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68回国会衆議院1972/03/14

地方行政委員会 第5号

発言数
103
登壇者
12
会派数
2
開催日
1972/03/14

会議録

大野市郎自由民主党

○大野委員長 これより会談を開きます。  地方財政に関する件について調査を進めます。  昭和四十七年度地方財政計画について説明を求めます。渡海自治大臣。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 昭和四十七年度の地方財政計画の概要について御説明申し上げます。  昭和四十七年度におきましては、景気の停滞による地方一般財源の伸び悩み、地方税負担の軽減についての強い要請、社会資本の整備、社会福祉の充実等のための財政需要の増大等きびしい財政環境のもとにおいて、国と同一の基調により、従来にも増して、財源の重点的配分と経費支出の効率化に徹し、節度ある行財政運営を行なう必要があります。  昭和四十七年度におきましては、このような財政環境の変化に対応することができるよう、地方財源の確保に配慮しつつ、住民負担の軽減合理化を推進するとともに、長期的、計画的に地方の行政水準の一そうの向上をはかり、あわせて地方公営企業の健全化をさらに促進することを目途として、所要の措置を講ずることといたしております。  次に、昭和四十七年度の地方財政計画の策定方針及びその特徴について申し上げます。  第一は、地方負担の現状にかんがみ、個人の住民税、個人の事業税などについて、その軽減合理化をはかることでありまして、減税額は、初年度千五十三億円となる見込みであります。  第二は、地方一般財源の伸びの鈍化、地方税の大幅減税、財政需要の状況等を憂慮して、地方財源の確保をはかることであります。  このため、一、昭和四十七年度に限り、国の一般会計から臨時地方特例交付金千五十億円を交付税特別会計へ繰り入れ、二、交付税特別会計において、資金運用部資金から千六百億円を借り入れ、三、公共投資の拡大に伴う地方費の増加に対処するとともに、地域の特性に応じて生活関連社会資本の整備をはかるため、前年度に比し、四千九百八億円の地方債を増額する措置を講ずることといたしました。  また、沖繩の地方団体にかかる地方交付税の財源に資するため、臨時沖繩特別交付金三百六十五億円を国の一般会計から交付税特別会計に繰り入れることといたしております。  第三は、地域経済社会の変動に対処し、住みよい環境づくりを推進することであります。このため、国庫補助負担金、地方交付税及び地方債を通じて所要の財政措置を講ずることといたしております。  まず、人口急増地域については、義務教育施設の整備について国庫補助負担制度を充実改善するほか、各種生活関連公共施設の整備を促進するための財政措置を講ずることといたしました。  一方、過疎地域については、過疎及び辺地対策事業債の増額等により、これらの地域における各種公共施設等の整備を進めるとともに、僻地医療の確保、集落整備等総合的な過疎対策の推進をはかることといたしました。  また、地域住民の生活環境の改善と安全をはかるため、引き続き、公害対策を積極的に推進するとともに、交通安全対策及び消防救急対策についてその充実整備をはかることといたしております。  さらに、老人医療特別措置制度の確立等、社会福祉の充実、教育振興対策、消費者行政の推進、広域市町村圏の振興などについて必要な措置を講ずることといたしております。  第四は、各種長期計画の策定及び改定に即応しつつ、地域の特性に応じて、地方財政の長期的見地から社会資本の計画的な整備を推進することであります。このため、都市公園整備、治山、治水事業各五カ年計画等の策定及び改定に基づく明年度の事業の円滑な実施を確保するよう、所要の措置を講ずることといたしております。  また、地方道、下水道、清掃施設、住宅等、往民の生活に直結する各種の公共施設を計画的に整備することといたしました。  第五は、地方公営企業の経営の基盤を強化して、その健全化をはかることであります。このため、公営企業金融公庫にかかる政府保証債のワクの拡大等により貸し付け資金を増額し、貸し付け条件を改善するとともに、地方道路公社等を新たに融資対象に加え、その業務の充実をはかるほか、公営企業会計に対する一般会計の負担の合理化をさらにすすめることといたしております。  第六は、財政運営の効率化を推進するとともに、財政秩序を確立することであります。そのため、定員管理の合理化、既定経費の節減をはかるとともに、引き続き国庫補助負担事業にかかる地方団体の超過負担の解消措置について検討し、また、住民の税外負担を解消するための措置を講ずることといたしております。  なお、そのほか、年度途中における事情の変化に対処するため、あらかじめ財源を留保することといたしております。  以上の方針のもとに、昭和四十七年度の地方財政計画を策定いたしました結果、歳入歳出の規模は一一兆七千四百九十八億円となり、前年度に対し二兆三百二十六億円、二〇・九%の増加となっております。  以上が昭和四十七年度の地方財政計画の概要であります。

大野市郎自由民主党

○大野委員長 次に補足説明を求めます。鎌田財政局長。

鎌田要人自治省財政局長

○鎌田政府委員 簡単に補足説明を申し上げます。  ただいま、大臣から御説明申し上げましたように、明年度の地方財政計画の規模は十一兆七千四百九十八億円で、前年度に比べまして二兆三百二十六億円、二〇・九%の増になっております。この中には、沖繩分といたしまして、約一千億程度のものが含まれておりますので、その分を除きますと伸び率は一九・八%でございます。前年度の伸び率が一九・六%でございましたので、〇・二%だけ伸び率が上回っておる。こういうことでございます。  次に、歳入歳出に分けまして、簡単に御説明申し上げます。  歳入面でございますが、歳入の構成面から見まして、明年度におきましては、地方税のウエートが減りまして、地方債並びに国庫支出金のウエートが高まったということが歳入面における特徴かと存じます。  地方税の伸びは、去年に比べまして三千百十八億円、七・七%の伸びでございます。これも、沖繩分を除外いたしますと三千億ちょっと、七・五%の伸びになります。  特に、府県税の伸びが、法人関係税の伸びが鈍化いたしておりますので、五百五十三億、二・五%の伸びにしかなりません。  市町村税のほうは、二千五百六十五億、一四・一%の伸びでございますが、いずれにいたしましても、四十五年度から四十六年度にかけましては、地方税だけで六千八百億、二〇・二%伸びておったものが、明年度はその半分以下であります三千百十八億円しか伸びない。これが明年度の地方財政計画の編成を困難にした大きな原因でございます。  次に、地方交付税は、先ほど大臣の説明にございましたように、四千四百七十五億円、二一・九%の伸びということでございます。この中から沖繩分を除きますと、本土分だけで、去年とことしと比較いたしますと、四千十八億、一九・六%の伸び。前年の二〇・九%に対しまして、一・三%伸びが落ちております。  次に、地方債が四千九百八億円の増、約二・一倍になっておるわけでございまして、この中の三千五百億円は、明年度の地方財政対策分といたしまして、交付税、臨時特例交付金あるいは特会借り入れ、そういうものと並びまして、この三千五百億円の地方債というものが、特に税収入の落ち込みのひどい団体に対する財政対策的な役割りを果たすということに相なろうかと思います。したがいまして、残りの千四百八億円が通常ベースの地方債の伸びということに和なります。  地方債計画全体の規模は一兆七千二百七十八億円でございまして、前年に比べまして六〇%の伸び、六千四百十八億の増になっております。  ちなみに、重点といたしまして、公害対策、都市対策、過疎対策、こういうものに重点を置くことにいたしております。  これの資金構成といたしましては政府資金が九千六百億円、前年に比べまして四八%の伸びに相なっております。  次に、国庫支出金でございますが、これは、国の予算の編成の重点が、公共投資の拡大、社会福祉の充実ということにございまして、それに伴いまする国庫支出金が六千五百四十五億、二七・三%の伸びになっております。  そのほか、歳入面におきましては、交通安全対特特別交付金が、前年の百三十七億円から三百十六億円で、二・三倍に著増しておる。  使用料、手数料の中で、公立高校の授業料につきまして、学年進行で、新入生から五〇%の増額を予定をいたしておる。それに見合うものといたしまして、高校教材費等の需要量の増を歳出面において立てておるわけでございます。その結果、歳入構成におきましては、税が、前年四一・七%のウエートを占めましたものが三七・二%、四・五%低下し、地方債が、逆に、四・六%のウエートでありましたものが八%に、国庫支出金二四・六%でありましたものが二五・九%に、それぞれウエートを高めておる。こういう形になっております。  次に、歳出面についてでありますが、歳出面の特色といたしましては、公共、単独、含めました投資的経費の伸びが非常に著しい。それから、老人医療の公費負担、児童手当の平年度化、こういったことが内容となっておりますところの、社会福祉施策の充実に伴う支出の増が著しい。三番目に、公債費の伸びというものが目立っておる。この三点かと存じます。  まず、投資的経費でございますが、投資的経費につきましては、既定の道路あるいは港湾、住宅、こういった五カ年計画のほかに、明年度におきまして、治山治水、廃棄物処理施設、交通安全施設、こういった既定の五カ年計画の改定が行なわれる予定であります。また、新たに公園整備五カ年計画の策定を見ることになっております。こういった、それぞれの五カ知計面の改定、あるいは新たなる策定に伴いまして、明年度の事業の実施を円滑にする。こういった意味での経費、それから、国の景気浮揚のための公共投資の拡大に伴いまする地方負担の増、こういうものを含めまして、公共事業で五千三百二十九億円、二九・三%の伸びになっております。この中に災害分が含まれておりますので、災害分を除きまする普通建設事業といたしましては、四千五百七十二億、二六・六%の伸びでございます。  なお、単独事業におきましては、地方市町村道、下水道、清掃、文教、住宅といった生活関連施設、過疎過密、広域市町村圏等の建設事業、こういったものを含めまして三千六百九十三億円、二二%の増をはかっておるわけであります。この点につきましては、地方財政計画の策定過程におきまして、公共投資が非常にふえるんだから、地方単独事業の伸びはこの際押えたらいいじゃないか、かつて四十一年度のときはそうであった、こういった意見が一部にあったわけでありますけれども、やはり、こういうときであればあるだけ、地方単独事業も伸ばしていかなければならないということで、前年度と同様の二二%の伸びを確保いたしたわけでございます。  それから、給与費五千二百七十三億円、一八%の伸びを示しておりますが、これに関連いたしまして、職員数の増加といたしましては、教員で一万二千九百七十四人、警察官で四千人、消防職員で千四百三十二人、一般の職員といたしましては、公害関係、老人福祉、児童施設あるいは清掃施設の職員を中心に千九百五十一人、合計二万三百五十七人の増員をはかりますと同時に、国家公務員の例に準じまして、九千九百八十七人の減を立てております。これを含めまして、また、沖繩分の県、市町村の職員を含めまして、明年度の計画上の職員数は総数百九十一万五千七十六人ということに相なります。  それから、旅費、物件費、維持修繕費につきましては、経費の効率的な使用をはかる見地から、五〇%の節減を立てております。  それから公債費でありますが、公債費は九百九十九億円の増、二七・四%の伸びになっております。  また、公営企業の経常収支の状況にかんがみまして、公営企業に対しまする経常収支の繰り出し金、あるいは投資的経費に対しまする出資等三百二十九億円、二〇・五%の増加を立てております。  そのほか国庫補助負担金の是正といたしまして百億、それから若干の単価の改定等が行なわれておるわけでございますが、超過負担の解消ということにつきまして、明年度におきまして、自治、大蔵両当局で共同の調査を行ないまして、その結果に基づいて解消をはかる。こういったことにいたしておるところでございます。  以上、はなはだ簡単でございますが、地方財政計画の補足説明を申し上げた次第でございます。      ————◇—————

大野市郎自由民主党

○大野委員長 内閣提出にかかる地方税法の一部を改正する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。渡海自治大臣。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 ただいま議題となりました地方税法の一部を改正する法律案について、その提案の理由と、内容の大要を御説明申し上げます。  明年度の地方税制の改正にあたりましては、地方税負担の現状にかんがみ、地方財政の実情を勘案しつつ、個人の住民税及び事業税の減税を中心として、負担の軽減合理化をはかることといたしております。  以下、順を追って改正の概要について御説明申し上げます。  その一は、道府県民税及び市町村民税についてであります。個人の道府県民税及び市町村民税につきましては、住民負担の軽減をはかるため、課税最低限の引き上げを行なうこととし、昭和四十六年の所得税法の改正に伴う給与所得控除の引き上げのほか、基礎控除、配偶者控除及び扶養控除の額をそれぞれ一万円引き上げることといたしました。また、障害者控除、老年者控除、寡婦控除及び勤労学生控除の額についても、二万円ずつ引き上げるとともに、障害者、未成年者、老年者及び寡婦についての非課税の範囲を、年所得三十八万円まで拡大することといたしております。  このほか、中小事業者の負担の軽減合理化をはかるため、白色申告者の専従者控除の控除限度額を二万円引き上げることといたしております。  その二は、事業税についてであります。個人の事業税につきましては、個人事業者の負担の軽減合理化をはかるため、事業主控除額を引き上げて六十万円とするとともに、白色申告者の専従者控除の控除限度額を二万円引き上げることといたしました。  また、個人の事業税の申告手続を簡略化するため、個人の道県府県民税の申告書を提出した場合には、個人の事業税の申告書を提出したものとみなすことといたしております。  次に、法人の事業税につきましては、電気供給業にかかる関係道府県ごとの分割の方法につきまして合理化をはかることといたしております。  なお、経済変動に伴う当面の緊急中小企業対策の一環として、国税において繰り戻し還付の期間の特例が認められた個人または法人の純損失または欠損につきまして、住民税及び事業税において繰り越し控除期間の延長をはかることといたしました。  その三は、不動産取得税についてであります。不動産取得税につきましては、海洋科学技術センターが業務の用に供するために取得する不動産にかかる不動産取得税を非課税とする等、負担の軽減合理化をはかるとともに、農林漁業者の共同利用に供する特定の施設にかかる課税標準の特例措措等の適用期限を延長する措置を講ずることといたしました。  その四は、娯楽施設利用税であります。娯楽施設利用税につきましては、ゴルフ場の利用につきまして、道府県における課税の実情にかんがみ、定額税率によって課税するものといたしております。  その五は、自動車税及び軽自動車税についてであります。自動車税につきましては、バスの標準税率について合理化をはかることとし、一般乗り合い用につきましては年額一万四千円、その他のものについては年額三万円とするとともに、所有権留保にかかる自動車及び軽自動車に対して課する自動車税等について、自動車及び軽自動車の所在及び買い主の住所等が不明である等、一定の要件に該当する場合においては、売り主の納付義務を免除することといたしております。  その六は、固定資産税についてであります。固定資産税につきましては、砂利汚水の処理施設その他の公害防止施設等を非課税とするほか、海洋科学技術センターが業務の用に供する家屋及び償却資産について、課税標準の特例を設ける等、負担の軽減合理化をはかるとともに、外航船舶の非課税措置及び自動列車停止装置等の課税標準の特例措置の通用期限を延長することといたしました。  その七は、電気ガス税についてであります。電気ガス税につきましては、電気にかかる免税点を八百円に、ガスにかかる免税点を千六百円にそれぞれ引き上げて負担の軽減をはかることといたしました。また、公衆のために道路等に融雪用として設置された施設に使用する電気に対しては、電気ガス税を課さないこととする等の措置を講ずるほか、綿紡績糸等に対する軽減税率の適用期限を延長することといたしております。  このほか、地方税制の合理化をはかるための規定の整備等、所要の規定の整備を行なっております。  以上の改正により、昭和四十七年度においては、沖繩分を含め、個人の住民税におきまして七百五十六億円、個人の事業税におきまして二百三十四億円、電気ガス税その他におきまして六十三億円、合計一千五十三億円、平年度一千百三十一億円、の減税を行なうことになりますが、一方、国の租税特別措置の改正に伴い、百四十二億円の増収が見込まれております。  以上が、地方税法の一部を改正する法律案の提案理由及びその大要であります。  何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。

