地方行政委員会 第27号
- 発言数
- 195 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1972/05/23
会議録
○大野委員長 これより会談を開きます。 内閣提出にかかる警備業法案を議題とし、質疑を行ないます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。門司亮君。
○門司委員 最初に、これらの法案についてのものの考え方について公安委員長にお伺いをしておきたいと思います。 御承知のように、法律というものの性格は、その国の一つの行政方針に基づいてついて歩くものであります。ついて歩くということばは適切じゃございませんが、その目的を持つものであります。したがって、国が軍国主義を非常に盛んにしようとすれば、すべての法律がその方向に向かって進む。まあ、その国の法律のあり方というものがそうでなければならないという一つの形が出てくる。だから、そういう考え方を、法律を制定する場合には特に気をつけなければならない。国家目的に反した法律はできないはずであります。そういうことを考えていきますと、法律の中で最も権力関係であるという法律を審議する場合には、特にそういうものが必要なんです。いままでの歴史をずっと見てみると、どの国でも同じことですが、たとえば古い話をするようですけれども、歴史の流れの中で何か事を起こそうとするものの考え方のある場合には、その方向に向かってすべての法律が集約されてくる。これらは国家の存立上、あるいは指導者の考え方によって採用されるものであります。したがって、今度の警備業法案の内容を見てみますと、単に警察側の言っておるような、あるいは政府の考えておるような、ガードマンというものに行き過ぎがあるとか、服装がよく似ているとか、あるいは警察官類似行為のようなことをやるとかというような問題が中心でこしらえられておるというならば、それはその次元に属する一つの社会現象からくる部面をとらえて、それをどうするかということの範疇にとどまる。しかし、この業法全体を見てみますと、どう考えても、一つの国の方針の流れに沿っていこうとする気配が見えている。このことについて大臣はどういうふうにお考えになっているか。ただ現象だけをとらえてのお考えなのか。あるいは、国の一つの方針として考えられる状態の中でやられるというのか。これを私がおそれるのは、いま軍国主義云々ということを言われておりますけれども、きょうここで軍国主義を論ずる必要はないと思いますが、ややともすれば、これらのものは警察国家を形成する一つの流れに関連を持たないとは言えない。私はこの点をおそれるのであります。したがって、その辺の感じを最初に公安委員長から聞いておきたいと思います。
○中村国務大臣 警備業法の今回の法律をつくります根拠といいますか、それは、最近の社会情勢の動き、変化につれて、警備業というものが自然のうちにできてきてきた。いま、その警備業に携わっております者のやっております実態あるいは姿等を見まして、服装あるいは持ちもの、その他防御といいますか、そういうものを見ますと、何となしに警察に似通った姿をしておる。あるいは、一般の人が見ると警察ではないかというように見られるような傾向がありまして、一般の国民に対して非常に迷惑な状態が生まれておる。そういう点から、今回、警備業者に一つの規制をして、そういうまぎらわしい状態のもとに置かないようにして、一般国民に不必要な迷惑をかけないようにとしようという、そういう意味のねらいから生まれたものであって、警察国家とか、そういうものに入っていくというようなおそれはみじんもないということを御理解願いたいと思います。
○門司委員 いまの大臣の御答弁は、それ以外にできないと私は思います。が、しかし、内容を見てみますると、私は時間もそう長くございませんので、大臣に率直に申し上げておきますが、本来なら、この種の法案については徹底的に討議をいたしておきませんと、あとで非常に大きな問題が出てくる。いわゆる、ある意味における権力的のものが公認されるという形になってまいります。いまのところはまだ公認されておりませんから、いろいろな議論が出てきても、ガードマンの行き過ぎ等に対する問題の処置はわりあいにしやすいのでありますが、一定の法律によってこれを認めるという形をはっきりとってまいりますとそこにはいろいろな問題が出てこようかと思います。 そこで、最初に聞いておきたいと思いますことは、この法案の中で何にも触れておらない問題でありますが、労働省にちょっと先に聞いておきたいと思います。こうした形態、これは明らかな人間の労力の提供だけであります。御承知のように、仕事の中には、仕事自体を受け合って、それを引き取ってやる仕事と、同じ依頼された工事にいたしましても、いわゆる下請という性質のものもある。あるいは、そういう工事自身を全然請け負うのでなくして、人を出しさえすればそれでよろしいのだ、仕事のすべては向こう側の出先でいろいろやられるのであって、ただ人間だけ世話をすればよろしいのだという、いわゆる従来の人入れ稼業というのがあるのでありまして、これについて、この種の業態が一体どっちに属するかということの見解をこの際明らかにしておいていただきたいと思います。
○加藤説明員 警備を請け負います業者が、いま先生がおっしゃいましたような意味で、単にそういう警備員を特定の会社へ人入れ稼業的な形で差し出すというようなやり方をいたしますならば、労働者供給事業ということで、それは職安法に触れる違法なやり方でございます。それが請け負います形といたしましては、本日お手元にございますように、職安法の施行規則におきまして、請負の形でやる場合であっても、そこに掲げておりますような四つの条件を満たすやり方、すなわち、それがはっきり責任を持った請負の形でなくてはだめなんだということを職安法で要件を定めておるわけでございます。それにはずれるような、先生が御心配になっておられますような人入れ稼業的な形での運営であるならば、これは違法なやり方である。もし、そういう事態があれば、これはまた、私どもとしては、職安法違反で摘発しますと同時に、公安委員会のほうにそういう事実を通報いたしまして、公安委員会のほうからも営業の停止処分などをしていただく。こんなようなことを警察庁との間で了解をし合っておるところでございます。
○門司委員 いまの答弁だけでは実は釈然としないのでありまして、こういうこともあろうかと思いまして、先日の委員会で、私は、業者における契約書等についての一応のひな形といいますか、そういうものを出していただきたいということをお願いしたのでございますが、ところが、送られてきました内容を見てみましても、この職安との関係で仕事を受け合うということではどうもないようであって、しかもそれが、常時というよりも、あるいは突発的にというか、臨時的にその会社に一つの事業がふえてきて、とても会社の人員だけではやれない、だからこれを下請に出すとか、あるいは請負業者に出すというような形のものではございませんで、この問題は営業には非常に大きな関係を持っているが、作業には関係がないということになろうかと私は思います。自分の会社を守るとか、あるいは自分の会社の見回りを常時雇っておくということよりも、何か臨時のときに守って――守るということばはどうかと思いますが、保護したほうがよろしいというようなときだけであって、これらの諸君は会社の営業については多少の関係はあるが、作業自身については、私は関係がないと思っているのです。実際は門衛といいますか、看守というか、その人の役目しかできない諸君でありまして、何々を生産するための何々の業種だというのではないのであります。したがって、どこまでいっても、この問題の解決は明確にいたしておきませんと、職安法との関係が非常にむずかしいものになりはしないかということが考えられる。ところで、政府内部でできた法律でありますから、むろんあなた方との間にも連絡はあったと私は考えておる。したがっていまの御答弁がなされたと私は考えております。しかし、どう考えても、事業の主体というものがとても生産とは関係がない。ここに書いてありますような、道具は貸与するとか、あるいは道具はおまえのほうの持ちだとかいうようなことはないのであって、ただ人さえ出せばそれでよろしい。しかも、服装あるいは記章等については、何も当該会社の記章が帽子の記章についているわけでも何でもない。借りているわけでも何でもない。服装を借りてやっているわけでも何でもない。全くの会社の営業方針の一つとしてそういうものがあるということであって、職安法に定めておる労働の提供、いわゆる物をこしらえることのための一つの提供とは私は違うと思うのです。 問題は、その辺の解釈がもう少しはっきりしない限りは、これらの問題がよろしいかどうかということについては、これは問題がありはしないかと考える。しかも、この問題については、いままでの歴史をずっと個々に書いてみると、われわれが見てみるだけでも、警備営業というのは、昭和三十七年にできておるのが日本における歴史だと思います。しかし、これの歴史は非常に古いのでありまして、よけいなことですけれども、この警備業法というのができたのは百年前と言われております。アメリカのリンカーンが銃殺されたときに、アメリカでは、これはたいへんだということでこういうものができたという歴史的な過程を持っているようであります。しかし、日本においてこういう営業のできたのは、大体昭和三十七年とわれわれ考えてよろしいのじゃないかということが考えられる。それから、起きた事件にしても、いまちょっと余談にありましたような、那珂湊の市役所の事件における市役所の臨時職員というようなもの。これはもうまるで市役所の仕事をしているんじゃないですね。市役所の各部署に配属されて、戸籍の事務をやりなさいとか、保険の事務をやりなさいという人ではないのであって、全然この作業とは関係がない。だから、市役所自身を守ることのための守衛の役目をするということは言えると思うけれども、これは職安法にいうものとは違う解釈をしなければならないじゃなかと考えられる。それから、その後にあったものにいたしましても、たとえば成田の空港についての問題もある。あるいは窒素会社の問題もある。幾つかこれをあげてみますると、かなりいろいろのことが今日までのものの中にあるわけであって、こういうものを考えてくると、どう考えても、これが職安法にそのままひっかからないでのがれるとは私には考えられない。だから、これはもう少しはっきりと、職安法に関係がないならないんだということの説明ができませんでしょうか。私は、どう考えても、これが職安法にひっかからないとは思えない。これに書いてあるのは、労務の提供とはいっても、これは一つの生産部門についての労務の提供であって、会社側としては、こういうガードマンその他というようなもので、生産に関係のない会社の営業を保護するのだということがあるいは言えるかもしれませんが、そういうときだけ雇い得るというような制度は、職安法についてこれを認めるわけにいかないのじゃないかと私は思う。私がなぜそういうことを言っているかといいますると、これは賃金の支払いの関係が出てまいりますからで、職安法の関係から言いますと、賃金はやはりその会社がじかに払うというようなことがほんとうはたてまえなんですね。そこである種の仕事をすれば、仕事全体を受け合ってきておるから、下請業者がこれを払うことができるのであって、いわゆる事業をこっちがやっているからできるのであって、この種の問題については、少なくとも給料については、雇い入れた会社がじかに払うという制度でなければならないと私は思うのですね。そういうものでなければならないはずで、こういう問題を考えてまいりますと、どう考えても、何か職安法に触れるような形ができる。 一例を言うならば、これとは全然話が別でありますけれども。たとえば何々というような、よく市役所や県庁などがやっております一つの事業の訓練所というようなところに仕事をさせる。ここは訓練所でありまするからいろいろな仕事が出てくる。しかし、それについても、注文を出した会社は、やはり給料を支払わないわけにはいくまい。そのときの給料の支払いはどこで支払っているかというと、役所の窓口で支払っておりましょう。それは、業者は搾取することができないという形、そして、働いた労働者に当然全額が行くべきであるという形、こういう形のものをとっているはずです。こういうことといまの職安法との関係をずっと調べてみますと、この業法はどうしてもそれに触れるということが言えると私は思いますが、これは絶対に触れませんか。
○加藤説明員 先生がいまいろいろ例などをあげまして御心配になりますように、私どもも、この警備業がそういう職公法に違反するような労働者供給事業のような形になることを実は心配をいたしておりまして、そういうことのないよう職安法での監督はしてまいると同時に、また、警察庁、公安委員会におかれてもそういうようなものは警備業として営業の停止をさせるというようなことをぜひしていただきたいということで、両者で「覚書」を締結したということでございまして、確かに先生が御心配になりますように、職安法に違反するような労供的な形をとるおそれが絶無ではないわけでございます。この場合、警備業について、私どもから御提出をしてございます四つの請負条件の中で心配をしておりますのは、一つには職安法施行規則四条の二号にございます「作業に従事する労働省を、指揮監督するものである」ということでございます。これが、警備を請け負いましたその会社からの直接の指揮命令を受けるというような形の警備業でございますれば、先生御指摘のような人入れ稼業といいますか、労働者供給事業にこれは当たるものになってくるわけでございますが、これはあくまで、警備の請負契約に基づいて、請け負った警備会社が指揮命令をするという形にならなければならないものでございます。 それから、もう一つ問題になりますのは、施行規則第四条の四号。四番目の要件にございますところの「自ら提供する機械、設備、器材」を使うのでなければならぬということでございますので、警備を請け負いました、その会社のほうの資材を使って警備をやるということになってまいりますと、やはり労働者供給事業という問題が出てくる。こういうことでございまして、それらの点について警察庁とも十分連絡をとりながら、そういうような形の、要するに労働者供給事業的な警備業にならないよう、私どもも十分注意をしてまいりたいと考えておるわけでございます。
○門司委員 これは、あなたのほうは商売だからよくわかると思うのですけれども、その場合は、ここで言うところの、単に作業に関係のある労務を提供しているというわけじゃないのですね、実際は。そこで、そこから出てくるものは、機械とか器具とかいうものは、作業に従事しておればそれらの問題が問題になってくる。これは、警備というものについては、別に作業とは関係がないのでありまして、さっきから私が申し上げておりますように、あくまでもこれは、そのときそのときにおける必要度に応じた作業とは関係がない。ただ会社の警備を頼むという、いわゆる警備業でありますから、どう考えても、この職安法施行規則の四条四号、あるいはこの罰則のその次の規定というようなところに抵触するのだといった強い観念を私は持っている。だから、これらの問題については、この法自身というものが、職安法との間の一つの大きなあやまちをおかしているのじゃないかということが考えられる。この辺は、私は、実際はもう少し詰める必要があると思う。 これは非常に大きな問題でありまして、この内容、定義を見てみますといろいろなことが書いてありますので、あとでこれを一つ一つ審議していきたいと考えております。あなたのほうからわざわざこういうものを出してもらっていろいろ議論をするわけですけれども、実際から言えば、われわれは何も法律自身を見ないわけじゃございませんで、法律のたてまえというものはわかっておりますけれども、どう考えても、この法律自身というのは、いまの労働省の答弁だけでは私は納得するわけにはいかないという形が出てくるのであります。ここに書いてありますように、「単に肉体的な労働力を提供するものでないこと。」というようなことも書いてありまするし、いまのお話のように、こういうところにいろいろ問題が残ると私は思う。しかし、これはきょうここでこれ以上詰めておるということになると時間がございません。こういう問題を一日でも二日でも掘り下げて議論をすることがいいと思うのですけれども、そう長くここで掘り下げて議論をしているというわけにいかぬかと思いますので、問題を一応あとに残して、これから警察側の意見を少し聞いて、その間にまた皆さんのほうに御質問することがあろうかと思いますが、一応労働省の意見としてのいまのお話だけを承っておきます。 そこで、警察側にひとつ聞いておきたいと思いますことは、この法律の沿革でありますが、法律にはすべて沿革がなければならない。いわゆる必要性を感ずるという沿革がなければならないのです。先ほど申し上げましたように、法律の制定については、ことにこういう権力に関係した法律を制定いたします場合には、一つの概念としては、いま公安委員長に質問いたしましたように、国家の動きの流れに沿った権力行政というものができるものでありまして、これが国家目的と反した権力行政があってはならぬのであって、したがって、国家が、民主的なものの考え方から昔の警察国家にだんだんまた移行しようとする気配があるとすれば、それに沿った法律が当然できてくるわけでありまして、いま申し上げましたように、直ちにこれが警察国家の再現になるような関連性を持ったものであるかどうかということについては多少疑問もあろうかと私は思いますが、これらの法律について考えてみますと、先ほどもちょっと、よけいなことのようだが申しましたけれども、沿革としては非常に古い。アメリカに最初こういうものかできて、それからだんだん西欧に派生してきて、そしていまここにこういうものができようとしている。あなた方のほうがよく御存じでしょうが、もし必要ならお見せしてもいいけれども、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、カナダというようなところのものを、一応本に書いてあるものだけ私の手元に集めております。これの法律ができた沿革というものをずっと見てくる必要があろうかと思いますが、きょうこんなことを議論しているとおそくなりますので議論はいたしませんが、日本における警備法に相類似した法律のできたのはいつごろですか。
○本庄政府委員 日本におきましてのこの警備業法と同じ性格の法律と申しますと、厳密に言いますと、今回が初めてでございます。
○門司委員 そうじゃないでしょう。日本には明治十四年四月十八日に、「内務省達乙第二十二号」で「人民ノ請願ニ依ル巡査配置方」というのがあります。この内容は、「銀行、会社、町村の協議または個人の請願によって巡査を派遣することができる」というもので、これが内務省通達です。ここに発祥があるのであります。いま警察の諸君が言われたように、決して日本に歴史がないわけじゃございません。若い警察官の諸君は御存じないと思いまするが、請願巡査の制度というのはここから出てきている。そして、この問題を詳しくきょうここで申し上げる必要はございませんので申し上げませんが、この中に書かれておる「銀行、会社、町村の協議」というやつがあるが、これは一体何であったかということ。それから、その次に「個人」という字が入っておる。この警備業法を見てまいりまして、この請願巡査の制度、いわゆる明治十四年にできた古い内務省通達との関係が一体どういうものであるかということ。これは、当時における警察官というものについては、そういう願いによって巡査を配置することができるという規定になっている。だから、いまのように、この警備法の沿革を一応私は聞いたのであります。ところが、警察として、そういうことがなかったというような御答弁では、私は、これをそのまま審議するわけにはいかない。もう少しさかのぼった沿革を見る必要がありはしないかということ。それから、その当時における実態というものかどういうものであったかということをやはり見る必要がありはしないかということ。この辺について、警察側は、もう少しものを調べておいてもらいたいと思います。これは調べるといったってわけのないことです。図書館に行けばこんなものは幾らでもあります。私の手元にもありますけれども、警察がどうして成り立って、どうだったかということ。内務省が出した昭和十二年のものは非売品になっておりますから、市販はされておらなかったと思いますが、当時の書類をひっくり返してみればこれは出てくるわけでありまして、こういう問題をもう少し掘り下げてみる必要がある。この当時における人民の請願による巡査の配置というのは、資本主義の揺籃の時期でありますから、銀行とか会社とかいうものが総括された請願巡査の配置される場所であって、あとは「町村の協議」ということで、結局、公の場所を守ることのために普通の守衛ではいけない、やはり権力を持った巡査の配置をすべきだというようなこと。それ以下のものについては、請願の手続とか、あるいは給料の支払いだとかいうようなものがこまかく書いてあります。これを税金で負担させてはならないとかなんとか、税金でおまわりさんの給料を払わないとかなんとか書いてありまして、こまかい規定がございます。そういう沿革があると私は思うのです。 その沿革からきて、この警備法を見てまいりますと、少し問題の書き過ぎがありはしないかということが一つであります。それは、この定義のところにあります最初の問題で、「事務所、住宅、興行場、駐車場、遊園地等における盗難等の事故の発生を警戒し、防止する業務」とあるが、この「業務」は一体何をさすかということであります。これらの盗難等の事故を防止する業務は、いずれにしても警察業務であります。ことに遊園地というようなものは、これは屋外でありますから、当然警察の仕事であることに間違いがない。それから、その次に書いてあります「人若しくは車両の雑踏する場所はこれらの通行に危険のある場所における負傷等の事故の発生を警戒し、防止する業務」。これらの業務は道路行政であって、これも警察行政の中に当然入るべきである。あるいは「運搬中の現金、貴金属、美術品等に係る盗難等の事故の発生を警戒し、防止する業務」。これらの問題は、一面において、その業を営む人たち、いわゆる事業主の責任において当然防止しなければならないということは第一義的に考えられる。このことのために何人かの人を頼むということは、この点はあり得ると私は考えるが、しかし、これらにいたしましても、やはり警察業務であることに間違いない。それから、その次の「人の身体に対する危害の発生を、その身辺において警戒し、防止する業務」というのは、先ほど申し上げましたように、一つの生産にも何にも関係のない仕事、個人の利益を守ることのために雇うものであるということになってまいりますと、一体職安法にどうなのかということになる。これでもよろしいかということである。こういう定義の四つの条項について、もう少し知りたいわけです。警察庁長官の補足説明は一応読みましたが、この点についてはあまりはっきり触れておらない。 そこで問題になりますのは、当然警察が行なうべきこういう職務を民間人が行なってもよろしいというような形をここに出して、法律できめることはどうかと考える。いま申し上げましたように、一つの会社が現金を輸送することのために、あぶないと思うからだれか頼むということは、その会社の任意の行為でありまして、別にこれを法律で定めなくたってやると私は思うのです。それから、道路に車両が雑踏するというようなことも、一つの企業体が、自分たちの仕事のために雑踏しているのだという観念があれば、これはいまでもやっている。たとえば、大きな土木工事をやっているところに大きなダンプカーが出入りするような場合には、何も警察官が行って一々交通整理をやっているわけではない。その仕事をしている諸君の中からある程度の人が出て交通整理をやるということは、これは当然の一つの義務であって、何も、そのことのためにこれらの諸君を雇ってもよろしいというようなことを書かなくたって、これは常識上やれることである。また、やらなければならないことである。こういうところに非常に大きな書き過ぎがあって、いかにもこの仕事が警察の下請であるというような印象を強く与えておる。われわれは法律に定められてここに来ているのだ、交通整理をやっているのだ、われわれは法律に定められてこういう仕事をするのだという身分保障というのがここに出てきやしないか。私は、実は、この点で、職安法との関係と、それから警察との結びつき等を非常に心配するのでありますけれども、こういうものについては全然そういうことはありませんか。いままでの常識から言えば、おのおのその職務を行なう人たちは、これらの問題は自分で当然やるべきことであって、この場合の「盗難等の事故の発生」とかというような第一に書いておるようなものについても、その場所における警護人というのがむろんいるでしょうし、常事雇ってあるでしょうから、それらの諸君が自分たちの営業を保護するために行なう職務と警察業務とが混同されるようなことがあってはならない。これが混同されてまいりますと、非常に大きな問題になろうかと私は思います。そういうことを考えてまいりますと、この間の説明をこの機会にもう少し詳しく、われわれの納付のいくところまで御説明を願わないと、これでよろしいというわけには私はなかなかいかない。もし、その点について、そうではないんだ、私の言うことが間違っているんだと言うなら、それをひとつここで話を聞かしておいていただきたい。
