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68回国会衆議院1972/04/11

地方行政委員会 第15号

発言数
87
登壇者
17
会派数
5
開催日
1972/04/11

会議録

大野市郎自由民主党

○大野委員長 これより会議を開きます。  内閣提出にかかる昭和四十七年度分の地方交付税の特例等に関する法律案を議題といたします。  本日は、本案について、参考人の御出席を求めております。  参考人は、全国知事会代表、鹿児島県知事金丸三郎君、全国町村議会議長会代表、岩手県岩手郡岩手町議会議長柴田嗣郎君、静岡大学教授高橋清君、全国市長会代表、大阪府豊中市長竹内義治君、以上四名の方であります。  この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。  参考人各位には、御多用のところ当委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。本法律案につきまして、それぞれのお立場から、何とぞ忌憚のない御意見をお述べを願いたいと存じます。  なお、議事の順序でございますが、初めに御意見をそれぞれ約十五分程度で取りまとめてお述べをいただき、次に委員諸君からの質疑に対してお答えをお願いしたいと存じます。  それから、御意見の開陳順序は、金丸参考人、柴田参考人、高橋参考人、竹内参考人の順序でお願いをいたします。  それでは、金丸参考人、お願いをいたします。

金丸三郎全国知事会代表

○金丸参考人 本日は、私どもの意見をお聞き取りいただきましてありがとうございます。  衆議院の地方行政委員会の諸先生方には、平素、地方財政のこと、あるいは地方行財政全般につきまして、いろいろ深い御配慮をいただいておりますこと、厚く御礼を申し上げる次第でございます。時間もございませんので、全国知事会として考えておりますことを、若干私の個人的な私見もまじるかと思いますけれども、ごく項目的に、できるだけ簡潔に申し上げたいと思います。  昭和四十七年度の国の財政につきましても、地方の財政につきましても、国民経済成長の伸びが著しく変わってまいりましたこと、ドル・ショックに対応いたします種々の措置が必要でございますこと、また、国民の行政需要の多様化に即応いたしまして財政の支出の必要なこと等から、非常に思い切った措置が国におきましてもとられ、地方におきましてもとられたわけでございますが、何と申しましても、やはり、その著しい例は、国も大きな公債政策に踏み切り、地方におきましても、財源補てんでございますとか、景気対策を兼ねました公共事業を実施するという点から、思い切った起債の措置がとられておるということに尽きようかと思います。これが四十七年度限りの措置として済むのであろうか、四十八年度につきましてもほぼ同じような措置がとられる見込みであるのかというような点が、私ども、地方財政を預かっておる者といたしましても一番心配になる点でございます。  私は、個人的な見解といたしまして、やはり、少なくとも明年度ぐらいまでは、地方財政の健全性を保つという見地から、県も市町村も財政にはよほどふんどしを締めてかからなければならないというふうに考えまして、県の予算措置にいたしましても、県下の市町村に対しまして、行財政の運用につきましても、よほどふんどしを締めてやってもらいたいということを申しておるのでございます。本年度と同じように、交付税の特別会計の借り入れの措置でございますとか、国の公共事業に対します地方の負担を起債でまかないますとか、そのほかの事業も、あるいは減税に伴います地方の歳入の補てんとして起債に求めますとか、これが将来地方財政に非常に大きな問題となってくるということを十分に考えてまいらなければならない。このように考えておるのでございます。したがいまして、四十七年度におきましても、交付税の投資的な経費の一部を起債に振りかえる等の措置が講ぜられております。これだけでも約二千六百億円もございますので、将来の地方財政に問題をできるだけ残さないようにいたしますためには、今後、元利補給等についても御検討をお願いをいたしたい。このように考える次第でございます。また、同じように、公共事業の拡大に伴います地方負担の財源を起債に求めてございます。この元利の償還についても、将来補てんの措置を考えていただく必要があるのではなかろうか。こういうふうに考えております。  次に、税制の問題でございます。現在の租税の特別措置、地方税の非課税措置による減収が非常に大きゅうございます。若干の増税をいたしますよりも、むしろ、これらの特別措置及び非課税措置を整理いたしますことのほうが、実質上地方歳入が確保できるのではなかろうかと思いますので、この点についてぜひ御検討をいただきたいと思います。  それから、新税の問題でございますが、このような状況下におき観して新税を設けるということは、なかなか政治的にも困難があることは、私どもも承知いたしておりますけれども、特に、都市におきます財政需要等から考えますと、また、都市におきまして、ある意味で税源かあるわけでございます。私は、住民にも比較的に担税力があると考えてよろしいと思いますので、都市税源の強化をはかるようにしていただいたらどうであろうか。事務所・事業税の創設でございますとか、そういう問題でございます。将来付加価値税が検討されます場合、地方税制との関連においてぜひ御考慮をいただきたい。こういうふうに考えます。相対的に考えてみまして、国の場合よりも、地方団体のほうが税源が非常に限られておると思います。それから、国民の税負担の感じから申しまして、従来、わが国は直接税を主としてまいりましたけれども、やはり直接税が重いという感じが非常に強いわけでございます。法人税のごときは、外国に比べますと、わが国のほうがまだ軽うございます。これは御承知のとおりでございます。また、軽油等におきましても、わが国のほうがまだ軽うございます。これらの点については、検討の余地があるいはあるかもわかりませんけれども、総体に直接税が重いということは、所得税につきましても、あるいは現在の景気のもとにおきましては、企業にとりましても同じではなかろうか。私は、やはり、できるだけ直接税から間接税に比重を移していくべきではないかと思います。  それから、目的税でございますとか、そういうものはできるだけ避けるというのが従来の税制についての考え方でございますけれども、今日の国民の感じからいたしますと、無目的に税を納めさせるのでいやがるのでございまして、こういう目的でこういう仕事をやるから、それに必要なこれだけの財源をこういう税金で取ると、目的をはっきりいたしますならば、国民を納得させやすいのではないだろうか。私はそのように考えます。したがいまして、直接税と一般税を主にする考え方でなく、知らず知らずに税金を納めるような間接税と、それから目的をはっきりさせて、それに必要な負担を国民が分担するという行き方、あるいは受益者負担と申しましょうか、それに近いような考え方で今後税制を改めていって――改めると申しましょうか、今後、公共事業だけでございませんで、社会福祉の面、快的な生活を確保するという面からいたしまして、そういう方向へ持ってまいりますことが必要ではなかろうか。こういうふうに考えるのでございます。付加価値税が非常に困難でございますならば、若い者も、あるいは年寄りでも、今日必ずしも実質上の所得にそう差がないといたしますならば、大衆課税ということでなしに、その、いわば担税力から申しまして、物品税のようなものでございましても、広くこれを求めて、社会福祉にせよ、歳出に充てることが適当ではないか。かように考える次第でございます。  次に、交付税の問題でございますが、二つの面から、交付税の現行の税率につきましても、私は、もう一ぺん考えていただく時期になってきておるのではないかと思います。   一つは、府県間あるいは市町村間の財政力の差は決して縮まっておりません。交付税の制度によってようやく均衡が得られつつございます。いわゆる過疎の地域と過密の地域とございまして、これは農村地域工業導入促進法でございますとか、あるいは工業の再配置の法律案でございますとか、こういう制度ができることによりまして、ある程度の税源の格差の是正が行なわれるでございましょうけれども、これも現実にはなかなか容易でございません。したがいまして、この差をなくいたしますのには、やはり交付税にたよらなければならないのではないだろうかと思います。  もう一つは、市町村をコミュニティーとして育てていくという考え方からでございます。今日、いろいろな事業を市町村がいたしております。その端的な例として、老人に対します年令とか、医療の問題がございます。一部には、市町村があまり先走ってこういうことをやるという批判もございましたけれども、一面から申しますならば、住民のニードを直接に受けるのが市町村や府県でございます。ほっておかれませんので、不十分ながらも、老人医療であるとか、老人に対するいろいろな支出をやってきておる。それが、今度、政府が老人医療の公費負担の制度をとられたわけでございますけれども、ある意味では、地方団体のほうが国民のニードを敏感に感じますので、乏しい財政の中からそれに対応する措置をやってきておるということでございます。これは、市町村がコミュニティーとしてこういう仕事をやらざるを得ないのでやっておる。市町村をほんとうに力づけて、住民のほんとうに必要な行政需要に対応できるようにいたしますのには、やはりある程度の財政力を与えていかなければならない。ところが、過疎の町村におきましては、新税を興そうにも税源がないわけでございます。これは交付税にたよらざるを得ない。そういう意味で、市町村をコミュニティーとしてほんとうに力づける上におきましても、三二%の交付税の税率につきましてはもう一ぺん御検討いただいて、これを引き上げるような方向で恒久的な財源をつくっていただきたい。こういうふうに私は思うわけでございます。  時間がございませんので急いで申し上げますが、地方交付税の機能の中に、平等に財政収入と財政需要の差を補充してやるという機能がございます。それから、もう一つは、交付税制度の中には、公共事業が消化しやすいようにするとか、福祉対策をやるとか、公共事業をやりやすいようにするとか、政策的な面があると思います。交付税制度ができましてからもう二十数年、さかのぼりますれば、地方財政補給金の時代からもう三十年になっておるわけでございます。戦後も、昭和三十年代と四十年代では、社会全般的に違ってまいりました。交付税の中におきます政策的な面において、もう一ぺん再検討していただいたらどうであろうか。現在の交付税は、いわば精密な時計のようなものでございますから、これを一ぺん分解掃除をしたらどうだろうか。地方団体には過疎、過密あるわけでございますけれども、福祉対策をどういうふうに市町村にやらせるか、青少年対策をどういうふうにやらせるか、住宅をどういうふうにやらせるか。政策的な面から、あるいは地方制度調査会もございますし、地方財政審議会もあるわけでございますが、私の希望をざっくばらんに申し上げますならば、自治大臣の個人的な機関として、政策的な交付税の配分につきまして、懇談会でもけっこうでございますから、分解掃除をするためのそのような機関を設けて、そして、国会のほうにもおはかりになるようにしていただいたらどうであろうか。これは、地方交付税の政策的な配分の方法について御検討をいただきたい。こういうことでございます。  それから、交付税につきましては、事業費の補正は今後漸次廃止する方向で御検討をお願いいたしたい。こういうふうに存じます。  地方債につきましては、今後、地方債に依存する度合いが高くなりますので、充当率を引き上げ、政府資金のワクを拡大をしていただきたいということ、償還期限を延長していただきたいということ、そういうことを特にお願いをいたしたいと思います。  国と地方との財政の関係におきましては、国庫補助金の制度につきまして、零細な補助金をできるだけ整理していただきたいということ。  それから、超過負担の解消、補助基準の改善でございますとか、直轄負担金の制度につきましては、廃止する方向で御検討いただけたら、かように存ずる次第でございます。  時間もだいぶ超過いたしましたので、これで失礼いたします。  御清聴ありがとうございました。

大野市郎自由民主党

○大野委員長 次に、柴田参考人にお願いいたします。柴田参考人。

柴田嗣郎全国町村議会議長会代表

○柴田参考人 全国町村議会議長会の柴田でございます。  衆議院地方行政委員会の諸先化方には、常日ごろ、地方行財政対策の面で格別の御指導と御配慮をいただいておりますことを、この機会に厚く御礼申し上げます。  ただいま御審議をいただいております昭和四十七年度の地方交付税の特例等に関する法律について、町村議会の立場から若干申し上げたいと存じます。  昨年からことしにかけての異常な景気停沸と、これによります地方財政の深刻な危機に対しまして、私ども町村関係者としましても、地方交付税の大幅増額、地方税の大幅減税の見送り、地方債の増額、超過負担解消等、各般にわたる対策、要望を繰り返してきたところでございます。特に、町村におきましては、地方税に有力な税源が乏しく、歳入構成において町村税の占める比率が年々低下して、二〇%にも達しない状況であり、また、その財政力からして、地方債にも大きく依存できない状態であります。逐年増高する財政需要をまかなうには、地方交付税が唯一の大きな財源となって、歳入構成の三分の一以上を占めておりますので、この交付税が伸びるか伸びないかは、きわめて重大な問題として、かねがね御配慮をお願いしてきたところであります。幸いにして、今回とられました地方財政対策で、昭和四十七年の特例として、臨時地方特例交付金一千、五十億円の一般会計からの繰り入れ、一千六百億円の資金運用部からの借り入れ等の措置が実現し、これを含めて四千四百七十五億円の増額を確保していただいたことはまことに感謝にたえないところであります。私どもは、この特例により、どうやら、いままでの事業をあまり大きく落とすことなく住民の要請にこたえていけるのではないかと期待いたしておるところであります。  まず、交付税総額の点では、四千四百七十五億円の増建二・七%の伸びで、前年度の二〇・九%をわずかに上回っております。もっとも、これには沖繩分が含まれておりますので、これを除きますと、伸び率は一九・六%で、やや前年度を下回るわけでありますが、総体としてみれば、当面の地方財政危機を回避し、一応の水準を維持していけるだけの財源は確保されたものと思われます。  また、配分の面におきましては、単位費用の改定、基準財政需要額等の充実を通じて、過疎過密対策、広域市町村圏対策、生活環境施設等社会資本の充実、その他市町村の当面する緊急課題に配慮されており、また、今回の地方財源対策との関連で、投資的経費の一部を地方債に振りかえる措置が構ぜられることとなっておりますが、これも、力の弱い町村に対してはこの方法をとることなく、極力、交付税そのもので財源確保をはかられる等、各方面にわたって配慮されているところであります。  以上、総額確保あるいは算定配分の両面において、今回の特例法案は、私たちの要望にこたえるもので、諸先生方の御尽力によりすみやかに本法案が通過成立の運びとなりますことをお願い申し上げる次第でありますが、なお、この機会に、今後の対策も含めまして、二、三の希望を申し上げたいと存じます。  第一に、四十七年度は、この特例措置により一応の財源確保ができるわけでありますが、景気の動向によりまして、地方財政危機の問題が今後の大きな問題としてなお残されている点であります。今後、景気が早急に立ち直りを見せ、そのはね返りで地方税、地方交付税等一般財源が大きく伸長することを期待するところでありますが、そのようにいかない場合は、すでに昨年度、本年度と二回にわたり三千億円近い借り入れ金をかかえた地方交付税は、きわめて窮屈な財源となり、増加の一途をたどる財政需要にとても対処できなくなることを憂慮するものであります。  一方、財政需要の面では、先生方も御承知のとおり、当面の過疎過密対策をはじめ、公害、交通安全対策、農山漁村対策、社会資本整備充実等、緊急課題が山積しており、地方の末端行政を担当する者にとりまして、これら住民の要請の強い諸問題は、財源のいかんにより解決を遷延するわけにまいらず、日夜苦慮しているところであります。したがいまして、今後の問題として、地方行財政の長期的展望に立った地方一般財源の確保について、交付税率引き上げ等も含めて、強力かつ安定した財源確保をぜひとも御配慮いただくようお願い申し上げる次第であります。  次に、町村の立場から、今後引き続き交付税の町村に対する傾斜配分について御配慮をお願い申し上げます。このことは、すでにいままでにおきましても御配慮いただいているところでありますが、先ほど申し上げましたように、有力地方税源を持たない一般町村にとりまして、この交付税が最大の一般財源でありますので、町村の行政水準向上をはかるために、今後なお一そうの傾斜配分について御配慮をお願いしたいのであります。   〔委員長退席、中村(弘)委員長代理着席〕  さらに、地方超過負担解消の問題であります。このことにつきましては、当地方行政委員会におかれましても、しばしば御決議をいただいているところであります。政府におきましても、いままでにある程度年次計画をもって解消措置を講ぜられております。しかしながら、最近における物価の高騰、事業量の急激な膨張等により、地方超過負担は依然として巨額にのぼり、地方財政運営に対する大きな圧迫となっているところであります。政府におきましては、本年度、その実態を調査して、適切な措置を講ぜられるようでありますが、地方の実情と経済動向に即応した合理的な補助負担制度が確立せられ、超過負担がすみやかに解消せられるよう、よろしく御配慮のほどお願い申し上げる次第であります。  以上、希望意見を申し上げまして、私の発言を終わらせていただきます。  ありがとうございました。

