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68回国会衆議院1972/05/09

農林水産委員会 第15号

発言数
62
登壇者
7
会派数
2
開催日
1972/05/09

会議録

藤田義光自由民主党

○藤田委員長 これより会議を開きます。  農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田中恒利君。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 農林年金の法律案の改正につきましては、三十四年の創設以来、三度にわたる法改正を通しまして、順次内容の改善がなされてきたわけであります。   〔委員長退席、三ツ林委員長代理着席〕 農林業そのものの特殊性から、内容的に幾つかの改善がなされ、本委員会においても附帯決議等で問題の整理がなされてきたわけであります。今度の改正でそれらの点が、部分的ではありますけれども、ある程度満たされたことは、私どもも認めるわけでありますが、なお、この制度が持っております特質並びに今後の年金制度の方向等を考えますと、いろいろ問題がございますので、この際、財政の問題等を中心にいたしまして御質問をいたしたいと思います。  まず最初に、四十五年度の年金財政の問題につきまして、再計算の結果、千分の十五・三五の財源の不足というものが表面化をいたしまして、これに対して今度の予算を通しましてこの処置が出ておるわけでありますが、これの内容を具体的に、どういう形で不足財源に対する処置をとられたのか、まずその点をお聞きいたしたいと思います。

内村良英農林省農政局長

○内村(良)政府委員 お答え申し上げます。  ただいま先生から御指摘がございましたように、農林年金におきましては、昭和四十四年度末を基準といたしまして財源率の再計算を行ないましたところ、掛け金分は現行よりも千分の十五・三五増加する結果となったわけでございます。そこで、この結果をそのままに放置する場合におきましては、事業主及び組合員の負担が増加することになりますので、何とかそれを回避したいという立場から、次のような措置をとったわけでございます。  その第一は、任意継続組合員制度の適用を制限いたしまして、昭和四十七年十月一日以後に組合員となる者は任意継続組合員となれないものにしたという制度の改正でございます。その結果、再計算結果よりも千分の六・〇三、それによって負担の軽減をはかり得るということでございます。  次に、給付に対する国の補助率を従来の一六%から一八%に引き上げることによりまして、率としては千分の三・〇五減ずるわけでございます。  両者、この任意継続組合員制度の適用の制限及び補助率の引き上げによりまして、千分の九・〇八減ずることができるわけでございますが、これでもなお千分の六・二七、増加分が残る。したがいまして、これについても手当てをしないと掛け金が上がるということになりますので、これにつきましては、利差益の充当で千分の三・五五、それから財源調整費の確保によりまして千分の二・七二を埋めまして、これによりまして事業主及び組合員の掛け金の率の引き上げということを回避することができたわけでございます。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 次の再計算期、五十年ごろと聞いておりますが、それまで一番問題になっております掛け金の引き上げというものはこの処置で乗り切れる、掛け金の引き上げは行なわれない、こういうふうに理解してよろしいですか。

内村良英農林省農政局長

○内村(良)政府委員 私どももそのように考えております。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 掛け金がほかの年金制度に比べてたいへん高いということで、いまも述べられたような処置がとられたと思いますので、掛け金はこれから五年間このままでいく、こういうことでありますので、いろいろ条件もまた変わってくると思いますが、この点をまず私は最初に確認をしておきたかったわけであります。現状でいくということでありますから、上げないというふうに理解をいたしたいと思います。  そこで、今回の処置でありますが、いまお話がありましたように、任継の廃止で千分の六・〇三、補助率で千分の三・〇五、利差益で千分の三・五五、それから、いわゆる財源調整費ですか、千分の二・七二。そうすると、これを二つ合わせますと、補助の関係全部で千分の五・七七ですね。こういう形で千分の一五・三五の不足財源の取り扱いがなされたわけでありますが、この割合からいきますと、任意継続組合員制度をなくしていく、これが一番比重が大きいわけですね、これの果たしておる役割りが。これは組合員が犠牲になるというのか。こういう制度がなくなるということでたいへん困ることでありますが、それが一番比重が多くて、次が、これは利差益というのは千分の三・五五ですか、これは六〇%ですね。ですから、実際は千分の六か五・九一くらいですか。その次に経営者の経営努力というものを置いておるわけですね。そして一番最後に、国が足らぬ分を補助していく、こういうたてまえがとられておるわけですね。私ども、従来から農林年金制度については国庫補助というものをもっと考えなければいけない。特に、問題は整理資源でありますから、これを現在つとめておる人にかぶせるという形ではなくて、これはむしろ制度の改変に伴ってふえてくるものでありますから、国なり、場合によれば経営者なりが考えるべきであるし、公務員共済、地方公務員共済等においてもそういう性格が流れておるのだから、この問題についての財源率は国がとるべきだ。こういう考え方で今日まで委員会の附帯決議等でその趣旨を織り込んできたつもりでありますが、今回、やはり組合員負担、経営者努力、最終的に国、こういう、数字でいえば、順序がとられておるところに、私はなお若干の問題があると思わざるを得ないわけであります。したがって、任意継続組合員制度というものを廃止した理由、なぜこの任意継続組合員制度というものをなくしたのか、この点をまずお尋ねをしてみたいと思うのです。

内村良英農林省農政局長

○内村(良)政府委員 任意継続組合員制度を廃止した理由でございますが、これには三つばかりの理由がございます。  第一は、任意継続組合員制度は、農林年金発足の時点におきまして、いわゆる通算年金制度がなかったわけでございます。したがいまして、このために組合員が非常に不利益を受けるおそれがあるということで、農林年金に任意継続組合員制度を設けたわけでございますが、御承知のとおり、昭和三十六年十一月に通算年金制度ができましたので、そうした面からの存在意義というのはかなり軽減するに至ったわけでございます。  それから次に、実態的に見まして、若年齢者で任意継続組合員になる者がかなり多いということであります。数字についてちょっと申し上げますと、四十五年度末の任意継続組合員が二千五百五十人おるわけでございますが、そのうち三十代の人が三百八十五人、四十代の人が四百九十人、大体三割ちょっと、若年の人が任意継続組合員制度を選択しておるというかっこうになっております。ということは、これは農林漁業団体の事務運営と申しますか、そうした面から見てあまり好ましい現象とは言えないのではないか。すなわち、十五年もその組合につとめまして、ようやくすべてをのみ込み事務に練達してきたというときに、たまたまこの制度があるから、それを選択して自分はほかのところに移ってしまうということは、組合なりあるいは団体の運営から見てあまり好ましいことではないのではないかというふうに考えるわけでございます。  ただ、問題は、この任意継続組合員制度がなくなった場合において、たとえば四十なら四十で組合に入ってくる、そうすると定年までつとめて六十歳で二十年だ、そういう人たちが気の毒ではないかということでございます。  そこで、私もこの問題につきましては、農協の労働組合の方々と懇談しました際に聞いてみたわけでございますが、昔と違って、最近では、少なくとも県連あるいは中央段階では四十歳以上で初めて農協の職員になってくるというような人はほとんどいない。例外的に専門家的な人が、たとえば一例でございますが、役所から行くというような場合は、その人はもう国家公務員の共済を持っているというような人が多くて、実際四十歳以上で県連なり中央の段階に入ってくるような人はほとんどいない。ただ、単協の場合はそういう人が相当いるのではないかということが心配になるわけでございますが、農業団体あるいは水産団体に就職いたします中高年齢層、すなわち四十歳以上で就職した人は比較的短期に脱退する人が多いわけでございます。過去の統計によりますと、十五年未満で脱退する者が四十歳以上の就職者の中で八六%になっているわけでございます。したがいまして、この任意継続組合員制度の適用制限ということをやりましても、実態論としてあまり弊害がないのではないか。  それから、他の公的年金制度にはこういった制度がないというようなこともございまして、農林年金ができましたときとだいぶん実態面あるいは制度的な面でいろいろな変更があったわけでございますから、そろそろこの辺で農林年金につきましても他の公的年金並みに任意組合員制度を制限して、ことしの十月以降入ってくる人は選択できないということにいたしましても、そう弊害はないのではないかというふうに考えたわけでございます。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 局長さん、いま言われたようなことも表面的には考えられる理由ですけれども、これはあなた、まともにお答えいただかなければいけない。これはやはり財政問題ですよ。もし三つの理由をあげれば一番目で、あとの二つはつけたりであって、結局、金をどこから出すかというところからこれを切ったということだと思うのですよ。そのことをおっしゃらなければだめですよ。いまの理屈だけではわれわれは納得いきません。特に根本的に社会保障、年金制度、あとで御質問いたしますが、一体どうするのかという問題は、これはいまの政治の一番大きな問題でありまして、通算年金制度が制度的に整ったからもう必要なくなったということは、たとえそうなっても、これは通算制度というものは、制度的に完全通算できても、内容的にはまだ不十分、保障額の問題等でいろいろ問題になっている。ですから、十分な通算制度はできていないわけですから、私はまだ完全に廃止をするという段階ではないと思う、そういう論理からいっても。ましてほかの制度にないといったって、これは農林年金の特殊性から出た問題ではあるけれども、将来の年金制度、社会保障制度というものを考えた場合には、やはりこれは新しい前向きの制度ですよ。それをなくしていくという理由が相当はっきりしなければ、私ども、これは、はいそうですかというわけにいかぬ内容があると思うのです。  この制度をたとえあなたのほうで縮小するにしても、やり方があると思うのです。やり方にしても一挙になくしてしまうというようなことではなくて、たとえばあと五年を三年にするとか、いまおっしゃったように、若年労働者がこういう制度を利用して非常にやめていく、これをやれば、これなりのブレーキをかける方法があると思うのですよ。こういう漸進的な制度の改正に持っていくべきであって、一挙にばっさりこれをなくしてしまうということはいろいろ問題が出てくるように思わざるを得ぬわけです。  やはり財政的問題をまともに出しておるというところにこの問題に対するわれわれの一つの疑問があるわけですけれども、この点はどうですか。いまはその点をはっきりおっしゃらなかったわけだけれども。

