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68回国会衆議院1972/05/25

地方行政委員会 第28号

発言数
142
登壇者
13
会派数
5
開催日
1972/05/25

会議録

大野市郎自由民主党

○大野委員長 これより会議を開きます。  内閣提出にかかる地方公務員災害補償法の一部改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山本弥之助君。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 公務員の災害補償につきましては、全般的に必ずしも十分だとは言い得ないわけでありますが、そのうち、特に危険な業務に従事しております地方公務員につきまして特例を設けるという本法案につきましては、私ども、かねていろいろ警察官の殉職あるいは消防職員の殉職等の事例にかんがみまして、その必要を感じておったわけでありますが、今回、その法案として出てまいりましたことは、きわめて妥当なものだというふうに考えております。  そこで、すでに上村委員からも質問をしておるわけでありますが、この対象となる職員は「警察官、消防吏員その他政令で定める職員」というふうになっておりますが、この「政令で定める職員」については、過般の質問では消防団員、麻薬取締員というふうに御答弁があったように思いますが、これ以外に政令で定めることを予定しておる職員はございませんでしょうか。

林忠雄自治省行政局公務員部長

○林(忠)政府委員 現在予定しておりますのは、この前答弁申し上げましたとおり、非常勤の消防団員と麻薬取締員を予定しておるだけでございます。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 消防職員と同じように、非常災害の場合に河川の管理あるいはその他の水防業務に従事する職長、これは必ずしも警察官あるいは消防職員に限定されないで、おそらく土木関係職員が中心となって従事するのではなかろうかと思うのであります。土木関係職員は、平素は必ずしも高度の危険を伴う職務に従事しておるとは思えないわけでありまして、そういった職務の中に水防業務というものが含まれている以上、当然、そういった業務を遂行する場合には、消防団員あるいは警察官と何ら異ならない立場で業務を遂行することになるのではないか、かように考えますが、それらの者に対してどういうふうな取り扱いをされるのか。  また、時間の関係もありますので、ついでにお尋ねいたしますが、国家公務員の場合には海上保安庁の職員等も含まれておるようでありますが、地方職員の中には密漁その他の取り締まりの漁業取り締まり員といいますか、監視員といいますか、こういうのも犯罪の捜査その他場合によっては荒天をおかして出ていくとか、あるいは追跡する場合には天候が急変いたしまして、それでも職務を遂行しなければならないといった場合が出てまいるわけであります。それらの職員に対してはどういうふうな取り扱いをなされるわけですか。

林忠雄自治省行政局公務員部長

○林(忠)政府委員 水防関係のお話でございますが、これは水防団員は結論として同じ取り扱いになると考えております。つまりこの法律で取り上げますのは、常勤の消防団員それから常勤の消防職員でございますが、消防には非常勤の消防団員がたくさんあるわけでございまして、それは政令で定める基準に基づき条例でこの公務災害に関するいろいろなことをきめることになっておりますので、その政令の基準を今回改めまして、非常勤の消防団員も全部同じ扱いになる。水防団員もおそらくそれと同じ扱いになると思います。  それから後段の漁業取り締まり員の問題でございますが、海上保安庁の職員は今回国で対象になっております。これはもう職務上武器を携帯してやるような種類に入っておりますが、国の漁業取り締まり官と申しますか、国家公務員も現在この対象になっておりません。漁業取り締まりは、確かに密漁を押えるということで、だいぶ危険な職務があるということは事実でございますけれども、現在武器を携帯するということは許されておりませんし、たてまえとして警察あるいは火に向かう消防とはやや職務範囲が違うということで今回は対象になっておりませんが、これは将来の問題として考えております。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 将来の問題ということでありますが、この前ちょっとお聞きいたしましたが、大体年間、この特例の職員でどのくらいの費用の増額になるわけでございますか。これは年々あるいは違うのかわかりませんし、またそういうことがあってはならないわけですけれども、大体の過去の事例その他の見通しですね。それから特例経費というものが全体の公務災害の費用の中でどのくらいの割合を占めるか、その点をお聞かせ願います。

林忠雄自治省行政局公務員部長

○林(忠)政府委員 過去、三年ぐらいの発生件数から推定いたしましたところでは非常にわずかでございまして、全部を通じまして二千万円程度の費用の増加という見通しをしております。ですから、割合といたしましては問題にならない割合でございます。十六億円のうちの二千万円でございますから、わずかなものでございます。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 そういたしますと、いまの将来考えるというお活でございますが、当然発生することが予想されるそういう職種につきましては、やはり早目に、あとからでは間に合わぬわけで、特殊の対策を講じなければならぬとか、あるいはそのほかの方法で考えなければならぬわけですから、私は、急にそういうものも対象職種に入れられるほうがいいんじゃないかと思うわけであります。  それから水防団員というのは、お聞きしたところでは水防団員は該当するということでしたが、その水防団員の中に地方公務員としての土木関係職員も当然含まれるというお話でしょうか。

林忠雄自治省行政局公務員部長

○林(忠)政府委員 いまの後段の水防団員は、水防法による水防団員を含むということです。ですから、土木関係職員であるからという意味でなくて、それが水防団員ならば含まれますが、土木関係職員としては含まれるわけではございません。  それから前段の、将来当然入れなければならないので、それはなるべく早めにという御趣旨でございましたが、今回制度を提案いたします場合には、やはり一番問題になりましたのは民間の労災との均衡の問題がいろいろございまして、とりあえず今回対象にする職種というのは民間のこれに該当するものがあまりない、武器を携帯し、あるいは火に向かう消防というように、民間の労災との均衡を考える必要が少ないものをとりあえずまず取り上げたわけでございます。あと職種を広げていく場合には、民間の労災との均衡がどうだということをさらにずっと詰めなければならないということで、今回出しておりません。おっしゃる御趣旨はごもっともでございますので、十分検討いたすつもりでございます。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 いま地方公務員で水防団員になっておれば該当するという御答弁でございましたが、そういたしますと、必ずしも土木職員に限らず、水防職員としての地か公務員は当然職種の中に入るという意味ですか。

林忠雄自治省行政局公務員部長

○林(忠)政府委員 この法律の制度には該当しないのでございますけれども、これと準じた扱いを、政令の基準を改めて地方団体の条例で行なうということで、結論的には一緒の扱いになると思います。この法律はあくまでも常勤の職員しか扱っておりません。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 特例措置につきましては職種を制限し、もう一つは高度の危険な状況のもとにという一つの制限、それも政令できめることになっているわけですね。ところが職務からいいますと、必ずしもそれが危険な職務とは言えない、しかし場合によっては、その職務に関連して高度の危険な状況のもとに身をさらさなければならないという場合がありますね。これは岩手県なんかにもよく、あるわけですが、修学旅行に行きまして児童が川に落ちてそれを助けるために殉職した、あるいは清掃職員が、このごろは焼却炉等も科学的に高度な体制になっておりますね、そういう場合の焼却炉の災害防止のために適切な措置をとりざるを得ないという場合に、その措置をとるために殉職した、あるいは後遺症を残した障害を受けた、そういうふろに、その職務に関連いたしまして当然高度に危険な状況で職務を遂行しなければならぬという状況にある場合、私は、当然同じような取り扱いをすべきではないか、かように考えますが、そういう場合はどういうふうな措置急なされるわけですか。

小山省二自由民主党自治政務次官

○小山政府委員 御承知のとおり、今回の場合特殊公務というものは、国民の生命、身体及び財産の保護という任務を本来の任務といたしまして、その任務の遂行にあたって高度の危険が伴うもの、かつその危険があらかじめ予測されているにかかわらず、職責上あえてその職務を遂行しなければならない、そういう点から職務の内容というものが規定をされておるわけでございます。したがって、いま御指摘のような問題につきましては、先般大臣が御答弁を申し上げましたとおり、関係各省ともひとつ十分打ち合わせをいたしまして、前向きにこの問題を検討しよう、かように考えておる次第であります。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 全州の法令は、従来の法令に例のないように、本年の一月一日にさかのぼるという措置をとっておられるわけであります。このことは、法令からいいますと、通例の立法のしかたではないわけであります。しかし問題は、できるだけいまの十分とはいえない公務災害に対する補償の万全を期そうとする体制からいえば、私ども異議はないわけであります。こういう年例にかんがみますと、予想し得る旧態に対しましてやはり早めに対策を応じ、立法措置を談じておいて、そして公務災害の万全を期す、あるいは職務遂行についての責任ある遂行を願いたいという意味からいいますと、いまのような事例ですが、職務上からは必ずしも危険は伴ってはいない。しかし、ある事態に当面すると、当然警察官、消防職員に変わりない危険な体制になる。たとえば火災の場合に、消防職員と警察とそれに協力した一般職員が同時に殉職したという場合、法律に該当しないからといって、年金も一時金も差が出てくるということはおかしいわけで、職務がどうのこうのと言っておられない、ある程度の災害補償をしてあげなければならないわけです。ですから、いま申し上げましたような事例の場合も考えてみたいという御答弁でございますけれども、早急に関係各省と協議をなさって、早い目に方針をきめていただき、事例が発生した場合に直ちに遺族のめんどうは見られる、不十分ながらこれで体制といいますか、公務災害に対する補償の措置が講ぜられた、国も地方公共面体も講ぜられたということにしていただきたいと思いますので、この点も早急に結論を出していただきたいというふうにお願いいたします。

