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68回国会衆議院1972/04/05

農林水産委員会 第6号

発言数
126
登壇者
7
会派数
4
開催日
1972/04/05

会議録

藤田義光自由民主党

○藤田委員長 これより会議を開きます。  土地改良法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田中恒利君。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 昭和二十四年に制定をされた土地改良法の今回の相当大幅な改正にあたりまして、私はまず土地改良法の性格に基本的な変化が起きたかどうか、こういう点に焦点をしぼりながら、若干の御質問をいたしたいと思います。   〔委員長退席、三ツ林委員長代理着席〕  とりあえず、本法改正に至りました背景、いわゆる最近の農業の情勢変化につきまして、土地改良法改正とどのような関連の中で今日の時代を把握せられてこの改正に取り組まれたのか、その辺をまず最初にお尋ねをしておきたいと思うわけであります。

三善信二農林省農地局長

○三善政府委員 今回の土地改良法の一部改正は、御承知のように、二十四年にできましてから、三十九年に一度改正をいたしております。その後、これも先生方十分御承知のように、農業の情勢、農業を取り巻くいろんな情勢が相当急激に変化をいたしてまいっております。農林省では、総合農政ということで、その情勢に対応すべく諸施策を実施してまいっているわけでございますが、その中でも、土地改良法に基づく土地基盤の整備に特に重点を置きながら今日まで事業の推進につとめてきたような次第でございます。  ただ、現在あるいは今後の情勢として、一つは需給の問題、やはり需要が伸びているようなそういう生産を伸ばしていく、そういう意味におきましては、果樹、園芸、畜産、そういった事業をもっと大幅に推進していくということも必要でございますし、また、生産調整ということに対処しまして、水田の畑作への転換、そういった畑作振興も含めた水田の圃場整備等の事業を推進いたしてまいらなければならない。また、最近、農業と他産業、農村と都市と申しますか、そういう一つのあり方、土地利用関係の調整、そういった面を含めた一つの今後のやり方ということを推進していく必要がある。特に最近問題になっております農村の基盤整備とあわせて環境整備も今後推進すべきであるということで、これにもいろいろ施策をしてまいっておりますけれども、基盤的にそういう農村の環境整備をやっていくという必要も叫ばれているわけでございます。そういったいろんな情勢に対処しますとともに、最近、土地改良事業の内容につきましても、実施の面につきましても、事業が非常に広範囲にわたり、大型化してきているというような実態がございます。それから、都市化の進展に伴いまして、農業における土地と水の利用、その他の利用との利用の調整、こういう問題も非常に緊急に解決していかなければならないような問題が生じているわけです。  そういう一般的な情勢に対応しまして、片や私ども土地改良の十カ年計画というのを現在作業し、検討しておるわけでございますが、この土地改良制度の全般につきまして、さしあたりその緊急を要するものの内容の改善、合理化をはかっていくということといたしたわけでございます。  内容につきましては、諸情勢に対応しまして、第一点は、やはり総合事業というようなことの制度を新しくつくる。あるいは大規模な基幹的な先行投資というような意味も含めまして、市町村の特別申請事業というのを新しく設ける。また、圃場整備を機会に、農村の土地利用の調整というようなことで、非農用地を取り込んで圃場整備をやれるようなやり方を新しく設けた。また、農業の用排水施設、これの利用関係の調整、こういったおもな点でございますが、今度の改正法の内容として新しく規定を設けて改善をはかろうとしているわけでございます。これも最初申し上げましたように、やはり農業の諸情勢の変化に対応するさしあたって必要な問題を取り上げて制度的にも解決をしていきたいという趣旨でございます。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 いろいろ最近の農業の情勢の変化、それに対応する土地改良事業の内容の変化を必要とする諸事項についての御説明があったわけですが、私は、根本的に考えねばならない点は、この土地改良法の基本をなしておる、いわゆる自作農の自由な意思に基づいて土地改良事業が行なわれていくというたてまえを貫いていたこの基本的な問題が、今度の土地改良法の改正の中で相当大幅に修正、変更されるのではないか、こういう点を実はお尋ねをいたしたいわけであります。  昨日来から議論が始まっておるわけでありますが、私どもにもそういう不安が、率直に申し上げてあるわけですが、農村工業導入促進法の制定、土地改良法の改正等を通して農地がいわゆる縮小されるのではないか、あるいは今回の水の取り扱いをめぐって、農業用水というものが工業用水や都市用水に奪われるのではないか、こういう不安があることは事実であります。これは今日の土地改良事業なり農業情勢の変化に対応する形として一応いたし方ないという側面もありますけれども、根本的に、やはり日本の農業をどういうふうに持っていくかという関連の中で、今日まで考えられてきた、農民の自由な意思に基づく土地改良事業という形から、ある特殊な公権、いわゆる公共性という名前で市町村なり県なり国なりが、それらの自由な意思を、一方では認めながら一方ではより認めなくともやれるというような事業が次から次へ出てくる。これがあとでいろいろあるわけでありますが、こういう点について、私はやっぱり自作農の自由な意思に基づく土地改良事業という分野が今後も残されていくのか、あるいはこれからの土地改良事業の方向としてはこういう分野はだんだん薄められていくのか、この点についてこの際農林省当局の御意見を重ねてお聞かせをいただきたいと思うわけであります。

三善信二農林省農地局長

○三善政府委員 今回の改正で、いま言われましたように、水は他産業に奪われていきはしないか、それから農民の自主的な組織として設立されてきている土地改良区、これの性格が変更してくるのではないか、こういうお尋ねのようでございますが、私どもとしましては、今回の改正において従来の土地改良事業、土地改良区の基本的な性格というものは変えたつもりはございません。ただ、事業実施にあたりまして、従来非常に小規模な、あるいは中規模な事業が最近大規模な事業に変わってきている。道路をとりましても、一般の農道よりもっと大規模の流通農道というようなそういう要望も強く、またそういう事業も増加してきている。またかん排をとりましても、単に一地区内でなく、数県にまたがるような大規模の、数万ヘクタールの受益面積を持つようなかん排事業が実施されている。そういう事業内容というのは、やはり農業の情勢に応じまして変わっていくのがある程度当然なことだと思っております。  そういう事業内容の変化等に対処しまして、今回の改正も、一部公的色彩を強めたような感じを受けられるような改正をした点もございますけれども、基本的には決してそういうことではございませんので、やはり従来の土地改良区の性格は一応基本的には守っておるし、また根本問題の一つとして今後もそういう問題の検討はしてまいりますけれども、今回の改正では一応変えたつもりはございません。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 この法律の内容を見てみると、事業によっては、実質的にはやはり農民の自由な意思というものが全然認められないような事業も出てきておりますし、その他いろいろ土地改良の範囲が非常に広まってきておりますので、一面市町村の意見を聞くといったようなことが各所で出てまいりますし、関係農民そのものの意思を代行する機関の意思でやれる、こういう面が非常に多くなっていると思うのです。しかし、また一面、その利益を受ける者についてはどんどん負担金なりを非農家からもとっていくというようなことがあるわけですから、そういう面では、私的な権利というものをさらに広げる、こういう面もありまして、実はその性格が私どもよくわかりませんけれども、現実問題としては、やはり従来とは相当違って、土地改良事業というものが公の力で大胆にやっていく分野を広げ出した、こういうように私は思うのです。  現実にいま、末端の土地改良事業で困っておるわけですよ。たとえば、三分の二の同意というのがなかなかとれなくて、特に大きくなればなるほど困って、土地改良区の役員等からは何とかせいという声もあったことも承知をいたしております。しかし、その問題は、根本的に、土地改正法の基本的な性格に関する問題でありますから、おたくのほうも法律を変えるなんということはできないと思いますけれども、しかし、これは自主性とか自発性というものをこういう事業の中に入れていくし、同時にそれは負担金、賦課金という形で、事業の効果を得る者が受益金を出すという形に仕組まれているわけですから、これは当然従来以上に重規しなければいけない側面もあると思うし、私はあとで土地改良区のことでいろいろお聞きいたしますけれども、土地改良区そのものが今日機能を麻痺しておる面が非常に多いと思うのです。一体何をしたらいいのかわからないような土地改良区も相当あると思うのです。そういうものに注射を与えるためには、やはりここのところの、自主的な組織であるという側面を相当重視をしていくような機能が与えられなければいけないと思うのですが、今度の法改正ではその分がどうも置き忘れられているような感がしてならないわけであります。これは特にこれからの行政指導の中で十分配慮しなければいけない点だと思いますが、この点を法改正とからんで特に要望しておきたいと思うのです。  それから第二にお尋ねをしておきたいのは、従来の土地改良というのは、土地改良そのものに重点が置かれてまいりましたが、今回はたとえば施設をつくるとか広範な流通道路をつくるとか、あるいは宅地、工場用地まで造成をしていく。こういう形で、いわゆる環境整備ということばをいま使われましたけれども、現実には先ほど議論になりました農村の地域改造、こういう側面がまた一方非常に強く出てきておる、こういうように私は理解をいたしておりますが、そういう理解に間違いはございませんでしょうか、この際お答えをいただきたいと思うのです。

三善信二農林省農地局長

○三善政府委員 地域改造ということばが適当かどうかわかりませんけれども、要するに、従来から必要とされております農村の基盤整備に含めて、環境整備がある程度できるように今度の法改正に措置したということでございます。これは、土地改良法でやるという場合には、やはり土地改良事業の限界というものがございますので、正面から取っ組んで農村のそういう生活環境の整備、地域改造ということをやるようにしたということには理解しないでいただきたい。  ただ、土地改良法の範囲内で、農村における農業とほかの産業との土地利用の調整、それもあくまで農業構造改善あるいは農用地の集団化、こういった農業サイドから見て必要な限度内においてやるということで措置しているわけでございます。そういう意味におきまして、いままでのやり方より今度新しくやれるように措置しましたことで、農村の基盤あるいは農村の環境整備ということに相当程度役立っていこうかと思っております。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 ことばはいろいろ使われるわけですけれども、宅地をつくるとか工場用地をつくるとか、それが周辺の水田の土地基盤整備等と関連をしておるというところは、もちろん土地改良法と非常に深い関係があるわけですが、しかし、そういう分野は従来なかったところでありますし、単に土地改良と通念的にわれわれの頭で考えておった以外の、しかも一つの農村の中に工場用地が造成せられてそこに工場が入っていくということは、その地域にとっては、農業そのものも変わってまいりますし、地域そのものの経済状態が非常に変わってくるのです。そういうことがこれ土地改良法の中で基盤事業としてやれるような状態になっておるわけですから、私はこれは、これからの農村をどういうように持っていくかという要素が相当入った法律改正だ、こういうように思うのですね。  そういう意味で、全体を通しまして私が申し上げたいのは、今度の土地改良法というのは、公共的な色彩あるいは地域全体的な色彩を非常に強く持ってきた、こういう感じがするわけです。実は私どもは、土地改良事業の中心になっております基盤整備事業というものは本来国の責任でやるべきだ、こういう政策目標を掲げておるわけであります。こういうふうに農業の情勢がだんだん変わってまいりまして、単に特定の個人が受益するということだけでなくて、地域全体あるいはある意味では国全体の農業の再編成という形につながるような事業が、土地改良事業の中でこれから次から次に打たれるということになりますと、私はあとでいろいろ問題にいたしたいと思いますが、従来考えておった土地改良事業の補助率の問題にいたしましても採択基準の問題にいたしましても、この際これと並行して相当変えなければいけない要素が出てくる、こういうように思うのです。そういう意味で、これはだんだん公の要素を強く出していく土地改良法の改正内容に向いてきておる。これに伴って従来とってきた土地改良事業の事業採択の基準等の問題について、これから具体的にこの法律の改正と並行して検討していかなければならないのじゃないか、こういうように思うわけでありますが、その辺についてはどういうふうにお考えになっておられましょうか。

三善信二農林省農地局長

○三善政府委員 先ほどから申し上げておりますように、そういった新しい事業は土地改良の事業として今後仕組まれていくわけでございますが、その土地改良の事業の本体といいますか、主要なウエートを占めておりますものは、従来からやっているような事業が主体ではなかろうかと思っております。それで、また新しく始めますような事業でも、手続の面である程度公的な色彩を帯びているようになっておりますけれども、実質面では、やはり最終的には農民の方の同意を得る。たとえば市町村特別申請事業でも基幹的に始められますけれども、その事業は末端の関連事業と当然関連して、その見きわめをつけた上で発足するというようなことで運用されなければなりませんし、そういう意味では、やはり末端の農民の意向というのも十分聞いて、こういう大規模な事業も始められていくということになろうかと思います。そういう意味において、基本的に現行制度の仕組み、そのワクを変えたというようなことにはならないというふうに考えております。  ただ、土地改良事業そのものが、従来からその補助率あるいは採択基準、そういった面でやはり幾ぶん公的な色彩を持っておるわけでございますから、そういう補助率も一般の補助率より幾ぶん高くしているというような面もあるわけでございまして、今後の問題としては、総合事業なんかを始めていきますに際しましては、従来の補助率等もどういうふうに考え、もう少し検討していくかというようなことも問題として残ろうかと思っております。そういう点、私どもも前向きに検討をいたしていきたいと思っておるわけであります。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 それでは、いまの御答弁の中で一つだけ重ねてお尋ねをしておきますが、農民の自主的な意見を聞くということですね。これは法律上では、たとえば農振地域におけるところの基幹土地改良事業については従来の三分の二の同意を必要としない、市町村議会の議決でやれる、こういうことになるわけですが、そういう場合でも土地改良区の意見は聞くということでありますが、そのことはいわゆる土地改良区を構成する農民自体に十分趣旨を徹底さして、農民自体の意思を土地改良区に集約をさして意見を聞く、基盤になるのはあくまでも構成しておる組合員、農民の意思だ、こういう理解に立って、法律上は市町村議会の議決でやれるわけですけれども、あなたのところが今後行政的に指導せられる場合、これはどこでもぶつかってくる問題でありますので、そういう点はこの法律制定の際にちゃんとそういうシステムはつくりながらこういう事業の取り組みに当たるのだ、こういうふうに理解してよろしいですか。

三善信二農林省農地局長

○三善政府委員 そのとおりでございまして、市町村議会の議決を経るとか、あるいは都道府県議会の議決を経る、また土地改良区の意見も聞く——土地改良区の意見を聞くというのは、単に土地改良区の幹部の方だけの意見を聞くということじゃなく、そういった基幹的な事業を行ないます場合には、やはり土地改良区としてもその組合員の方には十分周知徹底をするというようなやり方をしてもらわなければ、全体の事業として基幹事業だけが先走ってあとがついていかないということでは、これは全体の面でうまくいかないわけでございます。そういうふうな指導を十分この運営にあたってはしていきたいと思っております。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 それでは、大まかでよろしいですが、これまでの土地改良事業の進捗の状況をできれば地目別あるいは種類別にこの際ちょっと御報告をしていただきたいと思うのです。

