大蔵委員会 第33号
- 発言数
- 176 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1972/05/31
会議録
○齋藤委員長 これより会議を開きます。 昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案、昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律及び公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。 両案は、昨三十日提案理由の説明を聴取いたしております。 これより質疑に入ります。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。広瀬秀吉君。
○広瀬(秀)委員 共済二法に対して質問をいたしますが、まず、共済組合の年金等いわゆる給付の算定基礎となる俸給の問題について質問をいたしたいと思います。 御承知のように、特に長期給付を例にとりますが、長期給付の算定は、組合員の俸給と勤続年数、組合員年数、こういうものが基礎になって算定をされるわけでありますが、公共企業体職員等共済組合法と国家公務員共済組合法におきまして、非常に重要な格差があるわけであります。公企体共済の場合には、退職時における最終俸給、これが計算の基礎になる。公務員の場合には、あるいは地方公務員等の場合も同じでありますが、退職前三カ年の平均ということになるわけであります。 この問題は、いろいろ当初のこのような制度の差を設けた理由というようなものもそれなりにあったわけだし、また当時の経済情勢、こういうようなものが比較的安定をしておったというか、激動の経済情勢というものではない、こういうところもあったわけで、特に賃金の激変というようなものがわりあい少なかった時代だというふうに考えられるわけでありますが、最近に至りますと、年率一〇%をこえる賃上げが行なわれ、特に四十五、六、七とここ三カ年等は、大体一七、八%から一三%くらいの間で動いている、こういうことになりますと、年金においてそういう制度をとっているがゆえに非常に大きな格差が出る、こういうことになるわけであります。 試みに私が算術的な計算をしてみまして、四十五年に十万であったものが、四十六年には一五%かりに上がったとして十一万五千円になる、四十七年にさらに月額一万七千円ぐらい上がるということで十三万二千円になる、こういうことで、国家公務員の場合にこれを平均いたしますと、十一万五千六百六十七円になる。これを十二倍いたしますと百三十八万八千四円、こういう数字になるわけです。これが同じような賃上げが公企体で行なわれたといたしますと、公企体は最終の十三万二千円、こういうことになって、これの十二倍、いわゆる俸給年額というのは百五十八万四千円にもなる、こういうことであります。それで、ちょうど両方とも勤続三十年だ、こういうようにしてこれを計算してみますと、年金額は、国家公務員の場合には六十五万七千九百円という年額になる。公企体の場合には八十六万九千円ということになる。こういう開きができるわけであります。そうしますと、年額で二十一万一千百円という大きな開きになってしまう。月額にして一万七千六百円、こういうことになるわけです。 取り扱いの差というものでこれだけの差がついてしまうということは、前にも私、この問題を質問いたしましたが、その際述べられたような理由ではもはや説明のつかない、納得のできない数字になっているんじゃないかと思うわけでありますが、この問題についてどのような考えを持っておられるのか。これを改善する方向というものを、少なくとも公務員の場合にその三年以内というようなものを、公企体並みにやはり採用していく、すなわち最終俸給を年金算定の基礎俸給と見ていく、こういうようなことがやはり私はこの段階では必要ではないのか、こういう気がするわけでありますが、いかがでございますか。
○吉瀬政府委員 共済年金が、退職時の所得、これに比例いたしまして将来の生活保障のための年金支給を行なっていく、そういう観点に立って考えてみますと、まさに御指摘のとおりの最終俸給というのも一つの基礎になるのじゃなかろうか、こう考えております。ただ、これはすでに先生御承知のとおり、各種社会保険制度の一環として成り立っておるものでございまして、たとえば厚生年金等におきまして、過去勤務の平均あるいは組合期間の平均報酬によっているということを参酌してやっていく。過去において年金のための掛け金を納めていた期間ということを考えてみますと、将来俸給が相当急激に上昇していくということを予想した掛け金の料率設計が行なわれていかなければ、最終俸給の保障が現在の状況でできなくなるのではあるまいか、そういうような考え方もあり得るわけであります。ただ、共済といたしましては、過去の全期間というようなことをさらに最近にしわ寄せいたしまして、中間案といたしまして、過去三年間の所得の俸給の平均というようなことを平均的にとっているわけでございます。ただ、公企体の現在の年金の基礎が最終俸給になっているということ等勘案いたしますと、各種の年金制度のバランスの調整ということにつきましては、私どもなお研究を進めていくべきであります。さらに、理由にならない理由かもしれませんが、かりに最終、退職時の俸給といたしますと、たまたま昇給があったとか、たまたま昇格があったとか、いろいろな個人的なそのときの給与の差によりまして、若干の、わずかでありますが運、不運があるというようなこともありまして、かりにとりましても、ある期間の平均的な俸給ということになるわけであります。この三年がいいかどうかということにつきましては、なお将来の検討課題として検討していきたいと思っております。
○広瀬(秀)委員 たとえば現に公企体では最終俸給をとっている。そういう場合に、最終の一年前あたりに、たとえば国鉄の場合に助役から駅長に上げるというようなことなども、あれも来年退職だからということであるだろうし、電電公社なりあるいは専売公社というようなところでも、来年退職だから三十五年も四十年近くもつとめた人を昇格をさしてやりたいというような、またそれにふさわしい実績も持っているという人ならば、やはりそういう人事管理の面からの配慮というようなことも、これはあるわけなんですよ。現にある。そして公企体の場合は、やはり最終俸給というたてまえをとっている。公務員の場合だってあるでしょう。三年間の平均だということだから、よけいそういうようなものは今度は働くかもわからぬ。これはもう昇格をさせることによって最終の俸給をうんと上げてやらぬと、それだけ俗なことばで割りを食う。割りを食っては気の毒だからということで、そういうことを無理やりにでもある程度やるということにもやはり結びつく可能性がある。いまあなたのおっしゃったことは、もう全く理由にならぬと思うのです。そういうようなことは、これはまあ日本の長い永年雇用、特に年金制度は永年長期勤続を確保しようというような一つの政策目標もあるわけだし、またそういう中から職員が実績を積み、また豊富な経験も積んで、何をやってもこなせるということになっていれば、あとはもうやめるのだという場合には、昇格を二段飛びでもあるいは三段飛びまでやるだろうということだってあるということが、現実の人事運用なのですね。だから、そういうようなことから考えても、前には全体的な総体のバランス、退職手当の問題などとの関連もあるのだというようなことが言われたわけだけれども、この問題について、やはりもうこういう状況を迎えては、昭和三十四年につくられた法律であるけれども、もうそろそろそういう差をなくして最終俸給ということにしていいのではないか、このように考えるわけです。もう少しこの問題について、三年というのをそれでは二年平均ということにするかというような、最後のところそういうニュアンスのあるような答弁だったのですが、やはりできるだけ制度は同じようにやっていっていいのではないか。特に公共企業体と公務員で差別を設けなければならない積極的な理由というものは、私は乏しくなっていると思う。いろんな情勢の変化、複雑な変化の上に立って、この制度発足当時に考えられた理由というものは、もはや大半失われてきている。かえって合わせることによって均衡も回復できるし、制度的にもこの斉合性というようなものがやはりこういう問題にもこれからだんだん必要になってくるということも考えて、その点での歩調を合わせていくという方向はもうぜひとられるべきだと思うのですが、もう一度答えていただき、またこの問題あまり長くやっているつもりもありませんので、政務次官からも、いま私数字をあげて指摘したわけですが、こういう同じように三十年勤続した、そして俸給も全く同じだったという人が、年金をもらう段になって、最終俸給十三万くらいのところで、今日の賃上げのかなり大幅な上昇というものが見られる段階では、年に二十数万円も年金に差がついてしまうという、一カ月にしても一万七千六百円も差がつく、そういう乖離というもの、非常にバランスがくずれる、そういう問題について、政務次官としてこれに対する改正の気持ちというものは当然持つべきと思うのですが、その点について、政務次官からも答えてもらいたい。
○吉瀬政府委員 いま御質問の中に御指摘がありましたとおり、従来公共企業体の年金の基礎の最終俸給、これにつきましては、旧法でそういうような形になっていたということを受けて、そのかわりに、まあ一般的な公務員の三年平均というのを調整するために、退職金のほうで何%かデスカウントするというようなことで調整をはかっているように聞いております。将来またこの両者の調整をはかるということになりますと、そこら辺までも含めまして検討する必要があるのじゃなかろうか。しかし、ここ数年間公務員給与は全体的に毎年一〇%をこえる上昇率、こういうような上昇率がある場合には、確かに先生の御質問になられたような最終俸給か平均かという問題がいろんな意味で一つの問題になるのじゃなかろうか、こう思っています。ただ、将来への展望を考えてみますと、はたしてこのような急激な俸給変動あるいはベースアップが続くかどうか、これはいろいろ議論の分かれるところでございますけれども、そういうような点を踏まえまして、将来の長期的な展望のもとに、しかもそういうことになりますと、そういうような年金の支給にたえる掛け金負担の問題とかあるいは先ほど触れました退職金との調整の問題等を彼此勘案いたしまして、私ども検討を進めてみたいと思っております。
○田中(六)政府委員 年間に二十二万円もの差がつくというような、具体的にそういうような事例ですが、こういう差がつくような両者の関係というものは、やはり十分考えなくちゃいかぬ。しかし、私どもといたしましては、こういう基本的な問題を十分検討して、両者に差のないように十分考えていきたいというふうに思います。
○広瀬(秀)委員 この問題はできるだけ早急にひとつ考えを改めて、歩調を合わせるようにしてもらいたいと思うわけであります。 念のために申しておきますが、それじゃ公企体のほうもそうやれなんていう、逆なことをやったら、これはもう承知しませんからね。いいほうにさや寄せするのが、福祉への発想の転換を目ざしている今日の政治の姿で当然だという立場で申しているわけですから、その点はそういう趣旨でないことを確認して、次に進みたいと思います。 そこで、この年金算定の基礎は、何といっても組合員期間の問題であります。この組合員期間には、いままでの制度の沿革というものがそれぞれ非常に複雑になっておりまして、どういう部分を通算をするかという問題が常に問題になっております。そのつどこの委員会における審議を通じて各種の通算の問題が出てまいりましたが、いま私どもがずっと議論を続けてきて残っておる問題というのは、かつて制度がなかった時代に、公務員の場合、若干の年限雇用人として勤務して退職してまた再就職をしたというような人たちの取り扱いの問題、これは国家公務員の場合もまた地方公務員の場合もそういう事例があるわけであります。昭和二十三年七月のいわゆる旧法といわれるものの制定の前あるいはあと、こういうようなところにそういう事例がある。この通算をどうするかという問題が一つであります。 それからもう一つは、何回かの法改正をやりながら、外国政府職員あるいは満鉄等外国特殊法人、たぶん九つくらいだと思いますが、そういうところに当初勤務をしておって、終戦によって内地に引き揚げた、そしてそれぞれ公企体なりあるいは公務員として就職をした、そういう人たちの通算の問題。特に外国政府あるいは外国特殊法人、こういうようなものについては、最初資格期間として認める。第二の段階としては、実期間として、いわゆるこちらの恩給公務員相当と認められる地位ということで、向こうにおける満鉄等特殊法人における恩給公務員相当期間としての職員期間、これは職員の下に準職員があるとかあるいはその下に雇用人期間があるとか、こういうことでありますが、職員期間を認めた。それでも権衡が保たれないではないかということから、さらに一歩を進めて、第三段階として、雇用人についても、内地に引き揚げてから「他に就職することなく」というような条件もたぶんついておったと思いますが、一年以内にそれぞれの官公署あるいは国鉄等に、いまの公企体等に就職をされる、そういう者については、そういう制限をつけながらも通算を認めよう、こういうことでありますが、それでは、そこまで来たのですけれども、いま現にそれぞれのところで一年という問題が妥当なのかどうか。一年でなかった、引き揚げ後一年と十日たっておった、あるいは一週間超過しておった、極端なのは三日くらいずれたということで適用されない、こういうような事例も見られる。したがって、事の本質において同じなんだから、そういう一年という非情な線を引いて、それ以上にわたった者はたとえ一日であっても一カ月であっても、というような形で適用されないということによって非常な苦痛を味わわなければならない人たちが今日存在をする。こういう問題がいま残っておる問題だと思うのであります。 これは累次にわたって皆さんにもそれぞれそういう問題について改善するようにと要求をしてきたところでありますが、これらの問題について、共済組合期間として通算を認めていくという措置がとられることが、最もこの共済組合法の趣旨にも合うことであるし、いままでやってきた経過を踏まえてみて、当然そこまでいって、一種の戦後問題の処理的な面も非常に強いわけであります。沖繩返還で戦後が終わったという説もあるわけですけれども、まだまだこういう点で戦後処理が終わっていないという面もあるのでありまして、そういう多面的な要素を見て、この問題についても、私はこの辺で、毎年そういう人たちから繰り返し繰り返し血の出るような陳情を受けるというようなことを解決してあげることは、非常に大事なことだと思うのでありますが、外国特殊法人といえば大体満鉄が中心でありますので、この問題の取り扱いについて、まず運輸省の見解を、そしてそのあと大蔵省の見解をお聞きいたしたいと思うわけであります。
○秋富政府委員 この問題につきましては、昨年も本委員におきましてしばしば御質問になりました問題であります。また平素も、この問題につきましては関係者からもいろいろと事情を聞いているわけでございます。現在、国鉄の関係についてだけ一例として申し上げますと、鹿児島県あるいは東京都、福島県、その他全国の中で関係十七府県につきましてこれを実際に調査いたしました結果、六百七十四名該当するわけでございますが、そのうち一年以内が五百三名、すなわち七五%を占めておるわけでございます。一年をこえ一年半以内が七%、一年半をこえ二年以内が八%、二年をこえ二年半以内が五%、それ以上の者が五%、こういう実情が満鉄の関係でございます。これ以外の、いわゆる華北鉄道あるいは華中鉄道といったようなところも、これに類する該当するものでございますが、現在までのところ、いろいろと手段は講じておりますが、まだ実態を把握していないという状態でございます。これにつきましては、漸次そういう人とが年齢的にも五十をこしてきておりますし、退職期限も迫っている人が多いわけでございますが、御承知のように、これは国鉄職員だけの問題でなくて、国家公務員、地方公務員との関連が一貫した問題でございますので、なお今後関係の省と折衝しながらこの問題は進めていかなければならない、こういうふうに考えております。
○吉瀬政府委員 国鉄につきましては、いま秋富部長から御答弁申し上げたようなことでございますが、非現業のほうの一般の職員につきましては、なおその一年以内で救済される割合が低い。二〇から大体三〇%ぐらいの間ではなかろうかと私聞いております。第六十五国会における附帯決議もございますし、その後関係の各方面からのお話もございますので、大体この八月末をめどにいたしまして、相当広範な実態調査を連合会で行なっておるわけであります。結論は、この秋から冬にかけて出るのではなかろうか。これを踏まえまして、どの程度のことを期間につきまして処置をとれば相当大多数の人が救済できるかどうかということにつきまして、鋭意検討いたしたいと思います。
○広瀬(秀)委員 この実態調査をしてみたいという、これは私どもわかります。これは非常にいいことでありますし、ぜひすみやかにやってこの実態把握につとめていただくということでございますが、きょうは自治省は呼んでおりませんけれども、これは国鉄あるいはその他の公社にも、それぞれ該当者がおられるはずであります。地方自治体にはわりあい多いのであります。そういうものも踏まえて、これはやはり統一的にそれらの問題を解決していただくことが非常に必要なことだと信じておりますが、電電公社の場合、いま私が申し上げた、最初から満州電電につとめられて、引き揚げて一年以上たって公社に就職されたという方、専売公社の場合にも、向こうでやはりたばこ関係の何とかいう会社がありましたが、これから引き揚げられて同じようなケースで就職されて現在に至っている、こういうような人々がおるはずであります。この通算の問題について運輸省から答えられたんだけれども、皆さんの気持ちとしても、これは当然通算を認めてあげたい、こういう気持ちがあってしかるべきだと私は思うのですが、念のために三公社からも聞いておきたいと思うわけであります。
○大守説明員 お答えいたします。 電電公社の場合には、旧満州電電、華北電電、華中電電その他からの引き揚げ者で一年以上経過して再就職をしたという者は、概数で千五百名程度でございますが、その中には、雇用人ばかりでなくて、恩給公務員も含んでおりますので、したがいまして、今後実態調査をいたしまして計数の把握をいたしたいと思っておりますが、その問題は、先ほどからお話もございましたとおり、私どもの共済組合独自の問題でございませんので、国家公務員あるいは他の公社の共済組合等とも十分連絡を密にいたしまして、今後慎重に検討させていただきたいと思います。
○関根説明員 先ほど運輸省の国鉄部長並びに大蔵省から御答弁のあった趣旨とただいま電電からお話のありましたような趣旨で、全く同様な考え方でございます。
○石井説明員 先ほど来お話がありましたとおり、専売公社につきましても全く事情は同様でございますので、同じように考えております。
○広瀬(秀)委員 公企体関係は運輸省が担当省でありますから、運輸省が代表して答えられたことでけっこうなんだけれども、三公社の場合におきましても、いまおっしゃったように慎重に扱いたいというようなことだけではなしに、やはりこれはあなた方の職員の問題であります。したがって、この人たちはいろいろな面で、最初就職するときにも若干不利な給与の格づけを受ける。そして向こうの年限が通算をされなければ、今度は俸給も低いし、年限の通算ということがなければ年金における非常な決定的な差もつく。こういうようなことにもなるはずであります。しかしちょうど昭和二十年なり二十三年あたりに引き揚げてこられたというような人たちは、当時二十三年ごろ引き揚げたという場合でも、それ以来ことしでもう二十四年、三十歳くらいで引き揚げた人たちがもう退職の時期に来ている。やめるにやめられぬというような深刻な事情を私どもに訴えにくる諸君が、非常に多いわけであります。官側、当局側からは五十五歳退職を慫慂されるのだけれども、満州におったために、あの混乱の時期に内地に帰って、結婚もおくれた、子供も小さい、とてもやめられぬ、何とかこの問題が決着がつかぬとやめられないのだというようなことで、かなりきびしい退職強要の中に、どうにも目をつぶって、がんばらざるを得ない。もう少し置いてもらいたいというような切実な問題もあるわけなんです。だから、そういう点で、三公社の立場においても、慎重にいたしますというような御返事ではなくて、担当省の運輸省にも積極的にどしどし要求として出していくべきだし、それを受けて担当省の運輸省も、それから最後の決定権を持っているというか、そういう立場にある大蔵省、こういうところが、そういう新旧の交代というような、人事のスムーズな交代というようなこともそういう面で非常に支障があるというような状況をも十分勘案をして、しかもいままでやってきた経過からいって、一年でもう切ってしまう、あとはもう取り残したものはかまわないということではなしに、これも先ほども戦後処理という問題を言いましたけれども、そういう要素も加えて、これは早急の間に実施をしていただくように私は強く要望をいたしておきたいと思うのですが、政務次官、その問題についてだいじょうぶだ、実態調査を把握した段階において私が申し上げたようなことについて実行に移して、わずかの差で一年という制限に触れて適用されないというような人たち、これも一年が正しいのかあるいは三年まで延ばすのかというようないろいろな技術的な問題があろうと思いますが、先ほど吉瀬次長も、大部分が救われるという形に持っていきたいということなんですが、ひとつオーソライズする意味において、次官からの御答弁をこの際いただいておきたいと思うのです。
○田中(六)政府委員 まさしく満州やシナ大陸あたりの関係のものを十分私どもも陳情を受けておりますが、そのたびに戦後は終わらないというような気持ちを抱いております。いま各現業の担当者が答えましたように、実態調査、いずれにしても科学的なそういうものが必要でございますので、それを十分にした上、適用期間の問題もございますが、早急の間に前向きの姿勢で十分取り組んでいきたいというように考えております。
○広瀬(秀)委員 前向きであるということは確認されたわけですが、これは吉瀬次長に伺いますが、実態調査がこの秋、八月かあるいは十月かと言っておられましたが、そのころに把握される。そうすれば、少なくとも来年の法改正では、先ほど答弁になったような趣旨のものが出されると見てよろしいですかね。もうそのことは、この際この審議を通じてぼくは約束していただきたいと思うのです。
○吉瀬政府委員 この問題につきましては、あくまでも戦争前外地に勤務していた、しかも終戦のときに引き揚げの非常な困難な状況のもとにおられた方々、しかも引き揚げ及び戦争前後の混乱、これに応じましてやむを得ず断続期間があったというような方がやはり中心ではなかろうか、私どもそう理解しているわけでございます。引き揚げてほかに就職して、何か五、六年たってまた昔の同種のところに入ったとか、そういうような方々は、やはり別ではなかろうか。そういう点で、やはり実態調査の結果、終戦前後の混乱に基因するやむを得ない事情、こういうことがやはり一つの判断基準になるのじゃなかろうか。いま先生が御指摘になりましたとおり、一年が一年半になった、それではさらに十日はどうだとか、ずるずるいくと全然制限がなくなる。おそらく御質問の趣旨はそうじゃなくて、やはり真にやむを得ずそういうような事情に置かれた方々を何とかこの際救済しよう、こういう御趣旨ではなかろうか、こう思っております。私どもはその実態調査の結果を受けまして、先ほど国鉄関係では一年以内が七五%、こういうようなこともありましたけれども、私どもそういういわゆる緊急事態に応じて、ここまでがやはりやむを得ない事情であるという方々、真にそれはお気の毒であるというような状況を十分に把握いたしまして、もしそれが真に救済を要するという事情が認められましたならば、来年度におきまして何らかの手段をとりたい、こう考えております。
