P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
68回国会衆議院1972/05/30

地方行政委員会 第29号

発言数
156
登壇者
18
会派数
5
開催日
1972/05/30

会議録

大野市郎自由民主党

○大野委員長 これより会議を開きます。  この際、連合審査会開会申し入れに関する件についておはかりいたします。  ただいま建設委員会において審査中の新都市基盤整備法案について、連合審査会開会の申し入れをいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大野市郎自由民主党

○大野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  なお、開会日時等につきましては、両委員長協議の上決定いたしますが、明三十一日午後一時から開く予定にしておりますので、さよう御了承願います。      ————◇—————

大野市郎自由民主党

○大野委員長 内閣提出にかかる警備業法案を議題とし、質疑を行ないます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。山口鶴男君。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 警備業法案について若干の点をお尋ねしたいと思います。  一番最初にお尋ねいたしたいのは、昨日の新聞に大きく報道されておりました保谷市の民間委託の問題であります。「おかしな民間委託」というので報道されておりましたが、これを見ますと、保谷市と、それから警備業者でありますリンレイサービス会社、これは本社は東京中央区銀座だそうでありますが、この警備員が出生届けを十八件、婚姻届け十六件、死亡届け二十九件、計六十三件を受け付けたという事実があったそうであります。そして、どういう状態であるかと申しますと、保谷市は、昨年の八月末、宿日直の補助業務として、戸籍事務などの業務委託契約をリンレイサービス会社と正式にかわした。その契約書はいただいておりますが、内容はまたあとで議論をいたしたいと思いますが、夜警の警備員二人は、市の公印を押した埋火葬許可証など必要書類を預かり、市民から届け出が出されればこれを受理、埋火葬許可証については、警備員が死亡届けと医師の死亡診断書を独自に確認して、そして発行する、こういうやり方をやっておったそうであります。  そこで、法務省が来ておりますので、お伺いしたいと思うのですが、この出生届け、死亡届けにつきましては、戸籍法という法律できまっていると思いますが、これが地方自治法の第百四十八条、事務の管理、執行権ということで市町村長に機関委任されていますね。そうして、これについては、自治法の百五十条によりまして、法務大臣がその事務については指揮監督権をお持ちになっているということだと思います。戸籍法については、戸籍事務取扱準則というのがあるそうでありますが、これで夜間等についても受け付けにゃならぬということになっておるわけですか。それからまた、宿日直がなされていない。警備員が夜勤をしておる、こういう夜勤をしておる者に対して、出生届けあるいは死亡届け等がなされた場合に、それを受理するのか適当であるというような形で御指導をなされておられますか。この点、まずお伺いしたいと思います。

川島一郎法務省民事局長

○川島(一)政府委員 お答えいたします。  まず、戸籍事務取扱準則のことでございますが、戸籍事務の取り扱いにつきましては、戸籍法という法律があり、それに基づく法務省令が出ております。しかし、さらに取り扱いのこまかい点につきましては、一応これをきめておく必要がありますので、各地域ごとに取扱準則というのを定めておるわけでございますが、したがいまして、これは各地方法務局によって内容が違うわけでございます。その内容が違いますために、これをなるべく統一してほしいという話がございまして、法務省といたしましては、昭和四十二年に戸籍事務取扱準則のいわば模範的な、標準的なものをつくりまして、これを全国に流しまして、大体全国的にはこれに準拠して、それに地方の特色を加えたものを制定しているというのが実情でございます。  いまお尋ねの休日、夜間等における事務の扱い方につきましては、その準則におきまして一応規定があるわけでございますが、内容といたしましては、休日、夜間等にそういう届け出があった場合には、これを受領しなければならないということをそこで規定しておるわけでございまして、全国的には大体、その基準の示したものに従って同じような内容の準則をつくっておるというのが実情でございます。  その夜間に受領するということの意味でございますが、これは、結婚などいたしますと、すぐ新婚旅行に出かけるというような方もいらっしゃいますので、なるべく届け出はいつでもできるようにしておいたほうが都合がよかろう。したがって、持ってきた場合には、これを勤務時間外であるから、あるいは休日であるからという理由で拒否しないでそれを受け取れ、こういう扱いにしておるわけでございます。  ところで、これを受領いたしまして、そして手続上は、さらにこれに基づきまして戸籍手続上の処理をするわけでございます。その場合に受理という問題が起こってくるわけでございまして、受領と受理というのは一応区別して考えております。それが第一点でございます。  それから、この夜間における受領の扱いにつきまして、民間その他の者に委託してよろしいかというような問題が、これは実務上の協議会などでそういう問題が起こっております。しかしながら、法務省としては、民間の者に受領させるということは好ましくない。したがって、これは市町村の職員が自分で受領するという形をとってほしい、こういうように指導をしておるという実情でございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 受領と受理とがある。受領については、好ましくないという指導をやっている。受理については、もう好ましくないどころか——これはどういうことになるのですか。

川島一郎法務省民事局長

○川島(一)政府委員 これは行政事務そのものでございますから、市町村の職員自体がやるべきものであって、ほかの者に委託してやらせるということは考えられないと思います。そういうことは許されないということでございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 受理していたという事実があれば、それはこういうことになりますか。

川島一郎法務省民事局長

○川島(一)政府委員 それは、おそらく受理と認めていいかどうかが問題であろうと思います。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 受理ということはあり得ぬというわけですね。そして、埋葬許可証、火葬許可証を発行するという場合、死亡届けが受理されなければ発行ということには至りませんね。ところが、現に発行されておるわけですよ。そういう虚実を踏まえて、一体いかがでございますか。

川島一郎法務省民事局長

○川島(一)政府委員 私ども法務省といたしましては、そういうことはあり得べからざることであるし、先ほど申し上げましたように、そういった問題が協議会に出されたこともございますけれども、それはできないということでずっと来ておりますので、そういう問題はあまり考えたことはございませんけれども、かりに、昨日の新聞記事のように、実際に受理されてしまったということになりますと、これは、その効力をひっくり返すというのも問題はあろうかと思いますけれども、結局、その後において追認されたというようなことにでも考えるほかないのではないか、こういうふうに思っております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 それでは、そういう受理が行なわれる、法律上考えられぬ行為が行なわれるということが今後絶対ないように、法務省としては厳重に指導するということを約束いただけますね。

川島一郎法務省民事局長

○川島(一)政府委員 お約束いたします。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 そこで、厚生省のほうからお見えになっていると思うのですが、墓地、埋葬等に関する法律という法律があるわけですね、この法律については、これまた市町村長に機関委任しているわけですか。

加地夏雄厚生省環境衛生局環境衛生課長

○加地説明員 そのとおりでございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 そういたしますと、厚生省としては、機関委任をしているが、ところが、現実に埋葬許可証や火葬許可証がガードマンによって発行されているという事態について、一体いかにお考えでありますか。地方自治法の百五十条によって、厚生省としては、機関委任いたしました市町村長に対して指揮監督権かございますね。こういう立場から、具体的にどういう御指導を現になされておりますか。

加地夏雄厚生省環境衛生局環境衛生課長

○加地説明員 埋葬、火葬許可証の取り扱いの問題につきましては、先ほど法務省の民事局長から死亡届けについて御答弁を申し上げた御趣旨と全く同じでございます。  ただ、現実の問題といたしまして、埋葬、火葬許可証は死亡届けと同時に扱われる場合が非常に多いわけでございまして、今回の問題も、そういった問題で出てきた問題だろうと思います。私どもは、休日あるいは時間外の取り扱いについては格別の指導はしておりませんけれども、いま申し上げたような趣旨で、一つはやはり住民に対するサービスという問題もあろうかと思いますけれども、そういった死亡届けの受付というのは、法務省側の御指導によりまして、事実上はそういう形で扱われておる場合が多いと思います。ただ、そういった届けの受理とかいった問題につきましては、法務省の御答弁と全く同じように考えております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 それでは、厚生省の方と法務省の方はけっこうです。  それで、今度は自治省のほうにお尋ねをいたしますが、地方自治法の百五十三条に「長の事務の委任・臨時代理及び補助執行」というのがありますね。「普通地方公共団体の長は、その権限に属する事務の上部を当該普通地方公共団体の吏員に委任し、又はこれをして臨時に代理させることができる。」となっていて、以下、二項、三項がございますが、この新聞によりますと、保谷市の場合は、地方自治法百五十三条の規定を拡大解釈して、「法的な“疑問点”をタナ上げしたままスタートした」ということを市民課長が語っておられるよりであります。いま私が問題にいたしましたような出生届けの受領、受理、それから死亡届けの受領、受理、婚姻届けの受領、受理、こういうものをガードマン会社の警備員に委任をするということが、この百五十三条で、保谷市の市民課長が言うているようにできるとお考えでありますか。それともできないとお考えでありますか。ひとつ、明確にお答えをいただきたいと思います。

宮澤弘自治省行政局長

○宮澤政府委員 ただいまの御質問でございますが、百五十三条は、長がその権限を自分のところの職員に委任をしたり、執行させたりするわけでございます。したがいまして、そういう法律行為と申しますか、そういう行政行為というのは、地方公務員の身分を持っていなければ委任もさせられないし、執行もさせられない。これは法律上明白であると思います。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 行政局長のお答えのとおりだろうと私も思います。  そこで、この保谷市とリンレイサービス会社との間で契約をいたしました契約書というのを私は拝見をいたしましたが、この契約書は、昭和四十七年五月一日に、保谷市長の内藤利紀という方と、リンレイサービス会社の取締役社長である鈴木史郎さんという方との間に締結をされたようでありますが、これは民法上の委託契約ですね。  一体どういうものを委託するかというのを拝見をいたしますと、機械設備等管理、日常及び定期清掃、臨時特撮その他、中原出張所清掃、当直補助業務、というようなものを委託をしておるようでありますが、この最後の「当直補助業務」というのを見ますと、勤務場所は保谷市役所、勤務時間は夜間、日曜日、休日の昼間及び土曜日の昼間半日、夜間勤務は午後五時から翌日の午前八時三十分までというようなことがうたってありまして、当直補助事務についてはどういうことをやるかといいますと、「乙は」——この「乙」というのはサービス会社ですが、「乙は予め補助勤務者を定め、「甲」甲というのは市役所のようでありますが、「甲の承認を得たうえで、前条の規定による時間の間、庁舎において、庁舎に勤務する市職員の指示に従い、補助業務を行なうものとし、その事務内容に「保谷市職員の当直に関する規程」に定められている事務とする。」となっております。この「当直に関する規程」というのを拝見をいたしますと、第七条に、「当直者は、服務時間内において、次に掲げる事務を行なうものとする。(1)到着文書および物品の処理(2)死亡届および死産届の受付(3)埋火葬の許可証の交付(4)気象情報および災害情報の受理および連絡(5)その他必要な事項」となっております。結局、この契約に従って、夜間あるいは休日においては、到着文書及び物品の処理、死亡届け及び死産届けの受付、埋火葬の許可証の交付、それから気象情報及び災害情報の受理、こういうものをやるということが現に明確になっているわけですね。  こういう形で、法務省なりあるいは厚生省から市町村長に機関委任された事務について、民間のガードマン会社と契約をいたしまして、その警備員をして、受領どころか、受理、許可証の交付までさせるということが、地方自治法のたてまえから言って、あるいは法律の規定から言って、現実に許されるものであるのか、許されないものであるのか。この点、自治省の御見解を承っておきたいと思います。

宮澤弘自治省行政局長

○宮澤政府委員 先ほども百五十三条の解釈で御答弁を申し上げましたが、法律行為、行政行為というものに限りましても、それは、公の機関なりその補助職員というものが執行するべきものでございます。このガードマン会社にいろいろの仕事を頼んでおりますが、その頼んでいるものがいまの法律行為なり行政行為というものに該当するのか、あるいは単なる事実行為であるのかということが、法律的な議論としては一つのポイントではなかろうかと思います。事実行為ということでございますれば、それはものの性質にもよりますけれでも、庁舎の清掃を頼むというようなことはまさに質実行為でございまして、こういうものが委託業務にふさわしくないとは言えないと思うのでございます。  そこで、ただいまの事例でございますが、お読み上げになりました契約は、この辺がどうもはなはだはっきりしない点がございまして、先ほども、保谷市庁舎当直補助業務計画でございますか、それで、当直補助事務のところをお読み上げになったわけでございますが、これを見ますと、「庁舎に勤務する市職員の指示に従い、補助業務を行なうものとし、」というふうに一応書いてあるわけでございます。したがいまして、この「指示に従い、補助業務を行なう」ということが、たとえば、でき、ました書類をお客さまに渡してくれというような事実行為でありますれば、法律上それもいけないと言うわけにはいかぬと私は思いますが、これがはたして「庁舎に勤務する市職員の指示に従い、補助業務を行なう」——それからそのあとで、これも先ほどお読み上げになりましたが、「その事務内容に「保谷市職員の当直に関する規程」に定められている事務とする。」と書いてありますが、これをそのまますらっと読みますと、そういうものについて市職員の指示に従って補助業務を行なうんだというふうに読めないこともないわけでございます。  そこで、この辺の事情がまだ必ずしも明らかでございませんけれども、一体「庁舎に勤務する市職員の指示に従い、」とはどういうことであるか。少なくとも、日中は宿日直というものは要らないわけでございますし、宿日直というのが要るのは夜間なり休日でございますが、一体、その場合に、「庁舎に勤務する市職員」というのがいるのかいないのか。これは市の当局も多少苦しい説明をいたしておりましたが、超過勤務で残っている職員もおりましょうというようなことも言っておりましたけれども、これはどうもあまり理屈にならぬと思います。  それじゃ、一体、その業務自身が事実行為なのか行政行為なのかという問題になるわけでございますが、先ほど法務省なり厚生省への御質疑でございましたように、たとえば埋葬の許可、これはもう明白に一種の法律行為でございます。そういう許可行為を民間の人がみずから行なえるというようなことは、これは全然考えられるものではない。こういうふうに私は思うわけでございます。  それから、先ほど法務省の局長が受領と受理という概念を分けて答弁をしておられましたが、受理のほうは、ものを受け付けて、その受け付けたものが法律上の要件に適合しているかどうかということをチェックした上で受理するかしないか、こういうのが受理であろうと思います。そういたしますと、受理行為というものもこれは行なえるわけのものではない。それならば、単に預かっておく、受領行為といいますか、これは、たとえばいろいろの届け出も郵便で送るということが考えられるわけでございますが、その郵便が届き、電報が届いたものを警備員が預かっていて、翌日市の職員に引き渡すという事実行為、これは私は認められるところであろうと思います。したがって、書類を持ってきたものを一時預かっておく、つまりそれが受領でございますが、それで、翌日なり何なり正規の職員がそれをチェックをして受理していいかどうかをきめるという、単なる事実行為はできるのではないか。私は、率直に申しましてそういうことを考えるのであります。  しかし、ただいまの民事局長の御答弁によりますと、少なくとも、戸籍に関してはそういうことは好ましくないということです。違法だという答弁ではございませんが、好ましくないという答弁でございました。戸籍に関しては、先ほども山口委員御指摘のように、これは国の事務の委任でございまして、事務の執行につきましては、主務大臣である法務大臣が指揮監督をいたします。その辺、質実行為自身が好ましくないという法務省の判断でございますので、なお、法務省とよく相談をいたしまして措置をいたしたいというふうに思っております。  保谷市のほうは、先ほど申しましたように、職員が残っていれば、その残った職員の判断を仰ぐ。しかし、帰ってしまったあとでは、何か、庶務課長か市民課長がたまたま市役所の近くに住んでいるので、その指示を受けるのだというような説明もいたしておりましたけれども、やはり、先ほど申しましたような埋葬の許可なり、あるいは先ほど申しましたように、私の考えておりましたことと、法務省の主管当局の受領と受理との間に、率直に申しまして、多少まだ考え方を詰める点がございますけれども、少なくとも、許可行為でございます受理行為というのは、もし夜間にそういう事態になりましたならば、市民課長なり庶務課長なり、近くにおりました者が出勤をして、必要があれば処理をする。こういうふうに考えております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 受領、受理という話もありましたか、先ほども読み上げましたけれども、新聞によれば、「夜勤の警備員二人は」「市の公印を押した埋火葬許可証など必要書類を預かり、市民から届けが出されればこれを受理、埋火葬許可証については、警備員が死亡届と医師の死亡診断書を独百確認して発行する」ということをやっているわけですから、受領、受理というような話をしましても、これは受理もしているし、それから行政行為である、許可行為であるところの埋葬許可、火葬許可というものも現にやっておるということは明らかだと思うのですね。そういう意味ではまさしく違法な行為をやっているということだろうと思います。その点は行政局長もお認めになったわけであります。  そこで、保谷市の内田さんという庶務課長の話では、「好ましいことではないが、緊急時や問題がある時には、私や市民課長のところへ連絡するようにしている。」ということで、結局、この契約書の、先ほど私が読み上げました「乙は予め補助勤務者を定め、甲の承認を得たうえで、前条の規定による時間の間、庁舎において、庁舎に勤務する市職員の指示に従い、」の「庁舎に勤務する」というのが、宮澤さんもお認めになったように問題なわけですね。庁舎にいない、近くに住んでおって、連絡を受けて、というところがたいへん怪しいわけでありますが、とにかく指示に従って補助業務を行なうのだ、だから、市の職員が指示しておるから、まあまあある程度許すべきところがあるのではないだろうかというようなニュアンスにとれるお話で、保谷市のほうで弁解してやっているというようなことを申されたわけでありますけれども、結局、指示に従って——全然指示がなくてガードマンが受領、受理して許可証を発行しているということは違法だが、ただし、市役所の中にいるかいないかは別として、この契約書は、おるものとして、市民課長なり庶務課長なりの指示に従ってやっておるから、これは法律行為、行政行為、許可行為ではなくて、いわば単純な事実行為であるということで、まあまあ何とかできる、こういうことでございますか。

宮澤弘自治省行政局長

○宮澤政府委員 私の申し上げましたことがはっきりいたさなかったかもしれませんが、ただいまの御質問のようなことではございませんで、許可証を発行する許可行為これ自身は、市長なり、市長の委任を受けた者、あるいはその補助執行をする市の職員がみずから処理をしなければならない。指示があろうとなかろうと、そういうものを警備員に処理させてはならない。それから受理でございますが、受け取ったものを、要件に合うかどうか審査をして受けられるかどうかというチェックをする。これもまた同じく公務員のベースで処理をしなければならない。  なお、法務省のほうと少し話を詰めて申し上げたいと私が申しましたのは、単なる受け取る行為について、法務省の民事局長は、戸籍については好ましくないと言う。私は、その辺までは、率直に申しましていいのではないかと実は考えていたものでございます。単なる受け取るという事実行為、これだけは私は可能ではなかろうかと思っていたわけでございます。受領以上の受理あるいはさらに許可というようなものは、たとえば電話で、こういうものがありましたから許可証を出していいか、出してよろしい、というようなことでガードマンが許可証を出しているのではないかと私は思います。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 そうすると、受領については法務省は好ましくないと言っている。まあ、プライバシーの問題等お考えになってそういうことを言っておられるのではないかと思うのですが、行政局長、自治省のほうとすれば、とにかく、この契約書にあるように、市職員の指示を得て行なうならば受領程度はまあよろしい、こういうことでございますか。

宮澤弘自治省行政局長

○宮澤政府委員 一般的に、いろいろな、郵便を受け取ったり電報を受け取ったりということは、これは単なる事実行為でございます。したがいまして、この問題も、受領程度までならいいのではないかと思っておりました。しかし、この件に関しましては、先ほど申し上げましたとおり、主務大臣がいるわけでございますし、主務大臣なりその補助者の意向というものがやはり中心になりますので——なお、単なる受領行為につきましても、戸籍上の問題を単なる受領行為として処理することがいいかどうか。民事局長はどうも適当でないというようなお考えでありましたが、この辺は、なお詰めてもう一ぺん話をしていきたいと考えます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 その点は、またあとで議論するとして、一応おきましょう。  さて、労働省職業安定局長お見えですね。そこで私、お尋ねいたしたいのですが、今度の警備業法案に関連いたしまして、警察庁の刑事局参事官と労働省の職安局審議官との間で覚書を取りかわしておられますね。そして、職安法第四十四条あるいは職安法五条との関係が当委員会でしばしばいろいろと議論されたわけでありますが、結局、職安法第五条に基づきまして職業安定法施行規則がございまして、その第四条第一項に一号から四号までございまして、こういう条件を満たしていなければいかぬ、それでなければ職安法四十四条で規定しておりますところの労働者供給事業の禁止に当たるというところが問題になってきたわけですね。ところが、どうですか、保谷市とリンレイサービス会社とが締結をいたしましたこの契約書によりますと、当直補助事務をこのガードマン会社のガードマンにさせるというわけですね。それがこの契約した仕事の内容に入っておる。そうして、「乙は予め補助勤務者を定め、」これはガードマン二人を派遣するわけでしょう。「甲の」甲というのは市役所のことですが、市役所の、「承認を得たうえで、前条の規定による時間の間、庁舎において、庁舎に勤務する市職員の指示に従い、補助業務を行なう」となっていますね。こうなれば、職安法第五条に基づく施行規則四条第一項第二号の「作業に従事する労働者を、指揮監督するものであること。」との関係は一体どうなりますか。