三善信二農林省農地局長

○三善政府委員 私どもが調査をいたしましたのは、これは四十三年八月一日現在でございまして、土地改良の計画の捕捉調査ということでこれをまとめたものを御報告いたしますと、まず水田の整備状況でございますが、四十三年八月一日現在区画整理済みの面積は百九万ヘクタール、全水田面積三百四十三万ヘクタールでございますが、その全水田面積に対する比率は約三二%となっております。これもこまかくいえば、三十アール以上の区画とかあるいは二十アール以上の区画とかございますが、全体として一応区画整理が済んだというふうに解釈していただいてよろしいかと思います。  それから水田の道路条件の整備状況でございますが、取りつけ道路がどの程度完備しているか、あるいは地区内の耕作道路的なものがどの程度完備しているかということを調べた資料でございますが、地区内道路の完備しているものは六十一万ヘクタール、全水田面積に対して約一八%というふうになっております。  それから水田で基幹用排水条件と申しますか、そういう施設が完備しているもの、これは用水の完備と排水施設の完備と両方含めて完全に完備しているものは六十八万ヘクタール、全水田面積の比率が二〇%。もっとも、用水施設は完備しているが排水施設がまだ十分でないとか、排水施設は完備しているが用水施設が十分でないとか、そういうものは除きまして、両方とも完全に完備しているという趣旨の面積の比率でございます。  それから畑の整備状況でございますけれども、大体畑というのは、平場地帯は水田、あるいは傾斜地帯は大体畑、大ざっぱに言えばそういうことにも一般的にはなろうかと思いますが、この畑の整備条件を傾斜区分に応じて一応とってみたわけでございますが、一般的に申し上げまして、取りつけ道路あるいは地区内道路が完備していると思われるもの——畑の場合には区画整理によりこの道路条件というのが非常に重要な一つのメルクマールになるわけでございますが、そういった取りつけ道路、地区内道路が完備していると思われるようなものが約二十七万ヘクタールと一応推定をいたしております。全面積に対してはこれでもまだ一一%程度でございますから、非常に整備の水準は低いと申して差しつかえないかと思います。  それから畑の用水施設、かんがい施設でございますが、そういった条件が整備しているものにつきまして調査をしてみますと、畑地かんがい施設を有するものが七万ヘクタール、現在事業を着工しているものもございますので、そういうものを入れますと全体で十二万ヘクタールということになります。要畑かん面積と申しますか、畑地かんがいが必要とされる面積が一応百一万ヘクタールと推定しますと、この百一万ヘクタールに対して十二万ヘクタールがかん排施設が整備されているということになりますので、その整備状況は全体の一二%ということになるわけであります。  現在まで調べましたところ、詳しいデータとしては以上のようなデータを持っております。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 そういたしますと、まだ水田の区画整理の状況は全体の三二%、ですから、全水田面積の三分の一程度しか進んでないわけですね。他の、道路の面積は水田面積の一八%、用水施設については二〇%ということで、比較的長い間かかって力を注いだという水田の土地改良というものも、そういうふうにお聞きをすると、これはまだ全体的に見て非常に低い、こういうことが指摘されるわけです。きのう来の質問を通して、これからの土地改良事業の方向は畑作の方向へ重点を向ける、こういうお話であるわけですが、この水田そのものも徹底的にまだ不十分だ。畑作はいまお話しになったように、農道が一一%、用水施設について一二%というのですから、これはまだ水田に比べたら低いことは確かに低いわけですね。全部低いわけです。そこで、その中で畑作に重点を向けられるという方針だと理解をするわけでありますけれども、これまでずっと進んできた水田の土地改良事業というものがぐっと減って、畑作に重点が向けられていくというような形をとっていくのか、水田そのものはまだ三分の一ぐらいしかできてないわけですから、これをやはり五〇%にするとか六〇%にするとかという方向は、従来のペースでやはり進んでいかざるを得ないのではないかと私は思うのです。畑作に重点を向けるというのだけれども、実際畑作にどれだけの形で向けられていくのか、その辺もちょっとあいまいになっていくような気がするのです。重点は畑作にということですが、実態としてそういう形になるのかどうなのか。事業はおそらく継続して進んでおると思いますので、その辺はどうでしょうか。

三善信二農林省農地局長

○三善政府委員 いま申し上げました資料も、非常に厳密に解釈すればそのようなパーセンテージになっているというふうに御理解になってけっこうだと思いますが、いずれにしても水田、畑地をとってみましても、まだそういう条件の整備というのはおくれているということは間違いないわけでございます。それで、今後水田のほうの土地改良事業、基盤整備事業は、畑地に向けていくからこれは縮小するかというような御懸念があろうかと思いますけれども、そうではなく、水田は水田としてやはりやっていくつもりでございますが、ただ、これまでの傾向としまして、土地改良事業というのは大体水田を中心にやってきたと言って差しつかえないと思います。それを最近のそういう需給の事情、農業の事情、そういうのを勘案しまして、畑作にウエートを相当置いてきつつあるし、今後も置いていくのだというふうに理解をしていただいてけっこうだと思います。  それで、畑作はしからば何をやるかということでございますが、やはり畑地の基盤整備というので一番重点になりますのは道路条件、これが一番問題になるわけです。経営を合理化していくという場合にも、機械化していくというような場合にも、やはりまず道路の整備というものが中心になっていこうかと思います。それからやはり畑地かんがい、これが非常におくれておりますので、かんがい施設、かんがい事業をやっていくということが事業内容としては中心になっていくわけでございますが、いずれにしましても、畑地の場合には、水田の場合と比べまして条件がわりあいによくないような立地条件のところにある場合が多うございます。果樹園をとってみましても、相当傾斜地帯で生産されておりますので、そういうことを加味して、畑地の土地改良事業の推進というのは、私ども相当積極的にやりたいと思っておりますけれども、私どもが思っているようにそううまく、今後円滑に進んでいくかどうかということは多少危ぶまれますけれども、その点は今後十分私どもも積極的に指導し、また農家の方々にもひとつ協力をしていただいて、畑地の経営近代化、合理化、そういうことを目的に、この事業を積極的に強力に進めていきたい、こういうふうに考えております。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 私ども、昨年でしたか、土地改良法の改正の問題をかかえておりましたから、委員会の調査で私は土地改良施設を見て回ったわけです。香川用水や、私どもの県の果樹園のモデル構造改善というのを見たわけでありますが、やはり農業は基盤整備ですよ。基盤整備を徹底的にやらなければ条件整備はできないと思うのです。ところが、最近の、たとえば第二次構造改善事業の計画等を見てみると、基盤整備よりもやはり施設をつくらしていくとかというような面にだいぶ力を注いでおる節があるわけであります。こういう点は、中途半ばなことをやったら、結局、逆に借金をかぶってどうにもならぬということになるので、基盤整備もやるのなら思い切ったことをやらないと、二で割ったようなことをやっておるところに、私は前にも進まぬ、うしろにも進まぬということになってしまっている原因があるように思うのです。そういう意味で、いまざっと御報告をいただいた中でも、土地改良、基盤整備というものはまだ日本の場合はほとんどできてないような状態でありますから、この辺に特に重心を置いてやっていただきたいと思うわけであります。  なお、畑作の土地改良事業の具体的な方向についていまお聞きをしたわけですが、水田の土地改良というものは、水というものが中心になって、しかも何らかの形で用水が自然流水的に流れておりますから、これは水利組合等を中心として、いわゆる土地改良の素地というか、条件が本来あるわけです。畑作の場合には、正直言ってそういうものがないわけです。ないだけに私はこれから畑作の土地改良事業に力を入れるとおっしゃって、農道とかかん排水施設の問題を出されたわけですけれども、これはなかなかむずかしい問題がたくさんあって、はたして農林省のほうでこれらについてのちゃんとした方針を持っておられるのかどうか、たいへん疑問に思うわけです。  たとえば道路をつくるとおっしゃるわけです。いま盛んに道路をつくっておりますけれども、正直言いますと、私どもの地帯は傾斜地における果樹園でありますが、ともかく土地がないものですから、道路に抜かれる用地——水田もたいへんでしょうが、ああいう傾斜地のところに行くと、取られる土地そのものにたいへん心配するわけです。だから、ぼんぼん道路に抜くのも悪いとは言いませんけれども、道路だけではない方向をやはり考えていただかなければいけないと思うのです。たとえば、たいへん小さなことでありますけれども、私なんかのところは非常に急傾斜地帯の果樹園地帯でありますが、そこでいま問題になっておるのは、モノラックという運搬施設であります。いわば道路にかわる、ものを運ぶ運搬施設があるわけであります。こういうモノラック施設といったようなものを畑作における土地改良の中に入れることがないから言うわけでありますが、やはり農業の条件整備事業としてやってくれという声が非常に強い。これは、従来の土地改良というのは、土地に焦点を置いてやっているから、農道をつくっていくのと、あと水をやるのと、この二つぐらいしかいい知恵は浮かんでこないわけですけれども、畑作地帯、特に急傾斜地帯等において、土地が非常に少ないところでは、果樹園の上に線を引っぱって、モノレールで荷物を運搬させていく、こういうことも労働力を省力化するため非常に重要であります。こういう点についてもう少し斬新な畑作改良の方向を打ち出してしかるべきだと思うわけでありますが、たとえばモノラックの問題等についてはどういうふうにお考えになっておるか、あるいはこの機械装置を伴った基盤整備、こういう点については、畑作の振興とからんでこれからどういうふうにお取り組みになろうとしておるか、こういう点を御質問しておきたいと思うのです。

三善信二農林省農地局長

○三善政府委員 お説のとおり、特に果樹園地帯、急傾斜地帯等で、そういったモノレールでございますか、そういうものの必要性ということはますます重要になってくるのじゃないかと思っております。現在の補助対象には索道はなっておりますが、モノレールにつきましては四十五年から一応補助対象にしております。ただ、一応、採択基準面積とか、あるいはモノレールの長さ、延長五百メートル以上という基準をつくっていますが、そういう基準に該当するものにつきましてはモノレールも補助対象にいたしているわけでございます。補助対象にならない一定基準以下のそういうモノレールにつきましては、公庫融資等、低利な融資で措置してもらうということで、ある程度と申しますか、こういう必要性に応じてそういう補助対象に加えて、樹園地地帯の畑作振興と由しますか、そういうのも充実してきているわけでございまして、今後ともそういう面につきましては前向きにひとつ取っ組んでまいりたいと思っております。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 それからいま一つ、畑作の土地改良とからんでお尋ねしておきたいのは、いわゆる畑かんの問題でありますが、これは果樹とか、特に野菜とかいうものは水を非常に必要とするのでありまして、これを適期にやるというのが非常に要望されている点でありますけれども、この畑かんの規模といったようなものはどの程度を——いろいろ条件が違うから一律にはできないわけでありますけれども、畑地かんがいの規模というものは、今後、土地改良事業としてはどういう程度のものを考えられておるのか。これもいろいろ問題がありまして、非常に大規模な、今度の土地改良法でいういわゆる基幹用水というか、そういうものも必要でしょうし、同時に、かんがい等の問題が毎年問題になりますと、小さな河川をせきとめて、それでポンプアップをしてやればすぐできるわけなので、こういう小規模な、いわゆるその地域のかん排水の用水を確保するといったようなものであれば、それぞれの地域に小河川があるわけだから、それを利用すればやれるじゃないかという説もあるわけです。そこで、私どもの県なんかは、一つは恒久的な大規模なものをやろうという計画と、一つは県なり町村なりが独自で、当面、市町村ごとに小型ダムをつくって、そこで畑作に対するいわゆるかん排施設というものを整備していこう、こういうものがあるわけですね。こういう点について、私は農林省としてもやはり明確な指導方針をつくり上げておく必要があると思うのです。こういう点をどういうふうにお考えになるか、指導せられるか、この辺もこの機会にお聞きをしておけばいいと思います。

三善信二農林省農地局長

○三善政府委員 そういう畑かんの場合、かんがい施設の規模の問題、現在やっておりますのは、やはり受益面積等、そういう規模の大きさに応じてあるいは県営、団体営というようなことをやっているわけですが、いま御指摘のように、そういう大規模な畑かんのかんがい施設をつくったほうがいいのか、それとも小規模で間に合うところはそれでやったらどうかというような御意見だろうと思いますけれども、これはまさにその地域の実態に応じて考えていく以外に方法はなかろうと思っております。あるまとまった地域で、非常に小地域であってもまとまった地域で、しかも水は簡単に引きやすいというようなところは、それなりに土地改良事業をやっていけば足りるわけでございます。何もそういうところに大規模なかんがい排水施設をわざわざつくる必要はないというふうに考えられますし、また、非常に大きな広がりのある受益面積を持ち、また、その水の取り方も容易ではない、ダムをつくるとか、あるいは大きな河川の取り入れ口から取水をしなければ用水もなかなかむずかしい、そういうものについてはやはり大規模な施設をつくっていくというようなことで、一がいに理屈で言ってもなかなかむずかしい点もあろうかと思いますが、そういう点は実態に即して考えていきたいと思っております。また指導も、そういうふうに指導してまいりたいと思っております。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 次に、土地改良区のことについてお尋ねいたしますが、いま全国で土地改良区はどのくらいあるのか。その土地改良区の中で、いわゆる不振組合というか、たとえば借り入れ金の返済が延納しておるとか自主的に動いてない、こういうふうな組合を全国的にまとめよというのは無理かもしれませんが、具体的には、この借り入れ金の延納といったようなものが一年ほど続いておる、こういう組合はどのくらいあるのか、これをちょっとお知らせください。

三善信二農林省農地局長

○三善政府委員 土地改良区の数でございますが、御承知のように、土地改良区は、だいぶん前でございますが、一応、再建整備等の関係もやりましてだいぶん数は減ってきておりますが、それでも全国で一万二千ございます。  それから、御質問の業務不振といいますか、延納を生じているというのは、ちょっとそこまで具体的なのはわかりませんけれども、業務不振といえるものがその中で三分の一ぐらいはある、非常にラフな数字で恐縮でございますが、そういう状況でございます。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 この土地改良区というのは三分の一ほど十分でないものがあると言われたのですが、私も、これは三分の一以上あるのじゃないかというような気がするのです。私も多少調べてみましたけれども、事業をやるときはやって、あとは借り入れ金の返済事務だけ。ちゃんと定款で総会を一年に一回やらなければいけないし、役員をきめて知事に届け出なければいけない、こういうことに模範定款はなっておるわけですね。ところが、現実にそういうことはほとんどなされていない。そこで、思い出したように、行政機関のほうから通知をして、無理に役員の名前を出して、報告だけは届けておるというようなのが非常にたくさんあるんですね。この状態ですが、これを一体どうするかということ、あなたのところも指導を——これは選挙運動のときには生き生きとして動くようでありますけれども、選挙運動のときだけじゃいかぬので、やはり土地改良区というものを土地改良事業の末端組織として位置づけられておるわけでありますから、それなりの機能が与えられてしかるべきだと私は思うのです。特に農林省は、いま協業組織であるとか共同組織であるとか、こういうことを言っておりますし、水田地帯においてはやはり一つの水利体系の中で土地改良区というのはつくられておりまして、これは動かし方によっては農業の協業組織化の重要なポイントになる面もあるのです。そういう面がさっぱり動かなくて、ただ事業をやって、あとは銭を払うときの役員の判をとって回って、必要な報告を言われたときやっていくというようなことになっておる原因は、一体どこにあるとお考えになっておりますか。これをやはり直さなければいかぬと思うのですが、どうでしょうか。

