大蔵委員会 第34号
- 発言数
- 41 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1972/06/02
会議録
○齋藤委員長 これより会議を開きます。 昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案、昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律及び公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を続行いたします。堀昌雄君。
○堀委員 一昨日、わが党の山口鶴男委員が少しお伺いしたのでありますけれども、ちょっと答弁その他の点で私どもとしては明確を欠いた感がありますので、重ねてこの問題について、私の考え方を申し上げて、大蔵政務次官のこれに対するお答えをいただきたいと思うのであります。 今回の沖繩の本土復帰に伴いまして、沖繩におけるこれまでのいろいろな制度というものは必ずしも本土と同じ水準にあるわけでございませんので、大蔵関係の諸法律におきましても、あるいは税制の面その他各種の面におきまして、大体五年間を目途とした経過措置によって、漸次本土の諸状態に並べる、こういう取り扱いをとっておることは御承知のとおりであります。ところで、沖繩で現在行なわれておりますところの政府管掌健康保険につきましては、すでに御承知のように、その掛け金が標準報酬の千分の三十と現状ではなっておるわけでございます。ところが、本土のほうにおきましては、まだ審議中でありますから、これが一体千分の七十幾つになるかはまださだかではありませんけれども、要するに千分の七十をこえる負担率となるということになろうかと思います。まだこれは参議院で審議中でありますから、いかようにもその点はさだかではありませんけれども、そういうふうになりますと、やはりこの千分の三十というものがいきなり本土並みに引き上げられるということでは、これは沖繩における政府管掌健康保険の被保険者としてはたいへんな大きな負担の増にもなるわけでありますから、当然私はこれらの問題についても、政治的な判断としては五年間の期間の中に漸次経過的措置としての負担率の変更等を考慮しながら、場合によっては五年でもってはなお不十分な場合もあろうかと思いますが、要するに沖繩の政府管掌健康保険加入者がその経済的負担において著しく負担が増加することのないように取り計らうのは、私は今回の沖繩復帰との関係から見まして、政治的な配慮を当然行なうべき常識的な課題だ、このように考えておるわけでありますけれども、政務次官、この点についてはいかがでございましょうか。
○田中(六)政府委員 短期給付の掛け金の問題だと思いますが、これは原則論といたしましては、社会保障制度の一環である共済制度の原則という観点から見て、掛け金について特別の措置をとるということは、どっちかというと考えものでございますが、沖繩につきましては、堀委員御指摘のように、本土との格差がいろいろございまして、五年間でこういうでこぼこを調整するという大原則もございますし、一応審議会等の問題もございますけれども、私どもといたしましては、卒直に申しまして、沖繩を見るとすると、今度は離島その他日本のいままでの本土とのかね合いで難点もございます。しかし、沖繩の特殊性、そういうものを十分考えて検討しなければならないというふうに考えます。
○堀委員 いま政務次官のお答えの中で、本土の離島の話が出ましたが、本土の離島はこれは初めから政府管掌健康保険は同一のスタートをみんなしているわけでして、私どもは沖繩が日本から離れているから特別の措置をいま講じてもらいたい、こういうことではないわけでありまして、申し上げるまでもないことでありますので申し上げませんけれども、沖繩というものが過去に日本の本土から分離されておったという特殊な条件にかんがみれば、これはやはり沖繩県民の各種の負担が日本本土復帰によって著しく増加するなどということは、日本政府としては当然考慮すべきことであるので、各種の税法その他においても考慮を払ってきたというのが現在であります。私は、税法その他のほうが社会保障関係の諸手続より次元が低いと考えておりません。国民のこういう負担の中で一番大きい、そして強い強制力を持って国民を拘束しておるそういう負担の関係では、税をもって最高としておることは、差し押え順序その他から見ましても、国税の差し押えをもって最初に優先権を与えておることから見ても明らかでありまして、その税すらも各種の配慮をしておるという今日、社会保障関係のものがこれに右へならえするのは当然のことでありまして、そういう意味で、ちょっと離島についてのお話にお触れになりましたが、ややこれは次元の違う話であって、沖繩と本土との関係ということに限定をして考えていただくならば、いま私の申し上げておることは何ら不合理なことでなく、政治的にきわめて常識的なものだ、こう考えておりますので、私は事務当局の答弁を求めずして、当初から政務次官にお伺いをいたしておりますのも、私ども政治家として、また政務次官も政治家として、当然現在私ども本土における日本の国としての責任を持たされておる者の立場としてやっておかなければならない措置ではないか、かように考えますので、もう一回この点について前向きに善処をしていただくことの御答弁をひとついただきたいと思います。
