P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
68回国会衆議院1972/04/18

内閣委員会 第12号

発言数
195
登壇者
10
会派数
2
開催日
1972/04/18

会議録

伊能繁次郎自由民主党

○伊能委員長 これより会議を開きます。  今十八日付託になりました大出俊君外十名提出の沖繩開発庁設置法案を議題といたします。

伊能繁次郎自由民主党

○伊能委員長 提案者より趣旨の説明を求めます。大出俊君。

大出俊日本社会党

○大出議員 二月の七日、八日、九日、内閣委員会の沖繩調査団ということで、各党から沖繩にお出かけをいただいたわけでありますが、団長坂村さんの坂村報告も出ておりますが、そのときに、沖繩開発庁設置法案をめぐります、立法院各党議員さんの御意見なり、あるいは沖繩の市長会の皆さんの御意見なり、各層の御意見を承りましたが、多数の方々が沖繩開発庁設置法に対しまして大きな不満と注文がございまして、したがいまして、これらの点を受けまして、社会党、公明党、民社党三党で、沖繩開発庁設置法に対する私どもの考え方というのをまとめまして、ここに沖繩開発庁設置法案の三党共同提案の形で提案をさせていただく、こういうことになりました。  代表させていただきまして、私から提案理由の説明をさせていただきます。  ただいま議題となりました沖繩開発庁設置法案について、提案者を代表してその提案の理由と内容の大要を御説明申し上げます。  本土復帰を目前にし、沖繩においては深刻な復帰不安に襲われ、とりわけ通貨不安により県民経済は極度に悪化しております。しかも、この復帰不安に追い打ちをかけるかのごとく、みずからの施政権をほしいままにしてきた米国政府は、さらに軍労働者に対し一千数百人もの大量首切りを強行してきているのであります。  沖繩県民にとって、五月十五日の本土復帰は、ほんとうならもろ手をあげて喜ぶべき日でありますが、佐藤内閣の手によって行なわれている沖繩政策のもとでは、喜びどころか、不安、怒り、絶望を乗り越え、沖繩復帰闘争から、さらに全国民的な沖繩闘争の出発の日といわざるを得ません。  戦後四半世紀の間、異民族支配のもとで、政治的にも経済的にも、ありとあらゆる差別を押しつけられてきた沖繩県民に対し、復帰後豊かな生活と県民の政治的諸権利を保障することは、日本政府にとって当然の義務であります。沖繩の心を心とし、豊かな経済開発と県民の政治的権利、とりわけ自治権の尊重とは表裏一体のものであり、どちらが欠けても、それは沖繩の心を踏みにじるものであります。本土並みの名のもとに、表面的には沖繩を本土の一県として扱いつつ、政府の開発庁設置法案において、直轄支配ともいうべき開発行政は、決して沖繩県民の願うところのものではありません。新たな行政機構を設け国の責任と義務を明らかにしつつ、沖繩の自治権を拡充し、県民主体の開発に国が援助することこそ、沖繩開発のあるべき姿であります。しかも、沖繩においては、米国の異民族支配下での自治権拡大闘争、本土からの遠隔地等々、本土とは多くの相違点をかかえており、本土以上に自治権を付与することは、憲法にも規定された地方自治の本旨にもかなうことといわなければなりません。  このような理念に立脚しつつ、沖繩開発に対する国の責任の明確化とその行政機構及び沖繩県の開発行政に果たすべき役割りを明らかにし、もって県民主体の沖繩開発をはかるべく、沖繩開発庁設置法案を提案いたしたのであります。  以下順を追って沖繩開発庁設置法案の概要について御説明申し上げます。  第一は、沖繩開発庁の任務及び所掌事務と権限についてであります。まず任務についてでありますが、沖繩開発庁は、経済、社会の振興開発をはかるため、総合的な計画を策定し、実施事務の総合調整及び推進に当たることといたしております。そして所掌事務及び権限については、一、沖繩振興開発計画の作成とそれに必要な調査、二、振興開発計画の実施事務の推進、三、開発行政機関の事務の総合調整、四、振興計画の経費見積もり方針の調整及び経費配分の事務、等を所掌することとし、そのため、沖繩開発庁に総務局、振興局を置くことといたしております。  第二は、長官とその権限についてであります。総理府の外局として設けられる沖繩開発庁には、国務大臣を長官として充てることとし、沖繩開発庁長官は、開発行政機関の長に対し、振興開発計画と重要な事項については、勧告し報告を求めることができるものといたしております。  第三は、沖繩開発審議会の設置及び権限についてであります。沖繩開発庁に、過半数が沖繩代表からなる委員三十三人以内の沖繩開発審議会を設け、振興開発に関する重要事項を調査審議することといたしております。  第四は、地方支分部局についてでありますが、沖繩開発庁に地方支分部局として沖繩事務局を置くことといたしております。  第五は、国の事務の沖繩県知事への委任についてであります。政府は、沖繩における振興開発計画の実施その他国の事務の処理が地方自治の本旨に沿って実施されるようにするため、沖繩県知事へ委任するよう必要な措置を講じなければならないものといたしております。  第六は、この沖繩開発庁の改廃についてでありますが、振興事業の進捗状況に照らし、昭和五十二年三月三十一日までに、沖繩開発庁の改廃について検討を加えることといたしております。  以上が、沖繩開発庁設置法案の提案及びその概要であります。  何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。  以上でございます。(拍手)