三善信二農林省農地局長

○三善政府委員 確かに三分の一ぐらい事業不振といいますか、業務不振といいますか、そういう組合がある。多少もっと多くあるのかもしれません。ただ、土地改良区と申しますのは、御承知のように、一事業一改良区主義でやってきたわけでございますが、これまでの経過を多少申し述べますと、三十九年の改正のときにあわせ事業等もやれるように法的にもいたしました。その場合にも、あまり財政的基盤が悪いとか、あるいは技術的な能力がないというようなところは、こういうあわせ事業をやるような場合には不適当であるというようなことも考えまして、実は御承知のように、土地改良区の財政再建、それから合併促進というようなことを三十九年から三カ年ぐらい、四十二年ごろまでそういう事業をやって、一応必要なものは合併促進をしてきた。そういう意味で、私、先ほど申し上げましたように、数も一番多いときは一万三千幾らぐらいありましたのですけれども、減ってはきている。減ってはきていても、まだそういう状況は相当あるということでございますし、それをどう今後持っていくかという問題でございますが、土地改良区というのは、やはり土地改良事業の中核的な存在であるし、これが最近の農業事情あるいは農村の事情——組合員も兼業化が進めば、やはり以前の土地改良区の組合員と現在の土地改良区の組合員同士の間にもいろいろ問題はあろうかと思いますし、そういったいろいろな条件を踏まえました上で、今後一体どういうふうに持っていくかということを根本的にひとつ検討したいと思って、現在も学識経験者に集まっていただきまして、そういう検討をいたしているわけでございます。その際には、先ほど来御指摘の土地改良区というものを、現在でも私的性格と同時に公的な性格も持っているわけでございますが、そういう土地改良区の性格の問題も含めまして、将来の土地改良区のあり方を中心に、今後基本的にそういう検討を進めていきたい、こういうふうに考えております。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 検討を始めておるということでありまするから、私はこれ以上いろいろ問題を出しませんが、ただ、土地改良区の皆さんに聞いてみると、土町改良区自体のいろいろな悩みがあるんですね。よくいわれるように、運営の助成といったものは全然ないから、仕事をするにしてももう何もできない。役員のそれこそ勤労奉仕のようなことで走り回らにゃいけない、こういうことをよく言われるわけです、まじめにやろうとすれば。そこで、勢い市町村に何もかもまかせっぱなしということになっていくわけですね。これは土地改良事業なり土地改良法の基本に関する問題であるから、私も掘り下げていけばいろいろな問題があると思いますが、行政の中核体としてやれるならそういう形に思い切って再編してもいい。そういうことも言えるし、やはり農民の自主的な事業だ、そういう観点なら、やっぱり土地改良区というものに生き生きとしたものを与えるようなものを考えなければ、これは全部が全部国で金を助成するとまた妙になりますけれども、そうかといって、国土改造計画的な性格の中でなされておるある面では非常に公共性を持った事業をやっておるわけでありますから、それに対する必要な政府の補助なり何なりやらなければ、土地改良区に国がつくったものの管理や何かをまかせておるわけですから、そういうものについても何もない、こういう矛盾もたくさんありますよ、行って聞いてみると。一方、組合員も、正直言って、兼業化がだんだん進んであまり魅力がなくなるというか関心がなくなりますから、賦課金、負担金も納めなくなる、わしゃもうやめたいが、こういうのがだんだん多くなってきておる。  こういう状況でありますから、あなたのところが全体の事業を進められるにあたって困っておるような問題が、今度の法改正でだいぶ出てきておるわけでありますけれども、同時に、末端でこの土地改良を維持管理していく土地改良区が当面しておる問題についても検討を始めておるということですから、その辺が漸次つまびらかになって対応策が出てくるのだと思いますが、ぜひひとつしっかり見きわめていただいて、必要な処方せんを書いていただきますように、この問題もあわせて御要望しておきたいと思います。  次に、改正内容の事項につきまして二、三お尋ねをいたしますが、まず第一は、圃場整備事業における非農用地の取り扱いについてでありますが、「農用地の集団化その他農業構造の改善に資する」ものというふうになっておるのですね。この非農用地を取り込むにあたっては、「農用地の集団化」とかあるいは「農業構造の改善に資する」ものというのは、具体的にはどういうもので、これはあとで政令等でこまかく規定づけられていくものなのかどうか、この点を明らかにしていただきたいと思います。

三善信二農林省農地局長

○三善政府委員 今回の改正によりまして、いまお尋ねのように、非農用地をそういう圃場整備の中に取り込んで、工場用地、公共施設用地、農業の共同利用施設用地を生み出すというようなことを考えているわけでございますが、これはいずれの場合でも、土地改良法の性格からしまして、先ほど申し上げておりますように、農業サイドから見ていくということが基本になっているわけでございます。そこで、農用地の集団化とかあるいは農業構造改善に資する場合に限定をされるということは、その第一条の目的からもそうでございますし、五十三条、五十二条の第三項、換地計画を定める場合にも、そういうことを考えて定めるということにしているわけでございます。それから、その非農用地を生み出す場合に、その非農用地区域において創設換地でどの程度の規模を生み出すかということが一つの問題になろうかと思います。それは法的には「適切な位置にあり、かつ、妥当な規模をこえないものであること」、わりに抽象的な文句で書いてありますが、私ども、これは常識的に考えてやはり農業サイドから考えるべきであるという意味におきまして、全体の地区面積の二、三割ということを考えております。もちろん工場用地を生み出しあるいはそういう公共施設、公共用地を生み出すという場合、全体合わせて二、三割というふうに考えていきたいと思っております。これを土地区画整理事業みたいなもので全部そういうふうにやるという意味では決してございませんので、農業のサイドから見て、農業の構造改善に資する、農用地の集団化に資する、そういう基本的なねらいのもとにこの事業をやるわけでございますから、そういう意味で、いろいろな限定を設けていきたいと思っております。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 農業のサイドから考えられるのだということでありましたが、これのうらはらになっております農村地域工業導入促進法、もちろんこれも農工調和ということが基本になっておるわけですけれども、しかし、現実問題としては農業サイドから工場用地が造成されていくという形よりも、やはり工場が来るという話がきまって、そうしてこの地域がよかろうということになって、それから工場用地の造成に関連して土地改良法に基づく周辺の基盤整備事業というものが行なわれていく、こういう形になる可能性のほうが現実には非常に強いと思うのですよ。ですから、基本的には、農業サイドに基づいて、農業の集団化なり構造改善という観点から、宅地なり工場用地が造成されていくんだというふうにおっしゃるけれども、現実問題はそういうような理屈じゃなくて、ともかく出かせぎをなくするために、これだけの二百人規模の工場をここに置いたら出かせぎがなくなるんじゃないかということで、市町村はやっきになって工場誘致をやっていくという形になるのです。その相違が現実問題として——あなたのほうは、農用地の集団化とか農業構造改善とかいうことを言っておるけれども、この工場はむしろ工場用地をつくるためにそういう理屈がつけられていくという結果になりはせぬかという心配を私は持つわけでありますが、それらに対する歯どめ処置というようなものは一体あるのかないのか、この辺はどうでしょうか。

三善信二農林省農地局長

○三善政府委員 農業サイドからと申しますのは、そういう地区でどんどん宅地に転用されたりまた工場が入ってきたりして、その農用地がスプロール的にこわされていくようなことも考えられるわけでございます。そういう点をむしろ積極的に防いでいくということにも当然役立つわけでございますので、農業サイドから考えるという場合には、そういう面を十分考慮して考えていくわけでございます。  そこで、工場が出てくれば、圃場整備でついでに広い敷地をそういうふうにやっちゃおうかというような、ややもすればそういう気持ちを起こされる市町村の関係の方々もなきにしもあらず、こういう懸念もあるかもしれませんけれども、それはそういうことじゃなくて、先ほど申し上げましたように、やはり二、三割程度ということで限定して考えていくというふうに運用をし、指導していきたいと思っております。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 私はなかなかそういうふうにじょうずにいくような気がしないのですよ。二、三割と言われても、二、三割というのは、これだけ工場用地がほしいということと関連してその周辺をずっと広げればいいわけでしょう。関係地区の二割なり三割というのは、宅地なり工場用地としてしか認めないという考えでしょう。だから、全体のワクというものは、工場用地なり宅地なりの規模というのを含めたその周辺の適用地域を広げれば、二、三割というのはどうでもなるんで、これは基準にはならないんじゃないですか、どうですか。

三善信二農林省農地局長

○三善政府委員 圃場整備をやります場合のその地区面積の二、三割ということでございますから、たとえて申しますと、多少圃場整備が広い場合は、その二、三割の面積というのも広くなることはあるようであります。ただ、野放図に広くなるということは考えておりませんし、それから、工場の要請に基づいて幾らでも広くやれるんじゃないかという御心配もあるようでございますけれども、その辺のところは私ども十分注意し、また運用をきちっとやっていけば、そういう御心配のことにはならないと思いますし、またそうしてはいけないと思っております。  もちろん農村工業導入というのは、農業の就業構造改善、農業構造改善の一部として農村に誘導するということは、これはこれとして積極的に進めるわけでございますが、それの受けざら的な面も一面は持つわけでございますけれども、それだからといってやたらにこっちの農地をつぶして工場用地だけを造成するというようなことにはならないように、その運用はむずかしい点もあろうかと思いますけれども、そういう厳格な態度でもってやっていきたいと思いますし、またこれをやる場合にも、その所有している方々の同意をとって、申し出によってやるわけでございますから、そうやたらに全部が全部そういうふうになっていくというようなことにはならないし、なしてはならない、そういうことで運用し、指導していきたいと思っておるわけでございます。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 私どもも、農村に工場が来て、そこでいまの就業構造改善というものに役立つ、こういうことはいろいろ従来から言ってきたことであります。しかし、これが無方針になされると、いまでもだんだん農地は少なくなっていっているわけでありますが、やはり農地というものをつぶされる、こういうことを考えざるを得ぬでしょう。農村地域工業導入促進法に続いて今国会に工業再配置の法律ですか、通産省サイドのものがまたこれ出てきておるわけですね。こういう形でどんどん出てきますと、工場用地としてどの程度、これは全国的に一律にいかないと思いますけれども、市町村単位でありましょうから、市町村単位で工場用地としては最高大体どの程度、こういうものがつくられれば一つの基準になるわけですけれども、これは単なるパーセントでいっておるわけなんですが、これはなかなかむずかしいわけですか。これらの運用上、何町については農地を宅地化するのは大体最高制限面積これだけ、こういうような形、これはやれるかどうかということにいろいろ問題もありますが、何かそういうめどを持たないと、ただばくと二〇%、三〇%ということでいいかどうか、こういう点を私は多少疑問に思っているわけであります。こういう点については何かこの問題の検討の過程で議論になりませんてしたか。

三善信二農林省農地局長

○三善政府委員 これは御承知のように、農振法で整備計画をつくってその市町村の一つの農業の今後の計画をやっていくわけでございますが、その農振法の整備計画の中で農用地の区分をやるわけでございます。その農用地の中ではやはり農業を主体とし、また農地をつぶしてはならないというような地帯でございますし、そういうところでこれを運用してまいるわけでございますから、市町村内部においてもその土地利用の区分ということを十分考えて、それにマッチしてこの制度の運用をやっていくということになるわけでございますから、その点、考え方もあるいは制度的にも一応はっきりしていると申し上げていいんじゃないかと思っております。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 これは非農用地所有者の同意を得なければできないわけですね。この同意が得られるかどうかということですが、同意が得られなかったら、全然こういうものはやれないということになるのですか。点在しておる宅地なら宅地を持っておる非農家が賛成しないと、そういう集団化というものはできないということなんですね。そうすると、二十軒あって一軒だけ反対したらこれはやれぬということになるわけですか。

三善信二農林省農地局長

○三善政府委員 御指摘のとおり、そういう同意を得なければできないということになるわけです。それは非農地だけではなくて、農地の場合も、その農地を一部不換地としてそして非農用地とするということも考えているわけですが、その場合も当然同意が必要である。いずれにしてもこの同意がなければこれはできない。もっとも申し出があればいいということは、同意があって申し出るということだろうと思います。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 そうすると、これはなかなかむずかしいですね。よっぽどいい条件の宅地造成をやらないとそこへ入ってくれぬですね。きのうの話を聞くと、移転費も出さないというわけでしょう。そうすると、いまおるところよりもよほど環境なり生活条件が整備をされるという形のものが造成されないと、簡単に移らぬと思うんです。だから、なかなかこれ、やられはしたが、さて思うようにいくかどうか、これまた三分の二の同意を得るよりも逆からいえばむずかしいという面もあるように思うのですが、これ、実際にやれるかどうか、自信ありますか。私、なかなかたいへんだと思いますね。

三善信二農林省農地局長

○三善政府委員 そういう御心配もあろうかと思いますけれども、その農村の地区において、やはり農業サイドから見た私が申し上げておりますような一つの土地の利用の合理化、土地利用の調整ということも、当然その地区の農家の方々は頭にあると思いますし、そういうことを十分御説明しながら、事業参加者の御納得あるいは御理解、そういうのを得ていくことに現実的にはなろうかと思いますけれども、私はそう悲観的に解釈しなくても、わりあいそういう同意を得て希望者も出てくるということに考えておりますし、現実にそういう要望も全国的にわりあい多うございますので、その点はあまり悲観的に考えなくてもいいんじゃなかろうかと思っております。もちろんこういう事業を促進するためには、先ほど申されましたように、予算的な面も今後やはり前向きに需要を促進するような点で裏づけてまいるということも必要かと思っておりますけれども、そういうことで、農村の関係者の方々はわりあい御理解が早くてうまくいくんじゃなかろうかと思っております。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 いま農村はなかなかむずかしいようになっておりますから、土地改良区の組合員ならいいですけれども、非農家というか、だいぶ点在しておりますからね。だから、最近建てたばかりの家というのもあるでしょうし、なかなか従来のように、農民はものわかりがよくて、きまったら、みんなのためならやろうという単純なものではないという条件があるだけに、特に周辺に非農家が入って混在しておるわけでありますから、個別にきのうお話のありました移転費等の問題、その他まだあると思いますが、これはよほどそれに対応する条件の整備をやらないといかないのじゃないかと思いますが、まあ、自信があるようですから、一ぺんやってもらって、さっぱりやれぬということのないようにお願いをしておきたいと思うのです。  それから、いわゆる宅地、公共施設、工場用地等の土地提供を希望する者あるいはこれを拒否する者あるいは造成された土地に対する需要者、こういう三者間の利害、場合によればそれぞれ相反する要求を具体的にはどういうふうに調整をしてやっていくのか、この点をお聞きをしたいと思うのです。