○田中(六)政府委員 保険制度の一環である共済制度の原則ということは、先ほども申し上げましたように、一つの原則がありまして、原則である限り、これを適用することはどこにも同じでなければならないわけでございますが、政治的な配慮という観点からは十分検討しなければならないというふうに思います。
○堀委員 私も原則を曲げろということは申し上げておりません。原則はしかし常に例外があるということでございますので、この沖繩の場合はそういう例外に相当し得る、こういう判断でございます。まあこの件についてはこれ以上申し上げませんけれども、しかし、そういうことでひとつ私どもの意を体して処置をしていただくことを要望いたしておきます。 その次に、公共企業体職員等共済組合法の問題についてお伺いをしておきたいのでありますけれども、ILO八十七号条約が昭和四十年に国会で批准をされまして、これを受けまして、昭和四十年五月十八日に公労法第七条が改められ、そしてそれに基づいて、この公労法七条の施行につきましては、いわゆる私ども専従者と申しております在籍専従の関係については向こう二カ年間は従前のとおりにするということになっておりましたが、昭和四十一年十二月十四日に、当然その経緯から見て、四十三年の十二月十四日から在籍専従の期間を三年間と限って実施をする、こういうことに相なり、引き続いて四十六年十二月十一日に、さらに公労法七条の改正が行なわれまして、いまの在籍専従期間三年と限っておりましたものが五年間に延長されましたので、最終的に現在の法律のたてまえから申しますと、昭和四十八年十二月十三日になりますとこの在籍専従の制度がなくなりまして、現在五年以上にわたる専従者はすべて離職をしなければならないというのが現在の公労法第七条の定めと、こうなっておる、こういうふうに私は理解をいたしておりますけれども、それでよろしゅうございましょうか。ちょっと答弁を求めます。
○秋富政府委員 そのとおりでございます。
○堀委員 そこで、実はこの公共企業体職員等共済組合法というのは昭和三十一年の六月六日に法律として定められておるわけでありますから、この時期には、このような公労法の改正があるということは、この法律自体としては予期をしていなかったことではないか、こう思うのでありますけれども、その点はいかがでしょうか。
○秋富政府委員 その点もそのとおりでございます。
○堀委員 そこで私は、国民の一種の権利とかあるいは既得権といいますか、そういう問題の取り扱いを考えます場合に、ある一つの立法が行なわれておるときに、次に起こるであろう立法までを予測することは不可能でありますから、当然その立法が行なわれたときには、その立法が行なわれておった諸条件をもとにして法律は構成をされております。ところがその後に新しい政治情勢なりが生まれてきて、その新しい政治情勢によって新しく当該法律に関するものは新しい角度で立法がされる。この場合を申しますと、在籍専従が制限をされるということは、公共企業体職員等共済組合法が制定をされましたときには予想をしていなかったことであるけれども、国際的な諸関係からILO八十七号条約が昭和四十年に批准をされ、これを受けて政府としては当然公労法の改正をしなければならなくなった。ですから、そのことは、今日在籍専従者というものが離職をしなければならないということを予期してこの法律は書かれていない、こう考えるわけでありますけれども、その点はいかがでしょうか。
○秋富政府委員 三十一年の当時におきましては、いま先生御指摘のとおりでございます。
○堀委員 そこで厳密に考えてみますと、現在すでに離職をしておる人たちが、電電公社の組合であります全電通労働組合にはすでに二百八十名程度に達しておるようでありますが、あわせて今後おそくとも四十八年、明年の十二月十三日以降には、公共企業体におきましてはかなりの実は離職者が予想されると、こう考えるわけであります。しかし、この離職者たちは、本来ならば公共企業体等共済組合員として実は得べかりし権利が、この公共企業体職員等共済組合法ではあったわけでありますけれども、いま私が申したような八十七号条約の批准に伴う公労法の改正によって、これまでのその得べかりし権利が新たな立法によって失うということを強制される、こういう事態がすでに起きておる、あるいは起きる事態になっている、こういうふうなことになっておるわけであります。 そこで私は、国の法律によって、これまである国民の一つの権利あるいは既得権、この場合の問題を申し上げますれば、公共企業体の労働組合の専従者である者が離職をしないで済むこれまでの状態ならば共済組合員として得べかりし権利が、この公労法七条の改正によって失うことになったとするならば、国が公権力をもってその国民の権利を除外をする、取り除くということになれば、また当然これに関して合理的な問題の範囲については、私は、国がこれに対して相当の配慮を行なうのが当然ではないのか、こういう考えを持っておるわけであります。 