伊能繁次郎自由民主党

○伊能委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。      ————◇—————

伊能繁次郎自由民主党

○伊能委員長 内閣提出にかかる沖繩開発庁設置法案、沖繩の復帰に伴う防衛庁関係法律の適用の特別措置等に関する法律案及び大出俊君外十名提出の沖繩開発庁設置法案の各案を議題といたします。  これより質疑を行ないます。横路孝弘君。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 今回のいろいろな国会論議の中を通して、いまの末期的な佐藤内閣の中で私たち審議をすることに非常にむなしさを感じて、一体審議してどれだけ実りがあるかということですね。しかしながら、五月十五日返還を前にして、この沖繩返還というのは一体何であるのかということを、やはりもう一度見直してみなければいかぬと思うのです。そんな意味で、福田外務大臣と江崎防衛庁長官に、一つは、在沖繩米軍、特にベトナムとの関連で在沖繩米軍の問題、自衛隊の沖繩配備の問題、そういう中で日本側の現在の姿勢というものはどういうものなのかということを議論をしてみたいと思うのです。  その審議に入る前に、私、福田外務大臣にお尋ねをしたいのですが、今回の沖繩密約問題にからんで、国会でうその答弁をしたということも含めて、外務省の役人の方々は、処分を福田外務大臣の手でされたわけなんです。またあなた自身は、総理から口頭で注意をされたということなんですが、外務大臣は、これで御自身の責任というのはすべて終わったというふうにお考えですか。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○福田国務大臣 私は、今回の事件を通じまして、外務省に綱紀の弛緩がある、こういうふうに思います。それぞれの法による、あるいは内規による処分はいたしましたが、これからさらに思いを新たにして綱紀の振粛をはかる、これが私の任務である、こういう認識でございます。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 どうもはっきりしないわけですけれども、今回のこの沖繩の密約の問題で一体だれに責任があるのか。外務省の役人に責任があるのでしょうか。私はそうは思わない。佐藤内閣が八年間政治を担当してきて、何も国民に残していない。歴史に自分の名前を残すために、非常に功績をあせって外務省の役人にやらせた交渉が実は今度の交渉の中身じゃないか。そんな意味で、責任をとるべきなのは政治家だと思うのです。外務省の役人が国会でうそをついた。うそをついたんじゃなくて、これはやはりつかせたのです、政治家が。そんな意味で、今回の問題について、沖繩国会を乗り切るためにああいううそをつかせた責任というのは政治家にある。私はやはり、外務大臣、あなたの責任じゃないかと思うのです。あるいは佐藤内閣全体の責任だ。それを、役人だけを処分して、政治家が責任をとろうとしない。こういうことで、きちんと行政を統括をして、国を運営していくことができますか、一体。  そこで福田外務大臣、あなたは、自分の進退を総理にまかせるとおっしゃった。それが責任のとり方でしょうか。国民はあれは八百長だと言っている。やはり自分で自分の態度というものを明確にしていかないと、何でもかんでも行政を現実に担当している役人にだけ責任を押しかける、しかも下へ下へときつい処分をして、政治家である私たちが責任をとろうとしないということでは、国民がますます政党なり政治に対して不信を持っていくわけです。その辺のところを、外務大臣、どのようにお考えになっているか、ぜひお聞かせいただきたい。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○福田国務大臣 今回の問題の責任問題、これは私は、いま申し上げましたように、外務省に綱紀の弛緩がある、こういう問題もありますが、全体といたしまして、私は政府の責任である、そういうふうに考えます。その責任については、過日、御承知のように、総理大臣がみずからこの問題についての所信の表明をしている。これで尽きるんじゃないかと思うんです。総理も、この問題を深く反省して、そして遺憾の意を表明しておるということは、今後に対しまして十分改むべきは改める、こういう考え方を示しておる。それでもう政府の政治的な責任、これは明らかにされておるんじゃないか、そういうふうに考えております。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 私はあなた個人のことをどうこう言っているわけじゃないのです。ただ、いまの議院内閣制の中で政治家というものがどういう責任のとり方をすべきなのかということについて、あるいは議会制民主主義のあり方について、私は、この間の経過の中に、非常に多くの疑問と、それからまた国民に対して、私たちみずからが議会の権威というのを踏みにじった。福田外務大臣はどのようにお考えになっているかわかりませんけれども、佐藤内閣というのは長い長いと言われたって八年です。これから日本の国というのは、この議会を中心として、われわれの国の民主主義、あるいは自由とか平和とかいうような問題を考えていかなければならない。そういう長い目で見たときに、私たちがみずからの手で議会の権威というものを踏みにじったということについて、 つまり外務大臣だって、あの国会の中で明確に国会に対して、あるいは国民に対してうそを言ったわけなんだ。これは言い方の問題じゃないと思う。言い方の問題だと済まされるところに、あなたの議会に対する考え方、いまの議会制民主主義についての根本的な考え方に誤りがあるんじゃないかと私は思います。明治憲法時代の議会とは違うのです。国民に開かれた政府でなければならぬ。この根本に立って、あなた自身が、そういう議会の権威というものを、議会制民主主義というものをみずからの手で踏みにじったんだというような意識というのは全然ないのですか。内閣として責任をとった、こうおっしゃいますけれども、少なくとも、今回の外交、あるいは例の沖繩国会における外務省答弁の最高責任者というのは、やはりあなたなんです。私はそう思うのですが、いかがですか。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○福田国務大臣 横路さんは、何かわれわれが裏取引をして、そして沖繩交渉をまとめた、こういう前提に立っておるようでありますが、私どもはそういうふうには考えておらない。これはいろいろその交渉の経過はあった、しかしとどのつまりは、これは沖繩協定で皆さんに披露されておるそのとおりである、裏に何も密約があるわけじゃない、そういう前提に立っておるわけなんです。そういう前提に立ちまして、ただいま申し上げたような責任のとり方をしておる、こういうことでございます。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 この密約の問題は、またあとで議論しますからいいですけれども、そうじゃなくて、国会に対して、ああいう重要な協定について、審議の過程で全く私たちに対して偽りを申した、うそを言ったということについて、いま議論をしているわけです。福田外務大臣は何かポスト佐藤の最有力者だということなんですが、あなたの政治哲学というのは一体何なんですか。議会と行政との関係というのを一体どういうぐあいにお考えになり、議会制民主主義というものをどうお考えになっているのか。私はどうもその辺のところが、今回のいろいろな経過の中で——われわれは政治というのは、議会の中だけでやっているのが政治じゃないのです。国民にわかるようにしていかなければならぬ。それには、私たちが決断をもってやったことについて、特に外交行政の責任者であるあなた自身の責任というのを、やはりこれは明確にしなければならぬ。綱紀の問題じゃなくて、国会と行政という関係においてあなたがうそをついたということについて、その辺のところの責任というのをどうお考えになっているのか。これはいまの政治のあり方についての私は非常に根本問題だと思う。その辺のところをどのようにお考えになっているのか。ひとつ、その基本的なところでどうお考えになっているのかというところを、ぜひ明らかにしてもらいたい。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○福田国務大臣 国会で政府委員が、私はこれは機密だから話せない、こういう答弁をすべきところを、これはそういう事実はありませんと、こういうふうな答弁をしておる。これは私ははなはだ遺憾である、こういうふうに思うのです。また、それを監督する立場の私としても、非常にその責任を痛感しておる、その責任はすでに明らかにしておる、こういうことでございます。それ以上の何ものもありません。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 あなたは、そのアメリカ局長や条約局長がうそを言ったということだけとらえているようですが、政府委員の答弁というのは、これは政府の答弁なんです。あなたが、かわりに政府委員をして答弁させますということで、皆さん答弁されているわけでしょう。だからそこで、外務大臣自身は、その辺についてまるっきり何にも責任をお感じになっていないというのは、もうふしぎでしょうがない。そのことがまた国民の政治不信を招くことになるのです。だから、われわれ政治家が責任をもって行政に対しては政策の目標を設定してやって、そうして政治というのは動いていっているわけでしょう。今度の外交交渉のいきさつについてもそうでしょう。四条三項の問題にしたってそうだ。だれが責任をとるべきなのか。外務省の役人じゃないです。あなたたちがだまされたわけじゃないでしょう。あなたたちが指示してやらしたことなんです。そうすると、指示をした側というのは、やはり根本的には責任を負わなければならないのじゃないですか。そういう態勢がやはり行政なりいまの内閣の中できちんとなければ、これはもうますます選挙の際には棄権層ばかりふえていくことになるのじゃなかろうか。もちろん、そのことについて野党に責任がないとは私は考えません。しかし、やはりそこのところは、まず第一にあなたたち自身が考えてもらわなければならない問題だと私は思う。どうですか。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○福田国務大臣 私は外務省の最高責任者であります。その責任は私は感じておる。であればこそ、私は私としての責任をとっておる、こういうことを申し上げておるわけなんです。決して私は逃げも隠れもいたしません。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 いや、逃げも隠れもしないとおっしゃっても、現実には何も責任とっておられないじゃないですか。吉野アメリカ局長なんか処分されたわけでしょう、それは国民に対してうそをついたということで。やはり外務大臣はその点をお考えになって、そのことも含めて処分されたわけでしょう。外務大臣自身は総理に進退を預ける。総理は総理で、何かわけのわからぬことを国民の前にしゃべって、それで何か責任をとったという形になる。外務大臣は外務大臣で、総理からちょっと呼ばれて話をされて、それで終わりということでは、根本のところの、大もとのところの、責任はどうなのかという、この問題はちっとも国民の前には解決されておりません。そうやってごまかしにごまかしを重ねていって、下に下に処分してそれで終わりだ。それはあるいは、福田外務大臣が政党人でない、政党政治家でないというところから来ているのかもしれません。しかし、もういまはすでにあなたはお役人じゃなくて政治家なんですから、その辺のところはやはり考えてもらわなければ困るんじゃないか、そう思いませんか。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○福田国務大臣 私は十分責任を感じております。そこで、外務省部内についてはその処置をとっておる。私の責任につきましては、総理大臣が私に対して処分をしておる。私は今回の問題についての処置は一応完了しておる。これからしかし問題がある。私が外務省の綱紀の振粛をし、また国会に対しましてもできる限りの十分な解明をしなければならぬ、こういうことであります。これが私の責任である。こういうふうに思います。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 もうこれ以上は申し上げませんけれども、私たち戦前の日本の歴史、特に議会の歴史を見ておって、政党政治というのはなぜ発展しなかったのか、どうしてファシズム、軍部というのが独裁体制を確立をしていったのかという過程を見ておると、私はやはり、あれは軍部だけが悪いのじゃなくて、あの当時の議会人にも非常に大きな責任があったということで見るわけです。いまの状況と考え合わせて、そういうようなことばかりおっしゃっておると、日本のこれからの民主主義というのは、いまももちろん私たちは危機に瀕していると思いますけれども、ますますこれから戦前のようなことを繰り返す危険性というのはないわけじゃない。そのことを私たちお互いにぜひ考えていかなければならぬと思います。  そこで、時間がございませんから、初めに現在のアメリカの北爆の問題から沖繩における米軍の問題について、いろいろとお尋ねをしていきたいと思います。  沖繩返還について前から指摘をしているのですが、アメリカ側の基本的な交渉の視点というのは二つあって、一つは沖繩の基地の機能というのはともかくそこなわないように日本に返してやる、もう一つは沖繩の返還に関してアメリカは日本側に一銭も金を払わない、これが交渉にあたっての守るべきアメリカ側の利益だったと思うのです。この利益というのはどうなったかというと、結果から言うと、日本の利益というのは、請求権も含めて県民の利益をほとんど守ることできずに、アメリカの利益だけを擁護してしまったのが今回の沖繩返還協定だろうというように思うわけです。  そこで、ちょっとこの基地の機能についてお尋ねしたいのですが、まず、いまのベトナム民主主義人民共和国、特にハノイ、ハイフォンに対する爆撃に関連をして、例の一九六九年の佐藤・ニクソン共同声明の第四項、この問題について外務大臣は、きのうも再協議の必要はないというようなことを述べておられるようですが、これは日本側の見解なんでしょうか。それともアメリカ側もまた、それと同じような見解を示しているんでしょうか。その辺のところをまず明らかにしていただきたい。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○福田国務大臣 これは日本側の見解であります。アメリカ側と相談をしたことはございません。しかし、アメリカ側もわれわれと同様にそう考えておる、こういうふうに私は理解しております。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 この第四項を見ると、「万一ヴィエトナムにおける平和が沖繩返還予定時に至るも実現していない場合には」、つまりこれは現在の状況といっていいだろうと思うのです。「両国政府は、南ヴィエトナム人民が外部からの干渉を受けずにその政治的将来を決定する機会を確保するための米国の努力に影響を及ぼすことなく沖繩の返還が」云々ということになっているのですが、この「確保するための米国の努力に影響を及ぼすことなく」というのは、これは一体どういう意味なんですか。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○福田国務大臣 あるいは、返還の時期を決定する、その時期にも関係をしてくるということがあるかもしれません。あるいは、返還の時期は別といたしまして、返還した後の基地の態様について特例を求める、こういうようなことを意味しておるかもしれません。その辺は、非常にはっきりした内容というものは解釈されておりませんけれども、そんなところがその条項の意味するところではあるまいか、そういうふうに考えております。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 その解釈が統一されておられないと言うけれども、実は非常に重大な問題でありまして、そのあとのほうの基地の機能についてということになりますと、これは従来の政府答弁とのかかわり合いにおいては、非常に安保条約の運用という問題で重要な点になるだろうと思うのです。  そうすると、いまの御答弁で確認をしておきますけれども、結局これが沖繩返還とのからみで言われるということになりますと、在沖繩米軍の行動というようなことで日本政府のほうは受け取っておるというように、そのあとのほうの解釈も含めておられるということをひとつ確認をしてもらいたいと思うのです。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○福田国務大臣 この第二の米軍の行動、それについて例外を設けるかもしれない、こういうようなことがあると思うのです。しかし第一の点はもうすでにきまっておる。第二の点につきましても、私は特に特例を設けるというような必要はなかろう、通常の事前協議方式でこれは差しつかえないものであろう、こういうふうに考えております。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 そうすると、それについては特例を設けない、つまりこれから再協議する問題というのはないというようにここで言明してもらえますか。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○福田国務大臣 そのとおり考えています。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 もう一つは、前から議論されておるのは、たとえばB52の移駐の問題等も起きてくるんじゃないかというようなことも指摘されておるのですけれども、これはB52は、御承知のとおり直接ベトナムの北爆に参加しているわけでありますから、この移駐も認めないということでよろしいですか。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○福田国務大臣 ただいまB52が帰ってくるということは想像いたしておりませんです。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 想像の問題じゃなくて、現実の問題として起きた場合にも、それは断わる、こういうことでよろしいわけですね。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○福田国務大臣 想像できないことでございますが、万一そういう事態が起こってアメリカ側から要請があるという際におきましては、これはなるべくそういうふうなことを認めたくないという気持ちで対処するというふうに御理解を願います。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 そうすると、それは認める余地というのがあるのですか。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○福田国務大臣 これはただいま申し上げたとおりです。私どもの気持ちは、その移駐を認めたくない、そういうふうに考えております。しかし、どういうケースになるか、これはわかりませんけれども、これはいま事前協議の問題ですから、事前協議に対して、あらかじめノーと必ず言う、一〇〇%そうだというふうには申し上げません。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 それはそうすると、おかしいじゃないですか。それは認める余地というのはあるわけですか。向こうから提起された場合には、事前協議にかけても、これは直接戦闘作戦行動に出るような場合にはやはりノーと言う姿勢を示さなかったら、県民ばかりじゃなくて、日本国民すべてが不安に思いますよ、そんな答弁じゃ。B52の移駐なんか認めないということをここでおっしゃることができないのですか。何らかの打診みたいなものがあるのですか、アメリカから。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○福田国務大臣 いま何らそういう徴候はございませんです。しかし、アメリカ側からそういう申し出がある——私はいま予想しませんけれども、あるとした場合におきましては、私どもはこれを断わりたい、こういうふうに考えておるのです。しかし、事前協議の問題ですから、いずれにしても、これはまだアメリカと相談もしない前にお断わりするというふうには申し上げかねる、こういうことです。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 じゃ、もしかかってきた場合には断わりたい、ただ事前協議の問題だからここで事前に言明はできないのだ、こういう趣旨ですね。それでよろしいわけですね。  そこで、その場合の前提というのは、いまベトナム戦争に対して岩国の海兵隊も出動していっておるわけですね。これは直接かどうかは別にして、ともかく出かけていっておることは間違いない。それから沖繩におけるさまざまの米軍というのも行動を開始している。そこで、事前協議の問題の以前に、実は在日米軍というのは、安保条約で、極東の平和と安全、しかもその極東の平和と安全というのは、日本の平和と安全に密接な関係を持っているという意味での極東の平和と安全ですね。そういう意味で限定されている。米軍というのはそういう意味での駐留をしているわけであります。そこで、極東の周辺というのが前にも問題になりまして、その極東の周辺の事態というのは、極東の平和と安全に影響を与え、そのことが日本の平和と安全に影響を与えるような事態の場合には、その範囲での米軍の行動というのも許されるのだというのが従来の政府答弁だったろうと思います。  そこでその前提ですね。私は、従来の議事録を読んでみてもどうもわからないのは、このベトナム戦争について、日本の平和と安全にどういう脅威をお考えになっているのか。福田外務大臣は、きのうも北爆停止を求めないということをおっしゃられた。これは国民感情と全く違うことをおっしゃられたようにみなが受けとめているわけであります。そんな意味では、どういうことでこのベトナムの事態というのが日本の平和と安全にかかわり合いを持ってくるのか、その辺のところをひとつ外務大臣から明確にお答えをいただきたい。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○福田国務大臣 つまり、われわれは、安保条約の適用範囲は極東である、極東というのはどこであるかというと、南はフィリピン、北は台湾、朝鮮半島を含む地帯である、こういうふうなことを言っておるのです。しかし、その周辺は一体どうだ、こういう問題が提起されるわけなんです。その周辺につきましては、これは地理的にどうこうという区画はいたしておりません。そのときの客観情勢によりまして判断すべき問題である。極東地域に戦火の影響があるかどうか、こういう判断、これが問題だろう。ですから、これはきわめて流動的に解釈されるべき問題である、そういうふうな認定でございます。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 これは要するにベトナム国民の問題ですね。民族自決を求めている戦いでもある。いまの質問に対する答えになっていない。つまり、極東の平和と安全といったって、それは日本の平和と安全にかかわり合いのある範囲内で、米軍の駐留というのは、日本側としては安保の六条に基づいて認めているわけですね。したがって、その周辺地域に何らかの紛争があれば、それは即問題になるというものじゃないはずなんです、いままでの皆さん方の答弁は、限定をつけて、そして一方では拡大する。それを理由にしてきているわけなんです。したがって、ベトナムの今回の事態というのは、どうして岩国にいる海兵隊が出ていくことを事前協議にもかけずに認めることになるのか、それはやはりその事態が、極東の平和と安全、すなわち日本の平和と安全に大きな影響があるからだということに、論理的にならなければならぬはずでしょう。そこら辺のところを皆さん方はどうお考えになっているのか。アメリカ側がやっていることだから認めようということなんですか。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○福田国務大臣 沖繩はまだわが国に返還されておらない。これはだから問題外といたしまして、岩国の場合、これはわが国に対しまして、岩国のF4戦闘機を中心とした部隊を南方に移すという通報があったわけであります。私はそれに対しまして、これは事前協議じゃありませんね、こう言うと、そのとおりだ、この南方への移駐は、これは戦闘作戦行動に基づくものではありません。事実、あとで調べるとフィリピンに行ったようでありますが、戦闘作戦行動に基づくものじゃありません、こういう話です。つまり戦闘作戦行動命令を受けておるという事態ではないのです。そういうことでありますから、事前協議の対象にはならない事項であります。そこで、アメリカが南へ移る、これに対して、わが国としては安全保障条約上、何ら発言する立場にはない、こういうことが実相でございます。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 それはおかしいので、日本に駐留している米軍というのは駐留目的というものがあるのでしょう。当然、安保条約によって目的とか性格というのは限定されているわけですよ。それはどこにでも行けるという米軍じゃないはずですよ。戦闘作戦行動でなければどこへでも行ってかまわないのですか。

