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68回国会衆議院1972/04/26

地方行政委員会建設委員会連合審査会 第1号

発言数
143
登壇者
14
会派数
5
開催日
1972/04/26

会議録

大野市郎自由民主党

○大野委員長 これより地方行政委員会建設委員会連合審査会を開会いたします。  先例によりまして、私が委員長の職務を行ないます。  公有地の拡大の推進に関する法律案を議題といたします。

大野市郎自由民主党

○大野委員長 本案に対する提案理由等は、すでにお配りしてあります資料により御了承願います。  質疑を行ないます。質疑の申し出がありますので、順次これを許します。阿部昭吾君。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 渡海自治大臣にお伺いしたいのでありますが、前の建設大臣根本龍太郎氏が、いわゆる土地政策に関する根本構想というものを発表したわけでございます。私ども、当時、あの根本構想について、ちょっぴり前向きなポーズをとりながら、内容的には、きびしい現状に対して必ずしも多くの効果をあげることは困難じゃないかという感を抱いたわけです。特に、都市周辺その他における法人所有地というものを構想の対象から全くはずして、もっぱら農地とか山林とかいうようなものを対象にしたという意味で、根本構想は、実質的には、都市化現象で激動しておる現状には対応し得ないものの、それにしても、まあ若干の意味はある。こういう認識をしておったのであります。  そこで、今回、この公有地拡大の推進法案が自治大臣と建設大臣によって提案されたわけですけれども、その根底をなすものに、われわれがこれではまだまだ問題にならぬと批判をした根本構想が当時あったわけでありますが、この根本構想というものを渡海自治大臣はどのように理解をなさっており、その内容の主要な柱は何であるというふうに御認識なさっておられるか。お聞きしたいのであります。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 私のほうは、この法案につきまして、もっぱら自治省関係を担当させていただいて、先買い権その他土地制度の問題につきましては建設省のほうで担当していただきました関係で、私も、根本構想の詳しいことは具体的には精査しておりません。しかしながら、根本構想なるものの概要は私も承知しております。こういうふうな方向の何らかの立法措置をせなければならないと考え、今回の法案におきましても、そのような形で、一歩前進というもので取り上げて法案にしたものでございます。しかし、私は、根本構想の概要を承知いたしましたときに、立法その他の技術的な問題から、現在の私有地の制限という問題に、法律的にたいへんむずかしいものがあるであろう、法律技術的に困難性を伴うものであろうということを率直に感じておったのでございます。あれは要綱の程度でございましたから、これをどう立法化するか、私も法律の専門化でございませんから、その点は、詳しいことは申し述べることはできませんけれども、私の知識で、あの概要を読ましていただいたときに、そのようなことが頭に浮かんだことを承知いたしております。  今回の法案と比べましたなれば、むしろ根本構想のほうが措置としては前向きであるといいますか、進んだものであるということは考えますけれども、現在の法制その他を考えまして、できるだけの措置を当面の措置として建設省のほうでとっていただいて、御審議願っておるような法案ができ上がり、このような姿で御審議を願っておるというのが今回の公有地の拡大の推進に関する法律案でなかろうか。そのように私は認識しておる次第でございます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 大臣、大臣はなかなかベテランの政治家あります。それにしては、私がお尋ねしましたことにいろいろ言い回しをいたしましたが、どうも確たる答えはなさっておられない。実は、私が問わんしておるのは、根本構想の柱組みは何と何であったのか、今回出されておる公有地拡大推進法案というのは、この柱のどの部分をどうしたのかということを問いたかったのであります。われわれの気持ちから言うと、われわれは、根本構想が出たときに、これじゃまだまだ問題にならぬ、問題にならぬが、まあ、ほんとうに根本構想をそのとおりにやるならば、もちろんちょっぴりの前進にはなるだろう、という期待をした。しかし、今回のこの公有地拡大法案というのは、根本構想のほんのほんのさらにまたちょっぴりなんであります。そういう意味で、ベテランの政治家であります自治大臣は、今回のこの法案に、いろいろな意味で、考え方その他で根本構想というものに根を置いておるようでありますから、根本構想の柱は一体何であったかということと、今回提案されておる法律の関係は、一体それのどの部分をやろうとしておるのかということ、そういう認識を私どもは前提としてお伺いをいたしたい。  と申し上げますのは、実は、私どもは、その意味で、この法案は、確かにちょっぴりは意義があると思う。しかし、基本的にはこの程度のことで、いまも土地をめぐって、いわば営利を目途とする民間業者がものすごい動きになっておる、こういう状態のときに、この程度のことで、公有地拡大といううたい文句ほどの大きな効果をあげ得るだろうかということに実は若干疑念を抱いておる。しかし、それでも、これもやはり当面の段階における一つの手法であり、ちょっぴり前に出ていくものであるという評価を私どもしております。それなりの評価をしておるわけでありますが、聞くところによると、これに対しても、民間デベロッパーなんかとのいろいろ関連のある政治的な動き等もあって、与党に対しても、政府に対しても、この法案を何とか阻止したいという動きさえもあるように私どもの耳に入ってくるのであります。そういういろいろな関係を踏まえながら、いまこの法律案を建設大臣とともに提起をされ、進めていこうという立場に立っておられる渡海自治大臣は、一体、根本構想の柱組みは何と何と何であるというふうに認識をされておるか。そして、今回の手法はまだまだきわめて不十分だが、その中のほんのちょっぴりに手をかけようとしたものだという認識を私どもはしておるわけでございまして、そういう意味での自治大臣の認識のしかた、これをぜひお聞かせを願いたいのであります。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 この問題は、むしろ建設大臣のほうが主管でやっていただいておるのです。建設省来でおられますが、大臣でなくとも小林君から答えていただいたほうがいいと思いますが、骨組みは、土地の先買い、それともう一つは、買い取り請求権。あるいは、確かに、根本構想の場合、臨時宅地区域としての総括的な収容のできる土地の決定というふうな、相当権利制限を伴ったものであるというふうに私は認識をいたしております。  いま、概括的に、何が柱だと言われましたが、その中を通じてありますものは、先ほども答弁いたしましたように、法律技術的に非常に困難なるものが存しておる。具体的に申しましたら、そういうふうな項目に分かれておったのではないかと思っております。そこまでの制限を加えてのものでございますから、その点から関して申せば、今回出されたものは前向きのものである。阿部委員御指摘のように、ちょっぴりだという表現があるかもわかりませんが、現在の法制との緩和をはかりつつ、この問題を建設省のほうで御審議願う程度の緊急の措置として、とりあえずの措置といたしまして御審議を願っておる。こういうふうに御認識賜わりたいと思います。

小林忠雄建設大臣官房審議官

○小林(忠)政府委員 ただいま大臣からお話がございましたとおりでございまして、事務的に、根本構想の柱と、この法案で考えております点と相違点を御説明いたします。  まず、法律のねらいでございますが、根本構想は主として、広く一般地価対策という立場に立っております。それから、この法律はもう少し狭く、公共団体の行政を推進していきます場合に必要な公共用地の先買いという点に重点がございますので、目的自身が根本構想よりだいぶ狭くなっております。したがいまして、法律案の内容といたしまして、先買いの対象になっております土地の範囲でございますが、根本構想におきましては、市街化区域内の農地、山林の土地一般を広く対象としております。これに対しまして、本法律案では、市街化区域の中の土地のうち、都市計画施設の区域内の土地でございますとか、道路、河川、公園の予定地でございますとか、あるいは一定の面積以上まとまった土地でございますとか、そういうように対象を限定をしております。  それから、第二点は、先買いの法律的効力の問題でございますが、根本構想におきましては、公示価格を基準とした価格で強制的に買い取るという強制権がございます。いわば収用の先買い権と申しましても、実は収用の一変形をとっておりますが、本法律案は、届け出をして、あくまで当事者と公共との間の協議で取得をするという点で、法律的な性格が違っております。  それから、第三番目は、根本構想におきましては、強制的な土地取得をいたしますので、反面の権利といたしまして、土地所有者に買い取り請求権というのを認めておりまして、これは土地所有者の権利としての請求権になっておりますが、この法律案におきましては、買い取りの権利そのものが協議による納得ずくの取得でございますので、買い取りにつきましても、請求権ということでなく、買い取り希望の申し出というようになっております。したがいまして、公社側につきましても、土地所有者側につきましても、根本構想は法律的な強い権利であり、この法律のものは、買い取る側も、土地所有者側も、ともに弱い権利しか与えていないということでございます。  それから、最後に、対価の支払い方法でございますが、根本構想におきましては、当事者の意思にかかわらず交付公債でこれを支給しようという構想でございますが、今回の場合は、当事者の協議で、原則として金銭補償をするということでございます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 渡海大臣、いまの小林審議官の説明で明確になったわけですが、まだまだ根本構想にはたくさんの抜け道があると言ってわれわれが批判しておった、その根本構想よりも、はるかにはるかにこれは後退したものなんであります。この後退をした案でさえも、政府・与党周辺には、この法律案に対するいろいろな抵抗があるとということさえいま伝えられておるのであります。したがって、私が冒頭に大臣にお伺いをいたしましたように、これは、私どもの評価のしかたとしては、ないよりはあったほうがいいのだという程度の、一つの手法であり、ほんのちょっぴり芽を出したものでしかない。今日、たとえば都市整備なり、いろいろな問題が住民地域社会の中にあるわけでありますから、この根本的な問題を解決するのには、これだけ後退をした、大骨、小骨をみんな抜き去ったものでは——根本構想も大体タコの程度だが、これはもっともっとみな骨を抜いてしまった、クラゲか何かみたいなものだ。そこまで抜いてしまったものでさえも、いろいろなうしろ向きな動きさえあるというふうに私ども聞いておる。耳に入ってくるのであります。そこで、この扱いに対して、大臣は、政治生命をかけてとまでは言いませんが、そのくらいの強い決意を一体持っておられるのかどうか。これが一つ。  それから大臣、私は、これをやってはい終わりというわけにはいかぬと思う。いま自治体が直面しておる住民要求は何か。この高い土地。三十年、四十年働き通した労働者が定年退職になっても、ついに自分の家を持つなんということはできないという問題が、実は、東京周辺の首都圏あるいは近畿圏といった地域だけではなくて、地方の十万や五万くらいの都市周辺でさえも起こっておる現状なんであります。その根源は何かということになると、土地が金もうけの取引の対象にされておるというところに根源がある。その根源にメスを入れていくというかまえ方でなければ、いまさしあたってこの法律が目ざしておる公用地を確実に手に入れて、広範な地域住民の公的な利便に供していくということは、とうていその目的は達成し得ないと私は思っておる。したがって、私どもは、この法律は、当面の段階では、確かに一つの芽ではあり、一つのものではあるが、これだけにとどまっておったのでは目的を達成することはできないだろうと思う。次の、第二、第三の、より確実な、より効果のある政策、方法、これは一体どういうふうに考えていらっしゃるのか。こういう点をぜひひとつお聞きしたいのであります。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 土地対策について、私は閣僚の一人でございますから、政府として答えなければいけないだろうと思いますが、この点につきましては、これだけでは当面の土地対策を完全に実行に移すことはできない。御指摘のとおりであろうと思います。しかしながら、現在地方自治体が当面する問題である公用地の獲得のためにこの法案を実施していただくことで、現在民法上行なっております土地開発公社を、この法律によって公法人とし、また、民間資金の利用ということもそれによって広げるということによって、現在自治体が行なっております公用地の取得に数段の前進をするものと私は考えて、建設省の御協力を得て、ここにこの法案を提案したような次第でございます。  土地対策の根本は、政府の閣僚の一員として、私も、いま御指摘になったような方向に漸次前進させていかなければならないと思っております。本日は、幸い連合審査でございますから、後刻建設大臣もお見えになろうと思いますので、私は、抽象的に、この法律だけでなくて、土地対策全般としてなお考えなければならないものが存在するという答弁にとどめさせていただいて、主管大臣の御答弁を待ちたい。かように考えております。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 私は建設委員会のメンバーでございまから、建設大臣とは、土地政策の問題については常時激論を戦わす機会を持っておるのであります。そこで、きょうは、連合審査会ですから、自治大臣に他流試合に実は参っておるのであります。自治大臣は、住民の福祉、住民の利便、住民の快適な生活環境というものについて責任を持っておられる大臣でありますから、土地政策については、それはまあ建設大臣が所管じゃと言うわけにはいかぬ問題がある。こう思って、特にベテランの政治家であります渡海自治大臣にこの際われわれの見解を申し上げて、今後の政府の実効ある政策の実現のために努力をしてほしい。こういう観点で問題を申し上げておるわけでありますが……。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 私、どの委員会に行きましてもそのような質問を受けるのであります。と申しますのは、地方自治は総合行政でございます。運輸関係にしても、あるいは厚生関係にしましても、すべてのものが地方自治団体が行なっておるという姿でございます。その地方自治団体を総括的に指導、助言する立場にある自治大臣といたしまして、全部の行政に関係もあり、その政策の推進に当たらなければならないということはよく承知いたしております。しかし、それだけに、各主務大臣の立場と自治大臣としての立場を常に考慮しながら願うという姿で当たっておりますので、阿部委員の御質問の要旨、私も前向きで考えなければなりませんし、そのように閣僚の一人として努力せなければならないということを述べさせていただき、それ以上の具体的な問題の答弁は主務大臣にお答え願うことにしたい。幸いに、阿部委員は、建設委員として、この問題について建設大臣に常々御質問願っておるであろうと思いますから、私の考え方と、主務大臣としての建設大臣の考え方と、方向、姿勢において異なるところはないということはおそらくよく御認識願っておると思いますが、今後ともそういう方向で努力してまいりたい。かように思います。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 渡海大臣は、確かにベテランの政治家らしく、答弁は水の流れるごとし。しかし、私が問いたいのは、その心なんであります。したがって、いま、住民福祉、住民の利益、住民の利便、快適な生活の場というものに責任を持っておられる大臣として、日本の土地政策について、これは建設大臣のものじゃと言うわけにはいかない、そういう意味で私は問うておるのですが、今回出したこの法案は、ちょっぴり前向きをわれわれは評価する。しかし、これだけじゃ問題にならぬのですよ。先のことをどうするのか。根本構想をもっと骨抜きにしたようなこんなものじゃ、ちょっとの前進ではあるが、もっと根本的用地を取得しようという場合には、公的にどうしても必要な土地は、土地収用法においてやっていくという道もある。あるが、せっかくここまでやろうというのならば、やっぱり骨抜きじゃなく、もっと根本構想——われわれがこれでもまだ不十分と言っておったくらいのものはやるべきだったのだと私ども思っておる。その場合に大臣はどういう答弁をするかということになると、やはり、私有権の制限という問題から、いろいろの場合があって、今回はこれしかできないんだ。しかし、社会情勢はどうなのかということになると、土地が金もうけの有力な対象になっておる。ここにしっかりしたメスを入れなければ、地域住民のしあわせとか、福祉とか、利便とかいうものをもっと広げていこうという責任の衝にあられる自治体の行政、役割というものをもっと広げていくことはできない。そういう意味で、この法律は、今回この程度ではわれわれは不十分だが、次の段階は一体どうされるとお考えになっていらっしゃるのか。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 私は、閣僚としてあなたの言われることも了承し、その方向で進まなければならぬ思っております。しかし、その主務大臣は建設大臣であるから、次の方向をどうするかということは、私がここで答弁いたしますのは控えるほうがよかろうと思います。なるほど、住民自治に関することだから自治大臣が答えるべきことだと言われておりますが、自治大臣は、総合的なもので、すべてに関係がございますが、またそれぞれの所管の権限があるのでございますから、阿部委員の言われることを了承し、そのような姿勢で、閣僚の一人として私も当たるということを申し上げておるのでございます。それをなお具体的に言えということは、かえって私が申し上げるべきことでなかろうと、こう答弁させていただいておるのでございます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 まあ、政治家の議論というのはなかなかむずかしいものでありまして、私が問うておることの対してなかなかすぱっとこない。私の言わんとしておることはようわかったと言うのですが、この間の佐藤総理の、野党の言い分はよくわかったという言い方と同じで、それではどうするかというのが出てきていない。まあ、しかし、それはそれとして、時間がありませんから……。  私は、この連合審査会のあり方自体にも疑問を感ずる。委員長、大体、社会党の一時間で、二人で三十分ずつなんというのは、ちょっとこれは困るのであります。しかし、これは二つの委員会同士できめられたこよでありますから、いまそれを言ってもしかたがありません。したがって、細部の問題に入れないことは残念でありますが、一つだけ伺っておきたい。  たとえば、土地所有者が売る。したがって、届け出をいたしますね。その土地は、現実には、所有権は形式上その人のものになっておる。しかし、民間デベロッパーや営利を目途とする業者が盛んに買いあさって、内容的には実はいろいろな関係が生じておるというような土地がたくさんあるわけであります。そういう土地を、形式上金の授受もあるかもしれませんが、形式上、登記上、その所有権者たる土地所有者が譲渡をする。したがって、届け出をする。こうなりますね。その場合は、そういう背後にある民間デベロッパーやなんかが買いあさって手金を打ったり、いろいろなことになっておる土地の関係というものは、一体、そういう形式的な所有者だけのそれだけでいいのかどうか。この点のいい悪いの議論じゃなくて、私どもの意見どうかという問題とは別して、扱いをどうされるのかということを承りたい。

