大蔵委員会 第37号
- 発言数
- 36 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1972/06/09
会議録
○齋藤委員長 これより会議を開きます。 通行税法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案に対する質疑はこれにて終了いたしました。 —————————————
○齋藤委員長 これより討論に入るのでありますが、本案につきましては討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 通行税法の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○齋藤委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。 おはかりいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○齋藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○齋藤委員長 おはかりいたします。 第六十五回国会より継続審査となっております藤井勝志君外四名提出の、貸金業者の自主規制の助長に関する.法律案につきまして、提出者全部より撤回の申し出があります。 これを許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○齋藤委員長 御異議なしと認めます。よって、許可するに決しました。 ————◇—————
○齋藤委員長 次に、貸金業者の自主規制の助長に関する法律案起草の件について議事を進めます。 本件につきましては、かねてより理事会等において御協議願い、お手元に配付いたしましたような草案を得ました次第であります。
○齋藤委員長 まず、本起草案の趣旨及びその内容を御説明申し上げます。 本起草案は、貸金業に対する特別法を制定し、貸金業を行なう者の自主規制を助長するため、その団体及び庶民金融業者の名称の使用について必要な事項を定め、もって貸金業の適正な運営と不正金融の防止に資するため、次の措置を講じようとするものであります。 まず第一に、貸金業者は都道府県の区域ごとに庶民金融業協会を設立することができることとし、また協会は、全国を単位として全国庶民金融業協会連合会を設立することができることとしております。 第二に、庶民金融業協会の会員は、貸金業を行なうについて法令を順守するとともに、顧客に対し、政令で定める金利以下の金利により資金を提供し、業務を適正に運営するようつとめなければならないことといたしております。 第三に、協会は、貸金業の適正な運営と不正金融の防止に資するため、必要な調査、指導、連絡、勧告、その他の業務を行ない、また会員名簿を備えて一般の閲覧に供しなければならないこととし、さらに同協会連合会は庶民金融業協会の運営に関する連絡調整を行なうこととしております。 第四に、都道府県知事は、同協会に対し必要な報告を求め、または必要な指導、助言、勧告及び監督上必要な命令をすることができることといたしております。 最後に、庶民金融業協会に入会していない者は、庶民金融業者の名称またはこれに類似する名称を使用してはならないこととし、この規定に違反した者には罰金を課し、さらに悪質の者には業務の停止等を行なうことといたしております。 以上が、本起草案の趣旨及びその内容であります。 —————————————
○齋藤委員長 おはかりいたします。 この起草案を委員会の成案とし、委員会提出の法律案として決定するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○齋藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、本法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○齋藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————◇—————
○齋藤委員長 次に、国際経済環境の改善に資するための乗用自動車に対する物品税の特例に関する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。阿部助哉君。
○阿部(助)委員 まずお伺いしますが、皆さんからもらった「物品税の改正問題について」という印刷物は、これは大蔵省の基本的な考え方、方針なんですか。
○高木(文)政府委員 今回の自動車の物品税に関する特例法は、物品税体系に全般的に非常に影響のある問題でございます。そこで、この審議をお願いするに先立ちまして、やはり基本的に物品税の考え方、特に今後における物品税の基本的考え方との関連を明らかにしておくことが必要であると考えまして、その大体の現段階におけるいわば非公式な考え方と申しますか、それぞれの正式な手続等を経てきめたものでは決してなくて、私ども事務方の考え方を一応取りまとめてみたものでございます。
○阿部(助)委員 自動車の税金を引き下げるという点が物品税体系に影響するというお話でありますが、私もそう思うのでありますけれども、どういう点で一番影響を及ぼすというふうに当局は考えておるのですか。
○高木(文)政府委員 現行の自動車の物品税は、規格、つまり大きさ、ホイールベースの規模等に応じて四割、三割、一割五分の三段階になっておりますが、なぜ三段階になっておるかということは、やはり規模の大きい車というのは価格としても高いわけでありますし、価格の高い自動車を購入できるということはその背後に担税力を推定できるということで、高い税率が当てはめられているということだと思います。今回自動車の物品税について、その四割、三割の税率を二割に引き下げるということは、本来物品税の体系の問題とは全く関係のない話ではございますけれども、しかし、物品税の中で非常にウエートの高い自動車について、このような根本的な影響のある改正が行なわれるということであれば全体に影響するということでありまして、まず第一に今回の改正は物品税の税率体系というものに何らかの意味において影響を及ぼさざるを得ないと感ずるのであります。
