地方行政委員会 第4号
- 発言数
- 124 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1972/03/10
会議録
○大野委員長 これより会議を開きます。 地方自治、地方財政及び消防に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山木弥之助君。
○山本(弥)委員 大臣の所信表明に対しまして、幾つかの問題につきまして御質問いたしたいと思います。 まず、第一に、すでに、四十五年度の下期におきましては、経済の停滞が出てまいったわけであります。したがいまして、四十五年度の都道府県あるいは市町村を通じまして、その決算を見ますと、府県におきましても、市町村におきましても、非常に決算が悪化の傾向をたどる徴候が見えておるように思うのであります。両方とも、単年度赤字というものがふえてまいっております。それに引き続きましての、四十六年度におきましては、国の補正予算に関連いたしまして、地方財政につきましても、一応対策を講じていただいたわけです。当時は、まだ、年内でもあったわけでありますから、まだ、四十六年度の決算は明らかになっていないことは当然でありますが、これは、事務的でけっこうでございますが、決算の見込みは、財政対策を講じましたときに比較いたしまして、多少愁眉を開く状態なのか、あるいは、さらに危機的な状態を深めておるのか、この点につきまして、まず、お伺いいたしたいと思います。
○鎌田政府委員 四十五年度の地方財政決算の状況は、御案内のとおり、いわゆる景気のかげりと申しますか、というものがやはり出てきておりまして、赤字団体の赤字というものがふえ、黒字団体の黒字というものも減少しておる。こういう形が出ておるわけでございます。 四十六年度の決算状況につきましては、もちろん、まだ、現在年度進行中でございますので、明らかでございませんけれども、ちょうど、昨年の六月ごろから、法人関係の税収の落ち込みが非常に顕著になってまいりまして、特に、府県、それから、法人関係税に依存することの大きい都市あたりの財政状況というものにつきまして、心配をいたしておったわけでございますが、幸いにいたしまして、交付税の減収の落ち込みの補てん、あるいは所租税減税に伴います交付税の減の補てん、さらには、税の落ち込みに対しまする一千億の、いわゆる地方債の発行、こういった一連の措置によりまして、五千億程度の財源措置を講じたわけでございまして、この財源措置を講じたことによりまして、四十六年度の決算の帳じりと申しますものは、私どもの現在の段階の推測におきましては、そう大きな赤字を出すということはなく、どうやら年度を切り抜けられるのではないだろうかという、そう明るい見通しというほどでもございませんが、暗い見通しも持っておらない。何とかつじつまを合わせられるのではないか。こういう感じを持っております。
○山本(弥)委員 四十六年度の見通しにつきましての御答弁がありまして、ある程度まで、従来より悪化することはないというふうなお話でありましたが、これは、決算をしてみなければわからないし、また、いろいろそれぞれ、公共団体の内部においての運営のしかたもあろうかと私は思いますし、さらに、従来、この点も逐次ふえてまいっておるように思われる、後年度における、いわゆる債務負担行為等、これらも累増しておったようでありますが、これらの措置によりまして、四十七年度に備えて、公共団体が、仕事の切り詰めその他によりましてできるだけ善処をしていった結果かとも思われるのでありまして、実質的には、非常に苦しいやりくりであり、また、決算も無理をした決算になるのではないか、こういうふうに推定されるわけであります。 そこで、四十七年度の問題でありますが、このことにつきましては、自治大臣も、大蔵省との折衝におきまして、非常に御努力を願ったと思うのであります。しかし、その御努力のしかたが、四十六年度の財政対策と方法からいいますと、ちょうど全く同じ方法で実施をしておられるわけであります。まあ、一応対策を講じたということにすぎないのでありますが、このことは、ある意味におきましては、私、後年度に非常に地方公共団体は不安を感じておると思うのでありますが、一応、折衝の過程におきまして、大蔵大臣なり、経済企画庁長官なり、あるいは民間におきましても、将来の経済見通しといいますか、下半期で必ず好転をする見通しがある、いまの公共事業の大幅増額によりまして見通しがあるという確信に立っての折衝だったと思うのであります。この点につきまして、こういう当年度限りの応急措置――後年度はどうなるかわからぬ。そして、後年度が同じような状態が続くならば、地方公共団体としては、ますます危機を深めるであろう。しかも、対策も非常に困難になるであろうということが予想されるわけでありますので、その点につきまして、当然、今後の景気情勢に地方財政も左右されるわけでありますが、大臣の、これらについての――後年度どの程度好転するか、そして、来年度の予算編成には支障のない運営ができるのかどうかということをお聞きいたしたいと思います。 ことに、情勢のいい四十二年以降におきましては、主として、いま政府が言っておられるような、生活関連施設の充実だとか、あるいは福祉施設の充実だとかいうような問題は、自治省がすでにその先取りをしまして、長期展望に立って、計画的に、総合的に、また、ある意味においては整合的に推進しなければならぬということを主張してこられたので、このことは、もとより、地方公共団体におきましても、住民の公害を中心とする、住民を中心とする地方行政というものの突き上げも激しくなってきたわけでありますが、両々相まって、地方公共団体がほんとうの公共団体の使命に邁進する体制ができたと私は思うのです。ただ、このときは、国も財政はいいし、地方公共団体も、ある程度地方税の伸びがあった、いわば、ある意味においては、その伸びてくる財源を国と地方でどう配分するかということ、地方団体の側からいうと、伸びる財源を、計画的に事業を遂行するためにいかに防衛するかという立場に立っておるわけですね。したがって、比較的順調にいけたと私は思うのであります。いずれまた、あとで時間がありましたら申し上げますが、今回は、不安な、きわめて不安定な、四十六年度と同じような対策を講ぜられて、後年度一つ狂うと、もう目標を失なうかもわからんという、きわめて深刻な場面だと思うのであります。したがって、それに対する自治大臣としても、大蔵大臣の見通しに言いなりにならぬで、自分はこういう確信を持つので、まあこういう応急対策で臨もうじゃないかというお気持ちになったと思うのであります。そのことを、そのお気持ちをお聞かせ願いたいと思うのであります。
○渡海国務大臣 四十六年度の決算の見通しにつきましては、いま財政局長が述べたところでございますけれども、この機会に補足させていただきます。 私なりに感じたことを申させていただきますと、四十六年度補正予算におきまして、一応数字的には赤字にならないように措置させていただいたのでございますが、いま御発言のありましたように、その内容は非常に苦しいのであります。非常に苦しいということは、あの補正予算におきます措置が、一般財源の補てんでなくして、ほとんどが借り入れ金とか、あるいは起債によってまかなうという姿でございますので、手元が苦しいということは、私は、御指摘のとおりであろうと思います。ただ、その苦しさのために、なすべき公共事業をなさずにしまうというようなことのないように、積極的に行政運営を行なってもらいたい、必要なものはやっていただきたいということで措置をしてまいりましたのが、あの補正予算でなかったかと考えております。したがいまして、非常に苦しい姿は、特別交付税の配分の状態につきまして、私も、数府県の財政状況を聞かしていただき、あるいは、数市町村のおもなものを聞かしていただき、それらを通じて私がはだで感じたところによりますと、相当やり繰りをしておられる。しかしながら、特別交付税の配分にあたりましても、特別交付税だけでなく、減収補てん債、あるいは事業債、あるいは勧奨退職債、それらを総合的に、各自治体に対しましてきめこまかく手配するように事務当局にもお願いいたしまして、私は、できるだけ決算だけは赤字にならないように措置していただくごとく措置してまいっておるのが現存の状態でございます。一般的に申して、私そのように感じたのでございますが、府県は、いま申しましたような状態で、非常に苦しいが、まあ、財政運営を考えてやっていただけるならば、単年度赤字という姿でなく、起債財源その他で措置していただいたのじゃないかと思っております。 市町村は、税の減収というものが、府県と違いまして、落ち込みが案外少ないというふうな姿がございましたので、また、交付税によりますところの借り入れ金の措置等によりまして、ある程度の措置をさせていただきましたので、そう普通の年次と変わらぬだけの決算をやっていただいておるのではなかろうか。特に、大きな政令都市とか、相当人口の多いところは、府県と同じような傾向が見られますけれども、小さな財政の、弾力性のない市町村につきましては、私は、ある程度平年度のような状態で動いておるのではなかろうかと期待しておるような状態でございます。補足的に、自分のはだで感じましたので……。 四十七年度の御指摘、はたしてこれで四十八年度の見通しがあるかどうかという点につきましては、端的に申しまして、経済の見通しが、現時点におきまして、少なくとも来年度下半期からは好転するものである、本年度の予算も、経済、財政政策全般を通じましてそうあらねばならぬという姿のもとに、単に地方財政だけでなく、政府といたしまして、経済政策全般を通じまして、そういうふうな姿で対処いたしております。率直に申しまして、私、経済閣僚でもなく、たまたま委員の中に、宮さんという、そのほうの見通しの一番の専門家もいらっしゃいますのですけれども、今日の経済政策に対する状態が、いままでのような姿の日本の経済の動きでございましたら、経済界にいたしましても、私たちの財政観といたしましても、確固たる信念を持って経済動向に対処することができるという姿でございますが、今回のは、御承知のとおり、国際経済を通じての変動によるところの不況という姿でございますので、それだけ、四十一年度のときに地方自治体の首長の方々が持たれた安心感といいますか、安易感といいますかを、今日の段階では、四十八年度に対して持ち得ない。これは、私は、いま山本委員の指摘されたとおりでなかろうか、かように考えます。しかしながら、今回の不況というものが、数学的にながめましても、これが構造的に続くようなものでございましたなれば、私たちとしても、あくまでも抜本的なことを考えなくちゃならないという姿のものであろうと考えますけれども、そのようなことであってはならないのでございまして、そのようなときには、これは、国家財政と地方財政を一本にいたしまして、抜本的に考えなければならぬ。単に地方財政だけの問題でない。私はさように考えておる姿でございます。まあ、実際的に、事実におきまして、下半期から好転すると思ったやつが、幾分か時期がずれるというふうなことはあり得ましても、少なくとも、来年度、四十七年度中には、景気の先行きというものが、われわれが考えておりますような姿になり得るものである。そのときには、各自治体に、安心して先のことに対して見通していただけるのじゃなかろうかと思います。 四十一年度以降の地方財政、国の財政の伸びにつきましての当時のことにつきましては、いま山本委員御指摘のとおりでございますが、その中で一つ見落としてならぬのは、あのとき打たれました交付税率の引き上げと同じことをことしもやるべきじゃないかという御議論もあろうと私は思いますけれども、あのとき三二%に上げられたあの措置自身が、あの数字が、その後における地方財政を非常に改善したという姿でございまして、これは、その後の状態からながめまして、今回の措置も、はたして前にとったような措置にすべきであったかどうかという点につきましては、上げられた三二%の姿でございましたので、私たちは、いま申しましたように、四十七年度下半期から少なくとも好転するであろうと思い、また、そのような財政政策全般を政府がとっておりますので、今回は、臨時的な、一時的な不況とみなして、臨時特例交付金あるいは借り入れ金という姿で処置さしていただいた姿でございまして、一応そのような姿で四十七年度の財政運営をやってまいりたい。 ただ、今別の措置によりまして、少なくとも、地方交付税におきましては、内容は借り入れ金を含んでおりましても、伸びといたしましては、例年どおりの伸びを組ましていただいておる。しかしながら、公共事業の増大した分と、地方自治体自身の地方税の減収、これは起債で見ざるを得なかったという姿の財政運営になっておりますが、地方交付税の分配にあたりまして、弾力性の少ない市町村に例年どおりの交付税をできるだけ配分するごとく、弾力性の多い府県においては、起債を利用しての弾力的な運用をお願いしたいというふうな方法で、将来とも地方財政運営に支障なきを期していくきめのこまかい施策が必要でなかろうか、このように私は考えております。
○山本(弥)委員 ただいまの自治大臣の御答弁によりまして、大蔵大臣との折衝の過程において、下期に景気が上昇いたしまして、来年度以降地方財政は必ず正常に戻るという体制でお話し合いがなされ、しかも、万一景気の上昇が来年度に持ち越されるという場合は、国と地方の財源配分について、抜本的な対策を講ずるという、きわめて強い決意を伺いましたので、これ以上申し上げる必要はないかとも思いますが、しかし、心配でありますので、もう少しこの点につきましてお尋ねいたします。 今回の景気は、四十年、四十一年の不況と違って、輸出を伸ばせばそれだけ景気が回復できた当時とは違って、国際情勢もきびしいし、輸出によりまして景気の回復をはかっていくということがなかなか困難である。しかも、国際情勢がきびしいだけに、自粛的な輸出対策を講じていかなければならぬというところで、内需をふやしてやらなければならぬということになろうかと思いますけれども、それにしても、政府もすでに方針ををきめておりますように、景気の浮揚対策として、公共事業を大幅に実施する。しかし、過去の高度経済成長のパターンに、戻ることはしないのだ。今後は、公害その他、あるいは地方団体におきましては、生活関連施設だとか、あるいは社会福祉を充実して、いわゆる経済政策をある程度まで転換するという方針を一応打ち出されておるようでありますし、ことに、経済企画庁長官の経済演説でも、すでに、四十四年でしたか、作成いたしました新全総計画も再検討しなければいかぬ、あるいは、福祉を中心とする長期計画を今年度中に策定するんだということ言明しておられるようであります。あるいは国土総合開発審議会だとか、あるいは生活問題に関する審議会ですか、そういうものの答申もあったことと関連しておることとは思いますけれども、そういうふうに、国の経済がある程度まで転換の時期にあるわけですね。そのことは、過去の成長パターンがある程度まで――佐藤総理のことばをかりれば安定成長でしょうけれども、成長が鈍化していく。非常に減速時代に入る。そのことは、税収の面におきまして、国税に依存しております交付税も、あるいは法人課税の地方税も、そう回復の機運には出てこないんじゃないか。ある程度まで、赤信号でないまでも、危険信号というものは持続するのじゃないか。こういう体制にありますので、この点十分私どもは――四十七年度の財政対策が、当該年度限りの対策であって、後年度との問題において解決を見ていないわけでありますから、それだけに、そういう情勢はもう明らかなんですね。成長が落ちるということは、国の政策を変えざるを得ないという体制になっておるわけですから、これは必至と見なければならない。成長が落ちるということは、税収においてある程度まで伸びが鈍化するということでありますので、それに関連して、そういう体制が、明るい見通しが、かりに経済が上昇いたしましても、直ちに四十八年度期待できないという前提に立ちまして、いまから早急に対策を講じていただきたい。こういうふうに私は存ずるわけであります。 ことに、公共事業と福祉事業の両方大事でありますが、公共事業も、地方公共団体は数多くありますので、当然公共事業の効果が後年度に及ぶというものがあり、あるいは、土地の取得のごときは、当然起債をいたしましても、それの償還財源が確保されておるという体制もあるわけでありますけれども、公共事業を遂行する過程における急激な伸びというものは、公共団体に相当いろいろな問題を投げているんじゃないかと私は思うのです。一つは、人員の問題であります。財政が悪くなりましたので、やはり、定員の問題については、相当きびしい財政計画の内容になっておりますね。九千幾らの整理をする。もっとも、必要な事業については増員を認めているのでございます。しかし、減員については、国の方針どおり、ある程度の率によって一般事務職員を圧縮する。警察職員のほうは、この前の浅間山荘みたいな事件がありますと、何となく、五千人の増員というものはやむを得ないのではないかという、いわゆる感情的な関連におきまして、やむを得ぬということは出てくるわけであります。毎日じみな仕事をしておる一般職員、あるいは市町村、府県におきましては、切れば可能ではないかという、基礎的な調査に基づいた資料でなくて、国の方針で、国と同じように削ればいいのではないかというようなことで削られておる。そのことは明らかにあらわれておるわけです。財政計画の、歳出に占める人件費の比率も、三〇%ですね。これは毎年減っております。五年前は三五%、一時、過去においては、四〇%くらいだった時期もあったように記憶しておりますが、そういうように、きわめて圧縮されておる。このことから、事務職員にいろいろ無理がくる。しかも、うれしいことではありますけれども、一例を盛岡市にとりましても、もう十年ほど下水道をやっておるのですが、下水道工事をやっておるところは、ある程度経験のあるところは、昨年度もどんどん増額になっておるわけですね。そうして、どんどん仕事をやれというように、むしろ鞭撻をされておるわけです。しかも、それを遂行する体制からいいますと、人はどうにもならぬのですね。勢い、業者まかせで、あるいは下水道の埋設なんか、へたな工事をやられますと、あとでたいへんなことになる。ですから、ある程度までそれを監督指導するという要員が必要なんですが、それがそういうふうに圧縮されますと、工事はやればやれないことはないが、渋滞するという事態になりまして、きわめて非能率的な事業になる心配が多分にある。これは下水道を一例として申し上げたわけです。それからもう一つ、住宅にいたしましても、あるいはごみ処理施設にいたしましても、これから仕事をいたしますと、場所の選定、それに関連して、当該施設を利用している――東京都では、ごみ戦争と美濃部知事が言っておられるように、地方におきましても、ことに、広域市町村圏では、下水道の終末処理場を隣村に持っていくとなると、隣村の計画もあり、町長さんや村長さんは承諾しておっても、住民にとりましてはきわめて重要な問題であるわけです。これは、広域市町村だけの問題ではありませんけれども、これに対する付帯施設ですね。そこまで行く道路をつけることはもとよりでありますが、付帯施設であるとか、あるいは関連施設というものを整備しなければ、当面問題が片づかないばかりではなく、将来の町づくりにおきましても、当然配慮すべき仕事が出ている。ですから、単に公共事業を拡大するにしても、そろいった問題の関連を考えていかなければ、仕事の調節はとれないのではないか。こういうように私は考えるわけですね。その辺のお考えも、十分御配慮願いたいと思っております。 それから、一緒にお話し申し上げますが、福祉施設も、私どもの岩手県の場合は、いままで県の直営でありました老人ホームだとか、その他の社会福祉施設を、おそまきながら東北でも拡大をしてまいっておりますので、社会福祉事業団という団体をつくりまして、その職員も、県の職員と同じ待遇をするということではありますけれども、数年前に、その問題につきまして、厚生省ともいろいろと私は議論をしたこともあります。けれども、全国の趨勢からいいますと、そういう民間団体といいますか、あるいは半公人の団体というものにそれをやらすことによって、社会福祉が、府県や市町村の仕事でなくて、半官半民のような団体に委託されて、安上がりの行政になる。一時、これは、地方行政委員会でも議論したのでありますが、当然きめのこまかい行政をしなければならない市町村や府県が、能率という問題で、安上がりの福祉行政に移行していく。若手県でも、おそらく、ことしからそうなります。現実に、いままで直営の老人ホームが、社会福祉事業団に委託される。こういうふうに、苦しまぎれに福祉行政を推進するといいましても、もしできなければ、できるだけそういった自分の責任から離れたところでやる。いわば、住民との苦情の関係、要望の関係、それらが反映できないような体制で、行政から民間に委託されていくというふうに、重点を置くべき福祉行政が、地方公共団体の手から離れていくという体制になりつつあるわけです。福祉行政に重点を置くといいましても、そういったかっこうで推進される。これは、財政が苦しくなれば、当然そうせざるを得ないということに追い込まれていくわけであります。これらの関連につきまして、大臣はどういうようにお考えになるか。こういうふうに福祉行政を推進し々ければならないという問題に関し、公共施設も、生活関連の施設がそういった実態になっておる。下水道の例を申し上げましたが、そういう実態に対して、どういうふうに大臣はお考えになっておりますか。御意見を承りたいと思います。
○渡海国務大臣 このたびの景気不況というものは、相当続くのじゃなかろうか、いままでのパターンのような姿で、輸出振興、設備投資の拡大という姿で、そのまま返ってこない、国の公共事業にいたしましても、いままでのような、産業関連施設でなくて、むしろ福祉行政に転換しておるような姿である、だから、それに対しての経済対策を考えていかなければいけないのじゃないかというのが、まず一番最初の御意見で、私もそのような進み方になるのじゃなかろうかと思います。ただ、輸出産業、設備投資が出ないから、いままでのパターンのように直ちに景気は回復しないのだという御意見は、ごもっともであろうと思いますが、しかし、何と申しましても、いま低下しております景気の動向というものは、年成長率四%そこそこの成長率という姿でございますが、四十七年度、七%余りの成長があるものだろう、私はこう見ます。この成長率そのものは、いま言われました福祉型の姿であろうと、回復しなければならないし、回復すべきである。そのように考え、四十七年度下半期を通じまして、四十七年度がいまの傾向で、このままいきましたならば、おそらく四%台の成長にとまりますが、年度閥を通じましたら七・七%にまで上がるだろうという姿で私は見ておりますが、この程度の上昇というものをさせなければなりませんし、従来のパターンでない形で十分そうなり得るものある。私はこのような観点を持っておるような次第でございます。 なお、公共事業の質的転換、これは、地方自治体としても、政府の施策に合わせて、おくれております社会資本の充実というものを、政府よりも、むしろ地方自治体こそが任務として今後当然やらなくてはならぬ。かように私は考えております。その意味におきまして、いま、下水道の例をとられまして、これに関連施設ができて、初めてできるのだという御指摘でございましたが、これはごもっともでございまして、これからの公共事業が、いわゆる生活関連施設を中心といたしました社会資本をほんとうに充実するためには、国の公共事業等もその形になっていただかなければなりませんが、同時に、市町村のほうがそれをやり得る、地方団体がそれをなすということで、初めておくれております社会資本の充実ができるのでなかろうか。かように私は考えております。この意味におきまして、四十一年度の財政対策をやりますときに、大蔵省との折衝過程で指摘されたのでございますが、あのときは、公共事業はなるほど国の施策を受けて伸びましたが、地方がやりましたが、そのために、単独事業を極力切り詰めて、財政計画を組んだのが当時の姿でございます。それを大蔵当局から指摘されて、実は驚いたのでございます。しかし、そのとき考えましたのは、いま申しましたように、また山本委員御指摘のごとく、ほんとうに社会資本関連施設を充実するのであれば、公共事業を伸ばすと同時に、地方自治体の行なうところの単独事業を同時に伸ばしていかぬことには、このことは実現できないのだというので、四十一年度の財政対策と異なりまして、苦しい財政でございましたけれども、このたびは、特に、地方団体の単独事業も、昨年と変わらぬ二〇%以上の伸び率を見て、財政計画に盛らしているというような状態でございまして、この点、生活関連の公共施設の足らざる点は、この単独事業によって効果的に実行していただきたい、かように念願し、いま御指摘のような点を十分配慮して財政運営をやっていただくように、私も、今後の四十七年度の財政運営を指導してまいりたい、かように考えておるような次第でございます。 いま、たまたま人員の問題がございましたが、これは、御指摘のとおり、今後財政が苦しくなれば、人員の面におきまして、地方団体の定員というものは、即事業であるという面が多いものでございますから、全体的には増加しております。一般職員の面で切り詰められるという姿が起こっていることは事実であろうと思います。現在においても相当苦しいのでなかろうかと思いますが、この点、私たちのほうも、定員管理と申しますか、定数の実態をよく把握いたしまして、そのようなきびしい姿に対応しながらも、行政サービスを落とさないように、また、事業が円滑にできますように、地方団体も格段の努力をしていただくように、定員管理ということにつきまして、今後積極的に取り組んで、地方自治体とともに、地方住民の効率的な行政運営の要望というものにこたえ得るような自治体連隊に持っていきたい。かように考えておりますので、今後ともに、この京につきましては、せっかくの御指導、御助言を賜わりたいと考える次第でございます。 なお、福祉施設の拡大の問題でございますが、福祉事業も、いま言いましたように質的に落ちてくる。その一例として、社会福祉事業団のこともおあげになられましたが、社会福祉事業団に、あの民間団体に、県費補助の職員と申しますか、それをもって拡充することによって――社会福祉事業は、面接行なうよりも、本来の意味からいたしまして、民間の積極的な、自主的な活動のほうが社会福祉の活動にむしろ向いておるというふうな面から、社会福祉事業団の活動に誘い水を出すという意味で、県費支弁の職員を入れさせていただくというふうなことで、お世話させていただいた経験も私はございます。今日、財政計画の中では、あの当時に比べまして、それらの面も一応多くされておるのじゃないかと思います。いま、県の直営から、こういった民間団体、半民間団体に移行することによって、質的内容が低下するということではなくして、移行することによって、むしろ、そういった意味からの社会福祉事業団の活動を期待するように今後はかっていきたいと、いま、山本さんの御指摘の中でたまたま思いついたのでございますけれども、そのような感じもいたしましたので、もし移管するとしたならば、そういうふうな意味で、民間団体そのものを育成していただくように、厚生当局にもよく連絡をとり、そういった方向で質の低下を来たさないように努力しなければならぬ。こう思います。今後、御指摘のようなことのないよう、十分厚生当局とも連絡をとらせていただきまして、質的低下のないよう努力いたしてまいりたい。かように考えております。