三善信二農林省農地局長

○三善政府委員 そういった創設換地を生み出す場合の一つの利害の調整と申しますか、現在でも換地する場合に一番のあれは、清算金というかっこうで処理しているわけでございます。今回の場合でも、この清算金を支払うというようなことで利害の調整を基本的にやっていくということになるわけでございます。  そこで、具体的に申し上げますと、創設換地を取得する者、たとえば土地改良区とか市町村とか農協、その人が清算金を払うわけでございますけれども、まずその土地を提供した人、換地を申し出た人、また同意をした人、その土地を提供した人に対して清算金を払う。その払い方は、従前その人が持っていた土地に対して評価をして払うわけです。それが一つと、それからもう一つは、創設換地をしますと、そこにいる人が今度はほかへ移転するわけですね。その移転する人に払う清算金と、二通りあろうかと思います。この場合にも、やはり移転します場合には、その土地の条件の差というのがございますから、そういうのも十分、位置の差とか土地条件の差とか、そういうものを加味してその清算金というのは考えられるということになろうと思います。やはり利害関係の調整でございますから、実はこの問題が一番重要であるし、むずかしい問題でございまして、特に創設換地の場合には、それを最もうまくやらなければスムーズにいかぬという面もございますし、その点はもっと具体的に、最も適切なうまくいくやり方をもう少し検討していきたいと思っております。いずれにしても、清算金で解決をするということには変わりないわけでございます。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 土地を提供した人はその土地に対する提供代ですか、清算金、それからその土地におった人が引っ越す場合は引っ越し料を含めた清算金、そしてその土地を需要する者に対しては、おたくの資料を読むと、工事費充当額というものを加えていわゆる売却価格にする、そういうことになっておりますけれども、工事費充当類というものですね。いわゆる工事を行なうことによってその土地に価値がついた、こういうふうに評価される。この工事費充当額というものは、具体的にはどういう算定、いわゆる時価というような単純なものでやっていくのか、工事をするために要った費用といったようなもので計算していくのか、その辺は何を根拠にしてこの工事費充当額というものが出されてくるのか、ここのところを……。

三善信二農林省農地局長

○三善政府委員 その工事費と申しますのは、創設換地を生み出すための工事費で、そこの創設換地の中の造成費ではございません。生み出すためにはやはりそこの一角の土どめをするとか、そういうことを当然しなければいけませんし、そういう種類のものの工事費でございますから、全体の工事費でございますから、創設換地の造成費という意味ではございません。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 これはまだちょっとよくわからぬけれども、これの算定の基準といったようなものを何かの形で示されるわけですか。

三善信二農林省農地局長

○三善政府委員 先ほど申し上げましたように、これは一番むずかしいし、一番重要な問題でございますから、そういう点の算定の基準みたいなものはこちらでつくりまして、十分指導していくということにしたいと思っております。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 私がここのところを特に申し上げるのは、従来から土地造成をめぐって、特に造成された土地が今度の場合は別個に売却をされていくということでありますから、この間にいろいろな不正事件というか、こういうものがあるのです。特に土地については、非常に地価が変動して、騰貴をしてまいりますだけに、土地改良区で起きるいろいろな不正問題の中には、こういう事件が非常にあるわけですね。今度こういう利害相反する三者間の調整の取り方によっては、抜け穴というか、土地売却をめぐってのいろいろな問題が起きてくる心配があるわけです。これを起こさせますと、国が補助金を出してつくった土地造成が、何か絶えず新聞材料になるような形になってきてはたいへんだから、この辺の利害調整の方法、進め方については、よほどかちんとした基準なり指導なりというものをやられないと、これは必ず起きますよ。特に地価はどんどん上がっていくわけでありますから、特におそらく問題になっていく新都市計画法のいわゆる調整区域、農振地域におけるところの農業振興地域と目される地域、この辺の土地をめぐっていろいろな不動産屋がすでに暗躍しているわけですから、そういう中で土地造成というようなものがなされていくわけですね。もちろん関係者はおるわけですけれども、これはその過程の中で非常に不明朗なできごとが起きる可能性を持っておると私は思うのです。そういう意味で、この点については特に十分な配慮をして、かちんとした判断基準をつくられて指導せられないといけない、こういうことを申し上げておきたいと思うのです。  時間が来ましたので、まだたくさんあるわけでありますが、要点にしぼって御質問をいたしますが、いわゆる都市計画に基づく土地区画事業と、土地改良事業における造成事業ですね、これとの調整といったようなものは必要になるわけですか。

三善信二農林省農地局長

○三善政府委員 都市計画法に基づく都市区画整理でございますね、これは市街化区域とかそういうところでやるわけでございまして、この改正法で考えておりますようなこういう農村地区にそういう都市計画、区画整理事業をやるというようなことは、これは当然考えられないことでございますから、その調整の必要もないと思っております。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 これもいろいろあるのですが、大切なのをしぼって質問しますが、一つは、今度新しく従来の一事業一改良区主義からいわゆる総合化ができる、こういうことになりまして、各種工事間の相互依存が可能になってきたわけでありますが、これと関連をいたしまして、現在のいわゆる土地改良事業における補助率体系というものをもう一ぺん洗い直す必要があるんじゃなかろうか、こういう気もするわけであります。私のところで農地保全事業をやっておりますが、水路の道路兼用については四五%、水路そのものは五〇%、既設の線路についてのつなぐ線は四〇%という形で、ちょっと見ますと、自分の目の前に見える農道、水路併用の農道のわずかな範囲で補助率がそれぞれ前後五%ずつ違うというようなことになっておるわけですね、同じ事業をやっておって。こういうものこそ一体化方針という形で、総合化方式で打ち出されるような今日でありますから、これはやはり一律にしていくというようなことも、これは一つの小さな例ですけれども、考えられてしかるべきだと思うのです。特に私は、土地改良事業というものはますます公共性を持って、国の責任でやっていく、こういう方向に向いてくると思うのです。そういう観点からいたしましても、補助率というものについて、これは法律事項ではありませんけれども、再検討し、できるだけ単純な形にできないか、こういう点をお尋ねをしておきたいと思うのです。

三善信二農林省農地局長

○三善政府委員 現行の補助率、これは非常にこまかく分かれておりますので、わかりにくいし、また非常にめんどうだというような御意見もときどき聞きます。この総合事業を始めますにあたりまして、将来の問題として、やはり補助率がそうこまかく分かれているということは好ましいことではないと、こう考えますので、今後、総合事業等につきましては、一本の補助率にまとめられるものはまとめていくというようなことで前向きに検討いたしたいと思っております。現在でも、御承知のように、合わせ事業で県営の総合畑かん事業につきましては、従来、道路あるいはかんがい施設、そういった個々の補助率があったわけでございますが、政策的意味もありますし、一応総合的な補助率でやっているような現状でもありますので、いま御指摘のような点は、今後ひとつ十分検討していきたいと思っております。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 次に、農振地域整備法に基づく基幹事業の実施方式が、いわゆる市町村議会の議決ということで行なわれるわけでありますが、こういう事業は市町村の議決でやっていくというたてまえをとっていく。こういう事業について土地改良区が負担金を徴収する、こういうことになっておるわけですね。こういう事業は市町村が負担金を徴収するということにならないわけですか。市町村が発意をして、市町村がやるのだから、市町村がやってもいいじゃないかという気がするのですが、これもやはり土地改良区が負担金の徴収をやる、こういうことになっておりますね。  それから、こういう事業の負担金というものは、特に土地改良区組合員が負担をするという場合は、こういう基幹工事が始まったらすぐ取るわけですか。それとも関連した土地改良区が承諾をした事業が終わって、効果があらわれるという時点から取るということになるわけですか。その辺はどういうふうになりますか。

三善信二農林省農地局長

○三善政府委員 負担金の取り方と時期の問題ですけれども、まず時期から申し上げますと、たとえば具体的例で申し上げたほうがいいかと思います。市町村特別申請事業として国営で事業を始めた。国営事業の負担金というのは、これは国営事業が完了してから取ることになっております。ただ、この事業は基幹事業でございますが、先ほど申し上げておりますように、この基幹事業に関連した末端の事業というのが当然起きてくるわけでございます。したがいまして、この関連事業は、御承知のように、三分の二の同意で従来と同じようなやり方で事業が実施されるわけでございますが、しかもその事業の実施の段階というのは、できるだけ早く関連事業もしていくということになるのがほんとうでございますし、いま申し上げました国営の基幹的事業が始まったあと、その関連の末端事業が多少時期的にはおくれて始まっていくというようなことになろうかと思います。  そのときの負担金の取り方でございますけれども、国営事業は国営事業が終わってから取るわけでございますが、その終わった段階で末端の関連事業が始まっていなければ、これは取れないというかっこうになるわけです。だから、国営事業が進行して、末端の関連事業が始まっている、そういう進行状態のときに、国営事業はここで終わった、その段階から国営事業は取れるわけです。それから、末端の事業においては、やはりその段階から国営事業と一緒になって末端の事業も負担金を取っていく。その取り方は、土地改良区が農家から取っていくということになるわけです。負担金の取り方自体は、現行のやり方と別段変わったやり方を今回やったわけではございません。  それで、なぜ基幹的な事業について土地改良区から取るかということでございますが、それはやはり末端の事業とそういう基幹事業というのは当然関連してといいますか、当然一体となってやる事業でございますから、そういう意味で、従来と何ら変わりなく土地改良区を通じて取るということになろうと思います。法的には、国営事業はこれは県から取るわけでございますから、現実には県が土地改良区等を通じて取るというかっこうになるわけであります。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 応答の時間がありませんから、条項だけお尋ねをしておきますが、農業用用排水施設等の利用関係の調整で、法第九十四条四項について、いわゆる施設の共有ということが新しく設けられて、農業用水が他の都市用水あるいは発電等に余水があればそれを認めるということになるわけですが、これは需要者の要請に基づいてそういうことになっていくのか、あるいは農林大臣みずからが、この施設については農業用水に余水がある、こういう判断をそれぞれせられてやっていくのか、この点が一つ。  それから、それに対していわゆる対価が出されるわけですね。この対価はどういうふうに使われていくのか。いわゆる水利権に対するお金が入るわけでしょう。このお金は一体どこにどういうふうに使われていくのか、この点をお尋ねをしておきたいと思うのです。

三善信二農林省農地局長

○三善政府委員 余剰水があるから、かってに農林大臣がそれはよそへ回せというようなことではございませんので、やはり需要側の水需要の逼迫、それの要請、そういうのが主体になってこういうのは動くというふうに御理解になってけっこうでございます。  それから、この共有持ち分権を与えるわけでございますが、この持ち分権は、土地改良施設について持ち分権を与えるということになるわけです。もちろんそれに基づいて、水利権は河川法に基づいて需要者側に与えられるということになるわけですが、その対価が入ってきます場合に、その対価はやはりこれまで使った事業費のアロケーションによって、事業費割りによって、それを国とか県とかあるいは地元とか、そういうふうに配分していくということになろうと思います。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 これもいろいろ問題があるのですが、その対価は、そうすると国、県、市町村に何を基準にして配分されるわけですか。

三善信二農林省農地局長

○三善政府委員 たとえば国営かんがい施設、これは負担割合が国が六〇でございますから、県が二〇、一応負担しているわけです。それで二〇が地元というのが通例でございます。そこで、この負担割合に応じて国はまず県に交付するというかっこうになるわけであります。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 そうすると、事業費の負担割合ということになるわけですね。しかし、実際には、末端の土地改良区等は事業費以外の地元負担というものが現実にはたくさんあるわけですよね。いわゆる二〇%というけれども、二〇%どころじゃないわけですね。それから、水については長い間の慣行というものがあって、特に施設の維持管理等を地元でやっておるわけなんです。そういう要素はこの対価の配分の中へ入らないわけですか。

三善信二農林省農地局長

○三善政府委員 事業費といいますのは、その施設の建設費ということに考えておりますので、維持管理みたいなそういうのが特に入るということではございません。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 しかし、その施設の維持管理というものを入れなくていいのですか。施設の建設費はそういうことですけれども、しかし、その施設を維持管理しておるために相当なものが要っておるわけでしょう。その分は当然この対価がどういう基準で出されていくかということになるけれども、普通の場合は、水の対価というものは非常に長い水利慣行をめぐってたいへんな金額になる場合が多いと思うのですよ。そういう場合に、単に建設費だけでやるということで済むのかどうか。その施設を維持管理しておる農民、土地改良区、そういう人々の中から、当然、わしのところにはこの建設費の地元負担以外にもプラスアルファというのはたくさんあるし、現実にそういう人がいままでささえてきているわけですから、そういうところに重点を置かなければいけないのではないか、こういうふうに私は思うのですが、この点を一ぺんよく検討してみていただきたいと思うのです。  それから……。

三善信二農林省農地局長

○三善政府委員 ちょっといまの件で……。これは土地改良施設、その施設の財産の共有持ち分権を与えるわけでございますから、その施設の建設費というのが当然アロケーションの基礎になるわけでございます。そういうふうに御理解していただきたい。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 そうすると、水利権の取り消しをやるわけでしょう。そうして今度は都市用水の水利権というものを設定するわけでしょう。その水利権に関する対価というものはないわけですか。

三善信二農林省農地局長

○三善政府委員 それは共有は財産の共有でございます。水利権は別の角度から、河川法の体系に基づいてそちらから許可して与えることになるわけです。御指摘のような土地改良施設を将来維持管理するような場合には、やはり水利権を持っておる人も維持管理の費用を出していくというようなことになろうかと思っております。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 水利権の対価というものはあるのではないですか。水利権の移転に伴う対価というものがあるでしょう。

三善信二農林省農地局長

○三善政府委員 それは非常にむずかしい問題の一つではございますけれども、河川法の体系では水利権の対価というものは実はないわけでございまして、その面は、河川法の体系でこの水利権は許可していくわけでございますから、水利権の対価というふうに割り切って考えるというふうにはまいらないということでございます。

田中恒利日本社会党

○田中(恒)委員 いや、これはあるのですよ。これは慣行水利権を中心にしてこれがいつも水用途をめぐって問題になるのですから、これは大体法律的にはあるでしょう。河川は建設省でしょう。その関係があると思うのですが、これはひとつ対価支払いをめぐって、あなたのところは自分のところの施設分の関係の共有権だけでということでなくて、農民の水はいずれにせよ電力会社や都市用水等の水に向けられるわけですから、その場合に、慣行水利権の問題をめぐって水利権の設定がなされるのですから、これをめぐっての対価は取らなければならぬ。それは取りますよ。これは取る運動を起こしておるかどうか。起きますよ、これは。そういう場合、いろいろあります。ありますが、そういうものも含ませて十分これは検討していただきたいと思うのです。  時間が参りましたので、あといろいろ残された問題の質問ができませんが、特に一、二御要望だけ申し上げておきますが、三十九年の法改正のときに本委員会の附帯決議で、土地改良事業については施行主体別に管理の基準を定めるようなことを考えてはどうか、こういうふうなこともいわれておりますが、今度の改正では、いわゆる土地改良施設の維持管理についての問題は依然としてそのままになっておるわけであります。こういう点もできるだけ検討をしていただいて、いわゆる造成主体と管理主体とが一応違う、まあ、違うなら違うなりに必要な処置をもっとやらなければ——それは国営ダム等については昨年ごろからちょっぴり補助を出しておるようですけれども、違うなら違うなりに、国の責任でつくったものはやはり国が管理をしていく、できなければ委託費を出す、こういうようなことについて明快な方向を出していただかなければ、金がかかるものはあまりこれをやらなくて、金がかからぬところ、こういうことはやれるような法律改正にしていくということだけじゃ済まぬと思うので、その線をぜひ検討してもらいたいと思うわけであります。  あと、いろいろありますが、またほかの委員の方にお願いをいたしまして、私の質問は以上で終わりたいと思います。

