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68回国会衆議院1972/06/07

大蔵委員会 第36号

発言数
101
登壇者
14
会派数
2
開催日
1972/06/07

会議録

齋藤邦吉自由民主党

○齋藤委員長 これより会議を開きます。  通行税法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。堀昌雄君。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 最初に、最近三月の中旬でありますが、長年の懸案でありました山陽新幹線が岡山まで開通いたしました。この山陽新幹線が大阪駅を出ましてから六甲トンネルに入りますまでの間については、公害、特に振動、騒音等に対する公害問題について、地域の住民の非常に大きな関心がこれに集まっておりまして、御承知のような新幹線の測量等の立ち入りを断わるというような経緯が続出をして、用地の測量ないし買収等の手続もかなり時間がかかっておったことは、国鉄当局としては十分御承知になっておることだと思います。当時私は、これまでの在来の東海道新幹線における騒音なり振動の問題から見て、どうしてもこの新幹線を密集市街地を通す場合には、その両サイドに大きなグリーンベルトを置いて、できるだけそのグリーンベルトによってこれらの騒音、振動等がまあ拡散吸収をされるといいますか、そうしてその地域における民家等に影響を与えないような取り扱いをすべきである、こういう考え方を当委員会あるいは予算委員会の分科会等で問題提起をして、当時の副総裁でありました現在の磯崎総裁との間に何回か論議をした経緯があるわけであります。特にその問いろいろな皆さんの御検討もありまして、国鉄で一部を持ち、あと地方自治体等でこれらに側道を設けるというところにまいったわけでありますけれども、残念ながら、私が当初問題提起をしておりましたような五十メートルにはほど遠い、ごくわずかな部分しか残されていなかったというのが実は山陽新幹線の、いま私の申し上げました大阪駅を出て六甲トンネルに入るまでの間の市街地通過における問題でございました。その後国鉄当局としては、これらの地域に対していろいろと説得活動を続けられて、一応地域住民も納得をした形で工事が進められて三月に実は幹線の開通ということになったわけでありますけれども、特にいま開通後にこの騒音と振動に対しての強い苦情といいますか、が出されておる地域があるわけであります。  そこで、最初にお伺いをしたいのは、山陽新幹線をつけるときには、そういういろいろな角度から騒音なり振動の問題について意見が出され、これについてはその高架のつくり方なりあるいはその他いろいろな諸施策を講じて騒音、振動を在来の東海道新幹線よりは減らすような努力をするんだ、こういうふうに承っておったわけでありますが、国鉄当局が当初計画で考えておられた騒音なり振動と、実際に新幹線を走らせて現在起きておる騒音なり振動についての調査が行なわれておるのかどうか、最初に国鉄当局にこの点をお伺いをいたします。

山田明吉日本国有鉄道副総裁

○山田説明員 問題の山陽新幹線につきましては、東海道新幹線のときよりも、いわゆる公害問題が非常にやかましくなってきております最近の実情でございますので、事前にも調査を、これは事前でございますからまだ列車が走っておらない状態ではございますが、そのときの理論値も計算いたしました。それから完成したあとでは、列車が現実に走っております状態でも測定はいたしております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 いまの最初の計画値ですね、計画では一体どのくらい、どの距離でどうなるか、それからいまのテストの段階ですね、それから実際に運行しておる段階では、どっかの地域でいいのですが、大体どういうようなデータが出ておるのでしょうか。事務当局のほうからでけっこうですが、お答えをいただきたいと思います。

斎藤徹日本国有鉄道新幹線建設局長

○斎藤説明員 ではお答え申し上げます。  工事着工前に地元の方々に御回答を申し上げた文書というのが残っております。それによりますと、大体音につきましては防音壁を立てる、あるいは軌道の構造を変える、軌道の重量を重くする、そういうようないろいろな方策によりまして、大体八十ホン前後まで下げますということをお約束をいたしております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 それは皆さんが約束された、ここには昭和四十三年三月三十日付での佐藤康というのですか、新幹線工事局長は、山陽新幹線対策三市議会連絡協議会に回答し、「騒音については在来鉄道と同程度の七十五ないし八十ホン(A特性)にとどめ、振動については高架橋両側に残る住宅内で、人体にほとんど感ぜず、また建物等にも損傷を与えない程度にとどめます。」こういうふうにいっているんですね。これは公式文書が出ておりますから、いまのお話で七十五なり八十ホンということにお約束をしておられる。実際に今度は試行テストなり現在の運行状況での騒音調査はどういうふうになっておりますか。

斎藤徹日本国有鉄道新幹線建設局長

○斎藤説明員 開業後地元の方々よりかなりの苦情が参りまして、もちろん参る前から測定は継続しておりましたが、なお急遽測定をふやしまして、測定をいたした結果が車両によってかなり差がございます。しかし、平均いたしますと、七十七、八から八十ホンくらいにおさまっておるというデータをわれわれはつかんでおります。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 いま国鉄のほうの調査では、お約束の七十五から八十ホンということでありますけれども、実は伊丹市の環境保全部公害検査課というのが、昭和四十七年三月二十八、二十九日と、四月の三日、四日、五日の午前十時から午後五時までの間に測定をした結果が、実は公表されておるわけであります。  ちょっと読み上げますと、「騒音については、各場所での騒音レベルの平均をとってみると高架下では八十一〜八十九ホンであった。これは直接軌道からの音が伝わったもので高い値を示したと思える。十メートル地点では七十五〜八十三ホンであり二十メートル地点では七十四〜八十二ホンであった。十メートル地点における測定最高値は南野集会所の八十四ホン、測定最低値は阪急伊丹線の七十四ホンであった。また二十メートル地点における測定最高値は南野集会所の八十三ホン、測定最低値は南中学校の七十三ホンであった。南野集会所では十メートル、二十メートルの両地点でともに最高値を示した。」こうなっております。  「また遮へい物の影響の少ない住宅の屋上における測定では、住居地域の伊丹電機工業(株)いなの寮(四階建)屋上で」、これは距離は並行して十五メートルの距離でありますが、「八十五〜九十二ホン、工業地域内の県職員住宅(五階建)」、これは距離として並行して二十メートルのところで、「八十八〜九十二ホンを記録した。各測定地点における暗騒音は五十ホンから六十ホンの間であった。」こういうふうに実は伊丹市の調査結果が出ておるわけでありますね。  ちょっとこのデータから見ますと、これはかなり、都合五日にわたって抜き出しております。地点は六カ所、南野集会所、野間県営住宅、南中学校、金岡排水路、阪急伊丹線、県職員住宅というような六カ所をとって調査をしておるわけでありますけれども、いずれもちょっと皆さんのほうの当初のお約束に比べて、実は高い騒音度が出ておるわけです。  御承知のように、この伊丹は大阪国際空港があるために、伊丹の住民というのは騒音に対して非常に敏感になっておりますし、同時に伊丹市はそういうことで騒音測定については、おそらく日本の都市の中では最も緻密な騒音測定をやっておる市だと思うのでありますね。そこで、こういうようなデータができておるということで、すでに皆さんのほうにも届いておるかと思うのでありますけれども、「伊丹地区内の速度を全車百キロメートルにすること。振動、騒音に対する抜本的な防止策を検討すること。パンタグラフのスパークをなくする方法を講じられたい。新幹線に対する環境基準を早急に設定されたい。テレビ受信障害を完全に除去せられたい。」このような申し入れが、おそらく国鉄当局にも出されておるのではないかと思うのですね。  そこで、私は、この問題は確かにスピードに関係する問題でしょうから、スピードが下がれば音は小さくなるんじゃないか。大体この資料で見てみますと、下りのほうが音が高くて上りのほうが音がどうも低いようです。これはトンネルを出てからの地域というものは新大阪に非常に近いものだから、どうも上りのほうはそこでかなり減速をしておるんじゃないだろうか、下りのほうは神戸までの間にまだ六甲トンネルがありますから、ある程度まだかなり加速した状態で通るものだから、どうも下りのほうが二ホンくらい平均して高いようなデータになっておるわけですね。そのことは確かにスピードにも関係があることだと思うので、この点はやはり今後の運行上の問題もありましょうけれども、新大阪の駅を出てからの近いところで、同時に新神戸というのは距離にしても非常に距離の近いところでありますから、何とかトンネルに入るまではできるだけひとつスピードを落として、トンネル内は相当高速で走っても騒音、振動等の問題はありませんから、何とかひとつそういう意味では運転等にも配慮して、いまのお約束の七十五ホンから八十ホンまでに、これらの騒音についての処置をひとつ考えていただけないか。  やはりこのことは今後の新幹線がさらに岡山を出てずっとおそらく博多まで行くことになるだろうと思うのですが、その他全国に広がるについては、市街地を通らないで行くというわけにはなかなか参らないだろうと思いますので、どうしても市街地を通る。市街地を通るときに事前に市の議会などに約束をしたことが守られないということでは、私は今後の新幹線を延ばしていくについてはたいへん大きな障害になるんではないか、こういうふうに考えるものですから、いまのスパークの問題なんというのは、これは技術的にたいへんむずかしい問題かもしれませんが、しかしおそらくそのスパークというのは、それから起こるところのテレビ等における騒音ないし画面に対するいろいろな影響ではないかと推察をしておるわけでありますけれども、少なくとも今後この新幹線を広げていくためには住宅密集地帯を通るときに、できる限りの対策をこの際立てていただくことがきわめて重要だと思いますので、これについての国鉄側のお考えを承りたいと思います。

山田明吉日本国有鉄道副総裁

○山田説明員 これからの新幹線の建設について、たいへん貴重な御示唆をいただきましてありがとうございました。私どもも全く同様に考えております。特に最近、方々で公害の問題が非常に関心を高めてきているやさきでございますので、正直に申しまして東海道新幹線のときには、公害の問題は念頭に全然置かなかったわけではございませんけれども、あまり念頭に置いてなかったのは事実でございますが、その後の山陽新幹線それから現在建設に取りかかろうといたしております東北なり上越、これらにつきましては、いま私どもの持っている技術力を最高度に活用して、一応予防的な措置は講じております。また別途環境庁でも、新幹線の騒音の問題について検討を始めておられますので、そちらの御指導にもよって、今後対処してまいりたいと思います。  具体的に、いま伊丹の問題について御指摘がございました。伊丹市当局から、確かに国鉄に書面でいろいろな御意見とそれから御要望も参っております。それでその中、逐条的に申しますと、測定値の問題でございますが、いま建設局長申しましたように、私どもではかった前の値と最近のとはそう違わないように私どもは認識しておりますけれども、先生御指摘のような、地元で——これももちろん専門家がおはかりになったことと思いますので、念のためにあらためて両者共同の調査をさせたいと考えております。  それから、今後の騒音対策でございますけれども、御指摘にございましたように、スピードを下げたらどうかというような御意見でございますが、これは結論的に申しますと、スピードを下げないで騒音を下げる方法をとるべきではないか。ある一定の地域で徐行いたしますと、その区間だけではございませんで、前後にどうしてもあたりが出てまいります。それから二百十キロ出るのを殺して、百キロとか五十キロにいたしましたそのデメリットと、それで騒音が減少するメリット、これの比較の問題だと思いますので、むしろ根本的な騒音、振動、この対策を講ずることによってスピードは高速鉄道の特性を生かすようにやってまいりたいと考えております。  それから、スパークの問題でございますが、これはパンタグラフのスパークによるテレビ障害の公害が大きな問題になっております。これは現在私どもでも騒音、振動それからこういう電波障害、これに関する専門的な委員会を設けまして、精力的に原因の究明に当たっております。それで私どもなりの一応の結論が出ましたら、NHKさんとも御相談いたしまして適切な処置をとりたい、このように考えております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 もちろん私も何もスピードを落とさなくちゃならぬとは思っていないのですけれども、ただ約束が守られないとなると、やはり約束を守ることのほうが今後の対策上重要なのではないか。だから高速で通って七十五ないし八十ホンまでということであれば、まあ調査結果について、皆さんと共同調査をされればさらに精密なものが出るのでしょうが、住民の話を聞きますと、振動についても、実は三十メートルくらいでもたなの上からものが落ちたり、ガラスは響くし、かなりの振動がある。かなり離れたところでは実際にデータとしてはそんなに大きくないように思うのですけれども、しかし朝から何回も通れば、振動があるから、それがだんだんと倍加されてきますから、一回の振動ならたとえば〇・三ミリかもしれないけれども、〇・三ミリのものが朝から十回来ればやはり三ミリ動くわけですからね。だんだんやってくるうちにはたなの上に載せてあるものが落っこちるということにもなると思うわけでして、住民が当初からそういうことの心配を持っておったところに、皆さんのほうでは心配ありませんと、ここではこういう表現で言っておられるわけですけれども、「振動については高架橋両側に残る住宅内で、人体にほとんど感ぜず、また建物等にも損傷を与えない程度にとどめます。」どうも人体には相当感じるし、ものも落ちる。建物の損傷というところまではいかないかもしれませんが、そういうことのようでありますし、さっき申し上げたような平行した鉄筋の建物の屋上等ではかるとたいへんひどい音になっておるとすると——要するにいまここで調査しておりますのは、地面の上で〇メートル、十メートル、二十メートル、こういう角度で上から九十度、四十何度、二十何度ということではかっておるのですが、横に鉄筋の建物がたくさんあるわけです。そうすると、平行に来ておる場合には、どうも九十ホン以上になるということでたいへんな影響を受けておるから、おそらく窓があっても、外ではかって九十ホンというのは中でもかなり影響しているのじゃないかと思いますので、ここらはひとつ十分皆さんのほうで共同調査をされた上で、少なくとも何らかの方法によっていまのお約束になったところまではおろしていただくということにしないと、要するに国鉄というのは、つけるときにはいいかげんなことを言って、あとは騒音や振動が約束に反しておっても知らぬ顔だということでは、私は、これはやはり今日の公害に対する国民の感情からいたしましても、今後の新幹線をつくるときに、この問題が大きくなればそれだけ新幹線を通すことは非常に困難な問題も出てくるのではないか、こう思います。私は何もスピードを落とすことを主体にしてものを言っているわけではないのです。確実に約束が守られるような措置をとるということをお約束いただければ私のほうとしてはけっこうなんです。その点いかがでしょうか。