○阿部(助)委員 いまお話のありましたのは、やっぱり物品税も担税力を考慮してきめる、そういう原則からいって影響を持つこういうお話だろうと思うのでありますが、最近の大蔵省の物品税に対する考え方がいろいろ動いてきておるのじゃないだろうか。それは三十九年でありますか、さきの税調の答申等においては、こういっておるのですね。「個別消費税の課税対象については、消費税本来のあり方からみて、日常の衣食住にまつわる基礎的、基本的な生活手段に対して課税することは適当でなく、」こうなっておりましたけれども、今度は四十六年の八月の答申の書類を見ますと、生活物資に課税しないという方針が抜けてしまって、何かもっと広く税金を取るという形で、変わってきておるように私は考えるのでありますが、それは間違いありませんか。
○高木(文)政府委員 大筋については御指摘のとおりであると思います。ただ若干補足させていただきますと、物品税は、御存じのように、昭和十二年に奢侈品課税あるいは消費抑制という考え方で創設されました。その後、いろいろな経済的な事情の変更あるいは財政需要の変動ということを背景にいたしまして、もろもろの手直しを経て今日に至ったのでありますけれども、何と申しましても、その創設の当時において奢侈品課税、消費抑制という精神でありました関係上、そのような考え方で組み立てられております。ただいま御指摘がありましたように、大体昭和三十年末ぐらいまでは、いろいろ変化はあるとはいえ、従来の考え方は引き継がれてきておるということではないかと思われます。 ところで、最近数カ年にわたりまして二つの面からその消費税の問題が問題になってきておるわけでありまして、実は税体系全体として直接税と消費税のあり方がいかにあるべきかということでありましょうし、一つには消費税の弾力性と申しますか、国民所得の伸びに対する消費税収入の伸びの割合が非常に低いということが問題になってまいりました。その原因がどこにあるだろうかということから、もう一ぺん基本的に物品税のみならず消費税全般について考え直すべき時期がきたのではないかという反省が最近になって行なわれるようになったわけでありまして、それがかなり明確な形であらわれてまいりましたのが四十六年の八月の長期答申でございます。したがって、間接税についての考え方が、しばしばありますところの税制調査会の答申の各段階を経まして最も変化が見られますのは、御指摘のようにまさに四十六年の八月の答申でかなり方向の転換が見られるということではないかと思っております。
○阿部(助)委員 間接税はどだい逆進性を持っておるわけですね。それでたしか十二年は賀屋さんが大蔵大臣だったと思うのでありますけれども、賀屋さんはこの間接税の法案を創設するときにこう言っておるのじゃないですか。いま戦地では兵隊は血を流しておるのだ。肉弾を提供して国のためにやっておるのだ、だから一般の国民は血税を納めるのは当然のことだ。これは戦時における考え方であって、逆進性もへったくれも何にもない。とにかく戦争遂行のためには、兵隊は血を流しておるのだから、おまえたち国民はそれにこたえて税金を納めろ、こういうことを賀屋さんはあの提案のときに言っておるのですね。そういう経緯をもって出てきておる。やはり税というものの基本的な考えは公平の原則、それは担税力に応じて取るというのが私は原則じゃないだろうかと思う。その点からいって今度の自動車の税金をまけるということは、いま局長からお話がありましたように、税体系にやはり大きな影響をもたらす。また皆さんから案が出ておりますところの来年一〇%免税点を一律に引き上げるというような問題も、一律がはたして公平なのかどうかという点になってくると、税の公平、富の再配分という税の基本的な問題からいうと、これはいささか疑問を持たざるを得ないというのが私の現実の考えなんです。 そういう点で皆さんの一応の案を見ますと、一つ一番最初にお伺いしたいのは、一番最後に「上記の免税点引上げは、乗用車物品税特例法成立後、年度内の適当な時期に実施する。」こうなっておるのですが、裏を返すと、この法律が通らないと免税点の引き上げはやらないというふうな解釈も成り立つと思うのですが、そういうお考えなんですか。この法律が通るというのが前提で免税点の引き上げをやるのですか、それとも免税点の引き上げはもう全体のいまの経済情勢からやるべきだからやるのですか、どっちなんですか。
○高木(文)政府委員 本来物品税は、従来の経過からいたしますと、大体四年ごとぐらいに改正が行なわれてまいりました。三十三年、三十七年、四十一年ということで大体四年ごとぐらいに改正が行なわれてまいりました。それはやはり数カ年のうちに経済事情が変わりますから、消費の態様も変わってくるでございましょうし、新しい品物が出てきたりするということで見直しが行なわれてきたわけでございますが、いろいろの事情のために、はなはだ申しわけございませんが、四十一年以来改正が行なわれていないわけでございます。そこで本来ならばせめて四十七年度の税制改正の際に、自動車の物品税だけでなくて物品税全体としての見直しの案を立案いたしまして御審議をお願いすべきものであったと思っておりますが、これまた私どもの準備不足のために間に合わない事態に立ち至ったわけでございます。そこで一方自動車のほうの物品税の問題は、主として日米関係と国際間の話し合いということに関連して起こってまいりましたので、これを延ばすことができないという事情になりまして、いわばアンバランスと申しますか、ややかっこうの悪いことになってきておるわけです。 しかしながら、各方面からは、それはそうとはいえ、しからば事務的に間に合わなかったとはいうのはかりに認めるとしても、それでは次の非常に早い機会に何らかの形で物品税の全面的見直しをやらなければ、自動車の物品税の改正だけしてほかのものはしないということではいかにもおかしいではないかという御議論があり、まさにそれはそのとおりであると思います。しかも物品税の改正ということになりますと、課税対象をどのようにするかということと、税率をどうするかということと、免税点をどうするか、集約するとこの三点に限られてまいると思うのであります。前の二点は法律事項でありますけれども、あとの一点は、政令できめられることになっておりますので、できるものを漫然とおくらせるというのも適当でないという御意見がありまして、そういうことであるならば、法律をもってしなければ処理のできない課税対象の問題と税率の問題については次のなるべく早い機会に法案改正の形で御審議をお願いすることとして、政令でもって処理し得る免税点だけについて一日も早く処理をする。ただし、そういうことの必要性が迫られましたのは、第一の背景としては、物品税の改正が非常に長い間行なわれていないということによるものではございますけれども、直接の契機は何と申しましてもただいま御審議をお願いしております自動車の物品税の特例法との関連でございますので、やはり自動車の物品税の特例法が成立をして、それを実施するのであれば、せめて免税点だけは行なう。そうでなければ、他の課税対象や税率問題と免税点は相互に関連があるわけでございますから、次の機会まで待っていただくということにするという考え方でございます。 たいへん長々と申し上げましたが、一言で言ってしまえば、特例法が成立すれば一割の免税点の改正を行なってはいかがか。そうでなければ、むしろ物品税全体の見直し時期と免税点をあわせて行ないたいということでございます。
