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68回国会衆議院1972/04/12

逓信委員会 第7号

発言数
132
登壇者
8
会派数
5
開催日
1972/04/12

会議録

高橋清一郎自由民主党

○高橋委員長 これより会議を開きます。  簡易生命保険法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。栗山礼行君。

栗山礼行民社党

○栗山委員 今回の簡保の法律一部改正にあたりまして、若干の問題を御質問を申し上げたいと思います。  簡易生命保険は大正五年に創設をされまして、半世紀余にわたりまして、今日までその持っております特性を、十分効果をあげてまいられた、こういう意味において私ども高い評価をいたしておるわけでございます。したがいまして、国の経営いたします唯一な安直にしてかつ簡易な生命保険、こういうことで発足をいたしたやに理解をいたすのでございます。私はこの機会に、きわめて公式でありますけれども、簡易保険事業の基本方針というものについてお尋ねを申し上げ、かつこれを長期的構想の形からどうとらえてまいられるか、こういう原則的な問題を、まず初頭に大臣にお伺いを申し上げたい、かように思います。

廣瀬正雄自由民主党郵政大臣

○廣瀬国務大臣 簡易保険の特性、民間保険と違うというような点につきましては、まさにただいま栗山委員から御指摘のとおりでございまして、国民福祉のために簡易保険は国営保険といたしましての品位を保ち信頼を保持いたしまして、民間保険と両々相まって、相携えて国民の福祉の増進に邁進しなければならないというような信念を持っておるわけでございます。  簡易保険の特性についてはただいまお話しのとおりでございますけれども、これを普及の面から考えますと、幸いに簡易保険は、全国的な組織を持っております郵便局の手を通じまして勧奨に努力をいたしておるわけでございます。そういうような性格を持っておりますので、生命保険を普及させるという意味から申しますれば、非常にやりやすい立場にあるということが一つの大きな特徴であろうかと思っておるわけでございます。  それから第二には、ただいま先生が簡易、安直ということばをお使いになったのでございますけれども、まさにそのとおりでございまして、国民の各層、ただいまの流行語で申しますと庶民大衆に広く利用される、あるいはまた産業の面から申しますと中小企業、こういうような方面、とにかく庶民階層にあまねく利用されるというような性格を持っておるわけでございます。  第三には、国民全体を対象にいたしておりますので、危険の分散が行なわれますために、職業による加入制限をやる必要がないというような、普及の面から申しまして非常にやりやすい大きな特性を持っておるわけでございますから、その性格を最も活用いたしまして、国民保険といたしましての重大な使命を達成するということに今後努力しなければならない、こういうように考えておるわけでございます。この事業が創設されました当初は、従来存在いたしておりました民間保険を侵食するのではないか、民間保険を侵害するのではないか、ただいま私どもが庶民金融でとかく批判されておりますのと同じようなことばが、その当時簡易保険に対しましても言われておったわけでございますけれども、しかし簡易保険の普及によりまして保険思想というものが国民にあまねく徹底いたしまして、そのことが民間の保険の奨励にも非常に役立ったという大きな効果があったかと私は考えておるわけでございます。まさに簡易保険もそういうようなことで非常に大きな役割りを持っておろうかと私は考えておるわけでございます。  そこで、そういうような使命を持っております簡易保険でございますから、国民あまねく利用されるということを考えて進まなくてはならない。そういう方向で努力をしなければならないわけでございますけれども、それについては将来どういう構想で事業の運営を考えたらいいかということは、ただいま御質問のうちにあったわけでございますけれども、これについては第一に新種保険を開発していく。これも郵政審議会の答申等もいただいておりますわけでございますから、そういうことも、逐次新しい種類の保険を開発して進んでまいりたいということが一つ。  第二には、今度国会に提案いたしております最高制限額の問題でございますが、今回は二百万から三百万ということにいたしたわけでございます。これは将来の社会経済の推移の情勢に即応いたしまして、さらに最高制限額を引き上げるというようなことの必要性に非常に迫られてくるのじゃないかと思っておるのでありまして、これが第二でございます。  第三に、やはり仕事は何と申しましても能率的に近代的に運営するというようなことに特に配慮いたしまして、あるいは事務の機械化というようなこともただいまもやっておりますけれども、こういうことにつきましてもよく組合等とも相談いたしまして進めていかなくちゃならないかと思っておるわけでございます。そういう問題もあろうかと思います。  さらにまた四番目に、大きな問題でございますが、簡易保険の余裕金あるいは積み立て金、さらにつけ加えて申しますと剰余金、こういうような資金の運用を加入者のために、国民のためにもう少し有利に運用のできるような方途を考えなくちゃならない。これは非常に大きな将来の課題であろうかと思いますけれども、こういう問題もあろうかと思っております。  第五には、御承知の加入者の福祉施設でございますが、いまいろいろやっておるわけでございますけれども、こういうような施設をさらに充実、整備、拡充していくというようなことに努力を向けなくちゃならない。  五つ私は申し上げましたけれども、これは主要な点でございまして、こういうことに将来の構想を持ちまして事業の伸展、事業の伸展はとりもなおさず庶民大衆の福祉の増進になるわけでございますから、そういうことに努力してまいりたい、こういうように考えておるわけでございます。

栗山礼行民社党

○栗山委員 いま大臣は、長期構想の方向の二、三を御指摘をいただきまして、簡易生命保険の経営の今後の方針の一端をお伺いをいたしました。  そこで私は、いま御答弁をいただきました中における各論といたしまして、数点をお尋ねを申し上げてまいりたい、このように考えておりますが、今度の法律改正の主目的は、従来の二百万の限度額を三百万に上げてまいる、これが大きな柱になりまして、あと三点ほど問題点を、これに伴いまする法改正を行なっていこう、こういうふうな御趣旨をお伺いをいたしておるわけであります。私、この二百万から三百万、こういう最高の限度額というものが今日の経済状況、特に物価高で通貨価値が逆に下落する、こういう傾向の中で、三百万というものの想定された基礎は一体どういうところに発想があったのか、こういうことが一点でございます。特に今日のような経済情勢下にあたりまして、この三百万という限度額がこれで十分であるかどうか。この二点についてどのように御見解を持っていらっしゃるかということについてお尋ねを申し上げたい。

廣瀬正雄自由民主党郵政大臣

○廣瀬国務大臣 御質問の、簡易保険の保険金額の制限額を二百万から三百万に増額いたしたいと存じまして、御審議を願っております問題でございますが、これは御質問の中にも御指摘をいただきましたように、貨幣価値もどんどん低落している、つまり物価がだんだん高騰してまいりまして生活費が高くなってまいったというような経済社会情勢の最近における変化、二百万にいたしましたのは御承知のように昭和四十四年度からでございますけれども、その後のそうした変化に伴いまして二百万では低過ぎる、ぜひ少なくとも三百万にはしなくちゃならない。これは死亡の場合をとって考えましても、医療費でありますとか、あるいは葬祭費でありますとか、あるいは遺族の生活資金の足しというようなこと、また満期の場合に考えましても、保険金受領者の生活資金の関係というようなことからいたしまして二百万では足らない、三百万にしなければならないということに考えたわけでございますが、そういうような保険金額の増額は国民多数の切なる要請でもあったわけでございまして、それにこたえてぜひそのようなことにいたしたいということで今回の提案になったわけでございます。しかし、これで満足かということになりますと、率直に手の裏を申し上げますと、もう少しふやしたかったのでございます。これはもう栗山先生は大蔵省との折衝の事情なんかも御承知だと思いますけれども、包み隠しましてもわかることでございますから、いま率直に申し上げますが、実は四百万程度に増額したいというようなことで折衝いたしたのでございますけれども、大蔵省は、国全体と申しますか、民間保険のあり方というようなことも考え、いろいろな観点からぜひ三百万にしてくれというようなことで、折衝の結果三百万に落ち着かざるを得ないことになったのでございますが、私どもは三百万でも当分やっていける、こういうような自信ができましたのでこれに了承しまして妥結をいたしたわけでございます。したがって、将来現在のような社会経済の推移が続くということになりますれば、さらに増額ということをそのつど考えてまいらなくちゃならない、こういうように思っておるわけでございます。

栗山礼行民社党

○栗山委員 同僚の委員から一般質問の過程の中で、いま大臣が大蔵省との折衝過程の問題について、郵政省の原案と大蔵省の折衝の過程等について御答弁をされております内容等についても記録で承知をいたしておるわけでございます。とかく問題は、大蔵省の基本認識と郵政省側の方向とがかみ合わないということが通常の一つの問題であろうかと私は承知をいたしておるのでございまして、二百万から、いまの経済状況を考えまするときに、三百万を限度額とするということについては、私は、必ずしも現下の情勢に見合う適当なる限度額とは理解しがたい、こういう大臣の御意見と意を一にするものなんでございまして、あえてその問題についてお尋ねを申し上げた、こういうことでございますが、まあいろいろそういう経過を踏まえまして御提案をされたことでございますが、これはやはり早い機会に今日の国民経済の実態に即するようなひとつ前向きの方向でお運びいただくという御意見を持続してお運びをいただけるかどうか、こういう点について御所見を伺ってまいりたい。

廣瀬正雄自由民主党郵政大臣

○廣瀬国務大臣 私全く栗山先生と同感でございまして、御鞭撻の御趣旨に従って今後十分努力を重ねてまいりたい、かように考えております。

栗山礼行民社党

○栗山委員 ぜひともそういう方向でひとつお運びをいただきますように強く御要望申し上げてまいりたい、かように考えております。  第三番目の問題でございます。いま私、長期構想に触れて御所見をお伺いいたしました中に、若干大臣がお触れになったのでありますが、御承知のとおり、いわゆる経済成長に伴いまして国民の要望いたします問題が非常に多面化いたしてまいります。あるいはまた多様化いたしてまいっておりますことは御承知のとおりでございまして、民間サイドにおきます保険会社等におきましても、いろいろな保険制度の新規開発の問題を提起し、かつ実施をされておるということは御承知のことであろうかと、こういうふうに承知をいたしております。大臣が今後の課題として新規開発をされる保険とはどのようなものを構想として煮詰めていらっしゃるとか、あるいは検討中だというような事柄についてはございましょうけれども、新種の保険制度の開発について現時点で一体どのような構想をお持ちになっていらっしゃるかということについてお伺いを申し上げたい。もし何なら局長でけっこうですよ。

野田誠二郎郵政省簡易保険局長

○野田政府委員 お答え申し上げます。先ほど大臣が御答弁申し上げましたように、近年非常に経済成長目ざましいものがございまして、それに伴って国民の生活水準の非常な向上が見られたのでありますが、必然的に保険需要も非常に高度化し、多様化してきておりますし、今後開拓すべき保険分野がますます広まっておりますことは当然でございます。  そこで簡易保険といたしましても国民のこのような保険需要に対応するように、どのような新種保険を今後開発していくかということでございますが、御承知のように昭和四十三年三月に郵政審議会の答申がございました。この答申の中で、各種の新種保険についてこれを研究し開発すべきであるという趣旨の答申をいただいておるのでございますが、各先生方の非常な御尽力をいただきまして、傷害特約制度というのがすでに四十四年から発売いたしておりますし、学資保険は昨年の九月から発売を始めておる。この二つにつきましてはすでに郵政審議会の答申を実現いたしておるのでございます。今後におきましてもやはりこの郵政審議会の答申にうたわれておりますところの疾病保険、それから簡易災害保険というものの創設について、これは比較的長期の展望が必要かと思うのでございますが研究を続けていきたい、かように考えておるわけでございます。  これは答申の関連から申し上げたのでありますが、当面の問題といたしましては最近の生命保険需要動向が生命保険本来の趣旨であります死亡保障というものを非常に重視をする方向に移っておるわけでありますし、しかもこれが、安い保険料による高額の死亡保障を望む声が非常に多いのでございます。このような点にかんがみまして、現在二倍保障の特別養老保険というのを発売いたしておりますが、今回最高制限額が二百万円から三百万円に引き上げられますこの機に、三倍保障の特別養老保険というものをつくりたいということで、これは現実に準備をいたしているところでございます。

栗山礼行民社党

○栗山委員 いろいろ所管局長としての御意見をお伺い申し上げてまいりましたが、私は二、三の新種保険の問題について若干のお尋ねを申し上げてまいりたいと思います。  その前提にあたりまして、今日のこういうような物価の上昇の経済状況下において、生命保険制度それ自身というものがどうあるべきかという問題にやはり直面をいたしてまいるのでないかということであろうかと思います。私過般の四月五日の朝日新聞を拝見いたしましたときに、民間の生命保険会社におきましても、現下のインフレ経済下における保険制度の問題について新たな方策を検討いたして、すみやかに実施をしてまいらなければならぬ、こういうことで関係機関、いろいろ保険審議会等の意見を求めて、たとえば特別配当金の問題を進めてまいろうというようなことをいたしましたり、あるいはまた大型保険制度の方向を取り入れて、さらにこれを実施してまいろうというような考え方がございましたり、あるいは実質的な保険金を保持いたしますために、増額制度の問題等も検討いたしてまいろうというような、いろいろ実施の段階への煮詰めた協議をいたしておる、こういうふうな新聞の内容を拝見をするわけでございます。私は、諸外国の問題については勉強が足りませんから、よくできてないのでございますが、お尋ねを申し上げる要点は、物価水準にスライドいたしまして、それで保険の価値を持続するという一つのたてまえを持ちます変額制度の問題について、どのように郵政省のほうは御検討を願っておるか、あるいはどういう御見解をお持ちであるかという一点をお尋ねを申し上げたい。

廣瀬正雄自由民主党郵政大臣

○廣瀬国務大臣 ただいま先生のお尋ねの問題は、簡易保険の経営につきましてもきわめて重大な根本的な問題であろうかと思うのでございまして、この問題は、けさも簡易保険局長と協議したのでございますけれども、ほんとうに真剣に取り組まなければならない課題であろうかと思っております。お話しのように、これは一般の保険もそうでございますけれども、簡易保険もまさにその一部でございまして、非常に長期の契約でありますわけで、その間、貨幣価値が、現在の状態であれば、非常に大きな変動がある、貨幣価値は低落してくるというわけでございます。したがって、保険金額の実質的な値打ちというものが非常に低下してくる可能性があるわけでございまして、その間、掛け込んでまいります保険料の貨幣価値も、それと同じ調子で低下するわけでございますから、考え方によりましては、それである程度の補いはつくということになるわけでございますけれども、そういうことであれば、簡易保険の加入者が契約当時に考えておりました保険金の実質価値というものを低下させないためには、もし、払い込みの保険料の価値が下がるということなら、追加加入をするというようなことであれば補いはつくわけでございます。しかし、契約者としましては、なかなか追加加入するというような方法は喜ばないことなのでございまして、そこで、そういうふうな方法をとらずしてやれるということについては、いろいろな方法があろうかと思うのでございます。  その第一は、年々の保険料額を自動的に増額さしていくというようなことによって、保険金額を増額させるというような仕組みのやり方もあろうかと思いますけれども、これも現在は、私ども考えていないわけでございます。第二に、剰余金でございますが、剰余金をもって保険を買い増していくというようなことで、保険金の増額保険制度というようなことを創設するという方法もありますが、これもいまのところ私どもは考えておりません。第三には、積み立て金そのものを物価と並行いたしまして増減させる、まあ貨幣価値は減ることはありますけれども、ふえることは当分ないと思いますが、とにかく物価に影響させまして簡易保険の積み立て金を増減させていって、この保険金額の維持を保つ、実質に即応させるというような方法もあろうかと思いますが、こういうようなことにつきましては、積み立て金の運用そのものが非常に大きな問題でございます。  そこで、さしあたり私どもが考えておりますことは、これは非常に回り遠い話でございますけれども、物価の抑制そのものに努力する。これはただいま予算委員会でも政府が質問を受け、追及をされております大きな問題でございますが、いま政府、内閣が取り組んでおります物価政策にさらに十分努力いたしまして、物価の高騰をつとめて抑制していくというようなことに大きな熱意を払うということもあるわけでございますけれども、いま私どもが特に保険について考えておりますことは、定期預金に重点を置きましてつくられております制度であります特別養老保険、これは二倍保険とも申すのだそうでございますが、養老保険と定期預金の組み合わせみたいなものでございますけれども、この奨励に大いに重点を注いでまいりましたならば、物価高騰という悪弊についてはかなり避けることができるのじゃなかろうかというように考えておるわけでございます。しかし、私自身といたしましては、これはまだ考えがまとまっておるわけではございませんけれども、外国の例等もいろいろあるかと思います。アメリカあるいはヨーロッパ等にも、いま先生御指摘の、物価の高騰に伴って保険金額の実質の効用、価値というものが下がらないように、別なことばで申しますれば、物価にスライドするような何かの方法を簡易保険の分野におきましても考えるべきじゃなかろうか、そういうようなことをひとつ真剣に検討する必要があるのじゃなかろうかと私自身は考えておるわけでございます。この問題についてはまだ私の単なる私見でございまして、十分定着いたしておるわけではございませんけれども、そういうような目標でひとつ勉強をいたしてみたいというように考えておるわけでございます。

栗山礼行民社党

○栗山委員 今日のようなインフレ経済下におきまして、年々物価が上昇いたしますることと対比いたしまして貨幣価値が下落する、こういうことがまさしくインフレのインフレたる内容を持っておるものだというふうに考えておるわけであります。したがって、貯金制度それ自身についても問題がいま論じられなければならない。営々として貯金いたしましても、その貯金が貯金の金額に値しないという貯金の内容に実質的に発展いたしておる。民間の生命保険からいいますならば、保険にはインフレは一番の泣きどころだ、この一面はやはり長期預金の性格を持っておるということでございましょう。その他二番目については、保険の保障制度の問題を含めましての保険契約あるいは保険制度という組み立てでございますから、長期になるほど実際は契約者が不利な行為に発展をいたしてまいる、こういうところに、今日の保険制度というものをどう対応して取り組んでまいらなくちゃならないか、こういう問題が、議論としてあるいは事実としてもわいてまいってくるんだ、こういうことであろうかと私は承知をいたしますので、いまいろいろ民間の保険会社においてもこの種の問題が論議をされて、煮詰める段階にあると考えております。  非営利的な、しかも簡易保険と、こういうような制度のもとにおいて成果をあげてまいりました簡易保険制度というものが、今日の時代に対応する新規の開発の制度ももとよりでありますけれども、保険制度のあり方として、保険に値し、長期の貯金の一面的な内容をもってその権利を確保する、こういうような大きな使命が存する、私はこういうふうに理解をいたしておるわけなんでありまして、その点から私は、物価上昇に見合う一つのスライド制度というような形をもって保険の本旨を守っていくという、いわゆるこれを変額制度と理解をいたしておるわけなんでありますが、この問題についての御見解をお伺いをいたしましたような次第であります。  これは、保険の根幹にわたります問題であるという大臣の御答弁と私の発想も軌を一にするのでありますが、局長、行政サイドにおいて、この変額制度というものについてどのような検討を具体的に進められておるか、あるいはこの問題の長期、あるいは隘路、こういうような問題について、所管の局長としての御見解をひとつ承っておきたい、かように考えています。