○広瀬(秀)委員 重ねて申し上げておきますが、あの当時は、確かにいわゆる敗戦直後の混乱の時期ですから、もう全部の引き揚げ者に対して、たとえば満鉄の引き揚げ者がこの船で来た。それに対して、国鉄に就職しようと思えば就職できますよというようなことが徹底するような条件は全くなかったわけですね。それで結局ばらばらにみなやっておった。統一して満鉄の職員で引き揚げた者は国鉄が引き受ける用意ありということは、かなりおくれてそういう指示も出されている。しかも今度は、各局がそれぞれの立場において、引き受ける用意はあるけれども、いますぐにどうこうといっても、人が余っているのだ、本来の職員がどっと帰ってきた、本来の国鉄の職員が外地から、軍隊から帰ってきた、こういうような人たちを受け入れていまや一ぱいだ、そういうようなものだから少し待ってもらおうかということで、半年も一年もたってからそういう該当者に知らせるというようなことなんかもあったということが、現にあるわけです。 〔委員長退席、木野委員長代理着席〕 そういうのが大部分なんです。実際に、できれば国鉄に早く入りたいといってわざわざ行った、行っても、いや、いまのところそういうことはどこからもきていないということで帰された。そのうちそういう事態があったら通知を出すからといって、待てど暮らせど来なかった。そのうちに一年は過ぎちゃった、こういうような人たちがいる。それは結局またばらばらになっている。しかもそういうしっかりした文書がいま把握できるかというようなことになると、これもかなり困難な面もあるわけであります。どういう手段をもって連絡をし、採用するんだという方針を知らせるかというようなことについては、全くあの混乱の時期において、いま私が具体例をあげたようなかっこうというものが大体あって、意思はあったけれども就職できなかった。そしてその間において日雇いをやったり、あるいはかつぎ屋をやったということで、その間かろうじて生き長らえてきた。そのうちにひょっとした機会に駅に掲示があったので、それで飛びついたとか、いろいろなケースがあるわけで、かなり弾力性を持った態度でその間の事情というものはあの特異な状況下における問題として見る必要があるだろう。このことだけはぜひ次長にも知っておいていただかなければならぬと思いますので、たいへんくどいようでありますが、そのことだけ言っておきたいと思うわけであります。 〔木野委員長代理退席、委員長着席〕 そこで今度は次の問題に移りますが、年金の課税の問題です。いま年金というものは、そもそも老齢者保護という社会政策的な見地に立って設けられた思想であるし、しかも年金によって老後の生活が少なくとも適正に保障されるという期待感のもとにこの制度というものは存在していると思うのです。これについて、どうも給与所得とみなして課税をするという今日の課税のあり方――もちろん廃疾年金であるとか障害年金であるとかいうものについて、あるいは遺族年金もそうであります、そういうものについては例外を設けられておる。しかし、給与所得並みに課税をしているということについては、どうも割り切れないものがある。年金受給者からも、せめて年金には課税をしないでもらいたいという要求は、非常に強いわけなんです。そこで一気に課税をしないということになかなかいかぬにしても、かなり高額の年金を受給するというような人もあるわけだし、また、かなり少ない、気の毒なような年金しかもらわない人もあるわけですが、ある程度所得制限なども若干そういう意味でつけることもやむを得ないけれども、年金には課税しないという特別な扱いに持っていけないかどうか、こういう点でございますが、この問題については、きょうは主税局を呼んでおりませんので、次官、いかがでございますか。
○吉瀬政府委員 どうも主税局参っておりませんので、私、部外から御答弁申し上げていかがと思いますけれども、年金のそもそもの目的が最低生活の保障であるか、あるいは勤務期間中における所得について、その所得と連続するような水準の年金を保障するか、いわゆる年金水準の議論によりまして問題は分かれてくるのではなかろうかと思います。ですけれども、年金の水準がある程度社会的に見て課税に相当する程度の収入を得るなら、やはり税の理論からいきますと、担税力がそこに発生するわけでございます。しかし、それに対しましては、過去勤務に対する掛け金を負担した、その結果に対する所得ではあるまいかというような問題はあろうかと思いますけれども、これはやはりいまの税制上一定の所得水準ということをめどにいたしまして、しかしいま御指摘もございました特定のものははずすというような思想に成り立っているのではなかろうか。なお、詳細につきましては担当のほうから御答弁があると思いますが、しかし、御質問のような年金の特殊性に立脚する税の理論というものはあり得るとは思います。
○広瀬(秀)委員 私は、いま給与所得並みに課税しているということについて、二つくらいの理由があるだろうと思うのです。それは、社会保険料の控除ということで、現職時代に税金をかけていなかったではないか。だから、年金からも今度は引きますよ、給与所得とみなして税金の対象にいたしますよということが一つあるだろうと思うし、それからもう一つは、いまおっしゃるように、担税力に着目をして課するのだ、こういうことがあろうかと思います。したがって、私どもは非常に高額の年金所得を得るというようなものについて、一部その担税力という面から課税してもいいだろう、ある程度はやむを得ないだろうと思うわけでありますが、そういうものを置きながらも、大部分はやはり適正な老後の生活保障というものが行なわれるその限度までは非課税にしていくのだ、それをこえる、いわゆるたっぷり担税力があるというものについては、若干の課税はやむを得ない、そういうようにまず発想として考えてもらいたい。それが一つ。 これもやはり総合課税に扱われるわけですね。したがって、せめてとりあえずの措置として、総合課税にしないで分離課税の方式にしてはどうなのかというようなことも考えられるわけです。これはまた主税局長も呼んで税制の審議の中でもやりたいと思いますけれども、年金問題、共済年金問題に触れる際には、やはり今日すべての年金受給者か、これはもう異口同音に――私どもはしょっちゅう国鉄のOBの諸君などと話す機会が多いのだけれども、みんながこぞって、せめて年金くらいは税金の対象からはずしてくれぬかということを切実に訴えられているわけですね。だから、そういう問題を踏まえて、やはりこれからはもう福祉の時代である、老人を大切にしなければならぬという、老人福祉がどれだけ前進しているかということが一国の文明をはかるバロメーターであるといわれるような時代を迎えているのですから、この問題についても一歩前進した扱いというものがあってしかるべきであろう、このように思うわけです。この問題については政務次官の見解を聞いてきょうは終わりたいと思いますが、前向きにやはりこの問題についても何らかの方法を考えて、ほとんど税金がまともにみんなにかかってくるようなことでなくて、担税力が相当たっぷりある人たちというようなものにだけしぼられるような方法というものを考えるべきだと思うのですが、その点についてのあなたの政治家としての、また副大臣としての考えをこの際聞いておきたいと思う。
○堀委員 関連して。いま広瀬委員の問題提起は、少し整理をしてこういうふうに理解をしてもらったほうがいいのではないかと思うのです。年金を受け取っておる人が、その他の仕事があって収入がふえておるために所得税その他が適用になる、こういうことについての問題ですが、要するに、その他の稼得分というものは、もう時期的に限界があると思うのです。要するに、公務員だったら大体五十五歳ですか、いまかりに五十五歳でやめたとすれば、大体精一ぱい働いて六十五歳くらいまでではないか。なかなか六十五歳以上の人を雇用しておるというようなところはそうないと思いますので、十年間だ、こうなるわけですね。そこで、その場合にその人が、いまの厚生省が出しております生命表で残存年齢を見れば、五十五歳なら何歳までという残存年齢が出るわけですから、六十五歳になったときには何年、こう出ますね。そうすると、その残存年齢に対して――そこで六十五歳でたぶん稼得がなくなった場合、あとの生活を年金だけでしなければならぬわけですね。その年金だけではたして著しくそういう時期と変更のない生活水準が維持できるかどうか。だから問題は、そのときに稼得があるから税を取るという話は、税の理論としてはわかりますが、その稼得部分というのは、将来に対する、稼得がなくなったときの補助部分がそこから繰り越されていくものとしてみなしてやらなければ、明らかに六十五歳以上ではもう稼得はなくなる。しかし残存年齢は七十五歳なら七十五歳まであるとすると、その十年間はいまの不十分な年金でこれまでとそう大差のない生活が維持できるかどうかというと、稼得がなくなったときにはがくんと、要するに低額の年金でたいへん貧しい老後を送らなければならぬ、こういうことになる。それならば、そこを多少カーブをとってみて、その間に著しくそういう生活水準を切り下げなくてもいける範囲を勘案をして、そういう長期的な観点に立った上での課税の問題ということですね。 これは年金の場合、何もいまの国家公務員だけの問題ではないのです。主税局長入ってないのでまずいのだけれども、要するにそういう考え方で、問題は年金を支給しようというのは、老後の生活の安定に資するために年金を支給しているにもかかわらず、その他の稼得が一時的にあるために、年金が十分にその部分が効を果たさないで、先にいってその部分のマイナスが出るということは、私は年金受給というものに対しての考え方を補完する意味で、やはり税制上の配慮があってしかるべきだ。だから、いま広瀬委員の著しく高い所得についてはということは、その部分を越えてさらに大きくなっているならば、これは先で子供のほうへいくという関係のものになるのですから、それまでをわれわれは見ようということではありませんけれども、少なくともいまの年金では十分な老後の生活が維持できないであろうし、老後の生活の維持というのは、退職時における給与の高さというものがその人の生活水準というものを一応規定していると思うのです。そういう水準を勘案しながら、その退職時における生活水準が、少なくとも残存年齢で一応みなされておる範囲においては満たされるだけの経済的条件が整うような考慮をしながら、一方またそれ以上に上回る者については課税をするということはやむを得ないと思いますが、やはり本来の年金の趣旨、年金を支給する趣旨と老後の生活の安定に資するという面からすれば、それらの総合的な配慮の上の課税という問題を年度受給者については考えるということを検討していただいたら、きわめて合理的な年金に対する受給者の納税上の処理になるのではないか、こう思いますので、ちょっとその点を補足して、その上で政務次官の御答弁をいただいたらどうかと思います。
○田中(六)政府委員 広瀬委員並びに堀委員の御指摘のように、年金の性格から見まして、両委員の言われること、私当然だと思います。ただ両委員とも指摘しておりますように、担税力、それから年金の水準、そういうものがやはりこれに加味されなければいかぬので、多少技術的にはむずかしいかと思いますが、先ほどから指摘されておりますように、年金そのものの性格から見て、私はそのような考え方が当然浮かびますし、それの推進は、今後わが国の福祉政策から見ても十分検討しなければならぬ事項だと思いますので、税務当局にこの点を十分指摘して、相談していきたいというふうに思います。
○広瀬(秀)委員 いま政務次官から、われわれの言う趣旨というものは十分理解できるということで、何らかの改善の方向で検討をされるという答弁ですから、その点をさらにくどく申し上げません。ぜひひとつこの年金課税の問題については、政務次官の答弁のように十分検討して、何らかの配慮、これは技術的になかなかむずかしい点があるということはおっしゃったとおりだと思いますが、そういう中においても、その技術的な困難性を克服して、やはり年金本来の趣旨が老人に豊かな老後の生活保障をというところにあるわけですから、そういう趣旨をしっかり踏まえて、この実現のために努力をしていただきたい。このことを強く要請をいたしておく次第であります。 次に、年金のスライド問題について質問をいたしたいと思いますが、制度発足の当初において、これほど経済的な激変というもの、特にインフレ、物価値上がりというような状況というものを、あるいは賃金上昇、生活水準の上昇というようなもめを予想しない時期の産物だ、こういうように見られるわけでありますが、そういうところから、一たん受けた既裁定年金額、こういうものは当初一定の生活水準というものを考えておったけれども、それが維持できない状況というものが今日明らかに出ているわけです。そういうことから、いままでのそういう年金制度が発足した当時に予想されなかった事態に対応して、年金の実質価値を保全をするという立場においてスライド制、これもいままでやっているような、年々政策的に改定をする方式というようなこと、あるいは半自動的なものというようなことでなしに、自動的に物価や賃金水準あるいは生活水準の向上、こういうものにスライドをしていく、こういう制度というものが強く叫ばれて久しいわけであります。ところが、今日なお依然として毎年毎年政策的に物価上昇分、あるいは若干給与上昇分の一部分を考慮をする、こういうような形でここ五年ほど毎年政策的な改定が行なわれてきておるわけでありますが、これはきわめて不十分であるというようなことがいえるわけであります。 そこで、このスライド問題について、四十一年にそれぞれの共済組合法で調整規定が入りました。改正されたわけでありますが、これは明らかに年金に対するスライド制を実現する、こういう目的をもって挿入された法改正であります。 〔委員長退席、木野委員長代理着席〕 そしてその実現を目ざして公的年金制度調整連絡会議が総理府に四十二年七月から設置されているわけであります。もうまるまる五年たったわけでありますが、これは私、四十二年以来毎年この問題で質問をいたしておるわけです。たしか四十三年当時には、その年のうちにも何らかの結論に到達するのではないかというような答弁も実はいただいておるのだけれども、きょうまたどういう審議の経過をたどっておるかということも資料をいただいたわけですけれども、今日何の結論も見出していない。恩給審議会などにおきましては、その間において五%程度の物価の上昇が見られる場合には、年金を引き上げるべきだというような答申なんかもある。しかし、大事な、肝心な調整規定の完全な実施を目ざして、その方法やあるいは財源調達方式をどうするかというようなことまで含んで、関係各省の局長クラスを中心とける連絡会議において、何らの結論が見出せないというのは、一体どういうことになっているのか。これはほんとうに政府において年金のスライド問題についてやる気があるのかないのかということを疑わざるを得ないような結果が今日の状況だと思うのですが、この問題について、これは総理府の審議室長来ておりますか。
○木野委員長代理 小田村室長が来ております。
○広瀬(秀)委員 それではこの調整連絡会議の衝に当たっておられる総理府の審議室長から、いまどういう審議をして、どういうところまで論議が詰まって、いつごろスライド制に対する結論、政府の統一意思というものが形成され、スライド制実現のための法改正という形で提案をされるようなところまでこぎつけられるのか、そういう見通しを含めてここでお聞きをいたしたいと思うわけであります。
○小田村政府委員 公的年金制度調整連絡会議の審議の状況でございますが、ただいま先生がお話しになりましたように、四十二年七月に次官会議をもって設置されたものでございます。 会議の目的といたしましては、各種の公的年金制度の内容につきまして、共通的な部分と個別的な部分とについて検討する。そうして物価あるいは生活水準等の変動に対応する年金額の改定につきまして、できる限り共通の基準及び方式を求めるということを目標にいたしております。 そこで、四十二年以来昨年の一月まででございますが、総会、幹事会、小委員会等十数回にわたりまして開催して、いろいろ討議を重ねてまいりました。いろいろな討議を重ねた結果において判明いたしましたことは、国民の生活水準あるいは物価、給与、そういうような経済的な諸条件に著しい変動があった場合、そういうときに年金額を改定しなければならぬということ、それからその改定にあたりましては、できる限り共通な基準あるいは方式によることが望ましいということについての意見の一致は見たわけでございます。ただ、議論をいたして判明いたしましたことは、現在の各種の年金制度が、それぞれの体系あるいは沿革等、非常な内容の異なったものを持っております。そこでこれを直ちに共通の方式を定めるということは、きわめて困難であるという結論に到達したわけでございます。 そこで、昨年の一月二十日に総会を開きまして、関係会議員の共通の了解事項という形で中間取りまとめを行ないました。この中間取りまとめは、いま私が申し上げたようなことが書いてあるわけでございますが、そこでむしろ現在の各年金制度の中で、目的あるいは沿革等あるいは給付体系、こういうものの類似いたしましたグループごとに分けてこれを検討したほうが事態の進展上望ましい、こういう結論に達したわけでございます。 そこで、そういうような基準から考えまして、公的年金制度の連絡会議を四つのグループに分類いたしまして――四つのグループと申しますのは、民間グループ、これは厚生年金それから国民年金、船員保険年金、この三種でございます。それから公務員グループが第二でございますが、これは国家公務員共済組合年金、それから地方公務員共済組合並びに公共企業体職員共済、この三つでございます。第三が私学・農林グループでございまして、これは私立学校職員共済組合、農林団体職員共済組合、この二つでございます。それから第四は、やや性格を異にいたしますけれども、災害補償グループでございまして、労務災害補償、それから公務災害補償、この二つが含まれておるわけでございます。この四つに分けて、それぞれ担当省をきめまして、その担当省が中心になって検討を進めていただく、こういうことに相なったわけでございます。その後昨年の一月以来約一年有余になりますが、各グループごとにそれぞれ検討を進めております。 そこで、いま先生が御指摘になりましたスライド制との関連でございますが、この点につきましてはいろいろな問題があるわけでございます。たとえば改定の対象となる部分をどうするか。これはたとえば公務員グループあるいは私学・農林グループなどについては各年金の全部について改定の対象とするほうがよろしいということが言えるわけでございますけれども、厚生年金等におきましては定額部分と報酬比例部分、この二つに分かれております。この関係をどうするかという非常にむずかしい問題があるわけでございます。 それから、改定の対象となる者でございますけれども、この点につきましても、公務員とか私学・農林グループにおきましてはそれほど問題ございませんが、厚生年金等におきましては、他に収入のない一定年齢以上の者を優先すべきではないかというような意見も一部にございます。 それから一番の問題は改定に要する財源でございますけれども、民間グループにおきましては、他の共済組合と異なりまして、三者負担ということが明確になっておりません。そういう関係もございまして、財源調達をどうするかというようなことが非常に大きな問題でございます。 さらに、改定の方式あるいは時期でございますけれども、これは現在のような経済変動の著しい時期におきまして、自動改定方式がよろしいか、あるいは半自動改定方式がよろしいか、あるいは現在のように政策的に毎年状況を見ながら改定していくということのほうが望ましいか、これはその改定にあたって用いるべき指標の問題にも関連するわけでございます。これについてもさまざまの意見がございます。はたして完全自動方式、こういうようなものができるかどうか、こういう問題もございます。 そういうことで、ただいま御説明いたしましたように、何と申しましても民間グループの問題が一番大きな問題でございます。そこで、民間グループは所管省が厚生省一省でございますので、関係の審議会、社会保険審議会の厚生年金部会とそれから国民年金審議会になるわけでございますが、この両審議会におきましてただいま年金制度全般の御審議をいただいております。その中におきましてこのスライド制の問題も重要な一環として御審議いただくという予定になっておりますので、この審議の状況を見ながら、公制連絡調整会議としては今後各グループ間の意見調整につとめてまいる、かように考えておる次第でございます。
○広瀬(秀)委員 だいぶ詳しく説明をされたわけですが、いまのお話を聞きますと、非常にむずかしいということがわかったというようなことで、それぞれ沿革を異にする、また体系が異なるので、ここで統一的な基準を設けることは困難だから、今度は四つのグループに分けてやりましょう、こういうことになったということ、さらに財源調達の問題、あるいは改定方式や時期の問題、こういうことではまだ何の結論も見られていない、こういうことですね。
○小田村政府委員 おっしゃるとおりでございます。ただ公務員共済関係、公企体関係あるいは私学・農林関係の各種年金につきましては、一応四十三年以来恩給のアップ率に準じて改定を行なうという方式がある程度ルール化されてきたのではないか、かような感じを持っております。
○広瀬(秀)委員 確かにそういう面は、毎年ここのところ、四十三年以来引き続いて一年も休みなしに年金改定が提案されております。だから、その意味では、確固たる制度の上に立った改定ではないけれども、部分的改定が行なわれているということは、事実として認めるに私どももやぶさかではないわけです。それで、国家公務員共済組合が支給する年金の額の改定方法という資料もいただいているわけですが、四十年のいわゆる二万四千円ベースというものに従って何回か改定が行なわれてきておるわけですが、そこでいろいろ沿革や体系が違うというような問題についても、公務員、あるいは公企体、それから恩給公、こういうものについては、いわゆる前段階的な条件の整備というようなものも頭に置いて、いつでもスライド制に移れるような形にそろえよう、条件を整備しようというような形で、旧制の期間分、あるいは新法の期間分、それぞれについて、四十六年の改正までに四十二年度以降ずっと改定をしてきて、大体どこも七四・二三%ですが、このくらい上がったという形にそろえたわけですね。こういうようなことは、やはりスライド制というものを前提にした、言うならば条件の整備の段階というものはもうここまでそろってきている、こういうことがあるだろうと思うのです。そういう中で、これは大蔵省に聞きますが、今度提案された法案の内容で、年金の引き上げ率は、そのほかにもいろいろな問題があるけれども、原則的な、中心的な部分については一〇・一%の年金額の引き上げを行なうのだ、こういうことになっているわけですけれども、こういうスライド制全体の制度的な問題という中で、今日までやってきた年金改定というものはどういう位置に立つのか、スライド制という、われわれの要求している自動スライド制への移行という問題と対比して、いままでずっと続けてやってきた改定方式というものがどういう関係に立つのか、この点を少し大蔵省の考えを明らかにしておいていただきたいと思います。