○本庄政府委員 幾つか御質問がございましたが、最初に、沿革に関連いたしまして請願巡査の話が出ましたが、私いま手元に資料を持っておりませんが、請願巡査はやはり正規の警察官でありまして、警察官としての権限を持っておる。そして、その仕事のやり方等につきましては、一般の警察官と全く変わらない。ただ、その費用の負担につきましては警察官の場合と異なっておるというふうに目下のところ承知しておりますので、この法律で規定しております警備業者あるいは警備員とは性格の異なったものであるというふうに理解をいたしておる次第でございます。 次に、定義のことに関連いたしましていろいろ御意見を承ったのでございますが、長官が先般説明いたしましたように、このガードマンの業務として規定いたしておりますものは、国民がみずからのからだあるいは財産を守る固有の権利をそれぞれ持っておるわけですね。その権利に基づきまして、自分が持っておる権利、これを自分自身が直接行使しないで、経済上の理由その他いろいろな理由によりまして第三者に委託あるいは委任をしておるというのがこの警備業務であろうかと思います。したがいまして、警察官がやっております警察業務は、これは御案内のように、警察法その他の関係法令に基づいて行なわれる公権力の行使を含む公共的な業務でございまして、その意味におきまして、警察業務と、それからこの法律に規定をしております警備業務とは基本的な性格が異なるというふうに考えております。 次の、この定義のところで、一、二、三、四とかなり具体的にこまかく分けて書いておりますが、これは、このように具体的にこまかく分けて書いたほうが、いろいろな定義の面でも誤解を招かない明確な規定のしかたであるという考え方で、かなり具体的に書いたわけでございます。これらの定義を読みますと、一見警察官がやっておる仕事と同じことを書いておるように見られるわけでございますが、先ほど御説明いたしましたように、基本的な性格において異なる点があるわけでございまして、そういう意味において、警備業務と警察業務とは異なるということを御理解いただきたいと考えております。
○門司委員 いまの御答弁ですが、ことばを返す必要もありませんが、沿革の中で内務省の通達を私が申し上げましたのは、同じようなことが書いてあるのですね。さっき読み上げましたように、銀行、会社、町村の協議または個人よりお願いのあったときに巡査を派遣すると、こう書いてあるんですね。法案の「定義」との間で、これがどこが違いますか。ただ、これはおまわりさんでない警備員というものができるということの違いだけであって、事業の内容は同じでしょう。どこか違うところがございますか。だから私は聞いたのです。その当時は正規のおまわりさんが行っておったということであります。そういう歴史を持っておったということであります。「個人の請願によって」といいますと、個人といいまするから、おそらく何も関係のない人でしょう。それらの身辺を守るということのために請願巡査の制度があったのです。これは同じことでしょう。ただ「業法」ということが書いてあるだけであって、これはしろうとが守るのと警察官が守るのと違うだけで、発想は同じことなんです。どこも違わない。この場合も、「銀行、会社、町村の協議または一己の人より」と書いてある。この場合、ここで書いてあるのもみな同じことですよ。「人の身体に対する危害の発生」というのは「一己の人」でしょう。これはどういう人なんです。「人の身体に対する危害の発生を、その身辺において警戒し、防止する業務」というのは、これはだれのことなんですか。この明治十四年にできたもの、この場合には「一己ヨリ」とう書いてあるけれども、どこが違いますか。 同時に、二項においても「人若しくは車両」として、「人」と書いてある。これも「一己の人」でしょう。必ずしもこれは複数ではないと私は思います。また、複数であるべきはずがないと思います。同じことなんです。いわゆる他人の生命財産を守ることのために、その当時における問題としては、警備法というようなものは考えられなかったが、しかし、要請があればおまわりさんを派遣してもいいという、それだけの違いであって、発想の内容はほとんど全く同じだと言ってもよろしいのではないかということが考えられる。だから沿革を聞いたのでありますが、理屈をここでこねるというなら、私はこれから理屈をこねることにいたしましょう。 そもそも警察のあり方というものがどういうあり方であればよろしいかということです。日本における警察の発祥は一体いつであったかということであります。太政官令に出た警察というのは、いわゆる警邏という名前をつけた。あるいは邏卒という名前を使っておった。それが巡査というように名前を変えたのはいつであるか。業務の内容の変わったのはいつであるかということであります。日本における警察の歴史の過程というものを一応読んでごらんなさい。どういうことになっているか。最後に行きつくところで、護身用具の点等についても、警察の沿革史から言えば少し問題があろうかと私は思いますが、警察官がサーベルを持ってよろしいということになった時期は一体いつであったか。これにも段階があったということであります。必ずしも、警察官が最初からサーベルを持っておったわけではない。邏卒の当時には、御承知のように棒を持っておった。その中で、一等巡査についてはサーベルを持ってもよろしいという規定が、明治七年であったかと私は記憶いたしておりまするが、書いてある。しかも、そのサーベルも勤務中だけだというワクがちゃんと入っておる。こういう警察自身についての歴史上の実態をずっと見てまいりますると、当時の一等巡査というのはいまの警部補に当たる階級だと私は考えておりますが、それ以下の諸君にはこういうものを持たせなかった。こういうふうに警察業務というものと民間との接触の場所というのは非常にむずかしいのである。私は、そのことのためによけいなことをきょうは言わなければならぬようになってしまいましたが、この警備業法自身の発想が、警察側の言うように、全然それとこれとは違うんだというような考え方でこれが出されておるとするならば、いま申し上げましたような警察業務とは一体何であるかということ。これが日本の警察制度の中で非常に大きな一つの課題として出てきていますのは、さかのぼれば自治警察までこれはさかのぼるわけであります。われわれが自治警察を主張してまいりました一つの大きな原因は、地方自治法の二条に基因しているのである。ここには何が書いてあるかというと、地方の自治体は、そこにおる住民の生命財産を保護しなければならない、外国人並みに必ず保護しなければならないとちゃんと書いてある。その一つの手段として、警察制度というものは、これはやはり地方の自治体にまかすべきじゃないかという一つの考え方がある。しかも、その裏には、警察自身というものの、いわゆる治安の確保というものは住民自身がこれを会得すべきである、自分の村からは犯罪人を出さない、自分の部落からは違反者は出さない、お互い同士がこの治安の確保というものにつとめる義務があるのだという考えがある。いわゆる自治法に書いてあるとおりである。こういう警察自身の見方をもう少し私は見てもらわなければ、いまのような警察側の答弁で、私はこれをよろしいというようなわけにはまいらない。もし、それとこれとは違うんだという御答弁があるならば、明らかに、この警備業法は警察の下請であるという断定を私どもはしなければならない。こういう理屈めいたことを言っておりましても実際は始まらぬと思いますけれども、ほんとうにもう少し警察側は考えてくださいよ。いまの警備関係の諸君は行き過ぎておる、服装が全く同じであるとか、あるいは警察官まがいの行為があるとか、行き過ぎがありはしないかというような点等については何とか規制しなければならないということについては、これをそうむげに排斥しようとは考えておりません。だからといって、ここに法的にその地位を与えるということは、これは非常に大事なところでありまして、法律ができてしまえば、法律の上に乗っかってしまいますから、おれたちは法的に地位が与えられたんだという形になってまいります。したがってそこにはいろいろ問題が派生することは当然であります。いまの場合は法的な地位がなく、法的には何も関係がないから、ただ、職安との関係がどうだこうだということだけは多少残ると思いますけれども、見誤るような服装はしておっても、彼らも一般人に対してそうむちゃなことはやらぬと思う。しかし、ここに法律に書いてありますように、「車両の雑踏する場所又はこれらの通行に危険のある場所における負傷等の事故の発生を警戒し、防止する業務」ということがおれたちの仕事なんだ、法律が認めているのだということになると、ここに警察権の行使というものとの混同のおそれがある。人間でありますから、これは当然ある。同時に、このことが警察権の行使と混同されるようなことで、業務の発注者が一つの営業人である、個人であるということになりますと、これは警察権の拡張だと言わざるを得ないということになる。その辺の解釈は、この定義だけを見たのでは、どう考えてもそういうことになる。だから、いまのこの警備会社というものの実態から見て、何もここまで権力を与える必要もないのではないか。同時に、行き過ぎのある行為というようなことだけについて、そういうことをしてはならないということだけあれば、むしろそれで足りるのではないか。だから、率直に言えば、こういうような問題は警察法の中に織り込んで、そして警察法の中にも少しは書いてありますけれども、類似の行為をしてはならないとかいうようなことが織り込んでさえあれば足りるのではないか。あるいはその中で、さっき言いましたような那珂湊のような事件、あるいは例の窒素会社の事件、あるいは成田の空港の問題――ここにも訴えたビラが一つございますが、「新聞社に暴力ガードマン」ということが書いてあります。こういうものを訴えたものもございます。こういうものの行き過ぎを取り締まるというのなら、こういう業務でなくて、むしろこれを警察法の中に織り込んで、こういう警察官類似の行為をしてはならないしというような規定があれば、こういう暴力団等に雇われた諸君の行動というものについては、これを一つの暴力行為として取り締まることは容易にできるはずである。ところが、片方においては法律で定められておりますから、人の身体を守ってもよろしいということになりますから、会社の重役が、どうもきょうの団交はあぶなくてしようがないから、おまえたちひとつ守ってくれということでガードマンを頼む。頼まれたガードマンは、その人の危険を防止するということになれば、勢いどこかと衝突せざるを得ないという結果になりはしませんか。だから、そういうことをしてはならない。私は、むしろ率直に結論から言えば、警察法の中にこういうものが織り入れられていって、そして秩序を保っていくということのほうがいいのではないかということが考えられるけれども、その辺についての考え方がもしありますなら、ひとつこの際聞かしておいていただきたいと思います。
○本庄政府委員 一番最後の御質問からお答えいたします。 こういった規定は警察法に盛り込むべきではなかろうかという御意見でございますが、御案内のように、警察法は、警察自体の責務、組織といったような事項について規定したものでございまして、先ほど申しましたような意義を持っております警備業についての規定を警察法の中に盛り込むことは、盛り込んだとしても、法律的に違法であるかどうかというふうな問題はないと思いますが、妥当ではない。むしろ、警察法に盛り込むことによって、先生が御懸念なさるような心配を国民に与えるおそれも場合によってはあるのではなかろうか。かりにそういうおそれがないといたしましても、ものごとの性格からいたしまして、これはやはり警察法ではなく、別個の法律で規定すべきものであろうと、かように考えております。 それから次に、この法律によりましてここまで権力を与える必要はないではないかということでありますが、御案内のように、この法律の立法の趣旨もすでに御説明を申し上げておりますが、個々に具体的に規定をごらんいただきましても、警備業者なり警備員に、いわゆる権力、権限というものを付与した規定は全然ございません。したがいまして、全くの規制を主とした法律でございまして、権限付与あるいは資格付与といった意味でのものではございません。 それから、その前に、警察権の行使とこの警備業務の実施とが混同されるおそれはないかという御質問でございますが、先ほども申しましたような立法の趣旨でございますので、私たちといたしましては、混同されるおそれはないと考えております。しかし、中には、こういった定義等をお読みになってそういう誤解をされる向きも場合によってはあろうかと思いますので、あとのほうの個々の条文に、そういう誤解をされないような各種の配慮をいたしまして、全体としては、この法律を一通り十分お読みいただければ国民の皆さんには理解をしていただけるような仕組みになっておる。かように考えておる次第でございます。
○門司委員 私は何度読んでもわからぬから聞いておるんですよ。これはあなたのほうから出ておる書類ですが、「警備保障営業をめぐる問題点」とかと書いて、「警察庁防犯少年課理事官」と書いてある。この中にいろいろいま言いましたようなことを書いております。それからもう一つの問題は、かつて警察大学の校長をやっていた、名前を言ってもいいと思いますが、長野君が書いた警察研究何とかという雑誌、ここに持ってきておりますが、たしか四十二年だったと思いますけれども、九月号と十月号の二回に分けて書いた雑誌にやはり同じようなことをずっと書いておる。あなた方のほうから出てきた書類を見てみましてもいろいろ問題点が書いてある。これはあなたのほうにあるものであって、別にむずかしいものはないはずで、あなた方のほうはよく御存じのはずだと思いますが、このあなたのほうから出ておるものをずっと見てみましても「建物等財産警備の場合は、」「依頼者の有する管理権の合法的な行使と認められる範囲内の行為 正当防御にあたる行為 緊急避難にあたる行為 現行犯人を逮捕する行為」「人身警備の場合は、」「正当防衛にあたる行為 緊急避難にあたる行為 現行犯人を逮捕する行為」「が許されるものと考えられる。」と書いてある。これはあなたのほうから出た書類です。こう書いてあるから間違いない。名前を言ってもいいけれども、これはだれが書いたか、大体わかっているだろうと思う。「現行犯人を逮捕する行為」というのは、これは何もここで書かなくたって刑訴法で全部の人が現行犯は逮捕ができるわけであって、これを査問したり質問したりすることはできないが、直ちに警察官に引き渡さなければならないということは規定のとおりである。しかし、ここに書いてありますような「正当防備にあたる行為」というのは、ここの定義とはかなり違うのであります。それで私はくどく聞いているのであります。「管理権の合法的な行使と認められる範囲内の行為」と書いてある。そして、ここには何も書いてないで、ただ「事務所、住宅、興行場、駐車場、遊園地等における盗難等の事故の発生を警戒し、防止する業務」と書いてある。これは一体、依頼者の管理する合法的な行使とはたして認められるかどうかということです。あるいはその次の二の道路の問題もそうである。こういうふうにずっと考えてきますと、どう考えても定義のところでひっかかって先に進むことが非常に困難なように思えるのでありまするが、きょうはもう、与えられた時間がそう長くございません。林さんも一時間ほどやるだろうから、あと三十分ぐらいしかございませんので、あまり長くは申し上げられないが、さっき話をいたしましたように、この問題には非常にたくさんの疑義を持っているのであって、いままでの答弁については、ここに、「人の身体に対する危害の発生を、」「防止する業務」と書いてあるのですが、これと同じように、人身の警備の場合には「正当防衛にあたる行為」と書いてあるのですね。また、「その身辺において警戒し、防止する業務」と書いてある。これとがどういう関連性を持っておるかということであります。「正当防衛にあたる行為」この行き過ぎが結局いろいろな今日までの問題に遭遇してきておる。たとえば那珂湊の問題もそういうことでございまして、大ぜいの人が市役所の中へ押し寄せて、うるさいとかなんとかは別でありますが、市長がどうもあぶなくてしょうがないから頼んだということが、やはりこういうところに問題が出てくる。こういう区分けをもし書くならば、こういうはっきりした正当防衛あるいは緊急避難というような場合に、自分のところだけの人手ではとてもどうにもならね、だから、これを何とかひとつ頼もうじゃないかというような場合における問題としては考えようがあろうかと私は考えられる。しかし、ここに羅列しておるだけの問題で、そのままこれをよろしいかどうかということは私は言えない。 それからもう一つ、私はこの機会に突っ込んで聞いておきますが、この警備員に対する仕事の指揮命令はだれがするのですか。
○本庄政府委員 警備員に対する仕事の指揮命令は、警備を委託されました警備会社の社長あるいはその他の幹部が警備員に対して指揮監督する。こういうことでございます。
○門司委員 これは一つの問題点なんですがね。たとえば、そうなってまいりますと、ここにいままでの事例であげておりまするような問題等について、さっきからビラが一枚私のところに届けられたものがありましたけれども、こういうものを見てまいりましても、あるいは窒素会社の問題等を見てまいりましても、この場合に指揮者がおったかどうかということですね。私は、指揮者がこういうことをやったとすれば、指揮者を直ちに逮捕しなければならぬと思う。那珂湊の場合、それから成田空港の場合、それからここに私のところにあります窒素会社等の問題、こういうところに非常にトラブルが起こったのでありまして、そうしていろいろな事件を実は起こしておりますが、その場合に、これらのガードマンを供給した会社の責任者がどれだけ処罰を受けておりますか。その事例があったらひとつ示しておいてもらいたい。
○本庄政府委員 いま御設例の那珂湊の場合は、これは、市の臨時職員として市長が採用していろいろなことをやったということでございますから、直接いわゆる警備会社の幹部らしき者が指揮監督をしたとか、そういうことはおそらくなかったろうと思います。むしろ、市の職員でございますから、市長の指揮命令を受けるべき筋合いのもの。現実に市長が指揮命令をしたかどうかは存じませんが、そういう筋合いのものであろうかと思います。 それから、成田あるいはチッソ等の場合は、警備会社が企業者から委託をされて、一定の警備業務を行なったわけです。したがいまして、社長と申しましても、社長がみずから現場で指揮することはまずないと思いますが、事前に、あるいはその際に、社長あるいはその社長の指揮命令に基づく幹部が現場において指揮をとったものであろう。かように考えておりますが、その起こりましたトラブルについての結果がどうなっておるかということにつきましては、担当者のほうからお答えをいたしたいと思います。
○鈴木説明員 部長のほうから御説明しました具体的な事件につきまして、那珂湊市役所の事件についてでございますけれども、これは、部長の答弁にありましたように、警察としてもそれぞれの措置をとったわけでございます。先ほど来いろいろ問題になっておりますように、職安法の違反といった問題についても、警察としても措置をとったわけでございますが、これは職安法以外の告発がございまして、御承知のとおりの、市職員の採用についての、地公法の十五条で定める「受験成績、勤務成績その他の能力の実証に基いて行わなければならない。」という原則にはずれているということでの告発があったわけでございます。茨城県警で十分いろいろの面から捜査をいたしまして事件を送致いたしたわけでございいますが、結果的には、昨年の四月十五日に水戸地検のほうに送致いたしまして、その結果、その後水戸地検において、犯罪の嫌疑不十分ということで不起訴処分になされておるというふうに聞いております。 それからチッソでございますけれども、これもいろいろのケースがございまして、総会が何回もいままでございましたが、そのつどいろいろのケースの問題がございます。そのつど、警察といたしましては、違法事犯については、これを検挙、送致をしておるということでございまして、ガードマンに関連いたしましては、傷害事件ということで、昨年の事犯について送致をいたしておるケースもございます。このチッソの場合も、御承知の四十五年以来、一株運動ということにからみましていろいろの話題を提供し、また、その内容といたしましても、違法事犯というようなものがございまして、警察としても、そのつど相当警戒の目を光らせて、総会の際に、周辺に部隊を配置するとかというふうなことをやってまいったわけでございます。特に、昨年の段階では、右翼等が相当それに介入するというふうな動きもございまして、大阪を中心に、大阪でございますので、府警がいろいろ警備措置をとったという事例もございます。いままで、チッソの株主総会に関連いたしまして事件送致いたしましたのは、昨年の五月の総会の際でございます。この際におきましては、やはり、ガードマンを会社側が採用いたしまして、当ガードマン会社と契約をいたしまして、相当数のガードマンが会場内外の警備に当たったわけでございます。ところが、総会が終わったあとに、しかも会社の役員が退場した後に、会場内に残留しておりました「告発する会」の会員の方、これが抗議集会を持っておったわけでございますが、その際、ガードマン五十名ぐらいが、これらの人たちを以外に排除しようというふうなことで、相互に会場内でもみ合いまして、その際、「告発する会」の会員一人がガードマンにげんこつで顔面をなぐられて軽傷を負うというような事犯がございました。これは告訴はなかったわけでございますが、この事犯につきましては、四十六年十二月二十四日、障害罪で書類送致をしたというようなケースがございます。 それから、御質疑の成田の件でございますが、これも、昨年の二月の第一次の代執行の際、それからまた、九月の成田の仮処分の際、ガードマンの問題がいろいろございまして、二月の段階での問題につきましては、いろいろ国会でも問題になったところでございますけれども、これもいろいろの事犯がございまして、ガードマン会社も数社公団等で雇用したというふうなことがございます。このケースにつきましては、警察措置といたしましては、いままでガードマン自身について送致したケースはございませんで、会社側の職員が傷害を加えたというふうなことで一件送致しているケースがございます。これは、代執行の際に公団の分室に参りました国会議員さんはじめ数人の方々ともんで、うしろから締めたというようなケースでございまして、その際暴行を加えたということで公団の職長が一人判明いたしまして、書類送致をしておるという事例でございます。 その他いろいろなケースが第一次執行の際ございまして、特に問題になりましたのは、少年行動隊員をガードマンが警棒を抜いてなぐったというふうな事犯がございました。これについては、警察としても、警棒を使ってなぐったということについては、これは行き過ぎた実力行使であるということで捜査をしたわけでございますが、これも二月二十四日の事件だったわけですが、ガードマンを先頭にした一行三十名が公団分室の近くの工事用道路の二号線を進行中に、反対派の少年行動隊員、約八十名が隊を組みまして、ガードマンを先頭にする県職員及び公団側に突っ込むというふうなことがございまして、五十メートルくらい後方に後退いたしまして、その際、先頭群のガードマン三人くらいが警棒を抜いて少年行動隊数人のヘルメットを軽打した、なぐったということでございます。これも負傷はございませんで、しかも、いろいろ調べたのでございますが、被害者側の捜査、いろいろの聞き込みといったものについても十分協力を得られませんで、ガードマンの具体的な事犯を判断する材料が出ないということで終わっているわけでございます。 その他、障害についての書類送致は先ほど申し上げましたが、いろいろ学生とガードマンとの乱闘というふうなことがございます。あの広い地域におきまして長い間いろいろの事案がございましたが、こういったガードマンと学生集団との乱闘というふうなことにつきましてもとにかく捜査を進めたわけでございますが、学生側の協力が得られないというふうなこともございまして、事件としての確定というものをいまの段階でも得られておらないというふうな実情でございます。