野田誠二郎郵政省簡易保険局長

○野田政府委員 生命保険の弱点といいますか、一番の泣きどころは、先生御指摘のとおり、まさにインフレにあるわけでございますが、これを克服し、インフレに対抗して生命保険の保険の現価を維持していくためには、払い込まれた保険料が保険金の支払い等のために積み立てられるわけでございますが、これが常に時価といいますか、現価を維持していくという制度がうまく運営できれば、この変額保険というものはりっぱに成立するだろう、このように考えるわけでございますが、すでにアメリカ及びヨーロッパ諸国におきましては、この個人の変額保険あるいは変額年金といわれるものが相当数発売をされております。  これは、いま申し上げましたような趣旨で時価でございますので、非常に株の——これは、払い込まれた保険料を積み立てました積み立て金の一部を、株式を中心にしました証券、これを主として購入する、一部は不動産に投資をする、こういうシステムでございますが、株価の崩落なりあるいは当該保険会社の株の売買の失敗というようなことがありますと、これは時価を割る。こういう、ある意味でのリスクもあるわけでございますが、一応、一番物価に並行的にスライドしていくというふうにいまの経済社会の中でいわれておりますのは、先ほど申し上げました株式及び不動産、地所でございますが、結局、これはどういうことかと申し上げますと、御承知のとおりに、保険の場合には資金の運用制度に直結するわけでございます。御高承のとおり、簡易生命保険におきましては、現在わが国において、民間保険の運用制度に比べましても相当の拘束があります。財投に全面的に協力するというような、あるいは金利がそういう点からも非常に低いというようなこと等々、いろいろ非常な不利な点といいますか、ここいう点がございますが、わが国の民間生命保険険におきましても、現在の生命保険業法におきましてはこの変額保険というのが認められておりません。ここ二年ばかり前に、民間保険でも非常にトップクラスがヨーロッパ及びアメリカに出まして、この変額保険の調査を行ないまして、現在生命保険業界でこれを鋭意研究中でございますし、さらに、大蔵省の中に置かれております保険審議会の中におきましても、緊急の課題として、この変額保険の検討ということが進められておるようにわれわれ聞いておるわけでございますが、先ほど大臣が、長期の展望と申しますか、あるいは決意として御答弁申し上げましたとおり、生命保険のあり方として、われわれもこの変額保険というものに真剣に取り組むべき段階に来ておる、かように考えるわけでございます。  隘路といたしましては、われわれ常に壁にぶち当たり、いつもはね返されると言うと変なことばになるわけでございますが、なかなか実現困難な運用制度の抜本的な改正ということにかかっておるだろう、かように考えておる次第でございます。

栗山礼行民社党

○栗山委員 ちょっと意見になるのでありますが、大臣は、保険の一つの根底につながる問題として十分な検討を要して、保険者の利益の保持にひとつ検討を加えてまいりたい、まあこれで、抽象的でございますけれども、その基本の認識をいただいたわけなんであります。野田局長のお話のように、確かに簡易生命保険の資金利用の面について現行そういう制約を受けておる、民間の保険の資金の運用も制約を受けておるということは、これはまた事実でございますが、ただ、経済がこういう推移をいたしまして、そして保険の保険的条件の権利といいますか、当然なるものを守り得ない、こういうことになりますと、保険制度それ自身というものについての否定的様相に発展する、こういうことに相なるのじゃないか。ここがまあ問題だ。だから、保険の原点に返って、その経済あるいは情勢にどう対応して保険の本来の使命と内容を肉づけし、効果をあげていくか、こういうことでなくちゃならないのでありますが、いま御案内のようなこういう経済状況下において、だんだん保険の実質的自己の権利、利益というものが喪失をするというところに大きな問題としてとらえてまいらなくちゃならぬ、こういうところであろうかと思うのです、議論の焦点といたしまして。ですから、私は、従来の大きな長い歴史と、そして将来の展望をもって、国の唯一の簡易保険というものが、それの歴史の使命と国民福祉への内容を上げていくということに立ちますと、当面する糊塗的な方向じゃなくて、そういう保険制度の抜本にわたる問題をどうとらえてこれを改革をいたしてまいるかということに、中心の課題をそこに置いて進めてまいらなくちゃならぬ、こういうことであろうかということで、あえてこの問題について御質問を申し上げたのであります。なかなかむつかしい問題でございますが、さりとて、むつかしい問題でひとつ検討を重ねてまいるというわけには——先ほど大臣は、物価政策の一環からとらえてまいるということも確かに一つでありましょうが、今日物価問題が現在の経済政策、財政政策のもとにおいて、一体物価問題というものがそういうふうになまやさしく解決をする問題じゃないということは、もう議論の問題じゃなくて事実の問題でございまして、大きくわが国の財政及び金融全般にわたります経済政策の転換をはかってまいって、そしてその中で私は、物価問題というものの本質的な方向をはかってまいらなくちゃ物価問題というものは解決しないという時点にいま直面いたしておる、かように考えておるわけでありまして、この問題はどうでしょうか、大臣、やはりその人の原資を守ってまいる、原資の価値のない、下落の方向に保険が運用されるということが一体許されるかどうかということにつきましては、これはもう大臣の先ほどの御答弁、御理解も私と同様だと思うのでありますが、いままでかけましたものが、貨幣価値としてだんだんそれが価値の低下の方向に直面をする。この問題について何らかの手を打たなくてはならぬということで、一つの実質的な原資の価値を守るために、御承知のとおりスライド制を採用して変額制度というものに踏み切らなければこの問題の解決の対応策はないのじゃないか、こういう私の結論に到着するわけなんでありますが、この点どうでしょうか。踏み切るという勇断がございませんか。

廣瀬正雄自由民主党郵政大臣

○廣瀬国務大臣 さしあたりましては、先刻申し上げましたように特別養老保険、この制度を拡充してまいることが御趣旨に近づくことになろうかと思っておりますわけでございますけれども、また保険金額の高揚、実質を低下させないためにはいろいろの方法がありますといって私は三つの方法をあげたわけでございます。そのうちで第三番に申し述べましたいわゆる変額保険、これがまさに先生の御指摘のスライド制の保険であるということであろうかと思いますわけでございます。先刻保険局長も、この変額保険につきましてはもうすでにアメリカ、ヨーロッパでは現に実施いたしておりますことでもございますし、三つ方法を述べましたけれども、そのうちではこの変額保険というのが私は一番研究の課題になろうかと思うのでございます。しかし、これはなかなか容易なことじゃございません。御承知のように、簡易保険の積み立て金についてはきちんと法律もありますことでございます。しかし、積み立て金が法律どおり行なわれておるかと申しますれば、私はそうではないと思うのでございまして、積み立て金は、個人の簡易保険の契約者の貸し付けでありますとかということを除きましては、ことごとく国の財投に入れておりますわけでございますから、もっと利回りのいい投資ができるということは、法的にも道は開かれておりますけれども、実行してないというような面もありますわけでございます。  そういうことをいろいろ考えますと、やはり積み立て金に関係のあります変額保険、これをひとつ取り上げて特に真剣に考えてみたい。これは先刻保険局長が御答弁いたしたのもその意味でございますけれども、私もさような見解を持っておりますわけでございます。具体化していくことになれば非常に大きな問題でございますけれども、この変額保険のことを課題として検討するというようなことではないかと思っております。  貯金の面で、郵便貯金の金利引き下げ反対あるいは預金者貸し付け制度の創設というようなことをことしは取り上げてやってまいりましたけれども、来年はこの保険の問題はいまの変額保険のこと以外にも、積み立て金あるいは余裕金の運用というような面につきましても、いろいろ郵政省としてはものを言わなくちゃならない課題があるかと思うのでございまして、そういうようなことを今度はひとつ真剣に郵政省としては取り上げなくちゃならないことじゃないかと私は考えておりますわけでございます。

栗山礼行民社党

○栗山委員 なかなかむずかしい問題点、隘路の存することもよく理解をいたすのでございます。さりとて順風満帆に参っておるのをこのまま持続できてまいるということにはならない大きな転換期と、内容を新たなものに創造的発展をいたしてまいらなくちゃならぬ、こういう事態に直面をいたしておることもまた御承知のとおりであります。  そこで、もう一点ひとつ大臣にお伺いをいたしますが、保険金額を増額するのですね。ある一定の金額に見合う保険金額を増額して保障保険制度、こういうような一つの制度的な問題を検討してみる手はあるのじゃないか、こう考えられるわけなんです。要するにいまのは変額制度でございますけれども、私のもう一つの対案は、いまの状態の中で変額制度に持っていかぬと増額制度、増額保障保険制度、こういうような制度でこれを運用してまいるという検討が残されておるやに思うのでありますが、この点はいかがなものでございましょうか、御意見をお伺いいたしたい。

野田誠二郎郵政省簡易保険局長

○野田政府委員 いまの御質問、保険金増額保険についてのお尋ねかと思うのでございますが、この方法にはいろんな仕組みがあろうかと思うのでございます。一般的には剰余金を分配しないでこれで保険を買い増して保険金を増額する仕組み、こういうことになっております。これの具体的な方法、たとえば当初契約の残存保険期間を保険期間とする養老保険を買い増しする、あるいは定期保険を毎年の剰余金で買い増ししていくことによって保険金を増額するという保険金増額保険というのがあるわけでございます。これも毎年増額する、あるいは三年に一ぺんあるいは五年ごとに保険金を増額するというような仕組みのものもございまして、これは日本の民間保険業界におきましてもすでに発売をいたしておるのでございますが、いま先生が特に御指摘になりましたのは、保障増額保険というお話しでございましたので、この保障ということは、先ほど申し上げました養老保険と別に、被保険者が死亡した場合の保険金の額を毎年一定の割合で増していく、こういう保険のこととわれわれ理解するわけでございますが、これは一応毎年一定の割合で剰余金の配当の一方式としてこの保険金額を増額をしていく、こういう制度かと思います。  これにつきましては、実は先ほど御答弁申し上げました昭和四十三年の三月に、郵政審議会から答申をいただきましたその答申の中にも、保障増額保険を考えろという趣旨の答申をいただいておるのでございます。しかし、われわれのほうですでに検討を開始いたしておるのでございますが、この保障増額制度によります場合には、簡易保険の取り扱い数量が、件数が非常に多いということ、すでに現在の保有契約も四千五百万件を突破しておるというようなことから、毎年あるいは三年に一ぺんずつこの保険金を増額していく方法をとります場合に、仕組みが非常に複雑になり理解しにくいことと同時に、簡易保険事業としましても、この事務の取り扱いに相当の出費を要する、こういうふうなことがまず第一点でございます。  さらに、われわれが一応検討いたしました結果、保障増額保険に対する需要が、これは民間保険の売れ行き等もわれわれ参考にいたしておるのでございますが、簡易保険の場合にそれほどの需要が見込まれないのではないか、このように一応現在の時点では理解をいたしておるのでございます。  したがいまして、現在のわれわれの態度といたしましては、すでに実施をいたしておりますが、比較的インフレに強い、保険金の現価を比較的維持できるということで、先ほど来大臣が申し上げております特別養老保険、養老保険に定期保険をプラスいたしました、これをコンバインしました特別養老保険を拡充していく。今度保険金の最高制限額が上がりました場合には三倍保障の特別養老保険というものをつくって——これと御指摘の保障増額保険というものにつきましてはさほどの差異はない、かように理解をしておりますので、さしむきこの特別養老保険を拡充をし、これを発売をしていく。同時に並行的に先ほど御指摘の保障増額保険及び保険金増額保険、これにはいろいろ手段方法があるわけでございますので、これを検討を進めていきたい、このように考えております。

栗山礼行民社党

○栗山委員 すでに審議会のほうでもいろいろこの問題が答申をされたということを局長みずからお答えになっていらっしゃるのであります。私の手元についても若干のそういう資料をちょうだいをいたしておるのでありまして、なぜ今日までこの制度を実施に踏み切れなかったか。まあお話しのように、養老保険についてそういう増額制度をやられておるということと私が申し上げておる問題とは、それはややニュアンスを異にいたしておる問題があるということであろうかと思うのです。答申の線に沿うたいまの養老保険の増額制度というものと、増額保障保険制度の問題とは本質的に若干異にいたしておる問題であろうかと、こういうふうに私は理解をするわけであります。この問題もやはり十分に答申がすでにされていることで、相当の経過処置もとっておりますし、やはりいいものはどんどんこれを改善していく、そうしてこの時代にひとつ対応していく創造への開拓を進めてもらうということがやはり行政の分野でなかろうかと思います。また私どもも、そういうふうな立場において、立法的な処置をどんどん進めてまいるということが現下のやはり求めておる姿ではなかろうか、こういうことにかんがみまして、ひとつ十分対処を願えますように、とくと大臣にもお願いを申し上げてまいりたい、かように考えております。  それから、民間会社の大口保険というものについても、これは先ほどの問題に触れます、インフレについて非常に盲点を克服して、そして新しい開発された大口保険、こういうことで進めておると思います。それなりに保険会社としては非常に思わざる開発の保険制度として評価をいたしておるというように理解をいたしておるわけでありますが、これは局長、この民間の大口保険制度についてあなたはどのように評価されておりますか、あるいは理解をされておりますか、この点をちょっと局長自身からお伺いしたい。

野田誠二郎郵政省簡易保険局長

○野田政府委員 民間保険で発売いたしております大型保障の生命保険につきましては、生命保険の本来的な機能といたしまして、これはやはり死亡の場合の保障を手厚くするというのが本来的なあり方だと思うのでございますが、そういう本来的な機能のほかに、国民の最近の保険需要もそういう死亡保障を手厚くすることに非常に動いてきております。  もう一つは、この大型の保障が比較的安い保険料によって保障をされる、こういうことで、先生御指摘の民間保険で発売いたしております大型保険、たとえば満期の場合には百万円の保険金しかもらえないけれども、死亡事故の場合にはそれが一千万円になる。ということは、要するに養老保険と定期保険の組み合わせということでございますが、これがいまの保険需要に非常にマッチをいたしまして、非常な発売の成績といいますか、売れ行きも非常にいいようでございまして、民間保険各社、いろんな保険種類をつくりまして発売をいたしておるのでございます。これは保険本来のあり方としてやはり正しいものだ、かように考えております。ただ保険事業の経営といたしましては、その安い保険料というのは問題があるようでございまして、保険の契約が大型化したわりには収納の保険料としては比較的小額な保険料しか入ってこない。したがって資産の増加といいますか、資金増というような面についてはそれほど貢献しない。こういうことのまたある意味でのデメリットというような点もあるのでございますが、基本的な方向としては非常に歓迎すべき方向ではないか、かように考えております。  なお、簡易保険につきましては、それほど大型ではないのでありますが、二倍保障の特別養老保険、今回また三倍保障のものをつくりたい、こういうように考えておりまして、基本的には、われわれの場合には御承知の最高制限額の制約とか、あるいは無審査保険であるというような点の制約がございますので、民間保険並みの十倍保障といいようなものはちょっと発売できないかと思うのでございますが、できるだけそういう点を克服して長所を取り入れていきたい、こういうふうに考えておりす。

栗山礼行民社党

○栗山委員 最後に、あと二点ばかりお尋ね申し上げて私の質問を終えたいと思うのでありますが、簡易保険の簡保年金事業団でございますね、これに出資と交付金を与えられておるのでありますが、この現況、それから施設の状態の概略について御説明をいただきたいのです。

野田誠二郎郵政省簡易保険局長

○野田政府委員 簡易保険の福祉施設につきましては、簡易保険事業団法によりましてその設置運営が簡易保険事業団に委託をされておるわけでございます。この施設の現況につきまして概略申し上げますと、四十七年の三月末現在で、事業団が簡易保険の加入者の利用に供しております施設が、加入者ホームが十三カ所、保養センターが四十五カ所、それから青少年レクリエーションセンターが一カ所、及び簡易保険の診療所が二十九カ所ございます。このほかに、保養センターにつきましては十三カ所の新設が決定をいたしております。さらに都市におきます加入者の生活の利便と文化の向上をはかる目的で、京都に簡易保険会館の建設に着手をいたしております。  利用の現況でございますが、このうち一番大きな施設でございます保養センターの利用について申し上げますと、昨年一カ年間で、日帰り利用者が二百七十三万人、宿泊の利用者が百三十七万人ということになっております。

栗山礼行民社党

○栗山委員 ちょっと局長、あなた御答弁いただかないものは、予算の問題ですね。お触れになっていらっしゃらない。できれば三年、年度別くらいの予算の問題、それから…。

野田誠二郎郵政省簡易保険局長

○野田政府委員 どうも少しもたもたしておりまして、失礼しました。  まず本年度の、本年度といいますか、四十七年度事業団予算につきまして概略申し上げまして、それから最近三カ年間の経理の実情を申し上げたいと思います。  四十七年度の事業の事業団予算につきましては、予算規模は収支ともに百十億九千万円ということになっております。  内訳を申し上げますと、収入では、出資金収入が四十九億九千万円、これは御承知のとおり施設建設費の財源に充当する分でございます。交付金収入が四十三億、これは施設運営費の財源の一部に充当するものでございます。そのほかに事業収入が十八億円ということになっております。これで収入では百十億九千万円、支出では業務運営費といたしまして五十七億九千万円、これは業務費、退職手当積み立て金、予備費等であります。施設建設費が五十三億円ということでございまして、支出も合計百十億九千万円というのが、まだかたまっておりませんけれども、昭和四十七年度の予算の見込みでございます。  なお、過去三年間の出資金と交付金の額を申し上げますと、四十四年度、これは決算額でございますが、出資金が二十四億三千五百万円、交付金が二十五億九千万円、四十五年度の決算額でございますが、出資金が二十一億六千二百万円、交付金が二十九億九千九百万円でございます。  なお、三十七年度から四十五年度までの累計を、これは決算が終わった分でございますが、累計を申し上げますと、出資金が百五十億八千四百万円、交付金が百三十三億九千七百万円でございます。なお、四十六年度につきましては、予算額でございますが、出資金が二十五億四千万円、交付金が三十四億六千一百万円、こういうことになっております。

栗山礼行民社党

○栗山委員 いろいろ数字上の問題、施設の内容等についてお伺いをいたしたのでありますが、加入者の福祉をはかっていくために、事業の運営のあり方といいますか、あるいは施設の内容等について今後の具体的な方策をどのように進められようとしておるか、この点をお伺いいたしたいと思います。

野田誠二郎郵政省簡易保険局長

○野田政府委員 まず、施設のあり方についてでございますが、最近の事業の伸びとそれから加入者の需要動向等を勘案いたしました上、当分の間次のような方針で施設の整備拡充をはかっていきたい、このように考えておるわけでございます。  第一点といたしましては、加入者ホームと保養センター、この二つを合わせまして各県に二カ所程度になるまで保養センターの増設をはかっていきたい、こういうことが第一点でございます。  それから第二点は、大都市に簡易保険会館を数カ所設けたい。現実には現在京都に簡易保険会館を着工中でございます。  三といたしまして、大都市周辺に青少年レクリエ−ションセンターを数カ所設ける。これは現在は東京一カ所でございます。  なお、都市におきます簡易保険加入者の生活の多様化に伴います種々の需要に応ずるために、総合的な機能を有する福祉センター、これは先ほど申し上げました簡易保険会館よりちょっと小型といいますか、少し機能も違っておりますが、そういうものを数カ所設けていきたい、このように考えておるのでございます。その中には医療センターが入り込むとか、あるいは託児所なり保育園なり、そういうふうなものも考えております。これは一応そういう構想を持っておるという程度でございます。  最後に、診療所につきましてはすでに全国二十九カ所ございますが、これは国の医療制度その他の動向等もございまして、量的なものよりも今後内容的に質的な改善をはかっていきたい、このように考えておるのでございます。  施設のあり方につきましては以上のとおりでございますが、この施設の運営のしかたにつきましては、当然簡易保険加入者の福祉の向上のためにあるわけでございますので、まず第一につきましては、やはりどうしても施設利用の均てんをはかっていきたいといいますか、利用が一部に偏在しないように、地域的にもその他あらゆる面から均てんをはかっていくということ、それから加入者の要望というものを十分見きわめまして、需要にマッチするようなサービスを今後におきましてもいろいろ提供していきたい、このような基本的な方針で運営していきたい、このように考えております。

