内閣委員会 第25号
- 発言数
- 191 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1972/05/24
会議録
○伊能委員長 これより会議を開きます。 恩給法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、これを許します。鬼木勝利君。
○鬼木委員 長官並びに恩給局長の皆さんに、いまから若干質問を申し上げたいと思います。 恩給審議会の答申をもとに、四十四年から四十五年、四十六年と改正が行なわれてきたわけでございますが、今回の法案を見せていただきましたところが、遺族あるいは傷病者、あるいは老齢者、こういう方々に重点を置いて処遇改善が行なわれておるようでございます。一応これで審議会答申の処理はほぼ終了した。ところが今後の問題として、答申後に提起された新たな問題、あるいは審議会の答申に基づいて改善措置をとられたその後の情勢変化によってさらに措置をしなければならない、こういうようなことが考えられるようでございますが、審議会はすでにもうなくなっておる。そこで、これからまた諮問をされる、そういう意味において審議会を設置するというような、将来のことに対してお考えがあるかどうか。いや審議会なんかつくらなくていい、十分わがほうで皆さんの御納得のいくような方法をとっていくというようなお考えであるか、将来性について長官にちょっとお尋ねしたい。
○山中国務大臣 まず、恩給審議会の答申は二十六項目でございましたから、政府において実施すべしといわれた点については、四十四年度から始まりまして八項目、八項目、十項目ということで、四十六年度予算で終了をいたしたわけであります。しかしながら、その恩給審議会の答申の中でもややぼかしてある点、あるいはまた、ここの内閣委員会、国会の論議を中心に質疑応答いたしました中で、やはり客観的に見て、政府においても十分検討し、具体的な案を得るならばこれを実行に移すべきだと考えました点、並びに附帯決議等においてこれを実施すべしということで、一例をあげますならば、満洲拓殖公社等の例を引きながらあげられましたこれを対象にすべきであるという与野党一致の御決議の趣旨、そのようなものを踏まえましたものが今回の四十七年度予算に関する恩給の改定であります。したがって、実質上は恩給審議会の答申を今年度の恩給改正は越えたものばかりであります。指摘事項以外に行なったものがその全部であります。 そこで、今後、恩給審議会をもう一度、形は変わっても、これらの各種の問題点を踏まえて総ざらいの点検をやるかという御趣旨であろうと思いますが、先般の恩給審議会の答申の中には、事こまかにそれらの問題点を拾い上げまして、受け入れがたいもの、あるいは実施すべきでないもの、あるいは問題があるもの等がすべて羅列してございます。したがって、それに漏れておるものというものはほとんどございません。でありまするから、皆さま方のこれまでの議論の経過、あるいはまたその後解決をしたことに伴う派生した問題、そういうもの等は、問題点はすべてわかっておりますので、今後政府においてさらに何をすべきか、あるいは完全にするためには何がまだ若干の問題点として残っておるかという問題は、政府自身の責任においてこれを改めていきたいと考えます。
○鬼木委員 大体、いままでの恩給審議会の答申において、本質的には十分この措置をやった、派生的な問題がある、そういう総ざらいの意味でわがほうの責任においてこれを処理したい。よくわかりました。 そこで私は、この本質的な根本の問題は、いま長官のおっしゃるとおりで来たと思うのですが、単なる派生的な問題のみでなくして、やはり情勢の変化等によって、将来の恩給のあり方といいますか、ビジョンといいますか、そういう点において再思三考していただかなければならぬ問題はやはりあると私は思うのです。そういう意味において、責任を持ってわがほうでこの処理を進めたいということで、審議会には諮問しなくともやるのだ、こういうふうに了承してようございますか。
○山中国務大臣 そのとおりでございますし、また国会の質疑応答を通じての問題点も、これはおそらく思想、党派を越えた問題点として議論がされておりますから、おおよそはそういう問題点からの議論でありますので、それら問題については、今回の予算措置についても、いままでの議論を正確に踏まえてとるべきものはとっておると私は自信を持っております。したがって、私たち自身が考えても、なおかつ問題点が残っておるもの等もないわけではありませんし、また皆さん方の御意見等もありますれば十分にそれはしんしゃくして、これはやはり政府の意見、国会の意見それぞれこだわることなしに、これから恩給対象者が権利として逐年増加していくわけではございませんし、国がこれを支給する義務を持つ恩給という制度の趣旨から考えますと、その受給の権利を持つ人たちの救済ということについては、お互いにこれを良心的に取り扱っていくのだという姿勢でありますれば、あえて審議会等の設置ということで、いままで問題点が全部出ておりますものを再びお願いするということまでは、しなくてもよろしいのではないかと思います。
○鬼木委員 非常に自信のある、確信に満ちた、しかも所管大臣として責任のある御答弁をいまお聞きしましたので、その点は長官を信頼いたしまして、将来の恩給制度につきましては十分の御配慮を願いたいと思います。 そこで、おれにまかしておけという、非常に自信にあふれた長官のおことばでございますが、あなたは非常に人を喜ばすことはうまいけれども、これは六十三国会であったと思いますが、ここへお見えの委員長の伊能先生が御質問なさったときに、恩給審議会の答申の最終年度を四十六年として、それを契機として日本の恩給法というものをすっきりした新しい形に改めて、私の在任中に国民のためにこの法律をすっきりしたものにしたい、こういうふうに御発言になっておる。非常に頭脳明晰な長官だから御記憶に新ただと思いますが、念のため申し上げますと、「幸い恩給審議会におきまして答申を受けましたものの最終実行年次を、四十六年度予算と一応目標を置いておりますので、四十六年度予算を実施いたします際におきまして、それを契機として、事務的にたいへんな作業になると思いますけれども、日本の恩給法というものをすっきりとした新しい形のものに改めまして、附則に加うるに附則をもってし、本来の恩給法そのものはページ数からいってもごくわずかなもので、どこかに追いやられている感じもするような法律のていさいを改めてみたい。このことは、審議会の答申の最終実現の年次を四十六年度といたしておりまするこの機会が非常に好機会であろうと考えますので、私の在任中に、恩給局の当事者の非常な苦労はわかりますけれども、その苦労をあえてしていただいて、国民のためにこの法律をすっきりとしたきれいな形のものに改めてみたいと考えておるところでございます」、このようにあなたは答弁しておられる。では、一体どのように恩給法がすっきりしたものになっておるのか。なおいま作業の途中であるならば、どの程度に進捗しておるのか。あなたのおっしゃったことがこうなっておるのだ、こうやっておるという点をひとつお聞かせ願いたいと思う。
○山中国務大臣 これは昨年の国会ですでにお話を申し上げたことでありますが、いまちょうど鬼木先生の持っておられる。パンフレットは「実効恩給規程」というものではないかと思うのですが、それが私の、いわゆる受給者が自分たちのために見る恩給法という意味から、実質上に恩給法の改正にふさわしいものとして改定をいたしたものであります。しかしながら、法律であるかどうかということになりますと、これは法律でありまするには、やはり政府の責任において最終的に法制局の審査を経た、閣議決定を経たものでなければなりません。しかしながら、恩給法の実態から考えますと、受給権者のために読むのに最もふさわしい状態に改めていく。内容は、これは最終的には、四十六年度予算において恩給審議会の答申は二十六項目完全に実施いたしたわけでありますから、そのことを踏まえたものとしてお手元の小冊子にまとめた。これは法制局長官が、私たちは不眠不休でそれに協力するとしても、とても実際上間に合わなかったでしょう、しかしながら、総務長官の手元で恩給局の諸君並びに協力者の間によってそのようなものができ上がったことについて、自分はたいへんびっくりしておりますというようなことも言っておりました。これはお互い二人同士の話でありますから、委員会で申し上げる権威のある話ではありませんが。したがって、法制局の審査を経た閣議決定による法律というものではありません。しかしながら、実際上恩給法はだれのためにあるということには十分こたえた実効規程、実務の規程というものを、そこに法律の新しいものにかえるものとして差し上げたということで、一応の説明は昨年の通常国会においてもいたしたつもりであります。
○鬼木委員 あなたのおっしゃることはよくわかりますよ。「実効恩給規程」、ここに出てきますよ。ところが、あなたのおっしゃっているのは、いまも御答弁があったように、国民のためにこの法律をすっきりしたきれいな形にしたい。これは法律じゃありませんからね。これは単なるパンフレットであって、しかもこういうことが書いてあるのですよ。「恩給関係の法律は誰のためにあるのかと叫びたくなるのであって、私の在任中にこのような法律の体裁を改めて、わかりやすい口語体の恩給法を作ってみたいという国会における発言も、このような私自身の体験から生まれたものにほかならない」。こういう点から、あなたの御構想、お考えはまことに卓越したお考えで、大いにわれわれは期待もして、大いに賛意を表しているのです。だから、全然何もしていらっしゃらないということは私は言っていない。先ほどあなたにお尋ねしたのは、どの程度、どういうふうに進捗しているか、状況を承りたい、こう申し上げたのです。なるほどこういうものはできております。できておりますけれども、これは恩給法としてできておるのじゃありませんから、一般の方はだれもこれは御存じないです。ただこれは配付されて、われわれのところに回ってきただけです。だから、やはり一般の方は恩給法をよく見ておられると思う。だから、いままでの恩給法によらなくてもいいから、いままでの恩給法とこれとすりかえてこれを見るのだ、このように徹底してございますか。
○山中国務大臣 これはすなわち恩給の受給権者の人々がもっぱら読む法律でありますから、したがって、私としては、国会はもちろんのことでありますが、関係行政機関の実務担当者、それから恩給受給権者の各団体がございます。それらの人々を通じて、おおむね要求に沿い得るような配付をそれぞれいたしておるわけでありますから、それぞれの恩給に関係のある国民の方々は、この冊子によって非常にわかりやすくなったという好評を私はいただいておるわけでありまして、その意味では、恩給法そのものを法律として、もちろん、片かなのものからちぐはぐだらけで今日に至っておりますから、通読するだけでもたいへんな時間と労力を要することは自分の体験でわかります。理想はそういうふうにしたいと私も考えたのですが、しかしやはり、事務当局と相談をし法制局と相談をしますと、そのような恩給法改正という大事業を根本的にやり直すためには、とても自分たちには時間がないということであります。法制局を責めるわけではありませんが、法制局も各種の法案審査その他をいたしておりますので、そこまでのことをせずとも、恩給受権者のためになる道は、そして目的を達する道はと考えてこの手段を考えたということでありますから、その点だけの速記録をお読みになりますと、恩給法を完全に改正するというふうに言っておりますから、公約違反だということ、答弁を実行しなかったということで責められると思います。そのおわびはいたしますが、目的を達するための手段としては、それで私は十分かつ可能であるというふうに考えております。
○鬼木委員 あなたは非常にすなおで、なかなかいい名答弁をなさるから、私、あなたを責めるわけじゃないですけれども、ただ、ここで念のために……。 恩給局当事者の非常な苦労はわかりますけれども、あなたはあえて前もっておっしゃっているじゃないですか。そしていまになって、恩給局のほうは人手が足るとか足らぬとか、事務繁雑でどうもできない。じゃ、なぜあなた、できるとおっしゃるのですか。これはあなたの勇み足じゃないですか。その点を私は言っているのですよ。あなたのおやりになったことは大いに労を多とします。これがあるために、だいぶわかりやすくなっているのだから、その点を私責めているのじゃないのです。国会のこういう委員会の答弁において、あまり胸を張ってだんびらをあなたが振り上げられるから、われわれは大いに期待している。そうすると期待に反する。だから、そういう点において、よく実態を把握して、事務当局はどうだと総合的な見地から結論を出されるということになれば、私は納得しますけれども、これはあなたの独走であって、笛吹けど踊らずで、あなたの勇み足じゃないか。やっておられることは私はたいへんいいことだと思いますけれども、あなたのお考えとはよほどまだ懸隔があるということを申し上げておるので、少し私の言い方も過ぎるかもしれませんが、その点は、賢明なるあなただから、善意にとっていただくと思うが、どのようにその点をお考えになりますか。いままでの法律は要らぬ、ではこれにかえるんだとおっしゃれば、また私はそれで筋が通ると思うのでありますけれども、厳然として恩給法があるんですよ。
○山中国務大臣 恩給法を廃止せざる限りは恩給法そのものはあります。しかしながら、受給権者の人がそれを利用する、受給権者の人たちのための法律であるという目的のために、私がそのような「実効恩給規程」というものをつくったということで、これは、国会で答弁する以上は、十分に根回しをして、それが可能かどうかを考えて答弁しろということは当然のおしかりだと思います。しかし、そのときも、それが可能かどうかについて質問された覚えはなくて、そうすべきであるということでありました。私もそう思ったんです。したがって私が、そのような答弁をし、そのような決断をして推進をいたしましたから、その「実効恩給規程」一つつくりますのにも、たいへんな労力を実は傾けたわけであります、それが実は可能になったのであります、そういう詭弁を弄するつもりはありませんが、慎重に検討しましょうというような答弁にしておきましたならば、おそらくいまだに恩給法の古い規定から始まった、つぎはぎだらけの法律を前に、戻ったり、また新しいページを読んだりする作業がされただろうと思います。 しかし、今回、法律はありますものの、「実効恩給規程」を開いていただければ、法律をお開きにならぬでも、法律をそのとおり運用して、改正も逐次書いてございますので、ページを開けば、自分に関するところはそれではっきりわかる。法律に内容はぴったり合っているものでありますから、法律そのものでないことのおしかりは私も率直に受けますが、それに対して実効をあげるための努力をしたということであります。また、答弁はあるいは不謹慎であったかもしれませんが、その場において、では慎重に検討して善処をいたしますというおきまりの無難な答弁をしておけば、私は、おそらくお手元の「実効恩給規程」はいまだ日の目を見ていなかったであろう、そう思うわけであります。これは詭弁ですけれども、私は一生懸命やってきたと申し上げて、そういう表現を使っただけです。
○鬼木委員 どうも私とあなたとかみ合わぬ。私が言っているのは、あなたはそれだけ努力された、その労は大いに多とするということを言っているじゃないですか。それを何回もおっしゃらなくたって、あなたのやられたことには大いに敬意を表する。これは好漢山中長官はまことにうまくやったと私は言っている。だがしかし、国会における答弁においては、いささか行き過ぎじゃないか。勇み足じゃないか。だからその場合でも、なるほど現行の恩給は非常に繁雑で理解しにくいところがございますので、受給者の皆さん方にわかりやすいように、恩給早わかり法というようなものでもとりあえずつくりましょうというような御答弁であったら、私は別に、どうだこうだということを言わないのですね。だけれども、法律をはっきりしたものに取りかえる、しかも「恩給法等の一部を改正する法律案の概要」にも説明がある。「恩給に関する立法の簡素化その他法制上の諸問題について、国民の要望に沿うよう抜本的検討を加えること」と載っているのですね。こういう点からいたしました場合に、あなたのおっしゃったことと実際は少々違いがあるじゃないか。 あなた御自身もお認めのように、これを額面からとれば、あなたのおっしゃることは詭弁だとしかわれわれは考えない。その点を私は申し上げておる。恩給局の事務当局が忙しくてできない、そんなことは、あなた方はよくおわかりの上でおっしゃらないと、むしろ私は恩給局の事務職員が非常に迷惑すると思うのです。あなた自身もむずかしいということはお認めになっている。だけれども、むずかしかろうけれどもやるとあなたはおっしゃっている。その点に大いにそごがある。だから私は、これは長官の勇み足じゃないか、独走じゃないか、こういうことを申し上げているのですよ。あなたのやられたことに対しては、さすがに長官です、うまくやっておられる。おっしゃったことと実際がそごするような、われわれを欺瞞するような——欺瞞ということばはちょっと当たらぬかと思いますけれども、恩給局長はどういうふうに考えるか。
○山中国務大臣 私の責任ですから、私から。鬼木さんの質問も一面飛んでいるんですよ。おととし私がそういう答弁をして、そして昨年皆さま方のお手元にそれを配付して、正直言って、いいものができたなということをおっしゃってくださいました。しかしそのときに、おまえは去年の発言と実行と違うじゃないかということであれば、私もそのとおりだと申し上げた。そういうことも説明はしておるはずです。しかし一面飛んでおるにしても、自分が発言したとおりになっていないということにおいては、やはりこれは私の勇み足、あるいはまた表現は何でございましたか、いずれにしても政治家というものは、いいことであれば実行する努力をやってみるということが私は必要だと思います。したがって、当初の本来の答弁であった恩給法を全面的に改正するということについて、実際上、時間的な内面においてもそのようなことが困難だということがわかりましたので、便法をもってそれにかえたということでありますから、あらためて本委員会において、私が恩給法を法律として全部つくり直すという答弁をいたしましたことが実現しなかったという点については、私の勇み足であるということを認めます。わびろとおっしゃればわびますが、しかし、勇み足が少しあるぐらいの積極性がなければ、常時俵の中から足を出すまいという相撲ではやはり大向こうもわきませんし、政治というものは、そういう決断をしたときにはしなければならないものと思います。その決断がいわゆる公約違反であるということであるならば、そのときに、なぜできなかったという説明をいたしまして、おわびなり訂正なりをいたすべきものと考えますので、いい意味の勇み足であるとお受け取りいただきたいと思います。
○鬼木委員 なかなかあなたうまいことを言うて、片方ではあやまって、片方ではおれのやるのは当然だ。何を言うか。そういうことを言われたんでは、これはいつまでたっても解決しませんよ。政治家というものは勇み足が少々あったほうがいいじゃないか——いい場合もある。いいじゃないかじゃないですよ。いい場合もある、また悪い場合もある。ようございますか。そこのところを、あなたはこれから伸びなければならぬ人なんだから、そういうことは政治家としてよく心得ておかなければね。それはいい場合もあり悪い場合もあるのであって、やはり率直に私も、あなたのやられた努力に対しては大いに多とすると言っているんだから、その点は私の確かに勇み足でありましたと——それからあとがあなたは多過ぎる。それを蛇足と言う。ようございますか。 でございますから、何も、あなたにきょうおわびをさせる、そんなことを言っているんじゃない。私はそんなけちな男じゃない。でございますから、そうしないと、これから山中長官の発言に対しては、いつも割り引きして聞かなければならぬ。割り引き手形をちゃんと出さなければならぬ。今回も山中総務長官の発言は何割程度歩どまりがあるのか、こういうことになったら政治不信を招きますよ。そういう詭弁でわれわれをあなたがやり込めようなんといったって、それじゃ私は引き下がらない。あなたのほんとうのお気持ちをひとつお聞かせください。
○山中国務大臣 事務当局に答弁させますと責任を転嫁したように見えますので、いままで押えておりましたが、それらの改正が全面改正に至らず「実効恩給規程」にとどまった経過等について御説明をいたさせますが、その冒頭に、いわゆる国務大臣として委員会において一ぺん答弁したことがそのまま完全にできていないという点については、あとの答弁を割り引きされると、一生懸命答弁してもどうも力が入らなくなりますから、あとは割り引きしていただかないということで、いまの私のかつての答弁に沿い得なかった点を遺憾といたします。
○平川政府委員 大臣に命ぜられました以後の経過につきまして、事務的に御報告申し上げます。 実は大臣に命ぜられましたわれわれといたしましては、その趣旨に沿いつついろいろ関係方面、特に法制局でございますが、法制局と相談したわけであります。ところが、御承知のように恩給法は、大正十二年にできましてから、それ以後、数十回にわたって改正しております。御承知のように、その中には死んだ条文もございますし、附則の改正というような改正もございます。さらにその附則の改正といった状態でございまして、いわば過去の歴史的な経過の積み重ねの法律でございますから、現在の考え方、法律構成の考え方からいきますと、これを一つの現在の法律体系にまとめるということは技術的にきわめて困難である。不可能とは言わなかったのですが、法制局からきわめて困難であるという答弁があったわけであります。そういうことで、しかももしそういうことが可能であるといたしましても、そういう形で法律をつくって、はたしてそのときに言われました目的に沿うものであるかどうか。たとえば附則を逐次並べましても、たとえば昭和二十八年の百五十五号軍人恩給の復活を並べましても、必ずしも受給者にとってはわかりやすい附則にならないというようなこともございます。しかし、根本的には、技術的に不可能に近いという返事でございまして、われわれといたしまして、それじゃいま大臣の言われたような方向で、口語文に直し受給者としてわかりやすいということを主といたしまして、こういう編さんをしたわけでございます。
○鬼木委員 いや、その事情はもうよくわかっております。長官からもお話があっておるから。その法律を改正するに、わかりやすく簡素化するということに対しても、非常に困難だということはわかっております。長官も、非常に困難だと思うとおっしゃっているのだから、その点はよくわかっておる。ただ私が言ったのは、さっきの一点について申し上げたのですから。その問題はそれでもう了承しました。 次に、これはほとんど毎国会出ておる問題でございますが、現職公務員給与の俸給表を基準として自動的にスライドするように、こういうことはもうほとんど毎国会出ておるわけでございますが、附帯決議にもこれはなっておるわけでございますが、まだそれが実現しない。将来、これを法制化する、制度化するというような点について、長官はどのようにお考えになっておりますのか、その点をひとつ承りたいと思います。
○山中国務大臣 これは公務員給与及び消費者物価の動向を勘案してきめるということになっております。ただし、それが私の就任前は、はたしてそうなっているのかどうか、積算の根拠が先にあって金額を決定するというような作業が行なわれたかどうかに疑問な点がいつも予算編成の過程にありましたので、就任以来、その点をきちんとルール化しようということで、一定の算式をもって計算いたしました金額を最終的には妥結をいたしてまいりましたが、四十七年度予算においては、予算編成の手順の一つであります予算要求と、それから大蔵省が一次回答をいたします一次査定というものがございますが、その一次査定で、今回の給与改定のいわゆるベースアップといわれている問題については、金額については異存なく、若干、失格者、失権者等の数について調整いたしました。これは両方合意した金額がございますが、それらも全部合意いたしました後、いわゆる要求全額というものを大蔵省が一次査定で出してまいりました。その意味では、完全にルール化が達成され、しかもそのルールに従って計算された積算のもとの金額については、国家として、財源当局あるいは政府全体が、受給権者の方々に、ことしはどうなることやらという不安を何ら抱かせないような予算の編成も行なわれておるわけでありますので、その意味では、きちんと法の命ずる手段に従って行なわれているということになると思います。今後もそうなると思います。
○鬼木委員 これはまたあとでいろいろ数字をあげて御説明申し上げたいと思いますが、非常に格差がはなはだしい。私らのところにたくさん陳情も参っておりますが、「恩給及び共済年金は、現職公務員給与の俸給表を基準として、自動的にスイラドするよう、すみやかに議員立法による措置等を講じて法制化されたいこと」、「現行恩給・共済年金の仮定俸給四万一千八百十五円ベースと、現職公務員給与の八万円ベースとの著るしい格差を早急に是正されたい」、こういう陳情が殺到しております。これは前回、附帯決議にも、「恩給法第二条ノ二の規定について、その制定の趣旨にかんがみ、国家公務員の給与を基準として、国民 の生活水準、消費者物価その他を考慮の上その制度化を図ること」、「政府は、次の事項について速やかに善処するよう要望する。」という附帯決議がついておるのです。そういう意味からして、これはすみやかにスライドすべきである、そのように私は考えておるものでございますが、これはどのようにお考えでございますか。
○山中国務大臣 これは問題点が二つあると思います。 スライドをする場合の国家公務員給与というものが一体いつの時点の給与であるか。現在は実績の出た年度の給与をとっておりますから、若干、そこに一年おくれという感じが受給権者の方々にはあるだろうと思います。しかし、人事院勧告とそれに伴う法律の制定、国家公務員給与の実際の改定という作業が相当おくれますし、それを先行きを見越した予算編成ということはながなかできませんし、その点に一つ問題がありますし、さらに、実際つとめている公務員のいわゆる実務をとっておられる方々と、やめていかれた方々の実務をとっていない、そういう意味の若干の頭打ちがございます。その引っ込んだ部門を完全に、つとめている者と同じものとして見てくれ、この二つの点があるだろうと思う。この点は種々議論の存するところであり、あるいはまた技術的にきわめて困難な問題も含んでおりますので、附帯決議の趣旨も、毎国会ごとに行なわれる各党の意見というものも十分承知いたしておりますが、それに沿い得る近い道は何かということについては研究を怠らないでいるつもりであります。
○鬼木委員 それは、現職の方と過去にやめられた方とは、処遇の点においても違うと思うのです。違うと思いますけれども、少なくとも、退職された当時の俸給が、今日の社会情勢あるいは生活水準によって、当然その時代の人はいまの時代に引き直す、それがスライドというのであって、しかもあなた、恩給は三分の一しかもらえないんだ。しかも税金の対象になっておるんだ。全部いいことがないのですからね。だから、ここの二条ノ二にも「国民ノ生活水準、国家公務員ノ給与」、そう書いてある。「恩給ノ額二付テハ国民ノ生活水準、国家公務員ノ給与、物価其ノ他ノ諸事情二著シキ変動が生ジタル場合ニ於テハ変動後ノ諸事情ヲ総合勘案シ速ニ改定ノ措置ヲ講ズル」、こうはっきり載っているのです。だから、これは当然法制化すべきである。しかも国会で附帯決議をつけた。これは国民の総意じゃないですか。むろん受給者の総意でしょう。国会でわれわれが附帯決議をつけて、そしてあなたもその附帯決議に対しては、十分その意を体して努力いたしますとはっきりおっしゃっている。それはいろいろな事情もありましょうけれども、総意がそうなっているんだから、これはひとつ長官がはっきりさるべきであると私は思う。先ほどおっしゃったように、審議会なんかはつくらなくても、われわれの責任において恩給はその全きを期したい、こうおっしゃっておるのですから、これに対しては絶対スライド制にしてもらうべきだ。全受給者はこのために非常に困窮しておられる。国家のために尽くして、国家公務員としてりっぱにその職責を全うして、そうしてきれいに引退された方々が、老後あらゆる制約を受けて、そうしてこういう不遇にあるということに対しては、私は最もよろしくないと思うのですね。ですから、受給者の皆さんのおっしゃっていることを国会も認めて附帯決議をつけておるのだから、これはすなおに長官も実現さるべきだと私は思う。いかがです。