林忠雄自治省行政局公務員部長

○林(忠)政府委員 大臣また政務次官の御答弁ありましたとおり、こういう問題についてはさらに早期に検討はいたすつもりでございますが、いまちょうど先生がお出しになりました設例をおかりして申し上げますと、一般の公務員と警察官と消防とはその職務上やや違いがあるというのは、たとえば学校が火災になりまして、その中になお生徒が取り残されているというような状態が想定されますとしますと、その担任の教師は飛び込んでいってぜひ救ってやりたいという気持ちが出る。これは人間としてみんな一緒だと思いますけれども、その際消防なり警察なりでは、おまえ行って助けてこいと言えば、飛び込んでいく職責があるわけであります。ところが担任の教師ですと、人情的には全く同じでありますが、校長がおまえ行って生徒を助けてこいと命令はできないわけです。そういうふうに一方は職責としてその中へ飛び込まなければならない義務があり、一方は飛び込んで助けてきさえすれば人間的には非常にとうとい行為でございますが、それが職務の範囲ということは言えない。その違いがありまして、今回はその前者だけをとらえて一応法制化したわけです。ところが人情的には全く同じでございますし、その際教師が飛び込んで助けたとすれば、それはたいへん勇敢なる行為として、賞じゅつ金なりいろいろそういうことで報いられる道はあると思います。いまのような性質の差というのを今回は乗り越えておりませんのですが、それを実際にはどこまで今後やるかということが民間の労災なんかとの関連でもって十分検討しなければならないという点でございますので、その辺を踏まえた上で早期に検討したい、こう考えております。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 いまの場合わからないわけでもないのです。一方はやらざるを心ない職責がある、一方は傍観しておいてもいいということでそういう危険なところにみずから好んで飛び込む必要はないのだ、だから法律ではそういうことは考えていないのだ、区別をするのだということは、一応立法上から納得はできるわけなんですが、しかしそういう事態に遭遇して、飛び込む警察官もいなければ消防団員もいないというときに、義務がなくともそういう体制をとる、救い得るという自信のもとに飛び込んだけれども、不幸にして殉職したこういう場合、実際は賞じゅつ金とかそういうことではなくて、法的にも保障しておくということが必要なわけですから、しかも先ほど申しましたようにある程度拡大をしても他の均衡、民間の労災との関係もありましょうけれども、ある程度予算上からいいましても措置ができるという実態であれば、私は、早い目に措置を講じておいていただきたい、そういう場合を十分頭に置いて対策を講じておいていただきたい、かように考えるわけであります。  それから「生命又は身体に対する高度の危険が予測される状況の下において、」という、これは具体的な状況の審査をやることになると思うのであります。これはその審査はどういうふうな審査でなさるわけですか。これも上村委員から質問なさったと思うのでありますが、消防団員が緊急のときに飛び出した、火災の現場への途中の災害は考えないというような、たしかそういう答弁を聞いたように思うのですけれども、このごろはいろいろ車によりましては雑踏し、ことに初期消防なんかも重視されておるときに、緊急に飛び出したというときから、私は、当然危険が発生する、あるいは危険な状況のもとにあるのだということが言えるんじゃないかと思うのですがね。ちょっと私答弁を聞き漏らしたような、ちょっと区別するような答弁を伺ったように思うのでありますが、その点はいかがでございますか。念のためにお聞きします。

林忠雄自治省行政局公務員部長

○林(忠)政府委員 その後段から申し上げますと、この前の答弁、一般の交通事故は入らないというような答弁をたしかいたしておるようであります。ただ、これは政令のきめ方にもよるわけでございますけれども、そもそも走り出したとぎからほんとうに両度の危険が予測されるような状態であると客観的に認定された場合に、途上の市政でもこの災害と認定される場合があり得る、そういう御答弁をしたわけでありますけれども、たとえば典型的に予想されますのは、災害町で大きな震災でもありまして、火事が起こって飛び出したのは飛び出したのだけれども、その途中の道路が地割れその他で危険が初めからわかっているというような場合は、典型的な場合でありまして、通常の交通事故であれば、これは公務災害ではありますけれどもこの特殊公務には当たらない、そういう程度の考え方をしておるわけであります。いまの消防の場合は、緊急に川場に到着して消火をする必要性がますます高まってまいりますから、先生の御指摘の場合が一番問題になる場合であると私たちも考えております。  それから個々の認定の問題は、一般には府県の支部で申請に基づき認定し、それから特殊なものについては中央に上げまして本部で認定するという手続をとっておりますが、この特殊公務については数もそう多くないと思いますし、今後全国的な統一をとる必要上、大体中央の協議事項にして、中央で統一的に認定するということを考えております。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 そういたしますと、緊急の事態、大火になるとかそういうことで各消防署が出動をしたという場合には、この法令の適用を受ける事例もあり得るというふうな答弁だというふうに了承してよろしゅうございますか。

林忠雄自治省行政局公務員部長

○林(忠)政府委員 けっこうでございます。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 それから消防に関連いたしまして、常備消防が政令できめられるということになっておりますが、常備消防団員ですか常勤の消防団員ということになっておりますが、非常勤の消防員や水防団の取り扱いはどうなるわけですか。

林忠雄自治省行政局公務員部長

○林(忠)政府委員 先ほど御答弁したつもりでございましたが、この法律の適用はございませんけれども、非常識の消防団員、水防団員についての公務災害については、政令で基準をきめまして、それに基づいて各地が団体の条例できめることになっておりますので、今回この政令の基準をこの法律と同じように変えるつもりでございます。結論的には、地方団体の条例に基づいてこれと同じ取り扱いになる、こういうつもりでございます。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 それでは次に移りたいと思いますが、この災害補償につきましては、本人の平均給与額というものが基準になってきめられており、また今岡の特例措置も当然同じ取り扱いをしておるわけですが、警察官にしましても消防団員にいたしましても、私、比較的若年層といいますか若い方々がこういう危険な状態になり、あるいは一命を失い、あるいは後遺症を残すという場合が多いと思うのですが、そういたしますと、この平均給与額を基準にいたしますと比較的そういう若年層は恵まれないのではないかという感じがいたすわけでありますが、何か最低補償額というようなことも考えられたのでしょうか、その点をお聞かせ願いたいと思います。

林忠雄自治省行政局公務員部長

○林(忠)政府委員 この問題は確かに従来から議論されている点でございますが、この特殊公務災害とは関係ないというか、むしろ一般の公務災害補償についても全部共通して考えるべき問題であると思います。これについては、かねてから確かに指摘されておる問題でございます。こういうわりあいと若い人たちが死んだりけがをすると補償額が少ないという点は指摘されておりますので、これは関係各省庁とさらに十分協議を詰めましてその改善は考えたいと思います。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 それに関連いたしまして、大体今度の特例措置は五割増しになっているわけですね。多少率が違うわけでありますが、百分の五十の範囲内においてどうのこうのという大体五割増しということになっております。これは何か根拠があるわけでありますか。人事院勧告も百分の五十という勧告がなされておるようでありますけれども、五割増しというのは数字がいいという意味か、あるいは多少の根拠といいますか、そういうものがあるのならちょうとお伺いしたいと思います。

林忠雄自治省行政局公務員部長

○林(忠)政府委員 一応これは根拠といえるかどうかわかりませんけれども、扶養家族一、一人、妻が一人と子供が二人という場合のことを考えてみますと、主人が死んだ、残りの三人が生活するのは本来の月給の四分の三だ、四人が同じだけの生活費がかかったとして四分の三だという数字がございます。そこで、その場合の一般の公務災害はちょうど五割、五〇%になっております。五割増しにすると七五になってちょうど四分の三だ、つまり従来の月給と同じレベルの生活ができる、こういう基礎だそうでございます。  それから一部率が違うというのは、障害につきまして一級と二級というのを政令できめることになっておりますが、四〇%、四五%という五割よりちょっと低い率をきめる予定でございますが、これは障害の三級というのが算定の基礎になって、その上に一級と二級は介護手当という付き添いの金額がつけてあるわけでございます。介護手当というのはこの際計算上必要がないということで、それを落とすと四〇%と四五%になる、そういう根拠になっております。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 そういたしますと、殉職したというふうな場合は、そのときの家族構成あるいは本人の給与等で大体遺族の生計が最小限度可能であるという限度までは補償をしよう、こういう考え方に立っておるわけですね。

林忠雄自治省行政局公務員部長

○林(忠)政府委員 そういうことだと思います。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 最後に一点だけお聞きしたいと思います。  最近民間の災害補償につきまして、逐年、件数においてもあるいは額におきましても、一時見舞い金というようなかっこうで民間企業では支給をしておるという事例がふえてきておるわけですね。これらにかんがみまして、地方公共団体の中で、条例で一時見舞い金というような制度を採用しておる地方公共団体があるというふうに聞いておりますが、どの程度そういう団体がありましょうか。

林忠雄自治省行政局公務員部長

○林(忠)政府委員 いま聞きましたところでございますが、条例ではなくて団体として、要綱をつくっておるところがあるそうでございます。これが東京都とそれから六大市は、そういう制度があるということを聞いております。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 まあ六大市あたりは交付税の対象になっていないわけでありますが、要綱でいいのかどうかちょっと私疑問でありますけれども、まあ要綱であろうが何であろうが、ともかく将来、条例その他で正式に地方公共団体が、いわゆる災害補償の状況に応じてそういった一時見舞い金を支給するということにつきましては、自治省はどういうふうにお考えになっていますか。

林忠雄自治省行政局公務員部長

○林(忠)政府委員 補償という制度としてつくるということであれば、理論上はもう現在統一されているもので十分だと考えておりますが、見舞いという形で社会常識的に妥当な額を支給することについて、私の、ほうはとやかく言うつもりはございません。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 これは特殊勤務の場合、たとえば警察官の場合には賞じゅつ金その他というような方法があるわけですね。ですから、やはり地か公共剛体もいろいろ微妙なケースというものにぶつかることが多いと思いますし、またそのときの経済情勢等もありますので、ある程度まで地方公共団体がそういった犠牲者に対しまして見舞い金その他の制度でカバーをする、法律はしょっちゅう改正になるわけじゃありませんので、民間みたいに適応性といいますか直ちにそういう方法をとり得ない立場にありますので、そういうことにつきましては、私は、むしろこれは指導をすべきではないかというふうに考えますので、その点十分御配慮願いたい、かように考えます。

小山省二自由民主党自治政務次官

○小山政府委員 地方財政上から見て常識妥当の線でありますれば、自治省としては、いま部長が御答弁申し上げたような考え方で今後対処してまいりたいというふうに考えております。