中村弘海自由民主党

○中村(弘)委員長代理 次に、高橋参考人にお願いいたします。高橋参考人。

高橋清静岡大学教授

○高橋参考人 私、財政学を専攻するものとしまして、昭和四十七年度分の地方交付税の特例等に関する法律案に反対の立場から意見を述べさしていただきたいと思います。  大体三点ばかり。一つは、交付税の臨時的特例的措置についてと、それから沖繩に対する特別交付金、それから省令でなされている広域市町村圏に対する交付税の上積み措置、この三点について問題、意見を述べさしていただきたいと思います  まず、初めに、四十七年度の臨時特例交付金と交付税特別会計における国からの借り入れ金でございますが、これは、地方交付税について、抜本的な改革に手をつけないまま、四十年代からずっと特例的なあるいは臨時的な措置に終始してくる。それからあるいは、省令によって、経過的な措置でやりくりしてくるというような、こういうやり方はこの際やはりやめるべきではないかというふうに考えるわけであります。  それで、臨時特例交付金一千五十億円、それから交付税特別会計における国からの借り入れ金一千六百億円、合計二千六百五十億円でありますが、これは地方税、交付税の減収を補てんするための増額措置になっているかというと、実際は全く増額措置になっていないというふうに考えるわけです。それは、片ほうで交付税の基準財政需要額における地方債への振りかえ分がちょうど二千六百億円ぐらいあるというふうに推定されます。つまり、一つは、公共事業の拡大に伴う道路、河川、港湾などの投資的経費分が、本来は増額さるべきものが据え置かれまして、増額されるべき分が九百五十億円地方債のほうに振りかえられている。それから、事業費の補正が、当然これまでの形から言うとふえなければならないわけですが、それを減にして、事業費補正減による振りかえ分がやはり千六百五十億円で、二千六百億円になるわけです。結局、今回の特例措置による増額分というのは、そういう交付税における地方債振りかえ分と相殺されまして、結局、帳消しにされてしまうということになるんじゃないかというふうに考えます。したがって、やはり二千六百五十億円相当額は、少なくとも交付税率の引き上げ――大体、国税三税にリンクさせますと、四%のアップで可能になるわけでありますが、結局そうなりますと、合計して三六%の交付税率になりますが、少なくとも四%アップによって、調達すべきではないか。こういう臨時的、特例的措置というものは結局かご抜け措置になっているのではないかというふうに考えるわけです。  それから、臨時的特例措置に関連しまして、四十三年度から交付税会計に国からの貸し借りの関係というものが設けられてまいりましたが、私の意見としましては、こういう国からの貸し借りの関係は、やはり即刻やめるべきではないかというふうに考えるわけです。一つは、理由としましては、借り入れ金の総額が、交付税総額の一割前後を占めるようになり、また、これから年々借り入れ金の返済額が増大して、交付税の運用が硬直化してくる。それから、基準財政需要額の圧縮的な算定といったようなことから、単価の低い補助金化といったようなことが交付税の性格となってくるということが当然言えるんじゃないかというふうに思うわけです。それから、一方、政策当局のほうでも、こういう国からの貸し借りの関係を導入することによって、年度間の調整措置をなしくずしに導入していこうという、そういうお考えもあるようでありますが、日本の場合は、国が地方財政を統制するために、規制するために、新規のそういう調整権限というものを国が持つ必要があるかどうかということになりますと、これは、西ドイツとか諸外国のような制度をそのまま日本に導入する必要は現在のところないというふうに私は考えます。それは、税源の配分において、すでに国にあまりにも片寄り過ぎた税源配分関係にあることと、それから普通、建設事業費の中で補助事業費が六割占めているということ、それから、地方債の発行が許可制度になっているというようなことから見ましても、これ以上国が直接地方財政を規制する権限を、特にまた、交付税を通してそういうことをやるというようなことは必要がないというふうに考えているわけです。  それから、二番目の問題としましては、臨時沖繩特別交付金の問題でありますが、これは一つは、問題としましては、特別交付金の漸減方式。これは五カ年間で廃止して、あとは普通交付税に切りかえていく。こういう措置でありますが、やはり、こういう特別交付金の漸減方式というのはやめまして、長期的措置として、特別交付金の財政措置というものを継続する必要があるのではないかというふうに考えるわけです。沖繩の県及び市町村は、これまで戦後ずっと日米政府からの援助金もありましたが、それはほとんど全額用途指定でありまして、そういう全額用途指定の援助金と借り入れ金財政から脱却していって、この自主財源というものを確保していくためには、かなり長期な特別交付金の措置が必要ではないかというふうに考えるわけです。  それから、それに関連しまして、沖繩に対して日本の普通交付税の制度をそのまま適用するということは、かなり無理があるのではないか。したがって、そういう長期の特別交付金の措置を続けていくと同時に、普通交付税というものが沖繩のような県、市町村にも的確に適用できるような制度改革ということをしていかなければならないのではないかというふうに考えるわけです。  沖繩の市町村の財政力指数を調べてみますと、本土の過疎町村でももちろん財政力指数〇・一といったようなものもございますが、沖繩の場合は、〇・〇一台から〇・〇九台という、〇・一以下でもまた非常に低い市町村があり、しかも、五十五市町村のうち、約半分の市町村が人口減少率が五年間で一〇%という、いわば過疎化が激しい町村であります。したがって、そういうところに普通交付税をそのまま適用することによって、そういう人口減の市町村財政に対する財源保障措置というものがはたして確立できるかどうかというと、いまの普通交付税ではできないのではないかというふうに考えるわけです。いまの普通交付税は、配分基準の柱となるのはもちろん人口でありますが、人口急増補正とか人口急減補正といったようなもので、いろいろ、人口がふえる地域にも顔を立て、人口の減る地域にも顔を立てるといったような人口配分基準を柱としたなら、これは非常に矛盾した措置を続けてきているわけでありますので、この際そういう過疎市町村を含めて、沖繩の市町村などにも的確に適用できるように、地方交付税の機能というものをこの際二つに分けて考えていく必要があるのではないか。つまり、特に市町村段階で、一人当たり市町村税の水準を本土の一人当たり市町村税の平均水準にまで引き上げることができるような交付税の改革措置、つまり、地方税収減を一般的に補てんするような交付税の新しい機能を、いままでの交付税の計算とは別建てで考えていく必要があるのではないか。その上で、別ワクで、地方交付税の基準財政需要額に都市的な需要を大幅に算入して、市町村中心に地方交付税を交付していく。こういうやり方が必要になってくるのではないかというふうに考えるわけです。  ちょっと話が前後いたしますが、特別交付金については、沖繩県の累積赤字の国の肩がわりの一部分なども含まれておりまして、算定基準が明確でないという点が非常に疑問を感ずる次第であります。  それから、最後に、三番目の問題としては、広域市町村圏については、四十七年度で大体三百三十圏域の市町村が指定圏域に入る予定になっております、市町村の九割が広域市町村圏域として指定される予定になっておりますが、これが問題になりますのは、地方交付税で、道路費の上積み分。これは事業費補正によってなされている道路費の上積み分でありますが、これが省令でなされており、しかも、これが非常に使い道が制限されているという点であります。これが具体的にはどういうふうになっているかというと、建設省で一、二級市町村道の指定基準というのをつくっておりますが、それをそのまま当てはめられるような市町村道にだけしかこの交付税の道路費の上積み分が使えない。それから、それにもっとワクがはまりまして、幅貝が一・五メートル以上の市町村道でないと使えない。それ以外の市町村道に自主的に使うということはできないという、そういう指導が各県から市町村になされております。したがって、これは、「国は、交付税の交付に当つては、地山自治の本旨を尊重し、条件をつけ、又はその使途を制限してはならない。」という、地方交付税法の第三条二項に違反するようなことが省令措置でなされているのではないか。したがって特に過疎市町村では要望の強い市町村内の集落と集落を結ぶような循環的道路、こういうものにもお金を使えるように――これはかなり要望が強いわけですが、そういう循環的な通路などにもお金が使えるように、こういう事業費補正による上積み分の措置はやめて、要するに、市町村道整備の自主財源として、道路費の上積み分相当額が自主的に使えるような措置に改めるべきではないかというふうに考えるわけです。そういう広域市町村圏の基幹市町村道は、考え方としましては、これはむしろ放射状の国道とか県道の取りつけ道路的な性格を持っておりますので、むしろ、国費とか県費の補助制度のもとで、そういう放射状道路に連結する市町村道などは整備すべきものではないかというふうに考えるわけです。  ちょっと時間が超過したわけでありますが、意見を述べさしていただきました。

中村弘海自由民主党

○中村(弘)委員長代理 次に、竹内参考人にお願いいたします。竹内参考人。

竹内義治全国市長会代表

○竹内参考人 全国市長会を代表いたしまして、先生方に心から御礼申し上げます。  昭和四十七年度分の地方交付税の特例等に関する法律案は、現在のわが国の経済の現状から考えまして、地方財政が当面をしている問題を解決するための緊急の措置としては、必要欠くべからざるものでございまして、いろいろ問題はございましょうが、私どもは基本的に賛成をするものでございます。一日もすみやかにこの法律案が成立をいたしまして、地方財政の運送に支障のなからしめんように御配慮を賜わりたいということを第一にお願いを申し上げます。  それに関連をいたしまして、先ほど三人の先生方から申されましたように、これはあくまでも昭和四十七年度の臨時特例でございますので、現在の経済の状態がどうなるか、私どもよくわかりませんが、今後におきまする経済の動向その他等を考えます場合には、後年度以降におきまする地方財政を圧迫する、あるいは深刻にするという要素を多く含んでおりますので、これらの点につきましては、今後格段の御配慮を賜わりますよう、切にお願いを申し上げる次第でございます。  こういう機会でございますので、交付税に関連をし、あるいは地方財政計画に関連をして、五つの問題につきまして御意見を申し上げ、あるいはお願いを申し上げたいと思います。  その第一は、都市の人口集中に伴う異常な財政需要の問題でございます。御承知でございましょうが、わが国の人口の四七%が東京と大阪にかたまってしまっておるわけです。二大都市圏にかたまってきておる。言えば、東京、大阪の問題が都市の問題だというふうに私は理解をしたいくらいに思っております。それがますますふくれてきておる。こういうことでございます。それで、今日の都市問題の一番の根源は、やはり東京と大阪にある。と言うと、はたの地域からおしかりをこうむるかもわかりませんが、数字的には四七%。日本の人口の半分が集まってきておる。こういうことでございます。そこでどういう問題が止まれておるかと申しますと、私どもは、明けても暮れても、学校が足らぬ、中学校が足らぬ、幼稚園が足らぬ、保育所が足らぬ、と、こればっかりで責め上げられているわけです。本年度の予算では、小学校の補助金を三分の一から二分の一に引き上げをいただきまして、まことにありがたく、厚く御礼を申し上げますが、ただ、問題は、小学校だけではございません。中学校もふえてくるわけです。むしろ、問題は、これから昭和五十二年までを考えますと、中学校の伸び率のほうが高いわけです。中学校は高等学校に結びついていきますから、これはプレハブでちょっと授業をやっておくというわけにいかぬわけです。そこのところをひとつ御配慮を賜わりまして、むしろ、こういう都市対策の中では、市町村が選択の自由性のない小中学校のような問題はどんどんやらしていただきたいと思うのです。まあ、これは文部省の関係もございましょうが、どうしてもこれがおくればせになる。そうなるのは何かといいますと、一つは、やはり国の補助政策が悪いからで、これはもっと前向きの工事ができるようにやらしてもらいたい。今日、各地で学校の校区を変わる。学校が大きくなり過ぎて、分割するときに、どこでもみんな大騒動が起きています。いままで行っていた学校には体育館もプールもあった。今度行ったところはプレハブだ。そんなところへ子供をやれるかということで、親まで騒ぎの中に巻き込まれている例がたくさんございます。それはどういうことかと言いますれば、小刻み建築するからです。必要なものなら一ぺんに建てさせたらいい。補助金はあと払いでもいいわけです。それを単年度主義でやりますから……。私は、そこらは、制度を改正することによって、もっと合理的な金の使い方もあると思う。現在景気の刺激をせにゃいかぬのやったら、何ぼでも刺激する方法がございます。やらさない制度をつくっているほうに問題がある。これは早急に、補助金の適正化の問題と関連して、この制度について、学校を建てるのなら、初めからしまいまで一ぺんに建てられるように、少なくとも補助金なり起債なりというものを配慮していただく。こういうような措置が必要だと思うのです。もちろん、そうでございますから、一ぺんにそれだけの予算措置ができなければ、三年分割補助金でも、それはいいでございましょう。その間だけは起債でつないでいくとか。ともかく、三年も五年もかからなければ学校が仕上がらないというところに問題がある。この点は、ひとつ人口急増地域の点で御配慮を考えていただきたいと思います。  そういうことをしないから、できないから、今度は、裏道で考えるのは何かというと、学校建設公社をこしらえよう、別の会社をこしらえて、そこでどんどんどんどん建てさせておいて、借金をこしらえておいて、あとで買い取ってもらおう。こういうものがふえてきておる。これは私は本筋じゃないと思う。これはやはり制度が悪い。この点はひとつ十分御配慮を賜わりたい。  人口がふえてきたらどういうことになるかと申しますと、子供が一人ふえたら、小学校の用地費と建築費で百五万四千円要ります。中学校なら百四十七万六千円。泣いても笑うても、これだけ金が要るわけです。一人生徒がふえたら、ですね。だから、家が建ってもらったら困るわけです。けさの朝日新聞ごらんになったらわかりますように、千葉県の知事さんは、もう家を建ててもらうのはかなわぬとおっしゃっている。あたりまえです。小学校と、中学校と、幼稚園、保育所へ行く子供がある御家庭の家が一軒できたら、市町村はそれを収容するために四百四十八万二千円先行投資をやらなければいかぬわけです。その方が納められる市民税は一体幾らですか。これでは、人口急増地域というものは、入ってきた人の世話するために膨大な借金政策の積み重ねをやっていかなきゃいかぬわけです。この点はひとつ十分御配慮を賜わりたい。  特に、都市型の人口は、お手元に御参考資料も配ってございますが、いまや、都市の周辺の人口は社会増から自然増へ変化してきております。したがって、その例としては、零歳児から五歳児が非常に多いということ。自然増の時代、家がふえなくても子供はふえるという時代になってきております。これは極端な例でございますが、これから都市を防衛するためには、家を建てささぬようにするために地方公共団体があき地を買うて遊ばしておいたほうが、固定資産税やら市民税が入るより得だという計算になるのです。そのくらい深刻な問題なんです。ことに、幼稚園、保育所、学校というものは、どうしたって建てなければならぬ問題点でございますので、その点をひとつ御配慮を賜わりたいと思います。  もう一点は、超過負担の問題でございます。これは、先ほどからいろいろ申されましたが、地方制度調査会の「地方税財政に関する当面の措置についての答申」の中にもございますが、極端な例を私はここへ資料で御提示を申し上げたのですが、これは豊中市の例でございますが、私は、十カ所保育所をつくりました。この中には、飛行場の騒音のためにやかましくて鉄筋化せなければならぬ分も含んでおりますが、ともかく、土地と建物で十億要っている。国の補助金は八百五十万円。超過負担もはなはだしいところですよ。国はどう書いていますか。補助金と書いてありませんね。「負担する」と書いてある。もう一つおもしろいのは、私は、この間から何べん法律を調べてもどうもわかりませんが、児童福祉法によれば「都道府県は、命令の定めるところにより、児童福祉施設を設置しなければならない。」と書いてある。それで、市町村のほうは「市町村その他の者は、命令の定めるところにより、都道府県知事の認可を得て、児童福祉施設を設置することができる。」と書いてある。知事さんの許可を得てつくらしてもらう。府県のほうは、つくらなければいかぬと書いてある。もちろんこれは「命令の定めるところにより、」で、命令が出ていませんから責任はないと府県ではおっしゃっていますが、法律の趣旨から言うたら、私たちは知事さんにお願いをしてつくらしてもらう。ところが、つくらぬのは、悪いのは市長、だ、こういうことで、最近では、私のところでは保育所要求というのが非常に強いわけです。また、特に、知事さんが一校区に一つずつ保育所をつくるとおっしゃったんだから早うつくらぬかということで毎日責められているわけです。一つつくろうと思ったら一億以上かかる。補助金が八百万円や一千万円では、これはどないにもならぬですよ。この超過負担をどないしたらええか。私は、そういうところに一つ一つメスを入れて、観念論じゃなしに、一つずつ片づけてもらいたい。こう思います。そうでなかったら、保育所の問題なんかふえやしません。  その次にお願いしたいのは、はしょりますが、住宅政策と公共公益施設の負担区分の問題であります。これは、政府のほうで、新五カ年計画で五十万戸住宅を建てるとおっしゃっている。たいへんけっこうだと思いますが、住宅の建つのは大都市の近くばっかりです。大団地をつくる。住宅は一軒ずつ建てたら、それは住宅でしょうが、住宅を百軒建てたら、それは町なんです。町だったら、そこには保育所もあれば、学校もあるのが町なんです。ところが、住宅だけより建てないから、学校が足らぬ、保育所が足らぬと文句ばっかり出てきます。だから、私は、住宅政策はあるけれども、都市政策がないと言いたい。ほんとうは都市政策もあるのです。ニュータウン政策というのはちゃんとあるのです。大阪でもちゃんとやっている。ところが、実際問題として、なかなか負担区分がかみ合わない。開発者がどこまでやるんだ。地方公共団体がどこまで負担するんだ。その負担区分がきまっていない。特に、民間デベロッパーの最近のやり方はえげつないわけです。どんどん土地を買い占めてものをつくる。それで、地方公共団体がせっかくつくった学校は、どこそこは小学校が距離何メートルのところにあるとか、あるいは学校が建つ見込みだとか、そういうものが商業価値として売られている。私たちは、そんな民間デベロッパーの金もうけのために学校を建てておるわけじゃないんですが、そういうぐあいに利用される。だから、民間デベロッパーにも、そういう大規模団地をつくるのなら、公共負担をどこまでさすかということを法律で規制させなければ、これは地方公共団体が全部そういうあと始末をやらなければならない。これが人口急増地域都市政策の一番大きな問題です。幾つかいろいろな住宅政策の法律をおつくりいただいていますが、ここのところだけ抜けてしまっているわけです。  最近、豊中市では、千里ニュータウンは大かた片づきましたので、負担区分をきめました。きめるまで五年かかった。まだきまらない問題が残っています。負担区分をきめずに先にやった。それやったら、いっそうのこと、ニュータウンなんかのような大きな何万という都市をおつくりになるのなら、天領方式でおつくりになるといい。何府県にも何市町村にも属さない天領にしてまずつくって、でき上がってから、そこへ住んでいる住民の意思によって、何県に属そうと、何市にしようと、なさったらいい。それを、財政力のない小さな市町村に、学校を建てい、ごみを始末せい、下水をつけい、と、でき上がって住んだ人間は言いたいことを言います。しかも、ニュータウンへ入ってきた人と、いままで住んでいる人との税金の関係を見たら、ニュータウンはもうかりませんということです。後年度以降の財政負担が非常にかかってくるわけです。千里の場合でもそうです。どうしてこういうことになるかというと、やはり、開発者負担と公共負担との関係が明確でないところに大きな問題がある。これが地方財政の一つの大きな今後の住宅政策との間のからみ合いである。私はかように考えます。  次いで、土地対策について一つ意見を申し上げたいと思います。  一つは、先生方の御配慮で開発基金というものをつくっていただきまして、三年間、これは私たちに非常に大きな役割りを果たしてまいりました。本年度から打ち切られるのでございますが、これは私ははなはだ残念でございまして、額は減っても、せめてこの制度だけは続けてもらいたいと私たちは考えております。これにかわるべく公有地拡大の推進に関する法律案が御審議中と承っておりますが、ともかく、私たちは、地方公共団体が公共用地を先行取得するために、ぜひこういうような対策をお願い申し上げたい。そうでないと、民間デベロッパ一に全部先を越されてしまって、地方公共団体がほしい土地が確保できない。こういうことになるだろうと思います。  もう一点お願い申し上げたい点は、地方公営企業の問題でございますが、特に、一つは国保の問題です。これは、医療保険制度の抜本的改正の問題がございますから、当委員会の御審議外であるかもわかりませんが、これが地方財政を圧迫している要因というものが非常に大きい。  もう一つは公立病院であります。公立病院は準公営企業となっておりますが今日、公立病院の市町村における立場というものは、救急医療その他等を考えると、消防署と同じような立場なんです。これは、そろばん勘定で赤字だ、黒字だとおっしゃるのは、私はおかしいと思う。今日、病院というのはやはり消防署と同じように考えてもらって、これこそ地方交付税の中でめんどんを見てもらわなければならぬ。私は、かように考えておるわけです。特に、老人医療の無料化をやりますと、病院のベッドが動かぬようになってしまいます。老人ホーム化してくるわけです。  最後には、地方公営企業の問題で、やはり人口急増地域の問題としては、上水道の問題があります。人口がふえてくればくるほど料金を上げなければいかぬ。人さえふえなんだら、いままで住んでいる人は何も料金上げぬでもええやないかという議論が出てまいります。そういう増合、地方公営企業だけではいかぬ。やはり、先ほども問題になった開発者負担の問題、公共投資の問題、これらが兼ね合うた負担区分の問題を調整する必要があろうかと思います。  バス事業等につきましてもございます。  時間がございませんので、はしょって現実の問題だけ申し上げ、今後の御改善、御配慮を賜わりますようお願いをいたします。  ありがとうございました。