小林忠雄建設大臣官房審議官

○小林(忠)政府委員 この法律案第四条によりますと、市街化区域内の一定土地をの有償で譲渡しようとする場合には、一定の事項を届け出るということになっております。ただいまのような場合は、形式的には土地を有償で譲り渡そうということになりますので、当然届け出を要することになろうかと思います。ただし、いよいよ協議に入りました段階で、すでに手金をもらっているとか、その他の事情で、土地所有者がもう第三者に売らざるを得ないような状態になりました場合には、おそらく、この法律で公共団体が協議をいたしましても、公共のほうに売るということはむずかしい場合が多いんではないかというように考えます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 これは、地方行政委員会で、私どもの同僚議員の皆さんからさらに指摘をされるかと思いますけれども、ただいまの小林審議官の説明では、この法律のよって立つ基盤というものは非常にあいまいなものになってくる。したがって、次の地方行政委員会の審議の際に指摘をされるでありましょうけれども、明快な扱いのしかた、これを出してほしいと思います。  時間がないので残念でありますが、最後に、大臣に伺いたい。私さっきもお尋ねいたしましたが、最近この法案の扱いをめぐって、われわれから言わせるとこの程度ではまだまだ骨が抜けておって問題にならぬと言っておるものでさえも、民間デベロッパーや、その他政府周辺、与党周辺、このあたりから、この法律に対していろいろな抵抗の動きさえもあるというふうに私ども聞いておりますが、大臣は、この法案を今国会で成立させることについて、どういう決意とどういう政治的な責任とを私どもに表明できるのか。これを最後に私はお伺いしたいと思うのであります。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 自治省が今国会に提案をさして、いただきました法案のうちで、重要あるいは軽度の差別はございませんが、この法案は、ぜひとも本国会で成立せしめ、現在行き悩んでおります自治体の都市づくりに資したい。かように私は心から念願し、法案作成の当時から、二省にまたがる法案でございますので、たいへん事務的にも困難でございましたが、幸い建設省の関係の絶大なる御協力を得まして、御審議を賜わっておるような次第でありまして、ぜひともこの国会で成立させたい。私は、この点、何の包み隠しもなく、心底からこの法案の成立を期し、また、そのために全力を注ぐ覚悟でございます。

阿部昭吾日本社会党

○阿部(昭)委員 時間がありませんので、以上で私の質問を残念ながら終わらなければなりません。あとでまた地方行政委員会あたりに武者修業に出ていく機会がありましたら……。

大野市郎自由民主党

○大野委員長 井上普方君。

井上普方日本社会党

○井上委員 自治大臣にお伺いするのでございますが、先ほど阿部君とのやりとりをお伺いいたしておりますと、どうもこの法律は地価安定の方策とは異なるように考えられますが、多少そういうものを加味しておるおつもりがあるのでございますか。簡単にひとつお願いいたします。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 この法律は、直接には地価安定の政策のための法律でない。この法律は、法の目的にも書いてありますように、あくまでも地方自治体が公有地を確保することにある。しかし、間接的には地価安定にも資するのではないか。かように私は考えておる次第でございます。

井上普方日本社会党

○井上委員 自治大臣のお話を承っておりますと、住民のためではなく、これは自治体の土地が取得がしやすいようにするためだということで、住民の利益をどうもおろそかにしておるような点が多々見受けられるのであります。何を言いましても、先ほど阿部君が言いましたように、地価安定というのが最大の命題であり、住民もそれを望んでおられるのです。ところが、この法を見てみますと、地価公示制度に基づく公示価格を基準として、買い取りの場合、ともかく協議をするということになっておるわけであります。  そこで、建設省の場合、地価公示制度が大体確立いたしておりますところにおきましては、公示価格で買収するようになっておると思うのですが、その点どうでございますか。

小林忠雄建設大臣官房審議官

○小林(忠)政府委員 地価公示法の規定によりまして、公共事業の施行者が土地を取得いたします場合には、公示価格を基準とした価格で買収をしなければならない。法律に定めております。

井上普方日本社会党

○井上委員 そこで公示制度が発足いたしておるのでございますけれども、それを基準にして協議するということになっておる。そこにこの際の政府部内での統一が行なわれていないと思うのです。基準として、ともかく買収するというのでありましたならば、私は、建設省と自治省との方針は一致すると思う。ところが、基準として協議するということになりますから、どういたしましても、この公有地法案による土地取得が高くなるということは避けられないと思うのでございますが、どうでございますか。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 建設省が公共事業を行なう場合、地価公示法によって買い取られる。それは買い取られることがきまっておる土地に対しての表現でありますからいまのように言われたのであって、私らのほうは、協議するということは、買い取りが不調和に終わるときは買い取らない場合もありますので、その内容は、買い取る場合においては、同じように基準によって買い取らなければならない。それによって協議するのだ。建設省の方針とこの自治省の方針とは、表現のしかたでございまして、別に変わっていない。かように考えております。

井上普方日本社会党

○井上委員 ここは三百代言が横行するところでもないのだから、そこらあたり実質を明確にしておかなければならぬと思うが、それで、公共事業をする場合との差が出てくるのではなかろうかというように私はおそれるのであります。同時に、先ほど一番最初に伺いました地価の安定にそれがはたして役立つであろうかという点に私は大きな疑問を持たざるを得ないのであります。  さらに、この際もう一つ聞いておきたいのですが、この届け出の除外例ですが、政府機関が全部除いてある。政府関係機関の土地買収、これが全部除いてある。しかし、現在、経済企画庁とか、建設省とか、各省庁の審議会等々で言っておりますことは、どう言っているかといいますと、政府機関の土地の買収で地価のつり上げが行なわれておるというように言っておるのであります。それが土地高騰の理由の全部とは申しませんが、しかし、大体そういうような意見に有識者の間ではなっておる。ところが、これが除いてある理由がどうも私は納得できないのでありますが、この点どうでございますか。少なくとも、方向として、政府関係機関が土地を買い取りたいというときには、土地公社との間に協議をするというようなところがなければならないと思うのでございますが、どうでございますか。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 この点、法文でも明記をいたしておりますが、事務当局からお答えさせます。

井上普方日本社会党

○井上委員 これは自治大臣からお伺いいたしたいのです。こういうようなところは大事なところなんですから。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 国または地方公共団体が買い取りますときには、届け出を免除しております。したがいまして、何ら差しつかえないと思います。買い取る場合におきましては、公有地として残るわけでございます。その点は、法の第四条によって明らかに書いてありますから、御了承賜われるだろうと思います。

井上普方日本社会党

○井上委員 何をおっしゃっているのか、さっぱりわからない。問題を取り違えているのじゃないかと思うのですが、私が言っているのは、国とか、あるいは政令で定める法人、おそらくこれは全公団、公社が入ってくると思うのですが、これらが土地を買う場合が地価高騰の一つの理由になっておる。つり上げの原因になっておると一般に言われておりますし、これが定説になっておる。これが一つの原因になっておるということだから、国あるいは政府機関が買う場合には、この土地開発公社と相談の上で、協議の上で買うというぐらいのことがなければ地価安定にならないと思うのですが、そこらあたりはどうですか。  政府機関が土地を買い取る場合、少なくとも価格の統一をはからなければならないと思うのです。政府機関が野放しになっている。届け出の義務もない。ところが、この政府機関が土地を買うということが土地の値上がりの一つの大きな原因になっておることはもう御承知のとおりです。そうするならば、この法律が公有地を拡大しよう、買いやすくしようとする以上は、少なくとも土地開発公社との一応の協議がなければ買うことができないくらいのことにしなければならないと思うのですが、この点どうでございますか。

皆川迪夫自治大臣官房長

○皆川政府委員 私からちょっとお答え申し上げます。  国の機関が土地を取得することによって地価の上昇をもたらす。こういうことも確かに一つの原因になってはおろうかと思いますが、それは必ずしも国の機関が買うから上がるということじゃなくて、需要があるために上がっていくものだろうと思います。それで、この法案をつくる過程におきまして、できるなら一元的に土地の需要を——ある特定のところでまとめて買うことはどうであろうかという議論も実はあったわけでありまして、いろいろ検討しました結果、国が直接買うということも一つの行政目的で、公有地を買うのと同じような性質のものでありますが、それぞれまたそれだけの陣容なり、いままでの土地取得の訓練を経たものも持っておりますけれども、これを法律的に全部まとめるというのはやはり行き過ぎじゃないだろうかというようなことから、政府機関等が公共の目的によって買う場合には除外をしようということで、実質上の相談なり協議を十分にいたすわけでありますが、法律的には一応除外いたしたわけであります。

井上普方日本社会党

○井上委員 どうもあなたのお話はおかしい。政府機関の土地の買い上げが原因ではなく、需要があるから土地が上がるのだと言うが、そうじゃないですよ。投機があり、売り惜しみをするがためにともかく土地の値上がりを来たしておるのですよ。あなたの認識がそもそも違う。そんな勉強でこんな土地政策を立てられたら困りますよ。  それはともかくといたしまして、あなたのおっしゃるように、国なりあるいは他の公共機関が一本化して土地を買うような機関をぜひともつくってほしい。私はそう思う一人であります。しかし、それができていない。できていないから、せめて、国なりあるいは国の関係機関が土地を取得する際は、この土地開発公社に協議をするなというぐらいの一項を入れたらどうでございますか。そうするならば、土地の価格の安定に大きな効果を見ることはできないにいたしましても、その地域地域における適性価格というものが一応出てくるのじゃなかろうか。百歩譲ってもそれぐらいのことはしていただきたいと私は思うのですが、どうですか。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 わかりました。とにかく、公共団体が国であれ、地方であれ、土地を必要とするというときには、同じ団体が買うようなものにまで進めるほうがよいのじゃないかという御質疑でなかったかと思います。国が買う場合も、ほかの法律で、この法律にあるように公示価格によってやらなければならぬという規定がなされておりますから、同じような国の機関であろうと、現実には、いま言われるように地価のつり上げというようなことが起きておりますけれども、そのために、この法律から、国が買う場合には除外したという姿になっておる。  ただ、それを競合したりするよりも、せっかくこの法律をつくるのだから、むしろ一本にやられたらどうだという御趣旨であろうと思います。ごもっともであろうと思います。いま官房長が答えましたように、そういった需要のあるときには、一体のごとき姿で協議をととのえてまいりますように、この法律がもし成立願えましたなれば、運用面において、そのような姿で絶えず意思を通じ、連絡をしながら、都市整備のために土地の確保ができますように、私、指導してまいりたい。かように考えます。

井上普方日本社会党

○井上委員 運用面においてやるというのなら、政令ででも出すのですか。どうなんですか。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 政令その他で法制化して、機関として設けるということは、また各機関の関係もございますから困難であろうと思いますが、実質的行政指導によりまして、いま井上委員が言われたような運営ができますように指導してまいりたい。これが私が申し述べました答弁の要旨であります。

井上普方日本社会党

○井上委員 大臣、ここでは言いのがれたってだめなんですよ。私らは地価を安定させようという熱意のあまり申しておるので、そのためにわざわざここまで出てきてやっておるのです。だから、できないものを運用面で行政指導でやるなんて、言ったって、一体、自治大臣が行政指導で、電電公社なり郵政省、あるいは国鉄あたりに——総理大臣じゃないんですから、どれだけの効果があるか、私はどうも疑問に思う。疑問に思うというよりは、これはもう全然できないとしか考えられぬ。それよりもむしろ、せっかくこういうような法律をつくるのだから、この中に、政府機関が土地を買う場合には、ともかく土地開発公社と協議しなければならぬという一項を入れたらどうですかと言うのです。それによって少しでも地価の安定をはかろうという熱意、そのために私は申しておるのです。これは一項加えたらどうですか。

小林忠雄建設大臣官房審議官

○小林(忠)政府委員 地価公示法によりますと、公共事業の用に供する土地の取得価格につきましては、公示価格を基準とするということになっておりまして、公示価格がきまっております地域内における国・公共団体、公団等の買収いたしました価格を調査しましたところ、現在、大体七割以上が公示価格によっておりますので、この公示地点がだんだん広くなってまいりますれば、国、公共団体、あらゆる機関の買収価格の統一がだんだんとれてくるのじゃないかと思っております。

