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68回国会衆議院1972/05/30

大蔵委員会 第32号

発言数
199
登壇者
13
会派数
3
開催日
1972/05/30

会議録

齋藤邦吉自由民主党

○齋藤委員長 これより会議を開きます。  たばこ耕作組合法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。貝沼次郎君。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 二、三質問したいと思います。  まず第一点は、たばこ耕作に関する問題であります。先日、私はたばこを耕作しているところをずっと回りまして、そして実際つくっている人たちの声なり、あるいはやっている姿あるいはその状態、それらをずっと見てきましたけれども、その中でどうしても納得のいかない点が幾つかありました。そういうところを中心にして、実は総裁の見解あるいは考え方というものを聞いてまいりたいと思うのです。  まず第一点は、最近、実際畑に行ってみますと、たばこをつくっているわきがずいぶんあいております。どうしてあの畑はあいているのかと聞きますと、以前はたばこを耕作しておったけれども、いまはどうしてもうまくいかないのでやめたという話があちこちで出てくるわけですね。要するに耕作をやめていく、いわば廃作現象というか、こういうものが非常にたくさん出ておる。これは全国的にもかなり出ておると思います。その結果として、今回の組合法の一部改正というものが私は出てきたと思いますけれども、こういう廃作現象が起こっていくその原因、理由というものは一体どこにあるとお考えなのか、この点についての見解をお伺いいたします。

北島武雄日本専売公社総裁

○北島説明員 たばこの耕作者は、耕作組合法制定当時は約三十二万ほどございました。昨年では十七万余、本年は大体十五万人、こういうふうに予想されております。大体法制定当時の半分でございます。ただ、面積のほうで見ますと、増反の年もございますし、減反の年もございましたが、ほぼ現在は法制定当時と同程度のものを保っております。したがって、一人当たりの耕作規模というものは多くなっておるわけでございます。  では、どうして廃作がこうふえてきたかということでございますが、これはやはり私は、現在の一般農業事情を含む経済情勢の変化といったことに大きな原因があるのではないか、こう思います。すなわち三十年代の高度成長によりまして、農村から都市ヘという勢いが非常に大きく働いたわけでございます。かつて農業の就業人口が四〇%もございましたのが、おそらく今年度あたりは一三、四%になるんじゃないか、こういった推測もあるわけでございます。こういった農村の構造の変革、こういったものがまず大きな原因ではなかろうか。たばこの耕作といえどもその例に漏れないんだ、こういうふうに考えておるわけでございます。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 大きくいえばそういうところにあると私も思いますが、それをさらに具体的に分析をして考えてみますと、やはり労働力の不足、それから価格の問題、ことにドル・ショック以来、ドル・ショックというのは輸出業者に相当の影響を受けたことは当然なんですけれども、しかし、実際歩いてみますと、案外農村に相当の影響を受けておるわけですね。農村では、やはり現在のマスコミの発達等によりまして、現金収入がないと生活ができない状態になっておるわけですね。そういうような場合に、現金収入というものをどこから持ってくるかということを考えた場合に、やはり経済がちょっと詰まってきますと、もうすぐ響いてくる、こういうことがはっきりとわかります。そういうようなところから、この価格の問題が実は直接生活にかかってくる、こういうことがはっきりしております。  それからさらに、たばこの連作の問題、土地がたくさんあれば、これはいいんですけれども、連作がはたして一〇〇%いいものかどうかということを考えた場合に、やはり不安がある。それからさらに、耕作をしている人たちにずっと会って話をしたわけですけれども、大部分の人が大体四十以上の人です。要するに、若い人がおらない。そしてさらに、自分たちがいま耕作していても、そのあと若い人たちがやってくれるかどうかわからない、こういう不安があります。こういうような問題。それから、いま総裁がおっしゃったように、農政の問題全般として、一体どれだけこのたばこ耕作というものが認められていくのかという、こういういろんな不安というものが重なって、結果としては、ここで先行きのわからないたばこにしがみついているよりも、むしろ近くの大企業ヘ行って、そして幾らかでも働いて現金を取ってきたほうが現在としては生活が楽である、こういうような判断で、この廃作現象がどんどん進んでいるのではないかと私は思いますけれども、この点についての所見はいかがでしょうか。

北島武雄日本専売公社総裁

○北島説明員 ただいま御指摘ございましたように、労働力の不足、これが廃作の一番大きな原因でございます。最近年の調べによりますと、廃作者の中で、労働力不足を理由としている方が四四%程度ございます。いかに農業の出かせぎ、あるいは都市ヘの流入ということが激しいかということがうかがわれるわけでございます。  価格の面につきましては、私どもは、たばこの耕作は、必ずしも耕作者の方に悪いものとは思っておりません。他の作物、なおほかに、いろいろ収入の多いものもございますが、たばこの耕作は比較的安定した収益が得られるということで、これはやはり農家の方にとってはプラスの耕作ではないか、私はこう考えておるわけでございます。  なお、農村にいらっしゃいまして、耕作者をごらんになると、四十歳以上の方が多い。私も実はそれを、気がついて、非常に気にしておりまして、実は昨年度から、こんなことでは将来のたばこ耕作を維持発展させることがむずかしいんじゃないかということで、将来のリーダーとなるべき青年耕作者の育英をやろうじゃないかということで、研修を四十六年度から始めました。金額としては、たいした金額ではございませんが、非常にこれが好評をもって迎えられまして、本年度はさらにその規模を増大させまして、将来のたばこ耕作をになっていく方々の育成につとめたい、こう考えておるわけでございます。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 青年の耕作者の育成、これは私も必要だと思いますが、やはりその裏づけは、そこにたばこを耕作しながら現金収入がちゃんと入って、そして生活がきちんとできる、この裏づけがないと、おそらく教育はできても実際やる人というのは住みつかないんじゃないか。これは現在の過疎地ですね、こういうところヘ行ってみますと、だれも若い人たちが、自分の生まれた郷里というものがいやで出ているわけじゃないんですね。いやで出ているわけじゃないし、また出かせぎ等を見ましても、妻や子供を置いていくことが好きで出ているわけではありません。本来ならばそこにいたいわけですけれども、現金収入がないから、これはしかたなしに出なければならない、こういう状態なんですね。そういうようなところから、単なる青年の耕作者の育成という、それだけではなしに、やはりその裏づけとして、その人たちが安心して耕作ができていくような状態というものをつくっていくことも、私は大事ではないかと思うんです。この点はいかがでしょうか。

北島武雄日本専売公社総裁

○北島説明員 これはもう価格の問題ももちろんそういった重要な要素でございますが、やはり値段さえ上がればいいというものではないということは、最近の耕作組合でも考えているようでございますし、私どももそう思っております。将来の、現在の労働力不足にまず対処していくためには、省力化の栽培方法等を考えなければいけませんし、できるだけ機械化あるいは協業化をはかっていかなければなりませんし、そしてまた耕作の規模拡大をはかっていかなければならない。こういったことを通じましてたばこ生産の生産性を増大させることによってたばこ耕作者の収益を確保していく、こういうことが必要ではなかろうか、こう考えているわけでございます。なお価格の点につきましては、一定の計算の基準がありますが、昭和四十七年度作につきましては、前年作に比べまして七・七七%の引き上げということになっておるわけでございます。相当な価格の引き上げではなかろうかと私どもは存じておる次第でございます。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 いま耕作の規模拡大というお話がございました。この公社からいただきました資料を見ましても、この人員とそれから耕作面積の比というものを見てみますと、たとえば一人当たり何アールというふうにこれが出るわけでありますがざっと計算したところによりますと、これが年々ふえておるわけです。そして、たとえば三十四年が一人当たり十八アールぐらいだったのが、それが四十一年ぐらいになると二十八ぐらいになるんですね。それから四十六年ぐらいになると大体三十八ぐらいになると思うんですけれども、こういうふうに順調にこの一人当たりの面積がふえておるということは、これはやはりいま総裁が申されましたように、ある程度大きな耕作面積がなければほんとうはむずかしいという状態もまたあらわしているのではないかと思うんです。  そこで、それならば一体一人当たりの耕作面積というものはどれぐらいが妥当とお考えなのか、また、公社として当面目ざしておる耕作面積というものは一人当たりどれぐらいの面積を目標にしての計画を立てていらっしゃるのか、その点についてお伺いしておきたい。

佐々木幸雄日本専売公社生産本部副本部長

○佐々木説明員 現在、先ほど総裁が申しましたように、全体の規模拡大とあわせまして生産性向上を期待しているわけでございますが、貝沼先生から御指摘の問題につきましては、現在それぞれ産地の実情もございますので、その点を勘案しまして、種類別に各耕作者の平均的な規模というのはどの程度にあるべきかということを検討はしております。現状は、各種類平均いたしまして約四十一アールということになっております。黄色種が五十六アールで在来バーレー種が約三十アール、こういうことになっております。種類によりまして差はございます。私たち、黄色種あたりにつきましては好ましい姿というのは約一ヘクタール程度というくらいまでもっていきたい、こう考えております。全体の黄色種と在来種の規模が半々といことで、当面在来種につきましても五十アールぐらいはねらっていきたい、こういうぐあいに考えています。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 その五十アールぐらいということは、これは耕作組合とかあるいは耕作者に対して大体これぐらいを目標にしておるんだということは意思表示されたことはあるんでしょうか。

佐々木幸雄日本専売公社生産本部副本部長

○佐々木説明員 現在、耕作地帯のそういう問題につきまして、いろいろ問題を討議しながら具体的にこれからその辺の問題について耕作団体ともよく協議いたしたい、こういうように思っております。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 ぜひともそういう問題は、私は耕作に対する長期的なビジョンという観点からする必要があると思うのです。先ほどいろいろとくどくど申し上げましたけれども、その根本は、私がこれらら一つ一つあげて最後に言おうと思うことは、それは公社の長期的ビジョンというものをきちんとつくって発表すべきである、こういうことを私は実は言いたいわけなんですけれども、その一つとして、現在の一人当たりの耕作面積のいわばビジョンというか、そういう方向というものを示されるのも、つくる人にどれほど大きな安心を与えるかわからない。こういう意味から私はこれを言っているわけであります。  それから、先ほどから言っておりますもう一つの問題として価格の問題でありますけれども、この生産費方式ですね、価格のきめ方の中に労賃がありますが、この労賃が生産者米価をきめるときとそれから葉たばこの価格をきめるときとでは方式が違いますけれども、この労賃の選択はどういう理由によって違うふうになったのですか。

佐々木幸雄日本専売公社生産本部副本部長

○佐々木説明員 葉たばこの価格を決定いたします場合の労賃の何をとるか、非常にこれは問題もございます。従来、公社のほうは生産費方式という価格の考え方をとっております。それによって年々の価格をきめておったわけでございますけれども、その労賃のとり方にいろいろ問題が出まして――問題が出ましたというのは、主といたしまして米価算定の場合の労賃が都市労賃をとっておるということ、当時から葉たばこの場合には農村の日雇い賃金をとっておる、こういう格差がございます。たばこの場合にも米のような労賃をとるべきではないか、こういう議論がございます。そこで、公社といたしましては、総裁の諮問機関といたしまして臨時葉たばこ調査会という学識経験者を主にいたしました調査会を設けていただきましていろいろ議論いたしました。その答申が三十九年に出たわけでございます。その際、米のような都市労賃をとるという積極的な根拠は見出し得ないということで、そういう答申を得ましたので、従来のように農村の日雇い賃金というものを基礎にして生産費補償という方式をとっておるわけでございます。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 いまの答弁ですと、三十九年の答申できまっているわけですね。大体その意向がきまっている。三十九年から現在はもう四十七年、そうするとかなり年月がたっております。そうして、その間における農村の変化の状態もまた著しいものがあると思うのです。当時日雇いという基準でもって労賃がきめられていた時代から、現在はたしてどういうような形の日雇いというものがおるのかということを、実際農村に行ってながめてみますと、これは道路をつくるとかそういうようなところにはありますけれども、大体は、たとえば岡山県のような場合は、日雇いヘ行くぐらいならば、もう大企業に行って働いたほうがはるかに手っとり早くて、しかも率がいいわけですね。こういうような状態から考えてみますと、私は日雇い、日雇いといっても、もう日雇い労賃の時代は過ぎたのではないか。むしろこの場合、何も生産者米価と同じにしなさいというわけではありませんけれども、専売公社独自でもあるいはけっこうですけれども、何らかの方法で、ここに考え方の訂正というか、考え考しというか、こういうものがあってしかるべきではないかと思うのでありますけれども、この点はいかがでしょうか。

佐々木幸雄日本専売公社生産本部副本部長

○佐々木説明員 ただいまのお話でございますが、当時、臨時葉たばこ調査会のその当時の環境というものは、すでにもういろいろ貿易自由化問題が提起されておった時期でございまして、そのときの要件といたしまして、この葉たばこが非常に世界的に流通性の高い作物であるというような、そういう考え方、それから米と違いまして全農家がつくる作物でなくて、選択的にたばこをつくる耕作者の方々ということを対象としての葉たばこ価格である、そのほか二、三ございますが、そういうようなことで、特別に政策的な価格を考えるということには疑問があるということになっております。そうした情勢というものはやはり現在でも変わってはいないだろうと思います。  ただ、先生のおっしゃいますように、現在の農村の日雇い賃金というものが、いろいろな工場に勤務されるあるいは道路工事、そういう関係で相当動いておりますので、その辺の問題につきまして、農村の日雇い賃金というものがそれらの業種にどういうように影響されるかというようなことを調査しながら、現在のとっております日雇い賃金というものだけでいいのかどうかというような検討が必要だということで、公社といたしましてもその辺の調査に取りかかっております。しかしまだ全体としてのデータの取りまとめ、あるいはその辺の結論が出ておりませんので、現在でも従来どおり農民の日雇い賃金を基礎とした価格算定方式をとっておる、こういうことでございます。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 その調査というのは、大体いつごろに結論を出すという目安で進められておるわけでしょうか。

佐々木幸雄日本専売公社生産本部副本部長

○佐々木説明員 この辺のことにつきましては、なかなかむずかしい問題でございますので、確定的に何年ということは申し上げられませんが、ことしが調査にかかりまして二年目でございます。三年くらいなところで何らかの結論が得られれば、こういうぐあいに考えております。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 そうすると、来年ということになりますけれども、こういうことは時々刻々と変わっていく問題でありますから、やはり長い期間かけてできあがることも大事でしょうけれども、そのときそのとき的確な判断を下していけるということもまた必要ではないかと思います。  そこで実は、実際耕作をしておる方々の声とかあるいは実情というものを見ますと、ものすごい労働力が必要なんですね。いまはまだ四十歳くらいだからいいけれども、もう少したったら、はたしてこれに耐えるかどうかという心配を非常にしておりますね。こういうようなところから、やはりある程度屈強な若者をその時期に応じて頼んでやっていますが、その人たちは、大企業ヘ行っても十分働ける人たちを頼んでくるわけでありますから、決してそのときの賃金というものは日雇い賃金というようなものではなく、むしろ大企業で支払うに相当するぐらいの金を出さないとまたこれが来ないということなんですね。こういうようなところから私は、いつまでもいつまでも日雇いの労賃というものを基準にしていくという考え方はもう時代おくれではないか、こういま申し上げておるわけです。まあ来年を一応のめどにしておるようでありますから、その点はさらに力を入れて、的確な、そして耕作者が納得のいくような結論をひとつ出していただきたいと思います。  それから次の問題は、最近たばこを吸う人の中には低ニコチンのたばこが非常に好まれるようであります。これはもう私が言うまでもないわけでありますけれども、そのために低ニコチンの品種改良ということでたとえばMCなどが開発されているわけでありますけれども、これに対して将来どういうビジョンでもつてこれを推し進めていこうとするのか。またこのMCは日本の北のほうから西のほうまでずっとあるわけですけれども、はたして全域にわたってつくれるような品種なのかどうか。まあ現在研究中のようでありますけれども、研究の結果から得られた結論でもけっこうですから、大体どれだけの見通しを持っておられるのか、その点をお願いいたします。

