農林水産委員会 第10号
- 発言数
- 145 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1972/04/18
会議録
○藤田委員長 これより会議を開きます。 漁港法の一部を改正する法律案、中小漁業振興特別措置法の一部を改正する法律案及び漁業協同組合整備促進法を廃止する等の法律案の各案を一括して議題とし、審査を進めます。 各案につきましては、去る三月十六円、提案理由の説明を聴取いたしております。 これより審査に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。江藤隆美君。
○江藤委員 漁港法の一部を改正する法律案、中小漁業振興特別措置法の一部を改正する法律案、漁業協同組合整備促進法を廃止する等の法律案、以上三案について、要点のみを質問いたしたいと思います。 まず第一番目に、漁港法の一部を改正する法律案の内容についてでありますが、二、三お伺いをいたします。 今回は、特定第三種漁港の外郭施設及び水域施設の補助率を六〇%から七〇%に上げるというものであります。したがって、この中には漁港と一番関係のある係留施設あるいは水揚げ施設等はこの補助率のアップから除外をされる、こういうことに結果的にはなっておるわけでありますが、これを除いた理由は、その必要がなかったからかどうか。私は、表裏一体のものでありますから、第三種漁港については全体的に補助率を上げるということが筋であった、こう思うのでありますが、長官のお考えを聞かしていただきたいと思います。
○太田(康)政府委員 今回の漁港法の改正でかねて懸案でございましたところの特定第三種漁港につきまして、ただいま先生からお尋ねの外郭施設と水域施設につきましての補助率を六割から七割に引き上げたということでございますが、御承知のとおり、特定第三種漁港につきましては、この漁港が非常に公共性が高い、しかも他県の船も非常に利用度が高い、水揚げも多いというようなことに着目いたしまして、この補助率の引き上げをはかったわけでございます。お尋ねのように、係留施設につきましても、その他外郭あるいは水域施設以外につきましても、その重要であることは論をまたないわけでございますが、いろいろな面におきまして、われわれもその補助率の改定につきまして検討はいたしたのでございますが、現在の段階におきましては、国の財政投資の効果をより有効に発揮するということで、ある程度重点をしぼりまして今回の措置を講じたということでございます。 〔委員長退席、松野(幸)委員長代理着席〕 なお、それ以外に、毎度漁港大会等におきましては第三種漁港の補助率引き上げ等の問題も出てまいりますが、今後の課題として私どもといたしましては検討してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○江藤委員 財政的な都合だろうと思うのですが、この係留施設、水揚げ施設をもし補助率を上げるというものの中に入れた場合に、どのくらい金が要るのですか、どれくらいよけい要りますか。
○太田(康)政府委員 個別、具体的な計画を積み上げての予算要求になりますので、いま具体的に幾らに上げるかという問題もございましょうし、たとえば六割から七割に上げたというような場合に、幾らになるかにつきましては、私、いま数字を存じておりませんので、後ほどもし一割アップしたらどのくらいになるかという推定の数字を申し上げたいと思います。
○江藤委員 予算折衝の段階では当然積み上げがあったろうと思いますから、これは将来ともに水産庁としては、同じものですから——船は入ってきた、それを船をつながせないことも、水揚げさせないこともできないわけでありまして、一緒のものでありますから、これも同じようにする努力をしてほしい。 それから、数字についてはあとで参考資料として御提出を願いたいと思います。 次に、私は日ごろから考えておるのですが、今回、特定第三種漁港がこういう取り扱いを受けたということについてはたいへんけっこうなことだと思います。ところが、漁港は第一種から第四種まである、あるいは避難港まであるわけでありまして一どこを見てもそれぞれに重要度がある。この負担区分、補助率をきめた当時からして、いま考えてみますと、ずいぶん年数がたっておりますから、その間に漁船もずいぶん大型化し、漁法も近代化されてきた。したがって、行動範囲も広いということで、特定第三種漁港だけに限らず、たとえば一例を第三種漁港にとってみましても、もうその市町村のみの漁港ではない、その沖合いを含む全地域の漁港になってきた。いわゆる公共性が非常に出てきておるということが私は特色であろうと思います。したがって、たとえば一割の地元負担が、これは県によってきめるわけでありますから、国の関知しないことだといえばそれまででありますが、普通各県ともに一割くらいの地元負担を取っておるようでありますが、そういたしますと、第三種漁港あたりでももう億の単位の改修費が必要だ、こういうことになる。そうすると、小さな市町村で何千万という漁港改築のための負担をやらなきゃならないという問題が現在生じておるわけであります。したがって、こういうものが、たとえば第三種漁港だけをお尋ねしてみますが、どうして補助率の改定ができないのか。 それからもう一つは、私はこの漁港というものを考えたときに、同じ公共事業でありますから、道路と比べてみるのはちょっと適当じゃないかもしれませんが、公共事業という立場から比べてみると、たとえば国道であったならば、これはみんな国がやってくれる、主要県道であったならば、これはまた国と県が令部やる。それはなぜかというと、公共性があるからである。特定第三種というのは、私は道路でいうならば、これは国道だと思うのですね。第三種漁港というのは主要県道に匹敵するものだと思うのですね。ですから、国がこの公共事業を進あるにあたっては、十分に配慮して末端の市町村というものに過重な負担がかからないように、かかるということは思い切った投資の推進の受け入力ができないということですから、今後十分配慮する必要があるのではないか、こう思うのでありますが、長官のお考えがありましたら、聞かしていただきたいと思います。
○太田(康)政府委員 御承知のとおり、公共事業の補助率アップの問題は、毎年予算の編成の時期に問題になるわけでございますけれども、政府といたしましては、どちらかといいますと、事業量の消化というような観点から、補助率アップは原則として認めないというのが従来の例であったわけでございます。今回提案をいたしました特定第三種漁港の補助率アップにつきましては、ほぼ十年来の懸案であるというようなことで、一部外郭と水域施設についての実現を見たわけでございます。 先生お尋ねのように、漁港、特に第三種漁港等につきましては、おっしゃるような利用形態になっておるということもわれわれよく存じておるのでございまして、原則として地方公共団体が残りを負担するということにもなっておりまして、そのために市町村等に過重な負担がかかるというような例も間々あることも聞いております。実際問題といたしまして、私どもの漁港の補助率につきましては、すぐ比較されますのは、やはり港湾との補助率の比較の問題になるわけでございます。特に第三種漁港につきましては、確かに従来とも漁民の方々から強い補助率アップの要望のあることもよく承知をいたしております。実は今後私どもといたしまして漁港の整備計画の新しい計画を現在検討中でございますので、これらの検討の過程におきまして、港湾等の補助率等もにらみながら、検討してまいりたい、かように考えております。
○江藤委員 いま長官のお話で、港湾との関連があるということです。私は港湾と漁港というのは根本的に性格が違うと思うのですよ。ですから、港湾の補助率が上がらないから漁港も上げられないのだという考えは、私は成り立たないと思う。十年来やらぬのだというのは努力不足です。だから、ひとつ来年度の予算のときにはぜひこれが改定ができるように長官の決意のほどを承りましょう。
○太田(康)政府委員 私どもといたしまして、御承知のとおり、四十四年に承認を得ました第四次漁港整備計画というのがございまして、四十四年から四十八年までの五カ年間の計画を立てておったわけでございます。従来の経緯を見てまいりますと、大体四年目くらいになりますと、新しい計画に改定するということでもございますし、先ほどお尋ねのように、第四次の漁港整備計画を立てまして以来今日までいろいろ漁船の大型化が行なわれたり、あるいは漁港における流通施設の整備が急がれておる、さらに増養殖施設が非常に発達して、これらに対するいろいろな施設の要望もあるというようなことも考えまして、新しい観点から、先ほど申し上げましたように、私どもといたしましては第五次の漁港整備計画というものを現在検討中でございます。その過程におきまして、いまお尋ねの点につきましては検討をしてまいりたい、こういうことでございます。
○江藤委員 いまはからずも長官から五カ年計画の改定の準備作業が進んでおるということが出ましたから、それに関連してお尋ねをしたいと思いますが、いま改修あるいは局改、修築合わせて総額二千三百億で五カ年計画があります。これを漁港というものの重要性から考えてみますと、これは道路とは比較できませんが、道路が十兆三千五百億、それから下水道だけでも二兆七千億、今度できた治水五カ年計画が四兆六百億ですか、そういうものと比べますと、まるきりけたが違うという感じがします。ですから、私は、来年度の予算編成の時期に、この第五次漁港整備五カ年計画というものを、計画年次の途中であるけれども、この際思い切って改正する必要がある。しかも、その規模は新たな絵を描いてみる必要がある。あとで中小漁業の振興対策も出てくるわけでありますが、非常に漁場が汚染をされて狭まって、そういう中で漁船の大型化、近代化を進めていくと、いままで描いておうた漁港の姿というものではものの用にたたない場合が出てくる。ですから、今度はたとえば一倍半だとか二倍ということではなくて、将来の長い展望をしたときに、日本の漁港というものはどうあるべきかということで、ひとつ壮大な五カ年計画の構想を描いてほしいし、また、それをぜひ今度は改定してもらいたい、こういう考え方があるわけですが、いかがでしょう。
○太田(康)政府委員 御承知のとおり、本年度の予算の実行を見ますと、大体進度率が七一・四%ということになるわけでございまして、ことしが計画の第四年目ではあるわけでございますけれども、先ほど来申し上げておりますように、四十四年の情勢と今日の情勢は大きく変化をいたしておりますし、私どもといたしましても、ただいま新しい漁港整備計画を立てる前提としての基本的た考え方につきましてせっかく検討いたしておる段階でございまして、私どもの気持ちといたしましては、四十八年度を初年度とする新しい第五次の漁港整備計画というものを明年度はぜひ立ててまいりたい。これはいずれ国会の承認を受けることになるわけでございますけれども、そういったことでいま問題の基本的な考え方について取り組んでおるところでございます。
○江藤委員 ぜひひとつ早急にそういう計画を樹立されるようにお願いをいたしたいと思いますが、この機会に関連をして、これは事務的でありますが、漁港区域というのがあります。これをつくりますときには、漁港区域というのはなるべく広くとっておったほうがいいんじゃないかということで、ところによってはずいぶんと広大な面積を漁港区域として指定をしておる。ですから、いまになってみますと、今度は地方のいろんな開発計画あるいは事業を進めていく上でたいへん実に即しない面が出てきておるようです。この漁港区域については、適当なものにこれを狭めるなりあるいは必要度の高いものについてはもっと広げるなり、そういう作業を一度やってみる必要があるのではないかと思うのですが、水産庁でそういうことを検討されておることはありませんか。あるならば、ぜひそういう作業を進めてほしいと思います。
○太田(康)政府委員 御承知のとおり、漁港の指定にあたりましては、当然その区域の範囲を告示いたしておるのでございますが、漁港の整備あるいは漁港の維持管理、こういったものは私の方針としましては、必要最小限度にとどめるというようなことを基本として、現在、区域の指定をいたしておるつもりでございます。私が水産庁長官になりましてから何回か漁港審議会が開かれておりますが、いま先生のお尋ねのように、地方におきましては具体的に漁港の区域を変更するというようなケースもございます。そのつど実は漁港審議会にかけまして承認を得まして区域の変更の告示をいたしておるような次第でございまして、もちろん広げる場合もございますし、狭める場合もあるわけでございまして、今回の漁港整備計画の改定にあたりましては、いま言ったような見地も十分考慮に入れて計画を考えてまいりたい、かように考えております。
○江藤委員 漁港の問題はそれだけにして、次に中小漁業振興特別措置法の一部を改正する法律案の内容について二、三お尋ねをしておきたいと思います。 今回はいろいろの内容が盛られておるわけでありますけれども、その中で今回、第一次の漁業振興に続いて第二次にも漁業振興をはかるというのが普通の考え方であろうと思います。それがそういう方法をとらないで、構造改善という事業に今度は変わって、したがって、農林大臣の認定制度をつくってそうして構造改善を進めていく、こういうことになったわけでありますが、第一次から第二次に移らずに、構造改善ということでこの事業を進めることになったという理由は、内容がいままで貧弱であったというのか、それとも、それではこと足りないからもっと幅を広げていこうというのか、どういうところに理由があったのか、御説明を願いたいと思います。
○太田(康)政府委員 これには二つの理由があったわけでございますけれども、自主的には、御承知のとおり、わが国漁業をめぐる環境が非常にきびしくなっておる。中小漁業とてもその例外ではないわけでございまして、中小漁業につきましても個々の経営の合理化、近代化、これを推進することが必要であることは言うまでもないわけでございますが、業種によりましてはさらに一歩進めまして、業界が自主的に計画を作成いたしまして、その業種の漁業を営むものの相当の部分が積極的にこれに参加するという形で水産資源の利用の合理化あるいは経営規模の拡大、さらには生産工程の協業化、こういったことをひとつ実施することによりまして、その体質改善をはかりそして生産性の向上に資する、これをねらいといたしまして、このような見地に立ちまして特定業種につきましての構造改善を推進するということにいたしたのが自主的な理由でございます。 それから、御承知のとおり、確かに先生の御指摘のように、従来の第一次の振興計画をそのまま第二次振興計画として採用したらどうかというようなこともあったわけでございますけれども、この中小漁業振興特別措置法のねらいといたしておりますところの二本の柱があるわけで、そのうちの一本の柱でありますところの税制面につきましては、御承知のとおり、租税特別措置法で措置をいたしておるわけでございますけれども、現在の措置が最初の五年間に限られている。したがって、本制度の対象といたしますためには、私どもの中小漁業と同様に中小企業があるわけでございますけれども、中小企業の場合にも当初近代化を進めまして、さらに第二次の段階では構造改善に関する制度を採用したというような経緯もあるわけでございます。したがいまして、私どもの中小企業振興特別措置におきましてもやはりこれにならいまして、構造改善計画というものを自主的に業界に立てさせまして、これを認定して、その認定に従いまして事業を実施するものに対しまして税制上の特別措置あるいは金融上の措置を講ずるということにいたした次第でございます。
○江藤委員 今度の改正の要点は、新たに指定業種の中から特定業種を指定して事業を行なっていくということでありますが、その特定の業種というものとして考えられておるものは、どういう業種がありますか。
○太田(康)政府委員 法律の条文でも明らかなように、特定業種は、従来の指定業種のうちから、水産資源の制約あるいは労働力の不足、国際規制の強化、こういった一段ときびしい情勢に対処するために、さらに経営を安定させるために緊急に構造改善をはかる必要のある業種、これを政令で指定する、こうなっておるわけでございまして、私どもといたしまして当面考えておりますのは、御承知のとおり、この法律が施行になりましたのが四十二年でございますが、その際、一応中小漁業振興特別措置法ということで、五年間の振興計画というものを業種について立てたわけでございます。そして最初の四十二年にカツオ・マグロ漁業と以西底びき網漁業を指定いたしまして、その後まき網漁業あるいは沖合い底びき漁業を順次指定業種としての指定をいたしたわけでございますが、当面、この法案が成立いたしますれば、私どもといたしまして、先ほどの政令で定めている要件を満たす業種といたしましては、以西底びき網漁業並びにカツオ・マグロ漁業、これを対象の業種として政令で特定業種としての指定をいたしてまいりたい、目下のところはさように考えておるのでございます。
○江藤委員 カツオ・マグロと以西底びきですね。その中にはおそらく大臣許可のものもあれば知事許可のものもあると思いますが、その区別は問いませんか。
○太田(康)政府委員 私どもが考えております以西底びき網漁業並びにカツオ・マグロ漁業につきましては、現在はいずれも漁業法に基づきますところの指定漁業といたしまして大臣許可に相なっております。
○江藤委員 そうすると、将来、沖合い、底びきはあれですが、まき網漁業が将来は出てくると思います。それには特に知事許可の分が入りますが、それは除外されるのかどうか、将来含んでいくのかどうか、それが一つですね。 それから、さしあたって以西底びきとそれからカツオ・マグロをやるということですが、どういうことをやるんですか。たとえばカツオをマグロにかえるんですか、マグロ漁業というのをカツオにかえていくのか、それとも以西底びきをもっとふやしていくのか、減らしていくのか、もっと大型化していくのか。これは一斉更新の時期でもありますから、そこいらに心配も一部にあるわけでありますが、一斉更新の問題と合わせてそのことを御説明願いたいと思います。
○太田(康)政府委員 御指摘のとおり、まき網漁業につきましては、知事許可漁業もあるわけでございますけれども、私どもといたしまして、今回の法律の改正の暁には、まき網漁業につきまして将来こういった条件がおそらく残るだろうと思いますので、これはまだちょっと先になるわけでございますけれども、やはり現段階におきましての考え方といたしましてもおそらく対象になり得るのではないか。その場合には当然知事の許可の分まで含めて考えたい、こう思っております。 それから、私どもが考えておりますところの当面二業種についての基本的な考え方でございますが、以西底びき網漁業につきましては、御承知のとおり、漁場自体につきましても日韓あるいは日中等の関係におきまして規制がかなり強化されておる、それから魚価が必ずしも他の魚種に比べますとあまり好ましい状況にない、さらに労働力の確保がなかなか困難になっておるというような事情もございます。 そこで、まず以西底びきにつきましては、水産資源の利用の適正化として操業漁船隻数の減少並びに漁場につきましては南シナ海での漁場の拡大、これに伴いますところの大型船の導入というようなこと、それからやはり経営規模の拡大ということもやらなければならないと思うわけでございまして、私どもの調査によりますと、大体四カ統くらいを持っておる経営ではかなり経営が安定したというようなこともあるわけでございますので、そういった意味での経営規模の拡大ということでございます。それから生産行程の協業化をはかるというために、できますれば共同運搬体制の確立というようなこと、さらに、こういりたことを円滑に実施するために高性能の冷凍設備等の鮮度保持施設の設置というようなことも指導の方針にしてまいりたい。おそらく業界が自主的にお立てになりますところの構造改善計画等におきましても、そういったことを趣旨とした内容のものになろうというふうに期待をいたしております。 それから、カツオ・マグロ漁業でございますが、これも御承知のとおり、資源的に見ますと、マグロにつきましてはかなり危険な状況にあるというような学者の御意見もございますし、国際的な資源の規制ということも強化されていることは御承知のとおりでございます。これに比べますと、カツオ等につきましては、現在世界的な漁獲量から見ましても、まだ五十万程度しかとっておりませんし、そのうちのかなりの部分がわが国によって捕獲をされておるのでございまして、そういった観点から考えますと、資源の利用の適正化というような観点から、漁獲量が漸次減少しつつありますところのマグロはえなわ漁業から、資源的に余裕があるといわれておりますところのカツオ釣り漁業への移行というようなこと、あるいは規模拡大という観点から漁船設備が総合的に高度化かつ合理化された標準仕様船というものを私どもと業界できめておりますので、そういった標準船型によりますところの一経営あたりの漁船数の増加、さらに資本装備の高度化としての、これも省力化の問題でございますが、カツオにつきましての自動釣り機等の導入というようなことが構造改善事業に盛り込まれるというふうに期待をいたしておるのでございます。
○江藤委員 このマグロが規制を受けるということ、それから五年間で約三〇%の漁獲の減少がきた、そういうふうなことから、比較的恵まれておるカツオに進出をさしたらどうか、こういうことであろうと思うのですが、私はほんとうにマグロの資源というものはもう枯渇したのだろうかどうだろうか、新漁場の開発ということはもうこれから望めないのかどうか、そこいらの判断を一体水産庁はどういうふうにしておられるかということをひとつお尋ねをしたい。 それから、カツオに転換をするということでありますけれども、昔、カツオをやっておってまき網に転向したり、いろいろな変遷が漁業にはあるわけであります。ですから、カツオ等につきましてもそれほど無尽蔵にあるわけではない。何となればカツオ漁業の一番の問題点は、船をつくって、いま長官がおっしゃるように、自動的に巻き上げの機械なんかを入れるということだけでは解決できない、一番の問題点はやはり生きえですね。生きたえさをどうするか、生きた小魚をどうするか、こういう問題が出てくる。こういうようないわゆる生きえに対する対策というのも、この構造改善の中に入って十分考慮されるのかどうか。その場合に、マグロからカツオにかわった者については特別に構造改善で生きえの対策をやるが、依然としていままでカツオをやっておった者はそういうものの対象にならぬというのでは、たいへん片手落ちになってくるおそれがある。ですから、双方含んでそういうものが考えられるのかどうか、あわせてお尋ねをしておきます。