山田明吉日本国有鉄道副総裁

○山田説明員 御指摘のとおり、大体八十ホンを目標に下げるように、まあこまかいことで申し上げませんでしたけれども、レールの波状摩耗を起こすようなところは早く取りかえる。これはレールと車とのたたき合いで起こる音もございます。それでレールの取りかえを早く行なう、あるいは車輪、タイヤといいますか、これも早目に取りかえるというようなことで音を少なくする。あるいは車自体の構造で、スカートと言っておりますが、車輪の部分をずっと下までおおって音を外に出さないというようなことも考えております。それから軌道構造自体も、大体設計のときからそのつもりでつくってあるわけでございますが、騒音のひどいところには防音壁をさらに設けるというようなことも現在着手しているところもございますし、最も効果的な方法はどうかということを検討中でございますので、御指摘のように、お約束の線に至るような最大の努力をなるべく早くいたしたいと考えております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 実はこの前、私、大蔵大臣御出席の当委員会の席上で、公共事業と環境保全の問題を取り上げて問題提起をさせていただきました。昨日の閣議の了解事項として「各種公共事業に係る環境保全対策について」ということが決定を見ました。大蔵大臣、御承知でございますね。昨日の閣議で了解をされております。  ちょっと読み上げておきますと、「環境保全の重要性にかんがみ、政府としては、各種公共事業(政府関係機関等が行なうもの及び地方公共団体が行なうものであって国が補助金を交付し、又は許可し、もしくは認可するものを含む。以下同じ。)の実施に伴う環境保全上の問題を惹起することがないよう、今後各種公共事業の実施に際して以下の措置をあわせ講ずることとする。  1 国又は政府関係機関等は、道路、港湾、公有水面埋立等の各種公共事業を実施しようとするときは、計画の立案、工事の実施等に際し、当該公共事業の実施により公害の発生、自然環境の破壊等環境保全上重大な支障をもたらすことのないよう今後いっそう留意するものとする。  2 1の趣旨にかんがみ、国の行政機関は、その所掌する公共事業について、当該公共事業実施主体に対し、あらかじめ、必要に応じ、その環境に及ぼす影響の内容及び程度、環境破壊の防止策、代替案の比較検討等を含む調査研究を行なわしめ、その結果を徴し、所要の措置をとらしめる等の指導を行なうものとする。  3 地方公共団体においても、上記に準じて所要の措置が講ぜられるよう要請することとする。」  これは実は、公共事業一般についてのあれですけれども、新幹線もその意味では国が今度は大きな資金援助をしながら行なうところの公共事業の一部でありますから、私はやはりこのワクの中に入ると思うのですね。どうかひとつそういう意味で、環境庁等とも十分協議を遂げられて、今後いま約束をされた形で新幹線の事業が進むように、大蔵省としてもこれらの面を配慮しながら資金等の問題についても考慮をするということにしていただきたい、こんなふうに私は思うわけですね。ですから、これは私、たまたま個別問題として問題を取り上げておりますけれども、実はこれは個別問題というよりも今後の新幹線の公害における一つの重要な問題でございますので、この点について、こういうような閣議了解事項も決定をされておる今日でございますから、ひとつ国有鉄道の側においても、運輸省の側においても、さらに大蔵省の側においても、沿線住民の公害に十分配慮してこれらの事業を進められるように強く要望しておきますが、それについて一言ずつ、国鉄と運輸省と大蔵大臣から、それぞれ御答弁をいただきたいと思います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 きのう閣議で、環境庁長官の代理から各省の大臣に、特にこの問題の協力を要請されました。したがって、今後大蔵省としても、この問題については各省といろいろ協議してやっていきたいと思いますが、特にいま御指摘の問題については、運輸省、国鉄と十分協議の上対処していきたいと思います。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○山口政府委員 ただいま先生御指摘のございました公共事業によるところの環境の確保という問題につきまして、これが新幹線その他の鉄道建設について含まれておるということも私ども承知の上で、大臣が閣議決定に臨んでおります。  国鉄の騒音問題、特に新幹線の問題でございますが、非常に複雑な形態をとっておりまして、これは単なる車両だけでなくて、線路と車両との関係、あるいは運転の方法その他各般の問題がございまして、たとえば線路の側といたしましては、築堤であるとか切り取りであるとか、あるいは高架であるとか橋梁であるとか、すべて条件が変わってまいりますし、あるいは運転の方法につきましても、スピードの問題、あるいはカーブ、勾配の問題におけるところの運転方法というようなものがございまして、技術的にかなりの困難を含んでおります。  そういうものでございますので、私ども、一般的な基準はなかなかむずかしいわけでございますが、基本的には、先生御指摘のように、こういう国民に非常に大きな便益を与える事業であればあるほど、やはり環境の保全ということについて十分の配慮をしつつこれをやっていかなければならぬということで、先般、これは施設の問題でございますので、鉄道営業法に基づくところの建設規程等の改正をいたしまして、環境の保全ということに全力を注ぐようにいたしたわけでございます。今後も、こういった面につきましては当然大いにつとめていかなければならない。  それで、実は東海道新幹線の実績にかんがみまして、先ほど副総裁からも申し上げましたように、各般の改善は一応はやってきております。一つは、東海道新幹線で一番問題になっておりましたのは無道床鉄げたでございますが、こういったような無道床鉄げたの橋梁を避けてこれをコンクリート橋にするとか有道床橋にするとか、それから人家が密集する場所だとかあるいは学校、病院等がある場所に防護壁をつくるとか、車両につきましては、先ほど副総裁から申し上げましたようなスカートをつけるというようなこと、それから軌道構造にいたしましても、東海道新幹線におきましては五十三キログラムの軌道を使っておりますが、これを六十キログラムの軌道にする、あるいはロングレールにするとか軌道パットの改良をする、あるいはパンタグラフと架線との関係におきまして異常鳴音が発生いたしますが、こういったような面の防止のための技術改良というようなことをやっておりまして、山陽新幹線につきましては東海道新幹線よりかなり改善されたと私ども考えております。  しかしながら、これも技術の進歩を大いにやってもらわなければいけない。それで国鉄のほうでも、これに対しまして特別の技術のチームをつくりまして、この環境の改善というためのことをやっているわけでございます。運輸省といたしましても、この面につきましては力を尽くしまして前進をさせてまいりたい、このように考えております。

山田明吉日本国有鉄道副総裁

○山田説明員 昨日の閣議了解という問題につきましては、私ども正式に何ら御指示は受けておりませんけれども、先ほどからお答えいたしておりますように、政府の御指示をまつまでもない事項につきましては、私どももできる限りの努力はいたしますし、この問題につきましても、今後も政府の御指導を得て処置してまいりたいと考えております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そこで最後に、この問題は今後新幹線周辺の環境基準といいますか、やはりこの問題が定められて——はたしていまの七十五ホンから八十ホンというのでいいのかどうかという問題もやはり残された問題ではなかろうか、こう私は思っておるわけでございます。ですから、きょうは環境庁を呼んでおりませんけれども、環境庁とも協議の上、できるだけすみやかに新幹線周辺の環境基準はどうあるべきかということができてまいりますれば、それに基づいて周辺住民もそれなりに納得をされる基準になろうかと思いますし、国鉄もひとつそういう基準に向かって各種の配慮をしていく。いまのそういう諸種の改良で効果がない場合には、私が最初に問題を提起したように、住家までの距離をある程度おく。要するに、グリーンベルト等によってこれの対策を処置するというようなことも考えていいのじゃないかと思いますので、ここらもひとつ運輸省を含めてすみやかに新幹線の環境基準というものをつくることに努力をしてもらいたい、こういうふうに思いますけれども、この点はいかがでしょうか。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○山口政府委員 この新幹線の騒音関係につきまして、環境庁におきましてもこれに対する基準を検討しようということで、先般調査を始めております。運輸省もこれに一緒になって調査をしておるわけでございますが、私どもは環境庁と相談いたしましていい基準をつくりまして、それによって今後の建設を進めていくというようにしなければ、今後の新しい新幹線建設はなかなかできないだろうと思いますので、そういうように進めたいと思います。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 それでは今度は主税局のほうにお伺いをいたしますが、今回の法律はこれまでの法律とはちょっと様式が異なっておりまして、これまで第三条は「左ノ者ニハ通行税ヲ課セズ但シ第一号又ハ第二号ニ掲グル者ノ支払フ寝台料金(一人一回ニ付千六百円ヲ超ユルモノニ限ル)」ということになっておりましたものが、今度はそのカッコ書きの中が「一般ノ乗客ノ通常利用スル寝台ニ係ル料金トシテ命令ヲ以テ定ムルモノヲ除ク」ということになって、今後は命令によって、国鉄の運賃改定に伴う通行税法の改正は当委員会に出てこない、これが最後の国鉄運賃に関する通行税法の改正だ、こうなっておるわけですね。  最近、私はまことに大蔵省の姿勢がいかがかと思っておりますのは、この間も銀行局が提案してまいりました開発銀行法において、借り入れ限度額を一倍から二倍、三倍、四倍、五倍、六倍とこれまできた。それをとたんに二十倍にするということでありますが、これも国会審議をよけて通ろうという発想に基づいておる。二十倍はちょっとひど過ぎるというので、当委員会で論議をした結果、参議院で十倍に修正をされましたが、それにしても七、八、九、十と四回分まとめて審議を簡略化しようという企てが行なわれたわけです。今回もまた、どうも通行税法を委員会に出すと国鉄運賃値上げとの関連でややこしいから、国鉄運賃さえ上げれば、あとの関連の処置はなくて済むようにしたいという魂胆がきわめて露骨に出ておる法案が提案をされてきた、こういうように私はこの法案を実は見ておるわけです。  大蔵大臣、これまで千六百円の前もやはりこうやって金額で、国鉄運賃の改正があるごとに実は通行税法というものを改正してきたのです。これは大蔵大臣も御承知だと思うのですね。それを、どうしてそういうように国会審議を避けて通るような、安易な道を選ぶような方法をとったのか、ちょっと大臣の御答弁をいただきたいと思います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 安易な道というのじゃなくて、御承知のように、B寝台、A寝台、二つに寝台料金を分けておりましたが、これを実施した後の様子を見てみますと、もうB寝台は事実上一般乗客が利用することに最近では事実が定着しておりますので、そうしますと、もうB寝台は通行税は取らないということをここではっきり原則的にきめられるという時期であろうと思います。そうしますと、これを原則的にきめるということにしますと、実態を、いまの実態を変えるわけではございませんので、したがってこの運賃の改定があった場合に、一々政令でこの限度がきまれば、それによって通行税は取らないということになればいいので、従来と違ってまだこの無税の原則が確立していないときと、もう確立させていいのだというときでは事情が変わりますので、したがって、これを一々法律事項にしなくても問題はないというふうに考えたのが今回の改定であろうというふうに考えております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 大蔵大臣、経過を御存じないかもしれませんが、運輸省にお尋ねをしますが、いまのいわゆるB寝台、かっての三等寝台といわれたものは一体いつできたのですか、ああいう形でできましたのは。——国鉄でもけっこうですよ。

山田明吉日本国有鉄道副総裁

○山田説明員 先生御指摘になりましたいわゆる三等寝台というのは戦前からございましたけれども……

堀昌雄日本社会党

○堀委員 いまのもの……。

山田明吉日本国有鉄道副総裁

○山田説明員 電車寝台の上、中、下に分かれております。これは昭和三十年の終わりごろからのもの……

堀昌雄日本社会党

○堀委員 いや、そんなことはない。

山田明吉日本国有鉄道副総裁

○山田説明員 結局列車寝台、列車組成の中に組み込む寝台と、それから電車で寝台列車をやったというそれだけの違いでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 私の記憶では昭和三十年にはすでにいまと同じ三段階の三等寝台があったのですね。これは当時は電車ではなくて列車だと思いますけれども、しかしそのころはそういう意味で三等寝台、こういっていて、いまの形は、だから私は昭和三十年くらいからあったのじゃないかと思うのですが、ちょっと正確にはどうなりますか。

中橋敬次郎大蔵大臣官房審議官

○中橋政府委員 三等寝台は、ただいま国鉄のほうからもお答えがございましたように戦前からございまして、通行税は、実は寝台につきましては昭和十六年から課税をいたしております。そのときにはもちろん三等寝台にも課税をいたしておりました。その後三等寝台という形のままで通行税をかけないというふうにいたしましたのは昭和三十六年でございます。そのときに三等寝台を非課税という形を法制的にはとりませんで、金額でもって区分したわけでございます。いわゆる三等寝台が課税されないようにということで、千円未満の寝台についてはかけませんということでやりまして、その後同じような考え方でもって千円という免税点は千四百円、千六百円と上げてきたことは御承知のとおりであります。したがいまして昭和三十六年以降は現在の通行税の考え方から申せば三等寝台あるいは現在のB寝台というのは大体普通の人が使うものでございますから通行税がだんだんいわゆる上等客についてのみ課税するという思想に沿いましてこれを課税しないということでもって、金額でもってやってきたというのが従来の経緯でございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 いま大臣、あなた、もうB寝台というのは普通の人が使用するのだから、もうともかく金額が必要なくて、原則にするのだというお話ですが、すでに昭和三十六年から原則になったのでしょう。そういう一つの原則があるから、金額でしかしそこまで表示しようということで、金額はいまのいわゆるB寝台のおそらく——あれは中、下段が同じ値段でしたかね——上、中が安くて下段が高いのでしたか、ちょっと私もだいぶ昔の話ですから覚えておりませんけれども。ですから、要するにその一番高い分に合わせて免税点を引いたということであれば、さっき大臣が御答弁になった中で、もう今日B寝台というものはいまの通常の一般乗客の利用する寝台だということにしていいのではないか、こういうふうに言われたけれども、すでにこれは論理的には昭和三十六年からそうなっているので、そうなっているから金額表示だけである。  だから私はやはり金額でそういうふうにしてきたものをここでひとつ新しいルールに変えたというのは、まさに政令委任によって、認可料金が変更された場合にその変更に基づいて通行税にさわる必要のないようにしようということが主体であることに私間違いがないと思うのです。だから大臣、あなたのおっしゃったことはちょっと論理的におかしいじゃないかと思うのですが、どうですか。