○門司委員 私はそういうことを聞いておるわけではありませんので、その場合に処罰されたのは一体だれかということでありまして、依頼者であるのか、警備会社の社長であるのかということです。この点は明確にいたしておきませんと問題を起こすのですね。依頼者のほうも暴力をやれということは言わなかった、それから警備会社の社長さんも、いや、そんなことは私は話はいたしません、やったのはかってにやったんですということになれば、これは単なる個人と個人との傷害事件になってしまう。一体、この辺の指揮命令系統というものはどうなるのですか。いまのお話のように、一体どっちがその責任を負うかということです。これは国会なら、自動車の事故があったとか、何か大きな事故があれば大臣が政治責任を負わなければならぬということになる。中村さんもしばしば経験のあることですけれども、自分が直接命令したことでもなければ関係はないのですが、みんなにいじめられることがあるのですけれども、こういう場合は、けんかをして直接人に被害を与えるのです。そういう場合の責任が一体どっちにあるのかということです。警備会社にあるのか、あるいは委託したほうにあるのか、あるいは個人の行動として、それはやったやつが悪いんだ、おれはそんなことは命令した覚えがないから知らないよと逃げられるのか。この辺の指揮命令の系統と責任の所在をはっきりさせておいてもらいたいということです。
○本庄政府委員 そういういわゆる傷害といいますか、そういった刑事犯罪になると思われる行為についての責任でございますが、これは、刑事責任といたしましては、共犯関係が立証されれば別でございますが、立証されない限りは、当該行為を行なった個人の刑事責任ということに法律上なろうかと思います。 そういった先生の御疑問から少し先走って私が御説明を申し上げるのはいかがかと思いますが、警備業法の中に、刑事責任という形ではなくして、行政責任という、ことばは必ずしも適切でないかもしれませんが、そういった形での責任を考えなければならない。そういう意味におきまして、たとえば第八条にこういったような規定を設けまして、それを担保するために十四条あるいは十五条というような規定を設けまして、行政的に、先生の御心配のようなことのないように、あるいはそういうことがあった事態を救済するための措置をとろうというのもこの法律の立案の大きな目的でございます。その辺を十分御理解いただくようお願いいたしたいと思います。
○門司委員 どうもありきたりの――と言うよりも、むしろ、こういう条項を定めます場合には、そういうトラブルの起こった場合の責任というものはどこにあるのかということを明確にわれわれ把握しておきませんと、これは法律ですからね。単なる行政指導の面か何かだけでここでお話しをするならちっともかまいませんけれども、一たび法律になって出てきますと、結局、この法律の定義からいけば、私なら私自身も雇えるというようになっておりますね。それから、会社は会社で雇える、しかし、そこで何か会社のいろいろな仕事を中心としたトラブルが起こる、その場合の刑事責任はすべて出先の諸君が負うだけであるということになってまいりますと、労働省は、こういう業種というものについては一体どう思いますか。これは民法上の契約で、実際は刑事責任等ここで議論することもちょっとどうかと思いますけれども、何といっても、結局、依頼者あるいはその指定する者の身体とか財産を守るというよりな業務の形態は、全く警察の業務と似ておりますね。だから、これを警察側の諸君がやることはそれでよろしいと思いますけれども、実際はこの仕事というのは営利が目的であって、公権力あるいは公法上の権力によるものではないのであって、結局、私法上の、まあ行うならば民法上の一つの、取り扱いである。これがいま言いましたような公権力にひとしいようなものをここへ持ってくるというところに非常に大きな問題がある。これは労働省として、そういう業務に携わる者を単なる労働者というような形で認められますか。ここではどう考えても、公益あるいはその他の公権力の行使、公法上の行為というようなことになりはしませんか。法律でぴたっとこういうような業法ということできめてしまいますと、ですね。これは類似行為だが、そういう疑いがあるのだから類似行為で済んでいますけれども、私どもは、どうも、類似行為というのはその辺に問題があると思う。単なる労務の提供ということで割り切れるかどうかということです。その辺は労働省としてはどうお考えになりますか。
○加藤説明員 この問題につきましては、直接私どもの担当かどうかちょっと明らかでございませんが、私どものほうとしましては、警備業者に雇用されております形で警備員が行動するという限りにおいては、警備員は労働者である。こういうふうに考えるわけでございます。
○門司委員 労働省としては、そこだけおれのほうはやればいいんだ、それ以上のことはもうわからないのだ、要するに労務の提供だから、その労務が公法上の権利を持っているのか、あるいは公益上の権利を持っているのかということは別の問題だ、どこまでも個人のそうした要求に基づいてやった労務の提供なんだから、われ関せずだと言えばあるいは言えるかもしれない。しかし、よって来たる原因はここにあるのですね。どこまでも営利ということばを使えば、会社を経営する場合は営利ですね。あるいは、自分だけを守る場合も公法上の利益じゃないわけですね。どこまでいっても、警察業務というのは、公法上の権利あるいは公益上の権利というか、秩序を守るという一つの大きな立場に立っておる。これと非常によく似た行為をする立場にある。したがって、労務の提供だから、おれのところはそこだけでいいんだ、よって来たる業種のほうはそれはほかのところでやってもらいたいといういまのような御答弁だとするならば、ここに法務省のだれかもう一人、これらの問題を担当している係官でも来ていただかぬと、その辺の解明は非常にむずかしくなりはしないか。いわゆる公益あるいは公権力と公法上の利益と、単なる自分の利害関係といういわゆる私益との関連性について、そして、公権力にひとしい警察行政まがいの行為が行なわれるということになると、もう少しその辺を掘り下げて見ておかないと、そう簡単に私どもこれでよろしいというわけにいかぬように思いますが、委員長にお願いしておきますのは、法務省からだれかはっきりした方にここに来ていただきまして、その辺の解明を少ししておかなければならないかと思います。これはあくまでも依頼者またはその指定するものの身体あるいは財産を守るということになっておりますので、どこまでいっても私の仕事であるということには間違いがない。どう考えても公法上の利益とは言えないということであります。それが、業務自身が警察行為に全く類似した行為が行なわれる。そして事件が起こってくれば、依頼者のほうにも責任がなければ、派遣したほうにも責任はない。つまり、それはやったやつが悪いんだということになってくるということになりますと、いまこの法律全体をずっと見てまいりますと、だからガードマンの教養というものがこう書いてあるのだという御答弁があろうかと私は思います。そういうことが私ども考えられる。だから、一般人とは違う教養をしなければならないというようなことが一つ考えられる。しかし、それは法律の一つのていさいであって――ていさいと言うと、また警察への諸君は、これはていさいで書いておるのじゃないということでおこるかもしれませんが、しかし法律はそう書いてある。書いてあるが、しかし、そこに実は問題があるわけでありまして、どの警備会社でも、ただじゃまするやつはひっぱたいてこいとか、けんかしてもかまわないという訓示をする社長はいないと思う。また、依頼者のほうも、何でもいいから、いかなる手段でもいいからやってくれというような極端な依頼はしないと私は思う。契約書を見てみたのですけれども、そんなことはちっとも書いてない。単なる労務提供の契約だけしか書いてない。あとは給与の支払いみたいなものが少し書いてあります。それから、いろいろな事故の起こった場合の補償というようなものは契約書の中に書いてある。しかし、これは営業上の一つの契約書であって、そういう事犯に対する責任の所在というものはどこにも書いてない。ところが、いままでであれば、ある程度そういうことが容認されるかもしれない。しかし、法律できめた以上は、やはり法律で解決するというたてまえをとらないわけにはいかない。そうなってまいりますと、間違いのあったときの責任制というのが一体どこにあるかということ。そういう間違いを起こした会社その他についてはどういうおきゅうを据えられるか。ここに、取り消しであるとかなんとか書いてありますけれども、これは、単なる法制上の偽りがあった場合にはこれをやめさせるというようなことが書いてあるけれども、そういう事実行為に対しての制裁というものが会社に対してほとんど加えられていない。こういう不安が私どもはあるのでありまして、そういう点をもう少しはっきりすることのために委員長にお願いをいたしておきます。 この法案がどうなるかわかりませんし、これはきょうだけというわけにはまいらぬと思いますので、いずれまたこの次の機会にでも、法務省関係の諸君を送っていただきまして、そして、繰り返して申し上げるようでありますが、公権力、公法上の権力のまがいにひとしい権力を付与するということが一体認められるかどうかということ、これの歯どめがどこにあるかということ等について少し聞きたいと思いますので、そういう取り扱いをお願いをしておきたいと思います。 それから、あまり長くやっておりますと、民主主義の原則に反して、他人の自由を侵すことになろうかと思いますが、そのほかの問題をいろいろ考えてまいりまして、ここにあるあなたのほうから出た書類の中を見ると、いろいろ事例が書いてあります。しかし、この事例の中には、ガードマン自身の行なった犯罪行為というようなものについては、この法律の中でそういう犯罪の起こらぬように防止することがこの法律をこしらえた一つの原因であるかのようなことが言われておりますが、それよりも問題なのは、いま申し上げましたように対外的の問題であって、あなたのほうから出た書類にも、こう書いてあるのですね。「ガードマンが一般市民から非難を受けた状況」「ガードマンの行為が、警察官の非行または処遇不適切と誤解されたもの、交通整理に伴うものなど、一般市民から非難を受けた事例は年間一五件程度あり、ここ二、三年横ばいの状況である。」と書いてある。この交通整理等が、いままでは自分たちに直接の権限がありませんから、法律上にも定めておりませんから、ある程度控え目にやっておったと思いますが、ここに法律にはっきり書かれてまいりますと、いかにも公権力が与えられたような印象が与えられて、必要以上の取り締まりをしやしないかということである。いままではそういうことで遠慮しておりますから、自分たちの身分を知らない人はありませんから、単に会社の車の出入りのときに、混雑するからひとつそっちに回ってくれとか、いや通ってもらいたいというようなことにわれわれしばしば遭遇するわけでありまして、その程度で、たいした問題にはなっておらない。しかし、これはおれたちは頼まれてここで交通整理をする権利を持っているのだということになると、交通取締法に規定する、いわゆる警察側の権力の行使というものが容易に行なわれがちになりはしないか。そうして必要以上の交通規制をやりやしないか。この場合も何ら警察はこれに関与しないのでしょう。警察がそこを許可するとかなんとかならともかく、本来ならば当然警察が行なう職務であることは間違いない。しかし、それは警察にそんなことを言ったって、人手がないときに、何でもかんでも警察がやらなければならないということは私は言わない。しかし、通例を一つ考えてください。こういう場合も会社は一応警察と連絡をしていやしませんか。いわゆるお葬式だとかなんとかで人がたくさん集まるから、この通りだけは人をとめたいとか、あるいはお祭りなんかのときに、みこしが通るから人をとめたいというときに、ちゃんと警察と連絡をして、そうしてある程度の交通整理というものがやられておる。ところが、この法律がこういうふうにできてしまいますと、ある会社から、おまえのほうで頼む、おれたちの会社の営業上じゃまになるから交通規制をしてもらいたいということになると、これは、私益を擁護することのために結局ガードマンによる交通規制が行なわれるということになりはしませんか。法律がなければないでいいですよ。その場合は、やはり警察側と連絡をして、そうして権力に基づかないところの、いわゆる一般社会通念としての、おまえさんたちが危険だからひとつここは通らぬようにしてくれと言う。いわゆる大衆が基礎になっての交通整理が行なわれる。この場合は、会社の営業が基礎になって取り締まりが行なわれるということになると、同じ交通の取り締まりあるいは交通の整理にしても、その基本的なものの考え方が非常に違うのであります。違うところに問題が発生する。私はどうしてもそういうふうにしか考えられない。これは会社から頼まれたのだから、おれは交通整理する権利があるのだということになってくると、営業本位になる。そうして一般の交通は従になる。いまの場合はまだそうではない。一般の交通のほうが先である。そして、この交通をあまり阻害しないようにしつつ、自分たちの営業を守るための整理を道路の混雑等の場合にしているのが現状であります。こういう面について、どう考えても、この問題の行き過ぎというものを私は考えなければなりません。 ここであまり議論しておっても始まらぬのでありますから、その次の一つの大きな課題としての八条の問題がこの間からずいぶん議論されておりますので、また、公述人からもこの問題についてかなり突っ込んだ公述がございましたので、ここで聞くことは私は避けておきたいと思っておりましたが、一つだけ聞いておきたいと思いますが、八条については、こういう規定は全くの訓示規定でありまして、これに違反した場合においては、処置は一体どうなりますか。
○本庄政府委員 八条の前段のほうは、「この法律により特別に権限を与えられているものでないことに留意する」で、後段のほうは「他人の権利及び自由を侵害し、又は個人若しくは団体の正当な活動に干渉してはならない。」で、後段のほうは具体的に書いてあるわけでございますが、こういった規定に違反をいたしました場合には、その次の十四条で公安委員会が指示権を発動するということになろうかと思います。
○門司委員 これは十四条と言ったって、八条の行為について、ということはちっとも書いてない。「第十条第二項の規定に基づく都道府県公安委員会規則の規定に違反し、」と書いてある。私は、この第十四条は「指示」でもって、八条の解決にはならないとしか考えられないのですが、どうですか。
○本庄政府委員 十四条は「公安委員会は、警備業者又はその警備員が、この法律、この法律に基づく命令若しくは第十条第二項の規定に基づく都道府県公安委員会規則の規定に違反し、」云々と書いてございまして、都道府県公安委員会規則というのは、十条第二項の規定に基づく規則でございまして、いわゆる護身用具に関する公安委員会の規則に違反した場合でございます。その前のほうに、この法律の違反というものが十四条の指示の対象になっております。したがいまして、先ほど申し上げました八条につきまして指示権が働く。 それから、なおつけ加えますならば、十五条の「営業停止」、これも同様にこの法律に違反した場合というふうに読むわけでございます。ただし、十四条と十五条の場合には若干ニュアンスが違っておりますが、いずれにいたしましても、十四条、十五条がこの八条を担保する規定にもなっておるということでございます。
○門司委員 ここの問題は非常に大事な問題でありまして、「個人若しくは団体の正当な活動に干渉してはならない。」というこの条文だけを見れば、別にふしぎはない。当然のことが書いてある。ところが、実際は、さっきからいろいろ問題になっておりますような行為がしばしば出てくる。そうしてこれは、正当な行為というようなものの見方にもいろいろ問題がある。そこで、八条の規定はこういう書き方でなくて、ここで書くならば、むしろもう少しはっきりしたものを事例的にぴしゃっと書いておくという必要がありはしないか。この法律で非常に残念に考えておりますのは、こんなに定義のところに具体的にたくさん書いてあって、非常に大事なところにはこういう訓示規定みたいなものでぼかしているということです。世間から排撃される、困ると思われるようなところはぼかしておるという、ここに一つの問題がありはしないか。法のていさいの上に非常に大きな問題を持っていると思うのです。こういうところに必要以上にわれわれがこの法律に対する疑い――疑いということばを使えば行き過ぎですけれども、関心を持たざるを得ない問題があるわけでありまして、この条項があるから絶対に争議行為等には干渉できないのだということにはならないわけなんであります。もし争議行為等に対して不正なことがあったというような場合、「団体の正当な活動に」ということで押えておくからというようなことでは、私はいささかどうかと考える。 それから、はしょって申し上げますが、その次の順であります「護身用具」の問題であります。この問題もほとんど歯どめがない。護身用具というのは、先ほどちょっと申し上げましたように、たとえば明治七年ごろにできたものを見てみましても、一等巡査、いまの警部補でありまするが、これらの諸君が初めて帯刀を許されたという時期でも、それは勤務中だけで、あとは持ってはいけないという規定があったのであります。私は法令を少し読んでみたのですけれども、そう書いてありますね。これはやはり制限をしているのです。ここでは「護身用具」と書いてありますけれども、ある意味では武器ですから、武器の携帯等についてはそのころも歯どめがあった。ところが、この場合には歯どめが何もない。ガードマンであれば、おれたちは護身用具を持って歩くことが許されておるのだということになる。その護身用具は何であるかというと、一般人に禁止されていないものはみんな持って歩けるというのです。バットを持って歩いて悪いという規定はない。小刀を持って歩いて悪いという規定はない。が、しかし、これも使いようによっては凶器になることは間違いない。しかし、一般の諸君はこういう不必要なものはお互いが持って歩かない。ところが、ガードマンに限って護身用具を持ってよろしいということに、ここに法律で規定されてしまいますとどうなるか。しかもそれが、職務中、あるいは一時間なら一時間のうちに会社のまわりを一回り回って、帰ってきたら事務所へ置きなさい、間は持って歩いてはいけませんぞという厳密な歯どめというものがここにはほとんど見当たらない。この法律をこのまま読んでみると、ガードマンであればいつも護身用具を持って歩けるということになる。これは一体どうなんですか。これを広く解釈すれば、そんなことはないのだ、ガードマンだけでなくて、一般人だって、みな護身用具を持って歩いたって、銃砲あるいは刀剣等を所持してはならないしとか、あるいは凶器を持って通行してはならないという法律があるのだから、その法律以外のものは何でも持って歩いていいのですよと言えば、法律上の解釈からいけば、そのとおりなんです。だからだれも持って歩けることになっているけれども、しかし、それをここでことさらに法律でこういう形にするというよりも、むしろこの際、護身用具というものはどうしても必要なんだ、夜中にも回るのだから、どういうばか者が出てくるかもしれないのだから、あるいは窃盗犯が出てくるのだから、あるいは強盗犯というような連中がいるのだから、そういうものと渡り合うような危険は一般の人よりはわれわれは多いのだから、だから何か持って歩かなきゃならぬのだというなら、それはそれでよろしいかと思います。しかし、その場合にも、常時持っている必要はないので、そういう時期に遭遇すると考えられる服務中の時間帯においては、あるいは持っていてもいいかもしれない。しかし、こういう法律にぴしゃっと書いてしまうと、何か、ガードマンは特別の護身用具を持って歩いていいというような権限を与えることになりはしないかと考える。この辺はどう解釈されるのですか。
○本庄政府委員 十条につきましては、いわゆる護身用具を一般の人が法令の規定により禁止されているもの以外は持てるということは、これは先生のお説のとおりでございます。しかし、日本の現在の社会の実態といたしまして、あるいは慣行といたしまして、一般私人が護身用具をぶら下げて携帯して歩くという慣習はございません。しかし、ガードマンの仕事の場合にはその仕事の性格上、いわゆる護身用具を必要とする場合、いま御指摘のような夜間の警戒といったような場合には護身用具を必要とする場合が多いでありましょうし、また、現実にそういったものを使用している例もあるようでございまして、そういった実態というものを法律上明確にした。しかし、一方、この第二項のほうで、法令で禁止されていないものでありましても、公安委員会が必要な規制ができるようにして、妥当な範囲に限ることとしたものでございます。したがいまして、第一項の「護身用具を携帯することができる。」という規定は、先ほど申しましたような意味でございますので、新しい権限を付与するというふうな創設的な意味ではございません。一項と二項とをあわせて総合して御解釈、御判断をお願いいたしたい、かように考えております。