内村良英農林省農政局長

○内村(良)政府委員 ただいま任意継続組合員制度を制限するということで、これを漸進的にやったらどうかという御意見があったわけでございます。これにつきましては、ただいま提案しております制度の制限においては、現在、組合員になっておる人たちの既得権は侵害しない、これはあたりまえでございますが、ということで、あとは今年の十月一日以降新たに組合員になる人が選択できないというふうにしたほうが制度としてすっきりするのではないか。これを段階的にもっていきますと、いろいろの問題がそこに出てまいりますので、その辺はすっきりしたほうがいいのではないかという判断をとったわけでございます。  それから、実際は、とにかく今度の再計算によって掛け金率が上がるから、ある組合員の掛け金負担の引き上げを防ぐためにやったのではないかというような御指摘があったわけでございます。この点について、そうした考慮は全くなしに、単に理論的にと申しますか、いろいろな理屈の上から考えて、現実のみで考えて、これはもうだいじょうぶだということではずしただけであって、財政問題というのは全然念頭に置いていないというふうに私が御答弁申し上げれば、これは若干うそになるという面がございます。確かに、われわれといたしましては、現在の組合員あるいは事業主の、最近の農林水産団体のおかれている経営状況にかんがみまして、どうしても掛け金率の増高だけは避けたいという感じが一番先にございまして、それでそういった考慮も考慮に入っていないと申し上げれば、これはうそになります。確かにそういった点は考慮はされておりますが、その前に全般的に任意継続組合員制度の現状をつぶさに考えまして、そこから始まって、そういった年金財政の点というものも確かに考慮に入っているごとは事実でございますが、それだけでやったのではないということを申し上げたいと思います。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 しかし、この財政問題が一番の問題になってやられたのでしょう。私は、これをやるにあたって、この問題だけではないと思うのですよ。農林年金の財政の問題でいろいろ考えるべきだと思うような条項が幾つかあるのですよ。これは農林年金当局が年金財政をどうするかは、学者等に対する諮問、審議会のようなものもつくって答申を受けている。その中にももちろんこれもあります。ありますが、ほかにも幾つか出ております。そういう問題等についても十分検討せられた上で任意継続組合員制度というものに一番最初手がけていったのではないかと思っているのです。しかし、いろいろ言われる理由もわかるところも若干はありますけれども、根本的に見たら、制度の充実を期さなければいけない今日、むしろ農林年金だけではなくて、ほかの制度でもこういうものをやりたいという気持ちがあって、そういう要望がなされておる今日、農林年金であえてこの制度をつぶしてしまうというところに、掛け金は上げなかったけれども、実際は掛け金値上げに対比するものを内容的に、いわゆるお役所一流の頭のいいところをあらわしてこういう形で処理をした、こういうふうに理解をしなければいけない点なんですよ。  だから、私はこれはもう少し考えてみる必要がある。いま言われた四十歳で就職をして十五年やって五十五歳で定年になった。それであと五年間はやれない、年金には対象外になる、こういう人が全然ないとは言えないと思う。特に最近の農村の労働力人口の状態からいうと、むしろ若い人はいないので、こういう三十代とか、場合によれば四十代の人もつとめるというような客観情勢にあることも現実なんです。こういうものに対しては少なくとも何らかの対応策を考えてみなければ、単にそういうのが少ないというだけで処理していいのかどうか。私、漸進的にやるべきではないかと言ったのは、そういうような配慮を十分した上でなされるべきが至当ではないか、こういうふうに考えておりますので、特に申し上げておるわけですが、そういう点については何か考えられる余地はございませんか。

内村良英農林省農政局長

○内村(良)政府委員 先ほど御答弁申し上げましたように、そういった点につきましてもいろいろ考えたわけでございますが、いずれにいたしましても、最近の農村の実態を見ますと、すでに農家の人であって、その人が新たにホワイトカラーとして農協につとめるというような人は大体出尽くしたのじゃないか。今後四十歳以上で単協に入ってくる方がもちろんあるわけでございますけれども、そうしたことを考えてみました場合に、農林年金ができた当時、あるいは昭和四十年代の初めと現在とではかなり状況が変わっているのじゃないかというところから、この制度をやめてもそうひどい弊害はないということで判断をしたわけでございます。したがいまして、たとえば、四十歳で入って五十五歳で定年になる人が全然いないのだということは、私は申し上げませんけれども、従来に比べまして、そういう人たちが非常に減っている。さらに、私どもの考え方では、今後四十歳以上で単協に入ってくるというような人は、おそらく前に何らかの年金に入っていた人じゃないかというふうにまず考えていいんじゃないかというふうに考えておるわけでございます。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 これは、まあ、その場を何かつくろうような考え方だと思うのですよ、私は。当面、まず制度的問題はなくなったということですが、制度として問題を考えた場合には、私どもは、この制度が農林年金の中で、ただ一つほかの制度にない将来を展望し得る意味のものである。この制度そのものが、将来若干内容の変化はあるかもしれませんけれども、そういうものをなくしたところに、年金制度全体に対する政府やあるいはこの制度に対する農林省の姿勢をやはり疑わざるを得ない、そういう感じがするわけですよ。しかも、ここのところが今度の財政処置で一番大きなウエートを占めてきておる。こういうところにも疑問を持たざるを得ないので、特にこの点についてお考えをお聞きしたわけでありますけれども、局長の御答弁と私どもの考えておる根本的な点とには大きな差があるように思います。これはやはり年金制度を、農林年金だけじゃありませんけれども、全体としてどういうふうに位置づけていくのかというものがはっきりしていないと思うのですよ。あとでお聞きいたしますけれども、政府の公的年金制度調整連絡会議というものが大体こういった問題、給付の問題、スライドの問題等につきまして、具体的にどこまで煮詰められてきておるのか。こういうものが非常に不鮮明であるから、いわゆる部分部分を追加したり、修正したり、なくしたりするようなことになっておるのじゃないか、こういうふうに思いますので、特に任継問題につきまして問題を指摘しておいたわけであります。  次に、この国庫補助について質問をいたしますが、いわゆる給付に要する費用の国庫補助一六%を一八%にせられたわけですね。二%アップしたわけですが、二%アップの根拠というのは一体何なのか、この点をお聞きしたい。