大野市郎自由民主党

○大野委員長 次に、補足説明を聴取いたします。佐々木税務局長。

佐々木喜久治自治省税務局長

○佐々木(喜)政府委員 ただいま説明されました地方税法の一部を改正する法律案の内容につきまして、便宜お配り申し上げております新旧対照表によりまして、補足して御説明申し上げます。新旧対照表は法律案関係資料のまん中辺にございます。この順序に従いまして御説明を申し上げたいと思います。  まず、道府県民税の改正でございます。  最初、一ページ目、第二十三条の改正は、配偶者控除及び扶養控除の適用要件である配偶者及び扶養親族の所得限度額を引き上げようとするものでございます。  次に、二ページ、第二十四条の五の改正は、障害者、未成年者、老年者または寡婦の非課税限度額を、現行の年所得三十五万円から三十八万円に引き上げようとするものでございます。  同じく、第三十二条の改正は、白色事業専従者の専従者控除限度額を十五万円から十七万円に引き上げようとするものであります。なお、初年度であります昭和四十七年度分につきましては、所存税の場合と同様に十六万五千円といたしております。  次に、四ページでございます。第三十四条の第一項第六号から第九号までの改正は、障害者控除、老年者控除、寡婦控除及び勤労学生控除の額を、それぞれ一万円引き上げて、現行の九万円から十万円とし、特別障害者控除額を十一万円から十二万円に引き上げようとするものでございます。次の第十号から以降の改正は、配偶者控除、扶養控除、基礎控除をそれぞれ一万円引き上げますとともに、配偶者のいない世帯の一人目の扶養親族にかかる扶養控除額を十一万円から十二万円に引き上げようとするものでございます。  次が、事業税の改正でございます。七ページでございます。第七十二条の十七、第一項の改正は、昭和四十六年所得税について設けられた青色事業主特別経費準備金の制度を、事業税においては適用しないこととしようとするものであります。  次に、八ページ、第七十二条の十七、第三項の改正は、白色事業専従者の専従控除限度額を十五万円から十七万円に引き上げようとするものであります。なお、昭和四十七年度におきましては、十六万五千円といたしております。  同じく八ページの第七十二条の十八の改正は、個人の事業税の事業生控除額を、現行の三十六万円から六十万円に引き上げようとするものでございます。  次に、九ページ、第七十二条の四十八の改正は、電気供給業にかかる法人の事業税の分割について、課税標準額の総額の二分の一を事務所等の固定資産の価額に、他の二分の一を発電所の固定資産の価額に案分しようとするものでございます。  次に、九ページから一〇ページにかけましての第七十二条の五十五の二の改正は、個人の道府県民税の申告書を提出したものは、個人の事業税の申告書を提出したものとみなすこととしようとするものでございます。  次が、不動産取得税の改正でございます。一〇ページ、第七十三条の四及び第七十三条の五の改正は、海洋科学技術センターの不動産等を非課税とするものでございます。  次が、娯楽施設利用税の改正でございます。一一ページから一二ページにかけまして、第七十五条及び第七十八条の改正は、ゴルフ場の利用に対しては、道府県における課税の実情にかんがみ、定額税率によって課税しようとするものでございます。  次が、自動車税の改正でございます。一二ページから一三ページにかけて、第百四十七条の改正は、バスの標準税率について、一般乗り合い用のものは年額一万四千円、その他のものは年額三万円としようとするものでございます。  次の、一三ページの第百五十四条の二の改正は、所有権留保自動車について、自動車の所在、買い主の住所がともに不明であります場合において、売り生が自動車の代金を受け取ることができなくなったときに、売り主の納付義務を免除しようとするものでございます。  次が、市町村民税の改正であります。一三ページから、八ページにかけてでございますが、市町村税については、障害者等の非課税限度額の引き上げ、各種所得控除の引き上げ等の改正は、道府県民税の場合と同様でございますので、説明を省略いたします。  次が、一九ページでございます。固定資産税の改正関係でございますが、第三百四十八条第二項第二号の七の改正は、道路の改築に伴い改良された地方設備等の立体交差化施設を非課税としようとするものでございます。  同じく、一九ページの第二号の八の改正は、地方鉄軌道業名が所有する一定の地下道または跨線道路橋を非課税としようとするものでございます。  次の、十九ページから二〇ページにかけまして、同条の第六号の二、第六号の四、第六号の六、第六号の七の改正は、粉じんの処理施設等公害防止施設を非課税とするものであります。  次の、二一ページの第十八号の四の改正は、日本万国博覧会記念協会の固定資産を非課税とするものでございます。  次に、二三ページでございます。第三百四十九条の三、第十七項の改正は、河川事業等によりまして新設または改良された地方鉄軌道の橋梁の取りつけ部分についても、課税標準の特例を適用しようとするものでございます。  次に、二四ページでございますが、第三百四十九条の三、第二十三項の改正は、海洋科学技術センターの家屋及び償却資産について、課税標準の特例措置を設けるものでございます。  次が、軽自動車税の改正でございます。二五ページ、第四百四十九条の二の改正は、所有権留保軽自動車にかかる売り主の納付義務について、自動車税と同様の取り扱いをしようとするものでございます。  次は、電気ガス税の改正であります。二五ページから二六ページにかけまして、第四百八十九条の改正は、非課税品目につきまして、「焼成りん肥にりん酸液を作用させた肥料」を削除し、「無水フタル酸」を加えるとともに、アクリル酸を三年間の暫定非課税とするものでございます。  次が、二六ページ、第四百八十九条第四項及び第十項の改正は、道路等の電気融雪装置その他の施設に使用する電気等を非課税とするものでございます。  同じく、第四百九十条の二の改正は、電気ガス税の免税を、電気は現行の七百円から八百円に、ガスは現行の千四百円から千六百円に、それぞれ引き上げようとするものでございます。  次が、本法附則の改正でございます。二七ページから二八ページにかけまして、附則第四条第二項、第八条及び第九条、これらの改正は、国税におきまして繰り戻し還付の特例が認められた純損失または欠損金について、繰り越し控除期間を、個人の住民税、事業税にあっては三年から五年に、法人の住民税にありましては五年から七年に、二年間延長しようとするものでございます。  次が一九ページ、附則第十一条の改正は、農林漁業の共同利用施設及び農業委員会のあっせんに基づく交換分合による農地についての、不動産取得税の課税標準の特例適用期限を延長しようとするものでございます。  二九ページから三〇ページにかけましての附則第十一条の二の改正は、市街化区域農地を譲渡した者が市街化区域外の土地を取得し、引き続き五年以上農地として使用すると認められるときは、不動産取得税を減額しようとするものでございます。  三〇ページから三一ページにかけまして、附則第十四条第一項の改正は、外航船舶にかかる固定資産税の非課税の適用期限を延長しようとするものでございます。  次に、三一ページ、附則第十五条第二項の改正は、自動列車停止装置にかかる固定資産税の課税標準の特例措置の期限を延長しようとするものでございます。  次に、三三ページ、附則第十五条第六項及び第十項の改正は、特定地中配電設備及び電子計算機にかかる固定資産税の課税標準の特例措置の期限を延長しようとするものでございます。  同じく、三三ページの附則第十五条第十一項の改正は、大規模の償却資産にかかる固定資産税の市町村の課税限度額を算定する場合について、昭和四十七年度分の特例措置を講じようとするものでございます。  次に、三四ページ、附則第三十一条の改正は、綿紡績糸等、毛紡績糸等及び紙の製造に使用する電気にかかる電気ガス税の軽減税率の適用期限を延長しようとするものでございます。  以上でございます。      ————◇—————

大野市郎自由民主党

○大野委員長 次に、昭和四十七年度分の地方交付税の特例等に関する法律案及び航空機燃料譲与税法案の同案を議題とし、順次提案理由の説明を聴取いたします。渡海自治大臣。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 ただいま議題となりました昭和四十七年度分の地方交付税の特例等に関する法律案の提案理由とその要旨について御説明申し上げます。  昭和四十七年度分の地方交付税については、経済の停滞を反映してきびしい状況下に置かれている地方財政の現況にかんがみ、地方交付税の総額の特例を設けるとともに、長期的見地から社会資本の計画的な整備を促進し、特に、最近の地域社会の著しい変化に対応する生活環境施設の整備及び社会福祉の充実をはかるため、地方交付税の算定方法を改正する必要があるのであります。これがこの法律案を提出いたしました理由であります。  次に、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。  まず、昭和四十七年度分の地方交付税の総額については、地方財政の現況にかんがみ、現行の法定額に、臨時地方特例交付金千五十億円、臨時沖繩特別交付金三百六十九億円並びに交付税及び譲与税配付金特別会計における借り入れ金千六百億円を加算する特例規定を設けることといたしたのであります。なお、この借り入れ金については、昭和四十八年度から昭和五十五年度までの各年度に分割して償還することとしております。  次に、昭和四十七年度の普通交付税の算定方法については、市町村道、公園、下水道、清掃施設等、住民の生活に直結する生活環境施設の計画的な整備を進めるとともに、過密・過疎対策、公害対策、交通安全対策及び消防救急対策に要する経費を充実し、老人医療費の公費負担制度の新設等、各種の制度改正に伴い増加する経費を算入する措置を講ずるほか、地方債を大幅に増額することに伴い、投資的経費の一部を地方債に振りかえることといたしております。  さらに、沖繩の復帰に伴い、沖繩に対して交付すべき地方交付税の一部に充てるため、昭和四十八年度から昭和五十年度までの各年度において本臨時沖繩特別交付金の制度を設けることとし、また、沖繩県及び沖繩県内の市町村に対して交付する普通交付税の算定上必要な経過措置を設けることとしております。  以上が、昭和四十七年度分の地方交付税の特例等に関する法律案の提案理由及びその要旨であります。  何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。  次に、ただいま議題となりました航空機燃料譲与税法案について、その提案の理由と内容の大要を御説明申し上げます。  御承知のとおり、近年、航空機による輸送量の増大に伴い、空港及びその周辺の整備の必要性はますます高まり、また、空港周辺地域の航空機騒音問題は次第に深刻化してきておりまして、これら航空機騒音による障害の防止、周辺住民の生活環境の保全等をはかっていくための総合的な空港対策を推進することが急務となっております。このため、今般、空港整備等をはかるための財源として、新たに、国税として、航空機燃料税が創設されることとなったのでありますが、この際、空港関係市町村の航空機騒音対策事業、空港及びその周辺の整備事業その他の空港対策に要する財源の充実をはかるため、この航空機燃料税の収入額の十三分の二に相当する額を、航空機燃料譲与税として空港関係市町村に譲与することといたしたいのであります。  これが、航空機燃料譲与税制度を設けようとする趣旨であります。  以下、この法律案の内容を簡単に御説明申し上げます。  第一は、航空機燃料譲与税の額でありますが、すでに御説明いたしましたように、航空機燃料税の収入額の十三分の二に相当する額といたしております。昭和四十七年度は、航空機燃料税の税率が暫定的に軽減された税率となっておりますので、譲与する額は九億円程度となりますが、平年度におきましては、二十二億円程度となる見込みであります。  第二は、譲与を受ける市町村でありますが、空港の所在する市町村及びこれに隣接する市町村で、自治大臣が指定するものといたしております。  第三は、譲与の基準でありますが、航空機燃料譲与税は、総額の三分の一の額を着陸料の収入額で、他の三分の二の額を航空機騒音が特に著しい地区内の世帯数で案分して譲与するものといたしております。なお、この着陸料の収入額及び世帯数につきましては、騒音の程度、空港の管理の態容等によって補正することができるものといたしております。  第四は、譲与時期及び譲与時期ごとの譲与額でありますが、譲与時期につきましては九月及び三月とし、また、譲与時期ごとの譲与額につきましては、九月にあっては、四月から八月までの間に収納した航空機燃料税の収入額、三月にあっては、九月から二月までの間に収納した同税の収入額と三月における同税の収入見込み額の合算額のそれぞれ十三分の二に相当する額を譲与することといたしております。  第五は、航空機燃料譲与税の使途でありますが、その全額を、航空機騒音対策事業、空港及びその周辺の整備事業その他の空港対策に関する費用に充てなければならないものといたしております。  以上、航空機燃料譲与税法案の提案の理由及びその大要であります。  何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。

大野市郎自由民主党

○大野委員長 以上で、各法案についての提案理由の説明は終わりました。      ————◇—————

大野市郎自由民主党

○大野委員長 次に、先ほど提案理由の説明を聴取いたしました内閣提出にかかる地方税法の一部を改正する法律案について、質疑を行ないます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。村田敬次郎君。

村田敬次郎自由民主党

○村田委員 それでは、私は、地方税法の関係につきまして御質問を申し上げたいと存じます。  まず、第一は、地方税の減税についての政府の基本的な考え方についてでございます。四十七年度の税制改正におきましては、所得税については、昭和四十六年の秋にいわゆる年内減税が行なわれたこともございまして、新たな減税は行なわないこととされたわけでございます。しかし、地方税につきましては、先ほど述べられたような地方財政計画の示すとおり、文字どおり、地方財政窮迫のおりにもかかわらず、一千億円をこえる減税を行なうこととしておるのでございます。住民負担の軽減という見地からいえば、地方税の軽減は必要と考えられるわけでございますけれども、以上のような背景から、今回の地方税の減税は所得税減税の肩がわりではないかという見方もあるようでございます。こういった事情にかんがみまして、この際、地方税減税についての、政府の、今後の基本的な考え方をまず承っておきたいと思います。

小山省二自由民主党自治政務次官

○小山政府委員 今回地方税の減税を大幅に行ないましたことにつきましての御質疑でございますが、御承知のとおり、今年度千五十三億ほどの地方税の減税を行なうことにいたしましたが、御存じのとおり、地方財政もかなり伸び悩みというような現状でございます。したがって、できるだけそれらの財政事情を考慮して、減税幅についてもある程度考慮しなければならなかったわけでございます。したがいまして、単に、減税に対する補てん策というような幅の狭い考え方でなく、広く地方財政全般の上から、どの程度の財源措置を必要とするかというような立場に立ちまして、今回、特別交付税の千五十億、あるいは、交付税会計におきましての千六百億の借り入れ金等によりまして、ほぼ前年並みの地方財源を確保することができた。言うならば、単に税制の問題にとどまらず、今回は、広く、地方財政全体の立場から財源措置を講じたというように御理解をいただきたいと思います。

村田敬次郎自由民主党

○村田委員 ただいま、今回の四十七年度の税制、減税問題についての御答弁を小山政務次官からいただいたわけでありますが、先ほど渡海大臣が説明されました地方財政計画を読ましていただきましても、昭和四十七年度の地方財政計画というのは、いわゆる借金依存型地方財政であるということが言えようかと思います。そして、たとえば税に例をとってみまするけれども、昭和四十六年度の国税、地方税の税収見込みは、国税が八兆三千四百八十四億円であって、国税地方税の総量の六七・一%であります。また、地方税のほうは四兆九百十八億円であって、国税、地方税の総量の三二・九%であります。しかるに、四十七年度の税収見込みは、これをなまな数字で比較をいたしますと、国税が九兆四千五百三十九億円、地方税が四兆三千八百八十一億円でありまして、ともにある程度伸びておるのは事実でありますけれども、国税の税総額に占める割合が六八・三%、地方税の割合が三一・七%でございまして、したがって、四十六年の六七・一%から、国税は一・二%をプラスし、地方税は、四十六年度見込みの三二・九%から三一・七%に、逆に一・二%を減じておるというのが実態でございます。したがって、税収は国税に比べて減り、しかも、地方債の発行額のほうは非常にふえておる。税収のウエートが地方財政計画の中で占めておる数値を申し上げますと、前年度の四二%から三七%に、五%減じておる。これは、私自身も、かつて、地方公共団体で財政予算等の衝にあったことがございますが、一カ年度で五%も、税収の歳入総額に占める割合が減るというのは、地方財政の危機であるということが言えまして、これは、言うなれば、昨年の夏以来アメリカのドルショック等によって日本を訪れた不況というものが、こういった形で非常に深く地方財政にしわ寄せしておるということが言えようかと思います。したがって、その地方財政対策の臨時措置として、いま小山政府次官が述べられたように、国の一般会計からの繰り入れ特別交付金一千四百十五億円、資金運用部資金からの借り入れ一千六百億円、こういった臨時措置を講じておるのでございまして、地方交付税自体の自然増は約一千億円程度にすぎません。しかも、税収を調べてみてわれわれが非常に不安を感じますのは、特に、事業税において前年度比八・一%を減じ、道府県民税の法人税割りにおいて、都道府県が七・四%の減、市町村が七・三%の減となっておるのでございます。こうした法人関係の税目において見てみましても、四十六年度税収見込みを下回る状態でございまして、まさにこれは地方財政にとって異常事態と言わなければなりません。小山次官は、それに対して、ただいまの御説明では、うまくつじつまが合ったからこれで御了解を願いたいということでございますが、私は、地方財政の長期展望に立つとき、四十七年度だけをやりくり算段すればいいというのではもちろんないと思うのでございます。したがって、四十七年度国の考えておりますいわゆる公共投資優先政策、そしてまた景気刺激政策によって、今後どういうふうになっていく見通しであるか。その、今後の長期的な見通しをこの際承っておきたいと思います。

小山省二自由民主党自治政務次官

○小山政府委員 御指摘のように、地方歳入中に占める税収の割合が、四十五年度において三五%、きわめて低い額でございまして、環境施設の整備、社会福祉の向上等、財政需要に対処するためには、自主財源の充実の必要性は、御指摘を待つまでもなく、私どもも常に考えておるわけでございます。したがいまして、政府といたしましては、できるだけこの自主財源の充実をはからなければならないという見地から、数年来、自動車重量譲与税の創設等、特に、都市財源の充実につきましては努力をいたしてまいったところでございます。  御承知のとおり、昨年以来、わが国経済も、景気の伸び悩みというものがかなり顕著にあらわれておりまして、これが何と申しましても、やはり、税収の面に大きく作用いたしております。したがって、税収の伸び悩みがそのまま交付税にはね返るというような形の中で、国、地方を問わず、財源の問題につきましては、かなり憂慮すべきような状況下にあることは、先生もよく御承知のことと思うのであります。したがいまして、今後、地方財源の充実につきましては、そのような状況下にあるにかかわらず、できるだけ地方財源の充実を期さなければならぬ。こういうような見地で、国、県、市町村を通ずる財源、税源の配分でありますとか、あるいはさらに、行政事務の再配分とも関連する問題等もございまして、政府といたしましても、地方制度調査会あるいは税制調査会の答申等を十分配慮して、それらの意見を尊重しながら、今後さらに一そう地方財源の充実に努力を続けてまいりたいというふうに考えております。

村田敬次郎自由民主党

○村田委員 いまの御答弁、必ずしも満足ではございませんけれども、景気見通しその他の問題については、いままで、あるいは本会議において、あるいは本委員会において、繰り返しいろいろと御説明のあったところでございますので、本日のところはこの程度にとどめて、次に進めたいと思います。  次は、中小企業に対する課税の問題についてお伺いをいたしたいと思いますが、中小企業の実情から見て、中小企業者、なかんずく零細な個人事業者につきまして、事業税負担を軽減すべきであるというふうに考えておるわけでございます。今回の改正におきましては、事業主控除を三十六万円から一挙に六十万円に引き上げて大幅な軽減をはかっているということは、中小企業者にとって適切な措置であると考えるわけでございますけれども、特に、六十万円に引き上げたということについては、どういった根拠があるのか。伝えられるところでは、いま準備をされております社会党案では、これをさらにもう少し大幅な額にするというようなことも承っておりますし、特に、六十万円とされた根拠について、事務当局からお伺いしたいと思います。

佐々木喜久治自治省税務局長

○佐々木(喜)政府委員 零細事業者に対します事業税負担の軽減をはかるという見地から、例年事業主控除の引き上げを行なってきたところでございますけれども、今回この引き上げ幅を相当大きくいたしました理由は、やはり、最近の国際経済の変動に伴うところの景気の後退によりまして、中小企業への影響は非常に大きいものがあるという観点で、まず、中小企業者の負担の軽減をはからなければならないという必要性があったわけであります。  さらに、所得税につきましては、昭和四十六年におきまして、青色事業主特別経費準備金制度が設けられ、また、明年度の場合は、この制度にかえまして、青色申告控除制度が創設されることになったのでありますけれども、事業税についてこれらの制度を直接に導入するということは、事業税の性格から見まして適当ではないというふうに考えたわけでありますけれども、これらの制度の趣旨を考慮いたしまして、事業主控除の引き上げによって、ある程度大幅な軽減措置を講ずる必要があるというふうに判断したわけでございます。さらにまた、最近の一般的な給与水準の増高等から見まして、青色事業専従者の平均給与額というものが相半大幅に現実には上がってきておる。そういうようなことも考慮いたしまして、今回、事業主控除の額につきまして大幅な引き上げを行なうということにいたしまして、六十万円というふうにしたわけでございます。

