地方行政委員会 第24号
- 発言数
- 162 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1972/05/12
会議録
○大野委員長 これより会議を開きます。 この際、連合審査会開会申し入れに関する件に ついておはかりをいたします。 ただいま建設委員会において審査中の琵琶湖総会開発特別措置法案について、連合審査会開会の申し入れをいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 なお、開会日特等につきましては、両委員長協議の上決定し、公報をもってお知らせいたします。 ――――◇―――――
○大野委員長 内閣提出にかかる公営企業金融公庫法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。山木弥之町君。
○山本(弥)委員 現行法で地方公共団体に関係のある公法人は、いままでに、住宅供給公社と、昨年の地方道路公社、今回の土地開発公社、この三つだと思いますが、どうでございましょうか。
○鎌田政府委員 法律的に規定がございますのは、以上の三つでございます。
○山本(弥)委員 このうち、住宅供給公社につきましては、沿革的に、住宅金融公庫という、いわば庶民層の持ち家対策あるいは建て売り住宅というものと関連いたしましての金融機関から融資をされる。ただし、その場合に、土地を確保していなければ抽せんにも参加できないということで、土地の確保ということが重要になってまいったわけであります。本来ならば、都市計画上、市町村あるいは場合によって都道府県というところが、都市計画の見地から、快適な環境の住宅団地をつくるということで土地を確保する、しかも、都市計画上、住宅地区としていい環境のところを整備するということでなければならなかったのでありますけれども、当時の財政状態から言いますと、御承知のとおり公営住宅の建設ということに追われたものですから、勢い、各県におきまして、住宅供給公社の前身である財団法人あるいは社団法人をつくりまして、県、市町村が中心になったわけでありますが、土地の確保をはかってきたわけなんですね。この際も、そういう見地から、ある程度まで将来の見通しに立った起債を認めていただければ、公共団体が当然住宅用地の確保ということができたのではないかと私は思うのでありますが、やはり、起債の制限もございましたので、そういう措置をとったわけであります。 それで、一応、資金を供給する面と土地を供給する画とが一体となりまして、公法人としての住宅供給公社に発展をしたわけです。そこで、最近では、住宅供給公社が、いわゆる民間の持ち家対策あるいは分譲建て売り住宅という仕事をする以外に、この公社を利用いたしまして、公営住宅の敷地を、団地造成というかっこうであわせて確保し、それを公社から市が買収をいたしまして公営住宅を建てるという軌道に一応乗っていると思います。 ところが、あとの二つの公法人ですね、これは最近できたのですが、地方道路公社にいたしましても、土地開発公社にいたしましても、いわば、そういうふうに、金融機関といいますか、低利の資金を融資するということが先行していなくて、地方公共団体が必要に迫られて、やはり起債の制限があるために、まず公益法人をつくり、あるいは会社をつくるというかっこうできているわけなんですね。ですから、考え方が民間資金を導入するというたてまえに立って、いわゆる公社のほうが先行し、公法人になったと思うのです。そこで、これが今回公然企業金融公庫に結びつけようという構想になっているわけなんですね。これは門司先生も指摘したのですが、公営企業金融公庫と市町村の公営企業の充実をはかっていくという一つの従来の結びつきがあるわけなんです。そこに民間資金を導入するというたてまえでできた地方道路公社あるいは土地開発公社というものが出てきたわけなんですね。 そこで、公共団体といたしましては、さきの住宅供給公社のほうも選択の余地はあるのです。公共団体がやるか、あるいは公社にやらせるかという土地確保の問題。しかし、沿革的にもともと、民間の持ち家対策だとか、そういうものに関連しての土地確保ということですから、むしろ住宅供給公社にウエートをかけてきたわけなんですね。ところが、今回の場合は、公庫と結びつけることによって、本来地方公共団体が起債さえ十分つけてもらえばやり得ることを近路公社が民間資金を導入するということでつくり、しかも、資金を今度は公庫に結びつけるということになったものですから、私のお聞きしたいのは、すでにこれは質問しておることですけれども、その意味からいきますと、公営企業の公庫資金の充実ということについては、別の方法を講じない限りは、いままでの惰性的な、わずか二億とか幾らというふうな程度のものではなくて、相当思い切って将来の方針を確立いたしましていくべき必要があるのではないかと思います。それと同時に、本来の公営企業の充実ということと関連いたしますと、この二つの公社以外に拡大することは避けるべきではなかろうかという感じを私は持っておるのです。そして、地方道路公社も、土地開発公社も、本来は、行く行くは公共団体に入るわけですから、それが公共団体の長期にわたる計画の中で起債をして、一気に土地問題を解決つける、あるいは道路の建設を急ぐということは、公共団体の財政上に問題があるので、一時こういう公法人の姿をかりるということなんですから、これは、私は公共団体と結びつくと思うのです。ですから、この種の公法人を今後どうするかということをやはりはっきりしておかなければならぬと私は思うのですが、その点の御意見をお聞かせ願いたいと思います。
○渡海国務大臣 いま御指摘になりましたように、これらの公社というものは、いずれも、時代の変遷に応じまして、やむにやまれずできたものじゃないかと思います。日本は、社会資本の充実というとに対して非常におくれておる。このおくれておるものを取り返すためには、現在の限られた財政のワクの中では解決することができない。むしろ、日本経済の活動の中において、公的資源のほうへ、いままでのような経済そのものへ回す資源を多分に振り向けていただく。そのためには、民間の資金の活用が必要である。しかし、民間資金の活用ということになりますれば、地方公共団体そのものではおのずから限度があるというところから、自然発生的に生まれてきたのがこういったものではないかと、かように考えるのでございます。その意味から言いまして、公営企業金融公庫は、従来の地方自治体が行ないます公営企業そのものに対する金融の道として開かれた公庫でございますので、その部面として当然伸ばさなければいけないのでございますが、いま山本委員御指摘のとおり、地方道路公社にいたしましても、土地開発公社にいたしましても、何と申しますか、刻々起こってくることに対して敏速に処理し得るという、活動の迅速化ということのねらいと同時に、民間資金の導入という点に生まれた理由があると思います。したがって、こういうふうな法人をつくったときには、それに相応したところの民間資金の活用のための、中央におけるところの公庫といったものが、そのために持っておる住宅供給公社のごとく、金融措置が伴わなければならなかったのは当然のことであろうと思います。そのために、私たちも、土地開発金融公庫というふうな構想を一応打ち立てたのでございますが、現在の公社、公団の乱発を防ぐという方針もございまして、これをなし得なかった。その代用と申しては変でございますが、幸いにいたしまして、地方自治団体に対しましては、公営企業金融公庫というものがございますので、これを広義に解釈すれば、公営企業の一端として把握することもできるというので、土地開発公社にいたしましても、土地開発業苦が行ないます全部のものではございませんが、宅地造成事業その他の業務に限りまして、今回公営企業金融公庫の道を開いたという姿でございます。しかし、根本的には、いま申しましたように、新しく出てくるこれらのものの一つの目的が民間資金の導入ということにある限りにおきましては、これの増強と資金面に対する増強ということに対しては、今後とも努力せなければならない問題である。その努力の方向を、新しい、そういった公庫を開くことに求めるか、あるいは、現在ありますところの公営企業金融公庫にさらにそういった任務を付加することによってこれを解決していくか、今後の研究課題として研究しなければならない。しかしながら、資金供給面を相当拡充していかなければならないということは、いずれにいたしましても、今後に残された急務ではないかと、かように考えております。
○山本(弥)委員 そういたしますと、地方道路公社にいたしましても、土地開発公社にいたしましても、公庫の資金を融資する際のワク、これは民間資金を導入する関連において、一定のワクで操作されることになりましょうかね。これは財政局長からの御答弁をいただきたいと思います。
○鎌田政府委員 結果的にはそうならざるを得ないと思います。昨日来申し上げておりますように、この公庫融資は、あくまでも一般の金融機関の融資を補完するという考え方でございますので、もちろん、私ども、ある程度ワクの拡大に努力をいたしますけれども、おのずから、毎年度、毎年度におきましては、そのワクによって制約されざるを得ないだろうと思います。
○山本(弥)委員 そういう意味で、私どももしいて反対する必要はないと思いますけれども、しかし、方向といたしましては、住宅供給公社と住宅金融公庫との関連というふうに、今後の趨勢によりまして、公有地の確保の拡大ということに関連いたしまして、これに関連する金融公庫の設置ということも引き続き努力を願うと同時に、公営企業金融公庫を形の上で活用するということであれば、公営企業公庫の本来の融資機関としての使命、そのウエートが開発公庫にかかりますと、一方のほうの問題が、分野がだんだん押されてくるということのないように方針をはっきりいたしまして、両方の充実をはかるという体制を、自治省としては常に堅持をしていただかなければならぬと思います。 そこでお聞きしたいのは、公庫が、地方近路公社にいたしましても、土地開発公社にいたしましても、融資をする場合は、この公社との直接関係になると思うのでありますが、いわゆる起債の承認というような問題は起こらないのではないか。かように考えますが、これはどういうお取り扱いになりますか。
○鎌田政府委員 仰せのように、これは、公社に対しまする直貸しになりまするので、起債の許可という手続は必要ないわけであります。私どもといたしましては、公庫におきまして、やはり、事業の優先度なり、あるいは金融の困難性なり、あるいは採算性なり、こういうものを、そういう意味におきましてはいわゆる金融機関ベースでの査定ということに相なろうかと思いますが、そういうものに基づいて審査をして貸し出しをされるということになろうかと思います。
○山本(弥)委員 そういたしますと、本来、地方公共団体が公営企業を実施をしてまいります際、あるいは土地の先行投資をする場合等は、これはいまだにこまかい起債の許可が必要なんですね。そうすると、公共団体の場合は起債の許可を必要とし、公共団体と一体となって、その政策に応じてこれらの公社が融資を受けるというときは起債の許可が必要にならぬということは、公共団体に対する不信行為ではないかと私は思うのですが、むしろ、逐次起債の許可というものははずしていくべきではなかろうか。もっとも、資金計画その他の関係はあると思うのですが、それは、年度当初、あるいは地方財政計画等において、あらかじめ、どのくらい公共団体はお金を必要とするのだということとにらみ合わせることによって――この起債、これは一々いろいろ繁雑な書類を自治、大臣両省に地元の出先機関を通じて出すと思うのですが、しかも、それがきまりますのが――今回は早くおきめになるだろうと思うのです。今回は、地方債を起こすことを慫慂すような方針でありますので、今回は早くおきめにへると思うのでありますが、多少景気が上昇過熱の状態になりますと、起伏は抑制されるということになろうかと思う。そのときは一々厳重な査定をするということにまた逆戻りすると思うのであります。いままで私どもが主張してまいりましたこういう体制下においては、公共団体の分身である公営企業は自由に起伏が認められる、公共団体は一々起債の許可がなければいかぬ、しかも起伏の許可の決定は、時期が年度末に押し迫って、そのための一時融資を求めなければいかぬという体制は、非常に公共団体の自主性を阻害しておるんではないか。地方債の許可については、全然野放しにするわけにはいかぬと思いますが、政府資金の配分の関係もあろうかと思いますが、もうぼつぼつ、ある程度その起債の手続は簡略にし、あるいは廃止の方向に向こうべきではないか。かように考えますが、いかがでございますか。
○鎌田政府委員 有料道路の起債につきましては、御案内のとおり、四十七年度の地方債計画におきまして二百三億というものを計上いたしておるわけでございまして、そのほかに、いまの公社に対する直貸しというものがございます。 そこで、この地方団体の有料道路事業に対しまする起債の運用方針でございますが、これにつきましても、御案内のとおり、地方団体の場合でございますれば議会の議決を経まして、建設大臣の認可を受ける。こういうことになっておるものでございますので、それにつきましては、一応、起債も、それに対応いたしまして、いま先生が御指摘になりましたような、根掘り業掘りこまかいことを言ったりしたりするようなことなしに、これは起債を迅速にいたしておるというところでござ それから、この道路公社の場合におきましても、やはり、何でも自由に公庫から融資を受けられるというわけではございませんで、御案内の建設省所管の有料道路無利子貸し付けの制度がございますが、その対象になっておるものにつきまして補完的に融資をするということでございますので、形といたしましては、一方は起債の許可があり、一方は直貸しだ。この点につきましては、確かに御指摘のような点があろうかと存じますけれども、現在の事務的な面におきましては、そういうことのないように私ども運用をいたしておるところでございます。今後またそういうふうに努力してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○山本(弥)委員 ちょっと、努力してまいるということの趣旨を聞き漏らしたのですが、起債の許可については簡略にし、あるいは許可制度を廃止する方向に努力をするという意味ですか。
○鎌田政府委員 地方債の許可制度の問題まではいま私申し上げておるわけではないのでございまして、これにつきましては、再三この席におきましても御論議がございましたように、私ども、いまの段階といたしましては、資金の合理的な配分、地方団体に対しまする公平な配分という面から見まして、ここ当分はなお許可の制度を残さざるを得ないのではないだろうかと思っております。ただ、その許可につきましては、いたずらに煩瑣注文をつけまして遷延するということは、私どももいま毛頭やっておるつもりはないわけでございますし、許可の手続をできるだけ迅速かつ簡易にしてまいりたいという考え方でございます。 特に、有料近路の場合には、ただいま申し上げましたようなことがございまして、建設大臣の認可を受けられたものにつきましては、いわば無条件の形で起債の承認をして、公庫融資なりあるいは縁故資金なりというもので調達をしておられる。こういうことでございますので、この点につきましては、近路公社が直接公庫から融資を受けられる場合と事務的その他におきまして差がないというふうに考えておるわけでございますが、今後ともなお、その点につきましては気をつけまして運用してまいりたいということを申し上げたわけでございます。
○山本(弥)委員 地方公共団体の予算は、市町村の場合は県に報告し、それが自治省に参ると思うのであります。そういった予算ができますと同時に、報告制度もありますので、その段階で、著しく不当な起債を計上しておるという場合にはチェックができると思うのです。そういうことから考えますと、やはり、今後、ある程度まで自主的に地方公共団体が予算の執行が行なえる。ただ、政府資金の配分については、ある程度まで配分を配慮しなければならないと思う。それは、配分の方法をきめてやれば、それなりに公共団体も責任を持って予算の執行に当たるということで、起債の許可につきましては、あまりこまかく自治省で干渉しないように――国の国債発行は包括的なものですね。一々こまかい事業についての償還財源なんかは考えていないわけですね。公営企業の場合は、ある程度まで公営企業の経常の実態というものを把握しておかないと、どのぐらい――独立採算については、今日、それを守ることのできない外部要因によって乱れてきておると思いますけれども、それにしても、ある程度まで公営企業としては将来の見通しを立て、一般会計からどのくらい繰り入れをしなければならないかということは配慮しなければならないと思うのであります。地方公共団体の予算全体から言えば、その占める起債の率等が将来の財政に危殆を与えないということであれば、個々の起債、どの条についての起債とかなんとかいうこまかい指導あるいは許可ということは、今後やはり廃止の方向で御検討願いたい。これは私は強く要望申し上げておきます。 それから、公法人の問題につきましては、今後やはりこれを拡大しないという一応のめどをお立てになっておりますか。
○鎌田政府委員 これは将来のことでございますので、断定的なことを申し上げることはいかがと思いますが、今回の土地開発公社のように、こういう形で公法人を法律上つくるということは、当分のところはないのではないだろうかというふうに私は存じております。
○山本(弥)委員 終わります。
○大野委員長 林百郎君。