○阿部(助)委員 ある意味ではたいへん正直なお答えなんで質問がしにくいみたいな気がするのですけれども、日米の関係でこれをやらざるを得ない、こうおっしゃるのでたいへん正直なお話だと思うのですが、私は少し次元が、関連なしとはいわないけれども、次元がちょっと違うのじゃないかと思うのです。大体税制というものは、これはやっぱりその国その国で独自の判断で、その国の実情に応じてきめるのがたてまえだと私思うのですよ、ところが今度の場合は、アメリカに要求をされて自動車の税金を下げる。だからやらねばいかぬということになると、日本の税制自体の独立の問題、税制のあり方の基本的な問題や考え方が政府当局は狂っておるのじゃないか。これはあなたを責めるよりも、私は大臣にこの点だけをお伺いしたい、こう思ったのですけれども、大臣お出かけになりましたし、たいへん残念でありますけれども、私は何か次元が違うのではないか。それは関連がないとは言わないけれども、次元の違う問題をからみ合わせて、この法律が成立しなければこれはあと回しにするのだ、成立させるならばこれをやりますということは、これはどうも私はすっきりしない、次元の違う問題をごっちゃにしてやってきておるという感じを受けるのですが、どうもその点私はすっきりしませんが、どうなんです。
○高木(文)政府委員 二点お答えいたしておきたいと思います。 ただいま御指摘のように、自動車の物品税について、いろいろな事情があるにせよ、これを直すということは税の体系の問題としては好ましくないというのは御指摘のとおりでございます。ただ私どもといたしましては、この問題は何も急に昨年になって起こってきたわけではございませんで、非常に長い間の懸案事項であったわけでございます。同時に、税の担当者の立場からいたしますればまさにそうでございますけれども、しかし日本の対米輸出の問題、特に自動車はやはりいま輸出産業中かなりウエートの高いものでございますので、自動車の輸出あるいはわが国自動車産業の問題として考えました場合に、こちらから向こうへの輸出の台数が非常に多いということ、それから特に、大型の車は別でございますが、最近アメリカ側で開発されました比較的小型の車をアメリカサイドは日本側に持ってきたいという希望をたいへん強く持っておりますが、現行物品税法上では、規格の定め方の関係上からやはり三割なり四割なりの高い税率がかかってしまうという問題がありまして、私どもといたしましても自動車の輸出入、さらに自動車産業全体のあり方等との関連においては、ある程度今回の改正をやむを得ないものというふうに理解しておるわけでございます。 そこで、先ほど御指摘の免税点を、自動車のこの税率改正との関連があればやるけれども、そうでなければやらないというのはおかしくはないかという御指摘でございますが、実は免税点の問題というのは、一方におきましては税率あるいは課税対象の問題と非常に緊密にからみ合っているわけでございまして、あたかも所得税におきまして控除と税率とがからみ合っているのと同じような意味において、物品税体系の中においては税率と課税対象と免税点、との三つのものがまさに三本の柱として物品税全体ができているわけでございますので、私どもといたしましては、本来であれば物品税を直すときに免税点を直すというのがほんとうの姿であると思っているわけでございます。しかし、いかにも今回のようなことであって、全然国内のほうには何のメリットもないということでは、いわば相済まぬという御意見が非常に強いものですから、その場合に、いまから法律をいじるのもなかなか大作業でございますので、非常にむずかしい。それでせめて政令でできるものを、しかも非常に簡素な形で独立ということでやるなら不可能なことではないのではないかという御意見が強いわけでありまして、そうであるとすれば、確かに法律的には政令事項でございますから、できないということではありませんし、また技術的にも非常にきめのこまかいことを行なうとすれば困難でありますけれども、ある程度独立というようなことでやるのであればこれはできないということでもございませんし、また来年の税率、課税対象の問題も、来年に手直しをやることについては、ある程度の見当をつけていけば、それとの関連でものを考えればできないこともないということで、幾ら何でも、あまり自動車だけを取り上げてあとは何にもしないというのはあれであるからという御指摘であったものですから、それもそうだということで、私どもも、自動車との関連で免税点の手直しだけは先取りをさせていただくということを考えておるわけでございます。
○阿部(助)委員 税務当局としてはこれはたいへん苦心の末、苦労をしておられるというのがいまの御答弁でわかるのですが、わかるのだけれども、やはり税というものは幾つかの公平の原則であるとか大事な原則があるので、それを踏まえておやりにならないと、これからますます税が混乱してくると私は思うのです。そういう点で私、申し上げるのだが、いまの御答弁を聞いておりますと、幾つかの矛盾というか、私たち何としても不可解な面を感ずる。 まず、アメリカに言われたからこの自動車の問題をやるとこうおっしゃる。そしていずれ早い機会に物品税の手直しをしなければいかぬから、そのときこれを一緒にやる。何もこれが通らなくとも、独立にやるということにはまた私たち問題はあるのです、あるけれども、手直しをするなら手直しのできるものは早くやる、何もこの自動車のこれが通る、通らないは、別にしておやりにならねばいかぬ。問題はおやりになればいいのであって、これとしゃにむにからませる必要が一体どこにあるであろうかということ。第三点には、いまのお話のアメリカが希望しておる大型車なんというのは普通の人は買えない。また狭い道路の日本ではあんな大型を一般の国民が買うとは思えないのですね。しかも自動車のこれを下げて、日本の自動車も下げていくということが、いまの公害の問題とからめてはたしてこれがいいのか悪いのか、こういう論議も私はやはり出てこようと思うのです。