○山中国務大臣 法制化という意味でありますけれども、法律は、ただいまお読みになったように、恩給法第二条ノ二に書いてあるわけです。「国民ノ生活水準、国家公務員ノ給与、物価其ノ他ノ諸事情ニ著シキ変動が生ジタル場合ニ於テハ変動後ノ諸事情ヲ総合勘案シ速ニ改定ノ措置ヲ講ズルモノトス」、これはこのとおりにやっているわけなんです。したがって、法制そのものは一応ここに根拠があるわけですけれども、いまおっしゃっている法制化は、恩給というものを公務員給与にスライドしろ、そのことを別途法律でつくれということだろうと思うのです。こういうことになりますと、一応私はそれをルール化しておるとは申しましたが、これは私どもの手元で別途公的年金制度調査会というものをつくりまして、単に恩給ばかりではなくて、共済、あるいはまた民間の私学、あるいは農林漁業団体職員共済、こういうようなもの等や、場合によっては労災まで考えて、どのような形でそういうようなスライド制という御要望に対してこたえ得るかということで検討は続けておるわけであります。しかし、恩給というものが先行して、恩給法の改正に準じて各種年金その他が改定を毎国会されておるわけでありますから、まず牽引車が恩給であることは私は認めます。したがって恩給を、いまおっしゃったように、何にスライドし、そうしてその手段はどういうようにするかという問題も、私はやはり、附帯決議の御趣旨や質疑応答を聞いていても、そのまま採用すべき議論というものが、具体的な意見としてはまだいろいろと分かれていると考えます。したがってこの検討はやはり続けてまいります。 いまの受給者の方々が、かつて退職した校長先生が、自分の教え子が二十年ぐらいたって退職をしたという場合に、自分の教え子であった、しかし退職時は校長であったという人が受ける恩給の額というものは、退職時の給料になりますから、当然、二十年前の恩師で同じ校長の立場で退職された者とは、これは大きな隔たりがある。したがって、早くやめられた人々が、いま一応教育者の例をとりましたけれども、自分の教え子のもらっている恩給よりも自分はこのように少ないというような陳情等は、絶えず私の手元にも手紙なり直接なりあります。その間の事情は、ことに早くやめた方が高齢の方でありますだけに、私としても無視できない御意見であると考えて検討いたしておりますけれども、いまここで私のほうで、スライド制をすみやかに約束しましょうと言いましたら、また勇み足になる可能性もありますので、この点は十分検討さしていただきます。
○鬼木委員 毎たびあなたは検討する検討するとおっしゃるけれども、受給者の方はだんだんお年をとられる。毎年毎年、検討する、検討すると言うても時は待ちませんから。 そこで、私が言っていることはよくおわかりと思いますが、それはそのつどそのつど考慮してやっておるという。しかし受給者の方は、やはりそこに制度化して、これは公務員給与にスライドするのだというはっきりした明文がないと、皆さん御安心なさらないのですよ。しかも、そのつどそのつど優遇するとおっしゃるけれども、事実は優遇してないのだから。それは昨年よりもことしがよくなった、ことしよりも来年がよくなったという、その点は毎年これは上がっておるでしょう、四十四年、五年、六年と。それはわかっております。しかしながら、もともとの算定基準というものが法制化されてないから、そこで受給者の皆さん方に満足を与えることはできない。今回の恩給の増額も、公務員は一二・六七%でありますが、一般は一〇・一%、これだけの差がある。恩給受給者には物価が安いのだ、現公務員は高いものを買っている、そういうことがあるわけがないと思うのですね。むろんこれは、生活水準、あるいは職分の問題、いろいろあると思いますし、それだけじゃないと思いますけれども、今日わが国の物価の値上がり等を考え合わせました場合に、事実、消費者物価が年金、恩給の実質的な価値を低下させておると思うのです。これでは受給者の方々が納得されるわけがないと思う。しかも十月に上げるようになっている。一般公務員は五月です。ここでもすでに半年の差がある。そして四十五年の調査で四十七年の十月から。そうするとこれは二年半ある。それだけおくれておるのですよ。ようございますか。それをはっきりしてくださいよ。公務員は五月。公務員の皆さんは、四月にしてくれ、一カ月おくれると、こうおっしゃっている。ところが恩給受給者は二年半おくれる。そうなりますと、物価あるいは公共料金というようなものから見て、受給者にとっては、生活の維持という点において非常に大きな不利益をこうむっておられる。これはどういうふうにあなた方はお考えになっておりますか。その間二年半ありますよ。冗談じゃありませんよ。公務員諸君だって、月給を二年半の後に上げる、そんなことで承知はできませんよ。だったら、これは当然恩給は二年半前にさかのぼるべきですよ。そういう点は一体どういうふうに考えておられますか。長官でも局長からでもいいから、その点ひとつ……。
○平川政府委員 御質問の趣旨は二点あると思います。 まず第一点は、四十七年度の恩給改正におきましてとっておる公務員給与は、四十五年度の公務員給与であるという点でございます。御承知のように、昨年の八月末において概算要求をする時点におきまして、われわれが恩給法二条ノ二に基づく国家公務員の給与というものをとる場合におきましては、その時点において施行されておる公務員給与をとるということは、これは当然のことかと思います。したがいまして、結果といたしまして公務員給与は四十五年度の公務員給与をとる、すなわち、昭和四十六年三月までの公務員給与をとる、こういうことになるわけでございます。 もう一点は、現在実施しておる十月実施を四月にやる点でございますけれども、御承知のように、現在恩給受給者は二百八十二万人おります。この人たちにつきましては、四月実施にいたしますと、四、五、六月分を七月に支給することになりますけれども、御承知のように二百八十二万人というのはわが国の年金の中で最大の受給者の数でございまして、実はわれわれといたしましては、この恩給証書作成につきましては、八月を中心として毎日三百五十人程度の学生アルバイトを二カ月間採用しまして、それによって証書を作成いたしまして、十月に間に合うような体制をとってまいっております。これが実はずっと続いておった制度でございまして、事務的な問題といたしましてはそういうことで、いわば恩給の給付時期が伝統的に十月実施ということになっておりますのは、これははなはだ申しわけないことでありますけれども、そういうことになっておりまして、そういうことでございますから御了承願いたいと思います。
○鬼木委員 恩給の受給者が二百八十二万人も大量の方がいらっしゃる。だから、これは事務処理のためにアルバイトの学生まで雇ってやっておって、手が足らぬから十月からにするというようなのは、これは根本的に理由にならぬです。恩給受給というのは当然の権利ですよ。法的に恩給を受けるところの権利を持っているのですよ。それをこちらが手が足らぬから十月からにするのだ、そんなことは私は最もよろしくないと思う。だったら、手が足りるようにして恩給を支払うように当然やるべきだ。では、国家公務員の方々でも、今月は手が足らぬから俸給は来月に回すのだ、そういうことで承知できますか。あなた方だってできますか。事務当局がさばけぬから今月の給料は来月に渡す、それで生活ができますか。そういうことは断じて許されませんよ。一般の受給者の方が、手が足らぬから、四月にやるべきを十月にやるのだなんて、そんな答弁では絶対に納得がいかない。しかも四十五年の公務員給与だ。それが今度四十七年の十月からという。二年半もおくれてしまっておる。そのように恩給局は手が足らぬのですか。だったら、足るようになぜ総務長官はやらないのか。これは国民不在、国民を無視した政治です。どうですか、長官。そういう答弁が成り立ちますか。国民に対して、手が足らぬからおまえたちに渡すべき金は十月にまで延ばすのだ、そういうことを言って、国民は承知されますか、長官。
○平川政府委員 私の表現が非常にまずかったと思いますが、その点については訂正いたします。先ほど申し上げましたように、手が足らぬからということではございませんで、たとえば四月実施といたしますと、四、五、六の三カ月分を七月に支給しなければならぬわけでございますけれども、実際問題といたしまして、われわれといたしましては、それは定員とかそういう問題ではなくして、実は恩給局のみならず、いま先生が言われましたように、この支給は国家公務員の支給と違いまして、各省庁が支給しておるわけではございません。郵政省を通じまして末端の郵便局におきまして支給する、こういう体制を整えましてから、しかもその額において一銭のあやまちも許されない、そういう体制のもとにおいてやるわけでございますから、やはり慎重を期さなければならないという一面もございます。 それから、そういうことになりますと、手数の問題もありますけれども、いろいろ機構的なことを考えまして、一番正確に早く、しかも御承知のように、恩給は過去に遡及適用したということはほとんどございませんから、そういう意味におきまして、受給者の手元にちょうどいい時期にと申しますか、間に合う時点と申しますと、十月というのが実は非常に適当な時点ということになるわけであります。そういうことで過去十数年間十月実施という線が引かれておるわけでありまして、そういう点で御了承を願いたいと思います。
○山中国務大臣 まず第一点の、ことしの改定にとって言いますならば、四十五年の国家公務員給与を四十七年で十月からやれば、二年半おくれる。まあ二年半という正確な表現はちょっとどうかと思いますが、しかしながら、予算要求積算の根拠というものは恩給法第二条の二に基づいてやるわけでありますから、実際上公務員給与というものが確定しておるものを根拠にせざるを得ません。したがって、昨年の八月時点においては、四十六年当該年度の公務員給与というものも法律も何も通っておりませんし、それを根拠にすることがきわめて困難であるばかりでなくて、ましてや翌年度、すなわち本年度の公務員給与というものを前提にして予算を組むことは実際上できないわけです。したがって、その意味において一年余りのおくれが出るという点については、私も事実問題としてそのことは肯定せずるを得ませんが、これをどのように作業するかについては、もう少し実態というものについて、具体的にどのような作業が可能であるかという問題は研究はいたしてみます。しかしいまの仕組みの中では、きわめて困難であるということであります。 それから第二点の、公務員と同じように四月ないし五月に交付を開始しろという御意見については、今回の恩給法改正もすでにもう五月の末でございますから、したがって、法律が通りませんと、実際上の証書の書きかえその他、作業というものも始めることは許されませんし、それをさかのぼって給付するということは、また財源当局あるいは法制局というものと十分に意見の調整をしなければなりませんが、この第二点の問題は、国会が恩給法改正を通していただけることが前提であるということに確信が持てないと、どうしても作業開始ができないということもあります。しかし、それができなかったならばしかたがない。できたならば、できれば四月から交付したいという予算上の措置というものがとれないかというと、これは私は、予算上の措置は、努力次第、あるいは政府の決意次第でとれないことはないものと思います。まあ財源当局の長年の慣習を打破するわけでありますから、ここらも今後の問題点の一つに残るかもしれません。これらの問題は、御意見として拝聴に値する問題だと私も思っております。
○鬼木委員 ことばじりをとるんじゃないですけれども、恩給局長の答弁はまことに私は遺憾だ。あなたはとんでもないことを言われておる。恩給審議に対しては一点の誤りも許されないので慎重審議をいたしておる、——ふざけたことを言うんじゃありませんよ。じゃ国会において恩給局は一点の誤りもないように慎重審議をやっておるが、他の省においては、ほかの機関においては誤りがあってもかまわぬということですか。ことばじりをとるんじゃないが、これは議事録に載っているから読みなさい。あなたはいまそう言ったじゃないですか、一点の誤りも許されぬので慎重に審議いたしておりますと。ふざけたこと言うんじゃありませんよ。じゃ、他の機関においてはいいかげんなことをやってるということじゃありませんか。一点の誤りもなくやるということは当然のことですよ。国家機関すべての代表一切、一点の誤りもないようにやってもらわなきゃ困る。単に恩給局のみならずだ。何を言っているんだ。正しいことをやり、一点の誤りもなくやっておるのが恩給局だけだというようなあなたの言い方は、これは断じて許すことはできませんよ。取り消しなさい。
○平川政府委員 いま先生が言われましたような趣旨に受け取れましたのは、私の不徳のいたすところであります。取り消します。私の申し上げたい趣旨は、正確に受給者に恩給の証書を交付したいという願望を申し上げたわけで、他の省庁のことを申し上げたわけではございません。したがって、もし先生が言われたような趣旨でございましたならば、私は取り消しいたします。
○鬼木委員 いや、そんなことあなた言ったんじゃないよ、さっきは。一点の誤りもないようにとあなたは言ったんだ。正確を期するためにと言うが、それだって同じですよ。全部正確を期せなきゃ困るですよ。 それから四月にさかのぼるということは、これは法の改正を待ってでなければ、いまここではっきり即答はできかねると長官おっしゃったが、しかし、公務員給与も同じように五月にさかのぼっておるんですから。その予算上の措置ということについては、はっきりは言えないけれどもあるいは可能であるやもしれぬ、こういうことをいま御発言になっている。そうした見通しがあれば、これは私はぜひ実現してもらいたいと思う。これはひとつ山中総務長官の御手腕に期待します。あなたははっきり確約はなさらなかったけれども、努力次第ではあるいは可能であるやもしれぬと、こうおっしゃっておられる、これはぜひ努力していただいて、支払いは十月であっても一四月にさかのぼっていただければけっこうです。事実上四月実施と同じことになります。その点は、念を押すようではなはだ恐縮千万でございまするが、いま一度長官のお答えを願いたい。
○山中国務大臣 これは私の念頭には、いま言われたからではなくて、もともとあったわけです。しかしながら、予算折衝等になりますと、やはり総理府の一存だけできまらない問題もあります。したがって、長年のそういう慣行でやってまいっておりますし、自分もそのような手続で進めてきておりますので、そう簡単には言えないと思いますが、予算措置上のことが可能であって、そして国会の審議等が大体間に合ってもらうことに前提を置いて、そういうことで作業そのものがさかのぼってやれるかどうかは、先ほど申しました法制局見解等も、恩給の場合には別途徴する必要があるいはあるかもしれませんが、要はこれは予算措置の問題であろうと考えますので、その点は、決してむずかしい問題がいわゆる理屈の上で存在するものではない。したがって、政府全体の、財政当局を含めた姿勢というものがそこに定着をすれば、そのことは不可能とは思えないということを申し上げたわけです。
○鬼木委員 了解いたします。どうぞその点ひとつよろしくお願いします。 次にお尋ねしたいのは、傷病恩給についての年金増額ということでございますが、現行は五十五万九千円であったと思います、第一項症がですね。これが今回大幅に増額した。これは喜ばしいことで、私ども大いに感謝をいたしております。さぞかし傷病恩給受給者の方々は喜ばれることだ、まことに御同慶にたえない。そこで、恩給局の概算要求は一体幾らであったか、その点ひとつお尋ねしたいと思います。
○平川政府委員 概算要求は、第一項症において七十万円であります。
○鬼木委員 それでは、現行五十五万九千円から百四万円に引き上げられておる。八六%の増加でございます。そこで考えられることは、恩給局の要求が七十万円であった算出根拠は、どういうところから七十万円の概算要求をされたのか、その算出根拠をお尋ねしたい。
○平川政府委員 七十万円の算出根拠は、五十五万九千円の二五・二%アップであります。二五・二%のアップといいますのは、公務傷病恩給と遺族扶助料というものは、この数年同じアップ率で上がっておりますし、したがいまして、遺族扶助料で二五・二%上げますと二十一万七千円になりますから、それに見合う分といたしまして七十万円の要求をしたわけであります。なお、一般の公務員の給与アップ率は一〇・一%でございますから、二五・二%は二倍半のアップ率であります。
○鬼木委員 いままでの受給状態が五十五万九千円であった、それを二五%アップすると七十万円になるのだということですが、二五%アップというのは、それはどういう根拠ですか。
○平川政府委員 御承知のように、今回仮定俸給の格づけ是正ということをやったわけですが、准士官以下三号、尉官につきましては二号、それから佐官以上は一号の格づけ是正をやっております。御承知のように、兵の公務扶助料につきましては三号上がりますから、それに一〇%のベースアップを加えますと、二五・二%のアップ率になります。これを傷病恩給にも及ぼしたわけであります。
○鬼木委員 軍人の格づけを加味して、そうして二五%のアップにした。それでは百四万円になった根拠はどこにあるのです。
○山中国務大臣 これは当初、そのようないままでの慣例を踏まえての普通のアップ要求をいたしたわけでありますが、しかしながら、公務によるそのような重度の障害というものを受けておられる方々の実情その他を考えまして、さらに公務員等の災害あるいは年金等の場合に考えられる、相当と思われるような障害者というものに対する額等を考慮いたしまして、その過程においては、もちろんこれは政府・与党の立場において協議もいたしました。党側においては、そのような立場から、最低限百四万円というものを最も重症の人に保障をしてあげるべきであるというような強い要請等もありまして、したがって私としては、そのような情勢を踏まえ、そしてまた、先ほど申しました他の一般の公務災害年金等を考えながら、それは許されるべき当然の金額である、また、そうしてあげるべきが至当であるということで私の決断をいたした次第であります。
○鬼木委員 それは、いろいろな重傷病者の方にお気の毒だ、それはよくわかります。だから、今度八六%上げていただいたということは実にありがたいことで、これは一〇〇%上げていただけばなおいい。さぞかし受給者の方は喜んでいらっしゃる。私は非常に喜びにたえないのでございますが、他の受給者との格差があまりにもはなはだしい、そういう諸情勢を考え、あるいは事情を考え、あらゆる点から総合観察してこうなした、八六%も上げていただいた、そういうことが可能であるならば、なぜほかの受給者の方々も上げていただけないか。これでは恩給局が不信を招くのじゃないかと私は思う。あなた方のお考えは非常に根拠が薄弱だ。これは悪く考えると、何かそこに政治的な圧力があったのではないか、何かこれには思惑があるのじゃないか。なぜそれでは他の方々も全部上げていただけないか。恩給局から出したものが、これは多過ぎるといって削られるというようなことはむろんあると思うのですよ。だからわれわれは、受給者の皆さん方のお気持ち、あるいは受給者の皆さん方の生活状況、現時点で非常にお困りになっておるから、これだけのことを要求した、しかし、刀折れ矢尽きてこれだけに減らされたというのなら理屈はわかる。恩給局としては当然ここまでぜひという線がなければならぬはずだ。その線というものが非常に不明朗だ。だから、私が先ほど言いましたように、七十万円ということで出されたというその根拠が非常にあいまいじゃないか。これは与党としても、こういう点も考え、こういう点も考え、こういう事情も考えてこうなした。じゃ、その考えをなぜ恩給局は最初からいれないのだ。重傷病者の方は気の毒だ、だったらなぜ概算要求する場合にさように要求しないか。恩給局の要求のしかたがずさんじゃないか。百四万円になったということが合理的でりっぱなものであるとするならば、恩給局の見込みは、すこぶるずさんで、すこぶるあいまいな、いいかげんなものであった。不信を招くという点はどのように考えられますか。 私は、誤解のないように何回も繰り返しておきますが、上げていただいたことはほんとうに双手をあげて賛成もするし喜んでおるのです。どんなに皆さん喜ばれるか。じゃ、なぜほかの人もそのとおりにしないか、ほかの方がかわいそうだ、こういうことを言っているのですよ。恩給局として権威がないじゃないか。その点をはっきりと納得するような答弁をしていただきたい。他の一般受給者の方は、なぜおれたちはこんなに低いのだ、四月からさかのぼるといってもそれもやらない、わずかに一・一%。それは軍人の予算には格づけをしてある、号俸も上げてある。これまたあとでお尋ねしますが、その点をはっきりひとつ納得するような御説明を願いたい。
○平川政府委員 それでは百四万円の内容を御説明申し上げます。 これを決定いたしました根拠は二つございます。まず第一は、実は恩給審議会の答申で、先ほど大臣が言われましたように、一般的な考え方だけを示した答申の内容のものがございまして、傷病恩給につきまして実は概括的な答申があるわけなんですが、それを見ますと、傷病恩給年額を決定する場合におきましては、その傷害の与える影響、内容等を考慮して、かつ他の公的年金との調整もやりながら決定すべきであるという答申が出ておるわけです。そういうことについて、実はわれわれとしては事務的に数年来研究してまいったわけでありますが、実際問題といたしまして、はたして一項症の額は何万円が適当であるかということを客観的にずばりきめることは非常にむずかしかったわけでございます。 しかしながら、研究は怠らなかったわけでございますが、今回ここに至りました経過を申し上げますと、内容は、まず第一は、現在の国家公務員の給与の平均号俸が五等級九号でございます。五等級九号の人が国家公務員災害補償法及び共済組合による年金の一等級、これは若干、向こうの恩給の一項症とこちらの一等級が全く同じ内容かどうか、これは問題がありますけれども、一番上のクラスでございますからここで比較しますが、それによりますと、五等級九号の人が受ける金額は百二十万円であります。実は百四万円と一項症を申し上げましたが、そのほかに、御承知のように増加恩給でございますから、必ず普通恩給が併給されます。これは九万四千円くらい。それから俗に介護手当と申しまして、これが三万六千円付される。それから家族加給、妻一人と仮定いたしますと二万四百円。全部足しますと百十九万円、約百二十万円になる。こういうことで、われわれといたしましては一つのめどを置いたわけです。 もう一つは、実は先ほど公務扶助料との関連を申し上げましたけれども、軍人恩給の復活しました当時におきましては、公務扶助料が二万六千七百円であったわけであります。それが今回、公務扶助料の最低保障という制度を取り入れまして、二十四万円にいたしたわけでございます。二十四万円が二万六千七百円に対しまして八・九七倍になるわけです。そのときの増加恩給を見ますと十一万六千円であります。この十一万六千円を公務扶助料の二十四万円と同じ率でもって、要するに、軍人恩給が復活した当時における増加恩給の一項症と、それから公務扶助料の額の率を持ってくると百四万円になるということでございまして、いま申し上げましたように、一般公務員の人が受けるであろうといういわゆる年金額と、それから軍人恩給復活当時における公務扶助料と恩給の一項症のバランス、両者考えまして百四万円という数字をはじいたわけであります。
○鬼木委員 それはあとのことであって、概算要求をする場合に、それじゃなぜあなた方は、いまあなたの御説明のように、五等級の九号が国家公務員の災害補償によって百二十万円得ておる。だったら、なぜ最初から百二十万円という概算要求をしないのですか。そういうことがわかっておりながら七十万円要求したというのは、おかしいじゃないですか。恩給局の専門家が、そういうことをわかっておりながら、一般と同じように、去年は五十五万円であったから、これに千編一律、みんな一緒にひっくるめて二五%増しでひとつ要求しておけ、そういうことでは、恩給局たよりにならぬということになるじゃないか。あなたがいま御説明のようなことがわかっておるならば、九万四千円、あるいは三万六千円、あるいは妻の場合には二万四百円、こういうものを合算いたしまして約百二十万円になる、そういうことがわかっておりながら、七十万円という要求をしたというのは一体どういうことか。だから向こうから百四万円と来た。恩給局というものはあってなきがごときものだ。だから私の言うのは、この傷病者の方々をこうしていただいたことはまことにありがたいが、それじゃ他の方も、なぜもっとあたたかい気持ちで考えて出してもらえないのか。あなた方のほんとうの算定基準というものがすこぶるあいまであって、これじゃ不信を招きますと私は言っておる。その点を私は聞いておるのですよ。これは長官、どういうふうに考えればいいのですか。長官なかなか知恵者だから、ひとつ知恵しぼってどうですか。
○山中国務大臣 先ほども申し上げましたように、恩給局としては、長年の慣例による普通の積算による要求は七十万円であったわけでありますが、しかし、当初、軍人恩給復活のときのバランスの問題から考えると、その後、傷病についての恩給はややバランスを失していたという点は確かにあったわけです。しかしながら、これを恩給局自体が本年度直ちにそれを実施すべきかどうかについての決断は、おそらくしかねたことだろうと思うのです。しかし私は、大臣としての責任において、今回の予算はいわゆる福祉予算であるというようなことも一方において私どもは言っておりますし、その中でも最も気の毒な者は、生存しておって、かつ重度の障害を受けておられる方々である。これは軍人恩給だけにとどまらないわけでありますけれども、これらの人々は、やはり当初のもとの姿勢に戻って、あるべき本来の姿にすること、並びに文官の普通の公務災害あるいは年金等に関する実際の積算等がおおむね百二十万円あたりにある、その金額に相当するというようなこと等がございまして、したがって、政府・与党のいろいろな会議もいたしましたが、私自身としては、百四万円という金額にするのが妥当であるということで、私の判断でもって事務当局に対してその作業を命じた。その作業の積算の根拠は、先ほど恩給局長が申し上げたとおりの積算に立つものであります。そういう経過でございます。
○鬼木委員 事情わかりましたよ。だけれども、いま長官の御説明のように、軍人恩給が復活したその当初のもとの姿に戻すというようなことにことしは福祉予算であるから、そういう点を加味して百四万円は妥当であろうと自分は判断した——よくわかります。だったら、そういうことを踏まえて、なぜ最初から要求しなかったのか。それでは恩給局の権威はないじゃないか。先ほど私が言いましたように、そういうすべてのことを勘案して百二十万円出したところが百四万円に削られた、万やむを得ない、こういう点で自分は了承した、こう長官がおっしゃるならわかるけれども、ずいぶんかけ離れた七十万円というようなものを概算要求している。これでは恩給局というものは政治不信を招きますよ。その点を申し上げているのです。局長、どう考えますか。