○門司委員 一項のことを言っておられますが、本来から言えば、ここにしるしをつけておりますが、二項のほうが実は問題になるわけです。二項でこういうことをきめますと、これもいわゆる公安委員会から許可されたものだという解釈が出てくるのでありまして、私の質問要項の中をごらんになればわかるのですが、二項のほうには普通のしるしよりは大きいしるしがついているのでありまして、これが問題になるのであります。いわゆる運用上の一つの大きな公安委員会の問題ということがここで考えられる。この護身用具については、さっき私が言いましたように、こういう歯どめでは何にもならない。さっきちょっとよけいなことを言ったように、明治の初めのときでも、サーベルを持って歩いてもいいという規定があっても、これはいまの警部補に当たる一等巡査以上でありまして、これらの諸君でも、それは勤務中だけだ、あとは持って歩いてはならないという歯どめがちゃんとしてある。そのころのおまわりさんというは、ほとんど全部武士階級でありますから、二本ざしはやめたからといって、棒を持って歩くというのはおもしろくないからというよな議論があったらしいということは解釈の中に書いてあるのであります。だから今度は刀を持たせたんだということが書いてあるのであります。そういう経過をずっと見てまいりますと、この十条の一項、ことに二項というものについては、警備員に対して「公安委員会規則を定めて、警備業者及び警備員に対して、護身用具の携帯を禁止し、又は制限することができる。」ということであって、公安委員会の責任制というものがはっきり出てきている。これはここまで書かなくてもよろしいのじゃないか。どう考えても書き過ぎだ。一般人は自由に護身用具は持てるのでありますから、書かなくてもよろしいのじゃないかということが考えられます。こう書いてしまいますと、公安委員会としても一体どの辺までこれを認めるのか、どの辺までこれを許可すればいいのかということになってまいりますと、これは明らかに警察業務の範疇に入らざるを得ない。公安委員会自身の職務というのが、公安を維持するための一つの警察業務の仕事をやっておることに間違いがないのであります。 そこで、時間が少し過ぎましたので、公安委員長にお聞きをいたしておきたいのでありますが、公安委員長のお考えとしてどうなんでしょうか。先ほどから申し上げておりますように、護身用具というようなものがこういう規定でいいと考えられるのかどうか。と同時に、具体的には一体どういうものを考えているか。ここで「都道府県公表委員会規則を定めて、」と書いてありますが、一体どういうものを予測されておりますか。それと同時に、公安委員会がこれらのものを許可するということは、一般の人との差別ですね。さっき言いましたように、逮捕の問題でもそうなんです。何も、ここに逮捕というようなことをことさらいろいろ言わなくたってよろしい。現行犯に対する逮捕はだれでもできることになっておりますので、ことさらにうたわなくてもよろしい問題である。それから、こういう形で「護身用具」というようなことをことさらにに言わなくてもいい。禁止せられているものはおのずからあるのでありますから、それ以外のものは一般人でも持てるのであるから、ことさらここに書かなくてもいいじゃないか。いわゆる許可とかなんとかいうことを書かなくて、書くならば、護身用具は警察法に定められておるものあるいは禁止されているというようなものを使ってならないことはわかっているのでありまするから、そういう規定を念のために書くというなら、むしろまた一つの方法であろうかとも考えられる。 公安委員会にお聞きいたしたいのは、いま申し上げましたように、「都道府県公安委員会規則を定めて、」と書いてありますので、あなたのほうで、これは指示されるものであると私は考えておるが、公安委員会として、一体どういう範疇のものをこの十条の二項で考えられておるのか。その辺をひとつ聞かせておいていただきたいと思います。 それからもう一つ、ついでだから申し上げておきまするが、ここで「護身用具の携帯を禁止し、」と書いてありますが、この「禁止」に当たるものは一体どういうものかということ。これはおそらく、いま法律で定められておるところの、持って歩いてはならないものを持って歩くということになろうかと私は思う。さらに、ここに「制限」と書いてあるのは、やはり、警棒のようなもの、拳銃のようなもの、つまり、警察官のいま持っているようなものは困るということに当てはまるのではないかということ。一応法律だけ読んでみればそういうことがわかるのでありますが、念のために公安委員長から、ここではどういうことをお考えになっているのか、どういうことを指示されようとするのか、その点をひとつ……。公安委員長にこんなことを聞くのは少し無理かもしれませんけれども、ちょうど長官がおりませんので、長官の代理と言うと公安委員長はおこられるかもしれませんが、長官がおいでになれば一応長官に聞くべき事項だと私は思いますが、事務的な事項だからと思うのでありますが、一応公安委員長から念のために聞かせておいていただきたい。
○中村国務大臣 警備業に携わっておる者が持つ一つの護身用具といいますか、そういうものは、やはり、特別に一般の人に脅威を与えるような限界を越しちゃいかぬということであって、法によって持ってはならぬということがきめられておるものを持ってはならぬことは当然でございますが、人数等がかなり多い場合に、棒のようなものでも、長い棒というようなものをみんなそろって持っておるということになれば、これはやはり一般の人にはかなり威嚇的な感じを与えるおそれがあると思いますので、そういうことにならない範囲。具体的に言いますと、警察官が持っておる警棒程度のものぐらいではないかというように考えてよいと思います。
○門司委員 この辺は警察法との関連ですが、ほんとうに考えてもらう必要が実はあるのでありますが、警察法にしても、ピストルを行使する場合、あるいは警棒を行使する場合、具体的にある程度事例が示されておるはずなんですね。また、そういう場合におけるものは、必ずしも単独だけの判断でなくて、警棒を行使する場合には、その部隊の責任者というような人の一応の情勢判断のもとに、そういうものを行使することができるような指揮命令系統がある程度はっきりしている。責任というものがはっきりしている。しかし、正当防御の場合、あるいは犯人をどうしても逮捕しなければならない場合にピストルを撃ったということは、きょうかきのうかの新聞にも書いてありましたが、そういう場合もあり得るかと思う。正当な警察権の行使ということが考えられる場合があり得ると思う。こういうことはおのおのそういうことが書いてある。それからある程度の規制がしてある。しかし、この場合には何にも規制がないんですね。だから、私が聞いておりますのは、要するに護身用具の行使の場合というようなものをどういうようなふうに考えられているかということです。
○本庄政府委員 護身用具の行使につきましては、これはまさに自分の身を守るためのものでございますから、よく言われます正当防衛、緊急避難といった一般法理に従って使用されるべきであるということは当然でございます。
○門司委員 委員長からの催促もありますので、もう少し聞かなければならぬものもかなりあるけれども、これ以上聞きませんが、実際の問題としては、護身用具というようなものについて、護身用具というのは一体何かということ、どういうものを許すのかということは一つの大きな問題なんですね。そうして、これは持ってもいいということになりますと、その場合、間違って行使をしたというような場合。あるいはさっきから申し上げておりますように、年百年じゅう持って歩いてもいいというと制限がありませんから、警備員であるということになれば常時持って歩いてもよろしい、いわゆる職務についている場合とかどうした場合ということが――さっき古い例を言いましたけれども、昔ですらそういうことをちゃんとワクを一応はめておった。しかし、いまの警察官は常時警棒を持って歩いてもよろしい。しかし、これを持って歩いてもいいという規定は、私はどう考えても行き過ぎだと思う。書かなくても、護身用具というものは、おのおの自分の身を守ることのためには法律に許された範囲で持っておるのでありまして、持つべきものである。常識的に考えられることである。これを逆に、ガードマンはそんなものを持って歩いてはいけないという規則をきめたら、それは持たないかもしれない。しかし、常識上考えられるものをここに規定するということは、いま公安委員長の答弁のような警棒程度などということになりますと、これを行使した場合にはある程度の正当性というのがそこから出てくるのですね。そうして情勢判断については、他人はわからないのですね。私はこう考えたからやったんだという形が出てこやせぬか。だから、むしろこういうものは、権限を与えないで、一般の常識にまかせておく。町内会で暮れになると夜警をよくやりますけれども、あの場合にも、棒を持って歩くのはある意味における護身用具であることに間違いない。うっかりするとどんなばか者に出会うかわからぬからということで、おのずから自分の身を守るは当然であって、何も法律にこれを書く必要は毛頭ないんじゃないかというふうに考えられますけれども、それらの点については、どこでいま直ちに答弁を求めようとは私は考えておりませんが、八条の問題、十条の問題あるいは二条の問題、基本的なこの法律の問題等についての考え方が、いままでの答弁ではどうもちょっと納得するわけにはいかない。同時に、法律のていさい等についても、これはまあ立法技術でありますから、私のようなしろうとが言うことはどうかと思いますが、ていさいから言っても、法律の書き方の中で、非常に大事なところに何だかかなり問題があるような気がする。こういう条項は前に持っていっておかぬと困るんじゃないかなと思うような条項が、あとになったり何かしているのが多少見受けられるのでありますけれども、これは立法技術の問題でありますから、あなたのほうでは法制局と十分相談されて書かれたものであって、法制局の諸君に聞けばこれでいいんだと必ず言うだろうと思いますけれども、法律のていさいを見てみますと、われわれの納得するものにはどうもなかなかいきそうもない。したがって、先ほどから申し上げております点等についてさらに私は配慮が願いたい。 重ねて申し上げておきますが、この次の委員会には、法務省からでもよろしゅうございますし、あるいは法務省が出てこれないというのなら法制局からでもけっこうですが、いずれにしても、専門の法律関係の諸君に少し話を聞いておきたいと思いますので、このことだけを委員長にお願いをいたしておきます。
○大野委員長 承知しました。 林百郎君。
○林(百)委員 時間の関係で要点だけ聞くようになると思いますが、これは調査室の資料を私のほうも拝見させてもらったんですけれども、世論として警備業を規制しなければならないという声は、圧倒的にあるわけなんですけれども、この規制の意味が、警備業をむしろ取り締まってもらいたいという意味の規制を要望しているんじゃないかというように思うわけですね。昨年行なわれましたサンケイ新聞の世論調査によりましても、「規制すべきではないか」というのが九三・二%である。その内容は、「警棒を持つ必要がないと思う」というのが六四・八%。そして、「ガードマンと聞いてどんな感じがするか」という問いに対して、「用心棒」「暴力団まがい」「横暴」というのが六六・六%である。だから、これはむしろ規制をするという規制の内容は、取り締まりの内容にしなければならないんじゃないか。したがって、警備業務というものは、単純な守衛の仕事、あるいは盗難等の防止と監視などの夜警的な業務というようなものだけに限定すべきでないかというように私も考えるわけなんですね。これはいま門司さんから同様な意味の質疑があったようにも思いますけれども、この点について公安委員長はどうお考えになりますか。たとえば、警備業法の二条で規定されておる「定義」の一項一号、二号、三号、四号は、いずれも警察法並びに警察官職務執行法にあるわけなんですね。だから、これは警察官によって保護を求めることができるわけなんですから、これを金銭で契約を結んで、そしてこの警察権を買い取って、個人の財産あるいは身体を警戒し、あるいは危険を防止するとか、あるいは雑踏から事故の発生を警戒し、防止するということはどういうものでしょうか。これは本来警察がやるべきことなんであって、警察法にもちゃんと明記してあるわけなんですから、これでいいではないでしょうか。ガードマン業、要するに警備業というものを設けて、そしてそれにこういう権限をどうして与えなければならないのでしょうか。その点を国家公安委員長の中村さんにお尋ねしたいと思うんです。 たとえば、言うまでもなく、警察法の二条には、「警察は、個人の生命、身体及び財産の保護に任じ、犯罪の予防、鎮圧及び捜査、被疑者の逮捕、交通の取締その他公共の安全と秩序の維持に当ることをもってその責務とする。」とあるんですから、この二条の一項一号、二号、三号、四号というのは、警察官の本来の責務なんですよ。それから警察官職務執行法の四条の「避難等の措置」あるいは五条の「犯罪の予防及び制止」、六条の「立入」等を見ましても、全部ここに規定してある条項が警察法並びに警察官職務執行法にあるわけなんですから、一私人である警備業者にあえてこのような権限を与える必要はないと思いますが、どうですか。これは本来取り締まりを要望している国民の要望に反する法律になるんじゃないですか。
○中村国務大臣 警備業法というものが生まれてきた原因といいますか、その警備業法に国民が求めておるものは、やはり、これは、いま林委員の仰せられるように、警察権が持っている国民の身体、財産等の安全を守るという線に一致しておると私は思いますけれども、警察は人員にも限界があるし、警察権が国民全体の要求に必ず応じられるという状態でないと言えるのじゃないかと思うのですね。個人で持っておる自分を守る権利、あるいは会社が自分の権利を守るということを人を雇うてやらせるというようなことからだんだんこういうものが生まれてきたのだと思います。それで、私は、警察権というものがそういうものの生まれないように整備されておれば、そういうことは好んでやる人はないと思いますが、いまの社会情勢から考えて、そこまではなかなか警察は手が届かぬ。自分で自分の身を守る場合に人を雇うてということになってこういう仕事が生まれてきたのじゃないかと思うのですね。それで、個人の持っておる身体あるいは財産を守る固有の権利から生じておりますので、これをはたして完全に規制することができるかどうかということ、そこにもいろいろむずかしさがある。だからというて、野方図にやらせたのでは国民に大きな迷惑を与えるおそれがあるというようなことから、今回の警備業法というものは、国民に迷惑をかけない範囲内で個人の権利を守るとか、あるいは会社の権利を守るというようなことはやれるという程度に一つの規制をしようというねらいだと御理解願いたいと思うのですね。
○林(百)委員 個人の身体に対する危害を、その身辺において警戒し、防止するとか、あるいは「事務所、住宅、興行場、駐車場、遊園地等における盗難等の事故の発生を警戒し、防止する」云々、あるいは第二条一項三号の「運搬中の現金、貴金属、美術品等に係る盗難等の事故の発生を警戒し、防止する」とか、そういうことまで警察の手が及ばない。及ばないところを補完する意味で警備業者というものを設けるのだということになりますと、金のある、金を出して契約を結んで警備業者を雇うことのできる者は、身辺の警戒や身辺に発生する危害を防止することができて、金のない、そういうものを雇うことのできない者は、身体の危険の警戒や防止ができないということになるのじゃないですか。だから、そういうことがないために国家機関としての警察というものがあって、そして、憲法に規定されている個人の自由と身体の安全を保障しているわけでしょう。だから、国家公安委員長の言うように、警察の手の及ばないところまで手を及ぼして保護するためだということになれば、金のある人は警察以上の保護を受けるし、金のない人には、そういうすき間があってもやむを得ないということになりはしませんか。
○中村国務大臣 私はそういうふうに言っておるのではなくて、社会情勢の現在の状態から、そういうものが自然に個人の権利を基礎にして生まれてきたので、何も金のある者だけがということではないのですが、こういうことが自然に生じてきたことは事実であって、それがだんだん行き過ぎの傾向にありますので、行き過ぎの傾向にならぬようにこれを規制しようという発想でこの警備業法案というものは生まれてきた。かように御理解願いたいと思います。
○林(百)委員 私が、結局金のある者が警備業者と契約を結んで、自分の保護を求めるという名のもとに警察権を買い取っているにひとしい事態が起きておると言うのは、一つは、世論で、警備業を規制すべきだという意見が九三・二%もある。ということは、そういう金のある者が警備業者を雇用できるということでなくて、むしろ一般の民主的な権利が侵害されるという事態が起きているところの警備業者を取り締まってもらいたいという世論が出てきている。さっき中村公安委員長が言われたように、行き過ぎという事態ですね。行き過ぎということがある。一方では会社の資本があり、一方では労働争議がある。一方では、自分の土地や財産を空港に強制的に取られようとする。それを一方では防ごうとする。そういう市民的な権利の擁護をする側に対して、金や権力を持っておる側に常に警備業者が立っておる。そういうところに、一般の国民からむしろ警備業を規制してもらいたいという意見が出てくる根拠があるのじゃないか。それから、公安委員長の言われた行き過ぎの事態も起きてくるので、規制ということは――それはことばとしてはそうですが、法案の内容から言えば、事実はそうなっておらないわけですね。 そこで、私は、現実に警備業者の起こした問題を振り返ってみますとどういう事態が起きているかというと、労働争議等に介入した場合には必ず紛争を起こしているわけですね。四十五年八月十九日に第一糖業宮崎営業所の争議、四十五年十二月十四日に宮崎放送の争議、それから四十五年に時事通信社の争議、四十五年五月に報知新聞社の争議、四十五年四月に那珂湊市のガードマン採用事件等があったわけですが、これはさっき政府側が説明をした事案です。さらに、四十五年八月にゼネラル石油精製堺製油所の争議、四十五年十一月に大阪のヤマト鍍金の争議があり、四十六年六月に大阪の細川鉄工所の争議、四十七年、ことしの一月から三月の東京の教育社の争議、以上、いずれも、会社側がガードマン数十名を使用し、組合員に対する暴力行為あるいは立ち入り、就業の実力阻止などをし、組合側は、凶器準備集合罪あるいは暴力等処罰に関する法律の違反等でガードマンを告訴している件が多いわけですね。 それから、市民運動や学園紛争等に関するものとしては、四十五年二月から三月の成田空港第一次代執行の際の事件。このときには、社会党の国会議員に対してまでガードマンが暴行を起こしておる。さらに、四十六年の五月二十六日には、チッソ株式会社総会において、一株株主への襲撃事件がガードマン四百人によって行なわれておる。四十六年九月から十月には、神奈川大学事件で、ガードマン六十人が、すわり込み学生約七十人を学外に追い出すような事態を起こしている。先ほど門司委員からも実例の指示がありましたけれども、私のところへも内外タイムス労働組合から手紙が来ておりまして、内外タイムスと同じ資本系統の大阪日日新聞――これは社主が内外タイムスと兼任でありますが、大阪日日では、春闘要求中の去る四月二十七日――これはことしの四月二十七日ですよ。この法案が国会で審議されている最中に、まっ昼間、暴力ガードマンを社内に導入して、組合員をロックアウトして、女性を含む二人にけがを負わせるという暴挙に出ている。この法案が出て、国会で審議しているのに、現にこういうことがガードマンによって行なわれているわけなんです。そのガードマンに対してどういう規制をしておるか。むしろ権限を与えておる。たとえば今度警備業法が設けられることによって、こういう法律的な裏づけによって業務上こういうことをやっているのだという法的な根拠を与えることになるのではないか、そういう口実が設けられることになるのではないかというように私は思うわけですが、いま申しましたようにガードマンが介入して、ほとんどそのたびに事件を起こしている。労働争議に労働者の基本的な権利が非常に侵されているわけですけれども、この法律を立法する過程において、労働省としてはどういう意見を持っていたのですか。こういう立法に賛成したのですか。
○岸説明員 ただいま先生からいろいろとお述べいただきました事案については、これは、私どももよく承知をいたしております。もちろん、これは申すまでもないことでございますけれども、労使関係の、特に労働条件等の問題につきまして、労使が平和裏にお互いに交渉をして、最終的に問題を解決していくというのがたてまえでございまして、それらの中に、いわゆる第三者が関与するということはできるならば避けていくべきだというふうに私どもは基本的に考えております。しかしながら、先ほど来いろいろと申し述べられておりますように、一面、使用者の、あるいは企業者の財産権の保護という問題もありまして、当然、使用者といたしましては、法律上、そういうものについてみずからのいわゆる権原と権利を守るという、そういう面もあるわけでございます。したがいまして、全く労使関係に介入を排除してしまう、シャットアウトしてしまうということは、法律的に、また事実上の面から申しましてもむずかしい問題があろうと思います。そこで、労働省といたしましては、こういう労使関係に、特に争議時におきましては、従来の例から言いましても非常にトラブルが多うございますので、それに関与することはきわめて慎重でなければならぬけれども、全くそれを排除をするということには非常に問題があるだろう。しかしながら、正当なる労働者の権利は当然守られるべきでありまして、争議権におきましても、正当な争議権の行使に対して干渉するということは絶対に排除するということで、八条の規定を設けたような次第でございます。
○林(百)委員 そうすると、労働省としては、この八条の規定に対して、これは各委員からも説明がありますけれども、憲法で保障されておる労働三権を侵すようなことがあってはならないということを明記さしたほうが、労働省の見解はもっとはっきりするのじゃないですか。 それからさっきのあなたの御説明の中でわれわれが納得できない点は、たとえば団体交渉というのは、本来少数の会社側と多数の労働組合とが交渉するわけなんですから、そういう場合に、一方の会社側に、六尺棒を持ったり、警棒を持ったりするようなガードマンが四百人も五百人も、会社の財産を守り、会社の役員の身体を警備するということで並んでいたとすれば、それは明らかに公正な団体交渉に対して威圧を加えることになるのじゃないですか。そして、ロックアウトをするについても、現に働いている労働者に対して、警棒を持ったガードマンが来て、なぐり、けり、警棒をふるって、そしてロックアウトをするというようなことがあれば、これは正当な使用者側の権利の行使にならないのじゃないですか。だから、そういう場合は、これは警察というものがちゃんとあるのですから、警察によって保護を受ければいいのであって、本来、あなたのいうように、正常な形で労使が交渉すべき場合に、ガードマンが警棒を持って、警察類似の制服を着て資本家側にいたとすれば、それは正常な団体交渉を妨げることになるのじゃないですか。だから、少なくとも八条にはそういうことを明記させるべきじゃないですか。そういうことを主張なさったのですか。しなかったのですか。
○岸説明員 まず、具体的な事例をお出しいただいたわけでありますけれども、これはやはり個々の事例によっていろいろと判断が違ってまいると思います。しかしながら、一般的に申しますと、平常裏に行なわれるべき団体交渉の中にそういうようなガードマンが導入をされているという事態は、これはやはり私どもとしては好ましくないし、また、当然八条の規定の適用される場合が非常に多いのではないかと思うわけでございます。ただ、現在の八条の規定では、「団体の正当な活動に干渉してはならない。」とあって、この場合の「団体」には当然労働組合が入るわけでございます。したがいまして、非常に広く書いてございますけれども、労働組合のみならず、あらゆる団体についての正当な活動には干渉してはならないという、こういう意味でこの規定が置かれておるのでございます。労働組合についてこれを申しますならば、ただいま先生がおあげになりましたような事例は、当然、この八条によって十分にカバーをされるというふうに考えております。