○吉瀬政府委員 ただいま御説明申し上げましたとおり、すでに過去数年間、大体恩給の改定に準じて毎年引き上げてきている、そういう意味では、消費者物価ないし賃金の上昇に準じまして年金の支給水準が逐年上がってきているということは事実であります。しかも、その方法といたしまして、消費者物価の上昇、これをまず第一にとらえる。それから賃金の上昇のうち、消費者物価の上昇に見合う部分あるいは生活水準の上昇に見合う部分、そういうような点をいつも基準といたしまして、年金水準の改定が毎年行なわれてきているわけでございます。 しかも、この年金水準の改定は、これは逐年行なわれてきていると同じように、またその計算の基礎というものも、ある程度だんだん固まりつつあるということも事実かと思います。ただしこれを制度化して、まあ将来の一つの方式に確定するとなりますと、いろいろな意味で、財源負担の問題とか、あるいは各種の他の民間年金との調整の問題、あるいは公的年金の中における各種の成熟度の差とか、あるいは先ほど審議室長が申し上げました老齢者中心でいくべきなのかというような、いろいろな格差の問題等がございまして、もしこれをある程度確定した制度にということになりますと、いろいろな問題がある。 そういうような点で、事実上ある程度のスライド方式が取り入れられておりますけれども、その点を自動化するとか半自動化するということになりますと、制度全般の問題になる。おそらく先生御指摘のとおり、わが国における社会保障制度全般あるいは年金制度全般、こういうようなものにまでも及ぶ問題が提起されてくるのではなかろうか、こういう問題を踏まえましてスライド制というものを鋭意検討しておる次第でございまして、去年からグループに分けましてから、公務員関係の連絡調整の会議、これを約五回ほどやっておりまして、その中でいろいろいまのような基本問題が提示されておりますが、一つ私どもがやりました点といたしましては、年金改定方式の簡素化でございます。これは特に自治省当局が相当積極的に研究をいたしまして、私どもが加わったわけでございます。過去において年金の改定をいたしますときには、過去にさかのぼりまして、その退職時の俸給を仮定の計算に基づきまして求めていく。 それからまたバックいたしまして、というような複雑な方法をとっていたわけでございますが、それを退職時の年次に応じまして、いろいろ異なる上昇率をかけて簡素化していくというようなことを形式的には実施しているわけでございます。それもやはり年金の改定が改定しやすいようにという一つの試みの一環でございまして、この点はなはだ――私ども鋭意研究はいたしておりますが、全面的なスライド制の採用ということになりますと、先ほど来の問題なり種々の問題、これを解決していかなければならないというように考えておるのが、現状でございます。
○広瀬(秀)委員 審議室長に聞きますが、いまあなたは公務員関係あるいは公企体関係、地方公務員共済関係、あるいは恩給公、こういうようなところでは、年々四十三年以降改定がされている、したがって実際問題としてスライド制が行なわれていると同じような結果ではないかという気持ちの中で先ほど答弁をされたと思うのですが、こういう形でいけば、年金スライドの問題というのはそれでもいいじゃないか、いわばなしくずし的に、そのときの経済情勢や、あるいは物価、賃金、生活水準の上昇などを政策的にそのつどそのつど大蔵当局が考えて、あるいは総理府が考えて、改定を毎年出していけば、それでスライド問題はまあ当分しのげるのじゃないかという気持ちで答えられたと思うのですが、年金スライド問題というのはそれでいいのか。われわれが言っているのは、やはりある客観的な基準を置いて、こういう場合には自動的にスライドさせていくんだ、こういう制度の開発というか、そういうものの施策の立案、そしてそれを法律化していくんだ、こういうものがあなた方の任務だとお考えであろうと思うのだが、その点どういうようにこのスライド問題について目標を設定して考えられておるのか、このことが一つ。 それからもう一つ、時期の問題として、経済変動がこんな激しい時期にやるのがいいのかどうか、そういうことをおっしゃられたけれども、経済変動が激しい、特に物価の上昇、賃金水準の上昇、そして生活様式も相当高度化しているというような、こういう激変の時代こそやらなければならぬはずなんですね。落ちついて、非常に安定した理想の状態になったら、スライド問題なんというのはあまり現実的な意味は帯びてこないわけなんです。その辺のところは、むしろあなたの発想は逆ではないのか。こういう激変の時代にすみやかに実施をしておく。そしてそれは安定した段階では発動しなければいいのですから、いまこそ急速に、速急の間にこの作業を進めて結論を出す。こういう変動の激しい時期こそ、いわゆる年金の実質価値が激しく減額されているんですから、そういう時期にこそその分をスライドでカバーするということが必要なんだ、こういう観点に立たなければならないんだけれども、先ほどのあなたの答弁では、それとむしろ逆の方向で、こういう変動の時期には自動スライド制というようなものはやるべき時期ではないんだと言わんばかりのように受け取れるような答えがあったのですが、あなたのその考えはどういうところにあるのか、この二つの点をお聞きしたい。
○小田村政府委員 実は総理府の立場といたしましては、これは各年金を所掌しておる各省の意見の取りまとめを行なう立場にございます。したがって、審議室自体としてはいかなる年金も実際に所掌しておりませんので、そういう立場の者が私見を申し上げるということはなるべく差し控えなければならないのではないかと考えております。先ほど私が申し上げましたのも、各省から出ました意見としてこのような意見があったということを御紹介したわけでございますので、その点ひとつ御了承いただきたいと思います。 ただ、考えられますことは、かりに法律的な制度としての自動スライド方式というものをとると仮定いたしまして、いまのたとえば恩給なりあるいは各種共済年金の引き上げ幅が、四十三年以来一定の引き上げで続いてきておりますけれども、これで各界の完全な御意見の一致を見ているのかどうか、完全に定着したといえるかどうか、その見きわめがつきませんと、おそらく各担当省としてもなかなか踏み切れないのではないか、かように思います。その辺の判断は総理府の取りまとめ役としてなすべきことではございませんので、各省の御意見を伺いながら検討を進めてまいりたい、かように考えております。
○広瀬(秀)委員 吉瀬次長にお聞きしますが、あなたは四十三年以降ずっと毎年政策的な改定方式が積み上げられてきた、こういう形で年金スライド、これは先進諸国では――先進諸国だけではなしに、日本よりもGNPも非常に低いし、また国民一人当たりの所得等についても低いような国々でも、もうどんどんスライド制を実施に移している諸外国の例がたくさんあるわけですね。そういう中でやはりこういう方式で日本のいわゆる老齢年金、こういうようなものがいまのようなやり方でいいかのどうか。先進諸国並みにしっかりしたスライド制度というものをつくる方向にいくべきなのか、この点についてあなたの率直な御意見をお聞きいたしておきたいと思います。
○吉瀬政府委員 社会保障制度審議会から年金のスライド方式及びいろいろな公的年金の調整、その他保険制度全般についての一つの提言を私どもいただいております。それの意向を尊重いたしまして、私どもといたしましては、やはり年金の実質的価値が確実に保障されるというような形での前進は、さらに続けていきたい、こう思っておるわけでございます。したがいまして、先ほど来繰り返し御説明申し上げておりますとおり、共済年金に関しましては、ここ数年間はほぼ実質スライドというような形が継続してきているわけでございます。 なお、残された諸問題、こういう問題につきましてさらに検討を行ないまして、何らかの形で実質的な価値がわりに確実に保障されるという制度の実現に向かいまして前進はいたしたいと思います。 ただ、この問題は先生もすでに御承知のとおり、たとえば将来の物価上昇なりあるいは賃金上昇、これを担保する方式といたしまして、一つの掛け金制度、いわゆるあらかじめ掛け金を積んで準備金にするような制度、それと同時に西独などが最近採用いたしました一つの賦課金制度とか、いろいろな大きな問題もございます。もちろん年金のスライド制度がそんなに一ぺんに賦課金制度に及ぶというような形は、現在ではそう急には実現するとは思いませんが、とにかくスライド方式、自動的かあるいは半自動的か、こういう問題をめぐりまして、その周辺に最終的に詰めなければならない問題が多々あるのでございます。基本的には、確実に年金の水準が保障されるという方向に前進していきたい、私どもこう考えております。
○広瀬(秀)委員 私ども社会党では、ことしの二月に公的年金の抜本改革の四原則というのを公に発表しておるわけですが、その第一原則は、最低保障額の確保ということであります。第二の原則が、自動スライド制の確立ということ。第三原則が、これが非常に問題でありますが、賦課方式の確立、やはりここまでいかないと年金の完全な自動スライドというものに政府自身もおそらく踏み切れないのではないかという立場で賦課方式の確立、こういうことで、現行の積み立て方式からそういう方向に段階的に転換をしていくという原則も出しておる。さらに第四原則としては、年金給付の格差の是正、先ほど室長も言われましたように、体系、それから格差、こういうようなものが、沿革ももちろん違うということから、そういうものが確かに現存している。こういうようなものの格差を徐々に是正をしていくという方向、こういう四つの原則を出しているわけなんです。 いま論議しておる問題としては、自動スライド制、そしてそのための賦課方式の転換、こういう問題で、これからこの財源調達の問題と関連していきたいと思いますけれども、こういう問題を私ども、もうすでに出しておるわけです。財源調達の問題について、これはやはりスライドの完全な実施という場合に、おそらく皆さんの場合にはそういうことが一番大きい、実は答弁の中ではあまり明らかには言わないけれども、腹の中は、やはりその問題が一番大きいひっかかりになっているんじゃなかろうかと思うんですけれども、そういう問題について、われわれももうこういう方式も必要であるということを認める立場に立っているというようなことも踏まえて考えて、この問題の前進のために早急にこの検討と結論を急いでもらいたい、こういう気持ちが強いわけです。 そこで、ことしの改定あるいは四十三年以降の改定、こういうようなものが現実にどういう立場で、この改定の引き上げ率、一種の広い意味での実質スライドをやってきたという、そのスライドはどういう根拠を持った改定率なのか。そして、ことしの一〇・一%というものも、どういう条件を考慮してこのような率が出たのか、まずこの問題を明らかにしておいていただきたいと思います。
○吉瀬政府委員 本年度一〇・一%引き上げたわけでございますが、これはまず、消費者物価を中心にしてとらえたわけでございます。四十五年度の全国の消費者物価指数、これが七・三%上がっておるわけでございます。それと同時に、四十五年度の給与の改定率は一二%。一二%の中には、当然消費者物価上昇に見合う給与の改定がございますので、一二%の給与の改定から七・三%の物価上昇率を引きまして、それが公務員の実質的な、消費者物価の上昇をこえる給与水準の上昇と、こう踏まえたわけでございます。その給与水準の上昇の中には、生活部分の向上、それと同時に、ポストが新設されたり、ポストのグレードアップ、上昇があったりというようなことで、公務のサービス、いわゆるポストの上昇によります一つの改定分もあるということで、このベースアップの実質的な上昇部分から、いわゆる生活水準の上昇のための給与水準の上昇率、これを〇・六と押えまして、七・三%に、一二%から七・三%引きましたものの残りに〇・六を掛けましたものを足したものがちょうど一〇・一になる、こういうような考え方をとっておるわけでございます。この〇・六と見込むのがはたしていかなる根拠かとか、あるいはいろいろな意味で、消費者物価を引いたものがはたして給与の改定になるかというような、計算方式についてはいろいろな問題がありますが、私ども、こういう点を踏まえまして、これが一つの改定率の基準になる、こう考えたわけでございます。
○広瀬(秀)委員 これはいままで、四十六年度における改定、あるいは四十五年度における改定、四十四年度、四十三年度、一貫してこういう方式ですか。途中で変わっておりますか。
○吉瀬政府委員 ずっと変わっておりません。一貫しております。
○広瀬(秀)委員 そういうことになりますと、スライドのいわゆる調整規定で、物価あるいは賃金水準あるいは生活水準というような要素は、大体その一〇・一%ということで入れたんだと、こういうようにも見られるわけですね。いまの説明ですと、その三つの項目が、数字には問題があるにしても、そういうものが入っているという御説明なんですが、そうしますと、大体大蔵省の考え方というのは、もう自動スライドという場合にもこういうような数字がやっぱりこの基準に置かれて、おおよそ計数のとり方もそういうものだということを暗示するものである、将来もこのスライド制についての大蔵省の態度というものはこの程度のものであると、こういうことに結びつきますか。
○吉瀬政府委員 これは、直ちにはそうはいかないのではなかろうか。と申しますのは、共済年金は、恩給の改定を受けまして、それをいわば自動的にやってきているというような形になっているわけでございます。もし年金制度といたしましてスライド制をとりますとすれば、先ほど先生御指摘になりましたとおり、たとえば過去三年というのはどうかとか、あるいはこの恩給改定方式のこの給与上昇率のうちの生活水準部分の向上に関する部分の率がほんとうにどうかとか、総収入の計算方式に関する部分、あるいは年次の取り方に関する部分、あるいは自動スライドというようなスライド制をとりますときにスライドをとる対象はいかなる部分であるべきかというような種類の問題が残っておりまして、方式及び対象につきましてもなお大きな問題が、これを確定したルールとしてとるとすれば残っていると、こう考えております。
○広瀬(秀)委員 今回の改定の理論的根拠というか、それについて、数字をあげて説明をされた。そして、これが将来のいわゆる自動スライド制における基準を必ずしも示唆するものではない、それと直結するものではないということでございますから、それは当然そうあってしかるべきだし、これは率直に言わしていただけば、まだまだいかにもお粗末な数字であるということも指摘せざるを得ないと思うわけなんですが、そのことはまた別に議論するといたしまして、こうして物価の上昇や賃金水準の上昇が続くという中で年々改定が行なわれる、こういうことになってまいります。そうしますと、共済年金制度の当初の財源率の計算というようなものについては、そういう事態をまず予想してなかった。一定のグループが一定の時期に入る、その人たちが何年か勤務をして退職していく、そうしたら、そのグループに対してそのグループが積み立てたものが財源になってその年金が支払われていくという、そういう形できておるわけでありますが、その後、予想せざる事態がどんどんこのようにして毎年のごとく出てくる。毎年、もうすでにこのところ五年も連続してそういう改定が行なわれていく、あるいはまた、その間に軍人軍属期間の通算の問題であるとか、あるいは外国政府職員あるいは外国特殊法人等の期間の通算というような問題も入ってくる。あるいは恩給公務員期間の通算が入ってくる。そういういわゆる過去勤務債務というようなものがどんどん入ってきますと、これは全く当初の予想と反した姿で、責任準備金といわゆる不足責任準備金との格差、そして実際に積み立てている積み立て金の格差というようなものが、どんどん非常に開いてくる。そういうものを数字で見ておりますと、私ども、この年金財政というものがこれでいいんだろうかということを、非常な不安をもって考えざるを得ないような状況にもなるわけであります。 たとえば国鉄に例をとりますと、皆さんからいただいた資料でありますが、責任準備金は一兆八千九百七十七億七千二百万円という数字にのぼるわけでありますが、積み立て金は二千五百九十三億、こういうことになってまいります。年々この格差というものは非常に大きくなっていく。こういうことについて、一体このままで推移してだいじょうぶなんだろうかという気がするわけなんです。そのために財源率の見直しを五年に一ぺんずつやっていく、こういうことになっておるわけだと思うのですが、特に、いわゆる追加費用の負担ということで、過去勤務債務について、三公社の場合には千分の五ずつ毎年積み立てていく。こういうことになる。それは現在国鉄が最高に積んでおって千分の八十六ですか、積んでいる。しかし、過去勤務債務から出る利子相当分を追加費用で積み立てていって、その一致したところで過去勤務債務は凍結をするのだというたてまえになっているのだけれども、実際には所要の利息積み立て額は国鉄の場合でも大体千分の百八十六だ。そうすると、まだ半分にも満たない。いつになったらその利息分に追加費用が一致するのかということになると、国鉄の収支計画策定審議会ですか、こういうところで言っているのは、あと二十年たってからだ、こういうことなんですね。その間にも毎年毎年こういうようにして、今度沖繩の通算の問題も入ってくるだろう、あるいは公務員の先ほど提起した問題も入ってくるだろう、あるいは満鉄の引き揚げ者の問題も入ってくるだろう、こういうようなことになって、どんどん過去勤務債務がふえていく。しかも年金改定が、ベースアップあるいは物価上昇に伴ってそういうものがふえてくる。こういうことになって、これは一体どういうことになるのだろうかという不安を持たざるを得ないのですけれども、その辺の共済組合の財政の問題は、いまのままでいいのか。 苦しくなれば、これは結局それじゃ無制限に組合員の掛け金率の引き上げということに結びつくのではないかという不安を持っている。短期と長期を合わせて現在でも、国鉄が一番高いと思いますが、各組合によってそれぞれ高いところ低いところ若干の差はありますけれども、大体千分の八十二・五くらいになっている。もう一〇%に近くなっている。そうなると、現行の給与水準では、いかに将来のためにということであっても、一〇%短期、長期のもので給料から天引きをされるということになると、これは容易なことではない。給与水準が高いところならいざ知らず、今日の水準の程度で一〇%こういうものにさかれるということになったら、たいへんなことだ。もうそこに迫りつつある。そういう状況から見て、それもなかなかできないではないかということを考えますと、共済組合の財政問題について、現状のままで何ら差しつかえないのか、何らかそこに考えなければならない。 たとえば国が戦後処理的な問題、あるいは恩給公務員、これはまあ公務員の場合に整理資源などといいますけれども、恩給期間を全部制度発足と同時に引き継いでしまった。そこで、当初における過去勤務債務というものを背負って出発をした。それが全然国からはその分も見られていないのだ。これは修正実額負担方式でいくからいいのだ、こう言っているけれども、それでもなかなか信頼できないという問題もあるし、それから三公社の場合には、千分の五ずつ積み立てていこうといったって、責任準備金と積み立て金との差はどんどん開くばかりであるということになったらどうなんだという不安を持たざるを得ない。しかも、掛け金率引き上げということで、現状の給与水準の中でこれ以上の負担ということはかなりむずかしいのではないかというところまできてしまっておる。こういうようなことを踏まえて、先ほど申し上げたような恩給公務員期間であるとか、軍人軍属期間の通算であるとか、外国政府職員期間の通算であるとか、こういうような問題、あるいはまた、さらに一歩を進めて物価上昇による年金の改定分、こういうようなものは、政府の責任がどこまであるかは別として、やはり政府の責任がきわめて重大である。そういうようなものについては、やはり国庫が相当部分を負担していかなければならない、そういう方向に行くべきではないか、こういうことが当然言えるわけだと思うのですが、この点どのようにこの財政問題をお考えになっておられるのか。最近、組合員の中にもそういう面で非常に不安をもってきておる、こういう問題に対して、大蔵省としてどのように考えられておるのか、この点を伺っておきたいと思うのであります。
○吉瀬政府委員 長期の観点から、いわゆる公的年金の制度、財政のあり方につきまして、いろいろ御指摘をいただきまして、私どもその御指摘を体しまして真剣に検討すべき時期に差しかかっておるのではなかろうか、こう思っておるわけであります。ちょうど終戦直後の混乱期といいますか、行政需要の拡大期に、相当多数の職員が公務員に吸収された。しかも、公企業体も、一般の公務員と同じように、四十五歳以上のいわゆる中間の中ぶくれ層といいますか、相当膨大な人員をかかえてきておる。ここ十数年後には、相当それに対する年金の負担なりあるいは退職金の負担なりが増高してくることは間違いない事実であろうと思います。そういう問題に備えまして、先ほどお話のございましたとおり、五年に一度ごとのいわゆる将来への収支を見直しまして、掛け金率の改定その他を行なっておるわけでございます。国鉄のただいま御指摘の問題、これは運輸省当局から御答弁いただくといたしまして、一般の公務員関係のいわゆる支払い準備金の不足という種類の問題は、それほど顕在化はしていないと私ども考えておるわけでございます。ただ、こういう問題を含めまして、積み立て金方式、これがはたしていかがかという基本問題もございますが、共済制度の発足以前の過去勤務期間に対する財源、これはいわゆる整理資源といたしまして逐次毎年入れておりますので、その点、一時にこれを入れるという方式に対しましても、毎年確実に入れているということで対処できるのではないか、こう思っております。ただ、いずれにいたしましても、各種の組合の成熟度に差がございます。そういう点を踏まえまして、将来への財政負担のあり方、こういうものを基本的に、御提案のございました賦課制度も含めまして、再検討する時期ではなかろうか。 ただ、一つ申し上げておきたいことは、積み立て金方式によります場合には、これは公務員関係で、連合会関係で四百億、全体で六百億ほどの原資がございまして、これの運用益を毎年相当あげてきておる。しかも、その運用によりまして、組合員の福祉事業が毎年相当充実してきておるというのも現状でございます。将来への財源問題も含めまして、こういう方式につきましてもさらに真剣に検討していきたい、こう思っておる次第でございます。
○広瀬(秀)委員 まだ半分ぐらいしか済んでいないわけで、また党の大蔵部会を十二時半から予定しておりますので、午前の質問はこれで終わりまして、残余は午後に持ち越したいと思います。
○木野委員長代理 午後二時より再開することとし、この際、暫時休憩いたします。 午後零時三十分休憩 ――――◇――――― 午後二時五分開議