栗山礼行民社党

○栗山委員 今後の施設の運用と内容についていろいろ御説明を承ったわけでありますが、いずれも賛意を表するに私はやぶさかではございません。ただ、局長みずから御指摘になっておりましたように、この福祉施設については多面的な利用というものに変えていかなくちゃならぬという社会構造の変化に対処いたしてまいらなくちゃならぬ。それから地域構造の問題等もこれを十分に対処してまいらなくちゃならぬという問題点があろうかとも思うのです。いみじくも局長が青少年のレクリエーションセンターの問題について東京にのみ——私も見学いたしました。りっぱなプールの施設もいたしておりますことについて何かほのぼのと青少年に与える施設としての喜びを感じた一人でございますが、こういうような問題が、単に東京都というような形においてのみ施設が進められるということが望ましいのかどうか。やはり拠点的にやるということなら少なくとも全国的な一つの視野のもとにおいて重点的に取り組んでいく、あるいは福祉施設の未拡充で、福祉を訴えておりますのは、やはり地域構造の変化によりまして過疎地域があり、過密地域があり、それから大都市周辺におきます一つの地域の要望というものは非常に切なるものがある。これはやはり国の施設がおくれておるということが一つ。それから地方自治体が、行財政需要というものがそれに見合った福祉行政を推進することのできないという場面に直面をいたしておる、こういうところに、国のそういう簡易保険制度それ自身の中から国民の福祉を求めていこうという福祉事業というものがあるといたしますならば、やはりそれを補完的にとらえて簡易保険の本来性の価値とその福祉を提供するという事実を示していくことができる、こういうふうなことを考えますと、いままでの計画策定について、適当な策定であったかどうかということについては新たに検討を要するものがあるのではないか、こういう点が第一点でございまして、この点は当局から承ったのでありますが、大臣としての御見解を、やはりあまねく国民的、それから全地域的構造の中で、切実に立地条件と運用の多面的な効果をもたらすような一つの場所とそれから施設と運用をはかってまいるということについて、私は強い意見を持つのでありますが、大臣の所見を伺いたい。  もう一点の問題でありますが、これはやはり事業団に委託されまして運用されておる、事業団オンリーでございます。ここに一つの硬直した姿勢があるのではないか、私もこういうふうに考えております。少なくとも民間では困ると思うのでありますけれども、社団法人であるとか、あるいは財団法人で非営利的な一つの団体、あるいは一つの地方自治体が行なわんとする施設について、明確に簡保の施設の助成的措置としてこれを検討していくということになりますと、やはり国民的あるいは国内的、全地域におけるそれぞれの条件に見合ったものを施設として活用していくことができるのじゃないか。これをいわゆる官僚的、あるいはセクト的にものを運んでいこうという——郵政省ばかりではございません。しかし、このような国民的福祉を念願とする事業の本来性にかんがみますなら、もう少し運用の面において価値のある効率的な点を考えてまいりまするなれば、せめて私は地方自治体にやはり助成金か交付金の形においてそういう施設に賛助する、あるいは財団法人や社団法人が、たとえばちびっこ広場の問題だとか、あるいはまた保育園やいろいろな施設について、非常に困難を生じておりますから、そういうふうな福祉施設について交付金を助成するというかっこうの間接的な内容を持つ福祉への充実をはかっていく、こういう制度の運用等を考えてみる時期に到着したのではないか、こういう私の意見を持つのでありますが、大臣の所見をお伺い申し上げたい。

廣瀬正雄自由民主党郵政大臣

○廣瀬国務大臣 ただいま栗山委員から二点について御指摘、御質問をいただいたわけでございますが、第一点の問題でございますが、事業団のやっております施設は、先刻局長から申しましたように、簡易保険並びに郵便年金の加入者の福祉施設ということをやっておるわけでございますけれども、その保険年金の加入者というのは、まさに全国民的な現在の状態になっておりますわけでございまして、したがって、私どもが施設をやるにつきましては、適地適切と申しますか、それぞれの地域に適した適当な施設をやっていくというようなことでやっておりますわけでございますけれども、これにつきましては、国のほうでやっております本来的なそういうような厚生福祉施設ともにらみ合わせまして補完的な使命を果たすというようなことも、もちろん考慮のうちに入れて考えておりますわけでございまして、こういうことによって、いままさに全国民的な加入を得ております保険年金の加入者のための施設、これがすべての国民に喜ばれるような施設、そうしてそれぞれの土地に適した施設を持ち、その運営に当たっていかなければならない、こういうように考えておりますわけでございます。  それから、第二番目の問題につきまして、市町村とかあるいは財団に適宜協力すると申しますか、賛助すると申しますか、この問題につきましては栗山先生年来の御主張でございまして、このことについては郵政当局においてもいろいろくめんしておりますようでございまして、また具体的にどうというようなことにはなっておりませんけれども、いろいろ財政資金の面等もございますわけでございますから、いますぐにどうというお答えはできませんけれども、年来の御主張は、まさに正しい方向だということは、私は大いに賛意を表するわけでございまして、なおこの問題につきましては十分考えまして、実現のできるような方向で検討してみたい、こういうように考えておりますわけでございます。

栗山礼行民社党

○栗山委員 たいへん抽象的でありますけれども、大臣の所見の一端という方向でお伺いをいたしましたので、高い評価をいたしてまいりたいと思うのでありますが、実際的には今日まで、私は将来の、先ほど野田局長からお伺いいたしました運用面におきましても、事業団の運営に委託をして、そうして計画された施設に対して交付金をもっていろいろ進めていこう、こういうことに不変の態度を堅持をされておった、こういうふうに私は理解できるわけです。私自身はこういうところで言うのは何でございますけれども、私的に、福祉事業というものについてのもう少し多面的価値を考えてみるべき時期に到着したのではないか、こういうことで、ときたまお会いをいたしますときに会談を申し上げるということをしてまいったのでありますけれども、その問題はなかなかいろいろな隘路のございますことも私はそれなりに承知をいたすのでありますけれども、しかし少なくとも本来の簡易保険事業の一環として、そういうような還元福祉という形で取り組んでおる。しかも、簡易保険というものは簡易で、しかも国が唯一の事業で、ひとつその収益の問題を福祉に提供していこう、こういうような非営利的な事業であることはもう歴然たるものでありますから、私自身としては、それは全国民的にわたる方向に福祉事業というものを拡充するということが何が悪いんだ、それが本来の使命じゃないか、こういうふうに意見としてはいわざるを得ない、こういうことでございます。私は、やはり見せかけの福祉施設というものではだめだ。特に東京には東京都としての人口構造や都市の性格等もございましていろいろな施設がございます。ふくそういたしておりますけれども、ただあの施設を十に割って、そうしてどの地域でどういうふうに活用するかということを考えまする場合において、もっと国民的な喜ぶような施設拡充への効果のある場面も展開できると私は考える。要するに問題は運用の問題の硬直化というところに問題が存する、こういうふうに私は考えるわけでありまして、これは虚心、やはり新しい時代の一つの創造的な意欲の方面からいくと、旧来の制度に固執し、そしてそのセクトの中からものを見るということを脱却せずして明日に前進することはできないのだ、これは私の本来の強い主張でございます。私は、東京だけではなくて、なぜあのときに——てまえのことを言いますと自分の大阪へ導いたということになりますから申し上げませんけれども、何カ所かを、ひとつ同一のようなものを地方青年のレクリエーションとして提供するということができなかったのか、なぜ東京だけに限定するのかということについては、やはり合理性を欠く一つの問題もなきにしもあらず、こういうふうに考えざるを得ないわけでありまして、そういう意味で国民的な規模における簡保の内容といたしまするならば、同様にそれぞれの地域の立地条件を生かして全国民的な福祉事業の方向の路線というもので考えていく。もししかりとすれば、直接、福祉事業団の運用の面というものに適正を欠く面も出てまいるであろう。そうすると、一つの次善の策を持ってこういう条件に満つるところがあるならば喜んでこういうものについての施設の運用に協力いたしますというようなものが、きわめて常識的な理解として、いまや取り組んで、進めてもらうという段階に来たのではないか、こういう感をいまなお私が強く堅持をいたしておるということでございます。決して私の議論が、あるいは認識が、すべてりっぱなものであり、一つの方向づけだと考えておりませんけれども、常識論的に考えてまいりまするならば、多くそういうところへ熱情を注いでいただくという問題点があるのではなかろうか、こういう点を指摘をいたしまして、大臣のせっかくひとつ省内におけるそういう検討を新たに深めていただいて、その効果のあがるようにお運びを願いたい、こういうことを要望申し上げて私の質問を終わることにいたします。

高橋清一郎自由民主党

○高橋委員長 この際、午後一時再開することとし、暫時休憩いたします。    午前十一時五十九分休憩      ————◇—————    午後一時六分開議

高橋清一郎自由民主党

○高橋委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  簡易生命保険法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。武部文君。

武部文日本社会党

○武部委員 きょうは簡易生命保険の制限額の引き上げの問題でありますが、郵政省が三事業の上に成り立っておることは郵政大臣御承知のとおりであります。実は明日の一般質問の際にお伺いをいたしたいと思っておりましたが、あるいは時間がないかもしれませんので、この機会に二つの問題について郵政大臣の見解を承りたいと思います。  その一つは、あなたが非常に抵抗されておって、国民の側から見ると非常に好感をもって迎えられておる郵便貯金の利子の問題であります。私はこのところしばらく国へ帰りまして、現場の諸君といろいろ話し合う機会を持ったわけでありますが、この郵便貯金の利子の問題は国民の中に非常に好感をもって迎えられておりまして、私どももいささか部内に籍を置いた者の一人として、いまの郵政省のとっておる態度についてその意味ではたいへん敬意を表しておるのであります。ところが、大蔵省のほうは、悪いことばでいえば圧力でありますが、そういうような態度が見えるのでありまして、今日までとってこられた郵政大臣の郵便貯金の利子に対する態度は、今後も変わらないものであるかどうか。また、この問題についての見通しは郵政大臣としては一体どう考えておられるのか、これが第一の点であります。  第二の点は、昨日の夕刊に出ました例の庶民金融の問題であります。この問題はこれまた世論に非常に大きな反響を与えましたし、同時に逆な意味でわれわれにもまた多くの反対の陳情も参っております。マスコミも非常に大きくこれを取り上げておりますが、通常国会の最終段階に近いこの時期に庶民金融の問題がいまだに明確になっていない。このことについて昨日の夕刊は、与党の通信部会の態度なり、あるいは大蔵省のこれに対する見解、郵政大臣と大蔵大臣との話し合いの模様を若干報道いたしておりますが、現実この庶民金融というものに取り組む郵政大臣の決意なり、あるいはこれから残されたわずかな通常国会の期間中にどのような方針をおとりになろうとしておるのか、最初にこの二つをお伺いしておきたいと思います。

廣瀬正雄自由民主党郵政大臣

○廣瀬国務大臣 まずもって、私いろいろな事情があったとは申しながら、貴重な当委員会におくれて参着いたしましたその姿勢を心からおわび申し上げる次第でございます。  ただいま武部委員からお尋ねの、第一の郵便貯金金利引き下げ反対の問題でございますが、これはあくまでそういう姿勢をくずさない、こういう方針で進む覚悟でございます。これは現在におきましても、大蔵省から郵便貯金の金利の引き下げについて何ら要請を受けておることでも全くないのでございまして、せんだってから重ねて銀行、郵便預貯金利子の引き下げということが新聞等で報道されまして、いかにも郵便局に再び貯金利子の引き下げについての要望があるようなことが報道されておったのでございますが、さようなことは全くありませんし、私は、また郵便貯金の金利の問題については郵政大臣の所管事項でございますから、このことについては絶えず研究しておかなくてはならないということで、大いに関心を持っておるわけでございます。各方面の意見を聞きましても、郵便貯金の金利は引き下げる必要は全然ない、こういうようなことをおっしゃってくださっておりますし、郵政省におきまして学者、先生、経験者等の御意見も、何人かからおいでを願って求めたわけでございますが、ほとんどすべての方が私の意見に賛意を表してくださっているのでございまして、ますます私は自信をつけております。現在日本の経済の実勢から申しまして、郵便貯金の金利を引き下げる必要は全くない、こういうように確信をいたしております。将来とも、これは郵政大臣の所管事項であるというたてまえを堅持いたしまして、引き下げないという方針を続けてまいりたいと思っておるわけでございます。と申しますのは、もう事由については武部先生すでに御承知と思いますけれども、郵便貯金と銀行預金というのは本質的に違うものだというように考えておるわけでございまして、銀行預金の大半と申しますか、短期で申しますと七割、それから長期を含めましても五割までが法人の預金でございます。つまり会社の預金でございまして、短期の場合は預託の期間もわずかに〇・四カ月というように銀行預金はなっておるわけでございます。これに対しまして郵便貯金は、九割九分六厘までが個人のきわめて零細な、つまり庶民大衆が粒々辛苦の御努力によってたくわえましたいわば生活資金、その集積が郵便貯金であることがはっきりわかるわけでございまして、いわば国民の貯金であり、また消費者の預金である、しかも生活資金であるというように考えられますところが銀行預金とまさに異質的なものである、こういうように考えておるわけでございます。そういうことを考えますときに、現在のように消費者物価がどんどん高騰しているという現状から申しまして、消費者の貯金であります郵便貯金をこれ以上利率を引き下げるということになりますと、庶民大衆が貯金そのものについて絶望感を感ずる。貯金してもだめじゃないか、もう使ってしまえというようなことになりまして、むしろこれが物価高騰のさらに刺激剤となりまして悪影響を与えるということになりますことすら考えられるわけでございますから、消費者保護、庶民の貯蓄保護という立場から申しましても、この預金の利率は下ぐべきでないという方針を持っておりますし、また将来ともそのような考えで進みたい、このように信念をいたしておるわけでございます。  それから第二の、いわゆる庶民金融、郵便貯金の預金者貸し付けの問題でございますが、これは私は国民大多数の方から御共鳴をいただいておるものだと確信をいたすわけでございますけれども、主として大蔵省サイドで同調してくれない。事務的に申しますと、かねがね、ずいぶん以前からそういう資料を大蔵省に提出いたしまして、郵便貯金の問題は郵政大臣の専決事項でございますけれども、郵便貯金が財投の資金になるという面におきまして大蔵大臣と関係がありますものですから、どうしても財投の法律を一緒に改正しなくちゃならぬということになるわけでございますので、大蔵省と合い議をしなくちゃいかぬということになるわけでございまして、そういう意味で資料を出して検討願っておるわけでございますけれども、なかなか協議に応じてくれない、検討してくれないということで、私どもは困り抜いておったわけでございますが、なるべく早くそういうようなチャンスをつくりたいということで努力はしてまいりましたが、やっと月曜の夜になりまして会おうということにきまりまして、こちらは私と貯金局長、向こうは大蔵大臣と銀行局長、四者会談をホテルの一室でやったわけでございます。一時間半ばかりの会見でございましたけれども、おのおの立場を主張いたしまして、もちろんにわかに妥結点に到達するということはできなかったわけでございまして、しかし形におきましては、今後両省間で協議に入るということにいたしたわけでございまして、事務的にも話が進んでおりませんので、事務段階から話を進めていくということに道は開けたわけでございます。しかし、御指摘のように今度の通常国会におきましてもタイムリミットがあるわけでございますので、私どもは非常に焦慮感を覚えておるわけでございます。政府提案で出すにいたしましては、もちろんそうした時限、タイムリミットということを考えて、両省、さらに関係がありますのは農林省でありますが、協議に加わってもらって早く案をつくらなくちゃならぬというわけでございますが、しかし、大蔵省の月曜日の晩の言いわけを聞きますと、なかなか早急に話を詰めようというような考えがないようでございまして、大蔵省としましては金融制度調査会にかけなくちゃならぬとかいうようなことを申しておりますし、ですから私の見通しといたしましては、政府提案で出すことが一番いいと思いますけれども、時間的に物理的に、どうもそういうことはできなさそうだと心配をいたしておるわけでございます。しかし、私どもといたしましては政府当局でございますから、鋭意その努力は続けてまいりたいと思っておりますけれども、実際上、はたしてそういうことができるという確たる見通しはつけにくいのでございまして、そういう情勢を、党のことを申して恐縮でございますけれども、自民党のほうで通信部会で察知されまして、われわれは政府、関係省間の話し合いの結果を待つというわけにいかない、もうだんだん通常国会も末期に迫っておりますので、早く議員提案として出すべきだというような御意図が動いていらっしゃるようにも承っておるわけでございまして、私といたしましては理想的に申しますれば、政府提案ということが一番いいことだと思っておりますけれども、しかし、この制度を創設するという立場から申しますと、政府提案ができなければ議員提案で、それが各党御一緒の提案になりますかどういうかっこうになるかそれは存じませんけれども、とにかく何らかの形でこの法律案が国会に出されまして、そうして御審議いただきまして成立させていただく。そしていわゆる庶民金融、この預金者貸し付けの方法が開かれるということになりますれば、その実は私といたしましては取りたいわけでございまして、そのようなことを考えつつ事態の推移を見守りますとともに、私どもといたしましては最後まで政府提案で出すという希望を持ちながら努力を重ねてまいりたいと思っております。しかし、これにはおのずから限度があるわけでございますから、ある時期にはもうこのことについては政府提案ができないものだと認めるというようなことを相手方に対して申し上げるというようなことも必要ではないか、そういうチャンスも必要じゃないかというようなことに考えておるわけでございます。こういうことが現状でございます。

武部文日本社会党

○武部委員 二つの問題につきましては、一応大臣の見解を承りまして、また機会を見て私どもの見解も申し上げたいと思います。  そこで、最高制限額の引き上げの問題でありますが、四十四年の六月に百五十万円から二百万円に引き上げられました。当時も、私記憶に残っておりますが、二百万円に引き上げるときにも、当委員会でいろいろ議論をしたところであります。今回百万円の引き上げをいたしておるわけでありますが、同僚議員の質問によりますと、郵政省は四百万円を大蔵省に対して要求しておった、そういうことも聞いておりましたが、結果的には三百万円になった。一体いまの日本の経済の中で、国民自体はその保険金の額についてどういう希望を持っておるのか、どのくらいな金額が必要だと考えておるのか。それはいろいろ階層別によって違うでしょうし、あるいは年齢的な差があるかもしれません。しかしこの金額については、二百万を三百万にする、いやそれじゃ足らぬというような意見もありましょうし、いろいろあろうと思うのですが、郵政省として、一体この保険金の需要の実態についてどう把握しておるのか、国民がいまどのような額を希望しておるのか、こういうことについて調査をしておられると思うのでありますが、このことについて簡易保険局の調査がございましたら、ひとつ説明をしていただきたい。

野田誠二郎郵政省簡易保険局長

○野田政府委員 お答えいたします。昭和四十五年の八月二十日から二十八日にわたりまして、簡易保険に関する市場調査というのを、これは全国で六千世帯でございますが、層化多段無作為抽出法という特殊な——特殊といいますか、統計学的にいろいろあると思うのでございますが、一応六千世帯、これを個別面接聴取法によりまして、二人以上の普通世帯の調査をいたしました。その際の結果でございますが、万一の場合の生命保険の必要額といたしましては、全国的に六百十万円という数字が出ております。

武部文日本社会党

○武部委員 この保険金の最高制限額をきめるについては、きめる根拠、論拠といいましょうか、そういうものがなければならぬわけですね。一体それは何に基づいておきめになるのか、この点ちょっとお伺いしたい。