○林(百)委員 しかし、この八条は「個人若しくは団体の正当な活動に干渉してはならない。」とありますけれども、労働者側は、正常な形で団体交渉しているのに、会社側が自分の身体に危険を感じると考えれば、今度は、金さえ出せば、私的な契約でガードマンを雇うことができるわけなんですか。そうすれば、正常な行為かどうかという判断は後になって、十四条の「指示」あるいは十五条の問題になるとも思いますけれども、それは、公安委員会が認定をするまでは非常な時日を要するのであって、その場に間に合わないのじゃないですか。だから、正常な団体交渉、労働運動を金の力によって破壊させるような契約を結ぶことを法制化すような、こんなことをする必要はないじゃないですか。そしてまた、こういう立法をすれば、これはもう警備業法によってできるのだということになるわけなんですから、労働省としては、いままでの事例からいって、むしろ警備業を取り締まる規定を、そして、警備業者がいままで行なっていた行為を制限するような立法をすべきものであると考えるわけなんです。 そこで、法制局にお尋ねしますが、この八条に違反した場合は、罰則の適用はあるのですか。
○林(信)政府委員 先ほど門司委員の御質疑に対して保安部長がお答えいたしましたように、十四条、十五条の適用はございますが、直接罰則の規定はございません。
○林(百)委員 労働省、そういうように直接罰則の規定はないわけですね。そこで十四条、十五条ですけれども、これは公安委員長あるいは保安部長でもけっこうですが、十四条の適用があり、十四条の適用によって、十五条の一項ですか、二項ですか、どちらが適用があるのですか。当然十五条の適用があるでしょう。
○本庄政府委員 十五条につきましては、「この法律に基づく命令若しくは第十条第二項の規定に基づく都道府県公安委員会規則の規定に違反し、若しくは警備業務に関し他の法令の規定に違反した場合において、警備業務の適正な実施が著しく害されるおそれがあると認められるとき、又は警備業務者が前条の規定に基づく指示に違反したとき」、したがいまして、この法律に違反をした場合、それから前条の規定に基づく指示に違反した場合、この両方の場合が十五条の適用があるということになると思います。
○林(百)委員 そうすると、いま言ったように、団体交渉等にガードマンが雇われて労働組合に不当な干渉をしたという場合に、まず十四条でどういう指示をするのですか。
○本庄政府委員 態様によっていろいろな指示があろうかと思いますが、ここに、「当該警備員を警備業務に従事させない措置」というのが例としてあげてありますが、それ以外に、警備実施についての教育をもっと十分にやりなさいというふうな措置、その他現場の態様に適応した措置をとることを指示する。かようになろうかと思います。
○林(百)委員 そうすると、八条に違反して労働組合の正当な労働運動に介入、干渉したような場合は、直接十五条の一項にはこないですか。十四条の措置を経なければいけないのですか。
○本庄政府委員 これは、先ほどから申しますように、八条の正当な活動の干渉にもいろいろな態様があると思います。非常に軽い場合、あるいは非常に重いといいますか、悪質な場合、あるいはその中間の場合。したがいまして、いわゆる重い場合、指示権の発動よりも直ちに営業停止を命じたほうが妥当であると判断されるような事態の場合には、直接十五条を発動するということがあろうかと思います。
○林(百)委員 そうしますと、十五条の適用をするためには、やはり十六条の公安委員会の聴聞をしてそれから「停止を命ずることができる。」ということであって、命じないこともできる。命じなくてもよろしい。これは停止させるということじゃないですね。そういう解釈ですか。
○本庄政府委員 文理上は確かに、「できる。」ということですから、そういう権限を与えたということになろうかと思います。しかし現実の問題といたしまして、そういった八条に違反するような事態があった場合には、条理上は、そういう指示をする、あるいは営業の停止を命ずるということが当然の措置であろうかと考えております。
○林(百)委員 十五条の二項は、かりにあなたの言うように適用があるにしても、解散は適用がない。そうすると、労働争議に不当な介入、干渉をしたという場合は、十五条の一項の六カ月以内の停止ができるということで、二項は適用はないということになるわけですね。
○本庄政府委員 正当な活動の干渉だけでは、十五条の二項の適用はございません。
○林(百)委員 そういう場合に、結局、そういう正当な労働運動あるいは市民運動等に介入をしても、その警備業者を解散させることもできない、廃止をさせることもできない、停止程度だ、それも六カ月の期間以内だ、しかも、十六条によって聴聞を経なければならない。こういう段階を経ているときに、ロックアウトを不当にされて会社内に入ってくることができないというような事態がある場合に、労働者としてはどうしたらいいのですか。労働省にお聞きします。 〔委員長退席、大石(八)委員長代理着席〕 非常に長い期間がかかる、ところが、会社側が称するロックアウトというものは現実に行なわれてしまっている。そして、そのロックアウトにガードマンが介入して、それが不当なものであれば、警備業者に一定の措置を十四条、十五条でするということは、聴聞を経て、しかもまた、停止をさせる場合もさせない場合もあるわけですね。そういう長い期日を経るのに、労働者側はもう権利を侵害されているという場合には、どういう救済の方法があるのですか。
○岸説明員 ただいまの御質問、先生の御趣旨に必ずしも合った答弁ができるかどうかわかりませんけれども、そのロックアウトが合法的に行なわれているという前提に立ちますと、会社側といたしましては、その対応的なロックアウトによって、当該場所に対して、争議中の組合員が中に入ることを阻止することが当然できるわけでございます。 そこで問題は、そういうようなロックアウトをかけた場合に、ガードマンが一応会社側の委託を受けて警備をする。その際に、組合員のほうで、これに対して反対的にデモ行進をやったというような場合には、問題が非常に微妙になってまいります。一つは、労働組合のほうのデモ行進あるいはデモ行為というものが、平穏かつ平和的に、かつ正当な権利の行使として行なわれているという場合に、もしもガードマンがそれに対して干渉するということになりますと、これは、先ほど来申し上げておりますように八条の規定に該当してまいるわけでございます。ただ、ロックアウトされている事業場がもしも正当性があると認定をされれば、やはり、組合員としてはなかなか入るわけにはいかないわけでございます。そういう点について、もしも無理に入るという状態になりますと、そこにトラブルというものが起きてくる可能性があるのではないかと思います。 問題は、先ほどの十四条あるいは十五条の指示が非常に期間がかかるじゃないか、それに対してもっと迅速に救済する方法がないかというお尋ねでございます。一般に、労使関係において労働争議が起きてロックアウトをかけられるということになりますと、これは答えが長くなってどうも恐縮でございますけれども、使用者側としては、当然、いわゆる対応的な措置がとれるわけでございまして、やはり、その範囲内で警備業者も措置をしなければならないのであり、攻撃的なる行為というものは八条の規定に該当する。また一面、私どもは労組法の七条の規定を持っておりまして、もしも正当な組合活動に対していわゆる介入をする、あるいは、不当なるロックアウトをかけるという場合においては、これは別に使用者側の不当労働行為として、労働委員会で救済をする。こういうことでございます。
○林(百)委員 ですから、そういう正常な労働運動あるいは組合活動であるかどうかということの判定を非常に混乱させるようなガードマンというようなものを、法制的に設ける必要はないじゃないですか。もし、会社側が財産に不安を感じ、あるいは会社の首脳部が身体の不安を感ずるなら、それは警察に救済を求めればいいのじゃないですか。ガードマンというものが介入したために、そのロックアウトが正当であるかどうかとか――これは国家権力の行使じゃないので、私権の行使なんですから、そのために事態が非常に混乱してしまうわけでしょう。だから、労働運動というような、本来労使間で対等に行なわれるべきものに対して、そういう警察権を行使するような、しかもそれが、私人として、あるいは私的な契約によって行使するような、そういうものを介入させることを労働省としてはやめさせるべきじゃないですか。これがやはり労働者の要求でもあったのじゃないですか。どうですか。労働省がほんとうに労働者の立場に立つとするならば、こういう金によって、私的な契約によって、そして私的な警察権を行使するようなものが、本来対等な形で行なわれるべき労働運動に介入してくるということは一そう事態を混乱させることになるじゃないですか。だから、労働省としては、そういうものについては、むしろ、警備業者がそういうものに介入することは正しくないんだということをもっとはっきり明記させるように努力すべきじゃなかったのですか。そういう努力はなさったのですか。たとえば、憲法に規定されておる労働三法の権利を侵すようなことをしてはならないということを、立法の過程において労働省としては主張なさらなかったのですか。あるいは主張したけれども、警察側のたっての要望に押されて、そして、こういうあいまいな八条というような、何かわからないような訓示規定で終わってしまったのですか。この点はどうなんですか。
○岸説明員 先ほどの私のお答え、あるいは十分でなかったかと思いますけれども、私どもといたしましても、具体的に起きております事例でありますとか、あるいは、組合側でそういうような御意見のあることもよく承知をいたしております。それで、先ほど申し上げておるように、労使関係に第三者が介入をしてくる、あるいは関与してくることが好ましくないということは私どもの基本的な態度でございますけれども、一面、先ほど来の、違法の状態が起きれば警察に頼めばいいじゃないかということ、これは御指摘のとおりでございます。ただ、問題は、使用者あるいは使用者側といたしまして、みずからのいわゆる権利をみずからの力で守っていくという、そういう立場があるわけであります。それとの調整を考えますと、やはり法律的には、ただいま八条にございますような規定がもう一つの限界的な規定でございます。正当なるいわゆる労働組合の活動に対しての干渉を排除すれば、私ども労働省の立場としては、これはそれで十分であると、かように考えるわけでございます。
○林(百)委員 それでは、午後にいたします。
○大石(八)委員長代理 この際、暫時休憩いたします。 午後一時三分休憩 ――――◇――――― 午後三時三十二分開議
○大野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 内閣提出にかかる警備業法案を議題とし、質疑を続行いたします。林百郎君。
○林(百)委員 本会議前の私の質問で、この警備業法による警備業者が警察の補完的な役割りをするのではないかという質問をしたわけですが、調査室資料の中の毎日新聞の例によりますと、「ガードマンを厳しく規制せよ」とありますし、サンケイ新聞によりますと、「甘すぎるガードマン法」として、「“私設警察化”がエスカレート、治安の乱れと警察不信をまねいたのではなかったか。」というように、「私設警察」というようなことばもあるわけでありますが、こういう警察の補完的な役割り、あるいは警察にかわる実力部隊、そういう心配というか、懸念が私たち非常にありますので、そういう観点から本会議前の質問をしていたわけでございます。 そこで、八条がやはり何といっても問題になるのでありますが、具体的に、たとえば労働争議なり市民運動、あるいは窒素会社の株主総会等における事態のようなときに、この八条の「正当な活動」ということの判断はだれがするわけなんですか。だれによって決定されるのでしょうか。たとえば、団体交渉をしている、労働組合のほうは正常な団体交渉をしていると考える、会社側のほうは身体に対する危害の発生を警戒したいと考える。そういうことになるようなことになった場合、そこに警察でもいれば、公権的な解釈が一応そこですぐなされるわけですけれども、警備業者は別に公的な機関でもないわけですから、一私人として、一私人以上の特別な権利を与えられているものと考えてはならないという規定まであるわけです。この判断はだれがすることになるのでしょうか。保安部長、どうでしょうか。
○本庄政府委員 団体の、正当な活動であるかどうかの判断、これは、むずかしく申しますれば、法律的には、最終的な判断は裁判所ということになると思いますが、そこへ行くまでにいろいろ、たとえば、この法律に基づいて権限を持っております公安委員会の判断という段階もございますし、あるいは、先生がおっしゃいましたように、警察官が現物におって、状況を見て、正当であるかどうかどうかということを判断する場合もあると思います。また、法律上の判断ではないにいたしましても、事実上の判断といたしまして、現場における関係者、すなわち、いわゆる警備員の幹部なりあるいは個々の警備員といった現場の人間の判断、これは判断と申しましても、法律的な判断ではございません。むしろ、その者としての事実上の判断であろうかと思いますが、法律的には公安委員会、あるいは究極的には裁判所、と、こういうことになろうかと思います。
○林(百)委員 そこに警察官がいないというような場合ですね。最終的には、時間をかければ、裁判所や公安委員会の判断、聴聞会もあることですから、そういうことにもなるでしょうけれども、その場に、この八条の「正当な活動」というようなことを警備業者の方が判断するということになると、警備業者が有権的な解釈をして、そして警察権を行使するわけでしょう。一種の警察権を、私的警察権として、実力を行使するとか、そういうことになるわけでしょう。そういうことは許されるんでしょうか。警察のような公権的なものなら話は別ですけれども、私的な、特別なものですね。ここにもありますように、「特別に権限を与えられているものでない」という八条の前段がありますね。こういう条項があるのに、一種の事実上の警察権を行使する。その行使の判断を警備業者が持つということを許していいんでしょうか。だから、こういうものでなくて、私の言うのは、そういう場合には、警察官が本来警察法によって個人の自由や身体や財産を守る義務があるんだから、警察と連絡をして、警察官が来て、警察官の判断を待てばいいということです。私はそう思うわけです。そうでなければ、何ら特別な権限を与えられたはずでない一市民である警備業者の判断によって、たとえば団体交渉をしている場合、あるいはチッソ株式会社の株主総会をしている場合、あるいは日照権問題で、ある建設業者と市民が交渉している場合、実力的な排除をすることを許していいんでしょうか。
○本庄政府委員 警備会社の幹部なりあるいは個々の警備員が警察官のような権限行使活動を許されないということは、これは当然でございまして、警察官の場合は、御承知のように、警職法その他の関係法規に基づきまして正当な権限行使行為を行なうわけでございますが、警備員につきましは何らそういう権限が与えられておりませんから、そういった行為を行なうことは絶対に許されません。警備員の行なう行為といたしましては、けさほど来申しております、いわゆる自分の身体あるいは財産を守るという固有の権利に基づく管理者の管理行為、それを委託を受けておるわけでありますが、その管理行為の限界内にとどまるべき行為はやれるわけでございますが、それを逸脱した行為というものは許されない、かように解すべきものと思います。
○林(百)委員 理論的にはそうですが、現実の場合、たとえば労働組合が団体交渉をしている場合、かりに、保安部長の言うとおりに、会社側の役員が身体に対して危険を感じたと判断して、実力で労働組合を排除してくれ、これは自分の身体を守るための固有の権利の発動だということを言った場合に、それがもし正当でない場合、要するに組合活動に干渉するような事態の場合に、私的契約で雇用契約で雇われているから、正当でない場合でも、会社の役員にそう言われれば実力行動に出なければいかぬわけですよ。実力行動に出るというのは、警察権を行使するということなんです。本来、ガードマンがいなければそういうことは起きないわけなんで、それは警察に連絡して、警察が判断すればいいことなんです。ところが、ガードマンがいるために、そこで実力の行使がされてしまうわけでしょう。しかも、それが正当な行為でないといった場合に、そういうことがされても、それはその場では許されることになってしまうじゃないですか、有権的な判断ができないのだから。
○本庄政府委員 御設例のような場合における警察庁の実力行使は、先生のおっしゃいますような警察権の行使ではないというふうに考えます。警察権の行使というのは、あくまでも、警察官が関係法例に基づいて職務執行を行なうのが警察権の行使であると私は考えております。したがいまして、警備員が、形の上では警察官が行なうような実力行使という形態の活動を行ないましても、これは警察権の行使ではございざせん。あくまでも事実上の行為でございまして、行為の態様によりましては、その行為が刑罰法令に触れて違法になるということがあろうかと思います。
○林(百)委員 だから、あなたも認めているように、形の上では警察権の行使ということになると言うけれども、警察法の二条にちゃんと「警察の責務」として「個人の生命、身体及び財産の保護に任じ、犯罪の予防、鎮圧」云々の任務を「その責務とする。」とあるのですから、もし会社側がそういう危険を感じたら、本来そういうことを任務とする警察官に連絡をすればいいのであって、そこにたまたまガードマンがいるために、そのガードマンは警察がやることと同じことをやることになりますよ。これは警察官職務執行法からいったって同じことですね。警察官職務執行法によれば、警察官の判断によって職務を執行するわけですけれども、ガードマンの場合は、あなたの言うように、形の上では警察と同じことを、金で雇われた自分の雇い主の判断と、それから何ら権限のない自分の判断とでやることになってしまうではないですか。そういうことが、憲法上保障されている労働組合側の権利だとか、あるいは一株株主の権利だとか、あるいはマンションについて日照権の交渉をしている市民だとか、そういう者の権利を金の力で侵すことになるんじゃないでしょうか。中村さん、これはどうでしょうか。私はその点が非常に心配になるんですけれどもね。
○中村国務大臣 私は、いま御指摘のような場合に、ガードマンが実力で排除するというような行為は、これはやってはならぬと思います。やはり、実力行使は、警察に連絡をして警察の力をかるべきであって、ガードマンは、どこまでも守るという姿勢から攻撃に出てはならぬと思います。
○林(百)委員 しかし、それは、あくまで守ることだけに徹しろと言っても、事実上、いままでの例を見れば、私があげたように、全部ガードマンが襲いかかっているわけなんです。決して守るんじゃないんですよね。(「襲いかかれば動物だ」と呼ぶ者あり)それをもって正当防衛だとか緊急避難だとか、そういうことはできるんだというようなことを言っていますけれども、しかし、正当防衛、緊急避難というようなことを口実として護身用の器具を用いるということになれば、これはもう警察と同じ行為をすることになるんじゃないでしょうか。守るだけでしょうか。守るだけでなくて、積極的に行動しているという例がいろいろの場合に出ているわけでしょう。労働運動の場合においても、あるいは環境改善の問題についても、あるいは公害問題についても、そういう市民運動についても出てきているわけでしょう。そういうものに対して、積極的にガードマンが襲いかかるのをどうするんですか。その場では、正当な行為として、判断しやる場合、それにとめようがないじゃないですか。
○本庄政府委員 ガードマンの行為は、あくまでも、本人あるいは第三者の身体、安全を守る、危害を防止するということに尽きると思います。したがいまして、まあ、襲いかかるという表現がいまございましたが、襲いかかるというのは、具体的にはどういう形態か。いろいろあると思いますが、まあ、一般的に襲いかかる、積極的に器具を持ち、あるいは器具を持たなくても徒手で攻撃を加えるということは、これはまず何らかの刑罰法令に触れて違法行為になるものと思われますから、そういった行為につきましては、当然その責任を追及するということになろうかと思います。
○林(百)委員 私の襲いかかるということばに対して自民党の委員のほうから私語があったわけですけれども、しかし、たとえばサンケイ新聞の世論調査等によれば、ガードマンが警察官とよく似た服装をしていることに対して、好感が持てないとか、あるいはさらに、ガードマンと聞いてどういう感じがするかと聞けば、「用心棒」「暴力団まがい」「横暴」だと言うのですね。それで、ガードマンの規制を「必要だと思う」というのが九三・二%、それから「用心棒」「暴力団まがい」「横暴」が六六・六%。だから、ガードマンがいれば襲いかかられる、しかもそれが、何ら正当な理由なく、納得できない場合に襲いかかられる、だから、こういうガードマンは規制してもらいたいというのが世論じゃないでしょうか。そういうことに対して、この八条だけでは、何らの規制にもならないというように私は思うわけです。むしろ、世論の求めているところは、ガードマンを取り締まることである。ガードマンの任務というものは、本来、夜警をするとか、あるいは守衛の仕事をするとか、そういうものに限るのだ。どうしてそういう立法をしないのでしょうか。そこがどうしてもわからないわけです。こういうように護身用の用具を持ってもいいとか、あるいは第二条の一項の四号までの任務を持つとかというような積極的な規定がある。それからさらに、業務の停止の規定がかりにあるにしても、聴聞をして、そして警備業者に意見を述べたり、証拠を提出させるというような保護規定がある。これはむしろ警備業者の保護規定じゃないですか。世論の望んでいるところの警備業者に対する取り締まりに何らなっていない。いまでも権利が乱用されているのだから、その乱用されている権利を縮小するように取り締まってもらいたいというこの世論が、何らこの法律に反映されていないじゃないでしょうか。
○本庄政府委員 いわゆる警備業法の立法の趣旨につきましては、数回の委員会で申し上げておりますので繰り返しませんが、あくまでも、これは最近のガードマンの実態を見まして、所要の規制を加えようというものでございます。その規制と申しましても、厳に過ぎず、また緩に流れずという、いわゆるモデレートな規制が必要であろうかと思います。私どもは、最近の実態を十分見まして、この実情に即する規制をこの中に盛り込んだつもりでございます。警備業者あるいは警備員の欠格事由、あるいは先ほどから問題になっております二条の基本原則、その他もろもろの規定があるわけでございます。そういう規定で、現在のところ、必要にして十分な規制ではなかろうかと思います。それ以上やたらにきびしくするということは、これはまた一方、見方を変えれば、営業の自由の制限でございますから、そういった意味において慎重に臨んでまいらなければならないという点もございます。そうかといって、緩に流れては規制の目的を達せられないこともございますので、そういった点をよく総合勘案いたしまして、立法をいたしたつもりでございます。 それから、一言つけ加えしますれば、ガードマンに関連するトラブル、いわゆる労働争議その他のトラブルが、先生御指摘のように幾つかあるわけでございますが、いままでの論議をしておりますと、何かもうガードマンというのは悪いことばかりしている、あるいは逆に言えば、何かトラブルがあった場合は、いつもガードマンのほうが襲いかかって悪いことをしているというふうな感じも、印象として受けるわけでございますが、いままでございました実態の中にはそういうのも確かにございました。しかし、ガードマンと対抗した相手方のほうが悪かったような場合とか、あるいは、正直申しまして双方五分五分といいますか、そういうふうに見られる場合もありまして、一口にトラブルと申しましても、その態様は千差万別でございます。しかしながらガードマンにつきまして行き過ぎがあったという事例も確かにございました。そういうことにかんがみまして、今後そのような事態が起こらないように所要の規定を設けさせていただいたという次第でございます。そういった過去の事例につきましては、先ほど担当者のほうからも説明いたしましたし、なお御必要があればさらに説明する用意はいたしております。