内村良英農林省農政局長

○内村(良)政府委員 農林年金の国庫補助率引き上げの理由でございますが、まず第一に、農林年金の組合員の給与水準は他の共済組合の組合員に比べて非常に低い。すなわち、具体的には、掛け金の負担能力に乏しいという事実があるわけでございます。そこで、ただいまお話がございましたように、今回の財源率再計算の結果、所要財源が上がることになる。この上がるものを全部そうした負担能力の乏しい組合員にかぶせる、あるいは事業主にかぶせるということはできないということで、国もこれに多少援助するということから、まず第一の理由といたしまして、組合員及び事業主の負担能力を考えたという点が第一点でございます。  それから第二点は、農林年金の掛け金率は、現行におきましても、他の年金制度に比べて高くなっておるわけでございます。しかも、再計算の結果、財源率はさらに上昇するということになりますので、そういった他の年金とのバランスから考えても、この際、国庫負担の引き上げは必要じゃないかというふうに考えたわけでございます。  そこで、引き上げの理由はそういうことでございますが、一八%にしたのはどういうわけか、厚生年金並みの二〇%までなぜ上げなかったかということではないかと思いますけれども、これはただいま申し上げました組合員の掛け金負担能力、それから年金額の水準、さらに今回の財源率の増加分等を考えまして、他の年金とのバランスというものを考えて一八%にしたということでございます。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 大蔵省がお見えになっておると思いますが、農林省は二〇%の予算要求をしてまいったわけですね。われわれも厚生年金から分家をした農林年金であるから、厚生年金並みの国庫補助というものを要求し続けてきているわけであります。委員会決議も何回かこのことをやっているわけでありますが、これが二〇%の農林省原案が一八%になったわけです。実はこれは根拠があると思うのですが、公的年金とのバランスの関係、それから組合員、事業主の負担能力の問題、非常に抽象的なんですが、今度一六%から一八%にした年金制度は一体どういうものがあるのか。  それから大蔵省としての一八%の根拠、理由ですね、この点のおたくのほうの見解を伺いたい。

渡部周治大蔵省主計局主計官

○渡部説明員 お答え申し上げます。  まず、今度の予算でもって年金に対しまする国庫補助率を一六から一八に上げたというのはほかにどういうものがあるかということでございますが、これにつきましては、農林年金と、それから私学共済につきましての国庫補助率をいずれも一六%から一八%に上げております。  それから、その一八%に引き上げました根拠でございますが、これにつきましては、先ほど農政局長からお話がございましたように、私どもといたしましては、各社会保険制度の中におきまする共済なり年金なりの各制度につきまして国庫補助をいたします場合に、税金財源からの補助でございますが、いずれにいたしましても、各制度における被保険者の状況なり、あるいは各制度の仕組みといったようなものを念頭に置いて、実質的にバランスのとれたものにしなくてはならないということに常々配意をいたしておるわけでございます。  そこで、御要求の二〇%の線にしなかったという点でございますが、これは厚生年金の国庫補助率が二〇%になっていることとのバランスについてのお尋ねであろうかと思います。これは御承知と思いますけれども、農林共済の場合の給付水準と厚生年金とにつきましては、制度に差がございまして、たとえば、給付額算定の基礎の給与にいたしましても、共済の場合には、御存じのように、退職前三年間の標準平均給与をもとに計算されることになっております。一方厚生年金につきましては、全加入期間の標準平均給与というものをもとに計算されることになっております。当然、共済グループの標準というものは高くなるという仕組みが制度的にあるということ、それから、年金支給開始年齢におきましても、共済グループは五十五歳から年金を支給いたしますが、厚生年金では六十歳から支給をするというような等々の差異がございます。そういうことで、給付水準を数字的に比較してみますると、農林共済組合を一〇〇といたしますと、厚生年金はおおむね七二程度である、こういうふうにいわれておるわけでございます。そういたしますと、実際の数字的なバランスからいえば、二〇の負担は一〇〇対七二ということを頭に入れれば一四・二%ぐらいでいい、こういうことになるわけでございます。  先ほど来お話がございましたような、今回の農林年金におきまする再計算におきまして、従来から高かった組合員の掛け金が今度の再計算でさらに千分の十五・三五掛け金率で不足するという状況が出てまいりますから、これを何とか組合員の負担にはね返らせない方法で処理する方法はないかということで、これは農林省とわれわれもいろいろ協議をいたしまして、検討を重ねていたわけでございますが、その結果、先ほど来御説明がございましたように、共済制度の内部におきまして、任意継続組合員の制度の廃止をなさるとか、あるいは利差益の充当といったような共済組合内部におきます自主的な御努力が行なわれますということでございまして、しかしながら、そういう御努力をされましてもなお財源が不足を来たすというような事態でございましたので、組合員の負担をこれ以上引き上げないということを前提といたしまして、国といたしましても国庫補助につきまして応分の財政的援助をいたそうということから、従来の国庫補助率一六%から一八%に定率国庫補助を引き上げると同時に、別途財源調整費といたしまして一億六千万円というものを計上して補てんすることにいたした次第でございます。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 厚生年金と農林年金の対比、厚生年金が内容的にいいものもありますし、農林年金がいいものもあります。全体的に見れば、厚生年金というのは若干私も立ちおくれておる面はあると思うのです。しかし、その他の公的年金はまだ幾つもたくさんあるわけですね。そういうものとの全体のバランスの中で平均的な数値をはじいておるのか。厚生年金というのはやはりこれからどんどんよくなりますよ。よくさせるという方向だし、厚生年金の伸び率というのはこの数年来非常に激しい。もっと伸ばしてもいいと思います。しかし、私どもは、厚生年金と農林年金は根が同じであるから、補助率等の問題について厚生年金並みということを言っておるのであります。あとでまたいろいろお尋ねをしますけれども、公務員の問題とか船員保険の問題とか、その他いろいろなものがたくさんありますから非常に混乱するけれども、従来から、私は大蔵省にも、そうしたら平均の実態というものを出す資料をひとつほしい、どういうものがあるんだと言うけれども、紙きれ一枚ほどもらいますけれども、なかなかはっきりしないんですよ。私どもは、やはりいま農林年金というのは、年金制度の中ではいいほうじゃないですよ。厚生年金よりも多少いまのところはよろしいかもしれないが、まあ終わりから二番目くらいに位置しておりますね。こういうものの水準をもっと上げなければいけないと思うから、厚生年金なりあるいはその他の公的年金の取り上げられてしかるべき点を取り上げておるのでありまして、特に農林年金の場合、財源の問題、整理資源の問題が非常にやかましいので、その点はやはり国庫補助が先行しなければいけないということで、この二〇%というのを——二〇%というのは、いま厚生年金が二〇%でやっておるからですけれども、厚生年金はまたすぐ上がるでしょう、おそらく来年ごろは。そういう情勢なんですから、やはりできるだけ接近させなければいけない、一緒にならなければいけないということでやっておるわけですが、どうもその辺があまりかみ合いができないわけであります。それは一六%を一八%にしたんだから、四十一年に一%しか上げていないんだ、それをことしから二%上げたんだから、ことしの時点で見ればよくやった、こういう評価も一面にありますけれども、しかし、それで私どもは満足するわけにいかないわけですよ。やはり最小限、厚生年金並みの体制に持っていくという一つのものが出てこぬと、どうも理解しがたいわけであります。  そこで、財源調整というのは、今度は二億一千万円が一億六千万円に、五千万円下がったわけです。この財源調整費の性格も従来からいろいろ議論してきたところでありますが、これがまた一億六千万円に五千万円下がったということについてはどういうふうな理由があるわけですか。

内村良英農林省農政局長

○内村(良)政府委員 ただいま先生からも御指摘がございましたように、財源調整費は給付費に対する定率補助以外の補助で、毎年度法律上予算の範囲内で補助するということになっているわけでございます。  そこで、今回の額が一億六千万円になりました基礎でございますが、この点につきましては、先ほど申し上げましたとおり、財源率の再計算の結果、千分の十五・三五率は上がった。それを先ほど申し上げましたような任意継続組合員制度の適用の制限あるいは利差益を充当する、あるいは国庫補助率を上げるというようなことでやったわけでありますが、それでもなお足りない部分が出てきたわけでございます。したがって、その足りない部分を財源調整費として補助している、こういうことでございまして、掛け金率のといいますか、具体的な組合員及び事業主の掛け金の負担の増高を避けるために必要な財源措置の一環として一億六千万円の財源調整費が必要だということで、一億六千万円という数字がきまったわけでございます。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 この一億六千万円というのはどのくらいの比率になりますか。いま千分の幾らと言われたですか。

内村良英農林省農政局長

○内村(良)政府委員 先ほど申し上げましたように、千分の二・七二になるわけでございます。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 この千分の二・七二というのは、これから次の再計算期までどうなりますか。またいまのように情勢の変化で上がったり下がったりするのか。財源の足らない分だけやるということで、いまの時点においては、この二・七二というのはこのままの形で来年も財源調整費として予算上はやはり歳出されていく、こういう形をとるわけですか。

内村良英農林省農政局長

○内村(良)政府委員 次の再計算期まで事業主及び組合員の掛け金負担を上げないということでいきますと、財源調整費につきましても、その程度のものが期待できるのではないかというふうに考えております。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 大蔵省はどうですか。