道正邦彦労働省職業安定局長

○道正政府委員 新聞を見まして、東京都の所管でございますので、東京都を通じまして、契約の内容と、それから非常に専門的事項にわたりますので、契約の内容とあわせまして、実態がどういうふうに運営されているか、その辺を目下調査させておる次第でございます。  詳細はその調査を待って労働省として判断をいたしたいと考えておりますが、先生ただいま御指摘の契約書も、いまさっき私ども手元に入りまして、ざっと見たのでございますが、その限りで申し上げますならば、御指摘のように施行規則四条に抵触するきらいなしとしないというふうに考えますので、実態調査の結果と相まちまして適当な指示をいたしたいというふうに考えます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 契約書を見れば明らかに施行規則第四条違反であるということは、職安法第四十四条違反だということですね。そうでしょう。この施行規則四条の条件を具備していなければ労働省供給事業の禁止に触れるということですからね。となれば、当然、職安法第六十四条「左の各号の一に該当する者は、これを一年以下の懲役又は一万円以下の罰金に処する。」の第四号の「第四十四条の規定に違反した者」ということになるわけですから、これは明らかに職安法第四十四条違反であり、職安法第六十四条に該当する行為であるとこの契約書については言える。こう言って差しつかえないですね。

道正邦彦労働省職業安定局長

○道正政府委員 先ほどもお答え申し上げましたように、契約の文面は職安法の規定の違反のおそれなしとしないというふうに私どもも考えます。ただ、実態が、先ほど来の御議論の中にもありましたように、逆に、市の職員が必ずしも契約に違反しておらないというようなことで、だれが業務の指揮、監督をしているのか、その辺の実態があろうかと思います。そういう点を調べておりますので、所要の指導、監督を加えまして、もし違反であればこれは改めてもらうということで、強く監督、指導を加えてまいりたいというふうに考えます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 そこで、私は、警察にお尋ねしたいと思うのです。  結局、この警備業法に規定されております警備業者、ガードマン会社、これが、実体的に言って、職安法第四十四条の労働者供給事業に近い形をどうしてもとりやすい。となれば、この法案にいうところの警備業者が職安法第四十四条違反になるおそれもあるのではないかということが繰り返し繰り返し議論されたわけですね。リンレイサービス会社という現にある警備会社が市役所と結んだ契約の中に、この職安法第四十四条違反の疑いのきわめて濃い契約が現にあるということになりますと、今後、この警備業者が、民間会社あるいは官庁等の警備、夜間勤務等を行ないます場合に、私どもが懸念したような行為がどうしても起きやすいということを私どもは非常に心配しないわけにはいかないと思うのですね。いままで保谷市の問題を通じてこまかい議論をいたしたわけでありますが、この点、警備業法案を提案しておられる警察庁としては、いままでの問答を聞きまして、一体どのような御感想をお持ちでございますか。まず、お伺いをいたしておきたいと思います。

後藤田正晴警察庁長官

○後藤田政府委員 今回、私どもが、警備業法案として規制の対象にとりあえずいたしたいと考えております業務は、端的にいえば、物理的な力といいますか、有形力といいますか、そういったものによってガードする、これが今日一番社会的にも問題になる事案を起こしがちである、こういう点を対象にして規制をしよう、さしあたりそういうことで発足をいたしたい、かように考えております。したがって、先ほど来いろいろ御質疑のあったような業務は一応対象外であり、今回のいわゆる警備業そのものの規制の対象とはなっていない。これはひとつあらかじめ御了承願いたいと思います。  そこで、それでは、今回の警備業法をかりに認めてやってもどうにもならぬではないかという御意見もあろうかと思いますが、それはそのとおりでございます。法律的にいうならば対象外でございますので、そのとおりでございますが、当該警備会社が、今回の立法で対象となっておる業務も、また保谷市に出したような業務も、同時に行なっておるということになりますと、一応私どもの視線内にこの会社は入るわけでございます。したがって、この法律の規制対象外の行為ではありますけれども、それはやはり行政指導という面で適切な指導ができるのではなかろうかと、私はかように考えています。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 ただいま長官から御答弁があったわけですが、警察庁刑事局参事官と労働省職業安定局審議官との間で取りかわされました覚書は「公安委員会は、職業安定機関との緊密な連けいのもとに、警備業に関し、職業安定法第四十四条の禁止する労働者供給事業に該当することのないよう警備業者の指導に努めるとともに、職業安定機関からの通報等により、同法同条に違反する事実が認められたときは、すみやかに法案第十四条文は第十五条の規定による常業の停止等の処分その他必要な措置を構ずるものとすること。」ということであって、たとえば保谷市の、いま私が事例としてあげたような事実があれば、直ちにこれは営業停止にするということに、この法案が通ればなるのだというふうに理解してよろしいわけですね。

後藤田正晴警察庁長官

○後藤田政府委員 ただいまお答えしましたように、この警備業法の規制対象になる業務ではないわけでございます。したがって、この法律に違反をしているという意味での廃止対象とか停止対象にはなりませんが、しかし、他の法令に違反をしておるということになりますと、御質問の点、私も聞いておって、ずいぶん珍無類のことを保谷市は行なっておるなというのが率直な感想でございますが、それがはたして認められる事業行為なのかどうか、それとも、かりにそれが認められる事実行為であるとしても、労務者供給事業違反ということがあるのではないか、いろいろな問題がございます。これはかりに法律違反であるということになれば、御質問のような措置はとり得ようかと、かように私は考えます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 この法律が通過をするかどうかわかりませんけれども、かりに通過をいたしました場合、現在でも二万数千人のガードマンがおって、数多くの警備会社があるときに、自治省は、自治体の仕事についても、できるだけ下請に持っていくことがどうもお好きなようであって、そういう態度をとっている限り、保谷市のような事例が今後起きやすいということを私どもは懸念をするわけであります。  どうなんですか、自治省。自治体がこういうガードマン会社を雇って警備をする、宿日直等のかわりにガードマンを雇うということになれば、一方では、先ほど来私が論議いたしましたように、結局、戸籍法あるいは埋葬許可等に関する法律等に違反をするおそれが多分に出てくるし、また、職安法四十四条違反のおそれも出てくる。こういうことで、今後自治体に対して下請化などは軽々に進めるべきではないと私は思う。受理というようなお話がありましたが、そういった行政行為をどうしたって夜勤の方がやらざるを得ないわけでしょう。結局、出生届け、死亡届け、などは時間にかかわらず起きるわけなんですから、そういう点はやはりきちっと自治省は指導すべきだと思うのでありますが、自治省の考え方をお示しいただきたいと思うのです。

宮澤弘自治省行政局長

○宮澤政府委員 私どものほうは、先ほど山口委員がおっしゃいましたように、ある仕事の分野につきましては、事務の委託ということが適当であれば、それを進めるようにという指導をいたしております。これは、たとえば、先ほどもお話に出ましたが、庁舎の清掃業務でありますとか、あるいは電子計算機を使う計算事務でありますとか、あるいは設計事務でありますとか、そういうようなものが典型的なものでございますが、事実行為というふうに先ほど私も申しましたけれども、そういうことを考えているわけでございまして、先ほど来御議論がございましたように、また、私も御答弁を申し上げましたように、法律行為なり行政行為自身というものを委託する。これは法律に特別の定めがあれば別でありますけれども、委託するということはもちろんあってはならないことでございます。その辺のけじめは明確にしてきたつもりでございますし、今後も明白にしていかなければならぬというふうに思っております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 自治省は、委託できるものは委託をしろというようなおかしな御態度は、こういう行き過ぎもあるわけですから、これを機会にひとつ反省して、従来の行き方について十分御検討をいただくように、この際強く要請いたしておきたいと思います。  そこで、法案に従ってさらにお尋ねしたいと思うのですが、職安法四十四条に触れるような人入れ稼業を犯しやすいということで、当委員会でずいぶん議論されたわけでありますが、その見本として、日本警備保障株式会社が行ないました契約の写しを私どもいただきました。これの第一章の第四条あるいは第五条等を見ますと、職安法施行規則の第四条一項の二号、四号に抵触しないように、ある程度注意をして契約書が作成されておると思います。この点は私ども認めるにやぶさかではありませんが、問題は、すべてのガードマン会社がこれだけ注意をした契約書というものを締結しているかどうかということであります。労働省も御存じだと思いますが、日本にたくさんのガードマン会社がありますが、その中で大きいのは、ここに示された日本警備保障株式会社であり、いま一つ大きいのは綜合警備保障株式会社ですね。綜合警備保障株式会社の警備請負契約書を拝見いたしましたが、こんなに丁寧にできておりませんね。単なる警備計画書というものをガードマン会社が出すという程度のことしか書いてありません。労働省は、たくさんありますガードマン会社の警備契約書というものをすべて点検しておいででありますか。お答えをいただきたいと思います。

道正邦彦労働省職業安定局長

○道正政府委員 警備会社に関連いたしまして、ただいま御指摘ございましたように、いろいろ問題があるということも一部言われますので、私どもといたしましては、新聞その他目にとまりましたものにつきましては、必ず、立ち入り検査その他関係者を呼ぶ等の手段によりまして、職安法に違反があるかないかということを極力やらしているつもりでございます。  全部やっておるかというお尋ねでございますが、ここで全部やっておりますというふうにはお答えしかねるわけでございますが、問題会社についてはもちろん、その他につきましても、極力指導監督、助言をいたしていくつもりでございますし、今回法案が整備されまして、法的にもきっちり監督体制ができました場合には、私どもと警察当局の間で覚書も交換して、二人三脚で指導監督に当たるわけでございますので、今後は御懸念のことがないように指導監督いたしていくべきだし、いきたいと思っております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 この日本警備保障株式会社の場合は、第五条におきまして、警備等に使用する装具及び器具のすべてはこのガードマン会社が専有するということも明確に書かれておりますし、それからまた、「甲の従業員又は代理人の支配下にあらざるその他の事由によって、所定回数の巡回又はその他の勤務を完全に履行しえない時は、」云々ということで、会社の支配下にガードマンの人たちはないのだ、あくまでもガードマン会社自体が指揮監督をするのだという趣旨のことを明瞭に書いているだけでありますが、あなたはこの契約書を相当数点検したそうでありますが、こういったところまで契約書がきちっと高いてあるというのは少ないのじゃないですか。実態はどうですか。

道正邦彦労働省職業安定局長

○道正政府委員 ただいま御指摘の職安法の施行規則四条に四つの要件がございますが、そのうちで一番問題になりますのは、具体的な任務の遂行についての指揮監督のあり方の点であることは御指摘のとおりでございます。その点につきましては一番問題のあるところでございますので、特に重点的に指導を加えておりますし、今後も指導を加えまして、安定法の違反がないようにいたしてまいりたいと思います。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 他の契約書を拝見しますに、特に、綜合警備保障株式会社といえば、ガードマンの数が六千人以上という、日本最大の警備会社ですが、こういうものの契約書が、その点がどうも明確でないというのは問題だと私は思うのです。特に、ここの社長さんは有名な村井順さんという方であって、公安一課長をやったり警備課長をやったりして、総理の秘書官までおやりになって、それから初代の内閣調査室長も歴任されて、そのあと警備保障会社の社長さんになられた。ここに並んでおられる警察の方々の先輩に当たるりっぱな経歴をお持ちの方でありますが、そういう方が社長さんをやっておる会社の契約書に、この職安法四十四条、職安法五条に基づく施行規則四条に違反しないような、十分な注意を払った契約がなされていないということは問題じゃないかと私は思うのですよ。これが、しばしば問題を起こす特別防衛保障のような、ああいう会社の契約書がずさんだというなら話がわかるが、とにかく、日本最大の会社で、さっき申し上げた人が社長さんの会社であって、それが十分でないというのはどうも問題ではないかというふうに思います。それだけに、職安法との関係については今後十分留意をされるように強く、要請をいたしておきたいと思います。  そこで、次の問題に移りたいと思うのですが、警備会社が労働争議に介入しているという事例が非常にあるという問題ですね、最近の事例だけちょっと拾ってみましたが、報知新聞社の争議に関して、綜合警備保障会社、中央警備保障会社、特別防衛保障会社等が介入をいたしております。また、宮崎放送につきましては、中央警備保障会社が介入をいたしております。大阪日日新聞の争議につきましては、東亜警備保障会社が介入をしている、有名な那珂湊市役所については、これまた有名な特別防衛保障会社が介入をしている。日本テレビの争議に関しては、これまた有名な特別防衛保障会社が介入をしているようであります。そこで、特別防衛保障会社は、社長さんがいろいろな経歴をお持ちの方でありますから、しばしばこういうところに介入するのも、あるいはやむを得ない点もあるかと思うわけでありますけれども、問題は大手の警備保障会社、特に、先ほど例に引きました日本最大の綜合警備保障株式会社、社長さんは村井さんでありますが、これが報知新聞社の争議に介入をいたしまして、労働組合から、このガードマンの人たちが相当な乱暴をやったということで問題にされているという事例があるということは、私は非常に遺憾だと思うのであります。さらに中央警備保障会社、宮崎放送に介入をいたしましたガードマン会社でありますが、社長さんは荒井利雄さんという方で、ここはガードマンの数が七百名。一流ではありませんが、二流の上位に位する警備保障会社ですが、こういう会社が宮崎放送の争議に介入をして、これまたガードマンたちが乱暴したというようなことが問題になっている。私はこのことは問題ではないかと思うのですね。どうなんですか。保安部長さんはしばしば私のところに参りまして、問題のあるようなガードマン会社はこの法律ができれば規制できると言っているのでありますが、この綜合警備保障会社あるいは中央警備保障会社というものが、この法律ができたことによって、体規制ができるのでありますか。これはいかがですか。

本庄務警察庁刑事局保安部長

○本庄政府委員 この法律ができました場合、現在の警備会社に対する規制ができるかどうかということでございますが、規制の内容がいろいろございまして、人的要件に該当する、欠格要件に該当するという意味で常業ができなくなるという意味での規制では、いま御設例の綜合警備等はおそらく該当いたさないと思います。しかし、明らかにそれに該当いたすと思われるものもございます。法律といたしましては一定の要件をきめてございますので、その要件に引っかからないものは、中身がある程度悪くても、直ちにそれをもって営業できなくなるということにはならないと思います。しかしながら、その欠格条項以外の幾つかの規定により、制約によりまして、それぞれの業務について十分な監督を行なう、また、その法律に基づく制約というものも、当然その業者は考えて自粛するであろうというようなことも期待されるわけでございまして、そういった意味におきまして、各般の手段といいますか、面におきまして規制ができる、そういう意味で御理解をいただきたい、かように考えております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 わかりました。第三条の「警備業者の欠格事由」というものに当てはまるのもあるが、綜合警備保障会社というような大手のものについては、この第三条の欠格野山には当たらないということだろうと思いますね。しかし、この法律の第八条に、「個人若しくは団体の正当な活動に干渉してはならない。」という等の規定があることによって、第三条の欠格事由に当たらないけれども内容的に規制ができるであろうという御趣旨の御答弁だと拝聴をいたしました。  そこでお尋ねいたしたいのですが、実は、この問題は繰り返し当委員会で議論をされております。私、職安法四十四条、職安法五条のことをお尋ねいたしましたが、そこで職安局長さんにお尋ねしたいと思うのですが、結局、この職安法を読みますと、労働者供給下乗というのは、第四十五条で、「労働組合法による労働組合が、労働大臣の許可を受けた場合」以外についてはこの労働者供給事業はできないことになっているわけてすね。そうして、労働組合が労働大臣の許可を受けて労働者供給も業をやる場合にあたっても、法律第四十六条に、「労働条件等の明示、労働争議に対する不介入」という条項がございまして、この労働者供給質業にあたって、労働組合がこれをやっても、職安法第二十条に規定しているように、労働争議に対しては介入してはならないのだということになっているわけですね。それから労働者の募集についても、職安法第四十二条によって、「労働条件等の明示、労働争議に対する不介入」ということが規定されている。そうですね。といたしますと、このガードマン会社というのが労働者供給事業の禁止に触れるか触れぬかということが非常に問題になる性質を持っている。しかし、施行規則第四条に規定する一号から四号までの規定を忠実に守れば、これは労働者供給事業の禁止には当たらないということになっているわけですね。とすれば、労働者供給事業について、「労働条件等の明小、労働争議に対する不介入」が法律で明確に書かれておる以上は、当然、この警備業法案におきましも、労働争議不介入というものをこの法律の文面でうたうことが正当ではないかと、私はかように思うのですが、この点の御見解はいかがでございますか。

道正邦彦労働省職業安定局長

○道正政府委員 先ほど御質疑がございましたように、また、お答え申し上げましたように、本法案におきましては、かりにも警備保障会社に暴挙にわたるような事実がないようにということで、私どもも警察庁と一緒になりまして指導監督に今後一そうつとめてまいるわけでございますので、警備会社とストライキとの関係というのは、職安法は、労供は組合が実施する以外には絶対的に禁止になっておりますから、保障会社が労供をするということはあり得ないわけでございますので、したがいまして、職安法のストライキに介入する云々という問題は出てこないという論理になろうかと思います。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 そういう論理になると言いますが、現状はどうですか。私が幾つかの例をあげたでしょう。とにかく、労働争議に介入している事実は明らかだ。それも、かつて右翼に関係があって、兇器準備集合罪で逮捕された経歴をお持ちの方が社長さんをやっておる特別防衛保障というような、札つきと言っちゃ恐縮でありますが、そういう意味での、いわばそういう労働争議に介入することをもっぱら主としているようなこの会社はともかくといたしまして、そうでない、りっぱな経歴をお持ちの社長さんがやっておる警備保障会社においても、労働争議に介入をするということが現にあったわけですからね。論理上云々というのじゃなくて、とにかく労働者供給事業として法律に認められておるものについて労働争議不介入ということが書いてある。労働者募集にあたってももちろんそうなんだ。職安法二十条もあるということでありますから、当然この労働者供給事業とまぎらわしい傾向が現にある。その点は契約書の中ではっきり書いてないものも多いということはお認めになったわけなんですから、そういう会社の業務にあたって、この正当な団体の行動に介入してはならぬ、干渉してはならぬということは、これは労働争議に介入してはならぬという趣旨が含まれているとは思いますけれども、しかし、そうではなしに、明確にこのことをうたうほうが、職安法のていさいから言ってもしかるべきではないだろうか。論理云々という話もありましたが、実体上どうなんですか。しかも、職安法にはこういう規定もあるということから、いま一度お考えをお聞かせをいただきたいと思います。

岸良明労働省労政局労働法規課長

○岸説明員 ただいま職安局長に対する御質問でございますけれども、労政局で法律を担当いたしております者といたしまして、一応御説明いたしてみたいと思います。  この警備業法律案の際に、私どもいろいろ御相談を受けております。また、先生から先ほど来御指摘をいただきましたたくさんの事例につきましても、私どもは承知をいたしております。  そこでその際に、前々から申し上げておりますように、この労使関係に第三者が入ることは好ましくないということについては、重々私どもも承知をしておるわけでございますが、ただ、この職安法の規定につきましては、もういまさら申し上げるまでもなく、二十条に当然争議不介入ということが規定してございます。また一方、四十六条で、やはり労働組合の行ないます供給事業について同条を準用してある。これは、公共職業安定所の労働行政を扱う公的な性格から申しまして、そういうものはあくまでも労使関係に対しては中立であれという意味でこの二十条の規定がございますし、また、労働大臣から許可を得まして労供事業を認められる労働組合についても、やはり、公共職業安定所の一種の補完的な機能を営むという観点から、これは同様の規制を与えられておるわけでございます。そのほかに、ちなみに申し上げますと、社会保険労務士法においても、非常に公共的な性格もございますので、同じような規定がしてあるわけでございます。  ところで、この警備業法の場合になりますと、はたしてその労使関係から全くシャットアウトすることができるかどうか。これはもう先刻来申し上げておりますとおり、やはり使用者側におきましても、争議あるいは平常時におきましても、みずからの財産、生命その他をみずからの力で確保していくという立場にもあるわけでございます。そういたしますと、完全にこれをシャットアウトすることができないという観点に立ちますと、やはり先ほど来申し上げております趣旨から申して、正当な争議行為に対してはこれは関与をしないという趣旨を八条に明確にした、こういうことでございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 そうしますと、正当な労働争議に介入をしないというふうに文章を明確にしてもけっこうであるということですね。