大野市郎自由民主党

○大野委員長 和田一郎君。

和田一郎公明党

○和田(一)委員 質問いたします。  まず、警察当局にお聞きいたします。  最近は、警察官の方々が身を挺してのいろいろな活動の中に非常な災害を受けていらっしゃいますけれども、私、報告書はいただいておるのですが、一応お聞きします。年間大体どのくらい多数の警察官の方が、当然危険とされておるのを覚悟の上で、そして飛び込んでいっての災害でございますからほんとうにお気の毒だとは思いますけれども、どのくらいの方が災害を受けていらっしゃるか、ちょっと簡単にお伝え願います。

浅沼清太郎警察庁警務局長

○浅沼政府委員 昭和四十三年度から四十五年度までの三年間について申し上げますと、警察官の公務災害の総件数が、四十三年度で一万六千七百五十八名、四十四年度で二万四千九百七十九冬、四十五年度で一万二千八一五名でございます。そのうち殉職、死亡された人が百十六人、障害を残しておる人が五百五十上一人ということになっております。そのうち、ただいまお尋ねのように今回の特殊公務、あえて危険をおかして職務を執行した結果殉職なり障害を残したと思われまする者は、昭和四十三年度で八十名、四十四年度で五十八名、四十五年度で二十九名、こういう件数が、一応推定される次第でございます。

和田一郎公明党

○和田(一)委員 私の手元にある「警察官公務災害補償制度の改善に関する報告」、これはそちらのほうから出ておるものですか、それで浅沼警務局長も入っていらっしゃったと思いますが、その中を見ますと、補償された警察官の公務災害の状況は、最近の三カ年間において約一万九千名の多数にのぼっている、こう書いてあるのです。いまおっしゃった中では、四十三年に一万六千七百、四十四年が一万四千、四十五年が約一万二千と、全部で四万四千くらいになるのですけれども、この辺の差については一体どういうふうになりますか。

浅沼清太郎警察庁警務局長

○浅沼政府委員 ちょっと私の説明が不一分でございましたが、いま申し上げた件数は、警察官は武道の訓練でございますとかそれから一般のいろいろな教養訓練、実技の訓練でございますけれども、そのときにけがをするケースが非常に多いわけでございます。それを入れまして全部を申し上げたわけであります。いま御指摘の一万九千人ということは、職務執行中の場合に限定いたしまして申し上げておるわけでございまして、教養訓練のケースは非常に多いのであります。

和田一郎公明党

○和田(一)委員 わかりました。  もう一つ、先ほどの御答弁の中で、四十三年に八十名、四十四年が上五十八名、四十五年が二十九名、それもやはり特別な公務災害だというお話でございましたね。それから、先ほどの御答弁の全体の数は、道場その他における武道の訓練の中の障害だ。そうしますと、八十名、五十八名、三十九名という、一万年間の特殊災害の万々、これは約百九十夕刊くらいですね。一万九千というのは一体どういう数なのかということをひとつお知らせ願いたいと思います。

大塚惟謙警察庁警務局給与厚生課長

○大塚説明員 御答弁申し上げます。  ただいま局長が御答弁申し上げましたように、警察官の年間の公務員災害件数は、大体多いときで一万六千件、少ないときで一万一千件くらいあるわけでありまして、年次によって多少差がありますが、そのうちの約半数がいま申し上げましたように教養訓練中、こういう形に相なるわけでございます。その三年間の合計数が、死亡と障害を受けました——障害と申しますか、いわゆる後遺障害ではなしに傷を受けたという者を含めまして一万九千人、こういう形で答弁やいたしておるのがこの答申でございます。

和田一郎公明党

○和田(一)委員 そうしますと、たとえば今回のこの法案が通った場合、いろいろな数が出てまいりました。四十三年から三年町で、約四万数千名の数と、一万九千という数と、百六十七名という数と、なくなった百十六人という、いろいろ数が出ましたけれども、一体どの数が回答になるのですか。

浅沼清太郎警察庁警務局長

○浅沼政府委員 今回の特殊公務災害の適用を受けます者は、いまの百六十七名が、今回の制度ができましたならばほとんど補償される、こういうふうな数でございます。

和田一郎公明党

○和田(一)委員 わかりました。  次に、消防庁にお聞きいたします。  いま警察関係のほうからいろいろなケースをお聞きしましてよくわかったと思うのですけれども、警察のほうは、四十三年、四十四年、四十五年の合計をおっしゃっていただいたのですけれども、最近における消防関係者の公務災害人数について、どの程度かお知らせいただきたい。

山田滋消防庁次長

○山田(滋)政府委員 実は手元にちょっと質料を持っておりませんので申しわけございませんが、四十四年の数字をちょっと申し上げます。  消防の場合は、消防職員と団員とございますが、今回法律が制定されました場合に直接適用になりますのは職員でございますが、団員につきましては、御案内のように政令を定めまして、あと市町村で条例を公布しましてそれに準じた措置をすることになっております。それによりまして、現状を申し上げますと、年間大体職員、団員合わせまして五十人くらい殉職いたしております。障害は約三千人見当、それらもちょっと平均的な話でございますが、質料といたしましていま精査いたしましてお答え申し上げますが、大体の感じでございます。  それから、特に今回の措置によりまして特別の公務災害補償の対象になりますのは、団員の場合大体三分の一くらいが該当すると思います。職員の場合、団員も含めてでございますが、適用になりますのはおらく年間大体十名くらいずつだろう、かように思います。

和田一郎公明党

○和田(一)委員 消防庁としてはばかに簡単な数字で、どうもこちらも判断に苦しむのですけれども、死亡された方、殉職された方が職員と団員ともに五十名、そういうことですか。その内訳はわからないのですか。

山田滋消防庁次長

○山田(滋)政府委員 いま申し上げたのは四十四年の数字でございまして、職員が十六名それから団員が三十三名、四十九名でございます。

和田一郎公明党

○和田(一)委員 職員が十六名で団員が一二十三私、大体このくらいの比率で傷を受けられた方三千名を分けていいですか。その辺はわかりますか。

山田滋消防庁次長

○山田(滋)政府委員 障害を受けました者は、四十四年の数字は消防の職員が千三百十七名、消防団員が千四百三十九名、合計二千七百五十六名になっております。

和田一郎公明党

○和田(一)委員 こういう大事な法案を審議中なんですから、そのくらいの数は私たちのほうにも質料としてお出しになったほうがよかったと思うのですけれども、いずれにしましても、これは職員の万も団員の方も危険なところに行かれるのはともにだと思いますが、そうしますと、先ほど次長がおっしゃったように、あと団員に対しては各市町村で条例をつくってこれに準じてやるというお話でありますけれども、それは、それじゃ条例をつくるところもあれば、つくらないところも出てくるわけですね。その点どうなんですか。

山田滋消防庁次長

○山田(滋)政府委員 消防団員の公務災害につきましては、従来政令で全国的な基準をつくっております。その政令によって条例を定めるように指導いたしておりますので、おおむねそれにつきましては、従来も全部に行き渡って条例をつくっております。

和田一郎公明党

○和田(一)委員 そうしますと、職員の方と団員の方、そこで支給されるそういう補償についての差はどんなものでしょうか。これは林さんのほうがいいですか。

山田滋消防庁次長

○山田(滋)政府委員 今回の措置によりましては差はございません。全くそのとおり、それに準じまして措置をするようにしております。たてまえは公務災害補償の基礎額というのを同一につきましてはきめておりまして、政令ではっきりきめておりますが、それを年々、先生方の御協力によりまして改定をいたしております。その最低の基礎額というのが消防団員につきましてきまりますと、あと階級によりまして逓増いたしておりますが、団員から団長までの格差はございますけれども、その最低のところを国家公務員の七等級の十五号、そこを基準にいたしましてきめておりますので、ベースアップがあるたびにその基準額を上げております。したがって、そういうところで職員と団員との均衡が保たれておるわけでありますが、具体的にどういうふうになるかということは個々のケースによって変わってきますが、そういう考え方で均衡をとっておりますから、アンバランスはないと思っております。

和田一郎公明党

○和田(一)委員 わかりました。  今度、林公務員部長にお聞きしますけれども、戦前わが国の恩給法、これでは特にこういう場合の方々には手厚い補償があったという。その点についてはどうなんですか。どうしてこういう形になりましたですか。

林忠雄自治省行政局公務員部長

○林(忠)政府委員 戦前の恩給制度の詳しいことについては実は予備知識を欠いておりますけれども、こういう場合については増加恩給という制度がありまして、一定の割り増し率が与えられておったというのは聞いておりますが、昭和二十八年ころこれは廃止になっておるそうであります。

和田一郎公明党

○和田(一)委員 もう一つお聞きしますけれども、これはもし林さんがお答えできなければ浅沼さんでもけっこうでございますが、特に英国、ドイツ、フランス——西ドイツだと思いますけれども、英独仏の諸外国においても非常にこういう場合には補償が手厚くなっているという。いろいろ国によっては違うでしょうけれども、大体どのような法制になっているか、お願いします。

浅沼清太郎警察庁警務局長

○浅沼政府委員 私ども給与制度研究会でこの制度を検討いたします段階で、ただいまのように外国の制度について調査をいたしましたところ、やはりそれぞれ仕組みが違いますので差はございますが、要約して申し上げますると、普通の公務災害に対しまして特別公務災害の場合には、イギリスにおきまして一・五倍ないし一・二倍、西ドイツにおきましては一・三倍ないし一・二五倍、フランスにおきましては一・六倍を最高といたしましてそれ以下、こういう状況でございます。

和田一郎公明党

○和田(一)委員 もう一つお聞きしますけれども、民間企業等で特にこういう場合については普通の労災とかあると思いますが、それ以外に相当の給付がなされているということを聞いておりますけれども、その実態について、二、三例がありましたらおっしゃってください。

林忠雄自治省行政局公務員部長

○林(忠)政府委員 現在それに関するはっきりした実例は私のほうでも持ち合わせておりませんし、労働省でもそれは、はっきりしたことは現在わかっておらぬそうでございますが、人事院がことしそれに関する調査をするということを聞いております。