渡部周治大蔵省主計局主計官

○渡部説明員 四十八年度以降の問題は、給付費の動向等を見ながら、もう一度その段階で考えなければならないと思いますが、基本的には、先ほど農政局長が言われましたように、われわれといたしましても、次の財政再計算期までは組合員なりあるいは事業主の保険料負担は引き上げないという基本的前提のもとに、今回の国庫補助率の増ワクないし財源調整費をつけたわけでございますから、四十八年度以降におきましてもそういう精神で処理してまいりたい、かように考えております。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 もう一ぺん確認しておきますが、次の再計算期まで掛け金を引き上げないという前提に立つならば、この財源調整費というものは、この比率二・七二というものが、当然来年から五十年までは少なくとも底値として保障されなければいけない、こういうふうに理解いたしますし、そういうふうな御表明があった、こういうふうに理解してよろしいですね。

内村良英農林省農政局長

○内村(良)政府委員 予算のことでございますから、私どもといたしましては、そういった精神から期待できるというふうに考えているわけでございまして、必ず四十八年度云々ということは、予算の単年度主義から政府としては申し上げられない。ただ、期待していいのじゃないかと思っております。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 含みのあることばとしてわかりますけれどもね。大体今度の財政のあれを見ますると、いま御説明があったように、まず任継制度というものをなくする、そこでこれだけの財源が浮く、あとの問題はいわゆる経営利差益がどれだけ出るかというのが出て、これで千分の幾らが出て、そして最後に、いま国庫補助とこの財源調整費、これがはじき出された、こういうふうに私は思っているのですが、そうじゃありませんか。大体いまの御説明を聞いても、一番大きいところからやってきていると思うんですよ。だから、これ以上、またいろいろな情勢が特別に——いまのままの計算でいくわけですから、数字的にはそう変わらないと思うんですけれどもね。何かのときにまたいまの財源調整は二・七二が下がったり——国庫補助が下がるということはありませんけれども、財源調整費の問題はやはり依然として残る。いままでは財源調整費というものはつかみ金で多少ずつ上がっていったわけですね。ことしは補助率を二%上げたということでだいぶ下がったわけですけれども、これがまたくずれますと、これはいまのままの年金制度の設計そのものから狂いますけれども、これは私は最低のぎりぎりで、これをどうこうするということはないと思うのですね。現にやり方がそういう形でとられてきておるのですから、これ以上落ちるところがないわけですよ。この点は最小限われわれも確認しておかなければいけないと思うのですが、期待できるということですね。それ以上は言えぬということのようですが、期待できるということは、私どもは大蔵省のほうがもっとはっきりしておったように思うのです。農政局長のほうがちょっと心配しておるような姿勢ですよ。これは下がったら何のことはないですよ。  それから、財源調整費というものは、こういう形で計算をはじく性格のものなんですか。この財源調整費というのは、定額財源として何とかぴしゃっと位置づけられないと、いつまでたってもこういうような形で——今度の場合は、この形でいくと、二・七二という、足らぬ分を財源調整費で全部まかなうのだという性格づけがなされたけれども、もう少し財源調整費というものの性格や根拠というものを明確にしないと、全くのつかみ金で、予算折衝の段階での——政治家としてはたいへん材料になるものであるけれども、何か根拠を明確にさせないと、理由づけが全体に対してできぬのじゃないかと思うのです。この辺は前のときにもだいぶ議論した点ですが、今度の場合は足らなかった部分を財源調整費で処理するのだということです。掛け金さえ上げないということになれば、財源調整費が非常に弾力的に動くことになると理解するわけですが、そこは最小限二・七二以上は下がらぬというふうに理解するわけですが、これについてはもう少し前向きで財源調整費というものの色づけをせられるお考えはございませんか。

内村良英農林省農政局長

○内村(良)政府委員 財源調整費はつかみ金であってどうもわけわからぬ、これをひとつ定率化したらどうかという御意見があることは私ども承知しております。ただ、これを定率化いたしますと、従来からの給付に対する定率補助の問題と何ら違わない形になってまいりまして、社会保険全体の均衡上の問題がまたそこに出てくる。そこで、農林年金のような場合には、ただいま申し上げましたように、やはり組合員あるいは事業主負担にも限界があるというようなこともございます。さらに、整理資源との関係から掛け金率も高いというようなことにつきましては、国が補助するかっこうで定率化ということももちろん必要でございますが、それ以外に財源調整費のような補助があったほうがぐあいがいいこともあるんじゃないかというふうに考えているわけでございます。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 次に、利差益でございますが、これは金利の問題で非常に専門的に入るわけですので、私も十分予測しがたい面がたくさんありますが、全般的に経済が不況低金利時代ということになって、利差益の収支というものの今度の計算の根拠でだいじょうぶなのか、大体どの程度の運用利回りを見ておるのか、これを確保するということに農林年金がある面では心配をし過ぎて、年金本来の福祉なり厚生施設なり、そういう方面が手抜かりになっては困るわけでありますが、こういう点については農林省としては行政指導の立場でどういうお考えで指導せられていくのか、あるいは利差益の確保というものは、これからの経済情勢の中で、立てられておる設計でだいじょうぶやっていけるのか、この点をお聞きをしておきたいと思います。

内村良英農林省農政局長

○内村(良)政府委員 まず農林年金の財産運用の場合の利回りでございますが、この際、ちょっと過去の数字を申し上げてみますと、四十一年が大体七・一九%で回っております。四十二年が七・一一%、四十三年が七・一六%、四十四年が七・一五%、四十五年が七・三一%、四十六年は、若干四十五年の数字より下がると思いますが依然として七・一%台の運用になっていると思います。  そこで、御承知のとおり、最近の異常なる金融緩和から金利の低下という問題が起こっております。これは日本経済の構造的なものではないかということもいわれております。したがって、もう高金利時代は終わったのではないかということになりますと、確かに今後の農林年金の財産運用というものは重大な問題になってくるわけでございますが、私どもといたしましては、今度の利差益でも、必要な事務費等を引いたものの残り全部を充てているわけではございません、そのうちの六割程度を充てているわけでございます。そこに多少のアローアンスもございますが、今後のいろいろな運用を考えましても、大体七分程度に回せるのじゃないかというふうに考えているわけでございます。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 いろいろ政府が処置をせられました問題について三つの懸念をしておるような点を御質問したわけですが、いずれにせよ、当面この処置で五や年までは保険上の設計がなされておるわけですから、形の上ではこの形で進行していくと思います。しかし、制度の内容そのものは、毎年のように給付費も上がるでしょうし、特に農協、農林漁業団体につとめておる方が、御承知のように、非常に賃金が低いわけでありますので、それに対する賃上げという問題は、不況下といえども、ほかの企業に比べてやはり急速にふえてきております。ことしあたりも相当な賃金の上昇が見られるわけでありまして、こういうことになってまいりますと、毎年のようにこの農林年金の財源の問題は蓄積されて悪化をしてくる、こういうことになるわけですね。  そこで、部分的に料理をせられるということだけでなくて、もう少し制度的にもいろいろ検討をしてみるし、それから部分的にも、任継をなくしていったり、あるいは証券投資等をやって高率の利差益を確保するような処置を緩和さしていくというようなものでないものも私はあろうかと思うのです。農林年金の、当局が出された答申書を見ても、たとえば不動産の再評価の問題をどうするのか、再検討をしてみる必要があるのじゃないか、こういう意見も出されておりますし、あるいは掛け金の負担率の問題についても、現在折半ということになっておりますけれども、これも諸外国の実例であるとか、あるいは諸外国だけでなくて、日本の公務員なり地方公務員なりあるいは私学共済なり船員共済なりその他一切の公的年金のたてまえからいっても、やはり事業者負担のウエートがだんだん大きくなってくる、こういう傾向が出てきております。こういう問題についてももう一ぺん再検討をしてみなけれげいけない、こういう提案も出されておりますし、あとで御質問いたしますが、何らかの農政的新しい視点での公的な援助処置というものが考えられてもしかるべきじゃないかという問題も出ております。こういうような点について、当面この処置で乗り切るという方針でありますけれども、これで終わっておるのではなくて、これでまた整理資源はどんどん大きくなってくるわけでありますから、この辺については、これはまだ先のことになりますけれども、あなたのところではやはり十分対処をしていただかなければいけないと思うのですが、どういうお考えであるのか、この財政問題、最後にちょっと御質問してみたいと思います。