中村弘海自由民主党

○中村(弘)委員長代理 以上で参考人各位の御意見の御開陳は終わりました。     ―――――――――――――

中村弘海自由民主党

○中村(弘)委員長代理 これより、参考人各位に対しまして質疑の申し出がありますので、順次これを許します。  なお、質疑の際は、参考人の御氏名をまずお示し願います。  それから、質疑者の方にお願いいたしますが、各党から質疑者が出ておりますので、なるべく簡潔にお願いいたします。  塩川正十郎君。

塩川正十郎自由民主党

○塩川委員 高橋参考人にお伺いいたしたいと思います。  先生は、お話の中で、特別交付金という制度は長期に継続していかなければならないのではないかというお話がございました。そういたしますと、結局、これは、いっそのこと交付税率を引き上げるというほうが解決がいいんではないかと思うのですが、その点のかね合いはどういうぐあいにお考えになっておるか。特別交付金を継続をしていくのか、交付税率を引き上げるべきだという御主張なのか。その点をもう少し明確にお聞きかせを願いたい。  それとあわせまして、現在、国と地方との税の比率でありますが、これがどの程度が適正であるのか。これは国と地方との税率はたしか六八対三二になっておると思うのでありますが、この税率をある程度是正するために、地方交付税はいわゆる地方の固有財源になるという認識に立っておる。そうであるとするならば、交付税を入れまして、国と地方との税率というのは、大体どの程度がほんとうはいいというお考えであるかということ。この二点でございます。

高橋清静岡大学教授

○高橋参考人 私、初めにあまりはっきり申し上げなかったのかと思いますけれども、特別交付金は、臨時沖繩特別交付金は、普通交付税と別ワクで長期間にわたって交付すべきではないかということでありまして、つまり、臨時特例交付金とか交付税特別会計の借り入れ金といったような、こういう臨時的特例的な措置で交付税を増額するという措置は直ちにやめるべきではないか。したがって、さしあたりは、交付税率の引き上げによって、四十七年度の場合ですと四%引き上げということによって、先ほど申し上げましたかご抜け措置なども防げるではないかというふうに考えております。  それから、国と地方との税源の配分の問題でございますが、これは、やはり、先進資本主義国の配分の態様から見ましても、いまの七対三の関係は五対五に近づけていく。特にさしあたっては、法人関係税あるいはガソリン税などを中心にして、国と地方との税源の再配分を考えていく必要があるのではないかというふうに考えるわけでございます。そういうことを行なえば、いまの都道府県の上位の都道府県、それから大都市、こういうものは一切地方交付税というのは不必要になってくるというふうに考えます。

中村弘海自由民主党

○中村(弘)委員長代理 山口鶴男君。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 最初に鹿児島県知事さんにお尋ねしたいと思いますが、各参考人から御指摘がありましたように、昭和四十七年度の基準財政需要額及び収入額の増加見込み額によりますと、都道府県におきましては、標準経費として約一千億、事業費補正として約千六百億、合計二千六百億円を、本来ならば投資的経費の基準財政需要額に算入をいたしまして、当然その分交付税でめんどうを見なければならぬはずであります。ところが、各参考人から御指摘がありましたように、これをすべて起債でもって肩がわりしているということは、本年度の地方財政計画の一番の欠陥であることを私どもも主張いたしておるわけであります。したがいまして、この点については、全国知事会として、こういう扱い方は全くけしからぬということで、少なくとも、おっしゃったように、この分については、昭和四十一年度の地方財政対策の際にとったように、特別事業債は元利償還を国が見るべきであるということはもっと大いに強調すべきではなかったかと思うわけです。これはだれが考えても、今回投資的経費二千六百億円を基準財政需要額から落としたということは全くけしからぬ話であって、この点に対しての、全国知事会としての、より明確な御決意を私はお伺いいたしたいと思うのです。  それから、同じく鹿児島県知事さんと、それから全国町村議会を代表する立場で塔手町の議長さんにお伺いしたいと思うのですが、本年、国鉄の財政が赤字だということで、地方閑散線について、地方に六分の二を押しつけるということになりました。大体この金額がどのくらいかといいますと、約五十億円程度になるのではないかと推計されております。超過負担のお話もありましたが、この地方閑散線、国の公社である国有鉄道、その赤字の問題を市町村に押しつける、あるいは都道府県に押しつけるということは、財政秩序を乱る最大のものではないかと私は思いますが、この点に対する御見解はいかがでありますか。  それから、これは鹿児島はいまのところ直接関係はないわけですけれども、岩手町の議長さんには特に御関係があると思いますが、東北新幹線、上越新幹線、成田新幹線が本年度着工になるわけでありますが、経費の二〇%を、鉄道利用債で関係自治体に持たせる。東北新幹線で、その二〇%が約百億円。成田と上越新幹線で、合計して九十億円であります。これだけの鉄道利用債を持たせる。従来の東海道新幹線や、岡山まで行っております山陽新幹線には鉄道利用横の負担はない。特に財政力の弱いこれからの新幹線建設の地域に対してのみこういう鉄道利用債を持たせる。私は、これまた財政秩序を乱るものだと思います。地方財政法第二条違反ではないかと思いますが、こういうものに対して、知事会として、あるいは全国町村議会議長会として、一体どういう御見解でありますか、承りたいと思います。  それから、ついでですから、一緒に聞いておこうと思いますが、次に、豊中市長さんにお伺いいたしたいわけでありますが、特に首都圏並びに近畿圏の人口急増が非常に著しい。そういう中で自治体が非常に苦労しておられる姿をお述べいただきまして、非常に参考になりましたが、超過負担等の問題もございます。でありますが、特に交付税税制の面から言って、こういった人口急増地帯に対して、必要な大都市財源、都市財源を付与するということが必要だと思いますが、こういうものに対して一体どういう御主張であり、この人口急増地域の一般財源をいかにして強化していくかということに対して御主張があれば、お伺いしたいと思うのです。  それから、地方公営企業の問題についてもお述べになりました。私どもは、病院とか、バス事業とか、水道事業というような、住民に直結する事業に対して独立採算をしいることは間違いであるということを主張し、そういう立場から、社会党として、改正法律案を国会に提案いたしております。ただいまのお話を伺いますと、公立病院は消防署と同じように扱えというお話でございましたが、これは、当然、私どもが言うような独立採算のワクからはずすべきだということではないかと思います。これら住民に結びついた地方公営企業に対して独立採算をはずすという問題、その他公営企業に対してどうあるべきだという御主張がございますか。あればひとつお伺いをいたしたいと思います。  最後に、静岡大学の高橋先生にお伺いいたしたいと思いますが、将来交付税制度はどうあるべきだということについてお話がございましたが、将来この交付税制度を改善するために――たいへん時間がなくてお急ぎのように拝聴いたしましたが、ひとつ、この構想をより明確な形でお示しをいただきたいと思います。  それから、沖繩の問題についてお触れになったわけでありますが、当初政府は沖繩に対する一般財源六百三十億を見ると言っておったのでありますが、これが五百十億に値切られ、減額をされたことについて、私たちは非常に不満に思っているわけであります。沖繩の現状からいたしまして、沖繩の一般財源を確保するためにどのような措置が必要であるか。お考えがあれば、ひとつお示しをいただきたいと思います。  以上です。

中村弘海自由民主党

○中村(弘)委員長代理 最初に金丸参考人から……。

金丸三郎全国知事会代表

○金丸参考人 お尋ねの第一点の問題でございます。  私どもも、基本的には、できるだけ交付税等の実質上の財源で群業を行なえるようにしていただきたいというふうに考えておったわけでございますけれども、四十七年度は、国民経済の状況も、御承知のように予想以上の落ち込みでございますし、また、かたがた、一方におきましては、ドル・ショック後、わが国の今後の経済をよくいたしますための暑気浮揚対策として、二兆円に近い多額の国債を発行して、国の財源の不足をまかないつつ景気浮揚対策を講じていくというような状況でございましたので、私どもは、基本的には、交付税等の引き上げによって地方財源がまかなえるようにしていただきたいという希望は持っておりましたけれども、現実の問題としてそういうことも困難でございますので、自治省、大蔵省間におきます政府の折衝によります四十七年度の財政措置を了承をいたしたのでございます。  先ほども申し上げましたように、四十七年度は、いわばとりあえずの対策と申しましょうか、いままでにない多額の国債の発行と地方債の発行によって、事業の消化並びに財源調達が行なわれた。四十七年度は、基本的にはこれでやむを得ないというふうに考えますけれども、やはり、地方財政に、非常に大きな痛手と申しましょうか、が残るわけでございます。したがいまして、四十八年以降の問題につきましては、基本的に、できるだけ公債発行によらないで地方財政が堅実に運営できつつ、いろいろの行政需要に対応ができますような財政措置が望ましい。あるいは税制措置が望ましい。私たちはこういうふうに考えておる次第でございます。  それから、地方閑散線の負担でございますとか、あるいは新幹線につきまして地方が負担をいたしますようなことは、知事会としては反対でございます。新幹線につきましての鉄道利用債等の問題は、従来も鉄道利用債はあるわけでございますけれども、国の基本的な幹線でございますので、基本的には国でつくっていただくべきではなかろうかというふうに考えております。

柴田嗣郎全国町村議会議長会代表

○柴田参考人 御質問にお答え申し上げます。  第一点の、国鉄再建に伴う地方閑散線の問題でございますが、御案内と思いますが、昨年、地方六団体におきましても、この問題が提起されました際に、決議をいたしまして反対いたしたわけでございます。事前にほとんど地方自治体に相談なくしてこれを表に出されて、予算化されていくということについては、はなはだ遺憾であったわけでございます。特に、閑散線の認定基準と申しますか、計算基礎なるものが、合理的な面を欠くのではないかと思います。と申しますのは、赤字線という名前をやめて、地方閑散線という名前にしたわけでありますが、この閑散線というのは、御承知のように距離がきわめて短いわけでございます。本線に比較いたしますと、支線であり、さらに、そのキロ数から言っても少ないわけでありますが、地元の利用者に聞いてみますと、車内は非常に満員である。しかし、満員であってもそれは赤字線にされておるという面がある。岩手県の場合に、岩泉というところがございます。岩泉線においても、毎日運行されておる回数は少ないのでありますが、非常に満員ございます。すわれない人がかなりおるわけですが、それでも赤字線、地方閑散線としての中に入っておりまして、地方閑散線として五年以内にこれが廃止されては非常にたいへんなことであるという強い地元民の要望がございます。したがって、全般的な問題として、町村の立場から申し上げますならば、このような再建計画を立てるために真にやむを得ないというのであるならば、少なくとも、地方自治体とよく協議の上、納得を得てからにしてほしい。代替輸送を考えるなり、その他住民の交通利便のために支障のないような見通しのもとにこれを実施していただきたい。こういうことでございます。  それから、東北新幹線建設の際におけるこの利用債の問題でございます。この問題につきましては、特に、東北新幹線の通過いたします各県、市町村の財政状況は、御承知のとおり、きわめて地方税の伸びが低いわけでございまして、これから開発されるという、全国的な立場から見ますときわめて低水準にございます。私の料手町などにおきましては、四十七年度の当初予算を先月審議いたしましたけれども、十億の予算でございますが、そのうち五億が地方交付税で、地方税はわずか一億二千万程度で、まさに五倍近い交付税をもらっておるというふうなことで、それでもきわめて行政水準が低いという状況でございます。そのような地域に新幹線を通していただくことはたいへん望ましいわけであり、今後の開発を期しての上でありますが、ただ、この利用債を、真にやむを得なくてどうしても引き受けてくれということになりましたならば、やはり、それなりの財政的な御援助を何らかの面で手を打っていただかなければ、これも百億――三線合わせて百億でございますが、非常に財政の苦しい、しかも、四十八年度の地方財政は一体どうなるかという非常に不安な段階で、タイミングとして、高度経済成長の段階であるならばまだしも、いま、県自身も、市町村も、東北では非常に苦しい。いわゆる緊縮指令を出して、物件費の一〇%の留保であるとか、あるいは出張旅費とか、また、交際費、食料費等は、これは極力縮小しておるという、そういう状況でございますし、さらに、財政調整基金も全額取りくずして、全く背水の陣をしいておる。こういう事態もございますので、タイミングから言って、先ほど申し上げましたように、利用債をどうしても引き受けなければならないという場合には特別の御配慮をぜひお願い申し上げたい。  以上でございます。

高橋清静岡大学教授

○高橋参考人 地方交付税の改革の具体的な方向でございますけれども、これは、一つは、さしあたって交付税率を引き上げていくという方式を具体化していく必要があるのではないかと考えます。しかし、交付税体系は、いま変動期にございますし、それから公債収入が一定割合を占めてくるということになりますと、交付税率の引き上げ方式というようなことばかり形式的に主張しておりましても問題が出てまいりますので、この際、地方自治体の財源不足額を積み上げていくといったような積み上げ方式で財源不足額を計算していくという方向を再検討していく必要があるのではないか。そして、財源不足額が非常に膨大になってしまうという意見もあるかと思いますが、これは、先ほど述べましたような税源の再配分をすれば、特に、法人関係税とガソリン税の税源の再配分を地方自治体を中心にし直せば、ほとんど上位半分の都道府県あるいは大都市、あるいは中小都市の四分の一程度までは、ほとんど交付税を交付しなくても済むような段階がくるのではないかというふうに考え、ますので、財源不足額が膨大になるというようなことは考えられない。  それから、一つは、今度は、基準財政需要額のほうは、何といいましても都市的需要額というものは現状に見合って大幅に算入して、やはり市町村自治体最優先に配分し直していくということが必要ではないかというふうに考えるわけです。しかし、先ほども述べましたように、過疎市町村が全体の市町村の三分の一ありますので、その三分の一に相当する市町村については、一つは、交付税というものは新しい機能を持ったものとして――人口はどんどん減っていく、あるいは市町村税収がどんどん減っていくという過疎市町村については、税収源を一般的に補てんするような機能を持った地方交付税というのを別立てで考えていく必要があるのではないか。つまり、一定の平均水準まで達しないそういう地方自治体、一人当たりの税収が一定の平均水準の税収まで達しない市町村自治体については、別ワクで税収を補てんするような一般的機能を持った地方交付税を考えていく必要があるのじゃないかというふうに考えるわけです。  それから沖繩のことも、結局それに関連しまして、先ほども言いましたように、過疎市町村に対しては、いまの地方交付税というのは、人口を配分基準としながら、人口がふえていく地域、人口が減っていく地域、町方に顔を立てていくというような、いろいろなそういう補正措置を講じている非常に矛盾した制度になっておりますので、やはりいまの普通交付税をそのまま沖繩の市町村に適用することは、沖繩の特に過疎化している市町村については財源保障措置には全くならないのではないかと考えます。したがって、さしあたり沖繩の臨時特別交付金というものを減額せずに、最初は十年という考え方もあったようですが、かなり長期にわたって続けながら、普通交付税を沖繩の県並びに市町村に適用する場合には、的確に適用するにはどうしたらいいかということを同町に考えながら制度改正というものをはかっていって、その上で普通交付税の適用という段階になるのではないかと考えます。

竹内義治全国市長会代表

○竹内参考人 お答え申し上げます。  まず、第一の点は、都市財源の強化の問題でございます。これは多年市長会がお願いを申し上げている点でございまして、特に、先ほど発言をいたさなかったのでございますが、私どもが考えておりますのは、都市へあまりに人口が集中し過ぎておるという問題点を持っております。一つは、やはり税制上の面から何らかこれをチェックしなければ、やがてどうにもこうにもならぬ状態になるのではないだろうか。現在、近畿圏整備法では、学校、工場の立地規制をやっておりますが、あるいは、場合によれば、事務所あるいはそのほかのサービス産業等の立地をも規制するぐらいの措置をとらなければ、都市への人口の集中はやまぬだろう。そのはね返りが周辺衛星都市に非常に大きな影響を及ぼしてきておる。そういう意味から、法人税割りをさらに市町村側に多くしてもらうことと同時に、もう一つは、都市へ立地するいろいろな建物を見てまいりますと、最近であれば、マンションとかビルが建てば、下水にしろ、道路にしろ、あるいは学校にしろ、保育所にしろ、あと始末は令部市町村がやっておる。それにもかかわらず、不動産取得税は府県のほうへごっそり入ってしまう。昔はこれは折半だった。府県と市町村とが取り合いしたくはないのですが、筋論から言えば、不動席取得税は市町村に配分さるべき税源であると、私はこの機会に強調しておきたい。同時に、ガソリン税についてもそうでございます。この点は、ひとつ、先生方に特にお考えをいただきたい。  こういう幾つかの問題がございますが、とにもかくにも、大都市の周辺の都市でに、いま手当てをするのに、借金してでも手当てをしたければどうにもならぬ状態にあるということを特に私は力説申し上げ、ともかく、起債だけでも、理屈なしにどんどん許可をしてもらいたい。そうでございませんと、学校はもうオールプレハブになってしまう。こういう非常な極端な都市の危機感すら持っております。この点は、特に、自治省その他筆のほうでも御考慮をいただいておりますが、ひとつ思い切った手を打って、大都市周辺の都市については、爆発する人口の歯どめをやはりやってもらわなければならぬ。これはもう小手先の地方財政の問題ではないと私は思うわけでございます。この点特に強調してお願い申し上げます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 時間もありませんから、一言だけ申し上げておきたいと思うのですが、金丸知半さんは自治省のOBでもあるわけであります。しかも、現在全国知事会の有力なメンバーとして御活躍をいただいておる。それで、特に、今年度の地方財政計画が借金でもっていわばしりぬぐいをした。千六百億の特会借り入れ、それから起債の増加四千九百八億円、合計六千五百八億円というのは、いわば借金で穴埋めをしたわけですね。そういう中の一番端的なあらわれが私の指摘した二千六百億円、都道府県に対して基準財政需要から乗せるべきものを落としたというところに一番欠陥があると思ったわけでありますが、こういう措置をすること、しかも、昭和四十一年度の財政措置の際には、特別事業債は元利償還を見たわけですね。そういうことも今回しなかった。四十一年度の地方財政対策に比べて、四十七年度の地方財政対策は大きく後退をした。このことについては、私は、知荘会としては、やはりもっと強力な御主張をしてしかるべきではなかったのかという気持ちがするわけであります。その意味で、やむを得ぬというお話はございましたけれども、今後地方六団体として、全国知事会として、より強力な御主張をすべきではないかということをこの際強調いたしておきたいと思います。  それから、わが国の法人税の実効税率が四五%、ヨーロッパ先述国が五〇%ですね。したがって、少なくともそこまで引き上げるべきではないか。そうして、特に市町村の法人税割りを思い切ってふやすべきではないのか。また、府県のし町村の場合も、御指摘のあったような不動産取得税もありますが、料飲税等についても、府県と市町村との間でもっとしかるべき配分をしていいのではないかということを、わが党としても法律改正案で出しているわけであります。起債についても、やはりこの際政府資金の率をもっとふやすことが必要ですが、同時に、公募債については自由化していってもいいのではないかという主張を私どもは持っておりますが、こういう主張について、市長会の代表として、もし御感想があれば伺っておきたいと思います。