○山中国務大臣 これは局長を責めていただくのも酷なわけでありますが、恩給局の予算要求でありましても、これは総理府の予算として私が責任をもって要求をいたすものであります。したがって、事務当局並びに私を交えた最終判断の予算要求の段階においては、そのようなことも議論はいたしましたけれども、一挙にそれだけ持っていくことは、いわゆるいままでの大蔵との予算要求の積算の基礎等から考えて、あるいは慣例等から考えて、一ぺんには無理であろうという判断で、私自身がそのような要求をいたしたわけであります。しかしながら、軍人恩給復活のときのバランスというものに戻るということでありますから、そのバランスが失われてきていたということは事実であります。したがって、私の政治判断によって、それを大蔵との間に政府として合意をしたというのが経過でございまして、恩給局としてはやや機械的な忠実な作業をしたということは言えると思いますが、その点で恩給局は不信を招くということはないと私は思う次第であります。
○鬼木委員 それは見解の相違であって、不信を招きますよ。いま長官が御説明のように、そういう点を勘案してなぜ出さなかったのか。そうすれば、さすがに恩給局はほんとうに受給者の点をよく考えてくれている、ありがたい、こういうことになるわけなんです。だから、恩給局は責めてくれるな、局長は責めてくれるな、おれの責任だとおっしゃるが、でありますならば、私は長官に対してますます不満だ、その点を強く私は申し上げたいのです。 でございますから、いまるる御説明がありましたように、傷病恩給の受給者に対してこうした処置をとったことは非常に合理的だ。だから将来は、他の年金に対してもこのように大きく増額をしてあげる。まず手始めに傷病恩給受給者を多額に増額したが、ほかの受給者も十分増額をするのだ。これはその一つの手始めだ。これを契機に他の恩給受給者も十分恩恵がこうむられるように、まず傷病恩給受給者を優遇したのだ。次はどういう受給者、次はどういう受給者と、次々に恩給受給者が恩恵がこうむられるようにやっていく一つの手始めだ。だから他の受給者の方を考えないのじゃない、十分考えている。そのためにやったのであって、ほかの皆さん方も喜んでいただけるようにやるのだ。今回は格差が非常にはなはだしいようだが、必ず他の皆さん方にも喜んでいただけるようにやるからというお考えならば、私また考えが違ってきます。その点、長官どういうふうに……。
○山中国務大臣 この傷病恩給の改正をいたします際に直接配慮しなければならないものは、法律的に言いますと公務扶助料でありますが、それも御承知のように、二十四万円ということにいたしたわけでございます。これは最低保障額、その額に達せざる者はその額を支給するということにしたわけでございます。しかし、これから恩給の受給者としての件数がふえるわけではありませんで、減っていく一方でありますから、今後、遺族並びにその他の受給権者に対して、国は、法律的に響かなくても、その配慮については全部に響かしていく必要がある、この点はまさにおっしゃるとおりであります。いいことであっても片手落ちはしてはなりません。私もそう思います。
○鬼木委員 それを聞いて私もやや了承いたしますが、事実私らのところにもたくさん陳情が来ておるのですよ。そして皆さんのおっしゃることは、山中長官に非常に期待しておられます。これは長官が、まず傷病恩給受給者をぐっとよくして、そしてあとの受給者にも自然的によくしていただく前提であろうと、陳情に見えた方でこういうふうに言っていらっしゃる方もありました。そのように将来に明るい希望を持っていらっしゃる。いま長官の御答弁によって、他の受給者も自然的によくなるように自分は考えたい、たとえいいことであっても片手落ちは自分の好まぬところだ、こういうふうにおっしゃっておりましたが、そのとおり、私、了承してようございますか。
○山中国務大臣 そのとおりでございますし、順序をつけるとよろしくありませんが、受給者の中で、次に遺族、そして老齢者というふうに、最も早くいわゆる温情ある配慮をしなければならない人々に、逐次そういうふうな配慮をもって進めていくべきである、そのように考えます。
○鬼木委員 そこで、次にお尋ねしたいのでございますが、老齢化の対策でございます。今回の法改正の中で遺族の方あるいは傷病者、老齢者、これは私がきょう冒頭に申し上げましたように、比較的優遇がされておるというのでございますが、先ほど局長が言われたように、軍人関係の号俸には格づけがしてある。ところが一般の文官に対してはわずかに一〇・一%。しかも一般文官の方で、だんだん年をおとりになって、老齢で恩給のみで生活を維持していられる方がほとんどであります。これはまことにお気の毒であります。先ほど長官が言われましたように、昔に退職した人ほど悪い。ずっと過去に退職された人ほどよくなく、非常に不利であります。しかもいま長官もおっしゃったように、これは恩給はだんだん減っていく。なくなっていく方もあるのですから。こういう点から考えました場合に、文官の受給者の老齢化対策が私は今日問題になっておると思う。老齢化対策、これは現時点においては大きな問題になっております。こういう点については、非常に恩情をもって鳴る山中長官でございますから、さぞかし何かあたたかいお考えがあると思いますが、少しでもお漏らしいただければまことに幸いと存じます。これもまた、はっきり言うと、おまえが先走りで勇み足と言うじゃないか、決してそういうことは言いませんので、あなたの腹案、あるいはお考え、あるいは計画がございましたならば、お漏らしいただきたい。
○山中国務大臣 この点は私も検討いたしておったわけでありますが、今回は過去の文官の累次にわたる引き上げ等から考えて、一方において、旧軍人であった者のバランスがやや失しておるという点の是正をいたしておるわけでありますが、先ほど私が例にとりましたように、相当早く退職した方、あるいは最近——最近と申しましても相当古いのですが、それよりかおくれた方たちとの間のバランスを失しておる点がある、これは私のほうから申し上げたとおりであります。したがって、これらの問題については、年次による差があるわけでありますので、それらの点の実態等も大体わかっておりますから、これらをどのように是正できるか。また、残り少ない老後をほとんどそれを中心にして楽しみに、あるいは唯一のたよりにしていらっしゃる方々について、私自身もいろいろの陳情を受けておりますので、これらの具体化できる案を採用できるかどうか検討をいたしておるところであります。
○鬼木委員 この点につきましては私はぜひ、いま長官がおっしゃいましたように、恩給受給者の老齢化対策という点については十分御配慮を願いたい、かように存じておるものでございます。長年公務員としておつとめになり、そして先ほど申しましたように、わずかな恩給で、しかもお年を召して、それのみに生活の根拠を置いておられる。非常に私はお気の毒だと思う。本年は福祉予算だということで長官もおっしゃっておりましたが、ぜひ老齢の恩給受給者に対してはあたたかい措置をしていただきたい。幸いにして長官も私と考えは同じのようでございますので、いまここで即答をどうだこうだということは——具体的にしていただくと言えばなおけっこうですけれども、そうもいかぬと思いますので、ぜひこの点は御配慮、御努力を願いたい。ようございますか。
○山中国務大臣 種々検討いたしておりますので、なるべくそのような御期待に沿い得るような案をつくり上げてみたいと、事務当局においてもそのような検討はいたしておるところであります。
○鬼木委員 次に、これはいつぞや長官にも私はお尋ね申したことがあるのですが、恩給外所得による普通恩給の停止基準額ですね。この引き上げが多少は緩和されておるようでございます。老齢福祉年金を二万七千六百円から三万九千六百円に増額する。しかも普通恩給等の受給者については、その併給限度額を現在の福祉年金相当額から六万円に引き上げる、そういうようなことがこの概要に書いてあるようでございますが、この法律の該当者といいますか、その人員、それから総額はどれくらいあるのか、その点ちょっとお尋ねしたいと思います。
○平川政府委員 いま先生の御質問の趣旨はこういうことかと思いますが、恩給外所得の停止されておる額と現在の人員でございますか、そういうぐあいに私は聞いたわけでありますが、現在、停止人員は三千五百五十六名、停止年額は二億七千万円でございます。 〔委員長退席、坂村委員長代理着席〕
○鬼木委員 それではひとつ長官お尋ねしますが、恩給外所得年額の停止の問題ですが、わずかに三千五百人で、しかも額にして二億七千万円、これだけの金を国が与うべきものを差し引くと、どれだけ国家予算にプラスになるのですか。こういうのをぜひとらなければ国家財政に困るのか。人員にしてわずか三千五百人、総額わずかに二億七千万円ぐらいな金を、気の毒なわずかな恩給をいただいている方に併給しないで、わずかそれだけの金がどれだけ国家予算にプラスになるのか。ぜひ国家予算にそれだけ必要なんですか。その点ひとつお尋ねしたいのですがね。
○山中国務大臣 これは、国家予算の立場から恩給受給者の方々にそのような制限を課して、そしてわずかばかりの金額がそれで浮いたという気持ちは全くありません。しかしながら、いままでのそういう法制上、完全な併給というものが認められていないということがありましたので、私としてそれをまだ完全に廃止するというところまでいっておりませんが、その点について、国家財政の立場から恩給受給者を圧迫するというような気持ちは毛頭ないということだけは申し上げておきます。
○鬼木委員 審議会の答申の中にも、こういう制度は存置しなくとも税法上の措置によってほぼ目的を達し得るものであるということが出ておるのですよ。「今日ではこの制度を存置しなくとも税法上の措置によってほぼ目的を達し得るものであるとともに、この裁定に要する事務手続はすこぶる煩さであり、行政事務の能率化の観点からもこれを存置する必要性ははなはだ乏しい」、こういうふうに審議会の答申にも載っておるわけなんです。審議会の答申を全部まるのみにせよと私は申し上げておるのじゃありませんけれども、これは答申にはっきり載っているのですよ。それをあえていつまでも、額にして二億七千万円、人数にして三千五百人、しかも国家予算にこれがどうだこうだというようなことはないという長官のお話。さすればなぜこういうことをなさるのか。ほんのわずかなことでしょう。普通恩給の受給者については併給限度額を現在の福祉年金相当額から六万円に引き上げる、こういうことになりますと、六万円以上恩給もらっている人はもう老齢福祉年金はもらえない、かように解釈ができると思うのです。つまり、現行でいけば二万七千六百円、それが六万円もらっておる者は老齢福祉年金はもらえない、こういうことになると思うのです。わずか三千五百人くらいで、金目にして三億円定らず、そういうような金をなぜ制限しなくてはならないのか。しかも、いま長官がおっしゃるように、何もこれは国家財政にどうだというような関連性はないのだ。この恩給受給者というものは、これは所得とみなされておりますので、課税されております。税金は取られておる。しかも恩給は基本が俸給の三分の一。これは御承知のとおり、ここにまた制限されておる。また税金は取り上げられる。そして恩給外の所得は、これはまた併給を許さない。制限をする。これでもか、これでもか、これでもかで、弱き者はいじめられるということになるのですよ。この制度はけだしよくないですね。長官いかがにお考えになりますか。
○山中国務大臣 この恩給審議会の答申で、その 次に「さしあたっては少なくともその停止率を制度創設当時の率に改める」ということが書いてありますから、これはすでに御承知のように実行いたした。二割ということでやったということでありますが、いまの併給制度の問題ちょっと厚生省の問題でありますので、私どものほうで常識程度の事務的な説明であれば、厚生省のことであっても説明いたさせてもよろしいと思います。
○鬼木委員 それはわかっています。私もそれは社労関係だと思います。福祉年金のことですから、これは厚生省関係だと思います。しかし、皆さん方のお考えとして、こういうことに所得制限をするということはどのようにお考えになるか。これは率直に言うて、われわれは恩給はそのまま出しているのだ、いささかも制限しないで出しているのだ、あとは厚生省のほうで老齢福祉年金を併給しないと向こうがやっているのだから、私たちは関係ない、そうおっしゃられれば、それで根も葉もない、話は終わりだ。それはよく承知しております。 これはまた裏を返して言えば、おれたちはあたりまえに恩給出しているのだという皆さん方のお考え。実際は、せっかくの恩給は全額出しておるのに、福祉年金もらえば制限される。そこに受給者としては非常にお気の毒な状態になるのだから、ここは一本、あなた方のほうからも厚生省と合議さるべきではないか。そういう意欲があるか。進んでそういう点を話し合うお気持ちがあるのか。それはもう厚生省の問題だ、われわれは関知するところではない、こう言われればそれで終わり、根も葉もない、こういうことを私は言っている。どうです。
○平川政府委員 併給制限の問題でございますが、御承知のように、遺族、傷病者の福祉年金の併給限度が、去年は准士官までであったものが、ことしは中尉まで無制限に併給できるということになってきました。そういう意味におきましては、恩給が給せられておりましても、遺族、傷病者に対する併給限度というものが逐次上がっておるということは、いま先生が言われましたような趣旨が、そのままではございませんが、相当実現されておる、私はこのように考えます。基本的には、先生が言われましたように、恩給は恩給として給し、かつ、御承知のように福祉年金は、他の公的年金を給せられない者に対して給する制度でございますから、理論的には若干問題はあるかと思いますが、やはり遺族、傷病者といった人たちに対してできるだけ厚遇するという趣旨には、われわれ自身も当然賛成でございますから、また現実にそういう歩みを若干歩んでおるわけでございますから、今後、そういう点につきましては、さらによく厚生省のほうにもいろいろ申し入れをしたい、相談にも応じたい、このように考えます。
○鬼木委員 その点は理解します。 先ほどの恩給外所得に対する停止基準額の引き上げですね。これは本年のはここに出ておりますが、これを長官どのようにお考えになりますか。わずかもらっている恩給外の所得による停止ということは、これは非常に私は過酷だと思うのですがね。まだこれに対してはっきりした御答弁があっておらぬが、これは関連しているから、併給制限の問題、時間の関係でいま急いでやったのですが、制限はもうすでにされておるのだ。恩給は三分の一と制限されておる。それから課税されておる。これは所得だとみなしてあるのだから、税金をばんとかけてある。その上にまた恩給外所得でかげんする。この点はあまりに酷だと私は思うのですよね。この点、局長どのようにお考えになるか。
○平川政府委員 先生の御指摘のいわゆる恩給額の一部停止の問題でございますが、これは恩給額が三十二万円以上の人でありまして、かつその方が恩給外に百六十万円の所得がある人に対して、その二割の範囲内で停止するという制度でございます。 御承知のように、昨年の改正によりまして、二割までもとの制度から引き下げたわけでございますが、御承知のように、これを撤廃するかどうかという問題でございますけれども、確かに恩給審議会の答申にはそのように書いてございますので、われわれも検討してまいったわけでございますが、実は恩給制度は、たとえば最低保障というように社会政策的な考え方もかなり入っております。したがいまして、そういう底上げのほうを一本やっておりますし、社会保障制度は、御承知のように、高額のほうにおきましては、高額のやはり制限がございます。たまたま恩給も、いわゆる恩給外所得がある程度ある方につきましては、これはやはり所得制限といいますか、高額所得の制限をしておくということも、全く意味がないことではないと考えられますし、先生が言われるような趣旨もよくわかりますし、実はわれわれとしては検討しておる最中でございまして、四十七年度予算編成の段階までには、撤廃すべきであるという結論には達しなかったわけでありますけれども、考え方としてはいろいろあることは、われわれ十分に承知しておるわけでございます。
○鬼木委員 だから、これは私はすみやかに撤廃してもらいたいと思う。今度の所得外による恩給の停止の基準額が、いままでは二十九万円ということになっておったのが三十二万円になったですね。三十二万円といっても、月額にして三万円足らずですよ。今日三万円足らずで生活ができ得るとお考えですかね。こういうところに基準を置かれるのがどうもおかしいと思うのですよ。そういうところが全然酷だと思います。そして百四十五万円を百六十万円にそれぞれ引き上げる。百六十万円といったって月に十四、五万円だ。そしてこれを停止したからといったって、わずかに三千五百人、そして三億円足らず、国家予算には何ら関係がない。この財源が国家予算の大きな財源の根拠になるのだ、このために大きな事業ができるとか、こういうことにこれを充当するかということがあれば、またその点を私は承りたい。大臣は言っているのですね、そのことは国家予算には関係がないと。だったら、わずか三億円足らずの二億七千万円、人員にして三千五百人くらいの人のをもぎ取るという、そんな酷なことをしなくてもいいのじゃないか。将来は撤廃すべきだというようなお考えですが、将来ということばは、五年先でも将来、十年先でも将来。もう少し具体的に、局長ひとつ御答弁願いたい。
○平川政府委員 実は、御説明のようなことになって恐縮ですが、三十二万円の根拠は、二十九万円に今回の恩給のベースアップ率一〇・一%をかけたものでございます。 先生が言われるのは、私は二点あるかと思います。現在の制度はやむを得ないものとしても、まず第一にその金額をある程度上げるべきではないか、こういう御意見もあるかと思います。基本的には、将来の理想像としては、こういう制度は一切廃止するという考え方のように承知いたしましたけれども、その過程としまして、はたしてそういうベースアップ、このやり方がいいのかどうかという問題もあるかと思います。いま申し上げましたように、実は低額恩給所得者に対しましては、最低保障制度という——これは恩給制度はもともと最低保障制度にはなじまない制度なのですけれども、やはりこれをある程度底上げするというためには、他の社会政策的な政策を導入してまいったわけであります。そうしますと、必ずしも恩給の本質が変わったわけではございませんけれども、やはり底上げしますと、ある程度恩給を持っておられて、かつそのほかに百六十万円の所得を持っておられる方に対して全く停止しないでいいかどうかというような判断が、実はわれわれとしては、四十七年度予算をつくる段階においては、決定的につきかねたわけでございます。 経過はそういうことでございますが、先生の言われることは、恩給審議会の答申にも載っておりますので、われわれとしてはその点よく了承しておるつもりではありますし、いろいろの角度から検討はしてまいりたい、かように考えております。
○鬼木委員 どうも答弁が抽象的で、私はまだ納得できないが問題は二点あるとあなたおっしゃった。第一点は基準をずっと下げるということですね。逆に言えば基準を上げる。それが一点と、今度のこの改正案では、二十九万円を三十二万円と、こう引き上げてある。たった三万円しか上がっていない。たった三万円ですよ、引き上げが。それから百四十五万円が百六十万円で十五万円、それの総額が二億七千万円、該当者は三千五百人、そういうけちなことをやらないで、将来は撤廃していただきたい、私が言うのは。こういう方々もだんだん減っていくのだから、ですから将来は撤廃していただかなければならぬが、まずさしあたってこの基準をもっと引き上げてもらいたい。あなたのおっしゃった一点と二点とあるのを、まず最初の一点は引き上げてもらいたい、こういうことですね。それに対してあなたの御回答がはっきり何も出ていない。ただ説明ばかりだ。その点ひとつ……。
○平川政府委員 われわれ事務当局でございますから、そういう答弁をしたわけでありますけれども、先ほど来から再々申し上げておりますように、先生の御趣旨は、あるいは恩給審議会の答申の趣旨は、十分了解しておるつもりでございます。ただ、そういうものを実現する過程といたしまして、われわれ事務的としてはいろいろ考えなければならないということでございまして、その考え方を二点申し上げたわけでありまして、これらにつきましては、今後さらに真剣に検討してまいりたい。私の事務当局としての答弁としてはその程度が限界かと思いますが、真剣に検討してまいりたい、このように考えております。
○鬼木委員 それで私が先ほど申しましたようにこの恩給審議会の答申にも、こういうことをやるということは、すこぶる必要性が乏しい、しかし、「さしあたっては少なくともその停止率を一度創設当時の率に改めるよともに」云々、こう書いてある。「さしあたって」ですから、これはもうここらで消えるべきはずなんですよ。「さしあたって」ということは永久にということじゃないのだ。ものの解釈というものは、これは正しく解釈しなければいけませんよ。「さしあたって」ですから。だから、もう、恩給審議会が答申して三年も四年も五年もたっておるのだから、さしあたってはそうであったでしょうけれども、これは将来は当然消えていくべきものなんですよ。そういう根拠が乏しいと書いてある。この本文、これが主体になるのであって、これはすべて、法律であろうが、こういう答申であろうが、読み方によってどうでもなりますけれども、正しい読み方は、本文が「行政事務の能率化」云々ずっとあって、「これを存置する必要性ははなはだ乏しい」ということ、これが本文なんです。「必要性ははなはだ乏しい」ということ、これが本質的な問題なんです、所得制限の問題については。ここできめ手がぱんと一本打ち出されて、あとのは、ただし「さしあたって」、こう来ているのですが、「さしあたって」というのが五年も十年もじゃ困る。 よく法律に、当分というようなことばが書いてある。これは「さしあたって」、こうやっておる。当分とは書いていない。「さしあたって」、こうやっておる。そうすると、よく法律でやるのですが、当分何々することを得、こう書いてある。終戦後二十五年も三十年もたっておって何が当分だ。当分というのはほんのちょっとのことだ。いかがですか。そうでしょう。それをあなた、法律に当分何々することを得、こう書いてある、だからこうやっております。それじゃちょっとすまぬけれども、当分これを拝借する、二十年も三十年もが常識上当分と言えるのかと言うのだ。あんなのはでたらめですよ。「さしあたって」というのは、ほんのいまということなんですよ。「さしあたって」というのが五年も十年もじゃ、そんな「さしあたって」なんて、ふざけちゃいけませんよ。長官はいまちょっと食事に行ったからなんだけれども、長官はこの問題を取り上げてさっき読んだ。愚かなことを言うなと思ってぼくは黙って聞いておった。だから、私は事務屋でございますとあなたはおっしゃる。だけれども、これは当然あなた方が考えられるべき問題ですよ。長官が何と言おうがかんと言おうが、ここは「さしあたって」と書いてあるじゃありませんか。あなたは答弁であんなことをおっしゃったけれども、もう四年も五年も、そんな「さしあたって」なんてあるわけがない。いかがですか。あなたに文句を言っているのじゃない。私はこの文章を解釈して言っている。私は国文学の専門ですから、文章はどのようにも正しく解釈する。
○平川政府委員 私は、「さしあたって」という解釈につきましては、別に御意見を申し上げる資格もございませんからあれですけれども、確かに先生が言われたように、十年間がさしあたってかどうか、私自身もはなはだ疑問を感じるわけです。そうではなくて、私の申し上げたいのは、この考え方を実現する過程を、われわれとしてやはり事務的にはいろいろ考えなければなりませんから、そういう過程の方法として事務的には二つの方法もあるように私は考えるわけです。それを、「さしあたって」はこういうことで、事務屋と言いましたけれども、そういう過程を頭に描きながらわれわれとしては事務的に検討してまいるということが、事務屋の答弁としては限界ではないかということを申し上げたわけでございます。
○鬼木委員 この問題はまた長官が来たらちょっと話しておこうと私は思うのですが、いずれにしましても、恩給審議会というのから答申が出ておるわけなんですから、これは諮問機関として諮問しておられるのだから、私は、やはりある程度すなおに答申は守るべきだと思う。これは全部が全部答申どおりやれ——答申どおりできればなおけっこうだけれども、それは取捨選択することもあり得ると思うのですが、こういう点は、確かに受給者の不利になることならば、私は答申といえども考えなくてもいいと思う。しかしこれは、わざわざ受給者の利益になるように、恩給受給者に喜ばれるような答申なんですよ。だからこれははっきりしているんですよ。必要性が乏しいと、ぴたっと本文で示してある。ただし、いまは「さしあたって」と、こうなっているのだから、もう「さしあたって」の時点は終わているのだから、それを強調しておきたいと思うのです。事務当局の責任者として再思三考をしていただきたい。 次にお尋ねをしたいのは、私のところにも先ほどから言ったように——私は決してでたらめを言っているのじゃありませんよ。こんなにたくさん、署名捺印で陳情が来ているんですよ。恩給、共済年金受給者の処遇改善に関する陳情書、鬼木勝利殿と、私に来ている。そこで、重点要望事項はたくさんあります。大体いままで順を追って私がずっとお伺いしたことがみなこれに入っていますが、その中で特に皆さんの要望していらっしゃることは、恩給の最低保障年額、今回も多少上昇はしておるようでございます。この資料に載っておりますが、「長期在職者に係る最低保障額の引上げ」「七十才以上の場合は一二万円、七十才未満の場合は九万六、〇〇〇円となっているが、他の年金制度の最低保障年額を勘案して、一二万円を一三万四、四〇〇円に、九万六、〇〇〇円を一一万四〇〇円に増額するとともに、七十才以上を六十五才以上に改める。なお、扶助料はそれぞれの額の半額である」。このように今度変わっておるわけでございますが、この陳情をなさっている方々の陳情の大事なことに、恩給月額は平均約一万五千円であるのに対し、昭和四十七年度において改正を予定されている生活保護法の生活補助では、一級地における六十五歳以上の夫婦世帯で月額二万六千六百円、女一人で一万六千七百円であるから、恩給、共済年金受給者の生活を安定せしめるためにもこの金額を必要とする、だから恩給、共済年金の最低額を二十四万円に引き上げること、つまり、月額二万円を最低保障額にする、こういう陳情でありますが、これは別個陳情も参っております。恩給、年金の最低額を年額二十四万円に引き上げを行なうこと、これは中国のほうから来ておる。この点に関して、生活保護法の扶助料と恩給の最低額の今度の改正を考えました場合に、これは恩給受給者の方々は非常に御不満であろうと私は思うのです。一級地において六十五歳以上の御夫婦が二万六千六百円。ところが今度の改正では十一万四百円。十一万四百円というと月に一万円足らずです。まあ七十歳は六十五歳に改めるということになっておりますけれどもね。これでは生活保護をもらっていらしゃる方よりも半額ですね。これはむろん、生活保護を受けていらっしゃる方々も非常にお気の毒な方々で、ぜひ生活保護費はもっと上げてもらいたいと考えておるのですが、これはあなた方の所管ではない。厚生省の所管ですから別問題ですが、少なくとも生活保護の支給額以上にでもしてもらいたい。二十四万円に引き上げることという切なる希望ですね、これはあなた方はどのように考えているか。こういう点をお考えになったことがございますか。現在の一級地における生活保護の支給額と恩給の最低保障額とがどのようになっているかというようなことをお考えになったことがあるか。またどういうふうにお考えになっておるか。
○平川政府委員 生活保護との関係を考えたことがあるかという御質問でございますが、最低保障額というものではなくて、現在受けておられる恩給年額、これと生活保護との関連がどういうことであるかということは事務的に検討したことは確かにございます。これは先生の御質問に直接答えることにはなりませんけれども、実は私のほうで調査しました結果、一般の文官恩給でございますけれども、これの年平均額が二十八万五千円なんでございます。それから生活保護のほうは、これは私ども四級地で一人の場合をとったのでありますけれども、それをとりますと、生活保護は十五万八千円なんでございます。その比較はやったことがございます。そうすると一般文官が二十八万五千円でございますから、四級地で一人当たりの生活保護費が十五万八千円だとしますと、大体全部数字は上回っているのでございますが、それでもなおかつ十五万五千円の四級地の生活保護より下回っている人が約一七%くらいございます。そういう調査はやったことがございます。