内村良英農林省農政局長

○内村(良)政府委員 ただいま先生から御指摘がございましたように、今後べースアップもあるだろう、物価も上がるだろう、そこで給付等の改定をせざるを得ないだろうということの見通しにつきましては、私どももそういうことになる可能性が非常に強いというふうに見ております。そうなりますと、年金財政の場合には、過去勤務債務の増加、それによる整理資源率の上昇、こういうことになってくるわけでございますが、今度の再計算期は四十九年末の数字を基礎にして再計算することになっております。その場合に、相当整理資源率が上がってくるということになりますと、何らかの対策が必要になってくるということも考えられますが、ただいまのところでは、私どもは、相当未確定な要素がそこに入っておりますので、現在の掛け金率の計算を前提にしながら、そういった点を考えて問題を検討していきたいというふうに考えております。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 これはいずれ問題になりますから、問題になったときに、いろいろ掛け金の負担率の問題や土地評価の問題等こまかい内容の問題になっていきますので、あとに譲りたいと思いますが、一つだけこの際明らかにしていただきたいのは、農林年金と私学共済の関係でありますが、大体これは同じグループという形で政府のほうも取り扱っておるわけであります。文部省にきょう来ていただいておると思いますが、私学共済と私学振興財団、この関係は具体的にどういうことになっておるのか。特に私学共済に対して振興財団が整理資源率の二分の一を持つ、こういうことになっておると聞いておるわけですが、この辺の関係はどういうような処置をやることによってやっておるのか、この説明をまずお聞かせいただきたいと思います。

五十嵐淳文部省管理局福利課長

○五十嵐説明員 お答え申し上げます。  私学共済組合につきましては、日本私学振興財団から三つの事項について助成を受けておるのでございます。まず第一の点でございますが、これは二十九年一月一日以前の旧私学恩給財団の既年金者の年金額の増加分、それから三十六年の十二月三十一日までの恩給財団の従前の例によることができるものとされております恩給財団の既年金者の年金額の増額に要する費用の百分の八十四、これは今度私どものほうで出しております私学共済法等の一部改正法が成立いたしますれば、百分の八十二ということになるわけでございますが、その点につきましての補助を受けている点が第一でございます。  それから第二番目といたしましては、整理資源につきまして、長期給付財源のうちの整理資源の二分の一相当額でございますが、掛け金率にいたしましておおむね千分の六相当額に当たるわけでございます。しかし、これはここ数年来定額の補助といたしておりますので、定額で一億八千万ほどの定額補助をここ数年受けておるわけでございます。この定額を現在の整理資源率にして計算をいたしますと、千分の一・五ほどのものでございます。この整理資源について補助を受けておるという点が第二点でございます。  それから第三番目の事項といたしましては、福祉施設等の新築あるいは改築等をいたします場合に、私学共済組合と私学振興財団との申し合わせによりまして、その新改築等の費用の一部につきまして補助を受けている、助成されておるということでございます。  ちなみに四十六年度の私学振興財団からの助成金を申し上げますと、一番最初に申し上げました既年金者の年金増額分といたしまして、六千四百万円ほどでございます。それから整理資源にいたしまして、先ほど申しましたように一億八千万円、それから福祉施設の新設分といたしまして三千五百万円、合計にいたしまして二億七千九百万円ほどの助成を受けておるというような実態でございます。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 それは私学共済と振興財団との間でどういう関係でそういうものが出てくるわけですか。私学共済のほうから資金を振興財団に流すわけですね。流して、利差益のようなものの中からそういうものが出てくるという仕組みになっているわけですか。

五十嵐淳文部省管理局福利課長

○五十嵐説明員 日本私学振興財団に対しましては貸し付けはいたしております。貸し付け額にいたしまして四十六年度五十三億八千八百万円ほどでございますが、貸し付けはいたしておりますけれども、この貸し付け制度と助成との関係は、助成を受けておるということにつきましては、理論上は全く別でございます。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 理論上は別でしょうが、しかし、実際は、五十四億の金を貸して、幾らの金利で貸しておるのか知りませんが、私学共済が学校の振興の何かにその金を六分なら六分で出したものをまた八分で出して、二分なら二分利益があって、その利益の中から二億七千九百万というものが返ってくる、こういう仕組みになっておるわけでしょう。

五十嵐淳文部省管理局福利課長

○五十嵐説明員 先ほど申しましたように、全く別の仕組みでございまして、貸し付けをいたしております根拠といたしましては、私学共済の経理規程がございまして、その経理規程で、私学共済組合は「毎事業年度、その前事業年度における責任準備金の現実積立額の増加額に三分の一を乗じて得た金額に相当する金額を、」「政府が保証するもの又は文部大臣が大蔵大臣と協議して定めるものに運用しなければならない。」とあるわけでございまして、政府保証債を買うかわりに、もちろんそれは若干私学共済も買っておりますけれども、たとえば、ほかの共済組合のことを申し上げて恐縮でございますが、農林年金が政府保証債をお買いになる分、その金額にある程度相当する額につきまして、大蔵大臣と協議して定めた、たとえば日本私学振興財団のほうに運用しておるという実態でございます。したがいまして、全く別の仕組みでございます。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 別じゃないですよ。そうしたら、何で二億七千九百万円を振興財団が私学共済へ出すということが行なわれておるのですか。全く無関係に二億七千九百万円というものを私学共済へ出しておるということですか。そうすると、また問題は別な形で問題になりますよ。あなたのほうではっきり言えなくても、仕組みとしては、そういう低い金を借りたから、もうけ過ぎるというたらいけないけれども、幾ぶんかまた返します、こういうことになっておるのでしょう。

五十嵐淳文部省管理局福利課長

○五十嵐説明員 日本私学振興財団法の第二十条でございますけれども、その中に「私立学校教育の振興上必要と認められる事業を行なう学校法人、準学校法人その他の者に対し、その事業について助成金を交付すること。」という条文がございます。この条文に従いまして、私学共済組合に対しまして助成をいただいておるという次第であります。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 農林年金と私学共済は同一グループで政府のほうは取り扱っておるわけですが、こういう仕組みは、たとえば農林金融公庫といったようなものと私学振興財団という、多少違うかもしれないけれども、政府との関係は似たようなものだと思うのです。こういったような問題が検討をされていいのじゃないかという気もするのですが、同じグループで、政府みずからのほうで検討しておれば、いろいろこれから問題になってくるわけなので、この種の問題については、いまは別な形で整理はせられて御答弁になったが、法律的には一応たてまえはそういうことになっておるでしょうが、私学共済にまねをしろとは言いませんけれども、何かこういうような制度をあなたのところで、農林年金のこれからの特に整理資源の問題に対応する方策として、考えてみる必要があるのじゃないか、こういうように思うのですが、農林省のほうはどうでしょうか。

内村良英農林省農政局長

○内村(良)政府委員 ただいま御指摘がございましたように、農林年金と私学共済は一つのグループになっておりまして、しばしば文部省の方々ともいろいろスライド制その他の問題について話し合っているわけでございます。私どもといたしましても、私事共済の場合には、私学振興財団から整理資源の一部について助成があるということは承知しております。そこで、農林関係もどうにかならぬのかという御質問でございまして、私どももどうにかなるようなことを考えなければならぬということで、実はお話のございました公庫等に目をつけたわけでございますが、やはりその歴史的な沿革、それから私学振興財団と公庫の性格の違い等から見まして、公庫を使うということはちょっといまの公庫の性格では無理じゃないかというふうに私は考えたわけでございます。しかし、いずれにいたしましても、私学の場合にはいわゆる公立の学校の先生と私学の学校の先生と同じ先生だ、ところが、農業団体の職員と地方公務員あるいは国家公務員とちょっと違うのじゃないかとか、いろいろな問題がございまして、そうした問題につきましても今後われわれといたしましては検討していかなければならぬと思っておりますが、御指摘のございました農林漁業金融公庫を使うということはやはり若干無理があるのじゃないかというふうに考えております。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 私もあまり専門的にこれは調べておるわけではありませんけれども、たとえばということでありますが、ざっと考えれば、農業政策の場合にも似たようなものがたくさんありますので、あまり形だけ出ておるようなものじゃこれは困ると思うのですが、何かこういうような別途な制度を考えて、新しいものをつくり出してくるということもこれからの段階では考えられるべきだと思うのです。特に私学ばかり申し上げて失礼ですけれども、私学の場合は都道府県の補助といったようなものも法律三十五条三項に基づいて出されておると思うのですね。こういう点についても、いろいろ農業政策と農林漁業団体との今日の関係というのはわれわれはあまりよくないと思うけれども、政府のほうはたいへんこれは重要な機関になっておるわけなんですが、ひとつ十分検討をしてみていただきたい、こういうように思っております。いずれこの問題は、また別に議論をされる機会がありましたら、私のほうも十分党としても検討して提案もしてみたいと思っておりますが、こういうような点についても十分考えて、今後の年金の財政の底を一ぺん洗って、安心のできる体制を立てないと、毎年のように出てくる問題でありますので、問題点として指摘を申し上げたわけであります。  次に、具体的な内容について若干お尋ねをしておきますが、この最低保障額につきましては従来からいろいろ問題になりまして、昨年の年金額の改定の際にも特に一万九千円の最低年金額については特別な申し合わせ等もなされて、今回、実質的にこれが改善をされたという形になっておるわけでありますが、しかし、年金制度のたてまえからいうと、この最低保障というものが年金の本来の趣旨のある面ではまた根っこになる問題でありますだけに、私どもとしてはこの最低保障額についてまだまだ改善の余地がたくさんあると思うのです。  いまの最低保障額というのは一体どういう算定根拠、算式といってもあまりこまかく要りませんけれども、どういうような算定に基づいて今度の場合も出されておるものが出てきておるのか、この点をお尋ねしておきたい。