税金を下げるということだけでなしに、いまの自動車のこのような——東京都は毎日のように、天気でさえあれば光化学スモッグが出てくるというような時代に、一体自動車の税金を下げることがはたしていいのか悪いのか。しかも特にアメリカの大型車なんというものは一般には買うわけではない、たいへんに担税力のある人たちだけが買うという点からいって、ここにもまた問題があるわけでありまして、その点は局長のほうも十分承知の上でおやりになることなのでしょうが、無理を承知の上でこの法案を出されたようでありますので、あまりそのことだけを私、追及はしません。 もう一つ問題なのは、先ほどお話がありましたし、皆さんの出した文書に書いてある「今後の税体系において少くとも現状程度のウエートは維持されるべきである」というような直間比率の問題を提起しておるわけでありますけれども、なぜこの直間比率がこれほど開いてきたのか。これはもう皆さんの出した表を見てもはっきりしておりますのは、大体高度成長政策が行なわれ、高度成長が進むに従ってこの直接税のほうがウエートを大きな部面を占めてきておるわけですね。間接税の金額が減ってきておるわけではない、これもなだらかではあるけれども増加はしておる。けれども、それにしても急激な直接税の伸び率というもの、まあ弾性値が非常に高いですからこの伸び率というものが直間比率を開いた、裏返して言うならば、所得税の税が重過ぎるというところに私は問題があると思うのですが、その辺の御見解を少し承りたいのです。
○高木(文)政府委員 最初に御指摘になりました幾つかの点の中で、免税点の手直しということは本来独立に行なわるべきではないかということがありましたけれども、その点については、私どもは率直に申し上げて二つの考え方があり得ると思っております。 今回の場合には、自動車の物品税の改正というのは非常に特殊な事情でございまして、本来物品税体系の手直しというのは全く違う事情から起こっているということから考えますならば、そのことと物品税の根本的なもろもろの改正とは本来別個のものとして考えるべきであるというふうに考えるのが一つの考え方ではないかと思います。 それに対して、自動車の物品税率を直すということにどのような事情があるにせよ、物品税の中で自動車のウエートが非常に高いだけに、いずれにしてもそれについて若干の手直しをするのであれば当然他の物品税について何らかの配慮をすべきであり、そのうち、できるものは早くやったらどうだというのも一つの考え方であろうかと思うわけでございます。 私どもは必ずしもどちらが正しい、どちらが間違いだということはなかなか言えないと思うのでございますが、この問題とは別に、物品税自体すでに四十一年以来改正していないということがあるわけでございますから、いずれにいたしましても早い機会に全面的に政令事項だけでなくて法律事項についても直すということに最大の努力をいたしたいと思いますし、そこで、それとの関連において当面政令で可能なものであり、しかも片一方において自動車の税率の引き下げということが行なわれて、物品税全体の中でアンバランスの事態を生ずるということであれば、年度の途中ではございますけれども、政令をもって免税点を直すということもまたやむを得ないのではないかというふうに判断しておるわけでございます。 それから第二に、公害その他との関係、または大型の車が国内で走り回るというのは好ましくないということとの関連から、アメリカの自動車について物品税の税率を下げるのはいかがかということについてお触れになりましたが、その点につきましては、私は公害との関係は率直に申し上げていまよくわかりません。よくわかりませんが、問題は、現在の物品税体系の中で規格物品の形をとっておるものがあまりたくさんないわけでありまして、モーターボートであるとか冷蔵庫であるとかテレビであるとか、それにこの自動車と、四種類のものだけが規格によって税率を変えているわけでございます。物品税、御存じのように六十品目もございますが、規格によって税率を変えているのは四品目だけでございます。その規格によって税率を変えている結果、たまたま、これは何もそういうことを全く意図したわけではございません、戦前からあった体系でございまして、意図したものでないにかかわらず、結果的には日本でつくられます車とアメリカでつくられます車との間で税率に差が出てくるということのほかに、ヨーロッパから入ってまいります車とアメリカから入ってまいります車との間に差が出てきた。まあ一番の問題は、フォルクスワーゲンについては低い税率でございますので、そういうこととの関係上アメリカサイドが数年前からかなりナーバスになっておったわけでございます。そこへもってまいりまして、昨日でございましたか、当委員会において通産省のほうから詳細に答弁がありましたとおり、最近に至りまして急激に日本の対米輸出がふえましたこととの関連上、日米間の自動車業界において先鋭な関係になってきたわけであります。そうなりますと、日本といたしましては、さらに日本の自動車の輸出が制限を受ける等々のことが起こることは好ましくないというふうに考えられます。 それからまた、ここで自動車の物品税をかりに下げました場合に、このような道路事情でありますならば、そんな大きな車がどんどん入ってくるということは実際問題としてはあり得ないことでもございますので、これが税率の差異、規格によって税率を異にするという仕組みがいたずらに対外的に神経を刺激し過ぎるという結果になるのは好ましくないからということで、かねがねの問題でもありましたところから調整に応ずることにしたわけでございまして、むしろ具体的にこれによってアメリカ側の車が大量に入るであろう、あるいは入りやすくなるであろうという事態は実はあまり予想されませんので、それよりはどちらかといいますと、非常に神経を刺激するような条項を排除するという趣旨であるということを申し添えておきたいと思います。 第三番目に、直間比率についての御指摘でございます。直間比率がアンバランスになってきておるのはどういうわけかということでございますが、これはまさに御指摘のように、直接税は所得弾性値が非常に大きいから伸びが大きい。間接税も決してひどく伸びが落ちているわけではございません。落ちているわけではございませんが、直接税の伸びが大きいから間接税の伸びが目立たなくなっているということでございますけれども、しかしそこはやはり経済の成長の姿によりまして、直接税の伸びが大きくなったりそれほどその伸びが目立たくなったりするということは、経済の成長率等によって影響されるところが非常に多いと思います。多いと思いますが、しかし、理由はそうでありましても、結果として生じてまいりますところの直接税と間接税のバランスはだんだん欠けてまいります。