中橋敬次郎大蔵大臣官房審議官

○中橋政府委員 私が御説明申し上げましたのと大臣からのお話とは全く同じことを申し上げておるのでございまして、通行税法上、三十六年から確かに金額でもっていわゆる三等寝台を非課税にするということにしました。表示しました思想はずっと続いているわけでございますが、それを今回一般の乗客が通常利用する寝台ということで、むしろその金額を三十六年あるいは四十一年、四十四年となぜ引き上げてまいったかという思想を法文上明らかにいたしたわけでございます。それが、私どものほうでもう少し、もう金額ということによらないでいわゆるB寝台であれば通行税をかけないという法制を、現在の通行税の体系のもとにおいては可能でないかということもいろいろ法制的にも勉強いたしたのでございますけれども、どうもそれが書きにくい。そういうことであれば、やはり明らかにする意味においては、最後にはどうしても金額を明示しなければなりませんけれども、一般の乗客が使う寝台ということを法文上うたえばおのずとそこにいわれますところの非課税となるB寝台というものは一体どういうものであるかということは法文上明らかになるだろう。それをもう少し紛淆を来たさないために政令でもって金額を指定するという、法制的にやむを得ない措置でございましたので、決して私どもは法案の審議を避けて通るというような気持ちは毛頭ございませんで、むしろ三十六年来の原則を法文上明らかにしたというつもりなのであります。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 いみじくもいま審議官が答弁しておられますように、ほんとうにこの法律で政令に委任しないでそのまま法律で書けるのなら、私はいまこの問題提起をしようと思っていないわけですよ。要するに、法律で普通の乗客の乗る寝台はもう免税ですと書けないで政令で依然として金額で処理をしようということは実は同じことなんですよ。金額で処理することにおいては、法律で処理するか、政令で処理するか、それならば政令で処理するということは、法律を避けて通るということである。論理的にそうならないですか。  だから、いま政令委任でなしに法律で処理できるのなら私はそれはひとつの考えだから、それでいいと思います。それは避けて通るのではなくて一つの新しい考え方に基づいてやるというのだから、それはいいのですが、それを政令に委任して金額をまた依然として千六百円から二千二百円にする。政令で二千二百円と書くわけでしょう。政令で書くということなら、政令でやろうと法律でやろうと取り扱いは同じことなんですよ。なぜ政令にするかといえば、法律事項で審議を省くという、行政権の拡大によって立法権を侵害しようという、大蔵省としてたいへん僭越しごくな法律の提案だと私は思う。このことは、野党の私が、ということじゃないですよ。ここにすわっておる人、与党を含めて国会の権威の問題なんで、行政権がだんだんとこうやって立法権の範囲を侵害するということは全く適切でないと私は思う。うしろのほうもどうですか、ひとつ賛成の手はあがらぬですか。立法府の立場としてはこの点は全く遺憾だと私は思うんだ。そういうことで、こういうやり方は、大蔵大臣、適切でないですよ。私が言っていることは論理的にもし反駁できるようなら一ぺん答弁してください。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 もしあなたの言うことを徹底するのなら、寝台料金も法律事項にするということでしたらいいんですが、もう寝台料金は国鉄総裁がきめるということになっていますし、そしてB寝台はいま言ったように無税にするんだということは、その原則がきまっておるということでございましたら、国鉄総裁が料金をきめたときに、幾らまでという限度をきめるのは政令でやってもちっとも差しつかえない事項だろう。それが、政令はけしからぬというのでしたら、大もとの国鉄総裁が料金をきめること自身、そこを直さなければ論理が合わない。それを、国鉄総裁にまかせていいんだ、そうなったとすれば、国鉄総裁がきめたときに幾らまではという金額を指定するのは政令でもかまわぬ。それを無税にするとかしないとかということをかってに政令でやったということがけしからぬというのならいいのですが、そうじゃなくて、原則としてB寝台を無税にするということを、ここでこの趣旨を法制化しようということでございましたら、実態に変化を及ぼすことでもありませんし、その点が政令にまかされてもちっとも支障のあることではないという気が私はします。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 運輸省に聞きますけれども、これが認可料金になったのはいつからですか。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○山口政府委員 国有鉄道運賃法が制定されましたのは昭和二十三年でございます。二十三年以前は国鉄の運賃というのは法律事項ではございませんでした。これは、政府の機関で鉄道会議というものがございまして、鉄道会議に諮問いたしまして主務大臣が決定をいたすということで、もっぱら行政ベースで扱っておったのでございます。それで、二十三年の段階になりまして国有鉄道運賃法を制定いたしまして、そして国鉄運賃の基本的な賃率というものは法律できめるということにいたしました。そのときから料金その他につきましてはすべて国鉄がきめ、主務大臣が認可するという形になったわけでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 この認可料金というのは二十三年からきまっているのですよ。それを、三十六年、四十年、四十四年ですか、通行税の改正は三回ですね。一回でやめたというのなら話はわかりますよ。一回、二回、三回と片方は認可料金であるものを立法事項で処理してきたわけですよ。だから、これまで三回やってきたのは、大蔵省がそれが正しいということだったんでしょう。立法によって処置することが正しいと思うから、一回にとどまらず二回、三回と法律改正で処置をしてきたものを、あなたがいま言うように、片方が認可料金だからこっちは政令でいいんなら、初めから政令にすればいいじゃないですか。それを立法事項にしたには立法事項にした理由があるでしょう。これは、なぜ最初に立法事項にしたのですか、それを答えてください。

中橋敬次郎大蔵大臣官房審議官

○中橋政府委員 立法事項にいたしましたのは、先ほど申しましたように、金額だけでもって免税点を定めるという場合に金額にいたしたわけでございます。おっしゃいますような、従来からの料金の体系のもとにおいてなぜそのときからいまのような法制をとらなかったのかという御質問に対しまして、私どもはこういうふうに考えております。  と申しますのは、昭和三十年代くらいまでの間はいわゆる一等寝台にもA、B、Cとございました。それから二等寝台にも上段、中段、下段というのがございまして、三種ずつございますから、かなり料金が相接近しておったわけでございます。たとえば一等寝台のCと二等寝台の下段というものと、金額的にもかなり接近いたしておりましたから、そこで、ある金額をもって免税点を明示するのが一番正しいだろうというふうに当時考えておったわけであります。それがだんだん一等寝台のB、Cというものがなくなりまして、一等寝台はいまのB寝台に比べればかなり値段の高いものに分かれてまいったわけであります。そういう事態が明らかになりましたのは、私どもは大体昭和四十四年の改正以後ではないかと思っておりますから、おっしゃいますようにあの前回の改正のときにこういうような改正を行なうべきではなかったかということは、私どもも当時確かにそういう問題を考えたわけでございます。実はあの前回の改正のときには、一番基本的にいわゆるグリーン料金の問題というのがございまして、特別車両料金というものについての課税問題というやや根本的な改正がございました。それから一等のA寝台、いまの一等寝台とそれからB寝台の利用状況というものも、そのころから見まして一体どういうふうに変化していくのかということは実はあのときはよく見通しがつきませんでした。  その後約三年たってみまして、いまやB寝台というものは、A寝台と違いまして一般の人が利用するということで大体割り切ってもいいんじゃないかということで、今回こういう改正案をお願いいたしておるわけでございます。そしてその場合にも、先ほどちょっと法文の研究をいたしましたと申しましたが、「一般ノ乗客ノ通常利用スル寝台ニ係ル料金トシテ」ということで書きましたものですから、私どもが政令で免税点を定めるについてもこれによって大体縛られるというふうに考えて、今回の改正案の御審議をお願いしておる次第でございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 ちょっと時間がありませんので終わりますけれども、大蔵大臣、きょうのいままでの話では私はどうも納得できないのですよ。しかし時間なので他の理事会へ出なければなりませんのでこれでやめますが、ひとつ大蔵省はできるだけ当委員会を避けて通ろうというようなけちな根性をやめて、少なくとも立法事項でこれまでやってきたものは、ほんとうにわれわれみなが、なるほどこれはこういう経緯で来たけれども、この際これは政令に移してもいいなということを満場一致で認められるもの以外は、今後はやはり立法処置で行なう、要するに行政権をそういう立法府の権限の中に拡大をしないということを、大蔵大臣、ここでひとつ約束してもらいたいと思います。私、ずっとここ十何年この大蔵委員会にいるわけですが、ほんとうをいって、まさに行政府の立法府権限の侵害の歴史ですよ。たばこから何から、ずいぶんそういう問題が続いているわけですよ。われわれ立法府の側にいる者は国民の権利を代表して、これらの問題については、われわれとしてここで意見を述べる必要があることを政令委任事項にして国民の前からこれの処理を隠すようなことのないようにひとつ善処されたいと思いますが、大蔵大臣、いかがですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 国民の権利に影響のある事項を政令に譲るようにしようと、ことさらにやっていることはございません。これくらいのものは政令に譲ってもいいだろうというものしか私どもは御提案しないつもりでおります。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 ひとつ意を体してやってください。終わります。

齋藤邦吉自由民主党

○齋藤委員長 午後一時三十分より再開することとし、この際暫時休憩いたします。    午前十一時三十九分休憩      ————◇—————    午後一時四十八分開議

齋藤邦吉自由民主党

○齋藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  国際経済環境の改善に資するための乗用自動車に対する物品税の特例に関する法律案を議題といたします。

齋藤邦吉自由民主党

○齋藤委員長 政府より提案理由の説明を求めます。水田大蔵大臣。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 ただいま議題となりました国際経済環境の改善に資するための乗用自動車に対する物品税の特例に関する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。  現在、乗用自動車に対する物品税は、気筒容積、ホイールベースの大きさ等を基準として、四〇%、三〇%及び一五%という三段階の税率区分が設けられております。このような税率区分の基準は、乗用自動車の所有者が持つ担税力を簡便な方法で識別するという点で長い間なじまれてきたものでありますが、大型及び中型の乗用自動車をおもに生産している諸外国からは、自国の輸出するものを不当に差別する一種の非関税障壁であるという非難が繰り返されてきたことも事実であります。  これに対して、わが方は、日本の自動車でもこれに該当するものがある以上、そのような非難は当たらないことを主張してきたのであります。  ところで、わが国の輸出や外貨準備が急激に増加した事情などを背景として、わが国の従来とってきた種々の経済政策に対し、国際的な批判や要望がとみに高まり、政府といたしましても、昨年六月に総合的対外経済政策として八項目の問題な取り上げて、わが国の国際経済環境を改善するべくつとめてまいりました。その一つとしまして、大型及び中型の乗用自動車に対する物品税率について、この際、暫定的に所要の調整を行なうことが適当であると考え、ここにこの法律案を提出した次第であります。  次に、この法律案の内容は、すでに申し上げました基準による大型及び中型の乗用自動車についてそれぞれ四〇%及び三〇%と定められております物品税の税率を、当分の間、いずれも二〇%に改めようとするものであります。  この改正に伴いまして、当面の問題とされている輸入乗用自動車のほか、国産の大型及び中型の乗用自動車も同時に減税されることになります。  以上、国際経済環境の改善に資するための乗用自動車に対する物品税の特例に関する法律案につきまして、その提案の理由と内容を申し上げました。  何とぞ御審議の上、すみやかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。

齋藤邦吉自由民主党

○齋藤委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。     —————————————

齋藤邦吉自由民主党

○齋藤委員長 これより質疑に入ります。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。堀昌雄君。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 出席者の都合もありますから、最初にこの法案の土台となっております日本の自動車の関係について、通産省のほうにちょっとお伺いをいたしておきたいと思います。  いま趣旨説明にもありましたように四〇%の税率が課せられておる国産車、日産がつくっておるプレジデントの一部だと思いますが、それからその次に三〇%の税率が課せられておる国産車、トヨタのセンチュリーとプレジデントの一部だと思いますが、これらの最近の国内の販売状況というのはどういうふうになっておるのか、お伺いをいたします。

矢島嗣郎通商産業省重工業局長

○矢島政府委員 ただいま手元に正確な数字はございませんが、傾向を申し上げますと、いま申し上げました四〇%がかかっているプレジデントでございますが、これは減少傾向でございます。それから三〇%のセンチュリーとプレジデントの下のほう、これが横ばいというのが一般的な傾向でございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 いまの年産の台数は大体どんなものですか。

