農林水産委員会 第7号
- 発言数
- 184 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1972/04/06
会議録
○三ツ林委員長代理 これより会議を開きます。 本日は、委員長所用のため、その指名によりまして私が委員長の職務を行ないます。 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。 この際、政府よりてん菜の最低生産者価格について説明を求めます。荒勝蚕糸園芸局長。
○荒勝政府委員 ただいまお手元に差し上げてあります資料に基づきまして、御説明並びに御報告を申し上げたいと思います。 御存じのように、ビートの最低生産者価格はこの十日までにきめることになっておりまして、目下政府部内におきましてこの価格決定の作業を急いでおります。それにつきまして、まだ本日、具体的にこの金額はこの程度というふうな御報告ができる段階に至っておりませんが、一応、砂糖の内外の諸情勢につきまして、簡単に概要申し上げまして、また価格決定の方法といいますか、作業の過程につきまして御報告申し上げたいと思います。 まず一ページでございますが、砂糖の総需給でございます。年々砂糖の需要量はふえてまいっておりますが、この一、二年、何となく砂糖の需要の伸びというものは頭打ちになってまいりまして、四十四年、四十五年、四十六年と、一番左の欄にありますが、砂糖の総需要量は、少し需要の伸びが何となく鈍化してきておる。したがいまして、四十六砂糖年度の総需要量は一応二百九十五万六千トンと、こういうふうに見ておるわけでございます。 それに対しまして、四十六年産のてん菜糖がどの程度あったかと申しますと、これは精糖が終了いたしまして三十三万七千トンということで、北海道は昨年はたいへんな冷害でありましたにもかかわらず、やはり寒冷地作物の強みをてん菜は発揮いたしまして、非常な大豊作であった四十五年に比べますと多少少ないようでございますが、結果的には三十三万七千トンというふうに、四十四年に対しまして非常な増産をしておるわけでございます。 また、甘蔗糖は、鹿児島のほうは七万四千トン、沖繩は、非常に大干ばつであったということで、また、現在まだ精糖途中でございますので、まだはっきりした最終確定ではございませんが、ほぼ前年の半分ということで、十二万八千トンということでございます。 その結果、大体国産糖の総生産は五十二万トンぐらいではなかろうか、こういうふうに考えて、そのほか含みつ糖が沖繩、鹿児島にそれぞれ少しずつあるわけでございます。 その結果、大体要輸入量は二百四十万トン前後ではなかろうか、こういうふうに見ておる次第でございます。 次に、二ページをお聞き願いますと、これはてん菜についての生産及び製糖実績でございますが、この表をごらんになりましてもわかりますように、作付面積も昭和三十年から出しておりますが、年々非常に安定的に伸びてまいりまして、四十六年は五万四千三百というふうになっておるわけでございますが、さらに四十七年の作付状況は、まだ作付がこれから開始されるのではっきりしたことはわかりませんが、大体現在の状況では二千ヘクタールぐらいふえまして、五万六千前後ではなかろうか、こういううらに中間的な報告を得ている次第でございます。 ヘクタール当たり収量は、四十五年の大豊作に比べますと少し少ないのでありますが、ヘクタール当たり四十六年は四十トンということで、いよいよビートも四十トン台に突入した。昭和三十年の二十三トンということに比べますと倍近い数字が出てまいりまして、いよいよわれわれといたしましても、五十トンは無理としても、四十五トンの目標を今後努力してまいりたい、こういうふうに考えております。したがいまして、生産量も二百二十万トンということで、欠減は一・六%。 歩どまりが、四十六年産は、ここにありますように、昨年冷害の年であったにもかかわらず、非常に原料ビートの生育がよかったという証拠のほかに、製糖実績まで非常にいい成績をあげまして、一五・五三という歩どまりを示しておりまして、史上最高といいますか、日本では最初の記録を出したということで、今後こういった歩どまりの向上も大いにわれわれとしては一段と努力してまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。 それから作付面積は、ここにありますように三十八年から四十六年にかけまして、これは北海道内の地域別の指標を出しておるわけでございますが、十勝のごときは非常にビートとしては伸びておる。面積は非常にふえておる。それから上川地区も比較的伸びておる地区に属しておるわけであります。しかし、また一部の地区では、たとえば失礼ですけれども、一部の根室地区なんかは急激に減ってきておる、こういうふうに御理解願いたいと思います。 それに基づきます収量等でございますが、やはり急激に非常に減ってきた根室地区などは、四十六年の、一番右の欄をごらん願いましても、一段とヘクタール当たりの収量が低い。二十二トンというふうに、一番多い四十トン台、あるいは上川地区の四十六トン台というような点と比較いたしますと非常に低水準でございまして、これは技術の今後の努力目標も必要かと思いますが、やはり風土的に少しビートには不向きというふうな感じがいたしておる次第でございます。そういった結果で、てん菜の総生産量が出ておるわけでございます。 さらに六ページをお開き願いますと、てん菜の耕作農家戸数が出ておるわけでございますが、三十八年の五万六千戸に対しまして、四十六年は三万戸というふうに、戸数といたしましては非常に減ってきておるわけでございますが、やはりある程度経営規模の大きい、作業体系の合理化の可能性のある農家がビートをつくっておられるようでありまして、ここら辺にビートの近代的なり合理化の要因があるんじゃなかろうか、こういうふうに考えておるわけでございます。 その結果、七ページをお開き願いますと、てん菜の一戸当たりの平均作付面積は、三十八年の七十五アールから年々逐次経営規模が拡大してまいりまして、四十六年には百七十七アールというふうに、約二倍以上の経営規模になっておる、こういうふうに御理解願いたいと思います。 それから次に八ページでございますが、これはビートの品種別の作付割合というものを表示してあるわけでございますが、左のほうの、三十八年から四十一年ごろまでに主流を占めました品種が、やはり時代の流れとともに、新品種の導入と相からまって、逐次右のほうのように移ってきているという経過図を示しておるわけでございまして、いまビートの奨励品種、中心的な普及をしております品種は、オランダなりあるいはドイツより輸入されたものが三一%あるいは三四%というふうに非常なウエートを占めておるわけでございまして、今後さらに外国の優良品種も導入しながら、一方では国産の新品種の育成にもなお力を入れてまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。 それから、さらに価格の問題でございますが、最低生産者価格が、四十年、糖安法が制定されましてから四十六年にかけましての毎年の値上がり状況を書いておるわけでございます。四十年にはトン当たり六千五百五十円であったものが逐次上げてまいりまして、四十六年には、昨年は八千円ということで政府としてはきめさしていただいたかっこうでございまして、これをさらに今後どうするかということが今後の問題であります。 さらに、てん菜からつくりましたビート糖の買い入れ価格は、これは十月におきめ願うわけでございますが、四十年にトン当たり九万九千円であった買い入れ価格は、四十一、四十二というふうに逐年合理化目標もありまして、また操業度の向上ということもありまして一応下がってきたわけでございますが、その後四十三年以後多少横ばいぎみになりながら、四十六年、昨年の秋の決定で、九十九円ということで、七年かかって結局また四十年と同じ価格水準に現在の時点ではなっておるわけでございまして、やはり一般インフレ並びに物価の値上がりということで、もとの九十九円になったというふうに御理解願いたいと思います。 それから一〇ページでございますが、これがこのビートの価格決定をいたしますときの一つの参酌、基準事項でございますが、四十七年の二月末、パリティが二一八・九九というパリティ指数になっておりまして、このパリティ指数を基準にしながら、そのほかの経済事情を参酌しながら、今後ビートの価格の決定をいたしてまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。 以上でございます。 —————————————
○三ツ林委員長代理 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。美濃政市君。
○美濃委員 ただいまてん菜の最低生産者価格の資料の説明をいただきましたが、十日の告示を控えまして、もう少し、この資料の説明はわかりましたが、現在のいわゆる事務当局の作業はどこまで進んでおるのか。聞くところによると、きょう午後から審議会が開かれ、審議会には具体的な提案が行なわれると思うのでありますが、実際に作業は全然進展していないのか。それとも審議会前は、ここでは公表できないというのか、どういう内容なのか、それをお聞かせ願いたい。
○荒勝政府委員 従来から甘味資源審議会には具体的に価格の諮問ということは法律的にしていないわけでございます。価格の立て方といいますか、きめ方につきましての考え方につきまして審議会に御報告申し上げ、また御意見を聞かしていただくことにはなっておりますけれども、米価とかあるいはそのほかの審議会のように価格を諮問するということになっておりませんで、重要なる事項といいまして、従来の慣例といたしましては、合理化目標計画の改定というときに審議会にそのことを諮問していることになっておりますけれども、毎年価格のことにつきましては具体的な作業は諮問していないということになっております。 また、先ほど私、御報告申し上げましたが、十日というのは政令で定める日取りでございますが、われわれといたしましては、十日という来週の月曜日を待つよりも、なるべく早い機会に価格を決定でき得ればということで、政府部内でただいま作業を急いでおるということでございます。
○美濃委員 ただいま昭和四十六年産のてん菜の生産費の統計調査部の資料の配付をいただいたわけですが、これを見ますと、家族労賃一日当たり千六百五十円で計算されておると思うのですが、時間当たりにすると二百六円という労賃評価になっておるというふうにいま見たわけですが、この家族労賃評価というのはどういう基準で評価が行なわれるか、どういう算定基準でこの評価を行なったのか、これをひとつお聞かせ願いたいと思います。
○中沢説明員 生産費調査上の家族労賃につきましては、評価の問題がございますので、家族の労働時間を農家に記帳いただきまして、その地域におきますところの農業の臨時労賃の単価を用いまして家族労賃の評価といたしているわけでございます。
○美濃委員 これは前々から農産物価格で論議がされて、いまだ訂正をされないわけでありますが、きょうもあらためてまた論議をしなければならぬことは残念でありますが、農業地域の臨時雇用賃金、これはアルバイトでありまして、労働の質的にもそういう労働賃金で評価されて、農家そのものは、一戸の専業農家の場合、その所得で生計を営んでおるのでありますから、一体千六百五十円という労働賃金で二戸の生計が維持できるかどうか、そういう観点は、これは統計調査部というよりも、局長にお聞きしたいのですが、こういう算定が正しいと考えておるかどうか。実際問題としてどうしてこれがいつまでたっても改まらないのか。こういう家族労賃で評価をされて、そうしてこの表を見ますと、ニコヨンで計算されて、計算上は十アール当たり四千百二十一円発生することになって、その利潤を加えても一日労働賃金が二千四百八十四円であるという生産費の資料が出てきておるわけですが、他の、前に配付されております資料によりますと、今日農家が建築業に雇用された場合、これは出かせぎ地帯の農家という意味だと思うのですが、大工で三千六十四円、左官が三千百二十二円、屋根ふき作業が三戦百円、これらはいずれも農家が出かせぎする場合の賃金でありまして、今日専業の大工であれば一日五千円ぐらいでないですか。それから左官にしても、ほんとうの左官業あるいは大工業として体系的に技術を身につけておる職人、これは五千円になっておると思う。また全国の勤労世帯の世帯主——農家は先ほど申し上げたように、二戸を形成してやっておるわけでありますから、独身とかあるいは若年労働のような平均賃金ではだめなわけでありますから、そうすると、全国平均の勤労者の世帯を形成しておる者の労賃というものは一日四千円をこえているのではないですか。たとえば利潤を含めた二千四百八十四円で三百日働いても七十二万円にしかならぬじゃないですか。今日、家族を持った一世帯が、七十二万円の所得でどうして生計できるのか。まず労賃評価の上で大きな矛盾があると思うのです。こういうことで生活できるかどうか。これをどういうふうに考えて、いつまでたってもこういう体系を改めようとしないのか、これをお聞きしたいと思います。
○荒勝政府委員 統計調査部のほうで毎年生産費をお調べ願いまして、われわれのほうでそれをいただいた上で、いろいろな作業をいたしまして価格決定をするというのが従来からのやり方でございます。その統計調査部のお調べになります賃金評価につきましては、統計調査部でそれぞれ統一的に農作物全部につきましてお調べになっておられまして、一つの方式でお調べになっておられますので、われわれとしましては、それがおかしいということではないというふうに理解している次第でございます。 ただ、私たちの蚕糸園芸局といたしまして、それじゃビートならビートの価格をきめます際にどうするかということになりますと、統計調査部からビートのトン当たりの生産費が幾らになっているかということをいただきました上で、法律問題でございますが、生産費だけできめるということになっておりませんで、毎年算出されたパリティ指数を基準として経済事情その他の事情を参酌し、かつ再生産確保を旨としてきめるということで、そういうきめ方をしているわけでございます。したがいまして、実際問題、毎年定めてきておりますビートの価格につきまして、先ほど御説明いたしましたように、生産費とは直接的には結びつかないところの線で価格決定が行なわれておりまして、多少豊凶変動の計数の差はございますが、結論的に申し上げますと、あとになりましてのこれは結果論でございますが、家族労働の評価、家族労働報酬としては一体どうなっておるかということを見ますと、四十六年は結局一日当たりの家族労働報酬は二千四百八十四円、大体概算二千五百円ということになっておりまして、この報酬がはたして妥当であったかどうかということにつきましては、いろいろ御意見はあるかとも思いますが、われわれといたしまして、そう不当な価格であり、また不当に家族労働報酬が低いものであったとは思っていないのでありまして、今後さらに農家経営の安定とまた所得の向上のために、われわれといたしましても、こういう価格決定に際しましては十分にそれらの経済事情を参酌いたしまして価格決定をさせていただきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○美濃委員 勤労者であれ農業であれ中小企業であれ、世帯を構成しておる世帯主の一日当たり労賃——年所得でもいいわけです、一日当たり二千五百円という労賃で一世帯の生計ができるのかどうかということを聞いておるのです。これは統計調査部長とそれから蚕糸園芸局長と両者から、できるかできないか。また、日本の現実のこのインフレ経済の中で世帯を構成しておる世帯主が、先ほど申し上げました各階層にわたって二千四百八十四円という労賃、二千五百円として三百日働いて——年間二千四百時間が基準労働時間です、七十万という所得の階層があるのかどうか。それはさがせばあるかもしれませんけれども、そういう評価もさることながら、それで一世帯の生計ができるという考えに立っておるかどうかということを、両者からひとつ説明願いたいと思います。
○荒勝政府委員 日本の経済の現在の時点におきまして、家族労働報酬が一日当たり二千五百円というのは、非常にいいというふうな結果であるとは私も見ておりませんが、これによって家計が全然維持できないというふうな問題でもないのではなかろうか。今後さらに生産性の向上なり価格の引き上げによりましてさらに生活の向上ということはあり得るし、また家計は家計としての合理化を進めていただきたい、こう思っているわけでございます。 これは多少資料が別になりますが、昨年の北海道におきます製造業の三十人以上の規模の雇用労働者一人の平均月給額というものの調べもございますが、それによりましても、北海道で三十人以上の工場の方だと毎月の給与といたしましては一月には五万一千円、二月には五万円、十月には少し上がりまして六万三千円になり、十一月には六万円で、大体六万円前後ということで、工場労働者のほうは六万円くらい。二千五百円を一月当たり二十五日計算ということになりますと、五万五千円くらいなことになりまして、非常に有利なものであるとは思いませんが、不当に低いものであったとは理解してないというふうに御理解願いたいと思います。
○中沢説明員 統計調査部のほうの立場からお答え申し上げますが、先ほどお話にもございましたように、一日千五百円程度あるいは二千五百円というお話でございますが、私のほうの生産費調査結果から申し上げますと、てん菜に例をとりますと、いま問題になっております家族労働報酬が出てまいります。そのてん菜の当該経営における粗収入比率というものは二十数%でございます。したがいまして、二十数%以外の経営部門から出る収入全体を考えてみる必要があるのではないかと思うのでありますが、これとても御指摘のような同様の問題がそれぞれの部門にあるだろうと思います。したがいまして、端的にその金額で生活できるかどうかということでございますが、もちろん単価そのものからいいますと、毎勤統計の一日当たり三千円以上の労働報酬から比べますと低いわけでございますが、農業経営内部における各種の作物ごとの生産費から考えられます家族労働報酬のバランスとしてはそう大きなマイナスでない、こういうふうに考えているわけでございます。
○美濃委員 もう一回統計調査部長にお伺いいたしますが、農業内部における他の作物とのバランスは安くない、こういうのですが、もちろん畑作経営ですから、作付体系がてん菜だけの作付というものはないわけですけれども、他の部門もこれと同様であれば、総括所得はさっき私が申し上げたことになるでしょう。それとも何か畑作の専業経営の中には、他の部門でものすごい所得の発出するものがあって、それでカバーされておるからビートはこれでいいのだという考えなのか、それとも、統計調査部はあらゆるものを調査しておるわけですから、他の部門も、特にてん菜が低いのではないのだということになれば、経営単位当たりはこういう評価されておる労賃で推移するわけでありますから、その所得は三百日働いて世帯当たり七十万程度の所得である、こうなるわけですから、そこはどういうふうに統計調査部としては把握をしておるのか。
○中沢説明員 ことばが足りなかったせいかもしれませんが、てん菜の粗収益の割合が二〇%と申しましても、他の部門についても先生御指摘のような同じ問題があることは否定しておりません。同様な問題であろうと思うのであります。 ただ、若干バランス論から申し上げますと、生産費調査の結果からいろいろ見てまいりますと、野菜などはその年の豊凶によって家族労働報酬が非常に高い場合がございます。それから米の場合で申し上げますと、四十五年度の数字でございますが、約二千四百円程度、それから原料バレイショで申し上げますと三千九百円、大豆でいうと千六百円、あるいはトマトで二千二百円、なたねで千四百円、こういう非常に幅のある数字がございます。ございますけれども、それぞれ家族労働報酬というものとして出てまいりますものは、基本的には毎勤統計などで出てきます勤労者一日当たりの金額と比べますと、御指摘のような差があるわけでございますが、こういう農産物の生産費から出てくるもの自体としては、そう大きなアンバランスはないのではないかというふうに申し上げたわけでありまして、それをもって十分だという趣旨ではございませんので、御了承いただきたいと思います。
○美濃委員 いまのお話の中で、やはり三千円以上は必要でないかというふうに私は聞いたわけですが、それをなぜこういう低賃金で評価するのか。さっき部長みずからも——私のちょっと聞き違いかもしれませんけれども、一日三千円をこえる必要があるというふうに聞いたのですが……。
○中沢説明員 毎勤統計の一日当たりの賃金が三千円以上だというふうに申し上げたわけでございまして、評価の問題としてそういう金額が必要であるという意味で申し上げたわけではございません。先ほど先生の御質問の中にもございましたように、この評価問題につきましてはかねてこの委員会におきましてもずいぶん長い間の御議論がございましたけれども、統計調査部といたしましては、市価主義をとっておる家族労働費の評価を現在変えるわけにはまいらない、こういうふうな考え方をとっておるわけでございます。価格政策上それをどう評価がえするかという問題は、価格政策を担当される行政部局としての問題としてお考えいただく以外にないのじゃないか、こういう姿勢でございます。
○美濃委員 もう一度お伺いします。 実情に合わない労働評価をなぜ変えられぬのですか。どこに原因があるのですか、それは。単に統計調査部の独断的見解なのか、実情に合わない家族労働評価というのは。