野田誠二郎郵政省簡易保険局長

○野田政府委員 簡易保険もやはり生命保険でございますので、死亡の場合の一定の保障額、それから満期の場合の老後の生計を維持するに足る金額というのが一応必要かと思うのでございます。これらをおのおの計算いたしました場合に、現実に簡易保険だけでこれらの、死亡の場合をとりますと、最終の医療費、葬祭費及び遺族の当座の生計費ということで、これは調査方法がいろいろあるわけでございますが、大体四百万円見当の数字は出てくるわけでございますし、さらに現在、男女ともに平均余命が長くなってきておりますので、六十五歳満期あるいは七十歳満期の場合に受け取ります満期保険金、あるいは六十歳、六十五歳もあるわけでございますが、満期の場合にあと何年の生計費としてどれくらいの金額が要るかということにつきましても、われわれの調査では三百万以上の数字が出てきておるわけでございます。そういう観点からいたしますと、簡易保険だけでいま申し上げました遺族の当座の生計費なり老後の生計費をまかなうということですと、いま申し上げました四百万以上の数字が一応出てくるわけでございますが、必ずしも全部の世帯が簡易保険だけで遺族の生計を維持するなりあるいは老後の生活を営んでいくというわけのものでもないと思いますし、また現実に大正五年創業以来簡易保険が独占の時代及び戦後独占を解除しました後におきます最高制限額の推移の問題ということは、同時に民間保険、民営保険におきます無診査保険の限度額との関連もあるわけでございますが、理論的な数値と民間保険の現状というものを考えました場合におきます簡易保険としての最高制限額のかね合いの問題というようないろいろな要素は、当然国営保険としては考えなければいかぬ要素だ、かように考えるのであります。いま申し上げましたような諸要素を勘案いたしまして、今回三百万円の改正法案に至ります過程におきましては、一応郵政省といたしましては最高制限額を四百万にしたいという意思表示をしたことは確かでございます。

武部文日本社会党

○武部委員 先ほど回答がありました四十五年八月の調査、これによって六百十万円ということをおっしゃっておったわけですが、これは平均して六百十万円、このように理解してよろしゅうございますか。

野田誠二郎郵政省簡易保険局長

○野田政府委員 先ほど申し上げましたとおり六千世帯の総平均でございまして、もう少し詳細に申し上げますと、三百万円未満とするものが全体の一七・九%、三百万円以上とするものが五七・三%、なお一千万円以上という世帯が二四・六%というふうにばらついておりますが、これは平均の数字でございます。

武部文日本社会党

○武部委員 わかりました。民間の無診査保険の制限額というのは、いまあなたがおっしゃった金額の中では一体幾らですか。

野田誠二郎郵政省簡易保険局長

○野田政府委員 簡易保険局が今回の最高制限額を提案しました時点におきましては、ほとんどの民営の保険会社は二百五十万でございます。大手の数社が二百万ということでございました。簡易保険の法案を準備いたしまして国会に審議をお願いいたしておりますいまの時点で、四月一日に大蔵省が約十社に無審査保険の限度額三百万円を認可いたしました。なお、民間生命保険会社二十社ありますが、残余の会社につきましては大体五月一日くらいにあるいは認可がおりるか、こういうような情報を得ておりますが、あるいは会社によっては限度額を上げない会社もあろうか、このような予想でございます。

武部文日本社会党

○武部委員 いま局長の御答弁によりますと、平均六百十万円のうちで二四・六%が一千万円以上の保険額を希望しておる、こういう説明でありました。この数字は、約四分の一の人が一千万円以上の保険金というものを希望しておるということになるわけですね。同時に、お述べになったように、三百万円以上を希望する人が全体の五七・三%ということをいまおっしゃったわけです。あとで私は変額保険のことについても触れたいと思うわけですが、現実にこのような実態の中で、民保というものはいろいろな形で多種多様な保険の分野を開拓しております。これはもう御承知のとおり。その場合に一体いまのままでいいだろうか。これは無診査の保険には限度がありはしないか。いわゆる無審査ということで、簡易保険の制限額をいま大蔵省が認めておるようなかっこうの中で民間と比較をしていっておるということだけでは、この保険事業と太刀打ちできないようなことになりはしないだろうか。そういう意味で無審査ということは確かに非常に有利な点でありますが、将来の簡易保険事業というものを考えた場合に、この無審査ということのみにあまりきゅうきゅうとしておったのでは、事業の経営ということについて問題がありはしないだろうか。したがって、将来有審査制度をとる考え方が郵政省にあるのかどうか、全然いま考えていないのかどうか、この点はあとの変額保険との関連がありますから、ちょっとその見解を示していただきたいと思います。

廣瀬正雄自由民主党郵政大臣

○廣瀬国務大臣 有審査の保険を創設する意思があるかというお尋ねでございますけれども、簡易保険の一番大きな特徴の一つは、無審査ということであるわけでございますので、現在の段階におきましては、有審査のことは考えていないわけでございまして、むしろいまおことばのうちにございました変額保険、こういう問題は簡易保険の対抗性と申しますか、全体の生命保険の中にありまして簡易保険の制度を維持していくという立場から申しまして、そのようなことは考えなければならぬのじゃないかと私はひそかに思っておるわけでございますが、いずれ御質問があろうかと思いますので、その際にお答えいたしたいと思っております。さしあたり有審査の保険についてはまだ考慮いたしておりません。

武部文日本社会党

○武部委員 これはたいへん重要な問題であって、郵政省が簡単に有審査の保険に踏み切るなどということをいまいえばたいへんなことになると思うのです。しかし、あとで申し上げますが、さっきいうように保険事業というものが非常に多様化してきておりますし、経済がこのように非常に混乱をするような時代でありますから、簡易保険事業の将来の展望ということについては、ある程度、こういう席上で答弁はできないにしても、そういう十分な研究はひとつやっておいていただかなければならぬというように私はいまの段階では思うわけです。  そこで、今度は国民の保険料の負担能力の問題であります。国民がいま毎月保険料を支払うわけでありますが、保険料を支払うところの負担能力は一体どのくらいなら掛けられるというように考えておるかというような調査を郵政省としてはおやりになっているかどうか。やっているなら、その実態をちょっと述べていただきたい。

野田誠二郎郵政省簡易保険局長

○野田政府委員 先ほど申し上げました簡易生命保険の市場調査、同じ調査の結果でございますが、一世帯の平均月額七千三百円という数字が出ております。  なお、先ほどの先生の御質問の答弁の際にちょっと言い忘れましたので補足いたしたいのでございますが、簡易保険の最高制限額をきめます一つの要素としては、やはり想定されます一般の家庭の保険料の負担能力というのは、当然考慮の一要素として入ってこようか、かように考えます。  ただいま申し上げました七千三百円という数字につきまして、これはその調査の結果でございますが、民間生命保険におきます調査につきましても、大体そう遠くない数字が出ております。

武部文日本社会党

○武部委員 一世帯の一月の負担能力としては大体七千三百円くらい、もちろんこれには、平均でありますから高低はございますが、そういうことを一つの目安として保険のいろいろな種類というものを考えていかなければならぬ。そうでないと、あとで申し上げますが、そのことが事業の運営、その前段としての募集、そういうものに非常にかかわり合いがある、私はこのように思っておるから聞いておるわけであります。  いま一つお伺いいたしますが、保険金別の加入件数、たとえば百万円の保険には大体何%ぐらい入っておる、百五十万円でどのくらい、二百万円でどのくらい、こういうことの調査が郵政省のほうにおありでしょうか。

野田誠二郎郵政省簡易保険局長

○野田政府委員 昭和四十六年度ですから、つい最近判明した数字でございますが、保険金額の階級別加入状況が判明いたしたのでございますが、五十万円未満が、簡易保険の場合一番多うございまして三九%を占めております。次に百万円未満が二八%、百万円以上が三三%となっております。このうち、最高額であります二百万円は一四%を占めておるわけでございます。

武部文日本社会党

○武部委員 いままでお聞きいたしましたことから、私は次のような点で意見を申し上げてみたいと思うわけであります。当委員会では若干の問題に触れておりますが、奨励の問題についていま答弁があったから、私は関連をして申し上げたいのであります。  保険の種類がたくさんございますが、現実に負担能力として平均七千三百円ということをさっきおっしゃったわけであります。たとえば十年払いの十五年養老というのを例にとりますと、今度三百万円になりますと月掛け二万一千六百円という支払い金額になります。これは三十歳でありますから二万一千六百円、こういうことになります。ところが、これを終身の払い込みでいきますと五千七百円という数字になる。三十年払いの三十年養老になりますと七千六百五十円という数字になります。一体、このようなたくさんの種類のある保険の中で、国民の側としては実際に契約に応ずる場合に、私どももしろうとでありますが、どれが一番いいだろうかという点については、郵政省から募集に来られた人と話し合いをしておってもなかなかよくわかりません。はっきり言って、よくわからぬ。わからぬが、現実にはその話し合いの中で一番有利なものと思って契約をするわけですね。ところが、これはたいへん失礼な言い方ですけれども、従業員の側で見れば、これはいろいろ苦労があるし、同時にこれはセールスでありますから、それなりに出費も伴うわけでありまして、民間の保険でもいろいろな形でそういうセールスに対する手当とかいろいろなことをやっているわけです。これはほかの部門と違って、奨励というような精神的な苦労が多いわけでありますから、そのためにこそ郵政省は募集手当というものを支給しているわけです。短期の契約であれば、当然月掛けの保険料が高いわけであります。月掛けの保険料が高いということは、それだけ募集手当が多いということになるわけです。したがって、どうしてもそういうものに目が向くことになる。したがって、そのことによって募集をして短期の月掛けで保険料の高いものをとった。しかし現実には、国民の側から見れば負担能力が、さっき言うような平均七千三百円ということだから、負担能力の限界がきてどうにもしようがなくなって解約をするというようなことも、これは当然起こり得るわけであります。そういうような点で、私は、いろいろなことが全国的に起きたということもよく承知しております。きょうはそのことに触れませんが、いずれにしても、そのようなことが行なわれることは、何としてもこれは断たなければならない。そのためには、少なくとも国民の負担能力なりというものを十分承知をして、そうして国民の側が理解をして簡易保険に協力するという立場をとらなければならぬと思うのです。そういうことでなしに、ただ単に成績第一主義で、とにもかくにも成績をあげればいい、目標を早く達成すればいいというような、郵政局相互間、あるいは郵政局の内部におけるところの普通局相互間、あるいは特に県単位におけるところの競争、こういうようなことに血道をあげていくと、必ず不良募集というか、そういうような非常に金額の高い、そして負担能力の限界を越えたような募集におちいりやすいということを、私は過去の体験からよく承知をしておるのであります。  そういう面から見て、少なくともいま現場でいろいろなことが起きておるが、郵政省自体は、この成績第一主義あるいは管内あるいは管内別の競争というようなことは厳に戒めてもらわなければならぬ。そうでないと、保険事業に対するいろいろな不信が生まれてきて、例の経営者労災ですか、というようないろいろなことが生まれて、とんでもない話法が出てきたとかいう不信が私は簡易保険事業に向かってくると思うのです。そういう意味で、ぜひひとつ行き過ぎのような募集は厳に戒めてもらわなければならぬ。  ところが、現実に現場の諸君の声を聞くと、ことばは悪いけれども、不良募集というようなことをしないで、まじめに堅実な募集をやるべきだ、競争はいかぬというようなことを言うと、その者は職場の中でつまはじきになって、事業に対して非協力だとか、意欲がないとかいうようなことを言われて、お互いに職場の中で不信感が生まれておるということの例を私はたくさん知っておるのです。ですから、これはぜひ大臣なり局長にお願いをするわけですが、私は競争を全然否定いたしません。それはお互いに目標があってやることですから、そのように何がしかの競争があることは認めます。しかし、それがあまりにも度を過ぎて、成績第一主義の競争になると、必然的にそのことが、いま私が申し上げたような欠陥を生み、相互に不信をかもし出すということを知っておるのです。ですから、今日までいろいろな事実が生まれたわけですから、十分郵政省としてはその点に思いをいたして、これからの募集等については絶対に行き過ぎがないように、厳重な通達なりあるいは会合等を開いて、そうしたようなことで、少なくとも郵政省がやっておるところの簡易保険事業が、国民から不信の目をもって見られることのないような方向をとっていただきたい、このように思いますが、いかがでしょうか。

廣瀬正雄自由民主党郵政大臣

○廣瀬国務大臣 私も全く同感でございまして、簡易保険は、私どもは、庶民大衆の福祉を増進するきわめてりっぱな制度である、庶民のしあわせの増進という立場から申しましても、いわゆるヒューマニズムという立場から申しましても、これは大いに意欲をもって、事業の使命の重大さに思いをいたしまして、たくましくその募集に従事していただくということは、きわめて国家国民のために必要なことだ、かようには考えますけれども、何と申しましても国営事業でございますし、国営事業といたしましての品位を保たなければならない。国民から不信感を持たれてはならない。一口に申しますと、行き過ぎがあってはならないということは当然だと思うのでありまして、最近は特に消費者の保護ということが強調されておるわけでございますが、私は募集の従業員の会合でもございますと、そのことを特に強調いたしておるわけでございまして、保険を大いにつくってもらうということはまことに好ましいことだけれども、行き過ぎがあってはならない、品位を失墜してはならない、あくまで国民から信頼を受ける、喜ばれるような保険の募集でなければならない、消費者の立場というものを大いに尊重してもらいたい、こういうことを強調いたしておるわけでございます。ただ、御承知のように、いま武部委員もおっしゃってくださったわけでございますが、こういうような仕事については一応目標がありますものですから、その方向に向かって努力をするということは、従業員といたしまして当然のことだと思いますけれども、繰り返して申しますが、そうでありましても行き過ぎがあってはならないということは当然のことでございます。  せんだって参議院におきましても、いろいろ具体的に奨励の従業員が配付いたしております印刷物等につきまして何かと御指摘をいただきまして、本省のほうで調達しなければならないものを自分らの募集費の一部からさいて、特にいろいろな品物をつくっておる、いろいろな用紙をつくっておるというようなことを聞いたのでございますが、どの勧奨の職員にもぜひ必要だということになりますれば、これは本省のほうで取り上げてそうした印刷物は調製すべきだと思うわけでございますが、めいめいの負担においてそういうことまでやって、いろいろな工作をやっておられるというような点は、行き過ぎの面もあるやに考えられるわけでございます。とにかく奨励に大いに意欲を燃やしてやっていただくということは当然でございますけれども、これについてはおのずから限度がなくてはならない、これはもちろんでございます。保険当局も十分考えておるようでございまして、なお、具体的な通達等につきましては、必要がございますればあとで局長のほうから御説明をさせますけれども、方針といたしましては、私は全く武部委員と同感でございまして、そのような指導を今後十分いたしてまいりたい、このように考えておるわけでございます。

武部文日本社会党

○武部委員 通達の問題は、いずれ私は資料としていただいたほうがいいと思いますから、きょうは説明はよろしゅうございます。  いま大臣がおっしゃるように、確かに私も募集の苦労というものはよくわかります。これは郵便を配達するのと違って、相手のあることでもあるし、それだけの話法も必要です。その苦労はよく承知をいたしております。また、めいめいが自分の金を負担していろいろな工作をする、これも今日まで行なわれたこともよく知っております。ただ、それがとかく行き過ぎになる、また相手をだますような話法を使うというようなことが、保険事業に対する信頼を失うわけでありまして、そのもとがまた競争、成績第一主義というようなこととつながってはならぬので、私どもが心配するのはそこなんであります。そういう意味で、奨励に携わる人の苦労が多いことはよく知っておりますから、やはり監督の責におられる郵政省の簡易保険局が十分監督をして、少なくとも一生懸命まじめにやっているのに、わずか一握りの人がそういうことをしたために十ぱ一からげに見られるようなことは、まじめにやっている人にとっては、はなはだ迷惑しごくなことだと思うのであります。そういうことが私どもの耳に入るわけでありますし、先般来いろいろな問題が起きたわけですから、いま大臣のおっしゃるようなことをひとついい契機にして、そのような不良な募集が行なわれないように、行き過ぎがないように厳重に配慮をしていただきたい、このように思います。  そこで、先ほど私ちょっと変額保険のことを申し上げましたが、今後の日本における生命保険業界の課題について、少しお伺いをしておきたいと思うのであります。  それはなぜかというと、先ほど申し上げるように、国民の四分の一は一千万円以上の保険金を希望しておるという具体的な数字が郵政省の調査によっても出ておるわけであります。ましてや、この戦後のインフレの中で、経済の事態は御承知のとおりであります。したがって、民間保険というものは、そういう課題にいち早く取り組んで、いろいろな保険を開拓しつつあります。特にこの戦後のインフレの中での小額保険、戦前の契約というものが国民にどういう非難を受けたかということは、もう郵政省の当事者の方はよく御承知のとおりであります。したがって、民間の保険がいっているように、いわゆるインフレに負けぬ生命保険、その決定版というのが変額生命保険ですね。このことについて、一体郵政省はどのように考えておるだろうか。私はこの点はたいへん大事なことだと思うのです。特に民間生命保険業界というのは、一昨年欧米に調査団まで派遣をして、そしていろいろと調査をして、何か調査会のようなものをつくっておる。一説には大蔵省もこれについては賛成だというようなことで、大蔵省自体も、でき得れば今度の通常国会までにそれを提出しようかというような動きさえあったということを私どもはマスコミを通じて知っているわけであります。したがって、現実にいまこの生命保険というものが、特に長期の生命保険というものが、貯蓄手段としての効力、効果を失っておる、そういう現状の中で、この変額生命保険というものは国民にとって非常に大きな魅力ではあると思うのです。満期にならないで途中で死んだ場合には、三倍から十倍ぐらいの金額をやるというのですから、これはたいへんなことになる。そういう点の経営というものは一体成り立つだろうかということは、しろうと目に見て、私も一部には疑問に思います。大型の保障ブームというものが、一体いまの経営の実態の中でほんとうに成り立つだろうかどうか。また民間保険だけが先行した場合に、簡易保険においては、これについて一体どういう考え方を持っておるだろうか。七〇年代の経済界の展望というものを見ながら、民間保険というものはそういうことを考えておる。これは一説によれば非常に危険だということがありますね。資産の運用と販売について自信があればこれはできるということを民間保険はいっておるようですね。そういう点について、一体郵政省としてはこういう変額保険についてどういう考え方を持っておられるのか、これをちょっとお伺いしたい。

廣瀬正雄自由民主党郵政大臣

○廣瀬国務大臣 御承知のように、いまのように物価がどんどん高騰してまいりまして、貨幣価値が低落してくるということになりますと、長期の契約であります保険、簡易保険におきまして、保障の内容であります保険の金額の実質的な効果というものが低落してくるということは、保険にとりましては本質的なたいへんなことであるわけでございまして、何とかそれを防止するような方途を考えなければならない。その方法はいろいろあるようでございますけれども、ただいま御指摘の変額保険、これが私どもといたしましては一番食いつきやすい制度ではないか、このように考えております。  ただ問題は、積み立て金の運用を、物価にスライドさせまして、最も有利に効率をあげるということにその根源があるわけでございますけれども、この積み立て金の運用を変更するということはかなりむずかしい問題でございます。しかし、それをそのままに放っておきますと、簡易保険の根底をゆるがすような、ただいまのお話のようなことになるわけでございますから、これもほんとうに真剣に取り組まなければならない重大な課題であろうと私は考えておるわけでございます。したがって、この変額保険につきましては、郵政省といたしましても、民間保険におくれをとってはならないというようなことでただいま検討中でございまして、検討の内容について詳しく御説明の必要がございますれば局長から説明させたいと思います。

武部文日本社会党

○武部委員 民間でこのような大型の保障ブームがいま現実に行なわれておりますね。その実態をちょっと一つだけ例をあげて説明してみてくれませんか。なお民間では、そういうような保険の実態が、一体その事業の何割ぐらいを占めておるのか、その点がおわかりならばこの機会に説明をしていただきたいと思います。

野田誠二郎郵政省簡易保険局長

○野田政府委員 先生御指摘の、民間保険で発売いたしております大型保障の保険契約につきまして、大体十倍型というのが一番大きな保障の型かと思いますが、これはすべて有審査保険でございまして、現在私どものほうで調べております保険種類も、大手の保険会社で四種類ばかり売っておるのでございますが、資料を持ってきておりますがちょっと見つかりませんので、調べまして後刻御報告申し上げます。同時に、現在これらの大型の契約が全契約の中でどのくらいのシェアを占めておるかにつきましても、さっそく調べまして直ちに御報告申し上げます。