矢島嗣郎通商産業省重工業局長

○矢島政府委員 プレジデントが月百台、ですから千二百台くらい、これは概数でございまして、もし間違っておりましたらあとで訂正させていただきますが、センチュリーがその三割増しぐらいでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 実は私ども、この法案の審議にあたって、経緯はいろいろあるのでありましょうけれども、唐突の感がしてならないわけであります。そこでまず、大蔵大臣にちょっとお伺いをいたしますが、趣旨説明にもいろいろございましたけれども、ここの中で述べられておるように、非関税障壁だという向こう側のいろいろな意見があるということでありますけれども、少なくとも、いまの通産省からの答弁によりましても、四〇%のものは減少ぎみであるということでありますけれども、三〇%のものは横ばいということで、両方合して年二千四、五百台でございましょうか、その程度のものというのがやはり課税対象として今日あるとするならば、何も外国のものを輸入させないためにあるのではなくて、これは本来的に日本の自動車の物品税という一つの体系から生じておる税率なんだと私は思うのですが、大蔵大臣、その点はいかがなんでしょうか。

高木文雄大蔵省主税局長

○高木(文)政府委員 この問題につきましては、何もごく最近でございません、かねがね非関税障壁だという話が出ていたわけでございますが、その間われわれといたしましては物品税の体系の話を繰り返し説明をいたしておりました。それで、何も自動車だけではなくて、たとえばゴルフ道具のように四〇%のものもあるし、また物品税には五%のものもある。この体系の中でこういう形をとってきておるので、ただ、いわば私どもよく使いますことばで奢侈的なものは、税率がやや高く、比較的通常使うものは税率が低くなっておるんだという説明を繰り返すわけでございますが、その場合には、気筒容積等、規格で区切っておる、その規格という点に外国側からいうと非常に問題がありまして、日本は道路が狭い、そういう事情があって小さい車が普通になっているわけですけれども、外国側からいわせれば、道路事情等全く違う事情もございまして、そもそもアメリカからいわせれば、大きな車がぜいたくだというわけではないのだ、むしろ広い土地で広い道路を速いスピードで走るのには大きい車のほうが普通だという概念があるわけですから、決して大きい車ほどぜいたく品という概念に結びつかないということで、何度も何度も同じような議論を繰り返しましたが、最後までなかなか理解をさせることがむずかしかったという経験も持っているわけでございます。  私どもは、現在でも決して非関税障壁ではなくて、物品税の一つの体系の問題と考えておりますけれども、残念ながら最後までそのことについてはなかなか納得が得られないということのまま来ておるということを御説明しておきたいと思います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 いま局長が言われたとおり、昭和四十二年の日米閣僚会議のときから問題にされ、日本側は、この自動車に対する物品税課税はそれなりの理由があるということをそのつど主張して、これは毎年のことで同じ主張をし、向こうも同じ反駁をして今日まで解決しないで来た問題でございますが、昨年の閣僚会議のときには、これは数字が違ったらまた訂正させてもらいますが、アメリカから日本へ輸出する自動車は、月四百台だ、しかるに日本から米国へ輸出される自動車は、月五万台だ、五万台と四百台の開きというものについてはどうしても自分たちは納得がいかない、向こうは、日本の自動車に対して物品税はかけないのに、日本で四〇%をかけられたら日本へ輸出できないのはあたりまえであるというので、この四百台と五万台の違いはやはりこの物品税が影響しているんだということで、非関税障壁であるという感じを、ここ何年か毎年論議しながら、これはなかなか納得しないで、この問題がやはり両国の経済問題についていろいろ影響を来たすところへまで昨年は来ておりましたので、私どもとしても、これは両国経済調整の問題として、ここらでやはり考えなければならぬということで、私どもは去年からこの問題と取り組んできたということでありまして、説明してもなかなか先方はここ何年か納得しないで来た問題であります。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 いまのお話で、私は向こう側が言っておることは別の問題が一つあるんじゃないかと思うのです。まず、いまの大きいから奢侈的性格はないという話になりますと、少なくとも日本の場合には、大きい車のほうが値段が高いですね。いまの日産のプレジデント一つをとっても、プレジデントのA型とD型ですか、片一方はホイールベースが三百五センチ以上、エンジンの容積が三千CC以上というのが一番大きい型のようですが、こういうようなものは結局日本ではかなり価格に差がありますね。これもちょっと通産省、お答えいただきたいんですが、いまの四〇%の税率のかかっておるプレジデント、三〇%の税率のかかっておるプレジデント、それから日産で並べたほうがいいでしょうから、普通のセドリック、ブルーバード、こうなるんだろうと思うのですが、これについて、いまの国内の販売価格というのは一体どうなっておりますか。

矢島嗣郎通商産業省重工業局長

○矢島政府委員 四〇%の税率がかかっておりますプレジデント大型は小売り価格で二百七十五万円、それから三〇%の税率がかかっておりますプレジデントは小売り価格で百九十一万円、それから一五%の代表といたしまして日産セドリックスペシャル百十四万円、以上のとおりでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 日本の場合には車種が大きいということは、それだけ価格も高いということですから、自動車というのは一番乗れて六人乗りというのが普通の車の基準でしょう。四〇%の車は十人乗りとか十五人乗りというわけじゃないんで、やはり最大六人乗り。そうすれば同一の人間を運ぶのに価格の高いものというのは、当然それだけそういうものを使用する者には担税能力がある、負担能力があるということで物品税の体系はできておる。アメリカの場合には、なるほど基準になっておる車自身が大きいので、それじゃそれと小さい車との間隔はどうか、こういうことになれば、いまフォードが出しておるピントとかGMのベガですか、こういうような車は、けっこうアメリカでも安いんであって、大型の車に比べて差があると思うのですね。だから、何も日本だけがそういうあれじゃなくて、アメリカだってやはり値段には当然差があるんじゃないでしょうか。  いま私がちょっと申し上げたフォードのピントと、フォードの普通の大型車、スタンダードの大型車との間には、おそらく歴然とした価格の違いがあるだろうと思うのですが、この点はどうでしょうか。

矢島嗣郎通商産業省重工業局長

○矢島政府委員 おっしゃるとおりに、もちろんリンカーンのような非常な高級車と比べればベガ、ピントは非常に安いということは歴然たる事実でございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 ですから、私はいま向こうが、われわれの物品税の体系というものが、本来の性格からして奢侈的傾向のあるものに、当然それは担税力があると着目をして税率を高くとっておる、これが日本の物品税の体系であるならば、アメリカの自動車だって小さいものは安くて、大きいのは高いんだから、当然そういうことでわれわれのほうもそれに見合った物品税の体系があるのですよということに、私はふしぎはないと思うのです。大臣、どうでしょうか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 問題は、自分のほうではそういう課税をしないというのに、自分のほうから出るものには課税するというのは差別的な意図であるというその物品税の存在自身について、向こうはなかなか納得しないという問題があります。しかもその物品税も四〇%ということになりますと、向こうの高級車が日本に入ってくるときには、日本の国産車と比べてはるかに高い値段になりますから、したがって日本のほうではこれは買いずらい自動車になるということで、この四〇%といろ税率にもこだわるというのが向こう側の立場であります。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 さっきいみじくも大臣がおっしゃった、アメリカからは日本には月に四百台しか自動車が入らない。日本の自動車はアメリカに五万台行っておるという、ここに一番主要な問題があるのではないかと私は思っておるのです。ですから、この問題は、そういうことで少し考えてみなければならぬ本来の性格の問題ではないか、私はこう思うのです。  そこで、通産省にちょっとお伺いをいたしますが、最近の対米の車の輸出の増加の状態ですね、そんなに古くはけっこうですけれども、ごく最近のところ、四十四年、四十五年、四十六年もわかればけっこうなんですが、そこらの対米貿易の日本の状態を、ちょっと台数で答えてくれませんか。

矢島嗣郎通商産業省重工業局長

○矢島政府委員 四十六年の対米輸出の自動車の台数は七十二万台でございますが、それをベースにいたしまして四十七年の傾向をお話しいたしますと、これは見通しになるわけでございますが、五%からせいぜい一〇%くらいの伸びというのが見通しでございます。それを裏づけるように、ことしになりましてから、一月、二月、三月あたり対前年同月比というものの伸び率がだんだん下がってまいりまして、三月、四月ごろから、むしろ対前年同月比は同じもしくは減少の傾向が見えているという状態でございます。したがいまして、年間をならして、さっき私申し上げましたように、せいぜい五%から一〇%くらいの伸びであろうと想像されます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 四十五年の台数を言ってくれませんか。

矢島嗣郎通商産業省重工業局長

○矢島政府委員 四十六年はただいま申し上げましたように、正確に申し上げますと七十二万二千台でございますが、それに対応する四十五年の数字は三十五万四千台であります。それからそれに対応する四十四年の数字は二十三万二千台でございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 実は私はここにやはり問題があると思うんです。四十五年に三十五万台、四十六年七十二万台、金額で二一六%伸びたというようなことは、これは私は、アメリカならずとも、もし日本に何らかの輸入商品があって、それが一年たったら倍入ってくるということは、これは輸入国としてはなかなかたいへんなことなのではないかと、まず第一点こういう感じがいたします。そこで、いまの通産省のお話ですね、計数的に見て私はちょっと納得できないのですよ。実は時間がありませんから、私のほうであなたのほうからいただいた計数をちょっと計算してみました。そうすると、これは金額で出ているわけでありますけれども、ことしの一月の通関のFOBは自動車について九千九百万ドルになっているのです。これが一六八%の伸びだということになっておりますから、これで割り戻してみると、五千八百九十万ドルというのが昨年の一月の計数のようになります。その次に、二月が一億二百万ドル、三月が一億二千八百万ドル、四月が一億三千三百六十万ドルですか、こういうふうになって、これをずっと伸び率で割り戻ししてみますと、実は対前年同月比の伸び率が下がっているように見えるのです。対前年同月比の伸び率が下がっているように見えるけれども、それはそのときの伸びが、三月、四月が一月、二月に比べて約一六〇%ぐらいの伸びで、実際にはたいへん伸びが高くなっておるわけですね。ですから、そのためにいまの見せかけ上の対前年同月比が下がってきているのであって、一月−四月の通関を、FOB輸出を一月−四月で計算をしてみると、この一クオーターで昨年に対して一六五・三%実際出ているわけですよ。  だから私は、いまのあなたのお話でこれが年率で五%におさまるということはたいへんむずかしいんじゃないか、現実の問題としてみると。この勢いでいくと、今後それは——今度の通貨調整によって日本の自動車もアメリカでだいぶ値段が上がってきておるようであります。さっき私が、GMのベガだとかフォードのピントと比較をしましたのは、要するに、日本のコロナ、ブルーバードが大体二千四百ドルから二千五百ドルぐらいになって、かえって向こうの車のほうが二千三百ドル程度で、価格差が少しできてくるんじゃないかという問題がちょっと指摘をされておる資料があるのですが、これはどうですか、これはもしそうなるなら、実際にはこれから多少通貨調整の影響が出てくれば急激に下がるかもしれない。しかし、それがないと、少なくとも四月のこの情勢から見ると、私は、対米の自動車輸出が五%や一〇%のような横ばい程度のことにならないんじゃないか、こう思うんですけれども、その点通産省どう考えていますか。

矢島嗣郎通商産業省重工業局長

○矢島政府委員 まず、先生御指摘のように、一月−四月の数字は、ドルベースではもちろん非常に高いし、これは台数ベースに引き直してみましても相当高いと思います。私が先ほど申し上げたのは、手持ちの数字なしに覚えている数字をもとにして傾向を申し上げたわけでございますので、正確な数字でいま御説明できないのは残念でございますけれども、申し上げたいことは、アメリカにおける日本車の登録台数、これが一つの指標に相なるわけでございますが、これを見ますというと、昨年の十一月ごろから下がり始めているわけでございます。その傾向は、ことしに入りましても改善しないばかりか、少しずつ下がりぎみになってきているわけでございまして、欧州系のものを含めた輸入車全般についてもそういう傾向ですが、特に日本の日産、トヨタについては登録台数がずっと減ってきているわけです。ところが他方、船積みでは、いま先生の御指摘のような数字で一月−四月あたりは相当出ているわけです。そのためにアメリカにおける日本品の在庫といいますか、向こうの日産、トヨタのディーラーが持っている在庫はこの四月で三カ月以上、四カ月近くにもなったわけです。したがいまして、六、七、八月と夏場にかけましては船積み自身を相当ダウンする、現に現在は相当ダウンして出ております。そういう傾向があるものですから、私は、登録台数の明らかな減少とそれから在庫の増加と、この両方を傾向として見まして、そう大きい伸びはないと申し上げたわけでございます。五%とか一〇%というのは、これは見通しでございますので、あるいはそれより上回るかもしれません。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そうなってきますと、どっちにしてもさっき大臣のおっしゃった五万台というのがもっとふえてくるわけですね。さっきのお話で計算しても、もしかりに一〇%伸びたとしても大体八十万台になりますからね。月間平均約七万台近く、やっぱりそれでもアメリカへ車が出ていく。アメリカからの輸入はどうやってみたって私はそう、四百台というのは、私もよくわかりませんけれども、大臣のお答えのとおりに考えても、四百台が一万台になったりなんかなりっこないということになるんじゃないかと思うのですね。  ですから私は、この問題というのは何らかの形でやはり自動車の対米輸出入関係が、いまの通産省の御答弁のように今年以内に横ばいになるのなら、私は、何もこんなものを大騒ぎしてやることはないのであって、そこから頭打ちでもうふえませんということになれば、アメリカ側としてはそんなに心配は要らないのじゃないか。アメリカ側では、これまでの日本の自動車産業の伸び方を見て、これはもうフォルクスワーゲン以上に手ごわい相手だという認識に立っておるというのが私は現状じゃないのかと思う。そうなればどこかでバランスをとらせようということでこういう問題が出てくる。  だから本来はこれは非常に末梢的な問題であって、本質的な問題はやっぱり、私は、対米の自動車だけではありませんが、いま法案は自動車に関係していますから自動車を例にとっても、過去における異常な対米輸出の数量の増加が問題だと、こういうふうに思うのですけれども、だから、比重からいったら、この税法で問題にされておるものは全体のほんの一部であって、それに比べて実態としての大きいのはそういう自動車の対米輸出の問題で、それをしかしどうしてそういう輸出になるかという問題は、私は、やはり急速な日本の自動車産業の設備投資が、ある程度そういう大量生産によるコストを安くするということ、そのコストによって競争力ができておること、こういう循環がささえになっておるためにある一定の規模以上の数量を生産しなければならぬ。生産するとすれば、国内における需要がようやく曲がりかどに来つつあるところではどうしても輸出にいくと、こういうことになって、それがアメリカの側で少し問題になると、今度はその分の余力をかって欧州へ行くというような問題が実は現実の問題なんじゃないだろうかと思う。  だから、このことは実際は物品税の問題ではなくて、日本の産業政策そのものの今後のあり方をどうしていくかという問題にメスが入らない限り、こういう末梢的な処理をやることが、私は、本質的な対米貿易調整なり、そういう対米経済調整の問題として値打ちがないんじゃないかと、こういう気がするんですね。これについてひとつ通産省のほうから、稻村政務次官にちょっと一ぺんお答えいただきましょうか。