○中沢説明員 生産費調査は、御承知のように、個別経営におきまして投下された費用を計算するわけでございますが、投下された費用として、家族労働の場合には、費用計算といたしましては家計費計算以外にないわけでございます。家計費から積み上げるということになりますと、やはり問題がございますので、市価主義をとっております。家族の労働力が、当該自分が従事している家族の経営以外に出た場合にどう評価されるか、その基準をどこに求めるかということになりますと、現在、やはり外にあります農村の労働市場におけるいわゆる交換価値といいますか、そこに出現している賃金というものに求めざるを得ない。こういうことでございまして、それを統計調査部の生活費調査の問題といたしまして、それ以外のものを基準としてとる、よりベターなものが現在のところ私たちの知恵では考えられないわけでございます。そういう観点から、ずっと統計の連続性ということもございますし、それから評価の基準を何に求めるかという客観性の問題もございまして、そういう方法をとっておるわけでございます。それが実態に合うか合わないかということを無視するわけじゃございませんが、それ以前の問題としてそういう方向をとっておるのが実情でございます。
○美濃委員 いまのお話を聞いておると、私としてはますます不可解になるわけですが、実際に農業地帯において自分の経営の外で農業の労働に従事して、その所得が重要な経営をささえる所得になっておるという形態があるのかないのか。私はそういうものはないと思うんです。こういう実態ですね、やはり水稲であれば苗植えする一定の期間とか、あるいはてん菜であれば間引きする期間、確かにこの表にありますような雇用労賃であることの実態はそう違わないと思うけれども、これはたとえば北海道で、てん菜に限って申し上げますならば、町の勤労者の主婦や何かがパートタイムで来るわけですね。たとえば東北方面の出かせぎ地帯でも、ほとんど都市に出てきて働いておるんじゃないですか。その中からいろいろな問題が起きております。労働災害の問題なり、問題が起きておることはすでに農林省は御存じのとおりであります。農家の経営面積が小さくて、いわゆる一種兼業農家で、一部労賃所得に経営全体の所得を求める場合、農村内部で働いておるなんという傾向はないんですよ。そういう労働の質の低いパートタイムを標準として、外へ出て働けばその労賃でいいんだというものの解釈、これは実情の把握がなっていない。農業者の生活の実態からして、標準としてとることそのものが経営の実態の中にもないし、標準のとり方としてそうとってはならない標準を強引にとって、これでいいんだという解釈をしておる、こう言わざるを得ないんですが、その点はどうですか。
○中沢説明員 家族労働が外へ出まして働くケースがあるか、それはほとんどないだろうと思います。そういうふうに申し上げましたのは、いわば評価上の擬制でございまして、評価基準をどう設けるかという場合の考え方を申し上げたわけでございまして、基準をどこに求めるかという場合に、やはり農業経営に従事している労働と最も近い労働として、外にあるものとして農村における臨時雇用賃金というものをとっておるわけでございます。もちろん絶対的にこれを一般的に毎勤統計なら毎勤統計というものをとって悪いという理由はないと思いますが、とることによって起こる統計上の混乱というものがございます、それは変化するものでございますから。どちらがベターかという考え方をとるかという問題になるわけでございますが、ベターということも、いろいろ統計の連続性とかあるいは農業労働力の性質ということから考えますと、私たちとしましては、現在消極的な表現をしてみますと、農村における臨時雇用賃金をとらざるを得ない、こういうふうに考えるわけでございます。
○美濃委員 これは将来改める意思がありますか。実情に合わない。私は、きょうは時間の関係でこの問題だけで終始するわけにいきませんから、これは後日に譲るとしても、いま部長の話を聞いておって、全く実情、実態に合わないものを標準としておると私は思うわけです。これは今後検討するなり——改めるということをここではっきり言えないと思うが、検討するという気持ちはありますか。それともこれで押し通して間違いないのだという解釈に立っておりますか。
○中沢説明員 いつまでもこれを押し通さなければならないという感じでは考えておりません。ただ、先生も御存じのことと思いますが、農産物の生産費調査に関する理論が確立するまでに非常に長い間の学者間の論争を経て現在成立しておるわけでございまして、そういう学問的にもまた生産費調査の目的、趣旨からいいましても、現在考えておりますもの以上の妥当なものがあるならばやぶさかではございませんが、現在の段階では、なかなかそこまで考え得ないということでございます。ただ、御指摘のように、そういった農村臨時賃金というものに妥当性のあるものが減っておるという現実も私たちわかっております。正直に申し上げますと、それをどう扱うべきかという、いわば実体が減っておるのに農村臨時日雇い賃金に求めておるということを、調査方法なり理論としてどう克服するかという問題はかかえておるつもりでございます。
○美濃委員 それでは、この問題はこれ以上煮詰めても結論は出ないと思いますが、しかし、基準のとり方として全く妥当性に欠けておるということだけを申し上げておきます。この問題はこのままに推移することはできないと私は思います。 次に、労働時間についてお尋ねしたいと思いますが、最近、北海道のてん菜の反収も上がりあるいは歩どまりが向上するということは、根中糖分もよくなってきて——この表は実績でありますから、いまいただいた資料どおりだと思うのですが、この背景にペーパーポットによる生育期間の延長、それで収量が増加する、あるいは根中糖分が充実するという作業をしておるわけですね。年々労働時間が圧縮されたという経過が出てきておりますが、現在ですと、もう農家は除雪してペーパーポットをつくる作業をしておるわけですが、そういう労働時間が全部計算されておるのかどうかということにいささか疑問を持っておるわけです。その点はどうですか、把握されておりますか。
○中沢説明員 全部そういう労働時間は含まれておるもの、こういうように考えます。
○美濃委員 私は多少把握が欠けておるのではないかと思うけれども、これは後日、具体的な私どもの調査に基づいてしたいと思いますが、ペーパーポットの作業時間を入れますと、労働時間はもう少し多くかかっておるというふうに思います。 次に、パリティで最終決定をするといいますけれども、パリティそのもののとり方に疑問もあるわけですが、その前にこの表を見ますと、私どもがちょっと容認できない低賃金で評価をする。労賃に対するそういう評価基準をとっておるにかかわらず、十アール当たりの生産費は一千五百六円、五・二%前年四十五年よりも経費は増加しておる。また一トン当たりの生産費にいたしましても、トン当たり七百五円、一一・四%経費は増加しておる。一日当たり家族労働報酬については前年産よりも百四十円、五・三%低賃金になっておると書いてありますね。これは具体的に出た数字ですが、この現実はやはり経済政策によって生産経費は増大するわけですから、ことしはさらに国鉄運賃値上げその他でますます増大の一途をたどると思うのです。ことしの経済動向を見ておると、もう生産経費の増大する要因は高い。ことしの価格決定は前年度でやるわけですからそれはそれとしても、こういうはっきりした金額的な数字が出ておるのだが、これは全く参考であって、こういう現実、いわゆる四十七年産てん菜の価格決定にあたってこの現実をどう見込むのか。これはもう最低全額見込んで、さらに私どもから言うなら、先ほどから指摘をしております家族労働賃金の評価不足、そういうものは勘案事項として価格決定に見込むべきである。低賃金で評価したものでもこれだけの結果が出ておるじゃないですか。これはあくまで参考資料で、いわゆる従来方式のパリティ計算というあの方式に私は疑義があるわけです。あのパリティの計算方式というものが最終価格決定の根拠だ、こう言いますけれども、どうも何かあの計算方式には疑義があるわけです。根本的にあれは調べ直さなければならぬと思っておりますけれども、どうですか。こういう現実は無視されてしまうのですか。
○荒勝政府委員 ただいま御指摘になりました点につきまして、農林省といたしましては、従来からパリティで算出された計算方法だけとか、あるいは生産費で出されました価格だけというようなことできめておりませんで、御承知のように、いろいろな経済事情、その他の事情も十分参酌しながら、少なくとも農家の生産意欲を阻害しないような形で農産物の価格を決定してきてまいっておるというふうに理解しておりまして、本年のビートの価格決定に際しましても、今後生産の増大が十分に期待できるような価格で決定するよう努力してまいりたい、こういうように考えております。
○美濃委員 ただいまの話によりますと、どうもその辺がちょっとぼけておるのです。本年度いわゆるパリティの算式によったパリティは何%上がるのか大体目安はついておるのでしょう。これは全然わからぬということじゃないと思うのです。どういう見込みですか。
○荒勝政府委員 ただいまお手元に差し上げました表で、二月末パリティが二一八・九九というふうに御報告申し上げましたが、それで、従来の政令あるいは農林大臣の定める方法できめております計算方法でいたしますと、八千円が昨年の価格でございましたので、八千円に二一八・九九を分子といたしまして、それに対して分母を二一五・八八、すなわち四十六年四月から十月までのパリティの指数をとりまして、結局アップ率といたしまして一〇一・四四という計算が出ておる次第でございまして、従来といいますか、政府側の考えますパリティを基準とするという考え方の背景には、パリティで計算されました金額は八千百十五円、こういうことに相なっている次第でございます。
○美濃委員 それはどうですか。現実に合うと思いますか。どうもパリティのテクニックというものがあるように思うのです。きょうは時間の関係で、そこの問題に触れていきますと、これは稠密な論争になりますから、あとの質問者も控えておりますから、まだ聞きたいことがありますので、その稠密な論争は避けたいと思いますが、局長も生産意欲の向上をはかりたい、こういうのですから、そういうものが生産意欲の向上に結びつく算式価格であるかどうか、先ほどから数々の問題点は指摘しておるわけですから、いかがですか。
○荒勝政府委員 先ほども申し上げましたように、この計算で算出されましたパリティだけで価格を決定はいたしておりませんで、やはりいろいろな経済事情、物価、あるいはてん菜の再生産確保ということを頭に浮かべながら決定しているのが従来の例でございます。ただ、このパリティで計算された価格というものは、やはり一つの農産物の、ビートならビートの価格の傾向を示すものとして、少なくとも昨年よりは値上げせざるを得ないという傾向を示しておるものと私たちは理解しておるものでございます。さらに生産費その他——生産費も上がったということでございますが、四十六年産の十アール当たりの生産費は七千十三円というふうに先ほど統計のほうからの御報告もございましたが、これらを検討いたしながら、その他の経済事情も十分に参酌して、このビートの価格を決定するということで、実情に合っているかどうかということは別問題といたしまして、これらが昨年よりは傾向値としてそれぞれコストも相当上がっているし、パリティも上がっているということは十分に尊重してまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○美濃委員 いまのはちょっと気にかかるのですが、実情に合うか合わぬかは別問題だ。農業者はそれで生活、生存をしていくわけですから、これは実情に合わぬければたいへんな問題です。そうしたら、たとえば局長さんの給料が月三万でもいいのですか。実情に合う合わぬは別として、これで局長やれ、そういうものですか。人間の労働に対する所得のあり方というものは、そういうことでいいのですか。実情に合う合わぬは別だ、局長の給料は三万でも五万でもいいのだ、人生意気に感じてそれでやれ、日本の社会はそういうことなんですか。
○荒勝政府委員 私の答弁があるいは少し気持ちを十分あらわしておりませんで不適当であったかもわかりませんが、と申しますのは、このパリティだけできめておるのではない。パリティは、これは法律上パリティで算出されたる価格を基準としということでありまして、基準とせざるを得ないことは十分認めるわけでありますが、パリティだけできめておるものではなく、パリティが昨年よりも上がっておるという傾向値は十分尊重せざるを得ないということでありますが、ただ、パリティでどんぴしゃきめるという姿勢ではないということをちょっと強調したために、そういうことになったものと御理解願いたいと思います。
○美濃委員 そうすると、先ほどから指摘しておるような事項は十分勘案して、実情に合うように最終価格の検討をする、こういうように理解してよろしゅうございますか。実情に合う合わぬは別だというのは取り消して、そういうふうに理解してよろしゅうございますか。
○荒勝政府委員 法律論としてパリティで算出されたる価格を基準としということで、われわれといたしまして、法律というものはやはりあくまで守らなければならないという意味で、パリティ価格計算というものは非常に尊重せざるを得ないと思います。ただしかし、それだけできめるものではないということで、このパリティの方法論につきましてはいろいろ御意見はありますけれども、政府は政府なりに、それぞれこの姿勢で正しいというふうに理解もしておりますが、しかし、法律論としてさらにその他の経済事情なり物価あるいは再生産確保ということの法律的な規定がございますので、十分にそれらは尊重してまいりたい、こういうふうに考えております。
○美濃委員 いや、尊重することはわかったのですが、実情問題です。やはり農家の生活が大切でありますし、農業経営を守らなければならぬわけですから、そういう実情に欠けておる面があるわけですから、実情に合うように最善の努力をする、こういうお考えなのか。法律や実情に合わないものを、ただ勘案事項として、実情に合う合わぬは別として価格をきめるんだという考えなのか、実旧に合致するように最善の努力をするという考えなのか、そこを聞きたいわけです。
○荒勝政府委員 過去二、三年のビートの価格の決定に際しまして、政府側としては農家側のいろいろな御要望を十分に尊重しながら価格を決定してまいったいきさつがございまして、北海道におきます最近のビートの安定的な生産並びにその発展状況から勘案いたしまして、従来からの姿勢でそんなに不当に実情を無視したビートの価格決定をしたとは思っていないわけでございまして、そういった従来のビートに対する政府の行政姿勢というものは、当然に今後も引き継がれなければならない問題でございまして、われわれといたしましては、北海道におけるビート農業の重要な役割りということにつきましてはごうも軽く見る気はございませんで、十分にビートが今後もさらに健全な発達、発展ができますように努力してまいりたい、こういうように考えておる次第でございます。
○美濃委員 もう一つ実情に合わない面を申し上げておきますが、こういう価格で決定されますと、もちろんこれは男女込み賃金になっております。ですから、世界に例のない、日本の社会に例のない、これは現在、特別の農業者を除いては、稼働力というのは夫婦子三人でありますから、昔のように次三男は家におりません、学校を卒業しますと全部農業外に出ておりますから、そうすると生計基準所得を得るためには夫婦共かせぎで六十時間働かなければ世帯当たりの所得に到達しないということなのです。そういう大きな矛盾があるわけですね。そのことがはね返って、それが一つの専業農家の農業経営破壊に結びついているわけです。そういうところではなかなか嫁がもらいづらい。縁談がなかなかまとまらない。どこの世界を歩いてみても、欧州諸国を視察してみても、日本の農業社会のように家庭の主婦労働が過重労働になっておる農業社会はないわけですね。日本国内にもない、農業を除いて。そうしなければ生計所得が得られないという、世界の農業に例のない、発展途上国は別といたしまして、少なくとも文化国家といわれておる国においては例のないこと、農業社会においても世界に例がない、日本国内においても他の産業に例のない、そういう矛盾をいつまでおっつけるんですか。そうして、大体矛盾のない価格だからてん菜は伸びておるんだ、こういう判断に立っておるということはものすごい錯覚だと思うのです。行政を担当しておる局長の錯覚というものはよくわかりましたが、ものすごい錯覚で検討が行なわれておる、こう申さざるを得ないのですね。その現実はあなた方も北海道を見ておるのですから、どういう方法にしてやっておるということは御承知でしょう、どうですか。それも矛盾じゃないんですか、あんたに言わしたら。そういうものは矛盾だとお考えになりますか、それは矛盾でない、あたりまえだと考えるのか、どうなんでしょうか。
○荒勝政府委員 私たちビートを担当いたします局といたしまして、北海道のビート価格の決定につきまして、最近の数年間の価格決定のあり方については、それほど御指摘のような不当な価格決定をいたしておるとは思っていないわけでございます。ただ、生産をされる農家の立場からすれば、なお生活の向上という判断、あるいは農業経営のあり方をめぐりましていろいろ御意見はあるかと思いますが、われわれといたしましては、いろいろな農作物との価格の均衡関係その他も十分頭に入れながら、しかし北海道においてはビート農業というものは切り離すことはできない、特に四十六年のような大冷害の年におきましても、寒冷地農業作物の一つとしてビートがいささかも損傷を受けることなく、りっぱに昨年の北海道農業においては成果を果たしたという役割りについては、今後ともさらに尊重して、北海道農業におけるビート農業というものを基幹として育成してまいりたいというふうに考えておりまして、今後ともそういう面で北海道のビートを大いに尊重してまいりたい、こういうように考えている次第でございます。
○美濃委員 すりかえ答弁になって、そういう意見を聞いても、そういう客観的な考え方で農政を担当してもらっては私は困ると思います、こういう問題については。ただいまのような客観的な御意見もいいんですよ。それが悪いとは私は言っておるのじゃないんです。客観的な御意見もいいけれども、ぎりぎりことしの価格をきめなければならぬ段階で、念仏みたいな客観論で済まされる問題じゃないと思うのです、どうですか。その客観論を非難するのじゃないんですよ、誤解ないように聞いてもらいたい。いまの御意見は御意見として私は聞きますけれども、そういう客観論だけで農政を担当してもらっては困る、こう思います、どうですか。
○荒勝政府委員 いま私の申し上げたことを私なりに姿勢といたしまして、今週中と申しますか、近日中にビート価格の決定に際しましては十分に検討しながら具体的な数字という形で政府としては決定することになると思います。
○美濃委員 それでは、ここでいまの答弁に期待して、現実に合う価格が決定されるというふうに——これ以上数字をあげて、何ぼにきめるかという問い方は無理ですからしませんけれども、局長のいまの答弁に十分期待をいたしまして、ことしはそういう実情に合う価格が決定される、そういうふうに期待をして、この部分は終わりたいと思います。その期待に反した場合は、また言い分がありますから、承知できません。これは客観論で念仏みたいなことを言ってごまかす農政は私はこまります。それではいけないと思います。 次に、経費計算の中でもう一言聞いておきたいのですが、償却それから資本利子について、これは非常に算定のしかたが不十分だと思います。これは特にてん菜の表を見ましても、北海道の百戸の農家を抽出しておりますから、てん菜には大きく沿わないが、酪農の設備資本利子、これははなはだしく実情が無視されてしまっておる、こう思います。時間が来ましたので、その問題は後日に譲りますが、十分そういう統計上の、先ほど申し上げた家族労賃、それから特に設備投資が大きくなっておる酪農の償却、資本利子、この把握は全然でたらめだ、こう申し上げておきます。 最後に、てん菜問題で重要な問題ですが、てん研を廃止するという話が出ておりますが、これはいまだ北海道のてん菜は根中糖分で欧州諸国から見ると二%低いわけですね。これはやはり北海道あるいは日本の風土なり土地条件に合う品種を開発しなければ、先進国並みの根中糖分にはならないと思うのです。種子を輸入に依存しておるだけではだめだと思います。こういう時期にてん研を廃止するというのは、これは試験研究を放棄するのか、それともどういう考えに立つのか。これをお聞きしておきたいと思います。
○荒勝政府委員 御存じのように、てん菜振興、てん菜の試験研究の推進ということで、日本てん菜振興会が特殊法人として政府機関の一つとして現在設立されておるわけでございますが、実は閣議了解ということで、昭和四十二年の十月の十一日に、「日本てん菜振興会は、優良国内品種の完成する昭和四十七年度をもって廃止する。じ後国で行なうべき業務は国立の試験研究機関において行なうこととする。なお、てん菜研究所支所は速かに廃止する。」というようなことで、こういう閣議の了解が行なわれておるわけでございますが、それもいわゆる特殊法人の整理の一環として、そういう一つの候補にあがっておるわけでございまして、四十七年度一ぱいをもって一応廃止するということになっておりますが、われわれといたしましては、このてん菜振興会の果たす役割りが非常に大きいので、これの単なる廃止という考え方ではございませんで、今後これらの取り扱いについては、優良品種の育成を含めまして、慎重に本年度一ぱい中に検討を行ないたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○三ツ林委員長代理 質疑者に申し上げます。時間が過ぎておりますので……・。
○美濃委員 時間になりましたが、この問題は大切な問題でありますから……。 てん菜研究所を廃止するなら廃止するで、国営に移管して、どういう強化をするのか。この問題は、後日の時間でもっと煮詰めんければ、軽々にただてん研を廃止して、試験研究はどうでもいいんだということではないと思います。いまの答弁を聞きましてもそうでありますから、これはあくまで試験研究を続けて、品種改良によって先進国並みの糖分のあるビートをつくり出すんだという意欲を政府は持ってもらいたいと思います。 以上で終わります。