ということはやはり問題であろうと思われるのでございまして、伝統的に直接税の国であるといわれておりますアメリカにおきましても最近ではだいぶ問題であるということで、むしろ場合によりますと間接税に再び注目を払うべきであるというような意見が、アメリカの学者の間においても、アメリカ自体の税制の問題としても議論されるに至っているわけでございます。 そこで、御指摘の、なぜ間接税の伸びが落ちるかということについての、まあこまかく言えばいろいろの問題があろうかと思いますけれども、主たる理由は、弾性値の問題ではないか。その理由は、成長率が高かったから直接税の伸びが大きかったのではないかという御指摘については大筋においては阿部先生のおっしゃるとおりであると思います。ただ、そうだからといって、それではまたこれは臨時的な現象だからしばらく様子を見てはどうかというわけにもいかないのであって、やはりここまで見てまいりますと、現在のままの間接税の体系では、いまのような成長率であれば、ここ十年ほどの勢いでは直間比率は大きく開いていかないと思います。成長率が今日ほどでないとすればそんなに開かないとは思いますが、やはり徐々に開きが出てくるということは否定できないと思うのでございます。
○阿部(助)委員 いろいろとお話ありましたけれども、そう言われると私も一言言わねばならぬのです。アメリカと日本の貿易のアンバランスの問題、またヨーロッパへことしの一月から四月までの輸出の伸び、これは品物によりますけれども、ヨーロッパへは二、三倍の伸びを示しておるというのは異常なんですね。この異常さはどこからくるのかということですね。これは税の問題とは多少離れるようですけれども、経済の問題として私は大蔵当局にもっと真剣に考えてもらわねばいかぬ問題だと思うのです。 たとえば租税特別措置の問題とか、そういう問題を考えてもらわないと、五%、六%でまだ不況だなんていっておるのは日本だけでしょう。あの十九世紀のイギリスで、当時世界の工場といわれ七つの海を支配したイギリスの当時の伸びが、わずか三%ですよ。六〇年代というのは、資本主義国全体でこれはたいへんな成長の年代だ、こういわれておる。その成長の年代の中で、しかも六〇年代で奇跡的な経済の伸びを示したなんという西ドイツで四・七%でしょう。イギリスが二・何%にすぎない。ところが日本は一〇・五%というめちゃくちゃな経済成長の速度をもってやってきた。それが環境庁長官がストックホルムですか、あそこで、経済成長をいいことだと思ってやってきたけれども、どうも考えてみると公害だ、物価だということで考え直さざるを得ないのだ、後進国の皆さん、日本のこの前車の轍を踏まないようにしてくれみたいな趣旨の告白をせざるを得なかった。そして日本は不況だ不況だといって、皆さん経済浮揚策だなんといっておるいまだって、また五・何%という高い伸び率をしておるのですよ。それに拍車をかけていっておるところに問題がある。一番問題は社会保障の貧弱と労働賃金の安さじゃないのですか、日本の貿易の伸びるのは。だから税率を、こんなことをやってみたからといってアメリカと日本の貿易のバランスがとれるものじゃない。自動車で、あなた行ってごらんなさい、アメリカのゼネラルモーターズが売る値段の中に占める労働賃金、人件費というのは、これはたしか二五・四%である。トヨタ自動車が六・一%ですよ。日本の自動車、日産が少し高くて七%程度です。自動車一台の中で人件費がわずかに六・一%の日本の自動車、アメリカのゼネラルモーターズが二五・四%という異常なこの格差、問題は日本の労働賃金の低さというのが日本の円が強いとか輸出が伸びるという問題なんです。 結局問題は国内の問題なんです。その問題の解明をし解決しようという努力をしないで、今度の円対策またしかりであります。たまったドルをどうやって減らすかということであって、つまり一番大もとをひとつもいじろうとしない。しかも国内ではいまの農業、ごらんのように米価の据え置きだなんかで出かせぎをしなければ食っていけないようにしてしまう。お年寄りはもう生活ができない。恩給をもらってみたって、厚生年金もらってみたって、四、五年たてばこれは生活費には不足をするというようなめちゃくちゃな搾取、収奪をやりながら大資本だけが設備投資をしてGNPを上げていこうというこの政策自体を直さないで、大型自動車の税率をどうこうするなんということは、ほんとうに枝葉末節のことであって、こんな問題が日米間の問題あるいは国際的な対ヨーロッパとの問題、これが解決されるはずがないと思うのです。 特にいまの、局長もある程度正直におっしゃっておりますから私はあまりしたくないのでありますけれども、やはり外国からいわれて日本の税制、税率をいじくるなんというのは大きな間違いである。私はそれとは別個に独自に、乗用車の物品税法が成立したらこれをやるのじゃなしに、やるべきことはやっておいて、それはアメリカ側との話し合いの問題は話し合いの問題としてここへ提案されるのが当然なんであって、乗用車の成立後年度内適当な時期に実施するなんというこの何々後なんということは、私はこれは別個に考えてしかるべきじゃないかということ、これが一点。 もう一つは税負担の公平という点はあくまで税の場合にはこれは大原則であります。担税力というものを考慮し、税がいかに公平で行なわれるかという観点をはずしてもらってこれをやることにはやはり今後大きな禍根を残すだろうと思うのであります。私、間接税の問題は非常にむずかしいと思うのであります。一体どこまでが奢侈品であるとか、生活の態様が変わってくるに従ってある程度の条件は変わってぐると思うのであります。そういう点で皆さんがこの間接税の問題をやられるときにいろいろと苦労なさるということは十分わかるのであります。だけれども、税を取る場合にできるだけ考えなければいかぬのはやはり公平の原則というもの、これを十分に踏まえてやっていただかないといかぬと思うのでありますが、それを一つ要望して次に移ります。 第二番目に、皆さんのこの文章で見ますと、「間接税のウエイトを維持していくためには、消費の高級化、多様化、大量化に支えられる物品税の伸びに多くを期待せざるを得ない。」というこの項目があるわけですけれども、これはどうなんですか。先ほど、お話ありましたように、直間比率の差というものは、高度成長そして直接税の重税——重税ということばが非常に耳ざわりかもしれませんけれども、私は重税というところが問題だと思うのでありますが、物価の上昇、貨幣価値の低落等を勘案すれば重税だろうと思うのです。そういうところに直接税がどんどんふくらんでいくから直間比率が差がついてくる、こういうことなんです。それを現状のまま比率を維持しようとすれば間接税をさらに強めていく以外これは道がない。直接税はどうしてももっと大きくなっていく、弾性値が高い、こうおっしゃる。そのとおりであります。そうすれば、だんだんこの比率は比率としては下がっていくと思うのです。その比率を維持しようとすれば間接税の大幅な拡大をしていく以外に道がないのではないか。一体この間接税をどこまで広げるつもりなのか。まあいままで取っていないセパレート型ルームクーラーだとかミュージックテープであるとかいうのは新しく取るというのは、これまたある程度バランスの上から必要だろうと思うのですが、それにしてもこの直間比率の差をこれ以上広げないようにするというたら、これはたいへんな物品税の幅を広げざるを得ないと思うのですが、一体どの程度にこれは広げていくつもりなのか、大まかでけっこうです。