○林(百)委員 この調査室の資料によれば、それは警備業者のほうでも全部悪いことをしているとは限らぬけれども、しかし、最近非常にガードマンのトラブルが多くなってきたし、それから、ガードマンの犯罪も多くなってきた。注意すべきことは、「警備保障会社の経営者や役員に犯罪前歴者が少なくないことである。警察庁が昨四十六年三月、全国の警備会社三二一社の経営者、役員(支社長クラスをふくむ)を調べたところによれば、七七人が犯罪前歴者、うち二〇人が社長であり、罪種をみると、凶悪犯人、粗暴犯二九人、窃盗犯二一人、知能犯一二人、その他二一人(以上は、エコノミスト「ガードマンの虚像と実像」四六年七月一三日号による)といわれる。」というわけですね。要するに、七十七人の犯罪前歴者のうち二十人がガードマン会社の社長になっているというのですね。それで、たとえば、私具体的にお聞きしますが、日本の国で二つの大きい会社の一つである特別防衛保障会社というのがありますね。これは知っていますか。ここの社長の飯島、これはどういう経歴の男ですか。
○本庄政府委員 実は、御質問にお答えする前に、特定の会社の特定の個人の名前が出て、それについての御質問でございますので、それにつきまして少し答弁を検討させていただきたいと思うのです。
○林(百)委員 これは一体どういうことなんでしょうかね。そんなことをおっしゃるなら、それではこういうことをお聞きしましょう。この国会で警備業法を審議しているときに、日本の国で、この資料によりますと三千人以上の警備会社が二つある。そのうちの一つである。これは最もティピカルな警備業の業者だと思いますが、その、日本で三千人以上いる会社のうちの一つの会社の社長の飯島という人は、これは傷害、暴行、兇器準備集合罪などで四回も検挙された男である。こういうことであって、それが社長をしているということになれば、この十一条にある「警備業者は、その警備長に対し、この法律により定められた義務を履行させるため、総理府令で定めるところにより教育を行なうとともに、必要な指導及び監督をしなければならない。」なんてことができると警察当局では考えますか。そして、この衆議院の調査室で出した資料だけを見ましても、七十七人の犯罪前歴者が役員で、そのうち二十人が社長をしているというのですよ。そういう社長に、十一条のこの教育あるいは「必要な指導及び監督」をまかせる。そういうものに対して一般の市民が好ましくない感情を持つのは、これは当然じゃないでしょうか。
○本庄政府委員 先ほど、前科を有する者、あるいはそのうち社長自身がいわゆる前科者であるというものについて数字がございましたが、私のほうで承知しておる数字と若干違うようでございます。なお、先般来申しておりますように、私のほうでも、いまのところは法律に基づく調査権が必ずしもございませんので、私のほうの数字があるいは間違っておるかもしれませんが、私のほうで承知している限りでは、二十一社で二十七名、そのうち十四社が、社長自身がいわゆる前歴者であるというふうに聞いております。先ほど申しましたように、私のほうの数字が必ずしも、正確であるということは申し上げられませんが、一応そういうふうに把握をいたしております。 こうしたものにつきましては、法案にございますように、欠格条項の適用を受けて、この法律が施行されれば営業できなくなるというものも中にはあるわけでございまして、いろいろな諸規定、そういったもので厳重にチェックする。あるいは監督をしていく。また、その人的な排除だけでなくして、いわゆる前科者がやっておった場合も、その実施する警備業務の内容によってはいいものもあるでしょうし、また、前科者でなくても、警備業務自身のやり方自体がまずい場合には、この法律によって規制をしていく。こういう考え方になろうと思います。
○林(百)委員 私は立法的な立場から質問をしているわけなので、その材料をいまあなたのほうに聞いているわけです。 それでは、特別防衛保障株式会社という会社があることはお認めになりますか。そして、それはガードマンを何人持っているか。
○本庄政府委員 特別防衛株式会社という会社は存在するようでございます。このガードマン数は、先ほど先生が約三千人とおっしゃいましたのですが、私たちのほうの資料では五十人くらいだというふうに聞いております。なお、これに臨時のものも入る場合もありますから、かなり弾力性のある数字ではなかろうか、かように存じています。
○林(百)委員 では、そこの社長が飯島某であるということはお認めにならないのですか。
○本庄政府委員 社長には飯島という人であるというふうに承知しております。
○林(百)委員 では、その飯島という人の経歴は調べられましたか。今度は、警備業法が通れば、もしかりに前科を持っておる者がやっておる警備会社は、これは廃止の命令も出さなければならないような場合なのですからね。その飯島という人の前歴を調べておるのですか。
○本庄政府委員 経歴と申しましても、いろいろな経歴があるわけでございまして、いわゆる職歴もございますし、犯歴もございますし、それから住所歴というようなものもございます。こういったものにつきましては……(林(百)委員「警察歴ですよ」と呼ぶ)犯歴でございますね。犯罪経歴、略しまして犯歴と申しておりますが、これにつきましては、現在の制度からいたしまして、前にも申し上げましたが、正規に調査して、所轄庁から答を求めるという制度が一般的にはできておりません。ただ、たまたま私たち警察の仕事をしておりますから、その資料によりまして、犯罪前歴者であるかどうかというふうなことはわかる場合はあるわけでございます。
○林(百)委員 だから、わかっているなら飯島某の犯歴を説明していただきたいと言うのですよ。言えないなら言えないでいいですけれども、わかっているが言えないのかどうかということですよ。
○本庄政府委員 犯歴があるかないかということにつきましては、正確には、刑罰の執行の所管庁でないとわからないわけでございます。たまたま、先ほど申し上げましたように、警察の手持ちの資料でわかる場合があるわけでございますが、いま御指摘の人物につきまして、犯歴があるかないかということにつきましては、公開の記録に載る場所での御答弁はひとつごかんべんいただきたいと思います。
○林(百)委員 答弁できないならやむを得ません。 環境庁の方にずっと持っていていただいているので、ここでお尋ねいたしますが、たとえば四十六年六月三日、目黒区で、日照権を守り、マンション建設に反対するという住民運動が起きていたときに、ガードマンが介入して暴力をふるって、そのために、住民の、公害問題などに反対し生活環境を守る運動に対して重大な支障を来たした事例がある。また、昨年、チッソの株主総会にガードマンを雇って、いわゆる一株株主に暴行を加えて、負傷者も出ている。こういう事例があるわけなんですが、こういう生活環境を守る運動、あるいは公害から人間を守るというような市民運動に対して、会社側がこういうガードマンを、雇ってこれに介入するというような事態は好ましいとお考えになりますか。どうお考えになりますか。これを答えて、帰っていただいていいと思います。
○小泉説明員 いま先生が御指摘になりました日照権、マンション反対運動その他、これが必ずしもいま公害かどうか、環境権はどういう内容であるかという問題、これは全然別の問題かとも思いますので、あえて一般論ということでお答えいたしたいと思うわけでございますが、いわゆる警備業者といいますか、ガードマンが住民運動を抑圧するというような傾向がかりにありとせば、これは好ましいか好ましくないかというような御質問と承知してお答えいたします。 いままで、従前におきましても、この警備業者に対しまして何らの法的規制もとられてなかったというふうなこともありましたために、御指摘のような問題があるというふうなことも聞いておるわけでございます。私どもといたしましては、この国会にいま提案されておりますこのガードマン法、この運用という問題が二つありまして、一つは、実際にガードマンがどういうようなふうに行動されるかというような問題、いわゆるガードマンの行動の運用といいますか、もう一つは、ガードマンの法律がどういうふうに運用をされるか、いわゆる事業者の運用と、それから法律の運用というような問題があるわけでございます。私どもも、事前にいろいろ警察庁と打ち合わせたわけでございますけれども、このガードマン法が個人とか団体の正当な活動に干渉しない、正しく運用されるということでありますれば、この法律というものが、正しく運用される限りにおいては好ましいものではないかというふうに考えておるわけであります。問題は、先生御指摘のように事業者なり何なりが実際どういうふうにやるかということは、また別の問題かと思っております。
○林(百)委員 そうすると、環境庁としては、むしろ、そういう住民運動に不当に干渉のないような運営をされることを希望するわけですね。そして、ガードマンがそういうことをすることのないように、取り締まり的な立場でこの法案を運営されたいということですか。
○小泉説明員 私どもといたしましては、ガードマンがガードマン法の目的どおりに正しく防衛的なことに活動されるということを期待しておるものであります。
○林(百)委員 それではそれでけっこうです。 それから、公安調査庁の方にも非常にお待たせをしたわけですけれども、ガードマン会社が、最近の数字だと四百五十社ほどあるのですが、この四百五十社の会社のうちで、公安調査庁出身の社長というのがあるかどうか。調べてごらんになりましたか。
○大泉説明員 ガードマン会社の社長に公安調査庁の退職職員が就任しているという事例はございません。
○林(百)委員 それでは、それでいいでしょう。なければけっこうです。 次に、また、警察庁あるいは国家公安委員長にお尋ねしますが、警備会社の定款に「情報の収集、防犯器材の販売」とあるものは百五十社。ガードマンは約七千人いるわけですけれども、この情報収集という中の思想調査あるいは思想警備ですね。この調査の対象となっているものの思想調査が行なわれるような危険はありませんか。
○本庄政府委員 先生御指摘の思想調査というのがどういう内容のものか、その用語だけでは必ずしもはっきりいたしませんが、私たちといたしましては、今回規制の対象といたしておりますのは、「定義」の二条に掲げましたようなことをやるものを「警備業務」として対象といたしておるわけでございまして、それらの会社がこの業務以外の業務を兼業として行なっているものはかなりあるようでございますが、そういった思想警備というものにつきましては、この法律のワク外でございまして、また、その思想警備というものがどういうものかよくわかりませんので、その辺につきましては正確なお答えはいたしかねる次第でございます。
○林(百)委員 そうすると、定款の中にある「情報の収集」というものはどういうものだと考えていますか。そういうものは許されるかどうか。許されるとすればどういう範囲にとどまるべきだと考えられますか。
○本庄政府委員 一口に情報と申しましても、経済的な情報、政治的な情報、各種あるわけでございますが、その会社の定款に書いております「情報」というのがどういう種類の情報であるのか、これは会社によっても違うと思います。先般来何度も申し上げますように、私たちが考えております警備業法の対象とするものは、そういういわゆる情報業務ではございません。二条に書いていますような業務を警備業務としてとらえているわけでございます。その情報業務の点につきましては、私からお答する限りではないのではなかろうかと、かように判断いたしております。
○林(百)委員 昨年の六月一日の朝日新聞の夕刊に、私が先ほど例にあげました特別防衛保障の飯島社長の言が出ています。――これが雇用しているガードマンが三千人であるかどうかという点について、また、日本で二つの大きな会社の一つであるかどうかという点についても私は調査いたします。あなたの言うようにいろいろ弾力性がありますから、これについて、私のほうも、ガードマンの人数と、それが日本の国で二つの大きなガードマン会社の一つかどうかという点についてはなお調査いたします。ここで確言はいたしませんが……。いずれにしても、その飯島社長が、新聞に出ているところでもこういうことを言っているのですね。「今後も思想警備専門でいきたい。警察が左翼勢力を押え切れないので、われわれへの需要は伸びる。」これは朝日新聞にちゃんと出ていることです。こういうことは許されるものですか。どうですか。
○本庄政府委員 思想警備という用語、表現がございましたが、この思想警備というのは、先ほどの特別防衛保障会社の定款ですか、あるいは広告等に出ておるといたしましても、この思想警備というものはどういうものを内容とするのか、この辺がわからないわけでございます。あくまでも現象面にあらわれた警備業務の実態というものに基づいてこの法律の運用をやっていくということになろうかと思います。
○林(百)委員 そういうことを警察ではあらかじめ調査してないのですか。それじゃ、たとえば情報収集ということを定款の目的にうたっている会社が何社あるか。これは調べていますか。
○本庄政府委員 そういったものを定款に掲げておるという会社はあるようでございますが、正確には、現在のところ、数字、資料は持っておりません。と申しますのは、今回の警備業法は、先ほど来申しておりますような趣旨で立案したわけでございまして、そういった点についての正確な資料は必ずしも持ち合わせておりません。
○林(百)委員 警備業法を国会へ提案するのに、こういう重要な、場合によって憲法に違反するような行為にも出まじき情報収集というようなことが定款の目的にうたってあるとするならば、そういう会社が事実上どういうことをしておるのかということを答弁する調査も準備もなければ、立法者としての責任が果たせないことになるのじゃないですか。 それじゃ、昨年の六月一日の朝日新聞の夕刊で、飯島社長が「今後も思想警備専門でいきたい。警察が左翼勢力を押え切れないので、われわれへの需要は伸びる。」と述べている事実、これは知っていますか。これも知らないということになれば、何も知らなくてこの法案を出すということになるのじゃないですか。何か大事なことを聞こうとすれば、それは言えませんと言う。それで、国会の審議でわれわれに何を審議しろと言うのですか。それじゃ、朝日新聞の記事については、あなたのほうで留意されましたか。
○本庄政府委員 朝日新聞であったかどうかははっきり記憶いたしておりませんが、そういった趣旨の記事があった記憶はあります。
○林(百)委員 それじゃ、内閣の法制局にお尋ねしますが、もし、警備会社がそういう情報の収集ということを定款の目的にうたっておって、しかも、その行なう行為が思想警備専門でいきたいというようなことであるとすれば、そういう警備会社というものは、憲法に違反したものであって許されないものである、思想、信条の自由に対する重大な侵害を定款の目的の内容にしているわけだから、と思いますが、その点は法制局としてはどう考えますか。
○林(信)政府委員 非常にデリケートな問題でございますが、先ほどの情報の収集という程度でございますれば、これは適法な方法はいろいろあるかと思います。ただ、思想専門に調査をするということははたしてあるのかどうか、私はわかりませんが、かりに憲法で保障されておる思想の自由を侵害するということを目的にする会社がありますれば、それは相当問題であろうかというふうに存じます。
○林(百)委員 そうすると、この飯島社長は、「今後も思想警備専門でいきたい。」と言って、それはイコール「警察が左翼勢力を押え切れないので、われわれへの需要は伸びる。」ということだと言っていますけれども、こういうことを実際行なっている警備会社がもしあるとすれば、これはこの警備業法の何条で取り締まるのですか。
○林(信)政府委員 ちょっとかわってお答えいたしますが、警備業法自身には、ただいまの案ではそれは対象になっておりません。ただ、かりにそれが会社でございますと、商法の五十八条によりまして、会社の設立が不法の目的をもってなされたときというようなことで解散命令という方法があろうかと思います。
○林(百)委員 警察庁に聞きますが、警備業法自体では、いまのような会社があっても、別にそれを規制する方法はないわけですか。
○本庄政府委員 その思想警備という用語の内容が、いま法制局の林部長が説明しましたような、そういった不法な目的な持って設立された会社でありましても、この法案の二条の「警備業務」に該当する警備業務を行なっていないものにつきましては、この法律は一応関係がない。こういうことになるわけでございます。
○林(百)委員 そうすると、関係がないということになると、それが警備業の名をかりて警備業者だと称していたとすれば、どういう取り締まりをするのですか。――こういうことです。もう少し詳しく申しましょう。四条の「届出」ですね。届け出は認可制じゃありませんから、ここにも一つ問題があると思いますが、届け出をして、その定款上の目的に「情報収集」というのがある。これまでは許される。そして、実は、いま言ったような思想警備を専門に行なうと称して左翼を押えていく。自分の力で押えていく。こういうことを目的としているとすれば、どういう取り締まりをするのですか。取り締まりの対象外ですか。
○本庄政府委員 先ほどもお答えいたしましたように、この二条に定義をいたしております警備業務を行なっていない会社につきましては、この法律の適用外ということです。
○林(百)委員 そうすると、そういう憲法違反の重要な事項を警備業者の名において行なっているとしても、これは警備業法の対象外だということで、警察ではこれを手放しで見ているということになるのですか。
○本庄政府委員 ただいまも申しましたように、この警備業法のワク外ではあると存じます。しかしながら、その当該会社の行為が他の法令に触れる場合は、その他の関係法令によって措置をする。かようになると思います。
○林(百)委員 中村国家公安委員長、いま言ったような警備業者と称しておるある会社、すなわち特別防衛保障会社の飯島社長が「今後も思想警備専門でいきたい。警察が左翼勢力を押え切れないので、われわれへの需要は伸びる」と言っているのですが、こういう警備会社が存在しているとすれば、国家公安委員長としてはどうするつもりですか。他の法律で、取り締まりをするのですか。他の法律で取り締まるための動機あるいはそういう行動は、どういうようにしてとられるわけでございますか。まず、国家公安委員長にお尋ねします。
○中村国務大臣 私は、法律の狂うはきわめて弱いのでございますが、いま林委員の指摘をなさるようなものがあれば、それはやはり別な法律で規制していくということになろうと思います。
○林(百)委員 だから、別な法律で規制するということはいいんですが、警備業者の名においてそういうことが公然と行なわれていても、警察としては手をこまねいているのですか。警察としては、この警備業法ができると、いろいろの届け出もあるわけですし、それから、立ち入りをしていろいろの調査をする権限も一応は規定されているわけですけれども、そういう権限は行使しないのですか。
○本庄政府委員 警備業者という名前を使っておりましょうが、あるいは警備業者という名前を使っていなくても、国の法令に触れる行為につきましては、その法規に従って警察として所要の取り締まりをやるという方針は、これはもう先生も御案内のとおりかと存じます。 なお、先ほどから申しますように、この警備業法の対象といたしますのは、二条の「定義」に書いてございます警備業務を行なう者を対象とするわけでございますから、こういう業務を行なっておらない者が、かりに警備業者という名前、何々警備株式会社という名前で営業しておって、しかも、この二条の業務ではなくて別の業務をやっており、そして法に触れるような行為があれば、その法令に基づいて措置をする。先ほどから申し上げている趣旨はその点でございます。
○林(百)委員 そうすると、情報収集いうことが定款の目的に明示されている場合ですね。その内容は、この第二条の一項の一、二、三、四と何か関係があるんですか。情報の収集というようなことは、二条の一項の一号から四号までには関係がないと思いますが、そういう情報の収集というようなことを定款の目的としておる警備業者に対しては、何らかの調査なり措置をする考えはありませんか。
○本庄政府委員 いわゆる情報の収集――まあ、情報の収集と申してもいろいろあるようでございますが、いわゆる情報の収集は、この定義の一号、二号、三号、四号のいずれにも該当しないと思っております。 ただ、先生の先ほどからの御質問から推察いたしますと、そういった情報収集を業とする者についても何らか取り締まりが必要ではないかというお考えのように承るわけでございまして、いわゆる興信所的なものをさすとすれば、そういったものについての今後の規制と申しますか、立法、これにつきましては今後検討する必要がある。かように考えております。
○林(百)委員 そういう関係もありますので、この四条の「届出」はどうして認可制にしないのでしょうか。いやしくも憲法で規定されている人権が侵されることのないように、そういうことを厳重に注意するとすれば、これは届け出主義ではなくして、当然認可主義にすべきじゃないでしょうか。その点はどういうようにお考えになるのですか。
○本庄政府委員 四条の届け出制の件でございますが、認可制、法律的には許可制と申すべきだと思いますが、許可制をとらえなかった理由ございますが、御案内のように、許可制というのは、一般的に、その営業を禁止する、そして特定の要件を具備した場合にのみその禁止を解除するという法律制度になっておるわけでございまして、したがいまして、許可制をとるかどうかということにつきましては慎重に判断する必要があろうかと思います。 先般来申し上げておりますように、最近の警備業の実態を見ますと、確かに、警備員自身が警備中に犯罪を犯す、あるいは先ほど来お話のございます労働争議等の際にトラブルを起こすといった好ましくない事例もございます。しかしながら、全国で、約四百五十人といわれております大部分の警備会社がおおむねまじめに適正にその仕事をやっておるという実態でございまして、一般的な禁止をかけるという必要性があるかどうか、この点が第一点。それから、もう一つは、この立法で業者の営業開始の要件として業者をしぼっておりますのは「警備業者の欠格事由。」これは人的欠格事由だけでございまして、人的な欠格事由だけを許可要件とする許可制というものも、必ずしも法律的にはできないわけではないと思います。しかしながら、立法の通例を見ましても、そういう立法はほとんどございませんし、大部分の場合に、資力の要件とか、あるいは技術上の基準その他規模の要件とか、幾つかの要件を設定いたしまして、そういう要件を満たした場合に初めて営業をさせるというのが許可制の立法の通例のようでございます。 このような幾つかの理由で届け出制をとっておりまして、現在のところ、この届け出制でもって立法の目的を達し得る、達し得るならば、憲法の営業の自由という関係から申しましてもこれでよろしかろう、こういう判断でございます。