○齋藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 たばこ耕作組合法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案は、昨三十日質疑を終了いたしております。 これより討論に入るのでありますが、本案につきましては、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 たばこ耕作組合法の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○齋藤委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。 ―――――――――――――
○齋藤委員長 ただいま議決いたしましたたばこ耕作組合法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党を代表して、藤井勝志君外四名より附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 この際、提出者より趣旨の説明を求めます。木野晴夫君。
○木野委員 ただいま議題となりましたたばこ耕作組合法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案につきまして、提出者を代表して、提案の趣旨を簡単に御説明申し上げます。 案文はお手元に配付してありますので、朗読は便宜省略させていただきます。 御承知のとおり、今回の改正案は、都市近郊産地のたばこ耕作組合の規模の縮小や組合員数の全般的な減少傾向、組合員の兼業化等の諸情勢にかんがみ、たばこ耕作組合について、地区の拡大、議決権及び選挙権制度の整備あるいは代議員会の設置条件の緩和等を行なうものであります。 申すまでもなく、たばこ耕作組合は、専売制度のもとにあるとはいえ、その基盤をなす思想は、他の一般的な協同組合と同様に、構成組合員の経済的、社会的地位の向上をはかることが根本目的であり、また、組合は人的結合体として組合員一人一人の意思を十分に尊重し、最も民主的な運営がなされなければならないのであります。 それゆえに、現行法上では、たとえば組合員の選挙権にしましても、耕作面積等にかかわりなく一人一票制をとり、また組合員の最高方針の決定を、できる限り組合員の意思が直接表明される総会によるよう、地区組合における代議員会の設置条件も五百人以上の大規模組合に限定しているのであります。 今回の改正案が、さきに述べましたような諸情勢を背景としているとしても、耕作組合のこの基本原理は十分尊重されなければなりません。 本附帯決議案は、このような趣旨から、政府並びに日本専売公社に対し、この改正法の施行にあたっては、たばこ耕作組合員の総意が十分反映されるよう、あくまで民主主義の原則に立って、組合の運営に遺憾なきを期するよう要望するものであります。 以上が附帯決議案の提案の趣旨であります。何とぞ御賛成くださいますようお願い申し上げます。 ――――――――――――― たばこ耕作組合法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府並びに日本専売公社は、本法の施行にあたり、たばこ耕作組合員の総意が十分反映されるよう、あくまで民主主義の原則に立って、組合の運営に遺憾なきを期すべきである。 ―――――――――――――
○齋藤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 おはかりいたします。 本動議のごとく附帯決議を付するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○齋藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 本附帯決議に対し、政府より発言を求められておりますので、これを許します。水田大蔵大臣。
○水田国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても、御趣旨に沿って十分配慮いたしたいと存じます ―――――――――――――
○齋藤委員長 おはかりいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○齋藤委員長 御異議なしと認めます。よってさよう決しました。 ――――――――――――― 〔報告書は附録に掲載〕 ――――◇―――――
○齋藤委員長 次に、昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案、昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律及び公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を続行いたします。広瀬秀吉君。
○広瀬(秀)委員 午前に引き続き御質問をいたします。 ここでちょっと数字を伺いたいのですが、国家公務員共済組合法、公企体職員等共済組合法いわゆる三公社関係でありますが、実際の積み立て金が一番新しい数字で幾らになっておるのか、まずこの点を、運輸、大蔵両省から数字を示していただきたいと思います。
○鈴木説明員 国家公務員共済組合の長期給付の積み立て金につきましてお尋ねがございましたが、四十五年度の決算の数字が手元にございますので――四十六年度の決算につきましては目下決算整理中でございますので、四十五年度の数字で申し上げます。 国家公務員共済組合の長期経理の積み立て金は、四十五年度末におきまして六千六百九十七億二千四百万円ということになっております。
○秋富政府委員 三公社の積み立て金額について申し上げます。 同じく四十五年度の金額でございますが、専売公社につきましては三百五十二億七千五百万円、国鉄につきましては二千五百九十三億四千二百万円、電電公社につきましては一千八百二十九億五千七百万円でございます。
○広瀬(秀)委員 合計して幾らになりますか。
○秋富政府委員 お答え申し上げます。 合わせまして四千七百七十二億五千四百十七万円でございます。
○広瀬(秀)委員 これに対して責任準備金、これを同様にお示しいただきたいと思います。
○鈴木説明員 国家公務員共済組合の長期給付につきましての責任準備金につきましては、ただいま申し上げました六千六百九十七億二千四百万円というのが現実の積み立て額ということになっております。特別に責任準備金の額としての計算はいたしておりません。
○秋富政府委員 お答え申し上げます。 責任準備金は、専売公社につきましては一千百二十四億八千九百万円、国有鉄道につきましては一兆八千九百七十七億七千二百万円、電電公社につきましては五千五百一億五千七百万円でございまして、これを合計いたしますと二兆五千六百四億一千八百万円でございます。
○広瀬(秀)委員 公企体の場合に責任準備金が二兆五千六百四億になる、これに対して現実の積み立て金が四千七百七十二億何がし、こういうことであります。本来ならば、積み立て金と責任準備金というのは理論上一致するのがたてまえだと思うのですが、このようなたいへん大幅な離れ方をしているというのは、一体どういうことに原因があるのですか。
○秋富政府委員 これは恩給公務員等の問題、あるいは終戦後におきます終戦処理的な問題、あるいは年金改定による問題、いわゆる過去勤務債務の関係でございます。
○広瀬(秀)委員 まさにそのとおりであろうと思うのでありますが、過去勤務債務には、午前中もちょっと触れましたように、たくさんの問題があるわけであります。出発当初における当初過去勤務債務、こういうものをまずしょって出発をする。後発の過去勤務債務が、たとえば軍人期間あるいは年金額の累次の改定、ベースアップ、財源率基礎の変更など、いろんな事例があるわけでありますが、この問題のうち戦後処理的な部分――軍関係の部分であるとかいうもの、あるいは恩給公務員期間の問題とか軍人期間の問題とか、こういう問題について公共企業体に追加費用という形で持たしていくという点は、いかにも片手落ちな気がせざるを得ないわけであります。こういう面のそれらの問題については、やはり国の負担を、特に戦後処理的な問題については当然やるべきではないか。そうでないと、いま数字を明らかにしたように、どんどんこれは広がっていってしまうということにならざるを得ないわけなんですが、その点についての大蔵省の考え方はどうか。 そういうように、どんどん過去勤務債務が累積をしていくということで、責任準備金額はべらぼうにふえていく。現実の年度年度の収支の残額を積み立てていく、あるいは追加費用を積み立てていくというようなことにしても、とうていこれは追いつかない。私はこういうものについては、国が本来持つべき負担分というものがかなり入っているんだ、こういう考えに立つ。したがって、国自身がそれらの問題についてどの部分までは持つ、先ほどの、物価の上昇に伴う年金改定というようなものがここ五年も連続続けられておるというような問題の中でも、ある一定の部分というものはやはり国の施策の間違いからきているというようなことも考えられるのだから、そういう部分の問題をも含めて、さらに戦後処理的な問題なんかは国が全額持つというようなことが当然考えられてしかるべきだ、こういう所見を持つわけですが、大蔵省としてはこれらの問題点についてどうお考えになるのか。そして責任準備金は二兆五千億にものぼる、積み立て金は五千億にも満たない、こういう状況で、これからその差はどんどん広がっていく。これに対してどうこの問題を考えていったらいいのか。先ほども申し上げたように、やはり組合員が不安を持つ一つの大きな原因にこれがなっている。これらの財政問題についてどのようにお考えでしょうか。
○吉瀬政府委員 一般原則から申し上げますと、いわゆる公共企業体、これは国と同様の機能を営んでいるというような形で、公共企業体の年金負担に関しましては、公共企業体がみずからの経済計算のもとで行なっていく、またそういうものでなければ将来長持ちできないだろうというような原則があるわけでございまして、まさにいま御指摘の戦後処理の問題、これはひとり国鉄のみならず各公共企業体、相当の負担があるいはあるのではなかろうか、こう思っておるわけでございます。ただ、戦後いろいろ外地の方々等を受け入れた場合にも、そういう方々がやはり公共企業体の一員として公共企業体の運営に参画していることは事実でございます。それはその部分として一つの公共企業体の収入を稼得するだけの労務に従事したということも事実でございます。ただ、御指摘の点は、現在の日本国有鉄道の長期的な年金収支計算、それから見て将来の見通しはどうなるだろうか、こういう面の見通しから立った一つの御質問ではなかろうか、こう思っておるわけでございます。 この見通しにつきましては、御承知のように、過去の勤務に対して毎年国鉄当局が繰り入れ率を高めて行なっている。ただ、これにつきましても、おそらく将来の見通しというものはどうなるであろうかという問題があると思います。この点につきましては、国有鉄道なり運輸省当局から先に説明を聞いてみなければわからないわけでございますが、今回、国有鉄道の再建十カ年計画、これにあたりましては相当なる経営のてこ入れを行なう。それにあたりましては、このような年金負担の増高というものを織り込んで諸種の施策を講じておるところでございます。中身はさらに運輸省なり国有鉄道当局と私ども相談いたしまして将来の形を思い定めて対策を検討いたしたいと思っておりますが、原則といたしましては、公経済の主体、また公企業の主体としての公共企業体当局がその中でまかなうという原則がしかるべきものであろうか、こう考えておる次第でございます。
○秋富政府委員 現在、今国会に国鉄財政再建計画を、新しく十カ年計画をつくるべく御審議いただいておりますが、その中におきましては、いわゆるこの長期給付の問題も計上いたしてはかっておるわけであります。四十七年度におきましては、いわゆる追加費用率は、千分の九十一にいたしまして四百十億計上いたしております。なお、長期経理の負担金は本年度七百十三億でございまして、短期負担金を合わせますと経営費の約五・二%になっておるという状況でございます。私どもといたしましては、この十カ年計画におきましてはそれの支払いというものを準備いたして計算はいたしておるわけでございますが、ただいま大蔵省からも御指摘がございましたように、長い目で見ましたときに、これは国鉄といたしましても大きな財政上の負担になるわけでございまして、今後引き続き財政当局と十分慎重に検討、打ち合わせをいたしていきたい、こういうふうに考えております。
○広瀬(秀)委員 国鉄側から、第一次収支計画策定審議会、第二次同審議会、ここで指摘をされて、おそらく運輸省にこの過去勤務債務について国の負担を求めるというようなことについて具体的な数字をあげて言ってきていると思うのですが、運輸省はこれを大蔵省に伝えたでしょうか。
○秋富政府委員 それは国鉄のほうから私のほうには申し出もございましたし、国鉄の監査報告書におきましてもやはり指摘されたところでございまして、私どものほうとしましては、大蔵省、財政当局のほうにもこの問題については申し入れし、また御相談にあずかっていただいておるわけでございます。
○広瀬(秀)委員 大蔵省、運輸省からは公企体関係の過去勤務債務の問題について具体的な要求を受けておりませんか。国がその負担をしてもらいたいという数字をあげて、たしか出しているはずですが、そういうものについて受けておりますか、おりませんか。
○吉瀬政府委員 この長期給付関係の過去勤務債務の総額が膨大な額にのぼっておる、また、審議会の経過等につきましては御連絡をいただいております。ただ、国有鉄道全般として財政再建等、こういう面から見ますと、すでに国鉄は御承知のように三兆以上の外部債務を持っておる、また、累積赤字にいたしましても八千億にものぼるような累積赤字を持っておる。こういう状況におきまして、私ども過去負債をまず消していくというような財政再建方式よりも、むしろ出資なり工事費補助を拡充いたしまして、将来国有鉄道が経営としてこういうような長期負債にたえる体質改善、再建をまず第一義として再建計画を編成した次第でございます。この点、御了承いただきたいと思います。
○広瀬(秀)委員 国鉄なり電電公社なり専売公社なりというのは国と同じだ、こういう立場をとられておるわけですけれども、厚生年金の場合におきましては二〇%の国庫負担がある、また公務員共済の場合には一五%の国庫としての負担がある。使用者としての国ではなくて、国庫としての負担をされておる。国鉄、電電、専売というところには、国と同じなのだから、何もそういう国庫負担ということをあえてやる必要はないのだという。しかし、たとえばいま国鉄の例を、これは予算関係においても次長は国鉄を担当されて十分承知せられているはずでありますが、今日のような赤字を背負って再建の時期を迎えておる。しかもこの国鉄の再建計画の中には十数万に及ぶ人員削減というようなことも含まれておる。そういうようになりますと、掛け金を負担する人はだんだん減少をしてくる。過去勤務債務はどんどんふえてくる、責任準備金はもう無限にふくれ上がる。積み立て金は、したがって減少をする。千分の五という追加費用が積み立てられていくにしても、そのこと自体がもうすでに経営上困難とされるような償却前赤字が出るような状況になって、それを出さなければならぬということになったら、これは一つの経営体として国と同じなのだからというようなことは言っていられない段階がくるのではないかというようなことも非常にシビアーに考えていかなければならないだろうと思うわけですね。 したがって、過去勤務債務についてそれぞれ区分けをして、これは国が当然負担すべきものであるというようなことで、国鉄が経営上やれる限りにおいて追加費用を出すということもけっこうであるけれども、国の負担分というものをやはりそこにつけ加えていくというような措置がとられてしかるべきではないか。公共企業体が国と同じだということであっても、国そのものである各省ごとの共済には国庫負担を一五%やっているのだというようなことから見ても、どうもその辺、もうひとつ腹に落ちないところがどうしてもあるわけですね。したがって、前々からわれわれこの委員会に社会党提案の法律改正案も出しているわけであります。国庫負担分として二〇%くらい、せめて厚生年金並みくらいの国庫負担を導入してはどうか、こういう問題も出しておるわけでありますが、今日の国鉄の経営の状況、そしてまたこの年金のいわゆる成熟の度合いというものも、国鉄が歴史が古いだけに一番成熟度が高い状態にある。したがって、年金支出の累増というようなこともどこよりも一番早く到達しているというような事情もこれあり、これらもろもろの事情を考えれば、こうした共済は国と同じなんだからということだけでその合理的説明がなされたとは私ども受け取りがたいのですが、この問題についてどのように大蔵省としてお考えでしょうか。
○吉瀬政府委員 広瀬先生と国鉄問題を議論いたしますと、釈迦に説法のような感じでじくじたる点があるわけでありますが、再三繰り返し申し上げましたとおり、やはり国鉄財政再建の基本的な工事費に対する支出とか経営収支の改善という意味で今回の財政長期計画を策定した次第でございまして、個別にとってみますと、たとえば戦時中に空襲等によって非常に荒れました路線の復旧とか、いわゆる終戦後十年間ぐらいに国有鉄道がこうむった戦後処理に伴う費用というものは御承知のとおり相当ばく大なものがあると思います。そういうような一つ一つの過去の問題を取り上げないで、前向きにいろいろ財政的な援助をいたしまして、全体としての国鉄の体質改善をはかっていくというのが、先ほど申し上げました趣旨でございます。 ただ、一つ蛇足ながらつけ加えさせていただきますと、いま十年間に国鉄は、これはいわゆる出血退職ではございませんが、相当な退職者が出まして、その退職金の負担等も再建期間中には異常な額に達するように私ども聞いております。ただ、再建期間が終了いたしましてノーマルな形の人員規模になりますと、むしろ逆に、その方面の負担が正常化いたしまして、軽減されてくる。そのような相殺要素もございますし、それから、年金計算等につきましては、運輸省、国鉄当居が再建計画にのっとりまして、とにかく現在の組合員が不安のないような形でいろいろな長期給付計画を策定していくと思います。 なお、賦課金率その他掛け金率を年々増高いたしましても、これはやはり先生御指摘のとおり限度があると思います。その限度がどの程度のものであるか、また長期収支から見まして国鉄当局がさらに財政負担、財政援助がどの程度可能かということにつきまして、詳細に検討いたしていきたい、こう思っておる次第でございます。
○広瀬(秀)委員 運輸省に聞きますが、国鉄ばかり問題にして恐縮なんだけれども、国鉄の共済組合員は四十五年から長期の掛け金率を二上げましたね。それから国鉄の負担金率も二上げて、四上げた。それでかろうじて収支計画を策定したわけです。したがって、ほかの公共企業体なりあるいは公務員よりも掛け金率が高くなっていると思うのです。これは四十五年にやりましたから今度は四十九年ですか、次の四十九年になりますと、またこれは二なり三なり上がるのではないか、さらにその次の段階ではもっと大幅に上がるのではないか、こういうような不安を持っておるわけなんですが、これらの問題について、どのように将来を展望されて――そう掛け金をめったやたらに上げない、収支計画策定審議会でいつでもそういうようになるのだというようなことはない、こういう安心できる数字の見通しというものはどのようになっておるのか、この点ひとつ明らかにしておいていただきたい。
○秋富政府委員 先生御指摘のとおり、掛け金でございますが、現在国鉄は四十九・五でございます。それから専売公社におきましては四十六・五、電電公社におきましては四十六ということでございまして、現在におきまして国鉄の掛け金が高いことは事実でございます。しかしながら、昭和五十三年までは掛け金、負担金、追加費用、利息収入、これで給付がまかなえまして、積み立て金は昭和五十三年度末には約四千五百億円まで増加いたします。しかしながら、五十四年から六十六年の間の十三年間は、収入よりも給付のほうが多くなる、積み立て金の取りくずしを余儀なくされるということもまた事実でございます。これによりまして六十六年度末には積み立て金が約千六百億円に減少する、こういう事態になるわけでございます。この期間が一番苦しいかと思うわけでございまして、この期間を経過いたしますと、六十七年度以降におきましては収入と給付というものがほぼ見合う、こういう状態になるのではないか、こういうふうに予想いたしております。
○広瀬(秀)委員 そういう一応の収支計画にはなっている、審議会の第二次答申でそういうことがいわれていることは私も承知をしておるわけですが、それをかりに信頼するとして、ことしこれだけの改善がある、これまた過去勤務債務の形で累積をしてくる。そういうことで、やはり四十五年段階で見通したものと条件が変わってくるだろう、そしてまた経営合理化の名において在職職員の数、すなわち掛け金をかける人数が絶対的に減少をするというような、これはもちろん国鉄再建十カ年計画をもにらみながらやっておられるとは思うけれども、そういう状況が出てくる。しかも今度は年金を受給する数はかなり加速度的にふえてくるという成熟段階に入る。年金支出がどんどんふえてくる。 こういうことになってまいりますと、少ない人数で今度は収支計画のバランスがとれるようにということになれば、それじゃどこへ持っていくかといえば、どうしたってこれは掛け金率の引き上げというところにいかざるを得ないのだということになると、これはかなり問題が出てくるのではないか、そういういま答弁されたようなことが一応計画にはあるけれども、次々に財源の見直しをやるたびに掛け金が上がるという不安がどうしてもぬぐえない。そういうことを考えて、その不安はない、ほかとやはりバランスをとりながら何らかの形でその掛け金をこれ以上上げないという方向がとれるのか、まだまだこれからどの辺まで上がるのか、こういうことについてやはり長期の展望を示しておく必要があると思うのですが、いかがでございますか。
○秋富政府委員 ただいま広瀬先生の御指摘の点は、まさに私たちといたしましてもきわめて重大な問題でございますし、組合員といたしましても重大な関心事でございます。私どもといたしましても、最初申し上げましたように、この問題の重大性にかんがみまして、再建計画におきましては十分織り込んではございますけれども、しかし、今後御指摘のような問題が起こらないとも限りませんので、さらに引き続き慎重に検討を重ねていきたい、こういうふうに考えております。
○広瀬(秀)委員 大蔵省は、いま運輸省に質問した私の疑問に対して、どのような見通しを持たれますか。
○吉瀬政府委員 私どもといたしましては、国鉄の財政再建十カ年計画、これは一応計画はこれから詳細策定する段階に移ると思いますが、なかなか計画どおりに実行することは、よほど労使双方及び政府といたしましても慎重にかつ十分に見守っていかなければむずかしい問題ではなかろうか、こういうぐあいに考えております。その中におきます国鉄のいわゆる年金財政、この点につきましては、確かに御指摘のとおり、少ない組合員で多額の給付金をまかなっていかなければならぬ、こういう問題もございますので、なお、今後どの程度国鉄職員の給与上昇があるかというような長期的見込みに立っていきますと、私ども、運輸省から年金の長期的見通しをいろいろ伺っておりますけれども、少なくとも昭和六十年度以降これにつきましては総額といたしまして掛け金がある程度平常化していく、平常化していく段階におきましては、いわゆる組合員の給与上昇の動向等とも関連いたしまして、負担増というものはさほどなくても済むのじゃなかろうかというような感じも持っております。ただし、こういう種類の問題につきましてあまり楽観的に見込むことは危険でございますので、再建期間内といえどもこういう問題につきまして十分心していきたい、こういうぐあいに考えております。