井上普方日本社会党

○井上委員 それはどうも建設省のうぬぼれだろうと思うのです。そんなことが土地公示制度で事実行なわれていますか。あなたはこれから数字を出そうとするのだろうけれども、実際問題として、電電公社とか国鉄は公示価格で買っていないじゃないですか。それが一番大きく土地の値上がりをさせておる原内である。こうまで経済企画庁の審議会は言っているわけです。建設大臣の諮問機関である審議会も言っております。政府機関の審議会でも、すべて、ともかく政府機関、出先がばらばらに土地を買うから値段をつり上げるのだということを申しておる。それをせめてチェックするには、その土地をよく知っておる土地開発公社あたりに相談するということが非常に必要なのじゃないか。このように私は思うのでございます。この点につきましては、これに合わせることが非常に適切なやり方だと私は思いますけれども、まあ、あなたのほうから出した手前、直すということもちょっと言いかねるのだろうと思うので、この程度においておきます。  続いて、先買い権と買取り請求権の問題です。買取り請求権については、特に先ほどもお話がありましたけれども、買い取り請求権じゃなしに買い取り協議権だと申されるわけだ。ところで、この買い取り協議権だということに、この法律が住民の側に立っていないという理由があると思うのです。見てごらんなさい、ここにも出ておりますけれども、フランスの都市政策の先買い権制度なんかを見ましても、すべて買い取り請求権というのがついておる。そして、その買い取り請求権のついたとき、もしその事業を行なわなければ、ある期間過ぎると、土地所有者にまた譲渡するといりのが、フランスおきましても、ドイツにおいても、イギリスにおきましても、金部ついておるわけなんです。ともかくそこまできびしい制限を加えております。ところが、日本の場合におきましては、これは一体何ですか。あらゆる制度におきまして、土地の買い取り請求はできるけれども、買い取り義務というものは全部免除しておる。財政上の都合でやらないというようなことが全部口実になって、実際、買い取り義務権というものを国あるいは公団共体には与えていないのが実態であります。せめて個々の地方団体において行なうものは、こういう場合でございますので、買い取り義務権をひとつこの中においてつける必要があると思うのです。これがまた民主主義の原則でもあろうと思うのですが、どうでございますか。

小林忠雄建設大臣官房審議官

○小林(忠)政府委員 現在の日本の法律で、買い取り義務権と申しますか買い取りの義務がございますのは、都市計画法の六十八条の買い取り請求権につきましては、協議が整いません場合には、当事者の一方から収用委員会に裁定の申請ができる。こういう実例がございます。この法律案におきましては、先買いそのものが強制権がございませんので、したがって、そのうらはらとしての買い取りにつきましても、買い取り義務というものを認めなかったわけでございます。

井上普方日本社会党

○井上委員 だから、今度、先買い権を地方団体に認めておる以上は、やはりこれは買いい取り義務権というものもつけるべきだと思うのですが、どうでございますか。自治大臣。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 いま建設省のほうからお答えしていただきましたが、私たちもこの点が一番議論したところでございまして、そこまで進んでいくべきでなかろうかという議論もあったのでございますが、いま申しましたように、買い取りの権利とともにうらはらになるものであるから、この点は、これと合わせての姿で市町村に買い取る義務を負わすというようなことは——一体としてこれでつり合いがとれそうであろうということで、今日の段階では、権利として買い取ることを認めるまでに至らなかったものでございますから、これのうらはらといたしましての買い取り義務というものも、買い取りの要求、申し出だけでとどめたという姿でございます。

井上普方日本社会党

○井上委員 不規則発言が多くて、ほんとうに何だかわからないが、いままで、都市計画法でも、すべて買い取り義務権というのを国なりあるいは地方団体が持っていない。そこに義務が発生せずに——ともかく、私一例を申し上げますと、戦災復興都市計画で、昭和二十三年に制定せられた法律がある。それで計画せられた予定地で、お上は、ここには道路をつくるんだということで線を引いただけ。ところが、そこの土地を持っておる人たちは、そこには木造の家は建築許可はされるけれども、実際問題として、永久建物は建てられないで現在にまで至っておるというような事例を多々私は見受けるのであります。私のくにでもそういう事例があります。昭和二十三年に、この土地は都市計画で道路をつくるんだぞといってお上が計画をつくった。その一回の計画によって、二十何年間というもの、その土地はもう死んだも同様の土地になっている。だから、計画法によってここを買ってくれいと言いましても、これは予算の都合上だということで買えないというのが実態じゃございませんか。すなわち、買う買わぬはお上の恣意によってきまるというのが現状であります。ともかく、こんな民主主義国というものはおそらくないと思うのでございまして、フランスにおきましても、あるいはドイツにおきましても、イギリスにおいても、ここには将来都市計画道路ができるのだというところには、その計画をつくったものには必ず買い取りの義務があるのだということを政府は明確にしておるのであります。これがほんとうに主権在民の民主主義だろうと思います。ところが、このような法律によって地方自治体がつくる土地開発公社でございますから、せめて、住民自治という立場に立って、この公社には買い取りの義務がつくものだと私は期待しておったのでございますが、これすらついていないということになれば、もはやこの法律というものは、絵にかいたもちで、何ら効用をなさないと断言して私ははばからないのであります。大臣、こんなつまらぬ法律はやめてしまったらどうですか。

皆川迪夫自治大臣官房長

○皆川政府委員 お話のように、長い間、計画だけで所有者に不便をかけておるという事例は多いことだろうと思います。私たちも、そういう事例を見ました場合に、事業の進捗のほかに——現在の財政制度ですと、事業がはっきりしませんと土地の購入の予算がつかない。補助金もつかない。こういうたてまえになっております。そのために土地の取得もおくれるし、住民にも迷惑をかけるということがあったわけでございます。この法律では、買い取りの義務までは与えておりませんけれども、それを買うだけの予算的な措置を公社に与えることによって、法律上の義務ではないけれども、従来よりも買えるようにしたい。現在はなかなか買えないが、これを買えるようにすることによって、もちろん完全な形ではありませんけれども、土地の取得を容易にしながら、一方、所有者の方々にも、長い間の御不便をかけないようにしたい。こういうようなことでございまして、完全ではないかもしれませんが、現状よりも数段の進歩になるのではないか。こういうように考えております。

井上普方日本社会党

○井上委員 少なくとも、都市計画で、将来ここにはこういう都市施設ができるというところに対して、所有者が買い取り請求したときには、買い取り義務が公社にはなければならぬと思うのでございますが、大臣、どうでございますか。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 私、ごもっともであろうと思います。ただ、このたびの法律には、いま申しましたように、一方に先買い権というものがあり、協議権があって、そういう姿のうらはらともございましたので、義務権まで現在では実現できなかったのでございますが、いま官房長が答えましたように、施設にきめられておって、当然そこは使わなければならぬ。しかも、それが先行的取得を公社に与えて、その資金源もつくるというふうな姿でできるようにこの法案を出さしていただいておりますので、その意味におきましては数段の前進であろうと思いますので、私たちも、いま井上さんが御指摘になったような土地に対しましては、法律的な義務は負わしておりませんが、現実的にいままでありましたような、土地の所有者に対しまして不当の制約を加えておるというふうなことを解決し得る道がこの法律によって開けるのじゃなかろうか。かように考えておるような次第でございます。

井上普方日本社会党

○井上委員 私の言うことをもっともだとおっしゃる以上は、法律行為というものは国がやるのですから、やはりもっともらしく法律というものを変えたほうがいいのじゃないですか。私の言う趣旨を盛り込んだほうがいいのじゃないですか。都心施設として決定しておる、将来、十年後でなければその土地は取得できない、つくるのは十年後だという場合もあると思うのです。そのときに所有者に対して非常に迷惑をかけるし、所有者が買い取りをしてくれということを申し出た以上は、買い取りの義務を公社あるいは自治体に待たすのが、民主主義、主権在民の国家だろうと思うのですが、それすらない。それすらこれに盛り込まれていないという点は非常に不満である。このことを私は表明しておきたいと思うのであります。  私はこの法律がもう少しいいものかと思いましたけれども、見てみますと、住民側から見ますと、どうもお上の都合のいいようなことばかり書いてある法律のように思われますので、はなはだ不満の意を表明いたしまして、質問を終わります。

大野市郎自由民主党

○大野委員長 北側義一君。

北側義一公明党

○北側委員 今回の公有地拡大法案におきましては、いままでの、国または地方公共団体が持っておりますところの公共用地の問題については何ら触れておらないわけです。そこで、昭和四十五年八月十四日に地価対策閣僚協議会があったわけですが、その際、地価対策として、公有地の維持拡大をうたっておるわけです。このような協議会がありまして、その後、公有地の維持拡大について、政府は一体どのように取り組んできたのか。これがまず第一点です。  それとあわせて、たとえばこれは古い話でありますが、昭和四十二年の国有財産の管理、処分に関する行政監察結果に基づく勧告等も以前にはなされておるわけです。その内容としてはいろいろあったわけですが、いわゆる国有財産の実態の把握の改善とか、また、未利用地の有効な活用をはからなければならない。また、国有財産、特にその中で土地を保有する方針が出ておりますが、その保有基準が不明確である。このようなことが勧告されておるわけです。ところが、その後、国有地または公共用地の管理等を見ておりますと、いろいろな問題が出ております。たとえば、先般の衆議院の予算委員会でわが党の新井君が指摘した問題ですが、名古屋の平和公園のまん中にある国有地を、愛知県のクレー射撃場が二十年間も無料で使用しておった。こういう事実も指摘されております、また、そのほか、ジュリストの四七六号においても、国及び公共用地の実態という問題が指摘されております。  このように勧告があり、また、その前には、閣僚協議会でそのように公有地の拡大の指摘を決議しながら、事実はそのようになっておらないというのが実態ではないかと私は思うのです。まず、公有地を拡大するのはけっこうですが、現在あるいわゆる公有地をどのように管理し、どのように利活用していくのか、これは非常に大事な問題じゃないかと思うのです。たとえば地方公共団体におきましても、御存じのとおり、赤字補てんのため地方公共団体所有の土地が売買されております。片やこのように公有地を拡大するような法案を提案してきておるわけです。相矛盾すると私は思うのです。そういう点に対しての決意を私はまず聞かしていただきたいと思うのです。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○西村国務大臣 土地問題については、北側さんよく知っておるように、問題はやはり地価問題に結びつく問題だと思うのです。これに対する構想は、いまいろいろな点から皆さん意見がありまして、出ていますが、大かた出そろっているのです。その中の最大公約数は、国有地と公有地をふやしなさい、国民全般の皆さんに利用されるようにしなさいということでございます。今回の法律も、批評すれば多々なまぬるいところがあるのですけれども、公有地をふやす一つの方法としてこれを考え出したわけなんです。もちろん、いま、公有地と国有地は、日本全国三十七万平方キロメートルから言えば、三分の一が国有地、公有地でございますけれども、その大部分は森林地帯でございます。利用できる土地が少ないということです。それはもっと端的に言うと、住宅をつくるという……(北側委員「私の聞いたことは違うんです」と呼ぶ)違いません。私のほうが正しい。そこで、これは法律に基づいて公有地をまずふやしていこうということで……(北側委員「私の聞いているのは、いままでの分の管理、処分、こういう問題です」と呼ぶ)ちょっとまってください。  そこで、あなたの言われるように、管理をどうするかという点につきましては、部分的にはいろいろ政府の欠けておるところもあると思いますから、それは十分こっちも注意しなければならぬけれども、国有地、公有地をふやそうじゃないかというのは、これはやはり全体の地価対策にする意見でございまして、せっかくこの法律を出したのですから、これはりっぱな法律です。どうぞよろしくお願いいたします。

北側義一公明党

○北側委員 私の言うていることはそういうことを言うているんじゃないですよ。私の言ったことは、いままでのいわゆる管理また処分。いろいろな勧告が出たり、地価対策閣僚協議会でいろいろな問題が出た。ところが、それに対してどういう手を打ってきたのかということですよ。その方法。それとあわせて、たとえば地方公共団体あたりが、いわば公共事業ができるように、必要な土地でも赤字解消のために売っておるというんですよ。公有地はなるほどこういう法案で必要でしょうが、それを片方でこうやって売っておったら何もならないじゃないか。それを言っているのです。それに対しての決意を聞きたいのです。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 かつての赤字再建をやっておりました時代に、いま北側委員の御指摘になりましたような事実がありましたことは、私もよく承知いたしております。しかし、最近におきましては、ほとんどそういったことのないように指導もしております。  なお、公有地の拡大につきましては、公共用地先行取得債も年々ふやしてまいっておりますし、また、土地開発基金というものを名地方団体につくっていただきまして、土地を先行的に取得いたします回転資金とするように指導してまいり、拡大をはかってきた次第でございます。  今回の法律の中にも、現在持っておる土地に対しましても、いま北側委員御指摘のように、赤字を消すために公有地を売るというふうなことのできないように、有効適切に持っておる土地は使わなければならぬということも、この法律によりまして規定させていただいたような次第でございまして、現在では少なくなっておると思いますが、過去においてあったことは事実でございますので、法の規制の中にも特に入れさせていただいた次第でございます。

北側義一公明党

○北側委員 いま、土地開発とか、いろいろな問題を言われました。それは私もわかっておるのですが、しかし、手段としてのいままで打っておる手が非常になまぬるいんではないか。こういうことを指摘しておるわけです。そうでなければ、この法案が出てもしり抜けになってしまうわけです。それじゃいけないと思うのです。そういう点から申し上げたわけです。特に、この法案におきまして、その「目的」で、いわゆる公共の福祉の増進のためにこのように先買いをするのであって、市街化区域の中の整備促進をもはかっていくための法案であるというように目的がうたわれておるわけです。それはよくわかるのですが、この中で、要するに特に先買いする用地ですね。これはもちろんいろいろな公共事業に使われるでしょうが、その中でも、主体的には一体どういうものに使われるのですか。何かそういうきまったものはあるのですか。

小林忠雄建設大臣官房審議官

○小林(忠)政府委員 先買いいたしました土地の用途につきましては、法律案の九条の第一項の各号に掲げてあるとおりでございまして、主としましては、市街化区域内の基盤的な公共施設の整備、公的な住宅建設等々に充てるということになっております。

北側義一公明党

○北側委員 私が思いますのは、たとえばいま大都会におきますところの公営住宅等の建設、これに対する用地が非常に不足しておるわけです。住宅用地というのは、御存じのとおり、交通の便が悪いところでは、もう全然立地条件が悪いわけです。そういう点を考えまして、たとえば、現在、民間デベロッパー等が土地を所有しておる。この量なども相当あるのではないか。特に、便利な場所はもう民間デベロッパーが買い占めておるのではないか。このように考えておるわけです。現在、主都圏、中部圏、近畿圏等で、民間デベロッパーが一体どのくらいの土地を保有しておるのか。それをちょっとお教えいただきたいのです。

小林忠雄建設大臣官房審議官

○小林(忠)政府委員 巷間いろいろ言われておりますけれども、正確な事態がよくわかりませんので、近く、第一部に上場しております会社全数につきまして、建設省のほうでアンケート調査をいたしたいというふうに考えております。