竹内義治全国市長会代表

○竹内参考人 まず、第一に、地方債の問題でございますが、現在でも、ワク外債ということで、土地対策費につきましては、相当大幅な弾力運用をやっていただいております。地方債につきましては、やはり一定の秩序は必要であろうと私は思いますが、いまのように、事業についての選択を中央政府なり府県知事がコントロールするのは望ましくないと思います。特に、用地の購入につきましては、無目的に土地が買収できるような資金を自由に市町村が借り入れたり返したりすることができるような措置を、ぜひお願いしたいと思います。  それから、先ほど答弁を述べ忘れまして申しわけございませんが、病院の問題はこういうことでございます。現に、豊中市でも人口が三十八万ございまして、五百ベッドの公立病院を持っておりますが、ところが、どうしたって満員になるわけです。勘定してみますと、千五百床を必要といたします。もう一千床必要である。公立病院をもう一つつくろうと思っても、いま現在赤字でどうにもならぬ。それじゃ府県立の病院をつくってくれと言ったって、府県だってどうにもならぬ。府県で一ベッド当たり大体百万円赤字補てんしているのです。府県が百万円補てんしなければ運営できなしのに、市町村はこれを黒字でやれと言われたってできぬ話です。もちろんこれは法律的には独算制を強行しておりませんが、初めから足らないのがわかっているのですから、足らない分については、病院が維持できるように交付税で何らかの手当てをしていただきたい。特に、救急医療とか、老人医療の問題に関連して、いま、病院というのは、単に商売ではないという時代になってきたのではないだろうか。こういう意味で特にお願いを申し上げているわけでございます。

中村弘海自由民主党

○中村(弘)委員長代理 和田一郎君。

和田一郎公明党

○和田(一)委員 時間がございませんので、端的に御質問申し上げます。  まず、金丸参考人にお伺いしますけれども、高等学校の授業料の五割値上げ、これについて、自治省は、五割値上げの指導をいたしましたけれども、金丸参考人の鹿児島県では授業料は値上げされたように思いますが、その点についてひとつ御感想をお願いしたいと思うのです。  それから、次に、柴田参考人にお聞きしますけれども、問題は過疎対策ですね。過疎対策が立法化されましたけれども、あれでいいのかどうかという問題と、ほんとうの過疎の対策は一体何かという基本的な問題を、ひとつ御感想があればおっしゃっていただきたい。  それから、ただいま申し上げました授業料の値上げは、岩手県ではストップされたと聞いておりますが、議長会等では県に相当働きかけられたと思うのですけれども、その点のことについて、上げられたほうと上げないほうとの御感想をひとつお願いしたいと思います。  それから、高橋先生にお聞きいたしますけれども、交付税率のことにつきましては種々御高説を賜わりました。あと一つ、いま問題になっております国と地方との税財源の再配分という問題。これについての御高説をひとつお願いしたいと思います。  それから、もう一つは、本年なんかはとにかく起債、起債の連続でございまして、交付税までもそういう処置をしているとというような状態で、各市町村では、公債費の割合が年々相当ふえていくのじゃないかということも懸念しておりますし、また、当地方行政委員会の論議の中でもその問題がだいぶ出ました。これは、各地方団体の歳出面の中の公債費の割合がどの態度までは健全財政と言えるか。そういったことについて、財政上の構造の問題でひとつ御高説をお願いしたいと思います。  最後に、竹内参考人にお伺いいたしますけれども、豊中の市長さんでいらっしゃいます竹内参考人は、全国市長会の代表という立場でおいでになっていらっしゃいまして、冒頭に、今回の四十七年度分の地方交付税の特例等に関する法律案については、問題があるけれども、賛成だとおっしゃいました。しかし、いろいろ竹内さんからのお話を聞きまして――それから「ふえる幼児・足りない保育所」という一つの論文を私たちいただきました。竹内義治豊中市長さんの執筆でございますが、その中にも「国会議員の先生方は、こんなことをご承知なのかどうか、おうかがいしたくなる。」というようなことで、国会議員の私たちのしりをたたいて大いに督励されていらっしゃる個所もございますけれども、確かに、おっしゃいましたことは非常に参考になりましたし、また、私たちもこの委員会で論議を一生懸命やっておる。そういう数々でございます。ですから、竹内さんのお話を私は肝に銘じて拝聴させていただいたわけでございますが、今回お願いいたしました四十七年度分の地方交付税の特例等に関する法律、これは四十七年度以降にも関係してくると思うのですけれども、これからの地方財政の根幹をなすものです。これはただ交付税だけじゃないわけです。一つの大きな地方財政としての立場で見ていかなければならないのですね。お話を承っておりますと、市長さんは地方財政についてもいろいろな面で御注文がおありなのに、どうして市長会でこれを賛成されたかという問題です。どうもその点が私は不可解でしょうがないのです。私も野党の立場で、市長さんがおっしゃった点について、自治体病院のことにつきましても政府と一生懸命に論議をいたしましたし、さらにまた、交通につきましても、公営企業につきましても、それからおっしゃいました国保の問題につきましても、標準保険料はどうなったんだという点まで懸命に詰めておるわけですよ。そして、野党の立場で、この法律案について反対の立場をとっておるわけです。市長さんがそれだけの議論がおありなら、どうして市長会として反対されないのか。地方財政の根幹をなすべき問題であります。それがどうも私にはわかりませんので、その点につきましてもひとつ御答弁をお願いしたいと思います。

金丸三郎全国知事会代表

○金丸参考人 私どものほうでも、高等学校の授業料の引き上げの問題につきましては、いろいろ御意見もございましたので慎重に検討いたしたのでございますけれども、引き上げましたのは、第一には、鹿児島県の場合、約六年ほど据え置いております。その間、御承知のように、人件費が毎年毎年のベースアップで上がりますとか、あるいは、物価の値上がりに伴いまして、学校の建設費とか需用費等も非常に上がってまいっておりまして、本鹿児島県におきましては、交付税で算定されております教育費の収入に対しまして、歳出のほうが多いのでございます。教育費に相当予算をつぎ込んでおるというような情勢でございますとか、それから、格別九州各県で申し合わせをいたしたわけではございませんけれども、福岡県を除きまして、鹿児島県も入れますと六県でございますが、ほかの五県におきましても引き上げられる趨勢であったりいたしましたので、私どもは、九州という地域の状況から考えましても、引き上げることはやはりやむを得ないのではないかと思うのです。  また、国のほうは暫定予算になりましたので、国大の授業料の引き上げはまだきまっておりませんし、予定では秋ぐらいからというふうに私ども承知いたしておるのでございますが、歳出の面におきまして、日本育英会の育英資金も引き上げられるということから、私どもの県のほうで、大学、高等学校等の育英の制度をつくっておりますが、それらのほうは引き上げることにいたしたりいたしましたので、そういうところから引き上げるということに決定をし、議会でもそのような議決をいただいたのでございます。  引き上げによります収入自身は、金額としては、県の歳入を左右するほどの金額でもございませんけれども、そのような事情と、それから引き上げられます授業料によって得られる増収の分は、入学金の全廃でございますとか、ただいまの育英資金の増額とか、そういう純粋の教育の方面に充てることで父兄の方々の御納得もいただくようにいたしたい。こういうふうに考えた次第でございます。

柴田嗣郎全国町村議会議長会代表

○柴田参考人 お答え申し上げます。  過疎対策の問題の中で、基本的にどのような所見を持っておるかという御質問のようでありますが、過疎法案の成立につきましては、もちろん完全ではないけれども、一応橋頭堡を築く意味で賛成を申し上げておったわけであります。しかしながら、その後の経緯を見ますと、法のねらう効果が必ずしもなかなか満足すべき点ばかりではないということでございますので、きわめて大ざっぱでありますが、私の基本的な考え方を申し上げます。  この過疎法につきましてのいろいろな対策の中で足らないものは、この過疎の問題を解決するためには、やはり地域の開発という面を考えながら、過疎法のみによって過疎問題を解決するという単純な問題ではもちろんないわけでございますから、その中でも、特に地域開発を適切に行ない、魅力ある地域にすることが最大の眼目ではなかろうかと存じます。そのためには、地方交付税におけるいろいろな措置がございますけれども、より一そう強化していただくということではなかろうかと存ます。  さらに、その中で、法の中で、集落の再編成が最近かなり活発に行なわれるようになっておりますが、この集落の再編成の問題につきましては、過疎対策の中でもきわめて重点的な問題として、絶えず機会あるごとにお願いを申し上げてまいったわけでありますが、集落再編成により一そうの強化充実を期していただきたいということでございます。  それから、過疎地域に指定されない準過疎地域と申しますか、認定基準すれすれの町村が非常に最近ふえてまいったということでございます。たとえば一例を申し上げますと、いわゆる出かせぎが非常に多いということ。岩手県の場合を例に申し上げますならば、年間三万五、六千人県外に出かせぎに参りまして、半年なり、長い人は十カ月近くも家をあとに留守にいたしております。単に経済的な問題ばかりでなく、教育上の問題、社会的な問題等もいろいろ派生しておるような状況で、きわめて深刻な問題になっておる場合もございます。そして、私の岩手町では、人口二万二千五百程度の町でありますが、年々出かせぎがやはりふえておりまして、現在千二百五十名ほど出ております。そのように出かせぎ者が実際長期間にわたって帰ってこないということにつきまして、いろいろな問題があるわけでございますが、この問題につきましては、認定基準の中に、ある程度のいわゆる調整と申しますか、補正的な面で配慮できないものかということが非常に問題ではなかろうかと私どもは考えておるわけでございます。御配慮をお願いいたしたいと思うわけであります。  それで、先ほど大阪府の豊中の市長さんの竹内参考人がお話しになりましたように、人口が四七%も東京、大阪圏内に集中しておる。その半面、岩手県とか、東北あるいは九州方面では非常な減少を来たしておるということ。最近の公害をはじめいろいろな問題が起きて、いまや国土は新しい改造の段階に入って、これはぜひともやらなければいけない。日本の国土の均衡ある成長というものは、これから一歩を踏み出していくという段階であるわけでございますから、交付税の問題についても、抜本的に、一時の景気の動向によって支配されるような三税の三二%というふうなことではなく、やはり、国税全体に対して一定割合を考えていっていただかなければならぬじゃないか。そういう大きな立場に立って交付税、地方財政制度というものを考えていただいて、これから大都市の過密と地方の過疎というものを完全に調整していかなければならない時代に入った。日本全体から見てそういう時代に入ったと私は感じておるわけでございますが、そういう意味から言っても、過密対策と過疎対策はうらはらでありますから、この問題については、過密対策を解決されると同時に、やはり過疎対策をより強化していただいて、何とか国土が均衡のある、しかも健全な――このようなきわめて矛盾した、しかも人間生活らしからぬ生活をしいられておる過密地域の国民を考えた場合、この際、いろいろな思い切った国策を先先方にお考えいただいて、抜本的に地方交付税の問題に取り組んでいただいて、おくれた地域をまず開発し、大都市のいろいろな複雑な集積された問題を地方において解決していくという、そういうことでお願いを申し上げたい。このように私は考えておる次第でございます。  それから、高校の授業料の問題でございますが、岩手県におきましては、中学生の高校進学率が全国水準より残念ながら低いわけでございます。したがって、進学率をアップする上にも、授業料を値上げすることは適切ではないということで、知事さんに対しまして、関係者団体あるいは父兄の方々が一緒にお願い申し上げ、知事さんもそのように御承知いただきまして、授業料は本年度は値上げをしないというそういう状況でございます。

高橋清静岡大学教授

○高橋参考人 いまちょっと簡単にしか申し上げられないと思いますけれども、公債費の割合について、どの程度が財政健全化の指標であるかというようなことでありますが、これは、財政力によって公債費の比率というものは違ってきてもいいわけでございますし、自治省でも、公債比率などについていろいろ計算をいたしておりますので、私はただ一がいにここで言うことはできないのじゃないかということでありますが、ただ、現在の段階で強調しておきたいことは、財政力指数が〇・一とか〇・二という、財政力指数から見ても最下位のグループ、特に過疎市町村の中での最下位のグループについては、やはり公債費の比率が一〇%をこえるような状況が出てきておりますけれども、これはかなり歯どめの措置を講じていかなければならないじゃないかと私は考えるわけです。もっとこれがひどい段階になりますと、沖繩のようなところになりますと、財政力指数が、さっきも言いましたように〇・〇一といったような値のものもありますし、市町村税が、沖繩の場合ですと、住民一人当たり平均大体三千五百円くらいでありまして、本土の平均の半分以下になっております。したがって、そういうようなところでは、公債、地方債というような形で借金のやりくりをするということだけでもうすでに破産に近づいていく。実際に、昭和初期でも、沖繩の町村は破産におちいったところが少なくないわけでありますけれども、そういうような破産に近い状態がいま沖繩の場合でも起こっているし、本土の場合でも、やはり破産の状態が近づくのではないか。したがって、財政力の最下位グループは、町村部でありますけれども、公債費が一〇%というような状況は、これは必ず破産に導かれますので、歯どめの措置として、やはり無利子の政府資金とか、あるいは地方債の元利補給を交付税でするといったようなことを、はっきり政策として確立していく必要があるのではないかというふうに考えるわけであります。  最初の、国と地方との税源の百配分の問題は何回も言いましたので、もう少しあとでまた機会がありましたら申し上げます。

竹内義治全国市長会代表

○竹内参考人 全国市長会は何で賛成したのかということでございますが、私が先ほど申し上げましたように、現下の経済状態あるいは地方財政が当面しておる問題から考えてみて、必要欠くべからざる最低限度の措置である。これをやってもらわなければどうにもこうにもならぬようになってしまう。だから、私たちは、一口も早くこの法律案が通りまして、地方公共団体が行政が運営できますようにお願い申し上げておる。しかし、問題はございます。問題は、むしろ、後年度以降にこれらの対策をどう処理するか、あと始末をするか、補てんしていくかという問題がございます。その点は、今後、国会議員の先生方に、特にいろいろな面で御配慮を賜わりたい。  なお、私が幾つか御指摘を申し上げました問題がございます。たとえば小中学校の問題、保育所の問題、あるいは住宅政策の問題、あるいは土地政策の問題、あるいは病院の問題、いずれもこれは他省の問題でございます。他省がまず腹をきめてもらわなければ、それを受けて交付税で措置するとか、起債で措置するとか、いろいろな問題があると思います。補助金を上げるとか、上げないとか、どういう補助金をきめるとか、そういう問題ともからんでおりますので、そういう問題はそういう問題といたしまして、全国市長会としては、全力をあげて長年やっておるわけです。保育所問題のごときは十数年やっておるわけです。十数年やって、やっとこさ、百五十万円がことしは三百万円になりましたか、幾らか知りませんが、何ぼかふえたということです。こういう問題も今後市長会は一致結束してやっていくつもりでございますが、地方交付税の問題につきましては、苦しい中からのそういう地方公共団体のあと始末、各省から幾つも集まってくる財源補てんのあと始末のめんどう、その他等御配慮を賜わっております。私どもは、十分であるとはもちろん考えておりませんが、先生方の御配慮によってここまでできてまいりましたことに感謝を申し上げておるわけでございます。

中村弘海自由民主党

○中村(弘)委員長代理 参考人の方に申し上げますが、他に二名の質疑者も予定されておりますので、答弁は簡潔にお願いいたします。  門司亮君。

門司亮民社党

○門司委員 ごく簡単に高橋さんにお願いをしておきたいと思います。  これは沖繩の問題ですが、沖繩の交付税のよしあしは別にいたしまして、いま出ております法律は、法の十二条から十四条までを適用して、そして沖繩に対しては熊容補正をやれ、こういうことで一応できております。そこで、問題は、三百六十何億というお金が多いか少ないかは別にして、法律の実体にといいますか、測定単位によらないで自治省がやれるという形をとっております。この行き方は、当然、沖繩には、特に態容補正のような姿で十二条以下の条文が適用されることは考えられますが、この場合に問題になるのは、基準をどこに置くかということであって、これはひっくるめて申し上げておきますが、沖繩に対する特別の交付税の適用が五カ年ということになっております。私どもから考えると、五カ年で沖繩の今日の市町村の態容が本土並みになろうとは、実は考えられないのです。だから、非常に短い期間で、考えられない期間で、しかも態容補正については十二条以下が動くという、こういう法律になっております。だから、全体から見て、これでよろしいかどうかということが一つ考えられます。私は、この沖繩に対する特別の措置については、ひっくるめて申し上げておきますが、こういう一本の日本の法律によらないで、特に、沖繩に対しては、市町村財政が充実するまでの間の問題を取り上げた形の財政措置が行なわるべきではないか。いわゆる交付税だけではありませんで、補助金その他についても、すべてに特別の法律がほかにございますけれども、沖繩というものは一本の姿でめんどうを見る必要がありはしないかということが痛切に考えられる。税の面については、特に沖繩の場合は非常に苦しいのでありますから、不均一課税の原則というものが当然市町村においては考えられる。そういうことを考えてまいりますと、今度の交付税法の中で沖繩を一括して考えているということで、そして態容補正が、何度も申し上げますように十二条以下でできるように法律はできておりますけれども、こういうことだけでは非常に不安を持っているのです。そして、しかも、三百六十何億ということで、お金が限られているというところにも問題がある。まず、私は、この交付税法についても、沖繩については別扱いにすべきではなかったかという気がするのですが、そういう点についての御感想をもしお聞かせ願えれば非常に幸いだと思います。

高橋清静岡大学教授

○高橋参考人 おっしゃるとおり、やはり別ワクで措置して、端的に言いますと、普通交付税の本土並み適用というようなことはむしろできないのじゃないかというふうに考えます。その間に、普通交付税の制度的な改正をはかりながら考えていく。したがって、漸減方式はやめて、長期措置として特別交付金を交付していくというのが差しあたっての考え方でございます。

門司亮民社党

○門司委員 それから、沖繩の問題につきましてもう一つだけ聞いておきたいと思いますことは、したがって、沖繩につきましては、算定基準というようなものが、先生もおっしゃったことがございますが、なかなかむずかしいということが考えられます。これは何といっても、どんなことがあっても、ことに、ことしのような干ばつの非常にひどいようなときには、不均一課税の原則で減免が行なわれることは当然でありますし、それから、その後におきましても、やはり本土と同じような算定基準をここに当てはめたのではかなり無理だ。道路一つを見ましても、完成された道路ではありません。これは舗装道路もそうでありますし、それから砂利道のほうもそうであります。ただ昔からの道があるというだけでありまして、本土の道路観念で考えたら非常に大きな違いを持っている。算定基準にしても、すべてそうなんです。学校にしても、何にしても、全体が本土の算定基準のものさしではかれない実態を持っていると私は思う。これについて、先ほどから言っておりますような、態容補正ができるからという答弁をあるいは政府側はするかもしれませんが、しかし、私どもとしては、それは答弁は答弁なりに聞くのであって、実質的にはそんなことはできるものじゃないと考えております。だから、算定基準等につきましても、そういうわけで、何か行政的にやればやれるのだということ。一口に言えばそれで終わろうかと思いますけれども、特別にそういう問題についての先生のお考え等でもございますなら、ひとつそれを……。  いまの法律で定めておる算定基準はもう改正すべき時期だというように私は考えているからあわせて聞くのでありますが、その一つの大きな問題は、先ほどから言われております過疎、過密、これで困ると言っておりますが、この算定の基準というものが、全部あとを追いかけているということです。だから、この法律では、先行投資には何も役に立たぬということです。そこに問題があるのではないかということが考えられます。先行投資が何も役に立たない。あとから追いかけて、人間がふえたから学校を建ててあげましょうというような算定。一口にはそういうことになっている。都市のほうでは人間がふえているのですから、ふえる前に、さっきのお話のように準備をずっとしていかなければならない。ふえてからでは間に合わぬのであって、ふえる前の都市の先行投資というものにはこれは何にも役立たない。こういう形を持っているわけです。したがって、交付税自身について根本的にいま考え直す時期ではないかということを私ども考えておりますが、こういう点についての御感想をもしお聞かせ願えれば幸いだと思っております。