内村良英農林省農政局長

○内村(良)政府委員 最低保障の算出につきましては、いわゆる国家公務員共済の例にならってやっているわけでございます。そこで、どういう計算をしたかということでございますが、退職年金または障害年金につきましては、いわゆる厚生年金の定額給付相当額を見て最低額を計算したわけでございます。具体的には、六十五歳未満の場合には四百六十円に二百四十カ月をかけまして十一万四百円というものを出したわけでございます。従前はその四百六十円が四百円だったわけでございます。今度厚生年金のほうで上がりましたので、その分をかけたわけでございます。それから六十五歳以上の方々の最低保障につきましては、いわゆる厚生年金の定額給付相当額にさらに厚生年金の最低報酬比例給付相当部分を足しまして十三万四千四百円という数字をはじいたわけでございます。それから遺族年金につきましては、ただいま申し上げました数字の半分ということでございます。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 その厚生年金の定額分、これが四百六十円、いまおっしゃったわけですが、これの二十年分ですか、これを出しておるわけですが、この四百六十円というのは、厚生年金を一カ月かけておればすぐ出てくる厚生年金の中の一番下の額ですね。私は、一カ月厚生年金をかけておれば出されてくる一番底の一番安い、それこそ最低の最低の一番底の四百六十円というものを根拠にして最低保障費を出してきておる、この辺をもう少し上げていくという問題が、これはこの年金だけじゃないですけれども、全体の公的年金制度の問題として当然検討されなければいけないし、ここに基準を置いておるからいろいろ問題が出てきておると思うのですよ。第一、この年金の最低保障額というものと、いわゆる生活保護世帯の生活保護費、これが生活保護費のほうが現実には高いわけでしょう。私は厚生省に行って資料をちょっともらっておりますけれども、実際に、六十五歳であれば、六十五歳で男一人で生活保護費は十四万三千六百四十円になりますよ。厚生年金、農林年金は十三万四千四百円でしょう。だから、これは生活保護世帯よりも低い最低保障費になっておるわけですよ。これはやはり厚生年金の一番の低いところの単価を持ってきておるところに問題があるのです。一カ月かげればかかる対象の単価四百六十円ですか、これに二十年分をかけて出してきておるわけで、これをもう少し上げなければいかぬということが当然考えられてしかるべきだと思うのです。こういう点については各公的年金の関係の間で十分議論がされておるはずでありますが、これを上げていくという方向は出てきてないわけですか。この辺が私どもやはり最低保障で一番問題にしなければいけない点だと思っておるわけですが、どうでしょう。

内村良英農林省農政局長

○内村(良)政府委員 ただいまの先生の御指摘のございました点でございますが、いわゆる公的年金の場合に最低保障というのをどう考えるかという一つの大きな問題があるわけでございます。と申しますのは、今日わが国の公的年金の場合にはいわゆる報酬比例だけで制度が成り立っているわけでございます。そうなりますと、厚生年金のように定額部分があるという場合には、やはりそうした年金自体の所得の再配分機能といいますか、そういうものがあるわけでございますが、公的年金の場合には報酬比例だけでやっているということは、やはり従来の恩給の退職年金的な性格のしっぽみたいなものがそこに残っているのじゃないかという感じがするわけでございます。  そこで、今後こうした公的年金の最低保障をどういうふうに考えるか。現在は厚生年金のほうはそういった所得再配分的な機能がある面がございますので、その厚生年金の定額部分をとって一応基礎的な計算をしているわけでございますが、将来それを上げるという問題と同時に、公的年金というものの最低保障というものをどう考えるかという点につきましては、年金制度自体の問題として考えるべき問題があるのではないかというふうに考えられるわけでございます。いずれにいたしましても、年金というものは退職者の生活保障という面が非常に強いわけでございますから、そういった面につきまして、制度として十全の措置をとっていかなければならぬということは申し上げるまでもないわけでございますが、それを詰めていく場合に、そういった問題もやはりからませながら今後詰めなければならないのじゃないかというふうに考えているわけでございます。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 最低保障については、年金制度の最も大切なところであるにかかわらず、いま局長も言われたように、理論的にもいろいろ問題があろうかと思うし、現実に取り扱われておるものについても、最低保障費、今度上げられましたけれども、それでも新法では十五万円ですか、そういう形で、新法、旧法間で二つの最低保障費が存在しておる、こういうことも理論上はどう考えても成り立たないですよ。財政上これはそうなっておるのだというけれども、年金の問題は正直言って非常に複雑だから、皆さんあまりわかったようなわからないようなことで終わっておるきらいがありますけれども、最低保障費、しかも政府が保障する公的年金が保障する最低保障費で、新法と旧法とで、上げた上げたといって努力をせられたといっておるけれども、全然金額が違うなんというのは、理屈としてはどうしても納得できないわけですよ。こういろ点を早く直さなければ、これは政府がやっておることについて筋が立ちませんよ。ですから、こういう点はおざなりの答弁だけでは済まされない問題を持っておると思うのです。これは農林年金だけじゃない。全部に共通する問題ですけれども、最低保障というのは理論的にこういう性格のもので、これはおそらく一本でなければなりません。それが年次別によって違ってきておるような取り扱いがなされてきておるところに農林年金そのものにも、あるいは公的年金そのものが、日本のこういう制度がたいへん立ちおくれておるといわれているところなんです。こういう点を毎年毎年言っておるわけですけれども、あまり改善されない。されないだけじゃなくて、ここでお尋ねをしておかなければいけませんけれども、総理府で設けておる公的年金調整会議ですか、これは農林省は農政局長が委員になっておると思いますが、こういうところではどれだけ政府としてまともにこういう問題を審議しておるのか。前の委員会のときには何回かやっていろいろな議論は出たけれども、それぞれの制度の特殊性があってなかなかまとまりがつかないので、同じようなグループに分かれて検討していきたいという答弁が中野さんのときにあったと思いますけれども、それから以降、私学共済と農林年金のグループを中心にして、どういう問題が出てきておるのか、一体この会議というのは前向きで進んでおるのかどうか、特に最低保障の問題等について具体的な話し合いが煮詰まってくる形勢があるのか、こういう点もあわせて報告をしてもらいたいと思うのです。