北側義一公明党

○北側委員 私が建設省からいただきました資料によりますと、首都圏、中部圏、近畿圏の市街化区域内及び市街化調整区域内合計で、主都圏で八千四十ヘクタール、中部圏で七百八ヘクタール、近畿圏で三千二百六ヘクタールとなっておるわけです。そうしますと、問題は、いま地方公共団体で、公共事業に適するような用地というものは一体どのくらいあるのですか。

小林忠雄建設大臣官房審議官

○小林(忠)政府委員 民間の不動産協会加盟の六十社について協会が調べたものを先生がお持ちだろうと思うのですけれども、このうちどれだけが公共用地として適当であるかというようなことはまだはっきりしておりません。

北側義一公明党

○北側委員 よう聞いておいてくださいよ、質問を。私が質問しておるのは、地方公共団体が公共事業に必要な用地を一体どれほど確保しておるのかということを聞いているわけですよ。現在、いわゆる首都圏、近畿圏、中部圏の間で、ですよ。

小林忠雄建設大臣官房審議官

○小林(忠)政府委員 現在、日本全国の国、公共団体等が事業用地といたしまして手待ちをしておりますのは、全国で二万四千ヘクタールでございますけれども、名地域別にどれだけ手持ちをしておるかということは、ただいま数字を持っておりません。

北側義一公明党

○北側委員 二万四千としておきましょう。  では、建設大臣、お尋ねしたいのですが、住宅建設の第二期五カ年計画で、九百五十万戸の建設が予定されておるわけです。この九百五十万戸建てるための用地の量ですね。どれぐらいの面積が要るのか。それをお答え願いたいのです。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○西村国務大臣 一応、第二期五カ年計画で七万五千ヘクタール要るという計算になっております。

北側義一公明党

○北側委員 そのうちの、公的資金住宅の分についてはどれくらいですか。

小林忠雄建設大臣官房審議官

○小林(忠)政府委員 公的宅地開発により措置いたしますものが二万二千ヘクタールでございます。

北側義一公明党

○北側委員 そうしますと、特にこれは全国的な視野に立っての確保量が二万四千ということをおっしゃっておられるわけですから、これが大都市、たとえば住宅建設が一ぱい必要な都会については、確保量も相当少ないのではないかと思うわけなんです。そういう点、先ほどから社会党の議員が言っておられましたが、今回のこのような弱い法案ではたしてこれが確保できるのか。こういう疑問を私は持っておるわけなんです。たとえば、この法案が採決されて実施された場合に、昭和四十七年度で一体どれほどの用地を先買いできるという見通しを持っておられるのですか。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 私たちのいままでの実績によりますと、土地開発公社か——これは法人格でない、いまの民法上の団体としてあります公社でございますが、この公社が買いました土地が、昭和四十五年度の決算では四千五百億。面積にいたしまして一万九千ヘクタール。四十六年度の見込み額が大体七千億。面積にいたしまして二万七千ヘクタール。これはまだ見込み額でございますが、農協の融資その他も、員外制限というものを緩和されておりますし、いろいろな法的な好条件を今回法律の成案によってつけられておりますので、本年度は、私たちはこの法案を通していただきましたなれば、一兆円こえる用地確保、面積にいたしまして四万へクタールをこえるような用地確保を実際地方公共団体が行なうのではなかろうか。このように予定いたしております。

北側義一公明党

○北側委員 いま自治大臣が答えられただけのものができたならば大成功だと思います。正直に申して、この法案では、御存知のとおり、価格の基準が、先ほども論議されておりましたとおり、地価公示法による公示価格になっておりますね。ところが、実際公示価格で買えますかというと、八〇%程度しか公共事業の場合に買っていないのではないかと思います。特に、大都会の用地の必要なところ、そういうところに行けば行くほど公示価格では買えないようになっている。これが実情なんです。過疎地帯だったら買えるでしょうが、用地が必要な過密地帯、特に、都市環境をよくしなければならない市街化区域の、最も必要なところは公示価格では買えない。こういう実態なんです。そこらのところを一体どのように考えておられるのか、伺いたい。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○西村国務大臣 そう疑ってもらっては困るのですが、さいぜんも説明したのですが、昭和四十五年に二千五百億円の金を使って公共用地を取得した。それは建設省もあります。いろいろなところがあります。そのうちの七〇%はこの土地の公示価格でもって買った。あとの二〇%はそれによらなかった。それによらなかったのは、よれなかった理由があるのだ、前から約束しておるとかなんとか、いろいろな理由があったのだという説明を小林君がしたわけなんです。部分的に小さな面積をつかまえれば、あるいは百坪、二百坪の面積をつかまえれば、公示価格よりずっと高いというところがありますけれども、全般の大きい土地については、おおむね公示価格によっておる。こういうことでございまするから、私は、今後も公示価格を基準にして買いたい。しかし、それに応じない方もございましょう。そういうことを政府は申しておるのでございます。

北側義一公明党

○北側委員 公示価格をどうしても基準にするのだったら、そういう上回った利潤をばっちり全部とるというか、何らかの方法を講じなければならないと私は思うのです。そうしなければ、公示価格といったって、実際問題として、現在二千八百十地点ですか。特に、日本の土地は、隣にへんてこな家があったら、とたんに地価はばんと下がるのです。そんなものを、わずか二千八百十地点で百十四万ヘクタールの土地をどうして地価公示価格を基準にしてできるのですか。これはどう答弁をされても、市街化域は百十四万ヘクタールあるのですよ。地価の公示地点は二千八百十地点でしょう。今度四十七年度の調査で四千五百地点になるのでしょう。これは私はちょっと矛盾しておると思うのですよ。矛盾していませんか。どうですか。

小林忠雄建設大臣官房審議官

○小林(忠)政府委員 建設省の計画としましては、昭和四十九年の四月一日には、市街化区域全域百二十万ヘクタールにつきまして、一平方キロ当たり一地点の公示を完了したいと考えております。これは理想の形でございます。現在、四十七年の公示地点は、先ほど御指摘がありましたとおりでございまして、公示地点そのものは少ないわけでございますが、これをおおっております面積は、この百二十万ヘクタールの約半分をおおっております。しかも、重要な地点から順次やっておりますから、東京、大阪、名古屋、さらに五十万都市というように延びております。来年度四十八年度になりますれば、おおう面積が全面積の大体六〇%程度になろうかと考えております。  そこで、現在は、平均大体二・五平方キロないし二・九平方キロに一地点ぐらいでございます。したがって、これを基準として計算いたします場合に、一平方キロ一地点という場合に比して精度はやや落ちるわけでございますが、公共用地の買収をいたしますに際しましては、ただいま大臣から説明がありましたとおり、現に七〇%程度は基準にしているということでございますので、最も重要な地点における公共用地の買収には、かなりの効果をあげているのではないかと考えております。

北側義一公明党

○北側委員 全然効果がないとは言っておらぬですよ。効果がないとは言っておらぬが、七〇%というと、三〇%はやはり地価公示価格以外にやっている。現に、大阪あたりで、事実私が聞いてみましたが、用地買収をするのに公示価格で買えるかと言ったら、買えないほうが多いと言っております。私は現に聞いてきているのです。これはうそじゃない。大阪に行かれたときに、大臣、一ぺん聞いてくださいよ。東京でもおそらく同じじゃないかと思いますよ。それはそれでおいておきましょう。  ところが、この法案では、市街化区域のみが対象になっておるわけです。しかし、私考えますのに、市街化調整区域についても、民間デベロッパーではこれを相当買っております。なぜ市街化区域だけにしたのか。むしろ、先取りという面では、市街化区域に近い、これから市街化区域に繰り込まれるであろうところのそういう調整区域についても対象にすべきではないかという考えを持つのですが、どうでしょうか。

小林忠雄建設大臣官房審議官

○小林(忠)政府委員 現在最も開発が急がれておると申しますか、公共施設の整備を急がれておりますのは市街化区域でございます。しかも、市街化区域が最も土地の値上がりが激しく、将来の取得が非常に困難であるということが予想されておりますし、財源にも限りがございますので、当面は市街化区域に全力を傾注して公共用地の確保をいたしたいと思います。  市街化調整区域につきましては、公共施設の都市計画というようなものも、原則としてはいたさないことにしておりますので、そういう需要も現在のところはあまりないわけでございますし、それから、市街化調整区域に公共機関が団地建設をするというようなことは差し控えるたてまえになっておりますので、今回は市街化区域の中に限ったわけでございます。

北側義一公明党

○北側委員 調整区域に公共投資ができぬことは知っております。しかし、先買いということを考えるならば、やはりそういうことも考えなければいけないのじゃないかと思うのですよ。たとえば、見ておりますと、線引き問題自身がいまちょっとぐらついているような感じじゃないかと思うのです。そういう点から私はいま申し上げておるわけなんです。いまあなたの言われた答弁、それはもうこっちはわかっているのです。建設委員会でしょっちゅういやというほどそんなことは論議しておるのです。だから、この問題はやめておきましょう。  問題は、やはりこういう公有地の拡大というのは、なるほど必要でしょう。しかし、地価問題というのは、これはほんとうはよほどこっちのほうを先に手を打たなければいかぬと思うのですよ。いただきました資料で、地価の価格の推移を見ますと、たとえば六大都市あたりの商業地、住宅地、工業地の指数を平均した価格ですね。これの昭和三十年三月を一〇〇としますと、昭和四十六年三月には価格が一九・六五倍になっておりますね。この表によりますと、昭和四十年あたりが大体ずっと低くなっております。ところが、また昭和四十四年三月からずっと上がっている。対前年比で一五・一%とか、また一七・八%とか、昭和四十六年が一六・一%と、大体一五%以上ですね。結局、投機の対象にするなと言ったって、これだけ上がっておったら、これはどうしたって投機の対象になりますよ。そこらの手をがっちり打たなければいけないのじゃないかと思うのです。たとえば、特に個人が持っている土地を売った場合には、分離課税で税金をかけられます。しかし、法人の場合には総合所得でやられるのですから、片方は赤字で、片方で土地の投機をやれば、間違いなく絶対もうかるのですから、そういう点のバランスをきちんととらぬと、幾らこういう公有地拡大をやってもだめです。これは地価安定にはそう大きな影響がないのかもわかりませんが、しかし、いずれにいたしましてもこういう問題を政府としてどう対処するのかという腹をはっきりきめて、それからいま出ております法案に取り組まなければいけないのじゃないかと思うのですよ。そういう点の考えはどうなんですか。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○西村国務大臣 あなたが言われるように、まさにそうでございます。土地問題は、市街化区域内だけではございません。いままた、ことに問題になっておるのは、金融緩和のためにいろいろ土地を買いあさっておる。ことに過疎地帯で、これから道路をつくるであろう、新幹線が通るであろう、というようなところが買いあさられておるということを聞いております。その場合に、やはりそれは画一的ではございません。真に工場を持っていって分散しようというようなものもあります。しかし、主として観光、レジャーが多いのですが、中には投機的に、買っておけば何とかなるのじゃないかということがないわけではございまん。したがいまして、建設省といたしましては、東京証券取引所第一部上場及び第二部上場の約千三百社に対して、統計報告調整法に基づいて近くアンケートを出す予定であります。どういう実態になっておるかということをつかまなければなりません。  地価は確かに公共事業で少しずつは上がりますが、やはり、どちらかと申しますと、同じ投資でも、民間の投資のほうが地価を上げるわけです。これは公共事業と同じ投資でも、民同投資は、地価くらいのことは、金の問題はありませんから、少しくらい高くても買え、買えということになるのです。しかし、公共事業は、一定のワク内でやらなければならぬという限度がありますから、何とかして公示価格に合わせたいといって苦心をして買っておるのが現状でございます。だから、地価に及ぼす影響は、民間の投資と公共投資とではよほど違うのでございます。  しかし、あなたが言われるように、地価問題は、市街化区域のみではありません。端的に申しまして、いま申しました個人の譲渡所得は別個の分離課税をっておりましたから、法人もやらなければならぬのです。これで私のほうは多少大蔵大臣と意見が違うのです。しかし、先般から、大蔵大臣は、今度税制調査会にはかって、何とか法人に対する譲渡所得の問題は考えようということを言っておりますから、あなたが指摘したとおりでございまして、今後これは政府の大きい問題として取り組まなければならぬ。かように考えておる次第でございます。

北側義一公明党

○北側委員 アンケート調査をやって実態をつかまれたらその実態に即応して、地価が幾らかでも安定できるような方向に行政を持っていくようにひとつ措置していただきたい。この点を特にお願いします。  では、法案の内容についてずっと伺ってまいりたいと思うのですが、この法律案の第四条第一項の届け出によるところの土地を、地方公共団体が第六条の協議に基づいて購入したという場合。こういう場合の売り渡した地主に対する恩典といいましょうか、いわゆる減税措置その他が書いてあるわけですが、これについてはどうなっておるのですか。

皆川迪夫自治大臣官房長

○皆川政府委員 第四条で買い取った場合に、それが、その公共事業の用に供するものとして、一般的に言えば、土地収用の対象になるような事業ということになろうかと思いますが、これについては、従来から千二百万円の控除をしてもらうということになっておったわけでございます。今回措税特別措置法の改正で、その対象を広げてもらうようにいたしました。幼稚園とか、こういうものに広げてもらうようにいたしました。それから、新しくこの法律に関連して設けましたのは、そういう用途がはっきりきまっていないもの、これにつきましては、三百万円の控除をしてもらう。こういうようにいたしております。

北側義一公明党

○北側委員 用途がきまっておらない場合ですね。この土地の購入にあたっては、使用目的ははっきりするわけですか。

皆川迪夫自治大臣官房長

○皆川政府委員 用途がきまっておらないというのはちょっと正確でなかったかと思いますが、事業を確定しておらないという意味でございまして、実際的には将来こういうものに使おうという使用目的はあるわけでございます。それがまだ、たとえば事業の決定とか、あるいはその内示とかというものの段階に至っていないというようなものについて三百万円ということにいたしております。

北側義一公明党

○北側委員 三百万円はわかりました。そこで、この法律によりますと、たとえば、買い取りの目的を示して行なうとあるわけですよね。そうすると、これについて、道路とか、学校用地とか、住宅用地とか、使用目的をはっきり明確に書くのか。それとも、単にばく然と公共事業の用地だといって使用目的を書くのか。どちらなんですか、これは。