そこで、全電通労働組合の二百八十名の、ILO八十七号条約の批准に伴う公労法の改正によって、以前にすでに離職をして、政府の立法の精神に沿って、国の立法の精神に沿って処置をしておる諸君について、この際どういう範囲でこの問題に対応できるかということを尋ねてみましたところが、現在この法律では公共企業体職員等共済組合法となっておりまして、その十二条では「役員及び職員は、すべて組合員とする。」こう書いてあります。この役員の方々は、現在、特殊組合員ということで、短期給付についてだけ実は組合の給付を受ける、まあこういう仕組みになっておるということでありますが、本来、公共企業体職員等共済組合というのは、本体は私は職員だと思うのであります。ですから、言うならば、役員というのはある意味ではプラスアルファだということで、特殊組合員ということに相なっておろうかと思いますので、この際、私が前段でるる申し上げてまいりましたこれらの労働組合の専従職員、この専従職員も公労法に定めるところのもっぱら労働組合の業務をつかさどって、公社職員の労働条件の改善その他のために、広く解すれば電電公社の運営のために仕事をしておることに相違はない。公社の役員が電電公社の運営に参加をしておると同じように、少なくとも全電通労働組合の専従者である限りは電電公社の運営に広い意味では参加をしていることに相違はないことであって、ただ立場上、ILO八十七号条約及び公労法第七条の改正によって職員であることを認められない立場になったと、こういうことでありますので、これと同じような待遇といいますか、取り扱いをしていただければたいへんけっこうだと思う、こういうことであります。そのことは当該専従者が受けます給与に見合った共済組合の短期給付の掛け金は掛けます。現在共済組合で使用者側といいますか、事業主といいますか、が負担をしておりますところの費用については組合として負担をすることにやぶさかでありません。こうなりますと、経済的な諸問題としては、共済組合に特に迷惑をかけるということにはならない。理論的には私が前段で申し上げましたような立法の諸経緯から見て、これらの諸君が役員と同じような特殊組合員としての待遇を受けることは何ら法律的に見ても瑕疵はない、こういうふうな判断を実は私、持っておるわけであります。 そこで、この際ひとつこの問題について、いま直ちにということは問題の性格上行なうことは困難かと思いますが、昭和四十八年度において、やはりまた国家公務員及び公共企業体等職員の共済組合法の改正は公務員等の賃金の上昇に伴う恩給法の改正その他の関連から、明年の当委員会に当然提案されることでもありますので、今後ひとつこの問題について十分政府部内で検討を進めて、いま私が申し上げましたように、昭和四十八年十二月十三日以降に広く公共企業体の労働組合の専従者の中で起きてまいります事態に備えて、明年のこれらの諸法律の改正の際に、いま私が問題を提起いたしておりますことをすみやかに検討をして具体化をしていただきたいと、こういうのが私の問題を提起しておる趣旨でございます。これについて、まず関係者からひとつ御答弁をいただきたいと思います。
○秋富政府委員 ただいま先生御指摘のとおりでございますが、大体共済組合制度、これは言うまでもないことでございますが、職域保険制度、こういう面が大きな問題でございます。ただいまもお話ございましたように、職員等とございまして、いわゆる役員が入っておるわけでございますが、これは共済組合員におきましては、共済組合というものの制度が職域保険制度であると同時に、公企体の円滑な企業経営に資することを目的とするという点がございまして、その意味におきまして、役員はいわゆる公共企業体並びにその共済組合の運営管理ということに直接責任を持っております関係上、いわゆる共済組合に属している職員同様に対象にしておるわけでございます。 ただいま御指摘のILO条約批准に伴う問題につきましては、御指摘のような問題もあるわけでございますが、これはまたいま御指摘のように単に公共企業体共済組合員だけでなくて、国家公務員共済組合あるいは地方公務員共済組合、これにも関係している共通した問題でございますので、関係の省庁と十分今後また検討を慎重に重ねていきたい、こういうふうに考えております。
○堀委員 事務当局の答弁はそうですが、ちょっと私、いま伺ったことで、役員は公共企業体の円滑な運営に資するということで共済組合へ入っているんだ。厳密にいいますと、これは職員のものでありまして、役員はすでに職員のときに退職金をもらって職員をやめているのですね。それじゃいまの公共企業体の労働組合の専従職員、言うなれば全電通労働組合委員長、副委員長、書記長というのは公共企業体の円滑な運営に資していませんか。どうですか、ちょっとそこをはっきりしておいていただきたい。
○秋富政府委員 その点はいろいろと問題があると思います。直接関係しているといえるかどうか、あるいは運営に直接寄与しているかどうかという問題につきましては、いろいろと解釈の問題があるかと思いますが、この点につきましてはなお十分検討したいと考えております。