○林(百)委員 本法案自体はしごく簡単でございますので、この際、公営企業自体の問題について、ことに、そのあり方について自治省の考えをただしたいと思うのですが、公営企業のうち、何としてもいま一番重要な問題になっておものは公営交通事業だと思います。六都市の公営交通事業は経費が非常に悪化して、昭和四十年度末までに、六大都市合わせて四百二十五億円の不良赤字が累積されて、そのため、四十一年に、政府は、ことに自治省は、四百二十五億円の財政再建債を発行して、四十八年度中にこの赤字を全部解消して財政を立て直すという財政計画を立てた事実があるかどうか。 さらに、その内容を若干補足しますと、もうわかっているならそれでけっこうですが、この財政再建計画の内容は、国から、わずか、再建債の利子補給、利率年八分のうち三分五厘をこえるものについて利子補給を行なう。それで、六大都市の、この利子補給として国が補助する額は六十九億ということ。それに引きかえて、合理化の案として、第一に路面電車事業の廃止、二がバス路線の再編成、三がバス車両のワンマン化等を骨子とする労働者の労働強化と、それから住民への犠牲が相当加わってくるような内容のものであったわけですが、この事実はありましたですか。どうですか。
○鎌田政府委員 御案内のとおり、昭和四十一年に地方公営企業法の一部改正を行ないまして、この法律の中におきまして、財政再建の規定を設けました。昭和四十一年三月末日規正の不良債務額につきまして、ただいまお述べになりました六大都市につきましては、四百二十五億円の再建債を発行いたしました。四十八年度までのおおむね七カ年計画、横浜は五十四年度まででございますが、それによりまして財政再建を行なう。その内容、骨子といたしましては、経営の維持が困難となった路面電車事業の廃止、バス路線の再編成あるいはバス車両のワンマン化というものを行なうことにいたしますと同時に、再建債の利子補給、それから一般会計からの援助、軌道敷、車両等の財産売却収入といったものによりまして、ただいま申しましたような再建企業の再建を助ける。こういう一連の措置が、国並びに当該公営企業を経営いたしております地方団体を通じてとられたところでございます。
○林(百)委員 昭和四十一年に立てられたこの財政再建計画は、元金の三分五厘以上のものについて、利子補給を一般会計で補てんさせるということだけでありますので、ことに、地方自治体としては、財政的に非常に大きな圧迫があったことは否定できない事実だと思うのですね。政府が見るのは利子補給だけですから。 そこで、各公営交通企業は、政府の指示に基づいて合理化をやったり、軌道の敷地などの財産を売却する等によって赤字を解消することにつとめたわけなんですけれども、その結果はどうなっているのか。これがはたして成功して四十七年度末までに赤字が解消されるという見る通しがあるのか。あるいは、かえって累積赤字が増加している状態にあるのか。その結果を報告してもらいたいと思います。
○鎌田政府委員 当初の四百二十五億につきましては、四十八年度までに不良債務の解消ができます。ただ、問題は、その過程におきまして新たに赤字が発生をする。それに伴います不良債務額というものが、四十六年度末におきまして五百八十四億、再建当初よりも増大するに至っております。まことに遺憾なことでございます。
○林(百)委員 私のほうの調査によりますと、県枝赤字がその後千四百八十五億、不良再務が五百八十四億にのぼっている。だから、その四十年度の六大都市の四百二十五億の赤字が、かりにあなたの言うように解消されたとしても、新しい累積赤字と不良債務が発生しているわけなんで、したがって、こういう第一次の再建計画、こういう方法では、公営交通事業の赤字を解消することはできないのではないか。もっと全面的に国が乗り出してきてこれを見るよりほかに、公営交道事業の赤字の解消の道はないのではないか。こういうように思うわけですけれども、これは自治大臣はどう思いますか。
○渡海国務大臣 第一回に立てられました再建計画は、主として財政面からながめての再建の方法であり、それなりに、不良債務の解消に各自治体も努力していただき、四十八年度までに、ありました不良債務を解消し得るということは、それなりの効果があったと思うのであります。ただ、その後起きました赤字というものの内容を検討してみましたならば、企業環境の悪化、あるいは人件費の思わざるたび重なる高騰といったような面もございまして、再建計画を行なっておったが、その後の社会経済の変化によりまして、いま御指摘になりましたような赤字がまた生まれたというのが今日の現状でなかろうかと思います。この点に関しましては、抜本的なものではございませんが、地下鉄等に対しましての国なり地方公共団体なりの資金の繰り入れという姿によって、一部これらの赤字を解消するための努力を行なってまいったのでございますが、まだこれだけでは十分でないという姿があることは事実でございます。したがいまして、現在累積してまいりましたその後の赤字を解消するためには、前に行ないました赤字解消の方途のごとく、自治省からながめた財政面だけの問題でなく、都市交通における抜本的対策と一貫となって、根本的にこの赤字解消を行なわなければ、また同じ姿になるのじゃないかと、かように考えます。四十八年が一応前の再建を完了する年度でもございますので、大蔵並びに運輸出局とお話をいたしまして、予算編成のときに、私、両大臣に申し入れましたが、四十八年度に対しましては、それら自治省だけの財政問題としてでなくて、都市交通のあり方そのものにメスを入れての再建計画を打ち立てることが焦眉の急である。かように考えておる次第でございまして、四十八年度に、再建計画をそのような観点から立てることによりまして、今後健全なる通常ができますように、ぜひとも四十八年度において抜本的対策を打ち立てたいと考えておるような次第でございます。そのために、当委員会に対しましても、私からも、そういう意味の御検討を賜わり、私たちに対する建設的な援助、助言を賜わりたいとお願いいたしておるような次第でございます。
○林(百)委員 地方の公営交通企業に勤務している労働者の労働条件というのは、はなはだ気の毒な状態にあります。一例を申しますと、四十五年度以来給与が据え置きになっておるという状態なんで、この給与改定をするということで、横浜、名古屋、京都、神戸で、バスの料金を、七月から十二月までは、三十円を四十円にし、来年一月以降はさらに五十円に引き上げるということも考えておるようですし、東京、大阪でも料金の値上げをやろうとしているわけであります。労働者のベースアップを、住民の犠牲で、料金の値上げという形で何とか解決しようとしているわけですけれども、しかし、こういう案でいきましても、料金の値上げで四十七年度以降の労働者のベースアップ分は出てこないのではないか。いま横浜、名古屋、京都、神戸で考えておる料金の値上げ、東京、大阪がこれを参考にして料金を上げようとする考え、これでは、ことしの春闘の結果人事院が一〇%以上のアップを勧告してきたら、その給与分は出ないんじゃないか。こういうように思われるのですけれども、この点はどうでしょうか。これは事務当局でもけっこうです。
○鎌田政府委員 この再建期間におきまして新たに不良債務が発生してまいっておるわけでございまして、その中で給与改定を行なうということは非常に困難がございます。料金改定というものがある程度タイムリーに行なわれておったならばという感じが実はしないでもないわけでございまして、四十年から四十六年までの間に、国鉄の場合でございますと三回料金改定をやっております。六大都市バス事業の場合でございますと、その間にいろいろな事情があったわけでございましょうが、一回しか行なっておられない。こういうことでございまして、私どもといたしましては、いろいろ検討をいたしました結果、ことし四月から、料金改定でもって五十円と、東京都以下各六大都市が踏み切られれば、何とか経営全体としてまかないがつくのではないだろうか、四十六年度の給与改定をやりまして、四十七年度の給与改定の財源も、年によっては――これは年によってかなり差がございますので、四十七年度分もできるのではないだろうかという感じを、年によってはあるのではないかという見通しを持っておったわけでございますが、諸般の情勢で料金改定がずれ込みました。あるいはまたその上げ幅というものも、七月から暫定四十円、あるいは東京都は十月から恒久的に四十円という形になって現在申請が出てきております。あるいはまた、大阪市でございますと、まだ申請が出てきておらない。こういう状況でございますので、料金改定をやられましたところにおきましては、四十六賃まではできる。しかし、四十七年度、今年度の給与改定の財源の捻出ということになりますと、これはかなりまた経営内部の合理化というものを行なわれないと困難ではないだろうかという見通しを持っております。
○林(百)委員 大臣、先ほど、昭和四十八年度からは新しい計画を公営交通企業については根本的に考え直さなければならないじゃないかと言われたが、その内容は、どういう内容なんでしょうか。 それから、鎌田さん。いま言った四十六賃までは、このとりあえずの値上げでまかなえるが、四十七年度はちょっと困難だ、別途の方法を考えなければならないというのは、別途の方法を考えるということはどういうことになるんでしょうか。それへ上積みしてアップするということなんでしょうか。 その二つを、大臣と局長にお聞きしたいのです。
○鎌田政府委員 私は、料金改定というのはやるべきときには思い切ってやるということが、公営企業の担当者として踏み切っていただかなければならないところではないだろうかという感じが実はいたすわけでございます。しかし、それは、それぞれの自治体の御判断の問題でございますので、そういうもとにおいて料金改定が行なわれる。その結果、四十七賃というものを行なう財源の余地というものは、おのずから企業内部の努力の中で生み出されるほかにないであろうということを申し上げたわけでございます。 それから四十八年度以降の抜本的な対策ということにつきましては、これは先ほど大臣からも御答弁申し上げましたように、ことしの予算編成の際におきまして、大蔵、運輸、自治三大臣の間で、四十八年度を目途に抜本対策を立てるという基本的な方針については、合意と申しますか、申し合わせができておるわけでございますが、その具体的な内容と、いうことにつきましては、これから私ども急に詰めを行なってまいらなければならないということでございまして、その内容として、これをこういたします、これをこういたしますということを、ただいまこの段階ではまだ申し上げる状態には至っておらないわけでございます。
○渡海国務大臣 実は、いままでの経過から申し上げますと、ことしのたしか一月十日であったと思いますが、予算編成の過税におきまして、自治折関係の予算について、大蔵大臣と自治大臣との折価をする段階がございました。その中に、このような問題は含まれないことでございました。事は焦眉の急でございましたのでこの問題を特に大蔵省に申し入れまして、運輸大臣も入っていただいて、三者で、この予算編成時期をつかまえて申し入れをさせていただきたいということを行ないまして、私のほうから、抜本的な改正を、四十八年度において、交通事業について行いたいということの申し入れを行い、大蔵大臣ならびに運輸大臣の同意を得たいといういきさつになっております。このことに対しましては、先般、当委員会へ大蔵大臣が主席されました際、委員の各位からの質問に対して、大蔵大臣も、国庫財政の立場にあられる大蔵大臣としても取り組むからということを言明していただいたような状態でございます。この問題は、単に運輸、大蔵だけの問題でなくて、あるいは建設、あるいは国家公安委員長等も、あるいは経済企画庁等も関係するところが多いと思いますが、とりあえず一番関係の深い運輸大臣、大蔵大臣に同意を得て、政府部内において、総合対策の形においてぜひとも取り組まなければならない。このように考えておるような次第でございまして、いま申しましたように、具体的な内容はきめておりませんけれども、取り上げられる問題といたしましては、企業経営の改善、合理化。これは経営主体のあり方まで含めて考えなければならない問題の一つでなかろうかと考えております。それと同時に、企業環境の抜本的改善ということが必要でなかろうかと思います。現在の大都市の状態をながめましたなれば、人口のドーナツ化の現象が起こっております。また、あらゆる車が都心に入ってくることによりまして、路面に渋滞を来たしております。また、私営のバス、あるいは国鉄、あるいは地下鉄その他が、はたして系統ある分野で運営されておるかどうかということになりましたら、重複の部面もあり、また抜けておるような部面もある。これらの交通関係を一貫的的として考えなければならないような問題があるのでなかろうかと思います。 また、現在のバス経営で一版困難になっておりますのは、何と申しましても、路面の渋滞によるところの走行距離の縮小によりまして起きておる赤字が多いのでございますから、これから専用レーン等の改善もはかっていかなければならないじゃなかろうかと、かように考えておる次第でございます。バス経営にいたしましても、この意味からいたしまして、あるいは地下鉄との関係、あるいは他の私鉄等の関係から考えて、運行路線の再編成、あるいはワンマンバスの強化というふうな点で努力をしていただかなければならないのではなかろうかと思っております。 なお、自治体が持っておりますところの、今後非常重要視されてくるであろう地下鉄あるいはモノレール等に対して、現在の国庫補助の制度でだいじょうぶであろうか、あるいは、地方自治体がもう少しこれらに対する資金面で強化せなければならないのではなかろうかといったような問題もあるのではなかろうかと、かように考えております。それと同時に、公営交通でございますから、採算を度外視してのいわゆる行政路線というものも考えられますが、これらについての一般会計との間の負担区分というものも非常に慎重に検討せなければならない問題でなかろうかと考えます。また、路面電車の撤去に伴なって起きておりますところの過去の累積赤字、これが現在の交通に加えておる加重ということを考えましたなれば、路面電車によるところの赤字を現在のものに加重しないような方法で何らかの解決の方法はなかろうかというふうな、多方面の検討が必要でなかろうかと、かように考えます。したがいまして、各方面の関係機関と連絡をいたしまして、慎 重にこの問題について検討を加え、四十八年度におきましては、そういった根本問題に触れての再建策を立てることによりまして、公営交通の健全運営というものを期してまいりたい。このように考え、目下努力を進めておるのが私たちの姿でございまして、その意味におきまして、当委員会におきましても、これらの問題で小委員会等をつくっていただきまして、積極的な御示唆を賜われば幸いである。このように考えておる次第でございます。
○林(百)委員 大臣言うことはわからないこともないのですが、鎌田さんの、言うことでちょっと気になるのですけれども、料金を上げるときには思い切って上げろということはどうゆう意味でおっしゃっておるのか。非常に簡潔なことばで言い切っておるから、あなた真意が伝えられておらないかもしれませんが、第一時再建計画が失敗した大きな理由は、――企業の合理化という点については相当努力をしたわけですね。たとえば、路面電車を廃止するとか、バス路線を再編成するとか、車両のワンマン化をするとかというようなことも別にありましたけれども、やはり基本は、国の財政援助が三分五厘以上の利子の補給で、これがわずか六十九億ですか。大臣にも先ほど言われましたけれども、公共性を打っている行政路線についてはあとでちょっとお尋ねしたいと思いますけれども、そういう公共性を持っておるこの地方公営企業の交通事業に対して、国のもっと積極的な財政援助をすという姿勢を自治省自体がもっと強固に持って大蔵省に当たるなり、あるいは経済企画庁なりに当たるなりしなければ、料金を上げるということでは問題の本質が解決できないということは、第一次再建計画でこれはもうはっきりしておるのじゃないでしょうか。その点どうお考えになりますか。どうも、鎌田財政局長がそんな姿勢では、これは大蔵省あたりにやられたり、経済企画庁あたりにやられてしまう心配があるのですけれども……。
○渡海国務大臣 局長から、まあ、ことばが足らなかったために、そのような……。私、就任いたしましてから、この問題で相当各地方自治体と取り組んでまいりましたのでございます。もちろん、いま申しましたように、根本的な環境の変化ということで、料金改正だけをしても赤字というものは解消できないということもわかっております。しかしながら、鎌田局長がいま申しましたように、上げるべきときには上げていただきたいと申しますのは、それらを抜きにいたしまして、料金を上げなければならないものに対しての努力というものの――まあ、何と申しますか、これがだめなんだから、どうせ赤字が出るんだから料金は上げることに対してはためらうんだといりふうに、積極的な努力というものに欠けておられたような節があること事実でございます。もちろん、私たちもやることはやりますが、やはり努力もしていただくことによりまして、私たちも強く打ち出したい。御共鳴を得まして、今回各五大市ごとに、私たちも、四十八年度でこれだけの姿勢を示す、その上に立ってわれわれもやるものはやろうじゃないかという意見で一致していただいたのが、昨年末から本年の初めにかけての、大都市の交通をかかえておられる皆さま方と私たちとの、少なくとも話し合いの過程で生まれたものでなかろうかと思うのでございます。そのような経過の過程から、いま自治省があのような答弁をいたしました。いま自治省は、やるべきことをやって、初めてやるべきじゃないかということ、これは、卵が先か鶏か先かということはわかりませんけれども、この点につきましては、私たちの意図するところも御了解を願いまして、積極的にわれわれも住民に対してお願いをしようということで、値上げ申請をしていただいたのが今日姿でなかろうか。これが今度の四十八年の抜本改正に至るまでの経緯でございますので、その意味の経過を、鎌田局長から、ただ料金の値上げという点についてしぼって言うたためにことばが足らなかったのでございますけれども、そのような意味でひとつ御理解を賜わりたいと存じます。