小林忠雄建設大臣官房審議官

○小林(忠)政府委員 学校とか、公園とか、目的を明示して買うことになります。

北側義一公明党

○北側委員 これは非常に問題だと思うのですよ。たとえば屎尿処理場なんか、これは目的を言ったとたんに絶対に売らぬですよ。周囲は絶対にそんなもの売ったらいかぬと言いますよ。私だって売ったらいかぬと言いますよ。そうでしょう。また、これは、学校とか、道路建設とか、いろいろな目的によって使うわけですが、はっきりした場合、地価が必ず上がりますよ。間違いなく上がります。それに対して何か対策はあるのですか。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○西村国務大臣 そこがこの法案の非常にいいところなんです。つまり、事業が確定して、いよいよやるぞとなったら上がるのです。そこで、とにかく公共に使う。公共に使うと言っても、ばく然と何に使うかわからなければいかぬから、それで、道路なら道路、河川敷なら河川敷で、これは河川を広げたいよというふうに、事業がまだ決定的に確定していない前に買えば、それほど関心がないわけです。事業が確定したら絶対にあとへ引けませんから、それで非常に無理になる。つまり、事業はまあ予測して、必ずこれは河川敷が通る、道路にもなる、公園にもしなければならぬというように目的がばく然としておって——ばく然としておると言うとまたあなたから悪く言われるかもしれぬけれども、事業決定をしていない前に買うというところがこの法案のみそなんです。そうするとあまりみんな注意をしないのですけれども、事業が確定してのっぴきならぬようになったら、絶対にもとに引けぬから、それは公示価格では買えないということになってくる。とにかく、公共用地に使います、そして、売る場合にはひとつ先に御相談を願えませんかと言っておるわけですから、非常にそこがいいところなんです。どうぞそういうつもりで御了承いただきたいと思います。

北側義一公明党

○北側委員 大臣、わかりましたよ。それはわかりますが、しかし、実際の問題といたしまして、ここに使用目的をはっきり明確にしなければならぬとなっているわけですね。その場合に、使用目的を明確にした場合には、土地の所有者なんて、そんなにぼやぼやとしておらぬですよ。そんなニュースが伝わるのは非常に早いです。とたんに付近の地価が上がってくるということになるのです。それに対する何らかの対策があるのかと聞いたのですが、大臣はそういうふうに言われますが、これは大臣、まだわからないうちに公共事業の分だけすっと安く買えると思っておるのかしらぬが、たとえば学校ができた場合、その周囲をマイホームを建てるために買う人はたいへんですよ。地価が一ぺんにばんとこれで上がっちゃう。使用目的を明確にした場合にはそうならないかという心配を私はしておるのです。

小林忠雄建設大臣官房審議官

○小林(忠)政府委員 この四条の各号のうちで、買う場合に言わなければ何に使うかわからないというのは、四条の一項の第四号の土地でございます。それ以外の土地につきましては、初めから都市計画できまっているわけでございまして、この都市計画は通常十年ないし二十年分の計画をしてございます。したがって、そういう計画ができた場合に、何らかの期待利益なり開発利益というものが土地に及ぶであろうということは想像されるわけてございますが、それは、すベての市街化区域について完全な都市計画をいたしました場合には避けられない問題でございますが、ただ、この場合の先買いの場合には、土地を買いましても、いつ建設するかわからないというわけでありますから、現実にそこに道がつくのは五年先になるのか、十年先になるのかわからない。やはり、その開発利益が顕著に顕在化してまいりますのは、いよいよ事業がきまって、工事が始まるというときに急速に上がるわけでございますので、これに対して、事業着手よりもできるだけ遠い時期において入手するということをねらったわけでございます。

北側義一公明党

○北側委員 次に行きましょう。先ほどの三百万円の租税特別措置による減税なんですが、この三百万円は少ないように私は思うのですよ。三百万円ですと、現在ですと、個人の場合、四十七年、四十八年は、譲渡所得税は一五%ですね。減税される分というのは四十五万円ということです。そうじゃないですか。そうしますと、三百万円で、先買いに対する減税措置としては非常に少ないのじゃないかと私は思うのですが、その点どうですか、大蔵省。

高橋元大蔵省主税局税制第一課長

○高橋説明員 租税特別措置法の今回の改正によりまして、公有地拡大法に基づきます六条一項の「買い取りの協議」に基づきます買い取りにつきまして、三百万円の分は控除になります。その金額が少ないのじゃないかという御指摘でございますけれども、現在、御承知のように、通常の長期譲渡の土地でございますれば百万円特別控除があるわけでございます。それが三百万円ということにかさ上げになっているわけでございまして、法の運用と相まって、私どもとしては、相当の効果があるものと期待しております。

北側義一公明党

○北側委員 市街化区域内の用地というのは、相当額が高いわけですよ。たとえば、相当数の先買いをやった場合に、三百万円について四十五万円というのは、ほんのわずかだと思うのです。それよりも、じっと持っておったほうがよい。さっき申し上げたように、毎年毎年市街化区域内の値が、平均しますと一五%ほど上がるわけです。じっと持っておったほうが得だということなんです。そういう面から見るならば、やはり、これをもっと引き上げるのが妥当ではないかという考えを持っておるのです。なるほど、あなたのほうは、そういう他の税制の問題と比べておられるのでしょう。税制が全部公平かというと、いまの日本の税制はそうじゃないと私は思います。その、公平でないほうをはっきりやらぬといけないと思うのですよ。そういう点で、三百万円はえらく少ないじゃないか。私はそういう意見を持っておるのです。しかし、こう言っても、あなたのほうで変えるとはおそらく絶対言わないでしょう。もっと引き上げましょうとは言わないでしょう。大蔵委員会で、先般ですか、採決された分ですから。しかし、私は少ないように思うのです。やはり、ほんとうに土地の先買いをやるためには、公有地の拡大をはかるためには、減税措置をもっとうんと腹をきめてやらなければできないのじゃないかと私は思うのです。そうしなければ、何も無理して届け出をしなくたって、こっちで売らなければいいのですから。四十五万円ぼっちの減税だったら、じっと一年間持っていたほうがよほど地価は上がるのですから。私はそういう見方をしますね。だから、この法案ではたしてそれだけの、先ほど大臣が言われただけの公有地が確保できるか。そういう点非常に心配しております。

高橋元大蔵省主税局税制第一課長

○高橋説明員 長期譲渡の場合に、百万円の一般の所得控除でございますが、これは、たとえば収用に基づきまして買い取られる場合には千二百万円。これは住宅公団その他がやります特定の土地区画整理事業の用に供するために買い取られる場合には六百万円ということでございますが、これらは、いずれも権利の制限の態様に応じてきまっている。つまり、売り主が自分の意図に反して売るという、権利制限の態様に応じてきまっておるわけでございます。今回、公有地拡大法に基づきます譲渡の場合は、いわば、その地方公共団体が先買い権を持っておる。そういう点に着目をいたしまして、いま申し上げた土地収用の場合、住宅公団の土地区画整事業の場合より弱い制限でございますので、そこで三百万円というランクにしておるわけでございます。

小林忠雄建設大臣官房審議官

○小林(忠)政府委員 建設省としまして、公共用地の取得を容易にするという点から申しますれば、控除は多ければ多いほうが望ましいわけでございますが、しからば、この三百万円で効果がないかと申しますと、収用というような場合のように、本人が売りたくないのを無理に売らすという場合と違いまして、今回の場合は、だれかに売ろうということをきめておるわけでございます。したがって、民間のAからBに売ります場合に、公共団体なり土地開発公社が、届け出に基づきましてこれを同じ値段で買ったといたしますと、民間に売りました場合よりも、控除になる分だけ利益がある。そういう意味で効果があるのじゃないかと思います。

北側義一公明党

○北側委員 全然効果がないとは言っておらぬですよ。効果は幾ぶんあるでしょう。民間に売ったのと同じ値段で、この法律によって地方公共団体に売った。それで三百万円。それは効果がありますよ。しかし、もっと効果を出すためには、もっと上げたらいいんじゃないかと言っておるのですよ。  もう時間がないようですが、たとえば、この第四条の「届出」によって、地主が第六条の「協議」をやって、そうしてこれを売るわけです。また、第五条の「買取り希望の申出」によって土地を手放した場合に、その土地に、かりに借地権者またはその他の権利者がある場合には、これはどうなるのですか。その権利者等はどういう解決方法をなさるのか。

小林忠雄建設大臣官房審議官

○小林(忠)政府委員 そういうものがあります場合には、ある場合にはもちろん届け出の対象にもなりますし、申し出することもできるわけでございますが、現実の協議の場合におきまして、地上権者がおりまして、かりに公共団体がその権限を取得いたしましても、たとえば上に家があって、それが地上権で居すわるというようなことになりますと、公共用地に使用することができませんので、そういう場合には買い取らない場合が多いのではないかと思います。

北側義一公明党

○北側委員 では、もう時間が参ったようですから、まだだいぶん残っておるのですが、あとの方に影響してもいけませんので、これで一応やめさせていただきます。

大野市郎自由民主党

○大野委員長 吉田之久君。

吉田之久民社党

○吉田(之)委員 先ほどから各委員の質問、全く私も同じ考え方の基本に立ちますけれども、特に、今度の法案をめぐりまして、政府が何らかの意味で公有地の取得をさらにスムーズにしたいという努力のほどはわかります。しかし、この法律案ではたしてほんとうに問題が解決するのだろうかという点を考えますと、まことにお寒い感じがするわけでございます。  まず、先ほど建設大臣は、北側委員に対して、この法案はきわめてみそがあって、言うなれば、非常に早い時期に、相手方がいろいろな公共計画に対してまだばく然とした意識しか持っていないときに制限を加えることができるのだというお話でございますけれども、ぼくは、そうは問屋がおろさないというふうな気がするわけなのです。なぜならば、都市計画施設の区域内の土地は別といたしまして、その他の市街化区域内で「道路の区域として決定された区域」、あるいは「都市公園を設置すべき区域」、あるいは「河川予定地として指定された土地」というふうに書かれております。これはたとえば道路の場合、道路法の第七条、八条、あるいは十八条の規定に従って、まず、知事が路線を決定しようとする場合、あらかじめ議会の議決を経なければならない。市町村の場合も同様だと思います。さらに決定公示後、直ちに区域を決定して縦覧に供しなければならない。おそらくこの手続を経た段階で初めてこの法律は発動するというふうに思うわけでございます。そうなりますと、関心深い土地所有者には、計画の実態というものがほぼ熟知された時点において交渉が始まる、あるいは届け出がされなければならない、という規定になってまいります。最近の実例を申しますと、たとえば議会で議決をし、あるいは縦覧に供せられるというふうな状態、あるいは河川の予定地など、工事施行が確実となった日以後において官報で公示されるという時点になってまいりますと、土地所有者は、いよいよおれのところに道路がつきそうだ、あるいは川ができそうだということで、まず、一体自分の土地にもろにかかるのだろうかどうだろうか、それからどのくらいの金で公共団体が買ってくれるのだろうかという点で、非常に神経質な状態にまでなってしまうわけでございます。こういう時点になってしまって、スムーズな、先ばど大臣のおっしゃったような、非常にメリットのある、買う側から言えば非常にじょうずな買い方がはたしてできるだろうかどうだろうかという問題でございます。おそらく、今日の状態では、善良なる土地所有者だけが直接届け出してくるとは思いません。そういう状態になれば、まず、直ちに土地ブローカーがつきまとって、そして、もろもろの交渉が相当せんじ詰また上で届け出をしてくるのではないかというふうに考えられるわけでございまして、この時期の設定は、いま大臣がおっしゃったほどニュアンスのあるものであるかどうかという点で、私たちは非常に疑問を感ずるわけでありますが、いかがですか。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○西村国務大臣 それであるからといいまして、いまのままにしておいても、やはりブローカーが買うのですから、とにかく、ある一定の面積以上を売る場合には、公共団体が公共用地に買いたいからひとつ御相談をしてくださいということでございますから、一つのことで、この法律だけで全部が片づくというものではございません。しかし、とにかく、ある一定の条件が備わったところの土地を売る場合にはひとつ御相談をしてくださいということでありますから、いまのように、手をこまねいていて何もしないよりは、公共用地の取得という点でたいへん効果のあることを私は期待しております。

吉田之久民社党

○吉田(之)委員 若干の効果はもちろんあると思いますけれども、先ほど大臣が言われたように、十年も先の話だろうと思ってのんびりしている間に土地が押えられるのだというふうな感じでこの問題に対処していかれれば、私は、たいへんな感違いが生ずるのではないかという気がするのです。この法律ができれば、そういうのんびりした一つの状態ではなしに、もっともっと早めていこうということが意図なのですから、したがって、今度は、土地所有者のほうも、いままでとは全く感度が違ってまいると思います。そういうような中で問題を分析していかないと、これはたいへん事志と違うという結果になることを、私はまず初めにおそれるわけでございます。  そこで、具体的な問題に入りますけれども、一体、届け出をする場合に、いきなり知事に届けられても、知事としては、実際、そんなにすみやかに全県下あるいは府下の事情を熟知して対応できるとは私は考えません。特に、県議会で議決した路線などは、ほぼはっきりしたことではございましょうけれども、末端市町村がきめておるような事例の場合に、そんなにすぐに電子計算機のように対応できるのかどうかということが心配でございます。そこで、実は、実際の手続として、一応市町村を経由して、そして市町村がある程度の意見書なども付して、その書類を知事に届け出するようにしようとしているのか。あるいは、もういきなりぶっつけ本番に知事に届け出ていくものなのか。まず、その点からお伺いいたします。

小林忠雄建設大臣官房審議官

○小林(忠)政府委員 手続の点でございますが、手続の点につきましては、どこが買い取りの主体になり得るかは、この法律及び政令で予定しておりますところでは、地方公共団体と土地開発公社のほかに、住宅供給公社、地方道路公社等、複数ございますので、知事のところで振り分けをしなければならないわけです。したがって、その振り分けをする知事のところへなるべく早く書類が到達するという必要があるわけであります。しかし、その知事が、出てまいりました場合に、それではどこへ振り分けるかということをそれから聞いて回ったのでは、二週間のうちに結論が出ないと思いますので、やはり、そういう知事部局のほうに、こういう買い取りの主体になり得るところからあらかじめ長期の土地取得の計画を、要望書をとっておいて、出てきた土地によりまして振り分ける。こういうことをしなければ時間的に間に合わないかと思います。市町村を経由するという問題につきましては、確かに、町づくりの一番関心を持っておりますのは市町村でございますし、また、一番事情に通じておるのも市町村だと思いますので、市町村を抜きにすることは、いずれにしろ適当でないと考えますが、市町村を経由いたしますことに手続上いたしますかどうか。これは「主務省令で定めるところにより、」ということになっておりますので、今後の省令の定め方によるわけでございますが、ただいまの考え方といたしましては、すべて市町村を経由いたしますと時間切れになるおそれがございますので、現在行政的に考えておりますところは、県の出先機関にとにかく届け出て、すみやかに県庁へ書類が行くようにする。なお、その際に、県の出先機関から写しを市町村のほうに出しまして、市町村から別途県のほうに意見を出す。こういうことによりまして時間の短縮をはかったらどうかと考えております。

吉田之久民社党

○吉田(之)委員 おそらく、土木事務所というのですか、そういうところへ届け出るということをお考えのようでしょうけれども、しかし、最近、県の出先機関も昔とはずいぶん形が変わってまいりまして、必ずしもそれが親切な方法だとは私は思わないのです。やはり、当該市町村に届け出るというのが行政上最も好ましい、そして、土地所有者にとってもなじみやすい、また、ミスの少ない方法なのではないか、というふうな気がいたします。いま御説明を聞いておりましても、ますますそう思うわけでございますけれど、一体、二週間というわずかな期間の中で、そういう複雑な連絡や振り分けができるのかどうかということでございますね。しかも、その二週間の間に交渉もしなければならないのでしょう。