○堀委員 私は、認識の問題としてこれは非常に重大な答弁をしていらっしゃるから、私、いまこれはすらっとやめるつもりでずっとやってきたけれども、いまの答弁を聞いては、ちょっとこれは時間がかかります、たいへん皆さんに申しわけないけれども。これは労働組合というものあり方の基本に関する認識の問題ではないかと思うのです。いまあなたは、日本で労働組合法語関係で労働組合がつくられておるのは、何のためにつくられておると思いますか、それを伺っておきたい。
○秋富政府委員 企業の円滑な運営に資するためでございます。
○堀委員 それでは、あなたいまそういうふうに答弁してくれるならこれで終わりますけれども、あなたはさっき、私は企業の円滑な運営に資するためにある点においては同じじゃないか、広く解すれば。それは狭義に解するか広義に解するかは別だけれども、少なくともそれとして解し得るものだと私は認識しておるからこの問題の提起をしておるわけでありますから、ひとつそういうことで、いまのあなたの御答弁で、労働組合というものがやはり企業の円滑な運営に資するためにあるのだという認識に立っておられるならば、その労働組合のもっぱら運営に当たって責任を持っておる、これも役員ですね、労働組合の役員でありますけれども、その役員も、当然私は公社の役員といまの共済組合の短期給付程度の問題については、利益が権衡をとるような取り扱いを受けることは何らいまの各種立法の意図しておることを妨げるものではない、私はこう考えておるわけであります。 そこでひとつ、いままでの話を集約いたしまして、担当であります運輸政務次官のほうから、今後の取り扱い等についての基本的な考えを承り、あわせてひとつ大蔵政務次官からもこれに対する答弁を承りたいと思います。
○佐藤(孝)政府委員 本問題は御指摘のとおり、単に公企体共済だけの問題でなく、地方共済、国の共済も関係ある問題でございます。御指摘の趣旨を十分体して、慎重に検討したいと思います。
○田中(六)政府委員 堀委員御指摘のように、得べかりし権利の喪失と経済的にその上何ら迷惑をかけないということになれば、これをいろいろいちゃもんをつける必要もないわけでございまして、十分考えて、そして善処していかなければならない、かように考えております。
○堀委員 事務当局にちょっとお願いをしておきますけれども、おそらくこの問題は、大蔵省に設けられております共済制度審議会等の議を経て立法化の処置に至るのではないかと思うのであります。私、当委員会でのいろいろな問題を提起いたしますときには常にお願いをしておることでありますけれども、私は常に期限を切らしていただくというのが私のやり方でございますので、少なくともその審議の経過がいかようになるかをまで私はここで御答弁をいただくつもりはありませんけれども、来年度の立法体制に間に合う時期において、十分な審議期間を考慮して、この問題を共済制度審議会の議題として前向きに検討していただくという時間的経緯、そのことは、審議会の結論は別として、審議会が私がいま問題提起をしたことを御了承いただくならば、その線に沿って明年度の立法に間に合うという、そういう共済制度審議会等の諸関係の、共済制度審議会だけかどうかわかりませんが、要するに諸関係の事務的手続において、明年度の法律改正に間に合うような手続をとっていただきたい、こう思うのでありますが、そういう手続をとられるかどうかの問題だけをちょっとお答えをいただきたいと思います。
○吉瀬政府委員 堀委員御提案の問題、相当基本的な問題に実は触れる問題でございます。ただ、実質的に御提案の趣旨、いろいろな基本的な根拠が内在しておる問題だと思います。私ども共済制度審議会でそのようなタイミングで慎重に検討いたしたいと思います。
○堀委員 終わります。
○齋藤委員長 広瀬秀吉君。
○広瀬(秀)委員 大蔵大臣出席されたところで、沖繩の短期給付の掛け金の率の問題について、一問だけ質問をして大蔵大臣のしっかりした御答弁をいただいておきたいと思うわけであります。 現在、琉球政府、もうすでに復帰されましたから、沖繩県になったわけでありますが、五月十五日以前の琉球政府職員の短期給付については健保でまかなわれておりましたが、財源率が千分の三十、これがしたがって掛け金率は千分の十五ということになるわけであります。復帰をいたしますと、地方公務員法あるいは国家公務員法、こういうようなところに分かれますけれども、とたんに千分の十五の掛け金率が千分の三十四にはね上がる、こういうことになるわけであります。これはまさに負担の激変ということがこの面で出てくるであろう、こういうように考えられるし、今日の沖繩における医療諸施設の水準、医療給付の内容、こういうようなものの水準というものは本土に比べてかなり劣っている、こういうような状況であるということになりますと、そういう実態を踏まえて、本土ではこういう掛け金率も計算をされておるわけでありますが、これをそのまま適用するということになりますと、そういう面でも非常に格差のあるものになる。