○三ツ林委員長代理 斎藤実君。
○斎藤(実)委員 私は、ビートの最低生産者価格について若干政府にお尋ねをいたします。 私、いまさら申し上げるまでもありませんけれども、昨年の冷災害に際しても、耐寒作物としての真価を、ビートについては十分発揮をいたしました。そしててん菜は甘味資源作物としての生産増大ということで、わが国の砂糖の自給度の向上に非常に寄与をしてきた。したがいまして、北海道においては、道をはじめ農民の方々あるいは関係団体の方々が、あげてこのビートの生産振興につとめてまいりました。先ほど来論議の中で、政府としてもてん菜の振興については十分今後努力をするという御答弁もありました。私は、このてん菜の振興について、生産者価格を決定するパリティ、この計算方式、さらにまた先ほど論議がありましたように、一日当たりの労働賃金についての算定の基準、あるいは今後の生産目標、長期計画についても非常に疑問もありますし、私は消極的な態度であるというふうに考えるわけですけれども、基本的に、このビートの振興について、いままでのような消極的な態度ではなく、長期見通しあるいは目標あるいは価格あるいは労賃等について、積極的にいままでの姿勢を改める考えがあるかどうか、これをひとつ最初にお尋ねをしたいと思います。
○荒勝政府委員 北海道のビート農業につきましては、農林省といたしましては、特に力を入れて、毎年それはそれなりに行政姿勢をただしまして運営しておるつもりでございます。具体的に、北海道におきますビート農業というものが、さらに今後とも発展する方向でわれわれとしては検討いたしておりまして、この二、三年のうちにおきましても、北海道におきましては、さらにビートの生産量の向上あるいはその歩どまりの向上等もありまして、私たちの見ておるところ、何とかしてヨーロッパ水準にまで近づきたいという努力で従来来ましたところ、この二、三年の成果というものは、ある程度ヨーロッパ水準にほぼ近づいたといいますか、大体水準は同一水準に到達したのではなかろうか、こういうふうにいろいろな情報で判断している次第でございます。具体的に、さらに最近の北海道における原料ビートの発展状況と相並びまして、ビート糖の加工系統におきましても新鋭工場を設立、あるいは新しくさらに新鋭部門を補強いたしまして、今後におけるビートの、農業の発展と相並行しながらビート糖の発展にも、車が両輪するような形で発展していくものとわれわれとしては期待している次第でございます。
○斎藤(実)委員 先ほど来、質疑の中でちょっと私、疑問が出てまいりまして、一日当たりの家族労働賃金については、二千四百八十四円については農林省の統計部でこれは調査をした数字である、その他経済事情を参酌すると、こういう御答弁です。その中で、二千四百八十四円は妥当である、これは低いと思っていない、こういう答弁。それから後段になりまして、局長は、パリティについては一つの基準である、これだけではない。もちろんそうでしょう。まあ経済事情を考慮する、農家の生産意欲を阻害しないように十分考えたい、そしてまた、この生産意欲が向上して、それに伴って生産が増大するように価格を決定する、こういう御答弁ですけれども、一方で二千四百八十四円というふうに押えて、農家の生産意欲を阻害しないように価格を決定すると、こういう答弁です。 こういう答弁で、後段の答弁であれば、政府としても、先ほど局長からも答弁ありましたように、現行のパリティ計算でいきますと八千百十五円になるというような答弁でしたけれども、いまの局長の答弁から推して、政府の腹づもりは一体、これは幾らにしようとお考えになっているのか、お漏らし願えませんか。
○荒勝政府委員 先ほどから私、答弁いたしておりますように、いろいろなそれぞれの、このビートの値段をきめます際に参考となります採択すべき指標というものが非常に多くございまして、それをどうやって具体的な価格に織り込むかということで、現在まだ作業といいますか、各方面と折衝中でございまして、まだ具体的にどんな価格になるかというふうな判断の段階には至っていない。ようやく計数整理を終えて、これからいろいろな形で、不当に低い値段できめることによって農家の生産意欲を阻害はしたくないということで努力している次第でございます。
○斎藤(実)委員 先ほど来たびたび、まあパリティは一つの基準であって、経済事情を考慮してとか、答弁がありましたけれども、経済事情を考慮するということは、一体具体的にどういうことなんですか。
○荒勝政府委員 その経済事情ということばが、まあ非常に包括的でありまして、毎年毎年、ことしの経済事情で、このビート糖という立場からどこに問題があるかということでいろいろ論議するわけでございますが、われわれといたしましては、現在の時点におきまして、今後少なくとも北海道の農業というものが十分に安定的に伸びていくということを第一前提に置きましてこの作業を進めてまいりたい、こういうように考えている次第でございます。
○斎藤(実)委員 農家の経営が安定するようなことを第一に考えるといま御答弁でしたけれども、やはり稲転によってどうしても価格保証ということがある程度これは必要になってまいります。局長もいみじくも答弁されたように、その農家の経営が安定をして収入がある程度補償されて、しかも再生産ができるような資本の蓄積ということが、これは大前提になろうかと思うのです。そういうことからいけば、やはり適正な、その農家の収入が安定をし、再生産が確保できる、ある程度の資本も蓄積できるというような価格を決定すべきではないかと私は思うのですが、そういう基本的な考えでこの価格を決定する意思があるのかどうか、再度御答弁を願いたい。
○荒勝政府委員 ただいま御指摘になりました綿を十分に尊重いたしながら、われわれとしましては作業を進めてまいりたい、かように考えておれます。
○斎藤(実)委員 これ以上聞いても具体的なお答えはいただけないと思いますので、次に入ります。 これはたびたび本委員会でも論議をされてきたところでございますけれども、この糖価安定法に基づくてん菜の最低生産者価格が四月十日までにきめられる。糖安法によれば、てん菜の最低生産者価格は「農業パリティ指数に基づき算出される価格を基準とし、物価その他の経済事情を参酌し、甘味資源作物の再生産を確保することを旨として定める」、こういうことになっております。これについては先ほどもちょっと論議もありましたように、この価格決定の根拠となるパリティ指数のとらえ方に私は問題があろうかと思います。これは各方面からの強い要請もありますけれども、依然として現在の方式をとっておられる。これについて、現在の算定方式をそのままこれからもおやりになる御意思なのかどうか、あらためてまた何らかの、いまの算定方式を変えようという御意思があるのかどうか、お尋ねをしたい。
○荒勝政府委員 糖価安定法に基づきまして政令を出して、このパリティ計算の出し方というものを政府はきめておるわけでございます。毎年確かに、御指摘がありますように、このパリティ制度のあり方につきましてはいろいろと御批判はございますが、政府といたしましては、この現行パりティ制度のあり方につきましては、これはこれなりに一つの意味があるということで、現在の時点におきましては、本パリティ制度のがんこさといいますか、非常に安定的な価格の表示を行なうものであるということで、われわれといたしましてはこれを採択してまいりたい、こういうように考えている次第でございます。
○斎藤(実)委員 私もいまさらここでいろいろ申し上げる時間もありませんけれども、現在の政令附録算式によりますと、分子が、本年は四十七年二月パリティ指数を出しておる。これについて、この現在の附録算定方式というものは、Pt=Pt−1It/(It−1)こうなっています。ですから、Ptというのは求められる本年度産の価格である。 私が申し上げたいのは、このIt/(It−1)に問題があると私は思う。と申しますのは、ちょっと先ほども触れましたように、この農業パリティ指数を正しく反映させるためには、分子も分母も同じ月をとらなければ非常にこれは適正ではない。ですから、この分子を本年度の二月とするならば、分母は前年の二月、こうなれば一年間の計数というものはそこから出てくる。四月ないし十月の平均ということになれば、非常にこれは公平なとらえ方ではない。ですから、こういったことから半分は値切られるのだという批判もこれは出てくるわけですね。ですから、私はくどくど申しませんけれども、従来方式ですと昭和四十六年の四月から十月までの平均パリティ指数は二一五・八八、四十七年二月の指数は二一八・九九、先ほど資料の中にもありました上昇率は一〇一・四四%、ですから前年の価格トン当たり八千円に乗ずると八千百十五円、こういう答えが出てくるわけですね。私はこれは同じ月をとらえるべきではないか。ですから、そうなれば、昭和四十六年二月のパリティ指数は二〇九・八二、四十七年二月の指数は二一八・九九、これは先ほどの資料のとおりです。そうなりますと、一〇四・三%の上昇率となるわけです。そうなりますと、トン当たり八千三百四十九円、こういう答えが出てくるわけですね。そうなりますと、従来の方式からいけば八千百十五円、いま私が申し上げましたように分子、分母を同じにすれば八千三百四十九円、ここに二百三十四円という差が出てくるわけだ。ですから、私は、現在のビートの価格決定については、やはりこうした行き方ということは妥当であるし、いわば適正な算定方式であろう。 これは局長答弁が前のと同じような答弁であれば、政務次官、ひとつどういうお考えなのか、あくまでもこの方式で将来ともいくのかあるいは前向きに検討するなりまた考慮するという御意思があるのか、この点を承っておきたいと思います。
○荒勝政府委員 一応、私、御説明申し上げまして、それで政務次官からあるいは御答弁願います。一応御説明だけ申し上げさせていただきたいと思います。 この現在取り上げておりますパリティ制度につきましては、とかくいろいろ御意見があるわけでありますが、われわれといたしましては、このパリティ制度というものは単に一つの思いつきできめた制度ではございませんで、それはそれなりに政府部内においてきめます際の一つの論拠があるわけでございます。この分母には昨年の生育期間のいわゆる期間の費用といいますか、パリティの平均値をとる。それが四月から十月ということで、生育期間にはどの程度の物価指数といいますか、パリティであったか。それに対しまして、これは価格を四月の十日までにきめるということで非常に急ぎまして、二月末しかパリティがとれないのでありますが、いわゆる分子には最近時点の科学的根拠のある数字を持ってくるということで、二月パリティをやむを得ず採用しているわけでありますが、今後、本年なら本年の生育期間の四月から十日間のパリティがはっきりわかっておりますれば、それを取り上げることになるのでありますが、いわゆる四月初めに本年のビートの見込み価格をきめてしまうという先走った価格決定を行なわざるを得ないというところから、こういう生育期間同士の対比がほんとうは正しいのかもしれませんが、一番最近時点の二月末パリティを採択するということで、こういう価格決定、計算方式をとっておる次第でございます。こういった価格決定がどうも農家には不利な決定ではないかという御意見もありますが、このパリティの方程式につきましては、これはアメリカの昭和の初期の、一九二〇年代の農業不況のときにこういうパリティ制度がいろいろと検討されて出てきたわけでありますが、物価の諸変動が非常に激しい、下がったりあるいは上がったりするようなその不況時におきまして、このパリティ制度の持つがんこさといいますか、安定性といいますか、そういったことでアメリカでも採択したというふうに聞いておりますが、こういったことで、物価諸変動の中で、日本のように特に常にインフレ状況で値上がりの段階が非常に激しいような時点におきましては、とかくいろいろと御意見があるかとも思いますが、また今後諸物価の下落ということも想定いたしますと、このパリティ制度のあり方というものは、それはそれなりに非常にがんこさといいますか、安定性を持っておるというふうにわれわれとしては理解いたしまして、このパリティ制度を価格決定の際の一つの基準として取り上げるということにしておりまして、先ほど来申し上げておりますように、一つの基準としてとってあるのであって、パリティに算出された額をもって直ちにそのまま直に価格決定にしているものではないということはひとつ十分御理解願いたいと思います。
○斎藤(実)委員 局長、いま答弁の冒頭の中で、現在とっておるパリティ方式は何も思いつきできめたわけじゃないなんて答弁がありましたけれども、何も私は思いつきできめたなんてことを言っているのじゃない。いいですか。思いつきで質問しているわけじゃないのですよ。ですから、まじめにひとつ答弁してもらわなければ困りますよ。 私がいま算定方式について私の意見を申し述べましたけれども、いまの答弁で、現時点では本年の四月から十月までのパリティ指数を計算することはむずかしい、こういう答弁でありましたけれども、私はそれは数学的に見通しも立てられるのではないかと思うんですがね。従来の方式によると、どうしても半年分でしょう。ここに大きなマイナスといいますか、そういった要因というものが出てくるわけですよ。ですから、現在のとっておるパリティ方式の試算が正しいのだということを一方的に言わぬで、ひとつこういった提案に対しても何らかやはり考えるべきじゃないですか。局長、あなたが答弁しておると並行線ですから、政務次官から答弁をお願いします。
○伊藤(宗)政府委員 確かに基準は法律できまっておりますけれども、先生御指摘のようなこともございますので、あくまで基準は基準として、最近の経済事情あるいはまた社会情勢なども十二分に勘案をして最終的にはきめたいと思っております。
○斎藤(実)委員 それじゃ本年度のこのきめ方についても、計算どおりいけば八千円以上になるはずですよ。経済事情あるいはそういったことを、参酌するというのであれば、なぜ八千円以上になった数量を削ったのか、この点どうですか。
○荒勝政府委員 ただいま申し上げておりますように、まだ本年の価格につきまして、金額的にどうこうという数字を私から御説明する段階にはまだ至っておりませんで、パリティで計算されたる金額が、八千百十五円ということが一つのメルクマールといいますか、基準でございまして、物価その他の経済事情を参酌して今週中に、できますればもっと早い機会にきめてまいりたい、こういうふうに考えて、ただいま作業を急いでおる、こういうふうに御理解願いたいと思います。
○斎藤(実)委員 局長、よく質問を聞いてくださいよ。私の質問したのは、今年度は八千円できまったわけでしょう。八千円でしょう、現在は。
○荒勝政府委員 ただいまの八千円は四十六年産のビートの価格でございまして、四十七年産のビートをこの四月十日までに価格を決定する、こういうふうになっておりまして、この八千円の値段は昨年の適用された値段、こういうふうに御理解願いたいと思います。
○斎藤(実)委員 そうであれば、八千円を算出した計算の根拠をひとつ明らかにしていただきたいと思います。 〔三ツ林委員長代理退席、松野委員長代理着席〕
○荒勝政府委員 昨年の四十六年産の値段をきめますときの価格は、結論は、決定価格は八千円でございまして、四十五年は七千七百六十円、これはお手元に差し上げてあります資料でございまして、二百四十円のアップ額になっておるわけでございます。そのときの計算方法で出しましたパリティは八千三十九円ということに相なっておりまして、そのパリティで出しました基準価格は八千三十九円、それからこの当時の、四十六年をきめますときのビートの生産費が六千四百二十九円ということになっておりまして、さらにそれに中間受け渡し場所までの運賃が加算されまして、生産費プラス中間受け渡し場所までの搬出費というものを入れまして、六千七百七十六円というものを一応農家側のコストという計算の根拠になっております。さらに、競合農作物との均衡所得価格ということでバレイショを基準にいたしますと、計算はいろいろございますが、バレイショを一つの対象品目として選定したわけでございますが、それは六千百九十三円が均衡価格であるというふうなことで、八千三十九円を基準にして六千七百七十六円のビートの生産費、それからバレイショとの均衡価格であれば六千百九十三円が適正だというようなことをにらみ合わせまして、結論といたしましては八千円にきめた、こういうふうに御理解願いたいと思います。
○斎藤(実)委員 局長もこの北海道のビートについては生産意欲を向上するように、あるいはビートの振興について十分北海道の特殊事情というものを考えていままでやってきたという答弁もありましたけれども、一応パリティの計算が八千三十九円になって、その他の経済事情かどうか知りませんけれども、これは私は——もうきまったことですからいまさら私は申しませんけれども、非常に冷たいといいますか、消極的なビートに対する態度であろうというふうに言わざるを得ない。 先ほど来いろいろ論議をしてまいりましたけれども、一向に論議が発展をしない。そこで、最後に御質問をしたいと思いますけれども、将来ビート価格の決定にあたりましては、先ほど来論議を通じて、算定方式にもいろいろ問題もあるし、政府が一方的にきめる価格というものはもうこの辺で変えていかなければならないのではないかというふうに考えるわけです。ですから、私はこういった価格決定については十分ひとつ政府も認識をして、てん菜の二戸当たりの生産振興を期すということで特別な価格決定ということが必要ではないかと思うわけですが、この点について何らかの新しい算定方式をとるべきではないか。たとえて言えば、米のように生産費及び所得補償方式に基づく計算方法というものが将来絶対必要だというふうに考えるわけですが、いかがでしょうか。
○荒勝政府委員 蚕糸園芸局におきまして、いろいろな農作物につきまして価格決定を毎年行なっておるわけでございまして、一つの大きなグループといたしまして甘味資源関係、特に北海道ではビートの関係、南九州あるいは沖繩ではサトウキビ、それからまた次に大きなグループといたしましては、北海道のバレイショでん粉、あるいは南九州のカンショでん粉、さらにまた、せんだっておきめ願いました生糸の価格決定、さらに大豆あるいはなたねの価格決定というふうに、非常にいろいろな作物につきまして価格決定を行なってきておる次第でございます。御存じのように、稲作転換というようなこともありまして、この二、三年来それぞれの園芸関係農作物につきましての国の要請なりまた農家側の御希望なり非常に強いものがございますので、最近の園芸局の価格決定に際しての姿勢といたしましては、それぞれその当該作物につきまして、行政姿勢を反映しながら極力価格を上げるというふうな形で実施してきておりまして、われわれといたしましては、ある程度適正なものではなかったか、こういうふうに判断しておる次第でございます。また特に稲転の関係等もありまして、大豆等につきましては、かつて非常に大きな収量があったにもかかわらず、急速に自由化の過程で減ってしまった作物については、この際多少おくれを取り戻すという意味で、六、七%近い価格の引き上げを行なっておりますが、このビートにつきましても、なお安定的に農業の拡大をはかる、またその繁栄をはかっていくという作物につきましては、昨年は二百四十円という引き上げを行なったわけでございますが、今後ともそういう安定的にビート農業は育成していくという行政姿勢のもとに、今回も価格をきめてまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○斎藤(実)委員 局長、きょうは大臣もおりませんし、これ以上論議しても平行線になりますから、この程度で私はやめておきますけれども、先ほど来答弁がありましたように、この畑作振興、特にその中でもビートについては、先ほど論議もありましたように、一日の稼働労働賃金の問題あるいは算定方式についての問題、それから長期見通し等については今後ともまた機会をあらためて質疑をしたいと思います。いま答弁がありましたように、北海道のビートについては前向きな御答弁がいまありましたので、ひとつ十分積極的な意欲を持った価格決定をされるよう最後に要望申し上げて私の質問を終わります。
○松野(幸)委員長代理 芳賀貢君。
○芳賀委員 先ほど荒勝園芸局長から昭和四十七年度に生産されるてん菜の最低生産者価格決定についてのおおよその説明があったわけでありますが、これは言うまでもなく、糖価安定法の第二十一条と、もう一つは、安全法第三条の国内産糖の合理化目標計画、これに伴う生産目標、この二つの方向に非常に関係があるわけでございますから、二十一条に基づく価格決定にあたっても、もちろん基本は農業パリティの変動指数を基礎にして、その他生産費、物価、経済の変動あるいはまた、いま言いました合理化計画に基づく生産目標の実行等を総合的に勘案してこれはきめることになるわけでありますが、ことしは従来方式でやっていくのか、また、全く構想を変えてやるのか、その点はどうですか。
○荒勝政府委員 従来、価格決定を行なうに際しまして、私自身たびたびこの価格決定を行なっている一人でございますが、糖安法は糖安法なりの一つの法律の姿勢がございまして、その姿勢に基づきましてわれわれはそれを実行して価格決定をいたしておりまして、従来と非常に大きく考え方が変わって価格を決定するようなことはあり得ない。ただ、われわれとしましては、何とかして少しでも安定的にビート農業を発展させたいという前提に立ちまして、先ほど来御説明申し上げておる次第でございます。