○高木(文)政府委員 間接税と直接税の割合が、だんだん直接税のウエートが高くなってきた、これではいけないので、何か間接税のウエートを高めていこうという場合に、どの程度間接税のウエートを高めていこうと考えるかということについては、四十六年八月の長期税制の答申でそういう御答申がありました際に、その御答申に参加された学者をはじめとする専門家の方々の間でも、必ずしも皆さんのお持ちになっている感覚は一致しているとはいえないと思うのでございます。決して間接税のウエートをうんと高めて直接税のウエートを下げていくというふうにすべての方が考えられているとはいえないのであります。ただ十年間に大体四五%ぐらいから三五%ぐらいまでに毎年一%ぐらいずつ間接税のウエートが下がってきた、かなり早いスピードで間接税のウエートが下がったというこの傾向値、これには皆さん問題があるということについて意見の一致があったと思います。ですから、これ以上間接税のウエートが下がってはぐあいが悪いのだということについては、お集まりいただいた、審議に参画された委員さんの間の考え方は大体感覚が合っているのではないかと思います。 ただそれ以上、さらに直接税のウエートを下げて間接税のウエートを上げるほどに間接税を重視すべきかどうかというほどに考えられる方もあり、いやそれほどには考えられないんだという方もあり、そこはまだいろいろであって、皆さんの御意見は一致していないと思います。私どもも、よって税制調査会の専門家の方々の御意見がそういうことでございますから、間接税のウエートが下がってきている事実そのものには非常に問題があると思いますが、さて、じゃどの程度に間接税のウエートがあればいいんだということはなかなか結論が出しにくい。私ども自身がまだどういう考え方だという見解を持っておらないわけでございます。全体はそういうことでございます。 そこで、次に間接税の中で、間接税のウエートが下がらないようにするために、物品税にどの程度の役割りを求めるべきかということになりますと、これまた必ずしも明確でないわけでございます。今回、ただいま御指摘のこの「物品税の改正問題について」という、このペーパーで問題にしております点は、非常に基本的には、ここに書いてありますように、間接税のウエートがどんどん下がるからということを頭に置きまして、物品税がたいへん重要な問題でございますということを、指摘としてはあげておりますが、それは間接税のウエートを維持するために、全部を物品税に期待するということではないわけでございまして、物品税がどんどん下がっていっては困りますということを申し上げているだけでございます。 ちなみに、物品税は昭和十二年に創設されまして、戦時中だんだん補強されてまいりましたが、戦後はどちらかといいますと、むしろ軽減する方向で歩んできたわけでございます。品目も減らしますし、税率も下げますし、免税点も上げますということで、この二十何年間、いわば下げる方向、制度的には軽くする方向に進んできたわけでございますが、少なくとも、その点については少し考うべき時期がきているのではないかというのが私どもの考え方でございます。 いま、たとえば例示としてここにあげられておりますようないろいろな品目を、かりに新たに課税物品として取り入れますといたしましても、それによって、にわかに物品税の税収が、たとえば何千億というような台で、税収が確保されるという性質のものではないわけでございまして、よってもって、物品税のいわば増強が行なわれ、それによって、間接税のウエートが維持されるということに直接につながるような大きなものを考えておるわけではないわけでございます。ただ、むしろ、ここで問題にしておりますのは、そこでもちょっと触れておりますように、現在課税されている物品と課税されていない物品との間にたいへんアンバランスが生じておりますので、むしろそのアンバランスを是正するということだけはまず第一にやるべきであろうというのが主眼でございまして、前のほうに書いてあります点は、どちらかと申しますと、このバックグラウンドと申しますか、そういう意味で触れておるわけでありまして、第一のこの面から、つまり間接税のウエートが下がったということから、物品税を非常に大幅に増強しよう、そこに大きな増収を期待しようという考えは持っておりません。
○阿部(助)委員 その点はわかりましたが、そうしますと、いまの御答弁の方向からまいりますと、いままで行なってきた物品税の体系と申しますか、それは個別消費税、生活必需品には課税をしない、特に免税点の問題とか食料品の非課税というたてまえ、そして担税能力に応じた差等税率というような原則的なものは今後もこれをできるだけ守っていくというお考えのように受け取ったのでありますが、それでよろしゅうございますか。
○高木(文)政府委員 物品税の領域に関する限りはおっしゃるとおりでございます。問題は物品税のような個別消費税か一般消費税かという問題はまた別の問題としてございます。その問題はございますけれども、物品税のいわばフィールドに関する限りはただいまおっしゃるとおりでございます。
○阿部(助)委員 そうしますと、念を押すようでありますが、奢侈品には重く、生活必需品には非課税というたてまえは今後も存続していく方針だということで理解していいんですか。