○広瀬(秀)委員 近々のうちに、次の財源率再計算の際に、掛け金率を、国鉄ばかりでなくて、公企体全体について上げないで、先ほど秋富部長から掛け金率の数字のお話がありましたけれども、国鉄の四十九・五を最高にして、あと四十六とか七と言われましたが、そういうものを上げないで済むのかどうか、上げないということが約束できる状況ですかどうですか、その点をずばりで答えてください。
○関根説明員 お答え申し上げます。 ただいまの財源率の問題につきまして、そのうちの掛け金率の問題でございますが、これにつきましては、主として職員の生存年数とかあるいは国鉄就職者が年金がつくまで勤続するかいないかというような点と非常にかかわりがございますので、そういう点に大きな変更がない、寿命がものすごく延びるというような重大な変更のない限りは、掛け金率については将来ともそう大きな変更はないのじゃないかということでございまして、追加費用の問題とは別だろうと思っております。
○広瀬(秀)委員 掛け金率はそう大きな変動はないと言われるわけですけれども、千分比が四十九・五、大体五%になってきているわけですね。この辺のところ以上は何としても無理があるんではないかということは午前中にも言ったわけですけれども、そういう立場で考えていいのかどうか。この点をもう少しはっきり――あと三年後に次の財源率の再計算があるわけですけれども、その段階あたりでは少なくとも現状維持の掛け金率でいきたい、そういうように了解してよろしい、こういうようにとっていいのですか。
○関根説明員 五年ごとに再計算することになっておりますので、四十五年から五年の五十年ごろには再計算をしなければいけません。これは一応数理計算をしてみないと何とも申し上げられないと思いますが、先ほども申し上げましたように、寿命が大幅に延びるとかあるいは年金のつく者が大幅にふえるとかいうような基本的な条件の変更がない限りは、財源率のほうにはあまり響かないのではないか。問題は、むしろ追加費用をどういうふうに計上していくかというほうにあろうかと思います。
○広瀬(秀)委員 かなりはっきりしてきたわけでありますが、これから福祉政策がどんどん進展をしていく。老人保護、老人福祉というものが前進をしていけば、いわゆる平均余命というものも逐次上がっていくであろうということは言えると思うのですね。それで、特に五十五歳定年ということがそのまま移行するということになれば、やはり寿命がそれだけ延びていくというようなことは、それほど大きな変動はないにしても、徐々にふえていくということは、まず大体傾向として間違いないだろうと思うのです。四十五年の際にもいろいろな要素がどのくらいそれに寄与したかということでは、脱退残存表という要素について、財源率の増減数が四・五八上がった。さらに俸給指数、これは逆に四・一八下がっておる。年金者死亡生残表、すなわち退職年金者の死亡生残表、これが四・一八ふえている。廃疾年金者死亡生残表も四・一八ふえている。予定利率は変更がない。平均加入年齢が一・六二増加している。あるいは有遺族率は四・三一減っている。配偶者との年齢差が〇・六七増。あるいは減額退職年金選択率が一・五二ふえている。そういうようなものを総合して四・〇九という指数が出て、この分だけ掛け金と負担金と両方に割り振って千分の四上げたわけですね。こういうようなことがそのたびに繰り返されるということ、こういう傾向というものはある程度これから大体同じような傾向が出てくるのじゃないかと思うわけなんです。そういう中におきましても、もうそろそろ、現行の給与水準からいって、掛け金率の問題についても、限界に達しつつあるのではないかということですから、それを上げないというようにして、さらに特に運用などの面についても、利差益を生むような運用などもさらに強化するなり、あるいはまた、そういう小手先のものではだめで、何といっても国の負担というものが導入されるという形を通じて、掛け金率はもうこの辺のところ以上には上げないのだというようなめどを示すことが必要なところにきているのではないか、こういうように考えるわけなんです。 公務員の場合に、現行一五%国庫が持っている。その分をも含めて、五七・五、四二・五という負担割合になっているけれども、これを国庫が二〇%ぐらいは厚年並みに負担をするという方針をはっきり出される、その中で、今度は残りの八〇%は、企業体側が五〇ぐらい持つ、あるいは組合員の掛け金で三〇持つ、こういうような負担割合などに、やはりそういう方向で制度の改善というものを進めていかなければ、いまのような状況では、しょせんは掛け金が上がらざるを得ない。追加費用の千分の五というもののほうがむしろ重大だ、こうおっしゃっているけれども、その率を上げるというようなことも、国鉄の財政からいって、あるいはまた公社の財政からいっても、なかなか無理な面もあるということを考えれば、やっぱり抜本的に、根本的にそういう改善というものに持っていかなければ、掛け金がどんどんとめどもなく上がっていくということにならざるを得ないだろうと思うのですね。そういう基本的な問題点を踏まえて、どのように大蔵省としてはこれらの財源の問題についてこれからは改善をはかろうとしておられるか、お考えはありませんか。
○吉瀬政府委員 将来の見通しの問題でございまして、かなり変動要素を含んでいる問題でございますので、明確なお返事ができなくて恐縮なんでございますが、先ほど国鉄当局から御答弁申し上げましたとおり、少なくともここ数年間あるいは次回の改定期につきましては、異常なる事態の変動がない限り、そう掛け金負担の変動はなかろうというような答弁もございましたので、私どもそういうような将来の傾向を見守りまして、もしまた先生御心配のような計算上異常な変動が出てくるというような事態になりましたら、また再検討し直したい、こう思っております。 ただ、基本原則といたしまして、たとえば厚生年金で二〇%国庫負担をやっておりますが、御承知のとおり、厚生年金のいわゆる二〇%負担を、給付水準等から勘案いたしますと、国家公務員共済に対する一五%とそう差がないとか、あるいは国鉄等の公共企業体につきましては、やはり公共企業体が国と同じ立場でいろいろ公経済の中で処理していくというような、いままでの各年金主体の特殊性に応じました伝統がありますので、そういう点御了承いただきたい、こう思います。
○広瀬(秀)委員 厚年並みに二〇%負担せよという要求に対しまして若干答弁がありましたが、どうも私ども納得できない。もう一ぺん、どうしてできないのだということを納得のいくように御説明いただきたいと思うのですが。
○吉瀬政府委員 はなはだ御難問でございますが、ただ、国有鉄道は相当大きな企業主体でございまして、四十数万の人をかかえまして、全国で大きな企業経営を営んでおるわけでございます。もし国有鉄道の経営よろしきを得れば、一つの年金経営の主体として、また国と同じような一つの公的な立場を果たす主体といたしまして、その中でいろいろなものをまかなっていけるというのが基本原則ではなかろうか。ただ、再三御指摘のとおり、国有鉄道は過去における種々の重荷を背負っておる。その重荷をできるだけ軽からしめるという趣旨で、私ども前向きの一つの計画をつくっておるわけでございます。年金問題も、確かに御指摘のとおり、大きな国鉄の経営悪化の要因になると思いますが、私どもはそういう年金の主体として十分組合員をして不安なからしめるような国鉄の経営を再建いたしたい、こういう面でむしろそちらのほうに力を注ぎたい、こう思っておるわけでございます。
○広瀬(秀)委員 国鉄が経営さえ立ち直って黒字を生む企業になれば問題は解決だと言われるのですが、やはり私はどうも筋として、国家公務員そのものについて各省が各省の立場で使用者としての国という立場とそれから国庫としての国の立場で、国家公務員共済組合の場合には一五%やはり国庫負担をしている。それにもかかわらず、いわゆる公共企業体という形でそれぞれ事業を、電信電話なりあるいはたばこなり輸送なりという仕事をやっている機関が、なるほど国の機関に間違いはないけれども、どうしてそれじゃ、各省とかりに同じレベルで頭をそろえたにしても、国庫としての国が二〇%負担しておかしいのかということについては何としても腹に落ちかねるものが残るわけです。これはまた問題として将来に残しておきますけれども、やはり国庫として、国の立場においてこの二〇%ぐらいの負担を見るということがなければ、企業体そのものも非常に過重な負担をしなければならない。国鉄のごときは、いま企業体の立場において運賃を上げようとしても、これだけ国民的な抵抗があってなかなかできない。それがなければ、それだけの財源が用意されなければならないというのだが、そういう国民的な抵抗を受けなければならない事業体という特殊性を持っておる。そういうようなものを、再建だ再建だということだけでは事はうまくいかない。いろいろな面でそういう点、組合員が安心していけるような国の施策というものがそこに投入されなければならない。こういうことについては私ども持論としてこれは引っ込めるわけにいかない。こういう立場で、この際、十分検討願わなければならないと思っておるわけであります。これ以上この問題はきょうは繰り返しません。 次に、公的年金関係で最低保障額というのがあるのとないのとあるのですね。公共企業体関係にはない、公務員関係にはある、こういうような問題。なぜそういう最低保障額というものがある制度とない制度とがあるのか、この辺の理屈がどうも私どもいまだにわからない。この問題、どういうようになっておりますか、まずその点だけ伺っておきましょう。
○吉瀬政府委員 御指摘のとおり、その最低保障額があるもの、ないもの、みんな沿革的な制度に由来しておりまして、私ども今後たとえば公的年金制度調整連絡会議等の場を通じまして、こういう種類の問題の沿革を明らかにし、さらに統一できるものがあれば統一していきたいという考えでおるわけでございます。沿革等一々につきましてはまた根拠があると思いますが、そういう点の統一ということは十分はかっていきたいと考えております。
○広瀬(秀)委員 各公的年金について最低保障額があるものについて、これこれの年金で幾らの最低保障かというのをひとつ、今回の改正案に従ってでけっこうですから、示していただきたいと思うのであります。それで、最低保障のない年金も同時に、これは最低保障はありませんというのを整理してお答えいただきたいと思います。
○鈴木説明員 国家公務員の共済組合の場合の退職年金に相当するものについて申し上げますと、共済組合関係につきましては最低保障額が十五万円になっております。厚生年金につきましては十三万四千四百円というふうに記憶いたしております。なお、国民年金につきましては九万六千円であったというふうに記憶いたしております。
○広瀬(秀)委員 これは最低保障額というものをきめる基準というのは、どういうところに置かれているのですか。
○鈴木説明員 ただいま私申し上げました金額は、厚生年金の退職年金を基礎にいたしまして計算されているということになっております。
○広瀬(秀)委員 この厚生年金の最低保障額を基準にしているという、これでは答弁に実はならないと思うのであります。最低保障というものは、一体どういう意味を持つものか。そしてその意味に従ってこれは正しく設定されなければならないと思うのですが、その基礎になる考え方というものはどういうところにあるのか。この点を伺いたいと思います。ただ厚生年金の計算方式がそうだから、こっちでそのとおりにして十五万円にしましたというだけでは、これは答弁にならないと思うわけでありまして、どういうものを最低保障額として設定をするのかということには、一つの思想なり一つの立場なり条件なりというものがちゃんとあってしかるべきだし、それについてわれわれはこの委員会でやはり批判もし、そういう問題について改善をはかろう、そういう意味で審議をしているわけですから、これの明確な立場というものをお答えいただきたいと思います。
○鈴木説明員 ただいまの年金関係につきましては、国民皆年金ということで、すべての国民がいずれかの年金を受けることになっておるわけでございますが、その基礎となります皆保険年金制度の母法ともいうべきものは厚生年金ということで一般的にいままで考えられてまいっているわけでありまして、そういう制度の成立、沿革等から、ただいま申し上げましたような最低保障額が定められておるというふうに承知いたしております。
○広瀬(秀)委員 どうも、ほかにも公的年金がたくさんある、そういうものが、言うならば、連動をして整合的に行なわれなければならない性格のものだ、こういうことはわかったのですが、年金においても、やはり最低保障額というものは、老後における年金受給者の、少なくとも健康にして文化的な最低限度の生活が営める、そういう意味での老後保障に足りる最低限度の保障額である、少なくともその程度の説明はなされなければ、私の言ったことに答えられたことにはならないと思うのですが、そういう観点というものはないわけなんですか。ただ、いままでの沿革があるからということで、それを幾らか物価上昇や何かに見合って少し上げていこうか、こういうまことに腰だめ的な根拠のないものがまかり通っている。そういうものなんでしょうか。
○鈴木説明員 ただいま私、厚生年金が母法ということで申し上げましたが、先生御承知のとおり、厚生年金には定額部分と報酬比例部分とがございます。厚生年金の基礎になっております定額部分は、今度共済においても改正をいたしております根拠になっておりまするが、過去九万六千円という金額が、前年でございましたか十一万四百円ということになっておりますが、これに一定の扶養加給というものを考慮いたしまして、ただいま申し上げました最低保障金額がきまっておるということでございます。
○広瀬(秀)委員 それでは政府次官にお聞きしますが、各種公的年金の最低保障額というのはどのように定めらるべきものであるのか、次官はどのようにお考えでしょうか。
○田中(六)政府委員 発想の転換とか価値観が多極化しているから云々ということを最近皆さんよく言われますが、いままでの伝統からいえば、いま事務当局が答えたことになりましょうが、しかし、老後をどうするかとか社会保障制度をどうするかということを、いままで考えられておった手段が目的になり、目的が手段になるというようなことになりますと、まずやはり最低保障額をどうするかということから考えて、それからはじき出すのが順当だというような気がいたします。
○広瀬(秀)委員 やや前向きな答弁でありますが、この最低保障額というものも非常に重要な意味を持たせなければならないと思うのですね。やはり老後の生活が少なくとも憲法二十五条並みに保障される、その程度のものは年金における最低保障額ということの中に織り込まなければならない、単にこれは保険システムなんだということでは許されない問題点だろう、このように考えるわけでありまして、この点では十五万円の数字があったりあるいは廃疾の場合には、これは廃疾という特殊な事情があるけれども、それにしても十八万三千六百円とか十五万円とか十万五千六百円とか、等級に分けてそういうことになるわけですが、非常に問題がある。なるほど公務の廃疾年金の場合には、改正案では九十五万三千二百円というような高い数字になっている。高いといっても、公務によって全く働けなくなってしまった人でありますから、このくらいはあたりまえなんですけれども、その次が六十二万一千二百円、四十一万三千二百円、こういうように公務廃疾によるものでもこの程度であるというようなことで、この点、非常に問題があるし、われわれとしてきわめて不満な問題を含んでいる。これらについてももっと真剣に、やはり老後の保障という立場で、豊かなしあわせな老後がおくれるような基準というものをしっかり持って、これを保障していくということをもっと力を入れて考えていただきたいと思うわけであります。 まだいろいろお伺いしなければならぬことがあるわけですが、いずれまた大臣お見えの節にでも、重要な部分については再質問をすることを留保いたしまして、あと山口君もお見えになっておりますので、きょうのところはこれで終わりにいたします。
○齋藤委員長 寒川喜一君。
○寒川委員 提案をされております法案のうちで、私は特に国家公務員共済組合法の長期給付、すなわち年金を中心にして御質問を申し上げたいと思います。 今朝来から広瀬委員が資格の問題なりあるいは運用をしていきます上における技術的な問題等について御質問がございましたので、重複は避けたいと思います。 そこで、やはり基本的に問題になりますのは、法律としては長期給付という書き方をし、内容を見ると年金、そういうような書き方からいたしましても、ただいまも論争がございました公務員の退職後の生活保障という点についてウエートがないのではないかというような感じ、すなわち恩給法というものからこの制度に変わってきた惰性みたいな形で諸般の施策が講じられておるような印象を私は著しく持っておるものでございます。したがって、ここでいう年金の性格というものを明確にすることによって、今朝来からの質問の問題も、私がこれから質問をいたしますことも明確になってこようかと思います。そういった意味合いにおいて、国家公務員の共済組合法の中でいう長期給付、すなわち年金というものはどういう性格のものであるか、御説明をいただきたいと思います。
○吉瀬政府委員 退職年金制度、これは公務員が公務に忠実に勤務し、しかも公務を退いた場合、その後の生活の安定を保障する、また過去における勤務の成果を退職後十分に享受せしめる、いわゆる公務員制度にかかわる公務の能率的な執行とかあるいは公務員の忠実な勤務に対する一つの老後の精神保障であるというような意味を持っておるわけでございます。また、特にいま先生御指摘のとおり、過去の恩給制度、これから発生いたしまして旧令制度時代以来いろいろ混合的な要素を持ちまして発足いたしましたので、この性格その他も――この恩給法の対象たる機関の勤務者がまだ全体の共済組合の七割もいるというような現状でございまして、確かに性格が混合的な性格を持っていることはいなめないと思います。 ただ、これを大局的に見ますと、広い意味の社会保障制度の一環でございまして、そういうようなことで、社会保障制度全体の調和を今後どうはかっていくかということが、大きな課題ではないかと思います。
○寒川委員 答弁をするという、ことばで表現をすればそういうことでしょうけれども、やはりバックボーンがなければ、この問題は私は片づいていかないと思うのです。すなわち、恩給という、御苦労であったから、まず公務員が在職中の体面を退職後も若干続けられるという制度の域を出ていないから、私は非常に議論のあるところだと思うのです。 したがって、たとえば現在担当の省庁にしましても、私は、総理府に人事局ができて、この仕事を大蔵省が持っておるというようなこと自体が、根性が入っておらぬ証拠だと思うんですがね。そういうことについて民間企業等にしましても、地方庁にしましても、ほんとうに労使それぞれがぶつかってこの問題を考えていく中で、やはり人事管理の当局がこういう制度の運用等については責任を持っておられると思うのですが、国家公務員に対する所管が、人事は総理府、こういう制度並びに福祉の問題は大蔵省と、なぜそうなっておるのか、お聞きしたいと思うのです。
○吉瀬政府委員 この問題につきましては、人事院が発足いたしまして、そして給与に関する諸制度は大体一般の公務員につきましては人事院に移管されたわけでございます。たとえば共済関係というものにつきましては、沿革的な意味合いで大蔵省が所管したという感じがあると思います。人事局が発足いたしましたときに、人事局がどの程度のものを持つべきかということに関しましては、いろいろな理論的なる発想はありましたけれども、主として申し上げますれば、沿革的な問題ということが、この現在の所管を分けているのではなかろうかというふうに思います。
○寒川委員 それでは政務次官にお聞きをしたいんですが、将来ともこういった体系を続けていくおつもりか、何かやはり検討すべきものだと判断をされるか、御所見を承りたいと思います。
○田中(六)政府委員 人事とその裏づけになる恩給それから金と別々に仕分けされていることは、非常にやはり問題だと思います。私どもは、かつて吉田さんが行政機構の改革で、金の予算編成権を総理府が持つ、そしてあとは各省に平等に置くというような構想を聞いたことがあるんですが、私はいつも夢に描いているのは、そういうような構想を進めていけば非常に時代に合うんじゃないかと思っておりますので、こういう点もかなり不合理があるというふうに思っております。
○寒川委員 ぜひひとつ積極的に考えていただきたいと思いますことは、問題が大きくなれば最高幹部でいろいろと議論をしますけれども、私もこういった仕事に多少関係をしたことがございますが、日常の運営面の交渉とか非合理とかいうものの実態というものは、もう事務専門家的な者にまかしてしまって、予算折衝のときに若干そういったような声が上へ上がってくる、それはやはり省庁の所管の問題に重大な関係があると思います。したがって、この点はひとつ要望をしておきたいと思います。 そこで、先ほど来から財源の問題その他の議論がございましたが、ここでお聞きをしたいことは、国家公務員共済組合法に基づいて長期給付としての年金を支給される、これに対する国の財源措置、むろん旧恩給法の制度と違いまして、組合員が折半をして負担するというたてまえに立っておりますが、同時に、戦後新しい制度として退職手当という制度が制定をされました。したがって、民間企業等において年金制度を実施しておると申しましても、原資はやはり退職手当というものを原資として、一時金でとるか年金でとるか選択をする、あるいは一定の期間は一時金でもらってその後年金に変わっていく、こういう制度のやり方だと私は思います。しかしながら、それ以外に厚生年金という制度の問題がございまするが、現在、民間等で公務員と同じように退職手当も出し、年金も出しておるという制度がどの程度普及をしておるかという実態を教えていただきたいと思います。 同時に、この種の問題になってまいりますと、外国との関係で日本の制度というものがどうであるかということが常に議論の対象になります。ヨーロッパの先進国において年金支給をしております国家で、同時に退職手当を支給しておる国家がどの程度あるか、二点についてまず実情を承りたいと思います。
○吉瀬政府委員 少し時点が古い統計で恐縮でございますが、四十三年度の労働省の統計がいまあるわけでございますが、企業規模別に企業を分けまして、まずトータルから申し上げますと、退職一時金だけがある企業……。
○寒川委員 ちょっと、原資を別々に出しておるという制度があるかどうかということを聞きたいんです。ですから、要するに、退職の際に一定の退職金を支給する現象だけじゃなしに沿革から、統計から見てもらわなければいけないんです。そうした場合に、退職一時金という形で全部渡し、なおかつ国家公務員に見合うような形の年金制度がある企業がどの程度あるかと、こう聞いておるわけです。