内村良英農林省農政局長

○内村(良)政府委員 ただいま御指摘がございましたように、今後の年金制度の仕組みにつきましては、比較的類似したグループ別に分けて検討しようということが、昨年の一月二十日の会議においてきまりまして、四つのグループができたわけでございます。  第一は、厚生年金、国民年金、船員保険。第二は、国家公務員共済、地方公務員共済、公企業体共済、それに恩給が入るわけでございます。第三のグループとして私学、農林。四が災害補償というようなことでグループができたわけでございます。そこで、私どもといたしましては、私学共済と同グループに入っておるわけでございますので、八月以降、これは課長レベルでございますが、課長レベルで文部省といろいろ話し合いはしているわけでございます。  まず第一に、一番問題になっておりますスライド制の問題でございます。これにつきましては、政策的な改定方式をとったほうがいいのか、あるいは半自動的な調整方式がいいのか、あるいは自動的調整方式をとるのかというような原則的な問題。それから、スライド制に伴う不足財源の処理につきましては、やはり企業負担の限界、それから労使の負担能力の限界等を考慮する必要があるのではないか。それから、スライド制の基準として消費者物価指数、生計費指数あるいは賃金指数というものが考えられるわけでありますが、この調整連絡会議では消費者物価指数が重要な指標になるだろうというふうに出ておりますが、そういった点についても完全に意見の一致を見ておりませんので、どうするかということ。それから、ただいま先生から御指摘がございましたように、わが国の公的年金制度が、いろいろ制度によって仕組みが違うわけであります。たとえば定額部分を持つもの、持たないもの、あるいは財源負担の方式について、整理資源の持ち方についていろいろあるということで、どうもいろいろ制度が違いますので、その中で最大公約数をどうやって見つけていくかという問題があります。  そこで、最低保障の問題にしましても、文部省と一応話しておりますが、ただいまのところは全体の一つの制度のあり方というものを考えながらやらなければいかぬわけでございますが、現在のところはやはり国家公務員共済と同じような方法でフォローしていく以外にいまのところはないのではないか。しかし、こういう問題につきましても根本的に検討すべき問題があるということは私どもも十分承知しておりまして、今後検討したいというふうに考えているわけでございます。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 これはもう実際は何にもしてないということですよ。政務次官、この公的年金制度調整連絡会議というのは、ものにならないならならないで、はっきり新しい形で切りかえたほうがいいと私は思うのですよ。これはいま課長段階で話をしたということですけれども、これの構成者は多分各省の局長ですよ。ところが、この一、二年来ほとんど会議は開いてないです。ほとんど前向いて進んでないです。だから、公的年金制度の体系なりあり方なりについては、むしろもっと大きな観点でやらないと、いま言われたように、事務担当者の段階におりればおりるほど事がやかましくなるのはあたりまえであります。複雑な歴史と制度の内容を持っておるわけでありますし、それぞれこまかい内容の仕事をやっておられるわけでありますから、ますますわからなくなる。ますますわからなくなるところで連絡会議なんかやったって実りないですよ。やるなら、公的年金制度はもっと高い段階でやるべきだと思うのです。だから、われわれ幾らこう質問いたしましても、あなた方のほうはほかの制度とのバランスの関係ということでおっしゃるわけですよ。ほかの制度とのバランスの関係をどうするのかということをやると、これは制度がありましてとこの間まで言っておったのだから、これもほとんど現状立ち消えのような状態になっておる。こういうことじゃなくて、確かに全体に日本の社会保障制度をどうするかという問題にぶつかってきたわけでありますから、本格的にこれらの制度の調整連絡、統一、こういうものはやはりやってもらわなければいけない。それがいまのような形で行き詰まっておるなら、もっと新しい観点で私どもは考えてみる必要があると思うのですが、これについて政務次官のほうから。

伊藤宗一郎自由民主党農林政務次官

○伊藤(宗)政府委員 先生御指摘のとおりでございますので、もう少し政治レベルまで上げて全体的な視野から検討しなおすことのできますように、大臣を通じて中枢に進言したいと思っております。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 これはほんとに大臣にもちゃんとしてください。あなたのところの政務次官の連絡会議があるのですから、その辺から一ぺん検討してもらって、少ししっかりさせてもらわぬと、これはとまっておりますよ。こういうときになるとこれが出てくるのです、材料になるのです。しかし、事務当局の間では抜き足差し足、なかなかできないというようなことのようですから、それならそれでもう少しあなた方の段階で問題を整理していただきたいと思うのです。  それから、遺族補償の問題ですが、これも最低保障と同じように、いろいろ理屈に合わない点が幾つかあると思うのです。退職年金の二分の一ということになっておるわけですが、この二分の一というのもきわめて大ざっぱなので、二人の半分だから、一人減ったんだから、なくなったのだから、遺族は半分だということでしょうけれども、なかなか実際の生計計算からいくと、そういうものじゃないでしょう。だろら、二分の一というものが遺族保障で妥当かどうかという議論を詰められたことありますか。こういう問題をやはり詰めてもらわなければいけないと思うのですよ、農林年金の立場でも、それからその他の公的年金の立場でも。だから、非常に年金制度というものは、内容的に入っていくとずさんだと思うのです。これほど日本の官僚機構というものは整って、たいへんな調査や研究をやっておるにかかわらず、国民の老後保障を中心としたこの年金、こういうものの根拠が、遺族保障は普通の年金の半分でいいのだという大なたで二分の一で割ってしまっておる。一体その根拠は何だと突かれたら、私は二人が一人になったのだということしか出ないと思います。現実に生計調査をやっておられるし、二人で生活した場合と一人で生活した場合と、パーセントはどういうことになっておるのか。総理府の調査だって、農林省の調査だって、はっきり出るはずですよ。そういうものに全然根拠を置かなくて、遺族年金というものを二で割る形で出されておるわけですね。この辺をやはり詰めていかないと、政策としてきめるにしても、なかなかきめにくいと思うのですよ。そういう点がなぜできないのか、これほど整った官僚機構の中に乗っておる政府が。これは私どもわからないわけです。非常に大ざっぱなようですけれども、こういう点が年金制度の内容の中に非常に置き忘れられておるから、日本の保障制度なり年金というものについて、いつまでたっても議論を積み上げ、積み重ねしなければいけないということになっておると思うのです。こういう点はどうですか。農林年金の立場からいっても、将来は当然遺族保障等についても科学的な根拠に基づいて保障額というものの算定がなされる、そういう方向に努力してもらわなければいけないと思うのですが、いかがですか。

内村良英農林省農政局長

○内村(良)政府委員 ただいま先生の御指摘がございましたように、遺族年金の場合には退職年金の半分だ、その半分というものはあまり理屈がないじゃないかということでございますが、私どもの承知しておりますところでは、今日の日本の公的年金制度は、やはり恩給制度が基礎になったような感じがございますので、恩給法のときにすでに半分になっていた、その半分の理由が何であるかというところまで、まことに申しわけございませんが、私どもとしては追及したことはございません。  それから、今後、遺族年金というものが、単に半分ということじゃなしに、もっと生計の実態に基づいたものにしなければならぬのじゃないかという点でございますが、私といたしましては、それはまさに先生のおっしゃるとおりだと思います。ただ、その場合におきまして一つ問題が出てまいりますのは、年金だけですべてのそういった社会保障と申しますか、それをやるかどうか、一方生活保護というような政策が別にあるわけでございます。そういった日本の社会保障制度全体というものをどうとらえるかというようなところから問題を起こしていかなければならない問題でございまして、たとえば農林年金だけ特別な生計費調査かなんかやりまして、こういうふうにしたいといっても、それはなかなか他の年金とのバランスからいってむずかしいのではないか。しかし、私どもといたしましては、そういったことを常に念頭に置きながらものを考えなければならぬということは、まさに先生の御指摘のとおりでございまして、そういった方向を考えながら問題を検討していきたいといろふうに考えております。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 それは農林年金だけというわけにもいかぬですよ、こういう問題は。だから、全体の年金制度のバランスをとると言われるのだから、バランスをとるというのは、金を出すときだけのバランスじゃなくて、内容について足らないところを十分補うような措置や対策をもっと強くしていただかないと、われわれも納得できない面がたくさんあるわけです。  それで、今度の年金額の改定で一〇・一%ですか、年金額が一律引き上げということで、従来とは多少計算方法が違って、全部一〇・一%引き上げということになって、これは私どもの理解で見ますと、恩給が根になっておるので、この辺も問題がありますけれども、従来から言っておるスライド制といったようなものにほぼ接近をしてきた取り扱い方だと思うのですが、今度の給付金の引き上げというものを、スライド制を加味するという形でなされた、こういうふうに理解してよろしいでしょうか。