村田敬次郎自由民主党

○村田委員 自治大臣がおいでになりましたので、自治大臣にぜひお聞きしたい問題に移ります。  それは、最近非常に問題になっております市街化区域内の農地の課税の問題でございます。この問題につきましては、市街化区域内の農地が、全国で二十九万三千五百ヘクタール。たとえば、愛知県の例で申しますと、二万九千ヘクタールございます。これは、日本全国の全農地五万八千五百平方キロの約五%に当たるわけでございます。その区分といたしまして、いわゆる地方税法本法の附則の第十九条の三に、市街化区域農地の区分といたしまして、一、二、三と区分をされておりますが、いわゆる一がA農地、二がB農地、三がC農地ということで、そのA農地に対する課税が本年度問題になっておるわけでございます。このA農地に対する課税につきましては、すでに、二月来非常に全国的な問題になってまいりまして、たとえば、自民党の中に税制調査会を、そしてまた税制調査会の中に固定資産税小委員会を設けて、この市街化農地の課税についての対策を検討をするといったような研究をいたしております。  さて、そこで、最近伝えられるところによれば、本日午前中に自民党の税制調査会が行なわれた由でありますが、その際は成案を得るに至らなかったと聞いております。さらに、本日の午後、自民党の総務会を開いて、市街化区域農地の課税についての、いわば最終案を討議をしようということを承っております。その課税についての最終案というのは、「昭和四十七年度A農地に対する課税は実施する。ただし、現に営農を行ない、かつ引続き当分の間営農を行なおうとする農地でこれを生産緑地として残すことが客観的に適当と認められるものについては、その申請に基づき、市町村長が審議会に」この審議会は「農業関係者、都市計画関係者、学識経験者をもって構成する。」となっておりますが、その審議会に「諮問し、その税負担を農地並みに軽減する措置を講ずる。」ということが第一点。それから第二点は、「昭和四十八年度以降の農地の宅地並み課税については、党及び政府にそれぞれ委員会を設け、農地課税の実態を調査の上、昭和四十七年十二月末日までに線引きを含めて再検討して成案を得ることとする。」これがいま準備をされておる案であるというふうに聞いておるわけであります。  その案について考えてみまするとき、昭和四十五年八月十四日の地価対策閣僚協議会においては、当面緊急に実施すべき施策として、市街化区域内における宅地利用の促進、農地の宅地化の促進ということから、市街化区域内の農地の固定資産税について、農地と近傍宅地との課税の均衡を考慮し、土地保有課税の適正化をはかるということを打ち出しておるのでございます。こういったいままで続けられた努力のねらいというものが、もし、いま伝えられるような自民党総務会における決定になるならば、あるいはその実行を期しがたいということも予想をされるのではないかと思われるのでございますが、これについては、内閣総理大臣、自治大臣、建設大臣が、それぞれ本会議、委員会においていままで答弁をされておりますけれども、その答弁は、まだこういった事態の進んでいない段階でございますので、慎重に検討をするという答弁に終始をしておるのでございます。したがいまして、この案について、地方税の担当大臣である渡海自治大臣は、どういった方針で対処をしようというおつもりであるか。ひとつ、その点を具体的に承りたいと思います。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 市街化区域内の農地の課税に対する問題の法制化に至りますまでの経過等につきましては、ただいま御指摘のありましたように、昭和四十五年の八月に閣議決定をされ、それに基づいて、昨年度の税制改正で、付近の宅地等と比べて市街化の農地が固定資産税において非常に不均衡である、これの是正をせなければならぬということで、かつ、土地対策の問題等もございまして、法例化されたことは御指摘のとおりでございます。しかしながら、現在、農地所有者並びに関係農業団体その他におきまして、強い反対の意見が出ておりますことも御承知のとおりでございます。私たちも、この実施に対しての意見等も逐次整理してまいりますが、いま言われました総理、建設大臣あるいは私たちの所信表明の中で、あるいは委員会等におきましても、四十七年度から実施をするということは、慎重検討とかなんとかいうことを抜きまして、確答さしていただいた次第でございますが、ただ、その実施の上において、ただいまのような御意見のある点も検討をいたしまして、営農を営むことが、客観的にながめまして真に妥当であるというものがA農地の中にもあるようでございましたら、行政指導で、それらのものに対しましては軽減措置を講じていくことが適当であろう。そのやり方について慎重に検討さしていただきたい。この点につきましては、当委員会も、昨年の法案決定にあたりまして、同趣旨の附帯決議等もいただいておりますので、これらの点もあわせ慎重に検討さしていただきたいと思っております。  いま御指摘のありました、自民党内におけるところのこれに対する御意見等もよく聞いておりますが、まだ結論に至っていないようでございます。私たちといたしましても、当委員会の附帯決議にも徴し、本日から審議されますこの委員会等の御意見も十分しんしゃくいたしまして、ほんとうに客観的に、この税法が、四十七年度から納税者の協力を得て実施されますように、慎重に検討の上、すみやかに実施に移してまいりたい。このように考えておる次第でございます。

村田敬次郎自由民主党

○村田委員 自治大臣の御意見を承りました。私は、この問題について、これは、日本の国土開発の上の、非常に重要な、大きな問題点を持っておると思っております。それは、たとえば明治時代に、地租というものが、日本の近代国家形成の上で大きな意味を持ったのと同じような意味が現在においてあるのではないかと思います。例をあげますが、たとえば、東京都内二十三区には二百八十八万世帯が住んでおるわけでありますが、そのうち、農家戸数は八千七百、全体の二百九十分の一しかないわけであります。しかも、その八千七百の、全体の二百九十分の一の農家の保有しておる農耕地は三千七百六十ヘクタール。実に、これは、日本随一を誇っております多摩ニュータウンの三千ヘクタールを凌駕する量であります。したがって、そういった二十三区内の農地というものが、たとえば住宅地として、あるいはその他の方面に有効に利用されるならば、東京都内のいわゆる住宅政策にも非常に貢献をするであろうということは当然予想されることでございます。また、この宅地並み課税の問題について、私どもが全国的に見ました場合にも、たとえば大阪周辺において非常に反対が激しいとか、あるいは京都の宇治地方が非常に問題になっておるとか、地域によって、その問題点のとらえ方というものが相当いろいろ違うようにも思うわけでございます。そういった実態をながめてまいりますときに、この税制のねらいとするものは、市街化区域と市街化調整区地とを線引きをしたねらいが、都市地域と農業地域とを分けて土地利用計画を明確にする点にある、そういうことが市街化農地課税のポイントであるという、非常に重要な点を見のがしてはいないかということを私は非常に憂えるものでございます。もちろん、緑や自然の保持のために市街化区域内に農地を残すことに反対ではございません。しかし、もしそうであるならば、それは市街化区域ではなくて、むしろ市街化調整区域として入れるべきものではなかろうかと思うのであります。そういった全国的な土地政策とあわせて、地方自治というものを所管しておられる自治大臣のこの問題に対する根本的な考え方をこの際承っておきたいと思います。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 都市計画法の所管は私の所管でございませんから、都市計画のあり方、あるいはまたこの問題とからみましての農業のあり方、それぞれこれは農林省、建設省の所管であろうと考えますが、少なくとも、そのために税法が改正になりますときに、特に閣議決定というものがなされ、それらの線に沿って税法が改正されたといわれる経緯も、それらのいま申されましたような経過からきておるのじゃないかと思っております。私たちも、市街化区域あるいは市街化調整区域等に対する土地利用の形は、いま村田委員が述べられたような姿できめられたものじゃないかと思います。しかしながら、現実面を考えましたときに、これらのものが、あるいは住民の要望によって非常に市街化区域が広くなっても、はたして、法に規定しているとおりの市街化が、予定どおり、現在の線引きされた区域内に十年以内に実施され得るかどうかといった点もあわせ考えなければならないような、そういう線引きが行なわれておるというのが実情ではないかと思います。これらの点も顧慮いたしまして検討し直さなければならないのじゃないかというふうな点が、いま、農業団体なんかの反対意見の中にも出ておりますので、私たちも、これらの点につきましても、関係各省とよく協議いたしまして、これに合うようにさしていただきたい。しかしながら、この法ができましたのは、いま村田委員の述べられたような市街化の方針に沿ったものとしてこの法律が規定されたものであろうと思います。ただ、市街化区域におきましても、いま言われました調整区域としてやるほうがよい、線引きを変えて調整区域としたほうがよいといわれる部面と、線引きを変えることはできないけれども、しかしながら、農地としての扱い方が客観的に見ても正しいのだ、調整区域にはしないが、なおそういうものもあり得るのだということを考慮いたしまして、C農地等に対しましては、それらの点については条例等におきまして勘案せよというふうな規定をわざわざ税制改正の際にも入れられて、C農地につけられておるような点でございますので、現在の法を適正に運用することによって、ぜひともこの複雑な実情に対して適正にやっていくように運用してまいりたいと、かように考えております。

村田敬次郎自由民主党

○村田委員 三月七日でございますか、衆議院本会議で、佐藤首相が公明党の松尾正吉議員に答えられた答弁は、確かに、渡海自治大臣がいま御指摘になりましたように、市街化農地の課税については四十七年度から実施をする、ただ、農地所有者、農業団体等から反対が出ておることも知っており、したがって、実情に沿った進め方を慎重に検討したいというふうに述べておられます。私は、あの段階において非常に適切な答弁であったと思いますが、さらに越えて、衆議院の建設委員会、これは八日に開かれたのでございますが、そのときに、西村建設大臣は、この市街化区域内農地の宅地並み課税問題について、住宅難解消など、都市計画推進の上からも、予定どおり四十七年度から新税制をスタートさせるべきだということで、新税制の大幅な手直しに対して強い難色を示したというふうに報道をせられております。したがいまして、佐藤首相の答弁あるいは建設大臣の答弁、それぞれニュアンスが違うわけでありますが、ただ、いま承りました自治大臣のお答えによりますれば、そういった線引き区域内における市街化農地の宅地並み課税についての趣旨は十分に御了解の上、農業団体等の動きも考えながら、ひとつ実施を慎重に考えていきたいという御趣旨に承ったわけでございますが、その意味は、私は、市街化区域農地の課税というものが骨抜きになってしまったのでは、それは法制定の趣旨に応ずることになるというふうに自治大臣が御答弁されたものと解釈したいと思いますが、それでよろしゅうございますか。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 御指摘のとおりでございます。

村田敬次郎自由民主党

○村田委員 現存の条例制定状況についてお伺いしたいと思います。  新都市計画法の該当市町村が全国で七百九十あるというふうに聞いておるわけでございます。そのうち、条例制定状況はどのくらいであり、未制定状況はどれくらいであるかということについてお答えをいただきたい。

佐々木喜久治自治省税務局長

○佐々木(喜)政府委員 昭和四十七年の一月一日現在におきまして、線引きの完了いたしました団体が七百二十八団体ございます。そのうち、全区域が調整区域になっておるものと、あるいは、若干の町村でございますけれども、市街化区域農地がないという団体がございまして、条例制定を算する団体としては七百九団体でございます。このうち、条例改正の終了いたしました団体は、三月十日現在で六百八団体ございまして、まだ未制定の団体が百一団体ございます。

村田敬次郎自由民主党

○村田委員 そういたしますると、全国的に条例制定状況がまだ全般に及んでいないわけでございますが、未制定の市町村についてはどういった措置を今後とられる予定でございますか。

佐々木喜久治自治省税務局長

○佐々木(喜)政府委員 市町村のいろいろな都合で、おそらく、この三月の議会に提案を予定しておるというふうに考えておりますが、この関係の税条例の改正につきましては、この改正規定が本年の一月一日から施行というようなことに相なっておりますので、できるだけ早い機会に条例制定を進めるようにという指導をしてまいったのでございますけれども、いま申しましたように、なお残っておる団体が百団体あるということでございます。  現在、税条例の規定につきましては、従来から法律が地方団体の選択的判断を許容しているような事項だけではなしに、法律なり、その他政令、規則等におきまして明確に規定をされており、地方団体ごとの選択判断の余地のないものにつきましても、住民の理解上最小限度必要なものは、法律の規定との重複をいとわず総合的に規定することが適当であるという指導をいたしております。したがいまして、この方針によりまして、課税時期も自前に控えておりますので、できるだけ早い機会に条例制定を完了するようにという指導をいたしております。

村田敬次郎自由民主党

○村田委員 現在までの御指導におきまして、政府側の、いわゆる自治省、建設省両省の行政上の措置について、幾ぶん方針が不一致であった点があるのではないかということを新聞紙上で指摘してる面もございます。そのことはどういうことかと申しますと、たとえば、市街化区域につきましては、当初八十万ヘクタールを予定をしており、そのうち農地が十八万ヘクタールというふうに見積もっておられたと聞いております。それが、昨年の末には、市街化区域が百二十万ヘクタール、そして、そのうち農地が三十万ヘクタールというふうにふくれ上がったわけでございまして、その結果、政府としては、先ほど申し上げたA、B、Cの農地の基準を修正をしたわけでございます。しかし、こういうふうに、当初の予定よりも五割もふくれ上がったことには、全国的に見て、現地の市街化区域にできるだけ編入をしてもらいたいという要望が非常に強く、それに政府側あるいは都道府県側が非常に押されて、市街化区域を広く定めたという事情があろうかと思うわけであります。それであれば、市街化区域、市街化調整区域というものを定めた以上は、新都市計画法の精神に基づいてその運用をすべきであったにかかわらず、税金の面でそういう矛盾が生じたということを考えてみますと、私は、税の面と、そういった市街化区域等の新都市計画法のねらいの矛盾というものをどういった形で克服をしていくかということを、当然政府側としては十分考えていただかなければならないと思います。  さて、そこで、きょうは建設省から大塩都市局参事官においでを願っておりますが、この線引きについては、全国的に非常に不満の声があります。それはどういうことかといえば、当然市街化区域に編入をされるべきであったと思われる地域が市街化調整区域になり、あるいは都市地域から相当離れているところが、地元の要望によって市街化区域になったというようなことから、線引きが非常に不徹底である、だからこれをひとつ直してくれという声があるわけであります。その際に、その修正は五カ年を待って修正をするということを言っておりますけれども——私は建設委員でもございますから、また必要があれば建設大臣に直接お伺いをしたいと思いますが、もし、方針がきまっておれば、この際大塩さんからお示しを願いたいと思います。この線引きを、五年を待たずして、たとえば一年でも、二年でも、そういった非常に矛盾の多いところについてはこれを変えていくという考え方で建設省がおられるかどうか。この際承っておきたいと思います。

大塩洋一郎建設省都市局参事官

○大塩説明員 御指摘になりましたように、都市計画法では、おおむね五年ごとに基礎調査を行なえという規定を置いておりまして、その基礎調査に基づいて全面的な再検討を行なうという一種の基準を示しておるわけでございます。五年というのはそこから出た基準だと思いますが、御指摘のような、明らかに当初計画の段階におきまして予想した与件が狂ってきたということ、端的に言えば、駅ができると思っておったのにできない計画になったとか、そういうこともございましょう。そういうときには、五年を待たずして当然変えるべきでございますし、できる限りすみやかにやるのが至当だと考えております。

村田敬次郎自由民主党

○村田委員 五年を待たずして、という表現でございましたが、私は、もっと具体的に詰めていただきたいのです。たとえ一年でも、二年でも、やるというお考えか。一年や二年では困るというお考えか。その辺はいかがでしょうか。

大塩洋一郎建設省都市局参事官

○大塩説明員 いま申し上げましたような理由は、局部的に起きるはずでございますので、そういうのを——これは修正の一つのテクニックでございますが、類似のものがあれば、検討時間を相当おきまして、あと一年くらいかかるとか、あるいは至急直さないと非常に困るというような事情が個別にあろうかと思いますので、その変更の理由によりましては、直ちにやるべきもの、あるいは二、三年内に直せばいいようなもの、というようなことがあろうかと存じます。

村田敬次郎自由民主党

○村田委員 さて、そこで、市街化区域につきましては、そういったことで、直ちにやるべきもの、あるいは若干の時間をおいてやるべきものがあるということを言われたわけでありますが、一方、市街化区域に入っておって、それがたとえば緑地整備地域であるとかといったようないろいろな理由から、課税をひとつ延期をされたいといったような地域については、本来ならば、これは当然市街化調整区域に入れるべきものであると思うのであります。それならば、A、B、C農地に対する宅地並み課税の矛盾というものが解決をされるということになるわけでございますが、現在市街化区域にあるけれども、宅地並み課税は反対であるから、そういった場合は市街化調整区域に入れるべきであるという地域も当然あると思いますが、そういうものについては、市街化調整区域に入れるおつもりはございますか。

大塩洋一郎建設省都市局参事官

○大塩説明員 市街化調整区域の中に当初から当然入れるべきであったというものが、先ほどの答弁の続きになりますけれども、出てまいりますことは、これは、当初計画したことの与件の変更、事情変更になろうかと思います。ただ、今回の税制に関連いたしまして、A農地あるいはB農地、特にC農地でございますが、縁辺部のC農地がこういう課税になることはつゆ知らなかった、そういうことであれば市街化区域に入らないほうがよかったというようなことがもし起これば、当初計画するときに市町村の意思を聞き、あるいは所定の手続を経て、住民の意思等を十分調整いたしまして——市街化区域、調整区域の線引きの際の手続の上から考えまして、これも一つの与件の変更とみなすことができるだろうと思います。その場合に、線引きというのは、その他のいろいろな要件を考えておりましたので、ただ単に税法上の面からだけで直ちに調整区域の中に編入し直すことが正しいかどうかということは、まだもう一度考える必要があろうかと思いますが、それが都市計画的に見ましてもやはり妥当だということになりますれば、調整区域へ線引きを変更するということは考えられるし、すでにやってしまっておってそういうことを知らなかったというような声がある地方もございますので、われわれとしては、そういう方法をとって線引きの変更をすべきかどうかを再検討いたしてまいりたいと思っております。

