽視するというか、重きを置かなくなってきている情勢であります。これではやはり国のためにならぬと思います。どうしても農業というものがやはり国の中心であり、農民がりっぱに健全に、生活的にも思想的にも育っていかなければ国はもたないと思います。そういう意味で、農業政策はいままではほんとうに防衛的で、降りかかる火の粉を払うというようなことばかりに追われておったような傾向がございますが、そういうことじゃなく、積極的に農業政策を推進していく、こういうことが根本的に、これは国のあり方として重要であり、必要であると思います。そういうことによって農業の基盤というものがよくなってくれば、農業団体の経営基盤などもよくなってくる。したがって、そういうことになれば、農林漁業団体の職員の給与なども相当考え得られると思います。 しかし、まだその段階に来ていませんから、これはいま経営がなかなか困難であるときに職員の負担を増すというようなことに踏み切ることは、私は非常考えなくちゃならぬ問題であると思います。そういう意味におきまして、政府負担を増していくという方向へ持っていかざるを得ないので、先ほどからも話がありましたが、厚生年金並みぐらいの政府の負担に持っていきたいということで、実はこの予算折衡でもずいぶん努力いたしたわけでございます。しかし、いろいろ話を聞いてみますと、農政局長の話のように、表面的には二〇%の均衡というものを私は主張しましたが、内容的には、年金をもらう年齢だとかその他いろいろとあって、実質的にはまあ一八ぐらいのところでも均衡はとれるのだというような説明も聞いて、実は引っ込んだのですが、しかし、これとても局長折衡ではなかなかきまりませんで、最後の大臣折衝で、そのときにもすぐオーケーとは言わずに、きまったようないきさつもございます。そういうようなこともあって、私としても、政府の負担というものをなお増していく、そして公的年金のすべてのあれもあるものですから、均衡のとれるようにもして、ほんとうは特に均衡以上に農業団体の職員に対する国の負担などは多くしたいという根本的な考えを持っております。 ただ、先ほどからのお話の中に、三十三年でしたか、厚生年金からこれを分離するときにも、これは私が強力に押したのですが、事務的に言うと、厚生省、大蔵省その他からたいへん反対というか、積極的に協力してもらえなかったわけです。それから、国家公務員は国の公務員だから、国の公務員の諸君は年金制度、共済に相当重きを置くが、これは私的団体の職員じゃないかというようなことで、なかなかうんと言わなかったのを、ようやくつくったような歴史的いきさつもございます。 そういうことで、事務的には一挙に私どもの主張がなかなか通らない面もございますが、しかし、いまの長谷部さんの御主張のとおり私も考えておりますので、今後ともこの年金制度の充実は十分力を尽くしていきたい、こういうふうに考えております。
○長谷部委員 それじゃ、以上で終わります。
○藤田委員長 以上で、長谷部七郎君の質疑は終わりました。 合沢栄君
○合沢委員 農林漁業団体職員共済組合法等の一部改正に対する法律案について御質申し上げますが、もう再三、各委員から質問もございましたが、あるいは重複する点もあろうかと思うのですが、さらにお答え願いたいと思います。 この法律は三十四年に成立以来三回にわたって改正されて、逐次その内容についても改善、充実がされてきておりますが、今回の改正案は、国の補助率の引き上げ、任意継続についての制限の問題それから平均給与月額の下限の引き上げ、既裁定年金の額の改定並びに最低保障額の引き上げ等でございまして、任意継続制度の廃止等について問題はございますが、全般的には前向きの改正であるというように評価しておるわけでございます。しかしながら、これまでの各委員の御質問で御指摘がございましたとおりに、なお多くの問題を含んでおりまして、将来これら問題の解決について積極的な努力をまず要請する次第でございます。 次に、質問に移るわけでございますが、先ほども長谷部委員からも御質問がございましたが、法律の改正、充実とともに大事なことは、この関係団体の職員の待遇改善であろうかというように考えます。現実は他の公的年金の従業員に比べまして非常に待遇が劣っているということでございます。近年急速な改善も行なわれておるわけでございますが、しかし、最近の米の生産調整あるいは農産物の輸入の増加とかあるいは農畜産物の価格の停滞、それから農林漁業者の兼業化、団体構成員の減少等、農林漁業団体を取り巻くところの環境というものは悪化の一途にある。団体の経営は困難を増してきておるというように考えるわけでございます。待遇改善と団体経営がどのように推移しておるのか。最近の団体の年度末の決算の状況はどうなっておるか。特に内部留保の問題あるいは剰余金いったものがだんだん悪くなってきておるのではなかろうかというように考えるわけでございます。まず関係団体のそのような経営の状況について御質問するわけでございます。
○内村(良)政府委員 ただいま御質問ございましたように、最近の米の生産調整あるい諸物価の値上がりによる賃金の上昇等によりまして、農業協同組合の経営もかなりむずかしくなってきておるのではないかというふうににわれわれ考えておりまして、その点から今後非常に遺憾なきを期さなければいかぬということを考えているわけでございますが、数字的に見ますと、実はまだ四十六年度の決算の数字が出ておりませんので、四十五年までの数字でものごとを判断しなければならないという状況になっております。 〔委員長退席、三ツ林委員長代理着席〕 そこで、四十五年までの数字を若干申し上げますと、農協の一組合当たりの平均の数字で申し上げますと、まず利益金でございますが、四十三年には一組合当たり三百七十一万三千円、四十四年には五百三十七万二千円、四十六年には六百二十二万八千円というような利益金が出ております。それから次に、内部留保がどうなっておるかということでございますが、これも一組合について見ますと、四十三年度の内部留保の合計は四百十三万円、四十四年度が五百六十五万円、四十五年度が七百九十七万円、こういうような数字になっております。
○合沢委員 いまの御答弁によりますと、農協の経営は、最近の単協職員の急速なベースアップにかかわらず経営は悪化していないというような数字ですか。不稼働資産、そういった面の経営はどうでしょうか。
○内村(良)政府委員 ちょっと単協の不稼働資産の数字は把握しておりません。
○合沢委員 農政局長のいまの御答弁では、剰余金も年々ふえてきている、あるいは内部留保も年々ふえている。そこで単協なり団体の経営は悪化していない。ベースアップにかかわらず悪化していない。今後も待遇改善ができるような余力は十分あるというようにお考えですか。
○内村(良)政府委員 ただいま申し上げましたように、この数字は残念ながら四十五年度までの数字なわけでございます。そこで、私どもが聞いておりますところでは、四十六年度になってかなり米の生産調整の影響が出てきておる。それから四十七年になりますと、あるいは今度は、現在問題になっております金融の緩和による農協の信用事業の問題というような問題が出てまいりまして、私どもは前途非常にきびしい、こういうふうに見ておるわけでございます。ただ、ただいま申し上げました数字は四十五年までの数学でございまして、四十六年の決算の数字はまだ実は集計ができておりませんので、その点、正確に事態を把握できないということを申し上げたわけでございます。