岸良明労働省労政局労働法規課長

○岸説明員 これは法文の上からは、「団体の正当な活動に干渉してはならない。」と書いてございます。それで、通称いわゆるガードマンでございますけれども、労働組合のみならず、一般の団体的な行動についても、正当なものにはやはりこれは関与をしてはならないことは当然でございます。特に、労働組合のみならず、およそあらゆる団体の法的に認められた正当な活動というものに対しては関与をしない、こういう趣旨に法的にはやはり規定せざるを得ない、かように思います。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 わかりました。そうしますと、正当な団体の正当な活動というのは、正当な労働組合の行動も——もちろん争議だってそのうちの一つですから、そういうものも含まれるということであって、立法府として、内容を明らかにするという意味で、この正当な活動というものを具体的に列挙をするということについては、労働省としてはかまわぬ、そういう趣旨を書いておるんだから大いにけっこうである、こういうふうに理解してよろしいわけですね。

岸良明労働省労政局労働法規課長

○岸説明員 これは、その立法全体のバランスの問題がございます。ただ、私が先ほど来申し上げておりますように、労働争議あるいは労使関係に関する限りは、この条文の中において当然団体として労働組合が含まれる、そしてまた、そういうような正当なる労使関係に対して関与しないということで十分である、私はかように思うわけでございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 まあ、内容的にそういう意味だということですから、立法府は立法府として、その考え方でもって内容を具体化することは、これは一向にかまわぬわけですからね。ですから、そういう意味で、内容がそういうものを含んでおるということが明らかになればけっこうだと思います。あとは当委員会の理事会等で十分御相談をいただきたいと思うのですが、要は、私は、職安法四十二条あるいは四十六条等において、職安法自体の中にこういう条文等も明確に書いているわけでありますから、そのつり合いも考えまして、この八条については内容を具体化するということが当然必要であるという考え方をここで、心しておきたいと思います。  そこで、大臣、どうですか、私も法律は学校で勉強したことはない人間であり申して、法律は全くしろうとでありますが、私どもはやはり法律をつくります場合——論理的に云々というお話がありましたが、現実にガードマン会社が労働争議に介入をしているという一例がたくさんある。それで、その際に、暴行等の遺憾な年例も頻発をしている。しかも、それが、この警備業法第三条であげている欠格事由に当たるような会社だけならばともかく、そうでない、第三条の「欠格事由」には当たらない大きな警備会社においてもそういう遺憾な事例がある。そういうことを踏まえました場合、参考人としてお二人の方に御出席をいただきましていろいろ御見解を承ったわけでありますが、その参考人のお一人も、この点については非常な懸念を表明いたしておられました。そういう経過から考えまして、せっかく法律をつくるならば、国民の側にとって十分わかりやすい、しかも、この心配をできるだけ払拭をするという趣旨で法律の内容を具体化して、親切に書き直すということは、お互い政治家という立場に立った場合、適当なことじゃないだろうかと私は思うのでございますが、大臣の御見解を承っておきたいと思います。

中村寅太自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○中村国務大臣 私は、いま山口委員の御指摘のような内容も十分検討の上この法律は起案されておると思いますので、この法律の規定で大体いいのではないかと考えております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 農民運動その他大衆運動の御経験豊かな中村国家公安委員長のせっかくの御答弁でございますから、大いに御期待をいたしておったんでありますが、どうも期待はずれでありまして、その点はたいへん残念に思いますが、しかし、私の言っている趣旨は、大臣も十分御理解いただいているだろうと思います。  それでは、時間の関係もありますから先に進ましていただきますが、この点は、当委員会の理事会で、政治家の立場に立って十分御検討いただくことを強く要請をいたしておきたいと思います。  それから、この法律の第三条ですね。「欠格事由」。この法案をつくります過程で、保安部長さんのほうで試案をおつくりになったようでございますが、その保安部試案の警備業法案大綱というのを拝見いたしますと、この欠格事由を相当具体的にお書きになっておられますね。「兇悪犯(殺人、強盗、放火、強姦)、粗暴犯(兇器準備集合、暴行、傷害、脅迫、恐喝)、窃盗犯、暴行行為事犯、銃砲刀剣類不法所持事犯」等についてはこの欠格事由に当たるという具体的な事例を列記いたしておるのを拝見をいたしました。ところが、法案になってまいりますと、「禁錮以上の刑に処せられ、」というふうになっているわけでありますが、保安部試案ではこれだけ具体的な事項をおあげになったわけであります。とすれば、保安部試案であげられましたような具体的な「兇悪犯、粗暴犯、窃盗犯、暴行行為事犯、銃砲刀剣類不法所持事犯」等については、禁錮以下の刑でありましても欠格事由に当たるというふうにされたほうが、国民の心配をなくするという意味ではよりけっこうなことではないだろうか。せっかく保安部試案というものでそういうこともお考えになったわけでありますから、いま私が申し上げたようにお直しになるほうが、当然より国民のためではないだろうかという感じを持つのでありますが、いかがでございましょうか。

本庄務警察庁刑事局保安部長

○本庄政府委員 保安部試案と今回提案いたしました原案とが若干変わっておるのは仰せのとおりでございます。これは、変わりました理由は主として技術的な理由でございまして、したがいまして、率直に申しますと、いまでも、立法技術としてうまく仕上げられるならば最初の保安部試案のような考え方のほうがベターではないかということで、私個人としては山口先生と同じように考えております。現実に条文化いたします際に、いろいろ検討をいたしたわけであります。  他の法令の例も検討いたしたわけでございますが、確かに先生のお考えのような法令も争うございまして、「禁錮以上」というふうに一般的に広く包括する例もございますが、中には、たとえば酒税法第十条のようなものもあります。これは酒類の製造、販売免許に関する規制法規でございますが、これなんかは「国税若しくは地方税に関する法令若しくは酒税の保全及び油類業組合等に関する法律の規定により罰金の刑に処せられ、又は国税犯則取締法若しくは関税法の規定により通告処分を受け、」云々と、きわめて限定した明確な規定でございますが、これはお尋ねのように、規制しようとする油類の製造、販売業に明らかになじむと申しますか、直結する犯罪を拾い上げたということであろうかと思います。こういった業態の場合には、その業態に直結する犯罪を他の犯罪と区別して拾うということが技術的に可能である。  ところが、この警備業者につきましては、多くの刑事法令の中に掲げております犯罪の中で、いま申しましたような酒類製造、販売免許と同じような意味で、確実になじむものを拾い上げて、そうでないものと明確に区分をするという作業が、実は立法技術として非常に困難であるという結論が出たというのが第一点でございます。それからもう一つは、警備業を営む警備員についても同じでございますが、特定の犯罪についてのみ欠格事由を列記するよりも、むしろ、どういう犯罪であれ、犯罪を犯した者、いわゆる順法精神の欠けた者については、一定期間やらせるべきではないという考え方をとったほうがいいのじゃないだろうか。そういったことも考えまして、一応いま申しました二点が主たる理由で、原案のように策定したわけであります。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 結局、警備業では、調査室からいただいた資料によっても、規則法をつくったほうがいいというのが国民の相当の大きな希望である。その希望のもとになっておりますのは、先ほど来私が列挙いたしましたような事案が頻発をしていることである。そうなりますと、特に、兇器準備集合とか、暴行とか、傷害とか、脅迫とか、恐喝とか、あるいは銃砲刀剣類不法所持とか、こういう事犯を犯した者については、禁錮以下の刑であったといたしましても——特に問題になるのが、争議等の場合にガードマンの人たちが行なった事案ですね。社長を守るということでガードしておったのでしょうが、たまたま乱闘になって暴行事犯が起こったとかいうことなんでありますが、結局、このガードマン会社が世人からひんしゅくを買うような事柄を起こしている。こういうことに関係する者については、禁錮以下の刑であっても欠格事由にするということは、さっき酒数等の問題でもって例をお出しになりましたような意味で至当じゃないだろうかという気が私はいたすのであります。この点も、当委員会の理事会等で与野党の間で当然お話しになる問題だろうとは思いますけれども、念のために、いま申し上げたような私の主張に対して、お答えがあればもう一度お聞きをいたしておきたいと思います。

後藤田正晴警察庁長官

○後藤田政府委員 御意見はよくわかるわけでございます。また、本庄部長からも、内心そういうものも適当ではなかろうかと思っておるんだという発言がございましたけれども、これは立法論として、できればそれがいいんじゃないかなと思っておるという趣旨だと思います。しかし、私は、立法論としては御趣旨はよくわかりますけれども、原案のようでなければ、警備業と限定した罪種との客観的な証明が非常に困難だ。むしろ、警備業者なり警備業務に従事する警備員については、一番肝要なことは、相当重いといいますか、罪を犯して、そしてある一定期間来ていないというような者はこの際避けてもらう。一般的に、やはり法律をみんなまじめに守る人なんだということでなければ警備業者あるいは警備員にするのには不適格ではなかろうか。かように思います。したがって、私は、立法論として原案のほうが正しいという見解でございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 ですから、禁錮以上の刑に処せられた者に対して欠格事由とすることはけっこうですよ。すべての法を守るという意味で、ですね。しかし、世人からひんしゅくを買っているような事案等を考えますと、禁錮以下の刑であっても、先ほど来私があげたようなものについては、やはり欠格事由として扱っていくということのほうがいいのではないかという趣旨を私は申し上げておるわけであります。この点は、当理事会におけるお話し合いの事項として御検討いただくことを要請いたしておきたいと思います。  時間もありませんから、あと一つだけお尋ねいたしたいと思うのでありますが、第十条の「護身用具」の問題であります。これも当委員会でずいぶん議論されましたので、ごく簡単に触れておきたいと思うのですが、昨年の予算委員会で、私は、ガードマン規制法をつくったらどうかという提案を、当時の荒木国家公安委員長に対して行ないました。その理由の一つとしては、わが党の木原議員が成田空港の紛争の際に、「社会党国会議員団」というたすきをかけていたにかかわらず、はがい締めにされたというような事柄も起きましたし、また、青年行動隊の諸君に対してガードマンの人たちが警棒をふるったというような遺憾な事態もあったわけであります。第十条でこういう規定があるわけでありますが、特に、警棒については、警察官の方々であっても、警察官けん銃警棒等使用および取扱い規範というのがありまして、武器として使用するすることについては、緊急避難とか、そういう場合を除いてはいかぬのだということを明確に規定をしておるわけですね。したがって、警棒等を持ちましても、これを武器として使用する場合は、ガードマンでありましても、緊急避難の場合以外はいかぬということは当然私もわかるわけであります。  問題は、ガードマンの人たちが警棒等を持っておりますために、結局、成田空港事件のようなああいう事案も起こしたという例から考えまして、一項については、特にこういう規定がなくとも足りると思うのです。したがいまして、何か護身用具を持っていいというようなことをわざわざ法律で規定をする必要もないのじゃないか。そうして、二項において公安委員会云々というのがあるわけでありますから、いままでのガードマン会社が引き起こしました事案等から見まして、特に、十条一項については不要であるという感じを私は持つのでありますが、この点に対する御見解を承っておきたいと思います。

本庄務警察庁刑事局保安部長

○本庄政府委員 護身用具の点につきましては、いままでも何回か議論が出ております、そのときにも申し上げておるわけでありますが、第一項は警備員というものは、その業務の性格上護身用具を携帯することが必要な場合がございます、また、現実にも、夜間の警ら警戒等の場合に護身用具の携帯を必要としております。また、護身用具なくして被害を受けたというふうな事例もございます。こういったことを法律上明確にしたものでございまして、新たな権限を付与するという創設的な意味のものではもちろんございません。しかし、同じ棒でございましても、暴力団が携帯しておる場合と、それから警備員が同じものを携帯している場合と、その性格の違いというものを明らかにした規定でございまして、そういった意味の規定であると、かように御理解願いたいと思います。  さらに、第一項の規定におきまして、公安委員会が護身用具につきまして必要な規制を加え、護身用具の携帯について適正を期することにしております。そういう意味におきまして、第一項、第二項をあわせて考えていただきたい、かように考えておる次第でございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 法律のていさいということでいろいろ言われるのでありますが、私は、十条一項のごときは、まさに盲腸のごときものであって、これはなくても足りるのではないかというふうに思います。これもひとつ当委員会理事会において検討課題にしていただきたいと思うのです。  最後に、第十一条の「教育等」ですが、これも自民党の中村委員が質問されました際に、三日くらいの教育を総理府令で考えようというようなお話でした。三日というと、片から三日坊主ということばもあるわけで、どういうわけで、一日ということにされたのか、非常に奇異な感を実は聞きながら感じたのでありますが、三日くらいで足りるわけですか、この点はお考えはいかがでしょうか。  それから、ついでに申し上げておきますが、政令にゆだねております部分が相当ございます。十一条についても「総理府令で」とありますし、十二条、四条、五条、六条についても「総理府令で」とございますし、その他にもございます。こういった総理府令については、当委員会でこの法案の審議をしている間に当然出していただきたいという要求があったとは思いますが、ございましたか。なければ、私、要求をいたしまして、総理府令の要綱について、当委員会の各委員に渡るように、ひとつ御提示をいただきたいと思うのですが、この点もあわせてお願いいたしておきます。

本庄務警察庁刑事局保安部長

○本庄政府委員 最初に教育の期間の問題でございますが、これはたしか中村委員の御質問のときだったかと思いますが、長官からかなり具体的にお答えがあったと思っておりますが、大体一週間くらい。これは私たちが考えておりますところの、たとえば必要な法令しの知識とか、あるいは技能とかいったような、義務としてでもぜひやってもらわなければならないようなもの、それから、その会社自体が、いわゆる社内教育と申しますか、普通社員教育をそれぞれ実施いたしますが、そういったものを合わせて一週間くらいになるであろうという答弁をいたしております。そういう意味で御理解いただきたいと思います。三日と申しますのは、何も三日と必ずしも限定したわけではございませんので、私たちが義務的にでもぜひやってもらわなければならぬと考えているものは少なくとも一二日間はかかるであろうということですので、そういう意味で御理解いただきたいと思います。  それから、総理府令の資料の件でございますが、私の記憶違いであれば訂正いたしますが、委員会として全員にという正式な御要望ではなかったように存じておりますが、この分についての総理府令の案があったらというお話が、ございまして、二、三お持ちしたのかございます。委員会のほうから正式に御要望がございましたら、まだ検討中の素案で確実に固まってはおりませんが、そういうことをお含みのししで提出いたしたいと思います。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 それはひとつ出してください。これは委員長にお願いいたします。

大野市郎自由民主党

○大野委員長 山口君にちょっと申し上げますが、政令の中身は固まっていない部分もあり得ると思いますので、理事会提出という取り扱いでいかがですか。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 けっこうです。理事会で各党に漏れなく提示いただければいいと思います。  中村君のお尋ねのときは、最小限度三日という点に非常に力点を置かれて三日ということを言われて、今度一週間というようなお話をされたわけですが、一週間くらい必要であろう、少なくとも最低三日、というわけで、質問のために三日が一週間になった、だんだん延びているようですから、これはひとつ三日坊主に終わらぬように、十分な教育を総理府令でお考えいただいてやっていただくことを要請しておきたいと思います。  一応、以上で質問を終わります。

後藤田正晴警察庁長官

○後藤田政府委員 先ほどの山口先生の御意見で、護身用具について、あとで理事会で御検討願うということでございましたが、一応私の見解をこの際述べることをひとつお許し願いたいと思います。  護身用具というのは、法令で禁止されていない以上はだれでも持てるわけですね。そこで、警備業というのは、やはりああいった危険な業務ですから、だれでも持てるということで、どんどんエスカレートするわけです。これはいけないということで、警備業者あるいは警備員に対しては、私は第二項を主眼に置いておるわけでございます。  ところが、それじゃ第一項は何のためだということでございますが、だれでも持てるわけではありますけれども、警備員がこういうものを打てるということを書くことによって、一般に、先ほどは暴力団の例だけあげましたが、正当防衛の論であるとか、緊急避難の論理であるとか、いろんな論理が横行するわけでございます。何だ警備員は持っているじゃないか、おれらが持ってなぜ悪いというような種類の議論を起こす。私は、それは封じたい。警備委員に対して第一項を置いた理由は、一般に対しては、そこは違うんだよ——つまり、第一項は、しからばそれじゃ権限規定かというと、権限規定ではございません。創設の規定ではないわけでございます。創設の規定は私は認めないということでこの規定は一応できております。それじゃ必要ないじゃないかということですが、具体的に護身州兵を使った場合の法律的価値判断、それが過剰防衛になるか、それとも兇器準備集合罪になるか、いろいろな論議があるわけですが、その具体的行為についての法律的価値判断は違うんだよという意味合いを持たせたいんだということでこの規定は入れてあるんだ、こういうふうにひとつ御理解を願いたいと思います。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 いまの御答弁は、聞いておってかえって問題ではないかという気が私はいたしたのです。兇器準備集合罪のことを例にあげられましたが、兇器準備集合罪の際の凶器とは何ぞやということで、使い方いかんによって凶器になるとかというものではなくて、本来凶器であるものを持って集合するのが兇器準備集合罪であるということがかって国会では答弁されたわけですね。しかるに、その後、学生等の行動にあたってはそれが拡大解釈されまして、使い方によっては凶器になり得るものを持って集まれば兇器準備集合罪だという形になってきたわけですね。そういう意味では、警察の側がむしろこの法律の拡大解釈をやってきたということもございますので、私どもはそういう点がかえって心配になるわけです。ですから、警備業法について、七条にこういう規定を置くんだ、一般の世人とは違うんだということを長官は強調されたわけでありますが、そうなりますと、かえって労働争議等に介入されるという点が労働組合員その他においてはさらに心配になるということなのでありまして、いまの長官の御答弁は、お聞きをしたことによってかえって私どもとしては疑義を深めたという感じが率直に言っていたしましたことを申し上げておきたいと思います。  ついでですから、最後に申し上げておきたいのですが、きょう私が申し上げましたことは、具体的なガードマンの仕事等を見ました場合に、保谷市と警備会社との契約等見ましても、私どもが懸念をした職安法四十四条違反の疑いのきわめて濃い契約がまかり通っているという問題もありますし、それからさらに、護身用具の問題もそうでありますし、また、第三条の欠格質山の問題もそうでありますし、さらに、労働争議介入の第八条の問題もそうでありますが、結局、要は、国民の側から見て、いまガードマンについていろいろな世人の批判というものがある。そういう中で、ガードマン規制法をつくるべきだ、つくったほうがいいだろうという国民の意向というものは大多数を占めている。占めているだけに、なぜ国民がそういった意向を表明したのかという原因をよく突き詰めて、国民の側から見て心配ないような法律を親切につくるということがこの法案については特に必要ではないだろうか、ということを実は強調いたしたかったのであります。ひとつ、当委員会の理事会におきまして、本日私が指摘いたしました問題は十分御討論いただきまして、国民の側から見て親切な法律案にしていただきますように心、から期待を申し上げまして、質問を終わっておきたいと思います。