武部文日本社会党

○武部委員 私が申し上げますのは、民間のほうがこういうように次から次と新しい手を打ってくる。簡易保険は先ほど局長の話によると制限額をきめるためには三つの条件がある。これは民保との問題がある、これは当然であります。しかし、現実にこのように大型化をしている中で、簡易保険事業だけがいまのままであっていいということには私はならぬと思う。そういう意味では、一体簡易保険事業というものの将来の展望はどうあるべきか、こういうことについてはやはりそれ相応の検討はなされておると思うわけですが、いままでの経過をずっとたどってみると、民保に対して後手後手といっておることは事実であります。先頭をとると直ちに民保からやられるわけでして、そういうこともあったことも事実であります。しかし後手後手に回っておったことも事実でありますから、こういう点についてはやはりそれぞれの研究をし、国民が一体何を望んでおるのか、簡易保険に対して何を期待をしておるのか、こういう点についての研究は常日ごろから行なって、そうして国民の期待にこたえる簡易保険事業でなくてはならぬ、私はそのように思うのであります。  そこで、申し合わせの時間も守らなければなりませんから、次にもう一つお伺いをしておきたいと思いますが、例の、答申のありました五つの新種保険について、傷害、学資、この二つについてはすでに実施をされておりますが、残りの三つの問題について、郵政省はこれをどのように取り扱おうとしておられるのか、それをひとつお伺いしたい。

野田誠二郎郵政省簡易保険局長

○野田政府委員 四十三年三月に、郵政大臣の諮問に対しまして郵政審議会が答申いたしました「特色ある簡易保険とするための方策に関する答申」の中にあります新しい保険種類としましては、いま御指摘の傷害保険、学資保険、この二つがおかげさまで実現を見たわけでございます。なお実現を見ておりませんのは、疾病保険、保険金増額保険、団体定期保険、簡易災害保険、この四つがございます。現在簡易保険局の局内に新種保険の調査委員会をつくりまして、これは各課の課長総員がこの委員になりまして鋭意研究をいたしております。現在一番研究が進んでおりますのが疾病保険でございまして、その次に簡易災害保険、これの検討を進めております。先ほど来インフレに対抗するための非常に有力な保険種類であるとされております保険金増額保険につきましては、必ずしもこの機能が全部一緒というわけではございませんけれども、一応現在の体制といたしましては、特別養老保険、特に今回最高制限額が三百万円に引き上げられました場合には、三倍型の特別養老保険をつくる、こういう予定にいたしておりますので、これをもって代用するといいますか、代位することにいたしまして、保険金増額保険、これにつきましては、一応研究をそれほど進めていないわけでございまして、なお団体定期保険につきましては、これはせっかく答申はいただいておりますけれども、現在の民間の団体定期保険の発売の状況その他から見ますと、必ずしも簡易保険がこの分野にいま至急に調査をし、進出しなければいかぬかどうかにつきまして、まだ必ずしも局内でも意見がまとまっていないわけでございますが、先ほど申し上げましたように、疾病保険、それから簡易災害保険につきまして具体的な調査に着手をいたしております。

武部文日本社会党

○武部委員 大体の概略はこれでわかりましたが、最後にひとつ運用資金についてお伺いしたい。  大体、いま二兆をこえる資金があると私は思うのですが、この資金について、この簡保の運用資金というのが郵政省に来る過程については実は並みたいていなことではなかったことを、私も当時を振り返ってよく承知いたしております。非常な苦労の末にこの簡保の運用部資金というものは郵政省にほんのわずかでありましたけれども来たわけです。その後、この増額をめぐって、なかなか大蔵省も渋いわけですから、非常に困難だ、しかし、現実にもう二兆をこす金が財投の中にどんどん繰り入れられておる。そうなってくると、郵政省のほうはとにもかくにも保険で一生懸命苦労して集めて、そうしてそれを大蔵省のほうに全部吸い上げられてしまうというようなことであってはならぬ。そのためにいろいろ努力されておると思うのですが、今日この運用部資金について、郵政省としては今後どういう考え方で大蔵省に折衝されようとしておるか、これをひとつお伺いしたい。

廣瀬正雄自由民主党郵政大臣

○廣瀬国務大臣 簡易保険の積み立て金と、それから余裕金、合わせまして大体三兆円と私は聞いておりますわけでございまするが、この運用については、簡易保険の今後のあり方について非常に大きな関係がありますわけでございまして、皆さん方のたいへんな御奮闘、御協力によりまして運用資金は郵政省に奪還した、ということばは少しひど過ぎるかもしれませんが、取り戻していただいたわけでございますが、今後はこの運営を簡易保険に有利に持ってくるということがきわめて大切だと思っておりますわけでございまして、私の日程から申しますと、ことしは郵便貯金で金利の引き下げに反対いたしますし、また預金者貸し付け制度を創設すべく努力を重ねておりますわけでございまして、けさも貯金局長といろいろ協議したのでございますけれども、この新しい年度は、今度はひとつ簡易保険関係で積み立て金あるいは余裕金の運営と運用ということについて、ひとつ何とか新機軸を開くように努力するようなくめんをしようじゃないかというように話しておるようなことでございまして、まだ具体的にどうということを考えておりませんけれども、御指摘の点はまさにそのとおりだと思いますわけでございますから、今後郵政省としましてはこの次の大きな課題として取り組んでまいるべく努力いたしたい、このように考えておりますわけでございます。

武部文日本社会党

○武部委員 この問題は、私どもは運用資金が郵政省に、いまの大臣のことばで奪還、まさに当時の運動からすれば奪還でした。ようやくにしてあれだけのものがとれた。そういう非常に長いやりとりがあったわけですね。したがって、この余裕金を含んだ資金については私どもとしては非常に多くの期待を持っておるし、同時に、正しい意味においてその資金が使われるかどうかということについては、われわれとしても大いに協力を惜しむものではないわけです。この点については、また別の機会にこの資金運用部の資金について十分論議を戦わせなければいかぬ、こう思っております。  時間の関係で、最後に沖繩の問題についてお伺いをいたしたいと思います。  この復帰の場合に、戦前の保険及び年金の契約の取り扱いというものは一体どうなるのか、これが一点です。  時間の関係で二つ三つ合わせて質問をいたします。  二番目は、保険を沖繩で再開をするわけであります。いまはないわけですから再開をする場合に、一体要員の措置をどうしようとしておられるのか。  それから三番目としては、簡保資金の沖繩地域に対する融資、これについてはどのような方針で臨まれるのか。  この三つについて郵政省の見解をひとつ述べていただきたいと思います。

野田誠二郎郵政省簡易保険局長

○野田政府委員 お答えいたします。  戦前の簡易保険及び年金契約につきしては、現在沖繩住民の有する行政権分離前の郵便貯金簡易生命保険等の支払い問題解決措置に関する覚え書き、これによりまして本年の二月二十九日までの期限をもちまして、法定支払い金及びそれに若干の見舞い金をつけまして、簡易保険及び郵便年金につきましては戦前の契約で申告のありました分につきまして約七割が解決を見ておるという状況でございます。  なお、五月十五日に予定されております復帰の際に残っております戦前の簡易保険及び年金契約につきましては、これらの法律上の権利はそのまま存続をして復帰を迎えることになるわけでありますので、次のような取り扱いをいたしたい、このように考えております。  保険年金契約の継続を希望する者に対しては、事実上のこちらの行政権が及ばなくて凍結をされておったというふうに理解しておるわけでございますが、凍結期間中の未払い保険料、未払い掛け金は、一定期間その払い込みを特別猶予の上一括して払い込ませるほかは本土の契約の例によって取り扱う、こういうことでございます。本土におきましては昭和二十一年九月末だったと思いますが、それ以前の契約につきましては集金停止の措置をいたしておりますので、沖繩におきましても同様の集金停止の措置がとられることになるわけでございます。  なお、戦前契約で処理をいたしましたのは先ほど七割と申し上げましたが、九割が処理をされております。  復帰前にすでに支払い事由の生じております保険金、還付金、年金、返還金等につきましては、当然でございますが法定の支払いをいたすことにいたしておりますし、当分の間これらにつきまして時効の援用はしないということにいたしております。  次に、要員の措置でございますが、復帰いたしますと簡易生命保険及び郵便年金の仕事につきましては、全然新しく業務が開始をせられるわけでございまして、沖繩の県民の保険に対します理解の程度、これがどのようなものであるか、それから現実に郵政関係の職員がたくさんおるわけでございますが、戦前に簡易保険の業務を経験した職員等もほとんど皆無に近い状態でございますので、これらの職員の能率等々を考えまして次のようにいたしております。  要員といたしましては、一応これは県内郵便局関係の保険事業定員でございますが、六十九人を予定いたしております。新規に始まりますので、集金要員はほとんど要らないという計算になるわけでありますが、集金要員が四名、募集要員が四十六名、そのほかに募集技術指導官、これが一名でございます。それから内務の要員につきましては十七人、郵便局増置に要する要員が一名ということで、総員六十九名でございます。そのほかに那覇にできます沖繩郵政管理事務所に保険課を新たに設置をいたすわけでございますが、この管理要員として十二名を配置するということにいたしております。  第三点の御質問の簡易保険の積み立て金の融資でございますが、現在琉球にあります契約というのはほとんどないわけでありますし、したがいまして、琉球契約からの積み立て金というのはほとんど皆無に近いと思うのでございますが、沖繩の置かれております特殊事情から地方公共団体に対します貸し付けは本土並みあるいはいろんな情勢を勘案いたしまして、積極的な開発の融資を行なっていこう、こういうつもりにいたしております。  なお、沖繩につきましては現在はまだ発足いたしておりませんが、一応成立が予定されております沖繩開発公庫に対する融資も含めまして、むしろ姿勢としては前向きの姿勢で対処をいたしていきたい、このように考えておるわけであります。  なお、沖繩につきましての御答弁の際に、ちょっと御報告がおくれましたけれども、民間におきます大型保障保険につきましてちょっと御報告をいたします。  個別的な会社の名前をあげるのもどうかと思いますが、現在民間保険で保険金増額保険というようなことで売っております保険は、明治生命のダイヤモンド保険及び日本生命の日生保障増額保険というようなものが非常に売れておるようでございます。なお、このダイヤモンド保険というのは十倍保障ということになっております。日生の保障増額保険につきましては、五年ごとに死亡保険金のみが加入時の保険金の五割ずつ増加をする。しかし三倍まで増加をいたしますとそれで打ちどめだ、こういう仕組みになっております。  なおまた、定期つきの大型化ということでございますが、定期つきの養老保険、これは三倍から十倍型までいろいろな型がございますが、これは四十五年度の個人保険の新規契約中、件数で約ニ七%、保険金で約四〇%のシェアを占めている、こういうことでございます。

武部文日本社会党

○武部委員 沖繩の問題でもう一つありますが、例の当委員会で説明があって、私どもはけっこうなことだからというので賛成をし、沖繩へつい最近行ってみたところが、いまだに貯金保険会館というものが全然建っていない。もうそろそろでき上がっているものだと思って行ってみたのですが、全然影も形もない。一体これはどうなっておるのか。これはだいぶ前にそういう話があって、私ども計画も聞いて、もうすでにでき上がっておるものだと思っておったわけですが、これはどうなっておるのですか。

廣瀬正雄自由民主党郵政大臣

○廣瀬国務大臣 この問題は皆さん方から御承認いただき、またたいへん御鞭撻も賜わった問題でございまして、また沖繩の住民感情から申しましても、一日も早く建設をしなければならない問題でありますわけでありまするが、実は場所の選定に——沖繩は御承知のように軍用地がなかなか多いものですから、ここはいかぬとか、あっちはいかぬということで、これがたいへん手間どりまして、やっとことしの二月に場所がきまりまして、設計の御意見もいろいろあっちこっちから承るということもございましたわけで、ことしの六月から着工ということになっておりますわけでございます。この点御期待にそむいておりますことはまことに申しわけございませんけれども、沖繩国会のときからそのようなことは私御答弁申し上げてきたのでございます。それにはその後事情が悪くなったというような変更は全然ございませんが、あの当時御答弁申し上げましたとおりの方針で現在も進んでおりますわけで、一日も早く竣工いたしまして、皆さん方から喜んでいただけるということの一日も早からんことを期待いたしておりますわけでございます。

武部文日本社会党

○武部委員 私はこれで質問を終わりますが、今度の百万円の引き上げの問題については、私どもとしてはむしろ少な過ぎるという見解を持っております。それは冒頭から申し上げるようないまの実態の中で、三百万という数字は国民の期待にこたえる数字ではない、そういう気持ちであります。したがって、この引き上げについては私どもは賛成をいたしますが、しかしきょう申し上げるように、保険事業の運営の中においては幾多の問題があることは、皆さん御承知のとおりであります。きょうは私は具体的に事例をあげて申し上げませんが、しかし現実にそのような事態がある、これは否定することができないのです。それも私は、一番大事なことは現場の第一線の諸君が非常に苦労をしておりながら、その苦労が報いられておらない。またその中で、さっきから言うように、競争主義や成績第一主義が横行して、そのことによって不信感が生まれておる。これは保険事業に携わっておる者にとっては、私はたいへん不幸なことだと思うのです。成績をあげるためには手段を選ばぬというようなやり方をした者が登用されていくようなことであってはならぬのです。そういうことがやはり全国を見渡したうちにはあるのです。ですから、このことについては、先ほどもお話しになったとおり、今後の募集のあり方あるいは労務管理、そういうことについてはひとつ厳重に私どもの希望が達成できるように配慮をしていただかなければならぬ。そうでないと保険事業というものが、見せかけだけはなるほど成績はあがっておるけれども、その内部というものはそれとは全くうらはらのことだということであっては、それは国民の信頼を得る事業ではないと私は思うのです。事業に携わる諸君にとってもたいへん不幸なことだと思うのです。  したがって、今日まで起きたいろんな具体的な例を申し上げませんが、あなた方十分承知のとおりでありますから、ぜひひとつそれを克服をして、その中でお互いが不信感を植えつけるようなことのないようにしていただきたい。さらに民保のいろんな事情についても、私どもよりもあなた方自身が専門家でよく承知しておられるわけですから、将来の簡易保険事業の発展のためにはどのようにすべきかという点について、変額保険なりあるいはその他の新種保険の問題なり、そうしたことにも、あるいは資金の問題についても、十分ひとつ配慮をしていただかなければならぬ。このことを最後につけ加えまして私の質問を終わります。

高橋清一郎自由民主党

○高橋委員長 中野明君。

中野明公明党

○中野(明)委員 今回の簡保の最高限度額を二百万から三百万に引き上げる。この措置につきましては、かねがねの懸案でもありまして、私どもは時期もおくれているし、額も不満でありますけれども、一歩前進という意味で一応賛成の考えでおります。  そこでこの機会に、過日来いろいろ議論が出ておりますが、きょうは大蔵省も来ていただいておりますので、先に税金の関係をお尋ねしたいと思います。  けさほどからも議論が出ておりましたように、簡保の資金が財投等大半政府並びに地方公共団体にたいへんな貢献をしておるわけであります。ところがこの簡保の保険料が、民間保険も含めて同一の取り扱いを受けておるわけでありますが、いま国民全体が税金につきましては非常に重税の感じを受けて悩んでおることは周知のとおりでありますけれども、ただいま申し上げましたような趣旨のもとに運営されて、他の民間保険よりも非常に率の悪い状態であるにかかわらず甘んじてこの簡保に加入しておられる方々は、言いかえれば国策に協力しているというふうに私どもは考えて差しつかえないと思います。そういう意味から、現在の所得税の控除、これにつきましては全国各地でそういう声が非常に強く出ております。現行では保険料を五万円以上支払っている人に対して三万七千五百円ですか、そういう控除額になっているようでありますが、せめて簡易保険のこの保険料、これは別ワクにして、全額所得税から控除の対象にすべきじゃないか、このように私は思うわけでありますが、大蔵省の見解をお尋ねしたいわけであります。

福田幸弘大蔵省主税局税制第三課長

○福田説明員 お答え申し上げます。保険料につきましてはこれは沿革的な理由もございまして、ほかの所得処分の場合は本来税制上の優遇はないわけでございますが、生命保険につきましては、従来から、相当昔からこの優遇措置が講ぜられてきておるという沿革がございます。先ほど先生おっしゃいましたような保険料の控除の段階が一つでございます。それから満期になって保険金を受け取る段階で、掛け金を引いて、一時所得の場合に差し引いたネットでかけるというのをやっておるわけでございます。ある意味ではダブリの控除といえるかと思います。それから死亡保険金を受け取った場合に、相続税の関係では一人頭、これは相続人一人頭でございますから、平均いま四人から五人の相続人が普通の相続になっておりますから、七百万から七百五十万程度が、保険金を受け取った際には引けるということになっておるわけでございます。それで民間保険と合わせまして、もちろん簡保、農協の関係もあるのでございますが、全体どういうふうに利用されておるかということが一世帯当たりで支払いベースでは出るのですが、三百万から四百万というような数字もこれは非公式には民間の調査ではあるようでございますが、実際どの程度まで利用されておるかという問題もございます。それで、この保険料という形でいろいろ優遇を講ずるということをだいぶやってきたわけでございますけれども、一方公的保険と申しますか、国民年金その他の公的保険が最近非常に伸びておる。国がある程度強制的な感じの保険として助成しておりますので、この社会保障全体でどうなっているかという問題に最近の様子が変わっておるわけでございますが、この手厚い優遇措置を講じてきた従来の生命保険、それから簡保も同様でございますが、それに加えて他の国民年金等の公的保険との関連という新しい社会保障の観点ということが最近の一つの問題かと思います。  それから先ほどちょっと触れましたが、民間保険とあわせてどういうふうなインセンティブ効果を持っておるかということもやはり最近ずっと研究を続けておるわけでございますが、その政策効果がどうであるかということが、やはりこういう租税の特別な対策の場合に必要になるかと思います。それで限度を引き上げた場合にどういうふうに契約が伸びるかということも、やはり実証的に研究する必要があると思うのですが、一番最近の動き、過去の動きを見ましても、可処分所得の伸びに非常に相関関係が深い。優遇措置を講じて直ちに契約が伸びるということもないとは言い切れませんが、もちろん第一線で働かれる方には、それがあったほうが非常に勧誘しやすいのはわかりますけれども、可処分所得の動きに非常に密接な関係があるということも実態的に研究をやっております。これはこの特別措置ではさまっておりません。所得税法できまっております。相続税法できまっておりますが、ある意味では一つの特別の対策ということでございますね。経済政策的な対策でございますので、税体系としてどう考えるかということが最近、昨年の税制調査会の答申でも出ておりますけれども、生命保険料控除、それから損害保険料控除、こういう誘因的効果のあるものが、誘因的控除と申しますけれども、これがばらばらに非常にたくさんふえてきておるわけであります。それ以外にも医療費控除とか雑損控除、その他あるわけですが、非常に税制が複雑になってきているということで、特に誘因的控除の場合に仕組みが複雑であると同時に、税務署の第一線の方も個々の支出を一々実証しなければならぬ。それからどこまで限度を上げれば、先ほどお話しのように政策効果が出るかということが非常にきめがたいということもあって、これはドイツあたりにはあるのですが、特別支出の控除という一つのワクを設けまして、その中で各納税者がみずから選んだ商品といいますか、保険の商品を優先して充てていくという、メニュー方式といいますか、特別支出の控除のワク内で自分が選んだいろんな保険の順位で埋めていく。保険以外にもあるわけでございますが、その際には概算控除でいくというような問題もございまして、いまいろんな点を検討を進めておる段階でございます。簡易保険の特に財投面への寄与ということももちろん念頭にございますが、いろんな面を合わせまして考えるべき問題だ、こういうふうに存じております。