○吉瀬政府委員 どうも退職金制度があるものだけを先に申し上げましたので混乱いたしましたが、退職金制度と年金を併用しているものが全体の二八・二%でございます。企業規模別に簡単に申し上げますと、百人以下の企業ではそれが二五・四%、一番大きいところの五千人以上のものは六三%が一時金と年金とを併用しております。
○寒川委員 そういうことと関連して、また統計をお持ちじゃないかと思いますけれども、実態が問題じゃなしに、年金額が問題になってくると思います。 そこで、お聞きをしたいのは、現在の制度で高校十八歳で公務員になっておおむね四十年というのが、大体ノーマルな勤務年数でございます。四十年つとめますと、その退職時点においてどの程度の年金額になるか、ただし、本人負担分がその中にどの程度入っておるか、これをまずお聞きしたいんです。
○鈴木説明員 お尋ねの十八歳で就職し、というようなことで国家公務員の、これはいろいろと前提を置かなければいけないわけでございますが……
○寒川委員 一般行政職でよろしい。
○鈴木説明員 一般の行政職の俸給表(一)が適用されているということで計算した数字を申し上げるわけでございますが、十八歳で入りまして四十年間つとめて、したがって五十八歳でやめるということになろうかと思いますが、その際に俸給年額が幾らになるのかということも問題でございますが、一応行政職の俸給表(一)によって順次昇給し、上がってきたものとして、現在の俸給表によって計算いたしますと、まず俸給年額が百七十万一千六百円ということになります。給付率につきましては、現行共済制度におきまして、二十年までが百分の二ずつ、二十年をこえる一年につき百分の一・五増ということになっておりますので、したがいまして、四十年つとめました場合には、現行の共済法でまいりますと、給付率は百分の七十ということになります。したがいまして、年金額は百七十万一千六百円に百分の七十を乗じまして、百十九万一千百二十円ということになります。
○寒川委員 先ほど申されました企業年金を出しておる二八%の平均年金額はどの程度になっていますか。
○鈴木説明員 先ほど吉瀬次長からお答えいたしましたのは、実は労働省の統計に基づくパーセンテージを申し上げましたので、年金の関係ということになりますと、公的年金の厚生年金のほうの関係になりまして、実はここに出ております一時金と年金の併用ということで申し上げました中身については、このパーセンテージ以上にはちょっと私ども手元にございませんので、お答え申し上げかねます。
○寒川委員 こまかく調べてもらえばあると思いますが、私はかなり低いものだと思います。したがって、われわれの同志の皆さんも基本的な厚生年金の引き上げというようなものが常に議論になるところであり、同時に最低保障額というようなものが問題になってくるわけでございます。 そこで、いまおっしゃられました百十九万ということとあわせて、この人が受ける退職手当の額はどれくらいになっていますか。
○鈴木説明員 四十年つとめました場合の退職手当の額は、先ほど申し上げました俸給年額を計算いたします場合の基礎となった俸給をもとにいたしまして計算いたしますと、八百六十四万円ということになります。
○寒川委員 前の分につきましては半分本人が出しておるという性格の年金でありますから、したがって、一千万円近い原資が国から出ておる。そういったものを総合して抜本的に公務員の年金制度という問題を考えて、何か技術的に中途はんぱに値切っていくというような感覚から脱し切らないと、いつまでたってもこの議論は終えんを迎えないと私は判断をしておるものでございます。 したがって、現在の制度のもとにおきましても、根本的、基本的な問題が私は二つあると思います。一つは、すでに御承知のように、いろんな制度を統合してこの年金というものが三十七年から具体的に動き出しております過程で、三十四年のベースを基本にして三十七年から動かしておるという事実についてはそのとおりでございますか。
○吉瀬政府委員 そのとおりでございます。
○寒川委員 したがって、最初から値切っておるのですから、先ほど前段でいろいろと退職後の生活、老後の保障といってみたところで、そういう出発の時点から、こういった問題についてできるだけ安くしておこうということが基本になっておると私は思います。 それと同時に、やはり年金が老後の保障の前提になるということになりますと、今回の改正にしましてからが、要するに退職時点で全部押えていらっしゃるわけです。したがって、四十五年退職した者がどうであるとか、四十六年退職した者がどうであるとかいうことを、三十五年当時からだと思いますが、そういうことで平均一〇・余りのアップ率をそれぞれ案分しておる。御承知のように、みんなが十八歳で入ってきて、五十八歳までおるということであれば問題ございません。いわんや、皆さんが御指摘になりましたように、日本は敗戦という事実によって非常に複雑困難な就業体系を構成しておる。そういった人々に対してあたたかい配慮をするということになってまいりますと、どうしても退職時の年齢という問題を考慮に入れなければ、あとあと非常に不平が起こる問題であります。技術的に非常にむずかしいようなことになると判断されますけれども、私はそうでないと思います。したがって、そういう問題についても一つの指数でいろいろと解決をしていくというスタイルをとっていけば、おのずから問題は簡単になっていくと思います。たとえば具体的な公務員の給与の問題にしましても、現在世界ではほとんどフランスだけと思いますが、フランス自体は、御承知のように給料表は全部指数でございます。したがって、行政職の六等級は何ぼだというような形にはなっておりません。御案内のとおりだと思います。 そういうような形で処理をしてもらうということになっていきますと、今度の改正のように、恩給法の改正があったからそれに準じてやるんだというようなことも再々やる必要はないのです。今度の場合でも、あとでお聞きしたいのですが、恩給法に準じてそれ以外の新しい措置をやっておらないのであれば、やり方があるし、特殊なものだけを措置して、恩給法に準用するものはそれぞれそういう立法技術の措置によって毎回毎回こういう形で提出をするということ、それ自体にもやはり拙劣な立法技術の問題があるのではないか、私はこういうふうに感じておりますが、このことについてどうお考えになられるか、御所見を承りたいと思います。
○吉瀬政府委員 確かに御指摘のように、老後の保障という観点からいけば、やはり現在の年齢、そういうような度合いに応じまして年金支給の率を変えていくということも一つの御意見かと思います。それからまた同時に、恩給の改定に準じてスライドしていく方式、ことに現在の組合員の中の七割が旧恩給期間を持っている組合員であるというようなことで、ずっと恩給法に準じて改定を行なってきている方式、これがいつまでもつかということは、保障制度全般の問題とひっくるめていかないと問題があると思います。 そういうような点から、やはり私どもといたしましては、将来の一つの生活の保障体系というようなものの一環として、漫然と恩給に準拠していくという方式につきまして、広い立場から再検討する必要があるのではないか、そういうような趣旨を受けて、公的年金制度の連絡会議におきましていろいろな諸制度との関連を詰めているところでございます。 なお、最初に先生御指摘の、三十四年ベースで三十七年から発足いたしまして、当初たしか若干のギャップがあったわけでございますが、その後いろいろな改定期におきまして、そのギャップは逐次解消しております。そういう点をお答えしておきたいと思います。
○寒川委員 全体が動いておらなければ、少しずつで解決するわけですよ。ところが、やはり全体が動いておるから、少しずつの解決ということが解決になっておらないところに、やはり退職されてかなり年数を経過していらっしゃる方々は著しい不満がある。そういった問題についても、やはり今後抜本的な改正をするという立場で取り組んでいただきませんと、この問題は解決をしないと思うのです。 それともう一つの問題は、広瀬先生もお触れになられましたけれども、いわゆる所得税の問題なんです。こういった問題が解決をしないところにもやはりいろいろと御不満があろうかと思います。いわんや古い時代にやめられた人は、退職金の源泉徴収にしましても、ばく大な税金を取られて苦い経験を持っておられる。そういった問題については皆さんの御配慮でだんだん改正になっておりまするが、総合所得の中でそういう問題がやはり皆さんの一番頭痛の種になっておると思います。やはり国家からいろいろと給付を受けておりながらむしろ恨みを買うというような運用の実態を見のがすわけにはいかないと思います。 たとえば企業の問題等につきましては、租税特別措置法というような形で簡単にいろいろやられる。景気が回復しても、なかなか一たんそういう制度が制定をされるとこれを廃止するというような形でないだけに、そのことを中心に――退職金の残りであるとか年金の金であるとかということで、それにプラスして年とって細々と収益をあげてやられておる方々が、御案内のような形にだんだんと平均寿命が伸びてまいりますので苦労しておるにもかかわらず、実際はそれを見ておらないということについて、やはりほんとうに早急に考えてもらうことが、現行の制度のもとにおきましても必要だと思いまするが、重ねてお答えをいただきたいと思います。
○中橋政府委員 年金あるいは退職一時金につきましての所得税の課税の問題についてのお尋ねでございますが、これは、実は当委員会におきましても、今回所得税法の一部改正法案を御審議いただきました際にも非常に問題にされたところでございます。先ほども寒川委員御指摘のように、昭和四十二年に退職一時金につきましてはかなり大幅な控除額の設定ということをやりまして、それの前に比べますと所得税というのは非常に軽減されたと思います。その後の退職一時金の支給状況を見てまいりますと、必ずしもそのときに設定いたしました控除額を非常にこえておる例というのはそんなに多くはないわけでございますけれども、やはりいま御指摘のような事情も勘案すれば、これはこの際できるだけ早い機会にもう一度検討すべきではないかという御指摘を受けまして、そういう方向でわれわれも今後対処してまいりたいと思っております。 それに関連いたしまして、もちろんいま御指摘のように、年金についての課税をどういうふうにするかということでございますけれども、実は退職一時金についての課税を検討いたします場合には、常に私ども、年金で年々支給されます場合のいわば所得税の累積額と、退職一時金について課税されますところの一時的な所得税の金額というものは、やはりある程度均衡を得ていないといけないというふうに考えておりまして、常々それは検討いたしておるわけでございます。ただ、年金でございますから、やはり年々支給をせられますということは、累進税率が低い段階で課税をせられますし、あるいはそれにつきましては毎年毎年給与所得控除というものが働くわけでございますので、この辺を勘案しながら、退職一時金なり年金についての課税問題についても、今後、いま御指摘のような事情も勘案しながら、また所得税の総合的な負担ということも考えあわせながら検討してまいりたいというふうに思っております。
○寒川委員 ちょっとあとへ戻りますが、先ほど御質問申し上げて御答弁のなかった外国、ヨーロッパ先進国における年金と退職金と併給しておる国家がどの程度あるか、おわかりになりませんか。
○吉瀬政府委員 手元に資料がなくて明確な答弁ができませんので恐縮でございますが、私ども常識的に推定いたしておりますところによりますと、いわゆる年功序列型の賃金をとっていない国々、そういうような体系におきましては、退職金制度が一般的にそう普及していないのではなかろうか、むしろ年金制度、企業年金などの制度がヨーロッパ諸国ではまず第一義的に考えられているのではなかろうか、そういうふうに考えておりますが、正確な数字がなくてはなはだ申しわけございません。
○寒川委員 こまかいものを議論すれば、この年金の性格自体がやはり問題を内蔵しておるだけに、いろいろな問題がございます。したがって、私はそういう点はここであまり議論をしませんが、やはり前段、一番最初に年金の性格の御質問について御答弁がございましたような立場というものを、ただ答弁、ことばのあやということだけじゃなしに、本制度をもう根本的に考え直す時期に来ておるのではないか、そういうような気がいたします。いわんや先ほど御答弁のございましたように、本人が出しておるとはいえ、いまやめれば毎月十万円の年金をもらえて、九百万円近い退職金をもらうのですから、これを七分に回しても相当な現金収入が入るという現時点で退職する人、これから退職する人の実態というものに対して、いわゆる終戦後非常に困難な時期にいろいろ事情があって短い期間の在職で終わっておる人、あるいは特殊な事情での就職で制度の恩典に浴せない人のために、いろいろ注文がございますことを吸収して問題を解決するというようなことについて努力をしてもらいませんと、ここでことばのやりとりをしておるだけでは進まない。いわんや御答弁の中にございましたように、もう三十七年から具体的にこれが動き出しまして、かなりの年数で、いろいろな問題の経験を皆さんは積んでおられるわけでございます。そういう意味で、本制度の根本的な問題の解決に努力をしてもらいたいということを要望しておきます。 それからその次は、今度提案をされております改正の内容のおおまかなことでございまするが、恩給法の改正と、独自で共済で改正をしようとする点があるのかないのか。あれば、そういった点についてお答えをいただきたいと思います。
○吉瀬政府委員 旧恩給法制度を引き継いで発足したというような関係から、恩給のほうの改正にならって、まさにならった改正の法案の趣旨になっております。
○寒川委員 これで質問を終わりますけれども、先ほども少し触れましたように、こういう程度の改正であれば、毎回毎回やらずに、やはり立法技術上の問題をぼくは真剣に考えるべきだと思います。そのことによって新しい制度を打ち立てれば、それをクローズアップして集中的にやはり議論ができると思うのです。そういう点についての特に要望を申し上げて質問を終わります。
○齋藤委員長 山口鶴男君。
○山口(鶴)委員 わが党の広瀬委員からすでに各面にわたってお尋ねがあったと思いますので、若干重複する点があるかと思いますが、幾つかの点をお尋ねをいたしてみたいと思います。 たぶん広瀬委員もお触れになったと思うのですが、わが党としては民社、公明両党の御賛同をいただきまして、三党共同で、公的年金の年金額等の臨時特例に関する法律案というものを提案いたしました。本会議における趣旨説明も行ないまして、それぞれ各党の皆さまにもその内容については御了解をいただいているところだろうと思います。問題は、現行の各公的年金制度の間に非常な格差がある。この格差を是正するということは一日も早くなすべき課題だと考えます。また、被用者を対象とする公的年金制度にあっては月額三万円、国民年金制度にあっては月額二万円というものを年金の最低保障額として確保し、文字どおりわが国をして福祉国家として世界各国に比較をいたしまして劣らない体制に持っていくということも、これまた必要なことではないかと思います。それからさらに、年金のスライド制を実現いたしまして、労働者の賃金あるいは物価等の変動に対応する制度を確立するということも、これまた必要だと思います。さらに、すでにヨーロッパ各国において制度化されております賦課方式にわが国の制度も一日も早く移行していくということ、現在の積み立て金制度というものを賦課方式に移行していくということもこれまた必要ではないかということを、私どもはこの提案の中で強調いたした次第であります。ともあれ、ヨーロッパ各国に比べて振替所得が六%台だというようなことは、これは私は非常に世界各国に比べて、何といいますか、恥ずかしいことではないかと思うのです。いまわが国において外貨が非常にたまった。この外貨をどうするかということで対外経済関係調整特別措置法というような法律案を政府は提案をいたしました。いま議運の段階でこれを握っているわけでありますけれども、そういうことでいろいろ四苦八苦することよりも、われわれとしては、やはりこの際、福祉国家としての体制を一日も早く確立をするということが必要ではないかというふうに思っております。これらの点につきましてはすでにお尋ねがあったと思うのでありますが、一応大蔵政務次官から、ただいま私どもが申し上げました主張に対してひとつ御感想を承っておきたいと思います。
○田中(六)政府委員 現行の公的年金制度このものを十分検討してスライド制にやったらどうか、あるいはヨーロッパ並みの賦課方式を採用したらどうかとか、それからまた、振替所得が六%というのは世界先進国並びに後進国に対して恥ずかしいことである、いろいろな御意見を承りましたが、まさしくそういう御意見を私どもは十分検討しなければならない段階に来ておりまして、と申しますのは、先ほど来御指摘のように、外貨の保有高がたくさんある。しかも所得が、すでに国民総生産が世界二位とか三位とかいわれておる段階で、やはり福祉国家、財政主導型という予算を組む限り、特に年金制度についてはそういう観点から再検討すべき段階に十分来ておるのは御指摘のとおりであるというふうに考えます。
○山口(鶴)委員 わが国の国民総生産は、自由主義国では二位、ソビエトを入れれば世界各国の中では三位というようなことをいわれておりますが、国民一人当たりの所得から見ても、もうすでにイタリアの水準を抜いておるわけです。それではイタリアの振替所得はどのくらいかといえば、私、資料を持ってきませんでしたが、たぶん一三、四%程度には行っていると思います。それから西ドイツがいま振替所得が二〇%くらいになっていると思いますが、それでは西ドイツが、わが国の一人当たり所得と同じ水準のときに振替所得が一体どのくらいの割合であったかといえば、これまた一五%をこえておったという状況だったのではないかと私は思います。そういうことになれば、結局、わが国の一人当たり所得からみて、振替所得の率はあまりにも低きに失する。これはもう政務次官もお認めになっておるわけでありますが、どうですか。特にさいふのひもを握っておられる主計当局、そういう私が申し上げたような状況から見て、なぜわが国の場合は振替所得があまりにも低いのか、その欠陥は一体どこにあり、これを将来どう是正しようとお考えになっておられるのか、具体的に、ひとつ実務的にお答えをいただきたいと思うのです。
○吉瀬政府委員 先生御指摘のとおり、振替所得の割合は、国民所得統計の中でまだきわめて低いということは事実でございます。この原因としてよく指摘されておりますことは、わが国の社会保障制度が発足後まだ日が浅い、成熟度がまだ低いために、まだ支払い段階に到達していないということも一つの原因としていわれております。それと同時にやはり御指摘のとおり、給付水準がまだ改善すべき点が多々ある。四十七年度予算においては、こういう点に着目いたしまして、福祉水準の向上ということには乏しい中からやや力を置いたつもりでございますが、なお逐年そういう面の向上には力を入れていきたいと思っております。 なお、わが国の財政構造とほかの諸国の財政構造と比較いたしまして特徴的なことは、軍事費が少ないことは事実でございますが、それと同時に、公共事業費のウエートが相当高い、一六、七%に当たっております。諸外国はそれが三、四、五%から六、七%、そういう点にやはりわが国の社会資本の蓄積が非常におくれておる、道路にしろ、港湾にしろ、急速に回復しなければならないというような事情がこういうパーセンテージにあらわれておるということであると思います。振替所得及び社会福祉費の全体の水準、予算の中では相当なウエートになっておりますが、国民所得統計の中ではなお低い。これにつきましては、将来わが国の社会保障制度の成熟を待ち、それと同時に、給付水準の上昇をはかっていくということの努力を続けていきたい、こう念じておる次第でございます。
○山口(鶴)委員 確かにわが国の年金制度の発足がおくれて、まだ支払いが十分行なわれる段階に至っていないという御指摘、まさにそのとおりだろうと思います。それからまた、本年度の予算におきまして、老齢者の医療給付についてこれを無料にしていく措置をとるとか、あるいは昨年度において児童手当を創設することに踏み切られたとか、そういう点で逐次振替所得を増大するための努力をいただいていることは、私どもも決して否定はいたしません。きわめて牛の歩みではないかと思いますが、前進の方向に向かっていることは私ども否定をいたさないわけでありますが、しかし、そういうことを総合いたしましても、とにかく日本の国民総生産が高い。しかし、一人当たりの所得がヨーロッパ各国に比べて著しく低かった時代はそれでも済んだと思いますけれども、一人当たり所得の水準がイタリアをすでに抜いたという段階において、ヨーロッパと比較いたしました際に、あまりにもこの振替所得が低過ぎるということについては、私どもやはり真剣に反省をしなければいかぬのじゃないかと思います。 そこで、私もかつて子供のころ、恩給亡国というようなことばを聞いたことがあるのですが、これはいまは間違っておるのじゃないか。むしろいまは、振替所得を増大するという意味で、年金制度を充実強化していくということこそが、現在の福祉国家を目ざす国にとっては必要なことなんだ、かように私は考えますが、この点、政務次官、いかがでございましょうか。
○田中(六)政府委員 私も、現在の環境とかあるいは時代を考えまして、まさしくそのとおりだというふうに考えますが、ただ、一言言わせてもらいますと、年金根性ということばも反面あるわけです。あまり年金根性を国民に植えつけると、それがはたしていい結果を生むかどうかということも、イギリスあたりでもコーリン・クラーク博士がすでにだいぶ前から言っておるのですが、しかし、日本はイギリスのような社会保障制度になっておりませんし、いまからスタートするのですから、そういうことが当てはまるかどうかは疑問ですけれども、ただ何となくそういうことばが気になることもつけ加えておきたいと思います。
○山口(鶴)委員 どうもその辺の認識は、私ども受け取りかねます。やはり福祉国家を目ざす、そのために振替所得を引き上げていくことこそが現在のわが国として緊急なことなんだ、このくらいの考え方は政府・与党においても十分確立をいただくように、これは強く要望をいたしておきたいと思います。 さて、それでは、具体的な問題を幾つかお尋ねをいたしたいと思います。 まず第一は、これはすでに論議があったと思うのでありますが、今回の年金改定の方式についてであります。この共済組合の長期給付、共済年金がいつまでも恩給のあと追いであることはいかがかという気持ちを私は持っております。今回の改定を見ましても、恩給改定が先に固まって、要するに、その恩給ルールを共済組合にもそのままストレートに持ち込んだ、こういう形をとっておるわけですね。この問題についてはあとでお尋ねしたいと思いますので、それは一応おきましょう。 ただ問題は、消費者物価の上昇はまるまる見る、そして前年の公務員の本俸の上昇率と物価上昇率の差を計算して、これに十分の六を乗じて得た数値と消費者物価の上昇を加えたその合計の率を改定の率とする、こういう方式がここ三年来一応定着をいたしたようであります。しかし私は、この恩給ルールをそのまま持ち込み、しかも恩給ルールがいま申し上げたような方式をずっと採用するということになりますと、そこに大きな矛盾が生じるのではないかと思います。 といいますのは、やめて十年、二十年たった方々の年金の額というものを見ると非常に少ないわけですね。結局、十分の六方式というものがありますために、あとでやめればやめるほどその方の年金の額が多くて、早くやめればやめるほど損をするという形になるわけです。ですから、公務員の本俸の上昇のカーブに比べまして、年金も毎年毎年改善はいたしますけれども、その恩給の額のカーブを引きますと、年数がたてばたつほどだんだん差が開く、こういう形になっているわけであります。そうなりますと、私は各省としても人事管理上困るのじゃないかと思うのですね。いまは結婚もおそい、しかも子供は大学まで出さなければならぬということになりますと、家計のことを考えればどうしてもやめるのがおそくなる。また、年金のことを考えても、スライド制が確立をしていない現在の方式からいえば、早くやめればやめるほど損をする。こういう形であれば、どうしてもいつまでも職にしがみつく。そうでなければ、これは高級官僚の方々の場合だと思いますが、公社、公団あるいは民間に天下りを考えるというようなことになるわけです。やはりそういった人事管理上その他の問題を考えた場合に、この十分の六方式という現在の恩給ルールというものは当然改善をしなければならぬのじゃないか、かように私は思います。 この点は、恩給との関係でありますから、ひとつ総理府のほうから、改善をするつもりがあるのかないのか、こういう不合理をいつまでも残しておっていいと思うのか、この点お答えをいただきたいと思います。