佐々木幸雄日本専売公社生産本部副本部長

○佐々木説明員 国内の葉たばこのニコチン含量という問題だけをつかまえて考えてみますと、国内の葉たばこの中で、まあ種類は黄色種、在来種、バーレー種とこういうぐあいにございますが、その中で黄色種は約三%程度というニコチン含量を持っております。在来種、バーレー種は平均しまして約二形、こういうようなニコチン含量でございますので、種類別には、ニコチンだけを対象にいたしますと在来種、バーレー種のほうが好ましいというかっこうのことにはなります。ただ、全体といたしましてたばこの味を出します場合には黄色種の味もやはり必要でございますので、黄色種も相当量必要だということでございます。現在国内の生産を見ますと、黄色種が約三分の二、在来、バ一レーが約三分の一という耕作面積の分布になっております。  それで、国内の黄色種は、どういたしましてもこういうような集約的な葉たばこの生産をやります関係で、日本の葉たばこの中のニコチンは高うございます。国内の葉たばこの使用価値を高める、こういう観点から公社といたしましては、先ほど先生のほうから話がありましたように低ニコの品種のMCを育種いたしまして本年から導入いたしております。本年約一万ヘクタールの転換をいたしたわけでありますが、この転換は来年度も引き続いてやっていこう、こういうぐあいに考えております。ただ、現在四万ヘクタールあります黄色種を全部MCというわけにもまいりませんで、やはり、黄色種の中にもある程度喫味のあるものという種類もほしゅうございますので、現在のところ約半分ぐらいはMCを入れて、半分ぐらいはほかの品種にしてはどうか、こういう感じを持っております。  ただ、現在つくっておりますMC以外の産地の品種につきましても、現在の品種でいいのかどうかいろいろと問題がございますので、収量の問題、品質の問題、その辺を考えあわせまして、できるだけ現在の種類にかわるような生産性の高い品種というものを見出していくような努力を積極的にやっていかなければならないということで、そういう仕事を進めております。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 それから、報道によりますと、東南アジア事務所の開設とか外資提携の問題、クロスライセンスの問題など、いろいろいわれておりますけれども、こういうようなところから耕作者の声を聞いてみました。その声は、どうもわれわれ耕作者は将来だんだん圧迫されていくんじゃないか、むしろ外国からの輸入の葉っぱがだんだんふえてくるんじゃないか、こういうような不安を持っておりました。したがって、そういうようなことはないと説明されるけれども、じゃ、ないという確証があるかというとこれまたないというんですね。そういうようなところから、そういう輸入の葉っぱによって絶対に圧迫はされないという何らかの確証、つまりこれから日本の葉たばこの自給率は何ぼにする、必ずそれだけは確保していくというような一つの長期的なビジョン、こういうものを専売公社で示してくれなければわれわれは安心して耕作は続けられない、こういうような意見がありました。これについて、その長期的ビジョンを示すお考えはありませんか。

北島武雄日本専売公社総裁

○北島説明員 現在、東南アジアにはすでにバンコクに事務所を置きましてたばこの買い入れをやっておりますが、東南アジア方面の葉たばこは非常にニコチンが少ないわけであります。将来の傾向を考えますと、どうしてもでき上がったたばこのニコチン、タールは少ないものでなければならない、こういう命題は私は絶対的なものだと考えております。しかし、それにはやはり国内産葉をできるだけ有効に活用するということをまず考えなければいけないのではないかということで、先ほど来御説明申し上げましたように、一番使いにくいと考えられておりまする第二黄色種の大部分を、ニコチンがこれよりもはるかに少ないMCに転換するという方策をいま実施中でございます。なお、その他栽培方法、収穫あるいは製造等の方面にしましても、できるだけ国内産葉を使いいいもの、今後の嗜好に合ったものにしなければならぬと思っております。しかしそれにいたしましても、何と申しましても耕作面積は今後ふえていくであろうかとなると、これはやはり他の農業と同じようにそういうふうには申せない、こう私は思うのであります。  一方、たばこの需要はどうか、こうなりますと、これはまあ見方もいろいろございますが、ただいままでのところ私どもは、この数年間とはもかく年間百億本程度の増加はあるだろうというふうに考えております。考えてみますと、国内の葉たばこをできるだけ有効に利用いたしましても、なおかつニコチンの少ない葉っぱを輸入する必要が増大する、こういうことが見込まれておるわけであります。こういった方針で東南アジアにさらにもう一カ所、将来に備えるためにそういった事務所を置く必要があろう、こう考えておるわけでます。  なお、いわゆるクロスライセンスの問題につきましては、これはまただいぶ誤解もあるようでございます。クロスライセンスは相互に商標権、それからノーハウ等を交換し合って、そうしてお互いに当該国において相手国のたばこを生産して売る、こういった仕組みでございます。実は各国で行なわれておるのは一方的なライセンス導入契約でございまして、相手方に対して反対に同じようなことをやってくれ、こういった契約でございません。専売公社といたしましてはそれではならぬということで、ライセンス契約を結ぶ場合には、必ず相手方も専売公社の銘柄をつくってもらうということを考えておるわけであります。  これによってどういうメリットがあるかという問題でございますが、何と申しましても喫煙と健康問題あるいは嗜好の傾向から申しまして、毎々申しますように、低ニコ、低タールの製品のほうへと世界の嗜好が移っていることは事実でございます。実は私どもの専売公社も、昔からのアリティッシュブレンドというものにつきましては決して負けているとは思いません。専売公社もそれだけの技術があると思いますが、ニコチンが少なくて緩和な、しかも味のいいものにするという特殊加工の技術は、残念ながらまだおくれておるわけであります。こういった技術を導入することによりまして緩和なたばこをつくる、そしてまた国内の葉っぱも製造にあたって使いいものにする。こういう技術も導入できるわけであります。まあその方面において第一のメリットがあるわけでございます。それからまた、現在製造たばこの輸入というのは非常にきびしく制限しております。これは貿易の自由化等の問題からやはり問題とされるわけでありまして、あまりきびしく現在のような制限を続けていくということは、私はそれはやはりよくないんじゃないか、そういったことをいつまでもやるということはよくない。その場合に、製品をそのままストレートで輸入しましたらどういうことになるかといいますと、その製品は、外国産の葉っぱそのものであります。そして外国の労務により外国の資金によってつくられたたばこがそのまま日本に導入されてくるわけであります。これはいわゆるライセンス導入契約によりまして、国内産葉も相当使い、そして専売公社の工場により専売公社の職員によってつくられるものでありますから、ストレートに製造たばこが輸入されるということよりはプラスになる、こう考えております。それからまた、いわゆるクロス契約、これは専売公社がやる場合には相手方も専売公社の銘柄をつくる、こういう約束でありますので、国内産葉は、これは最低でございますが、五%は必ず使う、いういったようなかっこうになります。それからさらに、製品になりますと、私は直ちに大きな増加というものは期待できませんし、期待してはおりませんけれども、現在のように、専売公社がほとんど国内でばかり仕事をしておって、そして一兆円の売り上げがある専売公社が輸出製造たばこについてわずか十億円、これは私はちょっと情けない感じがします。さらに、やはり外国に目を向けなければならぬ、そういった場合の一つの足がかりができるということは事実でございます。そういったメリット等を考えまして、できるだけこのクロスライセンスは早くまとめたい、こう考えております。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 よく聞こえなかったのですけれども、自給率はどのくらいになりますか。

北島武雄日本専売公社総裁

○北島説明員 現在、専売公社でつくっておりますたばこの原料の葉たばこですが、八割が国内産葉、約二割弱が外国産葉ということになっております。しかし、先ほど申しましたような情勢で、低ニコ、低タールの葉っぱは国内産葉に改良を加えてもますます必要になります。しかも製造数量がふえるということを想定いたしますと、外国産葉はある程度ふえざるを得ない。おそらく昭和五十一年ごろのただいまの想定では、全体の葉たばこの使用量について三〇%、これが外国産葉ということになるのではなかろうか、こう考えております。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 そうしますと、昭和五十一年ごろの見通しとして、大体日本のものが七〇%、こういうふうに理解してよろしいわけですね一いまよりに少し減るということになるわけですか。それは量についてはどういうようなぐあいになるのでしょうか。

佐々木幸雄日本専売公社生産本部副本部長

○佐々木説明員 数字の問題でございますので、これはまた見通しでございますので、若干あれと思いますが、数量で五十一年約六千九百万キロ程度の輸入葉になるのではないか、これは全体の約三割という感じでございます。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 いまより減りますか、ふえますか。

佐々木幸雄日本専売公社生産本部副本部長

○佐々木説明員 外国産のほうふえます。国内葉ですか。――国内葉の使用でございますが、現在、四十六年が一億五千九百万キロでございまして、五十一年は一億四千八百万キロでございます。ちょっと減る数字にはなっておりますけれども、まあほとんど差がないというかっこうになります。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 そうしますと、やはりこれはあまり減ってはならないわけでありますから、いまのようなぐあいで減っていきますと、これはちょっと五十一年の目標というのはむずかしいのじゃないかという気がするのでもけれども、それに対する手当てというか、そう耕作者が減っていかないようにこれは手を打つ必要があるのじゃないかと私は思います。これは何かお考えですか。

佐々木幸雄日本専売公社生産本部副本部長

○佐々木説明員 現在の在庫状況と現在の耕作状況をからませて考えてみますと、現在、各種類とも全体として相当な在庫を持っておりますので、これを使いながら製造していく、こういうかっこうになります。ちょうど五十一年ころがその辺の在庫の状態が適正になるという時期でございますので、若干それ以降については問題があろうかと思います。したがいまして、現在の段階で最近時点のような面積の縮小というものが起こらないように、極力生産性向上、品質の問題、そのあたりとからみ合わせて産地の安定化をはかっていきたい、こういうぐあいに考えております。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 そうすると、五十一年以降が実は問題になってくる、こういうことですね。そうすると、五十一年以降についての何らかの考え方というものを、概論的なものでいいでしょうけれども、それはある程度私は国民の前に出してもいい時期ではないのか、こう思いますが、この点いかがでしょうか、総裁。

北島武雄日本専売公社総裁

○北島説明員 こういう数字的なものにつきましては、私は、十年計画というのは実は無理と思います。一応五年計画というのが最も実際に合った計画ではなかろうか。それを実行していく段階におきまして少しずつそのあとのことがわかってくるというものでございますので、いま直ちに五十二年度以降ということについては、やりましてもそれは机上の計算、こういうふうに考えておる次第であります。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 その点は私は耕作者が非常に不安を感じておりますので、実は申し上げたわけであります。どうせつくるならば喜んでつくっていけるようなそういう体制というものをつくっていく必要があるのではないか、こういうわけであります。  それから、これは別の問題でありますが、巻きたばこのほうなんですけれども、現在、たばこにフィルターがついておりますね。このアセテートでできておるフィルターは、たばこ専売法では一言もないようです。たとえば専売法によりますと、もちろん葉たばこは当然といたしまして、製造用巻き紙というものは若干入っておりますが、フィルターが入っていないのはどういう理由によるのですか。

齋藤欣一日本専売公社総務理事

○齋藤説明員 お答え申し上げます。  ただいま先生から御指摘ございました巻き紙は、専売法で規制されております。それで、巻き紙につきましては、もともと規制はなかったようでございますが、昭和十九年、と申しますと戦争の終わりごろでございますが、巻き紙の需給というものがたいへんむずかしくなってまいりました。まずこの巻き紙の需要をどうやって確保するかという、そういった需給の面というものを確保するという目的でもって巻き紙を専売法で規制したということがおもな理由でございます。  その後、いろいろ、たとえば戦中戦後を通じましてやみたばこが出てまいったというようなこと、巻き紙がありますと、やみたばこが出てまいります一つの事情を助長するといったようなこと、そういったことの取り締まりの関係もあったかと思います。  現在、こういった時代になってまいりますと、そういう意味での巻き紙を専売法で規制しておくという理由は、その当時に比べますと、かなり薄れているということは事実でございます。  片や御質問のございましたフィルターのことでございますが、フィルターにつきましては需給の安定という立場から申し上げますと、当初三十二年度からフィルターたばこが出ておりますが、安定的な需給になっております。それからまたフィルターが専売でないということから専売制度を、専売権を侵害されるというおそれもございませんものですから、別に専売法の対象にしないということでもって今日まできております。  以上でございます。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 いまの説明ですと、製造や巻き紙もあまり意味がないということですね。それでよろしいのですが。

齋藤欣一日本専売公社総務理事

○齋藤説明員 おっしゃるとおり専売の対象にしておく理由は非常に薄れてきておるということは事実でございます。ただ、これを専売からはずすだけの実績があるかどうかという問題は、また別途考えてみなければいけないと存じますが、これをどうするかということにつきましては、年来いろいろ検討しておるところでございます。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 それからもう一つ。報道によりますと、いよいよ八月ごろから有害表示かあるいは注意表示かどっちかわかりませんけれども、つけられるようです。それで四月の二十日に大蔵省で本ぎまりになったといわれておりますけれども、これはいつからどういう形式でそれは表示されますか。   〔委員長退席、丹羽(久)委員長代理着席〕

北島武雄日本専売公社総裁

○北島説明員 多少準備もかかりますので、大体三カ月余ぐらいかかるだろうというふうに見ております。現在進行中でございます。七月から八月にかけて出回り始める、こういうふうに見ております。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 それはどういうふうに表示されますか。

北島武雄日本専売公社総裁

○北島説明員 「健康のため吸いすぎに注意しましょう」こういう表示でございます。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 そうすると、これはどうなんですか、有害表示の範囲になるんでしょうか、それともならないんでしょうか、その辺の判断を……。

北島武雄日本専売公社総裁

○北島説明員 私は広い意味ではやはり有害表示だと思います。初めアメリカで出ましたときには、コーション、注意と書いてありました。この程度は日本では有害表示だと思います。それから今度の私どもの「健康のため吸いすぎに注意しましょう」あれはたしかジャパンタイムスが訳したのを見ますと、当初のアメリカと同じような書き方になっておるということでございまして、私はそういう意味では有害表示だと思っております。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 そうしまと、総裁のことばからめ進ますと、要するにたばこは有害であるという説を専売公社としては認めたというふうに判断してよろしいですか。

北島武雄日本専売公社総裁

○北島説明員 これは実は専売公社の判断ではございませんので、大蔵大臣の御指示でございますので、ここにおります監理官から御答弁願いたいと思います。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 それでは大蔵省、入っていますね。大蔵省の見解はどういうふうになっておりますか。

福間威大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○福間政府委員 本件につきましては、御承知かと存じますが、喫煙と健康問題全般の問題の一環といたしまして、大蔵大臣から専売事業審議会に諮問をいたしまして、その諮問に基づきまして昨年三月に答申が出てまいったわけでございます。専売事業審議会のほうでこの答申を出しますにつきましては、事柄が非常に医学的な分野にわたる問題であるということで、医学の専門家を特別委員に任命いたしまして医学的な検討をいたしております。その検討によりますと、喫煙と健康の問題につきましてはいろいろな問題があって、決していまの段階では簡単に結論づけられる問題ではないということになっております。したがって、私どもとしては、やはりこの医学的な研究の今後の発展がどういうふうになるか、その辺を見きわめた上でございませんと、およそ喫煙が健康に有害であるということは断定できないのではないかというふうに考えております。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 でもこれは有害表示をするわけでしょう。ではないかと言ったって、そういう段階では私はないと思うのですね。もうするときまった以上、これはやはりただ何となくわからないような返事でならないと思うのですね。その有害表示をする裏づけの考え方というものがあってしかるべきだと思います。もし官庁が裏づけのないことをするのであれば、それはまたそれなりに問題があると思いますけれども、有害表示という以上は、やはり有害だと認めたというふうに私は判断するのが妥当ではないかと思うのですが、いかがですか。

福間威大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○福間政府委員 先ほどの総裁のほうから、今度いたします吸い過ぎの注意表示も、広い意味では有害表示の一種ではないかと考えているという御答弁がございました。私ども有害表示かどうか、そういうことばの問題を議論いたしてもあまり意味がないのではないかと考えております。と申しますのは、アメリカ、イギリスにつきましては、今度わが国がやろうとするのとは違っておりまして、わが国がやろうとしておりますのは吸い過ぎについての注意表示でございます。アメリカ、イギリスは喫煙に焦点を当てた表示をいたしております。しかしアメリカ、イギリスの場合におきましても、必ずしもはっきりと断言しているわけではない、いろいろなニュアンスを含めた表示というような点もございますので、私どもといたしましては、有害表示かどうかということはなかなかはっきり詰められない問題ではないかと考えております。  ただ、いずれにいたしましても、喫煙そのものが健康に害があるかどうかにつきましては別といたしまして、吸い過ぎをすることはからだによくないというふうに考えられます。私どもといたしましては、その点について政府当局の注意を表示をするというふうにいたした次第でございまして、そういうことで御了承いただきたいと思います。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 これも長くやっもしようがないので、一つだけ聞いておきますけれども、吸い過ぎというのは大体どれぐらいを基準にしておりますか。

福間威大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○福間政府委員 それはその人人によっていろいろ違ってくるかと思っております。私どもといたしましては、一応そういう概括的な注意表示をいたしまして、あとそれを見まして、個々の喫煙者がそれぞれ自分の健康状態とかその他いろいろなことを考えて、自分はどのくらい吸ったらいいかということをおきめいただくのでいいのではなかろかというふうに考えております。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 この表示は、こういうふうに表示するべきであるというものは、法律できめるのですか、政令か何かできめるのでしょうか、それが一点。  それからもう一つは、外国のたばこが日本に入ってくる、この場合には、日本ではそういう表示をする法律がないからというので、いままでは何も書いてないわけですね。ところが、今度は書かれるわけですが、これは日本のそういう法律か何かによってきめられた方法によって日本の表示がなされるのだと思いますけれども、これはどういう手続がなされますか。