○太田(康)政府委員 マグロにつきましては資源的にはかなり調査も行き届きまして、ほとんど世界のすみずみまでマグロ資源のあるところはわが国の漁船が進出をしておるというような状況にあるわけでございます。私どもといたしましては、マグロにつきましては、従来のはえなわ漁法からこれをまき網でやれないかというような調査も、実はセンターをしていたさしめておるのでございまして、アメリカ等ではかなり進んだ技術もあるようでございまして、こういったこともしんしゃくしながらまき網による漁法転換というようなことを実は考えておるのでございます。 それから、カツオの問題でございますが、まさに御指摘のとおり、カツオの場合には通常四十日くらいの操業でございまして、生きえの問題が最も大きな問題でございますので、昨年発足いたしました水産資源開発センターによりまして南方のカツオ漁場関係国の領海内で、主としてカツオの生きえにするところのえさの開発というようなことをいたしたのでございます。実は必ずしも十分な成果が得られなかったようでございますが、引き続きこれらの調査にあたりまして、カツオへの転換に伴いますところの生きえの確保という点につきまして遺憾のないようにいたしてまいりたいと思います。 それから、生きたえさを船内で長期に蓄養しなければならないという技術開発も問題でございますので、試験研究機関に助成をいたしまして、この点の資源開発も実施いたしておるということでございます。 それから、お尋ねのように、従来のカツオの方方につきましても、当然構造改善計画に沿った事業をおやりになるという場合には、私どもの考えております助成の対象には取り上げてまいりたい、かように考えております。
○江藤委員 ここで、いま資源が非常に少なくなったという話がありましたから、私はかねがねの持論である——沖合い底びきでも以西底びきでも、沿岸漁業から非常にきらわれる理由は何だというと、大きいのから小さいのまで全部根こそぎとってしまうということですね。聞くところによると、水産庁でもある程度の網目の規制というものは行なっておるということでありますが、これが実施の段階になりますと、十分に行なわれていない。したがって、稚魚から全部根こそぎとってしまう、そこに非常な問題点があるわけです。私はこれから長い将来に、日本の沿岸漁業、あるいは沖合い漁業でもそうですが、資源を確保していくということを考えるならば、網目の規制ということを水産庁は大きな課題として十分取り上げていくべきだ、こう考えるのでありますが、そういうことはやれませんか。ぜひやってほしいと思います。これはやると思えば方法はあるんですよ。これは根こそぎ持っていくわけですからね。少々規制しても、網目をつぶしてしまうんです、そうすれば結局小さなものも入りますとおっしゃるけれども、それは網目が小さいからで、各立ち寄る港あるいは漁業基地を中心に十分こういうものをパトロールして、そうしてこれを守っていく、守らせるということをやれば必ずできる。これは大事なことですから、この機会にひとつ長官の決意のほどを承っておきたいと思います。
○太田(康)政府委員 まき網とか底びきの漁業と沿岸漁業との調整問題というのは、私どもがその解決に最も腐心をするいわゆる漁業調整の問題でございまして、確かにこれらが乱獲につながるということは、われわれは資源の保続培養という見地から十分考えなければならない問題であるという問題意識は強く持っておるのでございます。具体的に資源との関係におきまして、そういった規制が必要であるというような場合も出てくるということは考えられるわけでございますけれども、必要な向きにつきましてはそういったことも当然考慮の中に入れていかなければならないというふうに考えております。
○江藤委員 稚魚の乱獲については今後十分に水産庁としては前向きに取り組みます、これでよろしゅうございますか。
○太田(康)政府委員 そのことが毎度議論になるわけでございます。ものによっていろいろ違うわけでございますけれども、まあこの程度のことでありますれば必ずしも魚の保続培養上支障があるかどうかというような問題のあるようなものもあるわけでございます。しかし、具体的に、資源の長期的な動向から見まして、確かに乱獲につながり、それが将来の経営の安定に支障を来たすというようなものにつきましては、お説のように、前向きに取り組まなければならない、かように考えております。
○江藤委員 これはひとつ水産庁で十分調査をしてほしいと思います。資料が必要ならば私のほうから提供してもけっこうです。 そこで、本論に戻りまして、政府がこういうふうな構造改善というのを考えます、そして漁業の振興をはかろう、こういうことになると、どうしても民間団体なりあるいは業者との考え方に狂いが出てくる。これはもうしごく当然のことだといえばそれまででありますが、いままで行なわれておるたとえば農業構造改善、漁業構造改善、こういうのを見ましても、どの計画も中途はんぱになっておるということです。これは沿岸漁業のいわゆる構造改善事業もすでに行なわれておりますけれども、どうしても地元の人々が切実に考えておるものが国の予算ワクというものの中に縛られて十分生かされない。したがって、これを活用する段階になると、やはり寸足らずになってその役を果たさない。たとえば第一次構造改善事業のときに二、三百トンの急速冷凍の施設をつくった。その当時はよかったようであるけれども、いまになってみますとこういうものではものの用に立たない。ですから、せっかくの投資というものが生かされないで今日に至っておるというのが私は実情だろうと思うのです。これは農業構造、林業構造、どれを見ましてもこういうことが言える。したがって、政府の考えと実情との調整を今後どうはかっていくかということが一番大事で、やはりそういうほんとうにやる必要があるものは、予算のワクがこうだから八分目で終わっておけ、こういうことではなくて、むしろ十年、二十年先を考えてやっても、四、五年たったらちょうどよくなるというのが今日の姿ですから、そこいらのことを中途はんぱにならないように十分この実施にあたっては措置をしてもらいたい、こういうふうに考えておるのが私の気持ちでありますが、いかがでありましょう。
○太田(康)政府委員 御承知のとおり、今回の構造改善計画につきましては、業界の方々の自主的な計画ということになっておりまして、私どもといたしまして、法律でも明示いたしておりますが、一応当面対象になりますところのカツオ・マグロ漁業につきましては、遠洋カツオ・マグロ漁業につきましては日鰹連と呼んでおります漁業協同組合の全国団体がございますから、これがお立てになるでありましょうし、近海カツオ・マグロ漁業につきましては全国漁業協同組合連合会、いわゆる全漁連がお立てになるというふうに考えております。それから以西底びき網漁業につきましては民間法人でありますところの日本遠洋底びき網漁業協会がございまして、おそらくこれがお立てになるというふうに考えております。もちろん計画の基本になりますところの振興計画というものは国が定めて示すわけでございますけれども、大体構造改善の内容といたしまして、先ほど申し上げましたような点が十分になってまいると思いますし、これらの裏づけといたしまして税制上の措置あるいは金融上の措置がこれによって講ぜられるわけでございますので、先生の御指摘にもございましたように、従来のような実情に合わない中途はんぱな事業に終わってしまうということのないように、十分民間との話し合いをいたしまして、私どもの認定制度を有効に活用いたしましてこの事業が円滑に進むように取り組んでまいりたい、かように考えております。
○江藤委員 おかの上ですと、少し足らなくても何とかほかの方法を講じて補うことができますけれども、海の上のことは、足りないものは足りないのですね。ですから、いまの長官のお答えのように、十分この点は遺憾のないように配慮してほしいと思います。 そこで、いささかほかのことで恐縮でありますが、私はちょうどきのう朝、くにへ帰っておりました。私は宮崎県の県北でありますが、漁港のあるところで、アジ、サバのよくとれるところであります。魚売りが自転車に乗って私のところへ売りに来た。サバでございます。長官に、クイズでございませんけれども、きのう東京で百グラム当たりサバの値段が何ぼしたか、御存じだったら、ひとつお聞かせをいただきたい、こう思います。 そして私のいなかのことも御存じでしょうが、宮崎県の私のところに売りに来た魚、ちょうどこのくらいのものです、一ぴきが百グラムですね。港から掲げて、自転車に積んで私の玄関先まで持ってくる。同じ百グラムでどのくらいだろうか、想像でけっこうですから、ひとつ聞かしてほしいと思います。
○太田(康)政府委員 私どもの調査によりますと、サバの昨日の東京市場の卸売り価格はキログラム当たり六十八円ということに相なっております。ちなみに産地価格でございますが、これは私どもの主要八十漁港におきますところの産地価格でございますが、昭和四十七年三月の速報値でございますとキログラム当たり三十七円、こういうことに相なっております。
○江藤委員 小売りです。
○太田(康)政府委員 東京の小売り価格は、三月の数値で申し上げますと、百グラム当たり十九円十銭、こういうことに相なっております。
○江藤委員 きのうのはわかりませんか。——わからなければいいですが、おそらく百グラム当たりが十九円か二十円、あるいは近ごろは鉄道がああいうことですから、おそらくもっと上がっておるんじゃありませんか。この前から四十何円になったとかいって新聞に出ていましたですね。そういうことありませんか。
○太田(康)政府委員 私どものいま承知しておる三月の速報値でございますけれども、それでは十九円十銭ということになっております。実は昨年来サバが非常にたくさんとれましたけれども、産地価格がもうただ同様の価格であるにもかかわらず小売り価格がちっとも下がらないという議論、あるいは中央卸売市場における消費地の価格が非常に高いという議論が出たわけでございます。私どもその原因がどこにあるかということでいろいろ追及をいたしたのでございますが、通常いわれておる説に従って申し上げますと、産地におきます価格は大中小込みの価格で表示をされておりまして、そのうち、御承知のとおり、魚の場合には産地におきましてこれをえさに落とすというようなこともあるわけでございまして、生鮮あるいは冷凍向け、食料用に向くものを選別いたしまして中央卸売市場に出荷をするというようなことにもなるわけでございますので、はなはだ言いにくいのでございますけれども、産地で実現いたしましたいわゆる産地価格と中央卸売市場の価格を直に比べて、その間の中間経費が非常に高いというような議論もあるわけでございますけれども、実はそういった問題も背後にあるというわけでございまして、われわれなおそこらの解明をいたさなければならないかと思いますが、そういった実態もあるということでございます。
○江藤委員 北のスケソウダラ、南のアジ、サバというものは、いつも大漁貧乏に悩まされるわけですね。私はきのうほんとうにびっくりしたんですよ。百グラム一円五十銭です。私のところまで持ってきまして一ぴきが一円五十銭です。だから、一キロが十五円なんですよ。ですから、魚が高いとかなんとかよく都会ではいわれますけれども、実際いなかでいいますと、これは北も南も同じですが、トロ箱一ぱい三十キロ入りがたったの二百円、三百円、ひどいときは百円というのがあるのですね。特にこれから五月になりますとたくさんとれますから、とにかくやっとかかえる三十キロといったやつが二百円くらいで買えるわけです。原因は何だといいますと、農産物でもあるいは畜産物でも、特に漁業製品のような生鮮物は、一番問題点は何だというと、それは港をつくることも必要、船をつくることも必要ですけれども、余ったときにどうするかという対策が全く立っていないということです。余ったときにはどうにもならない。それは業者の手にまかせるしかしかたがない。したがって、案外こういうときには中間業者あるいは加工業者というのがもうかっておるのです。安いのを買ってきて、そして自分の冷蔵庫に入れておいて、そして売るわけですからね。いつも損をして、油代にもならぬというのが漁業者の実態である。これを繰り返しておるということです。ですから、私は、今度中小漁業振興特別措置法を改正される機会に、法律そのものではありませんけれども、来年度の予算編成にいよいよ入るわけですから、やはり大漁貧乏というものの姿を一日も早くなくする努力をしていかなければならぬ。それにはまだ水産庁も情報のとり方がたいへん甘い。水揚げ地ではきのう何ぼしたかということが、実際なかなか把握がしにくい実態もわかりますけれども、やはり御存じない面もある。それは何かというと、これからはやはり産地における大型の急速冷凍をやる施設をつくることだ。これをつくる。そうして今度はそれを荷受けする中央卸売市場等の機構の改善をする。そういう根本的な問題にメスを入れていかないと、どこまで行ってもなかなか魚価の安定をはかることはできない、こういうような気がしてならないわけです。 聞きますと、この産地冷蔵庫はたいへん評判が悪いからなかなかやれないんだということを水産庁は言っておられるようですけれども、それは規模によりけりですよ。二百トン、三百トンのものでは問題にならないのです。千トン、二千トンというものになるとこの調整機能を果たすものに役割りを転じていくことができる。ただ、これは野菜とか肉と違いますから、運営は非常にむずかしい面があります。しかし、それを乗り越えないとまたいかぬということです。苦しいことだが、乗り越えなければいかぬ。ですから、運営のよろしきを得れば、必ず効果を十分発揮し、消費者にも喜んでもらえる時代が来るので、それは水産庁が役割りを果たさなければいかぬと思うのですが、今後産地における大型の急速冷凍設備について取り組んでいくという姿勢が水産庁にあるかどうか、この際承っておきたいと思います。
○太田(康)政府委員 御指摘のとおり、魚価につきましては、農産物と違いまして必ずしも計画生産ということができないことは御承知のとおりであります。私、かつて水産庁の水産課長をやっておりましたときに、前の年にたいへん魚がとれましたので、冷凍母船を漁港につけて、これによって保存するというようなことを計画いたしましたが、その年はあまりとれないということで、さっぱり冷凍母船が活用できなかったという例が実はサンマについてあったわけでございます。 それで、冷蔵庫というのは、御承知のとおり、本来需給の調整あるいは価格の安定、さらには加工用の原料の保存、こういった多目的の施設でありまして、確かに水産物のような生鮮食料品につきましてはそういうものが必要であることは申すまでもないわけでございますけれども、漁獲のほうがほんとうに経常的に必ず水揚げされまして、冷蔵庫がフルに回転するというようなことでございますと、倉庫業としての本来の機能が発揮されまして、先ほど申し上げたような需給調整あるいは価格の安定、こういうことに十分役立つわけでございますから、その必要性は十分わかるわけでございます。何とか移動式の冷蔵庫というようなものも考えられないかということを種々検討したわけでございますけれども、なかなかそういったものもないというようなことで、この計画的な設置ということはむずかしいわけでございますけれども、御承知のとおり、私どもといたしましては、現在、産地冷蔵庫の整備ということはもちろん基本の方針にしておりまして、沿岸漁業の構造改善事業あるいは水産物の産地の流通センターの形成事業というような事業によりまして冷蔵庫の補助もいたしておりますし、なお、共同利用施設等につきましては、漁連等に対しましてあるいは漁業協同組合等に対しまして、農林漁業金融公庫あるいは農業近代化資金等の融資の道も講じておるのでございますが、なお今後とも冷蔵庫の整備、それは漁獲と十分見合いまして重点的に整備すべき地点におきましては整備をするという方向で、この問題に対処してまいりたいと思っております。
○江藤委員 長官、どうも歯切れの悪いお答えでありますが、私はこう思っておるのですよ。野菜でも漁でも、これがいつも値上がりをするということによって政治が失った国民の信頼というものは金にかえられないものがあると思うのです。日常生活に必要欠くべからざるものですから、これは施設をつくるときには助成してやろう、あるいは融資をしてやろう、あとはおまえたちがやれというから、魚のとれぬ、からっぽになったときには、これは何とかしなければいかぬということで、ほかのものを入れたりして投機の対象に使われる、こういうことになるわけですね。ですから、これはやはり一つの大きな政治の課題として、そういうものの運営管理についてはある程度政府が責任を持ってやるという姿があっても私は決しておかしくないと思うのですよ。それくらいやってやらないと物価対策にはならない。漁協が運営するとか何するということを離れて、物価対策という大きな見地から考えたならば、そういう休んでおるときの運営等についても十分成り立つように考えてやるということならば、私はそういう産地冷蔵庫の果たす役割りというものは必ず出てくるし、物価対策に役立つ面もきわめて大きいものがある、こういうふうに考えられるのです。ですから、ひとつこの問題については今後十分検討していただきたい。そして来年はぜひ実現をするように計画を進めてほしい、これは要望いたしましょう。 そして最後に、この問題で私はお尋ねをこの際に念のためにしておきたいと思いますが、昨年、北のむつ地方、それから南の日向灘沿岸地帯を通産省が開発をして石油コンビナートをつくるとか、あるいは工業地帯をつくるとかいうことで新聞に出たりして地元の人たちはびっくりしました。考えてみると、沿岸漁業の振興、漁業振興というものを一生懸命農林省は進めておる、そうすると通産省なり経済企画庁というものは、片方ではその海面を埋め立てて、そしてそこに新しい工業地帯を今度はつくっていこうという計画をある日突如として発表する。これはまことにけしからぬ話だと言わなければならない。一体そういう場合に、聞いてみると、水産庁は一切相談にあずかっていないということでありますけれども、ただ工場地帯をつくる、埋め立てをやるのだ、だからあとは銭金かけて漁業補償さえちゃんとやっていけば何とか片づくのだというような安易な考え方で、同じ役所同士がかってに計画を進めるから、なかなか漁民というものは政府の方針というものを全面的に信頼しながらついていこうという気持ちになれない。こういう場合に、農林大臣はやはり主導権を持って、われわれはこういう考え方でおるのだからそういうことは絶対にまかりならぬ、こういうふうにちゃんと閣内で調整をしてほしいし、各省間で調整の上、そういう計画が発表なされないとたいへん困る、こういうことを考えておるのですが、政務次官にこの間のことをひとつ承りましょう。
○太田(康)政府委員 私から事務的にまずお答えいたしまして、後ほど政務次官からお答えいただきたいと思いますが、日向灘の開発計画というのは、確かに九州地方の通産局の構想として出されたものがあるやに聞いておりますが、決してこれは通産省自体、しいていえば、おそらく国全体としてオーソライズしたものではないわけでありまして、このために漁民の方に不当な不安を与えたというのははなはだ遺憾に存ずる次第であります。 それから、むつ、小川原等につきましては、これは御承知のとおり、総合開発計画の一環として経済企画庁が中心になりまして、関係各省の参加した幹事会におきまして計画の検討が行なわれておるのでございます。そういったことでございますから、私どもといたしましては、その際、総合開計画と沿岸漁業との調整という問題につきましては、私どもこそ沿岸漁業を守る重要な役割りをになっているわけでございますので、総合開発と漁業との調整問題につきましては、そういった場を通じまして、私どもは積極的に調整をはかる立場から、積極的に参加をし発言もいたしておるのでございまして、これからますます進められることが考えられますところの総合開発計画と漁業調整という問題につきましては、十分細心の注意を払いながら、地元等の意向も十分聞いた上で調整をはかってまいりたい、こういうことを基本の考え方として処しておるということでございます。
○伊藤(宗)政府委員 いま水産庁長官からお答えしたことでございますけれども、やはりわれわれ水産庁といいますか、われわれ農林省といたしましては、漁業サイドからの強力な意見をそういう開発計画に反映をし、また調整をとりながら進めていきたいと思います。いまわれわれが心がけなければならぬことは、むやみな開発よりも手づくりのよさというものを政治なり開発に入れていくことと思いますので、江藤先生の御意見を十二分に取り入れまして、開発計画には漁業サイドからの強力な意見の反映に今後ともつとめてまいりたいと思います。
○江藤委員 これは総合開発計画にしても、あるいはまた公害から漁場を守るという問題にしても、ややともすると住民サイドからの運動が主体になって、水産庁が主体性を持った、漁業を守るという姿勢が欠けるきらいがあるわけですね。これは今後ともに十分御留意の上善処方をお願いしたいと思います。 最後に、漁業協同組合整備促進法を廃止する等の法律案について一言確認をしておきたいと思いますが、この整備促進事業はもう必要なくなったということなのか。これが第一。 それから、これからも漁業を取り巻く情勢というものは、漁場の問題あるいは公害から漁場がおかされて漁場が狭くなってくる、あるいは最近の信用事業においても、あるいはまた労働力の面から見ても、漁業協同組合というものが今後非常にいばらの道を歩くということも考えられる。したがって、今後赤字が出るおそれはないのか、赤字が出たときに、一体こういう整備促進において不振組合が出たときにはどうするか。そこいらのことを十分考えての廃止であろうと思いますが、その点、遺憾はないのかどうか、お尋ねをしておきます。