○合沢委員 私は、団体を取り巻く環境の悪化とそれから職員待遇の改善という板ばさみで経営が悪化しているのじゃなかろうかというように予想しておったわけでございますが、四十五年まではそうでないというようなことで安心するわけでございますが、しかし、四十六年度以降は、さっきお話しのように、生産調整もあるし、あるいは販売、購買事業等のマイナスの部分を金融でカバーしておったというのが、金融事情の悪化というようなこと等でやはり経営の行き詰まりの危険があるのじゃなかろうかというように心配しておるわけでございます。しかし、それでも職員の待遇改善をしなければならないというようなことから、関係団体が本来のあり方から逸脱するというような危険が起こってくるのじゃなかろうかという心配もしておるわけでございますが、そういう点について今後どのようにお考えか、お聞きしたい。
○内村(良)政府委員 経営が苦しくなってきたために、本来のあり方から逸脱するということが現実面としてどういう面で出てくるかということは、私どももまだよくわかりませんけれども、いずれにいたしましても、私どもは一貫してたとえば農業協同組合につきましては農業協同組合法の定めるところに従ってやるように監査を行ない、あるいはそれに基づく指導というような点で、常に法律に基づく運営を順守するようにさせていくということで指導しております。
○合沢委員 たとえば、私、さっき数字を引くのを落としたですが、もうからない、経費の伴う指導事業といったようなことは後退しているのじゃなかろうかというようにも思うわけでございますが、そういう点、あるいは今後やはり指導事業等が後退していくというような可能性が出てくるのじゃなかろうか。その結果、組合員との結びつきというか、そういった面も薄れてくる、いよいよ悪循環するというようなことも心配になるわけでございますが、そういう点、もし御調査があるならばお聞かせ願いたいし、さらに今後のこれに対する指導の方針等承りたい。
○内村(良)政府委員 経営が苦しくなってくると、どうしても不採算といいますか、金のかかる指導事業のほうから手を抜くのではないかということでございますが、これも四十五年までの数字で、四十六年のことがよくわからないわけでございますが、四十五年までの数字を見る限り、指導事業を担当している職員の数は減っておりません。昭和四十二年に一万六千九十一人、営農指導等を行なう指導事業の担当職員がおるわけでございますが、それが四十三年は一万六千九十三人、それから四十四年は一万七千三百九十七人、四十五年は一万七千四百九十人というふうにふえておりますので、この点、指導事業から単協が手を抜いているということはいまのところはない。ただ四十六年以降については、ちょっと数字がございませんので、判断できないとの状況でございます。
○合沢委員 これまでのところでは、そういった面での心配はないようでございますから、けっこうでございます。しかし、先ほどのように四十六年度以降は非常に心配があるというように局長も考えているようでございますが、私は農業団体を取り巻く環境の悪化というのは政治の責任だというように考えるわけなんです。そのことによって団体職員の待遇改善もできないということになるわけなんです。その点、どのように責任をお考えか、お聞かせ願いたい。
○内村(良)政府委員 私、行政を担当しておる者として、政治の責任云々の問題についてはちょっと御答弁できません。
○合沢委員 確かに行政担当でございますので、そういう御答弁になろうかと思うのでございますが、この点、やはり行政の当局におる者としても十分御配慮願うべきではないか。特に安い賃金であって、しかも年金の掛け金の率は他の年金に比べて非常に高額であるというような点についいて、は、今後掛け金を下げていくという配慮なり努力というものは一そう必要じゃないかというように考えるわけです。こういう点について今後どのような努力をされるおつもりがあるか、お聞かせ願いたい。
○内村(良)政府委員 先ほど長谷部先生の御質問に大臣から御答弁がございましたが、私どもといたしましても 現在の農林漁業団体の職員の、あるいは役員も入るかもしれませんが、置かれている位置にかんがみまして、今後、農林年金の充実につきましては、この委員会でいろいろ御指摘のあった問題点等の改善をはかり、さらにできれば国庫負担の増額をはかるように一生懸命努力してみたい、こういうふうに思っております。
○合沢委員 次に、米の生産調整と経営の関係、わけても食糧倉庫について食糧庁のほうにちょっと聞きたいと思うのです。 米の増産、食糧増産ということで農業団体はあげて増産に励んだわけですが、同時に、増産されたものはどうしても農業倉庫がなければならぬということで、倉庫をどんどん新築していった。それが近年の生産調整といったようなことで、さっきも御指摘がございましたが、倉庫が非常にあいてくるという結果になっておる。特に本年度は生産調整で端境期五十万トンというようなわずかなものしか見ていない。しかも古米が処理されるということになりますと、四十七年度以降、最盛期に農協がつくった倉庫というものはがらあきになるという結果になろうかと思う。このことは、さなきだに苦しい農業団体の経営を一そう苦境に追い込む結果になるだろうと思う。私はこれについては政府も責任があると思うので、せめて倉庫の新築した場合等の金利なりあるいは減価償却くらいは政府で負担すべきじゃないかというように考える。そして団体の経営の一助にする。そういったものが団体職員の待遇改善の一助になるというように考えるわけです。こういう点、食糧庁としてはそういうような考えがあるかないか、ちょっとお聞かせ願いたい。
○中村(健)政府委員 お答え申し上げます。 先生仰せのごとく、四十二年産米の大豊作以来倉庫の収容力は不足いたしまして、農業倉庫の新築等につきまして、政府といたしましても、金融上の助成措置等を講じて、倉庫収容力の増大をお願いいたしてまいりました。その結果、非常に窟屈ではございましたけれども、何とか食糧の保管に支障なくまいったことを感謝しておるわけでございますが、生産調整が始まりますと同時に、過剰米の計画的な処理も軌道に乗ってまいりまして、在庫数量は年々減っていく、こういう状態で、現在のところ、四十六年度のピーク時における政府保管の数量は約千三十万トン程度になっております。一番ピークのときには千四百万トンをこしたわけでございますが、このように急激に減っております。ただ、四十二年以前の通常の状態のときには約八百万トン程度でございましたので、そのときよりはまだ多いわけでございますが、それにいたしましても、倉庫の新築等がございましたので、農業協同組合の経営を非常に苦しくしておることは事実であるというように思います。 ただ、そういった状況ではございますが、倉庫の収容力増強をいたす場合に、私のほうとしては指導として、古い、悪い倉庫が建てかえ期に来ておりますので、そういったものにかわるものをつくる、そして在庫が正常に戻ったときには新しい、いい倉庫で運営ができるように考えて倉庫の新設をしてもらいたい、こういうことで低温倉庫あるいは立地のいいところにつくるというような指導をし、農林漁業金融公庫の融資をいたしまして、つくっていただいたわけでございます。 それにいたしましても、現在、倉庫が非常に余っておるということは事実でございますので、これに対する対策を考えていかなければならないと考えておりますが、そういう意味で、四十六年度におきましては約七%の保管料の値上げをいたしましたし、四十七年度においても三%の保管料の値上げをいたすことにいたしております。しかし、保管料の値上げは営業倉庫との関連もございますので、これだけをどんどん上げるというわけにもまいりません。 そういうことで、私のほうといたしましては、倉庫の運営をできるだけ効率的な、能率的な運営にするように、古い倉庫の整理とかあるいは優秀な新しい倉庫の活用をはかる、こういったことで経営の合理化、改善をはかっていただきたい、このように考えておる次第でございます。