福間威大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○福間政府委員 今回やろうといたしております注意表私は、別に法令の根拠なしに実施できると考えております。  それから、外国から輸入されるたばこにつきましては、国内で製造販売するたばこと同じように、同種の注意表示をするという方向で検討いたしております。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 私は、いままで何も書かなかったときと、それから書くときとでは意味が変わってくると思うのです。向こうでは有害表示されておるものが、今度は日本に入ってきて、そうして注意表示に変わってしまうというケースと、向こうで有害表示されておるものが、日本に来ては有害とも無害とも言わないで、何も書いてないというのでは、ずいぶん意味が違うわけですね。そういうようなところから、もしこういう注意表示的なものだけにとどまると、これはむしろ日本側において向こうの有害をおいおい隠してしまったような感じが出てくるのではないかと思いますけれども、その点の心配はありませんか。

北島武雄日本専売公社総裁

○北島説明員 こういった問題は、各国のそれぞれの主権に基づいて行なわれるものでございますので、その国が法律でもってそういうことをいたしますれば、その国に輸出する場合にはそういうことをしなければ輸出ができないというわけであります。また、そういう表示を義務づけてない国に対しましては、そういうことをする必要はないというわけであります。それぞれ輸出先の国の事情によって違うわけでございますが、専売公社の今度の場合は、大蔵大臣の指示ということになりますので、この点多少法律ではございませんけれども、違うかと思います。専売公社は、御存じのように、公共企業体という、たばこに関する唯一の独占体でございますから、これが国家の専売権をお預りいたしているわけでございます。大蔵大臣の指示になりますので、やはり外国のたばこにつきましてもそういった表示をしてもらう、こういった方針やるのが正しい、こう考えまして、ただいま監理官が御説明があったような処置を講じつつあるわけでございます。

貝沼次郎公明党

○貝沼委員 私は、こういうたばこそのものの動向によって、つくる人たちがいろいろと思惑があるわけでありますので、その二、三をいま問いただしたわけでございますけれども何といっても、いま耕作者から見ますと、専売公社として耕作に対する長期的なビジョンというものをはっきりと出してもらわないことには、われわれはとても安心して耕作ができない、こういう声が非常に多いわけでございますので、その点についてさらに留意されまして、今後仕事のほうをしっかり進めていただきたい、こう思うわけであります。  以上で終わります。   〔丹羽(久)委員長代理退席、委員長着席〕

齋藤邦吉自由民主党

○齋藤委員長 山中吾郎君。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 私、この法案の直接的な改正の内容は非常に単純なので、一通り検討してみましたけれども、その改正そのものについてはそう深刻に論議するほどでもない。ただし、耕作組合の法構成が構造的に二重構造というか、そういう構成を持てっおるために、たばこ耕作組合全体から見ますと、この修正の中に、この法案が成立をして運営する段階になると、耕作農民をさらに拘束をして、民主的なものをなくしていく危険があると見てとっておるわけなんです。そういう立場で質問をしたいと思いますが、同時は、このたばこ耕作組合をささえておる専売公社法の精神と、そしてたばこ耕作組合法と今度の改正全体を見ますと、根本的に検討すべきものがあるのではないか、そういう結論に達した。  そこで、まず総裁にお聞きしたのですが、たばこ耕作組合法の目的は何でしょうか。

北島武雄日本専売公社総裁

○北島説明員 ちょっとただいま法律を持ち合わせておりませんけれども、結局におきまして、たばこの生産を増進し、耕作者の経済的社会的地位の向上をはかり、あわせてたばこ専売事業の健全な発達に資するというのが法第一条に書いてございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 これはいまたばこ耕作組合法の第一条の大体の文章に沿うて言われたと思うのですが、「たばこの耕作者の経済的社会的地位の向上」とあわせて「専売事業の健全な発達に資すること」、この二つの目的がありますね。どちらが主なんですか。そうしてこの農民の経済的社会的地位の向上という目的と、専売事業の健全な発達に資するという目的と相反する目的が含まれておる。一方を強調すれば一方は消極になる。一方に積極的になれば一方は空洞化されていく。この第一条の目的からいうと、たばこ耕作組合法は二重構造的なものがあると私は考えたのです。  そこで、総裁は、この第一条の二つの目的があるのだが、どういうふうに解釈されてどういうふうに運営されてきたのか、総裁の識見を聞きたいと思います。

北島武雄日本専売公社総裁

○北島説明員 私は、この二つの目的は必ずしも相反するものではない、こういうふうに考えております。たとえば、いわゆる酒団法でも、酒税の保全をはかるというような国家目的に対する協力のことも含んでおるわけであります。もちろんそれは地位の向上ということも入ておるわけでございます。両方あわせて進めていかなければならぬということでいざいまして、私は必ずしも矛盾して考えるべきではない。ことにたばこは専売制度であるという点にやはりこういった法律の規定があるのではなかろうか、こういうふうに考えておるわけでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 それは観念的に総裁が考えられておるのではないか。この法律の第八条に、組合の事業がここに列挙されております。そして一号から七号まではたばこ耕作組合の生産協同組合的なものになっている。そのあと八、九、十は専売事業に協力する項目のようでありますが、それを見ますと、八が「葉たばこの生産及び収納に関する日本専売公社の事務についての協力」事務協力が一つある。これはよけいなことではないかと私は思うのだ。が、まず事務協力がある。それから九に「葉たばこの生産及び収納に関し公社の発する指示等の伝達」がある。たばこ耕作者の経済的、社会的地位向上を目的とした組合が指示の伝達をすることが事業に義務づけられておる。そして十に「たばこ専売法の違反の自発的予防」そういうことの三つがどうも第一条の専売事業の健全な発達に資する中身と照合するものだと思うのですが、大体農業協同組合にしても漁業協同組合にしても、その農民、漁民の経済的、社会的地位を向上する目的を持っている組合が、強大なる監督権を持っている相手方の、専売局の事業に指示等の伝達まで含んだ協力を事業とされておって、その経済的、社会的地位の向上ができるのかどうか。私はできないと見るのですが、その辺運営されて矛盾を感じないですか。

北島武雄日本専売公社総裁

○北島説明員 法律の規定から申しますと、これは結局、私は、たばこというものは専売であるということからくるのだと思います。葉たばこを生産する場合には専売公社の許可が要りますし、面積も許可が必要でございます。その反面、耕作された葉たばこは全部専売公社が収納する、こういった関係にあるわけでありまして、たばこの生産に始まりまして収納の終わりに至るまで、専売公社とやはり密接な関係があるわけでございます。これがやはり法の基本かと思います。たばこ専売法第二十五条には、「公社は、たばこ耕作組合法第二条に規定するたばこ耕作組合に対し、葉たばこの生産に関し必要な指示をすることができる。」「公社は、前項の規定により指示を受けたたばこ耕作組合に対し、当該年度の予算の範囲内で、その指示された事項の実施に要する費用の全部又は一部に相当する金額を交付することができる。」こういった規定がございますが、こういうものを受けまして、耕作組合法でそういった規定ができたのではなかろうかと考えるのです。ただし、私どもは結局耕作者と専売公社というのはたばこ事業を共同でになっているのだ、こういった考えをあくまでも持っておるわけでございます。権力的なそういった関係であってはいけない。お互いにたばこ専売事業というものをになっていくのだ、こういう考え方で運営する気持ちでおるわけでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 いま総裁が言われた専売法ですね、専売法の規定はそれでいいと思いますよ、指示する権限とか。しかし、農民の経済的、社会的地位向上を目的とした組合が、みずから協力義務を規定するということはよけいなことだ。それはたくさんありますよ、指示することは。指示を妨害すれば公務執行妨害になるかそれは知らないが、一体経済的、社会的地位を向上する組合法自身に――もしその専売局に権力的な権利の乱用があるときには、経済的、社会的地位を守るためにわれわれはそれは承服できないという立場を越えてしまっているのじゃないですか。そういう矛盾した二重構造を私は感じたのです。それを総裁が感じないとすれば、あなたは専売局の立場だけで、農民の経済的、社会的地位を向上する組合法に対する理解が非常に不十分ではないかと私は思うのです。そういう総裁のもとにこういう修正が行なわれるというところに非常に危険を私は感ずる。そこのところが明確にならないと、この法案は非常に単純なようで単純でないという結論に私は達したわけなんです。  大蔵省監理官の御意見を聞きたいと思うのですが、いまの総裁の考えとあなたのたばこ耕作組合法に対する考え方は同じなのかどうか、ちょっとお聞きしておきたい。

福間威大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○福間政府委員 事柄のとらえ方といたしましては、ただいま専売公社の総裁のほうから御答弁したようなことでよろしいかと考えております。ただ総裁のほうからも御説明ありましたように、要は運用におきまして先生御心配のような問題が起きないようによく気をつけていくということであろうかと考えております。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 監理官が言うように、その運営のしかたというのだから、その運営する精神が総裁のような考え方ならば、これは権力者として耕作組合を支配をして一向に差しつかえない、一向に矛盾を感じない、経済的、社会的地位の向上の目的を空洞化することにそう矛盾を感じないものが入っているから私は言うのです。  それはなぜかと言いうと、たばこ耕作組合法自身の第七章に「監督」というのがあるのです。そうした第八章に「罰則」がある。経済的、社会的地位を向上する目的を持った組合法自身の中に、公社から監督される自分らの立場を自分らの法律で厳重に規定をし、おまけに罰則まで書いてある。公社のいうことにそむいたらどうだこうだと組合法の中にある。どうも私は二重構造を痛感してしかたがないのですが、いかがですか。

北島武雄日本専売公社総裁

○北島説明員 これは私どもは、あくまでも権力関係であってはならぬというふうに考えております。実際の運営にあたりまして。法律は確かにただいま申しましたように、専売制度のもとにございますから、専売公社の許可が必要であるし、また専売公社が一切めんどうを見るということになっておる。したがって「監督」というような章もあるわけでございます。しかし、これは権力関係であってはならない。お互いにたばこ事業をになっていくという立場から、いかにして専売事業の発展に資することができるだろうかというようなことを真剣になって考えなければいかぬ、こういうつもりでおりまして、権力的な行動について私どもは厳に慎むようにいたしておるつもりでございます。ただし、たばこ専売法自体が明治三十七年からの古い法律でございますので、戦後においてもそういった専売局から専売公社になりましたが、いまのような監督規定があるわけでありますけれども、しかし、これは専売制度のもとにおいてはそういった規定はやむを得ないものではないか、私はこう思うのであります。運営といたしましては、そのような権力関係であっては絶対ならぬ、いやしくも権力を振りかざして専売公社をお上である、耕作者はこれに従うのだ、こういつたつもりではたばこ専売事業の運営というものはうまくいくものでない、私はこういうことを痛切に感じておるのでございます。運営においては、私はそのようにいたしておるつもりでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 いま私は法律論をやっておる。たばこ耕作組合法という法律の第七章の「監督」というところに「公社は」という主語で、いろいろな必要な書類の提出命令をすることができるとか、たばこ耕作組合法みずから、農民の組合を法律の中で監督されることを認めておるとか、非常に厳重なものです。そして罰則も認めておるのです。私はこういうことをいたしましたら、どんな監督を受けてもやむを得ない、処罰されてもやむを得ないと思う。こういう耕作組合法が一体あるのか。だからどうもこの構成が古過ぎて――まあ伝統のあることはわかるのです。この専売法ができたあと新しい憲法ができて、民主的な体制というものが国家体制の中にできてきたのだから、その憲法に基づいて法構成も再検討すべき段階を必要としたのですね。それを少しも反省しないで、このまま、自己矛盾を考えないで総裁がおるというのは、かめの中に長くおるからかめの姿がきっとあなたにはわからないのだ。まことに遺憾に私は思うので、根本的に、たばこ耕作組合法を国会に対して、もっと筋の通った、たばこ耕作者の経済的、社会的地位向上を主眼としたいわゆる近代的な組合法として再検討して、われわれに問う意思があるかどうか、これは非常に大事なことなんです。このままでけっこうだというのなら、私はこの法案に対する評価は非常に違ったものになる。そういう矛盾を感じなければ、私はたばこ耕作者の立場から考えて、どうも疑問が多いので、もう一度お聞きしておきたい。

北島武雄日本専売公社総裁

○北島説明員 いろいろ御意見もあることでございますが、ただいまの御高見は十分拝承いたしておきたいと思います。

福間威大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○福間政府委員 ただいま総裁からお答えいたしたとおりでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 ただし、国会のわれわれ自身も実は考えなければならぬと思うのは、調べてみると、これは議員立法である。昭和三十三年の議員立法で、おそらく各党が一致してつくった法案だと思うのです。そこで、私も国会に議席を有する一員としてこの法案を見たときに、あまり名誉に感じていないのです。そこで議員立法だから議員の発議によってすべきであるというのなら、私は委員長に御検討願わなければならぬ問題がある。しかし一番最初に議員立法であっても、できたならもちろん国の法律なので、長い間運営をされてあるいは監督の立場にあって、大蔵省もそれから総裁もやはり憲法の原点に戻って、すっきりとした法構成にすべきであるというのならば、政府提案をされてしかるべきものではないかと思うのです。あなた方がいや議員立法ですから議員立法で検討願いたいというのなら、私は委員長に将来の問題として要望しなければならぬと思う。監理官からこの点御意見を聞きたい。

福間威大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○福間政府委員 私どもは、発足が議員立法でありましたからと申して、ずっと議員立法の線でいかなければならぬというふうには考えておりません……

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 いやいや、その次の……

福間威大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○福間政府委員 もし将来先生御提案のような趣旨に沿った改正をするとすれば、それは私どものほうから御提案すればよろしいかというふうに考えております。そういう場合に、あくまで議員立法でやっていただかなければならないというふうには考えておりません。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 もう一度申し上げて、今度は政務次官に御意見を聞いておかなければいかぬと思うのですが、たばこ耕作組合法の設置認可の主体は専売公社なんですね。強大なる監督権が専売法に規定されておる。そうしてそれを受けるたばこ耕作組合法には、みずから公社の立場を最大限に認めた監理章条があり、あるいは罰則の規定がある。これが第一条の明文にあるたばこ耕作農民の社会的、経済的地位の向上を目的とするというのを完全に空洞化させておる。たとえば農業協同組合の場合は設置その他は知事とかいうふうな立場で認可になり、そして価格の決定その他については違った官庁に対して運動ができるし、また協同組合法自身にはみずからを拘束するような規定は大体ない。しかし一方の法律で、専売法で報告を求める権利だとかいろいろな権利というものは、これは専売法のたてまえとしてあっていい、そうしてたばこ組合がそのとおりにならぬときには専売法に基づいて法律が発動するということはわかる。しかし受ける組合法自身がみずからの法律で拘束をするというのは、私はどうしても再検討すべきものがあると思うのです。だから、いま大蔵省の監理官が、最初は議員立法であっても、長い問運営をして、その結果欠陥があれば政府提案をなしてもいいと言われたが、その運営というかやり方についての意見は、監理官ではちょっと荷が重いのでぼくには答えていないから、この辺政務次官に、これはもともと議員立法でもあるので、その点について将来のために率直な意見をお聞きしておきたい。

田中六助自由民主党大蔵政務次官

○田中(六)政府委員 この問題は、専売という大きなワクがあるためにいろいろ諸矛盾が感じられるということが一つと、もう一つは、法案そのものに旧憲法下にあった精神が非常に流れておるという二つの前提があるので、矛盾を感ずると思うのです。したがって、この二つの、専売ということと旧法のそういう意識が、権利義務関係で、保護というものと責任というものからいろいろな矛盾を感ずるのじゃないかと思いますが、しかし法律が厳然としてある限り、やはり法を守るという精神で、独法式ではなくて英米法式で、運用ということに重点を置いてやっていかなければならないと思います。しかしこの諸矛盾が、相矛盾がある限り、これは国会で改正をすべきでありまして、私どもは国会がそういうふうに強く要望するならばそのとおり従わなければならないという考えでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 次官のほうはやはり国会のほうでという御意見を言われるのですか。

田中六助自由民主党大蔵政務次官

○田中(六)政府委員 つまり国会が法律を結局きめる問題でございますので、そういうふうにしていただければ、その提案の方式はいずれでもかまわないと私は思います。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 まあ大体私の言わんとすることを理解されたようでありますので、さらにもう少し明確にするために論旨を進めていきたいと思います。  そこで、専売事業の目的は監理官、何ですか。

福間威大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○福間政府委員 たばこ専売事業の目的は、財政収入を安定的に確保するということにあると考えております。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 専売法にはどこにも目的がないのですね、見ましたら一条にもない。これは珍しい。こういう法律に目的を明記しない法律もちょっと珍しい。旧憲法で、国家権力で何をやってもいいということで、目的も規定しないであると思うのですが、どこかにありますか。どう見ても目的の明示がない。