高島益郎外務省条約局長

○高島政府委員 安保条約六条に、米軍の日本における施設及び区域使用の目的を書いてございます。一つは「日本国の安全に寄与し」ということでございます。第二は「極東における国際の平和及び安全の維持に寄与する」、この二つの目的で米軍に使用の権利が与えられておるわけであります。この第六条の範囲内において米軍が行動する場合に、この目的に反しない限り、その行動の範囲が必ずしも極東の範囲には限られないというのは、政府がたびたび言明したとおりでございます。原則として、もちろん極東の範囲に大体においては限定されるわけでございますけれども、厳密に極東の範囲に米軍の行動が局限されるということではなくて、ただしかしこの目的が大事であるということをこの条約は表現しております。したがって米軍の行動目的が、ここにございますように、日本の安全に寄与する、あるいは極東における国際の平和及び安全の目的に反しないという限りは、この行動が極東の範囲からはずれても必ずしもこの条約の趣旨には反しないということが、たびたび政府の言明している趣旨でございます。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 言い方がちょっと違ってくるのですが、そうじゃなくて、これは愛知外務大臣の答弁にもございますけれども、結局日本の安全と日本を含む極東の安全に寄与するために施設、区域が提供されておるわけですから、おのずからこれを活用している軍隊というのは目的及び性格が限定されてくるわけでしょう。そしてその範囲内に出動していくときに事前協議というものが起きるのです。どこへでも出かけていってかまわないということじゃないのですよ。ですから、そこで昭和四十年当時から周辺という問題が出てきたわけですね。その周辺というのも無限定じゃなくて、極東の平和と安全及び日本の平和と安全に重大な影響を及ぼすという、そういう意味での周辺という限定があるわけです。したがって、事前協議をかぶせる前に、日本に駐留している米軍というのは、その目的なり性格というのが限定されているから、おのずからそこに行動の範囲も限定されてくるだろうと思うのです。その上で初めて事前協議というのがさらにかぶさってくる、こういうことでなければならないのですよ。何でもかんでも、あとはどこへでも行ってよろしい、それは事前協議の問題だというのじゃないのですよ、安保条約の解釈は。そこのところを皆さん方のほうで混同されておるのです。戦闘作戦行動として事前協議をともかくかぶせればいいのだということじゃない。その前の限定があるわけでしょう。  したがって、私が外務大臣に聞いておるのは、今回の海兵隊、これはフィリピンならフィリピンに行って、そこから行ったのでしょう。それはいずれにしたってベトナム戦争に参加しているのは間違いない。そうすると、それではベトナム戦争というのは日本の平和と安全にどういう影響を及ぼしているのか、そこのところをやはりはっきり日本の態度としてとらなければ、アメリカはかってにどんどん自由な行動をしても、それに対して何も制約を加えることができないじゃありませんか。だから私は、外務大臣にその辺の判断を——あなたは北爆の停止を求めないと言った。これはアメリカの行動はアメリカの行動で、それは自由でしょう。日本政府には関係ない。しかし、いまの北爆がどういうかかわりあいを持ってくるかといえば、日本政府としてかかわりあいを持ってくるのは、日本に駐留している米軍が行動を起こしているから、いまの極東の範囲とその周辺地域との問題でかかわり合いを持ってくるのです。したがって、そこのところをやはり政府として明確にしておいてもらわぬと、米軍はどこに行ったって自由なんだ、あとは事前協議で網をかぶせればいいのだということでは、拡大されてどうしようもない。ちょっと外務大臣から政治的な判断を……。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○福田国務大臣 安保条約は、どこまでも日本を基地にして戦闘作戦行動を行なう、これは日本の平和に支障がある、こういうことで事前協議制度というものが設けられておるわけなんです。今回の岩国の問題はそうじゃない。南方に移駐をいたします、そういうことなんです。まだその時点において戦闘作戦行動は受けておらない、こういうことなんで、これは安保条約の事前協議条項の対象には相ならぬ、こういう立場にあるわけです。これはいろいろ議論はありましょう。議論はありましょうが、ただいまの安全保障条約のたてまえはそうなっておる、こういうことであります。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 それはそうじゃないですよ。日本に駐留している米軍の目的、性格というのは、では安保では全然限定されていないというふうにおっしゃるのですか。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○福田国務大臣 これは、極東の安全、それからさらにせんじ詰めれば日本の安全、そういうことにつながってきます。しかし、日本の安全というものに対しまして米軍が寄与する、この寄与のしかたに問題がある。そこで、このしかたを誤ってはならぬというので、事前協議条項というものがあるわけなんです。米軍が南方に移駐する、これに対して何らの制肘を加うべき立場にはない、こういうことを申し上げておる。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 それはやはり、安保条約の解釈として、私はだいぶおかしいんじゃないかと思うのですよ。じゃ日本に駐留している米軍というのは、世界じゅうどこにでも行けるわけですか。行動に参加できるわけですか。

高島益郎外務省条約局長

○高島政府委員 先ほど申しましたとおり、第六条の制約がございまして、この目的に反しない限りということでございます。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 ですから、いまのアメリカのハノイ、ハイフォンに対する北爆出動というのは、日本の平和と安全にどういうかかわり合いがあるんですか。どういう影響があるんですか。その辺のところを外務大臣としてどう判断されているのか。これはドミノ理論でもとるのなら別ですよ。あなた方のお考えというものを私はお聞かせ願いたい。そこを率直に言っていただければ、回りくどい議論なんかする必要はないんですよ。

高島益郎外務省条約局長

○高島政府委員 理論上の問題といたしまして、従来、事前協議の対象になる戦闘作戦行動については、わが国の安全に直接かつ密接に関係があるかどうかということを基準にして考えるということでございます。ただしかし、事前協議の対象にならないような米軍の一般的移動とかあるいは補給活動、こういったものにつきましては、そのような制約は何ら受けませんので、つまり事前協議という制約はございませんので、行動は一般的に第六条の範囲内に関する限り自由であるというふうに考えております。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 そうすると、たとえばこれはあとでKC135の問題として議論していくんですけれども、在日米軍というのはどういう任務を持っていてもかまわないというわけですか。

高島益郎外務省条約局長

○高島政府委員 これも先ほど申しましたとおり、どんな任務を持っていてもということじゃなくて、第六条にございますとおり、こういう目的、つまり日本の安全に寄与するという目的、それから極東の平和と安全に寄与するという目的の範囲内でございます。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 そうすると外務省の立場は、今回の北爆というものが、じゃ日本の平和と安全にどういうかかわり合いがあるのか、極東の平和と安全にどういうかかわり合いがあるのかという判断なしに、判断は全然しないで、要するに米軍が移動したいからというのでそれを黙認した、こういうことなんですか。そこら辺のところは何にも判断はないということなんですね。

高島益郎外務省条約局長

○高島政府委員 わが国の基地を使用しての北爆ということでございませんので、そのような判断はいたしておりません。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 楢崎委員から関連があるそうです。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 先ほど横路委員の質問に対して、私の聞き方がちょっと間違っておったかもしれませんが、B52がもし沖繩に返還後移駐する場合には、事前協議の対象として考えられるのかどうか。先ほどのことばは、移駐は事前協議の対象にならないが、直接出撃は、B52にかかわらず何でも事前協議の対象になるんですよ。わざわざB52に関して、事前協議の対象ですからという大臣の答弁があったように私は聞いたのですが、B52は、かつて十二年前の事前協議の問題のときには、どういうことをかけるかというときにはいなかった飛行機ですから、だから大臣のいまの答弁はわれわれはむしろ歓迎するんです。こういうB52の移駐というような問題については、やはり事前協議の主題としたほうがいいんだというようなお考えであれば、大いにわれわれはその点は歓迎するんですが、どうでしょうか。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○福田国務大臣 B52に限りません。いろいろな種類のものがありましょうが、いまお話の主題は、沖繩基地を利用してベトナム戦に参加する、こういう意味合いにおいてやってくる、その例としていまB52をあげられたわけなんです。そういう際には出撃目的というものが限定されておる。そういう際は、私は当然これは事前協議の対象になる、こういうことを申し上げておるわけであります。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 そうすると、移駐そのものは問題にならない、そういう考えですか。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○福田国務大臣 移駐そのものというか、移駐がベトナムに出撃をするという前提のもとに行なわれる。——いま横路さんの話は、もっぱらベトナムに出撃をする、こういう話でありまするので、それは私は、そういう前提でありますれば、これは必ず事前協議の対象にすべきものである、こういう意味合いであります。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 その点は私は詰めないことにします、おかしくなりますから。さしあたって、いまの横路君と大臣のやりとりは、事前協議にかけるとおっしゃるのだから、私はそれでけっこうだ、このように思います。そこで、ちょっと関連いたしますが、十四日の午後、CF130という飛行機、これはあまり聞かない飛行機です。黒い色の飛行機でありますが、嘉手納に飛んできた。そのとき、すでに問題の毒ガスや核の倉庫があるとわれわれが何回か指摘しましたあの知花弾薬庫から、多量の弾丸が嘉手納に運ばれておる。その弾丸は全部いわゆる赤色のマークのついた弾丸である。どうもCF130との結びつきが心配される。CF130とはどういう軍用機であるか、まずそれを説明していただきたい。

久保卓也防衛庁防衛局長

○久保政府委員 ちょっと私知識ありませんが、CF130ならば、C130が輸送機でありますが、それに対して、記号を変えまして、F、つまり戦闘用の任務を与えたもの、これはベトナムで使われていると私は了承しております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 いま大臣お聞きのとおりです。C130、これはハーキュリーズの輸送機です。これの改良型であり、しかもFがついておるから、おっしゃるとおり攻撃型である。ベトナムで使われておる。それが嘉手納に二機、十四日午後飛んできておる。これはもし確認される方法があれば、この事実について確認していただきたいし、昨年の岩国の核の問題のときに指摘しておきましたとおり、知花から運ばれた弾丸が赤色ですから、非常にこれは核との関係もあるのではないかという心配もありますから、これは事実として確認をしておいていただきたいと私は思います。  この問題と関連して、実は、情勢いかんによっては再び——再びという意味は私はあとで申し上げますけれども、再びベトナム戦争で戦術核をアメリカが使うのではないかということがいわれております。これはどうして再びと申し上げますかというと、六六年にこの問題が表面化したときがあります。当時タイを基地とするパイロットから特別任務への志願者が募られております。四人選ばれております。後にその計画は変更、中止された。この志願者は、選考された目的よりも、原爆投下を任務としたものである。さらに七〇年の六月ですか、ニューヨークタイムズの有名なレストン記者も、その後そういう点について危惧を表明したときがある。昨日の委員会でも、ストックホルムからの情報として、その可能性があるのではないかということがいわれておる。私はこういうことを心配しますがゆえに、外務大臣、沖繩からもう核は撤去されたでしょう。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○福田国務大臣 核が撤去されたかどうか、まだ確認できません。できませんが、もう五月十五日、これは迫っております。五月十五日になりまするとはっきりいたします。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 当然のことと思いますが、ベトナム戦争でそういう核が、戦術核であろうと使われるということは、たいへんなことであろうと思うのです。大臣もそういうことはもちろん支持はなさらないと思いますがどうでしょう。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○福田国務大臣 核が使われるということは、非核三原則を堅持しておるわが国といたしますると、外国に対しても好ましからざることである、かように考えております。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 そこで、この北爆の問題について、政府としては抗議はしないということなんですが、皆さんとしては現在のアメリカの北爆を支持なさるわけですか。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○福田国務大臣 この問題は、きのう参議院のほうでも質問がありまして私はお答えしておりますが、南北ベトナム問題、これは私はもう早期に平和的に解決してもらいたい、またパリ会談が開会されて、ジュネーブ協定の精神でこの問題の収拾がはかられるように望みたいということを念願しておるのです。できる限りそういう方向で、私どもほんとうにささやかな力しかありませんけれども、できればそうありたいなという努力もいたしております。そのやさきに不幸な事態が起こった。不幸な事態が起こったが、これはどっちが悪いのだ、こういうことを判定すべき立場にはわれわれはない。これは北爆が悪いようだ、だから抗議したらどうだというような質問でありましたが、そういう抗議はできない、こういうことを申し上げたわけであります。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 そうすると抗議はしない。支持はするのですか、しないのですか。私はできれば、やはり国民の気持ちとしては、ボール爆弾を落としてまたたくさんの市民が殺されている。これはやはりアメリカに対して、日本の立場からいってもそれは支持できませんよということを、抗議はしなくたって、やはりアメリカに対して表明すべきじゃないですか。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○福田国務大臣 北ベトナム側の話は私どものところにはよく伝わってきません。きませんが、アメリカ側の立場はよく伝わってくるのです。そこでアメリカ側の立場を聞いてみますと、これは北ベトナム軍が中立地帯を越えて南進をしてきた。これに対して防衛の体制をとる、これは当然のことである、こういうことを言っておるわけなんです。しかし、それはそれといたしまして、北ベトナムにも北ベトナムの言い分がありましょう。その言い分のいずれをつかまえて、それが是であるか否であるかということを論ずる立場にわれわれはないのだ、こういうことを申し上げているのです。言い得ることは、きわめて不幸な事態である、こういうことでありますから、すみやかに戦闘行為が双方において停止されまして、そうしてパリ会談が再開される、そして和平がほんとうに固まる、こういうことのみである、そういうことであります。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 そうすると、支持もしないし抗議もしない、こういうことですね。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○福田国務大臣 そのとおりであります。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 しかし現実には、日本政府としてのかかわり合いを、岩国の米軍が行動を起こすことによって持っているわけであります。  そこで、議論をさらに進めていきたいと思うのですが、この沖繩の米軍基地の機能というのは、この間も、三月二十七日にお尋ねしたわけでありますが、三つあると従来いわれてきたわけですね。一つは、東アジア、西太平洋全体についての緊急の事態が起きた場合に、すみやかに反応できるような臨戦体制で確保しておく基地だ。第二には、西太平洋全域で活動しているアメリカの三軍に対して補給を行なう基地だ。第三に、この地域に大規模な通信、連絡をすることができる基地だ。つまり、通信、補給、即応体制のとれる基地、こういう基地機能が従来の沖繩の基地機能であったし、また沖繩米軍の任務でもあったろうと思うのです。これに対する政府の答弁は、沖繩返還の暁にはそういうものにはなりませんというように答えてきたわけなんですが、そういうものにならぬというところが実は不明確なわけなんです。そこで、この辺のところをこの間もお尋ねしたところ、どうも答弁になっていないのですが、こういう機能を持つ基地というのは、五月十五日以後は許されないというふうに明確にお答えしていただきたいと思います。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○福田国務大臣 アメリカが沖繩基地に対して、その施政権下においてどういう考え方を持っておったか、これはいま、横路さんが三つばかりあげられましていろいろ述べられておりますが、どういう考え方であるかということは、私自身にはよくわかりませんことでございます。わかりませんが、しかし、いずれにいたしましても、沖繩が本土に復帰されるというその時点からは、沖繩における米軍の機能というものは安全保障条約の制約下に入る、本土並みになるということだけははっきり申し上げておきます。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 何か外務大臣用事があるようなんですが、もう一度だけお尋ねしておきますが、よくわからぬがということでは実は困るので、安保の範囲に入るのだということで、実は先ほどの質問の裏返しの質問をしているわけなんです。つまり太平洋全体に対して、あるいはいま指摘したような、東アジア、西太平洋の全体についての補給とか通信とか、あるいはすぐに即応できるような部隊、これはそういう基地にはなり得ない。これは従来から、愛知外務大臣あるいは東郷政府委員当時から繰り返し答えがあったところなんです。そこはやはり、安保云々ということのことばじゃなくて、基地の機能として、いま私が指摘したような三つの機能を持つような基地にはなり得ないということは、これは従来の政府答弁で私は明確だろうと思うのです。そこをいまの五月十五日前の時点で確認をしてもらいたい、こういうことなんです。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○福田国務大臣 外務大臣としての私からは、その機能の問題の分析、これについてお答えするわけにいかぬ。ただ申し上げられることは、あくまでも安保条約の制約下においてこの基地の存在というものが許される、これははっきり申し上げます。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 だから、それは安保条約の制約下に入るということの意味として、いま言ったような全体に対する補給の責任を持つというような基地というのは、その安保の趣旨からいって認められないでしょうということを聞いておるわけなんです。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○福田国務大臣 それは抽象的に言うといろいろ誤解を招くおそれがありますものですから、私がお答えをいたさないのです。具体的なこういう問題はどうか、こういうようなことになりますと、あるいはお答えができるかもしれない。しかし、いずれにしても安保条約の制約下に入る、これだけはもう間違いなくそうなります。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 その安保の制約下に入るということのほうが抽象的なんです。私のほうは具体的に聞いている。こういう機能を持つ場合はどうなのかということを聞いている。そっちのほうが具体的だと思いませんか。あとでもってKC135、つまり戦略空軍について議論したいと思うのですが、いままで言った三つの機能がある。何も抽象的ではなくて、レアード国防長官の発言とか、リーサー陸軍長官の構想とか、チャップマン海兵隊司令官などの発言が、みなその点で一致しているのですよ。それで、沖繩返還以前のアメリカ基地の機能はこうだ、私はその発言を踏まえていま御質問をしているのです。外務大臣、何かだいぶ急いでおられるようなので、大臣けっこうですから、アメリカ局長から……。