○鬼木委員 一般恩給受給者が二十八万円平均だ、それから生活保護が十五万八千円ということですが、それは平均であって、最低保障額、最低額ということの調査にはならぬと私は思うのですね。非常に凹凸がありますからね。だから平均によって最低保障ということは私は考えられない。最低保障ということは、やはり実態を調査しなければわからぬと思うのですね。一番低い人もあるのですから。また非常に高い人もある。だから、あなたがいまおっしゃるように、二十八万五千円というところはわかりますよ。だけれども、この陳情は恩給受給額が最低の非常に少ない方を上げろということなんですね。最低保障額を二万円に押えろということなんですね。そこをお尋ねしているのです。そういう点はどうですか。 〔坂村委員長代理退席、委員長着席〕
○平川政府委員 実は十三万四千四百円の根拠でございますが、これは御承知のように、昭和四十一年に、先ほどちょっと申し上げましたけれども、本来恩給というのはいわゆる社会保障制度ではございませんから、最低保障という制度はなかったわけでありますけれども、ごく低額のものを引き上げるということで、四十一年に初めてそういうものを導入したわけであります。そのときに何をめどにしたかと言いますと、いわゆる厚生年金の定額部分の最低保障額を持ってまいったわけでございます。それが六万円だったわけでございます。その六万円を九万六千円に改正いたしまして、それを今回十一万四百円、六十五歳以上の者につきましては最低比例報酬部分を加えまして十三万四千四百円と、こういうぐあいにしたわけでございますから、この制度の根拠は厚生年金保険における定額部分の最低保障額を持ってまいったわけでございます。 現実にこの給与で適用を受ける人間が三万一千人ぐらいおりますけれども、この内訳をよく見ますと、文官といいますのは、これは警察官も含めてでありますが、その中で一番多いのはやはり警察官でございます。警察官は、御承知のように十二年で恩給がつきまして、しかも任用制度が非常にきびしいということで、場合によっては巡査で十二年間を終わるという方もおられるわけでございまして、仮定俸給がわりあい低い。そうなりますと、やはり場合によっては、十三万四千四百円あるいは十一万四百円以下の人が出てくる。こういう人のためと申しますか、そういう方々が適用者としては非常に多い、こういうことになるわけでございます。
○鬼木委員 あなたのおっしゃるとおり、事実そういうことがあるからこうして陳情になっておると思うのですがね。むろんあなたのおっしゃるように、これは生活保護法とは違うのですから、それはわかります。わかりますけれども、やはり恩給受給者の方が長年公務員の生活をなさっておって、老後の生活をなさるのにある程度の権威を保っていかなければならぬということになれば、やはり最低二万円の保障ぐらいはしていただかないと、こうした陳情も私はまことにごもっともだと思うのです。 いま長官お見えになりましたが、いいですか、長官こういうことですよ。ここにこんなにたくさん恩給の改善について陳情書が来ているのです。これはたいへんなものですよ。恩給、共済年金受給者の処遇改善に関する陳情書、全国の会長は自民党の福田さんですよ。それからこれは福岡県のほうから私に来ているのですが、福田さんの署名捺印がしてある。それで鬼木勝利殿とこう来ている。その内容は、いままでずっと申し上げてきているわけですが、特にここに一つ、いま恩給局長にもお話ししたのですが、恩給、共済年金の最低額を二十四万円に引き上げることという最低額の問題、これは額は申し上げませんでしたが、最低額を引き上げてもらいたいということは、いつかも私は問題にしてお話ししたと思うのです。恩給月額は平均約一万五千円、旧法の共済年金は平均約一万三千円であるのに対し、昭和四十七年度において改正を予定されている生活保護法の生活扶助費、これはまあ社会保障の問題ですから、おれたちは関係ないとおっしゃれば、さっきのお話と同じでこれは関係ない。ですが、生活扶助では、一級地における六十五歳以上の夫婦世帯で月額二万六千六百円、女一人で一万六千七百円、こうなっておる。生活保護というようなものは社会保障の問題だから、恩給とはちょっと意味が違う。むろんそのとおり。ですけれども、恩給を受けられる方としては、生活保護のほうでは二万六千六百円もとっている。われわれは今度上がって十二万円が十三万四千四百円になった。あまりに懸隔があり過ぎる。これはむろん性質が違います。社会保障とこっちは恩給、公的年金、こうなっているのですけれども、受給される方にしてみれば、あまりにも懸隔があるものだから、これはひとつ何とか恩給法を改正していただいて、ここまでしていただきたい。これは私が言うのじゃなくして、受給者の方から全国からこうして陳情が来ている。これには、私は長官も一考も二考もしていただかなければ困ると思うのです。その点ひとつ、長官どのようにお考えになりますか。
○山中国務大臣 もちろんおっしゃるとおり、生活保護とは全く別な考え方のもとの恩給問題としてとらえなければなりませんが、しかし、国民常識から考えて、生活保護というものは、収入の道もほとんどなく、そして自由主義経済のもとで最も落ちこぼれて底辺になってしまう人々に対して、国が最低の生活のための保障をしようというものであることは間違いない。一方において、恩給というものは、過去のその人の閲歴が国家に貢献し、社会に貢献したことに対する当然の権利として国家が給するものでありますから、生活保護を下回るということは、これは常識上やはり比べざるを得ない問題であると私も思うのです。しかし、恩給の積算の基礎は、受ける権利というものが前提でありますだけに、勤務年限、あるいはまたその人の退職時の俸給等が当然計算の対象になります。したがって、最低額の引き上げにあたっても、これは比べようはいろいろあると思いますけれども、生活保護より低い金額にしか到達しない方々がなおかつ存在しておる。この点は、私もどうしても心にひっかかる問題の一つであります。かといって、現在の恩給の積算のしかた等から考えますと、どうしても勤務年限等の関係で、金額から見れば、ただそれだけを比較すれば低い人が出てくる。この点は明らかに私としても問題があると思います。 また、遺族の方々あたりの御陳情を受けて、私が最も説明できない、むしろつらい立場の応対をしなければならない一つのいわゆる表現上の比べる問題として、交通事故で死んで、道ばたで不慮の死を遂げた人でも五百万円は出ることになっているではないか、しかし自分たちの肉親というものは、国家のために信じ切って犠牲になった人たちである、その交通事故の死者よりもはるかに低い遺族に対する措置を国がしているということについて、自分たちは納得ができないという点を言われますと、私も一言の返すことばもないというような現象が他にも存在していることは、私はこれは否定できないと思います。しかしながら、恩給制度というものはそういう条件によって成り立っておる、そういう仕組みでございますので、それらのひっかかっております点も、生活保護の面とは比ぶべくもない問題ではありますが、しかし、恩給の最低支給額の引き上げ等にあたって、逐次、そのようなことは念頭に置きながら、改正を今後も進めていかなければならぬと思っておる次第であります。 なお二十四万円も厚生年金の二万円年金ということを一応念頭に置いて考えたわけでありますけれども、これは逐年のベースアップ等によりまして、二十四万円の最低額が無意味になる年はやってくるわけでありますから、そうなった場合には、それにふさわしい最低保障額というものは引き上げをする予定でおるわけであります。
○鬼木委員 いまの長官の御答弁と私の考えは大体一緒だと思いますが、公務員の方の勤務年数とか、その当時の給与の関係とか、それはいろいろあると思います。あると思いますけれども、常識的に考えて、生活保護の皆さんのお受けになっておる支給額よりも下回るということは、何といっても皆さん納得できないだろうと私は思うのです。でございますから、先ほどからいろいろ論議申し上げましたように、長官としては恩給受給者の皆さん方に事務上つけるわけにはいかないけれども、なるべくあまねく恩恵がこうむれるように努力したいという先ほどの御発言もありましたので、その長官のあたたかいお気持ちに沿って将来ぜひ再思三考していただきたい、こういうことを私はお願い申し上げたいと思います。 時間が一時までの約束で、大体一時になりまして、ゆっくりできないのでまことに残念でございますが、もう一、二点お尋ねを急いでいたします。 外国政府職員の恩給の通算の問題でございますが、日満ケースの方々で、昭和二十年の八月八日以前に死亡した方に対する通算の問題であります。しかも昭和二十年八月八日前に、自己の意思によらず、国策によって官吏を退職され、そして他に転職をせしめられたという方に対する通算でございます。これも私に陳情が来ておるのでございますが、「自己の意思によらず政府の都合によって官吏を退職し、他に転職した者については、官吏退職時までの期間は当然に通算されるもの」と期待しておりました。また、四十五年五月の通常国会衆参両院内閣委員会において、山中総務長官は「恩給審議会の答申で認めた項目については、四十六年度において全部を実施する」と繰り返し言明しておりますので、私達はこれを信じておりましたところ、取り残されたのですから諦めきれません」、こういうことがいわれております。自己の意思によらず、国策によって退職して転職をさせられたという方、それから昭和二十年八月八日前に死亡された方、これも同様に、日本の現職官吏から満州国政府等に招聘された者の中で、在職中に病気その他で死亡した者の中には日満通算十七年以上の者がおられますが、こういう方々は前項と同視すべきである、同様に通算措置を講じていただきたい、この二つの問題でございます。二十年八月八日以前に自己の意思によらず退職して転職された方、それから二十年八月八日以前に死亡された方、これを全部通算すべきである、こういう問題でございます。どうですか、おわかりですか。
○平川政府委員 まず、第一点にお答えいたします。 御承知のように、外国政府職員の通算条件といたしまして、昭和二十年八月八日まで外国政府職員として在職すこるとを条件としております。理由は、終戦という事態がなければそのまま外国政府職員として在職し恩給通算されたであろうという方々に対する、いわば特例的な一つの措置でございます。したがいまして、昭和二十年八月八日以前に退職したというような人については救われなかったわけでありますけれども、今回、実は昭和二十年八月八日以前であっても、たとえば満州国政府の職員から内地の公務員になったような人につきまして、しかもその内地の公務員で二十年八月八日までおった人は、満州国政府職員としては二十年八月八日までいなかったけれども、その条件を満たす者とみなして通算する措置を講じたわけであります。したがいまして、二十年八月八日以前にそのまま退職してしまって公務員でないという方については、依然として従来の考え方から、これは通算することは適当でない、こういうことになります。 第二点の二十年八月八日以前になくなった方でございますけれども、これはわれわれとしてはまことにお気の毒だと思いますけれども、この二十年八月八日という線をつくりましたのは、先ほど申し上げましたような考え方によるわけでございますから、やはりそこまで在職しておるということが絶対的な条件でございますが、ただ満州国の軍人で二十年八月八日以前になくなった方でも、日本人である場合、日本人であってもちろん召集を受けたというような場合で死亡された方につきましては、われわれとしては事務取り扱い上処遇しておるわけであります。
○鬼木委員 だったら、日本におられて、それから満州へ行かれて、そして二十年八月以前に国策によって転職させられたという方も通算するということですね。それから、二十年八月八日以前に死亡されてもそれは通算する、こういうことですね。
○平川政府委員 もう一度はっきり申し上げますけれども、第一の点は、二十年八月八日以前に退職されて、その転職先が自己の意思によらず日本の公務員である場合に限って、かつ日本の公務員として二十年八月八日までに在職したという場合においては、外国政府職員として二十年八月八日まで在職した者と同視するということであります。二十年八月八日以前に退職または死亡された人は、原則として通算行為が、軍人につきましては——日本人ですが、満州国の軍人ですね。その死亡した方につきましては通算するという措置を講じております。
○鬼木委員 それでは再認識。昭和二十年八月八日前に、自己の意思によらず国策によって官吏を退職し日本公務員となった者は通算する、これでいいですね。 それから第二点において、日満ケースの者の中で、昭和二十年八月八日前に死亡した場合、軍人であればこれは通算する、こういうことですね。ようございますね。 そこで次に、これは冒頭にもいろいろお話し申し上げたのですが、今後の問題として、五十三項目の諮問に対して二十六項目くらいは是正すべきであるという答申になって出てきた。そこで五十三項目の諮問の中で可、不可というものがまだ残っておるわけでございますから、これは私も全部そのまま答申をのめということを言っておるわけではございませんが、冒頭にお話し申し上げましたように、今後新たにまたいろいろな情勢の変化等で問題が出てくると思うのです。たとえば今回の日満ケースのごときものも、これは新たに出てきた問題なんです。そこで、こういう問題については十分チェックしていただいて、今度新たに出てきた問題でわれわれが研究、討議をしなければならぬ問題はこういう問題だ——先ほど長官は、これはわれわれの責任において十分温情的に受給者の皆さん方の心をよくそんたくして、そして全きを期したいという冒頭のお話でございましたので、これは何回言っても同じですけれども、ただ答申のみに従えというわけじゃないのだけれども、それはあなた方の自主的なお考えもおありであろうし、権威ある恩給局の皆さん方が研究に研究を重ねていらっしゃると思いますので、今後恩給問題としてこういう問題が残されておる、こういう問題、こういう問題は検討すべきである、これはどういうふうにやっていくのだ——簡単にいえば将来のビジョンでございますが、それを私は資料として提供していただきたい。こういう点についてまだ残された問題がある、こういう点はこういうふうに考えたい、こういうふうにしたいというような点を全部チェックしていただいて、そしてこれを資料として出していただきたい。これは将来大いに参考になりますので、もし皆さん方のお考えが足らなければこちらから追加します。こちらから申し上げます。そこはもうまことに卓越したお考えをお持ちの長官でございますから、私どもが考える以上のことを考えていらっしゃると思いますので、その点をひとつ、私どもも勉強になりますので出していただきたい、こういうふうに考えますが、長官どうでしょう。
○山中国務大臣 いま資料で出すことも、別段お断わりするほどの問題でもありません。しかし、やはり印刷物にいたしますと、それについては政府の見解ということになりますので、根回しが要るということになると、またしりすぼみになるおそれもありますから、たとえば二十六項目は方向をはっきり示しておりますから、そのとおりに昨年度予算までで解決をいたしました。なお、先ほどの傷病恩給の問題等を含めて三項目ほどは、検討をしなければならない問題としての課題を含んだような表現がされておる。明確にだめだと言われているものもあります。したがって、明確にだめだと言われているものについては、やはりやや検討も消極的になると思いますが、たとえば先ほど、その中間のケースであると思われる恩給外所得との併給制限等の問題は、これは基本的に昭和八年のその思想というものが取り入れられたのであって、まあ緊縮財政ですね、そういうことはおかしいんだ、本来とるべき姿ではないんだ、しかしさしあたりは発足当時の制度に戻りなさいというようなことは、さしあたりということは実施しております。しかし、基本的にそういうことがあることがおかしい、いまは時代が違うという言い方が前提になっておりますから、こういう問題はやはり検討しなければならない課題の一つに入ろうかと思います。そういう意味で、いまの満州の問題等についても、満軍等について、戦死された場合は、戦死当日をもって召集されたとみなしてお扱いをいたしておりますが、しかし、満軍だけという者が、旧陸軍省の募集通達、そういうものに準拠して行かれた方々が満軍経歴だけで終わられて、なおかつ、公務員経歴等もなくて生存しておられる方々の問題とか、いまおっしゃったような、その前に自分の都合でやめてしまった人たちはどうするかという問題は、これはなかなかむずかしいと思いますが、それに付随する隣接部分、周辺部分というのがあります。 私は、恩給という問題は、いつまでも疑問点、あるいはまた問題点を残しながらやっていく問題じゃなかろうと思います。これは今後、先ほど来申しておりますように、不特定多数、将来に向かって受給権者が発生する問題でありませんので、既得権者というものは限られておりますし、それの周辺部分の該当者は何人かということまで、時点をとらえれば判明するわけでありますから、それらの問題はなるべく早く結論をつけて、そして、やはりどう考えても無理なものは無理であるということで、御納得を得られないまでも、政府の方針は明確にしなければなりませんし、問題点がありそうだと思われる問題で、当事者は熱心なわけでありますから、それらの人たちにこたえられる、あるいはどこまでこたえられるというような問題を明確にする責任が政府にあると考えます。 それらの問題は、文書で差し上げることは、後日また論議の種にもなりまするし、一応は、この審議会の活字になっております答申、その答申の中で、やるべきでない、必要はないというものについてはやや消極的であるけれども、問題点含みであるという問題については積極的に洗い直しの努力はいたしますという答弁でもって、政府の姿勢を私から表明することにより、かえさしていただきたいと思うんです。
○鬼木委員 長官としての御答弁では、やや消極的のように私は考えられるのですがね。あなたは非常に勇気あり、決断力がある、しかも賢明な長官だと私は思っておったが、これを書類にするというといろいろ問題が起こるというような、そういう右顧左べんするような、逡巡した態度では私はいかぬと思うんですよ。あなたはあれもつくられたじゃないですか。恩給の早わかりというかな、手引きまで。これは文書になっていないのですか。文書になすと問題が起こるとおっしゃるが、あれはあなた、りっぱなものができているじゃないですか。あれは私、大いにほめたはずですね。だから、これは各省どこでも、やあ経済白書だ、防衛白書だ、やれ産業経済白書だ、みんな白書を出しておる。恩給白書なんてそんな大がかりなものを出せと私は言っているわけじゃないのですよ。諮問された五十数項目の中で、こういう点はこう考えている、こういう点はこうだ、こういう点はこうだということを、それこそプリントでもよいし、パンフレットでもよいし、鉛筆の書きなぐりでもいいから、何も、それによって——これこそまだ具体的にどうしようという決定じゃないんだから、何もそうへきえきなさる必要もなければ、日ごろの勇敢な、勇気ある長官らしくない。それは喜んで出しましょう、皆さんがそれほど協力していただければまことにけっこうだと……。私は、勉強の資料にしたい。しろうとだから、あなた方のような、もう恩給のくろうとで、一から十まで、一を聞けば二がわかるというような方とは違うんだから、よちよち歩いている右も左もわからない者が、教えてくださいと、こう言っているのに、それを逃げるというのはあまりにもひきょう千万だ。日ごろの長官らしくない。いかがですか、出してくださいよ。
○山中国務大臣 これは、打ちあけた話をしますと、私もたそがれ内閣の閣僚ですから、もう余命幾ばくもない総務長官。私が来年度予算編成までやることが確実であるという場合等においては、私自身が恩給局を交えて十分に検討をして、ここら辺までは私として決意をしたというようなこと等は、私の責任において資料としてお出しすることは可能だと思いますが、おそらく来年度予算編成は私ではない。確実でありますから、そうすると、そのようなものを出したことによって——私は、大蔵省と三年間恩給予算をやりまして、三回やりました。結果として皆さんのところに出てきたものは、幸いにして何とかかっこうがついておりますが、なかなか容易なことではありません。そうすると私の後任閣僚に対して迷惑を及ぼしはしないかということを考えて申し上げました。したがって、打ち明け話でありますから、いま申し上げましたことにかえて、恩給審議会の答申各項目中、すでに実施した二十六項目、これはもう省略してもよろしゅうございますが、だめと言われているものは幾つであって、こういう内容である、そしてなお検討すべき含蓄のある表現であるものは幾つでこういうものである、そういうものについては検討をしたいというような、参考資料としての提出であるならば、まあ、そこらぐらいまでならよかろうと思いますから、そういう作業をさせて委員各位にお配りをいたしたいと思います。
○鬼木委員 いや、まことにけっこう。それでいいんです。私は、何もあなたに負担のかかるような、あなたが御迷惑なさるようなことは、日ごろ大いに尊敬をしておる長官の不利になるようなことは決して……。おれは予算を出すのは今回限りだ、この次は、あなたはもっと、もっとというと、はなはだことばが悪いかもしれぬが、重要な位置につかれるかもしれぬ。ますますあなたを信頼しておるがゆえに申し上げるので、われわれが、あまりこういう長官は当てにならぬぞ、たいしたことはなかぞ、これは口ばっかりじゃと、こう思えば、私はあなたにこういうことはお願いしない。少なくとも、権威あるあなたがおっしゃったこと、いろいろ計画されたことは非常にわれわれに有益になるし、またわれわれの勉強にもなるから、その点においては山中長官は確かに権威者だと、長官に聞けば大体のことはできるぞということで、あなたを信頼したがゆえに私が言っておるので、それほど信頼していただいて、まことにありがたく、幸せでございますと、こう言うべきなんです。それをそんなことを言っているのはちょっとおかしい。でございますから、ぜひそういう点を出していただいて、私らが勉強の手引きになるようにお願いしたいと思います。それで、今後いずれにいたしましても、ひとつ恩給受給者の問題につきましては、たとえ閣外に出られようと出られまいと、格別の御高配を願いたい、かように存ずるわけであります。 たいへん長いこと恐縮でございました。ありがとうございました。これで私の質問を終わります。
○伊能委員長 午後二時より委員会を再開することとし、この際、暫時休憩いたします。 午後一時二十分休憩 ————◇————— 午後二時二十五分開議
○伊能委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、これを許します。大出俊君。
○大出委員 問題点が幾つかございまして、国家公務員災害補償法の手直しをするということになりますと、一つは、国家公務員災害補償は、御存じのように、年金があり一時金がありますが、その一つの基礎に退職金という問題もあるわけでございまして、全くの関係という意味ではありませんけれども、たとえば、なくなった方の例をとれば、国家公務員災害補償法に基づく遺族年金なら遺族年金という問題になる。あるいは一時金という問題になる。その場合に、年金というのは一ぺんにくれないわけでありますから、退職金というのは、いまの現状のままではどうにもならぬという気が私はいたしますので、そういう意味の関連がございまして、退職金の問題をどう考えるか。 それから、ずばりそのもので申し上げれば、国家公務員災害補償法の特別公務のワクというのがございますが、これは規則制定権をお持ちの人事院との関係でございますが、これも、実はいまここで雑談をしておりましたように、浅間山荘事件があって警察官の方がおなくなりになったから、だからこの際、百分の百二十五なるものを百分の百五十にすると、こういうことになるのですが、しかし、町の中で盗み、どろぼうした人をつかまえた警察官の方が、そこでおなくなりになるようなことが起こった場合に、これは世間の耳目を集めてはいないからこういう話が出てこない。かと思いますと、学校の先生が子供さんを海水浴に連れていって、おぼれかかったからというので、先生自身が助けに入って、先生が死んで子供が助かったという事例だってある。これは一体どう考えるのか。あるいは行政機関の中には、水防であるとか、砂防であるとか、あるいは林道その他の修復であるとか、いろいろなものがある。あるいは各省の建築関係の方々の中でも、設計をして、さて工事の監督をやっているという過程で死んでいる人もいる。そうなると、はたして警務機関のような形のところに重点が置かれたこの特別公務のワクということでいいのかという問題が実は出てくる。私は、その種のワクは要らないんじゃないかと思っているんですが、そういう問題を少し掘り下げてみたい、こう思います。 それともう一つ、基本的に私は給与の絶対額が高くなければならぬというふうに思っているんですが、そして退職金の絶対額も高くなきゃならぬ。そうでないと、諸手当とか、あるいは死亡にまつわる割り増しだとかという問題が間々出てきがちでございまして、そういう意味で、論点が三つございます。 そこで、まず最初に、これから人事院の調査をなさることしの公務員の賃金、ここからひとつ承っておきたいのでありますが、総裁が笑っておりますけれども、話が落ちるところに落ちるようにできておりまして、もう調査にお入りになったんですか。
○佐藤(達)政府委員 もう入っております。
○大出委員 入っておりますか。そこで、調査対象企業につきまして、公務の性格なり規模なり、あるいは態様から見て、企業規模五百人以上とするという長年の懸案がございますが、これを一顧だに与えず、あるいは顧みずすでに調査に入ってしまったと、こういうことでございますか。
○佐藤(達)政府委員 結論を先に申しますと、ことしも従来どおり百人、五十人という線でやっております。五百人の件は、一顧だにもしないということではございませんけれども、私どもの基準的な考え方は、これはたびたび申し上げて御承知済みのことでありますけれども、やはり日本全国の民間企業全従業員の少なくとも過半数をとらえての水準ということでいくためには、五百人にしたのでは過半数をカバーできない。それとにらみ合わせながらやっておるわけで、過半数をカバーするようになれば、これはもう進んで五百人というようなこと、あるいは千人になればなおいいと思っておりますが、そういう心がまえでおるわけでございます。
○大出委員 たいへんまことしやかな答弁が出てまいりました。公務の性格、こう言えばもういいわけでありますが、それが五百人規模以上のところをとらえないということはきわめて不自然だと私は思っているのです。もう調査に入ってしまって、死んだ子の年を数えるわけにまいりませんけれども、一顧だにと私が申し上げたら、そういうわけではないと言われましたけれども、理論的にはそこらはおわかりのことだと思いますから、心情的に、ことしは長年の意向というものは尊重すべきもの、だが現実はこうだからということで、これはお含みおきをいただきたいと思うわけでございます。 それから、たいへん閑散とした委員会でございますから、なるべく能率的に進めさせていただきまして、要点をかけ足をしたいと思います。 調査の対象になる職種について、毎回私は申し上げておりますけれども、あるいは教育であるとか医療関係者など、給与決定が公務先導型になっているものがたくさんございます。こういう職種というのは民間が低い。数の上からいきましてもいろいろな問題がありますけれども、そういうのは対象職種から除外をしてしかるべきもの、私はこういう気がするのでありますが、その辺のところは、ことしはどうお考えになりますか。