三ツ林弥太郎自由民主党

○三ツ林委員長代理 午後一時に再開することとし、これにて休憩いたします。    午後零時二十分休憩      ————◇—————    午後一時四分開議

三ツ林弥太郎自由民主党

○三ツ林委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。斎藤実君。

斎藤実公明党

○斎藤(実)委員 土地改良法改正に関連して若干御質問をいたします。  稲作転換あるいは水田の転用が土地改良区にもたらす影響としての問題といたしまして、土地改良事業の負担金及び土地改良区の運営費について、これは各改良区においても非常に問題になっております。  まず、負担金の場合でありますけれども、土地改良団体の場合、永久転換に対しては国並びに県営の負担金の年賦償還金あるいは公庫借り入れ金の相当分が直ちに農家の負債として残ることになる。なお、休耕に対しても継続して償還しなければならないということになっているわけです。しかし、農地ではなくなる、たとえば果樹等もその例になりますけれども、永久転換に対しては奨励金を打ち切ってしまったあとは、その負担金は一体どうなるのかということが非常に問題になってまいりますし、休耕に対しても償還金の延納の措置、公庫資金の利子補給といった施策を講ずべきだと思いますし、先日来の質疑の中で償還金の延納措置については検討するという答弁もありましたけれども、この点について局長から、具体的にこうするんだという何かあれば、承っておきたいと思います。

三善信二農林省農地局長

○三善政府委員 生産調整に伴います負担金の問題それから公庫の借り入れ金の問題、これに対して現在具体的にどうするということはまだ申し上げることはできませんが、基本的には、私どもの調査で、概略な調査でございますけれども、一応どこまでどう困ってるかということはあまりはっきりつかめないというのが正直な実態でございます。生産調整の場合にも奨励金がございますから、そういうかっこうですぐ農家の方の負担金の支払い等に直結して響いてくるというようなことになるのかならないのか、そういう点もはっきりしたことはまだつかんでおりませんが、そう直結してすぐ農家の人が非常に苦しくなるというようなこともないんじゃなかろうかという感じも持っております。いずれにしましても、生産調整が続いてまいりますと、やはりそれが積み重なっていろいろそういう問題も起きてこようかと思いますので、これは四十七年の予算で八百万円ぐらい一応見てもらうことにしておりますけれども、これでひとつそういう問題も実態をよく調査しまして、その調査結果に基づいて、必要あれば所要の措置を考えていったらどうか、そういうふうに検討していきたいと思っております。

斎藤実公明党

○斎藤(実)委員 土地改良区の運営についてでありますけれども、事業も非常に要望が多いし、さりとていま休耕という問題もありますし、転換ということもありますので、土地改良区の運用については非常に苦慮しておる。この間も現地へ行きましていろいろ事情も聞いてきたのですが、生産調整によって当然面積が減る、したがって土地改良区の収入が減ってくるわけですね。収入が減る反面、施設の維持管理は従来どおり行なうということ、したがって当然改良区の経営が苦しくなるということは目に見えておるわけです。これは北海道の十勝地区のある町村ですけれども、多いところは土地改良区に一千万補助しているわけです。空知のほうでも、ある村では三百六十万とか、上川三百二十万、後志では六百七十万という運営費と申しますか事務費を補助しているわけです。ですから、私は、この改良区の運営はだんだんきびしくなってきておる、これは認めざるを得ないと思うのです。そこで、こうした土地改良区の運営について何らかの援助措置が必要ではないかと思うのですが、この点、どうでしょうか。

三善信二農林省農地局長

○三善政府委員 土地改良区の問題につきましては、私も再三申し上げておりますけれども、基本的に今後土地改良区のあり方、性格とかそういうのを一体どういうふうに考えていくべきかという根本問題が一つあるわけでございます。今回の法改正ではそういう根本問題には触れておりませんし、また触れると申しましても、短日月の間にそういうことと取っ組んでいくということは、かえって将来のことを考えてまずいと思いまして、現在検討しているような段階でございます。そういう土地改良区の維持管理、運営、それはまさに土地改良区の基本的なそういう性格、あり方の問題とも関連してまいりますし、今後のひとつ検討課題にしていきたいと思っているわけでございます。

斎藤実公明党

○斎藤(実)委員 いま局長から土地改良区の運営その他について検討していきたいという御答弁がありましたけれども、十分実情を把握されて、この土地改良区の運営が円滑にいくように、ひとつ御要望を申し上げたいと思います。  今回の改正点について具体的にひとつ伺いたいと思います。  その第一点は、農業振興地域整備計画に基づく基幹事業の実施方式についてお尋ねをしたいと思います。これはいまさら私が申し上げるまでもなく、地域の基幹的な農道であるとかあるいは排水等は農村地域開発の基本になるものである。こうした事業については関係農業者の三分の二の同意手続を得なくとも、関係市町村の議会の承認を経る、こういう手続で申請ができることになりました。道路あるいは排水等の事業、特に一定規模以上のものは、その性格が一般の基盤整備事業以上に強いわけですね、したがって、公共性を帯びたものである。そういうことで、こうした事業のほとんどが地元負担ということで、なかなかたいへんだということである市町村では負担をしておるわけですね。実際に負担能力がない。それで市町村がめんどうを見ておる。造成後の施設管理も市町村が行なっているというところもあるわけです。これらの市町村の費用負担については、制度上の財政的な裏づけがないわけですね。ですから、市町村は一般財源からこの費用を持ち出さざるを得ないというのが現状です。今回の改正では、市町村申請の道が開かれるからには、その前提として、自主的に、好意的に費用負担を行なっているわけですから、そういう市町村に対しては特別地方交付税の対象にするとかあるいは起債、公庫融資等の方法によって財源を裏づけることが当然私は必要だと思うのですが、この点について局長、どうお考えですか。

三善信二農林省農地局長

○三善政府委員 市町村をそういう特別交付税の対象にするとかあるいは起債の対象にする、これは従来からも自治省に私ども、そういう道をひとつぜひ開いてほしいということを、かねがね要望しておったわけでございます。この問題につきましては、自治省に対して今後もっと積極的に踏み切ってもらうようなことを何とかして折衝してみたいと思っております。御承知のように、なかなかむずかしい問題でございますが、私どももそういう努力を重ねていきたいと思っております。  公庫融資の問題は、市町村は公庫融資の対象に御承知のようになりませんので、その点は基本的にむずかしい——むずかしいといいますか、できないわけでございます。ただ、公庫の転貸融資ということで、農民に土地取得資金等を融資して、それに対して市町村が肩がわりするとか助成するとか、そういうやり方をやれば、実質的に公庫もその市町村に対して裏から援助できるような道にもなるわけございます。そういういろいろなことを考えまして現在もやっておるわけでございますが、直接公庫から融資するということは、どうしても現在の公庫法のたてまえ上できないということになっているわけでございます。

斎藤実公明党

○斎藤(実)委員 私がこの問題を取り上げたのは実例があるわけです。たとえば、これは北海道の十勝地方のある町村で、国営直轄の明渠排水事業というものをやっておるわけです。これは総工費が十三億一千万円、十五カ年計画です。この十三億一千万円のうち地元負担総額が幾らかというと六千五百五十万円です。償還利子を含めると年間に六百五十万となるわけです。こういった負担を町村はしておるわけです。この事業は僻地債あるいは過疎債の対象になっておりますけれども、実際はこのワクが少なくて僻地債、過疎債は活用できない実情なんです。その反面、一般債では土地改良事業は起債の対費になっていない、こういう実情なわけです。ですから、こういった事業をやる町村というものは一般財源から持ち出さざるを得ないということなんです。こういうことからいって、土地基盤整備あるいは直轄のこういった事業については何らかの起債というものを特別に認めてもらうということが、この事業をスムーズに運営していくために必要な条件だということで私、申し上げておるわけですから、農林省としてもこの問題については積極的に自治省と交渉されるよう強く御要望申し上げたいと思います。  それから、非農地の取り込みに関連して若干お尋ねをいたしたいと思います。  現行法では、区画整理等換地を伴う土地改良事業については、非農地は一切除外されておりました。今回の法改正によって、地域の農業構造改善に必要な限りで、宅地であるとかあるいは施設用地等の非農地を含めたところの土地利用の合理化がはかられたわけです。さらにまた共同利用の施設用地、公共施設用地、工場用地等の非農用地にも創設換地制度を新設した、取り込めるようになったということは一歩前進だと思います。しかし、今後の農業基盤整備事業のあり方としては、農村地域を生産基盤と生活環境施設をも合わせた地域開発事業の実施を行ない、そして都市に劣らない生活環境のもとで生業に従事するという観点からこうした事業に取り組んでいる現状を私は見るときに、特に昭和四十七年度から実施されることになっております農村基盤総合整備パイロット事業等ではだいぶ違うわけですね。集落の移転であるとかあるいは公園、緑地の造成、農村センターの建設、下水処理施設の設置、家屋の移転等、非常にパイロット事業等では盛りだくさんだ。ですから、こういった事情を見る場合に、ただ単にこうした事業の下地となる用地の造成だけではなく、いま私が申し上げましたような一切取り込んだ、発展させた形での今後の方向が必要ではないか、こう思うのですが、いかがですか。

三善信二農林省農地局長

○三善政府委員 四十七年度から一応実施する予定にしておりますただいまの総パ事業、これもこの土地改良法の一部改正を早期に実現していただいて、それにのっとって基盤整備、若干の生活環境の整備等も含めて事業を実施するということに予定をいたしておるわけでございますが、何ぶんにもそういった生活基盤、環境整備も含めました事業というのは初めてのケースでございますので、一応どういうふうなやり方をやっていったほうがいいか、それに取り込むべき事業の内容というものもどういう点をやっていったほうがいいか、現実に市町村長なんかと数回打ち合わせながらこれをやっていくようにしているわけでございます。その中で、いろんないま申されましたような内容の事業を取り込んでやっていきたいというふうに考えておりますけれども、いずれにしましても、この土地改良法に基づいてこういった事業をやるという場合には、それぞれ限界がやはりありますので、正面から生活基盤あるいは環境整備、農村計画的なそういう打ち出し方をするわけにもまいりませんし、取り込める範囲内は最大限に取り込んで、この土地改良法の一部改正をもとにしてやりたいと思っておるわけです。その中で集落の移転とか家屋移転とか、そういうのをぜひやってほしいというような要望も現にございます。ございますけれども、この問題、土地改良法の事業としてこういう点まで取り込んでいくことはなかなかむずかしい問題でございますので、将来そういう総パ事業をやっていく段階におきましていろんな問題がまた出てこようかと思いますので、その段階で最もスムーズに事業が促進されるような方法、そういう点も、助成措置等の点も含めながらそういうことを事業をやりながらひとつ検討していきたい、こういうふうに正直のところ思っているわけでございます。

斎藤実公明党

○斎藤(実)委員 将来の方向として検討していきたいということで答弁がありましたけれども、ぜひひとつその方向でこれは行なっていってもらいたいというふうに思います。  それから、土地改良事業の総合化について若干お尋ねをしたいと思います。  総合土地改良事業ではいわゆる地域開発的な事業、従来国営ですとかあるいは都道府県営、団体営、こうした事業区分はそのまま適用して、それを実施する場合に、それぞれの事業の採択年次に前後が生ずるわけです。ずれるということは、事業効果の早期実現が阻害されるのではないかというように考えるわけです。この事業の総合化、一貫施行を考えるという場合、国営あるいは都道府県営、団体営、これを総合的に計画をし、同時に行なうということになれば、それぞれ関連性というものが密接な関係になるし、非常に私は効果的ではないかと思うのですが、こうした総合化を行なうということについては論議をされたのかどうか、この点についてお尋ねしたいと思います。

三善信二農林省農地局長

○三善政府委員 今度法改正で考えておりますのは、そういう横の事業の総合化みたいなものでございますが、いまおっしゃったのは、国営、県営、団体営と、それを一緒にやる。線の事業なんかそれに該当するかと思いますけれども、私どももいろいろなことを検討してみましたけれども、そういう縦の一貫事業の施行と申しますか、そういうことをやるには、まだそこまでの必要性というのはかえってないのじゃなかろうかという点も感じているわけでございます。たとえば水利施設をつくります場合に、末端の施設なんか以前からずっと完備しているのがあるし、その上の改良だけをやるというようなものも相当多うございますし、それから、一つの国営、県営というのは、受益面積とかそういう、道路で言えば、非常に延長距離の長いのとか一つの広がりと規模というのがあるわけでございまして、それはそれなりに一つまとめてやるということも必要なわけでございます。必ずしも上から下まで全部一緒にやるということの必要性は、現実的にもそう早急にそれを解決しなければいかぬということでもなさそうに感じているわけです。ただ、現在でも、どうしてもこれはそういうふうにやったほうがいいというような場合は、予算的な措置で多少やっているのもございます。干拓みたいに、さら地に新しくその施設をつくってやっていく、モデル経営をやっていくというような場合には、できるだけ御指摘のような点も考慮して将来考えていったほうがいいんじゃないかということで、そういう点は考えております。  一般的に申しますと、やはり差し迫って必要なのは横の総合事業、従来の一つの事業でもって三分の二の同意をとり、申請手続をとってやっていくということは非常に煩瑣な手続でもありますし、また同時に、ほかの事業もあわせてやっていくということが、構造改善に早く資するためには、どうしてもそういうやり方がいいということが期待されますので、今回の改正では、そういった横の改正と申しますか、総合事業をとりあえず法制的にはっきりさせた、こういう状況であります。御指摘のような点も将来やはりいろいろな角度から検討はしてまいりたいと思っております。

斎藤実公明党

○斎藤(実)委員 これは同じ地域で国営あるいは県営、団体営ということも実際事業をやっているところがあるわけです。ですから、有機的な関連性というものが薄くなるし、同じ工事をやる場合、やはり年度が違うと費用の問題が出てくるわけです。いろいろな工事費も高くなるということ、そういったことを考えますと、やはりこれは一ぺんに同時にやるということも将来問題が起きてくるのではないか。現実にこういう問題もありますので、ひとつ御検討をお願いしたいと思います。  それから、総合土地改良事業を実施する場合には、特定地域に投資が集中することになる。したがって、農産物の生産者価格の上昇率が鈍化をする、米価は据え置きというような状態のもとで農民の負担というものが非常に大きくなるし、この負担にたえられるうちはよろしいですけれども、たえられなくなることができるのではないかという心配をしておるわけです。それで、市町村がこの市町村の持ち出し分、補助残といいますか、こういったものを持つ場合でも、人口密度の薄い農村地域に高額の負担をさせるということは、現実的にきわめて困難です。こうした高額の地元負担金を伴う総合事業については、ほかの単発事業とは異なった高率補助の適用やその他緩和等、これは何らか考えるべきではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