○高木(文)政府委員 物品税に関する限りにおきましては、生活必需品については全く課税ということを考える余地がないと思います。ただ奢侈品についての課税の問題につきまして、従来は税率でたとえば四割というものが最高税率である。小売りでなしに蔵出しの物品税で四割というものがあるわけでありまして、これが今回の自動車もそうでございますし、その他のモーターボート等に若干の事例があるわけでございますが、税率の格差ということが、税のいわば理論的な根拠に基づきます物品税の姿としては奢侈品的ウエートの高いものについては税率が高いということが本来あるべき姿でございますけれども、しかし、消費の多様化ということに関連をいたしまして、何が奢侈品であるかということについての判定は非常にむずかしくなってきたわけでございます。物品税がたとえば自動車一つとりましても、いまは非常に多くの方が自家用車を持っておられるという時代でございますし、自動車を持っておるということが、そんなにぜいたくだという時期ではだんだんなくなってきているということで御理解いただきますように、何が奢侈品であるかということの判定は、だんだんむずかしくなってくるということでございますので、そういう傾向からいたしますと、方向といたしましては、五%から四割までの六段階税率になっておりますのは、若干税率間差は小さくしていくべきではないか。つまり高い税率のものを少し下げるべき時期に来ているのではないかというふうに考えております。
○阿部(助)委員 個別消費税の場合には、大体一致したわけでありますけれども、問題は一般消費税と申しますか、ここでも4というところに書いてあるのですが、「一般消費税導入の可否が論議されているが、」云々ということで、結局「今後の消費の動向に対処しきれないという問題意識がその背景の一つになっている」こういうように出ておるのですが、これからまいりますと、課税対象の拡大、これは単段階取引高税というか、そういう形で結局は付加価値税の導入を意図されておるんではないかと私はこれを読んだわけであります。税調答申なんかも何か低税率で課税物件の拡大、こういうふうにいってまいりますと、税調も大体皆さんの原案に沿って、皆さんのレールの上を走っておるんだろうと思うのでありますけれども、この文章あるいは税調の最近の答申の内容等から見ると結局広げていくということは、いわゆる付加価値税に近づいていくというふうに私は推測をするわけでありますけれども、その点はいかがでしょうか。
○高木(文)政府委員 間接税というのは日本ではなじみが少ないわけでございますが、最近私どももヨーロッパにおきます間接税の歴史等を調べてみますと、現在付加価値税のような体系が一般化いたしておりますが、これは一朝一夕にでき上がったものではなくて、非常に長い歴史を経て、いわばあそこにたどりついたような感じのものでございます。あそこにたどりつくまでの間接税についての税制の歴史を見ますと、やはりいろいろな経験を経た上で次第にそこへたどりついていったということでございまして、そういう意味から申しますと、私どももやはり間接税を無視できない、直接税だけではどうにもならぬということを前提に考えますというと、日本の税制の場合にも、先行き非常に長い方向の問題としては、御指摘のように、付加価値税のほうに結局近づいていくという一つの道行きがあろうかと思います。それは意図的にそうするとかしないとかということを別にして、どうもある物品には課税になる、ある物品には課税にならない。そうすると、どうしても経済活動はいろいろ知恵を働かして、課税にならないくふうをする。そうすると不公平が生じてくる。課税にならないものがあってはぐあいが悪いからということで、それを何らかの形で穴埋めをしなければならないということで、だんだん穴埋めがされていく。そういう過程を通じてやはり一般化していくというのが、どうも間接税の歴史のようでございます。 現行物品税も、たいへんお恥ずかしいわけでございますが、いろいろな意味でアンバランスが生じております。この物品には課税になりながら、この物品には課税にならないのはなぜかということについて、いろいろ各方面から指摘を受けますと、率直に申し上げて、十分に説明できない部面もありますし、現に、課税のアンバランスも出てまいります。そこで、それではならぬ、この不公平が生じてどうにもぐあいが悪いということで、それを埋め合わせようといたしますというと、それによって個別に、指定していく個別消費税形式はどうもぐあいが悪くて、次第に一般消費税の形式にならざるを得ないような道行きにあるのではなかろうかというふうに感じておるわけでございます。また、物品税は品物にだけかかりますが、サービスというものについては課税にならぬ。ところが、消費の態様としては、物を買うということよりは、どちらかというとサービスを求めるということに消費の態様が移りつつあるということを考えてまいりますというと、なかなかこの物品税というものについてはうまくいかなくて、一種の一般消費税的なものにだんだん歩んでいかざるを得ない状況になっているのではないかというふうに思います。税制調査会の答申にも多分にそういうことが書かれておりますが、その審議の過程におきましても、決して何か意図的にそうだとかこうしたいということでなしに、どうも間接税の宿命といたしまして、そういう方向に向いていくのではあるまいかということで、だんだん委員さんの間でああいう答申になっていったと思うのでございます。 ただ、付加価値税ということになりますと、これまた非常に間接税の中でも最も進歩的といいますか、新しいといいますか、そういうものでございますから、これはまた別の問題でございますが、個別消費税との対比において一般消費税というものは、やはり個別消費税の次に来るべきものではないかと私どもは考えております。
○阿部(助)委員 そうしますと、いつごろ——水田さんは、付加価値税といいますか、一般消費税にたいへん熱心なようであります。また、皆さん方のほうもいろいろとその作業を進めておるやに聞いておるわけであります。新聞で報ぜられるところによると、四十八年にはやりたいみたいな記事も載っておるわけであります。そうすると、いま局長が、その方向にあるという程度の段階ではないのではないか。それは、名前が付加価値税というのかあるいは何というのかわかりませんけれども、付加価値税と見られる、あるいは私が申し上げたように、ずっとワクを広げて、単段階取引高税というような形でずっと、実質は付加価値税というものに移行する準備は相当進んでおるやに私は聞いておるわけであります。しかし、この問題は、いま局長おっしゃったように、税の歴史もあります。同時に、社会全体の歴史もこれはあるわけであります。フランス等においては、これは人民戦線内閣で当初始めたという話をこの前お伺いしましたけれども、人民戦線内閣でこの付加価値税の当初の案をやられるということには、これはそれなりの大きな意義があると思うのであります。おそらくは人民戦線内閣は、これによって国民の社会保障であるとか重大な生活問題の解決にこれを使うんだということが明示されて、そうして国民の合意が得られたんだろうと思うのであります。