大野市郎自由民主党

○大野委員長 門司亮君。

門司亮民社党

○門司委員 私は、この前、質問の内容を少し申し上げて保留をしておったのでありますが、そのことに入ります前に、一応警察当局に事実を確認しておいていただきたいということが一つあります。  それは横浜で起こった事件でありまして、三月九日の午前三時から四時ごろの問題であります。この問題はいま政治問題化そうとしており、地元では非常にやっかいな問題としております。要するに、東海道の新貨物線の敷設に対する地元の反対団体との間の問題であります。  ごく概略だけ申し上げますと、いままでたびたびトラブルがあって、けが人なんか出したことがございましたが、この日は、国鉄側が午前三時ごろから現地に参って作業にかかろうとする、反対側の諸君はそれは困るということで、これの抗議をしておる。その際に、どうせ反対があるから朝の三時か四時ごろ出かけていって抜き打ちにやろうという心がまえの連中ですから、当然、まともにおさまろうはずがないのであって、ここで多少のトラブルが起こって、負傷者を大体七人ばかり出しております。そして、このときの負傷者を出した相手は、当該事業を請け負っておる団体が雇ったと考えられるガードマンであると言われておる。しかも、そのときの、これは使いようによっては凶器でありますが、なぐられた道具としては、スパナであるとか、あるいは工事用に使う鉄パイプであるとかということになっている。むろん、反対陳情者のほうは別に何も持っていないということになる。朝の四時ごろでありますから、寝巻きを着て、そのまま起きて飛び出したという状態になっている。この事実について、当局は一応これを調査をしておいてもらいたい。私は、このことについていまとやかくは申し上げませんが、おそらくは現行犯でありましょうから、これは神奈川警察の所管の地域だと思います。警察も何か考えているでしょうし、被害者のほうもあるいは告訴するかもしれない。そういう問題で、けが自身はそれほど大きなものではないらしいのでありますが、しかし、実態はそういうことがあったということ。これも請負師が直接やるなら別でありますが、工事をやろうというときにガードマンを連れていかなければならないというような事態。これは、最近は、成田を筆頭にして、どこでもこんなことをやっている、必要以上のトラブルがある。  しかも、そのトラブルの起こった問題等についての処置はどうかといえば、当該事業をする国鉄でもなければ、その下請業者でもない。ガードマンとの対決になっている。こういうことが一体いいか悪いかということである。きょうは約束の時間もありますし、私の質問の内容等にこれから触れなければなりませんので、これ以上の追及はいたしませんが、とにかく、どういうことであったかということだけ一応調査はしておいてもらいたい。もし証人が要れば、けがした諸君もおりますから、いつでも証人は出頭させますが、こういう事態である。  そこで私は聞きたいと思っているのですけれども、この法律による契約はあくまでも民法上の契約である。民法上の契約に基づいて行なわれる行為が、公権力にひとしい取り扱いがされようとしておる。それはいわゆる法律に規定されているということです。公権力と、民法の規定に基づく私の権利というものとの限界は、法律的には非常にむずかしい限界があります。どこからどれまでが公権力であって、どこからどれまでが私権に属するかという問題は、法律的にも、あるいは法理学的にも、かなりむずかしい限界のあることは私どもも承知をいたしておりますが、しかし、問題は、第二条の「定義」のところに書いてある一つのものの解釈のしかたである。ここに書いております「事務所、住宅、興行場、駐車場、遊園地等における盗難等の事故の発生を警戒し、防止する業務」という問題は、いずれも、例の、限られた民有地の中、限られた私権の及んでおる場所については別に文句はないはずである。ところが、第二号にいう「人若しくは車両の雑踏する場所又はこれらの通行に危険のある場所における負傷等の事故の発生を警戒し、防止する業務」の場合は、いささか私権を越えた範囲と考えられる。「車両の雑踏する場所」というのは一体どこなのかということ。これが前号の「駐車場」をさすというのなら、何も二号は要らないはずである。同時に、この「通行に危険のある場所」というのは一体何なのか。「通行」というのは何を意味するかということです。通行であるとすれば、道路を意味することが正しいと私は思うのだが、道路を意味するということになれば、この「通行に危険のある場所」というのは、当然警察の交通行政の所管であることに間違いはない。ところが、これらの問題についても、ここにおいて権力を与える、いわゆる公権を与えるということになると、一体地位はどうかということです。こういう点を混同しないようにしておきませんと、問題が起こったときにどうなるか。それから同時に、ガードマン諸君の教育をするとは言っておりますけれども、人間でありますから、権力行使というのは人間の一つのどん欲でありますから、おれたちは認められた職業なんだ、この場所における交通整理はおれたちがやるのだというような行き過ぎた考え方でやった場合、その道路におけるトラブルは一体だれの責任になるのか。この辺はどう考えても私権と公権との混同である。そうとしか考えられない。だから、この際はっきり聞いておきたいと思いますことは、きのうも私は林法制局第二部長とちょっと議論したのでありますが、公権力というものの範囲、公権力というものの解釈をどうされておるかということ。あるいは私権との関連性をどう考えられているかということ。  いま私が申し上げましたように、私権と公権とはなかなか見分けのつかぬものが中にはあります。これからこれまでは私権に属するのであり、これからは公権だと、ぴしゃっとした割り切り方をするのは法理学上なかなかむずかしいと私は思う。むずかしいと思うが、そういうものは、かりに事犯が起こった場合、その後の裁判所の、行き過ぎがあったとかなかったというような判定その他等が当然なされるべきであると私は思うが、この場合、法律しこのように書いてしまいますと、結局、おれたちは認められた職業で交通整理をやるのだという観念をそこに持ってくると、警察官の類似行為どころじゃない。警察官よりも教養が少ないと同時に、警察官のように法律的に長く訓練されたわけじゃございませんので、結局交通行政というものが乱れる危険性がある。交通行政が乱れるということは、通行をする人から言えば、明らかに私権の制限である。この辺を明確にしておきませんと、こういう法律をこしらえてしまって、あとになって、いやそうじゃなかったなんと言ったところで、トラブルが起こってしまってからではどうにもならぬ。この辺の解釈を、ひとつ法制局からはっきり承っておきたいと思います。

林信一内閣法制局第二部長

○林(信)政府委員 一般的、抽象的に申し上げざるを得ないわけでございますが、公権力ということばの解釈につきましては、これはいろいろ議論があると思います、普通言われておりますのは、国家を背景にいたしましたいわゆる公権、公の権力、これを背景にいたしまして、個人に対しましてある権限を行使する。こういう形が一般に公権力と言われておるものだと思います。その形は、通常、意思表示というような公権力の場合もございますし、あるいは物理的な現実的な実力の行使というような形のものもございます。一方、私法関係でございますが、これはあくまで個人と個人とは平等対等であるという原則に立っておる。したがいまして、公権力というものは、個人に対しまして、それより上回った優越的な地位において発揮される権力であるというふうに言えると思います。  そこで、お尋ねの二条でございますが、二条の一項は、実は、この警備業務の範囲を限定した規定でございます。いわゆる定義規定でございます。一条にございますように、警備業者を規制するというのがこの法律の目的でございますから、この規制対象の範囲を明確にしなければならない。そのために二条に定義を設けて特に規定してあるわけでございます。設けて特に規定してあるわけでございます。  そういたまして、これが公権力を意味するものであるかどうかというお尋ねでございますが、二条一項の柱書きにございますように、「他人の需要に応じて」とございますが、これは、たとえば道路運送法などに同じ表現がございますが、要するに、私的契約を個人の私的な需要に応じてやることであるということを前提にしております。したがいまして、二条の中からは、特に権限を与えたものであるとか、あるいは、これは公権力を意味しておるものであるというようなことは出てこない。むしろ、八条のような規定があります関係から、この法律は何らそういう特別な権限を与えたものではないということが言えると思います。

門司亮民社党

○門司委員 いまの前段の答弁はそのとおりでありまして、いわゆる公権力というものは、国家権力の作用する範囲を大体公権力と言っておる。したがって、これが府県の条例であろうと何であろうと、法律、憲法を逸脱するわけにはいかないという、そういう規定がちゃんと憲法上設けてある。ところが、この場合を見てみますと、そういうことになっておって、しかも、これは、今度のこの法律によりますと公権力を与えることになるから私は文句を言っている。これは法律ですよ。法律によって規定されれば、それは明らかな公権力です。これは私権とはなかなか言いがたいですね。しかも、これは特定のものをさしておりませんから、道路あるいは通行という文字を使っておりますから、これは私権で制限さるべき筋合いのものでは決してない。「通行に危険のある場所」と書いてある。「通行に危険のある場所」というのは、大体、概念としては道路でなければならない。道路は一体だれのものであって、だれの監視のもとに置かれておるかと言えば、これはちゃんと道路交通の制度もありますし、道路には主管の維持管理者もきめられておるということである。だから、私がいま申し上げておりますように、一号の「事務所、住宅、興行場、駐車場、遊園地」の「遊園地」というのは少し問題がありますが、いわゆる私権の及ぶ限られた範囲において問題があるのならば、それを頼まれて盗難の防止その他をやるというのなら、これはそれで私はよろしいかと思う。しかし、ここはもう限られた範囲ではない。「人若しくは車両の雑踏する場所又はこれらの通行に危険のある場所」ということになっておる。通行というのは一体何を意味するかということです。私は、こういう法律の書き方自身については、いまのような答弁で、これをそのまま承認するわけにはどうしてもいかない。ここでは私権と公権との混同が行なわれてきて、まごまごしていると必要以上に私権を抑圧する危険性がどうしても出てくる。誤った公権力の行使が行なわれないとはだれも保証ができない。こういうことを書かなくても、前段に書いてありますし、具体的に言うなら、ある一定のところで何か特別の仕事をしている人があって、そこにたくさんの車の出入りがあって、その場合に危険があるから、ひとつこれを整理しようというようなことは現実に行なっておる、しかし、そのことは、前段のところの「駐車場」であるとか、こういうところにちゃんとあるでしょう。こういう場所が一号に書いてある。事務所であるとか、住宅であるとか、興行場であるとか、駐車場であるとか、遊園地であるとかいうような、ここにあげられておるところの、いわゆる私権の及ぶ範囲において警備員が行為をすることは、私権しの、民法上の契約に基づいてやることについては私どもはぐずぐず言うわけではない。しかし、二号に来ると、「人若しくは車両の雑踏する場所」というようなことがあるが、これは一体どこかということ、何を指さしているかということです。これがもし興行場とか駐車場とかいうところならば、前段に書いてあるのでよろしいのではないか。したがって、第二号を入れたというのは、どう考えても、道路上の、一つの公の場所における問題をここに取り上げてきて、そしてこれを警戒し予防するという、公権力をここに与える危険性を持っているということである。この点は、私は、いまの答弁では、そのままこれを了承するわけにはまいりません。どうしてももう少しはっきりしたものにしておかぬと、一ぺんこういう公権力を与えますと、これの取り消しはなかなかむずかしい。むずかしいと同時に、事故の発生した場合にはもう取り返しがつかない。これらの問題を、いまの法制局の答弁だけでは私は了承するわけにいきません。  したがって、警察側にこの場合聞いておきますが、一号に、たびたび、言っておりまするようなことがはっきり書いてあって、二号に行って「人若しくは車両の雑踏する場所」と書いてあるのはどういうものを指さしておるかということです。

本庄務警察庁刑事局保安部長

○本庄政府委員 一号と二号とは明らかに違うわけでございまして、御理解いただきやすいように例をあげますと、よく道路で工事が行なわれておりますが、その際に、その工事関係者がその工事に伴う——工事といってもいろいろございますが、工事に関連いたしまして、その場所、その道路を通行する人あるいは車両に対する危険を防止するために、通行する人あるいは車に対して、ちょっといま一瞬間待っていただけませんかといって待ってもらう、あるいは若干回ってもらう、そういったようなことは現実にやっておるわけでございます。これは警察官が法令に基づいて指示をするという、いわゆる警察官の交通整理ではございません。協力を依頼するという性格のものである。したがいまして、あくまでも私的な行為でございます。こういったことが従来から現実に工事関係者によって行なわれておるわけでありまして、そのこと自体を禁止する必要もないわけでございます。性格としては、それと全く同じことを警備員がやるということでございます。  そういう意味におきまして、先生が先ほどお述べになりました公権力の行使ではなくして、全く私的な行為であると、かように御理解を賜わりたいと思っております。

門司亮民社党

○門司委員 私は、そういうことはたびたび議論しておりますので、そんなことを聞いているわけじゃない。いわゆるここで言う「車両の雑踏する場所」というのは一体どこかと聞いているのですこれは、さっきから私が申し上げている私権の及ぶ範囲においてのことはわかりますよ。これくらいのことは法律に書かなくたって、現実に常識上やっておりますよ。ところが、これを書いてしまうと、結局ここに出てくる一つの問題は、これらの問題は個人としてはやれないんだ、これはガードマンの仕事だということがここにどうしても生まれてくる。頼まなくたって、そんなことはけっこう常識上やっておる。自分の仕事をやっておって、人に危害を加えることを黙って見ている諸君はだれもおりはせぬ。だから、私は、法律は書き過ぎていると言っているのです。ここまで書いたらいろいろな問題が出てくる、さっきから申すように、私権と公権との混同が必ず出てくる。お葬式をする場合においても、道路を一時、五分か十分の間でもやはり遮断をしなければならぬ。車の往復というものをとめることはあり得ることである。しかし、現在ではそういうことがかりにあるといたしましても、一応道路の行政の担当者であり、交通規制の担当者である警察との間に了解を得ているはずである。その手続だけは必要なんだ。公権と私権と混同しちゃいかぬというのはここにある。こういう公権力が及ぶときには、やはり、公権力を持っている人との間に連絡、了解がなければならぬ、かってにやるということはいかがかと考える。これはもう少し警察当局も考えておいてもらいたいのですよ。お祭りで非常に雑踏するが、お祭りを禁止するわけにはいかない。お祭りとはそういうものである。それで、町内会の役員が出ていって交通整理をすることはあたりまえだ。同時に、こういう場合は必ず警察に連絡をして、ある意味において警察の補助機関というような、厳密にはそういうことになるかもしれませんが、そういうことで雑踏する場所の交通整理をやるということは常識上当然のことである。この場合、これを警備会社に限ってと規定してしまいますと、ここに公権と私権の混同が必ず出てくると思う。こうした場合に、もし事故が起こった場合の責任は一体だれが負うのか。道路上の事故であれば警察もほうっておくわけにはいかぬでしょう。調べないわけにはいかぬでしょう。私はその点を憂えておるのであって、法律というものは一応こしらえてしまいますと、国家権力の発動でありますから、理屈をこねたって始まらない。さっきから申し上げておるように、私権と公権との限界がどこにあるかということは、解釈上は非常にむずかしい。ことに、こういう法律になってまいりますと、どこからどこまでが公権であって、どこからどこまでが私権であるかということはむずかしい。しかし、線を引こうとすれば、前段にあるようなことに、あるいは作業場なら作業場というような文字が一号に入れられるならば、作業場の中における問題ということでまた考えられる。しかし、別にしてこういう書き方をされると、いまのような答弁では、私ども、さようでございますかと一言うわけにはなかなかまいらぬのである。同時に、その下に書いてある「通行に危険のある場所における負傷等」の「通行に危険のある場所」というようなものについての責任は、これは警察が負うべきです。警察の手が足りないで、そうして一つの何かの現象、ということばは少し当たりませんが、お葬式とかあるいはお祭りというような現象が一つここにある。その現象について、こういう交通整理をしなければならない実態が生まれてくる。その場合の交通の整理といっても、あくまでも警察の責任であることは間違いない。しかし、だからといって、警察官の手のないときに、そんなものを一々めんどうを見ておるわけにはいかぬということに具体的にはなろうと思います。しかし、さっき申し上げたように、実際問題としては、いずれの場合でも取り締まりの責任のある警察との間に連絡をとって、了解を得て、そうして私権と公権とのかね合いといいますか、それらの問題は明らかにしていくということが必要じゃないかということである。これを私権にゆだねてしまいますと、明らかに公権を度外視した私権の行使が行なわれるであろうということは当然である。しかもこの場合に、さっき山口委員からもお話がありましたが、例の護身用具を持ってもよろしいというような規定が出てきておる。この点は一体どういうふうにお考えになっておるのか。これはきのうも皆さん方と会って、かなり長い間この内容については議論をいたしましたが、またここで議論をしておるのですが、どう考えても書き過ぎだと私は考える。ここまで書いたのでは公権力と私権との混同を免れないということであって、どう考えても、警備法というもの自身についての拡大解釈にならざるを得なくなってくるのではないかということである。警備業はあくまでも私権の行使であることは間違いない。公権の行使ではないはずだ。そういうことを、一応この場合に考えておかなければならぬ。  それからもう一つの問題は、先ほど山口君から指摘されました十条の問題。これはむろん二項を受けた一項であって、法律のていさいとしてはこういう書き方が当然だと思う、法律を書こうとすればこういうことになろうと思う。しかし、問題は、先ほどから議論されておりますように、護身用具というものの定義、これは非常にむずかしいのであります。しかも、日本の場合は、法律で定められた凶器というようなものについて、持ってはいけないということが法律できめられておる。そのほかのものならば、だれが何を持って歩いたからといっても別にふしぎはないのであります。一般人も持っているのである。一般人にも持てるものを、なぜ特定の人たちにこういう規定を設けるかということである。ほっておいたってこれはいいのですよ。いま、警備会社の諸君だって同じことだと思うのですよ。そんなよけいなことをしてくれなくったって、危険な場所に行くときに護身用具を持っていくのが何が悪いんだ。そのときにピストルを持っていったり、カービン銃を持っていたら悪いかもしれない。あるいは刃渡り何センチという刃物を持っていたら、それは悪いかもしれません。しかし、この法律で一応規定されているもの、裏から言えば規定をされていることになろうと思いますが、そういうものを持って歩くことが何が悪いのかということは警備業者の当然な観へ、心だと私は思う。だから、実際はこのままほっておいてもいいんじゃないですか。特に規定しなくても、護身用具を持って歩くということは当然であります。さっき申し上げました事件のごときは、片っ方はまるっきりの素手であって、そうしてむろん護身用具など持っているはずもない。この場合は護身用具など持っていたわけじゃないのだけれども、現場にあったスパナであるとか鉄パイプでなぐるということになりますと、それは一体何だということになる。一体、この場合の護身用具というのは何を意味するのか、何であるかということである。一体予定されている護身用具というものはどういうものですか。

本庄務警察庁刑事局保安部長

○本庄政府委員 いまのところ考えております護身用具といたしましては、現在警察官が携帯しております警棒程度のもの、これを考えております、

門司亮民社党

○門司委員 そうすると、全く警察官と同じような服装をするということでしょう。これは警察当局にほんとうに考えてもらいたいのですけれども、警備業法が必要だという概念が出てきたのは、先ほどからしばしば言われておりますように、どうも警察官と類似の服装がある、あるいは類似の行為がありはしないかということが世間一般の人の偽らざる一つの考え方であります。したがって、何とか規制しておかぬと、警察官とまぎらわしい行為があったとき、まぎらわしい服装じゃ困るということである。これは一般の概念です。  それから、あなた方のほうから言わせれば、一つは、中のガードマンの教育を十分にして、そうしていま起こりつつある——起こりつつあると言うと、これも少し言い過ぎかもしれませんが、起こっておる特殊の犯罪、私はこれをあえて特殊の犯罪と言っておきますが、それは何であるかと言えば、民法しの契約に基づいて雇った人がそこで悪いことをするということなんだから、これは普通では考えられないのですね。これはあなたのほうから出した書類を見てごらんなさい。書いてあるでしょう。ガードマンの犯した罪が幾つあるか。飼い犬に手をかまれるという静からの変なことばがございますけれども、そういう問題もいいわけではありません。そういう問題は阻止しなければならない。いいことでは決してない。したがって、素質をよくして、そして社会の秩序を保持していこうという、あなた方の立場から考えた一つの問題があることに間違いない。だからこういう形の法律が出てくる。この上二つの面から見た規制であって、これにそれ以上の公権力を与えるということは、極力避けなければならない問題である。しかも、この護身用兵というのは、ほっておいたって、禁止されているもの以外の護身用具はいま持って歩いているのであります。これは警備員だけじゃありません。たとえばちまたでは、暮れになれば犯罪が非常にふえてくる、その犯罪を防止しよう、あるいは暮れになれば火災が非常に多くなる、これを何とかしょうということで、各自治会等で夜回りをやっている。これらの諸君もある意味においてはガードマンと同じ職務ですよ。いつどういう危険があるかわからない。いつどこで強盗に出っくわさないとも限らない。いつ火災に直面しないとも限らない。同じような仕事をやっている。この種の法律をこしらえようとするためには、やはりそのことを考える必要がありはしないかということである。だとすれば、特にここに護身用具を持って歩いてもいいという規定は不用な規定である。このことのために、もしこれらの諸君に特別の優越感を与えるというようなことがあれば、これはえらいことになってしまう。おれたちは護身用具を持って歩いてもいいんだ、法律が規定しているんだということになる。  いまの日本の法律は、御承知のように、一般人といえども、危険な場所に行くときに護身用のものを持っていくのは別に何もふしぎはないということである。護身用具とは、どういうものかと私が聞いたのは、護身用具にはいろいろある。私は、懐中電灯も護身用具だと思う。これはあかりを照らして、暗やみに穴があるとか、あるいは障害物があるとかいうことを見きわめられる。あるいは犯罪行為をしようとする者についての摘発も必要である。これは懐中電灯だって護身用具ですよ。だから、護身用具というものの見方について、いまのような警棒の範囲というようなことは、これはもうほんとうに行き過ぎの行為ではないかということである。どこまでも私契約でありまするから、一般人と同じ取り扱いをする必要があると思う。くどく申し上げておりますように、いまの警備員諸君の実態を見てごらんなさい。規制をしなくたって、危険なところに行く人間が護身用具を持っていくのはあたりまえのことである。船に乗って外に出る人が救命ブイを持っていくのは、これは護身用具です、あたりまえのことである。飛行機に乗っても、汽車に乗っても、どこに行っても危険か伴うとすれば、それに対する護身用具というもの、かちゃんとあるんだから、私は、この場合に、特に警察上層にひとしいような、警棒を与えるという特権を与えるということだけはぜひやめておいていただきたい。これは明らかに特権であります。この問題を一体どうお考えになるのか。私は、さっき言いました私権の範囲を越えたいわゆる公権の行使がここに行なわれる形が出てきやしないかと思う。この辺について、法制局でもどちらでもよろしゅうございますが、私権と公権との間の関係を、もう少し詳しくお話を願っておきたいと思います。