稻村佐近四郎自由民主党通商産業政務次官

○稻村(左)政府委員 いま大蔵大臣もお答えになられましたように、いま聞いておっても、昭和四十四年二十三万台、昨年が七十二万台、これはたいへんな急増をしているわけです。そういう意味からこういったものをひとつ変えていこうというような関係から、対外経済の八項目の一つとしてこの問題が今年一月のサンクレメンテで取り上げられた。そういう意味から今度のこの問題はこの中で四〇%というのはたいへん少ないものです。大型のモーターボートであるとかあるいは貴金属の時計であるとかあるいはまたゴルフ道具であるとか、こういうものが四〇%をかけられておる。これがぜいたく品であるからというのではなくして、こういった摩擦を避けるためにも私はやはりこの際は二〇%というのが妥当な線であるのではないか、こういった関係でこの法案が提出されておるのじゃないか、こういうふうに考えております。

矢島嗣郎通商産業省重工業局長

○矢島政府委員 一つ二つ補足させていただきます。アメリカとの関係でいろいろ交渉があるわけでございますが、さっき言ったように、日本の自動車の輸出が非常に伸びた。それに対してアメリカの車の日本への輸入が非常に少ない、非常にアンバランスである。特に日本の自動車輸出は非常に伸びた、それが非常にけしからぬという言い方ではないわけでございます。具体的に申し上げまして、確かにアメリカ向けの自動車輸出は非常に伸びました。けれどもそのこと自身を向こうは非難は少なくとも交渉の場ではしていないわけでございまして、日米貿易全体としてのアンバランスということを問題にし、そして制度的に日本のほうでものによっては関税も高いし、それから物品税のような非関税障壁も高いし、ものによっては輸入農産物等、輸入制限もしているということで、制度的にいろいろ輸入制限的なものがあるというような言い方で向こうは言ってきているわけでございます。そういうことに答え得る一環として、この物品税の問題も、これが非関税障壁になるかどうかは問題でございますけれども、制度として好ましくないと向こうがいうものの一環としてこれを取り上げている。自動車対自動車の問題で向こうは攻めてこないし、わがほうもそういう受けとめ方はしてない、こういうことでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 表に出すか出さないかの話は別問題ですけれども、対米貿易の主要な眼目は何かといったら、向こうの貿易収支の赤字が日本の貿易収支の黒字になってくる、これはやはり大きな問題だろうと思っているのです。これが解決しない限り、いまおっしゃるような周辺の問題をいろいろやったからといって中身には反映しないと思うのです。かりに物品税がこのとおりになったら、一体日本にどれだけの自動車がふえるのか、私は幾らもふえないと思います、いまの日本の道路事情をはじめあらゆる日本の置かれた客観的な情勢から見まして。おそらく、もしこれがそうなったらハイヤー等でこういうものを使っておられる方、あるいは一部特定の企業の経営者、そういう方たちがたいへん物品税が減免されて喜ばれるでしょうけれども、それでは現実に物品税が安くなったら車がどんどん入るかということには現実問題としてつながらない。それがつながらなければ、言ってみた、はずさせてみた、しかし入らない、それではけっこうですという話にはならないと思うのです。問題はやはり対米貿易ギャップをどうするかという問題の、向こうとしての一つの言いがかりというとたいへん語弊がありますが、ちょっとひっかけてものを旨いやすい部分がたまたまここにある、私はこういう問題じゃないかと思うのです。この問題は本質的な問題とは私は理解をしていないわけです。  おまけに自動車にそういう物品税的なものをかけているものはほかにないかといえば、アメリカは確かに税金はやめておりますね。四十六年の八月十六日に乗用車に対する製造者消費税ですか、そういうものはやめてしまっているようだけれども、ところがイギリスも仕入れ税として乗用者三〇%、卸売り価格で三〇%、西ドイツは付加価値税で販売価格の一一%、それでフランスは付加価値税で乗用車に販売価格の三三、三分の一%ですか、かけておるわけです。日本だけがかけていてよその各国は全部かけていないというなら話はわかるけれども、やはり欧州の先進国が、それは多少価格の違いがあったにしても、三〇%程度の付加価値税なり仕入れ税なりをかけているということなら、私は日本のいまの四〇%、三〇%というのは、日本の国内事情によってあることであって、それだけが非関税障壁というのは当たらない、こういうふうに考えるのですが、大蔵大臣、そこはどうでしょうか。

高木文雄大蔵省主税局長

○高木(文)政府委員 その点も日米間の話し合いのときにいろいろ議論はございました。ここで今回も別に物品税そのものを全部やめろという議論にはならなかったわけでございまして、結局フランスの付加価値税にいたしましても、イギリスの仕入れ税にいたしましても、一応従価比例税率になっておるということでございます。こちらの場合は規格によって税率を変えている。この日本の物品税もいろいろな形のものがございますが、実は規格によって税率を変えておるものがそうほかにたくさんあるわけでもないということがありまして、日本の物品税体系のほうからまいりますと、実は非常に難渋いたしましたのは、日本の物品税体系の中で同じ種類の品目について規格ごとに段階を設けておるという形式をとっておるものが少ないものですから、そのサイドから説明しても、やはり自動車を目のかたきにしておるんじゃないか、こういう攻撃をされるわけでございます。だから、いまの御質問に対しては、決して話し合いの過程におきまして物品税そのものについて非難をするということではなくて、差等を設けておる、物品税が三段階の差等がある、その差等が、あるいは先ほどもちょっと御質問の間にお触れになりましたように、必ずしも価格によって差等があるわけではなくて、車の大きさによって差等が出てくるということでございますから、したがって価格はそれほど高くないのに車の形が大きいがゆえに税率が高くなるというあたりに非常に交渉の過程においても難渋したという経過を持っております。  そこらで、あるいは何か今回のような形ではなくて、たとえば酒税に見られますように、ある段階までは酒税は御存じのように従量税にしておいて、途中から従価税にしておるという形がございますので、何かああいう仕組みに切りかえる方法がないものだろうかということをちらっとある段階で考えたこともございましたが、実はそれを考えるときにはすでにちょっと手おくれみたいな形になっておりまして、いまの物品税の制度を切りかえるというだけではなかなかうまく話し合いがつかないということになりまして、現在のような形でお願いすることになった次第でございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 確かにそれはいまのこれによって差等が設けられておるのは物品税が基本になっているわけじゃないですね。いまの自動車の税金というものは、ある意味ではそういうような一つの小型と大型ですか、小型と中型かな、それから上もう一つ大型にも自動車税があるのですかね。ちょっと私も大型のところはつまびらかにしておらないんだけれども、少なくとも私が承知しておる範囲では二千CC以下の容量のものが小型、二千CC以上が中型、その上に大型というのがあるか知りませんが、これはそういう自動車税とかいろいろなその他の税金を含めて、実はそういう規格によって日本はやっているのであって、物品税だけがたまたま規格で税金を課しておるというのなら、いまのあなたのお話のようなよそとの体系の違いがあるかもしれないけれども、御承知のように、日本の自動車に関する税金というのは、去年かおととし自動車重量税をやったときもありましたけれども、ずいぶんたくさんな各種の税金取っておるわけですから、そういう総合的な自動車税体系の中できまっておる一つのそういうシステムの上で物品税取っておる、こういうことになっているのじゃないですか。だから自動車がそうなっておるというのは、そういう何か自動車に対する過去の取り扱いの慣習というか、それがよって来てこうなっているのであって、だからその他の、たとえばテレビの場合だって小型と大型、何といいますか大きさで区別している。電気冷蔵庫もたしか小型と大型か何かで区別している。必ずしもそういう意味では日本の物品税というものは従価税的なふうになっているとは私は思わないのであって、そういう特殊性をやはり十分説明をする必要があったのではないかと思うのですが、そこらはどうなんでしょう。

高木文雄大蔵省主税局長

○高木(文)政府委員 現在の物品税の中で、規格によって税の区分がございますものが、自動車を除きますと三つございまして、一つは御案内のように例のモーターボート、ヨットのたぐいでございます。これは長さによって区分をいたしまして、全長六メートルをこえるものを大型とし、これは四割の税率である。それ以下のものは小型で一〇%というふうになっております。それからただいま御指摘のように、電気冷蔵庫が大型と小型になっておりまして、有効内容積が百七十リットル超というものとそれ以下で分けまして、二〇%と一五%に分かれております。それからもう一つが、同じくただいまお話がありましたテレビの受像機でありまして、二十一型以上、これが二〇%、以下のものが一五%、こういうふうになっております。それでただいまのようなことで、ほかにもありますよ、自動車だけではございませんよということで、いろいろ私どもも説明はいたしました。なるべく先方の理解を得べく交渉いたしておりました段階ではそういう説明を繰り返したわけでございます。繰り返したわけでございますが、六十九品目の中でたまたまこの四つだけということでありますので、やや説得力を欠いたということも否定はできないということで申し上げたわけでございます。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 いま局長の言われたとおりで、堀さんの言われたことはもう会議のたびごとに、通産大臣と大蔵大臣が一緒にこの説明は当たったのですが、しかし現実にどういう結果になっておるかといいますと、大型、小型、中型のあの分類がどうこうではなくて、結果から見ますというと、たとえばこのフォルクスワーゲンが日本にくるという場合には一五%で、アメリカは大型をつくっているのだ、アメリカからくるものについては四〇だ、もうはっきりここに欧州とも差別をつけているじゃないかというようなことで、日本の従来のこの税制のあり方がこうだとか説明をしても、現実の問題がそういうことに結びつけられてなかなか納得しないということと、それから先ほどお話がありました本質的な問題は、もっと別の問題だということもそうであろうと思いますが、しかしいままでのいきさつから見ますと、日本の自動車輸出がそう向こうの業界の脅威になっていないときからこの問題が取り上げられておって、要するに自由貿易の線に沿って、お互いが平等の条件の上に競争するという立場にあるなら問題はないというので、制度的な問題が非常に向こうの関心になっておりますので、同じ条件でそうしてその上でこの輸出輸入のアンバランスが出ておっても、それについては全然文句をいわない。そういう点については何ともいわないというのが、実際アメリカのいままでの立場でございまして、それはさっき通産省から答えられたとおりでございますので、そういう本質的な問題について考慮しなければなりませんが、同時に制度的な問題として、早いときから問題になっておるものでございますから、これの解決は、この辺でする必要はどうしてもあるというふうに私は思っております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 いま大臣の言われたフォルクスワーゲンは確かに小型車ですね。しかし日本もドイツからはベンツを買っていますね。そうするとベンツの六〇〇というのはあまり数ありませんけれども、最近はベンツの六〇〇もかなり日本の国内を走っているわけですね。これは四〇%の税率ですね。あとベンツの三〇〇から二〇〇台のものはずいぶんたくさん日本に入っているわけですけれども、これは三〇%ですね。だから西ドイツから来るものでも、それは確かに数の上ではフォルクスワーゲンが一番多いかもしれません。しかし現実にいま日本では、車の大きさが、六〇〇はたいへん大きいですけれども、ベンツのほうがアメリカの車よりも小さいから、そういうようなことで日本人の好みもあるのでしょうが、このごろはそういう大企業の経営者もどうもあまりアメリカの外車を買わないで、もっぱらベンツに乗っている人がたいへんに多い。それはけっこう四〇%、三〇%の物品税をかけておるわけですから、アメリカを差別しているわけではないですよ。アメリカも西ドイツも同じようにやっています。たまたまアメリカは小さい車をつくっていないからそこでそうなるのでしょうという話にならなければ、第一点おかしいと思うのですね。  もう一つは、私どもが非常にひっかかるのは、そういう本質的にあまり対米貿易の調整に役立たないことで、この物品税を当分の間にしろ二〇%に下げるということは、日本の物品税体系を混乱させる重大なもとになると思うわけです。ともかくこのでかい自動車、リンカーンにしてもあるいはキャデラックにしてもそうですが、ベンツ六〇〇なんてたいへんな城のような自動車が二〇%の税金になったときに、一体ほかのものに二〇%以上の物品税をかけることになったら、バランスがくずれるではないかということになりますね。日本の物品税というのは、少なくとも現在の四〇%の税率もその他の税率も、いろいろな沿革はありますけれども、それなりに認められた税率として体系をなしておる。私は三年くらい前でしたか、福田大蔵大臣のときに、物品税を全部一度総洗いをして物品税論議をいたしたことがあります。そのときに、物品税についてはいろいろいびつな問題があるし、適切でないものがあるから、これは一ぺん総ざらいして論議してもらいたいと問題提起をしたのでありますが、今日まで至っておる。本来の物品税としてやるべきことは当委員会で私どもがまじめに個々の物品をあげ、それからいまの私どもの考え方である奢侈的要素のあるもの、担税力がある者が支払うものについては負担が高くてもよろしい、そのかわり一般の大衆の消費にかかわるような形に、国民の所得水準が上がってなっておるものについては、これらはできるだけ税金を低くするのが、本来の物品税としての姿ではないのかということで問題提起をしても、今日まで物品税に対する基本的な改正をやらないでおいて、いまの全く末梢的なそういうアメリカとの対外折衝の経過の中から、これまで一応仕組みとして安定をしておった物品税体系を、このことによって一挙に崩壊をさせるような取り扱いをするということについては、私はやはり長く大蔵委員会にいて税制を勉強してきた者としては全く納得ができない、こういうのがいまの私のこの法案に対する見解であります。この場合、このようなものが二〇%になってほかのものをそのまま四〇%に放置をしておくことが国民のために許されることかどうか、ひとつ大臣の見解を承りたい。