和田一郎公明党

○和田(一)委員 たとえばどこかに火事があった。消防の方は飛んでいく、そして当然警察官の方もそこへかけつける、こういうわけですね。そしてそこでいろいろな大惨事になって、そして命をなくされた警察の方、消防の方はこれに適用されますけれども、もしそこに地方公務員の方も、土木関係の人がいた場合に、それは大いに関係があると思うのですね。どういうことでそこに災害が起きたかということは調べなければならない。それから電気屋さん、これはまあ公務員じゃないかもわかりませんけれども、それに準じたような地方公務員の方がかけつけて、そしてもしそこで負傷した、または殉職された場合にはどうなりますか。

林忠雄自治省行政局公務員部長

○林(忠)政府委員 先ほどの山本先生の御答弁でも申し上げたとおりでございますが、それぞれの場合の事情あるいは人の気持ちとして、当然そういうところに飛び込むというような事情はよくわかるわけでございます。ただ、今回この制度を出しました態度といたしましては、本来の職務が国民の生命、財産を守るという職務であり、かつ高度の危険が予測されるにもかかわらず職責としてそこへ飛び込まなければならぬという範囲に限定をいたした次第でございますので、今回の制度としては、それらの者は制度の対象にしておりません。こういうふうにいたしました理由としては、民町の労災との均衡その他の調整を範囲を広げる場合は十分考えなければなりませんので、今回それを比較的考えなくていい者についてまずこういう制度をとったということでございます。ですから、先生の御指摘になりましたような事態については、なかなか勇敢な行為であったとかいうことで見舞い金ないし賞じゅつ金を支給される対象にはもちろんなるわけでございますが、公務災害の補償としては、その職責上ということでないので、いまこれに乗らないことになりますが、さらに将来はそういう場合でも、たとえば非常時、台風とか地震などがありました場合には、土木部の職員であるとか教育委員会の職員であるとかいうことに関係なくいろいろやらなければならぬという場合も十分想定されますので、そういう者について十分検討を進めていって前向きに対処したいと考えております。

和田一郎公明党

○和田(一)委員 その点について政務次官はどうですか。こういうことがあると思うのですよ。たとえば公的な難物が災害にあった場合、ですからこれはたとえば市役所の建物であるとかが火災になった場合、消防の方、警察の方が飛んできますが、やはり市の職員としてこれは市民に対して申しわけないことですからも一生懸命消化作業に当たられると思います。そのときに受けた災害、これは消防職員でもなければ警察官でもないから、一時的な見舞い金で済むかどうかという問題です。その点については林さんの御答弁で今回わかりましたけれども、今後どういうふうに考えていらっしゃるのか、これは先ほどの山本先生の学校の先生の例もあると思うのです。また多数の人命を預かる場合もあると思うのです。市役所なんかは市民がたくさん来ております。その人たちを誘導して外へ出さなければならない。その誘導中にもどういう災害があるかわからないわけですからね。そういう点どうでしょう、今後について。

小山省二自由民主党自治政務次官

○小山政府委員 今回は、御承知のとおり、特殊公務としてはっきりとその性格、使命というものを明記したわけでございますが、いま御指摘のような例も皆無というわけでもございませんので、先般来委員会におきまして大臣が御答弁申し上げておりますように、御承知のとおり他の関係法令との関係もございますので、これらは十分ひとつ関係各行と相談をいたしまして、自治省といたしましても前向きにこれをひとつ検討しよう、こういうことに相なっておりますので、そういう精神で善処いたしたいというふうに考えております。

和田一郎公明党

○和田(一)委員 実は総理府のほうで災害対策特別委員会の関係で働きかけがあったわけでございますけれども、今まで個人災害は全然国としては見なかったわけですよ。どんな災害があったって国としては何もない。ところがやっと今回は、そういう大きな災害に対しての死亡一人について十万円出るわけですが、そのように一般の人に対してもあたたかく見ていかなければならないという時代になってまいりました。ですから、これももう十数年来の懸案事項だったらしいけれども、やっとここで総理府とそれから当局のんでくれたということで、そういう形になったようでございます。ですから、これから検討をされるようでございますけれども、これは至急にやっていただきたいと思うのです。また、これは皆さん方も大いに希望していらっしゃることだと思うのですね。その点を一つ念を押してお願いしておきます。  それから、時間がございませんから、あと一つお聞きしますけれども、山本先生からどうして百分の五十という金額になったかというお話がございましたけれども、警察官のほうのこの報告書を見ますと、平均三〇%から六〇%程度がいいんじゃないか、そして若年者については特にその将来的要素を加味して最低六〇%ぐらいの増が必要じゃないか、こう出ておるのですが、この点について浅沼さん御意見ございますか、百分の五十ということについて。

浅沼清太郎警察庁警務局長

○浅沼政府委員 ただいま御指摘のように、私どもとしましては被災の態様等を考えまして、平均三〇%ないし六〇%という線で要望いたしました。先ほど自治省からお答えされましたような人事院の考え方で、一律五〇%ということで平均的な遺族の生活を補償しようという考え方の改善がとられましたので、私どもとしてはその線でぜひお願いをしたい、こういうことに方針をきめたわけでございます。ただ、ただいま御指摘のように、私どもとしては、さらに若年者については、そのときの、平均給与額が基準になりますために、先ほどもお話が出ましたが、非常に低いわけでございます。しかも警察の場合には、第一線でこういう災害を受けるケースが若年者が非常に多いのでありまして、ぜひこれを何とか優遇をしたいということで、この報告にも特に強調したわけでございますが、この問題は、今回問題になっておりますような特殊公務ということよりは、むしろ一般的、全般の、警察に限らず、若年者の補償が低く抑えられざるを得ないというこの制度そのものの問題でございますので、制度の全般の検討を早急にしていただく。その際に若年者の問題もぜひ解決をしていただきたい、こういうことを、要望いたしておる次第でございます。

和田一郎公明党

○和田(一)委員 消防庁どうですか。若年者に対する点について御意見……。

山田滋消防庁次長

○山田(滋)政府委員 同様に考えております。

和田一郎公明党

○和田(一)委員 どうも山田消防庁次長さんは、大阪の千日デパートのほうでお忙しくて、御答弁が向こうを向いた御答弁でございまして残念でございますが、今回はこれでよろしいのでございますけれども。次にひとつ公務部長から……。

林忠雄自治省行政局公務員部長

○林(忠)政府委員 今回は、人事院の意見に基づきまして国家公務員について措置がなされ、それに準じて地方公務員も全く同様の措置をするということでこういう案になり、こういう率を予定されるということになったわけでございます。御指摘の点は、消防にせよ警察にせよ、いずれにも若い元気のいい人のほうがこういう障害が多い、その平均給与が低いというのは事実確かにそのとおりでございます。警察、消防の要望もよくわかると思いますので、将来の問題としてはそれを十分心したいと考えております。

和田一郎公明党

○和田(一)委員 終わります。

大野市郎自由民主党

○大野委員長 門司亮君。

門司亮民社党

○門司委員 こまかい話を別にいたしまして、それから内容等についてはいろいろ聞かれておりますので、基本的な姿勢だけを聞いておきたいと思います。  この前、自治省で出されたこの法案は、主として警察、消防だけを限ってというような印象が非常に強い。また、そういうふうに理由書の中にも書いてある。ところが地方の公務員の仕事の中身は、警察と消防だけじゃないんですね。たとえば港湾を持っているところでは海に出かけておる。これはかなり大きなしけあるいは大きな台風でもあったときには、かなり大きな危険がある。こういうものはどうしてこの中に配慮されなかったかということ。こういうものは政令でカバーするからいいといえばそれで通るのだけれども、どうもここだけ見ていると、何かしら警察と消防だけ、そしてショックがあったからあわててこしらえたという印象があるので、法律のていさいとしては私はあまりいいかっこうじゃない。その辺の配慮はどうなんですか。

林忠雄自治省行政局公務員部長

○林(忠)政府委員 たびたび御答弁申し上げたところでございますが、今回のこの措置は、人事院の意見に基づけまして、国家公務員に対してある程度長年の懸案でありましたものの重要な部分を解決したという形で、国家公務員にこういう措置がとられ、それに準じて地方公務員についてこの措置をとる場合、人事院の意見が、職責そのものが本来国民の生命なり財産なりを保護するという職責であり、またその職務それ自体が高度な危険を伴うにかかわらず、職責としてはそれに働かなければならぬということに限定されましたので、それに準じた範囲として地が公務員の場合、まず警察と消防ということでとられたわけでございます。  政令で指定するものの予定としては、なおこのほかに、常勤の消防団員はもちろんでございますが、そのほかに麻薬取締員を考えておりまして、この場合は、やはり犯罪の捜査として警察に近い職責でございますし、かつその武器を携帯することを許されているという、つまりもう職責そのものが本来そういう危険なんだという範囲にとりあえず限定した国家公務員との範囲を合わしたわけでございます。したがって、それ以外の、ある程度と申しますか、台風でもあれば非常な危険な職種としていまの海の関係の職種であるとか、あるいは非常災害の起きた場合の避難誘導とか、職種に限らずいろいろなそういう危険があり、しかし、そこへ率先して飛び込まなければならないというケースは、確かに、御指摘のとおりいろいろあると思います。これらはいずれも将来の問題とし、かつ国家公務員との均衡も考え、それから労災との均衡も考えながら、将来、制度を改善していくときのいろいろな問題点として取り上げてまいりたいと考えております。