三善信二農林省農地局長

○三善政府委員 総合事業を始めます場合には、やはり一定の条件というのも考えているわけでございまして、地域的にはまとまりのある地域で、個々の事業をやっても重複するような地域を考えておりますし、また、これをやることによって農業経営の合理化、近代化、効率化が非常に促進されるというふうに認められるような地域に限ってやるわけでございまして、のべつまくなしにやるというわけでもございませんので、その点、総合事業をやればやはりその効果もそれなりに早く出てくるわけでございますから、総合事業をやるから特に農家負担がそれだけ重くなるということでもございませんし、この農家負担の問題は一般的な問題として検討していくということで、総合事業に直接関連して農家負担をどうするというようなことは、現段階では別に考えていないわけで、将来の問題として、農家負担を一般問題として研究していきたいと思っております。

斎藤実公明党

○斎藤(実)委員 費用の負担についてもう一点お尋ねをしたいと思います。  国営事業の負担金の徴収のあり方につきまして、国営事業というのは非常に長期にわたるわけですね。五年とか七年とかあるいは十年とか十五年とかいうふうに非常に長くかかる。関連事業の実施はそれに従っておくれているというのが実情だろうと私は思います。  現在のように、事業効果の発生前に受益者から負担金を徴収するということは、受益者にとっては非常な負担になっておるわけですね。国営負担金の徴収につきましては関連事業が終了した翌年から徴収してほしい、これは全国同じだと思うのですけれども、こういう声が非常に強いわけですよ。国営の事業をやって、それから県営、団体営でもけっこうですけれども、関連事業がずっと長くかかるわけですね。それが終わらないうちに翌年から徴収するということは非常に酷だ。ですから、関連事業が終わった翌年から徴収してもらいたい、これは強い要望なんですが、この点、いかがですか。

三善信二農林省農地局長

○三善政府委員 国営事業は、御承知のように、わりあい工期は長うございます。この工期の短縮ということは非常に要望が強いし、そういうことも将来当然やっていかなければいかぬと思っております。  負担金の問題は、国営事業が完了してから取るということになっております。国営事業の途中で取るようなことはいたしておりませんが、御指摘の、それに付随した関連事業があると、その関連事業が終わってから国営事業の負担金は取ったらいいじゃないか、こういう御質問のようでございますけれども、国営事業は、規模あるいは受益面積の範囲、そういうことでそれなりの効果を持って国営事業を始めているわけでございます。そういう意味では、やはり土地改良事業の本来のあり方と申しますか、負担金についてのあり方と申しますか、そういう点を踏まえて、特に関連事業が終わってから取るというようなことをすることはちょっとむずかしい問題だと思っております。

斎藤実公明党

○斎藤(実)委員 昨日からの同僚委員の質疑を通して、いろいろこの法案についての論議が行なわれましたけれども、今回の法案についての現時点でのいろんな問題点も論議されましたし、将来の抜本策についての御意見もいろいろありました。私は今回の土地改良法改正については一歩前進だと思いますけれども、やはり問題とすべき点も十分ありますし、土地改良法を抜本的に改正するという将来の方向についても、これは十分論議をされなければならないと思います。  重複を避けて若干御質問をいたしましたけれども、また基本的なことについては大臣に対しても御質問をしたいと思いますので、本日はこの程度で私の質問を終わります。

三ツ林弥太郎自由民主党

○三ツ林委員長代理 合沢栄君。

合沢栄民社党

○合沢委員 提案されております土地改良法の一部を改正する法律案について質問いたします。  この法律は昭和二十四年に制定されて、それからすでに三回にわたって改正されて今回が四回目でございまして、改正された内容について見ますのに、問問はございますが、私もこれは一歩前進だというように受けとめておるわけでございます。  土地改良事業は、特に最近のわが国の農業の現状からして、急速に進めなければならないという緊急性を持っていると思うのでございますが、しかし、同時に多くの困難を伴ってきているというように考えております。近年、この土地改良事業については、その事業費も予算規模も年々大きくなってまいっておるわけでありますが、しかし、今後はたして従来と同じように事業の遂行ができるのかどうか、非常に多くの困難性があると思うのです。特に、最近兼業農家が非常にふえてきているというようなことから見ても、また近年の農産物価格は非常に低迷しているというようなこと、あるいは輸入がだんだんふえてきているというようなことからして、農家が将来の農業に対して明るい希望を失っているというようなことで、長期の借金をしなければならない、多くの投資をしなければならないというような土地改良事業についてはなかなか乗ってこないというか、そういうことが考えられるのじゃないかと思うのですが、土地改良事業が今後はたして順調に推進できるのかどうか、そういう見通しについてまずお伺いしたいと思うのです。

三善信二農林省農地局長

○三善政府委員 土地改良事業は、御承知のように、十カ年の長期計画でこれまで進めてきているわけでございます。毎年の予算額も相当大幅に伸びておりますし、その予算額をもってしてもとうてい消化し切れない。予算額は足りないけれども、要望は非常に多いという実態がございます。十カ年計画でも、四十年から四十九年までの二兆六千億の事業が、一応四十七年度の予算で一〇〇%を消化するという、十カ年以内でそういうことになっている。片や実態を見ますと、この土地改良事業の内容自体も、最近は農業の情勢の変化に応じまして、実施面においていろいろ変わった面も出てきている。非常に大規模なそういう基幹施設等の設置をしなければならないとか、あるいは大規模な流通道路、農道等も設置しなければならない、そういう要望も強いし、現にそういうことを相当予算的にも大幅に伸ばしてやっているという実態もございます。  いろんな農業を取り巻く諸情勢がございますが、要は、やはり農業の体質改善と申しますか、経営規模拡大といいますか、そのやり方はいろいろあるわけでございますけれども、そういうことをもって今後の農業の情勢に対処していかなければならない。その場合にも、やはりどうしても土地改良事業による基盤整備というのが基本に私はなっていくだろう。負担金が高いとか、そういう意見もありますけれども、農業の近代化を一日も早く進めていくためには、やはりその大もとになるこの土地改良事業というのをどうしてもやっていかざるを得ないし、農家の方々もその点は相当理解し、積極的に前向きに取っ組んでいこうという姿勢は私、あると思っているわけでございます。もっとも、最近の情勢で、その需要が非常に伸びているような作物、そういうものの基盤整備、その点につきましては、非常に要望も強いし、また整備がおくれております農道の整備、これも非常に熾烈な要求があるわけでございます。そういう意味において、事業の内容はいろいろと情勢に応じて変化してまいることは事実でございますけれども、農家自身としても、どうしても近代化あるいは経営の合理化をしていかなければならない。その大もとの基盤整備というものに対する意欲というものはまだまだ強いし、また、今後、そういう諸情勢を自覚した上でそういう要望はますます強くなっていくんじゃなかろうかと思っております。そういう点に私どもは即応して、今後の土地改良事業の伸ばし方、あるいは今後の情勢のあり方を踏まえて長期十カ年計画をつくりながら、積極的にこの事業を伸ばし推進していきたい、こういうふうに思っております。  いろいろ申し上げましたけれども、要は、そういう農業の諸情勢で非常に苦しい状態にある。その苦しい状態にあればあるほど、私は、その大もとの基盤整備というのはますますその必要性を加えていくんじゃなかろうか。それを農民自身も理解は相当なされてきておるし、われわれもそれを取り上げてこれを積極的に伸ばし、また協力していくということにしていきたいと思っております。

合沢栄民社党

○合沢委員 基盤整備事業に対する農村の意欲は非常に旺盛だ、それで将来、基盤整備事業、土地改良事業を進めるにあたってあまり心配はないような局長の御答弁でございますが、私、この基盤整備事業は、特に今日のわが国の農業は急速に近代化し、国際化しなければならない、従来のテンポではこれは間に合わないだろうと思う、短期間に従来よりももっと大きな事業量でもってやらなければならぬだろうと思うのです。これをいままでみたいな調子でわずかな量でやっておったのではだめだ。確かに予算を見ると、事業の予算の金額は上がっておるのですが、しかし内容的には、これは人件費が上がるとかあるいはいろいろな物価が上がるということで、私はそう大きな事業量の伸びでないだろうと思う。特に従来やられたものは主として水田が中心であったわけなんです。そういった面から見て、今後、この目標が道路とかあるいは畑とかというようなことになっていきますが、道路のほうについては、これはある程度やるか知らぬが、畑になると、そうなかなか構造改善はいくものじゃないと思うのです。しかも急速にやらなければならないというようなことから見て、最近の農業者の兼業がどんどんふえていく、専業農家が激減をする、農村に残るところの青少年というものはほとんど全国でわずか四%というようなそういった情勢、そこにまた昨年あたりの農産物の価格の停滞といったようなことの中で、そのような心配が要らないというような安易な考え方はどうだろうかと思う。  もう一つは、非常に需要が多い。需要が多いところにのみどんどんやっていくのかどうか。やはりこれは一定の方針のもとに、契約のもとに進められねばならぬじゃないかというようにも考えられますし、そういった面で、私は、いまの答弁についてはどうも納得できない。もう一度そういった面での御答弁を願いたいと思う。

三善信二農林省農地局長

○三善政府委員 一つは、需要が多いから安心だという、そういう単純な意味で申し上げたつもりでもないわけでございますが、やはり大もとは、そういう農家の方の意欲、またその意欲を育てていくということが必要だと思います。そういう意味で、農家の方にはまだまだ私は意欲はある、こう申し上げておりますし、それから、先生おっしゃいますように、やはり急速に土地基盤整備等はもっと拡大してやっていかにゃいかぬということも全く同感でございまして、最近の土地改良事業のやり方を見ますと、非常に工期は長いわけでございます。そういう点も十分実行面で配慮して考えていかにゃいかぬと思います。  それから、需要が多いところには集中してやってほかにはやらないということではございませんので、一般的にそういう要望は多いということで、やはり一つの方針に基づきまして、今後の農業の進め方、そういう方針に基づいた土地基盤整備の方向ということを考えて、事業の実施にあたっては指導してまいりたいと思っております。もちろんその基本になります土地改良の十カ年計画、これはやはり将来の農業事情を十分踏まえまして現在作業をいたしておるわけでございますが、そういうことで、私、申し上げているわけでございます。

合沢栄民社党

○合沢委員 局長は、需要は旺盛だということですが、私は、需要は旺盛ではなくなってきつつある、減退しつつあるというように考えておるわけでございます。この辺、局長の見解と違うわけでございます。  それで、私は、需要は減退しているんだ、農家の経営も苦しくなっているんだ、しかし、日本の食料の自給度を高めていく、維持していくということは、国にとっては非常に大事なんだから、そのためには、やはりいいものが安く生産できるというような基盤整備事業は非常に大事であるという認識のもとに立って、この土地改良事業は積極的に進めねばならぬ。しかし、そのためには、大事なことは何か。いろいろな農政の総合的な施策も必要でしょうが、この土地改良事業の中で考えてほしいのは、補助率の問題あるいはまた融資条件の緩和の問題、こういうことが非常に大事じゃなかろうかと思うのです。今日おくれておるわが国農業を国際化するためには、何と言っても急速な土地基盤整備事業が必要であるし、そのための補助率のアップ、あるいは国際化に見合うような農業にするためにはどうしてももっと長期の、もっと低利の融資条件というものが整備されなければならぬだろうと思う。そういう点についての御見解を聞きたいと思うのです。

三善信二農林省農地局長

○三善政府委員 補助率の問題融資条件の問題につきましては、端的に申し上げますと、最近の農業の実態、そういう点を踏まえまして、どの程度現在農家の方がそういう負担に対して対応しておられるかというようなことを中心に、相当綿密な調査をしていきたいと思っております。四十七年度の予算でこれは相当大規模なそういう調査をいたしまして、その結果でいろいろな角度から検討した上で、そういった問題もひとつ前向きに考えてみたいと思っております。

合沢栄民社党

○合沢委員 政務次官、いまの問題でございますが、補助率の問題と融資条件の緩和の問題ですけれども、やはり今後の農業が国際化に対応する農業ということでなければならぬと思うので、そのための基本をなすのは何と言っても基盤整備事業だ。  そこで、やはり補助率なりあるいはまた金融というものは、これは農家の負担と同時に、農産物のコストに影響しているわけですね。そういった面で、私はコストを下げるということが国際化なんだから、そこでもっと補助率を上げるなり、融資条件をもっと低利に、そしてもっと長い長期の資金にかえていくということは、これは絶対必要な条件じゃないかと思う。これについてはどのようにお考えであるか、お示し願いたい。

伊藤宗一郎自由民主党農林政務次官

○伊藤(宗)政府委員 全く先生御指摘のとおりでございます。先ほど来、局長が申し上げたとおり、融資条件あるいはまた補助額の増額等、目下省内の研究会で結論を急ぐように検討を進めさせておりますので、先生のおっしゃったような方向にたぶんなると思いますけれども、その時期を早めて案を皆さま方の前にお示しすることができると思いますので、しばらく御猶予をいただきたいと思います。

合沢栄民社党

○合沢委員 次に、さっきちょっと局長からも御発言がございましたが、土地改良の長期計画のことでございますが、四十年を初年とするところの十カ年の長期計画が二兆六千億円でもって発足されておる。そして、これまで計画以上の進捗率でもって進められておるようでございますが、最近のいろいろな農業情勢の変化等からして、当然この計画というものは改定さるべきではないかというように考え、また、農林省においてもその準備がされているということのようでございますが、その計画の時期あるいは方針、あるいはそういった内容等についてお示し願いたいと思うのでございます。

三善信二農林省農地局長

○三善政府委員 土地改良十カ年計画につきましては、現在鋭意作業をいたしております。今年いっぱいにその結論を得たいと思っているわけでございます。  作業の内容としましては、御承知のように、いろいろの前提条件はやはり考えていかなければなりませんし、今後十カ年間の見通しの上にやはり立つわけでございますから、農産物の需給見通しも当然考えていかなければならないわけでございます。  それから、将来のそういう農村地域の、あるいは農業人口の減少とか、そういう問題も当然前提条件になりますし、今後の十カ年間にいろいろな前提条件を置いて、その中でどういう土地改良事業、どういう基盤整備事業をどういうテンポで伸ばしていくかということを中心に具体的に作業をしているという段階でございます。