高橋清静岡大学教授

○高橋参考人 やはり、いまおっしゃるとおりだと思います。ただ、過疎市町村、特に沖繩のような過疎市町村については、地方交付税の措置だけではやはり不十分でありますので、出産的な条件を上げるための、産業振興のための総合的な補助金、かなり補助率が高く、巨額で、長期にわたって、しかも県と市町村が対等な関係で自主的に使い道をきめられるような農林水産業に対する補助金、そういうものは新しい制度として考えていく必要があるのではないかというふうに思います。

中村弘海自由民主党

○中村(弘)委員長代理 次に、林百郎君。

林百郎日本共産党

○林(百)委員 時間がありませんので、ごく簡潔にお尋ねいたしたいと思います。  最初に、知事会代表の金丸さんにお尋ねしたいと思います。  地方自治体が独自の財源を持ちたいというお気持ちはわかりますけれども、付加価値税を将来考慮してみたらどうかということで、そして、その配分をいまから云々されておられたようでございます。それから、直接税から間接税に移行する。すなわち、知らず知らずの間に税金を納める。地方税も含めて、税体系をこういう方向へ移行したらどうかというような御意見のようですけれども、納める側から言いますと、公共料金も上がり、物価も上がり、いま非常に生活に苦しんでいるところへ、これは一そう物価の値上げといろいろな生活苦の拍車をかけることになるのではなかろうかというように思うわけでございます。  それから、目的を明らかにした課税というのはどういうことか。ちょっと私も理解に苦しんだのですが、これは受益者負担に通ずるということになりますと、これもまた市民の負担になりますので、基本的には、税率を上げるとか、あるいは電気ガス税の大企業への減免を廃止するとか、あるいは租税特別措置法による大企業への免税措置を廃止するとか、あるいは固定資産税の累進性を考えるとか、やはり、担税能力のある者にどのような税金をかけていったらいいかということをお考えになるべきではなかろうか。私はそういうように考えますので、その点を金丸さんにお尋ねしておきます。  それから、柴田参考人には、政府は超過負担の解消に合理的な補助を考えろという御意見がございましたが、ごもっともだと思いますが、国会における答弁によりますと、自治省と大蔵省が共同で、ことしから超過負担の点について調査を始めると言っておりますが、その調査にあたって、あらかじめどういうことを考慮して調査してもらいたいか。そういう御意見がありましたら、ひとつお聞きしておきたいと思うわけです。数年前にも自治省が調査しまして、財政需要額の計数などを若干上げまして、本来なら解消しているはずだというのに、実情から言いますと、実はますます超過負担が増大しているように思われますので、自治省と大蔵省の共同調査にあたって、あらかじめどういうことを考慮してもらいたいかということをひとつお尋ねしたいと思います。  それから、高橋参考人には、先ほどの公明党さんの委員にもお答えになったように思いますが、地方債の発行の限界というものが、やはり何か歯どめを考えておかないと、国で発行する公債にしても、地方債にしても、これは一たん発行し出しますと限りなく増大する可能性もありますし、戦時中にもわれわれはそういう苦い経験をなめてきたわけですが、その歯どめをどこに置くかということをもう一度はっきりお聞きしておきたいということと、それから、沖繩が持っておる債務が、これは引き継ぎの債務ですけれども、二百三十六億あるというんですね。これは四分の一世紀にわたる異民族支配によって、アメリカ軍の支配等によって、無理からぬ借金が生じてきておると思いますので、これを全額交付税交付金からこの返還に充てるのではなくして、国政の当然負うべき責任として、この二百三十六億の累積赤字というものは、引き継ぎ当時の国が負担をすべきものだ。こういうように私たち考えますが、その点をひとつお答え願いたいと思います。  それから、最後に竹内参考人にお尋ねしたいのですが、私たちのほうの調査によりますと、人口急増地帯にいろいろ問題がございまして、一例をあげますと、たとえば交付税額の当初予算額と決定額との間に違いが出てくる。これはたくさんの例を調べてありますが、大宮市の例を調べましたら、交付税額の四十六年度の予算額を十億五千万円と組んでおきましたところが、交際の決定額は七億七千九百九十九万五千円で、二億七千万五千円という違いが出てきたというようなことがありますけれども、こういうような事実が人口急増地帯にあるかどうか。それで、市当局が言うには、過疎対策に力を入れたので、人口密集市町村に対する交付税額がこれだけ減ったのだというような言いわけを自治省で言われたと言いますが、自治省のほうではそういうことは言っておりませんと意っておりますけれども、こういう事実があるかどうか。  それから、同じく大宮市に七里小学校という小学校がありますが、この学校要覧を見ますと、昭和三十九年に体育小屋を改築して、四十年にプールを竣工して、四十一年に校門をつくって、四十二年に宿直と用務員室を竣工し、四十三年に校舎の増改築、六教室竣工し、四十四年に八教室を増改築竣工し、四十五年に十一教室を増改築竣工した。こういうように、毎年毎年、人口密集地域の子供たちは、工事現場で勉強したり遊ばなければならないというような状態が出ておるわけなんですが、これは子供にとってははなはだ不幸なことだと思いますが、こういう事態がおたくのほうの市にもあるのかないのか。あるとすれば、どういう方法によって解決するか。こういう点をお聞きしたいと思います。  以上です。

金丸三郎全国知事会代表

○金丸参考人 林先生のおっしゃいますのが、従来のオーソドックスな税についての考え方であったろうと私も思うのでございます。しかし、たとえばスウェーデンのほうが高福祉国家でございますけれども、わが国よりも非常に税負担が高いことはよく御承知のとおりだと思います。それじゃ、それを、企業なりあるいは個人が所得税等の形で納める。今後ふえる歳出増を、そういう面の、たとえば法人税なり所得税なりで現実にまかなえるか。所得税は毎年毎年減税があります。それが地方団体にはね返る。所得税の減税だけでは足りないから、住民税を減税せよ。いわば、過疎の町村に参りますと、所得税の減税で住民税が減りますのが、さらに住民税も減税をすることによりまして、薄い着物をさらにはがされるというのが地方団体の実情じゃなかろうかというような感じすら私はいたします。  それから、ひろがって担税力という点から考えてみますと、たとえば、会社なり役所の部長さんとか、課長クラス、あるいは新入社員、そういう人の担税力、いわば消費能力、そういう点を考えますと、部課長というわりあいに上のポストにおるから担税力があるとも必ずしも、言えないのではないか。私はそういうような感じがいたします。最近ボーリング場の入場税が非常にふえておるようであります。これは若い人だけとも言えないかもわかりませんけれども、そういう人の消費能力、それはまた担税能力にも通ずるのではないかという感じもいたします。物品の消費につきましてもそういうことがやはり考えられるんじゃないか。所得税で今後の歳入増をほんとうにまかなっていけるかどうか。それに対する国民の減税の要求をどういうふうに考えるか。これは最高の政治的な判断を要することだと思いますけれども、私は、そういうような点から考えまして、間接税のほうをもう少し考えてもよろしいのじゃないかと思うのです。  それから、目的税でございますが、少しとっぴな言い方でございますけれども、たとえば、有料道路の通行料でございます。これは利用の料金であって、税金ではございませんけれども、やはり、有料道路を通ることによりまして時間が短縮され、また、自動車がいたまないというような点も考え、全国的に、道路だけに限定してもいいと思いますけれども、建設を今後も進めていかなければならないという点を考えますと、償却が終わったからその区間の道路は無料にするというのがいまの基本的な考え方でございますけれども、私は、必ずしもそういうふうにしないで、償却が終わりましても、全国的な道路の整備のために、あるいは若干料金を安くしましても、取っていいのじゃないかと思う。これは通行料というよりも、あるいはもう道路利用税みたいなものになるかもわかりませんけれども、何か少し考え方を変えて、国民があまり不平とか不満もなしに、自然自然に納められるような税金というものは考えられないものだろうか。どうも、そういうような気がいたすのでございます。確かに具体的にどういうような目的税がいいという考えが私もあるわけじゃございませんけれども、かねて、道路の通行料金については私はそういう感じを非常に強く持っておりますので、国民の担税能力、それから国民が税金を納めやすいか納めやすくないかというような現実の点等も考えまして、こういうことを申しておるわけでございます。

中村弘海自由民主党

○中村(弘)委員長代理 次に、柴田参考人にお願いいたします。

柴田嗣郎全国町村議会議長会代表

○柴田参考人 お答え申し上げます。  超過負担の問題についての御質問でございますが、実は、先般、知時会のほうから、超過負担が現在およそ二千億程度あるというお話でございました。また、先ほどお話にございましたように、自治大臣と大蔵大臣の御両者で、今後の年次計画をもって解消していこう。こういうお話でありますが、これにつきましては、思い切って実態調査を徹底していただくということがその第一条件かと思われます。県を中心にしまして、県内各市町村の実態につきまして、物価あるいは賃金、原材料の価格、原価等につきまして、十分徹底して、実態をよく把握して、県を通じ、自治省あるいは大蔵省によくこれを周知徹底していただく。さらに、自治省から、機を見て、特定の地域を選んでよく現地調査をしていただく。こういう実態調査をよく徹底さしていただくことがまず第一の条件かと思われます。いままで、超過負担の解消を何度も陳情いたしまして、いろいろそのたびに、年次計画でこれを解消するんだという御返事を伺っておりますけれども、言うべくして、その実効はなかなかあがっておらないというのが現状でございます。これは、とりもなおさず、日本の高度経済成長が過去十年間九・六%の実質成長率を示しておるという反血、物価が著しく高騰を続けてきておる。その現象かと思われますが、そのような特殊性を内臓してきたわが国の実態でありますので、十分実態調査を――五年に一度の国勢調査の年を選んでもけっこうであると思いますが、五年というとかなりの開きが出てまいります。せっかく解消されるやに見えても、五年たつとまたもとに戻っておるというのがいままでの過程かと思われます。したがって、五年に一度は、国勢調査と同時に、この実態調査の徹底をぜひ期していただきたい。このように存じておるわけでございます。  なお、最後は、この問題の解決のかぎは、やはり地方行政委員会の諸先生方の御熱意いかんにかかっておる。私ども市町村、特に町村の立場から申し上げますと、先生方に特段の御配慮をお願い申し上げたい。このように存じております。  よろしくお願いいたします。

中村弘海自由民主党

○中村(弘)委員長代理 次に、高橋参考人。

高橋清静岡大学教授

○高橋参考人 沖繩県の引き継ぎ債務でありますけれども、臨時沖繩特別交付金に、四十七年度で、沖繩の引き継ぎ債務の国の肩がわり分の一部として十五億円が含まれておるそうでありますが、私は、こういう国の肩がわり分は、臨時沖繩特別交付金には一銭も含めるべきではないと考えます。  それから、あとは、地方債発行の限界のことでありますが、いまのところは、地方債発行の歯どめの措置というものは、いまの地方財政制度を前提とする限りはつくれないのじゃないかというふうに考えております。したがって、特に、最近、四十五年度から、過疎市町村のうち特に過疎町村が、公債費の比率、地方債収入の割合というものがふえてきておりますが、このままいけば、財政力の低い〇・一とか〇・二の町村は、過疎債の負担もまたふえまして、実質的に破産状態におちいっていくのではないか。そういう方向が予想されるということで、ちょっとその意見をとどめておきたいと思います。

中村弘海自由民主党

○中村(弘)委員長代理 竹内参考人にお願いいたします。

竹内義治全国市長会代表

○竹内参考人 お答え申し上げます。  交付税がこの予算から割れて収入が減っておるという現象があるかということでございますが、大阪府下にもたくさんございます。といいますのは、交付税の中に、高橋先生もおっしゃいましたように、事業費算入というのがございますから、前年度で何か大きな事業をやってあって、その事業費分が見込まれておる。その事業費が翌年度なくなればすとんと落ちるわけです。そうでございますから、豊中の場合でも、同じように、約一億くらい事業費ですとんと落ちておる。四十六対四十五では落ちておるわけです。これが交付税の仕組みの中で、十億をどういう計算をされたかわかりませんので、原因がはっきりいたしませんが、そういう事例はたくさんあります。  それから、学校の建築は、もう先生のおっしゃったとおりで、ともかく、一年生で校門をくぐって学校を卒業するまで、工事現場の中で授業をやっておるというのが大都市の近郊の学校の実態です。これをやめたい。やめるためには、一ペんにやらしてくれ。それのほうが安くつくわけです。それをお願いしておるのですが、なかなかこれができない。これが私たち情けないと思っておる点でございます。

中村弘海自由民主党

○中村(弘)委員長代理 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。  参考人各位に申し上げます。  長時間にわたり、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。厚く御礼申し上げます。(拍手)  この際、午後一時三十分から再開することとし、暫時休憩いたします。    午後零時五十一分休憩      ――――◇―――――    午後一時三十八分開議

中村弘海自由民主党

○中村(弘)委員長代理 休憩前に引き続き、会議を開きます。  委員長所用のため、理事の私が、委員長の職務を行ないます。  昭和四十七年度分の地方交付税の特例等に関する法律案を議題とし、質疑を行ないます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。山本弥之助君。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 午前中に、地方交付税の特例法につきましての参考人の意見を聞いたわけでありますが、各参考人とも、交付税といたしましては、一応前年度の伸びを確保しておるということで、当面の問題は一応やりくりができるということについてはある程度了承しているような意向がうかがわれたわけであります。しかし、問題は四十八年度以降。これは経済の見通しにも関係いたしますけれども、四十八年度以降こういう体制で、地方財政という重要な問題のあり方がいいのかどうなのかということにつきましては、各参考人とも異口同音に危惧の念をいっておったわけであります。この点につきましては、いままでも各委員から十分質問をしておる問題ではありますけれども、この機会にあらためて、経済の見通しと、あるいは、四十八年度以降について、どういうふうに自治省としては腹を締めてこの問題に対処しようとしておるか、そのお考えをお聞かせ願いたいと思います。

鎌田要人自治省財政局長

○鎌田政府委員 四十八年度以降の地方財政対策、これは、御指摘のとおり、私どもも、非常にむずかしい局面にさらにまた際会するのではないかという感じもいたしておるわけでございます。ただ、御案内のとおり、経済の全般的な推移でございますが、先ほどの経済企画庁の発表等にもございましたけれども、大体景気の底入れというものは完了したのではないだろうか。在庫投資というものの減少も大体底をついた。こういうことのようでございまして、大方の見方といたしましては、大体一応底をついたということでございまして、問題は、これからどのような産業なりあるいは財政とというものが主導いたしまして景気全般を引っぱっていくかということになろうかと思います。先ほどの長期信用銀行の調査結果では、設備投資の意欲が全く冷却をして、設備投資というものがなかなかふえないために景気の回復がおくれるのではないかという悲観説もございます。ただ、政府全般の見解といたしましては、やはり、一応景気の底入れというものがここで行なわれた以上、あと景気は逐次回復上昇の過程をたどるものということで、やや明るい見通しを持っておるというところではないかと思います。  そうなりますと、四十八年度の予算の編成にあたりまして、国の税収入あるいは地方団体の税収入、地方交付税収入、こういうものにつきましても、四十七年度の当初ほどのひどい落ち込みというものはないと存じます。ただ、もちろん、この景気の回復につきましては、ただいま申し上げましたような設備投資の問題がございます。また、依然として通貨問題というものも再然しそうな気配にありますので、このところは何とも私どもは的確な見通しはつけがたいということでございますし、また、そういう状況でございますから、かつての昭和四十一年から四十二年にかけましてのような急速な経済の高度成長というものは見込み得ない。いわゆる安定成長路線、こういうことを申しておるわけでありますが、それだけに、来年度の税、交付税、それから地方債、こういったものの中で、地方債に対する依存度というものもことしほどのことはないかと思いますけれども、やはり、前々年度に比べますと、地方債に対する依存というものは、ある程度依然として強いものになるのではないかという予測を立てておるわけでございます。  それでございますので、先ほども参考人に対しまして、諸先生方から、公債費のウエートと申しますか、地方債の発行の歯どめといったようなことについてもいろいろお尋ねがあったようでございますけれども、私どもといたしましても、地方税、交付税、それに地方債、この三つをどのように連動させまして地方財政を回していくか。この点につきましては、交付税率の引き上げの問題も含めまして、これは地方制度調査会等広い議論の場もあるわけでございますし、政府部内におきましても、そういう検討というものを絶えず行なってまいりたい。万遺憾なきを期せられるような措置を講じてまいりたい。こういうふうに考えておるところでございます。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 私、本会議でも質問をいたしたわけですけれども、四十一年のときの対策は今回と同じような対策をしたわけですけれども、規模から言いましても、今回の規模のようないわゆる不足額ではなかったわけですね。その際においても、将来の見通しについては、交付税の引き上げという体制をとったほかに、あるいは一部特例交付金も、たばこ消費税の増率というような、一つの振りかえというような対策を講じ、そのほかの問題についても、特別事業債の元利償還だとか、いわば、地方公共団体は情勢の好転を望むと同時に、次年度以降の財政についての見通しのもとに将来の計画を立てるという配慮がなされておるわけですね。今回は、四十六年度の補正予算の際の措置と同じような措置、いわば、特別会計の借り入れ金を含めて不足財源の八割を起債に求めたと言ってもいい体制なわけですが、四十七年度の財政計画もやはり同じような方式で八割を起債に依存しておる。しかも、四十一年度の経済見通しというのは、対策を講じました際には、下期においては明らかに景気は好転するというきざしがすでにはっきりしておったわけですね。しかも、予定以上に、一〇%以上の景気回復が行なわれた。今回は、下期において七%。この安定成長の路線は妥当なものであり、しかも、そういうことによって、いままでの企業優先から福祉優先、あるいは生活優先という方面に、意識的に一つの経済成長を変えていこうという体制にあるわけですね。ですから、嫌気の回復というものを考えるにいたしましても、ある程度安定成長、いわば福祉優先という立場に立っての成長に切りかえていくという意欲、福祉優先という立場に持っていくのだという見通しから言いますと、地方財政から見ますと、当時の情勢から見ると、いわゆる交付税の伸びにしても、あるいは税収の伸びにいたしましても、そう大きく期待できない。もし経済がこのまま推移するという、いわゆる景気の浮揚策がある程度まで伸びるということになれば、そのまま地方財政の苦境の状態は続くのではないかということすら予想されておる。鎌田さんのお話になりましたように、いまの体制は、むしろ、さらに円の切り上げということに国際情勢から追い込まれなければならぬというような情勢すら見えておる。これにどう対処するかということも大きな問題になっておると思うのでございます。こういうときに、国が大幅の国債発行をいたしておるわけですから、地方も起債でまかなうべきであるという、国と同一基調ということになれば、当然そういう地方財政対策しか私は生まれてこないと思うのです。そこで、当面の問題はともかくとして、将来、地方税にしても、あるいは交付税の問題にしても、もう検討をし直す時期ではないか。それをすでに始めて、そして、早急に将来の地方財政を見直さなければいかぬじゃないかという御質問を申し上げたのですけれども、いまお話しになりました税制調査会なり、あるいは地方制度調査会へ基本的な問題の諮問をしておるので、いずれそれらを参考にということで、いわば、総理の意図といいますか、こう考えていくのだという強い姿勢もお聞きすることはできませんでしたし、いろいろな調査会にまかしておるというような答弁しか出てこなかったわけであります。起債の償還にしても、これらの問題はほとんど期待のできないような情勢であるし、あるいは特別会計の借り入れ金の問題にいたしましても、大蔵大臣からはっきり、幾ら国庫で肩がわりするということは考えていないというような答弁もお聞きしておるわけであります。いろいろな情勢から判断いたしまして、何か、来年度はある程度まで積極的に制度改正に取り組むんだという意欲も見られないし、さればといって、国として、地方財政に対してこういう配慮をするのだということも確約されないまま、私は、不安なまま四十八年に引き継がれるんじゃないかという心配があるのです。これは、当時の、四十一年度の大蔵省の折衝から言いますと、自治省は、何か、この辺についての将来に対しての考え方というものについて大蔵省との間になされなかったのか。いわば、いままで行なわれた申し合わせとか、あるいは、いろいろな両大臣の覚え書きというようなかっこうにならないまでも、こういうことで了承するにいたしましても、そういうものはなぜもう少し詰められなかったかということに私は当然疑問を感ずるわけであります。もっとも、覚え書きというものもその場限りのもので、翌年はもうすっかり覚え書きというものが方針が変わりまして、年度間調整をどうするかという問題も、結局はうやむやのうちに過ぎてきているような状況ですけれども、それが効果があるかどうかわからないにいたしましても、国にとっても、地方行政にとっても、大きな転換期に際会しての予算折衝の間に、こういう問題がなぜ詰められなかったかということに私は大きな疑問を持つわけであります。その点はいかがでございますか。政務次官からお聞きしたいと思います。