村田敬次郎自由民主党

○村田委員 渡海大臣から先ほど御答弁をいただきまして、私は非常に心強く感じたわけでございますが、要は、市街化農地の宅地並み課税については、その制定をせられた趣旨にかんがみ、自治省あるいは政府としては、これを四十七年度から断固として実施をする、そしてまた、農業団体その他の方面から指摘をされておる矛盾点については、今後の話し合い等を通じて、それを克服しながら、本来の法制定の目的を進めていきたい、こういうふうに自治大臣はおっしゃったと了解いたしますが、それでよろしゅうございますか。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 このことは、予算委員会、本会議、あるいはその他の機会におきましても述べておるところでございまして、あるいは舌足らずの点がありまして誤解を受けた点もあるかもわかりませんが、私は、一貫して、いま村田議員のお述べになりましたような趣旨で発言さしていただき、また、そのように実施をしたいと努力をしておる最中でございます。

村田敬次郎自由民主党

○村田委員 私が特にこのことをくどく念を押させていただきますのは、最初に申し上げましたように、本日、自民党の総務会において、先ほど申し上げた最新案——これは最新案でございますが、それが検討をされ、場合によれば非常に骨抜きになる心配があるということが新聞紙上で報道をせられておりますので、そのことを踏まえてこの機会にお尋ねをするわけでございまして、その意味においては、私の質問は、全く新しい、いままでなかった質問であると了解いたしております。そういうふうに了解をいたしてよろしゅうございますか。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 実は、予算委員会で民社党の和田さんからいただきました質問は、いま村田委員が述べられたような御趣旨の私に対する質問でもあったと思います。また、当委員会におきましても、先般の所信表明に対する、私に対する質疑におきましても、この問題は取り上げられましたので、私は、同様の趣旨で答弁させていただきたいと思います。また、この制定のときにつけられました当委員会の附帯決議も、私は、そういう意味の附帯決議であると考え、御趣旨に沿うような運営にしてまいりたい。かように考えておるわけであります。

村田敬次郎自由民主党

○村田委員 承りました。  それでは次に進ませていただきます。  次は、都市の税源充実の問題についてでございます。  現在、爆発する都市というようなことが言われておりまして、都市人口の集中というものは、非常に猛烈な勢いで集中をしておるわけでございます。したがって、都市の税源充実については、国会におきましても、地方税法の改正のつど附帯決議がつけられているところでございます。また、昨年八月三日の税制調査会の「長期税制のあり方についての答申」におきましても、一、法人所得課税の市町村への配分の強化、二、消費課税、流通課税序の新設、拡充、三、事務所、事業所等に対して特別な税負担を求める、四、土地にかかる固定資産税を時価課税に近づける、といったような六項目にわたる具体策を検討するように答申をしておるのでございます。増高する都市の財政需要に対応いたしますために、都市税源の充実というものは早急に具体化しなければならない問題だと考えられます。また、私は、新しい都市の政策変更として、いわゆる従来の所得倍増的な生産第一主義から、福祉倍増的な福祉国家への道を現在歩もうとしておるというのが日本の方向だと思っておるのでございますが、その福祉倍増というものは、特に都市において、いわゆる過密による弊害というものが非常に起こりやすいわけでございますので、そのためにやっていかなければならない行政施策というものが多々あると存じます。こういった問題点、つまり増高する都市の財政需要に対応するために、どうやって都市税源の充実を期していくか、これについて、具体的にどういうふうにお考えになっておられるか。これをお伺いしたいと思います。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 都市税源の充実ということにつきましては、税制調査会の答申もあり、また、近年の増高いたします財政需要等にもあいまして、これを増強せなければならないということは、長年、ここ数年述べられてきたところでございます。政府におきましても、このために、昭和四十三年に自動車取得税というものを実施いたしまして、これは府県で取ります関係上、三割を府県に置いておりますが、七割は取るというような姿。また、四十四年には、道路譲与税を、配分基準を変えまして、都市財源の充実をはかったというようなこともございます。四十五年におきましては、御承知のとおり、法人に対する課税が、特例をもって、一・七五%税率が引き上げられましたが、これの地方税へのはね返りも全額都市へいくように処置さしていただく。また、四十六年度から新設されました自動車車量税、トン税も、譲与税については全額市町村のほうに配分するというふうに、毎年税源の拡充を続けてきたところでございます。しかしながら、ふえていきます財政需要にも及びませんので、四十七年度におきましても、税制調査会に答申をしていただきました具体的六項目についてぜひとも実現を期したい。かように考えた次第でございます。  少し具体的になり過ぎるかもわかりませんが、法人課税の市町村への配分を強化したらどうかということですが、現在国が六五、府県が一八、市町村が七ですか、そのくらいの割合になっております分も、市町村のほうにぜひとも増加したいというつもりでございましたが、一・七五の臨時特例が、二年間を過ぎましても重ねて延長されるというふうな状態でございましたので、見送らさしていただいたような状態でございます。  また、固定費産税の強化、あるいは都市計画税の強化。これは、四十八年度が評価額の算定基準になっておりますので、これとあわせてぜひとも考えさしていただきたい、検討さしていただきたい、かように考えております。  また、流通税、消費税等につきまして、いろいろ案を立ててみたのでございますが、目下なお慎重に検討するという姿でございます。  それで、唯一に残りました事務所・事業所税、これをぜひとも実現したいと努力いたしたのでございますが、残念ながら実現を見ることができませんでした。そのおもなる理由は、この税金を広く都市の税源にするために、一般の市町村にまで実施すべき税金とする——財源充実を主とするのか、あるいは過密都市に対するところの抑制措置を主とするのかという点で、税の性格、目的等について議論が一致することができず、また、課税の対象範囲をどのようにするかという点についても結論を得ることができませんでした。たまたま経済状態がこのような姿でございましたので、このような新しい税を新設することが景気浮揚ということにマイナスにならないか等も勘案さしていただきまして、四十七年度の実施は見送らさしていただいたような状態でございますが、経済界の推移等もながめて、ぜひ実施に移さしていただきたいと、引き続き極力努力いたしたいと考えておるような次第でございます。  その他、国、地方の税配分等につきましては、事務の配分ともあわせまして、税制調査会、あるいは地方制度調査会等の御検討も願いながら、慎重に検討してまいりたい。かように考えております。

村田敬次郎自由民主党

○村田委員 大臣が非常にお忙しいように聞いておりますので、この問題はどうしてももう一度お伺いしておきたいのですが、実は、先ほど、小山政務次官から詳細に御説明いただきました。そのことは、四十七年度の地方財政計画における税収見通し等に関連してでございます。これは要点だけ申し上げて、大臣から御答弁をいただきたいのでございますが、四十七年度の地方財政計画を見ますると、非常にこれは借金依存型の地方財政である。したがって、税収の占めるウエートも、前年度の四二%から三七%に低下をしてしまう。これは、私の知っておりますのでは、昭和四十一年の際の地方財政の状況、あるいは、その前は昭和三十八、九年、たしか三十九年ごろであったかと思いますが、私自身が府県の財政課長をやっておりましたときに起こりました地方財政の困窮状況を考えてみましても、それよりもさらにはなはだしいものがあり、非常に心配を事実いたしております。特に、いわゆる法人税関係の税の落ち込みがはなはだしくて、それに対して、渡海大臣も、これはたいへん御苦労をされたわけでありますけれども、国の一般会計からの繰り入れの特別交付金であるとか、資金運用部資金からの借り入れ金であるとか、そういったような臨時的な財源でまかなわれたのでございまして、その御努力はもちろん非常に多とするのでありますが、その長期的展望を見ました場合に、こんな借金型の地方財政をいつまで続けるつもりであるかということを心配をせざるを得ないわけであります。また、現在の景気の動向からいたしますと、なおなお不況があり、そして出た、一方には、物価の高騰という現象がある、こういった経済状況に見合って、大臣としては、四十七年度以降の地方財政の見通しをどういう方向に、前向きに考えていかれるか。その点をひとつ教えていただきたいと思います。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 この点につきましては、先般の本会議、あるいは地方行政委員会におきましても、社会党の山本委員からも詳細なる説明があり、私も御答弁さしていただいたところでございます。いま、たまたま、昭和二十八、九年当時における状態や四十一年度の地方財政の危機と対比されまして申されましたが、二十八、九年ごろは、財政再建計画の法律案をつくり、これを立てた当時であったと思います。あの当時は、地方財政の赤字そのものが、国が与えた財源が不足であった。したがって、国は、この赤字について処置をすべき当然の義務があるというふうな点も考慮されて、国の財政計画が地方の需要に対して及ばなかったという点を考慮して、赤字をたな上げし、この分の処置に対する圏の援助を与えながら再建をはかっていったというのが当時の考え方でなかったかと私は思います。四十一年のとき、非常に不況によって起きましたことは御承知のとおりでございます。この不況対策の一環といたしまして、交付税率の二・五%の引き上げ、なお、それでも足らない分に対する臨時特例交付金、なお、景気浮揚のためにとられた公共事業に対しましては、地方債をもって充てるが、この地方債に対する元利償還は国が見るという、こういうふうな三つの措置がとられたことは御承知のとおりでございます。それに比べ、今回の措置は、臨時交付金を出しただけではないかという御指摘、これは山本委員からもいただいたのでございますが、二・五%引き上げました三二%の交付税率というものが、その後の経済状態からながめまして、景気の好調とも相まちまして、相当地方財政も好転してまいりまして、回転してきたということは、事実そのとおりでございます。そのような状態のときには、あるいは交付税率を引き下げるべきじゃないかという議論が出てきたのも事実でございます。しかしながら、交付税率というものはいかにあるべきかということは、これは国、地方の財政の勘案でもながめなければならないし、いたずらに国、地方の状態で、困ったときには地方交付税率を上げたらいいのだ、よくなっても下げないのだという姿ではいけないということで、三二%は、現在の事務量の配分からいって、ある程度バランスのとれたものではないか。経済界が一時的に——恒久的な措置としては固定さすべきじゃないかという議論を常々私たち持ち続けてきたのでございます。たまたま不況になったものでございますから、国も非常に財源難でございますし、地方も財源難になったというのが現実の姿じゃなかろうかと思います。そのとき、交付税率を上げるべきであるかどうであるかということは、一に今日の経済界の不況に対する見方であろうと思いますが、私たちは、今日の経済界の不況というものが、永遠に続くべきものでなくして、これは一時的なものであるという観点に立って、交付税率の引き上げを直ちに行なう措置はこの際とらずに、不足額を臨時特例交付金という姿で出さしていただき、残余を起債でまかなわしていただくということにやらしていただいたような次節でございます。  なお、借金政策であることは事実でございますが、国の一七%の国債依存率に比べまして、地方八%と申しますか、これも、将来の財政負担について決定的な過重となるというふうな姿でもなかろうと思っております。なお、注意すべきは、三千三百の各自治体でございますので、財政力あるいは財政規模等に見合いまして、将来そのような姿の起こらないように、適切なる、きめこまかい財政運用を行なうことによって将来に対する過重を防いでいきたい。このような考えに立ってことしの処置をしたものでございまして、来年以降、景気の回復と相まちまして、適正なる運営をはかることによって行政効果をあげていきたい。かように考えておるような次第でございます。

村田敬次郎自由民主党

○村田委員 その際に考えますのは、先ほどの都市財源の充実という問題とも非常に密接に関連をするわけでございますが、いかなる税法をとってみましても、現在においては、いわゆる過密、過疎の問題。したがいまして、経済力の集中をしております都市地域と、そして経済力の非常に希薄な農村地域との間に大きな格差があるということでございます。この格差は、年とともにたいへん増してきておるのでございまして、たとえば東海道メガロポリスと申しますか、太平洋ベルト地帯の、東京から大阪、神戸に至る地域に、日本列島の全人口の約六割がやがて集中をしようとしておる。そして、その地域に経済的にも財力が集中をいたしまして、それ以外の地域においては、過疎の問題というのが年ごとにはなはだしくなっておる。こうした過密地域における行政施策、過疎地域における行政施策といったものが当然行なわれなければいけないわけでございますけれども、これは年とともに格差が激しくなっております。したがいまして、昭和四十一年の不況のおり、あるいは先ほど大臣の御指摘になった昭和二十八、九年の不況のおりよりも、現実の事態は、地域開発問題から言えばさらに深刻でございます。そういった過密、過疎の問題について、税源配分等の関係でどういうふうに対処していかれるおつもりであるか。ぜひこの際承っておきたいと思います。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 過密、過疎が現在の大きな問題になっておるということは事実でございます。これと取り組まなければ今日の問題を解決することはできない。このように考えております。私たちは、今回の財政計画におきましても、特にこの点に重点を置いて地方財政計画を組ましていただいたつもりでございます。  過密対策につきましては、急増する都市周辺の市町村の財政需要を満たすために、交付税の算定基礎、あるいは義務教育施設の補助金のかさ上げ等もできるだけ行ないまして、必要なる社会施設ができますように、財政計画においても組ましていただいたような次第でございます。  一方、過疎対策におきましては、過疎法ができましてからことしでちょうど三年目になります。五カ年計画は順調に推移し、四十五年から四十九年に至る五カ年で、市町村から出てまいりました過疎対策は、財政的なものはぜひとも実行に移すという姿で完了いたしたいと私は思っております。また、完了できるように財政計画では組んでおります。しかしながら市町村が出され、県が出された過疎対策が、はたして実のある過疎対策として、それで過疎が解決できるかどうか。この点につきましては、ちょうど中間年度でございますので、ことしの対策をあわせて、各地方の実情をながめ、もし必要であれば手直しすることも考えなければいけない状態でないか。四十七年度は、ぜひともこれはあわせて検討をしていきたい。かように私は考えております。と同時に、その過疎地域の抜本的な解決をはかるのには、過疎対策だけでは何としてもだめだ、その過疎地を含めての広域市町村圏、これらをあわせて広域的に考えるときに、初めてこの過疎問題が解決できるのではなかろうか。かように考えておる次第でございます。  昭和四十七年度におきましては、過疎地区を含め、広域市町村圏全域を指定する予定をいたしておりますので、この広域市町村圏の計画の推進によりまして、過疎地域に目を入れるといいますか、魂を入れるといいますか、そういった姿で、過疎地域の振興とあわせて広域市町村圏の振興をはかることによって、この問題を根本的に解決していきたい。かように思っておるような次第でございます。

村田敬次郎自由民主党

○村田委員 いま御指摘になりました大臣のお説は、私はよくわかります。  自治省あるいは経済企画庁、そういった官庁の持っておる意義というのは、いわば縦糸、横糸の、機能で申しますれば横糸だと思っております。そうして、こういう横糸的な機能を持っておる日本の行政官庁というのは非常に少ないのであります。これは経済企画庁、自治省、そういった官庁、あるいは大蔵省も一部そうでございますが、そういったところに限られるわけでありまして、言うなれば、近代国家生成当時からの縦割り行政というものを、昭和四十七年まで大きく改められることなしにやってきたというところに、私は、日本の行政、政治の非常に矛盾というものがあるのだと思います。  さて、そこで、広域市町村圏、その中に過疎地域を含めてその指定をし、そして、これからその魂を入れていくという考え方、私は同感であります。その機能をなしますのが、自治省の、たとえば企画室であり、行政局であり、そういったところであると私は思うのでございますが、私自身がかつて自治省に働いておりまして感ずましたことは、自治省が、ともすれば各省に引きずられて、そして、前向き的な機能を果たさないで、各省の行政についていった面があったのではないかという考え方でございます。したがいまして、いま自治大臣が御指摘になったように、広域市町村圏の指定をし、そして、過密、過疎の矛盾と前向きに取り組むことによって、今後の自治行政というものを全国的な観点でぜひ進めていただきたい。それはさらに、広域市町村圏が、いわゆる生活圏を含むところの一つの団体であるとすれば、一つ一つの市町村の区域をこえて新たな行政体というものが発生しつつあるという時代の要請である。そうであるとすれば、そのさらに上にある都道府県というものが、明治以来、実に約八十年間、その区域を変更されないでいままで来たというところに大きな問題点が広域行政上あると思うのでございます。したがって、その問題は、たとえば中部圏であり、たとえば首都圏であり、たとえば近畿圏であるという、都道府県をこえた、広域市町村圏の上にあるもう一つの広域行政、そういった展開になっておると思うのでございますけれども、そういう広域市町村圏以上の利益社会としての、経済社会としての、もう一つの広範囲な広域圏について、大臣はどういうふうに考えておられるか。この際承っておきたいと思います。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 この問題は、当委員会でもここ数年来唱えられてきた問題でございますし、各種の御意見等もあり、また、政府のほうからも、三回にわたりまして府県合併法案というふうな法案も出てきた姿でございます。私たちも、府県合併法案というものについて検討をさせていただいておるような状態でございます。しかしながら、広域行政というものを、いま申されたように、まず広域市町村圏といったような姿で現在やっておりますが、現在の自治体において、府県とか、あるいはそれが合併して大きくなった県でございましても、何と申しましても、これは補完行政でございまして、その第一義は市町村だ。その市町村に、今日の要請にこたえる力をつけるということを第一義として取り上げなければならない問題である。かように考えておるような次第でございます。  なお、これらの問題は、実施に移すためには、その第一義的な市町村の現在の状態を、いかにして社会経済の変化に応ずる力強い行政のできる市町村に導いていくか。これと関連しての、府県をこえての補完的な立場にあるところの地方団体はいかなる姿であるべきか。大都市との関連もあわせまして、慎重に総合的に検討を加えていただかなければならぬ。こういう姿で、地方制度調査会には数年来御研究を賜わり、そのつどごとに、時代に応じたものを部分的にはいただいておるというのが現状でございます。部分的にいただいた分で、まだ実施に移していないもの等もございますので、そういった結論が出ておりますものについてはできるだけ法案にし、実施に移していきたい。こういうふうな姿でございます。大きな変革というものに対しましては、慎重な審議を、根本的な意味から、地方制度調査会等でぜひとも御検討を賜わりたい。かように考えておるような次第でございます。