林信一内閣法制局第二部長

○林(信)政府委員 先ほど申し上げましたように、この法律がガードマンに特権を与えているというふうにはわれわれ考えておりません。十条一項がよけいな規定ではないかというお話でございますが、法律的に非常に冷ややかに申し上げますと、十条一項は当然のことが書いてあるということで、なくてもいいではないかという議論もあるいは成り立つかと思いますが、十条二項におきまして、公安委員会が一定の護身用具の携帯の禁止ができると、こういう規定を置きますことは、まあ、まくらことばと申しますか、そういう関係で、置いたほうがわかりやすいだろうということが一つございます。  さらに、十条一項自体について申し上げますと、「警備業務を行なうにあたっては、」というしぼりが一つございまして、さらに、「法令の規定により禁止されているものを除き、」という、この法令の規定の中には当然二項の規定も入ります。さらに、「必要な護身用具を携帯することができる。」ということで、簡単な文章ではございますが、意味の上におきましては、警備員が注意すべきことを含んだ規定になっておる。さような意味におきまして、これは法律的にどうしてもなければならぬ条文であるかと言われますと、私たち法制局の立場から申し上げますと、なくても、あるいは解釈が同じになるかもしれません。しかし、文章があるということによりまして事柄が明確になるであろう。で、置くか置かないかということは、これはおそらく政策的な考慮が働いていてくる問題でございまして、先ほど警察庁の長官からお話がありましたようなことで、警察庁が文章を書かれることを希望しておられるということで、私たち受け入れたわけでございます。

門司亮民社党

○門司委員 あなた方は特権でないと言うけれども、これはどう考えても特権なんですよ。一般の人と違った字句がここへ出てきているんですからね。一般の人は持ってもいいということは、概念的に言えるのですよ。これが禁じてあるから、これ以外のものは持てるという概念的の考え方の中で護身用具も持っていいんだ。まあ、護身用具と名をつければ護身用具である。ところが、ここはこう書いてしまうのですからね。そうすると、一般概念からくる禁じられたもの以外のものは持ってもよろしいのだという、その概念を一つ飛び越して、そうして、おれたちは法律上これを持つことが許されるのだという概念がここに出てくるのですよ。出ざるを得ないでしょう。だから特権と言い得ると私は思う。持つことができるという一つの権利である。これが法文化されている。しかも、これが国家権力の作用であることに間違いはない。法律できめた以上は国家権力の作用であります。だから、概念的に考えた、通念的に考えて、現状でもやっておるのであるから、これ以上何で一体こういうものを書く必要があるか、私はどう考えてもその辺の問題はわからない。  それから、さっき山口君も聞いておりましたが、警察官の職務執行法その他においても、武器の使用等について一つのワクがはまっておる。しかし、ここはほとんどワクがないわけで、法律の明文上ワクがないのである。国家権力として治安の維持の大任に当たる警察官が、危険な場所に遭遇するということは当然言い得るのであるが、そのために使う武器ですら、ある程度の制限を受けておる。ところが、一般の人が持ってもよろしいというものを特別に法律で規定をして、そしてそれの行使については何らの制限をしていない。こういうことをあっさり書くなら、むしろ、警備員は警棒を持って歩いてもいいと書いたほうがよほどはっきりしている。それならそれでまだ対象になる。  それから、警備の実態であります。警備の実態は、夜間の危険が伴うものだけではないと私は思うのです。いま警備の実態をひとつ見てごらんなさい。たとえば、会社の門に立っている人があるかもしれない、あるいは、一つの団体がある種の行動をやっていて、どうも会社に危害を加えはしないか、それを防止することが必要だという場合、一般人はこういう規定がありませんから持ってもいいはずではあるが、しかし、ここではこれは凶器にならざるを得ない。これらの諸君は持ってもいいという規定があるから、これは凶器には絶対ならない。これは、過保護の一線を越えたものである。あるいは防御になるかもしれないが、しかし、これは凶器にはならない。一般の人が持てば、使いようによっては、これは明らかな凶器になるどんなものでも凶器になるでしょう。野球のバットだって、野球している人が持てば何ということはなく、運動用具にすぎないが、しかし、これで人を殺せば凶器になるにきまっている。小刀だってやはり同じです。鉛筆を削ったって凶器にならないが、人を刺し殺せば凶器になることは間違いない、ところが、この場合は、警備員だからといって、棒を持ってもよろしいということが立法として法律化されてまいりますと、それの行使が行き過ぎであったかどうかという議論は警察官と同じように出てくると私は思いますよ。こういう危険なものを一体どうして書くかということです。書かなくてもいいのじゃないですか。さっき法制局から答弁がありましたように、私は、どう考えても、この辺は食き過ぎであると思う。ここまで書けば、これはもう全く警察官の持っておるある種の権限の行使にひとしくなってくるということである。おのおのの限界をおのおのの判断によって、個人の判断によって、危険かあるからこれを防止しようという域を越えて、法律がこれを規定するということ、そういう点を一体どうお考になっているかということです。  それから、職場は一体どういう職場なんですか。護身用兵を持たなければはらないというような職場がどれだけありますか。警備業者の全部の地域が、全部護身用具を持っていなければならぬほどの地域ですか。立法をされるからには、こういう問題について一つ一つ、国民の権利というものは平等であるのだというたてまえをとるべきである。大体、警察権の行使というようなものについても、その辺が非常にやかましくなって、そうして警察の行為等についてもかなり大きなワクをはめているはずであります。単に治安を維持するとか、あるいは悪い者を取り締まるというだけではなく、人間の権利というものは、平等である、人格は平等であるというたてまえに立って今日の民主立法はできているはずである。ことに今度の法律の関係からいくと——もう時間もありませんし、一時までにやめてくれと委員長から紙が来ておりますので、委員長の命令にそむくのもあまりよくないと思いますので、もう一つ聞いておきますが、法制局はどういうふうにお考えになりますか。法律の分類の中で、この法律は、思想その他を取り扱うという従来の治安立法というような考え方とは多少違いますけれども、警察法とややひとしい、ある意味においては治安立法化したものでないかということが八条の規定のところで出てきやしないかということが考えられる。こうなってまいりますと、まさにこの法律というものは妙な法律になって、ねじれるだけねじれたという法律になろうかと思うのです。八条が一つあるのですね。ここで、いままで非難された労働争議その他に介入することはけしからぬということを押えているつもりであると思いますが、そうなってくると、ある意味においては治安立法にひとしいというような問題が出てくる。思想がからまないとは言えない。この解釈はどうなんですか。私はきょうはそこまで議論しようとは考えていなかったのだけれども、この法律をずっと取り扱っておる場合、考えておる場合、いままでの答弁を聞いていますと、いろいろな問題があって、そうして八条との関係を——きょうは八条の問題を聞く時間はございませんが、八条との関連性から考えると、ややともすれば、治安立法化した、いわゆる警察法の下請機関のような感じがこれはしないわけではなくなってくる。これは法制局はどうお考えになるか。一応聞いておきたいと思います。

林信一内閣法制局第二部長

○林(信)政府委員 この法律案の立法趣旨に関する御質問だと思いますが、実は警察庁からお答えいただいたほうが明確かもしれませんが、私の理解する範囲で申し上げますと、最近の警備、いわゆるこの法律に規定しますところの警備業者あるいは警備員の行き過ぎが目立つということがそもそもの立法の動機であろうと思います。これに対しまして、行き過ぎの内容でございますが、これは、一つは、警備業者に依頼する契約の相手方に対するいろいろな権利の侵害行為というものが一方でございます。他方で、この警備業務を行なうにあたりまして関連してきます第三者、契約当事者ではございません一般の第三者、それに対する違法不当な行為というものが目立ってくる。この両面を何とかして取り締まりたいということで考えられたのがこの警備業法ではないかというふうに理解いたしております。  警備業という非常に特殊な業務でございますためにいろいろと問題になるわけでございますけれども、実体といたしましては、一般の営業規制をする立法とそう変わるところはない。それから、中身は、いまおっしゃいますように、いずれにいたしましても、警備業務という特殊な、従来はなかった、考えられなかったような業務でございますから、かりに、そういう警備業務に携わる人たちが非常に大ぜい集まりまして大きな暴力をふるうというようなことになれば、これは問題でございますけれども、これは一般の治安立法で十分規制できることでございます。  いわゆる治安立法というものの定義もはっきりいたしませんけれども、もし、この立法をいたさなければこの世の中の治安がすっかり乱れてしまうということでございますれば、まさにこれは治安立法かもしれませんが、それほどの取り締まり法規として考えられているのではなかろうというふうに存じます。

門司亮民社党

○門司委員 議論していても果てしがないので、これでやめますが、八条の書き方を見ると、どうも、そういう治安立法のにおいのかなり強い書き方でしょう。これを見てごらんなさい。八条は、「警備業者及び警備員は、警備業務を行なうにあたっては、この法律により特別に権限を与えられているものでないことに留意するとともに、他人の権利及び自由を侵害し、又は個人若しくは団体の正当な活動に干渉してはならない。」と書いてある。いわゆる労働組合が労働争議をやるということは当然の行為であり、また、団体交渉をやることももちろん許されておる。それらの行為に対して、いままでの事例からいけば、たびたび警備員の行き過ぎがあったということはどうしても考えられる。ところが、こういうものについてどこにどれだけの歯どめがあるかということになると、この法律だけを見たのでは、いわゆる警備業者の判断にまかせておる。ここでは、単なる業務を行なう者あるいは警備員の個人の判断にまかされておる。この規定は、もう少しここで考えないと、さっきから申し上げておりますように、解釈のしようによってはどこまでも治安立法的のものがありはしないかということである。これは、いまの警察庁の長官はかなり占い方だからよく知っているだろうと思うのですけれども、日本に今日まであった治安立法の内容を読んでごらんなさい。これはひどいことが書いてあるのですよ、幾つか、治安立法とはっきり銘打っておる治安立法がありますけれども、たとえば警察犯処罰令であるとか、あるいはその他の問題がある。  もうこれ上議論はいたしませんが、いずれにいたしましても、この法律の施行にあたっては、警備会社等につきましてもある程度の責任を与える必要があるのであって、それが反面にそれを規制していくということの一つの要素になっていることも間違いはない。そこは非常にむずかしいのでありまして、そのむずかしい段階を法律の文面であらわしていこうとするときに、こういう公権力と私権力の見さかいのつかないようなものの考え方については、この問題はいささか解釈を変えなければならないのではないかという気が私はする。  それから、これも一面の言い過ぎであり、私の杞憂だと言えばそれだけでありますが、いままでの警備業に対しまする業者との間における問題で、いわゆる契約書の取りかわしの中にこういう字句が書いてあります。第二条に、「警備担当員は定期的に巡回を行う巡察員又は上級警務上の査察を受けるものとする。」と書いてある。この場合、「士」という字が書いてあるが、この概念は一体何かということです。字句というのは、その辺は非常に概念的にむずかしい。こういう字を使うと「士」ということになるというのは、どういうものをさして「士」と言っておるかということです。「上級の業務者」とでも書くなら、これは一般的の用語であって別に問題はない。しかし、「士」という字を書くということになると、概念からいくと、何か特別の権力を持った者というようなことが考えられる。法律用語として、「士」の字を使ってあるのは幾つありますか。かなりあります。司法書士であるとか、あるいは経理上であるとかというようなところには文字が使ってあります。しかし、これは法律用語として、一つの法律のそういうもののたてまえとしての考え方であって、内部の規程、お互いの取りかわしの中でこういうようなものかあるということは——私は悪いとは言いませんよ。字句は解釈だからどうでもいいが、しかし、概念からいくと、どうもすっきりしたものという感じがしないのであります。契約書の内容をこれからずっと見る必要があろうと思いますけれども、この内容は私契約でありますから、もし行き過ぎのあった場合は、この法律に基づいてチェックされるものは当然チェックされるだろうと考えておりますので、私はこのことには文句は言いません。しかし、いま申し上げました三つの点、いわゆる二条の定義の場所、八条に対するものの考え方、十条に対する問題を考えてまいりますと、どうしても私権と公権の混同が行なわれてきている。そうして、すっきりした、いまの世論にこたえる法律にはならないのじゃないかというような感じがいたしますことだけを申し上げて、委員長の命令どおり、きょうはこの辺で一応質問を終わっておきたいと思います。

大野市郎自由民主党

○大野委員長 午後一時四十分に再開することとし、この際、暫時休憩いたします。     午後一時十三分休憩      ————◇—————     午後一時四十七分開議

大野市郎自由民主党

○大野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  警察に関する件について調査を進めます。  練馬区立石神井南中学校における光化学スモッグに関連する問題について、政府から説明を聴取いたします。環境庁大気保全局竹内企画課長。

竹内嘉巳環境庁大気保全局企画課長

○竹内説明員 最近練馬区付近を中心にいたしまして光化学スモッグと称せられるものが頻発いたしまして、特に学童生徒などに被害を及ぼしまして、非常に不安を与えておるところでございます。これにつきまして、私どもも、東京都とも協力をいたしまして、種々実態の解明に当たっておるところでございますが、率直に申しまして、最近起きておりますところの、特に、先週の金曜、土曜、そしてこの月曜日と続いて起こりました光化学スモッグといわれるものの被害につきましては、これまでの光化学スモッグの発生条件と全く異なっており、端的に申し上げましても、オキシダントの濃度について見ますと、二十六日の石神井南中学校の周辺で、一番近い測定点が田無の市役所にあるわけでございますが、これが〇・〇八PPM、二十七日の場合は〇・〇六五PPM、それから月曜日の二十九日は〇・〇三五PPMというふうに非常に低い数字でございます。これは、光化学スモッグのはしりと言われまする昭和四十五年七月十八日の立正高校のときのオキシダント濃度は〇・三二PPMでございます。それから、東京都におきまして、あるいは大気汚染防止法の施行令によって定められておりまするいわゆる注意報と申しますか、第一の段階の警報はオキシダント濃度〇・一五PPM。このようにオキシダント濃度が非常に低濃度であって発生しておるということが一つ。  それから、もう一つは、昨年までの光化学スモッグは、いずれも気象条件が無風ないしは微風でございまして、しかも日が照っておる。つまり、光化学反応と申しますのは、空気中の二酸化窒素が炭化水素類と反応いたしまして、それに紫外線の照射を受けて初めて光化学反応というものを生ずるわけです。光化学反応を生じましたものが俗にオキシダントと称せられる二次生成物になりまして、これが気象条件がプラスアルファされまして、目のちかぢかとか、のどの粘膜などを刺激するという光化学被害を起こしてきたわけでございます。ところが、今回の場合には、大体五メートル、八メートルないし十メートルというようなかなりな風があり、しかも、どちらかというと曇天、つまり紫外線量が少ないということ、かつ、これまではむしろ逆転層が生じておりましたものが、今回は逆転層がほとんど見られないというような、気象条件が全く異なるという点が第二点の相違。  それから第一、一点といたしましては、どちらかと申しますと、最近の被害はピンポイント被害と申しますか、非常に局所的に集中しておるわけです。つまり、四つの学校の、石神井南中学校で申しますと、四階建ての南側の全面に被害があったというわけではなく、そのうちの一部に集中した。したがって、その被害が起きましたときに、その付近の他の教室では全然被害を感じなかった。あるいはまた、感じたとしても、あとになって、翌日聞かれてみれば、そういえば目が少しどうとかという程度。あるいは、校庭で遊んでおる子供とか付近の住民についても、実は当時全然自覚症状がなかった。こういうようなことで非常にピンポイントであった。しかも、このピンポイントが、これまでの光化学スモッグですと、同じ地点で二度、三度と起きた例はほとんどございません。たとえば立正高校でございますけれども、それ以来、光化学スモッグ被害というのは、実は、ケースとしては報告は全然ない。そういう意味で、同じ地点に二度、三度、四度と続いて起こるということにつきましても、私ども非常に奇異な感じを持っておるわけでございます。  しかしながら、具体的に被害を受けました学童などの臨床所見につきましては、医師のほうから最終的に結論めいた所見はまだ出ておりませんけれども、現在私どもがいただいておりまする臨床所見によりますと、「初期には粘膜の刺激症状が認められ、これに引き続いて呼吸数の増加とともに、頭痛、はき気、息苦しさ、しびれ感等の全身症状が現れてきている。この全身症状は、運動負荷のあった者に」——と申しますのは、千五百メートルないし千メートルというような体力テストを行なった直後であったというようなケースも実はあるものですから、そういう表現があるわけですけれども、「運動負荷のあった者にとくに著明であり、女生徒の場合には、これに年令的な特異な現象が加わっている傾向が認められる。以上の結果から光化学スモッグによる影響が疑われるが、最終的な結論は現在継続している検査の結果を待つべきであると考える。」というのが、実は、医師団から、東京都なり私ども環境庁が受けておりまする現在の報告でございます。  以上のような状況でございまして、私どもといたしましては、光化学スモッグでないとすれば、ないときのほうがむしろ心配になるわけでございまして、従前理解されておりました大気汚染現象とは異なったものではないかという心配も若干ありまして、この点の解明を急いでおるわけであります。  ただ、新聞紙上等でも御存じかと思いますけれども、昨日の朝の事故等につきましては、東京都の大気汚染測定車などが、現実にオキシダントあるいはその他の汚染物質の測定をしている段階で被害が起きた。ところが、その被害を受けた生徒たちはそういう自覚症状があったわけでありますけれども、そのときに立ち会っておりました都の職員その他、いわゆるおとなは全然感じなかった。それからまた、計器類に示されたオキシダント濃度は〇・〇二PPMというように非常に低い濃度だった。こういうような点から考えまして、むしろ、何か特殊なケースで被害が起きて、それがやや後遺症的に残ったのではないかという疑いもないとは言えないわけであります。そのような点を含めまして、特に臨床的な検査等を通じまして、その所見を得た上で、さらに解析をした上で、何らかの結論と申しますか、実態が少しでも早くわかることに努力をしてまいりたいと思っておりますので、とりあえず御報告を申し上げておきます     —————————————

大野市郎自由民主党

○大野委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山口鶴男君。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 ただいま環境庁のほうから、最近発生いたしました光化学スモッグが従来のケースとはだいぶ様相が違っているという点を中心にいたしまして御報告をいただいたわけでありますが、そこで、若干お尋ねいたしたいと思うのですが、光化学スモッグの原因は、通常の場合酸化窒素ですね。これはNOXと言ったらいいだろうと思いますが、いろいろな形態の酸化窒素、それから炭化水素、これによって光化学反応が起きてオキシダントが発生をすると言われていたわけでありますが、問題はこの酸化窒素と炭化水素ですが、その原因は一体どれかということになりますが、従来、酸化窒素は工場からの排出が多いというのが国のほうから言っておられた状況ですね。これに対して都のほうは、いや、むしろ、この酸化窒素は自動車から排出するものが多いのだ、こう言っているわけです。具体的に言えば、都は、工場と自動車からの排出比を三五対六五だと言い、国は逆に、工場が六五で自動車が三五だと言っているわけですね。この点は環境庁としてはどうお考えですか。