小林忠雄建設大臣官房審議官

○小林(忠)政府委員 主体をきめますのに二週間、協議が始まりましてから二週間でございますので、合計いたしますと、最大四週間になるわけでございます。

吉田之久民社党

○吉田(之)委員 わかりました。  それで、振り分けにまず二週間ぐらいは当然かかると思うのです。さて、この振り分けの作業ですけれども、ただ市町村だけがその主体になるならば、話はまだ楽でございますけれども、土地開発公社、地方道路公社、地方住宅供給公社あるいは住宅公団——公団というのは、県から見れば、性格がずいぶん別なところにある団体でありますが、そういうものとの連絡がほんとうに二週間ぐらいでとれるのかどうか。出てくる届け出というのは、まさに千変万化の状態の中で、そういう作業にもしも誤りがあったとすれば、あとでたいへんなトラブルの種になると思いますが、一体自信があるのですか。

小林忠雄建設大臣官房審議官

○小林(忠)政府委員 届け出の対象になります土地は、四条の一項の一号から四号までございますが、このうち第一号から第三号までは、大体どこがやるかということはもう事前に決定しているのが通常であろうかと思いますので、こういうような用地につきましては、大体自動的に振り分けが可能かと思います。問題は、第四号の、あらかじめ計画がきまっておらない面積が二千平方メートル以上の土地であろうかと思いますが、こういうようなまとまった土地需要につきましては、各団体で非常にたくさんの計画があろうとは考えられないわけでございますので、先ほど申しましたように、各事業主体から、どの辺にどういうような土地需要が長期的に見て必要かというようなことを、あらかじめ県のほうでとっておきまして、県の判断でこれを振り分けるということにいたしますれば、二週間で十分振り分けができるのではないかと考えております。

吉田之久民社党

○吉田(之)委員 やはり、非常にデスクプランでお考えになっているような気がいたします。二週間で、たとえば二千平米以上の土地ですね。きわめてばく然とした使用対象でありますが、それをすぐに明確な回答が各機関からとれるかどうか。やはり、反応、返事がなければ、知事のほうで無理やりにあてがうというわけにはいかないでしょう。これはおまえのところでどうしても買わなければならぬものだという強制命令はできないと思うわけでございまして、私は、その点で、この二週間の設定というものが、先ほど申しましたようなルートの経由から考えましてもたいへん心配でございますが、さらに心配なのは、さて二週間で協議がととのうかどうかという問題でございます。大体、大事な土地を売る場合には、たいていの場合親族会議を開いております。あるいは、他所に出ている兄弟等とも連絡をとらなければ、あとで家でたいへんな問題になるというのが今日の社会常識であり、通念でございます。また、価格というものは、ずばり一回や二回で、じゃそれで売りましょうというように簡単にいくものではございません。売るほうは少しでも高く売ろうとするし、買うほうはできるだけ安く買おうとするし、だから、普通の土地売買というものは、まず三カ月から半年ぐらい、もう足にまめができるほど歩き重ねて、ようやく情にほだされて話がまとまるというのが私たちの知っているこの問題での常識でございます。二週間で協議がまとまるかどうか、そういうおざなりな協議のしかたで土地がほんとうに取得できるかどうかという点では、どこまで本気にお考えになっているのか、たいへん私たちは心配をいたしますが、いかがでございますか。

小林忠雄建設大臣官房審議官

○小林(忠)政府委員 なるほど、公共側からいたしますれば、協議の期間が長ければ長いほど有利でございますが、反面、土地所有者側からいたしますと、この届け出制は、ある人に売ろうという話がすでにかなり煮詰まって、売買契約の直前に届け出るわけでございますので、これを長い期間不安定な状態で押えておくということは、取引の安全を著しく阻害するというおそれもございますので、あまりに長期になることは望ましくない。しからば、どのぐらいならば適当であろうかという目安でございますが、都市計画法の先買い権の行使は三十日を限度としております。そこで、この法律は、都市計画法の先買い権より弱い制度でございますので、相対として、売買を停止する期間が、都市計画法の三十日を上回ることは望ましくないであろう。しかし、都市計画法の場合には、先買い権の行使は一回の手続で済むわけでございますが、この法律によりますと、まず事業主体をきめること、それから協議に入ること、こういう二段階になりますために、協議の期間がきわめて短くなるという結果になるわけでございます。しかし、権利を制限されるほうから申しますれば、都市計画法の場合であろうと、今回であろうと、期間は同じでございますので、これ以上長くすることは適当でないというように考えております。  そこで、二週間ではたして協議がととのうかどうかという点につきましては、確かに、御指摘のような問題があるわけでございます。最近、公共用地の取得に非常に難航いたしまして時間がかかるのは御承知のとおりでございますが、それは、まずその事業の計画そのものについていろいろ問題がありまして、それに時間がかかる。それから、それを納得をいたしますと、次に、今度は、売るか売らないかということの決心をするのに時間がかかる。売ると決心した以上、今度は、次に、できるだけ高く売ろうというので、金額の点で問題になる。そういうことで時間がかかっているわけであります。  今回の先買いの協議につきましては、本人は、これを売るということはすでに決心をしているわけでございますし、幾らで売るかということも決心して届けておりますので、その金額と著しくかけ離れない、あるいはそれよりも上回る金額で公共が買う、さらにそれについて税法上の特典もある、というような条件が整いますれば、通常の用地買収のような長い期間は要しない。要するに、公共に売るか、もとどおりの契約をする人に売ろうか、その相手方の選択だけが問題になる。したがって、土地所有者側の決心につきましても、一から、手放すか手放さないか、幾らにするかというふうな決心の問題はないのではないか。ただ、買い手をどちらにするかという選択だけが残されておりますので、二週間で十分とは思いませんけれども、必要最小限度の期間としては、まあ何とかいけるのではないかと考えております。

吉田之久民社党

○吉田(之)委員 皆さんのような神さまのような人ばかりだったら、そういう考え方のすなおな人たちばかりだったら、こういう法律は要らないと思うのです。しかし、問題はもっと複雑であり、そして深刻な問題なんです。売ると決心して届け出るというような人はまことに奇特な人であって、まず、公有地には売ってやらないぞ、おれはもっと高いほうに売るのだ、しかし、届け出ておかなければ罰金を取られるから、あとがめんどうだから一応届け出るのだというような人たちが一ぱい出てくるのじゃないか。いやしくも、こちらは公の団体でありまして、先ほどから問題になっておりますが、あとでお尋ねしたいと思いますけれども、いわゆる地価公示法という一つの制限を持っておって、そして、それに縛られながらお役人が買いに行く。お役人ないしはそれに準ずる人たちの仕事でございまして、土地ブローカーが周辺にまつわりついて、いろいろそそのかしている状態の中で、あなた方がお考えのような、そんなに安易なすなおな状態で、どうか土地をお買い取りくださいと申告してくるというようなことは全く期待できないと私は思うのです。都市計画法の先買い権が三十日だから、それより少しは短かくしておかなければならないという発想も、いかにもお役所仕事でございます。また、二段階であるからとおっしゃいますけれども、市のほうの届け出は別のことと考えれば、全く一段階でありまして、その点、せっかく法律をつくる以上は、何とかそれで目的を達するような手法にしておかないと、全く、ただ法律をつくり、文字を連ねたにすぎないのではないか、気休めに法律をつくったにすぎないのではないかというふうな気がしてならないのでございます。これは、一度実施に移されれば、後日実施に当たって、いろいろな教訓の中から早急に再検討されるべき一つの問題点だろうというふうな感じがいたしますので、いまから指摘をいたしておきたいと思います。  同時に、せっかく交渉がほぼ煮詰まっても、二週間の期限切れが来るというような状態がままあると思われます。そのときに、何か引き続き協議というような方法がとれないのかどうか。話が一〇〇%まとまらなければ二週間で切れてしまう、あとは一年間は全部持ち主のフリーハンドになってしまうというふうなことでいいのだろうかという感じがするわけですが、どうでしょうか。

小林忠雄建設大臣官房審議官

○小林(忠)政府委員 協議期間の二週間と申しますのは、第八条によります譲渡の制限をかける期間が二週間ということになっておりますので、協議は二週間をこえましても、もちろん継続することができますし、二週間をこえまして成立いたしました協議も、この法律による協議ということになろうかと思います。もしもそういうことでないといたしますと、十五日目に売ったということになると税法の適用がないというふうなことも非常におかしなことになりますので、協議そのものが引き続き行なわれます場合には、通常の常識的な長さでありますれば、もちろんこの法律の協議として有効であると考えております。ここで二週間と申しますのは、譲渡制限でございますから、公共から話がございまして、どうしても公共に売りたくないという場合には、二週間経過した後には、当初届けましたほうに行ってしまうということはございますけれども、市から口がかかった、さて、どちらにしようかというように、本人が多少判断に迷って時間がかかります場合には、おそらく、もとのほうの契約も決心がつくまでは成立しないと思いますので、法律上の譲渡制限は二週間でございますけれども、協議そのものは、それをこえてももちろん有効であろうと考えます。

吉田之久民社党

○吉田(之)委員 それじゃ、二週間以降協議が継続中であれば、半年かかっても、一年かかっても、三年かかってもいいのですか。また、協議が継続するであろうという判断はだれが下すのですか。

小林忠雄建設大臣官房審議官

○小林(忠)政府委員 これは、おのずから常識の問題になろうかと思いますけれども、話が引き続き継続をし、交渉が継続している。そうして、結局協議がもうととのわないということが明らかになって、はっきり断るとか、あるいは第三者に売るということがはっきりいたしまして、それではこれでこの話はなかったことにしようというところまでは、通常、協議が続いていると考えていいのではないかと考えます。

吉田之久民社党

○吉田(之)委員 両大臣お聞きのとおり、その辺のところが、実際に実地当たってみたら、非常にあいまいな点が一ぱい出てくると思うのです。だから、この一間というところにもともと無理がありはしないか、もう少し幅を広げて、少なくとも一カ月とか二カ月ぐらいは交渉させてやろうというぐらいの間を置かなければ、実際問題としては解決しないと私は思う。もちろん、早く解決するケースもあるでしょうけれども、土地の売買交渉というものは相当めんどうなことで、この辺にもしも皆さん方の考え方の甘さがあればたいへんだと思いまして、特に申し添えておくわけでございます。  次に、使用目的でございますけれども、先ほど北側委員もお聞きになっておりましたけれども、私は、特にこの辺はむずかしい問題だと思います。もしも、道路に使うと言っておきながら、他の目的に使った場合、あるいは、公園に使うと言っておきながら、結果的には、いろいろと公共団体あるいは各団体が手続を経た結果ではありましょうけれども、別のものに使ってしまったという場合、今度は、売ったほうから異議の申し立てあるいは法廷闘争に持ち込むというふうなことも当然あり得るのではないかという気が私はいたします。そういうことについては、どこまでお考えになっておりますか。

小林忠雄建設大臣官房審議官

○小林(忠)政府委員 先買いをいたします際には、使用目的を示して協議に入るわけてございます。したがって、通常は、その示した目的に使われるのが大部分であろうかと思いますが、法律的に申しますと、この法律案の第九条第一項に規定してありますように、第四条の届け出によって買取りました土地につきましては、一号、二号、三号というように限定をいたしました用途以外には使ってはいかぬということになっております。したがって、かりに、ただいま御指摘のように、学校用地にするということで買いましたが、五年なり十年なり時間が経過した後に情勢が変わって、学校用地に使うことをやめたという場合におきましては、この九条の各号にございますように、他の公共の用に供する、たとえば公園の用地にするとかいうことは、法律的には可能でございます。  その場合のトラブルの問題でございますが、土地収用法におきまして、収用の裁決にかかる土地について、これが十年以内に不要になりました場合には、もとの土地所有者に買い戻し権があるわけでございますが、その場合に、他の公共の用に供した場合に、不要になったのかならないのかということは、土地収用法の旧法時代からいろいろ問題がございまして、現行収用法では、他の著しく違った目的に供した場合には買い戻し権が発動するということに大体解釈がなっております。しかし、この法律のしかけは、御承知のように、強制的に取得したものでございませんので、何らかの公共目的に使う限りにおいては差しつかえないんではないかと思います。ただ、問題は、公共目的に使わないで、いかなる公共目的にも使いようがないので、それでは何か処分をしようというような場合にはどうするかということでございますが、この場合には、地方自治法等の規定によりまして、特別の縁故のあるというようなことから、元の所有者に処分をするというのが行政上は妥当なことかと思います。

吉田之久民社党

○吉田(之)委員 ちょっとさっきのことに関係して、話は戻りますが、引き続き協議をした場合、そして、協議が不調に終わったその日から一年間はフリーハンドになるわけですね。だから、その日のきめ方というのはどういう手続できめるのか。この辺もよほどはっきり設定しておかないとあとでもめることになると思います。  それから、一年間たって依然として他に譲渡されない場合、あらためてまた向こうは届け出をしなければならない。そうすると、またいまのようなことから始めなければならない。この辺のところが非常に微妙でありまして、まず、いつ期間が切れたのかどうかということをはっきりしておかないと、おまえは届け出なかったじゃないかということで、罰則、罰金をかける。いや、事情はそれとは違ったというようなことがまま起こり得ると思いますので、よほど慎重にやっていただきたい。  それから、実は、私の近所、奈良県の橿原市で、前の市長さんですが、屎尿処理場をどうしてもつくらなければならないということになって、普通ではとても用地は取得できませんので、そこで、ある建設会社に意を通じて、その建設会社が、まず材料置き場として土地をまとめて買った。今度は、そのまとめて買われた土地を市が屎尿処理場に買おうとした。このことが発覚して、住民はとても憤慨いたしました。それから大事件に発展したというようなことがございます。一番むずかしいのは、公園や学校でなくて、屎尿処理場です。この場合、目的を書かなければおかしいし、書いたのでは話しにならないし、というような事態が全国で一ぱい出てくると思うのです。その辺については、この法律ではどのようにじょうずにやっていこうと考えておるのか。お考えがあったとするならばお聞かせいただきたい。

小林忠雄建設大臣官房審議官

○小林(忠)政府委員 公共団体が公共的な事業をするわけでございますから、あまり術策を弄するようなことを法律で予定するわけにはまいりませんけれども、そういうような実際の運用につきましては、市町村長さんの行政的な腕と申しますか、政治的な手腕の問題でございますので、法律的に別の名目で買っておいて転用するというようなことを予想をしてはおりません。しかしながら、それじゃ、そういうことが全く法律的に違法であるかと申しますれば、買いました土地について、九条の各号に掲げてありますような公共目的でございますれば、それを転用いたしましても、政治的、行政的ないろいろな問題はあるかもしれませんけれども、法律的には違法ではないと思います。