○合沢委員 いまの御答弁では私は満足できないわけでございまして、倉庫料を若干上げるというような程度では、あるいはまた運用を効率的にやるといっても、組合によって非常に大きな差がある。生産調整が軌道に乗って端境期五十万トン程度の在庫を持つということになった場合には、いまの倉庫の改容力から見て一体何%の収容量になるか、その点わかっておればお示し願いたいと思います。
○中村(健)政府委員 現在は農業倉庫の需要率はおおむね七〇%程度になっておりますが、四十七年度におきましてはなおさらに在庫が減る状況になると思いますので、これが六〇%程度に下がるのではないかと考えておりますけれども、まだ数字を整理いたしておりませんので、その点につきましてはまた検討いたしてまいりたいと思います。
○合沢委員 私は五〇%程度に落ちるのではなかろうかと推定しておるわけでございますが、これは非常に大きな問題で、少々保管料を上げたくらいで追いつくものではない。しかも倉庫をつくったのは、もちろん農協自体が経営を考え、つくったのでしょうが、やはり政府の食糧増産という面に協力しておるわけで、その危険、赤字負担というものは当然国が持つべきであるというように考える。全部持てとは言いませんが、少なくともこういった問題については金利あるいは減価償却程度のものは持つべきである。これは政治の責任だから当然その点は持つべきであると考えるわけでございますので、そういう点について十分ひとつ調査をして、そういった要求を食糧庁として大蔵省にするように強く要請申し上げておきたいと考えます。 次に、この法律案の内容について若干御質問しますが、まず、私は昨年のこの農林年金法案の改正のときにも申し上げたのでございますが、私も今度の改正で何回も読み直してみるが、なかなか難解でわかりにくい。二つの法案ともに難解だということでございます。こういったものは、法律はすべて難解でございますが、末端の四十数万の組合員にとってはほとんどちんぷんかんぷんで、この法律を読んでも何が何だかさっぱりわからぬというのが実情ではないか。さらにまた、今度所要財源の再計算もしておりますが、その計算を見ても、われわれ人から教わってもなかなか難解だ。こういったものをもう少し、法律の内容あるいは計算の仕組み、そういったものが組合員になじめるということが、この年金を健全なものに育成していくためにも最も必要じゃなかろうかというように考えるわけです。いろいろな資料も出しておられますが、あの資料を見ても、私は決して満足できるものじゃないと思うのです。いま少しこの年金の制度について組合員によくわかるようなPR、そしてこの年金になじめるというようなことについての御努力をすべきじゃないかというように考えます。この点についての今後の考えがあればお示し願いたい。
○内村(良)政府委員 ただいま先生から御指摘がございましたように、農林年金法は確かに難解でございます。私ども専門家でもなかなかむずかしい法律でございまして、しかも、過去の旧法から新法といろいろ経緯もあるというふうなことで、なかなか法律を一ぺん読んだだけではわからぬというような体系になっております。したがいまして、私どもも農林年金を正しく理解させるためにはPRの必要性は痛感しております。 そこで、現在農林年金はいろいろなことをやっております。農林年金当局が出しておりますのは、たとえば「月刊農林年金」あるいは「農林年金情報」「農林年金広報」とかいろいろPRはやっております。さらに年一回「年金者だより」というようなものも出しておりますが、いずれにいたしましても、なおこのPRにつきましては極力充実をするように努力したいというふうに考えております。
○合沢委員 いろいろな資料も出ているのは承知しているのですが、全部の組合員に行っているわけでもないし、ほんの一部の者が目を通しているがなかなかわかっていないというのが実情なんです。そこで、すべての組合員が理解できるような、なじめるような年金にするということが私は非常に大事じゃないかと思うので、特に今後そういう点、御留意願いたいということを御要望申し上げておくわけでございます。 次に、この内容でございますが、どなたもこの点については指摘しておりますが、任意継続組合員制度の制限の問題でございます。 この制度は他の年金には見られない特異な制度であったわけでございますが、今回新しく加入される組合員についてはこの制度が廃止されるということでございまして、非常に残念に思っているわけでございます。これを廃止する理由は、主として公的年金間の通算措置が定着したといったようなこと、さらにまた、不足財源の確保だというようなことが大きな理由のようにお聞きしていわけでございます。 不足財源の確保についてですが、これでは六・〇三不足財源を消しているということですが、今後、これがことしの十月一日から実行されるという場合にどの程度——比率はこのような六・〇三というようなことですが、これが継続される場合には、一体何人ぐらいが新たに入ってくるというように見込んでおるのか。五十年まで向こう五カ年間のそういった数がおわかりになればお示し願いたい。
○内村(良)政府委員 任意継続組合員制度の廃止につきまして、どの程度の組合員が影響を受けるのかという御質問でございますか。——ということは、ことしの九月三十日までに農林年金の組合員となる者は任意継続組合員制度を選択できるわけでございます。そこで、本年の十月一日以降組合員になった者は、十五年たって任意継続組合員制度を選択しようとしてもできない。二十年つとめて退職年金をもらうか、あるいは途中でやめれば退職一時金をもらう、こういうことになるわけでございます。 そこで、今後影響を受けるという人たちはことしの十月以降入ってくる人たちでございます。したがいまして、それが何人になるだろうかということでございますが、とにかく相当の人数の人が新しくまず入ってくるわけでございます。入ってきて、その中で十五年つとめて任継になるのが何人くらいであるかということでございますが、先般御答弁申し上げましたように、私どもの調査では、四十歳以上で入ってきて十五年つとめて任継になる人は、入ってきた人のうちの七%でございます。したがいまして、百人入ってくれば七人だけが十五年間つとめて任継になるという計算になるわけでございます。厳密なことを言いますと、一体何人くらい入ってくるのかということについて正確なことはなかなか推定しがたいところでございますが、私どもの調査では、とにかく四十歳以上で農林年金の組合員になって十五年つとめて任継になる人は全体のうちで七%で、九三%の人たちはそうではない、こういうようなことになっておるわけでございます。
○合沢委員 七%という数字ですが、それは過去の数字を平均したものですか。どういう計算から七%を出しておられるのですか。
○内村(良)政府委員 それは過去の実績から計算してみたものでございます。
○合沢委員 過去の実績を見ると、一時ピークはありましたが、だんだん減ってきておるというようにあるわけですが、これはやはりだんだん減ってくるものだ、おそらく七%もないというように考えるのですが、これについて自信がありますか。
○内村(良)政府委員 そういう人が減りますとなりますと、任意継続組合員制度の廃止の影響はより緩和されることになるのではないかと思います。
○合沢委員 より緩和されるということであれば、問題がどこに起こるかというと、この財源率の六・〇三に影響するわけですね。そうすると、これは減った場合には、財源率が不足するという事態が起こってくるのですが、これはどうされますか。