○山本(弥)委員 その、定員の問題につきましては、御配慮願えるようでありますが、国の方針に従って直ちに減員するということでなく、実態を十分考えて、大臣の所信表明にもございましたとおり、行政改革等についても、今回は、地方公共団体の意見を尊重しつつ、各省と協力して積極的にやるんだというふうにお話しになっておられますので――いまは、許認可事項を、毎年小出しに次から次に法律改正してきておるわけですね。これなんかもっと英断的に――地方公共団体は財政は苦しい、国の財政も苦しいということでありますが、地方公共団体を、信頼して権限移管をやるという英断を早急にはかるべきじゃないか。あれはだいぶ前の大臣のときだったですが、非常にこまかい調査をおやりになったけれども、具体化しないままに終わってしまった。膨大な資料もお集めになっておられる。こういうことも、財政の将来の見通しと関連いたしまして、英断的に処置すべきではないかと私は考えます。それによりまして、人員の合理化と関連して、事務が過重にならぬということも公共団体には出てくると思います。これらも早急に検討願いたいと思います。 職員の定員問題に関連いたしまして、今後の労働条件の向上といいますか、改善を考えて、職員組合との話し合いは、相互理解の上に立って公務員制度の問題も検討を続けておられるようでありますが、大きな団交の問題だとか、あるいはスト権の問題だとかということも、すでに別の相当重要な委員会で審議せられております。それらに関連いたしまして、福祉を含めての合理化なり、適正な運用に努力されるという意味だと思うのでありますが、それにいたしましても、きょうは、党としても結論が出ておりませんので触れたくないわけでありますけれども、過般、福岡県の調査に参ったわけでありますが、知事側のお話しを聞く機会が、知事の拒絶にあいまして、知事さんがどう考えておられるのかということをお聞きすることができなかったわけなんです。国会議員と会う必要はないんだ、正式の調査団を組織して、委員会等の訓育団が来れば当然会うわけだが、社会党だけの調査団には会う必要はないんだというふうな意味の拒絶の理由であったようであります。私どもは、知事側の意見を聞かないと不公平だという見地で、穏便にお話し合いをしたいという意味だったのですが、これは、しかし、将来に持ち越しておりますので、いろいろ私ども検討をいたさなければならぬので、私が先ばしってお話しをすることは、社会党の議員といたしましてどうかと思うのでありますけれども、今後ますます合理化を進めていくにしても、ほんとうに職員の福祉を考え、行政事務の能率をあげていくということからいっても、職員組合との折衝を積み重ねていくということが、地方行政の運営に効果があるんじゃないかというふうに私は思っておるわけであります。 それは、職員団体ではないが、有志で一つの親睦団体をつくっておる。ある事務所に参りましたが、財務事務所ですが、所長はそういう親睦団体、福陽会という団体ですが、それに入ってはいない。しかし、次長は入っておる。職員の中で、入っていない係長があり、入っている係長がある。職員の中にも、会員である者と、ない者とがある。こういった親睦団体が、はたして職員たちの融和をはかり、能率をあげるというようなことに貢献するものかどうか、実は疑問を持ってきたのであります。そのことは、亀井知事は亀井知事なりの、一つの信念のもとに行動しておられる。また、県政を担当しておられるわけであります。御意見を承わらなければわからぬわけであります。しかも、それの拡大をはかっておるということは、ややもすれば、亀井知事の人事が不公正に行なわれるという疑心暗鬼も呼ぶのではないかという印象を受けたわけであります。これも、お話をお聞きすることを私自身は期待したのでありますが、その機会を与えられなかった。これなんかも、ほんとうに今後苦しい地方財政に対応していくという上からも、大臣が熱意を持っておられるなら、これらの点につきましても十分調査をし、そうして、公務員行政について誤りなきを期するということは好ましいのじゃないかと私は考えておるわけであります。 それから、時間が参りましたので、きょうはお約束の時間にやめるつもりでありますが、もう一点お聞きしたいのです。これもいずれお尋ねする機会があろうかと思いますけれども、新全総計画のいわば再検討ということを、経済企画庁長官は言明されておるわけであります。この新全総計画の中で、地方公共団体のあり方ということを検討しなければならぬということで出てまいりましたのが、自治省の広域市町村構想であります。それから、一方、建設省の生活圏構想というものが出てまいったわけであります。これは、いろいろ議論の分かれるところだと思います。確かに、隣接市町村相協力して、単独ではなかなか直ちに建設し得ない事業を共同でやる。消防の救急施設の整備というような問題は、将来できるかもわからぬが、当面、救急業務というものは、交通事故の増加によりまして、市町村はこれに対処しなければならぬという意味で、協力して救急業務をするということは必要で、それは、しかも、関係の消防行政の担当者が相はかって、自発的な最も妥当な方法をとる。あるいは、協力協定でもいいし、一部事務組合でもいいというように出てくるべきものだと私は思うのであります。しかし、いずれにいたしましても、上の計画が下におりてきて、何でも市町村がやられる場合には、あるいは補助金をもらうという場合に、同じような計画を――本来、町村では、一つの計画があっていいわけなんですね。その一つの計画に基づいて、これが農村対策になり、福祉対策になり、交通対策になるのが、私は至当だと思うのです。ところが、ある補助金、ある計画に関連して、国のいろいろな計画をつくらなければ、それに該当しないという繁雑な体制に現在なっているわけですね。広域市町村圏の問題でも、これは、非常な調査をした翌年に、そら仕事をやれ、こうなりますので、十分検討するような、あるいは住民の意思を反映させるような、そういう努力をするいとまもないうちに事業に着手するということになっておるわけですね。ですから、そこに、住民の意思にそぐわない行政というものが知らず知らずのうちに行なわれる心配があるわけです。ことに、最近は、ほんとうに福祉行政を推進するとなれば、広域行政と関連しまして、自治省も、すでに、百都市くらい計画的に指導されるというコミュニティの問題がありますね。コミュニティの問題がずっと完成しまして、そして、コミュニティの集まった市町村行政で、これ以上のことはできないという段階で、隣接町村との協力をやるということがおそらく順序でなかったかと思うのであります。それが、新全総計画に基づいて、逆にあわてふためいて、建設省との権限争いではないと私は思いますけれども、ずっときて、ことしは、大体大都市周辺を除いて完成するようであります。これらの問題も、新全総計画の再検討と関連しまして、やはり、下からの計画、ほんとうに住民参加の計画を基礎に新全総計画が再検討されるときに検討すべき問題ではなかろうか、こういうふうに考えるわけであります。 以上の二点につきましてお聞きいたしまして、時間でございますので、質問を打ち切りたいと思います。
○渡海国務大臣 第一点の行政改革の問題でございますが、御承知のとおり、私の所信表明の中で述べました行政改革の意義は、いまの、むしろ、各省との関連におきますところの姿の地方事務官制度とか、そういったものの意味でございますが、今後とも積極的に取り組みたい。それだけでなしに、今後効率的に住民の要望にこたえて行政を運営していくためにあらねばならぬ姿というときに、いま御指摘のとおり、国と地方を通じての事務のために事務をやる、住民を離れての機構ができるといったようなことのないように十分配意してまいりたい、かように思います。 福岡の問題について御指摘がございましたが、たまたま、私、間接でございましたけれども、山本さんの御意図等も受けまして、あのとき、私も私なりに、そういった御意図に沿うように助言をさせていただきました。その結果、実情がどうであったかということは私も存じ上げておりませんが、その後、副知事が出てまいりまして聞いたのでは、いまの山本さん御指摘のような姿ではなく、向こうは向こうなりにその機会を持つことができなんだというようなことを感じまして、やはり意思の疎通が非常に重要だということを私自身いま感じたような状態でございますが、この件、山本さんのほうでもなお調査するということでございますので、私のほうでも、必要があれば、将来ともに円滑にまいるように――これ以上の点は山本さんの御見解として承らしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 なお、地方自治体の住民に対する態度というものは、理事者も、職員も、一体となって地方自治体に奉仕するという意味では共通の立場で、その点、幾ぶんか地方における労使の姿と異なるものがあるのではなかろうか、私はかように考えておるような次第でございます。私たち自治省におきましても、そういうふうな意味で、理事者側というのでなくして、職員も一体となって、住民の要望にこたえるような地方運営ができるように協力を求め、やっていきたいという方針で、定員管理あるいは労働条件の問題等について自治省は指導してまいりたい、かように思っておりますので、せっかく御援助、御助言を賜わりますように、ひとつよろしくお願い申し上げたいと思っております。 次に、新全総計画の再検討の問題でございますが、私は、地方自治体の下から上がってくるもの、国全体のアウトラインと申しますか、これは、やはり、国全体の統計的なもの、計画的なものが出ぬことには、下からもむずかしいだろうと思いますが、その全体的なワク内に立って、地方団体の下から上がってくる計画に受け入れられるようなもの、それが出てこなければならない。かように考えております。いま、各自治体も、同じようなものを各所でつくったり、また、計画を何回も出すというふうなことがごさいました。たまたま建設省の言っておられますところの生活共同圏と、それから、私たちの唱えております広域市町村圏、これは役所のなわ張り争いであったことも御指摘のとおり事実であろうと思います。しかしながら、いま実施している姿におきましては、名前は生活共同圏、同じような名前でありますけれども、建設行政に対する総合的な考え方という意味で、私たちの広域市町村圏と十分調和をとって連絡がつけられるものじゃなかろうか。かように考えておりますし、現実には、できるだけそういった方向で一体となって協力していけるようにいま進めておりますので、今後ともそういった方向で持っていきたいと思っております。ただ、私は、広域市町村圏の指導の中で、特に強調していまお願いしておるのは、広域市町村圏で、地区内をあわせてほんとうに市町村が住民サービスにこたえられるような施設、それらをしていかなければならないのでございますが、ややもすると、広域市町村圏内にあるところの各市町村が、地域エゴイズムと申しますか、それにおちいりやすい傾向にあり、そこに、施設の重複とか、そういった部面も出てきますので、今後、そういった風潮のないようにできるだけ持っていきたい。かように考える次第でございます。そのためにも、下から盛り上がってくるところの広域市町村圏の姿のあり方ということが非常に重大でないか、かように考えますので、いま御指摘のような線に沿いまして、極力、私たちが最初に意図しました広域市町村圏の活動ができますように、本年でもって地区指定も終わる予定にいたしておりますので、今後も充実さしてまいりたい。かように考えておるような次第でございます。
○大野委員長 山口鶴男君。
○山口(鶴)委員 地方行政委員会における自治大臣所信表明、拝見をさせていただきました。これから、地方税法改正案あるいは昭和四十七年度における地方交付税の特例に関する法律案等々、各種法案の審議がございます。したがって、ここでは、大臣が所信表明でお述べになりました事項のうち、今後法律案として審議をいたします事項については割愛をいたしまして、お述べになりました事項のうち、これに関連をいたしまして、あるいは今国会に法案として御提案をされない問題、したがって、法案審議では直接議論の対象とならない問題、それからさらに、緊急措置をしなければならぬと思われる事項、これに限定いたしまして、若干の問題をお尋ねいたしたいと思います。 まず第一の問題は、ギャンブルの問題であります。わが党としましては、ギャンブルについては、原則的に反対であるという立場をとっておるわけでありますが、現実に財政窮乏にあえぐ地方自給体としましては、性格が若干いかがわしい点があろうとも、背に腹はかえられないということから、いろいろ問題を起こしていることは、大臣も御存じのとおりであります。 そこでお尋ねいたしたい問題は、特定の団体にのみギャンブルの収益金が偏在をしている。特に、まあ例をあげてはどうかと思いますが、広島県の宮島等、財政規模に対しまして、きわめてばく大な収益があがる。片や、過密、過疎で財政需要がきわめて増大しつつあるにもかかわらず、こういったものが一切配分をされないという。非常なアンバランスがございます。問題は、こういうギャンブルがありますために、きわめて多額な収入があるところと、片や全くないところがある。こういう中で、たとえばギャンブルについて、これはちょっとどうかと思う、やめたい、と思っても、財政難のためにやめることもできないというところがあり、いろいろ矛盾があるわけであります。そういうことから、思い切って均てん化をしたらどうか。一つには、ギャンブル収益を基準財政収入に見るという方法もありましょう。しかし、現存地方財政が窮乏しておるおりに、そういうものを基準財政収入に入れるといろことは、私は、絶対反対です。そういうことはすべきでない。これは、あくまでも阻止しなければいけないと思うのでありますが、それとは別個に、偏在しているギャンブル収益というものを均てん化するという意味で、自治省がかつて法案を用意されたことは、私は、非常に意義があったと思うのであります。ところが、各省のなわ張り争いというようなことから、とうとうこれは上程に至りませんでした。一部窮迫する公営企業に対して、利子の引き下げをしようというようなことで実現をした点はございますけれども、当初企図された均てん化というものは、今日まで実現をいたしておりません。一体、大臣、どうでしょうか。このギャンブルの問題については、私は、新しい時点に立って、均てん化なり何なり、抜本的な対策を考える必要ありと考えるのでありますが、ひとつ、お考え方をお示しをいただきたいと思うのであります。
○渡海国務大臣 ギャンブルの問題でございますが、私たちの方針といたしましては、先般審議会から答申を得ましたような方針で、不拡大方針で行なう。しかも、経常については、いま申しましたような、いろいろこれによって起きておりますところの紛争その他ができるだけないような、清潔なるギャンブルと申しますか、運用の向上をはかっていく。 もう一つ、いま申されました財政の均てん化ということが一番必要な問題でないかと思っております。財政の均てん化をしなければならないということは、いま御指摘のとおりでございます。そのためには、基準財政収入額には入れておりませんけれども、特別交付税の配分等におきまして、十分これらの点を考慮して実施に移しておるということは、実施の面で私も承知いたしております。しかし、それくらいのことでは均てん化は困難でございますので、先般、ある程度の均てん化も考えてのものを出させていただいたことは山口委員御指摘のとおりでございます。まあ、あの当時に起こりましたものから幾分か後退はいたしましたが、実現いたしまして、公営企業金融公庫の活動強化のための基金として、全自治体にこれを均てん化するという方向の、端はなし遂げたような姿でございます。 いま、あれだけでは足らぬ、もっと根本的なものを考えろということでございますが、あの制度が発足しまして、まだ、これがやっと進みつつあるいまの姿でございますので、いま御指摘のようなものを直ちに持ちあわせはいたしておりません。むしろ、やっと獲得いたしましたあの健全作のものをいま進行さしておる最中でございますが、しかし、あれが一応軌道に乗りました上は、いま申されましたような方向で、ほかに均てん化なりをする方法がありやいなや、これは検討さしていただかなければならないと、かように考えますので、有益なる御示唆として承らしていただきたいと、かように存じます。
○山口(鶴)委員 財政局長さんおられますが、あの、例の、公営企業金融公庫に入れまして、利子を下げる措置ですね。今年度の額は、一体、何ぼぐらいになりますか。
○鎌田政府委員 四十六年度では、納付金収入大体七十億円と見込んでおります。
○山口(鶴)委員 私、ある方からお伺いしましたところが、ギャンブル益金が、大体一千三百億円程度にのぼる。このうち、納付金が、本年度七十億円というわけですね。昭和四十六年度の特別交付税総額が、一千二百二十八億円。昭和四十七年度の特別交付税総額が、一千三百三十七億円。そういたしますと、特別交付税総額と、このギャンブル益金がほぼ同額だという形になると思うのですね。各地方でいろいろ問題になりましたが、たとえば美濃部さんが、ああいうものは好ましくないということで、ギャンブル廃止という方向を打ち出しましたが、その努力は私は大いに評価をするものでありますが、そういたしますと、今度は、他の自治体のほうが、それではおれを割り込ましてくれというようなことになるわけですね。現実は、東京都の財政が引っ込んだが、ほかのほうではギャンブルをやるわけでありますから、ギャンブル人口は依然として変わらぬし、ギャンブルの弊害は依然として残っているという形になるわけであります。やはり、ギャンブル廃止をするにいたしましても、結局、ギャンブルでもって潤っておった財政を一体どう始末してくれるのだということが残るわけですね。ですから、特定の自治体にのみ過大な財源がいくということをやめさして、均てん化していく、そうして、ギャンブルをやっておってもやらなくても、財政的にはあまり意味がないのだということになっていけば、私は、このギャンブルというものを廃止するという方向に行くだろうと思うのです。そういう意味で、お考え方をお伺いしたいという意味から質問いたしているわけであります。 このギャンブルは、競輪、それから競馬、競艇、オートレースというようなものがありますが、これらにつきまして、始めました趣旨は、結局、第二次世界大戦によりまして、わが国の国土が徹底的に破壊をされた。この戦災復興を実現していくための財源の一部という意味で公営のギャンブルというものが発足をした。かように承っております。しかし、もう戦後二十六年ですね。私は、当初出発をいたしました趣旨の戦災復興というものを、いまなお、依然としてそういう趣旨でやっておるとすれば、非常におかしいと思うのですね。したがいまして、私は、一つには、特別交付税とこのギャンブル収益とが同じなんでありますから、そういう意味で、思い切って、何といいますか、ギャンブル収益のあるところは、この特交は流さぬという形で均てん化をする方法というものが、技術的に一つあろうと思います。もっとも、そのギャンブル収益がちょっとでもあったら、一切特交はやらぬということでは、私はいかぬと思いますが、少なくとも、金額としては同額でありますから、これを用いて減税をやっておるよりも、むしろ進んで積極的に均てん化の方向をひとつ実現をしてみ。つそれから、自治省がかつて考えたような均てん化を、この際また思い切って立案をいたしまして、これを実施してみる。三番目といたしましては、聞くところによりますと、一部事務組合で運営しておりますから、新しく入ろうと思っても、一部事務組合が排除して入れない。しかし、許可権は自治大臣、あなたがお持ちのわけですね。だから、私は、許可をされた団体が、一部事務組合をつくって運営するということはけっこうだと思うのですが、すでに運営している一部事務組合が、既得権のごとく、他を一切排除するというようなことは、これはやはり問題があると思うのです。したがいまして、そういう排他的な状況にメスを入れまして、そして、現在はもう戦災復興ということよりは、たとえば横浜においては一年間に人口が十万もふえる、学校を十もつくらなければならぬというような状況が一方にはある。一方には深刻な過疎問題がある。そういう現状を見ましたときに、現在の社会の動向に合わせまして、思い切って、この人口急増対策、過疎対策という面にこの財源を充当するということも私は一つの方法かとも思います。いずれの方法でもけっこうだと思うのでありますけれども、やはり、将来を見通した場合に、ギャンブルの廃止が可能な方向を目ざしながら、現状にある不均衡、それからまた、制度のおくれですね。戦災復興対策というような時代離れした目的ではなしに、現代の状況に合わせた新たな観点からのこの問題に対する対応、こういうものを考えたらいかがかというふうに思います。 この点、大臣としてお考え方を重ねてひとつお聞かせをいただきたいと思うのです。