○太田(康)政府委員 先般、大臣の提案理由並びに私の補足説明で申し上げましたように、今回漁業協同組合整備促進法を廃止する理由は、御承知のとおり、この法律のねらいといたしておりましたところの漁業協同組合の整備基金という基金が、合併に対する奨励金の交付並びに利息を免除した金融機関に対する利子の助成ということを計画的にやってまいったわけでございますけれども、その目的がおおむね達成をしたということでございましたので、今回廃止に踏み切ったというわけでございます。しかし、御指摘のとおり、漁協の経営基盤の強化をはかるということは、何にもましてこれからの沿岸漁業の振興をやってまいるために必要であることは言うまでもないわけでございまして、さきの国会におきまして先生方の提案になりますところの漁業協同組合合併助成法、これも延長をいただいたわけでございます。なお、私どもといたしまして行政サイドからは、やはり定例検査を通じましての経営の健全化の指導あるいは駐在によりますところの指導というような点を予算面におきましてもかなり強化をいたしておるのでございまして、これによりまして不振組合の発生をできる限り押えていくということを基本の姿勢として協同組合の指導に当たってまいりたいと思っておるのでございます。 なお、不振組合が、そうは申しましても魚の場合には漁獲変動ということが非常に間々起こることでございますので、これに伴いましてこれが発生を全くないようにするということはなかなか困難ではございますが、基本的には、やはりわれわれの指導と組合自身の自主的な整備対策というものを中心に措置する必要があろうというふうに考えております。 〔松野(幸)委員長代理退席、三ツ林委員長代理着席〕 御承知のとおり、本年の二月に社団法人の全国漁協信用事業相互援助基金というものが系統の運動として一体となりましてでき上がったわけでございますが、これによりまして漁協の経営の破綻を未然に防止する、そして、漁協の信用事業の健全な運営をはかるということで、こういった制度もできたわけでございますので、これらも今後の漁協整備の一助というふうに考えておりますが、なお、われわれ行政サイドからも、現在、法的にあるいは予算的に措置すべき事項につきましては、これを的確に実施をいたしまして、不振組合の発生というものを未然に防止することにつとめてまいりたい、かように存じております。
○江藤委員 この機会ですから、郵便局の庶民金融等についてもお尋ねをしてみたいのでありますけれども、時間が参りましたから、あらためた機会にして、以上をもって終わります。ありがとうございました。
○三ツ林委員長代理 美濃政市君。
○美濃委員 最初にお尋ねしたいことは、漁業協同組合整備促進法を今回廃止をするわけですが、ただいまの答弁を聞いておると、ちょっと抽象的だと思うのです。 事後対策についてでありますが、昭和四十五年においても損失組合が一七・九%、かなり高い率になっておりますし、最近、漁獲高も資源の関係からそう無限大に伸びるということもないだろうし、伸び率も鈍化、ものによっては横ばい、低下傾向すら出てきておる。こうなりますと、一面、最近の状況によって管理費の増大、収益の横ばいということで、私は農業協同組合とか漁業協同組合、この一次産業関係の農業団体というもののここ当分の間の経営は非常に苦しい。いわゆる収益面では悪化していくと思うのです。そういう問題に対して、ただ客観的な指導やその他だけではなかなか——基本的問題でありますから、農林省の検査あるいは指導監査で解消できるのであればけっこうでありますけれども、そうはならないと思う。 そうすると、そこには具体的に今回——この状態が起きたときの条件はだいぶ前でありますから、そういう条件は一応目的が達成されたとしても、現況において新たな日本経済の条件変化からそういう問題がはっきり起きておるわけですね。それらについて今後どう進めていくのか、基本的な方針を承っておきたいと思います。
○太田(康)政府委員 御承知のとおり、漁協につきましては、従来いま議題になっておりますところの漁協の整備促進法によりましていろいろ施策を講じてまいったわけでございまして、その結果、かなり漁協の内容が強化されてきておることは御承知のとおりでございます。 ちなみに数字で若干申し上げますと、漁協の主体を占めますところの沿海地区の出資漁協について出資金額が昭和三十五年当時と昨年の四十六年三月末で比較いたしますと、金額が四倍にもふえた、信用事業のうち貯金の残高が十一倍にもなり、貸し付け金の残高も七倍になる、販売事業の取り扱い高が四倍というようなことで、大幅な伸長を示しております。こういったことを反映いたしまして、損益状況も順次改善をされまして、三十五年度では損失の計上の組合数が八百一組合、大体その比率が二八・九%でありましたが、昭和四十五年度には三百九十九組合で、一七・九%に減少したというようなことでございまして、確かに漁協をめぐる客観情勢がたいへんきびしくなっておるわけでございますが、今後は災害発生等の極端な不漁等が発生しない限り、私どもが整備促進法を制定いたしました当時のような不振組合の多発というものは一応なかろうというふうに考えております。 そこで、今後の漁協の指導方針でございますが、先ほど抽象的であるというようなおしかりをいただいたわけですが、やはり都道府県を通じましてこれに助成をしまして、育成をはかる必要がある漁協に対しましては駐在あるいは巡回による指導を行なう、このための経費も助成する。さらに合併推進活動のための諸経費の助成もいたすということにいたしておるのでございます。 漁協の場合には漁業権管理というようなことが主体になっておりますので、合併等が、農業の場合と違いまして、たいへん困難な事情もあるわけでございますが、これにつきましては、さきの国会におきまして先生方の提案によりまして合併助成法がさらに延長されたということもあるわけでございまして、やはり基本的には、経営基盤を強化するために合併の推進ということが必要であろうかと思うのでございまして、これにつきましては私ども系統とともども手をとりながら合併の促進ということに今後とも一そう力を入れまして、漁協の経営基盤の強化というものに当たってまいりたい、かように考えております。
○美濃委員 次に、漁業振興計画ともきわめて重大な関連があり、あるいは第五次漁港整備計画今後の漁業の装備あるいは改善から問題があると考えましてお尋ねをいたしますが、各種の第一種から第四種漁港の平均水深と、その中の一番浅いものはどのくらいになっておるかへこれをお尋ねいたします。
○矢野説明員 お答えいたします。 小型船が主として利用するようないわゆる小規模漁港におきましては、大体二メートルから二メートル半ぐらいです。それから遠洋船が利用するような港につきましては、四メートル半ぐらいから六メートルぐらいの水深を持っております。
○美濃委員 一種から四種に当てはめますと、一種ごとの漁港の平均はどのくらいになりますか。
○矢野説明員 お答えいたします。 一種の漁港ですと、小型船が主体となっておりますから、二メートル半から、しかし、その中でもたまに中型、大型漁船が利用する場合もございますから、中には三メートル以上のものもございますが、総じて二メートル半ぐらいかと思います。三種漁港になりますと四メートル半から六メートル。その中間にございます二種漁港でございますと、大体三メートル半ぐらいが平均値かと思います。
○美濃委員 これらの関係と、これから船を大型化していく場合の関連について、第五次漁港整備計画というものを目下鋭意検討中ということですが、あとから詳しくお尋ねしたいと思っておりますが、一番問題は、やはり船を大型化するということは、漁業の安全それから非常に短い時間で——沿岸漁業は別でありますけれども、かなりの沖合いに出る漁業ということになると、他の職種に見られない労働条件ですね、あるいは沖合いで二泊も三泊もして漁業しているわけです。そうなってきますと、現在までの装備ではいわゆる漁業後継者は、ああいう条件の労働はいまの若い人は全く忌避するという傾向が出てきておることは御存じのとおりだと思うのです。ですから、船を大型化するということはいろいろの意味で、単に漁業者の採算だけではなしに、そういう面に重点を置いていかなければならぬと思うのです。言うならば、漁業の構造改善とか漁業の近代化というのは労働条件に対する緩和、そのことが漁業労働力の確保につながっていくと思う。それに最重点がなければならぬ。もちろん、その中で漁業経営の採算ももちろん考えなければならぬけれども、採算重点主義で、そういう点に緻密な計画が欠けてきますと、これは人的要素から漁業というものの持続性が保たれない、こうなってくると思うのです。そういう関係と、いまの船を大きくしていくと、六メートルもあればいいですけれども、二メートルとかあるいは——立地条件によっては、一種漁港の中には、沿岸専門ですから、二メートルを切れておっても現在までの間はそれで漁港としての役割りを果たしたが、そういうものを進めるということになると、海底をさらって水深を深くするとか、そういう問題が私は出てくると思うのです。そういう点の大綱はいまの計画の中でどういうふうに見ておるか、これをお尋ねしておきたい。
○太田(康)政府委員 御承知のとおり、われわれが一番腐心をいたした問題は、御指摘の漁業労働力の確保の問題でございます。したがいまして、最近におきます漁船の建造等にあたりましては、大型化の要請が非常に強いわけでございますけれども、これも漁船員の確保というような観点から、漁船乗り組み員の方々の環境の改善というような見地に特に重点を置いて漁船の大型化をはかっておることは御承知のとおりでございまして、これによりまして、少しでも望ましい環境にあって漁業労働に従事できるようなことをわれわれは基本の観念として考えていかなければならないということで取り進めておるのでございます。 そこで、今回私どもが第五次の漁港整備計画を策定するにあたりましては、現在の計画を立てましたのは四十四年当時でございますから、その後におきますところの漁船の大型化の傾向というのは顕著に出ております。これらの数値を踏まえまして、漁船の係留岸壁の延長をどのくらいにするかというようなことを基本の概念に置きまして、それぞれ修築事業あるいは改修事業、局部改良事業等につきまして——漁港の修築事業に重点を置くわけでございますけれども、いま言ったような事情の変化を十分織り込んだものとして、現在計画の基本的な考え方を詰めておるということでございます。
○美濃委員 その計画の概要がある程度私どもに提示される時期、素案でもけっこうですが、どのくらいの時期になりますか。その最終決定でなくてもよろしいですが、大体概要はこういうことだろう、それはもちろん最終的にまとまるまでの期間がありますから、そのまとまりの責任とかいうことは度外視して、やっぱりこれは大切なことですから、水産庁で検討した結果、概要こういうことになりますというものをわれわれに見せてもらえる時期あるいは知らせてもらえる時期というのはいつごろになりますか。
○太田(康)政府委員 御承知のとおり、漁港整備計画につきましては国会の承認を得て確定をいたすことになっておるわけでございますから、形式的なことを申し上げますと、明年度の国会に御提案をいたしまして、もし整備計画が確定いたしますと、審議をお願いすることに相なるわけでございますけれども、私どもといたしましては、例年の例でございますと、予算の編成の時期というのは、大体大蔵省に提出する時期が八月末ということに相なっております。そこで、現在詰めておるのは、先生お尋ねのような漁船の大型化の問題、あるいは増養殖事業がその後非常に進捗したようなこと、あるいは漁港の機能といたしまして広く流通の拠点であるというような点も十分配慮をしていかなければならないというような、計画を立てます場合の前提についての基本的な考え方を詰めておる段階でございます。これらができ上がりました段階で、次に具体的な数字の計算に入るわけでございまして、いずれにいたしましても、私どもといたしましては、漁港審議会等の御意見も伺いあるいは必要な向きとの相談もいたしまして、私どもの原案といたしましては、少なくとも八月末くらいまでには固めなければならないということで、せっかく作業を進めておる段階でございます。
○美濃委員 次に、中小漁業振興特別措置法の関係で二、三お尋ねしたいと思いますが、まず指定業種についてであります。 この指定業種の拡大というのは今後十分検討されておるかどうか。これは先ほどからお話ししております漁業労働力の確保あるいは漁業の安全操業、こういう点から見ると、装備の改善というものは、単にいまの指定業種だけではないと思うのです。これを全般的に推し進めていかなければならない。そういう点はいまどのように計画されておるか、これをお尋ねしておきたいと思います。
○太田(康)政府委員 御承知のとおり、この法律が四十二年に制定になりましたときに、政令で四十二年が以西底びきとカツオ・マグロ、四十三年にまき網、四十四年に沖合い底びき網漁業の四業種を指定いたしたわけでございます。その際、他の中小漁業も、先生御指摘のように、いろいろあるわけでございます。その中の代表的なものとして、イカ釣り漁業あるいはサンマ漁業、サケ・マス漁業、こういったものも当然ここでいっておる中小漁業の対象であることは間違いないのでございます。ただ、実態を見ますと、御承知のとおり、イカ釣り漁業あるいはサンマ漁業等は裏作と申しますか、兼業と申しますか、兼業形態の経営が大部分であるというようなことでございまして、これらを指定業種といたしますと、他の表作といいますか、専業といいますか、これらの漁業との関連をどう関連づけるかというような問題もあるわけでございますので、いまにわかに指定業種にしなかったというような経緯もあるわけでございます。しかし、イカ釣り漁業等につきましては、最近におきまして、資源との関係あるいは漁獲努力等の関係から、新しい規制措置を業界としては要望いたしておるというような実情もあるわけでございまして、操業の形態もかなり周年化を見ておるというようなこともございますので、そういった新しい事態もございますから、そういった事態も踏まえて、今後検討を加えていきたい、現段階におきましてはさように考えております。
○美濃委員 今回法改正では、金融に対する利子補給の条件の緩和をしておりますが、これはこの法律に基づく指定業種だけですね。他は緩和されないわけですね。他の金融との条件差は何ぼになるのか。他というのは同じ業種ですね。船の状況、金融の条件はどのような開きがあるか。
○太田(康)政府委員 御承知のように、農林漁業金融公庫の通常の漁船建造資金等につきましては七分五厘の資金を融通いたしておりますし、この特定業種に指定をされました業種でございまして構造改善計画に沿って事業を実施する方につきましては六分五厘の金利の長期資金を融通するということに相なっております。こういった問題を離れまして、漁業金融全般につきまして、確かに金利問題を含めての検討という課題もあるわけでございますので、われわれは、そういった問題を含めまして、全体として四十八年度に向かって現在検討いたしておる、こういうことでございます。
○美濃委員 第一次産業である漁業の振興にあたって、これは全般的に六分五厘以下に、できれば五分ないし五分五厘でないですか。農林漁業長期資金においてはそのくらいの金利体系を全般に及ぼす必要があるんではないですか。この指定業種で六分五厘というのは私は高いと思うのです、これは事業の性格から見て、また大切な国民のたん白食料をまかなっておるわけですから。そういう点はいまここでこの法案審議で即決どうこうというんじゃないですが、少なくとも四十八年度に——いま検討しておるというが、検討の中では少なくとも——六分五厘なんかというのは全般的の資金じゃないですか。そういう点はどういうふうにお考えになっておりますか。
○太田(康)政府委員 一次産業の金融につきましては、御承知のとおり、制度金融と組合金融があるわけでございますけれども、農林省全体といたしまして、これらをどう持っていくかというような問題は、特に農林中金法の改正の問題とからみまして、せっかくいま検討しておる段階でございます。その中の一環といたしまして、漁業の、特に制度金融が中心になろうかと思いますが、制度金融につきまして、現在の金利等を含めました貸し付け条件がはたして適切であるかどうかというような点につきましては、農業等との関係も考慮しながら、いま申し上げたように検討いたしておるわけでございますので、その検討の結果に従いまして、私どもは昭和四十八年には改善すべき点は改善をいたしたい、かように考えておる次第でございます。
○美濃委員 とにかく、検討中ですからいま結論の意見は聞けないと思いますが、高いということだけを申し上げておきます。これは下げるようにすみやかに、検討だけでなくて、実際持っていくという努力をひとつ期待しておきます。 次に、農林大臣が定める中小漁業振興計画であります。農業の構造改善事業も、漁業とは質的に変わりますけれども、大まかなシステムとしては同じだと私は思うのだが、これは全く私としては異論があるところでありまして、農林大臣は、中小漁業振興計画を定めなければならない、こうなっております。これは私はこれを進めていく過程においての一つのあやまちをおかしておると思うわけです。これは振興計画でなくて、各業種、あるいはいまのお話でも、指定業種は指定業種として、やはり各漁業の段階で漁業の近代化は進めていかなければならぬという。検討しておるということでありますから、これは少なくとも漁業の近代化あるいは漁業装備の改善というものは全般的に進められていくと私は解釈するわけです。これは財政との関係があってどういう規模で進めるかは別としても、やはり進めなければならぬことだと思う。そういうことになると、今回のこの法律の指定業種もさることながら、その他にも及んでくることですから、そこで、私は、中小漁業振興計画を農林大臣が定めるというのじゃなくて、現段階で間違いのない大綱の方針として、共通する問題、共通する面の基本方針を農林大臣は明示して、業種別、地域別の弾力性をもっと持たせなければ——農業の構造改善計画を見ても、振興計画が災いするわけですね。振興計画はある程度そういう弾力性を欠いた面まで立ち入った計画を立てて、これに合わなければ承認しませんよというのです。農業の構造改善事業を進めてみてもあるいはこの漁業の構造改善を進めてみても、まことに地域の実態に、その計画というのは——基本は合っておりますから全然実情が無視されて合わないとは申し上げませんが業種別実態や地域別実態に、二〇%ないしはなはだしいときは三〇%の弾力性が欠けておるということをこの際指摘したいと思います。一番大きいときで三〇%、それ以上は違っておりません。慎重に検討されておりますから、農林大臣が定めておる振興計画というものが実態から全く遊離して、五〇%以上も遊離しておるということはないと私は承知しておりますけれども、それも私ども見るに、決して全般的な問題で、やはり特定金融もし、あるいは税制の恩典も与える、あるいはものによっては助成もするわけですから、そういう基準ということを定めることがいけないとも考えませんけれども、それからまた悪意で行なっていると本見ておりません。ただ、弾力性に欠けておる。その計画というものがその地域の実態、業種別実態を消化できない面までこまかく立ち入り過ぎておる。もう少し大まかなところで、ほんとうの共通する規定ならば、どの業種に適用しても、どういう地域に適用しても弾力性に欠ける面はないんだというところで打ち切って、そして弾力性を持たしませんと、その実施した結果は、そういう面から出てくるものがはなはだしいときには三〇%、全然ないということはありません。最もその計画に合致した場合でも一五%ぐらいの地域実態との誤差が起きておる。その振興計画のワク内で計画に合致するように、地域の希望や実態を農林大臣が定めた計画に合わさなければならない。だから、自主性は貫かれていない。自主性の問題はどうでもいいけれども、具体的に自主性が貫かれていないという、この客観的な表現は別といたしましても、具体的に地域の実態、業種別実態に三〇%遊離しておれば、投資効果も三〇%減殺される。ですから、投資効果が一〇〇%出ていない、投資効率が低い、これははっきり言えると思うのです。投資効率が低い、このことは不幸です。国のためにも大きな損害であり、国益から見ても大きな損害である。計画の弾力性を欠いたために投資効率の低い実態の事業しかできないということは、まことにいけないと思うのです。これはどうしても直してもらわなければならぬと思うのですね。いままでやってきたことは、申し上げますが、決して悪意であったとか、そういうように私は受けとめておりません。あまり弾力に欠けた、計画に立り入り過ぎると思うのです。ほんとうにどの業種に当てはめても、どの地域に当てはめても、この基準に逸脱したものはだめですよというものを持つことはけっこうですけれども、そこに地域の実態、業種別実態に遊離し、完全に投資効果が失われたり、地域別実態や業種別実態をその計画に、どうしてもその適用を受ける以上、意識を殺して無理して合わしていかなければならない。しかし、合わすことによって三〇%の投資効率は減退されるけれども、受ける恩恵のほうが、投資効果の減退よりも、自由であるよりも有利な面が多いから行なう、損しないから行なう、これは非常にいけないと思うのですね。実態は明らかに出ておるわけですから、皆さんもその実態は御存じだと思うのです。これをなくする方針をほんとうにすみやかに立てて、これを明確にしてもらいたいと思います。
○太田(康)政府委員 御指摘の点は、われわれ行政を担当する者として最も心すべき点でございまして、計画がぎすぎすしているために実態にそぐわない、そのためにあるいは過剰投資が行なわれる、むだな投資が行なわれて、法律が期待しておる効果が出ていないというような点につきましては、十分反省をしなければならぬと思っております。 御承知のとおり、今回この法律が通過をいたしますれば、私どもといたしまして、当面、特定業種としては二業種を考えておるわけでございますけれども、これにつきましては、法律の定めるところに従いまして農林大臣が第二次の振興計画を立てることになりまして、振興計画につきましては、御承知のとおり、法律の第三条の第二項で「経営規模の拡大、生産行程についての協業化、資本装備の高度化等経営の近代化の目標」、それから沿振法の「九条各号に掲げる事項の改善に関する基本的事項」、これを中身とした振興計画が定められるわけでございます。一方、今回の法律改正に伴いまして、先ほど来るる御説明申し上げましたように、業界の自主的な団体が構造改善計画をお立てになるわけでございまして、その間の整合性は十分はかられなければならないと思います。その際、できる限り業界の実態に即した振興計画、また法律の目ざしておる目的が達成されるような振興計画というものを念頭に置いて定めなければならないことは御指摘のとおりでございますので、十分過去の経験等も反省いたしまして、実態に即したような振興計画の樹立、それに基づきまして業界の立てられます構造改善計画の指導ということに当たってまいりたい、かように考えております。