○林(百)委員 大臣が鎌田局長をかばう気持ちもわからないこともないのですけれども、しかし、地方自治体の持っている交通機関、都営バスだとか、あるいは都営電車だとか、あるいは市バスだとか、そうゆうようなものに地域住民が非常に親しみを持っているのは、非常に低廉な運賃で旅客を運搬してくれるというところに、他の営利企業の行なっている交通事業とは別な、また、市民的な親しみを持っているわけなんですから、その市民の期待にこたえるような努力を、各自治体、ことに自治省は責任を持って行っていかなければならないと思うわけなんです。そうゆう意味で、私も、その点を考えて、国の財政的な援助をもっと積極的にさせるような努力を自治省はさらに、そうすべきではないかということを言っているわけなんです。たとえば、工業用水については、これは公営企業ではないのですが、国から建設費並び三十五%の維持費が出されているわけです。とところが、路面交通についての補助制度というものを聞いたことはないのです。路面交通には補助制度が適用できないようになっているのですか。できるけれども、できないというのですか。大臣でも局長もいいですが、お答え願いたいと思います。
○鎌田政府委員 公営企業につきましては、基本的に私どもが考えておりますことは、一般のいわゆる行政サービスと違いまして、公営企業の場合でございますと、サービスが特定をし、その受益といようなものが結局特定個人に特定をされる。こういうようなことがございまして、したがいまして、基本的には、当該企業からあがる収入をもって当該企業の運営に要する経費をまかなう。これが基本だろうと思うわけでございます。ただ、その中におきまして、たとえば、当然行政の面で受け待つべきものがある。公営企業の場合でございますと、その自治体の政策によりまして、生活保護世帯なり、あるいは身体障害者の方なり、こういった方々に料金をまけておる。こういうものにつきましては、当然市の社会政策の一環として行なわれるわけでございますから、そういうものは一般会計でもってまかなう。これをいわゆる一般会計と企業会計との負担区分と申しておるわけでございますが、そういうものにつきましては、当然一般合一からの繰り入れによってまかなうということでございます。ただ、全面的に経営の赤字をやりくりするために、一般会計なり、あるいは他会計から補助を出すということは、たてまえとしておかしいという気持ちを私ども持っておるわけでございます。また、それが補助金が出ておらない理由であろうというふうに考える次第でございます。
○林(百)委員 ところが、たとえば都内へ乗り入れている路面バスで、西部と関東とそれから都と三つあるわけですけれども、このうち民間が 採算がとれないということで路線を放棄してしまって、それを都が肩がわりしているところがあるわけですね。これは、都民の足の問題として、民間企業が採算が合わないからといって廃止されたのでは、勤労都民のためにはなはだ不都合が生ずるということで、それで都が肩がわりしているところがあるのです。こういう面を見ますと、民間は採算一本で貫いているわけなんですけれども、しかし、都のほうとしては、そこへ公営企業的な性格を貫いて、民間企業が採算がとれないところでも都が肩がわりしているという事実があるわけなんです。いまも、大臣は、行政路線については補助を考えているとも言っているわけなんですけれども、どうも鎌田局長のほうがかたくなで、何か、大蔵省の言うことをかわって言っているように聞こえるんですけれども、それはどういうわけなんでしょうか。
○鎌田政府委員 決して私はそういうつもりで申し上げておるわけではございませんが、ただ、企業会計の本質というものは、あくまでも企業自身の自まかないでやるということが基本である。それに対して、一般会計と企業会計との負担区分の原則というものを立てまして、それに基づいて、一般会計が持つべきものにつきましてはそれぞれ行政援助の道がある。こういうことを申し上げておるわけでございます。 ただいま、私鉄の経常路線を放棄して、それを公営に肩がわりをしたという事例をお話しになられたわけでございますが、寡聞にして、私、実は、それを知らなかったわけでございますけれども、おっしゃいますことは、先ほど大臣から申しました行政路線と申しますか、生活路線と申しますか、能率的な経営を行ないまして、なおかつ交通需要というものが少ない。しかしながら、やらなければならない。いわゆる過疎バス的なものにその典型を見るわけでございますが、そういうものに対する取り扱いをどうするか。これは今後の一つの大きな検討課題であろう。その点まで否定しようということは、私は、毛頭申し上げておらないわけでございます。
○林(百)委員 大臣、あなたの言われた行政路線というのと、一般路線との区別というのは、どういう基準で考えているんですか。
○渡海国務大臣 これは、今後検討していただく課題であろうと思いますが、私は、これは非常にむずかしい問題でなかろうかと考えております。その基準をどこに求めるかということについては慎重なる検討が必要とされるのではなかろうかと思いますが、独立採算制を貫く反面において、たとえば、病院経営にいたしましても、その他にしましても、ある程度基準を設けての、一般会計からの繰り入れの許すべき範囲というもののルールを何とか打ち出せるような方向を見出したい。それによって、乱に流れるようなことをしたくないと私は考えておるのでございます。たとえば、先ほど料金の件に触れましたが、一つの都市で、安易にそのことをやることによって、料金を上げないんだと言っておられる。このことは、赤字を承知で料金を上げられない。そのために、他の都市が料金が上げたくても、よその都市が上げないために上げられないといったような事例が起きておったことは事実ございます。そういった弊害が起こらずに、各都市がルールに従って持つべきものは住民にも持っていただくという努力ができるようなルールを何とかきめこまかく設定するような道を開きたいというのが私の考えでございまして、どういうふうにされるのかといま具体的に申されましても、お答えすることはできかねるのでございますが、実情に合わせまして、今後抜本対策を立てる過秘におきまして、専門家、その他の意見等も聞かしていただき、実情を把握した上で、一つのルールをきめ、各自治体がお互いのかってな姿によって、他の自治体の行なうことをしにくくするといったようなことが起こらないように、各自治体がそれぞれのルールのもとに公営企業を実行、運営していくことができるような一つの道を聞きたい。これが私のいまの念願でございます。
○林(百)委員 これは大臣と大蔵省に伺います。大蔵省の方には、さっきからお待たせして恐縮でしたが、実は、どの公営企業を見ましても、非常に赤字が累積しまして、いまのままでいくならば容易ならぬ事態になると思います。その第一のかぎとして考えなければならないのは、独立採算制というものを公共性のある公営企業にどこまでも貫いていくということでは、とうていこの赤字を解消することは不可能だと思うのです。さっき鎌田局長のいわれる料金を一定のときに上げたとしても、そのときは埋まったとしても、次のベースアップの賃金までも保証できないというような事態が発生しますし、また、一般市民から見れば、公共性がありますから、そう一挙に二倍も三倍もの料金を上げるというわけにもいかないわけで、そういうことから考えてみますと、やはりこれは一般会計で見ていくという方向、そして、財政需要額の算定基礎に入れるか、あるいは一般財政から補助を出すか、こういうことをここで思い切って考え直さなければならない時期が来ているのじゃないか。そうでなければ地方公営企業がほとんど成り立たなくなってしまう。こういうように思うわけなんですけれども、これについては、自治省と大蔵省では一体どういう考えをお持ちになっていますか。お聞きをしたいと思うのです。
○渡海国務大臣 自治体ですべてを行なうものでありましたら、また直営で行なわなければならないような事業でございましたら、民間でも行なっておるようなものにつきましては、やはり独立採算制で、受益者負担という姿でやっていただくのが当然でなかろうかと思います。ただ、公営でないます企業でございますから、採算を度外視しての公共性を持つ路線までも営業しなければならない。それらの区分をどうするかということは、いま申しましたように、慎重に検討して、一つのルールをつくらなければならないが、独立採算性そのものは、企業である限りにおいては、やはり基本として持っていく。これがあり方でなかろうかと私は考えておる次第でございまして、単に公営企業であるからというので、安易に一般会計からの繰り入れを考えて、独立採算制の基本を無視するといったようなことは厳に慎まなければならないものである。したがいまして、一方においては、いま言いましたいわゆる行政路線というもののルールを確立するとともに、一方におきましては、独立採算制の基本というものについて、経営の合理化その他によって経営効率をあげていただくことが本来の行き方でなかろうか。このように考えておるような次第でございます。
○加藤(隆)説明員 公営企業の問題につきましては、何回かこの委員会でも議論がされまして、問題の重要性と困難性は、申すまでもなくたいへんなことだろうと思います。ただいま自治大臣からお話がございましたように、原則的な考え方は、特定の利用者が特定の利益を得るというようなサービスでございますので、最近はやりの公共財の経済学というようなものも公営企業のサービスについて論じておりますが、やはり同じような考え方でございまして、だれもが等量の消費ができて、ある人がそのサービスを享受いたしましても、他の人も享受できる、それから外部経済性が非常に大きい、こういうような二つの性格で分類いたしまして、両方のウェートが一〇〇%ずつのもの、これが完全公共財でございまして、これは税金で負担をしてしかるべきものである。その比率が落ちるに従って問題が出てくるわけでございますが、社会経済の発展に伴って、そういう二つの要素の比率が低いものも、国なり公共団体なりが出ていかなければならない事態が出てくることは当然なんでございますけれども、公営企業サービスに関する限り、本質的には特定の利用者が特定の利益を得る。 問題は、外部の条件がそういう独立採算制や何かを貫徹することを妨げる要因が出てきているというところに問題があるのではなかろうかと思うわけです。たとえば、御承知のように、四十一年度の再建計画の際に、路面電車を撤去し、バス路線の再編成をやり、ワンマンカーをやるという、これは正しい措置であったわけですが、それの実現を保障する都市計画なり公共施設の配分計画なりがパラレルに動かなかったがゆえに、バスのスピードは落ちるし、路面の路線を撤去したあとの地下鉄の建設がうまくいかないし、あるいは過疎過密の問題で大都市に人口が予想以外に集中した。こういうような他の条件によってそれが実現できなくなったがゆえに、いろいろな問題が起こってきているのではないか。したがって、本質的な問題は、あくまでも独立採算的にやるべきものであり、料金というかっこうでサービスの対価を吸収して営んでいく事業、あるいは経費であろうと思うのですが、そういうような他の条件から阻害されて問題が出てくるものをどういうふうに考えるか、こういうような問題かと思うわけです。 自治省のほうも、われわれのほうも、予算が成立いたしまして、かねて数年来勉強してきたわけでございますが、さらに一段と、その問題の所在、本質を議論し合っております。方向といたしましては、本質を踏まえながら、どういうような問題を考えるか。目下のところ、そういうことで議論をしつつあるところでございます。
○林(百)委員 国の公共料金、たとえば国鉄運賃、あるいは健康保険料、あるいは電信電話料金、あるいは私鉄のバス、タクシー代金、あるいは最近は米の代金まで上がっている。こういうような国自体の管理している公共料金を上げているときに、また、市民に最も親しまれ、また、料金が安いがゆえに、自分の日常の生活に最も密接な関係を待つと市民が受け取っておる地方自治体の公営交通企業の料金までが、さっき鎌田さんの言われるように、上げるときには思い切って上げたほうがいいというようなことでぐんぐん上がっていったのでは、一方で国の公共料金で縛られ、一方では、地方自治体の公営企業の公共料金で縛られるということになりますと、しかも、それが受益者負担というような名のもとに上げられるということになると、住民はやりきれないと思うのですね。だから、地方自治体の歴史的な経過もあって、いまもって三千円とか四千円、あるいは上げても五千円というような、庶民的な料金で行なっている公営交通企業については、せめて、国も、そういう市民の持っている生活感情あるいは生活条件を見て、十分考えてやる必要があるのじゃなかろうかと私は考えるわけです。 そこで、自治省で、公営交通企業を一般会計でかりに見るとしても、歯止めが必要だというような答弁がこの委員会でなされたのですけれども、これは何か特定の財源を考えているというようにもわれわれ聞いておるのですが、これについて何か考えているのでしょうか。
○鎌田政府委員 特定の財源というものを具体的に考えるところまで至っておりません。先ほどから、大臣から再々申し上げておりますように、企業環境をよくするためにどういう方法があるか。企業の内部において経常を合理化するためにどういう方法があるか。そういうものの一環といたしまして、企業会計と一般会計との負担区分で検討を要するものはどういうものがあるか。そこで、一般会計から出す、あるいは国の会計から出す、こういうものについて、どのようなものについてどのような理屈のもとに出せるか、こういうことをこれから早急にしさいに検討しなければならないわけでございまして、そういう具体的な特定財源云々ということについては、いまのところまだ煮詰まっておらない。こういうことでございます。
○林(百)委員 地下鉄の建設の補助率の引き上げの問題でありますが、これは何か積極的に考えているように私たち聞いているのですが、現状では、言うまでもなく、地下鉄建設費については、国が二十五%、地方自治体が二十五%ということになっておるわけです。ところが、東京都では、地下鉄で四十六年度末で百億の赤字が出ておるということで、わが党としては、国が四分の三、地方が四分の一というふうに、こういう建設費のばく大にかかる交通機関については、費用負担をすべきではないかというように考えているわけですが、しかし、これについては、国の補助を引き上げる方向も検討しているというように聞いておりますけれども、これは大臣、それから大蔵省の加藤さんがお見えになっていますが、積極的に引き上げる方向で検討がされているのでしょうか。どうでしょうか。
○渡海国務大臣 運輸省の所管になりますので、私のほうから答えるわけにいきませんが、いま申しました四十八年度の抜本対策の、一環といたしましては、検討をすべき問題でなかろうかと、このように、考えておる次第でございます。
○加藤(隆)説明員 地下鉄の国からの助成につきましては、御承知のように、二つございまして、一つは運輸省所管でございまして、これはいまお話がありしましたように、前年度の建設費の二割五分というような補助が行なわれております。もう一つは、公営地下鉄の事業の再建債の残高につきまして、利子補給を自治省上でやっております。 お尋ねの件は、前者の運輸省の補助金のことかと思いますが、これにつきましては、当初の出発点におきましてはもっと低い補助になっておったのでございますが、四十四年度以降かなり改善をされておりまして、これを引き上げるというようなことは聞いておりません。
○林(百)委員 そうすると、自治大臣は、積極的な方向で、四十八年度の第二次の地方の公営交通企業の再検討の際には、この点も問題として考える必要があるのだ、と、そういうようなお答えでしたね。
○渡海国務大臣 そのとおりでございます。検討をしていただく事項に考えております。
○林(百)委員 私のほうのこの法案に対する態度を簡単に述べて、それで終わりにしたいと思いますが、従来から、土地開発公社だとか、観光開発公社だとか、学校公社だとか、道路公社というような公社の乱立が行なわれて、結局これが会議のチェックからも離れ、住民の意思からも離れ、民主的でない行政の拡大の方向へ走る傾向があるわけなんですね。そして、こういう機関から汚職が発生したりしておるわけなんです。したがって、こういう公社組織ですね。地方自治体の会議や自治体の行政機関から直接監督を受けない公社をつくるということについては、われわれは批判的なんです。本来は、地方自治体の財源を確保することによって、地方自治体が公正な立場に立って、これらの公社の行なう行動を律すべきものだと思うわけなんですね。ところが、この法案は、地方道路公社に公営企業金融公庫融資を行なおうとするものであることは言うまでもありませんが、これは、建設資金を高利の民間資金に大幅に依存している既設の地方道路公社の現状をある程度緩和することにはなりますけれども――その点では、高利の民間資金に大幅に依拠しておる地方道路公社の貸金源をこの公営企業金融公庫の融資でかえるということは、ある程度は地方自治体の意向に沿うものであるということまで私たちは否定はいたしませんが、しかし、この際強調しなければならないことは、この措置が、従来から地方自治体が強く要求してきた地方道路財源の拡充、特に、道路目的財源の地方への大幅な移譲という基本的な要求にこたえるものでないということなんですね。また、そのこととともに、この措置が、住民負担をしいる地方有料道路を一そう拡充して、そして、それが受益者負担という形で、結局は住民の負担に転嫁する道を開くものである。これは道路整備五カ年計画の中で、総事業量の約四分の一を有料道路でカバーしようとしている国の国民負担の道路政策、道路行政を、地方自治体の段階で推進させる役割りを果たすことになるというように思うわけであります。したがって、われわれは、特別に公営企業金融公庫で融資して有料道路をつくり、受益者負担という形で、結局は、住民の負担に通ずる道を開くための本法案に対しては、賛意を表するわけにいかない。反対の態度をとらざるを得ないわけなんです。 討論の時間が非常にもったいないので、質問の最後に、わずかな時間をさいて意のあるところを申し上げまして、これで私の質問を終わらせていただきます。