福間威大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○福間政府委員 確かにどこにも書いてございません。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 そうすると、いま監理官は大蔵省感覚で、これは財源確保が目的の事業だ、あなたの行政的感覚で言われた。法律はないですね。これは法律に明示すべきであると思うのだが、いかがですか。こういう大きな国民の権利に関係して、大体七割、八割は税金に相当するものになって、生産原価からいったならば三〇%ぐらいしかない、こういう国家独占事業に目的を明示しないという法律もおかしいのじゃないですか、どうでしょう。

福間威大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○福間政府委員 長い間この法律と先ほど申し上げたような解釈でやってきておりますので、私どもはいまさらそれをうたうこともなかろうかと考えております。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 旧憲法のときには、君主主権のもとにどんなものをつくってもいいというときにつくった法律だから、目的を明示しないでも国会が通ったと思うのです。しかし、主権在民の憲法のもとに、人権という規定が第三章にずらっと書いてある。この新しい憲法のもとに運営される法律は、憲法が制定されたときに、この憲法の趣旨に相反する法令は廃止をするという憲法自身の規定があるのだから、この憲法の精神によって専売法は再検討して、せめて目的を明確にするくらいのことは当然だと思うのです。監理官の答弁を求めるのは、これも少し無理かとも思うのですが、政務次官、いかがでしょう。

田中六助自由民主党大蔵政務次官

○田中(六)政府委員 私は、山中委員と同様に、やはり終局は大きくこれは変えなければいかぬのじゃないかという気持ちをいたしております。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 そこで、法律にないので、今度監督しておる、あるいは運営しておる監理官と総裁にお聞きしたいのですが、たばこの専売事業の目的は法律にないのですから、一つはたしか国家財源を確保するということがあるけれども、たばこというのは決して有益な嗜好物ではないのです。のみ過ぎると健康に害がある。最近ガンの問題も出ておる。したがって、一般の自由営業として民間の自由競争にまかせば、人の健康がどうあろうがなかろうがニコチンがどれだけあろうが、どんなまじりけのものがあっても、最大利潤を追求する企業の合理主義、企業のエゴイズムで、どういう悪いたばこを出すかわからぬから、やはり国民の健康も保つという意味も含んで、財源と国民健康保持の二つがあって初めてこの憲法の精神からいって、たばこ事業というものを、営業の自由、職業の自由の例外として、国の独占事業にしたと私は考えざるを得ない。監理官は、財源だけと言ったが、どうもその辺は常識的でない、非常識である。監理官、それから総裁の見解を聞きたい。

福間威大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○福間政府委員 私どもは、先ほど申し上げましたように、たばこ専売事業は財政収入を安定的に確保するということを目的としていると考えておりますが、御指摘のように、最近健康問題という側面を、もう少し考える必要があるというようなことになってきておりますので、専売事業の運営にあたりましては、そういう側面にも十分考慮を払いながらやっていく必要があるというふうに考えております。

北島武雄日本専売公社総裁

○北島説明員 私も、たばこを専売にしている理由は、もともと財政専売だ、こういうふうに考えております。専売制度には財政専売、公益専売の二つの種類があるという学説になっておると思います。一応はとにかく財政専売、財政収入を確保するためにできたものである、そう考えております。  しかし、この公社の仕事の運営にあたりましては、私はそれだけであってはならない、こう考えております。いやしくも世間の批判にたえるような運営をしていかなければならぬ、これは私の常々考えておることでありまして、いたずらに利潤追求というものを目的にしておる、そういう御批判を受けることはかえって私どものマイナスでございます。  それから、ことに最近のように喫煙と健康問題の非常にむずかしいときにおきましては、私どもにおきましてもこの方面に一そうの注意を払いたい、こう考えておるわけでございまして、私どもの現在しておりますことはいろいろ御批判はございましょうけれども、とにかくまず第一には、何といっても健康を心配なさっていらっしゃる愛煙家が多い。それにはやはりニコチンの少ない、タールの少ない製品をできるだけ出していくのが義務である、こういうふうに考えておりまして、目下低ニコチン、低タール製品の開発につとめているところでございますが、また喫煙と健康問題についての医学的、心理的な研究等についても、もっと徹底させていかなければならぬと考えております。私、就任以来、委託研究費は昭和四十五年度三千万円でございます。四十六年度には五千万円に増額いたしまして、さらに四十七年度は六千万円に増額いたしておりまして、極力こういった方面の真相を究明したい、こういうふうに思っております。あるいはまた広告宣伝等についても、ただいま言ったような趣旨に沿いましていたさなければならぬ、こう考えておりまして、単に財政収入の目的さえ達すればいいというような運営は専売公社としては決してとるべきでない、こういうふうに考えております。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 どうもお二人の基本的な考え方が、いまの憲法感覚からずれておるのじゃないか。私の質問は、現在の憲法を原点として法案を批判をする、そして法案をいいものに持っていくということを根本に考えて終始一貫質問をするつもりであり、質問しているわけですからお聞きしたいのですが、現在の憲法の二十二条に人権として職業の自由が保障されておる。したがうて営業の自由ということが問題になり、それを制限することが絶えず世論の批判を受け、装判の問題にもなってきておるわけです。だから許可営業であるとかというふうなことについても、憲法自身の公共の福祉によってのみ制限できるという憲法十三条に照らして論議がされてきておる。いわんや、民間の営業は絶対に禁止する、独占事業としてたばこ事業をやるというならば、少なくとも憲法の営業の自由、職業の自由を制限する重大なる根拠として、憲法十三条の公共の福祉によって、これは独占事業にするのだという明確なる識見がなければ、大蔵省の監理官も総裁もその論理を持ってなければ、必ず運営というものについては旧憲法的な感覚で、昔どおりの権力的立場において耕作者に臨む、専売事業の運営をはかるということになるでしょう。財源等々ということからは制限できるはずはないじゃないですか、憲法からいって、財源からいって。監理官は、財源確保のためにこの事業を行なう、それを財源確保ということによって営業の自由、憲法二十二条の自由を制限し――制限じゃなく、独占事業だからこれは禁止だ。そういうことが憲法の論理でできるかどうか。だから私は、国民の健康を保持する酒、たばこその他については適度の自制をし、いわゆる企業の最大利潤を追求する経済合理主義の原理を克服した、何か国家的な公共の福祉を制限する哲学がなければならぬと思う。あなたの論理は、それはないじゃないですか。憲法で、財源確保だけでこのたばこ事業というものの営業の自由を国家独占に持っていくことができるかどうか、もう一度お聞きしたい。

福間威大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○福間政府委員 私ども憲法問題につきましては、ふだん必ずしも十分に勉強しておりません。なお先生のような御意見、勉強さしていただきたいと思っております。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 あなたも法律を勉強したのでしょう。まだ年は幾つか知らないけれども、現行憲法で大学を出たんじゃないですか。やはりそういう行政、法執行を担当する者は、全部憲法感覚のもとにおいて運営をされなければならないし、ことに専売法のように古い時代からずっと伝わってきて、そして新しい憲法で運営をされるようにされなければならぬそういうものについては、やはりもう少し明確に考え直す良心があるべきじゃないか。次官、いかがです。

田中六助自由民主党大蔵政務次官

○田中(六)政府委員 おっしゃるとおりで、新憲法をかがみとしてこの法案を運用、運営することが一番大切だと思います。この法案がある限りはそういう精神で運用、運営して、先ほどから申しますように、できるだけ早い機会に、いろいろなことばの上でもあるいは条文の上でも、いろいろな矛盾がありますので、何らかの形で国会で改正なり時代に合ったことをすることが誤りのないような気がいたします。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 政務次官の前向きの見解が述べられたのでそれを期待をして、それが前提でないと、この一部改正の中身の質が完全に変わってくるものだから、私にとっては非常に大事な問題であるので、明快にお聞きしなければならぬので質問をしたわけです。  というのは、同時に、そういう企業の合理主義だけで運営されておるならば、大体役人が経営しておるなんて非能率的である、民営に戻せという論も出ると思うのですよ、経営合理主義だけならば。そうでなくて、国家事業としてやらなければならぬ、国民の健康保持、国民の衛生その他の点において、一般の利潤追求だけの営利事業であってはならないのだ。別な専売事業の哲学があるがゆえにこれは民間に移すべきでないという論も成り立つのだ。何か数年前に専売事業の民営化論があった。あなたのように単に財源を多く確保するために、営利の合理主義に基づいてうんと働かしてうんと収益をとればいいというならば、民間にやらしたほうがいいじゃないかという論が逆に出ると思うのです。私はそうでなくて、公共の福祉という立場において、こういうあまり有益でない嗜好物を民営でやらすということは、あくどいいわゆる営利主義になり産業公害を生むのだ、だから国がこれを保持するのだという論理があって初めて民営化に反対する論理がある。それはまた憲法に基づいていえるのだと思う。もし総裁のような考えならば、民営化に対して積極的に説得力ある論理が出てこないじゃないですか。どうですか総裁。

北島武雄日本専売公社総裁

○北島説明員 私は決して権力関係を基調にして考えてはいかぬということは、先ほどから申し上げたとおりでございます。ただ専売公社法、これは戦後にできました法律でございますが、それには「日本専売公社は、たばこ専売法に基き現在の国の専売事業の健全にして能率的な実施に当ることを目的とする。」こういうことを書いてございますが、この趣旨に沿わなければならぬことはもちろんでございますが、それとともに、先ほどから申しましたようにやはり世間の方々のそういう御批判にたえるような仕事をしていかなければならぬ、こう考えておりまして、いたずらに利潤追求だけを目標とするような御批判を受けることは私どもは慎まなければならぬ、こう考えておる次第でございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 総裁の運営の精神をそのままお聞きしておきます。そういう方向で、やはり憲法感覚のもとにさらに運営等改善されることを要望いたしたいと思います。  次に具体的な修正の問題に入っていきたいと思うのですが、その前に、いままでこういう論理をなぜしたかということについて一、二申し上げてみたいのです。  私は岩手県なんです。たばこ耕作農民が非常に多い。その岩手においての過去の実績を見ますと、専売局においては法定事項以外のことで耕作農民あるいは組合に押しつけてきた事項がたくさんある。たとえば肥料購入とか資材の購入については、専売局が指定した商社から買わなければいじめる。そこから買わなければおまえたちの何は認めないぞと言って、過去においては専売局の役人が、農民が自由に安いところから肥料を買いたいと言っても拘束するような歴史的なことがたくさんあるのである。それがいま言ったような皆さんの思想の中に流れてくる。行政指導に、あるいは末端の役人のそういう権力的な執務のしかたにあらわれておる。これは事実なんですよ、岩手の場合においては。東磐井郡地方においては、現実にそういうのはないのですか。

佐々木幸雄日本専売公社生産本部副本部長

○佐々木説明員 先生のおっしゃいますように、過去非常にその産地のたばこの成績をあげたいというようなことから、相当規制をしたという行き過ぎがそういう点であったことは事実でございます。現在そういうことを反省いたしまして、資材の購入につきましては、公社は特定のものを指示するということは全然やっておりません。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 聞いておきます。さらにまた、検査員が収納たばこの等級をきめるときに一ぱい飲ますことを強要した例がたくさんある。現実にないのですか。それを聞いておきます。

佐々木幸雄日本専売公社生産本部副本部長

○佐々木説明員 耕作団体との間に酒食をともにするというような機会がいろいろあるわけでございますが、そういうことも過度に流れてはいけないということで現在慎むようにしております。ただ、そういう場合も、特にたばこの買い上げのときあたりにつきましては、そういう常識的なつき合いがたいへん誤解を招くということも多かったわけでございますので、現在はそういうことについては禁止するというかっこうにやっておりますけれども、人間のつき合いでございますので、極端な場合、あまりそういうことが断わり切れないというような場合もあるのではないかと思いますが、公社のほうといたしましては、直接そういうような買い上げの場合の酒食というものは厳に慎むようにということででやっておりまして、そういうことはないと思っております。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 根掘り葉掘りせんさくする気はないんですが、そういういろいろな権利の乱用というふうな事件が過去に幾多あったことは間違いない。そのことが、先ほど申し上げましたたばこ耕作組合法の二重構造、組合自身にみずから監督される規定を書き、罰則を書いてある。公社の立場というものに対して隷属するという規定をこの組合法自身に規定しておる法律構造。そうして、それをささえる専売法自身に、目的も明示しないで、端的にいえば、憲法との関係をあいまいにして、ただ財源を確保するということだけで臨んでおるという、全体のこの法体系の中にこういうものが出てきておると私は分析をする。したがって、現実の運営の精神に、総裁自身あるいは生産本部長も、そういう精神でやると言っても、この法構成自身にそういう危険があるので、私は、根本的には法全体の再検討をすべきであり、また、この現在の法構成のもとにあなた方が執務されるについては絶えずその危険があるということを銘記しておいてもらいたい。特に申し上げておきたいと思うのであります。  そこで、私はもう一つ疑問に思っておるのは、国民の健康保持と財源の確保という二つが目的としてこの専売事業がある場合については、いわゆる一般の私企業の原理ですね、最大利潤、最大収益を追求するいわゆる経済合理主義という原理以上の何かがなければならない。すなわち、多くたばこをのます、多く生産をさすということが目的でなくて、国民の嗜好の自由というものを認めながら、できれば、なるだけたばこはのみ過ぎないようにするという、経済合理主義を克服した一つの原理がなきゃならぬでしょう。しからば、大蔵省も、これだけの財源を確保しなければ相ならぬぞという、財源確保だけで督励をするという立場も、間違いではないか。総裁の立場も、たばこの販売は、一定の国民の需要に基づいて、適度なる販売計画というものがあって、多くのますという政策をやたらにとるというのは間違いではないかと思うが、そういう運営をしておりますか。

福間威大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○福間政府委員 私どものほうでは、なるべく収入を多く取るということ一点ばりでやっておるつもりではございません。

北島武雄日本専売公社総裁

○北島説明員 専売公社も、ただ収入をあげさえすればいいと、そういっただけの気持ちでやっておるわけではございません。先ほどから申しましたような、世間の批判にたえるような、公共企業体として十二分な、批判にたえるような運営をしなければならぬ、こう考えておる次第でございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 監理官、うそを言っているんじゃないでしょうか。あなたは毎年、計画で幾らつくらなければだめだといって、いつも督励しているんでしょう。

福間威大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○福間政府委員 うそを申しておるつもりは毛頭ございません。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 じゃ監理官のことばを信頼をしましょう。  今度は総裁のほうだ。専売公社の組織をちょっと見ますと、ここに生産本部長がおるんですが、その職制を見ますと、販売計画課というのは、私はわかる。一定の計画はね。計画を立てて、計画どおり実施するのが経営体ですが、その次に、販売促進課というのがある。やたらに売ることを奨励する販売促進課長まで置いておる。だから、私は、総裁の言っておることと行なっていることは違っておるというふうに思う。

北島武雄日本専売公社総裁

○北島説明員 私も先ほどから、単に売りさえすればいいというだけで考えておるわけではないということを申しておるのであります。ただ私どもといたしましては、三千数百万人の愛煙家がございます。やはり愛煙家の御要望にこたえるように需要に合ったたばこをつくって、そしてできるだけ供給に事欠かないよう努力する必要があると私どもは思うのでありまして、そういう点で販売促進という名前は置いてありますけれども、しかし私企業のような強引なことはもちろんいたしておりませんし、また、いたしてもできるわけではありません、たばこは無理にのませるわけにはいかぬわけでありますから。これは、民営で何社か競争がございますれば、それはそれこそお互いの競争でできるわけでございます。たばこをお吸いになる方はきまっていらっしゃる。それに対して無理にたばこを吸わせるわけにはいかぬ。そういう意味でひとつ御了解いただきたいと思います。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 販売促進課長に聞けばわかるんですが、販売促進課長になった者は促進しなければ職務が果たせないんだから、あらゆる手段をもって私企業と同じように商売商売で――国民の健康などは、その人の人生観に立ってやると思うのですが、どうしてこういうものを置いたか。だから私は、総裁が盛んにりっぱな、格調の高い答弁をされておるけれども、運営は旧憲法感覚で、とにかく収益をあげさえすればいい、大蔵省は、あげればほめるし、あげないと何だという監督をしているんじゃないかと私は見てとっているんだ、ほんとは、いずれにしても、やはりわれわれ国民は現在の憲法の精神に基づいてこの専売事業というものを基本的に考え直すということを切に要望しておきたい。  なぜこういうことを言うかというと、私は、国の財源を確保する行政、いわゆる、何というんですか、財源行政、それにもやっぱりモラルが必要だと思うんです。財源行政における道徳が必要であると思う。取りさえすればいい、国民の健康はどうでもいいということでは、私は済まされないと思う。町に行きますと、たばこの自動販売機がある。これはおそらく販売促進課で考案したんだろうと思うんだが、自動販売機をたくさん置いて、至るところ、地下鉄のプラットホームにもあればどこにもある。そこまでせにゃならぬのか。ほんとうはだんだんたばこをのまなくなるほうがいいんだと、たばこ販売縮小課でもあったら――私も昔ヘビースモーカーで、いまやめているんだが、やめると、ずいぶんこれはエネルギーが余っていいことなんだが、少なくとも、無理に毎年毎年愛煙家を多くするという精神でなくて、むしろ少なくなったほうがいいという気持ちの専売事業の哲学が要るんじゃないか。自動販売機なんというものは、どうしてあんなものをつくってあるか。特に法治国という思想からいえば、未成年者禁酒法、禁煙法というものがある。未成年は健康上たばこをのまない法律がある。健康上できた法律である。現実に法律がある、これは空洞化しておって、これはだれも守らない、選挙法と同じように、守らないんだが。少なくとも自動販売機になると、これは未成年だって何だって――未成年は、たばこ屋に行きますと、やはりそういう法律があるものだから、営業許可を受けるときに、未成年のときは少しは遠慮をし、また未成年もたばこを買うのは少しひけ目を感じてあまり買わないが、自動販売機は、未成年禁煙法を大っぴらに専売公社が無視して販売をしておるということにならないか。どうです。