村田敬次郎自由民主党

○村田委員 ただいま大臣の御指摘された点、それから私の申し上げた点は、地方行政についての根本論であると私は思います。したがいまして、また機会を改めてぜひ御討議をさせていただきたいと思います。  最後に、自動車税の関係について御質問を申し上げて、そして終わらせていただきたいと思います。  先ほどの、大臣の、都心財源の充実の問題についての御答弁の中でも、たとえば自動車重量税、あるいは自動車取得税等についての御説明がございました。昭和四十六年八月の税制調査会の答申によって見ましても、現行の自動車関係の諸税というものは、燃料に対する消費課税、いわゆる揮発油税、地方道路税、軽油引取税及び石油ガス税、この四税であります。それから、自動車の保有にかかる財産課税、つまり、自動車税及び軽自動車税であります。それから、自動車の購入に際して負担をされる消費説ないし流通税、すなわち、物品税及び自動車取得税であります。それからさらに、車検または届け出により、走行し得る地位を得ることに着目して課せられる権利創設税の自動車重量税。この九税目からなっておるわけでございます。  自動車税についてのそもそもの考え方というのは、いわゆる固定資産税的な性格と、道路損傷負担金的な性格と、それから、一部の自家用車については、特に奢侈税的な面を持っておるということが理論として指摘をされておるのでございますが、現在のようにモータリゼーションの時代であって、文字どおり自動車保有台数が飛躍的な増加をしておる時代は、たとえば、昭和四十五年三月の日本国じゅうの普通貨物、乗り合い、普通乗用、小型四輪貨物、小型乗用等々の自動車の保有台数は、千六百五十二万台に及んでおります。それが、四十八年の末には二千五百万台にもなると推定をされておるときでございまして、したがって、まさにモータリゼーションの時代と言うことができると思いますが、この時代において、自動車に対する課税をもっともっと簡素化しなければならないんじゃないか。このように納税者にとって複雑で理解しにくいという自動車税の面、これについては、これを整理統合すべきではないかということを税制調査会の答申でも指摘をしておるわけでございますが、これについて、今後どういった方向に自動車関係諸税を整理していかれるつもりであるか。その点を伺っておきたいと思います。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 いま九税目と申されました。現在、燃料税等、自動車に関する税金が多様に分かれておることについては、簡素化し、統合すベきではないかという御意見が出ておることも、私も承知いたしております。しかし、それぞれの税ができましたいきさつ、あるいはその税の性格、また、それぞれの課税主体が国、都道府県あるいは市町村というふうに分かれております現状から考えたなれば、直ちに統合するということだけで解決し得る問題でない、それぞれの性格があるということで、私は、総合的に、自動車というものは決して奢侈品でないということは認めなければなりませんが、また、これの固定資産税的なものの性格とともに、これに要する行政経費というふうなものも、単に直接の道路だけでになくて、その他の交通公害の防止その他に間接的に要ります経費等もあわせて総合的な負担を考えていただかなければならないんじゃないかと、かように考えております。九税目に分かれております分を、いま申し上げましたような事情から考えましたなれば、直ちに自動車そのものをとらまえて一、二に合せせていくということは非常に困難が伴うと思いますが、税制調査会等の答申もありますので、納税の簡素化のためにも、将来ともに慎重に検討していかなければならない課題である。しかし、趣旨はいま申しました点からはずれないように、根本をつかまえての簡素合理化という点に今後検討してまいりたい。このように考えております。

村田敬次郎自由民主党

○村田委員 私は、本日は、地方税の改正に関連をいたしまして、地方財政の見通し、そしてまた、今後の地方自治のあり方についての質問、それから、現在問題になっております市街化区域内の農地の課税の実施についての問題点、それから都市の税源の充実についての問題、過密過疎対策に関連をする考え方、そして最後に、自動車関係諸税の整理統合について伺ったわけであります。まだ、私の準備いたしました地方税法関係の問題点も相当ございますけれども、本日は時間が参りましたので、また別の機会に譲りまして、きょうはこれで終わらしていただきます。

大野市郎自由民主党

○大野委員長 山口鶴男君。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 地方税につきまして幾つかお尋ねをいたしたいと思いますが、ただいま、自治大臣が、村田委員の質問に答えまして、市町村こそが基礎的自治体であり、これの力を強めることに全力を尽くさなければならないという趣旨の御答弁をされました。私どもも同様に考えておるわけであります。問題は、大臣がせっかくそのようなお考えをお持ちであり、先ほどのような御答弁をなされたわけでありますから、私は、国税、地方税、わけでも地方税の中の都道府県税、市町村税、こういった配分の中にそのお考え方が明瞭にあらわれてこなければ、これはことばだけの遊戯でありまして、基礎的自治体である市町村を強化する、力を強めるということにはならないんではないか。かように考えるわけであります。  そこで、本日いただきました昭和四十七年度の「地方税に関する参考計数資料」を拝見いたしますと、まず、国税と地方税でありますが、昭和四十七年度の見込み、国税におきまして九兆四千五百三十九億円、地方税四兆三千八百八十一億円、租税負担率で見ますと、税全体の租税負担率が一九・〇%、これに対しまして国税が一三・〇%、地方税が六・〇%ということにそれぞれなっております。これを見ますと、国は九兆四千五百三十九億円、租税負担率のうち一三%を確保する。しかるに、地方は四兆三千八百八十一億、租税負担率は六・〇%であって、国税の半分以下だということがこれで明瞭だと思うのであります。  前々から、当委員会におきましては、租税の再配分をすべきじゃないか、税源の再配分こそが必要であるということが強調されてまいったわけでありますが、今回税制改正を拝見いたしましても、市町村に対して新たに航空機燃料譲与税が九億配分になるという点はわかるわけでありますけれども、それ以外、特に、地方税を増徴するということについては、全く実効があがっていないということを非常に残念に思うのであります。市町村を強化する、自治体の力を強めるということから、現在の税配分をごらんになりまして、大臣の御感想があれば承りたいと思います。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 よく、税金は七、三で取っておる、仕事は反対に四分六で地方がしなくちゃいけないじゃないか、こんなことでどうなる、もっと地方に税源を与えよという点、われわれ議論もし、今日まで至っておることは事実でございます。その点につきまして、私は、やはり同感でございますが、残念ながら、日本の自治体の財政上の不均衡と申しますか、それらの点がありまして、どの税目一つをとらまえてみましても、何と申しますか、富裕団体に非常に多く行くけれども、貧弱団体には行かないというふうな状態がございまして、現在、交付税によりまして、この点の不均衡を是正するために、一たん国が取り上げたものを地方に渡すという姿で持たれておるのが今日のあり方じゃなかろうかと考えております。税そのものはいまのような姿でございますが、したがいまして、できるだけ今日の自治体の力をならすことによりまして、税収入等も不均衡な姿でないような自治体に持っていくことも一つの方法でなかろうかと私は思いますが、今日の状態におきましては、それよりも、むしろ税を渡すこと自身も考えなくちゃいけない。かように思いますが、交付税自身をほんとうに地方の同有財源化するという点について徹底する、その性格を明らかにするということによりまして、地方税と交付税合わせて地方一般財源とするという観念を今後とも強化していく方向で処置するのが現在の日本の自治体の現況に即応した姿でなかろうか。私は、このように考え、今回の措置にあたりましても、交付税率、交付税のほうで、少なくともいままでの伸び率と同じものだけは確保したいという点で、借り入れ等も入れましたが、努力さしていただいたような実情でございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 確かに、市町村には富裕団体もあれば、非常に貧弱団体もある。そういう中で、どうしても財政調整の機能が必要であるということは、私どもよくわかるわけであります。ただ、問題は、大臣よく御存じのとおり、従来から富裕団体と見られてきた、また、常識的に言って富裕団体であるべきである横浜市、あるいは名古屋市、あるいは大阪市、神戸市というような昔からの大都市ですね。そういう都市においてすら、現在は交付団体に転落をしている。こういう状況はだれが考えても非常に不合理だと思うのです。したがいまして、やはり市町村の財源を充実する、そして、そこで生み出されました剰余を、今度は交付税でもって、財源の少ない過疎地域といいますか、貧弱団体に思い切って傾斜配分をしていくということが、私は、あるべき姿として考えられて当然じゃないだろうかというふうに思います。  地方交付税の問題についても触れられましたが、従来まで、大蔵大臣は、きょうも大蔵省の方がおられますけれども、交付税は地方の財源だということをなかなか言わなかったわけです。ここ二、三年来、やっと福田前大蔵大臣が、交付税は地方の財源であるということをしぶしぶ言われて、大体大蔵省も、交付税は地方の財源であるということを認めてきたようなわけでありますけれども、そういうような経過もございまして、やはり、特に、市町村の税財源の強化ということが非常に必要だと私は思うのです。ところが、過去におきまして国税が一体どのくらい伸び、府県税がどのくらい伸び、市町村税がどのくらい伸びたかという数字を私ちょっと拝見をいたしましたが、国税におきましては、昭和三十年度から昭和四十四年度に至る間、一体何倍に伸びたかというと、所得税が七・二倍、それから法人税が一〇・五倍、その他の税が五・二倍。平均をいたしまして六・九倍伸びておる。府県税はどうかと申しますと、府県民税が一三・八倍、事業税が九・七倍、その他の税が一四・五倍。府県税がたいへん伸びたのは、かつて国税を減税した分をこの府県税に一部移譲したことがございまして、そういった経過もありますから、府県民税が相当伸びているんじゃないかと思いますが、平均いたしまして一一・七倍。これに対しまして、市町村ですね。市町村民税が七・六倍、固定資産税が四・五倍、その他の税が六・二倍。平均をいたしまして五・八倍しか伸びていない。この税の推移を見ますと、せっかく大臣が、基礎的自治体である市町村が大切だ、この力を強めにゃならぬと言うのでありますが、昭和三十年度から四十四年度までの推移を見ると、むしろ、市町村を、何といいますか、一番つれなく扱って、力を強めるどころか、力を弱めるということに自民党政府は一生懸命になってきたんじゃないのかということが、客観的な数字としてあらわれていることを私は非常に残念に思うのです。市町村の力を強めるということになれば、これは一年、二年ではなかなか実現しないと思いますけれども、十五年間という長い見通しを見た場合に、少なくとも、他の税に比べて市町村の税がやはり伸びている、ふえているという形を姿であらわさにゃいかぬじゃないかと私は思うのですが、この点、いかがでございましょうか。   〔委員長退席、塩川委員長代理着席〕

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 市町村は、まあ、何と申しますか、安定した財政運営をしなければならないという配慮から、固定資産税、住民税を主としてその財源に持っていき、景気の動向によって、経済界の動向によって左右される法人税関係の所得税を市町村税から抜いて国のほうに重く持っていき、その一部を府県に持っていったというふうな状態から、財源は安定しておりますが、いま申されました過去十年間ほどのわが国経済の異常なまでの発展がそのような税のバランスの不均衡を来たしたんじゃなかろうか。かように考えるのでございますが、あえていままでの点を指摘されたなれば、安定よりもむしろ成長のほうのものも市町村に取り入れるということをすべきであったかどうかという点が問題でなかったか。かように考えております。しかしながら、行政の実態から言いまして、経済の規模も、小さい市町村あたりは、やはり安定した財源を与えて、安定した運営をしていくということが必要でなかろうかと思いますので、そのような税の配分の方法は考えていかなければならない。かように思っております。  特に、いま御指摘になりました、富裕団体から交付団体に落ちたじゃないかということでございますが、残念ながら、わが国経済の発展は、いま申しましたような税のアンバランスを生むと同時に、土地の騰貴が非常に異常なまでに行なわれまして、その固定資産税を大きな財源の一つとしております市町村税におきましては、この土地の価格というものについていけない。税制の固定資産税を上げるというようなことが実施しがたいという姿において、固定資産税の収入を多くすることができません。一方におきまして、財政需要額は必要とする、土地の価格も騰貴したもので見ていかなければならないという点が、特に、大都市における財政需要の膨大、これに伴う税収の不足ということで、交付団体に落としていった大きな原因でなかったかと私も考えておるような状態でございます。  今回の、四十七年度の税の見積もりにおきましても、府県の税収の伸びは二・五%にとどまっておりますのに、市町村の伸びは一四%近く出ておるという姿に、これは景気と不景気とによって違ってくる。経済の十年間を振り返ってみましたら、異常なる発展を遂げたわが国でありますから、いまのような税の伸びのアンバランスができたんじゃないか。かように考える次第でございます。   〔塩川委員長代理退席、委員長着席〕 これらの点もあわせまして、税の取り方そのものには、安定したものを市町村に与えなくちゃならないが、その他の補完の方法によりまして、いま申されました市町村に重点を置かなければならないという点につきましては、安定を保ちながら補完する税金において市町村に財源を与えていくという方向で、今後とも検討をしてまいりたい。かように考えておるような次第でございます。  言いわけのような答弁になりましたけれども、私は、安定した税源はあくまでも市町村に残していくという姿でやってまいりたい。その安定を保ちながら税の伸びを考えるような補完措置を、今後は市町村を主として講じてまいりたい。かように考えます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 大臣も指摘されましたが、本年度の税収の状況を見ますと、府県税におきましては二・五%しか伸びていない。これに対して市町村税は一四・一%。平均いたしまして七・七%。従来二〇%以上伸びておったものが急激な落ち込みである。しかし、その中でも、固定資産税のような安定した税を中心とした市町村税については、これは府県税のような急激な落ち込みはない。その点は私よくわかるわけです。ただ、問題は、大臣もおあげになりましたが、大都市の人口急増、過密対策、あるいは公審対策等、非常に急激な財政需要に追われているわけですね。したがいまして、市町村がある程度安定した税を持っていること、それはけっこうでありますけれども、同時に、急激な財政需要の伸びに追いついていくための、必要な新しい財源というものを与えていくべき段階に来ているんじゃないだろうか。かように思うのです。特に、大阪市などが非常に極端だと思うのですけれども、東京都も、二十三区の交付税を計質すれば、たしか四百億か五百億程度の交付税をもらう。いわば交付団体になる。こういう形であることを承知しておりますが、その東京都の二十三区にいたしましても、まさに法人の町になっているわけですね。しかも、財政需要は非常にある。ところが、法人中心の町になっておりますから、現在の法人税の実態が、国、府県、市町村に一体どのような形で配分をされているかという数字を、これまた拝見をいたしましたが、それを見ますと、わが国の実効税率は四五・〇四%ですね。これに対して、国が法人税として徴収をいたします実効税率が二九・九三%、府県が、法人事業税が一〇・七一%、法人府県民税が一・六八%。合計いたしまして、府県が一二・三九%になりますか、これに対して、市町村は、法人市町村民税だけでありまして、二・七二%しか実効税率として付与されていない。一〇〇%の配分割合で見ますと、国が六六・五%、府県が二七・五%、市町村がわずか六%という状態です。したがって、大阪市、あるいは東京二十三区、そのほか名古屋にしても、横浜にしても、神戸にしても同様だと思いますけれども、こういう配分割合でありますために、結局、そこに所在する法人の関係のために、市町村はばく大な財政支出を要求されるわけですね。  最近、東京都で、ごみ戦争といっておりますが、法人がある。そこに大ぜいの人が集中をする。その清掃関係の仕事というのは、あげてこれは市町村が責任を負わなきゃならない。しかし、その法人から上がります税金のうちわずか六%、百分の六しか市町村は配分をされていない。こういうことでは非常に不公平だと言わざるを得ないと思うのです。したがって、この法人税の実効税率を、もう少し市町村に配分を強化すべきではないか。法人税収全体のわずか六%しか市町村に行かないということは、この際思い切って改めるべきじゃないか。そして、それを強化することによってこの税収が上がってまいりますところは、過疎の町村ではなくて、これは大都市、市が中心だろうと思います。そこは交付団体です。そうすれば、そこから余ってまいりまする交付税というものは、あげてこれは市町村に、過疎町村に対しまして傾斜配分をして、そしてその当該市町村の運営に資していくということが私は可能だと思うのですね。幾ら何でも、大臣、この数字は少し極端過ぎると思いませんか。まあ、政務次官も大都市東京の御出身でありますが、そういうことについては前々からきっとお考えもあるだろうと思うのですね。お二人の御感想を承っておきたいと思います。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 いまあげられました数字は、私、読んでないものですから、ちょっとわからないのでありますが、私は、総括的に、法人に課しておる税金は、国が六五、府県が二八、市町村が七というふうに一般的にいま理解をしておりまして、東京の場合は、都に渡るのは、二十三区と都と両方の分を東京都という形で持っていき、その分を二十三区になにしておられる。こう聞いておるのですが、それにいたしましても、市町村の法人課税は、これは経済によって動きがあるのでございますけれども、もう少し法人課税というものを市町村に案分すべきではないかということが私たちのかねがね持っております意見でございまして、税制調査会あるいは地方制度調査会等におきましても、それらのような議論もたびたび聞いておるのでございますが、実現に至っていないで、まことに残念に思う点でございます。税制調査会の意見の中にも、長期答申の中には六項目の一つとして入れられておりますので、ぜひとも御趣旨の線に沿って努力をいたしたい。まあ、残念ながら、四十七年度におきましては、いま村田委員にも答えましたとおり、課税を強化するというのが、経済界の状態から時期でございませんでしたので、よう実現に至らなかったのでございますが、ぜひとも市町村の税率を、法人課税の配分の際に、経済界の推移をながめながら強化をしていくことは、今後とも私たちの課題であると考え、今後とも努力をしてまいりたい。かように考えておるような次第でございます。  具体的に申しましたなれば、四十五年度に行なわれました臨時特例の一・七五、これがもし特例がとれるようなときでありましたなれば、ぜひともこれを市町村税としていただきたいと思い、虎視たんたんとしておったのでございますが、残念ながら、実現することを見ずに、むしろ、経済界の状態等もございましたが、国の財政等もございまして、この措置をなお続行するというようなことで、今日行なわれたのが四十七年度の改正でございましたけれども、私たち、この点につきましては、御趣旨に沿うて、ともどもに今後とも努力をいたしたい。かように考えておる次第でございます。