○美濃委員 そうすると、地域実態に合致するように弾力性を持たすということが適正であるかどうか。とにかく農林大臣の定めた計画によって地域実態が無視されて、たとえば計画に一〇%なり二〇%合わせなければ承認されない、こういう弊害は、地域実態が間違っておれば別です。その地域計画に間違いがある面は別にいたしまして、そういうことが起きないようになると、こういうふうに期待してよろしゅうございますか。
○太田(康)政府委員 やはり計画が計画倒れに終わっては何もならないわけでございますので、地域実態を含めました業界の現在の実態、将来の展望、これを考えまして、御注意の点、十分含みまして振興計画を立てて業界の指導に当たってまいりたい、かように存じております。
○美濃委員 この地域計画というのは、この場合二、三団体がございますが、どういうふうに取り扱っていく方針になりますか。もちろん、市町村の意見も加わるだろうけれども、その計画を実施する体制ですね、計画の立案もそうだし、実施する体制というものはどういうふうにして——一番大きいのは漁協だと思うのですけれども、漁業協同組合と一本にしぼるのか、それとも、その他の団体があるのか。どうなんですか。
○太田(康)政府委員 改正法の第四条の二で「中小漁業構造改善計画の認定等」という規定がございますが、御承知のとおり、政令で業種を特定業種として指定いたしまして、その指定を受けました「特定業種に係る漁業を営む中小漁業者を直接又は間接の構成員とする漁業協同組合その他の政令で定める法人は、」云々ということで、この構造改善計画を立てる主体が法律で明示されております。当面私どもが考えておりますのは、カツオ・マグロ漁業につきましては、大体日かつ連が遠洋カツオ・マグロ漁業につきましてはこの構造改善計画をお立てになるということを予想いたしておりますし、近海カツオ・マグロ漁業につきましては全漁連がお立てになることを期待をいたしております。それから以西底びき漁業につきましては、ここに書いてございます「その他の政令で定める法人」ということで、以西底びき業者がつくっておりますところの日本遠洋底びき網漁業協会という民法法人がございますから、この団体が構造改善計画をお立てになるというふうに考えております。
○美濃委員 わかりました。そうすると、いま説明のあった以外の団体は、一応政令の中にいまのところ考えてない、こういうふうに解釈してよろしゅうございますか。
○太田(康)政府委員 当面、この法律が成立をいたしまして施行になりました暁におきましては、いまの二業種を特定業種として指定することを政令で定めることを考えておりますので、一応いま申し上げたような団体が構造改善計画を立てるというふうな考え方でおるわけでございますけれども、将来、現在指定業種になっておりますところのまき網あるいは沖合い底びき、これらもそれぞれの協会等があるようでございますから、もし明年度以降、特定業種に政令で指定されますれば、同じようなこういった団体が自主的に構造改善事業計画を立てるだろうというふうに予想をいたしております。
○美濃委員 次に、この漁業権の取り扱いに対する基本方針、これはどういうふうにお考えになっておりますか。 ちょっと注釈を加えますと、客観的にいっても、漁業権は私どもは通例所有権だとは解釈していないわけです。行政許可を得た権利ですが、当然本人の継続は行政上も認めていかなければ、たとえば許可年限が切れたからもうその継続に対する本人の存続、権利義務からいえば存続権なり許可は、一応年限は切られたとしても存続できるんだという安心感なりは与えておかなければいけないと思います。 ただ、問題は、たとえばこういう構造改善計画また実施計画の——ただいま表をもらいましたが、この隻数を集めて、四隻を一隻に集めて大型化する、こういう場合にはやはりそういう計画できちっと出てくるわけですから、漁業権のあるものが一隻にまとめるわけですから、共同の場合もあるでしょうし、あるいは権利の名義変更が行なわれる場合もあると思います。そういうものはやはり認めていかなければ、こういうことはスムーズにいかないと思います。 もう一つの場合は、通例この漁業権というものは、そういう計画や近代化に基づくものでなくて、一つの所有権的に権利譲渡が認められて、現在の漁業の許可を得ておる者の権利放棄があって、率直に申し上げますと、権利売買が行なわれて、新たな申請に対して権利放棄の書類がついておれば、それは自動的に許可をしていくんだということになれば、これは所有権的になってしまうわけですね。それを認めるところから、その権利を取得することによって経済効果が発生するから、そこに所有権的な金銭授受が行なわれる、こうなっていくわけですが、これらの関係は、どういうふうにこの漁業権というものをきちっと扱っていくのか。 これは所有権ではなくて、行政許可に基づいておるものです。ですから、さっき申し上げたように、構造改善事業や何かやっておって船をよせかり何かする場合は別です。これはもう行政指導が加わってくるわけですから、不当なものは起きたいと思いますし、それは当然一つの計画に基づいて行なわれるわけですから、それは自動的に名義が変わっても、相対的な権利を集めて船も大型化するということは、これは当然な措置だと私は思いますが、通例の場合、そういう点についての漁業権を行政上どう扱っていくのか、その考え方あるいは現在行なわれている実態、それはどういうふうにお考えになっておるか。
○太田(康)政府委員 先生御指摘の漁業権とおっしゃっておられる法益は、おそらくいまの指定漁業の許可の問題かと思います。私どもといたしましては、指定漁業の許可につきましても、いわゆる協同組合等の所有している漁業権につきましても、存続期間を一応五カ年ということできめて、現在それぞれの行政運営をいたしておるわけでございますけれども、今回私どもがこの許可漁業につきまして、経営規模の拡大というような観点から、たとえば以西底びきで言いますと、四カ統ぐらいが経営としては好ましい。したがいまして、現在三カ統の人は四カ統にしてくれというようなことも、当然指導の内容として入ってこようかとも思いますが、そういう場合に、一番通常の形態としては、共同経営を期待いたしておるわけでございますけれども、場合によりましては、いま御指摘のような扱いによりまして、新しく規模を拡大するというようなケースもあろうかと思います。
○美濃委員 私の聞いておるのは、構造改善等の計画に基づいて進めるものは別として、通例の場合、漁業者がやめる場合、その権利関係の譲渡、そういうものに対して、行政の観点からどういうふうに考えて、現実にどういうふうに扱ってきておりますか。
○太田(康)政府委員 漁業法に規定があるわけでございますけれども、法律の適格性がございますれば、承継は認めておる、そういった運用をいたしておるのでございます。
○美濃委員 その承継問題、私はちょっと疑義があるのですけれども、時間も参りましたし、また午後にも質問しますので、この承継問題はここで 一応打ち切っておこうと思います。しかし、この承継問題には、私は問題があると思いますから、ひとつ水産庁においてもよくそういう問題を一これは所有権ではないはずです。それが承継を認めることによって所有権化しておる。これが正しいのかどうか。繰り返しておきますが、計画その他、構造改善計画や何かで継承を認めて船を大型化するというようなことは別ですよ。それはその時点の許可に基づいてやることでありますからけっこうですけれども、通例継承が認められるところに行政許可権が所有権化する。たとえば国税局の酒なんか、全然継承を認めないでしょう。同じ行政許可の中で、自分の所有権ではないわけですから、行政許可権の中で継承が認められるものと継承が全然認められぬものとあるということは、これは一つは行政上の差別待遇が派生しておるとも言えるわけですね。酒を販売しておる実績なんかというものは全然継承は認められぬわけです。やめれば打ち切られてしまうわけです。何ぼ継承をつけて出しても継承は認められぬ。そうすると、行政許可で、それが所有権であれ、販売権であれ、収益が認められておるわけです。ある面においては継承が自動的に許可条件の中に認められていく、ある面はそういうものは認めないのだ、これでは私は行政の不公平とも言えると思うわけです。行政の不公平が派生しておる。その面が一つ出てくるわけです。所有権がほんとうの許可権限で、その本人が営むその行政許可で収益を得さしめておるのか、それともそれは所有権として一たん行政許可をすると、その継承は自動的に認められる、所有権化しておるのか、これが出てくるわけです。これはひとつ十分検討しておいてもらいたいと思います。 以上で午前中の質問を終わります。
○三ツ林委員長代理 午後二時に再開することとし、これにて休憩いたします。 午後零時二十九分休憩 ————◇————— 午後二時九分開議
○藤田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。質疑を続行いたします。美濃政市君。
○美濃委員 まずお尋ねいたしたいことは、これからの水産資源の見方であります。 〔委員長退席、三ツ林委員長代理着席〕 最近の漁獲量は、付属資料で見ておりますが、新たな海域でもさがせば別ですけれども、現在操業している地域における漁獲量、この現在の漁獲の量に対する将来の資源関係の継続はどう考えておるか。先ほどのいわゆるとり過ぎによる先細りによって漁獲は減ると思っているか、大体維持できると思っているか、それとも、将来、資源がふえるとお考えになっているか、その見方はどういうふうにお考えになっているか。
○太田(康)政府委員 御承知のとおり、私どもが統計的に持っております最も新しい数字は、昭和四十五年の生産数量でございまして、これは全部で九百三十一万五千トンでございます。そのうち、先生も御承知のとおり、非常にふえておりますのはスケソウダラ、これが約二百三十五万トン、それから先ほど問題になりましたサバが百三十万トン。実は初めて四十五年に九百万トンの大台をこえたわけでございますけれども、中身を見ますと、スケソウダラとサバの漁獲が非常にふえたことによる生産の増加ということでございまして、それ以外のいわゆる高級魚並びに、従来多獲性大衆魚といわれましたところのスルメイカあるいはアジ、さらにはイワシ、こういったものの漁獲は必ずしもふえていないというのが実情でございます。 御承知のとおり、昨年の十月六日に水産資源の開発促進法に基づく開発の基本方針というのを公表いたしたわけでございますけれども、これは五年先の需給の見通しの動向を勘案しながらきめたわけでございますけれども、その際、われわれは、現在、センターによって開発されます新漁場によりまして、生産の増を、五年先でございますけれども、約四十万トンと見込んでおります。 魚種別に見ますと、先ほど来問題になっておりましたマグロ等につきましては、必ずしも資源の見通しは楽観を許さない、あるいは現在最も漁獲がふえておりますところのスケソウダラ等につきましても、漁体が漸次小型化しておるというような問題があることは御承知のとおりでございます。なお、資源的に見ますと、大きな変動を操り返しながら減ったものがまた何年かたってふえるというような傾向にあるものとして、たとえばサンマなんかがいわれておるわけでございまして、若干回復の機運にある。なお、それ以外にも、いろいろな魚種によって見方があるわけでございますけれども、特に当面問題として資源の保続培養という観点から検討しなければならないものといたしまして、私どもはマグロあるいはスルメイカ、こんなものを念頭に置いておるわけでございます。もちろん、それ以外に、御承知のとおり、国際的な漁業条約等に基づく二国間の交渉、あるいは多国間交渉によって、漁獲の制限をいたしておるものに鯨あるいはサケ、マス等もあるわけでございますけれども、いずれにいたしましても、資源の保続培養ということを念頭におきながら、資源の有効利用という面を生かして、漁獲をできる限り上げまして、動物性たん白の供給産業としての水産業というものの確立をはかってまいらなければならないというふあうに考えております。
○美濃委員 大体、ただいまお話の水産資源の長期見通しに立つと、漁船の大型化という問題と隻数の問題はどういうふうにお考えになっておりますか。
○太田(康)政府委員 漁船の大型化につきましては、経営の近代化というような観点から大型化を進めておりますが、最近におきます漁船の大型化の見通しといたしましては、先ほどお話にも出ましたような、むしろ乗り組み員の環境改善というような観点からの設備の大型化というものにつきましては、私どもはできる限り認めてまいりたいということで、指導方針にいたしております。 それ以外のものにつきましては、一定のルールのもとに大型化を認めておるということでございますが、従来、どちらかといいますと、まだ耐用年数がきていない前に償却して、漁船大型化をはかるというような傾向がございますから、一方におきまして漁獲努力をふやして、差しつかえないものにつきましては、そういう方向で指導することが間違いないと思うわけでございますけれども、中には、そのために逆に経営の不振を招くというようなものもありますので、そういった資源とのにらみあるいは漁業経営全般をにらみながら、漁船の大型化というような問題に対処してまいりたい、かように存じております。
○美濃委員 もう一回お尋ねしますが、漁船の大型化とトン数の関係で、大型化することによって、それは同じトン数であっても、能率アップはどういうふうにお考えになっておるか。大型化によって小型の船よりも、同じトン数であっても、能率はアップされるのか、それとも、漁船員その他の待遇改善あるいは出漁に対する安全性が高まるというようなことで、同じトン数であればそう能率アップにならないわけであるか。また、その点と関連して、それに対する将来の展望と計画をどういうふうに考えておるか。
○太田(康)政府委員 実は御承知のとおり、今回指定漁業の一斉更新の時期を迎えておるわけでございまして、当然、これに対処する方針を私ども内定をいたしまして、この処理方針に従いまして、指定漁業の許可の事務も取り進めてまいるということにいたしておるわけでございます。その際、漁船につきましては、漁船の船員設備という点、あるいは漁船の公害防止施設の整備というような点、そういったものを基本に置きまして、漁船の大型化の問題と取り組んでおるわけでございます。 それからなお、トン数補充の場合の処理方針あるいは大型中間代船の措置、漁船の建造調整というような観点から漁船の大型化の問題に対処してまいるわけでございますけれども、基本といたしましては、やはり漁船の乗り組み員の設備基準というようなものを尊守させる、このための大型化というものは、これはある程度やむを得ないという方向で考えるわけでございます。 なお、漁船につきましても、公害防止の問題が非常に大きな問題になっておりますので、漁船の公害防止施設というようなことを当然考えていかなければならないだろうということで、場合によりまして公害防止施設をつくるというような場合に、その取り扱いをどうするかというようなこと、このために、たとえば排出防止施設の設置のために船舶の大型化をするというような場合に、特に無補充によりますところの大型化の措置は講じない。しかし、今後、関係法令によりまして防止施設の設置が義務づけられる、こういうような場合には、その段階におきまして、無補充の大型化の措置を検討するというようなことでございまして、漁獲努力にすぐつながるための大型化ということよりも、どちらかといいますと、重点は、公害防止とかあるいは船員の環境改善というような面からの大型化という方向に今後は力を入れていきたい、かように考えております。
○美濃委員 次に、オホーツク海におけるサンマ漁業の問題をお尋ねいたしたいと思いますが、いまオホーツク海のいわゆる定着しておる漁民から、内地の漁船がオホーツク海に入ってきてかなりのサンマ漁が行なわれるために、定着してやっておる漁業に大きな影響が起きておるからこれを阻止してくれという強い要請がある。これは水産庁にも要請が行なわれておると思うのです。これは一体、基準からいくと、どういうふうに解釈すればいいのか。この漁業は、たしか北海道のオホーツク海沿岸漁民が従事しておるものは、十トン未満は自由操業、十トン以上は北海道知事の許可になっておると思うのだが、そういう海域へ無許可で入ってくる船というものは、これは密漁と解釈すべきなのかどうなのか。その点の見解と今後の対策はどう考えておるか。
○太田(康)政府委員 御承知のとおり、現在サンマにつきましては、農林大臣が規制をいたしておりますのは、漁業法に基づきますところのさんま漁業取締規則によりまして、太平洋を一応対象区域としての規制措置を講じております。これは十トン以上につきましては農林大臣の承認、それ以外は自由漁業ということに相なっておりまして、昭和四十六年には約六百隻、実際に稼働した隻数は五百六隻くらいのようでございます。承認船でございますが、そういうことに相なっております。 それから、北海道につきましては、オホーツクは従来、御承知のとおり、それほどサンマの漁場として、ことばは悪うございますが、価値があるわけではないというようなことで、農林大臣の規制の対象海域にはいたしていなかったわけでございまして、いま先生がおっしゃいましたように、北海道知事の北海道海面漁業調整規則、これに基づきまして、十トン以上の漁船を使用してオホーツク海においてサンマ漁業を営む場合には北海道知事の許可、それ以外は自由に相なっておるのでございます。したがいまして、いまお尋ねのように、道知事の許可を受けないでオホーツクで操業したという場合には、明らかに北海道の海面漁業調整規則違反、無許可操業ということで違反操業になるわけでございます。 そこで、この問題につきましては、実は昨年オホーツクでかなりサンマがとれまして、公称統計では全体で十八万トン、そのうちオホーツクで三万九千トンというようなことがいわれておりますが、御指摘のように、内地の違反船がオホーツクでとって内地で陸揚げしたものもあるはずでありますから、実際にオホーツクでの漁獲量はいわゆる三万九千トンといわれているものよりも多いというふうに私ども推定をいたしております。そこで、内地の方々は、私ども日ごろ言っておりますところの大海区制というような観点からいきまして、オホーツクの資源がかなり今後安定的に、オホーツクでもサンマがとれるということであれば、オホーツクも農林大臣の規制の対象に加えて、太平洋と同様に農林大臣の手で規制措置の対象にしてもらいたい。といいますことは、内地船をオホーツクにも入漁を認めてもらいたい、こういう要望が出ております。これに対しまして北海道側は、御承知のとおり、オホーツク沿岸の漁民は冬季の結氷期間が長くて、主漁場としてはサンマが大きな産業になっておるというようなこと、あるいはいろいろな漁業が沿岸で行なわれておりますので、大型船との調整もはからなければならないということで、北海道の調整規則におきましてこの小型十トン未満の漁船と大型船との調整をはかりながら、先ほど申し上げましたように、隻数を制限して、知事が十トン以上のサンマ船の許可を認めておるような状態でございます。それに加えて必ずしもオホーツクの資源は安定的ではない。たまたま四十六年度においては従来に見られないような大量な漁獲があったわけでございますけれども、これが必ずしも安定しているものではないというような見地から、内地の入漁には反対ということを言っております。 私ども、実はそういう実態にもございますので、先般係官を派追いたしまして、オホーツク沿岸、稚内からこちらのところまで全部、それぞれの漁協につきまして、実際に操業しておられる方方の経営の実態等も調査してまいりました。さらに、今後は資源担当の研究機関の方々の御意見々伺いまして、はたしてオホーツクのサンマというようなものが予測として本年度は一体どういう状況になろうかというようなことも勘案をいたしまして、私どもが一番腐心をいたしますいわゆる漁業調整の問題として公平に妥当な結論を得べく、現在調査をし研究をいたしている段階でございます。
○美濃委員 過去の四十一年から四十六年までの実績を見ると、確かに去年はいま長官が言ったくらいの量がとれておるようですけれども、その前には少ないのですね。一万トン台あるいは一万トンを割った年も近い年にあるわけですから、去年一年とれたからといって、回遊の関係その他で、いまお話しのように、必ずしもオホーツク海の条件が変わってサンマ資源が安定的に拡大されておるという判定はちょっとできないだろうと思うのです。 そこで、北海道知事の調整規則に違反するということならば、将来の展望は展望といたしまして、とりあえずそういう取り締まりは知事がやるのか。知事権限で行なうとすれば、海上保安部、これは保安庁の出先ですね、これらの関係をどういうふうにするか。法律違反が行なわれて無法地帯になっておる。たとえそれが調整規則で条例であったとしても、これは道の規則だ。農林省、いわゆる国にも相談が行なわれた法律的なものでありますから、地方自治団体の条例や規則が全く無視されて、無法地帯であっていいということはないと思うのです。それに対して、将来の展望は展望として、水産庁としてはどういう対策をしようとしておられるのか。ことしの九月から操業が始まるわけで、何か現地の保安部あるいは保安庁の見解では、かなりの隻数が入っておる、このくらい入ってこのくらいはとっておるのじゃないかという保安庁のものもあるが、これを証拠として申し上げることはこの際どうかと思うので避けたいと思います。それはあなた方のほうでもそういうことはわかっておると思う。あなた方から言ってもらえればいいわけだ。水産庁で保安庁と打ち合わせた結果は、どのくらいの隻数が入ってどのくらい漁獲がされておるか。これを私が提示する前に、あなたのほうで承知しておれば、あなた方から提示されることが一番望ましいと思うわけです。それも知らないというならば、何をしておるかということになると思います。水産庁としてのそういう許可関係の管理義務が全うされていないということになると思う。これをさしあたりどう処置するのか。