吉野文六外務省アメリカ局長

○吉野政府委員 沖繩の基地が復帰後どういうように使用されるかということにつきましては、すでに外務大臣が申し上げましたとおり、安保条約及び地位協定の規定に従う。したがってそれは第六条に従って規制される、こういうことでございます。しかしながら軍隊である以上はあらゆる機能を備えておる。核弾頭及びミサイルその他のものはもちろんなくなるわけですが、また軍隊である以上、命令があれば日本の基地から移動していかなければいけない、これは軍隊の性格上当然のことだろうと思います。したがって、わが国の基地から、事前協議によらない事態において移駐していくということは、われわれとしては認めざるを得ないと思います。  したがって問題は、日本の基地が日本におる米軍のためにどういうように使用されるか、こういうことでございますが、その点につきましては、第六条が規定しているとおり、極東の平和及びわが国の安全、こういうことでございます。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 ですから、その極東の平和、安全ということを、抽象的な議論じゃなくて、もうちょっと具体的に議論をしようということで指摘をしているわけなんです。  それでは、たとえば四十四年六月三日のレアード国防長官の沖繩基地機能についての発言、あるいは四十五年三月三日のリーサー陸軍長官の構想、あるいは四十五年三月十一日のチャップマン海兵隊司令官などの発言、ああいう発言の趣旨に沿った基地というのは認められるのですか。それを認めようというのですか。

吉野文六外務省アメリカ局長

○吉野政府委員 その点につきましては、チャップマンもリーサーもレアード国防長官も、それぞれ抽象的に述べているわけでございますから、したがって、どの部分が第六条からはみ出るかどうか、あるいは在日米軍の機能からはみ出るかどうか、こういうことは、具体的な事態に照らしてわれわれとしても判断していかなければいけない、こういうように考えております。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 具体的な事態ではなくて、任務そのものから言って、六条にいう範囲を越えた機能を持っている軍隊だということになれば、これはだめなわけでしょう。先ほどから言っているように、六条の場合は、その性格なり駐留目的なりによって限定を受けるわけですね。皆さん方も前は、たとえば四十五年三月十七日の衆議院予算委員会の分科会で、ここにおられる楢崎議員の質問に対して、当時のアメリカ局長の東郷さんが答えられているわけですよ、そういう基地機能では、これはだめですよと。それから愛知外務大臣もたびたび国会において、そういう基地機能では私たちは同意する考えはありません、こういう答えをしているわけなんです。そこは変わってくるのでしょう。

吉野文六外務省アメリカ局長

○吉野政府委員 先ほども御説明したように、軍隊である以上、軍隊にふさわしいあらゆる機能を備えておる、したがって、命令一下それぞれのところへ移駐しなければいかぬ、あるいはそこにおいて別の行動をしなければいかぬ、これは十分あり得ると思います。しかしながら、事日本の基地に関する限りは、第六条の目的に奉仕するようにわがほうは提供する、こういうことでございます。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 だから、いま聞いているのは、移駐や何かの問題でなくて、任務それ自体のことを聞いているのです。そういう任務を持った部隊というのは六条の範囲を越えるのでしょう、こういう問題です。

吉野文六外務省アメリカ局長

○吉野政府委員 その任務は、先ほど申し上げたとおり、非常に広いものがある。しかしながら六条によってもちろん規制されるわけでございます。いかに規制されるかというのは、これは具体的にわが国の基地の使用の態様によって六条によって規制される、こういうことでございます。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 そうすると、従来の政府答弁は変えられるわけですか、任務について。それはやはり同意できないというような愛知外務大臣の答弁を変更されるわけですか。

吉野文六外務省アメリカ局長

○吉野政府委員 愛知大臣の答弁は、少なくとも軍隊である限りはあらゆる任務を備えておるのだ、しかしながら、沖繩の基地が返ってきた場合には、それは本土の基地と同様に安保条約の制約を受ける、これが愛知大臣の返答だとわれわれは記憶しております。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 そうじゃないのですね。たとえば四十五年三月十八日の参議院の沖特における愛知外務大臣の答弁というのは、安保の性格、使命、目的からいって、先ほど言ったリーサー構想のような軍隊、在沖繩米軍の任務であれば、それははずれるというように言っているのですよ。議事録を調べてごらんなさいよ。そんなことでは困りますよ。

吉野文六外務省アメリカ局長

○吉野政府委員 その点につきましては、もう一回議事録を調べてみたいと思いますが、しかし、御存じのとおり、すでにたとえば第七艦隊はインド洋にまで出動しておりますし、また第七艦隊に配置されておる海兵隊は、おそらくわれわれが通常考えておる極東の範囲以外を遊よくしたことがあるだろうと思います。しかしながら、これは、軍隊である以上、当然そのような機能を果たし得る  ことはわれわれも認めなければいかぬと思います。ただ、沖繩の基地ないしは本土の基地を使用する場合には、使用目的に従って使ってもらわなければいかぬ、これが安保条約の精神でございます。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 基地を使用するばかりではなくて、そもそもそれを活用している軍隊というのは、それによっておのずから目的、性格が限定をされる。したがって、先ほど指摘をした四十五年三月十八日の愛知答弁では、安保の性格、使命、目的からいってはずれるのだというような答弁があるのです。その点について、たとえば東郷政府委員の楢崎議員の質問に対する答弁からいっても、太平洋全域に補給の責任を持つ基地にはなり得ないのだ。それはなり得ないと言っているわけですよ。これは四十五年三月十七日ですね。したがって、こういう答弁といまの答弁とは食い違いがあると思いますから、安保条約の六条に従って駐留する米軍の任務というのはどういう限定を受けるのかということについて、統一した見解を示してもらいたいと思います。

吉野文六外務省アメリカ局長

○吉野政府委員 私の答弁は基本的には前任者の答弁と異なっていないと思いますが、いまの点につきまして、東郷政府委員は、同時に「これは極東の範囲の定義にもございますように、米軍が日本を含む極東の安全を守るために活動する範囲というのは、いわゆる極東そのものには限らないわけでございます」ということも言っておりますし、また、愛知大臣も、安保条約の範囲を逸脱するような活動は認められませんから、そういうことで処理していかなければならない。つまり、安保条約の範囲を逸脱すると申しますのは、私が先ほど御指摘したとおり、日本の基地を使う場合には、その基地の範囲内において第六条の規制を受ける。しかしながら、軍隊である以上それぞれの機能があって、この軍隊の機能自体は、われわれとしてはこれは制限できない、こういうことでございます。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 その楢崎議員とのときも、いろいろやりとりがあって、最後の結論として述べているのが、私がいま指摘している部分でしょう。最後のところにそれが出てくるわけでしょう。愛知外務大臣は再三同じような趣旨の答弁をしていますよ。たとえば大出議員の四十五年三月二十六日の衆議院本会議の質問に対しても、同じ趣旨の答弁が出てきているわけですね。ですから、その辺のところを、皆さんのほうは抽象論に戻そうとしているわけでしょう。私のほうは具体的な事実に基づいて、それはどうなのかということを聞いているわけですよ。したがって、軍隊は当然移動するものだから、日本に駐留している米軍は、どんな任務を持っていたってかまわないのだ——いまのあなたの答弁というのは、突き詰めて言うとそうですよ。どんな任務を持っていたっていいのだ、どこだって移動するのはかまわないというのじゃないでしょう。日本の基地を使用する、日本の基地に駐留している米軍は、私たちは施設、区域を提供しているわけですから、その提供目的は何かといえば、六条にいう日本の平和と安全と、極東の平和と安全ですね。したがって、その意味での目的、性格にやはり限定されるわけでしょう。部隊の行動ばかりでなくて、任務そのものも。したがって、愛知外務大臣の答弁は、たとえば衆議院予算委員会のやりとりもあります。共産党の不破さんとの間のやりとりも、やはりそういうような指摘に対して、太平洋全域ということになれば、そういう範囲を越えるものだ、したがってそれは同意できないという答弁が繰り返し行なわれているのですよ。そこを私は聞いているのです。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 ちょっと関連。機能と任務は違うのです。こういう機能を持っておるが、ただしその機能のうちでこの任務をやるというのは、違うのですよ。混同してはいけません。したがって、基地の使用目的と米軍の任務は、裏と表の関係ですよ。その使用目的はちゃんと安保条約で限定されておりますね。したがって任務も、その使用目的を逸脱する任務を持っておったら、安保条約上そういう部隊は使えませんよ。それを混同してはいけませんよ、機能と任務を。

吉野文六外務省アメリカ局長

○吉野政府委員 私としては混同しておるつもりはございません。在日米軍の任務というのは、もちろん日本におる間は安保条約の目的に従って行動せざるを得ない。しかしながら、軍隊である以上、先ほど申しましたように、潜在的な機能はある。したがって、それがたとえばヨーロッパのほうに移駐するということであれば、これは当然そういうものを移駐してはいかぬということはわれわれは言えないわけです。その意味で任務というものも変わり得る。ただし、それは日本の基地を直接使って行動するのじゃない、こういうことになるわけです。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 軍隊というのは、一般的にどこにでも行けるなんというものじゃないのですよ。ちゃんと編成があって、指揮系統が明確になっていて、その部隊の任務というのはすでに明らかになっているわけでしょう。だから、私はそういう一般論で議論しているのじゃなくて、沖繩の米軍のことについて言っているわけですよ。たとえば沖繩にいるKC135というのは、戦略空軍に対する給油と戦術空軍に対する給油、一切の給油活動を行なっている部隊でしょう。そういう任務づけなんですよ。そういう任務づけに基づいて行動を一般的に行なっているわけです、その任務に従って。したがって、任務がすでに安保というものの範囲を広げて、広い範囲の任務を持っている場合には、これはやはりおかしいんじゃないか。つまり沖繩の米軍の任務が変われば別ですよ。極東の範囲内ということにその任務が変われば別だけれども、そうじゃないわけでしょう。戦略空軍に対する給油活動、グアム島から飛んでいくB52に対する給油活動をやっているわけでしょう。したがって私は聞いているわけなんですよ。一般論じゃないのです。