中野明公明党

○中野(明)委員 社会保障というのが御承知のとおりわが国は非常におくれているわけで、特に老後の保障がおくれているという関係から、やはりそういうことを個人で保障していかなければならない、そういうたてまえから、やはり保険に入っているということは一つの必要経費のような形にわれわれは解釈をするわけです。そういう意味で、いま専門家の方からいろいろと、確かに技術的にもむずかしい面もありましょうし、いろいろお話が出ておるわけでありますが、基本的に、私最初に申し上げましたように、国のほうで社会保障が行き届いておれば、当然そういう議論はする必要はないわけですけれども、特に簡保の場合は全額控除の対象にして何ら矛盾はない、私はこのように考える一人であります。その点、ただいまの答弁では検討の中に入れておるということでありますので、ぜひこれは前向きに、しかも強力に実施の方向に検討を進めていただきたい。きょうは郵政大臣もおられますので、大臣のこの問題に対するお考えもこの機会に明らかにしておいていただきたい、このように思うわけであります。

廣瀬正雄自由民主党郵政大臣

○廣瀬国務大臣 いま大蔵省のほうからるる御説明がありまして、その点もうなずけるわけでございますけれども、中野先生のおっしゃる、社会保障制度の非常におくれております、社会保障制度では後進国であります日本としましては、個人的なこうした、しかも庶民の保険であります簡易保険、こういうものの保険料は、一種の必要経費ではないかというようなことも私うなずけるわけでございまして、これはひとつ今後の研究課題として勉強してまいりたい、研究いたしたい、こういうように考えております。

中野明公明党

○中野(明)委員 やはり大臣として大蔵省に折衝されるにあたって、先ほども出ておりましたが、庶民金融の問題も、伝えられるところによりますと、ずいぶん押されぎみのようですし、せっかく大臣がことしの初頭に決意されて、全国からたいへんな激励と申しますか要望が盛り上がっているとき、そういうことでありまして、大蔵省に接触されるにあたりまして相当強い姿勢で大臣のほうから——研究するというよりも、事実そういう要望はもう国民の、特に簡保に加入している人たちの一致した声であります。ですから、大臣の立場から当然その声を代表して、大蔵省にそのままストレートで持っていかれて差しつかえないと思うのです。技術的な具体的なことについては大蔵省はいろいろ頭を使ったりくふうして、どういうふうにやるかは大蔵省が専門ですからやらすことにして、いずれにしても簡保に加入している人たちがそういうことを強く要望している以上、大臣としてもそうやってもらいたいということを大蔵省に強く折衝されて、何かの形で一歩でも二歩でも前進するようなそういう方向にひとつ決意を強く持っていただきたいと思うのです。大臣が研究をしますというような程度では、大蔵省はその程度ならもうだいじょうぶだというようなことで知らぬ顔をするのじゃないか、そういう気がいたしますので、どうかひとつそういうことを踏まえて強い姿勢で臨んでいただきたいと思います。もちろん庶民金融の問題は、そういうことを別問題としてぜひ実施をしていただきたいと思いますけれども、郵政大臣はやはり現場で働いている人、あるいは簡保に加入している人たち、こういう人たちの要望をすべて集約して郵政大臣として他の大臣に折衝される、私はそれが当然のことだろうと思いますので、ぜひその決意で折衝されることをお願いしたいと思いますが、もう一度お答えをいただきたいと思います。

廣瀬正雄自由民主党郵政大臣

○廣瀬国務大臣 御趣旨を十分体しまして前進いたしたい、このように考えております。

中野明公明党

○中野(明)委員 では大蔵省にもう一度尋ねておきますが、これは将来の減税の対象にする課題として検討事項の中に入っておる、このように理解してよろしいですか。

福田幸弘大蔵省主税局税制第三課長

○福田説明員 いまの段階で簡易保険について特に別に扱うということは検討されておりません。

中野明公明党

○中野(明)委員 そのような考え方、現在はそうであるようでありますが、先ほどから私が述べておりますように、大蔵省が運用している資金運用の重大な原資になっている、そして国策に協力しているということ、また先ほど申しましたように、国民としての必要経費の一つ、そういうもろもろの意味を込めて、これはぜひ減税の控除額に組み入れてもらいたい、こういうことを一応要望しておきます。きょう、あなたではとうていそういうことについての確答はできないでしょうから、あなた自身もぜひそういう意見を将来お持ちになるように強く要望をしておきたいと思います。では大蔵省はその辺でけっこうだと思います。  次にお尋ねしたいのは、昨年新設されました学資保険、この学資保険の加入者に周知用の物品として採用されました子供の遊びのトランプですか、これがお年玉はがきの四等景品となる有力な候補の一つにあった。ところが、それが選考の過程で漏れたので、やむなく簡保のそういう周知用の物品に肩がわりをしたというようなことが一部に伝えられておるのですが、この点局長のほうから真相についてお話しを願いたいと思います。

野田誠二郎郵政省簡易保険局長

○野田政府委員 お答えいたします。先生御指摘の新聞記事、私も日にちははっきり覚えておりませんが、昨年の年末だったかと思いますが、新聞に出たことはございます。子供が遊ぶためのトランプを、簡易保険といたしましては学資保険の勧奨用あるいは周知用の物品として購入したことは確かでございますが、いま御指摘の年賀はがきにつけられますお年玉の景品との直接の関係はございません。

中野明公明党

○中野(明)委員 年賀はがきの四等の景品、これの候補にあがったことは事実なんですか。

野田誠二郎郵政省簡易保険局長

○野田政府委員 これは私主管ではございませんけれども、年賀はがきのお年玉の景品といたしまして、四等は、先生御承知かとも思いますが、封筒とグリーティングカードがここ三、四年続いておったかと思いますが、これにつきましてもそろそろマンネリになったのではないかということで、四等だったかと思いますが、四等のお年玉の賞品といたしまして数種類の品物が候補にあがっておりまして、その中にトランプも候補にあがっておったように記憶はいたしております。

中野明公明党

○中野(明)委員 そういうところからそういう疑問が出たのかとも思われるわけでありますけれども、今回周知用物品として採用されたトランプの数量は幾らになっておりますか。

野田誠二郎郵政省簡易保険局長

○野田政府委員 購入いたしました部分は、本省で購入いたしました個数といいますか三万五千個でございます。

中野明公明党

○中野(明)委員 三万五千個、私の知りました範囲ではお年玉くじのときには四十五円の単価だったのが、数が減ったために九十五円、倍以上の単価になっておる。そういうことで、数が違えば単価も違うことは私も承知できるわけですが、それはそれとしまして、学資保険は目標を百万件に置かれて、現在大体八十二万件余りが獲得できるように報告を聞いております。そういたしますと、周知用の景品と申しますか、ことばは適切であるかどうか知りませんが、すなわち目標百万ですから八十二万余件の獲得、それにしては周知用の品物として三万五千個というのはあまりにも少数にすぎるのではないだろうか、こういうふうに私思います。特に全国で保険の勧誘に従事しておる外務員の方々が二万六千あるいはそれ以上かとも思うわけであります。そこで一人頭にしますとトランプならトランプが一個ないし一個半、一個半もないわけです。そういうふうな数量の少ない物品でどれだけ効果をあげることができるだろうか、そこら辺はどのようにお考えになっているのでしょう。

野田誠二郎郵政省簡易保険局長

○野田政府委員 このトランプにつきましては、先生御指摘のように子供が遊ぶために使うトランプでありまして、まさに昨年の九月に発売をいたしました学資保険の周知用あるいは高額の契約に入っていただいた方へのささやかなお礼のしるしという意味での購入をいたしたわけでございまして、この購入につきましてはいずれにいたしましても簡易保険といたしまして学資保険を創設し、新しく販売するわけでございますので、これにどういう物品が有効であろうかということにつきまして各地方の意見も実はいろいろ徴しておりますし、トランプの購入につきましても、地方の意見を徴したのでございますが、先ほど御指摘のように、昨年の九月一日以降新しい奨励年度が始まるわけでございますが、その奨励計画を立てます際には、学資保険の販売数量が大体百万見当だというふうに予測をいたしておりました。その百万件のうちどの程度が最高額の二百万に入るであろうか、こういう予測でございますが、一応の基準といたしましてこのトランプを購入いたしました三万五千の数量の基礎になりましたのは、最高額の二百万に入っていただいたお客さんに対する謝礼といいますか、こういう意味での物品ということで三万五千という数字を出したわけでございまして、大体の見通しでも実は百万円以上の学資保険の契約というのが一二、三%からあるいは一五%くらい取れるだろうという見通しはあったわけでございまして、このトランプの贈呈につきましても、実は十五、六万個くらいはほんとうのところほしいという私どもの希望があったわけでございますけれども、いずれにいたしましても、予算の都合その他で三万五千ということにとどめたわけでございます。

中野明公明党

○中野(明)委員 少し私の理解と趣旨が違うのじゃないかと思いますが、これはどういう名目の予算になっておるのでしょうか。奨励推進というような名目なんですか。予算の名目はどうなっておりますか。そして金額は大体どれくらいになっておりますか。

野田誠二郎郵政省簡易保険局長

○野田政府委員 経費といたしましては、需品費の中の周知宣伝費でございます。このトランプの購入に要しました経費が三百四十四万円ということでございます。

中野明公明党

○中野(明)委員 周知宣伝費の総額は幾らになっておりますか。

野田誠二郎郵政省簡易保険局長

○野田政府委員 お答えをいたします。周知奨励関係経費中、周知宣伝費といたしまして八億七千六百五十五万二千円でございます。もっとも、これは渡し切り費も含んでおります。需品費だけでございますと六億二千二百七万三千円、こういうことになっております。

中野明公明党

○中野(明)委員 そうしますと、この八億七千万余りのお金を各地方の局のほうにいわゆる周知宣伝費として配分をされている、そういうふうに理解してよろしいですか。

野田誠二郎郵政省簡易保険局長

○野田政府委員 ただいま申し上げました予算額のうち、中央で使用いたします分が約二〇%、あとの八〇%を地方に配賦いたしております。

中野明公明党

○中野(明)委員 そういたしますと、私しろうとですから直観的にものを言って申しわけないのですけれども、いまのように本省で購入された周知用物品というものをいろいろ調べてみますと、七円くらいのメモ帳が三万であったりあるいはハンカチが二万であったり、金額も十円とか五十円とか三十八円とか、そういうものが二万だとか八千だとか、そういうふうな数字になっておるわけであります。私、直観的に思いまして、本省で用意されるものとしてはあまりにもこれは少な過ぎないか。そしてまた、地方に八〇%からの渡し切りのような形で周知宣伝費がいっているのですが、これはどちらかに、本省で一本にやるかそれとも地方で一本にやるか、どちらか一本にまとめられたほうがより効率的ではないだろうか、そういうふうな気がするわけです。たまたま学資保険あるいは特別終身保険を新しく発売をするということのためにいろいろ出ていることもありますけれども、それにしましても周知用物品の購入が本省で購入されているにしては、先ほども言いましたように、数量があまりにも少ない。外務員の数にもとうてい足らない八千個というような数量のものもあります。これは印章セットですが、四十円の単価になっております。そういうようなのを見ていきますと、これは私非常にむだな気がして、はたしてこれでどれだけの効果があるものだろうか、こういうように考えますので、今後検討事項として、本省一本にされるか、それとも地方一本にされるか、どちらかになさったほうがいいのじゃないか、そのように私考えるのですが、大臣その点はお詳しいでしょうから御承知かと思いますが、御意見を伺わしていただきたいと思います。

廣瀬正雄自由民主党郵政大臣

○廣瀬国務大臣 私詳しいだろうといってお尋ねいただきましたけれども、実はその内容につきましては詳しいことは存じなかったわけでございまして、地方で八〇%、中央で二〇%を現在使っておる。中央か地方に一本にしたらどうかという御意見のようでございますが、周知宣伝につきましては地方にまかして、地方の創意くふうというようなことによってやっていただくほうが効率的であるという面もございましょうが、中央におきましては中央で雑誌を通じて宴伝をするとか、あるいは放送を通じて宣伝するとかいうような、やはり中央の仕事としてやらなければならない、全国一律にやらなければならないような事柄もあるようでございまして、地方のほうが多いというのは当然だと思いますけれども、中央といたしましてもそうした仕事がありますので、多少は中央のほうで資金がほしいというような関係のようでございます。なお、その詳細について説明の必要がありますれば説明させたいと思いますが、ただその使い方につきましては十分検討しなければならない。いささかの非違もあってはならないし、使うにいたしましても、非違がないのみならず最も効率的に使うというようなことについて検討を加える必要があろう、このように考えておりますわけでございます。

中野明公明党

○中野(明)委員 私こういう小さなことについて議論するつもりじゃなかったのですけれども、先ほど局長が言われたように、一部にそういう周知用物品、それについてのいわゆる不明朗なうわさが報ぜられたものですから、それでこれについて二、三皆さん方にもお話しをして、いまも申し上げましたように、全国で三万人近い外務員がおられるのに八千個くらいの周知用物品をつくっても、これはほんとうに効果があるのだろうか、そういうふうな疑問を私は持つわけです。そうしてまた同じつくられるならば、思い切って周知宣伝に資するようなそういう予算の使い方をしてもらいたい、そういう感じがするわけです。そうしないと、おそらくこういう品物はどこかへ消えてなくなってしまって、むだな金の使い方になっているのじゃないかという気もしたものですから、いま御意見として申し上げたわけでありまして、何もこれについて部外者の私が云々する筋合いのものではないと思いますが、こういう新聞に、景品を変更して、しかも保険の景品に振りかえたのじゃないか、そういう変なことをいわれることのないように注意をしていただきたい、私こう思うわけです。お年玉つきのはがきのことについては、いろいろ相当の数にのぼるものですから、この景品の選定ということについては相当神経を使っておられることと思いますけれども、たまたまその選に漏れた同じ品物が簡易保険局で採用される、だから肩がわりしたのじゃないか、そういうふうなことをこの新聞ではいっているわけですね。そういう点を今後十分注意をして、いまも申し上げましたように、効率的な、しかも不公平のない使い方をしていただきたい、そのように要望をしておきます。  次に、時間も制約があるようですから、簡易保険事業団のことについてお尋ねをしたいと思います。  簡易保険事業団は、私どもも資料をいただきますと、かなりのお金が交付金として事業団に支出をされております。もちろん郵政大臣が監督をなさっておる事業団でございますのでお尋ねをするわけですが、この交付金の支出に対する基準というものはあるのかないのか、その辺を最初にお尋ねしたいのです。

野田誠二郎郵政省簡易保険局長

○野田政府委員 お答えをいたします。交付金の性格及び交付金の交付方式でございますが、これは四十五年度までは収支差額方式であったわけでございまして、収入と支出の差額で足りません分を交付金として事業団に交付する、こういう方式をとっておりました。それを昭和四十六年からは交付金の対象となる費目を固定的な経費に限定する方式で、いわゆる費目限定方式に改めまして、交付金でまかなう費目、たとえば給与であるとか、あるいは退職金の積み立て金であるとか、こういうふうな費目に限定をいたしまして、したがいまして、当然に事業団の収入でまかなう分野というものもこれによって明確にいたした次第でございます。

中野明公明党

○中野(明)委員 この方式に変えられてからどういう効果が出たのでしょう。

野田誠二郎郵政省簡易保険局長

○野田政府委員 お答えいたします。この交付方式に改めましてから時日の経過がまだあまりございませんので、断定的に申し上げることもあるいはいかがかと思うのでございますが、いままでの交付金の交付方式でございますと、収支差額でございますので、足りない分は全部国がめんどう見るといいますか、親方日の丸こういう形があったと思うのでございますが、こういうふうに費目を限定いたしました限りにおきましては、その意味で事業団が自分の経営努力によって生み出した収入が多ければ多いほど、それは自由に使えるといいますか、自由ということもちょっと語弊があるかと思いますが、要するにその経営努力というものが経費の上で直接見られる、こういう形になって、言うなれば、事業団の運営にとっては、非常に運営努力が直接的に反映するような方式になったのではないか、かように考えられるわけでございます。

中野明公明党

○中野(明)委員 資料にいただいた収支一覧表を見ますと、事業団経費の大半が交付金で補われておるように私理解できるわけなんですが、この事業団法を読んでみますと、第一条「目的」ですね。「簡易生命保険及び郵便年金の加入者福祉施設の設置及び運営を適切かつ能率的に行なうことを目的とする。」このようにうたわれているわけでございます。また二十六条を見てみますと、二十六条では、「政府は、予算の範囲内において、事業団に対し、施設の運営に要する費用の一部に相当する金額を交付することができる。」こういうふうにあるものですから、この適切かつ能率的な運営という「目的」の項にある項目と、費用の一部を負担することができるというこの費用の一部との関連、どの程度を一部とお考えになっていままでやっていたか、こういうことに疑問を持つわけでありますが、その辺はどの程度お考えになっているか、最初にお尋ねした基準、限界というもの、私はそこら辺からお尋ねをしたいわけであります。

野田誠二郎郵政省簡易保険局長

○野田政府委員 ただいまの御質問に正確なお答えになるかどうかちょっと自信もないのでございますが、事業団の運営につきましては、御承知のように簡易生命保険特別会計から出資金と交付金という二つの費目で金を出しておるわけでございますが、これの基準というのが、われわれが現在めどにいたしておりますのは、当該年間の収入保険料の一%前後ということを一応の目安として出しております。したがいまして、その中で出資金が非常にふえます場合には交付金がある程度圧迫を受ける、交付金が非常にふくらみます場合には、出資金がある程度圧迫を受ける、こういう相関関係が一応成り立とうかと思うのでございますが、簡易保険郵便年金福祉事業団法第二十六条「交付金」の条文でいっております「施設の運営に要する費用の一部に相当する金額」という条文の趣旨は、施設の運営に要する費用の全部が全部を交付金によってまかなうのではない。この事業団で経営しておりますいろいろな施設から当然入ります収入、それとこの交付金と両方で事業を運営しなさい、こういう趣旨かと、かように考えておりまして、基本的には出資金と交付金と両方合わせまして、前年度といいますか、予想される当該年度の収入保険料の一%程度、こういうことを一応のめどにいたしております。

中野明公明党

○中野(明)委員 確かに何かそういうめどがあってお出しになっていると私も思うのですが、この収支一覧表を見せてもらいますと、出資金が出ているのですから、これは土地とか建物、これは大臣御承知のとおり土地、建物はもう出資金でまかなわれていっているわけですから、当然運営に要する経費だけになると思います。それが、年度別に資料をいただいたのですけれども、四十一年度で見てみますと、支出金が十五億に対して交付金が十二億、これはパーセントでいうと八〇%になっております。それから四十二年度が十九億の支出に対して十四億の交付金ですから七六%、四十三年度が二十六億に対して二十億ですから七八%、それから四十四年度が三十三億に対して二十五億で七五・四%、四十五年度が三十九億円に対して二十九億円で七四・三%と、もう大半もいいところでありまして八〇%近い交付金でまかなわれて運営されておる、こういう実情であります。私いま御質問いたしましたのは、二十六条で「費用の一部に相当する金額を交付する」という、この「一部」の限界はどの程度をお考えになっているんだろうか、これじゃもうほとんど全部じゃないだろうか。一体何をしているんだろう。建物も土地も一切出資金でしてもらって、あと何でしょう。自分たちのほうで、まあそれは目的が目的ですから、簡易保険の加入者に安く利用さしているということは私も行ってみてわかります。わかりますけれども、いずれにしてもこれだけの八〇%に近い応援をしているというところに私はちょっと問題があるような気がしていかぬわけです。もちろんこれは簡保の加入者に対する還元にはなっているでしょう。なっておりますけれども、簡保の加入者が、全員簡易保険福祉事業団で運営しているところの保養センターなり、あるいは診療所なり、加入者ホームを利用しているということは考えられません。ですから還元する方法としては、非常にこれはごく一部の限られた人に対する還元の方法になっているわけですから、こういうところに大臣は当然これは監督をなさっているわけなので、そこら辺の考え方を私ただしておきたかったから質問しているわけですけれども、費用の一部という考え方ですね。はたしてこういう状態、これならばもう九九%まで費用の一部というふうに解釈してやっていかれるのか、今後どのように考えを持っていかれるのか、そこのところをこの機会に確認をしておきたいわけです。