○太田(康)政府委員 御承知のとおり、都道府県の調整規則に基づく違反操業につきましては、主として当該都道府県が取り締まりに当たるというのがたてまえでございます。 そこで、このオホーツクのサンマにつきましては、北海道が主として道庁の取り締まり船をもちまして取り締まりに当たっておりますが、網走、紋別等の海上保安部の応援も得て、道庁主体で取り締まりを行なっておる。私どもといたしましても、当然北海道からの報告を受けておりますので、サンマ漁業全般に対しまして国の立場といたしましても、当然県の規則は規則でございますから、これを守ってもらわなければならないということで、無許可の操業をしないように厳重に業界を通じて注意をいたしております。 そこで、昨年の家態でございますが、取り締まり船の配置といたしましては、北海道が二百トン級の取り締まり船一隻、それから百八十トン級の取り締まり船一隻、計二隻の取り締まり船をオホーツク海に配置いたしまして取り締まりに当たったということに相なっております。それから、海上保安部のほうは、紋別海上保安部から一隻、網走の海上保安署から一隻、計二隻がオホーツク海で同様取り締まりに当たっております。私のほうの水産庁は、北海道海面に二隻の取り締まり船を配置いたしたわけでございますが、オホーツク海のサンマ漁業につきましては、直接取り締まりの任には当たっていないのでございます。 そこで、昨年の違反でございますが、私どもかなりの隻数がオホーツク海へ入って無許可の操業を行なったというふうに推定をいたしておりますが、確かな数字というのは実はまだ確認はいたしておりません。 そこで、北海道なり保安庁の取り締まりの検挙の対象になりましたのは、全部で五十八隻というふうに承知をいたしております。これらの違反船につきましては、北海道の行政処分ということで二十日ないし四十日の停泊処分に付されておる、こういう実態にあるようでございます。
○美濃委員 これらの船が陸上でなくて海ですから、私も確たる調査はできませんが、しかし、行く船の全部とは言いませんけれども、大半は独航船で、いわゆる日ソサケ・マス協定をやった、あれが終わりまして、そして独航船もしくは三十八度線以南のサケ・マス漁業をやって、そして三十トン以上、九十トン、百トンという船が大体その裏作に密漁に入っていく。この船が多いと聞いておるのですが、その実態はどうですか。
○太田(康)政府委員 私が先ほど内地船がかなり無許可でオホーツクで操業したと言ったのは、まさに先生がいまおっしゃったような、船は内地の、農林大臣の承認は得ておるわけでございますけれども、これはあくまで海域としては太平洋の海域についての操業許可でございますので、オホーツクにつきましては、先ほど申し上げましたように、道知事の規則によりまする道の許可を受けなければ操業はできないということでございまして、いま違反というのは、北海道ではいわゆる大型船が小型船との調整を破って十海里以内の海域に入って操業したという事例もあろうかと思いますけれども、問題になっておりますのは、主として内地の無許可の操業船であるわけでございます。
○美濃委員 その無許可の実態が、ただいま私が指摘したような船が入るというふうに聞いておるのですが、その実態はどうですか。
○太田(康)政府委員 先ほども申し上げましたように、検挙されまして処分の対象になったのは五十八隻ということでございます。しかし、これをかなり上回る無許可の操業が行なわれたというふうに見ております。
○美濃委員 もう一回聞きますが、その入る船が三十八度以南サケ・マスあるいは独航船、こういうふうにして内地の船がサケ・マス漁業をやって、その期限が切れますから、そのあと入っていくものが多いというふうに聞いておるのですが、その実態を聞いておるのです。
○太田(康)政府委員 確かにサンマ漁業はサケ・マス等の裏作漁業でございますから、サケ・マスの漁業が終わった船が引き続き、十トン以上の場合には、農林大臣の承認を受けて太平洋で操業するのがたてまえになっております。こういった船の中で不心得者がオホーツクに無許可で入っていって操業した、そういう実態があるわけでございます。
○美濃委員 そうすると、これは取り締まりの方法ですが、たとえば知事許可でありますから、たとえばオホーツク海沿岸で行なっておる北海道に定住しておる漁業者、これが違反を起こした場合には、知事権限で、これは所在も北海道ですから、すぐ調べられるけれども、聞くところによると、これらの内地漁船はかなり漁船としては大型でありますし、魚をとったらほとんど北海道の漁港へはおろさないで、とったらすぐ内地の港へ来て、また引き返してきてやるというケースだというふうに聞いておるわけですが、そういうことが行なわれるということになってくると、これの取り締まりについては水産庁側からもよく海上保安部と連絡をとって、これはかなりの水産庁の規模で取り締まりをしないと、知事権限だといっても、それは知事の依頼でやっておると言ったけれども、知事権限の問題だけではないと思うのですね。それが一点。 それからもう一つ、不法による密漁という解釈になれば、たとえばサケ・マス資源保護法に基づいて、これは漁獲規制と資源保護との相違はありますけれども、いま北海道の中小河川でサケを二匹か三匹、これも不心得者ですから、その行為を何もいいということじゃないのですけれども、密漁を発見した場合には逮捕ですよ。完全に一週間くらい留置される。サケ・マス資源の保護のためあるいは資源調整のためには、一匹や二匹のサケで逮捕されるのですね、人間が。私はそれがいいとか悪いとか言っておるのじゃない。資源保護のためにはそういうきびしい措置もやらなければ、河川で密漁が多くなれば産卵が妨げられるわけだ。これもたいへんなことだと思う。片や大きな船でどんどん密漁しても、処分が少し手ぬるいというわけです。そういう不心得な船は本年度の出漁のサケ・マスも停止させてしまえばいいと思うのです。人の迷惑も考えないで、沿岸の定住しておる北海道の漁民の生活に関するような、私に言わしたらギャングですよ。魚資源を荒らして、人の迷惑を考えないで、自分さえよければという行為を、そのまま寛大な、ただ調べてみて、何カ月の停止処分くらいで終わらしておく。はっきりした去年のその五十八隻のうち、三十八度以南の許可船や何かであれば、全部許可を取り消すくらいのきびしい処分で臨むべきだと思うのです。あの一匹か二匹サケをとった不心得者を一週間も十日も留置して、ああいう取り締まりをするのに比べたら、当然そういう不心得な行為をやった者については、全部の許可を取り消すくらいの処分態度で臨むべきだと私は思うのです。どうですか。そのくらいのことをしなければいけないのじゃないか。それもできないのであれば、一匹や二匹サケをとっても取り締まりの対象にしなくしたらどうですか。一貫していないですよ。だが、そっちをゆるめろというのじゃないのです。サケ・マス資源をきびしく取り締まることを否定するわけじゃないのです。不公平じゃないですか、そんなのは。大きな何トンという船でとった者、それは社会的には北海道の沿岸漁民に重大な損失を与えておるわけです。どうですか、そういうものをことしからきちっとしてもらわなければならぬと思う。
○太田(康)政府委員 取り締まりの問題でございますが、御承知のとおり、現在はオホーツクと太平洋に分けてそれぞれ規制をいたしておりますので、一応それぞれの分野を分けまして取り締まりをいたしておるわけでございます。しかし、内地の方から言わせますと、オホーツクの海というのは一体北海道漁民のためにあるのかというような議論もあるわけでございます。私たちといたしましては、その間の調整という問題が最も大きな使命になるわけでございまして、また現にサンマの場合に資源がやや回復状態にもあるというようなことも一つ考えられますし、まことに困ったことではありますが、ソ連の船も来てサンマもとっているというような実態もあるわけでございますので、オホーツクでもサンマ資源が豊富にとれるようなことであれば、やはり農林大臣のさんま漁業取締規則の対象海域に入れて、全体として内地、北海道、それから北海道の小型の漁船の方々との調整をはかりながら資源の有効利用という観点でものごとを考えたらどうかというような意見も内地側からは出るわけでございます。 特に問題になりますのは、先ほど先生御指摘のサケ・マスの流しとか独航船の船員の確保の問題があるわけでございまして、いままではどちらかと言いますと、北海道の方々が内地の船に乗るというようなケースが多かったようでございますけれども、裏作としてのサンマにつきまして北海道のオホーツクの漁獲がいいということになりますと、ともすると従来とは逆の動きになりまして、内地の漁船員の方々がどんどん続々と北海道の船主のほうに引きずられていくというようなことが、また内地の漁民の方々の悩みにもなっておるというような実態も実はあるわけでございまして、それこれ勘案しながらこの問題は慎重に対処しなければならぬというふうに思っております。 なお、取り締まりの問題といたしましては、先ほど申し上げましたように、いまそれぞれ海域を分担してやっておるわけでございますけれども、本年度の解決がどういうことになりますかは別といたしまして、私どもといたしましても、もし去年のような規制をオホーツクと太平洋と分けてやるようなことでございますれば、内地船の違反操業ということは見のがすわけにいきませんので、私どもといたしましても、取り締まりの面につきましては、今後格段の努力を払わなければならないだろうというふうに思っております。 それから、御承知のとおり、指定漁業の許可等をいたします場合には、漁業法令の違反ということは許可を与える場合の適格性の要件でカウントすることにいたしております。したがいまして、違反がある程度重なったような方々につきましては、場合によりましては、従来指定漁業の許可を持っている者でも次の更新の機会に許可を与えないというようなことも実際はあるわけでございます。昨年の場合には、先ほども申しましたように、五十八隻の違反操業船につきまして道の知事の定めた規則違反ということで二十日ないし四十日の停泊処分というような処分もいたしておるのでございまして、もちろん、違反船が全部取り締まりの対象になったということはなかったと思うわけでございますけれども、取り締まりの面の強化というような点につきましては、われわれも十分対処してまいらなければならないだろうというふうに考えております。
○美濃委員 まあ、海は北海道の海、内地の海ということで色分けすべきでないということは常識として考えておりますけれども、いまお話のあったオホーツク海のサンマの漁獲量というものは昨年あらわれた現象でありまして、その前昭和四十年以降、四十二年ですか二万五千とか六千、それが一年でありまして、あとは一万トンそれから四十一年、四十四年は六千トンとか千八百六十トンとか、きわめて不漁年もあるのですね。こういう状況ですから、そういう内地の大型の船が入って二万トンも三万トンも沖合いでとれば、沿岸に接近してくる魚は少なくなるわけですから、許可地域にするだけの安定性はないと私は思うのです。これは参考に申し上げておきます。ここで政府権限を侵してああせいこうせいと言う権利は私どもにはないわけです。しかし、許可するとすれば、その段階で私どもには言い分があります、軽率だという。いまそういう大型船を何十隻もここへの出漁を認めるというだけの漁獲量の安定性はありません。これを申し上げておきます。 次に、本年のサケ・マス交渉の経過、まだ妥結の条件までいっていませんが、現在の状況はどうなのか。これは外交交渉の問題でありますから、知り得る範囲、いまここで公表できる範囲でよろしゅうございます。お聞かせをいただきたい。
○太田(康)政府委員 サケ・マス、ニシンにつきましては、御承知のとおり、三月一日から日ソ漁業委員会におきましてモスクワにおいて話し合いが続けられております。御承知のとおり、ことしはわりあいに話し合いはスムーズに進んでおりまして、資源評価につきましても、もちろん、個々のものにつきましての完全な意見の一致は見ませんでしたが、一応資源の評価としては、ことしはマスの不漁年ではございますが、一九七〇年の水準とほぼ同じであろうということに意見が集約されたわけでございます。現在非公式会談が続けられておるわけでございますが、漸次規制措置も明らかにされてまいっておりまして、そろそろ漁期も近づきますので、最終の詰めの段階に入っておるのでございます。 そこで残された主要な問題点でございますが、まずサケ・マスの漁獲量でございますが、当初ソ連案は公海における漁獲は九万トンにしよう。御承知のとおり、昨年からソ連は公海における漁獲を始めるということで、一九七一年は十万五千トン、そのうち日本側が九万五千トン、ソ側が一万トンということになったわけでございます。そこで九万トンを大幅に減らす必要があるんだというようなことを言っておったのでございますが、その後、ソ連側の提案は、ソ連側の漁獲は一万トンで日本側が八万トンということを言っておるようでございます。なお、その後さらに折衝の経過におきまして、いろいろな規制措置をのむのであれば八万五千トンまでは認めてもよろしいというようなことも言っているようでございますが、なお、漁獲量につきましてはそういった規制措置とのからみできまるわけでございまして、まだはっきりした数字は申し上げかねる状況にあるわけでございます。 それから、減船の措置でございますが、これもここ二、三年来日本海側で五割、それ以外では二割の減船というようなことを強く言っております。減船につきましては、私どもとしては、これはあくまで国内の措置の問題であるからということで、減船は拒否をしてまいっておるのが従来の実態でございますが、まあ、これまでの経緯等を考えてみますと、やはり漁業の経営の安定あるいは管理上の面からいいましても種々問題があるということで、ある程度の減船はやむを得ないということで、昭和三十七年でしたか、減船をいたした事例がございます。今回も約一割程度の減船はやむを得なかろうというように思っておりますが、ソ連側の言い分を全くのむというようなことはなしに対処いたしてまいりたい、かように思っております。 それから、毎度問題になりますのは禁漁区、休漁区の設定でございまして、これも、本年度は不漁年であるにもかかわらず、一九七〇年にはブリストル系の紅サケが非常に回遊が多かったというようなことで、いわゆるA区域におきますところの休漁区の設定というようなことものんだわけでございますけれども、ことしはそういった事情もございませんので、休漁区の設定ということには強く反発をいたしておりますが、この点につきましては、ことしはかなりきびしい規制をソ連側は要請をいたしておるのでございまして、この点が残された最も大きな問題、これをいま詰めておるという段階でございます。 それ以外に、これも毎度言うわけでございますけれども、ソ連船によるB区域への乗り入れによる取り締まりという問題がございます。これはB区域設定の経緯にかんがみまして、あそこには小漁船が多数入り会うわけでございますから、ソ連側の船が来て日本側を取り締まるというようなことは絶対認められないということで、これも拒否をいたしております。 大体サケ・マスにつきましてはそういう状況でございますが、いま休漁区の設定問題にからみ、これが漁獲の数量ともからみまして、最終的な詰めが非行式会談で行なわれておるという実情でございます。 それから、索餌ニシンにつきましては、私どもある程度は予想をいたしておりましたが、これをまた規制いたしたいということを言ってきております。私どもといたしましては、御承知のとおり、昨年抱卵ニシンの禁漁をせざるを得なくなったわけでございますけれども、コルフォ・カラギン等につきましてはかなり資源の回復を見られるから、この海域については解除してはどうかというような提案もいたしたわけでございますけれども、なかなかこれもきびしいようでございます。カラギン、カムチャツカとかオホーツクにつきましては、従来から、オホーツクもカラギンも同様でございますが、調査船を出すということで禁漁もある程度やむなしというような感じでおるわけでありますけれども、索餌ニシンの規制は、当初の案は一九七〇年水準で押えてもらいたい、これは二万トンないし二万五千トンという提案でございました。このときにはソ連は三十万トン以上とっておるのでございます。そういったこともございますし、昨年は抱卵ニシンの禁漁等もございまして、日本側は四万六千トンの漁獲をあげております。ソ連側も第二次の提案におきましては、索餌ニシンにつきまして、一九七〇年ではなしに七一年並みの水準でどうかというようなことを言っておるようでございますが、そういったことは索餌ニシンについては必要なしというようなことで、これも強く私のほうが拒否をいたしておるということでございます。おおむね最終段階に至っておるのでございますが、すべての問題をからめて——まだカニの御質問がこざいませんからカニについては申し上げておりませんけれども、すべての問題をからめるのは、私どもとしてはいかにも理屈のないことだということでがんばっておるわけでございますけれども、ソ連側に言わせれば、交渉上のテクニックというのですか、すべての問題をからめて交渉に当たっておるようでございまして、まあ最終段階に来ておる、残された問題はいま言ったような点である、こういうことでございます。
○美濃委員 時間が参りましたので、いまの漁業交渉は非常に重大な問題でありますから、この問題と、あと本日の質問のうち二点ほど、大臣が参られましたときに尋ねたいことがございますので、大臣に対する質問を保留して、これで終わります。
○三ツ林委員長代理 相沢武彦君。
○相沢委員 本日の会議に付されました漁業関係三法案についての質問に先立ちまして、ただいま水産庁長官からお話しのありました日ソ漁業交渉の経過に伴ってあらわれてきました日本側として非常に心配される問題点のうち、若干確かめておきたい点がございますので、お尋ねいたします。 カニの関係で、刺し網からかご漁法への転換要求というのがソ連から出ておるわけでありますが、この見通しはどうなのか、お尋ねしたい。 それから、いまお話ありましたサケ・マス漁業関係では、ソ連側が、太洋側では前年比の二〇%、日本海側では五〇%の減船を行なうように主張している。相当強硬な主張なんで、ある程度の減船は避けられない、こう見られておりますが、ただいま長官、一割の減船ということをおっしゃいましたが、それではたして守り切れるかどうか、その点と、あるいはもう少し向こうに押されて減船をした場合のいわゆる補償についての問題ですが、長官も、先日の参議院の農林水産委員会で、昨年の抱卵ニシンの全面禁止で四十一億九千万円を補償した例もあるので、国としても考えなければならないだろうと言っておりますが、この減船の割合によって起きる損失、それに見合った補償を必ずできるという御自信がおありかどうか、その点についてお尋ねをしておきます。
○太田(康)政府委員 日ソのカニ交渉でございますが、カニは、御承知のとおり、漁業委員会とは別に政府間交渉で実施いたしておりますが、かなり話が詰まりまして、おおむね大詰めの段階に来ておるのでございます。ただ、先ほども申し上げましたように、サケ・マスとからめて協定は発効させるというようなことで、ある意味においてはサケ・マスの結果待ちというようなかっこうにもなっておるというふうに理解をいたしております。 そこで、お尋ねの、西カムチャツカのタラバガニにつきましての刺し網からかごへの転換の問題でございます。これは初めかなりきびしい規制を向こう側は要請をいたしておりまして、たとえばあそこのカフラン漁場なんかも禁漁すると言っておりましたが、これらにつきましては、現段階におきましては、そういった主張は撤回をいたしたようでございます。御承知のとおり、雌とか子ガニ資源の保護のために、伝統的漁法でございますところの刺し網漁法からかご漁法への転換というものをソ連側が強く求めてまいったわけでございます。しかし、そうは申しましても、いま直ちにこれを実施するというわけにもまいらないわけでございますので、私どもといたしましては、長期的にはそういった方向に漸次転換をしていくということをめどといたしまして、そういった了解のもとに本年は、独航船の一部が北部の漁区においてかご専用で操業するという形で、合意が得られるというふうに確信をいたしております。 それから、先生のお尋ねの減船の問題でございますが、減船問題につきましては、私のほうはあくまでこれは国内の措置の問題であるからということで、ソ連側が二割あるいは五割というようなことを言っておりますけれども、その点は、私どもは最後まで、現在われわれが考えておる減船でこれは貫かなければなりませんし、必ず貫き得るもんだというふうに考えております。 それから、減船をいよいよやるということがはっきりした段階でどういう措置を考えるのかという問題でございます。私どもといたしましては、いろいろこれに類するようなことが過去にもあったわけでございますし、今回の場合におきましては、確かに一割の減船が行なわれるわけですけれども、残った方々は、どちらかといいますと、経営も安定するということにもなるわけでございますので、残った方々が相補償をする、やめていく方への補償をするということを考えておるわけでございまして、その際、私どもといたしましては、できることでぜひめんどうを見なければならぬと思っておりますのは、金融上の手当てをすることと、その金融につきまして、これは以西底びきの自主減船に対する方針も国が出しておるわけでございますけれども、こういった例もあるわけでございますから、こういったことも勘案しまして、必要な救済措置というものを検討してまいりたい、かように存じております。