○佐藤(達)政府委員 お話のようなことは、従来からも意見として各方面から聞いておるところでございますが、私どもとしては、そのつど申し上げておるようなことでもありますし、ことしはその点も従来どおりということで進めております。
○大出委員 従来どおり、従来どおりという答えになりそうでありますから、論点がたくさんありますが、途中省略をいたしまして、高齢者問題などを出してまいりますと、また総裁との論争になりますので、少しかけ足と申しながらも時間をかけたいものがありますので、そちらへ飛びます。 官民比較の面で、比較給与について、公務の特殊性に基づく給与というものがあります。これを除外すべきではないかという気がするのでありますが、この点について、たとえば寒冷地手当なんというものもございますが、そこらあたりのところについて、どういう理屈で人事院はこういうものを含めてお考えになるのかという点、まずこの理由をここで一ぺん正式に述べておいていただきたい。 寒冷地給と申しますものは、公務の場合に九百二十一円、そのほかに特地手当なんというものもございまして、これは平均いたしまして四十一円、こういうものを官民比較の面で一体どう考えたらいいか。これは本来そのおい立ちは公務員に固有のものであった。そこで、たとえば北海道が長い懸案でございました寒冷地給をつけるに、当時は、石炭手当というものがあった、青森に薪炭手当があった、いろいろございまして、寒冷地給は飛騨の高山あたりまで、あるいは鈴鹿山脈を境に向こうへ伸びていく、こういう時代がございました。そういう長い歴史がいろいろあって今日あるわけでありますが、私はこの際、こういうものははずしていったらいいじゃないかと思うのです。そのほうが人事院がことしの勧告を出すのにやりいいのじゃないかという気がするのですが、いかがですか。
○佐藤(達)政府委員 今後問題としては、あるいは研究の課題になり得るかとも思いますけれども、現在やっておりますやり方は、これはまたこれでりっぱに筋が通っておる。一口で申しますと、結局、本俸あるいは諸種の手当というものは、民間においても、われわれ公務員側においても、一種の総額の中の配分の問題として考えておるわけで、場合によっては本俸よりも手当のほうに重きを置き、あるいはまた本俸中心で手当のほうは多少軽くするというような関係をもって動いておる事柄でございますから、私どもはやはり給与の総額ということで押えることが一番適切であり、その押えた内容として、今度は公務員としてのいろいろ特殊な種々の事情を勘案して適切な配分をする、そういうたてまえがやはりよかろうという気持ちをいまでも持っておるわけでございます。
○大出委員 水かけ論をやり合う気はないのでありますけれども、民間の場合にはこの種の手当は額的に見て非常に少ないのです。その意味では公務の特殊的なもの、こういう性格だと思うのですね。だから、そういう意味で私ははずしても筋は通ると思う。官僚の知恵で理由はどうでもつけられるものでありまして、つまり人事院がその気になれば、そういう筋道は成り立つと私は思っているのです。前によほど詰めてこれをやりとりしたいと思いましたが、当時の事情もありましたので、いままでがまんしてまいりましたが、もうこの辺ではずすべきではないか。これはいまここで申しましても、あるいは詰まった話にならぬと思うのでありますが、これはぜひともこれからの議論の中で詰めてまいりたいと思っております。 そこで、これから調査を始めていくわけでございますが、これは例年の例がございます。そこで、人事院として今年春闘の動きというものをどうおとらえになっているかという点、念のために承っておきたいのですが、公労協なるものは、昨年対比でどのくらいになったという集計を人事院がなさっているかという点。それから民間のほうは本年春闘でどういう結果になったかという点。ここらの数字がございましたら、人事院側で見てこうだいう、ここには労働省もおりますが、ひとつその判断をお聞かせいただきたいと思うのです。
○佐藤(達)政府委員 御承知のとおり私どもの立場は、私どもが責任をもって行ないました精密、的確なる民間調査というものに基づいてやっておるわけでございまして、その周辺にわたる事情については、もちろん重大な関心を持ってこれを見守ってはおりますけれども、公労協の場合幾ら上がったというようなことを私がお答えいたしますよりも、給与局次長がそのほうは万事心得ておりますから、そのほうからお答えいたします。
○渡辺説明員 まだ春闘全体の最終結果は出ておりませんけれども、たとえば公労協の比率で申しますと昨年比一〇・六だったと思いますが、金額にいたしまして二百何円、金額は去年より少し高い、率では下がったというような動きでございます。 それから民間の春闘につきましても、いろいろ途中の集計等を見てまいりますと、金額では去年より少し上、率では下というような傾向でございます。まだ最終的に労働省から発表になっておりませんので、それは今後十分注目をしてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○大出委員 もう一つここで承っておきたいのですが、いまの数字は実は私の手元の数字と多少の相違が出てくるのです。公労協の場合、昨年が一一・六六という数字になる。これは公労協側の集計でございます。そして今年が一〇・五八、こういう数字であります。したがってその差は、昨年対比で一・〇八の落ちになっている、こういう数字ですね。 まあ、それはそれといたしまして、昨年の人事院勧告実施を踏まえまして、人事院所管の公務員の平均ベース、つまり平均給与は八万三千五百円くらいの見当になるのじゃないかという気が私のほうはするのでありますが、今日、大体どのくらいの見当に上がっていっておりますか。
○渡辺説明員 昨年勧告の時点におきまして、たしか七万三千幾らという数字だったと思いますけれども、それに対しまして、去年八千五百七十八円のベースアップをいたしております。なお、その後、昇給等がございますので、それを加えまして簡単な推計をいたしますと、いまお話のございましたような数字に近くなるのではなかろうかとは思いますが、まだ最終的に公務員の実態の結果が出ておりませんので、正しくはその結果待ちということでございますが、大むね昨年のアップ、昇給等を勘案いたしますと、お話しのような数字に近い数字になるのではなかろうかというふうに考えております。
○大出委員 やはり大体八万三千五百円前後にいくだろう、こういうことになるのですね。というのは、なぜこういうことをお聞きしたかと言いますと、このどのくらいにいくかというところを押えておきませんと、どのくらいの勧告が出るかという見当がつかないのですよ。それでいま承ったのですがね。 ところで、総裁の答弁がございましたが、わがほうは一々給与実態について調査をいたしますから正確無比でございましてと言うのですが、必ずしも正確無比でないので、中身はいつもお出しになりませんし、全くどうも、何を手探りしたのか、浅瀬を渡ったのか深みを渡ったのか、それもわからぬ。したがって、いつも世の中の民間給与あるいは公労協の給与というものの推移、それと比べてそう大差ないところに行っておれば、中身を見せてくれない人事院の調査というものも、まあ、おおむねこんな見当なのだろうという気がする、逆に。だから、ともかく春闘でこれこれ上がって、民間はこうなりましたという数字が出るのですから、公労協はこれこれ上がってこうなりましたという数字が出るのですから、これが世上大づかみに言う賃金の動態なんですね。だから、それを個々に当たってみたからといって、それととんでもないかけ離れたものになったのでは、調査がおかしいことになる。そういう推論しかぼくらのほうはできない。皆さん方がお出しにならぬのですから。そうでしょう。だから長年私は、民間、官業、特に公労協が、人事院の所管じゃないこれが、どう動いたかというのをながめてみて、その推論の結果に基づくものと、人事院の実態調査の結果が出てきたものと比べてみて、まあこのくらいのところなら、それが上であっても下であっても、人事院総裁のおっしゃる、そういいかげんじゃないのだなということになるのですね。これは皆さんから反論があっても、お見せいただけぬ限りはしようがないのでございます。そういう立場でしかない、われわれ審議する側は。残念ながらこういうわけでございます。調査資料を出していただけば、専門屋を集めてぱちんと計算機をはじいてやればできるのですが、できないのですから。 そこで、そういう意味で実は見当を承ったら、八万三千五百円前後くらいのことになるだろう。まあ、ここらあたりを基礎にして計算をしてまいりますと、先ほどのお話の公労協、これは昨年が一一・六六、今年が一〇・五八。一・〇八落ち込みになる。ここらのところを計算をして、昨年の人事院の勧告が一一・七四でございましたね。そして金額にして八千五百七十八円の勧告でございました。そうすると、八千五百七十八円の勧告と本年春闘の伸びというものと考えると、大体九千円くらいのことにはならなきゃならぬのじゃないかという気が私はする。九千円をひっくり返して、パーセンテージに当てはめるならば、一〇・七七くらいになる。金額は高くなるかもしれません。なぜならば、ベースが上がっているわけですから。さっき金額では、比率ではとおっしゃいましたが、その関係で言えばそういうことになる。ところが、どうもこれが九千円を少し落っこちる。たとえば、昨年の勧告を土台にして、昨年は八千五百七十八円だ。さっきちょっと渡辺さんが言った、昨年の公労協の数字、私のほうと違うのでありますけれども、それでいくと、それに三百円ちょっと上積みくらいです。つまり九千円をちょっと欠ける八千九百円前後にいっちゃうんじゃないか。さっきのお話だとそういう見方を人事院がしておられるとすると、こういう実は気がするのであります。そこで、私のほうは公労協の数字を一一・六六、そして本年が一〇・五八、こう見ているのですけれども、どこで一体先ほどのお話とちょっと食い違うかという点を差しつかえない範囲でお聞かせいただきたい。
○渡辺説明員 公労協なり民間の状況なり、特に民間の状況等につきましては、まだ最終的な発表がございませんのではっきりいたしませんが、たとえば、額ではちょっと上がって率ではちょっと下がるというのが一般の大勢のようでございますが、それがはたしてどの程度になるかというようなこまかい議論になりますと、私どもの調査は必ずしも民間の春闘を追っているわけではございませんで、全体を調査しているわけでございますから、それがどのように反映されてどういう結果が出るということは、いまは全く予定の立ちにくい問題でございます。したがって、今回私どもがやりました結果が、公労協並みになるのか、民間並みになるのか、その辺のところをいま予測するということははなはだ困難なことではないかというふうに考えておる次第でございます。
○大出委員 昨年に三百円ちょっと上乗せをして、そうして八千九百円を上回るか下回るかというようなところへ人事院の集計結果はいくんじゃないか。毎年いろいろ私も当たってきていますが、そうあまり違った結果になってないですね。 実はあなた、ないないと言うけれども、労働省は発表しているのですよ。あなたのほうでおとりにならぬだけです。労働省はここに全部数字があります。私鉄、鉄鋼、電気、造船というようなぐあいに、ずっと職種別に並べましてね。そして不況下の春闘の賃金の交渉の推移に基づく上げ額、これを見ますと、平均して一六・五になる。これはまだ定昇その他がありますからね。私はだからそういう意味で、人事院には、ことしはせめてさっき私が申し上げました昨年の八千五百七十八円が九千円を額で抜ける、こういう結果でないと、正確な実態調査をやりました、こう言うけれども、なかなか簡単にそうでございますかとは言えない。こういう実は気が私はするのでありまして、九千円をちょっと抜けるとなると、一〇・七七あるいは一〇・八、こういう数字になってくるのでありますが、その辺のところまではいっていただかぬと、つまり実態調査の中身をお見せいただかぬ限りは、これは念のためにいまから申し上げておかないと、皆さんはしきりに、実態調査の結果でございますからなんと言って、そっちのほうにうまい口実をつけて逃げてしまいますから、初めから少し念を押しておこう、実はこう思って推計数字を申し上げた。ここに議事録に残っていますから、あとになって皆さんお出しになって、どれだけ違ったか、あまり違わないじゃないか、私が言ったのは高いところを言ったから、あなたの腹の中は下があって下が出てきた、それではいけませんぞ、こういうことをいまから申し上げておく、こういうわけであります。 次に、実施時期の問題について触れておきたいのでありますが、どうも人事院は少しおかしくはないかという気が私はする。昨年は一理あって二理がないというところだったのですが、ところが何かこの間二十日に、NHKの朝八時三十分のニュースによりますと、本年は四月実施はだめだというのですね。来年に向けて検討する、本年の決着はそんなところだ、なんてね。どうも人事院というのもいいからかげんなものだと思って、NHKがこんなニュースを先づけで流しちゃって、それと同じことをお答えになるとすれば、これは総裁、腹は見えたりということになるのです。これは人事院、NHKのニュースをお聞きになりましたか。朝の八時三十分、二十日、私は日にちと時間を指定しているのですから。NHKにはちゃんと記録が残っていますから、お調べいただけばわかります。
○佐藤(達)政府委員 おっしゃるテレビはつい見そびれまして、しまったと思って新聞を全部目を通しました。新聞のほうは、いまおっしゃるような形にはなっておりません。
○大出委員 総裁が見そびれては困るじゃないですか。それであとで新聞見て、そうなっておりませんなんて、安心してはだめですよ。今度、総裁の答えがそうなってくれば、このニュースは何もうそじゃないということになる。だから、中にはどうも人事院さまは、世の中の空気からいって、四月実施が片づいてしまうと人事院は用がなくなってしまうじゃないか、そうすると公務員というのは、人事院のまわりをかねや太鼓で歩かなくなってしまうのではないか、さびしいことになる、だから四月実施くらいはしばらく持っておけという話になっているのだ。これは風のうわさでございますから、風聞でございますから、信憑性のほどはしかとわかりませんというまわりの話を申し上げて、さて総裁は四月一日実施をどうお考えでございますか。
○佐藤(達)政府委員 申すまでもなく、こちらの委員会の附帯決議もございましたし、われわれとしては相当それに力を入れた形には確かになっております。一理から二理、三理に進むこれは一つの推進力になっているということは、これは率直に申し上げるべきだ。しかしながら、まだ検討中の問題でございまして、先ほどおっしゃったようなNHKのそれのように、だめだというような結論はもちろん出ておりません。組合の皆さんなんかにお会いしておりますときには、うしろ向きで検討しておる。前向きと普通なら言うのだけれども、これは前向きにやったのでは、六月実施、七月実施のほうに行くから、そういう意味ではない、正確に言えばうしろ向きだということで、多少談冗をまじえながらわれわれの気持ちを申し上げております。したがいまして、その方向に向かっての検討は十分重ねつつあるという段階でございます。
○大出委員 四月と五月の間なんてことはないでしょうね。そうすると四月か五月でしょう。その方向に向かって検討、うしろ向き。前向きの話をするのだけれども、前へ行こうと、うしろへ行こうと、四月と五月のまん中だということはないのだから、四月か五月なのでしょう。そうすると、あなたが歩いていくほうが前ならば、これはやはり四月のほうに歩いていかなければ意味がないでしょう。これは、五月実施になっているものが六月、七月だなんて、人事院の権威にかかわる。総裁の責任問題で、これはできないでしょう。そうなってくれば、歩いていく方向は四月のほうにしか歩けない。四月と五月のまん中はないのだから、四月ということにならなければ、事の理屈が成り立たないでしょう。何か政治的にぐあいが悪いのですか。
○佐藤(達)政府委員 よけいな、前向きとかうしろ向きとかいうことばを申し上げまして、これは誤解を招いたとすれば、いさぎよく撤回したほうがすっきりします。その話を聞いた方々は、とにかくなるほどというような顔をしておられましたから、誤解は与えたはずはないという気持ちを持っておりましたので、よけいな笑い話を申し上げただけということでございます。
○大出委員 それはしかし法制局長官的答弁です。 そこで山中さんに承っておきたいのでありますが、昨年は、人事院がお書きになれば蛮勇をふるって実施いたします、ここまでなのですよ。そこで、一理も二理も三理もの話なのですが、予算だって四月からなのですね。調査もそういうことなのですね。会計年度だってそうなのですね。ということになってきますと、公労協はどうかといえば、これも四月なのですね。そうなると、どうも人事院だけが飛び抜けて五月だ、五月だ、ここまで来て行っているのはどうもふに落ちない。そこらを踏まえまして、——私が国家公務員の賃金の質問を初めて本年するわけでありますが、という意味で総務長官から、四月実施という問題についてどう今日お考えかという点を、あらためてひとつお答えをいただきたいと思います。
○山中国務大臣 人事院の勧告前に私の考えを述べることは、給与担当大臣として公的な立場においていかがかと思います。しかしながら、人事院が勧告をいたします際、これは国会の附帯決議の趣旨の尊重もされるでありましょうし、あるいはまた周辺のただいま言われたような四月実施の環境というものも配慮されるでありましょう。しかし、人事院自体が配慮をされるわけですから、私としてもやはり同じような立場で、今度人事院の勧告をいかに完全に実施するかという点に配慮がなければなりません。でありますので、いま、さきのやりとりの中でも冗談を言っておられましたけれども、あとしぼられたら、人事院の給与の金額の問題は別として、問題点は四月実施のみだ、それをやってしまえば用事がなくなるという話もありましたけれども、それが重要なポイントであるということは私も認めますし、人事院総裁が、一理あって二理、三理という話をされましたが、これは距離の問題ではないのでありますから、一理があるかないかという問題であって、私としては、検討を一生懸命していただいておるという段階において、それを受けて、今度は私の責任で閣議をまとめ、政府の意思を決定し、国会に法案を提出する、すみやかに公務員に支給するという義務を果たす以外にありませんので、この委員会の席上において、私の実施時期についての見解を述べることは不適当であると考えます。
○大出委員 いずれにせよ、三月というのはないのですから、五月か四月しかない。昨年は長官は、人事院が四月と書けば蛮勇をふるって実施します、こういうのですが、いまの御答弁もそういう意味でございますか。
○山中国務大臣 人事院の勧告したことは、これはもう完全に政府の責任において実施をいたします、こういうことですから、それは四月実施の点と限るというわけではありません。
○大出委員 いま私は、四月実施の点についてのみ質問しておりますから、したがいまして、四月実施と人事院がお書きになれば完全にこれを実施する、つまり四月に実施する、こういうことになるわけでございますね。
○山中国務大臣 非常に巧みな質問ですから、私がそれにずばり端的に答えると、しからば人事院総裁、受けるほうはオーケーだと言っているではないかということに行くことは間違いありませんので、これはやはり間接的な人事院の中立主権侵害になりますから、私は、人事院の勧告がありましたならば、実施時期を含めそれを完全に実行するよう努力いたしますし、責任を持ちますということにとどめたいと思います。
○大出委員 四月実施が入っておりますから、けっこうでございます。 そこで問題は、人事院がことしは四月とお書きになれば、実施時期を含めて完全に実施いたしますという総務長官、つまり給与担当大臣の御答弁でございますから、一にかかって、四月とお書きになるかならないかは人事院総裁の責任、こういうことになりました。そこでひとつ、うしろ向きになられては困るわけでありますから、やはり四月に向かって前に歩いていただきたい。まん中はございませんから、四月に到達をしていただく、そういうことにひとつ御努力願いたいと思います。いかがでしょう。
○佐藤(達)政府委員 おっしゃるとおり、これはわれわれの全責任によってきめるべきことでございます。したがって、政府のほうに受け入れ体制があろうとなかろうと、正しいと信ずることは、これは勧告せざるを得ないという立場におるわけであります。それだけまた責任が重いだけに、われわれとしては十分慎重にこれに臨むべきであるということから、先ほど来申し上げておりますように、慎重に目下検討を進めておるということでございます。 それで、三月とかというお話ございましたけれども、よけいなことをまた申して恐縮でありますけれども、私がかねてここで一理あると申しておりますのは、調査が四月だから、それによって明らかになった格差であるからということでいくのでありまして、公労協が四月になろうと、民間があるいは三月になろうと、あるいは秋に上がるというところもございますけれども、そういうことじゃなしに、調査時点から押えて、従来は四月調査だから五月から実施するというようなことで、ちゃんと勧告文に書いております。それが間違っているかどうかの問題に尽きる、そういう性質のものだということを御了承願います。
○大出委員 旧来、人事院が五月、五月、五月、こう書いてこられた、佐藤総裁におなりになってから。そのたびに政府が、やあ九月からだとか、やあ八月からだ、やあ七月からだ、さあ完全実施だ、こういうことになってきたわけでありまして、人事院は初めから五月実施と書いてこられた。ですから問題は、つまり政府のほうが人事院の実施時期を実施しなかった。これが過去の歴史である。だからここまで参りますと、完全実施までは年々公務員は損をし続けてきた。人事院の勧告をながめたときに、五月と書いてあった、ことしはやってくれるか、ことしはやってくれるか、そういって長年引っ張ってこられたわけでありますから、それだけ損の累積している公務員ですから、四月調査であることに間違いない限りは、四月ということに踏み切るのが、政府は完全実施するとおっしゃっているんだから、山中さんは、実施時期を含めて完全実施する、さっきそうお答えになっているわけですから、これは人事院総裁としてももうこの辺で踏み切ってはどうか。昨年は、そういうことをやりとりしていると、新聞にいろいろ書くからPRができる、いわばウォーミングアップみたいなものだということであれだけやったのですから、仏の顔も何とやら、もうこの辺で四月に踏み切ってよかろう、こういうつもりで、質問しながら総裁の気持ちをそんたくしつつあるのですけれども、たいへん四月のほうに傾いておいでになるので、ぜひ四月まで踏み切っていただきたい。重ねて申し上げておきたいと思います。
○佐藤(達)政府委員 検討しておりますのは、やはり五月のほうが正しいのではないかという方向の検討はしておらないということでございます。
○大出委員 四月のほうが正しいという検討をしておられるということになりますな。わかりました。 ところで、国家公務員災害補償法と関係をいたしまして退職手当という問題があるのでありますが、三十五年以来あまりたいしたことをおやりになっていない国家公務員等退職手当法でございまして、このあたりについて実は総理府に承りたいのでありますが、退職手当につきましては、調査を私は予算捻出でやれとだいぶ攻め上げまして、たしか三百万かそこらの金でございましょうが、調査はおやりになったわけでありますけれども、総理府のほうで退職手当問題は決着がつきましたか。
○宮崎(清)政府委員 御指摘の退職手当の調査はすでに昭和四十一年に人事院にお願いいたしております。その際におそらく当委員会でもいろいろ御質問があったかと存じますが、民間と比較いたしましてむしろ国家公務員のほうがいいのではないか、こういうような調査でございましたので、そのときには特別の改正はいたしておりません。その後また五年たちましたものですから、昨年からことしにかけまして、同じように人事院に民間の退職手当の実態調査をお願いしたわけでございます。人事院たいへん御多忙でございまして、実はもう少し早く結果がわかることをこちらは予定しておりましたが、現在、人事院のほうで集計が終わりまして、いろいろ調査をやっておられる段階と伺っております。
○大出委員 これは総理府の皆さんに申し上げるのですが、自分のところで調査する能力もなくて、何で一体人事局は権限の中に退職手当までふんだくって持っていってしまったんですか。人事院にこれを返しませんか。
○山中国務大臣 これは権限としてどらちに移すという問題でもないだろうと思います。退職手当の問題は、国家公務員の条件すべてに対する所管である人事局、総理府というものが責任を持ってやったほうがよかろうというだけのことです。法制上の問題は別として、人事院のほうから退職手当について独自の調査もやればできるわけですから、そこで意見の申し出等があるというケースも禁じているものではないと私は思うのです。ですから、そこらのところは有無相通じながら、手足がないのにといったって、総理府人事局に退職手当調査のために人間をふやすこともどうかと思いますから、人事院にお願いしているというだけのことでありますから、そこらのところはお互いが、別段、そっちでやっちゃいかぬとか、自分のほうでやるとか、そういうようなきびしいと申しますか、セクト的な考え方を持たないで協力し合っているというふうに御理解願いたいと思います。
○大出委員 総務長官はそうおっしゃいますが、これは歴史がありましてそう簡単にいかない。ILO特別委員会が国会の中にできて、倉石さんが当初委員長で倉石試案をお出しになったのです。いまだから申しますが、われわれが便せんにいろいろ書いて倉石さんと相談した倉石試案の中身というのは、この人事局の発想は当初倉石さんが出した。そこで、それでは人事局というものをのもうか、そして倉石さんのほうの考え方というものを受け入れて、逆に首になった職員が役職員になれないというほうを片づけるかというやりとりが実は長く続いたんです。このときに、人事局というものは一体どういうものをやるんだということで、その分限、所掌の中で分けていった。ところが、倉石試案の段階は、倉石さんとわれわれで話して出したんですから、どうということはないのだけれも、さてほんとうに四条三項、五条三項が通る通らぬということになったときに、人事院からみんな持っていっちゃおうというのです。いろいろないきさつが当時あった。われわれはなるべく人事院に残しておきたかった。そういうやりとりがずっとありまして、結果的にそういうことになっているわけでありますから、この辺で退職手当というものはほんとうは人事院の所管のほうに残しておいてしかるべきもの、私はこういうふうに思っておるのです。 ただ、ここで一つだけ、いま長官の答弁から出てまいりましたから、答弁はそれでいいのでありますが、そういうふうになっているからと言いながらも、人事院が意見を申し述べることがいけないのではない、こういまおっしゃった。そこだけ実はとっておきたいので、私はいまこういう質問をしているのです。 人事院の意見は出しません。所管じゃございませんから。だから、その調査したものをぽんと人事局にほうり出してしまったというだけじゃ困るのです。いいですか、長官、私はいまそこがほしかったから聞いているので、あなたは、人事院が意見を出しても一向差しつかえないとおっしゃった。そういう意味で、人事院が退職手当の集計をなさったんだから、しかも総理府人事局、人事院研究課というのは、人についても兼務のようなかっこうでおやりになっているから、これも妙な話だと思うけれども、ひとつ意見を人事院のほうから明確に付して出すという手続をこの際おとりいただきたい。総務長官のほうもそういうふうにお願い申し上げたい、こう思いますが、そこらの点はいかがですか。