竹内嘉巳環境庁大気保全局企画課長

○竹内説明員 ただいまの窒素酸化物の発生寄与率の問題でございますが、窒素酸化物の発生源として、工場等からが約六五%、自動車からのものが約三五%、この数字は、昭和四十二年におきまする東京都内における石油糸燃料の消費量から推定をされたものとして、四一五年の七月に出されました運輸省での運輸技術審議会の自動車排出ガス規制に関する中間答申に用いられた数字でございます。したがいまして、四十一年の当時の自動車の運行状況と現在とでは相当違っておるわけでございまして、私どもは、自動車のほうが三五であって、工場等か六五だというふうにきめつけておるつもりは決してございません。  ただ、一言申し上げますると、この辺の窒素酸化物の負荷量計算と申しますのは、エミッションファクター、つまり排出の係数というのが非常に微妙なと申しますか、むずかしい問題がございまして、現在、私どものほうの中央公害対策審議会の自動車公害専門委員会におきまして、このNOXの負荷量につきましての発生源別のパーセンテージの検討を急いでおりまして、おそらく、早ければ六月中ぐらいには一応の答えが出るのではなかろうか。その際、私どもがいまの中間的な段階で抱いておりますところでは、工場と自動車の比が、四十二年に対してひっくり返るところまではいかないだろうけれども、しかし、ほぼ相拮抗する程度の数字には少なくともなっているのではなかろうかというふうに私どもとしては理解をいたしております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 その点は、現在の自動車交通量の上に立って、やはり正確な状況をさらに究明するようにお願いしたいと思うのですが、いま一つの原因である炭化水素、これがエンジン部門や給油系統から燃料が漏れる。排気ガス中の炭化水素に比べると量は少ないが、それでも都内の全車両の給油系統から出る炭化水素は一日に十四トン、総排出量の百七トンの一割強だ、こういうふうに都は言っております。ところが、この蒸発防止装置は、アメリカへの輸出車にはすべて取りつけられているが、国内向けの自動車になると、新車にエンジン部の防止装置がついて、給油系統全体の防止装置は秋の新車から取りつけが義務化されている。だから、外国向けのほうではすでに装置をつけておるのに、国内車の場合は本年の秋からだ、しかも、中古車については野放しだという形になっておって、国内向けの車に対して防止装置がいつまでも放置されているというところにやはり問題があるんじゃないか、そういうところに炭化水素が非常にふえる原因があると言っておるわけでありますが、この点、直接は通産なり運輸省の関係だろうと思うのですが、こういうことではやはり問題じゃないかと思うのです。環境庁としては、これについては当然一言あってしかるべきじゃないかと思うのですが、いかがですか。

竹内嘉巳環境庁大気保全局企画課長

○竹内説明員 お答え申し上げます。  ただいまのお話、まことにごもっともだと私どもも思っております。率直に申しまして、私どものほうでは、炭化水素類の規制につきまして、この三月二十九日付で、実は許容限度の改定強化を行ないまして、これが九月から施行されるわけでございます。当初、これは、運輸技術、審議会の答申によりますと、四十八年度からやる予定のものを実は繰り上げて実施をしようということにいたしたわけであります。ただ、私どもの立場から申しますと、許容限度の問題につきまして、自動車のガソリンの成分、それから自動車のガソリンの燃焼によりまして出てまいります排出ガスの各種の汚染物質というものを、ある部分だけを一つ一つ克明にたたくというのも一つの方法でございますし、基本的な自動車の性能と申しますか、メカニズムの問題もあろうかと思いますが、私どもとしては、いわゆるアメリカのマスキー法に対応するその数値というものをもう十分考慮したと申しますか、満たし得るようなものをひとつ積極的に——これを、許容限度の改定をもって長期的な対策を立てたいということで現在急いでおるわけでございまして、そう遠くない時期にこの許容限度の決定に至るのではないか、ただ、一般的に申しますと、自動車の生産等につきましては、通産省あたりからの、あるいは業界からの話を聞きますと、大体リードタイムとして最低二年ぐらい、ないしはものによっては三年くらいの期間を要するというふうに聞いておりますけれども、私どもとしては、昭和五十年の規制値でマスキー法並みの数値というものを期待しようとするならば、できるだけ早い機会にこの許容限度の強化というものに踏み切ってまいりたいと思って努力しているところでございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 アメリカにおきましてもマスキー法の施行が問題になっているわけでございまして、少なくともマスキー法が規定している許容限度にまで、やはりわが国においてもシビアな許容限度を設けていくということが必要ではないかと思います。最近、大石環境庁長官は、新全総についてもきわめて勇気ある発言をしておられまして、環境庁には私ども大いに期待をいたしておるわけでありまして、この光化学スモッグ対策の一環としての炭化水素の規制の問題につきましては、すみやかな規制の実施を要請をしておきたいと思います。  ここは地方行政委員会ですから、交通規制の問題についてお尋ねをしたいと思うのですが、一昨年の公害国会におきまして道交法の一部改正が行なわれ、大気汚染防止法の一部改正が行なわれました。道交法の一部改正によりまして、公安委員会は、「必要があると認めるときは、都道府県知事その他関係地方公共団体の長に対し、当該交通公害に関する資料の提供を求めることができる。」となっております。今度、オキシダント濃度は低いが、しかし、現に練馬の石神井南中学校で生徒が相当な被害を受けたという現実的な状況があるわけですね。したがって、この法律に従って、東京都公安委員会は、都道府知事ですから都知事だろうと思いますが、都知事に対して資料の提供をすでに求めているわけでありますか。その点はいかがですか。

片岡誠警察庁交通局長

○片岡政府委員 文書をもって求めてはおりませんけれども、公害局のほうに、早くその原因の究明をやって、いかなる原因であのような事故が起こっているか知らしてくれということは何回も申しております。ただ、それに対して、もうしばらく待ってくれ、原因がわからないというのが現状だと思います。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 一方、都のほうは、今回の光化学スモッグの原因はやはりいろいろ究明しなければならない点が多い、従来のケースとだいぶ違う、ということについてはいろいろ検討いたしておるようでありますが、とりあえず自動車を規制したらどうかということで、直接規制案と間接規制案というものを考えまして、東京都公安委員会に対して要請をすることをお考えになっておるようであります。「1“光化学非常線”を張って、マイカーの都心乗入れを禁止する2マイカーは車両番号偶数、奇数の交互走行を禁止する3大型トラックの都心乗入れ規制を強化拡大する」というのが直接規制案ですが、間接規制案としては「1都内の三・五メートル未満の道路はすべて車の通行を禁止する2現在、日祝日しか実施されていない歩行者天国を平日化、また拡大する3車庫規制を、二十三区と七市から全都に拡大する。」ということをお考えになっておるようであります。これに対して、新聞の報道によれば、「机上プランだ」と警視庁は言っておる。警視庁の交通部長でありますが、「机上プランにすぎないのじゃないか。都のほうは吹くだけ吹けばよいだろうが、こちらは現場として取締まりに当たらなければならないのだからたいへんだ」言っておるわけです。そして、「問題なのは他県からの流入車両であって、これは都知事がバイパスをつくろうとしないのが原因だ。都市構造を今すぐにでも改めるために、バイパスの建設などに着手すべきだ。」と言っておるんです。私は、このことは問題があるのじゃないかと思います。それは確かに規制をするのですから、警視庁とすればたいへんなのは私はよくわかります。わかりますが、同時に、大体、都知事がバイパスをつくらぬでなまけておるじゃないかというようなことを言って、他に責任を転嫁するようなことは、やはり警視庁としても考え直していただかなければならないのじゃないか。ですから、都は都としてバイパスをつくり、その他によって都内に車の乗り入れをできるだけ減らす努力を一方ですべきことは私は当然だろうと思いますが、同時に、警視庁としては、一体どうしたら交通規制をうまくやることができるかという点について、みずからの責任を果たすための努力というものを平生において十分にすべきが至当じゃないかと思うのですけれども、この談話はそのとおり出ておるのかどうか私は知りませんけれども、この談話どおりだとすれば、私は、問題じゃないかと思うのですね、この点交通局長さん、いかがですか。

片岡誠警察庁交通局長

○片岡政府委員 まだ、都のほうから警視庁のほうに正式に要請が出ておりませんので、いずれ正式に要請が出れば、警視庁はその要請を検討すると思います。ただ、それまでに新聞に都の考えている考え方が出ておりましたので、それについての記者の取材に対して答えたことが記事になっているのだと、このように思います。私どもとしまして考えておりますのは、今度の石神井南中学の問題は、因果関係がわかればそれに応じた手を至急に打っていきたいと思っておりますけれども、そのほうはまだそういう問題として診断がはっきりしないという悩みがございます。  それからもう一つ、それとは必ずしも直接因果関係がない提案が都から出ているように私は受け取っておるわけでございます。というのは、新聞記事によりますと、都で考えておりますのは、むしろ、環状七号と荒川で囲む区域の中に入ってくる車、そこで動く車の量の削限をやりたいというのが基本的な考え方であるように思います。その考え方自身は私ども賛成でございますし、私ども自身も現在その方向でいろいろな施策を打ってきておるわけでございます。ただ問題は、私どもが現在打っておりますのは、一つは駐車規制、これは車庫法、保管場所の確保に関する法律を含めまして駐車規制をきびしくする。それによって不要不急の車の流入を防ぐというのが一つ。それからもう一つは、バスの優先レーン、専用レーンを拡大していって、公共大量輸送機関による通勤、通学輸送を強化することによって、マイカーによる通勤、通学を間接的に抑制していく。この二つの手段を昨年来逐次強化していって、これで削減するのがむしろベターではないだろうか、直接規制よりも間接規制のほうがベターであるという、そういう判断に立っていままでやってきております。しかし、直接規制についても、将来の問題としてはやはり検討を要する事項ではあるということで、それについてのメリットの面とデメリット、プラスの面とマイナスの、面をいろいろな角度から検討しているのが現状でございます。したがって、その点について、直ちに都から要請があっても、そのほうは実行がむずかしいのではなかろうか、もう少しこれは検討を要する事項ではないだろうかという態度だと私は思います。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 一昨年の公害国会で成立いたしました大気汚染防止法によりましても、オキシダント濃度が〇・一五PPM、これをこえた場合は自主的な制限、それから〇・五PPMをこえた場合は道交法の規定による措置を要請できる、こういうことになっているわけですね。先ほどの御報告によれば、〇・〇六PPMないし〇・〇五PPM、高いところで〇・〇八というような濃度のものがあったそうでありますが、結局いまのところは法律によっての自主的な規制ということでありますから、そういうことでただいまのお答えは理解できます。  駐車場の規制をやるとか、あるいは優先レーン、専用レーン等によって人員輸送をできるだけやっていくということで、自主的な規制を日ごろからやっておりたらどうかと言うのですが、ただ、問題は、優先レーン、専用レーンといいましても、現実に東京都においては、非常に遅々として進んでおりませんね。私ども、公営交通の面からもそのことを強く言っているのですが、現実にはなかなか進んでいないという状況であります。しかも、今度の場合、オキシダント濃度は、従来の光化学スモッグとパターンが違うという点もあるのでしょうが、オキシダント濃度はいまのところ低いというところで、自主的な規制をやる段階だということはよくわかりますが、ただ問題は、そういうことをおっしゃっているだけならいいのですけれども、そのほかに、先ほど私があげたような、大体知事がバイパスをつくらぬから悪いのだとか何だとか言うということはいかがかと私は思うのです。やはり、自主規制をスムーズにやるためにはどうだということで、東京都と東京都の公安委員会あるいは警視庁とが十分協力して、自主規制を十分にやるための手だてを考えるべきであり、さらにまた、オキシダント濃度が非常に高まったときの交通規制を具体的にどうするかということで検討すべきであって、いや大体知事のほうがなまけておるからけしからぬと言う警察の姿勢は、これはひとつ考え直してもらわぬといかぬと思うのですが、この点はいかがですか。

片岡誠警察庁交通局長

○片岡政府委員 私自身は、まさかそういうことを警視庁交通部長が言ったとは思いませんけれども、警視庁交通部長の真意をかりに推測すれば、こういうことだと思います。東京の場合に、放射線道路の改良は相当進捗しておりますが、本来それと計画的にマッチすべき環状道路の建設がおくれておるのは事実でございます。だから、そういう意味で、環状道路がより早く完成して、たとえば環状八号なり湾岸道路というものが完成すれば、東京都心を通過していく車が通過しなくて環状八号でさばけていく、あるいは湾岸道路を通って千葉のほうに流れていくといりようなことになって、それも交通の円滑なりあるいは公害防止のために役立つのではないか。その面を、これは知事だけの問題じゃないと思いますが、国あるいは都の行政としてもう少しやってもらえないだろうかということ、そういうことを言ったのではなかろうかと思います。したがいまして、都と警視庁が何か対立した関係にあるようなことであってはいいことではございませんし、連絡をよくして、公害防止なり、渋滞緩和なり、あるいは安全のために行政は進めていくべきものであると、そのように考えております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 時間もありませんからこれで終わりたいと思いますけれども、当初、光化学スモッグの原因は、何か酸化窒素と炭化水素ではないかと言われ、オキシダント濃度を測定して、〇・一五PPMをこえた場合は自主規制、〇・五PPMをこえた場合は交通規制もやるということになっているわけでありますが、最近の状況を見ると、当初予想した光化学スモッグの原因とどうも相当様相が違う。したがかいまして、この点は環境庁にお願いをしたいと思うのですが、さらに都と協力をいたしまして、国としても全力をあげて光化学スモッグの原因を究明し、特に、新しいパターンが起きつつある状況においてのそれに即応した原因究明をひとつ早急にやっていただきたい。そこで、その点についてのお答えをいただきたいのが一つであります。  それから、第二の問題は、警察庁にお尋ねしたいと思うのですけれども、とにかく、そういう形で、従来と違うパターンのものもあらわれている。したがって、〇・一五PPM、〇・五PPMという現在のものさしが一応ありますけれども、それだけではやはり被害を防止することができないという状況に十分着目をいただいて、先ほどお答えをいただきましたが、違法駐車の取り締まり、あるいは優先レーン、専用レーンによる大量輸送の優先の原則を確立するという問題。これはことばではずいぶん聞いておるわけでありますが、実効があがっていないというのが現状だと思うのですね。大量輸送優先を打ち立てるというならば、警察庁がもっと指道庁性を発揮して、東京都のみならず、大阪その他においても大量輸送優先の原則が実行されるように力を入れていただきたい。  それから、さらに、バイパスができなければいかぬのだとか言って他人の責任に転嫁するのではなしに、いかにして都心の交通を少しでも減少せしめるかという点について、日ごろから十分な検討をやっていただいて、そして東京都と警視庁というものが十分連絡をとりまして、お互いの責任がどうだこうだということでなしに、それぞれ相協力いたしまして、できるだけ好ましい方向を目ざしていく。そのための用意をいまからしでいく。これから夏に向かえばさらに光化学スモッグの頻発することは予想されるわけであります。それだけに、協力をいたしまして、光化学スモッグ対策、自主規制をどうやるか、さらに交通規制をとるとすれば一体どうするかということを十分検討いただきたいと思うのです。  その点に対する警察庁としてのお考えを承っておきたいと思います。

竹内嘉巳環境庁大気保全局企画課長

○竹内説明員 お答えいたします。  先ほど御報告いたしましたように、新しい型の大気汚染、都市型の汚染ではないかという疑いも多分に持たれておりますので、これまでのように、単にオキシダント濃度のみを指標に考えていくということがいいか悪いか、あるいは別の指標を求めるべきではないかということをも含めまして、目下部とも協力をいたしまして、私ども、一都三県と環境庁でお互いに協力し合って、東京湾沿岸地区の光化学反応についての汚染状況の解明調査を急いでおります。できるだけ早い機会に御期待に沿えるような方式あるいは施策というものを打ち出していくように努力してまいりたいと思っております。

片岡誠警察庁交通局長

○片岡政府委員 都側から、あるいはほかの府県におきましても、公害担当官庁からの、要請のあるなしにかかわらず、通常の問題としての、都心部における自動車交通量の削減については実施してまいりたいと思います。  それから、公害関係につきましては、できるだけ関係部局と連絡をよくして、正確なデータをもらって、それに対応する適切な手段を今後とも検討を続けてまいりたいと思っております。

大野市郎自由民主党

○大野委員長 和田一郎君。

和田一郎公明党

○和田(一)委員 時間がありませんので、簡単にお聞きします。  石神井南中学校以外に、田無の第三中学校が、やはり二十八日ですか、被害を受けておりますが、それはどういうぐあいになっておりますか。ちょっと報告していただきたい。

竹内嘉巳環境庁大気保全局企画課長

○竹内説明員 田無の市立中学校のケースも、石神井南中学校とほぼ似たようなケースでございまして、ただ、客観的条件の差と申しますのは、新青梅街道に石神井南中学校よりも地理的に非常に接近をしておるという。その点を除きますと、石神井南中学校とほぼ同じ状況。先ほど申しましたオキシダント濃度の低濃度の点、気象上の問題、あるいは汚染か非常に局地的であるという点、そういうような様相については、すべてこれまでの光化学反応についての問題点とは違っているというところにやはり特徴があるというふうに理解をいたしております。

和田一郎公明党

○和田(一)委員 また、きのうですか、大阪の堺、それから藤井寺、こういうところでもやはり学校の子供たちが被害を受けておるということですが、そのほうは一体どうなんですか。やはり東京の石神井と同じような状況であるかどうか。

竹内嘉巳環境庁大気保全局企画課長

○竹内説明員 大阪と栃木の件につきましては、私ども、そういう、ありましたという報告だけしかまだ受けておりません。具体的なデータ等については、それぞれの府県からの到着を待っておる次第でございますので、お答えを控えさしていただきたいと思います。

和田一郎公明党

○和田(一)委員 それで、石神井南中学校の場合は、付近の住民の方々も被害を受けている。いままでいろいろなところでこういう事件がありましたけれども、やはり、学校だけじゃなくて、全体が受けているわけですよ。学校が一番発見しやすいということだと思うんですけれども……。この間連休に、ある新聞を見ましたら、ヘリコプターからとった写真が出ていて、いろいろな主要街道の、ものすごくマイカーの通ったあとに、道路沿いのしにガスがたまっているという状況が載っていました。これは完全に犯人は自動車だと思うのですけれども、その点はどうですか、環境庁としては。

竹内嘉巳環境庁大気保全局企画課長

○竹内説明員 お答えいたします。  ゴールデンウイークのときに、初日に、自動車の排気ガスが、ヘリコプターからとりました写真ではっきりと出ておったということは私どもも確認をいたしております。ただ、光化学反応それ自体は、排気ガスの炭化水素だけで起こるものでもございませんので、したがって、それのみを押えればということにはならないと思います。しかし、それも重要な要因の一つでございますので、自動車の排出ガスそのものを押えることが光化学反応に対する対策の一番重要な問題点であるという点については変わりないと思っております。

和田一郎公明党

○和田(一)委員 今度は、警察庁と環境庁の両方にお聞きしたいと思うのですけれども、もはや自動車の大気汚染を規制する時期に来ているんじゃないか。オキシダント濃度が〇・一五PPM以上の場合は警戒警報が出るわけですね。しかし、現実に〇・一五PPM以下でもそういう被害がある。それは光化学スモッグであるかどうかはわからないとおっしゃっておりますけれども、いずれにしても、これは大気汚染から起こった被害には違いないと思うんですね。ですから、もはやこれは規制の時点に達しているのではないか、どうも対策が後手後手になっているのじゃないか。そして、これからもっと被害が出て、大騒ぎするのじゃないか、そういう気がするのですけれども、その点、どうでしょう。