○相沢委員 最後の相補償の場合は、これは両者の了解が得られなければならないと思いますので、その点に一そう力を入れていただきたいと思います。 それで、今後もサケ・マス漁につきましては、毎年これまでのソ連との交渉で難儀を見せております漁獲量については、まず日本側の希望どおりにいかないということで、今回一割減船で押えられても、さらにまた今後その減船措置がとられてくるんではないかという心配もありまして、こういったことで漁業関係者には先細りの暗いムードが非常に強くあるのです。特に中小漁民にとってはこの不安がぬぐい切れないと思うわけですが、減船補償と同時に、その後の別な対策について何らかの救済の処置を考えていらっしゃるかどうか、その点について伺いたい。
○太田(康)政府委員 先生おっしゃいますとおり、相補償をする場合に、業界の方々の同意が得られなければ実行できないことでございますので、私どもといたしましては、鋭意業界の方々にそういう趣旨のことをお話し申し上げ、協力を得るようにつとめてまいりたい、かように考えております。 それから、先生おっしゃいますように、確かに先細りじゃないかというような議論もあるわけでございますけれども、私どもといたしましては、やはり資源評価に基づいて、その基礎の上に立っての漁獲量の決定ということを今後も基本方針として進めてまいりたいと思っております。確かに経営安定のためにはこの指定漁業の許可をめぐりまして、いま一年ごとの許可になっておりますが、五年が原則でございますので、五年間にしたらどうかというような御意見もございます。しかし、御承知のとおりのことで一年ごとの交渉というような一つの事情もございまして、現在は一年ごとの許可になっております。 実は昨年、農林大臣が十月に訪ソされましたときに、イシコフ大臣とも、できれば五年ぐらいの長期の漁獲量取りきめというものをもうやったらどうかというようなことも言っておるわけでございます。と申しますのは、すでに過去に十何年の交渉の経緯もございますし、大体豊漁年はこのくらい、不漁年はこのくらいという基準数量くらいはきまるんじゃないか、だから漁業委員会できまることは、そういった基準数量に対しましてたとえば上下五%の幅でその年々の資源評価によってきめるというような、基礎的な基準数値というものをきめた上で、ごく限られた範囲の話し合いにしたらどうかというような提案もいたしております。 なお、それに加えまして、漁獲量の安定確保のために、日ソ共同でサケ・マスのふ化事業、増殖事業をやったらどうかというような提案もいたしておりまして、この点につきましてはかなり向こう側も関心を示しておりまして、現在、日ソ漁業委員会の場等におきましても専門家の間でそういったサケ・マスの増殖事業につきましての具体的な計画も検討されておるようでございますので、これが具体化すれば、私どもも応分の協力をいたさなければならぬというふうに考えておりますので、そういったことが実現を見ますれば、私どもが最も願望いたしておりますところの長期取りきめという問題も漸次可能性が強くなってくるのではないか。この点につきましては、イシコフ大臣は、農林大臣の提案は提案としてよくわかるけれども、そのことをあまり強く打ち出しますと漁業委員会の科学者の資源評価問題というものとどう調整するのか、あるいは科学者がそういうことを受け入れるだけの準備があるのかどうか、そういった点についてなお自分としては検討をしたいから、いましばらくその返事は留保したいというようなことにもなっておりますけれども、やはり私どもといたしましては、一方におきまして人工増殖というようなことを日ソ協力してやるということをはかりながら、一方で長期取りきめという線に漸次持ってまいりまして、漁民の方々の不安をできるだけすみやかに解消するという努力は今後とも続けなければならないだろうというふうに考えております。 それから、お尋ねのように、かつての減船の際には、実は沖合いから遠洋へということで、カツオ・マグロなんかの転換ということもあったわけでございます。実は、昨年ニシンの禁漁をいたしましたときに、ニシンの業界の方から、あるいは北転を認めてくれとかあるいはノートンのほうに出航することを認めてくれというようなお話も出たわけでございますけれども、やはり国際情勢を考え、資源状況を考えますと、いまにわかに減船になったものをそちらに振り向けるということもなかなかできかねる実情でございました。したがいまして、そういったことがニシンの対策としてはとれなかったわけでございます。 今回の減船にあたりましても、われわれ種々検討いたしましたが、いま直ちにこういった漁業が可能であるから転換を認めろというわけにはまいらなかったわけでございますけれども、先ほど来お話にも出ておりましたように、これらの船につきましては裏作としてのサンマの操業あるいはイカ釣り等もあるわけでございますし、なお、私どもといたしましては、水産資源開発センターによる新漁場開発というものをすみやかに実行いたしまして、一日も早く企業化試験の完成を見まして、新しい指定漁業にも許可の道が開けることを期待いたしまして、その際は、こういった減船にならざるを得なくなった業界の方々の措置として配慮してまいりたい、こういうふうに現段階においては考えておる次第でございます。
○相沢委員 それでは本題に入りまして、中小漁業振興特別措置法の一部改正についてお尋ねいたします。 昭和四十二年、現行法が制定されたわけでありますが、その内容について検討した結果、計画案に少し無理な点があったように思われます。たとえば経営規模拡大の目標でありますが、カツオ・マグロ漁業に例をとってみると、計画の経営体あたり四隻の目標だったけれども、一隻あるいは二隻しか所有してない経営体が一挙に四隻に増隻するということが非常に至難であったという、したがって、四十六年度の見込み隻数を加えても、実績は非常に低調な結果となっておりまして、計画達成率が三四%ですか、こういった実情をよく理解して、振興計画あるいは今後行なわれる構造改善計画というものが進められなければならないと思うのですが、この点についての御見解を承っておきたいと思います。
○太田(康)政府委員 御指摘のとおり、第一次の振興計画に基づきまして、カツオ・マグロ漁業についての実績を申し上げますと、私ども二つの点に主眼を置いて実施をいたしたわけでございますけれども、漁船の建造、装備の高度化、このための融資、これにつきましては全体として計画に対しまして三四%のオーバーということで、一三四%という計画を上回る達成を見たのでございますが、いま一つの柱でございますところの経営規模の拡大という点につきましては、残念ながら、御指摘のとおり、きわめて達成率は低かったということを反省いたしております。なぜこういったことが進まなかったのかということにつきましていまわれわれせっかく反省をいたし、検討をいたしておるのでございますが、何と申しますか、カツオ・マグロに対する需要が非常に旺盛で魚価高というようなこともありまして、漁獲量そのものは必ずしもふえなかったわけですけれども、経営的に見ますと、そう申し上げるとなにでございますが、私どもの期待した合併等をしなくてもある程度やれるというような状況があるんではないかと思います。しかし、一方において魚価高というようなことに依存をして経営を続けるということは、消費者物価の問題との関連からいいましても、そういつまでも許されることではございませんので、今後は私どもといたしまして、マグロ漁業のように周年操業のものにつきましては、適正規模というようなものも当然あるわけでございますので、そういったことを踏まえまして、先ほど来問題になりましたような共同経営の形あるいは権利の承継という形で規模の拡大あるいは合併の促進というようなことに一段と力を入れてまいらなければならない、特にこの点については強く反省をいたしておる次第でございます。
○相沢委員 現行法の第一次振興計画の内容でありますが、施策の内容として、一つには公庫融資の点と二つには税制上の特別措置の面が大きな柱になっておるわけですが、そこで、その他の振興施策についてはあまり見るべきものがなかったというような辛い見方もされているようなんですが、この点、今後どのように考えてこうされているのか。
○太田(康)政府委員 御承知のとおり、振興計画におきましては、経営規模の拡大あるいは生産行程についての協業化あるいは資本装備の高度化、その経営の近代化の目標と、沿岸漁業等振興法第九条各号に掲げる事項の改善に関する基本的事項として振興計画というものが定められたわけでございます。そして、おっしゃいましたように、その経営の近代化の目標に達することとなるように農林漁業金融公庫からの特別融資、それと税制上の優遇措置というものを講じてまいったわけでございます。 それはそれで中小漁業の振興対策としては、その面はともかくとして、それ以外の中小漁業の対策がウィークであるからうまくいかなかったのではないかというような御指摘でございます。私ども中小漁業の対策といたしましては、あの法律ができたのと前後いたしまして漁業近代化資金の制度もつくりまして、中小漁業に対する農林漁業金融公庫と並んで、設備資金等に対する組合系統金融の充実をはかったこともございます。それから、中小漁業につきましては、経営診断事業というようなことも実施をいたしてまいったのでございます。なお、それ以外に、御承知のとおり、構造改善事業等も実施いたしたのでございますが、今後におきましては、さらにそれらに加えまして、一つは海洋水産資源開発センターによる新漁場の開発というようなこと。さらに漁業近代化資金の内容をことしは四百五十億に拡充いたしまして、近代的な漁労装置の導入についての融資の円滑化、それにこの法律が実行されてからの反省に基づきまして、水揚げの多い主要な産地につきましては、流通加工センター形成事業というような事業に対する助成をいたしまして、主要漁港につきましては流通施設の整備をするというようなこと。それから賃金体系の合理化についての指導、これはあくまで指導でございますが、そういった指導もする。それから、先ほど来漁船の大型化とからんで申し上げましたように、漁船船員設備の改善、洋上診療の拡充というような、各般の施策を講ずることといたしておるのでございます。 なお、今後におきましては、これもけさほど来申し上げておりますように、特定業種につきましては業界の自主性のもとに構造改善計画というものが立てられるわけでございますが、その構造改善計画が達成されますように、私どもといたしましては、この法律に定められたこと以外にも、中小漁業につきましての対策の強化ということには今後一段とつとめてまいりたい、かように存じております。
○相沢委員 それで、その構造改善計画の作成者の問題なんですが、これが法律の上では明確になってないようですので、一体どの段階で行なうのか、まただれがこの計画を作成する責任者なのか、この点を明確にしていただきたいと思います。
○太田(康)政府委員 法律のたしか四条だと思いましたが、構造改善計画を作成するのは、特定業種を営む中小漁業者を構成員とする漁業協同組合その他の政令で定める法人というふうにされております。 そこで、私どもがこの政令で定めようといたしております見込みのこの法人でございますが、当面私どもとして考えておりますのは、漁業協同組合のほかに、業界の実情に応じて民法第三十四条に定める社団法人、こういったものも指定する予定にいたしております。そこで、法律が通りますと、特定業種等の定めもいたすわけでございますけれども、当面、カツオ・マグロ漁業とそれから以西底びき網漁業が前の一次計画から五年を経過いたしておりますので、これを対象にこの施策を進めたいと考えております。 以西底びき網の場合には、以西底びき網漁業者が全員によって組織をいたしておりますところの社団法人の日本遠洋底びき網漁業協会という協会がございます。これがこういった構造改善計画を立てるに最もふさわしい、ここで書いてございますところの「その他の政令で定める法人」に該当するのではないかというふうに考えております。それからカツオ・マグロ漁業の場合には、御承知のとおり、遠洋カツオ・マグロ漁業と近海カツオ・マグロ漁業がございます。そこで遠洋カツオ・マグロ漁業につきましては日本鰹鮪漁業協同組合連合会、いわゆる日かつ連と呼んでおる漁業協同組合がございます。この漁業協同組合の連合会をして立てていただいたらどうかと思っておりますし、近海カツオ・マグロ漁業につきましては、これは全国の漁業協同組合連合会がございますから、全漁連に行なってもらったらどうか、現段階ではかように考えております。
○相沢委員 次に、構造改善漁業者団体の自主性尊重ということがいわれているのですが、農林大臣の振興計画が先に立案されて、その計画のワク内で構造改善計画が行なわれるということになりますと、はたしてどの程度漁業者団体の側の自主性が貫かれるか疑問があるわけです。もしかその場合に非常にいいアイデア、新しい方向へ進んでいきたいということでの手があった場合に、それを尊重して検討し直すだけの余地を政府は持つのかどうか、この点についてどのように考えられるか、お尋ねしたいと思います。
○太田(康)政府委員 この話は、先ほど美濃先生からも、農林大臣の定める振興計画が非常に硬直的で、そのために構造改善計画が実情にそぐわないものになってしまうのではないか。この点につきましては、私どもの計画があくまで机上のプランに終わって実態に即さないということではなりませんというお答えを申し上げたわけでございます。そこで、私どもといたしましては、やはり最近の中小漁業をめぐる情勢に十分対処して経営の安定をはかっていくということが主眼でございますし、先生お尋ねのように、構造改善計画はあくまで業界が自主的に作成するということにもなっておるわけでございますので、私どもが立てますところの特定業種についてのいわゆる中小漁業の振興計画というものは、いわば構造改善事業計画を立てます場合の基本方針的な性格を持つものであるというふうに考えております。したがいまして、業界の自主的団体が、具体的な構造改善計画というものの作成段階におきましては、この基本方針的な性格の振興計画に沿って立てられるわけでございますけれども、私どもといたしましては、十分業界の話も伺い、私どもの考えも述べ合って、振興計画と構造改善事業計画というものはいわば不離一体のものでもあるわけでございますから、実情を十分踏まえた上で、御心配のような、業界の自主的な構造改善の盛り上がりを少なくとも私どもの振興計画が阻害するあるいはじゃまになるというようなことになっては申しわけたいことでございますので、その間の調整は私ども十分心して取り組んでまいりたい、かように考えております。
○相沢委員 今後の新規指定業種の拡大見通しについてどういう検討がなされておるか、お尋ねしたい。 それから、今後新たに新規指定業種に加えらわたものに対する振興計画あるいは構造改善計画の措置について心配な点といわれておるのは、法第五条の国庫融資が従来どおりのようですけれども、税制上の特別措置は適用がなくなるようなんですが、この点について明らかにしてほしいということ。また、政府が新規指定業種を考える場合に、税制の改正を同時に行なうことによって対処していくのだろうと思いますが、政府として新規指定業種の必要性をどのようにとらえられておるのか、その点をお伺いしたいと思います。
○太田(康)政府委員 御指摘のとおり、指定業種につきましては、法律で要件が定められておりまして、当該業種にかかる漁業生産活動の相当部分が中小漁業者によって行なわれているのと、それから二番目の要件といたしまして、その業種にかかる中小漁業者の相当部分の経営が漁獲量の変動、漁業経費の増大等により不安定となっておりまたは不安定となるおそれがあるため、生産性の向上その他経営の近代化を促進する必要があると認められる業種をいうということになっておりまして、現在までのところ、この法律が施行になりました昭和四十二年にカツオ・マグロ漁業と以西底びき網漁業の政令指定を行ないまして、その後四十三年にまき網漁業、それから四十四年に沖合い底びき網漁業を指定いたしたのでございまして、現段階におきましては四業種が指定業種になっておるということでございます。そこで、これと類似の中小漁業ということで、業種といたしましてはイカ釣り漁業あるいはサンマ漁業さらにはサケ・マス漁業、こういうものがあるわけでございます。しかし、これも、先ほども申し上げたわけでありますけれども、イカ釣り漁業あるいはサンマ漁業等につきましては、兼業の形態が大部分でございまして、どちらを裏作といいどちらを表作という問題はあるかと思いますが、そこで、指定業種といたしましては、他のいわゆる兼業の業種の部分との関連におきまして、いま指定の要件になっておるような条件をどういうふうに検討するかという問題もあるわけでございまして、これを直ちに指定業種にするかというような点につきましては、私どもとしていまひとつ踏み切れないでおるわけでございます。当面は、漁業近代化資金等の活用によって指導をいたしまして、経営安定をはかるというふうに考えております。 ただ、イカ釣り等につきましては、業界のほうから、現在の資源状況等から見ますと、たとえば百トン以上につきましては指定業種にしてくれというような声も出てきておりますし、かなり専業的な周年操業に近いような形のものも出てきておりますから、そういった段階になりますれば、法律で定める要件に該当するかどうかというような検討の上に立って——全然指定業種の追加がないというわけではないわけでございますけれども、なおいましばらく事態の推移を見守ってまいりたい、かように考えております。 それから、サケ・マス漁業でございますが、これは御承知のとおり、日ソ漁業交渉によりまして漁獲量が定められる。近年におきますところの漁業の経営の実態から見まして、新しい設備投資をどんどんやっていくというようなことよりも、むしろこれらにつきましては抑制をするような段階でございまして、こういったことを通じて経費の節減をはかるということを、私どもは指導の方針といたしておりますので、当面、サケ・マス漁業をすぐ指定業種にするというような考えはないわけでございます。 そこで、御指摘のとおり、税制上の措置につきましては、指定業種になっておりませんと、いまの租税特別措置法によりますところの税制上の特例措置の恩典は受けられませんので、私どもといたしまして、もしかりに、御指摘のとおり、何か新しい業種をこの法律施行後に指定業種として取り上げるというような場合には、また税制上の措置を当然私は講ずべきだというふうに考えますので、その際は、財政当局とも相談をいたしまして、その段階で、税制は全部租税特別措置法の改正で措置いたしておりまして、これが毎年日程にのぼるわけでございますので、その際、組み入れてもらうように、もしそういう事態になりますれば努力をいたしたい、かように存じております。
○相沢委員 カツオ・マグロ漁業についてお尋ねしておきたいのですが、これは現行法の制定当初から指定業種になったわけですが、当初、近海カツオ・マグロ漁業と遠洋カツオ・マグロ漁業と、漁場の区分によって最も適した施策をとられるように強く望まれていたのですが、この点が一本に統括されて今日まできている。そこで、このカツオ・マグロ漁業が近海ものと遠洋ものとでは非常に事情が異なっているということから、区分をして適正な施策をこの際講じなくてはならない、こういうふうにいわれておりますけれども、この点については今後どのようにされますか。
○太田(康)政府委員 御指摘のとおり、確かにカツオ・マグロ漁業ということで一本にはなっておりますけれども、遠洋カツオ・マグロ漁業と近海カツオ・マグロ漁業があることは御指摘のとおりでございまして、私ども、今回の一斉更新にあたりましても、最近におきますところの実情等も勘案いたしまして、従来七十トンの線を近海カツオ・マグロ漁業につきましては八十トンまで引き上げるというようなこともいたしたわけでございますが、構造改善計画を立てる主体につきましては、先ほども申し上げましたように、一方は日本鰹鮪漁業協同組合連合会、一方は全国漁業協同組合連合会、それぞれ立つ地盤が違っておりますので、そういった経営の実態に即した構造改善計画というものが立てられることを期待いたしております。一本のカツオ・マグロ漁業ということには相なっておりますが、当然漁船の装備その他違うわけでございますから、それぞれ実情に即したような構造改善計画が立てられるように期待をいたしており、また、そういうふうな指導も当然考えなければいけないというふうに思っております。
○相沢委員 そのカツオ・マグロ漁業の遠洋業種について、当面の問題として何点かあげられておりますので、その点についての国の対策をお尋ねしたいと思いますが、マグロ漁業からカツオ漁業に転換をはかっていくについて、具体的にどういう対策が講じられようとするか。 それから、転換をはかられても漁船乗り組み員の不足の問題、これは非常に深刻でありますが、これをどう補うのか。 それから、生きえの問題ですけれども、まだ海外に依存できないという現状ですが、これでは転換をはかってもやっていけないのではないかという心配があります。この点をどうするか。 それから、開発途上国に対する見返り協力についてどこまで検討が進んでおるのか。 以上の点についてお尋ねしたいと思います。