飯田頼之日本専売公社営業本部副本部長

○飯田説明員 私からお答え申し上げます。  いま自動販売機とそれから未成年喫煙の問題でございますけれども、たばこは御承知のように典型的な日用品であり、しかも、消費者の多くの方は一個、二個と、一度に大量買いをされないというのが常態になっております。ということで、消費者の方の利便にこたえるために最近自動販売機も設置するという方向になってきておりますが、それは普通のたばこ店は一般的に営業時間が短縮の傾向にございます。それから一斉休業というようなことも増加しております。こういうふうな慢性的な労働力不足から、小売り店に対する消費者の方の不満がいろいろございます。ということで、たばこだけじゃございませんが、ほかの商品のように自動販売機を設置していくという時代の趨勢に応じまして、われわれも自動販売機の設置をやっておるという状況でございます。その場合に、未成年者が買うというについて野放しになるのではないかという問題がございます。その点につきましては、われわれは常に特別の配慮を払っておりまして、そういう未成年者喫煙防止のPRをいろいろ機会あるごとにいたしておりますとともに、自動販売機も未成年者が買うという危険のあるような場所にはなるべく設置は認めないということとか、それから、それぞれ販売機の監視の責任者というものを置かせまして、できるだけの注意を払うというようなことをいたしまして、そういう弊害のないように気をつけておる次第でございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 とにかくそれはあまりにも適当な答弁過ぎる。一体自動販売機なんてどこにあるかあなたわかっていますか。とにかく、未成年者禁煙法という法律があるのだが、何かそういうことのないようにという考慮なんで、あなたの答弁は頭の中で考えて適当に答えているだけで何にも事実に合っていない。それから、時代の趨勢にしたがって――だから私企業でない、国家事業としてあるのであって、一般のコカ・コーラその他が始めたからたばこもやるなんという主体性のない運営方針というものがあってはならぬから国家の独占事業にしておるのじゃないですか。少したばこのみには不便のほうがいいですよ、ある程度節煙して。みんながやるからこっちもやる、時代の趨勢だ、それから自動販売機というものは設置することを前提として、なるだけ未成年がのまないように配慮している。配慮といったってどうしてできるのですか。専売法の運営の基本問題として私は一つの例をあげて聞いている。いまのような、事実に相反するというか、主体性のない答弁では、やがてこの専売法というふうなものが根本的に何だかんだと言われてくるすきをつくると思うので申し上げるのだが、設置の場所を制限したとかいま言いましたね。どういう制限をしているのですか。

飯田頼之日本専売公社営業本部副本部長

○飯田説明員 未成年者が多く集まるような場所、そういう場所には設置をさせないという意味で申し上げたわけでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 未成年者が集まる場所は小学校、中学校ぐらいじゃないですか。

飯田頼之日本専売公社営業本部副本部長

○飯田説明員 その未成年者が多く集まりやすい場所と申しますのは、学校とかいうことではございませんで、ボーリング場だとかそういったような娯楽場所、そういう意味でございます。(「ボーリング場はみんな置いてあるよ」と呼ぶ者あり)いま申し上げましたボーリング場というのも、ボーリング場の小売人がよく監視ができる場合には設置を認めるという意味で、全部のボーリング場を禁止しておるということじゃございません。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 ボーリング場は未成年者が集まるところじゃなくておとなが集まっている場所ですよ。おとなの娯楽場になっておる。いまでたらめを言うから……。うそを言ってはいかぬよ。これは速記録に載るんですよ。訂正しないですか。それでいいですか。私はいつまでもこれを論議する考えはないが、うそを言ってはいかぬよ。間違っておったら間違っておったと言いなさい。

北島武雄日本専売公社総裁

○北島説明員 ただいま飯田の申し上げたことにつきまして、お聞きいただきますと、疑いを生ずる面もございますから……。最初の青少年の集まりやすい場所にはやめる、こう言ったところはひとつ訂正させていただきます。おそらくそういう考えを持っておるのかもしれません。しかし、それはちょっと合理性のないものでございますから、私から、訂正させていただきます。  なお、この自動販売機という問題はたいへんむずかしい問題でございます。商店の省力経営という問題、それからたばこの愛好者にはやはり専売公社がこたえる義務があるのだと私どもは思っております。そう御不自由をかけることはいけないのだ、そういう考えがございますので、やはり自動販売機というのは、酒の自動販売機、コカ・コーラの自動販売機と同じように、これは世界の趨勢ではなかろうかと、私は考えております。もっともわが国の自動販売機の設置数はそう多くはございません。アメリカあたりは約百万台、ドイツあたりは、八、九十万台、英国あたりは十万台と聞いておりますが、まだわが国では三万数千台かと思います。ただ、自動販売機には、これもおっしゃられるように、形ばかりじゃないかとおっしゃられるかもしれませんが、未成年者喫煙禁止法によって二十歳未満の方の喫煙は禁止されておりますという表示をいたしておりまして、これは夜間でも見えるようなやり方をいたしております。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 ぼくは見たこともない。自動販売機を使ったことがないからわからないが、書いてあるのですか。できるだけ見えないところに書いておるのじゃないか。私は同じような運営の問題としていま取り上げておるわけなんですが、社労委員会のほうで問題になったことだと思うのですが、ことに最近ガン問題も出ているので、たばこの箱に何かあまりたばこをのみ過ぎないようにという注意書をせいというような国会からの要望があって、それに専売公社はしぶしぶこたえて、何かそういう方針にいたしたいという答弁があったと聞いておるが、それは間違いないですか。

北島武雄日本専売公社総裁

○北島説明員 そんな御答弁をいたした覚えはございません。大蔵大臣の御指示がありますればそれに対して従うのが専売公社の義務でございます。

福間威大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○福間政府委員 一昨年の夏ごろ、大蔵大臣から専売事業審議会に諮問いたしまして、健康と喫煙に関する問題、その問題の一環としてその表示問題も取り上げまして、専売事業審議会のほうで昨年春答申をいたしました。そういう経緯もございますので、大蔵大臣から公社総裁に指示するというかっこうで処理しております。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 審議会で問題になったのですね。――わかりました。  ヨーロッパあたり、アメリカも含んで、たばこの箱には、国民の健康を守るための注意書きをもうすでに書いて出しておると聞いたのだが、それが事実かどうか、それから総裁のほうはその指示を受けてあるのかどうか、それに対してどういう方針なのか、お聞きしておきたい。

福間威大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○福間政府委員 諸外国の例でございますが、現在主要国でそういった種類の表示をしております国はアメリカ、イギリス、カナダ、その辺でございます。ヨーロッパの大陸諸国、ドイツ、フランス、イタリア等は、まだそういう表示を実施いたしておりません。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 それはわが国としてはやるのですか、やらないのですか。

福間威大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○福間政府委員 ことしの四月二十日に、大蔵大臣から公社総裁に対する指示を出しております。その指示に基づきまして、公社のほうで、吸い過ぎに注意する趣旨の表示をするということになっております。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 アメリカにしても英国にしてもカナダにしても、やはり国民の健康というものがたばこ事業の中に精神として入っている。私はこれは健全だと思う。健全なる専売事業と書いてある。その指示を受けて、専売公社はどういう方針をとっておられるか。

北島武雄日本専売公社総裁

○北島説明員 けさの何かの新聞に出ておったかと思いますが、もうすでに、「健康のために吸いすぎに注意しましょう」というのを各銘柄ごとに考えまして、印刷に取りかかる準備をいたしております。非常に種類が多く、箱の大小によっていろいろデザインも違ってまいりますので、その点非常に苦心しております。これはすべてセットいたしまして、これから生産に取りかかるということでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 愛煙家からいえば効果があるないは別にして、やはり国が独占しておる事業の精神は、アメリカ、英国よりもっと、向こうから暗示をされてやるようなことでなくて、こちらが先べんをつけてやるべきである、専売事業として、日本が独特の独占事業としてやっているのだから。アメリカあたりは私企業でしょう。その私企業のアメリカが、企業が公共的な自覚を持って、あるいは政府の指示はあったにしても、営利一点ばりでない何か別な、有害嗜好物、食物に対する社会的責任を感じてやっている。そのまねをして、国家が独占しておる日本の専売事業があとからしぶしぶついていくというような精神は、私は逆だと見ておるのです。それほど、古い伝統の中に専売事業の精神が沈滞しているのじゃないかと私は思うので、くどくど申し上げておるのです。やはりもっと公共的な立場、憲法の規定というのをずばりと受けて、面目を新たにすべきであるということを思うので、切望しておきたいと思うのです。  こういうことは専売事業に関係する法体系の構造に矛盾があるので、この一部改正の内容について特にお聞きしなければならぬのでありますが、改正の中身を見ますと、耕作農民、したがって組合員がだんだん減少しておるので、地区組合の地域の拡大とか、あるいは連合会の地区の拡大、これが一つ。これは自然であって、私はかれこれ批判を持っておりません。しかし、どうもこの法構成全体の中で疑問を持つのは、耕作組合の総会における代理人が代理することのできる数を本人を入れて五人から十人にしたということです。これは、組合員が少なくなったということを提案の理由に説明しておるようでありますけれども、問題が違うのではないか。組合員の意思をできるだけ多く反映さすという民主的な目的、先ほど言った第一条の「経済的、社会的地位の向上」という点からいえば、組合員が多い少ないということに関係ない問題である。できるだけ多くの人の意見が反映するようにという精神からいえば、代理できる数を五人から十人にするということは組合員の意思の反映を二分の一にするということで、やはりこのたばこ耕作組合の二重構造の中から、大体専売公社の言うとおり右へならえするという体質があるものだから、組合員の減少に便乗してこういう改正が出てくると私は考えるのですが、いかがです。

佐々木幸雄日本専売公社生産本部副本部長

○佐々木説明員 御説明申し上げたいと思いますが、先生のおっしゃいますように、確かに代理数の四人までを九人までとするという改正が、強制的にそういう方向に向かうということは問題があると思います。この総会におきます耕作者の出席は、あくまでも本人出席というのが原則でございますが、現状を申し上げますと、耕作者の数が少なくなっておるということではなくて、つとめに出ておられる方とかあるいは出かせぎに出ておられるというような方が非常に多いために、現状ですでに四人までの代理権をフルに使って総会が持たれておるというようなケースが約半分ございます。こういうようなかっこうで改正をいたしましても、それはあくまでも原則は本人出席ということで運用すべきでございます。それがかなわない場合に、そのワクを広げておくということであろうかと思います。九人までといたしましたのは、耕作の母体になっております耕作者の団体の単位を見ますと、総代区というのがございますが、この総代区が平均十人というようなかっこうになっておりますので、そういうかっこうの人数でよかろうかということでございます。またもう一つ、代理人に出られます方も、総会の議案に対しまして自分の意見を代理してくれる人を代理人に選ぶべきでございますので、そういう意味の配慮もあったかと思います。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 そこで先ほどちょっと問題が出たので、たとえばたばこ耕作組合自身の事業として義務づけられている中に「公社の発する指示等の伝達」とかというふうなものが掲げられておりますが、総会についての伝達があまり魅力がなくて、組合員も忙しいものだからわざわざ出る必要はない。耕作、収納に関する条件であるとか、あるいは価格についての意見を述べられるとか、耕作農民の生活に結びついたことがはつらつとして論議をされる総会ならば、私はやはり出ると思うのです。だから、組合員が減ったからではなくて、この構成からいって魅力のある総会にならないからというところにあるのではないかと思うのですね。そういうふうに耕作農民の立場に立って皆さんが考えないところに、この法律の欠陥があるのじゃないか。  特に五人を十人にするということは、いわゆる耕作組合の総会に値しなくなるのではないかと私が思うのは、たとえば例を申しますと、百人の耕作組合員がいる、そうしていままでのように出席者が五人の組合員の代理ができるとすれば、一番極端な場合には二十人いれば全組合員の代理ができる。過半数でものを決定するならば、その十人で耕作組合の意思が全部決定される。これは五人の場合ですよ。これを十人にした場合に、百人の組合員がある耕作組合の総会において、一人が十人の組合員の代理をつとめるならば、出席は十人でいいわけだ。二分の一で決定するならば五人で全部きめる。総会の運営の大事な最高の決定機関が、百人の組合員があるときに五人で全部重要なものはきめられるという法律内容になると思うのですね。それじゃ民主的な農民の経済的社会的地位向上の組合でなく、実体が空洞化されるじゃないですか。いまのままでもなかなか出席が悪いというなら、もっと魅力のある、耕作農民が肉体的に感ずるような議事、その他のものがあって、そういう方向に努力さるべきではないか、指導さるべきではないか。一体十人の代理権を認めるということは、百人の組合で五人ですべて決定できるという内容だ。私は、実に非民主的な改悪ではないかと思うのですが、どうですか。

佐々木幸雄日本専売公社生産本部副本部長

○佐々木説明員 私がいま申し上げましたようなかっこうの要因があるわけでございますけれども、今度の組合法改正全体を通じまして、本法律案はこういうようなかっこうの一つのワクを広げるということになっておりますけれども、それぞれの組合におきましては、それぞれの定款でワクをきめることになりますので、その組合で、先生のおっしゃいますような非常に不合理があると判断されました場合、前のようなかっこうになる、そういう運用になるわけでございますから、その辺はよくこの改正とあわせまして公社も指導をいたしまして、その組合に合ったように指導してまいる、このように考えております。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 関連して。私、この前に質問をした最後の結びのところで、今度の改正点には非常に心配がある、非民主的な運営に道を開くような心配があるということを指摘して、それだけでやめた。これは要望のような形になっているのですが、やはり今度の改正で一番問題点はそこなんですよ。それで、大体佐々木さんの御答弁を聞きましても、総代区が大体十名ぐらいだというと、もうその総代があれも忙しそうだなということになって、皆さんの法の趣旨とはまるで逆な運用が必ず行なわれることに違いない。われわれ現地の諸君と接して実情をよく知っている者としては、もう十人まではいいのだ、だから総代区がちょうど十名のところで、あるいは九名のところで総代一人、その総代さえ出ていけばいい、総会というものはまさに総代だけ集まればいいのだという、そういう運営にきわめてなりやすい道を開くのだということなんですよ。そうすれば、いま山中さんが数字をあげたように、まさに総会でなくて総代会、総代だけが集まれば何でもできる、そういう状態になる。したがって、今度の改正がかりに通っても、これに対しては本来の趣旨はこうなんだということを、やはりしっかりこの耕作組合に対して指導をして、みんなが集まることが、これがやっぱり総会の趣旨であり、協同組合の本旨なんだということで、これはやむを得ざる場合の便宜措置にすぎないのだということを、それが順逆転倒しないように十二分に注意していただかなければならぬと思うのですが、そういうぴしっとした指導をして、この本末を間違わないようなそういう指導というものをきちんとやっぱりやらなければいけないと思うのですが、その点についてやはり私どもの一番心配しているところはそこなんですという立場で、皆さんの指導の方針を総裁からきちんと伺っておきたいと思うのです。