○山中国務大臣 私の答弁は間違っているとは思いませんが、国家公務員法の第二十三条、「人事院は、この法律の目的達成上、法令の制定又は改廃に関し意見があるときは、その意見を国会及び内閣に同時に申し出なければならない」ということですから、公務員の給与等に関し意見がある場合において、人事院が勧告の形でない意見を申し出ることは、相当広範な立場が与えられておると思います。現にいま審議願っている公務災害補償の問題も意見の申し出でありますから、これはそうあまりきつくなわ張り意識的に考えないで、人事院も意見を申し出る前に、意見を申し出る用意がある、政府のほうが実施をしない姿勢を示すならば意見を申し出ますよとか、あるいは、われわれはこういう意見を得るに至ったが、政府のほうで人事局でやりますかとか、そういう話し合いは自主性をおかすものではないと私は思いますから、そういう意味で活用していっていいと思うのです。法律上間違いじゃないと思います。
○大出委員 私は、本来人事院制度というものも、あるいは総理府人事局というものも、公務員諸君の待遇を含めて、つまりよくしていこうという筋ですから、だから法的にいろいろあることは私も承知でありますが、なるべく効率的に働けるようにという気持ちでございますから、とやかくは申し上げませんけれども、ここでひとつ人事院総裁に、事、退職手当というものをめぐりまして、つまり国家公務員等退職手当法について意見を申し出るお気持ちがございますね。
○佐藤(達)政府委員 これはいま総務長官がお答えしましたとおり、法律の条文からいうと、意見を申し出ようと思えば、わがほうとしてはそれが可能であるということで考えております。ただ、勧告と意見とは違う、表現は文字としては違いますけれども、われわれの立場から申しますと、いやしくもわれわれが責任を負って意見書を国会及び内閣に提出を申し上げたということになれば、勧告の場合と同様に、それは完全に実施していただかなければ、われわれの立場というものはなくなるので、やはりそれだけの責任のあることでございますから、その検討の結果、これは自信をもってぜひお願いしようという結論を得るようになれば、それはわれわれとしてもじっとしておるべき形ではない。ただ、勧告の場合はほかに主管庁というものはありませんけれども、そのほかの場面については、いまのたとえば退職手当のような、あるいは退職年金についても同じであろうと思いますけれども、これらについてはれつきとした主管庁がおられるわけでありますから、それだけにまた横合いから意見を提出するには慎重を期さなければならない、そういう気持ちを持って問題に臨もうという気持ちであります。
○大出委員 だから私は先ほどの議論をするのですよ。いま総裁が最後にお答えになったその考え方があるということになと、これは問題だ。そんなら何で人事局が全部やらないんだということになる。これは所管庁がある、それはどこだ、総理府人事局である。所管庁があるから、横のほうから意見を言うのはいかがなものかという気持ちがある、あえて申し出ることはできるけれども。これが困るというのです。私はだから、人事局で何もできないなら、そんな権限は人事院にやってしまえと言うのです。そうなれば、ほかには所管庁はないんだから人事院は責任上自信を持って出す。人事院で出さなくたって、主管庁は向こうだから、向こうさまがやるんだから、頼まれたことだけやっておく、そうなったんじゃ困るから、私はそこは明確にしてもらいたいとさっきから申し上げております。そんないいかげんな、中途はんぱなことは困りますよ。これはどうですか。
○山中国務大臣 私どもの人事局のほうは、責任のがれで人事院に調査をお願いしているわけではないので、そういう正確な資料を収集するのに一番習熟して、手足を持っておられる人事院にお願いをしておるということですから、それを受けて私どもの人事局の責任においてその措置をとる。それが、人事院で自分たちが調べてみて、少しおかしいと思う場合、これは公式、非公式の意見もあるでしょうし、そういう意味において別段こだわっていないというので、人事局がその調査機能まで持たない、能力がないということで人事院に移すと、今度は、人事局はそういうようなものをきめる権限、能力に乏しいのか、不足しているのか、そういうことはない、私はそう思うのです。
○大出委員 人事院が給与の実態調査をやるという一つの機構を持っている。人事局にはない。それじゃ、退職手当というその権限、分限を人事局は持っている、その法律のたてまえからするならば、手足を持って、調査能力がちゃんとあって、ちゃんとしたものをやらなければ公務員諸君に気の毒ですよ、これは。そうでしょう、権限があるんだから。あって能力がない、そんないいかげんなものを置かれたんじゃ、公務員の側にとってはたいへんな問題ですよ、これは。法律上、やる責任があるならば、やれるようにしなければならない。あたりまえですよ。直接的に法律上の責任が人事院にない、その人事院にものを頼む、そんなばかなことはない。人事院には自分の所掌に基づいてやらなければならぬことは山ほどある。給与のことだってそうだ。さっき、うしろのほうからお答えになった人事局の局長は、人事院は忙しいからと言う。それだけ忙しい人事院に、自分のところの権限でやるべきものを乗っけていって、それで今度、人事院が公務員全体に対してやらなければならぬ、たとえば住宅手当をどうするかとか——これはあとから聞こうと思っていましたが、この調査の中に何と何と何が入っているか。そうすると、調査能力もあるからやるということがちょいちょい出てくる。それだけの退職手当のことを人事院にやらしたら、人事院には事務能力の限界がある。そうなると、どうしても手が抜ける。そのことは公務員に対し責任を果たしてないことになる、人事院も、総理府の人事局も。そういうぬえみたいなことをやっておっては、これは公務員に相すまぬですよ。そんなばかな話ないじゃないですか、権限がないのにやれという。そうでしょう、実際に。それで今度、人事院がお忙しいようだからという、そういうばかげたことはないだろう。 だから私は、この場の結着としては、中身がどうなるかという問題は残っています。だけれども、結論が出て、その場合に他の責任官庁があるのにいかがなものかということを人事院が考えるというようなものをつくってもらっちゃ困る。ちゃんと意見なら意見というものを出してもらわなければ……。だから、そこが心配だから私はさっきから何べんも言っておる。この点は総務長官、いかがですか。無理がないでしょう、私の言っておることは。
○山中国務大臣 意見としては無理もありませんが、経過を踏まえて見ると、私も倉石試案からあなた方とやりとりをした詳しい経緯はつまびらかにしておりませんから、そこに触れるのはやめますが、大蔵省が退職手当の主務官庁である。それがやはり人事行政のあり方というものの議論の中において、総理府に人事局というものを置いてそこでやるという、主務官庁の所在を明確にしたいきさつがあると私は思っております。ですから、調査能力があるないの問題ではなくて、責任は人事局がとりますということにおいて、その調査の手段を人事院に押しつけているわけではないんで、人事院がそれに対して気持ちよく調査の仕事をしていただいて、一応助けてもらっておるということでありますから、その調査結果を曲げるようなことをしたり、あるいは、こういう調査をやってはならぬとか、あるいは、その結果、意見を申し出ることがあっては困るとか、そんなことは何も言っておりませんで、やはり私どもは、人事院のその権威の上に立った調査というものを受けて、そうしてそれが人事院から見ても、自分たちの調査結果が生かされた行政というものが人事の管理の上で発揮できるということであれば、別段、現在の人事局がそういう中途はんぱなぬえみたいなものでおかしいということは言えないのではないかと思います。
○大出委員 そんなことを言ったって、人事院は退職手当を所管してないでしょう。別にちゃんと所管があるでしょう。もうきまっているでしょう。退職手当の仕事を人事院がやらなければならぬ責任も何もないのです。こだわっているわけじゃないですよ。私は心配だから言っているのですよ。筋道から言うと、何かやはりほかに所管庁があるとなれば、それは人事院だってやりにくいでしょう。あえて忙しいのを買って出てやるにしても、それは気の毒な話です。 私は給与局長をながめておって、いつもそう思うのですけれども、ずいぶん苦労しておるのです。そうでしょう。からだこわしはせぬかという心配を、あなた見てするのですよ。給与課の方々だって、渡辺さんおいでになりますが、このいまから調査する勧告時期までの間というものはたいへんな努力でしょう。それは予算官庁なんかだって、予算編成のときにはいろいろな苦労がありますよ。だから、そこらを私は心配している。そこへもってきて、いままで尾崎さんと退職手当の話をしたこともありますが、何か話の間にぽんと出てくるのは、所管官庁があるからということです。その意識が常にあるということを非常に公務員諸君のためにいつも心配をする。だから山中さん、そう言ったって、いまそうなっているのはしようがないけれども、しかし現実に仕事をしてもらっておることはたいへん御苦労なことでありますし、人事院にやっていただいていることも事実でございますから、だから、さっきの総裁の答弁の最後にひっついている、所管官庁はほかにありますから横のほうから意見を申し出ることはいかがなものかという気もある。こういうものが出てくると、これは私はたいへんに大きな問題だと思う。深刻なんですよ、退職手当というのは。職場へ行ってみると、やめたくてもやめないで待っている人は公務員の中でたくさんいるのですから。そうでしょう、調査して知っているのだから。それが何か、その調査の衝に当たった人事院の皆さん、所管官庁は向こうにあるからという、そういう気持ちにいつもあるということになると、私はやっぱりこれは心配せざるを得ないのですよ。だからこの問題を持ち出して聞いているわけですよ。 だから私は、これは中身の話はあとで触れますが、総裁は、自信があるならば当然これは意見を申し出るべきものであると、こう考える、そのかわり、これは完全に実施してもらわなければならぬ、こうおっしゃっている。それは人事院としては、他に例のない独立権限を持っておる官庁でございますから、そこが公務員給与全般を所掌しているんだから、所管官庁が向こうにある、その中であえて意見をお求めになるとすれば、これこそまさに完全実施してもらわなければ人事院の立場はない。そういうむずかしさがそこにあると私は思うのです。それがことのはにお出になったんだと思う。だから、それだけに総務長官のところで、そこのところは公務員にプラスになるように、その扱いについてはお考えいただきたいものだ、こういう気がする。 私は、だから念のために、かつて予算の分科会のときにこの問題を取り上げて、あっさり質問を三十分いたしましたが、総務長官はそのときに、私にこういう答え方をしている。調査費をかけて調査した以上は前向きにやろう、調査費をかけて調査をしたんだからそのようにお含みください、こういうことだった。だから、長官のその前向きの姿勢を、私はそのまま受け取っておった。それならば長官の立場で、事、機構上何かどうもぴたっとこないものがあるんだけれども、総務長官としては人事院の皆さんに、そっちで調査をし、そっちで集計をし、そっちでその数字をはじいたんだから、したがって調査結果というものに基づいてちゃんとしたものを出してくれ、意見を付して出してくれ、というふうに長官がそこのところはお考えおきいただかぬと、何かしらぬけれども、頼まれ仕事だからやってみた、こういう結果になりました、さあ人事局どうぞというので渡しました、それでおしまいになったんじゃ、これは、ものごとがそのあと前向きに進まない、こう思いますので、そこのところはいかがでしょう。
○山中国務大臣 総理府の人事局というものは、やはり公務員のために置かれているわけでありますから、ときには管理体制その他で意見を異にする場合があるかもしれません。しかし給与に関する限りは、やはり公務員のための各種の身分保障その他を一生懸命考え役所といえば総理府の人事局であるということは、これは否定できないわけです。 そこで、調査能力の関係でお願いしていると言いますけれども、たとえば総理府には統計局があります。人事局と統計局、違うといっても同じ総理府ですから、統計局に頼んでその種の調査が不可能だとは思いません。しかしやはり、公務員給与の実際の勧告をしてもらう人事院というものが、その調査に習熟し、そしてまた、どのような対象からどのような手段でどれくらい拾い上げれば正確なものが出るということは、ほかにだれも及びつかないほど専門の人たちのそろっているところですから、そこにお願いをするということは別段差しつかえないと私は思います。 ただその際に、調査をお願いした以上は、必ずその調査結果は、責任をもって調査したのだから意見の申し出に直ちに直結して——意見の申し出というものを前提にした調査であるということになりますと、それは、意見の申し出をしてもらってもけっこうですし、あるいは、意見を申し出るかわりに、こういう調査が真実の実態であるということを出してもらって、それを人事局が故意に曲げたり、調査結果というものを否定をするようなことをしたりするようなことがあれば、これは人事院が自主性を発揮される日もあるかもしれません。しかし私たちとしては、そのような気持ちはありませんから、何のための調査をするんだ、民間の退職金の状態というものと現在の公務員の退職手当について、これはどうも公務員としておくれている実態がそうであるならば、それは直すことにちゅうちょしないというつもりで調査費を取ってお願いしているわけですから、目的は一緒ですので、そのやり方が間違ったり故意に曲げたりということであれば、当然、人事院が本来の法律上可能の範囲の苦情や意見を申し述べられるだろう。そのときにはおそらく、人事局の立場、総理府というものが、それはおかしいじゃないかということの天下の指弾を受けることになるだろうと思いますから、そういうことがないように実務上やっていけばよろしいと思います。
○大出委員 深くこだわる気はないのですけれども、何べんか権限の話が出てきますので私は心配をする。これは当然だと思うのですよ、私がこういうことを言っているのは。だからそこのところは、意見が申し述べられるということになれば、それは当然政府にも国会にも申し述べられることになるわけですから、公になります。ところが、官庁の間で取りそろえた資料がぽっと行ったままでは、これは公のものじゃない。人事院の権限がないということになるとすれば、その資料をながめた人事局が、これはどう考えるか知らない。人事院のほうは頼まれただけであって、ものを差しはさむ余地はない。権限は向こうにある。だから私は、いま長官が言った筋ならば、人事院が責任を持って調査する、その能力があるからやっているんだということなんですから、一番よくわかっているのは人事院なんですから一番よくわかっている人事院がやはり、こういう結果ですということを世の中に明らかにしてもらわなければいかぬ。それでなければ、われわれは、一体公務員はどうなるのだと言わなければならぬ。 そういう意味で私はさっき問題を取り上げたので、いずれにせよ、人事院が調査能力を持ち、その道に熟達している方々がそろっている。だから、調査した結果が出たことについて、人事院はやはり、はっきりこういう結果なんだということを世の中に明らかにする必要がある。その上でそれをどうするかということについては、まさに山中さんの責任において、閣内という問題もございましょうし、予算官庁もございましょうが、どうするか、これが筋だと私は思う。そうでないと、やみからやみでは、これは困る。だから、こだわるようだけれども、私はこの点を取り上げているということなんです。もう一ぺんひとつ人事院の側からもお答えいただきたい。また人事局の側からもお答えいただきたい。いかがですか。
○佐藤(達)政府委員 調査そのものの問題は、いま総務長官の答えられたとおり、私ども全く同感でありまして、私どもとしても、頼まれたからというような根性でしぶしぶやっているというような調査ではございません。やはり関心を持ちながらやっております。しかしその調査結果は、形はやはり完全にわれわれのイニシアチブによってやった調査ではございませんから、これは仁義の上からいっても、筋からいっても、まず総理府に、これはこういう結果が出ましたよということを申し上げる。したがってまた、発表されるかどうかも、おそらく総務長官のところの御判断によってきまることだろう、筋はそういう筋であると思います。
○大出委員 だからその筋が私はどうも不納得なんですよ。これはあげ足じゃありませんが、人事院が、こういう結果が出たということを総理府に持ち込んだ場合に、総理府が発表されるかどうか、ここまで含めて、これは総理府の権限、責任だということになるとすると、公式にものを考えれば、人事院が集計をし、いまおっしゃるように、頼まれ仕事というつもりでやっていない、公務員の給与であるから責任をもってやる、関心をもってやる、一生懸命やった。やった結果について、それは世の中に日の目を見ないことだってあり得る。それでは困る。だから冒頭ああいうことを私は言ったわけです。いまのやりとり、いま筋から言うと、これは私はちょっと引き下がれぬです。これは何と言われても、人事院が、長官がさっき意見を申し上げることができるとおっしゃっているように、それはイニシアチブは、事、権限という問題とからんで人事局にあったとしても、実際にやっているのは人事院がやっていることに間違いないのだから、まず人事院が責任をもって集計の結果を明らかにする、ここまでしてもらわぬことにはどうにもならぬ。長官、いかがですか。
○宮崎(清)政府委員 先ほど、総務長官、それから人事院総裁から御答弁ありましたように、人事局といたしましては、一番適確であると思われる人事院に調査を依頼したわけでございますから、おそらく人事院からきわめて客観的な正確なデータをいただけるものと思っております。これをもちろん、ためるとか曲げるというようなことは毛頭考えておりません。その調査の結果に基づきましてとるべき措置があれば、私どもとしては、検討してそういう措置をとるということに努力いたしたいと思います。
○大出委員 そうすると、いま、意見を申し述べるか、申し述べないか、申し出るかということは、まだペンディングになっているわけですね。人事院としては、申し述べないということではないですね。そこはいかがですか。
○佐藤(達)政府委員 先ほど申し上げましたように、われわれとして、これは捨て置けない、しかも処置としてはこういう処置が一番適切であるという確信を持てば、その結論を何らかの形で人事局にお伝えする。これは何も意見の申し出という四角ばった形しかないものではないのでありまして、かたき同士ではございませんから、こういう結果が出ましたぞ、これは何とかしょうやという形でお打ち合わせすることもありましょうし、いろいろな場面がございます。まずい数字が出たなということも、これは理論的にはあり得ることです。しかし、いま、意見を申し入れをするとかせぬとか、そういうことを申し上げる段階ではないと思います。
○大出委員 いまこういう段階だと総裁に断定的にものを言われてしまいますと、私は非常に大きな疑問を残しておりますから、いままだ、そういうことを断定的に申し上げる段階ではないということで、この場のところは決着にしておきたいと思うのでありますが、私が心配する、言わんとする趣旨は、総務長官にもおわかりいただけると思うのでありますが、ぜひそこら辺、意のあるところをおくみ取りいただきたい、こう思うわけであります。時間の関係もございますので、先に進みます。 さてそこで、人事院の退職手当に関する調査が結果的にどういうことになったかという点ですね。これは、もう時間がありませんから私のほうから言いますが、予算の分科会で私が質問をいたしましたときに、尾崎さんは、いろいろ仕事の都合その他もあり、今週はそこまで進めることができませんでした、来週大体集計が出てくるでしょう、こういう趣旨の御答弁でございました。これは予算の分科会でございますから、もうだいぶ前のことであります。私はその後、その来週、このあたりでどういう決着がつくかと思っておったのでありますけれども、いまだに公式にははっきりしたことを承っていない。どうも公式にはと申し上げたのでぐあいが悪いかもしれませんが、いずれにしても承っていない。そこで、あれからこれだけ日にちがたったのでありますから、どういうことになったかという数字があれば承りたいし、ぐあいが悪いというなら、こんなふうな傾向だというくらいは言っていただきませんと、予算の分科会のどきに来週という答弁があるのですから、私も立場上非常に困るので、そこで一体、差しつかえがどこまであるのかということを踏まえて御答弁をいただきたい。
○佐藤(達)政府委員 差しさわりがあるのかどうか、それ自体は私にはわからぬので、申し上げてもちっとも差しつかえないのではないかと思いまして、出がけにちょっと局長に様子はどうだいと聞いてきておりますが、要するに、実施調査に行きました分は、大体相当のところまでいっておる。ただ、文書で相当の数のところへ、千何十社ですか、お出しているのは、これはいかんせん、まだ回答が来ないところが相当あるということで、そのほうの督促その他の措置は講じておりますが、要するにわれわれの満足し得る数のパーセンテージの回答、パーセンテージというか、回答率までは——大事なことですからそこははっきり申し上げておきますが、回答率はまだはかばかしくない。いつごろになれば出るのだというところまで、おそらく大出さんお聞きになるだろうということで聞いてまいりましたのですが、まあ六月一ぱいはかかるでしょうなということでありました。
○大出委員 六月なんて、つゆどきじゃないですか。あんまりじめじめされた退職手当になったら私は困るのです。ずいぶんのんきな話じゃないですか。熟達をした調査能力をお持ちの人事院と、先ほど来三回ほどそういうおことばが出ているのだが、にもかかわらず、予算の分科会のときに来週とおっしゃっておって、六月一ぱい、一つ間違えばつゆ明けまでかかるというのじゃ、とてもじゃないが、これを待ってはいられない。また、どういうわけでそうなったのですか、来週が六月一ぱいに。
○佐藤(達)政府委員 先ほど人事局長がお忙しいところをと言いましたが、まさに民間給与調査のほうでは忙しいのでありまして、出かけていって調べれば、有無を言わす回答をとってくることはできるかと思いますけれども、それはできない。しかし、出かけていったものは、実施調査のほう大体目的を達しております。あとは書面によるものでありますから、これは、こっちが出かけていけるならば、もちろんそれは可能かもしれませんが、それはできませんので、やきもきして早く回答が出るようにという努力をしておる、こういうのが率直な実情でございます。
○大出委員 ここでもまた問題がございまして、いま集まらないのは、つまり小さいところにそういう書類を出しておられますね、人事院は。千人未満ですか。それ以上のところは面接なんですね、調査のしかたは。そうすると、まず一つは、公務員の立地条件なり雇用形態なり職員構成なりというものと類似しているそういう企業と比較をすべきであるという原則が出てくる。だからあまり正確でない調査資料を差し上げて回答なんというところはおやめになったらいかがですか。こんな百年河清を待つというものを待ったってたいしたことはない。しかも信憑性という問題もありますね。通信調査というのは、はたして信憑性があるかどうか。民間の場合は、退職手当というのは手のうち処理というのをちょいちょいやっていますから。そうすると、はたして信憑性があるかどうかという問題が出てまいります。 それから数字。面接のほうですな。こっちのほうは、はたしてどこまで信憑性があるとおつかみでございますか。会社に行って担当に聞いた、そうしたら会社のほうがものを言った、これはどこまで信憑性があるのですか。 たとえばこういうことがあるのですよ。いま春闘でございますから、幾ら幾ら賃金を上げた、そのうちで退職金引き当ては六割ですよと会社側が言った。あと四割は退職金引き当てになっていない。それで、やめるころになると、海外旅行とか何とか旅行だといって金を包む。だから退職金組み入れ闘争なんという闘争が民間の企業の組合には起こる。私はそういうようなところに長くおりましたから、よく知っておる。だから民間というのは、表へ出てくるとだんだん減ってきておるのが現実です。そういうことを考えると、どこまでこれは信憑性があるか。人事院のことですから、熟達をされておりますから、隠してものを言っても調べる能力がおありだろうと思いますけれども、面接のほうで、大体傾向としてどんなぐあいの傾向でございましょうか。中労委のモデル退職金などというケースもございますが、どんなふうに動いておるとごらんでございますか。
○渡辺説明員 調査が正確かどうかということでございますけれども、私どものほうは、単に行って聞いたという、向こうの言うことをうのみにするということではございませんで、それと同時にたんねんに規程等も当たっておりますし、実情も詳しく聞いて、単なる正規の退職金のみならず、付加金等もあわせて調査しております。それから通信調査等の面につきましても、向こうから言ってきたものをそのままうのみにするということではございませんで、疑問のある点はとことんまで聞く。場合によっては、近いところは、通信調査の分も出かけていって確かめるという手段も講じておるわけでございまして、そういう点でちょっと作業がおくれたというような点はございますけれども、いずれにいたしましても非常に大事な調査でございますから、事は正確を要するという意味で、正確ということを旨として現在作業を進めているわけでございます。そういうような意味におきまして、少なくともこちらは非常に正しいものを出したいということで考えておりますので、一応現在の段階で得られるデータとしては、相当信頼するに足るものではないかというふうに考えておる次第でございます。
○大出委員 数字についてはまだ言える段階でない、こういうわけですか。言えるか、言えないか、聞いておきます。
○渡辺説明員 数字につきましては、集計のやり方なり、あるいはそれと比較いたします公務員の実態のほうをどういうふうに見るかというようなことでいろいろ検討すべき問題がございますので、数字につきまして現在まだ最終確定に至っておりませんので、ここで申し上げることはお許しいただきたいというふうにお願いしたいと思います。
○大出委員 これは一つの傾向がありまして、公務員の採用の時期その他移り変わりが幾らかあるのでありますが、終戦直後に人が一ぱい帰ってきたわけでありますから、昭和二十二年から二十三年、このころにたいへんたくさん公務員を採用していますね、歴史を見ますと。この方々は大体四十歳から五十歳ぐらいに今日なっているのだろうと思うのですけれども、その後十年ぐらい人はあまり採ってないのですね、傾向を見ますと。そして三十五年ごろから採り始めているわけです。そうすると、二つ大きなグループがあるわけですね。それで、大体最初のところの方々がぼつぼつ退職年齢に近づいてきた、いまこういう時期なんですね。そういう点から見ますと、いまの給与問題、家の中の家族手当その他のことから、あるいは家を出て役所に通う交通費であるとか、それから今度は住む家であるとかという形で、生活給という形の流れがずっと強くなってきているという傾向がある。それが人事院というところを中心にして一つ一つ形がついてきた。そうすると、さて何が今度残ったかというと、まさにいま申し上げた公務員の態様から見て、退職手当というところに問題が集中してきている感じがする。だから、職場の皆さんの意見も、退職手当は何とかなりませんか、まだそれまではっとめていなければならぬ、こういうことになる。これは地方公務員を含めまして一般的な傾向です。ですから私はその意味では、いま渡辺さんお答えになりましたけれども、この点はたいへんに重要だと思っているのです。また、機会としてはこの機会をとらえないと、ちょっと簡単に次の機会が見つからないという気が私はする。だから、どうしてもこの退職手当問題は前向きに御処理を願いたい、公務員諸君のために。 そういう考え方なんですが、さてそこで問題は、大蔵省の方にもおいでをいただいたわけですが、私も二、三当たってみましたけれども、大蔵省の主計局筋の皆さんは、どうもあまり退職手当に積極的に取り組むお考えがおありとは見えない、こういう心配がある。心配でございますから、そうでなければありがたいのでありますが、これは世の中、妙なもので、主計局あたりにおりますと、私もおつき合いのある方もおりますけれども、うっかり口を開くとよけい取られてしまうから損だという習慣があって、なかなか口を開かないのです。だから、主計局においでになる方々はあるいは言わないのかもしらぬ。しかし、主計局から外に行くと、その方は、退職手当ぐらいは上げてもらわないと困るよ、こう言われる。そこらあたりは習性であろうと思うのですが、さて、退職手当は私がいま言った傾向にあるのですけれども、大蔵省の側として、一体公務員の退職手当について、どうお考えかという点について触れていただきたいのでありますが、いかがでしょうか。