吉野文六外務省アメリカ局長

○吉野政府委員 その点に対しましては、先生の御質問の趣旨はわれわれもよく理解しているつもりでございます。御存じのとおり、やはり西太平洋と東太平洋と分かれております。したがって、こういうような意味では、そこに配置されておる軍隊の任務の一般的な区分けというものはあるだろうと思います。しかし、われわれが先ほどから申し上げておりますのは、安保条約の範囲内においてしか日本の基地は使用できない、こういうことでございますから、そこで、先生の御質問とわれわれの答えとは、特にどの点が具体的に違っておるか、われわれよく理解できないところでございます。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 そうしたら、この太平洋全域に補給責任を持つ基地にはなり得ないでしょう。つまり私が言っているのは、先ほどからあげている、海兵隊のチャップマンの発言とか、レアード国防長官の、沖繩の基地機能はこうだという下院における証言というのをそのまま持ってきて、その任務を持っている部隊だということになれば、これは安保条約の範囲内から逸脱するだろう、こういうことでしょう。

吉野文六外務省アメリカ局長

○吉野政府委員 これは、やはり具体的に彼らの行動を見た上でないと、われわれは判断できない。もちろん米側は米側で、自分の軍隊がいかに能力があり、機能があり、任務があるかということを世中じゅうに対して誇示する必要があるでしょう。しかしながら、われわれとしては米国との間の安保協定の条項に従ってわが国の基地を規制していく、こういうことになるわけです。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 どうもあなたとこのような議論ばかりしておっても、まだまだほかにたくさん問題がありますが、時間がないので非常に残念なんですが、実はそこは非常に基本的な問題なんですよ。基本的な問題というのは、一番最初に申し上げたように、沖繩返還の交渉についてのアメリカ側の視点は何か。沖繩の米軍の基地機能をそこなわないようにするということでしょう。皆さんそれに対して、安保だ、安保だとこう言うけれども、その辺のところのワクが拡大してしまったんでは、これはわれわれが言うように、本土が沖繩化してしまうという問題になるわけですよ。だから、いまの御答弁を聞いていると、どうも従来の愛知答弁と非常に違ってきている面があるということを、どうしても指摘をせざるを得ないのです。  そこで、さらにちょっと問題を深めて、たとえば最近変わってきているのは、もう一つこういう点が変わってきていますな。KC135の問題なんですれども、B52が戦闘作戦行動に従事するためにグアム島からベトナムに対する爆撃に参加するということをKC135部隊が知って、それに対して給油するというのは、事前協議の対象に返還の暁にはなりますか、なりませんか。

吉野文六外務省アメリカ局長

○吉野政府委員 この点につきましては、政府はたびたび御答弁しているとおり、これは事前協議の対象になりません。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 それはならぬということは、どういうことなんですか。

吉野文六外務省アメリカ局長

○吉野政府委員 これはあくまでも基地使用の態様でございます。すなわちこのKC135は給油のために沖繩ないし本土の基地を使う。したがって給油自体は何ら事前協議の対象にならないわけでございます。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 それは四十四年三月十三日の愛知外務大臣の答弁から言うと、そうじゃない答弁がありますね。共産党の岩間正男議員に対する答弁ですね。そうするとこれは変えたわけですか。

吉野文六外務省アメリカ局長

○吉野政府委員 この点につきましても私は予算委員会で御説明したと思いますが、愛知大臣が答弁したときの基地の使用というのは、沖繩ないし本土の基地に着陸して、そこで給油を受ける。すなわちその場合には、基地から出発したときにすぐ直接軍事行動になる場合には事前協議の対象になるわけです。その意味の直接給油の場合でございまして、上空において給油を受けるということは、基地が直接戦闘作戦行動の発進の基地になっていないのだ、こういう意味で愛知外務大臣も明らかにその点を意識して答弁しておるものだと思います。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 そのKC135とB52というのは、これは不可分の部隊なんですね。不可分の部隊、分けて考えることのできない部隊なんです。アメリカはもう明確にそういう位置づけをしているわけでしょう。そこのところをあなたたちは考えないのですか。

吉野文六外務省アメリカ局長

○吉野政府委員 これは、事前協議の対象になるかどうかという、一方においてはきわめて政治的な問題でありますが、解釈としてはきわめて法律的な問題でございます。したがってこれは法律的にはっきりさしておかなければいかぬ。したがって、単に給油をするということは事前協議の対象にならぬ、こういうようにわれわれは考えております。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 戦闘作戦行動に直結するものについては事前協議の対象になるでしょう。

吉野文六外務省アメリカ局長

○吉野政府委員 それは具体的な事例をあげていただかないと、われわれは何が直結するかわかりませんでございますが、給油の場合には、少なくとも基地の使用は給油のために発進する、こういうことであります。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 安保のときの藤山さんの答弁だとか、あるいはそのあとの赤城さんの答弁なんか見ると、たとえば前線に対して弾薬、食糧を補給するのは直接性を持っているという答弁がありますね。これは皆さんも変えていないですな。そうすると、いま給油のところだけは、特に最近沖繩返還ということが問題になって、しかも嘉手納に給油部隊がいるものだから、皆さんのほうは、この事前協議の問題についても、これはアメリカ側と何らか話し合いをして解釈を変えてきたというように解釈せざるを得ないのです。この愛知外務大臣の答弁だって、いろいろなやりとりの中で、皆さんが言うように、一度着いて云々というような答弁にはなっていないですね。「給油の場合も明らかに発進する飛行機が作戦のために飛び立つという戦闘命令を受けて途中で給油をする場合はその範疇に入る」という答弁になっているでしょう。つまり、B52自身が戦闘作戦行動命令を受けて、それに対して給油をするんだということが事前にわかっていれば、これはやはり事前協議の対象になるでしょう。つまり、ベトナムに対して爆撃をする飛行機に対して給油するという場合は、この答弁の趣旨から言うと、どうしたってこれは事前協議の対象になるでしょう。違いますか。しかもそれは原則として掲げられている。原則として掲げられている戦闘作戦行動にこれは直結しているわけでしょう。その飛行機がとにかく飛んでいけるようにするわけですからね。飛んでいけるようにするわけですから、このKC135部隊というのがなかったら、B52というのは活動できないわけですよ。

吉野文六外務省アメリカ局長

○吉野政府委員 愛知外務大臣の答弁も、われわれとしては、あくまでも途中で給油するということは、そういう作戦行動命令を受けた飛行機が、途中で基地を使って、そこで給油する、こういうように読んでおりますし、またのとおりだろうと思います。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 その基地を使っておるという問題は、また別に三木さんが外務大臣当時、そういう種類の答弁をしておるところがある。これは明確に着陸をしてそれからということですね。そうじゃなくて、この場合は、全然そんな議論はどこにもなされていないじゃありませんか。この参議院の予算委員会の議論では、空中給油のためにと、明確に限定して質問者は質問しておって、それに対する回答として、やりとりの中で結局認めているわけでしょう、愛知外務大臣は。違いますか。

吉野文六外務省アメリカ局長

○吉野政府委員 この点につきましては、われわれはあくまでも私の述べたようなことで解釈しております。そしてまた愛知大臣も、そのように述べているだろうという前提でわれわれは解釈しておりました。いずれにせよ、これは井川条約局長も答弁していますように、あくまでも日本の基地を給油のために使うということは、これは事前協議の対象にならない、こういうことでございます。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 どうも皆さん方が、そういうことで、安保の運用のほうを拡大をすることによって沖繩の米軍の基地機能を認めたということを、どうしても指摘せざるを得ないわけであります。  そこで、次の問題に移っていきたいと思うのです。防衛庁のほう、もうちょっとあとになりますので、お許しを願います。  沖繩の空の管制の体制がどうなるかということなんです。これは、航空路管制と進入管制、あるいは那覇空港が返ってくるわけですが、那覇の管制というように分けて、どういうことになるのか、これをまず運輸省のほうからお答えを願いたいと思います。これに関連して外務省のほうにもお尋ねします。

内村信行運輸省航空局長

○内村(信)政府委員 沖繩における航空管制の問題でございますが、分けて申し上げますと、那覇空港の飛行場管制、それから着陸誘導管制、これは施政権返還と同時に航空局において引き継ぎをいたします。それから航空路管制業務でございますが、これにつきましては、管制施設あるいは長距離監視レーダー等の施設がまだ整いませんので、それが整いますまでの間約二年間米軍が行ない、二年間たちまして、こちらの準備体制が整った後に当局に引き継ぐということになっております。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 そうすると、進入管制のほうは永久的にアメリカの手に渡るということですな。

内村信行運輸省航空局長

○内村(信)政府委員 失礼いたしました。いま進入管制の問題を落としましたが、進入管制につきましては、那覇空港の進入管制の問題があります。その場合に、那覇空港のそばに嘉手納の空港がございますけれども、那覇空港が独立いたしまして独自の進入管制を行なうか、あるいは嘉手納と一緒に共通の進入管制を行なうか、この辺は安全の問題でございますが、目下研究中でございまして、まだ明確にきまっておりません。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 進入管制ということになると、大体この範囲で考えますと、沖繩本島の空の上、これは大体進入管制になる。その外がエンルート管制、航空路管制ですね。それから那覇の空港のところが空港管制ということになるだろうと思います。そういうように理解してよろしいですか。

内村信行運輸省航空局長

○内村(信)政府委員 大体においてそのように御理解いただいてけっこうであります。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 そこで、この話し合いはどこでやっているのですか、外務省、おたくでしょう。

吉野文六外務省アメリカ局長

○吉野政府委員 これは外務省が他の関係省と一緒になりまして、米側と委員会をつくって協議しております。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 そこで、いま、これはすぐ引き継ぐわけにいかぬというようなこと、いろいろ御答弁があったわけです。特に進入管制の部分はまだ話し合いができてないということですけれども、これは防空との関連も非常に出てくるわけですね。この辺のところについては、大体何年ということをエンルート管制についてはいま明確におっしゃられたけれども、進入管制についてはまだ話し合いということでしたね。それに間違いないですか、外務省。

吉野文六外務省アメリカ局長

○吉野政府委員 間違いございません。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 そのほか、これについて、たとえばいま航空交通管制に関する合意第三付属書というのがありますね。その適用する原則、あそこでアメリカ側とどういう話し合いになっているのですか。これは五月十五日を前にしてまだきまってないわけですか。

吉野文六外務省アメリカ局長

○吉野政府委員 目下この問題は交渉中でございますが、一応、復帰後いわゆる第三付属書をこのまま適用する、しかし、それから間もなく、なるべく早くこの第三付属書を含めまして全般的にもう一回レビューして改正していきたい。このように考えます。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 この航空交通管制に関する合意第三付属書、つまり最高の軍事優先になっているやつをそのまま沖繩に適用するわけでしょう。去年の八月、私たちそのとき指摘をしたのは、これはこのまま沖繩に適用される危険性がある、そこのところは変えなさい、こういうことを、あの連合審査会のときも、そのあとこの内閣委員会でも繰り返し繰り返しほかの委員からも指摘があったわけです。それをそのまま適用するというのは、一体どういう話し合いの過程があったのですか。

吉野文六外務省アメリカ局長

○吉野政府委員 これは先ほど申しましたように、われわれとしてもこの問題に手をつけたいと思っております。しかしながら、現在、訓練空域をどうするかとかいろいろの残された問題がまだございますから、それをまずやって、そのあと第三付属書の改正をしよう、こういうように考えております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 関連して。いまの点はちょうど福田外務大臣が病気でお休みになっておって、木村外相代理のときです。佐藤総理と木村さんは約束したのです。もう沖繩が返ってくる、その前にこれを変えるのかどうか。変えないとそのまま適用されますからね。そうしたら、その方向で検討すると、総理も約束しているのですよ。そんなに簡単にこのまま適用するなんという答弁がどうして出てくるのですか。

吉野文六外務省アメリカ局長

○吉野政府委員 この点の議事録はわれわれも手元にございますが、佐藤総理のお答えした点は「取りきめ書を簡単に破棄とは言わないで、やっぱり十分検討してみる」、「相互の意見を調整すべきだろう、かように思いますので、十分検討したい、かように思っております」、こういうようにお答えておるわけであります。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 あなた方そうおっしゃいますけれども、この第三付属書を適用するというのは去年の五月の段階できめられていたんでしょう。それをそのままあと、あの八月四日の連合審査、つまり自衛隊機による全日空機の事故が起きまして、いろいろ批判されたにもかかわらず、皆さん方のほうでは、内部的には何もそれを受けとめないで、去年の一月から五月の段階でいろいろ話し合いをなされましたね。あれはどこでやったのですか。航空管制についての地位協定班か何か、その辺でやったんじゃないですか。そして現実にはリチャード・G・リーという向こうの参謀長ですか、それと橘参事官との間に合意を去年の五月段階でしておって、現実にあなたのところにスナイダー公使からの書簡が来ておって、明確にそこで第三付属書を適用するということを合意しておる。そしてあの事故があって、これを検討しろというにもかかわらず、皆さん方は全然何もやらずにそのままやっている。国会では検討するとか何とかすると言いながら、実はあの事故の前のやつでそのまま事を運んでしまっている。この軍事優先になっている航空交通管制に関する合意第三付属書、これも何か秘密だとかいってみんながだれでも知っていることを、皆さん方は公表されようとしない。これからこの中身について少し議論しますが、そういう皆さん方の姿勢というのも、これまた問題じゃないですか。あの事故というものを皆さん方受けとめていない。総理大臣のこの答弁を受けとめていない。五月の段階できめたそのとおりやっているじゃありませんか。