北島武雄日本専売公社総裁

○北島説明員 今度の改正はもともと耕作組合の要望に基づくものではございますが、実施にあたりましてはいやしくもいまお話ございましたような非民主的な傾向に堕することのないよう、十分にひとつ法案の趣旨を組合員のすみずみまで徹底させるようにいたしたいと考えております。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 耕作組合が結局ボスの独断的運営というような実態になってしまって、したがってそういう要望も出てきたのではないかと思う。その根源はやはり先ほど言った自主的な立場というものを法構成の中に半分にしてあるわけで、専売事業に協力するという、そういうふうな自主性を空洞化するような体制の中から出てくると思うので、総裁の立場からいえばもっと組合員の意思が反映するように最大の努力を払わなければならぬと私は思うので、要望しておきたいと思う。  大体集団なんというのは小規模のもののほうが一人一人の意思が反映するのですから、組合組織というものは小さいほど一人一人の意思が反映する、多くなればなるほど、それだけ一人一人の意思が反映しない。理想的にいえば小さいほうがいい、小規模のほうがいいのですね。民主的に全部の組合員が運営に参加をし、承認する意思を発表できるのには少ないほうがいいのだ。数が少なくなったから、だから地域を拡大するということは、私は最初にこれでいいでしょうと言った。それまではいいが、あとに代理権までここで倍にするとか積み重ねていく。基本精神が古い封建的な専売法の精神で流れておるということだから、私はこの修正というものを根本的に掘り下げて再検討すべきではないかということを強調しているわけなんですから、十分その点深刻に理解をしておいてもらいたい。  その次の点にも疑問がある。たばこ耕作組合における代議員会の設置の条件は、いままで組合員が五百人をこえるときに置いたが、今度は三百人のときに代議員制度を置くことができるとしてあるのですね。そうしてこの修正の理由はやはり組合員が減少したからだという理由一本である。そしてまた専売公社の思想というものに私は疑問を持つので、大体代議員制度というものは便宜主義なので、やはり民主的には全組合員が集まるのが総会なのです。なるたけ代議員会制度はとらないほうがいいという一つの基本精神がなければならない。そこで五百名以上という場合にはやはりやむを得ないから代議員制度を置いた。ところが五百人以上の組合が少なくなれば、代議員制度を置く必要がない組合、小さな組合がたくさんできるのだから、代議員制度を置かないでけっこうなんじゃないですか、かえっていいのじゃないか。なぜ三百人に減らす理由が出てくるのですか。組合員の減る、少ないという問題と別に、代議員制度というものを五百名を三百名にするということは、やはり組合員一人一人の意思の反映をなくしていくという方向の思想があるからだ。五百名を三百名にするということは思想の問題であって、耕作組合が少なくなるかどうかの問題ではない。いままで五百名の組合員があったものが四百名になれば、代議員制度を置かないほうがいいのではないか。三百名になればないほうがいいのではないか。直接組合員が反映する制度でいいのです。なぜ五百名を三百名にする気になったのか。代議員制度がないのが理想なんです。しかも方に十人の組合員の代理権を認めるような制度を置いておいて、組合員五百名の設置条件を三百名にする、全体の専売公社の思想が非常に昔の専売と同じように君主主権的権力体質があって、こういう改正法をすらっとごく簡単に出されておると思うのです。いかがですか。

佐々木幸雄日本専売公社生産本部副本部長

○佐々木説明員 先生の御意見もよくわかりますが、私たちこういう問題を今回大蔵提案しておりますのは、実態に沿うように、たとえば法改正のときに五百名以下の組合というのは全体の百九十数組合の中で十三組合くらいであったわけですが、現在全体といたしまして六十七組合そういう組合がございます。もちろんそういう組合も総会へ行けばいいわけでありますけれども、実際上能率的に運用できるという代員会、これは重要事項は耕作組合の場合には決議できることになっておりますけれども、そういう場合には代議員会で能率的な運用ができるという、そういうようなかっこうのワクを広げたほうがやはりいいのではないか、そういう要望が団体側からも強いということと、それから耕作人員の減少に伴いまして組合の合併などによって区域が非常に広くなっておる、こういう問題等もありますので、そういう面もあわせまして代議員会で運用できるという幅を緩和していただきまして広げたほうが時代に合っているのではないか、こういう実態処理の観点からこういうふうに修正をお願いいたしたいと思うのでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 五百名の組合員を擁する組合が少なくなればけっこうだという思想が先にあるべきだと思うんで、代議員制度をつくらないで、全員総会のたてまえというのが、五百名の組合が少なくなることによって、その原則が全体にかえっていいのではないかと私は思うのです。そして一方に、先ほど言ったように五人の代理権を十人に拡大しておるのですから、一体五百人の組合員のある耕作組合は十人ずつ代表すれば五十人集まればいいでしょう。過半数で決定するのは二十五人でいいという法改正なんですよ、三は。そこへ代議員制度が、なぜまたこういうよけいなことをお考えになるのか。その着想が、どうも民主的体質というものが皆さんに非常にないのではないか。ごく簡単に提案されたようでありますけれども、私の感覚からいえば、日本の大体のいろいろな団体の体質にしても、民主的な方向に、いわゆる全員参加ということで日本全体集団そのものがわれわれの国であり、われわれの組合だという方向に持っていって国民共同目標を一つに持っていこうとする私の政治理念からすれば、全部逆行、体質が逆になっていると思うので、強調しているわけであります。したがいまして、私はこの法案に対して満足する点数を与えるわけにいかないのです。先ほど政務次官が、やはりこれは古い体質を持った法体系であるから再検討すべきであるという一つの政治的な識見を出されていると思うので、そういうことを前提として私の批判をこの辺にしておきたいと思うのですが、こういうふうな法案の出し方をもう一度再検討されて専売局においても大蔵省の監理官においても一度憲法感覚に立って検討するという態度で反省されることを要望しておきたい。  以上、申し上げて私の質問を終わります。

齋藤邦吉自由民主党

○齋藤委員長 午後二時三十分より再開することとし、この際、暫時休憩いたします。    午後一時十四分休憩      ――――◇―――――    午後二時四十三分開議

齋藤邦吉自由民主党

○齋藤委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  たばこ耕作組合法の一部を改正する法律案を議題として質疑を続行いたします。堀昌雄君。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 本日は、たばこ耕作組合法の改正に関連をいたしまして、たばこの製造、販売及び取り締まり等の関係について少しお伺いをいたしたいと思います。  最初に、ちょっとここへも並べましたから、お伺いをいたしたいわけでありますけれども、専売公社で、たばこを発売される場合に、商品名なりそのスタイルというのは何か基準があって定められておることになっておるのですか。商品名それから商品の内容、表装のスタイル、これらはどういう手続――というとたいへん大げさでありますけれども、手続を経て決定をし、発売されるようになるのか、最初にお伺いしたいと思います。

北島武雄日本専売公社総裁

○北島説明員 新製品を出します場合の名前につきましては、一体分度はどんなたばこを出すのかということで、その製品の特質をまず考えてみます。それに消費者層というのを頭に浮かべまして、その消費者のイメージに合うような名前ということで、覚えやすくて、音感もよくて、受け入れやすいというようなことを頭に置いてきめているわけでありますが、その場合におきまして、社内にも若干のモニターを置き、それから社外の広告宣伝会社だとかあるいはたばこの愛好家あるいは有名なたばこを愛好しているような方々などから御意見を募集いたします。それを社内の委員会などでみなで審議いたしまして、だんだん固まってくる、こういう手続になっております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 私が特にこの問題に触れる気になりましたのは、最近、発売されるたばこというのが、ほとんど日本語としては通用しない商品名で発売されるものがきわめて多いということが第一点。  第二点は、かつては日本語のたばこであったものが、いつの間にか横文字のたばこに変わっている。おそらくいま「しんせい」というのがこういう表示になっておるというのを御存じない方があるのじゃないかと思いますが、これが「しんせい」です。「しんせい」というのはかなり古くから発売をさせておりました日本名のたばこですけれども、今日、この中には横に小さく「しんせい」と書いてありますが、主たる表示はローマ字で「SHINSEI」こうなっていますね。これが日本専売公社が発売をしておる日本名のたばこなんです。  いま私、これを一つ取り上げましたが、もう一つは「こはく」というたばこがあります。「こはく」というたばこは昭和四十一年に発売をされておるたばこでありますが、こはくというのは日本語だろうと思うのです。ローマ字でKOHAKUと書いてあるのでは、何だかわかりません。こはくというのは、おそらく漢字で琉珀というのが日本語で一般的に理解されておるイメージの概念だと思うのですが、「KOHAKU」「KOHAKU」「KOHAKU」とあって、いま総裁に伺ったら、横に、黒い地の中に白で縦にしまがあって、そこに細い金線で「こはく」と書いてある。これはそれがただ一字、日本語の表示であります。あとは、日本専売公社というのはさすがに横文字で入っておりません。これだけは日本語で、全部の商品に「日本専売公社」と入っておりますが、一体こういう傾向になったのは何によるのでしょうか、総裁。

北島武雄日本専売公社総裁

○北島説明員 これは私は、やはりデザインに大いに関係あると思います。たとえば「こはく」なども、こはくは日本名でございますけれども、包装にはおもなところは「KOHAKU」と書いてあります。これは漢字で書いたらどうとか、あるいはひらがなで書いたら、こういうようなこともございますが、全体を一個のデザインとして考えてみますと、そのほうがいいということで、あのとおりきまったのではないかと思います。  たとえば、私が参りましてから出しましたたばこでは「らん」というたばこ、これはちゃんとした日本字で「蘭」と書いてございますけれども、これは顔真卿の文字を使ったわけで、日本字を使う場合には、デザインとの関係で選択に非常にむずかしいところがあるというところが非常に一つの難点になっているかと思います。「富士」なども、たしか昔の有名な書家の字をそのまま使っておる。これは、たばこ愛好者全体が気持ちよく吸っていただくためにデザインということも大事ではないかと考えます。そういった点から、いままでデザインに主力が置かれてそんなふうになったのだということではないかと思います。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 総裁、たいへんデザインということにこだわっておられますけれども、要するに、アルファベットを使わなければデザインとして有効でないというのなら、これはナショナルな問題として、国民性の問題として私は非常に重要な問題じゃないかと思うのです。私ども、国語として国民に教えておるのはローマ字ではないと思うのですが、大蔵大臣、どうでしょうか。私ども、国民に国語を教えておるのは、日本のことば、かなと漢字をもって日本の国語としておるのだと思うのですが、大蔵大臣、いかがでしょうか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 ローマ字は国語としては教えておりません。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 私は、これがもし――きょう山中君が午前中に質問しておられましたけれども、日本専売公社というものの意味はどういうところにあるのかという点について、山中委員の彼なりの哲学を披露しながら午前中の質問がありました。私も全く同感な点が多いのですが、私は日本専売公社は日本の法律に基づいて政府関係の機関として設けられておる役所だと思うのですが、大蔵大臣、それは間違いないでしょうね。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 そうでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 その日本専売公社が国民に売り出す商品は、要するに、デザイン的に国民に理解されさえすれば、できるだけ横文字をもって発売することが本来の専売公社としてのあり方として望ましい方向でしょうか。なるほど、いまここにずっと見ましたところ、これが現在専売公社が出しておられるたばここのすべてでありますけれども、これが「桃山」というパイプ用のたばこですね。日本語の商品名ですが、「MOMOYAMA」とこう横文字で書いてあります。「ピース」というのは初めから英語ですからね。これはおそらく平和という意味のピースだろうと思うのです。その次に、日本語で書かれておるものを捨いますと「いこい」というのが日本語で入っています。これは日本語一つ。それからいまお話しになった「富士」が片面日本語、片面英語でこれが半々。それから、まあ一番最近の製品だと私、思うのですが、  「わかば」というのは昭和四十一年につくられた製品ですが、これはまあデザインからいっても、たいへんこう若葉の感じのするさわやかな商品です。これは完全に日本語です。完全に日本語だけというのを戦後の発売品の中からさがしますと、ただこの二品目しかないのですよ。いま私が専売公社からお借りしておるこの商品を見まして、戦後発売されたものの中で完全に日本語だけで書かれたものは二品目。「富士」が表と裏で半分です。そのあと、戦前からございます「朝日」ですね。これは戦前規格そのままでありますから、これはそのままになっております。それから刻みたばこの「ききょう」が、やはり「ききょう」と書いてあるだけで、これは戦前のままの姿であります。もう一つここに「ひびきが」ありましたから、これは三つは訂正をいたしましょう。あとはもう全部――「らん」は半々ですね。いま総裁おっしゃったように、まあ「蘭」という字がはっきりわかっておりますが、下に「RAN」とくっついておりますから、これも半々のほうでしょう。これだけですね。現在二十三で、まあ三ないしは五というのが現状の姿であります。  私は、まず第一点ここで非常に感じるのは、確かにデザインデザインと言われますけれども、せっかく日本名をもって発売したものが、どうしてそういう日本名の表示をしないのか、これは一番、私、納得のできない点なんです。これは、向こうの横文字の名前で初めからスタートしたものを日本字で書けといったって、これはもうどだい無理なことですから、それはまたもう一つ次元の別な問題としてあとで取り上げさせていただきますが、日本名の商品に、いかにくふうをするにしろ、専売公社のほうとして日本語でデザインをしてもらいたいという条件がついておれば、私は、それをデザインする人たちは日本語でやられると思うのです。さっき申し上げた「わかば」などは、おそらく日本語で表示をしてくれというあれがついていたんじゃないかと思うのですが、これをやった人の特別なあれかもわかりませんが、これはもうはっきり日本語の表示になっておるということでありますので、その点は、まず第一段階として、今後専売公社は日本名の名前で出したものは日本名で表示をするということにしていただくのが適当ではないか、こう思いますけれども、総裁、いかがでございましょうか。

北島武雄日本専売公社総裁

○北島説明員 できるだけ御趣旨のように沿いたいとは存じますが、やはりデザインということも、芸術家がやる場合にたいへんむずかしい問題だと思うのです。名前をつけて、その名前に合うような、日本字に合うようなデザインはなかなかむずかしいのだと思うのです。私もよくわかりまんが。しかし、御趣旨の点もございますので、そういった点は十分ひとつ、今後デザインする場合にあたって注意するように申しておきます。  実は、本年度発売する予定の中に二つ日本名ものがございまして、これは日本字で書きましてもたいへんデザインとしておもしろくなるだろう、こういった感じのものがあるわけでございます。まあ今後にひとつ御注目いただきたいと思います。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 私、日本人が確かに舶来もの崇拝といいますか、同じ商品でも何か外国の製品がいいんじゃないかという感じを長く持ってきた歴史的な経緯もありますから、ともかくいろいろな横文字の表示が日本人はたいへん好きだというこれは、それは承知しております。承知しておりますけれども、それはまあ民間の人たちが、それを販売促進のためにやることについてはやむを得ませんが、きょうも前段で話がありましたように、これはやはり専売公社で国が専売をしておる品物である以上、私はやはりおのずからそういうデザインその他についても限界があってしかるべきではないか。日本名の名前で選択されたものについて、専売公社のほうでそれを生かしてそのデザインを求められれば、国民が、日本のことばで書いてあるたばこはだめなんで、洋式のデザインなら大いに買いましょうと、そういう問題じゃないのじゃないか。問題の一つは、やはり私はたばこの内容といいますか、それらに関係があると思うのでありますが、あとでもう少しこまかく触れますけれども、これまでたばこを発売されて、途中でやめた商品もかなりありますね。だから、そのやめた商品は、それではそいううデザインが悪いからやめたのか、一体その中身が必ずしもそういう期待に沿うことでなかったのでやめたのか、おそらくそれらは調査をしておられるのかどうかよくわかりませんけれども、まあそこらはあとでひとつまたこまかく伺っておきたいと思います。で、ちょっと時系列的に見ますと、実は昭和三十九年以前はばらばらでありますが、最近はたばこの新発売というのが多いのであります。昭和三十九年は「ホープ」のLというのと「ひびき」が発売をされております。昭和四十年は「エムエフ」というたばこ――これだと思います。それから  「ピース」の長いのが発売をされております。昭和四十一年は「やまと」「こはく」「わかば」と、この年は実は本日名のたばこだけが三つ発売をされております。いま私が提示しました中で、「やまと」というのは、ここには入っていないな…。