○平川政府委員 恩給、年金の調整の問題でございますが、先生御承知のように、恩給法の二条の二に、恩給に関する調整規定が昭和四十一年に設けられたわけであります。この規定は他の共済年金等にも同文の規定がございますが、この規定の内容について、われわれといたしまして、恩給審議会にその具体的な運用のしかたを諮問したわけであります。 恩給審議会の答申の内容は、ただいま先生が具体的に申されたような内容でございまして、簡単に申し上げますと、公務員の給与というものを形式的な改善部分と実質的な改善部分に分析いたしまして、形式的な改善部分というのは物価の上昇に見合う分であり、それから残りが実質的な改善部分である、その残りの実質的な改善部分の四割は現職の公務員としての職務の責任と内容に基づくものであるから、かつては公務員であっても現在公務員ではない恩給受給者にはそのまま均てんさせるべきではないという答申をいただいたわけであります。したがいまして、結果といたしましては、物価に見合う上昇率と公務員給与から物価を引きましたものの六割をプラスしたという結果になるわけでありますが、この考え方を過去三年来、先生言われましたようなやり方で行政的には実際上ルール化されておる、そのように考えております。 われわれといたしましても、いろいろ検討はいたしておりますけれども、恩給ルールの年金の改定のしかたとしては、現在の段階ではやはり適当なものである、このように考えておる次第であります。
○山口(鶴)委員 これは、恩給審議会に諮問をして答申が出た当時の段階では、おっしゃるとおり適当であったのかどうか知りませんが、やはり世の中は変わっておるわけでございまして、そういう中で先ほど来指摘したように、わが国の国民一人当たり所得も大幅に上昇している。それから、現在は当時に比べれば、やはり福祉国家を目ざそうという国民的な合意もずいぶん進んでいるだろうと私は思うのですね。そういう状況で当時の恩給審議会の答申だけを後生大事に守っておって、そのルールでもって固定しているということは、これは実情に合わなくなっているんではないかというふうに思います。これはしばらくこのルールをそのままお守りするつもりですか。あるいはさらに、恩給審議会に答申するとかあるいはどうとかいたしまして再検討するおつもりというのは総理府にはございませんのですか。
○平川政府委員 実は恩給問題は、ただいま先生が言われました調整の問題のほかに、いろいろ残された問題がたくさんございます。そういう問題につきましてわれわれは日夜検討は怠っておりませんけれども、この調整の問題につきましてあらためて審議会をつくるとか、そういった検討のしかたは現在考えておりません。 それで、先ほど私が申し上げましたように、受給者にとって一番問題は、昭和四十一年以前におきましては、いわゆる政策的な改定といいまして、たとえば物価なり給与の支給が上がっても、はたして年金が上がるのか上がらないのかわからないという不安定感、これが受給者にとって非常に苦痛であった。それにこたえるものが二条の二の恩給の調整規定でありまして、その具体的な運用を審議会に諮問したわけでございまして、三年間かかってわれわれといたしましては一つの行政的なルールを実際上確立した。われわれといたしましては、やはりこのルールを推し進めていくことが受給者の一つのあれだ、このように考えておる次第であります。
○山口(鶴)委員 そういうルールをお守りになるというお考えでありますが、そうすればそうするほど、先ほど来指摘いたしましたように、公務員の賃金の本俸ですね、正確にいえば、本俸の上昇カーブと年金の上昇カーブというものがどんどんどんどん開いてくる。こういった矛盾はますます拡大するばかりだということを私は指摘しておきたいと思うのです。この点は、そういう状況を十分御存じだと思うわけでありますが、ひとつ念頭に置かれてさらに再検討をいたすべきではないのかという主張を申し上げておきましょう。 それでは、これに関連いたしまして、年金のスライド制に問題についてお尋ねをいたしたいと思うのですが、恩給の場合は、結局いままでは、先ほどの私が申し上げた方式でいえば、まさしくこれは賦課方式だったわけですね。積み立て方式ではなかったわけです。現在の国家公務員の共済組合あるいは公共企業体職員の共済組合あるいは地方公務員の共済組合、いずれも積み立て方式であります。そうして恩給の改定方式をそのまま積み立て方式である年金のほうへも右へならえしている。こういうことになっているわけでありますが、それはやはりおかしい。年金は年金として、共済組合の長期給付は長期給付として新たなスライド制というものを検討すべきだということは当然だと思うのです。そういう意味で、政府部内に公的年金制度調整連絡会議というものを設置いたしまして、そうしてこの年金のスライドは一体どうあるべきかということについて、すでに相当の期間をかけまして検討しているということをお伺いいたしております。ただ、この中には厚生年金や国民年金のような民間のものもある。あるいは公務災害補償のようなものもある。それから先ほど来私があげた国家公務員、地方公務員、公共企業体等職員の共済もある。これはある程度性質が違う。したがって、それに対して四つのグループを結成いたしまして、特に公務員グループにおきましては、いま私どもが議題にいたしております共済組合の長期給付のあり方について、昨年以降すでに数次にわたって会合を開き、検討していると承っております。この公的年金制度調整連絡会議の公務員グループの今日までの作業の状況は一体どうでありますか。
○吉瀬政府委員 昨年からスライド制その他公的年金の調整の全般に関しまして、とにかく各年金グループの成熟度が違う、またおのおの歴史も違うということで、グループ分けして、公務員関係のグループは昨年から五回ほど審議しております。五回ほどの審議でいろいろ問題がございますが、このスライドの方式そのものも問題でございますし、それからまた、スライドの対象になるべきものがどこに重点を置くべきかというような問題もあったわけでございます。たとえば、寒川委員が先ほど御指摘のとおり、老齢者を中心にいたしましてある程度ものを考えていくべきではないか、これは社会保障制度的な考え方だと思いますが、あるいは公務員の賃金が長年の賃金というものに対応する年金制度の一つであるから、やはり最終俸給が中心になるべきではないかという考え方、あるいは問題といたしまして、一つの提案として、今度はそれが一部改正を得たわけでありますが、年金の計算方法が、最終俸給の求め方があまりにも複雑過ぎまして各年金受給者に迷惑をかけている。しかも、いま山口委員御指摘のとおり、ここ数年来、恩給スライドがいいかどうかわかりませんけれども、恩給改定に準じてこういうような方式がとられている現在でございますので、いわゆる最終俸給の求め方、これを思い切って簡素化したわけでございます。 そういうような部分的、形式的な議論の前進は見られているわけでございますが、何ぶんにもスライド方式をとるということは一つの大きなものの考え方の改正点でございます。そういう点を踏まえまして、いろいろな各種年金の基本的な相互の矛盾なり、そういうような意見の差の調整というものをはかって、鋭意検討を急ごうとしているのが現状でございます。作業の進展度は必ずしも御期待のとおりに進んではおりませんが、いろいろな議論が交換されているということだけ御報告いたしておきたいと思います。
○山口(鶴)委員 五回にわたっていろんな論議が重ねられているというお話でありますが、この問題につきましては、私、実は何回か、大蔵委員会ではありませんが、地方行政委員会で議論をいたしました。かつて藤枝自治大臣のときにこの問題について議論をいたしまして、藤枝自治大臣は、三年以内にスライド制について結論を出しますと明確に実はお答えになったのであります。その後、三年たちましたので、そのときには秋田自治大臣でございましたが、三年という約束の期限が来るではないか、一体どうなっておるかというお尋ねをいたしましたら、いや、藤枝自治大臣がそんな答弁をやっておったことは私は知らなかったというようなことになりまして、議事録を取り寄せていろいろがたがたいたしたわけでありますが、確かにそういう事実があったということになりまして、たいへん申しわけなかった、公的年金連絡会議でスライド制の問題については詰めます、しかも公務員グループというものもつくって、そうしてその問題については詰めますということを言われ、さらに一昨年の国会では、山中総務長官も参りまして、このことについては私の任期中にできるだけ詰めるように努力をしよう、こう言われました。山中総務長官はその後留任をせられまして、昨年の国会になりましてまた同じお尋ねをいたしましたら、さらに公的年金連絡会議公務員グループを叱咜して、そうしてすみやかにこの答えを出せるように努力をいたしましょうとお約束をされたのです。それから一年たってただいまのお答えでは、どうも何か、国会ではそのときそのとき御都合のいいことを言っておけばよろしい、こういう無責任な――また無責任時代というようなことばもありますけれども、あるいは私、上州ですけれども、上州の木枯し紋次郎というようなのがいわれていますけれども、あっしのかかわりないことでござんすというような顔をされたんでは(笑声)これは国会軽視じゃありませんか。笑いごとじゃないと思うんです。 総理府から小田村審議室長がお見えであります。きょう山中総務長官は見えないのですか、どうなんですか。総務長官のお約束はその後どうなっておられますか、お答えいただきます。
○小田村政府委員 公的年金制度調整連絡会議につきましては、先生御承知のとおり、四十二年以来たびたび討議を重ねました結果、なかなか議論がまとまらないということで、昨年の一月から、御承知のとおり、四つのグループに分けることにいたしました。四つのグループそれぞれにおきまして、たとえば公務員グループにおきましては大蔵省が座長となって検討する、私学・農林グループにつきましては文部省が座長となって検討するということで進めております。ただ、全体の取りまとめということになりますと、公務員グループ、それから私学・農林グループいずれも共済年金でございますから、この部分につきましてはある程度形態が似通っております。もちろん細部的にはいろいろな問題がございまして、各グループで検討していただいておりますけれども、かなり似通っております。特に年金額の改定につきましては、先ほど恩給局長から申し上げましたように、恩給に準じて年金額を毎年改定しているということがある程度ルール化されてきているという実情にあるかと思います。 ただ、一番問題でございますのは、民間グループ、つまり厚生年金、国民年金及び船員保険の三種でございまして、この年金は、たとえば定額部分と報酬比例部分と二つに分かれております、あるいはまた、その財源の調達方式につきましてもかなり他の年金と違っておるというような事情がございまして、この民間グループの去就が一番問題であろうかと思います。民間グループといたしましては、社会保険審議会及び国民年金審議会におきまして、年金制度の全般的な検討をいたしたいということで、このスライド制の問題につきましてもその重要な一環として御審議をいただくという手はずになっておるという報告を受けております。したがいまして、その御審議の状況を伺いながら各グループ間の連絡調整をはかってまいりたいということが、調整連絡会議の現在の段階における状況でございます。
○山口(鶴)委員 全くたよりがないというか、木枯紋次郎的な態度というか、非常に遺憾に存じます。実は、昨年の国会で山中総務長官はここまで言われたのですよ。公的年金連絡会議ですみやかに結論を出すようにできるだけ督励をいたしましょう。そしてさらに私が、そういう公的年金連絡会議、大体各省の課長さんクラスが中心でやっていますよね、それでは、一応検討はできても、最終的な断を下すことはできぬだろう。問題は、スライド制を実施した場合に、あるいは最終俸給のあり方を一体どうするかという問題もありましょうが、問題は、そのスライド制を実施するという場合に、現在の積み立て方式でいけば、こういったスライドというものは全く想定していないわけであって、保険数理で、公務員のこれからの余命は一体どのくらいあるかとかいうような各種の係数をとりまして、そして財源率というものを計算し、その上に立ってこの掛け金率というものをきめているわけでしょう。ですから、問題は、そのスライド制をとった場合に、その財源率を一体どうするかということがあるでしょう。 そうしますと、その財源率のふえた分をすべて公務員の掛け金にぶっかけるということは、これは非常な問題であるということは言うまでもありません。いまのところ私どもは、長期給付に対する公的負担一五%を二〇%にせよということで、たびたび党として法律改正案も提案いたしておりますが、当然、この公的負担分をふやすということでなければこれは実現は不可能だろうと思います。そうなった場合に、最終的には財源率がふえた分に対してその負担区分をどうする、これに対して公的な負担分を一体どうするか、こういう判断にかかってくる。そうなれば、これは課長クラスの会合で判断できるものではない。当然、これは給与関係閣僚会議等の閣僚クラスの会議に上げて判断をしなければならぬだろう。その点はどうですかと言ったら、当然、その問題については、意見が詰まれば、閣僚クラスの会議に上げて、それらの政治的な問題を判断しなければならぬでしょう、ここまで言っているんですよ。それが昨年なんですよ。それから一年たって、いまの小田村審議室長さんのお話では、これでは全く昨年よりも前進していないどころか、むしろ後退していると言ったっていいじゃありませんか。そういうことでは私は国会軽視だと思うのですね。この点はまた山中総務長官と、当委員会に御出席いただくなりあるいは地方行政委員会に御出席いただくなりして、議論する場を当然持たなければいかぬと思いますけれども、そういった点も小田村さんは御承知だと思うのですね。それでなおかつ先ほど来程度の御答弁なんでございますか。
○小田村政府委員 御指摘非常に恐縮に存じております。ただ、公的年金制度調整連絡会議は、どのようにしてあるいはどのような形でスライド制を実現すべきである、その間の各種公的年金の関係をどういうふうに見るべきである、こういうことが議題でございます。したがって、財源調達の問題は、これはそれぞれの各種年金におきまして、スライド制を実施するにあたりどの程度の財源を必要とするか、そのためにどのような財源調達方式をとればよろしいかということを個別に検討していただくのが筋であろう、かように考えております。 先ほど申し上げましたように、共済組合の年金につきましては、一応、四十三年以来、恩給のアップ率に準じまして毎年の年金額の改定をいたしましております。それで、この改定にあたりまして、現在の積み立て方式をどうするかということも、この連絡会議である委員から質問があったわけでございますが、これに対しまして、現状の方式を変える必要はないであろう、こういう答弁をまたいただいております。そういうことで、各グループにおきまして、この積み立て方式についてさらに各省間の連絡調整が必要であるという御意見が出てまいった場合にこれを取り上げる。当面は、このスライド制の実現をどのような形でどのような方式で進めていくのがよろしいかということを検討してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○山口(鶴)委員 どうも熱意のある態度がうかがわれませんで残念であります。いまのようなきわめてあいまいもこたることを繰り返し議論しておっても時間の不経済でもありますから、ひとつ委員長にお願いしたいのですが、公的年金連絡会議、四つのグループがあるそうでありますから、それが今日まで議論いたしました結果を文書として提示をしていただきたい。その上でまた、どこが具体的に問題であるのかということを議論したほうが有効だと思いますので、そのようにお取り計らい願いたいと思いますが、いかがですか。
○齋藤委員長 委員長としてお答えいたします。 連絡会議のほうの資料につきましては、できないものもあるかもしれませんが、できるだけ提出をいたします。
○山口(鶴)委員 できないものもあるかもしれぬというようなお話ですが、できるだけひとつ資料として提示をいただくように要請をいたしておきます。また、この点は地方行政委員会などで山中総務長官にも山席をいただいて議論をいたしたいと思いますので、この点はひとつこの程度にとどめておきましょう。 次は、据え置き期間の問題であります。公務員の方が退職をされた、あるいは三公社五現業の職員の方でもけっこうですが、退職された、そうして恩給ルールによって年金の改定があるわけでありますが、やめた翌年すぐ改定になるというのではありませんね。今回提案されました法律案を拝見いたしますと、昭和四十四年四月一日から昭和四十五年三月三十一日までに退職をされた方は一〇・一%改善をする、こういう形になっています。そうしてこの法律の施行はいつかといえば、昭和四十七年の十月一日ということですね。そういたしますと、年度でいえば、昭和四十四年度に退職された方が昭和四十七年の十月一日にこの年金の改定の恩恵を受けるということであって、結局四十五年度、四十六年度、この二年間は据え置き、そして四十七年の十月一日に至って改定される、こういうことです。そうすると、二年半の据え置き期間というものがあるわけですね。先ほど申し上げましたように、十分の六方式のために、以前やめた方は非常に上昇カーブが低くなっている。その上に、二年半に及ぶ据え置き期間があるということは、これまた非常に私はつれない仕打ちではないか。もちろん、従来の方式から見れば、今年度のこの法律案は大きく改善をされています。従来は四年ないし五年の据え置き期間というものがあったのが、今回この二年半程度の据え置き期間になったということは、これは従来の方式から見て、一歩前進であることは私は否定をいたしません。その点の努力は大いに多といたしたいと思うのでありますが、しかしそれをもってしても、いまなお二年半の据え置き期間があるということは、これは一体いかがなものか。これをもっと実情に合わせる、もっと据え置き期間を短縮する、こういうことは当然考えてしかるべきではないかと思うのであります。この点、さらに――本年それを改善するように修正しろと言っても、なかなか大蔵省のほうはうんとは言わないでしょう。せめて、来年法改正をするときには、さらに据え置き期間を短縮する、こういうお気持ちはあるかないか、百歩譲ったような御質問を申し上げるわけですが、いかがでしょうか。
○吉瀬政府委員 先ほど山口委員からお話がありましたが、私どもといたしましては、算定方式の簡素化と同時に、従来の四年間据え置きというものを、できるだけ現実に短縮するという努力はしたつもりでございます。この点につきましては、自治省当局が相当先駆的な役割りを果して大いに研究したわけでありますが、ただ一言、私のほうから言わせていただきますと、まず第一に、これは総務長官が国会でいつか御答弁申し上げたと思いますけれども、最近の四十六年度の退職者のことを考えてみますと、そのときに集まっております最新のデータが、四十五年の物価及び四十五年の給与上昇、これが年度確定の原則からいきますと、最新のデータであるという面もあるわけであります。こういうような議論に対しましては、四十六年度だって公務員の給与のベースアップがきまっているし、それから、いろいろな意味で年度を見通した物価上昇率は推定できるのではあるまいか、こういう御議論もあるいはあるかと思います。ただ一つ、私ども共済年金の最終俸給の求め方につきまして、過去三年平均というような考え方をとっておるわけでございまして、過去三年平均というようなことをとりますと、その中間の四十五年三月末というようなところがあるいは平均になるのではないかという考え方も一つあります。これについてはいろいろ御議論もあるのではないか。午前中広瀬委員からも御指摘ありましたように、最終俸給にしろという御議論もあるかと思います。しかし、これはまたさらに議論を繰り返しますと、厚生年金等のいろいろな制度がある、総過去勤務期間に対しましていろいろな問題が展開しているというような問題もあります。本質的な問題もあるいは含んでいるのではあるまいか。三公社五現業との格差をどうしてくれるかという問題もあるということも承知しております。 それからもう一つの問題といたしまして、これも一つのへ理屈と受け取られると恐縮でございますけれども、最近の時点の退職者は相当額の退職金を受領しておる。私どもといたしましては、物価の上昇によりまして年金額を修正するのは、できるだけ過去の人を高く、最近の人は低くというのが一つの考え方になっておるわけでございます。たとえば五%物価が上がったから必ず五%上げろというのではなくて、財源その他の事情を勘案いたしまして、またデータ等の事情も勘案いたしまして、四十五年の三月ということを一つの区切りといたした次第でございます。
○山口(鶴)委員 なかなかいろいろな理屈があるものだと思って、感心しながら拝聴いたしたわけでございますが、過去三年間ということを是正するということも、これは一つの大きな課題なんですから、そのことばかりにこだわりになるのもいかがかと思いますし、それからまた、退職金というお話もありました。少し口が悪いのでお許しをいただきたいと思うのですが、たとえば吉瀬さんのごとき高級官僚の方は、これはあるいは国会にお出になるかあるいはどうなるか知りませんが、そうでない場合は、どうも議運におりまして、国会承認人事等拝見いたしますと、かつて高級官僚でありましたような方が公社、公団の役員におなりになる。そういたしますと、額を一々申し上げるのはどうかと思いますから申し上げませんが、相当額の月給をおもらいになり、そしてまた公社、公団の二年なり三年なり四年なりの任期をおつとめになって、退職になるときには、公務員として退職いたしました際の退職金に数倍する多額の退職金を受領される。そういう場合は、退職金もあるからという御議論もできるだろうと思いますけれども、高級官僚でない、国家公務員の中でも下級職にあって、営々として国民サービスのために長い間勤務をされる諸君、あるいは三公社五現業の諸君、あるいは地方公務員で住民サービスにつとめております諸君、こういう諸君が退職された場合に、そういった行き場所があるわけではないのですから、せめてもらった際の退職金で家でも何とかしようかということを考えるのが精一ぱい、あとはこの年金をたよりにして生活をしていくという方が大多数という現状は、やはり踏まえていただかなければならないと私は思うのですね。もちろん民間の場合もそうでしょう。ですから、民間の厚生年金等、これまた冒頭申し上げたように、改善をしていくということはもちろん必要であります。 そういう上に立って考えました場合に、ことし相当の努力をいただいた自治省云々というようなお話もありましたが、これは政府部内のことですから、私は別にどうと申しません。ひとつぜひ政府一体となって御努力をいただいて、本年一歩前進をした、さらに明年も、それは吉瀬さんおっしゃられたような理屈もいろいろあろうと思いますが、それに対する理屈もまたあるわけでありまして、そういう点も考え先ほど来申し上げたような実態も踏まえて、明年さらに一歩前進するというぐらいのお気持ちはあってしかるべきじゃないかと思うのです。この点、三公社五現業のほうを代表する佐藤運輸政務次官もおられますし、また国家公務員の関係の田中大蔵政務次官もおられるわけでありまして、これはひとつ政治家としての御意見を承っておきたいと思います。