○太田(康)政府委員 マグロ漁業につきましては、けさほど来申し上げておりますように、世界のマグロはえなわ漁業によりますところの漁獲量というものがここ数年来横ばい状態でございまして、むしろわが国を取り巻く周辺の韓国あるいは台湾といった国々の漁船勢力が増強をいたしております。また、多国間の協定によりまして、資源保護のための国際規制が強化されていることも御承知のとおりでございまして、わが国のマグロはえなわ漁獲量というものは漸次減少傾向にあるわけでございます。また、その資源量につきましても、必ずしも楽観を許さないという現状にあるというのが私どもの認識でございまして、大体私どもの研究者自身の研究の方向もこういうことを示唆しておるのでございます。 これに比べますと、カツオの世界における漁獲量というのは約四十万トン程度でございまして、このうちの五〇%、約二十万トンが日本の漁獲ということになっておるわけでございます。マグロに比べますと、カツオの潜在的な資源量というものは、その幼魚の出現頻度等から見ましてかなり大きいということがいわれておるのでございまして、そういった意味におきましては、これからはやはりカツオ主体に考えていくべきではないかというふうに思っておるのでございます。私どもといたしましては、開発センターによりますところの新漁場の開発、あるいは省力化のための機械の導入、こういった面で積極的な研究あるいは投資を行ないまして、これに資金面の援助等をいたしまして、カツオ釣り漁業の漁獲量を将来相当程度に増加するということを期待しながら、そちらへの転換をはかっていくことに重点を置いてまいりたい、かように存じ上げておるのでございます。 それから、資源開発のための生きえの問題でございますが、従来はイワシ等が主として生きえとして使われておったのでございますが、私どもといたしまして、今後開発すべき海域は南方海域である、そこで、この海域を開発するために生きえの採捕と保存のための蓄養ということが技術的に問題となっておるという認識に立ちまして、昨年来、海洋水産資源開発センターをして、南方カツオ漁場におきますところのカツオの餌料になります魚の開発試験調査を実施いたしております。御承知のとおり、国はこれらの試験調査に対しまして経費の三分の二の助成をいたしておるのでございます。それからなお、これらを船内で生かしておく技術開発につきましては、県の試験研究機関に助成をいたしまして、蓄養技術等の試験を実施してもらっておるのでございます。 それから、開発途上国に対する問題でございますが、開発途上国におきましても、国により援助要請の種類あるいは方法もずいぶんいろいろ違っております。典型的な例を申し上げますと、入漁料を取ってそれを国の歳入にするという形で入漁を認めるという方式もございます。それ以外に、一応自国の旗で魚をとって、その国で加工をして日本に輸出するというのですか、日本側が輸入するという形態の合弁企業もあるわけでございます。そこで、私どもといたしましては、将来予測されますところの国連の海洋法会議等の経緯も十分踏まえまして、今後における動物性たん白資源でございますところの水産物の安定的供給ということを考えますと、いまわれわれが実施しておりますところの沿岸漁業におきます増養殖の振興はもちろんでございますし、なおかつ、公海におきますところの新漁場の開発ということも今後強力に進めてまいらなければならないことは明らかでございますけれども、第三の施策といたしまして、開発途上国の領海並びに漁業専管水域の拡大というようなことが日程にのぼってもおりますし、やはり国際協力というような観点から協調をとりながらやってまいりませんと、せっかくわれわれの先輩の築いた伝統的漁場が確保できなくなるというような問題もございますので、これらの点につきましては、私どもの新しい大きな課題として取り組んで、何らかの施策を具体化したいということで、いま部内でせっかく検討をいたしておる段階でございます。 まあ、業界自身も、大日本水産会等が中心でありまして、国と業界団体の出資による事業団みたいなものをつくりまして、具体的にこういった問題の処理に当たったらどうかというような提案もございます。私どものほうは、従来は海外経済協力基金等の融資のあっせんによりまして合弁企業の進出等をはかり、あるいは関係国との話し合いの場に私どもの職員を派遣しまして具体的な交渉に当たらせる、あるいは技術援助のための職員を派遣するというようなこともやってまいったわけでございますけれども、開発途上国の最近の動きから見ますと、いろいろな形での要請が出てまいると思いますので、私どもが広くこの問題を検討いたしまして、やはりスムーズな形で資源が確保できるということを念頭に置いて対処してまいる必要があろう。特にこの点は、私ども慎重に検討してまいりたい、こう存じております。
○相沢委員 いまの開発途上国に対する見返り協力について部内で検討中である、早急にやりたい、また慎重に対処したいということでありますけれども、大体、具体的に施策として政府から発表できるのはどのぐらいの時期と考えておられますか。
○太田(康)政府委員 私どもといたしまして、最も早ければ昭和四十八年度に実現すべき重要施策の一環として、先ほど問題になりましたところの漁港整備計画とか、それからいまの海外協力の関係、こういった問題を部内でせっかく検討中でございます。私どもといたしましては、予算化できるものは予算化をして実施しなければならぬわけでございますから、やはり八月末までには一応の考え方を取りまとめて、予算化すべきものは予算化する、大蔵省に要求すべきものは要求するということで考えておりますので、おそくとも八月末までには、検討をいたしまして結果を取りまとめていきたい、さように存じております。
○相沢委員 次に、漁港法の一部を改正する法律案につきましてお尋ねをしておきます。 特定第三種漁港の外郭施設また水域施設に関して国の負担割合を現行の六〇%から七〇%に引き上げるということにしておるわけですが、全国漁港協会等は、数年来の漁港大会におきまして、全国的に利用されておる公共性の高い施設でありますし、水産食料確保の重要拠点であるとして、七五%に引き上げるよう決議をして、政府に対しても強い要望が出されておるわけでありますが、これが今回費用負担率を七〇%に決定した具体的な根拠についてお尋ねをしておきたいと思うわけであります。特定第三種漁港の場合は、地元船より外来船が多くて、四分の三を占めておるという地域もありますし、これについて納得できる根拠がなければならぬと思うわけであります。 さらに、基本施設のうち係留施設が引き上げの対象から除外された理由についても、あわせてお尋ねをしたいと思います。
○太田(康)政府委員 御指摘のとおり、特定第三種漁港の補助率引き上げ、特に従来の百分の六十を百分の七十五ということは業界の悲願でもありましたし、われわれもぜひさようにいたしたいということであったわけでございます。 その理由は、御承知のとおり、特定第三種漁港といいますのは、その利用範囲が全国的な第三種漁港の中でも、水産業の振興上特に重要だということで政令で指定をいたしておるのでございますが、たしか十一港あったかと思います。これらの漁港は、その利用範囲が広く、かつ水揚げ高も抜群に多い、整備事業の規模もきわめて大きいというようなことで、特定第三種漁港の整備を円滑に推進するということ、特に修築事業に要する費用について国の負担割合を引き上げまして、地元負担の軽減をはかるという必要性を主張いたしまして、今回の予算の編成にあたりまして予算折衝いたしたわけでございます。まあ、百分の七十五、ということの実現を見ずに、百分の七十で終わったわけでございますけれども、公共事業の補助率引き上げというのは数少ないうちの特例であったわけでございまして、私の力が足りなかったことも事実でございますが、確かに百分の七十五にいたしたかったわけでございますけれども、最終的な折衝の過程におきまして引き上げの実現を見たということで、まあ一割アップということでやむを得なかったというのが、率直に言って実情でございます。 それから、今回の補助率の引き上げが水域施設と外郭施設で、係留施設が対象になっていないではないかというようなお尋ねでございますが、私ども確かに全部が全部というような考えもあったわけでございますけれども、こう申し上げますとたいへんことばが過ぎるかもわかりませんけれども、ぜひ目的を達成するというような見地からいきまして、やはり規模の大きく、経費のうんとかかる漁港の基幹的な施設といわれておりますところの水域施設と外郭施設、これをとにかくぜひ補助率アップを確保したいということでございましたし、当面これをぜひ達成したいということで、重点をこれにしぼって予算要求したというのが偽らざる実情でございまして、将来の問題としては、特定第三種漁港のみならず漁港全体の補助率のあり方、国庫負担率のあり方という問題は検討しなければならぬと考えておりますが、そういった実情であったわけでございます。
○相沢委員 この特定第三種漁港と同じく、負担率の引き上げの要望が強かった第三種漁港について全然今回触れられていないわけでありますが、特定第三種は昭和三十八年と今回引き上げになりましたし、第一種、第二種は四十年度に改正をされております。第三種漁港は制定以来一度の改正もないわけでありますが、第三種漁港にしても、その利用範囲が非常に全国的なものでありますし、大規模で近代的な漁港施設の整備を順次進められてきますと、この整備のためには負担率の引き上げはどうしてもやらなければならない政府の仕事であろうと思いますが、この点、他種漁港とのバランスの点だけを考えて改正を必要としないと考えておるのか、そのほかの理由があるのか、その辺をお伺いしたいと思います。
○太田(康)政府委員 第三種漁港につきましても、国の負担割合の引き上げということは、毎年開かれますところの漁港大会で強く関係業界の方方から要望のあることはわれわれよく存じておったのでございまして、われわれも検討は決して怠っているわけではございません。しかし、けさほど港湾との関係もありと言っておしかりをこうむったわけですけれども、やはり実際問題の処理といたしましては、どうしても他の類似の公共事業との関連ということで、すぐ港湾が私どもの場合には引き合いに出されるということでございます。そこで、港湾との関連がございまして、今回の場合にはまた特定第三種漁港に限って重点を置いて補助率引き上げ、国庫負担率の引き上げを要請したというようなこともありましたので、第三種漁港の補助率の問題、決して念頭になかったわけではございませんけれども、重点をしぼってやった結果、まあここまでいかなかったということでございますが、いずれにいたしましても、第五次の漁港整備計画というのもやがて日程にのぼるわけでございますので、これらを作成する段階におきまして、漁港の国庫負担率全体の問題につきましてひとつ検討をしてみたい、かように存じております。
○相沢委員 現在、いまお話しありましたように、第五次の整備計画等もこれから策定されるとしていますが、現在第四次漁港整備計画が、昭和四十四年から五年間で二千三百億円の総事業費で実施されてきたわけでありますが、今年度まで三年間での事業実績というものは、総事業費の四五・八%であるといわれております。水産物の需要が年々増大しておりますし、漁船の大型化が飛躍的に拡大されているときでありますので、漁業の生産基盤であり、流通の拠点であるこうした漁港の整備が非常におくれているということについて、計画期間内に完全実施ができるかどうか、この見通し。また、次の計画をやはりどうしても早く策定して四十八年度から始めなければならないと思いますが、この点についての御見解を承りたい。
○太田(康)政府委員 御指摘のとおり、現行の第四次漁港整備計画につきましては、昭和四十四年の第六十一国会で先生方の承認を受けまして発足いたしたものでございまして、三百七十港につきましての漁港修築事業を中心として実施するほか、これとあわせまして改修事業あるいは局部改良事業を行なう。したがいまして、その五カ年間におきます総事業費は、四十四年以降五カ年間で二千三百億、こういうことを予定して発足いたしたのでございます。そこで、昭和四十六年度におきましては事業費約四百四十三億、うち補正予算が約五十二億入っておりますが、これで事業を実施いたしまして、全体計画に対しましての進度は四十六年度末で四八%というふうになる見込みでございます。 そこで、四十七年度でございますが、御承知のとおり、今回御審議をお願いいたしました予算案におきまして、事業費で約五百一億ということで漁港の整備計画を実施することにいたしておりまして、これによりまして全体計画に対する四十七年度末の進度は約七一・四%ということの予定を見込んでおります。しかし、御指摘のとおり、漁港の大型化も四十四年に比べますと大幅に進んでおります。それから漁港が生産基盤の中心であると同時に、流通の施設につきましても非常に重要な拠点的な地位を占めてきておる。さらに増養殖の伸展等もございまして、漁港についてそういった面からの新しい施設の要請もあるわけでございますので、従来もそうでございましたが、確かに四十八年度が最終年度ではございますけれども、私どもといたしましては、四年たった今日でございますので、できますれば、新しい事態を踏まえまして、四十八年度を初年度とする第五次の漁港整備計画というものを、四十八年度予算の編成までには具体化して進めていきたいということで、いまその基本的な考え方について詰めておりまして、またいずれこれがまとまりますれば、関係財政当局等とも話し合いをした上で、また国会の御承認を得るようなことになろうかと思いますが、そういったことで現在準備をとり進めておるという段階にあるわけでございます。
○相沢委員 その準備段階で、いまの段階で発表できる基本的な構想と規模について、もし差しつかえなければ、ここでお話しいただきたいと思います。
○太田(康)政府委員 従来の規模が二千三百億というようなことで、他の公共事業の長期計画に比べますと、漁港に対する投資がたいへんおくれておるという反省もいたしております。私、いままでの各種のこういった長期計画に基づく事業規模というようなものの経緯等も現在つくってもらいまして、いろいろ彼此検討をいたしておるのでございまして、まず基本的な考え方、それに基づく必要な数字等のデータを取りそろえた上で、他の長期計画の伸びそれから水産が要請する施設の整備の度合い、こういったものを勘案して数字は今後はじいてまいりたいというふうに考えておりまして、現段階におきましては、先生お尋ねのように、まあ大体このくらいということをまだ申し上げる段階にないわけでございます。 〔三ツ林委員長代理退席、松野(幸)委員長代理着席〕
○相沢委員 まだ規模等について明確な数字は出せないと思いますが、どうも水産庁関係の予算は全体ワクが少ないと思うのです。それで、国民の動物性たん白質のうちの五三%を魚でとっておるということ、また漁場をだんだん進められて、新漁場の開発等あるいは栽培漁業の開発等、これは相当重要視していかなければならない。農林予算のうちの五%程度、しかもそのうちの八〇%が漁港のほうへどうしても急がなければならないところに使われる。そうすると、どうしてもその他のこまかいところに予算がなかなか配られない。その中で非常に苦労してやっていらっしゃると思うのですが、そういった点で、水産庁長官は、けさからずっと現在まで何時間ですか答弁は一人でお立ちになって、しかも声も衰えず相当な馬力でありますので、その馬力で少し水産関係の予算獲得にがんばっていただきたいし、特に横の席にすわっていらっしゃる与党の議員さんたちも、水産関係の予算の獲得にぜひ応援してやっていただきたい。 それで、第三次の場合は八年を六年に短縮して整備計画を変更していますし、今回も第四次計画を四年に縮めて第五次を四十八年を初年度としてやらなければならないということの一つには、予算の規模が少ないということもその要素の一つであろうと思いますので、この点は、水産庁長官、がんばっていただきたい、こういう要望を申し上げておきたいと思います。 漁港問題と離れますが、沖繩返還後の新しい問題として、沖繩においては水産業のウエートが非常に高くなると思いますが、この生産基盤になる漁港の大半が零細であります。これらの沖繩の漁港の整備を早急にしなくてはならないと思うのですが、具体的な施策がすでにとられておるかどうか。
○太田(康)政府委員 沖繩は、御承知のとおり、沖繩の漁港法というのがございまして、行政主席が漁港を指定いたしております。確かに現在四十五港くらいであったと思いますが、大体復帰時にはさらに二十港ほど追加されまして、六十五港ほどの漁港が漁港法の対象になる。これは今回、先般御審議いただきました沖繩の復帰に伴う関係法令の整備の際に、本土の漁港法による漁港の指定とみなすという経過措置をたしかとったかと思いますが、私どもといたしまして、従来日政援助の資金で沖繩の漁港の整備をやってまいったのでございます。 ただ、御指摘のとおり、漁港自体も非常におくれております。ほんとうに内地の漁港に匹敵するような漁港は一、二しかないというふうに聞いておりまして、生産基盤の中心でございます漁港の整備が非常におくれておる。そこで、私どもといたしまして、現在、沖繩につきましては、従来の沖繩の予算で実施してまいるわけでございますけれども、第五次漁港整備計画を立てます場合には、当然これらも対象に入れて考えるべきではないかということで、この際、新しい計画の改定の機会には、沖繩も対象にして問題に取り組んでいくという姿勢でおるわけでございます。
○相沢委員 次に、漁業白書について若干御質問したいと思います。 白書の内容につきましては、いまさら申し上げるまでもなく、昭和四十五年のわが国の漁業の実態について分析したものでありますが、漁獲量が世界第二位、生産高が第一位という水産王国のわが国漁業も、国内的には海水の汚濁によりまして公害問題が至るところで発生しておりますし、国外的には国際間の資源保護という規制問題が非常に強まってきている。そういったことで悲観的に考えると、日本漁業はいまや八方ふさがりといった感じもしないわけではありません。漁業生産高は増加の傾向にありますけれども、需要の高級化あるいは多様化に伴って、水産物の需要に供給力が追いつかないというのが現状だと思うのです。しかもまた、消費者に渡る魚の価格というものは、前年度比二〇%も上昇しているという点で、非常に国民の皆さん方から批判、指摘もあるわけであります。白書では、今後世界における発展途上地域を中心とする水産物の需要増大で、水産物の輸入は年々困難になると思われるということで、需給のバランスをとるために、沿岸等の水産資源の維持培養、それから沖合い、遠洋の未利用の漁場開発、また加工技術の開発による水産資源利用の高度化、こういった計画的総合的な問題を推進して、国民の動物性たん白質の供給の役割りをになう重要産業として水産業の確立をはかることが必要だ、このように述べているわけでありますが、四十五年の漁業生産量は九百万トンの大台に乗せたとはいいながら、その内容を見ますと、海面漁業生産量では八百六十万トンで、四二%がスケトウダラとサバであり、しかもこれは決して安定したものではないといわれております。将来、これは五カ年先ということですが、約三百万トンの供給不足といわれているんですけれども、食料政策から見て、この供給不均衡の是正は、一体何年後に解決できるのか、その見通しについてお伺いしたいと思います。
○太田(康)政府委員 御承知のとおり、昨年十月の六日に、水産資源開発促進法に基づく開発の基本方針というものを定めまして、公表いたしたわけでございます。これを定めます場合に、法律の規定に基づきまして、将来の需要の動向に即して定めなければならないということに相なっておったわけでございます。 そこで、お尋ねのように、私ども五十年を一応の目標年度といたしましての需給推算をいたしたのでございます。将来のことでございますので、必ずしも適切、的確に当たるかどうかという問題があるわけでございますが、私どもの推算では、水産物の昭和五十年における需要が、魚介類で約千百九万トン、海藻類で約七十三万トン、合計千百八十二万トン程度というふうに試算をいたしました。 一方、国内の生産でございますが、御承知のとおり、水産資源開発促進法で目ざしておりますところの沿岸における増養殖事業の推進、それから海洋水産資源開発センターによります新漁場開発という二つの柱によって、生産の増大をはかってまいるわけでございます。この沿岸における増養殖事業の推進によりまして、約三十一万トン、それから新漁場開発によりまして四十万トンという増産を期待いたしております。そこで、そういったことで推算をいたしますと、昭和五十年におきますところの生産は、魚介類で約九百六十二万トン、海藻類で六十三万トン、合計で千二十五万トンというふうに見込んでおります。 したがって、需給のギャップの問題でございますが、魚介類で約百四十七万トン、海藻類で十万トンということになっております。そのうち、魚介類では食用が約四十六万トン、家畜等のえさに参りますミール等の非食用が百一万トンというふうに考えておるのでございます。 御承知のとおり、現在、水産物の輸入は、昭和四十五年で食用が二十九万四千トン、非食用が四十五万一千トン、合わせて七十四万五千トン、海藻類が七万五千トン、すべて合わせまして、原魚換算で八十二万トンということに相なっております。したがいまして、かなり高い自給率になっておるわけでございまして、不足分の相当量は輸入によってある程度カバーできるのではないかというふうに一応考えております。 しかし、御指摘のとおり、動物性たん白の供給源として、現在畜産を越えまして、約五三%が水産物によって供給されているという事態もございますし、私どもこの案を作成する過程におきまして、党のほうともいろいろ御相談申し上げたわけですが、やや生産の努力が足りない、もっと長期の展望に立って考えろというような御指摘もいただいております。なお、御承知のとおり、経済社会発展計画の新しい計画が、現在、政府部内において検討されておりまして、私どもさらに五十二年——五十五年を目標としてせっかく新しい計画の基礎数字の固めをいまやっておるわけでございます。党の御意見等も十分拝聴いたしまして、私どもといたしましては、できる限り国内による供給という形が確保できるように今後考えていくべきである、こういうふうに現段階におきましては考えておる次第でございます。
○相沢委員 海洋水産資源開発センターを設置して、資源の開発と利用の合理化を促進して、水産物の全体的な供給安定に邁進しておりますことは承知いたしておりますが、そこで、遠洋の場合、この開発センターの現在までの活躍で企業化されるだけの漁場が一体何カ所ぐらいあって、また推定資源量はどの程度見込まれておるのか、その点、おわかりでしたらお伺いしたいと思います。
○太田(康)政府委員 海洋の新漁場におきますところの漁業生産の企業化のための調査を行なう機関ということで、先般御審議をいただきました海洋水産資源開発促進法に基づきまして、昨年七月一日にセンターを設置いたしたのでございますが、昨年は、設立も年度途中であったというようなこともございまして、約九億ほどの国の助成をいたしまして、四十六年度内に八漁業種類、十一海域の調査を実施いたしたのでございます。調査の結果のうちで、北大西洋の高緯度海域におけるマグロ漁場あるいは薩南海域における大陸だな斜面底魚漁場、こういった漁場につきましては、企業化の対象としてかなり有望だというような結果も得ておるのでございますが、何ぶん単年度、しかも年度途中の調査でもございましたので、漁場としての価値をにわかに即断することは危険であるということで、引き続き調査を行なうことにいたしております。また、ニュージーランド周辺海域におきますところのイカ漁場の調査のように、調査中は、実は残念ながら、ほとんど漁獲がなかったというようなものもあるわけでございますが、稚魚の出現状況等から見ましても、この海域の漁期が十一月、十二月ごろから四、五月ごろと推定できた例もあるわけでございまして、これらの経験も十分踏まえながら、四十七年度以降一そう効果的な調査を行なってまいりたいということで、センターの職員も非常に張り切っておるわけでございます。なお、四十七年度におきましては、予算もかなり増額いたしまして、従事する漁船等もかなりふやしまして、昨年に引き続き、かなりむずかしい仕事ではございますが、積極的に新漁場の開発に取り組んでまいりたい、かように存じております。