北島武雄日本専売公社総裁

○北島説明員 もうなくなりましたから……。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 それでは、これはいま発売しているたばこだけですから、ないでしょうが、それから四十二年が「ハイライト」と「ルナ」ですか――これですね。その次、四十三年は「エコー」、もう完全に横文字だけ。四十四年が「セブンスター」、これも一つ。四十五年が、いま総裁のおっしゃった「らん」と「エポック」と「チェリー」。それから四十六年が「チェリー」の二十四本人と「ベルミニ」というんですが、これですね。こういうふうに発売をされておる経過を見ますと、少なくとも四十一年に「やまと」「こはく」「わかば」というのが発売された後は、四十五年に「らん」というのが発売されただけで、あと全部横文字ばかりで発売をされておるというのが、日本のいまのたばこの現状であります。日本国有鉄道がやはり同じような三公社としてあるわけですが、日本国有鉄道が列車にいろいろ名前の表示をいたしております。たとえば特急「ひかり」とか「こだま」とか、あるいは「彗星」とか「明星」とか「銀河」とか、各種の表示があります。しかし、日本国有鉄道は、あの人たちの嗜好がそういう横文字好みだからといっても、ここにセブンスターだとか、ピースでもいいですが、ホープとかというような名前を一切つけていないわけですね。日本国有鉄道というのは公社ですが、そういう意味では公社の体をなしていると思うのですが、大蔵大臣、この日本国有鉄道と比較をして、あなたの所管をされておる専売公社のこういう姿というのは改善をされるべきものではないかと私は問題提起をしたいのですが、どうでしょうか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 いい和名があるんならこれにましたことはないと私は思いますが、いまこの資料で見ますと、三十三の銘柄のうちで和名が十一、それから外国名が十八、今度ハイライトというようなつくったことば、造語の名前を持っているのが四つということになりますと、大体外国名が約六割、日本名が三割三分ということになっておりますので、これはいい和名があるんなら日本名にましたことはないと思っております。  しかし、各国のあれを聞きますと、自国語だけではなくて、みんないろいろ外国語の名前もたばこにはとっておるようでございますが、問題は、消費者から受け入れられるといいますか、親しまれるといいますか、そういう名前がやはりつけいいということを考えますと、和名というのは、日本語ですから、たくさんことばがございますので、もっと外国語のたばこでない時代でしたらいいのですが、六割もこういうことになってきますと、やはり一般の和名の名前よりも何かたばこらしい名前というようなことで、このほうが受け入れられるというような関係もあるんじゃないか。私はデザインだけの関係でもないような気がします。したがいまして、あながち全部たばこの名前が外国語ではいけないということはいえないと思いますが、三割三分というのが考え方によったらあるいは少ないかもしれません。それは改善することのほうがいいと思います。しかし、大体たばこということば自身がこれはもう日本語ではないので、外国から来たことばでいうのですから、これはやはり何かそういう若干宿命は持っているような気がいたしますので、いいことばがあったら和名にましたことはないのですが、全部外国語ではいけないという限ったことではないだろうと思います。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 大臣も改善したほうがいいと言われております。私もそんな極端な議論をしようという気はないのです。ないのですけれども、やはり日本の国民に競争があって、きょう前段のように、民間の会社で競争をして少しでも売ろうとすれば嗜好に迎合しなければなりません。しかし、いまや専売公社が売らなければだれも買えないのですよ。専売公社法でどう書いてありますか。私はあとで罰則のところをやりますが、みだりにかってなものをつくったら、専売公社法違反でいろいろなかっこうで検挙されてしまう。それだけ法律で担保されておって国が専売しておるものを、なぜそんなに迎合的に処理をしなければならないのか。私はやはり日本の専売公社は日本の名前のものが主体であって、プラスアルファとしてその他の名前のものがあるというなら了解します。だから、これを逆にしましょう、今後。これまでのやつは一応ここにたな上げにして、今後発売するものは、今後毎年度、その年度とその後における通算を含めて、少なくとも外国名のものは三〇%をこえないようにしてもらいたい。そうしてすみやかに全体としても六〇%が日本の商品名になり、その日本の中のことばは私はいまここにある「ひびき」とか「わかば」とか「いこい」とか、こういうふうにありますね。「らん」 「富士」、これ以外に日本でたばこの銘柄として適当なものを専売公社はたばこ喫煙家から募集をすればいいのじゃないですか。日本名の一番たばこにふさわしい名前とデザインを国民の皆さんからひとつ求めましょう。そしてある程度賞金を渡せばいいですよ。それこそ私は百万円使ったっていいと思う。百万円使っても、それは国民がそういうことで日本名前のたばこというものをみんなで自分たちの専売公社につくらせようというのなら、私は大いに意義があると思うのです。そういうデザインの専門家だけで――そのテザインの専門家は民間ベースですよ、彼らは。民間ベースで売らんかなというためにつくるところのデザインです、これはこれはみんな。私は日本専売公社というのはそういう姿であっていいとは思わない。きょうだいぶ販売促進課の問題について議論もありました。私は全く同感だと思います。発想が、専売公社もそれは売ること自身がやはり一つの目的ですから、私は売るなということを言うつもりは一つもございません。しかし、国民に迎合してまでそういう国の機関が一体どこの国のたばこかわからないようなものをつくるというこの行き過ぎは、私は断固訂正してもらわなければ困ると思うのです。大臣、どうでしょう。いま私が提案している今後の発売品は、少なくとも外国商品名あるいはハイライトであるとか、確かに意味のないごろだけでしょうね、意味のない文字をつづられているような気もするわけですが、いま私が問題提起をしたように、ひとつ国民の参加によるところの銘柄と、それからデザインを広く募集をして、そしてその年度における発売量の三分の二はそれをもって当てる、あとの三分の一は、一ぺんに変革できないでしょうから、従前どおりのやり方で行なう、こういうことで漸次改善をしてもらいたい。そういうことで、それが第一点。  第二点は、「しんせい」とか「こはく」もそうですが、日本の名前のものがここまできていて全部日本語に直せと私は言いませんけれども、少なくとも横文字は一つにして、あとは日本の名前のものは日本語で表示してもらいたい。「しんせい」というのが全部横文字で表示されては新生の感じがしないですよ。「しんせい」は私は初めは新生という漢字を当てられておったように思うのですが、(「酒の神聖と違うのか」と呼ぶ者あり)新しく生まれるだ。これでは何だかさっぱりわからぬ。だから、あとの二点も日本語で表示するということ、これをひとつ大臣、監督の立場にある大蔵大臣として明快な答弁をいただきたいのですが、どうでしょうか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 御趣旨は賛成であります。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 わかりました。大臣が趣旨は賛成だとお答えいただきましたので、ひとつ専売公社のほうでも、いまの大蔵大臣の趣旨に沿って、今年度からたばこのデザインと表示については改善をしていただきたい。ことしまた発売されたのに「カレント」というのがあります。これもやはり、確かにカレントというのは英語でしょう。全部「CURRENT」 「CURRENT」 「CURRENT」となっておりまして、日本語はここに小さく、赤いところに銀色で「カレント」と書いてある。これをちょっとごらんください。――そういうことで、それじゃ、公社の総裁も善処をお願いしたいと思いますが、よろしゅうございますか。

北島武雄日本専売公社総裁

○北島説明員 できるだけ御趣旨に沿うようにしたいと思います。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 その次に、けさほどからもだいぶお話が出ておりましたけれども、私、昨年の予算委員会の総括質問でたばこの有害表示の問題を取り上げ、さらに昨年の十二月十四日の当委員会に専売審議会のお医者さん、先生方をお招きして論議をさせていただきました。いろいろ経緯はございましたけれども、幸いに、けさ専売公社の総裁がお答えになっておりましたように、表示がされるこことになりました。ここにいま新しく表示されたものの見本をいただいたので、「健康のため吸いすぎに注意しましょう」これはたいへん明瞭に読めるように表示をしていただきました。私は日本の専売公社のこういう歴史の中の一つの――どこかに書いてありましたが、「エポック」――エポックメーキングな実は事態だ、こう考えておるわけであります。この表示は、私はこの表示を拝見してようやく日本のたばこだということがわかるようになったんじゃないかと思うのです。これは「Sevn Stars」 「Sevn Stars」と書いてありますが、その横にはっきりと日本語で「健康のため吸いすぎに注意しましょう」と書いてございます。これはどうぞひとつ回しますから、ごらんください。このことは、たいへんいろいろと関係の皆さんの御努力もあって、今日こういうことになりましたのは、必ずしも私が考えておりましたほどのことにはなりませんでしたけれども、まあ一歩前進ということで、たいへんけっこうだと思っております。どうかひとつ、いまの表示のスタイルをくずさないように今後も努力を続けていただきたいと思います。  そこで、ちょっとそれに関連をいたしましてお伺いをしたいのは、さっきちょっと申し上げた、販売をして、やめているたばこがかなりありますが、私、最近こういうことを耳にするわけであります。たばこのいろいろな公害といいますか、健康に対する障害の問題が出てまいりましてから、刻みたばこを吸おうという方が各地でかなりあるようであります。きせるで刻みたばこを吸うということになると、あれではなかなか大量に吸えません。ちょっとずつしかやれませんし、そうあれで長時間吸っているわけにいきませんので、たばこの量についても減らせるし、同時に、長いきせるで吸うわけでありますから、タールその他も途中で吸収をされるのでたいへんいいと思って買いに行くけれども、手に入らないという声が最近実は非常に多いわけであります。  そこで、ちょっとこの資料を調べてみますと、この刻みたばこというのは、いまここにございますのは「ききょう」ですが、もと「みのり」というのもたしか私が承知している範囲では――「国分」ですかな、「水府」だったかな、何かそういうのもあったと思うのですが、この資料に載っておりませんからずいぶん昔なくなったんだろうと思うのですが、資料に出ておりますのは「ききょう」と「みのり」であります。ところが、この「ききょう」のほうは、現在まだ六億一千四百万円の売り上げ、販売高があるようでありますが、「みのり」は、昭和四十一年に二億八千三百万円になったところで、実は廃止をされました。廃止をされたので国民は――その「ききょう」というのは、昭和四十年には九億七千二百万円でありましたものが、逆に、「みのり」がなくなったために、十一億六千七百万円と、約二億円ばかり「ききょう」のほうがふえました。そうしてそれがまただんだん減って、いま六億一千四百万円でありますが、私が承知しておる人たちの声を聞くと、買いに行ってもない、こう言っているわけです。買い集めてもなかなか集められない。ある私の友人の一人は、前の専売公社の副総裁をしておられた佐々木さんと個人的にたいへん、親戚の関係で心安いので、彼も刻みを吸うので、もうあっちこっち探し回っても手に入らないから、一ぺん買ってくれないかと言って頼んだそうであります。そこでまあ十個か二十個ぐらい買ってくれるのかと思ってもらいに行ったら、六個渡してくれた。専売公社の副総裁でも六個くらいしか手に入らないんだなと言って、私に話をしておったことがあるのであります。これはちょっと、私、公社で少し考えていただく余地のあることじゃないかと思うんですね。生産量を減らしてしまって、そこになければ売れない、こういうことのようですから、それはおそらく少し調べられると、店舗で「ききょう」、要するに刻みが売れる店舗とほとんど売れない店舗があるんですね。この程度の販売量ならば、売れる店舗にはもう少し品切れにならないように供給をしてあげる必要があるんじゃないかと思いますね。  ですから、この点ひとつ、国民の嗜好というのは千差万別でありますし、私はたばこ有害の立場に立つと、いまの刻みで吸っていただくというのはたいへん節煙になってけっこうだ。専売公社から見ますと、これは収入としては少し問題があるだろうと思います。その問題のある理由は、たばこの定価の推移というのをちょっとながめてみますと、「ききょう」というのは昭和二十三年七月二日に六十円という定価がきまって、今日まで実は価格が変動していないわけですね。昭和二十三年から二十年間、たばこの価格は固定しておる。これでは確かに専売公社としてはもうからないと思いますね。だから、もうからないものはもうできるだけ減らしていこうかということで減らされたのでは、私は、これは専売をしておる公社のたてまえからしては問題があろうかと思う、こういうふうに考えます。六十円に据え置いていただいていることはたいへんけっこうなんです。たいへんけっこうなんですが、もうからなければあまりつくる意欲がないというのでは困るので、専売公社の場合は、やはり国民の嗜好に応じたものを国民に提供する責任があると思いますので、この点について、いまの私の言った刻みたばこについて、そうだからといって、むだになるものを生産していただくつもりはありませんから、これらは全国的にたばこ小売り店を調査をして、要するに、この小売り店ではどの程度売れるのか、実際にはもっと需要があるのかないのかを調査をして、それらを勘案しながら、国民が必要とする刻みたばこを生産をしてもらいたい、販売をしてもらいたいと思いますが、総裁、いかがでございましょうか。

北島武雄日本専売公社総裁

○北島説明員 刻みにつきましては、生活様式も変わってまいりますし、だんだん吸う方も減ってまいったわけであります。現在、おそらく推定人口としては、刻みを吸っている方は三十五万人程度、こう考えます。四十一年ころは、むしろ刻みがたいへん余りまして、ストックをだいぶかかえたわけでありまして、その後、それではいけない――しかも一方、だんだん刻みを吸う方が老齢化してまいりまして、現在七十二歳ぐらいで吸っているというようなことで、年々減ってまいりますので、相当節減したわけでございます。それがかえってはね返りが参った、こういうことであります。まあこれではいけないということで、現在、目下増産すべく努力をいたしておりまして、これを担当いたしております徳島県の池田工場でも増製超勤をやる、こういうことで労働組合とも話し合いをいたしまして、そういうことにいたしております。  ただ、刻みにつきましては、今後の推移を考えますと、やはり減っていくことは事実であると思います。したがいまして、全国的にすべての店に配置いたすことは、これはとても、かえって渡らないので、現在でも重点的に配置いたしております。今後そういった配置につきましてきめこまかくいたしまして、しかも必要なものは増産するならするということで対処してまいりたいと思っております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 ですから、少し消費者の便宜をはかっていただくためには、どこに行けば刻みたばこは十分買えますよということが、その地域でわかるようにしてあげればいいのじゃないかと私は思うんですね。とにかく買いに歩くのはたいへんだ、こういうふうに言っております。それはそうだろうと思いますから、ひとつその点を配慮をしていただきたいと思います。  それからもう一つ、最近は、日本の場合いろいろとリバイバルといいますか、なつかしのメロディーとかいうのをなつメロというようでありますが、そういう多少復古調の問題があるんですね。これは、一つは宣伝の問題もあるのじゃないかと思うんですね。やはりいまのきせるで吸うというあれは、ちょっといいものなんですよ。最近、御承知のように、和服がたいへん普及をしてきて、一時はほとんどの人が洋服を着ておったものが、最近、和服の売れ行きというものは、若い人を含めてたいへんふえてきておりますね。そういう和服を生活様式の中に取り入れるということは、やはりこういうきせるなり刻みたばこというものをもう少し――同じたばこの中では害が少ないということは、これは間違いがないと思います。長いきせるで吸うし、量も知れています。一回吸う量も知れているしするので、少しこれについて――私は何も宣伝してくれということではありませんけれども、何らか少し考え方によってはいまの問題が、年齢的にも戦前に吸っていた方だけということでなしに、新しい道に通じて、それがいまの自動的に吸い過ぎにならない仕組みにもなっておると思いますので、配慮をしていただきたいと思います。いまの二点について総裁、いかがでございましょうか。

北島武雄日本専売公社総裁

○北島説明員 リバイバルということで一部にはきせるで吸う方も出てきたようでありますけれども、全体として考えますと、何といっても生活様式の変遷、これは疑うべくもございません。和服はまだ現在の日本人の生活においてリバイバルで着られておりますけれども、やはり刻みたばこというものは、火ばちの前でたどんか炭でぽんとやるというのが大体刻みを吸う形式でございます。そういったことから考えまして、私はいまの若い人に刻みがそう普及しようとは考えません。ただ、刻み愛好者は確かにいらっしゃるわけです。その方々にはできるだけ御不自由をかけないようにしたい、こう考えております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そこで、いまのたばこの有害に関係をいたしまして、実は最近のアメリカのいろいろな調査資料でも、日本でもそうでありますが、たばこが有害で一番健康に害があるのは、どうも若い年齢、未成年の時期にたばこを吸うことが非常にその後の健康状態に影響するということが、研究の結果だいぶ明らかになってきたようであります。幸いわが国には、そういう意味では、けさも話が出ましたけれども、未成年者喫煙禁止法というものがあります。ところが、大蔵大臣、あなたも最近こんな法律耳になすったことないでしょうから、ちょっと読み上げますけれども、これは明治三十三年三月七日法律三十三号でつくられ、昭和二十二年に改正をされたかたかなの法律です。第一条、未成年の喫煙禁止「満二十年ニ至ラサル者ハ煙草ヲ喫スルコトヲ得ス」こう書いてあります。第二条「前条ニ違反シタル者アルトキハ行政ノ処分ヲ以テ喫煙ノ為ニ所持スル煙草及器具ヲ没収ス」こうあります。第三条、「未成年者ニ対シテ親権ヲ行フ者情ヲ知りテ其ノ喫煙ヲ制止セサルトキハ一円以下ノ科料ニ処ス」よろしゅうございますか。「一円以下ノ科料ニ処ス」。「親権ヲ行フ者ニ代リテ未成年者ヲ監督スル者亦前項ニ依リテ処断ス」。第四条、販売者に対する罰則「満二十年ニ至ラサル者ニ其ノ自用ニ供スルモノナルコトヲ知りテ煙草又ハ器具ヲ販売シタル者ハ十円以下ノ罰金ニ処ス」こう書いてあるのです。大蔵大臣、よろしゅうございますか。私はこの法律が明治三十三年にできたということは、今日たいへん先見の明があったと思います。御承知のように、海外では、私もちょうど戦争中シンガポール等へ参りましたら、あの付近の子供たちがみんなたばこを吸っておるわけですね。六歳、七歳、八歳といったような子供がたばこを吸っているのを見てびっくりいたしました。その後はどうなっておるか私もつまびらかでありませんが、私は日本のこの未成年者喫煙禁止法というのは非常にいい法律だと思っておるわけですが、いささかちょっとこの罰則の一円とか十円という表現は時宜に適さざるのも著しい、こう思うのですね。  ですから、これを全部直す必要ありませんし、何もそれで私は人を罰しようという気持ちがあるわけではありませんけれども、いささかちょっと一円以下の科料とか十円以下の罰金とかいう表現は時宜に適さないので、これはひとつ来国会に適当な機会に改めて、改めると、同時に、そのことによって未成年者に喫煙をさせないということをここでクローズアップする一案として、そういう政治的なモーションを起こすといいますか、そういうことに役立てる意味で――私は罰する意味で言っているんじゃないですが、ややこれは時宜に適さないしするので、ひとつこの問題の改正を政府は考えていただいたらどうかと思いますが、大蔵大臣、いかがでしょうか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 改正されているのだそうでございます。