合沢栄民社党

○合沢委員 この四十年から始まった長期計画でございますが、この内容は私は決して成功であったとは思っていないのです。なぜかというと、そのほとんどが、四分の三に相当するものは水田であったということ、そうして今日水田は生産調整のために全体の三百十七万ヘクタールですかのものが二百二十七万ヘクタールになるような、それで米の需給はいけるのだというような試算がなされておる。そうすると、九十万ヘクタールも水田がつぶされるというようなことになるわけです。この九十万ヘクタールというのは、金額に直せば私はおそらく一兆億円をはるかに上回る金額だと思う。この間、戦後何ほど開田が行なわれたかよく調査しておりませんけれども、何のために開田してきたのかわからないという結果になって、全く税金のむだづかいというような結果になっていると思うのです。そういうことで、これからの土地改良事業、特に長期計画の策定にあたってはよほど慎重でなければならないだろうし、同時にまた、これは改定は急いでやるべきだ。こういう場合には、情勢の変化のあった場合には、神さまでもないのだから当然計画そのままいくとは考えられない、常にそれに対応するような改定というようなことをすべきではないかと思う。四十年の当時、米はまだ不足の時期なんです。そして四十三年から余りかかったわけなんですね。当然これは改定計画というのを出すべきだと思う。それがいまだにできていないということは、これは問題があると思う。何のための計画かさっぱりわからぬじゃないか。従来、計画というのはどうも単に絵にかいたもちになる。農業基本法でも全く基本法とは逆の方向に今日農政が行っている。あるいはまた、農林省が昭和四十六年策定した酪農基本計画のごときは、初年度において大きな狂いが来ている。これは直ちに改定しなければならないというような問題も起こっておりますし、私はこれは絵にかいたもちであってはならないし、またそれが情勢変化等の場合、すぐ変えていくということが必要だと思う。そういった意味で、特に私は、今度の新しい十カ年計画の改定にあたっては最も大事なものは何か、これは農林大臣も昨日ですか、新聞等によりますと、食料の自給率というものを示す、さらに地域分担もはっきりするといったようなことを言われておりまして、私、非常に歓迎しておるわけでございます。農政の基本は、やはり品目別食料の自給率というものを決定し、さらに地域の分担というものをしっかりするということから農政の基本は発足するというように考えられるわけでございます。そういった意味で、少なくとも今後の長期計画策定にあたっては、そういった自給率あるいは地域分担というようなものをはっきり踏まえて、その上に立ってこの長期計画が策定さるべきであるということをまず申し上げたいわけでございます。  同時に、絵にかいたもちにならないような配慮ということが大事じゃないかと思うのです。その計画というものをそれに近く、少なくとも反対の方向にならないように進めていくための具体的な裏づけといったようなものが必要だと思う。その裏づけは何であるか、これは総合的な農政になろうかと思うのでございます。  一口にこれあれといったようなものではございませんが、いろいろ総合的な問題、たとえば自給率や地域分担はもちろんでございますが、農産物価格の問題なり、あるいはまたさっき申し上げました補助率や融資の問題なり、輸入農産物の規制の問題なり、いろいろな問題数あるかと思うのでございますが、そういったような総合的な問題を十分勘案しながら、この予算的な裏づけというものも十分して、そしてこの計画がそごを来たさないような強力な推進を願いたいというように考えるわけでございます。この四十年度からの十カ年計画というものは私は決して成功ではなかったというように考えますし、また今後はそのように配慮すべきであるということを申し上げて次に進みます。  次に、米の生産調整に伴う土地改良制度に関連して御質問を申し上げたいと思うのです。  生産調整に伴う水田の転用ということが起こってくるわけでございますが、そうなりますと、土地改良事業でそういった農家は相当多くの補助金も受けていますし、あるいはまた融資も残っているわけでございますが、こういった方は奨励金のある間はいい、何とかなるでしょうが、なくなれば直ちに困る。おそらく水田を耕作するそれ以上の収入は、私は転作してもなかなか困難だろうと思うのです。そこで、水田じゃなくなってくると、当然補助金なり融資の一時的な償還というものが起こってくると思うのですが、これらについてはどのように考えておるのか、まずこの辺をひとつお伺いしたいと思います。

三善信二農林省農地局長

○三善政府委員 一つはこの転作された農家の方、はっきり申し上げますと、土地改良区からはずれていかれるような方もあるわけでございます。そういう方は一時に土地改良区にそういう負担金みたいなものを払っていくということになるわけでございます。そういう場合には、低利の自創資金を融資するということで解決をはかるようにしております。  ただ、一般的に生産調整によって休耕しておられる方あるいは永久転換された方、そういう方について、先生いま言われておりましたように、生産奨励金がある間は何とかなるにしても、その後一体どうするのかということであろうかと思いますが、現段階では生産奨励金もありますし、おっしゃるように、そう極端にどうという事態にはなっていないんじゃないかと思っております。ただ、生産調整が三年も続いておりますから、だんだん進んでまいりますと、やはり積み重なってそういう負担金の問題等にも苦労される、返済にも苦労されるというような事態も生ずるかと思っているわけでございますが、何ぶんにもその辺の実態がどの程度生産調整によって農家がそういう影響を受けておられるのか、またその農家の方が土地改良区に支払うような賦課金の問題等についても、土地改良区がそれによってどの程度影響を受けているか、実態的には現段階ではそうひどい影響を受けているとは私必ずしも思っておりませんが、今後の問題としてやはりそういう点も考えていかなければならぬわけでございますから、これも四十七年度の予算は一応確保しておりますので、ひとつ早急に実態調査をやりましてその上で考えていきたい、こういうふうに思っております。

合沢栄民社党

○合沢委員 食料増産と米の生産をふやしていくという国の要請というか、そういった政策のもとに開田をやったあるいはまたかんがい排水をやった、しかし、また国の政策によって水田を転用する、畑にするとか、あるいは畑でも樹園地でもあるいは木を植えるとかいったようなことが起こってくるわけでございますが、そうした場合には、当然開田ではなくなってくるわけでございますが、山林にするといったような場合も起こってくるわけですね。それからまた、そうなりますと困ってくるのは、今度は土地改良区のほうだと思うのですね。そうなると、土地改良区は賦課金が取れなくなってくるというような問題も起こってこようかと思う。だから、農家と同時に土地改良区が非常に困ってきておるのが現状なんです。国の政策によってそのように開田だとかかんがい排水というような仕事が行なわれ、そして多くの借金もしておる。今度それが水田をつくってはいけない、米をつくってはいけないということで、木を植えたり樹園地になったり畑になっていく。そしてそういった負担というものが従来どおり場合によっては一時償還というような問題も起ころうし、あるいはまたそうでない場合もあるでしょうが、収益が非常に低下するというような場合もあろうかと思うし、こういったもろもろの場合があろうと思うので、そういった場合を想定しての対策というものは当然考えなければならぬと思う。農家とあわして土地改良区の問題についても当然考えなければならぬ問題だと思う。特に都市化が進んでいる地帯の土地改良区というのは御承知のように非常に困っている。中にはこっそり水を売っているというような例もあるわけでございますが、これはたいへんだと思う。特にかってに水を売るというようなことがあってはたいへんなんですが、やはり背に腹はかえられないというような事情もあろうかと思う。そういった面で、私はこの際そういった農家並びに土地改良区についての今後の方針というか、そういったものは早急に出す必要があるというように考えますが、これについての御意見をお聞かせ願いたい。

三善信二農林省農地局長

○三善政府委員 土地改良区も、いま先生申されましたように、いろいろな実態があると思います。一がいに言えない面もあろうかと思います。先ほど申し上げましたように、そういう土地改良区の実態も含めた調査ということをやることにしておりますので、その調査に基づいて検討したいと思っております。

合沢栄民社党

○合沢委員 実態の調査の上に立って適切な処置はもちろん願いたいと思うわけでございます。  次に、ちょっとここでお聞かせ願いたいのですが、多くの国費を使ってできた八郎潟の干拓ですが、これは現在どうなっておるのか、お聞かせ願いたいと思います。

三善信二農林省農地局長

○三善政府委員 八郎潟の干拓につきましては、現在あそこで造成しました約七千ヘクタールにつきまして四百六十戸すでに入植をさせまして、一戸当たり約十ヘクタール三七・五ヘクタール、七ヘクタールというものもございますけれども大体十ヘクタール配分をいたしまして、水田の耕作をその分についてはやっているわけです。もちろん周辺の農民に対する周辺地域の配分も多少はやっております。  開拓を予定しておりました面積であと約五千ヘクタール残っているわけでございます。それについてはすでに干拓管理区は大体済んでおりますし、今後圃場整備をやるという段階になっております。  そこで、生産調整とも関連しましてせっかく八郎潟のああいう広いところで事業もここまで進んできておりますし、ひとつ畑作経営のモデル地区にしたいという考え方をもちまして、学識経験者の方にも集まってもらって検討会等をずっと続けてきております。  この残り五千ヘクタールの土地につきましては、いま申し上げましたように、畑作経営のモデル地帯にしたい。その場合にどういう作物が一番適当であろうかということも検討いたしております。八郎潟の実験農場で試作もいたしております。現在やっておりますのは、タマネギが一番いいのではないかということで試作をしております。それから牧草、その他バレイショ、そういう野菜あるいは酪農も入れたらどうかというあれもございます。  そういうことで、作目を選定して、しからばどの程度の配分を、畑作としての経営でございますから、一戸当たりの経営についてどの程度の配分をしたらいいか、こういう点も検討しております。現在までの段階では、現在入植して水田をつくっておられた方がもう少しもらいたいという希望もあるわけでございますが、ただ、新しくモデル地区にするためには、十五ヘクタールか二十ヘクタールくらい畑地経営でやって、しかも大型機械を入れて協業形態をつくっていく、こういう方向が一番いいのではなかろうかという学者先生方の御意見もありますし、そういう方向でまだ審議をお願いしておるような段階でございます。  それで、造成の状況は、この五千ヘクタールにつきまして、畑地にしますものですから、まず圃場をかわかすということが先決問題でございます。そういった圃場造成の準備工事と申しますか、そういうことをやっております。それから一部準備工事が済んだものについては圃場造成自体の工事を始めております。そういう段階でございます。

合沢栄民社党

○合沢委員 私は、八郎潟の干拓については、いま一番農政の中で不足しているものは、国内的にもまた世界的にもそうではないかと思うのですが、牛肉の問題じゃないかというように考える。特に最近子牛が非常に少ない。子牛はむしろ生産よりも食うほうが多いというような状態の中で、農林省としても非常に困っているというのが現状だろうと思うのです。やむなくホルスタインの雄を使っているというような状態なんだから、何とかひとつあれあたりをうまく利用して、そして子牛の生産地帯としてやることが国策上非常にいいことじゃないかというように考え、この問題の質問をしてみたわけでございます。  次に進みますが、土地改良施設の維持管理の問題でございます。この施設の維持管理の問題は、私は非常に大事になってきているというように考えるのです。何でも三十九年の改正のときにも附帯決議がつけられている。施行主体別に管理の基準を定め、必要な措置を講ずること、というような附帯決議が三十九年の土地改良法改正の際につけられておるわけでございますが、いまだにこの問題が見送られている。今回わずかに国の施設についての共有化、簡単に言えば、これは国の施設については農業用水を他に売るということになるのでしょうが、そういったことでの国の施設の共有化、これは本質的な維持管理にならぬと思うのですが、そういったこととか、あるいは員外受益者の経営の加重負担とかいうようなことが若干あるのじゃなかろうかと思うのですが、この維持管理についての本質的な法改正というのがほとんど行なわれていない。非常にいろいろ関連をするし、困難であることはよくわかるのでございますが、しかし、何としてもこれは非常に大事なことで、しかも急ぐことではないかと思う。そういう点について今後どのようにとり進めるつもりであるか。また、これは三十九年の附帯決議からもう十年近くたってもできていないので、次の改正がまた七年、八年も先では困ると思うので、早急にこの問題も改正をすべきであるというような考えに立っておるわけですが、その方針を承りたいと思います。

三善信二農林省農地局長

○三善政府委員 維持管理の問題は、御指摘のように、非常にむずかしい問題もあるわけでございます。やはり土地改良区の基本的なあり方、性格の問題ということとも関連してくる問題でございまして、土地改良区の問題それから維持管理の問題あるいは農業水利権の問題、こういった基本的なことは今回の改正では、残念ですが、まだそこまで深い研究が積もっておりませんので、一応見送ったわけでございますが、今後できるだけ早い機会に——もう現に研究はいろいろ始めておりますし、できるだけ早い機会にそういう基本的な問題にもひとつ取り組んでいきたいというふうに考えております。

合沢栄民社党

○合沢委員 次に、いまお話も出ましたが、土地改良区の運営についてもそうですけれども、この運営の前に、私は、土地改良区そのものを農林省はどのように認識されているかということに問題があろうかと思うのです。これは法で示さなくとも、財政的な問題もあるわけなんですが、まずこの認識についてお伺いしたい。もちろん、土地改良区は農業者の自主的な組織であるとは思うのですが、しかし、やっている仕事は国や県や市町村がやるような公共的な仕事を実施しておる団体であるわけなんです。そしてまた、公共的な国や県や市町村のそういう施設を管理しているというようなことから見ると、きわめて公共的な性格の強い団体であるというように認識するわけなんです。したがって、私は、これは自主的な組織であるが、内容的には公共的組織だというように考えますが、この点についての御認識をお聞かせ願いたいと思う。

三善信二農林省農地局長

○三善政府委員 土地改良区の性格、まさにおっしゃるとおり二面的な性格を持っておると思っておりますが、現行法の体制でもこの二面的な性格、私的性格と申しますか、それから公的性格、この二面を持っておると思っております。そういうことで現行法も仕組んであるわけでございますが、ただ、最近の客観情勢、農業情勢の変化によってこの土地改良区の内容も非常に変わってきている点もあるのではなかろうか。たとえば組合員にしてみましても、兼業農家がふえてきておりますし、従来のような運営がスムーズに今後ともやっていけるのかどうかという問題もあろうかと思います。それと、土地改良区が何を申しましても土地改良事業の中心的役割りを果たしてきたわけでございますから、この事業内容も非常に大規模化してきておるし、そういう問題もありますし、現在、実は土地改良区のあり方等について学識経験者の人に集まっていただいて検討、研究はしておるわけでございますが、なかなかどっちの性格の面に重点を置くかといっても、容易に割り切っていくわけにもまいりませんし、それならそれなりにもっとその基礎を強固にしていくという方法があり得るのかどうか、実は正直に申し上げて、いろいろなむずかしい問題があるわけでございますが、そういうようにいま検討してみておりますけれども、なお一そう、この問題もやはり基本問題としてどうしても将来解決していかなければいかぬ問題と思っておりますので、もう少し検討を深めさせていただきたいと思っております。

合沢栄民社党

○合沢委員 確かに私も、土地改良区については内容がほんとうに区々でございまして、一がいに言えないということもよく承知しておるわけでございます。事業を実施する段階においてつくるのはつくったが、全く休眠している、全く何もやっていない、役員という名前はあるが、役員会も開かなければ総会もほとんどやっていないというような組合も実は中にあるわけですね。それとは別に、大きな仕事もやって、うんと職員も持って、最近の情勢からして非常に経営に苦労しているというような組合もあるわけです。主として苦労しておるのは、ほんとうに土地改良事業を非常によくやっているというか、大きくやっておるもののほうに経営の苦労が多いというように私は認識しているわけです。そういった意味で、この土地改良区について、今日の情勢では、これは公共的な仕事をやっているのであるし、非常に運営に苦労している。しかも、その運営の苦労というものがほとんど農家の負担になってきているというような情勢でもございますし、今後の土地改良事業を強力にやらなければならぬという場合には、土地改良区の育成強化ということは非常に大事だと思うのです。そういった意味で、休眠組合はどうするか、休眠しているような土地改良区をどうするかという問題とあわせて、土地改良区の育成強化という方向についての国の援助があってしかるべきだというように、またそうでなくては今後の土地改良事業というものは順調には進めないんじゃないかというような認識を持つわけなんです。  そこで、申し上げましたように、休眠組合をどうするか、あるいは合併の問題だとか、あるいはまた実際の活動しているところの組合によっては、もう少し国の援助をするというような方向で検討されてしかるべきだと思うのですが、この点についての御見解を聞きたいと思います。