門司亮民社党

○門司委員 もう一つの問題は、どうもこの法律だけを見ておると、私は、公務員災害補償法の中でこういうものを入れるよりも、むしろ、こういう法律を出すというのなら、立法の技術としてはどうかと思うが、独立法としていくべきではなかったかという気がするのであります。そのことはどういうことかといいますと、いま申し上げましたように、一般の職員もあるといっております。一般の職員にあるということは事実であって、いろいろ問題が、ケースがあろうかと考えておる。しかし、この中で、法の適用を受けて、法律で制定をしなければならない、たとえば水防団のようなものがある。これは何も職員だけではない。消防団員というものがある。しかしこれは、やはり法律に基づいてやられておる。これらの危険はかなり大きなものがある。まごまごしていると、かなり大きな犠牲を出すということで、これなど明らかに天災的なものであって、警察の場合は天災的なものというのはわりあいに少ないのではないかと思う。ここで対象になっているのは、浅間山荘のような事件があるものだから、結局対人的の関係から来る災害が連想されているとすると、法律のていさいとしては、いささかどうかと考える。私はやはり、この種の法律をこしらえるというなら、そういう形のものが必要だ。むしろ大きく見ていこうとするなら、そういう災害というようなものに対してどうするかということ。水防団等についても、これはやはり一つの法律ですからね。そうして、その構成は、大体消防団員が兼ねているというのが地方では多いのでありますけれども、こういう問題がやはり取り上げられていない。ここがこういう形で取り上げられて、そういうものが政令でということで政令へみんな逃げてしまえば、それで法律と同じようなことになるのだというものの見方というのはいささかどうかと考えるので、こういう非常災害に対する特別の問題を、やはりほかの法律で書いたほうがよかったと思う。この議論を長くしていると相当長くなろうと思いますけれども、そういう問題について、どうしてもこれは独立法としてはできないですか、私は、せっかくこういうことをするのなら、みんなまとめた危険災害等についてもということで明確に書いたほうが、地方の自治体としてはやりいいのではないかと考える。その辺の配慮はどうなんですか。

林忠雄自治省行政局公務員部長

○林(忠)政府委員 先生のおっしゃるような体系でもって、非常災害、天災等のような場合のものを一括して一つの立法化をするという方法も確かに立法論として一つあると思いますが、現在出しましたものとしては、常勤の公務員の災害補償を一つの法律に、一元化したということで、特殊災害をこの一部として、一部改正の形で出したわけでございますので、この方法が唯一無二であるという意味ではございません。現在ある体系の手直しという形で一元化をはかったもの、一元化の考え方のもとにやったものであります。  なお、いま水防団のお話が出ましたけれども、これは消防団、水防団ともに非常勤の公務員でございますので、これの従来の公務災害の扱いについては、常勤の職員の公務災害の扱いに準じて政令で基準をきめ、そうして地方団体の条例により制度化するというたてまえがとられております。そこで、今回の常勤の職員に対する措置に準じましてこの政令基準を改定いたしまして、地方団体の条例で消防団、水防団ともに今回の措置と同じ措置がとられるようになるということになっております。

門司亮民社党

○門司委員 措置としてはそういことだと思いますが、ちょっとくどいようですけれども、法律としての観点からいえば、天災というのを、不可抗力からくる一つの大きな特殊災害と見るべきであって、人災を特殊災害と見るかどうかということは、実際は私は議論があると思うのです。もし特殊災害と見るなら、それは明らかな天災だと思います。ところが火事にしても、これは個人の失火もありましょうし、あるいは天災とみなされる地震というようなものもないわけではない。それから水害にしてもほとんど天災でしょう。人災ということがあるとすればダムでも切れたときの場合が人災といえるかもしれぬ。しかし、そういう特殊災害に対する法律をこしらえる場合に、必要があるとするならやはり一括したものであるべきで、何かしら一部の人に特定の恩恵を与えるかのような印象を与える立法化というのは、私は法律のにたてまえとしてあまり望ましい姿ではないのじゃないかと思う、その中に織り込んでいくことはちっともかまわないが。したがって、この天災等による特殊災害による特殊の災難についてこういう措置をとるんだということのほうが望ましいのじゃないか。人情としては、人対人の問題等については人情がからんできて、とんでもないことだ、えらいことだ。しかしその危険をおかしてやらなければならない職務であるということは、これは天災の場合も同じことである。しかし立法論のようなことで議論をしていることはいかがかと思います。  もう一つの問題は、私はなぜそういうことを言うかといいますと、これは結局予算の支出というものが、どうしても考えられなければならない。お金の問題がくっついてきているということだ。これは別の法律のたてまえを置いておけば、この法と別建ての積み立てというようなものが行なわれるということと、それからかりに、共済組合等の関係等もございましょうが、財政的にも別途の方法が講じてあればわりあいにやりやすいんじゃないかというようなことが考えられる。こういう両方の面から見ると、どうも一部改正案で出されたということはいかにも思いつきのようなことになりまして、一体本気で考えているかどうかというようなことが考えられる。  それからもう一つの問題は国家公務員との関係ですけれども、国家公務員の場合は危険度というのが北較的いまの場合は少ないのであります。警察官にしても大体国家公務員というのは警視、正以上だと思いますので、あとはみんな地方公務員であることに間違いがないので、どちらの犠牲の数が多いかといえば、地方公務員である。消防は全部地方公務員である。それから水防団にしても、消防団にしても、あるいは学校の先生にしても何にしても、ほとんど全部といっていいほどこれらの特殊のケースに属する災害者というのは地方公務員と見たほうが私は正しいと思う。だから、国家公務員共済組合法に拘泥して考えることのほうが私は誤りではないかと思う。むしろこういう場合には地方公務員に対する態度というのが国家公務員のほうに逆に考えられるというケースのほうがよろしいのではないか。もう一つ大きな災害を背負っておるのでは国家公務員の場合は例の国鉄であります。しかしこれは国家公務員ではないのであって、これは一つの公社であって別に国家公務員の範疇には属さない。したがって、今日の国家公務員の特殊災害というのはきわめてその範囲は狭められているということです、ところが、地方公務員のほうは、その幅が非常に広いということです。交通に関係する人もみんな地方公務員であることに間違いはない。こういうふうに考えてくると、どうも法律の書き方がいかにも役人——というと諸君はおこるかもしれないが、役人であることに間違いはないのであるが、国会依存の考え方が先ばしっていやしないかということが考えられる。やはりこういう場合には明らかに地が公務員のほうがそういう危険にさらされる度合いというのがはるかに多いのであるから、そちらのほうにウエートを置いてそして特殊、特別の立法をすることによってすべてを一応網羅して解決をする。政令なんということを考えないで、全体が特殊災害についてはめんどうを見ていくのだという法律のたてまえのほうが立法の措置としてはどうしても正しいと私は思う。  予算措置はどうするつもりか。地方公務員全体で大体どのくらい見るつもりですか。

林忠雄自治省行政局公務員部長

○林(忠)政府委員 予想される必要な財源は、いままで発生した統計その他から考えてみますと全国を通じて二千万程度で、金額としては非常に少ないものでございます。そういう予想を立てておる次第でございます。  先生のおっしゃいますような災害というものを中心として一本にまとめた一つの体系というものももちろん立法法論としては考えられるものでございまして、こういうやり方が唯一無二ではないということは先ほど私も申し上げたとおりでございます。  これから今回のこれが、国家公務員に準じた形はとりましても、実際には地方公務員が主役であるということは、私も十分承知しております。警察なり消防なりこれに該当してこられる方は今後ももっぱら地方公務員であろう、国家公務員が出てくるケースはまず少ないであろうということは十分承知しております。ただ、一つのやり方としまして地方公務員の身分、待遇その他が大体国家公務員に準じておりますので、かりに国家公務員の間に地方公務員と同じ職種のものがあれば同じ扱いをされるのは当然でございます。形としては人事院の勧告が出て国家公務員がきまったら地方公務員もそれに準じてやりますけれども、実際にそれを進める力は地方側にございまして、現にこれが出てくる原動力となりましたいろいろな事件の該当者が全部地方公務員であることはおっしゃるとおりでございます。この制度を将来どういうふうに持っていくかということは、地方団体主体にものを考えていくという御指摘のとおりの考え方を持っております。

門司亮民社党

○門司委員 だからこういう法律を暑く場合には何といっても一つの主体というものがなければならないのであって、その主体性を——往々にして国に準ずるということになっていると、地方公務員の待遇は国家公務員に準ずるというような形をとっているということに私はなろうかと思う。人事院の勧告を云々されておりますけれども、この種の法律は独立の法律として出したからといって別に問題のある法律ではないのであって、特殊の災害あるいは特殊の災難にあった人に特別の手当てをするというようなことは望ましくない。いま聞いてみますと、経費にしても二千万円程度だということになれば、十何兆という財政計画を持って、いる地方の自治体の予算の中からいえば問題にするほどのものでもなければ何でもないのであります。個々の自治体については多少窮屈な面があるかもしれないが……。  この災害でもう一つ念を押しておきたいと思いますことは、消防の場合にきわめて小さな自治体があるのですね。消防を持っておるが、しかしその自治体の負担が非常に大きい場合がないとは限らぬと私は思うのです。これらのものに対する何らかの予防の措置をお考えになったことがございますか。消防団あるいは常備消防といっても、いまの規定からいけば、二万から三万の小さな都市にもこういうものはあるわけであります。そして災害が起こって、被害を受ける職員というのは、大きい都市だから多い、小さい都市だから数が少ないというわけじゃないと思う。そういう場合には救済策を何か考えておりますか。

林忠雄自治省行政局公務員部長

○林(忠)政府委員 団体の規模によって財政力に非常に差がございますので、公務災害につきましてはこれらをプールして基金を全部まとめておりますから、小さい団体で殉職行がたくさん出たということがあっても、その団体の負担にはならずに、基金から払うということでございます。