高木文雄大蔵省主税局長

○高木(文)政府委員 一言お断わりをさせていただきたいと思いますが、昨年の六月にいわゆる八項目という問題が起こりました。当時、まだ現大臣が御在任ではございませんでしたが、そのときに、物品税の問題をどうするかというのを私ども事務当局としては検討をしたわけでございます。続いて日米間の交渉の問題に入ったわけでありますが、その過程におきまして、どうもこの問題はアメリカ関係ではいずれは何とかしなければならぬであろうけれども、日本の物品税体系を直すまではどうにもならぬということで私どもでは久しく引っぱってきたのであるけれども、もうここまでくるとどうもならぬということで、何とか自動車物品税の税率を下げることを考慮せざるを得ないではないかという御指図がありましたときに、まさにいま堀先生から御指摘のような背景を持っておりますので、率直のところ、私どもといたしましては、同時に他の物品税の体系につきましてもある程度手直しをするということでなければ、全体として整合性を欠くであろうという認識を実は持っておったわけでございます。したがって、私どもといたしましては、なるべく早い時期に、これだけでなくして物品税全体の洗い直しをどうしてもしなければならぬというつもりでございました。私どもといたしましても、四十七年度の税制改正の一環といたしまして何とかそれを間に合わせたいという気持ちでもあったわけでございますが、いろいろの事情があって、事志と反しまして、四十七年度の税制改正として一般的な改正のほうは時間的にどうしても間に合わないという事情になりました。しかし、これだけは一方対外関係であるので時間を延ばせないということになってしまったわけでございまして、私どもの本来の気持ちといたしましては、これだけが切り離れてこういう形で御審議を願わなきゃならぬというのははなはだ不合理に思っておることだけを申し上げさせていただきたいと思います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 話の筋道としてはあなたの言われるのが正しいと私は思います。しかし問題は、日本の物品税体系はこれからいろいろ洗い直しをする必要がございますが、それとは別に、とにかく各国の貿易の円滑化をはかることは日本の経済にとって必要なことでございますし、特に日本の貿易の三分の一を占めている米国といろいろな経済的な調整をすることはやはり重要なことでございますので、そういう点から見まして、長い間懸案になり、貿易交渉の中心の一つをなしておった問題の解決というものは、やはりこの辺で国内の事情とかあるいは日本だけのいろいろな税の体系とかいうようなことだけでこれを未解決に置くことも至当でないという判断から、この問題だけ切り離して今回本国会に提案をしたということでございまして、全体と切り離してこれだけ一つ出すということについてのいろいろ理論的な矛盾とかいうものはあると思いますが、そういう国の緊急な各国との貿易上の必要な措置であるという判断のもとに切り離したという措置でございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 この問題というものが、実は突然昨年の暮れに出てきたという話ならば、場合によっては緊急避難としてやむを得ないという話ではあるかもしれません。さっきからお話しのように、すでに何年も前からこの問題は出ておるわけです。何年も前から出ていたのにやってこなかった。やるならいま私が申し上げたように、全体として考えるというならこれはまた一つの方法だと思います。ところがいま主税局長の答弁でも、この問題は日米貿易会議で昨年すでにかなり問題が詰まっていた、こういうことならば、あるいはことしの一月に、さっきサンクレメンテの話も出ておりましたが、話があった、そうならば、たとえば多少おくれても一応必要な最小限度の物品税の改正をやって、その一環としてこれが出てくるというのなら、それなりにわれわれもこれを受ける形が変わってきたと思うのです。ところが、私がるる前段から述べてきたのは、このことがほんとうに対米貿易調整に役に立つならば話はまた別ですが、役に立たない程度のもので日本の税制の中に混乱をもたらすようなやり方は納得できない、こう言っておるわけです。  いま残っておるのは、まさにそういうことを約束させた人たちのメンツが残っておるということでは、国民のそういう利害について責任を分かち合っておるわれわれ当委員会として、部分的なメンツのためにそういう均衡を欠いた税制をたとえ当分の間といえでも、要するに来年の通常国会に物品税の改正が出されるまで、言うなれば、これがかりにこの国会で通ったとしても、物品税の改正を次にやろうとすれば来年の四月一日になるでしょう。六月十六日から約十カ月間はそういうアンバランスな税制を国民に強制することになる。これは政府が突然物品税の改正が間に合わない次元での話ならばともかく、物品税の改正を行なってこういう問題の整合性を整える時間的な余裕も経過もあったにかかわらず、これだけを出してきたことについてはいかように言われても納得できない、私どもはこういうふうに思うのですが、その点大臣はどうでしょうか、われわれの言っておることも一つの筋だと思うのですけれども。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 一つの筋ではございましょうが、さっき申しましたように、ここへ来ましたらこの問題は解決することが急務であり、またこれをやったら役に立つか立たぬかということでございましたが、これは非常に役に立つというふうに私は考えております。  と申しますのは、たとえばアメリカにはいま御承知のように保護主義が台頭しておるといわれておりますが、アメリカの業界にどういう空気があろうとも、また一部の議員にどういう動きが議会の中にあろうとも、アメリカの行政府はやはり各国の政府と一緒に自由貿易主義を守るということに懸命な努力をして、今日までそういう点における不信という行為を世界各国にしていないというので、アメリカの信用は行政府の努力によって保たれておるというのが実情でございます。したがってそういう中にございますので、私どもがこういう問題を片づけるか片づけないかということは、日本の政府が各国に信頼されるかされないかという問題ともつながりますし、こういう問題が片づきますことが日本のいろいろな国際摩擦の解決にもなりますし、感情問題を取り去ることにもなりますし、この効果というものは非常に大きいので、決して小さいものではないというふうに私は評価するものであります。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そうおっしゃるのは大臣のお考えですから、私もそれはだめだといってもしようがありませんから、これは見解の相違だということになると思います。しかし、私が前段でずっと触れてきましたように、いまアメリカが一番重要視しておるのは、たまたま自動車の物品税だから自動車に焦点をしぼってお話をしておるわけですが、そうじゃないと思うのです。対米貿易のギャップというのは七一年は一体幾らだったのでしょうか、ちょっと通産省のほうから答えてくれませんか。

山下英明通商産業省通商局長

○山下政府委員 日本から米国向けの輸出額はFOBで七十五億ドル、米国からの輸入額、これはCIFで四十九億ドル、差し引きまして約二十五億ドル。日本側の通関であります。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 自動車については別でありますけれども、ちょっとことしの一月から四月までの通関の状況を見ておりますと、少なくとも通関の状況だけではどうもあまり減るような傾向にないように思うのですけれども、一体ことしのギャップというのは皆さんのほうはどのくらいに見ておりますか、通産省は。

山下英明通商産業省通商局長

○山下政府委員 私どもは現在毎日のように先行指標をとりまして見ておりますが、それは輸出の信用状統計にいたしまして、その数字をちょっと御披露いたしますと、一月には一八%弱、前年同月より増加しております。二月は一七%六でございます。それから三月はこれが一〇六・四%に下がりまして、四月末現在で一〇三%に下がりまして、さらに五月の中旬には九八%まで下がったのですが、五月末統計では再び一〇八%になっております。御承知のように、五月はいろいろな指標が一、二、三、四からちょっと逆転しておりますので、解釈をしろといえば、六、七月にかけては全部下がる傾向が続く、こう見ております。  見通しでございますが、これは先ほど先生御自身御披露いただきました政府見通しでは七十一億ドル強でございますが、政府全体として、地域別の数字を公表しておりませんですけれども、私ども部内の試算を言わしていただきますれば、昨年のアメリカ向け輸出実績は総輸出の三一%でございます。したがいまして、日本側統計では二十二、三億ドルから二十五億ドルにかけての、これは輸入の動向いかんにもよりますが、ございます。それで、全体としましては七二年度は輸出は八%増加に下がるであろう、輸入は一五%増加に上がるであろう、こういうことで月々を見ておりますが、予算の実効、金利水準及びその他の政府側の施策、景気振興等から見まして、私どもとしてはわれわれの見通しの線もしくはそれ以下に日米間の貿易ギャップは下がるのではないか。一つ懸念いたしますのは、アメリカ側のインフレ傾向でございまして、これが秋以降われわれが心配しているような拡大傾向になりますと、せっかくのわが国の努力も相殺されるおそれがございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 さっきのお話でちょっと、パーセントはわかったのですが、結局輸出が八%増、輸入が一五%増ということで計算をしてみて、いまの対米の貿易収支の日本の黒ですね、貿易収支の黒はこれで計算すると幾らになるのでしょうか。さっきおっしゃった二十三億から二十五億ドルというのがこれに当たるのでしょうか。

山下英明通商産業省通商局長

○山下政府委員 そのとおりでございます。全体で七十二億ドルの場合、これはもう一度つけ加えさせていただきますが、通産省部内の試算でございます。七十二億ドルのほうは政府の見通しでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そうすると、さっきからお話のあったように、昨年も二十五億ドルですね。だから、要するにアメリカの貿易収支の赤に寄与する日本の黒字、これは昨年とことしは同じだ、こういうことになるわけですね。これは実はたいへん問題だと思うのですよ。それは昨年の貿易のギャップというものが、私はいろいろな意味でアメリカの国際収支の赤字の中の大きな要素を占めたと思うから、日本が特に円の切り上げ問題の中で困難な立場に立ったのではないでしょうか。今度は、大体最近の情勢では、これは国際金融局からちょっとお答えいただきたいのですけれども、どうやら欧州とアメリカとの貿易はおおむねバランスをしてきていて、どうもアメリカにおける国際収支の赤というのが日本の国際収支の黒とちょうど合ってきておるというところが、今年は国際収支上の問題として非常に大きな問題になってくる。少なくともいろいろなドレッシングのようなことを外貨準備でやることはあまり意味がない。そうではなくて、いまアメリカ自身の一番困っていることは、何といっても、貿易収支を何とか改善をしたい、これがアメリカのいまの国際収支の対策の中の一番大きな問題点で、これが昨年二十五億ドル、今年は通貨調整をやったけれども二十五億ドルで改善されないということでは、これは私は問題はなかなかむずかしい問題になるのじゃないか、こう思うので、いまのアメリカの国際収支の関係について、欧州との関係を含めて、ちょっと国際金融局のほうから答えてもらいたい。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 ただいまのお話でございますが、概略の傾向としては御指摘のとおりであろうと思います。つまり昨年度におきましても、欧州とアメリカとの関係というのは、これはそれほど大きな欧州側の黒字ではございません。それが今年におきましても欧州と米国という関係では、日本のような大きな黒字ではなくて、むしろ平均いたしますと均衡に近いということになるであろうという見通しは端的にいわれておるわけでございます。アメリカとしての大きな赤字は、貿易上の赤字は対日と対カナダということであろうかと存じます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 大体昨年の場合には、結局西ドイツを除いた欧州はアメリカの出超ですよ。だから西ドイツを加えてバランスがほぼとれるというような状態だと思うのです。カナダの場合は、私は、これは非常に情勢が違うと思うのですね。たとえば自動車一つをとっても、アメリカの企業がカナダで工場を持って、そうしてアメリカに輸出しておる。だから、言うなれば、あれは地続きであるし、いろいろな条件から見て、カナダというのはこれは特殊な位置なものだから、おそらくアメリカ側からも、いまの貿易のギャップの問題は、アメリカの企業が行って、それが送ってくるものがカナダの問題だというのは、ややちょっと、アメリカとしてもそうそれをとがめることにはならないのではないか。  結局問題は、日本のこの二十五億ドルの問題が一番肝心なので、この間、円対策の七項目であったか六項目であったか、一項目は立法措置というのだから、中身は六項目だと思うのですが、この中身の六項目で一体その二十五億ドルの対米ギャップがどういう形で埋められるのかという点に、私は非常に大きな疑問を持っておるわけなんですね。これが今後の一番中心的な課題ではないのか。この二十五億ドルをどうやって少しでも減らすようにするのかということ以外にないんじゃないか、私はこういうふうな気持ちがしておるわけです。さっきのお話のように、対米貿易が昨年は金額で一二六%に伸びておりますね、歴年では。それを八%しか伸びないという前提で考えるということは、私ははたしてそういうふうにうまくなるかなという気がします。いま局長が言われたように、今後のアメリカの物価上昇の問題が後半の様相を変えますから、通貨調整でさっき私がちょっと触れましたけれども、いまの自動車一つ例にとっても、コロナやブルーバードのほうがやや高くなってベガやピントのほうが百ドルくらい安いという情勢があればいいけれども、これがまたいまの物価上昇で向こうのものが上がっていくということになれば、こっちの競争力が強いということでまた売れることになる、こういうことになりかねないきわめてむずかしい情勢の中で、いまの物品税もそうだし、どうやら当委員会に来るらしいようなにおいのある特別措置法にしても、どうもいまの二十五億ドルに直接かかわりのない周辺の問題だ。私はそういう点でほんとうにいま政府が次の通貨調整をどのように回避するかということに対して、いま一つ真剣味を欠いておるのではないかという気がしてならないわけです。これは政治的な問題でありますから、大蔵大臣、その点はどうお考えになっておられますか、ひとつお答えをいただきたいのです。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 対策のうちでやはり一番重要なのは、いわゆる第一項目であろうと思います。これによって日本の不況が急速に克服されるということによって内需がふえる、これがやはり対米輸入を促進する一番大きいきめ手になるだろうと思いますので、あの対策のうちでは第一項目が一番重要な問題であると思っております。そういうような基盤の上に立って、円満にこの両国経済の調整をはかっていくというためにもろもろの支障となっておるものをお互いに解決していく、そうして貿易の障害になっている懸案を解決するというようなことが一緒に加わらないと、この問題の解決にならぬということになるだろうと思います。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 きわめて間接的ですね。率直に言って、まあそれは風が吹いておけ屋がもうかるほどに遠くはないけれども、いまおっしゃることはかなり何段階かの結果になるわけですね。  それではちょっと通産省のほうにお伺いしますけれども、さっきのお話で、皆さんのほうでは輸入が一五%ふえる、こういう一つの計算をしておられるようですが、この輸入が一五%ふえるというための日本の要するに景気上昇の見方というのは、政府の経済見通しで出されておりますところの名目で一二・九、実質で七・七、これが達成できれば一五%の増になる、こういうことなんでしょうか、その点はいかがでしょうか。