○大野委員長 これにて、本案に対する質疑は終了いたしました。 ―――――――――――――
○大野委員長 これより討論を行なりのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに、採決いたします。 内閣提出にかかる公営企業金融公庫法の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○大野委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 ―――――――――――――
○大野委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、上村千一郎君、山本弥之助君、小濱新次君及び門司亮君から、四派共同の附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 この際、本動議を議題とし、提出者から趣旨の説明を求めます。上村千一郎君。
○上村委員 私は、この際、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党の四党を代表し、公営企業金融公庫法の一部を改正する法律案に対しまして、次の附帯決議を付したいと思います。 案文の朗読により、趣旨説明にかえさせていただきます。 公営企業金融公庫法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、地方公営企業の経営の健全化ならびに地方道路公社等に対する資金を確保するため、左の諸点について遺憾なきを期すべきである。 一、公営企業金融公庫に対する政府出資金を大巾に増額すること。 二、公営企業公庫の発行する政府保証債の発行枠を大巾に増額すること。 三、公営企業金融公庫の貸付対象事業を拡大するとともに、利率の引き下げ、償還期限の延長等貸付条件を改善するため、国庫補給金の大巾な増額必要な措置を講ずること。 右決議する。 以上であります。 何とぞ皆様方の御賛同をお願いいたします。
○大野委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 本動議の採決をいたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○大野委員長 起立総員。よって、上村千一郎君外三名提出の動議のごとく附帯決議を付することに決しました。 この際、渡海自治大臣から発言を求められておりますので、これを許します。渡海自治大臣。
○渡海国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、御趣旨を十分に尊重し、今後、その改善に努力をしてまいりたいと存じます。
○大野委員長 おはかりいたします。 ただいま決議いたしました本法律案に対する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ――――――――――――― 〔報告書は附録に掲載〕 ―――――――――――――
○大野委員長 この際、暫時休憩いたします。 午前十一時五十六分休憩 ――――◇――――― 午後一時四十三分開議
○大野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 内閣提出にかかる警備業法案を議題といたしま まず、本案について補足説明を求めます。後藤田警察庁長官
○後藤田政府委員 警備業法案につきまして、補足して御説明いたします。 まず、第1条は、この法律の法律目的について規程したものでありまして、この法律は、警備業について必要な規制を定め、もって警備業務の実施の適正をはかることを目的としております。 警備業務は、他人の需要に応じて人の身体財産の安全を守る業務でありますが、近年、その事業数の増加に伴って、業務実施にあたっての不法事案や、あるいは警察の制服に類似した服装をして世人から非難を受ける事案等がありますので、今後、このような事態の発生を防止するため、必要な規制事項を定め、警備業務の実施の適正を確保しようとするものであります。 次に、第二条は、警備業務、警備業等について所要の定義規定を設け、この法律の規制を受ける営業及び業務等の範囲を明かにしたものであります。 次に、第三条は、警備業者について一定の欠格事由を規定するものでありまして、禁錮以上の刑に処せられ、またはこの法律の規程に反して罰令の刑に処せられ、その執行を終わり、または執行を受けることがなくなってから三年を経過していない者、あるいはそれらの者を役員としている法人については、警備業を営んではならないこととしております。 次に、第四条から第六条までは、警備業者の都道府県公安委員会に対する届け出義務について規定したものでありまして、警備業を営もうとする場合において、その主たる営業所の所在地を管轄する考案委員会に対し、また、すでに届け出をして警備業を営んでいる者が、他の都道府県においても営業しようとする場合においては、その都道府県の公安委員会に対し、それぞれ必要な事項を届け出なければならないものとし、さらに警備業者が警備業を廃止したとき、またはその届け出事項に変更を生じたときは、必要な事項を届け出なければならないこととするものであります。 次に、第七条は、警備員の制限について規定したものでありまして、十八歳未満及び警備業者と同様の欠格事由に当たる者については、警備業務に従事してはならないものとし、また、警備業者はそれらの者を警備業務に従事させてはならないものとするものであります。 次に、第八条から第十二条までは、警備業務実施にあたっての警備業務及び警備員の業務について規定したものであります。 第八条は、警備業務の実施に伴って発生するおそれのある違法または不当な事案を防止するため、警備業務実施の基本原則について規定したものでありまして、警備業者及び警備員は、警備業務を行うにあたっては、特別に権限が与えられているものでないことに留意するとともに、他人の権利及び事由を侵害し、または個人もしくは団体の正当な活動に干渉してはならないこととしております。 第九条は、警備員が警察官等の制服に類似した服装をすることによって、一般市民から誤解や非難を受けることのないようにするため、警備員等の服装は、一定の公務員の制服と、色、型式または標章のいずれかにより、明確に識別することができるものでなければならないこととしております。 第十条は、警備業務の性格にかんがみ、警備員等は、法令によって禁止されているものを除き必要な護身用具を携帯することができることを明らかにするとともに、公共の安全を維持する観点から、公安委員会は、護身用具の携帯について、必要な禁止または制限をすることができることとしております。 第十一条は、警備業者は、警備員に対し、この法律で定められた義務を履行させるために必要な教育を行なわなければならないこととし、また、警備員に対し所要の指導監督を行なわなければならないこととしております。 第十二条は、警備業者は、営業所ごとに警備委員の名簿その他必要な書類を備えつけ、必要な事項を記載しなければならないとするものであります。 次に、第十三条から第十五条までは、公安委員会による監督について必要な事項を規定したものであります。 第十三乗は、公安委員会は、この法律の施行に必要な限度内で警備業者に対し、必要な報告及び資料の提出を求め、または、警察官に、その営業所に立ち入り、関係物件を検査させる等の措置をとることができることとしております。 第十四条は、警備業者またはその警備員が、この法律の規定などに違反した場合または警備業務に関し他の法令に違反した場合において、警備業務の適正な実施が害されるおそれがあると認められるときは、公安委員会は、警備員を警備業務に従事させない等の措置をとるよう指示することができることとしております。 第十五条は、警備業者またはその警備員が、この法律の規定等に違反した場合で、警備業務の適正な実施が著しく害されるおそれがあると認められるとき、または、第十四条の規定に基づく公安委員会の指示に違反した場合は、公安委員会は、六カ月以内の営業停止を命ずることができることとし、また、警備業者の欠格事由に該当する者が警備業を営んでいるときは、公安委員会は、営業の廃止を命ずることができることとしております。 次に、第十六条は、営業の停止を命ずる場合に聴聞を行なうべきこと及びその手続きについて規定しております。 次に、第十七条は、方面公安委員会への権限の委任について規定しております。 次に、第十八条から第二十一条までは、最高額三十万円以下の罰金刑その他所要の刑罰について規定いたしております。 最後に、附則におきましては、施行期日及び必要な経過措置について規定しております。 以上が警備業法案のおもな内容であります。何とぞよろしくご審議をお願いいたします。
○大野委員長 以上で補足説明は終わりました。 ―――――――――――――
○大野委員長 質疑を行います。 質疑の申し出がありますので、これを許します。中村弘海君。
○中村(弘)委員 さきに趣旨説明もございまして、ただいま長官から補足説明がございましたわけでありますが、せっかく国家公安委員長が来ておられますので、大臣に、まず、この警備業法、いわゆるガードマン法をいうものを制定するに至りました基本的な必要性と申しますか、趣旨と申しますか、そういったものを、この社会的背景、その経過といった観点からお伺いしたいと思います。
○中村国務大臣 警備業、いわゆるガードマン営業は、御承知のように、社会の需要に応じまして、近年急速に増加してまいっております。その社会的機能も増大してきておりますが、他人の需要に応じまして、人の身体または財産の安全を守ることを業務内容としておる営業の性質に照らしまして、業者及び警備員については、その適正な業務を実施することがきわめて必要なことであると考えられるのであります。しかるに、最近、営業者の増加に伴いまして、警備員が警察官類似の服装をして市民の非難を受けたり、あるいは守るべき財産を窃取したり、あるいは業務にあたって第三者との間にトラブルを起こす等の事例が一部に生じておるのでございます。したがいまして、この法律は、かかる行き過ぎやあるいは違法の行為を防止して、警備業務の実施が適正に行なわれるよう、警備業者及び警備員の資格、あるいは業務の実施にあたっての基本原則、服装あるいは護身用具とか、警備職員の教育あるいは指導監督業務等につきまして必要な事項を定めようとするものでございます。
○中村(弘)委員 結局、現在の社会機構の急速な進歩、多極化といいますか、多様化といいますか、そういったところから来る社会の必然的な要請の結果として警備業が定着しておるというわけであります。ただいまの御説明によりましてもそうだと思います。そこで、現在これらの警備業を営む企業、型通りではございますが、これが全国で何社あり、そこにガードマン、いわゆる警備員は何人くらいおられますか。警察庁で把握しておられるだけでけっこうでございます。
○本庄政府委員 現在、現在と申しましても、四十六年の十二月末でございますが、総数で約四百五十社、これらの会社で警備業に従事しております警備員。いわゆるガードマンは約三万五千人というふうに把握いたしております。
○中村(弘)委員 第一号の警備会社といわれるものができたのは昭和三十八年でしたかね。
○本庄政府委員 それは、三十七年でございます。
○中村(弘)委員 昭和三十七年におけるガードマンの会社というのは幾らくらいでございましたか。
○本庄政府委員 昭和三十七年、そもそも最初は一社でございます。
○中村(弘)委員 そこで、この法案の内容についてお伺いするわけでありますが、第一条のこの「目的」の中で、「警備業について必要な規制を定め、もつて警備業務の実施の適正を図る」という条文を具体的に説明していただきたいと思うわけであります。
○本庄政府委員 先ほど、長官の補足説明、あるいは大臣の立法の趣旨について説明がございましたが、それらの趣旨を、この一条で、「目的」として明確にしたというものでございまして、先ほどの説明にございましたように、警備業務の実施に関しまして、違法あるいは不当な事案がぽつぽつ発生してきておるという実情にかんがみて、必要な法律の規制を加える、そして警備業務が適正に行なわれるということを確保するというのがこの法律全体の目的であるということを冒頭に鮮明にしたというのが第一条の規定の趣旨でございます。
○中村(弘)委員 結局、警備員の不法、不適性といいますか、不統制といいますか、そういったものの規制を規定し、警備業務の適正な実施をはかるということでございますが、その中には、業者の育成といった指導的は要素は含まれていないようでありますが、その辺はどのようにお考えでございましょうか。
○本庄政府委員 ただいま申しましたように、この立法の趣旨が、必要な法的規制を加えて、実務が適正に行なわれることを期するということが主眼でございます。したがいまして、他の省庁のような、いわゆる育成、保護助成といったような要素は今回の警備業法にはほとんど入っておらないと申していいかと思います。
○中村(弘)委員 育成ということは含まれていないということでございますね。 次に、それでは第二条の「定義」ですが、この法律では警備業だけに限定されておると思いますが、何か特別の意味があるのか。またねらいがあるのか。といいますのは、先ほど答弁がありました数の中には、おそらく、警備業のほかに、保障という業務を兼ねておるところが大半を占めておるのではないかと思います。この場合の保障業務というのは、この「事故」の範疇外なのかどうか、そういったことをひとつ……。
○本庄政府委員 現在のこの法律におきましては、補償ということを一応考えておりません。と申しますのは、現実には補償契約を結んでおる事案もあるようでございますが、現在のところ、警備中に生じた損害補償に関しまして問題を生じ、トラブルになっておるという問題は、幸いにしてほとんどございません。この面からの弊害というほどのものは、いまのところ認められておりません。本来、損害補償の問題は、民事上の問題として処理されるべき性質のものであるといったようなことも考えまして、今回は特にこの法律におきまして補償について特別の規定を加えることをいたさなかったわけでございます。ただし、将来、状況の変化によりましてその必要性が生じました場合におきましては、所要の法的措置を講ずることについて十分検討いたしたいと考えております。
○中村(弘)委員 結局、そのような御答弁があったわけでありますけれども、現在のところは、大半は保障という業務をやっておるわけであります。いろいろ個々の名前をあげませんけれども、ほとんどがやっておる。大半が警備保障会社という名前でやっておる。とすれば、その内容は、警備と保障が表裏一体となっておると私は思うのであります。そういったことから、警備だけに限定するのは実情に合致していないのではないか。また、警備保障という保障に今度は重点を置きますと、結局、警備業者の保障能力ということが当然必要な条件となってくると思うわけでありますが、その問題についても、警備会社に保障能力を義務づけさせるという問題が、今後この警備業法というものに対して付加されてくるのではなかろうかというふうに私は考えておるわけでありまして、この面の御検討もひとつお願いしたいと思うわけであります。 次に、第三条の「欠格事由」であります。調べたところによりますと、これらの警備員が勤務中に起こした犯罪は、四十六年中に六十九件、七十二人ということになっておりますが、この発生の件数は間違いございませんか。
○本庄政府委員 間違いございません。
○中村(弘)委員 それでは七十二人のうち、犯罪前歴のあった者が、約五〇%に当たる三十五人もいたということでありますが、その点はいかがでございますか。
○本庄政府委員 事実でございます。
○中村(弘)委員 そこで、第三条の「欠格事由」でありますが、この法律によりますと、業者、つまり経営者も警備員も、禁錮以上の刑を受け、または法律に違反して罰金刑を受け、三年以上経過しない者という規定があるわけでありますが、一体、こういう前歴はだれがどういう方法で調べるのか。人権侵害というようなこと、基本的な人権にも触れるような問題であるかと思いますが、そこのところをひとつ詳しく御答弁願いたいと思います。
○本庄政府委員 警備業者自体の欠格事由につきましては、それぞれ関係の都道府県公安委員会におきまして、各種の方法で調査をいたしまして判定するわけでございます。
○中村(弘)委員 実際上、私も警備業者の方に聞いたのですが、なかなかむずかしいそうですね。そこのところがいろいろな前歴問題その他にかかわってくる大事な要素だと私は思うわけであります。どうか、そこのところを慎重に、お考えになっていただきたいと思うわけであります。 次に、第八条の「警備業務実施の基本原則」についてでございますが、この法律では、業者または警備員は、警備業務を実施するにあたって、何ら特別の権限は与えられてはおらず、個人または団体の正当な活動に干渉してはならないということになっておるわけでありますが、具体的にはどういった状態を想定して言っておられるのか。そこをひとつ御説明を願いたいと思います。