○渡海国務大臣 特交の分でございますが、数字は、必要でございましたら、事務当局からなにさせますが、いま御指摘になりましたような運営の方法をやらしていただくことも事実でございまして、前に答弁をしたとおりでございまして、御指摘のとおりの配慮を特交の面ではさしていただいております。均等化法案、前に出しましたようなもの、実現に至らなんだ経過、山口委員よく御存じのとおりでございます。そして、いまの、今後とも、人口急増、過疎対策を考えたらどうかということ、私もこれは一案であろうと思いますので、ぜひともそういった方向で検討もさしていただきたいと思います。ただ、許可権の問題でございますが、自治省は共管の許可をやっておりますけれども、あれは競技別でございますけれども、農林省、運輸省、通産省がそれぞれ持っておりますのと、もう一つは、毎年度許可を更新して与えます分と、初めからの設立によりまして、もうそれだけの既得権は永続的に持っているところというふうに、あれは成り立ちによりましていろいろ変わっております。年度ごとに許可を与えるというふうなときには、行政的な運営の勧告等によりまして、新しく入ってきたもの自身に均等するように、運営面におきまして私たち配慮をお願いしておるのでございます。しかしながら、いま申しましたように、既得権的に、一ぺん与えたなればもう次の許可が必要ないのだという姿のところ、――いま申しましたように、年度ごとに更新していく分に対しましては、そういう勧告権が行なえるものですから、その点は、非常に団体数も多くなり、また、それだけ収益率も少なくなっておる。ところが、既得権的に持っておるところは、勧告権がなかなか行ないにくいものでございますから、一団体で非常に多額の収益をあげておる。しかも、そのほうには入れにくい。したがって、少ない収益の団体に言うのも、片一方は多いではないかというふうな線から、非常に困難になっておるというのが現実の姿ではないか。このように考えておりますので、抜本的な法改正によってそれらの既得権を根本的にやり変えるという英断を、関係各省とほんとうに腹を据えてかからなければ、均等化ということが非常に困難な問題であるということだけは、ひとつ御認識を賜わりまして、今後ともの御援助を賜わりたい、かように考える次第でございます。 ただ、本年度、御承知のとおりギャンブル税というものの問題もあがりまして、一時議論にされて、実現を見なかったのでございますが、現在地方自治体が得ております収益率、これの比率というものが相当多額にのぼっております。これも、地方自治体だけが収益をするのでなくして、いろいろな運営、面その他にも抜かれております。したがって、ギャンブル税で税金で取られた場合、それが地方自治体の収益を食い込んできてはじめて得られたというような、限界にきておるのではないかと思いますので、このような観点は、十分今後の行き方をながめていきたいと思います。と申しますのは、競輪から得ますところの収益というものを、単に地方自治体だけのものでなくして、国なり各省なりが、特定の事業へこれを利用しようとねらっておるのでございまして、均等化にあたりましては、それらの点もあわせて考えなくちゃいけないのでなかろうかという配慮も必要でございますので、十分配慮させていただきたいと思います。 なお、その大義名分といたしましては、いま申されましたように、人口急増、過疎対策、現在当面しておりますところの重要なる問題、これは非常にかっこうの目標であり、また、やらなければならぬ有意義なる事業になってくるのでなかろうかと思いますから、せっかく検討させていただきたい、かように思います。
○山口(鶴)委員 各省それぞれ、関係官庁が認可権を持って、自治省と共管になっておるわけですが、そういうところから、この前の均てん化では、各省がだいぶ抵抗した。もちろん、いまばく大な収益を持っておる自治体も抵抗したという面もありましょうが、そういうようなところからその実現を見なかったということは、私、非常に残念なことだったと思っております。私は、やはり、こういうものは自治体の公営であるべきだと思うのです。必要悪なんですから、個人等がやるということでなしに、あくまでも地方自治体がやるべきである。その場合に、過去の既得権でもってばく大な収益がある、それから、その後ふえていったのはその年その年の許可だということも、また、私は、当初の趣旨と現状が非常に変わっている以上、おかしいと思うのですね。あとでけっこうでありますから、資料として、各地方団体が、一体どのくらいギャンブル収益を得ておるか、それから過去の既得権ですか、それを持っておる団体はどこであって、その後年度ごとの認可になっておるところはどこかというのを、ひとつ、表でもってお示しをいただきたいと思います。 この際お願いをしたいのですが、そういうように情勢が変わった。そうして、各省のなわ張り争いとか、既得権を持っておるところの抵抗とかいろことで中途はんぱな形になるのでなしに、現在の地方自治団体の財政の状況、新しい客観的な情勢、そういうものに見合った、新しい観点からの対応がやはり必要ではないのか。そういうことについては、ひとつ、自治省、大いに勇気をもってやっていただきたいということを要請をいたしておきたいと思うのです。
○渡海国務大臣 いま御指摘されましたのですけれども、一番むずかしい点は、競輪事業というものは、むしろ非常に財政的に恵まれたようなところに多い。したがって、その上なお、むしろ貧弱団体に少なくて、財政的に恵まれたところに多いというために、これをよけいにみんなして均てん化しようという必要も生じる。また、これをやめたからといって、そのものに対して――たとえば、東京がやめたからといって、これをやめたのだから、その分を自治財源で何かすべきじゃないかということ、それに対しては、自治財源を与えるために特に考慮しなければならないようなものを私たちは感じない。そういった場合が多いという点に非常に問題がある点が一つございますのと、もう一つは、均てん化をするという方向で議論を詰めるときに、もう一つの考え方は、地方自治体に対する財源として与えることをやめて、むしろ、公営という姿であるなら、その利益は国のほうで吸い上げて、事業として、その利益を補助金の形で使うというふうな均てん化の理論がつい起こり得るというのが、前の法案の実現を非常に困難にした問題でなかろうかと思いますので、そういった点の私たちの苦心もあるという点を十分御配慮の上、今後とも、この問題については、ひとつ、共通の御支援を賜わりたい。かように思いますので、こちらから、この点特にお願い申し上げておきたいと思います。
○山口(鶴)委員 その点は、渡海自治大臣はよく御存じの方なんですから、省略して議論はいたしましたけれども、私の申し上げました点は十分おわかりいただいておるを思いますから、この点強く要望いたしておきたいと思います。 それから、先ほど山本委員が、本年度の地方財政対策、特に、自治体についての、合理化といいますか、職員が非常につらい労働条件のもとで働いているというような状況についてお話がございました。そこで、ちょっとお尋ねしたいと思うのですが、こまかいことは交付税法の審議の際に十分やりたいと思いますが、ともあれ、ことし財源不足一兆円ということだったわけですね。いろいろ努力をされて、八千億円程度の措置をいたした。それからまた、国税の伸びが五千五百億円程度でございましたか。そのうち、交付税の伸び、あるいは、千五十億円一般会計から交付税会計へ繰り入れる措置等によりまして、国税の伸びのほぼ半分を地方財政に確保できたという面についても、私十分承知をいたしておりまして、努力を決して多としないわけではありません。しかし、現実に、その一兆円の財源不足が八千億円になり、しかも、その八千億円のうち約四千九百億円は起債、そして、財投から千六百億円でしたか、交付税譲与税特別会計が借り入れるということでありますから、四千九百億円プラス千六百億円ですから、六千五百億円というものはまるまる借金といっても差しつかえないわけです。だから、一兆円が八千億円になり、八千億円のうち六千五百億円が借金であるということでは、どうも、まるまる借金――まるまると言っては恐縮ですが、大部分借金でもって措置せざるを得なかった。そういたしますと、地方財政計画、沖繩を除いて一九・八%、確かに、伸びることは伸びたのでありますけれども、結局、この借金でふくれたわけでありますから、いわば肥満体のようなものであって、かっこうは大きくなったが、体質はきわめて不健全であるということだろうと思うのですね。 そこで、主計官もおられるから一緒に聞いておっていただきたいと思うのですが、結局、予算編成のときの大蔵大臣は、水田大蔵大臣と、渡海さんが大蔵大臣臨時代理だったわけですね。せっかく、自治大臣が大蔵大臣であって、予算編成にタッチした時期もあったわけです。さりながら、ほとんど借金、肥満体的な不健全な形でしか地方財政の始末をせられなかったということについては、私は、非常に残念であり、それから、主計官、せっかく渡海さんが大蔵大臣をやっておったのに、大蔵大臣に対する補佐が、大蔵官僚は足らなかったのじゃないか。こういう感じも非常にいたすのでありますが、その点、ひとつ、お二人の御答弁をお伺いしておきたいと思います。
○渡海国務大臣 一兆円の要望に対して、八千億しか処置せなかったじゃないかということでございます。こまかい数字は、また、事務当局がお答えいたしますが、一兆円は、御承知のとおりの、予算編成の概算要求当時におきましての、私たちの見通しでございまして、その後、実際の税収の見積もりその他におきまして、約八千億の地方財政の財政不足額という数字に落ちついたのでございますので、一兆円というものはそういった性格のものでございますので、ひとつ御了承賜わりたいと思います。 なお、六千五百億は借金じゃないかということ、これはもう、仰せのとおりであると私は思います。借金財政であるといわれるのは、私も、まさにそのとおりであろうと思います。もし、国のほうが健全であれば、将来のことも考えまして、こういった借金財政じゃなくして、少なくとも、交付税の中に借り入れました千六百億という姿――その交付税も、少なくとも、小さい、弾力性のない市町村には、長期的な弾力性を持った財政運営をさすことができないものでございますから、これだけの交付税は確保せなければならないという姿で、預金部資金から借り入れるというふうな特別な措置をとったのでございますが、できれば、一般会計からこれを繰り入れていただくことによって処置をしたかったという面は私は十分感じておるわけでございます。その点、力及ばなかったのでございますが、国のほうの状態も、一七%を公債に依存しておるという姿でございますので、やむなく了承せざるを得なかったというような実情でございますので、御了承賜わりたいと思います。 なお、起債の額のおもなものは、公共事業の伸び、これも国家的要請じゃないかということでございますが、社会資本がおくれておりますので、一般国庫支出金なり国のほうがそういった方向であるときには、地方財政もその国の方針に協力しますけれども、これは、あくまでも、地方団体が必要とする社会資本の充実が主であって、それをやることによって協力し得るというのが従でなければならない。これが地方自治の姿であるという姿におきまして、借金財政ではございますが、それらの事業というものは、その地区にとり、一刻も早く実施せなければならぬ生活関連社会資本の充実を来たす事業であり、しかも、それが、後年度の、地域的な利益のみ及ぼすものに限定されなければならない。その意味で行政をやっていただかなければならぬ。そうすることによって、いま山口さんが御指摘になりました水ぶくれの借金政策も意義があったということになるのでなかろうか。かように思いますので、財政運営の面におきましては、そういった運営をさせていただくことによりまして、御批判にこたえるだけの地方自治の運営をやらせていただきたい。かように考えております。 大蔵大臣もやっておって何事かということでございましたが、この点、まことに答弁のしようがないのでございます。実は、私、この点は、どういうふうな委員会の席上でそういう話をいたしまして、はたしてよいかどうか、あるいは御批判の点もあろうと思いますが、私、水田大蔵大臣が日米会談で渡米中に、臨時代理を仰せつけられ、たまたま予算の編成中でございまして、大体、予算の骨格は、年末の十二月三十一日、両大臣の折衝でいたしましたけれども、なお重要なる点において未解決の問題が多々ある。しかも、大蔵省との折衝において、せなければならないことも山積しておるような状態でございましたが、私が大蔵大臣になりましたときに、地方自治関係については、臨時大蔵大臣として一言も申してもらっては私たちは困ります、その立場だけを堅持して、どうか存分に臨時代理として働いてくれ、というのが地方自治省の幹部の方の私に対する助言でございました。私、まことにありがたいと思いました。ほんとうに、部下を、そのときほどありがたいと思ったことはございませんでした。こんなことをこの場で披露してよいかどうかは疑問でございますが、この点だけを御披露させていただきますが、そのような立場で臨ませていただいたわけであります。
○加藤説明員 山口先生の御指摘の財政運営の問題でございましたが、ことし、地方財政の問題をいろいろやっておりまして、やはり、歴史的に回顧をしてみなければならぬのではないかと思いまますと、おっしゃるように、公債あるいは地方債というようなかっこうにどうしてもなっていくんではなかろうか、そういうかっこうで民間部門の資源を公共部門に引きつける、それが同時に全体の経済を高めていくんではなかろうか、というふうに思うわけでございますが、今後どういうふうになっていくのか……。ですから、均衡財政的な考え方で考えますと、税収あるいは経常財源で財政需要をまかなうほうが健全であるという考え方があるわけでございます。国家経済と家計との相違もあるわけですが、均衡財政の考え方は、戦後のああいう段階では非常に大きな意味を持っておったというふうに思うわけです。地方財政につきましても、おっしゃるとおり、九千億のうち相当の借金財政をやっておるわけでございますが、そういうかっこうで景気浮揚をやり、あるいは地域住民の種々の需要にこたえていきたい、それは、回り回って、また、全体の水準を引き上げ、公債も地方債も償却されていくのではなかろうか、というふうに思うわけでございます。
○山口(鶴)委員 聞いたことを答えないで、聞かぬ、承知しているようなことを長々お答えになられたので、たいへん不満であります。私は、何も、ドッジ時代の均衡財政をやれというようなことを言ったつもりはございませんし、そんなことを強調したわけじゃないのです。しかし、問題は、たとえば地方債計画を見ましても、総額一兆七千二百七十八億円、このうち政府資金が九千六百億円、それで公募資金が七千六百七十八億円でしょう。そして、財政投融資計画五兆六千三百五十億円、このうち郵便貯金あるいは国民年金、厚生年金等の政府資金を見れば、たしか、四兆三千億円くらいになっておったと私記憶しますが、そういうときに、地方債のうちたった九千六百億円。率にいたしまして、地方債計画のうちの五五%でしょう。去年は、政府資金の率は六〇%だったですよ。したがって、もっと質のよい政府資金を充当する努力を大蔵省は一体なぜしないのだ。政府資金四兆三千億円も握っておって、地方に対して、九千六百億円しか、その政府資金を配分しない。それからさらに、公債政策にわが国財政が入ったのは、私と選挙区が同じ福田さんが、昭和四十年、財政新時代と称して、公債発行に踏み切られた。それについてはいろいろ議論もあります。しかし、とにかく、景気が悪くなったときに、いわば財政需要、公共投資でもって景気浮揚策をとる。そういう面から需要の喚起をするということが、とにかく国の財政的な見地から必要だということを、私ども、決してまっこうから否定しているわけじゃありません。ところが、国は、昭和四十年から公債発行に踏み切ったのでしょう。ところが、地方はどうかといえば、これは、終戦以来ずっと、起債でもって苦労しながら、借金財政でやってきておる。そういう違いというものがあるじゃないか。ですから、地方というのは、国が健全財政をやっているときですら、起債でもって、借金でもって苦しい運営をやってきた。そして、現在も相当なものを起債にたよらざるを得ない。しかも、その質は、先ほど指摘したように、決してよくはない。ですから、私があなたに聞いたのは、そういうことを十分承知の上で――たとえば、千六百億円は財投からの借り入れにしましたけれども、少なくとも、あれを一般会計で見るとか、国が公債発行いたしましたうちの相当部分は税収が落ち込んだためでしょう。税収が落ち込んだ分の公債分については、これは、三二%分を一般会計から交付税会計に繰り入れることによって、借金ではなしに、現在すでに――過去においてずっと地方債でもってまかなってきた苦しい地方財政、そういうことを考えれば、当然、一般会計からの繰り入れでもって、この八千億円の相当部分を見てもよかったのではないか。私は、自治省の幹部の職員の方が、渡海さんが大蔵大臣を自治大臣と兼ねてなったときに、あまりさもしいことをするなよという有益な進言をしたことは、自治省のお役人の方々は、その面では非常にりっぱだったと高く敬意を表しますが、同時に、それだったら、片方の大蔵官僚のほうは、渡海自治大臣や、あるいは自治省のそういう状況というものぐらいは推察をして努力をしたっていいんじゃなかったかということを私は聞きたかったんですよ。その点どうなんですか。
○加藤説明員 若干舌足らずでございましたが、まず、地方債を発行すると苦しいという点でございますけれども、やはり、資産見合いの財政需要、あるいは、将来に回り回って税収の増をもたらすような経費につきましては、公債なり地方債でやっていいのではなかろうかというふうに思うわけです。問題は、その割合が問題になるだろうと思いますが、本年の特別会計の借り入れ金、あるいは地方債、こういうようなものは、将来、地方財政の力から見てどうであるかということになるかと思いますが、普通会計ベースで見ましても、必ずしもそんなに大きなウエートにはなっておりません。そんなふうに思うわけです。 それから、先ほどの、自治省の幹部が臨時大蔵大臣に進言されたという件ですが、これは、われわれのほうも、その意を体しまして、できるだけのことをいたしたつもりでございますが、自治大臣・臨時大蔵大臣からは、大臣がおっしゃいましたように、自治省の予算について、これっぽっちもわれわれのほうに御指示はございませんでした。まことにごりっぱであるということで、先ほど大臣がおっしゃいましたように、経常財源五千億円のつらい中を、全体の財政需要とのからみもございますが、地方財政困難のおりからということで、両省移管折衝は二十数回に及んだわけでございますが、非常な議論をやりまして、両省それぞれ全力を尽くしたというふうに私は思っております。
○山口(鶴)委員 地方財政計画が、二月十八日に閣議決定になりまして、その翌日、あるいは翌々日の新聞は、いずれも社説で、地方財政計画の問題を取り上げていますね。私は、何も地方債を否定しているわけじゃないんですが、ただ、四千九百億の地方債の発行のうち、三千五百億円は、当然措置すべきものができなかったから、いわゆる財源不足の穴埋めとして、三千五百億は水増ししたわけでしょう。そういうものは、私は、一般会計から入れるのがほんとうだと言っているんですよ。そういう意味で、過去において、借金、いわば起債でもって苦しい地方財政運営をずっとやってきた自治体というものに対する十分な配慮というものも足らない。ですから、いずれの歳出を見ても、みんな水ぶくれの借金財政であって、地方財政の危機は深まったとみんな書いているじゃないですか。そういうことを私は言っているわけなんでありまして、そういう意味では、大蔵省の皆さん方の地方財政に対する配慮が足らない。せっかく自治省や渡海自治大臣の態度がごりっぱだと敬意を表するならば、口で言うんじゃなくて、態度で、予算の内容で、そういう気持ちをあらわしたらどうかということを実は申し上げたかったわけであります。このことは、あとでまた、交付税の審議で十分いたしますから、きょうはこのくらいでやめておきましょう。 最後に、幾つかお尋ねしたいと思うんですが、一つは、農地のみなし課税の問題であります。きょう、本会議で、わが党の山本委員が質問をされると思うのでありますけれども、ともあれ、自局党の内部におきましても、大石さんを小委員長とする委員会ができまして、いろいろこの問題について検討をしておるようです。この地方税法改正については、昨年官民党だけの賛成でお通しになった法案です。社会党、公明党、民社党、共産党、いずれも反対をいたした経過があるわけであります。私どもにすれば、いまごろ小委員会をつくってばたばたするのはいかがかという感じがいたさぬでもないのですが、そういうことは抜きにしてお尋ねしたいのは、とにかく、この市街化区域の線引きが行なわれて、そして、多くの地方団体は、昨年、地方税法改正に伴う条例改正を行ないましたが、しかし、昨年、条例改正を提案したにかかわからず、否決をされ、あるいは、継続審議になっております地方団体が五十団体。それから、昨年は上程をしないで、本年の三月議会に上程をするという予定が約百団体ございます。したがって、百五十にのぼる地方団体、当該の議会が、この問題については、非常に苦労をしておられるわけであります。わが党といたしましては、新聞にも発表いたしておきましたが、一つの考え方を一応まとめまして、近く、地方税法の改正案として御審議もいただきたいと実は思っておるわけでありますが、その内容については、党それぞれ御意見もありましょうから、何も、私どもの案でなければいけないという、きわめて融通性のない態度を私どもとっているわけではありません。私、ここで、大臣に聞きたいのは、少なくとも、三月の議会は、それぞれ残っております百五十は、いろいろな意味で問題のある団体だろうと私は思うんですね。したがって、少なくとも、この百五十の団体が、三月の市会あるいは町会等で条例の審議をするのに間に合うように、何らかの形で、この農地のみなし課税の問題については方針を出すことが地方に対する親切ではないか。私は、かように思うんです。この点、大臣はどのようなお考えがありますか。お聞かせをいただきたいと思うんです。
○渡海国務大臣 市街地の問題につきましては、各市町村で、そういうふうな問題に当面して苦労しておられるということは、いま御指摘のとおりでございます。個々の市町村につきましては、あるいは県を通じ、あるいは直接相談にお見えになるところには、およそのことを指導をしながら今日に至っておるのが実情でございます。ただいまのところ、各地方団体の八割近くのものはすでに条例になっておりますし、そうでない部面におきましても、告示という段階に入っております措置に対しましては、ほとんどの団体がやっていただいておるというのが実情でございまして、私は、昨日の予算委員会で、和田委員の質問にも答えましたように、ぜひとも実施に移していただきたい、かように考え、また、その方針には変更はございません。 と申しますのは、御承知のとおり、昨年度、当委員会におきまして、十分御審議願ったのでございますが、本問題、市街地の地域に一度にこれを実施するということは非常に困難でございまして、段階的にA、B、Cと分け、また、しかも、分けましたA、B、Cにおきましても、それぞれ年度別に徐々に増加していくというふうな、きめこまかい法案の内容になっております。しかし、実施にあたりまして、なお各団体から出ておりますような問題、また、各地方で起きておりますような困難性、これは十分検討もしなければならないと思っております。しかし、本年度実施いたしますいわゆるA農地、この分に対しましては、評価に対しましても、二割だけ増税するという案になっております。したがいまして、本年度はぜひとも実行に移していただき、このA農地の中で、いま御指摘になっておりますような必要やむを得ず措置せなければならないような問題がもし起きましたら、極力、行政指導の形で、万遺漏なきを期せるように、慎重に実施に移していきたいと思っております。これらに対する正式な行政指導的な統一見解というものを、早急に、本日の本会議、あるいは、同時に付託になってまいります当委員会等の御意見もよく聞きまして、早々にきめて、いまの波乱を避けて、スムーズな徴税が行なわれますように持ってまいりたいというのが現在の私の心境でございますので、何ぶんともに御協力を賜わりたい。かように存じております。
○山口(鶴)委員 結局、地方自治体は非常に困っておるだろうと思うのですね。というのは、税法は昨年通った。それで、告示の手続もしなければならぬ。ところが、一方におきましては、まあ、自民党だけの賛成で通ったのでありますが、自民党内部で、いま、みなし課税の問題については、一体どうするかということでいろいろ議論がされ、毎日のように新聞にいろいろな案が出ておるわけですね。片や、私ども、反対している立場はございますけれども、しかし、現実に処理する方法は、一体どうしたらいいかということで、私どもの党としては、一応の考え方を出しました。社会党以外の各野党の方々も、昨年反対されたという経過もございまして、それぞれのそういう立場からの御態度であろうと思いますが、そういたしますと、一体これはどうなるものやらということで、地方団体とすれば、非常に心配をされる。したがって、このことについては、一つは、公有地拡大推進法案、これは、やがて私どもが審議をしなければならぬと思うのですが、一つの、自治体の先買い権というものを強化する。私どもは、これは賛成です。どうも、四週間凍結するというような案では不十分だと思っておりますが、そちらは強化をする、しかし、現実に営農を続ける、また、都市に緑地も必要だ、あるいは、都市における生鮮野菜の供給も必要だ、という観点で、配慮ある措置も一面必要ではないのかというふうに考えております。ともあれ、そういう状況でありますから、地方税法の審議は地方税法の審議といたしまして、別途に、現在非常に苦労しておられる地方自治体というものを考えて、私は、やはり適切な措置をとる必要があると思います。この点は、大臣からも、それにある程度近いお答えがございましたけれども、ひとつ、委員長にもお願いをいたしまして、地方税法の審議中、別途に理事会等を開き接して、そうして各党の御意見も十分聞いていただく中で、この扱いについては十分対処をいただきますようにお願いをいたしたいと思うのです。自治省としても、十分その点を配慮しながら対処いただくことをお願いしたいと思いますが、いかがですか。