小山省二自由民主党自治政務次官

○小山政府委員 御指名でございますので、お答えを申し上げたいと思います。  年ごとに、税収というものが、国に重く、地方に軽くなりつつあるということは、いま御指摘を受けましたとおりでございます。したがって、これの改善策と申しますると、やはり、大臣からお答え申し上げましたとおり、法人税をいかに普遍的に配分をしていくかというような問題に帰着するのではなかろうかと考えております。また、将来の税制のあり方について、この辺に大きな検討を要する面が残されておるように私ども考えております。将来、税制調査会等の答申をもちまして、できるだけそうした弊害を除去するように私ども努力をいたしてまいりたいというように考えております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 そこで、大蔵省の税制第三課長さんですか、お見えですね。  この法人税でございますが、大臣から、いま、景気がこのように落ち込んでおるときだから、法人課税を引き上げるということはなかなかいかがかというようなお話がありましたが、まあ、暫定措置を財界のほうからとれとれと言ったのを残したこの努力は評価をいたしますが、しかし、まだまだ法人の実効税率は他の先進諸国と比較をいたしました場合低いことは、大蔵省よく御存じでしょう。わが国が実効税率四五・〇四%、これに対してアメリカは五一・六四%、西ドイツが四九・〇五%、フランスが五〇%ちょうど。したがって、先進国の法人に対する実効税率というのは、五〇%というのが普通じゃありませんか。わが国だけが四五・〇四%。五%近く低いわけですね。少なくとも、わが国の経済は非常な勢いで伸びておる。むしろ、昨年の通貨調整等、世界各国からわが国の経済のあり方に対して大きな批判が加えられ、その結果、一六・八八%というような、非常に高い円の切り上げを強制された。もちろん、公害等をたれ流しでやっておることはけしからぬというような議論もありましたが、ともあれ、そういうことを考えましたときに、わが国の法人に対する課税は低過ぎるんじゃないか。この際、法人に対する実効税率を引き上げ、先進国並みにして、そのふえた分は、あげて市町村に対して付与していくというくらいのことをやっても、決しておかしくはない。しかも、先ほどあげたように、市町村、わけても大都市は、急激な財政需要に追われているという現状、大都市が交付団体に転落をしているというような状況ということを考えたら、そのくらいのことをやってもおかしくはないと私は思うのですね。この点、大蔵省のお考えはどうなんでしょうか。

福田幸弘大蔵省主税局税制第三課長

○福田説明員 法人税の増税の問題でございますが、これは、私、第三課長で、そこまでの責任はないとは申しませんが、若干私見的な面があるかと思うのですが、税率自体で申しますと、各国五割というのが大体例が多いようでございます。ただ、英国は四割とか、それから、間接税その他の体系が違いますので、一律にどのくらいの税負担が適正かということは、すぐにはきめられないと思うのですが、地方税の関係でまいりますと、非常に景気変動性が高い。それから、税源の偏在が大きいという点で、国税のほうで税率を上げた分を地方に与えるというやり方については、地方税、国とのからみで研究する必要があると思うのですが、現在、私の手持ちの数字で、四十五年の決算でいきますと、法人課税の国、地方の配分、これは国が六六、地方が三四という率になっておりますが、法人税の三二%、これは交付税でいきますので、これを考えますと四五と五五ということになりますので、結局、交付税あたりの仕組みが同時にうらはらの問題になるかと思うのです。税全部の配分でいきますと、交付税、譲与税、補助金負担、非常に複雑な仕組み全部総合しますと、これも同じく四十六年でやってみますと、調整後において、国が三四、地方が六六ということで、こういう交付税、譲与税、補助金、分担金という形で総合的に行なわれておりますので、この税だけを取り出しましてどうするということよりも、全体の財政を国、地方を通じてどう見るかということが大事じゃないかと思うのですが、特に、去年は、先生から御指摘のあった法人税の付加税の問題で、あれをもとに戻さないというだけでも国が相当苦慮したわけですが、特に景気が悪い場合に、国の場合、公債政策が相当拡大され、公債依存度というのが高まっておりますために、地方ももちろん高くなっておりますが、国の公共事業は、ほとんどといいますか、九割近くが公債でやるという形でやりながら、交付税を地方に渡すということで、非常にむずかしい問題でございましょうが、地方に財源が偏在する。それから、住民からすれば、ナショナルミニマムみたいな要求が強いので、どういうふうにするかは税のほかの財政全般にからむ基本的な問題、総合的な問題でございますので、全体的な見方から税調等で検討するということになろうと思います。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 五〇%引き上げて、ふえた分を全部市町村ということになりますと、いまおっしゃったような面もあるいは出てこないとも限りません。どの辺が適当であるかということは、やはり実態に合わせて精査してみなければ明らかでないと思いますが、ただ、考え方として、市町村には安定した税を与えているからいいんだということでは済まない現状になっているんじゃないだろうか。したがって、急増する財政需要に対応するための税源をある程度市町村に与えていく時期に来ているんじゃないだろうかということを指摘をいたしておきたいと思うのです。  ちなみに、わが党としましては、公明、民社等、他の野党の方々とも御相談をいたしまして、本年度予算に対する組み替え案も考えているわけでありますが、その場合の考え方としては、実効税率を五〇%に引き上げる。そして、国の二九・九三%を三三・六一%、府県の一二・三九は据え置き、そして、市町村を、二・七二%の実効税率から四%に引き上げたらどうかということを提案しようということで考えております。そうしますと、市町村の実効税率がある程度上がりまして、また、国税が一番ふえるわけでありますけれども、ふえた分は当然これは交付税となり、市町村にはね返ってくる。国が約三千億円くらいふえるだろう。そうすると、交付税が千億ぐらいやはりふえるということで、市町村が実効税率が上がります分と、それから交付税として一千億はね返ってくる分というものを総合いたしまして、より市町村の財源強化ができるのではないかということをある程度考えておりますけれども、今後とも市町村に対して、特に大都市財源の充実ということを、毎年毎年、村田さんもお触れになりましたが、当委員会としては附帯決議としてつけているわけでありまして、そういう点十分考慮いたしまして努力をいただくことを要請をしておきたいと思うのです。  そこでお尋ねしたいのですが、せっかく地方制度調査会が——地方制度調査会の答申も、住民税の減税はせぬでもいいという、つまらぬこともついておるわけでありますが、それは別といたしまして、「人口、産業等の集中に伴って増加する財政需要に対応する都市税源の充実をはかるため、一定規模以上の事務所、事務所の新増設に対して一回に限り課税する事務所、事業所の新増設に対する税を創設するものとする。」とうたいまして、いわゆる事務所・事業所税の創設を答申をいたしております。これで十分であるかといいますと、私どもとしてはいろいろ意見もございます。一回限りの不動産取得税見合いの税を課するのではなしに、思い切って、一定地域については法人税をかさ上げをするといいますか、過疎地域の法人税はある程度安く、現状より下げろというわけじゃありませんが、現状据え置き、ないしは、上げるとしても、その上げ方を少なくしていき、大都市等においては、ヨーロッパ並みの五〇%の実効税率を課するとか、そういうことをやれば、より充実したものになるだろうと思いますけれども、それはさておきましても、事務所・事業所税というのは一応の前進であるというふうに考えまして、私どもとしても、これは必要であろうということを考えたわけでありますが、残念ながら本年度実行に至らなかった。非常に残念に思います。大都市財源充実ということを言っておられるわけでありますから、せめてこれくらいは実施してもよかったのじゃないかという感じがいたすのでありますが、その点はどういう理由で実施に至らなかったのか。その理由について御説明をいただきたいと思うのです。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 この点、実行に至らなんで、予算委員会では、細谷委員から、自治省の努力が足らなんだという御批判を受けたのでございますが、私、卒直に、そのとおりでございますという答弁をさしていただきました。私自身、この税が実現することができなんだということに対しまして、まことに残念に思っております。  いま、どういう理由で実現に至らなんだかという点について御指摘がございましたが、山本委員の本会議における質疑にも答えましたとおり、税の目的、性格——都市財源として、全部の市町村に、財源を得るためにこの税を創設するんだということになりましたら、おそらく、全市町村に同じようなやつで財源として与えるべきじゃないかという点。それと、いま山口委員もたまたま申されましたように、過疎地域に対しては法人税を上げなくても、過密地帯に、一定地域に対して欧米並みの法人税率を取ったらどうかというふうな御指摘もございましたが、事務所・事業所税もそのような趣旨にすべきであるかどうかという点で、残念ながら意見の一致を見ることができませなんだのは事実でございます。  それともう一つ、課税の対象をどう持っていくかという点、あるいは、いま御指摘のありましたように、不動産取得税的なものにとめるかどうかというふうな点につきましても、残念ながら、意見の一致を見るまでのところに至りませんでした。  たまたま経済界の不況ということで、新税を創設する時期であるかどうかというふうな点もございまして、今回、四十七年度は見送らざるを得なかったというのが実情でございますが、私たちは、四十七年度の税制改正にあたって議論されたものを整理、統合し、私たちの方針をはっきりいたしまして、四十八年度の経済界の推移等をながめながらぜひとも実施に移したい、引き続き努力をいたしたい。このように考えておる次第でございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 通産省の企業局参事官、お見えですね。  工場立地等について、通産省でもいろいろお考えになっているだろうと思うのですね。むしろ、これ以上過密地帯に工場が立地することについては、これは公害問題もあるでしょうし、その他、わが国の総合的な土地利用という観点から言きましても問題がある。ですから、通産省などは、事務所・事業所税については積極的に賛成じゃないか。賛成するくらいの意向があってしかるべきだろうと私は思うのですが、どうなんですか。

田中芳秋通商産業省企業局参事官

○田中説明員 私どもといたしまして、過密地帯から工場を分散させるという方向を促進いたしますために税制を活用いたしますことにつきましては、きわめて有意義である。このように考えておるわけでございます。こうした見地から、四十七年度におきまして、先ほど来お話が出ておりますように、法人税の租税特別措置が廃止をされる、打ち切られるという見通しでもありました形のもとに、過密地域におきましては、これをそのまま残すというような形で、法人税をいわば重課する。これによって、過密地域からの工場分散の一つのインパクトを与える。一方、こうした税収を財源といたしまして、工場が分散いたしていきますその先の市町村、あるいはその企業それ自体、何らかの助成、補助をいただく。こういうような考え方で検討を進めてまいってきたわけでございます。  ただ、しかしながら、先ほど来申し上げておりましたような情勢のもとに、今回はこれを見送るというような形になったわけでございますが、今後こういった法人税で行なうのがいいかどうか等も含めまして、どのような形の税制が過密地帯からの工場分散に最も効果があるか、また、納税者としても納付できるものかというような点をよく詰めまして、さらに検討を進めたい。このように考えている次第でございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 そうすると、通産省とすれば、過密地帯と過疎地帯とでは税にある程度の格差をつけることは考える。ところが、そのあとがどうも各省のみみっちいところじゃないかと私は思うのですけれども、すぐそういうものを税源として取って、地方に与えないで、補助金として流してやろうとする。いわば、自分たちのなわ張りを強化して、補助金行政をより強めて、監督官庁としてのにらみをきかせようというようなことを考えるところに、そもそも中央官庁の一番反省してもらわなければならぬ点があるだろうと私は思うのです。通産省が、工場立地の観点からいって、過密地帯と過疎地域の間に法人税で差をつける。あるいは、不動産取得税見合いのものを徴収する。形はいろいろあるでしょうけれども、差をつけるという気持ちまで踏み切ったのならば、それは自治体の税として、いわば事務所・事業所税というような形で、自治体を信頼して、しかも自治体にその財源を付与していくということに踏み切っていかなければいけないのではないかと私は思うのです。通産省もあれだけの考えを持っておるわけでありますから、それに対して、自治省としては、私のような意見だろうとは思いますけれども、念のため、ひとつ自治省の考え方を聞いておきましょう。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 この前、細谷委員の質問にも答えて言うたのですが、事務所・事業所税は通産省あたりから反対が出たんじゃないかというふうな御意見であったのですが、そんなことはございません。私は、意見はまだ全然お聞きするに至らずして終わったのが事実でございます。  いまの法人税に対する問題につきましては、私は、通産大臣にそのような構想もおありであるということはかねがね知っております。これは、諸外国におきましても、過密、過疎の問題として行なわれておる立法等を、私も、詳しくは知っておりませんが、一部は存じておりますが、それらのような法制を税制の上において持ち込んではどうかという意見のあることは、通産大臣からも聞きました。今度の工場再配置法の固定資産税の問題が起こりましたときにも、そのような意見を聞かしていただいたのでございますが、私たちは、そのときにも、いま申されました山口委員の意見を率直に申し述べまして、それによって上ずる税収は通産省のものでございませんぞというような意見は申し述べておいたのでございます。これをどういうふうに本来の趣旨を生かしていくかという方法には、いろいろの考え方もあろうかと思いますが、政府としても、そういう方向で、統一した見解で、本来の趣旨が生かされるような姿で結論を得るように研究もしてみたい。かように考えております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 とにかく、市町村の急増する財政需要にこたえるために、事務所・事業所税というのも一つの考え方だろうと思います。法人税でもって差をつけたらどうかということも一つの考え方だろうと思う。ともあれ、いろいろ障害はあり、国難はあると思いますけれども、大都市財源充実の方向に向かって、ぜひとも来年度は——この航空機燃料譲与税で九億であったたいうようなことではなしに、大都市財源充実として、国民みんなが納得をするような姿を現実のものとして出していただきますように強く要請をしておきたいと思います。  それから、ついでですが、道路財源ですね。これについてもしばしば議論があるわけでありまして、これも、建設省なんかに尋ねますと、市町村道まで補助対象を拡大したらいいじゃないかというような、先ほどの通産省と同じような意味での主張をされるわけでありますが、私どもはやはり、そうではない、道路財源、特定財源としての道路財源を市町村にもより付与すべきであるということを常に主張いたしてまいりました。第六次道路整備五カ年計画の財源内訳を拝見いたしますと、国におきましては、揮発油税、特定財源の割合が八〇%、したがって、一般財源の割合はわずか二〇%。これに対して地方はどうかと申しますと、府県は、軽油引取税とか、あるいは揮発油税の譲与税とか、そういうものを含めまして、特定財源が七〇%、したがって一般財源は三〇%。これに対して市町村は、その後、自動車取得税でありますとか、従来から見れば若干強化されてきたわけでありますが、しかし、それをもってしても、わずか一七%。一般財源の割合が実に八三%に達しているという状況であります。これでは、市町村があまりにも少な過ぎるのではないか。この面からも、税源の再配分といいますか、財源を市町村により多く配分すると申しますか、そういう観点から再検討いたしてしかるべきじゃないかと私は思うのですが、この点はどうでしょうか。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 事務所・事業所税に関しまして、いま、結論的にいろいろ御激励を賜わりまして、まことにありがとうございます。御要望でございましたので答弁する必要もないのじゃないかと思いますが、ただ、山口委員の御意見は、むしろ、大都市税源の充実としてこれをやってはどうかというふうな御意見のように拝聴いたしましたのですが、われわれもそういった方向で実現したいと考えたのでございます。このことは、全部の市町村に与えるか、大都市だけに限定するかということで、その性格に非常に大きな問題がございますが、そのときに一番問題になりましたのが、むしろ、税源を必要とする大都市側に、特定されたそういった税というものについは反対である、特定された市町村だけには反対であるいう意見があったものでございまして、その調整もおくれておったということが事実でございます。いまここで御激励をいただいて、その後、私も、直接大都市関係の理事者並びに議会方面の方々ともお会いいたしまして、現在では大体御理解をいただいておるのじゃないかと思いますが、こういうふうな点もあったということを率直に申し述べまして、委員会としての各位の御協力を今後とも賜わり、実施に移すための努力を続けてまいりたいと思いますので、蛇足になりましたが、つけ加えさせていただきたいと思います。  なお、道路財源については、市町村の財源に特定財源が少ないということは御指摘のとおりでございます。今後の道路整備の計画も、国道よりもむしろ地方に多くをされます状態でございますから、できるだけ地方にも特定財源をふやしていきたいということで努力せなければならない。かように考えておるような次第でございます。このために、あるいは自動車取得税も市町村に重点を置き、その後、四十四年には、これは地方財源の一部でございますが、道路基準ということで、自動車譲与税の配分を市町村に重点を置いて配らしていただくように持っていき、また、重量税も、全額市町村に持っていく。この点、四十七年度は、こういった措置は税制的にすることはなかったのでございますが、自動車トン税が平年度化いたしますので、財源的には、昨年と比べて、実際は少し潤っていくのじゃないかと思っております。四十七年度におきましては、軽油引取税をぜひとも上げることにより、その引き上げになりました分を市町村税に持っていきたいと思い、せっかく努力したのでございますが、残念ながら実現に至っておりませんが、今後ともに、道路目的財源の拡充を行ないます際には、あげて市町村に持っていきますように努力してまいりたい。かように考えております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 事務当局に聞きますが、自動車トン税の関係で、私が先ほどあげた特定財源率は昭和四十六年の資料でありますが、四十七年は、国、府県、市町村の特定財源の割合はどの程度に変化をする見通しでございますか。お答えをいただきたいと思います。

佐々木喜久治自治省税務局長

○佐々木(喜)政府委員 四十七年度単年度といいますと、まだ当期の地方費の区分関係等を私も詳細つかんでおりませんが、いま第六次道路五カ年計画の数字で申しますと、国が八二・二%、府県が、これは既定費も含めまして七三・一%、市町村が二四・四%という比率になっております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 少しずつは改善されつつあることはけっこうだと思うのですが、それにしても、市町村の場合非常に低きに失することは事実でございまして、今後とも、大臣がお答えになりましたような線で御努力をいただきたいと思います。  さて、そこで、次にお尋ねしたいのは、租税特別措置の問題であります。昭和四十六年の状況で申しますと、国税の租税特別措置による地方税の減収見込み額、道府県民税、事業税、市町村民税、合計で千三百八十三億円。それから、地方税の非課税措置等による減収見込み額——地方税法によるところの非課税措置によるところの減収見込み額だと存じますが、これが道府県民税、事業税、市町村民税、固定資産税、電気ガス税合わせまして、千六百二十七億。合計で三千十億。これだけ減収が見込まれるという数字を承知をいたしているのでございますが、昭和四十七年度、今年度においては、これがそれぞれどの程度の見込みでございますか。まず、数字の点を事務当局のほうから伺っておきたいと思います。