○本庄政府委員 第八条は、警備業務の実施に伴いまして、違法あるいは不当な事態が発生することのないように、基本的な原則について定めたものでございます。したがいまして、警備業務実施に関する違法あるいは不当な行為につきましては、すべて本条の対象となるわけでございますが、具体的なケースといたしましては、たとえば暴行、障害、窃盗、いろいろございますが、そういった一般の刑罰法規に抵触する行為、これは当然該当するわけでございます。しかし、直接刑罰法規には触れませんが、労働組合あるいはその他の諸団体の合法的な、あるいは平和的な活動、たとえば集会とか、デモとか、いろいろございますし、その他の諸行事がございますが、そういったものに対しまして、威圧的と申しますか、暴力的と申しますか、そういったような言動をする行為等も、八条の後段の正当な活動の干渉に入る場合があろうかと、かように考えております。(「その辺はっきり聞いておけ」と呼ぶ者あり)
○中村(弘)委員 その辺はっきり答えていただきたいわけでありますが……。 次に、第十条の「護身用具」についてでありますが、現在警備員が通常所持している、護身用具は、どんなものがございますか。
○本庄政府委員 現在警備員が持っております護身用具は、警察官が持っております警棒とほぼ同様の棒、それが大部分でございます。
○中村(弘)委員 どのようなケースでいままで使用されておるのか。ひとつ、具体的な例がありましたら……。
○本庄政府委員 警棒様のものは、必ずしも全部の警備員が持っておるわけではございません。むしろ、常時は持っていないほうが多いようでございまして、夜間の警備の場合等には一部の会社では持たせておる。そういう状況のように承知いたしております。(「成田空港で使っておる。」と呼ぶ者あり)
○中村(弘)委員 警備員の護身用具はそれだと思いますけれども、警備会社にもいろいろな道具があると思うのです。投光器のようなものとか。パトカーといわれるようなものもあるのじゃないかと思うのですが、そういったものの実態はどんなものでございましょうか。
○本庄政府委員 護身用具以外に、いま仰せられました投光器あるいはパトカーといいますか、自動車、車両、それから通信の資器材が最近はふえておるようでございます。中には、いわゆるたてに類するようなものも、ごく一部準備しておるようなところもあるようでございまして、装備はかなりバラエティーに富んできておる状態だろうと思います。
○中村(弘)委員 そこで、具体的な問題としてお伺いしたいわけなんでありますが、ただいまのガードマンの警棒といった問題についてですが、これはいろいろな危険が身にかかった場合に使用するケースもあると思うわけであります。深夜の巡回とか、いろいろなことがあると思うわけでありますけれども、護身用具の限界、いま現在持っておる警棒の使用の限界、これはどういうことになっておるのか。たとえば、ただいま声がありましたように、昨年二月から三月、成田事件で、ガードマンの過剰警備ということで世間からだいぶ批判を受けたというようなケースがございますので、ガードマンの護身用具の使用の限界といいますか、そういったところをもう一度御説明願いたいと思います。
○本庄政府委員 護身用具は、これは文字どおり、あくまでもその身を守るための用具でございます。したがいまして、法律的には、正当防衛とか、緊急避難とか、そういったごく限定された場合にしか使用できないということであります。
○中村(弘)委員 さて、次に、第十一条の「教育等」の問題についてお伺いいたします。 私は、この法律の中で一番の重要な問題は第十一条ではないかと思っております。先ほどからの警察当局の御答弁を総合いたして解釈いたしますと、何か、立法の底流に、ガードマンというのはけしからぬというような意識があられるような感じがするわけでありまして、そのようなものがこのたびの立法の主柱になっておるように感じられるのでございます。そこで、こうした不信感といいますか、不安感、または批判がどこから生じてきておるのであるか。警察庁はどういうふうに理解されておられるのか。これは長官のほうがよろしいでございましょうかね。長官も黙って一人ですわっておられるわけにいきませんので、ここら辺でひとつ……。
○後藤田政府委員 私どもが立法をしなければならぬというような決意をいたしました背景は、別段、ガードマン会社がけしからぬやつだという考えは持っておりません。しかしながら、ガードマン会社というものを、その業務内容から見て、また同時に、今日の活動の実態から見て、このまま放置しておくことは、一般の市民の立場に立って考えた場合に、必ずしもよくないんじゃないか。そのことが結局は、ガードマン会社それ自身の健全な発展というものにも必ずや阻害を来たすであろう。こういったような両面を私どもとしては考えまして、そこで立法したわけです。しかし、その中身は、この業務の内容から見て、やはり規制的な内容にならざるを得ぬのだ。かように御理解願いたいと思います。 ガードマンに対する不信の原因がどこにあるのだということになりますと、いろいろあろうかと思います。たとえば、公権力行使をしておる機関とまぎらわしいとか、いろいろなこともありましょうが、基本は、今日のガードマン会社を経営をしておる者の中に、こういった種類の業務を経営するのに不適当な人があるのではないかということ。同時にまた、警備業務に従事をしておるガードマンそのものの資質に、一般の市民から見て批判を受ける人間がおるのではないかということ。さらに、その根底は、やはりガードマンについて言うならば、私は、御説のように、教育の問題があろうかと思います。今日、そこらにおる人間をいきなり引っぱってきて、あくる日から服を着せて、それでガードマンにつけるというふうな実態も絶無ではありません。これは、悪い例ばかり私は申しておるのですけれども、もちろん健全なりっぱな経営をしておる者も数多くあるのだということが前提でございますが、間々私が言ったような不適切な者もおる。こういうところにガードマン会社に対する世間の批判が生まれてきているゆえんである。そういう点を、私どもとしては、何とかもう少し適正な運営にさせていくようにしたいと考えております。 それで、教育につきましては、総理府令では、教育の項目であるとか、あるいは所要時間の問題であるとか――所要時間については、あまり無理なことを言ってもいけませんので、とりあえずは、大体二十時間、三日間程度。これが最少限である。これは総理府令できめるものですが、しかし、同時に、会社としては、会社自体の教育もあろうかと思います。したがって、それに何日間かまた加わっていくだろうと思います。さらに、実施の時期は、現任教育の問題もありましょうけれども、私どもが考えておるのは、やはり基礎教育、初任の教育、こういうことについて総理府令では考えていきたい。こういうようなことを考えながら、同時に、業者あるいは業者団体自体の自主的な教育についての何らかのやり方について、私どもとしては、行政上の指導も加えていきたい。かように考えております。御説のように、教育が一番の問題だと思っております。
○中村(弘)委員 ただいま御説明を聞きまして、教育の内容はどのようなものをお考えになっておるかということはわかったわけでありますけれども、結局は、私たち国民の立場からいたしますと、不信感といいますか、そういったものは、何といいましても、質、モラルのレベルの問題から起きてきておると思うわけでありまして、ただいまのような教育をすることは、警備会社というものが存在する以上は絶対必要ではないかと私は思うわけでありますが、ただいまおっしゃった一定の教育期間を経た警備員に対しまして、何らかの資格認定の試験的なものを受けさせた上で第一線の警備業務に従来させるべきだというお考えはございませんか。
○後藤田政府委員 理想的に言えば、そういうことも考えられますけれども、私は、今日の実態から見まして、そこまでは考えておりません。その点は、業者あるいは業者団体自体の自主的な努力にまっていきたい。かように私は考えております。
○中村(弘)委員 では、あとは本庄部長でけっこうでございますが、十一条でございますが、十一条でいうところの「この法律により定められた義務」とは、一体、どういうことでございますか。「警備業者は、その警備員に対し、この法律により定められた義務を履行させるため、」云々というところです。
○本庄政府委員 「この法律により定められた義務」という、新しい警備業法で業者に課しておる義務があるわけであります。各条文に出ておりますけれども、一番大きな義務としましては、先ほど説明いたしました第八条の「警備業務実施の基本原則」といったことが一番大きな義務の例としてあげられます。
○中村(弘)委員 いま、長官並びに部長から、教育に対しての問題についていろいろ御答弁があったわけでありますけれども、私は、やはり、何といいましても、教育については、これは一番重要な問題だと考えておりますし、この法律ではまだまだ不十分な感じがするわけであります。先ほども長官がおっしゃいましたように、きょう雇ったアルバイトの警備員をあすから働かせるというような場当たり的なケースもたくさんあるわけでありますから、こういったものを厳正に公正な制度を確立する必要があるというような気がいたします。この点、警察庁でも今後十分御留意していただきたいと思うわけであります。 次に、第十四条の「指示」の問題でありますが、「警備業者又はその警備員が、この法律、この法律に基づく命令若しくは第十条第二項の規定に基づく都道府県公安委員会規則の規定に違反し、又は警備業務に関し他の法令の規定に違反した場合において、」とありますが、このうち「又は警備業務に関し他の法令の規定に違反した場合」というのは、どういう法令をどのように違反した場合をさしておられるのでございましょうか
○本庄政府委員 「他の法令」と申しますのは、現在御審議いただいております警備業法以外の法律は一切入っております。中でも、特に、刑法あるいは刑法系統の一連の法律というものが一切関係してくることが多かろうと思います。そこで「警備業務に関し」というふうに制限をしております。これは、例をあげて申しますと、警備員がある施設警備をやっておる、その間に、自分が警備しておる施設の中に侵入して、その中の物品を盗み出すというようなことなどは最も古典的な事例であろうと思います。
○中村(弘)委員 わかりました。 そこで、さらに、第十九条の「罰則」についてでありますが、条文では、第十九条一号違反は十万以下の罰金であります。第二十条第一号違反は三万以下の罰金になっております。十九条一号違反、つまり、無届け営業。それから、二十条一号違反、つまり、うそ、にせの届出営業。これは、私は、むしろ同罰にすべきではなかろうかと考えておるわけであります。私は、この二つのケースでは、むしろ、二十条一号違反、うその届け出をしたというほうが故意犯と見るべきではなかろう、十九条一号の届け出をしなかった者というよりももっと悪質ではなかろうかと思うのです。いろいろなケースもございましょうけれども、そんなように考えておるわけでございますが、この点はどのようお考えでございますか。
○本庄政府委員 まことにもっともな御説だと思います。いまおっしゃいましたように、ケース・バイ・ケースでございまして、無届け営業でありましても、届け出なければならぬという法律を知らなくて無届け営業になる場合もあるし、それから、自分がいわゆる欠格条項該当者であるがために、もぐりで営業するという無届け営業アの場合もあります。また、虚偽の届け出にいたしましても、悪意で、承知の上で虚偽の届け出をする場合もありましょうし、そうでなくして、善意と言うのもおかしいですが、いわゆる善意の間違った届け出もあろうと思いますから、一がいにどちらが悪いということは言えないかと思いますが、一般的なお話といたしましては、この無届け営業と申しますのは、警備業の営業をやる、つまり、営業開始の要件となる届け出を怠る行為でございまして、この法律の趣旨からいたしますと、重要な規定でございます。他の常業におきましては、許可を、受けて初めて営業できるというふうな制度もございますが、これは許可ではなくして、届け出をすれば、欠格条項がない限りは営業ができる。こういう制度をとってております。したがいまして、この届け出をしていただくということは、主務行政庁といたしましては非常に重要視している点でございまして、届け出がなければ、そういう営業がなされておるという実態の把握すらもできない。したがいまして、その営業に対して必要な監督も全くできない。こういう意味におきまして、届けけ出がなされないということは社会的に非常に困ることでございます。 それに反しまして、虚偽の届け出の場合は、それが悪意である場合と、あるいは善意である場合とを問わず、届け出がなされておるわけでございますから、その届け出に基づきまして、公安委員会がいろいろなことを把握して、所要の監督ではきる。もちろん、届け出の内容の一部が虚偽であるという点で瑕疵はあるわけでございますが、そういった点を比較いたしますと、一般論といたしましては、やはり、無届け営業と虚偽の届け出との間にはある程度の差異がある。そういう意味におきまして、罰則に差異をつけておるということでございます。
○中村(弘)委員 それでは、第二十条の第二号では、第五条と第六条違反は同罰になっているわけであります。第四条については、無届け営業とにせの届け出営業は分けてあるわけですね。ところが、第二十条第二号では、言うなれば、第五条と第六条違反は同罰になっておるわけであります。そこのところは、ただいまの御答弁からいけば、これは本店と支店といいますか、出先機関というような分け方であろうと思いますけれども、これは同じになっている。「三万円以下の罰金」というふうになっているわけでありますが、そこのところがちょっと矛盾するように考えられるのです。
○本庄政府委員 御質問の趣旨をあるいは取り違えておるかもしれませんが、第五条と第六条と同じ罰則であるというのはおかしいじゃないかという御意見かと思いますが、確かに、第五条の内容は、「主たる営業所の所在する都道府県以外の都道府県の区域内」においての営業所の届け出でございまして、第六条のほうは「廃止等の届出」でございますから、内容は全く違うことでございます。第五条につきましては、「主たる営業所」いわゆる本社といいますか、本店ですか、それについての届け出はすでに第四条で出されておるので、したがいまして、この第五条のほうは、第四条の届け出に比べればやや軽い性格のものであるという意味で三万円になっております。それから、第六条のほうは、廃止あるいは変更の届け出でございます。廃止でございますと、営業開始に比べますと、やはり性格的にも軽いんじゃないかと思います。それから変更の届け出、これも、性格としてはやや軽いものではなかろうかということで三万円にいたしたわけでございまして、何も、第五条と第六条とを同質のものと見たわけではございません。それぞれにつきまして評価をいたしまして、結果的には同額になったというふうにご理解をいただきたいと思います。
○中村(弘)委員 ちょっと取り違えておられるんじゃないかと思いますが、私が言いましたのは、第四条に限っては、届け出をしなかった者が十万円以下、虚偽の届け出をした者が三万円以下となっておりますが、第五条と第六条については、届け出をしなかった者も、虚偽の申告をした者も、一緒に扱っておられる。三万円以下になっておるということです。ですから、前のものと矛盾しておる。届け出をおもに見るのか、届け出をしなかった者をおもに見るのか、虚偽の届け出をした者をおもに見るのかというようなことです。
○本庄政府委員 第四条に関連するものについて重要視をした、あとは全部三万円というふうに一応区別をしておるということでございます。
○中村(弘)委員 第四条と、第五条と、第六条の内君は違いますけれども、第四条だけは届け出と虚偽を別個にやり、第五条と第六条だけは、届け出も虚偽も一緒に同じ三万円以下というワクにはめておるところに矛盾を感ずるわけでございますので、この点はひとつ、私もいまの答弁ではっきりしませんでしたので、あとから十分検討していただきたいと思うわけでございます。 ところで、この法律は、基本的には、警備業界を規制することに主眼が置かれておるわけでありますが、聞くところのよりますと、業界では、当局のねらいとは逆に、われわれは警察や消防担当者の手の届かないところをカバーしているのだというような自負心があるようでございますが、その辺のかね合いはいかがでございますか。彼らには彼らなりの誇りがありまして、風俗営業法や質屋営業法などと同様にこれを受け取っている向きもあり、かなりの反発もあるように、予想されるわけでありますが、その点はどのようにお考えでざいますか。
○本庄政府委員 お答えする前に、先ほどの罰則の点につきましては、十分正確に検討いたしまして、またお答えいたしたいと思います。 それから、ただいまの御質問でございますが、いわゆる業界の反応でございますが、現在のところ、全国の警備業者を打って一丸とする全国的なな連合組織はまだできておりませんので、正規の反応というものは一応ないわけでございますが、いろいろ断片的に承っているところによりますと、御案内のように、警備業者で大きいのは五千人ないし六千人の警備員を持っておるが、小さいのは十人、二十人というのがございまして、その間にもいろいろあるわけでございますが、非常に多種多様でございますので、この法案の受け取り方もまた多種多様であるように思います。全体といたしましては、モデレートな規制であるというふうに受け取られてれるようでございまして、一部の業者ではこれはきびしいと言い、一部の業者には、もっときびしくてもいいじゃないかという声もあるやには聞いておりますが、総括的に申しますと、現在の情勢におおむね適合した立法であると受けとられておるというふうに承っております。