内村良英農林省農政局長

○内村(良)政府委員 今回の改定方式とスライド制との関係の問題でございますが、これはスライド制というものをどう考えるかという問題も、これは根本的に問題になってくるわけでございます。そこで、われわれの了解では、今回の改定方法は、従来、事務の計算が非常に複雑だったものでございますから、それを簡素化したことが趣旨でございまして、これをもってスライド制が確立したというふうに評価することには若干問題があるのではないか。ただ、社会保障制度審議会等も、恩給については実質的にスライド制が確立しているというような意見を出しておりますので、そういった点をずっと評価していきますと、スライド制にだんだん近づきつつあるということも言えるのではないか。しかし、実質的には、私どもといたしましては、今度の措置は、従来標準給与につきまして一々かけていたのを一本で計算するという点で、主として事務の簡素化ということに考えております。なお、スライド制の問題につきましては、先ほど申し上げましたけれども、今後いろいろ検討しなければならない問題がたくさんあるわけでございます。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 スライドの基準とか方式とか、何を中心に取り上げるとか、いろいろ問題はあろうかと思いますけれども、しかし、いままではたいへん複雑な引き上げ方をやっておったのをばっとやるわけですから、簡単に考えれば、スライド制に一歩、二歩前にだいぶ向いた、こういうふうに思うので、私どもはこれを契機にして、その基準は一体何か、算定の方式はどうなので、そしてスライド制というものの取り扱いがいままでとは違った形で自動的に出ていくのかどうか、こういうふうな形に向かって、これをきっかけにして進まなければいけないのではないか、こう思っておるのです。これは全体の問題がありますけれども、従来からの要望でありますし、これは当然の問題でございますから、積極的に取り組んでいただきたいと思います。  あと一、二だけお尋ねをいたしますが、沖繩の年金が引き継がれるということになりまして、沖繩については昭和二十一年からですか、農林年金の適用期間がさかのぼるわけでありますので、承継に伴う相当の不足財源が出てくると思いますが、その不足財源はどれだけあって、これをどういうふうに処置されていくのか、この点もこの機会にお尋ねをしておきたいと思います。

内村良英農林省農政局長

○内村(良)政府委員 四十六年六月末の決算によって推定いたしますと、沖繩の農林年金を引き継ぐことによります不足財源は、一ドル三百八円で計算いたしまして、一億三千万円程度と見込まれております。これにつきましては、沖繩が返ってくるのだ、それでわが国の本土の農林年金の人たちも快く迎えたいという気持ちがありまして、二十一年にさかのぼるというような措置をとったわけでございますが、そういった精神から、この不足財源につきましては、一応整理資源として処理するということになっております。  そこで、この不足財源にかかわる整理資源率がどれくらいになるかということでございますが、現在のところは約千分の〇・〇三程度ではないかというふうに考えておるわけであります。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 これは政府では予算処置をしないわけですね。年金当局がその分は持つということになるわけですか。

内村良英農林省農政局長

○内村(良)政府委員 当面整理資源の中に入れておるわけでございます。したがいまして、四十九年の末の計算のときに、その中の整理資源の一部に入ってくるわけでございまして、ただいまのところは、整理資源ということでこれを処置したいというように考えております。  それから、この公的年金というのは、やはり相互扶助という面もございますので、沖繩が返ってくるこの際、本土のわれわれもひとつあたたかく迎えようというような意味も、そこに精神的なものもあったのではないかというように考えております。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 これは沖繩返還のところでも問題になったわけですが、沖繩が返ってくるので、これは佐藤さんが最後の仕事として取り組んだのですから、政府がこの程度のものこそ何らかの措置をすべきだと思っておったのですが、そうじゃないということは、これは整理資源でまたあとに積み残されるということになるわけです、たとえわずかでも。こういう形が次から次に出るので、私は、本来、政府が、それこそ沖繩の人たちに、政府がやろうが国民がやろうが同じでありますから、政府は代表機関でありますから、これは政府が当然見るべきだ、こういうふうに思っておるわけです。予算措置としては出てきておりませんが、こういう問題が整理資源に積み残されて、また掛け金をどうするとか内容をどうするかということになってくるわけでありますから、これはこれだけじゃありませんけれども、年金の問題については絶えず、一体どこが持ったらいいのかという根拠が明確にならぬ前に積み残されていく傾向がありますから、この席で十分にこの問題も指摘をしておきたいと思うのです。  それから最後に、全国農業共済協会は昭和四十四年十二月に年金に加入いたしましたし、同じく中央畜産会それから中央酪農協議会は四十五年十月に年金の適用団体として加入をしておるわけですが、これらの団体のほうから、厚生年金間の通算措置の要望がなされておるわけでありますが、今度の法律の改正の中にはこれは取り上げられていないわけですけれども、この点についての政府のお考えをこの際お聞きをしておきたいと思うのです。

内村良英農林省農政局長

○内村(良)政府委員 ただいま御質問のございました農業共済協会、中央畜産会、中央畜産会、中央酪農協議会のいわゆる厚生年金期間の引き継ぎの問題でございます。この問題につきましては、私どもの考え方といたしましては、農林年金の適用団体となったときに、その必要な措置をとっておく必要があったのじゃないか。そのときに通算しないということでやってまいりました関係上、その後、地方道路公社等が地方団体関係の職員共済組合に入った場合に、厚生年金期間を通算した例がございますが、私どもといたしましては、やはりこれは農林年金の適用団体となったときに処理すべき問題ではなかったかというふうに考えております。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 これは当然その際にすべき措置がされなかったということでありますから、政府も、これの通算措置について——本来なら政府のほうから出してもいいはずでしょう。いろいろ検討せられておるようでありますが、同じ農業関係の団体に働いておる人でありますから、これが差別をされるということはおかしいことでありますから、なお問題として、当委員会で各党の御意見を持ち寄って検討していただきたいと思います。  大臣がお見えになっておりませんので、私は政務次官に、私の質問を通して重ねて政府に確認をしていただきたいことを申し上げて終わりたいと思いますが、一つは、前段申し上げました任意継続組合員制度の廃止の問題については、私どもはこれは非常に問題がある、こういう理解をせざるを得ないわけであります。内容的にも、今後この制度なり日本の公的制度全体の前進のためにはたしてこういう措置がよかったのかどうか、問題を感じておるわけでありますので、政務次官のほうからも重ねてこの点についてお考えをお聞きいたしたいと思いますし、さらにこの国庫補助の問題については、今度の問題を通して、これから五年間掛け金の上昇というものはない、こういう意味の御答弁がありましたし、私どももそういうふうに思っておりますので、この際、政務次官のほうからも、この掛け金の問題について明快なお答えをいただきたい。  さらに、補助事項につきましては、あとでまだほかの委員の方もいろいろ御要望があると思いますが、特に私は、財源調整費の問題について、これが今度、比率で言えば二・七二%ということですが、われわれは従来から定率化をしてほしい、こう要望しておったわけですが、われわれの定率に比べてたいへん少ないのですけれども、しかし、この二・七二%がゆらぎますと、設計全体がたいへん狂いますから、これは今後、次の再計算期まで、上乗せはするけれども下へ下がることは絶対あり得ない、大蔵、農林当局のお答えを聞いて私もこういうふうに思いましたのですが、この点も政務次官のほうから最終的に御答弁をいただきたいと思います。  さらに、将来、農林年金につきまして、問題にいたしました私学共済との関係等から見て、農林年金にさらに仕組みの上でつけ加えられるべき新しい方策が考えられてしかるべきではないか、私学共済と私学振興財団の関係を一、二御質問いたしましたけれども、それに類するような形のものを、この際、農林省当局が積極的に検討を開始して、何らかの結論を見出していただきたいと思いますが、この問題について御見解をお聞きいたしたい。  そうして御指摘をいたしました最低保障費の問題、遺族保障の問題、こういう問題につきましては、内容的にきわめて問題として理論的に詰めていない面もありますので、これは早急に農林年金の立場でも詰めていただくし、同時に、先ほど御所信を伺いました政府全体の、年金全体のたてまえからもやはり明確な、合理的な根拠を明らかにしていただくような措置を、ぜひ次の審議までには明確にしていただきたい。この点を申し上げまして、最後に政務次官のほうからまとめて御答弁をいただいて、私の質問を終わりたいと思います。

伊藤宗一郎自由民主党農林政務次官

○伊藤(宗)政府委員 任意継続組合員制度の適用制限につきましては、先ほど農政局長あるいは大蔵当局からもお話申し上げたとおり、事情もこれあり、やむを得ないことだと思っております。  また、掛け金は少なくとも再計算期の時期までは上げないし、またその後もいろいろ御趣旨を体しまして、掛け金の増高につきましては慎重な態度で臨みたいと思っております。  また、最近の農業事情など、いろいろ御論議をいただいておりますとおり、きびしい情勢でございます。それをささえる農業団体の職員の待遇向上、また将来の展望などについて明るい見通しをお与えするという意味からも、農林年金制度の充実につきましては、先ほど触れましたもっと政治的レベルにおいて、また全体的な視野から、そういう広い立場から他の公的年金制度との関連をも考慮しつつ、農林漁業団体職員の将来への明るい展望をお与えするという大乗的な見地からも、農政当局者としては十分に御趣旨に沿うように、今後とも全力投球をして努力してまいりたいと思っております。

三ツ林弥太郎自由民主党

○三ツ林委員長代理 次回は、公報をもってお知らせをすることとし、本日は、これにて散会いたします。    午後零時三十分散会

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