小山省二自由民主党自治政務次官

○小山政府委員 地方財政に対して再検討期ではないか。言うならば、この機会に根本的にそうした問題を検討する必要があるのではないかというような御指摘であります。  御承知のとおり、交付税率が四十一年変更されまして以来、今日に至っておるわけでありますが、基本の考え方として、地方財政を安定させるという意味もありまして、交付税率については、できるだけあまり動かさないという考え方の上に立ちまして今日まできたわけでございますが、御承知のように、この景気をどうとらえるかということが、本年度の地方財政計画を作成します上において大きな一つのポイントになっておったわけであります。政府も私どもも一貫して、この苦境を打開するための一連の施策を講じておるときでもあり、また、専門的な立場からいろいろ経済の見通しを検討しました場合、比較的短期に景気の回復がはかれるだろうという経済の見通しの上に立ちまして、したがって、本年度においては、臨時特例交付金の制度であるとか、あるいは借り入れ金の制度であるとか、そういうような形において昨年程度の地方財政の伸びを確保する、交付税額を確保するという考え方で予算の編成をいたしたわけであります。しかし、この経済が、私どもが予期したようにそう早く回復しないというような状態でありますれば、地方財政については、やはり、ある意味において根本的に検討しなければならない。そういう時期に来ておるのではなかろうか。言うならば、単に交付税率だけでなくして、国と地方との間の財政調整というものをやはり十分念頭に置きながら、今後相当長期間にわたって安定的に地方財源を確保できるという、そういう制度に切りかえるような検討を十分する必要があるように考えております。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 税制の、地方税の改正法案の際も申し上げたと思うのでありますが、国の場合は、本年度一兆九千五百億の大幅、一七%というふうな、規模に占める割合も大きいわけですね。これは、景気回復というたてまえ、あるいは福祉行政を推進するということ、この二本の柱から大幅予算を組まれたわけですが、この償還財源を一体どう考えるかということ。国の場合は、次から次に国債の発行を繰り返していくというふうな方法もとると思われるわけですけれども、ねらいは、先ほど鹿児島県の金丸知事さんがお話しになったように、ある程度まで大きな国税の改正といいますか――すでに、いまの大蔵大臣は、EC方式の付加価値税を熱心に提唱されておるようであります。ここ一、二年は、そういう問題はまだ検討の段階だということでありますが、おそらく、そういった間接税の比率を高めることによって国債の償還財源ということを考えておられるのではなかろうかと推測するわけですが、そういたしますと、国の場合は、いろいろな情勢によって、国債の発行ということが、ある程度までそう国の将来の財政上の重荷にならずに済むのではないか。かように考えるわけですけれども、地方財政の場合は、私が申し上げるまでもなく、三千幾つの団体というのはいろいろ違うわけでして、府県だけとりましても、ある程度まで、毎年の歳入の占める割合と歳出の占める割合と比率を出して、本年は国庫支出金が二五・九%にふえた。地方交付税は大体ほぼ前年並み、地方税が前年度から四・五ほど減っておる。全体から言えば、こういうふうに地方税、地方交付税合わせれば大体六〇%近い比率を占めるわけですけれども、府県にしても、こういった標準の大勢を占める府県というのは、おそらく二割か二割五分ではなかろうか。大部分の府県は、交付税の比率が高い市町村におきましては、やはり一割ぐらいの地方税で、ほかの大部分は、五割以上交付税に依存しておるというような町村も多かろうと思うのであります。いわば、全体を平均したこういう標準とは比較にならないような多様性を持っておるわけです。そういう団体が将来の地方財政をどう見て仕事をしていくか。いわゆる行政需要に対応していくかということになりますと、これは、自治省としては、相当真剣にお考えになっていただかなければならぬ。むしろ、交付税の問題を単独に考えるわけにはいかぬと思います。地方税との関連において考えていかなければならぬと思うのです。将来の情勢から言うと、国と違って、地方税はどうあるべきか。交付税もどう考えていくべきか。先ほど高橋さんでしたか、静岡大学の先生みたいに、ある程度まで地方税源の確保ということによって不交付団体を多くしていく。どうにもならない団体、あるいは過疎地帯の町村、あるいは府県でも過疎県と言われているところ、そういうところは交付税で一定の水準を保つようにすべきであるというような議論もあったわけであります。そういうふうに、交付税は、地方税制の改正によってある程度まで不交付団体を多くして、そして、どうにもならない府県、市町村を交付税で育成していくのだ、そして格差の解消につとめるのだというような方針を自治省としてはおとりになる考えがあるのか、どうなのか。そういった問題は、地方制度調査会に諮問されるにしましても、自治省として真剣に検討を加え、また、関係六団体とも十分協議するといいますか、意見等も徴されて、実情に即したような交付税のあり方、あるいは地方税のあり方を考える必要がある。そのためには基礎調査も必要だろうと私は思いますが、そういうことを早急におやりになるお考えがあるのかどうか、お聞きしたいと思います。

鎌田要人自治省財政局長

○鎌田政府委員 御指摘になりましたように、この交付税の抜本的なあり方、あるいは税制の抜本的なあり方といったことにつきましては、私どもの本来のつとめといたしまして、常時取り組んでまいらなければならないわけでございますし、また、ある意味においては、そういう時期に逢着しておるように思うわけでございます。ただ、先ほども政務次官からお答え申し上げましたように、四十七年度の財政対策を立てるにあたりましては、これは、御案内のとおり、景気の、ある意味におきましての瞬間的な不況にプラスしまして、思わざるニクソン・ショックというものがございました。これが不況を加速化し、停滞化しておる。長期化しておる。こういうことでございましたために、いわば、四十七年度の財政対策を大蔵と私どもとが議論をいたしまする前提といたしましては、この不況というのは、あくまでもいわば一時的なものでありまして――もちろん、先ほど先生が御指摘になりましたように、昔のような、実質成長率で一三%、一四%といった高い成長ということはもう今後は期待し得べくもないし、また期待すべきでもないし、いわゆる安定成長路線というものに進むべきだという認識でおるわけでございますけれども、そういうことで、四十七年度の財政対策を考える場合には、あくまでもこれは一時的な不況というものに対処しての当面、応急の措置ということにならざるを得なかった。これはもうはっきりいたしておるわけでございます。  そこで、問題は、四十八年度の状況はどうだろうかということですが、これも、先ほど申し上げたとおりでございますが、いまのところ非常に不安定な要因が多うございますので、確定的なことは申し上げられませんけれども、私どもといたしましては、そういった一時的な景気の動きというものとはかかわりなしに、前々から申し上げておりますように、地方団体自身が、特に非常に立ちおくれておりまする生活関連公共施設というものを中心にいたしました社会資本を、長期的に、計画的に、着々と整備をしていく。そのためには、前回私どものほうで一つの試算として公表いたしました「地方財政の長期ビジョン」で見ますと、昭和四十五年度から五十五年度までに、たとえば上水道の普及率を、当時の二二%をかりに五五%まで持っていくということにした場合に、一体この期間にどれだけの財政投資が必要であり、どれだけのものが可能であるか。こういったものを、少なくとも基本的な公共施設につきましては積み上げを行ないまして、それについて、現在の税制あるいは交付税制度といったものを基本にしまして、その可能である投資の総額というのはどれだけであるか――そうしますと、当然すき間ができるわけでございますから、このすき間というものを埋めてまいるためには、たとえば税をどうする、あるいは交付税率の問題をどうする、あるいは地方債の依存度というものをもう少し高められるかどうかといったことを検討しているわけでございます。端的に申しますと、国の支出金その他を別にしますと、三つの財政手段があるわけでございますから、この三つの財政手段をどのように合理的に組み合わせていくかということにつきましては、私ども、いまの地方財政の長期ビジョンの改定を行なおうとして実はいま準備作業に取りかかっておるわけでございますが、そういったものとの関連もございまして、早急にそういった財源の所要額というものを積み上げまして、それに対しまする財源手当てというものをそれとあわせて考えてまいりたい。地方団体におきましても、そういったものを一つの指標としながら、それぞれの団体の財源というものを効率的に使っていただきたい。そのためには、繰り返しになりますけれども、いまの税制あるいは交付税のあり方、あるいは地方債のあり方といったものにつきましては、現在の制度の維持も含めながら、根本的な見直しということが当然必要になろう。  それから、先ほど高橋参考人も述べておられましたけれども、ある程度地方税のウエートを高めまして、それで不交付団体をふやしていく。逆に交付団体というものを減らしていく。これは、ある意味においては、私どもの永遠の理想でございます。当然そういう方向に向かって進んでまいるべきものだと考えております。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 そういたしますと、ただいまのお話を承りますと、四十八年度の予算編成期までには、今日の経済情勢とも見合いながら、いわゆる抜本対策というものを、ある程度まで、地方税、交付税あるいは起債、その他国庫負担全等と関連して検討をするということでございますね。

鎌田要人自治省財政局長

○鎌田政府委員 四十八年度の問題につきましては、そういった長期展望も含めまして検討いたしたいと思っております。ただ、その場合に、先ほどから申し上げておりますような、来年度の予算編成の前提となりまする国の経済の推移、動向、あるいは国の予算の編成方針、こういったものと緊密に連絡調整をはかりながら行なわなければならないということは当然であろうと思います。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 この際、午前中にも他の委員からも問題にいたしました今回の交付税との関連におきまして、基準財政需要額の一部、ことに、投資的経費を地方債に回したわけですが、いままでの府県の地方債の歳入に占める割合。その最高と最低と今後の――今度は倍になるわけですが、八%幾らになるようでありますが、倍ちょっとになるようでありますが、どのくらいになりますか。お聞かせ願いたいと思います。

鎌田要人自治省財政局長

○鎌田政府委員 四十五年度の決算におきまして、都道府県の一般財源に占めておりまする公債費のウェートは五・一%でございます。これは決算ベースでございます。財政計画の上では、御案内のとおり、府県、市町村一本にいたしておりますので、これは四%になっておるわけでございます。それで、財政計画の中で、ことし三千五百億の財政対策債も含めまして、四千九百八億の地方債の増額を行なったわけでございますが、今後かりに、四十八年度もことしと同様の程度の地方債の発行を行なったとした場合、四十八年度はある程度地方税交付税がふえるということを前提にいたしまして、この主千五百億の財政対策債というものをかりに半分に減らすといった前提を置きまして、今後五年間経済の成長率を一三%――ことしは御案内のとおり、沖繩を含めまして一二・九%でございますが――一三%で伸びるという前提、それから一五%で伸びるという前提、そういうことでいろいろなモデルをつくりまして、試算を行なっておるわけでございます。大体一三%で、来年もことしと同程度の公債を発行するということで計算をいたします場合に、これは都道府県、市町村合計の計算になりますけれども、大体ピークになります昭和五十一年度あたりで一〇%から一一%の間にとどまるものと考えております。  ただ、御案内のとおり、これはマクロでございまして、個々の府県や市町村におきまする実勢というものはこれとは別でございますので、個々の府県や市町村に対しましては、やはり、公債費の重圧というものが累増をいたしまして財政運営に支障を及ぼすことのないようにいたしたいというふうに考えております。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 地方債の占める割合は、四十七年度で、最高でどのくらいになりますか。

鎌田要人自治省財政局長

○鎌田政府委員 県でございますが、当初予算をいま私のところで集計中でございます。その結果によりまして御報告させていただきたいと思いますが、ちょっといま手元にでき上がっておりませんので、でき次第御報告申し上げます。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 一〇%をこえるという体制は、やはり地方財政からいくと、府県――まあ、大都市は別として、中都市以下は、全予算に占める比率がちょっと高いのじゃないかと思うのです。今回は八%になっておりますが、やはり八%程度で押えていかなければいかぬのじゃないかと思いますが、どうでしょうか。

鎌田要人自治省財政局長

○鎌田政府委員 地方債の問題を考えます場合に、二つ考え方がございます。一つは、地方歳入の中で公債の占める割合というものはどの程度であればいいか。いわゆる財源構成の問題でございますが、これは公債依存度と申しております。それからもう一つのものさしは、一般財源の中で公債費が占める割合、これがどれくらいでとどまれば妥当であろうか。この二つのものさしがあろうかと思います。前のほうのものさしでございますが、これは、実は、私、楽観的過ぎるということで、この前も林先生に御指摘を受けたわけでございますが、現在の、四十六年度までの公債依存度は大体四%でございました。まあ、私は、ことしの公債依存度八%というものが永遠にいいとは思っておりませんけれども、いままでの四%というのはちょっとやはり低いのじゃないだろうか。公債依存度というものは、これだけ社会資本の充実ということが叫ばれているわけでございますし、短期間に集中投資をしなければならないわけでございますので、もう少し高まってもいいのではないだろうか。これは議論の余地が非常にあるところだろうと思います。  それから、公債費の一般財源に占めまする割合は、実は、これもこの前御論議いただいたわけでございますが、地方債の許可方針におきましては、二〇%をこえますと、こういう起債は許可しませんということで指導いたしておるわけでございますが、全般的な財政運営といたしましては、これも結局全地方団体をカバーするマクロの問題でございますけれども、大体一般財源に占める割合が一〇%から二五%程度の間におさまるようにいたしたいというふうに考えております。   〔中村(弘)委員長代理退席、委員長着席〕 ただ、現実の市町村では、すでにそういうところと入っておるところもございまして、こういうところに対しましては、できるだけ、起債ではなしに交付税を付与してやる。起債をやむを得ずつける場合でも、政府資金をつけてやる。こういうことで公債費の累増を防いでまいりたい。そういうきめこまかい指導をやってまいりたいと思っております。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 私も、四%というような起債の比率は必ずしも高いとは思えないので、ある程度までもう少し起債を認めてもいいのじゃないかというふうに考えております。ただ、当該公共団体が必要な起債を住民の要望に従って起債財源に求めていくという体制であればいいわけですが、どうしてもこれは、全体のワクの中で起債財源に依存しなければならぬというような体制に追い込まれる。これは、将来行政需要が増高するにつれて、地方公共団体としては、ある程度まで起債に依存しなければならぬ体制はどうしても出てくると思うのです。そうすれば、今回、治山治水だとか公園等の長期計画ができ、それに基づいて整備をしていくことになろうと思うのですけれども、これなんかも、地方公共団体の単独事業というものはおそらく相当見込まれているのじゃないか。これらがどうしても公共事業と関連いたしまして、単独事業を進めていく場合に、机上で考えている場合、実際にそういう公園の整備をしていくという場合、非常な開きがある。超過負担の問題に関連いたしますけれども、特に、公園整備のような問題は、これから新しい市街地に都市計画を樹立する場合は、ある程度確保は容易だろうと思うのですが、いわゆる旧市街の中に公園を整備するというような問題になりますと、ほとんど用地の確保すら至難な状態にある。それをどうしても確保していくということになりますと、用地費だけでも相当な額にのぼる。知らず知らずのうちに超過負担になる。あるいは、起債財源に依存しなければならぬような状態が出てくるのじゃないかと思うのです。それから、こういうふうに起債が重視されてまいりますと、いままでの、当分の間許可制度をとられておったということは、政府資金の配分でも、ほとんど地方公共団体――今度も配分率が下がっていることは細谷委員からも指摘したのですけれども、こういう起債に依存するときには、私は、政府資金も思い切り優先的につげるということをすべきではないかと思う。ことに、交付税の関連において考える場合には、大部分を政府資金に持っていくということが必要じゃないかと思うのです。そういう体制下にあっても、政府資金の配分は、一応これはどうしても優先的にこの団体につけてやらなければならぬという、そういう配分の必要条件を検討することは必要なんです。一々こまかい書類を出して許可を受ける、しかも、地元の財務局を通じ、自治、大蔵両省が承認を与えるというようなことはもう廃止すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