吉野文六外務省アメリカ局長

○吉野政府委員 私の記憶では、当面、あの事故のあった後は、ともかく民間の航空路の安全をどういうように保つか、こういうことを集中的に協議してきたわけであります。したがって、それと第三付属書の関係は必ずしも直接の問題ではない。もちろん非常に密接に関係しておることはわれわれも承知しておりますが、今度の事故の原因その他を調べましても、いずれにせよまず民間航空機の安全が大事である、その意味で航空管制をどうするか、こういうことで論議してきたわけでございます。そしてそれに必要な範囲内において米側の協力を求めてきたわけでございます。この点につきましては、先方もそれぞれその範囲内においていろいろと協力してきた、こういうように理解しております。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 しかし、その第三付属書を原則として適用するというわけでしょう。これは軍事優先以外の何ものでもないじゃないですか。そのことがあの事故につながったというのが、あのときの反省だったわけですね。われわれこの内閣委員だって、その点は何回も何回も議論しました。それを皆さん方のほうは、ともかくアメリカとの関係では、あの事故の前の六月にきめたことをそのままやって、具体的な作業というのは何もなさっていない。時間の問題じゃないでしょう。皆さん方のほうにやる姿勢さえあればやることができるはずです。

吉野文六外務省アメリカ局長

○吉野政府委員 この問題は、わが国の管制官の育成その他の問題とも関連いたしまして、直ちに沖繩の空の管制を全部引き受けるわけにはいかないというのが現状であるわけであります。したがってわれわれも、用意が整い次第第三付属書を改正するということにつきましては、米軍も異議ないと言っておるわけでありますから、したがって、われわれの準備が整い次第、この問題に取り組みたい、こういうふうに考えております。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 そうすると、その中でもって、軍事優先の第三付属書というのは全面的に改められるわけですね。

吉野文六外務省アメリカ局長

○吉野政府委員 この点は、われわれとしても米側と話し合ってみないと、いまからはっきり申し上げることはできませんけれども、御承知のとおり、やはり日本の空はわれわれが守るのだ、こういうことでございますから、したがって、その趣旨で改正になるようにわれわれとしては努力したいと思います。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 いま軍事的な航空のことを言っているのじゃなくて、民間の航空交通管制の問題を提起しているわけなんです。では、実際に皆さん方の腹としては、どこをどういうぐあいに変えようとしておるのですか。

吉野文六外務省アメリカ局長

○吉野政府委員 この点につきましては、目下関係各省と協議中でございます。したがって、よく関係各省の意向を聞きまして、そしてそのラインに沿って交渉したいと思います。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 八月からいままで何カ月あったのですか。前の自衛隊機の事故のときも、私たち国会でその一年、二年前からいろいろ議論してきたのですよ。議論してきて、そして防衛庁と運輸省との間に話し合いがつかないままに会議ばかりやっておってあの事故が起きてしまったのですよ。皆さん方、ほんとうにわれわれ日本の国民の利益を守るという立場に立ってアメリカと交渉しているのですか。そういう姿勢というのはあるのですか。ほんとうにその点を考えるならば、こういう問題こそまずいろいろできるわけでしょう。別に大臣や何かの手をわずらわさなくても、皆さんの手でできるわけでしょう。どうなんですか。ほんとうに沖繩県民なり日本国民の利益を守るという立場に立って、こういうようなことの話し合いぐらいすぐできますよ。違いますか。

吉野文六外務省アメリカ局長

○吉野政府委員 率直に申し上げまして、那覇の進入航空管制ですら、まだわれわれは受け継ぎ得るかどうかということがわからないという状況にあるぐらい、管制官の不足を来たしている現状でございます。したがってわれわれとしては、まず管制官を充実して、その上に、もちろんそれは同時にやらなければいかぬと思いますが、その前提で交渉していかなければいかぬ、こういうふうに考えております。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 その問題も一つありますよ。その問題も一つあるけれども、私が言っておるのは、軍事優先のこの附属書を改める問題ですよ。これは別に管制官がどうだろうとこうだろうと関係ないでしょう。少なくとも日本の手に沖繩の空は戻るのでしょう。違いますか。いまのお話だと、進入管制はどうなるか、まだ全然わからない。しかし、少なくとも去年の五月段階の合意事項によれば、米軍の軍事的な利用の必要性がある限り、進入管制についてはアメリカ側が持つということが、皆さん方とアメリカ側との間に約束されていますね。そうでしょう。

吉野文六外務省アメリカ局長

○吉野政府委員 この点は、航空管制に関する合意第三附属書というものの改正全体は、御存じのとおり、少なくとも本土に関する限りは、事実上改正されると同じような形で運営されているわけでございます。沖繩につきましても、われわれは、そういう事態をまずつくっていかなければいかぬ、それと並行して交渉していきたい、そういう段取りではないかと考えておりますが、ともかくわが国自体の準備ということがその前提になるだろうと考えております。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 確かにそれは管制官が足りないということは私もよく知っておる。そこにも問題があるというのは、これは運輸省の問題ですが、そうじゃなくて、その基本的な視点なり姿勢なりがどうなのかということは、どっちがやるにしても、扱う場合に、米軍機に最優先権を与えるとか与えないとかいうことです。肝心なのは民間優先の姿勢を持っていかなければならないということですよ。それは、あの自衛隊機が全日空機にぶつかっていって、その事故のあとのわれわれみんなの反省だったはずです。だからその議論の中でも、この問題が取り上げられて、沖繩が問題になるのだから、そのときにどうなるかという議論がされているわけですね。したがって姿勢としてはここにたくさん出てくる。あちこちに出てきますよ。こんな第三附属書をそのまま適用し、たとえば「日本国政府は、管制本部に勤務する職員の選定及び身許調査について責任を負うことを相互に確認する」、こんなばかなことがありますか。日本政府というのは独立した国なんでしょう。何でこんな身元調査についてアメリカ政府に保証してやることを約束しなければならぬのですか、合意書の中で。まだまだそのたぐいのことがたくさんあるのです。  ともかくこの第三附属書は米軍優先ですよ。軍事優先ですよ。これを適用させてしまったら、私はこれから将来にわたって問題になるのは進入管制だろうと思う。ほっておいたら、あの沖繩の米軍の機能なり任務からいって、永久にアメリカの手にとられて、日本に戻ってくることはない。横田の例を見ればわかるじゃありませんか。だから私が言っているのは、あとでまた帰ってきてからごちゃごちゃ話をするのだったら、どうせあなた方皆さん忘れてしまって、話をしないにきまっている。いまこの時点で、そういう姿勢においてどこをどう直すのか、少なくとも軍事優先なり米軍機最優先という考え方だけはアメリカ側にやめてもらおう。日本に復帰の暁には、名実ともに日本の領土になるわけでしょう。だから、そういう皆さん方の交渉の姿勢とか視点とかいうものが問題なんですよ。アメリカの利益を守るのがあなた方の外務省の役目じゃないですよ。

吉野文六外務省アメリカ局長

○吉野政府委員 御存じのとおり、航空管制という問題自身は非常に技術的な問題も含んでおりますし、そしてまたいかに第三附属書を変えていくかという問題は、これは、わが国の関係官庁がこの問題の具体的な点につきましてどういうような意見を持っておるか、ということの調整から始めなければいかぬだろうと考えております。したがって、そういうものができない限り、外務省は単独に自分で国の政策をつくって交渉するというわけにまいらないわけでございます。したがって、あくまでもそういうことを前提にしてわれわれは交渉する。そしてまた、これにつきましては米側が交渉しないと言っているわけじゃないのです。また、改正しないと言っているわけじゃなくて、米側もこの点については原則的に応じているわけなんです。したがって、問題はむしろわが国の政策自身をまず固めていただきたい、その上でわれわれはいつでも交渉していく、こういうふうに考えております。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 あなた、そんなことを言って、ほかの省庁に責任をなすりつけるようなことはやめなさい。問題はあなた方の交渉の姿勢なんだよ。方針ははっきりしているじゃありませんか。たとえば運輸省、防衛庁との間のこれを書き写したようなやり方、覚え書きというのは改められたわけでしょう。これは問題ももちろんあるわけですが、姿勢は明確なんですよ。問題は外務省の姿勢なんですよ。あなた方はほんとうにアメリカの利益を守るために交渉をやっているのか、日本の利益を守るためにやっているのかという、その大もとのところ、根本のところがやはり私は一番大きな問題だろうと思うのです。だから、少なくともこの米軍優先というような扱いをしておる第三附属書の軍事優先の思想だけは改めていきたい、これぐらいは皆さん方の立場だって、いまの時点でも言えるでしょう。

吉野文六外務省アメリカ局長

○吉野政府委員 この問題は原則的には先生のおっしゃるとおりだろうと思います。しかしながら、軍事優先という意味は、万一事態がそのような状況になった場合には軍事優先をせざるを得ない、これはわが国の防衛の必要上当然のことだろうと思います。したがって、そういう前提も十分加味した上でわれわれは日本の政策をきめていただきたい、こういうように考えておるわけでございます。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 それはこの第三附属書の第三章の「方針」のところを見てみると、「次に述べる航空機について、航空交通管制承認の最優先権を与えること。航空業務に従事する航空機及びあらかじめ計画された戦術的演習に参加する航空機」というようなことになっているわけですね。しかも沖繩の空のチャートを見てみると、あちこち制限区域ばかりですよ。射撃の訓練あるいは出撃していくために、嘉手納のところだって時間の制限が非常にあって、そこが飛べないようになっているわけですね。こういうあたりをやはり根本的に私たちは考えていく。そういう面からも、沖繩の米軍の行動について、何でもかんでも米軍が自由かってにあの基地を使うのじゃなくて、われわれの立場からそれに制約を加えて、民間航空機の安全を守るということ、これがやはり姿勢として出てこなければならぬと思うのです。だからその辺の基本的な方針ですね。つまり、そういうような最優先を与えるのはやめる、少なくとも航空の安全を守るという立場に立ったアメリカとの間の合意をこれから進めていきたいというその姿勢ぐらい、皆さん、国民の前に明らかにしたっていいじゃないですか。

吉野文六外務省アメリカ局長

○吉野政府委員 いま先生のおっしゃられた点につきましては、われわれは全然異議ないわけでございます。しかしながら、やはり問題は、具体的な、たとえば演習区域をまず減らしていくとか、かりに那覇の空港の全面返還であるならば、進入管制もわが国が引き受けないといかぬ、こういうような具体的な問題のほうが実はわれわれとしては非常に難問が多いわけでございます。したがって、そういうことを踏んまえてあくまでもわれわれは第三附属書の改正も含めましてこれから取り組もう、こういうように考えておるわけでございます。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 あなた、いつごろまでそれをやるつもりですか。

吉野文六外務省アメリカ局長

○吉野政府委員 これは非常にむずかしい問題でございまして、わが国の国内体制自身も十分なこれを引き受けるだけの用意がなければいかぬ。これと並行して改正していきたい、こういうように考えております。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 それはそれでもって、管制官の要員の問題ですから、それとまた別に、基本的なこちら側の姿勢なり思想の問題として考えれば、軍事優先の思想というものは、とにかくそこで改めていく。これは何も、管利権をどっちが持っていようと、いまだってこれはできる問題だろうと私は思うのですよ。そうじゃないですか。  そこで一つお尋ねしますが、進入管制については話がまだきまってないようなことをおっしゃっていたけれども、進入管制について具体的にはどうなっているんですか。外務省のほうですか。少なくとも去年の五月の段階では、米軍の軍事的な必要がある限りは、米軍が管制権を持つということになっていたのでしょう。局長どうですか。

吉野文六外務省アメリカ局長

○吉野政府委員 沖繩が復帰前までは、いずれにせよ管制は先方にゆだねているわけでございます。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 そうじゃなくて、去年の五月の段階でも、日米双方の合意の内容では、エンルート管制と進入管制というのはいま沖繩は一緒になっているわけですよ。これを分離して、エンルートについては二年後云々という先ほどの話だが、進入管制については、米軍が必要とする限りこれを使うんだ、こういうことなんでしょう。

吉野文六外務省アメリカ局長

○吉野政府委員 その点はまだ話し合いの段階でございます。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 去年の五月のリーという人と橘参事官との間に署名をかわしたのはどういう意味なんですか。

吉野文六外務省アメリカ局長

○吉野政府委員 この点は、先生も御指摘のとおり、エンルートの問題につきましては二年後に引き継ぐ。それから進入管制につきましては、今後まだ話し合っていきたい。ただし嘉手納と普天間につきましては、米軍の基地であるから、したがって、おそらく進入管制につきましてはとれない可能性はありますが、しかし那覇につきましては、御存じのとおり、これが全面的にわが国に返ってくることを前提としてわが国がやることになる、かように考えております。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 那覇空港はターミナル管制だけでしょう。進入管制も日本でやるんですか。

内村信行運輸省航空局長

○内村(信)政府委員 現在きまっておりますのは、着陸誘導管制と飛行場管制でございます。進入管制についてはまだきまっておりません。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 あそこは嘉手納と普天間と那覇とが非常に密接しているから、もしやるなら全面的に日本がやるか、全面的にアメリカ側がやるかということになるわけですね、常識的に考えれば。そうすると嘉手納の空軍が残っておる限りは、アメリカ側としてなかなか離さない。したがって去年の五月段階の話では、エンルートと進入管制は分けてしまって、進入管制については、那覇も含めて米軍が軍事的な必要性がある限りは、これをアメリカ側が持つんだというように、お互いの間で、一応交渉過程かもしらぬけれども、話がきまっておるんでしょう。