○芳賀委員 その中でパリティを基礎にしてやる場合、従来と違った各月のパリティの動向というものは資料にもあらわれておるわけですね。ですから、そういうものを見のがして従来と同じようなパリティ計算をやると、正確な反映ができないということに当然なるわけですね。だから、その配慮というものはやはり事前に講じておく必要があると思うのですよ。それを一体どうするかという問題と、もう一つは、昭和四十八年を目途にした生産費の目標、これについては四十八年の目標価格と、それから昨年の決定価格の間においてまだ四百五十円の格差があるわけです。当然四十八年には、最悪の場合においてもこれは八千四百五十円に到達させるというのが農林省の目標ですからね。そういうことになるでしょう。そうすると、ことし、来年しかそれはないということになるわけです。その点と、二つの点は、これはどう考えているのか。
○荒勝政府委員 一応、ただいま御指摘がありましたように、四十八年を目標にいたしました目標生産費織り込み原料価格というのがございまして、それは御存じのように、八千四百五十円ということになっているわけでございます。その八千四百五十円に対しまして、いままで、昨年の価格か八千円でございましたので、確かに御指摘のよりに、残り四百五十円が本年のビートの価格と来年のビートの価格に織り込んでも差しつかえのない一つの価格のワクといいますか、そういう形になっていることは御指摘のとおりでございます。ただ、われわれといたしましては、それらビートのパリティの価格を基準としながらも、そういった生産費なりあるいは経済事情あるいは他作物との競合関係、こういったものを勘案しながら最終決定を行なう、こういうふうに御理解願いたいと思います。なお、このパリティ指数の問題でございます。お手元にあります資料の一〇ページの指数の毎月の月別の動きでございますが、やはり昨年来のいわゆる経済事情の非常な変化ということもからんでいるかとも思いますが、実は十一月、十二月というのは九月、十月に比べますとパリティが下がっておる。たとえば九月は二一八・〇四、十月は二一八・五九であったものが、十一月には二一七・九六、十二月は二一七・八九というふうに、二八から二一七台に、わずか一でございますか、下がってきておる。というのは、やはり微妙な経済事情の変化がここにあらわれておるものと私たちは理解しておりますが、いずれにいたしましても、今回のパリティのアップというものが、一般的な物価の下落の現象を反映いたしましてか、従来にないパリティのアップ率が全体として出ていないというふうな感触を得ている次第でございます。
○芳賀委員 そこで、従来の価格の動きですが、昭和四十年の最低生産者価格が六千五百五十円、昨年、四十六年が八千円ですから、六年間に千四百五十円、価格が上昇しておるわけで、これを年平均にすれば大体二百四十円程度、平均的な値上がりを示しておるわけで、それは昨年は前年に比べて二百四十円、一昨年は四十四年に比べて二百六十円ということですから、パリティの動向もありますけれども、われわれの理解としては、合理化目標計画に対するてん菜の目標生産費には到達させなければならぬという、そういう責任感から大体年二百四十円ないし二百五十円程度の改定をしておるというふうに、これは善意に理解しておるのですよ。だから、パリティが不利なものになれば、この目標生産費が有利とは言いませんけれども、しかし、パリティによる試算を目標生産費に到達させる。四十七年度の金額というものを比較すれば、目標生産費をとったほうがこれは比較的には有利であるということに当然なるわけですね。そうなんですか。
○荒勝政府委員 計算の一つの指数といたしましては、ただいま御指摘のように、従来方式でとられたパリティよりも、目標生産費方式による残りの分を何らかの形で、経済事情参酌という形でとったほうが有利であるということは一つの指標としては事実だと思います。
○芳賀委員 もう一つは、パリティの計算についても決定年の前の年の四−十月の平均を分母にして、決定年の二月を分子にして指数を出すというこのやり方は、もういろいろいま議論する必要はないですよ。最初からこれは間違いであるということをわれわれは指摘しておるわけだから、あなたの園芸局は、てん菜にしても原料バレイショにしても、こういう間違った手法を用いてがんばってきておるわけですが、それは自己矛盾というのを感じておると思うのですよ。先ほど聞いておると、去年の四月−十月の七カ月間の各月のパリティの平均値を求めるということは、昨年てん菜を播種してから収穫までの生育期間のパリティの動向というものを把握して、それを翌年の価格決定に重要な作用をなす分母にしなければならぬという局長の説明は、ちょっとおかしいじゃないですか。決定年の貴重なパリティ数字である分子に対して、分母をだんだん移動さして接近させる、こういうやり方はないのじゃないですか。少なくとも基準年に属するパリティの基準指数とか、あるいは大臣がきめる一定期間の平均パリティというものを求める必要はあるが、分母をつくる場合には、あくまでもそれは基準年に属するパリティ指数ということでなければならぬと思うわけですよ。ところが、去年の四月初めに、四十六年の価格をきめてしまって、それからあとてん菜播種をして、収穫までの生育期間のパリティ指数をとって、それがもう価格をきめたあとのパリティ変化率であるにもかかわらず、それを基準年のパリティに位置づけるというようなやり方は、これは局長がどのような説明しても変じゃないですか。そういう議論はここで繰り返す必要はないのです。これは間違いは間違いとこちらから指摘しておきますからして、反論も弁明も、これは要らぬですよ。 いいですか。少なくともパリティの変化率を求めるということであれば、前年度に対して、たとえば今年度この一年間の変動指数がどうなったということを、どうしたならば一番的確にそれを把握してそれを価格に反映させるかということでなければならぬと思うのですよ。いまのやり方は、前年度価格というものを基準年価格ということにしておるが、これにはやはり問題があると思うのです。たとえば三年前なら三年前のパリティというものを基準年と定めた、そういうやり方のほうが確率はあるわけですけれども、最近は、前年度の政府決定価格、それを基準年と定めてのパリティをとっておるわけですが、そういう間違いを毎年繰り返すということでなくて、一番単純にやるということになれば、ことしは四十七年二月パリティ、これを分子にするということになれば、非常に単純な方法であるが、前年度の決定年における二月のパリティ指数というものを分母にして、そしてことしの二月パリティというものを分子にする、これでいけば、ちょうど一年間の変化率というものが出てくるわけですから、それが一〇四・三%ということであれば、それを去年の決定価格の八千円に乗ずるということで、これは答えが出るわけですからして、とにかく政府がアメリカ追随政策で、結局、円の一七%に近い切り上げが行なわれた。それがパリティに反映して去年は十一月、十二月は、十月の二一八・五九より連続これは落ち込んでいるわけです。近似点のパリティの分母をとるということになれば、分母の指数は分子に対して低いほどいいわけですね。こういう落ち込みというものは全然反映できないということになるんじゃないですか。ここに空白をつくっておるわけだ。だから、ことしは特にパリティの異常変動というもの、これを価格政策上マイナスに作用させないということをやはり念頭に置いて、法律ではパリティを基礎にしてやれということになっておるからして、これは無視することはできないとしても、用い方については、これは努力次第では生産者に不利益を与えないような方法というものは、省令を改正する場合には大臣を中心に省議を開けばきまるわけですからね、政令改正をしなければならぬということであれば、さっそく閣議を開いて糖安法の付属政令を改正すれば、これはどのようにもパリティにおける手法というものは変更することができるわけですからして、これは答弁は要りませんけれども、特にことしのパリティの各月における最近の変化率の動向というものを十分考慮に入れて、間違いのない行政を進めてもらいたいと思います。その点はどうですか。
○荒勝政府委員 ただいまいろいろきめのこまかい御指摘があったわけでございますが、われわれといたしましては、先ほど来申し上げておりますように、ビート農家の再生産に事を欠かないように、何らかの形で少しでも生産刺激が与えられるような効果をねらいまして、なお価格決定につきまして努力してまいりたい、こういうふうに考えております。
○芳賀委員 次にお尋ねしたいのは、毎年問題になっておりますけれども、最低生産者価格の中に占める圃場からもより集荷場までの運賃というものの計算が明確を欠いておるわけであります。昨年はトン当たりについて三百四十七円生産者価格の中に運賃が含まれておるということを農林省も発表されましたが、この点についてはことしはどういう扱いをしますか。純粋の原料の圃場における価格というものをまずきめて、それにもより集荷場所までの主として生産者が担当する運賃というものを加算した形で生算者価格をきめるのか、あるいは農安法と同じように、原料価格については純粋に原料価格としてきめて、必要運賃については、これは製造を担当する会社の製造経費の中に、かかった実績運搬費というものを全面的に認めて計算するという、いずれかの方法をとっても糖価をきめる場合には変わりがないということになるわけですが、ことしは原料価格ともより集荷場所までの運賃というものをどういうふうに扱う予定ですか。
○荒勝政府委員 われわれといたしまして、一応従来と同様にいずれ近く決定いたします。ビート、てん菜の最低生産者価格の金額をきめるわけでございますが、それはあくまで前提として、やはり従来からのてん菜の引き渡し場所であります中間受け渡し場所を前提といたしまして価格をきめてまいりたい、こういうふうに考えております。 なお、その際、圃場から中間受け渡し場所までのかかります諸掛かりにつきましては、別途、その内訳でございますが、参考の一つといたしまして、何らかの形でこの金額は農家の方にわかるように発表いたしたい、こういうふうにいたしたいと思います。これは昨年もそういうふうにいたしたつもりでございます。 なお、ことしの生産費は、先ほど申し上げましたように、七千十三円というものが一つの前提になるわけでございますが、搬出費といたしましては、去年調べました結果三百四十七円よりもだいぶ下がりまして、二百九十九円というふうに搬出金額は下がっているわけでございます。その理由といたしましては、私たちの聞かされている話といたしましては、中間受け渡し場所へ運ぶよりも工場へ直送する量がだんだんふえてまいりまして、いわゆる中間受け渡し場所への量が逆に総体的に減ってきておるというようなことから、全体の量で平均値を出しますと、やはり搬出費が下がってきている。そのほかいわゆる輸送上の合理化というようなこともありまして、結果としては二百九十九円というふうに下がっておるというふうに報告されている次第でございます。
○芳賀委員 その点は局長、生産者には関係ないんじゃないですか。この中間運賃のトン当たりを出す場合には、中間運賃の総額をてん菜の総生産量で割るから去年よりもそれは下がるということになっていますね。それじゃ実質運賃というものは総体的に低下しているかというと、そういうことにならぬでしょう。取り扱い数量とか対象数量はたとえば減っても、現物を扱った場合の同一距離の運賃ということになれば、最近の運賃の上昇等から見て、てん菜の運賃だけが実質的に下がるということは絶対あり得ないのですよ。統計上はそういうものが平均的に出ているとしても、実際に圃場から指定場所までを運送するということになれば、その運送単価とか運送費というものは、これはもう下がるというよりもむしろ上昇傾向をたどっておるわけでしょう。
○荒勝政府委員 先ほど私が答弁申し上げましたように、キログラム当たりの平均的な、逆に言えば、運搬距離数が結果論としては減ってきておる。統計といたしましては、総平均値としてはそうなってきているという結果が、三百四十七円から二百九十円台に落ち込んだというふうに理解している次第でございますが、われわれといたしましては、やはり中間受け渡し場所での価格決定ということで、ことしの値段が八千円にどの程度加算されますか、これは今後の問題ですが、いわゆるてん菜糖の最低生産者価格は八千何々円という形で正式に政府決定をするということでございます。この中間受け渡し場所までの運賃がどのくらいかかっているかということについて従来明確を欠くということで、当委員会におきましても強い御要望もあり、また各方面からの御要望もあって、運賃部分につきましてのみ、その内訳でございますが、何らかの形で参考となるようにということで発表するようにという御指摘もあったように記憶しておりまして、発表した次第でございますが、てん菜の価格そのものには何ら影響するものではないという点は、ただいま御指摘のとおりだと思います。
○芳賀委員 つまり砂糖の製造経費の中に含ませる場合には、原料生産費の中に含まっておる運賃の部門についても、それから圃場から相当遠距離で、工場まで直送するとかあるいは貨車輸送をするというようなその分の運賃というものは、実績主義でこれは製造経費にちゃんと入っておるわけだから、製造原価から言うと、一つは原料価格の中に含まれておる運賃と、それから製造経費に織り込まなければならぬところの運賃と、これを合算したものがつまり運賃ということになるわけですね。そういう区分をした方法を講じても、製造経費に一本立てに運賃を計上しても、それは製造業者である会社から見れば損得はないことになると思うのですよ。そうでしょう。その点は局長、どう思っているのですか。
○荒勝政府委員 製品の、いわゆるビート糖の最終価格には何ら影響がないということは、ただいま御指摘のとおりだと思います。 ただ、実際問題といたしまして、あるいは御質問の趣旨とは少し違うかもわかりませんが、われわれの報告を聞いている段階では、最近、中間受け渡し場所がどちらかというと少し減り目になってきておるということのほか、会社直送といいますか、会社のほうで相当部分について圃場まで逆に受け取りに行くという場合も、最近事例的には多くなってきているということもありまして、結果論としては、農家の中間受け渡し場所までの数量が逆に減ってきたということが、結果的に統計運賃としては逆に金額的に減ってきたというふうなかっこうになっておるのではなかろうかというふうに推測している次第でございます。
○芳賀委員 だから、生産者としては、純然たる原料価格というものが一体幾らである、それに付随する中間運賃が幾ら平均的に加算されて、最低生産者価格というものがこうなっておるというその内容が明確にならぬと、当然生産者が圃場において受けるべき原料代の中に運賃が食い込んでいくということになると、これはたいへんなことになるのですね。それを防止するためには、やはり原料価格は幾らであります、これにもより集荷場までの中間運賃というものは、全道平均的にはこれだけ加算されていますと。しかし、実際に原料を中間的に輸送する場合には、これはやはり実績主義ですから、それに基づいて必要な運賃というものは、これは会社の責任でやるか、あるいは生産者が正当な運賃を得て搬出をするか、あるいはまた農業協同組合の運送事業の中でやるか、それは手段としてはいろいろあると思いますけれども、当然受けるべき原料代というものは幾らだということが、いままで明確を欠いてきたわけですから、今年の決定にあたってはそれを一段と明確化するということは、これは局長の責任において行なうべきだと思うのですが、その点はどうですか。
○荒勝政府委員 本年の価格決定は近日中に行なうわけでありますが、当然にこれは従来からてん菜につきましては、会社と農家との間の慣行的な受け渡し場所であります中間受け入れ場所というものをたてまえといたしまして、原則といたしましてそこの建て値を政府としてはきめるということで、従来どおりの線でやっていきたいと思っております。 なお、その際、その中間受け入れ場所までの経費が、運搬賃がどのぐらいかかるかということにつきましても、農家の方にわかりますように、われわれとしては価格決定に際してなおその内訳をはっきりさしておきたい、こういうふうに考えております。
○芳賀委員 関連して統計調査部長に聞きますが、統計調査のほうでは運賃を除いた計算をしておるわけですね。統計調査の原料生産費には集荷場所までの輸送費というのは入ってないわけでしょう。入っていなくても、これは調べる必要があるわけですね。ですから、昨年は、いま私と荒勝局長が論議しておるそれに該当する運賃はどのくらいになっていますか。
○中沢説明員 お答え申し上げます。 第一点の問題でございますが、運搬賃は生産費の中には入っておりません。それから四十六年産のてん菜につきましての運搬費につきましても、四十四年度からやっている方式に基づきまして、全標本農家に記帳をお願いしてやっておりますが、その結果を申し上げますと、先ほど蚕糸園芸局長からお話がございましたように、前年度はトン当たり三百四十七円でございましたが、ことしは二百九十九円となっておりまして、その理由も先ほど局長からお話しされたような要因に基づくものというふうに私たちも数字の上から考えている次第でございます。
○芳賀委員 局長、それでは、これはあなたが計算をしたのじゃないんじゃないですか。統計調査部で三百四十七円と言えば、そうかと言って、それを示しただけじゃないですか。何も園芸局で努力をして実態がどうだということは調べていないのでしょう。統計調査部の日雇い労賃そのままで三百四十七円、ああ、そうですか。それじゃ、これは権威がないじゃないですか。
○荒勝政府委員 私からの説明が不十分で、あるいは誤解を招いたかとも思います。先ほど私が御説明申し上げました運賃の三百四十七円なり、ことしの二百九十何円の数字は、統計調査部からいただきました数字でございまして、統計のほうでビートの生産費をお調べになる際に、あわせて農家のほうを調査いたしまして、運搬賃についても同時にお調べ願ったものを私のほうにいただいておるということで、私のほうはそれを採択しておる、こういうふうに御理解願いたいと思います。
○芳賀委員 だから、採択だけして、中身の検討も、実態に合うか合わぬかということも何もやってないでしょう。そういうことで、ことしまた二百九十九円なんということではたいへんなことになりますよ。下がっただけまた原料価格が下がるわけでしょう、これが織り込まれておるということになれば。こういうばかなことはやらぬように、ぜひ注意をしておいてもらいたいと思います。 ついでですから中沢部長に聞きますが、昨年の生産費の集計の中で、十アール当たりの生産費総額から家族労働費を控除した額は、四十六年産は二万三千九十九円ということになっておるわけですね。私はいつも言うのですが、ここまでが統計調査部としてほんとうにやらなければならぬ仕事だと思うのですよ。これに自家労働費ということで、いわゆる擬制賃金を日雇い労働計算で加算するからおかしいじゃないかということになるわけですからして、せっかく「昭和四十六年産てんさい生産費」の四ページの下段に、十アール当たりのその点が明確になっておるわけですから、この十アール二万三千九十九円というものを基礎にして、同じ擬制賃金だから、何も臨時日雇いでなければならぬとか他産業の製造業賃金でなければならぬとか、そういう固定したものではないわけですからして、たとえば製造業の五人以上規模の労賃というものをこれに加算した場合、これは幾らになるのですか、十アール並びにトン当たり。それが一つ。 もう一つは、これも毎回議論しておるわけですけれども、この統計調査部の十アール当たりの収量というものは、そのあとで判明する実績十アール当たりの収量とは、てん菜にしても原料イモあるいは他の農作物にしても、大体一割程度、調査農家の平均反収のほうが実収平均よりも上回っておるということになっておるわけです。その実例としましては、四十六年の百戸のてん菜栽培農家の実収の平均反収が、資料にもありますが、去年は四千五十八キロ、約四千六十キロ、それから統計の調査農家百戸の平均反収が四千四百十六キロということになっていますから、十アールで約三百六十キロ反収が相違しておるわけです。反収が多ければ多いほど生産費が逓減することはもう言うまでもないわけです。だから、この点についても、実収平均反収で計算した場合と百戸の調査農家の平均反収との収量上の差額というものを再計算すると、やはり生産費の結果というものが違ってくるわけですからして、一つは製造業労賃を用いた場合、それから二つは実収平均反収で計算した場合、この結果というものは幾らになるか、この際明らかにしてもらいたいわけです。
○中沢説明員 第一点のほうからお答え申し上げますが、家族労賃を昭和四十六年一月から十二月までの毎月勤労統計調査によります製造業五人以上の労賃単価で評価いたしますと、評価がえ後の第二次生産費がトン当たり八千六百八十一円になります。したがいまして、お手元にございます資料の五ページのトン当たりで申しますと、四十六年産のトン当たりの第二次生産費が六千九百十一円となっておりますので、千七百七十円ほどの増加ということになるわけでございます。 それから第二番目の問題でございますが、ただいま計算中でございますが、御指摘のように、一般のいわゆる作糖家でやっております全国的平均の収量より生産費農家の収量が大体一〇%前後多いのは例年の通例でございますが、五ページにございます御指摘のございました十アール当たりの収量四千四百十六キロに対応する数字が四千四十六キロでございまして、これは前年対比九四%でございます。したがいまして、生産費農家の場合と一般てん菜生産農家の場合と四十五年と四十六年の比較をしますと、たまたまでございましょうが、ほぼ同じパラレルで減少しておるわけでございます。 なお、御質問のございましたもの、計算しておりますので、しばらくお待ちいただきたいと存じます。——計算ができましたので、御説明申し上げますが、作糖家で収量をされております先ほど申し上げました四千四十六キロの収量で計算いたしますと、トン当たりの生産費が七千五百四十五円となります。