廣瀬正雄自由民主党郵政大臣

○廣瀬国務大臣 いまお尋ねの問題は、事業団にとりましてはまさに重大な問題でございまして、費用の一部ということになっておりますのは、おのずから限度があると私も考えるわけでございまして、常識的に申しましてそれが当然だと思うわけでございます。ただいま御指摘になりましたような比率から申しますと、一見非常に高過ぎるように考えられるわけでございますが、事務当局はその内容についてなかなかむずかしい問題があるというようなことも申しておるようでございますけれども、こういうことは常識的に判断いたしまして検討することが正しいと思っておりますから、たいへんいいことを御指摘いただきまして、私どもも非常に勉強になったわけであります。十分その辺はひとつ調査いたしまして、今後のあり方についても、一部ということについての限度、これは郵政省といたしましては十分考えなくてはならない問題だと思いますので十分考究いたしたい、かように考えております。

中野明公明党

○中野(明)委員 これは明らかに大臣が監督するということになっておりますので、ぜひひとつ監督をし、また命令ができることにもなっております、そのようにお願いしたいと思います。私は何も事業団そのものに含みがあっての話じゃございません。ただ簡保の運用ということについて、少しでも保険加入者に有利なようにしていくことがこの保険の趣旨でしょうから、どこにむだがあってもならぬと思いますし、特にこういう点について私しろうとなりに非常に疑問を持ちまして、先ほど局長からもちょっと話が出ましたように、そういう意味からか、この交付金の方式を変えて、親方日の丸にならないようにというようなことばも出ておりましたが、考えておられるのじゃないかと思いますので、今後の運営のあり方を私も気にしていきいた、こう思っております。  もう一点、この事業団の中で、これも大臣に確認をしておきたいのですが、昨年の九月に行管が指摘をしました診療所の問題であります。この診療所につきましては、私ども過疎地域に住んでいる者としましては、無医村が至るところにありまして、医療ということ、医者ということについては非常に深刻な悩みを持っているわけであります。ところがこの福祉事業団の診療所が、行管でも指摘されているように、非常に活用されてない、でこれにばく大な交付金が必要となっている、こういうことでありますが、この点について、この行管の指摘のあと郵政省として、すなわち大臣としてどのような指導というんですか、あるいは命令というんですか、対策を講ぜられたかどうか。最初にそれをお尋ねしたい。

廣瀬正雄自由民主党郵政大臣

○廣瀬国務大臣 行管から勧告を受けましたこと御指摘のとおりでございまして、まことに申しわけないと思っております。直ちに事業団の理事長を招致させましていろいろの事情を聴取いたしたのでございますけれども、事業団としましてはとやかくのことを申しておりました。必ずしも行政管理庁の指摘が当たらないということも申しておりましたけれども、しかし、あのような指摘を受けるにつきましてはそれ相当の事情があったと私は思っておるわけでございますから、あれはお医者さんの問題でございましたけれども、そういうようなことも今後絶対ないように、診療所の存在理由、その効果ということについては十分考えて、その使命を十分果たすように万遺憾なきを期してもらいたいということを強く私から忠告をいたしておいたわけでございます。戒告をいたしておいたわけでございます。

中野明公明党

○中野(明)委員 いま大臣お答えになったのですけれども、先ほど私言いましたように、大臣は監督をするとともに命令することができるわけです。具体的なことについて行管からそこまで指摘された。私が申し上げているのは、せっかく多額の交付金を出して、そうして貴重なお医者さんをかかえておりながら活用されていないというのは、立地条件が悪いのか、あるいは診療所が利用しにくいのか、何かそこに隘路があるのじゃなかろうか。と申しますのは、現在、先ほども申しましたように医者が足りないでみな困っているわけです。医者不足で特に悩んでいるわけですから、そういう点では、もちろんいろいろのところに、二十九カ所ですから、いろいろのところにあるようですけれども、データを見せてもらいましても、それこそびっくりするような数字の悪い、利用されていない診療所があります。そしてまた立地条件にしましても、全国の簡易保険の診療所が地方簡易保険局の局舎の中に併設されている、併設というか、その中を借りているというのですが、そういう場所が地方簡易保険局七カ所ある中で四カ所、そこの中にある。そうしますと、一般の人はこれをなかなか利用しにくいのじゃなかろうか。そういうようなことも一応考えてみたりしたわけですが、その点、大臣はいま抽象的なお話でおっしゃっておりますけれども、やはり大臣みずからそういうことを調べるというわけにはいかぬでしょうけれども、それぞれ簡易保険局の中に、やはり法律で命じておるわけですから、大臣が監督をするということになると、補佐をしておられる人がたくさんおられると思うのですが、こういう具体的な資料をごらんになって、ぜひ活用されるような——交付金の中で一番費用をたくさん交付しなければならないのが診療所だろうと思います。センターも、当然数が多いですから、センターにもかなりの交付金が行くのでしょうけれども、診療所の赤字というのはたいへんなものです。それほどの赤字をつぎ込んで、しかもなおかつ効果があがっていないといって行管から指摘されるということになったら、これは監督は何をしてくれているのだろうか、ほんとうに郵政大臣が本気で国民の健康、並びに簡易保険加入者の健康を心配して、そして十分利用できるような診療所にしていこうというふうな考え方のもとに指導されたのかどうか、非常に疑問に思うわけです。その点を今後の課題として、ぜひひとつ具体的に改善をするところはされるように指導していただいて、ぜひ多くの人たちが喜んで診療所を活用するようにしていただかないと、おそらくお医者さんとしても患者が来ないようなところではおもしろくなくて、また自分の勉強にもならなくて、給料はもちろん固定されて、生活の保障はあるにしましても、やはりああいう技術を業にしておられる方は、患者が来ないとやめていくと思います。そういう点では、非常にお医者さんの定着率も悪いように私も聞いております。ぜひひとつこの点は、業務に関して監督して、必要な命令をすることができるのですから命令をするぐらいまで調査をする、こういうことをお願いをしたいのですが、どうですか。

廣瀬正雄自由民主党郵政大臣

○廣瀬国務大臣 まさしく御指摘のとおりでございまして、御承知のように、最近社会保険制度というものがだんだん整備拡充されてまいったわけでございますから、簡易保険の診療所の仕事もだんだんなくなってまいりまして、いわゆる医療と申しますか、そういうふうな仕事が次第に減ってまいりまして、いまも健康診断というふうなことが非常に多いようでございます。でございますから、今後の運営にあたりましては、社会保険制度のやらない、治療以外の健康診断、ドック入り、あるいは金歯の問題、医療の問題といったようなことで、社会保険制度の取り扱わない、その分野外のことを主としてやるような簡易保険の診療所でなくちゃならない、こういうように私ども考えておるわけでございます。したがって、現在の簡易保険の診療所につきましては、私はやはり統合廃止と申しますか、そういうことも一つの研究課題としてこれは真剣に考えなくちゃいけないというように思っておるわけでございまして、たびたび御指摘のように、これは郵政大臣の監督下にあるわけでございますから、私どもが国民全体から喜ばれるようなあり方の診療所たらしめなくちゃいけない、要らないところにしいて置く必要はないわけでございますから、整理統合というようなことで考えてまいりたい、こういうふうに思っておるわけでございます。

中野明公明党

○中野(明)委員 じゃ最後に、先ほども議論になっておりましたが、資金運用の範囲が少しずつ変わってまいりまして、金融債とか電力債——金融債については積み立て金の百分の十とか、電力債ついては百分の五運用できることになっておるわけでありますが、これは簡保の保険者をより有利にしていくためには非常に重大な戦いであったわけであります。先ほど来非常に議論が出ておりました。これについて現状はどうなんでしょう。金融債、電力債が獲得できました。せっかく苦労してここまでこぎつけたわけですから、百分の十とか、百分の五とか、この金額を全部消化できておるかどうか。それをお尋ねしたいわけです。

野田誠二郎郵政省簡易保険局長

○野田政府委員 ただいまの御指摘は、電力債の市中買い入れが少ないというような趣旨の御指摘だったように考えるわけでございますが、電力債の市中におきます流通額が、金融債等に比べて非常に少ないことが第一点でございますが、第二点といたしまして、最近の金融緩和によりまして一段と買い入れが困難となってきた、そのために簡易険の買い入れ額が非常に少なくなってきておる、こういう実情でございます。

中野明公明党

○中野(明)委員 せっかく各方面で苦心をしまして、そして結果としてそういう範囲が出てきたわけですから、いろいろ諸般の事情はありましょうけれども、当初この問題で大蔵と接触して、こちらに、先ほどは奪還したというような大臣のことばも出るくらい深刻に努力をしたことなんですから、やはりそれだけの効果をあげていただきたい。これはいま局長が申されたように、諸般の事情がございましょう。ございましょうけれども、やはりそこまでのいままでの苦労を考えて、そして簡保の資金運用をより効率的に効果をあげていただくことが、今後われわれがまた次の問題を奪還というのですか、するにあたっても、非常に有利な裏づけになるわけですけれども、せっかくそうなっても、ようそれを活用せぬじゃないか、それでは意味がないじゃないかというように、逆に大蔵からけちをつけられたのでは、今後のやろうと思うことが前に進まぬのですから、今後この点について大臣もよろしくひとつ御検討をいただいて、ぜひ最高に活用をしていただきたい。このことについて最後に大臣の所信を聞いて終わりたいと思います。

廣瀬正雄自由民主党郵政大臣

○廣瀬国務大臣 せっかく皆さん方の御協力によって取り戻していただきました積み立て金でございますから、最も有効に運用のできますように今後十分努力してまいりたい、かように考えております。

中野明公明党

○中野(明)委員 終わります。

高橋清一郎自由民主党

○高橋委員長 土橋一吉君。

土橋一吉日本共産党

○土橋委員 私は、今度の最高限度を三百万円、若干の法律の改正については基本的に賛成の態度をとりながら、以下三つの問題についてお尋ねをしたいと思います。  そこで、お尋ねをしたいのでありますが、御承知のように憲法第二十五条の規定によりますと、すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有しておるわけです。したがって、簡易保険業務も政府の事業でありますから、当然そういう面において重大な配慮をしなければならないと思っております。過日の委員会において廣瀬郵政大臣は、簡易保険は社会保障的な面だというようなことをお話しになったように私ははっきり記憶をしておるのですが、この点について第二項の規定は、「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」ということを書いておるわけです。ところが、簡易保険というのは、御承知のように一つの事業でございますので、やはり保険の原則に従いまして、一定の統計なりあるいは過去のいろいろな例から考えまして、一定の制約を持っておる事業体の一つというふうに私は考えておるわけです。ところが、あなたは社会保障的だとおっしゃっておるこの事業そのものを見ると、私は社会保障的な内容を持っているのじゃなくて、事業そのものがやはり保険の基本的な原則に従って行なわれておるというふうに考えておりますので、あとで吸収したこの資金を、たとえば財投に使うとか、あるいは先ほどから出ておる、健康保険のたとえば健保センターとか、あるいは加入者に対するホームであるとか、診療所、こういう点に使っておられる点は非常にけっこうであるし、これは非常にいいことです。しかし、事業そのものとしては、やはり一定の原則に従ってやっておるからして、この資金を集めるという限度については、私は必ずしも社会保障の面じゃないのじゃないかというふうに考えておるわけです。  そこで、この簡易生命保険の規定を見ますと、こういうふうに書いてあるのは、これは御承知のとおりですが、「この法律の目的」「この法律は、国民に、簡易に利用できる生命保険を、確実な経営により、なるべく安い保険料で提供し、もって国民の経済生活の安定を図り、その福祉を増進することを目的とする。」こういうふうに書いておるわけです。この前段を読むと、やはり確実な経営によらなければいかぬ、特に安い保険料を徴収しなければならない、こういうふうになっておるわけです。ところが実際に過日の委員会で、営利を目的とする会社とかあるいは法人とかという、そういう保険会社がやっておる実際の積み立ての金、あるいは一つの剰余金とでもいいましょうか、こういうふうな還付金が、百万円限度の生命保険では、むしろ簡保のほうが悪い、劣っているということがいわれておるのでありますが、これは一体どういうふうに——営利を目的とするそういう業者がやっている保険よりは掛け金も一つ一つは安いわけです。長い間かけてみると実際は高い。それじゃ営利を目的とするそういう企業形態がやっておる保険であるにかかわらず、たとえば報奨金であるとか、あるいは還付金というものが簡保よりもよろしいということが指摘されておりますが、これは一体どういうわけなのか、なぜそういう改善をしないのか、こういう点について確たる答弁をお願いしたいと思うのです。時間が四十分くらいですから、簡単にどういうふうにやるかということを答えてもらいたい。

廣瀬正雄自由民主党郵政大臣

○廣瀬国務大臣 まずもって土橋委員が今回の簡易保険の二百万円から三百万円の限度に増額するということについて賛意を表されたことについて、心からお礼を申し上げる次第でございます。   〔委員長退席、水野委員長代理着席〕  簡易保険制度が社会保障制度であるとは思わないという御意見でございますけれども、私は簡易保険は社会保障制度の一翼である、一つの部分である、このように考えておりますわけでございまして、つまりいま先生がお読みになった条文から申しましても国民の福祉の増進、しかも死亡の場合にその生命の保障をする、遺族の生活を保障する、また養老保険につきましては、満期になって老後の生活の安定に資するというような意味におきまして、私は制度そのものはまさに社会保障制度であり、社会福祉の一端である、このように考えておりますわけでございます。  ただいま御質問の民間保険に比べて不利な点があるじゃないか、こういうようなお話でございますが、私は有利な点もいろいろあると思うのです。加入者の福祉施設でございますね、こういうところは民間の保険がとうてい及ばない制度と思いますわけでございまして、そういう点もいろいろありますわけでございます。しかし、保険金に対する保険料、保険料に対する保険金というような点から申しますと不利な点がありますわけでございますが、これはおそらくやはり積み立て金、余裕金の運用にその原因があるというように御答弁申し上げたと思いますけれども、今回も同様なことを御答弁申し上げるほかに方法はない、このように考えておりますわけであります。したがって、この運用を最も有利に、最も効率的にやるということが今後の私どもの課題、つまり簡易保険の内容を改善する道だ、こういうように解釈いたしておりますわけでございます。

土橋一吉日本共産党

○土橋委員 これはあなたのほうでお出しになった資料ですが、この内容を見ますと、大正五年に最高限度が二百五十円の保険金でございました。今日はそれが三百万円に上がっておるのですが、これを逆算していろいろ計算してみましたところ、たとえば昭和十七年から二十七年までのこの十年間に約八十倍最高保険額の金額が上がっておるわけです。約八十倍上がっておるわけです。たとえば大正年間の当初には大体一・八倍ないしは、たとえば十五年から昭和十三年ころまでは一・四倍しか最高限度は上がってないわけです。ところが敗戦を迎えて、物価の変動もございましたが、八十倍上がっております。それで、二十七年から三十七年の間に六倍上がっておるわけです。それから三十七年から、いま四十七年でございますが、いま審議をしているこれも大体六倍上がっておるわけです。これと物価との関係を私どものほうでは調べてみたわけですが、こういうふうに保険金額が上がるということは好ましいことではないわけです。これは多くの委員から指摘されておりますように、金の値打ちがないわけです。   〔水野委員長代理退席、委員長着席〕 たとえば大正五年の二百五十円を例にとれば、いまハイライト三個なんです。この当時二百五十円というのは非常な大金でございました。現在でも三百万円といえばかなりの私は大金だと思うのです。ところが、実際終身でかけてしまうと、実は十年、十五年かけ終わったときには、場合によっては大体三分の一くらいしか金の値打ちがないわけです。これは物価の問題から調べたのです。そうすると、スライド制を一体どうするかあるいは変額保険制度に対してどういう態度をとるかという問題が、この簡易保険制度においては致命的な問題になってくるわけです。つまりこの間に保険をかけておる方は、どちらかというと貧しい方が多いわけです、農民であるとか、漁民であるとか、労働者であるとか。少し景気のいい方は、率直に言って簡易保険にも入っておるかしれませんが、大型保険に入ってくるわけです。そうすると勤労者であって、先ほどの統計から見ると一人七千何百円かけるだけの力を持っておるという説明でありますけれども、一般に十万円前後の給料じゃとてもじゃないが、月々五千円かけていくということは、二年や三年はできるでしょう。しかし十年とか十五年押していくということは、これは並みたいていじゃありません。したがって、三百万円に上げたといいましても、先ほどあなたの説明を聞きますと大体一四%だ、二百万は。つまり百万円以下が七〇%以上占めておるわけですね。そうすると三百万円に上げたところで、実際は百五十万とか二百万が多いわけですよ。私は上へ上げるということだけがいいとは考えておりません。それはつまり自由民主党の、申しにくいことですけれども、収奪政策と物価つり上げ政策によって保険の値打ちというものをだんだん悪くしてくるわけです。これは佐藤さんが代表的な方ですけれども、そういう中でこの三百万円を上げるということは、いま申し上げるように庶民階級が切実な毎月の金を払っていって、そして受け取ったときには三分の一しか値打ちがないとか、あるいは二分の一しかないとか、場合によっては四分の一しか使いでがないということは、これは国家の名において国民大衆の生活をむしろ破壊するというふうにいわざるを得ないわけですが、救済方法は一体何をお考えになっておるのか、ひとつお伺いいたしたい。

廣瀬正雄自由民主党郵政大臣

○廣瀬国務大臣 物価騰貴が、戦後だんだん高騰してまいっている、続いておるということについては御指摘のとおりだと思うのでありまして、あえてこの問題についてとやかく申し上げたくないのでございますが、きのうも予算委員会で土橋先生の所属されます共産党の渡辺委員から財政金融問題あるいは物価問題についていろいろ深刻な御追及がございまして、いろいろ教えられるところが多かったわけでございますが、それはそれといたしまして、簡易保険が保険の実質と申しますか、効率と申しますか、そういうものが長い間の期間でございますから、そのうちにはインフレが、物価高が、消費者物価が上がってくるということになってくれば低落してくるということは御指摘のとおりでございまして、それはまさに簡易保険ばかりでなく、民間の保険も非常に重大な今後の課題であるべきでございます。私どもといたしましては、そうした物価の上昇の傾向については、つとめてこれを抑止するという方策に懸命の努力をしなければならないことは当然でございますけれども、それとともに、簡易保険の保険金額の実質低下ということを防ぐということも一方においては大いに講じなくちゃならない、考えなくちゃならない、こういうふうに思っておるわけでございまして、これについて先刻来いろいろ御答弁申し上げましたように、さしあたっての問題といたしましては、定期預金と養老保険を組み合わせました特別養老保険、俗に三倍保険と申しますが、そういうようなこともぜひひとつ実施に移したいと思っておるわけでございますが、もう少し長期的な考え方といたしまして、これは栗山委員並びに武部委員にお答えいたしましたように、諸外国で、ヨーロッパなりアメリカでもうすでに実施いたしております変額保険、こういうこともまさに取り組んで研究しなければならない、そうしてなるべく早く実施に移すような検討をしなければならない大きな課題であろうか、こういうように考えております。そういうようなことによって簡易保険の価値というものを下げないようなことに努力しなければならない、このように思っておるわけでございます。