○吉瀬政府委員 私ども、やはり退職手当というのは、公務員の非常な勤務の能率とか、あるいは身分上のいろいろな意味の仕事のしがいとか、そういうものに関する非常に重要なる制度であると思います。もちろん退職手当の実態につきましては、人事局が人事院に依頼しました調査の結果で判断しなければいかぬと思いますが、私ども先入観的に、決して退職手当を実態と乖離した低い線にとどめるようなもので判断しようという考え方を持っておりませんことを御了承願いたいと思います。
○大出委員 私が吉瀬さんにお出かけをいただきましたのは、いま申し上げたそこに論点がある。ほうぼうの官庁の関係の方々、私も内閣委員ですからずいぶん幅広く存じ上げておる方があるのですけれども、退職金の問題をお聞きすると、警察庁なぞを含めて、やはり上げてくれなければ困る、こういうふうな御意見がほとんどなんですね。そこで、三官庁の中心においでになる吉瀬さんたちが、これはやはり公務員ですからして、所管をいろいろお持ちでございましょうし、そういう立場でこれは少し前向きでお考えをいただきたい。先ほどの退職金問題を私が執拗に言っているのも、実はこの際何としても決着をつけていただきたいと思っているから言うのでございますが、そういう意味で少しこれは前向きでこれに取り組むという——もちろんそれは人事院がいま調査をされておりまして、権限は人事局にあるのでありますけれども、そこらのところを踏まえまして、大蔵省側もひとつこの際、数字を見てから検討するというのが筋ではございましょうけれども、民間の傾向その他はそれなりに大蔵省もおわかりだと思いますから、そういう意味で、これは人事院の結果を見なければわからぬけれども、何とかひとつ前向きにやってやろう、そこらのお気持ちがほしいのですけれどもね。どうもくどいようですけれども、念のためにもう一ぺんひとつ前向きの御答弁を賜わりたいのでありますが、いかがでありますか。
○吉瀬政府委員 退職手当制度につきましては、繰り返しますが、もちろん、人事局の御調査の結果、これを冷静に、客観的に判断いたしまして、私どもといたしましても、重要なる制度でございますので、積極的に検討していきたいと思います。
○大出委員 積極的に御検討いただくという御答弁をいただきまして、そこだけをぜひひとつそうお答えいただきたいと思っておったわけでありますけれども、お願い申し上げたいわけであります。 退職金繰り入れ闘争ということばを私はさっき申し上げたのですが、民間の企業の中における労働組合と会社側とのやりとりの中に、ここのところしばらくベースアップ六割、七割という切られ方をするものですから、退職金の繰り入れ闘争というものが非常に激しくなっている傾向が一つある。ここらが人事院の調査の中で正確に握れるか握れないかというのが、今度の人事院の調査結果の出方に非常に大きくからんできている、こういう見方を私はするのです。そこらのところを、いま私の申し上げました、民間の手のうち、処理のしかた等について調査をされている人事院の皆さんの段階で、この傾向をどういうふうにつかんでおられますか。相当数こういうものがある、こういうふうにおつかみであるのかないのか、そこのところをまず承っておきたい。
○渡辺説明員 民間の場合には、通常は退職金規程というのがございまして、それできまっておりますけれども、なおその他、慣行等によりまして、退職金規程等で表にはっきり出ておらないというようなものも一部あるようではございます。私どもとしては、それが慣行的に出ておるというようなものでございますれば、それもつかまえるという精神でずっと調査を進めておりますので、少なくとも退職金もしくは退職金に相当すると思われるような金額は一応全部つかんできているというふうに考えている次第でございます。
○大出委員 大体つかんできているということでございますから、人事院の調査能力を御信頼申し上げるということになるわけでありますけれども、さっき六月というお話がございましたが、この六月一ぱいというかかり方は、私はどうも長過ぎるという感じがするのでありますが、そこらのところは、物理的に六月一ぱいかかる、こう見なければならぬわけですか。
○渡辺説明員 先ほど申し上げましたような理由に合わせまして、実は退職金調査を始めました段階で、沖繩公務員の給与の切りかえという大作業がございまして、それに人事院給与局あげて取り組んだというような事情も一部にはございます。その点も御賢察いただきまして、なお、その数字そのものの集計はそれほどやっかいなものではございませんけれども、ただ、その集計のしかたなり何なり、いわゆる民調のように確立された方法があるわけではございませんので、今回新たに、そういう集計のしかたなり、あるいはそれと比較すべき公務員がやめるときのこちらの退職金を一体どういうふうに計算して、どういうふうに合わせるかというような点で、いろいろ問題があるわけでございます。したがって、そういう点を十分検討いたしまして、大かたの納得を得られるような数字を出したいというふうに考えておりますので、一応六月一ぱいぐらいのところは御猶予をいただきたいというふうに考えております。
○大出委員 それでは、あと少し急ぎますが、いずれにせよこれは附帯決議を付していただきたいと思うのであります。その趣旨も後ほど申し上げますが、いままでのやりとりの中で、先ほどちょっと落としましたので、さかのぼって承っておきたいのがあるのであります。 ことしの人事院の賃金調査にあたりまして、扶養手当、通勤手当、住宅手当など、調査項目というのがありますが、特に住宅手当というのは、人事院は本年の調査項目に入れているのか。入れていないのか。いないとすれば、どういう事情でというような点をあわせて承りたいのです。
○渡辺説明員 今回の民調の調査項目につきましては、従来毎年やっておりますもののほか、特定のものといたしましては、扶養手当と通勤手当を取り上げております。住宅手当については、調査項目としては今回は入れませんでした。 住宅手当について入れなかった理由でございますけれども、住宅手当そのものの考え方その他、現在のところでは、公務員宿舎に入っている者の平均の宿舎料を引いていくとか、いろいろな問題がございますが、その後の民間の状況その他を考えてみますと、それほど住宅手当が急激にふえたというような傾向もございませんし、また住宅手当そのものも、実施いたしましてまだ二年目でございますけれども、そんなような状況もございまして、一応調査項目全体の中の——調査能力という関係から、項目をふやすというわけにもまいりませんので、今回は扶養と通勤に限ったというような考え方でございます。
○大出委員 実は、ローンであるとか借金でつくった自分の家を持っている諸君がたくさんいるのです。あるいは借金で家を建てて、夫婦共かせぎで一生懸命それを返している、こういう方がたくさんいる。ところが、どうもそういう支給範囲というものが——前回は制度をつくることに実は私ども重点を置いておりましたし、人事院のほうの傾向もそういうところでございましたから、その後たくさんの不満といいますか、意見といいますか、それが公務員の間に出てきている。持ち家というものに対する配慮がないじゃないか、たいへんな借金をかかえて払っているんだがこれは矛盾じゃないか、こういう意見が出てきております。私も実は矛盾だと思う。だから、そういう意味で実は調査がほしかった。 ところが、一面、どうも公務員住宅の家賃が上がってきている感じがするのであります。これは大蔵省の吉瀬さんに聞きたいのですけれども、何で公務員住宅の家貸を上げることになったのですか。
○吉瀬政府委員 担当は理財局でございますので、私がわきから聞いていることを御答弁申し上げますが、公務員住宅は実は職務と関連のある住宅でございまして、民間の一般公団家賃とダイレクトに横には比較できません。民間の職員給与住宅などとの権衡をとりまして、その関連で、大体両者の構造その他を比較いたしまして妥当な線におさめるということになりますと、若干引き上げざるを得ないという結論でございます。民間とのバランスということでございます。
○大出委員 人事院が住宅手当を考えたらとたんに四千円だというような上がり方になると、どうも妙な感じがするのですけれども。では人事院が、三千円ではうまくないからということで上げた、ところが民間との比較において四千円がまた六千円に上がったということになると、これは一体どうなっているんだということになる。どうもそこらは、担当はあなたじゃないと申されましたからそれ以上詰めませんが、これは私は不納得です。担当の方にあらためて承りますけれども、どうかひとつそういう意見が出ていたということをお伝えいただきたいのです。これは、公務員住宅に入っている諸君にすれば、何だということになるのですから、そこらのところ、どうも自然でない気がするので、あわせて今度は人事院が調査項目から落としたということになると、これまた自然でない気がするので、その不自然さの陰に何があるのかという点を私はのぞいてみたい気がする。それでこの点をいま持ち出したわけですが、これはすっきりするような御答弁のほどを用意していただきますように、ひとつお願いいたしておきます。 そこで、災害補償法のほうに入らしていただきますが、災害補償法の改正が出ているのですが、警察官の場合に公務災害におあいになる方が年間トータルでどのくらいかというようなことを、少し例として承りたいのであります。
○土金政府委員 お答え申し上げます。 四十三年度から四十五年度までの間におきます公務災害の件数を申し上げますと、これは国と地方と合わせてでございますが、四十三年度が一万六千七百五十八名、四十四年度が一万四千九百七十九名、昭和四十五年度が一万二千八十五名。ただし、これは軽いものも全部含めておりますので、このうち、今度お願いしております特別公務災害に該当するのではないかというふうに思われますものを考えますと、これは殉職した場合と障害をあとまで残す、そういうものを含めてでございますが、四十三年度は八十名、四十四年度が五十八名、四十五年度が二十九名、大体こういった数であります。したがいまして、これは最初に申し上げました警察官の公務災害の中の大体〇・二%ないし〇・五%くらいの比率になると思われます。
○大出委員 それをあとで資料でいただきたいのでありますが、差しつかえなければお出しいただきたいと思います。 〔委員長退席、坂村委員長代理着席〕 それから、今回の改正の一つのきっかけになった気がするのですが、これは浅間山荘の例の内田二機隊長さん以下——あの方の弟さんを私はよく知っておりますけれども、あれが一つのきっかけになったような気がいたします。しかし、町のかどで犯罪を犯した人を相手にされる警官の方だって、その中身を見ると、同じ意味で常にいろいろあったということになるわけですね。 なぜこういうことをきっかけに出てきたかという問題の焦点に、二つの問題があると私は思うのです。一つは特別公務なるもののワクの問題なんですが、さっき申し上げましたが、学校の先生が子供さんを連れて海水浴に行った、ところが子供さんが水難にあいそうになったので、先生が飛び込んで助けた、子供は助かったが先生は死んでしまったという場合だってあり得る。ある省の建築関係の方が、自分が設計した一人だからというので、たいへん熱心に工事監督をやった、上から物が落ちてきて死んでしまったという場合だってある。あるいは水防、砂防の工事をやっていて、流されて死んだという問題がある。これは地方公務員なんか特にあります。市町村にもございます。そういうふうに、つまり警務職員だとか特別公務員だとかという方でなくたって、たくさんあるのですね。はたして国家公務員災害補償法のワクというものは、そういうものとの関係で一体どう見るべきなのかという点が、私は前から疑問を持っていた点なんです。ここらあたりを、所管の人事院総裁のほうでどうお考えになるか。そういうところまで手を伸ばせるような措置が必要ではないのか。特別公務のワクを広げるといえば人事院規則に手を触れなければならぬということになると思うのでありますが、私はむしろそのワクをはずしたらいいのじゃないかという気がする。やはりいま官房長がおっしゃられたような具体的事例があるのですから、中心はそこにあっていいですけれども、しかしそうでない、いま私が幾つか例にあげたようなことについても、やはりそれなりのことは考えられるというふうな制度が必要なんじゃないかという気がするわけであります。つまり、これはその意味でワクが広がるから、人事院規則との関係どうするかという問題ももちろんあると思いますけれども、そこらのところをあわせてお答えいただきたい。
○佐藤(達)政府委員 浅間山荘がきっかけではないかというところからお答えをいたしますけれども、浅間山荘事件は二月で、この意見書を出したのが三月、ごくわずかの間しかないわけです。浅間山荘から急に思い立ってやったのでは、時間的に申しましても間に合いません。よけいなことを申しますけれども、早くから事の重要性を認めながら、私の部内にも、この関係の公務災害補償関係の協議会みたいなものを四十二年から続けております。警察庁でもそういうようなものを設けられまして、四十六年の七月ですか、一種の結果を得ておる。そういうようなことを踏まえまして、私どもは準備を進めてまいって、ちょうどたまたま、いま御指摘になりました、新聞の紙面をにぎわそうとにぎわすまいと、新聞の片すみにも載らないけれども、年々このケースに該当する隠れた人たちもおるはずだ。そういう意識で作業も進めてまいったわけであります。 そこで、範囲の問題になりますけれども、私どもが一番気にいたしましたのは、御承知のように、公務災害補償法では民間の労災関係と均衡を失しないようにしろという至上命令的な条文があります。それにとらわれておりますと、なかなか範囲の問題などもむずかしい問題が出てくる。そこで、ここで今回意見書に取り上げましたような、警察官、あるいはこれに準ずるような人たちというものは、これは民間どこを見ましても、そのものずばりの職種はない。これは卒先して取り上げてあげていいのじゃないかということから、しぼった形で出てまいっております。 公務災害としては、たくさんいろいろなケースがございます。たとえば、いま高所作業で仕事中に落ちて事故を受けられたというようなこともおっしゃいましたように思いますけれども、これなどは、普通の通常の場合の公務災害のむしろ典型的な例でございます。たとえば病的脳出血、心臓関係で役所でなくなられたといっても、役所でなくられたからといって、必ずしも公務上の相当因果関係があるとも言えないじゃないか。いまから考えてみますとたいへんお気の毒だと思いますけれども、たとえば、私の前任の入江総裁はとにかく役所で倒れられたわけです。われわれとしては、やはりお医者さんの専門家というものを動員して、それらの相当因果関係を調べてもらっておるわけですが、どうも公務そのものから来る相当因果関係はないのじゃないかということで、涙をふるって公務上ということにしなかったわけであります。したがって、その裏から申しますというと、実は工事場で事故を起こされてけがをされた方がむしろ典型的な例でございまして、そのほうの手当てを手厚くすべきじゃないかということはもうちょっと次の段階にわれわれ考えておりますということを、まず申し上げておきたいと思います。
○大出委員 百分の百二十五を百分の百五十にするということなんですが、本来これは大蔵省にお答えいただけばいいのかどうかわかりませんけれども、予算的にはこれはどのくらいかかるものでございますか、大体年間この種のケースで。もちろん、一時金と年金ですからつかみにくいのでありますが、どういうふうに承ってどう聞けば中身がわかりますでしょうか。
○島政府委員 地方の場合はどの程度発生するか、主として警察官は大部分が地方公務員でございますので、国の場合、特別公務に該当する事例と申しますのは、実はそう多くはないというふうに予測しております。私ども今回警察官、海上保安官、皇宮護衛官、監獄官吏、麻薬取締官及び入国警備官、こういった六職種の方について特別公務を適用していただきたい、こういうことで立案したわけです。かりにこういう方々の発生件数が年間一件ずっとしますれば、所要経費は約百十万円程度のものというふうに考えております。
○大出委員 あまり予算のことを考えないでもいいような気がするのでありますが、そこでこれに矛盾を感ずると申し上げたもう一つの点は、私は官庁をやめましたからあれですけれども、官庁の中で死んでしまうよりは、銀座の町かどで交通事故で自動車にぶつかって死んでしまったほうが、あるいは航空事故あたりのほうが、これは残った人はたいへん有利だということになりかねない感じがする国家公務員災害補償法だ。なぜかというと、自賠責などの先例がございまして、いま民間でも死亡見舞い金という形のものが次々に考えられております。ここに私、労災補償獲得統計という表を持っておりまして、遺族補償等あるのであります。つまり民間の死亡見舞い金の案件がずっと産業別にあるわけでありますが、労災のほかに五百万円といった形の見舞い金をもらっている。至るところそれはあるのです。ずいぶんたくさん出ている。それから地方自治体なんかも、条例で地方公務災害のワク外に、この自賠責なりあるいは民間の見舞い金等の例からいきまして、別ワクで三百万円とか四百万円とか五百万円という形。六大都市はみなそういう傾向でありますが、そういうことになってきておる。だから国家公務員の方が、ぽっかり庁内でなくなったというような場合に、これは一体何がもらえるのかと考えてみますと、どうもたいしてもらえない。死んだとなると、遺族の方に遺族年金、これが出てくる。あるいは退職金、こんなもので、たいしてもらえない。ところがどうも、自動車だ何だで銀座の町かどでの話になりますと、五百万円ぽんと別にもらってくる。そうなると、どうも死に方も考えなければいかぬということになるのですね。どっちが得か考えて死ななければならぬ。どうもそこらのところはたいへんに矛盾ではないかという気が実はするわけであります。だからそうだとすると、この際人事院が御検討いただいたのはいいのでありますけれども、やはりこの改正法案を上げるにあたっては、何か附帯決議みたいなものをおつけおきをいただいて、公務災害による遺族補償、退職後の生活保障、こういうものの実情にかんがみて、これは少し何か考えなければいかぬという気がするのであります。いまのところ、所管の人事院のほうで、このあたりのことをどんなふうにお考えでございましょうか。
○島政府委員 まずこまかい点から申し上げたいと思うのですが、自賠法でも死亡の場合五百万円というお話が出たのでございますが、わがほうの場合、災害補償でいわゆる遺族補償年金、これと比較した場合にどうかということを申し上げたいと思うのでございますが、現在、遺族補償年金受給者、これの給与額の平均が約二千二百円余りになっております。遺族三人の場合を想定いたしますと、平均余命約三十一年間受給するというふうに仮定いたしますと、総額一千万以上になるということでございますので、年金と比較いたしますれば、自賠法の五百万円と比べて必ずしも低くはないということをまず申し上げておきたいと思います。 ところで、いまお話しの死亡見舞い金なるものの性格あるいはその処理についてどういうふうに、考えておるかという御質問でございますが、この性格が慰謝料的なものか、あるいは表彰的なものとして出しているのか、いろいろ性格づけが非常にむずかしいと思います。したがって、そういう内容のものについて、私どもでも民間の実態を十分調査しなければならないというふうに考えておりますが、少なくとも補償法の中で処理すべき問題かどうかという点については非常に疑問に思っておる次第でございます。
○大出委員 幾ら疑問に思われても出ていることは現実で、それをふところ勘定からいけばもらっているわけですし、この現実は否定できない。そうすると、そのことについて災害補償法で処理ができないとするならば、何かでこれは考えなければいかぬ、これだけは間違いない事実です。そこは、差があるのですから、金ですから、ことはよけいもらうかもらわぬかですから。だから私は前から言うように、それならば退職手当についても、その周辺でもう少しよく見ていかなければ、遺族の皆さんの——生活保障という面ではまだいいのですよ、遺族年金でなければ。一時金なんかなら、本人はまだいるのですから、けがされたって何したって。そうでなければこれはたいへんにひどいことになる。たとえば最低限度でいえば四割ですから。半分だって二割ですから。そうなるとこれはやはりなくなった方——なくならない方ありますけれども、何かもう少し遺族のことを考える必要がある。公務員というものは悲しいものであったということじゃ困ると私は思っているのです。そこでせめて何とか前向きに退職手当などももう少し何とかならぬか。我田に引水するわけではありません。皆さんも公務員ですから。私は公務員じゃないですから。だからどうしてもこのあたりでひとつ退職金なども上げたいというふうに思っているのですよ。 そこで、時間がたいへんどうも少ないところで長くやっておりますので、どこかで決着をつけたいのでありますが、この災害補償法の改正案をめぐりまして、まず一つは、特別公務の範囲について、これは警察官のみならず一般の公務員に対しても、危険をおかして遂行する業務に何らかの形で適用できるようなワクの拡大、さっき私が言ったような意味にお取りいただいてもいいのでありますが、そういう面が一つ附帯決議という形で私はこの際出しておいていただきたいと思います。これはさっき例をあげてしまいましたから、もちろん人事院規則並びに政令という問題もございましょうが、人事院の都合もありましょう。そこら辺はもちろん聞かしていただかなければなりませんが、その問題が一つございます。特別公務の範囲については、警察官のみならず一般の公務員に対しても、危険をおかして遂行する業務に適用するよう配意すること、こういう文章になると思います。 それから二番目に、民間における企業補償、それがどういう性格であれ、もらうことは間違いない死亡見舞い金などでございます。民間における企業補償の実態にかんがみ、公務に対しても公務による死亡見舞い金等を支給すること、こういう文章にしていただきたいと思うのでありますが、民間における企業補償の実態にかんがみ、公務に対しても公務による死亡見舞い金等を支給すること。 三番目に、公務災害による遺族補償、退職後の生活保障の実態にかんがみ、国家公務員退職手当法の改善に特段の配意を講ずること。もう一ぺん言い直しますが、公務災害による遺族補償、退職後の生活保障の実態にかんがみ、国家公務員退職手当法の改善に特段の配意を講ずること。 中身は、先ほど来質疑をする中でほとんど申し述べてきてしまっておりますので、多く説明を要しませんが、以上のような点を以上のような文言で実は附帯決議にしておいて、退職金等につきましても、先ほど来、権限問題を取り上げてものを言いましたが、他意はございません。何とかひとつ前に進めたいという気持ちでございますから、そういう方向でお進めを願えないか、こういうふうに思うわけでありますけれども、私が申し上げんとする趣旨についてはおわかりをいただけるのではないかと思うのですが、総務長官から締めくくりの意味で、先ほど来やりとりをいたしましたが、御答弁を賜わりたいと思います。
○山中国務大臣 附帯決議は、これは国会の問題でありますから、附帯決議の議論でないことに対して私の意見を申し上げます。 今回のこれは、人事院の意見申し出をそのまま受けて法文化したものでありますが、現在の国家公務員の公務災害というものの中で特別に配慮をしなければならない職種、職場、それの任務のあり方、任務の実情、職務遂行のための本人のあえてみずからがっくり出す危険というものでない状態の中を逃げることを許されないというような範囲に、きわめてこれはしぼっております。 私は原案でも少し広がりすぎたような感じがいたしております。すなわち、例は警察官、海上保安官等があげてありますが、職務内容の特殊な職員であるということ、そして環境としては、生命または身体に対する高度の危険が予測される状況のもとにおいて、そして任務として犯罪の捜査、被疑者の逮捕、犯罪の制止、そして天災時における人命の救助その他人事院規則で定める職務に従事しという公務上の災害の場合を、今回、百分の五十をこえない範囲内で上積みをして、その特殊な環境の中において公務員としての立場上遂行することによる最悪の場合の心配というものに、いささかでも対処をする国の親心があってほしい、こういう気持ちでありますから、これはできれば全公務員がそういう配慮のもとに置かれるべきがある意味でいいかもしれません。しかし、やはり公務員災害補償法、さらに今回のその特例としての職務を限り、あるいは環境をはっきりさせ、そしてその中で遂行される任務というものをはっきりいたしました。ということは、その中で特別に高度な危険の自分の身に及ぶことを承知の上で職務上、それを国家公務員として崇高な行為として果たしていく人々に対し、最悪の場合に安心していただく——安心はできませんが、最悪の場合について国が配慮をあらかじめしておく。そしてふだんの職務にあたって、それらの国の配慮のもとで、若干自分たちの任務に対する国の理解、配慮というものを、自分たちの励ましというもののささえにしてもらうという意味でございますので、地方公務員の場合に、警察官あるいは消防団、それとのバランスで水防団といったようなことが言われておりますが、これらの問題は私は少し限界がやや広がりすぎた感じもいたします。 したがって、附決帯議云々のことを離れての私の見解であれば、これ以上に範囲を広げることは、少し公平を求めるあまり、本来の特別に百分の五十を上積みしたいと願う人々に対する配慮が薄れていく。したがって、各種の公務員災害の実態等がございましょうから、今後の検討はいつでもしなければなりませんが、今回の特例措置については、現在の範囲内において人事院が定める規則の指定する人たち、そういうものでもってとりあえず出発をしてほしいという気持ちがあります。
○大出委員 私がいま三点あげまして附帯決議をつけていただきたいという私の意見でございますが、これはいまるる説明してきた中に、やりとりの中に織り込んでものを言ってきたのですが、したがって締めくくりで、附帯決議についてという意味ではございませんで、私が申し上げたこの三点にしぼったのだが、その中身のつまり趣旨について御意見を賜わりたい、こういうふうにいま申し上げたので、附帯決議について政府の立場からものを言ってくれという意味ではないのであります。 先ほど学校の先生の話もありましたが、もちろん冒頭に私申し上げておりますように、今回はこの法案を通す、それでいい。だがしかし、振り返って周辺を含めてながめてみると、何とかしてもらわねばならぬことがたくさんある。それを、何ともならぬということで将来に向かって捨ておくわけにはまいらない。そういう意味で、この際前向きに将来の検討課題を含めて何かつけておきたい、そういう意思が私にある。そこでその趣旨、中身についてるる説明を申し上げ、質疑をしておりますが、御理解をいただけるかという点を聞いているわけでございまして、あらためてひとつ総裁からも御発言いただきたいと思います。