○佐藤(孝)政府委員 御趣旨に全く賛成でございます。そういう方向で検討さるべきものと判断いたします。
○田中(六)政府委員 先ほど主計局次長が説明しましたように、四年間を二年間に据え置き期間を短縮しておるというふうに前向きになっておりますし、今後ともできるだけそういうようなことを踏まえて、いろんな点で改定を加えてまいりたいと思います。
○山口(鶴)委員 ひとつこの点は明年前進いたしますように心から御期待を申し上げたいと思います。 それから次は、在職中死亡された方の年金の問題であります。公務でもって死亡された方の場合は別に法律がございまして、国家公務員災害補償法、地方公務員災害補償等による年金がございますが、公務でない在職中の死亡につきましては、十年以上の在職年数がございませんと年金の該当にならない。厚生年金と共済組合と比較するのもどうかと思いますが、厚生年金の年金額は非常に低い。これは是正しなければならぬわけですが、在職中の死亡の年金につきましては、これははるかに進んだ制度を採用しているわけでありまして、六カ月以上在職すれば年金の受給対象になる、こういうことになっております。これについては十年以上の在職というものを短縮する必要があるんじゃないかと思うのでありますが、この点はいかがでしょうか。
○吉瀬政府委員 御承知のとおり、旧法におきましては二十年というようなむやみに長期の制限があったわけでございます。ただ、いま御指摘のように、ほかの制度で六カ月とか非常に短縮された期間になっておるわけでございまして、この点私どものほうの審議会で目下いろいろな事例を集めまして議論をしているところでございます。その議論の結果を待ちまして判断してまいりたい、こう思っております。
○山口(鶴)委員 議論をしたいということですが、とにかく短縮する方向で議論しているというふうに了解してよろしいわけですね。
○吉瀬政府委員 短縮できないかという議論がいま進行しております。
○山口(鶴)委員 短縮できるという結論を出すように強く要請をいたしておきましょう。 時間もあれでございますからあとを進めたいと思いますが、次は雇用人通算の問題であります。今回提案されました法律案を拝見いたしましても、具体的は内容は政令にゆだねておるようでありますが、雇用人断続期間の通算について措置を講ずる旨の法律改正案が提案されましたことにつきましては、政府の努力を多といたしたいと思います。ただ問題は、これにつきまして、この政令の内容が一体どうなるかという点であります。一体、政令にゆだねているわけですが、その内容はどういう内容をお考えでありますか、簡単でけっこうでありますから、ひとつお示しをいただきたいと思うのです。
○林(忠)政府委員 御質問の雇用人期間は、主として地方公務員に関係するものであろうかと思います。現在政府部内で一応打ち合わせております政令に定める内容といたしましては、一つは更新組合員であるということ。それから一つは、原則として五年以内に再就職をする。これは原則としてでございまして、その場合に即しての適当な判断はやり得ると思います。それからもう一つは、退職の理由が全く本人の責に帰さないやむを得ない理由があった。たとえば町村合併によりまして職務停止、あるいは財政再建団体になりましてやむを得ず減員、その他これに準ずると申しますか、全く本人の都合によらない退職である。さらにもう一つは、昭和二十四年の十月一日以降の退職にかかるもの。大体これだけのことを要件とするように考えております。
○山口(鶴)委員 四つの縛りと申しますか、要件をあげられたわけでありますが、主として地方公務員に関係があるというので御答弁に自治省の公務員部長がお立ちになったのでありますが、そういうことになったのは、最後の昭和二十四の年十一月一日以降という、縛りと申しますか、要件を政令内容としてお考えになっているというために、対象が地方公務員に主としてなったのだろうと私は推察をいたします。結局もし昭和二十四年の十月一日というこの要件をつけなければ、私は国家公務員の方にも相当やはり該当者が出たのではないかと思う。昭和二十四年十月一日というのは旧長期の施行になった日ですね。ですから、国家公務員であれば、当時雇用人の方々、当時在職しておった方はその期間は当然通算になる。それからまた、地方公務員のうちでも教育公務員、学校でいえば助教ですね、こういう方も旧長期の適用がございましたから、したがってこれも対象がいなくなってしまう。それから国家公務員の方の雇用人はどうかといえば、これは旧長期ができたわけでありますから、通算になりまして、これも該当者がなくなってしまう。結局残ったのは市町村の雇用人の経歴をお持ちの方々だけしか該当にならない、こういう結果になるのじゃありませんか。 ですから、私は何も地方公務員だけ対象にしろというようなことを主張するつもりはありません。これは国家公務員にも、同じ地方公務員の教育公務員にも、あるいは地方公務員であっても県庁の職員、旧長期が適用になったこういう方にも対象を広げてしかるべきじゃないか。実はこの問題は地方行政委員会が何回も附帯決議を付しました。その理由は満日の雇用人通算が実現をされた。もちろん一年という縛りはございますけれども、通算はなされる。この一年の縛りをとることは私ども賛成であります。とすれば、国の行政機関と同じような役割りをやっている地方自治体の雇用人の方の通算をやってしかるべきじゃないかというのが与野党一致した地方行政委員会の主張だったわけであります。そういう意味で附帯決議を付しました。問題は、満日の雇用人通算との比較の問題なんです。とすれば、何も旧長期の二十四年十月一日という条件を付する必要はないんじゃないか。そうでしょう。 それからさらに言えば、たとえば戦争中旧制中学校を卒業して県庁に入ったという方が相当おります。これはみな雇用人ですよ。それで徴兵の赤紙の通知が来た。そういう場合は、雇用人の方は当時はみな退職して戦地に行かれたわけです。それで戦地で長い間苦労をされて、復員されて戻ってきた。それでまた、県庁へつとめないかというので県庁につとめた、こういうのが継続期間になっておるでしょう。二十四年十月一日というような条件を付せば、そういった数あった事例も全部だめになるわけです。それから学校の先生の場合もそうですよ。戦争中、戦後、大体学校の先生がなくて困ったわけです。沖繩でもそうだったろうと思いますが、結局当時の校長さんが旧制中学、あるいは女学校を卒業したのが村にいないと言って頼み込んで、学校の先生になってもらったというような方が相当多いわけですね。そういう方がその後何かの事情でやめたという場合も、これまたその後おつとめになっても、旧長期二十四年十月一日適用になっておりますから、これもだめ、こういうことになるわけですね。私はそういう事例を考えると、この二十四年十月一日の以降の場合という一つの要件を付されたわけでありますが、それは旧長期の施行に合わせたという意味で一つの理屈はあるかもしれませんが、しかし、いま言ったような実態を考えました場合に、あるいは満日雇用人通算というものを考えました場合に、私はこの二十四年十月一日という要件にこだわる必要はないのじゃないか、かように思います。この点はいかがですか。
○吉瀬政府委員 確かに御指摘のような問題があると存じます。ただ、私ども二十四年という一つの制度の区切りというものをめどにいたしましたのは、これをさらにさかのぼりますと、全部救済というような問題、全部救済するのでもいいじゃないかという御議論も一方においてあるかと思いますけれども、そういう点を踏まえまして、特に今回の問題、町村合併なり、市町村の財政再建なり、やむを得ざる事由によりまして断続いたしました地方公務員の救済ということが主としてクローズアップされましたので、そういう点も踏まえて、二十四年、国家公務員もそれとの権衡においてやむを得ないというような感じで、相談の結果、判断したわけでございます。ただ、この問題は、どこまでさかのぼるかといいますと、十八年はどうだとか、あるいは終戦のときはどうだとか、いろいろな議論が出てくるかと思います。 ただいま御質問の中に出ました沖繩の問題でございますが、この問題は、実は終戦直後の混乱でいろいろな実態の変遷があると思います。私ども沖繩の公務員の雇用人の断続期間の実態につきまして、現在調査を行なっております。また、内地における一般の国家公務員におきましても、同様の事情にある方々があるいは相当多数おるかと思います。いずれにいたしましても、私ども二十四年十月を一つのめどといたします。 たお、特殊の事情があるものにつきましては、実態調査を行ないながら判断していきたい、こう思っておる次第であります。
○山口(鶴)委員 特に沖繩の場合、この二十四年十月一日といえば、まさにこれは米軍の施政権下、しかも非常に混乱した時期だということを、私、現地沖繩に六、七回にわたって参りまして、そして当時の事情もいろいろお伺いをいたしております。そういう中で、私はせめて沖繩については基本的な主張は、二十四年十月一日というのはおかしい。厚生年金の施行された昭和十七年一月一日くらいにさかのぼることも、そういう意味では私は意味があったと思うのです。思うのでありますが、それはしばらくおきましょう。しかし、事沖繩については非常に米軍の施政権下混乱した時期であって、とても公務員では生活できない。やむを得ず退職して転職をするとか、あるいは行政が非常に混乱しておりましたから、やむを得ない形でどうしてもやらなければならなかったという方が非常に多かったことは、これは推察にかたくないわけです。とすれば、沖繩については、理由等についても本人の責め云々ということも、これはあまりシビアに言うことは私は非常に問題だろうと思います。同時に、せめてそういうことを考えれば、沖繩の国政分離が行なわれた二十一年の一月二十九日ですか、という程度のところに、最低限であってもひとつ沖繩の場合は考えていただきたい。 また本土については、これはいま学校の教師その他について調査をする御用意がある、こういうお話でございますが、これはひとつ十分今後実情を調査いただきまして、一体どこが現実的なのかということを十分御判断いただいて、この二十四年の十月一日というものについても再検討いただくということがしかるべきではないかと存じます。この点重ねてお尋ねをいたしますが、いかがでしょう。
○吉瀬政府委員 沖繩の事情調査につきましては鋭意やっておりますが、なお結論が出るまでには、相当急ぎましても時日がかかると思います。当面の諸問題の解決につきましては、一つの区切りといたしまして二十四年十月一日でとにかく措置を進めるということで御了承いただきたいと思います。
○山口(鶴)委員 沖繩の場合は、結局沖繩が、最近でありますが、共済組合法、本土と同じような形の法律をつくりましたが、この通算については本土よりはるかに有利な形の法律になっているわけであります。そういう意味で、去る沖繩国会におきましても、沖繩の実績を何とか認めていただきたいという現地の強い要望が実はございました。私も沖繩国会でその問題について触れたわけでありますけれども、ぜひひとつ、沖繩においてはすでに通算になっておる、それが本土法に移した場合には通算になるものがならない、こういうことも現に出てくるわけでありますから、その点を十分考慮いただきまして、当面政令としては二十四年十月一日できめましょうとも、すみやかに沖繩については実情を調査して、そうして沖繩に適合する日にちを別途政令でおきめをいただくということを強く要請をいたしておきたいと思うのです。政務次官にもお尋ねしたいと思うのですが、そういうことでひとつお進めをいただけますか、伺っておきたいと思います。
○田中(六)政府委員 吉瀬主計局次長が言ったように、十分そういうことも勘案してこの問題は進めたいというふうに考えます。
○山口(鶴)委員 じゃ、最後に若干問題点をお尋ねしておきたいと思いますが、一つは最低保障の問題でありますが、十五万ということでありまして、これを引き上げることが必要だろうということを広瀬委員も主張しておられました。これに関連してお尋ねいたしますが、この旧法によりますと、従前の例によるということで、県庁職員、町村職員等につきましては、恩給適用の方はそうでありますが、そうでない方々につきましては、最低保障十五万円というのがないわけですね。ですから、非常に低い年金の方が昭和三十三年以前に退職をされた方の中には現にあるわけであります。ですから、私はせめてこういった方々の年金についても公務員共済と同じ最低十五万に引き上げるべきではないか。今度直ちにこれを修正しろといっても、はいとは言わぬでしょうが、次の機会にはこれらの方についても最低保障を適用するということについて、お約束をいただけるかどうか、お尋ねをいたしたいと思います。 それからさらに、先ほど天下りの問題を問題にいたしましたけれども、私はこういうことが起こるのも、一面共済組合に無理からぬ制度があると思うのです。月額、昨年までは十五万で頭打ちになっておりました。今度は十八万五千円にこれを引き上げました。しかし、これもどうかと思うのですね。やはり私はこういうものを引き上げて、そうして高級公務員として長い間国に尽くされた方が、何も公社、公団に天下るとか、あるいは民間にコネを求めて天下るとか、そういうことにあくせぬでも、やはりゆうゆう自適ができるというくらいのことは考えていく必要があるのではないかと思います。これについても近い将来改定するおつもりがあるかどうか、お尋ねいたしたいと思います。
○吉瀬政府委員 当初の最低保障の問題でございますが、これも恩給との関連でいつも最低保障の問題が考えられてきているわけでございまして、年金制度が恩給制度にいつまでも準拠するのはいかがかという問題もございますが、当面の形といたしましては、恩給方面の改善を待ちましてそれに比準するというような形になるのじゃなかろうかと考えております。 二番目の問題は、非常に大きな基本的な問題でございまして、御指摘のようないろいろな問題が現在そのような批判を誘発しているのじゃなかろうかと考えております。年金制度の基本的なる改善もこの問題の解決の一つの有力なる手段になるのじゃなかろうかというように、個人的には考えております。
○山口(鶴)委員 個人的にお考えになるだけじゃなくて、やはり、改善するということに向かうべきじゃないかと思うのですよ。私ども何も高級官僚の方ばかりを目のかたきにしておるわけじゃないので、そういう方についても、よけいな天下りをせぬでもいいような保障をやはり確立するということが筋だと私は思うのですね。何も遠慮して個人的なんと言わぬで、これは改善の方向に努力すると堂々と言ったらどうですか。 それでは、政務次官にお尋ねをいたしましょうか。お答えをいただきたいと思います。 それから、時間もありませんから、最後に一点だけお尋ねをいたしたいのは短期給付の問題です。この短期給付の掛け金の問題につきましては、健康保険法の改正がああいう形で衆議院を通過いたしまして、いま参議院に行っておるわけでありますが、沖繩の場合、医療機関が非常に整備されておらない。特に本土には類例のない、お医者さんの資格ではなくて、介輔ですか、というような方が医療に従事するということも特例として認めておるという状況であります。そういうときに、本土の国民健康保険と同じ掛け金を沖繩の民間の労働者の諸君に適用するということは非常に問題がある。同じ意味で、沖繩の地方公務員の諸君に、これまた本土の共済組合の短期給付の掛け金を同じようにかけるということも問題であるし、今度沖繩開発庁という役所もできました。国家公務員の諸君も大ぜい沖繩に行くわけであります。こういう諸君に、医療施設が整備されておらぬのに、これまた本土と同じ――各省それぞれ若干ばらつきがあるようであります。総理府の場合はたしか財源率が千分の八十だと聞いておるわけでありますが、それをそのまま適用するということになっても、これは相当問題があるのじゃないかと思います。いま沖繩は総報酬制で財源率が千分の三十だそうです。これを健保のような標準報酬制に直しますと、千分の四十ないし四十五に当たるそうであります。今度衆議院を通過した法律によれば、政府管掌の健康保険は千分の七十三ですね。これをずばり適用するということになれば、非常に上がるわけです。倍とは言わぬけれども、七、八割上がるという形になります。これについては、厚生省お見えだと思うのでありますが、どうですか。私は当然、沖繩の医療機関の貧弱な現在の状況を考えました場合に、特例を設けるということで検討しておられると思うのでありますが、いかがでありますか。となれば、当然短期給付についてもそれは右へならえしなければいかぬだろうと思いますが、とりあえず健康保険について特例措置をどう扱うか、お答えをいただきたいと思います。
○江間政府委員 先生が御指摘になりましたような点は、われわれもいろいろ考えておるのでありますけれども、御承知のように、従来の沖繩の制度はいわゆる現金給付制度、療養費払い制度をとっておりまして、その関係もございまして、受診率がかなり低かった、その結果として保険料率もかなり低目であったというようなこと、それからまた今度は、おそらく健康保険の被保険者になるであろう人たちの大多数は、わりあいに都会地に集中しておるというようなことから考えまして、新しい制度のもとでは現物給付に移行するわけでございまして、いわゆる制度的には質的にかなり大きな変化がある。したがいまして、われわれといたしましては、この制度に関しては本土法をそのまま適用いたしまして、保険料率も本土並みに徴収するというようなことを考えております。
○山口(鶴)委員 この点は暮れの沖繩国会でもずいぶん議論になったんですね。私はいまの御答弁はいただけないと思うのです。それは確かにいままでは、本土と違って、お医者さんのほうへお金を払って、あとから組合のほうからその代金をいただく、そういうことであるから、本土のように気楽に診療に行かぬだろうという点は否定はいたしませんよ。そういうことはあるかもしれませんよ。しかし、何といいましても、介輔というような特別な制度を認めざるを得ないという現実が沖繩にはあるし、これは否定できないでしょう。とすれば、とりあえず三年なり五年なり、暫定的に低い制度をとって、しかし、それがずいぶんお医者さんにかかる、給付も多くなったということで実情に合わないというならば、その時点で本土並みに引き上げるということをすればいいじゃありませんか。とにかく現状では医療機関も非常に貧弱で、しかも掛け金も非常に安いというのを、一ぺんに右へならえというのは、私はいかにも冷酷なやり方ではないかと思うのです。厚生省、あくまでも暫定措置は一切認めないということなんですか。そうじゃなくて、そういう事情もあるけれども、とにかく前向きで検討しよう、こういう気持ちなんですか。いかがですか。
○江間政府委員 先ほど来申し上げておりますように、いわゆる現金給付から現物給付に変わったということ、それからまた、給付率の点におきましても、いわゆる被保険者本人は十割になるわけであります。医療保険の給付の質的な面に着目しますと、われわれといたしましては、本土並みの保険料率で当面はやってまいりたいというふうな考え方でございます。
○山口(鶴)委員 これは所管が社会労働委員会ですから、社会労働委員会で大いに議論をしていただきましょう。 ただ、そこで大蔵省、自治省にお尋ねしておきたいのは、あるいは三公社五現業関係にお伺いしたいのは、そういう実情があるわけですね。とすれば、厚生省がどう扱うかということも、それは見なければならぬでしょう、法律のたてまえから……。しかし、共済組合の短期給付の財源率については、ある程度沖繩の実態に合った特例措置を設けるということは、当然検討してしかるべきではないかと思うのです。この点、いかがでございますか。
○吉瀬政府委員 国家公務員につきましては、沖繩が復帰いたしますると、自動的に各省庁の共済組合の所属になってくる、国家公務員は各省庁の共済組合に分属するわけでございます。いま先生の御指摘のところは、各省庁の共済組合の財源を圧迫するのだという問題ではなくて、むしろ沖繩の組合員が、短期給付に関しましては掛け金率が激変する、激変しんしゃく規定は設けられないか、こういうお話じゃないかと思います。これにつきましては、むしろ復帰と同時に、ただいま厚生省から御答弁がありましたように、給付水準が若干向上するという問題も一つにはございますが、もう一つの点として私どもは考えておきたいところでございますが、沖繩の公務員給与につきまして実質三百六十円レート換算を保障した。それと同時に、なお国家公務員の本土並みの給与の格づけ水準の切りかえを行ないまして、それでもなお、三百六十円換算で現俸が上回るというようなことになった場合には、差額調整手当を出す。もちろん暫定的なものではございますが、こういうようなことによって給与の水準の実質を保障した。これが返事になるかどうか、判断は別といたしまして、そういうような点から掛け金負担も個人的にたえられないことはないのではないかという感じがいたすわけであります。 それと同時に、もう一つは、国家公務員共済組合全般の制度といたしましても、本土でも、離島とかあるいは遠隔地とかという点の共済組合の組合員がいるわけでございます。医療給付の水準というものは地域によってまちまちでございますが、地域をとらえた掛け金率の算定ということは現在行なっておらないわけでございます。沖繩について特例的な掛け金率を設けることにつきましては、現在否定的に考えておる次第でございます。
○山口(鶴)委員 残念でありますが、まあ大蔵委員会としてこの法案審議を続けるわけだと思いますので、当然沖繩の現地のそういう実情を踏まえて、それは法律案でなしに政令事項ですから、当大蔵委員会の与野党の御主張を十分聴取されて、また、しかるべき附帯決議をつけることによって、沖繩の実情に合った措置をとっていただくように、心から期待を申し上げたいと思うのです。 共済組合について、長期、短期、いろいろ申し上げましたが、要は、私は、冒頭申し上げたように、わが国の国民一人当たり所得が向上した現在において、やはり欧米諸国に負けないような福祉国家としての実体を備える。そのための年金の改善にもっと政府が真剣に取り組んでいただくことを最後に心から要請をいたしまして、質問を終わっておきたいと思います。
○齋藤委員長 次回は、来たる六月二日金曜日、午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時二分散会