○内村(良)政府委員 今般の料率の改定によりまして、現在の改定された料率は四十九年度末の数字を基礎にして五十年ないし五十一年に再計算するまでの数字でございます。したがって、千分の六・〇三というのは過去の四十四年度末までの数字をデータにいたしまして計算した数字でございます。 そこで、御質問のこの任意継続組合員制度の廃止による適用制限が料率にどういうふうに響いていくかということでございますが、この次の料率改定の際に——現在はこの任意継続組合員制度の方々の保険料率の問題はいわば数理的保険料の中に入っておりますけれども、任意継続組合員制度の方々の問題は、今度の料率改定の際には整理資源率のほうに入れるということになるのではないかと思います。いずれにいたしましても、この千分の六・〇三という数字は、今般の料率改定の際、組合員期間が十五年から十九年までに退職する者の数が十万人のうち四千三百四人、その中で任意継続組合員制度を選択する者が三千四十一人という過去の実績を基礎にして千分の六・〇三という数字が出ておりますので、将来はこれは整理資源率のほうに入れるということになるのではないかと思います。
○合沢委員 整理資源率に今後は入るということのようでございますが、だんだん減っていくんだからたいして影響もない。そうするなら、私はむしろ残すべきじゃないか。入ってきて任意継続選択をとるというような方は、団体としても年輩者であり、団体にとってほしいといったような方が入ってくるのじゃないかと思うし、むしろそういうことを残すことのほうが必要ではなかったかというように考えて、これを廃止することについては非常に問題があるというように考えるわけでございます。他の方々からも指摘がございましたが、この廃止については強く反対を表明するものであります。 それから次に、いまの話とも関連がございますが、今度も所要財源率の再計算を行なった結果、千分の十五・三五というものが不足したということでございまして、そしてこれらを補てんするために補助率が、一六%が一八%になった。あるいは財源調整が、二・七二という一億六千万の財源調整になってきた。残りはいまの任意継続制度の打ち切りと、それから資金の運用益の繰り入れの三・五五といったようなことで、この財源の調整というか、再計算がなされた結果、不足部分を埋め合わせるというようなことになっておりますが、内容的に見ると、国の補助率は三・〇五ですか、それから財源調整一億六千万は、従来二億一千万のものが五千万減って二・七二、合わせて五・七七になる。そして組合なりあるいは組合員にしわよせされたものが九・五八というようなことになる。私は、少なくともこれは国の補助率、あるいは財源調整といったようなものと、組合員並びに直接年金の運用も組合員に関係しますが、こういった合わしたものが少なくとも折半くらいであるべきではなかったかというように考えるわけです。そのためには、補助率の従来からいっているこの一六%を二〇%に、あるいは財源調整も少なくともこれは前回の二億一千万くらいなものをそのまま据え置くべきじゃなかったか。不足のしわ寄せというものが任意継続制度の打ち切りになり、あるいは資金運用のほうにしわ寄せされているということについては問題があるというように考えるのですが、その点御意見をお聞きしたいと思うのです。
○内村(良)政府委員 今般の料率計算の改定につきまして、その結果の処理について私どもが最大の優先的に考えた点は、いずれにいたしましても、現在の組合員及び事業主が負担している掛け金率は上げたくない、農業団体あるいは漁業関係団体の置かれている状況から見て、上げたくないというのを、まずどういうふうにこれに対処するかということをたてまえとしたわけでございます。 そこで、申し上げるまでもございませんが現在の農林年金制度というものは、組合員それから農林年金、さらに国というような三者でこれをになっているわけでございまして、三方一両損ということばがいいかどうかわかりませんけれども、基本的にはそういった考え方があったわけでございます。そういたしますと、十五・三五でございますから、それを三者で負担するということになりますと、国の負担は五強になるわけでございますが、そういったことを念頭に置きながら、さらに現実にある他の社会保険との均衡とかその他の問題を考えて、任意継続組合員制度の適用制限、利差益の充当、国庫補助率の二%アップ、財源調整費一億六千万円を入れるということで処理したということに相なったわけでございます。
○合沢委員 私はいまの国と年金とそれから加入者という考えですが、その中で年金は加入者すべてのものでございますので、年金も、それから任意継続制度打ち切りという問題も同じものだというように考え、これは国とそういったものとの折半でいくというのが本筋じゃないかということを申し上げておるわけなんです。私はそのように考え、ぜひそうしてほしかったということを申し上げるわけでございます。 それから次に、運用益でございますが、これも先刻来各委員の方々からもこの運用益についての御指摘があっておりますが、まあ四十五年度ですか六年度ですか七・一%という数字であるようでございますが、はたしてこれは、金融が非常に暖和しておるし、そういった面でだいじょうぶだろりかという心配があるわけです。それともう一つは、これの資金の運用をそちらに回すということになりますと、組合員の貸し付けをはじめとする福祉事業といったものがマイナスになってくるという面も考えられるわけなんです。そういう点、この運用面について非常に問題があって、はたして今後だいじょうぶだろうかという不安を持つわけです。また、年金の準備金の実質的な価値の維持というような面から見ても、この資金の運用益をこの辺に繰り入れるということについては非常な問題を残すのじゃないかという心配をするわけでありますが、これについてもう一度お答え願いたい。
○内村(良)政府委員 先般も御答弁申し上げましたように、運用益のすべてをこれに充当しておるわけではございません。事務費等必要な経費はとりまして、さらに団体の貸し付けに要する経費等も引いて、残りのうちの六割程度のものを充当しているということで、相当のアローアンスがそこにあるわけでございます。なお、今後の金利がどうなるであろうかということにつきましては、これもちょっと予測がなかなかむずかしい問題でございますが、いずれにいたしましても、ここ一、二年の間に再び高金利時代がくるかどうかということでございますが、これはなかなかむずかしいかもしれないといったようなことも十分念頭に置きながら運用をいたしてまいります。それからさらに、これによって組合員の福利厚生と申しますか、それに対する貸し付けは減らないようにしなければならぬというふうに考えております。
○合沢委員 これが思うとおりいかないというような場合には、六〇%のものを七〇%にするとかいうようなことは考えられますか。
○内村(良)政府委員 それは考えておりません。しかし、いずれにいたしましても今度の料率再計算期までは現在の考え方でずっと貫いていくわけでございまして、四十九年度末の数字を基礎にする料率改定期のときにまた、いろいろなそごが起こってきた問題は処理するということになると思います。
○合沢委員 それからもう一つ確認しておきたいのですが、これはたしかほかの委員の方々からも確認の意味のお話がございましたが、財源調整費の一億六千万、これは局長としてだいじょうぶということは言えないだろうと思うのです。まあつかみ金なんで、そこで非常に不安な内容を持っていると思うのです。これについて少なくとも一億六千万が最低確保できるということでなければならぬだろうと思うのですが、将来、一億六千万というようなことでなしに、定率化していくということが、この年金の財政の健全化というか、そういった面から非常に大事なことじゃないかというように考えるのですが、これについての御見解をお示し願いたい。