佐々木喜久治自治省税務局長

○佐々木(喜)政府委員 四十七年度の国の租税特別措置による地方税の減収見込み額は千四百五十八億、昨年が千三百八十三億でありますので、これに対応する数字が千四百五十八億でございます。それから、地方税法の非課税措置、特例措置による減収見込み額が千七百六十一億でございまして、合計が三千二百十九億というふうに見込んでおります。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 道府県民税、事業税、市町村民税、同定資産税、電気ガス税、各税分類によってどのようになるのか。また、府県と市町村で整理をいたしました場合、どの程度になりますのか。これはひとつ、表で後刻いただきたいと思います。これは委員長にお願いを申し上げておきます。

大野市郎自由民主党

○大野委員長 はい。よろしゅうございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 さて、そこで、これらの非課税措置でありますが、これも地方制度調査会の答申を拝見をいたしますと、「非課税、特別措置による負担の軽減措置については、この際抜本的に見直しを行ない地方税収入の確保をはかるものとする。」と答申をいたしております。今回、一体どの程度抜本的な見通しが行なわれましたのか。実は、大きく期待をいたしておりますけれども、結局、今回は、一品目が削除をされて、新規重要物産として、三年の期限つきで、一品目を追加をしたということでありまして、地方制度調査会の答申のような非課税措置、特別措置が抜本的に見直しをされたとはどうも受け取りがたいのでありますが、この点は、地方制度調査会の答申をいかが受け取られてこういうことになったのか。その点ひとつお答えをいただきたいと思います。

佐々木喜久治自治省税務局長

○佐々木(喜)政府委員 電気ガス税は、御承知のとおり消費税として性格づけられておるわけでございます。したがいまして、この電気またはガスの消費というものが、いわば産業用に使われております場合に、その原料課税としての性格から、それがいわば原料課税になるという点につきましては、やはり電気ガス税の性格から見て問題があるというふうに考えられるわけであります。これは税制調査会におきましても、重要な基礎産業等につきましては、その取り扱いについて、電気ガス税の性格から、非課税措置等を講ずるということは、答申の趣旨から見ましても、やはり認められているところだというふうに考えております。ただ、そうした重要な基礎資材等の非課税というものは、その時代の移り変わりによりまして、そうした資材のいわば産業に占める比重というものが変わってまいります。そういう意味におきまして、できる限り、そのときどきの情勢に応じました見直しというものは行なっていかなければならないだろうというふうに私ども考えておるわけでございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 地方税によるところの非課税措置は、電気ガス税ばかりじゃなくて、固定資産税もありますね。両方とも問題があると私ども思います。特に、こういった政策的なものは、やるのだったら国税でやるべきものであって、地方税に非課税特別措置ということで負担をかけることは、私は反対です。したがって、少なくとも、地方税によるところの非課税特別措置というのは撤廃をするというぐらいのことをやってしかるべきじゃないか。また、そうすることによって、特に、電気ガス税についても、固定資産税についても、これは市町村の税でありますから、昭和四十六年度でいえば、固定資産税が六百五十七億、それから電気ガス税が五百三十九億、両方合計いたしまして千百九十六億というものが、本来市町村の税として行くべきものがカットされているということなんでありますから、これを撤廃するだけでも、市町村に対して相当な財源の充実になるだろうと私は思うのですね。本年度は全体が少しふえておりますから、もうちょっとふえるのじゃないかと思いますが、そういう状況です。  そこで、電気ガス税のことをおあげになりましたから申し上げたいと思うのでありますけれども、わが国の電力の料金が、他の先進国に比べて、同等ないしは高いというのなら、これは私は別だと思うのですけれども、たとえば、西ドイツは、家庭用じゃなくて、商工業用心力の料金が、一キロワットアワー当たり、円に直しまして六円七十五銭ですね。イギリスが六円三十九銭。これに対しまして、わが国の電力料金は、一九六九年、四円九十二銭。一九七〇年、四円九十八銭であります。この西ドイツ、イギリスの調査時点は一九六九年のようですが、それを見ましても、イギリスや西ドイツに比べて、わが国の電力料金のほうが安いわけですね。西ドイツといえば、わが国と並ぶ経済の高度成長の国でありますが、この西ドイツをもってしても六円七十五銭。アメリカは四円五十七銭で、これは安いようでありますけれども、少なくとも、わが国と肩を並べて経済成長をやっている西ドイツに比べて、わが国のほうが電力料金が安い。とすれば、電気ガス税を五百三十九億円ぐらい非課税にしないで課したところが、わが国の国際競争力がこれによって著しく損をするというようなことはないでしょう。また、それだけ企業が他の先進国に比べて大きなハンディを持つということもないはずだと思うのですね。とすれば、私は、電気ガス税の非課税措置というようなものは要らぬのじゃないかと考えるのでありますが、この辺、自治省もそうでありますが、あわせて、通産省もおられますから、通産省のお考え方も念のために聞いておきましょう。

福川仲次通商産業省企業局企業第二課長

○福川説明員 電気ガス税に関しましては、先ほど自治省の税務局長からお答えしたことと同様に考えております。  電力料金に関しましては、いま数字をあげて御質問がございましたが、電力料金自身は、いろいろきめられて、大口電力その他いろいろ条件がございまして、一律に、電気料金の差をそのまま産業の電力負担と見ることは体系上の問題があろうかと思います。御指摘がございました西ドイツ、あるいはイギリスの料金は、お話のとおりだと思いますが、あるいはフランス、あるいはアメリカあたりは、たとえば四円六十四銭とか、四円六十七銭とか、わが国よりも安い料金でやっておる国々もございます。電力に関しましては、その電力のコストと申しますものが、国民経済全体、あるいは国民生活全体に非常に影響が大きい問題でございまして、こういう非常に基礎的な質材でございますことから、電力の使用の非常にウエートの高いもの、非常に重要な基礎資材であるというようなものに関しましては、先ほど税務局長から御答弁がありましたとおり、これは一応そういう意味での調整は行なうべきであろう。かように考えておるわけでございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 とにかく、わが国の電力料金が高いというのなら別でありますが、先進国に比べて必ずしも高くない。したがって、五百三十九億円ぐらいの電気ガス税を課したところが、それほどわが国の産業が不利に立つということはあり得ないということから、もうそろそろ、地方制度調査会の言うように——私どもはかねがねから言ってまいりましたが、非課税狩別措置については、この際抜本的な見直しを行なって、地方税収の確保をはかるという時期に来ているのじゃないかと私は思います。  特に問題なのは、電気ガス税が非課税になっております事務所、それから固定資産税が非課税特別措置になっております事業所であって、これを見ますと、私の住んでおります群馬県等では、公害を出して問題になっておる公害企業は、いずれも軒並み非課税特別措置の対象になっているわけですね。これは、わが群馬県ばかりではなくて、全国的に、まさにそうだろうと思うのですね。税金をまけてやるわ、公害を出されて地域住民は非常な迷惑をするわということでは、私は、国民感情から言っても許せぬと思うのです。  この際、どうでしょうか、大臣。地方制度調査会もこう言っておられるわけです。いままでは、コストの中に占める電力料金が三分の一あるものはみんな機械的に認めるというようなかっこうで、どんどん追加していますね。この整理どころか、年々ふやすほうが多いでしょう。ことしだってそうだ。減らしたのが一つで、ふやしたのが二つなんですから、ふえているわけですね。そういうことでなしに、もうちょっと、ここにありますような抜本的な見直しを考える。できれば、私どもは全部これはやめちゃってもいいと思っておるのですけれども、少なくとも、地方制度調査会が言っておるくらいな抜本的な見直しを、この際自治省は腹をくくっておやりになったらどうか。そうなれば、市町村財源強化にもつながるということで、まさに断行すべ課題ではないかと思うのでありますが、御決意はいかがでしょうか。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 地方制度調査会の抜本的改正という中に、特に電気ガス税そのものを入れるだろうかどうだろうかという点はなになんですが、私は、非課税措置の抜本的なんというのは、むしろ、国税で実施される分がそのまま地方税にはね返ってくる分、その分についてはできるだけこれを遮断して改正せよという御意見のほうもあるのじゃないかと思っております。現在、国税が特例措置を講じられたとぎに、地方税もあわせて特例措置を講ずることによって、その政策の充実を期することができるというふうに対しましては、これは国税の線に沿うて行別措置をするということもあり得る。こう思いますが、また、もう一つは、他面、技術的な部面から切り離して、これを地方税で遮断することが困難なるがために、国税の特例措置をそのまま地方税でも受けておるというものもあるのじゃないか。かように考えます。それらの点をよく精査して、地方税は地方税の観点に立って特例抽置は実施すべきであるという姿で抜本改正を行なわれなければならないのじゃないか。かように考えております。  御指摘のありました電気ガス税は、これは、地方税そのものの姿でございますので、国の政策にどうこうするというのでなくして、地方税そのもので実施できるのではなかろうか。かように考えるのでございますが、この税のそもそものおい立ちが、いま税務局長が申しましたように、本来の目的は消費税である。したがって、製造に使われておりますところの電気というものを、消費税としてそのまま取ることがどうであるかという税の根本論もございまして、現存のところ、これが原料にはね返るような比重が大きいところ、原価にはね返る比重が多いところを免税とするというふうな取り扱いをしておるのが現状でございます。  いま申されましたように、国際競争力を強化するという必要だけでそういった措置をされておるかどうか、あるいは、そうでなくして、他の物価に及ぼす原材料品であるという点によって、電気料金がコストに占める率が大きいものを、消費税という性格にかんがみて措置したものであるかどうかという点について、慎重に検討してまいらなければならぬ。かように考えますので、税の性格論ともあわせまして、慎重に検討さしていただきたいと考えます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 とにかく、地方制度調査会で言っておりますように、わが党が主張しているように、やめられたらどうだと言っても、現在、自民党政府、自民党内閣ですから、そうは一ぺんにいかぬと思いますが、少なくとも、抜本的に整理すべきだという答申があるのに、現状は、少しずつではあるけれどもふえているというようなことはいかがかと思いますので、ひとつ、これは、いろいろな面から洗い直して、整理をするのだという立場で対処していただくように、これは強くお願いをいたしておきたいと思います。  委員長さんから御注意をいただきましたから、あと幾つかの問題をお尋ねして終わりたいと思いますが、まず、住民税の課税最低限の問題であります。この点は、地方制度調査会が住民税軽減をせぬでもいいというような答申であるにかかわらず、住民税並びに個人事業税を含めまして、千五十三億円の減税を実施されましたことは、それなりに評価をいたしたいと思います。しかし、どうも、毎年毎年各種控除を一万円引き上げる。今回の個人事業税の事業主控除につきましては、現行三十六万円を六十万円というふうに、これは昨年私ども社会党が修正案として提案をいたしました額まで思い切って引き上げていただきました点は、これはある程度飛躍的に減税をいただいたと思うわけでありますけれども、どうも、住民税のほうは、各種控除一万円の引き上げというのがここ数年来定着化したように考えるわけですが、どうなんですか。来年もこの一万円各種控除を引き上げるというような形で自治省としては対処するおつもりでございますか。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 来年の経済情勢、地方財政の状況、それらを見ませんと、いまここで答えることは、ちょっと申しかねるのでございますが、長期答申にも、課税最低限の引き上げについては、納税者の数の推移、地方財政を勘案して、なお進めていかなければならないということをうたわれておりますので、私たちは、大きな長期的な見通しとして、今後ともに課税最低限の引き上げは努力していかなければならない。かように考えておる次第でございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 来年、住民税の減税をしないというようなことになれば、これは大問題でありまして、そういうことは絶対私ども承服できません。まあ、本年度各種控除一万円引き上げたわけでありますけれども、それをもっていたしましても、夫婦子供二人の標準世帯におきまして、課税最低限は八十万四千八百七十一円、所得税の課税最低限が百三万七千八百六十円でありますから、その差は依然として大きいわけであります。  調査室で非常に丁寧な資料をつくっていただきましたので拝見をいたしましたら、本年度の改正によるところの住民税の課税最低限、独身、夫婦、夫婦子供一人、夫婦子供二人、夫婦子供三人、各世帯の課税最低限。それと生活保護基準、一級地の額でございますが、これとあまりたいした差がないわけです。特に、人事院が、公務員給与の勧告等に際しまして計算をしておりますところの標準生計費というものと比較をいたしますと、夫婦だけの世帯におきましては、住民税の課税最低限が五十一万八千九十三円。これに対して、標準生計費は五十四万六千六百円。したがって、この課税最低限と評準生計費との比率、百分比で申しますと一〇五・五%。したがって、課税最低限のほうが標準生計費よりも低いわけですね。子供一人の世帯でどうかといいますと、これまた、課税最低限が六十六万四千九百七十五円。標準生計費が七十二万二百四十円。比率が一〇八・三%。夫婦子供二人課税最低限が八十万四千八百七十一円。標準生計費が八十三万七百六十円。比率が一〇三・二%。したがって、独身、夫婦子三人の場合は、課税最低限のほうがやや標準生計費より高いようでありますけれども、夫婦並びに夫婦子供一人、並びに夫婦子供二人、この世帯では、課税最低限のほうが標準生計費よりも低い。こういう状態になっておるようであります。大体、税金というのは、生計費には課税せずというのが税の原則だと私は思うのですね。ところが、人事院が計算いたしました標準生計費よりも、課税最低限のほうが低い。いわば、生計費に食い入って税金を課するということは、幾ら住民税は応益原則である、所得税は応能原則だというようなことを言われましても、いかにも過酷な苛斂誅求ではないか。かつて、自治省の税務局長に後藤田さんという方がおられまして、なるほど税務局長だから強盗だということで、ふさわしい名字だと思ったのでありますが、佐々木さんも後藤田さんと同じような鬼のような顔に見える。苛斂誅求の悪代官のようだというふうに思われてもやむを得ないんじゃないかと思いますが、いかがですか。生計費にまで食い入って住民税を課税する。これはよくないと思います。少なくとも、わが党が提案いたしますように、各種控除をせめて二万円この際引き上げて、三年間のうちには所得税の課税最低限とそろえる。とりあえず、本年分、課税最低限については、夫婦子供二人の場合は八十万四千八百七十一円ではなくて、八十九万七千五百三十七円ぐらいまで引き上げるべきにだ。そうすれば、人事院の標準化計費、夫婦子供二人の場合は八十三万七百六十円でありますから、生計費に食い入って課税するというようなことは解消することができる。かように思うわけでありますが、佐々木さん、どうでしょうか。わが党案のほうがいいのじゃないかと佐々木さんも思うのではないかと思いますが、その点、いかがでしょうか。

佐々木喜久治自治省税務局長

○佐々木(喜)政府委員 確かに、税負担というのは、安ければ安いほど、それにこしたことはないわけであります。住民税という場合には、国税の所得税と近い、地方税としての性格から見まして、地方税として、地域社会の費用を広く住民が分担し合うという考え方をこれに織り込んでいかなければならない。そういたしますと、そういう完全な所得課税の方式をとりました場合には、所得税の課税最低限というふうな問題と常に対比されるということが考えられるわけでありますけれども、そうした負担分任という考え方をとりました場合に、必ずしも、所得税の課税最低限に一致させなければならないということにはならないのではないだろうかという感じがいたすわけでございます。  それから、もう一面は、住民税の場合には、どうしても、三千三百の市町村がその経費を分担し合う場合、住民に経費の分担を求める場合に、どれだけの範囲の住民にその経費の分担を求めるかという一つの基準にもなってくるわけでございます。そういたしますと、現在の経済社会の情勢から見ますと、国全体としての納税者の割合というものを考え合わせなければならないわけでありますけれども、やはり、それぞれの地域社会における納税者の割合というものも同時に考え合わせなければならないというような性格を持つわけでございます。私どもも、こうした租税負担が、国民の生活水準にとりまして、でき得る限りいい生活水準のもとで、生計費の中まで食い入るということはできるだけ排除していかなければならないというふうに考えておりますが、少なくとも、現在の情勢のもとにおきまして、いわば、そうした生計費の基準をどこに求めていくかという点で、日本の三千三百市町村の全体をとらえてみますというと、われわれが理想とするような、いわば標準的な生計費まで持っていくことは、いまの財政状況から見ましても、あるいは負担分任を求める立場から見ましても、いまの段階では困難ではなかろうか。しかし、私どもの努力目標というものは、一つは、そうした均衡ある国土の発展を考えながら、租税負担もそうした均衡のある租税負担を求めていくということを理想の姿として考えていかなければならないというふうに思っております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 とにかく、所得税の課税最低限と住民税の課税最低限の間に相当な開きがあり、しかも、人事院が計算いたしました標準生計費に食い入って住民税の課税が行なわれるということは、私ども、いかがかと思います。もちろん、佐々木さんが言われたような三千幾つの市町村の財政の状況というものもあるでしょう。本年度住民税並びに個人事業税の減税を千五十三億円いたしました。そうして、一般会計から千五十億円繰り入れまして、住民税の減税分は一般会計から交付税としてとってきたということについては、これはそれなりに評価をいたすわけでありますが、私ども、住民税の減税を行なうと同時に、その穴埋めというものは国が責任を持って行なうのだということで、今後とも住民税負担の軽減をはかっていただくように、これは強く要請をいたしておきたいと思うのです。  そこで、個人事業税ですが、三十六万から事業主控除を六十万に引き上げた。それなりにけっこうだと思いますが、しかし、これをもってしても、まだ所得税欠格者が例人事業税を納めなければならないというのは、決して完全には解消されていないと思うのです。大体どの程度解消になりますか。お答えをいただきたいのが一つ。  それからさらに、所得税欠格者が個人事業税を納めるということについてはいかがかということで、東京、神奈川、愛知あるいは大阪、京都等の各部府県におきましては、それぞれ独自の条例でもって軽減措置を講じて、所得税欠格者が個人事業税の負担にあえがなくてもいいようにという措置をとられておるようであります。私どもは、そういう措置をとるべきだというので、全国の社会党の府県の本部に指示をいたしまして、そういう努力を積み重ねてきたわけでありますけれども、どうも、最近、自治省の様子を見ておりますと、今度、三十六万を六十万に引き上げるのだから、府県独自の減税をやるなという強い御指導を自治省がおやりになるやに承っておるわけであります。地方自治なんですから、べらぼうなことをした場合には、ある程度自治省が御注意するのもけっこうでしょう。しかし、地方税欠格者がいまなおある。その方々をある程度救おうという程度のことで、各都府県が条例でもって救済措置を講ずるということまで自治省はうるさく言うべきではない。私はかように考えるのです。この点に対するお考え方もあわせてお聞かせをいただきたいと思います。