○渡海国務大臣 私、四十七年度からは出発さしていただきます。また、各農業団体からも、いま山口委員御指摘になりましたような意見の出ておることも事実でございます。A農地の分につきまして、現在の法律を修正せなければならないかどうかというふうな問題につきましても、あると思いますが、私たちは、四十七年度のA農地に関する限りにおきましては、御指摘になりましたような分は、行政指導で、きめこまかい指導によって十分行ない得るという姿でございます。 ただ、その行政指導の統一的な見解として、一刻も早く各自治体に、いま、個別的には行なっておりますけれども、出すという必要性は、いま山口委員が述べられたとおりでございます。時期も逼迫いたしておりますので、早急にそういう指導をし、一日も早く、本年度の徴税がスムーズに行なわれますように持っていきたいと考え、その統一的な見解を出すにあたりまして、幸い、地方税法を当委員会で審議をしていただきます時期に当たりますので、その際十分御連絡をとらしていただき、委員会の意思も十分しんしゃくさしていただきまして、もし、必要であれば、行政指導の部面におきますところの見解をお示し賜わればまことに幸いである。かように考えます。
○山口(鶴)委員 これで終わりますが、最後に、立川の自衛隊の、真珠湾攻撃にふさわしいような強制移駐がございました。この問題は、当該の立川前を含めた東京都の知事も、反対しておられる。それから、当該の立川市長も反対をしておられる。新聞等の報ずるところによれば、地域住民も八割以上反対の意思を表明しておられる。そういうように、住民がこぞって反対をし、自治体の長も反対をしておられるという状況に対して、自衛隊が、国の機関だとはいうものの、強制移駐、真珠湾攻撃と同じようなことをやるということは、私は、地方自治という立場から見て、きわめて遺憾なことだと思うのです。国の機関が設置されるかどうかという場合には、当該自治体の意向を尊重するそれなりの手続というものは、私は、やはり必要だと思うのです。そういった、地方自治という観点に立っての大臣の御所見を承って、一応質問を終わっておきたいと思います。
○渡海国務大臣 地方自治体に国の機関の設置その他が行なわれます場合、地方自治体の意思を十分尊重せなければならないことは、いま御指摘のとおりでございます。私も、できるだけこれが合致し、住民の意思に沿うたそれらの機関の設置が行なわれるということを望んでおるものでございます。しかしながら、国防と申しますか、そういった問題は、大きな国の見地からも考慮すべき問題であり、地方自治体の意思がそのまま実行に移せ得ない場合もあり、そこらに問題の生じてくるものが起こることがあり得るのじゃないか、かように考えますが、いま、山口委員御指摘のような姿で運んでいくのが本来の筋でございますし、地方自治体のあり方でもあろうと思いますので、政府といたしましても、十分住民の御理解を願うよう、今後ともに話し合いを続けていくという方針で、現在、御協力を求めるようにお願いするという姿で対処いたしておりますので、御指摘がありました点は、十分頭に入れながら、今後とも関係各省に御折衝を賜わりますように、私からもお願いしておるような状態でございます。
○山口(鶴)委員 既成事実をつくってから話し合うというのじゃ、地方自治尊重にはならないということだけ申し上げておきましょう。
○大野委員長 桑名義治君。
○桑名委員 今年度は、地方自治体にとりましては、実に最悪の年であろう、こういうふうに考えられることは、だれもが一致した意見だと思います。そこで、地方財政計計画に基づくいろいろな問題点につきましては、また、交付税のときにいろいろと質疑をしたいと思います。そこで、きょうは、過疎の問題、それから公営企業問題、それから国鉄の赤字に対する地方負担の問題、この三点についてまず伺っておきたいと考えております。 過疎法が、昭和四十五年の四月二十四日から制定をされまして、約二年になるわけでございますが、はたして、この過疎法の成立は、どのようないわゆる波及効果を及ぼしたか。その点をどういうふうに自治省としては認識をしているのか。その点からまず伺っておきたいと思います。
○渡海国務大臣 過疎法が制定されまして、過疎法に基づきまして、過疎地の市町村の地域振興計画を立てていただきました。この計画は、五カ年計画でございまして、大体、市町村計画が一兆一千億になっておると考えております。それからまた、過疎地域を持つところの府県も、過疎対策といたしまして、府県の行なわなければならぬ事業について計画を持たしていただく。この計画の総計が大体九千億。合わせて二兆円の実施計画を立てて、あの過疎法に基づきまして事業を実施しておるような状況でございます。御指摘のように、二年たちまして、四十七年は、中間年次であるところの三年目になろうといたしております。大体、これは、五カ年計画でございまして、昭和四十九年までの計画になっておりますが、計画に成られておる数字、また計画の進行状況は、最初に計画いたしました五カ年計画に対しまして、順調に実施され、昭和四十七年も、この計画を四十九年までの五カ年で完成し得るような財源措置だけは行なうことができた。かように考えております。ただ、問題は、その計画そのものを実施に移しましたときに、それではたして過疎の問題が解決し得るかどうかということが問題ではなかろうか。かように私は考えております。四十七年度は、その中間の年次になりますので、これらもあわせ、実施の状態をながめて、過疎地域をほんとうになくすと申しますか、いわゆる、社会問題になるような過疎現象をなくした地域にまで振興せしめるというような見地から再検討をしていただきまして、もし、足らざる部分があったなれば、残された年度において補足していくという姿で運営に当たりたい。これが過疎法に対する現在の自治省の姿でございます。
○桑名委員 いま、大臣から、るる御説明がございました。けれども、過疎対策というものは、反面、裏を返してみると、いわゆる過密対策というふうに考えてもいいんじゃないか。こういうふうに思うわけです。過密対策というのは、結局は、人口の流入を防ぐ、これがやはり一番最初になさなければならない根本問題だと思う。そういった立場から考えた場合に、いわゆる過疎法がどういう効果をあらわしたか、あるいは、過疎法によって過疎地帯がどれほど解消されつつあるかというところに問題が一番集約されている。こういうふうに私は思うわけです。その点から見ますと、まだ、この過疎法の効果というのはほとんどあらわれていないんじゃないかとわれわれは考えているわけです。また、過疎法の、いわゆる一番目玉になっているのは何かといえば、これは、やはり、過疎債だと思うのですよ。そこで、この目玉の商品といわれております過疎債によって、過疎対策の効果がどの程度望めるのか、こういうところにも問題があるんじゃないかと私は思います。過疎法を見てみますと、別表で、「教育施設」あるいは「児童福祉施設」あるいは「消防施設」とあって、これは二分の一もしくは三分の二の補助がつくことになっておりますけれども、その他のいわゆる対策事業につきましては、十条にも書いてありますように「国は、過疎地域の振興を図るため特に必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、予算の範囲内において、」ということになっております。こういうことになりますと、この三つを除いたほかの過疎対策については、どういうふうな進行状態になっているのか。その点についてまず伺っておきたいと思います。
○渡海国務大臣 具体的な問題は、後刻事務当局から答弁させますが、いま、過疎法ができたからといって、過密との関係をながめなくちゃ問題は解決しないのじゃないか。過疎地域から人口が流出しないような生活環境をつくると同時に、人口が流出しないような、過疎地域の働く場も与えるということが一番問題の点だろうと思っております。その意味において、過密地域もあわせて考えるということはごもっともでございます。この面につきまして、農村工業導入法とか、あるいは今国会に出ております工業再配置法といったようなもので処置を進めておるようなところでございますが、過疎地域そのもので、いまのような抜本的な生活基盤、産業基盤をつくり上げることはなかなか困難な問題じゃないかと私は思っております。少なくとも、私どもが推進をはかっております広域市町村圏の中に、過疎地域が含まれておりますが、この広域市町村圏というものの一環として充実させていくことによりまして、過疎地域の、いま申されましたような根本的な問題も解決し得るのではなかろうか。この意味におきましては、広域市町村圏の振興計画というものを補完的に持って、過疎地域対策の振興対策の一つの大きな柱と考えなければならぬ。かように考え、運営に当たらしておるような状態でございます。 なお、具体的なお尋ねでございましたので、数字をもちまして、事務当局から御説明いたさせます。
○皆川政府委員 過疎対策事業は、自治省の単独としましては、御承知のように、集落整備対策というものを促進しております。また、予算的にも、十分な全額ではございませんけれども、いわばテストケースとして、なかなかむずかしい問題でございますので、ある意味の先行的な政策として取り組む方向で、ことしで二年目でございますが、その成果等については、まだ十分に申し上げる段階に至っておりません。 さらに、そのほかに、国から調査委託費をいただきまして、類型的に、こういう地域についてどういう施策を行なったらいいかという調査を進めていきたいと思っております。
○桑名委員 過疎対策については、先ほど来のいろいろな説明のあったような方向でもちろん進めていかなければならぬことは、これは、一つの方策ではございますが、過疎法というものは、やはり、農業基盤の整備ということにつながっていくのが当然じゃなかろうか。こういうように思うわけでありますが、現在の過疎地域をずっと回ってみますと、それぞれの地域の特性を生かした産物をつくるとか、あるいは別荘建設をするとか、あるいはまた、大工左官等、そういう姿で、都市に出なくても、その村に残って十分生計が立てられるというような、いろいろな方法を考えながら、この過疎対策に取り組んでおるわけでございますが、そういった市町村の努力ということは、当然なことではございますけれども、それに加えて、政府として、この対策の一番の重点はどこにあるというふうに認識をされ、あるいは、どのような指導をなさっておるか。それがやはり非常に重要な問題だと思いますので、その点についてお尋ねしておきたいと思います。
○皆川政府委員 御承知のように、過疎対策の力点をどこに置くかという問題は、なかなかむずかしい問題だろうと思います。基本的に、地域住民が定着をして、流出をしなくても十分に成り立っていけるという施策を講じることが一番大事であると思います。その点については、お話しのように、農業政策というものが一つの基盤になろうかと思います。同時に、ある程度の時代の推移によりまして、人口の流出そのものを抜本的にとめるということはなかなかむずかしい問題であります。そういう問題と、抜本対策と同時に、地域社会として、過疎地なりに、ある程度満足した生活ができるような社会づくりをする。その両面から対策に取り組んでおるわけであります。まだ、お話しのように、非常にはっきりと効果のある施策が確立されておるわけではございません。その目標を両面に置きまして、現在は、試行的な施策を行なっておる段階でございます。
○桑名委員 やはり、この過疎対策を推進していく上におきましては、当然、自治省が先達をつとめなければならぬと思います。それと同時に、農林省の関係や、あるいはまた、運輸省の関係までも波及していくことは当然のことでございますけれども、この過疎法が成立して、もう二年たっておる。にもかかわらず、どういうところに力点を置いてその施策を推進していくかという、いわゆる重点的な目玉がきまらないで、ただ法律だけが立てられても、真の意味の過疎対策にはならない。こういうふうに私は考えるわけでございますけれども、これは、一面から言うと、自治省の怠慢と言っても過言じゃないというふうに思うのですが、大臣、どうですか。
○渡海国務大臣 生活の重点。いま、官房長が、具体的な分と、根本の柱とをちょっと混同して答えたから、そういうふうになると思うのですが、私ははっきりする。いわゆる生活基盤を確立さす。過疎地におきましても、いわゆる過疎地と言われるような生活をしなくても済む。教育の問題。これは、大学までそこで行けるということはあり得ないのですが、少なくとも小中学校。あるいは医療の問題も、そこにいなくとも、少なくとも、生活圏において行けるような道路その他交通機関の何によって、医療の問題も解決し得るような生活環境をつくる。私たちが生活する生活基盤の根本を、過疎地においてもつくり上げる。集落の整備統合ということをわれわれが唱えておりますのも、その姿でございます。これらのことを仕上げるために、五カ年計画というものを、私たちが画一的にそれを行なうのではなくて、過疎地自身がつくっていただいて、五カ年計画が本年度三年目を迎えるのでございますが、その五カ年計画の整備に向かって私は邁進していこうと思うのであります。 しかし、それだけでは、いま申されました過疎地の根本を救えるものではない。もう一つの問題は、同時に、生活基盤の確立でなければならぬ。かように考えております。その生活基盤の内容として、農業をつくることが、基盤を確立させることが根本だ、こう言われましたが、現在の農業というものが、非常に恵まれた地帯におきましても困難な姿であるときに、限られた過疎地のようなところで、農業だけではたして確立し得るかどうかということは、農業でも、多角経営の問題、それらは、地域的な特性において確立をしなければならない。その意味におきまして、単に過疎地域だけでこれは解決する問題ではなくて、人口流出を防ぐ問題は、広域市町村圏の中において、生活基盤を確立し得るような姿をあわせて解決するような方向で持っていくことによってできるのではなかろうか、かように考え、過疎地を含むところの広域市町村圏の振興と一体となって過疎地の問題を考えることによって、はじめて過疎問題が解決するのではなかろうかという姿で、いませっかく地方団体に努力をしていただいておるのが姿でございまして、この二本の柱ができて、はじめて過疎解消ができるのではなかろうか。私は、こういうふうに考えております。その意味におきまして、五カ年計画が、自立的に立てていただきました計画が、はたしてよいかどうかということを千分に振り返っていただきたいと思っております。 生活基盤の整備ということにつきましては、市町村にまかせましても、そういったことは非常に専門的な知識も必要とする。県の指導も十分やっていただいておりますが、なかなか困難な問題も多いと思いますので、地域地域をつかまえての、特別な地域の特性を生かしていって、そういったものを専門的に指導するために、来年度の予算の中におきましては、特に、中央に、委託費をもちましてそういった専門家を養成いたしまして、指導助言をするような仕組みも、来年度の予算に組ましていただいて、指導するような方針を、わずかの予算でございますが、立てておるような次第でございます。
○桑名委員 過疎対策につきましては、今後とも鋭意努力を積み重ねていただきたいと思います。 次に、公営企業の問題でございますが、昭和四十五年度の決算によりますと、累積欠損金が二千三百六十三億円というような、いわゆるばく大な欠損金をかかえておるわけでございまして、昭和四十一年度に、地方公営企業法の改正によりまして、財政の再建措置が講ぜられてきたわけでございますけれども、しかし、依然として、年々経営状態は悪化の一途をたどっておるというのが現状でございます。そういった立場から考えますと、これは、いま、いろいろと国鉄の財政再建計画が論議をされておりますが、この国鉄の財政再建に匹敵するような、いわゆる抜本的な対策をここで講ずる必要があるのではないか。こういうふうに私は考えているわけでございますが、その点について、自治大臣はどのようにお考えになっていらっしゃいますか。
○渡海国務大臣 いみじくも、いま桑名委員から御指摘を賜ったとおり、私も同様に考えております。同様に考えましたがゆえに、このたびの予算編成のときに、国鉄の問題が議題になりましたけれども、自治大臣としては、直接大臣折衝を行なうという機会がありませんのです。しかし、これは重大だと思いますので、特にお願いをいたしまして、大蔵大臣に、自治省関係の予算の折衝を行ないます際に、国鉄の閑散線の問題は、地方自治体にとっても重大なる問題でございますので、ぜひとも、正式な大臣折衝の上の議題にのぼして、運輸大臣とともども、三者で会う機会を与えていただきたいということを申し入れまして、私から、国鉄の閑散線の問題につきまして申し入れを行ない、大蔵大臣並びに運輸大臣に御了解と御協力を約束さした次第でございます。いま申されましたように、これと同時に、地方自治体体自身も大きな問題を持っておるのだ。この問題をぜひ解決したい。たまたま、昭和四十八年度、現在進行しております公営交通事業の、先年行ないました再建計画が終了する時期に、再建計画が終了したなれば、赤字がなくなるはずのものが、残念ながら、むしろふえておるという傾向がございますので、この切りかえのときに――横浜を除く各団体は四十八年度切りかえでございますので、四十八年度のときに抜本的な対策を立てていきたいと思うということで、三省間に、私から申し入れまして、抜本改正を行なうということについて取りきめをいたしたような状態でございまして、そのようなことを行ないましたのも、また桑名委員御指摘のような、その通りの気持ちでございまして、そのように取りきめなければいけない。そのように考えた次第でございます。
○桑名委員 いま、大臣は、公営企業の中の、特に交通事業についての御指摘があったわけでございますけれども、地方の公営企業といえば、ただ単に交通事業だけではなくて、水の問題もありましょうし、あるいは交通事業の問題もありますし、あるいはまた、医療問題もあります。多岐にわたっているわけでございます。その一つ一つが、いわゆる累積赤字がふえていくということは、各地方自治体にとってはゆゆしき問題である。その中の問題を、一つ一つ全部掘り下げて、いろいろと論議をする時間がございませんけれども、先日から、いろいろと、町村をずっと回って見ますと、老人医療の無料化ということが一応実現をされて、非常に喜ばしいことだ、こういうふうな意見がまずあるわけでございますが、それに伴いまして、いわゆる公営の市町村立の病院ですね。この病院のベッド数が非常に少ないのです。老人の医療を無料化すれば、これは当然入院する患者が多いというわけですが、ところが、医師会の反対にあいまして、自由にこの公共病院のベッドをふやすことがでない。一方では赤字赤字と言いながら、一方ではそういうふうな制約をかけられたのでは、老人、医療対策というものも、ただ空文化してしまうではないか、あるいは、赤字の対策の一環として、このベッド数をふやして、そして、そういう医療する人に万全を期していくということは、いわゆる人間性の立場から言いましても、財政の立場から言っても、これは非常に重要なことではないか、こういう意見が圧倒的に多いわけですが、その点について大臣の所見を伺っておきたいと思います。
○渡海国務大臣 いま、公営病院の件と、あわせて老人医療の問題を申されましたが、私は、前に、交通問題についてそのことを申したのでございますが、公営企業全般についてそういうふうな姿であるということで、公営企業の中で、一番その問題が重点にあがっておるのが、交通事業と、もう一つあるのが、いま御指摘になりました病院事業であろうと思います。 私は、病院事業の赤字ということの一番の根本は、やはり診療報酬制度の問題であろうと思う。この国会におきまして、この問題は、法の抜本的改正というものも出され、検討を仰ぐということになっておりますが、この一貫なくしては解決することができないのじゃないかと思っております。私たちは、自分のできることとして、経営を合理化していただくということと同時に、当然、一般会計から繰り入れるべき性格のものを明確にいたしまして、それらの財源が、市町村において、十分一般会計から支出し得るような財源を処置せなければならない、かように考えて、ことしの財政計画の上におきましても、そのために、昨年にも増してこの点を充実さしていただきまして、交付税その他で措置できるように組み入れさしていただいたような次第でございます。そのこまかい数字は、財政当局から、必要によりましては述べさしていただきますが、そういうような措置をさしていただいております。 ただ、いま、ベッド数の問題がございましたが、事実、医療法によりまして、医師会の同意がなければできないという点の制約はあろうかと思います。しかし、ベッド数をふやすだけで赤字解消ができるかどうかとなると、また、ベッド数がふえること自身によって、それだけ人件費もかさばるものでございますから、規模に応じてのベッド数ということになりまして、むしろ、広域市町村圏あたりで、各市町村にある病院の、統合的な、適正なる配置その他も考えてもらう必要があり、あわせて、ベッド数等も、経営に合うようなものをつくっていただかなくちゃいけないのじゃないか。かように私は考える次第でございます。この点は、個別にそういうふうに当たっていきたい。かように思います。 老人医療の問題について、ベッドがなければ何の役にも立たぬということでございましたが、老人医療の無料化について、もし、ベッドを必要とするのであれば、そういった病院で十分役立つのか――それと同時に、厚生省の所管でございますけれども、寝たきりの特別看護老人ホームというものもございますが、あの特別看護老人ホームも、できてから、制度も目も、まだ浅いのでございますが、むしろ、今後一そうこれらを充実していかなければならない。このようなことも私は考えております。 いずれにいたしましても、老人、医療の無料化の問題は、来年度から発足する制度でございますので、市町村もこれを受けまして、その実があがるように努力をさしていただきたい。かように思います。
○桑名委員 いま、病院事業につきまして、医療保険制度の改革がなければ、これは抜本的な改革はできない、対策がとれないというようなお話がございました。これはもう当然のことでございます。そういう当然なことは一応除いて、ただ、こういう問題がまた浮き上がっているのだという、そこをいま私は述べたわけでございます。その点は誤解のないようにしていただきたいと思います。 そこで、この累積赤字の問題でございますが、抜本的に改正するためには、いま自治大臣が述べられましたような問題もございましょうし、あるいはまた、累減赤字のたな上げの処理とか、あるいは、事業運営に対する財政的な処置、こういった処置がまた必要であろうと思うわけでございますが、その点についての考えがあるかどうか。まず伺っておきたいと思います。
○渡海国務大臣 赤字公営企業に対する再建計画というものにつきましては、個別にやっております。いま、交通事業につきましては、制度そのものの非常にむずかしい問題でございすますので、いろいろの問題を抜本的に解決して、今後の再建計画の指導方針をやりたいということを打ち出したのでございますが、病院経費につきましては、現在あります普通のもので、個々に通じて、もし必要とすればやっていただいておるという姿でございまして、いま申されましたような、抜本的なものを考える意思は、いまのところ、まだそこまでは考えておりません。ただし、個別な赤字団体の再建計画というものにつきましては、現在、一般的な公営企業に対する措置によりまして、赤字団体ごとに、再建計画その他を立てていただくように指導しておるのが現状でございます。
○桑名委員 次に、個々の問題について、一、二お尋ねしておきたいと思います。 まず、交通事業のうちの地下鉄の問題でございますが、現在のような、いわゆる大都市の交通渋滞を緩和するためには、地下鉄をつくるということが大きくクローズアップされているわけでございます。昭和四十五年に、一応、国庫補助制度というものが新設をされたわけでございますけれども、この国庫補助制度というものは、いわゆる起債の償還利子だけであって、この工事費、あるいは運営上の問題についての、いわゆる補助的な役割りを果たしていないというのが実情でございます。ますます地下鉄事業も赤字を重ねていくというのが実情でございますが、道路と同じような、いわゆる国旗補助制度を検討すべきではないか。こういうふうに考えるわけでございますが、その点、大臣はどのようにお考えになっていらっしゃいますか。