○内村(良)政府委員 将来の問題といたしまして、財源調整費の定率化を考えるならば、私どもといたしましては、まず財源調整費の定率化よりも、給付に対する国庫負担率の増加をはかるほうが筋ではないかというふうに考えます。いずれにいたしましても、財源調整費は、予算の範囲で、財源に不足が生ずる場合、国が補助するということになっておりますので、年金の財政ということを考えますと、やはり国からそういう弾力的な補助を受わるという措置があったほうがいいのじゃないか。そしてそれを定率化するならば、その前に給付に対する国庫負担率を上げていくというほうが筋じゃないか。すなわち、財源調整費の定率化を行ないますと、給付に対する国庫補助との関係がきわめてあいまいもことなりまして、はっきりしない問題が出てまいりますので、その国庫負担を定率化するということであれば、むしろ給付に対する国庫負担の率を上げるというほうが筋ではないかというふうに考えます。
○合沢委員 局長の御意見は、国庫補助を定率化して上げていく、そして調整費のほうは定率化しないほうがいいというお考えのようでございますが、問題は、私はそれがほんとうに確定していくということが前提であればいいのですが、それが非常にむずかしいということからすると、私はやはり定率化しないときわめて不健全なんじゃないかという心配をしているわけです。そういう点、調整費が確実になれば、私はそれでいいじゃないかというふうに考えるわけです。 次に、最低保障の問題ですが、この前、昨年でしたかの際にも非常に問題になった遺族年金の一万九千円というものがなくなって、この最低保障は若干の前進を見たわけでございますけれども、しかし、なおかつ年金の、退職年金にしても、障害年金にしても、満足できるような金額ではない、生活できるような金額ではないし、特に遺族年金については退職年金の二分の一ということで、非常に問題であるということは各委員御指摘のとおりでございます。ただ、農林年金だけでもって私はこのことがすぐもっと高額に引き上げられるというようには考えておりません。しかし、こういった問題その他を含めまして農林省では公的年金制度連絡会議というものに入って検討がされているというようにお聞きしているわけでございますが、やはりこれはもっとそういった面まで入って、特に社会保障全体の制度改善というような面から、この公的年金制度連絡会議が積極的にやるべきじゃないかというように考えるわけでございます。そういう点について、この公的年金制度連絡会議というものはどのような運営をされておるのか、お聞かせ願いたいと思います。
○内村(良)政府委員 公的年金制度調整連絡会議は、各種の公的年金制度に内容について共通な部分と個別な部分とを検討し、物価、生活水準等の変動に対応する年金額の改定について、できる限り共通の基準及び方式を求めることを目的といたしまして、昭和四十二年七月以降討議に入っておりますことは御承知のとおりでございます。 そこで、この検討を通じまして、経済的諸条件の変動による国民の生活水準、物価、給与等の著しい変動を生じた場合に、年金額の改定を行なう必要があること、すなわちスライド制の問題でございます。また、これを行なう場合においては、できる限り共通の基準及び方式によることが望ましいという点については考え方の一致を見ているわけでございますが、すべての制度に共通する年金額の改定の基準及び方式を定めることは、それぞれの制度、すなわち国家公務員共済組合あるいは農林年金、私学というようなそれぞれ沿革がございまして、また方式が必ずしも完全に統一されていないというようなことから、個別の問題になりますと、いろいろ問題があるわけでございます。 そこで、昨年の二月にこういった問題を解決するために四つのグループに分かれましていろいろ具体的に詰めるということになっておるわけでございます。そこで、農林年金は私学共済と非常に制度が似ておりますので、私学共済と一つのグループになりまして、文部省と農林省の間でいろいろ去年も五回ほど会議を持って検討を進めてきたわけでございます。 しかし、ただいま先生から御指摘ございましたような、遺族年金が退職年金の二分の一というのはひどい、これは改めるべきであるというような問題は、先生からも御指摘がございましたように、これは単に農林、私学グループだけの問題ではなしに、やはり全体の問題になってくる。それからスライド制の問題につきましても、たとえばスライド制をとった結果、整理資源がふえていく、その負担をどうしていくかという問題になってまいりますと、これも単に農林、私学グループだけの問題ではないということになりまして、実は私どもももっと早く結論を得なければならないというふうに考えるわけでございますが、問題が非常にむずかしくて、全体の問題になってくるというようなことが現在の検討の現状でございます。
○合沢委員 御説明をいただくまでもなく、公的年金といっても、それぞれおい立ちも違うし、内容が違っているということで、同一にはできないこともよくわかるわけでございますが、しかし、今年二月七日の社会保障制度審議会のこの法律の制定についての答申にも「今回の改正も例年どおり、恩給における額の改定に追随した部分が中心であり、いやしくも共済組合制度が社会保障の一環である限りいつまでもこのようなやり方を踏襲すべきではない。しかも、遺族年金の受給資格期間、最低保障額その他皆年金時代にふさわしい自主的な改善の努力がなんら見られないのは、きわめて遺憾である。」またさらに「公的年金のスライドについては、本審議会がその必要性をつとに指摘している。恩給は、その内容に問題があるにしてもスライド制が事実上確立している。これを基礎に検討を加えれば、共済年金としてのスライド制の早急な策定はむずかしくはないはずである。」というような審議会からの答申もあっておるわけなんです。それぞれおい立ちが違うし、内容は違っているということはわかるが、私はまだ努力が足らないのじゃないかというように感ぜざるを得ないわけなんです。ひとつ、いろいろな問題がございますので、今後とも積極的な御努力を願って、制度の改善に一そうの努力を強く要請して、私の質問を終わります。
○三ツ林委員長代理 津川武一君。
○津川委員 法案の審議にあたって農林省から繰り返し農林年金の人たちが若くてやめる、四十歳以上で十五年もつとめていく人は七%もない、こういうふうなことを何回か説明を聞いたわけでありますが、なぜ若くてやめるのか、四十歳以上の人が七%より任意継続の資格を持つような状態にならないのかということを問題にしてみたいと思うのです。 私たち年金を考える場合に、大きく言えば二つのことがあるかと思うのです。一つは、その人がもらっておる賃金がどのくらいか、もう一つは、その人が何年継続してつとめるか、こういう形であるのです。どうも農林年金の資格者の人たちは早くやめる、こういうことでございますが、もう一つ、最初に話ししました俸給の問題です。どうして農協などにつとめておる人たちは低賃金なのか。これをどうしたならば普通の人たちと同じ待遇まで持っていけるのか、これをまず聞かしていただきます。