竹内嘉巳環境庁大気保全局企画課長

○竹内説明員 お答えいたします。  光化学反応によります大気汚染の被害と申しますのは、先ほどもちょっと御紹介いたしましたように、昭和四十五年の立正高校以来叫ばれてきた問題でございます。私どももそれの解明について努力をいたしておるわけでございます。ただ、今回の被害の実態を見ましても、特徴の一つとして私が申し上げましたように、かなり局地であるという点に、これまでの大気汚染の中でも、光化学スモッグ被害というパターンの中で取り上げてはかえって間違いはしないだろうかという非常な不安感も一つあるわけでございまして、そのために、かえってその先人観にとらわれて、本来の汚染状態の解明がおくれてしまうということもおそれておるわけであります。  しかし、いずれにいたしましても、いま先生御指摘のように、確かに、公害問題全般といたしまして後手になっておるというのは一般的な事実でございます。私ども、後手というよりも、できる限り先取りをするという方向でこれらの問題に取り組んでまいりたいと思っておりますけれども、ただ、学問的にもいろいろなデータというものが十分整っておりませんものですから、いまのところ、その点の実績あるいは各種のデータといったものの解明を急ぐ。迂遠なようでも、基本的にものごとを解決するしでそれが一番大切なことではないだろうかという判断で、私ども環境庁といたしましては、まずその点に重点を置く。個々の現象面につきましては、各種の監視測定その他、都道府県知事に権限をおろしましてお願いをしておるところでございます。私ども、一都三県だけでなくて、全国の主要な府県と光化学スモッグ連絡会議というものもしょっちゅう開きまして、お互いの情報交換をしながら、おしかりを受けました後手になるという問題について、少しでも、後手がせめて同時くらいになるようにもあるいは、その次の段階では一歩先んじられるようにという努力だけは続けてまいりたい、かように考えております。

片岡誠警察庁交通局長

○片岡政府委員 先ほど申し上げましたように、あるいはいま環境庁からお話がありましたように、その正確な原因の究明が、一日も早くなされることを私どもは期待しておりますが、原因の究明ができ、因果関係が明確になれば、一番適切妥当な手が打てると私どもは思っております。原因が不明確なときに打つ手というのは、それは有効適切な手が打てるかどうか、その辺に非常な問題があるのではないかと思います。たとえば、例の牛込柳町の酸化炭素の問題あるいは鉛の問題のときには、因果関係が相当明確でございました。したがって、あそこで交通規制の適切な手が打てた。信号機を増設した、あるいは右折禁止をしたということで、その後、柳町自身についてはその問題か解決されていっているというようで、その因果関係の一日も早く明確になることを私どもは期待しております。ただ、しかし、そうかといって何もしないでおくかということになると、やはり行政的に問題があろうと思います。そこで、車の削減を一番妥当な方法で強力にやっていくということは続けてまいりたい。そのように考えております。

和田一郎公明党

○和田(一)委員 時間がありませんので、一つ環境庁にお聞きしますけれども、その究明はできるのですか。いままではどうもうやむやになって終わったというのが何だかんだとあるような気がするのです。新聞の報道なんか見ましても、人体実験の方は元気はつらつである……。この事件は、原因究明ができるのですか。

竹内嘉巳環境庁大気保全局企画課長

○竹内説明員 たいへんむずかしい質問でございまして、できる、できないということを私どもの行政の立場で判断できることではこれはございません。あくまでも科学者の立場で、問題の科学的な解明ということになろうと思います。そのためには、この問題に関して、少なくともわが国で権威と言われている方、あるいはその、面について実績のあがっておられる方をあらゆる角度から網羅して御参加をいただいて、解明に努力をしておるところでございます。私どもとしては、最善の努力をいたしますということを申し上げておきたいと思います。

和田一郎公明党

○和田(一)委員 終ります。

大野市郎自由民主党

○大野委員長 林百郎君。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 時間がありませんので、五分だそうですから、環境庁へ三問だけお尋ねしたいと思います。  先ほどからの説明を聞いておりましたが、結局、このたびの光化学スモッグの公害は、オキシダントの濃度が低い場合にも起こるという新しいタイプの光化学スモッグの公害なのか。要するに、従来の光化学スモッグの範疇に入るけれども、しかし、いろいろ検討した結果、オキシダントの濃度が低くても起きるのだというものなのか、あるいは光化学スモッグ以外の新しいタイプの公審だというのか。その辺のところをひとつ聞いておきたいと思います。

竹内嘉巳環境庁大気保全局企画課長

○竹内説明員 その辺の結論を出すことがまだできませんので、いまのところ、解明について、東京都もあるいは環境庁も、それぞれ、緒になりまして、そのいずれの形なのか鳩首検討をいただいておるという状態でございます。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 そうすると、環境庁の回答いかんによっては車の規制というようなことにも響いてきますので、では、この公害が、車から出る炭化水素あるいは酸化窒素というものの結合によるもの、要するに自動車の排気ガスと因果関係のある公害であるということは認められるのですか。それまでも新しく検討しなければわからないということになるのですか。

竹内嘉巳環境庁大気保全局企画課長

○竹内説明員 自動車の排出ガスが、これらの都市型の特殊な、と申しますか、あるいは従前の光化学スモッグの主因であるということについては側違いございません。ただ、私どもがそれのみだということが言い切れるかどうかについては、若干問題が残るんではないかと思っております。つまり、少なくとも、自動車の排出ガスが炭化水素類を都市型の汚染物質として排出している、それが公害の発生源の大部分であるということは事実でございます。問題は、窒素酸化物については、依然として、工場、発電所等から出ます窒素酸化物の寄与率も決して無視はできない。そういうところに、ただ単に、自動車の排出ガスという問題を押えることも必要であるけれども、それだけで事が終わるというふうに私どもは考えておりませんので、そういう意味で申し上げておるわけでございます。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 そうすると、自動車の排気ガスだけでこれが阻止できるかどうかということについては問題があるにしても、自動車の排気ガスが、この新しいタイプの光化学スモッグの公害に重大な因果関係を持っている。したがって、自動車の規制も、この新しい形の光化学スモッグを阻止するための重要な一つの手段であることは環境庁も認められるわけですね。

竹内嘉巳環境庁大気保全局企画課長

○竹内説明員 その点はおっしゃるとおりだと思います。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 もう一つだけ。  この新聞で見ますと、せっかく環境庁でスモッグチェンバーを用意したけれども、技術者がいなくてまだこれが発動できないんだ、六月にならなければ発動できないんだ、六月になって発動できれば、神奈川、千葉、そのほか近県までずっと光化学スモッグの状況を調査できるんだというのですが、それはどういうわけなんですか。スモッグチェンバーだけは準備したけれども、技術者が準備できないのですか。役所の仕事としては何だか手抜かりのような感を抱くのです。われわれちょっと理解できないのですけれどもね。

竹内嘉巳環境庁大気保全局企画課長

○竹内説明員 お答え申し上げます。  私どものほうにも、技術者というのは、いろいろなタイプの技官を十分そろえているわけでございます。したがって、従前の個々の測定機器についての技術者は、現に私どもも十分用意しておりますし、それなりに動いております。ただ、スモッグチェンバーと解析車と、二つがワンセットになって動くわけでございます。その場合に、移動実験室的なものでございまして、これには紫外線を照射するわけどございます。したがって、照射に関しましては、実は放射線等の技術者の一つの認定資格が要るわけでございます。その点が一つ。  それからもう一つは、チェンバー・解析車と申しますのは、率直に申しまして世界で初めての試みでございます。したがいまして、これは非常に微妙なむずかしい構成をとっておりますので、一つ一つの機械についての技術者が、これらをトータルした形のもので運用するというようなテクニックにつきましては、ものができますまでは、実は、その練習をすべきもの、あるいは準備をすべきものがないわけでございますので、どうしても、ものができ上がって初めて、それの運用で技術者がオペレーティングに円熟せざるを得ない。こういうことから、私どもとしては、そのでき上がったところで、これを試運転しながら、技術者がこれの運用になれるように、そしてまた、いつまでたっても結論が出ないでは固まりますので、これらの解析車なりチェンバー車の結果の総合判定がすみやかにできるように訓練を積ましておるということで、今週中にはその訓練を終わるという状態になっておるわけでございます。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 まあ、私たちの考えから言えば、先ほど、手抜かりがあったとか、後手後手だというような話もありましたけれども、光化学スモッグの公害が発生しているのは昨年来なんで、ことしもこういう重大な段階に——ことしはまた、昨年の光化学スモッグよりも質的には一そうわれわれに恐怖を与えるような事態が起きているのに、スモッグチェンバーの測定車だけはできたけれども、それに乗って大気汚染を測定する技術者は目下訓練中だなんということは非常に手抜かりだと思うんですよ。至急これは訓練して、技術を身につけさせて、早急に東京周辺の近県にまで出動できるようにしなければいけないと思います。責任を持った国会の答弁として、いつからこれは発動できるのですか。ここではっきり言っていただきたいと思います。

竹内嘉巳環境庁大気保全局企画課長

○竹内説明員 技術者の総合研修か今週中に終わりますので、私どもとしては、来週から予定のスケジュールに従った解析実験に当たらせたいと、かように考えております。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 時間ですから、ちょっと警察庁にだけ聞かしていただきたいと思います。環境庁の方はけっこうです。  各委員ももう質問はしてあるのですけれども、御承知のとおり、東京では車の量を三段階で規制する。前日の予報、それから当日の予報で注意報と警報を発する。第三段階では、重大緊急報を発して、ほとんどの車の走行を停止するというような緊急の段階まで来ておる。この三段階規制をとって思い切った措置をしなければ、今日発生しておる光化学スモッグの公害に対処できないだろうということで、都としては、そういう考えを発表したわけですね。新しい型のオキシダントのPPMは昨年のものに比較して非常に低くても、そういう新しいタイプの光化学スモッグの公害、この新しいタイプの公害等にしても、いずれにしても自動車の排気ガスと因果関係があるのだということは環境庁もはっきり言っているわけですが、警察としては、それに対しては別に反論をするほどの権威もないと思うわけなんですけれども、ただ、都の車の量の三段階規制、そしてコードンラインを引いて、それへの進入を禁止するというような措置に対して、警視庁としては、どうもそのまま受け入れられない、手直しを要請せざるを得ないのだということも新聞に出ているわけですが、その辺の関係はどういうことになっているのでしょうか。もう少し詳しく説明していただきたい。

片岡誠警察庁交通局長

○片岡政府委員 実は、まだ、正式に都から警視庁に対して要請も話し合いもございません。新聞に先に出ているのが現状でございます。したがって、要請のあるのを待って検討しようという体制ではございますけれども、しかし、新聞に出ております案については、それなりに検討を加えているのが現状だと思います。  先ほど申し上げましたように、間接的な規制は従来から私どももやっておりましたし、それについては異論がございません。だから、間接的な規制を十分やって、都心部における自動車の量的制限をやっていくということにつきましては問題ございません。ただ、新聞紙上で見ますその面接規制の案については、これはまだ非常に問題が多い。したがって、これについては慎重に検討を続ける以外にはないのではなかろうかというような判断に現時点では立っております。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 ちょっと専門的なことをお聞きしますが、われわれもこの際聞いておきたいのですが、一体、東京では一日にどのくらいの量の車が走っているのか。そして、もしかりに、都で考えているように前日予報を発してマイカーをストップすると、どのくらいの台数の車がストップになるのか。それから、第二段階の、当日予報、注意報で警報を発して、A、環七から荒川、B、府中街道、この発令中ということで、これを停止したとすれば、どのくらいの車の量が停止になるのか。その辺はどういう数字になりますか。

片岡誠警察庁交通局長

○片岡政府委員 いま手元に資料がございませんので、正確なお答にならないかと思いますけれども、現在、東京都で車の保有台数は約二百二十万ばかりございます。それから、一番ピーク時の、たとえばいまの瞬間に現に走っている車。これが日によって違いますが、大体三十万ないし四十万くらいの数値のように聞いております。それから、午前七時から午前九時のラッシュ時間帯に環七の線の中へ入ってくる乗用車の数が、大体六万台くらいではなかろうかという数値があるように聞いております。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 そうすると、前日予報で、マイカーのコードンラインへの乗り入れをひとつやめてもらいたいと言えば、六万台は規制できる。そこで、緊急時の第三段階の規制だと、どのくらいのものが規制されることになるわけですか。

片岡誠警察庁交通局長

○片岡政府委員 それも正確な数値はわかりませんが、十万台くらいになるんじゃなかろうかと思います。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 新聞の報道しか私たち読んでおりませんが、アメリカのニューヨークあたりの例を見ましても、光化学スモッグの規制については、やはり自動車の規制を中心に置いておるようですが、それが、規制のしかたによってはかえって混乱を来たすようなことがあって、その面でまた一種の市民への迷惑が発生するというようなことが出てくるということも新聞に出ているわけなんで、そう単純に規制もいかないと思いますが、先ほどの課長さんの答弁で、都のほうの案と警視庁の考えの間に多少問題があるということを言われましたのですが、その問題の内容というのは、具体的にどういうことなんですか。

片岡誠警察庁交通局長

○片岡政府委員 問題の内容は、間接規制と直接規制と二つの考え方を都のほうの案では持っておるようでございます。その間接規制は、具体的に申しますと、たとえば駐車規制をきびしくしていくとか、あるいはバスの優先レーンとか専用レーンを多くしていくとか、そういうことによって、不急不用の車が都心部へ入ってこないようなことを間接的につくっていく。これが一番抵抗が少なく、また妥当性のあるやり方だと私どもは思っております。それは現に私どももやっておりますし、それを強化していくのは賛成である。それはいいと思います。  ただ、問題は直接規制です。非常線を張りまして、そこの中へマイカーを入れないという直接規制は、いろいろな波及効果を考えた場合に、マイナス面が非常に多いんじゃないか、そういう手段をとらなくても、間接規制を徹底してやれば同じ効果があがるのに、マイナスの効果の相当予想される手段をあえてとらなくていいんじゃないだろうかということで、その辺が一番の論点のように思います。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 こういうように部で考えているような車の量の三段階規制、あるいは間接規制、直接規制等の技術的な方法によって、若干交通の波乱を来たす場合もあると思いますが、それは最善の英知を警視庁としては発揮して考えていただくと同時に、車の多少の混乱よりやはり人命のほうが大切でございますので、とにかく人命に被害を与えないということを大前提にして、その中で車の規制をどのように懸命にするかということを、そう警視庁としても検討して、都とお互いに協力し合いながら、いたいけな子供たちに与えている光化学スモッグ、あるいは新しいタイプの公害かもしれませんが、この公害を防止するように努力していただきたい、こういうように希望して、私の質問を終わります。      ————◇—————

大野市郎自由民主党

○大野委員長 次に、風俗営業等取締法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。綿貫民輔君。

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員 私は、自由民主党を代表いたしまして、今回提案されました風俗営業取締法の一部改正法案について質問をいたしたいと思いますが、この法案が提案をされております諸現象並びにこれが提案された理由をいろいろと考察いたしてみますに、現代の日本のもろもろの現象に対する行政の対応策というものが国民から非常に不信を買っております。それと同じような形で今回のこの法案も考えられからだと私は思うのであります。それは、言うなれば、すべて現象が起きたあとで、いわゆるこう薬ばりの対症療法として法律をつくる。法律さえつくればあとは何とかなるんだというような考え方が基本にあるのではないかと思うのであります。  ただいま光化学スモッグの問題が論議の的になっておりましたけれども、このモーテルの取り締まりということも、考えてみれば同じ範疇に入るのではないかと思います。それは、今日の日本における車社会に対する抜本的な施策というものは何も考えられていない、また、いろいろの多省にわたる所管でありながら、都合のいいことはお互いの省が取り合い、都合の悪いことは一省に押しつけようとする今日の縦割り行政の欠陥というものがややもすると出がちでございまして、この問題も、そういう点からメスを入れないと抜本的な解決にはならないと存じます。そういう観点に立ちまして、今後の日本の行政、日本の立法府というもののあり方に抜本的な再考を促す問題の一つでもあるというふうに私は考えております。  そこで、最初に申し上げたいのは、今日モーテルもどんどんふえておりますが、これはやはり需要と供給の原則があるからだと思うのであります。やはり、需要があるから供給がふえるのであります。そういう点で、モーテルというものの名前が、今日、日本では連れ込み宿と同様になっておりますけれども、アメリカなどに行きますと、これは、自動車で旅行するための非常に便利なホテルということだと思うのであります。また、一方、共産主義の諸国においては、自動車の普及がそれほどでもありませんから、モーテルなんというものはございません。  そこで、諸外国においてこういう日本的なモーテルというものがはたしてあるのか。どういうことになっておるのか。その実情をちょっとお聞かせ願いたいと思います。

本庄務警察庁刑事局保安部長

○本庄政府委員 諸外国において日本的モーテルがあるかというお尋ねでございますが、御案内のように、モーテルというのは、モーターホテルというものでございますが、アメリカで最初にできたそうであります。健全な自動車旅行者が泊まる宿屋ということであろうかと思いますが、日本にはそういった意味の健全なるモーテルがなくて、いわゆる日本式モーテルが御案内のようにたくさんあるわけでございます。では、しからば、アメリカと日本以外はどうかということにつきまして、実は残念ながら、詳細な資料がないわけでございますが、私たちが調べた範囲におきましては、そういった意味での特殊なモーテルというものは諸外国にはないように承知いたしております。

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員 私は、この日本的モーテル、つまりワンルーム・ワンガレージのモーテルについては、こそこそやろうというような、何か日本的な陰湿さを感ずるわけでございます。  そこで、現在の日本の風俗取り締まりという問題について、ポルノや文学の取り締まりの問題もございますが、さらに、今日映倫のあり方についてもいろいろと論議を呼んでおります。しかし、ちまたにはいかがわしい雑誌が公然と販売をされておる。こういうような中途はんぱな風俗の取り締まりのバックグラウンドの中において、このモーテルだけを取り上げて、ここに焦点をしぼって、何か、これさえ取り締まれば日本の国は非常に秩序の正しい清潔な国になるのだというような錯覚をしているような感を受けるのでありますが、私は、むしろ、今日世界の中でフリーセックスというものは、フリーであるがためにかえってこそこそした日本的な陰湿さというものがあまりなく、堂々とは言いませんけれども、非常に明るい感覚で受け取られておるんじゃないかと思うのでありますが、日本の風俗の取り締まりというものについてどういうふうにお考えでしょうか。これはおそらく、明治憲法制定以来の風俗取り締まりの法律がそのまま積み重なって今日来ておると思うのですが、今日の世界の情勢あるいは日本の現状というものの中において、一つの、特にセックスを中心にした風俗取り締まりというものについてどういうようにお考えであるか。お聞かせ願いたいと思うのです。

後藤田正晴警察庁長官

○後藤田政府委員 風俗の取り締まりの基本方針はどうだということで、一つの御見識をお示しになったように思います。私は、今日の性の解放という世界的風潮はやはり認めざるを得ない、これに逆行するようなことはやはり問題があるだろうと思う。したがって、世界的風潮というバックグラウンドは一応是認しながらも、しかしながら、わが国の状況はどうかというならば、これはやはり国によって歴史的、社会的背景が違う。一般論としては、性の解放という問題を十分認識しなければならぬけれども、それはその国々の歴史的、社会的な背景というものを同時に頭に置いておかないといけないのではないか。そこで、今日のわが国の状況を見ますと、フリーセックスの名のもとに、あるいはその他の表現等の問題もありましょうが、いろいろな名のもとに、現実には商業七義の弊害というものが非常に強く流れておりはしないか。それによって非常に——ああいった場面に出てくる人自身の人権、これは一体どうなっておるんだ、また同時に、それが一般の青少年に与えておる影響はどうなんだというようなことを考えますと、やはり、そこに、おのずからなる、線を画さなければなるまい。人前で堂々とやっていいこととそうでないことは当然あるのじゃないか。こういうような気持ちで、その線の引き方は具体的にどうだとおっしゃると、私どもの立場としては、判例を基礎にして、すべて法解釈の運用に当たっていくんだということを申し上げる以外にない。抽象的な答弁でございますが、かようなことでございます。