門司亮民社党

○門司委員 法律的にはそういう基金制度になっておりますが、そうして出すことになっておるから、その辺は別にたいした問題はない。ただ地方の自治体ではそれだけ、では済まされないという現実の問題が出てくるのです。その辺、各地方自治体の条例ということで、いまは大体みんな片づけている——片づけるというと悪いのだが、大体処置されていると思いますが、条例も、わりあいにいま出されようとしているものにも近いような条例を持ったところがあるだろうと思いますし、それから、条例で特殊の被災者について何も書いてないところもあるかもしれない、こういう問題。  それからもう一つ、私がなぜこういう立法の問題を言うかというと、災害というのがそのときそのときにおける一つの問題点、これは議論されたと思いますが、職務であるから特別の組合法の中で処置がされるのだ、一般人に対しては一体どうするかというような問題等も、やはりこういうものをこしらえていくについては考えないわけにはいかないのじゃないかということが考えられる。御承知のように、一般人であるからといって、そこの住民である限りにおいては、やはりある程度の危険をおかして当然対処しなければならぬものが出てくる。これはほんとうにわけのわからぬ国会議論のようですけれども、この種の法案をこしらえようとすれば、寿てこまで配属しておかないと、いままでの共済組合法の中で処置されておったものならば、一般人との間に私はそうべきな隔てをつけなくててもよろしいかと思い、ますが、特殊な扱いをするということになると、一般人に対しても何とか考えてもよさそうだという概念も私は当然出てくると思う。だから、その辺の配慮はどういう形になっているか。あたり漂えのことをあたりまえに聞くようですけれども、もしお考えがあるなら、この際明らかにしておいていただきたいと思います。

林忠雄自治省行政局公務員部長

○林(忠)政府委員 今回提案いたしましたのは、公務員の公務災害補償制度の手直しとして、そういう特殊な危険な状態が予測できるにかかわらず、あえて職責上職務を行なった結果、死亡されたりけがされたりした方々への公務災害補償としてこういう改正案を持ち出しました。したがって、一般人についてこの制度では配慮しておるわけではありません。現実問題として、ある町とかある場所に災害が起こり、公務で犠牲者が出ると同時に、一般人にも傷を受けた方、死亡された方が出るというような場合は、現実問題としては大いに予想できるところでございます。現在は自治体からそういう方々に対して報償金とか見舞い金とかいう形で、個々のケース・バイ・ケースで納得できる形で処理はされておると存じておるわけでございます。将来、そういう災害ということに着目して、公務員なり一般人なりにかかわらずそれによる犠牲打を救済するという、先生のおっしゃるような形での法律体系をつくるということも、十分検討しなければならないと存じます。今回は公務災害補償という形で、その一部を手直しをしたという形になっておりますので、おっしゃるような点はなお問題として今後残るかと思います。

門司亮民社党

○門司委員 私は、別にこの種の問題は法律でそこまで書かなくても実はいいのではないかと考えております。ところが、こういう特殊の法律ができますと、やはりこれは波及していくのです。いままでは一般の公務員でその段階で終わっておったけれども、特殊の公務員だけ手当てをするということになると、一般人についても特殊の手当てをしたらどうかという議論が当然出てくる。出てこなければおかしいのであって、したがって、この問題をやはりそこまでひとつ配慮をして、これ以上くどくは申し上げませんが、私は、こういう場合については、そういうものを全部ひっくるめた一つの特別の災害法というものが、どうしてもこの際ほしかったと思うわけなんです。そうすることのほうが、全体のチームワークということばはどうかと思いますが、地方の自治体というものは、御承知のように、災害に対してはほんとうに住民の協力がなければやれないものであって、どう考えても、その場合人対人の災害というようなことが考えられるのです。そうして天災等についての災害の場合のことがどうも考えられてないような気がするのです。だから、法案の改正が何かしら思いつきのような、こういう事件があったからあわててこういうものをこしらえるのだというような気がしてならないのであって、それではやはり立法の精神としてはあまり感心した取り扱いではないということである。事件があった以上は、やはりそれに関連した万全の立法をすべきだ、私どもはそう思うのです。法律をこしらえるならそういうことを考えてこしらえるべきではないかということが考えられるから申し上げておったのでありますが、委員長から十二時までにやめてくれということの書類が回ってきておりますので、これ以上聞けば十二時過ぎるかもしれませんが、問題の焦点は、こういう一部の——これは公務員だけでありますから、住民から考えれば一部であります。したがって、やはりこれに準じた、地方の一般住民にも従来の考え方と迷った形で見舞い金なり、あるいは共済組合から出すわけにはいかぬと思いますが、市費なりあるいは公費が支給されようと思います。それらの点にあまり格差のないような形で、処置をしていくという配慮を願っておきませんと、将来この法律の運営の中で、トラブルとまでは申し上げませんが、私は住民感情として納得しにくい面が出てきはしないかということが考えられる。そのことは警察にいたしましても、現行犯逮捕というようなものは、だれでもできるのでありますから、その場合に、これもある意味においては非常に危険があるかもしれない。まごまごしていると一般人が刺し殺されぬとも限らないのです。こういうものを考えてくると、同じ行為をした、同じ強盗犯を追っかけていうたが、片一方は公務員であるから特別の処置がとられる、片一方は民間人であるから、何でおまえさんよけいなことをしたのだというような印象を与えてはならないということであって、したがって、この問題等についてはその点をぜひ配慮をしていただいて、政令その他あるいは自治省からのいろいろな示達もあろうかと思いますが、そういう地方の自治体の住民の中に何かしら翻り切れないものを残さないようにひとつ配慮をしていただきたいということを、最後に、これは御答弁はどうかと思いますが、申し上げて、ちょうど時間になりましたということになりましたので、この辺で質問を終わらしていただきたいと思います。

大野市郎自由民主党

○大野委員長 林百郎君。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 林さんにお尋ねしますが、この自治省からもらった法律案の中に、「特殊公務に従事する職員の特例」とありますね。この特殊公務に従事する職員というのは、警察職員、消防職員あるいは麻薬取締官、こういうことになるわけなんですね。それでいいですね。

林忠雄自治省行政局公務員部長

○林(忠)政府委員 そのとおりでございます。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 それじゃ、特殊公務に従事する職員ですか、特殊公務員と申しますか、これの昭和四十五年度の警察官の死亡と障害、それから消防吏員の死亡と障害は何件ずつですか。

浅沼清太郎警察庁警務局長

○浅沼政府委員 昭和四十五年度につきましては、総件数は一万二千八十五名でございまして、そのうち特殊公務災害に該当するものと思われまするのが二十九名でございます。

山田滋消防庁次長

○山田(滋)政府委員 消防吏員につきましては、昭和四十五年度は、総件数死亡並びに障害合わせまして四十三件でございまして、そのうち特殊公務と思われますのが十名でございます。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 だから私初めに聞いたのですが、特殊公務に従事する職員というのは、消防職員、警察職員、麻薬取締官は特殊公務に従来する職員なんでしょう。そのうちでまた今度特殊公務に従事する者、こういうことになるのですか。林さんどうですか、おかしいじゃないですか。

林忠雄自治省行政局公務員部長

○林(忠)政府委員 法律で「特殊公務に従事する職員」という、この特殊公務というのは、その職責がここに書いてございますように、国民の生命、身体等を守るということが職責であり、しかもそれが高度な危険が予測される状況においても職責としてやらなければならない、こういうものとして警察職員、消防職員というものを特殊公務に従事する職員としてあげたわけでございます。ただし、特殊公務に従事する職員は年がら年じゅうその危険な仕事だけやっているわけではございませんから、そのうちのある特定な場合を特殊公務災害として取り上げてこの法律の対象にする。特定の場合というのは、警察であれば犯罪の捜査で現行犯の逮捕で相手が刀を持って向かってきたものを取り押える。消防でいえば現に火が燃え盛っているところに飛び込んで人を助けるという、そういう場合に起きた災害を特殊公務災害として定めておるわけでございます。通常の、消防では水をかける、警察では交通取り締まり、これは特殊公務とは考えてないわけでございます。特殊公務員という概念は実はございません。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 あるじゃないですか、法律の見出しに書いてある。

林忠雄自治省行政局公務員部長

○林(忠)政府委員 特殊公務員というのは特殊の公務に従事する職員でございます。特殊公務というのは、ここに書いてありますような警察の職務のうちでも特に危険な部分が特殊公務災害、消防の場合の職務としては特に危険な、火が燃え盛っているところに飛び込む、これを特殊公務という考え方をとっておりますので、現に死亡され、けがをされた方の一部分が特殊公務災害、あとは公務災害には違いありませんが一般公務災害、こういう概念でございます。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 特殊公称に従事する職員は警察職員、消防職員、麻薬取締官、こういうのは職務自体が特殊な職務に従事するから特殊公務に従事する職員ということになるのじゃないか。その中でまたあなた方は特殊公務、こう言ったのではダブル特殊公務になっちゃって、区別がつかなくなっちゃうわけです。それじゃそこの点は、特殊公務に従事する警察職員、消防職員それから麻薬取締官を同じ警察職員、消防職員、麻薬収納官の中でも特殊公務に従事する職員というのですか。そういう特殊公務に従事するから、だから消防職員や警察職員や麻薬取締官は特殊公務に従事する職員、こういうことなんですか。

林忠雄自治省行政局公務員部長

○林(忠)政府委員 警察職員、消防職員その他麻薬取締官の職責の中に、場合によっては高度な危険が予測されるにかかわらず、あえて職責としてそれに取り組まなければならないというケースが間々ある。そこで、そういう政令で指定する職員がその政令で指定するような職務に従事する形において災害が起きた場合は特殊公務災害として取り上げるわけでございますから、警察職員なり消防職員なりあるいは麻薬取締官が行なう職務が常に全部特殊公務に当たる公務とは限らないという考えでございます。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 大体わかりました。ところが自治省からいただいた資料によると、「特殊公務災害の発生率」と見出しに書いてある。総件数は四十六件、左のうち特殊公務十三件、死亡ですね。障害が二百二十九件、左のうち特殊公務は十六件。それで二百四十六件中二十九件。死亡は消防のほうは九件中五件、障害が三十四件中五件、合わせて四十三件中十件。これはどういう意味を持つわけですか。要するに、警察で死亡したものが四十六件あるが、そのうち特殊公務によって死亡したものは十三件。それから警察で四十五年度で障害を受けたものが二百二十九件あうが、そのうち特殊公務で障害を受けたものは十六件、合わせて死亡と障害で警察は二百四十六件あるけれども、そのうち特殊公務と認められるものが二十九件、消防は四十三件中十件、こういう意味ですか。