○内村(良)政府委員 まず最初に申し上げておきますことは、ただいま先生からお話のございました七%という数字でございますが、これは四十歳以降の年で農協なり、漁協に入りまして、それで十五年以上つとめて任継になる人が七%ということでございます。したがって、四十歳以前に入っていた人はその数字の中に入っておりませんから、その点誤解のないようにひとつお願いしたいと思います。 それから、確かに現在農林年金の組合員の賃金はほかの年金の組合員の賃金に比べて安いわけでございます。これにつきましても、待遇の改善その他につきましては、いろいろ御意見があったわけでございますが、私どもといたしましては、やはり農協なり漁協というものも一つの形態でございますから、その経営基盤の強化をはかって、それによって職員の待遇の改善というものをはかっていかなければ、単にこれだけの賃金を払いなさいという指導をしても、それは払えないものは払えないということになってしまいますので、基本的にはやはり農協なり漁協の経営基盤の強化をはかっていくということが一番大事ではないかというふうに考えております。
○津川委員 農林省の言うことばは、うそでないでしょう、言うことはまことによろしいのですが、実際に、たとえば農協の経営がどうなっているか。米の生産調整、減反で倉庫料がひどく落ちてきている。これが経営を苦しめていって、先に行って、待遇改善の望みが十分あるかというと、かなり困難であります。そこで、生産調整で、たとえば野菜に転換する。ことしの春野菜みたいに、あんな状況になってしまって、ここでも農協はじり貧に落ちていくと私は思うのです。 そこで、問題の重要なことは、転作の場合の価格補償、この間の例で見ると、あの価格補償ではだめなんで、みんな捨ててしまって、キャベツなんかブルドーザーにかけてしまう。こういうぐあいで、価格補償にうんと取り組んでみて、農協の仕事がたくさんふえていく、そういう政策を出さなければならないと思うのです。白書にも見られるとおり、日本の農業の生産額が全体的に落ちてきているこの状況を、あなたたちは簡単に農業を振興すると言っているけれども、こういう転作をめぐってほかの野菜に対する価格補償の面、これを打ち出さないでやってみたって絵にかいたもちになってしまいますので、もう一回答えていただきます。
○内村(良)政府委員 米の生産調整によって、農協の経営が苦しくなってきているということは私どももそのように考えております。平均的な数字でございますが、一単協当たり二百五十万程度の所得が減っているという面がございます。同時に、生産調整とあわせまして転作ということを現在進めているわけでございます。そこで、私どもが、いろいろ現状を、特に四十六年度の状況を分析してみますと、転作が比較的うまくいっているところは何らかの転作作物がございまして、それの生産が外延的に広がっていったというようなところでは転作がかなりうまくいっております。それが、いままで全然なじみのないものをつくった、そしてそれを売ろうとしても市場がない、農協もそういった新しい作物等について経験がないというようなことで、うまくいかなかったというところもございます。したがいまして、今後の農協経営の問題につきましては、そういった転作は、それまであった作物の外延的な広がりという、そういった線を農協はどんどん伸ばしていけばいい。それから米単作地帯等で、いままでそういった転作作物がなかったというところにつきましては、県の連合会あるいは中央の団体、それに役所も加わりましてマーケッティングについて何らかの研究をしていかないと、なかなか転作の定着がむずかしいという問題がございますので、その辺につきましては、今後の価格補償の問題とも関連をしながら農協を指導していくべきであるというふうに私どもは考えております。
○津川委員 よくいっているところもあるし、私たちもそれを認めますが、全般によくいってない。なぜかというと、ことしこれだけの野菜をつくったというときに、これだけの収入があるという収入の保障がないのです。農林省で考えている価格補償、これはだめなんです。そこで、価格補償するとすれば、あらかじめこれだけの収入が取れるのだ、採算に合うように生産をして拡大できるような価格補償をしない限り、私は、農協もなかなか思うようにいかないし、農協の人たちの賃金も上がらないと思うのです。現在、農協の人たちは平均して三万八千円、厚生年金関係の労働者は四万七千円、船員保険関係の人は五万七千円、たいへんな差が出ている。この差を埋めるとすればなかなか容易じゃないのだけれども、そういう点でこういう意味の価格補償は考えていませんか。
○内村(良)政府委員 先生も御承知のとおり、現在、農産物につきましては、米、麦、大豆あるいはてん菜、なたね、野菜、それぞれ価格補償制度がございます。そこで、ただいまの御質問は、この価格補償制度がそれだけでは十分じゃないのじゃないかというお話でございますが、農林省といたしましても、そういった農産物あるいは畜産物の価格補償制度の充実につきましては、今日まで相当努力してきたところでございますまして、今後もなお一そうその充実に努力しなければならぬ、こういうふうに考えておるわけでございます。
○津川委員 農協の経済を苦しくさせ、農協に働いておる人たちの待遇改善を阻止しておるもう一つの要因は、農業に対する投資です。基本農政の中に六兆何ぼ投資されておる。機械化のために二兆円からやっておる。そのために農民の借金の残高が五兆円近くある。借金が非常に重くなっておる。この投資のかなりの部分、主なる部分は米作の拡大、米の生産拡大。今度は減反なんです、生産調整なんです。投資したものが遊休施設になっておる。それで農業がやりずらくなる。これからは借金が返せなくなる、利子も返せなくなる、機械その他へ投資したものの償却もできなくなる。こういう状況なので、私は、この際、米の生産調整で休耕の補償を出すだけでなく、遊休になった部分に対して払えなくなっている者等については、借金部分に対して何らかの形で国が補償すべきだと思うのです七ドル・ショックにおける繊維に対しては遊休施設を買い上げたでしょう。この点は考えなければならない。そうすると農協がもう少し楽になります。農民の借金の支払いを、利子を下げる、元利払いの延期をやる、こういうことがあるならば、農協はじり貧に下降する線がとどまると思うのですが、この点はいかがでございますか。
○内村(良)政府委員 その点の問題につきましては、私どもはやはり生産調整の奨励金でそのような面も見ているというふうに考えております。
○津川委員 政府買い上げの値段で米を生産した分と生産調整金では違うことは明らかでしょう。どうしてもこの点で農協を圧迫している。私は、それだけではいけないので、何らかの処置を考える必要があると思うのです。これも答えていただく。 その次にもう一つ、農協に四十歳過ぎて入った人は任継になる人は七%くらいしかいない。若い人たちは途中でやめていく。これは待遇問題もあると同時に、年金の不十分もあるのです。もっと年金を十分にしてやるならば、退職手当や年金を十分にやるならば、私は残ると思う。 それで、年金の内容でございますが、一体、日本の年金というものは農林年金も含めてどうあるべきか、これを局長はどう考えていますか。
○内村(良)政府委員 年金がどうあるべきかということでございますが、やはり年金には退職年金、遺族年金、障害年金等の種類がございます。国民皆年金時代にすでになっておるわけでございまして、今後やはり年金の内容の充実をはからなければならない。これが将来日本における年金制度、特に公的年金制度の発展のために必要ではないかというふうに考えております。