鎌田要人自治省財政局長

○鎌田政府委員 地方債の許可制度につきましてはいろいろ議論がございます。また、私どもが申し上げておりますことも、実は、いつも同じことでかわりばえしないのでございますけれども、基本的には、金融機関との相対の話だけにとどめますときは、財政力の比較的強い団体に金融機関といたしましてはどうしても貸し出しを優先して行なうといったことがございまして、弱小団体が金を借りたくても借りられない。こういったような面がございまして、そういう意味におきましては、やはり民間資金の流れというものをゆがめる結果にもなろうかと思います。そういうことで、私どもといたしましては、基本的には、縁故資金につきましてもやはり許可制度というものは残すべきだ――ただ、その場合におきまして、ことしも、私どもの許可の権限というものをかなり都道府県知事に、いわばワク配分という形でおろしていく。そういうことやら、あるいは許可手続をできるだけ簡素化する。こういうことで、実質的に地方団体の行政簡素化の趣旨の実現ははかっておるつもりでおります。なお、引き続きましてそういう面での基本方針は堅持しながら、起債手続の簡素化ということにつきましては、引き続いて思い切った努力をいたしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 念を押しておきますが、そういたしますと、各交付税なり、地方税、あるいは起債等を含めて、基本的な、あるいは抜本的な検討を来年度加えるということと、もし景気の情勢が現状のまま続くということになりますと、あるいは起債の償還財源等についても、大蔵省と強力な折衝をする。特別会計の借り入れ金もすでに三千億近くなるわけです。これから同じような状況で来年度やはり特別会計で借り入れをしなければならぬというような事態が生ずる場合には、これらは特別会計自体で処理するのではなくて、国の一般会計で配慮を願うという御努力は、来年度予算折衝の過程において御努力をしていただけるわけですね。

鎌田要人自治省財政局長

○鎌田政府委員 来年度の経済の推移というものがことしとあまり大差がないという事態になりますと、これは、私は、率直に申しまして、国の予算の編成においてもたいへんな問題だと思います。ある意味におきまして、財源が得られないということになりますと、国債それ自身の基本的なあり方にも触れるような財政難におちいるというふうに思うわけであります。地方財政におきましても、これは当然同じ状態で、それがなお、質的に言えば拡大された形になるわけでございます。早い話が、この交付税の特会借り入れにいたしましても、これ以上特会借り入れをやれるかどうか。これは、むしろ、交付税の将来の使えるワクという面から申しましても、そろそろ一つの壁にぶつかっておるように私は思います。あるいは公債問題にいたしましても、ことしの三千五百億というものがさらにそれに上乗せするような形で増加する。こういうことになりますというと、これは地方財政にとりましても深刻な問題になってくるわけでございますので、交付税率の問題、あるいは償還財源の措置の問題といった問題に、私どもといたしましても当然積極的に取り組んで結論を出さざるを得ない。そういういわばぎりぎりの極限状態になるものだというふうに認識をいたしておる次第でございます。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 四十三年以降の場合は、非常に交付税も伸びてまいりましたので、投資的経費というような要素もいろいろ加味いたしまして、ある程度まで、政策配付といいますか、政策的な配分ということが行なわれてきたわけですが、そのときに私ども心配した。たとえば県におきまして、国保の負担金を国から県に肩がわりしたいとか、あるいは教科書の補助金も県に肩がわりするというふうな大蔵省の意向等も出てきたのですが、こういうふうに地方財政も困ってまいりますと、そういう議論はなくなったと思うのです。むしろ、起債を振りかえて、投資的経費を基準財政需要額から落とさざるを得ないということになったと思うのです。それだけに、先ほどもちょっと参考人から話が出たのでありますが、交付税の配分につきまして、非常に複雑な苦心をしておられると思います。もう、交付税の本来の趣旨からだいぶ離れた、盆弱町村に対しては財源の配分をしてやらなければいかぬ。あるいは、仕事の多いところは仕事ができるような、補助金の自己負担分を交付税で見てやらなければならない。起債も見てやらなければいかぬ。こういうふうに、起債との関連、補助金との関連で、交付税の性格というものは非常に複雑になってきておる。それだけに、配分の際に、いろいろな補正を、いろいろに手をかけていじくり回さざるを得ない。公平な配分をしようと思えば思うほど、ますます配分それ自体も困難になってきておるという事態になっておるわけでありますが、これもある程度まで、先ほどから論議しておりました問題と関連して変えていかなければならぬと思うのです。それにしても、いままでこういうふうに変えてまいります際に、地方公共団体の、府県なりあるいは市町村の意見といいますか、いまの公共団体の実態は、大きく分ければ過疎、過密というふうに大別できるわけですが、いろいろな団体のニュアンスがあると思うので、その特性に応じての要望もまちまちになるのではないか。全体の額ふやすとかなんとかということは別といたしまして、まちまちになるのじゃないか。長期計画にしましても、利害関係は必らずしも一致するものではないと思うわけであります。そういたしますと、そういう配分について、ある程度まで地方公共団体の意見を十分吸い上げるという排置を講ずべきではないかと思いますが、この点は講じておられるのですか。今後どういうふうにおやりになるのか。これもあわせてお聞かせ願いたいと思います。

鎌田要人自治省財政局長

○鎌田政府委員 交付税の配分にあたりまして、地方団体の意見の吸い上げは、これは絶えずやっております。  それから、午前中の参考人の御意見にもございましたけれども、結局、貧乏なところは、公共団体に財源が行くようにしてある、あるいは、人口がふえるところは、それなりにまた交付税を配ってやるということで、交付税全体が、いわば限られた財源の中で、あっちに寄せようと思えばこっちにしわが寄るというような形になるのではないかという御意見がございましたけれども、交付税全体が、先ほど来申し上げておりますように、昭和四十二年以降の姿で申しますと、大体年率二割以上伸びておるわけでございます。二割以上という額は、御案内のとおりかなりの額でございまして、やはり、毎年四、五千億の大台の数字になっておるわけでありますが、その中におきまして、たとえば経常的経費と投資的経費、こういうふうに分けまして、人口急増団体でございますと、ある程度投資的な経費がふえるわけでございますから、それは投資的経費のふえたところでまかなう。あるいは人口減少団体でございますと、いわば経常的な維持管理の費用というものが要るわけでございますから、それは経常的経費の増加のワクの中でまかなう。こういうことで、私ども、てまえみそかもしれませんが、いまのところ、配分方法で地方団体にそう強い不平不満というものがおありだとは実は認識を持っておらないわけでございます。ただ、積極的な、こういうように改善してほしい、ああいうように改善してほしいという点につきましては、理由の立ちます限りどしどし取り入れて改善をはかってまいる。こういう姿勢でおります。

山本弥之助日本社会党

○山本(弥)委員 その点はわからぬわけでもないのですけれども、たとえば長期計画に見合うような事業を遂行しないとか、あるいは独事の――私、前々からよく主張したのですが、今回は、老人医療の問題も、全国的に国の方針によって国の補助金が出ますので、当然交付税の財政計画の中に盛られておるわけです。したがって、国保の問題に関連して、仕事の重点を、その村では医療に重点を置くことがその村の最も重点行政だ、それをせざるを得ないのだ、交付税の対象になろうがなるまいが、それをやることがその村の住民の最も熱望しているところに沿う問題だ、だから、乳児の死亡率を低下させるための国保の特別給付、あるいは医療の無料化その他について、なぜ交付税である程度考えられないのかという質問をしたことがあるのですけれども、そういう問題に対しましては、普遍的ではない、保健衛生費か何かで幾ぶん見ておるのだというふうな話があったわけですが、ある程度までその独自の最も重点を置くべき行政需要にこたえるという体制をとることがいわゆる長期計画の中に入っていないことによって、交付税の対象にもならぬという不公平なんかも出てくるのではないかと私は思うのですね。その辺のところを十分配慮願ってお考え願いたい。そうしませんと、交付税というものは、補助金と同じようになってみたり、あるいは起債のかわりをしたり、性格が右に行ったり左に行ったりというようないろいろなことになりますので、その辺は今後あわせて十分検討いただきたい。かように考えております。  それから、時間も参りましたので、最後に沖繩の特例交付金の問題ですが、当初私どもお話を聞いたときには、九年間ですか、額も百二、三十億多かったような気がするわけですが、こういう交付税から言いましても、非常につらい体制になり、ことに、沖繩は、先ほど来の話もありましたとおり、いろいろな交付税の対象については、医療も整備しておらぬ。ここ何年間は、沖繩県にいたしましても、市町村にいたしましても、育成しなければならぬという際に交付税の中に繰り入れる。あれはたしか九割から八割、七割と下げていくと思ったのでありますが、先ほどの高橋先生の話だと、ある期間、五年とか十年、特例交付金として処理すべきではないかという議論がありましたが、私どももっともだと思うのです。それにしても、こういう沖繩の復帰後の最初の対策としてはわずかな金額の査定を、がんばって、ある程度まで長期にわたって特例措置を講ずるような御努力をなぜしなかったのか疑問を感ずるわけであります。これは、当初大蔵省に要求された見通しというものは多少甘くて、いまの査定でも十分沖繩県及び市町村のめんどうは見られるんだ、交付税の中に、四年間ですが、五年間で完全にとけ込ませることが可能である、あるいは交付税算定の基礎になる資料も整備するんだ、というふうなお見通しを立てておるのかどうか。お答え願いたいと思います。

鎌田要人自治省財政局長

○鎌田政府委員 当初、私どもが、いわゆる沖繩臨特という形で要求いたしましたときは六百三十億でございました。これは御案内のとおり、昨年の予算の概算要求、八月一ぱいでございましたが、そのときでの私どもの試算でございまして、これはこれなりに根拠はございました。たとえば振興開発のための事業費でございますが、これにつきましては、北海道においてとられておりまする国の補助負担率、これを実は基礎において計算をいたしたわけでございます。ところが、これが御案内のとおり、十分の十あるいは十分の九・五、こういったものがかなりできまして、事業量はふえたのでございますけれども、県の負担というものは逆に減るといったようなことでございまして、この辺のところで、実は、六百三十億のときから比較いたしますと三十億程度違いました。それから、この沖繩の債権額等を計算をいたします場合、当時は三百六十円レートでございましたので、それが三百八円に変わりました結果、そこの数字の動きも若干ございます。それから、沖繩県が復帰前に退職手当債等を発行して、その債務を引き継いで、しょったまま日本に返ってくる。こういう場合の、そのしょった借金の元利償還というものはその中で見るということで計算をいたしておりました。ところが、これは諸般の情勢によりまして、退職手当債、四十六年度と言ったらいいんでしょうか、会計年度がちょっと違いますが、その分は結局発行しないまま復帰する。こういったようなところで数字が違ったところがございます。あるいは土地開発基金、当初、本土の交付税でもしばらく停止をするということは、実は思いもかけなかったものでありますから、それを入れておったわけでございますが、それが落ちるとか、こういったことで六百三十億が五百十億になったわけでございますが、この数字は、私ども端的に申しまして、沖繩県、市町村に十分満足していただける数字であるというふうに考えております。ただ、その五百十億はそれでいいわけでございますが、これを九年間を四年間ということになりましたのは、こういった形での臨時沖繩特例交付金というものをつくることそれ自身につきまして、実は、御案内でございましょうが、政府部内でも有力な異論がございました。あるいはまた、国会の沖繩国会におきます論議におきましても、必ずしも私どもの考え方が一〇〇%支持をいただいたわけでもございませんでしたので、これは大体四年間で、できるだけ早く交付税に完全に吸収をして、そういった意味での本土との一体化もはかっていく。当然、その過程におきまして、交付税率の問題等はその面からも理解される時期というものが出てくると思います。      ――――◇―――――

大野市郎自由民主党

○大野委員長 この際おはかりいたします。  外務省機密漏洩問題について、外務委員会に連合審査会の開会の申し入れをいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大野市郎自由民主党

○大野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  なお、連合審査会の開会日時は、関係委員長の協議により、来たる十三日午前十時から開会する予定であります。      ――――◇―――――

大野市郎自由民主党

○大野委員長 次に、内閣提出にかかる道路交通法の一部を改正する法律案を議題といたします。  まず、本案について補足説明を聴取いたします。後藤田警察庁、長官。

後藤田正晴警察庁長官

○後藤田政府委員 道路交通法の一部を改正する法律案につきまして、補足して御説明いたします。  第一は、路上試験の実施等のための規定の整備についてであります。  まず、第九十七条第二項の規定は、現在、技能試験はすべて試験場内で行なうこととしておりますのを、交通の流れに適応する運転能力、法令の順守能力等、その者の道路上における実際上の自動車の安全運転能力について確かめることとするため、普通免許の技能試験については、これを一般の道路において行なおうとするものであります。  次に、第九十六条の二の規定は、普通免許の運転免許試験を受けようとする者は、指定自動車教習所の卒業証明書を着する者等普通免許の技能試験が免除されることとなる者を除いて、仮免許を現に受けている者で、過去三月以内に五日間以上路上練習をした者でなければならないこととするものでありますが、その場合、総理府令で定めるところにより、交通の著しくひんぱんな道路、生活道路等、路上練習に不適当な道路以外の道路において、一定の内容について自動車の運転の練習をしなければならないこととしようとするものであります。  次に、第八十四条第五項の規定、第八十七条の改正規定等は、路上における練習や試験等のための仮免許の規定の整備でありますが、仮免許の種類を大型仮免許及び普通仮免許の二種瀬に分け、練習や試験等において運転しようとする者は、運転しようとする自動車の種類に応じて、それぞれ大型仮免許または普通仮免許を受けなければならないこととするとともに、仮免許を受けた舌は、練習のため自動車を運転しようとするときは、練習効果を高め、かつ、練習中の危険を防止するため、その運転着席の横の乗車席に、その自動車を運転することができる第一極免許を受けている者で、その免許を受けていた期間が通算して三年以上のもの、その自動車を運転することができる第二種免許を受けている者等を同乗させ、かつ、その指導の下に運転しなければならないこととし、また、新たに仮免許練習中の標識掲示義務の違反について罰則を設けるほか、仮免許の有効期間を三月としようとするものであります。  次に、第百六条の二の規定及び第百十四条の二第一項の改正規定は、精神病者等の一定の欠格等由に該当する者及び人身事故を起こした者等の政令で定める基準に該当するものについて仮免許の取り消し制度を設けるとともに、正規の免許の取得のための事前段階である仮免許に関する事務については、これを合理化するため、警察本部長等に行なわせることができることとしようとするものであります。  第二は、初心逆転者に対する運転教育の徹底をはかる等のための規定の整備についてであります。  まず、第九十八条の改正規定及び第九十八条の二の規定は、指定自動車教習所における教習水準を高め、もって自動車の運転者の資質の向上をはかるため、指定自動車教習所の指定にあたって、一定の職員、設備、運営が法律で定める要件を備え、または政令で定める基準に適合しなければならないことを明記するとともに、特に、公安委員会の行なう路上試験にかわる技能検定に従来する技能検定員の選任及び解任、技能検定合格の証印等について規定するほか、その業務の重要性にかんがみ、指定自動車教習所の技能検定員は、刑法その他の罰則の適用については、これを公務に従卒する職員とみなすこととしようとするものであります。  次に、第七十一条の二の規定は、他の運転者等に初心運転者であることを知らしめ、初心者運転にかかる事故の防止をはかり、また、初心逆転者に、初心の段階において正しい謙虚な運転の習慣を身につけさせるため、普通免許の免許経歴が通算して一年未満の初心運転者は、外国免許を受けていたことがある者等を除いて、総理府令で定める初心君マークをその普通自動車の前面及び後面につけて逆転しなければならないこととしようとするものであります。  次に、第七十一条第五号の三の規定は、初心運転者または仮免許練習中の運転者が初心者マークまたは仮免許練習中の標識をつけた普通自動車を運転している場合における他の一般の運転者の遵守事項を定めるものでありますが、これは、一般の運転者が初心運転者等の運転する自動車の側方及び前方に安全な側方間隔および車間距離を保たなければならないこととすることにより、一般の運転者に対して初心運転者の保護義務を課そうとするものであります。  第三は、免許証の有効期間に関する規定その他の規定の整備についてであります。  まず、第九十二条の二の規定等は、免許証の有効期間の末日をその者の誕生日とすることによって、いわゆるうっかり失効を防止し、あわせて更新時期を年間を通じて平均化することによって、免許事務の合理化をはかろうとするものでありますが、これによりまして、新たに免許を取得した者の免許証の有効期間は、その適性試験を受けた口の後のその者の三回目の誕生日が経過するまでの期間とするとともに、更新免許証の有効期間は、更新前の免許証の有効期間が満了した後のその者の三回目の誕生日が経過するまでの期間とし、また、海外旅行等のため、更新期間の到来前に更新を受けようとする特例更新の免許証の有効期間は、その適性検査を受けた日の後のその者の三回目の誕生日が経過するまでの期間としようとするものであります。  次に、第百十二条第五項の改正規定は、新たに路上試験を実施することに伴い、運転免許試験手数料等の額は、一件についての限度額を現在の千円から千五百円に引き上げようとするものであります。  次に、第百十条の改正規定は、国家公安委員会は、交通の安全と円滑をはかるため特に必要があると認めるときは、都道府県公安委員会に対し、従来の高速自動車国道のほか、高速自動車国道に準じ、または高速自動車国道と密接な関係を有する自動車専用通路のうち政令で指定するものについて、これらの道路における道路交通法の実施に関する事項について指示することができることとしようとするものであります。  最後に、附則の規定についてであります。  第一項の規定は、この法律の施行日について規定しようとするものであります。なお、公布の日から施行することとしている規定は、新たな内容の変更を伴わず、もっぱら用語の斉一を期するための整備を行なう規定であります。  第二項の規定は、附則第一項の規定により施行日を異にしたことに伴い、引用条文についての経過措置を設けようとするものであります。  第三項及び第四項の規定は、仮免許に関する規定を整備したことに伴い、仮免許の種類及び仮免許の有効期間について必要な経過措置を設けようとするものであります。  第五項の規定は、免許証の有効期間の末日をその者の誕生日としたことに伴い、この改正規定の施行の際現に運転免許を受けている者の免許証の有効期間については、なお従前の例によることとし、この場合において、改正規定の施行後最初にその者の免許証の有効期間が更新された場合の、その更新免許証の有効期間は、三年を経過した後のその者の最初の誕生日が経過するまでの期間とすることとしようとするものであります。  第六項の規定は、路上試験の実施に伴い、この改正規定の施行前に普通免許の運転免許試験の申請をしている者については、その受験資格及び試験方法は、改正、規定の施行後においても、なお従前の例によることとしようとするものであります。  第七項の規定は、指定自動車教習所の指定基準等について規定を整備し、技能指導員、学科指導員及び技能検定員について規定を整備したことに伴い、必要な経過措置を設けようとするものであります。  第八項及び第九項の規矩は、この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用及び反則行為に関する処理手続等に関する規定の適用について、必要な経過措置を設けようとするものであります。  以上が、道路交通法の一部を改正する法律案のおもな内容であります。  何とぞ、よろしく御審議をお願いいたします。     ―――――――――――――