山下英明通商産業省通商局長

○山下政府委員 政府見通しの試算表はそのとおりでございます。ただ、それは見通しでございますので、私どもが実際行政上現時点で日々一番大きく響いてきておりますのは、一六・八八%の為替、円平価の切り上げ、これが四月、五月と月々浸透しております。それからもう一つは、去年大幅に自由化をいたしまして、もはや三十三品目しか残っていないのみならず、せんだっての閣議決定にもありましたように、輸入促進策を、こまかいことでもできることは何でもやろう、これが特にアメリカの最終製品、ものによっては化合繊の繊維ですとかあるいは家庭電気製品、また自動車も含めまして輸入増加が現実に少しずつ出てきております。それと中間製品の輸入促進、こういう施策をやっていきますれば、全体として一五%、アメリカに対しては去年に比べまして相当の輸入増加が期待できるのじゃないかという感じを持っております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そうすると、いま輸入努力というものをかなりされるということのようですが、しかし輸入の増加というものはある程度景気の回復に関係がありますね。けさの新聞は四十六年度の名目成長率が一〇・五で実質が五・七だ、こういうふうに企画庁の四十六年度の国民所得統計の速報を伝えておるわけですが、そうするとこれは政府が思っておられたよりもかなり上回ってきた。政府の四十六年度の実績見込みは四・三だったわけですね。名目九・六に対して実質四・三というのがいまの本年度見通しを発表されたときの実績見込みであったわけですが、かなり上回ってきた、こうなっているわけですから、その上回ってきたのは、私も四半期別のデータを見ていないからわかりませんけれども、比較的後半、一−三月は少し上がってきたということが、かなり役に立ってきているのじゃないかと思うのですけれども、それを土台にして、いま通産省のほうではさっきおっしゃった通貨調整の問題も織り込んで、今後の見通しとしては政府の見通しよりは少し経済成長率は高くなる、こういう判断でしょうか、そこら通産省側はどうでしょうか。

新田庚一経済企画庁調整局長

○新田政府委員 先ほど先生御指摘のとおり、昨日発表しましたGNPの速報、これはE法といいまして簡便法でございます。暫定的な速報、ほんとうの意味の速報は七月に出ます。確報が十一月に出ます。とりあえずQE法でまとめた数字が昨日出まして、年度としましては五・七%、一−三としましては前期比四・四%、これはちょっと統計的な問題、技術的な問題がございまして、四半期としてはちょっと高過ぎるのじゃないかというふうに思っておりますが、とりあえず発表しまして速報を待つというかまえでおりますが、大体傾向としましては在庫調整が一−三月までかかるというふうに私ども見ておったのですが、一−三月から在庫積み増しに向かっておるという一つの方向、それから設備投資は確かに製造業の大企業の需給ギャップが非常に大きくて、この点は非常に弱いのでございますけれども、やはり非製造業の中小企業、これが最近の金融の緩和を背景にしまして、かなり小さな投資が集まる方向であるというふうなかっこうで、思ったよりも設備投資が出ておる、こういうふうな点が私どもの予想よりも大きくなっております。いずれにせよ成長率は四・三%という私どもの見通しよりも上回ることは事実でございます。ただ、四半期ごとの統計は非常にブレがございますので、これを下期でならしますと、七・一%くらいの前期比年率になる。私どもとしましては四十七年度の七・二%、沖繩を含めて七・七%でございますが、この実績をベースにしてどういうふうなテンポでいくか。おそらく見通しとしましては、設備投資は先ほど申し上げましたように、大どころの需給ギャップが大きいということで、やはり回復が弱い、それから在庫投資の回復もおそらくゆるやかになるだろう、それから消費や住宅、これは最近少し出てきておりますが、これもそんなに強いものにはならない。輸出も今後は鈍化の方向に向かうというふうに考えますと、年度内の回復力というものはかなり弱いものではないかと思います。したがいまして、七・二%を上回るかどうかという検討は、ただいまの段階でしておりませんけれども、大筋においてはそんなに変わらないというふうに考えております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 私も大体いまの四半期別の中身をいま伺ってわかったのですが、それでないとちょっと五・七になりにくい、かなりうしろが立っている感じだと思いますが、おたくのクイックエスティメーションというのはあまりそんなに多く誤差がありませんね。最近見ていると比較的よく当たっていると私は思うんですね。だからそんなにブレはないんじゃないかと思うのですが、私は、いまの今後の問題で、あなたおいでになってから聞いていただけたかどうかわかりませんけれども、ことしの貿易収支は七十二億ドルの黒になっているわけです。これが私は対米調整の問題で非常に問題点だ、こう思っておるわけです。ちょっとこれは予算の分科会でやりたかったけれども、時間がなかったからここは触れなかったわけですけれども、今日それから何カ月かたってみても、どうも対米貿易の一番の問題点はここにある。いま通産省のほうに伺うと、大体七十二億ドルの黒字の中で対米で二十三から二十五億ドルくらいだろう、こういうような通産省の試算がある。そう言っていますね。これはあなたのほうのあれがあるのかどうか、七十二億ドルが出てきたベースにはやはり対米で、いま通産省のいわれるような二十三ないし二十五億ドル、ちょうど去年のベースとほぼ同じように頭に置いて七十二億ドルが出てきたのかどうなのか、ここはどうなんでしょうか。

新田庚一経済企画庁調整局長

○新田政府委員 本年度の貿易収支の見通しで輸出輸入の見通し、これにつきましては私ども一応マクロとしての見通しを立てておりまして、実は地域別の見通しというのは数字を持っておらないのでありますが、マクロで拾ってその中で大体の見当をつけておりますが、具体的には通産省が輸出会議や貿易会議で地域別、商品別に積み上げるというものをもって、あとでもう一度修正するならするというふうなかまえでおるわけでございます。  ただ七十一億五千万ドルという数字は、実は四十六年度の実績七十五億五千万ドルというものをベースにして、それに見合う輸出輸入というものをベースにして計算したわけでございます。昨年の暮れの計算でございます。ところがその後の推移、一−三月の輸出が私どもの予想以上に高くて、おそらくドル・ショックの影響で前期比マイナスまたは若干横ばいくらいになるのじゃないかというふうに思っておったのでございますが、実質は前期比五%も上回るというふうなかっこうで、貿易収支、経常収支ともに私どもの見通しより十億ドル上回っておるというふうな状態になっているわけでございます。したがいましてそれをベースにしてもう一度再検討した数字は、具体的な数字を持っておりませんけれども、おおよその見当としましては、おそらく輸出の伸びとしては私ども当初の見通しの、沖繩を含めての八・五%というところは、今後のドル・ショックの影響その他を考えますと間違いないと思いますが、輸入は最近少しふえてきておるという点から見まして、輸入の増加等で一五%よりは上回る可能性が強いというふうな観点を考えますと、おそらく七十二億ドルよりは大きくなろうと思います。八十億ドル弱くらいの数字にはなるのじゃないかと思います。  そういったベースで日米の問題を考えますと、一月−四月のアメリカ側の数字で見ますと、日米のアンバランスを年率にしますと三十六億ドルくらいになります。日本側の統計は、これは向こうと統計の立て方は違いますけれども、推定しますと一月−三月で三十二、三億ドルの数字、ちょうど昨年が三十二億ドルでございました。同じくらいの数字になるのじゃないかと思います。ただこれは単なる年率でございまして、今後の景気の回復あるいは輸出の鈍化というものを見ました場合に、特にこれはOECDなんかで言っておりますけれども、日米の貿易バランスの相当大きなウエートが、日米の景気のすれ違い、そこからくるというふうな見方をしております。したがいまして、日本の国内の景気の回復に伴いましてその年率のベースが若干縮まっていくというふうにも考えられるわけでございます。したがいまして、通産省から御答弁ありましたように、二十五億から多くても三十億の間くらいじゃなかろうか、単なる積算の数字でございますが、まだ的確な計算をしておりませんが、大体そういうことでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 大臣、いまお聞きになったように、対米貿易の差というのは縮まればたいへんけっこうだと思うのですけれども、場合によっては縮まらないのじゃないかという感じがするのですね。企画庁長官ももう入られると思うのですが、私はかなり中期的に見て、日本経済というのはやはりかなりスローな成長に転化せざるを得ない要素があるのじゃないか。これまでの日本経済の伸びを見ておりますと、常に何らかの主導型産業が猛烈な姿で伸びて、それの影響で実はほかのものもついていくというかっこうの成長のパターンをとっているわけですね。これまでは、あるときは化学繊維関係、石油化学でありますか、の関係がある、あるときは電子産業である、あるときは自動車である、こうやっていずれもそのときの主力バッターだけが全体を引っぱりながら、技術革新がそれを補って非常に全体として押し上げてきた。  ところが、どうやらこれらの技術革新も一応出尽くして、これからおそらく自動車も、伸びることは伸びるでしょうけれども、これまでのような伸び方は国内的にもむずかしくなってくるだろう、それから電子関係の産業も、いま盛んにビデオテープですか、それから電子レンジとかいろいろいっておりますけれども、これもなかなかそう次の主力商品になりそうにはない、化学繊維関係はようやく頭を打ってしまった、こうなってきておると、ことしだけでなく、これからの中期的な展望で七〇年代というのは、私は、これまでのような、産業の非常な技術革新の上に乗った成長というのは非常にむずかしくなるのじゃないか、そうなると日本の成長というものは、いまのような財政と個人消費時にたよるという、やや欧州型といいますか、のパターンにかわって、だんだんどうも低成長、いまの八%内外という程度にいけばいいほうじゃないかというような姿になってくるのじゃないかという気がするのですね。そういう全体の一つの傾向の中にいまの七二年度というものも入っている、私はこう思いますので、さっきちょっとお話がありましたような民間の非製造業の中小企業の設備投資なんかも少し出てきたという話でありますから、もちろんそれは金融のゆるみの関係もあるのでしょうが、これは知れておると思うのですね。そういうものが要するに乗数効果のようなかっこうで関連産業に及ぼす影響というものには、やはり限界があるのじゃないか、こう思うと、私はなかなかいまの対策で景気の問題というのはそう簡単にいかないのじゃないか、こういうふうに思っております。  昨日銀行大会であなたの講演をちょっと伺ったわけだけれども、まああまりはっきりしたことは——木村長官の講演もございましたけれども、いずれもあまりはっきりしたことはおっしゃらなかったと私は感じておるわけですが、いま長官お入りいただきましたから、この間OECDにお出かけになってのことですから——私はいま国際経済環境の改善に資するための乗用自動車に対する物品税の特例に関する法律案というのを取り上げてやっておるわけでありますけれども、どうも私は、いままで話をしてまいりました中で円対策といいますか、通貨調整に対する対策として政府がこの問いろいろお出しになりましたが、問題は対米貿易の収支関係、言うなれば、いままでのお話で、いま調整局長の御答弁でも、ことしの対米貿易の日本の黒字幅、アメリカの赤字幅というのは、まあ二十五億ドルから三十億ドルのうちではないか、こういうお話もあったわけですが、それではそういうことがもし実際に起これば、どうしてもこれはまた円の調整をアメリカから求められ、今度はもうこの間のような、要するに多国間調整ではなしに、もうそれは日本とアメリカとで二国間でやれ、こういうことになるのは非常に明らかだ、こういう感じがいま私、しておるわけですね。さっきから申し上げておるのですが、今度の円対策があまり効果がない、中身がないのじゃないか、こういうお話をしておるのですが、ひとつOECDにおいでになって——昨日皆さんのほうで企画庁の月例報告もやっておられるわけですが、それらを含めて、一体日本経済というのは、はたしてずっと景気がよくなって、そういう通貨調整をやらなくても済むような姿になるのか。やはりアメリカの景気がだんだんよくなる、物価は上がる、こっち側は依然としてだんだんむずかしい、景気はもう少し底は入れても浮揚とまではいかなくて低迷をする、こういう中でのいろいろな諸問題、これは結果としては、さっきの二十五億ドルないし三十億ドルというものがさらにふえることもあり得るということにでもなれば、やはりこれは通貨調整の問題に直接結びついてくるのじゃないか、こういうふうに思っておりますので、まことに何と言いますか、さしみのつまにもならないような法律案が出されて、私はどうも納得いたしかねておるのですが、それはともかくとして、ちょっと長官から御見解を承りたいと思います。