○津川委員 国際社会保障会議で採択された社会保障綱領、ここでは適正な生活水準を確保するものでなければならぬといっているのです。こういう立場で農林省も考えているのかどうか。それから、世界労働組合大会、第五回ですが、年金受給者とその家族が通常の生活水準を維持できる年金でなければならないといっておるのです。ILOの百二号条約、これは社会保障の最低基準に関する条約でありますけれども、従前の所得の四〇%以上、こういうことなんですが、この立場から見たときに、農林年金の四十五年度の平均の受給は二十五万二千円。生活保護法で夫婦二人の老人がどのくらいもらうか。二十五万二千円を十二カ月で割ると二万円ちょっとですよ。ところが生活保護法で二万八千六百九十円もらえるのです。 そこで、私がいまあげた適正な生活水準、家族が正常の生活水準が維持できる、その従前の所得の四〇%以上、こういう考え方に照らしてみて、生活保護法のこの条項に照らしてみて、いま皆さんが上げようとしておる年金をどう考えておるか、これをどう改善するつもりか、だんだん改善していくけれども、その改善の目標基準が何であるか、この点を明確にしていただきたいと思うのです。これは農林省に答えていただいたあと、厚生省にも答えていただきます。
○内村(良)政府委員 ただいまの、年金の額が生活保障を下回っているではないかという点でございますが、数学的にはそのようなことになっておるのは私どもも承知しております。それから農林年金の場合に、他の制度に比べて年金額が低いという問題でございますが、いずれにいたしましても、現在の制度でも退職直前三年間の平均標準給与の百分の四十からまずスタートするわけでございます。それによって勤続年数がふえればさらにふえていくという形になっておりますので、一応退職前三年の給与の四割という線は出ていると思います。 そこで、基本的には、やはり私は、農林漁業関係団体の職員の賃金を上げていって、その基礎になる給与が高まって、それに従って年金もふえていくというふうに持っていくべきではないか。そういった基礎の充実を怠って、単に年金制度だけ制度的にいじってみても、上がる額はやはり限度があるだろう、やはり農林漁業関係団体の職員の給与を適正なものに持っていくように努力しなければならない、それによって年金の額もふえていくということになるのではないかというふうに考えておる次第でございます。
○幸田説明員 厚生省で所管をいたしております厚生年金及び国民年金について申し上げますと、現在、現実に支給されております老齢年金の額が必ずしも老後生活の保障として十分でないといったような問題、あるいは賃金なり物価の上昇等に対しまして年金額の引き上げというものがおくれがちであるといったような種々の問題がございまして、私どもといたしましては、こういった観点から、できる限り早く年金制度の改善充実を急ぎたいという考え方でございまして、従来、厚生年金及び国民年金につきましては、財政再計算期ごとに給付改善をはかるというのが例でございます。その例でまいりますと、厚生年金につきましては、昭和四十九年、国民年金につきましては昭和五十年が財政再計算期に当たるわけでございますけれども、これを繰り上げまして、できる限り早い機会に国民年金、厚生年金、両年金制度の改善充実をはかりたいということで、現在関係審議会にも御検討をお願いしている最中でございます。
○津川委員 そこで、四十九年の厚生年金、五十年の国民年金の改定の場合、スライドする必要があるかと思いますが、これは厚生省でおやりになりますか。
○幸田説明員 次の年金制度の改善に際しましては、一つの大きな私どもの課題であるというふうに考えている次第でございます。
○津川委員 厚生年金と国民年金がスライド制になった場合、農林年金はその場合一緒にスライド制にするつもりかどうか、これは農林省の意向を聞かしていただきます。
○内村(良)政府委員 現在の年金制度の中でやはり一番中心になっておりますのは厚生年金、国民年金でございます。したがいまして、厚生年金、国民年金にスライド制が取り入れられることになれば、他のいわゆる公的年金もスライド制になるのではないかというふうに考えます。
○津川委員 そこで、年金に対するもう一つの概念としてですが、非常に問題になった任意継続の問題です。年金の基本概念として、話し合いなりまたはときによると戦い、闘争によって取った年金、社会保障の制度、これをもいでいいものかどうか。私たち戦い取った年金は積んでいかなければならない、話し合いでつけた年金をとるのは年金制度の後退である、こういうふうに考えているのですが、このの考え方をひとつ聞かしていただきたいと思います。
○内村(良)政府委員 年金制度におきましても、やはり客観情勢の変化、さらに現実的な接近ということは必要ではないかというふうに思います。
○津川委員 ある年金の一つの権利を削るということは、どういうことです、後退でありませんか。
○内村(良)政府委員 ただいま客観情勢の変化と申し上げましたのは、先ほどからも申し上げておりますように、農林年金ができましたときには通算年金制度がなかったわけでございます。ところが、その後通算年金制度が生まれてきたというようなことで、現在の農林年金の制度の中にある任意継続組合員制度の果たす役割りが、そちらのほうにある程度変わり得るというような客観情勢の変化がそこにあるわけでございます。さらに現実的なアプローチ、接近と申しましたのは、現在、農林漁業団体の置かれているいろいろな経済的な事情から見て、この際、事業主及び組合員の掛け金負担を上げないようにしたいということも、一つの現実的な接近ではないかというふうに考えております。
○津川委員 繰り返しますけれども、農林年金関係の人が長くつとめておらないというのは、年金があまりさっぱりしないからであります。 そこで、厚生年金と農林年金との差はどのくらいどういうところにありますか。
○内村(良)政府委員 まず最初に、年金があまりさっぱりしないから長くつとめないということでございますが、これは人々によって違うと思うのでございます。私も国家公務員でございますが、国家公務員共済組合がどうだから役人をやめるというようなことを考えているような公務員はいないんじゃないかと思います。農林漁業団体におきましても、比較的やめる人が他の職場に比べて多いということであるとすれば、これは単に年金以外にむしろ主要な厚因があるのじゃないかということで、農林年金が不十分だから非常に職員が流動的である、なかなか職場に定着しないというものではないかというふうにまず考えます。 それから次に、厚生年金との比較の問題でございますが、これにつきましてはいろいろな点がございます。まず厚生年金と農林年金の給付の差でございますが、現在のところでは、農林年金の給付を一〇〇といたしました場合に、厚生年金の給付は七二というような計算になります。それではどうしてそういうことになるのかということでございますが、今回の農林年金の財源率再計算の結果によりますと、数理的保険料は千分の九十二・五八でございます。これにございますが、脱退率、給与指数、年金余命年数、予定利率等については全く農林年金と同一の数値を用いまして、給付率、給付開始年齢等については厚生年金の制度内容をとりまして計算いたしますと、数理的保険料は六六・一四ということになるわけでございます。この六六・一四の九二・五八に対する割合を見ますと、これが七一・四になりますので、厚生年金の給付は、農林年金を一〇〇とした場合に、七二ということになるわけでございます。 それから、制度的な違いにつきましては、先ほど申し上げましたけれども、第一に平均標準給与の計算について、農林年金は退職直前の三年平均、厚生年金は全期間平均をとっているということがございます。それから、年金支給開始の年齢が、農林年金の場合は五十五歳、厚生年金は六十歳ということで、農林年金のほうがこの面では非常に有利になっておるという問題がございます。それから、給付については今度は厚生年金ではいわゆる高齢者特例がございまして、老齢年金の受給資格期間は、一般に二十年でございますが、四十歳、女の場合は三十五歳に達した以後の被保険期間が、二十年でなくて、十五年以上あれば老齢年金が支給されるということになっております。それから、在職中でも六十五歳以上の者には老齢年金が支給される。ただし、その額の二〇%相当額は支給停止になるということになっております。そのようにいろいろ制度的な違いがございまして、ある面では農林年金が有利になっており、ある面では厚生年金が有利になっておるというような違いがございます。