問題は、取ることだけが問題ではなしに、使うことに問題があると、フランスから来た主税局の局長か次長か忘れましたけれども、彼はそう言ったけれども、私もその点はそうだと思うのであります。問題は、取られるということと同時に、それによって受ける恩恵、社会保障であるとかそういう問題があると思うのであります。 ところが、いま日本の現状を見ますると、先ほど来私が申し上げたように、異常な高度成長、設備投資にこれを振り向けていく。そうして私たちから言わしめるならば、四次防であるとか、行く行くは五次防なんということになってきたら、いろいろな人の計算によると、五次防はおそらく十兆億円以上をこれは必要とするんではなかろうか、こういう話もある。そういう形で、社会保障、公害問題、物価問題というものを置き去りにしながら、大資本の高度成長、高度成長というのは、これは利潤の高度成長なんでして、利潤の高度成長だけにいま突っ走っておる日本の政治情勢の中で、この付加価値税に移行するということには、これはわれわれはやはり大きな問題があるわけであります。そういう点で私は、道行きはそうだとこう局長はおっしゃるけれども、その道行きはごく短い、目の前にその付加価値税の問題が来ておるのではないだろうかという推測をしておるわけですが、そこはもう少し正直に御答弁を願いたいと思います。
○高木(文)政府委員 最近、フランスにおきましては、フランスは付加価値税の歴史は長いわけでございますが、付加価値税が非常に拡充をされて、小売り段階まで広がっていった場合、それからイギリスにおきまして付加価値税を導入するということになっていろいろ議論がされておりまするその契機というものは、やはりECにおいて税制を統一する必要があるということが非常に大きな契機になっておるようでございますし、アメリカにおいて最近、アメリカのような直接税中心主義においてさえ、この付加価値税がたいへん論議されておりますが、その論議されております理由としては、やはりただいま御指摘のように、大きな財政需要ということがあるからこそ議論されていっておるわけでありまして、決して何ら必要がなくしてそういう税というものが議論されるはずがないし、あってはならないと信ずるわけでございます。 私どもは、税の担当者といたしましては、やはりこの付加価値税というのは、率直に申しまして、あまり気が進まない。なぜかといいますと、たいへんめんどうなことでございますので、なかなかそう簡単にはやってはならぬことであり、大ぜいの税務の担当者、税務署の者も含めまして税務の担当者のこと、それから納税者のお立場等を考えますと、そう簡単にできるはずもないし、また、やってもならぬことだと思っております。ただ、問題は、ですからむしろ、税の分野から離れて、税の分野以外の分野で、社会保障とおっしゃいましたが、あるいは社会福祉なりそういうものを含めて、そういう財政需要を求めるかどうか、そのための負担としての何かほかに方法がないかどうか、そうして付加価値税のような制度を導入してでも、なおかつそういう福祉制度を早いスピードで進める必要があるかどうかということは、国民のコンセンサスがあって初めての問題であろうかと思っております。 そこで、そういうふうにまずいかなる時期にそれが具体的に問題になるかということであれば、そういうことでございますし、現在、かりにそういうものを導入するということになったといたしましても、現在の私どものやっております準備の程度では、まだちょっといろいろこまかい点がわかっておりませんし、いろいろ準備が必要でございますので、とてもこれは付加価値税につきまして四十八年度とかなんとかいわれても、これは準備その他の都合上ほとんど不可能なことというふうに考えております。
○阿部(助)委員 私は、間接税の増徴を行なう場合に、やはり幾つかの条件が必要だと思うのであります。それは何といっても逆進性を強めるものでありますから、富が大体平均化するというか、中産階級が大体多数を占めて、あまり貧富の差がないというのが一つの条件だろうと思うのであります。もう一つは、私はやはり物価の安定というものがなきゃいかぬ。そうして高い福祉計画というものがあって初めてある程度国民の合意が得られる、こう思うのであります。いま財源不足ということだけでまいりますれば、私たちがかねてから主張しておりますように、やはり租税特別措置などという特殊な、大企業に対する蓄積を進める税制をまず撤回することだと思うのであります。ことにこの前から私は強く指摘しておりますけれども、輸出のいまのような状態の中で、まだ輸出振興の税制を、特別措置を残しておる。これを残しておきながら、円対策などというものを幾ら掲げてみたからといっても、国内はもちろん、国際的な了解を得るなんということは、私はとうていできる相談ではないと思うのであります。本来ならば昨年の円対策八項目で皆さんが示したように、政府が決定したように、割り増し償却だけではなしに、いろいろとあるところの輸出振興の特別措置ぐらいは、これは勇断をもって廃止していくというかまえがあって、初めていろいろな施策の合意が得られると私は思うのであります。 そういう点で、まず私はこの条件を整える前に、整えることなしに間接税の増徴というもの、特に付加価値税の導入というものに対しては、私たちは強い関心と反対の立場をとらざるを得ない、こう思うのでありますが、いまのお話ではそう急にはやらないということでありますし、私もいまの日本の現状の中ではこれはやるべきでないし、やれないのではないか。今度のままで間接税を強めていく、付加価値税をとっていくということには私は大きな問題があると思うのです。結局とどのつまりは軍事費の財源になっていったり、貿易戦争をさらに進めて、そうして経済はますます高度成長を続けていく。そのあおりはいまの公害だ、物価高だ、そしてその行き着く先は、やはり帝国主義の道を走る以外に道がないと思うのです。そういう点で私はこの間接税の問題は、いろいろとここに書いてありますけれども、この全体を流れるものはやはり付加価値税に向かっての地ならし、それが今度の免税点の一括一〇%の引き上げなどということに私はなるのではないか。私は引き上げるのはいいにしましても、これがどれだけ物価に影響するかというのも疑問でありますし、一律ということにやはり疑問を持つわけでありまして、私はできるだけそういう点での再検討をお願いをしたいと思います。 これで私の質問を終わります。
○齋藤委員長 次回は、来たる十五日木曜日、午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時五十五分散会