○芳賀委員 それは収量が変わっただけで七千五百四十五円というふうに変わるわけでしょう。それと先ほど五人規模以上の製造業に置きかえた場合はトン当たり九千百五十一円になると言ったじゃありませんか。まだ高くなるということになるじゃありませんか。
○中沢説明員 ただいまお答えいたしました七千五百四十五円を製造業五人以上の平均労賃で評価がえいたしますと九千四百七十九円となります。
○芳賀委員 これが四十六年における最も現実に合った生産費の結果とみても差しつかえないと思うのですよ。これは荒勝局長、どう思いますか、こういう数字が出てくるわけでありますが。
○荒勝政府委員 ただいま御指摘になり、また統計調査部のほうから御報告のありました数字につきましても、われわれといたしましては、今後価格算定にあたりましては、毎年そのような御意見が出ておりますし、極力いろいろな経済事情というものを十分に尊重しながら価格を決定してまいりたい、こういうように考えております。
○芳賀委員 問題は、国内の砂糖の生産を高めて自給度をどうしたならば急速に向上させることができるか、それが農業と結びつけた場合において、地域の農業の振興あるいは生産者である農家の所得の向上につながるかということを行政的に進めるのが皆さんの役目だと思うわけです。 それから、ついでに中沢部長にもう一点聞いておきますが、農林省が用いておる農業の日雇い労賃ですね。この性格論については先日の乳価審議の際に話しをしたわけでありますが、この農村の農業日雇い労働といわゆる他産業の日雇い労働との、たとえば類似性とか共通性、それから同一性というものは否定できないと思うのですよ。都市の日雇い労働というのはあるわけですから、民間産業の中においても不安定な日雇い労働というものは、労働省の毎勤統計にも毎月出てきておるわけですから、その都会における日雇い労働と農村における日雇い労働の類似性、共通性というものは、一体統計調査部としてはどうとらえておるか。
○中沢説明員 先ほどは、評価いたしております農村の臨時日雇い賃金と製造業五人以上の賃金との比較でございますが、御質問はさらに毎勤統計にありますいわゆる一般第二次産業部門におきます日雇い労賃との比較でございます。ただいま手元に資料がございませんが、やはり賃金格差といたしましては、かなりの格差があるもの、こういうように承知しております。
○芳賀委員 そういうことを聞いておるのじゃないですよ。先日はいわゆる自家労働というものは、もちろん農業の経営者あるいは後継者、その家族が労働に従事しておるわけであるからして、その場合の農業の自家労働というものは、これはいわゆる雇用関係のもとに置かれておる製造業あるいは、皆さんのように国家公務員でもいいですよ、雇用関係のもとにおける常用的な労働者と農家の永続的な自家労働というものを性格的に比べた場合には、当然これは賃金労働者における常用労働者としての位置づけが正しいのではないか。それを日々雇われる不安定な日雇い労働というような位置づけをすることは間違いである。この点は中沢部長の見解も私の指摘しているところと一致しているわけですね。この間一致したのです。一致しておらぬというのなら、ここで蒸し返して、そうでないならないと言ってもらってもいいですよ。これは重大な問題ですからね。農業労働の擬制賃金としての評価をしておる基礎というものが農業における日雇い賃金ということになっておるわけだから、そうなれば、この都市におけるいわゆる他産業の不安定な日々雇われる日雇い労働者と農業の日雇い労働者というものは、むしろ農業の自家労働よりも、都市の日雇い労働者と農村における日雇い労働者が位置づけにおいては類似しておる、というよりも同一性が強いではないかということをいま言っておるわけですよ。そうだとがそうでないとか、何か判断がつくでしょう。
○中沢説明員 先日も牛乳生産費のときに御質問がございましてお答え申し上げましたように、農家経営におきますところの労働の性質が常用的なものであるというふうにお答え申し上げました。ただ、その際も申し上げましたが、その評価の問題として、どこに基準をとるかという問題でございまして、それを日雇いという農村における臨時賃金でとっておるということを申し上げたわけでございます。いまの御質問は、日雇いなら日雇いということで、一般産業部門におきますところの日雇い賃金における労働と農村におきますところの日雇い賃金の労働とは同一かどうかというふうな御質問かと思いますが、労働の性質といたしましては、やはり日雇い的な不安定であるという問題は、日雇いという限りは同じだろと思います。 ただ、何度も申し上げますように、農家の家族労働賃金をどう評価するかという問題になります場合に、いろいろ基準のとり方、考え方があろうかと思います。先生いま十分に御案内のことでございますけれども、いわゆる家族労働賃金の評価の問題は、その労働賃金の評価、その労働がいわゆる別の評価を受ける機会にあった場合にどういう評価を受けるか。農村の場合には、やはり現実にあるものとして、その近辺の農村における日雇いという形が最も現実的なあり得る評価の形だ、こういうふうな考え方に立っているわけでございます。 先ほど美濃先生からも御指摘がございましたように、そういうことはもう少なくなっているのではないかという趣旨の御質問があったと思うわけでございまして、そういうことも、事実農家の労働力が、その労働力の評価を受ける機会といたしましては、御承知のように、そういう臨時的なもの以外に、他の産業部門に雇われるというケースも非常に多くなってきております。そこに、先ほどお答え申し上げましたように、少なくなっているという現実から、そういう評価方法をいつまでも続けていくべきかどうかという問題は私どもも意識しておりまして、もしこの問題が、別に理論的にも、また統計調査の個別経営における費用をどう計算するかという観点からの趣旨に合うような、もっとベターな方法があり得るならばといいますか、そういうものも検討していく必要があるという段階にもあるという趣旨のことを先ほど御答弁申し上げたわけでありますが、それにいたしましても、では具体的にそれにかわり得るものがあるのか、説得力のあるものがあるのかということになりますと、残念でありますが、見つけ得ないのが現状でございまして、労働の性質なり評価の問題として御指摘のような問題があるということはわかっておりますが、現在のところは、たびたびお答え申し上げているような趣旨で考えていかざるを得ない、こういうふうに思っておるわけでございます。
○芳賀委員 どうも明快を欠きますね。先ほど美濃委員の言ったのは実態論だけなんですよ。そういう日雇い労働というものはいないのじゃないかという、おるとかおらぬとかいう現象面から見た実態論をいま言っているのじゃないのですよ。農業労働というものの質的な問題、農業労働の社会的な位置づけをどうするかという本質的なことを言っているわけですからね。あなた方の場合、国家公務員ならこれは常用労働者でしょう。公務員は労働者でないというような考えはだれも持っていないと思いますが、それはまず第一に、初任給を振り出しにした場合、最低の賃金保障というものがあるでしょう。それは基本給があってそれに一定の手当というものが種々付随するわけですね。それから、休日、休暇についても有給保障というものがちゃんと行なわれるわけですからね。そういう手当とか、保障された金銭にかえ得る費用というものを合算した上で、月額幾らになるとか、年額幾らになるとか、それを一労働時間に換算した場合にはどれだけという、こういう計算がちゃんと出てくるわけですね。だから、農業労働についても、雇用関係には置かれておらないが、その貴重な労働を社会的に評価する場合には、常用労働と同様の位置づけをすべきである、というのはこれは先日中沢部長もしておるわけですね。そこまでわかっていながら、まことに不安定な、継続性のない一日一日の打ち切りの賃金で農業の自家労賃というものを評価がえするということは、根本的に間違っておるわけですよ。しかも、そうしなければならぬという、農林統計上の法的な根拠も何もないじゃないですか。ただ昔から何のことなしにその方式でやっておるからして、われわれもそれを継承してやっているにすぎないという、こういうことなんですからね。農林省の統計調査部としてこの解明ができないとすれば、いま政府として、たとえば内閣の全構成の中で的確な統計というものを確立する場合には、これはどこがいま担当しているのですか。農林省の統計調査部ではそれ以上のことができないとすれば、政府部内のどこかでこれは明確にしてもらわなければならぬわけです。その点まできょうは明らかにしてもらって——相手がきまらぬと、中沢部長と論議しても、私は限界があるからこれ以上の議論はできませんといえば、これはもう相手にできないわけですからね。それなら、たとえば総理府の統計局あたりが相手としては一番権威があるとすれば、そこと議論しなければならぬということになるのですよ。その辺はどうですか。
○中沢説明員 労働の性質が常用的なものであるということについては御異議ございません。ただ、評価の問題としてということで先日来お答え申し上げたわけでございまして、その評価が、現在やっているような方法をとる場合の決定権はどこにあるのかという御質問でございますが、分掌上それは統計調査部だというふうに考えております。内閣に統計関係の部局がございますが、これは調整権限でございまして、決定権はあくまでも農林省にある、分掌上農林省の統計調査部長にあるというふうに考えておるわけでございます。
○芳賀委員 それでは、農林省の統計調査部長の権限においてこれはどうにでもなるわけですねそこをはっきりしてください。
○中沢説明員 統計調査部で決定したことを農林大臣の御了承を得れば、そういうことになります。
○芳賀委員 それでは中沢部長が適切にやり方を変えると、それを農林大臣が認めれたばそれでもういいわけですね、万事OKということになるのですか。
○中沢説明員 大臣の御決裁をいただけば、そのとおりでございます。
○芳賀委員 きょうはそこまでにしておきましょう。あと具体的な問題については次の機会に譲ることにします。これは私にとっても二十年来の懸案事項ですからね、せめて結論を中沢部長在任中ぐらいにつけておかぬと、今後寝ざめが悪いですからね。まあ、この点はこの程度にしておきます。 あと園芸局長にお尋ねしたいのは、一つは、これは園芸局に関係のある国産のイモでん粉の消流状態がどうなっておるか。去年のドル・ショック以来の変化もあると思いますし、自由化が拡大されておるという事情もあるわけですし、もう一つは、昭和四十三年に政府が買い付けた七万トンがそのまま保管されておるわけですからして、こういう政府の凍結分というものを今年の需給事情の中においてどう取り扱うかというような問題もあると思うのです。それからまた、ことしのイモでん粉の国内の自給度を高めるというような政策上重要な問題もあるわけですからして、これに関連して重要な点だけを概況として説明をしておいてもらいたいと思います。 もう一つの点は、昨年の下期から原糖の輸入価格が相当高値を呼んでおるわけでして、政府が設定いたしました安定上限価格をこえる輸入が行なわれておるということになれば、これは糖価事業団が積み立てをしておる安定資金からの放出ということも、運用上当然やることになるわけですね。これがまた国内のてん菜糖あるいは甘蔗糖の今後の施策にも関係があり、さらにまた、今年度のてん菜の原料価格あるいは生産の奨励、促進にも関係があるわけでありますからして、とりあえずこの二点について的確な説明をしてもらいたいと思います。
○荒勝政府委員 まずでん粉のほうから御報告申し上げます。 でん粉の全体の需給事情につきましては、過去一、二年の動向は、食生活がでん粉依存率について停滞ぎみというふうな感じでございまして、でん粉そのものの需給事情から申し上げますと、四十五でん粉年度でいきますと、大体百十五万六千トンの需給見込みであったものが、四十六年の私たちの見込みでも百十五万トン前後ということで、ほとんど横ばい、所得の増大あるいは人口の増大がありましても、どちらかといいますと、弱含みのかっこうになってまいっておりまして、でん粉業界としては全体としてあまりいい年ではないと思っておりまして、また今後もでん粉の将来の需給の見通しはあまり多く期待できないんではなかろうか、こういうように考えております。 さらにそのうち、北海道のバレイショでん粉を例にとってひとつ御説明申し上げますと、昨年でん粉の価格をおきめ願いますときには、北海道のバレイショも多少冷害の影響を受けてあるいは悪いんではないかというふうな見方をいたしておりまして、でん粉といたしましては十八万トンくらいを想定いたしましたところ、十月以降の天候の回復もあり、あるいはわれわれの調査の不十分さもあったせいかとも思いますが、結果的には二十三万トンということで、予想よりも五万トンばかりでん粉の供給量がふえたわけでございまして、そういうふうになっておる次第でございます。したがいまして、当初われわれといたしましては、食管特別会計が現在七万トンのバレイショでん粉を持っておりまして、この七万トンのうち約半量前後のものを国内の需給状況に回す予定にいたしておりましたところ、やはり二十三万トンの供給があったものですから、現在の段階では七万トンの払い出しにつきましては多少抑制してまいりたいというふうに考えておりまして、大体二、三万トン前後をこの下期で放出していきたい、そしてバレイショでん粉の需要者といいますか、消費者の要望にこたえてまいりたい。そういたしませんと、やはりバレイショでん粉のユーザーが多少ほかのでん粉に用途先を変更するおそれがありますので、この際供給を潤沢にしてまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。 また、この払い下げに際しましても、決して今年産バレイショでん粉の価格あるいは流通問題に悪影響を及ぼさないような形で、生産者団体あるいは消費者団体、両方の意見を十分に聞いて、これは慎重に払い下げてまいりたい、こういうふうに考えている次第でございます。 それから砂糖の問題でございますが、昨年十一月以降国際糖価が非常に暴騰いたしまして、まさに前のキューバ動乱以来の価格の値上げということで、一時期にはいわゆるロンドン相場でトン当たり九十ポンドというふうな高い相場で、昨年の夏ごろの値段に比べますと三倍近いところまで暴騰したわけでございます。その大きな理由は、キューバの砂糖が予想外に不作であった。当初五百万トン前後あるだろうといわれておりましたものが、四百万トンから四百五十万トンくらいだ、これがおととしの八百五十万トンに比べますと約半分。そういうキューバの予想が悪いということのほか、ソ連におきますビートの生産量が非常に悪いらしい。どうもソ連のことですから統計的にはっきりいたしませんが、非常に悪いらしい。さらにそのほか東欧圏のビートも天候のかげんで非常に生産が減っているということで、全体として国際的に砂糖の需給逼迫が顕在化した、昨年の十一月ごろからはっきりしてきたということが大きな原因ではなかろうか、こう見ておる次第でございます。その結果、非常に上がりましたので、糖安法に基づいて糖価安定事業団が従来から、過去五年間ほどかかりまして二百六十億近い安定資金を積み立ててまいったのでありますが、糖価安定法の本来の目的の趣旨に沿いまして、安定上位価格を上回るような場合にはこれを安定資金をつけて糖価の安定に資するように、現在そういう方向で指導して安定資金を払い戻しておるというかっこうになっておるわけでございます。これによりまして、不当に糖価がまた暴落しないように、あるいは暴騰もないようにということで、糖安法本来の安定上限価格あるいは安定下限価格の範囲内におさまるように、われわれといたしましては今後さらに一そう努力を続けてまいりたいと思っております。 最近の砂糖全体の需給見込みの中で、先ほど申し上げましたように、何となく頭打ちになってまいりまして、この一−三の砂糖需給実績等も推定いたしておりますが、どうも昨年よりは悪いんではなかろうか、砂糖の消費量も何となく減退ぎみということもありまして、この三月前後の砂糖の消費量は頭打ちというようなかっこうで、価格のほうでも非常に低迷ぎみで、実際の売買取引はあまりいい妥当な価格とは思えないような水準で現在低迷しておるというふうに理解しておる次第でございます。
○芳賀委員 最後にお尋ねしますが、実は国産糖の合理化計画の問題等についてもきょう質問をする予定でしたが、たまたま本日が甘味審議会開催の日ということを聞きましたので、これは時宜を得ないのであと回しにしますが、ただ価格で問題がありますのは、昨年の四十六年度のてん菜糖の政府買い入れ価格がトン九万九千円にきまったわけですね。局長の当初の説明でも、この価格は昭和四十年度の価格に逆戻りしたということをあなたは言っていましたけれども、この合理化計画からいうと、四十八年度にトン当たりの価格は九万四千円ということを一つの見通しとして持っておるわけですね、そうでしょう。それは結局、計画を立てた時点においての経済の変化あるいは人件費とか諸物価の上昇というものの見通しが、いまになってみれば現実に合致しておらないということで、合理化を進めても必要経費というものはやはり糖価に加算しなければならぬということで昨年は九万九千円になって、政府がきめたと思うんですよ。ですから、これは四十八年度の五カ年計画が終わるまで、糖価については九万四千円を目標にしていくのか、あるいは五年間の中途においても甘味審議会に政府が諮問をしてこれを適正に改めるのか、この点はどういう考えを持っておられますか。糖価を変えるということになれば、それの見合いで当然原料価格についても昭和四十八年に八千四百五十円でいいということにはこれはならぬと思うんですよ。このかね合いがあるわけですからね。この辺をきょう審議会を開くということですから、どういうことをやるかわかりませんが、これは担当の局長として、五カ年計画におけるこれをどう扱うかという率直な見解を示してもらいたいと思います。
○荒勝政府委員 三年前に御存じのように二回目の国内産糖につきましての目標を改定いたしまして、三年目に、去年になりましてあと二年後にまた国産糖の合理化目標の改定時期が近づいていることは事実でございます。さらに来年の最終年度で北海道のビート糖の合理化目標生産費を九万四千円というふうに置いておりまして、昨年はビート糖の価格を決定する時点におきましては、北海道のビート自身が非常な冷害の影響を受けたということを前提にいたしまして、収穫量につきましても多少下回った線で計算をいたしましたし、また、歩どまりにつきましても、冷害関係で糖分はあまりよくないのではなかろうかという判断に基づきまして、低い歩どまりで決定いたしましたところ、結果論におきましては、十月の天候回復によりまして、予想外に収量も多くありましたし、また歩どまりにつきましても多く出たわけでございますが、その際価格決定の際の悪い条件で決定いたしましたものですから、九万九千円という、結局、合理化目標価格の流れからいたしますと逆行したような価格決定の経緯になっている次第でございますが、なお今後本年、来年と二カ年間の努力目標で、われわれといたしましては、生産量の増大並びに歩どまりの改善というようなことも含めまして、この価格決定に際しましてはさらに努力してまいりたい、こういうふうに考えておりますが、合理化目標価格というものはあくまで目標でありまして、これによって完全に年次計画どおりにきめていくという性格のものではございませんが、目標は目標として、われわれといたしましてはそれを尊重しながら、またその線におさまるように努力いたしますが、不当に民間の農家ビート栽培者の経営を不安定にし、あるいはその加工をするビート製糖関係企業の存立を不安にすることのないようにという立場で行政指導をやっていきたいと思っております。したがいまして、現在時点におきまして、ただいまの段階で合理化目標を、計画をいまここで途中で改定するという意思は持ち合わせてなくて、あくまで現在の合理化目標を目標としながら尊重しつつ、多少のブレはやむを得ないものという判断に立ちまして行政を推進してまいりたい、こういうふうに考えております。
○芳賀委員 これは非常に大事な点なんです。先ほど聞きましたとおり、糖安法第三条には輸入糖の上限価格、下限価格を審議会に諮問してきめるとあるわけですね。その諮問をきょうやっているわけだから、結論はどうかということは聞きませんが、毎年砂糖年度開始十五日前までにきめなければならぬというようになっているので、きょう審議会を招集したと思うのですよ。 先ほどの局長の説明からいっても、二百六十億円に及ぶ積み立てた安定資金というものは、場合によればこの一年間にこれは全部放出をしてしまうという事態もあり得るでしょう。そういう事態もあり得るわけだから、そうなると、じゃ、その後には一体どうするか。それは上限価格をまた引き上げれば対応できるとしても、あるいはまた暫定措置としては、関税の緊急引き下げをやるとか、そういうことはこの法律上にもできることになっていますが、そうなると、いままでと違ったことは、輸入糖の関係については相当価格が上昇傾向をたどるということが言えると思うのです。これを無視して国内の合理化目標を実行するということはできないと思うのです。去年は、てん菜糖についても農林省があなたのところで十分審査をして、そして九万九千円とか九万七千五百円ということで毎年買い入れ価格をきめてくるわけだから、人がきめて、あなたにこれを押しつけているわけじゃないですから、そういうことから考えた場合に、それでは四十七年の糖価を大幅に下げることができるかというと、そういうことにはならぬと思うのです。生産要素というものは経費面においては低下するという要素がないわけですから、そうなれば、少なくとも来年四十八年度には十万円ぐらいの実効価格ということにしなければならぬと思うのです。上がることをわれわれは期待しておるわけじゃないですよ。しかし、現実にはそうなるんじゃないかということを、ここではっきり指摘しておかなければならぬと思うわけです。そうなれば、原料価格については、順調に小刻みに二百四、五十円ずつ上がってきたからして、来年八千四百五十円にすればいいというわけにはいかない。政府の目標としておるてん菜糖の価格の九万四千円に見合う原料価格というものが八千四百五十円ということになっておるわけですから、原料と製品との相関関係のもとにおいて、当然これは適切に運営していかなければならぬ点であると思うのです。それは当然ことしの原料価格をきめる場合にも大きな働きをするわけですから、残り四百五十円しかないんだから、折半すればことしは二百二十五円上げればそれでもう十分だというような、そういう消極的な考えでことしのてん菜糖の最低生産者価格をきめるとすれば、これはあとで相当きびしい批判を受けるのですから、最悪の場合でもそれが最低限ということになれば、それ以上どれだけ適切な価格決定をするか。それがまた生産者に対して大きな生産意欲の刺激になって、量的にも四十八年度までには国が期待するてん菜糖の大増産が行なわれるというように、大事な年ですから、私が注意をしなくても心得ておると思いますけれども、相当決断をもってやってもらいたいと思うのです。それは先日の原料乳の価格決定を見ても、政府は、あるいは与党内部においても、何日もすったもんだした結果ようやく円台に乗せたというだけでしょう。そのほか米価にしても毎年毎年据え置きじゃないですか。全部まわりじゅうが据え置き、据え置きのそういう環境の中で、何とかこのてん菜関係については、十分ではないけれども、一段ずつ上がってきておるわけですから、それを他に気をとられて、ほかが全部据え置きだからわしのところも据え置きでなければ申しわけないというようなことではだめですよ。いいですか。その辺の、決意というほど大げさなことじゃないが、締めくくりとして担当局長から一言具体的な答弁をしてもらいたい。