○林(百)委員 本庄保安部長の答弁を聞いてる間に、私とあなたの立場が根本的に違うことが一そうはっきりしてきたと思うのですね。私のほうは、国民が望んでいるところから言って、いろいろの資料にもありますように、むしろ警備業者を取り締まっていってもらいたいということ。それから、各新聞の論調を見ましても、この警備業法では甘過ぎるということが言われているにもかかわらず、本庄保安部長の答弁を聞いていますと、むしろ、現在の警備業者を保護していくというニュアンスが非常に強い答弁ですね。だから、ここに根本的に私とあなたの違いがあるということが私は気がつきました。 そこで、時間がありませんので、あと二、三の質問に限りたいと思いますが、第三条の一項一号の「禁錮以上の刑に処せられ、又はこの法律の規定に違反して罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して三年を経過しない者」ですね。これは警備業者にはなれないが、警備業の会社の顧問というような形で実際の主宰者とすることをこの法律で取り締まることができますか。実際の主宰者としていろいろの事業の相談を受けあるいはいろいろの指示をする……。
○本庄政府委員 この法律では、法人の場合は「役員のうちに前号に該当する者があるもの」ということになっておりますので、一応、役員でない場合には取り締まりの対象にはならない、かように考えます。
○林(百)委員 私たちは、この、三年を経過した者がまた警備業者をやるということ自体にも問題があると思うのに、事実上顧問として――たとえばやくざの社会で、名義は、いわゆる彼らのいう若い衆にやらしておいて、自分が親分として、あるいは顧問として警備業を行なうというようなものですね。こういうことを取り締まることができない、ということになれば、三条一項一号が、あなた方の言うように、そんなに伝家の宝力として取り締まりの効力を発揮するものだとは私は思いません。 さて、振り返ってみると、あなた方の答弁のニュアンスの中には、どうも警備業者を弁護するような感じがある。大衆感覚から言えば、むしろこれを厳重に取り締まってもらいたいという声が強く、警備業者あるいはガードマンについては、権力意識があるとか、暴力団のような感じがするとか、用心棒のような感じがするという声が圧倒的なんです。それにもかかわらず、そういうものを取り締まりをしていくという立場でのニュアンスの答弁が全然聞かれない。 そういう中であなた方がそういうニュアンスを持つもう一つの要因としてお聞きしたいのですけれども、警備会社の役員の中で警察出身の人が何人いますか。
○本庄政府委員 全国約四百五十でございますので、東京あたりの、名前を聞けば人も知っているような大きな会社で役員に入っているようなものにつきましては私どももかなり承知をいたしておりますが、全国大、中、小さまざまあるものにつきまして、全部、警察から何人入っておるかということにつきましては、これは、地方で退職して、そのままローカルの小さな会社に入る人もございますし、そういった点につきましては、私どものほうも詳細な資料を持ち合わせておりません。
○林(百)委員 大事なところへいくとみんな調査してないということなんですが、それじゃ私のほうもここで限って聞きましょう。東京警備会社連絡協議会加盟のものに限りまして、これが何社あって、役員が何人中警察出身者が何人いますか。
○本庄政府委員 東京に限って言いますと、地元の東京につきましては一応承知いたしておりますが、現在のところ五十二社ございまして、そのうち十社に警察出身の役員がおるようでございます。その数は、たしか全部で、十九人だったと思います。
○林(百)委員 わかり切ったようなことをもっともなような顔をして答弁しているのもおかしいと思うのですけれども、それじゃもう一つ聞きますけれども綜合警備保障株式会社というのがありますか。
○本庄政府委員 ございます。
○林(百)委員 ここではガードマンを何人雇っていますか。
○本庄政府委員 一応五千人というふうに承知しておりますが、先般来申しておりますように、正規の調査でもございませんので、はたして正確な数字であるかということにつきましてはいかがかと思っております。
○林(百)委員 五千人というと、日本の警備会社のうちでは上から何番目ですか。
○本庄政府委員 もう一つ大きいのがございまして、通称ビッグツーと言っておりますが、このガードマンの数というのは非常に変動がございまして、先ほども申しましたように、私たち自身は正確な数を必ずしも把握し得る道を持っていないということと、それから変動があるということで、はっきり申しまして、どっちが一位、二位ということにつきましては、その辺はちょっとあれでございますが。
○林(百)委員 けっこうです。 それでは、そこの社長が――ここで具体的な名前を言っても、これは犯罪には関係ないからいいでしょう。その社長が、元警察庁の警備局長をやっていた村井順氏であるということは知っていますか。
○本庄政府委員 社長は村井順氏でございますが、警察庁の警備局長はたしかやっていないはずでございまして、警察庁では警備課長だったと思います。
○林(百)委員 わかりました。 そうすると、日本でビッグツーのうちの一つの会社の社長は警察出身だということは言えるわけですね。全国のものはわからないと言うから聞きません。そうすると、全国のガードマンの中で、警察官出身は何人いるとか、もちろんそういうことはわからぬですね。
○本庄政府委員 個々の警察員数がどのくらいか、警察出身の警備員数がどのくらいかということにつきましては、資料を持ち合わせておりません。
○林(百)委員 時間の関係で、あと一問だけ国家公安委員長にお聞きしたいと思うのですが、御承知のとおり、この法律によりますと、八条の「正当な活動」に関連しての十四条、十五条についての解釈の権限、これは公安委員会にあるわけなんですね。また、十四条、十五条の指示権あるいは営業停止の権限、あるいは営業廃止の認定の権限というような重要な権限をほとんど都道府県公安委員会が持っているわけですが、警察法の三十八条によりますと、「都道府県公安委員会は、都道府県警察を管理する。」と書いてありますけれども、この「管理する」ということについての解釈ですね。これについては、国家公安委員長はどういうように解釈されますか。また、内閣法制局の解釈と両方聞かせていただきたいと思います。
○林(信)政府委員 管理事務という用語の問題でございますが、これはむしろ行政組織法上の用語というふうに理解いたします。たとえば、「刑務所は法務大臣の管理のもとに置く」というような場合に、刑務所として監獄法に基づくいろいろな事務を執行するわけでございますが、法務大臣との関係におきまして、その指揮監督権、その強さ、それが「管理」ということばにあらわれているわけでございますが、通常「管理」という場合には、個々の事務執行につきまして、直接指揮監督ができないという意味、そういう意味で用いている場合が多いと思います。 この場合も、公安委員会が、個々の警察が警察権を発動するという場合におきまして、具体的な個々の行為について一々手足をとるように指示監督するというような趣旨ではないという意味合いにおきまして「管理」いう用語が用いられておる。かように理解いたしております。
○中村国務大臣 国家公安委員会は、国家警察行政の大綱方針を示して、それを警察庁長官を通して行なわせていく、事前事後の監督管理をしていく、こういう職分だと私は承知しておりますし、県段階では、県の公安委員がやはり県警察行政の大綱方針を警察本部長を通じて行なわせていく、その事前事後の監督管理をしていくというような任務だと承知しております。
○林(百)委員 念のために警察庁側の見解を聞いておきましょう。
○本庄政府委員 法律担当者のほうからお答えいたします。
○鎌倉説明員 公安委員会が警察を管理するということでございますが、警察法では「都道府県公安委員会は、都道府県警察を管理する。」というふうになっております。この「管理」ということにつきましては、公安委員会制度というものの本旨に照らしますと、個々の事務執行ということではございませんで、大綱方針を定めまして、いま委員長から御説明がありましたように、事前事後の監督を行なうということを意味しておるわけでございます。個々の事務執行につきましては、都道府県警察につきましては、公安委員会の管理のもとに警視総監または府県の警察本部長が指揮監督するということになっております。
○林(百)委員 私は、この際、国家公安委員長に、国家公安委員会というものが、さらには都道府県公安委員会が、警察に対して相対的な独自性を持つ必要があるのではないか、もっと公安委員会の権限を意識する必要があるのではないか、ということを警告したいと思うわけです。警察法の五十条二項によりますと、都道府県公安委員会は警察本部長の懲戒、罷免を国家公案委員長に対して勧告することができる。法律的にはこうなっておるわけです。それから念のために辞典を引いてみましたら、「管理」ということばは、管轄し、処理する、さらには取り締まりということまであるわけですけれども、警察庁の解釈は、こういう立場から言えば、はなはだ国家公安委員会の権限を狭めるような解釈をあえてしておるように響くわけです。国家公安委員長としては、警察に対して独自性があるのだ、これを公正な警察権を行使させるように監視監督していくのだというお考えはお持ちになっていると思いますけれども、念のために、中村国家公安委員長にその点をはっきりとこの際聞かしていただきたいと思います。
○中村国務大臣 私は、現在の国家公安委員会、それから各県の公安委員会の任務は適切に行なわれておる、いま林委員が指摘をなさったような警察行政の監督あるいは管理というものはおおむね適切に行なわれている、と、かたく信じておりまする。今後もその方針でいきたいと思っております。
○林(百)委員 これで私の質疑は終わらしていただきますが、私は中村国家公安委員長からもっと自主性のある答弁があると期待していたのですけれども、期待にはずれた答弁ですけれども、この際、この重大な権限が公安委員会に与えられておる警備業法案について、私はここではっきりと警告しておきたいと思うのです。 本法がそのまま実施される場合は、国民が望んでおり、また世論調査でも明確になっているところの、警備業者あるいはガードマンを、善良な民衆に対して不当な行為をしないように、暴力団まがいなことをしないように、厳重な取り締まりをしてもらいたい、そういう意味の規制を行なってもらいたいという、そういう期待には全く沿っておらないと思うのです。それどころか、この法律によれば、将来、警備業は警察の補完部隊になりかねないし、あるいは天下り人事によって都道府県警察との癒着やなれ合いが起きる危険が非常に強い。こういうことを私は十分警告して、中村国家公安委員長も将来そういう点に十分留意されることを強く期待いたしまして、私の質問をこれで終わらしていただきます。
○中村国務大臣 私は、今回のこの警備業法の制定のねらいは、いま林委員が御指摘になったように、国民大衆の諸君が今日の警備業に対して抱いておるいろいろの不満あるいは不安というものをできるだけ解消していくという方向で、警備業の規制をしていこうということによって立法されておるものと考えますし、さらに、この方針によって、今後警備業に携わっていく人たちの内容を、人格的に信用度等も高めて。そして、国民の期待に沿うような、国民からきらわれることのないような、国民に不安を与えることのないような警備業態を進めていくような方向で強く規制もし、指導もしてまいりたい、かように考えております。
○林(百)委員 私の質問を終わります。
○大野委員長 小濱新次君。
○小濱委員 警備業法の質問についてはわが党からも二名代表が立っておりますので、私は四点ばかりお尋ねしていきたいと思いますので、中村国家公安委員長と保安部長にお答えをいただきたいと思います。 その第一点は、ガードマン業は一種のサービス業であり、新しい姿でこれが出てきたわけですけれども、これを、憲法に保障された営業の自由ということと関連した問題として私は伺うわけですが、ガードマン業に対して、その行き過ぎということがいま非常に問題になり、心配されているわけです。中には、口の悪い人からは、警察だとか、あるいは警察予備軍だというような声があるわけです。こういう批判の声に対して私ども心配しているわけですけれども、そういう間違った面を規制しようというのがこの法律の目的でありますから、その点はよくわかるのですけれども、営業の自由という問題とこの規制の関係について、保安部長からこの点についてお答えをいただきたいと思います。
○本庄政府委員 営業の自由と規制との関係、法律的に非常にむずかしい問題についての御質問でございますが、御案内のように、営業の自由というのは憲法で保障されました基本的な自由権でございまして、できるならば、何らの規制を加えないで自由に営業をしてもらうというのが理想であろうかと思います。そういう意味におきまして、三十七年に初めて誕生いたしました警備業というものにつきましても、約十年近く何らの規制もなく自由に営業されてきたわけでございます。 ところが、社会の需要に応じまして警備業者の数が増加し、それに伴いまして警備員の数も急激に増加してくる。そういう増加傾向に随伴いたしまして、先般来議論になっております警備員自身の警備中の犯罪行為、あるいは第三者に対する、いわゆる市民に対する迷惑というようなことが出てまいりました。このまま全くの自由営業として放任するという場合は、今後憂うべき状況になるということも予想されるような事態になってまいりました。したがいまして、憲法に保障されましたこの自由権というものも、全く無制限のものではないということは憲法でうたっておりますが、これも先生の御案内のとおりでございまして、公共の福祉と申しますか、そういったむずかしい表現を使わなくても、全体の福祉のために最小限度の規制はやってよろしいということになっております。そういう意味におきまして、現在の警備業の実態を見まして、必要最小限度の規制を行ないまして、警備業務が適正に行なわれるようにいたしたい。営業の自由と規制との関係につきましては、そういった考え方で臨んでおる次第でございます。
○小濱委員 でき得れば自由営業が望ましい、しかしながら、必要最小限においてこれは規制されなくちゃならぬということですけれども、いままでの質問を通しまして、専業が二百七十社、人数にして二万六千人余、兼業が百七十社、約八千人余で、約三万四千人ということである。新しい姿で発足した警備業界がこういうふうにふくれ上がって、これからどこまでこれが伸びていくのであろうか。その見通しについて、これがこのまま大きくふくれ上がってまいりますと、いままで心配になっておった点がより重なって問題が起きてくる可能性もなきにしもあらずだと思うわけですが、これで規制ができるかどうか、ひとつこれも保安部長からお答えいただきたい。
○本庄政府委員 今後どの程度増加していくか。これにつきましては、にわかに予断を許さないわけでございますが、たとえば、ちょっと統計が古くて恐縮でございますが、昭和四十年に専業、兼業合わせて約百五十社でございましたが、これが逐年ふえまして、いまや四百五十あるいは四百七十という会社にふえております。そういった傾向で今後もある程度はふえていくと思いますが、もちろん、頭打ちと申しますか、限界はあるとは存じますが、当分の間はこういった趨勢でふえてまいると思います。したがいまして、先ほども申しましたような趣旨で、現事態に立脚いたしまして所要の規制立法を行ないたいと思った次第でございまして、この法案ができました暁におきましては、現在あるこの四百幾つの会社全部に適正な警備業務を実施していただくことができるし、またそれを期待をしておるわけでございます。 しからば、この法律のままで今後の増加傾向に対処していけるかどうかということにつきましては、これも見通しの問題でございますから、いま断定的なことは申し上げられないと思いますが、当分の間はこの法律でまかなえるのじゃないか。しかしながら、警備業の実態というものが、今後の社会の需要あるいは科学の発達ということによりまして、対象なり方法なりいろいろ変化してくると思います。そういった状況の変化に応じましてさらに必要な規制を加える、あるいは、現在必要であると思って加えました規制を今度は解除する、そういったような弾力的な措置というものはある程度必要になってくるんじゃないかと考えております。
○小濱委員 今日のこの規制立法によって業界はどういう形になっていくのか、私どもは一部心配しておったわけですが、まあ、逐次伸びていくであろうということの見通しのようでございますから、安心をしたわけでございます。 そこで、次の質問に入りたいと思いますが、ガードマン自身に危険が加えられようとした場合、または警戒すべき財産に損害が与えられようとした場合、そういう場面が起きた場合、ガードマンはどこまでこれを防止すべきものなのか。その責任といいますか、とるべき態度について、警察とガードマンとの違いについて、両方ひとつ述べていただきたいと思います。
○本庄政府委員 警察員の場合には、御案内のように、警察法二条に定められた一般的責務、これに基づきまして、個々の権限行使の法律、そういった関係の諸規定がございまして、それに伴って職務を執行するわけでございます。したがいまして、警察官自身に危険が及ぶと予想されるような場合、あるいは一般的に国民の財産、生命、身体というものに危害あるいは損壊というものが及ぶ場合には、警察官は当然の職務として国民の生命、身体を守る、あるいは財産の損壊を防止するための所要の措置、たとえば犯人の逮捕とかいったようなことを行なうべき責務を持っておるわけでございます。しかしながらガードマンの場合には、これは先般来議論になっておりますが、何ら特別の権限を持つものでございません。一般私人と同様であるということが言えるのではなかろうか思います。警察官の場合には、たとえば警察職務執行法に基づきましていろいろな措置がとれるわけでございますが、ガードマンの場合にはそういった措置はとれない。したがって、一般私人がなし得ると同じ程度のことをなすというのが法律上の限界であろうかと思います。 それから、ガードマン自身が危害に直面するような場合、これにつきましても、一般私人が行ない得る合法的な行為、たとえば正当防衛あるいは緊急避難といった行為に限られるわけでございまして、それを越える行為は違法としてとり得ないことでございます。その点はそういうことでございます。 以上でございます。
○小濱委員 この法律とは別な話になっていくわけですけれども、一般人と変わりない、そういう態度、扱いをしてもいいんだ、こういうことになりますというと、これは、この間参考人の田上教授がおっしゃっておられましたけれども、危険を感じたときには逃げ出したという例があって、非常にたよりないという批判の声がだいぶ起こっておったという学校の例をここで述べておられましたが、その場面を想定しますと、逃げていい場合と、逃げればいろいろと会社に損害を与えてしまうという憂いがある場合、それを放置して逃げてしまうというと、今度は、契約履行をしなければならない会社に対して損害を払わなければならないということが起こってくるわけですね。ガードマンといえども商売なんですね。きっとそういう言われるでしょう。一般人と同じような態度、ふるまいをした場合には、またこれ批判の的になるであろうという、そういう考えを私どもも持つわけですけれども、これは法律と違いますか。ひとつ見解を聞かしていただきたいと思います。
○本庄政府委員 民事上の問題は別といたしまして、あくまでもこの法律上の問題といたしましては、ガードマンにつきましては、先ほど申しましたような警察官のような責務も権限もございません。したがいまして、いわゆる危害あるいは侵害の態様が千差万別でございますから一がいには申し上げられませんが、そういった場合には一一〇番に通報するとか、あるいはガードマン自身が無線の器材を持っておることも最近は多いようでございますが、そういう器材を通じて本社に通報するとか、あるいは場合によっては大声をあげて近隣の人を起こすということも可能でありましょうし、それから、いよいよ自分の身に急迫不正の侵害があるという場合には、場合によっては、先般田上参考人からお話がありましたような逃げるということも、これは現実の問題としてはあり得ましょうが、そのことを法律でもってとやかく何ら規定はいたしておらないと思います。
○小濱委員 ガードマンといえども、生命、身体の安全という、警備員の人権の立場からやはり考えていかなければならないという考えを私どもは持っておるわけでございまして、一応見解を、お尋ねしたわけでございます。 次に、法第三条についてお尋ねをしていきたいと思いますが、「三年を経過しない者」とたなっておりますね。その期間について、他の業者とのつり合いの点は、これはたくさんあるだろうと思いますが、どういうつり合いになっているのか。ということは、この三年が妥当なのかどうかということ。参考を示してひとつお答えをいただきたいと思います。
○本庄政府委員 この欠格事項のいわゆる三年という期間でございますが、法律はたくさんございまして、これも多種多様でございますが、おおむね三年というのはかなり多いようでございまして、たとえば警察主管の質屋営業者につきましても、これも「禁こ以上の刑に処せられ」云々で、三年ということになっております。それから火薬類の製造業者、販売業者といったものも三年ということになっております。実は、他の法律におきまして、この警備業と非常に似たような法律があれば一番いいのでございますが、残念ながら、これにずばり似たようなものがございません。あえて若干似ておるものと申しますれば、たとえば倉庫業者でございます。これは、倉庫で物を保管するという仕事でございまして、やや警備とは趣を異にするのでございますが、若干似たところがあるだろうと思います。これは「一年以上の懲役又は禁錮の刑に処せられ、」云々、それから「二年」ということになっておりまして、二年ということがかなり多いようでございます。輸送関係、通運業者、自動車運送事業者、湊湾運送事業者といったものは二年。大体、二年あるいは三年というのが多いようでございます。
○小濱委員 刑法をちょっと調べてみたところが、おおむね三年、五年、七年、十年と大別されておるようですね。火薬類取締法であるとか、麻薬取締法、それから毒物、武器、銃砲というようなものを調べますと、たいがい三年になっておるようですね。したがって、こういうところから三年という数字が出てきたのじゃなかろうかと思いますけれども、これをきびしくしろという御意見もあるようであります。そういう点で見解はわかりましたけれども、さらにもう一点伺っておきたいことは、十五条の「六月」という期間ですね。これが適当と思われるかどうか。いまの問題と関連して、ひとつお答えをいただきたいと思います。
○本庄政府委員 行政処分の内容といたしまして、六カ月以内の事業停止をきわめておる立法例はかなりございます。先ほど申しました倉庫業者、それから宅地建物取引業者、建設業者、道路運送業者、風俗営業。まだほかにもございますが、そういったものにつきましては六カ月以内というのが多いようでございまして、もちろん、中には一年というのもございますし、古い立法では、そういった最高の期間の明示のない立法が多いようでございますが、最近は大体期間をきめておるように承知しております。
○小濱委員 最後にもう一点伺っておきたいのですが、この法第十条について、過剰になる疑いがあると言われておるわけですね。それで、第一項の規定をことさらに入れた理由ですが、中村国家公安委員長、十条の第一項をことさらに入れた理由について、何か特に御真意があるのでしょうか。いままでの論議を通しましても、当然これは常識的に行なわれておるという事実がございますし、ここで規制法案をつくるのに、なぜこの一項が特別にここに出てきたのか。これが過剰になる疑いがあるということで問題になっているわけですけれども、これを特に入れた気持ちといいますか、本意があるだろうと思うのですが、これについてお答えをいただきたいと思います。