林忠雄自治省行政局公務員部長

○林(忠)政府委員 そのとおりでございます。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 そうすると警察官が四十六名死亡しているのに、そのうち十三名だけが本法の適用を受ける。そうすると、死亡者の三割程度ですね。それから障害者に至っては五分か七、八分ですね。消防吏員に至っては、死亡のほうでは六割、そうして障害のほうは一割五分、この程度と見ていいのですか。

林忠雄自治省行政局公務員部長

○林(忠)政府委員 四十五年度中に起きました災害ではまさにおっしゃるとおりの率になります。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 それはおかしいので、本来警察職員とか消防職長というものは特殊の職務に従事しておるものではないですか。それじゃこう聞きましょうか。たとえば特殊公務、「高度の危険が予測される状況の下において、犯罪の捜査、火災の鎖圧その他の政令で定める職務」というのはどんなものですか。

林忠雄自治省行政局公務員部長

○林(忠)政府委員 具体的なぴったりする例は警察なりあるいは消防当局から御答弁していただこうかと思いますが、私、考えますのに、たとえば犯罪の捜査といっても、起こった犯罪の捜査をするためにいろいろ聞き込みその他それ自体ではさして危険のない任務というものがずいぶんあると思います。ところが犯罪の捜査のうちでも、犯人がひそんでおるかもしれないというところに飛び込んでということになりますと、危険が予想される。ですから、同じ犯罪捜査のうちでも、ここで考えております特殊公務、非常に危険が伴う公務とそうでない公務があるのではないか。その危険を伴う公務、まさに飛び込んでみたら犯人がおってけがをしたというような場合がここに当たるというような考え方に立っておるわけであります。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 そうすると、行ってみたら相手がピストルを持っていた。これは予測はしていないわけですね。そういう場合は本法の適用がないのですね。同じ警察官で、四十六名が死亡しているのに、そのうちの十三名だけは、五割増しだ、あとの三十三名は死に損だ、障害者に至っては二百二十九名いるけれども、十六名だけは本法の適用があるけれども、あとは障害のされ損だ、これはおかしいじゃないですか。とにかく死んで遺族が困るという点じゃ変わりないのに、高度に危険が予測された状況のもとでやった者だけやる。そうすると、高度の危険が予測される状況のもとにおいてはしっかりやれという激励の意味で、旗振りをさせる意味でやるだけであって、実際、死亡してしまって家族が困る者、実際重度障害で将来正常な職務につけない者の救済はこの五割増しでできないということになって、非常に、不公平じゃないですか。どうですか。(発言する者あり)

林忠雄自治省行政局公務員部長

○林(忠)政府委員 いまの先生の御指摘になりました、いないと思って行ってみたらピストルを持っていてけがをしたというのは、それに当たらないかということに対しては、当たると思います。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 そんなことかってに言えるのですか。あなたが認定するのですか。

林忠雄自治省行政局公務員部長

○林(忠)政府委員 それでいまのどういう場合が特殊公務であり、そうでないかの具体的なぴったりした例はあるいは警察当局のほうからちょっとお答えいただけたらと思います。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 警察のほうに聞く前に、もう少し立法者のあなたにお聞きしますが、たとえば道路交通の整理をしていたら、突如としてダンプカーが飛んできてひいてしまって死亡した。正常な交通の遡行がされていれば、それは高度な危険は予測されないけれども、そういう突然にトラックが来たために交通整理に当たる警察官が死亡した場合はどうなるのですか。

林忠雄自治省行政局公務員部長

○林(忠)政府委員 いまのおっしゃる設例は適用がないことになる、つまり一般の交通取り締まりあるいは交通整理というものはここにいう高度の危険を予測される特殊公務員ではないという考え方に立っております。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 警察庁、意見がありますか。自民党の諸君は冷酷にも死んだってあたりまえだ、職務上そうだ、そういう冷酷なことを言っていますが、私たちはそう考えられません。高度の危険が予測された状況のもとで死亡しょうと、通常の警察職員としての職務、消防職員としての職務に従事していても職務自体がそういう危険性が予測されている職務に従事しているのですから、大石委員も、言っているようにそういうものに対しては全員に対して特別な考慮をしてやる。もちろんわれわれはそのほか特殊公務に従事する職員以外の、たとえば教員などか教え子がおぼれそうだ、それを助けるために自分も海の中に入っていったためにおぼれ死んだというようなものにも適用すべきだという考えも持っておりますけれども、少なくとも特殊公務に従事する職員ということだけで考えてみても、警察職員、消防職長というのはその職務自体が、毎日毎日がすでに生命の危険におかされるようなことをやっているわけですから、そのうち特に高度の危険が予測される状況のもとだけのものを、それもほんの三割あるいは一割にも満たないような死亡、障害者だけをやる、しかもその予算もわずか二千万円だ、これじゃ災害補償を考えてやるということについて意味なさないじゃないですか。警察と消防庁の御意見を聞きたいのですが、そんなことであなたか満足しているんじゃおかしいと担うのですよ。

浅沼清太郎警察庁警務局長

○浅沼政府委員 御承知のとおりでございますけれども、現在の公務災害補償制度によりますと、いまの警察官が凶悪犯人と格闘して殉職したというような場合も普通の公務災害の場合も全く同一ケースで差別がない、区別が全然ございません。そういう現状に対しまして、最近警察官の危険をおかして、なおかつ職務を執行しながら受ける災害がふえている、これに対しては先ほども申し上げましたが、諸外国等にもその場合には特別な配慮をするというような例もございますので、私どもとしては、特に危険な状況のもとにおいてそれをあえておかして職務を遂行した結果災害を受けたという場合には、一般の公務災害にプラスアルファをして、改善していただきたい。先ほども若年者の問題等もございまして、もちろん全般的に水準が低いという問題がございますけれども、この際はそういう危険な状況のもとにおいて職務を執行した結果受けました災害については特に改善をお願いしたい、こういうことを強く要望をしておるところでございます。

山田滋消防庁次長

○山田(滋)政府委員 消防の場合におきましても、今回のこの法案の発想が、特殊な危険におもむく場合におきます特殊なかさ上げ措置でございまして、私どもといたしましても先生のおっしゃるように、全体的に底上げをしていきたいという気持ちはございますが、一応やはり特殊な、特に危険が予想される火災川場に飛び込んでいくとか、最近のように危険物が非常に多くて当然そういう危険が予想される、あるいはまた高層ビル等の消火にあたりまして普通の場合以上に危険が予想される場合におきまして壮烈な死亡を遂げたという場合におきましては、やはり手厚くこれを扱いたい、そういう感覚が基礎にございます。しかしながら消防の具体的な活動のケースというものは必ずしもさい然といかない場合もございます。たとえば出動する途中においての遭難という場合でも、いろいろなケースがございまして、一律に扱うことができないと思いますが、そういう場合におきましても、特に状況によりましては今回の措置を手厚く適用するというふうな方針でまいりたい、かように思っておる次第でございます。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 じゃ消防庁にお聞きしますが、高度に危険が予測される火事とそうでない火事というのがあるのですか。たとえば大阪の千日ビルの火事、あういは一軒の家の火中もある。一軒の家でも非常に火が燃えている、その中にからだの不自由な人がいる、消防職員があえてその人の人命を助けるために飛び込んでいった。ところが飛び込んでいったのはいいけれども、煙に巻かれて死んでしまったというのと、千日ビル、あそこでも消防署員が障害をしておりますけれども、これは本質的に変わりないじゃないですか。あらかじめ出勤するとき予測されなくても瞬間に事態が発生した場合は、この適用はないのですか。あらかじめ予想されておらなかった、おまえがかってに予想してないところへ行ってかってにそんな深入りをしたから、それで命を落とし、障害をしたんだから、おまえは五割アップできないよ、こうなるんですか。  警察のほうもどうなるんですか。普通の窃盗と思って捜査に行った。ところがその窃盗犯人があにはからんや出刃ぼうちょうを持ってかかってきた。それと格闘して殺された。しかしおまえは単なる窃盗犯の捜査のために行ったんだから、あらかじめ予測がされてなかった、そんな命を落とすなんということは。行ってみたらそんなことになったんだからおまえは死に損だ、がまんしておけよ。しかし浅間山荘みたいにテレビに映って、みんな関心を持ち、新聞に書かれてはでなものは、ああいうのはやってやるよ。おまえはテレビにもちっとも出やしないじゃないか、そんな窃盗の捜査なんか何だ、こんなことがあなたは言えますか、同じ消防職員や同じ警察職員の中で。これはおかしい法律だと思うんですよ。

浅沼清太郎警察庁警務局長

○浅沼政府委員 ただいまおっしゃられたようなケース、つまり抽象的に申し上げれば、高度の危険が予測されるという場合の危険というのは、単に三親的な問題だけでなく、客観的なものである。同時に、あらかじめ危険を予測するという点は、何も何時間も前からそういう危険があるということだけでなく、直接その行為の直前においてそのような危険が発生する、にもかかわらずこれをあえておかして職務を執行するというような場合には当然このケースに該当するというふうに考えておるのでありまして、窃盗だからどうだとか、そういうようなことは全然ございません。いまおっしゃられたようなケース、窃盗犯人を逮捕に向かいましたところが突然隠し持った凶器で向かってきたというような場合には、この特殊公務に文字どおり該当する、このように考えます。

山田滋消防庁次長

○山田(滋)政府委員 先ほど私のお答えが少し典型的な場合を強調して申し上げたので、ちょっと誤解を招いたと思いますが、当然先生のおっしゃるように火災現場におきます危険度というのは、多少の差はありましても差はつけるべきでございませんし、当然火災現場における死亡であれば同様に扱うべきものと考えております。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 警察庁にお尋ねしますが、四十六年度のだけでいいですが、特殊公務災害に従事した警察官の死亡人員と、本法が適用されるものと考えられる件数との比率は何割くらいになるのですか。これは警察と消防両方にお聞きしたいと思います。死亡だけでけっこうです。