大野市郎自由民主党

○大野委員長 質疑の申し出がありますので、これを許します。大石八治君。

大石八治自由民主党

○大石(八)委員 今度の道交法の改正では、道路上の運転ということと、もう一つは教習所の整備をするということがおもな内容のようでありますが今度の法律改正で一発コースというものが事実上ないようになる。そこで、前回にも多少話題になったようですが、個人指導員というもののはさまる位置というのは全くなくなってくるような感じがいたします。私は実態について知りませんけれども、個人指導員というのは価値評価がされていたのですか。それとも、あまり価値評価されていなかったのか。このことによって、個人指導員の働く場所というのは事実上シャットアウトされてしまうように思います。  それと、もう一つは、一発コースというのはだめなんでしょうか。私はちょっと変なことを考えますが、北海道あたりで、牧場なんか非常に広い場所を持っていて、-分で運転練習をどんどんできるし、たまたまその人が工業学校を卒業した人だというようなときには、機械についても詳しいし、自分で運転もできる。そういう人は一発コースを受けたいけれども、しかし、この法律によればたいへんしちめんどうな過程を通らざるを得ないことになるわけです。まとまっておりませんけれども、一発コ-スというのは全くシャットアウトされたような気がいたしますが、それは、事実上そういうじ由練習をする場所はなくなりましたから、これを公正にして、教習所なんかを準備していくということも私はわかります。しかし、その方法は全くこれで絶無になったのか。  それと、いまの個人指導員の問題について、価値というか、その有用性というものはどういうように考えておったのでしょうか。この人たちの問題についてはどういうふうに今後考えるのか。その点をお伺いいたします。

片岡誠警察庁交通局長

○片岡政府委員 初めの個人指導員の問題でございますが、現在、指定自動車教習所ではなくて、個人で練習の指導をしている人は、数はそうたくさんはございません。ただ、指定教習所でなくて、非指定の教習所というものは相当数がございます。私ども、個人指導員を考えましたときには、主として二つの理由がございまして、一つは、一発コースをやめて道路上で試験をするという制度をとりますと、必然的に、その試験を受けるために道路上で練習をする。そのときに、道路上で練習をする場合に、それが安全に行なわれ、あるいはその教育効果が十分あがるようにしたいというのが一つのねらいでございます。それからもう一つのねらいは、できれば、私どもの免許行政事務の合理化をはかりたい。それで、個人指導員制度ができた場合に、これの検定があれば技能試験を免除する仕組みを考えたわけでございます。ところが、御承知のように、個人指導員につきまして、まず、コースの道路上で検定をやりまして試験を免除するというのは、個人の資格でやらすのには、その公正さを担保するのにやはり問題があるのではなかろうかという問題がございます。それからもう一つは、指定自動車教料所の経営者と申しますか、管理者としましては、指定自動車教習所の一番中心になって働いている優秀な指導員に空白が生じるのではなかろうかというおそれもあったようでございます。そういう点もございましたので、制度としての略上の個人の教習員制度は今回は見送りました。しかしながら、さればといって、路上で試験なり練習をいたすことになりましたので、安全性の担保なり教育効果のほうは手当てをする必要があるのではなかろうかということで、路上練習をする場合には、現行法では隣にただ免許証を持っておる人が乗っておればいいというのを、今度は、三年以上の免許経歴がある者が乗っていなければいけないということにしまして、安全性と教育効果のほうの手当てはしたということでございます。  それから、次の御質問の一発コースを禁止する必要があるのかという点でございますが、一発コースと私どもが申しておりましたのは、路外だけで練習をして、そして路外の試験場で試験を受けるというのには問題があるのではなかろうか、やはり道路しでほんとうに安全に運転できるかどうかということを実地に確かめて、安全運転できる人に免許証を与えるという制度にすべきではなかろうかという発想でございます。したがいまして、今度は、少なくとも路上で五日間以上練習をし、路上で試験を受けなければ免許証を与えないという制度を考えておりますけれども、御指摘のございましたような北海道の牧場のような場合には、牧場で十分基礎的な練習はしてもらって、そして仮免許の試験を受けて、仕上げに道路上で五日以上練習をしていただいて、そして道路上で試験をやるという仕組みを考えておりますので、隣に乗って指導をする人は必ずしも業としてやっている人だけを予定はいたしておりません。そういう意味では、かりに親きょうだいでも、非常に能力のある人であれば、隣に乗って指導していただいてけっこうです。そういう仕組みを考えております。

大石八治自由民主党

○大石(八)委員 この路上練習というところは、教習所でも、試験場の場合でも、今度法律に三年間とかという経験とか、だいぶいろいろのことが付加されたようですが、そういうものを持っていれば、従来の個人指導員といったものも、ここの場所の同業者にはなれるというふうに解釈できるというふうにいまのお話では思いますし、それから、私は、個人指導員というのが一体どのくらいの人数が実際いたかよく知りませんけれども、教習所なり試験場では、そういう人を積極的に援用するという気持ちはあるわけですか。その辺をちょっとお伺いいたします。

片岡誠警察庁交通局長

○片岡政府委員 現在、個人で指導を業としている人が全国で六百人ばかりあるようでございます。仰せのように、いまの、隣に乗る人は、三年以上の免許経歴を持っていれば、事実上業としておられる人はそのまま業を続けることができる仕組みでございます。私どもが考えておりますのは、私どもが練習で一番期待しておりますのは、指定自動車教習所で初めからきちっと組織だった教育を受けてもらいたい。しかし、そうごなく、指定自動車教習所へいろいろな事情で行けない方もあろう。そういう方については、できればやはり業としてやっている人に教わるほうがいいのじゃなかろうか。もちろん、親きょうだいの中にもりっぱな人、安全運転の指導能力のある方もあろうと思いますけれども、どちらかといえば、業としてやっておられる人のほうがいいのじゃなかろうか。そのように考えております。

大石八治自由民主党

○大石(八)委員 それから、路上検定をする人が今度ははっきりするわけですが、九十八条の二だと思いますが、何となくわかりますが、検定をするわけですから、そこをパスしなければどうにもならない。それで金のやりとりがありそうだとは思いますが、ここでとたんに、この男を公務員とみなして刑法の贈収賄の罪が今度は適用されるように法律改正をされているわけです。私も、その事態を頭の中で想像すると、なるほど、隣にすわっているんだから、頼むよと言ってポケットに金を入れそうだという感じはいたします。そういう感じはいたしますが、とたんに公務員という資格として、それを贈収賄に適用するということのほかに、何か考えられなかったのだろうか。ここまでいくのには、多少皆さんの中で議論もあったことでしょうが、なるほどこれはというふうなものがほかになかったのか。これは少し唐突ではないか。ぱちんとこんなものが出てきたという感じが、実は、私はするわけですね。この仕組みをこういうふうにしたから、結果的にこうなったんだろうと思うのですが、何か、公務員が受けるべき法律の適用にそこはしてしまう。つまり、そこの長や教習所の親方のほうは関係ないわけですね。そういう最高の責任者は何も関係ない。そこの検定員がずばり受けるというふうになるので、ちょっとそこに私はすいっと入れないものがある。そこらの疑問を解いてもらうような話はないものでしょうか。

片岡誠警察庁交通局長

○片岡政府委員 実は、私ども、法案の立案の過程で、御指摘のように、管理者との関係もいろいろ議論はいたしました。ただ、今回検定員に限りましたというのは、検定員をみなし公務員にいたしました実体的な理由としては一つございます。それは、従来は試験場の中で検定をやっておりました。したがって、管理者の目も比較的行き届く範囲内でございましたが、今回は路上検定ということで、ほんとうにマン・ツー・マンで道路上に出ていくということに実体が変わってくるという点が一つござました。しかし、一般的に、そういうことの前に、従前から、たとえば車両法の世界で、修理工場で修理をした場合に車検が免除になる制度がございますが、車両法のほうでも、そういう関係者をみなし公務員にしておるという法律的な制度がございます。そういうものとの均衡も検討いたしたわけでございます。何と申しても、試験の免除になるのは技能試験のみでございます。したがって、学試験は免除になっておりませんし、その技能試験を一番実質的にきめるのは、技能試験を免除になるかどうかは技能検定員の検定にかかっているということを一番考えたわけでございます。そういう意味で、技能検定員をみなし公務員にする。これは何も贈収賄だけの問題ではなくして、刑法の適用についてみなし公務員ということにしたわけでございます。

大石八治自由民主党

○大石(八)委員 こういう民間の人というか、それがそういうみなし公務員というか、それにされているような場合のことは、いまちょっと自動車の整備ですかに一つの例をあげられましたが、そういう例はこの際どういうものがある、こういうのがあると、多少これに類するものを……。

片岡誠警察庁交通局長

○片岡政府委員 公社、公団関係とか銀行関係に――経済罰則の適用については銀行にもございます。(山口(鶴)委員「資料にして出してください」と呼ぶ)  資料として提出いたします。

大石八治自由民主党

○大石(八)委員 道交法の改正というのは、だいぶ何回も重ねてどんどんやってきたと思うのですが、ウイーンか何かでの道路交通に関する国際条約があるようです。日本はまだそれに加入していないというか、そういう事実があるようですが、それは国内法、つまりこの道交法が、実は国際水準というものに追いつかないという実情があったので加入していなかったのか。あるいは、その他の事情があったのか。ないしは、今度の改正でそういうところへ入る下準備が大体できたというのか。また、日本の道交法は相当まだまだ改正しなければならぬというふうになっているのでしょうか。その辺の事情を少しかいつまんで経過的にも話をしてもらいたい。  また、今後のこの加入問題も含めて道交法自体について実は見送ってあります、こういう点がまだまだあるんです、ということなのか。私は、道路交通法というのは、ほかの法律と多少違って、いい悪いというようなことになりましても、そうだというふうなこと、そういうルールがある程度運転者のからだにもなじんでくるということで法規を守るということになると思うのですが、非常にひんぱんに道交法をどんどん直していくということになっている。前のことをひっくり返すようなことはあまりしていないのかもしれませんが、これからまたどんどん直していくのか。どうもその辺わかりませんけれども、これからどういうふうにするのか。  私はいつか言ったことがあるかもしれませんが、もう四、五年前の道交法の改正のとき、改正案について、現場のおまわりさんにいろいろどうなんだという意見を聞きましたら、先生、道交法は改正する必要はありません、現在の道交法をみんなが守ってくれればもうだいじょうぶですということを平巡査四、五人から聞いた経験がある。そういう意味で、どんどん直したということも――不合理な点を直すことは必要だと思うのですけれども、からだになじませることです。みんなもうからだの部分についてしまって、そうするんだというぐらいにすることが大事だと思う。言い方が少しよくないかもしれぬが、改正するよりは、道交法になじんでしまわせるということが大半なような考え方を私は一部しているわけでありますが、そこらを含めて、今後のことについてお伺いしたい。

片岡誠警察庁交通局長

○片岡政府委員 わが国は道路交通条約、これは昭和三十九年のジュネーブ条約と申しておりますが、これに加盟いたしております。ただ、その後、国際的に道路交通事情が非常に変わりましたので、一九六八年、昭和四十三年十月に、ウイーンで新しい道路交通条約の改正案、それを新道路交通条約案と申しておりますが、それが提案されまして、「この条約は、十五番目に寄託される批准書又は加入書の寄託の日以降一年で効力を生ずる。」ということになっておりまして、新道路交通条約はまだ努力を生じておりません。現在まで寄託国が三カ国。これはフランス、イスラエル、サンマリノの三カ国が寄託しております。私どもとしましては、道路交通条約には加盟してまいっておりますので、新道路交通条約の審議にも参加いたしました。したがいまして、先般、道路交通法の大改正を前の国会でいたしましたが、そのときに、新しい道路交通条約に加盟してもあまり支障のない手当ては大部分済んでおります。あとは、世界各国の寄託の状況を見ながら、いつわが国が条約に加盟するかということの時期的な判断をしてまいりたい。そのように考えております。  それから、道交法が始終変わるではないか、朝令暮改ではないかという御指摘を受けたわけでございますが、なるほど、よく調べてみますと、昭和三十五年にいまの道路交通法の原法ができたわけでございますけれども、その後十年間に十二回変わっております。そういう意味で、確かによく変わり過ぎているという点はお説のとおりだし、また、変わることによって定着しないではないかという点も、確かに御指摘になるような点があろうと思います。しかし、これは、私ども役人は何も好んで変えることを御提案申し上げたわけでもなくて、何と申しましても、この十年間、特にこの五年間の道路交通の状況の変化の激しさという実態を見ました場合に、やはり実態に適合したような法律をつくってまいるのが、行政府としても、あるいは国会としてもお考えをいただくことではなかろうかということでこの改正をやってまいったと思います。ただ、私、現時点で考えますと、今回御提案申して御審議いただいております法律改正が済みますと、しばらく休憩できるのではないか。そして、むしろ、法律の中身を国民によく普及徹底していくというほうに力を注いでまいりたい。このように考えております。

大石八治自由民主党

○大石(八)委員 そうすると、道交法自体は今度の改正で一服ということになるというふうに解釈していいのかとも思いますが――うなずいているから、そういうふうに解釈したいと思うのです。しかし、こういうふうな性格の問題が今日の道交法ではまだ抜けている、それは一、二年のことではないけれども、現在の道交法には、こういう性格づけの問題というか、そういうところがまだありますというようなことが仕事の上で何かありますか。あるいは、そういうものも現実的には目の前にはないというふうになるのでしょうか。

片岡誠警察庁交通局長

○片岡政府委員 遠い将来のことは別として、ここ二、三年は大体これでないのではなかろうかと考えております。

大石八治自由民主党

○大石(八)委員 最後の質問になるわけでありますが、これは新聞紙上で印象づけられておることです。それでもおととしぐらいになりますか。それがまた最近東京都議会で多少話題になってきたようですが、美濃部知事の発言が――美濃部知事が発言をするとでかい記事になるというか、見出しになるのかもしれませんけれども、道路交通規制の権限が都知事にないからどうにもならぬのですという表現でたしかしゃべられたことがあるのです。その弔事の行くえについて、その後のことは私確かめておるわけではありませんが、どこでどの程度にだれにしゃべったか。おそらく新聞記者か何かではないかと思うのですけれども、かなり問題であろうと思う。私自身の個人的な見解を言えば、警察と交通行政は別の役所でやったらどうかという意見もまた交通行政についてはあるようですが、私は、現在ではそのとおりだとは思わない。だから、警察行政の中でいいと思うのですが、たとえば大阪市長から、私の権限にないのでたいへん困るのですというふうな発言も聞いておりませんし、また、事実、私はそうではないというふうに考えるわけですが、どういうことのためにそういうふうになってしまったのか。それは一つにはバスレーンという問題もあるようですが、私は、単にバスレーンだけの問題ではないと思うのです。つまり、警視庁と東京都というのは、交通規制の問題について非常に疎隔があるという感じがありますし、それから美濃部さんという人の性格、都知事の性格も私はないわけではないと思うのです。しかし、そのことのゆえに美濃部さんの発言というのは社会影響力が大きいわけですね。ですから、そのことがそのままになっているということ、つまり、何と言いますか、他府県との関係――特に、東京都の場合は、単に東京都だけの問題ではないように思いますし、そういう意味で、必ずしも美濃部発言がそのとおりだとは私は思わないわけですが、しかし、そういう発言が大々的に行なわれているという事実は、あまり気楽に――これは行政上の一つの分野の問題にもなるわけだと私は思いますので、そういう点について、そこらの点の解明といいますか、考え方を、私はこの際警察当局から伺いたいと思うわけであります。長官にひとつお伺いしたい。

後藤田正晴警察庁長官

○後藤田政府委員 地方団体の長としての美濃部さんの御発言ですから、私どもとしては、その発言の中身というものは絶えず十分尊重して、検討すべきは検討しなければならぬ。かような基本的な考え方に私は立っております。と申しますのは、やはり行政府の長として、実際行政を推進していく上にいろいろ障害、御不便があるからこそそういうことを育っておられるのだろうと思います。それだけに、その点を私どもとしても謙虚に聞かなければならぬ。かように思っておりますが、ただ、この問題につきましては、少し議論が抽象的に過ぎるのではなかろうかと私は思います。といいますのは、交通の規制権というものは罰則と直に結びついていること、すべてが結びついているということ、これが一点あるわけです。いま一つは、かりに知事に規制権を移した場合に、それでは交通規制がうまくいくのか。やはり、交通規制というものは、ほんとうに交通の実態にマッチしながら、その実態を踏まえて、打つべき手を打って、それと相並行した具体的な効果のあがるやり方でなければ、いたずらに混乱を増すだけだろうと私は思うのです。そのことを考えますと、知事に権限が移った場合、今日の東京都内、あるいは大阪でもけっこうですが、その実態をつかむのはだれなんだということです。これはやはり知事部局の人間にならざるを得ぬのではないか。では、一体それだけの手足をどうするのかということになろうと思います。そういったことを考えますと、やはり、今日の交通規制というものは、手足をたくさん持っておる警察を管理しており、現実に交通実態の状況を直ちに掌握できる立場にある公安委員会がおやりになるというのが効率上いいのではなかろうか。バスレーン等の問題に関連していろいろ言っておられますけれども、バスレーンの問題一つとり出しても、バスレーン、つまりバス専用車線をつくって、それで来来都内の交通が一体うまくいくのであろうか。そのバスレーンを設定するのについて必要なだけの手だてを踏まないで、実態を踏まえないで、いきなりバスレーンをつくった場合にどうなるだろうかといったところの検討の上に立つた御発言とは必ずしも私は受け取れない。やはり象徴的な御議論にすぎるのではなかろうか。こう私は思います。  しかし、東京都と警視庁、あるいは大阪府警察と大阪市との間、これは絶えず緊密に連絡しなければなりません。そこで、御質問の中に、警視庁と東京都の間に必ずしもぴったりしたものがないのじゃなかろうかという御疑問がございますが、これは、私は、間違いだと思います。美濃部さんとの関係は私はよく知りませんけれども、東京都の事務当局と警視庁の事務当局とは、交通規制に関してはほんとうに真剣な検討を絶えず連絡してやっておる。そうして、東京都の施策と警視庁の規制、これがマッチできるようなやり方で、したがって、バスレーン等についても、ここはこういう手だてをするから、ここまでの間はバスレーンとして設定をしたらどうだろうかというようなことで、双方の間で十分打ち合わせをしてやっておる。だから、私は、基本的には交通規制権限がないからうまくいかないという御議論は、私どもよく反省はしますけれども、もう少し実態を見ていただきたい。また、現実に、美濃部さんの手足である事務当局と警視庁事務当局は十分連絡をしておるのだということもよくお調べになっていただきたい。これが私の率直な考え方でございます。

大石八治自由民主党

○大石(八)委員 そうしますと、警視庁の交通局といいますか、それと、東京都の場合の担当局といえば交通局ですか、その間においては、いままでの間も非常な協力をし合ってきた。また、当事者岡としては、これが問題にならなければならぬというような事実上の問題はなかった。こう解釈してよろしいわけですか。

後藤田正晴警察庁長官

○後藤田政府委員 私は、そのように御理解願っていただいてけっこうだと思います。

大野市郎自由民主党

○大野委員長 次回は、明後十三日木曜日に開会することとし、本日は、これにて散会いたします。    午後三時八分散会

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