掛け金だけが一緒だということで、負担が激変すると同時に、その給付、医療水準というようなものも向上しない、そういうようなことでありますから、この際は、これは俗なことばで言えば、これだけの掛け金を取ったら、それだけの給付はとうていできるはずのものでもないということになっておるわけでありますから、政治的な配慮も加えまして、今日まで沖繩の置かれておった異民族支配に四半世紀以上も置かれて塗炭の苦しみをなめてきたという、本土のわれわれ国民にはとことんまではわからない、そういう状況もあったわけで、復帰に伴って不利になるというようなことは何としても避けていかなければならない、これは一貫した沖繩関係における国会での議論の収穫であったと思うわけでありますが、そういう立場を踏まえて、この問題については私どもは一挙にこの掛け金率を本土並みに持ってくるということについては、これはきわめて酷なものがある。したがって、政治的な配慮も加えつつ、特例措置を講じながら、何年かの経過措置というものでだんだんに医療水準、医療施設の不利を補っていくというようなことをはかりつつ本土並みにさや寄せをしていく、こういうことが必要だろうと思うのでありますが、すっきりした答弁がなかなか——次官からは非常に前向きな答弁があったけれども、大蔵大臣からわれわれが安心できるような、そうしてまた沖繩の公務員の皆さんが、あるいはまた健康保険の組合員の皆さんが安心できるような経過的特例措置というものを実現してもらいたい、こういう点についてのみ私は最後に大蔵大臣にお伺いをいたして質問を終わりたいと思うのでありますが、いい答弁をひとつしていただきたいと思います。
○水田国務大臣 この問題はもう早くから私どもは検討済みの問題でございまして、御承知のように、同じ組合に入って同じ給付を受けている組合員が同じ基準で掛け金を負担するというのは、これはもう制度の原則でございまして、この原則を曲げるというときには、理屈としましては、給付も経過的な措置を講ずるのだから、掛け金も一挙にいくのは無理だから、やはり経過的な措置を講じろということはわかるのですが、給付はもう一挙に全国並みになるのですから、したがって掛け金だけということについては、これをどう扱うかということについてむずかしさということはもう御存じだと思います。したがって、だれが答弁してもこれはなかなかすっきりした答弁にはならぬと思いますが、いま私どもも相談いたしましたが、せっかくのこれは御提案でございますので、いろいろな困難はございますけれども、これは検討してみたいと思いますので、少し検討の時間を与えていただきたいと思います。
○広瀬(秀)委員 大臣、困難性を強調するのでなくて、ぜひひとつ実現する方向で、これはもうわれわれは原則を曲げよなどということは一言も主張していないのです。これは特例というものはやはり特に沖繩の場合には、本土にも離島がありますというようなことも答弁にあったけれども、これは政務次官の答弁でありますが、そういうようなことは百も承知の上で言っているのです。ですから、沖繩に対する政治的な配慮の中で一貫して特例措置が設けられてきたけれどもこの問題だけ残ったような形になっておるわけであって、この点はやはりもう少しあたたかい政治的な配慮というものを加えて経過的な特例措置というものをとってもらうように、この点強く求めて私の質問を終わります。
○齋藤委員長 これにて両案に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○齋藤委員長 これより討論に入るのでありますが、両案につきましては討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 まず、昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○齋藤委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。 次に、昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律及び公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○齋藤委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。 —————————————
○齋藤委員長 ただいま議決いたしました両案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党を代表し、藤井勝志君外三名より附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 この際、提出者より趣旨の説明を求めます。広瀬秀吉君。