三善信二農林省農地局長

○三善政府委員 いま御指摘のありましたような点で、実はこの前の法改正のとき、あのあと三十九年から四十二年くらいの間に、土地改良区に対する財政再建の問題あるいは合併等整理統合の問題、そういうのを進めてまいったわけでございますが、最近組合も一万二千ありますし、先ほどもお答えいたしましたが、三分の一くらいは業務不振の組合があるという実態でございますから、いま御指摘のありましたような点は十分踏まえて、検討の中には含めていきたいと思っております。

合沢栄民社党

○合沢委員 それから、これも非常にむずかしい問題で、かねてから農林省も検討されているが、なかなか結論を出し得ない問題が、農業の水利権の問題でございます。この問題については四十四年から農業水利問題研究会というものを設けて検討が進められている。すでに四十五年の八月には中間報告も出されているようでございますが、いま特に工業関係あるいは都市関係等、そういった方面の水の需要というのが非常に高まってきている。そういった中で、この農業水利権の問題について検討するのは当然でございますが、もうずいぶん長い検討をしているわけなんです。急いでこの農業水利権の立法化がなされなければならぬだろうと思う。今回もこの土地改良法の中にほとんど見られていないというのは残念なことでありますが、この立法化はどのように考えておるのか、単独立法として考えられるのか、あるいはまた土地改良法の中に農業水利権の問題は入るのか。現在の農業水利権についての状況と今後の見通しについてちょっとお聞かせ願いたいと思うのです。

三善信二農林省農地局長

○三善政府委員 農業水利権の問題、これはまた一番むずかしい問題でございます。先ほど来申し上げておりますように、土地改良区、農業水利権、維持管理とか、こういった基本的な問題を将来は取り組んで解決していかなければならないということを考えているわけでございます。  農業水利権の問題につきましては、ただいま先生申されましたとおり、農業用水の合理化研究会で研究を進めてまいっているわけでございます。この研究会でとりあえず取り上げましたのは、やはり都市近郊の農業水利と都市用水との関連、そういうのを中心にして中間報告も出したわけでございます。肝心の一番むずかしい農村地域における農業水利権の問題については、まだそこまで検討がまいっていないわけでございます。正直に申し上げまして非常にむずかしい問題でございますし、また農林省だけの問題にもまいりませんし、他省にも関係する非常に根の深い問題でございますから、やらなければいかぬと思いながらも、どこからどう取り組んでいいかということもそう簡単にいきませんが、せっかくの御指摘もありましたし、また早く何か結論を出せという御要望もございますので、真剣にこの問題は取り組んでいきたいと思っております。

合沢栄民社党

○合沢委員 特に水の問題が、河川法によるところの許可水利権といっておるものがあって、一方においては都市あるいは工業関係の水の需要が高まってきているというときに、全然慣行水利権がそのままになっているということでは弱いのではないか。将来の日本の農業に非常に大きな影響を及ぼすだろうという心配もあるわけでございますので、何とかしてこれの立法化に格段の努力を願いたいということを申し上げておきます。  それから次に、最近農地がだんだん縮小されるという傾向にあることは御承知のとおりでございまして、私たち農業サイドの者としても、農地の縮小を非常に心配しておるわけです。農村に工業を導入するといったようなことも、昨年ですか、農村地域工業導入促進法というような法律もできましたし、あるいはまた都市における工場の再配置というか、そういうことも論議されておりますし、そうじゃなくともどんどん農地が縮小されているという現状の中で、農地の縮小ということはたいへん心配な問題でございますが、それに今度また今回の土地改良法によって同じような心配のものが一つ加わったと思います。それは区画整理事業を伴う土地改良事業について非農用地の取り扱いができるという問題でございます。これは必要以上に宅地あるいは工場用地にとられる心配もなきにしもあらずと思うのです。  そこで、法案では、法の目的の範囲内で「農用地の集団化その他農業構造の改善に資する見地から」「適切な位置にあり、かつ、妥当な規模をこえないものであること。」といったような表現に終わっておるわけでございます。はたしてこのような条文だけでもって心配がないのかどうか、この点ひとつお聞かせ願いたい。

三善信二農林省農地局長

○三善政府委員 直接的に申しますと、法文上は非常に抽象的に書いてございますが、妥当な規模とかあるいは適切な位置にあるということで、実態の運用面としましては、大体その地区面積の二割から三割、この程度のことを考えております。と申しますのは、これはその農村地域、特に農振法の指定を受けまして整備計画をつくったようなところで、その整備計画に即して農村地域の開発をはかっていくわけでございますが、ほうっておきますと、やはり農地は非常にスプロール的につぶれていくようなきらいがあるわけでございます。そういうのを攻勢防御といいますか、そういう面も考え方の中には含めて今回のような措置を講じようとしておるわけでありますが、これを野放図にすれば幾らでもそういうふうにつぶされていくのではなかろうかという御心配もあろうかと思います。そういうことではなく、そういう工場用地、公共用施設の用地を生み出すのは、農業のサイドから見まして構造改善に資する、集団化に資するという一つの目的の範囲内で認めながらやっていくということでございます。それで、運用については、特にそういう点御心配のないような方向で私ども厳格にやってまいりたいと思っております。

合沢栄民社党

○合沢委員 そこで、これは適切な位置あるいは規模といったようなものについて、位置が適当でない、あるいは規模が大き過ぎるというようなことでこれをチェックできるのですか。

三善信二農林省農地局長

○三善政府委員 土地改良の事業計画の中に、どういう非農用地区をつくってその中に位置づけるとか、規模もちゃんと出てまいりますので、そういう意味で十分制度的にはチェックできることになるわけでございます。

合沢栄民社党

○合沢委員 事業計画の認可の段階でチェックする、その際、規模が適当でないあるいは位置がよろしくないという場合には、認可しないということによってチェックできるとするならば、それでいいと思います。  それから次に、同じような問題ですが、区画整理事業についての非農用地の取り扱いについてですが、市街化調整区域の場合は都市計画法の区画整理事業があるとか、あるいは市街化調整区域ではなくても、市街化調整区域に入っていない都市においても区画整理事業が実施できるわけでございますが、これと土地改良法との関係、これはダブってくるわけでございますが、これとの調整はどのように行なうのか、お聞かせ願いたいと思います。

三善信二農林省農地局長

○三善政府委員 都市計画サイドからの区画整理事業でございますけれども、これは大体原則として市街化区域内が主体になるだろうと思っております。まあ調整区域でもできないことはないと思いますけれども。これと今度の土地改良法に基づく事業との関係のお尋ねだと思いますけれども、土地改良法で今度意図しております事業というものは、あくまで農業サイドからの事業でございますから、その事業を通じてやはり農村の土地の利用計画を、理想的じゃないまでも、ある程度きちっとしたかっこうでやっていこう、農地もつぶれないようにということでやるわけでございますから、その点特に調整をとる必要はなかろうと思っております。ただ、市街化区域では、御承知のように、土地改良等長期に効用を及ぼす事業をやらないということにしておりますが、市街化調整区域は、土地改良事業をやる場合にはやはり開発許可というものが要るわけでございまして、都市計画法の関係で調整は当然必要なわけでございますが、区画整理事業との調整というのはどこまで真剣に考えていかなければいかぬかということをちょっと現在私も思い当たりませんけれども、そういう状況でございます。

合沢栄民社党

○合沢委員 私がこの点を申し上げますのは、土地改良事業による場合は国、県等の補助金がついているということなんですね。都市計画による場合は、そういった補助金もつかない。そこで、減歩によって費用をまかなうというようになっているわけですね。そうなりますと、私はこれが逆用されるようなそういった危険があるのじゃないか、悪意に利用されるようなそういった可能性があって、その間の調整というものが必要になってくるのじゃなかろうかというように考えたわけですが、そういう心配はありませんか。

三善信二農林省農地局長

○三善政府委員 私どものほうでやる場合のこの事業は、宅地、工業用地を生み出すという場合に、その造成にまでは補助金がついておりませんから、特に土地改良事業でやる場合が有利になるとかいうようなことではございませんし、もともと区画整理事業はやはり宅地を造成するというのが目的、土地改良法でやりますこの事業は農用地の構造改善に資する、集団化、それとあわせて一部構造改善に資するために農用地でやるわけでございます。そういう点、区画整理事業とだいぶ性格的にも違いますし、補助のやり方等も違うのだろうと思います。別に競合するとかそういった問題もないと思いますし、調整を特にとらなければいけないということもないだろうと思います。

合沢栄民社党

○合沢委員 次に、国営の造成施設の他種用水との共有化の点ですが、これは今日でどの程度予定されているか、そういう点もあるならばお示し願いたいと思う。

三善信二農林省農地局長

○三善政府委員 これも現在私どもも調査をいたしておりますので、特にそういう上工用水の逼迫している、また需要が特に強いというところについて実態を調査しているわけでございます。大体おおよそのことでかんべんしていただきたいと思いますが、すぐ頭に浮かぶのは十カ所ぐらいではないかと考えております。

合沢栄民社党

○合沢委員 これは国営のこういった造成施設の規定ができると、引き続いて県とかそういった地方の施設についても同じような問題が起こってくるのじゃないかという心配をされるわけでございますが、この点の見通し、いかがでしょうか。

三善信二農林省農地局長

○三善政府委員 制度的には措置していませんけれども、そういう御心配、またそういう実態も出てくると私も思っております。指導の面でそれは十分やっていきたいと思っております。

合沢栄民社党

○合沢委員 同じこういう施設であって、国だけは認めた、県の施設は認められないというようなことで、非常にむずかしい問題になるのじゃなかろうかという心配があるのですが、しかもそのことによって農業用水というものが都市用水あるいは工業用水に侵食されるというような心配が起こってくるわけですが、そういった心配はありませんか。

三善信二農林省農地局長

○三善政府委員 先ほど申し上げましたように、調査をしているわけでございますが、県営の施設の場合には、現在まで実態的に特にそういう要望というのもございませんし、また施設の規模からしまして、特にこういう問題が起こるのはやはり国営の大規模の施設というのが中心になっているわけでございます。ただ、御指摘のように、将来問題にならないということは、これは言い切れないと思います。問題になるような場合には、先ほど申し上げましたように、これは十分指導していきたいと思っております。

合沢栄民社党

○合沢委員 私は、そういったのが従来は法律的に規制を受けておった、それでできなかった、要望してもしようがないということで、そういった要望がなかったと思うのでございます。これが国の施設については共有の持ち分というような形で利用できるというような道を開くと、必ず県の施設についても起こってくる。特に最近では、どちらかというと、市街化の問題とか、あるいは水田の米の生産調整の問題等に関係して、ところによってはそういった水が余っているという場合が多いのですね。一方また、都市用水等が非常に不足しているというような関係があるのですから、私はこれは必ず出てくるものだと思う。そこで、これはたいへんになるなという心配をしておるわけでございます。こういった道を開くとこれはたいへんだ、よほど慎重でなければならぬだろうと思うのです。  そこで、この点について、今後は国としては県やその他の施設についてはこういった道は開かないという態度で進まれるのか、あるいはまた、いろいろな情勢から開く方向で検討されるのか、その辺をお聞きしたいと思う。

三善信二農林省農地局長

○三善政府委員 県営施設についてもそういう道は開かないというふうに割り切るわけにはまいらないと思います。それかといって、それじゃそういう方向ですぐ検討するということも、いまの段階では私どもちょっと申し上げかねますが、この問題、自治省と十分相談してまいらなければならぬ問題でございますから、ひとつ自治省との相談を今後どういうふうにやったらいいか相談をしてみたいと思います。現実には、先ほど申し上げましたように、まだそこまで問題化しているような例は聞いておりません。

合沢栄民社党

○合沢委員 それでは、時間がないので、次に進みますが、都市排水との調整がここに出ておりますが、これは差しとめ請求権の行使ができるような規定でございますが、これに応じなかった場合は、一体どのように措置するのか、お聞かせ願いたいと思う。

三善信二農林省農地局長

○三善政府委員 この差しとめ請求権というものは、今回制度的に、法的にはっきりさせたわけでございますが、はっきりさせることによって、やはり土地改良区等もその姿勢がはっきりしてきますし、また、関係の方々も、そういう法的な道を開いたということで、私は相当協力願えるだろうと思っております。  ただ、万一応じなかった場合はどうするのかというお話ですけれども、これは、別に法的にすぐそれを裁定するとかなんとかいう道はないわけでございまして、一般的な訴訟の問題とかいうようなことになろうかと思いますけれども、そういうことにならないように指導もしてまいりますし、現実にはそこまで荒立った問題にならなくて、これはみんなが困っている事態が多いわけでございますから、それでうまく一またおまえは甘い見通しばかり言うとおしかりを受けるかもしれませんけれども、まあまあそういうことでいくのじゃなかろうかと、実は期待をしておるわけでございます。

合沢栄民社党

○合沢委員 私、この問題は、実は多くの実例を知っておるわけでございまして、それで申し上げたわけでありますが、はたしてこの差しとめ請求権を行使しても応じなかったという場合、これは非常に困るだろうと思うのですね。そういう例がたくさんあるので申し上げたのでございますが、単に県が差しとめ請求権を行使するだけで、応じなかった場合の措置というものがなくては、効果は薄いのじゃなかろうか。特にこういった都市排水の問題が今後非常に多くなっていくというように考えられますので、この辺さらに御検討願いたいと思うわけでございます。  時間が来ましたので、最後に一つだけ申し上げますが、この農地転用に伴う公共投資の回収の中で、免除については政令で定めるとございますが、その際、農地に農舎をつくるとか、これは当然宅地に転用になるわけですね。そういったような場合はどうなりますか。

三善信二農林省農地局長

○三善政府委員 除外をすると申しますか、適用除外をする場合には、現在は、公共用施設の用地にするとか、公共用施設をつくるとか、そういうことを考えております。  お尋ねの農舎でございますが、農舎をつくるという場合は、ちょっとむずかしい問題でございますけれども、現段階でそこを適用除外にするというふうには考えていないわけでございます。

合沢栄民社党

○合沢委員 これは農舎以外に、たとえばそこで畜産をやると、家畜の畜舎をつくる、あるいは鶏舎をつくるというような場合もあるわけですね。これは当然、鶏舎をつくれば宅地化になるわけなんです。農地の転用になるわけなんです。そういう場合もあるわけなので、農業用に供する場合の宅地化、これはぐあいが悪いかどうか。

三善信二農林省農地局長

○三善政府委員 この問題は、どこまでどうきめるかというのは非常にむずかしい問題でございます。ただ、そういう一つの名目でほかに売り払っちゃうとかいうのが非常に多いわけでございまして、そういうことを厳にやはり取り締まっていかなければならぬというふうに、基本的には考えているわけであります。いまお尋ねのような点につきまして少し検討させていただきたいと思っております。

合沢栄民社党

○合沢委員 どうもありがとうございました。

三ツ林弥太郎自由民主党

○三ツ林委員長代理 次回は、明六日、木曜日、午前十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後二時四十八分散会

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