○中村国務大臣 ガードマンの行なう警備業務の実態に即しまして、何らかの護身用具というようなものを必要とする場合がかなりあるということは、これは想像されるのであります。夜間の警備をやるというような場合等を考えましても、何か一定の護身用具というようなものがあったほうがいいというようなことも、これは常識だと思うのですが、そういう場合に、必要以上のものを持っておるというようなことになれば、これはまた弊害も起こってくることにもなると思いますので、最小限度の一つの護身用具を持つこともやむを得ないのではないかという考え方で、具体的に言いますと、警棒程度のものぐらいはいいのじゃないかというふうなことできめたものであると考えます。
○小濱委員 保安部長に伺いたいのでございますが、護身用具について、いま公安委員長は警棒程度のものと言われましたけれども、この「護身用具」についてはどういう解釈を持っておられるのか。ひとつ、品目別に分けて、具体的にあげていただきたいと思います。
○本庄政府委員 通常、護身用具というのはいろいろあると思います。理屈のつけ方によっては、刃物も護身用具だと言う人もございます。私たちといたしましては、もっぱら防御的なものを考えておるわけでございます。その意味におきまして、先ほど公安委員長が申されましたように、現在のところは、警察官の警棒程度のものということを一応考えております。
○小濱委員 特殊警棒というのもあるでしょう。これは警棒に入りますか。
○本庄政府委員 特殊警棒というのは、おそらく、先生のおっしゃるのは短いものだと思いますが、あれも警棒の中に入っております。
○小濱委員 特殊警棒というのは、私も見たことはありませんけれども、金でできたもので、アンテナのようにぐっと伸びるのだそうですね。あれは金だそうですね。特殊警棒と言っているようですけれども、これも警棒と理解していいのですか。
○本庄政府委員 警察では、一応警棒の範囲に入れております。
○小濱委員 護身用具というのは、警察で使っているものは大だてだとか小だてとか言っていますが、ああいうものは、護身用具に入るのでしょうかね。
○本庄政府委員 警察で、いわゆる警備実施の場合に使っておりますところの、からだ全体を隠すような、いわゆる大だてでございますが、これは、事物の性質としては、本来防御的な性格のものでございますから、護身用具の概念に入るとは思いますが、このガードマンに持たせることをはたして実体的に認めるかどうかということにつきましては、私は、原則として、現時点におきましては必要はないのではないか、さように考えております。
○小濱委員 そういうものを隠し持っておった場合には、これはやはり罪になるわけでしょう。この点はどうですか。
○本庄政府委員 大だてはちょっと隠し持つわけにはまいりませんけれども、小さなものを隠し持っている場合、それは軽犯罪法に触れる場合が多いと思います。
○小濱委員 私どもが想像しますのに、現金輸送という任務を帯びた場合、あるいはまたギャンブルの警備に当たるような場合、あるいはまた深夜に危険な場所で警備に当たる場合、いろいろあるかと思いますが、そのときに大目に見られる警棒という護身用具はどのくらいのものを言うのですか。警察では寸法がきまっておるようですけれども、ガードマンの場合に寸法はどうなんでしょう。
○本庄政府委員 現在警察で用いております警棒は、長さ約六十センチでございます。大体その程度のものを考えております。
○小濱委員 私がガードマンだとした場合、警備に当たる場合に、はたして、示された警棒程度以外のものは何も持たないかというと、やはり、無意識に、警杖というようなものがあれば持って歩きたいというのが人情じゃなかろうかと思いますね。そういう点で、護身用具として警棒程度は認めようということで、こういうふうな口実になっておるわけですけれども、この点がどこまで認められるのか、はっきりとした内容が示されておりませんのでいろいろとお伺いしたわけですが、防除的なものは認めていこうということでございまして、よくわかったわけですけれども、この問題についてはまだいろいろと内容的に問題がございますし、いろいろと伺いたと思っておったのですけれども、だいぶ重複する問題になっておりますので、私の質問はこの程度で終わりますが、これからの審議の過程を通してわが党の態度もまた決定をしていきたい。このように考えておりますので、以上をもって御質問を終わります。 ――――◇―――――
○大野委員長 次に、内閣提出にかかる地方公務員災害補償法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。上村千一郎君。
○上村委員 地方公務員災害補償法の一部改正法案につきまして、要点のみ、若干のお尋ねをいたしておきたいと思います。 この法律の改正の御趣旨は次のようなことだと思います。つまり、地方公務員のうちで警察官とか消防吏員等の方々は、国民の生命、財産等を保護して、公共の安全と秩序を維持するということが任務である。そして、その生命、身体に高度の危険が予想されるにかかわらず、職責上あえてその職務を遂行しなければならないという立場に置かれておる。しかるに、最近、そういうお立場の公務員の方々におきまして、社会情勢の変化に伴いまする集団犯罪の凶悪化というようなことで、特別公務災害におかかりになられるという方が非常にふえてくる。こういうことになりますと、この特別公務災害の補償制度というものについて、どうしても一回見直していかねばならぬということになります。この趣旨につきましては、私、賛成の立場に立っておるわけでございますが、その間におきまして二、三の問題点が感じられますので、その二、三の問題点についてお尋ねをするわけです。 と申しますのは、この対象となる職員の方というのをどの範囲にするか。この法案によりますというと、警察官とか、消防吏員とか、あるいは政令で定めておるところの吏員ということになっておりますが、その政令に定めておるところの対象者、それをひとつお示しを賜わりたいとともに、その対象者の中に、学校の先生方とか、あるいはその他の建設業務などに従事しておる職員の方などが抜けていないかということ。こういう方も、あるいはこれに類似したとことの特別公務災害というようなものにかかるというような状態も考えられやせぬかということもございますので、政令で定めておるところの対象の範囲を示してもらいたいことと、いま私が申しました学校の先生方とか、これに類似するような立場にある建設業に従事する人の立場、そういう方の公務災害というような場合に、もし抜けておるとすれば、どういう意味で抜けておるのか。その点をひとつまずお尋ねをいたしておきたいと思います。
○林(忠)政府委員 政令で定めることを予定しております職員の範囲についてお答えいたします。 警察官、消防吏員はもとよりでありますが、そのほかにも、いま予想されますのは、常勤の消防団員というのが何人かおるわけでございます。これと、それから麻薬取締員、府県の職員として職務を行なう取締員が百何十人おります。この範囲をいま政令で定める範囲として予定しておる次第でございます。
○渡海国務大臣 消防、警察官、これらは、いま言われましたとおり、国民の生命、身体及び財産の保護、公共の安全、秩序の維持という任務を持っておりまして、この任務遂行のためには、身体に対する高度の危険をあえておかさなければならない。このごろの社会情勢によります集団犯罪等の凶悪化あるいは災害の多様性から考えまして、それらの任務の遂行がますます危険性を帯びてきたというところから、これらの職員が安んじて職務の遂行ができますように、この職員にそのような使命を命じますところの地方公共団体が、特別の災害補償の場合の加算措置を行なおうとするものでありまして、今回の措置は、人事院の勧告等によりまして、国家公務員の災害補償法の一部改正が行なわれておりますが、この、今国会に提出されております国家公務員の災害補償法の一部改正という措置ともあわせまして、今回事情を勘案し、提案をさせていただいたような次第でございます。 いまお話しになりましたところの、今回のこの特別公務というものの当てはまる者の政令で示すものは、いま事務当局からお答えさせていただいたとおりでございますが、今回のこの特殊公務というものは、いま申しましたとおり、国民の生命、身体及び財産の保護という任務を本来の任務としておる。また、その任務の遂行にあたって、高度の危険を伴うことが多く、非常な危険があらかじめ予測される。にもかかわらず、職責上あえて行なわなければならない職種及びその職務の内容を限定して行なおうという趣旨でございまして、ただいま、警察、消防は当然でございますが、政令で指名いたしましたのも、申しましたような範囲内の職種及び職務ということになっております。 しかし、御指摘になりましたような、学校職員がおぼれている子弟を身の危険も顧みずに救うような場合、あるいは、災害都市におけるところの土木職員等の身の危険を挺しての行動、これらは、これらの職務を遂行するための高度な使命感というものと何ら変わるところのないものであると考えられますので、今後は、これらの点につきましても、民間における労働者の労災との均衡等をもあわせ考えまして、引き続いて前向きで検討を加えなければならない事項である。かように考えておるような次第でございます。
○上村委員 いま大臣のお話しになられた点でよくわかります。この政令で定める職員としまして、常勤の消防団あるいは麻薬取締員というようなものが予定されておる。それと、先ほど例示申し上げました学校の先生とか、あるいは土木関係の職員の場合等は多少違う点があるだろうと私は思いますが、しかし、広い意味におきましては、ある一定の段階ではこういう方々もこの制度に包摂していっていいんではなかろうかというような感じを私は持っておりましたのでお尋ねをした。ところが、大臣としましては、現在の段階では多少ニュアンスも違うから、現在はこれにしておくけれども、将来は民間の関係をも考慮しながら検討していくと言われる。私はそれでよく了承をいたすわけでございます。 次に、この法律には、政令に委任してある事項が他にもございますので、その政令に委任しております点につきまして、この際お尋ねをしておきたいと思います。 まず第一に、対象者となる職務というものにつきまして、「生命又は身体に対する高度の危険が予測される状況の下において、犯罪の捜査、火災の鎮圧その他の政令で定める職務」というふうになっておりますが、「その他の政令で定める職務」というものにつきましてお尋ねをしておきたいと思います。
○林(忠)政府委員 現在予定しておりますのは、それぞれの職種別に次のようなものを予定しておるわけでございます。 まず、警察官について申し上げますと、法律に書いたものとも重複をいたす部分もございますが、犯罪の捜査、犯人もしくは被疑者の逮捕もしくは護送または犯罪の制止というのが一つでございます。それから同じく警察官について地震、火災、風水害、爆発その他の異常な自然現象の際等における被害の発生の防御または被害の拡大の防止。それから第三番目には、天災時等における人命の救助。大体こういうものを警察官については予定しております。 それから次に、消防吏員及び常勤の消防団員について予定しておりますものは、地震、火災、風水害、爆発その他の異常な自然現象の際等における被害の発生の防御または被害の拡大の防止。それから、天災時等における人命の救助。これは警察と同様でございますが、これを予定しております。 それから、麻薬取締員につきましては、犯罪の捜査または犯人もしくは被疑者の逮捕もしくは護送、こういったものがほぼ予定しておるものでございます。
○上村委員 ちょっとこまかくなりますが、消防の場合に出勤命令がきた。そうすると、消防のほうへ自宅から飛んで行く場合もあるし、一定の職域から現場へ飛んで行く場合もある。その現場へかけつける過程です。ですから、災害が起きている現場というものは当然入るでしょうが、現場へ飛んで行く過程で、時々刻々と緊迫度は迫ってくるわけですけれども、出勤命令が出て、そしてかけつけていく途中のあれですね。そういうときにどういう災害かということになるのでしょうけれども、場合によりましたら、がけから消防車が転覆しまして、そして死亡事故を起こすこともある。過去にその事例があったわけです。それに対しまして、はっきりは当てはまらぬけれども、まだこういう制度ができませんでしたけれども、それに類似した最高度の補償をなさった事例を承知しておりますが、一体、その災害の現場というものはどの範囲まで見るのかということですね。火災なら、煙がどんどん来る範囲を言うのか、火の粉が飛んでくる範囲を言うのか、それとも、その現場か。どんなふうにお考えになっているか。ひとつお尋ねしておきたいと思います。
○山田(滋)政府委員 通常の場合は、現場にかけつけます途中におきましては、高度の危険という点が災害現場における場合に比べて多少落ちるのではないか。まあ認めがたい場合がおそらくあるのではないかと思います。したがって、特別公務災害の対象にならないという場合がおそらく出てまいると思います。しかしながら、最近私どもも、諸先生の御意見もございまして、でき得れば、賞じゅつ金等につきましても、出勤途上を取り上げたいということで、目下大蔵省と折衝いたしておる最中でございまして、この特別公務災害の問題につきましても、場合によりますと相当高度の危険が予想される場合がございます。現に、昨年も、風水害等で現場にかけつけます途中で濁流にのまれましてなくなった例もございまして、これも賞じゅつ金の対象にいたしました。そのような具体的な例もございますので、いま明確にどこまでをこの対象にするかと申し上げられませんけれども、具体的な状況に照らしまして判断をいたして、できる限りそういう点を救えるように今後努力していきたい、かように思っております。
○上村委員 実は、この法改正の一つの大きな目的は、普通の公務災害補償よりも優遇しようという点にあると思います。それで、この補償の額につきましては、現行の額に「百分の五十の範囲内で政令で定める率を乗じて得た額を加算」する、こういう規定になっておりますね。この「政令で定める率」というのをひとつ御説明賜わりたいと思います。
○林(忠)政府委員 「政令で定める率」と申しましても、ほとんどの場合「範囲内で」と書いてあります最高限の百分の五十を予定しております。ただ、障害補償につきましては、一級、二級という少し重いものにつきまして一級が百分の四十、二級が百分の四十五ということを予定しているわけでございます。それで、一級、二級について百分の四十なり百分の四十五にいたしましたその算出の理由は、その一級、二級については三級を基礎にして、それに介護手当という観念で積み上げたものであるということでございますので、それについては今回算出の基礎からはずし、その結果百分の四十ないし四十五という数字が出たわけでございます。それ以外は全部百分の五十、最高限一ぱいということを予定しておる次第でございます。
○上村委員 この法律の改正をするようになりました経過ですね。これは、人事院の要望といいましょうか、御意見その他で、国家公務員の災害補償の関係の法律の改正ということになる。これに準じて地方公務員の本件の改正になったと思います。私、きわめてけっこうなことだ、こう思っておりますが、具体的に、重大な点をひとつ警察のほうにお尋ねをしておきますけれども、過去、警察の公務災害の件数というものは一体どのくらいあったのか。そのうちで特に特別公務災害といわれるものはどのくらい含まれておるかという点をお尋ねいたします。
○浅沼政府委員 昭和四十三年度から四十五年度までの三年間について申し上げますと、警察官の公務災害の総件数は昭和四十三年で一万六千七百五十八名でございます。四十四年度で一万四千九百七十九名、四十五年度で一万二千八十五名。これはそれぞれ大部分が地方の警察官でございますが、一部国の警察官も入っております。それで、そのうち死亡いたしました者、つまり殉職者が三年間で百十六名、それから治療をいたしまして、その後に身体障害を残しておる者、これが五百五十二名でございます。ただいまお尋ねのように、今回の特別公務災害という制度に該当すると思われまするのは、このうち、昭和四十三年度で八十名、四十四年度で五十八名、四十五年度にいたしますると二十九名ということで、公務災害の総件数にいたしますると、〇・二%ないし〇・五%程度というふうに見込まれておるわけでございます。
○上村委員 そうすると、この制度、今回の改正ですね。特別公務災害の補償制度というものの制定によりまして、被害の警察官の補償というのはどういうふうに改革されるか。具体的に御説明願いたい。
○浅沼政府委員 かりに勤続十年の巡査で、奥さんと子供一人という人を例にとりますと、殉職された場合には、遺族の年金が、補償年金が出ますけれども、現在では、四十四万七千二百五十三円。これが、この特別公務災害制度ができますると六十七万八百八十円ということで、先ほどお話しのように五割増しということになります。また、身体障害の六級程度の障害といいまするのは、三分の二くらい労働能力が失われるというような場合でございますけれども、その場合に障害補償年金が現在は三十八万一千円であるわけでございますが、これが五十七万一千八百円、このように改善を見ることになります。勤続二十年の巡査長で、奥さんと子供が二人という場合で申し上げますると、遺族補償年金が現在六十九万八千二百円ほどでありますが、これに対しまして、百四万七千円ということに改善を見ることになるわけであります。これは平均的な例でございまますが、先般の具体的な事例で申し上げますると、先般の浅間山荘の事件で殉職いたしました内田警視長の場合を申し上げますると、現行制度では遺族の補償年金が百十五万四百九十八円でございます。これが今回の制度の改正を見ますると、百七十二万五千七百四十七円で、五十七万五千円ほどのアップということに相なるわけであります。
○上村委員 浅間山荘事件のお話もちょっと出たわけでございますが、ちょっと関連してお尋ねしておきますが、殉職者の遺族に対して警察は一体どのような処遇を行なっておるのか。この点についてお尋ねしておきます。
○浅沼政府委員 殉職いたしました遺族の方に対しましては、何よりも、私どもとしては、たとえば上司がかわるとか、人がかわりまして、それでお世話する点がおろそかになることのないように、長期にわたりまして常時継続的にお世話することができるような、そういうシステムをつくる必要があるということで、各府県におきましては、これらの傷病者と殉職者の遺族に対しましては、処遇事務の取扱いに関する要綱を定めております。そして、ガードシステムを使いまして、いま申し上げましたように、長い間にわたっても常時めんどうが見られるというような仕組みを考えておるところであります。 また、現在財団法人警察育英会というのがございますが、これは、いまの殉職された方々あるいは重度の障害を残した警察職員の子弟に対しまして学資の援助を行なう。ことしの三月三十一日現在で、全国で六百二十九人の人が奨学金を受けておるのでございます。 それからまた、私どもといたしましては、最近殉職というようなケースが非常に多くなっておるということでありまするので、法律的なそういう制度以外にも何とかめんどうを見てあげたいということで、警察協会におきまして、これらの御遺族に対しまして、いま申し上げた育英以外の面で救済しようという援護措置を現在検討いたしております。これは近く制度化発足を見る予定になっておる次第あります。 それからまた、時期がたちますとどうしても遺族の方との間が疎遠になりがちでございますので、警察の組織をあげてお世話をするということで、絶えず訪問をいたしますとか、あるいは命日には伺うとか、あるいはまた、いろいろ伺っていますと、子弟の病気とかあるいは進学、結婚、就職というようなことで非常にいろいろ心配ごとが多いよりでありますので、そういう問題につきましても、そういう係を設けまして、生活相談を常時して差し上げる。こういうようなことで、私どもとしましては経済的な面につきましてはもちろんでございますが、同時に、精神的な面においても、皆でこの人たちをささえてやるというようなあたたかい配慮を一番必要とするという考えのもとに、これからも第一線を指導してまいりたい、このように考えております。
○上村委員 今回のこの法改正によりまして、四十七年度の予算として大体どのくらいこれに見込んでおられるのか。その点をひとつお尋ねしておきます。
○林(忠)政府委員 これは、どのくらいことし公務災害が発生するかの見込みの問題でございますけれども、警察のほうでお調べいただいた数字、あるいは消防のほうからの数字で推定いたしましたところで、所要財源といたしまして、年間地方団体の負担が大体二千万程度というふうな見込みを立てております。
○上村委員 あと一点だけで私の質問は終わりたいと思いますが、これは大臣にお尋ねしておいたほうがいいかと思いますが、職員が公務によって死亡した場合などにおきまして、一定額を付加給付として支給するというようなお考えがあるのかどうか。一時金というような付加給付をする考えがあるのか。大臣でなくても、ほかの方でもけっこうです。 それからもう一つは、実施期日がことしの一月一日ということになっておりますね。これは実は私は非常にいいことだと思っておるのですけれども、通常の法律の状態としましては、むしろ異例なことであると思うのです。なぜこの一月一日からということになったのか。 その二点につきましてお尋ねしておきたいと思います。
○林(忠)政府委員 お尋ねの付加給付は、共済関係のことだと思いますが、この問題は当然考えられるべきことでございます。しかし、これは、これの対象としておる特殊公務災害のみでなく、一般の公務災害についても当然考えなければならぬ問題だと思います。それから、民間の労災その他の関係とも調整すべき必要があると思いますので、さらに関係省庁間でよく相談しまして進めていきたいと思います。われわれのほうは、こういう公務災害を優遇したいという気持ちを常に持っておりますので、それについてはある程度前向きに検討いたしたいと思います。 あるいは、いまの先生の御質問のうちに、共済の給付でなくて、地方団体が見舞い金のような形で一時金をやることはどうかということも含まれておるとすれば、それもけっこうなことだと思いますし、これは現実に発生した事故の状況に応じて、それぞれの地方団体、あるいは場合によれば国から、そういう形での見舞い金は現在もケースによっては相当多額な支給をされておるわけでございまして、これはこれでまた一つの行き方だと思います。制度としてこれをどうするかという問題になりますと、公務災害補償なり共済給付なり、そのほうは先ほど御答弁したとおり検討してまいりたいと存じます。 それから、ことしの一月一日にさかのぼるということにつきましては、こういうものは過去いつまでさかのぼるかという問題がございまして、別に一月一日でなければいけないということもないわけでございますけれども、一つには、人事院のこれの法案の提出のもとになりました意見で、一月一日ということが指示されておりまして、国家公務員についてもそういう形だということで、合わせてとったのでございますので、この国会で成立させていただきますと、年度初めとか、あるいはことしの一月一日とか、どこか切りのいいところをとろうということで、たまたま浅間山荘事件というものがあったということもございまして、国民コンセンサスを取りつける上に一月一日ということも一つの期間かと考える次第でございます。
○大野委員長 次回は、来たる二十五日木曜日、午前十時から理事会、午前十時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時五十二分散会