○渡海国務大臣 道路にかわるべきものでないかという御意見、私たちも当時主張したのでございますが、いま、起債の利子だけじゃないか、こういうことでございますが、そうでございませんで、あの当時、運輸省の所管にはなっておりますけれども、トンネル分につきましては、そのような趣旨に基づいて、補助金も出さしていただいておる。ただ、私たちは、いまの道路にかわるべきものでないかという主張をしたのですが、それが、道路と同じに十分出ておるかどうか、その点は、今後なお、基本対策の中に補助率のかさ上げ等をしていただくかどうか、今後検討をしていきたいと考えておりますけれども、御指摘のような趣旨で、トンネル部分に対してまして、運輸省所管でございますが、補助金も出ていることは事実なんです。前にできたものに対する起債の補助という姿で、わが省から出ておるのでございます。 私、たまたまオリンピック担当大臣も兼任いたしておりましたので、たびたび札幌へも参りましたのですけれども、そのような制度のもとに行なわれましたのが、札幌の地下鉄でございます。札幌の場合は、地下だけでなく、上へ出ておるような部面も多数に持っておるのが札幌のいまの南北線でございますから、そのままが実例にならぬと思いますが、相当人員の節約等もいたしまして――私、それで、ターミナルに入りまして、実況も見てまいったのでございますけれども、現在のところ、予定どおりの経営方針で、いまの運賃で、赤字なく運営できると考えておりますということでございます。オリンピックが終わりまして、はたして計画どおりの姿で運営できるかどうか、私もたいへん疑問に感じてはおるのでございますけれども、確信を持って当局者は答えてくれておりました。これも一つの現在の制度から出したものでございますので、今後とも、その成り行きをながめていきたい。かように考えております。ただ、向こうは、非常に工事費が安いものでございますからそうなったのじゃないかと思います。 その点、工事費が非常に高く、それだけに補助金も多くなると思いますけれども、東京、大阪を中心とする、その他の大都市の地下鉄が、現在の補助金制度ではたして運営できるかどうかということは、今後とも研究していきたい。こういうふうに考えております。
○桑名委員 次に、バス事業の問題でございますが、バス事業も、地方の公営企業の中では、特に赤字に悩まされているというのが実情でございますが、その原因というものは、これはもう当然、現在のような交通渋滞の中で、、いわゆる定時制、あるいは定速制というものが失われておるというところに、いわゆる輸送効率の低下ということが赤字につながっているということも一応言えるわけでございます。また、そのためには、バス専用レーン、あるいは優先レーンの拡大、あるいは交通規制の強化、こういったことも赤字を埋めていくという対策の一環ではなかろうか。こういうように考えるわけでございます。 そうすると、ここで一番重大な問題になってきますのは、いわゆる大都市の交通行政の一元化ということが一番問題になってくるのじゃないか。そうなると、やはり、各地方自治体に、この問題に対する大幅な権限の委譲というものがクローズアップされてくるのじゃないかと思うのですが、その点、大臣はどういうふうにお考えになりますか。
○渡海国務大臣 運輸行政の一元化、これは、よく聞く研究の課題にせなければならない問題の一つであろうと思います。地方都市をあずかる自治大臣として、最も関心を持たねばならぬ問題ではないかと思いますが、この問題は、運輸行政に関する限りにおいては運輸大臣でございまして、必ずしも自治大臣が自治大臣であるべきかどうかという点も問題はありますので、慎重に取り組ませていただきたいと思います。 ただ、現在の地方公営バスの赤字対策としましては、いま申されましたような問題がそこにあることは事実でございますので、私は、特に、運輸大臣と、国庫財政を握るところの大蔵大臣に申し入れはいたしましたが、建設大臣あるいは国家公安委員長あたりの、交通規制あるいは道路の建設ということにまで及んでくるのじゃないかと思います。できましたならば、四十八年度において、それらも含めての抜本対策を、政府のほうといたしましても立てたいと考えておりますが、私は、委員会の運営に口を入れまして申しわけないのでございますが、かねがね、当委員会の委員として御活躍願いました山口議員なんかにもお願いしておるのでございますが、ぜひとも、当委員会で、当通常国会中に、これらの問題に対する小委員会でもつくっていただきまして、ひとつ御高見をお述べいただいたならば、政府といたしましても努力をいたしたい。こういうふうに考えておりますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
○桑名委員 交通事業もすでに、赤字であり、自治大臣は、直接の所管ではないかもしれませんけれども、しかしながら、地方自治をあずかっておる立場から、大臣としての意見を伺い、しかも、その大臣としての立場からこういう問題に対して取り組んでいただきたいということを要請する意味で質問しているわけでございますので、その点を御了承願っておきたいと思います。 今回は、交通事業の料金の値上げということはさることながら、上水道に対してもまた、三〇%から四〇%の値上げということを各地方自治体がどんどん打ち上げております。こういう値上げを断行するということは、もちろん、水道事業の赤字に基因していることは当然のことでございますが、それがために、上水道の補助金制度をとるべきではないかと考えるわけでございますが、この点、どうでございますか。現在、ダムの広域水道のみの補助金制度でございますけれども、これは、全面的に上水道の補助金制度を設けるべきじゃないかというふうに考えるわけでございますが、その点についての見解を伺っておきたいと思います。
○渡海国務大臣 水道事業におきましても、料金値上げを行なっておるということは事実でございますが、千五百ほどある団体の中で、四十五年度は、値上げ団体が百九十二団体、四十六年度も百八十団体くらいが料金引き上げを行なうのじゃないだろうかと見ております。このように、全団体のうち一割ちょっとこしたパーセントの団体が、人件費その他の経費の上昇に対応するため、順繰りに料金引き上げを行なうようなことになっておりますが、これはやむを得ないものであると考えますが、一つ一つ個別のものをとらまえて十分検討していかなければならない。こう考ええております。値上げのところも生じておる、実績はその程度である、ということもよく検討をしてみたいと思います。 ただ、補助金制度の問題でございますが、数年前に水需要が画期的に伸びてまいり、しかも、現在の施設を伸ばすときには、水源池として大きなダムを必要とする。そのためには、いままでのような安易な水道料金でなくして、多額の原水に対するところの費用が要るというようなことから、補助金制度を求めなければならないということで、補助金制度が認められたことは事実でございます。現在の補助金程度でだいじょうぶであるかどうかということについては検討の余地はあろうと思いますが、一応、広域水道その他の姿であかったものでございまして、一般水道に直ちに補助金制度を下水のごとく設けるというところまでは現在至っておりません。ただ、水道料金で一番われわれ問題にしなければなりませんのは、水道料金そのものの値上げよりも、水道料金そのものが非常に格差がある。基本料金が十立方メートルで千円をこえるところと、百円そこそこでまかなえるところというふうに、非常に差がありますので、そういった高料金のところに対しましては、固定資金を一般会計から繰り入れる、あるいは、起債償還に対して、一般会計からもある程度の金を入れるということによりまして、値上げをせずに、むしろこれを徐々に平均に引き下げていくというふうな措置はせなければならないと考えておりますので、これらは、補助という制度ではございませんが、これらの財政需要にこたえ得るような一般財源を地方財政計画において組ましていただいておる。こういうような姿でございます。
○桑名委員 そこで、公営企業の一つの問題点は、独立採算制の原則がうたわれておるという、そこら辺にやはり大きな問題があるのじゃないかというふうに考えるわけです。公営企業の中でも、住民に直結した事業は多いわけでございますけれども、そうなってくると、この完全な公営企業の独立採算制の原則というものが、いまや金科玉条として打ち立てられていいものかどうか。ここに、一つ、弾力性を持たした運営というものが必要になってきたのではないかというように考えるわけです。たとえば、水の問題にしましても、いまから水をどういうふうに確保していくかという問題は、ただ、単に、一つの公営企業にまかしておくべきような問題ではなくなってきたということが言えるわけでございますし、あるいは、また、都市交通にしましても、ただ単に、電車だけではなくて、バスも走れなくなった。そうすると、地下鉄かモノレールというように、交通問題にいたしましても、多角的に考えていかなければならない。一つの公営企業が、はたしてどの程度そういった社会需要に対応し得るか。こういうことを考えてくると、非常に疑問視されるような状況になってきたということはいなめない事実であります。そういった立場から、自治大臣が申されましたように、一般会計からの繰り入れを認める。言うなれば、負担区分の再検討が必要だ。この問題は、私は、早急に進めていただきたいと思うのですよ。そうして、この公営企業の、いわゆる独立採算制という一つの原則を、もう少し幅を持たせるということを、その一環として早急に進めていくことが大事なことではないか。こういうように考えるわけです。それと同時に、公営企業は、公営企業金融公庫からの融資を受けるという形になっておるわけでございますけれども、それ以外に、いわゆる国の出資金、あるいは利子補給、あるいは公営ギャンブルの交付金、そういった面からの改善処置というものもあわせて考えていかなければならないのじゃないか。こういうふうに考えるわけでございますが、その点についての自治大臣としての意見も伺っておきたいと思います。
○渡海国務大臣 私は、独立採算制というものは、いまはもう、その中で考えられなくなっておるのではないかということでございますが、独立採算はあくまで守っていただきたい。そのかわりに、公共性を有するものでございますから、経費の負担区分の合理化を徹底いたしまして、欠損が出てもやらなくちゃいけないのだという面に対しては、一般会計から出していくという姿にはっきり徹しなくちゃいけないのじゃないか。かように考えておる次第でございます。特に、公営交通におきましては、やはり独立採算制というものを堅持していただきたい。公営企業なるがゆえに赤字を無視してやらなければならないのだというものは、厳格にこれを一般会計から繰り入れていくという姿で、経営の合理化に徹していただきたい。そうでないことには、住民に対して申しわけなく、公営企業というもののあり方はそうしなければいけないのじゃないか。また、そうすることによって初めてできるのじゃないかと思っております。 こんなことを申してはいかぬのですが、私、町長のときに、水道の経営をさしていただきました。初めてつくりました。そして、翌年度、助役が私のところに予算を持ってまいりまして、一般会計から、何の理由もなくして、わずかな額でございましたが、繰り入れをしてほしい、その繰り入れがなかったならば赤字が出なければならないと言う。そういう姿でございました。私は、一週間これを拒みまして、町長在任中、助役と対立し、判を押さなかったのはこれだけでございますが、もし、赤字が出たならば、これは町長の責任でございますから、町議会に私の不明を恥じて、あやまって、町議会の了承を得て、初めて私は、一般会計から繰り入れをさせてもらうから、この分は収入でやってくれ、そのかわり、役場職員全員が、あげて収入の労力をしてくれということで、思わぬ普及率が、その年度で、計画で考えられない以上に伸びましたことによって、赤字を出さずに終わったということもございますが、私は、努力をするということは、徹底的にやっていただくのが公営企業の本来の姿ではないかとも考えております。この点は、負担区分と独立採算制というものをはっきりなにしていきたいと思っております。 なお、資金の面を、できるだけ安いコストの資金を持っていくということは事実でございますので、ギャンブルの健全化基金というものも、このために入れさせていただきたいと思いますので、今後とも公営企業金融公庫の金利の引き下げ、あるいは、弱小企業体に対しましては、少なくとも、政府債を持っていくというような運営によりまして、資金コストはできるだけ下げていくように今後ともに努力をいたしたい。かように考えております。
○桑名委員 大臣の言われることはわかるわけでございますけれども、しかし、経営の合理化努力といいましても一つの限度がございます。それと同時に、社会の変革にはやはり対応できない面も十二分にあるわけでございますので、その点で、いわゆる独立採算制の原則というものを完全になくせというわけじゃなくて、そういう立場に立ちながらも、先ほど申し上げたような、いわゆる経営上の援助をやっていくべきではないかということを申し上げておるわけでございます。経営合理化への努力ということになってくると、もうすぐに職員の給与等にはね返ってくるわけでございまして、大臣も御存じのように、地方公務員も、国家公務員も、給与の問題に対しては、毎年毎年改定されれば、一応その法律に従ってだんだん給与が上がっていくわけでございますが、公営企業の職員の給与の問題は、一年おくれたり、二年おくれたり、いろいろな姿があるわけですね。この問題は、もうたびたび論議の的になり、俎上にのぼっておるわけでございますけれども、先ほど大臣から、いわゆる経営合理化への努力というふうなお話がございましたが、いろいろだ合理化に対する努力ももちろんございましょうけれども、はね返ってくるところは、こういうところに一番すぐにはね返ってくるものですから、そうなってくるともこういった公営企業に携わっている職員の生活の保障なり、あるいは、公務員であるならば、公務員並みの給与、待遇はすべきであろうといった立場から、国あるいは地方団体の職員に準じて、いわゆる法に従って給与のベースを切りかえていく。そういう一つのシステムができないものであろうか。この点について、大臣がどういうふうな姿勢で臨まれようとしておられるのか。その点を伺っておきます。
○渡海国務大臣 桑名委員も、何と申しますか、独立採算制に対して、私の気持ちはわかると、ただ、もう少し幅広くと、たまたま、処置のしかたについての、具体的な問題についての考え方に触れたわけでございますが、もちろん、公営企業体に勤務しております者も、地方公務員であるということは事実でございますが、私は、地方公務員の本来の給与のあり方と、公営企業に従事しておる者の給料の算定のしかたとは、おのずからやはり区別をしていただかなければならぬ問題ではないか。やはり、公務員の給与の姿というものも参考にしなければなりませんが、同時に、公営企業体であるということから、同種の企業に従事する方々との給与の均衡、その差がどうなっておるか、あるいは経営がどういうふうな姿でやっておるかということもしんしゃくしてやるべきものであって、地方公務員のいまやっておりますような、国家公務員のベースアップに準じていくという姿とはやはり切り離して考えていかなければならないのではないかと考え、そのような指導をいたしておるのが現状の姿でございます。
○桑名委員 では、大臣は、そういう姿が最も妥当な姿である、こういう姿を別に是正しようとは思わない、こういうことですか。
○渡海国務大臣 少なくとも、そうあることが当然であり、そうせなければならない。それが現実にでできなかったら、ほかの部面からそれができるように持っていかなくちゃならないのじゃないか。かように私は考えておるわけでございます。
○桑名委員 したがいまして、そのほかの部分から完全に補てんをして、地方公務員並みの給与ベースに乗せてあげることが、至当ではないかということを先ほどから言っておるのです。
○渡海国務大臣 地方公務員並みと言われる点には、私はちょっと差異がございます、いま申しましたような姿で、給与が非常に不合理な給与になっておる、こういうものなればいけないということでありまして、私は、地方公務員並みに、それに従って上げるという説には必ずしも同意しがたいのでございます。
○桑名委員 では、この問題はまた別の機会に譲ることとしまして、時間がございませんので、国鉄の財政計画と地方負担の問題についてお尋ねをしておきたいと思います。 運輸省は、国鉄の財政再建のために、その赤字を、いわゆる閑散線については、五年以内に撤去するか、地元の希望があるならば、その路線については、地方団体もその赤字の一部を補てんしてもらいたいというようなことになっておるわけでございますが、これは、どういう割合で負担をするようになるわけですか。それと、もう一点は、そうした場合の積算は、どの程度が地方負担になるであろうと考えておられますか。まず、運輸省からお尋ねをしたいと思います。
○秋富政府委員 お答え申し上げます。 国鉄は、御承知のように、いま、たいへん財政上の赤字がございまして、これにつきましては、まず、第一に、国鉄自身の企業努力ということが根本でございまして、この点につきまして、さらに、増収計画あるいは経費の節減ということを進めていかねばならないわけでございますが、同時に、いわゆるばく大な長期の利子負担がございまして、この点につきまして、今回、四十六年度末におきます政府管掌債並びに政府保証債につきまして、国として財政的に援助を願うとともに、十カ年間に約一兆円の出資。今回は六百十六億でございますが、この出資をいたしまして、体質の改善をはかる。あるいは、今後におきます工事につきましても、四・五%までの利子補給。こういうことをいたしているわけでございます。 ただいま先生の御指摘にございました地方閑散線につきまして、これは、道路の整備に伴いまして、旅客、貨物ともに、その利用が減じてまいっておりまして、なお、自動車とのランニングコストを比較いたしました際に、自動車のほうが国民経済的に見まして有利であるといった路線につきまして、運輸大臣がこれを認定いたしまして、それにつきまして、国並びに地方からそれぞれ補助をいただくことになっておる。こういうわけでございます。国といたしましては、その赤字額の半分、地方といたしましては、赤字額の三分の一をそれぞれお願いする。こういうふうに考えておる次第でございます。
○桑名委員 そうしますと、先ほど質問をいたしましたが、どのくらいの積算になるわけですか。地方負担分が。
○秋富政府委員 一応、地方負担分といたしまして、五十億ばかりお願いいたしたいと思います。国が七十五億、合わせまして百二十五億と考えております。
○桑名委員 国鉄の赤字というのは、国の高度成長政策から生じた一つのひずみということも言えるわけでございまして、これは、全国的な問題であって、単なる赤字ローカル線だけの問題に限定をして考えることに無理があるのじゃないか。こういうように考える。それと同時に、国鉄も赤字かもしれませんけれども、閑散線のある市町村というのは、また赤字なんです。赤字といったらちょっとおかしいかもしれませんけれども、非常に財政的に困窮している。しかも、そういうときに負担をしなければ、それでは取っ払うぞというような、半分おどしのようなかっこうで、地方自治団体からこういうふうな財政貧打をさせるということにつきましては、各市町村の長に会っていろいろ話をしてみましても、猛烈な反対を実際にしているのです。けれども、負担しなければ、もう路線をのけられそうだ。そうすると、自治省やその他の各省は、いわゆる過疎地帯は、何とか繁栄の道をつくっていかなければならない。何とか立っていくような過疎対策を立てていかなければならぬ。その半面に、はしごをはずすようなかっこうになってくると私は思うのですが、その国鉄の赤字対策は一応わかりますけれども、しかし、そういうふうに、閑散線に付随している各市町村の財政が、どういうふうな状況にあるかということを考えた上でこういう案を出したのかどうか。その点をまず伺っておきたい。それと同時に、自治大臣にも、この点についての所見も伺っておきたいと思います。
○渡海国務大臣 いまの、おどしで金を取る。これは、ちょっと御理解が……。(「いや、おどしですよ。」と呼ぶ者あり)いや、これは、私の理解するところでは、この線はやめるということは、運輸行政の立場からながめて決定される。しかし、 一ぺんにやめてもらっては困る。だから、自治体の申し入れによって、三年なら三年はぜひ置いといてくださいといった場合に、はじめて、赤字になるところであるが置きましょう、それは五年に限る、しかし、五年以上はもう置きませんぞ、その間は、三分の一だけは地方も持ってください、ということになる。こういう姿でないか。私はそういうふうに理解いたしておるのでございます。 その線をやめるかどうかという点につきましては、私は、三大臣が会いましたときに申し入れておいたのでございますが、過疎地域を振興させなければならないということは、いま桑名委員御指摘のとおり、私たちも取り組んでおるのでございます。鉄道しかその足がないというふうな姿のところの路線を廃止されることに対しては、私は反対でございます。現在、運輸手段の転換期でございますから、鉄道のようなものでなくて、ほかのものでできるじゃないかというようなところは、運輸行政の上で考えていただいて、そのための足の確保をぜひともやっていただきたい。これが私の申し入れの第一点でございます。 その場合、やめるということはきまった、しかしながら、一度にやめてもらっては困る、それなら、その場合の赤字をどうするのだという場合に、三分の一だけ持ちましょう、あとは国の力でめんどう見てくれ。これが今回の制度である。こう考えております。もちろん、財政が貧弱な団体であることはもう事実でございますので、これらの財政処置に対しましては別途考慮せねばならない。自治省においても行なわなければならない。このように考えておるような次第でございます。
○秋富政府委員 ただいま自治大臣からお話がございましたように、私たちといたしましては、いかなる地域におきましても、国民あるいは住民の足の確保ということは絶対に必要なものでございますし、また、運輸政策上からも、足の確保ということは絶対に必要であるというふうに思っているわけでございまして、ただいま閑散線と申しましても、単に赤字だからというだけで撤去するというわけではございませんで、やはり、それにかかるべき足の確保、道路の整備がまず根本でございますし、さらに、その上に、輸送機関といたしましてのバスの運行、あるいはトラックの運行が確保できるということ、これがまず第一の条件であることは御指摘のとおりであります。この点は、私たちといたしましても、雪のために道路の途絶することが多いというような豪雪地帯、あるいは、今後、国家的な総合開発的なものがございまして、将来発展するというもの、こういったものにつきましては撤去する気持ちはございません。いわゆる住民の足は確保できるということを十分に考えてすべきである。こういうふうに考えております。 それから、次の、そういった地域は過疎地帯で、財政が窮屈になっておるが、そういうところに運輸省あるいは国鉄はお願いするのかという点でございますが、この点は、私たちといたしましても、たいへん苦慮しておる点でございまして、いろいろいま大臣からもお話がございましたように、自治省のほうにも私たちよくお願いしているところでございます。
○桑名委員 大体時間が参りましたので、ここらでやめなければならぬのじゃないかと思っておりますが、私の隣の選挙区のことでございますけれども、筑豊本線も、間引き運転ということで、一番困っておるのはだれかというと、やはり、住民の、いわゆる通勤者が困っておるわけです。御承知のように、筑豊方面は工場はありません。産炭地ですから、みな北九州にどんどん出ていく。そうすると、幹線になっておるのが筑豊本線ですから、それがぽんぽん間引き運転されてきますと、非常に庶民の足が困るのです。そういう過疎地帯なり、産炭地のような、特殊事情のある地域がどうも対象地域になるというふうに考えられるわけです。今後、この問題につきましては、将来どういうふうに経済の再建計画を立てていくかという、各市町村なり、あるいは県なりの開発計画を考慮しながら、当然、地元の意見を十二分にしんしゃくして計画を立てていかなければならないのじゃないか。こういうふうに私は考えるのです。それと同時に、皆さんも御存じのように、本年度は、地方財政というのは非常に窮迫をしております。それにとって加えてこの負担の問題が出てきますと、地方団体は、財政負担が交付税で算入をされていると言われましても、国税の三二%というワクは全然変わりないわけですから、財政的に窮屈になることは当然のことだと思います。だから、そういった立場からも、今回の国鉄の処置については、私たちは賛成をしかねるわけです。 私は、先日、名前は言いたくないのですけれども、国鉄のある人に聞いてみた。路線を廃止したり、間引き運転したら、幾らか財政的に余裕が出るのかと言ったら、いや変わりませんよと言う。線路がある以上は変わりませんと言う。線路がある以上は間引き運転をしても変わらない。あるいは、取っ払ったからといって、じゃ、赤字路線を廃止したならば、現存の計画の中でどのくらいの予算を止め出せるというふうに積算されていますかと言ったら、これは積算できないと言っていましたよ。おそらく、国鉄も積算していないんじゃないでしょうか。質問をすれば、それは幾らと言うけれども、積算はうそですと言っていました。できないと言っていました。第一、やめたって、廃止をすると、やっぱり人間をどこかに配置しなければならぬわけでしょう。そこの間引き運転をしますと、やっぱり線路はあるわけですから、人間はそのまま置いておかなければならぬ。人間はどこかに配転をやりますから、将来に向かって考えた場合には、幾らかは財政的に効果があるかもしれませんけれども、現時点においては、効果はそうないというふうに私は聞きましたが、そういう点について、あなたに伺っておきたいと思います。