木村俊夫自由民主党経済企画庁長官

○木村国務大臣 OECDに出席いたしました感じを率直に二、三申し上げたいと思います。  とにかく今回のOECD閣僚理事会は、背景といたしましては昨年の通貨調整、スミソニアン体制後初めての、国際経済を先進国の間でお互いにひとつ率直に話し合おうという機会でありました。また昨年のガットで大体方向が出ましたが、またその後において日本とアメリカ、アメリカとECの間で共同コミュニケで方針をきめました例の次期の国際ラウンド、これをいよいよ来年から始める。双方にとっては一つの準備期というような背景で開かれたOECDの理事会でございます。  そこで、私ども参ります前に覚悟をいたしましたのは、どうも日本の経済拡大と申しますか、景気回復が本物でない、昨年の八項目もああいう始末ではなかったかというようなことで、相当大きな批判の中に置かれるような覚悟をしてまいったわけでございます。もちろん各国の底流と申しますか、そういう不満は持っておるようでございましたが、表向き私どもに批判はございませんでした。ただ、どうもヨーロッパ、アメリカもそうですが、景気の回復が非常に顕著に行なわれ、もうすでにインフレを警戒しなければならぬような段階であるのに、日本はまだまだ景気の回復などはどうもはかばかしくない、もう少しテンポを早めてしかるべきではないか、こういうふうな声のない批判を私ども受け取ったわけでございます。そこで私も冒頭に発言をいたしまして、わが国の経済の状況と申しますか、それを数字をあげて実は説明をいたしましたし、また今回とられました緊急措置の内容もそれを説明いたしましたが、ただそれについての表立った反応はあまり率直に申してございませんが、とにかくそういう方向にあることはよくわかる、また通貨調整というものは、そう簡単に早く効果があらわれるものではないこともよくわかる、したがって、それはわかるが、現実の問題として、もう少し景気回復のテンポを早めてもらわぬと、どうもヨーロッパと日本との、あるいはアメリカと日本との景気のズレが、どうしても日本の輸出に対するブレーキにならない、また輸入の増加につながらない、それが今後むずかしい問題を生ずることがどうもはっきりしておるというようなところで、私ども懸命に日本の今後の方向というものを説明はいたしましたが、なかなか、私ども率直に申し上げますと、効果的な反応はなかったということを言わなければならないと思います。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そうしますと、私、いまの問題の中で、今度の円対策で、たとえば金利を下げるとか、いろいろございますね。昨日、銀行大会へ行って、金融の責任者の皆さんの意見を少し聞いてみました。私は、こういうふうに聞いたわけです。要するに、いまの日本の企業というのは、高度成長の中にビルトインされていまして、ですから、高度成長の中にビルトインされているということは、成長が下がったときにはたいへん経営が困難になる。どうしてもその経営の困難、要するに借り入れ金によるいろいろなコスト高になる要素、それがある程度ビルトインされておるものが一体こういう過程の中でそれなりに体質が改善されてくるならば、私は、また新しい道が開けると思うのですけれども、私が見ておる限りでは、やはり水ぶくれしておる体質をそのままで維持しながらここを乗り切ろうとする。こうなりますと、やはり損益の分岐点がある程度高い以上は、どうしても生産量が落としにくい、そういう余剰生産力というものは多少国内の景気が回復したら国内市場に行きますからね。そう簡単に国内市場も、少し景気が回復したから、その余剰がこっちへあらわれるということにならない情勢になっているのじゃないだろうか。そうすると、景気が少し回復したら輸出圧力が減るのではなくて、結局企業の採算ベースをとろうとすることの企業的な自然の動きといいますか、企業というのは、少なくとも資本主義社会では利益がなければ成り立たないような仕組みになっておるので、それは高度成長にビルトインされておるものに、どうしても一定度の操業率を維持しようとするということから、輸出圧力というものは——私は、いまの日本の輸出圧力というものは、単に不況だからという輸出圧力というのは、今日の段階ではやや問題があるのじゃないか。  それはけさの新聞で私は拝見をしたQE方式による昨年度の経済実績ですね、国民所得の統計の速々報でありますが、これを拝見しても、五・七%の実績ということは、まあ後半はかなり立っていると私は見たわけです。いま調整局長に伺うと、下半期、年率七・一ですか、下半期年率七・一%ということで、総合で五・七ですから、ずいぶん上期に比べたら下が立っているわけですね。ですから、七・一もこうカーブが上がってきている中で、不況だから輸出ドライブがかかっておるという話は、私はもう説得力のある表現ではないという気がするのです。だから、それはそうではなくて、現在の企業体質からくるところの輸出圧力だ、こう見るのが私は相当なのではないだろうか。そうすると、はたしていまのような円対策で、もうともかくすきがあらばそこからはみ出そうという輸出をはたしてコントロールできるのかどうか。日本の景気が、それではこれまでのように実質で一〇%をこえるような景気が回復できるかというと、これはおそらく長官もそんなことにはならない、こうお考えでしょうし、いまの景気をささえておるものが、まさに公共投資と個人消費、政府の財貨、サービスの購入と個人消費でささえておるということになれば、もちろん少し在庫の積み増しもあると思いますが、ウエートとしてはそんな大きなものにはいまなっていないと思いますから、そうなると、私は、これはなかなかそんな短期的な問題ではなくて、やや構造的な問題としてこれをとらえて対処をしていかないと、非常にこれはむずかしい問題が残るんじゃないだろうか。  まあ昨日も金融機関の方にそういう話をしたところが、かなり同感をする幹部の方が多うございました。私は、あわせて金利の問題に触れて、それは単に水ぶくれをしておるのは企業だけではありませんよ、金融機関も水ぶくれをしておりますよ、だから、金融機関の水ぶくれについても、金融機関の皆さん、経営者は、いわゆるここを自分で考えてみる必要があるんじゃないでしょうか、そうすると、安易な預貯金金利の引き下げということが、依然として水ぶくれをそのまま延長させることに役立つんじゃないでしょうか、ここで逆に貸し出し金利が下がることが直ちに民間の設備投資を引き起こすというような情勢にあるならばともかく、まあ、これらの金融機関の責任者たちも、金利の引き下げが直ちに民間設備投資を引き起こすとは思いませんというのが、大体の意見でありました。それが、そういうことにならないでおいて預金金利を引き下げるということは、言うならば、金融機関にやはり安易な経営態度を許す道になり、そのことは、私は金融機関の水ぶくれの状態がそのまま継続されることになる。言うなれば、高度成長の中でビルトインされたものはみんなそのままで温存していこうということでは、私は、このいまの対米関係の問題は解決はされないんじゃないか。かなり政府はそういう意味では政治的な勇断をもって金融、産業界に対処しない限り、問題を適切に解決できないところにきているにもかかわらず、そういう預貯金金利の引き下げによって、金融機関にまたもエクスキューズを与える、そういうことで本質的な解決ができない。さっき大蔵大臣は、景気回復こそ円対策だと言われるけれども、私は、これ以上の景気回復などというものはそう多くを期待できないというのが日本の現状ではないか、こういう認識に立っておるわけですが、これについてひとつ大蔵大臣、企画庁長官から、私のいまの考え、まあこれについては、かなりの金融機関の責任者たちはその点については同感のところが多いというふうに、昨日の話を聞いたわけでありますが、皆さん方のお考えをひとつ承りたいと思います。大蔵大臣からそれじゃひとつ……。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 大きい問題で、経企庁長官、やってください。

木村俊夫自由民主党経済企画庁長官

○木村国務大臣 たいへん大きな問題でございますが、当初おっしゃった昨日公表いたしました、まあこれは速報の速報でございますから、多少調整の余地がございますが、五・七%、私どもの見通しの四・三%を相当上回っております。これは、確かにわが国の長い経済成長にビルトインされた、おことばをかりれば、そういうものの企業体質がしからしめたということばも、私は一部は当たっておると思いますが、しかしどうも、その内容を分析いたしますと、需給ギャップは依然として大きい。たとえば鉄鋼、重化学工業、合成繊維、これは依然として大きいです。あまり改まっておりません。もしそれが改まったとすれば、むしろ公共投資その他の内需によるものと思いますが、そのほかの製造業部門以外の非製造業部門、それから新しくいろいろ省力化とかあるいは公害防止産業とか、新しい開発された産業の面に相当そういう成長が見られることは御承知のとおりでございます。そういうものが総合して一−三月のああいう成長というものが実現されたのではないか。私、まだ内容的に具体的に分析しておりませんが、感触としてそういう感じを持っております。  そこで、そういうような経済成長の中でいわゆるビルトインされた企業の体質というものは、今後私どもは、いま計画しております長期経済計画の中においては、従前のような大きな伸びはとうていむずかしかろうと思います。どうしても需給ギャップというものが今後も相当残るであろう。それはもう構造的不況というものは残るということは当然考えられますが、それはしかし、いまおっしゃったような、わが国の産業が長期的にもう調整の段階にきておるというような大局的な判断から、これは私は避けて通れない道だと思います。そういう意味で、産業の調整というものは不可避である、構造的な産業改革が不可避であるということは私どもも考えておるわけでございます。  そこでまた、それに対する金融の問題、これはまあ大蔵大臣からお答えすべき問題だと思いますけれども、確かに、預金金利の引き下げも一般金利の引き下げに相当連動すべき段階ではあると私は思います。ただ、いままでどうもそういう金融機関の経営そのものが、産業の調整と全く孤立して、ややもすると安易な経営に流れておったということは、おそらく金融機関の当事者もある程度自覚しておられると思います。そういう意味で、今回の市中金利の引き下げというものはおそらく、預金金利の引き下げに比べますと相当大幅なものであろうと思いますけれども、そこに金融機関の経営の合理化、効率化というようなものの必要性も相当出、また、それが避け得られない段階になるであろうということは、私ども容易に予測できるわけでございます。  お答えにならないかもしれませんけれども、一般的な感触を申し上げました。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 大蔵大臣はもう答弁しないのですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 私も、これからの日本経済の成長率という問題については大体同じようなことを考えております。と申しますのは、口先だけならともかく、ほんとうに国民福祉の向上といって、福祉政策を中心にいろいろな切りかえをする、方針の切りかえをするということでしたら、今後十何%というような経済成長というのはもう期待はできない。そうしますと、いままでの成長が高度成長であっただけに、それ以下の成長率である限りは不況感というものが常に伴ってくる。したがって、今後ある程度、この不況感というものが常にどこかにあって、これが定着する形がむしろ今後の正常な経済の地固めをなしていくものではないかという気がいたしますので、そういう意味において私は、今後のこの不況の回復のしかたというものについて、いままでとは違ったことを考えなければいかない。そういう意味から申しますと、さっきの金利の水準が下がるということは、そういう意味から私は逆に特に必要な今後の政策だというふうに感じています。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 金利問題その他についてはおっしゃるとおりだと思うのですね。ただ、金融機関に対しては、要するにここでアク抜けすべきものをさせない条件をつくるようなものですね、率直にいえば。だから、いま木村長官は、預金金利を下げたよりは貸し出し金利はさらに下がるだろうとおっしゃったのですけれども、私はそういうことは期待できないと思っているのです、いまの金融機関の姿勢から見ると。もしそれならば、今日の時点でもっと下がっていなければいけないわけです、率直にいうと。それがもう一つ下がり切っていないというところに、私はやはりいまの金融機関の利益指向型の体質といいますか、これが非常に裏打ちされている、こう思います。ですから、まあそれは議論になりますからやめますけれども、一番肝心な問題は、私はそういうことを通じて、要するにOECDで、日本の景気が回復すれば輸出圧力が減るんだろうという認識を持っておられる、また政府もどうもそういう認識に立っておられるけれども、すでにいまはかなりもう回復しているとみなすべきであって、これと、皆さんが期待される上限の差というのは幾らもない。だから、この上限の差が幾らもないということは、多少皆さんの期待どおりにいったとしても、輸出圧力というものはいまのままでは減らないだろうというのが、まあ私のいまの経済分析のもとになっているわけですね。だから、このままでただ金利をさわり、この間の円対策六項目をお出しになったから問題が解決するんじゃない。この前の円対策八項目と非常に似たような、内容が伴わない円対策六項目だという気が私はしてしかたがないわけです。ですから、この問題は、きょう通産大臣がおられませんからあれですけれども、やはり一歩立ち入った何らかの調整を考えないと、私は、今度の対策をずっと拝見をした中では、まあ書かれていることが役に立たないとは言いませんけれども、もしほんとうに役に立つのを一〇〇とすれば、それに対して二〇か三〇程度の影響力しか持ち得ないのではないかということを心配するわけです。だから、これは今後の経過の推移の中で、ことしの年末に私どもが、また二国間通貨調整というようなところに追い込まれるのを避けるためには、やはり政府としてはもう少し勇断を持って、あとにもっときめ手になる問題があるはずだということでこの問題について考えていただかないと、きょう提案をされておる程度の、こんな周辺の問題でお茶を濁しておったのでは、私は、また調整を迫られる。調整を迫られたときに困るのは、やはり小零細企業というような競争力の弱いところへまたもやしわが寄ってくるということで、大企業、特に資力の大きい企業は、また調整があっても、それに対して何らか対応できるでしょうけれども、この点非常に問題がありますので、そこらの問題についてひとつ十分、もう少し真剣の度合いを深めて、この対米貿易ギャップの問題をいかに解消するかをお考えを願っておく必要があるのじゃないだろうかということを申し上げて、私の本日の質問、要するにこの法案では問題の解決にならないという結論もあわせて申し上げて、質問を終わりたいと思います。

齋藤邦吉自由民主党

○齋藤委員長 次回は、明八日木曜日、午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。    午後三時四十四分散会

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