吉野文六外務省アメリカ局長

○吉野政府委員 そういうことはないそうでございます。すなわち、まだこの問題はお互いに今後協議していく、こういうことだろうと思います。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 ないということであれば、たしか去年の五月二十六日のお互いの間の約束みたいなことは、あれはどういう意味なんですか。

吉野文六外務省アメリカ局長

○吉野政府委員 この点は、私自身直接交渉に携わっておりませんでしたから、詳しい経緯は承知しておりませんですが、先ほど申し上げましたとおり、那覇については進入管制もわがほうにまかしてくれ、これがあくまでわがほうの基本的態度でございます。しかしながら、先ほど先生が御指摘のとおり、普天間、嘉手納の進入管制との関連で、わがほうの準備が一つには整っていない、二つにはすなわち進入管制の錯綜がある。このような複雑な体制のもとにおいて、いかに那覇のみの進入管制を分けて、かつ日本がこれを引き受けていくか、こういう点につきましてなお先方と協議中でございます。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 まだそういう話し合いが行なわれているというのなら、それはもうぜひできるだけこちらがとる方向でやってもらいたいと思いますから、あんまりうるさいこと言いませんが、しかし、実際には五月二十六日段階で、向こうのリーというのと橘参事官との間の約束が、スナイダー公使から吉野局長あてにちゃんと文書で出ているわけでしょう。そういうまたいいかげんなことをおっしゃられると困るので、まだそのことについては結論が出ていない、これから日本側としても交渉段階で詰めている段階だということでありますから、それは間違いないのでしょう。進入管制について期間も何もまだきまってないというなら、そういうことであれば私のほうから注文申し上げておきますから、局長、ちょっと聞いておってください。進入管制についてもまだきまっていないというならば——少なくともその文章上はいろいろな表現が出てきているわけですよ。きまっていないならば、アメリカ側が軍事的必要がある限り、この進入管制はアメリカが持つなんというような、そういう協定にだけは絶対にしないでくださいよ。いいですか。それだけ皆さんのほうでがんばってもらわなければ困るので、そういうことになったら、永久に本島の空は全部米軍の手に握られることになる。いま、那覇の進入管制ばかりではなくて、嘉手納にしても、普天間にしても、エンルートは二年後——では進入管制についても、二年が無理だったら五年なら五年ということで、皆さんのほうでがんばってくださいよ。そうであれば、私のほうはこまかいことは言わぬ。

吉野文六外務省アメリカ局長

○吉野政府委員 その点は、先生の御主張は十分われわれも体しまして交渉したいと思います。いずれにせよ、このような交渉が最終的にきまるのは、そのつど開かれます日米合同委員会において最終的に合意に達するわけでございますから、したがって、それができるまではわれわれも何とも申し上げることはできない。それから日米合同委員会も、何も全部を一度にきめる必要はないわけでございまして、それぞれわがほうが受け入れ準備が整い次第、必要な範囲内において先方から引き継いでいく、こういうことになるわけでございます。しかしながら、われわれといたしましては、先生のおっしゃられるとおり、日本の空を実質的に取り返したい、この意味で努力いたしたいと思います。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 一たび渡してしまうと、東京の空だって日本のものじゃないですよ。そうでしょう。もう二十何年たっているわけですよ。ですから、一たび渡してしまったら、これはだめなんです。いずれにしても、これは五月十五日の段階前には、何らかの形で、エンルート管制なり進入管制なりターミナル管制についてどうするか、取りきめをしなければならぬわけでしょう。これは主権は日本にあるわけですから、空の主権だって日本に返るわけですから、したがって、アメリカ側にやらせるとするなら、その何らかの取りきめが必要なわけです。あとになって必要な取りきめをしていけばいいという問題じゃない。最初の取りきめのときにアメリカ側の軍事的な必要がある限り進入管制はアメリカが持つというばかな協定にならないように、それだけは皆さんにがんばってもらいたいということです。その点は再度ぜひ確認してもらいたいと思うのです。

吉野文六外務省アメリカ局長

○吉野政府委員 先生の御趣旨はよくわかりましたが、やはり技術的あるいはわが国の受け入れ体制それ自体の問題がございますから、そういうものを踏んまえて十分努力していきたいと思っております。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 外務省のほうはもうこれでけっこうでございます。  防衛庁のほう、きのう国防会議を開いて自衛隊の沖繩配備をきめられた。そうすると、前の久保・カーチス協定とかなり違ってくる面がある。この久保・カーチス協定というものは、本来ならば日本の国会でも審議の対象にすべき性格のものだということが、この間の秘密文書の中で明らかになったと思うのですが、アメリカの議会でも、これはやはり正式の付属文書として出されておるわけでしょう。これについて皆さん方のほうで、結局、国防会議も形だけのもので、久保・カーチス協定というものと実質何も変わらないのですが、少なくとも手続の面ではいろいろとやらなければならぬことがあるはずであります。そのアメリカとの関係はどうなっていますか。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○江崎国務大臣 久保・カーチス協定は、しばしば申し上げてまいりましたように、米軍のおるところへ、国の違う、しかも新しい性格の自衛隊が入っていくということで、特に局地防衛を日本が取り扱うということで入っていくための、きわめて事務的、技術的な打ち合わせ、こういうふうに私どもは理解いたしておるわけです。そうかといって、もともと友好関係に立ち、日米安全保障条約を持っており、信頼感を持っての話し合いが基礎になっておるわけですから、この久保・カーチス協定がアグリーメントしたものでないから自由自在に変えられるという性格のものではないと思います。しかし、これはもうすでに首相を中心に、昨年の段階において二回話し合いをしておる。そしてその承認のもとに、久保防衛局長がカーチス中将との間に話をきめたものであります。これまた委員会でしばしば申し上げましたように、全然人員の移動ができないものではない。向こう六カ月以内に、当時は三千三百人と言っておりますが、その数字においても全然動かし得ないものではございませんというわけで、国際間の信義にもとらない範囲でこの人員を直したり、あるいは六カ月間と話し合いをきめたその取りきめの線を大きく逸脱しない範囲でスローダウンしていく、これは可能であります。久保・カーチス協定よりも、国防会議にはかるということを総理がきめまして、この国防会議でこうしたらいいという結論が出れば、それが優先いたしますといふううにお答えをして今日に至ったわけです。したがいまして、新聞等に発表されておりますような、ああいう形のものになったわけでございます。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 アメリカの議会のほうは、沖繩返還協定の正式付属文書になっておるわけでしょう。その関係は問題が起きてこないのですか。

久保卓也防衛庁防衛局長

○久保政府委員 このアメリカ議会における扱い、それから日本の国会における扱い、これは外務省と私どもと同じ見解というよりも、外務省の見解に私ども従っておりますが、アメリカの上院に出されました場合、ニクソン大統領の文書によりましても明らかでありますが、当然上院の審議の対象は協定でございます。そこで、英語をちょっと忘れましたが、フォー・ザ・インフォーメーションあるいはアズ・インフォーメーション、どちらかでありますが、インフォーメーションとして出されておるということばで、愛知・マイヤーズ書簡その他の文書と一緒にあげられていることは御存じだと思います。わが国の場合には、国会に外務省から出された文書と私どものそれとが、同時に国会に出されている。この点は、協定審議の参考資料という意味ではアメリカもわがほうも同じである、そういう位置づけになっております。特にわれわれのこの文書については、外交文書ではないというように外務省は申しております。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 今回の問題は、何か総理が出席されて、そのときにまたいろいろと議論があるようなので、私は簡単にしておきたいと思うのですが、今回の国防会議の決定についても、屋良主席のほうから、県民の感情としてこれは反対だという声がすでにあがっておりますね。特に久米島の虐殺事件との関連でいろいろといわれているわけでありまして、その辺のところ、この屋良主席の談話を皆さん方はどう受けとめますか。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○江崎国務大臣 主権が戻ってまいりますれば、当然、局地防衛の責任はわれわれ日本側にあります。したがって、ここに自衛隊を配備する必要性ということについては、絶対必要であるという認識に立っておりますが、そうかといって沖繩の県民感情を配慮しないわけにはまいりません。自衛隊を配備することも重要な責任でありますが、また同時に、県民感情を配慮していくということ、これは政治的な重要な責任であろうというふうに考えます。したがって、当初六百名を予定しておりました陸海空自衛隊の人員を、百名切っておりますが、正確には九十六名程度を、基地の返還、施設の返還、こういったことの米側との打ち合わせ、琉政との打ち合わせ、そういった準備行動のものにそのまま当たらせる。こちらが管理いたします自衛隊に提供されるものというのは、基地の広さからいうと約五十万坪。このごろは平米で言いますが、坪数で言えば五十万坪。棟数で言いますと二百八十三棟。非常に膨大なものであります。それを大体百名程度の者で管理をしていこうというわけですから、まず必要不可欠の人員を配置し、沖繩の施政権が完全に戻ってまいりましてから、主席をはじめ関係者との間でもひざをつき合わせて了解をとり、また沖繩県民にも十分に自衛隊に対する理解を深めていただきながら配備をしていこう、こういった考え方でいるわけです。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 そうすると、この間の立川移駐のようなことにはならぬですな。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○江崎国務大臣 そのとおりでございます。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 あと詳しい議論は、総理の出席のときにいろいろ議論があるようなので、私そこに譲りたいと思いますが、一ついまの軍事優先の先ほどの第三付属書との関係でちょっとお尋ねしたいのです。  例の自衛隊と全日空機の衝突の原因もいろいろ調査中でありますが、あのとき標的という議論がいろいろありまして、皆さんのほうでは、やっておられないということだったのですが、その後もそういう同じようなケースがたくさん出てきています。  そこで、最初に運輸省のほうにお尋ねしたいのですが、昭和四十七年二月十日午後一時三十四分、宮崎空港の付近で航空大学の訓練機に対して自衛隊機がスクランブルをかけたという例がありましたね。これは私は、標的訓練をやった、皆さん方の中で俗に言うアドリブをやったというように考えるわけですが、まずこの事実経過について運輸省のほうから御報告を願いたいと思います。

内村信行運輸省航空局長

○内村(信)政府委員 ただいま先生御指摘の問題でございますが、昭和四十七年二月十日十三時三十四分ごろでございますが、航空大学の学校機、この機長の報告によりますと、そのころに、日南訓練区域、これは宮崎の上空でございますが、そこでインターセプトされたというふうに聞いております。  そのときの状況は、同機長の報告によりますと、F86Fが航空大学校機の右横約百五十フィートぐらいまで接近いたしまして、その後、再度左横に接近して、そのまま宮崎空港の南三海里まで約五分間ぐらい追尾いたしまして、十三時三十九分にF86Fは西方に上昇した、これが航空大学の大学校機の機長からの報告でございます。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 いま概要があったのですけれども、航空大学の飛行機は宮崎空港の南々東の海上約十八キロメートルのところで、F86F二機、一機はうしろから完全に監視、一機は百五十フィートという顔が見える程度に近接して写真をとった。だからこれは防衛庁に写真があるはずです。それからその前面を横切って、さらにその左側について、さらに写真をとって消えていったというのですね。調べによると、どうもF86Fは築城の航空自衛隊の飛行機らしいのですね。  私はターゲットの飛行機が非常に不足しているということはよくわかるのですが、しかし、こういうことをやって、しかも皆さん方の中に、聞いてみるとアドリブということを言うのです。私はアドリブというのは何かよくわからなかった。そうすると、訓練以外の飛行機を見つけたら、それやれというのでやるのをアドリブというのですね。アドリブスクランブルというようなことばが自衛隊のパイロットの中にあるというのでしょう。こんなことを、八月のあの事故のあと、こりもせず、ことしの二月十日にまた再びやっている。これは旅客機じゃないです。航空大学の飛行機です。しかし、旅客機でなくたって、こんなばかなことをやるということでは、皆さん方がほんとうに反省したのかどうか疑わしいと私は思うのですね。この辺の経過はもちろん防衛庁長官も御存じだと思う。これは一部新聞にニアミスということで報道されているのですが、中身はそうじゃない。私はその辺のところをやはり防衛庁として反省をしてもらわなければならぬし、それからぜひその写真を提出してもらいたいと思うのです。