○佐藤(達)政府委員 私どもの所管から申しますと、第一点であり、かつそれが今回の法案に、あるいは私どもの意見の申し出に関係のあることでございますから、その点について申し上げますと、結局、またこれも復習になりますけれども、現在の公務員災害補償法のたてまえからいって、はっきり民間にないと思われる職種をここで取り上げました。そしてそれについて、その人たちのさらに危険な業務についてしぼって特別公務という概念をつくりました。したがいまして、その特別公務という概念を広げるという筋にはなりません。これはもうこれで限られる事柄でございましょう。しかし、先ほど例にお出しになりましたような、それに近いような幾多の例があるわけです。これを捨ておいていいかどうかという問題はこれは別問題であります。したがいまして、今年度はまた予算もとりまして、民間における災害補償関係の実態調査をわれわれまた進めております。法定外給付としてどの程度のことをやっておるかどうかということも勘案しながら、やはり適切な方向へ向かってわれわれも研究していかなければなるまいという気持ちでおるわけでございます。
○大出委員 いま人事院総裁のお話しのそういう趣旨で、それはけっこうでございます。つまり、先ほど来申し上げておるように、企業の見舞い金なり、あるいは条例に基づくものなりある。その性格がはたして災害補償法のワクの中であるものかどうかという点については議論の余地がある。がしかし、それにもかかわらず、そこまで手を伸ばす必要はある、こう私は思う、こういうことなんであります。だからその趣旨を決議の形にしておきたい。これは皆さんじゃなくて、そういうふうに思っているということを申し上げたわけでございます。 その辺のところは、ひとつ理事会等で御相談をいただきまして、ねらいは、つまり公務員であり、災害をお受けになった方々の遺族を含めましての、あるいは御本人の生活の自後の補償という点にできる限りのことをすべきであろう、民間の例その他もございますので。退職金は人事院で御調査を願っておりますので、数字が申し述べられぬという段階でありますから、そこまで具体的な詰めができませんけれども、それも含めまして、実は何とかこの際、前向きで決議を付しておいていただきたい。これは委員長に申し上げるわけでありますが、以上で終わらせていただきたいと思います。 長時間どうもありがとうございました。
○伊能委員長 東中光雄君。
○東中委員 今度の国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案で、三つの条件といいますか、主体的な職種がきまっておって、状況がきまっておって、しかも従事している職務内容がきまっておるということになっていますが、その三つの制限づきで、補償額を「百分の五十をこえない範囲内で人事院規則で定める率を乗じて得た額を加算した額とする」となっているわけですが、百分の五十をこえない範囲内で加算して支給する額というのは、当然のことですが、災害による損害に対する補償ということだと思うのですが、その内容は、この間の審議で少し出ておりましたが、得べかりし利益の損失補償だというふうに言われましたが、その性格。それからパーセントですね。損害と補償額との相関関係といいますか、どれくらいのパーセンテージのことを考えていらっしゃるのか。五〇%をこえない範囲内でという数字の出てきた根拠、それをお聞きしたいのです。
○島政府委員 災害を受けた方の平均的な遺族を三人というふうに考えまして、その職員が死亡したことによってどれだけの所得能力が喪失したのか、それを完全補てんするとすれば現在の遺族補償年金の額の五〇%増しという数字が計算上出てまいったわけでございます。遺族補償年金については一律五割増し。ただ、障害補償年金につきましては、一級から七級までが年金になっておるわけでございますが、一級及び二級については、三級分にさらに介護料というものが付加されております。したがって介護料まで五割増しするということはいかがであろうか。介護料を除いた部分についても五割増しということになりますと、一級については四〇%、それから二級について四五%、三級から七級までは一律五〇%、こういうような数字が出てまいったわけでございます。そういうことで、五〇%以内という表現で提案した次第でございます。
○東中委員 結局、五〇%までは、いまその平均的な家族構成で限定をしておられますけれども、これは現行の規則、法律では損害に対する補償がされていないという前提に立っているわけですね。五割上げるということは、結局三分の二しか補償されていないという前提に立っていると思うのですが、そうじゃないのですか。
○島政府委員 不完全補償であるという意味で現在の補償水準が定められているわけではございません。現在の国家公務員災害補償法の水準は、労災あるいは労働基準法その他の社会保険制度とのバランスをはかりながらこの水準をきめているわけでございますが、その水準そのものはILO百二十一号条約が定められております。障害補償年金の場合でありますと、三級以上の場合は六割ということになっております。それから遺族補償年金については、遺族三人の場合の遺族補償年金は五〇%ということが百二十一号条約に定められております。もっともわが国ではまだこれを批准しておりませんが、しかし一応そういった国際的な水準で現在の補償内容が定められておるわけでございますが、今回の五割増ししたというのは完全補償である、したがって従来それ以外のものは不完全補償であるという意味ではございません。その点はひとつ誤解のないようにお願いいたしたいと思います。
○東中委員 国家公務員法の九十四条では、たとえばその二号では「公務上の負傷又は疾病に起因して、永久に、又は長期に所得能力を害せられた場合におけるその職員の受ける損害に対する補償に関する事項」となっておりますし、第三号でも「職員の死亡の場合におけるその遺族又は職員の死亡当時その収入によって生計を維持した者の受ける損害に対する補償に関する事項」、要するに受ける損害に対する補償ということになっているわけですね。結局、この国家公務員法九十四条を受けて、そして災害補償法はそれに抵触しない範囲でつくるということになっているわけですから、災害補償である以上は損害に対する補償ということになるわけです。そうすると今度の改正で、特別業務に従事する特別の公務員の場合の補償も損害に対する補償だ。で、これは完全補償だということになれば、従来の制度は完全補償じゃない。基準法の原則を言われましたけれども、基準法自体が最低基準であるということをはっきり言っているわけですから、ILOの百一号条約は批准していないとのことですから、それはおいでおいで、労働基準法も最低基準だということを言っているわけですから、現に、いろいろ先ほども話に出ておりました、民間では協約で五百万円くらいプラスしているというのは、もうずいぶんざらにありますから、そういうことになっておると思うのですが、今度の補償も、災害補償である以上、損害に対する補償だ、それのない人たちはきわめて不完全な補償になる、そういうことになるのじゃないですか。
○島政府委員 いわゆる稼得能力の喪失に対する補てんという点からいって、一〇〇%補てんしないから不完全である、こういう御趣旨かと思うのですが、現在の補償そのものが、労災等と大体内容、水準を合わせている。ところが、いまお話しのように、民間においては法定外給付として上積みされているではないか、こういうお話のようでございますけれども、その民間の法定外給付の実態というものも実は私どもこれから十分調査したいと思うのでございますけれども、はたしてそれが補償の上積みなのか、あるいは単なる見舞金なのか。社長の金一封という形で出している例もかなりあると思います。あくまでも今回の補償というのは、特別公務に対する補償というものは、現在出されている補償に対して、こういう場合には特別に国が配慮すべきであるということから五割増しという線を出したわけでございますから、先生に申し上げるのは失礼かと思いますが、災害補償法でいう災害補償というのは、たとえ使用主が何ら過失がなくても、その被用者の身体的損害について、それに対して補てんするという制度でございますので、それがどの程度、一〇〇%補てんしないから不完全であるということではなくて、どの程度埋めたらいいか、どの程度埋めるのが常識にかなうかという問題かと思うのでございます。で、今回の場合は、警察官等の場合は特別のそういう重要な任務を負っておられる方であるから、これは国が五割増しの補償をするのが適当であるという判断で今回のような意見申し出をしたわけでございます。
○東中委員 私は、警察官等だけ、勾留や逮捕とか犯罪捜査とかに従事しているときには特別に扱われるような崇高な業務、公務になって、ほかの、たとえば気象観測をやっている人、僻地で台風の観測をやっている、これは大ぜいの人に影響のあることですから、まさに公共のために非常に危険をおかしてやっている人もある。それでなくなった場合は、それは崇高でないのか。何か警察官等、要するに犯罪捜査とか、そういうことに関係のある部分だけが特別に扱われるというのがどうも解せないわけなんですけれども、しかし、それは損害の補償を言われている場合に、崇高な精神というようなことを先ほど言われたから、そうしますと、ほかの先ほどの、海水浴場に行っておぼれている子供を、当然これは職務上のことでありますけれども、自分は泳ぐ自信があまりない、あるいは自信はあっても、三人も四人もおぼれかけているので、それこそ身を捨てて救いにいく、そういう先生の気持ち、これは全く同じ崇高な気持ちなんですね。そういう点で職種で限定をしている理由がどうも解せないのですけれども、総裁、その点いかがでございますか。
○佐藤(達)政府委員 東中委員は法律家でいらっしゃいますから、崇高とかなんとかいうような芸術的な表現はやめたいと思います。これはあくまでも法律的に冷静に判断すべき問題だろうと思います。その点では、おそらくお気持は同じお気持ちだろうと思うのです。 先ほどもちょっと触れましたけれども、公務災害補償法の現在の法律の基本的な基準は、民間との均衡ということを金科玉条のように条文に掲げておるわけでございます。民間との均衡をはずれた措置を軽々しくはとれないという制約が法律的にはございます。しかし、今回意見書で提案いたしましたこれらの職種の人々は、民間にない職種であり、かつ、そういう危険をおかして挺身すべき仕事というものはもちろん民間にはない。したがってこれらの人にはそれ相当の補償をしてよかろう。そうしてその補償は、じゃ多ければ多いほど、六〇%でも七〇%でもよいじゃないかというときに、先ほど御指摘の国家公務員法の九十四条が出てまいりまして、損害の補償を越えて出すわけにはいかない、災害補償のたてまえに抵触するということで、むしろ私どもとしては、九十四条の規定は損害の補償だから、そうむやみには率を上げるわけにはいかぬぞという面から見ているわけです。それはよけいなことですから。 そういうことで、したがって、普通の人たち、これは民間にも同じような業種の方がいらっしゃるでしょう。危険な業務のために事故にあわれたというような方々は、これは公務災害補償法の現在のワクの中で考えてしかるべき事柄である。しこうして現実のわれわれは公務災害補償法の運用の責任をもって個々のケースを見ておるわけであります。典型的な公務災害というのは、いまの、たとえば例におあげになりましたような危険な業務のために負傷された、けがをされた、なくなられたというようなことがむしろ典型的なケースであります。そのほかに、内臓疾患、たとえば高血圧あるいは心臓系統の疾患のために職場で倒れられる方もございます。これらの方々については、うちにおられても倒れられたのじゃないかという問題がありまして、公務との相当因果関係というものはいろいろございます。われわれは最近では、できるだけこれをゆるやかに解釈するようにつとめてはおりますけれども、そういう点に比べますと、事故にあわれたという点がむしろ典型的な公務災害の問題でありますよということをまずひとつ申し上げておきたい。 そこで、しかしそれらの人をそれじゃほっておくつもりか、もうこのまま無関心でいるつもりかという話が、その次にまたおそらく出てくると思います。われわれは無関心ではとうていおれないわけでございます。しかしながら、先ほど申し上げましたような民間均衡の原則というものがありますから、民間調査をして、そうして法定外給付の形でどういうような扱いをしていらっしやるか。多くの会社が多くの法定外給付をしておられるということになれば、たびたびおっしゃるように、これは最低基準でありますから、それに合わせてその水準を上げても、これは法律の趣旨には反しないというかまえをもって臨む。そうして今度予算をちょうだいして、そういう民間における災害補償の調査をこれから大いにやろうという段階で、その結果によってはまた考えねばならないということであります。 それから、見舞い金とか金一封とかの問題は、これは公務災害補償の問題とは別系統のものであります。これは要りませんよというわけではない。それはまたたくさん出していただければ、われわれ公務員をお預かりする者としてはうれしいことでありますけれども、公務災害補償の問題とは全然別系統の問題でございます。考え方の筋道を申し上げますと、そういうことに尽きると思います。
○東中委員 先ほど局長のほうで、社長が見舞い金あるいはポケットマネーを出すというようなこともずいぶんあるのじゃないかというようなことも言われましたけれども、私もそういうことを言っているのじゃなくて、協約上の、したがって法的なものとして制度化されているのは、鉄鋼あるいは印刷出版関係なんかであります。もともと基準法の労働災害というのは最低基準なんですから、当然そうなっていくのがあたりまえですし、そういう点から言って、いま損害の補償という点で言うて五〇%増しができるという状態は、やはり三分の二程度になっているということ、客観的にはそういうことが前提になっておるということだと私は思うのです。それから職業病の場合の、職業病であるかないかということの認定についてのむずかしい問題というのは確かにありますし、これは多分に医学上の問題ですから、そのことを私はいまここで一緒に言うつもりはありません。 ただ、私が申し上げたいのは、同じ公務で、その生命または身体に対する高度の危険が予測される状況下における公務遂行で災害を受けた人ということになぜされないのか。職種で「警察官等」と、いわゆる警察行動をやっている人たちに主として国家公務員の場合はもう限定しているわけですね。地公法の場合は、その点が消防活動なんかが入って、対物的なものになっていますけれども、それは広げ過ぎたのだという先ほどの総務長官のお話ですけれども、むしろ、そうじゃなくて、公務員の気持ちという点から、これは慰謝料的なものじゃないですけれども、そういう崇高な精神と言われておるような問題についての補償であれば、職種で限定する必要はないし、あるいは遺族の補償という点から、特に死亡の場合ですけれども、そういう点から見るのだったら、これは全体として上げるべきで、たまたまの事故でなくなろうと、あるいは意識的な事故でなくなろうと、いわゆる精神的な損害に対する補償というのだったらまた違う面があるかもしれませんけれども、遺族補償、あるいは損害に対する補償という点から言えば全く同じであるはずだ、こう思うのですが、この法律は、なぜ「警察官等」といわゆる警察行動についてだけやられたのか。これは浅間山荘事件で、警察官の士気を鼓舞するというような政策的な意図でやられているのじゃないかというふうに言いたくなるわけなんですが、その点、なぜそこに限定されたのか、もう一回お聞きしておきたいと思います。
○佐藤(達)政府委員 先ほども触れましたけれども、われわれは、浅間山荘事件、あるいは成田事件のもっと前から研究会を設けてこれの研究をやっておったわけでありまして、その点は別に、浅間山荘事件をきっかけにして、急遽一月ばかりで徹夜で仕上げたというようなことではございません。 しかし、なぜこれに限ったかということは、先ほど触れたことをふえんすることになりますけれども、とにかくこれらの職務に携わっておる人たちは、相手方がピストルを持って手向かってきたという場合には、あえて危険をおかしてそれを取り押えなければならぬ、それがその人の職務上の義務になっておる。役所の守衛さんの場合は、侵入者が出て、同じようなピストルを突きつけられたというときには、これは逃げても職務違反、職務怠慢のそしりは受けないわけです。そういう点において違う。そして守衛さんの場合は民間もあり得るケースで、したがって、それらの人に対する扱いをきめるには、先ほど触れました現行法の、民間に均衡をとれという原則から、やはり民間のほうを見回した上でないと軽々しく措置はとれないということから、民間にない仕事、危険性のある業務ということで特にこれを取り上げたということに尽きると思います。 しかし、先ほども触れましたように、それに当たらない人たち、しかも危険に身を挺してやられたという方々に対する措置は、これはもちろん賞じゅつ金とかなんとかまた別に制度がありますけれども、この公務災害補償法としては、法定外給付として多くの民間会社においてやっておるというならば、それにならうことはやぶさかでないというかまえでこれから調査を進めていこうということでございます。
○東中委員 それだと逮捕行為に限らないというふうに思うのです。たとえば高層建築物に乗ってやっておる人とか、あるいは潜水をやる人、これだってほんとうに平常の潜水じゃなくて、何か救助の関係とかいうようなことで潜水をやる人もあるでしょうし、先ほど申し上げた気象関係の観測、これだって、まさにそういうときにこそ行かなければいけない、そういう任務を持っているわけですから。あるいは運輸省関係で言えば、航空機の事故があった、まだ救助できるかもしれないというようなときに、横で見ているわけにいかないわけですね。それは浅間山荘の場合と一つも変わらないわけであります。まずそうした性質からいって、全く同じだと言っていい。あるいは、ある意味ではもっと非常に重要な、まさに崇高な精神で全体のために身を挺してやらなければいけないというふうな場合があるわけですから、そこで限定をすればいいので、「警察官等」に限定したという立法趣旨が、いま言われている職種に限るというのが、総裁のいま言われた趣旨からいってどうも解せないのですけれども。
○佐藤(達)政府委員 職種に限るというのは、あるいは言い方がちょっと不正確かもしれませんが、そういった一つの業務といいますか、職務というものにまず目をつけて、そうして先方がこちらに向かって凶器を振りかざしてきても、あえて自分の身を挺してそれに向かっていかなければならぬ、そういう仕事をやる人はしからばどういう職種の人かといえば、ここにあげております警察官、海上保安官——海上保安官は、沈没しかかっている船があれば、危険性は十分承知しながら荒海にもあえて乗り出してこれを助けなければならぬという、まずそのほうに先に着目していただいて、そういう任務を持つものはどういうものかというと、警察官、海上保安官等々が出てくる、こういうふうに申し上げたほうがあるいは正確かもしれません。したがって、そういう任務というものは民間にはありませんということで、ここに一線は画さなければいけない。だから、警察官だから全部その公務災害に対してここで手厚い恩典を与えようというような趣旨は全然ないわけで、警察官でも、交通の取り締まりに当たって、街頭で手を振っておられるときに、暴走してきた自動車によって事故を受けられたというのは、これは警察官であっても、その職務はいまのような例には該当しませんから、普通の公務災害として扱うという違いがここにあるわけで、これははっきりここに限界を設けているわけです。
○東中委員 警察官が身を挺してやらなければいけない場合があるということですが、これはこの間の浅間山荘の場合を考えますと、撃たれるような状態で、向こうが銃器を持ってつきつけている、そういう状態で死地におもむくような職務命令。それはもともと公務の性格から言ったらそういう職務命令は出すべきじゃないし、出せないのじゃないか。人を死に追いやるような危険性がある、そう書いてありますから、その点は私も十分理解しているつもりでありますけれども、しかし、公務員を死に追いやるような命令というのは出せない。戦争はまた別ですけれども。このごろでは自衛隊だって同じことになってくるわけですね。戦死した場合には特別恩給、そういう論理に結局発展してまいりますし。私はそうではなくて、職務命令というのは、こういう補償があるから、だから警察官は銃を突きつけられても引き下がることはできないのだ、職務命令が有効性を持っておって進んでいかなければいけないのだということにはならない性質のものじゃないか、こう思うのですが、そういう点はどうでありますか。
○土金政府委員 警察官の職務の性質についての御質問でございますが、警察官の職務、これは警察法の第二条の「警察の責務」あるいは六十三条の「警察官の職務」の規定等から、犯人の逮捕とかそういうふうな職務の執行にあたっては、その危険を回避してはならない、こういう義務があるというように私どもは解している、また解すべきである、こういうふうに考えるわけでございます。 これに対する直接の裏づけというわけではございませんけれども、たとえば刑法の三十七条の第二項に、いわゆる「緊急避難」というふうな規定がございます。こういった緊急避難の適用というふうな第二項の規定がございまして、これはつまり警察官みたいな職務を持つ者は緊急避難ということを行なってはいけないという除外する規定があるわけでございます。こういうふうなことから考えましても、警察官は自分の危険を顧みずその職務を遂行しなければならない、こういう責務が法律によって課せられておると私どもは考えておるわけでございまして、今回の特別公務の対象になりますその特色といたしまして、その職務を遂行するために危険を回避してはならないのだ、こういう条件というものに警察官の責務はぴったり当てはまる、そういうふうに私どもは考えておるわけであります。
○東中委員 職務を行うに危険を回避してはならないということと、危険なところへ進んでいくような職務命令を出していいということとは別であります。私の言っているのは、死地におもむくような職務命令というものは出せない、これを言っているわけであります。そういう方向に使われたのではたいへんなことになりますよ。浅間山荘の場合だって、もっと初期にやればあんなことにならない。向こうが立てこもって完全にかまえて、そういう状態で十日ほどしてから出ていくという、そういう命令がそもそもいいのかどうかということを言っているわけであります。命令を受けてそこへ出ていく人の気持ちはよくわかりますし、危険だから回避するということ、これは人の命を救わなければいけないというときに、自分の命のほうが第一に出てきておったのでは、警察官としての職務上問題があります。しかし、そうじゃなくて、そういう命令を出すことがあたりまえなんだということになってしまったのでは、非常にまずいことになっていく。軍隊だってそうですよ。負けるような戦争はやりなさんなということになるわけですからね、純粋に軍事的に言えば。負けるときは退いて勝てるような条件をつくってやりなさい。八路軍の戦術じゃないですけれども。そういう問題なんで、そのことと、いざというときに逃げなさいということとは、これまた別の問題だと言っているわけです。 私は、公務の遂行について、そういういわゆる死地におもむくようなことを命令する根拠に、むしろ逆になっていくようになったのではたいへんだと思うわけであります。あくまでも災害で死に至ってしまったという結果が起こったときの問題であって、特別にそういう職務命令を出して、崇高な精神を命令で強要するというふうなことになってはいけない、こう思うわけであります。そういう点では私は、全体としてこの警察官等の職務限定をやめるべきだということ。 それから、民間の災害補償についての調査をやっておる、こう言われておるわけですけれども、これはむしろ早急にその調査をやって、全体としての災害補償の制度そのものを、あるいは補償額の問題を検討されなければいけないのじゃないか、こう考えるわけですが、全体としての総裁の、それから総務長官の御意見をお聞きして、質問を終わりたいと思います。
○佐藤(達)政府委員 災害補償の関係では先ほど申し上げたところで尽きておりますし、あと残っていまお話に出ておるのは、むしろ警察官に対する命令のあり方の問題ということになるかと思いますが、これは警察庁のほうからお答えしたようなことだろうと思います。また、非常に不当な命令を出した場合には、それに対して一般の国民なり言論機関なりの批判が当然あるだろう。たとえば浅間山荘の場合は、人質を殺してもかまわぬから警察官は遠巻きにせよという世論が出れば別でありますけれども、世論は一日も早く人質が救われるように警察官しっかりやってくれよという気持ちでおそらくあのテレビを見ておったと思います。そういう点に接点があるということを御了解願いたいと思います。
○東中委員 総務長官、非常に限定すると、地方公務員関係ではむしろ広げ過ぎたのだと言われておる考えの根拠が私よくわかりませんが……。
○山中国務大臣 国家公務員災害補償法はすでにあるわけでありますから、公務と認定された者に対して、国家としてそれに正当な補償をするという法律ができております。しかしながら、同じ公務員であっても、この法律の二十条の二に列挙してありまするような職務、それから状況、環境、それからその任務の遂行の態様、そういうものによっては通常の公務死と同じに扱うことは国家として忍びない。したがって、これをどこまで見るのか、あるいは特別職の自衛官等についてはどうするのかという問題もありましたが、自衛官等は、やはりここに書いてあります「天災時における人命の救助」には事実行為として行っております。したがって、そういうものは、自衛官が国家の公務員の一人として自衛隊の任務として行く場合に、それは除外するわけにいかぬだろう。しかし訓練をやっておる際に、指揮官の不手ぎわで死亡者が出た。少年兵の水死事件等ありましたね。そういうもの等は本来のあるべき状況ではないので、そういう安全を前提としてやらなければならない訓練であって、まさにいまおっしゃるように、死ぬかもしれぬことをその必要もないのにやらなければならぬのはおかしいじゃないかというようなこと。それから一方においては、職務としてこのような条件を備えた職務である証拠に、武器の携行を許されておる者、そういうものに一応限ったということがあります。 地方公務員のことは言わずもがなのことであります。しかしながら、この「天災時における人命の救助」ということになりますと、地方公務員たる警察官は当然この法律ずばりでありますけれども、消防団というものが、火災があってそこの建物の中に人がいる場合に、やはり危険をおかしてあえて火災の中に行くんですから、承知の上であっても、殉職者の例に見られるような結果が起こることがある。そこで、消防団はしなければならぬだろう。しかし、消防団と並ぶものは水防団だという意見がまた出てまいりました。これは地方公務員のことでありますから、私がその範囲をきめたわけではありませんが、自治省としては、消防団が対象になるならば、水防団というものも、やはり異常な状態の中で水防作業に従事し、ときには生命身体の危険があるというようなこと等がありまして、これは地方公務員としてそういう範囲を定めたわけであります。しかし、それらのところまでいきますと、常時自分の職務執行のために、いわば勤務時間全部を捧げて武器の携行を許されるような環境の中に置かれているかどうか、そこらのところは私は疑問なしとしない。 したがって、地方公務員の例をとったことは、私の所管外でありますから、このことはなかったことにいたしますが、国家公務員の場合においては、そのようなきちんとした一種の基準を当てはめて範囲を定めた。それに従って、これは最終的には人事院がおきめになりますので、その範囲がどこまでまいりますか、私は、人事院が意見を申し出て、国会に法案を提出する責任者として、各省庁の意見を徴しながらそのような範囲における決断を下したということでありますから、一般の公務員の災害に対する補償というもののさらに上積みを、国がすべて——職種、あるいは職務、あるいはその環境、任務、そういうものがあるではないかというもののみにしぼったということを言ったわけであります。
○東中委員 じゃ終わります。
○伊能委員長 次回は、明二十五日木曜日、午前十時理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時二分散会