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員 冒頭にも申し上げましたが、日本は自由主義ということを規定した憲法に守られて、法治国として成り立っておるわけでございますけれども、法律に書いてないことは何でもやってもいいということにもなりますし、逆に言いますと、法律で取り締まればそれができないということにもなるわけでございますが、私は、日本の現在のちまたにおけるもろもろの出版あるいはその他の現象を見ましても、この取り締まりというものは、憲法上おそらくそうきつくはできないのだろうと思います。そういう点である程度野放し、半野放し、中途はんぱだと私は思います。そういう状態で、今度はモーテルが悪いのだというようなことに結びつけていくということは非常に片手落ちでございまして、風俗というものを、ただいま長官が言われましたように、ほんとうに規律というものを中心に正しくしたいというのであれば、もっと取り締まるという方法も私はあると思います。あるいは立法の措置もあると思います。それをなおざりにしまして、一応なまはんかな対策をして、今度は所を変えてモーテルの取り締まりだけにいくということは、何か非常にちぐはぐな感じを受けるわけです。それで申し上げたわけであります。これは非常に問題のあるところでございまして、今後の日本のいわゆる社会教育問題を含めまして、重要な問題だと考えておるわけでございます。  そこで、このモーテルというのは、この法律を読んでおる限り、あまりいいところじゃない要するに、メリットというものはないのだというような意味から出発しておるように思いますが、正しい使い方をすれば、つまり、使う人によっては、先ほど言ったような、アメリカの旅行者が健全な使い方をしておるのと同じように、日本の貧困な住宅政策の中において、非常なメリットもあると私は思います。そういう点で、これをほんとうに風俗問題を中心にしてお考えになっておるのか、あるいは、犯罪防止ということを中心にしてお考えになっておるのか、その辺の見解をひとつ伺いたいと思うわけであります。

本庄務警察庁刑事局保安部長

○本庄政府委員 率直に申しまして、両方の要素が入っております。立法の由来から申しますと、四、五年前に比べまして、約五倍程度いわゆるモーテルが急激に増加しております。そして、このモーテルが増加するのに伴いまして、いわゆる地域住民、地域社会の方々から、正常な環境を阻害するものとして、モーテル建設反対というふうな、いわゆる反対運動があちらこちらに起こっております。また、それが住民の声として結集されて、すでに幾つかの市あるいは町におきまして、条例によってモーテルを規制していく。この規制の方法は幾つかあるようでございますが、そういった条例ができてきておる。そういう世論の市というものが非常に強くなってきておる。この世論というものは、むずかしい理屈よりも、むしろ、いわゆるモーテルがあちこちにできることによって、その地域の周辺の正常なる環境が害される、風俗的にいわゆる善良な環境が維持できない、青少年に対して悪い影響を与えておるといった、素朴な住民感情といいますか、そういった声がだんだん大きくなってきているわけでございまして、そういった状況を踏まえて、何らかの措置が必要ではなかろうかというふうに考えた次第でございます。その間、当衆議院あるいは参議院に対する請願もございましたけれども、それ以外にも各種の請願、陳情がたくさん出ているわけでございます。片や、数が少なかったモーテルがふえるに従いまして、犯罪もかなりふえてきておる、これはモーテルの絶対数がふえることによって犯罪の絶対数がふえておるというわけではなくして、一般の旅館と比較いたしまして、相対比におきましてふえてきておるということ、これが実は四十六年の資料でようやくはっきりしてきておるわけであります。最初考えましたときは、先ほど申しましたようなことが主たる要因でございましたが、その後、いま申しましたような犯罪的な要素もつけ加わってきておる。そういった二つのもの、発想としては前者が強いのでございますが、それに後者がつけ加わってきておる。そういったようなミックスした感じ。しかし、どちらかといえば、主としてやはりそういう風俗的な要素というのが要点であろうかと思います。

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員 風俗を阻害するというような世論が高まってこの立法に結びついたものだと私は思いますけれども、犯罪というものがやはりこの中から発生しておるといういろいろのデータもいただいておりますから、警察としては、こういうことがわかっておりながら、もしもそういう世論が起こらなければ立法しないというようなことは、私は、非常にあと取りだと思うのです。むしろ犯罪の温床になっておるのです。しかも、風俗を害するというような点も考えられるならば、この際むしろさらに進んで立法を積極的にやるべき種類のものであったかというふうにも考えるわけでございまして、ただいま御説明のありました点については、両方だと思います。そういうふうに私はいま考えたわけでございます。  そこで、モーテルは旅館の一種ですね。法律的には旅館業法で規定されるものであって、厚生省の所管だと思うのでありますが、すでに、昭和三十二年、四十五年の旅館業法の改正で規制を行なっております。今回も旅館業法の抜本改正で措置できなかったのかどうか。さきの第六十五国会で、風俗常業法による規制をすべきだとの請願も採択されておりますが、これはあくまでもなまぬるい厚生省のあり方に問題があったのではないかと思うのでありますが、これについてはいかがでしょう。

本庄務警察庁刑事局保安部長

○本庄政府委員 モーテルが旅館であるということは、これはそのとおりでございます。したがいまして、旅館業法によりまして幾つかの規制を受けておるわけでございます。御案内のように、旅館業法は、保健衛生といったような観点から主として規制をされております。もちろん、風俗的な規制という要素も一部にはあるわけであります。しかしながら、その風俗的な規制というものにつきましては一つの限界があるように見られるわけでございまして、このモーテルというものは、旅館業であることは間違いないのでございますが、旅館といたしましても、先ほどから申しておりますような特殊な要素を持った、いわば特殊旅館ともいうべきものであろうと思います。それで、御案内のように、たとえばトルコぶろというのがございます。これが浴場であることはまぎれもない事実でございます。したがいまして、公衆浴場法の規制の適用を受けるわけでございますが、しかしながら、これも風俗的にきわめて特異な浴場である。そういった観点から、公衆浴場法を離れまして、風俗営業等取締法の中で、特殊なものとして、風俗的な規制をいたしております。あるいは、さかのぼりますれば、いわゆる深夜飲食店につきましても、これも特殊なものとして、風俗営業等取締法の中で、風俗面についての規制をしておる。そういった一連の考え方、前例というふうなものにならいまして、この特殊旅館ともいうべきモーテルを風俗営業等取締法の中で規制をいたすということにいたした次第でございます。

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員 今度は角度を変えましてお尋ねしたいと思います。  私の地元の富山県の滑川市などでは、地方公共団体の条例によりまして自主的に規制しておるのでありますが、こうした公共団体の建築規制条例の実態と今度の法案の関連ということについてはどういうふうにお考えでしょうか。お伺いしたいと思います。

本庄務警察庁刑事局保安部長

○本庄政府委員 先ほど申しました心あるいは町の条例による規制につきましては、幾つかあるようでございまして、営業についての規制を主たる要素としているもの、それから、建築といいますか、建設といいますか、そういうことについての規制を主たる内容としているもの、その他まだほかにもあるようでございまして、具体的には、その個々の条例の中身によりまして、今度この法律ができまして、この法律に基づく条例ができた場合には、両方併存し得るものと、それから、この法律に基づく条例の中に虚実上吸収されるものと、いろいろあると思いますが、私、いまのところ、滑川市の条例の中身を正確に存じておりませんので、その滑川市の問題でございましたら、後刻資料を拝見いたしまして正確なお答えをいたすようにいたしたいと思います。

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員 私は、何もそんなことを聞いておるんじゃないのでして、全国的にこういう自主的な条例をつくっておる。いろいろの内容を調べてみますと、ほとんどが環境保全に伴う旅館建築の規制ということでやっておるわけです。したがいまして、厚生省の旅館業法、それから建設省の都市計画法あるいは建築基準法、そして警察庁の風俗営業法、いろいろと相関的な関係があると思うわけなんです。それと各市町村の自主的な規制条例というもの、こういう一連の関係をどういうふうに理解したらいいかということで私はお尋ねをしておるわけです。——わからないですか。環境保全というような名目で建築の内容に立ち至って条  例をつくっておる。そういうことなんです。

本庄務警察庁刑事局保安部長

○本庄政府委員 法律的な論議というふうに理解いたしますと、先ほど申しましたように、個々の内容によりまして、新しい法律に吸収される場合もありまし、ようし、両方とも併存する場合もあると思いますが、そういう法律論議ではなくして、いわゆる実態論議ということになりますと、いろいろな見方ができると思います。市町村がそういった環境保全に関する条例をつくった。これは、その当該市町村としては、その土地の実態によってたいへん強い必要性を感じておる。したがって、市町村としては、本来国が手当てをしてくれるべきものであるにもかかわらず、国が手当てをしないがために、待てずにつくったという気持ちのところもあると思います。御案内のように、法律というものは、全国的な状況を見まして、総合的な判断でタイムリーに作成するということになっておりますので、そういった町制をなるべく早くつかまえて立法すべきであろうかと思いますが、必ずしもそういうふうにいかない場合もございます。先ほど申しましたように、すでに、滑川市だけじゃなく、全国三十八の市町村条例ができておるようでございまして、まさに、そういった条例を踏まえて、全国的な法律で規制をすべきタイミングではなかろうかというふうに考えております。

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員 先ほどトルコぶろのお話がございましたが、最近ではレンタルームという、ソファーを備えて休憩に利用させるものや、家族ぶろといい、自動車で遠出をしてふろを浴びて帰るものできておるのでありますが、これは改正案の対象となりますか。

本庄務警察庁刑事局保安部長

○本庄政府委員 家族ぶろ、レンタルーム、いろいろな新しい名称の、そういう風俗に関連する施設が次々出てまいりますので、単に名称だけで直ちにモーテルに該当するかしないかというのはちょっと判断しにくいのですが、やはり法律でございますので、今度御審議をお願いいたしておりますモーテル営業の定義に当てはまるものは、名称のいかんを問わず、つまり、家族ぶろと言おと、何と言おうと、この法律の適用を受けるということでございますが、いま先生が頭の中で考えておられると思いまする家族ぶろ及びレンタルームは、おそらく適用を受けない種類のものではなかろうか、かように存じております。

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員 これは頭の中で考えたんじゃなしに、そういうものが現実にあるということですからお聞きしたわけであります。  ここで突っ込んで考えますと、旅館業法における許可と、この風俗営業法によるところの地域規制というものは、全く別個の規制だと思うのでありますが、条例に規制された地域にでも旅館業の許可が与えられるというのでは矛盾を持っているのじゃないかと思いますが、これはいかがでしょうか。

本庄務警察庁刑事局保安部長

○本庄政府委員 いま仰せのように、旅館業法の許可と、それから今回のこの風営法に基づく地域規制とは全く別個のものでございますから、両者並列して、抵触することはない。かように考えております。

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員 それは抵触しないのですか。全然別個ですけれどもね。旅館業法にいう許可をした場合に、地域規制というのはどういうようになるのですか。

本庄務警察庁刑事局保安部長

○本庄政府委員 旅館は旅館業法の許可要件に基づきまして許可をするわけでございます。モーテルのほうは、この法律にありますような条件で、都道府県の条例で地域規制をやるということでございますから、地域規制を受けた地域、つまり、地域規制の対象になっておる地域に一般の旅館が旅館業の許可を受けて営業できることは当然のことでございます。しかし、それが旅館業の許可を受けても、この法律の定義に該当するモーテルである場合には、この法律違反になろうと思います。

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員 この法案の最大の特徴は、廃止命令を持っていることだと思うのであります。わが国の法律におきましては、遡及効果、つまり、すでにあるものには適用がないのが普通でございますが、今回は一年間の期間を置いて廃止命令が出せるというきびしいものになっております。公安委員会が廃止命令を出しても、旅館業法として適法に許可が存続するという矛盾があるのじゃないかと思うのですが、これはどうでしょう。

本庄務警察庁刑事局保安部長

○本庄政府委員 この法律が意図しておりますのは、旅館業自体の制限ではございません。旅館のうちの特殊な施設であるモーテル営業だけを対象にしておるわけでございます。したかいまして、公安委員会が廃止命令を出しましても、これがモーテル営業の定義に合致しない通常の旅館としての営業をすることは可能なわけでございます。したがいまして、その旅館業の許可そのものには直接影響はないということになろうと思います。

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員 今回の規制は車との関係ということに重点を置いてつくられておりますけれども、本来のモーテルの構造や設備のほかに、善良な風俗に反するものとして、室内のいろいろの施設があると思うのであります。ブルーフィルムや、あるいはテープ、あるいは回転ベッド、ローリングベッドなど、社会の常識に、反するようなものが設置されておりますけれども、これに対する規制というものはどうしてもできないのですか。あるいは抜かしたのですか。その辺をお伺いしたいと思います。

本庄務警察庁刑事局保安部長

○本庄政府委員 モーテルの設備といたしまして、中にいろいろな、いま御指摘のような、あまり芳しくないと思われる設備があるのは事実でございます。この点につきましても、いろいろな角度から検討はいたしました。これは実は余分なことでございますが、モーテルだけでなしに、ぽつぽつほかのところにも出てきておるようでございますが、それはともかくといたしまして、内部の施設につきましては、旅館業法において、善良の風俗保持上の見地から構造設備の規制ができるということが明記されております。もし必要があれば、旅館業法で規制することが適当ではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。

綿貫民輔自由民主党

○綿貫委員 先ほども申し上げましたが、何か、ヘビのなま殺しというような感じがするわけであります。やはり先ほどの御答弁の中で、犯罪か風俗問題かと私が言いましたところが、風俗の問題がしいて言えば主力だというお話でございましたが、風俗ということを中心にして考えますと、いま言いましたような社会常識に反するものを、おれの役所は知らないんだ、ほかの役所でこれはやってもらえばいいんだということでは、やはり何か責任回避というような感じを非常に強く受けるわけであります、そういう点で、今回これがむしろ対象から取りはずされたというところに、今回の法律の提案の精神が、ほんとうに強く風俗や犯罪取り締まりのための提案であるのか、こういう現象があるから、まあ法律だけ一ぺんつくっておけというような考え方でいっておられるのか、非常に疑問視せざるを得ないような感じを強く受けるわけであります。そういう点で、室内のいろいろな社会常識に反するような問題については、厚生省の旅館業法の対象だというような御答弁であれば、さらに詰めて御協議をなさる必要があるのじゃないか、こういうふうに思うわけであります。  このモーテルの弊害ということはいろいろと具体的にも例がございますし、ひんぴんと起きておるわけでありますけれども、先ほど申しましたような、健全なるモーテルの利用客及び正常な営業を労もうとする業者、この営業権にからんで、その運用と、実行に間違いのないよう指導していく必要があると思うわけであります。そういう点で、いまちょっと出ましたけれども、特に旅館業法との関連におきまして、いろいろと役所間の横のつながりというものがあると思うわけでありまして、これについてもやはり十分な連携をとってやっていただかないと、縦割り行政の欠陥としてのちぐはぐな現象、いわゆる取り締まりだけが先行をいたしまして、国民からまたその矛盾撞着を指摘されるようなことになっては、せっかくつくった法律が死んでしまうと思うわけでありますから、せっかく立法をし、これからこれを施行しようとするからには、今後その趣旨を十分に生かして、横との連絡を基本にしてやっていただくように心から希望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。

大野市郎自由民主党

○大野委員長 関連して、大石君から発言を求められております。大石君。

大石八治自由民主党

○大石(八)委員 今度の法律の中に、構造上のところで、「総理府令で」というのがありますが、その「総理府令で」というのは、たとえはどういうことを書こうとしているのでしょうか。

本庄務警察庁刑事局保安部長

○本庄政府委員 総理府令の中身といたしましては、この条文に「個室に自動車の車庫が個個に接続する施設であって総理府令で定めるもの」と書いてございますので、要するに、個室と車庫と二つの、要素があるわけです。この個室に車庫が個々に接続する接続のしかたといいますか、そういったことがやはり一つの問題になりましょう。また、厳密に言えば、個室とは何か、自動車とは何か、車庫とは何かということも当然議論になるわけでありますが、社会通念上明らかな個室、自動車、車庫、そういったものにつきまして事こまかく総理府令に書く必要はなかろうかと思います。しかし、AにBが個々に接続する施設という、その態様を総理府令で書くということになろうかと思います。具体的な内容につきましては目下検討中でございますが、要するに、考え方といたしましては、秘匿性というものを排除するというふうな趣旨でございまして、したがいまして、たとえば他から内部を見通すことができない側壁、シャッター等を設けておって、そしてシャッターを締めれば車庫と……。

大石八治自由民主党

○大石(八)委員 はい、わかりました。いいです。  質問する者が学識経験がないわけで、実は、この間地行で視察に行ったときに内部を見たのが私は初めてでありますから、全くあれですが、この疑問を持つのは、いまの総理府令のこともありますが、ワンガレージ・ワン個室というものと、そうでないものというのがこれほど峻別されなければならないだろうかということに実は疑問を持ったわけです。というのは、遠くから見た場合に片われわれには差はないわけである。中へ入ってみれば、構内のところまで行ってみればそういう差があるということになるわけで、外から見た目では全くその差はない。したがって、善良な風俗、環境というようなことを言う場合、外見ではそういうことの区別は見られないと私どもは思うわけであります。したがって、先ほど綿貫君の質問の中にもちょっと出ましたとおり、ああいうふうになった場合には犯罪の問題が非常にあって、殺して、閉めちゃって、残していったらわからぬということがあって、特に、ああいう密閉式個室の場合は、防犯のほうがおもになるのではないだろうかというふうに思うわけで、そういう感じを持ったわけです。  そこで、私も、自分が商売人ではないからわかりませんけれども、これでそういうワンセットのモーテルは禁止されるということになりますれば——いわゆる風光明媚なところですね、そういうところには今度はモーテルはつくらせまいとしているわけですが、そのかわり、ガレージが別口になっているとか、階下が全部オープン式の車庫であれば今度は自由につくれますということが堂々と実は行なわれるということになる。世の中の主婦連のおかみさんたちというのが反対しているのは、密閉式であるか、オープン式であるか——オープン式と言ってはおかしいけれども、その差を言ってているわけではないと思うのですよ。密閉式は困るんですよ、ガレージが別になっているのに大賛成というふうに言っているわけではない。現に、私の町でも、モーテルなんてついにつくらせなかったのですが、それは、どんなものが建つか知らないけれども、モーテルだから反対だと言っているわけなんです。そこで、この法律が施行されたときに、この対象のところにはそういうものをつくらせまいといって地域指定をしたところにそういうものがほかすか建ち得るというふうに法律上ではなるという、その点を私は心配をしているわけです。この間連休中に、ある警察の刑事に、どうだろうか、こういうふうな法律が出てくるとそういう危険があるだろうかと聞きましたところが、いま別になっているほうはお客さんが行きたがらないからそうでもないでしょうと言われたのですよ。しかし、その刑事の考えどおりか、その辺はわからないが、私の心配は、オープン式というか、そうであれば堂々とできるという懸念はないだろうかということです。許されるのですね。その、私の、何となく心配だということに対するお答えを何かしていただけますか。

本庄務警察庁刑事局保安部長

○本庄政府委員 まことにごもっともな御疑問でございまして、その点、実は、私たちも、率直に申しますと、立法過程におきまして一番苦労をしたところでございまして、モーテルというものを法律的にどういうふうにつかまえるかということがこの立法の一番大きな問題であったわけでございまして、いわゆるオープンのものと、車庫直結のもの、俗に言うモーテルの中には二種類あるわけでございます。このモーテルが、先ほど申しましたように、四十二年ごろに比べますと五倍の数にふえておる。と申しますのは、実は、いわゆる車庫直結の秘匿性というものがたいへんな魅力になりまして、人間だれでも自分の行動——自分の行動と申しましても、これは一人ではなくして、自分ともう一人の二人の行動でございますが、それを秘匿して行なえるというところにたいへんな魅力があるようでございまして、これによってモーテルがどんどん繁盛をしてきておる。そして、その繁盛に伴って、先ほど申しましたような地域社会の声があがってきておる。これが実態でございまして、その実態をすなおにつかまえたのが実はこの定義でございます。  しからば、いわゆる地元の人々が、そういったものとオープンのものとを区別して、オープンのものならいいのだというふうに考えているのかということにつきましては、決してさようではないと思います。しかし、では、オープンのものもいけないのだ、要するに、車庫のついた旅館は全部そういういかがわしいことに使われるおそれがあるからいけないのだというふうにきめて法律をつくりますと、日本の現存する大部分の旅館がほとんどアウトということにもなる。法律的にはそういうおそれもございまして、さようなことは必ずしも妥当ではない。やはり原点に立ち返って、モーテルがなぜ繁盛しておるかというふうな原因を追求して、それを率直に法律化して規制をしていこうということでございまして、そういう観点から今回の立法をしたわけでございますが、この法律が施行されましたあとどういうふうに推移するか。この点につきましては、先生と同じように私もたいへん関心を持っております。そういった今後の状況を見まして、また、その状況状況に応じた必要な手を考えていくことになろうかと、かように考えております。

大野市郎自由民主党

○大野委員長 次回は、明後六月一日木曜日、午前十時から理事会、午前十時三十分から委員会を開くこととし、本日は、これにて散会いたします。    午後三時三十二分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