○中村(弘)委員 ただいまおっしゃいましたように、そてれぞれ業者は受け取り方は持っておると思います。ただいま部長さんがおっしゃいましたように五千名、六千名というようなガードマンをかかえた大きな会社もございますし、また、二、三人から十人くらいで成り立っているような会社もある現在の状況でございます。また、名前にしる、いろいろあるようです。警備保障会社となったり、何とか防衛会社となったり、(「防衛保障会社」と呼ぶものあり)防衛保障会社ですか、そういったようなものもあるようでありますし、その中にはビル・メンテナンスのような会社も入っておるようでございますので、それぞれ受け取り方も違うようございます。 この法案に対しては、そういった観点からもっと突っ込んで勉強しなければならない点もあるかと私も思います。たとえば、業界のある一部の人から聞きますと、われわれの会社だけ規制されて、自衛――その会社が持っておる自衛の警備に対しては規制も何もないじゃないかと言うのです。たとえば、ここには、周囲にああいう衛視さんもおられるが、あの人は国会内では警察権があるのかわかりませんが、自分の会社でそういう警備組織を持っておるところもあるはずである。そういったところに対しては規制も何もないじゃないかというような問題も多分にあるよりでございます。そこのところをいろいろな角度から攻めていくと、なかなかむずかしい問題がこの警備業法にはあるのではなかろうかと思います。解釈によっては、これは非常に規制する面と、いや、むしろこれはわれわれ業君を育成してくれるのだという考え方もあると思うので、この問題に対しましては、今後私も十分また勉強させていただきたいと思います。 とにかく、私が本日いろいろ質疑を通じて感じましたことば、いずれにいたしましても、社会の多極化といいますか、多様化によりまして、警備業がますます今後発展するのではなかろうか、充実して国民生活の中に入り込んでいくのではなかろうかと思われるわけであります。その際、最も必要なことは、当局の適正な指導もさることながら、やはり、警備業界自身の社会的責任の認識、自覚といいますか、そういったものの高揚だと私は思うのです。それによって、受益者であるわれわれ国民の間に信頼感が確立され、そして社会秩序といったものが健全に維持されるのではなかろうかと思いますので、警察当局におかれましても、どうか、そういった観点からこの警備会社というものを指導し、育成されることを、規制もけっこうでございますが、今後やっていただきたいと希望いたしまして、質問を終わらせていただきます。
○大野委員長 山木弥之助君。
○山本(弥)委員 委員長からも御答弁を願いたいのでありますが、長官がお見えになっておりますので、長官にお尋ねしたいと思います。 TBSの「ガードマン」というのは、非常におもしろくわれわれも見ていたわけです。確かに正義的な行動をとっております。最近の日本の警察は、治安警察は別といたしまして、非常に御苦労を願っております。情勢も変わっております。従来、日本の警察は、刑事警察におきましては、世界的にも優秀な警察だというふうに私は考えております。警察にわれわれの生命、財産を守っていただいておる。検挙率から言いましても、また、警察の献身的な活動から言いましても、確かに誇っていいことだと思います。最近警察が多様化いたしまして、いろいろ力を分散される関係もありますし、また、治安警察のほうに要員をいろいろとさかれまして、そのほうに重点が移行してまいりました結果、いわば刑事警察が――私は何回もこの点を申し上げておるのでありますが、もちろん、警察は国民に愛される警察にならねばならぬのですが、刑事警察の検挙率というのが多少低下してれるのではないかということを心配している者の一人であります。テレビに刺激されたかどうかわかりませんが、外国の風潮、外国のシステムが入ってきた関係もあるかと思うのです。そして、外国資本だということをかつて聞いたことがあるんですが、三十七年か八年に警備会社ができまして、先ほどお聞きいたしますと、四百五十社あって、二、三十人のものから四千人ですかの多数の従業員を擁する会社まで、非常に急激に出てきたわけですね。いずれこまかいことはお尋ねいたしますが、内容は、一つは盗難等の自衛ですね。もう一つは、企業の労務管理上の合理化といいますか、雇用の合理化。臨時的に必要なものは臨時的に雇うのだとか、あるいは、あまり人の好まない不規則な勤務については雇うのだとか、そういう雇用の面と、それからもう一つは、これがいまの不信につながるかどうかわかりませんが、ある程度まで、自衛ということからこの会社の需要がふえてきたのではないか。そのために、それに応じてたくさん会社が出てきたと思うのです。こういう会社がどんどん出てきます。役に立っておるから出てくるのだろうと思いますけれども、こういった背景、世相といいますか、これらに対する長官の考えを承りたいことと、それから警察がどうあるべきかということを、司法警察との関連も出てくるかと思うのですが、それに関連いたしまして御意見を承りたいと思います。
○後藤田政府委員 御説のように、昭和三十七年にこういったいわゆるガードマン会社というものが出てきて、その後急激にふえてきておるわけですが、本来、その背景には、おっしゃるように、こういった治安の維持といいますか、そういうことは警察がやるべきだ、しかしながら、現実にはやはり手が届かぬところがあるから、そこを企業みずからあるいは業界自身で何らかの防御措置を講じよう、それについては、守衛というものは昔からわるわけだけれども、勤務の内容が必ずしも望ましい内容ではないから、これはむしろ外注したほうがいい、といったような考え方ももちろんあったと思います。したがって、そういう意味合いからは、こういった会社が続出するということについては、警察としては、それなりに十分反省を要するところがある。率直に、さように私は思います。しかしながら、現実を見まして、今日の社会情勢から見て、それでは、すべての人にかゆいところに手が届くといっただけのことが警察力で一体できるのかと言うと、これはまた必ずしも十分でない面があるのもやむを得ない。そこをそれらの人たちの力でカバーしようということでできたと思うのです。 そこで、先ほど中村さんの御意見の中にもありましたが、われわれは手の届かぬところをやってやるのだと自負心があるのだというお話がありました。私は、その自負心はけっこうだ思っているのです。それはそれなりの自負心を持ってもらいたい。しかし、その自負心を持つ以上は、その自負心にふさわしいだけの企業内答、営業内容でやってもらいたい。それについては、今日の企業の実体から見て、ある程度の規制はやはりしようがないじゃないかということで今日の法案になったわけですれ。同時に、いま言ったように、こういうものが出てくる背景については、警察としては十分反省しなければならぬ。しかし、遺憾ながら、現実の社会的な必要性というものもやはり認めざるを得ないだろうという、いわば板ばさみと言いますか、そういう考え方を私は持っております。 ただ一つ申し上げておきたいことは、なるほど、手の届かぬところをおれたちがやるのだということはけっこうだ、それにふさわしいものでやってくれ、という考え方を持っておりますが、外国でこういうものが発達をしておるのは、私は、日本とはよほど基盤が違うと思うのです。外国では、プライベートポリスの思想が非常に発達しております。わが国ではそれが発達していないわけですね。私は、こういう企業形態のものが世の中に出てくることは、現実の要請としてやむを得ないと思いますけれども、しかしながら、さればといって、プライベートポリスの思想をどんどん植えつけて、警察の補助をさせるといったような考えは、私も毛頭持っておりません。いわゆる刑罰法令違反の事業については、警察で全責任を負ってやるという考え方はやはり最後まで貫いてまいりたい。したがって、TBS等でいろいろなことをやっておりますが、これはまさに外国のプライベートポリスの思想から出たもので、外国のおもしろいところを取り上げたものであって、ああいうものがガードマンになるなんということは私は全然考えていない。この点はぜひ申し上げておきたいとおもいます。
○山本(弥)委員 長官の警察行政に臨む決意といいますか、御意見を承りまして、私も、長官の今後の警察力の執行に御期待を申し上げたいわけなんですが、世の中が豊かになり、複雑になってまいりますにつれて、かつては、強盗というものは夜入るものでしたが、ところが、最近は、白夜堂々と銀行強盗というのが出ているわけですね。これは特殊の、赤軍派の強盗もありますが、そればかりじゃないのですね。一般のでき心で銀行強盗に入る。これは俗なことばで言えば、警察をなめているわけなんですね。つかまることがわかっていても、最近の情勢だと、万一うまくいくかもわからぬ。三億円の事件の迷宮入りもありますし、そういうことを考えますと、これは何も警察の責任ばかりじゃないと思います。全体のいまの社会の組織といいますか、教育ございましょうし、いろいろ各方面の考え方が複雑になってまいっておりますから、警察だけを責めるわけにはいかぬと思いますけれども、しかし、何となしに刑事警察というものに対する――それがいかに国民と密接しているか。そのことに相当力を入れておかないと、次から次に凶悪事犯、粗暴事犯というものが出てくる素因になるわけですね。ことに、知力の熟していない青少年層に最近そういう犯罪がふえておるのか減っておるのか、本日参ります前に統計を見てまいりませんでしたけれども、非常に気をつけなければいけない時代に入ってきてわると思います。ですから、いまの中村委員とは多少所見を異にするわけですが、育成という考え方よりも、むしろ、警察の刑事警察に対するそういう需要が、科学的捜査その他によって減少するという方向に向けていくことが肝心ではないかと私は考えますけれども、この点は長官の御決意も聞きましたので、これ以上申し上げませんが、今後、刑事警察の検挙率を高めるということに十分御惰力を願いたいと思っております。 警備業法、題名から見ますと、どうも何か……。遡切なことばがなかったと思うのですが、これを見て、私は、どういう法律の名称が妥当であるかということをいろいろ検討してみたのですけれども、どうも適切なことばは出てこないのです。何か、これは機動隊の下請業者のよう印象を受けますね。それで、いかにもものものしい感じがするのです。そのことが法安をきわめてあいまいなものにしておる。先ほどの中村さんの言ではないが。これは育成するのか、取り締まりをするのか。取り締まりということになれば、確かに、警察の担当しておる風俗営業等取締法。これは風俗営業の犯罪の温床になるということで、それを取り締まっていこうということで取り締める法なんですね。これは取り締まりの要素があると同時に、教育に力を入れろというような条文があるわけですよ。 話が飛び飛びになりますが、教育に力を入れろ、警察官はどのくらい厳正な綱紀のもとに教養をしておるかということになると、それがやはり、公安委員長なり長官が心痛されるように、きわめてきびしい体制の段階におきましても、使い込みあり、強盗ありということで、私は、これはごくわずかだと思いますけれども、世相の犯罪の縮図が全部警察官にも出ておるわけですね。これは警察官になってからも、警察学校を通じ、あるいは警察大学校まで通じて教養に力を入れておっても根絶できないというのは、やはり世相の反映だと私は思うのです。先ほど、二十四時間とか三日ぐらいで、検察の代行をして盗難防止の重責をになう警備員を育てるようなことを言われたが、それでりっぱなものができれば、これはたいしたものだ――それは待遇でもよっぽといいんじゃないかと思うのですけれども、どのくらいの待遇をしておられるかわかりませんけれども、なかなかむずかしい問題がある。そうすると、この題名と同時に内容も、実は苦心のところはわかるわけなんですね。放任もできない。何か手を打たなければならない。いろいろ苦心の結果の法案だろうとやりのですが、それならどういう修正をすればこれが生きてくるのかということに、なると、私ども、どうも十分な知恵も出てこない。結論を先に申し上げますが、そういう非常なジレンマを感ずる法案だと私は思っております。 しかし、冷静に考えてみますと、今日一つの大きな傾向があると思うのです。それは業界におきましても、一つは、これはいいことですが、中高年のパートタイム等をねらいにいたしまして、ビルの清掃あるいはエレベーターの操作などをやっている。こういったものは常時雇用のかっこうでなくて、いわゆる会社の請負契約ということで労務を提供している。これは、相当の年齢の家庭の主婦が、余裕の時間に働くということで、家計の穴埋めをする等のためには非常に役立っておると思います。その流れは、もう一つ公共団体にも来ているわけです。当然公共団体がやらなければならぬことも、民間に押されて、清掃は下請に出す。あるいは、エレベーターの操作も民間に出す。最近は公社をつくって、みんな仕事を公社にまかす。社会福祉は、社会福祉事業団をつくって、養老院も、保育所も、みんなそこに持っていくという一連の流れがあるわけですね。しかし、公共団体の問題はともかくといたしまして、いまのパートタイムを活用する請負労務の提供ですね。この会社と内容は違いますけれども、盗難防止だとか、あるいは個人の身辺警護だとか、そういう当然会社がやらなければならぬことをある会社に頼んで、自分のところで俸給を払ってやるのでなく、ある会社に金を払って来てもらう。まあ、実想は似たような実態だと思うのですが、一方は多少意義があり、一方は弊害が出ておるということなんですね。警備員の非行によって、最初は犯罪に協力した事犯がたくさん出てきておる。しかし、最近は、協力よりも、むしろ、いわゆる普通の刑法犯の犯罪が出ておる。そのほかに、争議行為に介入する。これはいいことなんですよ。五十人とか、百人とか、一気に必要なんですから、それだけ供給すれば、それだけ大きな報酬がもらえるという関係にあるのですが、これを同列に与え――一方は、業務の内容で取り締まる必要があるので取り締まるという考え方に立って出てきておるものと思いますが、取り締まりをする問題は、極力法の精神に従って規制を強化する、そのほかのことはゆるめても差しつかえないという考え方に立たなければならぬと私は考えておるわけであります。そういうふうな割り切った考えでこの警備会社を見ておられるかどうか。これは保安部長から御答弁願ってけっこうです。
○本庄政府委員 いろいろ貴重な御意見を拝聴いたしまして……。 現在の社会情勢の進展と申しますか、そういったことに基づきまして、先ほどから話に出ておりますような形態における、いわゆるガードマン営業というものが出ておるわけです。 ちょっと話が飛びますが、先ほどの名称の点につきまして、警備業法という名称は、必ずしも私たちも最善と思っておるわけではございません。たとえばガードマン営業法というようなことも考えたこともございますが、ガードマンと申しますと、先ほどお話もございましたテレビに出てくるガードマンのイメージが一般国民にございますので、あのテレビに出てくるいわゆるプライベートポリス的なガードマンでは、日本のガードマンはない。そういう意味で、そういう名称も避けたい。したがいまして、非常に平凡な、無難な名称をとったということでございます。ちょっと話がわき道にそれましたが、それならば、警備営業取締法あるいは警備営業を規制する法律というのが最も正確な表現であろうかと思いますが、しかし、ほかの法律を見ましても、倉庫業法とか、何々業法とか、そういった例も多分にございますので、一応平凡な名称を採用したというわけでございます。 それはとにかくといたしまして、社会の需要に応じましての、こういった形の、いわゆるガードマン業というもの、また、ビルの清掃の請負、あるいはエレベーターの請負といった、経済的には似たような意味合いにおける、一つの財産管理あるいはボデーガードといったものを請け負う業態が出てきている。この業態が進展してくるにつれまして、いわゆる利害得失と申しますか、社会的にプラスになる面と、反面、若干マイナスになる面と出てきておるわけであります。そのプラスになる面につきましては非常にけっこうでございますけれども、マイナスになる面につきましては、必要な規制をどうしても最小限度加えていかなければならない。そのマイナスの面と申しますのは、先ほどから話の出ておりましたような、警備員自身の警備中における依頼者に対する信頼を裏切った行動、犯罪行為あるいは一般市民に迷惑を及ぼすような行動。また、先ほどお話のございましたような、労働争議の際に企業に雇われて介入をするという事案もその一例であろうかと思いますが、そういったいろいろな形態におけるマイナスの面がすでに出てきておる。また、放任すれば今後出てくるおそれがある。そういった面につきましては、所要の規制を加えて、きちっとしたものにしてまいりたいというのがこの法律の趣旨でございます。その点を十分御理解をいただくように願いたいと思います。
○山本(弥)委員 労働省からお見えになっておりますので、労働省にお尋ねしたいと思うのですが、企業なり、その他のこれに準ずる経営者側で、私が先ほど申し上げましたように、常時雇用する、あるいは臨時に雇用するという形態を避けて、雇用の合理化をはかるために、いわば昔の人入れ稼業といいますか、その従業員を常時職場を転々として供給するという請負契約による形が出てきたわけですが、そのうち、いままで出ておりますところの、先ほど申し上げました二つの形。その一つは、パートタイムその他を中心とする雑務。清掃だとか、あるいは簡単な整理だとか、あるいはエレベーターの操作とか、そういった労働者。これは内職であり、あるいはパートタイム等であるわけです。そういう会社のそういった従業員に対する指導といいますか、それは労働省でおやりになっているわけですね。
○加藤(孝)説明員 いま先生から御指摘がございましたように、確かに、最近におきまして、そういう労務管理の合理化いうような形の中で、単純な労働を下請へ出すというようなものがございまして、御指摘のございましたように、エレベーターであるとか、清掃であるとかいうようなものが請負会社の形で行なわれておるものがございます。そのほか、昔からございますのでは、建設関係の請負であるとか、あるいはまた演芸関係の請負であるとか、そういうようなものもあるわけでございます。私どものほうとしましては、そういう請負がもし労働者供給事業というような形で行なわれておるならば、これは職業安定法で禁止をいたしております労供事業にひっかかりますので、そういうような労働者供給事業にならないような形態でやるような指導をしておる。こういうことでございます。