○相沢委員 その開発センターの機能の点で若干お尋ねしたいのですが、現在、開発センターで持っている船は、大手漁業会社の持ち船のうち中古のあいた漁船を借りて調査をやっておるというような現状だそうです。この程度ではあまり効果は早急に望めないのではないかという声も一部にありますけれども、新漁場開発のためにもつと新鋭船で調査を促進すべきではないかと思いますが、この点についての御見解はいかがですか。
○太田(康)政府委員 実は本年度の予算の編成の過程におきまして、そういった主張が党の諸先生方から強く出たわけでございます。ただ、私どもといたしましては、一応発足する当時の経緯もございまして、いま直ちに国で漁船を建造して、それを現物出資か何かの形でセンターに持たせてやらせるかどうかというようなことにつきましては、まだその段階では検討が不十分でございました。そこで、本年度の予算の中にそういった問題を含めまして、新漁場の開発調査を効果的に進めるためには、どういった性能の船をどういった形で保有して運航することがよろしかろうかというようなことを、学者先生に集まってもらって研究する経費を計上いたしております。これらの検討経緯を踏まえまして——太平洋、大西洋、インド洋に五千トン級の船を各一隻ずつ配置したらどうかというような御意見もあったわけでございますが、船をつくりますと、たいへん泣きごとみたいになりますけれども、これに所要の船員等の確保の問題もあるわけでございまして、なかなかセンター発足当時にはそういうことがあまり考えられておりませんし、用船でやるというような構想にもなっておったようでございますので、まだにわかにそこに踏み切れなかったわけでございますけれども、先ほど申しました研究会を発足させまして、できる限りすみやかに結論を得て、その結論に従って、新しい予算を必要とする場合にはその予算化にもつとめなければならないだろうということで、近く研究会を発足いたしまして、幅広く検討いたしてもらうことにいたしております。
○相沢委員 それから、水深三百メートル以上の漁場の開拓の問題でお尋ねしたいのですが、いわゆる深海魚をこれからとって、それを国民の食卓にのせるという点から考えますと、深海魚の場合、非常に形がグロテスクだということで、市場に揚げられてもあまり買い手がつかないということ、また、そのまま家庭の台所に持っていって調理するのもたいへんだといったようなことで、今後深海魚がどんどん捕獲されたとしても、加工して市場へ出す方法がとられなければならない。そういった点で、開発センターも、この深海魚の場合は、あわせて加工の研究もやるべきではないか、このような意見があるのですが、この点についての御見解。 それから、加工食品の伸びが非常に高くなっておりまして、今後、魚は第一次加工までは漁業者が負担をして、収入を増大していくという、そういう時代が来るのではないかというふうに思われておりますけれども、この点についての御見解をあわせてお伺いしたいと思います。
○太田(康)政府委員 たいへん的確な御指摘でございまして、確かに新しい魚がとれました場合に、その商品化の問題というのが大きな問題であるわけでございます。特に、これからは漁場の外延的な拡大もさることながら、いままであまり利用されていなかった深海魚、千五百メートルとか二千メートルぐらいの深海にある魚の漁場開発ということも当然必要になるわけでございまして、またセンターの趣旨もそこに一つあるわけでございます。 そこで、そういった魚がとれました場合に、はたしてそういう商品化がどうかというような問題が当然問題になるわけでございまして、現在の問題は、魚がとれました場合に、これがはたして食用に供されるかあるいは加工用に向くかどうかというような点、特に加工の点につきましては、ねり製品協会のほうも、いまスケソウダラによってかなり安定はいたしておりますが、これもだんだん資源的に問題があるということで、新しい魚種の開発ということにも取り組んでおるわけでございます。センターも徐々にそういった問題については、私どもの試験研究機関も動員いたしまして、当然その研究をしておくべき問題だというふうに考えておりますし、現に、いま言った団体等を通じまして、実際に実用化できるかどうかという点の調査研究に当たらせておるという実情でございます。
○相沢委員 先ほどもお話が出ておりました、来年予定されておる国際海洋法会議で明らかになると思うのですが、各国とも領海十二海里説が有力だといわれておりますし、また、南米諸国を中心に開発途上国の間では、漁業専管水域二百海里というような説も出ておるようでございまして、わが国のような漁業先進国は非常に不利な立場に立たされると思います。現在、各業界ごとに開発途上国との協力協定を結んでおるわけですが、この際、国と漁業各界の共同出資によって、漁業協定を推進するための機関として、特殊法人を設立する必要があるという主張もあるのですが、この点について政府は取り組むお考えがあるかどうか。 それから、関係諸国間とのトラブルについての補償や入漁料などについて、国の全面的なバックアップが必要ではないかと思いますが、この点、すでにアメリカにおいては、漁民を守る立場から保護法等が施行されて、その実績等が伝えられておりますし、遠洋漁業の振興とそれをささえる国庫負担ということについてどのように立案されている、のか、お伺いしておきたいと思います。
○太田(康)政府委員 来年第三回の国連の海洋法会議が開かれるという予定で、現在、準備会議が開かれておりまして、ことしもたしか春の会議は終わりまして、また夏の準備会議が持たれることになっております。そこでの主張を見てまいりますと、やはり後進国、特にAA諸国並びに南米諸国におきましては、領海はさることながら、少なくともその外側に、あるいは領海という言い方をしているところもあるわけでございますけれども、かなり広範な漁業専管水域、たとえば二百海里というような主張があることは事実でございます。それに対して先進国はおおむね、あまりそういった排他的な権利を海洋に設定することはどうかというようなことで、特にわが国といたしましては、後進国の一部主張はわかりますけれども、現在、一般的にいわれております十二海里というのはどうだろうか。わが国は三海里と言っておりますが、多数の国の合意が得られまして十二海里ということになりますれば、それに同意することにはやぶさかではないというような態度をとっておりますし、さらに、わが国の考え方といたしましては、後進国に対しまして、ある程度領海の外側に排多的な漁業専管水域みたいなものを、後進国の場合に、つくることはやむを得なかろうというような提案をいたしております。わが国とかイギリスあるいはポーランド等はそういった提案をいたしておりますが、必ずしもそれが多数を得ていないというようなことでございまして、いろいろこの問題をめぐっての将来のわが国の漁業のあり方という問題については、われわれも、先輩の築いた伝統的な漁場をいかに確保するかということに腐心をいたしておるのでございます。 この対策といたしましては、御指摘のように、最近、大日本水産会におきまして、関係業界取りまとめまして、国に対しまして、発展途上国との協調をはかりながらわが国の漁業振興をはかるための特殊法人の設立を含みますところの特別な援助措置、これをぜひ政府において検討して、四十八年度ぐらいからひとつそういう考え方を実現してもらいたいという要望が出ております。この点につきましては、私ども、先ほど来申し上げておりますように、私どもの四十八年度に取り組むべき新しい課題として現在研究をいたしておりますので、こういった業界の要望も出ていることでございますから、これらを勘案しながら、私どもの考え方を取りまとめてまいりたい、かように考えております。 それから、漁業問題についての関係国とのトラブルや入漁料問題の解決に国のバックアップというようなお話でございます。私ども、この問題につきましては、かねて意を用いておるところでございまして、関係国との間に、御指摘のとおり、漁業協定を結ぶあるいは民間によりますところの取りきめが円滑に行なわれるように、われわれも援助を申し上げるというような措置を講じまして従来対処してきたところでございますが、今後もこういった問題はおそらく、後進国がああいう主張をいたしておりますので、いろいろ出てまいると思います。いろいろ後進国の要求も、私、先般、セネガルの水産局長とも会いましたが、従来の入漁料方式では、国の財政はそれによって助かるけれども、地元の産業の育成にはならない、したがって、むしろ合弁方式で、一応水産物は自国に水揚げをして、それに加工をして、そこで雇用の場をつくって、それを輸出するという形での漁業協力が望ましい。むしろおそらく一般的にそういった空気がこれから漸次出てくるのではないかと思いますので、そういった動き等も踏まえて、これらの問題につきましては積極的に対処してまいらなければならないだろうというふうに存じております。 それから、遠洋漁業に対する国の助成でございますが、御承知のとおり、私どもといたしましては、一つは、水産資源開発センター、何回も出てまいって恐縮でございますが、これによる新漁場の開発ということで、遠洋漁業の新しい漁場の開発ということにつとめておることは御承知のとおりでございますが、それ以外に、こういった遠洋の大規模漁業につきましては、御承知のとおり、開発銀行の中に特利、特ワクということで、漁船の建造資金についての融資措置をとることにいたしております。これはたしか四十四年でしたかからとられた特別な措置でございまして、本年度は四十五億円という融資のワクを準備いたしております。金利は通常の場合が八分二厘くらいでございますが、この特利の制度におきましては七分五厘の資金を融通するということで、四十七年度におきましても引き続きこの措置を財政当局とも折衝をいたしまして確保いたした次第でございまして、これらによりまして遠洋漁業の振興のお手伝いをいたしておるということでございます。
○相沢委員 ここで、ブラジルの領海法をめぐってわが国の交渉の実態をお伺いしておきたいのですが、七〇年の三月二十五日付でブラジル領海二百海里拡大に関する大統領令というのが分布されておりますが、日本としてはこの海域でエビトロール漁業が操業いたしておりまして、今後万全を期さなければならないわけでありますが、わが国との過去の交渉の経過と結論、それからアメリカとブラジルとの交渉内容との比較等をしてみて、今後の有効な交渉方針というものはどう考えているのか、その点を明らかにしていただきたい。
○太田(康)政府委員 ブラジル国が一九七〇年の三月二十五日、領海を二百海里とするという大統令を公布いたしたわけでございますが、この公布がございまして以来、わが国はブラジル国に対しましてその不当性につきまして抗議をいたしておるのでございます。特に同国近辺におけるわが国のエビトロール漁業の操業に悪影響を及ぼさないようにという抗議をしつつ対処してまいったのでございます。 いまお尋ねのように、最近におきます一部の情報によりますれば、米国がブラジルとの間に二百海里における漁業活動についての協定が成立したという報道があります。そこで、わが国といたしましても、これらのアメリカ国とブラジル国との間の協定の内容というものの実態等を十分調査した上で、領海についてのわが国の法律的立場というものもあるわけでございますから、そういったものも十分考慮しつつ、私どもの漁船の安全操業を確保するという立場から、この問題について検討いたしたいというふうに考えておるわけでございまして、御承知のとおり、現在、南米の北岸のエビトロール漁船ということで約七十隻が同海域におきましてエビトロールに従事をいたしております。特に最近私どもの係官が業界の代表の方とギアナとかあの近辺の国に行ってまいりまして、実態も調査をいたしてきているような状況でございます。こういった国々との間では、一部漁獲物を陸揚げいたしまして、向こうに対しまして製氷、冷凍施設を整備をいたす、これに私どもが協力をするという形で漁業の操業ということが認められるということにも相なっておりますので、なおこういった形で安全操業ということが確保できれば好ましい方向であるということで、今後もそういったことの推進には一段と力を入れてまいりたい、かように存じております。
○相沢委員 一説によりますと、この大統領令が公布される二年前、一九六八年ブラジルから船員訓練センターの設置希望がわが国に出されたのですが、日本がそれをけったということで非常に感情的になったのではないか、あのときにそれを受け入れておけば現在たいへん楽に交渉できたのではないかという話もありますが、その辺のいきさつはきょうはよろしいですが、今後、領海の拡大や漁業専管水域の設定によって公海漁業を規制しようとしている特に漁業後進国との協力を進めるにあたって、わが国としても、その交渉の姿勢それからタイミング、そういった点やはり慎重に配慮し、また急速に決断して、やるべきはやらなければならないし、そういった点についてどうか特段の努力を払ってやっていただきたい、この要望だけを申し上げておきたいと思います。 最後に、若干の時間をお願いしまして、沿岸海域における振興策について二、三お尋ねしたいと思うのです。 さきの資源開発促進法の前半では、この沿岸海域における増養殖の基本方針を定められ、開発区域を設定することになっているようですが、そのための調査と、それから開発区域の指定はどのくらい進捗しているのか。また、全国各地から要望されていると思うのですが、指定は何カ所程度になる見込みなのか。また、北海道についてはどういう地域に予定されているのか、わかったら発表していただきたいと思います。
○太田(康)政府委員 御承知のとおり、水産資源開発促進法の一つの柱でございますところの沿岸における増養殖の推進ということ、なお他産業との調整ということで、開発区域並びに指定海域の制度があるわけでございます。 そこで、私どもといたしましては、昨年十月六日に開発の基本方針というものを策定、公表いたしまして、開発区域の指定あるいは開発計画の作成にあたって即すべき基準を示しまして、これまで数次にわたりまして都道府県と折衝をしてまいったわけでございます。 しかし、開発区域につきましての意見がいろいろあるわけでございまして、必ずしも県の足並みがなかなかそろわないということで、実はたいへん申しわけない次第でございますが、話をどんどん詰めておった過程におきまして、最終的に意見の一致を見たところで私どもがどういうふうな形でこれを進めていくかというような、いわゆる指導通達をごく最近になって発出いたしたところでございます。したがいまして、これに基づきまして、いままでの話し合いに即しまして各県が開発区域の指定を行なってまいるということを期待いたしておるのでございまして、現段階におきましては、はなはだ準備不行き届きで申しわけないのですが、指定は行なわれておらないというのが実態でございますが、数次の協議によりまして問題は煮詰められておりますので、今後すみやかに開発区域の指定ということが行なわれることを期待をし、その指導に万全の措置を講じてまいりたいというふうに考えております。 それから、御承知のとおり、開発区域の指定と私どもが実施いたしております構造改善の計画がございます。構造改善事業につきましては、一応全国を百八の海域を考えておりますが、今回実施いたしますところの開発区域は、増養殖を中心に実施するというところでございますので、現在の構造改善事業でございますと、県一円ということで、県で二カ所ないし三カ所というようなことでございますので、かなり広うございます。しかし、この開発区域はそれに比べますともちろん若干範囲は狭くなるというようなことでございますので、われわれとしてはいま各県から一応聴取した段階におきましては、二百ぐらいに全部の指定が終わったときにはなるのではないかというふうに考えております。 北海道では現在構造改善調査完了地域が三つ、それから調査の実施地域が二つ、調査の予定地域が二つということで、全体として十五の地域を構造改善では予定をいたしております。 開発区域といたしましては、特に噴火湾等に力を入れてやるというふうに聞いております。特に北海道はこの開発区域の指定の準備がかなり進んでおりますので、私どもに出てまいりますれば、すみやかに処理をして区域指定が円滑に行なわれるようにやってまいりたい、かように存じております。
○相沢委員 沿岸漁業者と底びき網漁業者の漁場の競合の問題でよく争いが起きるわけなんですが、これは全国各地ともある問題と思いますが、具体的にいま私の手元にあります問題は、北海道のオホーツク海の綱走方面なんですけれども、底びきの特定期間操業区域というのを設けておりまして、漁協同士の話し合いで、三年間操業して三年間休業する、そういったやり方をして魚の資源の確保等につとめておるわけですが、今回三年操業して、さらに継続して操業したいという動きがあって、この認定期間をめぐってかなり問題が発生するのではないかと思いますが、この点について水産庁としてはどういう見解に立って、どのように調整をされようとするのか、基本的な考え方について承っておきたい。
○太田(康)政府委員 一般的な問題の処理について最初に申し上げたいと思いますが、沿岸漁業と沖合い底びき漁業との調整問題というのは、年じゅう起こる問題でございまして、どちらかといいますと、沿岸漁業は小型の漁船あるいは資本装備が高度化していないということで、底びきが進出してまいりますと、これによって漁場を奪われるという問題があるわけでございますので、そういったところにつきましては、両業界が話し合いをしまして、資源保護のために沖合い底びき網漁業に対しまして禁止区域を設ける、あるいは漁獲の禁止期間を設定するというような形で調整をはかってまいったのでございます。水産庁といたしましては、漁場紛争がこのために間々起こるわけでございますので、両漁業間の漁場競合によるものにつきましては、基本的には、話し合いに基づきますところの操業協定ということで調整をはかっていくことが最も好ましいというふうに考えておりまして、直接現地に出向きまして操業協定に関する調整及び運用につきまして指導を行なっておる。これによりまして、かなり激烈な議論も戦わされるわけでございますけれども、まあまあお互いに良識のある方々でございますので、一応話し合いがつくというのが従来の例でございます。 そこで、お尋ねの北海道の例でございますが、これもやはり沿岸漁業はケガニを目的として、沖合い底びきはオオナゴを目的として操業いたしまして、それぞれの目的とする資源密度のいい漁場で操業するよう、毎年協定を締結していると聞いております。 そこで、最近問題になりましたのは、協定違反があるけれども、これに対する罰則がないじゃないか、あるいは底びきは稚ガニを混獲する、これが実は沿岸の漁業者の側から提起されている問題でございます。 そこで、これらの問題につきましては、底びき網の業界内部におきまして、やはり懲罰規定を定めるということで、積極的にこの問題の解決の努力を見ておるようでございまして、四十七年の協定につきましては、私どもが承知いたしておる限りにおきましては、両業界は円満に話し合いが進行中である、近く締結される見通しであるというふうに聞いております。 なお、最終の段階でこじれるようでございますれば、私どもも直接現地に出向きまして、両業界の調整に当たってまいりたい。まあ、いまの段階におきましては、円満に妥結するのではないかという見通しと聞いておるのでございます。
○相沢委員 事前に詳しくお話ししなかったので、あるいは漁場がいまお話しになったのとこれから話すのとちょっとこんがらかるかもしれないのですが、網走のほうと、それからもう一つは宗谷海域と二カ所からいまの訴えが来ているわけですが、宗谷の海域におきましては、特に禁止海域とそれから底びき禁止ラインぎりぎりに沿岸漁業者が魚礁等を置いておるわけですが、それが海流等によって若干ラインから外へずれ込む。そうすると、今度は底びき操業海域の間にある禁止区域、ときどきそれを越えて底びき禁止ラインぎりぎりまで来て底びきされますと、現在底びき網がスチール構造になっていて相当強い、かなりなものまで引きずっていっても切れないというようなことで、魚礁まで一緒にさらってしまうということが起きて、紛争の種になっているようなんですが、この点、いまおっしゃったように、やはり業界の中で自主規制する、あるいは懲罰のそういったあれを設けることとして、お互いに話し合いをすると同時に、そういった罰則、規則等も設けてきびしくやっていかないと、せっかくお互いに両立させていこう、あるいはともに国民の食料を確保しよう、供給しようという立場にあるのに、そういった争いがしょっちゅう起きるということは非常に問題なことでありまして、この点について現地の道庁あるいは地元の業者等について詳しく実情を調べて、これに対するもう少し法的な措置について、特に沿岸漁業者の場合は戸数も少ない、トン数も少ない、どうしても発言力も弱いということで、絶えず押しまくられる、しかも、法的な規制も沿岸漁業者にはいろいろ規制されているけれども、底びきのほうはわりあいきびしい規制がないということでひがみもあるし、訴えても取り上げてもらえないという、そういう不満等もありまして、一部政治不信におちいっている方もいらっしゃるのですが、ぜひこれは大きな問題にならないうちに、ひとつ行政官庁のほうでしかるべく措置を講じていただきたい。 時間ですので、きょうはこの程度にとどめまして、またこの問題、後日一般問題のときに詳しくやらしていただきたいと思います。 以上で終わります。
○松野(幸)委員長代理 次回は、明十九日、水曜日、午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時二十八分散会