○津川委員 国家公務員の年金、国民はこれを恩給と称していますよ。恩給があるから役所につとめるというのが圧倒的なんですよ。それがあるから、恩給もらえるまではがんばるというのが皆さんの気持ちなんです。それは局長、何と言っても、国民はおこりますよ。 そこで、農林年金は、いいところもあったけれども、お聞きのとおりかなり悪い。そこで年金の概念ですが、年金に差別があっていいのですか。国際社会保障会議で採択しておる社会保障綱領では、無差別、平等でなければならない。これは差別があっていいのかどうか、このある差別をどんなふうに縮めるのか、これをひとつ農林省にも答えていただきたい。こういうことでありますので、日本の年金全体をどうするか、厚生省もこの考え方に対して方針を聞かしていただきます。
○内村(良)政府委員 現在ございますいろいろな年金制度につきましては、これはそれぞれの歴史的沿革がございます。したがいまして、現在のところ、完全に制度が統一化されているわけではございませんが、逐次制度を整えるという方向に向かって進んでおります。すなわち、現在の農林年金は国家公務員共済とかなりいろいろな点でバランスがとれるというところまで改善されております。そういうようなことで、年金制度が逐次均衡のとれるものになっているということは、現在その方向に向かって進んでいるわけでございます。
○幸田説明員 農政局長からもお答えがございましたように、現在の年金制度にはそれぞれの沿革がございます。それと同時に、年金制度は社会保障制度でございますから、その基礎的な部分においては同一の考え方で実施すべきでございますが、それ以外に、それぞれの制度の持つ目的に照らしまして、必要な部分の加算がある、プラスアルファがあるというのは当然でございます。そういう意味合いで、私ども従来から進めてきておりますのは、たとえば通算退職年金、通算老齢年金の額につきまして、被用者年金を通じまして統一をするといったような問題あるいは最低保障額をできるだけそろえていくといったような努力をいたしているわけでございます。
○津川委員 不平等を直すために、私は農林省で格別な施策が必要かと思うのですが、もう少しこれを具体的に聞かしていただきたいことが一つ。 もう一つは年金の負担の問題です。高度経済成長の時代から国民福祉の世の中に移っていくとき、当然国と雇用主、特に大資本の負担でいい年金をつくるべきもの、これは私たちの年来の要求ですが今度の場合、足りなくなった千分の十五・三五を、国庫負担の一六%から一八%に上げた分が千分の三・〇五、任意継続という労働者の権利を削った部分が千分の六・〇三、これはやはり時代錯誤じゃないか。任継を削ってもたいしたことないと言っているけれども、財政に寄与するものは、こんなふうに二%上げるより任継を切るほうが大きい。この点、時代錯誤ではないかどうか。任継というものをどうしても残すべきだ。この点でわれわれは修正案も出したし、国が負担すべきだという立場から二〇%、二八%から一八%でなく二〇%という要求を出したわけですが、この点はいかがでございます。
○内村(良)政府委員 任意継続組合員制度の適用制限につきましては、繰り返し御答弁申し上げましたように、年金財政の立場だけで問題を考えたわけではございません。たとえば、通算年金制度は農林年金制度ができましたときになかったとか、あるいは現在の任意継続組合員制度を選択している人に若い人が相当いるというような、いろいろな情勢を考えながら、一方年金財政の問題も考えて、あのような措置をしたわけでございまして、私どもとしては、組合員及び事業者掛け金負担を上げないというような現実を前にして、単に年金財政の問題だけからそれを考えたことではございません。
○三ツ林委員長代理 津川さんに申し上げますが、時間が参りましたので、結論を急いでください。 (発言する者あり)
○津川委員 時間に対しては委員長から三十分もらってあるんですよ。しかし、やめることはやめますけれども、委員の発言は各人が平等なんです。この点をひとつそこいらで言っている人たちは胸に抱き締めておいてほしいと思うのです。 この点でもう一回申し上げてみますと、局長はこの委員会で繰り返し繰り返し財政問題が主でないと言っているけれども、いままで年金の改正になったときの論議の中心であって、主なのは財政の問題であります。したがって、任継を切るということは財政上の立場であって、この点、一六%から二〇%に引き上げることを要求する。そうすると任継は片づきます。こういう考え方は持ってないのか。私たちが出した二つの修正案にどういう考え方を持っているか、これを聞いて終わります。
○内村(良)政府委員 私どもといたしましては、今般の改正で国庫負担率が一六%から一八%になる。これは他の社会保障とのバランス上、現在の農林年金の組合員あるいは事業者の置かれている状況から適正なものではないか。 それから、任意継続組合員制度の問題につきましては、私どもといたしましては、財政的な、年金財政の立場が全然ないとは申しません。全然ないとは申しませんが、単に年金財政の問題だけで考えたわけではございませんということでございます。 それから修正案につきましては、これは大臣から政府のお考えを申し上げるべき事項だと思います。
○三ツ林委員長代理 津川君、委員長との約束の時間が参りました。
○津川委員 政府から——。
○内村(良)政府委員 大臣と申し上げましたのは、採決のときに大臣から御答弁申し上げるべきことであってということでございます。
○津川委員 それじゃ、農林次官にお尋ねいたします。 お聞きのとおり、このとおり農林年金はほかの年金よりも劣る。基本的な給料も低い。そうなったので、せめて労働者が戦い取った任意継続は続けるべきでありませんかと私は思うのです。この点、次官の考え方はどうか。国は年来われわれが主張もし、前の附帯決議にもある国庫負担を百分の十六から二十に上げるべきだと思うのですが、この二つの考え方、農林省としてどう考えているか、お答え願います。
○伊藤(宗)政府委員 いままで農政当局からお答えしたとおりでございますが、だんだん御論議がございましたように、きびしい農政の中にあって、その中心的な存在として農政の危機を救おうとしておられます農林漁業団体職員の将来への展望を含めた待遇の改善については、ぜひとも御論議の趣旨を守りながらわれわれはやらなくちゃいけないと思っております。ただいま御指摘の任意継続組合制度の存続については、農政当局からしばしばお答えしたとおり、現段階ではやめることはやむを得ないのではないかというふうに私も考えております、ことを御了承いただきたいと思います。
○三ツ林委員長代理 これにて農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案に対する質疑は終了いたしました。 次回は、明十八日、木曜日、午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時五十二分散会