○山本(弥)委員 いまのご答弁で、職業安定法の違反の取り締まりということもおやりになっている。これは当然おやりになっていると思います。と同時に、そういう労務省の労働条件の問題だとか、あるいは労働者としての正当な待遇を受けておるかどうかということ、そういうことの常時監査、指導というものもあわせておやりになっておりますか。
○吉本説明員 お答えいたします。 労働基準法の適用につきましては、当然これは適用事業として、警備関係のこういった業界に対しましても適用をするという形で臨んでおります。 それから、毎年の定期監督は、全体で二十三万件ぐらいございますが、やはり、なかなか問題の多いようなところを中心に監督をしておりまして、最近におきましては、特に安全衛生関係が中心になっておりますので、一般労働条件については必ずしも十分手が行き届いていない面もございます。この事業につきましても、直接いま何件という手持ちはございませんが、基準法の第八条の十七号として、大体年間六百件ぐらいの事業をやっておりますが、そういう方針でもって監督しておるような次第でございます。
○山本(弥)委員 警備会社以外のそういった単純労務の供給会社ですね。これについては、職安の関係あるいは労働条件のめんどうを見てやるとか、指導監督をしているという面ではあまり問題は出ていないのでしょうか。
○加藤(孝)説明員 たとえば、パートタイムであるとか、そういうような形で行なわれます場合には、賃金の面で申しますれば、その業種についてのパートタイムの最低賃金といりものを下回りていてはならぬとか、あるいはまた、そういう会社に職業紹介をいたします場合には、当然、その地域の同じような仕事をいたします労働条件よりも著しく下回るようなものは紹介をしないとか、そういうような形での配慮はいたしておるわけでございます。
○吉本説明員 先ほど申しましたような形で定期監督をやっておりますが、その中で、特に、時間関係とか、あるいは休日関係についての違反が指摘されているということでございます。
○山本(弥)委員 いまお尋ねしましたような単純労務の請負契約と、今回の警備業法に規定しております警備会社の関係。労務の提供を請負契約でやるということについては、私は変わりはないと思っておるのですが、問題は、その業務内容なんですね。業務内容が、財産、生命の自衛という業務なんですね。そこで、こういう既存の会社、これは三千人以上の専業会社が二社あるわけですね。本来ならば当然労働組合なんかもできていいような会社、人数なんですね。まあ、三十人未満というのが大部分を占めておるわけでございますが、専業で百五社、兼業で百七社。これはおそらく警察庁の資料じゃないかと思うのですが、これが二百十二社ですから、半数は二十人満の、普通から言えば中小業者なんですね。こういう会社の、大きな会社も含めまして、いまの単純労務の提供と同じような指導なりをしておられるか。指導の結果はどういう結果か。職安法の違反の疑いのある一例だとか、あるいは労働条件等も、最低賃金も、これは相当優遇しているのじゃないかと概念的には推測がつくわけなんですけれども、労働条件の問題、その他は調査をされたのか。指導をされたのか。その指導、監査の結果はどういう結果が出ておるか。問題のないという結果なのか。あるいは手が回らないのか。その辺の事情をお聞かせ願いたいと思います。
○加藤(孝)説明員 現在、職業安定法で、それが労働者供給事業であるかないかということについて具体的な判断基準を施行規則の四条で示しておるわけでございます。それが、仕事そのものが単純だからとか、それから複雑だからということではなくて、請け負った形式というものがどういう形になっておるかというところで労働事業であるかどうか判断をしておるわけでございます。四条件ございまして、一つは「作業の完成について事業主としての財政上及び法律上のすべての責任を負うものであること。」単に労働者を入れるだけではなくて、その作業を実施するについて、事業主としての財政上及び法律上のすべての責任を負うものであるかどうかということが一つございます。それから二番目といたしまして、「作業に従事する労働者を、指揮監督するものあること。」というのが二番目の条件としてあるわけでございます。それから三番目の条件といたしまして、「作業に従事する労働者に対し、使用者として法律に規定されたすべての義務を負うものであること。」という条件が三番目にあるわけでございます。それから四番目といたしまして、「自ら提供する機械、設備、器材若しくはその作業に必要な材料、資材を使用し又は企画若しくは専門的な技術若しくは専門的な経験を必要とする作業を行うものであって、単に肉体的な労働力を提供するものでないこと。」したがいまして、仕事そのものとしては、エレベーターの運転ということでございましても、それに伴ういろいろな器材関係でございますとか、そういったものを提供する会社が、やはりみずから提供しておるものであるかどうか。こういう四つの条件をすべて満たしております場合においては、労働者供給事業ではない。こういう判断基準が施行規則でできておるわけでございます。こういう観点から、そういう労働者供給事業であるかどうかという点について疑いのあるものについての指導をいたしておりますが、たとえば四十六年について申してみますと、若干の疑いがありまして監査をいたしましたのが百五十二件ございまして、そのうち、これはやはり労働供給者事業であるということで認定をいたしまして、その改善を命じましたのが二十五件。こんな数字でございます。確かに、職員の数とか、そういったものもございまして、現在把握しておりますこの数字が全体であるということは決して私どもも申し上げる自身はないのでございますが、いま把握しております数字で申し上げればこんなところでございます。
○山本(弥)委員 念のためにお聞きいたしますが、この五十人だとか、千人近いガードマンを持っておる会社には当然組合なんかないでしょうね。労働組合なんかございますか。ありませんか。
○岸説明員 私ども、まだ実態を十分把握しておりませんけれども、ただ、御承知のとおり、これは労組法の適用がある事業でございます。
○山本(弥)委員 これは秘密文書でも何でもないと思いますけれども、警察庁の参事官と労働省の審議官の名をもって、今度の警備業法に関しまして、「職業安定法第四十四条の禁止する労働者供給事業に該当することのないよう警備業者の指導に努めるとともに、」そういう事案について「職業安定機関からの通報等により、」云々という覚え書きがあるわけですね。これはありますね。
○加藤(孝)説明員 ございます。
○山本(弥)委員 職安法違反の観点から、私は、こういう覚え書きで励行されるということはいいことだと思うのです。こういう覚え書きをかわすことから言いますと、先ほどの単純労務の供給といった面と今回の業務内容は違うわけでありまして、それが職安法違反に該当するかどうかということ、あるいは健全な従業員の育成、また、先ほど教育の問題にちょっと私は触れたんですけれども、精神的教育でほんとうに神さまに近いような人間を養成するということはなかなかむずかしいということは、これは国家公安委員長も国警長官も御承知だと思うのです。それに類似したよりな業務をやらす警備員、ここで言います警備員が、完全に請負の内容を励行するかということも、現に会社が続発してくるにつれて、窃盗犯が出てまいったり、あるいは婦女暴行犯が出てきたりする事例から立証されておるわけなんですけれども、しかし、そういったガードマンならガードマンの生活安定ということ、それと生活安定に対する正当な報酬に対する責任を果たすということで、私は、従業員としての責任を果たすということが、いまの世の中はより効果的じゃないかというふうな感じもします。精神的な問題も確かにあると思います。無視できないと思います。現実にはそうじゃないかと思うのです。そういたしますと、ちょっと内容的に違うのですけれども、単純労務を供給する会社の指導、監督、それからそういった特殊の業務、盗難等の防止をはかる、あるいは他人の生命、身辺警護をやるというような請負業務、これはやはりそういった見地から、公安委員会の所管よりも、むしろ労働省系統の所管にして、そういった請負業務の適正な運用をはかるということが妥当ではないかというふうに、ちょっとこれは私のまとまった意見ではありませんけれども、そのことはもとより、どちらの所管になりましても、地方の公安委員会は、労働省の職安との間でも十分連絡をとり、労働基準局とも連絡をとるというあり方が必要である。と同時に、労働省になりましても、やはり、問題が盗難防止だとか、人の生命を守るとかというようなことですから、公安委員会との緊密な連絡をとるということは、いずれの所管になりましても必要なんですけれども、そういう考え方から、いわゆる労務省の供給業務を行なうといいますか、請負として労務者を提供する。紹介ではなくて提供するという、業態としては、同じ労働省の所管ということも考え得るのじゃないかというふうな感じがするのですが、これは労働省側、警察庁側で御意見を聞かしていただきたいと思います。
○本庄政府委員 ただいまの御意見につきまして、私たちの考えております警備業と申しますのは、その二条にこまかく定義をしておるわけでございますが、要約いたしますと、人の有形的な財産、施設等の警備、あるいは、いわゆるボデーガードと言われておりますところの、人の身体に対する直接の警備、これを警備業務と言っております。この警備業務は、個々のいわゆる警備員が現実には実施するわけでございますが、その業務を業務として行なうもの、これを警備業としてとらえておるわけでございまして、したがいまして、一つの企業、要するに依頼者が警備業者と契約をして、そしてこの警備業者の責任において警備業務を行なう。警備業の経営者が、先ほど申しましたような財産警備、あるいは身体に対する警備を行なうわけでございまして、単にその人間を供給して、その依頼者の指揮監督のもとにそういう業務をやらせるといういわゆる労務供給では、現実の実態もそうでございませんし、また、今後もおそらくそういう事態にはならないであろう。私たちが考えておりますのは、現在のそういう実態を持っておる警備業というものを一つの業態としてとらまえて、それを規制していこうというわけでございまして、先ほどの覚え書きも、そういったものが非常にあいまいな形態になって、単なる労務供給業というふうなことになった場合には、職安法の問題が生じてくるわけでございますので、そういう場合には労働省とよく連絡をとって必要な措置をとっていく。こういう老婆心と申しますか、そういうことを一応懸念をして念のためにそういう覚え書きをかわしたということでございます。
○山本(弥)委員 結論はどうなんですか。警察庁のほうの答弁の結論を聞かしてもらいたいと思います。警察庁のほうの所管がいいんだという、その意見を聞かしていただけばいいんです。
○本庄政府委員 警備業というものにつきましてはそういうとらまえ方をいたしておりますが、そもそも、この立法の目的は、先ほどからも申しましたように、いま申しました警備業務に伴う不法不当な事案、むずかしいことばで言いますと、いわゆる警察障害というものを防止して、国民の権利あるいは正当な活動というものを保護するということを法の目的といたしております。そして、現実に対象になる事案も、盗難その他の不法行為、いわゆる警察行政になじむ事案が多いわけでございまして、そういった意味におきまして、警備業の所管というものは公安委員会が行なう。したがいまして、警察庁の所管のものにするのが妥当であるというふうに考えております。
○加藤(孝)説明員 先生から御指摘のございました覚え書きを警察庁との間で締結をいたしました趣旨は、単純に労働力を提供するという形の警備業というやり方は、労働者供給事業に該当し、違法なものであるわけでございます。この警備業におきましては、関係法令に違反をいたしますれば営業の停止処分などができることになっておるわけでございまして、私どもの立場から見まして、それが労働者供給事業というものに該当する単純な労働者供給というやり方をしておるということでございますれば、私どもは、職業安定法のたてまえから、そういうものに対して、職安法違反の罰則を迫っていく。ただ、しかし、それだけではなくて、警察庁におかれても、そういう職安法違反のものは、労働省がやるだけではなくて、この警備業法に基づきまして営業の停止等の処分をやってください、と、こういうことを確認し合ったものでございまして、私どもとして、これを職安法違反あるいは労働者供給というものはいけないのだ、という観点からはこの問題にタッチさせていただきたいと存じますが、全体の、この法律そのものの所管問題につきましては、ただい警察庁のほうからお答えになりましたところの、そういうことで沿うように考えておるわけでございま
○山本(弥)委員 私の申し上げていることは、一つは、先ほど冒頭に申し上げて、まあ、ことばじりをつかまえたわけなんですよ。警備業法ということからくる観念が、業務の内容が、いわば盗難等の防止業務とか、あるいは人の生命の身辺警護の業務ということで、内容的には本来警察の担当する刑事行政、刑事警察の範疇に属するものを自衛的に行なう。これは個人でもそうなんです。戸締まりをするとか、防犯ベルをつけるとかいうことはそうなんですね。そういう自衛的なことの業務であることには間違いないわけですが、その労務提供を、会社の従業員として、責任を持って労務を遂行するということのためには、その者がそれに使命感を持ち、また、生活を安定することの見地からあやまちを起こさないということのほうが安当ではないだろうか。たとえば単純労務の提供者は、パートタイムのいわゆる内職的なものをやっている者の、内職の勤務時間あるいは最低賃金を保障してやるのだというようなことと同じではないだろうか。人を提供して、そして会社が責任を持って契約をする。常に五人なり十人提供するということにおいては変わりがない。ただ、業務の内容が違っているにすぎない。その業務の違った内容を、それぞれ責任を持って仕事をする。それを保証していこうという考え方から立てば、これは、同じパートタイムの人間の労働権なり、あるいは生活の安定ということに指導監督をしておる労働省で、同じ形態のものですから、異なっているのは業務内容だけの違いなんですから、同時に指導してもいいじゃないか。一方は取り締まり的な要素が必要であるとするならば、それは職安法等の違反の取り締まりも労働省でおやりになっているのだから、この法律の違反の取り締まりということは労働省でやっていただいて差しつかえない。それを調べ、あるいは送検をするというふうなことは、これは当然警察の職務なわけですね。共管であっても、そういうことがいいのではないか。 私の申し上げたいのは、先ほど冒頭に言ったように、警察の下請業務という印象のもとに、この法律の決行を、警察庁、あるいは地方では公安委員会が担当するということになりますと、どうも警察にプラスにはならぬのじゃないか。この法律の施行に関する不評は一切警察が責任を負うことになる。たてまえがそういうふうなことで、それがそういう不評の原因になるのではないかということ警察のためにも心配しているのであって、私は、何も、所管の問題とか、権限争いの問題とか、警察庁で立案されたものを労働省に移したとか、そういう単純な問題じゃないと思うのです。 それと、一つは、精神的に正義の人間を要成するということよりも、生活の安定を通じて、いかなる職業でも、その職業の内容とするところに忠実に従事して労賃という対価を得ている者が、その与えられた職務を遂行するという考え方に立ったほうが妥当な指導ができるのじゃないか。こういう見地から私は申し上げているわけなんです。職安法の違反の問題も、一つのそういう問題もあり得るということですから、それも労働省でおやりになっている。指導と取り締まりと両方をおやりになるわけだから、労働省を主管にし、それに対して警察庁が共管というかっこうの運営をすることが警察のためにも好ましいということを私は申し上げておるのであります。時間ばかりたちますので、その点は検討すべき事柄ではないかということだけ申し上げておきます。 そこで、少し具体的にお聞きしたいのですが、時間もだいぶ経過いたしましたが、外国の例もちょっとお聞かせ願いたいと思うのです。外国では、先ほど長官が言われたように、個人の自衛が――アメリカあたりでは、個人の生命、財産を守るために拳銃まで所持することが認められている。それが拡大して、会社でも、団体でも、自衛という御心が必要だということで、それを自分のところに常用して、能率が悪ければ、そういった労務者を提供する会社があれば、その会社に頼んでやるのだという思想が出てくることは当然で、そういうところからそういう制度が早くから出てきているのじゃないかと私は思います。それをまねて日本でもやったことになるわけであります。警察との関係においては、そういう会社がどんどんでき、あまり実力を持ってまいりますと、いわば一般を担当しておる警察との関係が必ずしもしっくりいかないのじゃないか。しっくりいっているのか、あるいは摩擦を生じているのか。むしろ摩擦を生ずることのほうが多くて、警察にはマイナスになっておるのじゃないか。これも私は自分の推測から申し上げているわけでありますが、そういうことになってはいけないと思うのです。そこで、外国の例等を簡単にお聞かせ願いたいと思います。