吉田之久民社党

○吉田(之)委員 一番住民が気にしますのは、やっぱり屎尿処理場などです。そこで、いまのような御答弁だと、ひょっとすると転用されるかもしれない。そういうことが一般に懸念として広がってしまいましたら、うっかり話には乗れないぞ、学校だとか、何だとか言うけれども、ほんとうは何になるかしれないぞということになり、そうすると、この法律というものには全部そっぽを向いてしまう。あるいは、よしんば地主が売ろうとしても、周辺の人たちが疑心暗鬼で承知をしなくなるということになると思いますよ。

小林忠雄建設大臣官房審議官

○小林(忠)政府委員 屎尿処理場の問題でございましたけれども、実は、建築基準法等によりますと、じんあい処理場とか、火葬場とか、こういう周辺の環境に非常に影響がありますものにつきましては、都市計画できめろということになっておりますので、やはり、住民の総意で、どうしても要るものは、それぞれの法律手続をとって一応確定していくということを法律は予想しているわけでございます。

吉田之久民社党

○吉田(之)委員 次に、地価公示価格との問題でございますけれども、実は、現在ほぼ二千八百地点、それから、四十九年度には一万二千地点という計画のようでございますが、さっきもお話が出ておりましたように、わが国の市街化区域は百十四万ヘクタールでございますから、まず百ヘクタールに一地点というようなことになります。これでは気休めに点を打っただけであって、実際はとても効果を発揮しないであろうと思う。特に、公有地拡大法案というものができてくるとするならば、これと不可分の関係に立つ地価公示の推進というものも、よほど思い切って推めなければならないのではないかという感じがいたします。ちなみに一万二千カ所と申しましても、たとえば奈良県とか、鳥取県とか、島根県とかの、いわゆる小さい県でありましたら、百カ所ないし百二、三十カ所になります。もちろん、市街化区域を中心にして問題は進めなければなりませんけれども、いわば、昔の田町村に一カ所か二カ所くらいしか点が打てないということでございます。実際は、これはもう実用に供しがたいのではないかという感じすらするわけでございます。  さて、こういう地価公示の価格というものをさらに広めなければ仕事はできないし、一体どういうふうにすればいいのだろうか。私の一つの考えでは、政府としてはある程度既定方針以上にこれを促進していくと同時に、いわゆる市町村みずからが、国が打った公示価格の地点を基準にして、準公示価格というようなものでも定めていくということによって、ずいぶんいろいろと効果を発揮することができるのではないだろうかというふうな気がするわけなのですが、いかがでございますか。

小林忠雄建設大臣官房審議官

○小林(忠)政府委員 一平方キロメートルに一カ所と申しますのは、評価の技術から申しまして、これだけの三角点があればその地域内の土地の評価は正確にこれを基準としてできるという密度でございます。一筆、一筆の土地について公的な評価を正確にやっていくという問題になりますと、これは、地価公示ではおそらく不可能であろうと思います。昭和四十五年の八月に行なわれました地価対策閣僚協議会の決定事項によりますと、将来の問題といたしまして固定資産税、都市計画税等の保有課税の評価及び相続税等の評価。こういうような公約な評価を地価公示にリンクいたしまして、地価公示の地点を三角点として、一筆、一筆の価格を税の評価として固定をする。いま先生が御提案になりましたのと同じようなことを税の評価で結びつけていく。こういう方向に進んでいくということが大体きまっております。

吉田之久民社党

○吉田(之)委員 固定資産税や相続税の評価等に公示価格を利用するというのは、地価安定上、あるいは抑制上、非常に効果があろと思うのです。しかし、あなた方がお考えのように、そんなに三角点をとって、算術計算で地価がきまるかというと、そんなものではございませんので、その辺相当腹をくくってやらなければならないのではないか。同時に、公示価格を上回る売買に対しては、その差益に対して相当高率の税金をかけるようにしないと、実は、ただ数字をきめたというだけに終わってしまうと私は思います。そうでもしなければ、土地を買い受ける場合に、先ほど来心配いたしておりますように、値段なんというものはとても折り合わないと思うのです。私は、今日まで地方公共団体が取得した土地の価格、それは、現にしかれている地価公示価格をはみ出したものがほぼ二〇%もあるということを聞いております。あるいはまた、東京や大阪では、ほぼこの基準は守られておるけれども、その他の場所ではそうはいかないという説明も聞いております。また、さきに工業再配置促進法に関係していろいろお聞きをいたしましたところでも、とてもその価格では買えませんということを政府側が答弁をしておられます。一体、この地価公示価格というものをどう権威づけていくかという点で、ひとつ強い方針をお持ちにならなければならないと思いますが、建設大臣、いかがですか。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○西村国務大臣 地価公示ですが、これはまだ全部完成をしていないものですから、いまのところ中途はんぱですが、これは一応全部完成しますと、地価公示制度を活用しなければいかぬ。大いに活用しなければ意味がないということになります。その活用のしかたですが、この公示価格よりもよほど高い価格で売った場合には、高額所得の税でもって対処するというようなことは一つの検討課題でございます。したがいまして、そういうふうなつもりでやっていっております。  それからもう一つ、その公示価格は何の役もしていないじゃないかというようなことを言われておりますが、私は、相当に役をしておると思うのです。たとえば、大きい土地を買う場合は、どうしても、むやみやたらに法人でも買うわけではございません。やはり鑑定士に見てもらいましてやるのですから、鑑定士自身も、こういう公示価格というような制度ができましてから相当に自覚をしてやっておりますから、そのおのずからなる活用はできておろうと私は思っております。しかし、全部がそうじゃありませんので、これが完成したらこの制度の活用をやる。それにはやはり、高額でもって所得を得た者には税で対処する。これは十分検討に値するので、やりたいと私は思っておりますが、これは大蔵省等とも相談をし、また、税制調査会等々の研究課題になるべき問題と思っておりますが、活用していくことを私どもは十分考えております。

吉田之久民社党

○吉田(之)委員 大臣、ひとつ早急に各省と連絡をとって、何かその辺のきめ手というものを編み出していかないと、結局は絵にかいたもちに終わってしまう。そして、用地取得の困難さ、あるいは用地費の累増というものがとどまるところを知らない状態になるのではないかという点を案ずるわけでございます。  さて、今度は、土地を買うにしても、まず金が要るわけですけれども、一体、公営企業金融公庫の資金能力というものは現在どのくらいあって、将来どのくらいにふくらましていこうとなさるのか。まずその辺から伺います。

森岡敞自治大臣官房参事官

○森岡政府委員 昭和四十七年度の公営企業金融公庫の貸し付けワクは、全体で千五百五十億円を予定いたしております。この中で、地方公共団体に貸し付けを予定しておりますものは千四百九十億円、それからこの土地開発公社、別途公営企業金融公庫法の改正によりまして、地方道路公社も融資を受けるので、それと合わせまして、いわば公社向け融資というものは六十億円と予定されております。  なお、将来の公庫の貸し付けワクの拡大につきましては、地方公共団体が行ないます公営企業及び土地開発公社と地方道路公社の業務量の推移を十分見定めなければいけないわけでございますが、いずれにいたしましても、公営企業なり公社の行ないます事業は、地域住民の生活の利便を増進するために直接必要な施設でございますが、相当な拡大を見るものと思っております。それに対応するようにできるだけ努力してまいりたい。かように考えております。

吉田之久民社党

○吉田(之)委員 時間がなくなってきましたので先を急ぎますけれども、相当政府の財投を強化しながら、いま申されましたような事情のようでございますので、ひとつ、十分それに対応でき得る能力を付与していかなければならない。  それからいま一つは、農協の資金の活用というのは非常にいいアイデアだと思いますけれども、最近、農民の中には、せっかくの農民の金が農民のために使われないで、いわゆるメンバー以外の人たち、組合員以外の人たちにどんどん貸し出されているという不満がございます。そういう点で、本来の趣旨を農協が逸脱したりはしないかという点がございます。この点もひとつよく配慮してやっていただきたいと思います。  ついでにお聞きいたしますけれども、自治省は、昭和四十五年度から昭和五十五年までの間に百十兆円の公共投資が必要であろう。それの二割が用地費だと見て、二十二兆円になるだろう。したがって、毎年二兆円の資金が必要であるというふうに算定をされております。しかも、一方、昭和四十七年から五十一年までに三十三万ヘクタールを確保すべきであろう。これは毎年六万ヘクタールになる。こういう資料も出されております。それとこれと突き合わせますと、一体坪当たりどれくらいで買えると思っていらっしゃるのか。一万円くらいの想像でございますか。どうなりますか。

立田清士自治大臣官房参事官

○立田政府委員 ただいま御指摘のとおり、昭和四十七年から五十一年までの五カ年間の地方団体の土地の需要予測を、地方団体のほうの調査によりまして集計いたしましたのが、先はどお話しの三十三万ヘクタール、こういうことになります。したがいまして、この面積自体、それから金額的に約十一兆円というのも、いずれも地方団体のほうで、昨年の時点で、五カ年分を見通しました数字になっておるわけでございます。それを単純にいまの面積で金額を割りますと、ヘクタール当たり三千三百万円ということになります。したがいまして、いまの御質問の一平米あたりでいきますと三千三百万円になりますので、坪当たりになりますと約一万一ということになります。

吉田之久民社党

○吉田(之)委員 私も、大体そのくらいの計算になると思うのです。これは自治大臣御承知のとおり、市街化区域でいろいろとこれから公共用地を取得していく場合に、道路も、河川も、公園も、突っ込みで平均坪一万円というのは、とても無理な相談だと思います。事ほどさように、この計画というものは、まだ実態とは十分にかみ合っていないのではないかという感じがするわけでありまして、ひとつ、今後の検討に大いにゆだねたいと思います。  最後に、この法案ができましたら、当然沖繩に適用されなければならない。沖繩は、二十数年間にわたって全く取り残されてきたという大きなハンディをになっている場所であるだけに、レベルアップのために政府はあらゆる力を注がなければならない。その上にこの法案を生かしていかなければならないということでございますから、この公有地拡大法案を沖繩にどう投影さしていくかという点は非常に重大な問題だと思うわけでございます。特に、沖繩県に対してのこの法案の活用についての考えと、政府が積極的に資金を用意する決意についてお聞かせいただきたいと思います。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 沖繩に対する公有地の確保ということが必要であるということは、いま吉田委員御指摘のとおりでございます。私たちも、現在、実際公有地として使用しておりながら、これを公共団体が持っていない、民間の所有であるというような土地が多数にございますので、これらを、調査が進むに従いまして公有地に切りかえていきますよう、そして、これは、この法案でおもにねらっておりますところの公社でなくして、市町村そのもの、地方公共団体そのものに起債のワクをつけまして、買い取りを進めますように、計画的に解消していくようにもはかっておるような次第でございますので、その上にこの法案を有効に利用していただくことによりまして、現在の沖繩の公有地の拡大の推進に当たらなければならない。このように考えておる次第でございます。

吉田之久民社党

○吉田(之)委員 いろいろ御質問いたしましたが、両大臣に申し上げておきます。  総括的に見て、この法案というものは非常に微温的だと思います。この種の内答では、ほんとうに所期の目的を達することができないという点を、私たちはたいへん心配いたします。少なくとも、今日の差し迫った状態の中でこうした法案をつくる場合には、国民の側がぎくっとするくらいの内容のものであって、初めて効果を発揮するのではないかというふうに考えますので、今後実施の中でさらに最大の検討をわずらわしたいということを申し添えまして、私の質問を終わります。

大野市郎自由民主党

○大野委員長 浦井洋君。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 もう、他の委員からいろいろ質問がありましたので、私、重複を避けて、少し違った角度から質問をしたいと思うのですが、この公有地の拡大の推進に関する法律案は、公共用地の取得が非常に困難になってきておるから、それを打開するために出されたというふうに思うわけですが、私も、特に、市街化区域内の土地の先買い制度というものは必要だと思うわけです。しかし、先ほどお話がありましたように、非常に微温的であるといいますか、この程度のやり方ではたして公有地が拡大できるものかどうか、効力がどれくらいあるものかという点が、これを検討すればするほどはなはだ疑問になってくるわけなんです。そこで、先買い制度の問題を取り上げて建設省にひとつお尋ねをしたいのですが、四十四年でしたか、新都市計画法ができまして、その中で、先買い制度の一つの種類が一応実施をされたわけなんですが、そのときから現在までの実績ですね。どの程度できたのか。その新都計法の実績をまず最初に教えていただきたいと思います。

大塩洋一郎建設省都市局参事官

○大塩説明員 先買い権に関しまして、都市計画法五十七条の規定に基づきまして先買いをいたしました件数は、現在までのところ一件でございます。五十七条と申しますのは、都市計画決定をいたしました上に、さらに建築の全面禁止をかける地域でございます。あるいは、再開発の事業の決定をしたところでございます。それから六十七条、つまり、事業の認可のあった後における先買い権の件数は六件でございます。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 買い取り請求のあった件数というのはわかりますか。かなりあったというふうに聞いているのですが、わかりますか。