土橋一吉日本共産党

○土橋委員 現在の体制ではなかなか困難でもあるし、またいわゆる大蔵省がタカの目のようにして、あなた方が一生懸命苦労した金を思う存分に使おうとしておる、こういう憎むべき行動に対しても、私たちは庶民の立場から、むしろ郵政省には一連の同情を申し上げておるわけです。  そこで先ほどの問題ですが、あなたは社会保障政策だということをおっしゃったんですが、私はこの点について、社会保障とは国家が財政を使いまして、そして国民生活をまずよくするという体制で、先ほど申し上げましたように二十五条の衛生問題にしましても、社会保障の諸問題にいたしましても、社会福祉の問題でも、力を入れたときにそれがいわゆる社会保障の問題ということになってくるのであって、いまの事業形態として経営して、そしてきびしい体制でやっておって、そしてその金が要するに簡易保険としていま話があるように財投とかあるいはいろんなものに使っていく、そのこととは別であって、簡易保険そのものがいわゆる保険制度の一つのルールをはずしてはこれは形が成り立たぬわけです。そこで私は事業そのものとして収益をあげた、つまり入ってきた金の使い方は社会保障的なものもあるでしょう。しかし、事業そのものとしては厳密にやりませんと倒れてしまう。これは簡易保険法に書いてある。確実な方法でやれ、へたな方法でやってはたいへんだということを書いておるわけです。しかも、安い料金でやれということを書いておる。こういう点がやはり私は社会保障と違うんだ、社会保障じゃないんだ。その吸収した金の使い方は社会保障の面にかなり貢献はしておるけれども、事業そのものとしてはそういうものじゃないか、こういうふうに考えておるわけです。  そこで先ほど郵政大臣は、たとえば大型保険で掛け金を掛け終わったときには百万円だけれども、実際は一千万円もらう。それが国民の二十何%いるというような説明がございました。これは保険制度の基本的な体制から見てどうかというふうに非常に疑うわけです。簡易保険局長や郵政大臣は、それはいいことだというふうに盛んに言っておりますが、これは御承知のように損害にいたしましても生命にいたしましても、保険ができたのはお互いに共同海損から生まれておるものですから、損害をてん補するというのが保険制度の基本であるわけです。それをはずして資金を吸収するために綱渡りのようなそういう保険制度をやるということについては、国家の業務としてはまことに遺憾だと思っておるわけです。つまり現在のように、佐藤政府のもとにおけるいわゆる高度経済成長政策、金をどんどん吸収していって、金をもうけようとするために綱渡りのような保険制度を利用しようとするのは好ましくない。やはり保険制度は共同海損以来の共同原則に従って運営しなければならない。だから一千万円とか、二千万円出すとか、そういうことだけで、資金吸収だけに力を入れて、たまたまそういう事故が起こったときには金を払う、国家の保険制度がこういうものであってはならない、これが私の考えです。ですからあなたがそういうことに賛成だということについては、私はむしろ非常に異様に感じたわけです。郵政大臣ともあろう者が、簡易保険の最高の責任者が、そんなあぶなっかしい、ただ資金だけを吸収して、そしてそれこそ競馬のような、そういっては申しわけないですけれども、そういう保険制度を奨励することに賛意を表するということは非常に問題であるというふうに考えておるが、郵政大臣も簡易保険局長も変わらないと考えてそんなものを歓迎しておるのかどうか。これは保険制度としては非常に問題がある。そういうことは大資本が金もうけのためにやる大事業であって、やはり国家の社会保障的な事業については十分研究すべきであると考えておるが、先ほどの発言どおりに考えておるかどうか。

廣瀬正雄自由民主党郵政大臣

○廣瀬国務大臣 いまの大型保険の問題につきましては、保険局長から御答弁をさっき申しましたので、保険局長からまた御答弁さしていただきます。

野田誠二郎郵政省簡易保険局長

○野田政府委員 郵政大臣がお答え申し上げたこと、ちょっと行き違いといいますか、先生誤解されておるような感じがいたすのでございますけれども、別に資金集めのために大型契約保険を簡易保険として発売いたそうというわけではございませんので、われわれが特別養老保険と銘打っております養老保険と定期預金をコンバインいたしました保険につきましても、一応ちゃんと保険数理に乗せまして、死亡率、予定利率等々で計算をいたしておりまして、別に綱渡り、あるいはあぶないというような形でのそういう営業をいたしておるわけではございませんし、またもう一つ立場を変えて申しますと、申し上げましたように養老保険と定期保険のコンバインした保険でございますので、先生がおっしゃられるように保険料として多額の保険料があがるわけではございませんで、むしろそういうものよりも短期の養老保険だけを売りましたほうが資金としてはちゃんと返ってくる、こういうことになりますので、ひとつ御了承いただきたいと思います。

土橋一吉日本共産党

○土橋委員 それならば私はある程度わかるわけです。ただ、だれかがそういうことをいえばしり馬に乗って、そんなこともいいことだというようなものの考え方を簡易保険局長、郵政大臣がしておるとすれば、これは保険制度全般から見まして、その本質を知らざるもはなはだしい。保険制度は、しかもそれでやっている限りは最も安全で確実で、しかもその内容が他のいかなる企業形態と比べてみても恥ずかしくないような内容を持っていなければならぬわけですよ。そして集めた金は、いわゆる大資本にあまり奉仕するのではなくて、できることならば地方還元をやるとかあるいは保険加入者に対するたとえば剰余金がふえてくるとか、そういうことによって保険の積み立て金が減ってくるとか、こういうことでやはり戦わなければならぬというふうに私は考えているのです。ところが、先ほども申し上げますように、一か八かというようなことで金を集めている連中のほうがむしろ報償金は多い、掛け金は少ないということになってくると、これは樋上委員も言われたように、何とかうまみのある保険制度をつくらなければならぬじゃないかといわざるを得ない状態にいま落ち込んでいるわけです。  そこで、私は一つお話をしたいのですが、こういうものも参考にして何回も見ておるのです。これはけっこうです。あなたのほうがお出しになっているこれは非常に絵も美しいしいいのですよ。ただ、問題はどこにあるかといいますと、結局いま申し上げるように、保険加入者が自分たち簡易保険に入っているために非常に恩典を受けておる。そうして一般の保険業者は御承知のように各市町村に事務所も持っていないわけです。ところが、郵政省だけは全国にちゃんと根拠地を持って、国民から見れば非常に信頼の高いものであるわけです。その信頼の高いところへ持っていって私がお願いしたい点は、いま申し上げるように報償金とか還付金とかあるいはその掛ける率も安いのだ。これで民間の保険業者が一体どんな抗議を持ってくるか、私はお手並み拝見だと思うのです。彼らは大口保険もやりながら、そういう綱渡りのようなことをして資金を集めたり、また小口保険でも簡易保険を圧迫するようなことを申し込んでくるとすれば、先ほど郵便貯金の金利の問題で他の委員から指摘がございましたように、あなたが胸を張ってやるべきですよ。というのは、簡易保険に入ってくる階層の方々は大型保険と違うわけです。ここの点をやはり強調すべきであるし、国家業務ですから、民間保険よりも有利であってしかるべきである。そういう点を強く主張しながら、もし業者でそういうような横車を押せば、それに立ち向かっていったらいいですよ。簡易保険の層は違うのだ、あなたのところは何百万円の保険だけれども、うちは百万円以下が大体七〇%を占めているのだ、この人の支払いあるいは報償金あるいは還付金について何を言っていらっしゃるのかという点を堂々と言うべきじゃなかろうかというふうに私は考えておるわけです。  さて、時間ももうだいぶ過ぎましたので、そういう点について一そうの努力をしていただきまして、簡易保険がもっともっと多くの国民に親しまれるようにお願いをしたいと思っておるわけです。  第三番目の問題は労働問題です。簡易保険について、保険募集員は手当を大体どの程度もらっているか、簡単に説明していただきたい。

野田誠二郎郵政省簡易保険局長

○野田政府委員 募集手当の支給状況を申し上げます。  昭和四十五年度支給総額百四十三億でございます。それ以下はちょっと省略しますが、外務員一人当たり三十八万五千円でございます。四十六年度、百六十六億、外務員一人当たり年間四十五万一千円、こういう数字になっております。

土橋一吉日本共産党

○土橋委員 先ほど武部委員からもいろいろお話がございましたが、今度の三百万円に引き上げて、従来の二百万円の最高限度のときに比較して、簡易保険局は一体どういう目標を掲げて、たとえばどの程度ふやそうとしているのか、つまり目標金額をどういうふうにふやそうとしているのか、簡単に聞きたい。三百万円になったことによって募集の金額を従来の金額に比較して一体どの程度ふやそうとしているのか、この点を簡単に答えていただきたい。

野田誠二郎郵政省簡易保険局長

○野田政府委員 第一回の保険料としまして増収が見込まれます分といいますか、それよりも、むしろ目標といたしましては十三億はふえるだろう、このように考えております。年間の収入増といいますか、収入から支出を差し引きました増が五十二億七千万円、こういうことになっております。

土橋一吉日本共産党

○土橋委員 これは見込みでございますから、いま申し上げるような点の改善をしなければ、また労働者に対する相当の配慮をしませんことには、そういう目標は必ずしも実現はできないだろうと思っているわけです。それは先ほど申し上げましたように、二百万円の最高限度のときに、二百万円が一四%前後ですから。そうしてくると大体八〇%近いもの、七十何%というのが百万円以下の各種の保険の内容であるわけです。そうしますと、最高額が三百万円に上がったからといって、すぐすべての人が三百万円に入るなどということはいままでの例からいってもできることではないわけです。つまり二百万円の保険に入っている者が、たとえば四分の一とか三分の一とかいうならば三百万円というのはよくわかるけれども、二百万円ぎりぎりに入っているのが一四%そこそこ、一割四分ですから。そうすると物価の上昇に従いまして、三百万円に入るというのは掛け金が非常に高くなってくるわけです。これは十五年とか、あるいは十年くらいになってくると月々の掛け金がおそらく七、八千円以上になると思うのです。もっとかかるでしょう。そうなってくると、保険に入る層が今度は変わってこなければいかぬ。つまり変わる層にどういうように働きかけるかという問題も考慮しなければいけない。ですから、郵便局の保険募集の方々に対していまお話がございましたようないわゆる報奨金といいましょうか、あるいは募集手当といいましょうか、こういう問題とからんで、実は郵便の分野とか、あるいは貯金の分野とか、あるいは郵便物の配達の方、こういう間のチームワークといいますか、業務の促進のためにそういう手当を出す問題と、内勤をやっている人や、また郵便の配達をしている人との関係を正しく調整しないと、先ほど武部委員も言われたように目標はこれだけ上がった、百億上がったのだ。さあやれやれ、そしていい人と悪い人がどこの局でも必ずあると思う。いい人ならちやほやしてどんどん報奨金も出せば、いわばあれをする。健康や、あるいは自分の知己の範囲においてうまくいかぬという方も出てくる。それは要するに反体制的なものだとか、おまえサボっているとか、こういう形でやはり労働強化がしいられてはならないということであります。つまりこれは内勤の人や郵便配達の方との関係において、よほど注意をしてこれを進めませんと局全体が混乱してしまう。片方は月々大体四万も固定給のほかに入ってくる、片方ははがき一枚も自分でかってに出せない、出したら厳重な処分をするということになっておりますからよほど注意をする必要がある。その基準はどういう方針でいるのか、簡単に説明してください。

廣瀬正雄自由民主党郵政大臣

○廣瀬国務大臣 御指摘のとおりだと思います。その辺はよほど気をつけてまいりませんと、真新しい保険募集の分野というものが開けてまいりますと、また格差がいろいろ大きくなるという問題もあるわけでございますから十分心得まして、そういう募集に関係のない、特に郵便配達というような方々への職員の給与の点につきましては、現在におきましても特別に考慮いたしておるわけでございますけれども、十分注意してまいりたい、このように考えております。

土橋一吉日本共産党

○土橋委員 もう時間もなくなりましたので最後に私お尋ねしたいと思うのですが、普通局の場合には、局長のいわゆる地域住民との関連はそれほどないわけです。ところが地方の特定局、あるいは集配特定局などにおいては、局長さんの一挙手一投足が地域住民に、山村にいたしましても、漁村にしても、あるいは農村にしても非常に目立っわけです。局長さんが勧誘に来てくれた、それでは入るか、こういう点がたくさんあると思うのです。あるいは局長が口をきいたから入ろうか、こういう点があろうかと存じますが、そういう際に局長が非常によくないために地域住民からその局長はいわば排斥をされているということになってきて、簡易保険はほかの局へみな持っていこうじゃないか、あの局長じゃ簡易保険の契約を結んだって、とてもじゃないが当てにならない、こういう事態が現に起こっておるところがございます。いま抽象的に話をしましたけれども、そういう局長はこれをかえるなり、あるいは地域住民と密着して簡易保険の——そこの局は、その県下においては一番程度が低いわけです。こういう事態が起こっておる局に対して郵政大臣は、抽象的ですけれども、どういうお考えですか。

廣瀬正雄自由民主党郵政大臣

○廣瀬国務大臣 特定局長の特性と申しますか、ということは地域社会との接触に非常に有利な点があるというように考えておるわけでございまして、ただいま抽象的でございましたけれども、御指摘のような事実がございましたならば、私どもはよほど注意いたしまして指導しなければならない、間違いのないようにしていかなければならない、こういうように考えておりますわけでございます。

土橋一吉日本共産党

○土橋委員 これはまたあすの一般質問でもいろいろやっていきたいと思いますが、現実にその局では簡易保険をやめにしようとか、郵便貯金は本局のほうへ持っていってやろうとか、こういうことが行なわれておる局でございます。その部落では官吏といえば郵便局の人しかいない。また局長さんという名前がつく者は郵便局長さんしかいないという地域におきましては、その局長の行動はきわめて重要な役目をするものだというように私は理解をしておるわけです。ですから、その善処方をぜひお願いしたいと思うわけです。  それから、いま大臣の御答弁によりますと、局全体の郵便配達あるいは内勤あるいは貯金との関係その他については重要な配慮をするということはけっこうでございますが、ただ問題は、こういう新しく三百万円に上がったということを一つの例としまして、地方郵政局とか局長さんが張り切っちゃって、そして指令を指令どおりに読むことはけっこうですけれども、それをすぐ募集をする方々にそれこそストレートに命令してくる。そのために労働強化が激しくなる、こういうことが非常に心配される。というのは、郵便配達は、こんにちわと言って郵便を持っていけばいいんですよ。あるいは速達なら、速達ですと言って置いてくればいいわけですよ。貯金の場合も、定額貯金ですよ、あるいはこういう貯金ですよといえば、大体みんなよくわかっておるわけですよ。ところが保険というのは、何か保険会社がごまかすのではないかという考えもあってなかなかわかりにくい。先ほどお話がございましたように、説得して、たとえば百万円に落とし入れるというのは並みたいていの苦労じゃないわけですよ。したがって、貯金業務を含めてはいるでしょうが、郵便局の業務としては一番苦労が要るわけですよ。きょうはおやじがおりませんから晩に来てください、あしたちょうど十二時ごろにおやじが帰ってくるから来てくださいということで、おやじを説得するわけですね。ですから、たいへん苦労な仕事です。そしてまた時間に制限がないといってもいいわけです。そういう苦労をしながら金を集めてこられるのですから、ほかの業務と違う。時間が来たから、はいさようならと言って帰るわけにいかぬ。こういう点で、いままで簡易保険に従事された二万八千余の従業員の皆さんに対して、私はほんとうに敬意を表するものです。またそういう方々が団結して——問題は、飛び出て成績のいい人をほめるよりは、成績の悪い人とみんなが一緒になって局全体が進んでいくという体制をとりませんと、えこひいきをしたり差別をつけたりすると、それは必ず内部的におもしろくない。またこれが労働強化になってはなりません。したがって、たとえば夜勤なんかやったときに、超過勤務手当はどういうふうに出しておるのか、そういうことは募集手当のうちに入っているから金を出さなくていいということなのか。あるいは婦人の保険勧誘員は夜の作業は禁止しておるのですが、そういうこととからんで一体どう考えておるのか、簡単に答えていただきたい。

廣瀬正雄自由民主党郵政大臣

○廣瀬国務大臣 私も御承知のように郵便局長の経験がございますが、簡易保険の新規勧奨、募集の仕事は、御指摘のようにほんとうに頭を使わなければならない、人と人との触れ合いでようやく目的を達するというようなことで、非常にむずかしい仕事であることはお話しのとおりだと思うのでございます。しかも一人よがりでなくて、やはりチームワークで局全体として成績をあげるということがきわめて肝要だと思います。御指摘のとおりだと思うのでございまして、それは全く御異存はございません。  なお、超勤等の問題につきましては、保険局長から答弁させることにいたします。

野田誠二郎郵政省簡易保険局長

○野田政府委員 ただいまの御質問の保険の外務員の服務につきましては、それぞれ公務員法なり、人事院規則なり、あるいは労働組合との協約等に従って適法にやっております。

土橋一吉日本共産党

○土橋委員 最後に郵政大臣に。私は先ほど申し上げましたように、やはり簡易保険というものは業務でありますから、いままでの統計とかそういうものを十分踏まえて、問題は、要するに還元金や報償金、あるいは個々に月々かける金は少ないからそれでいいじゃないか、第一条の規定に沿っておるじゃないかというのではなくて、かけ終わって全体から見て民間の営利を目的とする保険よりは少し安かった、そういう内容にどうしても変える必要がある。それで初めて、民間保険に入っておった人が、いや、郵便局のほうがいいですよと宣伝してくれるわけですから、そういう体制をぜひとるように万全の努力をすべきであるというふうに私は考えておるのです。最後にそれに対してどういう決意か。

廣瀬正雄自由民主党郵政大臣

○廣瀬国務大臣 これは先刻来お答え申しましたように、積み立て金あるいは余裕金の運用の問題、こういう問題は検討し、努力しなければならない、こういうように考えております。また新種保険、新しい制度の保険、たとえば変額保険ということにつきましても積極的に検討しなければならない、実施すべく前向きに検討しなければならない、このように考えておるわけでございまして、簡易保険がお話しのように魅力ある国民庶民の大衆保険であるということに持っていかなければならないというふうに考えておるわけでございます。

土橋一吉日本共産党

○土橋委員 二分だけで終わります。  最後に、私は大蔵省が、たとえば高速度道路をつくるとか、あるいは電力債を買うことは利回りがいいからいいというような、大資本に奉仕をする体制はいかがなものであるかというふうに考えております。やはり地方公共団体が要求しておるような下水とか学校とか、あるいは特に市営、県営住宅とか、こういう方面に十分活用する必要があるのではないかと思っております。つまり大会社に奉仕をするような財政投融資は共産党は反対です。そういうことをやればますます金額を上げて、そうしていわゆる郵便局の簡易保険関係が財政投融資の犠性に供されるようなことがあってはならない。でありますから、地域住民の命と暮らしを守るために簡易保険の金が使われ、これが利用され、しかもかつ適確な技術によって、いま申し上げたような保険加入者の利益、同時に健康センターなどに見られるような国民の生活を豊かにするために使う。たいへんむずかしいワクですけれども、とにかく大資本が喜んで金を使うようなところに金を使ってもらいたくない、これが私どもの基本的な態度です。ですからできるだけ地域住民に密着をして、そして社会の福祉に貢献ができるように、あるいは憲法第二十五条の後段の規定をまともに受けて、やはり活用していただきたいというふうにお願いをしまして、私の質問を終わります。

高橋清一郎自由民主党

○高橋委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。     —————————————

高橋清一郎自由民主党

○高橋委員長 これより討論に入るのでありますが、別に申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。  簡易生命保険法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

高橋清一郎自由民主党

○高橋委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。  なお、ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高橋清一郎自由民主党

○高橋委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————   〔報告書は附録に掲載〕      ————◇—————

高橋清一郎自由民主党

○高橋委員長 この際、おはかりいたします。  逓信行政に関する件調査のため、明十三日、国際電信電話株式会社から参考人の出席を願い、意見を聴取することといたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高橋清一郎自由民主党

○高橋委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、参考人の人選、手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高橋清一郎自由民主党

○高橋委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次回は明十三日午前十時委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後四時一分散会

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