福間威大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○福間政府委員 実はちょっと手元に、いつか日付がはっきりしないのでございますけれども、罰金等臨時措置法によりまして、両方とも罰金額の改正をすでにやっております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 幾らになっておるのですか。

福間威大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○福間政府委員 第三条のほうは一円を千円に変えております。それから第四条のほうは十円を二千円に変えております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 法律だけを見たらそうなっておるものですから、ちょっとそういうふうに直っていないのじゃないかと思ったので、そういうふうに変わっているならけっこうですけれども、ひとついまの未成年者喫煙禁止法を専売公社としては何かもう少し、あなたのほうはちょいちょい宣伝もしておられるわけですから効果的に、未成年者の喫煙というのは害がある、これは法律で禁止されているのですから、あなたのほうも害があるということは当然公式に言えることだと私は思うのです。だから、未成年者が喫煙することは害があるから、法律で禁止しておるから、これについてはひとつ関係者は十分注意をして、未成年者の喫煙をさせないようにしようというやり方をやってもらいたいと思うのですが、いかがでしょうか。

北島武雄日本専売公社総裁

○北島説明員 未成年者喫煙禁止法の趣旨につきましては、機会あるごとに小売り店には徹底させるようにいたしておりますし、それから、各種の広告をいたします場合にも、必ず未成年者の喫煙は禁止されておりますということを書くようにいたしております。その他機会あるごとはそういったことにつとめたいと思っております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 その次に、実は罰則の問題を少し伺っておきたいのですが、「たばこ専売法違反者処分人員数」というのが「専売統計要覧」に出ております。その中で検挙人員というのが昭和四十五年は一万六百五人、こうなっておるわけであります。その次の項の処分人員というのは九百九十二人。ですから、一万人検挙をして処分は九百九十二人でありますから、約一〇%程度が処分をされて、あとの九〇%は処分されていない、こういうのが現状のようであります。そこで、その九〇%はどういう内訳になっておるのかを、ちょっと事務当局でけっこうですから、お答えをいただきたいと思います。

飯田頼之日本専売公社営業本部副本部長

○飯田説明員 九〇%が処分されておりませんけれども、これはほとんどが外国から帰りまして、外国のたばこを許可なく所持しておる、そういうケースでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そうすると、検挙ですか、それは。要するに、通関の処理なら、検挙じゃないんじゃないですかこれは。違いますか。

飯田頼之日本専売公社営業本部副本部長

○飯田説明員 通関で引っかかった数ということじゃございませんので、通関をも通りまして、そして国内へ持ち込みましてそれが見つかったということで、検挙でございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そうすると、いまのはやはり検挙なんですね。検挙が一万人あると、こういうことのようですが、それは、いまのこの項目の中には、処分人員のほうを言いますと、耕作に関するもの、販売に関するもの、非売渡製造たばこ同巻紙に関するもの、たばこ密製造に関するもの、製造たばこ密輸入に関するもの、その他、とありますが、そうすると、項目的には密輸入に該当するわけですか。

飯田頼之日本専売公社営業本部副本部長

○飯田説明員 違います。非売渡製造たばこ、この表では四十五年度では七百七十二人になっております。この項でございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 ちょっとこの表現がよくわからないのですが、非売渡製造たばこというのは、これはどういうことですか。

飯田頼之日本専売公社営業本部副本部長

○飯田説明員 専売公社が売り渡しました以外のたばこをさしております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そうすると、要するに、いまの通関の話ではないわけですね。外国から持ち帰ったたばこを通関のところで、余分に持っていて入ったからといって、引っかかっているのじゃなしに、PXとかそういう外国のというか、米軍関係からの横流しに関するたばこの検挙、これは中身はこういうことですか。

飯田頼之日本専売公社営業本部副本部長

○飯田説明員 はい、それが多うございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 わかりました。  そこで、いまここをこうずっと見ておりますと、その中で販売に関するものというのはだんだんとたいへん減っておるわけですが、多少最近になってふえておるというのは、製造たばこの密輸入に関するものというのがちょっとふえておりますね。いまの非売渡製造たばこもちょっとふえていますが、一般的には傾向としては減っておるので、たいへんいいと思うのですが、販売に関するものというので処分をされたものというのは、現状では何によって、どういうことが処分されているのでしょうか。

飯田頼之日本専売公社営業本部副本部長

○飯田説明員 公社の販売の許可を得ていないもの、つまりたばこを売りますのには、販売の指定を受ける必要がございます。その指定を受けない、無指定販売と申しております、そういうケースでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 現在公社のたばこの販売の形にはいろいろあると思うのですが、旅館やその他料飲店等で便宜上取り次ぎをしているというか、そういうのがかなり見受けられますね。これは取り扱い上はいまのこの項に入るのですか。

飯田頼之日本専売公社営業本部副本部長

○飯田説明員 ただいまのようなケースは、われわれは、いわゆる出張販売と呼んでおりますけれども、小売り店からそこへ出張いたしまして、そこで販売しているという形でやっております。そういう場合に違反があった場合には、この表で申しますと、一番最後の欄に「その他」というのがございます。それに該当いたします。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そうすると、いまあなたのほうで前段に言われたいまの違反、それはどういう例に具体的にはなりますか。ここで昭和四十五年に九十五例もあるわけですから、大体はどういうのに入るのでしょうか。

飯田頼之日本専売公社営業本部副本部長

○飯田説明員 先ほど申しましたこの九十五に相当するものは、販売に関するもの、先ほど申しましたように、無指定でございます。これはたとえばレストラン等で指定を受けまして出張販売しております。これなら正規でございますけれども、それを許可を得ていないもの、いわゆる無指定販売と申しますそういうものでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そうすると、それはいまの出張販売といったって、実際はだれも出張も何もしていませんね。それは形式的な手続でしょう。そういう形式的な手続は、申請すれば、いずれもあなた方のほうでは認めるという立場にあるんじゃないですか。どうなっているのですか。本来、たばこ店でもないものが看板かけてたばこを売るわけにいかないと思うのですね、日本の場合には。また、そんなことしたって買う人もないと思うのです。問題は、そういういまの、おそらく旅館とか料飲店とかで、顧客の希望に応じて、そこにあると非常に便利だからというので、たばこを買いおいたものを渡す。そうすると、それが手続がとれていなければ、いまのこの専売法違反になる。だから、それは逆に、そこの地域における料飲店とか旅館とか組合があるはずですから、そういうものを指導して、できるだけ全部手続をとらせるような指導をすべきじゃないでしょうか。その関係は一体どうなっているでしょうか。

飯田頼之日本専売公社営業本部副本部長

○飯田説明員 そういうふうに指導いたしております。  それから、先ほどちょっとことばが足りませんでしたが、旅館とかレストランにあるたばこは全部が全部出張販売のケースではございませんで、その旅館とかレストランで買い置きをいたしまして、そして別にお客さんの便宜をはかっておる、こういうケースもございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 買い置きして渡したのは違反にならないのですか。

齋藤欣一日本専売公社総務理事

○齋藤説明員 実は私、いま担当じゃございませんが、以前にやっておりましたので、少し混乱をしないように申し上げますと、出張販売と申しますのは、あるもとの小売り店がございまして、そこと話をして、その店の分を分けてもらって、そしてちゃんとケースに入れてお客さんに見えるように、レストランの中とかそういうところで売っているのが出張販売、買い置きというのは、そういうふうにお客さんの見えるように置いてはございません。ただ夜になって買いに行くのがめんどうだから、お客さんの便宜のために、もし聞かれた場合に、ございますというようなことでお渡しする。これは判例がございまして、あまり多額なものでないという場合、それから外にそういった陳列をしないというふうな場合は、これは合法であるということで、私たちもそういったものに対しては取り締まりをするということはいたしておりません。そういうことでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そうすると、犯罪に該当するやつは、具体的にはどういう例ですか。そうなると、どうもよくわからなくなってくるのです。

齋藤欣一日本専売公社総務理事

○齋藤説明員 ですから、出張販売の許可を受けないで、ケースをなにして、いかにも正規の許可を受けているようなかっこうで売っている、この場合は犯罪になります。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 それなら、いまのはそれはたいてい旅館か料飲店かでしょう。ほかにあまりないと思うのですかね。これ、九十五件、業態別にわかりますか。

飯田頼之日本専売公社営業本部副本部長

○飯田説明員 わかりませんです。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 いまわからないということですか。全然わからないということですか。

飯田頼之日本専売公社営業本部副本部長

○飯田説明員 これは全国集計いたしております。原簿はそれぞれの地方にございますので、時間をかけて調べれば……。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 いまわからない。

飯田頼之日本専売公社営業本部副本部長

○飯田説明員 そういうことでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 これ、一ぺん全部調べてみて――いまの程度のことは、私は、あまり悪意を持って犯罪をたくらんでやろうというようなことではないのじゃないかという気がするのですね、現状で。ただ問題は、そこで百円のたばこを百二十円で売ったというのなら、これはその他の専売法違反になるわけですよ。たしか価格その他――私、いまちょっと法律を持ってないけれども、前に読んだ記憶があるようで……。だから、それは別として、きまった価格で売られておるということで、商品ケースに入れることは、行ってみたら、よそでやっているから自分のところもひとつやったということで、そこでは手続をする必要があるのを知らなかったということもあるかもしれないと思う。どうかひとつそういう点はそういう関係者に十分周知徹底をさせ、やはりそういうことで申請があれば――どうせ扱うのなら、置いて売ろうと買いもちでやろうと、それは当事者たちがきめることだろうし、そうするためには手続はこうすればできますよということで、指導してやる必要があるのじゃないか。要するに、法律というものは罪人をつくるためにあるわけじゃありませんからね。だから、そういう点、ひとつ十分これらの関係者を指導して――こういうものは過去に比べれば減ってますが、依然として一年に百くらいずつあるというのはたいへん遺憾なことでもありますから、その点についてはひとつ十分そういう努力をしてもらいたいと思います。総裁、いかがでしょうか。

北島武雄日本専売公社総裁

○北島説明員 御趣旨まことにごもっともでございますので、いたずらに過酷なる処分になることのないよう十分指導いたします。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 大体、私、本日予定をした部分につきましては、政府側できわめて明快な御答弁をいただきましたから、これで質問を終わるようにいたしたいと思います。ただ、ここにお借りをしましたこれ、全部いますぐお返しをいたしますが、これらの問題について今後ともひとつ十分配慮されることを要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。

齋藤邦吉自由民主党

○齋藤委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。      ――――◇―――――

齋藤邦吉自由民主党

○齋藤委員長 次に、昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案、昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律及び公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。

齋藤邦吉自由民主党

○齋藤委員長 これより、両案について政府より提案理由の説明を求めます。田中大蔵政務次官。

田中六助自由民主党大蔵政務次官

○田中(六)政府委員 ただいま議題となりました昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその概要を御説明申し上げます。  この法律案は、国家公務員公済組合法等の規定により支給されている退職年金等につきまして、このたび別途本国会に提出されております恩給法等の一部を改正する法律案による恩給の額の改定措置に準じて年金額を引き上げることとするほか、外国政府職員等の期間の組合員期間への通算条件の緩和、長期在職した者にかかる退職年金等の最低保障額の引き上げ等の措置を講ずるとともに、琉球諸島民政府職員にかかる年金につき所要の改善を行なおうとするものであります。  次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。  第一に、旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法及び旧国家公務員共済組合法に基づく年金並びに現行の国家公務員共済組合法に基づく退職年金等のうち昭和四十五年三月三十一日以前に給付事由が生じたものにつきまして、恩給における措置にならい、昭和四十七年十月分以後、昭和四十六年十月に実施した年金額改定の基礎となった俸給を一〇・一%増額すること等により年金額を引き上げることといたしております。  第二に、長期在職した者にかかる退職年金または遺族年金及び廃疾年金につきまして、恩給における措置にならい、第一のように改定された額が、退職年金及び廃疾年金については十一万四百円、遺族年金については、五万五千二百円に満たないときは、それぞれ十一万四百円または五万五千二百円をもって当該年金額とすることといたしております。ただし、六十五歳以上の年金受給者及び六十五歳未満の妻、子または孫である遺族年金受給者につきましては、その十一万四百円または五万五千二百円をそれぞれ十三万四千四百円または六万七千二百円とすることといたしております。  第三に、外国政府職員等の期間の組合員期間への通算につきまして、恩給における措置にならい、昭和二十年八月八日まで外国政府職員等として勤務していた者に限ることとされていますが、昭和二十年八月八日前に外国政府職員等を退職し、引き続いて公務員となって同日まで勤務していた者についても、その外国政府等に勤務していた期間を組合員期間に通算することといたしております。  第四に、日本赤十字社の救護員期間の組合員期間へみ通算につきまして、恩給における措置にならい、その救護員となる前に普通恩給の最短恩給年限に達しないこと等の制限が付されていますが、その制限措置を廃止することといたしております。  第五に、琉球諸島民政府職員として在職した雇用人相当の者につきまして、その雇用人相当の者として在職した期間等を旧国家公務員共済組合法の組合員として在職した期間とみなし、かつ、同法の長期給付に関する部分の規定を適用したならば年金を受ける権利を有することとなる者には、沖繩復帰の日の属する月分以後、年金を支給することとする等恩給における措置にならい所要の措置を講ずることといたしております。  このほか、増加恩給の額が引き上げられること等に伴いまして、公務による廃疾年金及び公務傷病による死亡者にかかる遺族年金の最低保障額を引き上げることとする等所要の措置を講ずることといたしております。  以上が、この法律案の提案の理由及びその概要であります。  何とぞ、御審議の上、すみやかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。

齋藤邦吉自由民主党

○齋藤委員長 佐藤運輸政務次官。

佐藤孝行自由民主党運輸政務次官

○佐藤(孝)政府委員 ただいま議題となりました昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する年金の額の改定に関する法律及び公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。  この法律案は、旧国家公務員共済組合法及び公共企業体職員等共済組合法に基づいて公共企業体の共済組合が支給しております既裁定の年金につきまして、このたび別途国会に提案されました恩給法等の一部を改正する法律案による恩給の額の改定措置に準じて、その額を改定する等所要の改正を行なおうとするものであります。  次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。  まず、年金額の改定内容でありますが、公共企業体の共済組合が支給しております既裁定年金の額につきましては、昭和四十六年十月に実施しました年金額改定の基礎となった俸給を一〇・一%増額すること等により、昭和四十七年十月分以後、増額することといたしております。  また、年金の最低保障額も引き上げることとしておりますが、これは旧国家公務員共済組合法の規定による退職年金、廃疾年金及び遺族年金の最低保障額を、退職年金及び廃疾年金につきましては現行年額九万六千円を十一万四百円に、遺族年金につきましては現行年額四万八千円を五万五千二百円にそれぞれ引き上げることとしており、さらに老齢者にかかる退職年金及び廃疾年金の最低保障額を、現行年額十二万円を十三万四千四百円に、老齢者並びに妻、その子及び孫にかかる遺族年金の最低保障額を、現行年額六万円を六万七千二百円にそれぞれ引き上げるとともに、これら老齢者の範囲が現在七十歳以上とされているのを六十五歳以上に拡大することとしております。  このほか、旧国家公務員共済組合法の規定による障害年金、殉職年金及び障害遺族年金の最低保障額につきましても引き上げることとしております。  次に、公共企業体職員等共済組合法の一部改正につきましては、恩給制度の改正措置に準じて、外国政府等職員の在職期間の組合員期間への通算条件の緩和、日本赤十字社の救護員期間の組合員期間への通算制限の廃止等所要の改正措置を講ずることといたしております。  以上が、この法律案を提案する理由であります。  何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。

齋藤邦吉自由民主党

○齋藤委員長 これにて両案に対する提案理由の説明は終わりました。  両案に対する質疑は後日に譲ります。  次回は、明三十一日水曜日、午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。  午後三時五十六分散会

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