○広瀬(秀)委員 ただいま議題となりました両法案に対する附帯決議案につきまして、提出者を代表して、提案の趣旨を簡単に御説明申し上げます。 案文は、印刷してお手元に配付いたしてありますので、朗読は省略させていただきます。 本附帯決議案の内容のうち、第一点ないし第三点は、昨年、本委員会で付しました附帯決議と同様のものでありまして、これらの諸点につきましては、他の諸制度との関連において、あるいは、共済制度のたてまえの上から種々複雑な問題もあろうかと思いますが、政府においては引き続き検討を加えられ、適切な措置を講ずるよう切に要望するものであります。 特に、第一点の既裁定年金の実質価値保全のための具体的な対策につきましては、社会保障制度審議会からも、つとにその必要性が指摘されており、今回の法律案に対する同審議会の答申においても、「恩給は、その内容に問題があるにしても、スライド制が事実上確立している。これを基礎に検討を加えれば、共済年金としてのスライド制の早急な策定はむずかしくないはずである。」と述べられているところであります。 近代福祉国家においては、年金の実質的な価値を維持するということは、当面の最大の課題でもありますので、公的年金制度調整連絡会議における検討を、従来に倍して精力的に進められ、一日も早く具体的な運用方式が確立されるよう、格別の配慮を強く求める次第であります。 また、第四点につきましては、沖繩県の本土復帰に伴い、同県における国家公務員等は、本土の共済組合制度が適用されることとなり、このため、短期給付の掛け金率が、従来の医療保険の保険料率を大幅に上回ることとなるのであります。 ところで、沖繩県における医療制度は著しく立ちおくれておりますので、その整備拡充が行なわれるまでの間、負担の軽減をはかる必要があると思われますので、特例措置が経過的に講ぜられるよう、前向きな検討を要望するものであります。 さらに、第五点は、現在わが国でも、国民皆年金制度が実現せられておりますが、その給付内容は、区々にわたっております。これは、各制度の沿革、あるいは創設の趣旨からある程度やむを得ぬ点もあろうかと存じますが、いまやこれら制度間における整合的調整が強く求められる時期に至っております。 政府においては、均衡のとれた公的年金制度を樹立するため、早急に各制度の給付内容について調整措置を講ずるよう十分努力することを強く求めるものであります。 以上が、本附帯決議案の提案の趣旨であります。 何とぞ御賛成くださいますようお願い申し上げます。 ————————————— 昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律案、及び昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律及び公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 一 国家公務員共済組合法第一条の二、公共企業体職員等共済組合法第一条の二制定の趣旨にかんがみ、国民の生活水準、国家公務員及び公共企業体職員の給与、物価等を考慮し、既裁定年金の実質価値保全のための具体的な対策を早急に進めること。 二 国家公務員がその身分を失った場合、その者について、他の医療保険制度との関連を考慮しつつ、医療給付の激変をさけるための措置を検討すること。 三 外国政府職員等の雇傭員期間を職員期間として通算する措置については他に就職することなく内地帰還後一年以内に公務員、公共企業体職員等として就職した場合に限定する取扱いが行なわれているが、なお不充分であるので、共済組合法の建前に充分配意し、合理的措置をすみやかに実施するよう検討すること。 四 沖繩県における国家公務員等に係る共済組合短期給付の掛金率については、沖繩県における医療制度の実情にかんがみ、その整備拡充が行なわれるまでの間、特例措置を設けるよう検討すること。 五 公的年金の給付内容については、各制度の沿革を考慮しつつ、適切な調整措置を講ずるよう検討すること。 —————————————
○齋藤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 おはかりいたします。 本動議のごとく附帯決議を付するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○齋藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 本附帯決議に対し、政府より発言を求められておりますので、これを許します。水田大蔵大臣。
○水田国務大臣 ただいま御決議のありました事項は、政府といたしましては、非常に困難な問題もございますが、御趣旨を体して十分検討いたしたいと存じます。
○齋藤委員長 佐藤運輸政務次官。
○佐藤(孝)政府委員 ただいま附帯決議のありました事項につきましては、非常に困難な問題もありますが、政府といたしまして御趣旨を体して十分検討したいと思います。 —————————————
○齋藤委員長 おはかりいたします。 ただいま議決いたしました両案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○齋藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○齋藤委員長 次回は、来たる六日火曜日、午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時四十六分散会