大塩洋一郎建設省都市局参事官

○大塩説明員 いま、件数をさだかにしておりませんが、大都市及びその周辺の地域におきまして、買い取り請求の規定を使いまして請求のあった件数はかなりございます。そのおもな中身は、公園用地が圧倒的に多うございます。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 五十七条で一件、六十七条で六件。請求はかなりあるといりお話なんですが、都市計画法に基づく制度と公有地の拡大法による制度というのは、性格も違いますし、対象も違うだろうというふうに思うわけなんですが、いずれにしても、公共用地の先行取得というものはいかにむずかしいものであるかということをその数字は示しておるだろうというふうに私は思うわけなんです。  そこで、この法案を見てまいりますと、先買い制度の適用を受けた土地を提供する側にしてみると、税制の措置という点で利点があるということで、だから、土地所有者というのは、この制度に乗って売ったほうが得なのか、売って減税をされたほうが得なのか、それとも、関係のない第三者に売って、それ相当の税金を払って所得を得たほうが得なのかという点で判断をせざるを得ないのではないかというふうに思うわけなんです。それと、まだほかにもいろいろ抜け道が検討するとあるようでございます。たとえば、例の二千平米、これを分筆すれば一応適用から除外をされる、あるいは、協議がととのわなければ、これもあとは非常に不分明だというようなことで、そのほかにもいろいろのがれる方法があるわけなんで、これでは、一番初めに私が申し上げたように、はたして公有地の拡大になるのかどうか。その辺が非常に疑わしい。この法が成立しても有名無実になりはせぬだろうかというような感じさえも持つわけなんでありますが、その辺、建設大臣の御意見をお聞かせ願いたい。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○西村国務大臣 さいぜんも申しましたように、ちょっとゆるいところがあるわけでございます。しかし、一歩前進であろうと思っております。きつい法律は幾らでも出せる。幾らでも出せますけれども、そうしたらあなた方は反対するので、そこがなかなかむずかしいのです。そこで、結局中くらいな案でいかないといけない。土地収用法でもって取り上げるというようなことを一般の土地にかぶせて、事業はきまらないのに取り上げていこうというようなことはちょっとできない。それから、本人の自由意思を尊重して、あくまで協議して、少しでも公有地をふやしたいというのですから、あなたがおっしゃいますように少しなまぬるいというようなところはあります。しかし、これでごまかすというようなのはそうたくさんはないのじゃないか。やはり正当にやってもらえる。かように考えておる。広い土地を幾らでもこまかく区切ってやるというようなことは、数はそう多くあるわけではないと思います。中にはそういう人もあるかもしれませんけれども、ひとつ、この法律に期待して公有地をふやしたいということでございます。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 建設大臣はときどきおもしろいことを言われるわけですが、現在地価が非常に高騰しておる原因というのは、よく言われておるように、勤労者が家を建てたいために土地を買いあさる。それに対応して近郊の農民が土地を売り惜しみをするという面もあるだろうと思うのですけれども、それはあくまでも従だというふうに思うわけなんです。すでにいろいろなデータが出ておりますように、大不動産業——そこに、銀行であるとか、私鉄であるとか、いろいろな他の業種が進出をしてきておりますけれども、そういうところが、最近よく騒がれておりますように、膨大な土地の賀い占めをやって、そして、その値上がりを見ながらぼちぼちと宅造をやったりして売り払い、利潤をあげておる。こういうことが地価の高騰のおもなる原因だろうというふうに私は思うわけなんです。そういうことで見ますと、この法律の第四条の二項の四号ですか、「都市計画法第二十九条の許可を受けた開発行為に係る開発区域に含まれるものであるとき。」ということで、大不動産業といいますか、そういうものか少しじょうずに立ち回りますと、この先買い制度の対象外になるということになるわけなんですが、こういうところからも一つ大きなかご抜けの証拠があるというふうに思うわけなんです。だから、こういうような地価高騰の一番の元締めを規制することなしにこういう法律をつくってみても、つくらないよりはましだと思うのですが、決して地価は抑えられないだろうし、公有地の拡大も、建設大臣が考えておられるほどそれが推進されるというふうには私は思わぬわけなんです。だから、そういう点で、私が先ほど言ったような大きな不動産業に対する規制を一体どのようにされるのか。それを中心としたもっときびしい規制をどのようにされるのか。その辺のことをひとつ建設大臣にお聞きをしたいと思うのですが、どうですか。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○西村国務大臣 法人がかなり土地を持っておる。しかも、それを投機の対象にしておるというようなことをよく聞きますので、実際その実情を調査したいと思っておるわけでございます。法人の土地を調査するということはなかなかむずかしい問題でございます。しかし、先般も申しましたまうに、今回もやはり金融が多少ゆるんでおりますから、ますます法人が土地を買っておるというようなこともありますから、私のほうでもって、第一部、第二部の上場会社約千三百社に対して調べをしようということでスタートしているわけです。実情を把握していなけれれならぬ。部分的にはわかっておりますけれども、全般的にどういう姿になっておるのかということをちゃんとつかまなければ自信のある対策はできないわけでございますから、十分その調査をしたいということで、近く、アンケートの方法をとり、そのアンケートに基づいて調査をしっかりつかんだら、また、この問題についてどう対処するかということを考えたいのでございまして、せっかく検討中でございます。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 おそいわけですね。そういうことは前から重々知っておられるし、予測もされておるのに、いまから調査をし、わかれば何らかの措置をしたいということでは、先ほどの表現ではないですけれども、非常に微温的だというように思うわけなんです。私、期待をせずに待っておりますけれども、ぜひがんばっていただきたいというふうに思います。  そこで、先買い制度の問題についてはそれくらいにしまして、開発公社の問題に移りたいと思います。  その前に、自治大臣に総括的な御意見をお伺いしたいのですが、東京とか大阪というようなところの周辺の衛星都市ですね。現在、団地の開発について、いろいろな形での拒絶反応が出ておるというように私は承知しておるわけですが、これは関連公共公益施設の問題もありますし、これ以上団地を自分のところに建てると地方財政がパンクしてしまうということで、地方自治体のほうから見ますと、まことに無理からぬことだというように私は思うわけです。  だから、結論を申し上げますと、渡海大臣が自治大臣をやっておられる間に、それこそ清水の舞台から飛びおりるよりなつもりで、こういうことに対して、いままで以上にもっと強力な財政的な措置を自治体に対してとっていただきたいと私は思うわけです、それをやらなければ、こういう先買い制度をつくってみてもどうにもならないのではないか。具体的に申し上げますと、関連公共公益施設に関しては、なるほどこの制度を活用しようということで飛びつくかもしれません。しかし、事住宅団地に関しては、自治体としてはあまり飛びつきたがらないのではないか。魅力がないのではないかという気がするわけですが、その辺の問題について、自治大臣の決意と、それから、具体的な施策を考えておられることがございましたら、それを示していだたきたい思います。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 人口急増地域の財政の問題でございますが、いま御指摘になられましたような状態でございますので、自治省といたしましては、最小必要限度の公共施設にしぼりまして、ぜひとも財政的な援助をやりたいというところから、四十七年度の予算編成に際しまして、関係各省の協力を得まして、あるいは教育施設、あるいは清掃施設、それらの施設に対します補助率の引き上げ等を要求していただいた。その中には、たとえば小学校の校舎建築とか、あるいは、四十六年度から始まりました一番必要な義務教育の校地の取得とか、これらを二十億から五十二億ですかの金額に引き上げるというふうなことや、あるいは、都市公園の対象を拡大するとともに補助率を改善する。屎尿清掃施設に対しましても補助単価を三倍に上げる。部分的には改善を加えていただいたのが本年度の予算でございますが、残念ながら、私たちが期待しておりましたような全面的な結果をあげることができず、したがいまして、総合的な立法ということを見合わせたような次第でございます。しかし、この問題は急務でございますので、ぜひとも四十八年度には総合的な立法ができますように、引き続いて現在努力もいたしておりますし、四十八年度の予算編成におきましては、少なくとも法制化できますところまで持っていきたい。このように努力いたしたいと考えておる次第でございます。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 ひとつ、来年度は全面的な成果をあげていただくように自治大臣にがんばっていただくことを要望したいと思うのです。  そこで、開発公社の問題なんですが、数は省略いたしますが、非常にたくさんある。本来自治体が行なうべき仕事を、いろいろな理由、主として財政的な理由からこの公社がやっておるんだろうと思うのですが、いままでは私法人であった。そこで、今度はそれを公法人にして、いわば庶子の認知をやるみたいなかっこうになるだろうと思うのですが、それでもなおかつ公社の場合は、機構であるとか、運営であるとか、あるいは業務であるとかという上で、自治体としてやりにくいところを回すわけですから、非常に規制がゆるやかになる。公法人になりますとそうでもないのですが、いままででしたら私的な金も入ってくるということで、非常に不正、腐敗を生みやすい。そういう培地であったというように私は思うわけです。  自治大臣は十分御承知だと思うのですが、去年明石で住宅協会がいろいろ問題を起こした。そこで私いろいろ聞いてみますと、明石市の住宅協会が宅地のめくら買いをやった。とても宅地に使えないような土地を五億円で買ってみたり、あるいは、せっかく買っておる土地を——それは道路予定地であったり、また、団地ができて、そこに公共施設として学校を建てる予定であったが、そういうところをせっかく買っておきながら、すぐ売ったりしておる。特に問題なのは、団地のそばの学校の予定地を売るとこきには、団地の構想があるとわかっておるにもかかわらず、それを議会に秘密にして議会の承認を得るというような、悪質な不動産業そのままの形でやっておるわけなんです。内容を調べてみましても、非常に乱脈をきわめておりますし、この住宅協会の人事も、市長さんの身内の者が入ったり、いろいろな市長さんの息のかかった者を入れて、外からはうかがい知れないような形になっておるということがわかったわけなんです。これは自治大臣の選挙区なんですが、こういうことは一つの例なんです。これはひどい例だと思うのですが、こういう話がよく新聞をにぎわしておるわけなんです。だから、こういうことが起こらないように、今度のこの法律で規制をされるのだというふうに思うわけなんですが、一体、大臣はどういうような決意で——具体的なことはここに書いてありますからわかりますが、今度新しく認知をされるいろいろな公社関係の団体を監督されようとしておるのか。ひとつ聞かしていただきたいと思うのです。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 現在、土地の購入が非常に困難であるために、財政的にも、政府関係の財政投融資でまかない切れないものがございます。そういった面から、民法上の法人であるところの土地開発公社を——これは現在八百余り全国でできておりますが、行政には能率を直視するということと、もう一つは、責任体制を明らかにせなければならないというところから、これらの民法上の法人を、このたびの法律によりまして公法人化することによりまして、能率の向上を期するとともに、他面、責任の明確化をぜひしていきたい。かように考え、このたび公法人にすることにいたした次第でございます。御承知のとおり、公法人にすることによりまして、設立団体の議会がコントロールをすると申しますか、設立並びに定款の変更等におきまして、組織とかあるいは運営の基本的なことのチェックができるのではなかろうかと思っております。また、設置団体の長に対しまして、予算並びに決算の承認を受けるということになっております。この予算、決算は、現在このような公法人としつくっておりますところの地方道路公社、あるいは住宅供給公社ですか、それと同じように議会に対して予算、決算を報告せなければならないというふうにいたしたい。かように考えております。  また、この公社をつくります最大の理由は、いまも申しましたように、民間資金の活用ということでございますが、公社が公法人になります限りにおいては、信用のある他面、低金利の民間資金を利用するためには、どうしても債務負担行為というふうなことが伴ってくるのじゃなかろうかと思います。この債務負担行為に対しましては、地方議会の債務保証が行なわれる。その債務保証が行なわれる際には、債務負担行為という姿で議会のコントロールを受けるというふうなことが行なわれるのではなかろうかと思います。  なお、公法人でございますから監査の対象になりますし、また、議会は監査を請求することができるというふうな点でございまして、そういった部面で、現在あります民法上の私法人のような責任体制の不明確なものが完全に責任が明確化され、適正な運営が期待できる。しかも一方、地方公共団体では行なうことのできない民間資金の活用、あるいは時宜に適した敏速な行政措置、それらが行なわれるのではなかろうか。そのように期待しておる次第でございます。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 確かに、設立団体の長、そこの出資をした自治体の長が監督をする、議会がチェックをするということなんですが、いまの明石市の例で言えば、市長が、設立の長が非常に悪かったわけですね。だから、そうするとチェックをするのはもう議会しかないという形になっているわけなんで、そういう点で、その運用を今後ともぜひきびしくして、きびしくチェックができるような方向に特っていっていただきたいということを要望しておきたいと思います。  時間がございませんから、それはその辺にいたしまして、最後の問題として、これは建設省、自治省にお聞きをしたいのですが、こういう公用地の先行取得をして、そして拡大をするという法律が出たわけなんですが、そのことをやるからには、それと同時に、現在ある国有地、公有地の活用が十分に行なわれて、その二つがちょうど車の両輪のような形で運営をされなければならぬのではないかと思うわけなんです。  そこでお聞きしたいのですが、現在国有地がどれぐらいあるのか、そして、それが一体どのような形で活用をされておるのかということを伺いたいわけです。これはもちろん大蔵省の管理だろうと思うのですけれども、こういう法律を出される限りは、自治省としてもしっかりとその辺はつかんでおられるだろうと私は思います。だから、その点を自治省にお尋ねしたいのと、それから、建設省にもお尋ねをしたいのですが、建設省が管理をする分で、国有地の中でどれぐらい未使用の分があって、特に、大都会での未使用地をどういう形で今後利用していかれようとしておるのか。計画があれば示していただきたい。このように思います。

小林忠雄建設大臣官房審議官

○小林(忠)政府委員 便宜、私からお答えいたします。  昭和四十四年度末におきます国、公有地の面積は、両方合わせまして十一万平方キロメートル。国有地が九万四百七十一平方キロメートル、公有地が一万九千七百二十一平方キロメートル。このうち、都道府県有地が三千三十六平方キロ、市町村有地が一万六千六百八十五平方キロでございます。国有地のうち、そのきわめて大きな部分を占めます——国有地全体の九万平方キロ余のうち八万六千平方キロ余のものは国有林野事業特別会計所属のものでございます。  なお、国有地の活用の問題でございますが、現に公用または公共の用に供されておりません国有地等につきましては、普通財産として大蔵省が管理をいたしておりますので、私のほうで十分把握をしておらないわけでございます。建設省が所管しておりますのは、この道路法とか河川法等の公物管理法に乗ってまいりません公共用財産、すなわち、海浜でございますとか、畦畔でありますとか、ため池とか、こういう種類のものでございますが、こういうようなものは建設省の国有財産管理規程によりまして、都道府県あるいは市町村に管理をさせているわけでございます。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 公用地の管理、これを有効適切に使うことこそこの法律の目的なものでございますので、この法律の中で、法第三条におきまして、これは訓辞規定と申しますか、その程度でございますが、特に明確にいたしましたのもその意味でございますし、今後ともそのような運営ができますように指導してまいりたいと思います。  なお、数字的なことにつきましては、事務当局からお答えいたします。

皆川迪夫自治大臣官房長

○皆川政府委員 地方団体の所有しております公有地につきましては、明確な内訳の資料を手元に所持しておらないわけでございますが、御案内のように、最近は、地方におきましても、公有財産の管理ということについて関心が高まってまいりました。各議会におきましても毎回議論になるところでございます。私のほうでも、そういったような状況の中におきまして、こういった法律ができる機会を通じて、さらにこの管理、運用の適正化を指導してまいりたいと思います。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 三々五々お答え願ったわけなんですが、まだ、全体として、国有地の利用という点では非常に不十分だというふうに思います。だから、建設省、自治省両省においても、もっと大蔵省にも働きかけて、こういうものの活用についてしっかりとした計画を立てて、それに基づいた活用を要望をしたいというふうに思います。熱意を持ってやっていただきたいということを最後に要望いたしまして、私の質問を終わります。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○西村国務大臣 答弁は要求されなかったのですけれども、非常に大事なことでありますから……。  行政財産として各省が持っております。これを私のほうでもなるべく使いたいと思いまして、注意をいたしておるのでございます。これは非常に大事な問題でございます。国が持っておって遊ばせておるというようなことでは、まことに申しわけないことでございます。  それからもう一つ、これも渡海大臣が答えましたが、地方住宅公社、これは兵庫県のみではございません。あちらこちらでいろいろ問題が起こっておるので、私は、先般、監察団に監査を命じましたが、理論的に一応調べなければいかぬ。つまり、住宅があっても、雨漏りがして少しもめんどうを見てくれないとか、せっかくこちらが住宅を提供しておっても、あちらこちらで文句ばかり出ますから、これは十分自治省とも連絡をとりまして、注意をいたしたい。かように思っておる次第でございます。よろしくお願いいたします。

大野市郎自由民主党

○大野委員長 これにて連合審査会は終了いたしました。    午後五時十三分散会

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