○本庄政府委員 外国の状況でございますが、簡単に申し上げますと、必ずしも全部を把握しているわけではございませんが、一応十六カ国について簡単な調査をしておるわけでございます。そのうち、法的規制を加えている国は八カ国で、アメリカ、カナダ、四ドイツ、イタリア、スウェーデン、オーストリア、フィンランド、スイス。法的規制がない国が六カ国で、イギリス、フランス、オーストラリア、ノルウェー、デンマーク。それから、日本も現在のところはございませんが、これを入れまして六カ国。それからベルギーにつきましては、調査中でございまして、この点はまだはっりしておりません。 それで、法的な規制があると申しましても、各国によりまして、また、アメリカのごときは州によりまして、中身はかなり異なっております。その内容は、アメリカあたりでは、私立の探偵業というのが前から相当あるようであります。その私立探偵業を規制するこまかい法律がありまして、それにあわせて、いわゆる制服の警備業についての規定を設けておるようでございます。ドイツの場合は、警備業としての単独の規制をやっておるようでございます。その中身といたしましては、営業につきましての免許あるいは許可制をとったり、あるいは営業者と警備員の欠格事由についてかなりきびしい制限をしたり、それから、先ほどお話の出ました損害補障を制度化しておる。さらには、服装の規制、行政監督といったことについてのかなり細部の規定をしておる国と、大まかな規定をしておる国と、いろいろあるようでございますが、いずれも、それは、その国の社会実態と申しますか、その社会実態に伴う警備業の実態、つまり、法規制の基盤が非常に異なっておりますので、その基盤に相応した規制がなされているというふうに解しております。 日本は比較いたしましてどうかと申しますと、日本のような企業形態のところは少ないようでございます。少なくとも、アメリカあたりとは全くと言っていいくらい事情を異にしておるようでございます。したがいまして、今回考えております警備業の規制の内容も、アメリカ――アメリカと申しましても州によって違いますが、アメリカの州法とはかなり趣を異にいたしておるかと思います。
○山本(弥)委員 それでは、この法案の中の警備業の内容でございますが、いま四つあげているわけですね。「次の各号のいずれかに該当する業務であって、他人の需要に応じて行なうものをいう。」そして、一は、「事務所、」云々「盗難等の事故の発生を警戒し、防止する業務」、それから二は、「通行に危険のある場所における負傷等の事故の発生を警戒し、防止する業務」、それから三は、貴金属等を輸送する場合の盗難の防止、 四は、「人の身体に対する」云々。五千人も持っておる警備会社があるようですが、業務の内容は、この四つのうちどういう比率になっていましょうか。
○本庄政府委員 正確な数字はいまちょっと手元にございませんのであとで申しますが、先ほど申しました数多くの警備業者のうち、大部分のものが第一号に該当する業務をやっております。
○山本(弥)委員 第一号に該当するということになりますと、私どもが先ほど回りくどくくどくど申し上げましたことから言いましても、警察がこれに対して盗難防止の方法はどうするかという指指導することによって、そういった講習をやることでいいのであって、そう深入りする必要はないのではないかという感じをどうしても私はぬぐい去ることができないわけなんです。 そこで、この四百五十社のうちで、当面淘汰したければならぬ不良会社というのはどのくらいあるのですか。
○本庄政府委員 たいへんお答えしにくい御質問でございます。と申しますのは、二つの理由がございます。一つは、御案内のように、警備会社についての法的な規制といいますか、立法が現在全然ございませんので、先ほどからいろいろお答えいたしております数字等につきましても、公安委員会のほうに会社に対して報告を求める権限もございませんし、いわゆる調査権もございません。いろいろな方法で、差しつかえない方法で調査をしておるわけでございますから、会社の実態というものを、数的にも質的にも必ずしも十分に把握いたしておりません。あなたのところは何人警備員がいますかと言って、五千人いますと言えば、そうですかということで、これを統計に載せるというのが実情でございます。それも今度の立法の理由になっているわけでございますが、それはとにかくといたしまして、実態を正確に必ずしも現在把握していないということ。 それから、淘汰すべき会社は、というおことばでございましたが、その「淘汰すべき」という、「べき」の基準のきめ方が非常にむずかしいかと思います。いろいろな意味におきましてけしからぬ会社というのは若干あると思いますが、とりあえずは、この三条に規定いたしております「警備業者の欠格事由」に該当する事業者は、法律ができれば当然排除されることになるわけでございます。また、排除しなければならぬ。第三条の法律が実施されました場合に、かりに現在実施されましたとすれば、これに該当するものは、一応はっきりしておるのは三社というふうに承知をしております。
○山本(弥)委員 あまり不良会社がなくてけっこうです。 質問したいと思いながら、私もなかなか結論を出しかねておるのは、警備業者の第三条の「欠格事由」ですね。これは確かにむずかしい問題だと私は思うのですが、端的に質問だけいたしますと、許可営業にしなかった理由はどうなんですか。
○本庄政府委員 許可営業にしなかった理由は幾つかございますが、第一に、先生も御案内のように、営業というものは、一般的には自由である。憲法で保障された営業の自由でございますが、拘束しないで済むならば、結局自由営業というのが好ましいわけでございます。したがいまして、許可営業にしなければならない積極的な理由が幾つか存在すれば許可営業にするわけでございますが、現在の警備業の実態を見した場合には、先ほどからのお話のように、若干の犯罪あるいはけしからぬことが行なわれておりますが、大部分の警備業者及び警備員は、正当に適正な警備業務実施をやっておるというふうに方えてよろしいかと思います。その実態がさようであるということ。それから、さらに、今後の問題になるかと思いますが、たとえば、警備業につきまして、資力基準をきめる、あるいは会社の規模の基準をきめる、あるいは技術能力の基準をきめる。そういう必要が生じた場合には、これはあるいは許可制度をとらなければならないかと思いますが、現状におきましては、資本金は幾ら以上でなければならないとか、あるいは警備員は何人以上でなければならないとか、そういう制約を加えなければならない必要性というものは、現時点においては生じておりません。それや、これや、要するに、現状からいたしますと、許可制度をとる実態ではない。しかし、全く野放しではぐあいが悪いので、届け出をさせて、実態を把握しつつ所要の監督をやっていこうというのが今回の趣旨でございます。
○山本(弥)委員 委員長から時間の制約でやかまし言われるわけなんですが、重要な法案ですが、それほどあまり審議をしないということであるならば、私は簡単にして、質問を打ち切りまして、またの機会に譲りたいと思います。
○大野委員長 いやいや、御協力をお願いいたします。
○山本(弥)委員 そこで、次にお尋ねしたいのは、第八条の「警備業務実施の基本原則」なんですが、これはまあ基本原則になっておるわけでありますが、「他人の権利及び自由を侵害し、又は個人若しくは団体の正当な活動に干渉してはならない。」となってあるわけですねこれは当然の規定だと思うのであります。 そこで、最近警備会社が問題になっておりますのは、本庄さんは第二条の第一項の一の、いわば夜警だとか、見回りだとか、あるいは宿直等の、盗難防止が大部分だというお話ですけれども、最近世間で非難され、あるいは、ことに労働者側の問題となり、新聞だねになっておりますのは、たとえばチッソの問題とか報知新聞の問題のように、争議行為の際の暴行だとか、傷害だとか――那珂湊のように、市長が悪くて、警備員を自分の職員にしてやらせたなんということは、これは事例は違うわけなんですけれども、ごくわずかな例が、争議行為で、新聞種になってにぎわし、警備会社の信用も落としておるということなんですね。この争議行為に関与しないということは、「個人若しくは団体の正当な活動に干渉してはならない。」ということに包含されるわけですか。争議行為には絶対に干渉をしないような指導をするということをはっきり言い切れるわけでしょうか。
○本庄政府委員 法第八条にあります「個人若しくは団体の、正当な活動に干渉してはならない。」というのは、正当な争議行為に対する干渉というものを当然合むつもりで立法をいたしております。
○山本(弥)委員 これははっきり、「争議行為等に干渉してはならない」という明文を入れたらどうですか。
○本庄政府委員 争議行為に介入してはならないということを明文化せよという御質問でございますが、いろいろな考え方はあると思いますが、私たちといたしましては、使用者が従業員以外の第三者に、盗難等の事故の発生の防止その他企業施設の保全と申しますか、保安等の業務に当たらせるということは、当該事業所におきまして労働争議が発生している場合におきましても、現行法上は禁止をされておりませんし、警備業者あるいは警備員についてのみそれを禁止するということは、ちょっと理由としては乏しいのじゃないかと考えております。もちろん、争議行為が発生している場合におきます警備業務につきましては、特に慎重な配慮が必要であろうと思います。また、さらに、労働争議が発生しております事業所におきまして警備業務を委託された警備業者あるいは警備員が、労働争議に不当に介入し、労働者の労働基本権を不当に侵害するようなことがあってはならないということは、これはもちろんでございまして、この点につきまして、今回のこの第八条によって明らかにいたしたというつもりでございます。
○山本(弥)委員 争議行為に介入をしないということはこの条文の中に含まれる、それで、そういう行為に介入してはならないという明文をわざわざ入れる必要はないという御答弁と了承していいのかどうか。 それから、もう一点。争議行為に介入したような場合には、「警備業務の適正な実施が著しく害されるおそれがあると認められるとき、」に該当して、「営業の全部又は一部の停止を命ずることができる。」という十五条が適用になるかどうか。お聞かせ願いたいと思います。
○本庄政府委員 先ほども申しましたように、この八条が「団体の正当な活動」でございますから、正当な争議行為と申しますか、活動と申しますか、それに干渉してはならない。つまり、労働争議に不当な介入をしてはいけないということは、これははっきり申し上げられると思います。 それから、十五条の点につきましては、お説のとおりでございます。
○山本(弥)委員 時間の関係がありますので、一応打も切りたい思います。なお、疑念の点はほかの同僚委員の質問の際に、さらに質問を留保しておきたいと思います。 最後に、国家公案委員にお伺いしたいと思うのでありますが、私は明治生まれで、どうも、非常に古い考え方と新しい考え方が混乱しておりまして、委員長に進言するだけの能力も識見もないわけなんですが、ただ一つ人情的にお話を申し上げれば、私は、ある意味において、自分のたどってきた道から言うと、警察官がほんとうにいままでと違ったいい警察行政をやってもらいたいということを期待しておる一人なんです。そこで、退職警察官の将来のことにつきましても心配をしているわけですが、過去におきましては、わりに有能な警察官、ことに、幹部クラスの警察官はある程度まで各方面に活動する分野があったわけですね。今日、警察官の活動分野というものは非常に狭められているという感じを私は受けているのです。たとえば、自動車運転の試験場だとか、あるいは民間の学校だとか、そういうところに行く可能性があるわけなんですね。この警備会社も、統計があればあとで警察のほうでお示し願いたいと思うのですが、警察の幹部におられた方も相当関係しておられる方が多いと思うのですが、そういう者が、誤りのない後半生に、自分の職業に喜びを感じてやり得るという機会の多くあることを希望するものであります。あやまちがあってはならないと思うのです。自分のいた古巣の警察との、古いことばで言いますと、因縁ということを重視するあまり、安易に自分の余生を考えるということであってはならない。そこで、ともかくも、新しい人は、この条文にありますとおり今後教育することは必要だと思いますが、そういった防犯業務、刑法の内容も比較的知っており、仕事も忠実にやり得るというのは、六十くらいで、定年になってやめた人でも健康であればやれるわけですね。五十五歳でやめた者は当然役に立つと私は思うのです。そういう人が班長や何かになって仕事をすると思うのです。ところが、それがほんとうに若い人の指導者としてやっていくためにも、私は、生活の安定という見地からこういう業態の営業を見ていくことがいいのじゃないかと思う。警察の取り締まりのもとにある営業ということになりますと、いままでいろいろ高級幹部の天下りの問題も指摘されていますね。それから言っても、ある意味において近がふさがれるような心配もあるし、ことに届け出して、万一の場合があれば、英断的に営業の停止――前歴がなければ廃業が命ぜられることはこの法律ではないわけですから、何回も営業の停止を受けるということになるのじゃないかと思うのですが、そういう意味から言いましても、ひとつ思い切って、角度を変えた、ほんとうの警備業法の実効があるような考え方にお立ちになることが必要ではないか。かように考えるわけですが、いま急に答弁もめんどうじゃないかと思うのですけれども、もし御答弁ができればお願いしたいと思います。
○中村国務大臣 私は、きわめてきちっとした考え方の上に立った御意見であると思いますが、前段で御指摘になりましたところの、警察の一定の年齢までつとめたあとの生活の保障の問題、これは、御指摘のように、行く先がきわめて限られておる。また、世間でもこれを受け入れるという場面が非常に少ない。そういう事情もありますし、さらに、警察の任務から考えますと、私は、退職警察官の身分というものは、国で一定の線を保障すべきだと思います。変なところへ行ってつとめをしなくても生活は保障されておるということがやはり国の警察行政の基本であると思います。 ただ、警備業法との関連でございますが、そういう意味からも、警察官が警備業の中に行くというようなことはあまり好ましいことではない。しかし、仕事の性格から言うて、山本議員も御指摘のように、やはり縁の深いようなことになっていく可能性もあると思う。そういう点でいろいろ間違ったことの起こらないように、なるべくそういうところにも行かないほうが好ましいと私は思いますけれども、しかし、人間の生活というものはやはり成り立たなければなりませんので、ほかに行く先がないような場合に、そういうところに行くこともあるいは起こってくると思います。そういうこと禁止するということは非常にむずかしゅうございますから、先ほど御指摘のあったように、生活の保障という一つの別途の方法で、そういう方向になるべく行かないよりに規制していくのがよろしいことじゃないかと、かように考えておるものでございます。
○山本(弥)委員 じゃ、打ち切ります。
○大野委員長 川崎防犯少年課長から、罰則関係のことで、中村委員に対する補足答弁があります。
○川崎説明員 中村先生の、四条、五条、六条関係の届け出違反の罰則について御説明申し上げたいと思います 御案内のように、営業関係の届け出制度につきましては、実態掌握と、それから行政監督、そういうもののために行なわれるものであるわけでございますが、それに対する違反につきましては、そういう当該届け出なり、その届け出に対する違反というものの持つ意味合いによって罰則の程度というものはきめられるべき筋合いのものであろうというふうに思うわけでございます。そういう点から考えてみました場合に、四条違反で無届けで営業するということにつきましては、欠格事由、その他法的な規制を加えておりまして、この警備業というものの営業廃止の要件になるという筋合いのものでございまして、そういう意味で基本的な違反になる。そういう性質のものであろうというふうに思うわけでございます。そういたしまして、四条の虚偽届け出であるとか、五条、六条関係の届け出違反につきましては、言うならば部分的な違反である。そういう筋合いのものであろうというふうに思うわけでございます。そういう点で、四条違反の無届け営業につきましては十万円、四条の虚偽違反、それから五条、六条関係の無届け、虚偽違反につきましては三万円の罰金というふうな線をきめておるわけでございますが、五条、六条関係におきまして無届け違反と虚偽違反を区別しなかった点につきましては、通常の立法例に従ったわけでございます。国内立法におきましては、宅建業法その他いろいろの法律で届け出義務を課しておるわけでございますが、そういう届け出義務につきまして、部分的な届け出違反につきましては、無届けであろうと虚偽届け出であろうと、同じ罰則でもって臨むというふうなかっこうでまいっておりますので、その例に従ってまいったものでございます。
○大野委員長 関連質疑を許します。門司亮君。
○門司委員 ちょっと、委員長を通じて、ひとつ資料を出しておいていただきたい。それだけを要求しておきます。 その資料の内容は、先ほど同僚の山本委員からのお話のときにもありましたように、いろいろ問題があろうかと思いますが、現行の警備業を営んでおる人と契約をしている人との間の契約書があなたのほうの手にあるはずです。それがなければならないはずである。それをひとつ参考のために出してもらいたい。現行の制度とこの法律との照らし合わせをしなければいけません。
○大野委員長 よろしゅうございますか 〔林(百)委員「具体的な、どの会社との契約というものでなくていい。そういうのがあるでしょう」と呼ぶ〕
○大野委員長 いまのことはわかりましたか。
○本庄政府委員 現実の本物の契約書そのものはございませんけれども、ティピカルな、モデルといいますか、そういうものはございます。
○門司委員 それを出してもらいたい。
○大野委員長 次回は、来たる十六日火曜日、午前十時から理事会、十時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時五十一分散会