○荒勝政府委員 ただいま御指摘の点の国内におきます砂糖行政は、全体の流れの中で北海道のビート糖が、過去におきましても、また現在におきましても、健全にかつまた順調に育ってきております事実を踏まえまして、今後ともわれわれといたしまして、本年の価格決定に際しましても十分安定的に増産できる体制に沿うよう努力してまいりたい、こういうように考えております。
○松野(幸)委員長代理 午後三時に再開することとし、これにて休憩いたします。 午後一時四十九分休憩 ————◇————— 午後三時五分開議
○松野(幸)委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。 土地改良法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松沢俊昭君。
○松沢(俊)委員 私はまず最初にお伺いしたいのは、この法律改正案というものが出るに至るまでのいろいろな社会的な変化というものがあることはわかるわけでありますけれども、ただ、私たち、農村の立場から申し上げますと、農村がこういう状態にならざるを得ないという方向にいまの政策というものが進められているのじゃないか。たとえば、新都市計画法という法律ができまして、そして線引き等で農地の面積を縮小する、あるいはまた農村工業導入法、これは昨年の国会で通っているわけなんであります。それから最近では、公有地の拡大推進に関するところの法律案というのを自治省のほうで考えておられる、こういうことを聞くわけでありますが、そうなりますと、この法律というものは、こういう農地を縮小するといういろいろな政策、その政策にこたえて改正というものが考えられるということになると、これからの農村の将来に非常に大きな暗影を投げかける、こういうぐあいに考えるわけなんであります。そういう点で、農林省としては、こういう私のようなものの考え方につきましてどのようにお考えになっているか、まずお聞かせを願いたいと思うのです。
○三善政府委員 ただいま御指摘になりました都市計画法に基づく線引き、それから農村工業導入法、公有地の拡大、こういうことで、農地を縮小して他産業に奉仕するようなことを考えているのじゃないかという御質問だったと思います。 一口に申し上げまして、そういう気持ちは一つもございません。ただ、最近の農業を取り巻く諸情勢にかんがみまして非常に大きく問題になってきますのは、一つは農業を農業としてどういうふうに発展させていくかという問題、一つは農業と他産業との調整ということだろうと思っております。 前者につきましては、農林省として、最近の情勢を踏まえまして、総合農政の推進のもろもろの施策をやっておりますし、土地改良事業としても、それに即応して、農業基盤整備の拡充強化をやってきているわけでございます。後者の場合につきまして、そういった状況をこのまま放置しておけばかえって農業サイドが困るというような事態も出てこようかと思います。そういう意味で、逆に、私どもが考えておりますのは、農業を、土地にしろ水にしろ、いかに守っていくか、もっと積極的に、農業サイドから他産業との調整の施策を打ち出していくかというようなことで対処していくことが、これは将来の観点から見ても必要だ、こういうふうに考えているわけでございます。 そういう意味で、農地がいろいろな他の施策によって縮小されていくのではないか、水が他の産業に奉仕するようなかっこうでとられていくのじゃなかろうかということではなく、私どもはやはり農業を主体に考えて、それをどう積極的に守り、どうその中で発展をさせていくかというような基本的な考え方で対処していきたいと思っております。この土地改良法の一部改正もそういう趣旨を踏まえて、最近の農業事情あるいは農業と他産業との利用の調整そういうことを主眼点にして新しい今後の方向に対処していきたい。その上でこの土地基盤整備事業のさらに一段と拡充強化をはかっていくというふうに考えているわけでございます。
○松沢(俊)委員 いろいろ質問すれば、またそれに答える答え方というのもあると思いますので、具体的に御質問したほうがいいと思いますけれども、たとえば法第八条の五項において、知事の認可基準で土地区画整理事業等調整すると、こうありますけれども、その許可の基準というものは、この前の田中委員の質問からしますと、何か非農地の場合二、三割というようなお話があったようでありますが、その点、もう一度詳しく御説明願いたいと思います。
○三善政府委員 圃場整備事業において非農用地を生み出していく、こういう新しいやり方を今度の法改正で設けたわけでございますが、いま御質問がありましたように、これをそうイージーに考えていけば非常におかしなかっこうになるということも懸念されるわけでございますが、私どもがねらっておりますのは、あくまでこれも農業サイドから見まして、農耕地の集団化あるいは農業経営の効率化、合理化、そういう観点に立ってこの非農用地の生み出しを考えているわけでございます。したがいまして、妥当なあるいは適切な規模と法的には書いてございますが、現実に、昨日もお答えいたしましたように、二、三割を限度としてその範囲内で処置をしていくというふうに運用を厳格にやっていきたいと思っておるわけでございます。
○松沢(俊)委員 そこでちょっとお伺いしたいのですけれども、新都市計画法の適用市町村、それから将来新都市計画法が全国的に適用されていくと思われるわけなんでありますが、その新都市計画法の適用区域、その場合におきます市街化区域というものは、これは圃場整備の対象になるのかならぬのか、それから調整区域はなるのかならぬのか、その点、お伺いしたいと思います。
○三善政府委員 線引きをやっているわけでございますが、その線引きによって市街化区域になりましたところについては土地改良事業はやらない、と申しますのは、市街化区域と申しますのは、おおむね十年以内にこれを優先的に計画的に市街化すべきものだとして一応規定した地域でございますから、ここで効用が長期にわたるような土地改良事業はやらない、ただ災害復旧とかそういった事業につきましては、原状回復等の事業は当然やっていくというふうなかっこうになっていくわけでございます。市街化区域の外の調整区域では、これは市街化を抑制すべき区域でございまして、土地改良事業は当然やっていく区域でございます。
○松沢(俊)委員 これは第四十七次の農林省の統計表を見ますと、たんぼが三百四十一万五千ヘクタールですか、畑が二百三十八万一千ヘクタール、合計すると五百七十九万六千ヘクタールということになっているわけなんですね。そこで、いま市街化区域に線引きをされたものの面積は、これは百二十万ヘクタール、こうなるわけです。ところが、昨年出されましたところの「地域指標」で、将来あるべきところの品目別の土地の面積、こういうものが出ておりますね。それを見ますと、全部で六百五万ヘクタール、こういうことになるわけなんです。そうなりますと四百五十万ぐらいなところが残されて農地になって、そうしてあとは市街化区域になります。そうすると五十二年では六百五万が必要だ、こうなっているわけだけれども、六百五万になるにはなかなかたいへんだというところの問題が起きてくるわけなんですね。こういうことは「地域指標」を出すところは別な局のほうから出すのだし、土地改良のほうはまた別な局のほうから出るのだ、こういうことでは農林省自体というものがてんでんばらばらなものの考え方になってしまうのじゃないか。私がさっき申し上げましたのは、何か押され押されてだんだんと農地が減っていくのじゃないか、こう言いましたのも、実はこういうことをお考えになってのことなのかどうかということを懸念いたしましたから質問しているわけなんです。五十二年までに六百五万の農耕地というものがこの法改正によってできるのですか、どうですか。
○三善政府委員 この土地改良事業につきましては、御承知のように、土地改良の十カ年計画のもとに事業を進めてまいっているわけでございますが、事情がそれぞれ変更しましたり、また十カ年計画で予定しました土地改良もあまり進んでおりません。そういう事情で、現在、土地改良十カ年計画を作業中でございます。この十カ年計画をつくります場合に、やはり今後の需給の見通しの上に立って、その上で農地がどの程度必要かといえようなことも当然考えまして、この十カ年計画はつくっていくわけでございますが、今年度中にはこれをつくりたいと思っております。 そういう意味で作業しているわけでございますが、いろいろ数字はございますけれども、その時点でつくりました数字というのも、最近非常に情勢が変更してまいりますので、やはりそれを修正し補完していくというようなことが必要だろうかと思っております。私どもはあくまで、土地改良十カ年計画というものをつくっておりますので、それに基づいて土地改良事業を進めていくということで、農林省全体としましても、その点農地局だけで進めているというわけではございませんで、全体としてそういう作業をいまやっているわけでございます。
○松沢(俊)委員 だから、いま私は、土地改良事業をやって、そして農地を農業用のものとして保護をし、農業を拡大していくという、要するに、そういうものの考え方であるということをあなたのほうで言っておられるわけだけれども、しかし、実際はこういう法律というものができ上がることによってあべこべの結果というやつができるのではないか、こういうことを指摘しているわけなんです。 そこで、さらに、それはそれとして私の意見ですから申し上げますけれども、この法案全体から見ますと私はそういう考え方を持っておりますけれども、やはり社会的な変化に対応する土地改良事業をやっていこう、いわゆる土地の社会性というものが出てきたということ、こういう考え方でこの法案というものができ上がっているような気がするわけです。たとえば工業の用地というのはこの辺に置いて、そして集落が点々としているところがあれば一つの集落をつくって、そしてあと移転をして圃場の整備をやっていく、こういうようなことですね。それが農地の社会性といいますか、要するに、いままでの考え方とはちょっと意味の違った性格を持ってきたという考え方がこの法案の前面に出ていると思います。 そこで、確かにいまそういう傾向というものもあると思うのですよ。たとえば川なんかの場合を見ましても、いままでは農業用一本の水利権であったわけですね。それが今度農業排水が都市排水、工業排水とがごちゃごちゃになってしまう、そういう場所なんかも出てきておりますし、あるいはまた工場が進出をして、そして農業を痛めつけるというような問題が出ているわけだから、その辺は調整をしながらやっていかなければならないということも現実の問題としては起きていると私は思うわけなんです。したがって、法律の改正というものも出てきたのではないか、こう思います。 たとえば、いろいろありますが、農業振興地域の整備計画に基づくところの基幹事業の実施方式の改善の中では、参加者の同意を求め、三分の二以上といままでなっておりましたのですけれども、これを三分の二以上の同意でなくても、つまり町村議決ですか、国営事業の場合は県議会議決ですか、これで済むというような形で、非常に簡素化されていっているわけなんですが、そういう場合、総合的に水や農地というものを使うということで考えられる場合におきましては、負担の面等もやはり十分公共性を持っているのだという考え方で負担というものも考えてもらわぬと困るのじゃないか、こう思うのですよ。ところが、一面においては非常に公共性を持っているように取り上げられておって、一面におきましては負担はやはり農民負担という、たとえば議会の議決で農民の農地というものをあるいはまたその他のいろいろな施設というものを簡単に改造していく、これはちょっと民主主義の原則からしておかしいと思います。けれども、そうしなければなかなか思うぐあいにいかない。そしてそれは農業の問題だけでなしに、多角的な意味というのが含まれているのだから、したがって、市町村議決あるいは県議会議決、そういう方向でいったほうがやりやすいという考え方から、三分の二の同意のほかにもう一つの取り上げ方ができるようになったのじゃないか、こう思うのですよ。そうだとすると、負担のほうもやはり社会性を持ったというところの観点に立って考えてもらわなければ困るのじゃないか、こう思いますが、その辺はどうですか。
○三善政府委員 お尋ねの市町村申請特別事業、新しい今度のやり方として設けたわけでございますが、これは御指摘のように、当初から三分の二の従来の同意をとってやるということではなく、農振計画とかあるいはその地域全体の基盤整備事業の根幹となるような事業につきましては、先行的に、いま申されましたように、市町村議会の議決あるいは都道府県の議会の議決、もちろん土地改良区を通じて農家の方の意見も聞きながら発足するわけでございます。この事業もそういう先行的にスタートはしましても、基幹的な事業でございますから、当然関連した事業があとで行なわれることになるわけでございます。この関連した事業は、土地改良事業は、当然従来のやり方、手続に基づいて三分の二の同意をとってやることでございますから、この関連事業と基幹事業というのがいわば一体的に進んでいくというふうに考えれば、何も従来の三分の二の同意から出発していく土地改良事業のやり方を、その同意はなくて市町村の議決だけでやっていくという単純なやり方ではなく、土地改良事業の従来のやり方を基本的には踏襲しているということでございます。そういう意味で、事業の基本的な性格としては私どもは変わらないと思っておりますので、負担の面につきましても、そういうことで考えているわけでございます。ただ、土地改良事業で、非常に最近は大規模なかんがい事業あるいは大規模な農道事業、そういうことが実態的に進んでまいっておりますし、そういう実態に合わして手続的に簡素化した。ただ簡素化しても、実態は三分の二同意と同じようなやり方になっていくのだというふうに御理解願いたいと思います。 ただ、一般的にそういう大規模な土地改良事業が出てきますと、これは一面においてはやはり公共的な性格というのもあるわけでございまして、その意味で、この土地改良事業の国庫負担あるいは補助率等は非常に高くしているわけでございます。また補助残については非常に低利な土地改良資金の融資をやっておるということを考えているわけでございます。そういう意味で、この負担とか補助率とかいう面につきましては、今後やはり一般的な問題として検討はしていきたいと思っております。
○松沢(俊)委員 局長、土地改良事業の総合化の問題にしましても、やはりあらかじめ市町村長の意見を聞く制度を設けることになっているわけでしょう。それから農振法の問題にしましても、三分の二の同意のほかに、そういう便宜的な方法というものも考えられる。これはやはり農業問題としての土地改良という考え方の線というものが薄らいできて、もっと総合的に、たとえば用排水の問題にしたところで、あるいはまた農道の問題にしたところで、あるいはまた農地そのものも総合的に利用しようというところのそういう発想があるから、こういう法律改正になっているんだと私は思うのですよ。そこで、私は、たとえば河川なんかの場合を考えますと、河川の場合におきましては、国の事業の場合においては国が五八%、県が二一%、地元が二一%、こういうことになっておるわけなんですね。それから、大規模農道の場合においては、これは六五%を国で、地元が三五%、こういうぐあいになっているわけなんです。大規模農道なんかの場合におきましては、これはもう明らかにだれが見ても——まあ、林野庁の峰越し林道なんかありますが、あれなんかにしたところで、農村地帯に行きますと、先に林道をつくって、そうしてきれいにしてしまったところを今度県道に格上げをしてもらう、こういうやり方というのが通例になっているわけですよ。だから、大規模農道なんかの場合にいたしましても、でき上がるまでは土地改良でやっていって、そしてでき上がってしまえば、これはもうほとんど農民だけが使かないで、一般の人が使う、あるいはまた県道に昇格をさせるというようなケースというのがこれからどんどん出てくると思うんですよ。やはりそういう意味というものがあるからこそ、また町村長の意見を聞かなければならないという制度にもなるんじゃないか。 そこで、問題になりますのは、そういう社会的な立場でこういう工事というものは考えなければならないということになれば、たとえば農道なんかの場合においては、当然のことながら、これは地元負担というものは、農民負担でなしに市町村負担、市町村のほうには自治省あたりで交付金を出して、そして処理をしていく、これくらいのことはやってもらわなければならないんじゃないですか。 それからもう一つの問題は、河川の場合においては、今度は農道とまた違いますよ。支線というやつをつくらなければならぬわけなんですから、これは付帯工事が当然起きてくるわけですね。付帯工事が起きてくるということになりますと、県営、団体営というものが出てくるわけなんですが、この県営、団体営の場合においては三分の二以上の同意ということをいっておられるんだと思います。しかし、幹線ができて、県営あるいはまた団体営ができ上がらないとなれば、幹線というやつは意味がない、こうなるわけなんですよ。そこで、そういう場合はやはり三分の二以上の民主的な同意でなければならないというように区別つけていかなければならぬのじゃないか。だから、土地改良の施設にしても、種類によっていろいろこまかな配慮というものが私は必要なんじゃないか、こういうぐあいに考えますのですが、この点はどうお考えになりますか。
○三善政府委員 先生からいろいろ御指摘、御意見を伺いましたけれども、今度の土地改良法の改正は、農業サイドじゃなくて総合的な観点から考えているのじゃないかという御意見のようでございますけれども、私どもはやはり基本的には農業サイドの面から考えて、農用地がスプロール的につぶれていくというようなことは防ぐ、集団的優良農地を防ぐのだ、農地の転用なんかでもそういうことをやっておりますし、そういう意味で、あくまで農業サイドからの考え方で出発し、この土地改良法の改正も考えているつもりでございます。 それで、御指摘にありました土地改良事業の種類によって負担率等を変えるべきではないかということでございますが、現に大規模農道とかあるいはかん排事業とかあるいは県営の畑総とか、そういった事業につきましては、やはり政策的な面もございますし、その事業の及ぼす効果、農民負担の限度、そういうことも考えまして、いろいろ補助率は変えているというような点もございます。いずれにしましても、今後の問題としまして、個々の事業についていまいろいろ補助率が変わっているというような面もございますし、今回の改正で総合事業等も始めますし、そういう意味で総合的な補助率自体も今後検討していかなければならぬとは思っております。 もう一つの御指摘で、大規模農道なんか、これは農業の問題じゃなくて、むしろ一般的な道路と同じじゃないかというような御指摘も受けましたけれども、私ども土地改良事業で農道を一つつくっていきます場合でも、一般の公共事業による道路、建設省でやっている道路のつくり方と私どもがやっているつくり方というのは、計画から非常に違っているんじゃないかと思っております。といいますのは、農業という面を考えてやっているわけでございますから、その路線の位置をきめるにつきましても、あるいはその道路が農業団地、そういうのとどういうふうに関連して流通的な道路の役割りを果たすか、そういう農業サイドから見て非常にきめこまかい計画のもとにやっていくわけでございますから、そういう意味では一般の他の公共事業のやり方とは違うというふうに考えているわけであります。 あれやこれや申し上げましたけれども、そういう補助率、負担の問題につきましては、先ほども申し上げましたように、やはりその事業の性格、その事業の大きさ、あるいは公共性等も考えまして、また政策的な事業の進め方、あるいはまた農業政策の関連、そういうことも含めて将来ともこの改善のために私ども努力していきたいと思っております。