佐々木喜久治自治省税務局長

○佐々木(喜)政府委員 今回の事業主控除の引き上げによりまして、所得税の控除失格者が事業税の納税義務者になっておる人々の約七割が事業税の納税義務を免れるということになるものと私ども推定をいたしております。まだ、この六十万円をもちましても、約三割程度がやはり事業税の納税義務を負うことになるわけでございまして、なお、問題は残っておるというふうに私どもも感じております。  ただ、従来から、東京都等におきまして、事業税の減免措置ということが行なわれておるわけでありますが、この減免措置のやり方について二つの問題があるというふうに私ども考えております。一つは、扶養親族の数に応じた減免措置が行なわれておる。これが事業税の性格から見ていかがなものであるかという点が一つであります。それから、この軽減措置のしかたが、一定の条件にはまったものについて一律的に行なわれておるという点について、やはり問題があるというふうに考えております。ただ、そうした減免措置というものが、現在の地方税法の中におけるこうした事業主控除等の額が非常に低いために、そうした措置がそれぞれの団体において行なわれておったという事実は、私どもも否定はいたしませんけれども、そういう意味で、また、ことしの改正におきまして、できる限りの事業主控除の引き上げを行なったわけでありますので、やはり、事業税の性格から見て、やや問題のある軽減のしかた、あるいは一律的な軽減のしかたについては、この際再検討をしてもらいたいということを、私どもは各府県に申し上げておるわけでございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 そうすると、東京やその他の府県が過去においてやりましたような、扶養家族一人について幾ら税額から控除するということでなしに、所得税欠格者については、事業税は納めぬでも済むような形での軽減措置を府県が行なうことについては、これは自治省は文句は言わないというふうに受け取ってよろしいわけですね。

佐々木喜久治自治省税務局長

○佐々木(喜)政府委員 一つの問題は、やはり一律的な軽減を行なうという点に問題は残るというふうに考えております。地方税法の規定によりまして、税負担の均衡というものもはかりながら税制というものが組み立てられておるわけでありますから、やはり、軽減措置というものは、それぞれの地方団体の判断によって行なうことにはなるわけでありますけれども、単に、基準をあらかじめきめておいて、それによって一律的な軽減措置をとるということは適当ではないというふうに判断をしております。  ただ、それぞれの納税者ごとの、それぞれの事情に応じた担税力から見ての軽減措置ということは、これは地方税法の規定するところでございますから、それまで私どものほうでは規制することは考えておりませんけれども、いわば、税法で期待しているのと違った軽減措置ということは、やはり適当ではないというふうに考えております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 大臣、どうなんですか。所得税欠格者について、個人事業税を納めるのはどうかという趣旨から、三十六万円の基礎控除を六十万円まで引き上げたわけでありまして、そういう趣旨からすれば、地方自治体が、少なくとも、所得税を納めていない者については個人事業税は納めぬでもいいじゃないかという配慮ある措置を、担税力という面から考えまして、それぞれとるということについてまで自治省がとやかく言うことはないのじゃないかと私は思いますが、佐々木税務局長の御答弁は御答弁といたしまして、私が申し上げたような趣旨もやや含まれておるやに聞いたわけでありますけれども、大臣としてのお考えがあればお聞かせ願いたいと思います。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 この問題はなかなかむずかしい問題であろうと考えますが、私が考えておりますのは、事業税の物税たる性格と、所得税の性格と、その性格を異にしているから、いまのような問題を総体的にながめまして、所得税の免税になるところからまで税を取らないようにすべきではないかという御意見は、われわれが今度大幅なる事業主控除の引き上げを行ないましたのもそのためでございます。ただ、問題の面で、佐々木局長が答えましたのは、そういうふうな性格なるがゆえに、現在の税法の事業税におきましては、御趣旨はわかりますけれども、税法から読める姿におきましては、所得税の欠格者であるからといって免税するというふうな軽減措置は、いまの事業税法の中からは読み取りにくい。ただ、地方自治体が与えられておるのは、個々の納税者の税負担について軽減するというのはなにだという点で、これは違法ではないが、不適当であるという意味で、かねがね行政指導をして、ことしも特に大幅に引き上げたものですから、そういった点を注意してくれということをやったのであろうと思います。  私は、各地方団体が、与えられた中で、地方自治を生かして、自分できめるということは、これはもうあくまでも尊重しなければならぬというのは本来の自治省の立場でございますから、そういうふうなことは、地方自治のあり方として、できるだけ各自治体でやっていただきたい。かように考えておりますが、税法の姿から見ればそうでございますので、いま申しましたような指導は、税法の姿にあまり不適当でないように処置していただけないかという意味で、そのような指導をやったものと御理解してほしい。かように考えております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 わかりました。従来より今度別に強くきびしく指導するわけじゃない、地方自治というたてまえもあるので、従来と同じ程度の御注意を申し上げるということの趣旨だと思いますから、そういう意味で了解をいたしておきましょう。それ以上の行き過ぎたような指導を事務当局においてされぬように、強くここでくぎをさしておく、と言ってはなにでありますが、強く要請をいたしておきます。けっこうです。  次は、時間もありませんから、農地の固定資産税のことをちょっと私はお伺いをしておきたいと思うのですが、大臣は、先ほど、村田委員の質問に答えまして、行政指導でおやりになるということであります。そこで、私どもは、やはり明確に地方税法の改正を行なうべきではないのかということで、一つの案を考えております。後刻わが党の山本委員から、当委員会におきまして提案理由の御説明もいただきたいと思っておりますので、詳細は、私が申し上げるのは省略いたしたいと思いますが、ともあれ、市街化区域内に農地を持っておられる方が、引き続いて営農をするんだという申請を市町村長に行なう。市町村長が実情を十分調査いたしまして、確認をいたしました場合は、当該農地については、市街化区域外の農地としての課税ができる。こういうことを、この地方税法の中にも、C農地については行政指導ができるような根拠がうたってありますが、同じような意味で、はっきり地方税法の中にその趣旨をうたうことがすっきりしてよろしいのではないか。こう考えておるわけであります。  ところが、先ほどの村田委員の御質問に対しては、この施設緑地等の運用に関して、行政指導で、実情に即するようにやっていきたいというような御答弁でありましたが、さて、そこで問題なのは、施設緑地の指定は、新都市計画法によりまして、法律第五十五条第一項ですか、都道府県知事が指定の権限を持っているわけですね。市町村長が指定の権限を持っているわけではありません。したがって、かりに行政指導として——十二月九日に、建設省都市局長が各都道府県知事あてに出した通牒がありますね。これですと、施設緑地の指定については、おおむね二ヘクタール以上というワクをはめています。そうして、それ以上のものについては都道府県知事がこの指定をやってもいいのだということになっているだろうと思うのですが、結局、いま大臣のお考えになっている行政指導というのは、この新都市計画法の五十五条一項の指定に対して、建設省が言うような二ヘクタールというようなワクをはめないで、たとえば宇治市等で問題になっている二反、三反程度の茶畑とか、あるいは九州等で問題になっているもので、ツツジか何かの栽培をやっているものがあるそうですが、そういうものについて、二ヘクタールなくても、三反、四反程度の小規模のものであっても、それを施設緑地として認める。したがって、建設省が出しましたこの通達については、二ヘクタールというワクを取り払って、もう少し狭い地域のものであっても施設緑地として認めるという形で、当面問題になっておりまするA農地に対する宅地並み課税の問題を処理しようというふうにお考えになっておられるのか。そのほかの方法もあわせ、何らかのお考え方をお持ちになっておられるのか。この点お答えをいただきたいと思います。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 私、抽象的に申したのでございまして、具体的な措置をどうやるというようなことによりまして、私が抽象的に申し上げましたことが実現し得るかどうか、非常に困難な面もございます。あらゆる面もございますので、いま慎重に鋭意検討さしておる最中でございますが、私の考えておりますのは、少なくとも、客観的にながめまして、引き続いて営農をさすことが適当であるという農地につきましては、この際、A農地に指定される基準がございましても、軽減の措置を講ずるというふうな姿で行政指導していきたい。いま端的に申されました宇治の茶畑、あるいは九州における植樹のための農地その他のように、客観的にながめてもそうしていくことが適当であると考えられるものは、できるだけ軽減措置が講じ得るという姿で行政運営をしてまいりたい。  いま申されました建設省の出された通牒による基準なんかを、その措置によって、例外規定として、各省と連絡をとって認めていただかなければならないかどうかというふうな点は、いま慎重に検討しておるというところでございますが、抽象的には、私の考えておりますのは、いま申されたような、そのものは、軽減し得る措置ができるのだというふうな行政指導をやりたい。こういうように考えております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 そこで、建設省の参事官の方に伺いますけれども、この通牒には二ヘクタール以上とありますね。これは、場合によっては、ある程度通牒は改めて、新しい基準によって出し直しをするということも、建設省は現在考えておられるわけですか。

大塩洋一郎建設省都市局参事官

○大塩説明員 御指摘の通牒の五十五条の指定をいたします、いわゆる生産緑地の規模は、おおむね二ヘクタールということに指導しておる次第でございまして、これは施設緑地でございます。将来、公園、墓地その他の施設をするためのものでございまして、その間認めるという趣旨のものでございます。  御指摘の規模につきましては、おおむねでございますので、その範囲において、弾力的な解釈の面で、この通牒に関する限りはそういたしたい。ただ、これをもう少し下げることができないかというような議論が出てまいっておるのは承知しております。その際に、一ヘクタールまでとすべきかどうか。これは、今後の検討課題と考えております。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 ここは施設緑地を考えるというわけですね。生産緑地で三反、四反というものについては、別にこの通牒の中には何にもありませんね。そういうものについても、建設省としてはある程度配慮する通達を出すつもりはございますか。

大塩洋一郎建設省都市局参事官

○大塩説明員 ただいま申しました生産緑地に類するものとしては、われわれの現在の法制上ございませんけれども、今後の検討課題としておりますものは、ゾーニング、いわゆる地域性として規制をするような緑が、都市の中に、個人の所有のまま残ること。これが都市計画上有意義であるというような意味のゾーニングとして、地域性として考える必要があるかどうかにつきまして、現在、都市計画中央審議会におきまして検討中でございまして、その考え方は、そういう方向で近く結論を出したいと思っておる次第でございます。そういう場合には、その規模等につきましては、おおむね二ヘクタール以下であっても、遮断あるいは避難の際の有効な空間利用とか、そういう施設緑地以外の都市空間の有益性ということに着目して検討いたしておる次第でございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 施設緑地、生産緑地を含めて、ある程度弾力性ある与え方を建設省もとろうとしているということはわかります。ただ、この法第五十五条第一項の指定というのは、都道府県知事ですね。そこで、問題になるのは、先ほど佐々木さんもお答えになりましたが、百一の団体においてはまだ条例が未制定である。これは、その市町村が非常に苦労しておられる証拠だろうと思うのですが、問題は、この市町村長さんが、この固定資産税については、徴税令書を発するいわば責任者になるわけですね。したがって、ある程度弾力ある措置をとるように行政指導をするという場合に、この都市計画法の指定という、都道府県知事の権限でこの配慮ある運営をする。一方、具体的にこの税の問題になる責任者は市町村長ですね。だから、その点に着目いたしまして、私ども、地方税法改正では、市町村長に申請し、市町村長が確認した場合はできるのだという法律改正をしなければ、やはりその間がすっきりしないではないかという考えを持って、先ほど申し上げたような案を考えたわけです。したがって、ただいま建設省が考えておるような弾力的な運営というのは、あくまでも指定の権限は知事だ。しかし、現実に困難をするのは市町村長だ。この間、この行政指導を考える場合に、確認をする、あるいは、この地域は農地並みの課税として扱うんだということをきめる権限、それが市町村長にあるような形にしなければ、やはり失効があがらぬのじゃないかというふうに私は思うのです。行政指導する場合には、市町村長がその点を確認をするという意味での根拠は、C農地についてはあるでしょう。ところが、A、B農地についてはないわけですね。この点一体どうお考えですか。あくまでも、その指定は都道府県知事でよろしいとお考えですか。ある程度、市町村長に対して、その確認の権限を与える。そういう形での解決のしかたというものはお考えになっておられないのか。この点お答えをいただきたいと思うのです。

佐々木喜久治自治省税務局長

○佐々木(喜)政府委員 ただいまお尋ねのございました都市計画法五十五条の規定による、知事の指定による緑地というのは、これはやはり純粋に、都市計画上の要請から、将来の施設緑地として確保しておきたいというものでございます。これは法律の規定によりまして、当然に従来の課税が存続する地域ということになるわけでございます。  そこで、いまの問題は、こうした施設緑地というものがその都市に必要とされる面積、あるいは個所数というものは、おのずから限度があるであろう。そういたしますと、市町村の実態から見て、こうした純粋な都市計画上の要請以外にも、ある程度の生産緑地的なものを必要とする場合、あるいはまた、場合によっては、今後の営農上の必要性から見て、こうした生産緑地的なものがこれに準ずるものとして必要であるというような判断をした場合に、直接に都市計画法の規定には乗らないけれども、それに準じた姿で市町村が必要と認めるものについて、何らかの措置を考える必要はないだろうか。この点がいわば問題だろうと思っております。そういう場合には、やはり市町村長が、純粋に、都市計画法上の、いわば知事の指定主で持っていってやらなければならない。緑地ではないにしても、市町村独自の立場で、必要だと認められるものにつきましては、別個の措置によってやれる、市町村長限りでやれるということを考えていかなければならない。そういたしますと、そうした緑地が、その市町村の判断において必要だと認める場合におきましては、この地方税法第六条の規定というものが適用し得る余地があるのではないか。そうした必要な条例措置を講じて、市町村長が措置をするということも可能であろうというふうに考えておるわけでございます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 この問題は、またわが党の委員からもお尋ねがあるかと思いますが、ともあれ、市町村長が必要なものについては認め得るということをきちっと柱にいたしませんと、私は、実効があがらないと思うのです。この問題につきましては、地方行政委員会でも、理事会その他で、大臣から以前お話もございましたから、今後、またいろいろ御相談を受ける場合もあることだろうと思いますが、少なくとも、市町村長が確認し、裁量し得る余地を明確にするということを、この問題についてはあくまでも柱とすべきであるということをこの際申し上げておくにとどめたいと私は思います。  最後に、国民健康保険税に関係いたしまして、国民健康保険の問題を一つお尋ねしたいと思うのです。  国民健康保険法におきましては、特に、被保険者の範囲については、日本国籍を有する者とは明記いたしておりません。しかし、国民健康保険法の第六条で適用除外というものを規定しておりまして、特に、厚生省令で、適用除外の範囲はこれこれの者ということを列記をいたしておるようであります。その中に、「日本の国難を有しない者。」ということが記されておるようであります。しかし、これらの対象になります方々は、大部分が韓国籍あるいは朝鮮籍をお持ちのいわゆる朝鮮人の方方、あるいは中国人の方々、これが一番多いだろうと思うのでありますが、これらの方々はいずれも納税の負担は負っているわけです。それから地方自治法では、当該地域の住民に対して、この健康を守り、その生命の安全等をはかるのが自治体の任務であるということを規定しているということから考えました場合、当然、国民健康保険につきましても、韓国籍あるいは朝鮮籍の方々、中国人の方々、こういう方々をも含めて被保険者として扱うことが、地方自治法の規定からいって正しい運用ではないだろうか。現に、全国の自治体を見ますと、そういう方々も含めて被保険者として運用しておられる自治体が相当多いようであります。私どももまた、そういう点に着目をいたしまして、全国的に、在日朝鮮人の方々、在日中国人の方々も国民健康保険の対象にすべきだという運動を実はいたしておるわけであります。この点、地方自治法の自治体の任務の観点から、そのような方向が望ましいのではないかと思うのでありますが、自治省並びにこの問題を扱っておられる厚生省の御見解を承っておきたいと思うのです。

中野徹雄厚生省保険局企画課長

○中野説明員 先生御指摘のとおり、現在の国民健康保険の適用といたしましては、一般的には日本国民という取り扱いでございまして、特例的に条例で規定をいたしました場合に、外国人の方々も被保険者といたすという扱いをいたしておるわけでございます。その考え方といたしましては、外国人に関しましては、その地域における外国人の方々の実態であるとか、あるいは住民感情というふうなものに即しまして、自治体が自発的に条例をおきめになった場合に、これをすなおな形で国民健康保険の中に取り入れていくという立場をとっておるわけでございまして、実態から申しますと、三千三百の市町村中、かような条例を制定しております町村の数が千三百ほどございます。約三割と四割との間くらいでございますが、永住許可をとられました韓国籍以外の方々の外国人の適用数は、約四万をこえているのが実態でございます。国民健康保険の立場といたしましては、いま申し上げましたような、その地域における外国人の生活実態、住民感情等に即して条例をおきめいただくというやり方で今後とも措置をしていくという立場を一応とっております。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 いま、厚生省のほうから、主管でございますので、述べられたとおりでございますが、国籍が違うということでございますけれども、いま御指摘になりました韓国籍を持っておられる方など、古い歴史の上からながめまして、一がいに外国人という姿だけでできないというところに問題があるのじゃないかと思います。いま、厚生省の方針として、法律的にはともかくといたしまして、各自治体のほうで、事情の許す限り運用をしていただくという姿で指導してまいるのが適切な指導じゃないかと思いますので、そういった方向で進んでおるものと考えます。

山口鶴男日本社会党

○山口(鶴)委員 そうしますと、いわゆる韓国籍を取得して永住権を持った方ばかりでなしに、いわゆる朝鮮籍の在日朝鮮人の方々、それから、いまやまだ国交のない中国人の方々、こういう人も、その地域の自治体で、住民感情等を考慮して、条例を制定して被保険者にするならば、その点は厚生省としても別に異議はないんだということで了解してよろしいわけですね。

中野徹雄厚生省保険局企画課長

○中野説明員 仰せのとおりでございます。

大野市郎自由民主党

○大野委員長 次回は、来たる十六日木曜日、午前十時から理事会、午前十時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。    午後二時三十一分散会

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