○秋富政府委員 ただいま御指摘の、いわゆる間引き運転しても、線路がある間は余裕は出ないという点ですが、確かに、線路がございますと、保守ということはやらなくちゃいけませんし、間引き運転いたしましても、鉄道を運行する人が要るわけでございます。しかし、いま、私たちといたしましては、たとえて申しますと、旅客駅を無人化いたしますとか、あるいは、貨物駅を集約いたしまして、そこの人件費を削減するとか、あるいは、運行につきましても、確かに、ゼロになるわけではございませんが、やはり運行ダイヤの組み方によりまして、そこに置きます乗務員の数というものは減らしてきておるわけでございます。私たちとしましては、人件費というものは国鉄の経費に大きなウエートを占めておることはやはり事実でございまして、昭和五十三年までに十二万人の定員を縮減するという計画で、これは着々実施をいたしております。ただ、先生御指摘のように、そこの人をどこかに持っていくのではないかという点は、国鉄の、その人がどなたか存じませんが、それは、たとえば今度岡山まで新幹線を延ばしますとか、あるいは列車の増発、こういったようなところに増員をいたしませんで、そういったところに配置転換をやっているわけでございます。 それから、いわゆる経費がわからないじゃないかという、どなたかのお話でございますが、これはちょっと私にはいかがかと思われるわけでございます。私たちといたしましては、これは区分経理と申しまして、各線区ごとに、償却費も、収入も、支出も、全部区分いたしましてやっておるわけでございまして、たとえば、何線を、この線は幾らかということは、地元の住民の方にもおわかりになるように、区分経理を四十五年度よりいたしておりまして、それぞれの数字を算出いたしております。
○桑名委員 この国鉄の問題は、最終的に大臣の御意見を伺って終わりにしたいと思います。
○渡海国務大臣 国鉄の問題は、その廃止の決定にあたりましては、いま申しましたように、足の確保ができるように十分配意し、鉄道しかなにができないというふうなところに対しては、地方自治体の意思を十分いれまして、廃止を早々には決定しないという方向で運営していただきたい。このように私は考えておりますのと、もう一つ、廃止が決定しましたところで、なお数年間存続したいというところに対する経費負担の問題でございますが、これはできるだけ地方団体の財政状況を勘案しながら、それによって財政運営を困難におとしいれないように財政的な処置をいたしたい。かように考えております。
○桑名委員 終わります。
○大野委員長 この際、暫時休憩いたします。 午後一時四十五分休憩 ――――◇――――― 午後三時八分開議
○大野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 地方自治、地方財政及び消防に関する件について質疑を続行いたします。門司亮君。
○門司委員 これは、先に大蔵省に聞いておきたいのだが、大蔵省、だれが見えているかな。――主計官に聞くのも少し酷かと思うが、ことしの財政計画を見てみると、先ほどの本会議で、同僚の山木君からお話のありましたように、非常に基盤が脆弱な上に立っているということは、これははっきり言えるのである。基盤強化をしないで、その脆弱の上に立って、そして、いいか悪いかは別にして、たとえば交付税にしても、千五十億、何か妙な形で持ってくるというようなこととで一応カバーしておる。そして、との率の伸びは、大体、昨年度から二一%。ちょっとしか伸びていない。それから、その次に出てくるのが借金であって、借金も、先ほど大臣の答弁もございましたが、あの答弁数字はいささかどうかと私は思っておるのだが、三千億ばかりふえたからといって、これは非常に少ないのであって、借金のふえ方のほうは、去年よりも一〇九・八という、倍以上ふえておる。去年が総額四千六百億ぐらい。ことしは九千幾らということで、倍以上ふえている。だから、三千億ばかりふえたからといって、去年のふえ方よりもはるかにことしのほうがふえている。こういうことですが、非常に脆弱になっている。この脆弱な点を大蔵省がどう考えているかということです。そして、税収を見てごらんなさい。七%しか伸びていないでしょう。税収は七%しか伸びておらない。交付税も、千五十億を入れて、そして借り入れ金が千六百幾らかあるはずでしょうが、これを入れて、わずかに二一%しか伸びていない。借金は倍以上ふえている。この、地方の財政の脆弱性を一体どうお考えになっているかということを、私は、大蔵省にはっきり聞いておかなければならぬ。できれば、大蔵大臣に、腹を据えてひとつ答弁をしてもらいたいと思うのだが、どういう感じがしますか。
○加藤説明員 地方財政計画ベースで見ますと、約二兆ふえているわけでございますが、門司先生のおっしゃるとおり、八千億の対策をやりましたが、さらに、いわゆる借り入れ金と地方債を合わせますと、大きな金額になるわけでございますが、それでは、ほかに一体手があったであろうかということを考えるわけでございます。国の場合、やはり財政規模が二兆ばかりふえたわけでございますが、御承知のように、公債が前年四千三百億だったのが、一兆九千五百億と、一兆五千億公債がふえました。経常財源は五千億しかふえていないわけです。こういうような国の財源事情があるわけですが、にもかかわらず、景気浮揚と国民生活の向上という二大眼目があるわけでございますから、地方財政計画におきましても、大体二割の増、財政需要が二割増、財源が二兆ふえる。これを一体どうやってまかなうかということになりますと、国の一般財源の増が、五千億の中から約三千億を地方にさいておるわけでございますが、どうしても財政需要をそういう水準で確保するということになれば、あとは借り入れ金、地方債でいかざるを得ない。そういうのが現実かと思うわけです。問題は、これが将来どういうふうになるかということでございますが、一つは、大蔵大臣が言っておりますが、今後、今年度下期以降経済が上向くという見通しが言われておるわけでございますが、そうなれば、本年の一時的な異常な国際経済要因、国内経済要因、両方がからまった異常な事態という四十七年度だけを見ればそういうことになっておりますが、ことしの財政面からのてこ入れによって経済が上向けば、またこれは償却されていくのではないか。 それからもう一つは、当面、借り入れ金、地方債の負担が、地方財政の一般財源系統から見て非常に過重であるかどうかという問題もあると思うのですが、この点も、かりに交付税の伸びを一五、六%に想定いたしますと、この借金を償却する左での割合は〇・九%ぐらいというような数字が出てくるわけでございますが、負掛の割合から見てもそんなにひどいものではない。財源的に見まして、それから財政事情のほうから見まして、本年の措置というのはいろいろ御不満があろうかと思いますが、できるだけのことはやったというふうに考えております。
○門司委員 できるだけのことをやったと言う以外にないと思うのです。できるだけのことをやらなかったという答弁をするわけにもいかぬだろうが、ただ問題は、いま言いましたように、非常に脆弱になっておるということは事実であって、この状態が一体どこまで続けられるか。いま、景気がよくなれば、と言うのだけれども、国のほうは、景気がよくなると、これは税源の関係でわりによくなるんですね。御承知のように、税源がどうなっているかというと、比較的、景気、不景気に関係のないのが市町村の税源である。県税のほうは幾らか。事業税があるということで、多少の景気の作用を受けることは事実である。しかし、所得税と法人税というようなもの、それからさらに、酒の税金というような、景気に最も密接に関係のある税源というのは国がみんな取っているのだ。だから、景気が浮揚したからといって、直ちにこれが地方財政に幾らかよくなるとはなかなか言えないと思う。その比率は国のほうがはるかに大きいのであって、これは一々ここで数字を説明してもいいと思うけれども、あなたのほうは、商売人だから知っておるだろう。そういうことを考えると、ことしのようなとり方をしておると、一体これから先どうなるかということである。これを私ども非常に心配するわけであります。 そこで、私は、もうこれからすぐ出かけなければならぬ用がありますので端的に聞いておくけれども、来年以後の地方財政計画については、一体どういう腹をきめられておるかということであります。それは、政府の事業というのはわりあいに年度計画もきちんとしておりますし、わりあいにやりいいと思うが、地方の自治体というのは、社会資本が非常におくれておるので、たくさんの仕事を持っているということである。そこで、景気浮揚のために、財源をそっちに何らかの形でどかっとやられると、それにこたえて、地方の自治体がこれに飛びついてきて仕事を始める。岡口が非常に広くなってしまう。そうして、来年からそれが締まるということになると、これは、地方の自治体の事業には非常に大きな混乱が来るということ、非常に不経済だということが当然掛てくるのです。そういう見通しについて、大蔵省は一体どう考えているのか。来年も、再来年も、――こういう景気浮揚のためだということ自身が、私は、実際はけしからぬと思っているのです。国の景気浮揚のために地方に公共投資をやって、景気が浮揚すれば公共投資はやらぬのか。大体、政府の考え方は、地方財政を一体どう考えているのか。ここでは、地方財政ということばで言うから変なふうに聞こえるけれども、実際は、住民化活の根拠である地方の自治体の保健から、衛生から、教育の問題、道路の問題、あるいは交通災害の問題、公害の問題、すべてこれは地方の自治体が背負っているのです。だから、単に社会資本というようなことばでこれが総括されておるが、実際はそうではないのであって、一つ一つの問題が地方にはたくさんある。やらなければならぬことがたくさんある。ことし、お金がたくさんあるからといって、間口を広げてごらんなさい。来年度これが締められたら、一体どうなるかということである。私は、こういうことを非常に心配するのであって、だから、大蔵省に端的に聞いておくが、来年も、再来年も、いまと同じような財政計画の中で、一体地方の財政をふやしていくことができるのかどうか。そういうことをやる考えがあるのかどうかということである。景気が悪いから、何か地方の自治体にお金をやって、少し国民の頭をなでようなんという、そういうものの考え方がそもそも大間違いであります。やらなければならぬ仕事をやらずにおいて、そうして景気の浮揚策をやろうなんて、地方の財政、地方の仕事というのは、大蔵省の考えているような、そんな軽薄なものじゃないと私は思う。この点を大蔵省はどう考えているかということである。国といったところが、市町村の上に国があるんですよ。市町村がよくならなければ、日本の国はよくなったと言えないはずである。大蔵省は、日本の国がよくなることを一体どう考えているのですか。どうすれば日本の国の住民の福祉が得られるかということ。生活の環境整備ということばを使えば、それで一本になってしまう。しかし、その整備の中には、たくさんのお金も要るし、たくさんの仕事もしなければならぬ。たくさんの年月も必要になってくる。だから、大蔵省のものの考え方を、これは大臣に聞ければ――あなたに聞くのも少し無理だと思うけれども、一体、景気浮揚と地方の財政計画というものをどうお考えになっているかという、基本的の問題をひとつここではっきり言っておいてもらいたい。
○加藤説明員 景気浮揚と地方財政関係ということでございますが、先生のおっしゃいますように、地方財政の構造を見ますと、確かに、歳入、歳出、いずれも安定的な一部分が五、六割を占めておりまして、地方財政が景気対策としてどう機能するかということにつきましては、いろいろ説があるかと思いますが、本年の場合には、地方財政のほうでも、景気浮揚を、本来的にやるべき仕事をやるためにも、それをやれば景気浮揚になるというような考え方を自治省もおとりになったというふうに理解しておりますが、もう一つは、国が景気浮揚のために財政支出をふやすと、それが地方財政を過重負担にする。景気がよくなれば引っ込む。そうすると、地方財政のやるべきことができなくなるではないかという御指摘がありますが、この点につきましては、主として投資的な経費でありますと、いま、絶対額が問題なんであって、増加額ということで通常議論されてまいりましたが、今後、経済が、いままでのような名目で、一五とか二〇とか伸びるような時代でなくなると思うのですが、いままでに到達した水準の絶対額で見ますと、こういうような絶対額を続けていくことによって、地方の他民の公共サービスに関連する分野というのは相当充実されていくという意味合いで、その間に起こるそのときどきの景気変動の波動というものは、そこにオンされて、プラスというかっこうで行なわれていくというふうにお考えいただければ、――絶対水準と増加額の関係で考えてみますれば、国が景気対策のために公共事業をふやす、その結果、地方がしわを受ける、同時に今度は、景気がよくなると、国が引っ込んだ場合に地方が足りなくなるというような問題はもうなくなってきているのではないか。公共投資の絶対額が相当大きくなっておりますから、こういうような意味で、絶対的には、地方のやるべき財政の配分機能は確保できていく。同時に、景気調節機能のほうも、国と協力しながら吸収できていくというふうに考えておりますが……。
○門司委員 そういうお考えがあなたのほうにあるかもしれない。しかし、さっきから言うように、税の財源の配分というのは非常に悪い。ことしの地方財政の中で一番大きく伸びているのは、さっき言ったように借金です。借金が例年の倍以上伸びております。さっき言うように一〇九・八%伸びているはずですからね。それで、税収は七。二%しか伸びていない。こういう形なんですね。これでは、地方の財政が来年からよくなるという見当はつかぬのですよ。借金なんですよ、問題は。しかも、その借金の内訳を見てごらんなさい。去年の政府資金から地方に出した六千幾らかの金高というものは、かなりウエートは多いように見えるが、しかし、ことしの借金の量からいえば、私は、非常に小さいものではないかと考える。ことしの政府の計画予算書を見てみると、政府の手持ちの、いわゆる財投のお金というのが、大体五兆五千億くらいある中で、地方の実際に出てくる全部のものが一兆七千億余りしかない。そうすると、その中の、地方の今度の九千幾らという大きな内訳の中をさらに分けてみると、政府資金というのが一体どのくらい出てきているかということです。政府は、きわめて脆弱な、固定されたような税源をこっちに渡しておる。これを、今度のように借金を一ぺんにたくさんして、そして、それでまかなっていけというのなら、やはり、原資についても、政府資金が十分に使えるようにする必要があるのではないかということ、この点は、大蔵省としてはどうお考えになっておりますか。しかも、この財源は、大体、郵便貯金と、簡易保険と、早生年金というような、零細な地方住民の積み立てたお金であることに間違いはない。こういうふうに考えて、ことしの借金をする原資というものが、そういう形で、比較的高い金利のものを使わなければならぬというような形の中に置かれているということを考えてみると、いまの大蔵省の答弁は、私は、いささか納得するわけにいかない。百歩譲って大蔵省の意見を聞くとしても、借金が非常にふえているというのであるから、この借金の始末を将来どうするかという問題です。これは、地方にとっては非常に大きな問題です。これはどうするつもりなんです。このままでいけば、来年もふえるでしょう。そういう地方債に対する利子その他については、どうお考えになりますか。いまの大蔵省の答弁のような答弁なら、一つのポイントとして、地方債に対する処置を十分にとってもらいたいということが私には言えると思うのです。これはどういうふうにお考えになりますか。
○加藤説明員 地方債でまかないます財政需要につきましては、先生御承知のように、地方財政法の五条に書いてありますように、資金見合いの、将来税源涵養になるような財政需要に対して充てられるわけでございますから、借金が多いということは、確かに一つの問題ではございますが、長い世代にわたって公共サービスを生み出す財政需要に対しては、相当程度いわゆる借金に依存してもいいのではないかという考え方は、国の場合、財政法四条でございますが、そういう考え方をとっておる。地方におきましても、そういうような考え方がとり得る。もちろん、国債の場合と地方債では、償還の状況なり、条件なり、差がございますので、その辺が問題かと思うわけでございますけれども、まさに、先生がおっしゃいましたように、地方債計画におきましても、本年は、一兆七千億の総規模に対して、九千六百億と、確かに、政府資金の比率は落ちておりますが、同時に、市中の地方債マーケットは、金利が低下傾向にございます。それから、特会の借入金の千六百億につきましては、利子は一般会計が食掛することになっております。国といたしましては、地方の借金に対して、利子負担の面でも、あるいは償還計画の面でも、年々の地方財政の負担が平準化されるようにいろいろな措置がとられております。ですから、借金が必ずしも全部が悪いということではなくて、そのやり方が問題だろうと思うのですが、そういうような利子負担、あるいは償還のあり方、あるいは財政力と比べた負担割合、こういうようなものを考えていきますと、本年とった措置というものは、御心配になるように、将来非常に禍根を残すのかどうか。これは、もちろん、経済の動向が第一でございますけれども、できる限りの議論をやってセットしたものでございますので、必ずしも御心配は要らないのではないかというふうに思っております。
○門司委員 大蔵省から見れば、そういうことを言う以外にないだろうと思います。心配だというわけにいかぬだろうと思いますが、われわれのほうから見ると、非常に心配になるので、借金だけがずっとふえてきて、そうして税収はほとんど伸びない形がおそらくとられる。 それから、もう一つの問題は、さっき言いました償還の問題についても、政府資金である場合には、ある程度償還年限も長いし、利息も大体六分五厘というようなことになっておるが、償還年限の短い市場債、あるいは縁故債、あるいは公募というような形でとってくると、私、いまここにこまかい数字をちょっと持っておりませんが、これの割合をずっと調べてくると、容易ならぬものが出てくるという感じは、これは、実際は、自治大臣も同じことだと思うのです。同じような気持ちにならざるを得ないだろうと思う。 そこで問題になってきますのは、地方の財政と、地方の住民の将来の環境整備を十分にお考えになるということが国のこれからの仕事だと私は思っているのです。いままでは、経済成長だけに一生懸命になっておったからこんなかたわの世の中ができたのでありますから、実際日本の行政はかたわですから、経済力はばかばかしく伸びているけれども、人間の文化生活は一体どれだけできるかというと、東南アジアあたりの低開発国より少しはいいかもしれないが、先進国とは言いがたいということであります。この政治上の、あるいは行政上の大きなアンバランスを一体どこで埋めるかということは、主として、地方財政の健全化と、地方の自治体が十分仕事のでき得る体制を整える必要がある。そのことのためには、ことしは、景気浮揚ということばを取り除けば、いままでよりも地方財政というのはかなりふえているということはいえるわけである。しかし、政府の考え方が、景気浮揚という考え方がある以上は、われわれはどうしてもそれをまるのみにするわけにいかない。もし、景気が浮揚してきたら、こっちのほうはまた少なくなるのじゃないか、いままでと同じような冷遇をされるのじゃないか、ということが考えられる。この際、政府がほんとうに地方の自治体のことを考えておやりになるのなら――この次に出てくるのは、例の超過負担の問題ですけれども、超過負担なんというものは、ほんとうはあるべき筋合いのものじゃないはずである。ところが、こういうものがどうしても出てくる。これがなかなか直らない。そうして、大蔵省に言わせれば、極端なことを言う大蔵省の諸君は、国の定めた基準でやってくれればこれでいけるはずだ、地方はぜいたくだから、それだけよけい継ぎ足ししなければならぬのだから、自業自得であると言う。こういう妙な御答弁をする諸君もいないわけではない。しかし、地方の自治体も、何も好んで借金をするわけでも何でもないのであって、できないから、結局超過負担をしなければならないということになってくる。それと同時に、地方の自治体は、表面的の財政計画だけではなくて、これからくる公営企業その他というものは非常に大きな問題を背負っているわけです。だから、こういう点について、いままでの大蔵省の答弁では、私はどうにもならないということであります。 それからもう一つ考えてもらいたいのは、景気がこういうふうに悪くなったから、千五十億ばかり――ほかに三百六十億ぐらいでしたか、千六百でしたか、交付税の形で、ことしは幾らか恩恵的にやるようなことを考えているけれども、この交付税自体の原資になる内容を見る必要がありはしないかということ。それからもう一つは、さっき言ったように、税財源の問題をやはり考える必要がありはしないかということ。税収の伸びがどういう形で伸びておるかということです。市町村の財政の中心をなす一つの問題である土地、建物等の固定資産税は、一体何年据え置かれておるかということですよ。しかし、これは、政府が施策として上げるわけにはいかない。上げたら、一ぺんに地代も上がってきて、家賃も上がってきて、国民生活を非常に大きく圧迫する誘因になることは当然のことであります。したがって、政府が物価対策としてこれを上げることができないというのなら、その責任はやはり国が負うべきではないか。固定資産税にしても、あるいは府県税である例の不動産取得税にしても、国が取っておる相続税にしても、税法を見てごらんなさい。みんな同じように書いてあるでしょう。「適正な時価」と書いてあるでしょう。三つとも同じことが書いてある。ところが、適正なる時価で取っておるのはどこが取っておるのかというと、国と県だけなんですね。市町村は、そのときそのときの時価で固定資産税を取ってごらんなさい、物価にえらく響いてくる、こういう形で、財源があるといっても、市町村はその財源は押えられておる。昭和二十五年のシャウプの勧告によってこういうものができたのでありますが、その当時における日本の税の体系、というよりも、むしろ、現実的なものについては市町村の財政を豊かにしなければならないということで、固定資産税をここに持ってきた。だから、固定資産税の税収のウエートというものは、全体の税収のウエートより、かなり比重を増してきておる。ところが、景気のほうがずっとよくなってきて、物価が上がってきて、これを押えなければならぬというのが今日の現状である。こういう形で、地方の自治体については、税収の面で非常に大きくアンバランスが出てきておる。国は、このめんどうをどう見るつもりか。このめんどうを国が見ようとすれば、結局、いまの交付税率百分の三十二を上げる以外に手はないと私は思っております。こういうことを私どもは考えておるのであるが、これについて、一々きょうは答弁を要求いたしませんが、大蔵省として、あるいは自治省として、最後に聞いておきたいと思いますことは、こういう税の根本的の改革を行なうことが必要なる時期に、もうこの際はきておると思うのですが、そういうことを大蔵省はお考えになるかどうかということです。