○松沢(俊)委員 もちろん、あなたが局長としてお考えになるのは、農業サイドから発想をされるということ、これはそう言わなければならないと私は思うのですよ。だけれども、客観的に見た場合においてはこれは確かに——大農道なんというものを実際見られたことがありますか。将来これは県道にしようというところの考え方が非常に濃厚なんですよ。だから、でき上がってしまった場合においては、これは必ず県道か町村道になるのです、間違いなく。そしてそれはまた農業用の道路とも言えるし、一般的な道路とも言えるわけなんです。だから、そういう場合においては、これはやはり自治省あたりと交渉されまして、そういう負担というものは市町村負担にして、市町村は交付税をもらってそこに充当するという、こういう交渉をやってみられたらどうですか。要するに、あなたの説明のように、これはあくまでも農業用のものだとここで主張されても、実際はそういう方向で行っていないのだから、そうなれば、自治省あたりとも相談されて、この負担は、農業用だけでなしに一般公共性を持ったものに必ずなるのだから、それはやはり自治省のほうで何とかしてもらわなければ困るじゃないかぐらいのことは言ってもらわないと、この問題は解決つかないのじゃないか、こう思うのですよ。そういう点はどうですか。
○三善政府委員 自治省に、実は私どももそういう御指摘の問題についてはこれまでも折衝はしております。特にそういう御要望が最近あちこちから非常に強いわけでございます。今後私ども真剣にその問題につきましては自治省と相談をしていきたいと思います。 それから、道路の維持管理みたいなことについては交付税の対象になっているかと思いますけれども、いずれにしましても自治省と、まあなかなかかたい役所でございまして、一度、二度折衝してもスムーズになかなかいかないという点もございますけれども、ひとつその点積極的に努力を続けていきたいと思っております。
○松沢(俊)委員 それから、農業用の用排水の利用関係の調整の問題でありますが、これもきのう田中委員のほうからもいろいろとありましたのですが、この水利権の問題ですね。この水利権というのは、私が申し上げるまでもなしに、二つあると思います。いままで根本建設大臣が慣行水利権を農民の手元から取り返すような発言をされたことがあるわけなんであります。それから、大きな河川になってきますと、河川法二十三条で流水の占用の許可の条項というのがあるわけですね。これを私は建設省で聞いたわけなんです。そうしたら、建設省のほうではこういう見解をとっておられるわけなんです。それは、この許可水利権は、公権であるが、財産的価値を内容とするものであって、私権に準じて譲渡性というものを持っており、そして侵害された場合には民事訴訟によって決着をつけることができると解釈されている、こういうのがいわゆる許可水利権のものの解釈なんですね。そうしますと、きのう田中委員に対しましては、そういう川の歴史等からいって、水利権を別なところに移していく場合においては、そういう旧来の権利の価値というものをやはり支払ってもらわなければならぬのじゃないか、こういう質問に対しまして、あなたのほうでは、それはどうもうまくないようなお話であったわけなんでありますが、水政課のほうではそういう見解をとっておるわけなんです。ですから、この際、そういう水利権の問題、都市排水あるいは工場排水あるいは工業用水、そういうものにいろいろ利用されるという場合においては、当然それはいままでの土地改良区が権利を持っておったわけなんだから、それを譲渡するのだという考え方に立って、ここではっきりと御答弁を願いたいと思うのです。
○三善政府委員 いま先生申されました水政課の解釈、私どもはそういうふうには聞いておりませんし、河川法の適用になっている許可水利権というものは、そういう財産的価値を認めてやっているということではないと考えております。したがいまして、きのう私、田中先生にも、持ち分権を持たせるという場合には、この施設の持ち分権でございますということを申し上げたわけです。おそらく先生言われるのは、そういう共有持ち分権を与えるのだったら、従来から持っている農業の水利権のその対価的なものはひとつ実質的にもらったらいいじゃないかというようなお話しであろうと思いますけれども、これは実態問題はまあいろいろあろうかと思いますけれども、法的な解釈としては、申し上げておりますように、あくまで共有権は、共有の持ち分権を与えるのは施設に対してであって、それから水利権は、別の河川法に基づく水利権を与えるというかっこうになっていくわけでございます。したがいまして、その分も当然持ち分権を与えるときにその価値として取っていったらいいじゃないかということには法的にはなりません。そういうふうに解釈をしております。
○松沢(俊)委員 要するに、ここに、流水の占用とは排他独占的に継続して河川の流水を使用することであり、その許可は性格的に公物における特別な使用権の設定であるとされている、またその権利は公権であるが、財産的価値を内容とするものであって、私権に準じ譲渡性を持ち、侵害された場合は民事訴訟によって決着をつけることができると解釈されている、こういうはっきりした解釈が出ているわけなんです。ですから、単に新たな何か用水に使うような施設、これを使わせるというような場合においてはもちろん代償をもらわなければなりませんけれども、いままで農業用水として使っておったものを、それを今度は工業用水に分けてやるという場合においては、それはこの解釈でいいじゃないですか。建設省が言っているのですからね、農林省が遠慮する必要はないじゃないですか。その点、どういうことですか。そういう解釈をはっきり言っているのですがね。要するに、いままでの土地改良事業をやっているところの団体が権利を持っている、だから、それは当然土地改良区にその代償を、工業用水なら工業用水、その他のものであるならその他のものから代償を取らせる、取る権利があるのだ、こういうことをここではっきりしてもらわぬと、建設省がそう言っているのに、農林省がそれは権利はないでしょうと言うのは私はおかしいと思うのですよ。だから、そういう点からいくと、あなたは農業のことを考えておやりになっていると言うけれども、ここまで来ると、建設省すらそう言っているのに、それを否定されるということはおかしいのじゃないですか。
○三善政府委員 建設省がそう言っているということは私よく理解できませんけれども、法的には私の申し上げたようなことで間違いはないと思います。ただ、実態の面ではいろいろとその辺のところは話し合いがあろうかと思いますけれども、法的な権利関係としては、いま申し上げたようなことで解釈が統一されているはずでございます。
○松沢(俊)委員 それは建設省の水政課ですよ。要するにあなたの見解と違うわけなんで、向こうのほうが一歩前進している、あなたのほうが一歩後退している、こういうふうに解釈されますので、これはこの法律案が決着つくときまでにはっきりしておいてもらわぬと困ると私は思います。そういう点で統一的な見解というやつを出してもらいたいと思いますが、どうでしょうか。
○三善政府委員 建設省とすぐ相談をしてまいります。あとでお答えいたします。
○松沢(俊)委員 それから「土地改良区は、その行なう土地改良事業により特に利益を受ける組合員以外の者があるときは、都道府県知事の認可を受けて、その者に当該土地改良事業に係る事業費の一部を負担させることができるものとすること。」と、法律の趣旨はこういうことになっております。これはだれが賦課してだれが徴収するのですか。
○三善政府委員 それは土地改良区が賦課することになるわけです。徴収も土地改良区がやるわけでございます。
○松沢(俊)委員 そこも非常に問題があると思います。新潟市周辺に土地改良区があります。亀田土地改良区というのがある。ところが、水害予防組合という予防組合があるわけなんです。それは土地改良区のほうで賦課徴収をやっているわけなのでありますけれども、市街化されてしまうと、令状を発行しても発行をされたところの人がいないという問題が起きたり、あるいはまた、出してもそれを自発的に納めてくる者がいない。すでにそういう状態がずっと続いているわけなんです。要するに、そういう徴収令状を出してもほとんど満足に取り立てることができない、こういう状態になっているわけなんです。おそらくいまの場合におきましても同じことがいえると思うのです。組合員以外の者に受益があった場合においては、組合員以外の者から徴収することができるといっても、実際上徴収できないじゃないかと思います。そういう徴収のできないようなものも、できないからしようがないじゃないかということであれば、やはり土地改良区は経費負担をやって、そして農民が自発的に運営しているところの組合なんですから、結局それは、こういう規定があったとしても、農民が負担をしなければならないという結果になってしまうんですよ。ですから、私は、こういう問題は当然市町村が負担をするという、そういう義務づけをやっていかなければ空文化してしまうんじゃないか、こう思われるのですが、その点はどうお考えですか。
○三善政府委員 市町村に義務づけるということは、これは非常に困難であろうと思います。と申しますのは、その土地改良区が土地改良施設として管理しているわけでございますから、それを市町村に義務づけするということは、これはなかなか困難なことであろうと思います。ただ、その施設がほとんど都市排水のほうに変わっていくというような場合に、その変わり方の程度に応じて市町村と協議をし相談をしていくというようなことは、これは当然あり得るわけでございますけれども、一般的に義務づけしてやっていくということは困難であろうかと思っております。
○松沢(俊)委員 私が言っているのは、せっかくこういうことを条文化されたとしても、実行不可能なことでは話にならぬじゃないか。だから、そういうものはきちっと、どうせ取れないんだから、取れないものは市町村で負担をするというふうにして、はっきりしたほうがいいのじゃないか、こういう御提案を申し上げているわけなんです。その点をもう一度はっきり、そういう方向で進めるのであるならば進めるというふうに答えてもらえばいいわけなのです。 もう一つは、「土地改良区の管理する施設が市街化の進展等に伴い土地改良施設以外の用を兼ねることが適当と認められるに至った場合には、土地改良区は、関係地方公共団体等に対して、その管理の方法、費用の負担等につき協議を求めることができるものとすること。」こういうことにもなっておりまして、結局、要するにその管理費というものの負担の問題だということになると思います。その場合、管理の費用といたしましては二つあると思います。要するに、通常管理するに必要な経費、それからその施設そのものの建設事業費、二つあると思いますが、この二つとも含まれているのかどうか、その点を明らかにしてもらいたいと思います。
○三善政府委員 員外者の負担の賦課の問題でございますけれども、こういう規定を設けても、先生のいまのお話では、現在実効はあがっていないんだから、とてもあがりようがない、こういうお話のようでございますけれども、ひとつ実効があがるように私どももっといろんなことを考えて十分指導をしていきたいと思っております。 それから第二番目の御質問は、これは維持、管理の費用で、直接の管理費用あるいは間接的な管理費用ということで考えております。
○松沢(俊)委員 直接的、間接的ということなんですけれども、その辺はっきりしてもらいたいんです。たとえばその施設を管理する一般的な、電気を使っているならば電気料とか、そういうものの経費になるわけなんですね。それからもう一つは、工事そのものの建設事業費、機械なんか使っているとすれば機械の償却費とか、いろんなものがあるわけですね。そういうものは含まれるのかどうかということなんです。
○三善政府委員 いま簡単に間接、直接費用と申し上げましたけれども、たとえば維持、管理に直接要する費用ということでは、施設の補修費や電力料や人夫賃等、間接に要する費用としては職員の人件費等もあるわけでございます。 御指摘の償却費、それを入れるかどうかでございますけれども、これは非常にむずかしい問題もございまして、入れるべきであるという議論と、これは含まれないという二通りの議論があるわけでございます。私どもも現段階でちょっときめかねておりますが、早急にそのどっちかにきめてひとつ考えていきたいと思っております。
○松沢(俊)委員 どうですか、二つの議論があるといいますけれども、二つの議論でなしに、農林省の農地局のほうとしては、建設費というのは当然負担の対象になるのだというぐらいのあれをやらぬと、前向きの解決にならぬと私は思うのですよ。ただ、通産省あたりでそういうものは含まないという見解を出されるのは別として、あなたのほうで二つの論議があってきめかねるなんということではちょっと困るので、やはりこの際はっきりさせてもらっておいたほうがいいのじゃないか、こう思うわけなんです。
○三善政府委員 早急にきめたいと思っておりますが、いままでいろいろ議論してきたわけでございますが、まだそこを決定的にどういうふうにきめるかという結論が出ておりませんので、早急にこれを検討してきめたいと思っております。
○松沢(俊)委員 要するに、この法案というものが採決されるまでの間にはっきりしてもらいたいと思います。そうでないと、いろいろ私たちも態度をきめるにきめかねるという面が出てくるわけですから、その点はどうでしょうか。
○三善政府委員 採決されるまでに努力はいたしますけれども、はっきりそこまで結論が出ますかどうか、私、お約束はできませんけれども、努力はいたしたいと思います。
○松沢(俊)委員 ぜひひとつ努力をして出してもらいたいと思います。 それからもう一つの問題ですけれども、「土地改良区等は、その管理する水路に予定外の排水をする者があるときは、管理規程の定めるところにより、その停止等を求めることができるものとする」停止を求めても、停止しなかった場合にはどうなるのですか。
○三善政府委員 法文上は裁定とかそういうのはございません。停止しなかった場合どうするのだといわれれば、これは訴訟か何かに持ち込むことしか法的にはないわけでございますが、こういう規定を設けたこと自体は非常に意義があると私は思っておりますし、指導の面においてぜひそれが実行されるように、私どもも指導してまいりたいと思っております。また、現実問題として管理規程等を定めまして、そこの地域の方々に協力を求めていけば、相当実効はあがるというふうに考えておりますし、あがるようにひとつ指導も徹底してまいりたい、こういうふうに思っております。
○松沢(俊)委員 これは罰則規定というのを入れることはできないものですか、どうですか。
○三善政府委員 法案を審議しますときに、罰則規定を入れるかどうかということで法制局とも審議してみたのですけれども、やはりそこまでいくことはむずかしいということで、罰則規定は入れられないというふうに一応考えております。
○松沢(俊)委員 それはどういう関係で罰則規定は入れられないのですか。
○三善政府委員 管理秩序と申しますか、いろいろな管理秩序が実態においてあるわけでございまして、それが統一されて法制的に一つの規制をすることはなかなかむずかしいというような実態を踏まえた一つの問題でございます。また、それだけ強行な、一つの法的な規定を設けて規制するというような性格でもないだろうという、この二つの問題がございまして、罰則規定まで入れるということは困難であるということであります。
○松沢(俊)委員 それは水利権だとかそういうところにかかわってくるわけなんですか。だから、罰則規定というものが入れられないということになるのですか。その点、どういうことでしょうか。
○三善政府委員 従来からのいろいろな慣行的なものもあるわけでございますから、それを犯罪というようなことで構成して罰則を入れるということはむずかしいということでございます。
○松沢(俊)委員 もう一つ聞きますけれども、管理規程というものがございますね。この管理規程というのはどういうあれですか。五十七条の二、それから規則の七十二条ですか、ダムだとかそういうようなもの以外の一切のものというのは、この管理規程の中に含まれるのですか、どうでしょうか。管理規程というものはどういうものを規定するのですか。
○三善政府委員 管理規程を定めるような施設、こういう意味でございますか。——これは現行法でも水争いとかそういうことをおもんばかりまして、ダムとか頭首工の堰堤とか、そういうものに限って現在やっておるわけですが、今回は予定外廃水の差しとめ請求をやるわけでございますし、そういうやる必要のあるような一つの水路、たとえば都市近郊の土地改良区の用排水施設、そういう水路でしかも差しとめ請求をしなければならないような、あるいは近い将来しなければならないようなそういうおそれのあるところ、そういった大規模の水路ということに考えておりまして、全般的にこれをつくっていこうということでもございません。
○松沢(俊)委員 時間が参りましたのでやめますけれども、私が指摘しました幾多の問題がありますが、それを完全に農地局のほうで受けとめていただきまして、そして前向きに検討してもらわないと、せっかく文章の上においてはうまくいきそうであっても、現実はうまくいかない、そういう面がたくさんあるように私は考えられるわけなんです。そういう点を十分前向きに検討していただきまして、そうしてこの法律があることによって農業そのものが守られる、そういう結果が出るようにしてもらいたいということを要望いたしまして、質問を終わります。
○三善政府委員 いろいろ御指摘を受けましたが、要は土地の面あるいは農地の面あるいは水の面、私どもやはり農業サイドから見て確保していくということを前提として考えております。またその他いろいろ御指摘の点につきましては、今後検討すべき問題もございますし、むずかしい問題もございますけれども、鋭意努力してまいりたいと思っております。
○松野(幸)委員長代理 次は津川武一君。
○津川委員 初めに農林政務次官にお尋ねしますが、私たちは、日本の経済を各分野にわたってつり合いのとれたものにしたい、農業についていえば、工業と並んで日本の経済の二大支柱として育てていきたい、こういうふうに考えているわけであります。その立場からいま問題になっている法案について言いますと、農業用水です。必要な農業用水を守り育て開発していく。もう一つは、農業をやっていく上に必要な農地を確保して、規模拡大のために農地を拡大していく、こういうことを考えているわけでございますが、農林省はこの点どう考えておりますか。
○伊藤(宗)政府委員 先生御指摘のとおり、農業と工業、バランスのとれた形でもっていく、そしてまた発展を遂げていくということは、まことに望ましいことでございまして、われわれもそのとおりに考えております。土地の問題については、農振法に基づいて農地をしっかりと確保してまいるように努力をしますけれども、さらに、きのうあたりの御論議からも出ておりますように、農地の需給のバランスの見通しをしっかりと立てまして、そういう角度からも所要の農地の確保をはかってまいりたいと思っております。 また、農業用の水につきましても、これまたきのうあたりからの御論議にもありますように、ややもすると工業サイドに押されがちの農業用水をわれわれとしてはしっかりと確保をする。かりにこれを工業サイドに利用させる場合におきましても、土地改良事業が計画的に進められた上において、農用地の水が他サイドにも利用されるという形に歯どめを設けながら水の問題の確保をしてまいりたい。その意味におきましては、農地局長その他が申し上げておりますとおり、土地利用計画のしっかりした見通しを早急に立てるように、来年度予算の調査費を通じましてつくり上げて、皆さま方の前にお示しをしたいと思っております。
○津川委員 もう一つ農林省にお尋ねしますけれども、いまの日本の農業を非常によくささえて発展さしたのは土地改良事業、したがって、これはやらなければならない。そこで、これをやるにおいて、農民の計画、自主的な計画、私はこれが必要だと思う。そしてさらにこれを民主的にやっていく、こういうことが必要だと思うのですが、この点、農林省はどうでございますか。
○伊藤(宗)政府委員 これも全く御指摘のとおりでございまして、制度上もそうなっているわけですけれども、これからこういうきびしい農業情勢にあって、生産性を高める唯一のきめ手でもございますこの基盤整備、土地改良を強力に推し進めていくためには、どうしても末端の農民の自発的な創意なり同意がなければ事業としてもでき得ないことでございますので、さらにそういう末端の農民の意思が十二分に反映するような形に土地改良事業が推進されるように、農林省としてもさらに行政指導を行なってまいるつもりでございます。
○津川委員 いま農林省にお尋ねした立場から少し問題を展開してみます。 昨年の四月、建設省の河川局で「広域利水調査第一次報告書」というものを出しております。これによりますと、昭和四十六年に水不足を生ずると予想される地域は全国で八地域、特に京浜、京葉地域では年間三十一億立米不足する。そこでこの不足をどうして補うかというと、二十億立米の水の開発計画を立てたわけです。これを見ますと、工業用水は昭和四十年度で七億七千立米、これを四十二億に増加するという。これは正しいと思う。ところが、四十年度で使っている農業用水が二十三億立米、これが一億より増加しない。次官がはしなくも言ったように、工業用水とバランスとってやる——工業用水の分は七億から四十二億、農業用水は二十三億からたったの一億。これでバランスがとれるのかどうかというこういう計画を立ててからやるというなら話はわかるけれども、農林省はいまはしなくも計画を立ててやると言ったが、すでにこういうことが出てしまっている。 もう一つ、農林省も参加してつくった房総導水路建設事業計画書、これを見ますと、こちらの房総の木更津の工業用水に水をやると書いてある、九十九里浜に工場が建つから水をやると書いてある。この地域に農業開発するのに水をどれだけやると一言も書いてない。これでいま次官が言ったように農業を守るのか。農業サイドなのか工業サイドなのかというと、工業サイド一辺倒だと思うけれども、この計画に直接参加している農地局長に答えてもらいます。