久保卓也防衛庁防衛局長

○久保政府委員 結論はあまりいいケースではなかったように私も思います。ただし、事実関係だけ私どもの調査した範囲で申し上げて、その上で御判断をいただきたいと思います。なお写真は差し上げます。  これは、二月十日十二時四十一分に、自衛隊のレーダーサイト、背振だそうでありますが、ここのレーダーサイトが、大隅半島の東南方の海上を北上中のいわゆる所属不明のアンノーン機を一機発見をいたしました。そこで、レーダーサイトで直ちに運輸省の航空交通管制部等に連絡をしましたところが、はっきりわからないということでありましたし、また、その飛行機に対して通信連絡をやったけれども成功しなかった。その間にこの飛行機がさらに北上を続けたので、確認のために築城のF86にスクランブルをかけました。その後、日南市の付近の上空で十三時十四分ごろにこの目標機がレーダーから消えたということで、発進をしましたF86二機が、日南市の上空へまっすぐ進んでいきましたところが、十三時三十二分ごろ日南市の北部付近の上空で目標機らしいものを発見した。これはスクランブル機が発見をしました。  そこで、スクランブル機二機が当該目標機の左上方から接近をして、これは天候不良であったそうでありまして、確認がややむずかしくて、三回ほどやり直しを行なったということでありますが、数分後に不審機でないことを確認した。この際——自衛隊機の報告では先ほどの距離と違っております。私どものほうが確かだとは申しませんけれども、その際には、自衛隊機は当該機に対して二千フィート近くまで接近した。これは私どものほうの内規では、最近は二千フィートまでというふうに制約しております。もしそれよりも近づいておれば、これはそういった内部の基準に違反しております。そこで、その近くまで行って四分ほど飛行を実施した。私どものほうから見れば、相手に不安を与えるような飛行はやっておらないというつもりではありました。そこで86は、不審機でないことを確認した後に、築城の基地に帰投した。その後に調査してみますると、いま航空局から御説明がありましたが、これは航空大学校の所属機であるということがわかりました。さらに調べてみましたところが、F86が確認をしたものは航空大学校の所属機でありましたが、レーダーが当初捕捉した不明機というものは海上保安庁所属のビーチクラフト機であったろうというふうに考えております。この飛行機は日南市付近を径て鹿児島空港に着陸をしているということで、この海上保安庁のビーチクラフト機が不明と見られた原因は、飛行計画とその航跡が、それぞれフライトプランに比べて、時間でいいまして十三分、距離でいいまして三十マイルばかり違っておったということのためにアンノーンということになったようであります。  以上であります。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 大体百五十フィートを二千フィートなんておっしゃいますけれども、顔が見える程度まで近寄ったことは間違いないのでしょう。あなた、お互いがそんなに違うはずがないですよ。みんなパイロット同士でそういうでたらめなことじゃ困ると思うのです。しかも、私がおかしいと思うのは、その不明機と皆さん方が称しているやつは、宮崎から実に百六十七キロないしは百八十五キロも離れているところでしょう。いいですか、築城がここにあると、皆さん方がスクランブルをかけた飛行機はここ、ちょどそれと同じ距離だけ遠いところにいる飛行機ですよ。それをあなた、間違えてスクランブルをかけるような、そんなばかみたいな話はないじゃありませんか。常識で考えたって、こんな防衛庁の言い分というのは通りませんよ。大体、築城から宮崎まで二百九キロ、その宮崎から、皆さん方があとで海上保安庁の飛行機だといっているのが大体百八十五キロぐらい、ちょうどそのまん中のところですよ。しかも航空大学の飛行機なんて、見ればすぐわかる。あんな飛行機にスクランブルなんか何もかけることはないじゃありませんか。だから、これは俗に皆さんが言っているアドリブをやったんだと私は思うんですよ。説明しておって自分でおかしいと思うでしょう。そう思いませんか。

久保卓也防衛庁防衛局長

○久保政府委員 これは所属不明の飛行機が大隅半島から海上を北上中であったわけでありますから、北上中のものに対して、アンノーンであり、その味方識別がはっきりしない場合にスクランブルをかけてもおかしくないと思っております。  ところで、いま言われましたようないろいろなことについては、私、航跡を見てきたわけではありませんので、ここで議論をしても平行線をたどると思いますので、もう少し調べてからいまの御疑問にはお答えしたいと思います。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 しかも背振山のレーダーが大体これをとらえることができるのかどうか。高度からいって、途中に市房山とか国見岳なんて山がありまして、たとえば市房山が千七百二十二メートル、国見岳が千七百三十九メートル、背振山は千五十五メートルですね。そこからのレーダーで、はたしてこの飛行機をとらえることができるのかどうか。しかも、鹿児島の周辺には高畑山のレーダーもあるでしょう。そうすると、方向からいったって、距離からいったって、何といったって間違えるはずがない。こんなに間違えるんじゃ、レーダーとしての機能を全然果たしてないことになるじゃないですか。

久保卓也防衛庁防衛局長

○久保政府委員 いま言われた範囲ではいろいろおかしい点がありますが、ただ、ここで白紙で議論してもあまり意味がないように思うので、私はやはり図面の上で先生に別途御説明申し上げたほうがお互いの理解に役に立つのではないかと思います。

横路孝弘日本社会党

○横路委員 それは何も私が説明してもらう問題じゃないですよ。国民のほうが説明してもらいたい問題なんですよ。しかも、スクランブルをやって、写真をとるために五分間ぐらい並行飛行したという。これは完全にからかいですよ、ある意味においては。あんなおそい飛行機にF86Fが何で五分間もついて写真をとる必要があるんですか。しかも百五十フィートですよ。これはスピードをおそくするために全部着陸態勢をとって、そうして一緒に並行していって、しかも、この航空大の飛行機の直前を横切って、今度は左側の写真をとる。その間、一機がうしろから監視をしている。これはスクランブルの態勢ですね。この間の例の自衛隊機が全日空機と衝突の、あの隈と市川の態勢と同じ態勢ですよ。皆さん方はやってない、やってないと言うけれども、ガンカメラで写真を写すわけでしょう。自衛隊出身のパイロットは、現実に持っている人がいるんですよ。日本航空や全日空の標旗が出ているんだ、そのガンカメラで写した標的機として。皆さん方のところにだってたくさんあるはずですよ。調べてみればわかると思う。したがってその写真を出してもらうということと、もうちょっと事実についてきちんと報告をされて、しかも、何かいまの御答弁によると二千フィートと言うが、百五十フィートまで近づいているということであれば、なおさら皆さんのほうで、とにかくパイロットの仲間でアドリブなんということばがあるんですから、大体やっているのは間違いない。そういうことだけはぜひ改めてもらわなければならなぬ。  これで接触事故でも起こしたら、皆さんまた責任をとらなければならぬ。そういう意味では、事故が起きないように事実の究明を徹底してやってもらいたいと思いますし、しかも航空大学というのは自衛隊出身の人が教官に多いんでしょう。どうもそういう意味でなれ合いでやっている。推理をすればターゲット不足だからなれ合いでやっているということだって考えられないことはない。航空大学の問題は航空大学の問題であとでまた議論したいと思いますが、少なくともその辺のところの事実をぴしっと究明をしてもらいたいということをお願いして、私の質問はこれであれして、ちょっと楢崎さんから関連があります。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 関連して。資料要求ともからめましてちょっとお伺いしておきますが、ADIZの最終的な決定は、米軍と何か協定もしくはそれに類するものをやらなくては独自ではきめられないわけですか。

久保卓也防衛庁防衛局長

○久保政府委員 本年末までは米側で領空侵犯措置をやることになりますので、その際に米側がせっかく設定しているものをそのまま踏襲したほうがよろしいか、あるいは復帰日に領空ADIZを防衛庁側として訓令で発してそれに従ってやってもらうか、事実上はわずかの違いであろうと思いますけれども、その手続の問題についてちょっとまだ結論を出しておりません。ただし、米側と協定というよりは、ADIZはいずれ自衛隊が自主的にきめられることでありますので、私どものほうでこうしたいということで向こうに通報すれば足りる問題であろうと私は思っております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 これもいろいろと関係が出てくるのでして、独自できめられるというような関係になっていないでしょう。そうじゃないですか。ちょっと念を押しておきます。

久保卓也防衛庁防衛局長

○久保政府委員 私の判断では、日本側で独自にきめるべき問題であろう。従来どういう経緯があるか知りませんが、米側でもし何かを言うならば、そのほうが筋違いであろうと思います。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 これをなぜ私が言うかというと、さっき横路君が取り上げました第三附属書、これをこのまま適用するということになれば、この中に書いてありましょう。久保さん、あなたはこの第三附属書を読んだことありますか。——では、できないじゃないですか。

久保卓也防衛庁防衛局長

○久保政府委員 その取りきめはずいぶん古いものでありまして、必ずしも現在そのとおり行なわれているとも思いませんし、かりにそこにありましても、米側がノーと言った場合に私どものほうでできないというふうには理解いたしません。かりにそこにあっても、私のほうの判断で向こうに了解を求めるかもしれませんが、ADIZの修正は可能であろうと思います。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 あなた、またたいへんなことをおっしゃいますよ。外務省が外に出られてしまってから、そんなことをおっしゃってはだめですよ。大臣、附属書をきめて、いや、そのまま行なわぬでもいいんだなんて、いまあなたの局長はおっしゃっているのです。冗談じゃありませんよ。そういうことでいいんですか。だから沖繩返還の前にこれを何とかしなさいと私も要求したし、きょうも横路君が要求している。この第三附属書がそのまま適用されることになると、これにどう書いてありますか。「防空責任担当機関」、これは日米の制服同士です。「防空責任担当機関と協議のうえ、防空識別圏(ADIZ)及び制限空域を設定すること」、こうきちんと位置づけられているんです。だからこの点は、改正するなら改正するという意向のもとにそういうことをおっしゃるんだったらわかりますけれども、先ほどの外務省の話じゃ、これはこのまま適用する、そういうチャランポランなことを言ってはだめですよ。

久保卓也防衛庁防衛局長

○久保政府委員 必ずしもそうではありませんで、それは三十何年でしたか、古い時期には日米両方で防空を担当しておった、そういうたてまえのもとでは、ADIZを設定する向こう側の都合もあるでしょう。しかし、沖繩については領空侵犯はすべて自衛隊のみでやるわけでありますから、その場合の防空責任者というのは自衛隊でありますから、私どもは米側にある程度の了解を求めるかもしれませんけれども、自主的にきめ得るのではないかと思います。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 あなた、日付を知っているんですか。いま何年とおっしゃいましたか。

久保卓也防衛庁防衛局長

○久保政府委員 いま忘れました。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 あなた、自分でわからぬことを言っちゃいけませんよ。こういう大事な委員会でだめですよ、そういう答弁では。これはいけませんね。  もう時間がないですから、それじゃ一つだけ聞いておきます。いつまでに正式に決定しますか。それともう一つは、ADIZは与那国の上を通っておるでしょう。島の上を通っているのです。これをどうしてそのままにするんですか。どうして台湾の米軍にその半分をまかせるんです。

久保卓也防衛庁防衛局長

○久保政府委員 これはADIZの性格を言うまもでなく御承知でありますから、米側にゆだねるとかどうとかいう問題でありません。たとえば小笠原にわがほうのADIZが入っていないという場合に米にゆだねているわけではありません。竹島についてもしかりであります。つまり沖繩本島の防空のためにどの辺にラインを引けば適当かということだけのことであります。ところで、その観点から見まして、与那国島が日本の領土であるから、それをこちらのADIZの中に入れたらいいではないかという意見もないではありませんが、しかし、特にそれを中に入れたら沖繩本島の防空が便利である、あるいは領空侵犯措置が便利になるというほどのものではないので、あえて動かすほどのものではあるまいという程度のものであります。もし中に取り入れたほうがよろしいということであれば、そうしたってけっこうであります。  それから、いつまでにきめるかということは、いま米側とも話をしておりますが、年内に、米側で領空侵犯措置を講じております間、従来どおり踏襲するか、あるいは五月十五日以降自衛隊で訓令を出してその範囲内でやらせるか、これについてはもうしばらく時間をかけたいと思いますが、いずれにせよ四月中くらいには結論を出したい、こう思っております。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 大臣、もう多くを言いませんが、まずこのADIZを米側と話し合っておられる、その形式をどうするかはまだ検討中とおっしゃいました。その根拠はまさにこの第三附属書にあるのです。ADIZは双方で協議しなければならない、これが変えられない限りはこれが根拠ですよ。久保・カーチス協定にそれを入れるのですか。それはないでしょう。国防会議できのうきめられたそれに基づいてできないでしょう。まさに第三附属書でしょう、これが生きている間は。だからそれはきちんとなるわけでしょう、米側との間に。それが一つです。  それからもう一つは、あなたはそう簡単におっしゃいますけれども、このADIZがどうして問題になったか反省をしてください。これは例の松前・バーンズ協定とも関連してくるんです。だから、久保局長がおっしゃるように、われわれはそんなに軽くは見てないんです。その点は最後に大臣の御見解を承っておきたい。米軍とどういう話をして、いつまでにということを……。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○江崎国務大臣 久保防衛局長がお答えした方向は正しいというふうに私も思っておるわけです。それはたとえば久保・カーチス協定でも、国会で答弁申し上げてきたような形で今日だいぶ変動があったわけですね。したがいまして、必ずしもそれに縛られないということは、一つの観測として局長が申したとおりでありまするが、もともとこれは共同防衛という形になるわけでありまするから、連絡をすることはやはり必要であろう、全然連絡なしでやっていいというものではないというふうに私は考えます。きめるのはやはり今月末と申しておりまするが、事務的には彼にまかせておるわけでありまするが、十分監督をしながら決定をしてまいりたいと思います。

楢崎弥之助日本社会党

○楢崎委員 それから、さっき申し上げたCF130の事実確認は、次の質問の機会まで間に合うようにお願いしておきます。

江崎真澄自由民主党防衛庁長官

○江崎国務大臣 わかりました。

伊能繁次郎自由民主党

○伊能委員長 次回は、来たる二十日木曜日、午前十時理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