○加藤説明員 昨年の財政制度審議会におきましても、地方財政問題につきまして議論をしていただいたわけでございますが、その中の意見といたしまして、毎年毎年の財政対策を議論するのではなくて、まさに、先生がおっしゃいましたような、国と地方との財政関係という問題、それを取り巻く地方制度あるいは地方行政制度、それから国と地方との事務配分の問題、それから税源の問題、こういうようなものを至急に根本から議論をしなければ、年々の財政対策だけを議論しておってもだめだというような御意見をちょうだいいたしておりまして、自治省のほうの各審議官におかれましても、そういうような御意見が出てまいっておりまして、ちょうど、平衡交付税制度ができて、平衡交付金から地方交付税制度に移りまして、かれこれもう十五、六年になるわけでございますが、いろいろな面で、御指摘のような問題点が出てきておるということはみんな承知をしております。これを、一体、どういうかっこうで、将来に向かってしっかりしたものに直していくかというような問題があります。おりおり自治省のほうもいろいろ勉強をされておりますが、われわれのほうも、自治省のいろいろなお考えを伺って、国庫当局としての立場から前向きに取り組みたいというような心づもりでおります。
○門司委員 もう一つだけ聞いておきますが、前向きにというお話ですけれども、これは、私、率直に聞いては少しぐあいの悪いところもあろうかと思いますが、いま申し上げました税の問題は、再配分するという一つの基本のものの考え方として、税と行政というのは、これはくっついていなければならぬものなんですね。本来、住民の立場から言いますと、自分たちの納めている税金がどういうふうに使われておるかということをわかりやすくするということが、やはり政治の大きな問題であると思う。そうすると、いまの交付税の税源になっておるものは、所得税と、法人税と、酒税だということになっておるが、法人税と所得税は、これは、国の一つの大きな経済政策の中から出てくる問題であって、直接地方住民の消費につながるものではない。しかし、こういうもの以外に、地方住民の直接消費につながるものに、お酒の税金とたばこの益金があるということであります。それと、財政的借金の問題からいえば、郵便貯金だの、厚生年金だのという問題がある。これは地方住民に直接つながっておる問題であります。だから、税の配分をしようとすれば、回りくどいことではなくて、直接自分たちが行なっておる行為、その行為から出ておる税金というものが、直接市なり県なりの行政に反映することのできるような体系を組むのが正しいのではないかということであります。これは、外国の例を一々ここであげるわけにはまいりませんが、わりあいそうした形が多いようなことになっておる。ことに、直接のたばこの税金というものは、州によって違ったり、町によって違ったりしていて、そうやかましく、日本のように画一的に取るわけではない。これらの問題は、いずれも、いわゆる税と、住民の消費と、地方の自治体の行政のあり方というものがよくわかるような姿で、理解できるような姿の行政組織、政治組織というものを組み立てる必要がありはしないかということであります。そういうことを考えてくると、交付税に対しても、政府のほうでは、所得税を、法人税の何%をよこせというから非常に渋い顔をされるのだと思うけれども、地方住民の直接の消費であるお酒の税金とたばこの益金というものをこっちによこせというのなら、これはあまり文句を言う筋合いではないと思うのですね。国が骨を折ってやっておる仕事ではないのですからね。国の経済政策の中から出てきておるものではないのですから、これは明らかに、直接地方住民の行為から出てきておる問題である。ですから、別にむずかしいものではないと私は思うのですよ。そういうことになると、比率がどうなりますかわからぬが、今度の予算面の比率については、はっきり数字をまだ出しておりませんから、四十六年度の予算面からいけば、交付税よりも、お酒の税金、たばこの益金を地方の自治体にもらったほうが六、七千億ぐらいふえることができるのではないかと私は思っておるのですが、こういう形で、国と地方との財源等についてもうやはり明確に区分をしていく。そうして、地方の自治体が、交付税というような形で国からお金をもらっていくという考え方はなくしていくことこそ、地方自治の一つの大きな進歩であり、独立でなければならぬと私は思います。同時に、住民の地方の自治体に対する、その行政に対する関心というものも、それによって深まってきはしないか。こういうふうに考えるのだが、これは、いまここで主計官にこれをやるかやらぬかということを聞くのは無理だと思いますけれども、私は、考え方としては、そういう考え方をする時期がもうきておるのではないかと思う。こういう問題について、これは主計官を責めてもしようがありませんから、ひとつ、自治大臣のほうからお答えを願っておきたいと思います。
○渡海国務大臣 非常に示唆に富むいろいろな御発言を賜わりまして、深く傾聴したわけでありますが、いままで申し述べられました点について、私が二、三考えましたのは、公共投資のために非常に借金財政をとって、水ぶくれしておるではないかということでございましたが、午前中の質問にも私が答えましたように、社会資本の立ちおくれということで、この点は、地方自治体にとっても非常に重要なことでございますので、私は、国の景気浮揚のために出される公共事業に自治体が協力するということにはやぶさかではございませんが、そのときの公共事業のあり方というものが、あくまでも、地方自治体の当然やらなければならないことに基づいて、地方自治体の考え方を主として、景気浮揚を従とするという考え方でこれに応ずることができるような体制であらねばならぬ。かように考えておるような次第でございます。そのために、立ちおくれておる資本のために、四十五年度を大体基本といたしまして――景気の変動、いろいろな財政の伸び方の状態等がございましょうが、昭和五十年には二十兆円、昭和五十五年には三十五兆円程度の地方財政計画になるだろうと仮定して、その十一年間に投資経費に回し得る地方財政の財源を百十兆円と見積もりまして、その百十兆円で、いま立ちおくれております社会資本のどれに重点を置くべきかというような試算をやり、これに基づいて行政の運営をやっておりますが、各自治体におきましても、そのような計画のもとに、今後の生活関連施設の充実に即してやっていただきたい。また、そのような姿のものを、公共事業による景気浮揚につきましても、国のほうにも措置をしていただけるように反映させたい。そうなりましたならば、国の公共事業による景気浮揚そのものが、自治体そのもののほんとうの意味の社会資本の充実につながってくるのではなかろうか。そのような運営をするようにあらねばならぬ。こう考えたのでございます。 地方債のあり力でございますが、門司先生も言われましたように、自治体は、非常に税の伸びが少ないのでございます。景気がよくなっても、直ちにこれがはね返らないことは事実でございますが、昨年度の税の落ち込みをながめてみましても、県は大体三%くらいの税収の伸びでとどまるという姿でございまして、市町村におきましては、大体一三%ないし一四%までの落ち込みで済んでおるという姿もございますので、地方交付税の配分にあたりましては、できるだけ重点を市町村に置きまして、市町村におきましては、そのような激変のないようにし、県において、地方債による弾力的運営を期していただく。景気の変動が、国と同様に回復し得るように、県に重点を置いて地方債の翻り振りをやっていただきたい。このように考えておるような次第でございます。 なお、借金財政で一番注意しなければならないのは、このことが起きることによって、三割自治と言われる地方自治が、国の財政によって、中央の支配で、また一そう真の地方自治ができなくなるというふうなおそれのないようなあり方を今後とも考えていかなければならない。かように私は考えておるような次第でございます。 超過負担の解消の件につきましては、これはもう当然のことでございまして、本会議でも答弁させていただきましたように、この点は、特に、大臣交渉の席におきましても、予算に明記しまして、調査をやる調査費を置きまして、確実に調査をし、これの解消をあらためて実行に移し得るように進めたいという姿で取り組んでおりますので、御了承賜わりたいと思います。 なお、酒、たばこ消費税の地方税化は、いま門司先生から示唆を与えていただいたので、将来とも研究してまいりたい。かように思いますが、ただ、たばこ消費税を現在のように本数割りに変えますときにも、都会と地方に非常に格差が出、現在のような方法で、国税によりまして、譲与税の形で分けておりますと、非常に貧富の懸隔が生ずるという姿になるのじゃなかろうかと思いますので、この点をどう配慮していったらいいかということを研究させていただき、建設的な御意見として、今後とも検討させていただきたい。かように存じます。
○大野委員長 林百郎君。
○林(百)委員 きょう、午前からの各委員の質問と自治省の答弁を聞いておりますと、財政的に地方の自治を守るという点、要するに、地方自治権を確立するという点で財政的に重要な問題を含んでおるという気が私はしてならないのであります。ということは、自治大臣までが、景気浮揚政策に協力するという意味で、本年度の地方財政計画もそういう観点に立って立てたものだというふうに言われますけれども、この景気浮揚策というのは、言うまでもなくドル・ショックがあるわけです。基本的にはドル・ショックがある。ドル・ショックはあるけれども、しかし、何も、ドル・ショックで景気の打撃を受けた企業ばかりでなくて、ドル・ショックで、三百六十円でドルを売って、変動制に移ったときに、今度三百六円で買い戻して、べらぼうな為替差益金をもうけた者もいるし、また、輸入業者は、ドル・ショックで従来よりも安く物を買うこともできる。それから今度は、政府の景気の浮揚策なるもので、一般会計、特別会計で十一兆円以上の投資を受けて、国内市場が拡大される。こういうことで、浮揚政策と聞けば、何か人聞きがいいように聞こえますが、われわれから見れば、独占企業を擁護するための、より多くもうけさせるための政策以外の何ものでもない。極言すれば、そう言ってもいいほどに考えるわけなんです。ところが、国の方針がそうだから、地方自治体が景気浮揚政策に沿った政策をやっていくといえば、地方自治体にはどういう影響を及ぼすかということを、私は、六点ばかりまず聞いてみたいと思います。 まず第一に、地方自治体の単独事業ができなくなる。こういう点が一つあると思うのです。大蔵省は、景気浮揚効果の少ない単独事業を削れば、地方の財源不足はもっと少なくなると強硬に主張した。これは新聞に出ております。自治省、大蔵百で交渉した場合、大蔵省側はこう言っておる。単独事業を縮小すれば、財源不足はもっと少なくなると誓う。そこで、保守系の首長のいる地方自治体では、四十七年度予算の編成方針の中で、はっきりと大蔵省側の主張、方針を打ち出した。たとえば、秋田県の例をとってみますと、国庫補助事業のうち、公共事業については、県内不況を克服するための景気対策として積極的な確保につとめる。しかし、一般単独事業の新規事業については、既定事業の振りかえとして、事業部局ごとに事業選択の順位をつけて整理していく。県費単独の補助金については、事業の性格、運営の実態、補助効果などを調査し、廃止削減の方向で整理縮減する。要するに、景気浮揚政策という国の基本的な政策に協力する事業には、積極的にこの事業を確保することにつとめるが、単独事業については、もう順位をつけて、あるいは既定事業と振りかえるようにして、これを縮小していく。こういう方針をはっきり言っているわけですね。三月五日付の日本経済新聞の調査の結果によりますと、歳出額に占める建設事業などの投資的経費の比率は、公共事業の拡大から、全国平均で、前年度当初の三四・七%から三五%に高まっている。たとえば、各府県を見てもそういう傾向にある。しかし一方、北海道、埼玉、神奈川、長野、静岡、愛知、兵庫、愛媛、福岡、佐賀、大分、熊本の十二県では、単独事業費は前年より減額している。こういうことが、これはもう経済新聞にも出ている。したがって、きょう自治省が主張されるような景気浮揚政策、これに協力するんだという形で、独占に利益になるような大建設事業やそのほかに協力するという方向を、地方自治体までにとらせれば、今度は、地方自治体の単独事業が縮減されていくという側面が出るということをお考えになりませんか。
○渡海国務大臣 景気浮揚が独占だけにもうけさせるんだという点、これは見解の相違だろうと思いますが、私が午前中も申し上げましたように、地方自治体が当然やらなければならない公共事業、しかも緊急を要するものを実施していただく。地方自治体のあり方は、景気浮揚だけを主眼に置いてやったのではなく、むしろ主をそこに置いてやる。また、国のほうの公共事業の今年度の予算の中でも、地方自治体が、生活関連施設として当然今後考えていかなければならない、私たちのあげております百十兆円のビジョン、これに沿うような形で公共事業も組んでいただいておりますので、私は、それが、即独占資本に奉仕するだけじゃなくて、公共事業そのものにつきましても、地方自治体の自治を尊重したあり方での予算編成に変わってきておるのじゃないか、かように第一の点は考えます。 第二点の単独事業ですが、これも、午前中にお話がございましたのですが、具体的に、それらの地方の財政運営が非常に窮屈なために、当初計画におきましてはそういうふうに組まれたのではなかろうかと思いますが、私たちの現実に組みました地方財政計画では、その点特に意を用いまして、住民に密着した事業を行なうためには単独事業こそ重点であるという意味で、昨年度の伸びに劣らないような財源を単独事業に持っていけますように組んでおりますので、具体的な府県においてそのような財政運営がされております点は、今後、運営の面におきまして、財政計画の実があがりますように持っていきたい。単独事業につきましては、その点特に注意を払っておりますので、その点とくと御了承賜りたいと存じます。
○林(百)委員 私の言うのは、景気浮揚政策というのは、もちろん、独占企業の利益を中核とした計画だというように思いますけれども、しかし、それが、かりに、あなたと私が見解が違うにしても、中央が景気浮揚政策だから、自治体もことしはこれを中核にしてやっていけということになれば、これは地方自治体の――地方自治体というのは、その地域の住民のいろいろなこまかい仕事をやりたいわけなんですから、単独事業をやりたいという非常に強い欲望を持っているわけですね。ところが、国の中央が景気浮揚政策をとるのだから、地方のほうもこれを優先的にやれということになれば、財政、間で、地方自治体の自治性というものが非常に圧迫されるのじゃないか。現に、さっき言ったように、十二道県では、もう、単独事業費を前年より減らさなければならない。秋田県では、順位をつけて、単独事業のほうは縮減する方向をことしは考えなければならないと言っているわけなんですから、景気浮揚政策がことしの地方自治体の財政政策の中核を貫く基本方針だというようなことをあなた方がえらく強調なさるということは、私は、好ましくないと思うのですよ。やはり、地方自治体の独自の立場をどのように尊重するか、中央はそういう政策をとるが、地方自治体は地方自治体なりに、憲法で保障されている地方自治権をどのように確立していくかという側面に自治省が立たなければ、私は、自治省の本来の立場にならないと思うのですが、どうでしょう。
○渡海国務大臣 そのことをたびたび申しておるのでございまして、林さんの言われるとおりでございます。林さんが、私の言うことを、景気浮揚――しかし、私は、景気浮揚も、自治体が地方自治をそこなわずに行なうのだったら、当然、国の基調と協調してやるべきものであると言うておるのでございまして、地方自治のことも考えずに、ただ、国がやるんじゃから国の景気浮揚をするという姿であってはならぬ。こういうふうに申しておるのでございまして、ことし地方自治体が行なうところの公共投資というものも、そういう姿で――だから、地方自治ということを考えてやる公共事業そのものが、国の景気浮揚という政策にも合致したものだ、主は地方自治なんだ、こういうことを午前中も答弁させていただいたのであります。 それから、単独事業の面でございますが、単独事業の面がそのために圧迫されるというふうなことのないように、財政計画では、昨年度と同じだけの財源を与えるように組んでおるつもりでございます。端的に、それらの府県で、現在の当初予算の組み方がそういうふうになっておるのでございましたら、よく見せていただきまして、事業計画も見せていただいて――昨年度におきまして非常に赤字を出しておられる、昨年度単独事業をやり過ぎたというふうな姿で、あるいはそういう現象がここに起きておるのじゃなかろうかと思いますが、地方財政計画のもとにおきましては、昨年度に劣らないだけの単独事業費を計上させていただいた。こういう姿でございますので、御了承賜わりたいと思います。
○林(百)委員 地方自治体を主としての公共事業を進行させる。そして、それがたまたま国の浮揚政策に合致するという側面があるならば、そういう側面を拡大していくのだ。自治大臣はそう答えているのだから、それならそれで、次の問題に移っていきたいと思います。 それから、さっき言った十二府県が単独事業費を減らしておりますが、これを自治省がその後どう指導なさるか。それも今後の問題として見ていきたいと思います。――答弁ありますか。時間がないので、あったら、簡単にやってください。
○鎌田政府委員 私どものほうでも、二月末現存で、各県の予算の編成状況をこういうふうに調べて分析をいたしております。まだ十分行き届かないところがありますけれども、交付税と地方債の――後ほど御審議いただくことになると思いますけれども、たとえば、いま御指摘になりました秋田県あたりですと、地方債の見込みを非常に少なくし、ておるようでございます。でありますから、当然、それに見合う単独事業というものを抑制されていることと見合いながら、今後の追加財源というものを、そういう意味では留保をしておられるのではないだろうか。こういう感じで、いま、この数字を見ておるところでございます。私どもといたしましては、先ほどから大臣がるるお答えしておりますように、単独事業は、こういう苦しい財政の中にあっても、例年並みの伸びを確保しておるわけでございますので、住民の生活に直結した単独事業というものについては、これはもちろん地域住民の選択の問題でございますけれども、十分やれるだけの財源は確保しておる。こういうことでございます。
○林(百)委員 それでは、次の問題に移ります。 借金財政ということについて、大蔵省側では、いやそれは借金財政ではないというような反駁もあるわけですが、私は、地方自治体の立場から立ってみれば、本年度のこの多額の地方債の発行計画は、将来、地方自治体の財政にに大きな圧迫を与える、赤字・借金財政は一つのガンになるのではないかというふうに思われるわけです。それは、地方自治はドル・ショックとかなんとかいうものには責任がないわけなんですね。はっきり言えば。それが不況になった。政府は、自分の責任で地方財政の危機を招くような事態を起こしておきながら、それを打開する措置を良心的にとったとはほとんど見られないような状態のもとにおいて、そして、地方自治体の借金でこれをまかなおうとしている。たとえば、来年度の地方債の発行額は、御承知のとおりに一兆七千二百七十八億円ですが、それだけではなくて、多くの地方自治体では、各種の地方公債の形で、大きな借金をし、また、債務負担行為が増大しているわけですね。これらの元利は、すべて地方自治体の将来の収入の中から返済していかなければならないものなんですが、このようにして、地方自治体は、借金で首の回らないような大きな負担を負うことになるわけなんです。その返済の分が、地方自治体の財政支出額の八%とか、あるいは何%と言いますけれども、しかし、事実上は、そのほか、縁故債もあれば、いろいろありまして、いま、地方債の返済というのは、相当大きな圧迫を地方自治体の財政に与えていると思うのです。このような地方財政対策の結果、地方の予算が、この多額な公債の発行によって、現実にどのように事態があらわれてきているかというと、これも、三月五日付の日本経済新聞に発表された、同社の調査によりますと、四十七年度都道府県予算案では、歳入に占める自主財源の比率は三四・二%、四十五、四十六年度は三九%台で、減少し、起債予定額は平均二・六倍に増加している。対前年度比ですね。すなわち、一般会計予算の増加額の約半分、五千七百九十三億円は、起債勘定となっている。また、ほとんどの府県で、府県財政の貯金である財政調整基金を取りくずしており、それも底をついてきておる。あるところでは、たとえば大阪府は、公社へ貸し付けた貸し付け金の償還で八十五億円をひねり出したりしている。そして、岡山県では、県有財産取得準備金を取りくずしている。こういうような事態が起きてきているわけなんですね。したがって、本年度の地方債発行計画一兆七千二百七十八億円という、このばく大な額、このうちに、先ほども話がありましたけれども、政府資金が約四八%、公募債が七五%、公募債のうちの縁故債が、これはいずれも対前年度比で、一〇七%と、こういう利子の高い起債がだんだんふえてきているというところも問題がありまして、この点については将来問題になると思います。 それで、渡海さんは、来年度下半期には景気回復の見通しがある、もし、来年度下半期に景気が回復しない場合には、抜本的な対策を考えるし、重大であると、こういう話もあったわけなんですけれども、このようなばく大な地方債の発行ですね。一兆七千二百七十八億円。こういうばく大な地方債の発行が、将来の地方財政に大きなガンにならないと断言できましょうか。しかもその内容が、先ほど言いましたように政府資金が対前年度比四八%、それから公募債が対前年度比七五%、そして公募債のうちでも、しかも縁故債が対前年度比一〇七%という内容を見れば、これは相当大きな負担になりはしないかと思いますが、自治大臣、どうでしょうか。
○渡海国務大臣 地方債が伸びておることは事実でございますが、一般財源の中における歳入構成の中では八%でございまして、私は、非常に景気が停滞をいたしております来年度の状態となれば、やむを得ない措置でありますし、しかも、この程度であれば、将来に対する著しい財政負担となるようなことはない、かように考えております。いま、縁故債が非常に多くなっておるじゃないかと、こういうふうに言われ、利子負担ということでございましたが、縁故債も相当来年度は伸びておりますけれども、金利負担は、現在の市況の状態等からながめまして、あるいは公営企業の分の改善等も含んでおりますし、その額もまた、公営企業金融公庫の分が伸びておりますし、そういった関係から、むしろ、縁故債等に対する金利負担は、下がりこそすれ、四十六年度より上がるようなこともない。かように考えております。 なお、詳細な点につきてましては、財政局長から補足説明をさせます。
○林(百)委員 じゃあ鎌田さん、ちょっと具体的に……。 これは新聞に出ているところですが、たとえば、大阪府では、公社への貸し付け金の償還から八十五億をひねり出しているとか、岡山県では、県有財産取得準備基金の一部を取りくずしているとか、ほとんどの府県では、財政調整基金を取りくずしているとか、こういう状態は事実じゃないでしょうか。
○鎌田政府委員 御案内のとおり、地方団体は、現実の財政の危機に備えまして、いわゆる財政調整積み立て金、あるいはその他の、広い意味では土地開発基金等の各種積み立て金を積んでおるわけでありまして、こういったものが、財政調整積み立て金等でございますと、まさに、これは、今日のような事態のために、取りくずすために積んであるということでございますので、私どもは、そういう事態というものは、やはりある程度織り込んで考えておるわけでございます。 それから、地方債に依存をするということについての考え方は、いろいろ議論がございましょうが、結論だけ申し上げますけれども、現在の、たとえば昭和四十五年度の地方団体の決算状況におきまして、この地方債にかかります公債費というものが歳出の中で占めております割合は六・五%でございまして、なお、今後、ある程度の前提を置かなければなりませんが、四十七年度が一二・九%の経済成長率でございますから、かりに一三%程度の経済成長率で推移をするということにいたしまして、ことし、来年、ほぼ同程度の地方債を増発をしていく上いう場合におきましても、ピーク時の五十、五十一年度あたりで、一般財源に占める割合は一〇%ちょっと。こういう状況でございまして、現在の地方財政の力全体的には、公債発行の余力というものはなお存しておる。こういうことが言えようかというふうに思う次第でございます。
○林(百)委員 鎌田さん、そういう、地方自治体の実情とはだいぶかけ離れた御説明を国会でなさっているわけなんですが、地方自治体へ行って実情を聞けば、これは全く火の車だといわざるを得ないわけですね。したがって、こういうような借金財政が地方住民のほうに財政的にしわ寄せされることは当然考えられると思うわけです。 国では、公共料金の値上げとして、医療費、タクシー代、郵便料金、電話料金などを上げることをきめているわけですね。さらに、国鉄運賃、それから国立大学の授業料、航空運賃などの値上げも行なわれようとしておるわけですね。地方自治体では、電車、バス、地下鉄などの料金の値上げを余儀なくされると思いますが、この点は、本年度の見通しはどうか。ほとんどの自治体で、使用料、手数料の値上げが計画されていると思うが、この点はどうか。この点について、まず、自治大臣と鎌田さんにお聞きしたいと思います。 要するに、地方自治体の公共料金、手数料、それから使用料の値上げが予想されると思いますが、どうですか。国のほうでは、もうずっと上げることをきめているわけです。