○三善政府委員 いま先生申されました工業用水ですか、それの需要の増加、それと農業用水は全然増加しないじゃないかという御指摘でございますが、この水の全国的な需要というのは将来一体幾ら考えられるかという問題につきましては、従来からいろいろの数字が出ております。たとえば中期経済計画なんかでも五百億トンとかあるいは五百九十億トンとか、いろんな算定基礎を置いて予測をしておりますが、農業用水につきましては、農林省としましても実は三十五年ころから調査を始めております。特に全国で八大河川、北海道も入れますと大体十河川、その大きな河川について、その現状とその現状を踏まえた今後の需要の見通しを、農林省の出先に水利調査事務所を置きまして調査に取りかかっているところであります。同時に、大河川だけやりましても全体的なあれがつかめませんから、四十七年度から都道府県に委託しまして中小河川を調査し、それの農業用水の需要の現状と見通し、将来の予測というようなことをいまやっているわけでございます。この予測はいろんな角度からいろんな計算方法によって推定その他、これまで先生もおっしゃいましたようないろんな数字が出ていると思います。先生が言われましたのも一つの数字だろうと思います。そういう意味におきまして、私どもは私どもなりに農業用水の確保、将来これを確保するためにいかにして見通しを立ててやっていくかということはやっております。 それじゃ、いま現実に幾ら見通してやっているか、こう言われましても、そういう調査中でございますから、その点はお待ちいただいて、必ず全体的な需要の見通しとまた今後の計画性に基づいてそういう点をひとつやっていきたいと思っております。
○津川委員 そこで、この房総導水路建設事業計画書、これに農林省は直接参加していますよ。これを見ると、どういうことかというと、利根川の佐原市の水を、取り入れ口から六十三・六キロにわたって導水して諸市ダムに入れて、これを房総臨海工業地帯等に工業用水として出してやるという。そこで、いままでやった国営事業費の地元負担金の残六億二千六百万円は水資源公団が持つというのですよ。そしてこれを工業用水に使う、こういうことなんだ。これを工業用水に使うために、用水の使用、運営に水資源開発公団が直接参加していくという。そして、皆さんが立てた計画を具体的に見ると、ほんとうにここで木更津それと九十九里浜の工業地帯に出す。ところが、農業用水は一つもはっきりしてない。ことごとくが工業用水に行くようになっている。そしてさらに、皆さんがここで取りかわした契約書を見てみますと、厚生省の環境衛生局長、農林省の農地局長ですよ。あなたのいまの地位がそうです。四十六年三月二十二日だけれども、さらに通商産業省の企業局長。そして何て書いているか。でき上がったときに、この工事をやったけれども、知事が管理して、そして工場に水をやることに支障を来たさないようにやると書いてある。これでいいのかということ。あなたの答弁でいうと、計画するという。だが、現実には、工業用水のほうはそう進んでおる、農業のほうは何の権利もなくなってしまう、こういうことなんだ。そしてこういう管理権を知事にゆだねて、知事がここに水をやるというのを、あなたのほうで、ちゃんと覚書を三省で交換している。 それで、水はどうなるかという。今度は、これをやると内水が出てきて、排水ができなくなってくる。かんがい時に水がうんと要るようになってきても、ここで知事がうんと言わないと、工業のほうは恒常的に要る、ダムにためるといっても、この水を農民のほうに回すという保証がどこにも出てきてない。この基本的な問題と、かんがい時に水を確保できるのか、溢水してきたときの排水をどうするのかという個別の問題、この二つに答えていただきます。
○三善政府委員 お尋ねの両総用水の問題でございますけれども、四十一年にこれは事業工事が完成しまして、そのあと、四十三年でございますか、そういう多目的使用をしたいという要請がありました。もともと農業用水のためにつくった施設であることは当然のことでございますけれども、ここで農業用水に使います場合に、時期的、時間的に相当余裕があるわけでございます。時期と申しますと、農業用水ですから、大体かんがい期を中心に使います。それから時間的と申しますと、一日機場ポンプをどの程度、何時間ぐらい稼働をさせるかということで、これも農業用水のためには十余時間くらいの稼働で実は足りるわけでございます。そこで、工業用水をほしいという要望がありましてから、とにかく施設のそういう稼働能力等の問題を検討いたしました。現実にこの農業用が十四・四トンそれから上工水が八・七トンということで、その八・四トンを生み出すためには、この施設の運転をすれば十分間に合う。ただ、用水の水路を多少かさ上げする必要があるということで、その導水路の工事をやったということでございます。 そこで先生御指摘のように、農業用水を分けてやるということじゃなくて、農業用水は農業用水で十分これは当初の目的どおりに確保できるわけでございますから、そういう意味では、よそから言われたのでそれを単純に分けてやる、応じたという意味ではございません。 それから、県に移管をして維持管理してもらっているわけでありますが、今後この農業用水が、また工業のほうからもう少しくれとか、そういうようなことを言ってきても、私のほうの関係では、農業用水の確保ということに重点を置いてこの維持管理もやるということで、県とは十分打ち合わしておりますし、そういう意味では御心配はないと私は思っております。そういうことで、御指摘のような考え方でこれを上工水に回したという意味ではございませんから、その点お答えしておきます。
○津川委員 局長、公団が六億二千六百万で買うのですよ、未払いの分だけ。そして投資しておるこの事業を見てごらんなさい。水に回すことだけに投資している。農業用水に回すほうは一つも投資していない。しかも知事が管理する。知事が管理することに対して、あなたたちが三省協定で工業に水を回すと書いてある。そして現にあの佐原から横芝の間の左岸のほうに、栗山川で溢水が起きておる。これをほったらかしておいておる。これで農民がやれるのかという。したがって、やってもいいと私は言わぬけれども、これを農民が管理して、土地改良区が管理して工場に水を売るなら、そのつど売買で、相対売りで、幾らきょうは売れるから売ってやれ、お金は幾ら取る、こういうふうにするならよろしいが、すでに農民が投資したものを六億二千万円で買って、県がこれを管理して、そして農民のところに水が行くと思っておるのか。そういう形で溢水が起きておる。当然これは農民団体が管理して、工業に売ってやる。余ったときは売る、足りないときは売らない。売った分だけ金を取る、こういうふうにすべきだと思うのですが、どうですか、これは。
○三善政府委員 先ほど先生言われました覚書でございますけれども、これは厚生省、農林省は農地局長でございます、通産省と覚書を交換しておる。この中には、御指摘のように、県に移管をする、県で管理してもらうということが一つ、それから最も重要なことは、「その管理に当たっては両総用水地区の取水に支障を与えないよう留意するものとする。」私どもはこれを一番問題にしたわけでございまして、両総用水の農業用水に支障を与えるようなことにならぬように、十分管理については千葉県知事に監督をしてもらうという趣旨でございます。 それから、いまの溢水の問題でございますけれども、これはいま公団で調査をいたしております。調査の結果によってこれを処理いたすということにしたいと思います。
○津川委員 局長、しかもあなたたちがこの覚書を交換したのは昭和四十六年三月二十二日だよ。いまの法案が通過するのを先取りしておるわけだ。「土地改良法の改正により」云々ということで、こういう形でこの法案というのは、そういう工業用水に水を注ぐ一つの法律になることが非常に明らかになっておるわけです。先取りしておるのです。この中にちゃんと書いてあるのですよ。土地改良法の改正により、土地改良財産を他の施設と共有することができるようになるという言い分が。 そこで、次官にお尋ねします。今度工業再配置促進法案が通産省の委員会にかかっていますね。昨年度われわれは農村地域工業導入法というものを通過させたけれども、今度の法案は、このような形で大資本が農業と農民から水を手に入れるという具体的な法案であるということは、あなたたちの三省でかわしたことばにもあるとおり、私はかなり明らかだと思うのですが、そこでもう一回、農業用水を確保するために開発していくための農林省の方針と決意を、これは次官から聞かしていただいて、次の質問に移ります。
○三善政府委員 水の確保につきましては、今度の土地改良法の改正でも、私は、農業サイドからのこれは攻勢防御である、ほったらかしておいたらやはりなしくずし的につぶれていくというようなこともあろうかと思います。そういう意味では、農業用水の確保を、そういう問題になっているようなところは特に早急に農業サイドからやっていくということを私は基本的に考えているわけでございまして、この運用にあたっても、そういう点は十二分に注意をし、御指摘の、ほかの工業用水、上工水に安易に取られていくというようなことがないように、これは十分注意しまた指導もやっていきたいと思っております。
○津川委員 次官、利根川から、佐原から横芝というところまで水を取っているのですが、その水の量を少し多くするのですよ。その多くなった分は全部工業に行くのです。こういう形の計画が現実に農林省の手で進められているということに対して、先ほど次官が農業用水は確保する、造成すると言ったその立場からどう考えますか。
○伊藤(宗)政府委員 いま局長から申し上げたとおりで、われわれも農林省事務当局を督励して、そういうことのないようにさらに決意を固めております。 いま農業に対していろいろな方面からの侵食が行なわれておりますけれども、特に食料供給の農業だけでなしに、緑なり自然を農業として守ろうというような動きもございますけれども、それはそれでけっこうだと思いますが、そういう農業面に対する当然のような形での侵食が都市や工業の思いのままであってはいけない。そういう気持ちからわれわれは敢然として、先生御指摘の、こまかいことは正直に言って私、わかりませんが、基本的には農業と工業とのバランスのとれた農業として守り育てるためにさらに一段と決意を固めてまいりたいと思います。
○津川委員 時間がありませんので、別な項目を省いて民主主義の問題に移ります。 次官もはしなくも民主主義的に土地改良事業を行なうと言ってくれたので、質問する必要もないかと思いますが、これは青森県です。青森県の五所川原、金木、中里四千十一ヘクタールのところへダムをつくって、それと関連して用排水路をつくって基盤整備をやるという事業です。四十二年度に着工、四十九年度完成という形で組んだわけであります。これが国営事業。これに今度は関連事業として県営の事業として延長二十二キロの用水改良、排水改良、そういうものをつくる。それに、最後には団体営の事業として区画整理と暗渠排水、これだけの事業が計画されているわけです。 これは、最初の計画は、この三つの事業全部合わせて四十五億三千七百万円、農家負担が十アール当たり七万五千円、これでよろしい。ところが、進行しているうちに物価やいろいろなものが高くなってしまって、農家一人当たり十四万四千円までになっちゃった。そういうことの見通しがつけられたので、農家の間でたくさんの問題が起きたわけです。ここでたくさんのトラブルが起きてきたわけです。そうして国営事業に対して地域住民の千三百七十四人が異議申し立てをして訴訟を起こしている。それでいま公判が二十一回行なわれている。こういう状態のときに、今度の法改正で、県下市町村の自治体が議決すると、こういう状況が変わってきて、異議も申し立てられない。みんなやられてしまう。そして費用は取られる、こうなるのです。この訴訟の一事を見てみても、私は今度の改正はたいへん民主主義を踏みにじるものだと思う。これが一つの問題です。 この国営事業に対する異議の申し立てが千三百七十四人になって、いろいろな問題が出てきて、いま裁判で問題になっているわけです。今度県営事業をやるときに、土地改良区の県営事業の賛成をとったときに、これも判だけ押せばいい、賦課金は全然関係しないから、おまえ、ちょっと判を押せというようなかっこうで、判をとっている。これでもまた問題が出ている。今度は一つの土地改良区を設立していくときにもまた問題が出ている。こういう独善的なゴリ押しの、上から計画を立てて農民の納得しないものをやってきたものだから、国が裁判で被告になっているわけです。こういう状態を起こしたものに対する反省がどうかという点。今度、法が改正されると、こういうゴリ押しのできる状態でやるつもりか。この二点を答えていただきます。
○三善政府委員 第一点は、国営の小田川農業水利事業のお話だと思います。ここの地域については先生十分御承知のことと思います。ここの地域は上流のほうと下流のほうが非常に状態が違っております。上流のほうは用水不足、下流のほうは排水不良、半湿田的な状態になっている。したがいまして、その区画整理等も藩政時代に行なわれたような状態が残っている。(津川委員「トラブルの問題だけ答えてください。そういうことは覚えている。」と呼ぶ)いや、そういう実態をちょっと御説明したほうがおわかりになると思いますので……。そういう団体の小規模な事業はやってまいりました。しかし、そういうことで農民の方がぜひこの用水、排水両方の一つの施設を考えてもらいたいということで、国営で始めたわけです。 そこで、御指摘のように、異議申し立てというのが計画決定する場合にございました。この異議申し立ては、私どもの調査では千九百五十九人が異議申し立て書に記載されているということでございますが、その内容は三分の二の同意をとって始めるということで始まったのだけれども、その三分の二に満ちていない、それで土地改良が始まった、こういうことに対する異議申し立てでございます。 そこで、この事業につきまして千九百五十九人が異議申し立てしておられますけれども、いろいろ私どもも実態を調べてみますと、当時米価の陳情か何かで来られたその米価の陳情の判こと間違えてこっちの異議申し立てのほうに押しちゃったとかいうようなことで、実態はいろいろあるようでございます。いずれにしても、その三分の二の同意がどうもとれなかったんじゃないかという疑問のようでございます。私どもはそれをあとで調べましたら、十分とれているということでございます。口頭弁の二十一回は先生のおっしゃるとおりでございます。いま訴訟になっておりますけれども、そういう意味では何も上から押えつけてやったということではなくて、やはり土地改良のルールにのっとってやったのだ、ただ、そういう三分の二に当然満ちたとか満たなかったとかいうような、そういう手続上の問題はあろうかと思いますが、それも十分充足しているというふうに解釈をしているわけでございます。 そこで、問題は、今回の土地改良法の改正で、市町村特別申請事業、これもかってにこれと同じように始めるのじゃないかという御指摘のようでございますが、これは始めますときに、何度も私、申し上げておりますけれども、やはり当然市町村議会の議決、県議会の議決を経る。また土地改良区等の意見も当然聞くわけでございます。 そういうことで、一応この基幹的、先行的にやる事業でございますけれども、農民の方にも土地改良区を通じて周知徹底して始めていくということはやっていくわけでございますが、それを始めましたあと、この基幹的、先行的事業に関連した事業というのが当然付属してついていくわけでございます。その関連事業は従来のルールで三分の二の同意を得てやっていくわけでございますから、この関連事業と市町村特別申請による基幹的な事業というのは、やはり表裏一体をなして進められていくということになりますので、上から押えつけて一人ぼっちで走っていくというようなことではございません。もちろん負担金を取る場合でも、もし関連事業が始まらなかったら、これは負担金は取れないわけでございます。そういう意味で、これは完全に密接してスタートしていく。先行的であり大規模であり、どうしてもその辺の基盤整備の上で基幹的となるものはそういうふうにスタートをさせようという手続上のことを簡便にしたわけです。 具体的に申しますと、たとえば二十ヘクタールあるいは三十ヘクタールの団体の土地改良事業、それの三分の二の同意をとるというのと、最近のように数万ヘクタールの大規模な事業というのがあるわけでございます。その手続の面では、そういうふうにそういう基幹的なものはやはり工事も早くやらなければいかぬということで、実態に即した、最近の土地改良事業の実情に即したやり方で、ただ、それは決して末端の農民を無視してやるということじゃなくて、そのやり方は違っても、実態的には密接に密着しているわけでございますから、そういうことで御理解を願えないかと思っております。
○津川委員 そこで、次官、局長、幸いなるかな、民主主義を守るという農民の魂が生きておったればこそ、初めて民事訴訟まで起こして問題の解決をはかっているわけ。今度皆さんがこの法案を通すと、それが民事訴訟を起こす根拠もなくなる。農民の持っておる、こういう上から来たものに対する批判精神を抹殺するのが今度の改正案なんです。したがって、この項目は私は当然削除されるべきだと主張するものだし、そこで次官、もう一回申し上げます。国を相手に訴訟を起こしている。国が被告になっている事件が、三分の二より七十八人多いというのが農林省の見解。実際の人たちは、百五十人が無効だと言っている。これに対して農林省は自分では現地調査もしないで、一線の人たちが出て強引に押し切ったから、訴訟になったわけ。したがって、こういう民主主義を守るというのであれば、話し合いをすべきなんです。 〔松野(幸)委員長代理退席、三ツ林委員長代理着席〕 直接計画した農林省の幹部が、私は農林大臣が一番いいと思う、行って農民と話をすると、この民事事件も片づく。そういうことをしないで訴訟を起こさせているところに問題がある。今度は訴訟さえ起こすことのできない状態に法が改正になるというところに問題がある。 もう一つ指摘します。それと関連した土地改良区で、これは県が認可しました。異議の申し立てが出ております。県は三分の二より百八十人多いと言っている。ところが、取り消した人が六百八十人、本人の承諾なしに判を押された人が四百人、この状態なんです。この状態が、やはり民主主義が生きているから、いままでの土地改良法の民主主義が生きているからやれるので、今度の法案の一番問題点は、民主主義を踏みにじって、農民の三分の二の賛成なんか要らない。そこできめてしまって、民事訴訟なんか起こす根拠を奪う、こういうことなんです。 そこで、次官に、こういうトラブルに対して本省が直接行って問題を解決すべきが——別な事件でそのことをきょう問題にしようと思っていたけれども、これは局長と話し合いがついたから別に出さなかったのです。私は農林省が民主主義を守るのであれば、次官の先ほどの言はよしなので、そういう点、直接トラブルをどうするかという、これが一つ。 この法案で民主主義が圧殺される。この体制に対してどういう批判を持っているか。二つの点を答えていただきます。
○三善政府委員 いまの小田川の水利土地改良事業の問題でございますが、これは係争中の問題でございまして、現段階で直接私たちがとやかくするような問題ではなかろうと思っておるわけでございます。そういうことでひとつ御了承を願いたいと思っております。
○津川委員 農民が原告になって、国が被告になるなんというこういう状態は、係争中といえども私は好ましくないことだと思う。したがって、問題は係争中でもいいから、出かけていって解決をはかることです。これが一つ。 第二には、今度は土地改良区の設立をめぐって、皆さんのほうは百八十人多いと言っている、六百八十人取り消している、四百人が知らないうちに判を押されている、こういう状態。これを直接出かけていって、調べて指導してこそ、民主主義が生きる。こちらが被告になって向こうが原告だから、法廷でやってとすましているところに、この民事訴訟を起こさせたところに、私は民主主義を踏みにじっているところがあると思うのです。この点、次官、ひとつ答えていただきます。
○伊藤(宗)政府委員 ただいま農地局長からお答えいたしたとおりでございまして、なかなか事務的にはむずかしかろうと思いますけれども、なお、政務次官という立場で事務当局の——正直言って、私、きょう初めてその事件のことを知ったものですから、固まった意見を申し上げる自由もありませんけれども、よく事務当局に聞きまして、もしそういうことであるということであるならば、またいろいろと御指示をいただきながら、前向きの解決をはかってまいりたいと思っております。
○津川委員 そうすると、次官が直接これにタッチして問題を見詰めてみて解決に乗り出してみると、こう考えていいですか。
○伊藤(宗)政府委員 そこまでちょっとここで明言できませんけれども、そういうことも含めまして、前向きにひとつ処理していきたいと思っています。
○津川委員 どういう形をとるかわからぬけれども、次官がこれに参加して解決に向かってみるというわけですね。 終わります。 ————◇—————
○三ツ林委員長代理 この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。 土地改良法の一部を改正する法律案の審査に資するため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三ツ林委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、参考人の人選、出頭日時及びその手続等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三ツ林委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 次回は、来たる十一日、火曜日、午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時四十九分散会