浅沼清太郎警察庁警務局長

○浅沼政府委員 四十六年の公務災害による死者は四十七名でございます。そのうち、この特殊公務に該当すると考えられます者が十三人、約三割になります。

山田滋消防庁次長

○山田(滋)政府委員 四十六年度の集計はできておりませんのでお答え申し上げかねますが、人体従来の傾向から推しまして、消防職員については十名程度、団員につきましては三十名程度の死亡と考えております。そのうち大体特殊公務に該当いたしますのが三分の一程度と思われます。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 その程度のものだということなんですが、そこで警察庁にお尋ねしますが、たとえばはでに宣伝されたトロツキストの暴力集団と警察官の衝突というような場合、これはおもに警備で、機動隊がおもなんですけれども、浅間山荘あるいは成田空港、渋谷の暴動事件、こういうようなものはこれに該当するんですか。

浅沼清太郎警察庁警務局長

○浅沼政府委員 当然該当すると思います。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 われわれから考えれば、あなた方が中にスパイを入れて、金など渡して泳がしている者に対して、甘やかしている者に対して行ったところが、死んでしまった。死んだ人にははなはだ気の毒で、われわれも同情いたしますけれども、そういう者に、泳がせていた者の事件については、特に五割だ。あとの刑事事件みたいなものは、じみな警察行為をしている者に対しては、死んでも死に損だ、こういう不合理を感ぜざるを得ないわけです。  そこで一例をお聞きしますが、浅間山荘事件で内田警視長が総理大臣、警察庁長官、都からもらった一時金は、合計幾らですか。

浅沼清太郎警察庁警務局長

○浅沼政府委員 最初お話しのようなことでありますが、たとえばこの十三名につきまして、凶器を持っている犯人を逮捕した場合が二人、それから交通取り締まり中の者が二人、それから暴風雨の中で災害警備従事中に殉職しました者が、一人、あるいは激流の中で孤立している人を助けるために飛び込んで結局死んだというふうなケースが一人、それからいまお話しのような人質の救出、連合赤軍の逮捕のために警備に当たりまして殉職した者が、一人というようなことで必ずしもそういう脚光を浴びたような事件だけに適用するというようなことを考えておるわけではございません。  それから、内田、高見両君が軽井沢事件で殉職いたしましたが、このときの内田警視長の場合で申し上げますと、この地方公務員災害補償法による遺族補償年金が百十五万円、それから総理大臣の特別ほう賞金が五百万円、それから警察庁長官の賞じゅつ金が五百万円、それから東京都の賞じゅつ金が五百万円。高見警視正の場合は、地方公務員災害補償法に基づく遺族補償が九十一万円、総理大臣のほう償金、長官の賞じゅつ金、都の賞じゅつ金は同韻のそれぞれ五百万円、大体そういう状況でございます。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 そうすると内田警視は、かりに本法が適用されるその五〇%アップ以外にもらった金が、約一千五百万ですか、一千六百五十万ですか。幾らですか。私のほうは二千四十八万という数字が出てています。総理から五百万、警察庁長官から五百万、都から五百万などの一時金、そのほかいろいろ入れて二千四十八万円、これは災害補償法以外の金です。

浅沼清太郎警察庁警務局長

○浅沼政府委員 共済組合とかそういう金もございまして、その他の金も合計いたしますと、いまおっしゃられましたように、一時金約二千四十八万円、年金が百五十五万円ということでございます。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 高見警視正は総理、警察庁長官、都から幾らもらっているのですか。

浅沼清太郎警察庁警務局長

○浅沼政府委員 高見警視正の場合も、総理大臣の特別ほう賞金が五百万円、長官の賞じゅつ金が五百万円、東京都の賞じゅつ金が五百万円でございます。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 両方合わせると三千万円ですね。そうすると本件の予算より多いじゃないですか。二人が一時にもらった金のほうが多い、そんなばかげた話がどこにあるか。同じ死んだ警察官のうちで、一方では千五百万ももらう、一方は本法の適用もないんだ、そんな矛盾した話がどこにあるのでしょうか。一体二千万という予算はどこから出てきたのですか。これで何人が救済できると思うのですが、警察と消防庁を合わせて。脚光を浴びた事件で死んだ警察官、これは遺族には非常に気の毒ですからやることはけっこうですけれども、何もこの人たちだけが四十七年度の本法による特別災害の補償の五〇%アップの、予算よりも余分なものを二人だけでもらってしまっているというような、そんなふざけたような法案というものは私はないと思うのですよ。主人がなくなって遺族が因ることはだれだって同じことなんですから、それがたまたま高度に危険が予測されたというようなことで、はでに脚光を浴びた事件だけは、一年分の全警察官、消防員がもらう特別公務災害のアップ分以上のものを、五割増しのものをもらっている、そんなことがあり得ますか。そんな不条理な法律の制定というものが……。

鹿児島重治自治省行政局公務員部給与課長

○鹿児島説明員 二千万円と申し上げましたものにつきましては、これの災害の発生の程度あるいは発生した状況等によりまして違いますが、過去の平均からいたしまして、一応積算の根拠といたしましては、遺族補償の年令増額分七件、遺族補償一時金の増額分六件、障害補償年金の増額分一件、障害補償……。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 そんな二千万の内容を聞いているんじゃない。

鹿児島重治自治省行政局公務員部給与課長

○鹿児島説明員 年金分と一時金分と合わせまして約二千万円ということを推計したわけでございます。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 いずれにしても二千万なんですよ。ところが浅間山荘事件の三人の警察官がもらうものは一時金で三千万ですよ。全予算が二千万なのに、二人の者だけがもらう一時金が三千万という、こんな法律というものは、実際危険な職務に日常従事している全警察職員、全消防職員あるいは麻薬取締官が安心して生命を賭して自分の職務に専念できるそういう法律にはなりませんよ。ほんの一部の脚光を浴びた事件、しかもそれも警備とか機動隊がおもで、それの根本は高等政策で泳がせたようなんと対決して犠牲になったようなものだけに特別にこうやって旗を振らせるということにすぎないのじゃないか。  時間が参りましたのであと二問だけで終わりますが、うちの調査室の資料によりますと、なお今後の実績をやった上で(「泳がしたのか」と、呼ぶ者あり)泳がしたことは間違いない。時間がないから言えないけれども、時間があるならやりましょう。

大野市郎自由民主党

○大野委員長 林委員にお願いしますが、申し合わせの時間が迫っておりますから協力してください。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 中山君から不規則発言があるから。やるならやりましょう。何を言っているのですか。

大野市郎自由民主党

○大野委員長 御協力を願います。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 調査室の資料によると、今後の実績をやった上で必要に応じて基金の掛け金等の変更について検討されるということですが、結局これは掛け金率の変更によって穴を埋めることになるのですか。そのことが一つ。  結局私たちは、死亡、障害したすべての数の警察官吏、消防吏員、麻薬取締官に適用するような災害補償法を考えるべきだ。いわば職務自体がそういう生命に危険を覚えるような職務に日常従事しているのですから、そのうち特に高度の危険が予測されるということで、一割から二割の、しかも一人か二人の者の、総理や警察庁長官や都からもらった金に前後するようなもので一年分の予算をまかなうなんという法律は全く不公正な法律だと思うのですね。  さらには第二点として、他の地方公務員も災害補償法で予測しないような死亡をした場合には本法を適用するように五〇%アップをする、さらには一般公務員の災害補償自体をやはり底上げをしてやる、こういうことが必要だと思います。  そういう意味で、なくなった警察官——全体が職務に忠実なためになくなっているのですから、そのうちの一部だけが本法による一年分の予算に該当するよりなものをもらうような特別な取り扱いをして、その上さらに本法の適用を受ける、他の者は死に損であり傷つき損であるというような本法については、少なくとも賛成の態度はとれない。せいぜい棄権程度だということに終わるわけなんですが、この掛け金問題について、どういうことかちょっと説明を願いたいと思います。

林忠雄自治省行政局公務員部長

○林(忠)政府委員 公務災害補償の財源は全部掛け金によっておるわけでございますから、発生を予想して率を出して、その率によって地方団体が掛け金を出しておるわけでございます。ただこの件については、いましばしばお話の出ました二千万円というのは、公務災害補償の大体十六億くらいに対して非常にパーセンテージが少ないものですから、現在すぐ掛け金の改定というお話が出ることは、この件によってはないと考えております。     —————————————

大野市郎自由民主党

○大野委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。  これより討論を行なうのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

大野市郎自由民主党

○大野委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。     —————————————

大野市郎自由民主党

○大野委員長 ただいま議決いたしました本法律案に対して、中村弘海君、山本弥之助君、小濱新次君及び門司亮君から、四派共同をもって附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  この際、本動議を議題とし、提出者から趣旨の説明を求めます。中村弘海君。

中村弘海自由民主党

○中村(弘)委員 私は、この際、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党の四党を代表し、地方公務員災害補償法の一部を改正する法律案に対しまして、次の附帯決議を付したいと思います。  案文の朗読により趣旨説明にかえさせていただきます。   地方公務員災害補償法の一部改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行にあたり左の点についてすみやかに善処すべきである。  一 特殊公務について政令で定める範囲を拡大するとともに、特に危険をおかして業務を進行した場合の補償についても検討を加えること。  二 民間の企業において補償の実態にかんがみ、地方公務員に対しても公務による死亡見舞金等の支給について検討すること。  三 若年者の公務災害補償額の引き上げについて検討すること。   右決議する。  以上であります。何とぞ皆さま方の御賛同をお願いいたします。

大野市郎自由民主党

○大野委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。  本動議について採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

大野市郎自由民主党

○大野委員長 起立総員。よって、中村弘海君外一名提出の動議のごとく附帯決議を付することに決しました。  この際、渡海自治大臣から発言を求められておりますので、これを許します。渡海自治大臣。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 ただいまの御決議に対しましては、その御趣旨を尊重し、今後十分努力いたす所存であります。

大野市郎自由民主党

○大野委員長 おはかりいたします。  ただいま議決いたしました法律案に対する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大野市郎自由民主党

○大野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————   〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

大野市郎自由民主党

○大野委員長 この際、暫時休憩いたします。     午後零時三十九分休憩      ————◇—————   〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕

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