○鎌田政府委員 使用料、手数料、あるいはそう いったものを含めましてのいわゆる公共料金で、現在、地方団体、公営企業を含めまして、今後出てまいるということが予想されますものは、大きいものといたしましては、一つは、授業料、それからもう一つは、ただいま御指摘にありました公営交通の料金があろうかと思います。 高等学校の授業料につきましては、現在のところ、二十八の府県が、新年度から授業料の値上げをするということを決定をいたしておるようでございます。こまかい数字は、後ほどまた補足させていただきますが、その中の二十三県は、いわゆる学年進行。新入生から値上げをする。値上げ幅は、大体五割でございます。 それから、交通料金につきましては、東京、横浜、京都、こうしたところをはじめといたしまして、大都市の公営交通におきまして、公通料金、バス、電車、地下鉄、こういったものの料金の値上げを内容とする再建計画案というものを現存つくっておられるところもあります。あるいはまた、すでに、それぞれの地方団体の議会におきまして、審議をされ、あるいは修正をされた、こういったところもございます。 おもなものといたしましては、そういうところかと存じます。
○林(百)委員 私は、第六点のうちの第三点の借金、地方自治体の財政が、地方住民に経済的に大きなしわ寄せがくるということの点をいま聞いておるわけですが、実は、大臣、三月三日の日本経済にこういう記事があるのですね。「自治省は、全都道府県に対し高校授業料を値上げするよう指導しており、」これは五〇%値上げだと思うのですけれども、「据え置きを決めた十八都府県については、値上げによる増収があったものとして、地方交付税交付金を削る方針である。」要するに、財政収入額にこれだけの収入があったものと計算するぞ、こういうように授業料の値上げを督促している。これが日本経済に出ておるわけですが、これは大臣、どうですか。
○渡海国務大臣 私も、その記事を読んで、読み方によっては――いま、林さんは、おそらく、罰則的に、上げないものは罰を加えて、その分削るんだというふうな読み方をされるのではないかと思うのですが、私たちは、決してそんなことをしているわけじゃございませんでして、高校の授業の要ります分を、地方財政計画、交付税計画の数値で計算をいたしますときに、特定財源として、五割値上げされる分が入ってきているものだとして財政需要額の中でも計算さしていただきます。これは一諸でございます。そういう措置をするということでございます。
○林(百)委員 私の言うのとたいして違いはないじゃないですか。財政牧人額の中に入ったものと計算しますよ、したがって、交付税交付金からはそれだけ引きますよということでしょう。実際入ってこないのに、それだけ入ったことにして引かれるということは、一種の、圧力じゃないですか。罰則とか何とかということじゃなくて、私と自治大臣と読み方はちっとも違わない。新聞記事はそうですよ。
○渡海国務大臣 ただ、その分を罰則として出したのではなくて、皆さん方の要られます分、必要とされる財源の見方を、収入額ではこれだけあるものとしますぞということでものさしをきめさせていただく。これは、御承知のとおり、地方交付税というものは一般材源でありますから、そういうものさしではからしでいただいてやるのでありますから、それを何に使おうと、どうされようと、それは地方自治でございますからけっこうです、そういうふうに計算された分を上げずに使われてもけっこうですという姿で、何もこれは高校の授業料に限ったことでございませんで、しかも、開校に対する分は、それによって入ってくる以上に需要額はふやしておるのです。それで、入ってきます収入より以上に需要額はふやして取っていただけば、これだけのことができるはずになっております。反面から言ったら、取られないところはできないかもしれませんけれども、そういうことにもなっておりますので、ひとつ御了承賜わりたいと思います。
○林(百)委員 それは、物価が上がったりいろいろするから、昨年よりはことしのほうが財政需要額がふえるのはあたりまえで、そんなことを得意げ言われることはないです。 それではお尋ねしますが、昨年の十二月十一日に、経済企画事務次と自治事務次官との間で「地方公共団体における物価行政の推進について」という通達を出した覚えがありますか。「経企物第八五号 自治企-第一四九号」です。これを見ますと「物価の安定は国民の重要な関心事であり、国においては、総需要政策の適切な運用と輸入政策の積極的活用に努めるほか、生産・流通対策、競争維持政策、あるいは公共料金政策等、各般の物価安定対策の推進、強化を図ってきたところである。しかしながら、最近における物価の上昇は依然として著しいものがあり、このような状態が続くことは、国民生活の安定と均衡ある社会の発展に好ましからざる影響を与えるおそれがあるので、今後、さらに物価の安定に努めなければならない。」という通達を出しているじゃないですか。去年の十二月、こういう通達を出しておいて、ことしになって、高等学校の授業料を五〇%上げろなんて、上げなければ入ったものとみなすぞなんということは、矛盾しませんか。ちょっと、大臣、これを見てください。
○渡海国務大臣 これは、本来、共同のつもりで出したことは事実でございます。共同に、経済企画庁の方針と合わせまして、私たちも、地方公共団体に対して協力していただきたい――この点からいったら、これは違うじゃないかという御指摘があろうと思いますが、経済企画庁も、何もこれを出したからといって、全部とめてしまうものでなくして、必要やむを得ざるものは、このことも考慮しながら認めていただいておるという面もございますので、私たちの五割値上げという分に対しましても、現在の高校事業に対するあり方等から考えまして、やむを得ざるものとしてお願いいたしておるような次第でございます。この点は、一方で、父兄負担の軽減ということもあわせて措置するよう指導もいたしておりますので、御了承賜わりたいと思います。
○林(百)委員 何だかわけのわからぬ答弁ですが、これを見ると、「しかしながら、最近における物価の上昇は依然として著しいものがあり、このような状態が続くことは、国民生活の安定と均衡ある社会の発展に好ましからざる影響を与えるおそれがあるので、今後、さらに物価の安定に努めなければならない。」とある。だから、最近における物価の上昇は依然として片しいものがあって、このようなことが続くと、国民生活の安定と均衡ある社会の発展に好ましくないから、物価の安定に努めなければならないと書いてあるでしょう。「努めなければならない。」という指示を出しておきながら、五〇%上るということは、理屈にならないじゃないですか。あなたの等分がどうしても私はよくわからないのですが、この通達を去年の十二月十一日に出しておきながら、地方の公共料金や授業料を上げて、しかも五〇%上げなければ、上げたこととして計算さしていただきますよと言う。まあ、渡海さんのことだから、ことばは非常に、丁寧ですけれども、内容はちっとも丁寧な内容じゃないですね。これはおかしいじゃないですか。指導が統一していないということになるのじゃないですか。 それから、ことに、「近時、地方公共団体においても、物価行政に積極的に取り組みつつあるが、物価の安定を図るためには、地域の経済活動、住民生活と直接的な結びつきを有する地方公共団体に期待されるところが少なくないと考えられるので、国の諸施策と調和をとりつつ、なおいっそう物価行政の推進に努めることが望まれる。」と言っている。地方行政は、地方公共団体は、一そうやってくれと、特に強調しているのですよ。矛盾しておりはしませんか。
○渡海国務大臣 基本的な姿勢といたしまして、そのようにありたいということを各地方団体にお願いしたのでございまして、個別のものにつきまして、非常に受益者負担に求めざるを得ないような姿になっておるものを、一部必要に応じて採用していただくやつが、矛盾と行われたら矛盾でございますけれども、それを出したからといって、これができないのだというふうには決して解していないつもりでございます。
○林(百)委員 まあ、自治省と経済企画庁との間で、「なおいっそう物価行政の進推に努めることが望まれる。」というものを出しておきながら、実は、これは、一般的なことであって、個々のものの中には上げるものはあるんだということも含まれているのだというような答弁は、ちょっと苦しい答弁だと思いますね。 まあ、この問題はこれでおきますが、その次に、第四番目として、結局、自治省自体でも、こういう状態のもとで、財政的な縮減を地方自治体にやってみせるのだというようなことで、高年齢の職員を給与の低い若い職員と入れかえる。そして、そのために、地方公務員の定年制法案の提出を準備中じゃないでしょうか。あるいは、出す意図があるのではないでしょうか。 それから、もう一つは、多くの自治体では、公共事業の押しつけで、事務事業量が大幅に増大しているにもかかわらず、定員は増加が行なわれないので、新規採用を中止したり、あるいは欠員は補充しないまま、配置転換で間に合わせるというような方針をきめて、機構の簡素化、合理化、事務事業の統合や、民間委託の推進、人件費の節約等の方針をきめているようです。また、さらに、多くの自治体では、維持費、一般的行政費などの経常的経費を徹底的に縮減するという方針のもとで、ある自治体では、当年度予算一般的行政費は、前年度比八〇%から八五%といって、圧縮の限度をもう頭からきめているところもある。こうなると、職員の出張旅費やあるいは電話料等、そういうものを節約する、いわゆるけちけち運動が起きるとか、あるいは事務用品についても、いわゆるけちけち運動をやるとか、一方では、パートや臨時雇いの整理をするとか、こういうような、労働が非常に強化するという側面が出てくる可能性があると思います。いろいろな問題を私申しましたけれども、とりあえず、定年制の法案を出す意図があるんじゃないかということについて……。
○渡海国務大臣 目下、慎重に検討中でございます。
○林(百)委員 慎重に検討中というのは、出さないとも言えないわけですね。出すとも言えないが、出さないとも言えない。
○渡海国務大臣 そのとおりでございまして、慎重に検討中でございます。
○林(百)委員 まず、こういうような非常に大きな労働強化が、圧迫が、上は自治省の職員から、下にいけば各地方自治体の職員にまで、ことしは、労働の面でくるということは、当然予想されることですね。それで、各自治体では、一般行政費のほうは、昨年度の八〇%から八五%にするということを最初からきめて予算を組んでいるというところがある。こういう事態が一面では考えられるわけですね。それからもう一面ですね。大規模の景気浮揚公共事業によって、福祉、民生事業が圧迫される。こういうことが考えられることが一つと、それからもう一つは、超過負担の問題ですね。これもたびたび当委員会でも問題になりましたから、私は簡単に言いますけれども、福祉、民生関係事業の圧迫として当然考えられるこの公共事業から出でくる超過負担ですけれども、これは大体、全国知事会の調査によりますと、今年度は、補助金を主要構成要素とする地方自治体に対する国庫支出金が、去年より六千五百四十五億円多い、三兆四百八十億円になる。そこで、昭和四十五年度の例を見ますと、いまのような、補助金をおもな構成要素として地方自治体に出された国庫支出金が約二兆二百九十四億円だったとき、約一〇%の二千六十九億円の超過負担が伴った。これは四十五年の例ですけれども、全国知事会のこの見解から申しますと、ことしは三兆四百八十億円、ですから、その一割とすると、約三千億円にのぼる超過負担が出ることは大体間違いない。これは、国と都道府県との関係ですけれども、さらに市町村の立場から見れば、都道府県から押しつけられた超過負担がまた出てくる。都道府県の多くは、深刻な財源難から、単独補助、単価是正を行なうことによって、補助金の整理を検討している。したがって、今度は、県の単独事業による、不当不法な市町村への超過負担がまた強まってくる。こういうことが考えられるわけですね。こういうことで、四十七年度の地方財政全体から考えますと、超過負担が、都道府県にとっても、市町村にとっても、非常に深刻な問題になると思うのですね。ところが、六十五国会で、これは四十六年の三月十二日ですか、超過負担の問題について私が質疑しましたところ、当時の財政局長であった長野さんは、「結果はどうなるかといえば、実態調査その他も要りましょうが、緒川予算の単価を是正する、こういうことに実は尽きるわけでございます。予算編成に際してそれが実現できるようにしていくということ、これが具体的な解決方法だろうと思っております。」ということを答弁しているわけですけれども、この全国知事会の昭和四十五年度の例を見ましても、二千六十九億円の超過負担があるといわれているわけなのですから、ことしは、国の赤字公債発行から出てくる公共事業が、四十五年度よりはずっと多い三兆四百八十億円になるとすれば、この一割の三千億くらいが超過負担になるということになると、ことし現にこれだけ生ずるということになるのに、いずれこれは調査をしてきめますということだけでは間に合わないじゃないでしょうか。これはどういうような処置をなさるか。大臣と鎌田さん、両方に聞きたいと思います。
○渡海国務大臣 知事会が集計いたしましたものは、私も前に読ましていただきましたので、いま林委員が御発言されたとおりの数字であろうと思います。その数字がそのまま実情であるかどうかという点も、超過負担の実情という姿でこれは精査しなければならない、見解の相違点もあろう、かように考えますが、予算の編成におきまして、いまのような姿があることは事実でありますので、できるだけ、各省の行ないますところの補助事業に対しまして、予算単価を、本年度は実情に合うようにしていただきたいということは要望いたしておりますので、本年年は財政計画……。(林(百)委員「どこへ要望しているのですか。」と呼ぶ)大蔵省です。それと同時に、この前、四十三年度から四十六年度にいたしましたときも、四十二年と、四十三年と、両年にわたって、精密に、特に多いと思われるところを調査いたしまして、計画的に解消をはかったという事例もございますので、そういうふうな計画的な解消を必要とするかどうかということもあわせて調査を行なった上で実行に移すということを大蔵大臣との間に約束し、そのための予算も置き、各省に協力を求めておる。それが現在の状態でございます。
○鎌田政府委員 超過負担の問題につきましては、四十六年度まで、ただいま大臣からも申し上げましたような年次計画で、一応一区切りついたわけでありますが、全国知事会で、ただいま御指摘になりましたように、都道府県で六百三十五億、市町村で千四百三十四億の超過負担があるという貴重な資料をいただいておるわけであります。ただ、その中身につきましては、ある程度議論の余地のあるものもございます。それからまた、たとえばごみ処理等でございますと、来年度の予算におきまして、従来、トン当たり七十八万円の建設費でございましたものが、二百四十万といったように改善をされており、あるいは義務教育施設等でも、若干の単価の引き上げがございますので、そういったものを織り込みまして、この数量なり、単価なり、対象なりといったもので、自治、大蔵両方で、共同の目で、一ぺん超過負担の実態というものを把握をして、それに基づいて解消の措置をすみやかにとろう、こういうことで、せっかく新年度からそういう計画を進めておるところでございますので、この成果というものに私どもは期待をかけておるところでございます。
○林(百)委員 これから調査するといいましても、四十五年度に二千六十九億円の超過負担があると全国知事会で言っているわけですね。そうでしょう、鎌田さん。それで、その比率から言うと、本年度の財政計画でいえば三千億円生ずるというのですから、これは調査していたら間に合わないわけですよ。どんどんふえていきますからね。それはもちろん、私だって、規格以上のデラックスなものをつくったということがないとは言いませんけれども、しかし、一般的にいって、超過負担がどうしても生じている、たとえば、二、三千万円もするような保育所が二百万円くらいで評価されているというようなところがあるわけですから、どうしても地方自治体の負担になるわけですね。ですから、単なる調査ではおそいし、間に合わないので、調査と並行して、この解消の具体的な手段を考えていかなければならないと思いますが、それはどうなんですか。さっき、そうなさるようなことを言われたと思うのですがね。
○渡海国務大臣 四十六年度も、たしか百九十億ですか、地方財政計画にも載せさしていただきましたように、計画的に超過負担解消を行なっております。それと同様に、計画の中には、数字的にはあがっておりませんけれども、いま、一端にごみ処理の例を申しましたように、単価の是正――単価の是正を例年やっておるんじゃないかと言われたらなにですが、その分も含めて努力をしていただきたいと各行にも連絡し、大蔵省にもお願いをしてことしはやっておる。ただ、それだけでは済まない面もあろうと思いますので、この前も行ないましたように、調査を行ない、その結果を、直ちにその調査に合わせて実行に移していくという処置もとる。こういうふうに考えておりますので、その点は御了承賜わりたいと思います。
○林(百)委員 あと、二問で終わりますから……。 宅地並み課税のことですが、地方へ行って調査してみますと、都市計画区域の指定を返上しているところもあれば、条例の策定を行なわないところもあれば、または、条例を否決したところもあれば、条例を策定したけれども、徴収できないというような、非常な混乱が起きておるわけですよ。それを大臣が言うように、ことしだけはA地についてはやってもらうんだなんて言っても、これはとうてい不可能なことであるし、非常な混乱が起きると思うのです。それをどういうふうに処置していくつもりですか。少なくとも、私は、民主的立場に立つならば、条例が否決されたようなところから取ったことにして、それを財政収入額の中に入れるなんていうことは、これは、自治体の自主性をそこなうことになると思うのですが、あなたは、さっきの本会議では、こまかい配慮をしてやっていくつもりだと言いましたが、それを具体的にひとつ説明してみてください。
○渡海国務大臣 この点につきましては、午前中にも述べさしていただいたとおりでございますので……。
○林(百)委員 もう一度具体的に説明してくだあい。
○渡海国務大臣 現在混乱しているという実態があることは事実でございますが、いまも覆いましたように、条例はまだ継続審議中でも縦覧は願っておるというふうな実態もございまして、しかもA農地は、全市街化農地の二・四%という、ほんとうに限られた数字でございますし、A農地で、私たちが昨年の比率できめさしていただいておるようなところは、おおむねそのような姿で課税していただことに対して、客観的にながめましても、妥当な地域であると考えられますので、私は、極力名自治体にもお願いいたしまして、スムーズに取れるようにお願いしたいと思います。 ただ、この点、山本委員でしたか、御指摘がありましたように、現実に、A農地の、あの区画の中でも、農地として長くそこを営農させることが適当である、かつ、都市計画上もそういったことは認め穫るというふうな地区も例外的にございますので、それらに対するものは、行政指導によって、適切な措置を具体的に行なうことによりまして、スムーズに持っていきたい。かように思っております。その行政指導に対する分は、個々には、現存も、県を通じ、あるいは直接本省へ聞きに来ていただきましたときは、概略のことはお話し申しておりますが、それでは和なりませんので、こまかい通達を、統一的なものを、徴税に進みます前に、しかも一刻も早く出したい。かように考えておるような状態でございまして、通達に誤りなきを期するために、皆さま方のできるだけの御意見を拝借させていただきまして、行政指導の誤りなきを期したいと考えておるような次第でございます。
○林(百)委員 そうするとA農地についての宅地並み課税について、その行政指導についての通達を出したいと思うということですが、そうすると、それを出したときには、当然、当委員会に提出していただけますね。委員長、そのようにはからっていただけますか。
○渡海国務大臣 資料として当然提出いたしますし、その通達を出すときにも、その通達に対して、皆さま方からできるだけ具体的に御指摘を賜わって、遺憾なきを期したい。幸い、法律が付託になりましたので、ひとつ、皆さま方からも適切な意見を出していただきたい。このようにお願いしておるような次第でございます。
○林(百)委員 それでは、あと一問で終わります。こちらの見解も少し述べておかないと、悪い点ばかり言って、それではこうしたらいいじゃないかというのが欠けているといけませんから、私たちのほうの考えを申し述べます。 それからついでに、いまの通達ですが、それは、地方税法の審議の過程にいろいろな意見を聞いて、そして出されたほうがしかるべきじゃないかと思いますから、念のために意見を申し上げておきます。 今回の地方財政の危機は、言うまでもなく政府の高度成長政策、この政府の政策の破綻による不況の進行、あるいは、アメリカに一方的に一辺倒しておった外交政策によるドル・ショックですね。それの影響によって出されたものであると思うのですね。しかし、根本的な問題は、景気の回復によって地方税収が伸び、地方の一般的財源がふえ始めるのを待つことは解決にならないと思うのですね。渡海自治大臣は、来年の下期には景気は回復すると思うから、とりあえずこうやっておく、それまでに回復しない場合は、これは重大な問題として考えなければならない、こういう答弁をきょうなさいましたね。しかし、それでは、いま現在地方自治体が直面している財政的な危機に対する、火の出るような状態にある現在の地方自治体の財政対策としては、これは間に合わないと思うのですね。したがって、まず第一には、大蔵省を中心として、国の行政、財政上の地方自治体に対する自主性を確立する立場をとらせることだと思うのです。そして、抜本的な地方財政の政策を打ち立てることだと思うのです。 その第一は、これは、超過負担を一切解消して、呼び発生しないように、至急措置をとること。第二は、地方交付税率を上げるということですね。これは門司委員も言っておりましたし、四十一年にはもうやっていることですから、このことはできることで、渡海自治大臣、消極的な答弁を本会議でなさったようですけれども、やろうと思えばできることだし、また、やってしかるべき事態にいま至っているのではないか。こういうように思うわけですね。国税三税の一定割合を地方交付税の総額とする現行の方法を改めて、地方自治体の自主財源として必要なものが確保できるように、税率も引き上げると同時に、そういう地方財政調整の制度を確立すること。それから第三としては、財政の運営が困難な自治体に対して、地方債の元利の一時たな上げか、あるいは利子補給など、これに対する応急な措置を至急考える。そして、地方債発行の許可制度を廃止して、起債財源のうち政府資金の比率を大幅に高めて、国が元利補給をするような特別な措置を一時至急とる必要が、いまの事態からいえばあるのではないか。それから、地方自治法の改正によって廃止された地方財政委員会を復活して、地方自治体の関係者を参加させる機構をつくり、これを拡充、民主化して、国と地方の間の税源の再配――これは門司さんが言っておりましたけれども、税源の再配分、行政事務の民主的再配分など、地方財政制度の抜本的な、民主的な改革を至急とる必要に迫られている時期だと思います。 これに対して自治大臣の答弁をお聞きしまして、私の質問を終わります。
○渡海国務大臣 御意見として承っておきたいと思います。やろうと思えばできるという林さんの御意見でございましたが、やろうと思えばできるのか、これはわかりませんけれども、私たちは、現在、四十七年度の地方財政政策として御審議を仰いでおるような方針を変更することは考えておりませんので、御意見として承らさせていただきたいと思います。 最後の根本的な考え方の検討の点につきましては、委員会の改組とかなんとかという点は、私は、ただちに応ずる、と申しますか、実施に移すことをここで答えることは困難でございますが、方法として、地方制度調査会あるいは税制調査会におきまして、移り変わる社会経済情勢をもあわせまして、いま申されましたような方向で慎重に検討してまいりたい。かように考えております。
○林(百)委員 終わります。
○大野委員長 次回は、来たる十四日火曜日、午前十時から理事会、午前十時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時五十四分散会